JP2024084012A - ロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】粉体、粒体、又は粘性体である物質の元容器から移し先容器への薬さじを用いた量り取りを自動化し、移し先容器へ移された物質の重量を、化学実験や生体試料を扱う実験の場面にも利用できる精度で取得する。【解決手段】ワークベンチに対して固定されており、ワークベンチ上の物体を把持するための機構を備えたワークベンチロボット20と、ワークベンチロボット20の動作を制御する統括コントローラ30とを含むロボットシステム100であって、統括コントローラ30は、ワークベンチロボット20に、薬さじを把持させ、元容器に入っている量り取り対象の粉体、粒体、又は粘性体の物質を移し先容器に薬さじを用いてすくい移す動作をさせ、移し先容器内の物質の重量を秤を用いて計測させ、計測結果を取得する、量り取り処理を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、ロボットシステムに関する。
化学実験や生体試料を扱う実験においては、研究員の手によって、粉体、粒体、又は粘性体である薬品のような物質を元容器から移し先容器へ薬さじを用いてすくい移す作業を含む量り取りが行われることがある。特許文献1には、粉体、粒体、液体、又は粘性体である対象物を容器から採取し、別の容器に移し替えるロボットが記載されている。
化学実験や生体試料を扱う実験の全般について機械を利用した自動化が望まれており、上記の量り取りについても自動化できることが好ましい。化学実験や生体試料を扱う実験の分野では、量り取りされた物質の正確な重量が必要であることが多い。また、量り取りの目標重量とすくい移しされた実際の重量との差をなるべく小さくできることが好ましく、そうできる前提としてもすくい移しされた物質の重量の誤差の少ない値を取得できることは重要である。
特許文献1に記載のロボットでは、ロボットの採取部による1回の採取量を目標値に近づけるべく、採取量の超過分を採取部から落下させる動作を行う。この方法では、実際の採取量を高精度に推定すること及び落下させる量を高精度に制御することは困難である。そのため、料理に用いる調味料の量り取りの場面などでは実用に足るとしても、例えばミリグラムよりも小さいオーダーの重量精度が問題になるような化学実験や生体試料を扱う実験における量り取りの場面に適用することは難しい。
本発明は、粉体、粒体、又は粘性体である物質の元容器から移し先容器への薬さじを用いた量り取りを自動化し、移し先容器へ移された物質の重量を、化学実験や生体試料を扱う実験の場面にも利用できる精度で取得できるロボットシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るロボットシステムは、ワークベンチに対して固定されており、前記ワークベンチ上の物体を把持するための機構を備えたワークベンチロボットと、前記ワークベンチロボットの動作を制御するコントローラとを含むロボットシステムであって、前記コントローラは、前記ワークベンチロボットに、薬さじを把持させ、元容器に入っている量り取り対象の粉体、粒体、又は粘性体の物質を移し先容器に前記薬さじを用いてすくい移す動作をさせ、前記移し先容器内の前記物質の重量を秤を用いて計測させ、計測結果を取得する、量り取り処理を行う。
本発明に係るロボットシステムによれば、粉体、粒体、又は粘性体である物質の元容器から移し先容器への薬さじを用いた量り取りを自動化し、移し先容器へ移された物質の重量を、化学実験や生体試料を扱う実験の場面にも利用できる精度で取得できる。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法及び比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態に係るロボットシステム100は、1以上のワークベンチロボット20と、統括コントローラ30とを含む。なお、図1の例では、ワークベンチロボット20が2台の例を示しているが、これに限定されない。ワークベンチロボット20は、それぞれ1台でもよいし、3台以上であってもよい。
図1に示すように、第1実施形態に係るロボットシステム100は、1以上のワークベンチロボット20と、統括コントローラ30とを含む。なお、図1の例では、ワークベンチロボット20が2台の例を示しているが、これに限定されない。ワークベンチロボット20は、それぞれ1台でもよいし、3台以上であってもよい。
ワークベンチロボット20は、ワークベンチに対して固定されており、ローカルコントローラ21と、ワークベンチ上の物体を把持するための把持機構とを備える。ワークベンチロボット20による把持対象物は、容器、薬さじ、ピペット等、実験に使用される各種器具等である。図2に、ワークベンチロボット20の外観斜視図を示す。図2に示すように、ワークベンチロボット20は、2つマニピュレータ22と、ビジョンセンサ23とを備える。
マニピュレータ22は、把持機構の一例であり、アーム22Aと、アーム22Aの先端に取り付けられたハンド22Bとを有する。アーム22Aは、3次元空間において、ハンド22Bの位置及び姿勢を、例えば6自由度で変位させるための構成を備えた垂直多関節型のアームとしてよい。ハンド22Bは、容器等を把持可能な、例えば、各指が関節を有する3指のロボットハンドである。
図2の下部に、ハンド22Bを拡大した概略図を示す。この概略図では、ハンド22Bの各指の関節の図示を省略すると共に、各指の形状及び配置を簡略化して図示している。ハンド22Bは、第1指22B1を含む指の第1グループと、第2指22B2及び第3指22B3を含む指の第2グループと、第1指22B1、第2指22B2、及び第3指22B3のそれぞれの基部が接続するハンド本体22B0とを備える。ハンド22Bにおいて、第1グループと第2グループとは互いに対向して間に物体を把持できる構造である。人の指との対応としては、第1指22B1は親指、第2指22B2は人差し指、第3指22B3は中指の働きをする。なお、ハンド22Bは、4指以上のロボットハンドでもよい。すなわち、第1グループは第1指22B1以外の指を含んでもよく、第2グループは第2指22B2及び第3指22B3以外の指を含んでもよい。また、ハンド22Bの各指は、途中に2つの関節を有することが好ましい。これにより、物体の外形を包むような安定した把持が可能となり、また、実験器具のボタンを押す等の細かな操作も容易になる。
以下では、2つのマニピュレータ22を左手と右手とで区別して説明する場合には、左手を第1マニピュレータ22L、右手を第2マニピュレータ22Rと表記する。また、ハンド22Bを左手と右手とで区別して説明する場合には、左手をハンド22BL、右手をハンド22BRと表記する。ハンド22Bの指についても同様に、左手のハンド22BLの指を第1指22B1L、第2指22B2L、第3指22B3L、右手のハンド22BRの指を第1指22B1R、第2指22B2R、第3指22B3Rと表記する。ハンド本体22B0についても同様に、左手のハンド本体22B0L、右手のハンド本体22B0Rと表記する。
ビジョンセンサ23は、パンチルト台に搭載されており、ワークベンチ上に配置された容器等の把持対象物を認識するためのセンサである。
ローカルコントローラ21は、統括コントローラ30の指示を実現できるように、ワークベンチロボット20の各モータの動作を制御する。具体的には、ローカルコントローラ21は、ビジョンセンサ23から出力される認識結果、統括コントローラ30からの指示等に基づいて、ワークベンチロボット20の動作を制御する。より具体的には、ローカルコントローラ21は、2本のマニピュレータ22が協調して化学実験や生体試料を扱う実験を実行するように、ワークベンチロボット20の動作を制御する。例えば、ローカルコントローラ21は、一方のマニピュレータ22に薬さじを把持させ、量り取り処理を行うように、ワークベンチロボット20の動作を制御する。量り取り処理とは、元容器に入っている量り取り対象の粉体、粒体、又は粘性体の物質を移し先容器に薬さじを用いてすくい移し、移し先容器内の物質の重量を秤を用いて計測し、計測結果を取得する処理である。
なお、図2では、ワークベンチロボット20が直接ワークベンチに固定されている例を示しているが、ワークベンチロボット20は、ワークベンチとの相対位置関係が固定されていればよく、例えば、床、壁、天井等に固定されていてもよい。
ここで、図3に、ワークベンチロボット20による作業が行われるワークベンチ上の実験器具等の配置の一例を概略的に示す。図3に示すように、ワークベンチ上には、作業未終了の元容器、作業終了後の元容器、未使用薬さじ、使用中薬さじ、使用済み薬さじ、空の移し先容器、量り取り済み移し先容器、溶媒液容器、ピペット等の各種の置き場、作業領域、秤等が設けられる。なお、各種の置き場の位置はワークベンチ上で固定である必要はなく、作業の内容や作業の進行に応じて柔軟に変更してよい。
元容器は、一例として、図4に示すようなボトルである。移し先容器は、一例として、図5に示すようなコニカルチューブである。移し先容器は、空の移し先容器の置き場、及び量り取り済み移し先容器の置き場では、各置き場に設置された、図6に示すような容器ラックに設置される。なお、空(未使用)の移し先容器と、量り取り済み移し先容器とは、別々の容器ラックに設置されることが望ましい。また、移し先容器は、作業領域では、図7に示すように、スタンドに立てた状態で設置される。
薬さじは、例えば図8に示すように、平、丸細、丸太等の各種形状及び各種サイズのさじ部分と柄部分とを含む。未使用薬さじの置き場、使用中薬さじの置き場、及び使用済み薬さじの置き場では、図9に示すように、各置き場に設置された、トレイ及びスタンドを含む薬さじラックに配置される。このような薬さじラックを使用することで、薬さじのさじ部分を浮かせて、さじ部分が清浄に保たれると共に、柄部分も浮いていることにより、ワークベンチロボット20が容易に薬さじを把持することができる。
秤は、例えば、図10に示すような電子秤である。図10の例では、秤は、計測対象物を載置する載置部、風防、及び重量の計測結果が表示される表示部を含む操作パネルを含む。風防は、精度の高い重量計測を行うために、気流による計測値の乱れを防ぐものであり、載置部の周囲4面と天井面を囲っている。風防の左右の面及び天井面にはつまみが付いており、つまみを引っ張ることで、つまみの付いている面が開くようになっている。
統括コントローラ30は、ワークベンチロボット20のローカルコントローラ21を介して、ワークベンチロボット20の各々の動作を制御する。ワークベンチロボット20による把持動作、実験設備に対する操作等は、ローカルコントローラ21が、予めティーチングされた動作計画を、ビジョンセンサ23から出力される認識結果に基づいてワークベンチロボット20に実行させることにより実現される。
図11は、統括コントローラ30のハードウェア構成を示すブロック図である。図11に示すように、統括コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)31、メモリ32、記憶装置33、入力装置34、出力装置35、記憶媒体読取装置36、及び通信I/F(Interface)37を有する。各構成は、バス38を介して相互に通信可能に接続されている。
記憶装置33には、後述する制御処理を実行するためのプログラムが格納されている。CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU31は、記憶装置33からプログラムを読み出し、メモリ32を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、記憶装置33に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
メモリ32は、RAM(Random Access Memory)により構成され、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。記憶装置33は、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
入力装置34は、例えば、キーボードやマウス等の、各種の入力を行うための装置である。出力装置35は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の、各種の情報を出力するための装置である。出力装置35として、タッチパネルディスプレイを採用することにより、入力装置34として機能させてもよい。
記憶媒体読取装置36は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種記憶媒体に記憶されたデータの読み込みや、記憶媒体に対するデータの書き込み等を行う。通信I/F37は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。なお、他の機器には、ワークベンチロボット20のローカルコントローラ21、秤等が含まれる。本実施形態では、これらの他の機器についても通信機能を備えるものとする。
なお、ワークベンチロボット20のローカルコントローラ21のハードウェア構成は、概ね統括コントローラ30のハードウェア構成と同様であるため、説明を省略する。
次に第1本実施形態に係るロボットシステム100の作用について説明する。
図12は、統括コントローラ30のCPU31により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS10で、統括コントローラ30が、ローカルコントローラ21に、量り取り準備処理を指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、量り取り準備処理を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、秤の風防のつまみをつまんで風防を開けさせる。また、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、空の移し先容器の置き場の容器ラックから移し先容器を取り出して把持させる。なお、ワークベンチ上で複数の移し先容器をまとめて移動させる場合、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、ハンド22Bで容器ラックを把持させて、ラック単位で移動させる。そして、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、移し先容器の蓋を開けさせ、蓋をワークベンチの上に置かせる。また、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、空の移し先容器を秤の載置部に設置されているスタンドに挿入させる。なお、このスタンドは、図7に示すような作業領域で使用するスタンドとは別に、秤の載置部に常設しておく。
また、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、秤の風防を閉めさせ、秤の操作パネルのリセットボタンを押させるなどして、操作パネルの表示部に表示される計測結果が0となるように設定する。すなわち、秤で計測される総重量から、移し先容器及びスタンドの重量を減算し、移し先容器内の物質の重量のみが計測されるように設定する。なお、リセット機能等を有さない秤の場合、統括コントローラ30が、移し先容器及びスタンドの重量を取得して記憶しておき、実際の物質の重量の計測時に、計測結果から移し先容器及びスタンドの重量を減算するようにしてもよい。
秤による計測結果を取得する手段は、秤に表示される計測結果をカメラで撮影して取得する手段でもよいし、秤から出力される計測結果を表す信号を取得する手段でもよい。カメラは、ビジョンセンサ23を利用してもよいし、ワークベンチロボット20のハンド22B等に備え付けられていてもよいし、ワークベンチ又は秤に備え付けられていてもよい。そして、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、秤の風防を開けて、載置部のスタンドから移し先容器を抜き、ワークベンチの上のスタンドに立てさせる。また、ローカルコントローラ21は、元容器の蓋が閉まっている場合には、ワークベンチロボット20に蓋を開けさせ、蓋をワークベンチの上に置かせる。
次に、ステップS12で、統括コントローラ30は、移し先容器内の物質の重量の目標値及び許容範囲を取得する。目標値及び許容範囲を取得する手段は、統括コントローラ30内、又は統括コントローラ30に接続された記憶装置内に記憶されたデータベース等の記憶内容から取得する手段としてよい。また、統括コントローラ30に接続され、人が操作するキーボード等のヒューマンマシンインタフェース装置から取得する手段、通信を介して通信先から取得する手段等であってもよい。許容範囲は取得した目標値から統括コントローラ30が自ら算出してもよい。例えば、具体的な目標値の大きさにかかわらず、目標値に規定の倍率を乗じて許容範囲を求めてもよい。例えば、許容範囲を、目標値×0.95から目標値×1.05までの範囲としてもよい。また、目標値を含む規定の範囲幅となるように許容範囲を求めてもよい。例えば、許容範囲を、目標値-1mgから目標値+1mgまでの範囲としてもよい。許容範囲を目標値から算出することも、許容範囲を取得することの一形態である。また、統括コントローラ30は、予め指定された許容範囲を取得し、その許容範囲から目標値を算出してもよい。例えば、許容範囲の中心値を目標値としてもよい。目標値を許容範囲から算出することも、目標値を取得することの一形態である。
次に、ステップS14で、統括コントローラ30が、ローカルコントローラ21に、元容器から移し先容器へのすくい移しを指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、すくい移しを実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20の第1マニピュレータ22Lに元容器を把持させ、第2マニピュレータ22Rに、薬さじラックから薬さじを取り出して把持させる。
より具体的には、ローカルコントローラ21は、図13に示すように、薬さじの柄部分を第1グループ(第1指22B1R)と第2グループ(第2指22B2R及び第3指22B3R)との間に、第2指22B2R及び第3指22B3Rの両方が薬さじの柄部分に接触するように把持させる。これにより、2本の指だけで把持する場合より、薬さじを安定して把持することができる。2本の指だけで把持する場合には、薬さじの先端(さじ部分)に外力が加わった場合に、把持された部分を支点として薬さじがすべり回転を起こし易い。上記のように、3本の指で把持することにより、薬さじに外力が加わった場合でも薬さじの把持姿勢を維持し易い。
ローカルコントローラ21は、図13に示すように、ワークベンチロボット20に、元容器に薬さじを入れて、元容器内の物質を薬さじによりすくい取らせる。そして、ローカルコントローラ21は、図14に示すように、ワークベンチロボット20に、スタンドに立てられて固定されている移し先容器に、すくい取った物質を落とさせる。
なお、図13及び図14では、ハンド22Bで薬さじを上から掴むように把持させた例を示しているが、図15に示すように、例えば人がペンを持つときのような状態で把持させてもよい。また、移し先容器がスタンド等に固定されていない場合には、ハンド22BLで元容器から移し先容器に持ち替えるようにしてもよい。また、ハンド本体22B0も薬さじの柄部分に接触するようにして薬さじを把持させてもよい。また、薬さじの柄部分が板状である場合、柄部分の平面部分(表面及び裏面)を把持してもよく、柄の側面部分を把持してもよい。また、例えば薬さじのように軽量な把持対象物については、第1指22B1と第2指22B2との2本の指、又は第1指22B1と第3指22B3との2本の指で把持してもよい。
また、ローカルコントローラ21は、第1マニピュレータ22Lに、元容器を傾いた姿勢で把持させてもよい。元容器を傾けて把持することができない場合、薬さじの傾きを小さくすることができないため、薬さじに物質を載せることができない。そのため、元容器が大きな開口の浅い皿状の容器でないと、すくい取りが困難になる。本実施形態では、元容器が開口の狭い筒状の容器であったとしても、元容器を傾けることにより、薬さじを傾きが小さな姿勢、すなわち、水平により近い姿勢にすることができ、元容器内の物質のすくい取りが容易になる。
上記のすくい移す動作は複数回連続して行ってもよい。そして、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、薬さじを薬さじラックに戻させ、元容器をワークベンチ上に置かせる。
次に、ステップS16で、統括コントローラ30が、ローカルコントローラ21に、移し先容器の秤への設置を指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、移し先容器の秤への設置を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、秤の風防を開けさせ、ワークベンチの上の移し先容器を把持させ、移し先容器を秤の載置部上のスタンドに挿入させ、秤の風防を閉めさせる。
次に、ステップS18で、統括コントローラ30が、計測結果を取得する。具体的には、統括コントローラ30が、上記ステップS10で説明した、計測結果を取得する手段により取得する。統括コントローラ30は、上記ステップS10において、移し先容器及びスタンドの重量が既に計測結果から減算されている場合には、取得した計測結果を、移し先容器内の物質の重量の計測結果として取得する。また、統括コントローラ30は、上記ステップS10において、減算処理がされていない場合には、取得した計測結果から、上記ステップS10で記憶しておいた移し先容器及びスタンドの重量を減算して、移し先容器内の物質の重量の計測結果を取得する。
次に、ステップS20で、統括コントローラ30が、ローカルコントローラ21に、移し先容器の秤からの取り出しを指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、移し先容器の秤からの取り出しを実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、秤の風防を開けさせ、秤の載置部上の移し先容器を把持させ、移し先容器をワークベンチ上のスタンドに挿入させ、秤の風防を閉めさせる。
次に、ステップS22で、統括コントローラ30が、上記ステップS18で取得した、移し先容器内の物質の重量の計測結果が、上記ステップS12で取得した許容範囲内か否かを判定する。許容範囲内の場合には、ステップS28へ移行し、許容範囲を超えている場合には、ステップS24へ移行する。ステップS24では、統括コントローラ30が、計測結果が、許容範囲を超えて目標値より大きいか否かを判定する。計測結果が、許容範囲を超えて目標値より大きい場合には、ステップS26へ移行し、許容範囲を超えて目標値より小さい場合には、ステップS14に戻る。
ステップS26では、統括コントローラ30が、ローカルコントローラ21に、移し先から元容器へのすくい移しを指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、移し先から元容器へのすくい移しを実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、移し先容器を把持させ、薬さじラックから薬さじを取り出して把持させる。また、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、薬さじの先端(さじ部分)を移し先容器の口から挿入して物質をすくい取らせ、元容器に物質を入れさせる。すくい移す動作は複数回連続して行ってもよい。そして、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、薬さじを薬さじラックに戻させ、移し先容器をワークベンチ上のスタンドに挿入させる。そして、ステップS16に戻る。
ステップS28では、統括コントローラ30が、ローカルコントローラ21に、量り取り完了処理を指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、量り取り完了処理を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、移し先容器の蓋を閉めさせ、移し先容器を、ワークベンチ上の、量り取り済み移し先容器の置き場に設置された容器ラックに挿入させる。また、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、元容器の蓋を閉めさせ、制御処理は終了する。
以上説明したように、第1実施形態に係るロボットシステムは、ワークベンチロボットに、薬さじを把持させ、量り取り処理を実行させる。量り取り処理は、元容器に入っている量り取り対象の粉体、粒体、又は粘性体の物質を移し先容器に薬さじを用いてすくい移す動作をさせ、移し先容器内の物質の重量を秤を用いて計測させ、計測結果を取得する処理である。これにより、粉体、粒体、又は粘性体である物質の元容器から移し先容器への薬さじを用いた量り取りを自動化し、移し先容器へ移された物質の重量を、化学実験や生体試料を扱う実験の場面にも利用できる精度で取得することができる。
また、第1実施形態に係るロボットシステムは、移し先容器内の物質の重量の計測結果が、許容範囲を超えて目標値より小さい場合、元容器から移し先容器へ(順方向)のすくい移しを繰り返す。これにより、計測結果を許容範囲内にすることが容易になる。
また、第1実施形態に係るロボットシステムは、移し先容器内の物質の重量の計測結果が、許容範囲を超えて目標値より大きい場合、移し先容器から元容器へ(逆方向)のすくい移しを行う。これにより、計測結果を許容範囲内にすることが一層容易になると共に、目標値を超過した分の物質を元容器に戻すことで、物質を無駄に廃棄せずに済む。
なお、第1実施形態では、移し先容器内の物質の重量を、目標値を中心とした許容範囲内とする場合について説明したが、これは必須ではない。例えば、移し先容器内の物質の重量の範囲については、所定回数のすくい移す動作を行うことによりおのずと一定の範囲内となることで満足し、その上で実際の物質の重量についての精度の高い計測値が得られればそれでよい場合がある。このような場合には、ステップS20の処理のあと、ステップS22及びS24の処理を経ることなく、ステップS28へ移行するようにすればよい。
また、第1実施形態において、1つの元容器から物質をすくい移しされる移し先容器は複数でもよい。すなわち、1種類の物質についての量り取り処理において複数の移し先容器が使用されてもよい。この場合、複数の移し先容器に入れられる物質の重量は、互いにほぼ同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。目標値がある場合は、互いに目標値が異なっていてもよい。
また、上記ステップS14及びS26のすくい移し動作の際、さじ部分のサイズ及び形状が異なる複数の薬さじから、すくい移し対象の物質、元容器及び移し先容器の開口部のサイズ、目標値等に応じて、使用する薬さじを選択してもよい。また、計測結果と目標値との差異の大きさ、又は移し先容器内の物質の重量の推定値と目標値との差異の大きさに応じて、差異が小さいほど小さな薬さじを選択するようにしてもよい。これにより、計測結果を目標値に近づけることが容易になる。
なお、移し先容器内の物質の重量の推定値は、順方向のすくい移しの場合は、例えば、1回のすくい移す動作ですくい移しされる物質の量を仮定し、それに現在までのすくい移す動作の回数を乗じることによって得ることができる。使用した薬さじの大きさに応じて、1回のすくい移す動作ですくい移しされる物質の量の仮定値を変えてもよい。また、逆方向のすくい移しの場合も同様に、1回のすくい移す動作ですくい移しされる物質の量を仮定して行ってもよい。移し先容器内の物質の重量の推定を行う場合であっても、順方向のすくい移しをいったん終えたときには秤を用いて移し先容器内の物質の重量の計測結果を取得することが好ましい。その後、必要に応じて順方向又は逆方向のすくい移す動作を行うことが好ましい。そのようにして、推定値だけに基づいてすくい移しを進めるのではなく、すくい移しの途中の目標値に近いと推定される状態で計測結果を得ることにより、その後計測結果を許容範囲内により早く収め易くなる。
また、逆方向のすくい移す動作では、1回のすくい移す動作ですくい移す物質の量を少なくすることが好ましい。そこで、逆方向のすくい移しでは、より小さな薬さじを使ってもよいし、薬さじの大きさは変えないが薬さじを物質のたまりに差し込む深さを浅くすることにより薬さじに載せる物質の量を少なくしてもよい。
また、第1実施形態に係るロボットシステムにおいて、ワークベンチロボットに、移し先容器が秤に載置されていない状態ですくい移す動作をさせ、計測をさせるために移し先容器を秤に載置させるようにしてもよい。この場合、物質の一部が移し先容器の周囲にこぼれたとしても、こぼれた物質は秤による計測対象にならないため、こぼれた物質の重量が誤差にならない。
また、第1実施形態に係るロボットシステムにおいて使用した秤を本計測用の秤とし、これとは別に仮計測用の他の秤を使用してもよい。この場合、ワークベンチロボットに、移し先容器を他の秤に載置させた状態ですくい移す動作をさせ、移し先容器内の物質の重量を他の秤を用いて計測させ、他の秤による計測結果を取得させる。そして、他の秤による計測結果が目標値を含む所定の範囲内になった場合に、移し先容器を本計測用の秤に載置させて移し先容器内の物質の重量を計測させてもよい。すくい移しの途中で移し先容器を本計測用の秤に載置して現在の物質の重量を計測し、その後すくい移しを続行するために移し先容器を秤から降ろす、という動作を繰り返すのは時間がかかる。その場合に比べて、移し先容器を他の秤に載置したまますくい移す動作をすることにより、移し先容器内の物質の重量の変化を効率的に計測することができる。さらに、移し先容器に入らずにこぼれた物質があったとしても、それが本計測用の秤による計測結果の誤差にならない。
なお、目標値を含む「所定の範囲」の幅は、1回のすくい移す動作ですくい移される量よりもやや大きくするのが好ましい。そうすれば、すくい移し動作を繰り返すうちに他の秤による計測結果を確実に所定の範囲内とすることができる。他の秤による計測結果が目標値に近づくほど小さな薬さじに持ち替えることにすれば、最小の薬さじによる1回のすくい移す動作ですくい移される量よりもやや大きい「所定の範囲」の幅とすることができる。したがって一連の計測動作に時間がかかる本計測用の秤を使う前に移し先容器内の物質の量が目標値にかなり近くなっている状態を実現することができる。また、仮計測用の他の秤としては、風防のついていない秤を用いてもよい。この場合、風防の開閉に要する時間を削減することができる。
他の秤を使用する場合、上記制御処理のステップS10の量り取り準備処理において、前述のステップS10の処理に加えて、ワークベンチロボットに、移し先容器を把持させ、空の移し先容器を、他の秤の載置部上のスタンドに挿入させる。スタンドは、他の秤の載置部上に常設とする。また、ワークベンチロボットに、他の秤のリセットボタンを押す等させて、他の秤の表示をゼロにさせる、すなわち、移し先容器及びスタンドの重量を減算するリセット機能を利用させる。
また、上記制御処理の1パス目のステップS14のすくい移しにおいて、ワークベンチロボットに、元容器を把持させ、薬さじラックから薬さじを取り出して把持させ、薬さじの先端を元容器の口から挿入させ、物質をすくい取らせる。また、ワークベンチロボットに、他の秤の載置部上のスタンドに立てられている移し先容器に物質を入れさせ、すくい移す動作を、他の秤による計測結果が所定の範囲内になるように繰り返させる。そして、ワークベンチロボットに、薬さじを薬さじラックに戻させ、元容器をワークベンチ上に置かせ、他の秤のスタンドから移し先容器を抜き、ワークベンチ上のスタンドに立たせる。2パス目からの上記ステップS14では、上記第1実施形態の処理に戻し、他の秤は使用しない。
また、第1実施形態において、元容器として、同種の物質が入っている第1元容器及び第2元容器が用意されている場合、元容器を、第1元容器から第2元容器にリレーさせて、物質のすくい取りを行うようにしてもよい。第1元容器内の物質の残量が少ないために第1元容器から移し先容器へすくい移す動作だけでは移し先容器内の物質の重量を許容範囲内に到達させることができない場合等に行うすくい移し動作である。具体的には、ワークベンチロボットに、第1元容器から移し先容器へすくい移す動作の後に第2元容器から移し先容器へすくい移す動作をさせる。
より具体的には、ワークベンチロボットに、初期の元容器を第1元容器とし、第1元容器から移し先容器へのすくい移しを実行させる。そして、ワークベンチロボットに、移し先容器内の物質の重量が許容範囲に達する前に、第1元容器の残量がほぼなくなったと判断した場合は、第2元容器の蓋を開けさせ、把持している第1元容器を第2元容器に持ち替えさせる。以降、ワークベンチロボットに、第2元容器を元容器として、すくい移しを実行させる。第1元容器の残量の判断は、例えば、すくいとる動作の後の薬さじ上をビジョンセンサ等で観察し、十分すくえていない状態か否かで行ってよい。また、把持している第1元容器をビジョンセンサでのぞき込めるように移動させたうえで、第1元容器の内部をビジョンセンサで観察し、残量がほぼない状態か否かで行ってもよい。ビジョンセンサで確認する状態は、予め規定の画像を定めておいてパターンマッチングを行ったり、事前に生成しておいた機械学習モデルを用いて行ったりしてよい。そして、計測結果が許容範囲内になると、ワークベンチロボットに、薬さじを薬さじラックに戻させ、第2元容器をワークベンチ上に置かせる。
これにより、元容器に目標値に満たない量の物質が残っている場合でも、残っている物質をすくい移しの対象にすることができるため、元容器に残留して廃棄せざるをえない物質の量を低減することができる。特に、微量でも高価な物質を対象とする場合、少しでも廃棄量を減らすことが望ましいため、第1元容器から第2元容器にリレーさせて、物質のすくい取りを行うことが有効である。なお、逆方向のすくい移しの場合は、移し先容器から、第1容器ではなく、第2元容器にすくい移すようにすればよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係るロボットシステムにおいて、第1実施形態に係るロボットシステム100と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係るロボットシステムにおいて、第1実施形態に係るロボットシステム100と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図1に示すように、第2実施形態に係るロボットシステム200は、第1実施形態に係るロボットシステム100の統括コントローラ30に代えて、統括コントローラ230を含む。統括コントローラ230は、ワークベンチロボット20に、図12に示す量り取り処理に加えて、量り取り処理後の移し先容器内の物質の溶液化を実行させる。統括コントローラ230のハードウェア構成は、第1実施形態に係る統括コントローラ30のハードウェア構成と同様であるため、説明を省略する。
次に第2本実施形態に係るロボットシステム200の作用について説明する。
図16は、統括コントローラ230のCPU31により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS30で、統括コントローラ230が、第1実施形態の場合と同様に、図12に示す量り取り処理を実行するための各ステップの実行をローカルコントローラ21に指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、量り取り処理の各ステップを実行させる。図21から図29における量り取り処理のステップの説明に関しては、統括コントローラ230への言及を省略して、ステップS30と同様の内容を「ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、第1実施形態における制御処理(図12)と同様の量り取り処理を実行させる」のように表現する場合がある。
次に、ステップS32で、統括コントローラ230が、溶液の目標濃度を取得する。目標濃度を取得する手段は、第1実施形態において、統括コントローラ30が目標値及び許容範囲を取得する手段と同様としてよい。次に、ステップS34で、統括コントローラ230が、移し先容器内の物質の重量の計測結果に基づいて、溶液を目標濃度にするために必要な溶媒量を特定する。
次に、ステップS36で、統括コントローラ230が、ローカルコントローラ21に、溶媒液の注入を指示する。指示を受けたローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、特定された溶媒量の溶媒液を移し先容器にピペットを用いて注入させる。例えば、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、ハンド22BRで電動マイクロピペットを把持させ、電動マイクロピペットを操作して、溶媒液容器の置き場に設置された溶媒液容器から、特定された溶媒量の溶媒液を吸引させる。そして、ローカルコントローラ21は、ワークベンチロボット20に、図17に示すように、電動マイクロピペットを操作して、吸引した溶媒液を移し先容器へ吐出させる。
ワークベンチロボット20に電動マイクロピペットを把持させる際、ローカルコントローラ21は、電動マイクロピペットを第1グループ(第1指22B1R)と第2グループ(第2指22B2R及び第3指22B3R)との間に、第2指22B2R及び第3指22B3Rの両方が電動マイクロピペットに接触するように把持させる。これにより、2本の指だけで把持する場合より、電動マイクロピペットを安定して把持することができる。2本の指だけで把持する場合には、電動マイクロピペットの先端や根本側(例えばケーブル)に外力が加わった場合に、把持された部分を支点として電動マイクロピペットがすべり回転を起こし易い。上記のように、3本の指で把持することにより、電動マイクロピペットに外力が加わった場合でも電動マイクロピペットの把持姿勢を維持し易い。また、ローカルコントローラ21は、ハンド本体22B0も電動マイクロピペットに接触するようにして電動マイクロピペットを把持させてもよい。これにより、電動マイクロピペットの把持姿勢がより安定する。
以上説明したように、第2実施形態に係るロボットシステムは、ワークベンチロボットに、量り取り処理の後の移し先容器に溶媒液を注入させることにより、移し先容器内の物質を溶液化する処理を行わせる。これにより、量り取り後の溶液化まで含めて自動化することができる。また、目標濃度となるような溶媒量を特定したうえで、特定した溶媒量の溶媒液を移し先容器へピペットを用いて注入することで、溶液の濃度を高い精度で目標濃度にすることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態に係るロボットシステムにおいて、第1実施形態に係るロボットシステム100と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態に係るロボットシステムにおいて、第1実施形態に係るロボットシステム100と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
研究員が利用する実験環境の典型例としては、作業の多くの部分を行うワークベンチが設置されると共に、顕微鏡、遠心分離機等が、ワークベンチから離れた場所に設置されている環境が挙げられる。研究員が作業を行う場合、研究員は、作業をワークベンチで行う一方、作業の途中で必要に応じて、ワークベンチと顕微鏡又は遠心分離機との間を、試料容器を持って歩いて移動して、それらの装置を使用する。
第3実施形態に係るロボットシステムは、上記の、研究員が利用する実験環境の典型例と同様の環境において稼働する。図18は、第3実施形態に係るロボットシステムが稼働する実験環境の一例を示す概略平面図である。図18の例では、上述した顕微鏡、遠心分離機、ワークベンチに加え、薬品棚、インキュベータ、冷蔵庫、消耗品棚、保管棚、充電ステーション、流し、椅子等の実験設備が実験環境に含まれている。
図19に示すように、第3実施形態に係るロボットシステム300は、モバイルマニピュレータ10と、ワークベンチロボット20と、統括コントローラ330とを含む。なお、図19の例では、モバイルマニピュレータ10が2台、ワークベンチロボット20が2台の例を示しているが、これに限定されない。モバイルマニピュレータ10及びワークベンチロボット20は、それぞれ1台でもよいし、3台以上であってもよい。
モバイルマニピュレータ10は、ローカルコントローラ11と、床上を移動するための移動機構と、物体を把持するための把持機構とを備える。図20に、モバイルマニピュレータ10の外観斜視図を示す。図20に示すように、モバイルマニピュレータ10は、台車12と、ロボットアーム13とを備える。
台車12は、移動機構の一例であり、ローカルコントローラ11による制御で駆動される2つの駆動輪12Aを有する。さらに、台車12は、図20で手前側の底面に方向の自在に変わるキャスターを有する。2つの駆動輪12Aは互いに独立に駆動されるため、台車12は、研究員と同様に床上を自由に移動することができる。駆動機構は、2つの独立駆動輪に限らず、床上を移動することができる任意の機構であってよく、旋回を含む移動の態様についての制約が少ない機構であることが好ましい。ロボットアーム13は、把持機構の一例であり、台車12上に搭載されている。ロボットアーム13は、アーム13Aと、アーム13Aの先端に取り付けられたハンド13Bとを有する。アーム13Aは、3次元空間において、ハンド13Bの位置及び姿勢を、例えば6自由度で変位させるための構成を備えた垂直多関節型のアームとしてよい。ハンド13Bは、容器等を把持可能な、例えば2指のロボットハンドである。なお、図20では、モバイルマニピュレータ10は、1つのロボットアーム13を備える例を示しているが、ロボットアーム13を2本備えた双腕としてもよい。モバイルマニピュレータ10が搬送対象物を搬送する際、ハンド13Bに搬送対象物を把持したままでもよいし、台車12の上、例えば駆動輪12Aの上方の一段高くなっている部分に搬送対象物を載置してもよい。
モバイルマニピュレータ10は、アーム13Aのハンド13Bに近い箇所に図示しないビジョンセンサを有する。ビジョンセンサは、モバイルマニピュレータ10周辺の物体、及びハンド13Bで把持する容器等の把持対象物を認識するためのセンサである。ビジョンセンサは、カメラ及び画像処理装置を含んで構成され、カメラにより撮影した画像を画像処理装置で画像処理することにより、周辺の物体及び把持対象物を認識する。これによりモバイルマニピュレータ10の自律的な移動が可能となる。なお、周辺の物体及び把持対象物を認識するためのセンサはビジョンセンサに限定されず、周辺の各点の3次元位置を計測可能なレーザレーダ等を用いてもよい。また、周辺の物体を認識するためのセンサは、台車12に搭載されてもよい。
ローカルコントローラ11は、統括コントローラ330の指示を実現できるように、モバイルマニピュレータ10の各モータの動作を制御する。具体的には、ローカルコントローラ11は、ビジョンセンサから出力される認識結果、統括コントローラ330からの指示等に基づいて、モバイルマニピュレータ10の動作を制御する。より具体的には、ローカルコントローラ11は、ハンド13Bで容器等の把持対象物を把持し、把持した把持対象物をワークベンチ等の所定位置へ搬送するように、モバイルマニピュレータ10の動作を制御する。
統括コントローラ330は、モバイルマニピュレータ10のローカルコントローラ11、及びワークベンチロボット20のローカルコントローラ21と連携して、モバイルマニピュレータ10及びワークベンチロボット20の各々の動作を制御する。
モバイルマニピュレータ10による把持動作、実験設備に対する操作は、ローカルコントローラ11が、予めティーチングされた動作計画を、ビジョンセンサから出力される認識結果に基づいてモバイルマニピュレータ10に実行させることにより実現される。
また、モバイルマニピュレータ10の移動は、ローカルコントローラ11が、予め保持する実験環境のレイアウト図に基づいて、統括コントローラ330から指示された実験設備の位置へモバイルマニピュレータ10を移動させることにより実現される。なお、ローカルコントローラ11は、ビジョンセンサから出力される認識結果に基づいて、障害物を回避しながら目的の位置へ移動するように、モバイルマニピュレータ10を移動させる。
次に、第3実施形態に係るロボットシステム300の作用について説明する。
図21は、統括コントローラ330のCPU31により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。図21中の右側のフローチャートの各ステップは、統括コントローラ330の指示により、ワークベンチロボット20のローカルコントローラ21が実行する制御処理である。また、図21中の左側のフローチャートの各ステップは、統括コントローラ330の指示により、モバイルマニピュレータ10のローカルコントローラ11が実行する制御処理である。また、図21では、ワークベンチ上に配置される薬さじの状況を、制御処理の流れと対応付けて図示している。
まず、ワークベンチロボット20側の制御処理について説明する。
ステップS40で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、未使用薬さじの準備1を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、ワークベンチ上の未使用薬さじの置き場から、薬さじの入った薬さじラックを使用中薬さじの置き場に移動する処理を実行させる。薬さじラックは、例えば図9に示すようなトレイ及びスタンドを含むラックでもよいし、蓋のない筆箱のようなラックでもよい。未使用の薬さじとは、すくい移しの際に元容器内へ異種物質を混入させるおそれがない薬さじであればよく、新品の薬さじ及び使用歴はあるが洗浄後に未使用の薬さじを含む。
次に、ステップS42で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、第1物質の量り取り処理を実行させる。第1物質の量り取り処理は、第1物質が入った元容器からのすくい取りを含む量り取り処理であって、具体的な処理内容は、第1実施形態における制御処理(図12)と同様である。
次に、ステップS44で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、使用済み薬さじの片づけを実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、ワークベンチ上の使用中薬さじの置き場から、薬さじの入った薬さじラックを使用済み薬さじの置き場に移動する処理を実行させる。
次に、ステップS46で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、未使用薬さじの準備2を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、モバイルマニピュレータ10によって、未使用薬さじの置き場に供給された薬さじの入った薬さじラックを、使用中薬さじの置き場に移動する処理を実行させる。未使用薬さじの置き場は、ワークベンチ上の任意の場所に設定してよい。例えば、使用済み薬さじの置き場を転用してもよい。
次に、ステップS48で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、第2物質の量り取り処理を実行させる。第2物質の量り取り処理は、第2物質が入った元容器からのすくい取りを含む量り取り処理であって、具体的な処理内容は、第1実施形態における制御処理(図12)と同様である。次に、ステップS50で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、使用済み薬さじの片づけを実行させて、ワークベンチロボット20側の制御処理は終了する。
次に、モバイルマニピュレータ10側の制御処理について説明する。
ステップS52で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、未使用の薬さじが入った薬さじラックが収納されている、実験室内の保管棚から、薬さじラックを取り出させる。次に、ステップS54で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、取り出した、未使用の薬さじが入った薬さじラックを、ワークベンチの横まで搬送させる。
次に、ステップS56で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、上記ステップS44で、ワークベンチロボット20により、使用済み薬さじの置き場に置かれた、使用済みの薬さじが入った薬さじラックを回収させる。次に、ステップS58で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、搬送してきた、未使用の薬さじが入った薬さじラックを、ワークベンチ上の未使用薬さじの置き場に供給させる。
次に、ステップS60で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、回収した、使用済みの薬さじが入った薬さじラックを、使用済みの薬さじが入った薬さじラックが収納される、実験室内の保管棚まで搬送させる。次に、ステップS62で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、搬送してきた、使用済みの薬さじが入った薬さじラックを、使用済みの薬さじが入った薬さじラックが収納される保管棚に収納させる。そして、モバイルマニピュレータ10側の制御処理は終了する。
以上説明したように、第3実施形態に係るロボットシステムは、モバイルマニピュレータに、ワークベンチ上の使用済みの薬さじを回収させる。これにより、ワークベンチ上の空き場所を増やすことができる。また、第3実施形態に係るロボットシステムは、第1物質に使用された薬さじを回収した後で、第2物質に使用する未使用の薬さじをワークベンチ上に供給する。これにより、第2物質に使用する薬さじを早い時期からワークベンチ上に設置しておくための場所が不要になる。また、1種類の物質の量り取り処理のためにサイズの異なる複数の薬さじを使用する場合には、複数の薬さじを単位として回収や供給を行うため、ワークベンチ上の場所の有効利用の観点での効果が大きくなる。
また、元容器として、第1物質が入っている第1元容器及び第1物質とは別種の第2物質が入っている第2元容器が用意されているとする。この場合、第3実施形態に係るロボットシステムは、第1物質についての量り取り処理を行う際には第1薬さじを用いさせ、その後第2物質についての量り取り処理を行う際には第1薬さじとは異なる個体である第2薬さじを用いさせることになる。これにより、第2物質の元容器及び移し先容器に第1物質が混入することを防止することができる。
なお、上記第3実施形態では、第1薬さじは、ワークベンチ上の未使用薬さじの置き場に予め積み重ねられている薬さじラックから、ワークベンチロボットが1つの薬さじラックを使用中薬さじの置き場に移動させて使用することを想定している。ただし、これに限定されず、この第1薬さじについても、モバイルマニピュレータで供給するようにしてもよい。
ワークベンチ上に薬さじラックを積み重ねておく場合、積み重ね可能な形状の薬さじラックを用いてもよいし、図9に示すような薬さじラックの場合、未使用薬さじの置き場に棚を設置し、この棚に複数の薬さじを収納しておくようにしてもよい。また、ワークベンチ上の未使用薬さじの置き場に予め積み重ねられている薬さじラックから、第2薬さじとして使用する薬さじを取り出してもよい。この場合、モバイルマニピュレータを使用することなく、ワークベンチロボット側の処理のみ実行すればよい。この場合でも、第2物質の元容器及び移し先容器に第1物質が混入することを防止することができるという効果がある。すなわち、薬さじの使い分けによる物質の混入防止は、第3実施形態に限らず、いずれの実施形態においても適用することができる。
また、上記第3実施形態では、モバイルマニピュレータが、先に使用済みの第1薬さじを回収し、その後、第2薬さじをワークベンチ上に供給する。この第2薬さじを供給するスペースは、第1薬さじを回収することにより空いたワークベンチ上のスペースであってもよいし、モバイルマニピュレータ又はワークベンチロボットがワークベンチ上の物品を適宜移動させて空き場所を変更してもよい。ワークベンチ上のスペースに余裕があれば、先に第2薬さじを供給し、その後第1薬さじを回収してもよい。この場合、モバイルマニピュレータ上のスペースに余裕がなくても薬さじの置き換えを実行できる。
また、図22に示すように、第1薬さじの回収及び搬送を先に行い、その後第2薬さじの搬送及び供給を行ってもよい。また、第1薬さじを扱うモバイルマニピュレータと第2薬さじを扱うモバイルマニピュレータとは別々のモバイルマニピュレータでもよい。特に、第1物質の量り取り処理と第2物質の量り取り処理との間の時間に第3物質の量り取り処理等の他の処理を行う場合は、第3薬さじがワークベンチ上に用意できているのであれば、第1薬さじを回収してから第2薬さじを供給するまでに時間がかかっても許容できる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態に係るロボットシステムにおいて、第3実施形態に係るロボットシステム300と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態に係るロボットシステムにおいて、第3実施形態に係るロボットシステム300と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図19に示すように、第4実施形態に係るロボットシステム400は、モバイルマニピュレータ10と、ワークベンチロボット20と、統括コントローラ430とを含む。統括コントローラ430は、モバイルマニピュレータ10に、元容器を元容器の保管場所からワークベンチの上まで搬送させる準備搬送処理と、量り取り処理を行った後に、元容器をワークベンチの上から保管場所まで搬送させる保管搬送処理とを実行させる。
次に、第4実施形態に係るロボットシステム400の作用について説明する。
図23は、統括コントローラ430のCPU31により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。図23中の右側のフローチャートのステップS72は、統括コントローラ430の指示により、ワークベンチロボット20のローカルコントローラ21が実行する制御処理である。また、図23中の1番左及び左から2番目のフローチャートのステップS70、S74は、統括コントローラ430の指示により、2台のモバイルマニピュレータ10(第1モバイルマニピュレータ及び第2モバイルマニピュレータ)の各々のローカルコントローラ11が実行する制御処理である。また、図23では、ワークベンチ上に配置される元容器の状況を、制御処理の流れと対応付けて図示している。
まず、第1モバイルマニピュレータ側の制御処理のステップS70で、ローカルコントローラ11が、第1モバイルマニピュレータに、準備搬送処理を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ11が、第1モバイルマニピュレータに、元容器を元容器の保管場所から取り出させ、ワークベンチの横まで搬送させ、元容器をワークベンチの上に設置させる。元容器の保管場所は、図18の薬品棚又は冷蔵庫であってよい。収納する薬品に温度活性がある場合は保管場所として冷蔵庫が選ばれる。薬品棚として遮光扉付きの暗所も用意されており、保管する薬品に光活性がある場合は保管場所として暗所が選ばれる。冷蔵庫は暗所も兼ねる。薬品棚に扉がある場合の扉の開閉及び冷蔵庫の扉の開閉もモバイルマニピュレータ10が行う。
次に、ワークベンチロボット20側の制御処理のステップS72で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、第1実施形態における制御処理(図12)と同様の量り取り処理を実行させる。
次に、第2モバイルマニピュレータ側の制御処理のステップS74で、ローカルコントローラ11が、第2モバイルマニピュレータに、保管搬送処理を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ11が、第2モバイルマニピュレータに、元容器をワークベンチの上から回収させ、元容器の保管場所まで搬送させ、元容器を保管場所に設置させる。
以上説明したように、第4実施形態に係るロボットシステムは、モバイルマニピュレータに、元容器を元容器の保管場所からワークベンチの上まで搬送させる準備搬送処理と、量り取り処理を行った後に、元容器をワークベンチの上から保管場所まで搬送させる保管搬送処理とを実行させる。これにより、元容器の準備及び搬送と、保管及び搬送とを含めて作業を自動化することができる。
なお、第1モバイルマニピュレータと、第2モバイルマニピュレータとは、同一の個体であってもよい。また、2つのモバイルマニピュレータの役割は任意に交代可能である。
また、第4実施形態において、元容器として、第1物質が入っている第1元容器及び第1物質とは別種の第2物質が入っている第2元容器が用意されているとする。この場合、モバイルマニピュレータ及びワークベンチロボットに、第1物質及び第2物質のそれぞれについて、準備搬送処理、量り取り処理、及び保管搬送処理を実行させるようにしてもよい。これにより、第1物質及び第2物質についての量り取りを行う場合においても、元容器についての準備搬送及び保管搬送を含めて自動化することができる。
例えば、図24に示すように、第1物質の量り取り処理(ステップS78)を、第2物質の量り取り処理(ステップS84)よりも先に行う場合において、ステップS76で、第1モバイルマニピュレータに、第1元容器の準備搬送処理を実行させる。そして、ワークベンチロボットによる第1物質の量り取り処理後に、ステップS80で、第2モバイルマニピュレータに、第1元容器の保管搬送処理を実行させる。その後、ステップS82で、第1モバイルマニピュレータに、第2元容器の準備搬送処理を実行させる。そして、ワークベンチロボットによる第2物質の量り取り処理後に、ステップS86で、第2モバイルマニピュレータに、第2元容器の保管搬送処理を実行させる。これにより、ワークベンチ上の空き場所を増やすことができる。なお、第1元容器の保管搬送処理は、第1物質の量り取り処理の後であればいつでもよい。ただし、第1物質の量り取り処理後、なるべく早く第1元容器の保管搬送処理を実行した方が、元容器回収後のワークベンチ上の空き場所を活用し易い。
また、例えば、第1元容器の保管場所が冷蔵庫の中又は保管棚の暗所の場合、図25に示すように、統括コントローラは、モバイルマニピュレータに、第2物質の量り取り処理を終了するよりも前に、第1元容器の保管搬送処理を開始させる。これにより、第2物質の量り取り処理を終了してから第1元容器の保管搬送処理を、例えば第2元容器の保管処理と一緒に行う場合に比べて、第1物質を常温環境又は明所に置く時間を短縮することができる。なお、第1元容器を冷蔵庫又は暗所に戻すタイミングはなるべく早い方がよい。また、第2元容器の保管場所が冷蔵庫の中又は暗所で、第1物質の量り取り処理を第2物質の量り取り処理よりも先に行うとする。この場合、図25に示すように、モバイルマニピュレータに、第2元容器の準備搬送処理を第1物質の量り取り処理を開始した後に完了させる。これにより、第1物質の量り取り処理を開始する前に第2元容器の準備搬送処理を、例えば第1元容器の準備搬送処理と一緒に行う場合に比べて、第2物質を常温環境又は明所に置く時間を短縮することができる。なお、第2元容器を冷蔵庫から出すタイミングはなるべく遅い方がよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態に係るロボットシステムにおいて、第3実施形態に係るロボットシステム300と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態に係るロボットシステムにおいて、第3実施形態に係るロボットシステム300と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図19に示すように、第5実施形態に係るロボットシステム500は、モバイルマニピュレータ10と、ワークベンチロボット20と、統括コントローラ530とを含む。元容器として、第1物質が入っている第1元容器及び第1物質とは別種の第2物質が入っている第2元容器が用意されており、第1物質の量り取り処理を第2物質の量り取り処理よりも先に行うとする。この場合、統括コントローラ530は、モバイルマニピュレータ10に、第1物質の量り取り処理の後に第1物質が入っている第1移し先容器の一部又は全部をワークベンチの上から回収させる。
次に、第5実施形態に係るロボットシステム500の作用について説明する。
図26は、統括コントローラ530のCPU31により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。図26中の右側のフローチャートの各ステップは、統括コントローラ530の指示により、ワークベンチロボット20のローカルコントローラ21が実行する制御処理である。また、図26中の左側のフローチャートの各ステップは、統括コントローラ530の指示により、モバイルマニピュレータ10のローカルコントローラ11が実行する制御処理である。また、図26では、ワークベンチ上に配置される移し先容器の状況を、制御処理の流れと対応付けて図示している。
まず、ワークベンチロボット20側の制御処理について説明する。
ステップS90で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、空の移し先容器の準備1を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、ワークベンチ上の移し先容器の置き場から、空の移し先容器の入った容器ラックを作業領域に移動する処理を実行させる。
次に、ステップS92で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、第1物質の量り取り処理を実行させる。第1物質の量り取り処理は、第1物質が入った元容器からのすくい取りを含む量り取り処理であって、具体的な処理内容は、第1実施形態における制御処理(図12)と同様である。
次に、ステップS94で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、量り取り済み移し先容器の片づけを実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、ワークベンチ上の作業領域から、量り取り済み移し先容器の入った容器ラックを、量り取り済み移し先容器の置き場に移動する処理を実行させる。
次に、ステップS96で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、空の移し先容器の準備2を実行させる。具体的には、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、モバイルマニピュレータ10によって、空の移し先容器の置き場に供給された、空の移し先容器の入った容器ラックを、作業領域に移動する処理を実行させる。空の移し先容器の置き場は、ワークベンチ上の任意の場所に設定してよい。例えば、量り取り済み移し先容器の置き場を転用してもよい。
次に、ステップS98で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、第2物質の量り取り処理を実行させる。第2物質の量り取り処理は、第2物質が入った元容器からのすくい取りを含む量り取り処理であって、具体的な処理内容は、第1実施形態における制御処理(図12)と同様である。次に、ステップS100で、ローカルコントローラ21が、ワークベンチロボット20に、量り取り済み移し先容器の片づけを実行させて、ワークベンチロボット20側の制御処理は終了する。
次に、モバイルマニピュレータ10側の制御処理について説明する。
ステップS102で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、空の移し先容器が入った容器ラックが収納されている、実験室内の保管棚から、容器ラックを取り出させる。次に、ステップS104で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、取り出した、空の移し先容器が入った容器ラックを、ワークベンチの横まで搬送させる。
次に、ステップS106で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、上記ステップS94で、ワークベンチロボット20により、量り取り済み移し先容器の置き場に置かれた、量り取り済み移し先容器が入った容器ラックを回収させる。次に、ステップS108で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、搬送してきた、空の移し先容器が入った容器ラックを、ワークベンチ上の空の移し先容器の置き場に供給させる。
次に、ステップS110で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、回収した、量り取り済み移し先容器が入った容器ラックを、量り取り済み移し先容器が入った容器ラックが収納される、実験室内の保管場所まで搬送させる。次に、ステップS112で、ローカルコントローラ11が、モバイルマニピュレータ10に、搬送してきた、量り取り済み移し先容器が入った容器ラックを、量り取り済み移し先容器が入った容器ラックが収納される保管場所に収納させる。そして、モバイルマニピュレータ10側の制御処理は終了する。量り取り済み移し先容器の保管場所は、元容器の場合と同様に、図18の保管棚又は冷蔵庫であってよい。保管場所として、移し先容器内の薬品に温度活性がある場合は冷蔵庫が選ばれ、移し先容器内の薬品に光活性がある場合は暗所(保管棚に遮光扉付きの場所又は冷蔵庫)が選ばれる。
以上説明したように、第5実施形態に係るロボットシステムは、モバイルマニピュレータに、ワークベンチ上の量り取り済み移し先容器を回収させる。これにより、ワークベンチ上の空き場所を増やすことができる。なお、第1物質が入っている移し先容器を回収するタイミングは、第1物質の量り取り処理の後であればいつでもよい。なるべく早く回収した方が、回収後のワークベンチ上の空き場所を活用し易い。
また、第5実施形態に係るロボットシステムは、モバイルマニピュレータに、量り取り済み移し先容器の回収を行った後、空の移し先容器をワークベンチの上に供給させる。これにより、まだ使わない空の移し先容器を早い時期からワークベンチ上に設置しておくための場所が不要になる。
なお、上記第5実施形態では、第1物質の量り取り処理のための空の移し先容器は、ワークベンチ上の空の移し先容器の置き場に予め密集して又は積み重ねて置かれている容器ラックから、ワークベンチロボットが1つの容器ラックを作業領域に移動させて使用することを想定しているが、これに限定されない。この第1物質の量り取り処理のための空の移し先容器についても、モバイルマニピュレータで供給するようにしてもよい。
また、ワークベンチ上の空の移し先容器の置き場に予め密集して又は積み重ねて置かれている容器ラックから、第2物質の量り取り処理のための空の移し先容器を使用してもよい。この場合、モバイルマニピュレータを使用することなく、ワークベンチロボット20側の処理のみ実行すればよい。この場合、量り取り済み移し先容器はワークベンチ上に置かれたままになる。その後、量り取り済み移し先容器は、人又はモバイルマニピュレータによりまとめて保管場所に移動させてもよいし、人又はワークベンチロボットによりまとめて溶液化してもよい。
また、上記第5実施形態では、モバイルマニピュレータが、先に第1物質の量り取り済みの移し先容器を回収し、その後、第2物質の量り取り処理用の空の移し先容器をワークベンチ上に供給する。この空の移し先容器を供給するスペースは、量り取り済みの移し先容器を回収することにより空いたワークベンチ上のスペースであってもよい。また、モバイルマニピュレータ又はワークベンチロボットがワークベンチ上の物品を適宜移動させて空き場所を変更してもよい。ワークベンチ上のスペースに余裕があれば、先に第2物質の量り取り処理用の空の移し先容器を供給し、その後第1物質の量り取り済みの移し先容器を回収してもよい。そうすると、モバイルマニピュレータ上のスペースに余裕がなくても移し先容器の置き換えを実行できる。
また、図27に示すように、第1物質の量り取り処理済みの移し先容器の回収及び搬送を先に行い、その後第2物質の量り取り処理用の空の移し先容器の搬送及び供給を行ってもよい。また、第1モバイルマニピュレータと第2モバイルマニピュレータとは別々のモバイルマニピュレータでもよい。特に、第1物質の量り取り処理と第2物質の量り取り処理との間の時間に第3物質の量り取り処理等の他の処理を行う場合は、第3物質用の空の移し先容器がワークベンチ上に用意できているのであれば、第1物質の量り取り処理済みの移し先容器を回収してから第2物質用の空の移し先容器を供給するまでに時間がかかっても許容できる。
また、第1物質が入った量り取り済み移し先容器の保管場所が冷蔵庫の中又は保管棚の暗所の場合、図28に示すように、モバイルマニピュレータに、第2物質の量り取り処理を終了するよりも前に、第1物質が入っている移し先容器の一部又は全部をワークベンチの上から保管場所まで搬送させる処理を開始してもよい。これにより、第2物質の量り取り処理を終了してから第1物質が入っている移し先容器を保管場所まで搬送させる処理を行う場合に比べて、移し先容器内の第1物質を常温環境又は明所に置く時間を短縮できる。なお、第2物質の量り取り済み移し先容器については、モバイルマニピュレータにより冷蔵庫又は暗所に移してもよいし、冷蔵又は遮光する必要がなければ保管棚の明所に移してもよいし、ワークベンチ上に置いたままにしてもよい。
また、図29に示すように、量り取り処理において同一種類の物質を複数の移し先容器に入れる場合に、モバイルマニピュレータに、全ての移し先容器の量り取りを終了する前に、量り取りが終了した移し先容器の少なくとも一部をワークベンチ上から回収させてもよい。図29では、ワークベンチロボットにより、ステップS93で、同一種類の物質を多数の移し先容器に量り取る量り取り処理が実行される。この量り取り処理の中に、空の移し先容器の準備と量り移し済み移し先容器の片付けとが含まれる。また、ワークベンチロボットは、量り取り処理の途中で、足りなくなった空の移し先容器を作業領域に移す処理と、作業領域に置けなくなった量り取り済み移し先容器を作業領域外に退避させる処理とを行う。そして、第1モバイルマニピュレータが、量り取り処理の途中で、所定単位数分の量り取り済み移し先容器を回収、搬送、及び収納し(ステップS106、S110、S112)、第2モバイルマニピュレータが、次の所定単位数分の量り取り済み移し先容器を回収、搬送、及び収納している(ステップS107、S111、S113)。これにより、ワークベンチ上の量り取り済み容器の置き場が不足することを防止できる。なお、モバイルマニピュレータによる複数の移し先容器の回収、搬送、及び収納の単位数は、例えば、図6に示すような容器ラックに収納される本数としてよい。すなわち、複数の移し先容器が挿入された状態の容器ラック単位で、回収、搬送、及び収納を行う。また、図29では、モバイルマニピュレータによる回収、搬送、及び収納の処理を2回分図示しているが、これらの処理は量り取り処理全体に対して、必要な回数行う。
また、上記各実施形態では、図1又は図19に示すように、本発明のコントローラの一例として、モバイルマニピュレータ及びワークベンチロボットとは独立した統括コントローラを用いる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図30(A)に示すように、いずれかのワークベンチロボット20が統括コントローラ30を搭載するようにしてもよいし、図30(B)に示すように、いずれかのモバイルマニピュレータ10が統括コントローラ30を搭載するようにしてもよい。
また、図31(A)及び(B)に示すように、本発明のコントローラを、複数の分散コントローラ40で構成するようにしてもよい。この場合、分散コントローラ同士で通信して、モバイルマニピュレータ10及びワークベンチロボット20の各々が互いに連携して動作するように制御する。例えば、モバイルマニピュレータ10が容器をワークベンチ上まで搬送すると、モバイルマニピュレータ10の分散コントローラ40が、当該搬送の完了をワークベンチロボット20の分散コントローラ40に通知する。そして、通知を受けた分散コントローラ40により、ワークベンチロボット20が搬送された容器に対する処理を開始できるようにする。
なお、モバイルマニピュレータ10及びワークベンチロボット20の各々にローカルコントローラ11、21を設けず、統括コントローラ30又は分散コントローラ40がモバイルマニピュレータ10及びワークベンチロボット20の各々の各モータの動作を制御してもよい。
また、上記各実施形態のモバイルマニピュレータは、作業に使用するピペットのような道具についても、保管棚からワークベンチへの搬送及び載置と、使用済みの道具のワークベンチからの回収及び保管棚への収納を行ってもよい。また、モバイルマニピュレータ10は、充電すべきタイミングになったら、充電ステーションへ移動し、自装置の充電を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、統括コントローラは、モバイルマニピュレータ及びワークベンチロボットの各々の稼働状況を確認し、空き状態のモバイルマニピュレータ及びワークベンチロボットに上記処理を実行させるようにしてもよい。また、モバイルマニピュレータについては、実験環境内での位置情報も取得し、空き状態であるモバイルマニピュレータのうち、最も効率良く指定の位置へ移動可能なモバイルマニピュレータを選択して、上記処理を実行させるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、ワークベンチロボットが固定されたワークベンチと、保管棚等との間の容器等の搬送を、モバイルマニピュレータが行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ワークベンチロボットが固定されたワークベンチ上、又はそのワークベンチに隣接する、ワークベンチロボットのハンドが届く範囲に保管棚等が設置されている場合もある。この場合、ワークベンチロボットが、保管棚等からの容器等の取り出し、及び保管棚等への容器等の収納を行ってもよい。
また、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した制御処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、制御処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、USBメモリ等の記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
100、200、300、400、500 ロボットシステム
10 モバイルマニピュレ
11 ローカルコントローラ
12 台車
12A 駆動輪
13 ロボットアーム
13A アーム
13B ハンド
20 ワークベンチロボット
21 ローカルコントローラ
22、22L、22R マニピュレータ
22A アーム
22B、22BL、22BR ハンド
22B0、22B0L、22B0R ハンド本体
22B1、22B1L、22B1R 第1指
22B2、22B2L、22B2R 第2指
22B3、22B3L、22B3R 第3指
23 ビジョンセンサ
30、230、330、430、530 統括コントローラ
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 入力装置
35 出力装置
36 記憶媒体読取装置
37 通信I/F
38 バス
40 分散コントローラ
10 モバイルマニピュレ
11 ローカルコントローラ
12 台車
12A 駆動輪
13 ロボットアーム
13A アーム
13B ハンド
20 ワークベンチロボット
21 ローカルコントローラ
22、22L、22R マニピュレータ
22A アーム
22B、22BL、22BR ハンド
22B0、22B0L、22B0R ハンド本体
22B1、22B1L、22B1R 第1指
22B2、22B2L、22B2R 第2指
22B3、22B3L、22B3R 第3指
23 ビジョンセンサ
30、230、330、430、530 統括コントローラ
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 入力装置
35 出力装置
36 記憶媒体読取装置
37 通信I/F
38 バス
40 分散コントローラ
Claims (22)
- ワークベンチに対して固定されており、前記ワークベンチ上の物体を把持するための機構を備えたワークベンチロボットと、前記ワークベンチロボットの動作を制御するコントローラとを含むロボットシステムであって、
前記コントローラは、前記ワークベンチロボットに、薬さじを把持させ、元容器に入っている量り取り対象の粉体、粒体、又は粘性体の物質を移し先容器に前記薬さじを用いてすくい移す動作をさせ、前記移し先容器内の前記物質の重量を秤を用いて計測させ、計測結果を取得する、量り取り処理を行う、
ロボットシステム。 - 前記コントローラは、さらに、前記移し先容器内の前記物質の重量の目標値及び許容範囲を取得する処理を行い、
前記量り取り処理は、前記コントローラが、1回又は複数回の前記すくい移す動作をさせた後に取得した前記計測結果が前記許容範囲を超えて前記目標値よりも小さい場合に、前記ワークベンチロボットに、追加の前記すくい移す動作をさせることを含む、
請求項1に記載のロボットシステム。 - 前記量り取り処理は、前記コントローラが、1回又は複数回の前記すくい移す動作をさせた後に取得した前記計測結果が前記許容範囲を超えて前記目標値よりも大きい場合に、前記ワークベンチロボットに、前記移し先容器内の前記物質を前記元容器に前記薬さじを用いてすくい移す動作をさせることを含む、請求項2に記載のロボットシステム。
- 前記コントローラは、前記計測結果と前記目標値との差異の大きさ、又は移し先容器内の前記物質の重量の推定値と前記目標値との差異の大きさに応じて、前記差異が小さいほど小さな薬さじを用いてすくい移す動作をさせるように、前記ワークベンチロボットに大きさの異なる複数の種類の薬さじを持ち替えさせる処理をさらに行う、請求項2又は請求項3に記載のロボットシステム。
- 前記コントローラは、前記ワークベンチロボットに、前記移し先容器が前記秤に載置されていない状態で前記すくい移す動作をさせ、前記計測をさせるために前記移し先容器を前記秤に載置させる、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
- 前記コントローラは、前記ワークベンチロボットに、前記移し先容器を前記秤ではない他の秤に載置させた状態で前記すくい移す動作をさせ、前記移し先容器内の前記物質の重量を前記他の秤を用いて計測させ、前記他の秤による計測結果を取得し、前記他の秤による計測結果が、前記移し先容器内の前記物質の重量の目標値を含む所定の範囲内になった場合に前記移し先容器を前記秤に載置させて前記移し先容器内の前記物質の重量を計測させる、請求項5に記載のロボットシステム。
- 前記ワークベンチロボットは、前記機構として第1マニピュレータ及び第2マニピュレータを備え、
前記コントローラは、前記ワークベンチロボットに前記すくい移す動作をさせる際に、前記第1マニピュレータに前記元容器を把持させて前記元容器を傾いた姿勢にし、前記第2マニピュレータに前記薬さじを把持させる、
請求項1又は請求項2に記載のロボットシステム。 - 前記コントローラは、さらに、前記ワークベンチロボットに、前記量り取り処理の後の前記移し先容器に溶媒液を注入させることにより前記移し先容器内の前記物質を溶液化する処理を行う、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
- 前記コントローラは、溶液の目標濃度を取得する処理と、前記計測結果に基づいて、溶液を前記目標濃度にするために必要な溶媒量を特定する処理と、前記ワークベンチロボットに、前記溶媒量の溶媒液を前記移し先容器にピペットを用いて注入させる処理とを行う、請求項8に記載のロボットシステム。
- 前記元容器として、同種の前記物質が入っている第1元容器及び第2元容器が用意されている場合において、
前記コントローラは、前記第1元容器内の前記物質の残量が少ないために前記第1元容器から前記移し先容器へすくい移す動作だけでは前記移し先容器内の物質の重量を前記許容範囲内に到達させることができない場合に、前記ワークベンチロボットに、前記第1元容器から前記移し先容器へすくい移す動作の後に前記第2元容器から前記移し先容器へすくい移す動作をさせる、
請求項2又は請求項3に記載のロボットシステム。 - 前記元容器として、第1物質が入っている第1元容器及び前記第1物質とは別種の第2物質が入っている第2元容器が用意されている場合において、
前記コントローラは、前記ワークベンチロボットに、前記第1物質についての前記量り取り処理を行う際には第1薬さじを用いさせ、その後前記第2物質についての前記量り取り処理を行う際には前記第1薬さじとは異なる個体である第2薬さじを用いさせる、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。 - 床上を移動するための機構及び物体を把持するための機構を備えたモバイルマニピュレータをさらに含み、
前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータ及び前記ワークベンチロボットの各々の動作を制御するロボットシステムであって、
前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータに、使用済みの前記第1薬さじを前記ワークベンチの上から回収させる第1薬さじ回収処理を行う、
請求項11に記載のロボットシステム。 - 前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータに、前記第1薬さじ回収処理を行った後、前記第2物質についての前記量り取り処理を行う前に、前記ワークベンチ上に未使用の前記第2薬さじを供給させる処理を行う、請求項12に記載のロボットシステム。
- 床上を移動するための機構及び物体を把持するための機構を備えたモバイルマニピュレータをさらに含み、
前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータ及び前記ワークベンチロボットの各々の動作を制御するロボットシステムであって、
前記コントローラは、さらに、
前記モバイルマニピュレータに、前記元容器を前記元容器の保管場所から前記ワークベンチの上まで搬送させる準備搬送処理と、
前記モバイルマニピュレータに、前記量り取り処理を行った後に、前記元容器を前記ワークベンチの上から前記保管場所まで搬送させる保管搬送処理と
を行う、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。 - 前記元容器として、第1物質が入っている第1元容器及び前記第1物質とは別種の第2物質が入っている第2元容器が用意されている場合において、
前記コントローラは、前記第1物質及び前記第2物質のそれぞれについて、前記準備搬送処理、前記量り取り処理、及び前記保管搬送処理を行う、
請求項14に記載のロボットシステム。 - 前記コントローラは、前記第1物質についての前記量り取り処理を前記第2物質についての前記量り取り処理よりも先に行う場合において、前記モバイルマニピュレータに、前記第1物質についての前記量り取り処理の後に前記第1元容器を前記ワークベンチの上から回収させる処理を行う、請求項15に記載のロボットシステム。
- 前記第1元容器の前記保管場所は冷蔵庫の中又は暗所であり、
前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータに、前記第2物質についての前記量り取り処理を終了するよりも前に前記第1元容器についての前記保管搬送処理を開始する、
請求項16に記載のロボットシステム。 - 前記第2元容器の前記保管場所は冷蔵庫の中又は暗所であり、
前記コントローラは、前記第1物質についての前記量り取り処理を前記第2物質についての前記量り取り処理よりも先に行う場合において、前記モバイルマニピュレータに、前記第2元容器についての前記準備搬送処理を前記第1物質についての前記量り取り処理を開始した後に完了させる、
請求項15に記載のロボットシステム。 - 床上を移動するための機構及び物体を把持するための機構を備えたモバイルマニピュレータをさらに含み、
前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータ及び前記ワークベンチロボットの各々の動作を制御するロボットシステムであって、
前記コントローラは、前記元容器として、第1物質が入っている第1元容器及び前記第1物質とは別種の第2物質が入っている第2元容器が用意されており、前記第1物質についての前記量り取り処理を前記第2物質についての前記量り取り処理よりも先に行う場合において、前記モバイルマニピュレータに、前記第1物質についての前記量り取り処理の後に前記第1物質が入っている前記移し先容器の一部又は全部を前記ワークベンチの上から回収させる処理を行う、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。 - 前記コントローラは、前記移し先容器の一部又は全部を前記ワークベンチの上から回収させる処理を行った後、前記モバイルマニピュレータに、空の移し先容器を前記ワークベンチの上に供給させる処理を行う、請求項19に記載のロボットシステム。
- 前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータに、前記第2物質についての前記量り取り処理を終了するよりも前に、前記第1物質が入っている前記移し先容器の一部又は全部を前記ワークベンチの上から冷蔵庫の中又は暗所まで搬送させる処理を開始する、請求項19に記載のロボットシステム。
- 床上を移動するための機構及び物体を把持するための機構を備えたモバイルマニピュレータをさらに含み、
前記コントローラは、前記モバイルマニピュレータ及び前記ワークベンチロボットの各々の動作を制御するロボットシステムであって、
前記コントローラは、前記量り取り処理において同一種類の前記物質を複数の前記移し先容器に入れる場合に、前記モバイルマニピュレータに、全ての前記移し先容器についての量り取りを終了する前に、量り取りが終了した前記移し先容器の少なくとも一部を前記ワークベンチの上から回収させる処理を行う、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
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