JP2024084464A - 断線検知方法及び装置 - Google Patents

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慶 西村
Kei Nishimura
泉 深作
Izumi Fukasaku
文乃 加藤
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Abstract

【課題】断線原因の分析を行い易くすることが可能な断線検知方法及び装置を提供する。【解決手段】複数の素線からなる導体11aを有するケーブル10に周期的な動作を付与し、前記動作により時系列的に変化する導体11aの抵抗値を測定し、抵抗値の測定結果を基に、動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出し、抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作の付与を停止させる。【選択図】図1

Description

本発明は、断線検知方法及び装置に関する。
ケーブルの導体における断線検知は、一般的に、ケーブル内の導体の電気抵抗の測定結果に基づいて行われている。複数の素線から構成される導体に含まれる素線の一部に断線が発生し、素線の断線本数が増えて断線が進行していくと、徐々に導体の抵抗値が増大する。そのため、例えば、断線が発生していない初期状態における導体の抵抗値をあらかじめ測定しておき、その抵抗値の初期状態からの抵抗値の増加率に基づいて、導体の断線を検知することができる。従来、初期状態からの抵抗値の増加率が20%を超えたときに、断線と判断するのが一般的である。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
特開2007-139488号公報
ところで、導体を校正する素線の断線には様々な原因があり、例えば、ケーブルに屈曲等の動作が繰り返し行われた場合、素線の断線原因は単純な疲労断線だけでなく、素線同士の摩擦の影響による断線や、素線に傷が付いていたことによる断線など、断線に至るさまざまな破壊モードが存在する。導体に断線が生じにくいケーブルの開発を進めるにあたって、どのような破壊モードで導体に断線が発生したのかを分析したいという要求がある。
しかしながら、従来の抵抗値の増加率で断線を判断する方法では、断線が進行した状態(例えば、初期状態からの抵抗値の増加率が20%を超えた状態)、すなわち多数の素線が既に断線している状態となってはじめて断線が検知されるために、断線が検知されたときに検査を行っても、素線の断線箇所が屈曲によって潰される等して、断線原因の分析が困難となってしまう場合があった。
そこで、本発明は、断線原因の分析を行い易くすることが可能な断線検知方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、複数の素線からなる導体を有するケーブルに周期的な動作を付与し、前記動作により時系列的に変化する前記導体の抵抗値を測定し、前記抵抗値の測定結果を基に、前記動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出し、抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作の付与を停止させる、断線検知方法を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、複数の素線からなる導体を有するケーブルに周期的な動作を付与する動作付与機構と、前記動作により時系列的に変化する前記導体の抵抗値を測定する抵抗値測定器と、前記抵抗値測定器による前記抵抗値の測定結果を基に、前記動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出する周波数解析処理部と、前記周波数解析処理部が抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作付与機構による前記動作の付与を停止させる動作停止処理部と、を備えた、断線検知装置を提供する。
本発明によれば、断線原因の分析を行い易くすることが可能な断線検知方法及び装置を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る断線検知装置を示す概略図である。 断線検知の対象となるケーブルの概略的な構成例を示す断面図である。 (a),(b)は、抵抗値測定器の概略的な構成例を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る断線検知方法のフロー図である。 本発明の一変形例に係る断線検知装置を示す概略図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る断線検知装置1を示す概略図である。図2は、断線検知の対象となるケーブル10の概略的な構成例を示す断面図である。
図2に示すケーブル10は、5本の電線11と糸状の介在12とを撚り合わせたケーブルコア13の周囲に押さえ巻きテープ14をらせん状に巻きつけ、押さえ巻きテープ14の周囲を覆うようにシース15を設けて構成されている。各電線11は、複数の素線からなる導体11aと、導体11aの周囲を覆うように設けられた絶縁体11bと、をそれぞれ有している。導体11aは、例えば、外径0.08mmの軟銅線からなる素線を19本集合撚りして構成された撚線導体からなる。絶縁体11bは、例えば、ETFE(テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体)等のフッ素樹脂からなる。介在12は、例えばジュートやスフからなる。なお、ケーブル10に使用する電線11の本数は5本に限定されない。押さえ巻きテープ14は、例えば、不織布や紙、樹脂等からなるテープ部材からなる。シース15は、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)等からなる。なお、ケーブル10は、図示の構成に限らず、少なくとも撚線導体からなる導体11aを含んでいれば様々な構成であってよい。すなわち、電線11は、1本でもよいし、数本でもよいし、数十本以上でもよい。なお、電線11が1本の場合は、介在12、押さえ巻きテープ14、及びシース15を無くす場合が多い。この場合、ケーブル10と電線11は、同じものを示す。
図1に示すように、断線検知装置1は、複数の素線からなる導体11aを有するケーブル10の素線の断線を検知する装置であり、動作付与機構2と、抵抗値測定器3と、演算装置4と、停止器6と、を備えている。
動作付与機構2は、ケーブル10に周期的な動作を付与する装置である。本実施の形態では、動作付与機構2が試験用の装置である場合を説明するが、ケーブル10が配線された産業用ロボット等の機器を、そのまま動作付与機構2として用いてもよい。
動作付与機構2がケーブル10に付与する動作については、本実施の形態では特に限定していないが、例えば、ケーブル10を繰り返し屈曲させる屈曲動作、ケーブル10をその周方向(図2に示すケーブル10の外周に沿った方向)に周期的に捻回させる捻回動作、ケーブル10をU字状に屈曲した状態として、ケーブル10の一端部を当該一端部のケーブル長手方向に沿って所定のストロークで周期的にスライド移動させるU字屈曲動作などである。動作付与機構2による動作のデータ(=動作データ51)は、演算装置4に入力され、記憶部42に記憶される。動作データ51は、例えば、動作を付与した回数等のデータである。なお、動作データ51は、図示しない入力装置等により演算装置4に入力されてもよい。
抵抗値測定器3は、時系列的に変化する導体11aの抵抗値を測定する。抵抗値測定器3で測定した時系列的に変化する導体11aの抵抗値のデータ(=抵抗値データ50)は、演算装置4に入力され、記憶部42に記憶される。抵抗値測定器3の詳細については後述する。
演算装置4は、制御部41と、記憶部42と、を有している。これら制御部41や記憶部42の詳細については後述する。図1では具体的なハードウェア構成は図示していないが、演算装置4は、例えばパーソナルコンピュータで構成されており、CPU等の演算素子、RAMやROM等のメモリ、ハードディスク等の記憶装置、LANカード等の通信デバイスである通信インターフェイスを備え、各構成要素は、バスによって接続されている。
演算装置4には、表示器43が接続されており、抵抗値データ50や断線検知の結果など各種のデータを表示器43に表示可能に構成されている。また、図示していないが、演算装置4にはキーボード等の入力装置が設けられており、入力装置の入力により各種設定や表示器43の表示内容の操作が行えるようになっている。なお、表示器43をタッチパネルディスプレイで構成して、表示器43が入力装置を兼ねるように構成してもよい。さらに、表示器43は、演算装置4と有線接続されていなくてもよく、無線により接続されていてもよい。この場合、表示器43は、例えばスマートフォンやタブレットのディスプレイであってもよい。
(断線検知の原理)
まず、導体11aの素線に断線が発生した状態で導体11aに屈曲等の周期的な動作を加えると、断線した箇所が動作に応じて近接・離間を周期的に繰り返すことになり、付与した動作の周期である動作周期、あるいは動作周期の整数倍の周期で抵抗値の変動が発生する。よって、抵抗値測定器3を用いて、時系列的に変化する導体11aの抵抗値を測定しておき、得られた抵抗値データにおいて、動作周期に対応した周波数である動作周波数の成分、またはその高次周波数の成分の大きさを監視することで、導体11aの素線に断線が発生したこと(すなわち、導体11aの断線進行状態)を検知することが可能になる。この方法を用いることで、例えば温度による抵抗値変動等の影響等を除いて素線の断線を精度よく検知することが可能になり、例えば、1本~数本の素線が断線した初期断線の段階等での検知が可能になる。本実施の形態では、初期断線が発生した時点で動作付与機構2の動作を停止させることで、初期断線が発生した時点の導体11aの観察を可能とし、どのような断線モードで素線に断線が発生したかという素線の断線原因の分析を可能とした。なお、断線の原因は、例えば、素線の断面を顕微鏡等で観察し、その断面の形状等の違いから特定することができる。
(抵抗値測定器3の詳細)
図3(a)は、抵抗値測定器3の概略的な構成例を示す図である。図3(a)に示すように、抵抗値測定器3は、直流信号源(例えば、直流定電圧源)35a、入力抵抗35b、及び抵抗値検出器35cを有する抵抗測定部35を備えている。なお、直流信号源35aとして直流定電流源を用いる場合は、入力抵抗35bは不要である。直流信号源35aは、入力抵抗35bを介してケーブル10(導体11a)に直流信号(ここでは直流電圧)を印加する。これに応じて、ケーブル10(導体11a)からは、繰り返し付与される動作により、動作周波数(例えば、f=1Hz)の成分を含んだ変調信号(例えば電圧信号)が出力される。抵抗値検出器35cは、例えば、この変調信号を所定のゲインで増幅することで、時系列的に変化する導体11aの抵抗値を検出する。抵抗値検出器35cからの信号は、A/Dコンバータ37によりデジタル信号に変換され、抵抗値データ50として演算装置4へと出力される。
なお、図3(a)に示した抵抗値測定器3の構成はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えば、図3(b)に示すように、抵抗値測定器3は、周波数解析部36を一体に有していてもよい。この場合、後述する演算装置4の周波数解析処理部411(図1参照)が省略可能になる。
周波数解析部36は、例えば、キャリア信号生成器36a、ミキサ36bおよびロウパスフィルタ(LPF)36c等を備える。キャリア信号生成器36aは、動作周波数(例えば、f=1Hz)、つまり断線による抵抗値変動周波数と同じキャリア周波数(ωc、例えば1Hz)であって、抵抗値変動周波数と同じ位相を持つキャリア信号を生成する。ミキサ36bは、このキャリア信号と、抵抗値検出器35cからの出力信号とを乗算(言い換えれば同期検波)することで、直流成分の信号と"2×ωc"成分の信号とが重畳された信号を出力する。なお、図5(b)に示すキャリア信号生成器36aにおいて、sin(ωct)は、ωc=2πfであるとした場合に、動作周波数fでの抵抗値変動成分を抽出することができる。すなわち、抵抗値変動成分とは、抵抗値が変動したときの振幅である。
ロウパスフィルタ36cは、ミキサ36bからの出力信号を受けて、"2×ωc"成分の信号を遮断し、直流成分の信号を通過させる。この直流成分の信号は、動作周波数f(=ωc)の抵抗値変動成分の大きさを表す。このように、キャリア信号生成器36a、ミキサ36bおよびロウパスフィルタ36cを有する周波数解析部36を用いることで、所定周波数での抵抗値変動成分(例えば、動作周波数fでの抵抗値変動成分や後述する所定の高次周波数での抵抗値変動成分)を検出することができる。ロウパスフィルタ36cからの信号は、A/Dコンバータ37によりデジタル信号に変換され、演算装置4に出力されることになる。
なお、図3(a),(b)の構成例は、ケーブル10(導体11a)に直流信号を印加するものであったが、直流信号に限らず、交流信号源を用いて所定周波数(例えば10kHz程度)の交流信号を印加するものであってもよい。この場合、ケーブル10からは、この交流信号を動作周波数fの変調信号で振幅変調したような信号が出力される。そこで、この出力信号に対して、ミキサを用いて交流信号源の交流信号と同じ周波数のキャリア信号を乗算すれば、動作周波数fの変調信号を復調できる。このような方式を用いると、より高い周波数(例えば10kHz程度)での測定を行える結果、ノイズ成分の影響がより生じ難くなる。
(演算装置4)
演算装置4の制御部41には、周波数解析処理部411と、断線進行状態推定処理部412と、動作停止処理部413と、警報処理部414と、が搭載されている。以下、各部の詳細について説明する。
周波数解析処理部411は、抵抗値測定器3で測定した抵抗値データ50(すなわち、時系列的に変化する導体11aの抵抗値のデータ)を周波数解析する。周波数解析の結果は、周波数解析データ52として記憶部42に記憶される。なお、周波数解析とは、抵抗値データ50に含まれる各周波数の成分の大きさをそれぞれ解析し、周波数毎に成分の大きさを抽出したデータである周波数解析データ52を得ることを意味している。
そして、周波数解析処理部411は、周波数解析により得た周波数解析データ52から、動作周波数f、または動作周波数fのn倍(nは2以上の自然数)の周波数である高次周波数の抵抗値変動成分を抽出する。どの周波数の抵抗値変動成分を抽出するかは、動作付与機構2で付与する動作等に応じて決定するとよく、予め実験を行い、その実験結果に基づき設定することが好ましい。
断線進行状態推定処理部412は、周波数解析処理部411が抽出した抵抗値変動成分と、予め設定した閾値とを比較することで、断線進行状態を推定する。本実施の形態では、断線進行状態推定処理部412は、周波数解析処理部411が抽出した抵抗値変動成分の大きさが、予め設定した閾値よりも大きいかを判定する。判定結果は、判定データ53として記憶部42に記憶される。予め設定した閾値としては、例えば、導体11aを構成する複数の素線のうちのn本(n:1以上の整数)が断線したときの動作周波数またはその高次周波数での抵抗値変動成分の大きさとする。判定に用いる閾値を、素線に断線が発生したときに合わせて適宜に設定することで、例えば、初期断線が発生した段階や、初期断線(すなわち、複数の素線のうちの1本が断線したとき)からさらに断線が進んだ段階など、所望の断線進行状態となったことを推定できる。閾値に設定する具体的な値については、予め実験を行い、その実験結果に基づき設定することが好ましい。
動作停止処理部413は、所望の断線進行状態となったとき(周波数解析処理部411が抽出した抵抗値変動成分が閾値よりも大きくなったとき)に、動作付与機構2の動作を停止させる。本実施の形態では、動作付与機構2の電源を遮断可能な停止器6を備え、停止器6に停止信号を送信して停止器6により電源を遮断することで、動作付与機構2の動作を停止させるように動作停止処理部413を構成した。ただし、これに限らず、例えば、動作付与機構2が外部から入力された信号に応じて自身を停止させる機能を有する場合には、動作付与機構2に直接停止信号を送信することで、動作付与機構2の動作を停止させるように動作停止処理部413を構成してもよい。
動作停止処理部413によって、所望の断線進行状態となったときに自動的に動作付与機構2の動作を停止させることで、所望の断線進行状態における導体11aの断面観察等が可能になり、素線の断線原因の分析を行うことが可能になる。
警報処理部414は、所望の断線進行状態となったとき(周波数解析処理部411が抽出した動作周波数またはその高次周波数での抵抗値変動成分が閾値よりも大きくなったとき)に、動作付与機構を用いて作業する作業者、各種データや装置を管理する管理者等へ警報を発する。警報処理部414が発する警報は、例えば光や音による警報であってもよいし、表示器43へのアラート表示や、電子メール等を用いた管理者等への通知により行われてもよい。
警報処理部414を有することにより、所望の断線進行状態となったことを管理者等に通知することが可能になり、導体11aが断線に至っていない段階(初期状態からの抵抗値の増加率が20%を超えていない段階)での通知、すなわち断線の予告の通知が可能になる。これにより、管理者等が、素線の断線が進行中であることを認識して、ケーブル10が完全に断線してしまう前にケーブル10の交換作業を進める等の対策を講じることが可能になる。
本実施の形態では、演算装置4をパーソナルコンピュータで構成したが、これに限らず、演算装置4は、例えば、サーバ装置であってもよい。この場合、抵抗値測定器3で測定された抵抗値データ50は、ネットワークを介してサーバ装置である演算装置4に送信されることになる。また、制御部41と記憶部42とを別の装置で構成してもよい。これにより、演算装置4への負荷を軽減することや制御部41を搭載した装置が故障したときに、別の装置に搭載した記憶部42に記憶した抵抗値データ50等のデータを保全することができ、この保全したデータを、制御部41を搭載した新たな装置に送信して断線検知を行うことができる。例えば、サーバ装置の記憶部42に記憶された抵抗値データ50を、他のサーバ装置やパーソナルコンピュータ等に搭載された制御部41でダウンロードし、断線検知を行うよう構成することもできる。
(断線検知方法)
図4は、本実施の形態に係る断線検知方法のフロー図である。図4に示すように、まず、ステップS11にて、動作付与機構2にケーブル10をセットして、動作付与機構2によりケーブル10への動作の付与を開始し、ステップS12にて、抵抗値測定器3による導体11aの抵抗値測定を開始する。ステップS12で測定した導体11aの抵抗値のデータは、抵抗値データ50として演算装置4に送信され、演算装置4の記憶部42に記憶される。
その後、ステップS12にて、周波数解析処理部411が、抵抗値データ50の周波数解析を行う。周波数解析の結果は、周波数解析データ52として記憶部42に記憶される。その後、ステップS13にて、周波数解析処理部411が、周波数解析データ52から、予め設定した周波数(動作周波数またはその高次周波数)の抵抗値変動成分を抽出する。そして、ステップS14にて、断線進行状態推定処理部412が、ステップS13で抽出した抵抗値変動成分の大きさが、予め設定した閾値以上かを判定する。判定結果は、判定データ53として記憶部42に記憶される。ステップS14でNO(N)と判定された場合、ステップS15にて、動作付与機構2の動作、及び抵抗値測定器3による抵抗値の測定を継続し、ステップS12に戻る。
ステップS14でYES(Y)と判定された場合、動作停止処理部413が、所望の断線進行状態になったと判断し、停止器6に停止信号を送信し動作付与機構2の動作を停止させると共に、抵抗値測定器3による抵抗値測定を停止する。その後、ステップS17にて、警報処理部414が警報を発する。その後、処理を終了する。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る断線検知方法では、複数の素線からなる導体11aを有するケーブル10に周期的な動作を付与し、動作により時系列的に変化する導体11aの抵抗値を測定し、抵抗値の測定結果を基に、動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出し、抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、動作の付与を停止させている。
これにより、断線原因の分析を行いたい断線進行状態に応じて閾値を適宜設定しておけば、所望の断線進行状態で動作付与機構2の動作を停止させることができ、どのような破壊モードで導体11aが断線に至ったかという断線原因の分析を行い易くすることが可能になる。そして、得られた断線原因の分析結果は、ケーブル10の設計・開発に利用することができる。例えば、断線の原因に関するデータを蓄積し、動作データ51等他のデータと関連付けることで、例えば、任意の動作データ51から断線の原因を推定することも可能になる。これにより、素線の断面を観察せずとも断線の原因を推定できるようになる。
(変形例)
上記実施の形態では、動作付与機構2を1つ備えた場合について説明したが、これに限らず、図5に示す断線検知装置1aのように、動作付与機構2を複数備えてもよい。各動作付与機構2に対応するように、抵抗値測定器3と停止器6とがそれぞれ設けられる。これにより、複数の動作付与機構2を用いて複数のケーブル10に周期的な動作を付与することが可能になる。そして、ケーブル10毎の周期的な動作を同じ動作(例えば屈曲動作)にして、ケーブル10毎に動作付与機構2を停止させる閾値を異ならせることで、同じ動作に対して断線進行状態が段階的に異なるケーブル10を得ることができる。これにより、例えば、最初に断線した素線の位置に対して、2本目に断線した素線の位置がどのような関係となっているか、といった分析等が可能になり、より詳細に断線原因の分析を行うことが可能になる。なお、ケーブル10毎の周期的な動作を異なる動作にして(例えば、一方のケーブル10を屈曲動作とし、他方のケーブル10を捻回動作とする)、ケーブル10毎に動作付与機構2を停止させる閾値を同じにしたり異ならせたりすることでもよい。これにより、例えば、同じ構造からなるケーブル10に対して異なる動作を付与したときの断線進行状態の違い等が分析可能になり、動作の違いによる断線原因の分析を行うことが可能になる。また、異なる構造からなるケーブル10に対して異なる動作を付与したときの断線進行状態の違いも分析可能となる。これにより、異なる構造からなる複数本のケーブル10を組み合わせてハーネスとするときに、複数本のケーブル10のそれぞれを、各動作への耐久性に応じた位置に配置することが可能になる。
また、上記実施の形態では言及しなかったが、表示器43に、抵抗値データ50、動作データ51、周波数解析データ52等を、グラフ形式等の適宜な形式で表示し、ケーブル10に付与される動作に対応した抵抗値の変化や周波数解析の結果をモニタリングできるようにしてもよい。これにより、断線進行状態を可視化することができる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]複数の素線からなる導体(11a)を有するケーブル(10)に周期的な動作を付与し、前記動作により時系列的に変化する前記導体(11a)の抵抗値を測定し、前記抵抗値の測定結果を基に、前記動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出し、抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作の付与を停止させる、断線検知方法。
[2]前記抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、警報を発する、[1]に記載の断線検知方法。
[3]複数のケーブル(10)に周期的な動作を付与し、前記ケーブル(10)毎に前記閾値を異ならせる、[1]に記載の断線検知方法。
[4]複数の素線からなる導体(11a)を有するケーブル(10)に周期的な動作を付与する動作付与機構(2)と、前記動作により時系列的に変化する前記導体(11a)の抵抗値を測定する抵抗値測定器(3)と、前記抵抗値測定器(3)による前記抵抗値の測定結果を基に、前記動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出する周波数解析処理部(411)と、前記周波数解析処理部(411)が抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作付与機構(2)による前記動作の付与を停止させる動作停止処理部(413)と、を備えた、断線検知装置(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…断線検知装置
2…動作付与機構
2a 産業用ロボット
3…抵抗値測定器
4…演算装置
41…制御部
411…周波数解析処理部
412…断線進行状態推定処理部
413…動作停止処理部
414…警報処理部
42…記憶部
43…表示器
50…抵抗値データ
51…動作データ
52…周波数解析データ
53…判定データ
6…停止器
10…ケーブル
11…電線
11a…導体

Claims (4)

  1. 複数の素線からなる導体を有するケーブルに周期的な動作を付与し、
    前記動作により時系列的に変化する前記導体の抵抗値を測定し、
    前記抵抗値の測定結果を基に、前記動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出し、
    抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作の付与を停止させる、
    断線検知方法。
  2. 前記抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、警報を発する、
    請求項1に記載の断線検知方法。
  3. 複数のケーブルに周期的な動作を付与し、
    前記ケーブル毎に前記閾値を異ならせる、
    請求項1に記載の断線検知方法。
  4. 複数の素線からなる導体を有するケーブルに周期的な動作を付与する動作付与機構と、
    前記動作により時系列的に変化する前記導体の抵抗値を測定する抵抗値測定器と、
    前記抵抗値測定器による前記抵抗値の測定結果を基に、前記動作の周期に対応した動作周波数またはその高次周波数の抵抗値変動成分を抽出する周波数解析処理部と、
    前記周波数解析処理部が抽出した抵抗値変動成分の大きさが予め設定した閾値よりも大きいとき、前記動作付与機構による前記動作の付与を停止させる動作停止処理部と、を備えた、
    断線検知装置。
JP2022198746A 2022-12-13 2022-12-13 断線検知方法及び装置 Pending JP2024084464A (ja)

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