JP2024088720A - ジフテリア毒素-インターロイキン-3コンジュゲートに基づく方法及び組成物 - Google Patents

ジフテリア毒素-インターロイキン-3コンジュゲートに基づく方法及び組成物 Download PDF

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イー.フランケル アルトフル
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スコット アンド ホワイト ヘルスケア
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Abstract

【課題】インターロイキン-3受容体発現細胞の抑制方法、特に、インターロイキン-3受容体を発現する細胞に有毒である、ジフテリア毒素-ヒトインターロイキン-3コンジュゲート(DT-IL3)を使用することによる、そのような細胞の成長の抑制方法を提供する。
【解決手段】好ましい実施態様では、DT-IL3コンジュゲートは、ペプチドリンカーによって全長ヒトインターロイキン-3に融合したジフテリア毒素のアミノ酸1~388を含む、融合タンパク質である。ある特定の実施態様では、本発明の方法は、インターロイキン-3受容体の1つ以上のサブユニットを発現する、ヒトにおける癌細胞及び/又は癌幹細胞の成長を抑制するための、DT-IL3コンジュゲートの投与に関する。例示的な細胞として、骨髄性白血病癌幹細胞が挙げられる。
【選択図】なし

Description

本願は、両方ともその全体が、引用により本明細書に組み込まれている、2006年9月7日
に出願した特許文献1、及び2007年6月1日に出願した特許文献2の優先権の利益を主張し、
付与されている。
(1.発明の分野)
本発明は、インターロイキン-3受容体発現細胞の標的化方法、特に、インターロイキン
-3受容体を発現する細胞に有毒である、ジフテリア毒素-ヒトインターロイキン-3コンジ
ュゲート(diphtheria toxin-human interleukin-3 conjugate)(DT-IL3)を使用することに
よる、そのような細胞の成長の抑制方法を提供する。好ましい実施態様では、DT-IL3コン
ジュゲートは、IL-3をコードするDNAが、ジフテリア毒素(インタクトなままであるジフテ
リア毒素の触媒領域及び転位領域)の受容体結合ドメインの代わりに挿入された組換えコ
ンストラクトであり、これは翻訳されると、ペプチドリンカーによって全長ヒトインター
ロイキン-3に融合したジフテリア毒素のアミノ酸1から388を含むタンパク質を産生する。
ある特定の実施態様では、本発明の方法は、ヒトにおける癌細胞及び/又は癌幹細胞の成
長を抑制するための、DT-IL3コンジュゲートの投与に関し、この細胞は、インターロイキ
ン-3受容体の1つ以上のサブユニットを発現する。例示的な細胞として、急性骨髄性白血
病及び骨髄異形成症候群の癌細胞及び癌幹細胞が挙げられる。他の実施態様では、本発明
の方法は、パージされた骨髄又は末梢血が、例えば、造血機能を取り戻すための、患者中
への自家幹細胞移植(例えば、癌のための高用量の化学療法の後に必要とされる場合があ
る)に適しているような、インターロイキン-3受容体の1つ以上のサブユニットを発現する
細胞を除去するための、骨髄又は末梢血の生体外パージに関する。
(2.発明の背景)
(2.1癌療法)
癌は、最も重大な健康状態のうちの1つである。1300万を超える米国人が、2003年に癌
診断を受けることが予測されている(例えば、(非特許文献1)参照)。米国では、癌は、死
亡率において心疾患に次いで第2位であり、4死因のうちの1つを占めている。2002年に、
国立衛生研究所は、合計1716億ドルになる、癌の総費用を推定し、直接の支出は610億ド
ルであった。癌の発病率は、米国住民が加齢するにつれて増加することが広く予期されて
おり、この状態の影響をさらに増大させている。1970年代及び1980年代に確立された、癌
についての現在の治療レジメンは、劇的には変化していない。化学療法、放射線、及びよ
り新しい標的療法を含めた他の様式を含む、これらの治療は、最も末期の一般的な癌にお
いて利用される場合、限定された全体的な生存便益しか示してこなかったが、これはとり
わけ、これらの療法は、腫瘍塊を主に標的にするためである。
より具体的には、現在までの従来の癌診断及び療法は、大規模に急成長する新生細胞(
すなわち、腫瘍塊を形成する細胞)を選択的に検出し、根絶するように試みていた。標準
的な癌研究のレジメンは、過度の毒性を伴うことのない、すなわち、「最大耐量(maximum
tolerated dose)」(MTD)又は「無毒性量(no observed adverse effect level)」(NOAEL)
と多くの場合呼ばれる、最高用量の照射又は化学療法剤を投与するために主として設計さ
れることが多かった。多くの従来の癌化学療法(例えば、シクロホスファミドなどのアル
キル化剤、5-フルオロウラシルなどの代謝拮抗剤、及びビンクリスチンなどの植物アルカ
ロイド)、及び従来の照射療法は、細胞成長及びDNA複製に関与する細胞機構を主として妨
害することによって、癌細胞へのその有毒作用を発揮する。化学療法プロトコルは、治療
効力を増大させる試みにおいて、化学療法剤の組合せの投与を伴うことも多い。多種多様
な化学療法剤の利用可能性にもかかわらず、これらの療法は、多くの欠点を有する(例え
ば、(非特許文献2)参照)。例えば、化学療法剤は、正常であっても悪性であっても急成長
細胞への非特異的副作用のために、有毒であることで有名であり、例えば、化学療法剤に
より、骨髄抑制、免疫抑制、及び胃腸障害などを含めた、重大な、及び多くの場合危険な
副作用が引き起こされる。
他の種類の伝統的な癌療法として、手術、ホルモン療法、免疫療法、抗血管新生療法、
標的療法(例えば、癌標的に向けられた療法、例えば、Gleevec(登録商標)及び他のチロシ
ンキナーゼ阻害剤、Velcade(登録商標)、Sutent(登録商標)など)、及び患者における新生
細胞を根絶するための放射線治療(例えば、(非特許文献3)参照)などが挙げられる。これ
らの手法のすべては、効力の欠如(長期転帰(例えば、標的癌幹細胞不全による)及び毒性(
例えば、正常組織への非特異的作用による)に関して)を含めて、患者について重大な欠点
を提起する場合がある。したがって、癌患者の長期見通しを改善するための新規の療法が
必要である。
(2.2癌幹細胞)
癌幹細胞は、腫瘍の独特の亜集団(多くの場合、0.1~10%ほど)を含み、これは、腫瘍の
残りの90%ほど(すなわち、腫瘍塊)と比べて、より腫瘍形成性、比較的より遅成長性又は
静止性であり、腫瘍塊よりも多くの場合比較的化学耐性である。従来の療法及びレジメン
が、急速増殖細胞(すなわち、腫瘍塊を含む癌細胞)を攻撃するように主に設計されてきた
ことを考えると、多くの場合遅成長性である癌幹細胞は、従来の療法及びレジメンに対し
て、より早く成長する腫瘍塊よりも比較的耐性となり得る。癌幹細胞は、これらを比較的
化学耐性にする、多剤耐性及び抗アポトーシス経路などの他の特徴を発現する場合がある
。上述のことは、末期癌を有するほとんどの患者における長期利益を保証するための、標
準的な癌研究の治療レジメンの失敗、すなわち、癌幹細胞を適切に標的にし、根絶するこ
とへの失敗の主な理由を構成するであろう。場合によっては、癌幹細胞(複数も)は、腫瘍
の創始細胞である(すなわち、これは、腫瘍塊を含む癌細胞の前駆体である)。
癌幹細胞は、多種多様な癌の種類において同定されてきた。例えば、Bonnetらは、フロ
ーサイトメトリーを使用して、特定の表現型CD34+CD38-を有する白血病細胞を単離し、引
き続いて、免疫不全マウス中に移植されたとき、そこから白血病塊が派生した白血病を反
復することができるのは、白血病塊(leukemia bulk)のうちの残りの99%と異なって、これ
らの細胞(所与の白血病の1%未満を構成する)であることを実証することができた。例えば
、(非特許文献4)を参照されたい。すなわち、これらの癌幹細胞は、10,000個の白血病細
胞中1個未満として見出されたが、それでもこの低頻度の集団は、元の腫瘍中のものと同
じ組織学的表現型を伴って、重症複合免疫不全/非肥満糖尿病(severe combined immnunod
eficiency/non-obese diabetic)(NOD/SCID)のマウス中に、ヒト白血病を開始し、連続的
に移植することができた。
Coxらは、ヒト急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia)(ALL)細胞の小
さな亜分画を同定し、これは、表現型CD34+/CD10-及びCD34+/CD19-を有し、免疫無防備状
態マウス中にALL腫瘍、すなわち、癌幹細胞を移植することができた。対照的に、場合に
よっては、10倍多い細胞を注射したにもかかわらず、ALL塊を使用してもマウスの生着は
まったく観察されなかった。(非特許文献5)を参照されたい。
多発性骨髄腫は、細胞の小さな亜集団を含有することが判明し、これは、CD138-であり
、大きな塊集団のCD138+骨髄腫細胞と比べて、大きなクローン原性及び腫瘍形成性の潜在
性を有していた。(非特許文献6)を参照されたい。該著者らは、多発性骨髄腫のCD138-亜
集団は、癌幹細胞集団であると結論づけた。
Kondoらは、C6-グリオーマ細胞株から細胞の小集団を単離し、これは、免疫無防備状態
マウス中にグリオーマを自己複製し、反復するその能力によって、癌幹細胞集団として同
定された。(非特許文献7)を参照されたい。この研究において、Kondoらは、癌細胞株は、
該株の、免疫不全マウスに移植される能力を与える、癌幹細胞の集団を含有することを突
き止めた。
乳癌は、幹細胞特性を有する(表面マーカーCD44+CD24low lin-を有する)細胞の小集団
を含有することが示された。(非特許文献8)を参照されたい。全腫瘍細胞集団の1~10%に
対応する、これらの細胞のうちのわずか200個で、NOD/SCIDマウス中で腫瘍を形成するこ
とができる。対照的に、この表現型を欠いた20,000個の細胞(すなわち、腫瘍塊)の移植で
は、腫瘍を再成長させることはできなかった。
ヒト前立腺腫瘍に由来する細胞の亜集団は、そこからその細胞が派生した前立腺腫瘍の
表現型を自己複製し、反復し、それによって前立腺癌幹細胞集団を構成していることが判
明した。(非特許文献9)を参照されたい。
Fangらは、癌幹細胞性を有するメラノーマ由来の細胞の亜集団を単離した。特にこの細
胞の亜集団は、分化し、自己複製することができた。培養では、亜集団は球体を形成し、
一方、病変部からのより分化した細胞分画は、より接着性であった。さらに、球体様細胞
を含有する亜集団は、マウス中に移植した場合、接着細胞よりも腫瘍形成性であった。(
非特許文献10)を参照されたい。
Singhらは、脳腫瘍幹細胞を同定した。単離し、ヌードマウス中に移植した場合、CD133
+癌幹細胞は、CD133-腫瘍塊細胞と異なり、腫瘍を形成し、次いでこれは連続的に移植す
ることができる。(非特許文献11);(非特許文献12);(非特許文献13)を参照されたい。
従来の癌療法は、急速増殖細胞(すなわち、腫瘍塊を形成する細胞)を標的にするにする
ので、これらの治療は、癌幹細胞を標的化し、減退させることにおいて比較的効果がない
と考えられる。実際には、白血病幹細胞を含めた癌幹細胞は、従来の化学療法的療法(例
えば、Ara-C、ダウノルビシン)、並びにより新規の標的療法(例えば、Gleevec(登録商標)
、Velcade(登録商標))に対して比較的耐性であることが実際に示されてきた。化学療法に
対して耐性である、種々の腫瘍に由来する癌幹細胞、及びこれらが耐性である機構の例を
、以下の表1に記載する。
Figure 2024088720000001
例えば、白血病幹細胞は、比較的遅成長性又は静止性であり、多剤耐性遺伝子を発現し
、その化学耐性に寄与する特徴である、他の抗アポトーシス機構を利用する。(非特許文
献14)を参照されたい。さらに、その化学耐性により、癌幹細胞は、治療の失敗の一因と
なる場合があり、臨床的寛解後に、患者中に生存し続ける場合もあり、したがって、これ
らの残存する癌幹細胞は、後日に再発する一因となり得る。(非特許文献15)を参照された
い。したがって、癌幹細胞を標的にすることにより、癌患者のための長期転帰の改善が提
供されることが予期される。したがって、この目的に到達するために、癌幹細胞を標的に
するために設計された、新規の治療剤及び/又はレジメンが必要である。
(2.3急性骨髄性白血病)
米国、カナダ、及び欧州において、1年当たり約4万人の患者が急性骨髄性白血病(acute
myeloid leukemia)(AML)を発症している。例えば、(非特許文献16)を参照されたい。AML
は、成人において最も一般的な白血病であり、小児において2番目に多い白血病である。
治療及び合併症に付随する長期入院は、これらの地域における健康ケア費用のかなりの占
有率を示す。さらに、併用誘導及び強化化学療法を用いてさえ、ほとんどの患者は、最終
的にその疾患又は治療の合併症を再発し、これらが原因で死亡する。例えば、(非特許文
献17)を参照されたい。新規療法が緊急に必要である。AML細胞幹細胞の選択的標的化は、
安全でより有効な療法を提供することができる。
(2.4骨髄異形成症候群)
米国において毎年約20,000の骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome)(MDS)の新
規の症例がある。骨髄異形成症候群を有する患者は、一般に、赤血球、白血球、及び血小
板のうちの少なくとも1つ以上において、低血液細胞数を有する。検査すると、骨髄は、
形成異常又は過形成性であることが通常見出され、髄中に非常に多くの十分に機能してい
ない血液幹細胞が存在することを意味する。少数の割合のMDS患者は、再生不良性骨髄を
有し、髄中に非常にわずかな血液幹細胞しか存在しないことを意味し、これは、該疾患を
再生不良性貧血と類似しているように見せる。MDSを有するほぼ半分の人は、診断の時点
で症状を有していない。徴候及び症状が起こると、それらは、貧血、脱力感、疲労、頭痛
、あざ、出血の増加、発疹、発熱、口内炎及び長引く疾病を含み得る。MDSは、高齢者に
おいて増加する頻度で起こるが、小児においても起こり得る。患者の3分の1未満では、MD
Sは時間とともに進行することによって、急性白血病になる。診断の平均年齢は、70歳で
ある。MDSの治療は、MDSの種類、患者の病歴、並びにある特定の治療レジメンに耐える年
齢及び能力に応じて相当に変化し得る。治療選択肢として、支持的ケア、化学療法関連剤
、及び幹細胞移植(これは、50歳未満の患者においてのみ一般に使用される)が挙げられる
。しかし、現存する治療についての寛解率は比較的低く、新規な療法が必要である。
(2.5インターロイキン-3)
インターロイキン-3(Interleukin-3)(IL-3)は、多能性前駆体、及びコミットした骨髄
系リンパ系前駆体の増殖及び分化を支持するサイトカインである。例えば、(非特許文献1
8)を参照されたい。ヒトインターロイキン-3は、ヘテロ二量体(hetrodimeric)構造であり
、IL-3結合性α-サブユニットとβ-サブユニットからなるヒトIL-3受容体に結合すること
によってその効果を媒介する。αサブユニットは、リガンド結合のために必須であり、受
容体への特異性を与える。βサブユニットは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(g
ranulocyte macrophage-colony stimulating factor)(GM-CSF)及びIL-5受容体によっても
共有され、高親和性リガンド結合及びシグナル伝達のために必要とされる。IL-3の結合は
、α-及びβ-受容体サブユニットのヘテロ二量体化を誘発する。IL-3受容体は、ある特定
の正常造血細胞と比べて、AML、B細胞急性リンパ性白血病(B cell acute lymphocytic le
ukemia)(B-ALL)、ヘアリーセル白血病、ホジキン病、及びある特定の高悪性度非ホジキン
リンパ腫を含めた多数の血液癌((非特許文献19);(非特許文献20);(非特許文献21))、並び
にAML、骨髄異形成症候群(myelodsyplastic syndrome)(MDS)、T細胞ALL(T-cell ALL)(T-A
LL)、及び慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia)(CML)の癌幹細胞に対して過剰発
現される((非特許文献22);(非特許文献23);(非特許文献24);及び(非特許文献25)を参照さ
れたい。
(2.6ジフテリア毒素)
ジフテリア毒素(Diphtheria toxin)(DT)は、アルギニンに富むジスルフィドループによ
って転位ドメイン(アミノ酸187~388)及び細胞結合ドメイン(アミノ酸389~535;図1)に接
続された触媒ドメイン(アミノ酸1~186)からなる3つのドメインを有する535アミノ酸のタ
ンパク質である。例えば、(非特許文献26)を参照されたい。天然DTは、細胞表面上のヘパ
リン結合性上皮成長因子前駆体及びCD9に結合し、クラスリン-、ダイナミン-、及びATP依
存性受容体媒介エンドサイトーシスを受け、小胞ATPaseによるエンドソーム酸性化を伴っ
て、DT転位ドメインは、酸性残基のプロトン付加及び小胞膜中への自発的挿入を経て18~
22オングストロームのチャネルを形成する。触媒ドメインは、小胞中のフューリンによっ
て展開し、切断され、次いで、該触媒ドメインのC末端は、チャネルを通じて移動し、コ
ートマータンパク質、特にβ-COPに結合する。タンパク質ジスルフィドイソメラーゼは、
触媒ドメインの、DTの残部との結合を還元し、ペプチドは、細胞質ゾル中を通過する。Hs
p90は、再折りたたみを補助する。次いで、DT断片は伸長因子2をADPリボシル化し、タン
パク質合成不活性化及び細胞死に導く(図2)。(非特許文献27)を参照されたい。
(2.7組換えジフテリア毒素コンジュゲート)
組換えタンパク質-毒素コンジュゲートは、癌細胞表面上の受容体を特異的に標的にす
る新規クラスの腫瘍学的生体作用剤を代表する。これらの作用剤は、一般に、毒素を意図
された標的に向ける細胞選択的リガンドに融合した、触媒及び転位(しかし、細胞結合ド
メインではない)ドメインを多くの場合含む、切断された毒素からなる。1つのそのような
技術は、組換えジフテリア毒素(diphtheria toxin)(DT)を伴う。DTは、アルギニンに富む
ジスルフィドループによって転位ドメイン(アミノ酸187~388)及び細胞結合ドメイン(ア
ミノ酸389~535;図1)に接続された触媒ドメイン(アミノ酸1~186)からなる3つのドメイン
を有する535アミノ酸のタンパク質である。例えば、(非特許文献28)を参照されたい。天
然DTは、細胞表面上のヘパリン結合性上皮成長因子前駆体及びCD9に結合し、クラスリン-
、ダイナミン-、及びATP依存性受容体媒介エンドサイトーシスを受け、小胞ATPaseによる
エンドソーム酸性化を伴って、DT転位ドメインは、酸性残基のプロトン付加及び小胞膜中
への自発的挿入を経て18~22オングストロームのチャネルを形成する。触媒ドメインは、
小胞中のフューリンによって展開し、切断され、次いで、該触媒ドメインのC末端は、チ
ャネルを通じて移動し、β-COPを結合する。タンパク質ジスルフィドイソメラーゼは、触
媒ドメインの、DTの残部との結合を還元し、ペプチドは、細胞質ゾル中を通過する。Hsp9
0は、再折りたたみを補助する。次いで、DT断片は伸長因子2をADPリボシル化し、タンパ
ク質合成不活性化及び細胞死に導く(図2)。(非特許文献29)を参照されたい。切断型のDT
を利用する、いくつかの組換えDTコンジュゲートが、細胞培養で発現され、精製され、試
験されてきており、選択的細胞毒性が示されてきた。1つのそのような組換え毒素は、DT3
88IL-3コンジュゲートであり、切断されたDTは、その触媒ドメイン及び転位ドメインを維
持するが、その細胞結合ドメインは維持しない。
DT388IL-3は、DTの触媒ドメイン及び転位ドメイン(アミノ酸1~388)をコードする遺伝
子を、Met-HisリンカーによってヒトIL-3と融合することによって構築された。例えば、(
非特許文献30)を参照されたい。DT388IL-3は、患者に由来するIL-3R陽性AML細胞株及び原
発性白血病細胞に対して、強力且つ選択的に細胞毒性であることが示された。((非特許文
献31);(非特許文献32);(非特許文献33);(非特許文献34)を参照)。追加の研究により、DT3
88-IL3[K116W](アミノ酸116のリシンのトリプトファンへの突然変異に基づく)及びDT388I
L3[Δ125~133](IL3ドメインにおけるアミノ酸125~133の欠失に基づく)と命名されたDT3
88IL-3化合物の高親和性変異体は、白血病細胞に対して効力を増大させたことが判明した
((非特許文献35);(非特許文献36)を参照)。DT388IL-3はまた、ヒト白血病のある特定のマ
ウスモデルにおいて、抗腫瘍効力をインビボで実証した((非特許文献37);(非特許文献38)
;及び(非特許文献39)を参照)。安全性は、げっ歯類とサルにおいて、治療上活性な用量で
示された((非特許文献37);(非特許文献40);(非特許文献41)を参照)。DT388IL-3の臨床バ
ッチが調製され、INDが得られた(BB IND #11314)((非特許文献42)を参照)。
(3.発明の要旨)
本発明は、インターロイキン-3受容体発現細胞の抑制方法であって、そのような抑制を
必要とするヒトに、前記細胞を抑制するのに有効な量のヒトインターロイキン-3-ジフテ
リア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し得る担体を投与すること
を含み、ただし該インターロイキン-3受容体発現細胞は急性骨髄性白血病細胞ではなく、
該細胞は該インターロイキン-3受容体のα及びβサブユニットを発現する、前記方法に関
する。本実施態様の好ましい態様では、インターロイキン-3受容体発現細胞の成長が抑制
される。
本発明の本実施態様又は任意の実施態様では、インターロイキン-3-ジフテリア毒素コ
ンジュゲートは、共有結合によってジフテリア毒素に接続された、全長の、成熟した(シ
グナルペプチドを欠いている)ヒトインターロイキン-3を含むことができる。該ジフテリ
ア毒素は、細胞表面結合ドメインが欠失しているという点で改変されていることが好まし
い。例えば、該コンジュゲートは化学コンジュゲートであり、ジフテリア毒素部分(ジフ
テリア毒素の触媒ドメイン及び転位ドメイン)とインターロイキン-3部分とは、直接又は
化学リンカーを通じてのいずれかで一緒に化学的に結合している。場合により、該コンジ
ュゲートは、単一のポリペプチドとして発現される遺伝子組換え体である。コンジュゲー
トが組換えコンジュゲートである場合、翻訳されたコンジュゲートは、ペプチド結合によ
ってヒトインターロイキン-3に結合したジフテリア毒素の触媒ドメイン及び転位ドメイン
を含むことが好ましい。該コンジュゲートは、ペプチドリンカーによってヒトインターロ
イキン-3に結合したジフテリア毒素のアミノ酸1~388を含むことが最も好ましい。
本実施態様の具体的な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kg以上の用量
で投与することができる。他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから
1日当たり約20μg/kgの範囲の用量で投与することができる。さらに他の態様では、該コ
ンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与するこ
とができる。さらに他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当
たり約12.5μg/kgの範囲の用量で投与することができる。本実施態様の具体的な態様では
、該コンジュゲートは、1日当たり約5.3μg/kgの用量、又は1日当たり約7.1μg/kgの用量
、又は1日当たり約9.4μg/kgの用量、又は1日当たり約12.5μg/kgの用量で投与すること
ができる。具体的な態様では、該コンジュゲートは、過度の毒性を伴うことなく許容され
る最大用量である用量又はそれ未満で投与することができる。さらに、該コンジュゲート
は、1週間に少なくとも2回投与することができ、又は該コンジュゲートは、1週間に少な
くとも3回、1週間に少なくとも4回、1週間に少なくとも5回、1週間に少なくとも6回、若
しくは1週間に7回投与することができる。具体的な態様では、該コンジュゲートが2回以
上投与される場合、該コンジュゲートは、毎回1日当たり4μg/kg以上の用量で投与するこ
とができる。特に、該コンジュゲートは、1若しくは2週間又はそれ以上の期間にわたって
投与することができる。インターロイキン-3受容体発現細胞の成長が抑制される態様では
、該細胞の成長は、参照試料、すなわち、本発明のコンジュゲートと接触していない細胞
の試料と比較した場合、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも80%
、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%抑制することがで
きる。
別の実施態様では、本発明は、インターロイキン-3受容体発現細胞の抑制方法であって
、そのような抑制を必要とするヒトに、前記細胞を抑制するのに有効な量のインターロイ
キン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し得る担体
を投与することを含み、該コンジュゲートは1日当たり4μg/kg超の用量で投与され、該細
胞はインターロイキン-3受容体のαサブユニットを発現する、前記方法に関する。本実施
態様の一態様では、該細胞は、インターロイキン-3受容体のα及びβサブユニットの両方
を発現する。
本実施態様の具体的な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり4μg/kg超から1日当
たり約20μg/kgの範囲の用量で投与することができる。さらに他の態様では、該コンジュ
ゲートは、1日当たり4μg/kg超から1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与することがで
きる。さらに他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約1
2.5μg/kgの範囲の用量で投与することができる。具体的な態様では、該コンジュゲート
は、過度の毒性を伴うことなく許容される最大用量である用量又はそれ未満で投与するこ
とができる。さらに、該コンジュゲートは、1週間に少なくとも2回投与することができ、
又は該コンジュゲートは、1週間に少なくとも3回、1週間に少なくとも4回、1週間に少な
くとも5回、1週間に少なくとも6回、若しくは1週間に7回投与することができる。具体的
な態様では、該コンジュゲートが2回以上投与される場合、該コンジュゲートは、毎回1日
当たり4μg/kg超の用量で投与することができる。特に、該コンジュゲートは、2週間以上
の期間にわたって投与することができる。ある特定の態様では、インターロイキン-3受容
体発現細胞の成長は、参照試料、すなわち、本発明のコンジュゲートと接触していない細
胞の試料と比較した場合、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも8
0%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%抑制することが
できる。本実施態様の具体的な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約5.3μg/kgの
用量、又は1日当たり約7.1μg/kgの用量、又は1日当たり約9.4μg/kgの用量、又は1日当
たり約12.5μg/kgの用量で投与することができる。
さらに別の実施態様では、本発明は、インターロイキン-3受容体発現を示し、又は特徴
とする疾患又は障害の治療、予防、及び/又は管理方法であって、そのような治療又は予
防を必要とするヒトに、該疾患又は障害を治療、予防、又は管理するのに有効な量のイン
ターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し
得る担体を投与することを含み、ただし該疾患又は障害は急性骨髄性白血病ではなく、該
細胞はインターロイキン-3受容体のα及びβサブユニットを発現する、前記方法に関する
。本実施態様の一態様では、インターロイキン-3受容体発現は、インターロイキン-3受容
体を正常に発現する細胞上での、インターロイキン-3受容体の1つ以上のサブユニットの
過剰発現とすることができる。別の態様では、インターロイキン-3受容体発現は、インタ
ーロイキン-3受容体の1つ以上のサブユニットを正常に発現しない細胞上での、インター
ロイキン-3受容体の不適切な発現とすることができる。さらに別の態様では、インターロ
イキン-3受容体の1つ以上のサブユニットを発現する細胞の種類の存在又は過剰存在(over
-presence)を示し、又は特徴とする疾患又は障害。本発明の本実施態様において治療する
ことができる例示的な疾患又は障害として、それだけに限らないが、アレルギー性疾患若
しくは障害、自己免疫疾患若しくは障害、炎症性疾患若しくは障害、又は急性骨髄性白血
病ではない癌が挙げられる。疾患又は障害が癌である態様では、該癌は、難治性、又は多
剤耐性である場合がある。いくつかの実施態様では、該疾患又は障害はMDSである。
さらに別の実施態様では、本発明は、インターロイキン-3受容体発現を示し、又は特徴
とする疾患又は障害の治療、予防、及び/又は管理方法であって、そのような治療、予防
及び/又は管理を必要とするヒトに、該疾患又は障害を治療、予防、及び/又は管理するの
に有効な量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び
医薬として許容し得る担体を投与することを含み、該細胞はインターロイキン-3受容体の
αサブユニットを発現する、前記方法に関する。本実施態様の一態様では、該細胞は、イ
ンターロイキン-3受容体のα及びβサブユニットの両方を発現する。本実施態様の具体的
な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kg以上の用量で投与することができ
る。他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約20μg/kg
の範囲の用量で投与することができる。さらに他の態様では、該コンジュゲートは、1日
当たり約4μg/kgから1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与することができる。さらに
他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約12.5μg/kgの
範囲の用量で投与することができる。本実施態様の具体的な態様では、該コンジュゲート
は、1日当たり約5.3μg/kgの用量、又は1日当たり約7.1μg/kgの用量、又は1日当たり約9
.4μg/kgの用量、又は1日当たり約12.5μg/kgの用量で投与することができる。具体的な
態様では、該コンジュゲートは、過度の毒性を伴うことなく許容される最大用量である用
量又はそれ未満で投与することができる。本実施態様の一態様では、インターロイキン-3
受容体発現は、インターロイキン-3受容体を正常に発現する細胞上での、インターロイキ
ン-3受容体の過剰発現とすることができる。別の態様では、インターロイキン-3受容体発
現は、インターロイキン-3受容体を正常に発現しない細胞上での、インターロイキン-3受
容体の不適切な発現とすることができる。さらに別の態様では、インターロイキン-3受容
体を発現する細胞の種類の存在又は過剰存在を示し、又は特徴とする疾患又は障害。本発
明の本実施態様において治療することができる例示的な疾患又は障害として、それだけに
限らないが、アレルギー性疾患若しくは障害、自己免疫疾患若しくは障害、炎症性疾患若
しくは障害、又は癌(急性骨髄性白血病を限定することなく含めて)が挙げられる。疾患又
は障害が癌である態様では、該癌は、難治性、又は多剤耐性である場合がある。いくつか
の実施態様では、該疾患又は障害はMDSである。
本発明のさらに別の実施態様では、癌の治療、予防、及び/又は管理方法であって、そ
のような治療、予防及び/又は管理を必要とするヒトに、該癌を治療、予防、及び/又は管
理するのに有効な量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組
成物及び医薬として許容し得る担体を投与することを含み、癌細胞は、インターロイキン
-3受容体のα及びβサブユニットを発現し、ただし、該癌は、急性骨髄性白血病ではない
、前記方法が提供される。さらに別の実施態様では、本発明は、癌の治療又は予防方法で
あって、そのような治療又は予防を必要とするヒトに、該癌を治療又は予防するのに有効
な量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬と
して許容し得る担体を投与することを含み、癌幹細胞は、インターロイキン-3受容体のα
及びβサブユニットを発現し、ただし、該癌は、急性骨髄性白血病ではない方法に関する
本実施態様の具体的な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり4μg/kg以上の用量で
投与することができる。他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1
日当たり約20μg/kgの範囲の用量で投与することができる。さらに他の態様では、該コン
ジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与すること
ができる。さらに他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当た
り約12.5μg/kgの範囲の用量で投与することができる。本実施態様の具体的な態様では、
該コンジュゲートは、1日当たり約5.3μg/kgの用量、又は1日当たり約7.1μg/kgの用量、
又は1日当たり約9.4μg/kgの用量、又は1日当たり約12.5μg/kgの用量で投与することが
できる。具体的な態様では、該コンジュゲートは、過度の毒性を伴うことなく許容される
最大用量である用量又はそれ未満で投与することができる。さらに、該コンジュゲートは
、1週間に少なくとも2回投与することができ、又は該コンジュゲートは、1週間に少なく
とも3回、1週間に少なくとも4回、1週間に少なくとも5回、1週間に少なくとも6回、若し
くは1週間に7回投与することができる。具体的な態様では、該コンジュゲートが2回以上
投与される場合、該コンジュゲートは、毎回1日当たり4μg/kg以上の用量で投与すること
ができる。特に、該コンジュゲートは、2週間以上の期間にわたって投与することができ
る。他の態様では、該癌細胞又は該癌幹細胞の成長は、参照試料、すなわち、本発明のコ
ンジュゲートと接触していない細胞の試料と比較した場合、少なくとも50%、少なくとも6
5%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、
又は少なくとも99%抑制することができる。
これらの実施態様の他の態様では、ヒト患者は、癌からの寛解状態にあることができる
。さらに他の態様では、ヒト患者は、該コンジュゲートで以前に治療されたことがあり、
又は従来の化学療法剤で以前に治療されたことがあり、又は放射線療法を有する。さらに
別の態様では、ヒト患者は、本発明の化合物での治療と同時に、従来の化学療法剤を投与
することができ、又は放射線療法を受けることができる。他の態様では、ヒト患者は、本
発明のコンジュゲートを投与する前に、検出可能レベルの抗ジフテリア毒素抗体をまった
く有していない。さらに別の態様では、該方法は、従来の化学療法剤を投与することをさ
らに含む。特定の態様では、該癌は非造血系癌である。さらに該癌は、難治性又は多剤耐
性である場合がある。
具体的な態様では、本実施態様の方法は、本発明のコンジュゲートを投与した後に、ヒ
トに由来する試料中の、インターロイキン-3受容体のαサブユニット(いくつかの実施態
様では、α及びβサブユニット)を発現する癌細胞又は癌幹細胞の量をモニターすること
、及び参照試料又は該コンジュゲートを投与する前若しくは投与中の、該ヒトから得られ
る癌細胞若しくは癌幹細胞の試料と比較した場合の、該試料中に存在するαサブユニット
(いくつかの実施態様では、α及びβサブユニット)を発現する癌細胞又は癌幹細胞の量に
基づいて、さらなる治療過程を決定することをさらに含むことができる。
さらに別の実施態様では、本発明は、骨髄性白血病の治療、予防、及び/又は管理方法
であって、そのような治療、予防及び/又は管理を必要とするヒトに、骨髄性白血病を治
療又は予防するのに有効な量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含
む医薬組成物及び医薬として許容し得る担体を投与することを含み、該コンジュゲートは
、4μg/kg超の用量で投与され、骨髄性白血病細胞は、インターロイキン-3受容体のα及
びβサブユニットを発現する、前記方法に関する。特に、該骨髄性白血病は、急性骨髄性
白血病、慢性骨髄性白血病、又は骨髄異形成症候群とすることができる。いくつかの場合
では、該骨髄性白血病は、難治性及び/又は多剤耐性である場合がある。本実施態様のあ
る特定の態様では、該骨髄性白血病細胞は、インターロイキン-3受容体のα及びβサブユ
ニットの両方を発現することができる。
本実施態様の具体的な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり4μg/kg以上の用量で
投与することができる。他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1
日当たり約20μg/kgの範囲の用量で投与することができる。さらに他の態様では、該コン
ジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与すること
ができる。さらに他の態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当た
り約12.5μg/kgの範囲の用量で投与することができる。本実施態様の具体的な態様では、
該コンジュゲートは、1日当たり約5.3μg/kgの用量、又は1日当たり約7.1μg/kgの用量、
又は1日当たり約9.4μg/kgの用量、又は1日当たり約12.5μg/kgの用量で投与することが
できる。さらに、該コンジュゲートは、1週間に少なくとも2回投与することができ、又は
該コンジュゲートは、1週間に少なくとも3回、1週間に少なくとも4回、1週間に少なくと
も5回、1週間に少なくとも6回、若しくは1週間に7回投与することができる。具体的な態
様では、該コンジュゲートが2回以上投与される場合、該コンジュゲートは、毎回1日当た
り4μg/kg超の用量で投与することができる。特に、該コンジュゲートは、2週間以上の期
間にわたって投与することができる。ある特定の態様では、骨髄性白血病細胞の量は、参
照試料、すなわち、本発明のコンジュゲートと接触していない細胞の試料と比較した場合
、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少
なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%減少することができる。本実施態様の
具体的な態様では、該コンジュゲートは、1日当たり約5.3μg/kgの用量、又は1日当たり
約7.1μg/kgの用量、又は1日当たり約9μg/kgの用量で投与することができる。
これらの実施態様の他の態様では、ヒト患者は、骨髄性白血病の寛解状態にあることが
できる。さらに他の態様では、ヒト患者は、該コンジュゲートで以前に治療されたことが
あり、又は従来の化学療法剤若しくは放射線療法で以前に治療されたことがある。さらに
別の態様では、ヒト患者は、同時に、従来の化学療法剤又は放射線療法を投与することが
できる。さらに別の態様では、ヒト患者は、従来の化学療法を受けてから、1日、2日、3
日、4日、5日、6日、7日、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、
9カ月、又は12カ月後に該コンジュゲートを投与される。他の態様では、ヒト患者は、本
発明のコンジュゲートを投与する前に、低レベルの抗ジフテリア毒素抗体しか有していな
い、又は検出可能レベルの抗ジフテリア毒素抗体をまったく有していない。さらに別の態
様では、該方法は、従来の化学療法剤を投与することをさらに含む。
具体的な態様では、本実施態様の方法は、本発明のコンジュゲートを投与した後に、ヒ
トに由来する試料中の、インターロイキン-3受容体のα及び/又はβサブユニットを発現
する骨髄性白血病細胞の量をモニターすること、及び参照試料又は該コンジュゲートを投
与する前若しくは投与中の、該ヒトから得られる骨髄性白血病細胞の試料と比較した場合
の、該試料中に存在するα及び/又はβサブユニットを発現する骨髄性白血病細胞の量に
基づいて、さらなる治療過程を決定することをさらに含むことができる。
具体的な態様では、本実施態様の方法は、本発明のコンジュゲートを投与した後に、ヒ
トに由来する試料中の、インターロイキン-3受容体のαサブユニットを発現する骨髄性白
血病細胞の量をモニターすること、及び参照試料又は該コンジュゲートを投与する前若し
くは投与中の、該ヒトから得られる骨髄性白血病細胞の試料と比較した場合の、該試料中
に存在するαサブユニットを発現する骨髄性白血病細胞の量に基づいて、さらなる治療過
程を決定することをさらに含むことができる。
本発明は、癌を以前に治療されたヒトにおける癌の再発予防方法であって、癌を以前に
治療されていた、そのような予防を必要とするヒトに、該癌の再発を予防するのに有効な
量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬とし
て許容し得る担体を投与することを含み、癌細胞又は癌幹細胞は、インターロイキン-3受
容体のα及びβサブユニットを発現し、ただし、該癌は、骨髄性白血病ではない、前記方
法にも関する。別の実施態様では、本発明は、骨髄性白血病を以前に治療されたヒトにお
ける骨髄性白血病の再発予防方法であって、骨髄性白血病を以前に治療されていた、その
ような予防を必要とするヒトに、骨髄性白血病の再発を予防するのに有効な量のインター
ロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し得る
担体を投与することを含み、該コンジュゲートは、1日当たり4μg/kg超の用量で投与され
る、前記方法に関する。
さらに別の実施態様では、癌から寛解中のヒトにおけるそのような癌の再発防止方法で
あって、前記癌から寛解中の、そのような予防を必要とするヒトに、該癌の再発を予防す
るのに有効な量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物
及び医薬として許容し得る担体を投与することを含み、癌細胞又は癌幹細胞は、インター
ロイキン-3受容体のα及びβサブユニットを発現し、ただし、該癌は、骨髄性白血病では
ない、前記方法が提供される。本発明の別の実施態様では、骨髄性白血病から寛解中のヒ
トにおける骨髄性白血病の再発防止方法であって、骨髄性白血病から寛解中の、そのよう
な予防を必要とするヒトに、骨髄性白血病の再発を予防するのに有効な量のインターロイ
キン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し得る担体
を投与することを含み、該コンジュゲートは、4μg/kg超の用量で投与される、前記方法
に関する。
本発明は、自家幹細胞移植前の骨髄又は末梢血のパージ方法であって、ヒトから得られ
る骨髄又は末梢血を、該骨髄又は末梢血からインターロイキン-3受容体のα及びβサブユ
ニットを発現する細胞を有意にパージするのに十分な時間、一量のインターロイキン-3-
ジフテリア毒素コンジュゲートを含む組成物と生体外で接触させることを含む、前記方法
にも関する。本実施態様の一態様では、本発明のコンジュゲートと接触させた後の、イン
ターロイキン-3受容体のβサブユニットを発現する骨髄又は末梢血細胞の量は、少なくと
も50%、60%、75%、80%、90%、95%、又は少なくとも99%減少することができる。本発明は
、自家骨髄又は末梢血幹細胞移植の実施方法であって、ヒトにおける造血機能を再構成す
るのに有効な量の、有意にパージされた骨髄又は末梢血を前記ヒトに投与することを含み
、前記パージされた骨髄又は末梢血は、該骨髄又は末梢血からインターロイキン-3受容体
のα及びβサブユニットを発現する細胞を有意にパージするのに十分な時間、一量のイン
ターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートと以前に接触させた、前記ヒトから得ら
れた骨髄又は末梢血である、前記方法にも関する。さらに、本発明は、パージされた骨髄
又は末梢血を含む組成物であって、前記パージされた骨髄又は末梢血は、ヒトから得、該
骨髄又は末梢血からインターロイキン-3受容体のα及びβサブユニットを発現する細胞を
有意にパージするのに十分な時間、一量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュ
ゲートと生体外で接触され、次いで場合により、該骨髄又は末梢血細胞を患者中に再導入
する、骨髄又は末梢血である、前記組成物に関する。一態様では、該組成物は、医薬とし
て許容し得る担体をさらに含むことができる。
本発明のある特定の実施態様では、従来の化学療法及び本発明の方法は、逐次的に使用
することができる。本実施態様の具体的な態様では、患者の白血病芽球が、従来の化学療
法を使用することよって最初に低減され、その後にインターロイキン-3受容体のα及びβ
サブユニットを発現する癌幹細胞を有意に安定化させ、低減し、又は根絶するのに十分な
時間、一量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを投与することを含む
レジメンが続く。
(3.1定義)
本明細書で使用される場合、用語「作用剤」は、本発明のジフテリア毒素-インターロ
イキン-3コンジュゲートを含めて、癌の予防、治療、管理及び/又は診断において使用す
るための、任意の分子、化合物、及び/又は物質を指す。
本明細書で使用される場合、用語「本発明のコンジュゲート」は、ジフテリア毒素、そ
の部分、又はその類似体にコンジュゲートした、インターロイキン-3受容体、又はそのサ
ブユニットに結合する、インターロイキン-3又はその部分、類似体若しくは誘導体を指す
。別段の指定のない限り、用語「本発明の化合物」及び「本発明の組成物」は、用語「本
発明のコンジュゲート」の代替として使用される。
本明細書で使用される場合、特定の細胞集団又は細胞の量(amount)と関連して使用され
る場合の用語「量(amount)」は、該特定の細胞集団又は細胞の頻度、量(quantity)、パー
センテージ、相対量(amount)、又は数を指す。
本明細書で使用される場合、用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、別段の
指定のない限り、該用語によって修飾されている値の上下10%以下の値を指す。
本明細書で使用される場合、骨髄又は末梢血からインターロイキン-3受容体のα及びβ
サブユニットを発現する細胞をパージすることと関連して使用される場合の、用語「有意
に」は、インターロイキン-3受容体のα及びβサブユニットを発現する細胞の、少なくと
も50%、60%、75%、80%、90%、95%、又は99%の減少を指す。
本明細書で使用される場合、特定の細胞集団(例えば、循環内皮細胞及び/又は循環内皮
前駆体)と関連した用語「わずかな低減」は、該細胞集団(例えば、循環内皮細胞集団及び
/又は循環内皮前駆体集団)の30%未満の低減を指す。
本明細書で使用される場合、語句「診断薬」は、癌の診断目的で使用される、任意の分
子、化合物、及び/又は物質を指す。診断薬の限定しない例として、検出可能な作用剤と
コンジュゲートしたものを含めて、抗体、抗体断片、又は他のタンパク質が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「検出可能な作用剤」は、当業者に利用可能な任意の方
法によって検出可能な任意の分子、化合物、及び/又は物質を指す。検出可能な作用剤の
限定しない例として、色素、ガス、金属、又は放射性同位元素が挙げられる。本明細書で
使用される場合、診断薬及び「イメージング剤」は、等価な用語である。
本明細書で使用される場合、語句「予防剤」は、癌の予防目的で使用される、任意の分
子、化合物、及び/又は物質を指す。予防剤の例として、それだけに限らないが、タンパ
ク質、免疫グロブリン(例えば、多特異的Ig、単鎖Ig、Ig断片、ポリクローナル抗体及び
その断片、モノクローナル抗体及びその断片)、結合タンパク質、化学特異性剤(chemospe
cific agent)、化学毒性剤(chemotoxic agent)(例えば、抗癌剤)、増殖ベース療法(proli
feration based therapy)、及び小分子薬剤が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「治療剤」は、疾患又は障害の治療及び/又は管理目
的で使用される、任意の分子、化合物、及び/又は物質を指す。治療剤の例として、それ
だけに限らないが、タンパク質、免疫グロブリン(例えば、多特異的Ig、単鎖Ig、Ig断片
、ポリクローナル抗体及びその断片、モノクローナル抗体及びその断片)、ペプチド(例え
ば、ペプチド受容体、セレクチン)、結合タンパク質、生物製剤、化学特異性剤、化学毒
性剤(例えば、抗癌剤)、増殖ベース療法、放射線、化学療法、抗血管新生剤、及び小分子
薬剤が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「増殖ベース療法」は、より緩徐に分裂する細胞集団
と比較して、急速増殖細胞集団(例えば、癌細胞)を差動的に減退させ、抑制し、又は死滅
させる、任意の分子、化合物、物質、及び/又は方法を指す。増殖ベース療法として、そ
れだけに限らないが、癌研究において一般に使用される、化学療法的療法及び放射線療法
を挙げることができる。増殖ベース剤は、それだけに限らないが、DNA機能(DNA複製を含
めて)の破壊、DNA修復に関与する酵素の妨害、DNAへの介入、RNA転写又は翻訳の妨害、DN
A複製に関与する酵素の妨害、トポイソメラーゼIIなどのトポイソメラーゼの妨害、有糸
分裂の妨害、及び細胞複製に必要とされるタンパク質の合成に必要な酵素の抑制を含めた
、当業者に既知の任意の機構によって、急速増殖細胞を差動的に減退させ、抑制し、又は
死滅させることができる。増殖ベース療法の具体的な例として、それだけに限らないが、
アルキル化剤、ニトロソ尿素、代謝拮抗剤、抗生物質、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素
、白金ベース剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼII阻害剤、紡錘体毒、及び有糸
分裂阻害剤が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「癌」は、細胞の異常な制御されない成長から生じる
新生物又は腫瘍を指す。限定しない例として、節5.3.2に記載される癌が挙げられる。用
語「癌」は、前悪性及び悪性癌細胞の両方を伴う疾患を包含する。いくつかの実施態様で
は、癌は、対象の他の部分に伝播していない細胞の局在的な過成長、すなわち、局在的な
、又は時には良性の腫瘍を指す。他の実施態様では、癌は、隣接する身体構造に浸潤し、
これを破壊し、遠位部位に伝播した、悪性腫瘍を指す。さらに他の実施態様では、癌は、
特定の癌抗原に付随する。
本明細書で使用される場合、用語「癌細胞」は、アポトーシスを逃れる能力、成長シグ
ナルの自給自足、抗成長シグナルに対する非感受性、組織浸潤/転移、著しい成長潜在性
、及び/又は血管新生の持続を含めて、その発生の間に特徴的な一連の機能的能力を獲得
する細胞を指す。用語「癌細胞」は、前悪性及び悪性癌細胞の両方を包含することを意味
する。
本明細書で使用される場合、用語「癌幹細胞(複数も)」は、非常に増殖性の癌細胞の前
駆体となり得る細胞を指す。癌幹細胞は、免疫無防備状態マウスにおいて腫瘍を形成し、
一般に免疫無防備状態マウスにおいて、引き続いて連続的に移植すると腫瘍を形成する、
その能力によって実証されたように、腫瘍を再成長させる能力を有する。癌幹細胞は、腫
瘍の塊と比べて一般に遅成長性でもあり、すなわち、癌幹細胞は、一般に静止性である。
ある特定の実施態様では、すべてではないが、癌幹細胞は、腫瘍の約0.1%から10%を示す
場合がある。
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、癌及び1つ以上のその症状の発生、再
発、又は発症の予防をもたらすことによって、別の療法の予防効果(複数も)を増強若しく
は改善し、癌の重症度、継続期間を低減し、癌の1つ以上の症状を回復させ、癌の増進を
予防し、癌の退行を引き起こし、且つ/又は別の療法の治療効果(複数も)を増強若しくは
改善するのに十分な療法の量を指す。本発明の一実施態様では、療法の量は、1つ、2つ、
3つ又はそれ以上の療法の投与後に、以下の1つ、2つ、3つ又はそれ以上の結果を達成する
のに有効である:(1)癌幹細胞集団の安定化、低減、又は排除;(2)癌細胞集団の安定化、低
減、又は排除;(3)腫瘍又は新生物の成長の安定化又は低減;(4)腫瘍形成の減退;(5)原発性
、局所性、及び/又は転移性癌の根絶、除去、又は制御;(6)死亡率の低減;(7)無病、無再
発、無進行、及び/又は全生存の継続期間、又は割合の増加;(8)反応率、反応の永続性、
又は反応する、若しくは寛解中の患者数の増加;(9)入院率の減少、(10)入院期間の減少、
(11)腫瘍のサイズが維持され、増大しない、又は10%未満、好ましくは5%未満、好ましく
は4%未満、好ましくは2%未満しか増大しない、(12)寛解中の患者数の増加、(13)寛解の長
さ、又は継続期間の増加、(14)癌の再発率の減少、(15)癌の再発までの時間の増加、並び
に(16)癌関連症状及び/又は生活の質の回復。
本明細書で使用される場合、語句「高齢のヒト」は、65歳以上、好ましくは70歳以上の
ヒトを指す。
本明細書で使用される場合、語句「ヒト成人」は、18歳の年齢以上のヒトを指す。
本明細書で使用される場合、語句「ヒト小児」は、生後24カ月と18歳の年齢の間のヒト
を指す。
本明細書で使用される場合、語句「ヒト乳児」は、生後24カ月未満、好ましくは、生後
12カ月未満、生後6カ月未満、生後3カ月未満、生後2カ月未満、又は生後1カ月未満のヒト
を指す。
本明細書で使用される場合、語句「ヒト患者」は、高齢者、成人、小児又は乳児にかか
わらず、任意のヒトを指す。
本明細書で使用される場合、用語「難治性」は、臨床エンドポイント、例えば、反応、
反応の継続期間の延長、無病の延長、生存、無再発生存、無進行生存及び全体的な生存に
到達することへの失敗によって判断されることが最も多い。療法に対して難治性であるこ
とを定義する別の方法は、患者が療法への反応を達成することに失敗し、その結果、その
療法が治療上有効でないと判断されることである。
本明細書で使用される場合、用語「抗原に特異的に結合する」及び類似の用語は、一抗
原又は一断片に特異的に結合し、他の抗原には特異的に結合しない、ペプチド、ポリペプ
チド、タンパク質、融合タンパク質、抗原又はその断片を指す。抗原に特異的に結合する
、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、又は抗体は、例えば、イムノアッセイ、BlAcor
e、又は当技術分野で既知の他のアッセイによって判定されるような低い親和性で、他の
ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質に結合することができる。抗原に特異的に結合
する抗体又は断片は、関連抗原と交差反応性となり得る。一抗原に特異的に結合する抗体
又は断片は、他の抗原と交差反応しないことが好ましい。抗体が、ラジオイムノアッセイ
(radioimmunoassay)(RIA)及び酵素結合免疫吸着アッセイ(enzyme-linked immunosorbent
assay)(ELISA)などの実験技法を使用して判定されるような、任意の交差反応性抗原より
も高い親和性で抗原と結合する場合、抗体は該抗原に特異的に結合する。例えば、抗体特
異性に関する考察については、(非特許文献43)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、対象への療法の投与と関連した、用語「組み合わせて」は
、1つを超える療法(例えば、予防的及び/又は治療的)の使用を指す。用語「組み合わせて
」の使用により、療法(例えば、第1及び第2の療法)が対象に投与される順序は制限されな
い。一療法は、癌を有していた、有している、又は罹患しやすい対象に、第2の療法の投
与前に(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、2
4時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、
又は12週間前)、第2の療法の投与と同時に、又は第2の療法の投与に続いて(例えば、1分
、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72
時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投
与することができる。該療法は、一緒に作用することができるような順序及び時間間隔内
で対象に投与される。特定の実施態様では、該療法は、他の方法で投与された場合よりも
、利益が増大するような順序及び時間間隔内で対象に投与される。任意の追加の療法は、
他の追加の療法とともに任意の順序で投与することができる。
本明細書で使用される場合、対象への療法の投与と関連した、用語「管理する」、「管
理すること」及び「管理」は、癌の治癒をもたらさないが、対象が療法(例えば、予防剤
又は治療剤)又は療法の組合せから得る有益な効果を指す。ある特定の実施態様では、対
象に、1つ以上の療法(例えば、1つ以上の予防剤又は治療剤)を投与することによって、状
態の進行又は悪化を防止するように癌を「管理する」。
本明細書で使用される場合、細胞又は組織(例えば、正常細胞若しくは癌細胞又は腫瘍)
と関連した用語「マーカー」は、疾患若しくは障害によって冒された特定組織中、又は特
定組織上で同定することが望まれ、又は同定される、組織中又は組織上に特異的に見出さ
れる任意の抗原、分子又は他の化学的若しくは生物学的実体を意味する。具体的な実施態
様では、該マーカーは、特定の細胞型によって差動的又は優先的に発現される細胞表面抗
原である。例えば、白血病癌幹細胞は、正常造血幹細胞と比べてCD123を差動的に発現す
る。
本明細書で使用される場合、組織(例えば、正常細胞若しくは癌細胞、又は腫瘍細胞)と
関連した用語「マーカー表現型」は、疾患若しくは障害によって冒された特定組織を同定
することが望まれる組織中又は組織上に特異的に見出される、任意の抗原(例えば、受容
体、リガンド、及び他の細胞表面マーカー)、分子、又は他の化学的若しくは生物学的実
体の組合せを意味する。具体的な実施態様では、該マーカー表現型は、細胞表面表現型で
ある。本実施態様によれば、細胞表面表現型は、細胞表面抗原の組合せの発現を検出する
ことによって判定することができる。ある特定の腫瘍型の癌幹細胞の細胞表面表面型の限
定しない例として、CD34+/CD38-、CD123+、CD44+/CD24-、CD133+、CD34+/CD10-/CD19-、C
D138-/CD34-/CD19+、CD133+/RC2+、CD44+2β1 hi/CD133+、CLL-1、SLAM、及び本明細書
で述べられる他の癌幹細胞表面表現型、並びに当技術分野で既知のものが挙げられる。
本明細書で使用される場合、語句「医薬として許容し得る」は、連邦若しくは州政府の
管理機関によって認可された、又は米国薬局方若しくは欧州薬局方、若しくは動物、さら
に詳細にはヒトにおける使用のために一般に認知された他の薬局方に列挙されたことを意
味する。
本明細書で使用される場合、対象への療法の投与と関連した、用語「予防する」「予防
すること」及び「予防」は、療法(例えば、予防剤又は治療剤)、又は療法の組合せ(例え
ば、予防剤又は治療剤の組合せ)の投与から生じる、対象における癌又はその症状の再発
、発症、及び/又は発生の予防又は抑制を指す。いくつかの実施態様では、そのような用
語は、1つ以上の療法の投与後の、以下の1つ、2つ、3つ又はそれ以上の結果を指す:(1)癌
幹細胞集団の安定化、低減、又は排除、(2)癌細胞集団の安定化、低減、又は排除、(3)反
応率の増加、(4)寛解の長さ、又は継続期間の増加、(5)癌の再発率の減少、(6)癌の再発
までの時間の増加、(7)患者の無病、無再発、無進行、及び/又は全生存率の増加、並びに
(8)癌関連症状及び/又は生活の質の回復。具体的な実施態様では、そのような用語は、癌
幹細胞集団の安定化、低減、又は排除を指す。
本明細書で使用される場合、タンパク質性作用剤と関連した、用語「断片」及び「部分
」は、タンパク質又はポリペプチドの、少なくとも5個の隣接アミノ酸残基、少なくとも1
0個の隣接アミノ酸残基、少なくとも15個の隣接アミノ酸残基、少なくとも20個の隣接ア
ミノ酸残基、少なくとも25個の隣接アミノ酸残基、少なくとも40個の隣接アミノ酸残基、
少なくとも50個の隣接アミノ酸残基、少なくとも60個の隣接アミノ酸残基、少なくとも70
個の隣接アミノ酸残基、少なくとも80個の隣接アミノ酸残基、少なくとも90個の隣接アミ
ノ酸残基、少なくとも100個の隣接アミノ酸残基、少なくとも125個の隣接アミノ酸残基、
少なくとも150個の隣接アミノ酸残基、少なくとも175個の隣接アミノ酸残基、少なくとも
200個の隣接アミノ酸残基、又は少なくとも250個の隣接アミノ酸残基を指す。
本明細書で使用される場合、用語「所定参照範囲」は、対象又は対象の集団に関する、
特定の生物学的実体、例えば、癌幹細胞についての参照範囲を指す。各研究室は、各特定
のアッセイについてその独自の参照範囲を確立することができ、又は各アッセイについて
の標準的な参照範囲は、入手可能にし、局所的、地域的、国家的、又は世界的に使用する
ことができ、又は患者特異的とすることができる。一具体的な実施態様では、該用語は、
患者(例えば、インビボイメージングによって求められるような)又は患者からの検体おけ
る癌幹細胞の量についての参照範囲を指す。別の具体的な実施態様では、該用語は、患者
(例えば、インビボイメージングによって説明されるような)又は患者からの検体おける癌
細胞の量についての参照範囲を指す。
本明細書で使用される場合、用語「予防的に有効なレジメン」は、癌又はその症状を予
防するための、1つ以上の療法の投与の投薬、タイミング、頻度、及び継続期間について
の有効なレジメンを指す。具体的な実施態様では、該レジメンにより、1つ、2つ、3つ又
はそれ以上の以下の結果が達成される:(1)癌幹細胞集団の安定化、低減、又は排除、(2)
癌細胞集団の安定化、低減、又は排除、(3)反応率の増加、(4)寛解の長さ、又は継続期間
の増加、(5)癌の再発率の減少、(6)癌の再発までの時間の増加、(7)患者の無病、無再発
、無進行、及び/又は全生存率の増加、並びに(8)癌関連症状及び/又は生活の質の回復。
本明細書で使用される場合、癌幹細胞集団又は癌細胞集団と関連して使用される場合の
、用語「安定化させること」及び類似の用語は、それぞれ癌幹細胞集団又は癌細胞集団の
増大の予防を指す。言い換えれば、癌が構成される癌幹細胞の量又は癌細胞の量は、維持
され、増加しない、又は10%未満、好ましくは5%未満しか増加しない。
本明細書で使用される場合、用語「治療的に有効なレジメン」は、癌又はその症状を治
療及び/又は管理するための、1つ以上の療法の投与の投薬、タイミング、頻度、及び継続
期間についてのレジメンを指す。具体的な実施態様では、該レジメンにより、1つ、2つ、
3つ又はそれ以上の以下の結果が達成される:(1)癌幹細胞集団の安定化、低減、又は排除;
2)癌細胞集団の安定化、低減、又は排除;(3)腫瘍又は新生物の成長の安定化又は低減;(4)
腫瘍形成の減退;(5)原発性、局所性、及び/又は転移性癌の根絶、除去、又は制御;(6)死
亡率の低減;(7)無病、無再発、無進行、及び/又は全生存の継続期間、又は割合の増加;(8
)反応率、反応の永続性、又は反応する、若しくは寛解中の患者数の増加;(9)入院率の減
少、(10)入院期間の減少、(11)腫瘍のサイズが維持され、増大しない、又は10%未満、好
ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは2%未満しか増大しない、(12)寛解中の患
者数の増加。
本明細書で使用される場合、用語「対象」及び「患者」は、互換的に使用される。本明
細書で使用される場合、用語「対象」は、動物、好ましくは哺乳動物、例えば、非霊長類
(例えば、雌ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)、及び霊長類(例えば、サル及
びヒト)、及び最も好ましくはヒトなどを指す。いくつかの実施態様では、対象は、非ヒ
ト動物、例えば、家畜(例えば、ウマ、ブタ、又は雌ウシ)、又はペット(例えば、イヌ又
はネコ)などである。具体的な実施態様では、対象は高齢のヒトである。別の実施態様で
は、対象はヒト成人である。別の実施態様では、対象はヒト小児である。さらに別の実施
態様では、対象はヒト乳児である。
本明細書で使用される場合、用語「療法(therapies)」及び「療法(therapy)」は、癌又
はその1つ以上の症状の予防、治療、及び/又は管理において使用することができる、任意
の方法(複数も)、組成物(複数も)、及び/又は作用剤(複数も)を指すことができる。ある
特定の実施態様では、用語「療法(therapy)」及び「療法(therapies)」は、癌又はその1
つ以上の症状の予防、管理及び/又は治療において有用な、化学療法、小分子療法、放射
免疫療法、毒素療法、プロドラッグ活性化酵素療法、生物療法、抗体療法、外科的療法、
ホルモン療法、免疫療法、抗血管新生療法、標的療法、エピジェネティック療法、脱メチ
ル化療法、ヒストンデアセチラーゼ抑制剤療法、分化療法、放射線療法、又は前述のもの
及び/若しくは他の療法の組合せを指す。
本明細書で使用される場合、対象への療法の投与と関連した、用語「治療する」、「治
療」、及び「治療すること」は、1つ以上の療法の投与から生じる、癌の進行及び/若しく
は継続期間の低減若しくは抑制、癌の重症度の低減若しくは回復、並びに/又はその1つ以
上の症状の回復を指す。具体的な実施態様では、そのような用語は、1つ、2つ、3つ又は
それ以上の療法の投与後の、以下の1つ、2つ又は3つ以上の結果を指す:(1)癌幹細胞集団
の安定化、低減、又は排除;(2)癌細胞集団の安定化、低減、又は排除;(3)腫瘍又は新生物
の成長の安定化又は低減;(4)腫瘍形成の減退;(5)原発性、局所性、及び/又は転移性癌の
根絶、除去、又は制御;(6)死亡率の低減;(7)無病、無再発、無進行、及び/又は全生存の
継続期間、又は割合の増加;(8)反応率、反応の永続性、又は反応する、若しくは寛解中の
患者数の増加;(9)入院率の減少、(10)入院期間の減少、(11)腫瘍のサイズが維持され、増
大しない、又は10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは2%未満しか
増大しない、並びに(12)寛解中の患者数の増加。ある特定の実施態様では、そのような用
語は、癌幹細胞集団の安定化又は低減を指す。いくつかの実施態様では、そのような用語
は、癌細胞の成長の安定化又は低減を指す。いくつかの実施態様では、そのような用語は
、癌幹細胞集団の安定化又は低減、及び癌細胞集団の低減を指す。いくつかの実施態様で
は、そのような用語は、腫瘍の成長及び/又は形成の安定化又は低減を指す。いくつかの
実施態様では、そのような用語は、原発性、局所性、又は転移性癌の根絶、除去、又は制
御(例えば、癌の伝搬の最小化又は遅延)を指す。いくつかの実施態様では、そのような用
語は、患者集団の死亡率の低減、及び/又は生存率の増加を指す。さらなる実施態様では
、そのような用語は、反応率、反応の永続性、又は反応する、若しくは寛解中の患者数の
増加を指す。いくつかの実施態様では、そのような用語は、患者集団の入院率の減少、及
び/又は患者集団の入院期間の減少を指す。
濃度、量、細胞数、パーセンテージ及び他の数値は、本明細書では範囲形式で表すこと
ができる。そのような範囲形式は、単に便宜と簡潔さのために使用され、範囲の限度とし
て明示的に列挙された数値のみを含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙さ
れているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値又は部分範囲も含むと
柔軟に解釈されるべきであることが理解されるべきである。
(4.図面の簡単な説明)
X線結晶学的座標に基づくジフテリア毒素(diphtheria toxin)(DT)の3次元構造モデルを示す図である。βシートを平板な矢印、及びαへリックスを円柱としてα炭素骨格を示す。触媒、転位及び受容体結合ドメインを示す。
DTによる細胞中毒機構を示す図である。ステップは、a)細胞結合、b)受容体媒介エンドサイトーシス、c)低pH、フューリン及びチオレドキシンレダクターゼ、β-COP、並びにHsp90を介した転位、d)EF2の再折りたたみ及びADPリボシル化、及びe)細胞死を含む。(非特許文献44)。
DT388IL-3モデルを示す図である。DT触媒ドメインを青色で、DT転位ドメインを緑色で、及びIL-3を白色で示したα炭素骨格。モデルはDT及びヒトIL-3のX線座標を基に作成した。(非特許文献45)。
治療前(A)及び治療後2カ月(B)の、患者の骨髄生検の顕微鏡写真である。400×の倍率でライトギムザ(Wright-Giemsa)染色。
下記の実施例2に関する、DT388IL-3に対するグレード2以下の薬剤関連毒性を有する患者の割合を示すグラフである。
下記の実施例2に関する、第1日目のDT388IL-3血清中濃度を示すグラフである。 下記の実施例2に関する、第12日目のDT388IL-3血清中濃度を示すグラフである。
下記の実施例2に関する薬物動態及び免疫反応を示す図である。用量(μg/kg)の関数としてのCmax(μg/ml)。 下記の実施例2に関する薬物動態及び免疫反応を示す図である。初回及び終回用量のCmax間の関係を示す、第1日目のCmaxに対する第12日目のCmax。 下記の実施例2に関する薬物動態及び免疫反応を示す図である。最大薬剤及び前処理抗体濃度間の関係を示す、前処理血清抗-ジフテリア毒素(抗-DT)抗体(μg/ml)に対する最大血清DT388IL-3(μg/ml)。
下記の実施例2に関する、患者番号19の骨髄穿刺前及び後の顕微鏡写真である。 下記の実施例2に関する、患者番号19の血球数を示すグラフである。 下記の実施例2に関する、患者番号36の骨髄穿刺前及び後の顕微鏡写真である。 下記の実施例2に関する、患者番号36の血球数を示すグラフである。
(5.発明の詳細な説明)
本発明は、インターロイキン-3受容体発現細胞の抑制方法であって、そのような抑制を
必要とするヒトに、前記細胞を抑制するのに有効な量のヒトインターロイキン-3-ジフテ
リア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し得る担体を投与すること
を含み、該細胞は該インターロイキン-3受容体のαサブユニット(具体的な実施態様では
、α及びβサブユニット)を発現する、前記方法に関する。他の方法は、インターロイキ
ン-3受容体発現細胞を示し、又は特徴とする疾患又は障害の治療、予防、及び/又は管理
を必要とするにヒトに、前記細胞を抑制するのに有効な量のヒトインターロイキン-3-ジ
フテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物及び医薬として許容し得る担体を投与する
ことによって、そのような疾患又は障害を治療、予防、及び/又は管理することを含み、
該細胞は該インターロイキン-3受容体のαサブユニット(具体的な実施態様では、α及び
βサブユニット)を発現する。そのような疾患及び障害として、それだけに限らないが、
癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、及びアレルギー性疾患が挙げられる。本発明は、ヒトか
ら得られる骨髄又は末梢血試料を、該骨髄又は末梢血からインターロイキン-3受容体のα
サブユニット(具体的な実施態様では、α及びβサブユニット)を発現する細胞を有意にパ
ージするのに十分な時間、一量のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを
含む組成物と生体外で接触させることによる、骨髄又は末梢血のパージ方法にも関する。
したがって、本発明は、そのようにパージされた骨髄又は末梢血、並びに場合により医薬
として許容し得る担体とともに、そのようにパージされた骨髄又は末梢血を含む組成物を
、患者中に戻して投与することによる、自家骨髄移植の実施方法にも関する。
(5.1インターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲート)
一実施態様では、本発明のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートは、組
換え技術又は化学(共有結合)結合によって、好ましくは天然細胞結合ドメインを欠いてい
るジフテリア毒素、又はその部分、類似体若しくは誘導体にコンジュゲートした、細胞表
面上に発現されたインターロイキン-3-受容体又はそのサブユニットに結合する、全長の
、成熟した(シグナルペプチドを欠いている)インターロイキン-3タンパク質(interleukin
-3)(IL-3)、又はその部分、類似体若しくは誘導体を含む。好ましい実施態様では、IL-3
はヒトIL-3である。ある特定の実施態様では、該コンジュゲートは、共有結合によってヒ
トIL-3に融合した、ジフテリア毒素の触媒ドメイン及び転位ドメインを含む。他の実施態
様では、ジフテリア毒素は、ペプチドリンカーによって、該コンジュゲートのヒトIL-3部
分に結合している。該コンジュゲートのリンカーの長さは、アミノ酸の個数で2、3、5、1
0、又は15個とすることができる。リンカーの長さは、コンジュゲートの最適な結合を提
供するために変化することができる。好ましい態様では、ペプチドリンカーの長さは、ア
ミノ酸の個数で2から4個である。より具体的な態様では、ペプチドリンカーはMet-Hisリ
ンカーである。特定の作用機序に束縛されることを意図していないが、柔軟なペプチドリ
ンカーにより、鎖対形成が促進され、起こり得る再折りたたみが最小限になる。リンカー
分子は、当技術分野で一般に知られており、記載されている(例えば、それぞれ、その全
体が引用により組み込まれている、(非特許文献46);(非特許文献47);及び(非特許文献48)
参照)。
他の実施態様では、本発明は、本発明のコンジュゲート及び医薬として許容し得る担体
を含む医薬組成物を提供する。本発明によれば、該コンジュゲートは、当技術分野で既知
の任意のリンカー分子によって、IL-3の任意のドメインに結合した、DTの任意のドメイン
を含むことができる。具体的な実施態様では、該コンジュゲートはDT388IL-3(図3)であり
、これは、Met-Hisアミノ酸リンカーによって全長の、成熟したヒトIL-3に融合したアミ
ノ酸1~388を含む融合タンパク質である。
ジフテリア毒素(diphtheria toxin)(DT)は、アルギニンに富むジスルフィドループによ
って転位ドメイン(アミノ酸187~388)、その後に細胞結合ドメイン(アミノ酸389~535;図
1)に接続された触媒ドメイン(アミノ酸1~186)からなる3つのドメインを有する535アミノ
酸のタンパク質である。例えば、(非特許文献26)を参照されたい。DTのアミノ酸配列はGe
nBankのデータベースにおいて見出すことができる(例えば、アクセッション番号AAN28949
参照)。ジフテリア毒素の断片、類似体及び誘導体は、本願において有用となり得る。い
くつかの実施態様では、本発明のコンジュゲートは、DTの触媒ドメイン、転位ドメイン及
び細胞結合ドメインからなる。他の実施態様では、該コンジュゲートは、DTの細胞結合ド
メイン及び触媒ドメインからなる。さらに他の実施態様では、本発明のコンジュゲートは
、DTの細胞結合ドメイン及び転位ドメインからなる。好ましい実施態様では、本発明のコ
ンジュゲートは、DTの触媒ドメイン及び転位ドメインからなる。いくつかの実施態様では
、本発明のコンジュゲートは、転位ドメイン、触媒ドメイン、又は細胞結合ドメインのい
ずれか1つを含む。
IL-3の断片、類似体、及び誘導体は、コンジュゲートのジフテリア毒素部分に融合され
たとき、そのような断片、類似体、及び誘導体が、細胞表面上に発現される、IL-3受容体
のサブユニット又は天然IL-3受容体を結合する能力を維持するという前提で、本発明にお
いて有用となり得る。該断片、類似体、又は誘導体の結合動態は、同じままであるか、25
%以下しか変化しないことが好ましい。IL-3ポリペプチドは、任意の種由来であり得る。I
L-3ポリペプチドのヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列は、文献若しくは公共のデータベ
ースにおいて見出すことができ、又はヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列は、当業者に
既知のクローン化技法及び配列決定技法を使用して求めることができる。いくつかの実施
態様では、IL-3は哺乳動物IL-3である。好ましい実施態様では、IL-3ポリペプチドはヒト
IL-3、その類似体、誘導体、又は断片である。ヒトIL-3のアミノ酸配列は、GenBankのデ
ータベースにおいて見出すことができる(例えば、アクセッション番号AAC08706参照)。
本発明の一実施態様では、IL-3ポリペプチドは、天然IL-3アミノ酸配列(例えば、天然
ヒトIL-3アミノ酸配列)と比べて、少なくとも1個の同類アミノ酸置換であるが、50個以下
の同類アミノ酸置換、いっそうより好ましくは40個以下の同類アミノ酸置換、さらにより
好ましくは、30個以下の同類アミノ酸置換、さらにいっそうより好ましくは、20個以下の
同類アミノ酸置換を含有するアミノ酸配列を含み、これは、活性においてサイレント変化
をもたらす、すなわち変化しない。本発明の別の実施態様では、IL-3ポリペプチドは、天
然IL-3アミノ酸配列(例えば、天然ヒトIL-3アミノ酸配列)と比べて、少なくとも1個の同
類アミノ酸置換であるが、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個以下の同類アミノ酸置
換を含有するアミノ酸配列を含み、これはサイレント変化をもたらす。さらに別の実施態
様では、IL-3ポリペプチドは、天然IL-3アミノ酸配列と比べて、1個以上の同類置換、又
は非同類アミノ酸置換と同類アミノ酸置換との組合せを含有するアミノ酸配列を含み、こ
れはサイレント変化をもたらす。
IL-3ポリペプチドの特性を改善又は変更するために、タンパク質工学を使用することが
できる。当業者に既知の組換えDNA技術を使用することによって、単一又は多数のアミノ
酸置換、欠失、付加を含む新規の突然変異体タンパク質、すなわち「ムテイン」、又は融
合タンパク質を創造することができる。そのような修飾されたポリペプチドは、増強され
た活性、効力、親和性、及び/又は安定性の増大を示すことができる。さらに、これらは
、例えば、ある特定の精製及び貯蔵条件下で、高収率で精製し、対応する天然ポリペプチ
ドよりも良好な溶解度を示すことができる。例えば、多くのタンパク質について、1個以
上のアミノ酸を、生物学的機能を実質的に失うことなく、N末端又はC末端から欠失させる
ことができることが当技術分野で知られている。ヒトIL-3においてアミノ酸置換K116Wを
有する修飾IL-3を含む、例示的なコンジュゲート。別の例示的なコンジュゲートは、アミ
ノ酸125~133を欠損しているヒトIL-3を含む。突然変異体IL-3配列を含むこれらのコンジ
ュゲートの両方は、IL-3受容体への結合の増強を示し、白血病細胞に対してより大きな細
胞毒性を示す。(コンジュゲートの限定しない例については、(非特許文献49);(非特許文
献50);(非特許文献51);及び(非特許文献52)を参照)。
別の実施態様では、IL-3ポリペプチドは、天然IL-3アミノ酸配列(例えば、天然ヒトIL-
3アミノ酸配列)と、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少
なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%同一である。
(5.1.1インターロイキン-3-ジフテリア毒素-コンジュゲートの製造方法)
本発明のコンジュゲートは、標準的な組換えDNA技法又はタンパク質合成技法、例えば
、ペプチドシンセサイザーの使用によって製造することができる。例えば、本発明のコン
ジュゲートをコードする核酸分子は、自動DNAシンセサイザーを含めて、従来の技法によ
って合成することができる。或いは、遺伝子断片のPCR増幅は、アンカープライマーを使
用して実行することができ、これにより、2つの連続した遺伝子断片の間に相補的なオー
バーハングが生じ、これは、引き続いてアニールし、再増幅することによって、キメラ遺
伝子配列を生成することができる(例えば、(非特許文献53)を参照)。
本発明のコンジュゲートをコードするヌクレオチド配列(IL-3及びジフテリア毒素配列)
は、当業者に利用可能な任意の情報から得ることができる(すなわち、Genbank、文献から
、又は慣例的なクローン化によって)。コンジュゲートをコードするヌクレオチド配列は
、適切な発現ベクター、すなわち、挿入されたタンパク質コード配列の転写及び翻訳に必
要な要素を含有するベクター中に挿入することができる。いくつかの例では、ジフテリア
毒素配列は、標的化ドメインなどの特定のドメインを除去するために切断することができ
る。DNAを修飾又は切断するための技法は、分子生物学の当業者に周知である。また、IL-
3及びジフテリア毒素配列は、翻訳中に本発明の化合物であるポリペプチドを生成するDNA
配列を生じるような方法で連結することができる。好ましい例では、リンカー配列は、IL
-3配列とジフテリア毒素配列とを結合する組換え配列中に導入される。タンパク質コード
配列を発現させるために、本発明において、様々な宿主-ベクター系を利用することがで
きる。これらとして、それだけに限らないが、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、
アデノウイルスなど)に感染した哺乳動物細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に
感染した昆虫細胞系;酵母ベクターを含有する酵母(例えば、ピチア属(Pichia))などの微
生物;又はバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、若しくはコスミドDNAで形質転換さ
れた細菌(大腸菌(E. coli)など)が挙げられる。ベクターの発現要素は、その強度及び特
異性において変化する。利用される宿主-ベクター系に応じて、いくつかの適当な転写及
び翻訳要素のうちの任意の1つを使用することができる。具体的な実施態様では、タンパ
ク質は大腸菌中で発現される。別の具体的な実施態様では、タンパク質はピチア属中で発
現される。
本発明のコンジュゲートの発現は、当技術分野で既知の任意のプロモーター又はエンハ
ンサーによって制御することができる。コンジュゲートの発現を制御するのに使用するこ
とのできるプロモーターとして、それだけに限らないが、SV40初期プロモーター領域((非
特許文献54))、ラウス肉腫ウイルスの3’末端反復配列中に含有されるプロモーター((非
特許文献55))、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター((非特許文献56))、メタロチオネ
イン遺伝子の制御配列((非特許文献57))、テトラサイクリン(tetracycline)(Tet)プロモ
ーター((非特許文献58));βラクタマーゼプロモーターなどの原核生物発現ベクター((非
特許文献59))、又はtacプロモーター((非特許文献60);(非特許文献61)も参照);ノパリン
合成酵素プロモーター領域を含む植物発現ベクター((非特許文献62))又はカリフラワーモ
ザイクウイルス35S RNAプロモーター((非特許文献63))、及び光合成酵素リブロースビス
リン酸カルボキシラーゼのプロモーター((非特許文献64));酵母若しくは他の菌類由来の
プロモーター要素、例えば、Gal 4プロモーター、ADC(alcohol dehydrogenase)(アルコー
ルデヒドロゲナーゼ)プロモーター、PGK(phosphoglycerol kinase)(ホスホグリセロール
キナーゼ)プロモーター、アルカリホスファターゼプロモーターなど、及び組織特異性を
抑制し、トランスジェニック動物において利用されている、以下の動物転写制御領域:膵
腺房細胞中で活性であるエラスターゼI遺伝子制御領域((非特許文献65);(非特許文献66);
(非特許文献67));膵β細胞中で活性であるインスリン遺伝子制御領域((非特許文献68))、
リンパ細胞中で活性である免疫グロブリン遺伝子制御領域((非特許文献69);(非特許文献7
0);(非特許文献71))、精巣、乳腺、リンパ細胞及び肥満細胞中で活性であるマウス乳腺腫
瘍ウイルス制御領域((非特許文献72))、肝臓中で活性であるアルブミン遺伝子制御領域((
非特許文献73))、肝臓中で活性であるαフェトプロテイン遺伝子制御領域((非特許文献74
);(非特許文献75));肝臓中で活性であるα1-アンチトリプシン遺伝子制御領域((非特許文
献76))、骨髄細胞中で活性であるβグロビン遺伝子制御領域((非特許文献77);(非特許文
献78));脳内の乏突起膠細胞中で活性であるミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域((
非特許文献79));骨格筋中で活性であるミオシン軽鎖-2遺伝子制御領域((非特許文献80));
神経細胞中で活性である神経細胞特異的エノラーゼ(neuronal-specific enolase)(NSE)((
非特許文献81));神経細胞中で活性である脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotroph
ic factor)(BDNF)遺伝子制御領域((非特許文献82));星状細胞中で活性であるグリア線維
性酸性タンパク質(glial fibrillary acidic protein)(GFAP)プロモーター((非特許文献8
3);(非特許文献81))及び視床下部中で活性である性腺刺激放出ホルモン遺伝子制御領域((
非特許文献84))が挙げられる。具体的な実施態様では、本発明のコンジュゲートの発現は
、構成的プロモーターによって調節される。別の実施態様では、該発現は、誘導性プロモ
ーターによって調節される。別の実施態様では、該発現は、組織特異的プロモーターによ
って調節される。
具体的な実施態様では、コンジュゲートをコードする核酸に機能的に結合したプロモー
ター、1つ以上の複製開始点、及び場合により1つ以上の選択可能マーカー(例えば、抗生
物質耐性遺伝子)を含むベクターが使用される。
哺乳動物宿主細胞では、いくつかのウイルスベース発現系を利用することができる。発
現ベクターとしてアデノウイルスが使用される場合、ポリペプチド又は融合タンパク質コ
ード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーター及び三分
裂リーダー配列に連結することができる。次いでこのキメラ遺伝子は、インビトロ又はイ
ンビボ組換えによってアデノウイルスゲノム中に挿入することができる。ウイルスゲノム
の非必須領域(例えば、E1又はE3)中への挿入により、感染宿主中で生存可能であり、抗体
分子を発現することのできる組換えウイルスがもたらされる(例えば、(非特許文献85)参
照)。挿入された融合タンパク質コード配列の効率的な翻訳のために、特定の開始シグナ
ルも必要とされる場合がある。これらのシグナルとして、ATG開始コドン及び隣接配列が
挙げられる。さらに、該開始コドンは、全体の挿入断片の翻訳を保証するために、所望の
コード配列の読み枠と一致していなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナル及
び開始コドンは、天然及び合成の両方の、様々な起源のものとすることができる。発現効
率は、適切な転写エンハンサー要素、転写ターミネーターなどを含めることによって増強
することができる((非特許文献86)参照)。
コンジュゲートをコードする遺伝子の挿入断片を含有する発現ベクターは、3つの一般
的な手法、すなわち:(a)核酸ハイブリダイゼーション、(b)「マーカー」遺伝子機能の存
在又は不在、及び(c)挿入された配列の発現によって同定することができる。第1の手法で
は、発現ベクター中のコンジュゲートをコードする遺伝子の存在は、挿入された該コンジ
ュゲートをコードする遺伝子と相同である配列を含むプローブを使用する、核酸ハイブリ
ダイゼーションによって検出することができる。第2の手法では、組換えベクター/宿主系
は、ベクター中にコンジュゲートをコードするヌクレオチド配列を挿入することよっても
たらされる、ある特定の「マーカー」遺伝子機能(例えば、チミジンキナーゼ活性、抗生
物質に対する耐性、形質転換表現型、バキュロウイルス中の封入体など)の存在又は不在
に基づいて同定し、選択することができる。例えば、コンジュゲートをコードするヌクレ
オチド配列が、ベクターのマーカー遺伝子配列内に挿入される場合、該コンジュゲート挿
入断片をコードする遺伝子を含有する組換え体は、マーカー遺伝子機能の不在によって同
定することができる。第3の手法では、組換え発現ベクターは、組換え体によって発現さ
れる遺伝子産物(例えば、コンジュゲート)をアッセイすることによって同定することがで
きる。そのようなアッセイは、例えば、インビトロアッセイ系におけるコンジュゲートの
物理的又は機能的性質、例えば、抗体又はIL-3受容体への結合に基づくことができる。
さらに、挿入された配列の発現を調節し、又は所望の特定の様式で遺伝子産物を修飾し
、処理する宿主細胞株を選択することができる。ある特定のプロモーターに由来する発現
は、ある特定の誘導因子の存在下で増加させることができ、こうして遺伝子改変融合タン
パク質又はコンジュゲートの発現を制御することができる。さらに、異なる宿主細胞は、
翻訳及び翻訳後のプロセシング及び修飾(例えば、タンパク質のグリコシル化、リン酸化)
についての特徴的及び特異的機構を有する。適切な細胞株又は宿主系を選択することによ
って、発現される外来タンパク質の所望の修飾及びプロセシングを保証することができる
。例えば、細菌系における発現は、非グリコシル化生成物を産生し、酵母における発現は
、グリコシル化生成物を産生する。一時転写物の適切なプロセシング、遺伝子産物のグリ
コシル化及びリン酸化のための細胞機構を有する真核宿主細胞を使用することができる。
そのような哺乳動物宿主細胞として、それだけに限らないが、CHO、VERY、BHK、HeLa、CO
S、MDCK、293、3T3、WI38、NS0、及び特に神経細胞株、例えば、SK-N-AS、SK-N-FI、SK-N
-DZヒト神経芽細胞腫((非特許文献87))、SK-N-SHヒト神経芽細胞腫((非特許文献88))、Da
oyヒト小脳髄芽腫((非特許文献89))、DBTRG-05MGグリア芽細胞腫細胞((非特許文献90))、
IMR-32ヒト神経芽細胞腫((非特許文献91))、1321N1ヒト星細胞腫((非特許文献92))、MOG-
G-CCMヒト星細胞腫((非特許文献93))、U87MGヒトグリア芽細胞腫-星細胞腫((非特許文献9
4))、A172ヒトグリア芽細胞腫((非特許文献95))、C6ラットグリオーマ細胞((非特許文献9
6))、Neuro-2aマウス神経芽細胞腫((非特許文献97))、NB41A3マウス神経芽細胞腫((非特
許文献98))、SCPヒツジ脈絡叢((非特許文献99))、G355-5、PG-4ネコ正常星状細胞((非特
許文献100))、Mpfフェレット脳(Trowbridgeらの文献(1982, In Vitro 18: 952-960)など
、及び正常細胞株、例えば、CTX TNA2ラット正常皮質脳((非特許文献101))、例えばCRL70
30及びHs578Bstなどが挙げられる。さらに、異なるベクター/宿主発現系は、異なる程度
にプロセシング反応を生じさせることができる。
組換えコンジュゲートの長期、高収率の産生のためには、安定な発現が好ましい。例え
ば、本発明のコンジュゲートを安定に発現する細胞株を設計することができる。ウイルス
起源の複製物を含有する発現ベクターを使用するよりむしろ、宿主細胞は、適切な発現制
御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニ
ル化部位など)、及び選択可能マーカーによって制御されたDNAで形質転換することができ
る。外来DNAの導入後、操作された細胞は、濃縮培地中で1~2日間成長させることができ
、次いで、選択培地に切り換えられる。組換えプラスミド中の選択可能マーカーは、選択
に対する耐性を与え、細胞がプラスミドをその染色体中に安定に組み込み、成長すること
によって増殖巣を形成することを可能にし、これは、さらには、クローン化し、増殖させ
て細胞株にすることができる。この方法は、本発明のコンジュゲートを発現する細胞株を
操作するために、有利に使用することができる。
それだけに限らないが、それぞれtk-、hgprt-、又はaprt-細胞中に使用することができ
る、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ((非特許文献102))、ヒポキサンチン-グアニ
ン-ホスホリボシルトランスフェラーゼ((非特許文献103))、及びアデニンホスホリボシル
トランスフェラーゼ((非特許文献104))遺伝子を含めた、いくつかの選択系を使用するこ
とができる。また、代謝拮抗剤耐性は、メトトレキセートに対する耐性を与えるdhfr((非
特許文献105));(非特許文献106));ミコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt((非特許文
献107));アミノグリコシドG-418に対する耐性を与えるneo((非特許文献108));及びハイグ
ロマイシンに対する耐性を与えるhygro((非特許文献109))の選択の基準として使用するこ
とができる。
本発明のコンジュゲートが組換え発現又は化学合成によって生成された後、これは、タ
ンパク質精製についての当技術分野で既知の任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(
例えば、イオン交換クロマトグラフィー、特にプロテインA後の特異抗原に対する親和性(
affinity for the specific antigen after Protein A)による親和性クロマトグラフィー
、及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差溶解度、又はタンパク質
精製についての任意の他の標準的な技法によって精製することができる。
(5.2医薬組成物及び投与経路)
本発明は、本発明のジフテリア毒素-インターロイキン-3コンジュゲートを含む組成物
を提供する。特に、本発明は、有効量の本発明のコンジュゲート及び医薬として許容し得
る担体又はビヒクルを含む医薬組成物を提供する。具体的な実施態様では、医薬組成物は
、有効量の本発明のコンジュゲート及び医薬として許容し得る担体又はビヒクルを含む。
本医薬組成物は動物及び/又はヒト投与に適している。本医薬組成物はまた、骨髄又は末
梢血試料の生体外パージにも適しており、例えば、元の患者への自家移植としてのパージ
された試料の再導入の前に実行されてもよく、癌の高用量化学療法後に実行されてもよい
本発明の医薬組成物は、組成物を対象に投与可能とする任意の形態とすることができ、
前記対象は好ましくは、それだけに限らないが、ヒト、哺乳動物、又は例えば、ウシ、ウ
マ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどの
ヒト以外の動物を含む動物であり、より好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトである
本発明の組成物は、固体、液体、又は気体(エアロゾル)の形態とすることができる。典
型的な投与経路として、経口、局所、非経口、舌下、直腸、膣、目、皮内、腫瘍内、脳内
、髄腔内、及び鼻腔内を挙げることができるがこれに限定されない。非経口投与として、
皮下注射、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸膜内への注射又は注入技術が挙げられる。具体的
な実施態様では、組成物は非経口的に投与される。より具体的な実施態様では、組成物は
静脈内に投与される。本発明の医薬組成物は、組成物を対象へ投与時に本発明の化合物を
生物学的に利用可能とするように処方できる。組成物は、1個以上の投与単位の形態をと
ることができ、例えば、錠剤は単一投与単位とすることができ、エアロゾル形態の本発明
の化合物の容器に複数の投与単位を入れることができる。
医薬組成物を調製するために使用される材料は、使用される量で非毒性とすることがで
きる。医薬組成物中の活性成分(複数可)の最適投与量は様々な要因によって決定すること
が当業者には明らかであろう。関連要因として、対象の種類(例えば、ヒト)、対象の全般
的健康状態、対象が治療を必要としている癌の種類、多剤レジメンの一部としての組成物
の使用、本発明の化合物の特定の形態、投与様式、及び使用される組成物が挙げられるが
これに限定されない。
医薬として許容し得る担体又はビヒクルは粒子であってもよく、そのため組成物は、例
えば、錠剤又は粉末剤形態である。担体(複数可)は、例えば、経口シロップ剤又は注射用
液である組成物を有する液体であってもよい。さらに担体(複数可)は、例えば、吸入投与
において有用なエアロゾル組成物を提供するために、気体状であってもよい。
「担体」という用語は、本発明の化合物と一緒に投与される希釈剤、アジュバント又は
賦形剤を指す。このような医薬担体は、例えば、水及び例えば、落花生油、大豆油、鉱油
、ゴマ油などの石油、動物、植物若しくは合成起源のものを含む油などの液体であっても
よい。担体は、食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、コロ
イドシリカ、尿素などであってもよい。さらに、助剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤及び着色
剤も使用できる。一実施態様では、対象に投与される場合、本発明の化合物及び医薬とし
て許容し得る担体は無菌である。本発明の化合物が静脈内投与される場合、水は好ましい
担体である。食塩溶液並びに水性デキストロース及びグリセロール溶液もまた、液体担体
として、特に注射溶液用に使用できる。適した医薬担体としてまた、例えば、デンプン、
グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカ
ゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウ
ム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤
も挙げられる。本組成物はまた、所望であれば、少量の湿潤若しくは乳化剤、又はpH緩衝
剤も含有することができる。
組成物は経口投与用であってもよく、そうであれば、組成物は固体又は液体形態である
ことが好ましく、半固体、半液体、懸濁液、及びゲル形態が、本明細書中で固体又は液体
のいずれかとしてみなされる形態の範囲内に含まれる。
経口投与用の固体組成物として、組成物は、粉末剤、顆粒剤、圧縮錠、丸剤、カプセル
、チューインガム、オブラートなどの形態に処方できる。このような固体組成物は通常、
1種以上の不活性希釈剤を含有する。さらに、以下の1種以上が存在することができる:例
えば、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、又はゼラチ
ンなどの結合剤;例えば、デンプン、ラクトース又はデキストリンなどの賦形剤、例えば
、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プリモゲル、コーンスターチなどの崩壊剤;例え
ば、ステアリン酸マグネシウム又はステロテックスなどの潤滑剤;例えば、コロイド状二
酸化ケイ素などの流動促進剤;例えば、スクロース又はサッカリンなどの甘味剤、例えば
、ペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香料などの香料添加剤、及び着色剤。
医薬組成物がカプセル、例えばゼラチンカプセルの形態である場合、前述の種類の材料
に加えて、例えば、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、又は脂肪油などの液
体担体を含有することができる。
医薬組成物は、例えば、エリキシル剤、シロップ剤、液剤、乳剤、又は懸濁液などの液
体の形態であってもよい。液体は、経口投与用又は注射による送達用に有用であり得る。
経口投与用である場合、組成物は、甘味剤、防腐剤、色素/着色料、及び風味増強剤のう
ち1種以上を含むことができる。注射による投与用の組成物において、界面活性剤、防腐
剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、及び等張剤のうち1種以上を含んでも
よい。
本発明の液体組成物は、液剤、懸濁液などの形態のいずれにしても、以下のうちの1種
以上を含むことができる:例えば、注射用水、食塩溶液、好ましくは生理食塩水、リンゲ
ル液、等張塩化ナトリウム液、例えば、溶媒又は懸濁媒体として使用できる合成モノグリ
セリド若しくはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、シクロデキストリ
ン、プロピレングリコールなどの固定油、又は他の溶媒などの無菌希釈剤;例えば、ベン
ジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤;例えば、アスコルビン酸又は重硫酸ナ
トリウムなどの抗酸化剤;例えば、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;例えば、酢
酸、クエン酸、又はリン酸などの緩衝剤;及び、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロ
ースなどの張性調節剤。非経口組成物は、アンプル、使い捨て注射器、又はガラス、プラ
スチック若しくは他の材料製のマルチドーズバイアル中に封入することができる。生理食
塩水は好ましいアジュバントである。注射用組成物は無菌であることが好ましい。
医薬組成物は、適した投与量が得られるように(適した投与量については下記の5.3.1節
を参照)有効量の本発明のコンジュゲートを含む。通常、有効量は組成物の少なくとも0.0
1重量%の本発明のコンジュゲートである。経口投与用の場合、有効量は組成物の0.1重量%
から80重量%まで変化し得る。好ましい経口組成物は、組成物の4重量%~50重量%の本発明
の化合物を含むことができる。本発明の好ましい組成物は、非経口投与単位が0.01重量%
~2重量%の本発明の化合物を含有するように調製される。
本発明の化合物は任意の都合のよい経路によって、例えば、注入又はボーラス注射によ
って、上皮内層又は皮膚粘膜内層(例えば、口腔粘膜、直腸、及び腸粘膜など)からの吸収
によって投与できる。投与は全身的又は局所的であってもよい。例えば、微粒子、マイク
ロカプセル、カプセルなど様々な送達系が知られており、本発明の化合物を投与するため
に有用であり得る。ある特定の実施態様では、1種以上の本発明の化合物が対象に投与さ
れる。投与方法として、それだけに限らないが、経口投与及び非経口投与を挙げることが
できる;非経口投与として、それだけに限らないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮
下;鼻腔内、硬膜外、舌下、鼻腔内、脳内、脳室内、髄腔内、膣内、経皮、直腸内、吸入
による、又は耳、鼻、目、若しくは皮膚への局所的投与が挙げられる。好ましい投与様式
は、専門家の裁量に任せられており、病状の部位(癌、癌性腫瘍、又は前癌症状の部位)に
ある程度依存する。
一実施態様では、本発明の化合物は非経口投与される。具体的な実施態様では、本発明
の化合物は静脈内投与される。別の実施態様では、本発明の化合物は持続注入によって投
与される。特定の実施態様では、本発明の化合物は約15分間、約20分間、約30分間、約45
分間、約1時間、又は約2時間続く注入によって投与される。
具体的な実施態様では、1種以上の本発明の化合物を、治療を必要とする部分に局所的
に投与することが望ましい場合もある。これは、例えば、限定するつもりではないが、手
術中の局所注入によって;例えば手術後の創傷被覆材と併用した、局所適用;注射によって
;カテーテルを用いて;坐剤を用いて;又は例えば、シアラスティック膜などの膜、若しく
は線維を含む多孔性、無孔性、若しくはゼラチン状の物質であるインプラントを用いて、
達成できる。一実施態様では、投与は、癌、腫瘍又は前癌組織の部位(又は前部)への直接
注射によるものであってもよい。ある特定の実施態様では、1種以上の本発明の化合物を
、脳室内及び髄腔内注射を含む任意の適した経路によって中枢神経系へ導入することが望
ましい場合もある。脳室内注射は、例えば、オンマヤリザーバーなどのリザーバーに接続
された、脳室内カテーテルによって容易にすることができる。ある特定の実施態様では、
1種以上の本発明の化合物を腹腔内に注射することができる。
経肺投与もまた、例えば、吸入器若しくは噴霧器、及びエアロゾル化剤を用いた処方の
使用によって、又はフルオロカーボン若しくは合成肺表面活性物質中での灌流によって、
使用することができる。ある特定の実施態様では、本発明の化合物は、伝統的な結合剤及
び例えばトリグリセリドなどの担体を用いて、坐剤として処方することができる。
なお別の実施態様では、本発明の化合物は制御放出システムで送達することができる。
一実施態様では、ポンプを使用することができる((非特許文献110);(非特許文献111);(非
特許文献112)を参照)。別の実施態様では、ポリマー材料を使用することができる((非特
許文献113);(非特許文献114);(非特許文献115)を参照;また(非特許文献116);(非特許文献
117);(非特許文献118)も参照)。なお別の実施態様では、制御放出システムは本発明の化
合物の標的近く、例えば脳に配置することができるため、全身用量のほんの一部分しか必
要としない(例えば、(非特許文献119)を参照)。(非特許文献120)で論じられている他の制
御放出システムもまた使用することができる。
別の実施態様では、本発明の化合物の制御又は持続放出を達成するためにポリマー材料
を使用することができる(例えば、(特許文献3);(特許文献4)号;(特許文献5);(特許文献6)
;(特許文献7);(特許文献8);及び(特許文献9)を参照。持続放出製剤で使用されるポリマー
の例として、それだけに限らないが、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、ポリ(メ
タクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリ(メタクリ
ル酸)、ポリグリコリド(polyglycolide)(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N-ビニルピロリドン)
、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラク
チド(polylactide)(PLA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(poly(lactide-co-glycolide))
(PLGA)、及びポリオルトエステルが挙げられる。好ましい実施態様では、持続放出製剤で
使用されるポリマーは不活性で、濾過可能な不純物がなく、貯蔵中安定で、無菌で、且つ
生分解性である。
具体的な実施態様では、本発明の化合物を送達するためにポンプを使用することができ
る(例えば、(非特許文献110);(非特許文献121);(非特許文献112)を参照)。具体的な実施
態様では、ポンプは、それだけに限らないが、インスリン様ポンプであってもよい。
本組成物は、液剤、懸濁液、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体含有カプセル、粉
末剤、持続放出製剤、坐剤、乳剤、エアロゾル、スプレー、懸濁液の形態、又は使用に適
した任意の他の形態をとることができる。一実施態様では、医薬として許容し得る担体は
カプセルである(例えば、(特許文献10)を参照)。他の適切な医薬担体は、(非特許文献122
)に記載されている。
処方可能な持続及び定方向放出組成物として、それだけに限らないが、例えば、マイク
ロカプセル化、多層コーティングなどの差動的に分解可能なコーティングで保護された本
発明の化合物が挙げられる。例えば注射用製品の調製のために、組成物を凍結乾燥して、
得られた凍結乾燥物を使用することもまた可能である。
好ましい実施態様では、本発明のコンジュゲートは、動物、特にヒトへの静脈内投与に
適合した医薬組成物として常法に従って処方される。通常、静脈内投与用の担体又はビヒ
クルは無菌の等張水性緩衝溶液である。必要であれば、組成物はまた可溶化剤も含んでよ
い。静脈内投与用の組成物は、注射部位の痛みを和らげるために、例えばリグノカインな
どの局所麻酔薬を場合により含むことができる。一般に、成分は、別々に又は単位投与形
態中に一緒に混合して、例えば、乾燥凍結乾燥粉末又は水を含まない濃縮物として、活性
物質の量を示した例えばアンプル又はサシェなどの密閉容器中に供給される。本発明のコ
ンジュゲートを注入により投与しようとする場合、例えば、無菌医薬品等級水又は食塩水
を含有する注入ボトルを用いて調合することができる。本発明のコンジュゲートが注射に
より投与される場合、成分を投与前に混合できるように無菌注射用水又は食塩水のアンプ
ルを提供することができる。
経口送達用組成物は、例えば、錠剤、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、顆粒剤、粉
末剤、乳剤、カプセル、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態であってよい。経口投与さ
れる組成物は1種以上の任意選択の作用剤、例えば、フルクトース、アスパルテーム又は
サッカリンなどの甘味剤;例えば、ペパーミント、ウィンターグリーン油又はサクランボ
などの香料添加剤;着色剤;及び防腐剤を、医薬として美味な調合剤を提供するために含有
することができる。さらに、錠剤又は丸剤形態の場合、組成物をコーティングすることに
より胃腸管内での崩壊及び吸収を遅らせることができ、それにより長期間にわたる持続作
用を提供する。浸透活性な駆動化合物を取り囲む選択透過膜もまた、本発明の経口投与組
成物に適している。これら後者のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの
液体が駆動化合物に吸収され、この駆動化合物が膨潤することにより空孔を介して作用剤
又は作用剤組成物を放出する。これらの送達プラットフォームは、即時放出処方の急上昇
するプロファイルとは対照的に、実質的に0次の送達プロファイルを提供できる。例えば
モノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料もまた
使用することができる。経口組成物として、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプ
ン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム
などの標準的な担体を挙げることができる。このような担体は医薬品等級であることが好
ましい。
本発明の医薬組成物は局所投与用であってもよく、その場合担体は液剤、乳剤、軟膏、
又はゲル基剤の形態であってもよい。基剤は例えば、以下のうち1種以上を含むことがで
きる:ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱油、例えば、水及びアル
コールなどの希釈剤、並びに乳化剤及び安定剤。局所投与用組成物中に増粘剤が存在して
もよい。経皮投与用であれば、組成物は経皮パッチ又はイオントフォレーシス装置の形態
であってもよい。局所製剤は0.01w/v%~10w/v%(組成物の単位体積当たりの重量)の本発明
の化合物の濃度を含むことができる。
組成物は、固体又は液体投与単位の物理的形態を変更する様々な材料を含むことができ
る。例えば、組成物は、活性成分の周囲にコーティングシェルを形成する材料を含むこと
ができる。コーティングシェルを形成する材料は通常不活性であり、例えば、糖、シェラ
ック、及び他の腸溶性コーティング剤から選択することができる。或いは、活性成分はゼ
ラチンカプセル中に入れることができる。
組成物は気体状投与単位からなってもよく、例えば、エアロゾルの形態であってもよい
。エアロゾルという用語は、コロイド性のものから加圧容器からなるシステムに及ぶ様々
なシステムを意味するために使用される。送達は、液化又は圧縮気体によるもの、又は活
性成分を調合する適したポンプシステムによるものであってよい。組成物のエアロゾルは
、組成物を送達するために単一相、二相、又は三相系で送達することができる。エアロゾ
ルの送達は、必要な容器、活性化剤、バルブ、サブコンテナ、スペーサーなどを含み、こ
れらは一緒にキットを形成することができる。好ましいエアロゾルは、過度の実験をする
ことなく、当業者により決定され得る。
固体、液体、又は気体状形態のいずれであっても、本発明の組成物は、それだけに限ら
ないが、追加の予防剤、追加の治療剤、抗嘔吐薬、造血コロニー刺激因子、アジュバント
療法、ワクチン又は他の免疫刺激剤、抗体/抗体断片ベースの作用剤、抗うつ薬及び鎮痛
薬を含むものの中から選択される追加の活性物質を含むことができる。例えば、特定の実
施態様では、医薬組成物は本発明の化合物、追加の作用剤、及び医薬として許容し得る担
体又はビヒクルを含む。
医薬組成物は、医薬分野において周知の方法を使用して調製することができる。例えば
、注射による投与用の組成物は、溶液を形成するように本発明の化合物と水を混合するこ
とにより調製することができる。界面活性剤を添加することにより均質な溶液又は懸濁液
の形成を容易にすることができる。界面活性剤は、水性送達系において本発明の化合物の
溶解又は均質な懸濁を容易にするように本発明の化合物と非共有的に相互作用できる複合
体である。
一実施態様では、本発明の医薬組成物は1種以上の既知の治療的活性物質を含んでもよ
い。
(5.3インターロイキン-3-ジフテリア毒素融合コンジュゲートの治療的及び予防的使用)
本発明は、本発明のヒトIL-3-ジフテリア毒素コンジュゲートの有効量を投与すること
によって、必要とするヒトにおいてIL-3受容体発現細胞を抑制するための方法を提供する
。ある特定の実施態様では、IL-3受容体発現細胞は、骨髄性白血病細胞ではない。いくつ
かの実施態様では、細胞は、インターロイキン-3受容体のαサブユニットを発現する。他
の実施態様では、細胞は、インターロイキン-3受容体のβサブユニットを発現する。さら
に他の実施態様では、細胞は、IL-3受容体のα及びβサブユニットの両方を発現する。
本発明は、本発明の1つ以上のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲート並び
にインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む組成物を対象に、好ましく
はヒトの対象に、インターロイキン-3受容体の発現を示し、若しくは特徴とする疾患若し
くは障害又はそれらの1つ以上の症状を予防する、治療する、管理する、及び/又は回復さ
せるために投与することを含む療法に関する。一実施態様では、本発明は、インターロイ
キン-3受容体の発現を示し、若しくは特徴とする疾患若しくは障害又はそれらの1つ以上
の症状を予防する、治療する、管理する、及び/又は回復させる方法を提供し、前記方法
は、本発明の1つ以上のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲートの有効量をそ
れを必要とする対象に投与することを含む。そのような疾患及び障害として、癌、アレル
ギー性疾患、炎症性疾患及び自己免疫疾患が挙げられる。
本発明は、本発明のインターロイキン-3-ジフテリア毒素コンジュゲート並びに、イン
ターロイキン-3受容体の発現を示し、又は特徴とする疾患若しくは障害又はそれらの1つ
以上の症状の予防、治療、管理、及び/又は回復において現在使用されている、使用され
たことがある、有用であると公知である又は有用であり得る本発明のインターロイキン-3
-ジフテリア毒素コンジュゲート以外の1つ以上の療法(例えば、1つ以上の予防剤又は治療
剤)を必要とする対象に投与することを含む方法も提供する。本発明の併用療法の予防剤
又は治療剤は、逐次的又は同時に投与され得る。具体的な実施態様では、本発明の併用療
法は本発明のコンジュゲートの有効量、及び前記コンジュゲートと同じ作用機序を有する
少なくとも1つの他の療法の有効量を含む。具体的な実施態様では、本発明の併用療法は
、本発明のコンジュゲートの有効量及び前記コンジュゲートとは異なる作用機序を有する
少なくとも1つの他の療法(例えば予防剤又は治療剤)の有効量を含む。ある特定の実施態
様では、本発明の併用療法は、追加的作用又は相乗作用を有する様にコンジュゲートと共
に作用することによって本発明のコンジュゲートの予防効果又は治療効果を改善する。あ
る特定の実施態様において本発明の併用療法は、予防剤又は治療剤に関連する副作用を低
減する。他の実施態様において併用療法は、本発明の組成物の投与に先立って、投与中に
又は投与後に投与される。
それだけに限らないが新生物、腫瘍、転移又は制御されない細胞増殖を特徴とする任意
の疾患若しくは障害を含む癌又は腫瘍性疾患は、予防的に有効なレジメン又は治療的に有
効なレジメンを、それを必要とする対象に投与することによって治療、抑止、遅延、管理
、抑制又は予防でき、該レジメンは、本発明の化合物を患者に投与することを含む。具体
的な実施態様において本発明は、本明細書に記載の通り癌又は腫瘍性疾患の治療、抑止、
遅延、管理、増殖及び/又は進行の抑制、並びに予防を包含する。
一実施態様では、本発明のコンジュゲートは、癌の予防、治療及び/又は管理のための
単剤療法として投与される。
本発明の一態様は、患者(例えばヒトの患者)における癌の予防、治療及び/又は管理の
方法であって、該方法は、予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンを患者に
投与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲート又は本発明の医薬組成物を患
者に投与することを含み、該患者が癌を有すると診断されたことがある、前記方法に関す
る。
本発明の一態様は、患者(例えばヒトの患者)における癌の予防、治療及び/又は管理の
方法であって、該方法は、予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンを患者に
投与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲート又は本発明の医薬組成物を患
者に投与することを含み、該患者が癌を再発している、前記方法に関する。
本発明の一態様は、患者(例えばヒトの患者)における癌の予防、治療及び/又は管理の
方法であって、該方法は、予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンを患者に
投与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲート又は本発明の医薬組成物を患
者に投与することを含み、該患者が療法に失敗したことがあるか又は失敗している、前記
方法に関する。
本発明の一態様は、患者(例えばヒトの患者)における癌の予防、治療及び/又は管理の
方法であって、該方法は、予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンを患者に
投与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲート又は本発明の医薬組成物を患
者に投与することを含み、該患者が癌からの寛解にある、前記方法に関する。
本発明の一態様は、患者(例えばヒトの患者)における癌の予防、治療及び/又は管理の
方法であって、該方法は、予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンを患者に
投与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲート又は本発明の医薬組成物を患
者に投与することを含み、該患者が療法に対して難治性である、前記方法に関する。
一実施態様では、癌は、血液癌である。例えば癌は、白血病、リンパ腫、骨髄異形成症
候群(myelodysplastic syndrome)(MDS)又は骨髄腫であり得る。他の実施態様において癌
は、固形癌である。
この態様の一実施態様では、患者は、他の療法を受けたことがあるか、又は受けている
。この態様の他の実施態様において患者は、癌の予防、治療及び/又は管理のための療法
をそれまで受けたことがない。
医師は、それだけに限らないが、理学的検査(例えば前立腺検査、直腸検査、胸部検査
、リンパ節検査、腹部検査、皮膚の監視、睾丸検査、全身の触診)、視覚法(例えば結腸鏡
検査、気管支鏡検査、内視鏡検査)、PAPスメア分析(子宮頸癌)、便グアヤック分析、血液
検査(例えば全血球算定 (complete blood count)(CBC)検査、前立腺特異抗原(prostate s
pecific antigen)(PSA)検査、癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)(CEA)検査、癌抗
原(cancer antigen)(CA)-125検査、αフェトプロテイン(alpha-fetoprotein)(AFP)、肝機
能検査)、核型分析、骨髄分析(例えば血液悪性腫瘍の場合)、組織診断、細胞診断、フロ
ーサイトメトリー、痰分析、及びイメージング法(例えばコンピューター連動断層撮影(co
mputed tomography)(CT)、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)(MRI)、
超音波、X線イメージング、マンモグラフィー、PETスキャン、骨スキャン、放射性核種ス
キャン)が挙げられる任意の従来の癌スクリーニング法を使用して患者を診断できる。
本発明の他の態様は、患者(例えばヒトの患者)において固形腫瘍を予防、治療、及び/
又は管理する方法であって、該方法は予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメ
ンをそれを必要とする患者に投与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲート
又は医薬組成物を患者に投与することを含み、該患者が固形腫瘍を有すると診断されてお
り、且つ該患者が腫瘍の容積を低減させるための初期療法を受けたことがある、前記方法
に関する。腫瘍容積サイズを低減させるための初期療法は、好ましくは本発明のコンジュ
ゲート以外の療法である。この態様の具体的な実施態様では、固形腫瘍は、線維肉腫、粘
液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫
、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌
、結腸直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、骨癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胃癌、口腔癌
、鼻癌、咽喉癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状
腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ
、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、肺小細胞癌、膀胱癌、肺癌、
上皮癌、グリオーマ、多形グリア芽細胞腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松
果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠芽腫、髄膜腫、皮膚癌、メラノーマ、神経
芽細胞腫、又は網膜芽細胞腫である。
本発明の他の態様は、癌を予防、治療、及び/又は管理する方法であって、該方法が予
防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンをそれを必要とする患者に投与するこ
とを含み、該レジメンは、本発明のコンジュゲートを患者に投与することを含み、該患者
が他の療法を受けた、前記方法に関する。いくつかの実施態様において先行する療法は、
例えば、化学療法、小分子療法、放射免疫療法、毒素療法、プロドラッグ活性化酵素療法
、生物学的療法、抗体療法、外科療法、ホルモン療法、免疫療法、抗血管新生療法、標的
療法、エピジェネティック療法、脱メチル化療法、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤療法、
分化療法、放射線療法、又はこれらの任意の組合せである。
いくつかの実施態様では、先行する療法は、患者において失敗したことがある。いくつ
かの実施態様では、本発明のコンジュゲートの投与を含む治療的に有効なレジメンは、患
者が先行する療法を受けた直後に患者に投与される。例えば、ある特定の実施態様におい
て先行する療法の結果は、患者にコンジュゲートが投与される前に不明である場合がある
本発明の他の態様は、患者(例えばヒトの患者)において癌を予防する方法であって、該
方法は予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンをそれを必要とする患者に投
与することを含み、該レジメンは本発明のコンジュゲートを患者に投与することを含み、
該患者における癌が寛解に入っている、前記方法に関する。本態様のいくつかの実施態様
では、予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンの施行を通じて医師は、癌を
効果的に治癒できるか又はその再発を予防できる。
本発明の他の態様は、患者(例えばヒトの患者)において癌を予防、治療、及び/又は管
理する方法であって、該方法は予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンをそ
れを必要とする患者に投与することを含み、該レジメンは本発明の化合物又は組成物を患
者に投与することを含み、該コンジュゲートが、最大耐量(maximum tolerated dose)(MTD
)より低い用量で、3カ月、4カ月、6カ月、9カ月、1年、2年、3年、4年又はそれ以上の期
間にわたって投与される、前記方法に関する。
本発明の他の態様は、患者(例えばヒトの患者)において癌を予防、治療、及び/又は管
理する方法であって、該方法は予防的に有効なレジメン又は治療的に有効なレジメンをそ
れを必要とする患者に投与することを含み、該レジメンが本発明のコンジュゲートを患者
に投与することを含み、該コンジュゲートが、無毒性量(no observed adverse effect le
vel)(NOAEL)のヒト等価用量(human equivalent dosage)(HED)より低い用量で、3カ月、4
カ月、6カ月、9カ月、1年、2年、3年、4年又はそれ以上の期間にわたって投与される、前
記方法に関する。動物実験において決定されるNOAELは、ヒトの臨床検査のための最大推
奨初回投与量の決定において有用である。例えばNOAELは、ヒト等価用量を決定するため
に外挿され得る。典型的には、種の間のそのような外挿は、体表面積(例えばmg/m2)につ
いて標準化される用量に基づいて行われる。具体的な実施態様では、NOAELはマウス、ハ
ムスター、ラット、フェレット、モルモット、ウサギ、イヌ、霊長類(サル、マーモセッ
ト、リスザル、ヒヒ)、マイクロピッグ又はミニブタで決定される。NOAELの使用及びヒト
等価用量を決定するためのその外挿についての考察について、(非特許文献123)を参照さ
れたい。
いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、予防的に有効なレジメン及び/又は
治療的に有効なレジメンの施行によって、癌/腫瘍の癌幹細胞集団は、腫瘍の再増殖能を
制限又は予防するように安定化又は低減されると考えられる。
これらの態様のある特定の実施態様では、該レジメンは予防的に有効なレジメン及び/
又は治療的に有効なレジメンを施すことを含み、該レジメンは患者において癌幹細胞集団
における低減をもたらす。一実施態様では、レジメンを受けている患者は、レジメンが患
者において癌幹細胞集団の低減をもたらしているかどうかを決定するためにモニターされ
る。
典型的には、癌幹細胞の量のモニタリングは、患者から採取する検体における癌幹細胞
の量を検出することによって行われる。検体中の癌幹細胞の量を検出する方法は、下記5.
4節に記載されている。このモニタリングステップは、典型的には患者がレジメンを受け
始めた後、少なくとも1、2、4、6、7、8、10、12、14、15、16、18、20、若しくは30、60
、90、120日間、6カ月間、9カ月間、12カ月間、又は>12カ月間実施される。
いくつかの態様では、検体は、血液検体であることができ、単位容積(例えば、1ml)又
は他の測定単位当たり(例えば、組織学的分析の場合では単位視野当たり)の癌幹細胞の量
を定量する。ある特定の実施態様では癌幹細胞の量は、血液検体中に存在する癌細胞の一
部分(例えば百分率)として、血液検体中に存在する癌細胞のサブセットとして、又は血液
検体中に存在する癌細胞のサブセットのサブセットとして決定される。他の実施態様では
、癌幹細胞の量は、全血液細胞の百分率として決定することができる。
他の実施態様では、患者から採取される検体は組織検体(例えば癌が疑われる組織から
採取される生検)であり、癌幹細胞の量は、例えば組織の単位重量当たりの癌幹細胞の量
に基づいて測定され得る。ある特定の実施態様において癌幹細胞の量は、組織に存在する
癌細胞の一部分(例えば百分率)として、組織に存在する癌細胞のサブセットとして、又は
組織に存在する癌細胞のサブセットのサブセットとして決定される。
採取される検体中の癌幹細胞の量は、レジメンの効力、及び療法下の癌からの回復を評
価するために、参照試料において測定される癌幹細胞の量と比較され得る。一実施態様に
おいて参照試料は、療法を受けている患者から採取される検体であり、該検体は、初期の
時点(例えば、ベースライン参照試料としてレジメンを受ける前、又は療法を受けている
間の初期の時点)で患者から採取される。他の実施態様において参照試料は、健康な、癌
に罹患していない患者から採取される。
他の実施態様では、採取される検体中の癌幹細胞の量は、所定参照範囲と比較され得る
。具体的な実施態様では、所定参照範囲は、i)療法を受けている患者と同じ型の癌に罹患
している患者の集団(複数可)から得られる癌幹細胞の量、又はii)癌を有していない患者
の集団(複数可)から得られる幹細胞の量に基づく。
癌幹細胞の量における低減が、レジメンを受けている患者から採取される検体中の癌幹
細胞の量と参照検体との比較において少なすぎると決定される場合、次いで医師は、レジ
メンを調整するための多数の選択肢を有している。例えば、医師は、投与される本発明の
化合物又は組成物の用量、投与の頻度、投与の継続期間、又はそれらの任意の組合せのい
ずれかを増大し得る。具体的な実施態様では、決定がなされた後に、本発明の化合物又は
組成物の第2有効量が患者に投与され得る。
ある特定の実施態様では、癌幹細胞の量における低減が、治療又は予防レジメンを受け
ている患者から得られる試料中の癌幹細胞の量と参照試料との比較において許容し得ると
決定される場合、次いで医師は、レジメンを調整しないと選択できる。例えば医師は、投
与される本発明の化合物又は組成物の用量、投与の頻度、投与の継続期間、又はそれらの
任意の組合せのいずれも増大しないと選択できる。さらに医師は、追加の療法又は併用療
法を追加するために選択できる。
他の実施態様においてレジメンは、予防的に有効なレジメン及び/又は治療的に有効な
レジメンを施すことを含み、該レジメンは、患者において癌細胞の量における低減をもた
らす。一実施態様では、レジメンを受けている患者は、レジメンが患者において癌細胞の
量の低減をもたらしているかどうかを決定するためにモニターされる。
典型的には、癌細胞の量のモニタリングは、患者から採取される検体における癌細胞の
量を検出することによって行われる。検体中の癌細胞の量を検出する方法は、下記5.5節
に記載されている。このモニタリングステップは、典型的には患者がレジメンを受け始め
た後、少なくとも1、2、4、6、7、8、10、12、14、15、16、18、20、若しくは30、60、90
、120日間、6カ月間、9カ月間、12カ月間、又は>12カ月間実施される。
いくつかの実施態様において検体は、血液検体であることができ、単位容積(例えば、1
ml)又は他の測定単位当たり(例えば、組織学的分析の場合では単位視野当たり)の癌細胞
の量を定量する。ある特定の実施態様では、癌細胞集団は、全血液細胞の百分率として決
定することができる。
いくつかの実施態様では、患者から得られる試料は、骨髄検体であることができ、単位
容積(例えば、1ml)又は他の測定単位当たり(例えば、組織学的分析の場合では単位視野当
たり)の癌細胞の量を定量する。ある特定の実施態様では、癌細胞集団は、全骨髄細胞の
百分率として決定することができる。
他の実施態様では、患者から採取される検体は、組織検体(例えば癌が疑われる組織か
ら採取された生検)であり、癌細胞の量は、例えば組織の単位重量当たりの癌細胞の量に
基づいて測定することができる。癌細胞の量は、免疫組織化学又はフローサイトメトリー
を使用して測定することもできる。
採取される検体中の癌細胞の量は、レジメンの効力、及び療法下の癌からの回復を評価
するために、参照試料において測定される癌細胞の量と比較され得る。一実施態様におい
て参照試料は、療法を受けている患者から採取される検体であり、患者由来の検体は、初
期の時点(例えば、ベースライン参照試料としてレジメンを受ける前、又は療法を受けて
いる間の初期の時点)で患者から採取される。他の実施態様において参照試料は、健康な
、癌に罹患していない患者から採取される。
他の実施態様において採取される検体中の癌細胞集団は、所定参照範囲と比較され得る
。具体的な実施態様において所定参照範囲は、療法を受けている患者と同じ型の癌に罹患
している患者の集団(複数可)から得られる癌細胞の量に基づく。
癌細胞集団における低減が、療法を受けている患者から採取される検体中の癌細胞の量
と参照検体との比較において少なすぎると判断される場合、次いで医師は、治療レジメン
を調整するための多数の選択肢を有している。例えば、医師は、投与される本発明の化合
物又は組成物の用量、投与の頻度、投与の継続期間、又はそれらの任意の組合せのいずれ
かを増大し得る。具体的な実施態様では、決定がなされた後に、本発明の化合物又は組成
物の第2有効量が患者に投与され得る。
癌細胞集団における低減が、療法を受けている患者から採取される検体中の癌細胞の量
と参照検体との比較において適切であると判断される場合、次いで医師は、治療レジメン
を調整しないと選択できる。例えば医師は、投与される本発明の化合物又は組成物の用量
、投与の頻度、投与の継続期間、又はそれらの任意の組合せを増大しないと選択できる。
上記モニタリング方法は、疾患又は障害が癌ではない、すなわちアレルギー性疾患又は
自己免疫疾患において、インターロイキン-3受容体発現細胞の量をモニターするためにも
使用し得る。
実施態様では、医師は、インビボイメージング技術を使用して癌集団を測定することを
選択できる。例えば、腫瘍マーカーに対するリガンドは、放射性同位元素、光子放射化合
物又は他のシグナル放射化合物にコンジュゲートでき、次いでリガンドは、患者に注射さ
れ得る。それにより癌細胞は、インビボでリガンドが癌細胞に結合する際に生じるシグナ
ルを測定することによって定量され得る。
(5.3.1投与の用量及び頻度)
インターロイキン-3受容体βサブユニットを発現している細胞を特徴とする、癌を含む
疾患若しくは障害の予防、治療及び/又は管理において有効である予防及び/又は治療レジ
メンにおいて使用される本発明のジフテリア毒素-インターロイキン-3医薬組成物の量は
、本明細書で開示の方法によって決定され得る。該頻度及び該用量は、投与される具体的
なコンジュゲート、状態(例えば癌)の重症度、投与経路並びに年齢、体重、応答、及び患
者の過去の医学的病歴に依存する各患者に特異的な要因に応じて変動する。例えば、癌の
治療、予防、及び/又は管理において有効である本発明のコンジュゲートの用量は、例え
ば本明細書で開示又は当業者に周知であるなどの動物モデルに化合物を投与することによ
って決定され得る。下記5.7.2節を参照されたい。さらに、インビトロアッセイも場合に
より最適な用量範囲の特定を助けるために使用され得る。下記5.7.1節を参照されたい。
いくつかの実施態様では、予防及び/又は治療レジメンは、療法の効力の具体的な基準
を達成する様に患者に投与される用量を用量設定することを含む。そのような基準として
、患者における若しくは患者からの癌幹細胞の量における低減及び/又は患者における若
しくは患者からの癌細胞の量の低減が挙げられる。
いくつかの実施態様では、予防及び/又は治療レジメンは、癌幹細胞を低減するために
有効である本発明のコンジュゲート又は医薬組成物の投与及びレジメンを施すことを含む
。治療前、治療中及び/又は治療後の患者における癌幹細胞の量を決定するために使用で
きる方法は、下記5.4節で考察されている。
ある特定の実施態様では、予防及び/又は治療レジメンにおける本発明のコンジュゲー
トの用量は、参照試料と比較して、治療レジメンを受けた後の患者から採取される検査検
体において見出される癌幹細胞の量における低減を達成する様に調整される。ここで該参
照試料は、療法を受けている患者から採取される検体であり、該検体は、より早い時点で
患者から採取される。一実施態様において参照試料は、予防及び/又は治療レジメンを受
ける前に同じ患者から採取される検体である。具体的な実施態様では、検査検体中の癌幹
細胞の量は、参照試料においてよりも、少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、5
0%、60%、70%、80%、90%、95%又は99%少ない。
他の実施態様では、予防及び/又は治療レジメンにおける本発明のコンジュゲートの用
量は、参照試料と比較して、予防及び/又は治療レジメンを受けた後の患者から採取され
る検査検体に見出される癌幹細胞の量における低減を達成する様に調整され、該参照試料
検体は、健康で、癌に罹患していない患者から採取される。具体的な実施態様では、検査
検体中の癌幹細胞の量は、参照試料中の癌幹細胞の量の少なくとも60%、50%、40%、30%、
20%、15%、10%、5%又は2%以内である。
いくつかの実施態様では、予防及び/又は治療レジメンにおける本発明のコンジュゲー
トの用量は、所定参照範囲内への癌幹細胞の量の低下が達成されるように調整される。こ
れらの実施態様では、検査検体中の癌幹細胞の量は、所定参照範囲と比較される。具体的
な実施態様において所定参照範囲は、療法を受けている患者と同じ型の癌に罹患している
患者の集団(複数可)から得られた癌幹細胞の量に基づく。
いくつかの実施態様では、予防及び/又は治療レジメンは、癌細胞集団を低減するため
に有効である本発明のコンジュゲート又は医薬組成物の用量を投与することを含む。治療
を受けている患者における癌細胞集団を決定するために使用され得る方法は、下記5.5節
に考察されている。
ある特定の実施態様では、予防及び/又は治療レジメンにおける本発明のコンジュゲー
トの用量は、参照試料と比較して、予防及び/又は治療レジメンを受けた後の患者から採
取される検査検体に見出される癌細胞の量における低減を達成する様に調整される。ここ
で該参照試料は、療法を受けている患者から採取する検体であり、該検体は、より早い時
点に患者から採取される。一実施態様において参照試料は、予防及び/又は治療レジメン
を受ける前に同じ患者から採取される検体である。具体的な実施態様では、検査検体中の
癌細胞の量は、参照試料においてよりも、少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%
、50%又は60%少ない。
いくつかの実施態様では、予防及び/又は治療レジメンにおける本発明のコンジュゲー
トの用量は、所定参照範囲内への癌細胞の量の低下が達成されるように調整される。これ
らの実施態様では、検査検体中の癌細胞の量は、所定参照範囲と比較される。
他の実施態様では、予防及び/又は治療レジメンにおける本発明のコンジュゲートの用
量は、参照試料と比較して、予防及び/又は治療レジメンを受けた後の患者から採取され
る検査検体に見出される癌細胞の量における低減を達成する様に調整され、該参照試料は
、健康で、癌に罹患していない患者から採取される検体である。具体的な実施態様では、
検査検体中の癌細胞の量は、参照試料中の癌細胞の量の少なくとも60%、50%、40%、30%、
20%、15%、10%、5%又は2%以内である。
固形腫瘍を有するある特定のヒトの患者の治療において、腫瘍が疑われる部位から複数
の組織検体を採取することは、実行不可能であると示される場合もされない場合もある。
これらの実施態様では、ヒトの患者に対する予防及び/又は治療レジメンにおける本発明
の化合物の用量は、動物モデルにおいて癌幹細胞の量を低減させるために有効である動物
モデルでの用量から外挿される。該動物モデルにおいて、予防及び/又は治療レジメンは
、参照試料と比較して、予防及び/又は治療レジメンを受けた後の動物から採取される検
査検体において見出される癌幹細胞の量の低減を達成する様に調整される。該参照試料は
、予防及び/又は治療レジメンを受ける前に同じ動物から採取される検体であり得る。具
体的な実施態様では、検査検体中の癌幹細胞の量は、参照試料においてよりも、少なくと
も2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%又は60%少ない。体表面積(mg/m2)で標準化され
得る動物における癌幹細胞の量の低減において有効な用量は、等価ヒト用量を提供するた
めである。
本明細書で開示の予防及び/又は治療レジメンは、本発明のコンジュゲート又はその医
薬組成物の患者への単回投与又は複数回投与(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、10、15、2
0又はそれ以上の投与)での投与を含む。
一実施態様では、予防及び/又は治療レジメンは、本発明のコンジュゲート又はその医
薬組成物の複数回投与での投与を含む。複数回投与で投与する場合、コンジュゲート又は
医薬組成物は、状態を予防、治療及び/又は管理するために十分な頻度及び量で投与され
る。一実施態様において投与の頻度は、1日1回から約8週間ごとに1回まで変動する。他の
実施態様において投与の頻度は、約1週間に1回から約6週間ごとに1回まで変動する。他の
実施態様において投与の頻度は、約3週間ごとに1回から約4週間ごとに1回まで変動する。
ある特定の実施態様においてコンジュゲートは、1週間から2年間の期間にわたって投与さ
れる。さらに他の実施態様においてコンジュゲートは、2週間以上の期間にわたって投与
される。他の実施態様においてコンジュゲートは、2週間から1年間の期間にわたって投与
される。さらなる実施態様においてコンジュゲートは、2週間から6カ月の期間にわたって
投与される。いくつかの実施態様においてコンジュゲートは、2週間から12週間の期間に
わたって投与される。さらに他の実施態様においてコンジュゲートは、2週間から6週間の
期間にわたって投与される。ある特定の実施態様においてコンジュゲートは、1週間に1回
、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回又は1週間に7回投与さ
れる。好ましい実施態様においてコンジュゲートは、1週間に少なくとも3回投与される。
他の好ましい実施態様において化合物は、連続する5日間に毎日、又は連続する7日間に毎
日投与される。他の実施態様においてコンジュゲートは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4
回又は1日5回投与される。好ましい実施態様においてコンジュゲートは、1週間に3回、2
週間の期間にわたって投与される。いくつかの実施態様においてコンジュゲートが投与さ
れるたびごとに、コンジュゲートは1日当たり4μg/kg以上の用量で投与される。いくつか
の実施態様において化合物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15
周期投与される。
本実施態様の具体的な態様においてコンジュゲートは、1日当たり4μg/kg以上の用量で
投与され得る。他の態様においてコンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり
約20μg/kgの範囲の用量で投与され得る。さらに他の態様においてコンジュゲートは、1
日当たり約4μg/kgから1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与され得る。さらに他の態
様においてコンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約12.5μg/kgの範囲の
用量で投与され得る。本実施態様の具体的な態様においてコンジュゲートは、1日当たり
約5.3μg/kg、又は1日当たり約7.1μg/kg、又は1日当たり約9.4μg/kg、又は1日当たり約
12.5μg/kgの用量で投与され得る。具体的な態様においてコンジュゲートは、過度な毒性
を伴うことなく許容される最大用量である用量で又はそれ未満で投与され得る。具体的な
実施態様では、疾患又は障害が骨髄性白血病である場合、与えられる用量は、1日当たり4
μg/kgを超えて1日当たり約20μg/kgまでの間の範囲である。本明細書に記載の1日当たり
の用量は、連続する及び/又は連続しない日で投与され得る。具体的な実施態様では、1日
当たりの用量は、1週間を通じて連続しない日、例えば月曜日、水曜日及び金曜日に投与
される。他の具体的な実施態様では、1日当たりの用量は、1週間を通じて連続する日、例
えば月曜日、火曜日、水曜日、木曜日及び金曜日に投与される。
本実施態様の具体的な態様においてコンジュゲートは、1日当たり4μg/kg以上の用量で
投与され得る。他の態様においてコンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり
約20μg/kgの範囲の用量で投与され得る。さらに他の態様においてコンジュゲートは、1
日当たり約4μg/kgから1日当たり約9μg/kgの範囲の用量で投与され得る。さらに他の態
様においてコンジュゲートは、1日当たり約4μg/kgから1日当たり約12.5μg/kgの範囲の
用量で投与され得る。本実施態様の具体的な態様においてコンジュゲートは、1日当たり
約5.3μg/kgの用量、1日当たり約7.1μg/kgの用量、又は1日当たり約9.4μg/kgの用量、
又は1日当たり約12.5μg/kgの用量で投与され得る。具体的な態様においてコンジュゲー
トは、過度な毒性を伴うことなく許容される最大用量である用量又はそれ未満で投与され
得る。具体的な実施態様では、疾患又は障害が骨髄性白血病である場合、与えられる用量
は、4μg/kgを超えてから約20μg/kgまでの間の範囲である。
他の実施態様では、疾患が骨髄異形成症候群である場合、与えられる用量は、少なくと
も4μg/kg以上である。
本発明のいくつかの実施態様では、投与される本発明のコンジュゲート又はその医薬組
成物の用量は、最大耐量(maximum tolerated dose)(MTD)の少なくとも1.5、1.6、1.8、2
、2.5、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100分の1で、1週間
、2週間、1カ月間、3カ月間、4カ月間、6カ月間、9カ月、1年間、2年間、3年間、4年間又
はそれ以上の期間にわたる。
本発明のいくつかの実施態様では、投与される本発明のコンジュゲート又はその医薬組
成物の用量は、無毒性量(no observed adverse effect level)(NOAEL)のヒト等価用量(hu
man equivalent dosage)(HED)の少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.8、2、2.5
、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100分の1で、1週間、2週
間、1カ月間、3カ月間、4カ月間、6カ月間、9カ月、1年間、2年間、3年間、4年間又はそ
れ以上の期間にわたる。上記の5.3節における考察を参照されたい。
ある特定の実施態様では、本発明のコンジュゲートの用量は、静脈輸液として約1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60
、120、180又は240分間かけて投与される。
一般的に、癌を予防、治療及び/又は管理するために対象に投与される本発明のコンジ
ュゲートの用量は、対象の体重について、0.01から500μg/kgの範囲、より典型的には0.1
μg/kgから100μg/kgの範囲である。一実施態様では、対象に投与される用量は、対象の
体重について、0.1μg/kgから50μg/kg又は1μg/kgから50μg/kgの範囲、より好ましくは
患者の体重について、0.1μg/kgから25μg/kg、1μg/kgから25μg/kg又は4から12.5μg/k
gの範囲である。好ましい実施態様では、対象に投与される本発明のコンジュゲートの用
量は、患者の体重について、4μg/kg、5.32μg/kg、7.07μg/kg、9.4μg/kg又は12.5μg/
kgである。
具体的な実施態様では、患者における癌を予防、治療及び/又は管理するために対象に
投与される本発明のコンジュゲートの用量は、患者の体重について500μg/kg以下、好ま
しくは250μg/kg以下、100μg/kg以下、95μg/kg以下、90μg/kg以下、85μg/kg以下、80
μg/kg以下、75μg/kg以下、70μg/kg以下、65μg/kg以下、60μg/kg以下、55μg/kg以下
、50μg/kg以下、45μg/kg以下、40μg/kg以下、35μg/kg以下、30μg/kg以下、25μg/kg
以下、20μg/kg以下、15μg/kg以下、12.5μg/kg以下、10μg/kg以下、9.4μg/kg以下、7
.07μg/kg以下、5.32μg/kg以下、5μg/kg以下、4μg/kg以下、2.5μg/kg以下、2μg/kg
以下、1.5μg/kg以下、又は1μg/kg以下である。
好ましい実施態様では、患者における癌を治療、予防及び/又は管理するために対象に
投与される本発明のコンジュゲートの用量は、1週間に3回、2週間にわたって投与される
、対象の体重について4μg/kg、5.32μg/kg、7.07μg/kg、9.4μg/kg又は12.5μg/kgの用
量である。本実施態様の具体的な態様では、本発明のコンジュゲートは、5日間毎日投与
される。他の実施態様では、投与は、複数周期繰り返されることができ、選択される周期
の回数は、患者での抗DT抗体の測定を考慮に入れる場合も入れない場合もある。
他の具体的な実施態様では、患者における癌を予防、治療及び/又は管理するために対
象に投与される本発明のコンジュゲートの用量は、0.1μgから20μg、0.1μgから15μg、
0.1μgから12μg、0.1μgから10μg、0.1μgから8μg、0.1μgから7μg、0.1μgから5μg
、0.1μgから2.5μg、0.25μgから20μg、0.25μgから15μg、0.25μgから12μg、0.25μ
gから10μg、0.25μgから8μg、0.25μgから7μg、0.25μgから5μg、0.5μgから2.5μg
、1μgから20μg、1μgから15μg、1μgから12μg、1μgから10μg、1μgから8μg、1μg
から7μg、1μgから5μg又は1μgから2.5μgの単位用量である。
具体的な実施態様では、患者における癌を予防、治療及び/又は管理するために対象に
投与される本発明のコンジュゲートの用量は、対象の体表面積について0.01から10g/m2
範囲に、より典型的には0.1g/m2から7.5g/m2の範囲にある。一実施態様では、対象に投与
される用量は、対象の体表面積について0.5g/m2から5g/m2、又は1g/m2から5g/m2の範囲に
ある。
他の実施態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、患者に本発明のコン
ジュゲートの有効量の1つ以上の用量を投与することを含み、該有効量の用量は、本発明
の化合物の、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なく
とも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくと
も15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくと
も100μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも175μg/ml、少な
くとも200μg/ml、少なくとも225μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275μg/ml、
少なくとも300μg/ml、少なくとも325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも375μg/
ml、少なくとも400μg/mlの血漿レベルを達成する。
他の実施態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、患者に本発明のコン
ジュゲートの有効量の複数用量を投与することを含み、該複数用量は、少なくとも0.1μg
/ml、少なくとも0.15μg/ml、少なくとも0.17μg/ml、少なくとも0.2μg/ml、少なくとも
0.23μg/ml、少なくとも0.25μg/ml、少なくとも0.3μg/ml、少なくとも0.34μg/ml、少
なくとも0.4μg/ml、少なくとも0.45μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも1μg/ml
、少なくとも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、
少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、
少なくとも100μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも1751g/m
l、少なくとも200μg/ml、少なくとも225μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275
μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なくとも325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくと
も375μg/ml又は少なくとも400μg/mlの本発明の化合物の血漿レベルを、少なくとも、1
カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12
カ月、15カ月、18カ月又は24カ月間維持する。
他の実施態様では、本発明は、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンであって、少
なくとも0.1μg/mlから少なくとも20μg/ml、少なくとも0.1μg/mlから少なくとも50μg/
ml、少なくとも0.1μg/mlから少なくとも100μg/ml、少なくとも0.1μg/mlから少なくと
も200μg/ml、少なくとも0.1μg/mlから少なくとも300μg/ml、少なくとも0.1μg/mlから
少なくとも400μg/ml、少なくとも0.1μg/mlから少なくとも500μg/ml、少なくとも0.1μ
g/mlから少なくとも600μg/ml、少なくとも0.1μg/mlから少なくとも700μg/ml、又は少
なくとも0.1μg/mlから少なくとも800μg/mlの範囲のDT-IL3コンジュゲートの血漿レベル
を、少なくとも1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10
カ月、11カ月、12カ月、15カ月、18カ月又は24カ月間達成するためのDT-IL3コンジュゲー
トの量が患者に投与されるレジメンを包含する。
いくつかの実施態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンへの患者の応答は
、モニターされ、且つレジメンは、参照点及び/又はモデルとの比較に基づいて維持又は
調整される。一実施態様では、レジメンは、癌細胞のモニタリングに基づいて維持又は調
整される。他の実施態様では、レジメンは、癌幹細胞のモニタリングに基づいて維持又は
調整される。
具体的な実施態様では、治療レジメンへの患者の応答は、それだけに限らないが、生物
学的試料、例えば患者の血液、骨髄、正常組織又は腫瘍生検などの患者由来試料の採取及
び分析を通じてモニターされる。一実施態様では、参照点及び/又はモデルは、療法を受
けている患者からの薬物動態学的又は免疫応答のデータを含み、該データは、より早い時
点で採取される(例えば、ベースライン参照試料としてレジメンを受ける前、又は療法を
受けている間の初期の時点)。他の実施態様では、参照点及び/又はモデルは、健康な、癌
に罹患していない患者由来である。好ましい実施態様では、参照点は、治療を受けている
患者と同じ型の癌の寛解に達している患者由来である。
ある特定の実施態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンへの患者の応答は
、本発明のコンジュゲートの血清又は血漿濃度を経時的に測定することによってモニター
される。いくつかの実施態様において予防及び/又は治療レジメンは、得られた薬物動態
学データの結果に応じて調整される。例えば、患者に投与される頻度及び/又は用量は、
調整され得る。いくつかの実施態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンへの
患者の応答は、患者に投与されたコンジュゲートへの患者の免疫応答を評価することによ
ってモニターされる。具体的な実施態様では、患者の抗ジフテリア毒素(抗-DT)抗体価が
モニターされる。レジメンのいくつかの態様は、それだけに限らないが、投与の用量及び
頻度並びに投与の時間的レジメンを含めた比較に基づいて変更され得る。
いくつかの実施態様では、患者における抗-DT抗体の力価は、本発明のコンジュゲート
の投与に先立って測定される。治療前の抗-DT抗体の力価は、本発明のコンジュゲートを
受ける患者、又は患者に投与される予防的及び/又は治療的に有効なレジメンの適格性の
決定において考慮され得る。例えば患者の抗-DT抗体の力価は、特定の用量での、特定の
頻度での及び/又はある特定の期間についての本発明のコンジュゲートの投与を示唆でき
る。
いくつかの実施態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、1つ以上の追加
の癌療法との組合せでの本発明のコンジュゲートの投与を含む。5.3.2節を参照されたい
。好ましくは、併用療法において使用される1つ以上の追加の癌療法の用量は、それが、
癌を予防、治療及び/又は管理するために使用されてきた又は現在使用されている用量よ
り低い。癌の予防、治療及び/又は管理のために現在使用されている1つ以上の追加の癌療
法の推奨される用量は、それだけに限らないが、その全体が引用により本明細書に組み込
まれている、(非特許文献124)を含む当分野の任意の文献から得ることができる。
本発明のコンジュゲートと1つ以上の追加の癌療法とは、別々に、同時に又は逐次的に
投与され得る。種々の実施態様では、本発明の化合物と追加の癌療法とは、5分未満離し
て、30分未満離して、1時間未満離して、約1時間離して、約1から約2時間離して、約2時
間から約3時間離して、約3時間から約4時間離して、約4時間から約5時間離して、約5時間
から約6時間離して、約6時間から約7時間離して、約7時間から約8時間離して、約8時間か
ら約9時間離して、約9時間から約10時間離して、約10時間から約11時間離して、約11時間
から約12時間離して、約12時間から18時間離して、18時間から24時間離して、24時間から
36時間離して、36時間から48時間離して、48時間から52時間離して、52時間から60時間離
して、60時間から72時間離して、72時間から84時間離して、84時間から96時間離して又は
96時間から120時間離して、投与される。好ましい実施態様では、2つ以上の癌療法が同じ
患者の診察時に投与される。
ある特定の実施態様では、本発明のコンジュゲートと追加の癌療法とは、周期的に投与
される。サイクリング療法は、1つの癌療法の一時期の投与に続く第2の癌療法の一時期の
投与及びこの逐次的投与を繰り返すこと、すなわち、1つ又は両方の癌療法への耐性の発
生を低減するため、1つ又は両方の癌療法の副作用を回避若しくは低減するため、及び/又
は該療法の効力を改善するための周期を意味する。
好ましい実施態様では、癌療法は、別々の組成物中で対象に同時に投与される。本発明
の組合せ癌療法は、同じ又は異なる投与経路によって対象に投与され得る。
具体的な実施態様では、サイクリング療法は、第1の癌療法の一時期の投与に続く第2の
癌療法の一時期の投与、場合により第3の癌療法の一時期の投与が続くなど、この逐次的
投与を繰り返すこと、すなわち、癌療法のうちの1つへの耐性の発生を低減するため、癌
療法のうちの1つの副作用を回避若しくは低減するため、及び/又は癌療法の効力を改善す
るための周期を意味する。
本発明のコンジュゲートと追加の癌療法とが、対象に同時に投与される場合、用語「同
時」は、厳密に同じ時での癌療法の投与に限定されず、むしろそれらが、逐次的及びそれ
らが一緒に(例えばそれらが別の方法で投与された場合より多くの利益を提供するように
相乗的に)作用できる様な時間間隔で対象に投与されることを意味する。例えば、癌療法
は、同じ時に又は任意の順序で異なる時点で逐次的に投与され得るが;しかし、同じ時に
投与されない場合は、それらは、所望の治療効果を、好ましくは相乗的なやり方で提供す
るように十分に近い時点で、投与されるべきである。本発明の組合せ癌療法は、任意の適
切な形態で及び任意の適切な経路によって別々に投与され得る。組合せ癌療法の成分が同
じ医薬組成物中で投与されない場合は、それらが、任意の順序でそれを必要とする対象に
投与され得ることは理解される。例えば、本発明のコンジュゲートは、追加の癌療法のそ
れを必要とする対象への投与に先立って(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、
4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間
、5週間、6週間、8週間又は12週間前)、付随して又は、続いて(例えば5分、15分、30分、
45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間
、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間又は12週間後)投与され得る。種々の実施
態様では、癌療法は、1分離して、10分離して、30分離して、1時間未満離して、1時間離
して、1時間から2時間離して、2時間から3時間離して、3時間から4時間離して、4時間か
ら5時間離して、5時間から6時間離して、6時間から7時間離して、7時間から8時間離して
、8時間から9時間離して、9時間から10時間離して、10時間から11時間離して、11時間か
ら12時間離して、24時間未満離して、又は48時間未満離して、投与される。一実施態様で
は、癌療法は、同じ外来診察時に投与される。他の実施態様では、本発明の組合せ癌療法
は、1分間から24時間離して投与される。
(5.3.2疾患及び障害の型)
本発明は、治療又は予防を必要とするヒトに、疾患又は障害を治療又は予防するために
有効な量の本発明のIL-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む医薬組成物を投与するこ
とによる、ヒトにおいてIL-3受容体βサブユニットを発現している細胞を特徴とする疾患
又は障害を治療する若しくは予防する又は管理する方法を提供する。ある特定の実施態様
において疾患又は障害は、血液癌ではない。他の実施態様において疾患又は障害は、アレ
ルギー性疾患又は障害である。他の実施態様において疾患又は障害は、炎症性疾患又は障
害である。他の実施態様において疾患又は障害は、形質細胞様樹状細胞(例えば、NK芽球
性白血病及びCD4+CD56+皮膚新生物などの樹状細胞癌)に影響を与えることを特徴とするも
のである。ある特定の実施態様において対象は、急性骨髄性白血病(acute myelogenous l
eukemia)(AML)を有している。ある特定の他の実施態様において対象は、骨髄異形成症候
群(myelodyplastic syndrome)(MDS)を有している。他の実施態様において対象は、慢性骨
髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia)(CMML)、CML、ALL、ヘアリーセル白
血病、ホジキン病又は非ホジキンリンパ腫を有している。
本発明は、炎症性疾患又は1つ以上のその症状を他の従来の療法の代替として予防する
、治療する、管理する及び/又は回復させるための方法を包含する。具体的な実施態様で
は、本発明の方法により管理又は治療されている患者は、他の療法で難治性であるか又は
そのような療法からの有害反応を受けやすい。患者は、免疫系が抑制されているヒト(例
えば、手術後の患者、化学療法の患者、及び免疫不全疾患を有する患者、気管支肺異形成
症を有する患者、先天性心疾患を有する患者、嚢胞性線維症を有する患者、後天性又は先
天性心疾患を有する患者、並びに感染症に罹患している患者)、腎機能若しくは肝機能が
減退しているヒト、高齢者、小児、乳児、未熟児、精神神経性障害を有する若しくは向精
神薬を摂取しているヒト、発作の病歴のあるヒト、又はウイルス性呼吸器感染症若しくは
その1つ以上の症状を予防、管理、治療又は回復させるために使用される従来の薬剤と否
定的に相互作用する投薬を受けているヒトであり得る。
本発明の実施態様では、IL-3受容体のα鎖の高発現を示す形質細胞様樹状細胞を特徴と
する疾患が標的にされる。そのような疾患として、それだけに限らないが、HIV、ヘルペ
ス、CMV、自己免疫疾患、並びにNK芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞癌を含む樹状細
胞癌及び皮膚新生物を含むがそれだけに限らない癌が挙げられる。
(自己免疫障害)
ある特定の実施態様では、本発明は、自己免疫障害又は1つ以上のその症状を予防する
、治療する、管理する及び/又は回復させる方法を提供し、前記方法は、本発明の1つ以上
の医薬組成物の有効量の用量をそれを必要とする対象に投与することを含み、そのような
障害に関与する細胞は、インターロイキン-3受容体βサブユニットを発現する。自己免疫
障害において、免疫系は、免疫応答を開始し、身体の正常では防御的な免疫系が誤って自
身を攻撃することによってそれ自身の組織に損傷を生じる。様々なやり方で身体を冒す多
数の様々な自己免疫障害がある。例えば、脳は、個体において多発性硬化症で冒され、腸
は、個体においてクローン病で冒され、滑膜、骨及び種々の関節の軟骨は、個体において
関節リウマチで冒される。自己免疫障害の進行に従って、1つ以上の型の身体組織の破壊
、臓器の異常な増殖、又は臓器機能における変化が生じ得る。自己免疫障害は、1つだけ
の臓器若しくは組織の型を冒し得るか、又は複数の臓器若しくは組織を冒し得る。自己免
疫障害によって一般に冒される臓器及び組織として、赤血球、血管、結合組織、内分泌腺
(例えば、甲状腺又は膵臓)、筋肉、関節及び皮膚が挙げられる。
本発明の方法によって予防、治療、管理及び/又は回復され得る自己免疫障害の例とし
て、アドレナリン作用薬耐性、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己
免疫性アジソン病、副腎の自己免疫疾患、アレルギー性脳脊髄炎、自己免疫性溶血性貧血
、自己免疫性肝炎、自己免疫性炎症性眼疾患、自己免疫性新生児血小板減少症、自己免疫
性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎及び精巣炎、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性甲
状腺炎、ベーチェット病、類天疱瘡、心筋症、開心術症候群、セリアックスプルー皮膚炎
、慢性活動性肝炎、慢性疲労免疫障害症候群(chronic fatigue immune dysfunction synd
rome)(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、チャーグ-ストラウス症候群、瘢
痕性類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素症、クローン病、デンスデポジット病、円板
状ループス、本態性混合型クリオグロブリン血症、線維筋痛症-線維筋炎、糸球体腎炎(例
えば、IgA腎症)、グルテン過敏性腸症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン
-バレー、甲状腺機能亢進症(すなわち橋本甲状腺炎)、特発性肺線維症、特発性アジソン
病、特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenia purpura)(ITP)、IgAニュ
ーロパシー、若年性関節炎、扁平苔癬、エリテマトーデス、メニエール病、混合性結合組
織病、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋症、1型又は免疫性糖尿病、神経炎、他の内分
泌腺不全、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、多発性内分泌疾
患、多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎及び皮膚筋炎、心筋梗塞後、原発
性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、
再発性多発性軟骨炎、ライター症候群、リウマチ性心疾患、関節リウマチ、サルコイドー
シス、強皮症、シェーグレン症候群、スティックマン症候群、全身性エリトマトーデス、
高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、じん麻疹、ブドウ膜炎、ブド
ウ膜眼炎、疱疹状皮膚炎血管炎などの血管炎、白班、及びウェゲナー肉芽腫症がそれだけ
に限らないが挙げられる。
(アレルギー)
ある特定の実施態様では、本発明は、1つ以上のアレルギー性疾患若しくはアレルギー
又は1つ以上のその症状を予防する、治療する、管理する及び/又は回復させる方法を提供
し、そのような障害又はアレルギーに関与する細胞は、インターロイキン-3受容体βサブ
ユニットを発現し、前記方法は、本発明の1つ以上の医薬組成物の有効量の用量をそれを
必要とする対象に投与することを含む。免疫媒介アレルギー(過敏)反応は、アレルギー症
状の出現を生じる原因となる機構に応じて4つの型(I~IV)に分類される。I型アレルギー
反応は、肥満細胞及び好塩基球由来のヒスタミンなど血管作用性物質のIgE媒介放出を特
徴とする即時型過敏反応である。数時間にわたり、肥満細胞及び好塩基球は、血管拡張、
毛細管透過性の増大、腺分泌過多、平滑筋痙縮、並びに好酸球及び他の炎症細胞の組織浸
潤を生じる炎症誘発性サイトカインを放出する。
II型アレルギー反応は、細胞毒性過敏反応であり、IgG又はIgM抗体の細胞表面抗原への
結合に続く補体固定を含む。キラーT細胞又はマクロファージなどのある特定の細胞毒性
細胞は、活性化され、IgGで覆われた細胞に結合し、標的細胞を破壊する。II型反応は、
細胞溶解又は組織損傷をもたらし得る。
III型反応は、血管又は組織中を循環している抗原-抗体免疫複合体の沈着からもたらさ
れる免疫複合反応である。急性の炎症は、組織での多形核細胞の遊走並びにリソソームタ
ンパク質分解酵素及び透過性因子の放出をもたらす逐次的事象を開始する免疫複合体から
もたらされる。
IV型反応は、特異抗原と接触した後に感作されたTリンパ球によって生じる遅延型過敏
反応である。活性化感作されたTリンパ球は、直接毒性作用によって又はリンホカイン及
び他の可溶性物質の放出を介して免疫性の傷害を生じる。活性化されたTリンパ球は、マ
クロファージ、好中球及びリンパ球キラー細胞の活性に影響を与えるサイトカインも放出
し得る。
アレルギー反応は、即時性、遅発相又は慢性であり得る。アレルゲンへの継続的又は慢
性の曝露は、慢性のアレルギー性炎症をもたらし得る。組織の慢性の炎症部位は、組織損
傷、炎症の増大及び感受性の増大を生じ得るメディエーターを放出する好酸球及びT細胞
を含有する。
現在、アレルギー反応は、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、血管拡張剤、気管支
拡張剤、ロイコトリエン阻害剤及びアレルギー反応に関連する症状の軽減を試みる免疫調
節剤などの薬剤で治療される。
(癌)
癌幹細胞又は癌細胞がインターロイキン-3受容体β及び/又はαサブユニットを発現す
る任意の型の癌は、本発明により予防、治療及び/又は管理され得る。本発明により予防
、治療及び/又は管理され得る癌の限定しない例として、それだけに限らないが、急性白
血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、
骨髄単球性白血病、単球性白血病及び赤白血病など)並びに骨髄異形成症候群などの白血
病;それだけに限らないが、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリ
ーセル白血病などの慢性白血病;真正多血症;それだけに限らないが、ホジキン病、非ホジ
キン病などのリンパ腫;それだけに限らないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄
腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫及び髄外性形質細胞腫などの
多発性骨髄腫;ワルデンストローム・マクログロブリン血症;意義未確定の単クローン性γ
グロブリン血症;良性単クローン性γグロブリン異常症;重鎖病;形質細胞様樹状細胞癌、N
K芽細胞性リンパ腫(皮膚NK/T-細胞リンパ腫及び無顆粒性(CD4+/CD56+)皮膚新生物として
も周知)が挙げられる樹状細胞癌;好塩基球性白血病;それだけに限らないが、骨の肉腫、
骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、
軟部組織肉腫、血管肉腫(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋
肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫などの骨及び結合組織
肉腫;それだけに限らないが、グリオーマ、星細胞腫、脳幹グリオーマ、上衣腫、乏突起
神経膠腫、非グリア系腫瘍、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、
松果体芽腫、原発性脳リンパ腫などの脳腫瘍;それだけに限らないが、線管癌、腺癌、小
葉(小細胞)癌、乳管癌、髄様乳癌、粘液乳癌、管状乳癌、乳頭部乳癌、パジェット病及び
炎症性乳癌が挙げられる乳癌;それだけに限らないが、褐色細胞腫及び副腎皮質癌などの
副腎癌;それだけに限らないが、乳頭様又は濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌及び組織非形
成性甲状腺癌などの甲状腺癌;それだけに限らないが、膵島細胞腺腫、ガストリノーマ、
グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、及びカルチノイド又は膵島細胞腫
瘍などの膵臓癌;それだけに限らないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨
大症、及び尿崩症などの下垂体癌;それだけに限らないが、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫及
び毛様体黒色腫などの眼球内黒色腫並びに網膜芽細胞腫などの眼癌;扁平上皮癌、腺癌及
びメラノーマなどの膣癌;扁平上皮癌、メラノーマ、腺癌、基底細胞癌、肉腫及びパジェ
ット病などの外陰癌;それだけに限らないが、扁平上皮癌及び腺癌などの子宮頸癌;それだ
けに限らないが、子宮内膜癌及び子宮肉腫などの子宮癌;それだけに限らないが、卵巣上
皮癌、境界腫瘍、胚細胞腫瘍及び間質腫瘍などの卵巣癌;それだけに限らないが、扁平上
皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、メラノーマ、形質細胞腫、疣
状癌及び燕麦(小細胞)細胞癌などの食道癌;それだけに限らないが、腺癌、腫瘤形成型(ポ
リポイド)、潰瘍形成型、表在拡大型、びまん性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維
肉腫及び癌肉腫などの胃癌;結腸癌;直腸癌;それだけに限らないが、肝細胞癌及び肝芽腫
などの肝臓癌;腺癌などの胆嚢癌;それだけに限らないが、乳頭状、結節状及びびまん性な
どの胆管細胞癌;非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌及び小細胞肺癌
などの肺癌;それだけに限らないが、胚腫瘍、セミノーマ、未分化、古典的(典型的)、精
母細胞性、非セミノーマ、胚性癌腫、奇形種癌、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)などの精巣癌;それ
だけに限らないが、前立腺上皮内腫瘍、腺癌、平滑筋肉腫及び横紋筋肉腫などの前立腺癌
;陰茎癌;それだけに限らないが、扁平上皮癌などの口腔癌;基底癌;それだけに限らないが
、腺癌、粘表皮癌及び腺様嚢胞癌などの唾液腺癌;それだけに限らないが、扁平上皮癌及
び疣状などの咽頭癌;それだけに限らないが、基底細胞癌、扁平上皮癌及びメラノーマ、
表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、悪性黒子黒色腫、末端性黒子性黒色腫などの皮膚癌;
それだけに限らないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行細胞癌(腎盂及び/又は
尿管)などの腎臓癌;ウィルムス腫瘍;それだけに限らないが、移行上皮癌、扁平上皮癌、
腺癌、癌肉腫などの膀胱癌;が挙げられる。さらに、癌として、粘液肉腫、骨肉腫、内皮
肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性肺
癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌が挙げられる(そのような障害の総説として
、(非特許文献125)を参照されたい)。
予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、様々な癌又は他の異常増殖性疾患の治療
、予防及び/又は管理においても有用であり、そのような疾患の細胞は、インターロイキ
ン-3受容体βサブユニットを発現し、そのような疾患としてそれだけに限らないが、以下
の:膀胱、胸部、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺及び皮膚の
癌が挙げられる癌;扁平上皮癌が挙げられる;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽
球性白血病、B-細胞リンパ腫、T-細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫が挙げられるリンパ
球系の造血器腫瘍;急性及び慢性骨髄性白血病及び前骨髄球性白血病が挙げられる骨髄系
の造血器腫瘍;線維肉腫及び横紋筋肉腫が挙げられる間葉由来の腫瘍;メラノーマ、セミノ
ーマ、奇形癌腫、神経芽細胞腫及びグリオーマが挙げられる他の腫瘍;星細胞腫、神経芽
細胞腫、グリオーマ、シュワン腫が挙げられる中枢及び末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横
紋筋肉腫及び骨肉腫が挙げられる間葉由来の腫瘍;並びに、メラノーマ、色素性乾皮症、
ケラトアカントーマ、セミノーマ、甲状腺濾胞癌及び奇形癌腫が挙げられる他の腫瘍;が
挙げられる。いくつかの実施態様では、アポトーシスの異常に関連する癌は、本発明の方
法により予防、治療及び/又は管理される。そのような癌として、それだけに限らないが
、濾胞性リンパ腫、p53変異を有する癌、胸部、前立腺及び卵巣のホルモン依存性腫瘍並
びに家族性大腸腺腫症及び骨髄異形成症候群などの前癌性病変部が挙げられる。具体的な
実施態様では、悪性の若しくは異常増殖的な変化(異形成及び形成異常など)、又は皮膚、
肺、肝臓、骨、脳、胃、結腸、胸部、前立腺、膀胱、腎臓、膵臓、卵巣及び/若しくは子
宮の過剰増殖性障害は、本発明の方法により予防、治療及び/又は管理される。他の具体
的な実施態様では、肉腫、メラノーマ又は白血病は、本発明の方法により予防、治療及び
/又は管理される。ある特定の実施態様では、対象は、急性骨髄性白血病(acute myelogen
ous leukemia)(AML)を有する。ある特定の他の実施態様において対象は、骨髄異形成症候
群(myelodysplastic syndrome)(MDS)を有する。他の実施態様において対象は、慢性骨髄
単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia)(CMML)を有する。他の具体的な実施態
様では、骨髄異形成症候群は、本発明の方法により予防、治療及び/又は管理される。
(5.3.3標的患者集団)
本発明により、本発明の医薬組成物は、インターロイキン-3のαサブユニット(具体的
な実施態様では、α及びβサブユニット)を発現する細胞の抑制を必要とするヒトに投与
される。ある特定の実施態様では、そのような細胞の増殖は、抑制される。他の実施態様
では、本発明のコンジュゲートは、IL-3受容体の過剰発現に関連する疾患及び障害を有す
るヒトに投与される。ある具体的な実施態様において対象は、骨髄性白血病を有している
。他の実施態様において疾患又は障害は、アレルギー性疾患又は障害である。いくつかの
実施態様では、疾患又は障害は自己免疫疾患である。ある特定の実施態様において対象は
、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)(AML)を有する。ある特定の他の実施
態様において対象は、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome)(MDS)を有する。他
の実施態様において対象は、慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia)(
CMML)を有する。
本発明により、本発明の医薬組成物は、癌を発症している、発症した又は発症が予期さ
れる対象(例えば、特定の型の癌に対する遺伝的素因を有する対象、発癌物質に曝露され
たことがある対象、新たに癌と診断された対象、癌の治療に失敗したことがある対象、癌
を再発したことがある対象又は特定の癌の寛解にある対象)に投与される。そのような対
象は、癌について以前治療された場合もされていない場合もあり、又は寛解、再発にある
場合があり、又は治療に失敗したことがある場合もある。そのような患者は、異常な細胞
発生を有する場合もある。医薬組成物は、癌療法の任意のライン、例えば、癌療法のファ
ーストライン、セカンドライン又はサードラインとして使用され得る。具体的な実施態様
では、本発明の医薬組成物を受ける又は受けている対象は、他の癌療法を受けている又は
受けたことがある。他の実施態様では、本発明の医薬組成物を受ける対象は、他の癌療法
を受けており、本発明の医薬組成物は、これらの他の癌療法の任意の有害作用又は不耐性
が生じる前に対象に投与される。代替の実施態様では、本発明の医薬組成物を受ける又は
受けている対象は、他の癌療法を受けたことがないか、又は受けていない。
具体的な実施態様では、対象は、それだけに限らないが、理学的検査(例えば前立腺検
査、胸部検査、リンパ節検査、腹部検査、皮膚監視、全身の触診)、視覚法(例えば結腸鏡
検査、気管支鏡検査、内視鏡検査)、PAPスメア分析(子宮頸癌)、便グアヤック分析、血液
検査(例えば全血球算定(complete blood count)(CBC)検査、前立腺特異抗原(prostate sp
ecific antigen)(PSA)検査、癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)(CEA)検査、癌抗
原(cancer antigen)(CA)-125検査、αフェトプロテイン(alpha-fetoprotein)(AFP)、肝機
能検査)、核型分析、骨髄分析(例えば血液悪性腫瘍の場合)、組織診断、フローサイトメ
トリー、細胞診断、痰分析、及びイメージング法(例えばコンピューター連動断層撮影(co
mputed tomography)(CT)、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)(MRI)、
超音波、X線イメージング、マンモグラフィー、PETスキャン、放射性核種スキャン、骨ス
キャン)、が挙げられる当業者に周知の技術を使用して癌を有すると診断されたことがあ
る。対象は、癌について治療されたことがある場合もない場合もある。
一実施態様では、本発明の医薬組成物は、腫瘍新生物を除くための手術を受けている又
は受けたことがある対象に投与される。具体的な実施態様では、本発明の医薬組成物は、
腫瘍又は新生物を除くための手術と同時又は手術に続いて対象に投与される。他の実施態
様では、本発明の医薬組成物は、腫瘍又は新生物を除くための手術の前、並びにいくつか
の実施態様においては、手術中及び/又は手術後に対象に投与される。
一実施態様では、本発明の医薬組成物は、癌細胞を殺すことを目的とする療法過程後に
対象に投与される。いくつかの実施態様では、療法過程は、化学療法剤のボーラス用量及
び/又は放射線療法のボーラス用量の投与を意味する。具体的な実施態様では、本発明の
医薬組成物は、対象が1つ以上の化学療法剤及び/又は放射線療法の最大耐量若しくはそれ
以下又は無毒性量若しくはそれ以下の用量を含む療法過程を受けた後に、対象に投与され
る。
ある特定の実施態様では、本発明の医薬組成物は、療法が毒性でありすぎると示された
ことがある若しくは示される可能性がある(すなわち、対象に許容され得ない又は耐えら
れない副作用をもたらす)場合に、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、手術、小分子
療法、抗血管新生療法、分化療法、エピジェネティック療法、放射免疫療法、標的療法、
及び/又は免疫療法を含む生物学的療法の代替として対象に投与される。いくつかの実施
態様では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、他の癌療法からの有害反応を受
けやすい対象に投与される。対象は、例えば、免疫系が抑制されている(例えば、手術後
の患者、化学療法の患者、及び免疫不全疾患を有する患者)、腎機能又は肝機能が減退し
ている、高齢者である、小児である、乳児である、精神神経性障害を有している、向精神
薬を摂取している、発作の病歴がある、又は癌療法と否定的に相互作用する投薬を受けて
いる場合がある。
具体的な実施態様では、本発明の医薬組成物は、放射線療法を受ける、受けている又は
受けたことがある対象に投与される。これらの対象は、化学療法、ホルモン療法、小分子
療法、抗血管新生療法、分化療法、標的療法、放射免疫療法、エピジェネティック療法及
び/又は、免疫療法を含む生物学的療法を受けたことがある対象並びに手術を受けたこと
がある対象である。
他の実施態様では、本発明の医薬組成物は、ホルモン療法及び/又は免疫療法を含む生
物学的療法を受ける、受けている又は受けたことがある対象に投与される。これらの対象
は、化学療法、小分子療法、抗血管新生療法、分化療法、標的療法、放射免疫療法、エピ
ジェネティック療法及び/又は放射線療法を受けたことがある対象並びに手術を受けたこ
とがある対象である。
ある特定の実施態様では、本発明の医薬組成物は、1つ以上の療法に難治性である対象
に投与される。一実施態様において癌が療法に難治性であることは、癌細胞の少なくとも
いくらかの重要な部分が殺されないか、又はその細胞分裂が抑止されないことを意味する
。癌細胞が難治性であるかどうかの決定は、そのような文脈で当分野において許容される
「難治性」の意味を使用して、癌細胞についての療法の有効性をアッセイするために当分
野に周知の任意の方法によってインビボ又はインビトロのいずれかで行われ得る。種々の
実施態様では、癌は、癌細胞の量が有意に低減していない又は増大している場合に難治性
である。他の実施態様では、癌が難治性であることは、癌幹細胞の少なくともいくらかの
重要な部分が殺されないか、又はその細胞分裂が抑止されないことを意味する。癌幹細胞
が難治性であるかどうかの決定は、当分野に周知の又は本明細書に記載の任意の方法によ
ってインビボ又はインビトロのいずれかで行われ得る。
いくつかの実施態様では、本発明の医薬組成物は、ある特定のホルモン、放射線及び化
学療法剤への癌細胞の耐性を覆す、又は感受性を増大させ、それにより癌細胞を1つ以上
のこれらの薬剤に再感受性化し、次いでこれらは転移を予防するためを含む癌の治療又は
管理のために投与され(又は継続して投与され)得る。具体的な実施態様では、本発明のレ
ジメンは、化学療法及びホルモン療法などの様々な治療レジメンへの癌細胞の低抗性の発
生に関連している、サイトカインIL-6のレベルが上昇している患者に投与される。
いくつかの実施態様では、本発明の医薬組成物は、1mm3当たり少なくとも細胞約400個
、1mm3当たり少なくとも細胞500個、1mm3当たり少なくとも細胞約600個、1mm3当たり少な
くとも細胞約700個、1mm3当たり少なくとも細胞約800個、1mm3当たり少なくとも細胞約90
0個、1mm3当たり少なくとも細胞約1000個、1mm3当たり少なくとも細胞約1100個、1mm3
たり少なくとも細胞約1200個、のリンパ球平均絶対数を有する患者に投与される。他の実
施態様では、本発明の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、1mm3当たり細胞約400
個から1mm3当たり細胞約1200個、1mm3当たり細胞約500個から1mm3当たり細胞約1200個、1
mm3当たり細胞約600個から1mm3当たり細胞約1200個、1mm3当たり細胞約700個から1mm3
たり細胞約1200個、1mm3当たり細胞約800個から1mm3当たり細胞約1200個、1mm3当たり細
胞約900個から1mm3当たり細胞約1200個、1mm3当たり細胞約1000個から1mm3当たり細胞約1
200個、のリンパ球平均絶対数を有する患者に投与される。さらに具体的な実施態様では
、レジメンは、1mm3当たり少なくとも細胞約400個のリンパ球平均絶対数をもたらす。
いくつかの実施態様では、本発明の医薬組成物は、寛解にある対象に投与される。具体
的な実施態様では、対象は、検出可能な癌を有さない、すなわち本明細書に記載の(例え
ばMRI)又は当業者に周知の従来の方法を使用して癌が検出されない。他の実施態様では、
本発明の医薬組成物は、ジフテリア毒素に対して検出可能な免疫応答を有さない患者に投
与される。好ましい実施態様において免疫応答は、ELISAによって検出される。
(5.3.4併用療法)
本発明は、癌を予防する、治療する及び/又は管理する方法であって、該方法が予防的
及び/又は治療的に効果的なレジメンをそれを必要とする患者(例えばヒトの患者)に投与
することを含み、該レジメンが本発明の医薬組成物及び1つ以上の追加の療法を患者に投
与することを含み、前記追加の療法が本発明のコンジュゲートではない、前記方法も提供
する。具体的な実施態様では、本発明の併用療法は、本発明による医薬組成物及び、前記
コンジュゲートと同じ作用機序を有する少なくとも1つの他の療法を含む。他の具体的な
実施態様において本発明の併用療法は、本発明の方法によって同定された医薬組成物及び
、前記コンジュゲートとは異なる作用機序を有する少なくとも1つの他の療法(例えば予防
剤又は治療剤)を含む。本発明の医薬組成物及び追加の療法は、別々に、同時に又は逐次
的に投与され得る。薬剤の組合せは、追加的に又は相乗的に作用し得る。本発明の併用療
法は、療法(例えば予防剤又は治療剤)に関連する副作用を低減する。
併用療法の予防剤又は治療剤は、同一の医薬組成物中で対象に投与され得る。或いは、
併用療法の予防剤又は治療剤は、別々の医薬組成物中で同時に対象に投与され得る。予防
剤又は治療剤は、同一又は異なる投与経路によって対象に投与され得る。
癌の予防、治療及び/又は管理のために有用である、使用されたことがある、又は現在
使用されている任意の療法(例えば予防剤又は治療剤)は、本発明の組成物及び方法におい
て使用され得る。療法(例えば予防剤又は治療剤)として、それだけに限らないが、ペプチ
ド、ポリペプチド、抗体、コンジュゲート、核酸分子、小分子、模倣剤、合成剤、無機分
子及び有機分子が挙げられる。癌療法の限定しない例として、化学療法、放射線療法、ホ
ルモン療法、手術、小分子療法、抗血管新生療法、分化療法、エピジェネティック療法、
放射免疫療法、標的療法、及び/又は免疫療法を含む生物学的療法が挙げられる。ある特
定の実施態様では、本発明の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、療法の組合せ
の投与を含む。
癌療法の例として、それだけに限らないが、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール
塩酸塩(acodazole hydrochloride);アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルト
レタミン;アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン(ametantrone acetate);アミ
ノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラサイクリン;アントラマイシン
;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン(ビダザ);アゼテパ(azetepa);
アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド;ビ
サントレン塩酸塩(bisantrene hydrochloride);ビスナフィドジメシレート(bisnafide di
mesylate);ビスホスホネート類(例えば、パミドロン酸(アレドリア(Aredria))、クロンド
ロン酸ナトリウム(sodium clondronate)(ベネフォス(Bonefos))、ゾレドロン酸(ゾメタ)
、アレドロン酸(フォサマックス)、エチドロン酸、イバンドルネート(ibandornate)、シ
マドロネート(cimadronate)、リセドロメート(risedromate)及びチルドロメート(tiludro
mate));ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナールナトリウム(brequinar sodium);
ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン(cactinomycin);カルステロン;カラセミド
(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸
塩;カルゼレシン(carzelesin);セデフィンゴール(cedefingol);クロランブシル;シロレマ
イシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート(crisnatol
mesylate);シクロホスファミド;シタラビン(Ara-C);ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダ
ウノルビシン塩酸塩;デシタビン(ダコゲン);脱メチル化剤;デキソルマプラチン(dexormap
latin);デザグアニン(dezaguanine);デザグアニンメシレート(dezaguanine mesylate);ジ
アジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエ
ン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(duazomycin);
エダトレキセート;エフロールニチン塩酸塩; EphA2阻害剤;エルサミトルシン(elsamitruc
in);エンロプラチン;エンプロメート(enpromate);エピプロピジン(epipropidine);エピル
ビシン塩酸塩;エルブロゾール(erbulozole);エソルビシン塩酸塩(esorubicin hydrochlor
ide);エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド
;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン(fazarab
ine);フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロ
シタビン(flurocitabin);ホスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム;ゲムシ
タビン;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(histone deacetylase inhibitors)(HDACs)ゲムシ
タビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン(ilmof
osine);イマチニブメシレート(グリーベック(Gleevec)、グリベック(Glivec));インター
ロイキンII(組換えインターロイキンII又はrIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インタ
ーフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-I
a;インターフェロンγ-I b;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;酢酸ランレオチド;レ
ナリドマイド(レブリミド);レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメト
レキソールナトリウム(lometrexol sodium);ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩(losoxa
ntrone hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;抗CD2抗体
(例えばシプリツマブ(siplizumab)(MedImmune社;(特許文献11)、その全体が、引用により
本明細書に組み込まれている));酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファ
ラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メ
トプリン(metoprine);メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド(mitindomide);ミトカルシ
ン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトジリン(mitogillin);ミトマルシン(mito
malcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコ
フェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキサリプラチン;オキシ
スラン(oxisuran);パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペン
タムスチン(pentamustine);ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスファミド(perfosfamide);ピ
ポブロマン;ピポスルファン(piposulfan);ピロキサントロン塩酸塩(piroxantrone hydroc
hloride);プリカマイシン;プロメスタン(plomestane);ポルフィマーナトリウム;ポルフィ
ロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシ
ン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン(riboprine);ログレチミド(rogletimide);サフィンゴ
ール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン(simtrazene);スパルフォセートナ
トリウム(sparfosate sodium);スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩(spirogerma
nium hydrochloride);スピロムスチン(spiromustin);スピロプラチン(spiroplatin);スト
レプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール(sulofenur);タリソマイシン(talisom
ycin);テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;テロキサントロン塩酸塩(t
eloxantrone hydrochloride);テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン(teroxirone);テ
ストラクトン;チアミプリン(thiamiprine);チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパ
ザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン(trestolone acetate);リン酸トリシリ
ビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート(trimetrexate glucuronate)
;トリプトレリン;タブロゾール塩酸塩 (tubulozole hydrochloride);ウラシルマスタード
;ウレデパ(uredepa);バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸
塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩(vinepidine
sulfate);ビングリシネート硫酸塩(vinglycinate sulfate);ビンリューロシン硫酸塩(vin
leurosine sulfate);ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシジン硫酸塩(vinrosidine sulfate);
ビンゾリジン硫酸塩(vinzolidine sulfate);ボロゾール;ゼニプラチン(zeniplatin);ジノ
スタチン;ゾルビシン塩酸塩が挙げられる。
癌療法の他の例として、それだけに限らないが、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;
5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン(acylfulvene);アデ
シペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TK 拮抗剤;アルトレタミ
ン;アンバムスチン(ambamustine);アミドックス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン
酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド(an
drographolide);血管新生阻害剤;拮抗剤D;拮抗剤G;アンタレリクス(antarelix);抗背側形
成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺
癌;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィデ
コリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節剤;アポトーシス調節剤;アプリン酸; ara-C
DP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリム
スチン(atrimustine);アキシナスタチン1(axinastatin l);アキシナスタチン2;アキシナ
スタチン3;アザセトロン;アザトキシン(azatoxin);アザチロシン(azatyrosine);バッカチ
ンIII誘導体;バラノール;バチマスタット; BCR/ABL拮抗剤;ベンゾクロリン(benzochlorin
s);ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine);βラクタム誘導体;β-アレチン
(beta-alethine);βクラマイシンB(betaclamycin B);ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミ
ド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;
ビストラテンA(bistratene A);ビセレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブド
チタン(budotitane);ブチオニンスルホキシミン(buthionine sulfoximine);カルシポトリ
オール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリアポックスIL-2;カペシタビン;カル
ボキサミド-アミノ-トリアゾール(carboxamide-amino-triazole);カルボキシアミドトリ
アゾール(carboxyamidotriazole);CaRest M3; CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;
カゼインキナーゼ阻害剤(casein kinase inhibitors)(ICOS);カスタノスペルミン;セクロ
ピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド(chloroquinoxaline
sulfonamide);シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;ク
ロトリマゾール;コリスマイシンA(collismycin A);コリスマイシンB;コンブレタスタチン
A4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン(conagenin);クランベサイジン816(crambesci
din 816);クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA(cura
cin A);シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplat
am);サイペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスフェート(cytarabine ocfosfate);
細胞溶解性因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;
デヒドロジデムニンB(dehydrodidemnin B);デスロレリン(deslorelin);デキサメタゾン;
デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジキノン
(diaziquone);ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン(diethylnorsper
mine);ジヒドロ-5-アザシチジン(dihydro-5-azacytidine);ジヒドロタキソール(dihydrot
axol)、ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン(diphenyl spiromusti
ne);ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン(dro
loxifene);ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン(ecomustine
);エデルホシン(edelfosine);エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;
エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作用薬;エストロゲ
ン拮抗剤;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラ
ビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラス
チン(flezelastine);フルアステロン(fluasterone);フルダラビン;フルオロダウノルニシ
ン塩酸塩(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメクス(forfenimex);ホルメス
タン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン(gadolinium texaphy
rin);硝酸ガリウム;ガロシタビン(galocitabine);ガニレリクス;ゼラチナーセ阻害剤;ゲ
ムシタビン;グルタチオン阻害剤;HMG CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、アトルバスタチン
、セリバスタチン、フルバスタチン、レスコール、ルピトール(lupitor)、ロバスタチン
、ロスバスタチン及びシンバスタチン);ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサ
メチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;
イドラマントン(idramantone);イルモホシン;イロマスタット(ilomastat);イミダゾアク
リドン(imidazoacridones);イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様成長因子-1受容
体阻害剤;インターフェロン作用薬;インターフェロン類;インターロイキン類;イオベング
アン(iobenguane);ヨードドキソルビシン(iododoxorubicin);イポメアノール、4-イロプ
ラクト(4- iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコ
ンドリンB(isohomohalicondrin B);イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF(kaha
lalide F);ラメラリン-Nトリアセテート(lamellarin-N triacetate);ランレオチド;レイ
ナマイシン(leinamycin);レノグラスチム;レンチナン硫酸塩;レプトールスタチン(leptol
statin);レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;リュープロリド+エス
トロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;LFA-3TIP (Biogen, Cambridg
e,マサチューセッツ(MA)州;(特許文献12及び特許文献13)リアロゾール(liarozole);直鎖
ポリアミン類似体;脂溶性二糖ペプチド;脂溶性白金化合物;リスソクリナミド7(lissoclin
amide 7);ロバプラチン(lobaplatin);ロンブリシン(lombricine);ロメトレキソール;ロニ
ダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン(loxoribine);ルートテカン(lurto
tecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン(lysofylline);溶解性ペプチド;マイタ
ンシン(maitansine);マンノスタチンA(mannostatin A);マリマスタット;マソプロコール;
マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;
メルバロン;メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフ
ェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;不適正二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトー
ル;マイトマイシン類似体;ミトナフィド(mitonafide);ミトトキシン線維芽細胞増殖因子-
サポリン(mitotoxin fibroblast growth factor-saporin);ミトキサントロン;モファロテ
ン(mofarotene);モルグラモスチム;モノクローナル抗体ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノ
ホスホリルリピドA+マイコバクテリア細胞壁sk(myobacterium cell wall sk);モピダモー
ル;多剤耐性遺伝子阻害剤;多重腫瘍抑制因子1 (multiple tumor suppressor 1)に基づく
療法;マスタード抗癌剤;マイカペルオキシドB(mycaperoxide B);マイコバクテリア細胞壁
抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン(N-acetyldinaline);N-置換ベン
ズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン
;ナフテルピン(naphterpin);ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin
);ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(n
isamycin);一酸化窒素調節剤;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);O6-ベンジル
グアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン(
onapristone);オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカイン
誘導剤;オルマプラチン(ormaplatin);オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン
(oxaunomycin);パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウア
ミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン(palmitoylrhizoxin);パミドロン酸;パナキシ
トリオール(panaxytriol);パノミフェン(panomifene);パラバクチン(parabactin);パゼリ
プチン(pazelliptine);ペガスパルガーゼ;ペルデシン(peldesine);ペントサンポリ硫酸ナ
トリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミ
ド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン(phenazinomycin);フェニル酢酸;ホスファタ
ーゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチ
ンA(placetin A);プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金複合体;白金化合
物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;
プロピルビス-アクリドン(propyl bis-acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソーム
阻害剤;プロテインAに基づく免疫調節剤;プロテインキナーゼC阻害剤; プロテインキナー
ゼC阻害剤類、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシド
ホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン(pyrazoloacridine);ピリドキシ
ル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート(pyridoxylated hemoglobin polyox
yethylene conjugate);raf拮抗剤;ラルチトレキシド;ラモセトロン; rasファルネシルプ
ロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン(
retelliptine demethylated);レニウムRe 186エチドロネート(rhenium Re186 etidronate
);リゾキシン(rhizoxin);リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitu
kine);ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1(rubiginone B1);ルボキシル(ruboxyl);
サフィンゴール;サニトピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA(sarcophytol A);サ
ルグラモスチム; Sdi 1模倣剤;セムスチン;老化由来阻害剤1(senescence derived inhibi
tor 1);センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節剤;単鎖抗原結
合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム(sodium borocapta
te);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソ
ネルミン(sonermin);スパルフォス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD(spicamycin D);
スピロムスチン(spiromustine);スプレノペンチン(splenopentin);スポンジスタチン1;ス
クアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシ
ン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性型血管作用性小腸ペプチド拮抗剤(supera
ctive vasoactive intestinal peptide antagonist);スラジスタ(suradista);スラミン;
スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タルリムスチン(tallimustine);5-フルオ
ロウラシル;ロイコボリン;タモキシフェンメチオダイド;タウロムスチン(tauromustine);
タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テ
ロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド
(tetrachlorodecaoxide);テトラゾミン(tetrazomine);タリブラスチン(thaliblastine);
チオコラリン(thiocoraline);トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣剤;チマルファシ
ン(thymalfasin);サイモポエチン受容体作用薬;チモトリナン(thymotrinan);甲状腺刺激
ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ(tin ethyl etiopurpurin);チラパザミン;チタノ
センビクロリド(titanocene bichloride);トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能
性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン(triciribi
ne);トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);
チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖器洞由来増殖
阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗剤;バプレオチド;バリオリンB(variolin B);ベクター
系、赤血球遺伝子治療;サリドマイド;ベラレソール(velaresol);ベラミン(veramine);ベ
ルジン(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine); VITAXI
N(商標)((特許文献14)を参照);ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラ
スコルブ(zilascorb);並びにジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
癌幹細胞を標的にするために使用され得る化合物の限定しないリストとして、インター
ロイキン-3受容体(interleukin-3 receptor)(IL-3)及びCD123の阻害剤(IL-3R又はCD123を
標的にするペプチド、ペプチドコンジュゲート、抗体、抗体コンジュゲート、抗体断片及
び抗体断片コンジュゲートを含む);カンタリジン;ノルカンタリジン(norcantharidin)並
びにその類似体及び誘導体;γセクレターゼ阻害剤を含むノッチ経路阻害剤;シクロパミン
及びその類似体を含むソニックヘッジホッグ/スムーセンド(smoothened)経路阻害剤;CD96
に対する抗体;パルテノライド及びその類似体を含むある特定のNF-kB/プロテアソーム阻
害剤;セラストロール(celastrol)を含むある特定のトリテルペン;ある特定のmTOR阻害剤;
ウロキナーゼ受容体を標的にする化合物及び抗体;シネファンギン;ある特定のイノシン一
リン酸デヒドロゲナーゼ(inosine monophosphate dehydrogenase)(IMPDH)阻害剤;PPAR-α
及びPPAR-γの作用剤及び拮抗剤(ピオグリタゾン、テサスリタザル(tesaslitazar)、ムラ
グリタザル(muraglitazar)、ペリグリタザル(peliglitazar)、ロベグリタゾン(lobeglita
zone)、バラグリタゾン(balaglitazone)、ラガグリタザル(ragaglitazar)、ロシグリタゾ
ン、ファルグリタザル(farglitazar)、ソデルグリタザル(sodelglitazar)、レグリタザル
(reglitazar)、ナベグリタザル(naveglitazar)、オキセグリタザル(oxeglitazar)、メタ
グリダセン(metaglidasen)、ネトグリタゾン(netoglitazone)、ダルグリタゾン(darglita
zone)、エングリタゾン、チアゾリジンジオン、アレグリタザル(aleglitazar)、エダグリ
タゾン(edaglitazone)、リボグリタゾン、トログリタゾン、イミグリタザール(imiglitaz
ar)及びシポグリタザール(sipoglitazar)を含む);テロメラーゼ阻害剤;EpCAM(ESA)に対す
る抗体;GSK-3β作用薬及び拮抗剤(リチウム、6-ブロモイニルビン-3’-オキシム(6-bromo
inirubin-3’-oxime)(BIO)、TDZD8を含む);ディシェベルド(disheveled)/フリッツルド(f
rizzled)又はβカテニンを抑制するフリッツルド又は小分子に対する抗体を含むWnt経路
阻害剤;多発性骨髄腫又はメラノーマにおける新規使用のための抗CD20抗体及びコンジュ
ゲート(例えば、リツキサン(Rituxan)、ベキサール、ゼヴァリン);抗CD133抗体;抗CD44抗
体;IL-4に対する抗体;ベルスナリノン(versnarinone)などのある特定の分化剤; CD33を標
的にする抗体又はベツリン酸などの化合物;ラクタドヘリン(lactadherin)を標的にする抗
体などの化合物; CXCR4又はSDF-1を標的にする小分子又は抗体;多剤耐性ポンプを標的に
する小分子又は抗体;サバイビンの阻害剤;XIAPの阻害剤;Bcl-2を標的にする小分子;CLL-1
に対する抗体;並びにフューリン阻害剤(ククルビタシンなど)が挙げられる。
癌幹細胞を標的にするために使用され得る化合物の追加の限定しないリストとして、i)
抗体、抗体断片及び、そのままであるか若しくは癌幹細胞のある特定の細胞表面標的を標
的にする治療用成分にコンジュゲートしているかのいずれかであるタンパク質、或いはii
)さらに最適化され得る(例えば化学的に)又は癌幹細胞に基づくスクリーニング(例えば、
標準的方法を介して化合物が癌幹細胞の増殖若しくは生存能を減退させるかどうかを決定
するスクリーニングなどを介して同定された小分子を含む当分野において周知の小分子が
挙げられ、挙げられる細胞表面及び細胞内の標的は(網羅的であることを意味せずに)、Re
xl(Zfp42)、CTGF、アクチビンA、Wnt、FGF-2、HIF-l、AP-2γ、Bmi-l、ヌクレオステミン
(nucleostemin)、ヒウィ(hiwi)、Moz-TIF2、ナノグ(Nanog)、βアレスチン-2、Oct-4、So
x2、ステラ(stella)、GDF3、RUNX3、EBAF、TDGF-1、ノダール(nodal)、ZFPY、PTNE、Evi-
l、Pax3、Mcl-l、c-kit、Lex-1、Zfx、ラクタドヘリン、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、B
CRP、テロメラーゼ、CD133、Bcl-2、CD26、グレムリン(Gremlin)及びFoxC2である。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物との組合せで使用される療法(複数可)は、免
疫調節剤である。免疫調節剤の限定しない例として、サイトカイン、ペプチド模倣剤及び
抗体(例えばヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fab
若しくはF(ab)2断片又はエピトープ結合断片)などのタンパク質性の薬剤、核酸分子(例え
ばアンチセンス核酸分子及び三重らせん)、小分子、有機化合物並びに無機化合物が挙げ
られる。具体的には、免疫調節剤として、それだけに限らないが、メトトレキセート、レ
フルノミド、シクロホスファミド、シトキサン、イムラン、シクロスポリンA、ミノサイ
クリン、アザチオプリン、抗生物質(例えば、FK506(タクロリムス))、メチルプレドニゾ
ロン(methylprednisolone)(MP)、副腎皮質ホルモン、ステロイド、ミコフェノール酸モフ
ェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスパガリン、ブレキナール、
マロノニトリロアミンド(malononitriloaminde)(例えば、レフルナミド(leflunamide))、
T細胞受容体調節因子、サイトカイン受容体調節因子並びに肥満細胞調節因子調節因子が
挙げられる。他の免疫調節剤の例は、例えば、その全体が、引用により本明細書に組み込
まれている(特許文献15)において見出すことができる。一実施態様において免疫調節剤は
、化学療法剤である。別法の実施態様において免疫調節剤は、化学療法剤以外の免疫調節
剤である。いくつかの実施態様では、本発明により使用される療法(複数可)は、免疫調節
剤ではない。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物との組合せで使用される療法(複数可)は、抗
血管新生剤である。抗血管新生剤の限定しない例として、血管新生を低減又は抑制する、
タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、コンジュゲート、TNF-αに特異的に結合する抗体
などの抗体(例えばヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFv
s、Fab断片、F(ab)2断片及びその抗原結合断片)、核酸分子(例えばアンチセンス核酸分子
又は三重らせん)、有機分子、無機分子及び小分子が挙げられる。抗血管新生剤の他の例
は、例えば、その全体が、引用により本明細書に組み込まれている(特許文献16)において
見出すことができる。他の実施態様では、本発明により使用される療法(複数可)は、抗血
管新生剤ではない。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物との組合せで使用される療法(複数可)は、抗
炎症剤である。抗炎症剤の限定しない例として、炎症性疾患の療法において有用である薬
剤を含む当業者に十分に周知である任意の抗炎症剤が挙げられる。抗炎症剤の限定しない
例として、非ステロイド性抗炎症剤(non-steroidal anti-inflammatory drug)(NSAID)、
ステロイド性抗炎症剤、抗コリン薬(例えば、アトロピン硫酸塩、メチルアトロピン硝酸
塩及び臭化イプラトロピウム(ATROVENT(商標)))、β2-作用薬(例えばアブテロール(abute
rol)(VENTOLIN(商標)及びPROVENTIL(商標))、ビトルテロール(TORNALATE(商標))、レバル
ブテロール(XOPONEX(商標))、メタプロテレノール(ALUPENT(商標))、ピルブテロール(MAX
AIR(商標))、テルブトライン(terbutlaine)(BRETHAIRE(商標)及びBRETHINE(商標))、アル
ブテロール(PROVENTIL(商標)、REPETABS(商標)、及びVOLMAX(商標))、ホルモテロール(FO
RADIL AEROLIZER(商標))、及びサルメテロール(SEREVENT(商標)及びSEREVENT DISKUS(商
標)))並びにメチルキサンチン(例えば、テオフィリン(UNIPHYL(商標)、THEO-DUR(商標)、
SLO-BID(商標)及びTEHO-42(商標)))。NSAIDの例として、それだけに限らないが、アスピ
リン、イブプロフェン、セレコキシブ(CELEBREX(商標))、ジクロフェナク(VOLTAREN(商標
))、エトドラク(LODINE(商標))、フェノプロフェン(NALFON(商標))、インドメタシン(IND
OCIN(商標))、ケトララク(ketoralac)(TORADOL(商標))、オキサプロジン(DAYPRO(商標))
、ナブメントン(nabumentone)(RELAFEN(商標))、スリンダク(CLINORIL(商標))、トルメン
チン(tolmentin)(TOLECTIN(商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(商標))、ナプロキセン(ALEVE
(商標)、NAPROSYN(商標))、ケトプロフェン(ACTRON(商標))並びにナブメトン(RELAFEN(商
標))が挙げられる。そのようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えば、COX-1及び/
又はCOX-2)を阻害することによって機能する。ステロイド性抗炎症剤の例として、それだ
けに限らないが、グルココルチコイド、デキサメタゾン(DECADRON(商標))、副腎皮質ホル
モン(例えば、メチルプレドニゾロン(MEDROL(商標)))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、
プレドニゾン(PREDNISONE(商標)及びDELTASONE(商標))、プレドニゾロン(PRELONE(商標)
及びPEDIAPRED(商標))、トリアムシノロン、アザルフィジン及びエイコサノイドの阻害剤
(例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン及びロイコトリエンが挙げられる。抗炎
症剤の他の例は、例えば、その全体が、引用により本明細書に組み込まれている(特許文
献17)において見出すことができる。他の実施態様では、本発明により使用される療法(複
数可)は、抗炎症剤ではない。
ある特定の実施態様において使用される療法(複数可)は、アルキル化剤、ニトロソ尿素
、代謝拮抗剤及びアントラサイクリン、トポイソメラーゼII阻害剤又は有糸分裂阻害剤で
ある。アルキル化剤として、それだけに限らないが、ブスルファン、シスプラチン、カル
ボプラチン、コロルムブシル(cholormbucil)、シクロホスファミド、イホスファミド、デ
カルバジン(decarbazine)、メクロレタミン、メファレン(mephalen)及びセモゾロミド(th
emozolomide)が挙げられる。ニトロソ尿素として、それだけに限らないが、カルムスチン
(BCNU)及びロムスチン(CCNU)が挙げられる。代謝拮抗剤として、それだけに限らないが、
5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキセート、ゲムシタビン、シタラビン及び
フルダラビンが挙げられる。アントラサイクリン類として、それだけに限らないが、ダウ
ノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン及びミトキサントロンが挙げ
られる。トポイソメラーゼII阻害剤として、それだけに限らないが、トポテカン、イリノ
テカン、エトピシド(etopiside)(VP-16)及びテニポシドが挙げられる。有糸分裂阻害剤と
して、それだけに限らないが、タキサン類(パクリタキセル、ドセタキセル)及びビンカア
ルカロイド類(ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン)が挙げられる。
本発明は、本発明の化合物との組合せで癌幹細胞を標的にする薬剤の使用を含む。いく
つかの実施態様では、使用される薬剤は、マーカー、例えば癌幹細胞上の抗原に結合する
薬剤である。具体的な実施態様では、薬剤は、正常幹細胞上よりも癌幹細胞上でより高い
レベルで発現される抗原に結合する。具体的な実施態様では、薬剤は、癌幹細胞抗原に特
異的に結合する。他の実施態様では、本発明により使用される療法(複数可)は、癌幹細胞
上のマーカーに結合する薬剤である。癌幹細胞を標的にするために使用され得る癌幹細胞
上の抗原の限定しない例として、CD34+/CD38-、CD34+/CD38-/CD123+、CD44+/CD24-、CD13
3+、CD34+/CD1O-/CD19-、CD138-/CD34-/CD19+、CD20+、CD133+/RC2+及びCD44+/α2β1hi/
C133+が挙げられる。一実施態様では、癌幹細胞上のマーカーに結合する薬剤は、抗体で
ある。他の実施態様では、癌幹細胞上のマーカーに結合する薬剤は、リガンドである。あ
る特定の実施態様では、抗体又はリガンドは、治療用成分に直接又は間接に付着する。治
療用成分の限定しない例として、それだけに限らないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植
物アルカロイド、細胞毒性薬剤、化学療法剤(例えば、ステロイド、シトシンアラビノシ
ド、フルオロウラシル、メトトレキセート、アミノプテリン、マイトマイシンC、デメコ
ルチン、エトポシド、ミトラマイシン、カリチアマイシン、CC-1065、クロランブシル又
はメルファラン)、放射性核種、治療用酵素、サイトカイン、毒素(植物由来毒素、菌類由
来毒素、細菌由来毒素(例えば、脱グリコシル化リシンA鎖、リボソーム不活性化タンパク
質、αサルシン、アスペルギリン(aspergillin)、レスチリクトシン(restirictocin)、リ
ボヌクレアーゼ、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、菌体内毒素又は菌体内毒素の
リピドA部分)を含む、増殖調節剤及びRNaseが挙げられる。
例えば、具体的な実施態様では、薬剤は、IL-3受容体(IL-3 Receptor)(IL-3R)に特異的
に結合する。いくつかの実施態様では、IL-3Rに結合する薬剤は、IL-3に特異的な抗体又
は抗体断片である。いくつかの実施態様では、抗体又は抗体断片は、殺細胞応答をもたら
すために、結合剤を使用して化学的に又は組換え技術を介してのいずれかで治療用成分(
例えば、化学療法剤、植物由来、菌由来又は細菌由来の毒素、放射性核種)にコンジュゲ
ートされる。ある特定の実施態様では、抗体、抗体コンジュゲート、抗体断片又は抗体断
片コンジュゲートは、IL-3Rのαサブユニット(すなわちCD123抗原)に結合する。他の実施
態様では、抗体、抗体コンジュゲート、抗体断片又は抗体断片コンジュゲートは、α及び
βサブユニットの両方を含有するIL-3Rに結合する。IL-3Rに対する抗体及びIL-3Rに対す
る抗体模倣剤を調製するための方法は、(特許文献18)に記載されており、その全体が、引
用により本明細書に組み込まれている。
ある特定の実施態様では、癌幹細胞上のマーカーに結合する抗体又は断片は、治療され
る対象において実質的に非免疫原性である。非免疫原性抗体の例として、それだけに限ら
ないが、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び療法を受ける対象と同じ種由来の抗体が挙げられ
る。癌幹細胞上のマーカーに結合する抗体又は断片は、当分野において周知の技術を使用
して産生され得る。例えば、その全体が、引用により組み込まれている(特許文献19)を参
照されたい。
本発明は、癌幹細胞を標的にする薬剤の使用を含む。ある特定の実施態様では、薬剤は
、単独で作用する。他の実施態様では、薬剤は、他の治療用成分に直接又は間接に付着す
る。治療用成分の限定しない例として、それだけに限らないが、治療用酵素、化学療法剤
、サイトカイン、放射性核種、毒素、RNase及び代謝拮抗剤が挙げられる。いくつかの実
施態様では、使用される薬剤は、マーカー、例えば、癌幹細胞上の抗原に結合する薬剤で
ある。具体的な実施態様において薬剤は、正常幹細胞上よりも癌幹細胞上でより高いレベ
ルで発現される抗原に結合する。具体的な実施態様では、薬剤は、正常幹細胞ではない癌
幹細胞抗原に特異的に結合する。他の実施態様では、療法(複数可)は、癌幹細胞上のマー
カーに結合する薬剤である。一実施態様において癌幹細胞上のマーカーに結合する薬剤は
、抗体、抗体断片、治療用成分にコンジュゲートした抗体、又は治療用成分にコンジュゲ
ートした抗体断片である。
いくつかの実施態様では、本発明の化合物は、X線、γ線並びに癌幹細胞及び/又は癌細
胞を破壊するための放射線の他の線源の使用を含む放射線療法との組合せで使用される。
具体的な実施態様では、放射線療法は、放射線が離れた線源から向けられる外部照射又は
遠隔治療として投与される。他の実施態様では、放射線療法は、放射線源が癌幹細胞、癌
細胞及び/又は腫瘍瘤に近い身体内に置かれる、内部療法又は近接照射療法として投与さ
れる。
いくつかの実施態様では、使用される療法は、増殖に基づく療法である。そのような療
法の限定しない例として、化学療法及び放射線療法が上に記載の通り挙げられる。
現在使用できる癌療法並びにその用量、投与経路及び推奨される使用法は、当分野にお
いて周知であり、(非特許文献126)などの文献に記載されている。本発明により、化学療
法剤の用量及び投与の頻度は、上記に記載されている。
(5.4癌幹細胞のモニタリング方法)
本発明の予防的に有効な及び/又は治療的に有効なレジメンの一部として、癌幹細胞集
団をモニターすることにより治療の効力を評価することに加えて、癌患者の予後又は治療
的又は予防的に有効なレジメンの効力を決定することができる。本発明の予防的に有効な
及び/又は治療的に有効な治療又はレジメンのある特定の実施態様では、この治療又はレ
ジメンは患者の癌幹細胞集団の安定化又は減少をもたらす。一実施態様では、レジメンを
受けている患者をモニターすることにより、このレジメンが対象の癌幹細胞集団の安定化
又は減少をもたらしたかどうかを評価する。
いくつかの実施態様では、対象の癌幹細胞の量は、当業者に周知の又は下記5.7節に記
載の技術を使用して測定する。
本発明によれば、癌幹細胞は、腫瘍の残りの90%ほど(すなわち、腫瘍の大部分)とは対
照的に、比較的より腫瘍形成性で、及び比較的より遅成長性又は静止性である腫瘍の特有
な亜集団(0.1%~10%ほどであることが多い)を含む。従来の治療及びレジメンが、主に、
急速増殖細胞(すなわち、腫瘍の大部分を構成する癌細胞)を攻撃するために設計されてい
ることを考えると、遅成長性癌幹細胞は従来の治療及びレジメンに対して急速に成長して
いる腫瘍の大部分よりも比較的耐性である可能性がある。このことは、標準的な癌研究治
療レジメンが大部分の末期癌患者において長期的な利益を確保できないことの別の理由の
説明となるだろう。具体的な実施態様では、癌幹細胞(複数可)は腫瘍の創始細胞である(
すなわち、癌細胞の前駆体である)。いくつかの実施態様では、癌幹細胞(複数可)は以下
の特性又は性質の1つ、2つ、3つ、又はそれ以上、又はすべてを有する:(i)腫瘍を開始す
る及び/又は腫瘍増殖を永続させる能力を有することができる、(ii)腫瘍の大部分よりも
概して比較的突然変異が少なくてすむ(例えば、遅い増殖、したがってDNA複製によるエラ
ーの少なさ、DNA修復の向上、及び/又は悪性度に寄与するエピジェネティック/非突然変
異誘発性の変化のために)、(iii)通常の幹細胞(複数可)の多くの特質を有することができ
(例えば、通常の幹細胞(複数可)に特徴的な、同様な細胞表面抗原及び/又は細胞内発現プ
ロファイル、自己複製プログラム、多剤耐性、未成熟な表現型など)、通常の幹細胞(複数
可)由来であってもよい、(iv)微小環境に潜在的に反応できる(例えば、癌幹細胞は非対称
的に分化及び/又は分裂するよう誘導可能であり得る)、(v)転移源であり得る、(vi)遅成
長性又は静止性であり得る、(vii)対称分裂できる、(viii)腫瘍形成性であり得る(例えば
、NOD/SCID移植実験により確認されたように)、(ix)伝統的な治療に対して比較的耐性で
あり得る(すなわち、化学耐性)、及び(x)腫瘍の亜集団(例えば、腫瘍の大部分と比べて)
を含むことができる。
他の実施態様では、対象由来の試料中の癌幹細胞の量は、本明細書中に記載の又は当業
者に周知の技術を使用して決定/評価する。このような試料として、それだけに限らない
が、生物学的試料及び生物学的試料に由来する試料が挙げられる。ある特定の実施態様で
は、生物学的試料自体、又は細胞などの生物学的試料に由来する物質に加えて、本発明の
方法で使用する試料は、添加された水、塩、グリセリン、グルコース、抗菌剤、パラフィ
ン、化学安定剤、へパリン、抗凝固剤、又は緩衝剤を含む。ある特定の実施態様では、生
物学的試料は血液、血清、尿、骨髄、又は間質液である。別の実施態様では、試料は組織
試料である。特定の実施態様では、組織試料は、胸部、脳、皮膚、腸、肺、肝、卵巣、膵
、前立腺、腎臓、骨、又は皮膚組織である。具体的な実施態様では、組織試料は正常又は
腫瘍組織の生検試料である。対象から採取される生物学的試料の量は、生物学的試料の型
及び使用される検出方法に応じて様々となる。特定の実施態様では、生物学的試料は血液
、血清、尿、又は骨髄であり、対象から採取される血液、血清、尿、又は骨髄の量は0.1m
l、0.5ml、1ml、5ml、8ml、10ml、又はそれ以上である。別の実施態様では、生物学的試
料は組織であり、対象から採取される組織の量は、10ミリグラム未満、25ミリグラム未満
、50ミリグラム未満、1グラム未満、5グラム未満、10グラム未満、50グラム未満、又は10
0グラム未満である。
本発明の方法によれば、生物学的試料由来の試料は、試料中の癌幹細胞の検出及び/又
は測定の前に、1つ以上の前処理ステップに供している生物学的試料である。ある特定の
実施態様では、遠心分離、濾過、沈殿、透析、又はクロマトグラフィーによって、又はこ
のような前処理ステップの組合せによって生物学的検体を前処理する。他の実施態様では
、凍結、化学固定、パラフィン包埋、脱水、透過化、若しくは均質化、その後の遠心分離
、濾過、沈殿、透析、若しくはクロマトグラフィーによって、又はこのような前処理ステ
ップの組合せによって組織試料を前処理する。ある特定の実施態様では、本発明の方法に
従って試料中の癌幹細胞の量を決定する前に、試料から幹細胞又は癌幹細胞以外の細胞を
除去し、又は試料から破片を除去することによって試料を前処理する。
本発明の方法で使用する試料は、任意の動物対象、好ましくは哺乳動物、最も好ましく
はヒトから採取することができる。試料が得られ、本発明の方法に従って利用される対象
には、無症状の対象、癌の1種、2種、3種、4種、若しくはそれ以上の症状の現れている又
はそれを示している対象、癌を有すると臨床的に診断された対象、癌にかかりやすい対象
、癌を有することが疑われる対象、癌治療を受けている対象、(例えば、癌治療の後に)癌
がないと医学的に決定された対象、癌の管理中である対象、又は癌と診断されていない対
象があるがこれに限定されない。ある特定の実施態様では、「検出可能な癌を有さない」
という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書中に記載の(例えば、MRI)又は当業
者に知られている従来の方法を使用して検出可能な癌がない対象又は複数の対象を指す。
他の実施態様では、この用語は任意の障害のない対象又は複数の対象を指す。
ある特定の実施態様では、治療又はレジメンの前に、又は対象が治療又はレジメンを受
け始めて少なくとも1、2、4、6、7、8、10、12、14、15、16、18、20、30、60、90日、6
カ月、9カ月、12カ月、>12カ月後に、対象、又は対象由来の試料中の癌幹細胞の量を評
価する。ある特定の実施態様では、何回かの投与後(例えば、治療の2、5、10、20、30、
又はそれ以上の投与後)に、癌幹細胞の量を評価する。他の実施態様では、1種以上の治療
を受けてから1週間、2週間、1カ月、2カ月、1年、2年、3年、4年、又はそれ以上の後に、
癌幹細胞の量を評価する。
ある特定の実施態様では、陽性又は陰性対照試料は、本発明の方法に従って分析される
試料として対応する組織又は生物学的液体から得られた又は由来の試料である。この試料
は、同じ時点又は異なる時点の同じ患者又は異なる患者に由来してもよい。
開示を明確にするために、限定するつもりではないが、以下は患者由来の血液試料の分
析に関連する。しかしながら、当業者は理解するであろうが、本明細書中に記載のアッセ
イ及び技術は、体液(例えば、血液、骨髄、血漿、尿、胆汁、腹水)、癌由来の材料を含有
する疑いのある組織試料(例えば、生検材料)、又はこれらのホモジネートを含む他の種類
の患者試料に適用することができる。採取する試料の量は、試料の特定の種類及び癌幹細
胞の量を決定する方法で変化するであろうし、試料中の癌幹細胞を検出するために十分な
量になるであろう。
血液試料は、異なる進行又は疾患段階の患者から得てもよい。血液は、当業者に知られ
ている技術、特に当技術分野において知られている静脈切開を使用して、対象の体の任意
の部分(例えば、指、手、手首、腕、脚、足、足首、胃及び首)から抜き取ることができる
。具体的な実施態様では、静脈血を対象から得て、本発明の方法に従って利用する。別の
実施態様では、動脈血を得て、本発明の方法に従って利用する。静脈血の組成は、供給し
ている体の部分の代謝要求によって変化する。対照的に、動脈血の組成は体全体で一定で
ある。定期的な血液検査では、一般に静脈血が使用される。
採取される血液の量は、採取の部位、本発明の方法に必要とされる量、及び対象の快適
さによって変化するであろう。いくつかの実施態様では、癌幹細胞の量又は量を検出する
のに十分な任意の量の血液が採取される。具体的な実施態様では、1cc以上の血液が対象
から採取される。
試料中の癌幹細胞の量は、例えば、全細胞、試料中の全癌細胞若しくは全幹細胞の割合
として表すことができ、又は面積(例えば、高倍率視野当たりの細胞)、又は体積(例えば
、ml当たりの細胞)、又は構造(例えば、骨髄検体中の骨棘当たりの細胞)に対して定量す
ることができる。
いくつかの実施態様では、試料は、血液試料、骨髄試料、又は組織/腫瘍生検試料であ
ってよく、その場合、単位体積(例えば、1ml)又は他の測定される単位(例えば、組織学的
分析の場合は単位視野当たり)当たりの癌幹細胞の量を定量する。ある特定の実施態様で
は、癌幹細胞集団は、血液又は骨髄又は組織/腫瘍生検試料中に存在する癌細胞の一部分(
例えば、割合)として、又は血液又は骨髄又は組織/腫瘍生検試料中に存在する癌細胞の小
集団として、測定される。他の実施態様では、癌幹細胞集団は全細胞の一部分(例えば、
割合)として測定することができる。なお他の実施態様では、癌幹細胞集団は、血液試料
中に存在する全幹細胞の一部分(例えば、割合)として測定される。
他の実施態様では、患者由来の試料は組織試料(例えば、癌細胞を有する又は有する疑
いのある対象由来の生検材料)であり、その場合、例えば、免疫組織化学又はフローサイ
トメトリーによって、又は、組織の単位面積、体積、又は重量当たりの癌幹細胞の量に基
づいて、癌幹細胞の量を測定することができる。ある特定の実施態様では、癌幹細胞集団
は、組織試料中に存在する癌細胞の一部分(例えば、割合)として、又は組織試料中に存在
する癌細胞の小集団として、測定される。なお他の実施態様では、癌幹細胞集団は、組織
試料中の全細胞又は幹細胞の一部分(例えば、割合)として測定される。
試験試料中の癌幹細胞の量を、参照試料(複数可)中の癌幹細胞の量と比較することによ
り、レジメンの効力を評価することができる。一実施態様では、参照試料は、より早い時
点(例えば、ベースライン参照試料となる、レジメンを受ける前、又は治療を受けている
期間のより早い時点)における、治療を受けている対象から得た試料である。本実施態様
では、その治療の結果、参照試料と比較して試験試料中の癌幹細胞の量が低下することが
望ましい。別の実施態様では、参照試料は、癌が検出されない健常な対象から、又は同じ
型の癌が寛解している患者から得られる。本実施態様では、その治療の結果、試験試料で
、癌幹細胞が参照試料で検出されるのと同じ量、又はそれより少なくなることが望ましい
他の実施態様では、試験試料中の癌幹細胞集団を所定参照範囲及び/又は対象に関して
測定された癌幹細胞の以前の検出量と比較することにより、本明細書中に記載のレジメン
に対する対象の反応を評価することができる。具体的な実施態様では、所定参照範囲及び
/又は対象に関して測定された前の(以前検出された)癌幹細胞量と比べた癌幹細胞の量の
安定化又は減少は、対象の予後の改善又はレジメンに対する好ましい反応を示す一方、所
定参照範囲及び/又は前の癌幹細胞量と比べた増加は、変わらない若しくは悪い予後、及
び/又はレジメンに対する反応がないことを示す。対象の予後及び/又はレジメンの効力を
評価するために、癌幹細胞量を他の手段と併用して使用することができる。具体的な実施
態様では、所定参照範囲は、治療を受けている患者と同じ種類の癌患者又は患者集団(複
数可)から得た癌幹細胞の量に基づいている。
一般に、幹細胞抗原は癌幹細胞及び正常な幹細胞の両方に存在できるので、癌幹細胞の
存在のために、癌罹患患者由来の試料は検出可能な癌を有さない健常対象由来の試料より
も高い幹細胞数を有するであろう。治療により、試験試料(例えば、治療を受けている患
者由来の試料)の癌幹細胞数が減少する及び、従来の方法により検出可能な癌を有さない
健常対象由来の試料である参照試料中の幹細胞数に次第に近づく結果をもたらすことが望
ましい。
レジメンを受けている対象由来の試料中の癌幹細胞量を参照試料と比較して癌幹細胞量
の減少が不十分であると判断されれば、医療専門家はレジメンを調節するための多くの可
能な選択肢を有している。例えば、医療専門家はその場合、投与される治療の投与量若し
くは強度、投与頻度、投与期間のいずれかを増加させることができ、治療を別の治療(複
数可)と組み合わせることができ、治療の中止又はこれらの任意の組合せを含めて管理全
体を変えることができる。
ある特定の実施態様では、治療の投与頻度及び/又は期間は、治療患者において検出さ
れる又は由来する癌幹細胞の量の変化の結果として変更される。例えば、白血病の治療を
受けている対象が、治療前に腫瘍の2.5%、及び治療6週間後に5%の癌幹細胞測定値を有す
るならば、癌幹細胞の割合の増加は治療又はレジメンが最適ではないことを示すため、治
療又はレジメンは変更又は中止され得る。或いは、白血病を有する別の対象が、治療前に
腫瘍の2.5%、及び治療6週間後に1%の癌幹細胞測定値を有するならば、癌幹細胞の割合の
減少は治療又はレジメンが有効であることを示すため、治療又はレジメンは継続され得る
当業者に知られている標準的な技術を使用し、癌幹細胞の量をモニター/評価すること
ができる。癌幹細胞は、例えば、対象から例えば、組織/腫瘍試料、血液試料又は骨髄試
料などの試料を得、試料中の癌幹細胞を検出することによってモニターすることができる
。試料中の癌幹細胞の量(例えば、全細胞又は全癌細胞の割合として表され得る)は、癌幹
細胞中の抗原発現を検出することによって評価することができる。当業者に知られている
技術を使用して、こうした活性を測定することができる。例えば、それだけに限らないが
、ウェスタンブロット、免疫組織化学、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着
アッセイ(enzyme linked immunosorbent assay))、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免
疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル内沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結
合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、免疫蛍光法、プロ
テインAイムノアッセイ、フローサイトメトリー、及びFACS分析を含むイムノアッセイに
より、抗原の発現についてアッセイを行うことができる。このような状況において、対象
の試験試料中の癌幹細胞の量は、参照試料(例えば、検出可能な癌を有さない対象由来の
試料)中の幹細胞の量と、又は所定参照範囲と、又は前の時点(例えば、治療前又は治療中
)の患者自身と、結果を比較することによって測定され得る。
具体的な実施態様では、患者の試料中の癌幹細胞集団はフローサイトメトリーにより測
定される。この方法は、腫瘍の大部分と比べて癌幹細胞上のある特定の表面マーカーの特
異な発現を利用する。標識抗体(例えば、蛍光抗体)を使用して試料中の細胞と反応させる
ことができ、その後細胞をFACS法により選別する。いくつかの実施態様では、試料中の癌
幹細胞の量を測定するために細胞表面マーカーの組合せを利用する。例えば、陽性及び陰
性両方の細胞選別を使用することにより試料中の癌幹細胞の量を評価してもよい。特定の
腫瘍型の癌幹細胞は、癌幹細胞上のマーカー発現を評価することにより測定することがで
きる。ある特定の実施態様では、腫瘍は下記表2に記載の癌幹細胞及びその関連マーカー
を有し、表2に様々な癌の種類に関連する癌幹細胞表現型の限定しない一覧を提供する。
Figure 2024088720000002
追加の癌幹細胞マーカーとして、それだけに限らないが、CD123、CLL-1、例えば、CD15
0、CD244、及びCD48などのSLAM(情報伝達リンパ球活性化分子(signaling lymphocyte act
ivation molecule)のファミリー受容体;(非特許文献127)を参照)の組合せ、及びそれぞれ
その全体が、引用により本明細書に組み込まれている、Bergsteinの(特許文献20)、係属
中の(特許文献21)、並びに(特許文献22)、(特許文献23)、(特許文献24)、(特許文献25)、
(特許文献26)、(特許文献27)及び(特許文献28)に開示されているマーカーが挙げられる。
例えば、(特許文献20)の表1、及び(特許文献21)の表1、2、若しくは3、並びに(特許文献2
2)、(特許文献23)、(特許文献24)、(特許文献25)、(特許文献26)、(特許文献27)及び(特
許文献28)を参照。
具体的な実施態様では、試料、例えば、固形腫瘍生検材料などの組織試料中の癌幹細胞
集団は、免疫組織化学技術を使用して測定する。この方法は、腫瘍の大部分と比べて癌幹
細胞上のある特定の表面マーカーの特異な発現を利用する。標識抗体(例えば、蛍光抗体)
を使用して試料中の細胞と反応させることができ、その後組織を染色する。いくつかの実
施態様では、試料中の癌幹細胞の量を測定するために細胞表面マーカーの組合せを利用す
る。特定の腫瘍型の癌幹細胞は、癌幹細胞に特異的なある特定のマーカー発現を評価する
ことにより測定することができる。ある特定の実施態様では、腫瘍は上記表2に記載の癌
幹細胞及びその関連マーカーを有する。
適した癌幹細胞抗原は:(i)例えば、特定の腫瘍型の癌幹細胞又は特定の組織型(例えば
、表2)の成体幹細胞の細胞表面抗原を含む、公表された及び公表されていない発現プロフ
ァイルなどの公的に入手可能な情報によって、及び/又は(ii)細胞表面抗原の発現プロフ
ァイル及び補体を決定するために、特定の腫瘍又は組織型の癌幹細胞又は成体幹細胞をそ
れぞれクローニングすることによって、特定され得る。正常幹細胞のクローニングは、当
技術分野において慣例的に使用される技術である((非特許文献128))。実際、正常幹細胞
及び癌幹細胞を特定するためにこの同じ技術が使用されている。さらに、正常幹細胞遺伝
子産物、例えば、細胞表面抗原の一部はまた同じ組織型由来の癌幹細胞上にも存在するで
あろうという想定は、癌幹細胞遺伝子産物及び癌幹細胞を特定するための有効な方法であ
ることが分かった。例えば、正常造血幹細胞がCD34+/CD38-であったと認識することによ
り、結果的に、急性骨髄性白血病(AML)幹細胞が同様にCD34+/CD38-であることが確認され
た。このことは実際に標準的な幹細胞クローニング技術により確認された((非特許文献12
9)を参照)。脳癌幹細胞も正常(脳)幹細胞、この場合はCD133のマーカーを使用して同様に
単離された((非特許文献130)を参照)。
試料のフローサイトメトリーを使用するある特定の実施態様では、腫瘍中の癌幹細胞を
特定するためにヘキスト染色手順を使用することができる。手短に述べると、異なる色の
2種のヘキスト染料(通常は赤色及び青色)を腫瘍細胞とインキュベートする。大部分の癌
細胞と比較して癌幹細胞は、その表面に細胞から染料をポンプで汲出させる染料排出ポン
プを過剰発現する。大部分の腫瘍細胞は概してこうしたポンプをほとんど有しておらず、
したがって染色に対して比較的陽性であり、フローサイトメトリーにより検出可能である
。通常、細胞集団全体を観察する場合、染色陽性(「染色+」)対染色陰性(「染色-」)細胞
の勾配が現れる。癌幹細胞は、染色-又は染色の弱い(染色)集団に含まれている。幹細
胞集団を特徴づけるためのヘキスト染色手順の使用例としては、(非特許文献131)及び(非
特許文献132)を参照されたい。このような方法で、与えられた治療又はレジメンから生じ
る癌幹細胞量の変化を評価するために治療前及び後に癌幹細胞量を測定するため、フロー
サイトメトリーを使用することができる。
試料のフローサイトメトリーを使用する他の実施態様では、アルデヒドデヒドロゲナー
ゼにより触媒されると蛍光になるアルデヒドデヒドロゲナーゼの基質で試料中の細胞を処
理してもよい。例えば、StemCell Technologies社からAldefluor(登録商標)として市販さ
れているBODIPY(登録商標)-アミノアセトアルデヒドで試料を処理することができる。癌
幹細胞は、大部分の癌細胞と比べて高レベルのアルデヒドデヒドロゲナーゼを発現するた
め、基質と反応させると明るく蛍光になる。この種の実験において蛍光になる癌幹細胞は
、次いで標準的なフローサイトメーターを使用して検出及び計数することができる。この
ような方法で、与えられた治療又はレジメンから生じる癌幹細胞量の変化を評価するため
に治療前及び後に癌幹細胞量を測定するため、フローサイトメトリーを使用することがで
きる。
他の実施態様では、患者から得た試料(例えば、腫瘍若しくは正常組織試料、血液試料
又は骨髄試料)をインビトロ系で培養することにより癌幹細胞集団を評価する。例えば、
腫瘍試料を軟寒天上で培養することができ、癌幹細胞の量を試料の視覚的に計数可能な細
胞コロニーを生成する能力と相関させることができる。コロニー形成は、幹細胞含有量の
代替的測定値とみなされ、したがって癌幹細胞の量を定量するために使用できる。例えば
、血液癌では、コロニー形成アッセイとしてコロニー形成細胞(colony forming cell)(CF
C)アッセイ、長期培養開始細胞(long-term culture initiating cell)(LTC-IC)アッセイ
、及び懸濁培養開始細胞(suspension culture initiating cell)(SC-IC)アッセイが挙げ
られる。このような方法で、与えられた治療又はレジメンから生じる癌幹細胞量の変化を
評価するために治療前及び後に癌幹細胞を測定するため、例えば、細胞株の長期永続/継
代などのコロニー形成又は関連するアッセイを使用することができる。
他の実施態様では、球体形成を促す適切な培地において球体形成を測定することにより
試料(例えば、球体と呼ばれる細胞の3次元クラスターを形成する癌幹細胞)中の癌幹細胞
の量を測定する。球体を定量することにより癌幹細胞の測定値を提供することができる。
(非特許文献133)を参照されたい。二次的球体もまた測定可能である。二次的球体は患者
試料から形成する球体が破砕し、その後再形成される場合に生成される。このような方法
で、与えられた治療又はレジメンから生じる癌幹細胞量の変化を評価するために治療前及
び後に癌幹細胞量を測定するため、球体形成アッセイを使用することができる。
他の実施態様では、試料中の癌幹細胞の量をコブルストーンアッセイによって測定する
ことができる。ある特定の血液癌の癌幹細胞は、骨髄間質細胞単層を含有する培養に加え
ると「コブルストーン領域(cobblestone area)」(CA)を形成する。例えば、白血病試料の
癌幹細胞の量をこの技術により評価することができる。腫瘍試料を骨髄間質細胞単層に加
える。白血病癌幹細胞は、大部分の白血病細胞よりまして、間質層下で移動する、及び、
約10~14日でCAとして位相差顕微鏡法で視覚的に見ることができる細胞コロニーの形成の
因子となる能力を有する。培養中のCA数は腫瘍試料の白血病癌幹細胞含有量の反映であり
、免疫不全マウスの骨髄に生着可能な幹細胞の量の代替的測定値とみなされる。アッセイ
処理量を増加させるために、マニュアル計数の代わりに増殖細胞の生化学標識を使用して
CAを定量できるようにこのアッセイを変更することもできる。(非特許文献134)を参照さ
れたい。このような方法で、与えられた治療又はレジメンから生じる癌幹細胞量の変化を
評価するために治療前及び後に癌幹細胞量を測定するため、コブルストーンアッセイを使
用することができる。
他の実施態様では、患者から得た試料(例えば、腫瘍若しくは正常組織試料、血液試料
又は骨髄試料)をインビボ系で分析することにより癌幹細胞集団を測定することができる
。ある特定の実施態様では、例えば、インビボ生着を使用して試料中の癌幹細胞の量を定
量する。インビボ生着は、例えば、リードアウトが免疫無防備状態又は免疫不全マウス(
例えば、NOD/SCIDマウス)などの動物の腫瘍形成である、ヒト検体の移植を含む。通常、
患者試料をインビトロで培養又は操作し、次いでマウスに注射する。こうしたアッセイに
おいて、マウスに患者試料由来細胞の量を減少させながら注射することができ、腫瘍形成
の頻度を注射した細胞の量に対してプロットすることにより試料中の癌幹細胞の量を測定
することができる。或いは、結果として得られる腫瘍の増殖率を測定することができ、大
きな又は急速に進行する腫瘍は患者試料において多くの癌幹細胞量を示す。このような方
法で、与えられた治療又はレジメンから生じる癌幹細胞量の変化を評価するために治療前
及び後に癌幹細胞量を測定するため、インビボ生着モデル/アッセイを使用することがで
きる。
本明細書中に記載の治療レジメンに対する対象の反応を評価するために、検体中の癌幹
細胞の量を、所定参照範囲及び/又は対象に関して測定された以前の(治療前又は治療中の
いずれか)癌幹細胞の量と比較することができる。具体的な実施態様では、所定参照範囲
及び/又は対象に関して測定された以前の(治療前又は治療中のいずれか)癌幹細胞量と比
べた癌幹細胞の量の安定化又は減少は、治療又はレジメンが有効であったこと、したがっ
ておそらく対象の予後の改善を示す一方、所定参照範囲及び/又は前の時点で検出された
癌幹細胞量と比べた増加は、治療又はレジメンが有効でなかったこと、したがっておそら
く対象の予後の変わらないこと又は悪化を示す。癌幹細胞量を、他の標準的な癌の測定値
と一緒に使用することにより対象の予後及び/又は治療若しくはレジメンの効力を評価す
ることができる:例えば、反応率、反応の永続性、無再発生存率、無病生存率、無進行生
存率、及び全生存率。ある特定の実施態様では、治療の投与量、投与頻度及び/又は期間
は、治療前、治療中、及び/又は治療後を含み得る様々な時点での癌幹細胞の量の測定の
結果として変更される。
本発明はまた、癌幹細胞を経時的にモニターすること並びに癌療法又はレジメンの経過
中及び/又は経過後に癌幹細胞の量の安定化又は減少を検出することに基づいて、癌療法
又はレジメンが癌幹細胞の標的化及び/又は減退に有効であることを確認する方法にも関
する。
ある特定の実施態様では、治療中に癌幹細胞の量の安定化又は減少をモニター又は検出
したという理由による、治療又はレジメンが癌幹細胞の標的化及び/又は減退に有効であ
るという確認に基づき、治療又はレジメンを抗癌幹細胞治療又はレジメンとして記載し、
又は市場に出してもよい。
(5.5癌細胞をモニターする方法)
本発明の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンの一部として、当業者に知られてい
る標準的な技術を使用して(単独の、又は癌幹細胞の量と組み合わせた)癌細胞の量をモニ
ター/評価することができる。本発明の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンのある特
定の実施態様では、そのレジメンの結果、対象中の癌細胞の(例えば、百分率として表さ
れる)量が安定化又は低減する。一実施態様では、レジメンを受けている対象をモニター
して、そのレジメンの結果、対象中の癌細胞の(例えば、百分率として表される)量が安定
化又は低減したかどうかを決定する。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の、又は当業者に知られている技術を使用し
て、癌細胞の量を評価する。他の実施態様では、試料中の癌細胞の量を検出する。そのよ
うな試料には、それだけに限らないが、生物学的試料及び生物学的試料に由来する試料が
ある。ある特定の実施態様では、生物学的試料自体、又は細胞などの生物学的試料に由来
する物質に加えて、本発明の方法で使用する試料は、添加された水、塩、グリセリン、グ
ルコース、抗菌剤、パラフィン、化学的安定化剤、ヘパリン、抗凝固剤、又は緩衝剤を含
む。ある特定の実施態様では、生物学的試料は、血液、血清、尿、骨髄、又は間質液であ
る。別の実施態様では、試料は組織試料である。特定の実施態様では、組織試料は、胸部
、結腸、肝、卵巣、膵、前立腺、腎、骨、又は皮膚組織である。具体的な実施態様では、
組織試料は、腫瘍生検試料を含めた生検試料である。対象から採取される生物学的試料の
量は、生物学的試料の型及び使用する検出方法に応じて様々となる。特定の実施態様では
、生物学的試料は血液、血清、又は尿であり、対象から採取される血液、血清、又は尿の
量は、0.1 ml、0.5 ml、1 ml、5 ml、10 ml、又はそれ以上である。別の実施態様では、
生物学的試料は組織であり、対象から採取される組織の量は、10ミリグラム未満、25ミリ
グラム未満、50ミリグラム未満、1グラム未満、5グラム未満、10グラム未満、50グラム未
満、又は100グラム未満である。
本発明の方法によれば、生物学的試料に由来する試料は、試料中の癌細胞集団の検出及
び/又は測定の前に、1つ以上の前処理ステップに供している試料である。ある特定の実施
態様では、遠心分離、濾過、沈殿、透析、若しくはクロマトグラフィー、又はそのような
前処理ステップの組合せによって生物学的液体を前処理する。他の実施態様では、凍結、
化学固定、パラフィン包埋、脱水、浸透化、若しくは均質化、その後の遠心分離、濾過、
沈殿、透析、若しくはクロマトグラフィーによって、又はそのような前処理ステップの組
合せによって組織試料を前処理する。ある特定の実施態様では、本発明の方法に従って試
料中の癌細胞の量を決定する前に、試料から癌細胞以外の細胞を除去し、又は試料から破
片を除去することによって試料を前処理する。
本発明の方法で使用する試料は、任意の動物対象、好ましくは哺乳動物、最も好ましく
はヒトから採取することができる。試料が得られ、本発明の方法に従って利用される対象
には、それだけに限らないが、無症状の対象、癌の1種、2種、3種、4種、若しくはそれ以
上の症状が現れている又はそれを示している対象、癌を有すると臨床的に診断された対象
、癌にかかりやすい対象、癌を有することが疑われる対象、癌の治療を受けている対象、
(例えば、癌の治療の後に)癌がないと医学的に決定された対象、癌の管理中である対象、
又は癌と診断されていない対象がある。
ある特定の実施態様では、対象がレジメンを受け始めてから少なくとも1、2、4、6、7
、8、10、12、14、15、16、18、20、30、60、90日、6カ月、9カ月、12カ月、又は>12カ
月後に、対象、又は対象由来の試料中の癌細胞の量を評価する。ある特定の実施態様では
、何回かの投与後(例えば、治療薬の1、2、5、10、20、30回、又はそれ以上の投与後)に
、癌細胞の量を評価する。他の実施態様では、1種以上の治療を受けてから2週間、1カ月
、2カ月、1年、2年、3年、4年、又はそれ以上の後に、癌細胞の量を評価する。
試料中の癌細胞の量は、例えば、試料中の細胞全部の百分率として表すことができる。
いくつかの実施態様では、試料は血液試料又は骨髄試料であり、単位容積(例えば、1ml)
又は他の測定単位当たり(例えば、組織学的分析の場合では単位視野当たり)の癌細胞の量
を定量する。ある特定の実施態様では、癌細胞集団は、全血液細胞の百分率として決定す
ることができる。
他の実施態様では、患者由来の試料は組織試料(例えば、癌性組織を有し、又は有する
ことが疑われる対象由来の生検試料)であり、癌細胞の量は、例えば、免疫組織化学によ
って、又は組織の単位重量当たりの癌細胞の量に基づいて測定することができる。
試験試料中の癌細胞の量を、参照試料(複数可)中で測定された癌細胞の量と比較して、
レジメンの効力を評価することができる。一実施態様では、参照試料は、より早い時点(
例えば、ベースライン参照試料となる、レジメンを受ける前、又は治療を受けている間の
より早い時点)における、治療を受けている対象由来の試料である。本実施態様では、そ
の治療の結果、参照試料と比較して試験試料中の癌細胞の量が低下することが望ましい。
別の実施態様では、参照試料は、癌が検出されない健常な対象から、又は同じ型の癌が寛
解している患者から得られる。本実施態様では、その治療の結果、試験試料で、癌細胞が
参照試料で検出されるのと同じ量となる(例えば、癌細胞が検出されない)ことが望ましい
癌細胞の量の低減が小さすぎると判断される場合、医師はレジメンを調整するいくつか
の選択肢を有する。例えば、医師は投与する治療薬の投与量、投与の頻度、投与の期間を
増大させ、その治療を別の治療(複数可)と組み合わせ、治療を中止し、又はそれらの任意
の組合せを行うことができる。
当業者に知られている標準的な技術を使用して、癌細胞の量をモニター/評価すること
ができる。例えば、対象から腫瘍試料、血液試料や骨髄試料などの試料を得、試料中の癌
細胞を検出することによって、癌細胞をモニターすることができる。癌細胞上での抗原の
発現、及び/又は癌細胞の増殖を検出することによって、(百分率として表すことができる
)試料中の癌細胞の量を評価することができる。当業者に知られている技術を使用して、
これらの活性を測定することができる。例えば、3H-チミジン取り込みアッセイ及びトリ
パンブルー細胞計数法により、細胞増殖についてアッセイを行うことができる。例えば、
それだけに限らないが、ウェスタンブロット、免疫組織化学、ラジオイムノアッセイ、EL
ISA(酵素結合免疫吸着アッセイ(enzyme linked immunosorbent assay))、「サンドイッチ
」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル内沈降反応、免疫拡散アッセイ、
凝集アッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセ
イ、プロテインAイムノアッセイ、フローサイトメトリー、蛍光活性化細胞選別(fluoresc
ence-activated cell sorting)(FACS)分析、及び免疫蛍光法を含めたイムノアッセイによ
り、抗原の発現についてアッセイを行うことができる。
癌細胞の量を所定参照範囲、及び/又は対象について決定された癌細胞の初期の量と比
較して、本明細書に記載のレジメンに対する対象の反応を判断することができる。具体的
な実施態様では、所定参照範囲、及び/又は対象について決定された初期の癌細胞の量と
比べて癌細胞の量が低減すると、対象の予後又は治療に対する反応が改善されたことが示
唆されるが、所定参照範囲、及び/又は初期の癌細胞の量と比べて増大すると、予後が同
じ若しくは不良であり、又は治療に対して反応していないことが示唆される。ある特定の
実施態様では、癌細胞の量の変化により、治療薬の投与の量、頻度、及び/又は期間を変
更する。
いくつかの実施態様では、癌細胞集団の肉眼的測定を使用して、癌細胞集団をモニター
/評価することができる。例えば、いくつかの実施態様では、コンピューター連動断層撮
影(computed tomography)(CT)、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)(MR
I)、超音波、X線イメージング、マンモグラフィー、放射性核種イメージング、PETスキャ
ンや骨スキャンなどのイメージング法を使用して癌細胞集団を決定する。
固形腫瘍の治療を含む本発明の実施態様では、腫瘍の容積サイズから、癌細胞集団を推
定することができる。いくつかの既知の方法を使用して、腫瘍の容積サイズを評価するこ
とができる。そのような方法の限定しない例には、イメージング法(例えば、コンピュー
ター連動断層撮影(computed tomography)(CT)、磁気共鳴イメージング(magnetic resonan
ce imaging)(MRI)、PETスキャン、超音波、X線イメージング、マンモグラフィー、骨スキ
ャン、及び放射性核種イメージング)、視覚的方法(例えば、結腸鏡検査、気管支鏡検査、
内視鏡検査)、理学的検査(例えば、前立腺検査、胸部検査、リンパ節検査、腹部検査、全
身の触診)、血液検査(例えば、前立腺特異抗原(prostate specific antigen)(PSA)検査、
癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)(CEA)検査、癌抗原(cancer antigen)(CA)-125
検査、αフェトプロテイン(alpha-fetoprotein)(AFP))、骨髄分析(例えば、血液悪性腫瘍
の場合)、組織病理検査、細胞診、及びフローサイトメトリーがある。
いくつかの実施態様では、イメージング法から決定された腫瘍病変のサイズに基づく評
価によって、容積腫瘍サイズを測定することができる。具体的な実施態様では、(非特許
文献135)に示されている、固形腫瘍における反応評価基準(Response Evaluation Criteri
a In Solid Tumors)(RECIST)ガイドラインに従って評価を行うことができる。例えば、具
体的な実施態様では、従来のイメージング技術(例えば、従来のCTスキャン、MRI、又はX
線)を使用したときにベースライン(治療前)における最長径が少なくとも=20mmであるよう
な、容積腫瘍サイズを代表する対象中の病変を選択し、スパイラルCTスキャンを使用した
ときはベースライン(治療前)における最長径が少なくとも=10mmである病変を選択すべき
である。
(5.6リンパ球数、好中球数、血小板数及びヘモグロビンをモニターする方法)
本発明の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンの一部として、当業者に知られてい
る標準的な技術を使用して末梢血リンパ球数をモニター/評価することができる。対象中
の末梢血リンパ球数は、例えば、前記対象から末梢血の試料を得、例えばFicoll-Hypaque
(Pharmacia)勾配遠心分離を使用して血漿など末梢血の他の構成成分からリンパ球を分離
し、トリパンブルーを使用してリンパ球を計数することによって決定することができる。
対象中の末梢血T細胞数は、例えば、例えばFicoll-Hypaque(Pharmacia)勾配遠心分離を使
用して血漿など末梢血の他の構成成分からリンパ球を分離することによって決定すること
ができる。FITCやフィコエリスリンなどFACSで検出可能な作用剤とコンジュゲートした、
CD3、CD4やCD8などのT細胞抗原に対する抗体でT細胞を標識し、FACSによってT細胞の量を
測定する。さらに、FACSなど、当業者に知られている標準的な技術を使用して、T細胞の
特定のサブセット(例えば、CD2+、CD4+、CD8+、CD45+、CD45RO+、CD45RA+、又はCD8+RA+)
又はNK細胞に対する効果を決定することができる。
当業者に知られている標準的な技術を使用して、対象の好中球絶対数(absolute neutro
phil count)(ANC)をモニター/評価することができる。いくつかの実施態様では、レジメ
ンは、患者が好中球減少症を発症するリスクを回避するために患者のANCをモニターする
ことを含む。
白血球(white blood cell)(WBC)の合計数、並びに好中球及びバンド(未熟な好中球)の
数の測定値からANCを計算することができる。ANCは、訓練を受けた臨床検査技師により手
作業で、又は自動化血液分析器から得られる自動化されたANCの結果により決定すること
ができる。
当業者に知られている標準的な技術を使用して、対象の血小板(platelet)(PLT)数をモ
ニター/評価することができる。いくつかの実施態様では、レジメンは、患者が血小板減
少症を発症し、又は輸血依存的となるリスクを回避するために、患者の血小板数をモニタ
ーすることを含む。輸液は、医師によって決定されたときに与えることができる。
当業者に知られている標準的な技術を使用して、対象のヘモグロビン(hemoglobin)(Hgb
)をモニター/評価することができる。いくつかの実施態様では、レジメンは、患者が貧血
を発症し、又は輸血依存的となるリスクを回避するために、患者のヘモグロビンをモニタ
ーすることを含む。輸液又は成長因子(例えば、エリスロポエチン)は、医師によって決定
されたときに与えることができる。
(5.7生物学的アッセイ)
(5.7.1インビトロアッセイ)
癌細胞及び/若しくは癌幹細胞の量を低減し、又はその増殖を阻害することができるか
について、本発明の化合物、医薬組成物、及びレジメンをインビトロ及び/又はインビボ
で試験することができる。本発明の化合物又はレジメンが、癌細胞、癌幹細胞及び/若し
くは免疫細胞(例えば、リンパ球)の量を低減し、又はその増殖を阻害することができるか
について、癌細胞、癌幹細胞及び/又は免疫細胞上の抗原の発現を検出し、癌細胞、癌幹
細胞及び免疫細胞の増殖又は生存を検出し、癌細胞及び癌幹細胞のエフェクター機能を検
出することにより評価することができる。当業者に知られている技術を使用して、これら
の活性を測定することができる。例えば、3H-チミジン取り込みアッセイ及びトリパンブ
ルー細胞計数法により、細胞増殖についてアッセイを行うことができる。例えば、それだ
けに限らないが、ウェスタンブロット、免疫組織化学、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵
素結合免疫吸着アッセイ(enzyme linked immunosorbent assay))、「サンドイッチ」イム
ノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル内沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集ア
ッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、プ
ロテインAイムノアッセイやFACS分析など、競合的及び非競合的アッセイ系を含めたイム
ノアッセイにより、抗原の発現についてアッセイを行うことができる。
好ましくは、ヒトで使用する前に、所望の治療的又は予防的活性について、本発明の化
合物、医薬組成物、又はレジメンをインビトロで、次いでインビボで試験する。例えば、
特定の化合物の投与が示唆されるかどうか決定するのに使用できるアッセイには細胞培養
アッセイがあり、そのアッセイでは、患者組織試料(例えば、癌細胞又は癌幹細胞)を培養
で増殖させ、その試料を本発明の化合物に曝露し、又はその他の形でその化合物と接触さ
せ、組織試料に対するそのような化合物の効果を観察する。組織試料は、患者の生検によ
って得ることができる。この試験により、個々の各患者について治療的に最も有効な治療
薬(例えば、予防剤又は治療剤)を同定することができる。
XTTアッセイを使用した細胞生存の決定:ある場合には、抗CD34+抗体で被覆した磁性ビ
ーズを使用して、ヒト臍帯血からCD34+細胞を単離する。次いで単離した細胞を計数し、
そのアリコートを96穴プレートに入れ、次いで様々な濃度のカンタリジン又はノルカンタ
リジンの存在下でそれをインキュベートする。XTT比色試薬の添加によって細胞生存を測
定する。処理していない培養物と比較した、約450~500nmでの処理した培養物の吸光度に
よって生存を決定する。他の場合には、アッセイで使用する細胞は、MV4;11などの白血病
細胞系統でもよい。そのアッセイを使用して、化合物とともに様々な時間インキュベート
した培養物に対してXTTアッセイを行うことにより、種々の化合物による細胞死滅の時間
経過を決定することもできる。
コブルストーンアッセイ:コブルストーン領域形成細胞(cobblestone area-forming cel
l)(CAFC)アッセイは、癌幹細胞の定量について再現性のある視覚的なエンドポイントを利
用するものである。白血病試料を、間質細胞の、いくつかの実施態様ではMS-5間質細胞の
付着性培養物に添加する。培養物中の癌幹細胞は、MS-5間質細胞の下に移動し、視覚的に
定量することができるコブルストーンと呼ばれる細胞のコロニーを形成する。このアッセ
イを使用して癌幹細胞集団に対するカンタリジン又はノルカンタリジンの効果を試験する
ために、最初にその薬剤の存在下で細胞を培養する。いくつかの実施態様では、細胞を16
時間培養する。このインキュベーションの後、細胞を間質培養物に添加する。処理しなか
った細胞と比較した、薬剤で処理した培養物でのコブルストーン領域形成の低減は、薬剤
の癌幹細胞活性を表す。
(5.7.2インビボアッセイ)
ヒトで使用する前に、本発明の化合物、医薬組成物、又はレジメンを適切な動物モデル
で試験することができる。そのような動物モデル系には、それだけに限らないが、ラット
、マウス、ニワトリ、雌ウシ、サル、ブタ、イヌ、ウサギなどがある。当技術分野で周知
である任意の動物系を使用することができる。その手順のいくつかの態様は様々となり得
る;前記態様には、それだけに限らないが、治療手段(例えば、予防剤及び/又は治療剤)を
投与する時間的な計画、そのような治療手段を別々に投与するか混合物として投与するか
、及び治療手段の投与の頻度がある。
癌の動物モデルを使用して、本発明の化合物又は併用療法の効力を評価することができ
る。肺癌の動物モデルの例としては、それだけに限らないが、(非特許文献136)に記載の
肺癌動物モデル、及びp53機能が崩壊したトランスジェニックマウスモデル(例えば、(非
特許文献137)を参照)がある。乳癌の動物モデルの例としては、それだけに限らないが、
サイクリンD1を過剰発現するトランスジェニックマウス(例えば、(非特許文献138)を参照
)がある。結腸癌の動物モデルの例としては、それだけに限らないが、TCR b及びp53のダ
ブルノックアウトマウス(例えば、(非特許文献139)を参照)がある。膵癌の動物モデルの
例としては、それだけに限らないが、PancO2ネズミ膵腺癌の転移モデル(例えば、(非特許
文献140)を参照)、及び皮下膵臓腫瘍で生じたnu-nuマウス(例えば、(非特許文献141)を参
照)がある。非ホジキンリンパ腫の動物モデルの例としては、それだけに限らないが、重
症複合免疫不全(severe combined immunodeficiency)(「SCID」)マウス(例えば、(非特許
文献142)を参照)、及びIgHmu-HOX11トランスジェニックマウス(例えば、(非特許文献143)
を参照)がある。食道癌の動物モデルの例としては、それだけに限らないが、ヒトパピロ
ーマウイルス16型E7癌遺伝子のトランスジェニックマウス(例えば、(非特許文献144)を参
照)がある。結腸直腸癌の動物モデルの例としては、それだけに限らないが、Apcマウスモ
デル(例えば、(非特許文献145)、並びに(非特許文献146)を参照)がある。
ある特定のインビボ技術では、癌細胞又は癌幹細胞上の分子、例えば癌細胞又は癌幹細
胞表面抗原と結合するイメージング剤、又は診断用部分を使用する。例えば、蛍光タグ、
放射性核種、重金属、又は光子放出体を、癌幹細胞表面抗原と結合する(抗体断片を含め
た)抗体と付着させる。例示的な癌幹細胞表面抗原を上記の表2に列挙している。医師は、
治療前、治療中、又は治療後に標識抗体を患者に注入することができ、次いで、付着した
標識(例えば、蛍光タグ、放射性核種、重金属、光子放出体)を検出することができる全身
スキャナー/ディベロッパーに患者を入れることができる。スキャナー/ディベロッパー(
例えば、CT、MRI、又は他のスキャナー、例えば、標識を検出することができる蛍光標識
の検出器)は、結合した抗体の存在、量/分量、及び身体での位置を記録する。このように
して、1つ以上の組織内のパターン(すなわち、組織内の正常な幹細胞のパターンとは異な
るパターン)におけるタグ(例えば、蛍光、放射活性など)のマッピング及び定量から、よ
り早い時点での同じ患者や、癌が検出されない患者などの参照対照と比較したときの患者
の身体内での治療の効力が示唆される。例えば、特定の位置での(参照範囲又は治療日の
前、又は治療の前と比べて)大きなシグナルから、癌幹細胞の存在が示唆される。このシ
グナルが以前の日付と比べて増大した場合、疾患の悪化、及び治療又はレジメンの失敗が
示唆される。或いは、シグナルの低下から、治療又はレジメンが有効であったことが示唆
される。
同様に、本発明のいくつかの実施態様では、治療を受けている(ヒトを含めた)動物中の
癌細胞の量の低減における治療レジメンの効力を、インビボ技術を使用して評価すること
ができる。一実施態様では、医師は、癌細胞の表面、例えば、癌細胞表面抗原と特異的に
結合する標識分子を用いてイメージング技術を実施する。ある特定の癌細胞表面抗原を列
挙している、上記の5.4節を参照されたい。このようにして、1つ以上の組織内のパターン
におけるタグ(例えば、蛍光、放射活性)のマッピング及び定量から、治療を受けている患
者の身体内での治療の効力が示唆される。
具体的な実施態様では、(a)癌幹細胞上で認められる細胞表面マーカーと特異的に結合
する標識癌幹細胞マーカー結合作用剤を対象に有効量投与するステップと、(b)標識作用
剤が、癌幹細胞表面マーカーが発現する対象中の部位に集中することを可能にするのに十
分な時間間隔の後に、対象中の標識作用剤を検出するステップとを含む方法に従って、イ
ンビボで対象中の癌幹細胞の量を検出する。本実施態様によれば、対象に癌幹細胞表面マ
ーカー結合作用剤を、当技術分野における任意の適切な方法に従って、例えば、非経口(
例えば、静脈内)、又は腹腔内投与する。本実施態様によれば、作用剤の有効量とは、対
象中の作用剤の検出が可能となる量である。この量は、特定の対象、使用する標識、及び
使用する検出方法に応じて様々となる。例えば、対象のサイズ及び使用するイメージング
システムから、イメージングを使用して対象中の作用剤を検出するのに必要な標識作用剤
の量が決定されることが当技術分野において理解される。ヒト対象用の放射標識作用剤の
場合では、投与された標識作用剤を放射活性の単位で、例えば99Tcの5~20ミリキュリー
で測定する。標識作用剤が、癌幹細胞表面マーカーが発現する対象中の部位に集中するこ
とを可能にするのに十分な、標識作用剤の投与後の時間間隔は、いくつかの要因、例えば
、使用する標識の型、投与の形態、及びイメージングする対象の身体の部分に応じて様々
となる。特定の実施態様では、十分な時間間隔は、6~48時間、6~24時間、又は6~12時
間である。別の実施態様では、時間間隔は、5~20日、又は5~10日である。当技術分野で
知られているイメージング手段を使用して、対象中の標識癌幹細胞表面マーカー結合作用
剤の存在を検出することができる。一般に、使用するイメージング手段は、使用する標識
の型に依存する。当業者なら、特定の標識の検出に適した手段を決定することができるで
あろう。使用できる方法及び装置には、それだけに限らないが、コンピューター連動断層
撮影(computed tomography)(CT)、位置放出断層撮影法(position emission tomography)(
PET)などの全身スキャン、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)(MRI)、
蛍光、化学発光、蛍光標識を検出しその位置を特定することができるイメージング装置、
及び超音波検査法がある。具体的な実施態様では、癌幹細胞表面マーカー結合作用剤を放
射性同位体で標識し、放射線反応性の外科用器械を使用して、患者中でそれを検出する((
特許文献29))。別の実施態様では、癌幹細胞表面マーカー結合作用剤を蛍光化合物で標識
し、蛍光反応性のスキャン用器械を使用して、患者中でそれを検出する。別の実施態様で
は、癌幹細胞表面マーカー結合作用剤を陽電子放出金属で標識し、陽電子放出断層撮影法
を使用して、患者中でそれを検出する。さらに別の実施態様では、癌幹細胞表面マーカー
結合作用剤を常磁性標識で標識し、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)
(MRI)を使用して、患者中でそれを検出する。
癌又は1つ若しくは複数のその症状に対する、本明細書で開示されている癌の療法又は
レジメンの予防的及び/又は治療的な有用性を評価するために、癌幹細胞を検出及び/又は
定量できる、当業者に知られている任意のインビトロ又はインビボ(生体外)アッセイを使
用して、癌幹細胞をモニターすることができ、或いはこれらのアッセイを使用して、患者
の予後を評価することができる。次いで、これらのアッセイの結果を使用して、癌の療法
又はレジメンを場合により維持又は変更することができる。
(5.7.3 毒性の評価)
本発明の化合物、医薬組成物及びレジメンの毒性及び/又は効力は、例えば、LD50(集団
の50%に対して致死的な用量)及びED50(集団の50%において治療上有効な用量)を決定する
ための、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することがで
きる。毒作用と治療効果の用量比は治療指数であり、これはLD50/ED50比として表すこと
ができる。大きな治療指標を示す治療レジメンが好ましい。毒性副作用を示す治療レジメ
ンを使用してもよいが、このような作用剤を罹患組織の部位にターゲティングするデリバ
リーシステムを設計して、非感染細胞に対する潜在的な損傷を最小にし、それにより副作
用を低下させるように対処すべきである。
細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータは、ヒトにおいて使用する治療薬の
投与量の範囲を定めるのに使用することができる。このような作用剤の投与量は、正常組
織に対して毒性がほとんどないED50を含む血中濃度の範囲内にあることが好ましい。この
投与量は、使用される剤形及び利用される投与経路に依存してこの範囲内で変わり得る。
本発明の方法において使用する任意の治療法について、その治療有効用量は、初めに細胞
培養アッセイから評価することができる。投与量は、細胞培養物において決定されるIC50
(すなわち、症状の最大の半分の抑制を達成する試験化合物濃度)を含む血中血漿濃度範囲
を達成するように動物モデルにおいて定めることもできる。このような情報を使用して、
ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中の化合物レベルは、
例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することもできる。
(5.8 製品)
本発明はまた、包装されラベルが貼られた完成医薬品を包含する。この製品は、ガラス
バイアル又は密封された他の容器など、適切な入れ物又は容器中に適切な単位剤形を含む
。医薬品は、例えば、第1の容器中に単位剤形として本発明のコンジュゲート、及び第2の
容器中に注射用滅菌水を含むことができる。或いは、単位剤形は、経口、経皮、経鼻又は
局所の送達に適した固体であってもよい。
具体的な実施態様では、単位剤形は、非経口、静脈内、筋肉内、経鼻、経口、腹腔内、
局所又は皮下の送達に適している。したがって、本発明は、各送達経路に適している、好
ましくは滅菌された溶液を包含する。
任意の他の医薬品と同様に、包装材料及び容器は、保存及び輸送中の製品の安定性を保
護するように設計されている。さらに、本発明の製品は、医師、技術者又は患者に当の疾
患又は障害の適切な予防法又は治療法を教示する使用説明書又は他の情報材料を含む。す
なわち、この製品は、それだけに限らないが、実際の用量及びモニタリング手順、癌細胞
数、癌幹細胞数及び他のモニタリング情報を含めた投与レジメンを指示又は提案する教示
手段を含む。
具体的には、本発明は、箱、瓶、チューブ、バイアル、容器、噴霧器、吸入器、静脈注
射(i.v.)用バッグ、薬包紙などの包装材料と、前記包装材料内に入れた薬剤の少なくとも
1単位の剤形とを含む製品を提供し、前記薬剤は本発明の化合物を含み、前記包装材料は
、癌に関連する1つ以上の症状又はその1つ以上の症状を、特定の用量を投与し、本明細書
に記載の特定の投与レジメンを使用することにより予防、管理、治療及び/又は改善する
ために前記化合物を使用できることを示す教示手段を含む。
好ましい実施態様では、この製品は、癌細胞に結合する、好ましくは癌幹細胞に結合す
る標識抗体を含む。そのようにして、この製品は、治療レジメンの効力をモニターし、必
要であれば治療用量及び/又は治療レジメンを調整する方法を含む。
本発明はまた、癌幹細胞を検出、モニター及び/又は測定するための試薬を詰めた1つ以
上の容器を備える医薬品パック又はキットを提供する。一実施態様では、医薬品パック又
はキットは、癌幹細胞を検出及び/又は測定するために設けられた試薬の使用説明書を任
意選択で含む。別の実施態様では、医薬品パック又はキットは、医薬品又は生物剤の製造
、使用又は販売を管理する政府機関によって規定された形式である、ヒトへの投与用の使
用又は販売のための製造の政府機関による認可を示す通知を任意選択で含む。
一実施態様では、医薬品パック又はキットは、1つ以上の容器中に癌幹細胞表面マーカ
ー結合作用剤を含む。特定の実施態様では、この作用剤は、癌幹細胞表面マーカーに選択
的又は特異的に結合する抗体である。特定の実施態様では、作用剤は、任意の癌幹細胞表
面マーカーと交差反応する抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリ
クローナル、Fvs、ScFv、Fab又はF(ab)2断片又はエピトープ結合断片を含む)である。別
の実施態様では、この抗体は、表2に挙げた癌幹細胞表面マーカーのいずれか1つと交差反
応する。別の実施態様では、(特許文献20)の表1、又は(特許文献21)の表1、2若しくは3、
並びに(特許文献22)、(特許文献23)、(特許文献24)、(特許文献25)、(特許文献26)、(特
許文献27)及び(特許文献28)に挙げられた癌幹細胞表面マーカーのいずれか1つと交差反応
し、それぞれを参照により本明細書に組み込む。本実施態様によれば、医薬品パック又は
キットは、癌幹細胞表面マーカーに結合する1つ以上の抗体を含み、抗体はそれぞれ、癌
幹細胞表面マーカーの異なるエピトープに結合し、且つ/又は癌幹細胞表面マーカーに異
なる親和性で結合する。
抗体ベースのキットについては、キットは、例えば:(1)癌幹細胞表面マーカータンパク
質に結合する第1の抗体(固体支持体に結合してもしなくてもよい)と;任意選択で(2)第1の
抗体が結合した癌幹細胞表面マーカータンパク質又は第1の抗体のいずれかに結合し、検
出可能なラベル(例えば、蛍光標識、放射性同位元素又は酵素)にコンジュゲートした第2
の異なる抗体とを含むことができる。抗体ベースのキットは、免疫沈降法を実施するため
のビーズを含むこともできる。抗体ベースのキットの各構成要素は通常、それ自体適当な
容器中にある。したがって、こうしたキットは通常、各抗体に適した別個の容器を含む。
さらに、抗体ベースのキットは、アッセイを実施するための説明書及びアッセイの実施に
よって得られたデータを解釈及び分析する方法を含むこともできる。一例として、キット
は、白血病癌幹細胞(CD34+/CD38-/CD123+である)を単離及び/又は定量及び/又はその量の
決定を補助するための、ポジティブ選択用の抗CD34抗体、ネガティブ選択用の抗CD38抗体
及びポジティブ選択用の抗CD123抗体を含むこともできる。
核酸マイクロアレイキットについては、このキットは通常、(それだけに限らないが、)
固体支持体表面に結合した、ある遺伝子に特異的なプローブを含む。他の実施態様では、
このプローブは可溶性である。このような一実施態様では、プローブは、オリゴヌクレオ
チド又は150ヌクレオチド長から800ヌクレオチド長の範囲のプローブを含めたより長いプ
ローブのいずれかとすることができる。プローブは、検出可能な標識で標識することもで
きる。マイクロアレイキットは、アッセイを実施するための説明書及びアッセイの実施に
よって得られたデータを解釈及び分析する方法を含むこともできる。キットは、ハイブリ
ダイゼーション試薬及び/又はプローブが幹細胞表面マーカー核酸配列とハイブリダイズ
すると生じるシグナルを検出するのに必要な試薬を含むこともできる。通常、マイクロア
レイキット用の材料及び試薬は1つ以上の容器中にある。キットの各構成要素は通常、そ
れ自体適当な容器中にある。
定量PCRについては、キットは通常、ある癌幹細胞表面マーカー核酸配列に特異的であ
る事前選択されたプライマーを含む。定量PCR用キットは、核酸を増幅するのに適した酵
素(例えば、Taqなどのポリメラーゼ)、並びに反応混合物の増幅に必要とされるデオキシ
ヌクレオチド及び緩衝液を含むこともできる。定量PCRキットは、条件に伴う、又はその
指標となる、核酸配列に特異的なプローブを含むこともできる。プローブは、フルオロフ
ォアで標識してもしなくてもよい。プローブは、クエンチャー分子で標識してもしなくて
もよい。一部の実施態様では、定量PCRキットはまた、酵素(例えば、AMV、MMLVなどの逆
転写酵素)及び逆転写用のプライマー、並びに逆転写反応に必要とされるデオキシヌクレ
オチド及び緩衝液を含めた、RNAを逆転写するのに適した構成要素を含む。定量PCRキット
の各構成要素は通常、それ自体適当な容器中にある。したがって、こうしたキットは通常
、個々それぞれの試薬、酵素、プライマー及びプローブに適した異なる容器を含む。さら
に、定量PCRキットは、アッセイを実施するための説明書及びアッセイの実施によって得
られたデータを解釈及び分析する方法を含むこともできる。
キットは、例えば、標準物質又は対照として使用するための、単離した癌幹細胞表面マ
ーカーポリペプチド又は癌幹細胞表面マーカーをコードする核酸を所定の量、任意選択で
さらに含むことができる。本発明の診断方法は、臨床試験を実施又はモニターするのを補
助することができる。本発明によれば、対象から得られた、例えば血清又は組織の適当な
試験試料を診断に使用することができる。
癌治療又はレジメンを施す医師は、医薬品パック又はキットの使用によって得られた結
果(すなわち、癌幹細胞量が安定化又は減少するかどうか)に基づき、治療又はレジメンを
継続することを選ぶこともできる。或いは、医師は、癌幹細胞量が増大した結果に基づき
、治療又はレジメンを継続、変更又は停止することを選ぶこともできる。
(6.実施例)
以下の実施例は例示的であり、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。合
理的な当業者が見出す変更などの合理的な変更を、本発明の範囲を逸脱することなく本明
細書に作製できる。
(6.1実施例1)
(6.1.1患者及び研究設計)
以下の実施例は、ジフテリア毒素-インターロイキン-3コンジュゲートを、急性骨髄性
白血病(acute myeloid leukemia)(AML)に罹患した患者に投与した臨床研究の結果を記載
する。
患者らは、骨髄生検に基づいてAMLと診断され、且つ再発した疾患又は低リスクAML(治
療関連、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome)(MDS)の病歴、患者年齢>70歳、
又は細胞遺伝学的に不良及び同種移植の候補者ではない)のいずれかであった。患者らは
、活動指標<2、WBC<10,000/L、ビリルビン<1.5mg/dL、トランスアミナーゼ<2.5×正
常上限値、アルブミン>3g/dL、クレアチニン<1.5mg/dL、適切な心予備能(EF>40%)、治
療前抗DT血清濃度<2.4μg/mlを有し、インフォームドコンセントを与え、且つ認可され
た場所で治療される意志があり、研究中は認可された形態の受胎調節を使用する意志があ
り、併発する深刻な医学的問題又は制御されない感染又はDIC又は妊娠を有さず、活動性C
NS白血病を有さず、過去6カ月以内に心筋梗塞を起しておらず、酸素を必要とせず、ジフ
テリア毒素に対するアレルギーを有さない必要があった。
患者らを、病院に入院させ、アロプリノール、生理食塩水、モキシフロキサシン、フル
コナゾール、ビタミンK、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン及びヒドロコルチゾ
ン、並びに患者間で漸増する用量のDT388IL-3 IVを15分間かけてM-W-Fで2週間与えた。各
用量レベルで少なくとも患者3名のコホートを治療した。患者らを、NCI有害事象共通毒性
規準(NCI Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAE)第3版を使用して毒
性についてモニターした。治療時にはバイタルサインを頻繁に測定した。正確な投与量/
排出量を毎日記録した。CBC、CMP、凝固パネル、LDH、尿酸及びマグネシウムを毎日検査
した。血液を、薬物動態学及び免疫応答を含む臨床薬理学的研究のために採取した。骨髄
生検を、15、30、60日目及び再発まで3カ月ごとに繰り返した。応答は、国際作業部会の
改訂勧告に基づいて測定した。
(6.1.2結果)
AML患者49名をスクリーニングし、患者27名を治療した(表3)。治療した患者の年齢の中
央値は、59歳であった(範囲、25~81歳)。男性13名及び女性14名であった。疾患は、患者
2名において新規、10名において初回再発、7名において2度目の再発及び8名において難治
性であった。患者3名は、MDSの病歴を有し、1名は2次性AMLの病歴を有した。自家又は同
種幹細胞移植をそれぞれ1名ずつが以前受けたことがあった。細胞遺伝学は、10名におい
て不良、16名において中間、及び1名において実施されなかった。患者7名をDT388IL-3 4
μg/kgで治療し、患者8名を5.3μg/kgで治療し、患者11名を7.1μg/kgで治療し、患者1名
を9μg/kgで治療した(表4)。薬剤関連毒性は、発熱、悪寒、低血圧、低酸素症及び低アル
ブミン血症が挙げられ、軽度から中程度且つ一過性であった。評価した患者27名のうち、
我々は、6+カ月間継続中のCRを1名、1及び2+カ月間継続する部分寛解(partial remission
s)(PRs)を2名、並びに1から2カ月間継続する末梢芽球のクリアランス及び骨髄芽球の89%
、90%及び93%の細胞減少を示す最小反応3名を観察した(表5及び図4)。
臨床研究における今日までの毒性は、軽度から中程度であった。発熱は生じたが、アセ
トアミノフェン及び冷却法に反応した。低血圧及び一過性尿毒症は、水分補給に反応した
。低酸素症及び低アルブミン血症は、アルブミン輸液及び利尿で回復した。顕著な肝機能
障害は、見られなかった。DT388GMCSFの臨床研究の後、我々は、ネズミGMCSF及びIL-3と
のDT融合分子、それぞれDT388mGMCSF及びDT388mIL-3を使用する肝毒性についての前臨床
モデルを確立した。DT388mGMCSFで処置したが、DT388mIL-3ではしなかったラット27匹は
、クッパー細胞損傷、肝細胞腫張及びトランスアミナーゼ血症を示した。クッパー細胞上
のIL-3受容体の欠失は、肝臓損傷を防御すると考えられる。今日までにサルでの研究及び
臨床研究は、この発見を確認している。
上記の結果は、ジフテリア毒素-インターロイキン-3コンジュゲートが、正常造血細胞
と比べて白血病細胞に選択的に細胞毒性であり、且つヒトの患者において臨床的寛解を生
じることを明確に示している。
Figure 2024088720000003
Figure 2024088720000004
Figure 2024088720000005
(実施例2)
(6.2.1患者及び方法)
患者らは、骨髄生検に基づくAMLを有し、且つ再発した疾患、難治性疾患又は低リスクA
ML(治療関連、MDSの病歴、患者年齢>70歳、又は細胞遺伝学的に不良及び同種移植の候補
者ではない)のいずれかの疾患を有する必要があった。患者らは、活動指標<2、WBC<10,
000/mL、ビリルビン<1.5mg/dL、トランスアミナーゼ<2.5×正常上限値、アルブミン>3
g/dL、クレアチニン<1.5mg/dL、適切な心予備能(EF>40%)、治療前抗DT血清濃度<2.4mg
/mlを有し、インフォームドコンセントを与え、且つ認可された場所で治療される意志が
あり、研究中は認可された形態の受胎調節を使用する意志があり、併発する深刻な医学的
問題又は制御されない感染又はDIC又は妊娠を有さず、活動性CNS白血病を有さず、過去6
カ月以内に心筋梗塞を起しておらず、酸素を必要とせず、DTに対するアレルギーを有さな
い必要があった。
患者らは、1用量当たり4~12.5μg/kgの用量で患者間で漸増する用量でのDT388IL-3の1
5分間の輸液を1週間に3回、2週間受けた。
(6.2.2結果-患者特性)
今日までにAML患者75名をスクリーニングし、患者36名を治療した(表6)。治療した患者
の年齢の中央値は、60歳であった(範囲、25~81歳)。男性20名及び女性16名であった。疾
患は、4名において新規AML、11名において初回再発AML、8名において2度目の再発AML、及
び12名において難治性AMLであった。患者1名はMDSを有した。AML患者7名は、MDSの病歴を
有し、1名は2次性AMLの病歴を有した。自家又は同種幹細胞移植をそれぞれ1名ずつが以前
受けたことがあった。細胞遺伝学は、MDS患者を含む12名において不良、21名において中
間、及び3名において実施されなかった。患者7名をDT388IL-3 4mg/kgで治療し、患者8名
を5.3μg/kgで治療し、患者12名を7.1mg/kgで治療し、患者8名を9.4μg/kgで治療し、患
者1名を12.5μg/kgで治療した。
Figure 2024088720000006
(6.2.3結果-毒性)
薬剤関連毒性は、発熱、悪寒、低血圧、血管漏出症候群、低酸素症、低カルシウム血症
、トランスアミナーゼ血症及び低アルブミン血症が挙げられ、軽度から中程度且つ一過性
であった(表7及び図5)。用量レベルと毒性発生率又はグレードとに相関関係はない。
Figure 2024088720000007
(6.2.4結果-免疫応答)
治療前抗体価は、0から4.3μg/ml(平均2.3μg/ml)の範囲であった;15日目の抗体力価は
、0から600μg/ml(平均92μg/ml)であった;30日目の抗体力価は、1.1から306μg/ml(平均
81μg/ml)であった。高抗体価>8μg/mlに基づいて、治療前は、全25試料が低く;15日目
は9試料が低く、9試料が高く;30日目は、4試料が低く、10試料が高かった。Cmaxは、応答
と相関しなかった(p=0.23)。
(6.2.5結果-臨床応答)
評価した患者36名のうち、以下の:8カ月間の細胞遺伝学的AML CRを1名、1及び3カ月間
継続するAML部分寛解(partial remissions)(PRs)を2名;1から2カ月間継続する末梢芽球の
クリアランス及び骨髄芽球の89%、90%及び93%の細胞減少を示すAML最小反応を3名;並びに
10%から2%への芽球の低減及び末梢球数の正常化を示し1カ月超継続するMDS部分寛解を1名
を観察した(表8及び図8A~D)。
Figure 2024088720000008
(7.等価物)
本発明は、本発明の個々の態様の一例示を目的に記載された具体的な実施態様によって
その範囲を限定されず、且つ機能的に等価な方法及び成分は、本発明の範囲内である。実
際に、本明細書に示し、及び記載したものに加えて、本発明の種々の改変が、慣例的にす
ぎない実験法を使用して前記記載及び添付図から当業者に明らかになる。そのような改変
及び等価物は添付の特許請求の範囲に含まれる。
本明細書において述べられたすべての文献、特許及び特許出願は、個々の文献、特許、
又は特許出願それぞれが具体的且つ個別に引用により本明細書に組み込まれていると示さ
れたのと同様に引用により本明細書に組み込まれている。
本明細書の参考文献の引用及び考察は、それらが本発明の先行技術であるとの承認とし
て解釈されない。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
ヒトIL-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む、急性骨髄性白血病 (AML)を有するヒ
トのインターロイキン-3受容体(IL-3R)発現細胞を抑制するための医薬組成物であって、
該コンジュゲートが4μg/kg超から20μg/kgの用量で投与されるように用いられることを
特徴とする、前記医薬組成物。
(構成2)
ヒトIL-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む、ヒトの急性骨髄性白血病 (AML)を治
療するための医薬組成物であって、該コンジュゲートが4μg/kg超から20μg/kgの用量で
投与されるように用いられることを特徴とする、前記医薬組成物。
(構成3)
前記抑制されるIL-3R発現細胞が癌幹細胞である、構成1記載の医薬組成物。
(構成4)
前記抑制又は治療が、ヒトにおいて、癌細胞増殖の低減、癌細胞量の安定化、癌細胞量
の低減、芽球量の安定化、芽球量の低減、造血機能の向上、及び/又は、骨髄芽球指数の
向上をもたらす、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成5)
前記安定化又は低減が、血液検査;芽球計数;芽球百分率;理学的検査;全血球算定;
フローサイトメトリー分析;骨髄穿刺液;骨髄分析;造血機能;骨髄芽球指数;正常な白
血球、赤血球及び/又は血小板の量;組織診断;免疫組織化学;輸血頻度;及び/又は骨
髄生検を含む、従来の測定法によって測定される、構成4記載の医薬組成物。
(構成6)
前記コンジュゲートが4μg/kg超から12.5μg/kgの用量で投与されるように用いられる
ことを特徴とする、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成7)
前記コンジュゲートが5.3μg/kg、7.1μg/kg、9.4μg/kg、又は12.5μg/kgの用量で投
与されるように用いられることを特徴とする、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成8)
前記コンジュゲートが12.5μg/kgの用量で投与されるように用いられることを特徴とす
る、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成9)
前記コンジュゲートが最大耐量である用量で投与されるように用いられることを特徴と
する、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成10)
前記コンジュゲートが少なくとも1週間に2回投与されるように用いられることを特徴と
する、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成11)
前記コンジュゲートが少なくとも1週間に3回投与されるように用いられることを特徴と
する、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成12)
前記コンジュゲートが2週間以上の期間にわたって投与されるように用いられることを
特徴とする、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成13)
前記コンジュゲートが5日間毎日1回投与されるように用いられることを特徴とする、請
求項1又は2記載の医薬組成物。
(構成14)
前記コンジュゲートが複数周期にわたって投与されるように用いられることを特徴とす
る、構成13記載の医薬組成物。
(構成15)
前記コンジュゲートが化学コンジュゲートである、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成16)
前記コンジュゲートが組換えで発現されたタンパク質である、構成1又は2記載の医
薬組成物。
(構成17)
前記コンジュゲートが、ジフテリア毒素の触媒ドメイン及び転位ドメイン並びにヒトIL
-3を含む、単一のポリペプチドとして発現される、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成18)
前記コンジュゲートが、ペプチド結合によってヒトIL-3に結合したジフテリア毒素のア
ミノ酸残基1から388を含む、構成17記載の医薬組成物。
(構成19)
前記ヒトが細胞遺伝学的異常を有する、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成20)
前記AMLが難治性である、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成21)
前記AMLが寛解状態にある、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成22)
前記ヒトが、以前に治療薬で治療されたことがあり、かつ/又は、放射線療法を受けた
ことがある、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成23)
前記ヒトが、現在治療薬を投与されており、かつ/又は、放射線療法を受けている、請
求項1又は2記載の医薬組成物。
(構成24)
前記ヒトが高齢である、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成25)
前記ヒトが他の療法からの有害反応を受けやすい、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成26)
前記ヒトが化学療法に対し難治性である、構成1又は2記載の医薬組成物。
(構成27)
前記ヒトが以前にAMLの治療を受けたことがない、構成1又は2記載の医薬組成物。
米国仮出願第60/843,471号 米国仮出願第60/932,772号 米国特許5,679,377号 米国特許第5,916,597号 米国特許第5,912,015号 米国特許第5,989,463号 米国特許第5,128,326号 PCT公開WO99/15154 PCT公開WO99/20253 米国特許第5,698,155号 国際特許公開WO02/098370 国際特許公開WO93/0686 米国特許第6,162,432号 米国特許公開US 2002/0168360 Al,2002年11月14日出願,発明の名称「インテグリンαvβ3拮抗剤を他の予防剤又は治療剤との組合せで投与することにより炎症性疾患又は自己免疫疾患を予防又は治療する方法(Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin avβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents)」 米国特許公開第2005/0002934 Al号の段落259~275 米国特許公開第2005/0002934 Al号の段落277~282 米国特許公開第2005/0002934 Al号の段落290~294 米国特許第6,733,743 B2号 米国特許公開第2005/0002934 A1号の段落539~573 米国特許第6,004,528号 米国特許出願第09/468,286号 米国特許出願公開第2006/0083682号 米国特許出願公開第2007/0036800号 米国特許出願公開第2007/0036801号 米国特許出願公開第2007/0036802号 米国特許出願公開第2007/0041984号 米国特許出願公開第2007/0036803号 米国特許出願公開第2007/0036804号 Thurstonらの米国特許第5,441,050号
米国癌協会の癌の事実と数字(American Cancer Society’s Cancer Facts and Figures)(2003) Stockdaleの文献「癌患者管理の原則(Principles Of Cancer Patient Management)」(1998,サイエンティフィックアメリカン医薬(Scientific American Medicine), 3巻, Rubenstein及びFederman編, 12章, X節) Stockdaleの文献、「癌患者管理の原則(Principles Of Cancer Patient Management)」(1998,サイエンティフィックアメリカン:医薬(Scientific American : Medicine), 3巻, Rubenstein及びFederman編, 12章, IV節) 「ヒト急性骨髄性白血病は、原始造血細胞から生じる階層として組織化される(Human acute myeloid leukemia is organized as a hierarchy that originates from a primitive hematopoietic cell)」(Nat. Med. 3:730-737(1997)) Coxらの文献「急性リンパ芽球性白血病前駆体細胞の特徴づけ(Characterization of acute lymphoblastic leukemia progenitor cells)」(Blood 104(19):2919-2925(2004)) Matsuiらの文献「クローン原性多発性骨髄腫細胞の特徴づけ(Characterization of clonogenic multiple myeloma cells)」(Blood 103(6):2332) Kondoらの文献「C6グリオーマ細胞株中の癌幹様細胞の小集団の残留性(Persistence of a small population of cancer stem-like cells in the C6 glioma cell line)」(Proc. Natl. Acad. Sci. 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Sci. 102: 15635-15640 (2005)) Choeらの文献「ジフテリア毒素の結晶構造(The crystal structure of diphtheria toxin)」(Nature. 357: 216-222 (1992)) Rattsらの文献「ジフテリア毒素の膜貫通ヘリックス1中の保存モチーフは、細胞質ゾルへの触媒ドメイン送達を媒介する(A conserved motif in transmembrane helix 1 of diphtheria toxin mediates catalytic domain delivery to the cytosol)」(Proc Natl Acad Sci., 102: 15635-15640 (2005)) Frankelらの文献「ヒトインターロイキン-3に融合したジフテリア毒素は、骨髄性白血病を有する患者に由来する芽球に対して有毒である(Diphtheria toxin fused to human interleukin-3 is toxic to blasts from patients with myeloid leukemias)」(Leukemia 14: 576-585 (2000)) Frankelらの文献「ヒトインターロイキン-3受容体を標的にしたジフテリア融合タンパク質の特徴づけ(Characterization of diphtheria fusion proteins targeted to the human interleukin-3 receptor)」(Protein Eng. 13: 575-581 (2000)) Alexanderらの文献「急性骨髄性白血病を有する患者に由来する芽球上の高親和性インターロイキン-3受容体発現は、ジフテリア毒素/IL-3融合タンパク質の細胞毒性と相関する(High affinity interleukin-3 receptor expression on blasts from patients with acute myelogenous leukemia correlates with cytotoxicity of a diphtheria toxin/IL-3 fusion protein)」(Leuk. 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Caner Res. 12:1284-1291 (2006)) Testaらの文献「変異体ヒトインターロイキン-3に融合したジフテリア毒素は、インターロイキン-3受容体発現レベルによって、急性骨髄性白血病を有する患者由来の芽球の細胞毒性を誘発する(Diphtheria toxin fused to variant human interleukin-3 induces cytotoxicity of blasts from patients with acute myeloid leukemia according to the level of interleukin-3 receptor expression)」(Blood 106: 2527-2529 (2005)) Blackらの文献「ジフテリア毒素インターロイキン-3融合タンパク質(DT388IL-3)は、白血病性免疫無防備状態マウスの無病生存率を延長する(Diphtheria toxin interleukin-3 fusion protein (DT388IL-3) prolongs disease-free survival of leukemic immuno-compromised mice)」(Leukemia; 17: 155-159 (2003)) Feuring-Buskeらの文献「ジフテリア毒素インターロイキン-3融合タンパク質は、原始急性骨髄性白血病前駆体に対して細胞毒性であるが、正常な前駆体には危害を加えない(A diphtheria toxin-interleukin-3 fusion protein is cytotoxic to primitive acute myeloid leukemia progenitors but spares normal progenitors)」(Cancer Res. 62: 1730-1736 (2002)) Hoggeらの文献「ヒト急性骨髄性白血病の免疫不全マウスモデルにおいて、ジフテリア成長因子融合タンパク質の効力は、シトシンアラビノシドの同時投与によって増強される(The efficacy of diphtheria-growth factor fusion proteins is enhanced by co-administration of cytosine arabinoside in an immunodeficient mouse model of human acute myeloid leukemia)」(Leuk Res 28: 1221-1226 (2004)) Cohenらの文献「カニクイザルにおける、ヒトインターロイキン-3(IL-3)に結合した、切断されたジフテリア毒素(DT388)からなる融合毒素である、DT388IL-3の毒性学及び薬物動態(Toxicology and pharmacokinetics of DT388IL-3, a fusion toxin consisting of a truncated diphtheria toxin (DT388) linked to human interleukin-3 (IL-3), in cynomolgus monkeys)」(Leuk Lymph, 45: 1647-1656 (2004)) Cohenらの文献「カニクイザルにおける、ジフテリア毒素-インターロイキン-3融合タンパク質であるDT388IL-3の安全性評価(Safety evaluation of DT388IL-3, a diphtheria toxin-interleukin-3 fusion protein, in cynomolgus monkeys)」(Cancer Immunol. 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Claims (47)

  1. 慢性骨髄単球性白血病(CMML)と診断されたヒトにおいて白血病細胞を抑制するための
    医薬組成物であって、ヒトインターロイキン-3(IL-3)-ジフテリア毒素コンジュゲートを
    含む、前記医薬組成物。
  2. 慢性骨髄単球性白血病(CMML)と診断されたヒトを治療するための医薬組成物であって
    、ヒトIL-3-ジフテリア毒素コンジュゲートを含む、前記医薬組成物。
  3. 前記抑制が、CMML細胞の増殖の低減、CMML細胞の量の安定化、CMML細胞の量の低減、CM
    ML芽細胞の量の安定化、CMML芽細胞の量の低減、対象における造血機能の改善、及び/又
    は対象の骨髄芽球指数の改善をもたらす、請求項1記載の医薬組成物。
  4. 前記安定化又は低減が、血液検査;芽球計数;芽球百分率;理学的検査;全血球算定;
    フローサイトメトリー分析;骨髄穿刺液;骨髄分析;造血機能;骨髄芽球指数;正常な白
    血球、赤血球及び/又は血小板の量;組織診断;免疫組織化学;輸血頻度;及び/又は骨
    髄生検を含む、従来の測定法によって測定される、請求項3記載の医薬組成物。
  5. 前記CMMLの細胞が、IL-3受容体を発現している、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  6. 前記CMMLの細胞の成長が抑制される、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  7. 前記コンジュゲートが、約4μg/kgから約12.5μg/kgの用量で投与される、請求項1又
    は2記載の医薬組成物。
  8. 前記コンジュゲートが、約5.3μg/kg、約7.1μg/kg、約9.4μg/kg、又は約12.5μg/kg
    の用量で投与される、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  9. 前記コンジュゲートが、最大耐量である用量で投与される、請求項1又は2記載の医薬
    組成物。
  10. 前記コンジュゲートが、少なくとも1週間に2回投与される、請求項1又は2記載の医薬
    組成物。
  11. 前記コンジュゲートが、少なくとも1週間に3回投与される、請求項1又は2記載の医薬
    組成物。
  12. 前記コンジュゲートが、2週間以上の期間にわたって投与される、請求項1又は2記載
    の医薬組成物。
  13. 前記コンジュゲートが、5日間毎日1回投与される、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  14. 前記コンジュゲートが、複数周期にわたって投与される、請求項1又は2記載の医薬組
    成物。
  15. 前記ヒトが、細胞遺伝学的異常を有する、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  16. 前記コンジュゲートが、化学コンジュゲートである、請求項1又は2記載の医薬組成物
  17. 前記コンジュゲートが、組換えで発現されたタンパク質である、請求項1又は2記載の
    医薬組成物。
  18. 前記コンジュゲートが、ジフテリア毒素の触媒ドメイン及び転位ドメイン、並びにヒト
    IL-3を含む、単一のポリペプチドとして発現される、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  19. 前記コンジュゲートが、ペプチド結合によってヒトIL-3に結合したジフテリア毒素のア
    ミノ酸残基1から388を含む、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  20. 前記CMMLが、難治性である、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  21. 前記ヒトが、CMMLの寛解状態にある、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  22. 前記ヒトが、以前に治療薬で治療されたことがあり、及び/又は、放射線療法を受けた
    ことがある、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  23. 前記ヒトが、現在、ヒトIL-3-ジフテリア毒素コンジュゲート以外の治療薬を投与され
    ており、及び/又は、放射線療法を受けている、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  24. 前記ヒトが、以前のCMML治療から再発したことがある、請求項1又は2記載の医薬組成
    物。
  25. 前記ヒトが、以前のCMML治療に失敗したことがある、請求項1又は2記載の医薬組成物
  26. 前記ヒトが、他のCMML療法からの有害反応を受けやすい、請求項1又は2記載の医薬組
    成物。
  27. 前記ヒトが、化学療法に対し難治性である、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  28. 前記ヒトが、以前にCMMLの治療を受けたことがない、請求項1又は2記載の医薬組成物
  29. 前記コンジュゲートが、1週間に3回投与される、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  30. 前記医薬組成物が、追加の治療剤と組み合わせて投与され、かつ該追加の治療剤が、ア
    ザシチジン及び/又はデシタビンである、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  31. 前記追加の治療剤が、アザシチジンである、請求項30記載の医薬組成物。
  32. 前記追加の治療剤が、デシタビンである、請求項30記載の医薬組成物。
  33. 前記以前のCMML治療が、アザシチジン及び/又はデシタビンである、請求項24又は2
    5記載の医薬組成物。
  34. 前記以前のCMML治療が、アザシチジンである、請求項33記載の医薬組成物。
  35. 前記以前のCMML治療が、デシタビンである、請求項33記載の医薬組成物。
  36. 前記化学療法が、アザシチジン及び/又はデシタビンを含む、請求項27記載の医薬組
    成物。
  37. 前記化学療法が、アザシチジンを含む、請求項36記載の医薬組成物。
  38. 前記化学療法が、デシタビンを含む、請求項36記載の医薬組成物。
  39. 前記コンジュゲートが、約4μg/kgから約12.5μg/kgの用量で投与される、請求項30
    ~38のいずれか一項記載の医薬組成物。
  40. 前記コンジュゲートが、約5.3μg/kg、約7.1μg/kg、約9.4μg/kg、又は約12.5μg/kg
    の用量で投与される、請求項30~38のいずれか一項記載の医薬組成物。
  41. 前記コンジュゲートが、最大耐量である用量で投与される、請求項30~38のいずれ
    か一項記載の医薬組成物。
  42. 前記コンジュゲートが、少なくとも1週間に2回投与される、請求項30~38のいずれ
    か一項記載の医薬組成物。
  43. 前記コンジュゲートが、少なくとも1週間に3回投与される、請求項30~38のいずれ
    か一項記載の医薬組成物。
  44. 前記コンジュゲートが、2週間以上の期間にわたって投与される、請求項30~38の
    いずれか一項記載の医薬組成物。
  45. 前記コンジュゲートが、1週間に3回投与される、請求項30~38のいずれか一項記載
    の医薬組成物。
  46. 前記コンジュゲートが、5日間毎日1回投与される、請求項30~38のいずれか一項記
    載の医薬組成物。
  47. 前記コンジュゲートが、複数周期にわたって投与される、請求項30~38のいずれか
    一項記載の医薬組成物。
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