JP2024077517A - 遊技機 - Google Patents

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JP2024077517A JP2022189643A JP2022189643A JP2024077517A JP 2024077517 A JP2024077517 A JP 2024077517A JP 2022189643 A JP2022189643 A JP 2022189643A JP 2022189643 A JP2022189643 A JP 2022189643A JP 2024077517 A JP2024077517 A JP 2024077517A
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高明 市原
渉 坂根
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Abstract

【課題】遊技者に対する訴求力を高めることが可能なセンターフレームを備えた遊技機を提供する。【解決手段】遊技パネル1100の開口縁に取付けられるセンターフレーム2510を有する遊技盤5を備えたパチンコ機1であって、センターフレーム2510に、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している前方突出部2511及び上壁部2523bを備え、前方突出部2511及び上壁部2523bの前端面に脱型痕跡部2519を設ける。【選択図】図118

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)のような遊技機に関するものである。
パチンコ機のような遊技機には、前方を遊技球が流通する遊技板の前面よりも前方へ突出している突出壁部を有する枠状のセンターフレームが設けられており、突出壁部によって枠内への遊技球の侵入を阻止すると共に、枠よりも外側の部位に遊技球が流通する領域を形成して、遊技球の動きを楽しませられるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、この種の遊技機では、機種やメーカーが違っても似たような形態のセンターフレームが設けられているため、代わり映えがせず、センターフレームだけでは他の遊技機との差別化を図ることが困難であった。
特開2021-13673号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、遊技者に対する訴求力を高めることが可能なセンターフレームを備えた遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技盤を本体枠内に収納した遊技機であって、
前記遊技機は前記遊技領域を視認可能な遊技窓を備え、
前記本体枠は外枠に軸支され、
遊技者の操作により、前記遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、
遊技領域に設けられた所定の領域を遊技球が通過した契機により抽選を行い、前記抽選の結果に応じて遊技者に特典を付与し、
さらに遊技機の前面には遊技者の操作により演出に影響を与える操作部を備え、
前記遊技盤は開口部を備えた遊技板を備え、前記開口部にはセンターフレームを有し、
前記センターフレームは、
遊技板の前面よりも前方に突出している突出壁部を備え、
該突出壁部の前端面に脱型痕跡部が設けられている
ことを特徴とする。
ここで、「センターフレーム」としては、センター役物を構成しているものであり、遊技板の開口の縁に沿った枠状のものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った方向へ複数に分割されているものであっても良い。また、「センターフレーム」としては、一つの部材で構成されていても良いし、複数の部材で構成されていても良い。
また、「突出壁部」としては、「遊技板の前面から遊技球の半径(或いは、直径)よりも長く前方に突出しているもの」、「遊技板の前面から、遊技板に植設されている障害釘の前端までと、同じような長さで前方に突出しているもの」、等が挙げられる。
更に、「脱型痕跡部」は、成形品を成形型(金型)から取出すための機構(例えば、エジェクタピン、押上げコア、直上げコア、突出しコア、等)により成形品に付いた痕跡のことであり、他の部位と比較して微小に凹んでいたり凸っていたり傾斜していたりする。この「脱型痕跡部」の形状としては、「半円形のような円形の一部の形状」、「円形」、「三角形」、「四角形」、「五角形」、「六角形」、「多角形」、「不定形」、「星形」、「ハート形」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技板の開口縁に取付けられるセンターフレームを有する遊技盤を備えた遊技機であって、センターフレームは、遊技板の前面よりも前方に突出している突出壁部を備え、突出壁部の前端面に脱型痕跡部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-2c.前方突出部の脱型痕跡部]の章、脱型痕跡部2519、センターフレーム2510、前方突出部2511、図113及び図118等の記載を参照)。
これにより、遊技板の開口縁に取付けられているセンターフレームに、前方へ突出している突出壁部が設けられているので、当該突出壁部により遊技板の開口内へ遊技球が脱落(侵入)することを阻止することができると共に、遊技板の前面におけるセンターフレームよりも外側の部位において、遊技球が流下する領域(遊技領域)を形成することができ、当該領域を流下する遊技球の動きによって遊技者を楽しませることができる。そして、センターフレームの突出壁部の前端面に、センターフレーム(成形品)の成形時に形成された脱型痕跡部を設けているため、脱型痕跡部が見えることでセンターフレームを目立たせることができ、センターフレームに遊技者の関心を引き付けさせることができる。従って、センターフレームにおける突出壁部の前端面に設けられている脱型痕跡部により、遊技者に対して、従来とは全く異なるセンターフレームが設けられていると認識させて、遊技者の関心を強く引き付けさせることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、脱型痕跡部は、センターフレームにおけるその他の部位と比較して形態が異なっているため、後方に設けられている液晶表示装置やLEDなどからの光が当たると、他の部位とは異なった光方をすることとなる。これにより、センターフレームにおける突出壁部の前端面において、脱型痕跡部が他の部位とは異なった光方をすることで目立つこととなり、遊技者の関心を強く引き付けさせることができると共に、脱型痕跡部か光ることでセンターフレームを奇麗に見せることができる。
なお、突出壁部に、遊技球が流通する遊技領域を二つに区画している区画部を有するようにした上で、その区画部の前端面には脱型痕跡部が設けないようにしても良い。これにより、センターフレームの突出壁部のうち遊技領域を二つに区画している区画部の前端面には、脱型痕跡部を設けていないため、遊技者に対して、当該区画部が突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位とは異なる部位であると認識させることが可能となり、区画部が枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることができる。
また、上記のように区画部の前端面には脱型痕跡部を設けない場合、突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位よりも区画部が目立ち難くなるため、区画部の存在に気付かせ難くすることができ、遊技者に対して、区画部の部位を跨いで遊技球が行き来できると錯覚させることができる。
また、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を揃えるようにすることが望ましい。これにより、センターフレームにおける突出壁部の前端面に設けられている脱型痕跡部を模様のように見せることができ、センターフレームの見栄えを良くすることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記突出壁部は、
遊技球が流通する遊技領域を二つに区画している区画部を有しており、該区画部の前端面には前記脱型痕跡部が設けられていない」
ものであることを特徴とする。
ここで、「区画部」としては、「センターフレームの枠内に設けられているステージの端部(例えば右端)に設けられている上下に延びている部位」、「センターフレームから下方へ延出している部位」、「センターフレームの左辺側又は右辺側において、複数の球通路を区画している部位」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、突出壁部は、遊技球が流通する遊技領域を二つに区画している区画部を有しており、区画部の前端面には脱型痕跡部が設けられていないものである([発明を実施するための形態]では、前方突出部2511の区画部2511aの記載を参照)。
これにより、センターフレームの突出壁部のうち遊技領域を二つに区画している区画部の前端面には、脱型痕跡部を設けていないため、遊技者に対して、当該区画部が突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位とは異なる部位であると認識させることが可能となり、区画部が枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることができる。
或いは、区画部の前端面には脱型痕跡部を設けていないため、突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位よりも区画部が目立ち難くなり、区画部の存在に気付かせ難くすることができ、遊技者に対して、区画部の部位を跨いで遊技球が行き来できると錯覚させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
前記遊技機は、
前記遊技板の前方に遊技球が流下する遊技領域を有していると共に、該遊技領域に遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、該入賞口への遊技球の入球により所定の特典を付与するパチンコ機であることを特徴とする。
ここで、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別図柄の抽選が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通図柄の抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通図柄の抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別図柄の抽選が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「パチンコ機」としては、「始動口への遊技球の入球により所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるための特別図柄の抽選を行う抽選手段と、抽選手段により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて特別図柄を変動表示させた後に停止表示させて、停止表示された特別図柄の組合せにより抽選され特別抽選結果を表示する表示器としての特別抽選結果表示手段と、特別抽選結果表示手段において有利遊技状態を発生させる特別抽選結果が表示されると大入賞口を所定のパターンで開閉させて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えたもの(所謂、デジパチ機)」、「役物入賞口に入球した遊技球を振分ける振分手段と、振分手段により振分けられた遊技媒球がV入賞口に入球すると所定の特典として役物入賞口を所定のパターンで開閉させて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えたもの(所謂、ハネモノ機)」、「大入賞口と役物入賞口を有し、始動口への遊技球の入球(始動入球)により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口又は役物入賞口を所定のパターンで開閉させ、役物入賞口に入球した遊技球がV入賞口に振分けられると所定の特典として役物入賞口又は大入賞口を所定のパターンで開閉させて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を備えたもの(所謂、複合機)」、等が挙げられる。
手段3の構成によると、遊技機を、遊技板の前方に遊技球が流下する遊技領域を有していると共に、遊技領域に遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、入賞口への遊技球の入球により所定の特典を付与するパチンコ機としたものである。これにより、パチンコ機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、遊技者に対する訴求力を高めることが可能なセンターフレームを備えた遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 扉枠を前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠に対して扉枠トップ装飾体と扉枠上飾体とを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠に対して扉枠トップ装飾体と扉枠上飾体とを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の正面図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の背面図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の左側面図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の右側面図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠上飾体を取外した状態の扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠上飾体を取外した状態の扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠上飾体を取外した状態の扉枠の縦断面図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は扉枠における扉枠補強ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠における扉枠補強ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は扉枠補強ユニットの中間補強フレームを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠補強ユニットの中間補強フレームを後ろから見た斜視図である。 扉枠の縦断面における中間補強フレームの部位を拡大して示す説明図である。 中間補強フレームにおける上部の寸法関係を示す説明図である。 (a)は扉枠における中間補強フレームの変形例1を示す説明図であり、(b)は中間補強フレームの変形例2を示す説明図であり、(c)は中間補強フレームの変形例3を示す説明図である。 (a)は扉枠における中間補強フレームの変形例4を示す説明図であり、(b)は中間補強フレームの変形例5を示す説明図である。 (a)は扉枠のシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(b)は(a)のシリンダ錠を後ろ前から見た斜視図であり、(c)は従来のパチンコ機におけるシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(d)は(a)のシリンダ錠を後ろから見た斜視図である。 (a)は図41(a)のシリンダ錠を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図41(a)のシリンダ錠を分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は図41(a)のシリンダ錠の可動機構を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図であり、(c)は(a)の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 扉枠におけるハンドルユニットと皿ユニットと演出操作ユニットとを前から見た分解斜視図である。 扉枠におけるハンドルユニットと皿ユニットと演出操作ユニットとを後ろから見た分解斜視図である。 扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠におけるハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)はハンドルユニットにおけるハンドルベースとハンドルとハンドル復帰バネとハンドルタッチセンサとの関係を斜視図で示す説明図であり、(b)は(a)を分解して斜視図で示す説明図である。 ハンドルユニットにおけるハンドルベースとハンドルとハンドル復帰バネとハンドルタッチセンサとインナーベースとの関係を後ろから見た斜視図で示す説明図である。 ハンドルユニットの変形例でありハンドルベースとハンドルとハンドル復帰バネとハンドルタッチセンサとインナーベースとの関係を後ろから見た斜視図で示す説明図である。 (a)は扉枠において透明部分を不透明にすると共にレバー操作部を突出させていない状態で演出操作ユニットを示す斜視図であり、(b)は(a)においてレバー操作部を突出させた状態で演出操作ユニットを示す斜視図である。 (a)はレバー操作部を突出させていない状態の演出操作ユニットを進退機構と共に右側面から示す説明図であり、(b)は(a)においてレバー操作部を突出させた状態で示す説明図である。 (a)は透明部分を透明にした状態で演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)の演出操作ユニットの右側面図である。 図55の演出操作ユニットにおけるユニット補強フレームを前から見た斜視図である。 レバー操作部における回転体の回転機構を示す説明図である。 扉枠におけるガラスユニットなどを使用した防犯対策の一例を横断面で示す説明図である。 図60に示すガラスユニットなどを使用した防犯対策を背面から示す説明図である。 図60及び図61とは異なる扉枠におけるガラスユニットなどを使用した防犯対策の変形例1を示す説明図である。 図62とは更に異なるガラスユニットなどを使用した防犯対策の変形例2を示す説明図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は電源ユニット、払出制御ユニット、及びインターフェイスユニットを省略して示す第二実施形態の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。 (a)は図87の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。 (a)は図87の基板ユニットの平面図であり、(b)は(a)におけるコ-コ線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるサ-サ線で切断した断面図である。 図89(a)におけるシ-シ線で切断した断面図である。 図87の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図87の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 透明なセンター役物等を不透明にして示す遊技盤の正面図である。 図93の遊技盤を右前から見た斜視図である。 図93の遊技盤を左前から見た斜視図である。 図93の遊技盤を後ろから見た斜視図である。 図93の遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 図93の遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。 (a)は図93の遊技盤において前構成部材、遊技パネル及び表ユニットを有する組立体を前から見た斜視図であり、(b)は図93の遊技盤において前構成部材、遊技パネル及び表ユニットを有する組立体を後ろから見た斜視図である。 図100に示す組立体を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 図100に示す組立体を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は前構成部材における遊技盤第一情報表示部の部位を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は遊技盤第一情報表示部の部位を断面で示す説明図であり、(c)は遊技盤第一情報表示部と第一情報シール台座とを分解して斜視図で示す説明図であり、(d)は第一情報シールが貼り付けられている第一情報シール台座を前から見た斜視図である。 (a)は前構成部材における遊技盤第二情報表示部の部位を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は遊技盤第二情報表示部の部位を断面で示す説明図であり、(c)は遊技盤第二情報表示部と第二情報シール台座とを分解して斜視図で示す説明図であり、(d)は第二情報シールが貼り付けられている第二情報シール台座を前から見た斜視図である。 (a)は前構成部材における遊技盤第三情報表示部の部位を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は遊技盤第三情報表示部の部位を断面で示す説明図であり、(c)は遊技盤第三情報表示部と第三情報シール台座とを分解して斜視図で示す説明図であり、(d)は第三情報シールが貼り付けられている第三情報シール台座を前から見た斜視図である。 遊技盤のセンター役物を前から見た斜視図である。 遊技盤のセンター役物を後ろから見た斜視図である。 (a)はセンター役物におけるステージユニットの正面図であり、(b)はセンター役物におけるステージユニットの背面図である。 ステージユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 ステージユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 ステージユニットの要部を拡大して示す正面図である。 (a)は図111におけるタ-タ線で切断した断面図であり、(b)は図111におけるチ-チ線で切断した断面図であり、(c)は図111におけるツ-ツ線で切断した断面図であり、(d)は図111におけるテ-テ線で切断した断面図である。 (a)~(e)は、脱型痕跡部の様々な態様を示す説明図である。 (a)はセンター役物のステージユニットにおける前後両側に脱型痕跡部が設けられている第一部材の正面図であり、ステージユニットにおける前後両側に脱型痕跡部が設けられている第一部材の背面図である。 (a)はステージユニットにおける後側のみに脱型痕跡部が設けられている第二部材の正面図であり、(b)はステージユニットにおける後側のみに脱型痕跡部が設けられている第二部材の背面図である。 (a)ははステージユニットにおける前側のみに脱型痕跡部が設けられている第三部材の正面図であり、(b)はステージユニットにおける前側のみに脱型痕跡部が設けられている第三部材の背面図である。 (a)は図115とは異なる部位に脱型痕跡部が設けられている第二部材の平面図であり、(b)は図116とは異なる部位に脱型痕跡部が設けられている第三部材の正面図である。 前側に脱型痕跡部が設けられているセンター役物を遊技盤と共に模式的に示す説明図である。 図108等とは異なる第二実施形態のステージユニットの一部を示す正面図である。 (a)は図119のステージユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)のステージユニットを後ろから見た斜視図である。 図119のステージユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図119のステージユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は図119におけるナ-ナ線で切断した断面図であり、(b)は図119におけるニ-ニ線で切断した断面図であり、(c)は図119におけるヌ-ヌ線で切断した断面図である。 通常の状態から裏第一昇降装飾体を下端の待機位置から上端の上昇位置までの間の中間の位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 通常の状態から裏第二昇降装飾体を下端の待機位置から上端の上昇位置までの間の中間の位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 遊技盤の制御構成を概略で示すブロック図である。 第二実施形態の遊技盤のセンター役物を概略で示す正面図である。 第二実施形態の遊技盤のセンター役物を前から見た斜視図である。 第二実施形態の遊技盤のセンター役物を後ろから見た斜視図である。 (a)は図127のセンター役物において役物入賞口が設けられている左上隅の部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)の部位を前から見た斜視図で示す説明図であり、(c)は図127のセンター役物の球通路における役物入賞口の部位を断面で示す説明図である。 (a)は図127のセンター役物の右端の上部を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は(a)を後ろから見た斜視図で示す説明図であり、(c)は図127のセンター役物の球通路における上下に延出している部位を断面で模式的に示す説明図である。 (a)は通路装飾部が設けられているアタッカユニットの正面図であり、(b)は(a)のアタッカユニットにおける通路装飾部の部位を切断して断面で示す説明図である。 通路装飾部の一例を断面で示す説明図である。 (a)~(c)は通路装飾部における凹部の形状例を示す説明図である。 (a)~(c)は通路装飾部における凸部の形状例を示す説明図である。 (a)~(c)は通路装飾部に異なる形態の凸部及び凹部を複数備えたもの示す説明図である (a)は第一凸部に同じ形態の第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(b)は第一凸部に突出量の異なる第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(c)は第一凸部に形態の異なる第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(d)は第一凸部における傾斜面にも第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図である。 (a1)は第一凸部に同じ形態の第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(a2)は(a1)を正面から示す説明図であり、(b)は(a2)とは異なる形態の凹部が設けられている通路装飾部を正面から示す説明図である。 (a)は遊技パネルの開口部に嵌め込まれている形態の通路装飾部を断面で示す説明図であり、(b)は(a)とは異なる形態の通路装飾部を断面で示す説明図である。 アウト口表記を拡大して示す説明図である。 (a)はアウト口表記が施されている遊技盤における下部正面図であり、(b)は(a)を前から見た斜視図である。 装飾部の模様に沿うようにアウト口表記を使用した遊技盤の一部を正面から示す説明図である。 複数のアウト口表記においてそれぞれの目立ち具合を異ならせて使用した遊技盤の一部を正面から示す説明図である。 (a)は正面視において演出操作ユニットと重なるようにアウト口表記が設けられているパチンコ機を模式的に示す正面図であり、(b)は(a)のパチンコ機を左右方向中央で切断して模式的に示す縦断面図である。 (a)は正面視におけるアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図であり、(b)は前方に着座した遊技者とアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図である。 (a)は正面視において遊技盤におけるアウト口表記が設けられている部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)の遊技盤において正面視におけるアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図であり、(c)は(a)の遊技盤において前方に着座した遊技者とアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図である。 (a)は複数のアウト口表記が施されている入球口部材の正面図であり、(b)は(a)の入球口部材の背面図である。 (a)は図147とは異なる態様のアウト口表記が施されている入球口部材におけるアウト口表記の部位を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)の背面図である。 (a)は図147および図148とは更に異なり両面印刷されたアウト口表記が施されている入球口部材におけるアウト口表記の部位を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)の背面図である。 貼り付けられている装飾シールにアウト口表記と透明部とが施されている透明な入球口部材の一部を示す正面図である。 (a)は演出操作部としてポップアップ式の押圧操作部が通常の位置の状態でパチンコ機の下部を正面図から示す説明図であり、(b)はポップアップ式の押圧操作部が上昇位置の状態でパチンコ機の下部を正面図から示す説明図である。 (a)は振分片が前進位置の状態でセンター役物の一部を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるサブアウト口の部位で切断して断面で示す説明図であり、(c)は振分片が後退位置の状態でセンター役物の要部を正面から示す説明図である。 (a)は第一始動口と第二始動口とを有する始動口ユニットを通常の状態で示す正面図であり、(b)は(a)の始動口ユニットの縦断面図であり、(c)は(a)の状態における第二始動口の部位を示す斜視図であり、(d)は(c)の状態から羽根が開いた状態で第二始動口の部位を示す斜視図である。 遊技領域の下部において第一領域と第二領域とに分離している遊技盤の下部を概略で示す説明図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図78等を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル197を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル197とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630のほかに払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図10を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘Nと、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、普通入賞口2011、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、普通入賞口2011、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル197を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、普通入賞口2011、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル197の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、裏第一演出ユニット3300、裏第二演出ユニット3400、等により発光演出や可動演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の背面図であり、図13は外枠の右側面図である。また、図14は外枠を前から見た斜視図であり、図15は外枠を後ろから見た斜視図である。図16は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2-1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図17を参照して詳細に説明する。図17は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部13aよりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材41にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部23aよりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材41にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2-2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図16を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2-3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図18を参照して詳細に説明する。図18は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、左右方向へ延びた帯板状で、上下方向へ間隔をあけて設けられている複数の羽根部46bを有している。羽根部46bは、前端側が後端側よりも高くなるように、傾斜した状態で設けられている。このグリル部材46は、羽根部46b同士の間の隙間を通して、幕板前部材42の内部(幕板内部空間40a)と外部とを通気可能に連通させている。
ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46における羽根部46b同士の間の隙間を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間から本体枠スピーカ622のエンクロージャ624内の音が漏れるのを防止するものである。
本実施形態のグリル部材46によれば、本体枠スピーカ622により幕板内部空間40aから外部へ放出される空気振動を、傾斜している複数の羽根部46bにより、斜め上前方のハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバー295の下側の切欠開口部295bを通してハンドルユニット180が収容されているハンドルカバーベース291の前筒部291a内へ向けさせることができる。これにより、遊技者が、ハンドルカバー295(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)の内側に手指を突っ込んで、ハンドル197を回転操作(遊技球Bの打込装置)している時に、本体枠スピーカ622を振動させて前筒部291a内へ風を送ることで、遊技者を驚かせることができ、これまでにない演出を行うことができる。
また、ポート部材47を前方へ向かって開口させていることから、グリル部材46の複数の羽根部46bを通ってポート部材47から放出される音圧の一部が、前方へ放出されることとなるため、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者や、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内を回遊している他の遊技者に対しても、ポート部材47から放出される演出サウンドが聞えることとなり、演出サウンドによっても遊技者の関心を引付けることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本体枠4に設けられている本体枠スピーカ622のエンクロージャ624に対して、ポート部材47を外枠2の外枠下組立体40に設けていることから、エンクロージャ624の容積を大きくすることができるため、より重低音の演出サウンドを出力することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[2-4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19(a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2-5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図16を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図20~図33等を参照して詳細に説明する。図20は扉枠を前から見た斜視図であり、図21は扉枠を後ろから見た斜視図である。図22は扉枠に対して扉枠トップ装飾体と扉枠上飾体とを分解して前から見た分解斜視図であり、図23は扉枠に対して扉枠トップ装飾体と扉枠上飾体とを分解して後ろから見た分解斜視図である。図24は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の正面図であり、図25は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の背面図であり、図26は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の左側面図であり、図27は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠の右側面図である。図28は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠を右前から見た斜視図であり、図29は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠を左前から見た斜視図であり、図30は扉枠上飾体を取外した状態で示す扉枠を後ろから見た斜視図である。図31は扉枠上飾体を取外した状態の扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図32は扉枠上飾体を取外した状態の扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図33は、扉枠上飾体を取外した状態の扉枠の縦断面図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル197を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、ハンドルユニット180の外周を覆うハンドルカバーユニット290と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット420と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット430と、扉枠左サイドユニット420及び扉枠右サイドユニット430の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、扉枠トップユニット450に取付けられている扉枠上飾体480と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル197を備えており、ハンドルユニット180は、外周を覆うハンドルカバーユニット290を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
遊技者が操作するハンドル197は、ハンドルユニット180に設けられている。ハンドルユニット180のハンドル197は、ハンドルカバーユニット290よりも前方に突出している。
扉枠右サイドユニット430は、左側面において着脱可能に設けられている右サイド左パネル442と、右側面において着脱可能に設けられている右サイド右パネル443と、を有している。従って、パチンコ機1において仕様変更や機種変更等により遊技盤5を交換する際に、当該遊技盤5の装飾(コンセプト)と対応している装飾や絵柄が施されている右サイド左パネル442及び右サイド右パネル443に交換することで、機種変更等に容易に対応することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453が扉枠トップベース451に対して着脱可能に設けられている。扉枠トップ装飾体453は、扉枠ベースユニット100の後方からねじ込まれている手回ネジ469を緩めることで前方へ取り外すことができる。従って、パチンコ機1において仕様変更や機種変更等により遊技盤5を交換する際に、当該遊技盤5の装飾(コンセプト)と対応している装飾が施されている扉枠トップ装飾体453に交換することで、機種変更等に容易に対応することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
[3-1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図34を参照して詳細に説明する。図34(a)は第二実施形態の扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を主に備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット420が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット430が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3-1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図34等を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面と、ハンドル取付座面と扉窓101aとの間で前後に貫通して扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面の正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面の上方において、前後に貫通している貫通孔を備えている。この貫通孔は、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム117の貫通部117fと一致するように形成されている。
[3-1b.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図34を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3-1c.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板について、説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図71及び図72を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びている部位が扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド上装飾基板及び扉枠右サイド下装飾基板、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面の後側に取付けられる。ハンドル後中継基板は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3-1d.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図25を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503(図71を参照)を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム117の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3-1e.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図35~図38を参照して詳細に説明する。図35(a)は扉枠における扉枠補強ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠における扉枠補強ユニットを後ろから見た斜視図である。図36(a)は扉枠補強ユニットの中間補強フレームを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠補強ユニットの中間補強フレームを後ろから見た斜視図である。図37は、扉枠の縦断面における中間補強フレームの部位を拡大して示す説明図である。図38は、中間補強フレームにおける上部の寸法関係を示す説明図である。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、合成樹脂からなる平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の下端から上寄りの部位同士を繋いでいる中間補強フレーム117と、右補強フレーム112に取付けられるシリンダ取付フレーム115(図34等を参照)と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111は、略一定の幅で扉枠ベース101の高さと略同じ長さで上下に延びており、下端から上寄りの部位に右方へ突出している膨出部111aを有している。左補強フレーム111の膨出部111aに、中間補強フレーム117の左端側が取付けられる。
右補強フレーム112は、略一定の幅で扉枠ベース101の高さと略同じ長さで上下に延びており、下端から上寄りの部位に左方へ突出している膨出部112aを有している。右補強フレーム112の膨出部112aに、中間補強フレーム117の右端側が取付けられる。また、膨出部112aの前面にはシリンダ取付フレーム115が取付けられる。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。
上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム117の貫通部117fが、扉枠ベース101の貫通孔と一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101のシリンダ挿通孔101dに挿入された状態となる。
[3-1e-1.中間補強フレーム]
続いて、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム117について、詳細に説明する。中間補強フレーム117は、図36に示すように、左補強フレーム111の膨出部111aと右補強フレーム112の膨出部112aとを繋ぐように取付けられている。中間補強フレーム117は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム117は、下端辺が左右に延びた直線状であるのに対して、上端辺の左右両端付近が左右方向外方へ向かうほど高くなっている。中間補強フレーム117は、右端付近において前後に貫通している貫通部117fと、左端付近において四角く前後に貫通している開口部117gと、を有している。貫通部117fは、扉枠ベース101の貫通孔と一致する位置に形成されている。開口部117gは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと一致するように形成されている。
中間補強フレーム117は、板面を前後方向へ向けた帯板状の基板部117aと、基板部117aの上端縁から後方へ延出している上フランジ部117bと、上フランジ部117bの後端縁から上方へ延出している後フランジ部117cと、基板部117aの下端縁から前方へ延出している下フランジ部117dと、を有している。
また、中間補強フレーム117は、前方へ突出しており左右に長い複数のビード部117eが基板部117aに設けられている。これら複数のビード部117eにより基板部117a(中間補強フレーム117)の強度・剛性が高められている。
中間補強フレーム117は、図36(b)に示すように、左補強フレーム111や右補強フレーム112を構成している板金と同じ厚さの第一板金部118aと、第一板金部118aよりも板厚が厚い第二板金部118bと、で構成されている。第一板金部118aは、基板部117a、上フランジ部117b、下フランジ部117d、を有している。第二板金部118bは、基板部117a、上フランジ部117b、後フランジ部117c、を有している。上フランジ部117b、後フランジ部117c、下フランジ部117dは、板金を屈曲させて形成されている。第一板金部118aと第二板金部118bとは、第一板金部118aを前側にしてそれぞれの基板部117aの部位で複数のリベットによって取付けられている。
第一板金部118aの左右方向の長さは、中間補強フレーム117の左右方向の長さと同じである。第二板金部118bの左右方向の長さは、第一板金部118aよりも短い。第二板金部118bは、第一板金部118aの左右方向中央部分にかかるように取付けられている。なお、第二板金部118bの厚さtcは、第一板金部118aの厚さの約1.7倍である。
この中間補強フレーム117は、扉枠3に組立てた状態では、扉窓101aの下方に位置していると共に、皿ユニット200(後述する演出操作ユニット300)の後方に位置している(図33及び図37を参照)。また、図示するように、中間補強フレーム117における上フランジ部117bの上面には、160におけるガラス枠161(係止片161b)の下端が当接している。つまり、上フランジ部117bにガラスユニット160が載置されている。更に、中間補強フレーム117における後フランジ部117cの前面には、ガラスユニット160におけるガラス枠161の下部後面(係止片161bの後面)が当接している。これにより、中間補強フレーム117によって、ガラスユニット160の下方への移動と、ガラスユニット160の下部の後方への移動を規制している。なお、本実施形態では、後フランジ部117cの後面は、ガラスユニット160の後面よりも前方に位置しており、後方へは突出していない。
本実施形態の中間補強フレーム117は、左右方向両端の上下の幅が、左右方向中央の上下の幅よりも大きく、その上下の幅が大きい部分で左補強フレーム111や右補強フレーム112に取付けられていることから、従来の扉枠における中間補強フレームよりも強固に取付けられている。
また、中間補強フレーム117は、上フランジ部117b、後フランジ部117c、及び下フランジ部117dを有しており、二つのクランク形状を組み合わせたような断面形状に形成されている。また、中間補強フレーム117は、第一板金部118aと第二板金部118bとの二つの板金により構成されている。このようなことから、中間補強フレーム117は、第一実施形態の扉枠3の中間補強フレーム114よりも強度・剛性が高い。従って、扉枠補強ユニット110自体も、従来の扉枠の扉枠補強ユニットよりも強度・剛性が高い。
このように、中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)の強度・剛性が高められているため、遊技者が上皿201や下皿202を掴んで強く引っ張ったり、後述する演出操作ユニット300のレバー操作部304を強く引っ張ったりしても、中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)が歪む(塑性変形する)ことはない。従って、中間補強フレーム117が歪むことで扉枠3と本体枠4との間に隙間が形成されてしまうことを防止することができる。
また、上皿201やレバー操作部304を前方へ強く引っ張ることで扉枠3と本体枠4との間に隙間を形成させて不正行為を行おうとしても、上述したように、強度・剛性が高められている中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)により扉枠3が塑性変形して本体枠4との間に隙間が形成されることはなく、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、中間補強フレーム117は、ガラスユニット160が載置される上フランジ部117bと、上フランジ部117bから上方へ延出している後フランジ部117cと、を有しているため、ガラスユニット160の荷重を支持することができる上に、上フランジ部117bとガラスユニット160の下端との間を通して不正な工具を侵入させようとしても、上方へ延出している後フランジ部117cにより不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、中間補強フレーム117は、図38に示すように、基板部117aの後面から上フランジ部117bの後端までの距離L1が、上フランジ部117bの上面から後フランジ部117cの上端までの距離L2よりも若干短く構成されている。また、距離L1と距離L2とを足した距離L0は、基板部117aの後面から扉枠3の後端までの距離(図示は省略)よりも長く構成されている。従って、後フランジ部117cを上方へ屈曲させずに、上フランジ部117bと同様に後方へ延出させると、その後端が扉枠3の後端よりも後方へ突出するように構成されている。つまり、上フランジ部117bに対して後フランジ部117cを延出させる(屈曲させる)角度により、その後端を後方の遊技盤5内へ進入させることが可能な長さに設定されている。
[3-1e-2.中間補強フレームの変形例]
続いて、中間補強フレーム117の変形例(変形例1~5)について、図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠における中間補強フレームの変形例1を示す説明図であり、(b)は中間補強フレームの変形例2を示す説明図であり、(c)は中間補強フレームの変形例3を示す説明図である。図40(a)は扉枠における中間補強フレームの変形例4を示す説明図であり、(b)は中間補強フレームの変形例5を示す説明図である。なお、ここでは、中間補強フレーム117と同じ構成の部位については、同じ符号を付して説明する。
(中間補強フレームの変形例1)
図39(a)に示す中間補強フレーム117Aは、板厚の厚い1枚の金属板(板金)により構成するものである。この中間補強フレーム117Aによっても上記と同様の作用効果を奏する。また、この中間補強フレーム117Aによれば、1枚の板金により構成しているため、複数の板金により構成する場合と比較して、リベットなどで組み立てる必要はなく、コストを低減させることが可能である。なお、この中間補強フレーム117Aにもビード部117eを設けても良い。
(中間補強フレームの変形例2)
図39(b)に示す中間補強フレーム117Bは、下フランジ部117dが基板部117aの下端から後方へ延出しているものである。後方へ延出している下フランジ部117dによっても中間補強フレーム117Bの強度・剛性を高めることができ、上記と同様の作用効果を奏する。なお、中間補強フレーム117Bは、図示のように1枚の板金で構成しても良いし、上記の中間補強フレーム117と同様に複数の板金で構成しても良い。また、中間補強フレーム117Bにもビード部117eを設けても良い。
(中間補強フレームの変形例3)
図39(c)に示す中間補強フレーム117Cは、上フランジ部117bの後端がガラスユニット160の後面まで延出しており、上フランジ部117bの後端から上方へ延出している後フランジ部117cがガラスユニット160よりも後方に位置しているものである。この中間補強フレーム117Cによっても上記と同様の作用効果を奏する。また、この中間補強フレーム117Cでは、上フランジ部117bの前後方向の幅(奥行)を、上記の中間補強フレーム117の上フランジ部117bよりも広くしているため、広い範囲でガラスユニット160を受けることができる。なお、中間補強フレーム117Cは、図示のように1枚の板金で構成しても良いし、上記の中間補強フレーム117と同様に複数の板金で構成しても良い。また、中間補強フレーム117Cにもビード部117eを設けても良い。また、ガラスユニット160のガラス枠161に、上記と同様の係止片161bを設けても良い。
(中間補強フレームの変形例4)
図40(a)に示す中間補強フレーム117Dは、後フランジ部117cが、上フランジ部117bの後端から下方へ延出しているものである。詳述すると、後フランジ部117cが上フランジ部117bの後端から垂下しているものである。この構成によっても中間補強フレーム117Dの強度・剛性を高めることができ、扉枠3の上皿201やレバー操作部304が前方へ強く引っ張られても歪む(塑性変形する)ことはない。また、中間補強フレーム117Dの上フランジ部117bにガラスユニット160を載置することが可能である。なお、図40(a)では、後フランジ部117cの後面がガラスユニット160の後面よりも後方へ突出していないものを示したが、後フランジ部117cがガラスユニット160よりも後方へ突出していても良い。また、中間補強フレーム117Dは、図示のように1枚の板金で構成しても良いし、上記の中間補強フレーム117と同様に複数の板金で構成しても良い。また、中間補強フレーム117Dにもビード部117eを設けても良い。また、ガラスユニット160のガラス枠161に、上記と同様の係止片161bを設けても良い。
(中間補強フレームの変形例5)
図40(b)に示す中間補強フレーム117Eは、後フランジ部117cが、上フランジ部117bの後端から下方へ延出しているものである。詳述すると、後フランジ部117cが上フランジ部117bの後端から斜め下方へ延出しているものである。この構成によっても中間補強フレーム117Eの強度・剛性を高めることができ、扉枠3の上皿201やレバー操作部304が前方へ強く引っ張られても歪む(塑性変形する)ことはない。この中間補強フレーム117Eは、扉枠3を閉じると、後フランジ部117cの後端側が遊技盤5内(ここでは前構成部材1000内)に挿入される。この後フランジ部117cの挿入により、蛇行した隙間が形成されることとなるため、遊技盤5の前面に沿って不正な工具を侵入させようとしても、後フランジ部117cにより阻止することができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
なお、中間補強フレーム117Eの後フランジ部117cが遊技盤5に接触するようにしても良い。これにより、後フランジ部117cを介して、扉枠3と遊技盤5とを位置決めしたり、後フランジ部117cにより遊技盤5を支持したりすることが可能となる。また、後フランジ部117cを遊技盤5に接触させるようする場合、遊技盤5とアース接続されるようにしても良い。更に、中間補強フレーム117Eは、図示のように1枚の板金で構成しても良いし、上記の中間補強フレーム117と同様に複数の板金で構成しても良い。また、中間補強フレーム117Eにもビード部117eを設けても良い。また、ガラスユニット160のガラス枠161に、上記と同様の係止片161bを設けても良い。
[3-1e-3.その他の対策例]
次に、上皿201等を前方へ引っ張ることにより扉枠3と本体枠4との間に隙間が形成されることに対する対策について説明する。具体例1として、例えば、中間補強フレーム117の左右方向中央付近と、遊技盤5との間の間隔(間隔の変化)を検出する間隔センサ(例えば、単なるスイッチ、光学センサ、磁気センサ、近接センサ、変位センサ、等)を設け、間隔センサからの信号が所定の閾値を越えると、その旨を発報するようにしても良い。この際に、間隔センサは、本体枠4に設けても良いし、遊技盤5に設けても良いし、扉枠3に設けても良い。
具体例1では、上述したように、中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)の強度・剛性が高められているため、扉枠3を強い力で前方へ引っ張っても塑性変形しない。とはいえ、強く引っ張ると弾性変形して扉枠3と遊技盤5との間の間隔が変化して隙間ができる可能性があるため、その間隔を検出する間隔センサを設けている。これにより、間隔センサによって弾性変形による間隔の変化を検出することができるため、間隔センサからの検出信号に応じて扉枠3が無理やり引っ張られたことを報知することが可能となり、遊技者が無用に強く扉枠3を引っ張ったり、不正行為を行うために扉枠3を強く引っ張ったりすることを止めさせることができ、防犯効果の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、具体例2として、例えば、本体枠4の前面における右端付近に設けられている扉枠開放スイッチ(図示は省略)を、中間補強フレーム117の左右方向中央付近の後方に設けるようにしても良い。これにより、扉枠3の上皿201等が強く引っ張られて、中間補強フレーム117の左右方向中央付近が前方へ移動するように弾性変形すると、扉枠開放スイッチが扉枠3の開放を検知し、その旨が発報される。この場合、扉枠開放スイッチを、本体枠4の右端付近と左右方向中央付近の両方に設けても良い。また、左右方向中央付近の扉開放スイッチを、遊技盤5に設けても良い。
更に、具体例3として、例えば、中間補強フレーム117に歪センサを設け、歪センサからの信号が所定の閾値を越えると、その旨を発報するようにしても良い。
また、具体例4として、例えば、本体枠4における中間補強フレーム117の左右方向中央付近の後方の部位に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652と連動して可動するフック状の中間鉤(図示は省略)を設け、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、中間鉤が中間補強フレーム117に係止させるようにしても良い。これにより、上皿201等が前方へ引っ張られても、中間鉤の係止により中間補強フレーム117の左右方向中央付近が前方へ膨出するように歪む(塑性変形や弾性変形する)ことを阻止することができる。
[3-1e-4.小括]
上記の扉枠補強ユニット110には、以下のような技術的特徴を有している。
(技術的特徴の背景)
遊技機としてのパチンコ機は、遊技盤を前方から着脱可能に支持する本体枠と、本体枠に対して前方から開閉可能に取付けられる扉枠と、を備えている。扉枠は、本体枠の左右前端辺における一方の端辺側においてヒンジ回転可能に設けられていると共に、ガラス板により閉鎖された窓部が設けられており、そのガラス板を通して遊技盤の遊技領域が前方から視認することができる。
この種の遊技機では、複数の金属板を組み合わせた枠状の補強板金が扉枠に設けられており、補強板金におけるヒンジ側とは反対の開放側の端辺の部位に、本体枠側から複数のフックが係止されることで、扉枠を前方へ引っ張っても開かないようにしている(例えば、特許文献:特開2008-110159号公報)。
しかしながら、上記の特許文献の技術では、例えば、扉枠の前面に設けられている球皿(例えば、上皿、下皿、等)に手をかけて前方へ引っ張られた場合、扉枠の左右方向中央が前方へ膨出するように扉枠(補強板金)が歪んでしまう恐れがあった。そして、扉枠が歪むと、扉枠と本体枠との間に隙間が形成されることとなり、当該隙間を通して遊技機内に不正な工具が挿入されてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、扉枠が引っ張られても本体枠との間に隙間が形成され難くすることで当該隙間を使用した不正行為を防止することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、
前記遊技領域を前方から視認可能とする窓部を有し、前記本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠と
を具備している遊技機であって、
前記扉枠は、
前記窓部の下辺に沿って左右に延びている第一補強部を有する補強板金ユニットを備え、
前記第一補強部は、
前記窓部の開口面と平行な基板部と、
該基板部の上端縁から後方へ延出している上フランジ部と、
該上フランジ部の後端縁から上方または下方へ延出している後フランジ部と
を備えている」ことを特徴とする。
ここで、「第一補強部」としては、「1枚の金属板(板金)により構成されているもの」、「複数枚の金属板(板金)により構成されているもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、遊技領域を前方から視認可能とする窓部を有し、本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠とを具備している遊技機であって、扉枠は、窓部の下辺に沿って左右に延びている第一補強部を有する補強板金ユニットを備え、第一補強部は、窓部の開口面と平行な基板部と、基板部の上端縁から後方へ延出している上フランジ部と、上フランジ部の後端縁から上方または下方へ延出している後フランジ部とを備えているものである。([発明を実施するための形態]では、[3-1.扉枠ベースユニットの全体構成]の章、扉枠補強ユニット110、図35~図40等の記載を参照)。
これにより、本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠に、補強板金ユニットが設けられているため、当該補強板金ユニットにより扉枠の強度・剛性が高められている。この補強板金ユニットには、扉枠の窓部の下辺に沿って左右方向に延出している第一補強部を有しており、当該第一補強部には平板状の基板部と、基板部の上端縁から後方へ延出している上フランジ部と、上フランジ部から上方又は下方へ延出している後フランジ部とが設けられている。そして、後フランジ部が上フランジ部の後端縁から上方へ延出している場合は、第一補強部の断面形状がクランク形状となり、後フランジ部が上フランジ部の後端縁から下方へ延出している場合、第一補強部の断面形状がコ字形状となるため、断面形状が直線形状やL字形状の従来の補強部(補強板金)よりも強度・剛性を高くすることができる。つまり、補強板金ユニットの第一補強部の強度・剛性が従来よりも高められているため、扉枠における左右方向中央付近が前方へ強く引っ張られても、第一補強部が歪む(塑性変形する)ことはなく、扉枠と本体枠との間に隙間が形成されることはない。従って、扉枠を前方へ引っ張ることで扉枠と本体枠との間に隙間を形成させて不正行為を行おうとしても、強度・剛性が高められている第一補強部(補強板金ユニット)により扉枠が歪んで本体枠との間に隙間が形成されることはなく、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
また、上述したように、扉枠の左右方向中央付近を前方へ強く引っ張っても第一補強部(補強板金ユニット)が歪むことはないため、遊技者が前方へ引っ張り易い形状のもの(例えば、上皿や下皿、レバー状の演出操作部、突出した又は突出する押しボタン状の演出操作部、突出している装飾体、凹んでいる装飾体、等)を設けることが可能となり、より遊技者を楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、上フランジ部に、窓部を閉鎖するガラスユニットが載置されるようにしても良い。これにより、ガラスユニットの重量を上フランジ部(補強板金ユニット)により支持することができるため、扉枠を構成している合成樹脂製の樹脂部材(例えば、扉枠ベース)にガラスユニットを支持させるようにする場合と比較して、樹脂部材にかかる負荷を軽減させることができ、樹脂部材における過負荷による早期の劣化を抑制させることができる。
また、上フランジ部にガラスユニットを載置するようにする場合、上フランジ部の後端縁から上方へ延出している後フランジ部の前面がガラスユニットの後面と当接するようにすると、ガラスユニットの下端側の後方への移動を後フランジ部により阻止することができる。これにより、ガラスユニットの上端側を固定するようにすれば、扉枠に取付けることが可能となるため、ガラスユニットの取付け(着脱)を容易なものとすることができる。
更に、第一補強部において、上フランジ部と後フランジ部とのそれぞれの面に沿った方向の長さの和を、基板部から遊技盤の前面までの長さよりも長くすることが望ましい。これにより、上フランジ部と後フランジ部とのそれぞれの延出方向の長さの和を、基板部から遊技盤の前面までの距離(長さ)よりも長くしているため、その長さが短い場合と比較して第一補強部の強度・剛性を高くすることができ、扉枠が前方へ引っ張られても歪み難くすることができる。
また、上記のように、上フランジ部の長さと後フランジ部の長さとの和を、基板部から遊技盤の前面までの長さよりも長くする場合、後フランジ部の先端を遊技盤の前面よりも後方へ位置させることが可能となる。つまり、後フランジ部を遊技盤に対して前方から挿入させることが可能となる。これにより、遊技盤の前面に沿って不正な工具を侵入させようとしても、遊技盤に挿入されている後フランジ部により不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
また、第一補強部に、基板部の下端縁から前方または後方へ延出している下フランジ部を備えようにすることが望ましい。これにより、第一補強部では、基板部の上端縁から後方へ延出している上フランジ部を設けている上に、基板部の下端縁から前方又は後方へ延出している下フランジ部を設けているため、第一補強部の強度・剛性を更に高めることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、第一補強部を、補強板金ユニットにおける他の補強部の板金よりも板厚を厚くすることが望ましい。これにより、第一補強部の板厚を他の補強部の板厚よりも厚くしているため、これによっても第一補強部の強度・剛性を高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、遊技機に、第一補強部と遊技盤との間の間隔を検出する間隔センサを、更に設けるようにしても良い。つまり、上述したように、第一補強部(補強板金ユニット)の強度・剛性が高められているため、扉枠を強い力で前方へ引っ張っても塑性変形しない。とはいえ、強く引っ張ると弾性変形して扉枠と遊技盤との間の間隔が変化して隙間ができる可能性があるため、その間隔を検出する間隔センサを設けても良い。これにより、間隔センサによって弾性変形による間隔の変化を検出することができるため、間隔センサからの検出信号に応じて扉枠が無理やり引っ張られたことを報知することが可能となり、遊技者が無用に強く扉枠を引っ張ったり、不正行為を行うために扉枠を強く引っ張ったりすることを止めさせることができ、防犯効果の高い遊技機を提供することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記上フランジ部は、
前記窓部を閉鎖するガラスユニットが載置される」
ことを特徴とする。
手段2の構成によると、上フランジ部に、窓部を閉鎖するガラスユニットが載置されるようにしたものである。([発明を実施するための形態]では、上フランジ部117b、及び図37等の記載を参照)
これにより、ガラスユニットの重量を上フランジ部(補強板金ユニット)により支持することができるため、扉枠を構成している合成樹脂製の樹脂部材(例えば、扉枠ベース)にガラスユニットを支持させるようにする場合と比較して、樹脂部材にかかる負荷を軽減させることができ、樹脂部材における過負荷による早期の劣化を抑制させることができる。
また、上フランジ部にガラスユニットを載置するようにしていることから、上フランジ部の後端縁から上方へ延出している後フランジ部の前面がガラスユニットの後面と当接するようにすると、ガラスユニットの下端側の後方への移動を後フランジ部により阻止することができる。これにより、ガラスユニットの上端側を固定するようにすれば、扉枠に取付けることが可能となるため、ガラスユニットの取付け(着脱)を容易なものとすることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第一補強部は、
前記上フランジ部と前記後フランジ部とのそれぞれの面に沿った方向の長さの和が、前記基板部から前記遊技盤の前面までの長さよりも長い」
ことを特徴とする。
手段3の構成によると、第一補強部において、上フランジ部と後フランジ部とのそれぞれの面に沿った方向の長さの和を、基板部から遊技盤の前面までの長さよりも長くしているものである。([発明を実施するための形態]では、中間補強フレーム117、及び図38等の記載を参照)
これにより、上フランジ部と後フランジ部とのそれぞれの延出方向の長さの和を、基板部から遊技盤の前面までの距離(長さ)よりも長くしているため、その長さが短い場合と比較して第一補強部の強度・剛性を高くすることができ、扉枠が前方へ引っ張られても歪み難くすることができる。
また、上フランジ部の長さと後フランジ部の長さとの和を、基板部から遊技盤の前面までの長さよりも長くしているため、後フランジ部の先端を遊技盤の前面よりも後方へ位置させることが可能となる。つまり、後フランジ部を遊技盤に対して前方から挿入させることが可能となる。これにより、遊技盤の前面に沿って不正な工具を侵入させようとしても、遊技盤に挿入されている後フランジ部により不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記第一補強部は、
前記基板部の下端縁から前方または後方へ延出している下フランジ部を備えている」
ことを特徴とする。
手段4の構成によると、第一補強部に、基板部の下端縁から前方または後方へ延出している下フランジ部を備えようにするものである。([発明を実施するための形態]では、下フランジ部117d、及び図36等の記載を参照)
これにより、第一補強部では、基板部の上端縁から後方へ延出している上フランジ部を設けている上に、基板部の下端縁から前方又は後方へ延出している下フランジ部を設けているため、第一補強部の強度・剛性を更に高めることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記第一補強部は、
前記補強板金ユニットにおける他の補強部の板金よりも板厚が厚い」
ことを特徴とする。
手段5の構成によると、第一補強部を、補強板金ユニットにおける他の補強部の板金よりも板厚を厚くしているものである。([発明を実施するための形態]では、中間補強フレーム117、及び図36等の記載を参照)
これにより、第一補強部の板厚を他の補強部の板厚よりも厚くしているため、これによっても第一補強部の強度・剛性を高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することが可能な遊技機を提供することができる。
なお、第一補強部は、左右方向の全長に亘って板厚が厚いものであっても良いし、左右方向の全長の一部(例えば、左右方向中央から所定範囲)の板厚が厚いものであっても良い。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記第一補強部と前記遊技盤との間の間隔を検出する間隔センサを、更に備えている」
ことを特徴とする。
ここで、「間隔センサ」としては、「スイッチ」、「光学センサ」、「磁気センサ」、「近接センサ」、「変位センサ」、等が挙げられる。間隔センサは、第一補強部(扉枠)に設けても良いし、遊技盤に設けても良いし、本体枠に設けても良い。間隔センサとしてのスイッチとしては、例えば、扉開放センサに用いられるスイッチ(扉開放スイッチ)でも良い。扉開放センサと同様のスイッチを用いることで、入力回路は扉開放センサなどの入力回路と同様に設計すれば良い。また、単純な接点であるので接続の方法によっては簡単にワイアードオア等の接続によって複数の入力をまとめることが可能になる。
手段6の構成によると、遊技機に、第一補強部と遊技盤との間の間隔を検出する間隔センサを、更に備えているものである。([発明を実施するための形態]では、[3-1e-3.その他の対策例]の章を参照)
本構成では、上述したように、第一補強部(補強板金ユニット)の強度・剛性が高められているため、扉枠を強い力で前方へ引っ張っても塑性変形しない。とはいえ、強く引っ張ると弾性変形して扉枠と遊技盤との間の間隔が変化して隙間ができる可能性があるため、その間隔を検出する間隔センサを設けている。これにより、間隔センサによって弾性変形による間隔の変化を検出することができるため、間隔センサからの検出信号に応じて扉枠が無理やり引っ張られたことを報知することが可能となり、遊技者が無用に強く扉枠を引っ張ったり、不正行為を行うために扉枠を強く引っ張ったりすることを止めさせることができ、防犯効果の高い遊技機を提供することができる。
このように、上記の解決手段によれば、扉枠が引っ張られても本体枠との間に隙間が形成され難くすることで当該隙間を使用した不正行為を防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aは上記解決手段の窓部に、本実施形態における扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110は上記解決手段の補強板金ユニットに、本実施形態における扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム117(中間補強フレーム117A~中間補強フレーム117E)は上記解決手段の第一補強部に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、本体枠4に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠3に、複数の金属板を組み合わせた扉枠補強ユニット110が設けられているため、当該扉枠補強ユニット110により扉枠3の強度・剛性が高められている。この扉枠補強ユニット110には、扉枠3の扉窓101aの下辺に沿って左右方向に延出している中間補強フレーム117を有しており、当該中間補強フレーム117には平板状の基板部117aと、基板部117aの上端縁から後方へ延出している上フランジ部117bと、上フランジ部117bから上方又は下方へ延出している後フランジ部117cとが設けられている。そして、後フランジ部117cが上フランジ部117bの後端縁から上方へ延出している場合は、中間補強フレーム117(中間補強フレーム117A、中間補強フレーム117B、中間補強フレーム117C)の断面形状がクランク形状となり、後フランジ部117cが上フランジ部117bの後端縁から下方へ延出している場合、中間補強フレーム117D(中間補強フレーム117E)の断面形状がコ字形状となるため、断面形状が直線形状やL字形状の従来の補強部(中間補強フレーム)よりも強度・剛性を高くすることができる。つまり、扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム117の強度・剛性が従来よりも高められているため、扉枠3における左右方向中央付近が前方へ強く引っ張られても、中間補強フレーム117が歪む(塑性変形する)ことはなく、扉枠3と本体枠4との間に隙間が形成されることはない。従って、扉枠3を前方へ引っ張ることで扉枠3と本体枠4との間に隙間を形成させて不正行為を行おうとしても、強度・剛性が高められている中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)により扉枠3が歪んで本体枠4との間に隙間が形成されることはなく、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、扉枠3の左右方向中央付近を前方へ強く引っ張っても中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)が歪むことはないため、遊技者が前方へ引っ張り易い形状のもの(例えば、上皿201や下皿202、レバー状の演出操作部(レバー操作部304)、突出した又は突出する押しボタン状の演出操作部(押圧操作部303)、突出している装飾体、凹んでいる装飾体、等)を設けることが可能となり、より遊技者を楽しませることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、上フランジ部117bに、扉窓101aを閉鎖するガラスユニット160が載置されるようにしていることから、ガラスユニット160の重量を上フランジ部117b(扉枠補強ユニット110)により支持することができるため、扉枠3を構成している合成樹脂製の樹脂部材(例えば、扉枠ベース101)にガラスユニット160を支持させるようにする場合と比較して、樹脂部材にかかる負荷を軽減させることができ、樹脂部材における過負荷による早期の劣化を抑制させることができる。
また、上フランジ部117bにガラスユニット160を載置するようにしていると共に、上フランジ部117bの後端縁から上方へ延出している後フランジ部117cの前面にガラスユニット160の後面が当接するようにしているため、ガラスユニット160の下端側の後方への移動を後フランジ部117cにより阻止することができる。これにより、ガラスユニット160の上端側のみを固定すれば、扉枠3に取付けることが可能となるため、ガラスユニット160の取付け(着脱)を容易なものとすることができる。
更に、中間補強フレーム117において、上フランジ部117bと後フランジ部117cとのそれぞれの面に沿った方向の長さ(L1とL2)の和(L0)を、基板部117aから遊技盤5の前面までの長さよりも長くしているため、その長さが短い場合と比較して中間補強フレーム117の強度・剛性を高くすることができ、扉枠3が前方へ引っ張られても歪み難くすることができる。
また、上フランジ部117bの長さL1と後フランジ部117cの長さL2との和(L0)を、基板部117aから遊技盤5の前面までの長さよりも長くしていることから、後フランジ部117cの先端を遊技盤5の前面よりも後方へ位置させることが可能となる。つまり、中間補強フレーム117Eのように後フランジ部117cを遊技盤5に対して前方から挿入させることが可能となる。これにより、遊技盤5の前面に沿って不正な工具を侵入させようとしても、遊技盤5に挿入されている後フランジ部117cにより不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、中間補強フレーム117に、上フランジ部117b側に加えて、基板部117aの下端縁から前方または後方へ延出している下フランジ部117dを備えているため、中間補強フレーム117の強度・剛性を更に高めることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、中間補強フレーム117を、扉枠補強ユニット110における他の補強部(左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113)の板金よりも板厚を厚くしているため、これによっても中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)の強度・剛性を高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、中間補強フレーム117と遊技盤5との間の間隔を検出する間隔センサを更に設けるようにしても良い。つまり、上述したように、中間補強フレーム117(扉枠補強ユニット110)の強度・剛性が高められているため、扉枠3を強い力で前方へ引っ張っても塑性変形しない。とはいえ、強く引っ張ると弾性変形して扉枠3と遊技盤5との間の間隔が変化して隙間ができる可能性があるため、その間隔を検出する間隔センサを設けている。これにより、間隔センサによって弾性変形による間隔の変化を検出することができるため、間隔センサからの検出信号に応じて扉枠3が無理やり引っ張られたことを報知することが可能となり、遊技者が無用に強く扉枠3を引っ張ったり、不正行為を行うために扉枠3を強く引っ張ったりすることを止めさせることができ、防犯効果の高いパチンコ機1を提供することができる。
[3-1f.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図34及び図35を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3-1g.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図34及び図35を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図35等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠下ヒンジ組立体520の扉枠用下ヒンジ孔522aに挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3-1h.シリンダ錠]
扉枠3の扉枠ベースユニット100におけるシリンダ錠130について、主に図41乃至図43を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠のシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(b)は(a)のシリンダ錠を後ろ前から見た斜視図であり、(c)は従来のパチンコ機におけるシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(d)は(a)のシリンダ錠を後ろから見た斜視図である。図42(a)は図41(a)のシリンダ錠を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図41(a)のシリンダ錠を分解して後ろから見た分解斜視図である。図43(a)は図41(a)のシリンダ錠の可動機構を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図であり、(c)は(a)の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図である。
シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後方に設けられており鍵穴132に挿入された正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
更に詳述すると、シリンダ錠130は、シリンダ本体131の後端側に設けられており鍵穴132に挿入された正規の鍵を回転させると一緒に回転する第一カム部材134と、シリンダ取付フレーム115におけるシリンダ本体131よりも下方の部位で前後方向の軸周りに対して回転可能に取付けられている第二カム部材135と、上端側が第一カム部材134における回転中心よりも右方の部位で回転可能に取付けられていると共に下端側が第二カム部材135における回転中心よりも右方の部位で回転可能に取付けられている帯板状の第一アーム136と、上端側が第一カム部材134における回転中心よりも下方の部位で回転可能に取付けられていると共に下端側が第二カム部材135における回転中心よりも下方の部位で回転可能に取付けられている帯板状の第二アーム137と、を備えている。
また、シリンダ錠130は、第二カム部材135(回転伝達部材133)を除いてシリンダ本体131、第一カム部材134、第一アーム136、及び第二アーム137を後方から覆うようにシリンダ取付フレーム115に取付けられている後カバー138と、第一アーム136及び第二アーム137の夫々の上下両端側を、夫々第一カム部材134や第二カム部材135に対して回転可能に取付けているリベット139と、を備えている。
第一カム部材134は、第一アーム136の上端側が後面側に取付けられていると共に、第二アーム137の上端側が前面側に取付けられている。第二カム部材135は、シリンダ取付フレーム115により後側から回転可能に取付けられており、シリンダ取付フレーム115の前面を挟んだ後側に、回転伝達部材133が一体回転可能に取付けられている。第二カム部材135は、第一アーム136の下端側が前面側に取付けられていると共に、第二アーム137の下端側が第一アーム136よりも前方で前面側に取付けられている。
第一カム部材134及び第二カム部材135は、夫々において、第一アーム136が取付けられる部位と、第二アーム137が取付けられる部位とが、夫々の回転軸を中心に90度の角度で離隔している。また、第一カム部材134及び第二カム部材135は、夫々において、第一アーム136が取付けられる部位が、第二アーム137が取付けられる部位よりも、回転中心から遠ざかった位置に設けられている。
後カバー138は、左右両側面の下端から外方へ円柱状に突出した軸部138aが、シリンダ取付フレーム115のL字状の係止スリット115bに係止された状態で、上端側が図示しないビスにより、シリンダ取付フレーム115に着脱可能に取付けられている。
このシリンダ錠130は、シリンダ取付フレーム115、シリンダ本体131、回転伝達部材133、第一カム部材134、第二カム部材135、第一アーム136、及び第二アーム137が、金属により形成されている。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が扉枠右サイドユニット430のシリンダ挿通口440bの前端と略一致した状態となる。
ここで、従来のシリンダ錠130Aについて説明する。従来のシリンダ錠130Aは、図41(c)及び(d)に示すように、シリンダ本体131が、シリンダ取付フレーム115Aの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。このシリンダ錠130Aは、シリンダ本体131の軸芯上に回転伝達部材133が設けられている。
続いて、本実施形態のシリンダ錠130の作動について説明する。従来のシリンダ錠130は、図41(c)及び(d)に示すように、シリンダ本体131の軸芯上に回転伝達部材133が設けられているのに対して、本実施形態のシリンダ錠130は、図41(a)及び(b)等に示すように、シリンダ本体131の軸芯から下方へ離隔した位置に回転伝達部材133が設けられている。
このシリンダ錠130は、通常の状態では、図43(a)に示すように、第一アーム136の上下両端側が、第一カム部材134及び第二カム部材135の夫々において、夫々の回転中心の右方の部位に取付けられていると共に、第二アーム137の上下両端側が、第一カム部材134及び第二カム部材135の夫々において、夫々の回転中心の下方の部位に取付けられている。シリンダ本体131では、正規の鍵によって、通常の状態から、時計回りの方向、及び反時計回りの方向へ、夫々90度の角度で回転することができる。
この状態で、鍵穴132に挿入した鍵により、シリンダ本体131のシリンダを介して第一カム部材134を反時計回りの方向へ回転させると、第一アーム136及び第二アーム137が上方へ移動することとなる。この際に、第一アーム136では、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられているため、第一アーム136により第二カム部材135を反時計回りの方向へ回転させようとする力が大きく作用するのに対して、第二アーム137では、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられているため、第二アーム137からは第二カム部材135を反時計回りの方向へ回転させようとする力が殆ど作用しない。
このようにして、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向へ回転すると、主に第一アーム136を介して力が伝達されて、第二カム部材135が反時計回りの方向へ回転し、第二カム部材135と一緒に回転伝達部材133が回転することとなる。この第一カム部材134の反時計回りの方向への回転により上方へ作用する力は、第一アーム136及び第二アーム137が第一カム部材134に取付けられている部位と、第一カム部材134の回転中心との間の左右方向の距離に比例している。そのため、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向へ回転するのに従って、第一アーム136では上方へ作用する力が小さくなるのに対して、第二アーム137では上方へ作用する力が大きくなる。
従って、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向への回転角度が45度を越えると、第一アーム136よりも第二アーム137の方が上方へ作用する力が大きくなり、主に第二アーム137を介して、第二カム部材135が反時計回りの方向へ回転することとなる。そして、鍵穴132に挿入した鍵を、通常の状態から、反時計回りの方向へ90度の角度まで回転させることができる(図43(b)を参照)。
なお、鍵により、通常の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態から、時計回りの方向へ90度回転させて通常の状態に復帰させる際には、上記とは逆の作用により動作することとなる。
一方、通常の状態から、鍵穴132に挿入した鍵により、シリンダ本体131のシリンダを介して第一カム部材134を時計回りの方向へ回転させると、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられている第一アーム136が下方へ移動すると共に、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられている第二アーム137が上方へ移動することとなる。この際に、第一アーム136では、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられているため、第一アーム136により第二カム部材135を時計回りの方向へ回転させようとする力が大きく作用するのに対して、第二アーム137では、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられているため、第二アーム137からは第二カム部材135を時計回りの方向へ回転させようとする力が殆ど作用しない。
このようにして、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向へ回転すると、主に第一アーム136を介して力が伝達されて、第二カム部材135が時計回りの方向へ回転し、第二カム部材135と一緒に回転伝達部材133が回転することとなる。第一アーム136及び第二アーム137による第一カム部材134の回転を第二カム部材135に伝達する力は、第一アーム136及び第二アーム137が第一カム部材134に取付けられている部位と、第一カム部材134の回転中心との間の左右方向の距離に比例している。そのため、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向へ回転するのに従って、第一アーム136では第二カム部材135を回転させようとする力が小さくなるのに対して、第二アーム137では第二カム部材135を回転させようとする力が大きくなる。
従って、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向への回転角度が45度を越えると、第一アーム136よりも第二アーム137の方が第二カム部材135を回転させようとする力が大きくなり、主に第二アーム137を介して、第二カム部材135が時計回りの方向へ回転することとなる。そして、鍵穴132に挿入した鍵を、通常の状態から、時計回りの方向へ90度の角度まで回転させることができる(図43(c)を参照)。
なお、鍵により、通常の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態から、時計回りの方向へ90度回転させて通常の状態に復帰させる際には、上記とは逆の作用により動作することとなる。
このように、本実施形態のシリンダ錠130によれば、第一カム部材134と第二カム部材135とを、互いに90度の角度で位相させて取付けた第一アーム136と第二アーム137とで連結して、回転を伝達させるようにしているため、第一カム部材134(鍵穴132に挿入された鍵)がどの回転位置にあっても、第一アーム136及び第二アーム137の少なくとも一方により回転を伝達させて、第二カム部材135(回転伝達部材133)を回転させることができ、扉枠3や本体枠4の施錠や開錠を良好なものとすることができる。
また、本実施形態のシリンダ錠130によれば、回転伝達機構としての第一アーム136及び第二アーム137により回転を伝達させることで、シリンダ本体131の軸芯に対して、回転伝達部材133(本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654)の軸芯を、異なる位置に設けることができるため、施錠ユニット650を変更しなくても、扉枠3におけるシリンダ本体131の位置を任意の位置に変更することが可能となり、扉枠3の装飾の邪魔にならない部位にシリンダ本体131(鍵穴132)を設けることができ、扉枠3の装飾性の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、扉枠3においてシリンダ本体131の位置を変更しても、本体枠4における施錠ユニット650を変更する必要がないため、施錠ユニット650を流用することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
ところで、従来のシリンダ錠130Aでは、シリンダ本体131の後方に回転伝達部材133が設けられているため、当該構成を知見している不正行為者が、前方からシリンダ本体131の後方へ工具を挿入し、当該工具により回転伝達部材133を不正に回転させることで、扉枠3を開けて不正行為を行う恐れがある。これに対して、本実施形態のシリンダ錠130は、シリンダ本体131の軸芯(後方)から離れた位置に回転伝達部材133を設けていることから、シリンダ本体131の後方に工具を挿入して回転伝達部材133を回転させようとしても、当該部位に回転伝達部材133が存在していないため、回転伝達部材133を回転させることができず、扉枠3や本体枠4等を開けた不正行為が行われることを防止することができる。
更に、シリンダ錠130において、第一アーム136に対して第二アーム137が、第一カム部材134及び第二カム部材135において90度の回転角度で離間した部位同士を連結しているため、第一アーム136又は第二アーム137の一方の第一カム部材134及び第二カム部材135に取付けられている部位が、第一カム部材134の中心と第二カム部材135の中心とを結んだ直線上に位置しても、第一アーム136又は第二アーム137の他方が、第一カム部材134の中心と第二カム部材135の中心とを結んだ直線から最も離れた部位同士を連結している状態となる。従って、第一アーム136又は第二アーム137の一方が、第一カム部材134及び第二カム部材135の死点に位置することで、第一カム部材134からの回転を第二カム部材135へ伝達させることができなくても、第一アーム136又は第二アーム137の他方が、第一カム部材134からの回転を第二カム部材135へ伝達させることができるため、第一カム部材134の回転に大きな抵抗がかかることはなく、鍵穴132に挿入されている鍵を滑らかに回転させることができ、開錠・施錠を容易に行うことができると共に、鍵穴に挿入された鍵を無理に回転させられることを回避させることができ、鍵の破損を防止することができる。
また、第一アーム136と第二アーム137の二つのアームで鍵穴132に挿入された鍵の回転を偏芯した位置に設けられている回転伝達部材133へ伝達させるようにしているため、何らかの理由により一方のアームが破損しても、残りのアームにより回転を伝達させることができ、信頼性の高いシリンダ錠130を有したパチンコ機1を提供することができる。
また、滑らかな棒状(帯板状)の第一アーム136及び第二アーム137により、鍵穴132に挿入された鍵の回転を偏芯した位置に設けられている回転伝達部材133へ伝達させるようにしているため、ギアにより回転を伝達させるようにした場合では、工具の先端をギアの歯に引掛けることでギアが回転して回転伝達部材133が回転させられてしまう恐れがあるが、第一アーム136及び第二アーム137を表面が滑らかな棒状としていることで、工具の先端を第一アーム136や第二アーム137に引っ掛かり難くすることができ、第一アーム136や第二アーム137が動かされることで回転伝達部材133が回転させられてしまうことを回避させることができ、施錠ユニット650が不正に操作されて扉枠3や本体枠4が開錠させられてしまうことを確実に防止することができる。
なお、本実施形態のシリンダ錠130では、第一カム部材134の回転を第二カム部材135へ伝達させる回転伝達機構として、第一アーム136と第二アーム137とを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、複数の歯車を用いた回転伝達機構、歯車とラックギアを用いた回転伝達機構、スプロケットとチェーンを用いた回転伝達機構、プーリとベルトを用いた回転伝達機構、等としても良い。
[3-1i.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図44及び図45を参照して詳細に説明する。図44(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図45(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図44(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図45(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図126を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222を下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダ242が作動伝達部242bと共に下方へスライドし、作動伝達部242bの下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部242bと共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネによって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネによって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図45(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3-1j.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図46及び図47を参照して詳細に説明する。図46(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図47は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図79を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3-2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、中間補強フレーム117の上フランジ部117bに載置されるように、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム117の後フランジ部117cとの間の空間内に挿入可能とされている(図37及び図85を参照)。本実施形態では、係止片161bの後面が後フランジ部117cの前面と当接する。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム117の後フランジ部117cとの間の隙間に上方から挿入すると共に上フランジ部117bに載置した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3-3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3-4a.ハンドルユニット]
続いて、扉枠3におけるハンドルユニット180について、図48~図52等を参照して詳細に説明する。図48は扉枠におけるハンドルユニットと皿ユニットと演出操作ユニットとを前から見た分解斜視図であり、図49は扉枠におけるハンドルユニットと皿ユニットと演出操作ユニットとを後ろから見た分解斜視図である。図50は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図51は扉枠におけるハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図52(a)はハンドルユニットにおけるハンドルベースとハンドルとハンドル復帰バネとハンドルタッチセンサとの関係を斜視図で示す説明図であり、(b)は(a)を分解して斜視図で示す説明図である。図53は、ハンドルユニットにおけるハンドルベースとハンドルとハンドル復帰バネとハンドルタッチセンサとインナーベースとの関係を後ろから見た斜視図で示す説明図である。なお、図53では、判り易いようにハンドル復帰バネ190における第一取付部190aの位置を変更して示している。
本実施形態のハンドルユニット180は、円筒状のハンドルカバーユニット290内において、前方から扉枠ベースユニット100に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面に取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル197と、ハンドル197の前端側の中央を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLED184aが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドル前レンズ185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル197の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル197が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル197に取付けられハンドル197を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291の後筒部の内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドルカバーベース291の三つの突条と対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条と一致させた状態で、基部181aをハンドルカバーベース291の後筒部内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条が挿入されることで、ハンドルベース181がハンドルカバーベース291に対して相対回転不能な状態となる。
また、ハンドルベース181は、その内部に前方からハンドルタッチセンサ192が収容されるセンサ収容凹部181dと、ハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aが当接するタブ当接部181eと、タブ当接部181eに設けられている取付孔181fと、を備えている(図52を参照)。センサ収容凹部181dにハンドルタッチセンサ192を収容させると共に、ハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aをタブ当接部181eに当接させた状態にすると共に、前方からインナーベース186の後部をハンドルベース181に挿入し、インナーベース186の取付片186a(図53を参照)をタブ状端子192aの前方に位置させる。そして、インナーベース186の取付片186aの前方から取付ネジ(図示は省略)を取付孔181fにねじ込んで締め付けることにより、ハンドルベース181にハンドルタッチセンサ192をインナーベース186と一緒に取付けることができる。この際に、ハンドル復帰バネ190の後端側に設けられているU字状の第二取付部190bを、インナーベース186の取付片186aとハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aとで一緒に挟むように取付ネジをねじ込むことで、ハンドル復帰バネ190の後端側をハンドルベース181に取付けることができると共に、ハンドル復帰バネ190とハンドルタッチセンサ192とを電気的に接続することができる。このハンドルベース181におけるタブ当接部181eの部位は、ハンドル197における後述するスリット197eを通して前方から臨むことができ、そのスリット197eを通して工具としてのドライバーを前方からアプローチさせることができる。
ハンドル197は、表面に導電性を有するメッキ層が設けられている。ハンドル197は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起197a、第二突起197b、第三突起197c、及び第四突起197dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット197eと、一方のスリット197eの一端側でハンドル197の中心側へ凹んだ部位で前方へ臨むように設けられているバネ取付片197fと、バネ取付片197fを前後に貫通している取付孔197gと、を備えている。
ハンドル197におけるバネ取付片197fの上面に、ハンドル復帰バネ190における前端に設けられている環状の第一取付部190aを当接させた状態で、前方から取付ネジ(図示は省略)を取付孔197gにねじ込んで締め付けることにより、ハンドル復帰バネ190の前端側を前方から取付けることができると共に、ハンドル197の表面のメッキ層とハンドル復帰バネ190とを電気的に接続することができる。これにより、金属製のハンドル復帰バネ190を介して、ハンドルタッチセンサ192とハンドル197とが電気的に接続された状態となり、遊技者によるハンドル197への接触を検知することが可能となる。
なお、ハンドル197における四つの第一突起197a、第二突起197b、第三突起197c、及び第四突起197dは、正面視において反時計回りの方向に順番に備えられている。
このように、本実施形態のハンドルユニット180によれば、ハンドルタッチセンサ192とハンドル197とを電気的に接続している金属製のハンドル復帰バネ190の両端を、それぞれ取付ネジにより取付けているため、ハンドル復帰バネ190の両端を単に接触させているだけの場合と比較して、確実に電気的に接続することができ、接触不良(ハンドルタッチセンサ192の検知不具合)を確実に防止することができる。従って、本パチンコ機1を設置している遊技ホールにおいて、清掃の際に使用されるアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液が、ハンドルユニット180内に侵入したり、薬液からガスなどが発生してハンドル復帰バネ190などに付着したりすることにより表面が腐食や酸化しても、接触不良が発生することはなく、ハンドルタッチセンサ192により遊技者の接触を確実に検知することができる。
また、本実施形態のハンドルユニット180は、ハンドル復帰バネ190の両端である第一取付部190aおよび第二取付部190bに対して、ハンドル197のスリット197eを通して前方から取付ネジを回すためのドライバーをアプローチさせることができるため、ハンドルユニット180を組立て易くすることができると共に、メンテナンスが容易である。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面に対して、ハンドルカバーユニット290を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面は、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル197が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
[3-4a-1.ハンドルユニットの変形例]
続いて、ハンドルユニットの変形例について説明する。なお、以下に示す複数の変形例は、一つの変形例のみを用いても良いし、上記の実施形態と共に複数の変形例を適宜組み合わせて用いても良い。
(変形例1)
上記の実施形態では、ハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aとハンドル復帰バネ190の第二取付部190bとを、取付ネジで一緒に取付けるものを示したが、これに限定するものではない。例えば、ハンドル197に突起部を設けると共に、ハンドル復帰バネ190の前端側(第一取付部190a)の形状をハンドル197の突起部の外周の一部に沿った形状とするようにして、ハンドル復帰バネ190の前端を突起部に係止させるようにしても良い。これにより、ハンドル復帰バネ190の前端側が突起部に対して線接触するようになり、点接触と比較して接触部分が増えることで接触不良の発生を防止することができる。この場合、ハンドル197の突起部を、清掃などに使用されるアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液がかかり難い部位に設けることが望ましい。または、アルコールなどの薬液がかからないように当該部位にカバーを設けても良い。
(変形例2)
また、例えば、図54に示すような構成としても良い。図54は、ハンドルユニットの変形例でありハンドルベースとハンドルとハンドル復帰バネとハンドルタッチセンサとインナーベースとの関係を後ろから見た斜視図で示す説明図である。この変形例では、ハンドル197を本体部197Aと環状のリング部197Bとで構成しており、リング部197Bが、金属または表面にメッキ層を有する樹脂で形成されている。ハンドル197のリング部197Bは、ハンドル197の後端(ハンドルベース181の前端)において外周面が外部へ露出するように設けられている。そして、このリング部197Bとハンドルタッチセンサ192とを電線198で電気的に接続するようにしても良い。
具体的には、両端に丸端子198aが設けられた電線198の一方の丸端子198aを、インナーベース186の取付片186aとハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aとの間に挟まれるように、それらと一緒に取付ネジでねじ止めし、電線198の他方の丸端子198aを、ハンドル197におけるリング部197Bの取付部197hにねじ止めする。これにより、遊技者がハンドル197を握るとその指がリング部197Bに接触することとなり、リング部197B及び電線198を介して接触を検知することができる。従って、上記と同様に、接触不良(ハンドルタッチセンサ192の検知不具合)を確実に防止することができるため、本パチンコ機1を設置している遊技ホールにおいて、清掃の際にアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液が使用されても、接触不良が発生することはなく、ハンドルタッチセンサ192により遊技者の接触を確実に検知することができる。
なお、ハンドル197のリング部197Bは、本体部197Aに固定されて一体回転可能に設けられていても良いし、本体部197Aまたはハンドルベース181にガイドされて相対回転可能に設けられていても良い。また、上記では、環状のリング部197Bを示したが、C形状のように一周していない非環状のリング部197Bでも良い。
また、上記では、ハンドル197が本体部197Aとリング部197Bとで構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、リング部197Bがハンドル197とは別構成の独立したものであっても良い。
(変形例3)
また、例えば、ハンドルタッチセンサ192を別の位置に設け、両端に丸端子198aが設けられた電線198を使用して、一方の丸端子198aをタブ状端子192aと一緒に取付ネジでねじ止めすると共に、他方の丸端子198aをハンドル復帰バネ190の第二取付部190bと一緒に取付ネジでねじ止めするようにしても良い。これによっても、上記と同様に、接触不良(ハンドルタッチセンサ192の検知不具合)を確実に防止することができるため、本パチンコ機1を設置している遊技ホールにおいて、清掃の際にアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液が使用されても、接触不良が発生することはなく、ハンドルタッチセンサ192により遊技者の接触を確実に検知することができる。なお、この場合、ハンドル復帰バネ190の前端側(第一取付部190a)は、ハンドル197に対して取付ネジで取付けても良いし、ハンドル197に設けた突起部に係止するようにしても良い。
(変形例4)
また、例えば、ハンドル197の裏面に取付孔を設け、両端に丸端子198aが設けられた電線198の一方の丸端子198aを、ハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aと一緒に取付ネジでねじ止めし、他方の丸端子198aをハンドル197の取付孔にねじ込まれる取付ネジによりねじ止めするようにしても良い。この際に、電線198の長さを、ハンドル197が回転できる長さとしておく。なお、ハンドル197における電線198の丸端子198aがねじ止めされる部位としては、例えば、図54に示すようなハンドル197にリング部197Bを有する場合、当該リング部197Bを本体部197Aと一体回転するように設け、そのリング部197Bの取付部197hに丸端子198aをねじ止めするようにしても良い。これによっても、上記と同様に、接触不良(ハンドルタッチセンサ192の検知不具合)を確実に防止することができるため、本パチンコ機1を設置している遊技ホールにおいて、清掃の際にアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液が使用されても、接触不良が発生することはなく、ハンドルタッチセンサ192により遊技者の接触を確実に検知することができる。
(その他の変形例)
上記では、ハンドル197に設けられているメッキ層にねじ止めするものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、ハンドル197に、金属部が設けられている場合は、その金属部にねじ止めして、ハンドルタッチセンサ192と電気的に接続するようにしても良い。この金属部としては、例えば、上記のリング部197Bを金属製としたものでも良い。
また、上記では、ハンドルタッチセンサ192としてタブ状端子192aを有したものを示したが、これに限定するものではなく、ハンドルタッチセンサにコネクタを有しているものでも良い。この場合、コネクタに接続した電線の先端側を直接、或いは、ハンドル復帰バネ190を介して、ハンドル197と電気的に接続すれば良い。
[3-4a-2.小括]
上記のハンドルユニット180には、以下のような技術的特徴を有している。
(技術的特徴の背景)
遊技機としてのパチンコ機には、遊技領域へ遊技球を発射するために遊技者が操作するハンドルと、遊技者がハンドルに触れていることを検知するためのタッチセンサと、が設けられている(例えば、特許文献:特開2020-137794号公報)。そして、上記特許文献のような従来の遊技機では、ハンドルを元の位置に復帰させるためのバネを介して、タッチセンサとハンドルとを電気的に接続して、遊技者によるハンドルへの接触を検知していた。この種の従来の遊技機では、ハンドルを復帰させるバネにおいて、タッチセンサ側の端部と、ハンドル側の端部とを、当該バネの付勢力を利用して接触させるようにしていた。
ところで、遊技機を設置している遊技ホールにおいて、遊技機を清掃・消毒する際に、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムのような薬液が使用される場合がある。そして、清掃などに使用された薬液がハンドル内に侵入したり、ガスなどが発生してバネなどに付着すると、バネなどの表面が腐食や酸化して電気的な接触不良が発生する恐れがあり、当該接触不良により遊技球の発射が不安定になったり、遊技球を発射させることができなくなったりして、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、遊技者によるハンドルの接触を確実に検知することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技球を遊技領域へ発射するためのハンドルユニットを備えた遊技機であって、
前記ハンドルユニットは、
回転可能なハンドルと、
該ハンドルを回転可能に支持しているハンドルベースと、
該ハンドルベースに設けられているタッチセンサと、
該タッチセンサの電極タブ、または、該電極タブもしくは前記タッチセンサのコネクタに接続されている電線の先端、と一緒に一端側がネジ止めされていると共に、前記ハンドルのメッキ部もしくは金属部に他端側が接触しており、線状に形成された金属の線状体とを具備している」ことを特徴とする。
ここで、「線状体」としては、「バネ」、「電線」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球を遊技領域へ発射するためのハンドルユニットを備えた遊技機であって、ハンドルユニットは、回転可能なハンドルと、ハンドルを回転可能に支持しているハンドルベースと、ハンドルベースに設けられているタッチセンサと、タッチセンサの電極タブ、または、電極タブもしくはタッチセンサのコネクタに接続されている電線の先端、と一緒に一端側がネジ止めされていると共に、ハンドルのメッキ部もしくは金属部に他端側が接触しており、線状に形成された金属の線状体と、を具備しているものである。([発明を実施するための形態]では、[3-4a.ハンドルユニット]の章、図50~図54等の記載を参照)
本構成では、遊技球を遊技領域へ発射するためのハンドルユニットにおいて、ハンドルのメッキ部もしくは金属部に他端側が接触している金属の線状体の一端側を、ハンドルベースに設けられているタッチセンサの電極タブ、又は、電極タブもしくはタッチセンサのコネクタに接続されている電線の先端、と一緒にネジ止めしている。つまり、線状体の一端側を、タッチセンサの電極タブ、または、電極タブやコネクタを介してタッチセンサと電気的に接続されている電線の先端、に対してネジ止めしている。これにより、線状体の一端側をネジ止めせずに単に接触させているだけの場合と比較して、遊技機の清掃などの際に使用されたアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液が、ハンドル内に侵入したり、ガスなどが発生してバネなどに付着したりすることにより表面が腐食や酸化しても、接触不良が発生することはなく、線状体を介してタッチセンサにより遊技者のハンドルへの接触を確実に検知することができる。従って、タッチセンサによる検知不具合により遊技球の発射が不安定になったり、遊技球を発射させることができなくなったりすることはなく、遊技者に対して良好な状態で遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、タッチセンサの電極タブをネジ止めすると、タッチセンサがハンドルベースに取付けられるようにすることが望ましい。これにより、線状体の一端側の取付けとタッチセンサの取付けとを同時に行うことができ、組み立てや分解にかかる手間を低減させることができる。
また、線状体の他端側を、ハンドルから突出している突起部に係止させるようにしても良い。これにより、線状体の他端側をハンドルの突起部に係止させることにより電気的に接続されることとなるため、ハンドルユニットの組立てや分解にかかる手間(工数)を少なくすることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、線状体の他端側を、ハンドルにネジ止めするようにしても良い。これにより、線状体の他端側もハンドルにネジ止めするようにしているため、一端側に加えて他端側でも接触不良が発生し難いものとすることができる。従って、遊技機の清掃の際に、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液により線状体などが腐食や酸化しても、接触不良が発生することはなく、線状体を介してタッチセンサにより遊技者のハンドルへの接触を確実に検知することができる。
また、上記のように、線状体の他端側もネジ止めする場合、線状体の一端側と他端側において、それぞれのネジ(取付ネジ)に対して、同じ方向からドライバーなどの工具をアプローチできるようにすることが望ましい。これにより、線状体の両端に対して同じ方向からネジ止めすることができるため、ハンドルユニットの組み立てにかかる手間を少なくすることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、線状体を、ハンドルを軸芯周りに付勢しているバネとすることが望ましい。これにより、ハンドルとタッチセンサとを電気的に接続している線状体を、ハンドルを付勢しているバネとしているため、線状体をバネとは別の部材(例えば、電線)とする場合と比較して、ハンドルユニットの部品点数を少なくすることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記線状体は、前記他端側が前記ハンドルから突出している突起部に係止されている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「突起部」としては、「ハンドルと一緒に一体成形されているもの」、「ハンドルに対してインサート成形されているもの(例えば、金属ピン)」、「ハンドルとは別体でハンドルに取付けられているもの(例えば、金属ピン、ネジ、など)」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、線状体の他端側を、ハンドルから突出している突起部に係止させるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、[3-4a.ハンドルユニット]の章を参照)
これにより、線状体の他端側をハンドルの突起部に係止させることにより電気的に接続されることとなるため、ハンドルユニットの組立てや分解にかかる手間(工数)を少なくすることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、線状体の他端側をハンドルの突起部に係止させた上でネジ止めするようにしても良い。これにより、線状体において、一端側に加えて他端側でも接触不良が発生し難いものとすることができ、タッチセンサにより遊技者によるハンドルの接触を確実に検知することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記線状体は、前記他端側が前記ハンドルにネジ止めされている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、線状体の他端側を、ハンドルにネジ止めするものである。([発明を実施するための形態]では、ハンドル復帰バネ190、及び図52などの記載を参照)
これにより、線状体の他端側もハンドルにネジ止めするようにしているため、一端側に加えて他端側でも接触不良が発生し難いものとすることができる。従って、遊技機の清掃の際に、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液により線状体などが腐食や酸化しても、接触不良が発生することはなく、線状体を介してタッチセンサにより遊技者のハンドルへの接触を確実に検知することができる。
なお、線状体の一端側と他端側とをそれぞれネジ止めするようにしていることから、それぞれのネジ(取付ネジ)に対して、同じ方向からドライバーなどの工具をアプローチできるようにすることが望ましい。これにより、線状体の両端に対して同じ方向からネジ止めすることができるため、ハンドルユニットの組み立てにかかる手間を少なくすることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記線状体は、前記ハンドルを軸芯周りに付勢しているバネである」
ことを特徴とする。
手段4の構成によると、線状体を、ハンドルを軸芯周りに付勢しているバネとするものである。([発明を実施するための形態]では、ハンドル復帰バネ190の記載を参照)
これにより、ハンドルとタッチセンサとを電気的に接続している線状体を、ハンドルを付勢しているバネとしているため、線状体をバネとは別の部材(例えば、電線)とする場合と比較して、ハンドルユニットの部品点数を少なくすることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技者によるハンドルの接触を確実に検知することが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の扉枠3におけるハンドルユニット180は上記解決手段のハンドルユニットに、本実施形態におけるハンドルユニット180のハンドルベース181は上記解決手段のハンドルベースに、本実施形態におけるハンドルユニット180のハンドル復帰バネ190は上記解決手段の線状体及びバネに、本実施形態におけるハンドルユニット180のハンドルタッチセンサ192は上記解決手段のタッチセンサに、本実施形態におけるハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aは上記解決手段の電極タブに、本実施形態におけるハンドルユニット180のハンドル197は上記解決手段のハンドルに、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、扉枠3における遊技球Bを遊技領域5aへ発射するためのハンドルユニット180において、ハンドル197のメッキ部に他端側(第一取付部190a側)が接触している金属の線状体としてのハンドル復帰バネ190の一端側(第二取付部190b側)を、ハンドルベース181に設けられているハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aと一緒にネジ止めしている。つまり、ハンドル復帰バネ190の一端側を、ハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aに対してネジ止めしている。これにより、ハンドル復帰バネ190の一端側をネジ止めせずに単に接触させているだけの場合と比較して、パチンコ機1の清掃などの際に使用されたアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液が、ハンドルユニット180内に侵入したり、ガスなどが発生してバネなどに付着したりすることにより表面が腐食や酸化しても、接触不良が発生することはなく、ハンドル復帰バネ190を介してハンドルタッチセンサ192により遊技者のハンドル197への接触を確実に検知することができる。従って、ハンドルタッチセンサ192による検知不具合により遊技球Bの発射が不安定になったり、遊技球Bを発射させることができなくなったりすることはなく、遊技者に対して良好な状態で遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、ハンドルタッチセンサ192のタブ状端子192aをネジ止めすると、ハンドルタッチセンサ192がハンドルベース181に取付けられるようにしているため、ハンドル復帰バネ190の一端側(第二取付部190b側)の取付けとハンドルタッチセンサ192の取付けとを同時に行うことができ、組み立てや分解にかかる手間を低減させることができる。
更に、ハンドル復帰バネ190の他端側(第一取付部190a側)を、ハンドル197にネジ止めするようにしているため、一端側(第二取付部190b側)に加えて他端側(第一取付部190a)でも接触不良が発生し難いものとすることができる。従って、パチンコ機1の清掃の際に、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液によりハンドル復帰バネ190などが腐食や酸化しても、接触不良が発生することはなく、ハンドル復帰バネ190を介してハンドルタッチセンサ192により遊技者のハンドル197への接触を確実に検知することができる。
また、ハンドル復帰バネ190の一端側(第二取付部190b側)と他端側(第一取付部190a側)において、それぞれのネジ(取付ネジ)に対して、同じ方向(ここでは前方)からドライバーなどの工具をアプローチできるようにしており、ハンドル復帰バネ190の両端に対して同じ方向からネジ止めすることができるため、ハンドルユニット180の組み立てにかかる手間を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、ハンドル197とハンドルタッチセンサ192とを電気的に接続する線状体を、ハンドル197を付勢しているハンドル復帰バネ190としているため、線状体をハンドル復帰バネ190とは別の部材(例えば、電線)とする場合と比較して、ハンドルユニット180の部品点数を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、ハンドル復帰バネ190の他端側(第一取付部190a側)を、ハンドル197から後方へ突出している突起部に係止させるようにしても良い。これにより、ハンドル復帰バネ190の他端側をハンドル197の突起部に係止させることにより電気的に接続されることとなるため、ハンドルユニット180の組立てや分解にかかる手間(工数)を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[3-4b.ハンドルカバーユニット]
扉枠3におけるハンドルカバーユニット290について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。ハンドルカバーユニット290は、ハンドルユニット180におけるハンドル197よりも後側の外周を覆い、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面に取付けられるハンドルカバーベース291と、ハンドルカバーベース291との間に間隔をあけてその外周を覆い、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられるハンドルカバー295と、を備えている。
ハンドルカバーベース291は、ハンドルベース181の基部181aを挿入可能な内径で前後に延びている筒状の後筒部と、後筒部の内周から内側へ突出していると共に前後に延びており、周方向におけるハンドルベース181の溝部181cと対応した位置に複数(ここでは三つ)設けられている突条と、を備えている。
後筒部は、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面に取付けられる。この後筒部は、ハンドルベース181の基部181aと同じ長さに形成されており、内部にハンドルベース181の基部181aが挿入される。三つの突条は、ハンドルベース181の三つの溝部181cと対応しており、溝部181c内に挿入されることで、ハンドルベース181を相対回転不能とすることができる。
ハンドルカバー295は、前端にハンドル197よりも大径の前孔295aを有し、後方へ向かうに従って膨出するような紡錘台(かまくら型、或いは、お椀型、等)の筒状に形成されており、後端から前方へ向かって切欠かれた切欠開口部295bが周方向へ複数(ここでは四つ)設けられている。ハンドルカバー295は、ハンドルカバー295の後端は、皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられる。
本実施形態のハンドルカバーユニット290は、飲み物等の液体や遊技球B等が筒内に侵入しても、下側の切欠開口部295bを介してハンドルカバーユニット290の下方へ排出させることができる。
また、ハンドルカバー295の下側の切欠開口部295bは、外枠2の外枠下組立体40におけるグリル部材46の羽根部46bの傾斜方向の延長線上に設けられている。これにより、本体枠スピーカ622の振動により羽根部46bを介してグリル部材46から斜め上前方へ放出された風(風圧)を、切欠開口部295bを通して、筒内へ進入させることができる。従って、遊技者が、ハンドルカバー295の筒内に手指を突っ込んで、ハンドル197を回転操作(遊技球Bの打込装置)している時に、本体枠スピーカ622を振動させて前筒部291a内へ風を送ることで、遊技者を驚かせることができ、これまでにない演出を行うことができる。つまり、ハンドル197を操作している遊技者の指に対して、音圧による刺激を付与することができるため、遊技者を驚かせたり、チャンスの到来を予感させたり、ハンドル操作の操作量を変更させたり、することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、切欠開口部295bを通してハンドルカバーユニット290内に本体枠スピーカ622からの音圧(音風)を供給することができるため、ハンドルカバーユニット290内を涼しくすることができ、ハンドル197を操作している遊技者の手指まわりの環境を快適にすることで、遊技者にかかるストレスを緩和させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、ハンドルカバーユニット290内に指を挿入した状態でハンドル197を操作している遊技者の指に対して、ハンドル197やハンドルカバーユニット290が設けられている扉枠3とは異なる外枠2の外枠下組立体40に設けられたポート部材47から前方へ放出される音圧(音風)を、グリル部材46の複数の羽根部46bにより誘導して刺激を付与するようにしているため、ハンドル197に振動装置を設けるようにした場合と比較して、ハンドル197に設けられている各種のセンサ(ハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、等)や軸受機構等にダメージを与えることはなく、ハンドルユニット180を破損し難くすることが可能となり、ハンドルユニット180の破損により遊技者に不快感を与えてしまうことを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、ハンドルカバー295に切欠開口部295bを有しているため、扉枠3や本体枠4を開ける際に、右側の切欠開口部295bに指を掛けて引っ張ることができ、扉枠3等を開放する時の取っ手とすることができる。
また、ハンドルカバー295に切欠開口部295bを有しているため、ハンドル197と切欠開口部295bとに指を掛けて掴むようにすることで、ハンドル197の回転位置を簡単に固定することができ、手をひねり続けていなくても一定の強さで遊技球Bを遊技領域5a内へ打込み続けることができる。このように、多様な方法でハンドル197を回転させて遊技球Bを打込むことができるため、遊技者に適した打込操作を選択可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、扉枠3におけるヒンジ側とは反対側の右下隅にハンドル197を設けていると共に、ハンドルカバーユニット290のハンドルカバー295における外周面の右側を向いている部位に切欠開口部295bを設けているため、当該切欠開口部295bを、扉枠3を開閉させる時の取っ手に用いることができる。従って、扉枠3に見栄えが悪くなるような取っ手を設ける必要が無く、扉枠3の見栄えを良くすることができる。
[3-5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース(図示は省略)と、取付ベースの右方に取付けられている皿ユニット中継基板(図示は省略)と、取付ベースの上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベースの下方に取付けられている上皿球抜前ユニット(図示は省略)と、上皿球抜前ユニットの後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、遊技者が前後方向へのレバー操作が可能なレバー操作部304と、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210に取付けられるベースユニット400と、ベースユニット400に対して左右方向に延びた軸周りに回動可能に取付けられているレバー操作部ユニット410と、を備えている。押圧操作部303は、ベースユニット400の上面に設けられている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3-5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図37を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口(図示は省略)の上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口を通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具が備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3-5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図48等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている(図29を参照)。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方に対して左寄りで演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3-5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の後面で右下隅付近に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、皿ユニットベース211の前面の上部に取付けられている球貸操作ユニット220と、球貸操作ユニット220の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット(図示は省略)と、上皿球抜前ユニットの後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3-5c-1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口(図示は省略)と、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口は、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口(図示は省略)の前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口から球送給誘導路へ供給される。
[3-5c-2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3-5c-3.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105(図72を参照)と、皿左装飾基板、皿右装飾基板、及び回転体装飾基板416等との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の後面における右下隅付近に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3-5c-4.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図48及び図49を参照して説明する。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、音量を調節したり、光量を調節したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222と、球貸ボタン224と、返却ボタン225と、球貸表示部226と、十字状に配置された四つのボタンからなる調節ボタン229と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されており、上面に「玉」の文字が施されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部226は、三つの7セグメントLEDと一つの砲弾型LEDにより構成されており、発光している状態で遊技者側から良好に視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部226には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部226には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
調節ボタン229は、扉枠3のトップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される音楽、音声、効果音、等の演出用のサウンドの音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの光量(輝度)や演出表示装置1600の表示画面の明るさ等を調節したり、するためのものである。
ところで、演出操作部301の押圧操作部303等を用いて音量や光量を調節するようにした場合、演出操作部301の操作を必要とする遊技者参加型演出が実行されていない時に、演出操作部301を適宜操作して音量や光量等を調節するための設定用のメニューを演出表示装置1600に表示させて調節する項目を選択した上で、押圧操作部303やレバー操作部304を操作して音量の大きさや光量の明るさ等を変更することとなり、音量や光量を調節するのに手間(時間)がかかることとなる。これに対して、本実施形態によれば、調節ボタン229を操作することで、音量や光量を直接(ダイレクト)に調節することができ、音量や光量の調節にかかる手間を簡略化して短時間で調節することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[3-5c-5.上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット240について、主に図49を参照して詳細に説明する。上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口を後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ(図示は省略)と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口(図示は省略)と、球受口に受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路と、後ベース241の後面において球送給誘導路よりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口は、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口を通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路は、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口及び球送給誘導路を通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路の下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部(図示は省略)と、作動受部の後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部は、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部が、皿ユニットベース211を後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部の上面に上皿球抜ボタン222の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネは、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネの付勢力により上方への移動端に位置しており、バネの付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜後ユニット240は、バネの付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部を介して上皿球抜ボタン222を上方への移動端に位置させている。また、バネの付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口へ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口及び球送給誘導路を通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネの付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3-5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図48等を参照して詳細に説明する。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と、を備えている。
[3-5d-1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図48等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3-5d-2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部と、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部との間で前後に貫通している下皿開口部252dと、を備えている。左右の上部サイド膨出部252aは、夫々の前面に皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275が取付けられる。
更に、図示は省略するが、皿ユニット本体252は、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部を備えている。演出操作ユニット取付部は、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。
[3-5d-3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図48等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿球抜ボタン263と、下皿球抜ボタン263の操作により貫通孔を開閉する下皿球抜蓋と、を備えている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252における下部前面装飾部の前面と一致していると共に、下皿球抜蓋が下皿球抜孔202aを閉鎖している。この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、下皿球抜蓋が移動して、下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧により下皿球抜蓋を移動させると、下皿球抜蓋が移動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部の前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧した後に押圧を放すと、下皿球抜蓋が通常の状態の位置に復帰し、下皿球抜孔202aが閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3-5d-4.皿左装飾ユニット及び皿右装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275について、主に図48等を参照して詳細に説明する。皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左装飾体271と、皿左装飾体271の後側に設けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左装飾基板と、を備えている。皿左装飾基板に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット420の下端と連続している。皿左装飾ユニット270は、皿左装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左装飾基板の複数のLEDを発光させると、皿左装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右装飾体276と、皿右装飾体276の後側に設けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右装飾基板と、を備えている。皿右装飾基板に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット430の下端と連続している。皿右装飾ユニット275は、皿右装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右装飾基板の複数のLEDを発光させると、皿右装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252における上部サイド膨出部252aの前端よりも一部が上方へ突出しており、上部サイド膨出部252aとの間で皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275側が高くなった段差を形成することができる。これにより、皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差を利用して、遊技者が指を引掛けることができ、上皿201内の遊技球Bを均したり、後述する演出操作部301を操作したり、する際の指掛りとすることができる。また、皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差により、上部サイド膨出部252a上の遊技球Bが、前方へ流出することを防止することができる。
[3-5e.演出操作ユニット]
続いて、扉枠3における演出操作ユニット300について、主に図55~図59等を参照して詳細に説明する。図55(a)は扉枠において透明部分を不透明にすると共にレバー操作部を突出させていない状態で演出操作ユニットを示す斜視図であり、(b)は(a)においてレバー操作部を突出させた状態で演出操作ユニットを示す斜視図である。図56(a)はレバー操作部を突出させていない状態の演出操作ユニットを進退機構と共に右側面から示す説明図であり、(b)は(a)においてレバー操作部を突出させた状態で示す説明図である。図57(a)は透明部分を透明にした状態で演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)の演出操作ユニットの右側面図である。図58は、図55の演出操作ユニットにおけるユニット補強フレームを前から見た斜視図である。図59は、レバー操作部における回転体の回転機構を示す説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210に取付けられている(図48等を参照)。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、遊技者が前後方向へのレバー操作が可能なレバー操作部304と、から構成され、遊技者の操作を受付けたり、演出操作部301を可動(振動)させたりすることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。演出操作部301の押圧操作部303は、扉枠3の左右方向中央よりも左側の上面に設けられている。また、レバー操作部304は、扉枠3の左右方向中央に設けられている。
演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210に取付けられるベースユニット400と、ベースユニット400に対して左右方向に延びた軸周りに回動可能に取付けられているレバー操作部ユニット410と、を備えている。押圧操作部303は、ベースユニット400の上面に設けられている。
ベースユニット400は、レバー操作部ユニット410の後部を収容可能な操作部収容凹部401aを有するユニット本体401と、レバー操作部ユニット410を前後方向へ回動させることで進退させる進退機構402と、レバー操作部ユニット410を支持するためのユニット補強フレーム403と、を備えている。また、ベースユニット400は、レバー操作部ユニット410を前方へ突出する方向へ付勢しているバネ(図示は省略)を有している。
ユニット本体401は、上皿201の前端に設けられている皿左装飾体271及び皿右装飾体276と連続するように前方へ膨出している上膨出部401bと、上膨出部401bの下面から前方且つ下方へ円弧状に延出しており下端が下皿202よりも前方へ突出している下膨出部401cと、を有している。上膨出部401bにおける操作部収容凹部401aよりも左側の上面に、押圧操作部303が設けられている。このユニット本体401は、上膨出部401bが不透明に形成されているのに対して、下膨出部401cが透明に形成されている。透明な下膨出部401cを通して内部のユニット補強フレーム403や後述する回転体412等を視認することができる(図57を参照)。
進退機構402は、図56に示すように、ユニット本体401における操作部収容凹部401aより右側に設けられている。進退機構402は、ユニット本体401に取付けられている進退駆動モータ402aと、進退駆動モータ402aの回転軸に取付けられている駆動ギア402bと、駆動ギア402bと噛合している大径伝達ギア402cと、大径伝達ギア402cと一体回転し大径伝達ギア402cよりも小径の小径伝達ギア402dと、を備えている。進退機構402の小径伝達ギア402dは、レバー操作部ユニット410の右側面に設けられている円弧状の進退ラックギア411bと噛合している。
進退機構402は、進退駆動モータ402aにより駆動ギア402bを適宜方向へ回転させることで、進退ラックギア411bを介してレバー操作部ユニット410を進退(回動軸403e周りに回動)させることができる。
ユニット補強フレーム403は、図58に示すように、平板状の左補強プレート403aと、平板状の右補強プレート403bと、左補強プレート403a及び右補強プレート403bの後端同士を連結している平板状の後補強プレート403cと、左補強プレート403a及び右補強プレート403bの上部同士を連結している平板状の上補強プレート403dと、左補強プレート403a及び右補強プレート403bの下部の前端同士を連結している円柱状の回動軸403eと、左補強プレート403a及び右補強プレート403bの下部の前後方向中間部同士を連結している円柱状の連結シャフト403fと、を備えている。
ユニット補強フレーム403の左補強プレート403a及び右補強プレート403bは、前端縁が、上方へ向かうに従って後方へ移動するような円弧状に形成されている。左補強プレート403a及び右補強プレート403bには、左右に貫通している複数の装飾開口部403gが設けられている。これら装飾開口部403gは、後述する回転体412と沿うような形状に形成されている。これら装飾開口部403gを通して回転体412を視認することができる(図57を参照)。
後補強プレート403cは、左補強プレート403aと一体であり、その後部が右方へ屈曲されることにより形成されている。回動軸403eは、レバー操作部ユニット410の前端下部を、左右方向の軸芯周りに対して回動可能に支持するものである。
レバー操作部ユニット410は、透明なユニットカバー411と、ユニットカバー411内に設けられている円環状の回転体412と、ユニットカバー411内に設けられており回転体412を回転させるための回転機構413と、ユニットカバー411内における下端後部に設けられている振動機構414と、を備えている。
レバー操作部ユニット410のユニットカバー411は、後部がベースユニット400におけるユニット本体401の操作部収容凹部401a内に収容されるように形成されている。ユニットカバー411は、左右方向に延びた軸芯を中心とした円弧状で透明な筒状部411aを有している。この筒状部411aは、遊技者が掴む(握る)ことが可能な太さに形成されており、演出操作部301のレバー操作部304を構成している。この筒状部411aの内部には、回転体412の一部が挿通されている。
また、ユニットカバー411は、右側面に進退ラックギア411bが設けられている。進退ラックギア411bは、回動軸403eを中心とした円弧状に形成されている。更に、ユニットカバー411は、左側面や右側面に、組み立てるための取付ビスが取付けられる取付部411cが複数設けられている。
ところで、レバー操作部ユニット410のユニットカバー411の側面に設けられている取付部411cは、レバー操作部ユニット410が後方へ後退している後退位置、前方へ突出している突出位置、の何れにも関わらず、側面視ではユニット本体401と重なるように設けられており、当該取付部411cに対してドライバーのような工具をアプローチさせることはできない(図56を参照)。一方、レバー操作部ユニット410を突出位置の状態にすると、ユニットカバー411の側面とベースユニット400におけるユニット本体401の操作部収容凹部401aの内面との間の隙間を通して、当該取付部411cを視認することができる。これにより、取付部411cにおける取付ネジの有無や、取付ネジの緩み、等を確認することができる。
レバー操作部ユニット410の回転体412は、ユニットカバー411内に設けられていると共に、一部が筒状部411a内を通るように設けられており、ドーナツ状に形成されている。この回転体412は、表面に、金属光沢を有するメッキ部と、透光性を有する光透過部と、が設けられている。回転体412は、ユニットカバー411内に設けられている円環状のリングベース415(図33を参照)の外周縁に沿ってスライドするように設けられており、外周縁をスライドすることにより左右方向の軸芯周りに対して回転するように設けられている。図59等に示すように、回転体412は、内周面に歯車の歯先きを中心へ向けた環状のリングギア412aを有している。このリングギア412aを介して回転機構413によって回転させられる。
ところで、詳細な図示を省略するが、回転体412を回転可能に支持しているリングベース415(図33を参照)は、ユニットカバー411内において、回転体412の左右両外側に設けられている左支持板金と右支持板金とにより支持ステーを介して取付けられている。左支持板金及び右支持板金は、ベースユニット400におけるユニット補強フレーム403の左補強プレート403a及び右補強プレート403bと似たような形状に形成されている。そして、左支持板金及び右支持板金には、左右方向へ貫通している複数の開口部が設けられており、それら開口部を通して側面側から回転体412を視認することができる。また、リングベース415には、回転体412を発光装飾させるための複数のLED416aが実装された回転体装飾基板416(図33を参照)が取付けられている。
レバー操作部ユニット410の回転機構413は、図59に示すように、ユニットカバー411内に設けられており、回転軸を左右方向へ向けた回転駆動モータ413aと、回転駆動モータ413aの回転軸に取付けられている駆動ギア413bと、駆動ギア413bと噛合している第一伝達ギア413cと、第一伝達ギア413cと一体回転すると共に第一伝達ギア413cの歯数の半分の歯数を有する第二伝達ギア413dと、第二伝達ギア413dと噛合していると共に回転体412のリングギア412aと噛合している第三伝達ギア413eと、を備えている。第一伝達ギア413cと第二伝達ギア413dは、同じ直径である。この回転機構413の回転駆動モータ413aにより駆動ギア413bを回転させることで、回転体412を回転させることができる。
レバー操作部ユニット410の振動機構414は、図59に示すように、ユニットカバー411に設けられており、回転軸を左右方向へ向けた振動モータ414aと、振動モータ414aの回転軸に取付けられている駆動ギア414bと、駆動ギア414bと噛合している従動ギア414cと、従動ギア414cと一体回転し回転中心に対して重心が偏芯している分銅414dと、を備えている。振動機構414は、振動モータ414aにより分銅414dを回転させることで、振動を発生させることができる。
本実施形態の演出操作ユニット300は、レバー操作部ユニット410の重心が、回動軸403eよりも後方に位置しており、通常の状態では、図示しないバネの付勢力に抗して後方へ後退した後退位置の状態となっている。レバー操作部ユニット410を進退させる進退機構402は、駆動ギア402b、大径伝達ギア402c、小径伝達ギア402dが平歯車によって形成されているため、レバー操作部ユニット410(レバー操作部304)を前方へ引っ張ると、突出位置へ移動させることが可能である。なお、レバー操作部ユニット410は、電源が投入されていない状態(或いは、進退駆動モータ402aが駆動されていない状態)で、レバー操作部304を前方の突出位置へ引っ張って放すと、自身の自重により後退位置へ戻るようになっている。
この演出操作ユニット300では、遊技者参加型演出の実行いかんに関わらず、上面に設けられている押圧操作部303を何時でも押圧することができると共に、レバー操作部304を進退させることができる。
演出操作ユニット300は、ユニット本体401の透明部分や透明なユニットカバー411を通して、円環状の回転体412を外部から視認することができる。また、ユニット補強フレーム403の左補強プレート403a及び右補強プレート403bにそれぞれ設けられている複数の装飾開口部403gを通しても、外部から回転体412を視認することができる。この際に、装飾開口部403gの開口形状が、意匠性を有するような形状に形成されているため、左補強プレート403a及び右補強プレート403bが見えても見栄えが悪くなることはない。
そして、演出操作ユニット300では、回転機構413の回転駆動モータ413aの駆動により回転体412を任意の方向へ回転させることができ、回転体412の回転による可動演出を楽しませることができる。また、演出操作ユニット300では、回転体装飾基板416に設けられている複数のLED416aを発光させることで、回転していても回転体412を発光装飾させることができ、回転体412の発光演出を楽しませることができる。
また、演出操作ユニット300では、遊技者参加型演出の実行に応じて、進退機構402の進退駆動モータ402aの駆動によりレバー操作部ユニット410(レバー操作部304)が前方の突出位置へ移動する。このレバー操作部304による演出としては、例えば、遊技者に対してレバー操作部304を握るように促し、遊技者がレバー操作部304を押したり引いたりした時に、進退駆動モータ402aにより遊技者の操作とは逆方向へ移動するように駆動することでレバー操作部304の操作に負荷(操作抵抗)を付与するようにする。これにより、レバー操作部304の操作に対して操作感が付与されることとなり、レバー操作部304による演出を楽しませることができる。この際に、レバー操作部304の操作抵抗を強くしたり、弱くしたりすることにより、遊技(例えば、「大当り」遊技のような遊技者が有利となる有利遊技状態の発生)に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
また、レバー操作部304を操作する際に、振動機構414の振動モータ414aを駆動させることでもレバー操作部304に対する操作感を付与することができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、振動モータ414aにより強い振動を与えたり、弱い振動を与えたり、所定のリズムを有した振動を与えたりすることにより、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
また、演出操作ユニット300では、遊技者参加型演出が実行に応じて、押圧操作部303を押すように促し、押圧操作部303の押圧操作により演出を変化させることにより、押圧操作部303による演出を楽しませることができる。
[3-6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット420について、主に図29、図30、及び図60等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイドユニット420は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット420は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース421と、扉枠左サイドベース421の前面の上部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に配設された複数のLEDが実装されている扉枠左サイド上装飾基板422と、扉枠左サイドベース421の前面の下部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に配設された複数のLEDが実装されている扉枠左サイド下装飾基板と、扉枠左サイド上装飾基板422の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている左サイド上リフレクタ424と、扉枠左サイド下装飾基板の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている左サイド下リフレクタと、左サイド上リフレクタ424及び左サイド下リフレクタの前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている扉枠左サイド装飾体426と、を備えている。
また、扉枠左サイドユニット420は、扉枠左サイド上装飾基板422のLEDからの光を前方へ導光する左サイド上導光部材と、扉枠左サイド下装飾基板における上下方向の中央よりも上側のLEDからの光を前方へ導光する左サイド中導光部材と、扉枠左サイド下装飾基板における上下方向の中央よりも下側のLEDからの光を前方へ導光する左サイド下導光部材と、を備えている。
扉枠左サイドユニット420は、扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の部位の色が、ハンドルカバー295における円形や放射状の模様の部位の色と同じ色に形成されていると共に、扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の外側の部位の色が、ハンドルカバー295における円形や放射状の模様の外側の部位の色と同じ色に形成されている。
扉枠左サイドユニット420は、上下方向の中央より上側の部位が、下側の部位よりも前方へやや突出していると共に下端付近が右側に緩く湾曲している。この扉枠左サイドユニット420は、上端が扉窓101aよりも上方で扉枠上ヒンジ組立体120の下側に位置し、下端が扉窓101aよりも下方で皿ベースユニット210の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bの上側に位置している。また、扉枠左サイドユニット420は、上部が扉枠トップユニット450の左外側に位置している。扉枠左サイドユニット420は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420によれば、扉枠左サイド装飾体426の前面よりも後方へある程度離れた位置に、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板を設けているため、それらに実装されているLEDからの光が十分に広がった状態で、扉枠左サイド装飾体426の裏側に照射されることとなるため、扉枠左サイド装飾体426を均一に発光装飾させることができる。
[3-7.扉枠右サイドユニット]
次に、扉枠3における扉枠右サイドユニット430について、主に図26乃至図32、及び図60等を参照して詳細に説明する。扉枠右サイドユニット430は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット430は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられる扉枠右サイドベース431と、扉枠右サイドベース431の前面の上部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に配設された複数のLEDが実装されている扉枠右サイド上装飾基板と、扉枠右サイドベース431の前面の下部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に配設された複数のLEDが実装されている扉枠右サイド下装飾基板と、扉枠右サイド上装飾基板及び扉枠右サイド下装飾基板の前側を覆うように扉枠右サイドベース431に取付けられている右サイドリフレクタと、右サイドリフレクタの前側を覆うように扉枠右サイドベース431に取付けられている扉枠右サイド装飾体435と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板のLEDからの光を前方へ導光する右サイド上導光部材と、扉枠右サイド下装飾基板のLEDからの光を前方へ導光する右サイド下導光部材と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイドベース431の左側面を覆うように取付けられている扉枠右サイド左側面装飾体と、扉枠右サイド左側面装飾体と扉枠右サイドベース431との間に設けられており、透光性を有する右サイド左レンズ439と、扉枠右サイドベース431の右側面を覆うように覆い取付けられている扉枠右サイド右側面装飾体440と、扉枠右サイド右側面装飾体440と扉枠右サイドベース431との間に設けられており、透光性を有する右サイド右レンズ441と、を備えている。
この扉枠右サイドユニット430では、扉枠右サイドベース431のリフレクタ部431aが、左右両側面において前方及び左右方向外方へ開放されるように凹んだ形状に形成されている。また、右サイド左レンズ439及び右サイド右レンズ441の外側面は、突出した部位を有しない平坦に形成されている。更に、扉枠右サイド右側面装飾体440は、扉枠右サイドユニット430における下端から所定の高さまでの下部付近にのみ設けられている。
更に、扉枠右サイドユニット430は、右サイド左レンズ439の左外側において着脱可能に設けられている右サイド左パネル442と、右サイド右レンズ441の右外側において着脱可能に設けられている右サイド右パネル443と、を有している。
右サイド左パネル442は、透明な部材により形成されており、右側面に意匠面を左方へ向けた装飾シールが貼り付けられている。右サイド右パネル443は、透明な部材により形成されており、左側面に意匠面を右方へ向けた装飾シールが貼り付けられている。
右サイド左パネル442は、後端がガラスユニット160の前面に当接している。この右サイド左パネル442は、ガラスユニット160を取り外した状態で後方へスライドさせることで扉枠右サイドユニット430から取り外すことができる。また、右サイド右パネル443は、扉枠ベースユニット100の背面視左上隅に設けられているロックレバー444を操作することで、右方へ取り外すことができる。
扉枠右サイドユニット430は、右サイド左パネル442及び右サイド右パネル443を取り外すことができるため、パチンコ機1において仕様変更や機種変更等により遊技盤5を交換する際に、当該遊技盤5の装飾(コンセプト)と対応している装飾や絵柄が施されている右サイド左パネル442及び右サイド右パネル443に交換することで、機種変更等に容易に対応することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド左側面装飾体及び扉枠右サイド右側面装飾体440における円形や放射状の模様の部位の色が、ハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の部位の色と同じ色に形成されていると共に、扉枠右サイド左側面装飾体及び扉枠右サイド右側面装飾体440における円形や放射状の模様の外側の部位の色が、ハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の外側の部位の色と同じ色に形成されている。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430は、上下方向の中央より上側の部位が、反対側の扉枠左サイドユニット420における同じ高さの部位よりも前方へ大きく突出している。この扉枠右サイドユニット430は、扉枠3の上端から下端までと略同じ高さに形成されている。扉枠右サイドユニット430は、上部が、扉枠トップユニット450の右外側に位置している。
扉枠右サイドユニット430は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体435の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。
扉枠右サイドユニット430は、上から略半部の高さの部位までが前方へ大きく突出しており、衝立を形成している。これにより、遊技ホールの島設備において、右側に隣接して設けられているパチンコ機の前方に着座している遊技者から、扉窓101a(遊技領域5a)内を視認し辛くしている。従って、扉枠右サイドユニット430を衝立状に形成していることから、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430によれば、扉枠右サイド装飾体435の前面よりも後方へある程度離れた位置に、扉枠右サイド上装飾基板及び扉枠右サイド下装飾基板を設けているため、それらに実装されているLEDからの光が十分に広がった状態で、扉枠右サイド装飾体435の裏側に照射されることとなるため、扉枠右サイド装飾体435を均一に発光装飾させることができる。
[3-8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図24乃至図33等を参照して説明する。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット420及び扉枠右サイドユニット430の夫々の上部の間に挟まれるように扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板(図示は省略)と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド左側面装飾体と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠右サイド左側面装飾体の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠右サイド左側面装飾体の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップベース451の前面に設けられている一対のトップ中央スピーカ(図示は省略)と、一対のトップ中央スピーカの左右両外側に設けられている一対のトップサイドスピーカ(図示は省略)と、一対のトップ中央スピーカが取付けられている箱状のトップスピーカボックス458と、トップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカの前方を覆うように扉枠トップ装飾体453の下側に取付けられているトップ下カバー465と、扉枠トップベース451の前面の右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板(図示は省略)と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の上部の内側よりも後方の部位へ前方から沈み込むように接続されている。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ及び一対のトップサイドスピーカによって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
ところで、本実施形態の扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453が扉枠トップ天板468と一緒に扉枠トップベース451に対して着脱可能に設けられている。扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ天板468とは、図示しないネジを緩めることにより、所定範囲の間で前後方向へ相対的にスライドさせることが可能である。扉枠トップ装飾体453及び扉枠トップ天板468は、扉枠ベースユニット100の後方からねじ込まれている手回ネジ469を緩めることで前方へ取り外すことができる。この扉枠トップ装飾体453には、扉枠上飾体480を取付けるための飾取付部453aが設けられている。本実施形態では、飾取付部453aが扉枠トップ装飾体453の右端に設けられている。
[3-8a.扉枠上飾体]
扉枠トップユニット450に取付けられている扉枠上飾体480について、主に図20乃至図23等を参照して説明する。扉枠上飾体480は、扉枠上飾体480は、板面を左右に向けて上下方向へ延出している板状の装飾体481と、装飾体481の下部後面に設けられており、扉枠トップ装飾体453に取付けるための被取付部482と、を備えている。装飾体481は、矢の先端が上方且つやや前方を向いた矢印形状に形成されており、左右両面に装飾シールが貼り付けられている。
扉枠上飾体480は、その高さが外枠2の高さの約3/4であり、前後方向(奥行)がレバー操作部304の前端から裏カバー640の後面までの距離と略同じである。従って、扉枠上飾体480は、かなり大型であることから、遊技ホールに設置されている状態では、遠くからでも目立つこととなり、遊技者に対して高い訴求力を有している。
扉枠上飾体480は、扉枠3に取付けられている状態では、下端が扉枠トップ装飾体453よりも下方に位置していると共に、上端が扉枠トップ装飾体453よりも大きく上方に位置している。また、扉枠上飾体480の被取付部482は、扉枠右サイドユニット430における扉枠右サイド装飾体435の前面の上部と正面視において重なっている。
この扉枠上飾体480は、扉枠トップ装飾体453と一緒に扉枠3から取外すことができると共に、扉枠3から取外した状態で扉枠トップ装飾体453の飾取付部453aから取外すことができる。詳述すると、扉枠3から扉枠トップ装飾体453と一緒に取外した状態で、飾取付部453aの右側面に設けられているロックレバー453bを後方へスライドさせると、ロックが解除されて被取付部482が前方へ移動可能な状態となる。この状態で、被取付部482の上端側を中心にしてその下端側が前方へ移動するように回動させた上で、上方へ移動させると、被取付部482が飾取付部453aから外れて、扉枠上飾体480を取外すことができる。
一方、扉枠上飾体480を扉枠トップ装飾体453に取付ける場合は、下端側が前方へ位置するように被取付部482を斜めにした状態で、飾取付部453aに対して上端側を上方から係止させた上で、下端側を後方へ移動させて、被取付部482を垂直な状態にする。その後、ロックレバー453bを前方へスライドさせると、被取付部482の移動がロックされ、扉枠上飾体480を扉枠トップ装飾体453に取付けることができる。
このように、扉枠上飾体480は、扉枠3から取外されている扉枠トップ装飾体453に対して、ロックレバー453bを前後方向へスライドさせることで、簡単に取外したり取付けたりすることができる。従って、パチンコ機1において仕様変更や機種変更等により遊技盤5を交換する際に、当該遊技盤5の装飾(コンセプト)と対応している装飾が施されている扉枠トップ装飾体453や扉枠上飾体480に交換することで、機種変更等に容易に対応することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
[3-9.扉枠における防犯対策]
続いて、扉枠3における防犯対策について、主に図60及び図61を参照して詳細に説明する。図60は、扉枠におけるガラスユニットなどを使用した防犯対策の一例を横断面で示す説明図である。図61は、図60に示すガラスユニットなどを使用した防犯対策を背面から示す説明図である。なお、以下の防犯対策は、変形例も含めてそれぞれを組み合わせて使用可能であることは言うまでもない。
ガラスユニット160が取付けられる扉枠ベース101には、枠状の扉枠補強ユニット110が後方から取付けられており、この扉枠補強ユニット110の枠内にガラスユニット160が取付けられる。そして、本実施形態では、扉枠ベース101に、扉枠補強ユニット110とガラスユニット160との間を埋めるように後方へ突出している突条部101kが設けられている(図60及び図61を参照)。詳述すると、扉枠ベース101は、扉枠補強ユニット110における左補強フレーム111とガラスユニット160の左辺との間、および、右補強フレーム112とガラスユニット160の右辺との間、をそれぞれ埋めるように後面から後方へ突出していると共に上下方向に長く延びている突条部101kを有している。この突条部101kの部位では、扉枠ベース101の前後方向の肉厚がかなり厚くなっている。そして、扉枠3に組み立てた状態では、突条部101kの両側面に、扉枠補強フレーム110(左補強フレーム111及び右補強フレーム112)とガラスユニット160とがそれぞれ接している。
ところで、扉枠右サイドユニット430の右サイド左パネル442は、前後方向へスライドさせることで着脱可能に設けられているため、その着脱可能としている他の部品(例えば、右サイド左レンズ439)との間を手掛かりにしてパチンコ機1内部へ不正な工具が侵入される恐れがある。しかしながら、本実施形態の扉枠3では、右サイド左パネル442の後端側に、ガラスユニット160(ガラス板162)を設けているため、不正工具を侵入させようとしてもガラスユニット160により阻止することができる。更に、不正行為の侵入を強行するとガラスユニット160のガラス板162が割れてしまい、不正行為が行われていることを遊技ホールの係員に気付かせて不正行為を止めさせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、ガラスユニット160により不正工具の挿入を阻止するようにしていることから、従来より設けられている扉枠補強ユニット110や防犯金具などに加えてガラスユニット160を防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較してパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。また、ガラスユニット160は正面視における面積が広い(大面積である)ため、扉枠右サイドユニット430に挿入した不正工具の先端がガラスユニット160に当接することによりその侵入方向が変わった場合、不正工具を更に繰り出しても、面積の広いガラスユニット160の表面に沿って単に進むだけであり、不正工具の先端をガラスユニット160よりも後方へ侵入させることはできず、防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、図61に示すように、扉枠3の後方からガラスユニット160のガラス板162を通して右サイド左パネル442の取付状態を視認することができるため、ガラスユニット160を取り外さなくても右サイド左パネル442の取付状態を確認することができ、メンテナンスの容易なパチンコ機1を提供することができる。
また、詳細な図示は省略するが、右サイド左パネル442の後端側において、ガラスユニット160が設けられていない部位には、金属からなる扉枠補強ユニット110の右補強フレーム112が後方から保護している。これにより、ガラスユニット160がない部位で不正工具を侵入(挿入)させようとしても右補強フレーム112により阻止することができる。つまり、扉枠補強ユニット110は、上述したように、自身の強度・剛性が高められていることにより前方へ強く引っ張られることに対する高い防犯性能を有しているだけでなく、前方からの不正工具の挿入に対する防犯性能も有している。従って、本実施形態の扉枠3は、ガラスユニット160だけでなく、扉枠補強ユニット110によっても前方からの不正工具に対する防犯性能が高められている。
また、上述したように、扉枠3を補強している扉枠補強ユニット110によって前方からの不正工具の挿入を阻止するようにしているため、従来より設けられている扉枠補強ユニットを防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較してパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、右補強フレーム112とガラスユニット160(の右辺)との間は、扉枠ベース101の突条部101kによって埋められていると共に、当該突条部101kの前後方向が厚いため、扉枠補強ユニット110やガラスユニット160よりは硬くない合成樹脂からなる突条部101kを突破しようとしても、手間がかかることとなり、不正工具の挿入を諦めさせることが可能となる。
なお、上記では、前方からの不正工具の侵入(阻止)するものとして、扉枠補強ユニット110やガラスユニット160を示したが、これに限定するものではなく、金属やガラスのような他の部材よりも硬い硬質のものであれば良い。この硬質のもの(硬質部)としては、例えば、「シリンダ錠130(シリンダ錠130A)を取付けるための金属のシリンダ取付フレーム115(シリンダ取付フレーム115A)」、「皿ユニット200を補強している補強板金(図示は省略)」、「演出操作ユニット300に設けられている金属のユニット補強フレーム403」、「防犯金具」、などの金属部としても良い。また、金属部の他に、「普通の合成樹脂よりも硬い硬質樹脂」、「繊維強化樹脂」、などにより形成されている硬質樹脂部としても良い。
また、上記では、突条部101kを間にしてガラスユニット160と扉枠補強ユニット110(右補強フレーム112)とが接するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、後方から保護する部位において、ガラスユニット160と金属部(例えば、扉枠補強ユニット110)とが正面視で重なるようにしても良い。これにより、前側に設けられているガラスユニット160又は金属部が突破されたとしても、その後側に金属部又はガラスユニット160が設けられているため、不正工具の挿入を二重に阻止して挿入が非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、上記の実施形態では、前方からの不正工具の挿入を阻止するものとして扉枠補強ユニット110とガラスユニット160とを併用するものを示したが、これに限定するものではなく、扉枠補強ユニット110のみにより不正工具の挿入を阻止するようにしても良いし、ガラスユニット160のみにより不正工具の挿入を阻止するようにしても良い。
[3-9a.扉枠における防犯対策の変形例1]
続いて、扉枠3におけるガラスユニット160などを使用した防犯対策の変形例1について、図62を参照して詳細に説明する。図62は、図60及び図61とは異なる扉枠におけるガラスユニットなどを使用した防犯対策の変形例1を示す説明図である。
この実施形態では、扉枠ベースユニット100の前面に扉枠装飾体470が取付けられている。この扉枠装飾体470の後壁470aには開口部470bが設けられていると共に、開口部470bを閉鎖している透明なカバー471が取付けられている。扉枠装飾体470の内部にはLEDやスピーカ等の電気部品と接続されている配線ケーブル472が設けられており、当該配線ケーブル472が透明なカバー471を通して後方から視認可能に設けられている。
この実施形態では、扉枠ベースユニット100に対して後方からガラスユニット160を取付けると、カバー471の少なくとも一部の後方にガラスユニット160が位置し、カバー471が後方へ外れることはないと共に、ガラスユニット160のガラス板162を通して、カバー471の取付状態や、カバー471により閉鎖されている開口部470b内の配線ケーブル472を視認することができる。
また、カバー471の少なくとも一部の後方に、扉枠補強ユニット110の右補強フレーム112が位置している。更に、右補強フレーム112とガラスユニット160とが隙間なく接するように設けられている。つまり、詳細な図示は省略するが、ガラスユニット160のサイズは、左補強フレーム111および右補強フレーム112に対してほぼ隙間なく接するように設定されている。
本実施形態では、扉枠装飾体470の後壁470aの開口部470bとカバー471との間を通してパチンコ機1内部へ不正な工具を侵入させようとしても、カバー471の後方に設けられているガラスユニット160(ガラス板162)により、不正工具の侵入を阻止することができる。更に、不正行為の侵入を強行するとガラスユニット160のガラス板162が割れてしまい、不正行為が行われていることを遊技ホールの係員に気付かせて不正行為を止めさせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、図示するように、後方からガラスユニット160のガラス板162を通してカバー471の取付状態や、扉枠装飾体470内の配線ケーブル472の様子、等を視認することができるため、ガラスユニット160を取り外さなくても確認することができ、メンテナンスの容易なパチンコ機1を提供することができる。
更に、カバー471の後方におけるガラスユニット160が設けられていない部位には、金属からなる扉枠補強ユニット110の右補強フレーム112が設けられているため、ガラスユニット160がない部位で不正工具を侵入(挿入)させようとしても右補強フレーム112により阻止することができる。
また、ガラスユニット160と金属の右補強フレーム112とを隙間なく接するようにしていることから、不正工具をガラスユニット160と右補強フレーム112との間を通そうとしても、ガラスユニット160と右補強フレーム112の何れも硬いため、それらの間が広がることはなく、不正工具の挿入を非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
[3-9b.扉枠における防犯対策の変形例2]
続いて、ガラスユニット160による防犯対策の変形例2について、図63を参照して詳細に説明する。図63は、図62とは更に異なるガラスユニットなどを使用した防犯対策の変形例2を示す説明図である。
この実施形態では、扉枠ベースユニット100の前面に扉枠装飾体470が取付けられていると共に、扉枠装飾体470にスピーカ473が取付けられている。この扉枠装飾体470の後壁470aにはスピーカ473を後方から取付けるための開口部470bが設けられていると共に、開口部470bを閉鎖している透明なカバー471が取付けられている。この透明なカバー471を通して、スピーカ473の裏側やスピーカ473の取付部位等を後方から視認することができる。
この実施形態では、扉枠ベースユニット100に対して後方からガラスユニット160を取付けると、カバー471の少なくとも一部の後方にガラスユニット160が位置し、カバー471が後方へ外れることはないと共に、ガラスユニット160のガラス板162を通して、カバー471の取付状態や、透明なカバー471の前方に設けられているスピーカ473の裏側の様子や、スピーカ473の取付状態、等を視認することができる。
また、カバー471の少なくとも一部の後方に、扉枠補強ユニット110の右補強フレーム112が位置している。更に、右補強フレーム112とガラスユニット160とが隙間なく接するように設けられている。つまり、詳細な図示は省略するが、ガラスユニット160のサイズは、左補強フレーム111および右補強フレーム112に対してほぼ隙間なく接するように設定されている。
本実施形態では、扉枠装飾体470に取付けられているスピーカ473を通してパチンコ機1内部へ不正な工具を侵入させようとしても、スピーカ473(カバー471)の後方に設けられているガラスユニット160(ガラス板162)により、不正工具の侵入を阻止することができる。更に、不正行為の侵入を強行するとガラスユニット160のガラス板162が割れてしまい、不正行為が行われていることを遊技ホールの係員に気付かせて不正行為を止めさせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、図示するように、後方からガラスユニット160のガラス板162を通してカバー471の取付状態や、透明なカバー471の前方に設けられているスピーカ473の裏側の様子や、スピーカ473の取付状態、等を視認することができるため、ガラスユニット160を取り外さなくても確認することができ、メンテナンスの容易なパチンコ機1を提供することができる。
更に、カバー471の後方におけるガラスユニット160が設けられていない部位には、金属からなる扉枠補強ユニット110の右補強フレーム112が設けられているため、ガラスユニット160がない部位で不正工具を侵入(挿入)させようとしても右補強フレーム112により阻止することができる。
また、ガラスユニット160と金属の右補強フレーム112とを隙間なく接するようにしていることから、不正工具をガラスユニット160と右補強フレーム112との間を通そうとしても、ガラスユニット160と右補強フレーム112の何れも硬いため、それらの間が広がることはなく、不正工具の挿入を非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
[3-9c.小括]
上記のガラスユニット160による防犯対策には、以下のような技術的特徴を有している。
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、遊技領域を有する遊技盤を着脱可能に保持している本体枠と、本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠と、を備えている。この扉枠には遊技領域を前方から視認可能としている窓部が設けられていると共に、窓部周囲の前面にカバー状の装飾体が設けられており、当該装飾体によって遊技機の外観が装飾されている。
この種の遊技機として、扉枠に設けられている装飾体(カバー)を交換可能としたものが提案されている(例えば、特許文献:特開2021-65649号公報)。この特許文献の技術によれば、仕様変更や機種変更などにより遊技盤を交換する際に、遊技盤と対応したカバーに交換することで、遊技盤と扉枠との一体感を付与して、遊技者に対する訴求力を高めることが可能である。
しかしながら、扉枠のカバーを交換可能にすると、扉枠に設けられている部材において、交換される部材(カバー)と交換されない部材(主体部)との間に境が生じることとなり、当該境をガイドにして前方から不正な工具を遊技機内に挿入されてしまう恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、防犯性能の高い遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、
前記遊技領域を前方から視認可能とする窓部、及び該窓部を閉鎖しているガラスユニットを有し、前記本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠と
を具備している遊技機であって、
前記扉枠は、
主体部と、該主体部に取付けられているカバーとを有し、
該カバーの少なくとも一部が、後方から前記ガラスユニットを含む他の部材よりも硬い硬質部により保護されている」
ことを特徴とする。
ここで、「カバー」としては、「主体部との間に設けられる装飾シートを視認可能としているもの」、「外部から主体部内を確認可能としているもの」、「立体的な装飾が施されているもの(例えば、装飾体)」、「主体部内を点検するための開口部(点検口)を覆っているもの」、等が挙げられる。
また、「硬質部」としては、ガラスユニット(ガラス)に加えて、「鉄やアルミニウムのような金属で形成されている金属部」、「普通の合成樹脂よりも硬い硬質樹脂、繊維強化樹脂、などにより形成されている硬質樹脂部」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、遊技領域を前方から視認可能とする窓部、及び窓部を閉鎖しているガラスユニットを有し、本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠とを具備している遊技機であって、扉枠は、主体部と、主体部に取付けられているカバーとを有し、カバーの少なくとも一部が、後方からガラスユニットを含む他の部材よりも硬い硬質部により保護されているものである。([発明を実施するための形態]では、[3-9.扉枠における防犯対策]の章、図60~図63等の記載を参照)
本構成では、遊技機に、遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、本体枠に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠と、が設けられており、この扉枠には、遊技領域を前方から視認可能としている窓部と、窓部を閉鎖しているガラスユニットと、主体部と、主体部に取付けられているカバーと、が設けられている。そして、カバーの少なくとも一部を、後方からガラスユニットのような硬質部により保護するようにしているため、カバーと主体部との間をガイドにして扉枠の前方から不正な工具を遊技機内へ挿入させようとしても、その先端が硬質部に当接して、不正工具の挿入を阻止することができる。これにより、前方からの不正行為に対する防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
また、硬質部としてのガラスユニットにより不正工具の挿入を阻止するようにしていることから、従来より設けられている補強フレーム(扉枠補強ユニット)や防犯金具などに加えてガラスユニットを防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較して遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。また、硬質部としてのガラスユニットは正面視における面積が広い(大面積である)ため、主体部とカバーとの間に挿入した不正工具の先端がガラスユニットに当接することによりその侵入方向が変わった場合、不正工具を更に繰り出しても、面積の広いガラスユニットの表面に沿って単に進むだけであり、不正工具の先端をガラスユニットよりも後方へ侵入させることはできず、防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
また、上述したように、ガラスユニットのような硬質部によって主体部とカバーとの間を介した不正工具の挿入を阻止することができるため、例えば、カバーを主体部に対して着脱可能な装飾体としても、不正行為に対する防犯効果が低下することはなく、着脱可能な装飾体を扉枠に設けることが可能となる。これにより、仕様変更や機種変更により遊技盤を交換する際に、当該遊技盤と対応した装飾の施されている装飾体と交換することができるため、遊技盤の装飾と扉枠の装飾とが一体となったような遊技機とすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、硬質部に、扉枠を補強している金属の補強フレームを含む金属部が含まれるようにすることが望ましい。これにより、少なくともカバー部の一部を後方から保護する硬質部として、補強フレームを含む金属部が含まれているため、カバーと主体部との間をガイドにして扉枠の前方から不正な工具を遊技機内へ挿入させようとしても、ガラスユニットに加えて金属部によっても阻止することができ、不正行為に対する防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
また、上記のように、硬質部に金属部が含まれるようにする場合、ガラスユニットと金属部とを隙間なく接するようにすると、上述と同様の作用効果に加えて、不正工具をガラスユニットと金属部との間を通そうとしても、ガラスユニットと金属部の何れも硬いため、それらの間が広がることはなく、不正工具の挿入を非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
更に、上記のように、硬質部に金属部が含まれるようにする場合、硬質部としていの金属部を、扉枠を補強している補強フレームとすると、従来より設けられている補強フレーム(扉枠補強ユニット)を防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較して遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、上記のように、硬質部に金属部が含まれるようにすると共に、硬質部として、ガラスユニットと金属部とを併用する場合、少なくともカバーを後方から保護する部位において、ガラスユニットと金属部とが正面視で重なるようにしても良い。これにより、前側に設けられているガラスユニット又は金属部が突破されたとしても、その後側には金属部又はガラスユニットが設けられているため、不正工具の挿入を二重に阻止して挿入が非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
更に、カバーを通して主体部内を確認可能とするようにしても良い。これにより、カバーを通して主体部内を確認することができるため、主体部内に設けられている電気部品(例えば、LED、センサ、コネクタ、配線ケーブル、スピーカ、基板、等)の確認、主体部あるいは主体部内に設けられている部材の取付状態の確認、などを、カバーを取り外さなくても外部から確認することができ、メンテナンスの容易な遊技機を提供することができる。
また、少なくともカバーの一部を、ガラスユニットのガラスにより保護するようにしても良い。これにより、カバーの一部を、後方からガラスユニットのガラスにより保護するため、カバーと主体部との間をガイドにして扉枠の前方から不正な工具を遊技機内へ挿入させようとしても、その先端がガラスユニットのガラスに当接して、不正工具の挿入を阻止することができる。そして、更に、不正行為の挿入を強行するとガラスユニットのガラスが割れてしまい、不正行為が行われていることを遊技ホールの係員に気付かせて不正行為を止めさせることができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
更に、ガラスユニットのガラスを通して後方からカバーの取付部位を視認可能とするようにしても良い。これにより、ガラスユニットのガラスを通して後方からカバーの取付部位を視認可能としているため、ガラスユニットを取外さなくても、本体枠に対して扉枠を開いて後側から扉枠を見るだけで、ガラスユニットのガラスを通してカバーの取付状態を確認することができ、メンテナンスの容易な遊技機を提供することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記硬質部は、
前記扉枠を補強している金属の補強フレームを含む金属部が含まれている」
ものであることを特徴とする。
ここで、硬質部における「金属部」としては、「扉枠を補強している金属の扉枠補強ユニット」、「防犯金具」、「シリンダ錠を取付けるための金属のシリンダ取付フレーム」、「皿ユニットを補強している補強板金」、「演出操作ユニットに設けられている金属のユニット補強フレーム」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、硬質部に、扉枠を補強している金属の補強フレームを含む金属部が含まれているものである。([発明を実施するための形態]では、扉枠補強ユニット110に関する記載を参照)
これにより、少なくともカバー部の一部を後方から保護する硬質部として、補強フレームを含む金属部が含まれているため、カバーと主体部との間をガイドにして扉枠の前方から不正な工具を遊技機内へ挿入させようとしても、ガラスユニットに加えて金属部によっても阻止することができ、不正行為に対する防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
また、硬質部に金属部が含まれていることから、ガラスユニットと金属部とを隙間なく接するようにすると、上述と同様の作用効果に加えて、不正工具をガラスユニットと金属部との間を通そうとしても、ガラスユニットと金属部の何れも硬いため、それらの間が広がることはなく、不正工具の挿入を非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
更に、不正工具の挿入を阻止する硬質部としての金属部を、扉枠を補強している補強フレームとする場合、従来より設けられている補強フレーム(扉枠補強ユニット)を防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較して遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、カバーを後方から保護する硬質部として、ガラスユニットと金属部とを併用する場合、少なくともカバーを後方から保護する部位において、ガラスユニットと金属部とが正面視で重なるようにしても良い。これにより、前側に設けられているガラスユニット又は金属部が突破されたとしても、その後側には金属部又はガラスユニットが設けられているため、不正工具の挿入を二重に阻止して挿入が非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記カバーを通して前記主体部内を確認可能としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「カバー」としては、「無色透明」、「有色透明」、「無色半透明」、「有色半透明」、等が挙げられる。
手段3の構成によると、カバーを通して主体部内を確認可能としているものである。([発明を実施するための形態]では、カバー471に関する記載を参照)
これにより、カバーを通して主体部内を確認することができるため、主体部内に設けられている電気部品(例えば、LED、センサ、コネクタ、配線ケーブル、スピーカ、基板、等)の確認、主体部あるいは主体部内に設けられている部材の取付状態の確認、などを、カバーを取り外さなくても外部から確認することができ、メンテナンスの容易な遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記カバーの一部を、前記ガラスユニットのガラスにより保護している」ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、少なくともカバーの一部を、ガラスユニットのガラスにより保護しているものである。([発明を実施するための形態]では、ガラスユニット160、右サイド左パネル442、及びカバー471に関する記載を参照)
これにより、カバーの一部を、後方からガラスユニットのガラスにより保護するようにしているため、カバーと主体部との間をガイドにして扉枠の前方から不正な工具を遊技機内へ挿入させようとしても、その先端がガラスユニットのガラスに当接して、不正工具の挿入を阻止することができる。そして、更に、不正行為の挿入を強行するとガラスユニットのガラスが割れてしまい、不正行為が行われていることを遊技ホールの係員に気付かせて不正行為を止めさせることができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記ガラスユニットのガラスを通して後方から前記カバーの取付部位を視認可能としている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、ガラスユニットのガラスを通して後方からカバーの取付部位を視認可能としているものである。([発明を実施するための形態]では、ガラスユニット160、右サイド左パネル442、及びカバー471に関する記載を参照)
これにより、ガラスユニットのガラスを通して後方からカバーの取付部位を視認可能としているため、ガラスユニットを取外さなくても、本体枠に対して扉枠を開いて後側から扉枠を見るだけで、ガラスユニットのガラスを通してカバーの取付状態を確認することができ、メンテナンスの容易な遊技機を提供することができる。
このように、上記の解決手段によれば、防犯性能の高い遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aは上記解決手段の窓部に、本実施形態における扉枠補強ユニット110、シリンダ取付フレーム115、シリンダ取付フレーム115A、中間補強フレーム117、ガラスユニット160、ユニット補強フレーム403は上記解決手段の硬質部に、本実施形態における左補強フレーム111、右補強フレーム112、シリンダ取付フレーム115、シリンダ取付フレーム115A、中間補強フレーム117、ユニット補強フレーム403は上記解決手段の金属部に、本実施形態における扉枠補強ユニット110は上記解決手段の補強フレームに、本実施形態の扉枠3におけるガラスユニット160は上記解決手段のガラスユニットに、本実施形態におけるガラスユニット160のガラス板162は上記解決手段のガラスに、本実施形態の扉枠3における扉枠右サイドユニット430、扉枠右サイドベース431、右サイド左レンズ439、および扉枠装飾体470は上記解決手段の主体部に、本実施形態における右サイド左パネル442およびカバー471は上記解決手段のカバーに、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、パチンコ機1に、遊技領域5aを有する遊技盤5を前方から着脱可能に支持している本体枠4と、本体枠4に対して前方から開閉可能に設けられている扉枠3と、が設けられており、この扉枠3には、遊技領域5aを前方から視認可能としている扉窓101aと、扉窓101aを閉鎖しているガラスユニット160と、扉枠右サイドユニット430(右サイド左レンズ439)と、扉枠右サイドユニット430に取付けられている右サイド左パネル442と、が設けられている。そして、右サイド左パネル442の少なくとも一部を、後方からガラスユニット160のような硬質部により保護するようにしているため、右サイド左パネル442と右サイド左レンズ439との間をガイドにして扉枠3の前方から不正な工具をパチンコ機1内へ挿入させようとしても、その先端がガラスユニット160(硬質部)に当接して、不正工具の挿入を阻止することができる。これにより、前方からの不正行為に対する防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、硬質部としてのガラスユニット160により不正工具の挿入を阻止するようにしていることから、従来より設けられている扉枠補強ユニット110や防犯金具などに加えてガラスユニット160を防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較してパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。また、硬質部としてのガラスユニット160は正面視における面積が広い(大面積である)ため、扉枠右サイドユニット430に挿入した不正工具の先端がガラスユニット160に当接することによりその侵入方向が変わった場合、不正工具を更に繰り出しても、面積の広いガラスユニット160の表面に沿って単に進むだけであり、不正工具の先端をガラスユニット160よりも後方へ侵入させることはできず、防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、ガラスユニット160(硬質部)によって右サイド左レンズ439と右サイド左パネル442との間を介した不正工具の挿入を阻止することができるため、右サイド左パネル442を扉枠右サイドユニット430から着脱可能にしても、不正行為に対する防犯効果が低下することはない。これにより、仕様変更や機種変更により遊技盤5を交換する際に、当該遊技盤5と対応した装飾の施されている右サイド左パネル442と交換することができるため、遊技盤5の装飾と扉枠3の装飾とが一体となったようなパチンコ機1とすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、少なくとも右サイド左パネル442の一部を、硬質部としての金属からなる扉枠補強ユニット110の右補強フレーム112が後方から保護しているため、右サイド左パネル442と右サイド左レンズ439との間をガイドにして扉枠3の前方から不正な工具をパチンコ機1内へ挿入させようとしても、ガラスユニット160に加えて金属の右補強フレーム112によっても阻止することができ、不正行為に対する防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、ガラスユニット160と扉枠補強ユニット110(右補強フレーム112)とを隙間なく接するようにしているため、上述と同様の作用効果に加えて、不正工具をガラスユニット160と右補強フレーム112との間を通そうとしても、ガラスユニット160と右補強フレーム112の何れも硬いため、それらの間が広がることはなく、不正工具の挿入を非常に困難なものとすることができ、防犯性能の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、不正工具の挿入を阻止する硬質部としての金属部を、扉枠3を補強している扉枠補強ユニット110としているため、従来より設けられている扉枠補強ユニットを防犯に役立てることができ、新たな防犯部材を設ける場合と比較してパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、図62や図63に示すように、カバー471を通して扉枠装飾体470内を確認可能としているため、扉枠装飾体470内に設けられている電気部品(例えば、LED、センサ、コネクタ、配線ケーブル472、スピーカ473、基板、等)の確認、扉枠装飾体470あるいは扉枠装飾体470内に設けられている部材の取付状態の確認、などを、カバー471を取り外さなくても外部から確認することができ、メンテナンスの容易なパチンコ機1を提供することができる。
また、少なくとも右サイド左パネル442(カバー471)の一部を、ガラスユニット160のガラス板162により保護するようにしているため、右サイド左パネル442と右サイド左レンズ439(扉枠装飾体470)との間をガイドにして扉枠3の前方から不正な工具をパチンコ機1内へ挿入させようとしても、その先端がガラスユニット160のガラス板162に当接して、不正工具の挿入を阻止することができる。そして、更に、不正行為の挿入を強行するとガラスユニット160のガラス板162が割れてしまい、不正行為が行われていることを遊技ホールの係員に気付かせて不正行為を止めさせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、ガラスユニット160のガラス板162を通して後方からカバー471(右サイド左パネル442)の取付部位を視認可能としているため、ガラスユニット160を取外さなくても、本体枠4に対して扉枠3を開いて後側から扉枠3を見るだけで、ガラスユニット160のガラス板162を通してカバー471などの取付状態を確認することができ、メンテナンスの容易なパチンコ機1を提供することができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図64乃至図70を参照して詳細に説明する。図64はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図65はパチンコ機における本体枠の背面図である。図66は本体枠を右前から見た斜視図であり、図67は本体枠を左前から見た斜視図であり、図68は本体枠を後ろから見た斜視図である。図69は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図70は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4-1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図64乃至図72等を参照して詳細に説明する。図71(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図72は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fの下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチが取り付けられている。扉枠開放スイッチは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。また、本体枠ベース501は、扉枠開放スイッチが取り付けられた位置よりも下方のベース本体501aの後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチが取り付けられている。本体枠開放スイッチは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図72等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図72(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図72(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4-2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4-3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4-4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、平面視において右側が開放されたコ字状に形成されている前側に、右方へ開放されていると共に上下に延びている溝部530aを有している。この溝部530aは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されるものである。溝部530a内に左補強フレーム111が挿入されることで、平面視において、本体枠補強フレーム530と左補強フレーム111との間の隙間が蛇行した状態となり、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止することができる。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4-5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図73等を参照して詳細に説明する。図73(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル197の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル197を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4-6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図74等を参照して詳細に説明する。図74(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図80を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4-7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図75及び図76等を参照して詳細に説明する。図75(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図76(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4-7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図75及び図76等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図80を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4-7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図75乃至図78等を参照して詳細に説明する。図77は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図78(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図77に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図78を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4-7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図75及び図76等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図80を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4-7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図75及び図76等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4-7e.払出ユニットにおける遊技球Bの流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図80を参照して詳細に説明する。図80は、本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に音声(例えば「球を抜いてください!」等)で案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4-8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図81乃至図85等を参照して詳細に説明する。図81(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図82は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図83は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図84は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図85は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図85を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板1310等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4-9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図64乃至図70を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4-10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図86を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4-11.基板ユニットの第二実施形態]
次に、上記とは更に異なる第二実施形態の基板ユニット700について、図87乃至図92等を参照して詳細に説明する。図87(a)は電源ユニット、払出制御ユニット、及びインターフェイスユニットを省略して示す第二実施形態の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。図88(a)は図87の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。図89(a)は図87の基板ユニットの平面図であり、(b)は(a)におけるコ-コ線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるサ-サ線で切断した断面図であり、図90は図89(a)におけるシ-シ線で切断した断面図である。図91は図87の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図92は図87の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
第二実施形態の基板ユニット700は、上記の基板ユニット620とはベースユニット710の構成が異なるのみで、その他の構成については同一であるため、ここでは、上記の基板ユニット620と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、図87乃至図92では、電源ユニット620c、払出制御ユニット620d、及びインターフェイスユニット620eの図示を省略している。
本実施形態の基板ユニット700は、上記の基板ユニット620に換えて、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられるものである。基板ユニット700は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット710と、ベースユニット710の後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
この基板ユニット700は、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bが流通可能な第一球経路701と、第一球経路701よりも後方に設けられており遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bが流通可能な第二球経路702と、第一球経路701を流通している遊技球Bを検知する第一球センサ703と、第二球経路702を流通している遊技球Bを検知する第二球センサ704と、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bが流通する球抜通路705と、を備えている。第一球経路701及び第二球経路702は、夫々入口が上方へ向けて開口しており、夫々において第一球センサ703及び第二球センサ704で遊技球Bを一つずつ検知した上で下方へ排出する。
本実施形態では、遊技盤5において、アウト口1008、サブアウト口2023に受入れられた遊技球Bが、第一球経路701を流通し、遊技盤5において、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、第二球経路702を流通するように構成されている。つまり、アウト球が第一球経路701を流通し、セーフ球が第二球経路702を流通するように構成されており、第一球センサ703により全てのアウト球の数をカウントすることができると共に、第二球センサ704により全てのセーフ球の数をカウントすることができる。これにより、遊技盤5の一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006等の入賞口(入賞口センサ)に対して不正行為が行われた場合、遊技盤5側でのセーフ球の数と、第二球センサ704によりカウントされるセーフ球の数とが異なることとなり、入賞口に対する不正行為を検知することができる。
更に詳述すると、基板ユニット700のベースユニット710は、スピーカボックス623の一部を後方から覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられる前ベース711と、前ベース711の後側に取付けられていると共に後面に電源ユニット620cが取付けられ球抜通路705を有している後ベース712と、前ベース711と後ベース712との間に設けられており第一球経路701及び第二球経路702を有している球経路部材713と、第一球経路701及び第二球経路702内における遊技球Bの球詰りを解消させると共に不正工具の侵入を防止するために前ベース711及び後ベース712に開閉可能に設けられている防犯カバー714と、後ベース712の後側に取付けられ球抜通路705の後端側を閉鎖している通路壁部材715と、後ベース712の後側に取付けられている枠中継基板716と、を備えている。ベースユニット710において、前ベース711、後ベース712、球経路部材713、及び通路壁部材715は、透明に形成されている。
前ベース711は、後方及び上方に開放された左右に長い箱状に形成されている。前ベース711は、内部に球経路部材713が後方から収容される。前ベース711は、前壁によって球経路部材713の第一球経路701の前端側を閉鎖している。前ベース711は、上側の周壁部において左右方向へ長く開口している球受口711aと、下側の周壁部の左右方向中央から右寄りの位置において開口している解消口711bと、を有している。前ベース711は、内部に球経路部材713を収容した状態で、球受口711aから球経路部材713の第一球経路701及び第二球経路702が上方へ臨んでいる。また、前ベース711は、解消口711bの前端側において、防犯カバー714を左右方向に延びた軸周りに回転可能に支持している。
後ベース712は、後方に開放された左右に長い箱状に形成されている。後ベース712は、前壁によって球経路部材713の第二球経路702の後端側を閉鎖している。後ベース712は、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導した上で下方へ誘導して排出する球抜通路705を、有している。球抜通路705は、箱状の後ベース712内に設けられており、全体が後方へ開放されている。球抜通路705は、通路壁部材715によって後端側が閉鎖されている。後ベース712の球抜通路705におけるスピーカボックス623よりも上側に位置している部位(正面視左端側の部位)は、前後方向に貫通しており、前端側が前ベース711により閉鎖されていると共に、後側が通路壁部材715により閉鎖されている。
また、後ベース712は、球経路部材713の第一球経路701を流通した遊技球Bを受取って後方へ誘導した後に下方へ排出する第一排出誘導部712aと、球経路部材713の第二球経路702を流通した遊技球Bを受取って後方へ誘導した後に下方へ排出する第二排出誘導部712bと、を有している。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの入口側は、後ベース712の前壁よりも前方へ突出しており、第一排出誘導部712aの入口が前方へ向かって開口していると共に、第二排出誘導部712bの入口が上方へ向かって開口している。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口は、前後方向が同じ位置に設けられている。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bは、前壁よりも後側が後方へ開放されており、通路壁部材715により後端側が閉鎖されている。
後ベース712は、球抜通路705、第一排出誘導部712a、及び第二排出誘導部712bの夫々の出口が、前ベース711の解消口711bよりも正面視左方に位置しており、左から右へ順番に並んで設けられている。球抜通路705の出口は、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口に対して、前端側が前方へ大きく広がっていると共に後端側が後方へ小さく広がっている(図88(b)を参照)。つまり、球抜通路705の出口は、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口よりも前後方向が大きく(広く)形成されている。
球経路部材713は、箱状の前ベース711内に後方から挿入されて収容されるものである。球経路部材713は、第一球経路701と第二球経路702とを有している。球経路部材713は、右端において上端から下方へ垂直に延出している左壁部713aと、左壁部713aの下端から右方へ向かって低くなるように傾斜している上左棚部713bと、上左棚部713bの右端から下方へ垂直に延出している段壁部713cと、段壁部713cの下端から右方へ向かって低くなるように傾斜している上右棚部713dと、上右棚部713dの右端から斜め左下へ延出している整流壁部713eと、整流壁部713eの下端に対して右方へ離隔している位置から右方へ向かって高くなると共に上右棚部713dよりも右方に延出している下棚部713fと、下棚部713fの右端から左壁部713aの上端と略同じ高さまで垂直に上方へ延出している右壁部713gと、右壁部713gの上端から上右棚部713dの右端と同じ位置まで左方へ延出している上壁部713hと、上壁部713hの左端に接続されており上方へ開放されたコ字状の溝壁部713iと、を有している。溝壁部713iの左端は、上右棚部713dの左右方向中央に対して右寄りの部位に位置している。
また、球経路部材713は、整流壁部713eの下端から左方へ延出している下壁部上713jと、下壁部上713jの左端から上左棚部713bの下面まで垂直に上方へ延出している中壁部713kと、中壁部713kの左側面の途中から左方へ向かって低くなるように延出している庇部713lと、下棚部713fの左端付近から下方へ短く垂直に延出している垂下壁部713mと、垂下壁部713mの下端から下壁部上713jと平行に左方へ延出している下壁部下713nと、を有している。下壁部下713nにおける整流壁部713eの下端と下棚部713fの左端との間の下方に位置する部位は、遊技球Bが通過可能な大きさで上下に切欠かれている。
更に、球経路部材713は、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの夫々の下面から下方へ延出しており、左右方向に間隔をあけて設けられている複数の阻害リブ713oを、有している。また、球経路部材713は、左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、下壁部上713j、中壁部713k、垂下壁部713m、下壁部下713nで囲まれている空間を前後に仕切っている平板状の仕切壁部713pを、有している。
また、球経路部材713は、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fにおいて、夫々の前端と後端から仕切壁部713p側へ向かって凹むように切欠かれている複数の切欠部713qを、有している。夫々の切欠部713qは、基板ユニット700に組立てた時に、前ベース711や後ベース712との間に、遊技球Bの半径よりも前後方向が小さい隙間が形成されるように設けられており、当該隙間を通して第一球経路701内や第二球経路702内のゴミや塵等を下方へ排出させることができる。
また、球経路部材713は、仕切壁部713pの前面における整流壁部713eと下棚部713fとの間の部位に設けられており、左右に延びている複数の案内突条713rを、有している。
更に、球経路部材713は、仕切壁部713pよりも前側において、下壁部上713j、垂下壁部713m、及び下壁部下713nにより囲まれており、第一球センサ703が収容されるセンサ収容部前713sと、仕切壁部713pよりも後側において、下壁部上713j、垂下壁部713m、及び下壁部下713nにより囲まれており、第二球センサ704が収容されるセンサ収容部後713tと、を有している。
センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tには、第一球センサ703及び第二球センサ704の検知孔が、整流壁部713eと下棚部713fとの間に部位の下方に位置するように、つまり、検知孔を右側にした状態で、第一球センサ703及び第二球センサ704が収容される。図示は省略するが、第一球センサ703及び第二球センサ704から延びている配線ケーブルは、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tから中壁部713kよりも左方へ延出している。
また、球経路部材713は、下壁部下713nの下面における仕切壁部713pよりも前方の部位に設けられており、下方へ突出していると共に後方へ開放されている第一球誘導部713uを、有している。第一球誘導部713uは、基板ユニット700に組立てた時に、後端側の右半分が後ベース712の前面により閉鎖されると共に、左半分が後ベース712の第一排出誘導部712aの入口側に臨んでいる。第一球誘導部713uは、仕切壁部713pの前方において、整流壁部713eと下棚部713fとの間から下方へ流下した遊技球Bを、右方へ誘導した後に後方へ誘導して、後ベース712の第一排出誘導部712aに受け渡すことができる。
一方、球経路部材713における仕切壁部713pよりも後側では、下壁部下713nの下方へ開放されている部位(センサ収容部後713tに収容されている第二球センサ704の検知孔の部位)の下方には、後ベース712の第二排出誘導部712bの上方へ向かって開口している入口が位置する。これにより、仕切壁部713pの後方において、整流壁部713eと下棚部713fとの間から下方へ流下した遊技球Bを、後ベース712の第二排出誘導部712bに受け渡すことができる。
上左棚部713bの右端は、前ベース711における解消口711bの左端よりも若干右寄りに位置している。上右棚部713dの右端は、前ベース711における解消口711bの右端よりも右寄りに位置している。下棚部713fの左端は、前ベース711における解消口711bの左端よりも左方に位置している。従って、前ベース711の解消口711bの直上の上方は、整流壁部713eによって覆われている。上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fは、直線状に傾斜している。一方、整流壁部713eは、曲線状に傾斜しており、左端側が下方へ垂直に向くように湾曲している。整流壁部713eと下棚部713fとの間の距離(高さ)は、左端側が一つの遊技球Bが通過可能な高さとなるように、左方へ向かうに従って狭くなるように傾斜している。この整流壁部713eと下棚部713fとにより複数の遊技球Bを一列に整流して下方へ誘導することができる。
整流壁部713eと下棚部713fとの間は、上述したように、左方(遊技球Bが流通する下流の方向)へ向かうに従って上下の寸法が狭くなるように形成されているため、遊技球Bの流通量等によっては複数の遊技球Bが整流壁部713eと下棚部713fとの間に噛み込んで、球詰りが発生する恐れがある。この整流壁部713eは、解消口711bの上方に位置していることから、整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した場合、防犯カバー714を開いて解消口711bを開放させた状態とし、下方から解消口711b及び下棚部713fの切欠部713qを通して棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入し、その工具より噛み込んだ遊技球Bを突くことで球詰りを解消させることができる。
ところで、下棚部713fには、球詰りを解消させたりゴミや塵を下方へ落下させたりするための切欠部713qが設けられているため、ピアノ線やカテーテル等のような線状の不正工具を下方から切欠部713qを通して下棚部713fの上方(第一球経路701や第二球経路702)へ侵入させ、更に不正工具の先端を、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)から上方へ延出させて、上方に設けられている遊技盤5に対して不正行為が行われる恐れがある。このような不正工具の挿入は、下棚部713fに限らず、切欠部713qが設けられている上左棚部713bや上右棚部713dにおいても同様の危惧がある。
これに対して、本実施形態では、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面には、左右方向に離隔し下方へ延出している複数の平板状の阻害リブ713oを設けているため、線状の不正工具の先端が、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面を伝って移動しようとしても、阻害リブ713oに当接して先端の移動を阻止することができ、これ以上の不正工具の挿入を阻止することができる。従って、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)を通した遊技盤5への不正行為の実行を防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上右棚部713dと上左棚部713bにおける中壁部713kよりも右側の部位では、それらの下方及び左右の側方が、切欠部713qが設けられていない整流壁部713e、下壁部上713j、及び中壁部713kにより閉鎖されているため、上右棚部713dと上左棚部713bの該当部位の切欠部713qを通して下方から不正工具が挿入されることはなく、当該部位の切欠部713qを介して不正行為が行わることはない。
球経路部材713は、上述したように、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fに複数の切欠部713qが設けられているため、切欠部713qを通してゴミや塵を下方へ排出することができる。上左棚部713bにおけるセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tの上方に位置している切欠部713qを通して下方へ排出されたゴミ等は、整流壁部713e、下壁部上713j、及び中壁部713kにより囲まれた空間内に収容される。これにより、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tに収容されている第一球センサ703及び第二球センサ704に対して、ゴミ等が付着することはない。
また、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tに収容されている第一球センサ703及び第二球センサ704の左端側には、配線ケーブルがコネクタにより接続されており、配線ケーブル及びコネクタがセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tから左方へ突出している。つまり、第一球センサ703及び第二球センサ704の配線ケーブル及びコネクタが中壁部713kよりも左方に突出している。この中壁部713kでは、左側面におけるセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tの上方の部位から庇部713lが左方へ延出しているため、上方の上左棚部713bに形成されている切欠部713qを通して下方へ落下したゴミや塵が、庇部713lの傾斜により左方へ誘導され、中壁部713kよりも左方に突出している第一球センサ703及び第二球センサ704の配線ケーブル及びコネクタに落下することを防止することができ、ゴミ等を起因とする不具合の発生を回避させることができる。
ベースユニット710は、球経路部材713における仕切壁部713pの前方側の左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、第一球誘導部713u、及び後ベース712の第一排出誘導部712aにより第一球経路701を形成していると共に、球経路部材713における仕切壁部713pの後方側の左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、及び後ベース712の第二排出誘導部712bにより第二球経路702を形成している。
防犯カバー714は、平板状に形成されており、前端側が左右方向の軸周りに対して回転可能な状態で前ベース711の解消口711bの前端付近に取付けられている。また、防犯カバー714は、後端側に、後ベース712に係止される弾性係止部714aを有している。図90に示すように、この防犯カバー714は、弾性係止部714aを後ベース712に係止して水平にした状態では、解消口711bを閉鎖しており、弾性係止部714aの係止を解除して後端側が下方へ位置するように回転させて垂直にした状態では、解消口711bを開放している。つまり、防犯カバー714により、解消口711bを開閉させることができる。
防犯カバー714は、閉じた状態とすることで前ベース711の解消口711bを閉鎖することができるため、解消口711bから線状の不正工具が球経路部材713内(第一球経路701や第二球経路702)へ挿入されることを防止することができる。また、防犯カバー714は、球経路部材713の整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した時に、開いた状態とすることで、前ベース711の解消口711bを開放させることができるため、下方から解消口711b及び下棚部713fの切欠部713qを通して棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入して遊技球Bの球詰りを解消させることができる。この球詰りの解消作業は、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた状態で実施される。
この防犯カバー714は、解消口711bを開放させた状態(垂直にした状態)では、下端(弾性係止部714a側の端部)が、接触危惧物(ここでは、外枠2における幕板後部材43の接続筒部43a)の高さ(図90において一点鎖線で示す高さ)よりも下方に位置している。従って、球経路部材713内での遊技球Bの球詰りを解消させるために、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた後に、防犯カバー714を開けたままの状態で本体枠4を外枠2に対して閉じようとしても、開いている防犯カバー714が接触危惧物(幕板後部材43の接続筒部43a)に当接し、本体枠4を閉じることができない。これにより、防犯カバー714の閉め忘れを回避させることができ、防犯カバー714を確実に閉じさせて、防犯カバー714による防犯機能を発揮させることができる。
また、本実施形態では、外枠2に対して本体枠4を閉じている時に、何らかの理由により防犯カバー714が開いた場合、そのままの状態で本体枠4を外枠2に対して開いても、開いている防犯カバー714に前方から接触危惧物が当接することとなるが、防犯カバー714の前端側が左右方向の軸周りに対して回転可能に取付けられていることから、前方から接触危惧物が当接すると防犯カバー714が閉じる方向へ回転するため、防犯カバー714が接触危惧物に引っ掛かることなく本体枠4を開くことができ、防犯カバー714や接触危惧物の破損を回避させることができる。
なお、本実施形態の防犯カバー714は、整流壁部713eと下棚部713fとの間での遊技球Bの球詰りの発生が稀であり、閉じたままの状態を基本としているため、開き難いように弾性係止部714aによる係止が硬めに設定されている。
通路壁部材715は、後ベース712の後側に取付けられており、後方へ開放されている球抜通路705の後端側を閉鎖している。また、通路壁部材715は、後ベース712における第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口側において後方へ開放されている部位を閉鎖しており、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bを流通してきた遊技球Bを下方へ排出させることができる。更に、通路壁部材715は、後ベース712とで枠中継基板716を挟持していると共に、枠中継基板716の後側を覆っている。
枠中継基板716は、後ベース712と通路壁部材715との間に挟持されている。枠中継基板716は、扉枠3のハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、第一球センサ703、及び第二球センサ704と、主制御基板1310との接続を中継するためのものである。
本実施形態のベースユニット710は、図89(a)に示すように、前ベース711の球受口711aから、球経路部材713の上左棚部713bと上右棚部713dの一部とが上方へ臨んでおり、遊技盤5から下方へ放出された全ての遊技球Bを受取ることができる。球受口711aを通して上左棚部713bや上右棚部713dに落下した遊技球Bは、右方へ転動して上右棚部713dの右端から下棚部713f上へ流下する。そして、下棚部713fに流下した遊技球Bは、下棚部713fを左方へ転動する。この際に、下棚部713f上において複数の遊技球Bが上下に積み重なっていると、左方へ向かうほど一列になるように上方の整流壁部713eにより崩される。
下棚部713fを左方へ転動した遊技球Bは、下棚部713fの左端から下方へ落下し、仕切壁部713pよりも前方の場合は、センサ収容部前713sに収容されている第一球センサ703に検知された上で第一球誘導部713uを通った後に、後ベース712の第一排出誘導部712aを通って下方へ排出される。一方、仕切壁部713pよりも後方の場合は、センサ収容部後713tに収容されている第二球センサ704に検知された後に、後ベース712の第二排出誘導部712bを通って下方へ排出される。
このように、本実施形態のベースユニット710では、球経路部材713の仕切壁部713pの前後で互いに分離した経路を遊技球Bが流通して下方へ排出するようにしており、仕切壁部713pよりも前側を第一球経路701としていると共に、仕切壁部713pよりも後側を第二球経路702としている。従って、遊技盤5から球経路部材713の仕切壁部713pよりも前方へ落下した遊技球Bは、第一球経路701を流通し、第一球センサ703により検知された上で下方へ排出させることができる。一方、遊技盤5から球経路部材713の仕切壁部713pよりも後方へ落下した遊技球Bは、第二球経路702を流通し、第二球センサ704により検知された上で下方へ排出させることができる。
また、ベースユニット710は、球タンク552内等の遊技球Bを抜くために下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを、後ベース712の球抜通路705を通して下方へ排出することができる。ベースユニット710の第一排出誘導部712a(第一球経路701)、第二排出誘導部712b(第二球経路702)、及び球抜通路705から下方へ排出された遊技球Bは、島設備側の遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)に受け渡される。
本実施形態の基板ユニット700におけるベースユニット710によれば、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fに複数の切欠部713qを設けていることから、切欠部713qを通してゴミや塵を落下させて第一球経路701や第二球経路702から排除することができるため、ゴミ等が遊技球Bの流通を妨げることを回避させることができ、球詰り等の発生を抑制させることができる。
また、前ベース711、後ベース712、球経路部材713、及び通路壁部材715を透明に形成しているため、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開くと共に、本体枠4から遊技盤5を取外した状態とすることで、ベースユニット710(基板ユニット700)の上方から、球経路部材713(第一球経路701及び第二球経路702)内での遊技球Bの球詰りの有無を容易に確認することができる。そして、球経路部材713における整流壁部713eと下棚部713fとにより遊技球Bを一列に整列させる部位において、下棚部713fに切欠部713qを設けているため、整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した場合、外枠2に対して本体枠4を前方へ開くと共に、防犯カバー714を開くことで、解消口711b及び切欠部713qを通して下方から棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入することができ、その工具より球詰りを解消させることができる。
更に、下棚部713fにおける整流壁部713eの下方の部位に、下方へ開放された解消口711bを設けていると共に、解消口711bを閉鎖する防犯カバー714を設けているため、解消口711bを通して上記のように球詰りを解消させることができる上に、通常の状態では防犯カバー714により解消口711bを閉鎖しておくことで、解消口711bから線状の不正工具が第一球経路701や第二球経路702に挿入されることを阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、解消口711bを開閉する防犯カバー714を、前端側において左右方向の軸周りに対して回転させることで開閉するようにしていることから、防犯カバー714を閉め忘れた状態で本体枠4を外枠2に対して閉めようとすると、防犯カバー714が接触危惧物(幕板後部材43の接続筒部43a)に当接して、本体枠4を閉じることができなくなるため、防犯カバー714の閉め忘れに気付かせることができ、防犯カバー714を確実に閉じさせて、防犯カバー714による防犯機能を発揮させることができる。
更に、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面には、左右方向に離隔し下方へ延出している複数の平板状の阻害リブ713oを設けているため、線状の不正工具の先端が、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面を伝って移動しようとしても、阻害リブ713oに当接して先端の移動を阻止することができ、これ以上の不正工具の挿入を阻止することができる。従って、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)を通した遊技盤5への不正行為の実行を防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、第一球経路701及び第二球経路702は、上記のように、後ベース712の第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bや球経路部材713により、蛇行したりクランクしたりする複雑な流通経路を構成するようにしているため、第一排出誘導部712aや第二排出誘導部712bの出口側から線状の不正工具を挿入しても、複雑な経路により侵入を阻むことができ、第一球経路701及び第二球経路702を通した遊技盤5への不正工具の侵入を阻止することができる。
また、第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された全ての遊技球Bを検知(カウント)することができるため、遊技盤5に対して排出される遊技球Bを検知するための構成(例えば、アウト球検知ユニット)を設ける必要が無く、遊技盤5にかかるコストを低減させることができると共に、遊技盤5において、排出される遊技球Bを検知するための構成の分だけスペースを確保することが可能となり、確保したスペースに演出装置を設けるようにすることで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1(遊技盤5)とすることができる。
また、第一球経路701をアウト球が、第二球経路702をセーフ球が、夫々流通するようにしているため、遊技盤5におけるセーフ球のカウント数と、第二球センサ704によるセーフ球のカウント数とを比較することで、遊技盤5に対して不正行為が行われているか否かを判定することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、所定時間当りのセーフ球数と所定時間当りのアウト球数とから算出した所定時間当りの払出率(出玉率)を、遊技者側から視認できるように表示するようにした場合、遊技者としては多くの遊技球Bの払出しを望むことから、表示されている払出率が大きいと、多くの遊技球Bが払出される可能性が高いパチンコ機1であると即座に認識することができ、遊技するパチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、払出率を、遊技者側から視認可能に表示するようにした場合、遊技球Bが多く払出されるような不正行為を行うと、表示されている払出率が通常よりも大きくなることから、他の遊技者やパチンコ機1を設置している遊技ホールの係員等が、不正行為に気付き易くなるため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、セーフ球の数とアウト球の数とから算出した払出率を、遊技者側から視認不能な位置に表示するようにした場合、遊技ホールの係員等が見ることで、上記と同様の理由により不正行為を察知することができる。また、パチンコ機1をメンテナンス等する際に、表示されている払出率が通常の値よりも異なる場合は、パチンコ機1内(例えば、障害釘N、主制御基板1310、払出制御基板633、中継基板、コネクタ、配線ケーブル、各種センサ、等)での不具合の可能性が考えられるため、不具合に対して早期に対応することが可能となり、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、第一球経路701及び第二球経路702は、球タンク552内の遊技球Bを排出するための球抜通路705と分離しているため、第一球センサ703や第二球センサ704において球抜きの遊技球Bは計数されない。従って、第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された遊技球Bのみを正確に計数することができる。
なお、上記の実施形態では、第一球経路701をアウト球が、第二球経路702をセーフ球が、夫々流通するものを示したが、これに限定するものではなく、第一球経路701をセーフ球が第二球経路702をアウト球が夫々流通するようにしても良いし、セーフ球及びアウト球に関わらず遊技盤5から排出された遊技球Bが第一球経路701及び第二球経路702の何れかを流通するものとしても良い。
また、上記の実施形態では、防犯カバー714を回転させることにより解消口711bを開閉させるものを示したが、これに限定するものではなく、前後又は左右にスライドさせることで解消口711bを開閉させるものとしても良い。
また、上記の実施形態では、一つの仕切壁部713pにより仕切ることで、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bを、第一球経路701及び第二球経路702の前後に別れた二つの球経路の何れかを通って排出させるものを示したが、これに限定するものではなく、複数の仕切壁部により前後に三つ以上に別れた球経路を備え、何れかの球経路を通って遊技盤5から放出された遊技球Bを下方へ排出させるようにしても良い。
[5.遊技盤]
次に、パチンコ機1における遊技盤5について、主に図93乃至図99等を参照して詳細に説明する。図93は、透明なセンター役物等を不透明にして示す遊技盤の正面図である。図94は図93の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図95は図93の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図96は図93の遊技盤を後ろから見た斜視図である。図97は図93の遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は図93の遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図99は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドル197を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定個数の持ち球数の加算)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、普通入賞口2011、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、普通入賞口2011、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006等に、受入れられる又は通過するように、ハンドル197の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1050(図126を参照)と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図126を参照)と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5は、透明な遊技パネル1100の後方に設けられており遊技領域5a内を装飾するフィルム状の装飾セル1140と、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図126等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が設けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置において遊技球Bが通過可能に設けられているゲート2003と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置において遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2011と、遊技球Bがゲート2003を通過する又は遊技球Bが普通入賞口2011に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて何れかが遊技球Bの受入が可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。また、遊技盤5は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1050(図126等を参照)を、備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口1008と、遊技領域5a内におけるアウト口1008よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するサブアウト口2023と、を備えている。アウト口1008は、第一始動口2002の直下に設けられている。
更に、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001と二つのサブアウト口2023とを有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており、一つの一般入賞口2001、ゲート2003、普通入賞口2011、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、三つのサブアウト口2023、を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1050と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040と、遊技パネル1100の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁3010aに四角い開口部3010bを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に演出表示装置1600を着脱可能に取付けているロックスライダ3020と、演出表示装置1600の後方に配置されており裏箱3010の後壁に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における前端付近に設けられている裏前装飾ユニット3200と、裏箱3010内における裏前装飾ユニット3200の後方に設けられている裏第一演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏第一演出ユニット3300に後方に設けられている裏第二演出ユニット3400と、を備えている。
[5-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図100乃至図102等を参照して詳細に説明する。図100(a)は図93の遊技盤において前構成部材、遊技パネル及び表ユニットを有する組立体を前から見た斜視図であり、(b)は図93の遊技盤において前構成部材、遊技パネル及び表ユニットを有する組立体を後ろから見た斜視図である。図101は図100に示す組立体を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図102は図100に示す組立体を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。また、前構成部材1000は、後側が後端面から前方へ遊技パネル1100が収まる深さで前方へ凹んでおり、当該凹んでいる部位に遊技パネル1100が嵌め込まれるように取付けられる。遊技パネル1100を取付けた状態では、遊技パネル1100の後面と前構成部材1000の後端面とが同一面上となっている。
この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー(図示は省略)の後方へ突出した後方突片(図示は省略)が挿入された状態となる。これにより、防犯カバーと遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバーの後方突片と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバーと前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100の切欠部と一致している。この切欠部1010は、遊技球を遊技者に払出すタイプのパチンコ機の本体枠に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニットの下部通常払出通路及び下部満タン払出通路の前端開口が前方へ臨ませて扉枠の上皿や下皿へ遊技球を供給するためのものである。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、右下隅に形成されている証紙貼付部1012と、右上隅に設けられている遊技盤第一情報表示部1015と、左上隅に設けられている遊技盤第二情報表示部1020と、左下隅に設けられている遊技盤第三情報表示部1025と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100や裏ユニット3000等を前方から視認することができる。
[5-1a.遊技盤第一情報表示部]
続いて、前構成部材1000における遊技盤第一情報表示部1015について、主に図103等を参照して詳細に説明する。図103(a)は前構成部材における遊技盤第一情報表示部の部位を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は遊技盤第一情報表示部の部位を断面で示す説明図であり、(c)は遊技盤第一情報表示部と第一情報シール台座とを分解して斜視図で示す説明図であり、(d)は第一情報シールが貼り付けられている第一情報シール台座を前から見た斜視図である。
遊技盤第一情報表示部1015には、遊技盤5にかかる情報が記載された第一情報シール1017が貼り付けられている第一情報シール台座1016が取付けられている。第一情報シール1017には、例えば、遊技盤5の機種名やスペックが記載されている。
遊技盤第一情報表示部1015は、前構成部材1000の前面における右上隅に設けられている。遊技盤第一情報表示部1015は、衝止部1006の右端側から右方且つ下方へ続くように、遊技領域5aの外周に沿って円弧状に延出している。遊技盤第一情報表示部1015は、前構成部材1000の前面から浅く凹んでいる収容凹部1015aと、収容凹部1015aの底面において四角く前後に貫通している二つの挿通孔1015bと、収容凹部1015aの底面において丸く貫通している二つの位置決孔1015cと、が設けられている。
また、遊技盤第一情報表示部1015には、四角い挿通孔1015bの夫々において、一つの辺の外側から後方へ平板状に延出している二つの係止リブ1015dが設けられている。係止リブ1015dは、前構成部材1000の奥行の半分程まで後方へ延出している。二つの係止リブ1015dは、図103(b)に示すように、二つの挿通孔1015bにおける夫々の遠い側の辺の外側から後方へ延出している。換言すると、二つの係止リブ1015dの間(内側)に挿通孔1015bが設けられている。
第一情報シール台座1016は、前面に第一情報シール1017が貼り付けられ、遊技盤第一情報表示部1015の収容凹部1015aに前方から収容される平板状の台板1016aを備えている。また、第一情報シール台座1016は、台板1016aの後面から後方へ延出しており挿通孔1015bを通って後端が係止リブ1015dに係止される二つの係止爪1016bを備えている。係止爪1016bは、図103(b)に示すように、係止リブ1015dに係止させた状態で、その後端が前構成部材1000の後端付近まで後方へ延出している。
また、第一情報シール台座1016は、台板1016aの後面から突出しており位置決孔1015cに挿入される位置決突起1016cと、台板1016aの上下両端付近において前後に貫通しているハガシ孔1016dと、を備えている。ハガシ孔1016dは、台板1016aの前面に第一情報シール1017が貼り付けられている状態で、後側から棒を挿入して第一情報シール1017を前方へ押すことにより、第一情報シール1017の一部を剥がすことが可能であり、リユースし易くしている。
なお、第一情報シール台座1016は、前構成部材1000とは異なる色(例えば、黒色、青色、赤色、等)で設けられている。これにより、遊技盤5の製造において、第一情報シール台座1016(第一情報シール1017)の付け忘れに気付かせ易くしている。
この遊技盤第一情報表示部1015は、前方から第一情報シール台座1016を着脱可能としているため、前構成部材1000をリユースする際に、第一情報シール1017が貼り付けられている第一情報シール台座1016を交換すれば良い。この第一情報シール台座1016を取外す場合、二つの係止爪1016bが二つの係止リブ1015dの間に位置しているため、前構成部材1000の後側から二つの係止爪1016bの後端を指で摘まんで互いに接近させることで、係止リブ1015dとの係止を容易に解除することができる。なお、図示は省略するが、遊技盤第一情報表示部1015の後方は遊技パネル1100により閉鎖されており、第一情報シール台座1016を取外す場合は前構成部材1000から遊技パネル1100を取外す必要がある。
また、第一情報シール台座1016にはハガシ孔1016dを設けているため、第一情報シール台座1016をリユースしたり分別廃棄したりする際に、ハガシ孔1016dに後ろから棒を差し込んで第一情報シール1017を前方へ押すことにより、第一情報シール1017を容易に剥がすことができる。
更に、第一情報シール台座1016の台板1016aを、収容凹部1015aに収容させているため、前方から第一情報シール台座1016に対して指や工具等を引っ掛かり難くしている。これにより、正規とは異なる不正な情報が記載された第一情報シール1017が貼り付けられている第一情報シール台座1016への交換を困難なものとすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
[5-1b.遊技盤第二情報表示部]
続いて、前構成部材1000における遊技盤第二情報表示部1020について、主に図104等を参照して詳細に説明する。図104(a)は前構成部材における遊技盤第二情報表示部の部位を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は遊技盤第二情報表示部の部位を断面で示す説明図であり、(c)は遊技盤第二情報表示部と第二情報シール台座とを分解して斜視図で示す説明図であり、(d)は第二情報シールが貼り付けられている第二情報シール台座を前から見た斜視図である。
遊技盤第二情報表示部1020には、遊技盤5にかかる情報が記載された第二情報シール1022が貼り付けられている第二情報シール台座1021が取付けられている。第二情報シール1022には、例えば、遊技盤5の版権が記載されている。
遊技盤第二情報表示部1020には、前構成部材1000の前面における左上隅で機能表示ユニット1400の上方に設けられている。遊技盤第二情報表示部1020は、遊技領域5aの外周に沿うように、上下に長いひし形に形成されている。この遊技盤第二情報表示部1020は、前構成部材1000の前面から浅く凹んでいる収容凹部1020aと、収容凹部1020aの底面で上辺及び下辺に沿って四角く前後に貫通している二つの挿通孔1020bと、が設けられている。
また、遊技盤第二情報表示部1020には、上側の挿通孔1020bにおいて、収容凹部1020aの上辺の外側の部位から後方へ平板状に延出している係止リブ1020cが設けられている。係止リブ1020cは、前構成部材1000の奥行の半分程まで後方へ延出している。更に、遊技盤第二情報表示部1020は、係止リブ1020cの下面側から上方へ凹んでいると共に前方へ開放されている案内凹部1020dを、備えている。案内凹部1020dは、図104(b)に示すように、後方へ向かうほど下方へ位置するように傾斜している。
第二情報シール台座1021は、前面に第二情報シール1022が貼り付けられ、遊技盤第二情報表示部1020の収容凹部1020aに前方から収容される平板状の台板1021aを備えている。また、第二情報シール台座1021は、台板1021aの後面における上端から後方へ延出しており上側の挿通孔1020bを通って後端が係止リブ1020cに係止される係止爪1021bと、台板1021aの後面における下端から後方へ短く延出した後に下方へ延出しているL字状で下側の挿通孔1020bに挿通される係止部1021cと、を備えている。係止爪1021bは、図104(b)に示すように、係止リブ1020cに係止させた状態で、その後端が前構成部材1000の後端付近まで後方へ延出している。また、係止部1021cは、L字状の先端が前構成部材1000の前面を構成している平板状の部位の裏側に係止される。
また、第二情報シール台座1021は、台板1021aの上下両端付近において前後に貫通しているハガシ孔1021dを、備えている。ハガシ孔1021dは、台板1021aの前面に第二情報シール1022が貼り付けられている状態で、後側から棒を挿入して第二情報シール1022を前方へ押すことにより、第二情報シール1022の端部を剥がすことが可能であり、リユースし易くしている。
なお、第二情報シール台座1021は、前構成部材1000とは異なる色(例えば、黒色、青色、赤色、等)で設けられている。これにより、遊技盤5の製造において、第二情報シール台座1021(第二情報シール1022)の付け忘れに気付かせ易くしている。
この遊技盤第二情報表示部1020は、前方から第二情報シール台座1021を着脱可能としているため、前構成部材1000をリユースする際に、第二情報シール1022が貼り付けられている第二情報シール台座1021を交換すれば良い。この第二情報シール台座1021を取外す場合は、前方から案内凹部1020dに、マイナスドライバーのような工具の先端を差し込むと、その先端が案内凹部1020dに案内されることで係止爪1021bを下方へ押圧し、係止リブ1020cと係止爪1021bとの係止を解除することができ、第二情報シール台座1021を前方へ取外すことができる。なお、工具を使用して前方から第二情報シール台座1021を取外した場合、案内凹部1020dにその痕跡が残り易い。
第二情報シール台座1021のその他の取外しとしては、前構成部材1000の後側から係止爪1021bを操作することで、係止リブ1020cとの係止を解除して取外す。なお、この場合、図示は省略するが、遊技盤第二情報表示部1020の後方は遊技パネル1100により閉鎖されているため、第二情報シール台座1021を取外す場合は前構成部材1000から遊技パネル1100を取外す必要がある。
また、第二情報シール台座1021にはハガシ孔1021dを設けているため、第二情報シール台座1021をリユースしたり分別廃棄したりする際に、ハガシ孔1021dに後ろから棒を差し込んで第二情報シール1022を前方へ押すことにより、第二情報シール1022を容易に剥がすことができる。
更に、第二情報シール台座1021の台板1021aを、収容凹部1020aに収容させているため、前方から第二情報シール台座1021に対して指や工具等を引っ掛かり難くしている。これにより、正規とは異なる不正な情報が記載された第二情報シール1022が貼り付けられている第二情報シール台座1021への交換を困難なものとすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
[5-1c.遊技盤第三情報表示部]
続いて、前構成部材1000における遊技盤第三情報表示部1025について、主に図105等を参照して詳細に説明する。図105(a)は前構成部材における遊技盤第三情報表示部の部位を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は遊技盤第三情報表示部の部位を断面で示す説明図であり、(c)は遊技盤第三情報表示部と第三情報シール台座とを分解して斜視図で示す説明図であり、(d)は第三情報シールが貼り付けられている第三情報シール台座を前から見た斜視図である。
遊技盤第三情報表示部1025には、遊技盤5にかかる情報が記載された第三情報シール1027が貼り付けられている第三情報シール台座1026が取付けられている。第三情報シール1027には、例えば、遊技盤5のメーカー等が記載されている。
遊技盤第三情報表示部1025には、前構成部材1000の前面における左下隅で切欠部1010の上方に設けられている。遊技盤第三情報表示部1025は、略正方形に形成されている。この遊技盤第三情報表示部1025は、前構成部材1000の前面から浅く凹んでいる収容凹部1025aと、収容凹部1025aの底面で四角く前後に貫通している三つの挿通孔1025bと、が設けられている。三つの挿通孔1025bは、一つが収容凹部1025aの上辺に沿った中央に設けられており、残りの二つが収容凹部1025aの下辺に沿って左右に離隔して設けられている。
また、遊技盤第三情報表示部1025には、上側の挿通孔1025bにおいて、収容凹部1025aの上辺の外側の部位から後方へ平板状に延出している係止リブ1025cが設けられている。係止リブ1025cは、前構成部材1000の奥行の半分程まで後方へ延出している。更に、遊技盤第三情報表示部1025は、係止リブ1025cの下面側から上方へ凹んでいると共に前方へ開放されている案内凹部1025dを、備えている。案内凹部1025dは、図105(b)に示すように、後方へ向かうほど下方へ位置するように傾斜している。
第三情報シール台座1026は、前面に第三情報シール1027が貼り付けられ、遊技盤第三情報表示部1025の収容凹部1025aに前方から収容される平板状の台板1026aを備えている。また、第三情報シール台座1026は、台板1026aの後面における上端から後方へ延出しており上側の挿通孔1025bを通って後端が係止リブ1025cに係止される係止爪1026bを、備えている。係止爪1026bは、図105(b)に示すように、係止リブ1025cに係止させた状態で、その後端が前構成部材1000の後端付近まで後方へ延出している。
また、第三情報シール台座1026は、台板1021aの後面における下端に沿うように左右方向に離隔しており、後方へ短く延出した後に下方へ延出しているL字状の二つの係止部1026cを、備えている。係止部1026cは、下側の挿通孔1020bに挿通された上で、L字状の先端が前構成部材1000の前面を構成している平板状の部位の裏側に係止される。
なお、第三情報シール台座1026は、前構成部材1000とは異なる色(例えば、黒色、青色、赤色、等)で設けられている。これにより、遊技盤5の製造において、第三情報シール台座1026(第三情報シール1027)の付け忘れに気付かせ易くしている。
この遊技盤第三情報表示部1025は、前方から第三情報シール台座1026を着脱可能としているため、前構成部材1000をリユースする際に、第三情報シール1027が貼り付けられている第三情報シール台座1026を交換すれば良い。この第三情報シール台座1026を取外す場合は、前方から案内凹部1025dに、マイナスドライバーのような工具の先端を差し込むと、その先端が案内凹部1025dに案内されることで係止爪1026bを下方へ押圧し、係止リブ1025cと係止爪1026bとの係止を解除することができ、第三情報シール台座1026を前方へ取外すことができる。なお、工具を使用して前方から第三情報シール台座1026を取外した場合、案内凹部1025dにその痕跡が残り易い。
第三情報シール台座1026のその他の取外しとしては、前構成部材1000の後側から係止爪1026bを操作することで、係止リブ1025cとの係止を解除して取外す。なお、この場合、図示は省略するが、遊技盤第三情報表示部1025の後方は遊技パネル1100により閉鎖されているため、第三情報シール台座1026を取外す場合は前構成部材1000から遊技パネル1100を取外す必要がある。
また、第三情報シール台座1026の台板1026aを、収容凹部1025aに収容させているため、前方から第三情報シール台座1026に対して指や工具等を引っ掛かり難くしている。これにより、正規とは異なる不正な情報が記載された第三情報シール1027が貼り付けられている第三情報シール台座1026への交換を困難なものとすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
[5-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図101及び図102等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が前構成部材1000の外周よりもやや小さく形成されていると共に透明な合成樹脂で平板状に形成されている。この遊技パネル1100は、前構成部材1000の後側の窪んだ部位に後方から嵌め込まれて取付けられている。なお、図示は省略するが、遊技パネル1100の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘が植設されている。
遊技パネル1100は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。この遊技パネル1100の板厚は、木製の遊技パネルの板厚が約20mmであるのに対しこれよりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さが約10mmとされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によって形成されている。
遊技パネル1100には、前後に貫通している複数の開口部1112が複数形成されている。各開口部1112は、前構成部材1000のアウト口1008、表ユニット2000における始動口ユニット2100、サイドユニット2200、センター役物2500、に対応した部位に設けられている。アウト口1008と対応している開口部1112では、遊技パネル1100における当該開口部1112よりも下側の部位が、後面から前方へ向かって凹んでいる。つまり、当該開口部1112の下側の部位の板厚が薄くなっている。
この遊技パネル1100は、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも上側にオフセットして設けられており、その開口部1112の存在により枠状に形成されているが、図示するように、当該枠が途切れていないため、十分な強度・剛性を有している。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と共に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と共に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
なお、詳細に説明は省略するが、遊技パネル1100には、前構成部材1000、始動口ユニット2100やセンター役物2500等のような表ユニット2000、裏ユニット3000の裏箱3010、等を取付けや位置決めするための複数の取付孔や位置決孔が設けられている。
[5-3.装飾セル]
遊技盤5における装飾セル1140について、主に図100乃至図102等を参照して詳細に説明する。装飾セル1140は、透明な遊技パネル1100を通して前方から視認可能に設けられており、遊技領域5a内を装飾するためのものである。
本実施形態の遊技盤5は、遊技パネル1100における透明な遊技パネル1100の後側に設けられており、所定の絵柄が施されているフィルム状の装飾セル1140を備えている。
装飾セル1140は、遊技領域5a内(正面視において枠状の前構成部材1000の枠内)において、遊技球Bが流通する領域の後方に設けられている。装飾セル1140は、遊技領域5aの周縁とセンター役物2500の枠内との間の環状の領域において、センター役物2500の第二始動口2004が設けられている部位を除いた、略全周に設けられている。本実施形態では、装飾セル1140は、四つに分割されている。具体的には、装飾セル1140は、内レール1002とセンター役物2500との間で逆流防止部材1007付近からサイドユニット2200の左端上方までの領域の部分、右下レール1004とセンター役物2500との間でサイドユニット2200及び始動口ユニット2100を含んで第一大入賞口2005よりも左側までの領域の部分、外レール1001とセンター役物2500との間で逆流防止部材1007付近から衝止部1006までの間の領域の部分、右レール1005とセンター役物2500との間で衝止部1006よりも下方の領域の部分、の四つで構成されている。
装飾セル1140は、外周側の端縁が前構成部材1000の内周縁と略一致するように形成されていると共に、内周側の端縁が遊技パネル1100の開口部1112の内周面よりも若干外方へ控えるように形成されている。
装飾セル1140には、複数の取付孔が設けられており、それら取付孔を通して図示しない取付ネジにより、遊技パネル1100の後面に取付けられる。なお、取付ネジには、装飾セル1140の厚さと同じ高さの円筒状の段が設けられており、遊技パネル1100に対して取付けと同時に位置決めされる。なお、取付孔は、遊技盤5に組立てた時に、前方から見え難い位置に設けられている。
装飾セル1140は、厚さが0.2mm~0.4mmの合成樹脂のフィルムであり、所定の絵柄が印刷により施されている。なお、装飾セル1140の材質としては、「ポリエチレンテレフタレート樹脂」、「ポリカーボネイト樹脂」、「ABS樹脂」、「AES樹脂」、「PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂」、「ポリプロピレン樹脂」、「ポリエチレン樹脂」、「ポリスチレン樹脂」、「耐衝撃性ポリスチレン樹脂」、「ポリ塩化ビニル」、等が挙げられる。
本実施形態では、装飾セル1140を、遊技パネル1100の一部に設けるようにしているため、遊技パネル1100に貼り付けられる従来のセルと比較して、樹脂シートから取れる装飾セル1140の数を多くすることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、装飾セル1140を取付ネジにより遊技パネル1100に取付けていることから、装飾セル1140を遊技パネル1100から容易に着脱させることができるため、絵柄異なる装飾セル1140に取替えることで、パチンコ機1のスペック変更、機種変更、或いは、設計変更、リユース、等に対して容易に対応することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、より装飾効果の高い絵柄の装飾セル1140に交換することで遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、透明な遊技パネル1100の後側に装飾セル1140を設けるようにしているため、遊技パネル1100の前面に設けるようにした場合と比較して、遊技者から装飾セル1140までの距離が遠くなり、遊技者に対する圧迫感を低減させることができる。
また、装飾セル1140に透光性を有するようにすることが望ましく、遊技パネル1100(装飾セル1140)の後方に設けられているLEDからの光により、装飾セル1140の絵柄を発光装飾させることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができると共に、装飾セル1140の発光装飾により遊技者の関心を強く引付けさせることができ、パチンコ機1の訴求力を高めることができる。
[5-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図96乃至図98等を参照して説明する。主制御ユニット1300は、裏ユニット3000における裏箱3010の後面の下部に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技者への特典の付与等を制御する主制御基板1310(図126を参照)と、主制御基板1310を収容しており裏箱3010に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、裏箱3010に取付けられると共に後面に主制御基板1310が取付けられる基板ベース1330と、主制御基板1310を後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている基板カバー1340と、から構成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とは、透明なポリカーボネイトにより形成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とにより形成される内部空間には、主制御基板1310が収容されている。基板ベース1330と基板カバー1340が透明なポリカーボネイトにより形成されていることによって、主制御基板1310の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1320は、基板ベース1330と基板カバー1340とに夫々対応するように複数の封印機構1350を備えており、一つの封印機構1350を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構1350を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、払出制御基板633、第一球センサ703、第二球センサ704、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2502、普通入賞口センサ3003、ゲートセンサ2501、第一大入賞口センサ2503、第二大入賞口センサ2504、第一大入賞口センサ2503、始動口ソレノイド2542、第一アタッカソレノイド2532、第二アタッカソレノイド2552、磁気センサ1050、振動センサ1040、等と接続されている。
また、主制御基板1310には、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1310aを有している(図126を参照)。ベースモニタ1310aは、透明な基板カバー1340を通して後方から視認することができる。このベースモニタ1310aは、球発射装置540により発射された遊技球Bのうち、遊技領域5a内に打込まれた後に遊技盤5から下方へ排出されて、本体枠4の基板ユニット700に設けられている第一球センサ703及び第二球センサ704より検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものである。本実施形態のベースモニタ1310aは、100発発射して第一球センサ703及び第二球センサ704によりカウントされた球数(遊技ホール側へ戻ってきた球数)を百分率にして表示している。
[5-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図93等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート2003での遊技球Bの通過や普通入賞口2011への遊技球Bの受入れにより抽選される普通図柄の抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート2003での遊技球Bの通過や普通入賞口2011への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果が「当り」等の時に、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図96等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後側に設けられている演出表示装置1600の後方に設けられている。詳述すると、周辺制御ユニット1500は、裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図126を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている(図126を参照)。周辺制御ユニット1500は、詳細は後述するが、演出表示装置1600の後側に取付けられている。
[5-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図97及び図98等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁に対して着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、透明な遊技パネル1100や枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした4:3の19inchのフルカラーの液晶表示装置であり、横長の状態で裏箱3010の後面(後壁)に取付けられる。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上端面から上方へ突出している二つの上固定片1601と、下端面から下方へ突出している一つの下固定片1602と、を備えている。演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の開口部3010bの上内周面に開口している二つの固定溝3010dに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601を挿入した上で、下固定片1602側を前方へ移動させて、下固定片1602をロックスライダ3020の開口部内に挿入し、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図100乃至図102等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100に、前方から取付けられており、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が遊技パネル1100の開口部1112内に突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能なゲート2003と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2011と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技球Bがゲート2003を通過又は遊技球Bが普通入賞口2011に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄に応じて遊技球Bの受入れが何れかにおいて可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを遊技領域5a外へ排出するアウト口1008及びサブアウト口2023を、更に備えている。アウト口1008及びサブアウト口2023は、遊技球Bを受入可能に常時開口している。また、アウト口1008は、遊技領域5aの下流端に設けられている。
また、表ユニット2000は、ゲート2003での遊技球Bの通過を検知するゲートセンサ2501、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2502と、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2503と、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2504と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知する磁気センサ1050と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、三つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されており、残り一つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して右側に配置さている。ゲート2003は、遊技領域5a内における右端付近の上下方向中央よりも上側の部位に配置されている。普通入賞口2011は、遊技領域5a内における右端付近で上下方向中央よりも下側の部位に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1008の直上に配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5a内における右端付近でゲート2003と普通入賞口2011との間の上下方向中央よりも上側に配置されている。第一大入賞口2005は、遊技領域5a内における右上隅で衝止部1006の下方に配置されている。第二大入賞口2006は、遊技領域5aの右下隅に配置されている。
アウト口1008は、遊技領域5aの下流端で第一始動口2002の直下に配置されている。複数(ここでは六つ)のサブアウト口2023は、三つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されており、二つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して右側に配置されており、残り一つが遊技領域5a内の左端付近で上下方向の略中央に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001及び三つのサブアウト口2023を有しているサイドユニット2200と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており、一つの一般入賞口2001、ゲート2003、普通入賞口2011、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、及び三つのサブアウト口2023、を有している枠状のセンター役物2500を、更に備えている。
[5-8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図93乃至図95、及び図99等を参照して説明する。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を、有している。
始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2002がセンター役物2500のステージ2518における中央放出部2518aの直下に位置しており、中央放出部2518aから放出された遊技球Bを高い確率で受入れることができる。この第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、第一始動口センサ3002に検知された後に、下方の基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。
[5-8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、主に図93乃至図95、及び図99等を参照して説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001と、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つのサブアウト口2023と、を備えている。
サイドユニット2200は、右から左へ向かって内レール1002に沿うように、一般入賞口2001とサブアウト口2023とが交互に列設されており、左方へ向かうほど高い位置に設けられている。一般入賞口2001及びサブアウト口2023は、それぞれが遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。
また、サイドユニット2200は、最も高くなっている左端側に、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している棚部2201を有している。棚部2201は、遊技盤5に組立てた状態で、ワープ入口2515の左方且つ下方に位置している。このサイドユニット2200の前面には、所定の装飾が施された装飾シール2203が貼り付けられている。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001とサブアウト口2023とが、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。そして、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方の基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。
また、サイドユニット2200は、サブアウト口2023に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、下方の基板ユニット700の第一球経路701へ排出される。
[5-8c.センター役物]
次に、表ユニット2000におけるセンター役物2500について、主に図106及び図107等を参照して詳細に説明する。図106は遊技盤のセンター役物を前から見た斜視図であり、図107は遊技盤のセンター役物を後ろから見た斜視図である。表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されている。
センター役物2500は、詳細は後述するが、遊技球Bの通過により普通図柄の抽選が行われるゲート2003と、遊技球Bを受入可能に常時開口しており遊技球Bの受入れにより普通図柄の抽選が行われる普通入賞口2011と、ゲート2003での遊技球Bの通過や普通入賞口2011への遊技球Bの受入れにより抽選された普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果に応じて何れかが遊技球Bを受入可能に開閉する第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、受入れられた遊技球Bを遊技領域5aへ戻すことなく排出する三つのサブアウト口2023と、を備えている。
センター役物2500は、ゲート2003での遊技球Bの通過を検知するゲートセンサ2501と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2502と、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2503と、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2504と、を備えている。
また、センター役物2500は、遊技パネル1100の開口部1112の内周縁に沿うように枠状に形成されているセンターフレーム2510を備えている。センターフレーム2510は、障害釘Nの前端と同じような位置まで遊技パネル1100の前面から前方へ突出している前方突出部2511と、前方突出部2511の後端から枠の外方へ向かって遊技パネル1100の前面と平行に延出している板状のフランジ部2512と、フランジ部2512よりも後方へ突出している後方突出部2513と、前方突出部2511の後端から枠の内方へ向かって遊技パネル1100の前面と平行に延出している板状のサポート部2514と、を備えている。
センター役物2500の前方突出部2511は、遊技パネル1100の開口部1112の周縁に沿うように略全周に亘って枠状に設けられている。この前方突出部2511によって、遊技パネル1100の開口部1112内への遊技球Bの侵入(流入)が阻止されている。フランジ部2512は、センターフレーム2510を遊技パネル1100の前面に取付けるためのものである。後方突出部2513及びサポート部2514は、主にセンターフレーム2510を補強するためのものである。
更に、センター役物2500は、枠状の前方突出部2511における左辺部分において遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2515と、ワープ入口2515に進入した遊技球Bをセンター役物2500の枠内へ案内するワープ通路2516と、ワープ通路2516の下流端において開口しているワープ出口2517と、ワープ出口2517から出てきた遊技球Bを左右方向へ転動させた後に前方且つセンター役物2500の下方へ放出させるステージ2518と、を備えている。
ステージ2518は、フランジ部2512(遊技パネル1100の前面)よりも後方で開口部1112内に設けられている。ステージ2518は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100の遊技パネル1100に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2518は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2518a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2518b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
更に、センター役物2500は、センター役物2500の下辺部分を形成しステージ2518を有するステージユニット2520と、センター役物2500の右上隅部分を形成し第一大入賞口2005を有する第一アタッカユニット2530と、第一アタッカユニット2530の下方に設けられゲート2003、普通入賞口2011、第二始動口2004、及びサブアウト口2023を有するゲートユニット2540と、センター役物2500の右下隅部分を形成しステージユニット2520の左方且つゲートユニット2540の下方に設けられ一般入賞口2001、第二大入賞口2006、及びサブアウト口2023を有する第二アタッカユニット2550と、 センター役物2500の左辺の一部と上辺部分とを形成しステージユニット2520と第一アタッカユニット2530とを繋ぐように設けられているセンター左上ユニット2560と、を備えている。
本実施形態のセンター役物2500は、ステージユニット2520、第一アタッカユニット2530、ゲートユニット2540、第二アタッカユニット2550、センター左上ユニット2560、により周方向へ五つに分割されている。それに伴って、センターフレーム2510も周方向へ五つに分割されている。
センター役物2500は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2541と、第二始動口扉2541を普通入賞口2011における遊技球Bの受入れにより抽選された普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2542と、第一大入賞口2005を開閉可能な第一大入賞口扉2531と、第一大入賞口扉2531を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果に応じて開閉させる第一アタッカソレノイド2532と、第二大入賞口2006を開閉可能な第二大入賞口扉2551と、第二大入賞口扉2551を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果に応じて開閉させる第二アタッカソレノイド2552と、を備えている。
また、センター役物2500は、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄や第四図柄等を表示する図柄表示器2505と、を備えている。
[5-8c-1.ステージユニット]
センター役物2500のステージユニット2520について、図108~図112等を参照して詳細に説明する。図108(a)はセンター役物におけるステージユニットの正面図であり、(b)はセンター役物におけるステージユニットの背面図である。図109はステージユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図110はステージユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図111は、ステージユニットの要部を拡大して示す正面図である。図112(a)は図111におけるタ-タ線で切断した断面図であり、(b)は図111におけるチ-チ線で切断した断面図であり、(c)は図111におけるツ-ツ線で切断した断面図であり、(d)は図111におけるテ-テ線で切断した断面図である。
ステージユニット2520は、センター役物2500における左辺部分の一部と下辺部分の一部とを構成しており、図108(a)に示すように、正面視の形状が、左下へ膨出するような円弧状に形成されている。
このステージユニット2520は、遊技パネル1100の前面に取付けられる第一部材2521と、第一部材2521の後側に取付けられる第二部材2522と、第二部材2522を後方から挟むように第一部材2521の後側に取付けられている第三部材2523と、第一部材2521における前面の一部に貼り付けられる装飾シール2524と、を備えている。
第一部材2521は、ステージユニット2520全体を形作る大きさであり、後側に第二部材2522及び第三部材2523が取付けられる。この第一部材2521は、センターフレーム2510の一部を構成しており、前方突出部2511と、フランジ部2512と、後方突出部2513と、サポート部2514と、を有している。
詳述すると、第一部材2521の前方突出部2511は、遊技パネル1100の前面から障害釘Nの前端までの距離と同じような幅の帯板状に形成されていると共に、その幅方向が前後方向を向けられており、左右方向へ間隔をあけて二つに分離して設けられている。右側の前方突出部2511(後述する区画部2511a)は、ステージ2518の右方に設けられており、上下方向へ略垂直に延出している。左側の前方突出部2511は、ワープ出口2517から左方に設けられており、左上方へ延出している。この左側の前方突出部2511の途中に、左方へ向けて開口するようにワープ入口2515が設けられている。なお、右側の前方突出部2511は、左側の前方突出部2511よりも前方への突出が短い。
第一部材2521のフランジ部2512は、前方突出部2511の後端からセンターフレーム2510の枠の外方へ向かって、遊技パネル1100の前面と平行な平板状に延出しており、左右に分離している二つの前方突出部2511を繋ぐように設けられている。フランジ部2512は、右端が右側の前方突出部2511と一致しており、左端が左側の前方突出部2511の下方且つワープ入口2515の下方の部位まで設けられている。第一部材2521のフランジ部2512は、ステージ2518及びワープ通路2516に沿って、左端側が高くなるように左右方向へ延びている。第一部材2521のフランジ部2512の前面は、所定範囲において一定の深さで凹んでおり、その凹んでいる部位に所定の装飾が印刷された装飾シール2524が貼り付けられる。
第一部材2521の後方突出部2513は、フランジ部2512の右辺と下辺に沿うように、フランジ部2512の後面から後方へ板状に突出するように設けられている。この後方突出部2513は、第三部材2523の下壁部2523cと対応するように設けられている。第一部材2521のサポート部2514は、左側の前方突出部2511の後端からセンターフレーム2510の枠の内方へ向かって板状に延出している。なお、フランジ部2512とサポート部2514とのそれぞれの一部は、ワープ通路2516の前壁を構成している。
更に、第一部材2521は、フランジ部2512及びサポート部2514において貫通しており自身を遊技パネル1100に取付けるための取付ビスが挿通される取付孔2521aと、フランジ部2512及びサポート部2514の後面から後方へ突出しており遊技パネル1100の位置決孔に挿入される板用位置決ピン2521bと、を有している。
また、第一部材2521は、フランジ部2512の下端辺と左端辺とに設けられており先端へ向かうほど後方へ移動するように傾斜している表傾斜部2521cと、フランジ部2512の後面から後方へ円柱状に突出しており中心にネジ孔が形成されている複数の円柱突出部2521dと、を有している。複数の円柱突出部2521dは、第二部材2522や第三部材2523を取付けるためのものである。複数の円柱突出部2521dのうち、ステージ2518の下方に位置している四つの円柱突出部2521dは、ステージ2518の中央放出部2518aを中心にして左右対称に設けられている。
また、第一部材2521は、フランジ部2512を貫通しているシール剥孔2521eを有している。シール剥孔2521eは、装飾シール2524が貼り付けられる部位に設けられており、後方から棒状の工具を挿入することで、貼り付けられている装飾シール2524を前方へ押して、剥がし易くするためのものである。
第二部材2522は、第一部材2521と第三部材2523との間に挟まれるように設けられている。この第二部材2522は、ワープ出口2517よりも下方に設けられており、ワープ出口2517の左端付近から右方へ延出し、一部にステージ2518が設けられている。この第二部材2522は、板面を上下方向へ向けて左右方向へ延出しており上面を遊技球Bが転動可能な転動面部2522aと、転動面部2522aの前端から上方へ延出している板状の前壁板部2522bと、転動面部2522aの後端から上方へ延出している板状の後壁板部2522cと、を備えている。
転動面部2522aは、左右方向の中央付近から右側がアップダウンを有しながらも略水平に延出しており、当該部位にステージ2518が設けられている。一方、転動面部2522aにおけるステージ2518よりも左側の部位は、ワープ出口2517へ向かって左方へ向かうほど高くなるように傾斜している。
前壁板部2522bは、転動面部2522aの前端縁における、ステージ2518の中央放出部2518aとサイド放出部2518bとを除いた部位に設けられている。また、前壁板部2522bは、ステージ2518と対応している部位が、他の部位よりも前方へ突出している。前壁板部2522bは、転動面部2522aから遊技球Bの直径よりも低く上方へ突出している。後壁板部2522cは、転動面部2522aの後端縁の全長に亘って設けられており、転動面部2522aから遊技球Bの直径よりも低く上方へ突出している。
更に、第二部材2522は、転動面部2522aにおけるステージ2518よりも左側の部位において、前壁板部2522b及び後壁板部2522cから転動面部2522a側へ突出しており、遊技球Bの流通方向(左右方向)へ千鳥状に列設されている複数の突起部2522dを、有している。複数の突起部2522dは、遊技球Bが交互に当接することにより前後に蛇行させて、その流通速度(転動速度)を減速させるためのものである。
また、第二部材2522は、前壁板部2522bの後面において先端へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している裏傾斜部2522eと、転動面部2522aの前端付近から下方へ突出している下方突出部2522fと、を有している。下方突出部2522fは、転動面部2522aの前端縁の全長に亘って設けられており、その前面が前壁板部2522bにおけるステージ2518と対応している部分を除いた部位の前面と同一面上に設けられている。
また、第二部材2522は、後壁板部2522cから後方へ円柱状に突出している複数の位置決ピン2522gを有している。複数の位置決ピン2522gは、左右方向へ間隔をあけて設けられており、そのうちの一つは、ステージ2518の中央放出部2518aの中心を通る垂直線上に設けられている。複数の位置決ピン2522gは、第三部材2523と位置決めするためのものであり、第三部材2523の位置決孔2523fに挿入される。
更に、第二部材2522は、転動面部2522aの下方に設けられている複数の取付部2522hを備えている。複数の取付部2522hは、自身を第一部材2521に取付けるためのものである。複数の取付部2522hは、第一部材2521の円柱突出部2521dを前方から挿入可能に凹んだ凹部が形成されていると共に、後端面に取付ビスが挿通される皿穴が形成されている。また、複数の取付部2522hのうち、ステージ2518の下方に設けられている四つの取付部2522hは、ステージ2518の中央放出部2518aを中心にして左右対称に設けられている。従って、複数の取付部2522hを対応する円柱突出部2521dに取付けることにより、第二部材2522を第一部材2521に対して所定位置に位置決めすることができる。
第三部材2523は、第一部材2521との間に第二部材2522を挟むように第一部材2521の後側に取付けられる。この第三部材2523は、板面を前後方向に向けて第二部材2522に沿うように左右方向へ延出している後壁部2523aと、後壁部2523aの上端縁から前方へ突出している上壁部2523bと、後壁部2523aの下端縁から上壁部2523bよりも短く前方へ突出している下壁部2523cと、後壁部2523a及び上壁部2523bの左端から左方且つ上方へ延出している球通路部2523dと、を備えている。
後壁部2523aは、ステージ2518を構成している第二部材2522の転動面部2522aから遊技球Bが後方へ転落するのを防止している。後壁部2523aの上端縁は、転動面部2522aの上面から遊技球Bの直径よりも高い位置に設けられている。また、後壁部2523aの下端縁は、第一部材2521の後方突出部2513と一致するように設けられている。
上壁部2523bは、第一部材2521における右側の前方突出部2511の前端と同じ位置まで前方へ突出しており、ステージ2518の上方を覆っている。この上壁部2523bは、後壁部2523aの上端縁から前方へ向かうほど高くなるように傾斜している。これにより、上方から落下してきたゴミや塵等を遊技領域5a内へ落ち難くすることができる。また、何らかの理由によって遊技球Bが落下してきた場合、当該遊技球Bを後方へ落下させることができ、ガラス板162との間に遊技球Bが溜まることはない。
下壁部2523cは、第一部材2521の後方突出部2513と一致するように設けられている。この下壁部2523cは、ステージユニット2520に組立てた状態で、前端面が第一部材2521の後方突出部2513の後端面と当接するように設けられている。
球通路部2523dは、前方へ開放された樋状に形成されており、その前端の開口が第一部材2521のフランジ部2512及びサポート部2514により閉鎖される。この球通路部2523dは、ワープ入口2515付近からワープ出口2517まで延出しており、ワープ通路2516の底壁、後壁、及び上壁を構成している。
また、第三部材2523は、球通路部2523dの前端から後壁部2523aと平行に外方へ延出している取付片2523eと、後壁部2523aに設けられており第二部材2522の位置決ピン2522gが挿入される位置決孔2523fと、後壁部2523a及び取付片2523eに設けられており自身を第一部材2521に取付けるための取付ネジが挿通される取付孔2523gと、後壁部2523aに設けられており第二部材2522を第一部材2521に取付けるための取付ネジが通過可能なネジ通過孔2523hと、を有している。ネジ通過孔2523hは、背面視において第二部材2522の取付部2522hと重なる部位に設けられている。
本実施形態のステージユニット2520は、第一部材2521におけるフランジ部2512の後方に、第二部材2522がネジ止めされている。具体的には、第二部材2522の取付部2522hには、前方から凹んでいる凹部を有しており、その凹部内に第一部材2521の円柱突出部2521dを挿入させた上で、取付部2522hの後方から取付ネジを円柱突出部2521dにねじ込むことにより、第二部材2522が第一部材2521に取付けられる。
この際に、円柱突出部2521dを取付部2522hの凹部に挿入しているため、それらの嵌め合わせにより第一部材2521に対して第二部材2522が所定位置に位置決めされる。
そして、第一部材2521に第二部材2522を取付けたら、第二部材2522の後方に第三部材2523を位置させた上で、第三部材2523を前方へ移動させて第二部材2522の位置決ピン2522gを第三部材2523の位置決孔2523fに挿入させる。これにより、第二部材2522に対して第三部材2523が所定位置に位置決めされる。
そして、第三部材2523が第二部材2522に対して位置決めされると、第三部材2523の取付孔2523gの軸芯と第一部材2521の円柱突出部2521dの軸芯とが一致した状態となるため、後方から取付孔2523gを通して取付ネジを円柱突出部2521dにねじ込むことにより、第三部材2523が第一部材2521に取付けられる。これにより、ステージユニット2520が組立てられた状態となる。
ステージユニット2520を組立てた状態では、図112に示すように、第一部材2521のフランジ部2512の後面に第二部材2522の下方突出部2522fの前面が当接していると共に、第二部材2522の後壁板部2522cの後面が第三部材2523の後壁部2523aの前面に当接している。つまり、第二部材2522が第一部材2521と第三部材2523とに挟まれている。
また、ステージユニット2520では、第一部材2521の後方突出部2513の後端面と、第三部材2523の下壁部2523cの前端面と、が当接している。これら後方突出部2513と下壁部2523cは、第二部材2522の転動面部2522a(ステージ2518)の下方に間隔をあけて設けられている。従って、ステージユニット2520では、ステージ2518の下方に、フランジ部2512と、転動面部2522aと、後壁部2523aと、後方突出部2513及び下壁部2523cと、によって断面が四角い閉鎖空間2525aを有した角パイプ状の補強部2525が設けられている(図112を参照)。これにより、ステージユニット2520の強度・剛性を高めることができるため、遊技球Bの重さが作用してもステージ2518を歪み難くすることができ、ステージ2518における遊技球Bの転動(挙動)を安定させて設計通りに転動させることが可能となる。
ところで、ステージユニット2520において、位置決ピン2522gによりユニット内でのステージ2518の位置決め精度が高くても、ステージユニット2520と遊技パネル1100との位置決め精度が低いと、遊技盤5としてはステージ2518の精度が低くなってしまい、ステージ2518において設計上の作用効果が充分に発揮されない恐れがある。これに対して、本実施形態のステージユニット2520では、図112に示すように、自身を遊技パネル1100に位置決めするための板用位置決ピン2521bの直径d1と、第二部材2522と第三部材2523とを位置決めしている位置決ピン2522gの直径d2と、の関係を、 d1>d2 としている。また、直径だけでなく長さについても板用位置決ピン2521bの方を長くしている。つまり、位置決ピン2522gよりも板用位置決ピン2521bの方が大きく設けられている。これにより、大本となる遊技パネル1100に対するステージユニット2520の位置決め精度を高めることができ、ステージ2518において設計の際に想定された作用効果を充分に発揮させることができる。
また、本実施形態のステージユニット2520は、第二部材2522において、ステージ2518を転動している遊技球Bが前方へ放出されるのを阻止可能な前壁板部2522bの上端縁に裏傾斜部2522eを設けている。また、第一部材2521において、遊技パネル1100の前面に取付けられるフランジ部2512における少なくともステージ2518(前壁板部2522b)の下方の部位の下端縁に表傾斜部2521cを設けている。
図112に示すように、裏傾斜部2522eは、前壁板部2522bの後面において、先端(上端縁)へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜しており、表傾斜部2521cは、フランジ部2512において、先端(下端縁)へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。
このように、ステージ2518前側の前壁板部2522bの上端縁に裏傾斜部2522eを設けているため、ステージ2518を転動している遊技球Bが裏傾斜部2522eに案内されることで中央放出部2518aやサイド放出部2518b以外の部位でも前方へ落下し易くなる。これにより、遊技球Bがステージ2518を左右方向へ転動すると、中央放出部2518aやサイド放出部2518b以外の部位(前壁板部2522b)から落下する恐れがあるため、遊技者に対してステージ2518上の遊技球Bに注目させることができ、遊技球Bが前壁板部2522bから落下しないことを願わせて遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。従って、従来のパチンコ機よりもステージ2518を転動している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、フランジ部2512の下端縁に表傾斜部2521cを設けているため、ステージ2518や前壁板部2522bから落下してフランジ部2512の前面を転動してきた遊技球Bを、スムーズに遊技パネル1100の前面へ受け渡すことができる。これにより、フランジ部2512の下端において遊技球Bを跳ね難くすることができ、遊技球Bが予想外の動きをしたり下方の部材を破損させたりしてしまうことを抑制させることができる。
また、本実施形態では、前壁板部2522bに裏傾斜部2522eを設けているため、遊技パネル1100からステージユニット2520を取外す際に、前壁板部2522bと上壁部2523bとの間に指を挿入し易くすることができると共に、挿入した指を引っ掛け易くすることができ、ステージユニット2520の取外作業を楽にすることができる。
なお、本実施形態のステージユニット2520では、第三部材2523における第二部材2522の取付部2522hの後方の部位にネジ挿通孔2523hを設けているため、リサイクルなどによりステージユニット2520を分解する際に、ステージユニット2520の後方から全ての取付ネジを取外すことができる。これにより、例えば、ドライバーを持って第三部材2523を取付けている取付ネジを取外した後に、ドライバーを置いて第一部材2521から第三部材2523を取外し、再びドライバーを持って第二部材2522を取付けている取付ネジを取外した後に、ドライバーを置いて第一部材2521から第二部材2522を取外すような作業をしなくて済み、分解時の作業性を高めることができる。
また、第三部材2523にネジ挿通孔2523hを設けているため、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2518の位置ズレが判明した時に、ステージユニット2520を遊技パネル1100から取外さなくても、ドライバーを後方からネジ挿通孔2523hを通して第二部材2522を取付けている取付ネジを緩めることができ、ステージ2518を有する第二部材2522を微調整してステージ2518の位置ズレを解消させることができる。
また、ステージユニット2520は、後方にLEDや演出表示装置1600等の前方へ光を発することが可能な発光手段が設けられている。これにより、発光手段からの光によって、ステージユニット2520や装飾シール2524等を明るく発光装飾させることができる。
ところで、遊技パネル1100の前面におけるセンター役物2500の左側を流下する遊技球Bは、俗にいう道釘に沿ってセンター役物2500の下方に設けられている第一始動口2002に向かって転動して行くが、その際に、道釘等の障害釘Nによって上方へ跳ね上がった遊技球Bは、上方のフランジ部2512に表傾斜部2521cが設けられているため、その動きが阻害されることはなく、自然な挙動となる。また、フランジ部2512の先端に表傾斜部2521cを設けているため、遊技球Bが表傾斜部2521cの面に当たることでフランジ部2512の先端の角には当たることはなく、フランジ部2512が欠けたり割れたりすることはない。
更に、本実施形態のステージユニット2520では、ステージ2518の前壁部分として第二部材2522に裏傾斜部2522eを有する前壁板部2522bを設けたものを示したが、これに限定するものではなく、第一部材2521にステージ2518の前壁部分(前壁板部)を設けるようにしても良い。つまり、表傾斜部と裏傾斜部とが一つの部材に設けられていても良い。
[5-8c-2.脱型痕跡部]
続いて、ステージユニット2520等のセンター役物2500に設けられている脱型痕跡部2519について、図113~図118を参照して詳細に説明する。図113(a)~(d)は、脱型痕跡部の様々な態様を示す説明図である。図114(a)はセンター役物のステージユニットにおける前後両側に脱型痕跡部が設けられている第一部材の正面図であり、ステージユニットにおける前後両側に脱型痕跡部が設けられている第一部材の背面図である。図115(a)はステージユニットにおける後側のみに脱型痕跡部が設けられている第二部材の正面図であり、(b)はステージユニットにおける後側のみに脱型痕跡部が設けられている第二部材の背面図である。図116(a)ははステージユニットにおける前側のみに脱型痕跡部が設けられている第三部材の正面図であり、(b)はステージユニットにおける前側のみに脱型痕跡部が設けられている第三部材の背面図である。図117(a)は図115とは異なる部位に脱型痕跡部が設けられている第二部材の平面図であり、(b)は図116とは異なる部位に脱型痕跡部が設けられている第三部材の正面図である。図118は、前側に脱型痕跡部が設けられているセンター役物を遊技盤と共に模式的に示す説明図である。
まず、脱型痕跡部2519について、図113を参照して説明する。脱型痕跡部2519は、成形型(金型)を使用して製品を成形した後に、当該製品を成形型から取出すための機構(例えば、エジェクタピン、押上げコア、直上げコア、突出しコア、等)により製品に付いた押出痕跡のことである。脱型痕跡部2519は、隣接する平面部位と比較して微小に凹んでいたり凸っていたり傾斜していたりする。ここでは、ステージユニット2520に設けられている脱型痕跡部2519を例にして説明する。なお、図示では、脱型痕跡部2519が判り易いように網掛けを施してある。
図113(a)は、フランジ部2512のような板状の部位における板面に設けられている脱型痕跡部2519を示している。ここでは、円形の脱型痕跡部2519を示しているが、三角形、四角形、五角形、六角形、のような多角形、星形、ハート形、のような不定形、としても良い。また、板面に脱型痕跡部2519を複数設ける場合は、表面と後面(裏面)に複数の脱型痕跡部2519を点在させて配置するようにしてよいし、何れかの面に複数の脱型痕跡部2519を集約して配置するようにしても良い。例えば、複数の脱型痕跡部2519を、透過性を有する板面の表面と後面(裏面)に点在させて配置することで、外部からの脱型痕跡部2519の見栄えに遠近作用を働かせることが可能となり、複数の脱型痕跡部2519そのものを用いた立体感のある装飾性を付与することが可能となる。また、脱型痕跡部2519の見栄えが遊技機(パチンコ機)全体の装飾を阻害することを懸念するのであれば、例えば、複数の脱型痕跡部2519を透過性を有する板面の後面(裏面)に集約して配置するように設けるようにし、且つ、透過性を有する板面の表面に表傾斜部2521cや装飾シール2524や他の部材を後面(裏面)の脱型痕跡部2519に重畳するように(重なるように)配置し、外部から脱型痕跡部2519を見え辛くすることが望ましい。また、透過性を有する板面の表面に表傾斜部2521cや装飾シール2524や他の部材を後面(裏面)の脱型痕跡部2519に重畳するように(重なるように)配置する場合には、複数の脱型痕跡部2519を表傾斜部2521cや装飾シール2524によって纏めて見え辛くするようにすることが望ましい。また、透過性を有する板面の前面、あるいは、透過性を有さない板面の前面に複数の脱型痕跡部2519を集約して配置するように設ける場合は、その板面の前面に装飾シール2524や他の部材等を複数の脱型痕跡部2519と直接重畳するように(重なるように)配置してもよく、この場合にも外部から脱型痕跡部2519を見え辛くすることができる。
図113(b)~(e)では、板状の部位における端面(板厚方向の面)に設けられている複数の脱型痕跡部2519を示している。ここでは、前方突出部2511の前端面を例にしている。図113(a)に示す脱型痕跡部2519は、前方突出部2511の前端面の上下幅に納まらない円形の一部(ここでは半円形)であり、間隔をあけて設けられている。この半円形の脱型痕跡部2519は、前方突出部2511の前端面におけるフランジ部2512やサポート部2514が延出していない側の端辺が、半円の弦の部分と接するように設けられている。換言すると、半円形の脱型痕跡部2519では、その半円の中心が、前方突出部2511の前端面におけるフランジ部2512やサポート部2514が延出していない側の端辺に近い部位に設けられている。また、図示は省略するが、前方突出部2511の左右端からの所定距離内は脱型痕跡部2519を配置しない禁止領域としており、これにより、設計過程で前方突出部2511の左右端の一方あるいは両方を他部材と接触させて組み付ける必要が生じた場合等に、脱型痕跡部2519の僅かな凹凸が他部材との組付け精度を阻害してしまうことを回避可能にしている。
図113(c)に示す脱型痕跡部2519は、四角形であり、間隔をあけて設けられている。ここでは、前方突出部2511の長手方向へ長い長方形の脱型痕跡部2519を示している。この例の脱型痕跡部2519は、前方突出部2511の前端面の上下幅および左右幅内に納まるように設けられている。つまり、この脱型痕跡部2519は、何れの辺も前方突出部2511の前端面の端辺と接していない。なお、四角形の脱型痕跡部2519は、正方形であっても良いし、他の形状であっても良い。
図113(d)に示す脱型痕跡部2519は、二点鎖線で示すように、大きな円の一部であり、前方突出部2511の前端面に沿った長い形である。この脱型痕跡部2519は、前方突出部2511の前端面の上下幅に納まらない大きな円の中心が前方突出部2511の前端面上に位置している。また、この脱型痕跡部2519は、円弧の部分を除いて、前方突出部2511の前端面における両側の端辺にそれぞれ接している。
図113(e)に示す脱型痕跡部2519は、前方突出部2511の前端面に沿った長い四角形である。この四角形の脱型痕跡部2519は、四つの辺のうちの一つが、前方突出部2511の前端面におけるフランジ部2512やサポート部2514が延出していない側の端辺と接しており、残りの辺は前端面の端辺と接していない。なお、この脱型痕跡部2519では、前方突出部2511の前端面の両端辺に接するようにしても良い。
なお、図113(b)~(e)では、前方突出部2511の前端面が直線状に延びているものを示したが、これに限定するものではなく、曲線状や折れ線状に延びているものとしても良く、その場合でも、上記と同様のパターンで複数の脱型痕跡部2519を設けるようにすることが可能である。
また、図113では、同じ形の脱型痕跡部2519を複数設けたものを示したが、これに限定するものではなく、形の異なる脱型痕跡部2519が混在していても良い。例えば、形の異なる脱型痕跡部2519を交互に設けたり、所定のアルゴリズムで設けたりしても良い。これにより、複数の脱型痕跡部2519に対して装飾性を付与することができ、脱型痕跡部2519が見えても見栄えが悪くなることはない。
[5-8c-2a.ステージユニットの脱型痕跡部]
次に、センター役物2500のステージユニット2520に設けられている脱型痕跡部2519について、主に図114~図116を参照して詳細に説明する。ステージユニット2520の第一部材2521には、図114に示すように、脱型痕跡部2519が前側(表側)と後側(裏側)の両方に設けられている。詳述すると、第一部材2521では、図114(a)に示すように、前方へ突出している二つの前方突出部2511のうち、左側の前方突出部2511の前端面に複数の脱型痕跡部2519が設けられている。前方突出部2511の前端面に設けられている脱型痕跡部2519は、細長い長方形である。なお、詳細は後述するが、ステージ2518の右端にある右側の前方突出部2511の前端面には、脱型痕跡部2519が意図的に設けられていない。
また、第一部材2521では、図114(b)に示すように、左側(背面視では右側)の前方突出部2511の後端面と、後方突出部2513の後端面と、に複数の脱型痕跡部2519が設けられている。ワープ入口2515よりも上側に設けられている脱型痕跡部2519は円形であり、その他の脱型痕跡部2519は長方形である。第一部材2521の裏側に設けられている脱型痕跡部2519は、主に前方突出部2511の後端面や後方突出部2513の後端面に設けられているため、前方突出部2511が透過性を有していたとしても、前方突出部2511の前後方向の距離による屈折作用や外光等の反射作用、あるいは、第一部材2521後方に配置される装飾物(装飾体)による視認阻害作用により、前方突出部2511の前方からは見え辛くすることができる。
また、第一部材2521では、フランジ部2512の前面に装飾シール2524が貼り付けられるため、フランジ部2512の後面や後方突出部2513の後端面に設けられている脱型痕跡部2519が、装飾シール2524により見え辛くなっている。また、装飾シール2524には、遊技パネル1100の後面に設けられている装飾セル1140の装飾と一体感のある装飾が施されているため、それらの装飾が目立つことで相対的に脱型痕跡部2519を目立ち難くすることができる。なお、脱型痕跡部2519を目立ち難くする手段としては、装飾シール2524だけでなく「フランジ部2512の前面に凹凸形成したレンズカット部」を適用するようにしても良く、この場合にもレンズカット部の装飾が目立つことで相対的に脱型痕跡部2519を目立ち難くすることができる。
更に、第一部材2521の後方には、動画を含む演出画像が表示される演出表示装置1600や、発光・点滅する装飾用のLEDが設けられた発光装飾物(発光装飾体)、等が設けられているため、それらからの光により、脱型痕跡部2519を目立ち難くすることができる。
なお、第一部材2521の裏側において、円柱突出部2521dの後端面に脱型痕跡部2519を設けても良い。この場合でも、円柱突出部2521dの存在により前方から脱型痕跡部2519を見え辛くすることができると共に、第一部材2521を成形型から取出し(脱型)易くすることができる。
また、第一部材2521において、板面が前後方向を向いているフランジ部2512やサポート部2514では、その後面に脱型痕跡部2519を設けるようにしているため、前方からは当該脱型痕跡部2519が見え辛くなっている。一方、第一部材2521において、板面が前後方向と直交する方向を向いている前方突出部2511や後方突出部2513では、前端面や後端面のような幅の狭い部位に脱型痕跡部2519を設けるようにしているため、板面に設けられている脱型痕跡部2519よりも小さく、前方からは見え辛くなっている。
また、第一部材2521において、遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2515と、ワープ通路2516の下流端において開口しているワープ出口2517に通ずる球通路とを構成する筒状のカバー部位については、その表面および裏面に脱型痕跡部2519を設けないようにしている。これにより、ワープ入口2515に進入した遊技球Bの視認性が脱型痕跡部2519によって阻害されることを回避することができる。
なお、本実施形態の第一部材2521では、前方突出部2511の前端面に脱型痕跡部2519を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、前方突出部2511の前端面に脱型痕跡部2519を設けていない第一部材2521としても良い。つまり、後面にのみ脱型痕跡部2519が設けられている第一部材2521としても良い。
続いて、センター役物2500のステージユニット2520における第二部材2522には、図115に示すように、脱型痕跡部2519が前後方向の後側(裏側)のみに設けられている。詳述すると、第二部材2522では、図115(b)に示すように、後壁板部2522cの後面に複数の脱型痕跡部2519が設けられている。複数の脱型痕跡部2519は、後壁板部2522cに沿って一定の間隔をあけて設けられている。ステージ2518の中央放出部2518aに近い脱型痕跡部2519は、中央放出部2518aを中心にして左右対称に設けられている。第二部材2522に設けられている複数の脱型痕跡部2519は円形である。
この第二部材2522は、複数の脱型痕跡部2519が後壁板部2522cの後面に設けられていると共に、その前方には転動面部2522a及び前壁板部2522bが存在しているため、前方から脱型痕跡部2519が見え辛くなっている。また、仮に、ステージ2518の部位で脱型痕跡部2519が見えたとしても、中央放出部2518aを中心にして対称に設けているため、脱型痕跡部2519が装飾のように見え、見栄えが悪くなることはない。
また、第二部材2522の後方には、動画を含む演出画像が表示される演出表示装置1600や、発光・点滅する装飾用のLEDが設けられた発光装飾物(発光装飾体)、等が設けられているため、それらからの光により、脱型痕跡部2519を目立ち難くすることができる。
この第二部材2522によれば、ステージ2518(転動面部2522a)を有していることから、ステージ2518を転動している遊技球Bの動きを楽しむために、遊技者が第二部材2522に注目することとなるが、第二部材2522では前方から見え辛い部位(後壁板部2522cの後面)に脱型痕跡部2519を設けているため、本パチンコ機1の前方にいる遊技者から脱型痕跡部2519を見え難くすることができ、脱型痕跡部2519による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部2519により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
また、第二部材2522には、前述したように、転動面部2522aにおけるステージ2518よりも左側の部位において千鳥状に列設されている複数の突起部2522dを有しており、複数の突起部2522dの一部または全部を、脱型痕跡部2519と前後方向で重なるように配置するようにしてもよい。このように構成することによっても、前方にいる遊技者からは、突起部2522dによって脱型痕跡部2519を見え難くすることができ、脱型痕跡部2519による見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、第二部材2522によれば、成形時に形成される脱型痕跡部2519を、遊技球Bの流通を阻害しない部位(遊技球Bと接触しない部位)に設けているため、ステージ2518を転動している遊技球Bの動きに対して脱型痕跡部2519が影響を与えることはなく、第二部材2522(ステージ2518)における遊技球Bの流通精度を高めることができる。従って、ステージ2518において転動する遊技球Bに対して設計通りの動きをさせることができ、ステージ2518から遊技球Bを意図した確率で遊技パネル1100の前面側へ放出させることができる。
続いて、センター役物2500のステージユニット2520における第三部材2523には、図116に示すように、脱型痕跡部2519が前側(表側)のみに設けられている。詳述すると、第三部材2523では、図116(a)に示すように、上壁部2523bの前端面と、下壁部2523cの前端面と、に複数の脱型痕跡部2519が設けられている。上壁部2523bの前端面に設けられている複数の脱型痕跡部2519は四角形である。上壁部2523bにおけるステージ2518の中央放出部2518aに近い脱型痕跡部2519は、中央放出部2518aを中心にして左右対称に設けられている。一方、下壁部2523cの前端面に設けられている複数の脱型痕跡部2519は、下壁部2523cの前端面における外側辺に近い部位を中心にした半円形のような円形の一部を有する形状である。
この第三部材2523では、上壁部2523bの前端面に設けられている複数の脱型痕跡部2519は、その前方に見え辛くするような部材が設けられていないため、遊技者から視認することができる。一方、下壁部2523cの前端面に設けられている複数の脱型痕跡部2519は、その前方に第一部材2521の後方突出部2513が位置し、前方から見え辛くなっている。
第三部材2523では、後壁部2523aの前面及び後面と、上壁部2523bの上面及び下面と、にそれぞれ脱型痕跡部2519を設けていないため、脱型痕跡部2519によりステージ2518の見栄えが悪くなることはないと共に、ステージ2518を転動する遊技球Bの動きに影響を与えることはない。
ところで、第三部材2523の後壁部2523aや上壁部2523bに遊技球Bと同じような円形の脱型痕跡部2519が設けられていると、ステージ2518よりも上方に見える脱型痕跡部2519を遊技球Bと見間違える恐れがある。また、遊技球Bと脱型痕跡部2519とが重なることで、脱型痕跡部2519が転動している遊技球Bの残像のようになって本来とは異なる動きをしているように見えてしまい、ステージ2518上での遊技球Bの動きに対して不信感を与えてしまう恐れがある。しかしながら、本実施形態の第三部材2523は、後壁部2523aの前面及び後面、上壁部2523bの上面及び下面、のような板面に脱型痕跡部2519を設けていないため、脱型痕跡部2519を遊技球Bと誤認したり、ステージ2518を転動している遊技球Bの動きがおかしく見えたりすることはなく、ステージ2518を転動している遊技球Bの動きを確実に楽しませることができる。また、円形の脱型痕跡部2519を設ける場合には、遊技球Bの直径よりも大きい又は小さい直径からなる円形としておくことで、脱型痕跡部2519と遊技球Bとの誤認を一層容易に回避することができる。
また、第三部材2523の後方には、動画を含む演出画像が表示される演出表示装置1600や、発光・点滅する装飾用のLEDが設けられた発光装飾物(発光装飾体)、等が設けられているため、それらからの光により、脱型痕跡部2519を目立ち難くすることができる。
この第三部材2523によれば、成形時に形成される脱型痕跡部2519を、遊技球Bが流通する流通領域2523iよりも外側に設けているため、脱型痕跡部2519が流通領域2523iを流通している遊技球Bと重なって見えることはなく、遊技者に対して流通領域2523iを流通している遊技球Bを見え易くすることができる。従って、流通領域2523iを流通している遊技球Bの動きに違和感や不快感を与えてしまうことはなく、遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、第三部材2523によれば、脱型痕跡部2519を流通領域2523iよりも外側の部位に設けていることから、流通領域2523iを流通している遊技球Bが脱型痕跡部2519に接触することはないため、脱型痕跡部2519が遊技球Bの流通を阻害することはなく、ステージユニット2520(センター役物2500)における遊技球Bの流通精度を高めることができる。従って、センター役物2500において流通する遊技球Bに対して設計通りの動きをさせることができ、意図したように遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
更に、第三部材2523によれば、ワープ通路2516やステージ2518等を流通している遊技球Bの動きを楽しむために、遊技者が第三部材2523に注目することとなるが、第三部材2523では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部2519を設けているため、本パチンコ機1の前方にいる遊技者から脱型痕跡部2519を見え難くすることができ、脱型痕跡部2519による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部2519により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
また、第三部材2523によれば、遊技者から脱型痕跡部2519が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部2519の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部2519を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部2519が見えてもセンター役物2500(第三部材2523)の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
[5-8c-2b.ステージユニットの脱型痕跡部の別例]
次に、ステージユニット2520において上記とは異なる部位に脱型痕跡部2519を設けた別例を、図117を参照して説明する。まず、図117(a)は、第二部材2522の平面図である。この図117(a)においてクロスハッチングで示している領域は、転動する遊技球Bが接触する接触領域2522iである。図示するように、このステージユニット2520の第二部材2522では、転動面部2522aにおける遊技球Bが転動する上面側で、接触領域2522iよりも外側の部位に、複数の脱型痕跡部2519が設けられている。本例では、ワープ出口2517とステージ2518との間の複数の突起部2522dが設けられている部分に、複数の脱型痕跡部2519が設けられている。これにより、脱型痕跡部2519が遊技球Bの転動に影響を及ぼすことはない。また、複数の突起部2522dの間の部位に脱型痕跡部2519を設けているため、脱型痕跡部2519が目立ち難い。なお、第二部材2522では、図117(a)において破線で示すように、転動面部2522aの裏側(下面側)に脱型痕跡部2519を設けても良い。
図117(b)は、ステージユニット2520における第三部材2523の正面図である。この図117(b)においてクロスハッチングで示している領域は、遊技球Bが流通する流通領域2523iである。図示するように、このステージユニット2520の第三部材2523では、後壁部2523aの前面における流通領域2523iよりも下方の部位に複数の円形の脱型痕跡部2519が設けられている。これらの脱型痕跡部2519は、流通領域2523i外に設けているため、遊技球Bの流通に影響を及ぼすことはない。また、これら脱型痕跡部2519は、ステージユニット2520に組立てた状態で、補強部2525の閉鎖空間2525a内に位置しており、前方から見え難くなっている。
また、この第三部材2523によれば、後壁部2523aの前面における流通領域2523iよりも下方の部位に脱型痕跡部2519を設けていることから、流通領域2523iを流通している遊技球Bが脱型痕跡部2519に接触することはなく、脱型痕跡部2519が遊技球Bの流通を阻害することはない。従って、ステージ2518における遊技球Bの流通精度を高めることができるため、センター役物2500において流通する遊技球Bに対して設計通りの動きをさせることができ、意図したように遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
[5-8c-2c.前方突出部の脱型痕跡部]
続いて、センターフレーム2510における前方突出部2511の前端面に設けられている脱型痕跡部2519について、図118を参照して説明する。センター役物2500のセンターフレーム2510は、遊技パネル1100の前面から障害釘Nの前端まで同じような長さで前方へ突出している前方突出部2511を有している。パチンコ機1の状態では、前方突出部2511の前方に扉枠3のガラス板162が設けられている。前方突出部2511の前端とガラス板162との間には、遊技球Bが通過不能な隙間を有している。これにより、遊技球Bが前方突出部2511を越えて反対側へ移動することはなく、センターフレーム2510の枠内への遊技球Bの流入を規制して、枠内に遊技球Bが侵入することはない。
この前方突出部2511は、ステージユニット2520における第二部材2522の部位には設けられていないが、第三部材2523の上壁部2523bが前方突出部2511の替わりをしている。従って、ここでは、第三部材2523の上壁部2523bも前方突出部2511として扱うこととする。また、センター役物2500における第一アタッカユニット2530とゲートユニット2540では、前方突出部2511の前方に前板が設けられており、当該部位では、前方突出部2511が前方から隠されている。
そして、図118に示すように、上壁部2523bの前端面も含めて前方突出部2511の前端面には、複数の脱型痕跡部2519が設けられている。これにより、遊技者から枠状に並んだ複数の脱型痕跡部2519が見えることとなる。また、脱型痕跡部2519は、前方突出部2511の前端の一般面と比較して、微小に凹凸していたり傾斜していたりするため、後方に設けられているLEDや演出表示装置1600等の発光手段からの光により、他の一般面とは異なる態様で発光することとなる。このようなことから、センターフレーム2510(センター役物2500)における枠状の前方突出部2511が目立つこととなり、遊技球Bの流入を規制する前方突出部2511の存在に気付かせることができると共に、複数の脱型痕跡部2519により枠状に装飾することができる。
ところで、センターフレーム2510の前方突出部2511には、ステージ2518の右端において上下方向へ延出している区画部2511aを有している。この区画部2511aは、上壁部2523bの右端付近からフランジ部2512よりも下方で右下レール1004付近まで延出しており、センター役物2500の下方において遊技領域5aを左右に分割している。そして、本実施形態では、前方突出部2511における区画部2511aの前端面には脱型痕跡部2519を設けていない。これにより、遊技者に対して、前方突出部2511において区画部2511aの部位は、複数の脱型痕跡部2519が設けられている他の部位のように枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることが可能となる。
或いは、前方突出部2511の区画部2511aの前端面には脱型痕跡部2519を設けていないため、区画部2511aの存在に気付かせ難くすることができる。これにより、遊技者に対して、区画部2511aの部位を跨いで遊技球Bが行き来できると錯覚させることができる。
なお、区画部2511aとしては、上壁部2523bの右端付近から右下レール1004付近まで延出しているものを示したが、上壁部2523bの右端付近からステージ2518下のフランジ部2512の下端まで延出しているものとしても良いし、上壁部2523bの右端付近からフランジ部2512を越えて第一始動口2002又は一般入賞口2001に入球することのない高さの位置まで延出しているものとしても良い。
このセンターフレーム2510によれば、前方突出部2511及び上壁部2523bの前端面に設けられている脱型痕跡部2519により、センターフレーム2510を目立たせることができ、センターフレーム2510に遊技者の関心を引き付けさせることができると共に、遊技者に対して、従来とは全く異なるセンターフレーム2510が設けられていると認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、センターフレーム2510によれば、隣接して設けられている脱型痕跡部2519の形態を揃えるようにしているため、センターフレーム2511における前方突出部2511の前端面に設けられている脱型痕跡部2519を模様のように見せることができ、センターフレーム2519の見栄えを良くすることができる。
更に、センターフレーム2510によれば、前方突出部2511における区画部2511aの前端面には脱型痕跡部2519を設けないようにしているため、遊技者に対して、当該区画部2511aが前方突出部2511における脱型痕跡部2519が設けられている部位とは異なる部位であると認識させることが可能となり、区画部2511aが枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることができる。
或いは、区画部2511aの前端面には脱型痕跡部2519を設けていないため、前方突出部2511における脱型痕跡部2519が設けられている部位や上壁部2523bよりも区画部2511aが目立ち難くなるため、区画部2511aの存在に気付かせ難くすることができ、遊技者に対して、区画部2511aの部位を跨いで遊技球Bが行き来できると錯覚させることができる。
[5-8c-3.ステージユニットの第二実施形態]
次に、センター役物2500における第二実施形態のステージユニット2520Aについて、図119~図123を参照して詳細に説明する。図119は図108等とは異なる第二実施形態のステージユニットの一部を示す正面図である。図120(a)は図119のステージユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)のステージユニットを後ろから見た斜視図である。図121は図119のステージユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図122は図119のステージユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図123(a)は図119におけるナ-ナ線で切断した断面図であり、(b)は図119におけるニ-ニ線で切断した断面図であり、(c)は図119におけるヌ-ヌ線で切断した断面図である。なお、ここでは、第一実施形態のステージユニット2520と同じ構成については同じ符号を付して説明する。
ステージユニット2520Aは、枠状のセンターフレーム2510の一部に設けられている。センターフレーム2510は、障害釘Nの前端と同じような位置まで遊技パネル1100の前面から前方へ突出している前方突出部2511と、前方突出部2511の後端から枠の外方へ向かって遊技パネル1100の前面と平行に延出している板状のフランジ部2512と、フランジ部2512よりも後方へ突出している後方突出部2513と、前方突出部2511の後端から枠の内方へ向かって遊技パネル1100の前面と平行に延出している板状のサポート部2514と、を備えている。
センターフレーム2510の前方突出部2511は、詳細な図示は省略するが、遊技パネル1100の開口部1112の周縁に沿うように略全周に亘って枠状に設けられている。この前方突出部2511によって、遊技パネル1100の開口部1112内への遊技球Bの侵入(流入)が阻止されている。フランジ部2512は、センターフレーム2510を遊技パネル1100の前面に取付けるためのものである。後方突出部2513及びサポート部2514は、主にセンターフレーム2510を補強するためのものである。
このステージユニット2520Aには、枠状の前方突出部2511における左辺部分において遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2515と、ワープ入口2515に進入した遊技球Bをセンター役物2500の枠内へ案内するワープ通路2516と、ワープ通路2516の下流端において開口しているワープ出口2517と、ワープ出口2517から出てきた遊技球Bを左右方向へ転動させた後に前方且つセンター役物2500の下方へ放出させるステージ2518と、を備えている。
ステージ2518は、フランジ部2512(遊技パネル1100の前面)よりも後方で開口部1112内に設けられている。ステージ2518は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センターフレーム2510(センター役物2500)を遊技パネル1100の遊技パネル1100に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2518は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2518a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2518b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージユニット2520Aは、遊技パネル1100の前面に取付けられる第一部材2521と、第一部材2521の後側に設けられている第二部材2522と、第二部材2522を後方から挟むように第一部材2521の後側に取付けられている第三部材2523と、を備えている。
ステージユニット2520Aの第一部材2521は、枠状のセンターフレーム2510であり、前方突出部2511と、フランジ部2512と、後方突出部2513と、サポート部2514と、を備えている。詳述すると、第一部材2521の前方突出部2511は、遊技パネル1100の前面から障害釘Nの前端までの距離と同じような幅の帯板状に形成されていると共に、その幅方向が前後方向に向けられている。この前方突出部2511は、枠状のセンターフレーム2510の全周において、ステージ2518の部位には設けられていない。
第一部材2521のフランジ部2512は、前方突出部2511の後端からセンターフレーム2510の枠の外方へ向かって、遊技パネル1100の前面と平行な平板状に延出している。第一部材2521の後方突出部2513は、フランジ部2512の後面から後方へ板状に突出するように設けられている。第一部材2521のサポート部2514は、ステージ2518よりも左側の前方突出部2511の後端からセンターフレーム2510の枠の内方へ向かって板状に延出している。なお、フランジ部2512とサポート部2514とのそれぞれの一部は、ワープ通路2516の前壁を構成している。
更に、第一部材2521は、フランジ部2512及びサポート部2514において貫通しており自身を遊技パネル1100に取付けるための取付ビスが挿通される取付孔2521aと、フランジ部2512及びサポート部2514の後面から後方へ突出しており遊技パネル1100の位置決孔に挿入される板用位置決ピン2521bと、を有している。
また、第一部材2521は、フランジ部2512の端辺に設けられており先端へ向かうほど後方へ移動するように傾斜している表傾斜部2521cと、フランジ部2512の後面から後方へ円柱状に突出しており中心にネジ孔が形成されている複数の円柱突出部2521dと、を有している。複数の円柱突出部2521dは、第三部材2523を取付けるためのものである。
また、第一部材2521は、フランジ部2512及びサポート部2514の後面から後方へ突出しており、ワープ通路2516の上壁及び下壁を構成している球通路部2521fと、球通路部2521f内において後方へ突出している複数の突起部2521gと、を有している。球通路部2521fは、後方へ開放された樋状に形成されており、第三部材2523の球通路部2523dと協働してワープ通路2516を構成するものである。複数の突起部2521gは、第三部材2523の複数の突起部2523jと協働して遊技球Bの流通速度を減速させるためのものである。
更に、第一部材2521は、フランジ部2512におけるステージ2518の部位において後方へ円柱状に突出している複数(ここでは四つ)の位置決ピン2521hを有している。複数の位置決ピン2521hは、ステージ2518における中央放出部2518aを中心にして左右対称の位置に設けられている。これら位置決ピン2521hは、第二部材2522の位置決孔2522jに挿入されることで第一部材2521に対して第二部材2522を所定位置に位置決めしていると共に、第二部材2522を取付けている。
第二部材2522は、第一部材2521と第三部材2523との間に挟まれている。この第二部材2522は、ワープ出口2517よりも下方に設けられており、上面にステージ2518が設けられている。この第二部材2522は、板面を上下方向へ向けて左右方向へ延出しており上面を遊技球Bが転動可能な転動面部2522aと、転動面部2522aの前端から上方へ延出している板状の前壁板部2522bと、転動面部2522aの後端から上方へ延出している板状の後壁板部2522cと、を備えている。転動面部2522aは、上面がステージ2518である。
前壁板部2522bは、転動面部2522aの前端縁における、ステージ2518の中央放出部2518aとサイド放出部2518bとを除いた部位に設けられている。また、前壁板部2522bは、その前面が第一部材2521のフランジ部2512の前面と同一面上になるように設けられている。前壁板部2522bは、ステージ2518の中央放出部2518aから左右方向へ遠ざかるほど、その上端が高くなるように設けられている。後壁板部2522cは、転動面部2522aの後端縁の全長に亘って設けられており、転動面部2522aから遊技球Bの直径よりも低く上方へ突出している。
また、第二部材2522は、前壁板部2522bの後面において先端へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している裏傾斜部2522eと、転動面部2522aの前端付近から下方へ突出している下方突出部2522fと、を有している。下方突出部2522fは、転動面部2522aの前端縁の全長に亘って設けられており、その前面が第一部材2521のフランジ部2512の後面に当接するように設けられている。
また、第二部材2522は、後壁板部2522cから後方へ円柱状に突出している複数(ここでは二つ)の位置決ピン2522gを有している。複数の位置決ピン2522gは、ステージ2518の中央放出部2518aを中心にして左右対称の位置に設けられている。複数の位置決ピン2522gは、第三部材2523と位置決めすると共に取付けるためのものであり、第三部材2523の位置決孔2523fに挿入される。
更に、第二部材2522は、下方突出部2522fに設けられており、第一部材2521の複数の位置決ピン2521hがそれぞれ挿入される複数の位置決孔2522jを有している。これら複数の位置決孔2522jは、ステージ2518の中央放出部2518aを中心にして左右対称の位置に設けられている。位置決孔2522jに第一部材2521の位置決ピン2521hが挿入されることで、第一部材2521に対して位置決めされると共に取付けられる。
第三部材2523は、第一部材2521との間に第二部材2522を挟むように第一部材2521の後側に取付けられる。この第三部材2523は、板面を前後方向に向けて第二部材2522に沿うように左右方向へ延出している後壁部2523aと、後壁部2523aの上端縁から前方へ突出している上壁部2523bと、後壁部2523a及び上壁部2523bの左端から左方且つ上方へ延出している球通路部2523dと、を備えている。
後壁部2523aは、ステージ2518を構成している第二部材2522の転動面部2522aから遊技球Bが後方へ転落するのを防止している。後壁部2523aの上端縁は、転動面部2522aの上面から遊技球Bの直径よりも高い位置に設けられている。また、後壁部2523aの下端縁は、第一部材2521の後方突出部2513よりも下方へ突出するように設けられている。
上壁部2523bは、第一部材2521における前方突出部2511の前端と同じ位置まで前方へ突出しており、ステージ2518の上方を覆っている。この上壁部2523bは、後壁部2523aの上端縁から前方へ向かうほど高くなるように傾斜している。これにより、上方から落下してきたゴミや塵等を遊技領域5a内へ落ち難くすることができる。また、何らかの理由によって遊技球Bが落下してきた場合、当該遊技球Bを後方へ落下させることができ、ガラス板162との間に遊技球Bが溜まることはない。
球通路部2523dは、前方へ開放された浅い樋状に形成されており、第一部材2521の球通路部2521fと協働してワープ通路2516を構成するものである。
また、第三部材2523は、球通路部2523dの前端から後壁部2523aと平行に外方へ延出している取付片2523eと、後壁部2523aに設けられており第二部材2522の位置決ピン2522gが挿入される位置決孔2523fと、後壁部2523a及び取付片2523eに設けられており自身を第一部材2521に取付けるための取付ネジが挿通される取付孔2523gと、を有している。
更に、第三部材2523は、球通路部2523d内において前方へ突出している複数の突起部2523jを有している。これら突起部2523jは、第一部材2521の突起部2521gと協働して、遊技球Bの流通速度を減速させるためのものである。
本実施形態のステージユニット2520Aは、組立てられている状態では、第一部材2521におけるフランジ部2512から後方へ突出している複数の位置決ピン2521hが、第二部材2522の下方突出部2522fに設けられている複数の位置決孔2522jにそれぞれ挿入されている。また、第二部材2522の後壁板部2522cから後方へ突出している複数の位置決ピン2522gが第三部材2523の後壁部2523aに設けられている複数の位置決孔2523fにそれぞれ挿入されている。そして、第三部材2523の後方から取付孔2523gを通して取付ネジが第一部材2521の円柱突出部2521dにねじ込まれている。
これにより、第一部材2521に第三部材2523が取付けられていると共に、第一部材2521と第三部材2523との間に第二部材2522が挟まれた状態となっている。また、第一部材2521の位置決ピン2521hと第二部材2522の位置決孔2522j、及び、第二部材2522の位置決ピン2522gと第三部材2523の位置決孔2523f、により、第一部材2521と第二部材2522とが位置決めされていると共に、第二部材2522と第三部材2523とが位置決めされている。
ステージユニット2520Aに組立てた状態では、ステージ2518を有する第二部材2522が第一部材2521と第三部材2523との間に挟まれているだけであり、ネジ止めされていない。これにより、遊技球Bが転動する転動面部2522a(第二部材2522)を、取付ネジにより強制的に固定していないため、転動面部2522a(ステージ2518)に物理的ストレスによる歪みが生じることはなく、設計通りの性能を発揮することができる。
ところで、ステージユニット2520Aにおいて、位置決ピン2521hや位置決ピン2522gによりユニット内でのステージ2518の位置決め精度が高くても、ステージユニット2520Aと遊技パネル1100との位置決め精度が低いと、遊技盤5としてはステージ2518の精度が低くなってしまい、ステージ2518において設計上の作用効果が充分に発揮されない恐れがある。これに対して、本実施形態のステージユニット2520Aでは、図123に示すように、自身を遊技パネル1100に位置決めするための板用位置決ピン2521bの直径d1と、位置決ピン2521hや位置決ピン2522gの直径d2と、の関係を、 d1>d2 としている。また、直径だけでなく長さについても板用位置決ピン2521bの方を長くしている。つまり、位置決ピン2522gよりも板用位置決ピン2521bの方が大きく設けられている。これにより、大本となる遊技パネル1100に対するステージユニット2520Aの位置決め精度を高めることができ、ステージ2518において設計の際に想定された作用効果を充分に発揮させることができる。
また、ステージユニット2520Aでは、第一部材2521の後方突出部2513の後端面が、第三部材2523の後壁部2523aの前面と当接している。この後方突出部2513は、第二部材2522の転動面部2522a(ステージ2518)の下方に間隔をあけて設けられている。従って、ステージユニット2520Aでは、ステージ2518の下方に、フランジ部2512と、転動面部2522aと、後壁部2523aと、後方突出部2513と、によって断面が四角い閉鎖空間2525aを有した角パイプ状の補強部2525が設けられている(図123を参照)。これにより、ステージユニット2520Aの強度・剛性を高めることができるため、遊技球Bの重さが作用してもステージ2518を歪み難くすることができ、ステージ2518における遊技球Bの転動(挙動)を安定させて設計通りに転動させることが可能となる。
また、本実施形態のステージユニット2520Aは、第二部材2522において、ステージ2518を転動している遊技球Bが前方へ放出されるのを阻止可能な前壁板部2522bの上端縁に裏傾斜部2522eを設けている。また、第一部材2521において、遊技パネル1100の前面に取付けられるフランジ部2512における少なくともステージ2518(前壁板部2522b)の下方の部位の下端縁に表傾斜部2521cを設けている。
図123に示すように、裏傾斜部2522eは、前壁板部2522bの後面において、先端(上端縁)へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜しており、表傾斜部2521cは、フランジ部2512において、先端(下端縁)へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。
このように、ステージ2518前側の前壁板部2522bの上端縁に裏傾斜部2522eを設けているため、ステージ2518を転動している遊技球Bが裏傾斜部2522eに案内されることで中央放出部2518aやサイド放出部2518b以外の部位でも前方へ落下し易くなる。これにより、遊技球Bがステージ2518を左右方向へ転動すると、中央放出部2518aやサイド放出部2518b以外の部位(前壁板部2522b)から落下する恐れがあるため、遊技者に対してステージ2518上の遊技球Bに注目させることができ、遊技球Bが前壁板部2522bから落下しないことを願わせて遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。従って、従来のパチンコ機よりもステージ2518を転動している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、フランジ部2512の下端縁に表傾斜部2521cを設けているため、ステージ2518や前壁板部2522bから落下してフランジ部2512の前面を転動してきた遊技球Bを、スムーズに遊技パネル1100の前面へ受け渡すことができる。これにより、フランジ部2512の下端において遊技球Bを跳ね難くすることができ、遊技球Bが予想外の動きをしたり下方の部材を破損させたりしてしまうことを抑制させることができる。
また、本実施形態では、前壁板部2522bに裏傾斜部2522eを設けているため、遊技パネル1100からステージユニット2520Aを取外す際に、前壁板部2522bと上壁部2523bとの間に指を挿入し易くすることができると共に、挿入した指を引っ掛け易くすることができ、ステージユニット2520Aの取外作業を楽にすることができる。
更に、本実施形態のステージユニット2520Aでは、第二部材2522を第一部材2521と第三部材2523との間に挟んでいるだけであるため、第一部材2521に第三部材2523をネジ止めするだけで第二部材2522も一緒に組立てることができ、組立てに係る作業性を高めることができる。また、それとは逆に、第一部材2521から第三部材2523を取外すと、第二部材2522も取外すことができるため、分解時の作業性を高めることができる。
また、ステージユニット2520Aは、後方にLEDや演出表示装置1600等の前方へ光を発することが可能な発光手段が設けられている。これにより、発光手段からの光によって、ステージユニット2520や装飾シール2524等を明るく発光装飾させることができる。
ところで、遊技パネル1100の前面におけるセンター役物2500の左側を流下する遊技球Bは、俗にいう道釘に沿ってセンター役物2500の下方に設けられている第一始動口2002に向かって転動して行くが、その際に、道釘等の障害釘Nによって上方へ跳ね上がった遊技球Bは、上方のフランジ部2512に表傾斜部2521cが設けられているため、その動きが阻害されることはなく、自然な挙動となる。また、フランジ部2512の先端に表傾斜部2521cを設けているため、遊技球Bが表傾斜部2521cの面に当たることでフランジ部2512の先端の角には当たることはなく、フランジ部2512が欠けたり割れたりすることはない。
なお、本実施形態のステージユニット2520A(センターフレーム2510)においても、上記と同様の脱型痕跡部2519が設けられており、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態のステージユニット2520Aでは、ステージ2518の前壁部分として第二部材2522に裏傾斜部2522eを有する前壁板部2522bを設けたものを示したが、これに限定するものではなく、第一部材2521にステージ2518の前壁部分(前壁板部)を設けるようにしても良い。つまり、表傾斜部と裏傾斜部とが一つの部材に設けられていても良い。
[5-8c-4.小括]
上記のステージユニット2520(ステージユニット2520A)には、以下のような技術的特徴を有している。
[5-8c-4a.小括A]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、遊技球を左右方向へ転動させ、所定の確率で特定部位から下方へ遊技球が放出されると、始動口のような入賞口に入球する可能性が高いステージを設けたものが知られている(例えば、特許文献:特開2021-166841号公報)。このステージは、複数の部材によって構成されており、それぞれが遊技板の前面に取付けられる部材にネジ止めされている。
しかしながら、ステージにおける遊技球が転動する部材がネジ止めされていると、当該部材がネジ止めによって強制的に固定されることで、物理的ストレスにより歪みが生じ、遊技球が設計通りに転動しなくなったり、遊技球が設計通りの確率で所定部位から放出されなくなったりする恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、ステージにおける遊技球の転動および放出の精度を高めることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技板の開口内への遊技球の侵入を阻止し、遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技板の前方へ落下させるステージ部材を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記ステージ部材は、
自身が遊技板に取付けられ、遊技板の面と平行な方向に遊技球が転動する球流路の前壁を兼ねている第一部材と、
前記球流路の底壁を構成している第二部材と、
前記球流路の後壁および上壁を構成している第三部材と
を備え、
前記第一部材と前記第三部材とがネジ止めされており、
前記第二部材は、前記第一部材と前記第三部材とに挟まれていると共に、それぞれに対して位置決ピンと位置決孔とからなる位置決手段により位置決めされている」
ことを特徴とする。
ここで、「ステージ部材」としては、遊技板の開口の縁に沿った枠状のセンター役物に設けられているものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った枠状のセンター役物が開口の縁に沿って複数に分割されておりその分割された一つを構成しているものであっても良い。
また、「球流路」としては、「遊技球が左右方向に転動するステージを有するもの」、「遊技球が左右方向に転動するステージと、遊技板の前方の遊技領域内から遊技球をステージに供給するためのワープ通路と、を有するもの」、等が挙げられる。
更に、第一部材と第三部材との「ネジ止め」としては、取付ネジが前方から第一部材を通して第三部材にねじ込まれていても良いし、取付ネジが後方から第三部材を通して第一部材にねじ込まれていても良い。
また、第一部材と第二部材との間の「位置決手段」としては、第一部材に位置決ピンが設けられていると共に第二部材に位置決孔が設けられていても良いし、第一部材に位置決孔が設けられていると共に第二部材に位置決ピンが設けられていても良い。
更に、第二部材と第三部材との間の「位置決手段」としては、第二部材に位置決ピンが設けられていると共に第三部材に位置決孔が設けられていても良いし、第二部材に位置決孔が設けられていると共に第三部材に位置決ピンが設けられていても良い。
手段1の構成によると、遊技板の開口内への遊技球の侵入を阻止し、遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技板の前方へ落下させるステージ部材を有する遊技盤を備えた遊技機であって、ステージ部材は、自身が遊技板に取付けられ、遊技板の面と平行な方向に遊技球が転動する球流路の前壁を兼ねている第一部材と、球流路の底壁を構成している第二部材と、球流路の後壁および上壁を構成している第三部材と、を備え、第一部材と第三部材とがネジ止めされており、第二部材は、第一部材と第三部材とに挟まれていると共に、それぞれに対して位置決ピンと位置決孔とからなる位置決手段により位置決めされているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-3.ステージユニットの第二実施形態]の章、ステージユニット2520A、図119~図123等の記載を参照)。
このステージ部材は、第二部材が球流路の底壁を構成していることから、当該第二部材に遊技球が左右方向へ転動するステージが設けられている。この第二部材は、遊技板に取付けられる第一部材と、第一部材に対してネジ止めされる第三部材との間に挟まれていると共に、第一部材と第二部材との間、及び、第二部材と第三部材との間、はそれぞれ位置決ピンと位置決孔とによる位置決手段によって位置決めされている。そして、第二部材は、第一部材及び第三部材の何れにもネジ止めされていない。これにより、ステージが設けられている第二部材が、ネジ止めによって強制的に固定されていないため、物理的ストレスによる歪みが生じることはなく、設計通りの性能を発揮させることができる。
また、ステージ部材では、第一部材とで第二部材を挟む第三部材に球流路の後壁と上壁とを設けていると共に、第三部材を第一部材に対してネジ止めしているため、球流路の後壁と上壁とが強固に固定されることとなり、遊技球がステージの後方や上方へ脱落することはない。
なお、位置決ピンを、ステージ部材を遊技板に位置決めする板用位置決ピンよりも小さくすることが望ましい。換言すると、板用位置決ピンを位置決ピンよりも大きくすることが望ましい。これにより、遊技板に対するステージ部材(第一部材)の位置決め精度をより高くすることができると共に、ステージ部材を遊技板に強固に固定することができ、設計通りの性能を発揮させることができる。
また、上記のように、位置決ピンを、ステージ部材を遊技板に位置決めする板用位置決ピンよりも小さくする場合、ステージ部材において位置決ピンを目立ち難くすることができ、見栄えの悪化を抑制させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記位置決ピンは、
前記ステージ部材を遊技板に位置決めする板用位置決ピンよりも小さい」
ものであることを特徴とする。
ここで、位置決ピンが板用位置決ピンよりも「小さい」としては、「位置決ピンの直径が板用位置決ピンの直径よりも小さい」、「位置決ピンの長さが板用位置決ピンの長さよりも小さい(短い)」、等が挙げられる。
ところで、ステージ部材において、位置決手段により第一部材に対して第二部材や第三部材が精度良く位置決めされていても、遊技板に対する第一部材の位置決め精度が低いと、設計上の性能が発揮されない恐れがある。
手段2の構成によると、位置決ピンは、ステージ部材を遊技板に位置決めする板用位置決ピンよりも小さいものである([発明を実施するための形態]では、ステージユニット2520Aにおける板用位置決ピン2521b、位置決ピン2521h、位置決ピン2522g、及び図123等の記載を参照)。
本手段では、第一部材及び第三部材に第二部材を位置決めするための位置決手段の位置決ピンを、ステージ部材(第一部材)を遊技板に位置決めするための板用位置決ピンよりも小さくしている。つまり、板用位置決ピンを位置決ピンよりも大きくしている。これにより、遊技板に対するステージ部材(第一部材)の位置決め精度をより高くすることができると共に、ステージ部材を遊技板に強固に固定することができ、設計通りの性能を発揮させることができる。
また、位置決ピンを板用位置決ピンよりも小さくしているため、ステージ部材において位置決ピンを目立ち難くすることができ、見栄えの悪化を抑制させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、ステージにおける遊技球の転動および放出の精度を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態におけるセンター役物2500及びステージユニット2520Aは上記解決手段のステージ部材に、本実施形態におけるワープ通路2516及びステージ2518は上記解決課題の球流路に、本実施形態におけるセンターフレーム2510及び第一部材2521は上記解決手段の第一部材に、本実施形態におけるセンターフレーム2510のフランジ部2512は上記解決手段の前壁に、それぞれ相当している。
また、本実施形態における第一部材2521の板用位置決ピン2521bは上記解決課題の位置用位置決ピンに、本実施形態における第一部材2521の位置決ピン2521h、第二部材2522の位置決ピン2522g及び位置決孔2522j、第三部材2523の位置決孔2523fは上記解決課題の位置決手段に、本実施形態における第二部材2522の転動面部2522aは上記解決課題の底壁に、本実施形態における第三部材2523の後壁部2523aは上記解決課題の後壁に、本実施形態における第三部材2523の上壁部2523bは上記解決課題の上壁に、それぞれ相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2500のステージユニット2520Aにおいて、第二部材2522の転動面部2522aが球流路の底壁を構成していることから、当該第二部材2522に遊技球Bが左右方向へ転動するステージ2518が設けられている。この第二部材2522は、遊技パネル1100に取付けられる第一部材2521と、第一部材2521に対してネジ止めされる第三部材2523との間に挟まれていると共に、第一部材2521と第二部材2522との間、及び、第二部材2522と第三部材2523との間、はそれぞれ位置決ピン2521hと位置決孔2522j及び位置決ピン2522gと位置決孔2523fとによる位置決手段によって位置決めされている。そして、第二部材2522は、第一部材2521及び第三部材2523の何れにもネジ止めされていない。これにより、ステージ2518が設けられている第二部材2522が、ネジ止めによって強制的に固定されていないため、物理的ストレスによる歪みが生じることはなく、設計通りの性能を発揮させることができる。
また、ステージユニット2520Aでは、第一部材2521とで第二部材2522を挟む第三部材2523に球流路としてのステージ2518の後壁部2523aと上壁部2523bとを設けていると共に、第三部材2523を第一部材2521に対してネジ止めしているため、ステージ2518の後壁部2523aと上壁部2523bとが強固に固定されることとなり、遊技球Bがステージ2518の後方や上方へ脱落することはない。
更に、第一部材2521及び第二部材2522の位置決ピン2521h及び位置決ピン2522gを、ステージユニット2520Aを遊技パネル1100に位置決めする板用位置決ピン2521bよりも小さくしている。つまり、板用位置決ピン2521bを、位置決ピン2521h及び2522gよりも大きくしている。これにより、遊技パネル1100に対するステージユニット2520A(第一部材2521)の位置決め精度をより高くすることができると共に、ステージユニット2520Aを遊技パネル1100に強固に固定することができ、設計通りの性能を発揮させることができる。
また、位置決ピン2521h及び位置決ピン2522gを、ステージユニット2520Aを遊技パネル1100に位置決めする板用位置決ピン2521bよりも小さくしているため、ステージユニット2520Aにおいて位置決ピン2521h及び位置決ピン2522gを目立ち難くすることができ、見栄えの悪化を抑制させることができる。
[5-8c-4b.小括B]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、前方を遊技球が流通する遊技板に枠状のセンターフレームが設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2021-13673号公報)。センターフレームには、ステージが設けられており、遊技球の転動を楽しませることができると共に、枠内を通して後方の表示画面や可動装飾体等がよく見え、画像演出や可動演出なども楽しませることができる。
このセンターフレームは、金型を使用した射出成形により形成されているため、射出成形後に金型から取出すためにセンターフレームを押し出した痕跡が残されている。そして、センターフレームは、遊技盤の中央に設けられていることから、遊技者からはセンターフレームがよく見えるため、センターフレーム成形時の脱型の痕跡が遊技者から見えると、見栄えが悪くなる問題があった。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、センターフレームにおける脱型の痕跡による見栄えの悪化を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技板の開口縁に取付けられるセンターフレームを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記センターフレームは、
自身が遊技板に取付けられる第一部材を備え、
該第一部材は、後面における前方から見え辛い部位に脱型痕跡部が設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「センターフレーム」としては、いわゆるセンター役物の少なくとも一部を構成しているものであり、遊技板の開口の縁に沿った枠状に形成されているものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った方向へ複数に分割されているものであっても良い。
また、「第一部材」としては、「遊技板の前面に当接可能なフランジ部を有しているもの」、「遊技板の前面から前方へ延出している前方突出部と、前方突出部の後端から遊技板の前面に沿って延出しているフランジ部と、を有しているもの」、「遊技板の前面から前方へ延出している前方突出部と、前方突出部の後端から遊技板の前面に沿って延出しているフランジ部と、前方突出部の後端又はフランジ部の後面から後方へ突出している後方突出部と、を有しているもの」、「遊技板の前面に当接可能なフランジ部と、フランジ部の後面から後方へ突出している後方突出部と、を有しているもの」、等が挙げられる。
更に、「脱型痕跡部」は、センターフレームを成形型(金型)から取出すための機構(例えば、エジェクタピン、押上げコア、直上げコア、突出しコア、等)によりセンターフレームに付いた痕跡のことであり、他の部位と比較して微小に凹んでいたり凸っていたり傾斜していたりする。この「脱型痕跡部」の形状としては、「半円形のような円形の一部の形状」、「円形」、「三角形」、「四角形」、「五角形」、「六角形」、「多角形」、「不定形」、「星形」、「ハート形」、等が挙げられる。
また、「前方から見え辛い部位」としては、「板状の部位の後面で前面側が面取り状に傾斜している部位」、「板状の部位の後面で前面側に装飾シールが貼り付けられる部位」、「板状の部位の後面で前面側に無数の凹凸からなるシボが設けられている部位」、「後方へ板状に突出している後方突出部の後端面」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技板の開口縁に取付けられるセンターフレームを有する遊技盤を備えた遊技機であって、センターフレームは、自身が遊技板に取付けられる第一部材を備え、第一部材には、後面における前方から見え辛い部位に脱型痕跡部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-2.脱型痕跡部]の章、脱型痕跡部2519、ステージユニット2520の第一部材2521、図113及び図114等の記載を参照)。
これにより、センターフレームを構成している第一部材は、自身が遊技板に取付けられることから、遊技者に近い位置に設けられており、遊技者から良く見えることとなる。そして、第一部材では、成形時に形成される脱型痕跡部を、後面に設けているため、前方から見え難くすることができる。更に、脱型痕跡部を、第一部材の後面における前方から見え辛い部位に設けるようにしているため、本遊技機の前方にいる遊技者から脱型痕跡部を見え難くすることができ、脱型痕跡部による見栄えの悪化を抑制させることができる。従って、センターフレームにおいて脱型痕跡部が目立たないことで、当該センターフレームを有する遊技盤(遊技機)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、センターフレームに遊技球を転動させた後に遊技板の前面側へ放出させるステージが設けられている場合、ステージを転動する遊技球の動きを楽しむために、遊技者がステージに注目すると、遊技板に取付けられている第一部材におけるステージ付近の部位も視野に入ることとなるが、第一部材の後面の見え辛い部位に脱型痕跡部を設けているため、脱型痕跡部が目立って遊技者に違和感を与えることはなく、ステージでの遊技球の動きを違和感なく楽しませることができる。
なお、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を、揃えるようにすることが望ましい。これにより、遊技者から第一部材の脱型痕跡部が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部が見えてもセンターフレームの見栄えが悪化することはない。
手段2:手段1の構成において、
「隣接して設けられている前記脱型痕跡部は、形態が揃えられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「形態が揃えられている」としては、「脱型痕跡部の形状が揃えられている」、「脱型痕跡部の大きさが揃えられている」、「脱型痕跡部の間隔が揃えられている」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態が揃えられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-2.脱型痕跡部]の章、脱型痕跡部2519、図113等の記載を参照)。
これにより、遊技者から第一部材の脱型痕跡部が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部が見えてもセンターフレームの見栄えが悪化することはない。
このように、上記の解決手段によれば、センターフレームにおける脱型の痕跡による見栄えの悪化を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態におけるセンター役物2500のセンターフレーム2510は上記解決手段のセンターフレームに、本実施形態のセンターフレームにおけるステージユニット2520の第一部材2521は上記解決手段の第一部材に、本実施形態における脱型痕跡部2519は上記解決手段の脱型痕跡部に、それぞれ相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2500のセンターフレーム2510を構成しているステージユニット2520の第一部材2521は、自身が遊技パネル1100に取付けられることから、遊技者に近い位置に設けられており、遊技者から良く見えることとなる。そして、第一部材2521では、成形時に形成される脱型痕跡部2519を、後面に設けているため、前方から見え難くすることができる。更に、脱型痕跡部2519を、第一部材2521の後面における前方から見え辛い部位に設けるようにしているため、本パチンコ機1の前方にいる遊技者から脱型痕跡部2519を見え難くすることができ、脱型痕跡部2519による見栄えの悪化を抑制させることができる。従って、センターフレーム2510において脱型痕跡部2519が目立たないことで、当該センターフレーム2510を有する遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、センターフレーム2510のステージユニット2520に遊技球Bを転動させた後に遊技パネル1100の前面側へ放出させるステージ2518を設けているため、ステージ2518を転動する遊技球Bの動きを楽しむために、遊技者がステージ2518に注目すると、遊技パネル1100に取付けられている第一部材2521におけるステージ2518付近の部位も視野に入ることとなるが、第一部材2521の後面の見え辛い部位に脱型痕跡部2519を設けているため、脱型痕跡部2519が目立って遊技者に違和感を与えることはなく、ステージ2518での遊技球Bの動きを違和感なく楽しませることができる。
また、遊技者から第一部材2521の脱型痕跡部2519が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部2519の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部2519を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部2519が見えてもセンターフレーム2510の見栄えが悪化することはない。
[5-8c-4c.小括C]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、前方を遊技球が流通する遊技板に枠状のセンター役物が設けられていると共に、そのセンター役物に遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技板の前面側へ放出させるステージが設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2021-13673号公報)。この種の遊技機では、ステージにおいて転動している遊技球の動きを楽しませることができる。
このセンター役物を構成している各部材(成形品)は、金型を使用した射出成形により形成されているため、射出成形後に金型から取出すために成形品を押し出した痕跡が残されている。そして、センター役物において、ステージのような遊技球が流通する流通領域の底面に、当該部材の成形時における脱型の痕跡が設けられていると、当該痕跡が遊技球の流通を阻害して、設計通りに遊技球が転動しなくなる恐れがある。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、センター役物において遊技球の流通精度を高めることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技板の開口縁に取付けられるセンター役物を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記センター役物は、
遊技球が流通する流通領域の底面を構成している底壁部材を備え、
該底壁部材は、遊技球の流通を阻害しない部位に脱型痕跡部が設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「センター役物」としては、遊技板の開口の縁に沿った枠状のセンターフレームを備えているものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った方向へ複数のユニット(例えば、ステージユニット、アタッカユニット、等)に分割されているものであっても良い。
また、遊技球が流通する「流通領域」としては、「左右方向へ遊技球が転動すると共に遊技板の前面側へ遊技球を放出可能なステージ」、「センター役物の外周の所定位置からステージまで遊技球を誘導するワープ通路」、等が挙げられる。
また、「底壁部材」としては、「遊技板に取付けられる前部材(第一部材)に取付けられるもの」、「遊技板に取付けられる前部材(第一部材)と、前部材に取付けられる後部材(第三部材)と、に挟まれているもの」、「自身が遊技板に取付けられるもの」、等が挙げられる。
更に、「脱型痕跡部」は、成形品を成形型(金型)から取出すための機構(例えば、エジェクタピン、押上げコア、直上げコア、突出しコア、等)により成形品に付いた痕跡のことであり、他の部位と比較して微小に凹んでいたり凸っていたり傾斜していたりする。この「脱型痕跡部」の形状としては、「半円形のような円形の一部の形状」、「円形」、「三角形」、「四角形」、「五角形」、「六角形」、「多角形」、「不定形」、「星形」、「ハート形」、等が挙げられる。
また、「流通を阻害しない部位」としては、「遊技球と接触しない後方を向いている面」、「遊技球と接触しない前方を向いている面」、「遊技球と接触しない上方を向いている面」、「下方を向いている面」、「遊技球が転動する転動面ではあるが遊技球とは接触しない部位」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技板の開口縁に取付けられるセンター役物を有する遊技盤を備えた遊技機であって、センター役物は、遊技球が流通する流通領域の底面を構成している底壁部材を備え、底壁部材は、遊技球の流通を阻害しない部位に脱型痕跡部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-2.脱型痕跡部]の章、脱型痕跡部2519、ステージユニット2520の第二部材2522、接触領域2522i、図113、図115、及び図117等の記載を参照)。
これにより、センター役物の底壁部材は、遊技球が流通する流通領域の底面を構成していることから、底壁部材の底面上を遊技球が転動するため、転動する遊技球の動きによって遊技者を楽しませることができる。この際に、底壁部材では、成形時に形成される脱型痕跡部を、遊技球の流通を阻害しない部位に設けているため、流通領域の底面上を転動している遊技球の動きに対して脱型痕跡部が影響を与えることはなく、センター役物(底壁部材)における遊技球の流通精度を高めることができる。従って、センター役物において転動する遊技球に対して設計通りの動きをさせることができ、意図したように遊技者を楽しませられる遊技機を提供することができる。
また、センター役物の底壁部材に遊技球が流通する流通領域の底面を設けていることから、当該底面をステージの底面とする場合、上述したように、遊技球の流通を妨げない部位に脱型痕跡部を設けているため、脱型痕跡部がステージを転動している遊技球の動きに影響を与えることはない。従って、センター役物のステージにおいて、転動している遊技球に設計通りの動きをさせることができ、ステージから遊技球を意図した確率で遊技板の前面側へ放出させることができる。
なお、脱型痕跡部を、前方から見え辛い部位に設けることが望ましい。これにより、底壁部材の流通領域を流通している遊技球の動きを楽しむために、遊技者が底壁部材に注目することとなるが、底壁部材では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部を設けているため、本遊技機の前方にいる遊技者から脱型痕跡部を見え難くすることができ、脱型痕跡部による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。従って、センター役物において脱型痕跡部が目立たないことで、当該センター役物を有する遊技盤(遊技機)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を揃えるようにすることが望ましい。これにより、遊技者から底壁部材の脱型痕跡部が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部が見えてもセンター役物の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
手段2:手段1の構成において
「前記脱型痕跡部は、前方から見え辛い部位に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「前方から見え辛い部位」としては、「板面が前後方向を向いた板状の部位の後面」、「前方に設けられている他の部材(例えば、第一部材、装飾シール、など)と前後方向が重なる部位」、「板面が前後方向を向いた板状の部位の前面で、前方に設けられている他の部材と前後方向が重なる部位」、「板面が上下方向を向いた板状の部位の下面」、「板面が上下方向を向いた板状の部位の上面」、「板面が前後方向に対して直交する方向を向いている板状の部位における端面」、等が挙げられる。
ところで、遊技者から脱型痕跡部が見えると、底壁部材(センター役物)の見栄えが悪くなり、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまう恐れがある。
手段2の構成によると、脱型痕跡部は、前方から見え辛い部位に設けられているものである([発明を実施するための形態]では、脱型痕跡部2519、第二部材2522、図115等の記載を参照)。
これにより、底壁部材の流通領域を流通している遊技球の動きを楽しむために、遊技者が底壁部材に注目することとなるが、底壁部材では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部を設けているため、本遊技機の前方にいる遊技者から脱型痕跡部を見え難くすることができ、脱型痕跡部による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。従って、センター役物(底壁部材)において脱型痕跡部が目立たないことで、当該センター役物を有する遊技盤(遊技機)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を揃えるようにすることが望ましい。これにより、遊技者から底壁部材の脱型痕跡部が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部が見えてもセンター役物の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
このように、上記の解決手段によれば、センター役物において遊技球の流通精度を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態におけるセンター役物2500及びステージユニット2520は上記解決手段のセンター役物に、本実施形態のステージユニット2520の第二部材2522は上記解決手段の底壁部材に、本実施形態における脱型痕跡部2519は上記解決手段の脱型痕跡部に、それぞれ相当している。
また、本実施形態におけるワープ通路2516、ステージ2518、及び接触領域2522iは上記解決手段の流通領域に、本実施形態における第二部材2522の転動面部2522aの上面は上記解決手段の底面に、それぞれ相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5のセンター役物2500におけるステージユニット2520の第二部材2522は、転動面部2522a上において遊技球Bが流通(転動)する流通領域としてのステージ2518の底面を構成していることから、ステージ2518を転動する遊技球Bの動きによって遊技者を楽しませることができる。この際に、第二部材2522では、成形時に形成される脱型痕跡部2519を、遊技球Bの流通を阻害しない部位に設けているため、ステージ2518を転動している遊技球Bの動きに対して脱型痕跡部2519が影響を与えることはなく、センター役物2500(第二部材2522)における遊技球Bの流通精度を高めることができる。従って、センター役物2500のステージ2518において転動する遊技球Bに対して設計通りの動きをさせることができ、ステージ2518から遊技球Bを意図した確率で遊技パネル1100の前面側へ放出させることができると共に、意図したように遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
また、第二部材2522の流通領域(ステージ2518)を流通(転動)している遊技球Bの動きを楽しむために、遊技者が第二部材2522に注目することとなるが、第二部材2522では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部2519を設けているため、本パチンコ機1の前方にいる遊技者から脱型痕跡部2519を見え難くすることができ、脱型痕跡部2519による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部2519により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。従って、センター役物2500において脱型痕跡部2519が目立たないことで、当該センター役物2500を有する遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、遊技者から第二部材2522の脱型痕跡部2519が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部2519の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部2519を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部2519が見えてもセンター役物2500(第二部材2522)の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
[5-8c-4d.小括D]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、前方を遊技球が流通する遊技板に枠状のセンター役物が設けられていると共に、そのセンター役物に遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技板の前面側へ放出させるステージが設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2021-13673号公報)。この種の遊技機では、ステージにおいて転動している遊技球の動きを楽しませることができる。
このセンター役物には、ステージのような遊技球が流通する流通領域を流通している遊技球が後方へ脱落することを防止するための後壁部材が設けられている。この後壁部材(成形品)は、金型を使用した射出成形により形成されており、射出成形後に金型から取出すために成形品を押し出した痕跡が残されている。そのため、後壁部材において脱型痕跡部が設けられている部位によっては、脱型痕跡部が遊技球と重なって見えることで、遊技球の動きに違和感や不快感を与えてしまう恐れがある。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、センター役物において流通している遊技球を見え易くすることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技板の開口縁に取付けられるセンター役物を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記センター役物は、
遊技球が流通する流通領域の後面及び上面を構成している後壁部材を備え、
該後壁部材は、前記流通領域よりも外側に脱型痕跡部が設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「センター役物」としては、遊技板の開口の縁に沿った枠状のセンターフレームを備えているものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った方向へ複数のユニット(例えば、ステージユニット、アタッカユニット、等)に分割されているものであっても良い。
また、遊技球が流通する「流通領域」としては、「左右方向へ遊技球が転動すると共に遊技板の前面側へ遊技球を放出可能なステージ」、「センター役物の外周の所定位置からステージまで遊技球を誘導するワープ通路」、等が挙げられる。
また、「後壁部材」としては、「遊技板に取付けられる前部材(第一部材)に取付けられるもの」、「遊技板に取付けられる前部材(第一部材)に取付けられ、前部材との間に流通領域の底面を構成する底壁部材(第二部材)を挟むもの」、「自身が遊技板に取付けられるもの」、等が挙げられる。
更に、「脱型痕跡部」は、成形品を成形型(金型)から取出すための機構(例えば、エジェクタピン、押上げコア、直上げコア、突出しコア、等)により成形品に付いた痕跡のことであり、他の部位と比較して微小に凹んでいたり凸っていたり傾斜していたりする。この「脱型痕跡部」の形状としては、「半円形のような円形の一部の形状」、「円形」、「三角形」、「四角形」、「五角形」、「六角形」、「多角形」、「不定形」、「星形」、「ハート形」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技板の開口縁に取付けられるセンター役物を有する遊技盤を備えた遊技機であって、センター役物は、遊技球が流通する流通領域の後面及び上面を構成している後壁部材を備え、後壁部材は、流通領域よりも下方に脱型痕跡部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-2.脱型痕跡部]の章、脱型痕跡部2519、ステージユニット2520の第三部材2523、流通領域2523i、図113、図116、及び図117等の記載を参照)。
これにより、センター役物には、ステージやワープ通路のような遊技球が流通する流通領域が設けられていると共に、センター役物の後壁部材は、流通領域の後面及び上面を構成しているため、流通領域を流通している遊技球が後方や上方へ脱落することはなく、流通領域を流通(転動)している遊技球の動きによって遊技者を楽しませることができる。この際に、後壁部材では、成形時に形成される脱型痕跡部を、遊技球が流通する流通領域よりも外側に設けているため、脱型痕跡部が流通領域を流通している遊技球と重なって見えることはなく、遊技者に対して流通領域を流通している遊技球を見え易くすることができる。従って、流通領域を流通している遊技球の動きに違和感や不快感を与えてしまうことはなく、遊技球の動きを楽しませることができる。
また、後壁部材において、脱型痕跡部を流通領域よりも外側の部位に設けていることから、流通領域を流通している遊技球が脱型痕跡部に接触することはないため、脱型痕跡部が遊技球の流通を阻害することはなく、センター役物における遊技球の流通精度を高めることができる。従って、センター役物において流通する遊技球に対して設計通りの動きをさせることができ、意図したように遊技者を楽しませられる遊技機を提供することができる。
なお、脱型痕跡部を、前方から見え辛い部位に設けることが望ましい。これにより、後壁部材の流通領域を流通している遊技球の動きを楽しむために、遊技者が後壁部材に注目することとなるが、後壁部材では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部を設けているため、本遊技機の前方にいる遊技者から脱型痕跡部を見え難くすることができ、脱型痕跡部による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。従って、センター役物(後壁部材)において脱型痕跡部が目立たないことで、当該センター役物を有する遊技盤(遊技機)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を揃えるようにすることが望ましい。これにより、遊技者から後壁部材の脱型痕跡部が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部が見えてもセンター役物の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
手段2:手段1の構成において、
「前記脱型痕跡部は、前方から見え辛い部位に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「前方から見え辛い部位」としては、「板面が前後方向を向いた板状の部位の後面」、「前方に設けられている他の部材(例えば、第一部材、第二部材、装飾シール、など)と前後方向が重なる部位」、「板面が前後方向を向いた板状の部位の前面で、前方に設けられている他の部材と前後方向が重なる部位」、「板面が前後方向に対して直交する方向を向いている板状の部位における端面」、等が挙げられる。
ところで、遊技者から脱型痕跡部が見えると、後壁部材(センター役物)の見栄えが悪くなり、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまう恐れがある。
手段2の構成によると、脱型痕跡部は、前方から見え辛い部位に設けられているものである([発明を実施するための形態]では、脱型痕跡部2519、第三部材2523、図116、及び図117等の記載を参照)。
これにより、後壁部材の流通領域を流通している遊技球の動きを楽しむために、遊技者が後壁部材に注目することとなるが、後壁部材では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部を設けているため、本遊技機の前方にいる遊技者から脱型痕跡部を見え難くすることができ、脱型痕跡部による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。従って、センター役物(後壁部材)において脱型痕跡部が目立たないことで、当該センター役物を有する遊技盤(遊技機)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を揃えるようにすることが望ましい。これにより、遊技者から後壁部材の脱型痕跡部が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部が見えてもセンター役物の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
このように、上記の解決手段によれば、センター役物において流通している遊技球を見え易くすることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態におけるセンター役物2500及びステージユニット2520は上記解決手段のセンター役物に、本実施形態のステージユニット2520の第三部材2523は上記解決手段の後壁部材に、本実施形態における脱型痕跡部2519は上記解決手段の脱型痕跡部に、それぞれ相当している。
また、本実施形態におけるワープ通路2516、ステージ2518、球通路部2523d、及び流通領域2523iは上記解決手段の流通領域に、本実施形態における第三部材2523の後壁部2523aの前側の面は上記解決手段の後面に、実施形態における第三部材2523の上壁部2523bの下側の面は上記解決手段の上面に、それぞれ相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5のセンター役物2500には、ステージ2518やワープ通路2516のような遊技球Bが流通する流通領域2523iが設けられていると共に、センター役物2500(ステージユニット2520)の第三部材2523の後壁部2523a及び上壁部2523bは、流通領域2523iの後面及び上面を構成しているため、流通領域2523iを流通している遊技球Bが後方や上方へ脱落することはなく、流通領域2523iを流通(転動)している遊技球Bの動きによって遊技者を楽しませることができる。この際に、第三部材2523では、成形時に形成される脱型痕跡部2519を、遊技球Bが流通する流通領域2523iよりも外側に設けているため、脱型痕跡部2519が流通領域2523iを流通している遊技球Bと重なって見えることはなく、遊技者に対して流通領域2523iを流通している遊技球Bを見え易くすることができる。従って、流通領域2523iを流通している遊技球Bの動きに違和感や不快感を与えてしまうことはなく、遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、第三部材2523において、脱型痕跡部2519を流通領域2523iよりも外側の部位に設けていることから、流通領域2523iを流通している遊技球Bが脱型痕跡部2519に接触することはないため、脱型痕跡部2519が遊技球Bの流通を阻害することはなく、センター役物2500における遊技球Bの流通精度を高めることができる。従って、センター役物2500において流通する遊技球Bに対して設計通りの動きをさせることができ、意図したように遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
更に、第三部材2523の流通領域2523iを流通している遊技球Bの動きを楽しむために、遊技者が第三部材2523に注目することとなるが、第三部材2523では前方から見え辛い部位に脱型痕跡部2519を設けているため、本パチンコ機1の前方にいる遊技者から脱型痕跡部2519を見え難くすることができ、脱型痕跡部2519による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、脱型痕跡部2519により遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。従って、センター役物2500(第三部材2523)において脱型痕跡部2519が目立たないことで、当該センター役物2500を有する遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、遊技者から第三部材2523の脱型痕跡部2519が見えてしまっても、隣接している脱型痕跡部2519の形態を揃えるようにしているため、当該脱型痕跡部2519を模様のように感じさせることができ、脱型痕跡部2519が見えてもセンター役物2500(第三部材2523)の見栄えが悪化することはないと共に、遊技者に対して違和感や不快感を与えてしまうことはない。
[5-8c-4e.小括E]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、前方を遊技球が流通する遊技板の前面よりも前方へ突出している突出壁部を有する枠状のセンターフレームが設けられており、突出壁部によって枠内への遊技球の侵入を阻止すると共に、枠よりも外側の部位に遊技球が流通する領域を形成して、遊技球の動きを楽しませられるようにしたものが知られている(例えば、特許文献:特開2021-13673号公報)。
しかしながら、この種の遊技機では、機種やメーカーが違っても似たような形態のセンターフレームが設けられているため、代わり映えがせず、センターフレームだけでは他の遊技機との差別化を図ることが困難であった。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、遊技者に対する訴求力を高めることが可能なセンターフレームを備えた遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技板の開口縁に取付けられるセンターフレームを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記センターフレームは、
遊技板の前面よりも前方に突出している突出壁部を備え、
該突出壁部の前端面に脱型痕跡部が設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「センターフレーム」としては、センター役物を構成しているものであり、遊技板の開口の縁に沿った枠状のものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った方向へ複数に分割されているものであっても良い。また、「センターフレーム」としては、一つの部材で構成されていても良いし、複数の部材で構成されていても良い。
また、「突出壁部」としては、「遊技板の前面から遊技球の半径(或いは、直径)よりも長く前方に突出しているもの」、「遊技板の前面から、遊技板に植設されている障害釘の前端までと、同じような長さで前方に突出しているもの」、等が挙げられる。
更に、「脱型痕跡部」は、成形品を成形型(金型)から取出すための機構(例えば、エジェクタピン、押上げコア、直上げコア、突出しコア、等)により成形品に付いた痕跡のことであり、他の部位と比較して微小に凹んでいたり凸っていたり傾斜していたりする。この「脱型痕跡部」の形状としては、「半円形のような円形の一部の形状」、「円形」、「三角形」、「四角形」、「五角形」、「六角形」、「多角形」、「不定形」、「星形」、「ハート形」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技板の開口縁に取付けられるセンターフレームを有する遊技盤を備えた遊技機であって、センターフレームは、遊技板の前面よりも前方に突出している突出壁部を備え、突出壁部の前端面に脱型痕跡部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-2c.前方突出部の脱型痕跡部]の章、脱型痕跡部2519、センターフレーム2510、前方突出部2511、図113及び図118等の記載を参照)。
これにより、遊技板の開口縁に取付けられているセンターフレームに、前方へ突出している突出壁部が設けられているので、当該突出壁部により遊技板の開口内へ遊技球が脱落(侵入)することを阻止することができると共に、遊技板の前面におけるセンターフレームよりも外側の部位において、遊技球が流下する領域(遊技領域)を形成することができ、当該領域を流下する遊技球の動きによって遊技者を楽しませることができる。そして、センターフレームの突出壁部の前端面に、センターフレーム(成形品)の成形時に形成された脱型痕跡部を設けているため、脱型痕跡部が見えることでセンターフレームを目立たせることができ、センターフレームに遊技者の関心を引き付けさせることができる。従って、センターフレームにおける突出壁部の前端面に設けられている脱型痕跡部により、遊技者に対して、従来とは全く異なるセンターフレームが設けられていると認識させて、遊技者の関心を強く引き付けさせることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、脱型痕跡部は、センターフレームにおけるその他の部位と比較して形態が異なっているため、後方に設けられている液晶表示装置やLEDなどからの光が当たると、他の部位とは異なった光方をすることとなる。これにより、センターフレームにおける突出壁部の前端面において、脱型痕跡部が他の部位とは異なった光方をすることで目立つこととなり、遊技者の関心を強く引き付けさせることができると共に、脱型痕跡部か光ることでセンターフレームを奇麗に見せることができる。
なお、突出壁部に、遊技球が流通する遊技領域を二つに区画している区画部を有するようにした上で、その区画部の前端面には脱型痕跡部が設けないようにしても良い。これにより、センターフレームの突出壁部のうち遊技領域を二つに区画している区画部の前端面には、脱型痕跡部を設けていないため、遊技者に対して、当該区画部が突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位とは異なる部位であると認識させることが可能となり、区画部が枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることができる。
また、上記のように区画部の前端面には脱型痕跡部を設けない場合、突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位よりも区画部が目立ち難くなるため、区画部の存在に気付かせ難くすることができ、遊技者に対して、区画部の部位を跨いで遊技球が行き来できると錯覚させることができる。
また、隣接して設けられている脱型痕跡部の形態を揃えるようにすることが望ましい。これにより、センターフレームにおける突出壁部の前端面に設けられている脱型痕跡部を模様のように見せることができ、センターフレームの見栄えを良くすることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記突出壁部は、
遊技球が流通する遊技領域を二つに区画している区画部を有しており、該区画部の前端面には前記脱型痕跡部が設けられていない」
ものであることを特徴とする。
ここで、「区画部」としては、「センターフレームの枠内に設けられているステージの端部(例えば右端)に設けられている上下に延びている部位」、「センターフレームから下方へ延出している部位」、「センターフレームの左辺側又は右辺側において、複数の球通路を区画している部位」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、突出壁部は、遊技球が流通する遊技領域を二つに区画している区画部を有しており、区画部の前端面には脱型痕跡部が設けられていないものである([発明を実施するための形態]では、前方突出部2511の区画部2511aの記載を参照)。
これにより、センターフレームの突出壁部のうち遊技領域を二つに区画している区画部の前端面には、脱型痕跡部を設けていないため、遊技者に対して、当該区画部が突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位とは異なる部位であると認識させることが可能となり、区画部が枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることができる。
或いは、区画部の前端面には脱型痕跡部を設けていないため、突出壁部における脱型痕跡部が設けられている部位よりも区画部が目立ち難くなり、区画部の存在に気付かせ難くすることができ、遊技者に対して、区画部の部位を跨いで遊技球が行き来できると錯覚させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技者に対する訴求力を高めることが可能なセンターフレームを備えた遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態におけるセンター役物2500のセンターフレーム2510及びステージユニット2520の第一部材2521は上記解決手段のセンターフレームに、本実施形態におけるセンターフレーム2510の前方突出部2511及び第三部材2523の上壁部2523bは上記解決手段の突出壁部に、本実施形態における前方突出部2511の区画部2511aは上記解決手段の区画部に、それぞれ相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5における遊技パネル1100の開口部1112の内周縁に取付けられているセンター役物2500のセンターフレーム2510に、前方へ突出している前方突出部2511が設けられているので、当該前方突出部2511により遊技パネル1100の開口部1112内へ遊技球Bが脱落(侵入)することを阻止することができると共に、遊技パネル1100の前面におけるセンターフレーム2510よりも外側の部位において、遊技球Bが流下する遊技領域5aを形成することができ、当該遊技領域5aを流下する遊技球Bの動きによって遊技者を楽しませることができる。そして、センターフレーム2510の前方突出部2511及び第三部材2523の上壁部2523bの前端面に、センターフレーム2511(成形品)等の成形時に形成された脱型痕跡部2519を設けているため、脱型痕跡部2519が見えることでセンターフレーム2510を目立たせることができ、センターフレーム2510に遊技者の関心を引き付けさせることができる。従って、センターフレーム2510における前方突出部2511等の前端面に設けられている脱型痕跡部2519により、遊技者に対して、従来とは全く異なるセンターフレーム2510が設けられていると認識させて、遊技者の関心を強く引き付けさせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、脱型痕跡部2519は、センターフレーム2510におけるその他の部位と比較して形態が異なっているため、後方に設けられている演出表示装置1600やLEDなどからの光が当たると、他の部位とは異なった光方をすることとなる。これにより、センターフレーム2510における前方突出部2511の前端面において、脱型痕跡部2519が他の部位とは異なった光方をすることで目立つこととなり、遊技者の関心を強く引き付けさせることができると共に、脱型痕跡部2519か光ることでセンターフレーム2510を奇麗に見せることができる。
更に、前方突出部2511に、遊技球Bが流通する遊技領域5aを二つに区画している区画部2511aを有するようにした上で、その区画部2511aの前端面には脱型痕跡部2519を設けないようにしているため、遊技者に対して、当該区画部2511aが前方突出部2511における脱型痕跡部2519が設けられている部位とは異なる部位であると認識させることが可能となり、区画部2511aが枠を構成する部位ではないと認識させることができ、遊技領域5aが左右に分割されていることを認識させることができる。
また、或いは、区画部2511aの前端面には脱型痕跡部2519を設けていないため、前方突出部2511における脱型痕跡部2519が設けられている部位や上壁部2523bよりも区画部2511aが目立ち難くなるため、区画部2511aの存在に気付かせ難くすることができ、遊技者に対して、区画部2511aの部位を跨いで遊技球Bが行き来できると錯覚させることができる。
また、隣接して設けられている脱型痕跡部2519の形態を揃えるようにしているため、センターフレーム2511における前方突出部2511の前端面に設けられている脱型痕跡部2519を模様のように見せることができ、センターフレーム2519の見栄えを良くすることができる。
[5-8c-4f.小括F]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、前方を遊技球が流通する遊技板に取付けられる枠状のセンター役物に、遊技球を左右に転動させた後に遊技板の前面側に放出するステージが設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2021-13673号公報)。この種の遊技機では、ステージを転動する遊技球が、ステージにおける所望の部位から放出されるか否かによって遊技者を楽しませられるようにしている。
しかしながら、従来の遊技機では、センター役物のステージにおいて、予め決められた複数か所(例えば、3か所)の部位の何れかから遊技球が放出されるようにしているため、センター役物での遊技球の動きが単調になり易く、遊技者によっては遊技球の動きに飽きて興趣が低下してしまう恐れがあった。
そこで、以下の解決手段では、センター役物での遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技板の開口縁に取付けられるセンター役物を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記センター役物は、
遊技板の前面に当接する取付板部と、遊技球が転動する転動面の前方に設けられている前壁板部と、を備え、
前記取付板部には、先端へ向かうほど後方へ移動するように傾斜している表傾斜部が設けられていると共に、前記前壁板部には、先端へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している裏傾斜部が設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「センター役物」としては、遊技板の開口の縁に沿った枠状のものであっても良いし、遊技板の開口の縁に沿った方向へ複数に分割されているものであっても良い。また、「センター役物」としては、一つの部材で構成されていても良いし、複数の部材(ユニット)で構成されていても良い。
また、取付板部と前壁板部との関係としては、取付板部と前壁板部とが一体に形成されていても良いし、取付板部と前壁板部とが別体に形成されていても良い。
手段1の構成によると、遊技板の開口縁に取付けられるセンター役物を有する遊技盤を備えた遊技機であって、センター役物は、遊技板の前面に当接する取付板部と、遊技球が転動する転動面の前方に設けられている前壁板部と、を備え、取付板部には、先端へ向かうほど後方へ移動するように傾斜している表傾斜部が設けられていると共に、前壁板部には、先端へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している裏傾斜部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[5-8c-1.ステージユニット]及び[5-8c-3.ステージユニットの第二実施形態]の章、ステージユニット2520及びステージユニット2520A、表傾斜部2521c、裏傾斜部2522e、図112及び図123等の記載を参照)。
これにより、センター役物に設けられている転動面を遊技球が転動することにより、当該遊技球の動きを遊技者に楽しませることができる。この際に、転動面の前方に設けられている前壁板部に、先端へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している裏傾斜部が設けられているため、転動面を転動している遊技球が前壁板部の後面に当接すると、当該遊技球の勢いによっては裏傾斜部を上り、前壁板部を越えて転動面から前方へこぼれることとなる。従って、遊技球が転動面の思わぬ部位から前壁板部を乗り越えて前方へこぼれるため、遊技者を驚かせることができ、遊技球の動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、遊技板の前面におけるセンター役物の左側を流下する遊技球は、俗にいう道釘に沿って第一始動口に向かって転動して行くが、その際に、道釘等の障害釘によって上方へ跳ね上がった遊技球は、上方の取付板部に表傾斜部が設けられているため、その動きが阻害されることはなく、自然な挙動となる。
また、センター役物における取付板部の先端に表傾斜部を設けているため、遊技球が表傾斜部の面に当たることで取付板部の先端の角には当たることはなく、取付板部が欠けたり割れたりすることはない。
また、センター役物の前壁板部に裏傾斜部を設けているため、遊技板からセンター役物を取外す際に、前壁板部の先端が薄くなっていることで指を引っ掛け易くすることができ、センター役物の取外作業を楽にすることができる。
なお、センター役物において、裏傾斜部の下方に表傾斜部が設けられていることが望ましい。これにより、裏傾斜部の下方に表傾斜部を有した取付板部を設けるようにしているため、転動面を転動している遊技球が、裏傾斜部により前壁板部を越えて前方へこぼれると、必ず取付板部の前面を流下(転動)した上で、表傾斜部を転動して遊技板の前面側へ受け渡すことができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、前壁板部における裏傾斜部が設けられている上方に上壁部を設ける場合、前壁板部と上壁部との間に遊技球が通過可能な空間を設けるようにすることが望ましい。これにより、転動面を転動している遊技球が裏傾斜部により上方へ案内されて前壁板部を乗り越えようとした時に、当該遊技球が前壁板部と上壁部との間を通って確実に前方へこぼれることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、前壁板部の上方に遊技球が通過可能な空間をあけて上壁部が設けられている場合、遊技板からセンター役物を取外す時に、前壁板部と上壁部との間に指を挿入して引っ張ることが可能となる。この際に、前壁板部の先端に裏傾斜部を設けていることから、前壁板部の先端が薄くなっているため、前壁板部と上方の部材との間に指が挿入し易くなっており、前壁板部の先端に指を引っ掛けて容易に引っ張ることができ、センター役物の取外作業を楽に行うことができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記裏傾斜部の下方には前記表傾斜部が設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、裏傾斜部の下方に表傾斜部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、表傾斜部2521c、裏傾斜部2522e、図112及び図123等の記載を参照)。
これにより、裏傾斜部の下方に表傾斜部を有した取付板部を設けるようにしているため、転動面を転動している遊技球が、裏傾斜部により前壁板部を越えて前方へ放出されると、必ず取付板部の前面を流下(転動)した上で、表傾斜部を転動して遊技板の前面側へ受け渡すことができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
このように、上記の解決手段によれば、センター役物での遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態におけるセンター役物2500、ステージユニット2520及びステージユニット2520Aは上記解決手段のセンター役物に、本実施形態におけるセンターフレーム2510のフランジ部2512は上記解決手段の取付板部に、本実施形態におけるステージ2518及び第二部材2522の転動面部2522aは上記解決手段の転動面に、本実施形態における第一部材2521の表傾斜部2521cは上記解決手段の表傾斜部に、本実施形態における第二部材2522の前壁板部2522bは上記解決手段の前壁板部に、本実施形態における第二部材2522の裏傾斜部2522eは上記解決手段の裏傾斜部に、それぞれ相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5のセンター役物2500に設けられている転動面としてのステージ2518を遊技球Bが転動することにより、当該遊技球Bの動きを遊技者に楽しませることができる。この際に、ステージ2518の前方に設けられている第二部材2521の前壁板部2522bに、先端へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している裏傾斜部2522eが設けられているため、ステージ2518を転動している遊技球Bが前壁板部2522bの後面に当接すると、当該遊技球Bの勢いによっては裏傾斜部2522eを上り、前壁板部2522bを越えてステージ2518から前方へこぼれることとなる。従って、遊技球Bがステージ2518の思わぬ部位から前壁板部2522bを乗り越えて前方へこぼれるため、遊技者を驚かせることができ、遊技球Bの動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、遊技パネル1100の前面におけるセンター役物2500の左側を流下する遊技球Bは、俗にいう道釘に沿ってセンター役物2500の下方に設けられている第一始動口2002に向かって転動して行くが、その際に、道釘等の障害釘Nによって上方へ跳ね上がった遊技球Bは、上方のフランジ部2512に表傾斜部2521cが設けられているため、その動きが阻害されることはなく、自然な挙動となる。
また、センター役物2500におけるフランジ部2512の先端に表傾斜部2521cを設けているため、遊技球Bが表傾斜部2521cの面に当たることでフランジ部2512の先端の角には当たることはなく、フランジ部2512が欠けたり割れたりすることはない。
また、前壁板部2522bにおける裏傾斜部2522eが設けられている部位と、その上方に設けられている第三部材2523の上壁部2523bとの間に、遊技球Bが通過可能な空間を設けているため、遊技球Bが前壁板部2522bと上壁部2523bとの間を通って確実に前方へこぼれることができる。
また、前壁板部2522bと上壁部2523bとの間に遊技球Bが通過可能な空間を設けているため、遊技パネル1100からセンター役物2500(ステージユニット2520、ステージユニット2520A)を取外す時に、前壁板部2522bと上壁部2523bとの間に指を挿入して引っ張ることが可能となる。この際に、前壁板部2522bの先端に裏傾斜部2522cを設けていることから、前壁板部2522bの先端が薄くなっているため、前壁板部2522bと上壁部2523bとの間に指が挿入し易くなっており、前壁板部2522bの先端に指を引っ掛けて容易に引っ張ることができ、センター役物の取外作業を楽に行うことができる。
[5-8c-5.第一アタッカユニット]
次に、センター役物2500における第一アタッカユニット2530について、主に図99、図106及び図107等を参照して説明する。第一アタッカユニット2530は、センター役物における右上隅の部位を構成している。第一アタッカユニット2530は、ステージユニット2520と同様にセンターフレーム2510の一部を有している。この第一アタッカユニット2530は、第一始動口2002への遊技球Bの入球により抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの入球により抽選された第二特別図柄等の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する第一大入賞口2005と、第一大入賞口2005に入球した遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2503と、第一大入賞口2005を開閉可能としている第一大入賞口扉2531と、第一大入賞口扉2531を進退させる第一アタッカソレノイド2532と、を有している。
第一大入賞口扉2531は、板面を上下方向へ向けた平板状で、左右方向に延出している。この第一大入賞口扉2531は、前後方向へ進退可能に設けられており、前進位置の状態では、第一大入賞口2005への遊技球Bの入球を不能とし、後退位置の状態では、第一大入賞口2005への遊技球Bの入球が可能となる。
第一アタッカソレノイド2532は、第一始動口2002への入球により抽選された第一特別図柄、第二始動口2004への入球により抽選された第二特別図柄、等の抽選結果に応じて第一大入賞口扉2531を進退させて、第一大入賞口2005を開閉させるためのものである。この第一アタッカソレノイド2532は、非通電時には、図示しないバネの付勢力により、第一大入賞口扉2531が前進して第一大入賞口2005が閉鎖されている。
この第一アタッカユニット2530は、第一大入賞口2005に入球して第一大入賞口センサ2503に検知された遊技球Bを後方へ案内して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。第一アタッカユニット2530から受け渡された遊技球Bは、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。一方、第一大入賞口2005に入球しなかった遊技球Bは、下方に設けられているゲートユニット2540へ放出される。
[5-8c-6.ゲートユニット]
次に、センター役物2500におけるゲートユニット2540について、主に図99、図106及び図107等を参照して説明する。ゲートユニット2540は、センター役物2500における右辺の上下方向中央部分の部位を構成している。ゲートユニット2540は、上方に第一アタッカユニット2530が設けられていると共に、下方に第二アタッカユニット2550が設けられている。つまり、ゲートユニット2540は、第一アタッカユニット2530と第二アタッカユニット2550との間に設けられている。
ゲートユニット2540は、ステージユニット2520等と同様にセンターフレーム2510の一部を有している。ゲートユニット2540は、遊技球Bが通過可能なゲート2003と、遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2011と、ゲート2003における遊技球Bの通過や普通入賞口2011への遊技球Bの入球により抽選された普通図柄の抽選結果に応じて開閉する第二始動口2004と、入球した遊技球Bを遊技領域5a外へ排出するサブアウト口2023と、を有している。
また、ゲートユニット2540は、ゲート2003での遊技球Bの通過を検知するゲートセンサ2501と、第二始動口2004に入球した遊技球Bを検知する第二始動口センサ2502と、第二始動口2004を開閉可能としている第二始動口扉2541と、第二始動口扉2541を進退させる始動口ソレノイド2542と、を備えている。第二始動口2004は、ゲート2003の直下に設けられている。
第二始動口扉2541は、板面を上下方向へ向けた平板状で、左右方向に延出している。第二始動口扉2541は、前後方向へ進退可能に設けられており、前進位置の状態では、第二始動口2004への遊技球Bの入球を可能とし、後退位置の状態では、第二始動口2004への遊技球Bの入球を不能としている。
始動口ソレノイド2542は、ゲート2003における遊技球Bの通過により抽選された普通図柄、普通入賞口2011への遊技球Bの入球により抽選された普通図柄、の抽選結果に応じて第二始動口扉2541を進退させて、第二始動口2004を開閉させるためのものである。この始動口ソレノイド2542は、非通電時には、図示しないバネの付勢力により、第二始動口扉2541が後退して第二始動口2004が入球不能(閉鎖)されている。
ゲートユニット2540は、第二始動口2004に入球して第二始動口センサ2502により検知された遊技球Bを、後方へ案内し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。第二始動口センサ2502に検知されて裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。また、ゲートユニット2540は、普通入賞口2011に入球した遊技球Bを、後方へ案内して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。普通入賞口2011に入球して裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、普通入賞口センサ3003に検知された後に、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。
また、ゲートユニット2540は、サブアウト口2023に入球した遊技球Bを、後方へ案内して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。サブアウト口2023に入球して裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第一球経路701に排出される。
一方、ゲートユニット2540において、第二始動口2004、普通入賞口2011、サブアウト口2023、の何れにも入球しなかった遊技球Bは、下方へ誘導されて下方に設けられている第二アタッカユニット2550へ放出される。
[5-8c-7.第二アタッカユニット]
次に、センター役物2500における第二アタッカユニット2550について、主に図99、図106及び図107等を参照して説明する。第二アタッカユニット2550は、センター役物2500における右下隅の部位を構成しており、左側にステージユニット2520が隣接していると共に、上側にゲートユニット2540が隣接している。
第二アタッカユニット2550は、ステージユニット2520等と同様にセンターフレーム2510の一部を有している。第二アタッカユニット2550は、一つの一般入賞口2001と、第一始動口2002への遊技球Bの入球により抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの入球により抽選された第二特別図柄等の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する第二大入賞口2006と、二つのサブアウト口2023と、を有している。
この第二アタッカユニット2550は、第二大入賞口2006に入球した遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2504と、第二大入賞口2006を開閉可能としている第二大入賞口扉2551と、第二大入賞口扉2551を進退させる第二アタッカソレノイド2552と、を有している。
第二大入賞口扉2551は、板面を上下方向へ向けた平板状で、左右方向に延出している。この第二大入賞口扉2551は、前後方向へ進退可能に設けられており、前進位置の状態では、第二大入賞口2006への遊技球Bの入球を不能とし、後退位置の状態では、第二大入賞口2006への遊技球Bの入球が可能となる。
第二アタッカソレノイド2552は、第一始動口2002への入球により抽選された第一特別図柄、第二始動口2004への入球により抽選された第二特別図柄、等の抽選結果に応じて第二大入賞口扉2551を進退させて、第二大入賞口2006を開閉させるためのものである。この第二アタッカソレノイド2552は、非通電時には、図示しないバネの付勢力により、第二大入賞口扉2551が前進して第二大入賞口2006が閉鎖されている。
この第二アタッカユニット2550は、一般入賞口2001に入球した遊技球Bを後方へ案内して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。一般入賞口2001に入球して裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。第二大入賞口2006に入球して第二大入賞口センサ2504に検知された遊技球Bを後方へ案内して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。第二大入賞口2006に入球して裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。
また、第二アタッカユニット2550は、サブアウト口2023に入球した遊技球Bを、後方へ案内して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。サブアウト口2023に入球して裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、裏球誘導ユニット3100を通って本体枠4における基板ユニット700の第一球経路701に排出される。
一方、第二アタッカユニット2550において、一般入賞口2001、第二大入賞口2006、サブアウト口2023、の何れにも入球しなかった遊技球Bは、第二アタッカユニット2550の左方の遊技領域5a内に放出されるが、他のユニットの入賞口に入球することなくアウト口1008に受入れられて、遊技領域5a外に排出される。
[5-8c-8.センター左上ユニット]
次に、センター役物2500におけるセンター左上ユニット2560について、主に図99、図106及び図107等を参照して説明する。センター左上ユニット2560は、枠状のセンター役物2500における上辺の部位と左辺上部の部位とを構成しており、ステージユニット2520の左上端部と第一アタッカユニット2530の上端とを結ぶように設けられている。
このセンター左上ユニット2560は、ステージユニット2520等と同様にセンターフレーム2510の一部を有している。
[5-9.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図99等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。図示は省略するが、遊技領域5a内において、センター役物2500の左外側の部位と下側の部位、及び、ゲートユニット2540における普通入賞口2011の上方の部位、に複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイドユニット2200の左端上方に、遊技球Bの当接により回転する風車(図示は省略)が設けられている。
センター役物2500の左側へ打込まれた遊技球Bは、複数の障害釘Nに当接することで案内されて、或る程度の確率でワープ入口2515に進入する。ワープ入口2515に進入した遊技球Bは、ワープ通路2516を通ってセンター役物2500の枠内に設けられているワープ出口2517から右方へ放出され、第二部材2522の複数の突起部2522dに当接することで減速されてステージ2518に供給される。
ステージ2518に供給された遊技球Bは、ステージ2518上を左右方向へ転動し、中央放出部2518a又はサイド放出部2518bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2518の中央放出部2518aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2002の直上に設けられているため、中央放出部2518aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。中央放出部2518aの左右両側のサイド放出部2518bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2002に受入れられる。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。第一始動口2002に入球して裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、第一始動口センサ3002に検知された後に、裏球誘導ユニット3100から下方の基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。第一始動口センサ3002により遊技球Bが検知されると、所定個数の遊技球Bが払出される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第一特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第一特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第一特別図柄を、第一特別抽選結果とも称する。
ステージ2518から放出されて第一始動口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。アウト口1008に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で、下方の基板ユニット700の第一球経路701へ排出される。
センター役物2500の左外側へ打込まれ、ワープ入口2515に進入しなかった遊技球Bは、風車の中心よりも右側を流通した場合では、高い確率で、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている道釘に沿うように右方へ流下する。風車の中心よりも右側を流通した遊技球Bは、第一始動口2002やサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001やサブアウト口2023に受入れられる可能性がある。また、風車の中心よりも右側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001やサブアウト口2023に受入れられることがある。第一始動口2002、一般入賞口2001、及びサブアウト口2023に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
サイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。この遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で、下方の基板ユニット700の第二球経路702へ排出される。一般入賞口センサ3001に遊技球Bが検知されると、所定個数の遊技球Bを払出す特典が付与される。
一方、サイドユニット2200に設けられているサブアウト口2023に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方に誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。サイドユニット2200において、一般入賞口2001及びサブアウト口2023の何れにも受入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
続いて、センター役物2500の右側には、上下に長い球通路が設けられており、その球通路には上から順に、第一大入賞口2005、ゲート2003、第二始動口2004、サブアウト口2023、普通入賞口2011、第二大入賞口2006、一般入賞口2001及びサブアウト口2023、が設けられている。センター役物2500の右側では、普通入賞口2011の直上に夫々複数の障害釘Nが植設されている。
遊技領域5a内へ右打ちされてセンター役物2500の右側に進入した遊技球Bは、初めに第一アタッカユニット2530の第一大入賞口2005を閉鎖している第一大入賞口扉2531上を転動する。この第一大入賞口2005は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄(第一特別抽選結果)、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄(第二特別抽選結果)、に応じて(例えば、抽選された特別図柄(特別抽選結果)が、「大当り」、「中当り」、「小当り」、等の時)、第一アタッカソレノイド2532により第一大入賞口扉2531が後退して開放される。第一大入賞口2005の開閉パターンは、第一特別図柄や第二特別図柄の抽選結果に応じて異なっている。
従って、第一大入賞口2005が開放されているタイミングで、遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが第一大入賞口2005に受入れられる。これにより、第一大入賞口2005が開閉する特別図柄が抽選されると、遊技者に対して、遊技球Bが第一大入賞口2005に受入れられるように、第一大入賞口2005が設けられているセンター役物2500の右側を遊技球Bが流通するように、「右打ち」を行わせることができる。
第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、下方に設けられている第一大入賞口センサ2503に検知される。第一大入賞口センサ2503により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bを払出す特典が付与される。また、第一大入賞口センサ2503に検知された遊技球Bは、後方の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方の基板ユニット700の第二球経路702に排出される。
第一アタッカユニット2530において第一大入賞口2005に受入れられなかった遊技球Bは、下方に設けられているゲートユニット2540に進入する。ゲートユニット2540では、上から順に、ゲート2003、第二始動口2004、サブアウト口2023、普通入賞口2011、が設けられている。従って、ゲートユニット2540では、遊技球Bがゲート2003を通過する可能性があると共に、第二始動口2004や普通入賞口2011、サブアウト口2023、に入球する可能性がある。ゲート2003は、遊技球Bが常時通過できるように設けられている。また、普通入賞口2011とサブアウト口2023は、遊技球Bを常時受入可能に開口している。一方、第二始動口2004は、通常の状態では受入不能に閉鎖されている。
遊技球Bがゲート2003を通過すると、その下方に設けられている第二始動口扉2541へ向かって流下することとなる。この際に、ゲート2003の通過により遊技球Bがゲートセンサ2501に検知されると、所定条件を充足している状態(例えば、普通図柄の保留数が4未満の状態)で、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能とする普通図柄の抽選が実行される。なお、抽選された普通図柄を、普通抽選結果とも称する。
そして、ゲート2003を通過した遊技球Bは、第二始動口扉2541が設けられている部位へ向かって流下することとなるが、通常の状態では、第二始動口扉2541は後退しており、遊技球Bが第二始動口扉2541上に当接することはない。従って、遊技球Bは、第二始動口扉2541の部位を素通りして第二始動口2004に入球することなく流下する。
一方、ゲート2003での遊技球Bの通過や普通入賞口2011への入球、により抽選された普通図柄の抽選結果として、「普通当り」が抽選されると、始動口ソレノイド2542により第二始動口扉2541が前進して、第二始動口2004が受入可能な開放された状態となる。この状態で、遊技球Bが第二始動口扉2541に当接すると、その第二始動口扉2541に案内されて遊技球Bが第二始動口2004に入球する。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2502に検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、裏球誘導ユニット3100から下方の基板ユニット700の第二球経路702に排出される。第二始動口センサ2502により遊技球Bが検知されると、所定個数の遊技球Bを払出す特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第二特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第二特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第二特別図柄を、第二特別抽選結果とも称する。
第二始動口扉2541の部位を通過して流下した遊技球Bは、所定の確率でサブアウト口2023や普通入賞口2011に入球する。この遊技球Bが普通入賞口2011に入球すると、後方へ誘導されて裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3003により検知された上で、裏球誘導ユニット3100から下方の基板ユニット700の第二球経路702に排出される。普通入賞口センサ3003に遊技球Bが検知されると、所定個数の遊技球Bを払出す特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、普通図柄の保留数が4未満の状態)で、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能とする普通図柄の抽選が実行される。
従って、上流のゲート2003において、遊技球Bが通過した際に、普通図柄の抽選結果として「普通当り」が抽選されなかった場合でも、下流の普通入賞口2011に入球すると、普通図柄の抽選が行われるため、一つの遊技球Bで普通図柄の抽選の機会が二度あることとなり、遊技者を楽しませることができる。
一方、サブアウト口2023に入球した遊技球Bは、遊技パネル1100の後方に誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。
このゲートユニット2540において、第二始動口2004、普通入賞口2011、サブアウト口2023、の何れにも入球しなかった遊技球Bは、ゲートユニット2540から下方の第二アタッカユニット2550へ流下する。
第二アタッカユニット2550へ流下してきた遊技球Bは、高い確率で第二大入賞口扉2551側へ流下すると、第二大入賞口扉2551側へ流下しなかった遊技球Bは、サブアウト口2023に入球し、後方の裏球誘導ユニット3100を通して下方へ排出される。
第二大入賞口扉2551は、通常の状態では前方へ突出して第二大入賞口2006を閉鎖している。そのため、通常の状態で第二大入賞口扉2551に流下してきた遊技球Bは、第二大入賞口扉2551上を左方へ転動した後に、第二アタッカユニット2550から遊技領域5a内に放出される。第二アタッカユニット2550から遊技領域5a内に放出する部位は、第一始動口2002の左方で第一始動口2002よりも若干高い位置に設けられており、当該位置から下方へ放出される。この部位の下方には、第二アタッカユニット2550において左方へ張り出している一般入賞口2001とサブアウト口2023とが左右に並んで設けられており、何れかに入球する可能性がある。また、第二大入賞口扉2551上を左方へ転動して、第二アタッカユニット2550の一般入賞口2001及びサブアウト口2023に入球しなかった遊技球Bは、アウト口1008から外部に排出される。
第二アタッカユニット2550の第二大入賞口2006は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄(第一特別抽選結果)、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄(第二特別抽選結果)、に応じて(例えば、抽選された特別図柄(特別抽選結果)が、「大当り」、「中当り」、「小当り」、等の時)、第二アタッカソレノイド2552により第二大入賞口扉2551が後退して開放される。第二大入賞口2006の開閉パターンは、第一特別図柄や第二特別図柄の抽選結果に応じて異なっている。
この第二大入賞口2006が開放されているタイミングで、遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが第二大入賞口2006に受入れられる。これにより、第二大入賞口2006が開閉する特別図柄が抽選されると、遊技者に対して、遊技球Bが第二大入賞口2006に受入れられるように、第二大入賞口2006が設けられているセンター役物2500の右側を遊技球Bが流通するように、「右打ち」を行わせることができる。
第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、下方に設けられている第二大入賞口センサ2504に検知される。第二大入賞口センサ2504により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bを払出す特典が付与される。第二大入賞口センサ2504に検知された遊技球Bは、後方の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方の基板ユニット700の第二球経路702に排出される。
本実施形態では、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開閉して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する第一特別図柄や第二特別図柄の特別図柄の抽選において、第一始動口2002が遊技球Bを受入可能に常時開口しているのに対して、第二始動口2004がゲート2003での遊技球Bの通過や普通入賞口2011への遊技球Bの受入れにより抽選される普通抽選が「普通当り」の時のみ所定パターンで遊技球Bを受入可能にしている。これにより、第二始動口2004よりも第一始動口2002の方が、遊技球Bが受入れられる可能性が高くなっている。
このようなことから、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘により案内される遊技球Bの動きを見せて、遊技球Bによるパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2002へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別図柄の抽選結果として「当り」(例えば、「小当り」、「中当り」、「大当り」、「役物当り」、等)が抽選されると、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作(所謂、「右打ち」)を楽しませることができる共に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
このセンター役物2500の右側には、ゲート2003と普通入賞口2011が設けられており、ゲート2003での遊技球Bの通過や普通入賞口2011への遊技球Bの入球により第二始動口2004が受入可能となる普通図柄の抽選が行われるため、右側に打込んだ遊技球Bがゲート2003を通過するか否か、普通入賞口2011に入球するか否か、によって遊技者を楽しませることができると共に、第二始動口2004が受入可能となった時に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられるか否かによっても遊技者を楽しませることができる。
[5-10.裏ユニット]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000は、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図126を参照)と、一般入賞口2001に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、普通入賞口2011に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3003と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁3010aに演出表示装置1600を取付けるための四角い開口部3010bを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁3010aに左右方向へスライド可能に設けられており演出表示装置1600を着脱させるためのロックスライダ3020と、裏箱3010の後壁にヒンジ回転可能に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端付近で下辺と右辺とに沿うように設けられており遊技パネル1100の後方へ案内された遊技球Bを誘導して下方への基板ユニット700に排出する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010の前端付近に設けられており所定の装飾が施されている枠状の裏前装飾ユニット3200と、裏球誘導ユニット3100及び裏前装飾ユニット3200の後方で裏箱3010内に設けられている裏第一演出ユニット3300と、裏第一演出ユニット3300と裏箱3010の後壁3010aとの間に設けられている裏第二演出ユニット3400と、を有している。
裏箱3010は、開口部3010bが、演出表示装置1600の外形と対応した大きさに形成されており、演出表示装置1600を後方から挿入可能に設けられている。裏箱3010の後壁3010aにおける開口部3010bよりも下方の後面には、主制御ユニット1300が取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出しており遊技パネル1100に取付けるための固定片部3010cと、開口部3010bの上辺において上方へ向かって凹んでいる二つの固定溝3010dを有している。これら固定溝3010dには、演出表示装置1600の上固定片1601がそれぞれ挿入される。
更に、裏箱3010は、後壁3010aにおける開口部3010bよりも右側(背面視において左側)に、裏基板ユニット3040の軸部3041aが上方から挿入される軸支部3010eと、開口部3010bよりも左側に、裏基板ユニット3040の係止爪3041bが係止される係止部3010fと、を有している。
ロックスライダ3020は、裏箱3010の後壁3010aの後面における開口部3010bよりも下側の部位において、左右方向へスライド可能に取付けられている。このロックスライダ3020は、裏箱3010の開口部3010bに演出表示装置1600を挿入した状態で、左右の所定方向へスライドさせると、演出表示装置1600の下固定片1602の移動をロックさせて、演出表示装置1600が裏箱3010から外れないようにロックすることができる。
裏基板ユニット3040は、正面視の形状がL字型で前後に薄い箱状の基板ボックス3041と、基板ボックス3041内に収容されているパネル中継基板及び演出駆動基板(図示は省略)と、を備えている。基板ボックス3041は、L字型の上下に延びている部位の外側辺に、裏箱3010の軸支部3010eに回転可能に支持される二つの軸部3041aを有している。また、基板ボックス3041は、L字型の左右に延びている部位の先端に、裏箱3010の係止部(図示は省略)に係止される係止爪3041bを有している。
裏球誘導ユニット3100は、アウト口1008、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、センター役物2500、により遊技パネル1100の前面側から後方へ案内された遊技球Bを、下方に設けられている本体枠4の基板ユニット700へ排出するためのものである。この裏球誘導ユニット3100には、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、普通入賞口センサ3003、が設けられている。
また、裏球誘導ユニット3100は、アウト口1008及びサブアウト口2023に入球した遊技球Bを誘導して下方に設けられている基板ユニット700の第一球経路701に排出するアウト球誘導路3101と、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、普通入賞口2011、に入球した遊技球Bを誘導して下方に設けられている基板ユニット700の第二球経路702に排出するセーフ球誘導路3102と、を有している。
裏前装飾ユニット3200は、裏箱3010内における前端縁付近に取付けられており、裏箱3010の内面に沿うように枠状に形成されている。裏前装飾ユニット3200の下辺と右辺は、裏球誘導ユニット3100の後方に位置している。裏前装飾ユニット3200は、裏箱3010の上辺に沿って左右に延びている裏前上装飾体3210と、裏箱3010の左辺に沿って上下に延びている裏前左装飾体3220と、を有している。
また、裏前装飾ユニット3200は、図示は省略するが、裏前上装飾体3210の後方に設けられ前面に複数のLEDが実装されている裏前上装飾基板と、裏前左装飾体3220の後方に設けられ前面に複数のLEDが実装されている裏前左装飾基板と、を有している。裏前装飾ユニット3200は、裏前上装飾基板のLEDにより裏前上装飾体3210を発光装飾させることができると共に、裏前左装飾基板のLEDにより裏前左装飾体3220を発光装飾させることができる。
更に、裏前装飾ユニット3200は、裏前左装飾体3220におけるセンター役物2500のワープ入口2515付近の部位に、磁気センサ1050を有している。
裏第一演出ユニット3300は、裏箱3010内における裏前装飾ユニット3200の後方に設けられている。裏第一演出ユニット3300は、裏箱3010の内面に沿って枠状に形成されており裏第二演出ユニット3400の裏第二ベースに取付けられる裏第一ベース(図示は省略)と、裏第一ベースの枠内において左右方向へ跨ると共に上下方向へスライド(昇降)可能に設けられている裏第一昇降装飾体3310と、裏第一昇降装飾体3310の左右方向中央において前後方向に延びた軸芯周り回転可能に設けられている円形の裏第一回転装飾体3320と、を有している。
また、図示は省略するが、裏第一演出ユニット3300は、裏第一昇降装飾体3310の後方で裏第一回転装飾体3320よりも左右両外側にそれぞれ設けられておりそれぞれの前面に複数のLEDが実装されている裏第一左装飾基板及び裏第一右装飾基板と、裏第一回転装飾体3320の後方に設けられており前面に複数のLEDが実装されている裏第一中装飾基板と、を有している。裏第一演出ユニット3300は、裏第一左装飾基板のLEDにより裏第一昇降装飾体3310の左側部分を発光装飾させることができると共に、裏第一右装飾基板のLEDにより裏第一昇降装飾体3310の右側部分を発光装飾させることができる。また、裏第一演出ユニット3300は、裏第一中装飾基板のLEDにより裏第一回転装飾体3320を発光装飾させることができる。
更に、図示は省略するが、裏第一演出ユニット3300は、裏第一昇降装飾体3310を昇降させるための裏第一昇降機構と、裏第一回転装飾体3320を回転させるための裏第一回転機構と、を有している。
この裏第一演出ユニット3300は、裏第一昇降機構によって、裏第一昇降装飾体3310が、最も下方へ移動して枠状のセンター役物2500の下辺から一部が枠内に突出している待機位置の状態(図93を参照)と、センター役物2500の上辺から一部が枠内に突出している上昇位置の状態と、の間で昇降することができる。
また、裏第一演出ユニット3300は、裏第一昇降装飾体3310が何れの位置においても、裏第一回転機構により裏第一回転装飾体が前後方向に延びた軸芯周りに回転することができる。
裏第二演出ユニット3400は、裏第一演出ユニット3300と裏箱3010の後壁3010aとの間に設けられ、裏箱3010内に取付けられている。この裏第二演出ユニット3400の前側には裏第一演出ユニット3300が取付けられる。裏第二演出ユニット3400は、裏箱3010の内面に沿った枠状で裏箱3010に取付けられる裏第二ベース(図示は省略)と、裏第二ベースの枠内において左右方向へ跨ると共に上下方向へスライド(昇降)可能に設けられている裏第二昇降装飾体3410と、裏第二ベースの上辺に沿うように設けられている裏後上装飾体3420と、を有している。裏後上装飾体3420は、正面視において、その上端が裏前上装飾体3210の下端よりも上方に位置するように設けられており、前後方向において裏前上装飾体3210とは一部が重なっている(図93等を参照)。
また、図示は省略するが、裏第二演出ユニット3400は、裏第二昇降装飾体3410の後方に設けられ前面に複数のLEDが実装されている裏第二装飾基板と、裏第二昇降装飾体3410を昇降させるための裏第二昇降機構と、を有している。
裏第二演出ユニット3400は、裏第二装飾基板のLEDにより裏第二昇降装飾体3410を発光装飾させることができる。また、裏第二演出ユニット3400は、裏第二昇降機構によって、裏第二昇降装飾体3410が、裏第一昇降装飾体3310の後方において、最も下方へ移動して枠状のセンター役物2500の下辺から一部が枠内に突出している待機位置の状態(図124を参照)と、センター役物2500の上辺から一部が枠内に突出している上昇位置の状態と、の間で昇降することができる。
[5-11.遊技盤による演出]
続いて、遊技盤5による演出について、主に図93、図124及び図125を参照して詳細に説明する。図124は、通常の状態から裏第一昇降装飾体を下端の待機位置から上端の上昇位置までの間の中間の位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図125は、通常の状態から裏第二昇降装飾体を下端の待機位置から上端の上昇位置までの間の中間の位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、図93等に示すように、主にセンター役物2500の枠内を通して、後方に設けられている裏ユニット3000や演出表示装置1600の表示画面等が視認可能となっている。詳述すると、センター役物2500の枠内における上辺の部位では、裏前上装飾体3210と裏後上装飾体3420とが上下に並んで視認可能に設けられている。また、センター役物2500の枠内における下辺の部位では、裏第一昇降装飾体3310の上部の一部が視認可能となっている。なお、裏第二昇降装飾体3410は、裏第一昇降装飾体3310の後方に位置して視認不能となっている。
この通常の状態では、センター役物2500の枠内を通して演出表示装置1600に表示されている演出画像を充分に視認することができる。
本実施形態の遊技盤5は、裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3300を使用して図124に示すような演出(可動演出)を実行することができる。この演出は、裏第一昇降装飾体3310を下端の待機位置から上昇させて、例えば、センター役物2500の枠内の上下方向中央に位置させる。これにより、裏第一昇降装飾体3310が、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面の中央に位置するため、遊技者を驚かせることができると共に、何か良いことがあるのではないかと思わせることができる。
また、図124の状態では、裏第一昇降装飾体3310により演出表示装置1600の表示画面が上下二つに分割された状態となるため、裏第一昇降装飾体3310の上側と下側とで異なる演出画像を表示させることで、遊技者を楽しませることができる。
そして、この状態で、裏第一昇降装飾体3310の中央に設けられている裏第一回転装飾体3320を回転させると、遊技者を更に驚かせることができ、遊技者に対してチャンスが到来したと思わせることができる。
続いて、本実施形態の遊技盤5は、裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3400を使用して図125に示すような演出(可動演出)を実行することができる。この演出は、裏第二昇降装飾体3410を下端の待機位置から上昇させて、例えば、センター役物2500の枠内の上下方向中央に位置させる。これにより、当初の待機位置では裏第一昇降装飾体3310の後方に隠れて視認不能になっていた裏第二昇降装飾体3410が上昇して視認可能な状態となるため、裏第二昇降装飾体3410の出現により遊技者を驚かせることができ、チャンスが到来したと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、図125の状態では、裏第二昇降装飾体3410により演出表示装置1600の表示画面が上下二つに分割された状態となるため、裏第二昇降装飾体3410の上側と下側とで異なる演出画像を表示させることで、遊技者を楽しませることができる。
なお、図示は省略するが、本実施形態の遊技盤5では、裏第一昇降装飾体3310の昇降と、裏第二昇降装飾体3410の昇降と、を組み合わせた演出(可動演出)を実行することができる。
[5-12.制御構成]
次に、遊技盤5の各種制御を行う制御構成について、図126を参照して説明する。図126は、遊技盤の制御構成を概略で示すブロック図である。なお、図126では、払出制御基板633に接続されているセンサ、ソレノイド、モータ、LED、等の電子部品の一部を省略して示している。
パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。
払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル197の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。払出制御基板633には、満タン検知センサ154、ハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、球切検知センサ574、羽根回転検知センサ590、払出検知センサ591、等が接続されている。また、払出制御基板633には、球送球ソレノイド145、発射ソレノイド542、払出モータ584、等が接続されている。
主制御基板は、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1310aを有している。この主制御基板1310には、アウト球を検知する第一球センサ703、セーフ球を検知する第二球センサ704、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2501、普通入賞口センサ3003、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2502、第一大入賞口センサ2503、第二大入賞口センサ2504、等が接続されている。また、主制御基板1310には、磁気センサ1050、振動センサ1040、等が接続されている。更に、主制御基板1310には、始動口ソレノイド2542、第一アタッカソレノイド2532、第二アタッカソレノイド2552、等が接続されている。
周辺制御基板1510には、進退駆動モータ402a、回転駆動モータ413a、本体枠スピーカ622、演出表示装置1600、等の他に、各種の装飾基板や駆動モータ、移動を検知するセンサ、等が接続されている。
[6-1.第二実施形態のセンター役物]
次に、図106のような第一実施形態のセンター役物2500とは異なる第二実施形態のセンター役物2500Aについて、主に図127~図129を参照して説明する。図127は、第二実施形態のセンター役物を概略で示す正面図である。図128は第二実施形態のセンター役物を前から見た斜視図であり、図129は第二実施形態のセンター役物を後ろから見た斜視図である。第一実施形態のセンター役物2500と同じ構成については、同じ符号を付して説明する。
センター役物2500Aは、詳細は後述するが、遊技球Bを受入可能に常時開口しており遊技球Bの受入れにより普通図柄の抽選が行われる普通入賞口2011と、普通入賞口2011への遊技球Bの受入れにより抽選された普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する役物入賞口としての第一大入賞口2005(以下では単に大入賞口2005と称す)と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bのみが受入可能となるV入賞口2010と、大入賞口2005に受入れられた後にV入賞口2010に受入れられなかった遊技球Bが受入れられるハズレ口2009と、を備えている。
センター役物2500Aは、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2502と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2503(以下では単に大入賞口センサ2503と称す)と、V入賞口2010に受入れられた遊技球を検知するV入賞口センサ2507と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2509と、を備えている。
センター役物2500Aは、枠状に形成されているセンターフレーム2510と、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2541と、第二始動口扉2541を普通入賞口2011における遊技球Bの受入れにより抽選された普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2542と、大入賞口2005を開閉可能な第一大入賞口扉2531(以下では単に大入賞口扉2531と称す)と、大入賞口扉2531を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させる第一アタッカソレノイド2532(以下では単にアタッカソレノイド2532と称す)と、を備えている。
また、センター役物2500Aは、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bをハズレ口2009又はV入賞口2010の何れかに振り分ける振分羽根2567と、振分羽根2567を可動させるための振分ソレノイド2568と、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄や第四図柄等を表示する図柄表示器2505と、を備えている。
センター役物2500Aは、右縁に沿うように上下に長く設けられている球通路2577を有している。換言すると、球通路2577は、入口が衝止部1006の下端付近において開口しており、そこから右レール1005に沿うようにその下端まで延出した後に、右下レール1004に沿って左方へ延出し、出口が第一始動口2002よりも下方でアウト口1008付近において開口している。
球通路2577は、後壁がセンターフレーム2510のフランジ部2512又は遊技パネル1100により形成されており、前壁が装飾体2570の前板2571により形成されている。この球通路2577には、上から大入賞口2005、第二始動口2004、普通入賞口2011、が設けられている。
球通路2577は、大別すると、入口から続き大入賞口2005が設けられているアタッカ通路部2577aと、センター役物2500Aの右縁(右レール1005)に沿って円弧状に下方へ延出している右縁通路部2577bと、右縁通路部2577bと第二始動口2004との間に設けられており障害釘が植設されている第一有釘通路部2577cと、第二始動口2004の左側を通って下方へ延出している左通路部2577dと、第二始動口2004の右側を通って下方へ延出している右通路部2577eと、左通路部2577d及び右通路部2577eと普通入賞口2011との間に設けられており障害釘が植設されている第二有釘通路部2577fと、普通入賞口2011に受入れられなかった遊技球Bが流通し出口まで延出している出口通路部2577gと、を有している。
球通路2577は、詳細は後述するが、球通路2577を装飾すると共に遊技球Bの流通速度を減速させることが可能な通路装飾部2590が設けられている。
球通路2577は、右縁通路部2577bの左側壁における振分羽根2567の上端よりもやや高い位置の部位に、複数(ここでは二つ)の装飾凸部2511bが設けられている。装飾凸部2511bは、前後に延びた半円柱状に形成されており、遊技盤5に設けられている装飾用のLEDからの光を反射・屈折させることで光ることができる。この装飾凸部2511bが光ることで、遊技者の視線を振分羽根2567へ向けさせることが可能となり、遊技球BがV入賞口2010へ振分けられるか否かを楽しませることができる。また、複数の装飾凸部2511bは、右縁通路部2577bにおける遊技球Bが転動する転動面の一部を構成しているため、複数の装飾凸部2511bにより遊技球Bの流通速度を減速させることが可能である。
また、センター役物2500Aのセンターフレーム2510には、左上隅の下方に設けられており、遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2580を、備えている。案内通路群2580は、ワープ入口2515が開口している領域の上方へ遊技球Bを案内するものである。案内通路群2580は、後壁がセンターフレーム2510により形成されており、前壁が装飾体2570の前板2571により形成されている。この案内通路群2580にも、通路装飾部2590が設けられている。
案内通路群2580は、センターフレーム2510の前方突出部2511の枠外に設けられており、上部の入口が内レール1002の上端の右側に隣接している部位に設けられている第一案内通路2581と、上部の入口が第一案内通路2581の入口の右側に隣接して設けられている第二案内通路2582と、から構成されている。案内通路群2580(第一案内通路2581及び第二案内通路2582)は、何れも無色透明な部材により形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から視認することができる。
[6-1a.通路装飾部]
センター役物2500等に設けられている通路装飾部2590について、主に図130乃至図136等を参照して詳細に説明する。図130(a)は図127のセンター役物において役物入賞口が設けられている左上隅の部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)の部位を前から見た斜視図で示す説明図であり、(c)は図127のセンター役物の球通路における役物入賞口の部位を断面で示す説明図である。図131(a)は図127のセンター役物の右端の上部を拡大して斜視図で示す説明図であり、(b)は(a)を後ろから見た斜視図で示す説明図であり、(c)は図127のセンター役物の球通路における上下に延出している部位を断面で模式的に示す説明図である。
図132(a)は通路装飾部が設けられているアタッカユニットの正面図であり、(b)は(a)のアタッカユニットにおける通路装飾部の部位を切断して断面で示す説明図である。図133は、通路装飾部の一例を断面で示す説明図である。図134(a)~(c)は通路装飾部における凹部の形状例を示す説明図であり、図135(a)~(c)は通路装飾部における凸部の形状例を示す説明図であり、図136(a)~(c)は通路装飾部に異なる形態の凸部及び凹部を複数備えたもの示す説明図である。
通路装飾部2590は、球通路2577のような遊技球Bが流通する球通路2591を、当該球通路2591の内壁を構成している後板部2592や前板部2593に設けられている凸部2594や凸部2594の裏側の凹部2595等の立体形状を使用して装飾するものである。また、通路装飾部2590は、球通路2591内に突出している凸部2594により遊技球Bの流通速度を減速(減衰)させることが可能である。
通路装飾部2590として、例えば、図130に示すように、球通路2577(球通路2591)のアタッカ通路部2577aに設けるようにしても良い。まず、アタッカ通路部2577aは、フランジ部2512(後板部2592)と、フランジ部2512との間を遊技球Bが流通可能な間隔をあけてフランジ部2512の前方で対向するように設けられている前板2571(前板部2593)と、で構成されている。そして、通路装飾部2590は、フランジ部2512から前方へ突出している後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aと、前板2571(前板部2593)から後方へ突出している前板凸部2594bと、前板凸部2594bの裏側に設けられている前板凹部2595bと、を有している。
アタッカ通路部2577aの後板凸部2594aは、アタッカ通路部2577aの流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。後板凸部2594aは、正面視の形状が流通方向へ長い長方形であり、その長方形の長手方向の中央が前方へ突出した三角形(三角屋根形状)に形成されている。アタッカ通路部2577aの後板凸部2594aは、通路底面からの高さが、遊技球Bの直径の半分を含む(例えば、11/2mm)高さに設けられている。アタッカ通路部2577aの後板凹部2595aは、各後板凸部2594aに設けられており、後板凸部2594aの形状と略相似形の三角形に前方へ向かって凹んでいる。
アタッカ通路部2577aの前板凸部2594bは、前後方向が後板凸部2594aと互い違いになるように、アタッカ通路部2577aの流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。前板凸部2594bは、正面視の形状が流通方向へ長く上下が後板凸部2594aよりも短く全体が細長い長方形であり、その長方形の長手方向の中央が後方へ突出した三角形(三角屋根形状)に形成されている。アタッカ通路部2577aの前板凸部2594bは、通路底面からの高さが、遊技球Bの直径の半分を含む(例えば、11/2mm)高さに設けられている。アタッカ通路部2577aの前板凹部2595bは、各前板凸部2594bに設けられており、前板凸部2594bの形状と略相似形の三角形に後方へ向かって凹んでいる。
アタッカ通路部2577aの通路装飾部2590は、図130(c)に示すように、フランジ部2512の後方に指が入らない大きさの隙間を開けてLED基板のような特定部材2579が設けられている。この特定部材2579は、後板凹部2595aの後方を覆っており、後板凹部2595aを指触不能としている。これにより、遊技盤5の製造時に作業者の指が後板凹部2595aに触れることで、後板凹部2595aが汚れてしまうことを防止することができ、後板凹部2595aにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、特定部材2579が設けられているため、後板凹部2595aにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。
アタッカ通路部2577aの通路装飾部2590は、後板凸部2594a及び後板凹部2595aが設けられているフランジ部2512と、前板凸部2594b及び前板凹部2595bが設けられている前板2571と、が透明な部材により形成されているため、夫々において遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594a及び前板凸部2594bのような凸部2594や、後板凹部2595a及び前板凹部2595bのような凹部2595を光らせて発光装飾させることができる。従って、アタッカ通路部2577aの通路装飾部2590を発光装飾させることで、遊技者の視線をアタッカ通路部2577aへ向けさせることができるため、アタッカ通路部2577aに設けられている大入賞口2005への入賞に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、アタッカ通路部2577aの通路装飾部2590では、前板2571に設けられている前板凸部2594b及び前板凹部2595bを、細長いものとしているため、前板凸部2594b及び前板凹部2595bにより、その後方を流通する遊技球Bの視認性を妨げることはない。
更に、アタッカ通路部2577aの通路装飾部2590は、フランジ部2512から前方へ突出している複数の後板凸部2594aと、前板2571から後方へ突出している複数の前板凸部2594bとが、遊技球Bの流通方向に対して千鳥状(交互)に設けられているため、遊技球Bが前後に蛇行しながら流通することとなり、遊技球Bの流通速度を低減させることができる。これにより、アタッカ通路部2577aの底面の一部を構成している大入賞口扉2531上において、多くの遊技球Bを長い時間滞留させることが可能となる。つまり、アタッカ通路部2577aの後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、遊技球Bの転動速度を減速させることによって大入賞口扉2531上に多くの遊技球Bを滞留せることを目的としている。
このアタッカ通路部2577aの後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、夫々の凸形状が三角形であり、後述するアタッカユニット2400の扉上通路部2416に設けられている後板凸部2594a及び前板凸部2594bと比較して、小さく突出している。これにより、アタッカ通路部2577a(大入賞口扉2531上)では、通路が前後方向へ軽く(小さく)蛇行している。
従って、例えば、「右打ち」により勢いよく衝止部1006に当接して速い速度でアタッカ通路部2577aに遊技球Bが進入しても、複数の後板凸部2594a及び前板凸部2594bの存在により、遊技球Bが大入賞口2005(大入賞口扉2531)に至るまでに十分に減速させて、遊技球Bを見え易くすることができ、遊技球Bの動きを楽しませることができる。また、大入賞口扉2531上を転動している遊技球Bの速度を遅くすることができるため、遊技球Bが大入賞口扉2531上を転動しているタイミングで大入賞口扉2531が開くか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、大入賞口2005への入賞に対する期待感を高めて興趣の低下を抑制させることができる。
また、通路装飾部2590として、例えば、図131に示すように、球通路2577(球通路2591)の右縁通路部2577bに設けるようにしても良い。まず、右縁通路部2577bは、フランジ部2512(後板部2592)と、フランジ部2512との間を遊技球Bが流通可能な間隔をあけてフランジ部2512の前方で対向するように設けられている前板2571(前板部2593)と、で構成されている。そして、通路装飾部2590は、フランジ部2512から前方へ突出している後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aと、前板2571(前板部2593)から後方へ突出している前板凸部2594bと、前板凸部2594bの裏側に設けられている前板凹部2595bと、を有している。
右縁通路部2577bの後板凸部2594aは、右縁通路部2577bの円弧状の流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。後板凸部2594aは、正面視の形状が円弧の半径方向へ長い長方形であり、その長方形の短辺が延びている方向の中央が前方へ突出した三角形(三角屋根形状)に形成されている。右縁通路部2577bにおける複数の後板凸部2594aは、流通方向へ略等間隔に設けられている。右縁通路部2577bの後板凹部2595aは、各後板凸部2594aに設けられており、後板凸部2594aの形状と略相似形の三角形に前方へ向かって凹んでいる。
右縁通路部2577bの前板凸部2594bは、前後方向が後板凸部2594aと互い違いになるように、右縁通路部2577bの円弧状の流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。前板凸部2594bは、正面視の形状が円弧の半径方向へ長い長方形であり、その長方形の短辺の延びている方向の中央が後方へ突出した三角形(三角屋根形状)に形成されている。右縁通路部2577bにおける複数の前板凸部2594bは、流通方向へ略等間隔に設けられている。右縁通路部2577bの前板凹部2595bは、各前板凸部2594bに設けられており、前板凸部2594bの形状と略相似形の三角形に後方へ向かって凹んでいる。
右縁通路部2577bの通路装飾部2590は、図131(c)に示すように、フランジ部2512の後面には特定部材2579としての遊技パネル1100が当接している。この遊技パネル1100により後板凹部2595aの後方が覆われており、後板凹部2595aが指触不能とされている。これにより、遊技盤5の製造時に作業者の指が後板凹部2595aに触れることで、後板凹部2595aが汚れてしまうことを防止することができ、後板凹部2595aにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、特定部材2579が設けられているため、後板凹部2595aにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。なお、図131(c)では、特定部材2579がフランジ部2512の後面に接しているものを示したが、フランジ部2512との間に指が入らない大きさの隙間が設けられていても良い。つまり、隙間が設けられていても指が入らなければ良い。
右縁通路部2577bの通路装飾部2590では、後板凹部2595a及び前板凹部2595bが、後方や前方から凹んだ形状であり、フランジ部2512の周側面や前板2571の周側面には開放されていない。換言すると、右縁通路部2577bの後板凹部2595a及び前板凹部2595bは、フランジ部2512や前板2571の側面までは延出しておらず、後板凸部2594a及び前板凸部2594bの裏側からのみ凹んでいる。
右縁通路部2577bの通路装飾部2590は、後板凸部2594a及び後板凹部2595aが設けられているフランジ部2512と、前板凸部2594b及び前板凹部2595bが設けられている前板2571と、が透明な部材により形成されているため、夫々において遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594a及び前板凸部2594bのような凸部2594や、後板凹部2595a及び前板凹部2595bのような凹部2595を光らせて発光装飾させることができる。従って、アタッカ通路部2577aの通路装飾部2590を発光装飾させることで、遊技者の視線を右縁通路部2577bへ向けさせることができる。
また、右縁通路部2577bの通路装飾部2590は、フランジ部2512から前方へ突出している複数の後板凸部2594aと、前板2571から後方へ突出している複数の前板凸部2594bとが、遊技球Bの流通方向に対して千鳥状(交互)に設けられているため、遊技球Bが前後に蛇行しながら流通することとなり、遊技球Bの流通速度を低減させることができる。従って、右縁通路部2577bが略垂直に近い状態であっても、遊技球Bの流通速度(流下速度)が速くなりすぎることはなく、下流の第一有釘通路部2577cに対して適正な速度で遊技球Bを流下させることができる。
また、右縁通路部2577bにおいて、複数の後板凸部2594a及び前板凸部2594bにより、遊技球Bの落下速度を減速させることができるため、右縁通路部2577bを流通している遊技球Bを見え易くすることができると共に、右縁通路部2577bの下端のクランク状の部位が遊技球Bの当接による衝撃によって破損してしまうことを回避させることができる。つまり、右縁通路部2577bの後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、上記のアタッカ通路部2577aの後板凸部2594a及び前板凸部2594bとは異なり、遊技球Bの落下速度を減速させて他の部材の破損防止や遊技球Bを遊技者に見せると言うようなことを目的としている。
更に、通路装飾部2590として、例えば、球通路2577(球通路2591)の出口通路部2577gに設けるようにしても良い。まず、出口通路部2577gにおける通路装飾部2590が設けられている部位は、前板2571(前板部2593)が設けられておらず、フランジ部2512(後板部2592)のみが設けられている。なお、図示は省略するが、出口通路部2577gの通路装飾部2590に前方には、前板部2593として扉枠3のガラス板162が設けられている。
出口通路部2577gの通路装飾部2590は、図127において拡大して示すように、普通入賞口2011の下方に設けられており、小さいV字状の後板凸部2594aの外側を、大きいV字状の後板凸部2594aが囲むように設けられている。夫々の後板凸部2594aでは、V字に折れ曲がっている部位が最も前方へ突出しており、V字の両端へ向かうほど前方への突出が小さくなっている。つまり、各後板凸部2594aは、その前面が下方へ向かうほど前方へ突出するように傾斜している。また、大小二つの後板凸部2594aは、小さい後板凸部2594aよりも大きい後板凸部2594aの方が、前方へ大きく突出している。
なお、図示は省略するが、出口通路部2577gの通路装飾部2590における後板凸部2594aの裏側にも、後板凹部2595aが設けられている。また、出口通路部2577gの通路装飾部2590では、フランジ部2512の後面に特定部材2579としての遊技パネル1100が当接している。この遊技パネル1100により後板凹部2595aの後方が覆われており、後板凹部2595aが指触不能とされている。これにより、遊技盤5の製造時に作業者の指が後板凹部2595aに触れることで、後板凹部2595aが汚れてしまうことを防止することができ、後板凹部2595aにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、特定部材2579が設けられているため、後板凹部2595aにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。
この出口通路部2577gの通路装飾部2590は、後板凸部2594aが設けられているフランジ部2512が透明な部材により形成されているため、遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594aのような凸部2594や、後板凹部2595aのような凹部2595を光らせて発光装飾させることができる。従って、出口通路部2577gにおける普通入賞口2011の近くに設けられている通路装飾部2590を発光装飾させることで、遊技者の視線を普通入賞口2011へ向けさせることができる。
また、出口通路部2577gの通路装飾部2590では、大小二つの後板凸部2594aが夫々V字状に形成されているため、矢印のように見えることで遊技者の関心を近くの普通入賞口2011へ向けさせることができ、普通入賞に対する期待感を高めさせることができる。
また、出口通路部2577gの通路装飾部2590では、突出量の異なる大小の後板凸部2594aを設けているため、大きい方の後板凸部2594aへ向かうほど前方のガラス板162との隙間が小さくなる。これにより、遊技球Bが勢いよく流下してきても充分に減速させることができ、右下レール1004へ与える衝撃を低減させることができる。
また、通路装飾部2590として、例えば、詳細な図示は省略するが、センター役物2500の左側の案内通路群2580に設けるようにしても良い。まず、案内通路群2580は、フランジ部2512(後板部2592)と、フランジ部2512との間を遊技球Bが流通可能な間隔をあけてフランジ部2512の前方で対向するように設けられている前板2571(前板部2593)と、で構成されている。そして、通路装飾部2590は、フランジ部2512から前方へ突出している後板凸部2594aと、前板2571(前板部2593)から後方へ突出している前板凸部2594bと、を有している。
案内通路群2580の後板凸部2594aは、遊技球Bの流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている(図127を参照)。後板凸部2594aは、正面視の形状が流通方向へ長い長方形であり、その長方形の長手方向の中央が前方へ突出した三角形(三角屋根形状)に形成されている。
案内通路群2580の前板凸部2594bは、前後方向が後板凸部2594aと互い違いになるように、遊技球Bの流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。前板凸部2594bは、正面視の形状が流通方向へ長い長方形であり、その長方形の長手方向の中央が後方へ突出した三角形(三角屋根形状)に形成されている。
案内通路群2580の通路装飾部2590は、後板凸部2594aが設けられているフランジ部2512と、前板凸部2594bが設けられている前板2571と、が透明な部材により形成されているため、夫々において遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594a及び前板凸部2594bのような凸部2594を光らせて発光装飾させることができる。従って、案内通路群2580の通路装飾部2590を発光装飾させることで、遊技者の視線を案内通路群2580へ向けさせることができる。
また、案内通路群2580の通路装飾部2590は、フランジ部2512から前方へ突出している複数の後板凸部2594aと、前板2571から後方へ突出している複数の前板凸部2594bとが、遊技球Bの流通方向に対して千鳥状(交互)に設けられているため、遊技球Bが前後に蛇行しながら流通することとなり、遊技球Bの流通速度を低減させることができる。従って、案内通路群2580が略垂直に近い状態であっても、遊技球Bの流通速度(流下速度)が速くなりすぎることはなく、ワープ入口2515等が設けられている下流の領域に対して適正な速度で遊技球Bを流下させることができる。
なお、案内通路群2580の通路装飾部2590においても、上記と同様に、後板凸部2594aや前板凸部2594bの裏側に後板凹部2595aや前板凹部2595bを設けるようにしても良い。これにより、後板凹部2595aや前板凹部2595bにおいても装飾光を反射させることができ、装飾効果をより高めることができる。
また、通路装飾部2590として、図132に示すように、アタッカユニット2400に設けるようにしても良い。まず、アタッカユニット2400について説明する。このアタッカユニット2400は、例えば、センター役物2500とは独立して設けられるものである。本実施形態のアタッカユニット2400は、第二始動口2004、大入賞口2005、及びサブアウト口2023を有している。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な第二始動口扉2541と、第二始動口扉2541をゲート2003における遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2542と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2531と、大入賞口扉2531を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2532と、を備えている。
アタッカユニット2400は、正面視において、右上隅付近から左方へ低くなるように延びている第一棚部2421と、第一棚部2421の左端から左方へ遊技球Bの直径よりも若干長く間隔をあけると共に第一棚部2421の左端よりも低い位置から左方へ低くなるように第一棚部2421よりも短く延びており、第一棚部2421との間で第二始動口2004を形成している第二棚部2422と、第二棚部2422の左端よりも左方で遊技球Bの直径よりも低い位置から左方へ低くなるように第二棚部2422よりも短く延びている第三棚部2423と、第三棚部2423の左端から左方へ遊技球Bの直径の4倍~6倍の長さの間隔をあけると共に第三棚部2423よりも低い位置から左方へ低くなるように延びており、第三棚部2423との間で第一大入賞口2005を形成している第四棚部2424と、を有している。
また、アタッカユニット2400は、上辺に沿って左方へ低くなるように階段状に延びており、第二棚部2422及び第三棚部2423の間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている上棚部2436を、有している。上棚部2436は、右端が第一棚部2421の左端の直上に位置しており、左端が第四棚部2424の右端よりも若干右方に位置している。また、上棚部2436は、右端付近が右方へ低くなるように傾斜している。
このアタッカユニット2400は、大入賞口2005(大入賞口扉2531)の上側に扉上通路部2416が設けられている。アタッカユニット2400の扉上通路部2416は、台板2441(後板部2592)と、台板2441との間を遊技球Bが流通可能な間隔をあけて台板2441の前方で対向するように設けられている前板2442(前板部2593)と、で構成されている。そして、通路装飾部2590は、台板2441から前方へ突出している後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aと、前板2442(前板部2593)から後方へ突出している前板凸部2594bと、前板凸部2594bの裏側に設けられている前板凹部2595bと、を有している。
扉上通路部2416の後板凸部2594aは、扉上通路部2416の流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。後板凸部2594aは、正面視の形状が流通方向へ長い長方形であり、その長方形の長手方向の中央が前方へ突出し先端が台板2441と平行な平坦に形成された平面視において台形に形成されている。扉上通路部2416の後板凸部2594aは、通路底面からの高さが、遊技球Bの直径の半分を含む(例えば、11/2mm)高さに設けられている。扉上通路部2416の後板凹部2595aは、各後板凸部2594aに設けられており、後板凸部2594aの形状と略相似形の台形に前方へ向かって凹んでいる。
扉上通路部2416の前板凸部2594bは、前後方向が後板凸部2594aと互い違いになるように、扉上通路部2416の流通方向に沿うように間隔をあけて複数設けられている。前板凸部2594bは、正面視の形状が流通方向へ長い長方形であり、その長方形の長手方向の中央が後方へ突出し先端が前板2442と平行な平坦に形成された平面視において台形に形成されている。扉上通路部2416の前板凸部2594bは、通路底面からの高さが、遊技球Bの直径の半分を含む(例えば、11/2mm)高さに設けられている。扉上通路部2416の前板凹部2595bは、各前板凸部2594bに設けられており、前板凸部2594bの形状と略相似形の台形に後方へ向かって凹んでいる。
扉上通路部2416の通路装飾部2590は、図132(b)に示すように、台板2441の後方に指が入らない大きさの隙間を開けて特定部材2579としてのアタッカ装飾基板2443及び基板カバー2444が設けられている。この特定部材2579は、後板凹部2595aの後方を覆っており、後板凹部2595aを指触不能としている。これにより、遊技盤5の製造時に作業者の指が後板凹部2595aに触れることで、後板凹部2595aが汚れてしまうことを防止することができ、後板凹部2595aにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、特定部材2579が設けられているため、後板凹部2595aにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、扉上通路部2416の通路装飾部2590は、前板2442の前面に所定の装飾が施された透光性を有するシールからなる装飾部材2445が貼り付けられている。この装飾部材2445は、前板凹部2595bの前方を覆っており、前板凹部2595bを指触不能としている。これにより、遊技盤5の製造時に作業者の指が前板凹部2595bに触れることで、前板凹部2595bが汚れてしまうことを防止することができ、前板凹部2595bにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、装飾部材2445が設けられているため、前板凹部2595bにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。
扉上通路部2416の通路装飾部2590は、後板凸部2594a及び後板凹部2595aが設けられている台板2441と、前板凸部2594b及び前板凹部2595bが設けられている前板2442と、が透明な部材により形成されているため、夫々において遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594a及び前板凸部2594bのような凸部2594や、後板凹部2595a及び前板凹部2595bのような凹部2595を光らせて発光装飾させることができる。従って、扉上通路部2416の通路装飾部2590を発光装飾させることで、遊技者の視線を扉上通路部2416へ向けさせることができるため、扉上通路部2416に設けられている大入賞口2005への入賞に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉上通路部2416の通路装飾部2590は、台板2441から前方へ突出している複数の後板凸部2594aと、前板2442から後方へ突出している複数の前板凸部2594bとが、遊技球Bの流通方向に対して千鳥状(交互)に設けられているため、遊技球Bが前後に蛇行しながら流通することとなり、遊技球Bの流通速度を低減させることができる。これにより、扉上通路部2416の底面の一部を構成している大入賞口扉2531上において、多くの遊技球Bを長い時間滞留させることが可能となる。つまり、扉上通路部2416の後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、遊技球Bの転動速度を減速させることによって大入賞口扉2531上に多くの遊技球Bを滞留せることを目的としている。
扉上通路部2416では、後板部2592としての台板2441に後板凸部2594a及び後板凹部2595aが設けられている。つまり、扉上通路部2416では、センター役物2500のフランジ部2512とは異なる部材(台板2441)に、後板凸部2594a及び後板凹部2595aが設けられている。また、扉上通路部2416では、台板2441における大入賞口扉2531の部位が、台板2441の一般面(遊技パネル1100の前面)よりも後方へ凹んでいる。この扉上通路部2416の後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、夫々の凸形状が台形であり、上述したセンター役物2500におけるアタッカ通路部2577aに設けられている後板凸部2594a及び前板凸部2594bと比較して、大きく突出している。これにより、扉上通路部2416(大入賞口扉2531上)では、通路が前後方向へ大きく蛇行している。
従って、大入賞口扉2531上を転動している遊技球Bの速度を遅くすることができるため、遊技球Bが大入賞口扉2531上を転動しているタイミングで大入賞口扉2531が開くか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、大入賞口2005への入賞に対する期待感を高めて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記では、台板2441のような後板部2592の後方にアタッカ装飾基板2443のような特定部材2579を設けると共に、前板2442のような前板部2593の前方に装飾シールのような装飾部材2445を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、図133に示すような構成としても良い。
図133に示す例は、後板部2592の後方の特定部材2579として、シート状の後装飾部2573と、とLED基板2579aと、を設けたものである。また、図133に示す例では、前板部2593の前方の装飾部材2445をシート状の前装飾部2572としている。これら前装飾部2572及び後装飾部2573は、夫々が透光性を有している。図133に示す例でも上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記では、後板凸部2594aや前板凸部2594b等の凸部2594、後板凹部2595aや前板凹部2595bのような凹部2595、の平面視の形状が長方形のものを示したが、これに限定するものではなく、円形、長円形、ひし形、六角形、八角形、ダイヤモンド形、等の様々な正面形状としても良い。
なお、複数の後板凸部2594aや前板凸部2594bを設ける場合、遊技球Bが通路を流通することができるように、それらの配置を以下のようにする。後板凸部2594aの先端から対向している前板部2593の後面までの間隔、前板凸部2594bの先端から対向している後板部2592の前面までの間隔、後板凸部2594a及び前板凸部2594bにおける最も近い同士の間の間隔(例えば、後板凸部2594a及び前板凸部2594bの形状が三角形や台形の場合、対向するように設けられている夫々の傾斜面同士の間の間隔)、を遊技球Bの直径Dよりも大きくする。例えば、上記夫々の間隔を、12mmとする。これにより、遊技球Bが流通できなくなるような不具合を回避させることができる。また、上記の間隔を遊技球Bの直径Dに近付けるほど、減速効果を高めることができる。
上記のように、本実施形態の通路装飾部2590によれば、センター役物2500Aにおける流下領域を形成しているフランジ部2512(後板部2592)において、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通する流下領域(球通路2591)を発光装飾させることができる。従って、センター役物2500のフランジ部2512に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、フランジ部2512が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球Bが流下する流下領域(球通路2591)に後板凸部2594aを設けているため、当該流下領域で後板凸部2594aにより遊技球Bの流下速度を減速させることができ、遊技球Bの流下速度が遅くなることで遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、当該後板凸部2594aの裏側には後板凹部2595aが設けられており、その後板凹部2595aにおいて装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により流下領域を流下している遊技球Bをシルエット状に見せることができ、遊技球Bの動きをより見え易くすることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、センター役物2500Aにおける流下領域(球通路2591)を形成しているフランジ部2512と対向するように設けられている装飾体2570の前板2571において、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす前板凸部2594bの裏側に設けられている前板凹部2595bによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物2500Aの前板2571に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、前板2571が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球Bが流下する流下領域に前板凸部2594bを設けているため、当該流下領域で前板凸部2594bにより遊技球Bの流下速度を減速させることができ、遊技球Bの流下速度が遅くなることで遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、当該前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bが設けられており、その前板凹部2595bにおいて装飾光を反射させて発光装飾させるようにしていると共に、前板凸部2594b及び前板凹部2595bを流下領域(球通路2591)の前方の前板2571に設けているため、流下領域を流下している遊技球Bの前方が発光装飾されることとなり、遊技球Bがキラキラ光っているように見せることができる。
更に、本実施形態によれば、センター役物2500Aにおいて、フランジ部2512に後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aと、を設けていると共に、フランジ部2512の前方の前板2571に前板凸部2594bと、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bと、を設けている。これにより、フランジ部2512に設けられている後板凹部2595aによる反射光と、前板2571に設けられている前板凹部2595bによる反射光とで、遊技球Bが流通する流下領域(球通路2591)の後ろと前とを発光装飾させることができる。従って、センター役物2500のフランジ部2512と前板2571とが発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上記のように、センター役物2500Aのフランジ部2512と前板2571とに、後板凸部2594a及び後板凹部2595aと前板凸部2594b及び前板凹部2595bを設けているため、前方から見た時に、フランジ部2512における後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状、更に、前板2571における前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、上記のように、センター役物2500Aのフランジ部2512と前板2571とに、後板凸部2594aと前板凸部2594bとを遊技球Bの流下方向に対して交互(千鳥状)に設けているため、前側の前板凸部2594bと後側の後板凸部2594aとにより遊技球Bを前後に揺動させることが可能となり、一方のみに凸部を設ける場合と比較して遊技球Bの流下速度を更に減速させることができ、遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、後板凸部2594aの裏側には後板凹部2595aが設けられていると共に、前板凸部2594bの裏側には前板凹部2595bが設けており、それら後板凹部2595a及び前板凹部2595bにおいて装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、後板凹部2595aの発光装飾により遊技球Bをシルエット状に見せつつ、前板凹部2595bの発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技球Bの動きと共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、センター役物2500Aにおいて、フランジ部2512では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2571では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、センター役物2500Aを軽量化することができると共に、センター役物2500Aにかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500Aを軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材2579により後板凹部2595aを指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が後板凹部2595aに触れることはないため、後板凹部2595aが汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
更に、本実施形態によれば、センター役物2500Aとは異なるアタッカユニット2400における流下領域(扉上通路部2416)を形成している台板2441及び前板2442において、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす凸部2594の裏側に設けられている凹部2595によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、アタッカユニット2400の台板2441や前板2442に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、台板2441や前板2442が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、アタッカユニット2400の台板2441及び前板2442において、凸部2594の裏側に凹部2595を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部2594の形状と凹部2595の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、アタッカユニット2400における大入賞口扉2531の上方の扉上通路部2416に凸部2594を設けているため、大入賞口扉2531の部位で凸部2594により遊技球Bの流下速度を減速させることができ、遊技球Bの流下速度が遅くなることで遊技球Bの動きを見え易くすることができると共に、そのタイミングで大入賞口扉2531が開くと大入賞口2005に入賞させ易くすることができる。この際に、当該凸部2594の裏側には凹部2595が設けられており、その凹部2595において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により大入賞口扉2531上を流下(転動)している遊技球Bをシルエット状に見せつつキラキラ光っているように見せることができ、遊技球Bの動きによる大入賞口2005への入賞に対する期待感を高めることができると共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、アタッカユニット2400において、台板2441では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2442では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、アタッカユニット2400を軽量化することができると共に、アタッカユニット2400にかかるコストを低減させることができる。また、アタッカユニット2400を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、アタッカ装飾基板2443や装飾部材2445により後板凹部2595aや前板凹部2595bを指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が後板凹部2595aや前板凹部2595bに触れることはないため、後板凹部2595aが汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
また、アタッカユニット2400の台板2441とアタッカ装飾基板2443との間に隙間を設けているため、アタッカ装飾基板2443が台板2441から後方へ離れることで、アタッカ装飾基板2443に実装されているLEDや抵抗器のような電子部品を見え難くすることができ、凸部2594と凹部2595とによる装飾効果を発揮させ易くすることができると共に、台板2441とアタッカ装飾基板2443との間の隙間により、複数のLEDからの熱を逃がし易くすることができる。
更に、センター役物2500Aのフランジ部2512や前板2571、アタッカユニット2400の台板2441や前板2442において、凸部2594の裏側に凹部2595を設けているため、凹部2595を設けていない場合と比較してセンター役物2500Aやアタッカユニット2400の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物2500Aやアタッカユニット2400にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500Aやアタッカユニット2400を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、センター役物2500Aやアタッカユニット2400において、遊技球Bの流通に影響を及ぼす凸部2594と、凸部2594の裏側に設けられている凹部2595と、からなる通路装飾部2590を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット、等に通路装飾部2590を設けても良い。
また、複数の凸部2594(後板凸部2594aや前板凸部2594b)において、全てに凹部2595(後板凹部2595aや前板凹部2595b)を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、複数の凸部2594において、裏側に凹部2595が設けられていない特定凸部2596を混在させるようにしても良い。これにより、特定凸部2596の裏側では凹部2595のように装飾光を反射させることができないため、凸部2594の部位と特定凸部2596の部位とで発光装飾の態様を異ならせることができる。また、この場合、裏側に凹部2595を有する凸部2594と、裏側に凹部2595を有しない特定凸部2596とでは、前方から見える形状が異なることとなるため、裏側に凹部2595を有する凸部2594のみを複数設ける場合と比較して、前方から見える装飾に変化をつけることができる。
[6-1a-1.凹部の変形例]
続いて、通路装飾部2590における凹部2595の変形例について、主に図134を参照して詳細に説明する。図134では、凸部2594の形状を三角形とし、凸部2594の形状と凹部2595の形状との関係を示している。具体的には、例えば、図134(a)に示すように、形状が三角形の凸部2594に対して、その裏側の凹部2595の形状を凸部2594の形状と相似した三角形としたものである。この例でも、上記と同様に、凹部2595や凸部2594において装飾光を反射させたり屈折されたりすることができる。また、凹部2595の形状を凸部2594の形状に対して相似させた場合、凸部2594及び凹部2595が設けられている部材の板厚が、略一定となるため、成形時における部分的なヒケや歪みを低減させることができる。
また、図134(b)に示すように、形状が三角形の凸部2594に対して、その裏側の凹部2595の形状を凸部2594の形状とは異なる四角形としたものである。なお、凹部2595は、断面が四角形であれば良いため、凹部2595の正面視の形状を、四角形、円形、長円形、等としても良い。また、凹部2595の断面の形状が凸部2594の断面の形状と異なっていれば良いため、凹部2595の正面視の形状は、凸部2594の正面視の形状に対して、相似していても良いし、異なっていても良い。この例では、凸部2594の形状と凹部2595の形状とが異なっているため、夫々において装飾光の反射方向が異なることとなり、凸部2594と凹部2595とで様々な方向へ装飾光を反射させることができ、よりキラキラした発光装飾を見せることが可能となる。また、この例では、凸部2594の表面から凹部2595の表面までの距離が場所によって異なるため、装飾光を様々な方向へ屈折させることができ、プリズムのような装飾効果を発揮させることが可能となる。
更に、図134(c)に示すように、形状が三角形の凸部2594に対して、その裏側の凹部2595の形状を凸部2594の形状とは異なる半円形としたものである。なお、凹部2595は、断面が四角形であれば良いため、凹部2595の正面視の形状を、円形、長円形、四角形、等としても良い。また、凹部2595の断面の形状が凸部2594の断面の形状と異なっていれば良いため、凹部2595の正面視の形状は、凸部2594の正面視の形状に対して、相似していても良いし、異なっていても良い。この例では、凸部2594の形状と凹部2595の形状とが異なっているため、夫々において装飾光の反射方向が異なることとなり、凸部2594と凹部2595とで様々な方向へ装飾光を反射させることができ、よりキラキラした発光装飾を見せることが可能となる。また、この例では、凸部2594の表面から凹部2595の表面までの距離が場所によって異なるため、装飾光を様々な方向へ屈折させることができ、プリズムのような装飾効果を発揮させることが可能となる。
なお、図134では、凸部2594の形状を三角形としたものを示したが、これに限定するものではなく、四角形、五角形、六角形、のような多角形、ひし形、半円形、星形、その他の不定形、等としても良い。
[6-1a-2.凸部の変形例]
続いて、通路装飾部2590における凸部2594の変形例について、主に図135を参照して詳細に説明する。例えば、図135(a)に示すように、凸部2594の形状を、三角形の頂点付近を平坦にした台形としても良い。この例では、凸部2594の裏側の凹部2595の形状を、凸部2594の形状に対して略相似した三角形としている。この例でも、上記と同様に、凹部2595や凸部2594において装飾光を反射させたり屈折されたりすることができる。
また、図135(b)に示すように、凸部2594の形状を半円状としても良い。この例では、凸部2594の裏側の凹部2595の形状を、凸部2594の形状に対して略相似した半円形としていると共に、凹部2595の基端部分の角をR加工したような円弧形状としている。
更に、図135(c)に示すように、凸部2594の形状を基端部分がR加工したような円弧形状の四角形としても良い。この例では、凸部2594の裏側の凹部2595の形状を、凸部2594の形状と略相似した細長い四角形としている。また、凸部2594の裏側には、凸部2594における円弧形状の部分に倣うように凸部2594の先端の平坦な部分まで円弧状に窪んでいる外凹部2595cを有しており、外凹部2595cと凹部2595との間に凸部2594の先端と平行な座面状の平坦部2595dを有している。凹部2595は平坦部2595dから凹んでいる。この例でも、上記と同様に、凹部2595や凸部2594において装飾光を反射させたり屈折されたりすることができる。
また、外凹部2595cでも装飾光を反射させたり屈折させたりすることが可能であるため、凹部2595や凸部2594と合わせて、よりきらびやかな発光装飾を見せることができる。また、平坦部2595dを有していることから、平坦部2595dによりLED等からの光を入射させて、凸部2594へ導光させて凸部2594の先端を発光させるようにしても良い。また、平坦部2595dを、成形時において型抜きの際に使用されるエジェクタピンの当接部分にすることも可能であり、製品の一般面の目立つ部位にピンの痕が残ることはなく、見栄えを良くすることができる。更に、凹部2595をビス孔にすると共に平坦部2595dをビスの座面とすることも可能であり、別途に取付け用のビス孔を設けなくても良くなる。
なお、図135に示す例においても、凸部2594の正面視の形状と、凹部2595の正面視の形状とが、相似していても良いし、異なっていても良い。
[6-1a-3.通路装飾部の変形例]
次に、上記の通路装飾部2590では、同じような形態の凸部2594(凹部2595)が複数設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、図136に示すように、一つの通路装飾部2590において異なる形態の凸部2594(凹部2595)が設けられていても良い。具体的には、例えば、図136(a)に示すように、三角形の複数の凸部2594において、裏側に凹部2595を設けたものと凹部2595を設けていない特定凸部2596とを混在させるようにしても良い。この通路装飾部2590でも上記と同様の作用効果を奏することができる。加えて、裏側に凹部2595が設けられている凸部2594の部位と、凹部2595が設けられていない凸部2594(特定凸部2596)の部位とでは、装飾光による反射や屈折等の光具合が異なるため、通路装飾部2590の発光装飾に対して変化を付与することができる。
また、図136(b)に示すように、三角形の凸部2594と半円形の凸部2594とを混在させるようにしても良い。ここでは、夫々の凸部2594の裏側には、夫々の凸部2594の形状に相似した凹部2595を設けている。この通路装飾部2590でも上記と同様の作用効果を奏することができる。加えて、夫々の凸部2594(凹部2595)の形状が異なっているため、装飾光により発光装飾されていない状態でも、それらの形状の違いにより通路装飾部2590の装飾に変化を付与することができ、装飾効果をより高めることが可能となる。また、凸部2594(凹部2595)の形状の違いによって、装飾光による反射や屈折等の光具合が異なるため、通路装飾部2590の発光装飾に対して変化を付与することができる。更に、凸部2594の形状が異なっていることから、凸部2594によって遊技球Bに対する減速具合が異なることとなるため、遊技球Bの流れに緩急のような変化を付与することができ、遊技者に対して遊技球Bの動きをより楽しませることが可能となる。
更に、図136(c)に示すように、異なる形態の凸部2594(凹部2595)として、突出量(大きさ)の異なる凸部2594を混在させるようにしても良い。ここでは、夫々の凸部2594を三角形とし、夫々の凸部2594の裏側の凹部2595を夫々の凸部2594の形状に相似した凹部2595としている。この通路装飾部2590でも上記と同様の作用効果を奏することができる。加えて、夫々の凸部2594(凹部2595)の大きさが異なっているため、装飾光により発光装飾されていない状態でも、それらの大きさの違いにより通路装飾部2590の装飾に変化を付与することができ、装飾効果をより高めることが可能となる。また、凸部2594(凹部2595)の大きさの違いによって、装飾光による反射や屈折等の光具合が異なるため、通路装飾部2590の発光装飾に対して変化を付与することができる。更に、凸部2594の大きさが異なっていることから、凸部2594によって遊技球Bに対する減速具合が異なることとなるため、遊技球Bの流れに緩急のような変化を付与することができ、遊技者に対して遊技球Bの動きをより楽しませることが可能となる。
なお、図136では、断面形状において形状(形態)の異なる凸部2594(凹部2595)を混在させたものを示したが、これに限定するものではなく、平面視の形状が異なる凸部2594(凹部2595)を混在させるようにしても良い。
[6-1a-4.通路装飾部の別の実施形態]
次に、上記とは異なる実施形態の通路装飾部2590Aについて、主に図137乃至図139等を参照して詳細に説明する。図137(a)は第一凸部に同じ形態の第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(b)は第一凸部に突出量の異なる第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(c)は第一凸部に形態の異なる第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(d)は第一凸部における傾斜面にも第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図である。図138(a1)は第一凸部に同じ形態の第二凸部が設けられている通路装飾部を断面で示す説明図であり、(a2)は(a1)を正面から示す説明図であり、(b)は(a2)とは異なる形態の凹部が設けられている通路装飾部を正面から示す説明図である。図139(a)は遊技パネルの開口部に嵌め込まれている形態の通路装飾部を断面で示す説明図であり、(b)は(a)とは異なる形態の通路装飾部を断面で示す説明図である。
図137(a)に示す通路装飾部2590Aは、アタッカユニット2400の台板2441や、センター役物2500のフランジ部2512、のような遊技パネル1100の前面に接している後板部2592から所定範囲が前方へ突出している第一凸部2594cと、第一凸部2594cから前方へ突出している複数の第二凸部2594dと、第一凸部2594cの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第一凹部2595eと、第二凸部2594dの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第二凹部2595fと、を有している。
第一凸部2594cは、前面が平坦である。この第一凸部2594cは、後板部2592との境の傾斜している部位も含んでいる。第二凸部2594dは、断面が半円形状で、遊技球Bの流通方向(紙面)に対して交差する方向へ延出している。第一凹部2595eは、第一凸部2594cの形状と相似した形状に凹んでいる。第二凹部2595fは、第二凸部2594dの形状と相似した形状に凹んでいる。
なお、第一凸部2594cにはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。第一凸部2594c等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、少なくとも一つの第二凸部2594dにおいて、裏側に第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としても良い(図137(b)を参照)。更に、後板部2592の前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
図137(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594c及び第二凸部2594dの裏側に第一凹部2595e及び第二凹部2595fを設けているため、当該第一凹部2595e及び第二凹部2595fにより遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、第一凸部2594c及び第二凸部2594dによる装飾光の反射等と、第一凹部2595e及び第二凹部2595fによる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなるため、遊技者の視線を通路装飾部2590Aへ向けさせることができ、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図137(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの存在により、第一凸部2594cと前方の部材(例えば、ガラス板162、前板部2593、等)との前後方向の隙間が狭くなるため、通路装飾部2590Aへ進入した遊技球Bの流通速度を減速させることができる。そして、第一凸部2594cには複数の第二凸部2594dが設けられているため、それら第二凸部2594dにより遊技球Bの流通速度を更に減速させることができる。従って、通路装飾部2590Aでは遊技球Bの流通速度が遅くなることから、遊技球Bを見え易くすることができ、遊技球Bの動きを楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、図137(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、第一凸部2594cと第二凸部2594dとを組み合わせることで、ガラス板162と第一凸部2594cや第二凸部2594dとの間で遊技球Bが減速することとなる。この際に、比較的強くガラス板162に遊技球Bが当たるので衝突音が大きく聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことができる。
図137(b)に示す通路装飾部2590Aは、アタッカユニット2400の台板2441や、センター役物2500Aのフランジ部2512、のような遊技パネル1100の前面に接している後板部2592から所定範囲が前方へ突出している第一凸部2594cと、第一凸部2594cから前方へ突出している複数の第二凸部2594dと、第一凸部2594cの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第一凹部2595eと、一部の第二凸部2594dの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第二凹部2595fと、を有している。
図137(b)に示す通路装飾部2590Aの第一凸部2594cは、前面が平坦である。この第一凸部2594cは、後板部2592との境の傾斜している部位も含んでいる。第二凸部2594dは、断面が半円形状で、遊技球Bの流通方向に対して交差する方向へ延出している。図137(b)に示すように、一部の第二凸部2594dは、前方への突出量が異なっており、突出量の小さい第二凸部2594dを裏側に第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としている。第一凹部2595eは、第一凸部2594cの形状と相似した形状に凹んでいる。また、第二凹部2595fは、前方への突出量が大きい第二凸部2594dの裏側に設けられている。
なお、図137(b)に示す通路装飾部2590Aでは、複数の第二凸部2594dの前方を遊技球Bが流通可能とされている。従って、突出量の大きい第二凸部2594dの前方でも遊技球Bが流通する。また、第一凸部2594cにはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。第一凸部2594c等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、全ての第二凸部2594dにおいて、裏側に第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としても良い。更に、後板部2592の前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
図137(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの裏側と一部の第二凸部2594dの裏側とに、第一凹部2595eや第二凹部2595fを設けているため、当該第一凹部2595eや第二凹部2595fにより遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、第一凸部2594c及び第二凸部2594dによる装飾光の反射等と、第一凹部2595e及び第二凹部2595fによる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなるため、遊技者の視線を通路装飾部2590Aへ向けさせることができ、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図137(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの存在により、第一凸部2594cと前方の部材(例えば、ガラス板162、前板部2593、等)との前後方向の隙間が狭くなるため、通路装飾部2590Aへ進入した遊技球Bの流通速度を減速させることができる。そして、第一凸部2594cには複数の第二凸部2594dが設けられているため、それら第二凸部2594dにより遊技球Bの流通速度を更に減速させることができる。従って、通路装飾部2590Aでは遊技球Bの流通速度が遅くなることから、遊技球Bを見え易くすることができ、遊技球Bの動きを楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、図137(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、第一凸部2594cと第二凸部2594dとを組み合わせることで、ガラス板162と第一凸部2594cや第二凸部2594dとの間で遊技球Bが減速することとなる。この際に、比較的強くガラス板162に遊技球Bが当たるので衝突音が大きく聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことができる。
図137(c)に示す通路装飾部2590Aは、アタッカユニット2400の台板2441や、センター役物2500Aのフランジ部2512、のような遊技パネル1100の前面に接している後板部2592から所定範囲が前方へ突出している第一凸部2594cと、第一凸部2594cから前方へ突出している複数の第二凸部2594dと、第一凸部2594cの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第一凹部2595eと、少なくとも一部の第二凸部2594dの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第二凹部2595fと、を有している。
図137(c)に示す通路装飾部2590Aの第一凸部2594cは、前面が平坦である。この第一凸部2594cは、後板部2592との境の傾斜している部位も含んでいる。第二凸部2594dは、断面が半円形状で遊技球Bの流通方向に対して交差する方向へ延出している形態のものと、前方へ長く突出している形態のものとが混在している。前方へ長く突出している第二凸部2594dは、その前方を遊技球Bが流通することができないような長さで前方へ突出していると共に、遊技球Bの流通方向に対して交差する方向(左右方向)へは短く形成されており、その左右両外側において遊技球Bが流通可能とされている。第一凹部2595eは、第一凸部2594cの形状と相似した形状に凹んでいる。第二凹部2595fは、第二凸部2594dの形状と相似した形状に凹んでいる。
なお、第一凸部2594cにはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。第一凸部2594c等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、少なくとも一つの第二凸部2594dにおいて、裏側に第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としても良い。更に、後板部2592の前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
図137(c)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594c及び第二凸部2594dの裏側に第一凹部2595e及び第二凹部2595fを設けているため、当該第一凹部2595e及び第二凹部2595fにより遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、第一凸部2594c及び第二凸部2594dによる装飾光の反射等と、第一凹部2595e及び第二凹部2595fによる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなるため、遊技者の視線を通路装飾部2590Aへ向けさせることができ、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図137(c)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの存在により、第一凸部2594cと前方の部材(例えば、ガラス板162、前板部2593、等)との前後方向の隙間が狭くなるため、通路装飾部2590Aへ進入した遊技球Bの流通速度を減速させることができる。そして、第一凸部2594cには複数の第二凸部2594dが設けられているため、それら第二凸部2594dにより遊技球Bの流通速度を更に減速させることができる。この際に、左右方向が短く前方へ長く突出している第二凸部2594dを混在されているため、当該第二凸部2594dにより遊技球Bの流通方向を左右方向へ変化させることができ、遊技球Bに対して複雑な動きを付与することができる。従って、通路装飾部2590Aでは遊技球Bの流通速度が遅くなることから、遊技球Bを見え易くすることができると共に、遊技球Bが左右方向へも複雑に動くこととなるため、遊技球Bの動きをより楽しませることができる。
また、図137(c)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、第一凸部2594cと第二凸部2594dとを組み合わせることで、ガラス板162と第一凸部2594cや第二凸部2594dとの間で遊技球Bが減速することとなる。この際に、比較的強くガラス板162に遊技球Bが当たるので衝突音が大きく聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことができる。
図137(d)に示す通路装飾部2590Aは、アタッカユニット2400の台板2441や、センター役物2500Aのフランジ部2512、のような遊技パネル1100の前面に接している後板部2592から前方へ突出している後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる後板凹部2595aと、後板部2592における所定範囲が前方へ突出している第一凸部2594cと、第一凸部2594cから前方へ突出している複数の第二凸部2594dと、第一凸部2594cの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第一凹部2595eと、第二凸部2594dの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第二凹部2595fと、を有している。後板凸部2594aは、断面が半円形状で、遊技球Bの流通方向に対して交差する方向へ延出している。
第一凸部2594cは、前面が平坦である。この第一凸部2594cは、後板部2592との境の傾斜している部位も含んでいる。第二凸部2594dは、断面が半円形状で、遊技球Bの流通方向に対して交差する方向へ延出している。図137(d)に示すように、一部の第二凸部2594dは、後板部2592と第一凸部2594cとにかかるように設けられている。この後板部2592にかかるように設けられている第二凸部2594dは、遊技球Bの流通方向に対して交差する方向(左右方向)へは短く形成されており、当接した遊技球Bの流通方向を左右方向へ変化させることが可能である。第一凹部2595eは、第一凸部2594cの形状と相似した形状に凹んでいる。
なお、第一凸部2594cにはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。第一凸部2594c等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、後板凸部2594a及び第二凸部2594dの少なくとも一つにおいて、後板凹部2595a及び第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としても良い。更に、後板部2592の前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
図137(d)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板凸部2594a、第一凸部2594c及び第二凸部2594dの裏側に、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fを設けているため、当該後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fにより遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594a、第一凸部2594c及び第二凸部2594dによる装飾光の反射等と、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fによる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなるため、遊技者の視線を通路装飾部2590Aへ向けさせることができ、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図137(d)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの存在により、第一凸部2594cと前方の部材(例えば、ガラス板162、前板部2593、等)との前後方向の隙間が狭くなるため、通路装飾部2590Aへ進入した遊技球Bの流通速度を減速させることができる。そして、第一凸部2594cには複数の第二凸部2594dが設けられているため、それら第二凸部2594dにより遊技球Bの流通速度を更に減速させることができる。この際に、後板部2592にかかるように設けられている第二凸部2594dに当接すると、当該第二凸部2594dの左右方向が短く形成されているため、遊技球Bの流通方向を左右方向へ変化させることができ、遊技球Bに対して複雑な動きを付与することができる。従って、通路装飾部2590Aでは遊技球Bの流通速度が遅くなることから、遊技球Bを見え易くすることができると共に、遊技球Bが左右方向へも複雑に動くこととなるため、遊技球Bの動きをより楽しませることができる。
また、図137(d)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、第一凸部2594cと第二凸部2594dとを組み合わせることで、ガラス板162と第一凸部2594cや第二凸部2594dとの間で遊技球Bが減速することとなる。この際に、比較的強くガラス板162に遊技球Bが当たるので衝突音が大きく聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことができる。
なお、図137(a)~(d)では、半円形状に突出している後板凸部2594aや第二凸部2594dを示したが、これに限定するものではなく、もちろん、三角形状や台形状の後板凸部2594aや第二凸部2594dとしても良い。
続いて、図138(a1)及び(a2)に示す通路装飾部2590Aは、アタッカユニット2400の台板2441や、センター役物2500Aのフランジ部2512、のような遊技パネル1100の前面に接している後板部2592から所定範囲が前方へ突出している第一凸部2594cと、第一凸部2594cから前方へ突出している複数の第二凸部2594dと、第一凸部2594cの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第一凹部2595eと、第二凸部2594dの裏側に設けられており前方へ向かって凹んでいる第二凹部2595fと、を有している。第一凸部2594cは、前面が平坦である。この第一凸部2594cは、後板部2592との境の傾斜している部位も含んでいる。第二凸部2594dは、断面が半円形状で、遊技球Bの流通方向(紙面)に対して交差する方向へ延出している。
この通路装飾部2590Aの第一凹部2595eは、図138(a2)に示すように、正面視の形状が下向きの矢印形状で凹んでいる。
なお、第一凸部2594cにはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。第一凸部2594c等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、少なくとも一つの第二凸部2594dにおいて、裏側に第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としても良い。更に、後板部2592の前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
図138(a1)及び(a2)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594c及び第二凸部2594dの裏側に第一凹部2595e及び第二凹部2595fを設けているため、当該第一凹部2595e及び第二凹部2595fにより遊技盤5に備えられているLED基板のLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、第一凸部2594c及び第二凸部2594dによる装飾光の反射等と、第一凹部2595e及び第二凹部2595fによる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなる。この際に、第一凹部2595eが矢印形状に凹んでいるため、当該矢印が発光装飾それることで、遊技者の関心を通路装飾部2590Aに対して強く引き付けさせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図138(a1)及び(a2)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの存在により、第一凸部2594cと前方の部材(例えば、ガラス板162、前板部2593、等)との前後方向の隙間が狭くなるため、通路装飾部2590Aへ進入した遊技球Bの流通速度を減速させることができる。そして、第一凸部2594cには複数の第二凸部2594dが設けられているため、それら第二凸部2594dにより遊技球Bの流通速度を更に減速させることができる。従って、通路装飾部2590Aでは遊技球Bの流通速度が遅くなることから、遊技球Bを見え易くすることができ、遊技球Bの動きを楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、図138(a1)及び(a2)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、第一凸部2594cと第二凸部2594dとを組み合わせることで、ガラス板162と第一凸部2594cや第二凸部2594dとの間で遊技球Bが減速することとなる。この際に、比較的強くガラス板162に遊技球Bが当たるので衝突音が大きく聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことができる。
なお、上記では、矢印形状に凹んだ第一凹部2595eを示したが、これに限定するものではなく、様々な形状で凹んだ第一凹部2595eとしても良い。例えば、図138(b)に示すように、第一凹部2595eの正面視の形状を星形状としても良い。これにより、通路装飾部2590Aの装飾効果を高めることが可能となる。
この第一凹部2595eとしては、一つの凹部で構成するようにしても良いし、複数の凹部により構成するようにしても良い。また、第一凹部2595eの正面視の形状としては、上記の矢印形状や星形状の他に、ハート形状、幾何学模様形状、所定のロゴ文字からなる文字形状、所定のキャラクタを模したキャラクタ形状、所定の絵柄を模した絵柄形状、等としても良い。なお、これらの図形(第一凹部2595e)を目立たせるために後板部2592の端面などから光を入射し、後板部2592を導光板として用いても良い。その際に、これらの図形をシボ加工で構成しても良い。そうすると入射した光がシボ加工部分で出射して図形が光って見える。また、シボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。
また、図138に示す通路装飾部2590Aでは、第二凸部2594dを半円形状としていることから角部分がない(少ない)ため、前方から第一凹部2595eの形状を見え易くできる。もちろん、三角形状や台形状の第二凸部2594dとしても良い。
次に、図139(a)に示す通路装飾部2590Aは、遊技パネル1100に設けられている開口部1112に挿入されている後板部2592と、後板部2592から前方へ突出している複数の後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aと、後板凹部2595aの後方を覆って後板凹部2595aを指触不能とする特定部材2579としてのLED基板2579aと、を有している。ここでは、一部の後板凸部2594aを、裏側に後板凹部2595aが設けられていない特定凸部2596としている。
なお、後板部2592にはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。後板部2592等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、全ての後板凸部2594aにおいて、裏側に後板凹部2595aが設けられていない特定凸部2596としても良い。更に、後板部2592の前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
また、後板部2592とLED基板2579aとの間には隙間が設けられているが、図139(a)に示すように、後板部2592とLED基板2579aとが、遊技パネル1100の開口部1112に挿入されているため、後板部2592とLED基板2579aと間の隙間の外周が、開口部1112の内周面により囲まれている。従って、後板部2592とLED基板2579aとの間の隙間が、指が入る大きさであっても、その隙間の外周が囲まれているため、外部から後板部2592とLED基板2579aとの間に指を挿入することはできず、後板部2592の後板凹部2595aを指触不能とされている。
図139(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けているため、当該後板凹部2595aにより後方に設けられているLED基板2579aのLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594aによる装飾光の反射等と、後板凹部2595aよる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなるため、遊技者の視線を通路装飾部2590Aへ向けさせることができ、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図139(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、特定部材2579としてのLED基板2579aにより後板凹部2595aの後方を覆って後板凹部2595aを指触不能としているため、遊技盤5の製造時に作業者の指が後板凹部2595aに触れることで、後板凹部2595aが汚れてしまうことを防止することができ、後板凹部2595aにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、後板凹部2595aを覆うLED基板2579aが設けられているため、後板凹部2595aにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、図139(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、複数の後板凸部2594aを設けているため、当該後板凸部2594aに遊技球Bが当接することで、遊技球Bの流通速度を減速させることができ、遊技球Bを見え易くすることができる。また、後板部2592の後方にLED基板2579aを設けていることから、LED基板2579aのLEDを発光させることで通路装飾部2590Aを発光装飾させることができるため、その発光装飾により通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bをシルエット状に見せることができ、遊技球Bの動きを見え易くして遊技者を楽しませることができる。
また、図139(a)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、後板凸部2594aの大きさや形状によっては、後板凸部2594aに当接した遊技球Bが前方へ跳ねてガラス板162に当たるのでその衝突音が聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことが可能となる。
図139(b)に示す通路装飾部2590Aは、遊技パネル1100に設けられている開口部1112に挿入されている後板部2592と、後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aと、後板凹部2595aの後方を覆って後板凹部2595aを指触不能とする特定部材2579としてのLED基板2579aと、後板部2592から前方へ突出している複数の後板凸部2594aと、後板部2592から前方へ突出していると共に遊技パネル1100の前方へ延出している第一凸部2594cと、第一凸部2594cから前方へ突出している複数の第二凸部2594dと、第一凸部2594cの裏側に設けられている第一凹部2595eと、第二凸部2594dの裏側に設けられている第二凹部2595fと、を有している。
図139(b)に示す通路装飾部2590Aでは、後板部2592とLED基板2579aとが、遊技パネル1100の開口部1112に挿入されている。そして、後板部2592とLED基板2579aとの間には隙間が設けられているが、後板部2592とLED基板2579aと間の隙間の外周が、開口部1112の内周面により囲まれている。従って、後板部2592とLED基板2579aとの間の隙間が、指が入る大きさであっても、その隙間の外周が囲まれているため、外部から後板部2592とLED基板2579aとの間に指を挿入することはできず、後板部2592の後板凹部2595aが指触不能とされている。
なお、後板部2592や第一凸部2594cにはシボ加工のような微細な凹凸による装飾を施しても良い。後板部2592や第一凸部2594c等にシボ加工を設ける場合、シボ加工により後方の配線や部材等を隠すことが可能である。また、少なくとも一つの後板凸部2594a、第一凸部2594c及び第二凸部2594dにおいて、裏側に後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fが設けられていない特定凸部2596としても良い。更に、後板部2592や第一凸部2594cの前方には、遊技球Bが流通可能な間隔をあけて扉枠3のガラス板162が設けられているが、前板部2593を設けても良い。
図139(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板凸部2594a、第一凸部2594c及び第二凸部2594dの裏側に、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fを設けているため、当該後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fにより後方に設けられているLED基板2579aのLEDからの光(装飾光)を反射させたり屈折させたりすることができる。これにより、後板凸部2594a、第一凸部2594c及び第二凸部2594dによる装飾光の反射等と、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fによる装飾光の反射等とにより通路装飾部2590Aが発光装飾されることとなるため、遊技者の視線を通路装飾部2590Aへ向けさせることができ、通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、図139(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、特定部材2579としてのLED基板2579aにより後板凹部2595aの後方を覆っていると共に、特定部材2579としての遊技パネル1100により第一凹部2595e及び第二凹部2595fの後方を覆っており、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fを指触不能としているため、遊技盤5の製造時に作業者の指が後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fに触れることで、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fが汚れてしまうことを防止することができ、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fにおいて装飾光を確実に反射させたり屈折されたりすることができる。また、後板凹部2595a第一凹部2595e及び第二凹部2595fを覆う特定部材2579が設けられているため、後板凹部2595a、第一凹部2595e及び第二凹部2595fにゴミや埃等の侵入し難くすることができ、ゴミ等の汚れにより見栄えが悪くなることを回避させることができる。
更に、図139(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、第一凸部2594cの存在により、第一凸部2594cと前方の部材(例えば、ガラス板162、前板部2593、等)との前後方向の隙間が狭くなるため、通路装飾部2590Aへ進入した遊技球Bの流通速度を減速させることができる。そして、第一凸部2594cには複数の第二凸部2594dが設けられているため、それら第二凸部2594dにより遊技球Bの流通速度を更に減速させることができる。この際に、後板部2592の後方にLED基板2579aを設けていることから、LED基板2579aのLEDを発光させることで通路装飾部2590Aを発光装飾させることができるため、その発光装飾により通路装飾部2590Aを流通している遊技球Bをシルエット状に見せることができ、遊技球Bの動きを見え易くして遊技者を楽しませることができる。
また、図139(b)に示す通路装飾部2590Aによれば、後板部2592の前方にはガラス板162のみが設けられているため、第一凸部2594cと第二凸部2594dとを組み合わせることで、ガラス板162と第一凸部2594cや第二凸部2594dとの間で遊技球Bが減速することとなる。この際に、比較的強くガラス板162に遊技球Bが当たるので衝突音が大きく聞こえ、これによって遊技者の気を惹くことができる。
なお、図139(a)及び(d)では、半円形状に突出している後板凸部2594aや第二凸部2594dを示したが、これに限定するものではなく、もちろん、三角形状や台形状の後板凸部2594aや第二凸部2594dとしても良い。
[6-1a-5.小括]
上記の通路装飾部2590には、以下のような技術的特徴を有している。
[6-1a-5a.小括A]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機では、遊技する遊技機として遊技者に選択させ易くするために、大きな装飾体を設けて遊技者に対する訴求力を高めるようにしたものが提案されている(特許文献:特開2016-154728号公報)。しかしながら、前記特許文献のような従来の遊技機では、大きな装飾体により初めのインパクトが高い分、遊技者によっては早期に見慣れてしまい、遊技する遊技機として選択され難くなってしまう恐れがあった。また、大きな装飾体は製造コストが高くなる上に、重量が重くなることから装飾体を設けるための補強が必要となり、遊技機にかかるコストが増加する問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、これまでにない装飾により遊技者に対する訴求力を高めつつ軽量化することが可能な装飾を備えた遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
手段1の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、図127等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物における流下領域を形成している延出部において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物の延出部に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、延出部が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられており、その凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により流下領域を流下している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較してセンター役物の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段2:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出しているフランジ部と、
を備え、
前記センター役物とは異なる部材であり前記遊技板に固定される前部材を備え、
該前部材は、
前記遊技板に沿って延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「前部材」としては、「少なくとも大入賞口が設けられているもの(例えば、アタッカユニット)」、「少なくとも役物入賞口が設けられているもの(例えば、役物入賞口ユニット)」、「少なくとも始動入賞口が設けられているもの(例えば、始動口ユニット)」、「少なくともゲートが設けられている(例えば、ゲートユニット)」、「少なくとも一般入賞口や普通入賞口が設けられているもの(例えば、入賞口ユニット)」、等が挙げられる。
また、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
手段2の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出しているフランジ部と、を備え、センター役物とは異なる部材であり遊技板に固定される前部材を備え、前部材は、遊技板に沿って延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、図132等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物とは異なる前部材における流下領域を形成している延出部において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、前部材の延出部に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、延出部が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられており、その凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により流下領域を流下している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して前部材の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、前部材にかかるコストを低減させることができる。また、前部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段3:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、
該前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
手段3の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、図131等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物における流下領域を形成している延出部と対向するように設けられている前板において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物の前板に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、延出部が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側に凹部が設けられており、その凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしていると共に、凸部及び凹部を流下領域の前方の前板に設けているため、流下領域を流下している遊技球の前方が発光装飾されることとなり、遊技球がキラキラ光っているように見せることができる。
更に、センター役物における前板の凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較してセンター役物の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、センター役物の延出部に、遊技球の流下速度に影響を及ぼす延出部凸部と、延出部凸部の裏側に装飾光を反射可能な延出部凹部と、を更に設けるようにしても良い。これにより、延出部に設けられている延出部凹部でも装飾光を反射させて発光装飾させることが可能であるため、凹部による反射光と延出部凹部による反射光とで遊技球が流通する流下領域の前と後ろとを発光装飾させることができる。従って、延出部と前板とが発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、上記のように、センター役物の延出部に、延出部凸部と延出部凸部の裏側に延出部凹部とを設ける場合、前方から見た時に、前板における凸部の形状と凹部の形状、更に、延出部における延出部凸部の形状と延出部凹部の形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、上記のように、センター役物の延出部に延出部凸部を設ける場合、前側の凸部と後側の延出部凸部とにより遊技球を前後に揺動させることが可能となり、凸部のみを設ける場合と比較して遊技球の流下速度を更に減速させることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、凸部の裏側には凹部が設けられていると共に、延出部凸部の裏側には延出部凹部が設けており、それら凹部及び延出部凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、延出部凹部の発光装飾により遊技球をシルエット状に見せつつ、凹部の発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技球の動きと共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。なお、この場合、前板の凸部と延出部の延出部凸部とを、遊技球の流下方向に対して交互(千鳥状)に設けることが望ましい。
手段4:手段1又は手段2の構成において、
「前記延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、
該前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす第二凸部と、
を有し、
該第二凸部の裏側には第二凹部を設け、該第二凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「第二凸部」としては、延出部に設けられている凸部と相似した同じような形状であっても良いし、凸部とは相違した異なる形状であっても良い。また、「第二凹部」としては、第二凸部と相似した形状であっても良いし、第二凸部とは相違した異なる形状であっても良い。
手段4の構成によると、延出部に凸部及び凹部が設けられている場合、延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、前板に形成され遊技球の流下速度に影響を及ぼす第二凸部と、を有し、第二凸部の裏側には第二凹部を設け、第二凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、前板2571、前板凸部2594b、前板凹部2595bに関する記載を参照)。
本構成によれば、センター役物や前部材に備えられている延出部には凸部が設けられていると共に、その凸部の裏側に装飾光を反射可能な凹部が設けられており、更に、延出部の前方に前板を設け、その前板に第二凸部を設けると共に、第二凸部の裏側に装飾光を反射可能な第二凹部を設けているため、凹部による反射光と第二凹部による反射光とで遊技球が流通する流下領域の後と前とを発光装飾させることができる。従って、センター役物や前部材の延出部と前板とには、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、延出部と前板とが発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、流下領域の後方の延出部に、凸部と凸部の裏側に凹部とを設けていると共に、流下領域の前方の前板に、第二凸部と第二凸部の裏側に第二凹部とを設けているため、前方から見た時に、凸部の形状と凹部の形状、更に、第二凸部の形状と第二凹部の形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球が流下する流下領域の後壁を構成している延出部に凸部を設けていると共に、流下領域の前壁を構成している前板に第二凸部を設けているため、凸部と第二凸部とにより遊技球を前後に揺動させることが可能となり、凸部のみを設ける場合と比較して遊技球の流下速度を更に減速させることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、凸部の裏側には凹部が設けられていると共に、第二凸部の裏側には第二凹部が設けており、それら凹部及び第二凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、凹部の発光装飾により遊技球をシルエット状に見せつつ、第二凹部の発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技球の動きと共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に前記凹部が設けられていない特定凸部を有している」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に凹部が設けられていない特定凸部を有しているものである([発明を実施するための形態]では、特定凸部2596に関する記載を参照)。
本構成によれば、複数の凸部の一部において、裏側に凹部を設けていない特定凸部を有するようにしている。つまり、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない凸部(特定凸部)と、を混在させるようにしている。これにより、特定凸部の裏側では凹部のように装飾光を反射させることができないため、凸部の部位と特定凸部の部位とで発光装飾の態様を異ならせることができる。
また、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない特定凸部とでは、前方から見える形状が異なることとなるため、裏側に凹部を有する凸部のみを複数設ける場合と比較して、前方から見える装飾に変化をつけることができる。
このように、上記の解決手段によれば、これまでにない装飾により遊技者に対する訴求力を高めつつ軽量化することが可能な装飾を備えた遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態のアタッカユニット2400は上記解決手段の前部材に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の扉上通路部2416、センター役物2500Aの球通路2577のアタッカ通路部2577a、右縁通路部2577b、出口通路部2577g、及び、球通路2591は上記解決手段の流下領域に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の台板2441、センター役物2500Aのフランジ部2512、後板部2592は上記解決手段の延出部に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の前板2442、センター役物2500Aの装飾体2570の前板2571は上記解決手段の前板に、夫々相当している。
また、本実施形態におけるセンター役物2500Aの前方突出部2511は上記解決手段の周壁部に、本実施形態における凸部2594、後板凸部2594a、前板凸部2594bは上記解決手段の凸部に、本実施形態における前板凸部2594bは上記解決手段の第二凸部に、本実施形態における凹部2595、後板凹部2595a、前板凹部2595bは上記解決手段の凹部に、本実施形態における前板凹部2595bは上記解決手段の第二凹部に、夫々相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2500Aにおける流下領域を形成している後板部2592(フランジ部2512)において、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす後板凸部2594aの裏側に設けられている後板凹部2595aによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通する流下領域(球通路2591)を発光装飾させることができる。従って、センター役物2500Aの後板部2592に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、後板部2592が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、後板部2592における後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球Bが流下する流下領域(球通路2591)に後板凸部2594aを設けているため、当該流下領域で後板凸部2594aにより遊技球Bの流下速度を減速させることができ、遊技球Bの流下速度が遅くなることで遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、当該後板凸部2594aの裏側には後板凹部2595aが設けられており、その後板凹部2595aにおいて装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により流下領域を流下している遊技球Bをシルエット状に見せることができ、遊技球Bの動きをより見え易くすることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、センター役物2500Aにおける流下領域(球通路2591)を形成している後板部2592と対向するように設けられている装飾体2570の前板部2593(前板2571)において、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす前板凸部2594bの裏側に設けられている前板凹部2595bによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物2500の前板部2593に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、前板部2593が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技球Bが流下する流下領域に前板凸部2594bを設けているため、当該流下領域で前板凸部2594bにより遊技球Bの流下速度を減速させることができ、遊技球Bの流下速度が遅くなることで遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、当該前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bが設けられており、その前板凹部2595bにおいて装飾光を反射させて発光装飾させるようにしていると共に、前板凸部2594b及び前板凹部2595bを流下領域(球通路2591)の前方の前板部2593に設けているため、流下領域を流下している遊技球Bの前方が発光装飾されることとなり、遊技球Bがキラキラ光っているように見せることができる。
更に、センター役物2500Aにおいて、後板部2592に後板凸部2594aと、後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aと、を設けていると共に、後板部2592の前方の前板部2593に前板凸部2594bと、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bと、を設けている。これにより、後板部2592に設けられている後板凹部2595aによる反射光と、前板部2593に設けられている前板凹部2595bによる反射光とで、遊技球Bが流通する流下領域(球通路2591)の後ろと前とを発光装飾させることができる。従って、センター役物2500Aの後板部2592と前板部2593とが発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上記のように、センター役物2500Aの後板部2592と前板部2593とに、後板凸部2594a及び後板凹部2595aと前板凸部2594b及び前板凹部2595bを設けているため、前方から見た時に、後板部2592における後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状、更に、前板部2593における前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、上記のように、センター役物2500Aの後板部2592と前板部2593とに、後板凸部2594aと前板凸部2594bとを遊技球Bの流下方向に対して交互(千鳥状)に設けているため、前側の前板凸部2594bと後側の後板凸部2594aとにより遊技球Bを前後に揺動させることが可能となり、一方のみに凸部を設ける場合と比較して遊技球Bの流下速度を更に減速させることができ、遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、後板凸部2594aの裏側には後板凹部2595aが設けられていると共に、前板凸部2594bの裏側には前板凹部2595bが設けており、それら後板凹部2595a及び前板凹部2595bにおいて装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、後板凹部2595aの発光装飾により遊技球Bをシルエット状に見せつつ、前板凹部2595bの発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技球Bの動きと共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、センター役物2500Aとは異なるアタッカユニット2400における流下領域(扉上通路部2416)を形成している後板部2592(台板2441)及び前板部2593(前板2442)において、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす凸部2594の裏側に設けられている凹部2595によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、アタッカユニット2400の後板部2592や前板部2593に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、後板部2592や前板部2593が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、アタッカユニット2400の後板部2592及び前板部2593において、凸部2594の裏側に凹部2595を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部2594の形状と凹部2595の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
また、アタッカユニット2400における大入賞口扉2531の上方の扉上通路部2416に凸部2594を設けているため、大入賞口扉2531の部位で凸部2594により遊技球Bの流下速度を減速させることができ、遊技球Bの流下速度が遅くなることで遊技球Bの動きを見え易くすることができると共に、そのタイミングで大入賞口扉2531が開くと大入賞口2005に入賞させ易くすることができる。この際に、当該凸部2594の裏側には凹部2595が設けられており、その凹部2595において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により大入賞口扉2531上を流下(転動)している遊技球Bをシルエット状に見せつつキラキラ光っているように見せることができ、遊技球Bの動きによる大入賞口2005への入賞に対する期待感を高めることができると共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、センター役物2500Aの後板部2592や前板部2593、アタッカユニット2400の後板部2592や前板部2593において、凸部2594の裏側に凹部2595を設けているため、凹部2595を設けていない場合と比較してセンター役物2500Aやアタッカユニット2400の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物2500Aやアタッカユニット2400にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500Aやアタッカユニット2400を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[6-1a-5b.小括B]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機では、遊技する遊技機として遊技者に選択させ易くするために、大きな装飾体を設けて遊技者に対する訴求力を高めるようにしたものが提案されている(特許文献:特開2016-154728号公報)。しかしながら、特許文献のような従来の遊技機では、大きな装飾体により初めのインパクトが高い分、遊技者によっては早期に見慣れてしまい、遊技する遊技機として選択され難くなってしまう恐れがあった。また、大きな装飾体は製造コストが高くなる上に、重量が重くなることから装飾体を設けるための補強が必要となり、遊技機にかかるコストが増加する問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、これまでにない装飾により遊技者に対する訴求力を高めつつ軽量化することが可能な装飾を備えた遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部は前記遊技板と異なる特定部材により覆われ、前記凹部は指触不能とされている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
更に、「特定部材」としては、「複数のLEDが実装されているLED基板」、
また、「指触不能」としては、作業者等の指が凹部に触れることができない構成であれば良く、「延出部と特定部材とが互いに接してそれらの間に隙間が設けられていないもの」、「延出部と特定部材との間に隙間が設けられていても指が入らないもの(指が入らない大きさの隙間が設けられているもの)」、「延出部と特定部材との間に指が入る大きさの隙間が設けられているが、その外周が特定部材又は他の部材により囲まれていることでその隙間に指が入らないもの」、等が挙げられる。
ところで、延出部に形成されている凸部の裏側に凹部を設ける場合、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部の内面に触れることで凹部内が汚れてしまうと、見栄えが悪くなる。また、凹部内が汚れた場合、凹んでいることから汚れの拭き取りに手間がかかるため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要があり、無駄に作業時間が長くなることでコストが増加する恐れがある。
手段1の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部は遊技板と異なる特定部材により覆われ、凹部は指触不能とされているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章のセンター役物2500A、特定部材2579、図131等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物における流下領域を形成している延出部において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。この際に、特定部材により凹部を指触不能としているため、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部に触れて汚れてしまうことはなく、見栄えを良くして凹部による装飾効果を確実に発揮させることかできる。従って、センター役物の延出部に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、凸部と凹部とによるこれまでにない装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられていることから、凸部と凹部とによるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球の後方を装飾することができ、遊技球を目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較してセンター役物の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材により凹部を指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が凹部に触れることはないため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けていることから、凹部の表面において装飾光を反射させることが可能となる。これにより、凹部において反射した反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができ、延出部の発光装飾により遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能となる。また、延出部の凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにすると、延出部の前方を流下する遊技球を後方から発光装飾させることとなり、遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。
手段2:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出しているフランジ部と、
を備え、
前記センター役物とは異なる部材であり前記遊技板に固定される前部材を備え、
該前部材は、
前記遊技板に沿って延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部は前記遊技板と異なる特定部材により覆われ、前記凹部は指触不能とされている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「前部材」としては、「少なくとも大入賞口が設けられているもの(例えば、アタッカユニット)」、「少なくとも役物入賞口が設けられているもの(例えば、役物入賞口ユニット)」、「少なくとも始動入賞口が設けられているもの(例えば、始動口ユニット)」、「少なくともゲートが設けられている(例えば、ゲートユニット)」、「少なくとも一般入賞口や普通入賞口が設けられているもの(例えば、入賞口ユニット)」、等が挙げられる。
また、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
更に、「特定部材」としては、「複数のLEDが実装されているLED基板」、「所定の装飾が施されている装飾シート又は装飾セル」、「立体状の装飾が施されている装飾体」、「遊技板の後方において遊技球を排出するための球誘導部材」、「可動装飾体を可動させるための駆動機構」、等が挙げられる。
また、「指触不能」としては、作業者等の指が凹部に触れることができない構成であれば良く、「延出部と特定部材とが互いに接してそれらの間に隙間が設けられていないもの」、「延出部と特定部材との間に隙間が設けられていても指が入らないもの(指が入らない大きさの隙間が設けられているもの)」、「延出部と特定部材との間に指が入る大きさの隙間が設けられているが、その外周が特定部材又は他の部材により囲まれていることでその隙間に指が入らないもの」、等が挙げられる。
ところで、延出部に形成されている凸部の裏側に凹部を設ける場合、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部の内面に触れることで凹部内が汚れてしまうと、見栄えが悪くなる。また、凹部内が汚れた場合、凹んでいることから汚れの拭き取りに手間がかかるため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要があり、無駄に作業時間が長くなることでコストが増加する恐れがある。
手段2の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出しているフランジ部と、を備え、センター役物とは異なる部材であり遊技板に固定される前部材を備え、前部材は、遊技板に沿って延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部は遊技板と異なる特定部材により覆われ、凹部は指触不能とされているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章のアタッカユニット2400、特定部材2579、図132等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物とは異なる前部材における流下領域を形成している延出部において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。この際に、特定部材により凹部を指触不能としているため、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部に触れて汚れてしまうことはなく、見栄えを良くして凹部による装飾効果を確実に発揮させることかできる。従って、前部材の延出部に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、凸部と凹部とによるこれまでにない装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられていることから、凸部と凹部とによるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球の後方を装飾することができ、遊技球を目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して前部材の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、前部材にかかるコストを低減させることができる。また、前部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材により凹部を指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が凹部に触れることはないため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けていることから、凹部の表面において装飾光を反射させることが可能となる。これにより、凹部において反射した反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができ、延出部の発光装飾により遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能となる。また、延出部の凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにすると、延出部の前方を流下する遊技球を後方から発光装飾させることとなり、遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、
該前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす第二凸部と、
を備え、
該第二凸部の裏側には第二凹部を設け、該第二凹部の裏側には装飾部材を設け、前記第二凹部は指触不能とされている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「第二凸部」としては、延出部に設けられている凸部と相似した同じような形状であっても良いし、凸部とは相違した異なる形状であっても良い。また、「第二凹部」としては、第二凸部と相似した形状であっても良いし、第二凸部とは相違した異なる形状であっても良い。
また、「装飾部材」としては、「所定の装飾が施されているシート状の装飾シール」、「所定の装飾が施されている板状の装飾パネル」、等が挙げられる。
手段3の構成によると、遊技機に、延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす第二凸部と、を備え、第二凸部の裏側には第二凹部を設け、第二凹部の裏側には装飾部材を設け、第二凹部は指触不能とされているものである([発明を実施するための形態]では、前板2571、前板凸部2594b、前板凹部2595b、及び、前装飾部2572、に関する記載を参照)。
本構成によれば、センター役物や前部材に備えられている延出部には凸部が設けられていると共に、その凸部の裏側に凹部が設けられており、更に、延出部の前方に前板を設け、その前板に第二凸部を設けると共に、第二凸部の裏側に第二凹部を設けているため、前方から見た時に、凸部の形状と凹部の形状、更に、第二凸部の形状と第二凹部の形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。この際に、特定部材により凹部を指触不能としていると共に、装飾部材により第二凹部を指触不能としているため、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部や第二凹部に触れて汚れてしまうことはなく、見栄えを良くして凹部及び第二凹部による装飾効果を確実に発揮させることかできる。従って、センター役物や前部材の延出部と前板とには、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、凸部と凹部、及び、第二凸部と第二凹部、更には、装飾部材、によるこれまでにない装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、遊技球が流下する流下領域の後壁を構成している延出部に凸部を設けていると共に、流下領域の前壁を構成している前板に第二凸部を設けているため、凸部と第二凸部とにより遊技球を前後に揺動させることが可能となり、凸部のみを設ける場合と比較して遊技球の流下速度を更に減速させることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、凸部の裏側には凹部が設けられていると共に、第二凸部の裏側には第二凹部が設けられていることから、凸部と凹部、及び、第二凸部と第二凹部、によるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球の後方、及び、前方を装飾することができ、遊技球を目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前板において第二凸部の裏側に第二凹部を設けているため、第二凹部を設けていない場合と比較して前板の重量を軽減させることができ、センター役物や前部材を軽量化することができると共に、センター役物や前部材にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物や前部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材により凹部を指触不能に覆っていると共に、装飾部材により第二凹部を指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が凹部や第二凹部に触れることはないため、凹部や第二凹部が汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
また、前板における第二凸部の裏側に第二凹部を設けていることから、第二凹部の表面において装飾光を反射させることが可能となる。これにより、第二凹部において反射した反射光により遊技球が流通する流下領域の前方を発光装飾させることができ、流下領域を流下している遊技球を第二凹部の発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができる。この際に、前板の後方の延出部に設けられている凹部においても装飾光を反射させるようにすると、第二凹部による反射光と凹部による反射光とで遊技球が流通する流下領域の後と前とを発光装飾させることができる。これにより、凹部の発光装飾により遊技球をシルエット状に見せつつ、第二凹部の発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技球の動きと共に発光装飾を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記延出部と前記特定部材との間には隙間が設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、延出部と特定部材との間には隙間が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、特定部材2579に関する記載を参照)。
本構成によれば、延出部と特定部材との間に隙間を設けているため、特定部材として装飾性を有している場合、凸部と凹部とによる装飾に対して、特定部材による装飾が後方へ離れることで奥行き感を付与することができ、装飾効果をより高めることができる。また、特定部材として複数のLEDが実装されているLED基板とする場合、LED基板が延出部から後方へ離れることで、LED基板に実装されている電子部品を見え難くすることができ、凸部と凹部とによる装飾効果を発揮させ易くすることができると共に、延出部と特定部材との間の隙間により、複数のLEDからの熱を逃がし易くすることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に前記凹部が設けられていない特定凸部を有している」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に凹部が設けられていない特定凸部を有しているものである([発明を実施するための形態]では、特定凸部2596に関する記載を参照)。
本構成によれば、複数の凸部の一部において、裏側に凹部を設けていない特定凸部を有するようにしている。つまり、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない凸部(特定凸部)と、を混在させるようにしている。これにより、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない特定凸部とでは、前方から見える形状が異なることとなるため、裏側に凹部を有する凸部のみを複数設ける場合と比較して、前方から見える装飾に変化をつけることができる。
また、凹部において装飾光を反射させるようにする場合、特定凸部の裏側では凹部のように装飾光を反射させることができないため、凸部の部位と特定凸部の部位とで発光装飾の態様を異ならせることができる。
このように、上記の解決手段によれば、これまでにない装飾により遊技者に対する訴求力を高めつつ軽量化することが可能な装飾を備えた遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態のアタッカユニット2400は上記解決手段の前部材に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の扉上通路部2416、センター役物2500Aの球通路2577のアタッカ通路部2577a、右縁通路部2577b、出口通路部2577g、及び、球通路2591は上記解決手段の流下領域に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の台板2441、センター役物2500Aのフランジ部2512、後板部2592は上記解決手段の延出部に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の前板2442、センター役物2500Aの装飾体2570の前板2571は上記解決手段の前板に、夫々相当している。
また、本実施形態におけるセンター役物2500Aの前方突出部2511は上記解決手段の周壁部に、本実施形態における凸部2594、後板凸部2594a、前板凸部2594bは上記解決手段の凸部に、本実施形態における前板凸部2594bは上記解決手段の第二凸部に、本実施形態における凹部2595、後板凹部2595a、前板凹部2595bは上記解決手段の凹部に、本実施形態における前板凹部2595bは上記解決手段の第二凹部に、本実施形態におけるアタッカ装飾基板2443、基板カバー2444、特定部材2579、後装飾部2573、は上記解決手段の特定部材に、本実施形態における装飾部材2445、前装飾部2572、は上記解決手段の装飾部材に、夫々相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5のセンター役物2500Aに備えられているフランジ部2512(後板部2592)には後板凸部2594aが設けられていると共に、その後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aが設けられており、更に、フランジ部2512の前方に前板2571を設け、その前板2571に前板凸部2594bを設けると共に、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、前方から見た時に、後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状、更に、前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。この際に、特定部材2579により後板凹部2595aを指触不能としているため、パチンコ機1(遊技盤5)の製造の際に、作業者の指が後板凹部2595aに触れて汚れてしまうことはなく、見栄えを良くして後板凹部2595aによる装飾効果を確実に発揮させることかできる。従って、センター役物2500Aのフランジ部2512及び前板2571に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、フランジ部2512及び前板2571において、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、によるこれまでにない装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、センター役物2500Aにおいて、遊技球Bが流下する流下領域(球通路2591)の後壁を構成しているフランジ部2512に後板凸部2594aを設けていると共に、流下領域の前壁を構成している前板2571に前板凸部2594bを設けているため、後板凸部2594aと前板凸部2594bとにより遊技球Bを前後に揺動させることが可能となり、凸部のみを設ける場合と比較して遊技球Bの流下速度を更に減速させることができ、遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、後板凸部2594aの裏側には後板凹部2595aが設けられていると共に、前板凸部2594bの裏側には前板凹部2595bが設けられていることから、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、によるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球Bの後方、及び、前方を装飾することができ、遊技球Bを目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、センター役物2500Aにおいて、フランジ部2512では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2571では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、センター役物2500Aを軽量化することができると共に、センター役物2500Aにかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材2579により後板凹部2595aを指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が後板凹部2595aに触れることはないため、後板凹部2595aが汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
更に、遊技盤5のアタッカユニット2400に備えられている台板2441(後板部2592)には後板凸部2594aが設けられていると共に、その後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aが設けられており、更に、台板2441の前方に前板2442を設け、その前板2442に前板凸部2594bを設けると共に、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、前方から見た時に、後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状、更に、前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状、が見えることとなり、それらの形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。この際に、アタッカ装飾基板2443により後板凹部2595aを指触不能としていると共に、装飾部材2445により前板凹部2595bを指触不能としているため、パチンコ機1(遊技盤5)の製造の際に、作業者の指が後板凹部2595aや前板凹部2595bに触れて汚れてしまうことはなく、見栄えを良くして後板凹部2595a及び前板凹部2595bによる装飾効果を確実に発揮させることかできる。従って、アタッカユニット2400の台板2441及び前板2442に、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、アタッカユニット2400において、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、更には、装飾部材2445、によるこれまでにない装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、アタッカユニット2400において、遊技球Bが流下する流下領域(扉上通路部2416)の後壁を構成している台板2441に後板凸部2594aを設けていると共に、流下領域の前壁を構成している前板2442に前板凸部2594bを設けているため、後板凸部2594aと前板凸部2594bとにより遊技球Bを前後に揺動させることが可能となり、凸部のみを設ける場合と比較して遊技球Bの流下速度を更に減速させることができ、遊技球Bの動きを見え易くすることができる。この際に、後板凸部2594aの裏側には後板凹部2595aが設けられていると共に、前板凸部2594bの裏側には前板凹部2595bが設けられていることから、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、によるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球Bの後方、及び、前方を装飾することができ、遊技球Bを目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、アタッカユニット2400において、台板2441では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2442では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、アタッカユニット2400を軽量化することができると共に、アタッカユニット2400にかかるコストを低減させることができる。また、アタッカユニット2400を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、アタッカ装飾基板2443や装飾部材2445により後板凹部2595aや前板凹部2595bを指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が後板凹部2595aや前板凹部2595bに触れることはないため、後板凹部2595aが汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
更に、アタッカユニット2400の台板2441とアタッカ装飾基板2443との間に隙間を設けているため、アタッカ装飾基板2443が台板2441から後方へ離れることで、アタッカ装飾基板2443に実装されているLEDや抵抗器のような電子部品を見え難くすることができ、凸部2594と凹部2595とによる装飾効果を発揮させ易くすることができると共に、台板2441とアタッカ装飾基板2443との間の隙間により、複数のLEDからの熱を逃がし易くすることができる。
[6-1a-5c.小括C]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機では、遊技する遊技機として遊技者に選択させ易くするために、大きな装飾体を設けて遊技者に対する訴求力を高めるようにしたものが提案されている(特許文献:特開2016-154728号公報)。しかしながら、特許文献のような従来の遊技機では、大きな装飾体により初めのインパクトが高い分、遊技者によっては早期に見慣れてしまい、遊技する遊技機として選択され難くなってしまう恐れがあった。また、大きな装飾体は製造コストが高くなる上に、重量が重くなることから装飾体を設けるための補強が必要となり、遊技機にかかるコストが増加する問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、これまでにない装飾により遊技者に対する訴求力を高めつつ軽量化することが可能な装飾を備えた遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の凹形状は前記凸部の凸形状と略相似形としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の凹形状は凸部の凸形状と略相似形としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章のセンター役物2500Aの後板凸部2594a及び後板凹部2595a、図131等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物における流下領域を形成している延出部において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に凹部を設け、凹部の凹形状を凸部の突形状と略相似形状としているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と相似した凹部の形状とが重なることで凸部が二重に見えることとなる。そして、凸部と凹部とでは前後方向が離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、重なっている凸部の形状と凹部の形状とのズレ具合が変化することとなり、凸部と凹部とによる装飾が動いているように見える。従って、センター役物の延出部に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、凸部と凹部とによるこれまでにないような動きのある装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、センター役物の延出部において、凹部の形状を凸部の形状に対して略相似形状としていることから、凸部の表面から凹部の表面までの厚さが略一定になるため、遊技球の当接により凸部に衝撃が加えられた時に、その衝撃が一部に集中することを抑制することができ、凸部(延出部)を破損し難くすることができる。また、凸部と凹部との間の厚さを略一定にしているため、センター役物の成形時において、樹脂のヒケを低減させることができ、歪みの少ないセンター役物とすることができると共に、遊技者から近くて目立つセンター役物を歪みの少ない見栄えの良いものとすることができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられていることから、凸部と凹部とによるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球の後方を装飾することができ、遊技球を目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較してセンター役物の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材により凹部を指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が凹部に触れることはないため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
手段2:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出しているフランジ部と、
を備え、
前記センター役物とは異なる部材であり前記遊技板に固定される前部材を備え、
該前部材は、
前記遊技板に沿って延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、
該延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を有し、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の凹形状は前記凸部の凸形状と略相似形としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「前部材」としては、「少なくとも大入賞口が設けられているもの(例えば、アタッカユニット)」、「少なくとも役物入賞口が設けられているもの(例えば、役物入賞口ユニット)」、「少なくとも始動入賞口が設けられているもの(例えば、始動口ユニット)」、「少なくともゲートが設けられている(例えば、ゲートユニット)」、「少なくとも一般入賞口や普通入賞口が設けられているもの(例えば、入賞口ユニット)」、等が挙げられる。
また、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出しているフランジ部と、を備え、センター役物とは異なる部材であり遊技板に固定される前部材を備え、前部材は、遊技板に沿って延出し、前面側に遊技球が流下する流下領域を有する延出部と、延出部に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を有し、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の凹形状は凸部の凸形状と略相似形としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章のアタッカユニット2400の後板凸部2594a及び後板凹部2595a、図132等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物とは異なる前部材における流下領域を形成している延出部において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす凸部の裏側に凹部を設け、凹部の凹形状を凸部の突形状と略相似形状としているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と相似した凹部の形状とが重なることで凸部が二重に見えることとなる。そして、凸部と凹部とでは前後方向が離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、重なっている凸部の形状と凹部の形状とのズレ具合が変化することとなり、凸部と凹部とによる装飾が動いているように見える。従って、前部材の延出部に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、凸部と凹部とによるこれまでにない動きのある装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、前部材の延出部において、凹部の形状を凸部の形状に対して略相似形状としていることから、凸部の表面から凹部の表面までの厚さが略一定になるため、遊技球の当接により凸部に衝撃が加えられた時に、その衝撃が一部に集中することを抑制することができ、凸部(延出部)を破損し難くすることができる。また、凸部と凹部との間の厚さを略一定にしているため、前部材の成形時において、樹脂のヒケを低減させることができ、歪みの少ない見栄えの良いものとすることができる。
また、遊技球が流下する流下領域に凸部を設けているため、当該流下領域で凸部により遊技球の流下速度を減速させることができ、遊技球の流下速度が遅くなることで遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられていることから、凸部と凹部とによるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球の後方を装飾することができ、遊技球を目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して前部材の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、前部材にかかるコストを低減させることができる。また、前部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材により凹部を指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が凹部に触れることはないため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、
該前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす第二凸部と、
を備え、
該第二凸部の裏側には第二凹部を設け、該第二凹部の凹形状は前記第二凸部の凸形状と略相似形としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「第二凸部」としては、延出部に設けられている凸部と相似した同じような形状であっても良いし、凸部とは相違した異なる形状であっても良い。
手段3の構成によると、遊技機に、延出部の前方で遊技球が流下可能な間隔をあけて対向している前板と、前板に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす第二凸部と、を備え、第二凸部の裏側には第二凹部を設け、第二凹部の凹形状は第二凸部の凸形状と略相似形としているものである([発明を実施するための形態]では、前板2571、前板凸部2594b、前板凹部2595b、に関する記載を参照)。
本構成によれば、センター役物や前部材に備えられている延出部には凸部が設けられていると共に、その凸部の裏側に凹部が設けられており、更に、延出部の前方に前板を設け、その前板に第二凸部を設けると共に、第二凸部の裏側に第二凹部を設け、凹部の凹形状を凸部の突形状と略相似形状としていると共に、第二凹部の凹形状を第二凸部の突形状と略相似形状としているため、前方から見た時に、凸部の形状と相似した凹部の形状とが重なることで凸部が二重に見えると共に、第二凸部の形状と相似した第二凹部の形状とが重なることで第二凸部が二重に見えることとなる。そして、凸部と凹部、及び、第二凸部と第二凹部、とでは夫々において前後方向が離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、重なっている凸部の形状と凹部の形状とのズレ具合や、重なっている第二凸部の形状と第二凹部の形状とのズレ具合、が夫々において変化することとなり、凸部と凹部、及び、第二凸部と第二凹部、による装飾が動いているように見える。従って、センター役物や前部材の延出部と前板とには、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、凸部と凹部、及び、第二凸部と第二凹部、によるこれまでにない動きのある装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、センター役物や前部材の延出部の前方に設けられている前板において、第二凹部の形状を第二凸部の形状に対して略相似形状としていることから、第二凸部の表面から第二凹部の表面までの厚さが略一定になるため、遊技球の当接により第二凸部に衝撃が加えられた時に、その衝撃が一部に集中することを抑制することができ、第二凸部(前板)を破損し難くすることができる。また、第二凸部と第二凹部との間の厚さを略一定にしているため、前板の成形時において、樹脂のヒケを低減させることができ、遊技者から近くて目立つ前板を歪みの少ない見栄えの良いものとすることができる。
更に、前板において第二凸部の裏側に第二凹部を設けているため、第二凹部を設けていない場合と比較して前板の重量を軽減させることができ、センター役物や前部材を軽量化することができると共に、センター役物や前部材にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物や前部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。更に、特定部材により凹部を指触不能に覆っていると共に、装飾部材により第二凹部を指触不能に覆っていることから、製造時において作業者の指が凹部や第二凹部に触れることはないため、凹部や第二凹部が汚れないように慎重に作業する必要はなく、作業が楽になることでコストの増加を抑制することができる。
また、センター役物や前部材において、遊技球が流下する流下領域の後壁を構成している延出部に凸部を設けていると共に、流下領域の前壁を構成している前板に第二凸部を設けているため、凸部と第二凸部とにより遊技球を前後に揺動させることが可能となり、凸部のみを設ける場合と比較して遊技球の流下速度を更に減速させることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、凸部の裏側には凹部が設けられていると共に、第二凸部の裏側には第二凹部が設けられていることから、凸部と凹部、及び、第二凸部と第二凹部、によるこれまでにない装飾を見せることができるため、当該装飾により流下領域を流下している遊技球の後方、及び、前方を装飾することができ、遊技球を目立たせることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に前記凹部が設けられていない特定凸部を有している」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、凸部が複数設けられており、そのうちの一部の裏側に凹部が設けられていない特定凸部を有しているものである([発明を実施するための形態]では、特定凸部2596に関する記載を参照)。
本構成によれば、複数の凸部の一部において、裏側に凹部を設けていない特定凸部を有するようにしている。つまり、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない凸部(特定凸部)と、を混在させるようにしている。これにより、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない特定凸部とでは、前方から見える形状が異なることとなるため、裏側に凹部を有する凸部のみを複数設ける場合と比較して、前方から見える装飾に変化をつけることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記凹部は、表面で装飾光を反射可能とされている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、凹部は、表面で装飾光を反射可能とされているものである([発明を実施するための形態]では、後板凹部2595aに関する記載を参照)。
本構成によれば、センター役物や前部材の延出部に設けられている凹部の表面で装飾光を反射させることができるため、凹部において反射させた該反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物や前部材の延出部に、凸部と凹部とによるこれまでにない動きのある装飾が見えると共に、凹部が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、センター役物や前部材では、流下領域に設けられている凸部により遊技球の流下速度を遅くして、遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、当該凸部の裏側には凹部が設けられており、その凹部において装飾光を反射させて発光装飾させるようにしているため、当該発光装飾により流下領域を流下している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。これらのことから、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、これまでにない装飾により遊技者に対する訴求力を高めつつ軽量化することが可能な装飾を備えた遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態のアタッカユニット2400は上記解決手段の前部材に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の扉上通路部2416、センター役物2500Aの球通路2577のアタッカ通路部2577a、右縁通路部2577b、出口通路部2577g、及び、球通路2591は上記解決手段の流下領域に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の台板2441、センター役物2500Aのフランジ部2512、後板部2592は上記解決手段の延出部に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の前板2442、センター役物2500Aの装飾体2570の前板2571は上記解決手段の前板に、夫々相当している。
また、本実施形態におけるセンター役物2500Aの前方突出部2511は上記解決手段の周壁部に、本実施形態における凸部2594、後板凸部2594a、前板凸部2594bは上記解決手段の凸部に、本実施形態における前板凸部2594bは上記解決手段の第二凸部に、本実施形態における凹部2595、後板凹部2595a、前板凹部2595bは上記解決手段の凹部に、本実施形態における前板凹部2595bは上記解決手段の第二凹部に、夫々相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2500Aに備えられているフランジ部2512には後板凸部2594aが設けられていると共に、その後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aが設けられており、更に、フランジ部2512の前方に前板2571を設け、その前板2571に前板凸部2594bを設けると共に、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設け、後板凹部2595aの凹形状を後板凸部2595aの突形状と略相似形状としていると共に、前板凹部2595bの凹形状を前板凸部2595bの突形状と略相似形状としているため、前方から見た時に、後板凸部2594aの形状と相似した後板凹部2595aの形状とが重なることで後板凸部2594aが二重に見えると共に、前板凸部2594bの形状と相似した前板凹部2595bの形状とが重なることで前板凸部2594bが二重に見えることとなる。そして、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、とでは夫々において前後方向が離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、重なっている後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状とのズレ具合や、重なっている前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状とのズレ具合、が夫々において変化することとなり、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、による装飾が動いているように見える。従って、センター役物2500Aのフランジ部2512と前板2571とには、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、によるこれまでにない動きのある装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、センター役物2500Aのフランジ部2512や前板2571において、後板凹部2595aや前板凹部2595bの形状を後板凸部2594aや前板凸部2594bの形状に対して略相似形状としていることから、後板凸部2594aや前板凸部2594bの表面から後板凹部2595aや前板凹部2595bの表面までの厚さが略一定になるため、遊技球Bの当接により後板凸部2594aや前板凸部2594bに衝撃が加えられた時に、その衝撃が一部に集中することを抑制することができ、後板凸部2594aや前板凸部2594b(フランジ部2512や前板2571)を破損し難くすることができる。また、後板凸部2594aや前板凸部2594bと、後板凹部2595aと前板凹部2595bとの間の厚さを略一定にしているため、センター役物2500Aや前板2571の成形時において、樹脂のヒケを低減させることができ、歪みの少ないセンター役物2500Aや前板2571とすることができると共に、遊技者から近くて目立つセンター役物2500Aや前板2571を歪みの少ない見栄えの良いものとすることができる。
また、センター役物2500Aにおいて、フランジ部2512では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2571では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、センター役物2500Aを軽量化することができると共に、センター役物2500Aにかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500Aを軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、アタッカユニット2400に備えられている台板2441には後板凸部2594aが設けられていると共に、その後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aが設けられており、更に、台板2441の前方に前板2442を設け、その前板2442に前板凸部2594bを設けると共に、前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設け、後板凹部2595aの凹形状を後板凸部2595aの突形状と略相似形状としていると共に、前板凹部2595bの凹形状を前板凸部2595bの突形状と略相似形状としているため、前方から見た時に、後板凸部2594aの形状と相似した後板凹部2595aの形状とが重なることで後板凸部2594aが二重に見えると共に、前板凸部2594bの形状と相似した前板凹部2595bの形状とが重なることで前板凸部2594bが二重に見えることとなる。そして、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、とでは夫々において前後方向が離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、重なっている後板凸部2594aの形状と後板凹部2595aの形状とのズレ具合や、重なっている前板凸部2594bの形状と前板凹部2595bの形状とのズレ具合、が夫々において変化することとなり、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、による装飾が動いているように見える。従って、アタッカユニット2400の台板2441と前板2442とには、従来のパチンコ機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、後板凸部2594aと後板凹部2595a、及び、前板凸部2594bと前板凹部2595b、によるこれまでにない動きのある装飾が見えるため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、アタッカユニット2400の台板2441や前板2442において、後板凹部2595aや前板凹部2595bの形状を後板凸部2594aや前板凸部2594bの形状に対して略相似形状としていることから、後板凸部2594aや前板凸部2594bの表面から後板凹部2595aや前板凹部2595bの表面までの厚さが略一定になるため、遊技球Bの当接により後板凸部2594aや前板凸部2594bに衝撃が加えられた時に、その衝撃が一部に集中することを抑制することができ、後板凸部2594aや前板凸部2594b(台板2441や前板2442)を破損し難くすることができる。また、後板凸部2594aや前板凸部2594bと、後板凹部2595aと前板凹部2595bとの間の厚さを略一定にしているため、台板2441や前板2442の成形時において、樹脂のヒケを低減させることができ、歪みの少ない台板2441や前板2442とすることができると共に、遊技者から近くて目立つ台板2441や前板2442を歪みの少ない見栄えの良いものとすることができる。
また、アタッカユニット2400において、台板2441では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2442では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、アタッカユニット2400を軽量化することができると共に、アタッカユニット2400にかかるコストを低減させることができる。また、アタッカユニット2400を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、センター役物2500Aやアタッカユニット2400のフランジ部2512や台板2441に設けられている後板凹部2595aの表面で装飾光を反射させることができるため、後板凹部2595aにおいて反射させた該反射光により遊技球Bが流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物2500Aやアタッカユニット2400のフランジ部2512や台板2441に、後板凸部2594aと後板凹部2595aとによるこれまでにない動きのある装飾が見えると共に、後板凹部2595aが発光装飾するため、遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは全く異なる装飾が設けられているパチンコ機1であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
[6-1a-5d.小括D]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機として、入賞口への遊技球の入賞が容易な入賞容易状態と、入賞が不能な入賞不能状態との間で可動する可動片を有するアタッカユニットのような入賞装置を備えているもの知られている(特許文献:特開2017-118989号公報)。特許文献の技術では、入賞口の後方にLED基板を設け、LED基板のLEDの発光態様によって遊技者を楽しませられるようにしている。しかしながら、特許文献のような従来の技術では、単にLEDが光るだけであるため、遊技者によっては早期に見飽きてしまい、入賞口への関心が薄れて遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、遊技者の関心を入賞口に引き付けることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞装置を備え、
該入賞装置は、
遊技球が入賞可能な入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、
遊技球の流下方向に変化を与える凸部と、
を備え、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴する。
ここで、「入賞口」としては、「遊技球の入賞により少数の遊技球が払出されると共に特別図柄の抽選が行われる始動入賞口(第二始動口)」、「遊技球の入賞により多数の遊技球が払出される大入賞口」、「遊技球の入賞により所定数の遊技球が払出されると共に入賞した遊技球をV入賞口又はハズレ口へ供給可能な役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「入賞装置」としては、「入賞口として大入賞口を備え、遊技球が始動入賞することにより抽選された特別図柄の抽選結果に応じて可動片が可動して大入賞口を開閉するアタッカユニット」、「入賞口として役物入賞口を備え、遊技球が始動入賞することにより抽選された特別図柄の抽選結果に応じて可動片が可動して役物入賞口を開閉する役物入賞装置」、「入賞口として第二始動口を備え、遊技球のゲートの通過又は普通入賞することにより抽選された普通図柄の抽選結果に応じて可動片が可動して第二始動口を開閉する始動口ユニット」、等が挙げられる。
また、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
更に、「凸部及び凹部」としては、「遊技板の前面に沿って延出している延出部(例えば、フランジ部、台板、等)に設けられているもの」、「遊技板の前方に配置され遊技板との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板に設けられているもの」、「遊技板の前面に沿って延出している延出部(例えば、フランジ部、台板、等)と、延出部の前方に配置され延出部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板と、の両方に設けられているもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞装置を備え、入賞装置は、遊技球が入賞可能な入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、遊技球の流下方向に変化を与える凸部と、を備え、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、アタッカユニット2400、図132等の記載を参照)。
本構成によれば、遊技球の入賞により特典を付与する入賞装置において、遊技球の流下方向に変化を与える凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により入賞装置における遊技球が流下する部位を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を入賞装置、ひいては、入賞口へ向けさせることができる。また、裏側に凹部が設けられている凸部は、遊技球の流下方向へ変化を与えることができることから、遊技球の流下方向を入賞口(可動片)へ向けさせたり、入賞口(可動片)の付近において遊技球の流下速度を減速させたりすることが可能となる。このようなことから、凹部の反射光により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が入賞口を注目することで、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、入賞装置の見栄えを良くすることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して入賞装置の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、入賞装置にかかるコストを低減させることができる。また、入賞装置を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段2:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞口と、
該入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、
該可動片の可動により前記入賞口と連通し、遊技球が流通可能な球通路と、
該球通路に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を備え、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴する。
ここで、「入賞口」としては、「遊技球の入賞により少数の遊技球が払出されると共に特別図柄の抽選が行われる始動入賞口(第二始動口)」、「遊技球の入賞により多数の遊技球が払出される大入賞口」、「遊技球の入賞により所定数の遊技球が払出されると共に入賞した遊技球をV入賞口又はハズレ口へ供給可能な役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「球通路」としては、「遊技板の開口部に備えられるセンター役物に設けられているもの」、「センター役物とは異なる前部材に設けられているもの」、等が挙げられる。また、「球通路」としては、可動片の上流側であっても良いし、可動片の下流側であっても良い。
更に、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
更に、「凸部及び凹部」としては、「球通路の後壁を形成している後板部(例えば、フランジ部、台板、等)に設けられているもの」、「球通路の前壁を形成している前板部(例えば、前板)に設けられているもの」、「球通路の後壁を形成している後板部例えば、フランジ部、台板、等)と、球通路の前壁を形成している前板部(例えば、前板)と、の両方に設けられているもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞口と、入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、可動片の可動により入賞口と連通し、遊技球が流通可能な球通路と、球通路に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を備え、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、アタッカ通路部2577a、図130等の記載を参照)。
本構成によれば、遊技球が流通する遊技領域に設けられている入賞口と連通可能な球通路において、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球が流通する球通路を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を球通路、ひいては、入賞口へ向けさせることができる。また、裏側に凹部が設けられている凸部は、遊技球の流下速度に影響を及ぼすことができるため、球通路を流通している遊技球の流通速度を減速させて遅くすることができ、球通路を流通している遊技球を見え易くすることができる。このようなことから、凹部の反射光により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が入賞口を注目することで、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、球通路が設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して球通路が設けられている部材の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、球通路が設けられている部材にかかるコストを低減させることができる。また、球通路が設けられている部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記凸部の裏側に装飾部材を備え、該装飾部材により前記凹部は指触不能とされている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「装飾部材」としては、「所定の装飾が施されているシート状の装飾シール」、「所定の装飾が施されている板状の装飾パネル」、「所定の装飾が施されている装飾シート又は装飾セル」、「立体状の装飾が施されている装飾体」、等が挙げられる。
また、「指触不能」としては、作業者等の指が凹部に触れることができない構成であれば良く、「凸部の裏側面と装飾部材とが互いに接してそれらの間に隙間が設けられていないもの」、「凸部の裏側面と装飾部材との間に隙間が設けられていても指が入らないもの(指が入らない大きさの隙間が設けられているもの)」、「凸部の裏側面と装飾部材との間に指が入る大きさの隙間が設けられているが、その外周が装飾部材又は他の部材により囲まれていることでその隙間に指が入らないもの」、等が挙げられる。
ところで、凸部の裏側に凹部を設ける場合、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部の内面に触れることで凹部内が汚れてしまうと、見栄えが悪くなる。また、凹部内が汚れた場合、凹んでいることから汚れの拭き取りに手間がかかるため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要があり、無駄に作業時間が長くなることでコストが増加する恐れがある。
手段3の構成によると、遊技機に、凸部の裏側に装飾部材を備え、装飾部材により凹部は指触不能とされているものである([発明を実施するための形態]では、装飾部材2445に関する記載を参照)。
本構成によれば、遊技球の入賞により特典を付与する入賞装置や遊技球が流通する遊技領域に設けられている入賞口と連通可能な球通路において、遊技球の流下方向に変化を与えたり流下速度に影響を及ぼしたりする凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により入賞装置における遊技球が流下する部位や球通路を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を入賞装置や球通路、ひいては、入賞口へ向けさせることができる。この際に、装飾部材により凹部を指触不能としているため、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部に触れて汚れてしまうことはなく、凹部において装飾光を良好に反射させることができ、発光装飾による装飾効果を確実に発揮させることができる。そして、裏側に凹部が設けられている凸部は、遊技球の流下方向へ変化を与えたり流下速度に影響を及ぼしたりすることができることから、遊技球の流下方向を入賞口(可動片)へ向けさせたり、入賞口(可動片)の付近において遊技球の流下速度を減速させたりすることが可能となる。このようなことから、凹部の反射光により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が入賞口を注目することで、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部の形状と凹部の形状とによる装飾に加えて、装飾部材によっても装飾されるため、入賞装置や球通路が設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記遊技板と平行に延出している延出部を更に備え、該延出部に前記凸部及び前記凹部が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「延出部」としては、「遊技板の前面に沿って延出している後板部(例えば、フランジ部、台板、等)」、「遊技板の前方に配置され遊技板との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部(例えば、前板)」、「遊技板の前面に沿って延出している後板部(例えば、フランジ部、台板、等)と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部(例えば、前板)と、の両方」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、遊技機に、遊技板と平行に延出している延出部を更に備え、延出部に凸部及び凹部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、後板部2592及び前板部2593に関する記載を参照)。
本構成によれば、凸部及び凹部が設けられる延出部を遊技板に沿って設けられている後板部(フランジ部や台板)とする場合、流通している遊技球よりも後方に凸部及び凹部が設けられることとなり、その凹部が装飾光を反射させて発光装飾されるため、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせつつ、当該発光装飾により前方を流通している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。一方、凸部及び凹部が設けられる延出部を遊技板に沿って設けられている前板部(前板)とする場合、流通している遊技球よりも前方に凸部及び凹部が設けられることとなり、その凹部が装飾光を反射させて発光装飾されるため、流通している遊技球の前方に設けられている凹部の反射光により遊技球がキラキラ光っているように見せることができ、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができる。更に、凸部及び凹部が設けられる延出部を、遊技板の前面に沿って延出している後板部と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部と、の両方とする場合、流通している遊技球の前後に凸部及び凹部が設けられることとなるため、後板部に設けられている凹部の発光装飾により遊技球をシルエット状に見せつつ、前板部に設けられている凹部の発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部及び凹部が設けられる延出部を、遊技板の前面に沿って延出している後板部と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部と、の両方とすると共に、後板部の凸部と前板部の凸部とを、遊技球の流通方向に対して交互(千鳥状)に設ける場合、上述したように、凹部の発光装飾により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができる上に、入賞口付近において遊技球の流通速度を大きく減速させることができ、例えば、可動片上における遊技球の滞留時間を長くすることが可能となる。これにより、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に前記凹部が設けられていない特定凸部を有している」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に凹部が設けられていない特定凸部を有しているものである([発明を実施するための形態]では、特定凸部2596に関する記載を参照)。
本構成によれば、複数の凸部の一部において、裏側に凹部を設けていない特定凸部を有するようにしている。つまり、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない凸部(特定凸部)と、を混在させるようにしている。これにより、特定凸部の裏側では凹部のように装飾光を反射させることができないため、凸部の部位と特定凸部の部位とで発光装飾の態様を異ならせることができる。
また、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない特定凸部とでは、前方から見える形状が異なることとなるため、裏側に凹部を有する凸部のみを複数設ける場合と比較して、前方から見える装飾に変化をつけることができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技者の関心を入賞口に引き付けることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における第二始動口2004及び大入賞口2005は上記解決手段の入賞口に、本実施形態のアタッカユニット2400は上記解決手段の入賞装置に、本実施形態における第二始動口扉2541及び大入賞口扉2531は上記解決手段の可動片に、本実施形態における扉上通路部2416及びセンター役物2500Aのアタッカ通路部2577aは上記解決手段の球通路に、本実施形態における台板2441、前板2442、フランジ部2512、前板2571は上記解決手段の延出部に、本実施形態におけるアタッカ装飾基板2443、装飾部材2445、前装飾部2572は上記解決手段の装飾部材に、夫々相当している。
また、本実施形態における凸部2594、後板凸部2594a、前板凸部2594bは上記解決手段の凸部に、本実施形態における凹部2595、後板凹部2595a、前板凹部2595bは上記解決手段の凹部に、夫々相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球Bの入賞により特典を付与するアタッカユニット2400において、遊技球Bの流下方向に変化を与える後板凸部2594a及び前板凸部2594bの裏側に設けられている後板凹部2595a及び前板凹部2595bによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光によりアタッカユニット2400における遊技球Bが流下する扉上通路部2416を発光装飾させることができる。この発光装飾は後板凹部2595a及び前板凹部2595bによる反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心をアタッカユニット2400、ひいては、大入賞口2005へ向けさせることができる。また、裏側に後板凹部2595a及び前板凹部2595bが設けられている後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、遊技球Bの流下方向へ変化を与えることができることから、遊技球Bの流下方向を大入賞口2005(大入賞口扉2531)の付近において遊技球Bの流下速度を減速させすることが可能となる。このようなことから、後板凹部2595a及び前板凹部2595bの反射光により遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が大入賞口2005を注目することで、大入賞口扉2531の可動により大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2500Aにおける遊技球Bが流通し大入賞口2005が設けられている球通路2577(アタッカ通路部2577a)において、遊技球Bの流下速度に影響を及ぼす後板凸部2594a及び前板凸部2594bの裏側に設けられている後板凹部2595a及び前板凹部2595bによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球Bが流通するアタッカ通路部2577aを発光装飾させることができる。この発光装飾は後板凹部2595a及び前板凹部2595bによる反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心をアタッカ通路部2577a、ひいては、大入賞口2005へ向けさせることができる。また、裏側に後板凹部2595a及び前板凹部2595bが設けられている後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、遊技球Bの流下速度に影響を及ぼすことができるため、アタッカ通路部2577aを流通している遊技球Bの流通速度を減速させて遅くすることができ、アタッカ通路部2577aを流通している遊技球Bを見え易くすることができる。このようなことから、後板凹部2595a及び前板凹部2595bの反射光により遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が大入賞口2005を注目することで、大入賞口扉2531の可動により大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、アタッカユニット2400やセンター役物2500Aの大入賞口2005が設けられている扉上通路部2416やアタッカ通路部2577aにおいて、遊技球Bの流下方向に変化を与えたり流下速度に影響を及ぼしたりする後板凸部2594a及び前板凸部2594bの裏側に設けられている後板凹部2595a及び前板凹部2595bによって装飾光を反射させることができるため、当該反射光によりアタッカユニット2400の扉上通路部2416やアタッカ通路部2577aを発光装飾させることができる。この発光装飾は後板凹部2595a及び前板凹部2595bによる反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を大入賞口2005へ向けさせることができる。この際に、装飾部材2445等により後板凹部2595a及び前板凹部2595bを指触不能としているため、パチンコ機1の製造の際に、作業者の指が後板凹部2595a及び前板凹部2595bに触れて汚れてしまうことはなく、後板凹部2595a及び前板凹部2595bにおいて装飾光を良好に反射させることができ、発光装飾による装飾効果を確実に発揮させることができる。そして、裏側に後板凹部2595a及び前板凹部2595bが設けられている後板凸部2594a及び前板凸部2594bは、遊技球Bの流下方向へ変化を与えたり流下速度に影響を及ぼしたりすることができることから、大入賞口2005(大入賞口扉2531)の付近において遊技球Bの流下速度を減速させることが可能となる。このようなことから、後板凹部2595a及び前板凹部2595bの反射光により遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が大入賞口2005を注目することで、大入賞口扉2531の可動により大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、後板凸部2594a及び前板凸部2594bの形状と後板凹部2595a及び前板凹部2595bの形状とによる装飾に加えて、装飾部材2445等によっても装飾されるため、アタッカユニット2400やアタッカ通路部2577aが設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
更に、遊技パネル1100の前面に沿って延出している台板2441やフランジ部2512のような後板部2592と、後板部2592の前方に配置され後板部2592との間に遊技球Bが流通可能な空間が形成される前板2442や前板2571のような前板部2593との両方に、凸部2594及び凹部2595を設けており、流通している遊技球Bの前後に凸部2594及び凹部2595が設けられることとなるため、後板部2592に設けられている後板凹部2595aの発光装飾により遊技球Bをシルエット状に見せつつ、前板部2593に設けられている前板凹部2595bの発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、後板部2592の後板凸部2594aと前板部2593の前板凸部2594bとを、遊技球Bの流通方向に対して交互(千鳥状)に設けているため、上述したように、後板凹部2595a及び前板凹部2595bの発光装飾により遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができる上に、大入賞口2005付近において遊技球Bの流通速度を大きく減速させることができ、大入賞口扉2531上における遊技球Bの滞留時間を長くすることが可能となる。これにより、大入賞口扉2531の可動により大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、アタッカユニット2400において、台板2441では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2442では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、アタッカユニット2400を軽量化することができると共に、アタッカユニット2400にかかるコストを低減させることができる。また、アタッカユニット2400を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、センター役物2500Aにおいて、フランジ部2512では後板凸部2594aの裏側に後板凹部2595aを設けており、更に、前板2571では前板凸部2594bの裏側に前板凹部2595bを設けているため、夫々において凹部を設けていない場合と比較して後板凹部2595a及び前板凹部2595bの分、重量を軽減させることができ、センター役物2500Aを軽量化することができると共に、センター役物2500Aにかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500Aを軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[6-1a-5e.小括E]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機として、遊技球が流下する領域において、遊技球の流下速度を減速させるために複数の凸部を設けることが知られている(例えば、特許文献:特開2017-196204号公報)。しかしながら、特許文献のような従来の技術では、遊技球の流下速度を減速させることはできるものの、同じような突出量の凸部が並んでいるだけであるため、遊技球の動きとしては単調であり、遊技者を楽しませられるようなものではなかった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、遊技球の流下速度を減速させつつその動きを楽しませることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技板は前後に貫通している開口部を有し、
該開口部にはセンター役物を備え、
該センター役物は、
前記遊技板よりも前方へ延出しており、前記開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、
正面視で該周壁部の外側に延出している延出部と、
前記周壁部の外側に設けられており遊技球が流下する流下領域と、
を備え、
該流下領域には、前記遊技板よりも前方へ突出し前面を遊技球が流下する第一凸部と、該第一凸部の前面から更に突出しており遊技球の流通に影響を及ぼす第二凸部と、を設けている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「第一凸部」としては、「前方へ突出している前面が平滑で平坦なもの」、「前方へ突出している前面がシボ加工等により微細な凹凸を有する平坦なもの」、等が挙げられる。また、第一凸部としては、裏側に前方へ凹んでいる第一凹部が設けられていても良いし、裏側に凹んでいる第一凹部が設けられていなくても良い。更に、第一凸部としては、遊技球の流通方向へ遊技球1個以上の大きさを有していることが望ましい。
また、「第二凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。また、第二凸部としては、第一凸部に一つのみ設けられていても良いし、第一凸部に複数設けられていても良いし、延出部と第一凸部とに跨るように設けられていても良い。また、第二凸部としては、遊技球が乗越え可能な大きさとしても良いし、遊技球が乗越え不能な大きさとしても良い。更に、第二凸部としては、裏側に前方へ凹んでいる第二凹部が設けられていても良いし、裏側に凹んでいる第二凹部が設けられていなくても良い。
更に、「第一凸部及び第二凸部」としては、遊技球の流下領域に設けられていれば良く、センター役物の延出部(例えば、フランジ部)に設けられていても良いし、センター役物の延出部とは異なる部位に設けられていても良い。また、延出部としては、前方に遊技球が流通可能な隙間を開けて前板が設けられていても良いし、前板が設けられていなくても良い。
手段1の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技板は前後に貫通している開口部を有し、開口部にはセンター役物を備え、センター役物は、遊技板よりも前方へ延出しており、開口部の内側への遊技球の侵入を阻止している周壁部と、正面視で周壁部の外側に延出している延出部と、周壁部の外側に設けられており遊技球が流下する流下領域と、を備え、流下領域には、遊技板よりも前方へ突出し前面を遊技球が流下する第一凸部と、第一凸部の前面から更に突出しており遊技球の流通に影響を及ぼす第二凸部と、を設けているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a-4.通路装飾部の別の実施形態]の章、通路装飾部2590A、図137乃至図139等の記載を参照)。
本構成によれば、センター役物における遊技球が流下する流下領域に、遊技球の流通速度に影響を及ぼす第一凸部を設けていることから、第一凸部の上流端の段に遊技球が当接すると共に、第一凸部の存在により第一凸部の前面側における前後方向の奥行が小さくなるため、遊技球の流通速度を減速させて、遊技球を見え易くすることができる。更に、第一凸部の前面には第二凸部が設けられているため、第一凸部に当接した上で、更に第二凸部に当接することで、遊技球の流通速度を更に減速させることができ、遊技球の動きを見え易くすることができると共に、遊技者に対して遊技球の動きを楽しませることができる。
また、遊技球が第一凸部や第二凸部に当接すると、当該遊技球が前方へ跳ねて前方のガラスや前板に衝突することとなるため、その衝突音により遊技者の関心を第一凸部の部位へ向けさせることができ、第一凸部及び第二凸部を流通している遊技球に注目させて遊技球の動きを楽しませることができる。なお、第一凸部の前方にガラスのみが設けられている場合、遊技球の衝突音が大きくなるため、より一層、遊技者の関心を第一凸部―向けさせることができる。また、第一凸部の前方に前板が設けられている場合でも、遊技球が衝突すると音が出るような前板とすることで、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、第一凸部の前面に第二凸部を設けているため、前方から見た時に、単に第一凸部又は第二凸部のみを設ける場合と比較して、第一凸部の形状と第二凸部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
なお、第一凸部の裏側には第一凹部が設けられていることが望ましい。これにより、第一凸部の裏側に第一凹部を設けているため、前方から見た時に、単に第一凸部のみが設けられている場合と比較して、第一凸部の形状と第一凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができ、センター役物の見栄えを良くすることができる。
また、上記のように、第一凸部の裏側に第一凹部を設ける場合、第二凹部の面により装飾光を反射可能とすることが望ましい。これにより、第一凸部の裏側の第一凹部で装飾光を反射可能としていることから、その反射光により第一凸部を後方から発光装飾させることができるため、当該発光装飾により第一凸部を流下している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。従って、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一凸部における遊技球の流通方向の大きさを、遊技球1個よりも大きくすることが望ましい。これにより、遊技球の流下領域において、前後方向の奥行が狭く遊技球を減速させることが可能な領域をある程度確保することが可能となると共に、第一凸部において第二凸部を複数設けることが可能となるため、第一凸部により遊技球の流通速度を充分に減速させつつ、複数の第二凸部により遊技球に様々な動きを付与することができ、遊技球の動きをより楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
手段2:遊技機において、
「前記第一凸部の裏側には第一凹部が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「第一凹部」としては、第一凸部の凸形状と略類似した凹形状としても良いし、第一凸部の凸形状とは相違した全く異なる凹形状としても良い。また、第一凹部の凹形状としては、矢印形状、星形状、幾何学模様の形状、文字の形状、キャラクタの形状、等が挙げられる。また、第一凹部として、装飾光を反射可能としても良いし、シボ加工が施されていても良い。
手段2の構成によると、第一凸部の裏側には第一凹部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、第一凹部2595eに関する記載を参照)。
本構成によれば、第一凸部の裏側に第一凹部を設けているため、前方から見た時に、単に第一凸部のみが設けられている場合と比較して、第一凸部の形状と第一凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができ、センター役物の見栄えを良くすることができる。
また、第一凸部の裏側に第一凹部を設けているため、第一凹部を設けていない場合と比較してセンター役物の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第一凸部は、
遊技球の流通方向へ遊技球1個以上の大きさを有している」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、第一凸部は、遊技球の流通方向へ遊技球1個以上の大きさを有しているものである([発明を実施するための形態]では、第一凸部2594cに関する記載を参照)。
本構成によれば、第一凸部を遊技球の流通方向へ遊技球1個以上の大きさとしているため、遊技球の流下領域において、前後方向の奥行が狭く遊技球を減速させることが可能な領域をある程度確保することが可能となると共に、第一凸部において第二凸部を複数設けることが可能となる。これにより、第一凸部により遊技球の流通速度を充分に減速させつつ、複数の第二凸部により遊技球に様々な動きを付与することができ、遊技球の動きをより楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記第一凸部の裏側の面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴とする。
ここで、装飾光を反射可能としては、第一凸部の裏側に装飾光を反射させる第二凹部を設けても良いし、第一凸部の裏側に反射率の高いシートを設けても良い。
手段4の構成によると、第一凸部の裏側の面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、第一凹部2595eに関する記載を参照)。
本構成によれば、センター役物における遊技球が流下する流下領域に、遊技球の流通速度に影響を及ぼす第一凸部を設けていることから、第一凸部の上流端の段に遊技球が当接すると共に、第一凸部の存在により第一凸部の前面側における前後方向の奥行が小さくなるため、遊技球の流通速度を減速させることができる。更に、第一凸部の前面には第二凸部が設けられているため、第一凸部に当接した上で、更に第二凸部に当接することで、遊技球の流通速度を更に減速させることができ、遊技球の動きを見え易くすることができる。この際に、第一凸部の裏側の面では装飾光を反射可能としていることから、その反射光により第一凸部を後方から発光装飾させることができるため、当該発光装飾により第一凸部を流下している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。従って、遊技者に対して流下領域を流下している遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、センター役物における遊技球が流下する流下領域において、遊技球の流通速度に影響を及ぼす第一凸部の裏側で装飾光を反射させることができるため、当該反射光により遊技球が流通する流下領域を発光装飾させることができる。従って、センター役物に設けられている流下領域に、従来の遊技機のようなこれ見よがしの装飾体が設けられていないにも関わらず、当該流下領域が発光装飾するため、遊技者に対してこれまでの遊技機とは全く異なる装飾が設けられている遊技機であると認識させることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記第二凸部の裏側には第二凹部が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「第二凹部」としては、凹んでいれば良く、「第二凸部の形状と相似した形状」、「第二凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「第二凹部」としては、装飾光を反射可能なものとしても良い。
手段5の構成によると、第二凸部の裏側には第二凹部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、第二凹部2595fに関する記載を参照)。
本構成によれば、第二凸部の裏側に第二凹部を設けているため、前方から見た時に、単に第二凸部のみが設けられている場合と比較して、第二凸部の形状と第二凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができ、センター役物の見栄えを良くすることができる。
また、第二凸部の裏側に第二凹部を設けているため、第二凹部を設けていない場合と比較してセンター役物の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物にかかるコストを低減させることができる。また、センター役物を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技球の流下速度を減速させつつその動きを楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態におけるセンター役物2500Aのフランジ部2512及び後板部2592は上記解決手段の延出部に、本実施形態における前方突出部2511は上記解決手段の周壁部に、本実施形態における球通路2591は上記解決手段の流下領域に、本実施形態における第一凸部2594cは上記解決手段の第一凸部に、本実施形態における第二凸部2594dは上記解決手段の第二凸部に、本実施形態における第一凹部2595eは上記解決手段の第一凹部に、本実施形態における第二凹部2595fは上記解決手段の第二凹部に、夫々相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、センター役物2500Aにおける遊技球Bが流下する球通路2591に、遊技球Bの流通速度に影響を及ぼす第一凸部2594cを設けていることから、第一凸部2594cの上流端の段に遊技球Bが当接すると共に、第一凸部2594cの存在により第一凸部2594cの前面側における前後方向の奥行が小さくなるため、遊技球Bの流通速度を減速させて、遊技球Bを見え易くすることができる。更に、第一凸部2594cの前面には第二凸部2594dが設けられているため、第一凸部2594cに当接した上で、更に第二凸部2594dに当接することで、遊技球Bの流通速度を更に減速させることができ、遊技球Bの動きを見え易くすることができると共に、遊技者に対して遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、遊技球Bが第一凸部2594cや第二凸部2594dに当接すると、当該遊技球こが前方へ跳ねて前方のガラスに衝突することとなるため、その衝突音により遊技者の関心を第一凸部2594cの部位へ向けさせることができ、第一凸部2594c及び第二凸部2594dを流通している遊技球Bに注目させて遊技球の動きを楽しませることができる。
また、第一凸部2594cの前面に第二凸部2594dを設けているため、前方から見た時に、単に第一凸部2594c又は第二凸部2594dのみを設ける場合と比較して、第一凸部2594cの形状と第二凸部2594dの形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができる。
更に、第一凸部2594cの裏側に第一凹部2595eを設けているため、前方から見た時に、単に第一凸部2594cのみが設けられている場合と比較して、第一凸部2594cの形状と第一凹部2595eの形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、装飾効果をより高めることができ、センター役物2500Aの見栄えを良くすることができる。
また、第一凸部2594cの裏側の第一凹部2595eで装飾光を反射可能としていることから、その反射光により第一凸部2594cを後方から発光装飾させることができるため、当該発光装飾により第一凸部2594cの前方を流下している遊技球Bをシルエット状に見せることができ、遊技球Bの動きをより見え易くすることができる。従って、遊技者に対して球通路2591を流下している遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一凸部2594cにおける遊技球Bの流通方向の大きさを、遊技球B1個よりも大きくしているため、遊技球Bの流下領域(球通路2591)において、前後方向の奥行が狭く遊技球Bを減速させることが可能な領域をある程度確保することが可能となると共に、第一凸部2594cにおいて第二凸部2594dを複数設けることが可能となる。従って、第一凸部2594cにより遊技球Bの流通速度を充分に減速させつつ、複数の第二凸部2594dにより遊技球Bに様々な動きを付与することができ、遊技球Bの動きをより楽しませることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、第一凸部2594c及び第二凸部2594dの裏側に第一凹部2595e及び第二凹部2595fを設けているため、第一凹部2595eや第二凹部2595fを設けていない場合と比較してセンター役物2500Aの重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、センター役物2500Aにかかるコストを低減させることができる。また、センター役物2500Aを軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[6-1a-5f.小括F]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機として、入賞口への遊技球の入賞が容易な入賞容易状態と、入賞が不能な入賞不能状態との間で可動する可動片を有するアタッカユニットのような入賞装置を備えているもの知られている(特許文献:特開2017-118989号公報)。特許文献の技術では、入賞口の後方にLED基板を設け、LED基板のLEDの発光態様によって遊技者を楽しませられるようにしている。しかしながら、特許文献のような従来の技術では、単にLEDが光るだけであるため、遊技者によっては早期に見飽きてしまい、入賞口への関心が薄れて遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、遊技者の関心を入賞口に引き付けることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞口と、
該入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、
該可動片よりも上流側に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を備え、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴する。
ここで、「入賞口」としては、「遊技球の入賞により少数の遊技球が払出されると共に特別図柄の抽選が行われる始動入賞口(第二始動口)」、「遊技球の入賞により多数の遊技球が払出される大入賞口」、「遊技球の入賞により所定数の遊技球が払出されると共に入賞した遊技球をV入賞口又はハズレ口へ供給可能な役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
更に、「凸部及び凹部」としては、「遊技板の前面に沿って延出している薄板状の後板部(例えば、フランジ部、台板、等)に設けられているもの」、「遊技板の前方に配置され遊技板との間に遊技球が流通可能な空間が形成される薄板状の前板部(例えば、前板)に設けられているもの」、「遊技板の前面に沿って延出している薄板状の後板部(例えば、フランジ部、台板、等)と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される薄板状の前板部(例えば、前板)と、の両方に設けられているもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞口と、入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、可動片よりも上流側に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を備え、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、アタッカユニット2400の通路装飾部2590、図132等の記載を参照)。
本構成によれば、遊技球が流通する遊技領域に設けられている入賞口を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片の上流側に、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部を設けていると共に、凸部の裏側に装飾光を反射させる凹部を設けていることから、当該凹部により装飾光を反射させることができるため、当該反射光により可動片付近を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を可動片、ひいては、入賞口へ向けさせることができる。また、裏側に凹部が設けられている凸部は、可動片の上流側に設けられていると共に、遊技球の流下速度に影響を及ぼすことができるため、遊技球の流通速度を減速させて遅くすることができ、可動片(入賞口)へ向かって流通している遊技球を見え易くすることができる。また、凸部を可動片の上流側に設けているため、例えば、可動片上における遊技球の滞留時間を長くすることが可能となる。このようなことから、凹部の反射光により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が入賞口を注目することで、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、凸部及び凹部が設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して凸部及び凹部が設けられている部材の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、凸部及び凹部が設けられている部材にかかるコストを低減させることができる。また、凸部及び凹部が設けられている部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段2:遊技機において、
「前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、
前記遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞口と、
該入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、
該可動片よりも下流側に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、
を備え、
該凸部の裏側には凹部を設け、該凹部の表面で装飾光を反射可能としている」
ものであることを特徴する。
ここで、「入賞口」としては、「遊技球の入賞により少数の遊技球が払出されると共に特別図柄の抽選が行われる始動入賞口(第二始動口)」、「遊技球の入賞により多数の遊技球が払出される大入賞口」、「遊技球の入賞により所定数の遊技球が払出されると共に入賞した遊技球をV入賞口又はハズレ口へ供給可能な役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「凸部」としては、遊技球の当接によりその流下速度に影響を及ぼすことが可能な形状であれば良く、側面の断面形状が、「半円形」、「三角形」、「台形」、「四角形」、「五角形や六角形のような多角形」、「自由曲線による不定形」、等が挙げられる。
また、「凹部」としては、凹んでいれば良く、「凸部の形状と相似した形状」、「凸部の形状とは相違した異なる形状」、等が挙げられる。また、「凹部」としては、曲面、又は、角度の異なる複数の平面、を有していることが望ましく、これにより様々な方向へ光を反射させることが可能となる。
更に、「凸部及び凹部」としては、「遊技板の前面に沿って延出している薄板状の後板部(例えば、フランジ部、台板、等)に設けられているもの」、「遊技板の前方に配置され遊技板との間に遊技球が流通可能な空間が形成される薄板状の前板部(例えば、前板)に設けられているもの」、「遊技板の前面に沿って延出している薄板状の後板部(例えば、フランジ部、台板、等)と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される薄板状の前板部(例えば、前板)と、の両方に設けられているもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、前面側に遊技球が流通する遊技領域が設けられる遊技板を備えた遊技機であって、遊技領域には遊技球の入賞により遊技者に特典を付与する入賞口と、入賞口の状態を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片と、可動片よりも下流側に形成され、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部と、を備え、凸部の裏側には凹部を設け、凹部の表面で装飾光を反射可能としているものである([発明を実施するための形態]では、[6-1a.通路装飾部]の章、アタッカ通路部2577a及び右縁通路部2577b、図130等の記載を参照)。
本構成によれば、遊技球が流通する遊技領域に設けられている入賞口を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片の下流側に、遊技球の流下速度に影響を及ぼす凸部を設けていると共に、凸部の裏側に装飾光を反射させる凹部を設けていることから、当該凹部により装飾光を反射させることができるため、当該反射光により可動片付近を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を可動片、ひいては、入賞口へ向けさせることができる。
また、凸部を可動片よりも下流側に設けていることから、凸部及び凹部を、遊技領域における入賞口よりも下流側の部位で、更に、可動片よりも下流側に別の入賞口を設けているような場合では、凹部により可動片のある入賞口と別の入賞口との間の部位が発光装飾されることとなり、遊技者の関心を両方の入賞口へ向けさせることができる。そして、遊技球が可動片のある入賞口に入賞しなかった場合でも、下流側の別の入賞口に入賞する可能性があり、引き続き遊技者を楽しませることができる。この際に、裏側に凹部が設けられている凸部は、別の入賞口の上流側に設けられているため、当該凸部により別の入賞口へ向かって流通している遊技球の流通速度を減速させて遅くすることができ、別の入賞口への入賞に対する期待感を高めさせることができる。
更に、凸部を可動片よりも下流側に設けていることから、凸部及び凹部を、入賞口の内部に設ける場合では、凹部による反射光により入賞口を発光装飾させることができ、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が入賞口を注目することで、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、裏側に凹部が設けられている凸部を入賞口の内部に設ける場合、凸部によって入賞口に入賞した遊技球の流通速度を減速させることで、入賞口(の内部)を破損し難くすることができる。
また、凸部の裏側に凹部を設けているため、前方から見た時に、単に凸部のみが設けられている場合と比較して、凸部の形状と凹部の形状とにより複雑な形状が見えることとなり、当該形状が装飾として作用することで、凸部及び凹部が設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
更に、凸部の裏側に凹部を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して凸部及び凹部が設けられている部材の重量を軽減させることができ、軽量化することができると共に、凸部及び凹部が設けられている部材にかかるコストを低減させることができる。また、凸部及び凹部が設けられている部材を軽量化することが可能となるため、従来の遊技機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記凸部の裏側に装飾部材を備え、該装飾部材により前記凹部は指触不能とされている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「装飾部材」としては、「所定の装飾が施されているシート状の装飾シール」、「所定の装飾が施されている板状の装飾パネル」、「所定の装飾が施されている装飾シート又は装飾セル」、「立体状の装飾が施されている装飾体」、等が挙げられる。
また、「指触不能」としては、作業者等の指が凹部に触れることができない構成であれば良く、「凸部の裏側面と装飾部材とが互いに接してそれらの間に隙間が設けられていないもの」、「凸部の裏側面と装飾部材との間に隙間が設けられていても指が入らないもの(指が入らない大きさの隙間が設けられているもの)」、「凸部の裏側面と装飾部材との間に指が入る大きさの隙間が設けられているが、その外周が装飾部材又は他の部材により囲まれていることでその隙間に指が入らないもの」、等が挙げられる。
ところで、凸部の裏側に凹部を設ける場合、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部の内面に触れることで凹部内が汚れてしまうと、見栄えが悪くなる。また、凹部内が汚れた場合、凹んでいることから汚れの拭き取りに手間がかかるため、凹部が汚れないように慎重に作業する必要があり、無駄に作業時間が長くなることでコストが増加する恐れがある。
手段3の構成によると、遊技機に、凸部の裏側に装飾部材を備え、装飾部材により凹部は指触不能とされているものである([発明を実施するための形態]では、装飾部材2445に関する記載を参照)。
本構成によれば、入賞口を入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える可動片付近において、遊技球の流下方向に変化を与えたり流下速度に影響を及ぼしたりする凸部の裏側に設けられている凹部によって装飾光を反射させることができるため、当該反射光により可動片(入賞口)付近を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を可動片、ひいては、入賞口へ向けさせることができる。この際に、装飾部材により凹部を指触不能としているため、遊技機の製造の際に、作業者の指が凹部に触れて汚れてしまうことはなく、凹部において装飾光を良好に反射させることができ、発光装飾による装飾効果を確実に発揮させることができる。そして、裏側に凹部が設けられている凸部は、遊技球の流下速度に影響を及ぼすことができることから、遊技球の流下方向を入賞口(可動片)へ向けさせたり、入賞口(可動片)の付近において遊技球の流下速度を減速させたりすることが可能となる。このようなことから、凹部の反射光により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が入賞口を注目することで、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部の形状と凹部の形状とによる装飾に加えて、装飾部材によっても装飾されるため、凸部及び凹部が設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記遊技板と平行に延出している薄板状の通路板部を更に備え、該通路板部に前記凸部及び前記凹部が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「通路板部」としては、「遊技板の前面に沿って延出している後板部(例えば、フランジ部、台板、等)」、「遊技板の前方に配置され遊技板との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部(例えば、前板)」、「遊技板の前面に沿って延出している後板部(例えば、フランジ部、台板、等)と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部(例えば、前板)と、の両方」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、遊技機に、遊技板と平行に延出している薄板状の通路板部を更に備え、通路板部に凸部及び凹部が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、後板部2592及び前板部2593に関する記載を参照)。
本構成によれば、凸部及び凹部が設けられる通路板部を遊技板に沿って設けられている後板部(フランジ部や台板)とする場合、流通している遊技球よりも後方に凸部及び凹部が設けられることとなり、その凹部が装飾光を反射させて発光装飾されるため、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせつつ、当該発光装飾により前方を流通している遊技球をシルエット状に見せることができ、遊技球の動きをより見え易くすることができる。一方、凸部及び凹部が設けられる通路板部を遊技板に沿って設けられている前板部(前板)とする場合、流通している遊技球よりも前方に凸部及び凹部が設けられることとなり、その凹部が装飾光を反射させて発光装飾されるため、流通している遊技球の前方に設けられている凹部の反射光により遊技球がキラキラ光っているように見せることができ、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができる。更に、凸部及び凹部が設けられる通路板部を、遊技板の前面に沿って延出している後板部と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部と、の両方とする場合、流通している遊技球の前後に凸部及び凹部が設けられることとなるため、後板部に設けられている凹部の発光装飾により遊技球をシルエット状に見せつつ、前板部に設けられている凹部の発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができると共に遊技球の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部及び凹部が設けられる通路板部を、遊技板の前面に沿って延出している後板部と、後板部の前方に配置され後板部との間に遊技球が流通可能な空間が形成される前板部と、の両方とすると共に、可動片よりも上流側において、後板部の凸部と前板部の凸部とを、遊技球の流通方向に対して交互(千鳥状)に設ける場合、上述したように、凹部の発光装飾により遊技者の関心を入賞口へ強く引き付けさせることができる上に、入賞口付近において遊技球の流通速度を大きく減速させることができ、可動片上における遊技球の滞留時間を長くすることが可能となる。これにより、可動片の可動により入賞口が入賞容易状態となるタイミングで遊技球が入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に前記凹部が設けられていない特定凸部を有している」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、凸部は複数設けられており、そのうちの一部の裏側に凹部が設けられていない特定凸部を有しているものである([発明を実施するための形態]では、特定凸部2596に関する記載を参照)。
本構成によれば、複数の凸部の一部において、裏側に凹部を設けていない特定凸部を有するようにしている。つまり、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない凸部(特定凸部)と、を混在させるようにしている。これにより、特定凸部の裏側では凹部のように装飾光を反射させることができないため、凸部の部位と特定凸部の部位とで発光装飾の態様を異ならせることができる。
また、裏側に凹部を有する凸部と、裏側に凹部を有しない特定凸部とでは、前方から見える形状が異なることとなるため、裏側に凹部を有する凸部のみを複数設ける場合と比較して、前方から見える装飾に変化をつけることができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技者の関心を入賞口に引き付けることで遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100は上記解決手段の遊技板に、本実施形態における第二始動口2004及び大入賞口2005は上記解決手段の入賞口に、本実施形態における第二始動口扉2541及び大入賞口扉2531は上記解決手段の可動片に、本実施形態における台板2441、前板2442、フランジ部2512、前板2571は上記解決手段の通路板部に、本実施形態におけるアタッカ装飾基板2443、装飾部材2445、前装飾部2572は上記解決手段の装飾部材に、夫々相当している。
また、本実施形態における凸部2594、後板凸部2594a、前板凸部2594bは上記解決手段の凸部に、本実施形態における凹部2595、後板凹部2595a、前板凹部2595bは上記解決手段の凹部に、夫々相当している。
(技術的特徴の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球Bが流通する遊技領域5aに設けられている大入賞口2005を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える大入賞口扉2531の上流側に、遊技球Bの流下速度に影響を及ぼす凸部2594を設けていると共に、凸部2594の裏側に装飾光を反射させる凹部2595を設けていることから、当該凹部2595により装飾光を反射させることができるため、当該反射光により大入賞口扉2531付近を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部2595による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を大入賞口扉2531、ひいては、大入賞口2005へ向けさせることができる。また、裏側に凹部2595が設けられている凸部2594は、大入賞口扉2531の上流側に設けられていると共に、遊技球Bの流下速度に影響を及ぼすことができるため、遊技球Bの流通速度を減速させて遅くすることができ、大入賞口扉2531(大入賞口2005)へ向かって流通している遊技球Bを見え易くすることができる。また、凸部2594を大入賞口扉2531の上流側に設けているため、大入賞口扉2531上における遊技球Bの滞留時間を長くすることが可能となる。このようなことから、凹部2595の反射光により遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が大入賞口2005を注目することで、大入賞口扉2531の可動により大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球Bが流通する遊技領域5aに設けられている第二始動口2004又は大入賞口2005を、入賞容易状態と入賞不能状態に切り替える第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531の下流側に、遊技球Bの流下速度に影響を及ぼす凸部2594を設けていると共に、凸部2594の裏側に装飾光を反射させる凹部2595を設けていることから、当該凹部2595により装飾光を反射させることができるため、当該反射光により第二始動口扉2541(第二始動口2004)付近や大入賞口扉2531(大入賞口2005)付近を発光装飾させることができる。この発光装飾は凹部2595による反射光であるため、従来のようなLEDからの直接光によるものとは全く異なる発光装飾を見せることができ、遊技者の関心を第二始動口扉2541や大入賞口扉2531、ひいては、第二始動口2004や大入賞口2005へ向けさせることができる。
また、凸部2594を第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531よりも下流側に設けていることから、凸部2594及び凹部2595を、遊技領域5aにおける第二始動口2004又は大入賞口2005よりも下流側の部位で、更に、第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531よりも下流側に別の入賞口(例えば、普通入賞口2011、第二始動口2004、大入賞口2005、等)を設けているような場合では、凹部2595により第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531のある第二始動口2004又は大入賞口2005と別の入賞口との間の部位が発光装飾されることとなり、遊技者の関心を両方の入賞口へ向けさせることができる。そして、遊技球Bが第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531のある第二始動口2004又は大入賞口2005に入賞しなかった場合でも、下流側の別の入賞口に入賞する可能性があり、引き続き遊技者を楽しませることができる。この際に、裏側に凹部2595が設けられている凸部2594は、別の入賞口の上流側に設けられているため、当該凸部により別の入賞口へ向かって流通している遊技球Bの流通速度を減速させて遅くすることができ、別の入賞口への入賞に対する期待感を高めさせることができる。
更に、凸部2594を第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531よりも下流側に設けていることから、凸部2594及び凹部2595を、第二始動口2004又は大入賞口2005の内部に設ける場合では、凹部2595による反射光により第二始動口2004又は大入賞口2005を発光装飾させることができ、遊技者の関心を第二始動口2004又は大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が第二始動口2004又は大入賞口2005を注目することで、第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531の可動により第二始動口2004又は大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、裏側に凹部2595が設けられている凸部2594を第二始動口2004又は大入賞口2005の内部に設ける場合、凸部2594によって第二始動口2004又は大入賞口2005に入賞した遊技球Bの流通速度を減速させることで、第二始動口2004又は大入賞口2005を破損し難くすることができる。
また、装飾部材2445や前装飾部2572等により凹部2595を指触不能としているため、パチンコ機1の製造の際に、作業者の指が凹部2595に触れて汚れてしまうことはなく、凹部2595において装飾光を良好に反射させることができ、発光装飾による装飾効果を確実に発揮させることができる。そして、裏側に凹部2595が設けられている凸部2594は、遊技球Bの流下速度に影響を及ぼすことができることから、第二始動口2004又は大入賞口2005(第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531)の付近において遊技球Bの流下速度を減速させることが可能となる。このようなことから、凹部2595の反射光により遊技者の関心を第二始動口2004又は大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に、遊技者が第二始動口2004又は大入賞口2005を注目することで、第二始動口扉2541又は大入賞口扉2531の可動により第二始動口2004又は大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、凸部2594の形状と凹部2595の形状とによる装飾に加えて、装飾部材2445等によっても装飾されるため、凸部2594及び凹部2595が設けられている部材の見栄えを良くすることができる。
更に、遊技パネル1100の前面に沿って設けられている後板部2592と、後板部2592の前方に配置され後板部2592との間に遊技球Bが流通可能な空間が形成される前板部2593との両方に、凸部2594及び凹部2595を設けており、流通している遊技球Bの前後に凸部2594及び凹部2595が設けられることとなるため、後板部2592に設けられている後板凹部2595aの発光装飾により遊技球Bをシルエット状に見せつつ、前板部2593に設けられている前板凹部2595bの発光装飾によりキラキラ光っているように見せることができ、遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができると共に遊技球Bの動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、大入賞口扉2531の上流側において、後板凸部2594aと前板部2593の前板凸部2594bとを、遊技球Bの流通方向に対して交互(千鳥状)に設けているため、上述したように、後板凹部2595a及び前板凹部2595bの発光装飾により遊技者の関心を大入賞口2005へ強く引き付けさせることができる上に、大入賞口2005付近において遊技球Bの流通速度を大きく減速させることができ、大入賞口扉2531上における遊技球Bの滞留時間を長くすることが可能となる。これにより、大入賞口扉2531の可動により大入賞口2005が入賞容易状態となるタイミングで遊技球Bが入賞するか否かに対してハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、凸部2594の裏側に凹部2595を設けているため、凹部を設けていない場合と比較して凹部2595の分、重量を軽減させることができ、凸部2594及び凹部2595が設けられている部材を軽量化することができると共に、凸部2594及び凹部2595が設けられている部材にかかるコストを低減させることができる。また、凸部2594及び凹部2595が設けられている部材を軽量化することが可能となるため、従来のパチンコ機では必要としていた補強を不要にすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[7.入球口表記]
[7-1.アウト口表記の構成]
続いて、遊技盤5に設けられている入球口表記としてのアウト口表記2050について、図140を参照して詳細に説明する。図140は、アウト口表記を拡大して示す説明図である。
アウト口表記2050は、遊技盤5に設けられているアウト口(例えば、アウト口1008、サブアウト口2023、等)を表記するものであり、遊技者が当該アウト口表記2050を見ることで、当該入球口がアウト口であることを認識させるものである。詳細は後述するが、本実施形態の遊技盤5ではサブアウト口2023が複数設けられており、それぞれのサブアウト口2023の付近に設けられているアウト口表記2050により入賞口(例えば、一般入賞口2001)との誤認を抑制させることが可能である。
アウト口表記2050は、図示するように、文字や記号からなる表記本体2051と、表記本体2051の周縁に設けられている周縁部2052と、から構成されている。アウト口表記2050の少なくとも表記本体2051が、アウト口表記2050の周囲(例えば、アウト口表記2050が設けられている部材、絵柄や模様などの装飾、など)よりも透光性が低く形成されている。また、アウト口表記2050は、周縁部2052の色が、表記本体2051の色とは異なっている。この周縁部2052は、透明であっても良い。
また、アウト口表記2050は、第一始動口2002の前板2101に「IN」の文字として設けられているような入賞口表記部2060よりも小さく設けられている。
アウト口表記2050は、「装飾用の絵柄と一緒に印刷されているもの」、「シールに印刷されて貼り付けられているもの」、「部材の成形と一緒に凸状や凹状に形成されているもの」、等が挙げられる。
また、アウト口表記2050としては、「アルファベット」、「平仮名」、「片仮名」、「漢字」、等の文字の他に、アウト口を意味する記号やピクトグラム、等としても良い。
更に、アウト口表記2050が設けられる部位としては、「アウト口を構成している部材の前板」、「アウト口を構成している部材における遊技パネルの前面に当接している台板」、「遊技パネルの前面」、「透明な遊技パネルの後面」、「遊技パネルよりも後方に設けられている部材」、等が挙げられる。
なお、アウト口表記2050を構成している表記本体2051と周縁部2052との関係として、上記では色(色彩)が異なることを説明したが、その他の関係としては、表記本体2051と周縁部2052とで、光透過度(透光性)を異ならせても良い。例えば、アウト口表記2050の周囲、周縁部2052、表記本体2051、の順に光透過度が小さくなるようにする場合、アウト口表記2050の後方が明るくなると(例えば、後方に設けられているLEDが点灯すると)、光のグラデーションのように見せることができる。
また、アウト口表記2050は、アウト口表記2050を構成している表記本体2051及び周縁部2052の少なくとも一方の光透過度を、アウト口表記2050の周囲の光透過度よりも高くしても良い。これにより、アウト口表記2050の後方が明るくなると、アウト口表記2050が光ることとなり、アウト口表記2050を認識し易くなる。
また、アウト口表記2050は、LEDなどからの光が当たった時に、発光しない(輝かない)ようにしても良い。この場合のアウト口表記2050としては、「黒色」、「暗色」、「つや消しの色」、「アウト口表記2050の周りよりも光の反射率が低いもの」、などが挙げられる。
更に、アウト口表記2050は、LEDなどからの光により発光する(輝く)ようにしても良い。この場合、アウト口表記2050の後方に設けられたLEDからの光によって発光するようにしても良いし、アウト口表記2050の側方または前方に設けられたLEDからの光によって発光するようにしても良い。或いは、アウト口表記2050が設けられている透明部材を導光板として、アウト口表記2050が発光するようにしても良い。この場合のアウト口表記2050としては、「透明」、「有色透明」、「メッキ色」、「ラメ色」、「無数の微小なプリズムを有しているもの」、等が挙げられる。
本実施形態のアウト口表記2050は、後述するように、様々な実施形態(使用例)において設けることが可能であり、遊技盤5において、一つの実施形態のみを設けても良いし、複数の実施形態を組み合わせて設けても良い。
[7-2a.アウト口表記の使用例1]
次に、遊技盤5におけるアウト口表記2050の使用例について、図141等を参照して詳細に説明する。図141(a)はアウト口表記が施されている遊技盤における下部正面図であり、(b)は(a)を前から見た斜視図である。まず、遊技盤5には、図141に示すように、センター役物2500におけるステージ2518の中央放出部2518aの下方に設けられている第一始動口2002と、第一始動口2002の下方で遊技領域5aの下流端(最下端)に設けられているアウト口1008と、第一始動口2002の左方に設けられている一般入賞口2001と、アウト口1008とは異なる複数(ここでは三つ)のサブアウト口2023と、を備えている。
この遊技盤5は、前方に遊技領域5aが設けられている遊技パネル1100の前面にパネル装飾1113が施されている。本実施形態のパネル装飾1113は、ひび割れのような模様が施されている。
サブアウト口2023は、常時開口しており、入球した遊技球Bがアウト球として遊技盤5から排出される。つまり、アウト口1008と同様に、サブアウト口2023に遊技球Bが入球しても特典が付与されることはない。複数のサブアウト口2023は、右から第一アウト口2023a、第二アウト口2023b、第三アウト口2023c、の三つから構成されている。なお、以下では、第一アウト口2023a~第三アウト口2023cを、総称して単にサブアウト口2023とも称する。
第一始動口2002は、始動口ユニット2100に設けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002の前端を構成している前板2101の前面に「IN」の文字からなる入賞口表記部2060が設けられている。この入賞口表記部2060は、前方へ突出するようにレリーフ状に形成されており、始動口ユニット2100と一体成形されている。なお、入賞口表記部2060は、文字の他に、図案や絵柄のようなシンボルであっても良い。
一般入賞口2001及び一部のサブアウト口2023(ここでは、第二アウト口2023b及び第三アウト口2023c)は、始動口ユニット2100の左方のサイドユニット2200に設けられている。一般入賞口2001は、第二アウト口2023bと第三アウト口2023cとの間に設けられている。このサイドユニット2200では、第二アウト口2023bが開口を上方へ向けて設けられていると共に、第三アウト口2023cが開口を斜め左上方へ向けて設けられている。
残りのサブアウト口2023(第一アウト口2023a)は、始動口ユニット2100の右方のアタッカユニット2400(詳細は省略)に設けられている。この第一アウト口2023aは、図示しない大入賞口2005から離れた位置で、台板2441から前方へ突出するように設けられている。アタッカユニット2400では、第一アウト口2023aが開口を斜め右上方へ向けて設けられている。
本実施形態では、アウト口表記2050は、第一アウト口2023aを表記する第一アウト口表記2050aと、第二アウト口2023bを表記する第二アウト口表記2050bと、第三アウト口2023cを表記する第三アウト口表記2050cと、を有している。第一アウト口表記2050a~第三アウト口表記2050cは、それぞれの態様が異なっている。なお、以下では、第一アウト口表記2050a~第三アウト口表記2050cを総称して単にアウト口表記2050とも称する。
各アウト口表記2050について詳述する。まず、第一アウト口表記2050aは、図141に示すように、アタッカユニット2400の台板2441から前方へ突出して第一アウト口2023aを形成している受部2450の前板2450aに設けられている。詳述すると、第一アウト口表記2050aは、前板2450aに貼り付けられている装飾シール2446に印刷されている。この第一アウト口表記2050aは、第一アウト口2023aの開口の傾斜に合わせて、文字列が斜めになるように設けられている。この第一アウト口表記2050aは、第一始動口2002の入賞口表記部2060によりも後方に設けられている。
第二アウト口表記2050bは、遊技パネル1100の前面における第二アウト口2023bの直上の部位に設けられている。第二アウト口表記2050bは、パネル装飾1113と一緒に施されている(印刷されている)。この第二アウト口表記2050bは、文字列が水平に設けられている。
第三アウト口表記2050cは、遊技パネル1100の前面における第三アウト口2023cの左上の部位に設けられている。第三アウト口表記2050cは、パネル装飾1113と一緒に施されている(印刷されている)。この第三アウト口表記2050cは、「OUT」の文字が「O」「U」「T」に分割された上で、第三アウト口2023cの斜めになった開口に沿うように、右上から左下へ斜めに並べて設けられている。
第二アウト口表記2050bおよび第三アウト口表記2050cは、図示するように、遊技パネル1100のパネル装飾1113の絵柄(模様)と重なるように設けられている。これにより、第二アウト口表記2050bおよび第三アウト口表記2050cが、パネル装飾1113の模様と一緒にあるように見え、それらアウト口表記2050が目立ち難くなると共に、パネル装飾1113の装飾性が損なわれることはない。
また、第二アウト口表記2050bおよび第三アウト口表記2050cは、周縁部2052が白色である。これにより、表記本体2051が白色の周縁部2052によりパネル装飾1113の模様から離された状態となり、表記本体2051の文字(アウト口表記2050)が読み辛くなることはない。
更に、第一アウト口表記2050a、第二アウト口表記2050b、および第三アウト口表記2050cは、入賞口表記部2060よりも後方に設けているため、入賞口表記部2060よりも目立ち難くしつつ、サブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023を一般入賞口2001等の入賞口と勘違いしてしまうことを低減させることができる。
この使用例1によれば、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bに対応している第一アウト口表記2050aや第二アウト口表記2050bを、異なる識別態様で設けているため、それぞれのアウト口表記2050を、サブアウト口2023の開口方向と対応させたり、サブアウト口2023が設けられている部位の装飾と対応させたり、することが可能となり、アウト口表記2050を表示しつつ目立ち難くすることができる。具体的には、第一アウト口2023aが右斜め上方向へ向かって開口し、第二アウト口2023bが上方向へ向かって開口しているような場合、第一アウト口表記2050aを斜め書きにし、第二アウト口表記2050bを横書きにしているため、それぞれのアウト口表記2050が対応しているサブアウト口2023の開口縁に沿った状態となり、それぞれのアウト口表記2050が目立ち難くなると共に、アウト口表記2050に対して違和感を与え難くすることができる。これにより、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、第一アウト口表記2050aを装飾シール2446に施しているため、第一アウト口表記2050aが施(印刷)された装飾シール2446を、対応する第一アウト口2023aの受部2450の前板2450aに貼り付けることで、アウト口表記2050を設けることができる。
また、アウト口表記2050の施された装飾シール2203(装飾シール2446)を、遊技球Bと接触しない前板2202に貼り付けているため、遊技球Bの接触によって装飾シール2203が剥がれることはない。
更に、アウト口表記2050を、周辺よりも透光性を低くしていることから、アウト口表記2050の周囲が明るくなるとアウト口表記2050が相対的に暗くなるため、遊技者に対してアウト口表記2050を認識可能(視認可能)としつつ見え辛くすることができ、アウト口表記2050による見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、大入賞口2005を有するアタッカユニット2400に設けられている第一アウト口2023aの第一アウト口表記2050aと、一般入賞口2001を有するサイドユニット2200に設けられている第二アウト口2023bの第二アウト口表記2050bとでは、第一アウト口表記2050aを第二アウト口表記2050bよりも前方に設けるようにしている。これにより、第一アウト口2023aの第一アウト口表記2050aを第二アウト口表記2050bよりも前方に設けても、第一アウト口表記2050a(第一アウト口2023a)の近くに大入賞口2005が設けられていることから、前方に配置されることで第一アウト口表記2050aが目立っても遊技者の関心が大入賞口2005へ強く向けられるため、相対的に第一アウト口表記2050aに対する関心が低くなり、第一アウト口表記2050aが気にならなくなって第一アウト口表記2050aが周囲の装飾を阻害することはない。一方、第二アウト口表記2050bは、第一アウト口表記2050aよりも後方に設けているため、第二アウト口表記2050bを第一アウト口表記2050aよりも目立ち難くすることができる。従って、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
換言すると、遊技球Bの入球によりより多くの特典が付与される大入賞口2005に近いサブアウト口2023に対応するアウト口表記2050ほど前方に設けるようにしている。これにより、大入賞口2005では、遊技者の関心が強く向けられることから、その大入賞口2005の近くに設けられている第一アウト口2023aの第一アウト口表記2050aに対しては、相対的に関心が低くなり、当該第一アウト口表記2050aを他の第二アウト口表記2050bや第三アウト口表記2050cよりも前方に設けることで目立つようになっても気になることはなく、第一アウト口表記2050aが周囲の装飾を阻害することはない。従って、上記した作用効果を奏することができる。
更に、複数のアウト口表記2050を、第一始動口2002に対応する入賞口表記部2060よりも後方に設けるようにしている。これにより、第一始動口2002に対応する入賞口表記部2060が設けられているため、入賞口表記部2060により第一始動口2002の存在を遊技者に気付かせることができ、第一始動口2002への遊技球Bの入球を強く願わせることができる。そして、第一始動口2002とは別に設けられている複数のサブアウト口2023では、対応するアウト口表記2050を入賞口表記部2060よりも後方に設けているため、アウト口表記2050を入賞口表記部2060よりも目立ち難くすることができ、アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在を認識させつつ、アウト口表記2050によるパチンコ機1(遊技盤5)の見栄えの悪化を抑制することができる。これにより、アウト口表記2050が設けられていても遊技者に対して違和感を与えることはないため、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[7-2b.アウト口表記の使用例2]
続いて、上記とは異なるアウト口表記2050の使用例について、図142を参照して詳細に説明する。図142は、装飾部の模様に沿うようにアウト口表記を使用した遊技盤の一部を正面から示す説明図である。本実施形態の遊技盤5は、図示すように、センター役物2500におけるステージ2518の中央放出部2518aの下方に設けられている第一始動口2002と、第一始動口2002の下方に設けられておりゲート2003を遊技球Bが通過することにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて開閉する第二始動口2004と、第二始動口2004の下方で遊技領域5aの下流端(最下端)に設けられているアウト口1008と、第二始動口2004の左方に設けられている複数の一般入賞口2001と、第二始動口2004の右方に設けられているサブアウト口2023と、を備えている。
第一始動口2002及び第二始動口2004は、始動口ユニット2100に設けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002の前端を構成している前板上2101aと、第二始動口2004の前端を構成している前板下2101bと、を有している。前板上2101aの前面には、「始」の文字からなる第一入賞口表記部2060aが設けられている。一方、前板下2101bの前面には、複数の円の図案からなるシンボル状の第二入賞口表記部2060bが設けられている。これら第一入賞口表記部2060a及び第二入賞口表記部2060bは、凹凸を有するレリーフ状に形成されており、始動口ユニット2100と一体成形されている。
複数の一般入賞口2001は、サイドユニット2200に設けられている。サイドユニット2200は、各一般入賞口2001の前端を構成している前板2202を有している。これら前板2202の前面には、渦巻状の図案(シンボル)からなる第三入賞口表記部2060cが設けられている。この第三入賞口表記部2060cは、凹凸を有するレリーフ状に形成されており、サイドユニット2200と一体成形されている。
サブアウト口2023は、上方へ向かって常時開口しており、入球した遊技球Bがアウト球として遊技盤5から排出される。つまり、アウト口1008と同様に、サブアウト口2023に遊技球Bが入球しても特典が付与されることはない。このサブアウト口2023は、アタッカユニット2400(詳細は省略)に設けられている。アタッカユニット2400は、台板2441から前方へ突出してサブアウト口2023を形成している受部2450を備えている。この受部2450は、サブアウト口2023の前端を構成している前板2450aを有している。この前板2450aの前面には、第三入賞口表記部2060cと同じような渦巻状の図案(模様)からなる装飾部2450bが設けられている。装飾部2450bは、凹凸を有するレリーフ状に形成されており、受部2450(前板2450a)と一体成形されている。このように、装飾部2450bの図案(模様)を第三入賞口表記部2060cの図案(模様)に似せることによりデザイン上はサブアウト口2023を一般入賞口2001のように見せることが可能である。
本実施形態のアウト口表記2050は、図示するように、装飾部2450bの渦巻状の模様と沿うように「O」「U」「T」のそれぞれの文字が配置されている。これにより、アウト口表記2050が、装飾部2450bの模様と一体的に見え、アウト口表記2050を表示しつつ目立ち難くして、装飾部2450bの装飾性が損なわれることはない。
本実施形態の遊技盤5によれば、アウト口表記2050を、第三入賞口表記部2060cの図案と同じような模様の装飾部2450bに設けているため、遠くから見た時に、一般入賞口2001が沢山あるように錯覚させることが可能となり、遊技するパチンコ機1として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。一方、一般入賞口2001であると思っていた入球口を良く見ると、アウト口表記2050が表記されているため、アウト口(サブアウト口2023)であると認識させることができ、誤認による興趣の低下を抑制させることができる。
また、アウト口表記2050の文字列を、アタッカユニット2400における受部2450の前板2450aに施されている装飾部2450bに沿うように設けているため、アウト口表記2050を装飾の一部のように見せることが可能となり、アウト口表記2050よりサブアウト口2023であることを遊技者に認識させつつ目立ち難くすることができ、遊技盤5に施されている装飾の装飾性が損なわれることはなく、アウト口表記2050を設けても見栄えが悪くなることはない。
更に、アウト口表記2050を、対応するサブアウト口2023を形成しているアタッカユニット2400(受部2450)に一体成形するようにしているため、シールの貼り付けによりアウト口表記2050を設ける場合と比較して、シールの貼り付け忘れが生じることはなく、アウト口表記2050を確実に表記することができると共に、シールを貼り付ける手間が不要であり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、アウト口表記2050を受部2450と一体成形しているため、シールや印刷(塗装)によりアウト口表記2050を設ける場合と比較して、遊技球Bや作業者が接触しても剥がれることはない。
また、アウト口表記2050を、周辺よりも透光性を低くしていることから、アウト口表記2050の周囲が明るくなるとアウト口表記2050が相対的に暗くなるため、遊技者に対してアウト口表記2050を認識可能(視認可能)としつつ見え辛くすることができ、アウト口表記2050による見栄えの悪化を抑制させることができる。
[7-2c.アウト口表記の使用例3]
続いて、上記とは更に異なるアウト口表記2050の使用例について、図143を参照して詳細に説明する。図143は、複数のアウト口表記においてそれぞれの目立ち具合を異ならせて使用した遊技盤の一部を正面から示す説明図である。本実施形態の遊技盤5は、図示するように、遊技領域5aの左右方向中央の下部に設けられ遊技球Bの入球により特別図柄が抽選される第一始動口2002と、第一始動口2002の左方に設けられている複数の一般入賞口2001と、第一始動口2002の方に設けられ第一始動口2002や第二始動口2004(図示は省略)への入球により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて開閉する大入賞口2005と、遊技領域5aの下流端(最下端)に設けられているアウト口1008と、遊技領域5a内の所定位置に設けられている複数のサブアウト口2023と、を備えている。
第一始動口2002は、始動口ユニット2100に設けられている。始動口ユニット2100は、第一始動口2002の前端を構成している前板2101を有している。前板2101の前面には、「IN」の文字からなる入賞口表記部2060が設けられている。本実施形態では、入賞口表記部2060がシールにより形成されている。
複数の一般入賞口2001は、サイドユニット2200に設けられている。複数の一般入賞口2001は、左右方向へ並んで設けられている。サイドユニット2200は、各一般入賞口2001のそれぞれの前端を構成している一枚の前板2202を有している。この前板2202の前面には、所定の装飾が印刷された装飾シール2203が貼り付けられている。装飾シール2203には、複数の三角形からなる幾何学模様の装飾が施されている。
大入賞口2005は、アタッカユニット2400に設けられている。アタッカユニット2400は、大入賞口2005よりも前方に位置する前板2442を有している。この前板2442の前面には、所定の装飾が印刷された装飾シール2446が貼り付けられている。装飾シール2446には、サイドユニット2200の装飾シール2203と同様に、複数の三角形からなる幾何学模様の装飾が施されている。
サブアウト口2023は、常時開口しており、入球した遊技球Bがアウト球として遊技盤5から排出される。つまり、アウト口1008と同様に、サブアウト口2023に遊技球Bが入球しても特典が付与されることはない。複数のサブアウト口2023は、右から第一アウト口2023a、第二アウト口2023b、第三アウト口2023c、の三つから構成されている。なお、以下では、第一アウト口2023a~第三アウト口2023cを、総称して単にサブアウト口2023とも称する。
第一アウト口2023aと第二アウト口2023bはアタッカユニット2400に設けられており、第三アウト口2023cはサイドユニット2200に設けられている。詳述すると、第一アウト口2023aは、大入賞口2005の上流でアタッカユニット2400の上端辺の右隅において上方へ向かって開口している。第二アウト口2023bは、大入賞口2005の下流でアタッカユニット2400の左端辺の下部付近において左方へ向かって開口している。第三アウト口2023cは、サイドユニット2200における一般入賞口2001よりも左方の部位において、上方へ向かって開口している。なお、サイドユニット2200における第三アウト口2023cの部位では、前板2202の上端辺が左方へ低くなるように斜めに傾斜している。
本実施形態では、複数のサブアウト口2023は、遊技パネル1100の前面に植設されている複数の障害釘Nによりそれぞれの入球確率が異なるように設けられており、第一アウト口2023a、第二アウト口2023b、第三アウト口2023cの順に遊技球Bの入球確率が小さい。つまり、第一アウト口2023aよりも第三アウト口2023cの方が入球し易くなっている。
本実施形態では、アウト口表記2050は、第一アウト口2023aを表記する第一アウト口表記2050aと、第二アウト口2023bを表記する第二アウト口表記2050bと、第三アウト口2023cを表記する第三アウト口表記2050cと、を有している。第一アウト口表記2050a~第三アウト口表記2050cは、それぞれの態様が異なっている。なお、以下では、第一アウト口表記2050a~第三アウト口表記2050cを総称して単にアウト口表記2050とも称する。
各アウト口表記2050について詳述する。第一アウト口表記2050aは、第一アウト口2023aよりも上側で、アタッカユニット2400の前板2442における右上隅に設けられている。第一アウト口表記2050aは、左右に並んだ「OUT」の文字列により構成されている。この第一アウト口表記2050aは、入賞口表記部2060の文字よりは小さいものの、目立つように比較的大きな文字で構成されている。第一アウト口表記2050aは、アタッカユニット2400の前板2442に貼り付けられている装飾シール2446の装飾(幾何学模様)に上から重なるように、当該装飾と一緒に印刷されている。第一アウト口表記2050aは、周縁部2052の色が白色であり、装飾シール2446の装飾と重なっていても、認識する(読む)ことができる。
第二アウト口表記2050bは、第二アウト口2023bよりも上側で、アタッカユニット2400の前板2442に貼り付けられている装飾シール2446に設けられている。第二アウト口表記2050bは、左右に並んだ「OUT」の文字列により構成されている。この第二アウト口表記2050bは、第一アウト口表記2050aよりも小さい文字により構成されている。第二アウト口表記2050bは、装飾シール2446の装飾(幾何学模様)に上から重なるように、当該装飾と一緒に印刷されている。第二アウト口表記2050bは、周縁部2052の色が白色であり、装飾シール2446の装飾と重なっていても、認識する(読む)ことができる。
第三アウト口表記2050cは、第三アウト口2023cの前方で、サイドユニット2200の前板2202に貼り付けられている装飾シール2203に設けられている。第三アウト口表記2050cは、「OUT」の文字が「O」「U」「T」に分解されて、前板2202における上端辺の斜めになっている部位に沿って斜めに列設されている。この第三アウト口表記2050cは、第一アウト口表記2050a及び第二アウト口表記2050bよりも小さい文字で構成されている。第三アウト口表記2050cは、装飾シール2203の装飾(幾何学模様)に上から重なるように、当該装飾と一緒に印刷されている。第三アウト口表記2050cは、周縁部2052の色が白色であり、装飾シール2203の装飾と重なっていても、認識する(読む)ことができる。
本実施形態では、第一始動口2002や第二始動口2004(ここでの図示は省略)への始動入賞により特別図柄として「大当り」等が抽選されると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する。この大入賞口2005は、センター役物2500の下方で遊技領域5aの左右方向中央よりも右方の部位に設けられているため、遊技球Bがセンター役物2500の右側を流下するように「右打ち」を行うこととなる。この「右打ち」された遊技球Bのルート上(大入賞口2005の上流)には、第一アウト口2023aが設けられていると共に、第一アウト口2023aを表記している第一アウト口表記2050aが目立つように設けられている。これにより、遊技者に対して第一アウト口2023aの存在に気付かせることができ、「右打ち」された遊技球Bが第一アウト口2023aに入球しないように願わせることが可能となる。この第一アウト口2023aは、他の第二アウト口2023bや第三アウト口2023cよりも入球確率が低く設定されているため、第一アウト口表記2050aが目立つほどには入球することはない。そして、第一アウト口2023aに遊技球Bが入球しても、遊技者は予め第一アウト口2023aの存在を充分に認識しているため、興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
また、本実施形態では、第二アウト口2023bを大入賞口2005の下流に設けているため、第二アウト口表記2050bにより第二アウト口2023bの存在を認識していても、大入賞口2005に入球しなかった遊技球Bへの関心が薄く、第二アウト口2023bに入球しても興趣が低下することはない。
更に、本実施形態では、第三アウト口2023cをサイドユニット2200において一般入賞口2001の左方に設けていると共に、第三アウト口表記2050cを他よりも目立ち難くしているため、遊技者に対して第三アウト口2023cへの関心を低くしている。そして、第三アウト口2023cが、他の第一アウト口2023aや第二アウト口2023bよりも入球確率が高く設定されていても、第三アウト口2023cへの入球を気付かせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
このように、本実施形態によれば、複数のサブアウト口2023を備えていても、各サブアウト口2023に対応するアウト口表記2050をそれぞれ設けているため、サブアウト口2023を入賞口と誤認することはない。そして、入球し難い第一アウト口2023aと対応している第一アウト口表記2050aを他のアウト口表記2050よりも目立つようにしているため、遊技者の関心を入球し難い第一アウト口2023aへ引き付けさせることができ、入球し易い第二アウト口2023bや第三アウト口2023cへの入球に気付かせ難くして、サブアウト口2023への入球による興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数設けられているサブアウト口2023に対応しているそれぞれのアウト口表記2050を、異なる識別態様で設けているため、それぞれのアウト口表記2050を、サブアウト口2023の開口方向と対応させたり、サブアウト口2023が設けられている部位の装飾と対応させたり、することが可能となり、アウト口表記2050を表示しつつ目立ち難くすることができる。具体的には、第一アウト口2023aが上方向へ向かって開口し、第三アウト口2023cが左斜め上方向へ向かって開口しており、第一アウト口表記2050aを横書きにし、第三アウト口表記2050cを斜め書きにしている。これにより、それぞれのアウト口表記2050が対応しているサブアウト口2023の開口縁に沿った状態となり、それぞれのアウト口表記2050が目立ち難くなると共に、アウト口表記2050に対して違和感を与え難くすることができる。これにより、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、アウト口表記2050の文字列を、装飾シール2203や装飾シール2446に施されている装飾に沿うように設けているため、アウト口表記2050を装飾の一部のように見せることが可能となり、アウト口表記2050よりサブアウト口2023であることを遊技者に認識させつつ目立ち難くすることができ、遊技盤5に施されている装飾の装飾性が損なわれることはなく、アウト口表記2050を設けても見栄えが悪くなることはない。
また、アウト口表記2050を装飾シール2203や装飾シール2446に施しているため、アウト口表記2050が施(印刷)された装飾シール2203や装飾シール2446を、対応するサブアウト口2023の前板2202や前板2450aに貼り付けることで、アウト口表記2050を設けることができる。また、例えば、同じサイドユニット2200であっても仕様や機種によって一般入賞口2001としたりサブアウト口2023としたりするような場合、装飾シール2203を貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、アウト口表記2050の施された装飾シール2203や装飾シール2446を、遊技球Bと接触しない前板2202や前板2450aに貼り付けているため、遊技球Bの接触によって装飾シール2203や装飾シール2446が剥がれることはない。
また、アウト口表記2050を、周辺よりも透光性を低くしていることから、アウト口表記2050の周囲が明るくなるとアウト口表記2050が相対的に暗くなるため、遊技者に対してアウト口表記2050を認識可能(視認可能)としつつ見え辛くすることができ、アウト口表記2050による見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、他よりも入球し易いサブアウト口2023(ここでは、第三アウト口2023c)ほど、対応するアウト口表記2050(第三アウト口表記2050c)を流通する遊技球Bよりも前方に設けている。つまり、第三アウト口表記2050cをサイドユニット2200の前板2202に設けている。これにより、頻繁に第三アウト口2023cに遊技球Bが入球しても、入球する遊技球Bにより第三アウト口表記2050cが隠れて視認(読み)辛くなることはなく、第三アウト口表記2050cを確実に視認させて第三アウト口2023cの存在を認識させることができる。
[7-2d.アウト口表記の使用例4]
続いて、上記とは更に異なるアウト口表記2050の使用例について、図144を参照して詳細に説明する。図144(a)は正面視において演出操作ユニットと重なるようにアウト口表記が設けられているパチンコ機を模式的に示す正面図であり、(b)は(a)のパチンコ機を左右方向中央で切断して模式的に示す縦断面図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技盤5の下部に、第一始動口2002と二つのサブアウト口2023とを有した始動口ユニット2100が設けられている。二つのサブアウト口2023は、第一始動口2002よりも下方で第一始動口2002を間にして左右両側に設けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002やサブアウト口2023の前端を構成している前板2101を有している。前板2101の前面におけるサブアウト口2023の前方の部位には、「OUT」の文字からなるアウト口表記2050が設けられている。本実施形態では、アウト口表記2050がシールとして貼り付けられている。
遊技盤5の始動口ユニット2100は、扉枠3における扉窓101aの下端よりも上方に設けられている。つまり、始動口ユニット2100(アウト口表記2050)は、正面視において、扉窓101aから前方へ臨む部位に設けられている。
また、本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3における扉窓101aの下方且つ前方に設けられている皿ユニット200に、前方体としての演出操作ユニット300が設けられている。演出操作ユニット300は、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者が操作して演出に参加することが可能となる演出操作部301を有している。なお、ここでの演出操作ユニット300は、全体が球形状に形成されており、上端が扉窓101aの下端よりも上方へ突出している。
図144(a)に示すように、正面視において、始動口ユニット2100の二つのアウト口表記2050が前方体としての演出操作ユニット300の後方に位置しており、正面からは視認することができない。これにより、他の遊技者からはアウト口表記2050を視認し難くすることができるため、アウト口表記2050が見えることによる遊技盤5の見栄えの低下を抑制させることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
ところで、このパチンコ機1では、演出操作ユニット300と始動口ユニット2100(アウト口表記2050)との間に空間部2055が設けられている。そして、本パチンコ機1の前方に遊技者が着座すると、この空間部2055を通してアウト口表記2050を視認することが可能となる。これにより、複数のサブアウト口2023が設けられていても、前方に着座した遊技者からはサブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050が見えるため、サブアウト口2023の存在を認識させることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することはない。
なお、前方体としては、演出操作ユニット300(演出操作部301)に限定するものではなく、皿ユニット200における皿ユニットベース211、皿ユニット200に設けられている装飾体、扉枠右サイドユニット430に設けられている装飾体、等が挙げられる。そして、前方体におけるアウト口表記2050を隠している部位の形態(形状)に応じて、アウト口表記2050の表記の態様を変更するようにしても良い。つまり、前方体によるアウト口表記2050の隠れ方に応じてアウト口表記2050の表記を変えるようにしても良い。具体的には、例えば、正面の演出操作ユニット300では横方向にアウト口表記2050を隠しているため、当該アウト口表記2050を横書きにする。また、縦長の扉枠右サイドユニット430の装飾体では縦方向にアウト口表記2050が隠れることとなるため、当該アウト口表記2050を縦書きにする。
また、上記では、アウト口表記2050が正面視において前方体により完全に隠れるものを示したが、これに限定するものではなく、正面視においてアウト口表記2050の一部が隠れるものであっても良い。この場合、前方体によりアウト口表記2050を隠す方向と同じ方向へ長いアウト口表記2050としても良いが、前方体によりアウト口表記2050を隠す方向に対して、交差する方向へ長いアウト口表記2050として一部が隠れるようにしても良い。具体的には、例えば、前方体が横方向に隠している場合(演出操作ユニット300の場合)はアウト口表記2050を縦書きにし、前方体が縦方向に隠している場合(扉枠右サイドユニット430の場合)はアウト口表記2050を横書きにする。
更に、演出操作ユニット300としては、皿ユニット200に対して着脱可能に設けられていても良い。これにより、パチンコ機1において仕様変更や機種変更等により遊技盤5を交換する際に、当該遊技盤5の装飾や演出などのコンセプトと対応している演出操作ユニットに交換することで、機種変更等に容易に対応することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
この使用例によれば、アウト口表記2050の少なくとも一部が、正面からは前方体としての演出操作ユニット300と重なって視認不能としていると共に、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは空間部2055を通して視認可能としているため、本パチンコ機1において遊技している遊技者に対してはアウト口表記2050による上記のような作用効果を発揮させつつ、他の遊技者に対しては演出操作ユニット300によりアウト口表記2050を目立ち難くすることで、アウト口表記2050による見栄えの悪化を回避させることができる。従って、他の遊技者に対しては、アウト口表記2050が設けられていても見え辛いため、違和感を与えることはなく、本パチンコ機1に施されている装飾による装飾効果を充分に発揮させることができ、遊技するパチンコ機として選択され易いパチンコ機1を提供することができる。
また、アウト口表記2050を、遊技領域5aを前方から視認可能にしている扉窓101aの周縁に接近するように設けているため、アウト口表記2050が目立ち難くなり、アウト口表記2050により遊技者に違和感を与えることはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、アウト口表記2050を、前方体としての演出操作ユニット300と正面視において重なる部位の長手方向と同じ方向へ長く延出するように設けている。具体的には、演出操作ユニット300と重なる部位が左右に長いため、アウト口表記2050を横書きにしている。これにより、アウト口表記2050が演出操作ユニット300によって確実に隠されることとなるため、他の遊技者からアウト口表記2050を見え辛くすることができ、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
[7-3a.アウト口表記とLEDとの関係1]
次に、遊技盤5において、アウト口表記2050と、後方の装飾基板2056等に実装されているLED2056aとの関係について、図145を参照して詳細に説明する。図145(a)は正面視におけるアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図であり、(b)は前方に着座した遊技者とアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図である。なお、ここでは、サブアウト口2023がサイドユニット2200に設けられていると共に、サブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050が遊技パネル1100の前面に設けられているものを例として説明する。
本実施形態の遊技盤5は、サブアウト口2023を有し透明な遊技パネル1100に取付けられているサイドユニット2200と、遊技パネル1100の前面に設けられサブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050と、遊技パネル1100の後方に設けられ複数のLED2056aが前面に実装されている装飾基板2056と、を備えている。この遊技盤5では、装飾基板2056の複数のLED2056aを発光させることで、遊技パネル1100やサイドユニット2200を発光装飾させることができる。
図145(a)は、正面視においてアウト口表記2050の後方にはLED2056aが設けられていない例である。換言すると、アウト口表記2050とLED2056aとが正面視において重ならないように互いが設けられている。これにより、透光性(光透過度)の低いアウト口表記2050によりLED2056aからの光が遮られることはなく、LED2056aの発光による演出効果を確実に発揮させることができる。そして、LED2056aからの光により明るく発光装飾させることができるため、アウト口表記2050が相対的に暗くなって見え辛くなり、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができる。
図145(b)は、前方に着座した遊技者がアウト口表記2050を見た時に、その視線上にLED2056aを設けていない例である。換言すると、着座した遊技者から、アウト口表記2050とLED2056aとが重ならないようにしたものである。これにより、透光性(光透過度)の低いアウト口表記2050によりLED2056aからの光が遮られることはなく遊技者の目に届くこととなり、LED2056aの発光演出を確実に楽しませることができる。また、遊技者の目にLED2056aからの光が届き易くなることで、発光演出を眩しく見せることが可能となるため、その眩しさによりアウト口表記2050が相対的に暗くなって見え辛くすることができ、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができる。
なお、上記では、遊技パネル1100にアウト口表記2050を設けた例を示したが、これに限定するものではなく、サブアウト口2023の前端を構成しているサイドユニット2200の前板2101にアウト口表記2050を設けても良い。
また、上記では、サイドユニット2200にサブアウト口2023が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、始動口ユニット2100、アタッカユニット2400、センター役物2500、等にサブアウト口2023が設けられていても良い。
更に、遊技パネル1100の前面に、所定の装飾が施されているパネル装飾1113を設けても良い。この場合、パネル装飾1113として、後述する高透過度部1113aと低透過度部1113bとを有するものとしても良い(図146(a)を参照)。
また、上記の実施形態では、図145において二点鎖線で示すように、アウト口表記2050の少なくとも一部を、遊技盤5よりも前方に設けられている前方体(例えば、演出操作ユニット300)と正面視で重なる箇所に設け、前方体と遊技盤5との間に、アウト口表記2050のうちの前方体と正面視で重なっている部位を遊技者に視認可能にする空間部2055を設けるようにしても良い。これにより、上述したアウト口表記2050とLED2056aとの関係による作用効果に加えて、本パチンコ機1において遊技している遊技者に対してはアウト口表記2050を視認可能としてサブアウト口2023の存在を認識させつつ、他の遊技者に対しては演出操作ユニット300によりアウト口表記2050を目立ち難くすることで、アウト口表記2050による見栄えの悪化を回避させることができる。
[7-3b.アウト口表記とLEDとの関係2]
続いて、遊技盤5におけるアウト口表記2050とLED2056aとの上記とは異なる関係について、図146を参照して詳細に説明する。図146(a)は正面視において遊技盤におけるアウト口表記が設けられている部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)の遊技盤において正面視におけるアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図であり、(c)は(a)の遊技盤において前方に着座した遊技者とアウト口表記とLEDとの関係を示す説明図である。なお、ここでは、サブアウト口2023がサイドユニット2200に設けられていると共に、サブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050が遊技パネル1100の前面に設けられているものを例として説明する。
本実施形態の遊技盤5は、サブアウト口2023を有し透明な遊技パネル1100に取付けられているサイドユニット2200と、遊技パネル1100の前面に設けられサブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050と、遊技パネル1100の後方に設けられ複数のLED2056aが前面に実装されている装飾基板2056と、を備えている。この遊技盤5では、遊技パネル1100の前面に装飾が施されたパネル装飾1113が設けられている。また、遊技盤5では、装飾基板2056の複数のLED2056aを発光させることで、遊技パネル1100やサイドユニット2200を発光装飾させることができる。
本実施形態では、図146(a)に示すように、遊技パネル1100の前面に設けられているパネル装飾1113の装飾は、光透過度の高い高透過度部1113aと、光透過度の低い低透過度部1113b(網掛け部分)と、を有している。そして、アウト口表記2050は、パネル装飾1113の装飾における光透過度の低い部分と重なるように設けられている。これにより、ぱっと見では、アウト口表記2050がパネル装飾1113の装飾の一部のように見え、アウト口表記2050が目立ち難くなっている。
図146(b)に示す例は、正面視においてアウト口表記2050の後方にLED2056aを設けたものである。換言すると、正面視において、アウト口表記2050とLED2056aとが重なるようにしたものである。これにより、LED2056aを発光させていない状態では、正面のアウト口表記2050によりLED2056aを隠すことができ、LED2056aが見えることによる見栄えの悪化を抑制することができる。そして、LED2056aを発光させると、その正面へ照射された光がアウト口表記2050により遮られることとなるが、パネル装飾1113におけるアウト口表記2050の周囲には光透過度の高い高透過度部1113aが設けられているため、アウト口表記2050の周囲が明るく光ることとなり、その明るさによりアウト口表記2050が相対的に暗くなって見え辛くなる。従って、LED2056aによる発光演出の際に、アウト口表記2050を見え難くすることができ、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの悪化を抑制しつつ、LED2056aによる発光演出の演出効果を確実に発揮させることができる。
図146(c)に示す例は、前方に着座した遊技者がアウト口表記2050を見た時に、その視線上にLED2056aが設けられているものである。換言すると、着座した遊技者から、アウト口表記2050とLED2056aとが重なるようにしたものである。これにより、LED2056aを発光させていない状態では、アウト口表記2050によりLED2056aを隠すことができ、LED2056aが見えることによる見栄えの悪化を抑制することができる。そして、LED2056aを発光させると、遊技者へ向かって照射された光がアウト口表記2050により遮られることとなるが、パネル装飾1113におけるアウト口表記2050の周囲には光透過度の高い高透過度部1113aが設けられているため、アウト口表記2050の周囲が明るく光ることとなり、その明るさによりアウト口表記2050が相対的に暗くなって見え辛くなる。従って、LED2056aによる発光演出の際に、アウト口表記2050を見え難くすることができ、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの悪化を抑制しつつ、LED2056aによる発光演出の演出効果を確実に発揮させることができる。
なお、上記では、遊技パネル1100にアウト口表記2050を設けた例を示したが、これに限定するものではなく、サブアウト口2023の前端を構成しているサイドユニット2200の前板2101にアウト口表記2050を設けても良い。
また、上記では、サイドユニット2200にサブアウト口2023が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、始動口ユニット2100、アタッカユニット2400、センター役物2500、等にサブアウト口2023が設けられていても良い。
また、上記の実施形態では、図146において二点鎖線で示すように、アウト口表記2050の少なくとも一部を、遊技盤5よりも前方に設けられている前方体(例えば、演出操作ユニット300)と正面視で重なる箇所に設け、前方体と遊技盤5との間に、アウト口表記2050のうちの前方体と正面視で重なっている部位を遊技者に視認可能にする空間部2055を設けるようにしても良い。これにより、上述したアウト口表記2050とLED2056aとの関係による作用効果に加えて、本パチンコ機1において遊技している遊技者に対してはアウト口表記2050を視認可能としてサブアウト口2023の存在を認識させつつ、他の遊技者に対しては演出操作ユニット300によりアウト口表記2050を目立ち難くすることで、アウト口表記2050による見栄えの悪化を回避させることができる。
[7-4.入球口表記と入球口部材との関係]
続いて、アウト口表記2050や入賞口表記部2060のような入球口表記と、アウト口や入賞口のような入球口が設けられている入球口部材(例えば、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、アタッカユニット2400、センター役物2500、等)との関係について、図147~図150等を参照して詳細に説明する。図147(a)は複数のアウト口表記が施されている入球口部材の正面図であり、(b)は(a)の入球口部材の背面図である。図148(a)は図147とは異なる態様のアウト口表記が施されている入球口部材におけるアウト口表記の部位を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)の背面図である。図149(a)は図147および図148とは更に異なり両面印刷されたアウト口表記が施されている入球口部材におけるアウト口表記の部位を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)の背面図である。図150は、貼り付けられている装飾シールにアウト口表記と透明部とが施されている透明な入球口部材の一部を示す正面図である。
[7-4a.入球口表記と入球口部材との関係例1]
まず、図147に示す実施形態について説明する。ここでは、サイドユニット2200を入球口部材としたものであり、二つの一般入賞口2001と、二つのサブアウト口2023とを有している。詳述すると、このサイドユニット2200は、サブアウト口2023として左右に離隔している第一アウト口2023aと第二アウト口2023bとを有しており、それら第一アウト口2023aと第二アウト口2023bとの間に、二つの一般入賞口2001が設けられている。
このサイドユニット2200は、透明な部材により形成されている。サイドユニット2200は、前後方向へ延出している樋状の四つの樋部2204と、前後方向へ延出している枠状の棚部2201と、四つの樋部2204と棚部2201の前端側を閉鎖している平板状の前板2202と、前板2202よりも後方で前板2202と平行に延出しているフランジ部2205と、前板2202を貫通しているシール剥孔2206と、各樋部2204の底から上方へ延出している案内リブ2207と、前板2202の前面に貼り付けられている装飾シール2203と、を有している。
樋部2204は、断面がU字状に形成されている。四つの樋部2204は、左右方向に列設されており、左方へ向かうほど高い位置に設けられている。各樋部2204は、後部がフランジ部2205よりも後方へ突出している。棚部2201は、正面視右端の樋部2204の右方に設けられており、上面が右方へ向かって低くなるように傾斜している。棚部2201は、前後方向の長さ(奥行)が四つの樋部2204よりも短い。
フランジ部2205は、前後方向の位置が棚部2201の後端と同じであり、四つの樋部2204と棚部2201とを間にして左右二つに分けられている。左側のフランジ部2205は、正面視左端の樋部2204から左上へ延出するように設けられており、右側のフランジ部2205は、棚部2201の右下隅から右下へ延出するように設けられている。
シール剥孔2206は、前板2202の前面に貼り付けられている装飾シール2203によって前端側が閉鎖されている。このシール剥孔2206は、製造時において装飾シール2203を貼り損ねたり、再利用や分別廃棄したりする場合に、前板2202から装飾シール2203を剥がすためのものである。詳述すると、サイドユニット2200の裏側からシール剥孔2206に棒状部材を挿入し、その先端により装飾シール2203の裏面を前方へ押圧すると、装飾シール2203の一部が前板2202から剥がれて前方へ持ち上がることとなり、装飾シール2203の持ち上がった部位を引っ張ることで、前板2202から装飾シール2203を容易に剥がすことができる。
案内リブ2207は、前端が前板2202の後面に接しており、後方へ向かうほど低くなるように傾斜している。この案内リブ2207により、一般入賞口2001やサブアウト口2023に上方から入球した遊技球Bを後方へ案内することができる。
装飾シール2203は、図示するように、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った所定の絵柄が施(印刷)されている絵柄部2203aと、絵柄部2203aの裏側において白色や灰色のような所定色で施されている裏打部2203b(図147(b)において網掛けで示す部位)と、を有している。
また、装飾シール2203には、サブアウト口2023(第一アウト口2023aおよび第二アウト口2023b)と対応する部位に、「OUT」の文字列からなるアウト口表記2050(第一アウト口表記2050aおよび第二アウト口表記2050b)が施されている。第一アウト口表記2050aは、第一アウト口2023aの上端縁に沿うように、文字列が水平に対して傾斜している。第二アウト口表記2050bは、文字列が水平である。これらアウト口表記2050は、絵柄部2203aよりも前に施されている。
装飾シール2203の裏打部2203bは、表側の絵柄部2203aの発色を良くするためのものである。この裏打部2203bと絵柄部2203aとにより、前方から前板2202の後方を視認不能としている。つまり、前方からは、棚部2201、樋部2204、シール剥孔2206、および案内リブ2207が、見えないようになっている。
本実施形態では、裏打部2203bが、第一アウト口表記2050aの裏側(後方)にも施されており、サイドユニット2200の裏側からは第一アウト口表記2050aが視認困難となっている。一方、第二アウト口表記2050bの裏側(後方)には、裏打部2203bが施されておらず、図示するように、透明な前板2202を通してサイドユニット2200の裏側から第二アウト口表記2050bが視認可能となっている。詳述すると、サイドユニット2200を裏側から見ると、第二アウト口表記2050bの部位に「TUO」の文字列が見える。この文字列は、「OUT」がミラー表示されているものであると容易に類推することができ、第二アウト口表記2050bの存在を認識することができる。換言すると、裏側からは「TUO」の文字列が見えるが、当該文字列は「OUT」の鏡文字であると容易に推定することができ、違う文字または違う文字列として読んだり、文字列を逆に読んだりすることはなく、裏側からでも「OUT」と正しく読むことができる。つまり、裏側からでも第二アウト口表記2050bが判読可能である。なお、第二アウト口表記2050bの後方に裏打部2203bを設ける場合は、裏打部2203bを薄くしたり色を変えたりして、裏側から裏打部2203bを通して第二アウト口表記2050bを視認可能(認識可能)とすることが望ましい。
このように、本実施形態によれば、入球口部材としてのサイドユニット2200の裏側から入球口表記としての第二アウト口表記2050bを視認することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立作業において、第二アウト口表記2050bをサイドユニット2200の取付方向の目安にすることができる。
また、入球口部材としてのサイドユニット2200の裏側からもアウト口表記2050を認識することができるため、裏側からもサブアウト口2023を有する部材であることを判別することができる。具体的には、例えば、同じサイドユニット2200であっても仕様や機種によって入球口を一般入賞口2001としたりサブアウト口2023としたりするような場合、裏側からもアウト口表記2050を認識することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立ての際に、当該サイドユニット2200が入球口を一般入賞口2001としたものかサブアウト口2023としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
更に、アウト口表記2050を、透明な前板2202に貼り付けられる装飾シール2203に施しているため、アウト口表記2050が施(印刷)された装飾シール2203を、前板2202に貼り付けることで、サブアウト口2023と対応するアウト口表記2050を設けることができると共に、透明な前板2202を通して裏側から第二アウト口表記2050bを認識することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じサイドユニット2200であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、装飾シール2203を貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、入球口部材としてのサイドユニット2200の裏側からは、第一アウト口表記2050aを視認困難としつつ、第二アウト口表記2050bを視認可能(視認容易)としている。つまり、複数のサブアウト口2023が設けられていると共に、それぞれのサブアウト口2023に対応しているアウト口表記2050が設けられている入球口部材において、裏側から視認可能なアウト口表記2050(第二アウト口表記2050b)と視認不能なアウト口表記2050(第一アウト口表記2050a)とを混在させている。これにより、サイドユニット2200の表側と裏側とでは、視認できるアウト口表記2050の数が異なっているため、サイドユニット2200の表裏を容易に判別することができ、組立作業が楽になる。
更に、第二アウト口表記2050bでは、後方に装飾シール2203の絵柄の発色を良くするための裏打部2203bを設けていないため、裏打部2203bが設けられている部位(絵柄部2203aの部位や第一アウト口表記2050aの部位)よりも光が透過し易くなっている。つまり、サイドユニット2200の後方が明るくなると、装飾シール2203において、第二アウト口表記2050bの部位が、他の部位よりも明るくなる。従って、後方に裏打部2203bが設けられて裏側から視認困難な第一アウト口表記2050aよりも、後方に裏打部2203bが設けられていないことで裏側から視認可能な第二アウト口表記2050bを明るく見せて、第二アウト口表記2050bを目立たせることができる。
従って、例えば、サイドユニット2200に設けられている第一アウト口2023aと第二アウト口2023bにおいて、第一アウト口2023aへの入球確率よりも第二アウト口2023bへの入球確率を低くする。そして、上記のように裏打部2203bが設けられていないことにより第二アウト口表記2050bが明るくなって目立つことから、遊技者に対して第二アウト口2023bの存在に気付かせて、第二アウト口2023bに遊技球Bが入球しないように願わせることが可能となる。この第二アウト口2023bは、第一アウト口2023aよりも入球確率が低く設定されているため、第二アウト口表記2050bが目立つほどには入球することはない。そして、第二アウト口2023bに遊技球Bが入球しても、遊技者は予め第二アウト口2023bの存在を充分に認識しているため、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
上記のようなことから、複数のサブアウト口2023(アウト口表記2050)が設けられている入球口部材において、例えば、各サブアウト口2023への入球確率が同じに設定されている入球口部材では、前側から見ても後側から見ても視認可能なアウト口表記2050の数が同じ、或いは、後側から見ると全てのアウト口表記2050が視認困難、とする。一方、各サブアウト口2023への入球確率が異なるように設定されている入球口部材では、前側からと後側からとでは視認可能なアウト口表記2050の数を異ならせる。換言すると、裏側から見た時に視認困難なアウト口表記2050と視認可能なアウト口表記2050とを混在させる。このようにする場合、入球口部材を裏側から見た時に、視認可能なアウト口表記2050と視認困難なアウト口表記2050とが混在していると、作業者に対して当該入球口部材は、複数設けられているサブアウト口2023の入球確率が異なっている入球口部材であることを認識させることができる。これにより、例えば、パチンコ機1の組立現場において、機種や仕様の異なる多品種の遊技盤5が製造ライン上を流れていても、入球口部材を裏側から見ることで、入球確率が異なっている用の入球口部材であるか否かを容易に判別することができ、仕様に応じた入球口部材の取付け間違えを回避させることができる。
また、遊技盤5の遊技領域5aには、一般入賞口2001のような複数の入賞口と、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bのような複数のサブアウト口2023と、が設けられており、第一アウト口2023aと対応する第一アウト口表記2050aと、第二アウト口2023bと対応する第二アウト口表記2050bと、を互いに異なる識別態様で設けるようにしている。これにより、第一アウト口2023aと対応した第一アウト口表記2050aや第二アウト口2023bに対応した第二アウト口表記2050bのようなアウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bを一般入賞口2001と誤認することはないため、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bへの遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の遊技に対する興趣が低下することはない。
ところで、本実施形態では、第一アウト口表記2050aが後方へ延出している延出部としての案内リブ2207の前方に設けられており、第一アウト口表記2050aが案内リブ2207と前後に重なるように設けられている。そして、上述したように、第一アウト口表記2050aの裏側には、裏打部2203bが設けられているため、前側からは案内リブ2207が透けて見えることはなく、案内リブ2207が見えることによる見栄えの悪化が抑制されている。
一方、第二アウト口表記2050bは、案内リブ2207とは前後に重ならないように設けられている。この第二アウト口表記2050bの裏側には裏打部2203bが設けられていないため、上述したように、第二アウト口表記2050bは第一アウト口表記2050aよりも透光性(光の透過度)が高くなっており、後方が透けて見え易くなっているが、第二アウト口表記2050bの後方には案内リブ2207が設けられていないため、前側から案内リブ2207が透けて見えることはなく、案内リブ2207が見えることによる見栄えの悪化が抑制されている。
また、第一アウト口表記2050aの裏側には裏打部2203bが設けられているのに対して、第二アウト口表記2050bの裏側には裏打部2203bが設けられていないため、(前方が明るいと)第一アウト口表記2050aの方が第二アウト口表記2050bよりも奇麗に(明瞭に)見えることとなり、第一アウト口表記2050aを目立たせることができ、第一アウト口表記2050aと対応している第一アウト口2023aに遊技者の関心を引き付けさせることができる。つまり、裏側から見た時に、視認可能な第二アウト口表記2050bと視認不能(視認困難)な第一アウト口表記2050aとを混在させると、前方が明るい状態では第二アウト口表記2050bよりも第一アウト口表記2050aを目立たせることが可能となる。従って、例えば、サイドユニット2200に設けられている第一アウト口2023aと第二アウト口2023bにおいて、第二アウト口2023bへの入球確率よりも第一アウト口2023aへの入球確率を低くする。そして、上記のように裏打部2203bが設けられていることにより前方からの光によって第一アウト口表記2050aが奇麗に見えて目立つことから、遊技者に対して第一アウト口2023aの存在に気付かせて、第一アウト口2023aに遊技球Bが入球しないように願わせることが可能となる。この第一アウト口2023aは、第二アウト口2023bよりも入球確率が低く設定されているため、第一アウト口表記2050aが目立つほどには入球することはない。そして、第一アウト口2023aに遊技球Bが入球しても、遊技者は予め第一アウト口2023aの存在を充分に認識しているため、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
なお、上記では、入球口としてのサブアウト口2023と対応する入球口表記としてのアウト口表記2050が裏側からも視認できるものを示したが、これに限定するものではなく、入球口としての一般入賞口2001と対応する入球口表記としての入賞口表記部2060を設け、当該入賞口表記部2060が裏側からも視認できるようにしても良い。
また、複数の一般入賞口2001(入賞口)に対して、それぞれに対応する入賞口表記部2060を設ける場合、裏側から視認可能な入賞口表記部2060と裏側から視認不能な入賞口表記部2060とを混在させるようにしても良い。この場合、例えば、他の入賞口よりも入球確率の高い入賞口の入賞口表記部2060を、裏側から視認可能とすると共にその他の部位に裏打部2203bを設けると、当該入賞口表記部2060が後方からの光によって上記と同様の理由により他の部位よりも明るくなるため、入球確率の高い入賞口を目立たせることができる。
更に、上記では、アウト口表記2050として「OUT」の文字列(各文字が左右対称のアルファベットの文字列)からなるものを示したが、これに限定するものではなく、「アウト」や「あうと」のような文字列(片仮名や平仮名の文字列)からなるアウト口表記2050としても良い。この場合、裏側から見ると左右反転して表側からとは異なる態様の鏡文字となるが、全体、または、一部分、が見えることにより正しく読むことが可能であり、鏡文字であっても間違えることなく「アウト」や「あうと」と正しく判読することができ、裏側からでもアウト口表記2050を認識することができる。
[7-4b.入球口表記と入球口部材との関係例2]
続いて、図148に示す実施形態について説明する。ここでは、遊技球Bが入球可能な入球口として左右方向(ここでは左方)へ向かって開口しているサブアウト口2023を有する入球口部材2070を例にして説明する。入球口部材2070は、透明な部材によって形成されている。この入球口部材2070は、サブアウト口2023の前端側を構成している平板状の前板2071と、前板2071の前面に貼り付けられている装飾シール2072と、を備えている。前板2071には、前後に貫通しているシール剥孔2071aが設けられている。シール剥孔2071aは、前板2071の前面に貼り付けられている装飾シール2072によって前端側が閉鎖されている。
シール剥孔2071aは、製造時において装飾シール2072を貼り損ねたり、再利用や分別廃棄したりする場合に、前板2071から装飾シール2072を剥がすためのものである。詳述すると、入球口部材2070の裏側からシール剥孔2071aに棒状部材を挿入し、その先端により装飾シール2072の裏面を前方へ押圧すると、装飾シール2072の一部が前板2071から剥がれて前方へ持ち上がることとなり、装飾シール2072の持ち上がった部位を引っ張ることで、前板2071から装飾シール2072を容易に剥がすことができる。
装飾シール2072は、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った所定の絵柄が施されている絵柄部2072aと、絵柄部2072aの裏側において白色や灰色のような所定色で施されている裏打部2072b(図148(b)において網掛けで示す部位)と、を有している。裏打部2072bは、絵柄部2072aの発色を良くするためのものである。この裏打部2072bと絵柄部2072aとにより、前方から前板2071の後方を視認不能としている。つまり、前方からは、前板2071の後方に設けられている樋部や案内リブ、シール剥孔2071aなどが、見えないようになっている。
また、装飾シール2072には、サブアウト口2023と対応する部位に、「OUT」の文字列からなるアウト口表記2050が施されている。このアウト口表記2050は、サブアウト口2023における上下に延びている端縁に沿って、縦書きの「OUT」の文字列により構成されている。このアウト口表記2050の裏側には、裏打部2072bが施されていない(図148(b)を参照)。これにより、透明な前板2071を通して入球口部材2070の裏側からアウト口表記2050が視認可能となっている。詳述すると、入球口部材2070を裏側から見ると、アウト口表記2050の部位に縦書きで「OUT」の文字列が見える。この縦書きの文字列は、ミラー表示されているが、文字列を構成している各文字が左右対称文字であるため、ミラー表示されていても「OUT」と正しく判読することができ、アウト口表記2050を認識することができる。つまり、裏側からでもアウト口表記2050が判読可能である。なお、アウト口表記2050の後方に裏打部2072bを設ける場合は、裏打部2203bを薄くしたり色を変えたりして、裏側から裏打部2072bを通してアウト口表記2050を視認可能とすることが望ましい。
このように、本実施形態によれば、入球口部材2070の裏側から入球口表記としてのアウト口表記2050を視認することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立作業において、アウト口表記2050を入球口部材2070の取付方向の目安にすることができる。
また、アウト口表記2050を構成している各文字を左右対称の文字とすると共に、縦書きとしているため、入球口部材2070の裏側からアウト口表記2050を見ても、当該文字列を容易に判読することができ、裏側からでも入球口部材2070がサブアウト口2023を有していることを認識させることができる。
また、入球口部材2070の裏側からもアウト口表記2050を認識(判読)することができるため、裏側からもサブアウト口2023を有する部材であることを判別することができる。具体的には、例えば、同じ入球口部材2070であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、裏側からもアウト口表記2050を認識することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立ての際に、当該入球口部材2070が入球口を入賞口としたものかサブアウト口2023としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
更に、アウト口表記2050を、透明な前板2071に貼り付けられる装飾シール2072に施しているため、アウト口表記2050が施(印刷)された装飾シール2072を、前板2071に貼り付けることで、サブアウト口2023と対応するアウト口表記2050を設けることができると共に、透明な前板2071を通して裏側からアウト口表記2050を認識することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材2070であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、装飾シール2072を貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、サブアウト口2023に対応したアウト口表記2050を設けているため、アウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、サブアウト口2023を一般入賞口2001などの入賞口と誤認することはないため、サブアウト口2023への遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の遊技に対する興趣が低下することはない。
なお、上記では、入球口としてのサブアウト口2023と対応する入球口表記としてのアウト口表記2050が裏側からも視認できるものを示したが、これに限定するものではなく、入球口としての入賞口と対応する入球口表記としての入賞口表記部2060を設け、当該入賞口表記部2060が裏側からも視認できるようにしても良い。
更に、上記では、アウト口表記2050として「OUT」の文字列(各文字が左右対称のアルファベットの文字列)からなるものを示したが、これに限定するものではなく、「アウト」や「あうと」のような文字列(片仮名や平仮名の文字列)からなるアウト口表記2050としても良い。この場合、縦書きであるため、文字列の各文字のみが左右反転した鏡文字となり上下には反転しないため、表側からとは異なる態様であっても、全体、または、一部分、が見えれば間違えることなく「アウト」や「あうと」と正しく読む(判読する)ことができ、裏側からでもアウト口表記2050を認識することができる。
[7-4c.入球口表記と入球口部材との関係例3]
続いて、図149に示す実施形態について説明する。ここでは、入球口部材としてサイドユニット2200を例にして説明する。このサイドユニット2200は、図147に示すサイドユニット2200に対して、装飾シール2203における第二アウト口表記2050bの部位が異なっているのみで、その他の構成は同じであり、詳細な説明は省略する。とはいえ、図149に示すサイドユニット2200の構成について説明する。サイドユニット2200は、図示は省略するが、左右に列設されている二つの一般入賞口2001と、二つの一般入賞口2001を間にして左右両外側に設けられているサブアウト口2023としての第一アウト口2023aおよび第二アウト口2023bと、を有している。
サイドユニット2200は、透明な部材により形成されており、前後方向へ延出している樋状の四つの樋部2204と、前後方向へ延出している枠状の棚部2201と、四つの樋部2204と棚部2201の前端側を閉鎖している平板状の前板2202と、前板2202よりも後方で前板2202と平行に延出しているフランジ部2205(図示は省略)と、前板2202を貫通しているシール剥孔2206(図示は省略)と、各樋部2204の底から上方へ延出している案内リブ2207と、前板2202の前面に貼り付けられている装飾シール2203と、を有している。
樋部2204は、断面がU字状に形成されている。棚部2201は、上面が右方へ向かって低くなるように傾斜している。シール剥孔2206は、前板2202の前面に貼り付けられている装飾シール2203によって前端側が閉鎖されており、前板2202から装飾シール2203を剥がすためのものである。案内リブ2207は、前端が前板2202の後面に接しており、後方へ向かうほど低くなるように傾斜している。
装飾シール2203は、図示するように、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った所定の絵柄が施(印刷)されている絵柄部2203aと、絵柄部2203aの裏側において白色や灰色のような所定色で施されている裏打部2203b(図149(b)において網掛けで示す部位)と、を有している。裏打部2203bは、表側の絵柄部2203aの発色を良くするためのものである。この裏打部2203bと絵柄部2203aとにより、前方から前板2202の後方を視認不能としている。つまり、前方からは、棚部2201、樋部2204、シール剥孔2206、および案内リブ2207が、見えないようになっている。
また、装飾シール2203には、サブアウト口2023(第一アウト口2023aおよび第二アウト口2023b)と対応する部位に、「OUT」の文字列からなるアウト口表記2050(第一アウト口表記2050aおよび第二アウト口表記2050b)が施されている。ここでの図示は省略するが、第一アウト口表記2050aは、第一アウト口2023aの上端縁に沿うように、文字列が水平に対して傾斜している(図147(a)を参照)。第二アウト口表記2050bは、文字列が水平である。これらアウト口表記2050は、絵柄部2203aよりも前に施されている。
本実施形態では、図147の実施形態と同様に、裏打部2203bが、第一アウト口表記2050aの裏側(後方)にも施されており、サイドユニット2200の裏側からは第一アウト口表記2050aが視認困難となっている。一方、第二アウト口表記2050bの裏側(後方)には、裏打部2203bが施されておらず、図149(b)に示すように、透明な前板2202を通してサイドユニット2200の裏側から第二アウト口表記2050bが視認可能となっている。
詳述すると、第二アウト口表記2050bの裏側には裏表記部2053が設けられている。裏表記部2053は、第二アウト口表記2050bと同じく、左から並んだ「OUT」の文字列により構成されている。従って、第二アウト口表記2050bの部位では、図示するように、裏側から見ても、裏表記部2053により表側と同じく左から並んだ「OUT」の文字列が見える。第二アウト口表記2050bと裏側の裏表記部2053とは、両面印刷されており、表側から見ても裏側から見ても、左から横書きの「OUT」の文字列により構成されている。従って、サイドユニット2200を裏側から見ると、第二アウト口表記2050bの部位に、左から横書きで「OUT」の文字列が見え、そのまま「OUT」と正しく判読することができる(図149(b)を参照)。
なお、第二アウト口表記2050bの後方に裏打部2203bを設ける場合は、裏打部2203bを薄くしたり色を変えたりして、裏側から裏打部2203bを通して第二アウト口表記2050bを視認可能(認識可能)とすることが望ましい。また、第二アウト口表記2050bの後方に裏打部2203bを設ける場合、裏打部2203bの後方に裏表記部2053を設けることが望ましい。
このように、本実施形態によれば、入球口部材としてのサイドユニット2200の裏側から入球口表記としての第二アウト口表記2050b(裏表記部2053)を視認することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立作業において、第二アウト口表記2050bをサイドユニット2200の取付方向の目安にすることができる。
また、第二アウト口表記2050bの裏側に、第二アウト口表記2050bと同じ表記を後方へ向けた裏表記部2053を設けているため、サイドユニット2200の裏側から第二アウト口表記2050bの部位を見ると、裏表記部2053のミラー表示でない正しく書かれた「OUT」の文字列が見え、当該文字列を容易に判読することができ、裏側からでもサイドユニット2200がサブアウト口2023を有していることを認識させることができる。
更に、サイドユニット2200の裏側からも第二アウト口表記2050b(裏表記部2053)を認識(判読)することができるため、裏側からもサブアウト口2023を有する部材であることを判別することができる。具体的には、例えば、同じサイドユニット2200であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、裏側からもアウト口表記2050を認識することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立ての際に、当該サイドユニット2200が入球口を入賞口としたものかサブアウト口2023としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口部材としてのサイドユニット2200の裏側からは、第一アウト口表記2050aを視認困難としつつ、第二アウト口表記2050bを視認可能(視認容易)としている。つまり、複数のサブアウト口2023が設けられていると共に、それぞれのサブアウト口2023に対応しているアウト口表記2050が設けられている入球口部材において、裏側から視認可能なアウト口表記2050(第二アウト口表記2050b)と視認不能なアウト口表記2050(第一アウト口表記2050a)とを混在させている。これにより、サイドユニット2200の表側と裏側とでは、視認できるアウト口表記2050の数が異なっているため、サイドユニット2200の表裏を容易に判別することができ、組立作業が楽になる。
また、遊技盤5の遊技領域5aには、一般入賞口2001のような複数の入賞口と、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bのような複数のサブアウト口2023と、が設けられており、第一アウト口2023aと対応する第一アウト口表記2050aと、第二アウト口2023bと対応する第二アウト口表記2050bと、を互いに異なる識別態様で設けるようにしている。これにより、第一アウト口2023aと対応した第一アウト口表記2050aや第二アウト口2023bに対応した第二アウト口表記2050bのようなアウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bを一般入賞口2001と誤認することはないため、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bへの遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
なお、上記では、入球口としてのサブアウト口2023と対応する入球口表記としてのアウト口表記2050が裏側からも視認できるものを示したが、これに限定するものではなく、入球口としての一般入賞口2001と対応する入球口表記としての入賞口表記部2060を設け、当該入賞口表記部2060が裏側からも視認できるようにしても良い。
また、入球口としての一般入賞口2001のような入賞口に対応する入賞口表記部2060を設けると共に、当該入賞口表記部2060をサイドユニット2200の裏側から視認可能とする場合、当該入賞口表記部2060の後方に、入賞口表記部2060と同じ文字列を後方へ向けた裏表記部を設けるようにしても良い。これにより、サイドユニット2200における当該入賞口表記部2060の部位を裏側から見ても、裏表記部によりミラー表示ではない正しい表示の文字列が見えることとなり、裏側からも入賞口表記部2060を判読することができる。
また、複数の一般入賞口2001(入賞口)に対して、それぞれに対応する入賞口表記部2060を設ける場合、裏側から視認可能な入賞口表記部2060と裏側から視認不能な入賞口表記部2060とを混在させるようにしても良い。この場合、例えば、他の入賞口よりも入球確率の高い入賞口の入賞口表記部2060を、裏側から視認可能とすると共にその他の部位に裏打部2203bを設けると、当該入賞口表記部2060が後方からの光によって上記と同様の理由により他の部位よりも明るくなるため、入球確率の高い入賞口を目立たせることができる。
更に、上記では、アウト口表記2050および裏表記部2053として「OUT」の文字列(アルファベットの文字列)からなるものを示したが、これに限定するものではなく、「アウト」や「あうと」のような文字列(片仮名や平仮名の文字列)からなるアウト口表記2050および裏表記部2053としても良い。或いは、表側のアウト口表記2050と裏側の裏表記部2053とを異ならせても良い。具体的には、アウト口表記2050を「OUT」とし裏表記部2053を「アウト」や「あうと」としたり、アウト口表記2050を「アウト」や「あうと」とし裏表記部2053を「OUT」としたり、アウト口表記2050を「アウト」とし裏表記部2053を「あうと」としたり、しても良い。アウト口表記2050と裏表記部2053とを異ならせる場合、サイドユニット2200(入球口部材)の表裏が判別し易くなる。
[7-4d.入球口表記と入球口部材との関係例4]
続いて、図150に示す実施形態について説明する。ここでは、遊技球Bが入球可能な入球口として上方へ向かって開口しているサブアウト口2023を有する入球口部材2070を例にして説明する。入球口部材2070は、透明な部材によって形成されている。この入球口部材2070は、サブアウト口2023の前端側を構成している平板状の前板2071と、前板2071の前面に貼り付けられている装飾シール2072と、前板2071の後面から後方へ延出している延出部2073と、を備えている。前板2071には、前後に貫通しているシール剥孔2071aが設けられている。シール剥孔2071aは、前板2071の前面に貼り付けられている装飾シール2072によって前端側が閉鎖されている。
シール剥孔2071aは、製造時において装飾シール2072を貼り損ねたり、再利用や分別廃棄したりした場合に、前板2071から装飾シール2072を剥がすためのものである。詳述すると、入球口部材2070の裏側からシール剥孔2071aに棒状部材を挿入し、その先端により装飾シール2072の裏面を前方へ押圧すると、装飾シール2072の一部が前板2071から剥がれて前方へ持ち上がることとなり、装飾シール2072の持ち上がった部位を引っ張ることで、前板2071から装飾シール2072を容易に剥がすことができる。
装飾シール2072は、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った所定の絵柄が施されている絵柄部2072aと、絵柄部2072aが施されていない透明部2072cと、を有している。なお、絵柄部2072aの裏側に、白色や灰色のような所定色の裏打部を設けるようにしても良い。裏打部を設けることで、絵柄部2072aの発色を良くすることができる。また、裏打部を設けることで、絵柄部2072aが透けて見えることを低減させることができ、絵柄部2072aを通して後方の延出部2073や部材を見え難して隠すことができる。
また、装飾シール2072には、サブアウト口2023と対応する部位に、「OUT」の文字列からなるアウト口表記2050が施されている。このアウト口表記2050は、前板2071の上端縁に沿って、縦書きの「OUT」の文字列により構成されている。なお、図示は省略するが、アウト口表記2050は、透明な前板2071を通して入球口部材2070の裏側から視認可能である。
なお、アウト口表記2050の裏側に、白色や灰色のような所定色の裏打部を設けるようにしても良い。裏打部を設けることで、アウト口表記2050の発色を良くすることができる。また、裏打部を設けることで、アウト口表記2050が透けて見えることを低減させることができ、アウト口表記2050を通して後方の延出部2073や部材を見え難して隠すことができる。
延出部2073は、前板2071の後面から後方へ延出している。延出部2073は、上方からサブアウト口2023に入球した遊技球Bを後方へ案内するための複数の案内リブ2073aと、正面視が枠状で上面がサブアウト口2023へ向かって低くなるように傾斜している棚部2073bと、を有している。案内リブ2073aは、上端が後方へ向かうに従って低くなるように形成されており、左右方向へ間隔をあけて設けられている。複数の案内リブ2073aや棚部2073bのような延出部2073は、装飾シール2072の絵柄部2072aやアウト口表記2050と前後方向に重なるように設けられている。
このように、本実施形態によれば、透明な前板2071から後方へ延出している延出部2073の前方に重なるようにアウト口表記2050と装飾シール2072の絵柄部2072aとを設けているため、アウト口表記2050と絵柄部2072aとによって前方から延出部2073を見え難くすることができ、延出部2073が見えることによる見栄えの低下を抑制させて見栄えを良くすることができる。
また、入球口部材2070の裏側から入球口表記としてのアウト口表記2050を視認することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立作業において、アウト口表記2050を入球口部材2070の取付方向の目安にすることができる。
また、サブアウト口2023に対応したアウト口表記2050を設けているため、アウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、サブアウト口2023を一般入賞口2001などの入賞口と誤認することはないため、サブアウト口2023への遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
更に、アウト口表記2050を、透明な前板2071に貼り付けられる装飾シール2072に施しているため、アウト口表記2050が施(印刷)された装飾シール2072を、前板2071に貼り付けることで、サブアウト口2023と対応するアウト口表記2050を設けることができると共に、透明な前板2071を通して裏側からアウト口表記2050を認識することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材2070であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、装飾シール2072を貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
なお、上記の実施形態では、入球口部材2070にサブアウト口2023が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、サブアウト口2023を通常のアウト口1008としても良いし、サブアウト口2023を一般入賞口2001のような入賞口としても良い。サブアウト口2023を入賞口する場合は、アウト口表記2050を入賞口表記部2060にする。
また、上記の実施形態では、アウト口表記2050として「OUT」の文字列(アルファベットの文字列)からなるものを示したが、これに限定するものではなく、「アウト」や「あうと」のような文字列(片仮名や平仮名の文字列)からなるアウト口表記2050としても良い。
また、上記の実施形態において、図147~図149の実施形態と同様に、入球口部材2070の裏側から入球口表記としてのアウト口表記2050を認識可能(判読可能)としても良い。
ところで、入球口部材2070の開発段階では、設けられている複数の入球口のうち特定の入球口がサブアウト口2023であることを示すような表記を設けていないため、サブアウト口2023の位置を把握できない問題があった。これに対して、本実施形態では、入球口部材2070における入球口表記と前後方向に重なる位置の裏側に、特定形状からなる特定形状部(例えば、延出部2073)を形成している。これにより、入球口部材2070の表側に入球口表記としてのアウト口表記2050が設けられていないような開発段階でも、入球口部材2070を裏側から見ると特定形状部としての延出部2073が見えるため、当該延出部2073が設けられている部位が、アウト口表記2050が設けられる特定の入球口(ここでは、サブアウト口2023)であることが判り、当該入球口(サブアウト口2023)の位置を容易に把握することができる。
なお、特定形状部としては、上述した延出部2073(案内リブ2073a、棚部2073b)の他に、「入球口を示すような文字からなる凹凸のレリーフ状のもの」、「入球口を示すような記号や矢印からなる凹凸のレリーフ状のもの」、「円形の段差状のもの(例えば、エジェクタピン跡)」、「前後方向へ円柱状に延出しているもの(例えば、位置決突起)」、「前後方向に貫通しているもの(例えば、シール剥孔2071a)」、「断面がU字状で前後方向へ延出しているもの(例えば、樋部)」、等が挙げられる。
また、本実施形態の入球口部材2070は、透過性を有する透明な部材としていることから、装飾シール2072が貼り付けられていない状態では、入球口部材2070の前方から特定形状部を視認することができる。換言すると、前板2071に装飾シール2072を貼り付けると特定形状部を前方から視認不能(視認困難)とすることができ、装飾シール2072(アウト口表記2050)により特定形状部を前方から見え難くして隠すことができる。従って、例えば、開発段階において特定形状部を有するように設計した入球口部材2070に対して、特定形状部を削除するような設計変更をしなくても、アウト口表記2050が施されている装飾シール2072を貼り付けることにより、特定形状部を前方から見えないように隠すことができるため、開発段階の入球口部材2070を完成段階においてそのまま利用することが可能となり、設計変更を不要にすることができる。
また、入球口部材2070の裏側に特定形状部としての延出部2073を設けているため、パチンコ機1(遊技盤5)の製造工場などにおいて、装飾シール2072の貼り付けによりアウト口表記2050を設ける際に、特定形状部によりアウト口表記2050を設ける位置(サブアウト口2023の位置)を把握することができ、アウト口表記2050を所望の部位に確実に設けることができる。また、入球口部材2070の裏側に特定形状部を設けているため、アウト口表記2050を設けた後で、入球口部材2070の表裏を見ることで、特定形状部の前方にアウト口表記2050が設けられているか否かを確認することができる。
[7-5.入球口表記と可動体との関係]
次に、アウト口表記2050や入賞口表記部2060のような入球口表記と、可動体との関係について、図151~図153等を参照して説明する。図151(a)は演出操作部としてポップアップ式の押圧操作部が通常の位置の状態でパチンコ機の下部を正面図から示す説明図であり、(b)はポップアップ式の押圧操作部が上昇位置の状態でパチンコ機の下部を正面図から示す説明図である。図152(a)は振分片が前進位置の状態でセンター役物の一部を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるサブアウト口の部位で切断して断面で示す説明図であり、(c)は振分片が後退位置の状態でセンター役物の要部を正面から示す説明図である。図153(a)は第一始動口と第二始動口とを有する始動口ユニットを通常の状態で示す正面図であり、(b)は(a)の始動口ユニットの縦断面図であり、(c)は(a)の状態における第二始動口の部位を示す斜視図であり、(d)は(c)の状態から羽根が開いた状態で第二始動口の部位を示す斜視図である。
[7-5a.入球口表記と可動体との関係例1]
まず、図151に示す実施形態について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の皿ユニット200に、可動体として、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者が操作することで演出に参加することが可能な押圧操作部303が設けられている。押圧操作部303は、演出操作部昇降機構(図示は省略)により、下降した通常位置と上昇した上昇位置との間で移動可能に設けられている。詳述すると、押圧操作部303は、通常の状態では正面視において扉枠3の扉窓101aよりも下方に位置している通常位置と、通常位置から上昇して一部(上部)が正面視において扉枠3の扉窓101aと重なる上昇位置、との間で移動可能に設けられている。この押圧操作部303は、いわゆるポップアップボタンである。
また、パチンコ機1は、遊技盤5の下部に、第一始動口2002と二つのサブアウト口2023とを有した始動口ユニット2100が設けられている。二つのサブアウト口2023は、第一始動口2002よりも下方で第一始動口2002を間にして左右両側に設けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002やサブアウト口2023の前端を構成している前板2101を有している。前板2101の前面におけるサブアウト口2023の前方の部位には、「OUT」の横書きの文字からなるアウト口表記2050が設けられている。本実施形態では、アウト口表記2050がシールとして貼り付けられている。
遊技盤5の始動口ユニット2100は、扉枠3における扉窓101aの下端よりも上方に設けられている。つまり、始動口ユニット2100(アウト口表記2050)は、正面視において、扉窓101aから前方へ臨む部位に設けられている。
そして、通常の状態では、上述したように、通常位置の押圧操作部303が正面視において扉窓101aよりも下方に位置しているため、始動口ユニット2100に設けられているアウト口表記2050を正面から視認することができる(図151(a)を参照)。これにより、複数のサブアウト口2023が設けられていても、遊技者からはサブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050が見えるため、サブアウト口2023の存在を認識させることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することはない。
一方、遊技者参加型演出が実行されて押圧操作部303が通常位置から上昇位置へ移動する(ポップアップする)と、図151(b)に示すように、押圧操作部303の上部が、正面視において始動口ユニット2100の前方に位置し、始動口ユニット2100に設けられている複数のアウト口表記2050が視認不能な状態となる。このように、本実施形態では、可動体としての押圧操作部303の移動位置に応じて、アウト口表記2050の視認性が変化する。
ところで、遊技者参加型演出が始まる際に、閃光を発するような発光演出、演出が開始されることを示唆する演出画像の表示、演出が開始されることを示唆するサウンド(効果音やBGM)、などにより、他の遊技者が本パチンコ機1に注目することとなる。この際に、押圧操作部303が上昇位置に移動することで、押圧操作部303がアウト口表記2050を隠して他の遊技者からは視認し難くなるため、アウト口表記2050が見えることによる遊技盤5の見栄えの低下を抑制させることができ、他の遊技者に対して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
このように、本実施形態によれば、可動体を、遊技者参加型演出が実行された時に上昇して遊技者が押圧操作することにより当該演出に参加することが可能となる押圧操作部303(ポップアップボタン)としている。この押圧操作部303が下方へ移動している通常の状態では、アウト口表記2050と押圧操作部303とが重なっていないため、アウト口表記2050を視認することができ、アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができる。この通常の状態では、他の遊技者からもアウト口表記2050が見えるが、遊技が通常の状態であることから、他の遊技者は本パチンコ機1を凝視せずにパッと見るだけであるため、アウト口表記2050に気付き難く、パチンコ機1の見栄えが悪く見えることはない。一方、遊技者参加型演出が実行されて押圧操作部303が上昇すると、アウト口表記2050と押圧操作部303とが重なってアウト口表記2050が見え難くなるが、本パチンコ機1で遊技している遊技者は、通常の状態においてサブアウト口2023の存在を認識しているため、アウト口表記2050が見えなくてもサブアウト口2023を入賞口と勘違いすることはない。これに対して他の遊技者は、遊技者参加型演出の実行により、当該演出が開始されることを示唆する発光やサウンドなどの演出により本パチンコ機1に注目することとなるが、押圧操作部303が上昇することによりアウト口表記2050と重なってアウト口表記2050が見え難くなるため、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの低下を抑制させることができ、相対的に見栄えを良くすることができる。そして、他の遊技者からは遊技者参加型演出が見えるため、当該演出により他の遊技者を引き付けることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、アウト口表記2050を、遊技領域5aの左右方向の中央付近に設けているため、遊技者の正面付近にアウト口表記2050が位置することで目立ち易くなる一方、可動体(押圧操作部303)の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記では、可動体として、ポップアップする押圧操作部303を示したが、これに限定するものではなく、上部が正面視において扉窓101aと重なるように設けられている演出操作部(例えば、操縦桿のように操作可能なステックタイプの演出操作部(レバー操作部304))としても良い。
また、上記では、横書きのアウト口表記2050を示したが、これに限定するものではなく、可動体におけるアウト口表記2050を隠している部位の形態(形状)に応じて、アウト口表記2050の表記の態様を変更するようにしても良い。つまり、可動体によるアウト口表記2050の隠れ方に応じてアウト口表記2050の表記を変えるようにしても良い。具体的には、例えば、可動体の上端縁に近い部位では横方向にアウト口表記2050が隠れるため、当該アウト口表記2050を横書きにする。また、可動体の側端縁に近い部位では縦方向にアウト口表記2050が隠れることとなるため、当該アウト口表記2050を縦書きにする。
また、上記では、アウト口表記2050が正面視において上昇位置の可動体により完全に隠れるものを示したが、これに限定するものではなく、正面視においてアウト口表記2050の一部が隠れるものであっても良い。この場合、可動体によりアウト口表記2050を隠す方向と同じ方向へ長いアウト口表記2050としても良いが、可動体によりアウト口表記2050を隠す方向に対して、交差する方向へ長いアウト口表記2050として一部が隠れるようにしても良い。具体的には、例えば、可動体が横方向に隠している場合はアウト口表記2050を縦書きにし、可動体が縦方向に隠している場合はアウト口表記2050を横書きにする。
更に、上記では、入球口表記としてアウト口表記2050を示したが、これに限定するものではなく、第一始動口2002に対応している入賞口表記部2060としても良い。
[7-5b.入球口表記と可動体との関係例2]
続いて、図152に示す実施形態について説明する。本実施形態の遊技盤5に設けられているセンター役物2500は、ステージ2518へ遊技球Bを供給するためのワープ通路(図示は省略)とは別に設けられている第二ワープ通路(図示は省略)を流通した遊技球Bが流通する第一通路2585と、第一通路2585に対して右方へ間隔をあけて設けられている第二通路2586と、第一通路2585から第二通路2586へ遊技球Bを橋渡し可能な振分片2587と、第一通路2585および第二通路2586の前端側を区画している平板状の透明な振分前板2588と、を有している。
また、センター役物2500は、第一通路2585から振分片2587上を通って第二通路2586へ流通した遊技球Bが入球可能に設けられている入賞口としての第一サブ始動口(図示は省略)と、第一通路2585と第二通路2586との間に落下した遊技球Bが入球するサブアウト口2023と、サブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050と、を備えている。なお、第二通路2586を流通し、第一サブ始動口に入球しなかった遊技球Bは、遊技領域5aに戻されて遊技領域5aを流下する。サブアウト口2023は、ステージ2518よりも上方に設けられている。
第一通路2585は、左右方向へ延出しており、右端側が低くなるように傾斜している。第一通路2585は、ステージ2518よりも上方に設けられており、右端がステージ2518の左端付近の上方に位置している。第二通路2586は、第一通路2585の右端よりも下方に設けられていると共に、左右方向へ延出しており、右端側が低くなるように傾斜している。第二通路2586は、ステージ2518よりも上方に設けられており、左端がステージ2518の右端付近の上方に位置している。従って、第一通路2585と第二通路2586は、ステージ2518を間にして左右に離隔している。
振分片2587は、ステージ2518の上方で、第一通路2585と第二通路2586との間に設けられている。振分片2587は、上面が第一通路2585と第二通路2586との間の高さに位置しており、右方(第二通路2586)へ向かって低くなるように傾斜している。この振分片2587は、不透明な平板状に形成されている。
振分片2587は、図示しない駆動機構により、所定の周期で前後方向へ進退可能に設けられている。この振分片2587が前方へ移動している前進位置の状態(図152(a)および(b)を参照)では、第一通路2585を流通してきた遊技球Bが、振分片2587の上面を右方へ転動させて第二通路2586に受け渡すことが可能である。第二通路2586に受け渡された遊技球Bは、高い確率で第一サブ始動口に入球し、第一特別図柄の抽選が行われる。一方、振分片2587が後方へ移動している後退位置の状態では、第一通路2585を流通してきた遊技球Bが、第一通路2585と第二通路2586との間の空間へ落下し、下方に設けられているサブアウト口2023に入球して、遊技領域5aに戻されることなく外部へ排出される。
従って、振分片2587が前進位置のタイミングで、第一通路2585から振分片2587側へ遊技球Bが流通すると、振分片2587および第二通路2586を通って、高い確率で第一サブ始動口に入球する。換言すると、前進位置のタイミングで振分片2587上へ遊技球Bが供給されると、振分片2587により第一サブ始動口側へ振分けられる。これにより、遊技者に対して、振分片2587により第一サブ始動口側へ遊技球Bが振分けられるタイミングで、第二ワープ通路へ遊技球Bを進入させるような遊技球Bの打込操作をさせることができ、遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。そして、遊技球Bが第二ワープ通路に進入すると、振分片2587により第一サブ始動口側へ振分けられるか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
振分前板2588は、センター役物2500における遊技パネル1100の前面に当接するフランジ部2512と、前後方向が同一面上に設けられている。
アウト口表記2050は、振分前板2588における振分片2587とサブアウト口2023との間の高さの部位に設けられている。このアウト口表記2050は、横書きの「OUT」の文字列により構成されている。詳述すると、本実施形態のアウト口表記2050は、表記本体2051が透明に中抜きされたフレーム状の文字からなり、周縁部2052が透明である(図152(c)を参照)。
本実施形態では、振分片2587が不透明で透光性が低いため、振分片2587が前進位置の状態では、振分片2587の陰によりその下方(第一通路2585と第二通路2586との間の空間)が暗くなり、アウト口表記2050の後方が暗くなる。これにより、図152(a)に示すように、アウト口表記2050が見え辛くなる。一方、振分片2587が後退位置の状態では、第一通路2585と第二通路2586との間の空間の上方に位置していた振分片2587がなくなることで当該空間に光が入るため、当該空間が明るくなり、アウト口表記2050の後方が明るくなる。これにより、アウト口表記2050が見え易くなる(図152(c)を参照)。
上記のように、本実施形態では、可動体としての振分片2587の移動位置に応じてアウト口表記2050の視認性が変化する。
本実施形態によれば、振分片2587の移動位置に応じてアウト口表記2050の視認性が変化すると共に、当該振分片2587が所定周期で進退しているため、振分片2587が後退位置の時にアウト口表記2050が見え易くなることで、遊技者に対してサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することはない。
また、振分片2587が後退位置の状態、つまり、遊技球Bがサブアウト口2023へ振分けられる状態では、アウト口表記2050が見え易くなるため、遊技者に対してサブアウト口2023の存在を充分に認識させることができ、遊技球Bがサブアウト口2023へ振分けられても、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
また、振分片2587が前進位置の状態、つまり、遊技球Bが第一サブ始動口側へ振分けられる状態では、アウト口表記2050が見え辛くなるため、遊技者に対してサブアウト口2023に対する意識を低下させることができ、第一サブ始動口側への振分けに対する期待感を高めさて楽しませることができる。
更に、振分片2587の進退によりアウト口表記2050の視認性が周期的に変化するため、他の遊技者に対してアウト口表記2050を気付かせ難くすることができる。これにより、他の遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、他の遊技者に対して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、本実施形態によれば、アウト口表記2050をセンター役物2500における透明な振分前板2588に設けると共に、後方に設けられている可動体としての振分片2587の可動位置によってアウト口表記2050の後方を明るくしたり暗くしたりすることができるようにしているため、振分片2587の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができる。詳述すると、アウト口表記2050を、透明に中抜きされたフレーム状の黒文字のような暗い感じの表記にしている。これにより、振分片2587の後退位置への可動(移動)によってアウト口表記2050の後方を明るくすると、暗いアウト口表記2050の周囲が明るくなるため、アウト口表記2050が目立って見え易くなる。一方、振分片2587の前進位置への可動によってアウト口表記2050の後方を暗くすると、暗いアウト口表記2050の周囲が暗くなるため、アウト口表記2050が周囲の暗さに溶け込んで見え難くなる。このように、振分片2587の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
また、アウト口表記2050を遊技領域5aの左右方向の中央付近に設けているため、遊技者の正面付近にアウト口表記2050が位置することで目立ち易くなる一方、可動体(振分片2587)の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、アウト口表記2050を、白文字のような明るい感じの表記にしても良い。この場合、振分片2587の後退位置への可動(移動)によってアウト口表記2050の後方を明るくすると、明るいアウト口表記2050の周囲が明るくなるため、アウト口表記2050が周囲の明るさに溶け込んで見え難くなる。一方、振分片2587の前進位置への可動によってアウト口表記2050の後方を暗くすると、明るいアウト口表記2050の周囲が暗くなるため、アウト口表記2050が目立って見え易くなる。このように、振分片2587の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
また、上記では、振分片2587による振分先の一つをサブアウト口2023にすると共に、サブアウト口2023に対応しているアウト口表記2050が振分片2587の移動位置に応じて視認性が変化するものを示したが、これに限定するものではなく、サブアウト口2023を入賞口に替えると共に、当該入賞口に対応している入賞口表記部2060の視認性を振分片2587の移動位置に応じて変化させるようにしても良い。
また、上記では、後方に設けられている可動体(振分片2587)の可動位置により、アウト口表記2050の後方を明るくしたり暗くしたりすることで、アウト口表記2050の視認性を変化させるものを示したが、これに限定するものではない。例えば、アウト口表記2050を透明な部材に設けると共に、後方の可動体をアウト口表記2050と重なる位置と重ならない位置との間で可動するようにすると、可動体の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができる。詳述すると、例えば、アウト口表記2050に対して可動体を同じような色または溶け込むような装飾とする場合、可動体をアウト口表記2050と重なる位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に可動体の色や装飾が見えることで、アウト口表記2050が可動体の色や装飾に溶け込んで見え難くなる。一方、可動体をアウト口表記2050と重ならない位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に可動体が見えなくなることで、相対的にアウト口表記2050が目立つようになり、アウト口表記2050が見え易くなる。或いは、アウト口表記2050に対して可動体を異なる色や装飾とする場合、可動体をアウト口表記2050と重なる位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に可動体の異なる色や装飾が見えることで、アウト口表記2050が目立つようになり、アウト口表記2050が見え易くなる。一方、可動体をアウト口表記2050と重ならない位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に異なる色や装飾の可動体が見えなくなることで、相対的にアウト口表記2050が目立ち難くなり、アウト口表記2050が見え難くなる。このように、可動体の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
[7-5c.入球口表記と可動体との関係例3]
次に、図153に示す実施形態について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002と第二始動口2004とを有する始動口ユニット2100を備えている。
詳述すると、始動口ユニット2100は、遊技パネル1100の前面に当接可能な透明平板状の台板2111と、台板2111から前方へ突出しており上方へ向かって開放されていると共に入球した遊技球Bを台板2111の後方へ誘導可能な入球口2112と、台板2111の後側において入球口2112と連通しており左右に離隔して下方へ延出している一対の分岐通路2113と、一対の分岐通路2113のそれぞれの下流端に設けられている一対の第一始動口2002と、一対の第一始動口2002の間に設けられており一対の分岐通路2113と連通しているサブアウト口2023と、入球口2112の直下で一対の第一始動口2002およびサブアウト口2023よりも下方において台板2111から前方へ突出しており上方へ向かって開放されている第二始動口2004と、第二始動口2004の上端における左右両外側において拡開可能に設けられている一対の羽根2114と、を備えている。
一対の羽根2114は、それぞれの下端側が前後方向へ延びた軸芯に対して回転可能に支持されており、それぞれが直立している第一位置と、それぞれの上端同士が第一位置よりも遠ざかるように離隔している第二位置と、の間で拡開可能に設けられている。一対の羽根2114は、不透明な部材により形成されている。一対の羽根2114は、第一位置の状態では、一対の羽根2114の上端同士の間隔が、遊技球Bの直径よりもやや大きい幅の間隔であり、第二位置の状態では、一対の羽根2114の上端同士の間隔が、遊技球Bの直径の4~5倍の幅の間隔である。つまり、第二始動口2004は、一対の羽根2114の拡開により、遊技球Bの入球確率が変化するものである。
本実施形態の始動口ユニット2100は、透明な台板2111を通して、一対の分岐通路2113を流通している遊技球Bを前方から視認することができる。この始動口ユニット2100は、入球口2112に入球した遊技球Bが、高い確率で一対の第一始動口2002の何れかに受入れられる。また、一対の分岐通路2113は、それぞれがサブアウト口2023側と連通しているため、入球口2112に入球した遊技球Bは、低い確率でサブアウト口2023に受入れられる。従って、入球口2112に遊技球Bが入球した場合、当該遊技球Bがサブアウト口2023に入球せずに、第一始動口2002に入球することを強く願わせることができ、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて楽しませることができる。
また、第二始動口2004は、常時開口しているものの、一対の羽根2114が第一位置の状態では入球確率が低く、一対の羽根2114が第二位置の状態になると入球確率が高くなる。この一対の羽根2114は、通常は第一位置の状態であり、ゲート(図示は省略)における遊技球Bの通過、或いは、普通入賞口(図示は省略)への遊技球Bの入球、により抽選される普通図柄の抽選結果に応じて、第一位置から所定時間の間、第二位置の状態になる。
また、始動口ユニット2100は、一対の第一始動口2002と対応する一対の入賞口表記部2060と、サブアウト口2023と対応するアウト口表記2050とが、台板2111の前面に設けられている。入賞口表記部2060は横書きの「IN」の文字によって構成されており、アウト口表記2050は横書きの「OUT」の文字によって構成されている。
アウト口表記2050は、第一位置の時の一対の羽根2114における上部同士の間の高さの部位に設けられている(図153(a)を参照)。一対の入賞口表記部2060は、アウト口表記2050と同じ高さで、第一位置の時の一対の羽根2114の上部よりも左右両外側に設けられている。つまり、アウト口表記2050と一対の入賞口表記部2060は、一対の羽根2114よりも後方で、第一位置の時の一対の羽根2114の上端よりも低い位置に設けられている。
そして、可動体としての一対の羽根2114が第一位置の状態では、図153(a)および同図(c)に示すように、本パチンコ機1の正面に着座している遊技者からは、アウト口表記2050と一対の入賞口表記部2060とを視認することができる。これにより、当該遊技者に対しては、視認できるアウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することはない。
また、正面に着座している遊技者からはアウト口表記2050を視認することができるため、遊技者に対してサブアウト口2023の存在を充分に認識させることができ、入球口2112に入球した遊技球Bがサブアウト口2023へ入球しても、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
また、一対の羽根2114が第一位置の状態では、本パチンコ機1に対して正面よりも横に位置している遊技者、つまり、他の遊技者からは、図153(c)に示すように、アウト口表記2050と、一対の入賞口表記部2060のうち遠い側の入賞口表記部2060と、が羽根2114と重なって視認不能となる。これにより、他の遊技者からはアウト口表記2050が見えないため、アウト口表記2050が見えることによる遊技盤5の見栄えの低下を抑制させることができ、他の遊技者に対して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、一対の羽根2114が第一位置の状態では、図153(c)に示すように、他の遊技者からは「IN」の文字からなる入賞口表記部2060しか見えない。そして、その入賞口表記部2060は、直立している羽根2114の外側に設けられているため、羽根2114が拡開する(開く)と遊技球Bが第二始動口2004に入球可能となることを直感的に他の遊技者に認識させることができ、羽根2114の拡開に対する期待感を高めさせて遊技を楽しませることができる。
一方、一対の羽根2114が拡開して第二位置の状態になると、図153(d)に示すように、他の遊技者からもアウト口表記2050と一対の入賞口表記部2060とが視認可能となり、一対の第一始動口2002の間にサブアウト口2023が存在していることを認識させることができる。
一対の羽根2114が拡開して第二位置の状態になると、視認可能となったアウト口表記2050と一対の入賞口表記部2060とが第二始動口2004の上方に設けられているため、第二始動口2004と、第一始動口2002およびサブアウト口2023との位置関係を知らない遊技者に対して驚かせることができ、「どういうことだろうか?」と遊技者の関心を強く引き付けさせることができ。
このように、本実施形態によれば、可動体としての一対の羽根2114の移動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができるため、本パチンコ機1で遊技している遊技者に対してはアウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在を認識させつつ、他の遊技者に対してはアウト口表記2050による見栄えの悪化を回避させることで見栄えを良くして遊技するパチンコ機としての魅力(訴求力)を高めることができる。
また、アウト口表記2050を遊技領域5aの左右方向の中央付近に設けているため、遊技者の正面付近にアウト口表記2050が位置することで目立ち易くなる一方、可動体(羽根2114)の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、アウト口表記2050を、可動体としての一対の羽根2114よりも後方に設けているため、羽根2114をアウト口表記2050と重なる位置へ移動させると、前方の羽根2114によりアウト口表記2050を隠して見え難くすることができる。一方、羽根2114をアウト口表記2050と重ならない位置へ移動させると、アウト口表記2050を見えるようにすることができる。従って、羽根2114の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化することができる。
なお、上記では、一対の第一始動口2002の間にサブアウト口2023を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、サブアウト口2023の替わりに第一始動口2002よりも遊技者が有利となる特典が付与される入賞口としても良い。この場合、アウト口表記2050は当該入賞口と対応する入賞口表記部2060にする。
[7-6.アウト口表記と遊技領域との関係]
次に、アウト口表記2050と遊技領域5aとの関係について、主に図154などを参照して詳細に説明する。図154は、遊技領域の下部において第一領域と第二領域とに分離している遊技盤の下部を概略で示す説明図である。ここでは、上記の遊技盤5などと同様の構成については同じ符号を付して説明する。
本実施形態の遊技盤5は、遊技球Bが流下する遊技領域5aの下部が、センター役物2500を間にするようにして第一領域5a1と第二領域5a2とに分離している。第一領域5a1を流下している遊技球Bは第二領域5a2へ進入することはなく、第二領域5a2を流下している遊技球Bは第一領域5a1へ進入することはない。
本実施形態の遊技盤5は、遊技領域5aにおける左右方向中央の下部に設けられている始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の右方に設けられているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、始動口ユニット2100の右方に設けられているアタッカユニット2400と、遊技領域5aの中央に設けられているセンター役物2500と、を備えている。
また、遊技盤5は、始動口ユニット2100の下方に設けられている第一アウト口としてのアウト口1008と、アウト口1008の右方でアタッカユニット2400に設けられている第二アウト口としてのサブアウト口2023と、を備えている。
始動口ユニット2100は、上方へ向かって常時開口している第一始動口2002が設けられている。第一始動口2002は、遊技球Bの入球により特典として所定数の遊技球Bを払出すと共に、第一特別図柄の抽選が行われる。
サイドユニット2200は、常時開口している三つの一般入賞口2001が設けられている。三つの一般入賞口2001は、左右方向へ間隔をあけて設けられている。最も左側の一般入賞口2001は左上へ向かって斜めに開口しており、残り二つの一般入賞口2001は上方へ向かって開口している。一般入賞口2001は、遊技球Bの入球により特典として所定数の遊技球Bを払出す。
サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜している棚部2301を有している。棚部2301の左端は内レール1002に接近している。
アタッカユニット2400は、右レール1005とセンター役物2500との間の部位に設けられているゲート2003と、ゲート2003の下方に設けられている第二始動口2004と、第二始動口2004の左下に設けられている大入賞口2005と、大入賞口2005の左下に設けられている一つの一般入賞口2001と、一般入賞口2001の右側に設けられている第二アウト口としてのサブアウト口2023と、を備えている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉させるために進退可能に設けられている第二始動口扉2541と、ゲート2003を遊技球Bが通過することで抽選される普通図柄の抽選結果に応じて第二始動口扉2541を進退させる始動口ソレノイドと、大入賞口2005を開閉させるために進退可能に設けられている大入賞口扉2531と、第一始動口2002または第二始動口2004への遊技球Bの入球により抽選される第一特別図柄または第二特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口扉2531を進退させるアタッカソレノイドと、を備えている。
また、アタッカユニット2400は、遊技パネル1100の前面に当接する平板状の台板2441と、台板2441と間隔をあけて前方に設けられている透明平板状の前板2442と、台板2441の左端辺と前板2442の左端辺とを繋いでいると共にセンター役物2500の前方突出部2511から右下レール1004付近まで延出している隔壁部2447と、を備えている。隔壁部2447は、遊技領域5aにおけるセンター役物2500を間にして遊技領域5aを、左側の第一領域5a1と右側の第二領域5a2とに区画している。
更に、アタッカユニット2400は、透明な前板2442におけるサブアウト口2023の前方の部位に、サブアウト口2023と対応しているアウト口表記2050が設けられている(図154を参照)。このアウト口表記2050は、横書きの「OUT」の文字列により構成されている。このアウト口表記2050により、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。なお、アウト口表記2050は、シールに施されており、当該シールは前板2442の前面に貼り付けられている。
センター役物2500は、前後方向に延びている枠状の前方突出部2511と、前方突出部2511の後端外周から突出しており遊技パネル1100の前面に当接する平板状のフランジ部2512と、を有している。前方突出部2511は、遊技盤5に組立てた状態で、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内の遊技球Bがセンター役物2500の外側から枠内の内側への侵入を防止している。
また、センター役物2500は、前方突出部2511の左側面の外側から枠の内側へ遊技球Bを誘導可能なワープ通路2516と、センター役物2500の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2516を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2518と、を備えている。
ステージ2518は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100の遊技パネル1100に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2518は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2518a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2518b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
このステージ2518は、遊技盤5に組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2518a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2518の中央の中央放出部2518aから遊技球Bが放出されると、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
このセンター役物2500は、遊技領域5aの中央に設けられている。そして、本実施形態では、アタッカユニット2400とセンター役物2500とにより、遊技領域5aを、遊技球Bがセンター役物2500の左外側を流下する第一領域5a1と、センター役物2500の右外側を流下する第二領域5a2と、に分割している。
この遊技盤5は、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する有利遊技状態を発生(例えば、大当り、中当り、小当り、確変当り、時短当り、など)させる特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の抽選が行われる第一始動口2002と第二始動口2004とを備えている。第一始動口2002は第一領域5a1に設けられており、常時開口している。一方、第二始動口2004は第二領域5a2に設けられており、通常は第二始動口扉2541により閉鎖されている。この第二始動口2004は、第二領域5a2に設けられているゲート2003を遊技球Bが通過することにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて開放される。
従って、通常の状態では、第二始動口2004よりも第一始動口2002の方が遊技球Bの入球確率が高いため、第一始動口2002へ入球させるために、センター役物2500の左側(第一領域5a1)を遊技球Bが流下するような打込操作(所謂、左打ち)をする。そして、第一始動口2002に入球した上で、有利遊技状態が発生する特別図柄が抽選されると、第二領域5a2に設けられている大入賞口2005が所定のパターンで開放されるため、センター役物2500の右側(第二領域5a2)を遊技球Bが流下するような打込操作(所謂、右打ち)をする。
この右打ちにより、第二領域5a2に設けられているゲート2003を遊技球Bが通過する可能性が高くなるため、第二始動口2004が開放される普通図柄が抽選され易くなり、第二始動口2004への入球確率が高くなる。つまり、有利遊技状態が発生して右打ちすると、第二始動口2004の入球確率が変化して通常よりも高くなる。この有利遊技状態では、大入賞口2005が所定のパターンで開放されるため、第二領域5a2に打ち込まれた遊技球Bは、第二始動口2004や大入賞口2005に入球し易くなり、サブアウト口2023に入球する遊技球Bが相対的に減少する。
換言すると、本実施形態では、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の左側の領域を含む第一領域5a1と、同じく遊技領域5aにおけるセンター役物2500の右側の領域を含む第二領域5a2と、を有している。そして、第一領域5a1に発射された(所謂、左打ち)遊技球Bが入球可能な第一始動口2002と、第二領域5a2に発射された(所謂、右打ち)遊技球Bが入球可能な第二始動口2004と、が設けられている。更に、第一領域5a1には遊技球Bを排出する第一アウト口としてのアウト口1008が設けられ、第二領域5a2には遊技球Bを排出する第二アウト口としてのサブアウト口2023が設けられている。
通常の遊技状態では、第一領域5a1を流下する遊技球Bは、第一始動口2002に導かれる可能性よりもアウト口1008に導かれる可能性の方が高く、第二領域5a2を流下する遊技球Bは、第二始動口2004に導かれる可能性よりもサブアウト口2023に導かれる可能性の方が高い。
一方、特定の遊技状態(例えば、時短遊技状態)では、第一領域5a1を流下する遊技球Bは、第一始動口2002に導かれる可能性よりもアウト口1008に導かれる可能性の方が高いが、第二領域5a2を流下する遊技球Bは、サブアウト口2023に導かれる可能性よりも第二始動口2004に導かれる可能性の方が高い。
そして、上記のように遊技状態によって入球可能性(入球確率)が変化するサブアウト口2023には、第二領域5a2における対応する部位(ここでは、アタッカユニット2400の前板2442)に、特定アウト表示としてのアウト口表記2050が設けられ、アウト口1008を含む第一領域5a1側にはアウト口1008と対応するアウト口表記2050(特定アウト表示)が設けられていない。
このように、入球可能性が変化しないアウト口1008にはアウト口表記2050を設けずに、入球可能性が変化するサブアウト口2023にはアウト口表記2050を設けているため、遊技者がアウト口表記2050を見ることで、サブアウト口2023がアウト口1008とは異なる特別なアウト口であると認識させることが可能となり、当該サブアウト口2023が設けられている第二領域5a2が特別な領域であると認識させることができる。従って、遊技者に対して第二領域5a2での遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第二領域5a2のサブアウト口2023と対応するアウト口表記2050を設けているため、遊技者が当該アウト口表記2050を見ることで、通常のアウト口1008の他に設けられているサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、当該サブアウト口2023を入賞口と誤認することはない。
更に説明すると、本実施形態では、第一領域5a1の第一始動口2002、または、第二領域5a2の第二始動口2004、に遊技球Bが入球して第一特別図柄または第二特別図柄として特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)が発生する特別図柄が抽選されると、第二始動口2004へ遊技球Bが入球し易くなる。詳述すると、特定遊技状態が発生する特別図柄の抽選結果(図柄の組合せ)として、例えば、「時短大当り」が抽選されると、第二領域5a2に設けられている大入賞口2005(可変入賞口)が所定のパターンで開閉する大当り遊技が開始されるため、大入賞口2005に入球させようと多くの遊技球Bを第二領域5a2へ打ち込む(ここでは、右打ちする)こととなる。そして、大入賞口2005の開閉が終了(大当り遊技が終了)すると、第一始動口2002や第二始動口2004への入球により抽選される特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる時短遊技状態(特定遊技状態)となる。この時短遊技状態では、変動時間を短くすることに加えて、変動が保留されている特別図柄がある場合、第一始動口2002による第一特別図柄よりも第二始動口2004による第二特別図柄の方を優先して変動させるようにしている。そのため、第二特別図柄の変動が保留されている状態で第一領域5a1の第一始動口2002に入球させても、第一特別図柄の変動が開始されないばかりか保留数の上限(例えば4つ)により破棄されてしまうため、第二領域5a2の第二始動口2004へ入球するように、大当り遊技に引き続き、多くの遊技球Bを第二領域5a2へ打ち込むこととなり、第二始動口2004に遊技球Bが入球し易くなる。
換言すると、特定遊技状態(時短遊技状態)でない状態(通常の状態)では、第一領域5a1を流下する遊技球Bは第一始動口2002へ導かれる可能性よりもアウト口1008に導かれる可能性の方が高く、第二領域5a2を流下する遊技球Bは第二始動口2004へ導かれる可能性よりもサブアウト口2023に導かれる可能性の方が高い。一方、特定遊技状態(時短遊技状態)になると、第一領域5a1を流下する遊技球Bは第一始動口2002へ導かれる可能性よりもアウト口1008に導かれる可能性の方が高く、第二領域5a2を流下する遊技球Bはサブアウト口2023に導かれる可能性よりも第二始動口2004に導かれる可能性の方が高くなる。つまり、時短遊技状態のような特定遊技状態になると、第一始動口2002に入球する可能性は変化しないが、第二始動口2004に入球する可能性が高くなるように変化する。
このように、本実施形態によれば、通常の状態から特定遊技状態になると、第二領域5a2に設けられている第二始動口2004への入球の可能性が変化するため、遊技者が第二領域5a2に注目することとなる。この際に、第二領域5a2のサブアウト口2023の近傍には、アウト口1008には設けられていないアウト口表記2050が設けられているため、当該アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023に入球しないように強く願わせつつ、第二始動口2004への入球の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記では、特定遊技状態となる特別図柄の抽選結果(図柄の組合せ)として、「時短大当り」を例に示したが、これに限定するものではなく、「時短中当り」、「時短小当り」、「時短当り(大入賞口2005や役物入賞口が開閉することなく時短遊技状態になるもの)」、としても良い。
また、上記では、特定の特別図柄が抽選されると、特定遊技状態(時短遊技状態)が発生するものを示したが、これに限定するものではなく、特別図柄の抽選結果として「ハズレ」が所定回数(例えば、200回~1000回)連続した場合に時短遊技状態を発生させるようにしても良い(所謂、遊タイム)。
また、アタッカユニット2400の前板2442におけるサブアウト口2023の前方の部位に、遊技球Bを後方へ案内するための案内リブを設け、当該案内リブを隠すように前板2442の前面にアウト口表記2050を設けても良い。また、前板2442の前面に、アウト口表記2050に加えて、装飾のための絵柄部を設けても良い。
[7-7.その他]
次に、アウト口表記2050などのその他の例について説明する。なお、以下ではサブアウト口2023などを、単にアウト口と称して説明する。
(その他1)
遊技盤5において、センター役物2500などにより遊技球Bが流下する遊技領域5aが複数の流下領域により構成されていると共に、各流下領域に少なくとも一つのアウト口がそれぞれ設けられているような場合、各アウト口と対応しているアウト口表記2050を、流下領域に応じてその態様を異ならせるようにしても良い。例えば、遊技領域5aが、センター役物2500のような部材により左流下領域と右流下領域とで構成され、右流下領域に大入賞口2005のような有利遊技状態の時に開閉する入賞口が設けられているような場合、通常の遊技状態では左流下領域を遊技球Bが流下するように打込み(左打ち)、「大当り」のような有利遊技状態の時は大入賞口2005のある右流下領域を遊技球Bが流下するように打込む(右打ち)こととなる。そのため、有利遊技状態(右打ち)では、短時間に多数の遊技球Bを打込む必要があるため、通常の遊技状態よりもスピード感や高揚感が異なることとなり、それに合わせて左流下領域のアウト口表記2050の態様と右流下領域のアウト口表記2050の態様とを異ならせる。例えば、左流下領域のアウト口表記2050の書体をゴシック体とし、右流下領域のアウト口表記2050の書体をポップ体とする。これにより、遊技者には不利なアウト口の存在を表記しているにも関わらず、ポップ体のアウト口表記2050により興趣の低下を抑制させることができ、遊技者を楽しませることができる。
(その他2)
遊技盤5において、アウト口表記2050を、作業者や遊技球Bが接触しない部位に設けることが望ましい。詳述すると、透明な部材にアウト口表記2050を設ける(シールの貼付け、印刷、部材との一体成形、など)場合、当該部材の裏側にアウト口表記2050を設けるようにする。これにより、作業者や遊技球Bが、アウト口表記2050に対して正面側から接触不能とすることができるため、遊技球Bの通過や作業者の接触によりアウト口表記2050の剥離を回避させることができる。
(その他3)
遊技盤5において、複数のアウト口表記2050を、遊技パネル1100に設けられているパネル装飾1113や装飾シール2203などの所定の絵柄や模様が施されている部位に設けるに当たり、アウト口表記2050の周囲の絵柄や模様などの色彩に応じて、アウト口表記2050の周縁部2052の色彩を変更することが望ましい。具体的には、例えば、第1のアウト口表記2050の周囲の色彩が白色で、第2のアウト口表記2050の周囲の色彩が黄色の場合、第1のアウト口表記2050の周縁部2052の色彩を黄色に、第2のアウト口表記2050の周縁部2052の色彩を白色にする。これにより、一見するとアウト口表記2050の周縁部2052の色彩とアウト口表記2050の周囲の色彩とが同じように見えるため、アウト口表記2050により周囲の色彩を阻害することはなく、パネル装飾1113などの絵柄や模様による装飾効果を確実に発揮させることができる。
この場合、アウト口表記2050の周縁部2052の色彩は、アウト口表記2050の表記本体2051の色彩と、アウト口表記2050の周囲の色彩(パネル装飾1113などの絵柄や模様の色彩)との何れとも異なる色にすることが望ましい。これにより、周縁部2052の色彩によりアウト口表記2050の表記本体2051がパネル装飾1113などの色彩と一体化して目立たなくなることはない。
なお、アウト口表記2050の周縁部2052の色彩と、アウト口表記2050の周囲の色彩とを異ならせるに当たり、互いの色彩の明度を同じような明度にしても良い。これにより、アウト口表記2050がパネル装飾1113などの絵柄や模様の色彩を阻害し難くすることができる。
(その他4)
遊技盤5において、アウト口表記2050の一部が遊技パネル1100に設けられている孔(例えば、障害釘Nが植設される釘孔、遊技パネル1100の前面に設けられる部材の取付孔、遊技パネル1100を貫通しており部材や球通路などが挿入される開口部、など)にかかっていても良い。これにより、アウト口表記2050の一部に障害釘Nなどが刺さっていても、残りの部位によりアウト口表記2050を認識することができ、アウト口であることを類推することが可能である。
(その他5)
遊技盤5において、複数のアウト口表記2050を、それぞれが対応しているアウト口の開口の大きさに応じて異ならせるようにしても良い。具体的には、例えば、アウト口の開口の大きさに応じて、アウト口表記2050の色彩を異ならせるようにしても良い。例えば、開口が遊技球B一個分の大きさの第1のアウト口ではアウト口表記2050の周縁部2052を白色とし、第1のアウト口よりも開口が大きい第2のアウト口ではアウト口表記2050の周縁部2052を黄色にする。
また、アウト口の開口が広いほど、アウト口表記2050の文字を大きくしても良い。或いは、それぞれのアウト口表記2050の文字の大きさは同じであるが、アウト口の開口の幅に合わせてアウト口表記2050の文字同士の間隔を狭くしたり広くしたりしても良い。
このように、アウト口の大きさに応じてアウト口表記2050を異ならせているため、複数のアウト口に対して、対応しているアウト口表記2050を見るだけで該当するアウト口への入球のし易さなどを認識させることが可能である。
(その他6)
遊技盤5において、アウト口を前方から視認不能とする前装飾体を設け、その前装飾体におけるアウト口の入口付近の部位にアウト口表記2050を設けるようにしても良い。この際に、アウト口の開口が左方や右方を向いている場合は、アウト口表記2050の文字列を縦書きにして、アウト口の開口部分の前方に設けるようにしても良い。なお、前装飾体としては、「前板に貼り付けられている装飾シール」、「前板に施されているメッキ層や印刷層」、「前板に形成されているレリーフ状の凹凸」、等が挙げられる。
このように、前装飾体によってアウト口が見えなくても、前装飾体に設けられているアウト口表記2050によりアウト口の存在に気付かせることができる。また、アウト口表記2050によりアウト口の存在に気付かせることができるため、アウト口が前方から見えるようにする場合と比較して、前装飾体の装飾範囲を広くすることが可能となり、見栄えを良くすることができる。
(その他7)
遊技盤5において、透明部材に設けられているアウト口の後方に可動体が設けられており、当該可動体の移動範囲の前方に透明部材のアウト口と対応しているアウト口表記2050を設けるようにしても良い。具体的には、例えば、可動体を振分部材のような規則的に可動する可動役物とすると共に、アウト口表記2050を透明に対して僅かに透光性を低くする。この場合、アウト口表記2050の表記本体2051を透明にし、周縁部2052を透明に対して僅かに透光性を低くするようにしても良い。これにより、アウト口表記2050の後方に可動役物が位置している状態ではアウト口表記2050が視認し辛くなり、後方に可動役物が位置していない状態ではアウト口表記2050が視認可能となる。従って、アウト口表記2050の透光性を高くすることで、アウト口表記2050が少々見え辛くなっていても、可動役物の1周期の中で視認可能となる時期があるため、アウト口の存在を認識させることができる。
また、上記では、アウト口表記2050の透光性を高くしたものを示したが、例えば、アウト口表記2050の色彩を、後方に設けられている可動体の色彩と同じにしても良い。これにより、後方に可動体が位置している状態ではアウト口表記2050の色彩が可動体の色彩に溶け込んでアウト口表記2050が見え辛くなり、後方に可動体が位置していない状態ではアウト口表記2050の色彩と後方の部材の色彩とが異なることでアウト口表記2050が見えるようになり、上記と同様の作用効果を奏する。
なお、上記では、可動体が後方に位置するとアウト口表記2050が見え辛くなるものを示したが、これに限定するものではなく、可動体が後方に位置するとアウト口表記2050が見え易くなるようにしても良い。
(その他8)
遊技盤5において、アウト口表記2050を構成している文字列を文字ごとに分解し、各文字の前後方向の位置を異ならせるようにしても良い。具体的には、例えば、アウト口表記2050が、「OUT」の文字からなる場合、「O」と「UT」に分解し、「O」を前板に、「UT」を遊技パネルにそれぞれ設け、真正面、または、前方に着座している遊技者、から見ると「OUT」に見えるようにする。これにより、他の遊技者からはアウト口表記2050が意味をなさず、絵柄や模様の一部のように見せることができ、本パチンコ機1で遊技している遊技者からはアウト口表記2050が意味をなして見えることとなり、アウト口の存在を認識させることができる。
(その他9)
遊技盤5において、複数設けられている入賞口表記部2060を、対応している入賞口に応じて異ならせるようにしても良い。つまり、入賞口表記部2060の文字、シンボルやピクトグラムにより、遊技者に与える利益のランクを示すようにしても良い。具体的には、例えば、第一始動口2002(始動入賞口)の入賞口表記部2060は「GO」や「IN」、V入賞口2010は「V」や「victry」、一般入賞口2001は単なる「模様」や「マーク」、などとしても良い。
或いは、特定の入賞口(例えば、V入賞口)に対して遊技球Bの入球を邪魔するように一般入賞口が設けられている場合、当該一般入賞口の入賞口表記部2060をアウト口であるかのような表記(例えば、「×」、「ドクロ」、など)とするようにしても良い。これにより、遊技者に対してV入賞口への入球を強く願わせることができる上に、アウト口に見える一般入賞口に入球すると特典が得られるため、遊技者の興趣を低下させてしまうことはない。なお、この場合、V入賞口への入球を邪魔する一般入賞口と、それ以外の一般入賞口とは、互いの入賞口表記部2060が異なるようにすると良い。
[7-8.小括]
上記のアウト口表記2050に関しては、以下のような様々な技術的特徴を有している。
[7-8a.小括A]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、打込まれた遊技球が流下する遊技領域に、遊技球の入球により所定の特典を付与する複数の入賞口と、遊技領域の下端において開口しており何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域から排出するアウト口と、が設けられている。この種の遊技機として、遊技領域の下端に設けられているアウト口の他に、遊技領域の途中にアウト口が複数設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2019-136134号公報)。
しかしながら、アウト口が複数設けられていると、入賞口とアウト口との区別が付き難くなり、遊技者によってはアウト口を入賞口と勘違いして、入球したのに特典が付与されないことで苛立ちを覚え、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。このような問題に対して、アウト口であることを表記することが考えられるが、アウト口の表記が目立つと、遊技者に対して違和感を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、複数設けられているアウト口を違和感なく表記することで興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞口と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、
前記遊技盤には、前記第一アウト口に対応する第一アウト表記と、前記第二アウト口に対応する第二アウト表記とが設けられており、
前記第一アウト表記と前記第二アウト表記は、異なる識別態様で設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、第一アウト表記および第二アウト表記のような「アウト表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、アウト表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。アウト表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。更に、アウト表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材のような部材と一体成形されていても良い。
また、「異なる識別態様」としては、「アルファベットや片仮名のような文字が異なるもの」、「文字、記号、ピクトグラム、などの外観(意匠)が異なるもの」、「色彩が異なるもの」、「大きさが異なるもの」、「横書き、縦書き、斜め書き、のような文字列の方向が異なるもの」、「透光性が異なるもの」、「光の反射率が異なるもの」、「シールの貼付け、印刷、入球口部材との一体成形、などの形成態様が異なるもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下した遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、遊技盤には、第一アウト口に対応する第一アウト表記と、第二アウト口に対応する第二アウト表記とが設けられており、第一アウト表記と第二アウト表記は、異なる識別態様で設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7.入球口表記]の章、図140~図143等の記載を参照)
本構成では、遊技盤の遊技領域には、複数の入賞口と、第一アウト口や第二アウト口のような複数のアウト口と、が設けられており、第一アウト口と対応する第一アウト表記と、第二アウト口と対応する第二アウト表記と、を互いに異なる識別態様で設けるようにしている。これにより、第一アウト口と対応した第一アウト表記や第二アウト口に対応した第二アウト表記を設けているため、当該表記(アウト表記)を遊技者が視認することで、アウト口の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口や第二アウト口を入賞口と誤認することはないため、第一アウト口や第二アウト口への遊技球の入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、第一アウト口や第二アウト口に対応している第一アウト表記や第二アウト表記を、異なる識別態様で設けているため、それぞれのアウト表記を、アウト口の開口方向と対応させたり、アウト口が設けられている部位の装飾と対応させたり、することが可能となり、アウト表記を表示しつつ目立ち難くすることができる。具体的には、例えば、第一アウト口が上方向へ向かって開口し、第二アウト口が左右方向へ向かって開口しているような場合、第一アウト口と対応する第一アウト表記を横書きにし、第二アウト表記を縦書きにすると、それぞれのアウト表記が対応しているアウト口の開口縁に沿った状態となり、それぞれのアウト表記が目立ち難くなると共に、アウト表記に対して違和感を与え難くすることができる。これにより、遊技者に対してアウト表記により違和感を与えることはなく、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、少なくとも一つが遊技盤に施されている装飾に沿った文字列により構成することが望ましい。これにより、アウト表記の文字列を、遊技盤に施されている装飾に沿うように設けているため、アウト表記を装飾の一部のように見せることが可能となり、アウト表記よりアウト口であることを遊技者に認識させつつ目立ち難くすることができ、遊技盤に施されている装飾の装飾性が損なわれることはなく、アウト表記を設けても見栄えが悪くなることはない。
また、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記の少なくとも一つを、シールに施すようにしても良い。これにより、アウト表記が施(印刷)されたシールを、対応するアウト口の周辺に貼り付けることで、アウト表記を設けることができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入賞口としたりアウト口としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、上記のようにアウト表記をシールに施す場合、アウト表記の施されたシールは、遊技球と接触しない部位(例えば、透明部材の裏側、アウト口を形成している部材の前板、など)に貼り付けることが望ましい。これにより、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。また、シールを貼り付ける部位として、遊技球の他に作業者が触れ難い部位(例えば、透明部材の裏側)に貼り付けることが望ましく、遊技機のメンテナンスなどの際に作業者がシールに触れて捲れたり剥がれたりすることを回避させることができる。
更に、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記の少なくとも一つを、対応するアウト口を形成している入球口部材に一体成形するようにしても良い。これにより、アウト表記を、アウト口を形成している入球口部材と一体成形しているため、シールの貼り付けによりアウト表記を設ける場合と比較して、シールの貼り付け忘れが生じることはなく、アウト表記を確実に表記することができると共に、シールを貼り付ける手間が不要であり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、上記のように、アウト表記を入球口部材と一体成形する場合、シールや印刷(塗装)によりアウト表記を設ける場合と比較して、遊技球や作業者が接触しても剥がれることはない。なお、アウト表記は、遊技球と接触しない部位(例えば、前板の前面、台板の裏面、など)に設けることが望ましい。
また、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、周辺よりも透光性を低くするようにしても良い。これにより、アウト表記を、周囲よりも透光性を低くしていることから、アウト表記の周囲が明るくなるとアウト表記が相対的に暗くなるため、遊技者に対してアウト表記を認識可能としつつ見え辛くすることができ、アウト表記による見栄えの悪化を抑制させることができる。
更に、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、対応しているアウト口が入球し難いほど目立つようにしても良い。これにより、例えば、有利遊技状態の発生により多くの遊技球を入球させることが可能となるような入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)の上流付近に入球し難いアウト口を設けると共に、そのアウト口に対応するアウト表記を目立つようにすると、入賞口と一緒に当該アウト口の存在を強く認識させることができ、当該アウト口に遊技球が入球しないように強く願わせることができる。このアウト口には遊技球が入球する可能性は低いものの、対応しているアウト表記が目立つため、予め当該アウト口の存在を充分に認識しており、当該アウト口に遊技球が入球しても、興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技球による遊技を楽しませることができる。
また、上記のように、入球し難いアウト口のアウト表記ほど目立つようにする場合、例えば、有利遊技状態の発生により多くの遊技球を入球させることが可能となるような入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)の下流側や、遊技球が入球しても有利遊技状態が発生しないような入賞口(例えば、一般入賞口)の付近に、遊技球が入球し易いアウト口を設けると共に、そのアウト口に対応するアウト表記を目立たないようにすると、当該アウト口付近を流通している遊技球に対しては関心が低くなるため、アウト表記によりアウト口の存在を認識しても強く記憶されることはなく、入球し易いアウト口に対する関心を低くすることができる。これにより、入球し易いアウト口への遊技球の入球に気付き難くなり、当該アウト口に遊技球が入球しても興趣が低下することはない。
従って、上記のように、入球し難いアウト口のアウト表記ほど目立つようにすると、アウト表記によりアウト口の存在に気付かせることができるため、アウト口を入賞口と勘違いしてしまうことはなく、アウト口に入球することで特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはないと共に、入球のし難いアウト口のアウト表記を目立つようにしているため、遊技者に対して違和感を与えることはなく、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
少なくとも一つが前記遊技盤に施されている装飾に沿った文字列により構成されている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、少なくとも一つが遊技盤に施されている装飾に沿った文字列により構成するものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、及び図142等の記載を参照)
これにより、アウト表記の文字列を、遊技盤に施されている装飾に沿うように設けているため、アウト表記を装飾の一部のように見せることが可能となり、アウト表記よりアウト口であることを遊技者に認識させつつ目立ち難くすることができ、遊技盤に施されている装飾の装飾性が損なわれることはなく、アウト表記を設けても見栄えが悪くなることはない。
手段3:手段1または手段2の構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
少なくとも一つがシールに施されている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記の少なくとも一つを、シールに施すようにするものである。([発明を実施するための形態]では、第一アウト口表記2050a、及び図141等の記載を参照)
これにより、アウト表記が施(印刷)されたシールを、対応するアウト口の周辺に貼り付けることで、アウト表記を設けることができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入賞口としたりアウト口としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
なお、アウト表記の施されたシールは、遊技球と接触しない部位(例えば、透明部材の裏側、アウト口を形成している部材の前板、など)に貼り付けることが望ましい。これにより、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。また、シールを貼り付ける部位として、遊技球の他に作業者が触れ難い部位(例えば、透明部材の裏側)に貼り付けることが望ましく、遊技機のメンテナンスなどの際に作業者がシールに触れて捲れたり剥がれたりすることを回避させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
少なくとも一つが対応する前記アウト口を形成している入球口部材に一体成形されている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記の少なくとも一つを、対応するアウト口を形成している入球口部材に一体成形するものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、アタッカユニット2400の受部2450、及び図142等の記載を参照)
これにより、アウト表記を、アウト口を形成している入球口部材と一体成形しているため、シールの貼り付けによりアウト表記を設ける場合と比較して、シールの貼り付け忘れが生じることはなく、アウト表記を確実に表記することができると共に、シールを貼り付ける手間が不要であり、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、アウト表記を入球口部材と一体成形しているため、シールや印刷(塗装)によりアウト表記を設ける場合と比較して、遊技球や作業者が接触しても剥がれることはない。なお、アウト表記は、遊技球と接触しない部位(例えば、前板の前面、台板の裏面、など)に設けることが望ましい。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
周辺よりも透光性を低くしている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、周辺よりも透光性を低くしているものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050の記載を参照)
これにより、アウト表記を、周囲よりも透光性を低くしていることから、アウト表記の周囲が明るくなるとアウト表記が相対的に暗くなるため、遊技者に対してアウト表記を認識可能としつつ見え辛くすることができ、アウト表記による見栄えの悪化を抑制させることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
対応している前記アウト口が入球し難いほど目立つように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、対応しているアウト口が入球し難いほど目立つように設けているものである。([発明を実施するための形態]では、第一アウト口表記2050a、第二アウト口表記2050b、第三アウト口表記2050c、及び図143等の記載を参照)
これにより、例えば、有利遊技状態の発生により多くの遊技球を入球させることが可能となるような入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)の上流付近に入球し難いアウト口を設けると共に、そのアウト口に対応するアウト表記を目立つようにすると、入賞口と一緒に当該アウト口の存在を強く認識させることができ、当該アウト口に遊技球が入球しないように強く願わせることができる。このアウト口には遊技球が入球する可能性は低いものの、対応しているアウト表記が目立つため、予め当該アウト口の存在を充分に認識しており、当該アウト口に遊技球が入球しても、興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技球による遊技を楽しませることができる。
また、例えば、有利遊技状態の発生により多くの遊技球を入球させることが可能となるような入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)の下流側や、遊技球が入球しても有利遊技状態が発生しないような入賞口(例えば、一般入賞口)の付近に、遊技球が入球し易いアウト口を設けると共に、そのアウト口に対応するアウト表記を目立たないようにすると、当該アウト口付近を流通している遊技球に対しては関心が低くなるため、アウト表記によりアウト口の存在を認識しても強く記憶されることはなく、入球し易いアウト口に対する関心を低くすることができる。これにより、入球し易いアウト口への遊技球の入球に気付き難くなり、当該アウト口に遊技球が入球しても興趣が低下することはない。
このようなことから、アウト表記によりアウト口の存在に気付かせることができるため、アウト口を入賞口と勘違いしてしまうことはなく、アウト口に入球することで特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはないと共に、入球のし難いアウト口のアウト表記を目立つようにしているため、遊技者に対して違和感を与えることはなく、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、複数設けられているアウト口を違和感なく表記することで興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態における一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口、V入賞口2010は上記解決手段の入賞口に、本実施形態におけるアウト口1008、ハズレ口2009、サブアウト口2023は上記解決手段のアウト口に、本実施形態における第一アウト口2023aおよび第二アウト口2023bは上記解決手段の第一アウト口および第二アウト口に、本実施形態におけるアウト口表記2050は上記解決手段のアウト表記に、本実施形態における第一アウト口表記2050aおよび第二アウト口表記2050bは上記解決手段の第一アウト表記および第二アウト表記に、それぞれ相当している。
また、本実施形態における始動口ユニット2100、サイドユニット2200、アタッカユニット2400は上記解決手段の入球口部材に、本実施形態における装飾シール2203および装飾シール2446は上記解決手段のシールに、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aには、一般入賞口2001のような複数の入賞口と、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bのような複数のサブアウト口2023と、が設けられており、第一アウト口2023aと対応する第一アウト口表記2050aと、第二アウト口2023bと対応する第二アウト口表記2050bと、を互いに異なる識別態様で設けるようにしている。これにより、第一アウト口2023aと対応した第一アウト口表記2050aや第二アウト口2023bに対応した第二アウト口表記2050bのようなアウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bを入賞口と誤認することはないため、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bへの遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bに対応している第一アウト口表記2050aや第二アウト口表記2050bを、異なる識別態様で設けているため、それぞれのアウト口表記2050を、サブアウト口2023の開口方向と対応させたり、サブアウト口2023が設けられている部位の装飾と対応させたり、することが可能となり、アウト口表記2050を表示しつつ目立ち難くすることができる。具体的には、例えば、図141に示すように、第一アウト口2023aが右斜め上方向へ向かって開口し、第二アウト口2023bが上方向へ向かって開口しているような場合、第一アウト口表記2050aを斜め書きにし、第二アウト口表記2050bを横書きにすると、それぞれのアウト口表記2050が対応しているサブアウト口2023の開口縁に沿った状態となり、それぞれのアウト口表記2050が目立ち難くなると共に、アウト口表記2050に対して違和感を与え難くすることができる。これにより、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、図142に示すように、アウト口表記2050の文字列を、遊技盤5(ここでは、アタッカユニット2400における受部2450の前板2450a)に施されている装飾部2450bに沿うように設けているため、アウト口表記2050を装飾の一部のように見せることが可能となり、アウト口表記2050よりサブアウト口2023であることを遊技者に認識させつつ目立ち難くすることができ、遊技盤5に施されている装飾の装飾性が損なわれることはなく、アウト口表記2050を設けても見栄えが悪くなることはない。
また、図141に示すように、アウト口表記2050(ここでは、第一アウト口表記2050a)が施(印刷)された装飾シール2446を、対応するサブアウト口2023(第一アウト口2023a)の周辺(受部2450の前板2450a)に貼り付けることで、アウト口表記2050を設けることができる。また、例えば、同じ入球口部材(ここでは図143に示すサイドユニット2200)であっても仕様や機種によって一般入賞口2001としたりサブアウト口2023としたりするような場合、装飾シール2203を貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、アウト口表記2050の施された装飾シール2203(装飾シール2446)を、遊技球Bと接触しない前板2202(前板2450a)に貼り付けているため、遊技球Bの接触によって装飾シール2203(装飾シール2446)が剥がれることはない。なお、装飾シール2203(装飾シール2446)を貼り付ける部位として、遊技球Bの他に作業者が触れ難い部位(例えば、透明部材(例えば、台板2441)の裏側)に貼り付けることが望ましく、パチンコ機1のメンテナンスなどの際に作業者が装飾シール2203(装飾シール2446)に触れて捲れたり剥がれたりすることを回避させることができる。
更に、図142に示すように、アウト口表記2050を、対応するサブアウト口2023を形成しているアタッカユニット2400(受部2450)に一体成形するようにしているため、シールの貼り付けによりアウト口表記2050を設ける場合と比較して、シールの貼り付け忘れが生じることはなく、アウト口表記2050を確実に表記することができると共に、シールを貼り付ける手間が不要であり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、アウト口表記2050を受部2450と一体成形しているため、シールや印刷(塗装)によりアウト口表記2050を設ける場合と比較して、遊技球Bや作業者が接触しても剥がれることはない。
また、図141などに示すように、アウト口表記2050を、周辺よりも透光性を低くしていることから、アウト口表記2050の周囲が明るくなるとアウト口表記2050が相対的に暗くなるため、遊技者に対してアウト口表記2050を認識可能(視認可能)としつつ見え辛くすることができ、アウト口表記2050による見栄えの悪化を抑制させることができる。
更に、アウト口表記2050を、対応しているサブアウト口2023が入球し難いほど目立つようにしている。例えば、図143に示すように、有利遊技状態の発生により多くの遊技球Bを入球させることが可能となるような大入賞口2005の上流付近に入球し難い第一アウト口2023aを設けると共に、その第一アウト口2023aに対応する第一アウト口表記2050aを目立つようにしている。これにより、大入賞口2005と一緒に第一アウト口2023aの存在を強く認識させることができ、第一アウト口2023aに遊技球Bが入球しないように強く願わせることができる。この第一アウト口2023aには遊技球Bが入球する可能性は低いものの、対応している第一アウト口表記2050aが目立つため、予め第一アウト口2023aの存在を充分に認識しており、第一アウト口2023aに遊技球Bが入球しても、興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技球Bによる遊技を楽しませることができる。
一方、有利遊技状態の発生により多くの遊技球Bを入球させることが可能となるような大入賞口2005の下流側や、遊技球Bが入球しても有利遊技状態が発生しないような一般入賞口2001の付近、に遊技球Bが入球し易い第二アウト口2023bや第三アウト口2023cを設けると共に、その第二アウト口2023bや第三アウト口2023cに対応する第二アウト口表記2050bや第三アウト口表記2050cを第一アウト口表記2050aよりも目立たないようにしており、第二アウト口2023bや第三アウト口2023cの付近を流通している遊技球Bに対しては関心が低くなるため、第二アウト口表記2050bや第三アウト口表記2050cにより第二アウト口2023bや第三アウト口2023cの存在を認識しても強く記憶されることはなく、入球し易い第二アウト口2023bや第三アウト口2023cに対する関心を低くすることができる。これにより、入球し易い第二アウト口2023bや第三アウト口2023cへの遊技球Bの入球に気付き難くなり、当該第二アウト口2023bや第三アウト口2023cに遊技球Bが入球しても興趣が低下することはない。
従って、図143の例では、入球し難いサブアウト口2023のアウト口表記2050ほど目立つようにすると、アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができるため、サブアウト口2023を入賞口と勘違いしてしまうことはなく、サブアウト口2023に入球することで特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはないと共に、入球のし難いサブアウト口2023のアウト口表記2050を目立つようにしているため、遊技者に対して違和感を与えることはなく、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[7-8b.小括B]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、打込まれた遊技球が流下する遊技領域に、遊技球の入球により所定の特典を付与する複数の入賞口と、遊技領域の下端において開口しており何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域から排出するアウト口と、が設けられている。この種の遊技機として、遊技領域の下端に設けられているアウト口の他に、遊技領域の途中にアウト口が複数設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2019-136134号公報)。
しかしながら、アウト口が複数設けられていると、入賞口とアウト口との区別が付き難くなり、遊技者によってはアウト口を入賞口と勘違いして、入球したのに特典が付与されないことで苛立ちを覚え、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。このような問題に対して、アウト口であることを表記することが考えられるが、アウト口の表記が目立つと、遊技者に対して違和感を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、複数設けられているアウト口を違和感なく表記することで興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞口と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、
前記遊技盤には、前記第一アウト口に対応する第一アウト表記と、前記第二アウト口に対応する第二アウト表記とが設けられており、
前記第一アウト表記と前記第二アウト表記は、前後方向の位置が異なる箇所に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、第一アウト表記および第二アウト表記のようなアウト表記としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、アウト表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。アウト表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、複数のアウト表記は、同じ識別態様であっても良いし、異なる識別態様であっても良い。更に、アウト表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材のような部材と一体成形されていても良い。
手段1の構成によると、遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下した遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、遊技盤には、第一アウト口に対応する第一アウト表記と、第二アウト口に対応する第二アウト表記とが設けられており、第一アウト表記と第二アウト表記は、前後方向の位置が異なる箇所に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-2a.アウト口表記の使用例1]の章、アウト口表記2050、図140及び図141等の記載を参照)
本構成では、遊技盤の遊技領域には、複数の入賞口と、第一アウト口や第二アウト口のような複数のアウト口と、が設けられており、第一アウト口と対応する第一アウト表記と、第二アウト口と対応する第二アウト表記と、を設けるようにしている。これにより、第一アウト口と対応した第一アウト表記や第二アウト口に対応した第二アウト表記のようなアウト表記を遊技者が視認することで、アウト口の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口や第二アウト口を入賞口と誤認することはないため、第一アウト口や第二アウト口への遊技球の入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、第一アウト口や第二アウト口に対応している第一アウト表記や第二アウト表記を、前後方向の位置が異なる箇所に設けているため、それぞれのアウト表記を、対応するアウト口と入賞口(入賞口の種類)との位置関係に応じて前後方向の位置を異ならせたり、前方に着座している遊技者からの距離に応じて前後方向の位置を異ならせたり、対応するアウト口への遊技球の入球確率(入球し易さ)に応じて前後方向の位置を異ならせたり、することが可能となり、アウト表記を表示しつつ目立ち難くすることができる。
具体的には、例えば、入賞口として大入賞口を有するアタッカユニットに設けられている第一アウト口の第一アウト表記と、入賞口として一般入賞口を有するサイドユニットに設けられている第二アウト口の第二アウト表記とでは、第一アウト表記を第二アウト表記よりも前方に設けるようにする。これにより、第一アウト口の第一アウト表記を第二アウト表記よりも前方に設けても、第一アウト表記(第一アウト口)の近くに大入賞口が設けられていることから、前方に配置されることで第一アウト表記が目立っても遊技者の関心が大入賞口へ強く向けられるため、相対的に第一アウト表記に対する関心が低くなり、第一アウト表記が気にならなくなって第一アウト表記が周囲の装飾を阻害することはない。一方、第二アウト表記は、第一アウト表記よりも後方に設けているため、第二アウト表記を第一アウト表記よりも目立ち難くすることができる。
或いは、例えば、遊技者から遠い第一アウト口の第一アウト表記と、遊技者から近い第二アウト口の第二アウト表記とでは、第一アウト表記を第二アウト表記よりも前方に設けるようにする。これにより、第一アウト口(第一アウト表記)は遊技者から遠いため、前方に設けても目立つことはない。一方、第二アウト口は遊技者から近いため、第二アウト表記を第一アウト表記よりも後方に配置することで、第二アウト表記が遊技者から遠くなり、第二アウト表記を目立ち難くすることが可能となる。
このようなことから、第一アウト表記と第二アウト表記の前後方向の位置を異ならせることで、何れのアウト表記も目立ち難くすることが可能となるため、遊技者に対してアウト表記により違和感を与えることはなく、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、入賞口に対応する入賞表記よりも後方に設けるようにしても良い。これにより、入賞口に対応する入賞表記が設けられているため、入賞表記により入賞口の存在を遊技者に気付かせることができ、当該入賞口への遊技球の入球を強く願わせることができる。そして、入賞口とは別に設けられている複数のアウト口では、対応するアウト表記を入賞表記よりも後方に設けているため、アウト表記を入賞表記よりも目立ち難くすることができ、アウト表記によりアウト口の存在を認識させつつ、アウト表記による遊技機(遊技盤)の見栄えの悪化を抑制することができる。これにより、アウト表記が設けられていても遊技者に対して違和感を与えることはないため、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、入球し易いアウト口ほど流通する遊技球よりも前方に設けるようにすることが望ましい。これにより、入球し易いアウト口ほど、対応するアウト表記を、流通する遊技球よりも前方に設けているため、頻繁に当該アウト口に遊技球が入球しても、入球する遊技球によりアウト表記が隠れて視認(読み)辛くなることはなく、アウト表記を確実に視認させてアウト口の存在を認識させることができる。
更に、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、遊技球の入球によりより多くの特典が付与される入賞口に近いアウト口に対応するアウト表記ほど前方に設けるようにしても良い。これにより、遊技球の入球によりより多くの特典が付与される入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、など)では、遊技者の関心が強く向けられることから、その入賞口の近くに設けられているアウト口のアウト表記に対しては、相対的に関心が低くなり、当該アウト表記を他のアウト表記よりも前方に設けることで目立つようになっても気になることはなく、当該アウト表記が周囲の装飾を阻害することはない。従って、アウト表記が設けられていても、遊技者に対してアウト表記により違和感を与えることはなく、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段2:手段1の構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
前記入賞口に対応する入賞表記よりも後方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入賞表記」としては、「入賞口の名称」、「[IN][GO][V]のようなアルファベット、[始][賞][当]のような漢字、などの文字」、「入球による払出数や序列を示すような数字」、「模様やシンボルやピクトグラムのような図案」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、入賞口に対応する入賞表記よりも後方に設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、及び図141等の記載を参照)
本構成では、入賞口に対応する入賞表記が設けられているため、入賞表記により入賞口の存在を遊技者に気付かせることができ、当該入賞口への遊技球の入球を強く願わせることができる。そして、入賞口とは別に設けられている複数のアウト口では、対応するアウト表記を入賞表記よりも後方に設けているため、アウト表記を入賞表記よりも目立ち難くすることができ、アウト表記によりアウト口の存在を認識させつつ、アウト表記による遊技機(遊技盤)の見栄えの悪化を抑制することができる。これにより、アウト表記が設けられていても遊技者に対して違和感を与えることはないため、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
入球し易い前記アウト口ほど流通する遊技球よりも前方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、入球し易いアウト口ほど流通する遊技球よりも前方に設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050の記載を参照)
これにより、入球し易いアウト口ほど、対応するアウト表記を、流通する遊技球よりも前方(例えば、入球口部材の前板)に設けているため、頻繁に当該アウト口に遊技球が入球しても、入球する遊技球によりアウト表記が隠れて視認(読み)辛くなることはなく、アウト表記を確実に視認させてアウト口の存在を認識させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記第一アウト表記および前記第二アウト表記を含む複数のアウト表記は、
遊技球の入球によりより多くの特典が付与される前記入賞口に近い前記アウト口に対応する前記アウト表記ほど前方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、少なくとも第一アウト表記および第二アウト表記を含む複数のアウト表記を、遊技球の入球によりより多くの特典が付与される入賞口に近いアウト口に対応するアウト表記ほど前方に設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、及び図141等の記載を参照)
これにより、遊技球の入球によりより多くの特典が付与される入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、など)では、遊技者の関心が強く向けられることから、その入賞口の近くに設けられているアウト口のアウト表記に対しては、相対的に関心が低くなり、当該アウト表記を他のアウト表記よりも前方に設けることで目立つようになっても気になることはなく、当該アウト表記が周囲の装飾を阻害することはない。従って、アウト表記が設けられていても、遊技者に対してアウト表記により違和感を与えることはなく、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
このように、上記の解決手段によれば、複数設けられているアウト口を違和感なく表記することで興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態における一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口、V入賞口2010は上記解決手段の入賞口に、本実施形態におけるアウト口1008、ハズレ口2009、サブアウト口2023は上記解決手段のアウト口に、本実施形態における第一アウト口2023aは上記解決手段の第一アウト口に、本実施形態における第二アウト口2023bおよび第三アウト口2023cは上記解決手段の第二アウト口に、それぞれ相当している。
また、本実施形態におけるアウト口表記2050は上記解決手段のアウト表記に、本実施形態における第一アウト口表記2050aは上記解決手段の第一アウト表記に、本実施形態における第二アウト口表記2050bおよび第三アウト口表記2050cは上記解決手段の第二アウト表記に、本実施形態における入賞口表記部2060は上記解決手段の入賞表記に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aには、一般入賞口2001や第一始動口2002のような複数の入賞口と、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bのような複数のサブアウト口2023と、が設けられており、第一アウト口2023aと対応する第一アウト口表記2050aと、第二アウト口2023bと対応する第二アウト口表記2050bと、を設けるようにしている。これにより、第一アウト口表記2050aや第二アウト口表記2050bのようなアウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bを入賞口と誤認することはないため、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bへの遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、第一アウト口2023aや第二アウト口2023bに対応している第一アウト口表記2050aや第二アウト口表記2050bを、前後方向の位置が異なる箇所に設けているため、それぞれのアウト口表記2050を、対応するサブアウト口2023と入賞口(入賞口の種類)との位置関係に応じて前後方向の位置を異ならせたり、前方に着座している遊技者からの距離に応じて前後方向の位置を異ならせたり、対応するサブアウト口2023への遊技球Bの入球確率(入球し易さ)に応じて前後方向の位置を異ならせたり、することが可能となり、アウト口表記2050を表示しつつ目立ち難くすることができる。
具体的には、例えば、図141に示すように、入賞口として大入賞口2005を有するアタッカユニット2400に設けられている第一アウト口2023aの第一アウト口表記2050aと、入賞口として一般入賞口2001を有するサイドユニット2200に設けられている第二アウト口2023bの第二アウト口表記2050bとでは、第一アウト口表記2050aを第二アウト口表記2050bよりも前方に設けるようにする。これにより、第一アウト口2023aの第一アウト口表記2050aを第二アウト口表記2050bよりも前方に設けても、第一アウト口表記2050a(第一アウト口2023a)の近くに大入賞口2005が設けられていることから、前方に配置されることで第一アウト口表記2050aが目立っても遊技者の関心が大入賞口2005へ強く向けられるため、相対的に第一アウト口表記2050aに対する関心が低くなり、第一アウト口表記2050aが気にならなくなって第一アウト口表記2050aが周囲の装飾を阻害することはない。一方、第二アウト口表記2050bは、第一アウト口表記2050aよりも後方に設けているため、第二アウト口表記2050bを第一アウト口表記2050aよりも目立ち難くすることができる。
或いは、例えば、図示は省略するが、遊技者から遠い第一のサブアウト口2023の第一のアウト口表記2050と、遊技者から近い第二のサブアウト口2023の第二のアウト口表記2050とでは、第一のアウト口表記2050を第二のアウト口表記2050よりも前方に設けるようにする。これにより、第一のサブアウト口2023(第一のアウト口表記2050)は遊技者から遠いため、前方に設けても目立つことはない。一方、第二のサブアウト口2023は遊技者から近いため、第二のアウト口表記2050を第一のアウト口表記2050よりも後方に配置することで、第二のアウト口表記2050が遊技者から遠くなり、第二のアウト口表記2050を目立ち難くすることが可能となる。
このようなことから、第一アウト口表記2050aと第二アウト口表記2050bの前後方向の位置を異ならせることで、何れのアウト口表記2050も目立ち難くすることが可能となるため、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、図141に示すように、複数のアウト口表記2050を、第一始動口2002に対応する入賞口表記部2060よりも後方に設けるようにしている。これにより、第一始動口2002に対応する入賞口表記部2060が設けられているため、入賞口表記部2060により第一始動口2002の存在を遊技者に気付かせることができ、第一始動口2002への遊技球Bの入球を強く願わせることができる。そして、第一始動口2002とは別に設けられている複数のサブアウト口2023では、対応するアウト口表記2050を入賞口表記部2060よりも後方に設けているため、アウト口表記2050を入賞口表記部2060よりも目立ち難くすることができ、アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在を認識させつつ、アウト口表記2050によるパチンコ機1(遊技盤5)の見栄えの悪化を抑制することができる。これにより、アウト口表記2050が設けられていても遊技者に対して違和感を与えることはないため、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、入球し易いサブアウト口2023(例えば、図143における第三アウト口2023c)ほど、対応するアウト口表記2050(第三アウト口表記2050c)を流通する遊技球Bよりも前方(前板2202)に設けているため、頻繁に当該サブアウト口2023に遊技球Bが入球しても、入球する遊技球Bによりアウト口表記2050が隠れて視認(読み)辛くなることはなく、アウト口表記2050を確実に視認させてサブアウト口2023の存在を認識させることができる。
更に、遊技球Bの入球によりより多くの特典が付与される入賞口(例えば、大入賞口2005、役物入賞口、V入賞口2010、など)に近いサブアウト口2023に対応するアウト口表記2050ほど前方に設けるようにしている。これにより、大入賞口2005などでは、遊技者の関心が強く向けられることから、その大入賞口2005などの近くに設けられているサブアウト口2023のアウト口表記2050に対しては、相対的に関心が低くなり、当該アウト口表記2050(例えば、図141における第一アウト口表記2050a)を他のアウト口表記2050(例えば、図141における第二アウト口表記2050bや第三アウト口表記2050c)よりも前方に設けることで目立つようになっても気になることはなく、当該アウト口表記2050が周囲の装飾を阻害することはない。従って、アウト口表記2050が設けられていても、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[7-8c.小括C]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、打込まれた遊技球が流下する遊技領域に、遊技球の入球により所定の特典を付与する複数の入賞口と、遊技領域の下端において開口しており何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域から排出するアウト口と、が設けられている。この種の遊技機として、遊技領域の下端に設けられているアウト口の他に、遊技領域の途中にアウト口が複数設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2019-136134号公報)。
しかしながら、アウト口が複数設けられていると、入賞口とアウト口との区別が付き難くなり、遊技者によってはアウト口を入賞口と勘違いして、入球したのに特典が付与されないことで苛立ちを覚え、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。このような問題に対して、アウト口であることを表記することが考えられるが、アウト口の表記が目立つと、遊技者に対して違和感を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、複数設けられているアウト口を違和感なく表記することで興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞口と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、
前記遊技盤には、前記第一アウト口に対応する第一アウト表記と、前記第二アウト口に対応する第二アウト表記とが設けられており、
該第二アウト表記の少なくとも一部は、前記遊技盤よりも前方に設けられている前方体と正面視で重なる箇所に設けられており、
前記前方体と前記遊技盤との間には、前記第二アウト表記のうちの前記前方体と正面視で重なっている部位を遊技者に視認可能にする空間部が設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、第一アウト表記および第二アウト表記のような「アウト表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、アウト表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。アウト表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、複数のアウト表記は、同じ識別態様であっても良いし、異なる識別態様であっても良い。更に、アウト表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材のような部材と一体成形されていても良い。
また、「前方体」としては、「遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている窓部を有する扉枠における窓枠部」、「遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている窓部を有する扉枠において、窓部の下側に設けられている皿ユニットの装飾体」、「遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている窓部を有する扉枠において、窓部の下側且つ前側に設けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット(演出操作部)」、「遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている窓部を有する扉枠において、窓部の右外側に設けられている扉枠右サイドユニットの装飾体」、「遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている窓部を有する扉枠において、窓部の左外側に設けられている扉枠左サイドユニットの装飾体」、等が挙げられる。
手段1の構成において、遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下した遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、遊技盤には、第一アウト口に対応する第一アウト表記と、第二アウト口に対応する第二アウト表記とが設けられており、第二アウト表記の少なくとも一部は、遊技盤よりも前方に設けられている前方体と正面視で重なる箇所に設けられており、前方体と遊技盤との間には、第二アウト表記のうちの前方体と正面視で重なっている部位を遊技者に視認可能にする空間部が設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-2d.アウト口表記の使用例4]の章、アウト口表記2050、図144等の記載を参照)
本構成では、遊技盤の遊技領域には、複数の入賞口と、第一アウト口や第二アウト口のような複数のアウト口と、が設けられており、第一アウト口と対応する第一アウト表記と、第二アウト口と対応する第二アウト表記と、を設けるようにしている。これにより、第一アウト口と対応した第一アウト表記や第二アウト口に対応した第二アウト表記のようなアウト表記を遊技者が視認することで、アウト口の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口や第二アウト口を入賞口と誤認することはないため、第一アウト口や第二アウト口への遊技球の入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、第二アウト表記の少なくとも一部が、正面からは前方体と重なって視認不能としていると共に、本遊技機の前方に着座している遊技者からは空間部を通して視認可能としているため、本遊技機において遊技している遊技者に対しては第一アウト表記や第二アウト表記による上記のような作用効果を発揮させつつ、他の遊技者に対しては前方体により第二アウト表記を目立ち難くすることで、第二アウト表記による見栄えの悪化を回避させることができる。従って、他の遊技者に対しては、アウト表記が設けられていても見え辛いため、違和感を与えることはなく、本遊技機に施されている装飾による装飾効果を充分に発揮させることができ、遊技する遊技機として選択され易い遊技機を提供することができる。
なお、少なくとも第二アウト表記を、正面視で後方に設けられている光源と重ならない箇所、又は、後方に設けられている光源と空間部との両方に重ならない箇所、に設けるようにしても良い。これにより、少なくとも第二アウト表記が、後方に設けられている光源からの光を遮ることはないため、光源による発光演出の際に、遊技者が感じる刺激を損なうことはなく、発光演出による演出効果を確実に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、光源からの光により少なくとも第二アウト表記が相対的に暗くなり、第二アウト表記が見え辛くなるため、遊技者に対してアウト表記により違和感を与えることはなく、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
或いは、少なくとも第二アウト表記を、正面視で後方に設けられている光源と重なる箇所、又は、後方に設けられている光源と空間部との両方に重なる箇所、に周囲よりも透光性を低く設けるようにしても良い。これにより、少なくとも第二アウト表記を、後方に設けられている光源からの光を遮るように設けているが、第二アウト表記を周囲よりも透光性を低くしているため、光源からの光によって第二アウト表記の周囲が明るく光ることとなり、相対的に第二アウト表記が暗くなって第二アウト表記を見え辛くすることができる。従って、遊技者に対してアウト表記による違和感を与えることはないため、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、少なくとも第二アウト表記を、光源と重なるようにすると共に、周囲よりも透光性を低くする場合、光源からの光によって第二アウト表記よりも透光性の高い周囲が明るく光ることとなるため、第二アウト表記が暗くても光源による発光演出に影響を与えることはなく、発光演出による演出効果を充分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、少なくとも第二アウト表記を、遊技領域を前方から視認可能にしている窓部の周縁に接近するように設けるようにしても良い。これにより、少なくとも第二アウト表記が窓部の縁に接近しているため、第二アウト表記が目立ち難くなり、アウト表記により遊技者に違和感を与えることはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、少なくとも第二アウト表記を、前方体と正面視において重なる部位の長手方向と同じ方向へ長く延出するように設けるようにしても良い。具体的には、例えば、前方体と重なる部位が左右に長い場合は、第二アウト表記を横書きにし、前方体と重なる部位が上下に長い場合は、第二アウト表記を縦書きにするようにしても良い。これにより、第二アウト表記が前方体によって確実に隠されることとなるため、他の遊技者から第二アウト表記を見え辛くすることができ、上記と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
手段2:手段1の構成において、
「少なくとも前記第二アウト表記は、
正面視で後方に設けられている光源と重ならない箇所、又は、後方に設けられている光源と前記空間部との両方に重ならない箇所、に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「光源」としては、「LED」、「演出表示装置」、「電灯」、「蛍光灯」、「冷陰極管」、等が挙げられる。また、光源としては、自光するものの他に、鏡のような光を反射させるものであっても良いし、プリズムのような光を屈折させるものであっても良い。
手段2の構成によると、少なくとも第二アウト表記を、正面視で後方に設けられている光源と重ならない箇所、又は、後方に設けられている光源と空間部との両方に重ならない箇所、に設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、[7-3a.アウト口表記とLEDとの関係1]の章、及び図145等の記載を参照)
これにより、少なくとも第二アウト表記が、後方に設けられている光源からの光を遮ることはないため、光源による発光演出の際に、遊技者が感じる刺激を損なうことはなく、発光演出による演出効果を確実に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、光源からの光により少なくとも第二アウト表記が相対的に暗くなり、第二アウト表記が見え辛くなるため、遊技者に対してアウト表記により違和感を与えることはなく、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段3:手段1の構成において、
「少なくとも前記第二アウト表記は、
正面視で後方に設けられている光源と重なる箇所、又は、後方に設けられている光源と前記空間部との両方に重なる箇所、に周囲よりも透光性が低く設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、少なくとも第二アウト表記を、正面視で後方に設けられている光源と重なる箇所、又は、後方に設けられている光源と空間部との両方に重なる箇所、に周囲よりも透光性を低く設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、[7-3b.アウト口表記とLEDとの関係2]の章、及び図146等の記載を参照)
これにより、少なくとも第二アウト表記を、後方に設けられている光源からの光を遮るように設けているが、第二アウト表記を周囲よりも透光性を低くしているため、光源からの光によって第二アウト表記の周囲が明るく光ることとなり、相対的に第二アウト表記が暗くなって第二アウト表記を見え辛くすることができる。従って、遊技者に対してアウト表記による違和感を与えることはないため、遊技領域内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、光源からの光によって第二アウト表記よりも透光性の高い周囲が明るく光ることとなるため、第二アウト表記が暗くても光源による発光演出に影響を与えることはなく、発光演出による演出効果を充分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記第二アウト表記は、
前記遊技領域を前方から視認可能にしている窓部の周縁に接近するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、少なくとも第二アウト表記を、遊技領域を前方から視認可能にしている窓部の周縁に接近するように設けるものである。([発明を実施するための形態]では、[7-2d.アウト口表記の使用例4]の章、アウト口表記2050、図144等の記載を参照)
これにより、少なくとも第二アウト表記が窓部の縁に接近しているため、第二アウト表記が目立ち難くなり、アウト表記により遊技者に違和感を与えることはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、第二アウト表記などのアウト表記を、窓部の周縁に沿うように設けても良い。具体的には、例えば、窓部の下縁付近に設ける場合はアウト表記を横書きにし、窓部の右縁付近や左縁付近に設ける場合はアウト表記を縦書きにするようにしても良い。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「少なくとも前記第二アウト表記は、
前記前方体と正面視において重なる部位の長手方向と同じ方向へ長く延出するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、少なくとも第二アウト表記を、前方体と正面視において重なる部位の長手方向と同じ方向へ長く延出するように設けるものである。([発明を実施するための形態]では、[7-2d.アウト口表記の使用例4]の章、アウト口表記2050、図144等の記載を参照)
本構成では、第二アウト表記と前方体とが重なる部位の長手方向と、第二アウト表記の長手方向と、を同じにしている。具体的には、例えば、前方体と重なる部位が左右に長い場合は、第二アウト表記を横書きにし、前方体と重なる部位が上下に長い場合は、第二アウト表記を縦書きにするものである。これにより、第二アウト表記が前方体によって確実に隠されることとなるため、他の遊技者から第二アウト表記を見え辛くすることができ、上記と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
このように、上記の解決手段によれば、複数設けられているアウト口を違和感なく表記することで興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態における一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口、V入賞口2010は上記解決手段の入賞口に、本実施形態におけるアウト口1008、ハズレ口2009、サブアウト口2023は上記解決手段のアウト口に、本実施形態における左右に離隔している二つのサブアウト口2023は上記解決手段の第一アウト口及び第二アウト口に、本実施形態における左右に離隔している二つのアウト口表記2050は上記解決手段の第一アウト表記及び第二アウト表記に、それぞれ相当している。
また、本実施形態における扉枠3の扉窓101aは上記解決手段の窓部に、本実施形態における演出操作ユニット300は上記解決手段の前方体に、本実施形態における空間部2055は上記解決手段の空間部に、本実施形態における装飾基板2056のLED2056aは上記解決手段の光源に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aには、第一始動口2002を含む複数の入賞口と、左側のサブアウト口2023や右側のサブアウト口2023のような複数のサブアウト口2023と、が設けられており、左側のサブアウト口2023と対応する左側のアウト口表記2050と、右側のサブアウト口2023と対応する右側のアウト口表記2050と、を設けるようにしている。これにより、サブアウト口2023と対応したアウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、サブアウト口2023を第一始動口2002などの入賞口と誤認することはないため、サブアウト口2023への遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、図144に示すように、アウト口表記2050の少なくとも一部が、正面からは前方体としての演出操作ユニット300と重なって視認不能としていると共に、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは空間部2055を通して視認可能としているため、本パチンコ機1において遊技している遊技者に対してはアウト口表記2050による上記のような作用効果を発揮させつつ、他の遊技者に対しては演出操作ユニット300によりアウト口表記2050を目立ち難くすることで、アウト口表記2050による見栄えの悪化を回避させることができる。従って、他の遊技者に対しては、アウト口表記2050が設けられていても見え辛いため、違和感を与えることはなく、本パチンコ機1に施されている装飾による装飾効果を充分に発揮させることができ、遊技するパチンコ機として選択され易いパチンコ機1を提供することができる。
また、図145に示すように、アウト口表記2050を、正面視で後方に設けられている光源(LED2056a)と重ならない箇所、又は、後方に設けられている光源(LED2056a)と空間部2055との両方に重ならない箇所、に設けるようにする。これにより、アウト口表記2050が、後方に設けられているLED2056aからの光を遮ることはないため、LED2056aによる発光演出の際に、遊技者が感じる刺激を損なうことはなく、発光演出による演出効果を確実に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、LED2056aからの光により少なくともアウト口表記2050が相対的に暗くなり、アウト口表記2050が見え辛くなるため、遊技者に対してアウト口表記2050により違和感を与えることはなく、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
或いは、図146に示すように、アウト口表記2050を、正面視で後方に設けられている光源(LED2056a)と重なる箇所、又は、後方に設けられている光源(LED2056a)と空間部2055との両方に重なる箇所、に周囲よりも透光性を低く設けるようにする。これにより、アウト口表記2050を、後方に設けられているLED2056aからの光を遮るように設けているが、アウト口表記2050を周囲よりも透光性を低くしているため、LED2056aからの光によってアウト口表記2050の周囲が明るく光ることとなり、相対的にアウト口表記2050が暗くなってアウト口表記2050を見え辛くすることができる。従って、遊技者に対してアウト口表記2050による違和感を与えることはないため、遊技領域5a内に設けられている装飾による装飾効果を確実に発揮させることができ、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上記のように、アウト口表記2050を、LED2056aと重なるようにすると共に、周囲よりも透光性を低くする場合、LED2056aからの光によってアウト口表記2050よりも透光性の高い周囲が明るく光ることとなるため、アウト口表記2050が暗くてもLED2056aによる発光演出に影響を与えることはなく、発光演出による演出効果を充分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、図144に示すように、アウト口表記2050を、遊技領域5aを前方から視認可能にしている扉窓101aの周縁に接近するように設ける。これにより、アウト口表記2050が扉窓101aの縁に接近しているため、アウト口表記2050が目立ち難くなり、アウト口表記2050により遊技者に違和感を与えることはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、図144に示すように、アウト口表記2050を、前方体としての演出操作ユニット300と正面視において重なる部位の長手方向と同じ方向へ長く延出するように設ける。具体的には、演出操作ユニット300と重なる部位が左右に長いため、アウト口表記2050を横書きにする。これにより、アウト口表記2050が演出操作ユニット300によって確実に隠されることとなるため、他の遊技者からアウト口表記2050を見え辛くすることができ、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
[7-8d.小括D]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口や、入球しても特典を付与することなく遊技領域から排出するアウト口のような入球口を有する入球口部材を備えている。この入球口部材として、入賞口として複数の一般入賞口を有しているサイドユニットが知られている(例えば、特許文献:特開2017-018185号公報)。
しかしながら、上記の特許文献のような従来の遊技機では、サイドユニットのような入球口部材が透明であるため、遊技機を組立てる際に、入球口部材の向きが判り辛く、組立に手間がかかる問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、組立てを容易にすることが可能な入球口部材を備えた遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記遊技盤には、前記入球口と対応する入球口表記が設けられており、
該入球口表記は、前記入球口を有する入球口部材の裏側からも認識可能に設けられている」
ことを特徴とする。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに遊技領域から排出するアウト口」、「入球した遊技球を遊技領域内の別の位置へ誘導して放出するワープ入口」、等が挙げられる。
また、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「入球口表記」としては、「入賞口と対応している入賞口表記(入賞口表記部)」、「アウト口と対応しているアウト口表記」、「ワープ入口と対応しているワープ口表記」、等が挙げられる。
更に、「入球口表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「正や負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、入球口表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。入球口表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、複数の入球口表記を有する場合は、同じ識別態様であっても良いし、異なる識別態様であっても良い。更に、入球口表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材と一体成形されていても良い。
また、「入球口部材」としては、「始動口(始動入賞口)を有する始動口ユニット」、「一般入賞口を有するサイドユニット」、「大入賞口や役物入賞口を有するアタッカユニット」、「ワープ入口を有するセンター役物」、等が挙げられる。
更に、裏側から「認識可能」としては、「入球口表記の裏側に発色を良くするための裏打部を設けずに、或いは、裏打部を設けても入球口表記が裏側から透けて見えるようにして、裏側から見ると入球口表記が左右反転して見えるもの」、「入球口表記の裏側に、両面印刷などにより表側と同様の入球口表記(裏表記部)を設け、裏側から見ても入球口表記が反転せずに表側と同じように見えるもの」、「文字により構成されている入球口表記が裏側から判読可能なもの」、「裏側からは入球口表記の一部分が(左右反転して)見えるが、その見える部分から入球口表記であると推定可能(類推可能)なもの、或いは、入球口表記であると判別可能(判断可能)なもの、若しくは、入球口表記であると特定可能なもの、更には、入球口表記であると判読可能なもの」、「入球口表記が特定の色により構成されており、裏側からは入球口表記そのものを見ることはできないものの特定の色が見えることで、入球口表記であると判別できるもの」、等が挙げられる。
また、上記の「判読可能」とは、入球口表記を構成している文字や文字列(単語や文章)を正しく読むことができることである。換言すると、入球口表記を構成している文字や文字列を、違う文字または違う文字列として読んだり、文字列を逆に読んだりして、間違えることなく正しく読むことができることである。この「判読可能」な構成としては、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏表記部として両面印刷などにより裏側にも同じように設けられていることで正しく読むことができるもの」、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏側からは左右反転して(鏡文字に)見えていても、全体が見えることにより正しく読むことができるもの」、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏側からは一部分が左右反転(鏡文字)または正しく見えるように設けると共に、当該見える部分は、見えない部分を補う(推定する)ことができる程度に設けることで、一部分しか見えなくても正しく読むことができるもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技盤を備えた遊技機であって、遊技盤には、入球口と対応する入球口表記が設けられており、入球口表記は、入球口を有する入球口部材の裏側からも認識可能に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-4.入球口表記と入球口部材との関係]の章、アウト口表記2050、図147~図149等の記載を参照)
これにより、入球口部材の裏側からも入球口表記を認識することができる。具体的には、例えば、入球口表記の裏側に発色を良くするための白色や灰色のような特定の色の裏打部を設けない、或いは、裏打部を設けても入球口表記が裏側から透けて見えるようにすることで、裏側からも入球口表記を認識することができる。或いは、入球口表記の裏側に、両面印刷などにより表側と同様の入球口表記(裏表記部)を設けることで、裏側からも入球口表記を認識することができる。このように、裏側からも入球口表記を認識することができるため、遊技機を組立てる際に、入球口部材の取付位置や取付方向などに対して当該入球口表記を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口部材の裏側からも入球口表記を認識することができるため、裏側からも入球口を有する部材であることを判別することができる。具体的には、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、裏側からも入球口表記を認識することができるため、遊技機の組立ての際に、当該入球口部材が入球口を入賞口としたものかアウト口としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口と対応する入球口表記を設けているため、当該入球口表記により入球口の存在と共にその種類を遊技者に認識させることができる。具体的には、例えば、入球口が入賞口の場合、入球口表記としての入賞口表記により入賞口の存在を認識させることができるため、当該入賞口に遊技球が入球することを強く願わせることができ、当該入賞口を狙った遊技球の打込操作を楽しませたり、当該入賞口に遊技球が入球するか否かによってハラハラ・ドキドキさせて遊技球の動きを楽しませたりすることができる。
或いは、入球口が複数設けられているアウト口の場合、入球口表記としてのアウト口表記によりアウト口の存在に気付かせることができ、アウト口を入賞口と誤認することを回避させることができ、アウト口に入球することで特典が付与されなくてもアウト口であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、入球口表記は、透明な入球口部材に貼り付けられるシールに施されているものとしても良い。これにより、入球口表記が施(印刷)されたシールを、対応する入球口の周辺に貼り付けることで、入球口表記を設けることができると共に、透明な入球口部材を通して裏側から入球口表記を認識することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、上記のように入球口表記をシールに施す場合、入球口表記の施されたシールは、遊技球と接触しない部位(例えば、入球口部材の前板の前面、入球口部材の台板の後面、など)に貼り付けることが望ましい。これにより、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。また、シールを貼り付ける部位として、遊技球の他に作業者が触れ難い部位(例えば、台板の裏面、透明部材の裏側、など)に貼り付けることが望ましく、遊技機のメンテナンスなどの際に作業者がシールに触れて捲れたり剥がれたりすることを回避させることができる。
更に、入球口表記は、入球口部材の裏側から判読可能に設けられているものとしても良い。これにより、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、裏側からも入球口表記をそのまま正しく読むことができるため、遊技機の組立ての際に、当該入球口部材が入球口を入賞口としたものかアウト口としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、上記のように、入球口表記を裏側から判読可能にする場合、入球口部材の裏側から入球口表記をそのまま正しく読むことができるため、遊技機の組立の際に、当該入球口表記を入球口部材の取付方向などの目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記入球口表記は、透明な前記入球口部材に貼り付けられるシールに施されている」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、入球口表記は、透明な入球口部材に貼り付けられるシールに施されているものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、装飾シール2072、装飾シール2203等の記載を参照)
これにより、入球口表記が施(印刷)されたシールを、対応する入球口の周辺に貼り付けることで、入球口表記を設けることができると共に、透明な入球口部材を通して裏側から入球口表記を認識することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
なお、入球口表記の施されたシールは、遊技球と接触しない部位(例えば、入球口部材の前板の前面、入球口部材の台板の後面、など)に貼り付けることが望ましい。これにより、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。また、シールを貼り付ける部位として、遊技球の他に作業者が触れ難い部位(例えば、台板の裏面、透明部材の裏側、など)に貼り付けることが望ましく、遊技機のメンテナンスなどの際に作業者がシールに触れて捲れたり剥がれたりすることを回避させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記入球口表記は、前記入球口部材の裏側から判読可能に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「判読可能」とは、入球口表記を構成している文字や文字列(単語や文章)を正しく読むことができることである。換言すると、入球口表記を構成している文字や文字列を、違う文字または違う文字列として読んだり、文字列を逆に読んだりして、間違えることなく正しく読むことができることである。この「判読可能」な構成としては、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏表記部として両面印刷などにより裏側にも同じように設けられていることで正しく読むことができるもの」、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏側からは左右反転して(鏡文字に)見えていても、全体が見えることにより正しく読むことができるもの」、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏側からは一部分が左右反転(鏡文字)または正しく見えるように設けると共に、当該見える部分は、見えない部分を補う(推定する)ことができる程度に設けることで、一部分しか見えなくても正しく読むことができるもの」、等が挙げられる。
手段3の構成によると、入球口表記は、入球口部材の裏側から判読可能に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-4c.入球口表記と入球口部材との関係例3]の章、第二アウト口表記2050b、裏表記部2053、図148及び図149等の記載を参照)
これにより、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、裏側からも入球口表記をそのまま正しく読むことができるため、遊技機の組立ての際に、当該入球口部材が入球口を入賞口としたものかアウト口としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口部材の裏側から入球口表記をそのまま正しく読むことができるため、遊技機の組立の際に、当該入球口表記を入球口部材の取付方向などの目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、組立てを容易にすることが可能な入球口部材を備えた遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態におけるアウト口1008、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口、ハズレ口2009、V入賞口2010、普通入賞口2011、サブアウト口2023、第一アウト口2023a、第二アウト口2023b、ワープ入口2515は上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるアウト口表記2050、第一アウト口表記2050a、第二アウト口表記2050b、入賞口表記部2060は上記解決手段の入球口表記に、本実施形態における入球口部材2070、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、アタッカユニット2400、センター役物2500は上記解決手段の入球口部材に、本実施形態における装飾シール2072および装飾シール2203は上記解決手段のシールに、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、入球口部材2070やサイドユニット2200のような入球口部材の裏側からも入球口表記としてのアウト口表記2050を認識することができる。具体的には、例えば、入球口表記(アウト口表記2050、第二アウト口表記2050b)の裏側に発色を良くするための白色や灰色のような特定の色の裏打部(裏打部2072b、裏打部2203b)を設けない、或いは、裏打部を設けても入球口表記が裏側から透けて見えるようにすることで、裏側からも入球口表記を認識することができる。或いは、入球口表記(第二アウト口表記2050b)の裏側に、両面印刷などにより表側と同様の入球口表記(裏表記部2053)を設けることで、裏側からも入球口表記を認識することができる。このように、裏側からも入球口表記(アウト口表記2050)を認識することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)を組立てる際に、入球口部材の取付位置や取付方向などに対して当該入球口表記を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口部材2070やサイドユニット2200のような入球口部材の裏側からも入球口表記としてのアウト口表記2050を認識することができるため、裏側からも入球口(サブアウト口2023)を有する部材であることを判別することができる。具体的には、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、裏側からもアウト口表記2050や入賞口表記部2060のような入球口表記を認識することができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立ての際に、当該入球口部材が入球口を入賞口としたものかサブアウト口2023としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口(入賞口またはサブアウト口2023)と対応する入球口表記(入賞口表記部2060またはアウト口表記2050)を設けているため、当該入球口表記により入球口の存在と共にその種類を遊技者に認識させることができる。具体的には、例えば、入球口が入賞口の場合、入球口表記としての入賞口表記部2060により入賞口の存在を認識させることができるため、当該入賞口に遊技球Bが入球することを強く願わせることができ、当該入賞口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませたり、当該入賞口に遊技球が入球するか否かによってハラハラ・ドキドキさせて遊技球Bの動きを楽しませたりすることができる。
或いは、入球口が複数設けられているサブアウト口2023の場合、入球口表記としてのアウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することを回避させることができ、サブアウト口2023に入球することで特典が付与されなくてもサブアウト口2023であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、入球口表記を、透明な入球口部材に貼り付けられる装飾シール2072や装飾シール2203のようなシールに施すようにしているため、入球口表記が施(印刷)されたシールを、対応する入球口の周辺に貼り付けることで、入球口表記を設けることができると共に、透明な入球口部材を通して裏側から入球口表記を認識することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、上記のように入球口表記をシールに施す場合、入球口表記の施されたシールは、遊技球Bと接触しない部位(例えば、入球口部材の前板の前面、入球口部材の台板の後面、など)に貼り付けることが望ましい。これにより、遊技球Bの接触によってシールが剥がれることはない。また、シールを貼り付ける部位として、遊技球Bの他に作業者が触れ難い部位(例えば、台板の裏面、透明部材の裏側、など)に貼り付けることが望ましく、パチンコ機1のメンテナンスなどの際に作業者がシールに触れて捲れたり剥がれたりすることを回避させることができる。
更に、入球口表記としての第二アウト口表記2050bを、入球口部材としてのサイドユニット2200の裏側から判読可能に設けているため、例えば、同じサイドユニット2200であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、裏側からもアウト口表記2050(第二アウト口表記2050b、裏表記部2053)をそのまま正しく読むことができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立ての際に、当該サイドユニット2200が入球口を入賞口としたものかサブアウト口2023としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、第二アウト口表記2050bを裏表記部2053により裏側から判読可能にしていることから、サイドユニット2200の裏側からアウト口表記2050をそのまま正しく読むことができるため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立の際に、当該アウト口表記2050(裏表記部2053)をサイドユニット2200の取付方向などの目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
[7-8e.小括E]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口や、入球しても特典を付与することなく遊技領域から排出するアウト口のような入球口を有する入球口部材が設けられている。この入球口部材として、例えば、一般入賞口のような入球口が複数設けられているサイドユニットが知られている(例えば、特許文献:特開2017-018185号公報)。このサイドユニットには、入球口に入球した遊技球を後方へ案内するための案内リブが設けられている。
しかしながら、特許文献1のような従来の遊技機では、サイドユニットのような入球口部材を、透明な部材により形成していると共に、案内リブを入球口の前端側を構成している透明な前板から後方へ延出させているため、前方から透明な前板を通して案内リブが見えてしまい、遊技機の見栄えが悪くなる問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、入球口部材の見栄えを良くすることで遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記遊技盤には、前記入球口と対応する入球口表記が設けられており、
該入球口表記は、入球口部材の透明な前板から後方へ延出している延出部と前後方向に重なるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに遊技領域から排出するアウト口」、「入球した遊技球を遊技領域内の別の位置へ誘導して放出するワープ入口」、等が挙げられる。
また、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「入球口表記」としては、「入賞口と対応している入賞口表記(入賞口表記部)」、「アウト口と対応しているアウト口表記」、「ワープ入口と対応しているワープ口表記」、等が挙げられる。
更に、「入球口表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「正や負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、入球口表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。入球口表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、複数の入球口表記を有する場合は、同じ識別態様であっても良いし、異なる識別態様であっても良い。更に、入球口表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材と一体成形されていても良い。
また、「入球口部材」としては、「始動口(始動入賞口)を有する始動口ユニット」、「一般入賞口を有するサイドユニット」、「大入賞口や役物入賞口を有するアタッカユニット」、「ワープ入口を有するセンター役物」、等が挙げられる。
更に、「延出部」としては、「遊技球を後方へ案内するための案内リブ」、「遊技球を後方へ案内する樋状の樋部」、「遊技球を左方または右方へ転動させる棚部」、「補強リブ」、「位置決突起」、等が挙げられる。
手段1の構成において、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技盤を備えた遊技機であって、遊技盤には、入球口と対応する入球口表記が設けられており、入球口表記は、入球口部材の透明な前板から後方へ延出している延出部と前後方向に重なるように設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-4d.入球口表記と入球口部材との関係例4]の章、アウト口表記2050、入球口部材2070、延出部2073、図150等の記載を参照)
これにより、入球口表記を、透明な前板から後方へ延出している延出部と前後方向に重なるように設けているため、入球口表記により延出部を前方から隠して見え難くすることが可能となり、延出部が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、前板から後方へ延出している延出部と前後方向に重なるように入球口表記を設けていることから、入球口表記を延出部の前方に位置させているため、透明な延出部が導光部材の働きをすることで、延出部により後方の光を導光して入球口表記を後方から明るくする(光らせる)ことが可能となる。これにより、入球口表記を目立たせることができ、対応している入球口の存在に気付かせ易くすることができる。
また、入球口と対応する入球口表記を設けているため、当該入球口表記により入球口の存在と共にその種類を遊技者に認識させることができる。具体的には、例えば、入球口が入賞口の場合、入球口表記としての入賞口表記により入賞口の存在を認識させることができるため、当該入賞口に遊技球が入球することを強く願わせることができ、当該入賞口を狙った遊技球の打込操作を楽しませたり、当該入賞口に遊技球が入球するか否かによってハラハラ・ドキドキさせて遊技球の動きを楽しませたりすることができる。
或いは、入球口が複数設けられているアウト口の場合、入球口表記としてのアウト口表記によりアウト口の存在に気付かせることができ、アウト口を入賞口と誤認することを回避させることができ、アウト口に入球することで特典が付与されなくてもアウト口であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、入球口表記は、前板に貼り付けられるシールに施されていても良い。これにより、入球口表記が施(印刷)されたシールを、前板における対応する入球口の周辺に貼り付けることで、入球口表記を設けることができると共に、当該シールにより前板から後方へ延出している延出部を前方から隠すことができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、上記のようにも入球口表記をシールに施す場合、入球口表記の施されたシールを前板に貼り付けているため、当該シールに遊技球が接触することはなく、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。
更に、入球口表記を、前板に絵柄部と一緒に設けるようにしても良い。これにより、絵柄部によっても透明な前板から後方へ延出している延出部を前方から隠すことが可能となるため、延出部を前方からより一層、見え難くすることが可能となり、延出部が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記のように、入球口表記を、前板に絵柄部と一緒に設ける場合、前板に絵柄部を設けているため、絵柄部による装飾効果によって見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
更に、入球口表記が施されているシールによって前板を貫通しているシール剥孔を閉鎖するようにしても良い。これにより、入球口表記が施されているシールによってシール剥孔を閉鎖しているため、当該シールによりシール剥孔を目立ち難くすることができ、シール剥孔が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、上記のように前板に貼り付けられているシールによりシール剥孔を閉鎖する場合、シール剥孔を利用して前板に貼り付けられているシールを剥がすことができる。詳述すると、製造時においてシールを貼り損ねたり、再利用や分別廃棄したりする場合に、前板からシールを剥がす際に、入球口部材の裏側からシール剥孔に棒状部材を挿入し、その先端によりシールの裏面を前方へ押圧すると、シールの一部が前板から剥がれて前方へ持ち上がることとなる。そして、シールの持ち上がった部位を引っ張ることで、前板からシールを容易に剥がすことができる。
更に、前板に、入球口表記として少なくとも第一入球口表記と第二入球口表記とを設け、前板の裏側からは、第一入球口表記を認識可能に設けると共に、第二入球口表記を認識不能に設けるようにしても良い。これにより、第一入球口表記と第二入球口表記とが施されているそれぞれの部位において、後方に設けられている延出部を前方から隠すことができ、延出部による入球口部材の見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、上記のように第一入球口表記と第二入球口表記とを設ける場合、第一入球口表記と第二入球口表記とにおいて、第二入球口表記を裏側から視認不能としていることから、当該第二入球口表記を前方から見ると、その後側が透けて見えることはないため、特に第二入球口表記の部位において後方の延出部を隠して見え難くすることができる。一方、第一入球口表記は、裏側から視認可能としていることから、第二入球口表記と比較して後側の延出部が透けて見え易くなる。つまり、第一入球口表記よりも第二入球口表記の方が、前方からは明瞭に見えることとなる。このようなことから、同じような入球口表記であっても見え方が異なるため、明瞭に見える第二入球口表記により遊技者の関心を第二入球口へ強く引き付けさせることができる。
更に、上記のように第一入球口表記と第二入球口表記とを設ける場合、第一入球口表記と第二入球口表記とにおいて、裏側から第一入球口表記を視認可能としつつ第二入球口表記を視認不能としていることから、第一入球口表記が第二入球口表記よりも光の透過度が高くなる。これにより、入球口部材の後方が明るくなると、第一入球口表記が第二入球口表記よりも明るくなるため、第一入球口表記を目立たせることができ、明るく光る第一入球口表記により遊技者の関心を第一入球口へ強く引き付けさせることができる。
このように、上記のように第一入球口表記と第二入球口表記とを設ける場合、入球口部材に対する光の当り具合によって第一入球口表記を目立たせたり第二入球口表記を目立たせたりすることができるため、例えば、第一入球口と第二入球口とをそれぞれ入賞口とすると共に、第一入球口と第二入球口とで入球確率を異ならせて、入球確率の高い入球口の入球口表記を目立たせるようにすると、遊技者の関心を当該入球口へ強く引き付けさせることができ、当該入球口に遊技球が入球するか否かによって遊技者を楽しませることができる。
或いは、第一入球口と第二入球口とをそれぞれアウト口(サブアウト口)とすると共に、第一入球口と第二入球口とで入球確率を異ならせて、入球確率の低い入球口の入球口表記を目立たせるようにすると、当該入球口表記によりアウト口の存在に気付かせて当該アウト口に入球しないことを強く願わせることが可能となる。ところが、当該アウト口は入球確率が低いため、入球口表記が目立つほどには遊技球が入球することはない。そして、当該アウト口に遊技球が入球しても、遊技者は予め当該アウト口の存在を充分に認識しているため、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
上記のようなことから、例えば、第一入球口と第二入球口とで入球確率が同じに設定されている入球口部材では、前側から見ても後側から見ても視認可能な入球口表記の数が同じ、或いは、後側から見ると全ての入球口表記が視認困難、とする。一方、第一入球口と第二入球口とで入球確率が異なるように設定されている入球口部材では、前側からと後側からとでは視認可能な入球口表記の数を異ならせる。換言すると、裏側から見た時に視認可能な第一入球口表記と視認不能(視認困難)な第二入球口表記とを混在させる。このようにする場合、入球口部材を表側と裏側とから見た時に、裏側は視認可能な入球口表記と視認困難な入球口表記とが混在していると、作業者に対して当該入球口部材は、複数設けられている入球口の入球確率が異なっている入球口部材であることを認識させることができる。これにより、例えば、遊技機(遊技盤)の組立現場において、機種や仕様の異なる多品種の遊技盤が製造ライン上を流れていても、入球口部材を表側と裏側とから見ることで、入球確率が異なっている用の入球口部材であるか否かを容易に判別することができ、仕様に応じた入球口部材の取付け間違えを回避させることができる。
また、上記のように第一入球口表記と第二入球口表記とを設ける場合、入球口部材には、裏側から視認可能な第一入球口表記を設けているため、遊技機を組立てる際に、入球口部材の取付位置や取付方向などに対して裏側から視認可能な第一入球口表記を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。また、入賞口部材の表側と裏側とでは、視認できる入球口表記の数が異なっているため、入球口部材の表裏を容易に判別することができ、組立作業が楽になる。
手段2:手段1の構成において、
「前記入球口表記は、前記前板に貼り付けられるシールに施されている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、入球口表記は、前板に貼り付けられるシールに施されているものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、装飾シール2072、装飾シール2203等の記載を参照)
これにより、入球口表記が施(印刷)されたシールを、前板における対応する入球口の周辺に貼り付けることで、入球口表記を設けることができると共に、当該シールにより前板から後方へ延出している延出部を前方から隠すことができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、シールを貼り替えることで対応することができ、遊技機にかかるコストを低減させることができる。
また、入球口表記の施されたシールを前板に貼り付けているため、当該シールに遊技球が接触することはなく、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記入球口表記は、前記前板に絵柄部と一緒に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、入球口表記は、前板に絵柄部と一緒に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、装飾シール2072等の記載を参照)
これにより、絵柄部によっても透明な前板から後方へ延出している延出部を前方から隠すことが可能となるため、延出部を前方からより一層、見え難くすることが可能となり、延出部が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、前板に絵柄部を設けているため、絵柄部による装飾効果によって見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、入球口表記は、絵柄部の前方に設けられていて絵柄部と重なっていても良いし、絵柄部とは離れて絵柄部とは重なっていなくても良い。また、絵柄部は、裏側に発色を良くするための裏打部が設けられていても良い。
手段4:手段2又は手段3の構成において、
「前記入球口表記が施されている前記シールは、前記前板を貫通しているシール剥孔を閉鎖する」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、入球口表記が施されているシールは、前板を貫通しているシール剥孔を閉鎖するものである。([発明を実施するための形態]では、シール剥孔2071a、装飾シール2072等の記載を参照)
これにより、入球口表記が施されているシールによってシール剥孔を閉鎖しているため、当該シールによりシール剥孔を目立ち難くすることができ、シール剥孔が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、前板に貼り付けられているシールによりシール剥孔を閉鎖しているため、シール剥孔を利用して前板に貼り付けられているシールを剥がすことができる。詳述すると、製造時においてシールを貼り損ねたり、再利用や分別廃棄したりする場合に、前板からシールを剥がす際に、入球口部材の裏側からシール剥孔に棒状部材を挿入し、その先端によりシールの裏面を前方へ押圧すると、シールの一部が前板から剥がれて前方へ持ち上がることとなる。そして、シールの持ち上がった部位を引っ張ることで、前板からシールを容易に剥がすことができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記前板には、前記入球口表記として少なくとも第一入球口表記と第二入球口表記とが設けられており、
前記前板の裏側からは、前記第一入球口表記が認識可能に設けられていると共に、前記第二入球口表記が認識不能に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、裏側から「認識可能」としては、「入球口表記の裏側に発色を良くするための裏打部を設けずに、或いは、裏打部を設けても入球口表記が裏側から透けて見えるようにして、裏側から見ると入球口表記が左右反転して見えるもの」、「入球口表記の裏側に、両面印刷などにより表側と同様の入球口表記(裏表記部)を設け、裏側から見ても入球口表記が反転せずに表側と同じように見えるもの」、「文字により構成されている入球口表記が裏側から判読可能なもの」、「裏側からは入球口表記の一部分が(左右反転して)見えるが、その見える部分から入球口表記であると推定可能(類推可能)なもの、或いは、入球口表記であると判別可能(判断可能)なもの、若しくは、入球口表記であると特定可能なもの、更には、入球口表記であると判読可能なもの」、「入球口表記が特定の色により構成されており、裏側からは入球口表記そのものを見ることはできないものの特定の色が見えることで、入球口表記であると判別できるもの」、等が挙げられる。
また、上記の「判読可能」とは、入球口表記を構成している文字や文字列(単語や文章)を正しく読むことができることである。換言すると、入球口表記を構成している文字や文字列を、違う文字または違う文字列として読んだり、文字列を逆に読んだりして、間違えることなく正しく読むことができることである。この「判読可能」な構成としては、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏表記部として両面印刷などにより裏側にも同じように設けられていることで正しく読むことができるもの」、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏側からは左右反転して(鏡文字に)見えていても、全体が見えることにより正しく読むことができるもの」、「文字または文字列により構成されている入球口表記が、裏側からは一部分が左右反転(鏡文字)または正しく見えるように設けると共に、当該見える部分は、見えない部分を補う(推定する)ことができる程度に設けることで、一部分しか見えなくても正しく読むことができるもの」、等が挙げられる。
手段5の構成によると、前板には、入球口表記として少なくとも第一入球口表記と第二入球口表記とが設けられており、前板の裏側からは、第一入球口表記が認識可能に設けられていると共に、第二入球口表記が認識不能に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、第一アウト口表記2050a、第二アウト口表記2050b、図147等の記載を参照)
これにより、第一入球口表記と第二入球口表記とが施されているそれぞれの部位において、後方に設けられている延出部を前方から隠すことができ、延出部による入球口部材の見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、第一入球口表記と第二入球口表記とにおいて、第二入球口表記を裏側から視認不能としていることから、当該第二入球口表記を前方から見ると、その後側が透けて見えることはないため、特に第二入球口表記の部位において後方の延出部を隠して見え難くすることができる。一方、第一入球口表記は、裏側から視認可能としていることから、第二入球口表記と比較して後側の延出部が透けて見え易くなる。つまり、第一入球口表記よりも第二入球口表記の方が、前方からは明瞭に見えることとなる。このようなことから、同じような入球口表記であっても見え方が異なるため、明瞭に見える第二入球口表記により遊技者の関心を第二入球口へ強く引き付けさせることができる。
更に、第一入球口表記と第二入球口表記とにおいて、裏側から第一入球口表記を視認可能としつつ第二入球口表記を視認不能としていることから、第一入球口表記が第二入球口表記よりも光の透過度が高くなる。これにより、入球口部材の後方が明るくなると、第一入球口表記が第二入球口表記よりも明るくなるため、第一入球口表記を目立たせることができ、明るく光る第一入球口表記により遊技者の関心を第一入球口へ強く引き付けさせることができる。
このように、入球口部材に対する光の当り具合によって第一入球口表記を目立たせたり第二入球口表記を目立たせたりすることができるため、例えば、第一入球口と第二入球口とをそれぞれ入賞口とすると共に、第一入球口と第二入球口とで入球確率を異ならせて、入球確率の高い入球口の入球口表記を目立たせるようにすると、遊技者の関心を当該入球口へ強く引き付けさせることができ、当該入球口に遊技球が入球するか否かによって遊技者を楽しませることができる。
或いは、第一入球口と第二入球口とをそれぞれアウト口(サブアウト口)とすると共に、第一入球口と第二入球口とで入球確率を異ならせて、入球確率の低い入球口の入球口表記を目立たせるようにすると、当該入球口表記によりアウト口の存在に気付かせて当該アウト口に入球しないことを強く願わせることが可能となる。ところが、当該アウト口は入球確率が低いため、入球口表記が目立つほどには遊技球が入球することはない。そして、当該アウト口に遊技球が入球しても、遊技者は予め当該アウト口の存在を充分に認識しているため、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
上記のようなことから、例えば、第一入球口と第二入球口とで入球確率が同じに設定されている入球口部材では、前側から見ても後側から見ても視認可能な入球口表記の数が同じ、或いは、後側から見ると全ての入球口表記が視認困難、とする。一方、第一入球口と第二入球口とで入球確率が異なるように設定されている入球口部材では、前側からと後側からとでは視認可能な入球口表記の数を異ならせる。換言すると、裏側から見た時に視認可能な第一入球口表記と視認不能(視認困難)な第二入球口表記とを混在させる。このようにする場合、入球口部材を表側と裏側とから見た時に、裏側は視認可能な入球口表記と視認困難な入球口表記とが混在していると、作業者に対して当該入球口部材は、複数設けられている入球口の入球確率が異なっている入球口部材であることを認識させることができる。これにより、例えば、遊技機(遊技盤)の組立現場において、機種や仕様の異なる多品種の遊技盤が製造ライン上を流れていても、入球口部材を表側と裏側とから見ることで、入球確率が異なっている用の入球口部材であるか否かを容易に判別することができ、仕様に応じた入球口部材の取付け間違えを回避させることができる。
また、入球口部材には、裏側から視認可能な第一入球口表記を設けているため、遊技機を組立てる際に、入球口部材の取付位置や取付方向などに対して裏側から視認可能な第一入球口表記を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。また、入賞口部材の表側と裏側とでは、視認できる入球口表記の数が異なっているため、入球口部材の表裏を容易に判別することができ、組立作業が楽になる。
このように、上記の解決手段によれば、入球口部材の見栄えを良くすることで遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態におけるアウト口1008、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口、ハズレ口2009、V入賞口2010、普通入賞口2011、サブアウト口2023、第一アウト口2023a、第二アウト口2023b、ワープ入口2515は上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるアウト口表記2050、入賞口表記部2060は上記解決手段の入球口表記に、本実施形態における入球口部材2070、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、アタッカユニット2400、センター役物2500は上記解決手段の入球口部材に、本実施形態における装飾シール2072および装飾シール2203は上記解決手段のシールに、それぞれ相当している。
本実施形態における入球口部材2070の前板2071およびサイドユニット2200の前板2202は上記解決手段の前板に、本実施形態におけるシール剥孔2071aおよびシール剥孔2206は上記解決手段のシール剥孔に、本実施形態における延出部2073、案内リブ2073a、棚部2073b、棚部2201、樋部2204、案内リブ2207は上記解決手段の延出部に、本実施形態における絵柄部2072aおよび絵柄部2203aは上記解決手段の絵柄部に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、入球口部材2070において、透明な前板2071から後方へ延出している延出部2073(案内リブ2073a)と前後方向に重なるように設けているため、入球口表記としてのアウト口表記2050により延出部2073を前方から隠して見え難くすることが可能となり、延出部2073が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材2070の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、入球口部材2070の前板2071から後方へ延出している延出部2073と前後方向に重なるようにアウト口表記2050を設けていることから、アウト口表記2050を延出部2073の前方に位置させているため、透明な延出部2073が導光部材の働きをすることで、延出部2073により後方の光を導光してアウト口表記2050を後方から明るくする(光らせる)ことが可能となる。これにより、アウト口表記2050を目立たせることができ、対応しているサブアウト口2023の存在に気付かせ易くすることができる。
また、入球口と対応する入球口表記を設けているため、当該入球口表記により入球口の存在と共にその種類を遊技者に認識させることができる。具体的には、例えば、入球口が入賞口の場合、入球口表記としての入賞口表記部2060により入賞口の存在を認識させることができるため、当該入賞口に遊技球Bが入球することを強く願わせることができ、当該入賞口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませたり、当該入賞口に遊技球Bが入球するか否かによってハラハラ・ドキドキさせて遊技球Bの動きを楽しませたりすることができる。
或いは、入球口が複数設けられているサブアウト口2023の場合、入球口表記としてのアウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することを回避させることができ、サブアウト口2023に入球することで特典が付与されなくてもサブアウト口2023であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、入球口表記(アウト口表記2050)を、入球口部材2070の前板2071に貼り付けられる装飾シール2072に施しているため、アウト口表記2050が施(印刷)された装飾シール2072を、前板2071における対応するサブアウト口2023の周辺に貼り付けることで、アウト口表記2050を設けることができると共に、当該装飾シール2072により前板2071から後方へ延出している延出部2073を前方から隠すことができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、例えば、同じ入球口部材2070であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、装飾シール2072を貼り替えることで対応することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、入球口表記(アウト口表記2050)の施された装飾シール2072を前板2071の前面に貼り付けているため、当該装飾シール2072に遊技球Bが接触することはなく、遊技球Bの接触によって装飾シール2072が剥がれることはない。
更に、入球口表記(アウト口表記2050)を、前板2071に装飾シール2072の絵柄部2072aと一緒に設けていることから、絵柄部2072aによっても透明な前板2071から後方へ延出している延出部2073を前方から隠すことが可能となるため、延出部2073を前方からより一層、見え難くすることが可能となり、延出部2073が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材2070の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、前板2071に装飾シール2072の絵柄部2072aを設けているため、絵柄部2072aによる装飾効果によって見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、入球口表記としてのアウト口表記2050が施されている装飾シール2072によってシール剥孔2071aを閉鎖しているため、当該装飾シール2072によりシール剥孔2071aを目立ち難くすることができ、シール剥孔2071aが見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、前板2071に貼り付けられている装飾シール2072によりシール剥孔2071aを閉鎖しているため、シール剥孔2071aを利用して前板2071に貼り付けられている装飾シール2072を剥がすことができる。詳述すると、製造時において装飾シール2072を貼り損ねたり、再利用や分別廃棄したりする場合に、前板2071から装飾シール2072を剥がす際に、入球口部材2070の裏側からシール剥孔2071aに棒状部材を挿入し、その先端により装飾シール2072の裏面を前方へ押圧すると、装飾シール2072の一部が前板2071から剥がれて前方へ持ち上がることとなる。そして、装飾シール2072の持ち上がった部位を引っ張ることで、前板2071から装飾シール2072を容易に剥がすことができる。
更に、入球口部材(サイドユニット2200)の前板2202に、入球口表記として少なくとも第一入球口表記(第二アウト口2023b)と第二入球口表記(第一アウト口表記2050a)とを設け、前板2202の裏側からは、第二アウト口表記2050bを認識可能に設けると共に、第一アウト口表記2050aを認識不能に設けるようにしているため、第一アウト口表記2050aと第二アウト口表記2050bとが施されているそれぞれの部位において、後方に設けられている延出部(樋部2204や案内リブ2207)を前方から隠すことができ、延出部によるサイドユニット2200の見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、第一アウト口表記2050aと第二アウト口表記2050bとにおいて、第一アウト口表記2050aを裏側から視認不能としていることから、当該第一アウト口表記2050aを前方から見ると、その後側が透けて見えることはないため、特に第一アウト口表記2050aの部位において後方の延出部(案内リブ2207)を隠して見え難くすることができる。一方、第二アウト口表記2050bは、裏側から視認可能としていることから、第一アウト口表記2050aと比較して後側が透けて見え易くなる。つまり、第二アウト口表記2050bよりも第一アウト口表記2050aの方が、前方からは明瞭に見えることとなる。このようなことから、同じようなアウト口表記2050であっても見え方が異なるため、明瞭に見える第一アウト口表記2050aにより遊技者の関心を第一アウト口2023aへ強く引き付けさせることができる。
更に、第一アウト口表記2050aと第二アウト口表記2050bとにおいて、裏側から第二アウト口表記2050bを視認可能としつつ第一アウト口表記2050aを視認不能としていることから、第二アウト口表記2050bが第一アウト口表記2050aよりも光の透過度が高くなる。これにより、入球口部材(サイドユニット2200)の後方が明るくなると、第二アウト口表記2050bが第一アウト口表記2050aよりも明るくなるため、第二アウト口表記2050bを目立たせることができ、明るく光る第二アウト口表記2050bにより遊技者の関心を第二アウト口2023bへ強く引き付けさせることができる。
このように、入球口部材に対する光の当り具合によって第一入球口表記を目立たせたり第二入球口表記を目立たせたりすることができるため、例えば、第一入球口と第二入球口とをそれぞれアウト口(サブアウト口2023)とすると共に、第一入球口と第二入球口とで入球確率を異ならせて、入球確率の低い入球口(第二アウト口2023b)の入球口表記(第二アウト口表記2050b)を目立たせるようにすると、当該第二アウト口表記2050bにより第二アウト口2023bの存在に気付かせて当該第二アウト口2023bに入球しないことを強く願わせることが可能となる。ところが、当該第二アウト口2023bは入球確率が低いため、第二アウト口表記2050bが目立つほどには遊技球Bが入球することはない。そして、当該第二アウト口2023bに遊技球Bが入球しても、遊技者は予め当該第二アウト口2023bの存在を充分に認識しているため、遊技に対する興趣が大きく削がれてしまうことはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
或いは、第一入球口と第二入球口とをそれぞれ入賞口とすると共に、第一入球口と第二入球口とで入球確率を異ならせて、入球確率の高い入球口の入賞口表記部2060を目立たせるようにすると、遊技者の関心を当該入球口へ強く引き付けさせることができ、当該入球口に遊技球Bが入球するか否かによって遊技者を楽しませることができる。
上記のようなことから、例えば、第一入球口と第二入球口とで入球確率が同じに設定されている入球口部材では、前側から見ても後側から見ても視認可能な入球口表記の数が同じ、或いは、後側から見ると全ての入球口表記が視認困難、とする。一方、第一入球口(第二アウト口2023b)と第二入球口(第一アウト口2023a)とで入球確率が異なるように設定されている入球口部材(サイドユニット2200)では、前側からと後側からとでは視認可能な入球口表記(アウト口表記2050)の数を異ならせる。換言すると、裏側から見た時に視認可能な第一入球口表記(第二アウト口表記2050b)と視認不能(視認困難)な第二入球口表記(第一アウト口表記2050a)とを混在させる。このようにする場合、入球口部材(サイドユニット2200)を表側と裏側とから見た時に、裏側は視認可能な入球口表記(第二アウト口表記2050b)と視認困難な入球口表記(第一アウト口表記2050a)とが混在していると、作業者に対して当該入球口部材(サイドユニット2200)は、複数設けられている入球口(サブアウト口2023)の入球確率が異なっている入球口部材(サイドユニット2200)であることを認識させることができる。これにより、例えば、パチンコ機1(遊技盤5)の組立現場において、機種や仕様の異なる多品種の遊技盤5が製造ライン上を流れていても、入球口部材(サイドユニット2200)を表側と裏側とから見ることで、入球確率が異なっている用の入球口部材(サイドユニット2200)であるか否かを容易に判別することができ、仕様に応じた入球口部材(サイドユニット2200)の取付け間違えを回避させることができる。
また、上記のように第一入球口表記(第二アウト口表記2050b)と第二入球口表記(第一アウト口表記2050a)とを設ける場合、入球口部材(サイドユニット2200)には、裏側から視認可能な第一入球口表記(第二アウト口表記2050b)を設けているため、パチンコ機1を組立てる際に、入球口部材(サイドユニット2200)の取付位置や取付方向などに対して裏側から視認可能な第一入球口表記(第二アウト口表記2050b)を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。また、入賞口部材(サイドユニット2200)の表側と裏側とでは、視認できる入球口表記(アウト口表記2050)の数が異なっているため、入球口部材(サイドユニット2200)の表裏を容易に判別することができ、組立作業が楽になる。
[7-8f.小括F]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口や、入球しても特典を付与することなく遊技領域から排出するアウト口のような入球口を有している。この種の遊技機として、複数の入球口が設けられているサイドユニットのような入球口部材が知られている(例えば、特許文献:特開2017-018185号公報)。
しかしながら、上記特許文献のような従来の遊技機では、例えば、入球口部材に設けられている複数の入球口の一部をアウト口とするような場合、アウト口であることを示すような表記を設けていない開発段階では、何れの入球口をアウト口としているのかが把握できない問題があった。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、入球口部材に設けられている特定の入球口を容易に把握することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記遊技盤には、前記入球口と対応する入球口表記が設けられており、
前記入球口を有する入球口部材の裏側には、特定形状からなる特定形状部が形成されており、
該特定形状部は、前記入球口表記と前後方向に重なる位置に形成されている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに遊技領域から排出するアウト口」、「入球した遊技球を遊技領域内の別の位置へ誘導して放出するワープ入口」、等が挙げられる。
また、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「入球口表記」としては、「入賞口と対応している入賞口表記(入賞口表記部)」、「アウト口と対応しているアウト口表記」、「ワープ入口と対応しているワープ口表記」、等が挙げられる。
更に、「入球口表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「正や負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、入球口表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。入球口表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、複数の入球口表記を有する場合は、同じ識別態様であっても良いし、異なる識別態様であっても良い。更に、入球口表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材と一体成形されていても良い。
また、「入球口部材」としては、「始動口(始動入賞口)を有する始動口ユニット」、「一般入賞口を有するサイドユニット」、「大入賞口や役物入賞口を有するアタッカユニット」、「ワープ入口を有するセンター役物」、等が挙げられる。
更に、「特定形状部」としては、「入球口を示すような文字からなる凹凸のレリーフ状のもの」、「入球口を示すような記号や矢印からなる凹凸のレリーフ状のもの」、「円形の段差状のもの(例えば、エジェクタピン跡)」、「前後方向へ円柱状に延出しているもの(例えば、位置決突起)」、「前後方向に貫通しているもの(例えば、シール剥孔)」、「上下方向および前後方向へリブ状に延出しているもの(例えば、案内リブ)」、「左右方向および前後方向へ棚状に延出しているもの(例えば、棚部)」、「断面がU字状で前後方向へ延出しているもの(例えば、樋部)」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を有する遊技盤を備えた遊技機であって、遊技盤には、入球口と対応する入球口表記が設けられており、入球口を有する入球口部材の裏側には、特定形状からなる特定形状部が形成されており、特定形状部は、入球口表記と前後方向に重なる位置に形成されているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-4d.入球口表記と入球口部材との関係例4]の章、アウト口表記2050、入球口部材2070、延出部2073、図150等の記載を参照)
これにより、入球口部材の裏側に特定形状部が設けられているため、当該特定形状部を見ることで、特定の入球口の位置を、入球口部材の裏側から容易に把握することができる。詳述すると、例えば、入球口部材の表側に入球口表記が設けられていないような開発段階でも、入球口部材を裏側から見ると特定形状部が見えるため、当該特定形状部が設けられている部位が、入球口表記が設けられる特定の入球口(例えば、アウト口)であることが判り、当該入球口の位置を容易に把握することができる。
また、入球口部材の裏側に特定形状部を設けているため、遊技機(遊技盤)の製造工場などにおいて、シールの貼り付けや塗装などにより入球口表記を設ける際に、特定形状部により入球口表記を設ける位置(特定の入球口の位置)を把握することができ、入球口表記を所望の部位に確実に設けることができる。また、入球口部材の裏側に特定形状部を設けているため、入球口表記を設けた後で、入球口部材の表裏を見ることで、特定形状部の前方に入球口表記が設けられているか否かを確認することができる。
更に、入球口部材の裏側に特定形状部を設けているため、遊技機を組立てる際に、入球口部材の取付位置や取付方向などに対して当該特定形状部を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口部材の裏側に特定形状部を設けているため、例えば、入球口表記(入球口)の種類によって特定形状部の態様を異ならせておくと、裏側の特定形状部を見るだけで、当該入球口部材がどのような種類の入球口を備えているのかを容易に判別することができる。具体的には、例えば、同じ入球口部材であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりアウト口としたりするような場合、裏側の特定形状部の態様によって判別できるため、遊技機の組立ての際に、当該入球口部材が入球口を入賞口としたものかアウト口としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口と対応する入球口表記を設けているため、当該入球口表記により入球口の存在と共にその種類を遊技者に認識させることができる。具体的には、例えば、入球口が入賞口の場合、入球口表記としての入賞口表記により入賞口の存在を認識させることができるため、当該入賞口に遊技球が入球することを強く願わせることができ、当該入賞口を狙った遊技球の打込操作を楽しませたり、当該入賞口に遊技球が入球するか否かによってハラハラ・ドキドキさせて遊技球の動きを楽しませたりすることができる。
或いは、入球口が複数設けられているアウト口の場合、入球口表記としてのアウト口表記によりアウト口の存在に気付かせることができ、アウト口を入賞口と誤認することを回避させることができ、アウト口に入球することで特典が付与されなくてもアウト口であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、入球口表記を、入球口部材の前板に貼り付けられるシールに施し、入球口部材を、透過性を有する部材とすると共に、特定形状部を、シールが貼り付けられていない状態で入球口部材の前方から視認可能とするようにしても良い。これにより、透過性(透光性)を有する入球口部材の前板にシールを貼り付けていない状態では前方から特定形状部を視認可能としているため、前板にシールを貼り付けると特定形状部を前方から視認不能(視認困難)とすることができ、シール(入球口表記)により特定形状部を前方から見え難くして隠すことができる。従って、例えば、開発段階において特定形状部を有するように設計した入球口部材に対して、特定形状部を削除するような設計変更をしなくても、入球口表記が施されているシールを貼り付けることにより、特定形状部を前方から見えないように隠すことができるため、開発段階の入球口部材を完成段階においてそのまま利用することが可能となり、設計変更を不要にすることができる。
また、上記のように、入球口表記をシールに施して、透過性を有する入球口部材の前板に貼り付けるようにする場合、入球口部材が透過性(透光性)を有していることから、シールを貼り付けていない状態では前方から裏側に設けられている特定形状部を視認することができるため、入球口表記が施されているシールを、前板における特定形状部が見える位置に貼り付けることで所望の位置に貼り付けることができ、シールの貼り付けにかかる手間を低減させることができる。
また、上記のように、入球口表記をシールに施して、透過性を有する入球口部材の前板に貼り付けるようにする場合、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、入球口部材を透明のような透過性を有する部材により形成する場合、透明な前板を通して後方が見えることとなり、裏側に設けられている特定形状部が見えると、遊技機の見栄えが悪くなる問題がある。これに対して、特定形状部の前方に入球口表記が施されているシールを貼り付けるようにしていることから、当該シール(入球口表記)により特定形状部を前方から見え難くして隠すことができるため、前方から特定形状部が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記のように、透過性を有する入球口部材の前板に入球口表記の施されたシールを貼り付ける場合、当該シールに遊技球が接触することはなく、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。
手段2:手段1の構成において、
「前記入球口表記は、前記入球口部材の前板に貼り付けられるシールに施されており、
前記入球口部材は、透過性を有する部材であり、
前記特定形状部は、前記シールが貼り付けられていない状態で前記入球口部材の前方から視認可能とされる」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、入球口表記は、入球口部材の前板に貼り付けられるシールに施されており、入球口部材は、透過性を有する部材であり、特定形状部は、シールが貼り付けられていない状態で入球口部材の前方から視認可能とされているものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口表記2050、装飾シール2072等の記載を参照)
これにより、透過性(透光性)を有する入球口部材の前板にシールを貼り付けていない状態では前方から特定形状部を視認可能としているため、前板にシールを貼り付けると特定形状部を前方から視認不能(視認困難)とすることができ、シール(入球口表記)により特定形状部を前方から見え難くして隠すことができる。従って、例えば、開発段階において特定形状部を有するように設計した入球口部材に対して、特定形状部を削除するような設計変更をしなくても、入球口表記が施されているシールを貼り付けることにより、特定形状部を前方から見えないように隠すことができるため、開発段階の入球口部材を完成段階においてそのまま利用することが可能となり、設計変更を不要にすることができる。
また、入球口部材が透過性(透光性)を有していることから、シールを貼り付けていない状態では前方から裏側に設けられている特定形状部を視認することができるため、入球口表記が施されているシールを、前板における特定形状部が見える位置に貼り付けることで所望の位置に貼り付けることができ、シールの貼り付けにかかる手間を低減させることができる。
ところで、入球口部材を透明のような透過性を有する部材により形成する場合、透明な前板を通して後方が見えることとなり、裏側に設けられている特定形状部が見えると、遊技機の見栄えが悪くなる問題がある。これに対して、本構成では、特定形状部の前方に入球口表記が施されているシールを貼り付けるようにしていることから、当該シール(入球口表記)により特定形状部を前方から見え難くして隠すことができるため、前方から特定形状部が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、入球口部材の前板に入球口表記の施されたシールを貼り付けているため、当該シールに遊技球が接触することはなく、遊技球の接触によってシールが剥がれることはない。
このように、上記の解決手段によれば、入球口部材に設けられている特定の入球口を容易に把握することが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態におけるアウト口1008、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口、ハズレ口2009、V入賞口2010、普通入賞口2011、サブアウト口2023、第一アウト口2023a、第二アウト口2023b、ワープ入口2515は上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるアウト口表記2050、入賞口表記部2060は上記解決手段の入球口表記に、本実施形態における入球口部材2070、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、アタッカユニット2400、センター役物2500は上記解決手段の入球口部材に、本実施形態における装飾シール2072は上記解決手段のシールに、本実施形態における入球口部材2070の前板2071は上記解決手段の前板に、本実施形態におけるシール剥孔2071a、延出部2073、案内リブ2073a、棚部2073b、は上記解決手段の特定形状部に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、入球口部材2070の裏側に特定形状部としての延出部2073が設けられているため、当該特定形状部を見ることで、特定の入球口の位置を、入球口部材2070の裏側から容易に把握することができる。詳述すると、例えば、入球口部材2070の表側に入球口表記としてのアウト口表記2050が設けられていないような開発段階でも、入球口部材2070を裏側から見ると特定形状部としての延出部2073が見えるため、当該延出部2073が設けられている部位が、アウト口表記2050が設けられる特定の入球口(ここでは、サブアウト口2023)であることが判り、当該入球口(サブアウト口2023)の位置を容易に把握することができる。
また、入球口部材2070の裏側に特定形状部としての延出部2073を設けているため、パチンコ機1(遊技盤5)の製造工場などにおいて、装飾シール2072の貼り付けによりアウト口表記2050を設ける際に、延出部2073によりアウト口表記2050を設ける位置(サブアウト口2023の位置)を把握することができ、アウト口表記2050を所望の部位に確実に設けることができる。また、入球口部材2070の裏側に延出部2073を設けているため、アウト口表記2050を設けた後で、入球口部材2070の表裏を見ることで、延出部2073の前方にアウト口表記2050が設けられているか否かを確認することができる。
更に、入球口部材2070の裏側に延出部2073を設けているため、パチンコ機1を組立てる際に、入球口部材2070の取付位置や取付方向などに対して当該延出部2073を目安にすることができ、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入球口部材2070の裏側に特定形状部としての延出部2073を設けているため、例えば、アウト口表記2050や入賞口表記部2060のような入球口表記(サブアウト口2023や入賞口)の種類によって特定形状部の態様を異ならせておくと、裏側の特定形状部を見るだけで、当該入球口部材2070がどのような種類の入球口(入賞口またはサブアウト口)を備えているのかを容易に判別することができる。具体的には、例えば、同じ入球口部材2070であっても仕様や機種によって入球口を入賞口としたりサブアウト口2023としたりするような場合、裏側の特定形状部(延出部2073)の態様によって判別できるため、パチンコ機1の組立ての際に、当該入球口部材2070が入球口を入賞口としたものかサブアウト口2023としたものかを確認するために、わざわざ表側にして見直す必要はなく、組立にかかる手間を低減させることができる。
また、入賞口やサブアウト口のような入球口と対応する入球口表記(入賞口表記部2060やアウト口表記2050)を設けているため、当該入球口表記により入球口の存在と共にその種類を遊技者に認識させることができる。具体的には、例えば、入球口が入賞口の場合、入球口表記としての入賞口表記部2060により入賞口の存在を認識させることができるため、当該入賞口に遊技球Bが入球することを強く願わせることができ、当該入賞口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませたり、当該入賞口に遊技球Bが入球するか否かによってハラハラ・ドキドキさせて遊技球の動きを楽しませたりすることができる。
或いは、入球口が複数設けられているサブアウト口2023の場合、入球口表記としてのアウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023を入賞口と誤認することを回避させることができ、サブアウト口2023に入球することで特典が付与されなくてもサブアウト口2023であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、入球口表記としてのアウト口表記2050を、入球口部材2070の前板2071に貼り付けられる装飾シール2072に施し、入球口部材2070を、透過性を有する透明な部材とすると共に、特定形状部としての延出部2073を、装飾シール2072が貼り付けられていない状態で入球口部材2070の前方から視認可能とするようにしている。これにより、前板2071に装飾シール2072を貼り付けると延出部2073を前方から視認不能(視認困難)とすることができ、装飾シール2072(アウト口表記2050)により延出部2073(案内リブ2073a)を前方から見え難くして隠すことができる。従って、例えば、開発段階において延出部2073を有するように設計した入球口部材2070に対して、延出部2073を削除するような設計変更をしなくても、アウト口表記2050が施されている装飾シール2072を貼り付けることにより、延出部2073を前方から見えないように隠すことができるため、開発段階の入球口部材2070を完成段階においてそのまま利用することが可能となり、設計変更を不要にすることができる。
また、入球口部材2070が透過性(透光性)を有していることから、装飾シール2072を貼り付けていない状態では前方から裏側に設けられている特定形状部としての延出部2073を視認することができるため、アウト口表記2050が施されている装飾シール2072を、前板2071における延出部2073が見える位置に貼り付けることで所望の位置に貼り付けることができ、装飾シール2072の貼り付けにかかる手間を低減させることができる。
ところで、入球口部材2070を透明のような透過性を有する部材により形成する場合、透明な前板2071を通して後方が見えることとなり、裏側に設けられている特定形状部としての延出部2073が見えると、パチンコ機1の見栄えが悪くなる問題がある。これに対して、本実施形態では、延出部2073の前方にアウト口表記2050が施されている装飾シール2072を貼り付けるようにしていることから、当該装飾シール2072(アウト口表記2050や絵柄部2072a)により延出部2073を前方から見え難くして隠すことができるため、前方から延出部2073が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができ、入球口部材2070の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、透過性を有する(透明な)入球口部材2070の前板2071にアウト口表記2050の施された装飾シール2072を貼り付けているため、当該装飾シール2072に遊技球Bが接触することはなく、遊技球Bの接触によって装飾シール2072が剥がれることはない。
[7-8g.小括G]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、打込まれた遊技球が流下する遊技領域に、遊技球の入球により所定の特典を付与する複数の入賞口と、遊技球が入球しても特典を付与することなく遊技機外へ排出するアウト口と、が設けられている。この種の遊技機として、アウト口が複数設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2019-136134号公報)。
しかしながら、アウト口が複数設けられていると、入賞口とアウト口との区別が付き難くなり、遊技者によってはアウト口を入賞口と勘違いして、入球したのに特典が付与されないことで苛立ちを覚え、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、複数設けられているアウト口を入賞口と勘違いするのを防止して遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下する遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記遊技領域は、少なくともそれぞれの下流において分離している第一領域と第二領域とを有し、
前記アウト口は、前記第一領域に設けられている第一アウト口と前記第二領域に設けられている第二アウト口とを少なくとも有し、
前記遊技盤には、前記第一アウト口または前記第二アウト口の一方のみに対応しているアウト口表記が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「第一領域」および「第二領域」としては、「第一領域には遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる始動口(第一始動口)が設けられ、第二領域には抽選された特別図柄の抽選結果に応じて入球可能となる可変入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)が設けられているもの」、「第一領域には遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる第一始動口が設けられ、第二領域には遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる第二始動口が設けられ、特別図柄の抽選結果として第二始動口へ入球し易くなる特定遊技状態が発生する抽選結果を含むもの」、「第一領域には遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる第一始動口が設けられ、第二領域には遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる第二始動口と、遊技球の通過により普通図柄の抽選が行われるゲートとが設けられ、普通図柄の抽選結果に応じて第二始動口が入球し易くなるもの」、等が挙げられる。
また、「アウト口表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、アウト口表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。アウト口表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、アウト口表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材と一体成形されていても良い。
手段1の構成によると、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下する遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、遊技領域は、少なくともそれぞれの下流において分離している第一領域と第二領域とを有し、アウト口は、第一領域に設けられている第一アウト口と第二領域に設けられている第二アウト口とを少なくとも有し、遊技盤には、第一アウト口または第二アウト口の一方のみに対応しているアウト口表記が設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-6.アウト口表記と遊技領域との関係]の章、第一領域5a1、第二領域5a2、アウト口表記2050、アタッカユニット2400、図154等の記載を参照)
これにより、入賞口が設けられている遊技領域が第一領域と第二領域とに分離しているため、遊技者による遊技球の打込操作に応じて、当該遊技球が第一領域を流下したり第二領域を流下したりすることとなるが、何れの領域においても入賞口に遊技球が入球するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、第一領域と第二領域のそれぞれには第一アウト口と第二アウト口とが設けられていると共に、第一アウト口または第二アウト口の一方のみに対応しているアウト口表記が設けられているため、当該アウト口表記が設けられているアウト口を入賞口と勘違い(誤認)することはない。従って、第一アウト口と第二アウト口のようにアウト口が複数設けられていても、アウト口表記により対応する第一アウト口または第二アウト口の存在に気付かせることができるため、当該アウト口を入賞口と誤認することを回避させることができ、当該アウト口に入球することで特典が付与されなくてもアウト口であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、本遊技機で遊技している遊技者に対しては遊技領域が第一領域と第二領域とに分離していることを気付くことが可能であるが、他の遊技者からは遊技領域が第一領域と第二領域とに分離していることに気付き難い。そして、第一アウト口または第二アウト口の一方のみにアウト口表記を設けているため、他の遊技者に対しては、アウト口表記が設けられていない第一アウト口または第二アウト口を入賞口であると錯覚させることができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、第一領域には、第一アウト口よりも下方に別のアウト口が設けられておらず、第二領域には、第二アウト口よりも下方に別のアウト口が設けられていないものとしても良い。換言すると、第一領域では最も下方のアウト口を第一アウト口とし、第二領域では最も下方のアウト口を第二アウト口とするようにしても良い。これにより、第一領域において最も下方に設けられているアウト口を第一アウト口としていると共に、第二領域において最も下方に設けられているアウト口を第二アウト口としているため、第一アウト口と第二アウト口の一方を、従来の遊技盤において最も下方に設けられているアウト口と同じもののように見せることが可能となる。従って、例えば、第一アウト口が従来の遊技盤のアウト口と同じものに見える場合は、第二アウト口と対応するようにアウト口表記を設けるようにする。このようにすることで、第一アウト口は従来の遊技盤のアウト口と同じに見えるため、第一アウト口に対応するアウト口表記が設けられていなくても、第一アウト口を入賞口と誤認することはない。一方、従来のアウト口と同じものに見えない方の第二アウト口は、入賞口と誤認する恐れがあるが、第二アウト口と対応するアウト口表記が設けられているため、当該アウト口表記により第二アウト口を入賞口と誤認することはないと共に、アウト口表記が設けられていることにより第二アウト口が特別なアウト口であると認識させることが可能となり、第二領域が特別な領域であると認識させることができる。従って、第一アウト口と第二アウト口の二つのアウト口に対して、一方にのみ対応するアウト口表記を設けても、アウト口表記が設けられていないアウト口を入賞口と誤認することはなく、上述した作用効果を確実に奏することができる上に、一方にのみアウト口表記が設けられていることで、当該アウト口表記が設けられている第一領域または第二領域が特別な領域であると認識させることが可能となり、遊技者に対して当該領域での遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一領域には、入賞口として遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる始動口が設けられ、第二領域には、入賞口として始動口への入球により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて遊技球が入球可能となる可変入賞口が設けられ、アウト口表記は、第二アウト口の近傍に設けられているようにしても良い。これにより、第一領域に設けられている始動口に遊技球を入球させて所望の特別図柄が抽選されると、第二領域に設けられている可変入賞口が入球可能となるため、遊技者に対して、初めは第一領域を遊技球が流下するような遊技(打込操作)を行わせ、所望の特別図柄が抽選されると第二領域を遊技球が流下するような遊技(打込操作)を行わせることができ、遊技が変化することで遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。換言すると、特別図柄の抽選結果に応じて可変入賞口が入球可能な状態になると、第二領域における入賞口(可変入賞口)への入球の可能性が変化するため、遊技者の関心を第二領域へ引き付けさせることができる。この際に、第二領域に設けられている第二アウト口の近傍にアウト口表記を設けているため、遊技者に対して第二アウト口の存在に気付かせることができ、第二アウト口に遊技球が入球しないように強く願うようになる。しかしながら、第二アウト口のある第二領域では、可変入賞口が入球可能となっているため、第二アウト口への入球よりも可変入賞口への入球の方をより強く願わせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上記のように、第一領域に始動口を設けると共に、第二領域に可変入賞口を設ける場合、第一領域には、始動口として遊技球の入球により特別図柄としての第一特別図柄の抽選が行われる第一始動口が設けられ、第二領域には、始動口として遊技球の入球により特別図柄としての第二特別図柄の抽選が行われる第二始動口が設けられ、特別図柄の抽選結果として、第二始動口へ入球し易くなる特定遊技状態の発生を有し、第二アウト口の近傍には、第一領域側には設けられていないアウト口表記が設けられているようにすることが望ましい。これにより、第一領域の第一始動口、または、第二領域の第二始動口、に遊技球が入球して第一特別図柄または第二特別図柄として特定遊技状態が発生する特別図柄が抽選されると、第二始動口へ遊技球が入球し易くなる。詳述すると、特定遊技状態が発生する特別図柄の抽選結果(図柄の組合せ)として、例えば、「時短大当り」が抽選されると、第二領域に設けられている可変入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)が所定のパターンで開閉する大当り遊技が開始されるため、可変入賞口に入球させようと多くの遊技球を第二領域へ打ち込むこととなる。そして、可変入賞口の開閉が終了(大当り遊技が終了)すると、第一始動口や第二始動口への入球により抽選される特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる時短遊技状態(特定遊技状態)となる。この時短遊技状態では、変動時間を短くすることに加えて、変動が保留されている特別図柄がある場合、第一始動口による第一特別図柄よりも第二始動口による第二特別図柄の方を優先して変動させるようにしている。そのため、第二特別図柄の変動が保留されている状態で第一領域の第一始動口に入球させても、第一特別図柄の変動が開始されないばかりか保留数の上限により破棄されてしまうため、第二領域の第二始動口へ入球するように、大当り遊技に引き続き、多くの遊技球を第二領域へ打ち込むこととなり、第二始動口に遊技球が入球し易くなる。換言すると、特定遊技状態でない状態(通常の状態)では、第一領域を流下する遊技球は第一始動口へ導かれる可能性よりも第一アウト口に導かれる可能性の方が高く、第二領域を流下する遊技球は第二始動口へ導かれる可能性よりも第二アウト口に導かれる可能性の方が高い。一方、特定遊技状態になると、第一領域を流下する遊技球は第一始動口へ導かれる可能性よりも第一アウト口に導かれる可能性の方が高く、第二領域を流下する遊技球は第二アウト口に導かれる可能性よりも第二始動口に導かれる可能性の方が高くなる。つまり、時短遊技状態のような特定遊技状態になると、第一始動口に入球する可能性は変化しないが、第二始動口に入球する可能性が高くなるように変化する。このように、通常の状態から特定遊技状態になると、第二領域に設けられている第二始動口への入球の可能性が変化するため、遊技者が第二領域に注目することとなる。この際に、第二領域の第二アウト口の近傍には、第一アウト口には設けられていないアウト口表記が設けられているため、当該アウト口表記により第二アウト口の存在に気付かせることができ、第二アウト口に入球しないように強く願わせつつ、第二始動口への入球の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一アウト口と第二アウト口は、接近して設けられていても良い。これにより、第一領域に設けられている第一アウト口と、第二領域に設けられている第二アウト口とが、接近して設けられているため、何れか一方が入賞口であると錯覚し易くなるが、第一アウト口の第一領域と第二アウト口の第二領域とが分離していると共に、一方にのみ対応しているアウト口表記を設けているため、入賞口と誤認することはなく、何れも入賞口ではなくてアウト口であると認識させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記第一領域には、前記第一アウト口よりも下方に別の前記アウト口が設けられておらず、
前記第二領域には、前記第二アウト口よりも下方に別の前記アウト口が設けられていない」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、第一領域には、第一アウト口よりも下方に別のアウト口が設けられておらず、第二領域には、第二アウト口よりも下方に別のアウト口が設けられていないものである。換言すると、第一領域では最も下方のアウト口を第一アウト口とし、第二領域では最も下方のアウト口を第二アウト口とするものである。([発明を実施するための形態]では、アウト口1008、サブアウト口2023、図154等の記載を参照)
これにより、第一領域において最も下方に設けられているアウト口を第一アウト口としていると共に、第二領域において最も下方に設けられているアウト口を第二アウト口としているため、第一アウト口と第二アウト口の一方を、従来の遊技盤において最も下方に設けられているアウト口と同じもののように見せることが可能となる。従って、例えば、第一アウト口が従来の遊技盤のアウト口と同じものに見える場合は、第二アウト口と対応するようにアウト口表記を設けるようにする。このようにすることで、第一アウト口は従来の遊技盤のアウト口と同じに見えるため、第一アウト口に対応するアウト口表記が設けられていなくても、第一アウト口を入賞口と誤認することはない。一方、従来のアウト口と同じものに見えない方の第二アウト口は、入賞口と誤認する恐れがあるが、第二アウト口と対応するアウト口表記が設けられているため、当該アウト口表記により第二アウト口を入賞口と誤認することはないと共に、アウト口表記が設けられていることにより第二アウト口が特別なアウト口であると認識させることが可能となり、第二領域が特別な領域であると認識させることができる。従って、第一アウト口と第二アウト口の二つのアウト口に対して、一方にのみ対応するアウト口表記を設けても、アウト口表記が設けられていないアウト口を入賞口と誤認することはなく、上述した作用効果を確実に奏することができる上に、一方にのみアウト口表記が設けられていることで、当該アウト口表記が設けられている第一領域または第二領域が特別な領域であると認識させることが可能となり、遊技者に対して当該領域での遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第一領域には、前記入賞口として遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる始動口が設けられ、
前記第二領域には、前記入賞口として前記始動口への入球により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて遊技球が入球可能となる可変入賞口が設けられ、
前記アウト口表記は、前記第二アウト口の近傍に設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「可変入賞口」としては、「大入賞口」、「役物入賞口」、等が挙げられる。
手段3の構成によると、第一領域には、入賞口として遊技球の入球により特別図柄の抽選が行われる始動口が設けられ、第二領域には、入賞口として始動口への入球により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて遊技球が入球可能となる可変入賞口が設けられ、アウト口表記は、第二アウト口の近傍に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、第一領域5a1、第二領域5a2、第一始動口2002、大入賞口2005、図154等の記載を参照)
これにより、第一領域に設けられている始動口に遊技球を入球させて所望の特別図柄が抽選されると、第二領域に設けられている可変入賞口が入球可能となるため、遊技者に対して、初めは第一領域を遊技球が流下するような遊技(打込操作)を行わせ、所望の特別図柄が抽選されると第二領域を遊技球が流下するような遊技(打込操作)を行わせることができ、遊技が変化することで遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。換言すると、特別図柄の抽選結果に応じて可変入賞口が入球可能な状態になると、第二領域における入賞口(可変入賞口)への入球の可能性が変化するため、遊技者の関心を第二領域へ引き付けさせることができる。この際に、第二領域に設けられている第二アウト口の近傍にアウト口表記を設けているため、遊技者に対して第二アウト口の存在に気付かせることができ、第二アウト口に遊技球が入球しないように強く願うようになる。しかしながら、第二アウト口のある第二領域では、可変入賞口が入球可能となっているため、第二アウト口への入球よりも可変入賞口への入球の方をより強く願わせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
手段4:手段3の構成において、
「前記第一領域には、前記始動口として遊技球の入球により前記特別図柄としての第一特別図柄の抽選が行われる第一始動口が設けられ、
前記第二領域には、前記始動口として遊技球の入球により前記特別図柄としての第二特別図柄の抽選が行われる第二始動口が設けられ、
前記特別図柄の抽選結果として、前記第二始動口へ入球し易くなる特定遊技状態の発生を有し、
前記第二アウト口の近傍には、前記第一領域側には設けられていない前記アウト口表記が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、第二始動口へ入球し易くなる特定遊技状態が発生する「特別図柄の抽選結果」としては、「大入賞口や役物入賞口のような可変入賞口が所定の開閉パターンで開閉した後に、特別図柄の変動時間を通常よりも短くして時間当りの抽選回数を増加可能なもの(例えば、時短大当り、時短中当り、時短小当り、など)」、「大入賞口や役物入賞口のような可変入賞口が開閉することなく、特別図柄の変動時間を通常よりも短くして時間当りの抽選回数を増加可能なもの(例えば、時短当り)」、「遊技者に対して特典を付与しない抽選結果(所謂、ハズレ)が所定回数連続した時に、特別図柄の変動時間を通常よりも短くして時間当りの抽選回数を増加可能なもの(遊タイム)」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、第一領域には、始動口として遊技球の入球により特別図柄としての第一特別図柄の抽選が行われる第一始動口が設けられ、第二領域には、始動口として遊技球の入球により特別図柄としての第二特別図柄の抽選が行われる第二始動口が設けられ、特別図柄の抽選結果として、第二始動口へ入球し易くなる特定遊技状態の発生を有し、第二アウト口の近傍には、第一領域側には設けられていないアウト口表記が設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、第一領域5a1、第二領域5a2、第一始動口2002、第二始動口2004、アウト口表記2050、図154等の記載を参照)
これにより、第一領域の第一始動口、または、第二領域の第二始動口、に遊技球が入球して第一特別図柄または第二特別図柄として特定遊技状態が発生する特別図柄が抽選されると、第二始動口へ遊技球が入球し易くなる。詳述すると、特定遊技状態が発生する特別図柄の抽選結果(図柄の組合せ)として、例えば、「時短大当り」が抽選されると、第二領域に設けられている可変入賞口(例えば、大入賞口、役物入賞口、など)が所定のパターンで開閉する大当り遊技が開始されるため、可変入賞口に入球させようと多くの遊技球を第二領域へ打ち込むこととなる。そして、可変入賞口の開閉が終了(大当り遊技が終了)すると、第一始動口や第二始動口への入球により抽選される特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる時短遊技状態(特定遊技状態)となる。この時短遊技状態では、変動時間を短くすることに加えて、変動が保留されている特別図柄がある場合、第一始動口による第一特別図柄よりも第二始動口による第二特別図柄の方を優先して変動させるようにしている。そのため、第二特別図柄の変動が保留されている状態で第一領域の第一始動口に入球させても、第一特別図柄の変動が開始されないばかりか保留数の上限により破棄されてしまうため、第二領域の第二始動口へ入球するように、大当り遊技に引き続き、多くの遊技球を第二領域へ打ち込むこととなり、第二始動口に遊技球が入球し易くなる。換言すると、特定遊技状態でない状態(通常の状態)では、第一領域を流下する遊技球は第一始動口へ導かれる可能性よりも第一アウト口に導かれる可能性の方が高く、第二領域を流下する遊技球は第二始動口へ導かれる可能性よりも第二アウト口に導かれる可能性の方が高い。一方、特定遊技状態になると、第一領域を流下する遊技球は第一始動口へ導かれる可能性よりも第一アウト口に導かれる可能性の方が高く、第二領域を流下する遊技球は第二アウト口に導かれる可能性よりも第二始動口に導かれる可能性の方が高くなる。つまり、時短遊技状態のような特定遊技状態になると、第一始動口に入球する可能性は変化しないが、第二始動口に入球する可能性が高くなるように変化する。
このように、通常の状態から特定遊技状態になると、第二領域に設けられている第二始動口への入球の可能性が変化するため、遊技者が第二領域に注目することとなる。この際に、第二領域の第二アウト口の近傍には、第一アウト口には設けられていないアウト口表記が設けられているため、当該アウト口表記により第二アウト口の存在に気付かせることができ、第二アウト口に入球しないように強く願わせつつ、第二始動口への入球の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記第一アウト口と前記第二アウト口は、接近して設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、第一アウト口と第二アウト口は、接近して設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、第一領域5a1、第二領域5a2、アウト口1008、サブアウト口2023、図154等の記載を参照)
これにより、第一領域に設けられている第一アウト口と、第二領域に設けられている第二アウト口とが、接近して設けられているため、何れか一方が入賞口であると錯覚し易くなるが、第一アウト口の第一領域と第二アウト口の第二領域とが分離していると共に、一方にのみ対応しているアウト口表記を設けているため、入賞口と誤認することはなく、何れも入賞口ではなくてアウト口であると認識させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
このように、上記の解決手段によれば、複数設けられているアウト口を入賞口と勘違いするのを防止して遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態の遊技盤5の遊技領域5aにおける第一領域5a1および第二領域5a2は上記解決手段の第一領域および第二領域に、本実施形態におけるアウト口1008は上記解決手段の第一アウト口に、本実施形態におけるサブアウト口2023は上記解決手段の第二アウト口に、本実施形態における一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、および大入賞口2005は上記解決手段の入賞口に、本実施形態における第一始動口2002は上記解決手段の第一始動口に、本実施形態における第二始動口2004は上記解決手段の第二始動口に、本実施形態における大入賞口2005は上記解決手段の可変入賞口に、本実施形態におけるアウト口表記2050は上記解決手段のアウト口表記に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、一般入賞口2001などの入賞口が設けられている遊技領域5aが第一領域5a1と第二領域5a2とに分離しているため、遊技者による遊技球Bの打込操作に応じて、当該遊技球Bが第一領域5a1を流下したり第二領域5a2を流下したりすることとなるが、何れの領域においても入賞口に遊技球Bが入球するか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、第一領域5a1と第二領域5a2のそれぞれには第一アウト口(アウト口1008)と第二アウト口(サブアウト口2023)とが設けられていると共に、サブアウト口2023のみに対応しているアウト口表記2050が設けられているため、当該アウト口表記2050が設けられているサブアウト口2023を入賞口と勘違い(誤認)することはない。従って、アウト口1008とサブアウト口2023のようにアウト口が複数設けられていても、アウト口表記2050により対応するサブアウト口2023の存在に気付かせることができるため、当該サブアウト口2023を入賞口と誤認することを回避させることができ、当該サブアウト口2023に入球することで特典が付与されなくてもアウト口であることを認識していることで損した気分にはならず、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、本パチンコ機1で遊技している遊技者に対しては遊技領域5aが第一領域5a1と第二領域5a2とに分離していることを気付くことが可能であるが、他の遊技者からは遊技領域5aが第一領域5a1と第二領域5a2とに分離していることに気付き難い。そして、サブアウト口2023のみにアウト口表記2050を設けているため、他の遊技者に対しては、アウト口表記2050が設けられていないアウト口1008を入賞口であると錯覚させることができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、第一領域5a1において最も下方に設けられているアウト口をアウト口1008としていると共に、第二領域5a2において最も下方に設けられているアウト口をサブアウト口2023としているため、アウト口1008を、従来の遊技盤において最も下方に設けられているアウト口と同じもののように見せることが可能となる。そして、サブアウト口2023と対応するようにアウト口表記2050を設けるようにしている。これにより、アウト口1008は従来の遊技盤のアウト口と同じに見えるため、アウト口1008に対応するアウト口表記が設けられていなくても、アウト口1008を入賞口と誤認することはない。一方、従来のアウト口と同じものに見えない方のサブアウト口2023は、入賞口と誤認する恐れがあるが、サブアウト口2023と対応するアウト口表記2050が設けられているため、当該アウト口表記2050によりサブアウト口2023を入賞口と誤認することはないと共に、アウト口表記2050が設けられていることによりサブアウト口2023が特別なアウト口であると認識させることが可能となり、第二領域5a2が特別な領域であると認識させることができる。従って、アウト口1008とサブアウト口2023の二つのアウト口に対して、一方(サブアウト口2023)にのみ対応するアウト口表記2050を設けても、アウト口表記2050が設けられていないアウト口1008を入賞口と誤認することはなく、上述した作用効果を確実に奏することができる上に、一方にのみアウト口表記2050が設けられていることで、当該アウト口表記2050が設けられている第二領域5a2が特別な領域であると認識させることが可能となり、遊技者に対して当該第二領域5a2での遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一領域5a1に設けられている第一始動口2002に遊技球Bを入球させて所望の特別図柄(例えば、「大当り」)が抽選されると、第二領域5a2に設けられている可変入賞口(大入賞口2005)が入球可能となるため、遊技者に対して、初めは第一領域5a1を遊技球Bが流下するような遊技(打込操作)を行わせ、所望の特別図柄が抽選されると第二領域5a2を遊技球Bが流下するような遊技(打込操作)を行わせることができ、遊技が変化することで遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。換言すると、特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口2005が入球可能な状態になると、第二領域5a2における大入賞口2005への入球の可能性が変化するため、遊技者の関心を第二領域5a2へ引き付けさせることができる。この際に、第二領域5a2に設けられているサブアウト口2023の近傍にアウト口表記2050を設けているため、遊技者に対してサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023に遊技球Bが入球しないように強く願うようになる。しかしながら、サブアウト口2023のある第二領域5a2では、大入賞口2005が入球可能となっているため、サブアウト口2023への入球よりも大入賞口2005への入球の方をより強く願わせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、第一領域5a1の第一始動口2002、または、第二領域5a2の第二始動口2004、に遊技球Bが入球して第一特別図柄または第二特別図柄として特定遊技状態(例えば、時短状態)が発生する特別図柄が抽選されると、第二始動口2004へ遊技球Bが入球し易くなる。詳述すると、特定遊技状態が発生する特別図柄の抽選結果(図柄の組合せ)として、例えば、「時短大当り」が抽選されると、第二領域5a2に設けられている大入賞口2005(可変入賞口)が所定のパターンで開閉する大当り遊技が開始されるため、大入賞口2005に入球させようと多くの遊技球Bを第二領域5a2へ打ち込む(ここでは、右打ちする)こととなる。そして、大入賞口2005の開閉が終了(大当り遊技が終了)すると、第一始動口2002や第二始動口2004への入球により抽選される特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる時短遊技状態(特定遊技状態)となる。この時短遊技状態では、変動時間を短くすることに加えて、変動が保留されている特別図柄がある場合、第一始動口2002による第一特別図柄よりも第二始動口2004による第二特別図柄の方を優先して変動させるようにしている。そのため、第二特別図柄の変動が保留されている状態で第一領域5a1の第一始動口2002に入球させても、第一特別図柄の変動が開始されないばかりか保留数の上限(例えば4つ)により破棄されてしまうため、第二領域5a2の第二始動口2004へ入球するように、大当り遊技に引き続き、多くの遊技球Bを第二領域5a2へ打ち込むこととなり、第二始動口2004に遊技球Bが入球し易くなる。換言すると、特定遊技状態(時短遊技状態)でない状態(通常の状態)では、第一領域5a1を流下する遊技球Bは第一始動口2002へ導かれる可能性よりもアウト口1008に導かれる可能性の方が高く、第二領域5a2を流下する遊技球Bは第二始動口2004へ導かれる可能性よりもサブアウト口2023に導かれる可能性の方が高い。一方、特定遊技状態(時短遊技状態)になると、第一領域5a1を流下する遊技球Bは第一始動口2002へ導かれる可能性よりもアウト口1008に導かれる可能性の方が高く、第二領域5a2を流下する遊技球Bはサブアウト口2023に導かれる可能性よりも第二始動口2004に導かれる可能性の方が高くなる。つまり、時短遊技状態のような特定遊技状態になると、第一始動口2002に入球する可能性は変化しないが、第二始動口2004に入球する可能性が高くなるように変化する。このように、通常の状態から特定遊技状態になると、第二領域5a2に設けられている第二始動口2004への入球の可能性が変化するため、遊技者が第二領域5a2に注目することとなる。この際に、第二領域5a2のサブアウト口2023の近傍には、アウト口1008には設けられていないアウト口表記2050が設けられているため、当該アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができ、サブアウト口2023に入球しないように強く願わせつつ、第二始動口2004への入球の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一領域5a1に設けられているアウト口1008と、第二領域5a2に設けられているサブアウト口2023とが、接近して設けられているため、何れか一方が入賞口であると錯覚し易くなるが、アウト口1008の第一領域5a1とサブアウト口2023の第二領域5a2とが分離していると共に、サブアウト口2023にのみ対応しているアウト口表記2050を設けているため、入賞口と誤認することはなく、何れも入賞口ではなくてアウト口であると認識させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[7-8h.小括H]
(技術的特徴の背景)
パチンコ機のような遊技機には、打込まれた遊技球が流下する遊技領域に、遊技球の入球により所定の特典を付与する複数の入賞口と、遊技球が入球しても特典を付与することなく遊技機外へ排出するアウト口と、が設けられている。この種の遊技機として、アウト口が複数設けられているものが知られている(例えば、特許文献:特開2019-136134号公報)。
しかしながら、アウト口が複数設けられていると、入賞口とアウト口との区別が付き難くなり、遊技者によってはアウト口を入賞口と勘違いして、入球したのに特典が付与されないことで苛立ちを覚え、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、複数設けられているアウト口を入賞口と勘違いするのを防止して遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
(技術的特徴の解決手段)
手段1:遊技機において、
「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下する遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、
前記遊技機には、前記第一アウト口に対応する第一アウト口表記と、前記第二アウト口に対応する第二アウト口表記と、可動体とが設けられており、
少なくとも前記第一アウト口表記は、前記可動体の可動位置に応じて視認性が変化する」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入賞口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技球の入球による所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技球が入球することで、遊技領域内において、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果(普通図柄の抽選結果)に応じて、所定の特典として遊技球の入球が可能となり、遊技球の入球により所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選(特別図柄の抽選)が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に入球した遊技球が振分手段により振分けられて入球すると、所定の特典として遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「所定の特典としての遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技球の入球が可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「アウト口表記」としては、「英語(アルファベット)、日本語(片仮名、平仮名)、のような言語の文字からなるもの」、「模様、記号、ピクトグラム、のような図案からなるもの」、「負をイメージさせるような絵柄やキャラクタなどからなるもの」、等が挙げられる。また、アウト口表記としては、「周囲の装飾や部材などとは透光性が異なるもの」、「周囲の装飾や部材などと光の反射率が異なるもの」、等が挙げられる。アウト口表記を文字とする場合、横書きとしても良いし、縦書きとしても良いし、斜め書きとしても良い。また、アウト口表記は、シールに設けても良いし、装飾シートの装飾と一緒に印刷されていても良いし、入球口部材と一体成形されていても良い。
更に、「可動体」としては、「遊技者参加型演出の実行に応じて昇降する押圧操作部(ポップアップボタン)」、「遊技者参加型演出が実行された時に遊技者が操縦桿のように操作することで当該演出に参加することが可能な演出操作部(ステック操作部)」、「上面を遊技球が転動可能(流通可能)とされ、前後方向に進退する平板状の可動片(振分片、開閉扉、など)」、「前後方向へ延びている軸芯周りに対して回動し、遊技球を案内可能な羽根状の可動片(羽根、振分片、など)」、「左右方向へ移動可能な可動装飾体」、「上下方向へ移動可能な可動装飾体」、「前後方向へ延びた軸芯周りに回転可能な可動装飾体」、等が挙げられる。
また、視認性の「変化」としては、「第一アウト口表記よりも前方に可動体が設けられており、第一アウト口表記の少なくとも一部が移動した可動体と重なって隠れることで視認性が変化するもの」、「第一アウト口表記よりも後方に可動体が設けられており、第一アウト口表記の少なくとも一部が移動した可動体と重なることで当該可動体の色や装飾により視認性が変化するもの」、「第一アウト口表記よりも後方に可動体が設けられており、可動体の移動によって第一アウト口表記の後方の明暗が変化することにより視認性が変化するもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口と、遊技領域を流下する遊技球が入球可能なアウト口とを有する遊技盤を備えた遊技機であって、アウト口として、少なくとも第一アウト口と第二アウト口とが設けられ、遊技機には、第一アウト口に対応する第一アウト口表記と、第二アウト口に対応する第二アウト口表記と、可動体とが設けられており、少なくとも第一アウト口表記は、可動体の可動位置に応じて視認性が変化するものである。([発明を実施するための形態]では、[7-5.入球口表記と可動体との関係]の章、押圧操作部303、アウト口表記2050、サブアウト口2023、羽根2114、振分片2587、図151~図153等の記載を参照)
これにより、第一アウト口と対応した第一アウト口表記や第二アウト口に対応した第二アウト口表記を設けているため、当該アウト口表記を遊技者が視認することで、アウト口の存在に気付かせることができる。従って、第一アウト口や第二アウト口を入賞口と勘違いすることはないため、第一アウト口や第二アウト口への遊技球の入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、少なくとも第一アウト口表記を、可動体の可動位置に応じて視認性が変化するようにしているため、可動体の動きによって第一アウト口表記が見え易くなったり見え難くなったりする。これにより、第一アウト口表記が見える時には遊技者の意識を第一アウト口へ向けさせ、第一アウト口表記が見え難い時には遊技者の意識を入賞口へ向けさせることが可能となるため、遊技者の意識を変化させて飽きさせ難くすることができ、本遊技機での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、可動体の動きによって第一アウト口表記を見え易くしたり見え難くしたりすることができるため、例えば、通常の遊技状態では、可動体が第一アウト口表記と重ならない位置に移動していることで、第一アウト口表記を見え易くして、第一アウト口表記により第一アウト口の存在に気付かせて、第一アウト口を入賞口と勘違いしないようにする。一方、特定の遊技状態(例えば、大当りなどの遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する特別図柄の組合せが残り一つを除いて揃った時に実行される演出(リーチ演出)が実行されている状態、「大当り」「中当り」「小当り」のような遊技者が有利となる有利遊技状態が発生している状態、など)では、可動体が第一アウト口表記と重なる位置に移動することで、第一アウト口表記を見え難くする。これにより、特定の遊技状態では、第一アウト口表記(第一アウト口)に対する関心を低下させることが可能となるため、第一アウト口を気にすることなく遊技者の関心を特定の遊技状態に専念させることができ、特定の遊技状態を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、特定の遊技状態では、発光やサウンドによる演出が変化するため、本遊技機の近くにいる他の遊技者が特定の遊技状態になったことを認識することができ、他の遊技者が本遊技機に注目することとなる。この際に、可動体が第一アウト口表記と重なる位置に移動していることから、他の遊技者からは第一アウト口表記が見え難くなるため、第一アウト口表記が見えることによる見栄えの低下を抑制させることができ、相対的に見栄えが良くなることで訴求力を高くすることが可能となり、他の遊技者に対して遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。
なお、第一アウト口表記を、遊技領域の左右方向の中央付近に設けるようにすることが望ましい。これにより、第一アウト口表記を遊技領域の左右方向の中央付近に設けているため、遊技者の正面付近に第一アウト口表記が位置することで目立ち易くなる一方、可動体の可動位置によって第一アウト口表記の視認性を変化させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、第一アウト口表記を、可動体よりも前方に設けるようにしても良い。これにより、可動体よりも前方に第一アウト口表記を設けているため、例えば、第一アウト口表記を透明な部材に設けると共に、後方に設けられている可動体の可動位置によって第一アウト口表記の後方を明るくしたり暗くしたりすることができるようにすると、可動体の可動位置によって第一アウト口表記の視認性を変化させることができる。詳述すると、例えば、第一アウト口表記を黒文字のような暗い感じの表記にする場合、可動体の可動(移動)によって第一アウト口表記の後方を明るくすると、暗い第一アウト口表記の周囲が明るくなるため、第一アウト口表記が目立って見え易くなる。一方、可動体の可動によって第一アウト口表記の後方を暗くすると、暗い第一アウト口表記の周囲が暗くなるため、第一アウト口表記が周囲の暗さに溶け込んで見え難くなる。或いは、第一アウト口表記を白文字のような明るい感じの表記にする場合、可動体の可動(移動)によって第一アウト口表記の後方を明るくすると、明るい第一アウト口表記の周囲が明るくなるため、第一アウト口表記が周囲の明るさに溶け込んで見え難くなる。一方、可動体の可動によって第一アウト口表記の後方を暗くすると、明るい第一アウト口表記の周囲が暗くなるため、第一アウト口表記が目立って見え易くなる。このように、可動体の可動位置に応じて第一アウト口表記の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
また、上記のように、第一アウト口表記を可動体よりも前方に設ける場合、例えば、第一アウト口表記を透明な部材に設けると共に、後方の可動体を第一アウト口表記と重なる位置と重ならない位置との間で可動するようにすると、可動体の可動位置によって第一アウト口表記の視認性を変化させることができる。詳述すると、例えば、第一アウト口表記に対して可動体を同じような色または溶け込むような装飾とする場合、可動体を第一アウト口表記と重なる位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に可動体の色や装飾が見えることで、第一アウト口表記が可動体の色や装飾に溶け込んで見え難くなる。一方、可動体を第一アウト口表記と重ならない位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に可動体が見えなくなることで、相対的に第一アウト口表記が目立つようになり、第一アウト口表記が見え易くなる。或いは、第一アウト口表記に対して可動体を異なる色や装飾とする場合、可動体を第一アウト口表記と重なる位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に可動体の異なる色や装飾が見えることで、第一アウト口表記が目立つようになり、第一アウト口表記が見え易くなる。一方、可動体を第一アウト口表記と重ならない位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に異なる色や装飾の可動体が見えなくなることで、相対的に第一アウト口表記が目立ち難くなり、第一アウト口表記が見え難くなる。このように、可動体の可動位置に応じて第一アウト口表記の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
更に、第一アウト口表記を、可動体よりも後方に設けるようにしても良い。これにより、可動体よりも後方に第一アウト口表記を設けている。つまり、第一アウト口表記よりも前方に可動体を設けているため、可動体を第一アウト口表記と重なる位置へ移動させると、前方の可動体により第一アウト口表記を隠して見え難くすることができ、可動体を第一アウト口表記と重ならない位置へ移動させると、第一アウト口表記を見えるようにすることができる。従って、可動体の可動位置に応じて第一アウト口表記の視認性を変化させることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができる。
また、上記のように、第一アウト口表記よりも前方に可動体を設ける場合、例えば、可動体として遊技者参加型演出が実行された時に上昇して遊技者が押圧操作することにより当該演出に参加することが可能となる押圧操作部(ポップアップボタン)とする場合、押圧操作部が下方へ移動している通常の状態では、第一アウト口表記と押圧操作部とが重なっていないため、第一アウト口表記を視認することができ、第一アウト口表記により第一アウト口の存在に気付かせることができる。この通常の状態では、他の遊技者からも第一アウト口表記が見えるが、遊技が通常の状態であることから、他の遊技者は本遊技機を凝視せずにパッと見るだけであるため、第一アウト口表記に気付き難く、遊技機の見栄えが悪く見えることはない。一方、遊技者参加型演出が実行されて可動体としての押圧操作部が上昇すると、第一アウト口表記と押圧操作部とが重なって第一アウト口表記が見え難くなるが、本遊技機で遊技している遊技者は、通常の状態において第一アウト口の存在を認識しているため、第一アウト口表記が見えなくても第一アウト口を入賞口と勘違いすることはない。これに対して他の遊技者は、遊技者参加型演出の実行により、当該演出が開始されることを示唆する発光やサウンドなどの演出により本遊技機に注目することとなるが、押圧操作部が上昇することにより第一アウト口表記と重なって第一アウト口表記が見え難くなるため、第一アウト口表記が見えることによる見栄えの低下を抑制させることができ、相対的に見栄えを良くすることができる。そして、他の遊技者からは遊技者参加型演出が見えるため、当該演出により他の遊技者を引き付けることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記第一アウト口表記は、前記遊技領域の左右方向の中央付近に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、第一アウト口表記は、遊技領域の左右方向の中央付近に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-5.入球口表記と可動体との関係]の章、アウト口表記2050、図151~図153等の記載を参照)
これにより、第一アウト口表記を遊技領域の左右方向の中央付近に設けているため、遊技者の正面付近に第一アウト口表記が位置することで目立ち易くなる一方、可動体の可動位置によって第一アウト口表記の視認性を変化させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第一アウト口表記は、前記可動体よりも前方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、第一アウト口表記は、可動体よりも前方に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-5.入球口表記と可動体との関係]の章、アウト口表記2050、サブアウト口2023、振分片2587、図152等の記載を参照)
これにより、可動体よりも前方に第一アウト口表記を設けているため、例えば、第一アウト口表記を透明な部材に設けると共に、後方に設けられている可動体の可動位置によって第一アウト口表記の後方を明るくしたり暗くしたりすることができるようにすると、可動体の可動位置によって第一アウト口表記の視認性を変化させることができる。詳述すると、例えば、第一アウト口表記を黒文字のような暗い感じの表記にする場合、可動体の可動(移動)によって第一アウト口表記の後方を明るくすると、暗い第一アウト口表記の周囲が明るくなるため、第一アウト口表記が目立って見え易くなる。一方、可動体の可動によって第一アウト口表記の後方を暗くすると、暗い第一アウト口表記の周囲が暗くなるため、第一アウト口表記が周囲の暗さに溶け込んで見え難くなる。或いは、第一アウト口表記を白文字のような明るい感じの表記にする場合、可動体の可動(移動)によって第一アウト口表記の後方を明るくすると、明るい第一アウト口表記の周囲が明るくなるため、第一アウト口表記が周囲の明るさに溶け込んで見え難くなる。一方、可動体の可動によって第一アウト口表記の後方を暗くすると、明るい第一アウト口表記の周囲が暗くなるため、第一アウト口表記が目立って見え易くなる。このように、第一アウト口表記を可動体よりも前方に設けることで、可動体の可動位置に応じて第一アウト口表記の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
また、例えば、第一アウト口表記を透明な部材に設けると共に、後方の可動体を第一アウト口表記と重なる位置と重ならない位置との間で可動するようにすると、可動体の可動位置によって第一アウト口表記の視認性を変化させることができる。詳述すると、例えば、第一アウト口表記に対して可動体を同じような色または溶け込むような装飾とする場合、可動体を第一アウト口表記と重なる位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に可動体の色や装飾が見えることで、第一アウト口表記が可動体の色や装飾に溶け込んで見え難くなる。一方、可動体を第一アウト口表記と重ならない位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に可動体が見えなくなることで、相対的に第一アウト口表記が目立つようになり、第一アウト口表記が見え易くなる。或いは、第一アウト口表記に対して可動体を異なる色や装飾とする場合、可動体を第一アウト口表記と重なる位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に可動体の異なる色や装飾が見えることで、第一アウト口表記が目立つようになり、第一アウト口表記が見え易くなる。一方、可動体を第一アウト口表記と重ならない位置へ移動させると、第一アウト口表記の周囲に異なる色や装飾の可動体が見えなくなることで、相対的に第一アウト口表記が目立ち難くなり、第一アウト口表記が見え難くなる。このように、第一アウト口表記を可動体よりも前方に設けることで、可動体の可動位置に応じて第一アウト口表記の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
手段4:手段1又は手段2の構成において、
「前記第一アウト口表記は、前記可動体よりも後方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、第一アウト口表記は、可動体よりも後方に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、[7-5.入球口表記と可動体との関係]の章、押圧操作部303、アウト口表記2050、サブアウト口2023、羽根2114、図151および図153等の記載を参照)
これにより、可動体よりも後方に第一アウト口表記を設けている。つまり、第一アウト口表記よりも前方に可動体を設けているため、可動体を第一アウト口表記と重なる位置へ移動させると、前方の可動体により第一アウト口表記を隠して見え難くすることができ、可動体を第一アウト口表記と重ならない位置へ移動させると、第一アウト口表記を見えるようにすることができる。従って、可動体の可動位置に応じて第一アウト口表記の視認性を変化させることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができる。
また、第一アウト口表記よりも前方に可動体を設けていることから、例えば、可動体として遊技者参加型演出が実行された時に上昇して遊技者が押圧操作することにより当該演出に参加することが可能となる押圧操作部(ポップアップボタン)とする場合、押圧操作部が下方へ移動している通常の状態では、第一アウト口表記と押圧操作部とが重なっていないため、第一アウト口表記を視認することができ、第一アウト口表記により第一アウト口の存在に気付かせることができる。この通常の状態では、他の遊技者からも第一アウト口表記が見えるが、遊技が通常の状態であることから、他の遊技者は本遊技機を凝視せずにパッと見るだけであるため、第一アウト口表記に気付き難く、遊技機の見栄えが悪く見えることはない。一方、遊技者参加型演出が実行されて可動体としての押圧操作部が上昇すると、第一アウト口表記と押圧操作部とが重なって第一アウト口表記が見え難くなるが、本遊技機で遊技している遊技者は、通常の状態において第一アウト口の存在を認識しているため、第一アウト口表記が見えなくても第一アウト口を入賞口と勘違いすることはない。これに対して他の遊技者は、遊技者参加型演出の実行により、当該演出が開始されることを示唆する発光やサウンドなどの演出により本遊技機に注目することとなるが、押圧操作部が上昇することにより第一アウト口表記と重なって第一アウト口表記が見え難くなるため、第一アウト口表記が見えることによる見栄えの低下を抑制させることができ、相対的に見栄えを良くすることができる。そして、他の遊技者からは遊技者参加型演出が見えるため、当該演出により他の遊技者を引き付けることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。
このように、上記の解決手段によれば、複数設けられているアウト口を入賞口と勘違いするのを防止して遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
(技術的特徴の解決手段と実施形態との関係)
本実施形態におけるアウト口1008およびサブアウト口2023は上記解決手段のアウト口に、本実施形態におけるサブアウト口2023は上記解決手段の第一アウト口に、本実施形態における一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、および大入賞口2005は上記解決手段の入賞口に、本実施形態の扉枠3における演出操作ユニット300の押圧操作部303、始動口ユニット2100の羽根2114、センター役物2500の振分片2587は上記解決手段の可動体に、本実施形態におけるアウト口表記2050は上記解決手段の第一アウト口表記に、それぞれ相当している。
(本実施形態の特徴的な作用効果)
本実施形態のパチンコ機1によれば、第一アウト口(例えば、図151では、左側のサブアウト口2023)と対応した第一アウト口表記(左側のアウト口表記2050)や第二アウト口(右側のサブアウト口2023)に対応した第二アウト口表記(右側のアウト口表記2050)を設けているため、当該アウト口表記2050を遊技者が視認することで、サブアウト口2023の存在に気付かせることができる。従って、サブアウト口2023を入賞口と勘違いすることはないため、サブアウト口2023への遊技球Bの入球により特典が付与されなくても、苛立ちを覚えることはなく、遊技者の興趣が低下することはない。
そして、アウト口表記2050を、可動体(例えば、押圧操作部303、羽根2114、振分片2587、など)の可動位置に応じて視認性が変化するようにしているため、可動体の動きによってアウト口表記2050が見え易くなったり見え難くなったりする。これにより、アウト口表記2050が見える時には遊技者の意識をサブアウト口2023へ向けさせ、アウト口表記2050が見え難い時には遊技者の意識を入賞口(第一始動口2002)へ向けさせることが可能となるため、遊技者の意識を変化させて飽きさせ難くすることができ、本パチンコ機1での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、可動体の動きによってアウト口表記2050を見え易くしたり見え難くしたりすることができるため、例えば、通常の遊技状態では、可動体がアウト口表記2050と重ならない位置に移動していることで、アウト口表記2050を見え易くして、アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせて、サブアウト口2023を入賞口と勘違いしないようにする。一方、特定の遊技状態(例えば、大当りなどの遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する特別図柄の組合せが残り一つを除いて揃った時に実行される演出(リーチ演出)が実行されている状態、「大当り」「中当り」「小当り」のような遊技者が有利となる有利遊技状態が発生している状態、など)では、可動体がアウト口表記2050と重なる位置に移動することで、アウト口表記2050を見え難くする。これにより、特定の遊技状態では、アウト口表記2050(サブアウト口2023)に対する関心を低下させることが可能となるため、サブアウト口2023を気にすることなく遊技者の関心を特定の遊技状態に専念させることができ、特定の遊技状態を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、特定の遊技状態では、発光やサウンドによる演出が変化するため、本パチンコ機1の近くにいる他の遊技者が特定の遊技状態になったことを認識することができ、他の遊技者が本パチンコ機1に注目することとなる。この際に、可動体がアウト口表記2050と重なる位置に移動していることから、他の遊技者からはアウト口表記2050が見え難くなるため、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの低下を抑制させることができ、相対的に見栄えが良くなることで訴求力を高くすることが可能となり、他の遊技者に対して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、アウト口表記2050を遊技領域5aの左右方向の中央付近に設けているため、遊技者の正面付近にアウト口表記2050が位置することで目立ち易くなる一方、可動体の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、図152に示すように、アウト口表記2050をセンター役物2500における透明な振分前板2588に設けると共に、後方に設けられている可動体としての振分片2587の可動位置によってアウト口表記2050の後方を明るくしたり暗くしたりすることができるようにしているため、振分片2587の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができる。詳述すると、アウト口表記2050を黒文字のような暗い感じの表記にする場合、振分片2587の後退位置への可動(移動)によってアウト口表記2050の後方を明るくすると、暗いアウト口表記2050の周囲が明るくなるため、アウト口表記2050が目立って見え易くなる。一方、振分片2587の前進位置への可動によってアウト口表記2050の後方を暗くすると、暗いアウト口表記2050の周囲が暗くなるため、アウト口表記2050が周囲の暗さに溶け込んで見え難くなる。なお、アウト口表記2050を白文字のような明るい感じの表記にする場合、振分片2587の後退位置への可動(移動)によってアウト口表記2050の後方を明るくすると、明るいアウト口表記2050の周囲が明るくなるため、アウト口表記2050が周囲の明るさに溶け込んで見え難くなる。一方、振分片2587の前進位置への可動によってアウト口表記2050の後方を暗くすると、明るいアウト口表記2050の周囲が暗くなるため、アウト口表記2050が目立って見え易くなる。このように、振分片2587の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
また、例えば、アウト口表記2050を透明な部材に設けると共に、後方の可動体をアウト口表記2050と重なる位置と重ならない位置との間で可動するようにすると、可動体の可動位置によってアウト口表記2050の視認性を変化させることができる。詳述すると、例えば、アウト口表記2050に対して可動体を同じような色または溶け込むような装飾とする場合、可動体をアウト口表記2050と重なる位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に可動体の色や装飾が見えることで、アウト口表記2050が可動体の色や装飾に溶け込んで見え難くなる。一方、可動体をアウト口表記2050と重ならない位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に可動体が見えなくなることで、相対的にアウト口表記2050が目立つようになり、アウト口表記2050が見え易くなる。或いは、アウト口表記2050に対して可動体を異なる色や装飾とする場合、可動体をアウト口表記2050と重なる位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に可動体の異なる色や装飾が見えることで、アウト口表記2050が目立つようになり、アウト口表記2050が見え易くなる。一方、可動体をアウト口表記2050と重ならない位置へ移動させると、アウト口表記2050の周囲に異なる色や装飾の可動体が見えなくなることで、相対的にアウト口表記2050が目立ち難くなり、アウト口表記2050が見え難くなる。このように、可動体の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができるため、上記と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
更に、アウト口表記2050を、可動体よりも後方に設けるようにしても良い。つまり、アウト口表記2050よりも前方に可動体を設けるようにしても良い。これにより、可動体をアウト口表記2050と重なる位置へ移動させると、前方の可動体によりアウト口表記2050を隠して見え難くすることができ、可動体をアウト口表記2050と重ならない位置へ移動させると、アウト口表記2050を見えるようにすることができる。従って、可動体の可動位置に応じてアウト口表記2050の視認性を変化させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化することができる。
具体的には、例えば、図151に示すように、可動体として遊技者参加型演出が実行された時に上昇して遊技者が押圧操作することにより当該演出に参加することが可能となる押圧操作部303(ポップアップボタン)とする場合、押圧操作部303が下方へ移動している通常の状態では、アウト口表記2050と押圧操作部303とが重なっていないため、アウト口表記2050を視認することができ、アウト口表記2050によりサブアウト口2023の存在に気付かせることができる。この通常の状態では、他の遊技者からもアウト口表記2050が見えるが、遊技が通常の状態であることから、他の遊技者は本パチンコ機1を凝視せずにパッと見るだけであるため、アウト口表記2050に気付き難く、パチンコ機1の見栄えが悪く見えることはない。一方、遊技者参加型演出が実行されて押圧操作部303が上昇すると、アウト口表記2050と押圧操作部303とが重なってアウト口表記2050が見え難くなるが、本パチンコ機1で遊技している遊技者は、通常の状態においてサブアウト口2023の存在を認識しているため、アウト口表記2050が見えなくてもサブアウト口2023を入賞口と勘違いすることはない。これに対して他の遊技者は、遊技者参加型演出の実行により、当該演出が開始されることを示唆する発光やサウンドなどの演出により本パチンコ機1に注目することとなるが、押圧操作部303が上昇することによりアウト口表記2050と重なってアウト口表記2050が見え難くなるため、アウト口表記2050が見えることによる見栄えの低下を抑制させることができ、相対的に見栄えを良くすることができる。そして、他の遊技者からは遊技者参加型演出が見えるため、当該演出により他の遊技者を引き付けることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記した実施形態は本技術思想を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。すなわち、上記実施形態の一部を変更したり、上記複数の実施形態を組み合わせたりしたものであっても本技術思想を適用可能とされる。
例えば、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1やスロットマシンに適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、所謂、遊技者が遊技球Bに触れることのない、封入式遊技機や、管理遊技機と呼ばれる遊技機にも、応用可能である。
1 パチンコ機
2 外枠
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
1100 遊技パネル(遊技板)
1112 開口部(開口)
2500 センター役物
2510 センターフレーム(センターフレーム)
2511 前方突出部(突出壁部)
2511a 区画部(区画部)
2518 ステージ
2519 脱型痕跡部
2521 第一部材(センターフレーム)
2523 第三部材
2523b 上壁部(突出壁部)

Claims (1)

  1. 遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技盤を本体枠内に収納した遊技機であって、
    前記遊技機は前記遊技領域を視認可能な遊技窓を備え、
    前記本体枠は外枠に軸支され、
    遊技者の操作により、前記遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技が行われ、
    遊技領域に設けられた所定の領域を遊技球が通過した契機により抽選を行い、前記抽選の結果に応じて遊技者に特典を付与し、
    さらに遊技機の前面には遊技者の操作により演出に影響を与える操作部を備え、
    前記遊技盤は開口部を備えた遊技板を備え、前記開口部にはセンターフレームを有し、
    前記センターフレームは、
    遊技板の前面よりも前方に突出している突出壁部を備え、
    該突出壁部の前端面に脱型痕跡部が設けられている
    ことを特徴とする遊技機。
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