JP2024067008A - 疾患の治療用のホスホイノシチド3-キナーゼ(pi3k)のアロステリッククロメノン阻害剤 - Google Patents

疾患の治療用のホスホイノシチド3-キナーゼ(pi3k)のアロステリッククロメノン阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】疾患の治療用のホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)のアロステリッククロメノン阻害剤。【解決手段】本発明は、化合物A、その薬学的に許容される塩、製造方法、及び疾患の治療のためのその使用に関する。TIFF2024067008000027.tif47128【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2022年11月2日に出願された米国仮出願第63/421,636号(代理人整理番号30219_US_PRI);及び2022年11月9日に出願された同第63/423,879号(代理人整理番号30219A_US_PRI)の優先権を主張し、その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸(「化合物A」)、その薬学的に許容される塩、及び疾患の治療のためのその使用に関する。
PI3K触媒アイソフォームp110αをコードするPIK3CA遺伝子は、固形腫瘍において最も頻繁に変異する遺伝子であり、PI3K経路内の遺伝子変化の最も頻繁な部位でもある。PIK3CA変異は、子宮内膜癌、乳癌、及び頭頸部癌において最も頻繁に見られる。HR+/HER2-乳癌を有する患者のおよそ40%は、p110α及びPI3K/AKT/mTORシグナル伝達ネットワークを活性化する、PIK3CAにおける活性化変異を有する。H1047Rは、PIK3CAにおける最も一般的なミスセンス変異である。
いくつかのPI3K標的化剤が、乳癌患者において試験されている。無作為化第3相試験(SOLAR-1;NCT02437318)、フルベストラントと組み合わせたPI3Kα特異的阻害剤であるアルペリシブは、フルベストラント単独での5.7ヶ月と比較して、11.0ヶ月まで無増悪生存期間を増加させ、HR+/HER2-PIK3CA-変異体進行性又は転移性乳癌患者の治療のためのフルベストラントと組み合わせたアルペリシブのFDA承認をもたらした。この承認は、PIK3CA変異乳癌についての有意な治療的進歩を表したが、アルペリシブは、臨床における他の治験用PI3Kα阻害剤と共に、野生型(WT)及び変異PI3Kαの両方をほぼ等しい効力で阻害する。結果として、それらの有効性は、用量制限高血糖並びに皮膚及びGI毒性を含むオンターゲットWT PI3Kα媒介毒性によって潜在的に制限され、これは、PI3Kα阻害剤の広範な臨床的有用性をいくらか制限してきた。
PIK3CA変異癌を含む変異PI3Kに関連する疾患の治療のための改善された治療指数を有するPI3Kα阻害剤が必要とされている。有利な物理的安定性、化学的安定性、溶解性、又は薬物動態特性を有するPI3Kα阻害剤の固体形態も必要とされている。
一態様では、化合物Aの固体形態が提供される。
別の態様では、化合物Aの薬学的に許容される塩、及びその固体形態が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異癌等の疾患の治療のための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩を含む療法が提供される。
結晶性化合物A形態AのXRPDパターンである。 結晶性化合物A形態BのXRPDパターンである。 結晶性化合物A形態CのXRPDパターンである。 結晶性化合物Aトロメタミン塩形態AのXRPDパターンである。 結晶性化合物Aトロメタミン塩形態CのXRPDパターンである。 結晶性化合物Aトロメタミン塩形態DのXRPDパターンである。 結晶性化合物Aエルブミン塩のXRPDパターンである。
化合物2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸(「化合物A」)は、PI3KαH1047Rの強力かつ変異選択的な阻害剤である。
一態様では、化合物Aの固体形態が本明細書で提供される。
化合物A形態A
一態様では、化合物A形態Aとも呼ばれる結晶性2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸形態Aが提供される。一実施形態では、化合物A形態Aは、7.8°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、18.2°±0.2°、18.9°±0.2°、19.5°±0.2°、20.7°±0.2°、21.2°±0.2°、及び24.1°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Aは、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°及び20.7°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに、12.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Aは、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°及び20.7°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、12.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Aは、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°及び20.7°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、12.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Aは、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°及び20.7°±0.2°のピークとともに、12.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Aは、7.8°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、18.2°±0.2°、18.9°±0.2°、19.5°±0.2°、20.7°±0.2°、21.2°±0.2°及び24.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
化合物A形態B
別の態様では、化合物A形態Bとも呼ばれる結晶性2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸形態Bが提供される。一実施形態では、化合物A形態Bは、7.0°±0.2°、9.7°±0.2°、11.9°±0.2°、14.9°±0.2°、及び17.4°±0.2°から選択される回折角2シータで少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Bは、14.9°±0.2°、11.9°±0.2°、17.4°±0.2°及び7.0°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに9.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Bは、14.9°±0.2°、11.9°±0.2°、17.4°±0.2°及び7.0°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、9.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Bは、14.9°±0.2°、11.9°±0.2°、17.4°±0.2°及び7.0°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、9.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A形態Bは、7.0°±0.2°、9.7°±0.2°、11.9°±0.2°、14.9°±0.2°及び17.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
化合物A形態C
別の態様では、化合物A形態Cとも呼ばれる結晶性2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸形態Cが提供される。一実施形態では、化合物A、形態Cは、7.4°±0.2°、8.5°±0.2°、10.6°±0.2°、13.4°±0.2°及び15.7°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A、形態Cは、8.5°±0.2°、15.7°±0.2°、10.6°±0.2°及び7.4°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに13.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A、形態Cは、8.5°±0.2°、15.7°±0.2°、10.6°±0.2°及び7.4°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、13.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A、形態Cは、8.5°±0.2°、15.7°±0.2°、10.6°±0.2°及び7.4°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、13.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物A、形態Cは、7.4°±0.2°、8.5°±0.2°、10.6°±0.2°、13.4°±0.2°及び15.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
別の態様では、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸のトロメタミン塩が本明細書で提供される。化合物Aの特定のトロメタミン塩は、有利な物理的安定性、化学的安定性、溶解性、又は薬物動態特性を有し得る。化合物Aの特定のトロメタミン塩は、加工性又は他の製造上の利点を有し得る。化合物Aの特定のトロメタミン塩は、トロメタミン塩の結晶化の際に化合物Aのキラル増強を提供し得る。
化合物Aトロメタミン塩形態A
別の態様では、化合物Aトロメタミン塩形態Aと呼ばれる、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸の結晶性トロメタミン塩が提供される。一実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、6.4°±0.2°、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、11.8°±0.2°、13.0°±0.2°、16.5°±0.2°、16.9°±0.2°、22.1°±0.2°、23.0°±0.2°、及び24.9°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°及び22.1°±0.2°のピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、6.4°±0.2°、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、11.8°±0.2°、13.0°±0.2°、16.5°±0.2°、16.9°±0.2°、22.1°±0.2°、23.0°±0.2°及び24.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、179.0、158.7、151.7、149.7、136.3、134.7、132.9、129.3、127.4、125.2、121.7、117.0、115.5、115.2、110.4、64.1、63.2、45.3、22.6、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、179.0、129.3、63.2、20.3及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Aは、179.0、158.7、151.7、149.7、136.3、134.7、132.9、129.3、127.4、125.2、121.7、117.0、115.5、115.2、110.4、64.1、63.2、45.3、22.6、20.3及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)にグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする。
化合物Aトロメタミン塩形態C
別の態様では、化合物Aトロメタミン塩形態Cと呼ばれる、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸の結晶性トロメタミン塩が提供される。一実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Cは、10.6°±0.2°、13.2°±0.2°、14.5°±0.2°、15.9°±0.2°及び17.4°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Cは、10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Cは、10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Cは、10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Cは、10.6°±0.2°、13.2°±0.2°、14.5°±0.2°、15.9°±0.2°及び17.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
化合物Aトロメタミン塩形態D
別の態様では、化合物Aトロメタミン塩形態Dと呼ばれる、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸の結晶性トロメタミン塩が提供される。一実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Dは、6.3°±0.2°、11.1°±0.2°、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、及び18.9°±0.2°から選択される回折角2シータで少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Dは、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Dは、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Dは、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、化合物Aトロメタミン塩形態Dは、6.3°±0.2°、11.1°±0.2°、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°及び18.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
別の態様では、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸のエルブミン塩が本明細書で提供される。化合物Aの特定のエルブミン塩は、有利な物理的安定性、化学的安定性、溶解性、又は薬物動態特性を有し得る。化合物Aの特定のエルブミン塩は、加工性又は他の製造上の利点を有し得る。
化合物Aのエルブミン塩形態A
別の態様では、化合物Aエルブミン塩形態Aと呼ばれる、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸の結晶性エルブミン塩が提供される。一実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、6.5°±0.2°、10.5°±0.2°、11.1°±0.2°、15.2°±0.2°、15.9°±0.2°、17.6°±0.2°、18.0°±0.2°、19.3°±0.2°、21.5°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、及び26.3°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。別の実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°及び19.3°±0.2°のピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、66.5°±0.2°、10.5°±0.2°、11.1°±0.2°、15.2°±0.2°、15.9°±0.2°、17.6°±0.2°、18.0°±0.2°、19.3°±0.2°、21.5°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、及び26.3°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする。
別の実施形態では、化合物Aエルブミン塩形態Aは、177.4、174.8、159.8、151.7、149.5、134.0、132.6、130.7、130.3、129.0、128.1、123.1、122.4、119.4、116.8、115.9、112.3、53.0、47.5、27.4、23.3、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする。別の実施形態では、化合物A、エルブミン塩形態Aは、177.4、132.6、27.4、21.3及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする。別の実施形態では、化合物A、エルブミン塩形態Aは、177.4、174.8、159.8、151.7、149.5、134.0、132.6、130.7、130.3、129.0、128.1、123.1、122.4、119.4、116.8、115.9、112.3、53.0、47.5、27.4、23.3、21.3及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)にグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする。
治療使用
PIK3CA変異癌、例えばPIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌、又はPIK3CA変異を有する他の固形腫瘍を含む疾患を有する患者を治療するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩を含む治療法も本明細書で提供される。化合物A、又はその薬学的に許容される塩は、単剤療法で、又は1つ又は複数の追加の治療剤と組み合わせて使用され得る。療法は、患者に新しい治療選択肢を提供することができ、一部の患者において、既知の療法よりも増強された及び/又は予想外の有益な治療効果を提供することができる。
癌治療の有効性は、癌治療の評価に一般的に使用される様々なエンドポイント(腫瘍退縮、腫瘍重量又はサイズ縮小、進行までの時間、全生存、無増悪生存、全奏効率、奏効期間、最良全奏効、疾患制御率、臨床的利益率、奏効までの時間、及び生活の質が含まれるが、これらに限定されない)によって測定することができる。療法剤は、原発腫瘍の収縮を伴わずに転移拡大の阻害を引き起こし得るか、原発腫瘍の収縮を誘発し得るか、又は単に腫瘍抑制効果を発揮し得る。例えば、血管新生及び/又は細胞周期活性の血漿又は尿マーカーの測定、血管新生及び/又は細胞周期活性のための組織ベースのバイオマーカーの測定、並びに放射線画像撮影による応答の測定を含む、本発明のいずれかの特定の単剤療法又は併用療法の有効性を決定するための新規なアプローチを場合により用いることができる。
一態様では、有効量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患を有する患者を治療する方法が提供される。
別の態様では、有効量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、PIK3CA変異癌を有する患者を治療する方法が提供される。
別の態様では、有効量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、PIK3CA変異固形腫瘍を有する患者を治療する方法が提供される。
別の態様では、有効量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、PIK3CA変異乳癌を有する患者を治療する方法が提供される。
別の態様では、有効量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌を有する患者を治療する方法が提供される。
別の態様では、有効量の化合物A、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、CLOVES症候群(先天性脂肪腫過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格、及び脊髄症候群)又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)を有する患者を治療する方法が提供される。
別の態様では、変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患の治療に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異癌の治療に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異固形腫瘍の治療に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異乳癌の治療に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌の治療に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、CLOVES症候群(先天性脂肪腫過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格、及び脊髄症候群)又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)の治療に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患を治療するための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異癌を治療するための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異固形腫瘍を治療するための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異乳癌を治療するための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の態様では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌を治療するための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の態様では、CLOVES症候群(先天性脂肪腫過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格、及び脊髄症候群)又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)を治療するための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
一実施形態では、PIK3CA変異癌は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、肛門癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、原発不明の癌、心臓(cardiac)(心臓(heart))腫瘍、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、原発性CNSリンパ腫、子宮頸癌、胆管癌、脊索腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉症、セザリー症候群、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚芽腫、髄芽腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵管癌、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、悪性消化管間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、有毛細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、ホジキンリンパ腫、膵島細胞腫瘍、膵臓神経内分泌腫瘍、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、男性乳癌、眼内黒色腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、転移性癌、転移性扁平上皮頸部癌、nut遺伝子変化を伴う正中線上癌、口腔癌(mouth cancer)、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成腫瘍、骨髄増殖性腫瘍、慢性骨髄増殖性腫瘍、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌(oral cancer)、口唇癌及び口腔癌(oral cavity cancer)、口腔咽頭癌、骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、膵臓癌、膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、直腸癌、再発癌、腎細胞(腎臓)癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、小児血管腫瘍、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、皮膚の扁平上皮癌、精巣癌、口腔咽頭癌、下咽頭癌、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、気管気管支腫瘍、腎盂及び尿管の移行上皮癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、血管腫瘍、外陰癌、及びウィルムス腫瘍から選択される。
一実施形態では、PIK3CA変異癌は、子宮内膜癌、乳癌、食道扁平上皮癌、子宮頸部扁平上皮癌、子宮頸部腺癌、結腸直腸腺癌、膀胱尿路上皮癌、神経膠芽腫、卵巣癌、非小細胞肺癌、食道胃癌、神経鞘腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、黒色腫、食道胃腺癌、軟部組織肉腫、前立腺癌、線維層板型癌、肝細胞癌、びまん性神経膠腫、結腸直腸癌、膵臓癌、胆管癌、B細胞リンパ腫、中皮腫、副腎皮質癌、非淡明細胞型腎細胞癌、淡明細胞型腎細胞癌、胚細胞癌、胸腺腫瘍、褐色細胞腫、種々混成の神経上皮腫瘍、甲状腺癌、白血病、又は被包性神経膠腫である。
一実施形態では、PIK3CA変異癌は、乳癌、脳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、白血病、リンパ腫、肉腫、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌、皮膚癌、又は頭頸部癌である。
一実施形態では、PIK3CA変異癌は乳癌、前立腺癌又は脳癌である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は乳癌である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は前立腺癌である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は脳癌である。
一実施形態では、PIK3CA変異癌は、乳房新生物、甲状腺新生物、卵巣新生物、非小細胞肺癌、子宮内膜新生物、又は膵臓新生物である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は乳房新生物である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は甲状腺新生物である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は卵巣新生物である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は非小細胞肺癌である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は子宮内膜新生物である。一実施形態では、PIK3CA変異癌は膵臓新生物である。
一実施形態では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌は、PIK3CA H1047R変異型、進行性又は転移性乳癌である。一実施形態では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌は、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌である。一実施形態では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌は、エストロゲン受容体陽性(ER+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌である。一実施形態では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌は、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA H1047R変異型、進行性又は転移性乳癌である。一実施形態では、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌は、エストロゲン受容体陽性(ER+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA H1047R変異型、進行性又は転移性乳癌である。
一実施形態では、PIK3CA変異固形腫瘍は、PIK3CA変異進行固形腫瘍である。一実施形態では、PIK3CA変異進行固形腫瘍は、婦人科癌、頭頸部癌及びトリプルネガティブ乳癌から選択される。一実施形態では、PIK3CA変異進行性固形腫瘍は婦人科癌である。一実施形態では、PIK3CA変異進行固形腫瘍は頭頸部癌である。一実施形態では、PIK3CA変異進行性固形腫瘍はトリプルネガティブ乳癌である。
医薬組成物
化合物A、又はその薬学的塩は、錠剤、カプセル剤(これらのそれぞれは、持続放出又は徐放製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップ剤、及び乳剤等の形態で経口投与用に製剤化することができる。化合物A、又はその薬学的塩は、薬学分野の当業者に周知である形態を全て使用して、静脈内(ボーラス又は注入)、腹腔内、局所、皮下、筋肉内、又は経皮(例えば、パッチ)投与用に製剤化することもできる。
化合物A、又はその薬学的塩、又はその薬学的組成物は、全身/末梢又は局所(すなわち、所望の作用部位で)のいずれかにかかわらず、任意の好都合な投与経路によって対象に投与され得る。
投与経路としては、経口(例えば、摂取による);頬側;舌下;経皮(例えば、パッチ、プラスター等によるものを含む);経粘膜(例えば、パッチ、プラスター等によるものを含む);鼻腔内(例えば、鼻腔スプレーによる);眼(例えば、点眼剤による);肺(例えば、エアロゾルを介して、例えば、口又は鼻を通して使用する、例えば、吸入又は吹送療法によって);直腸(例えば、坐剤又は浣腸による);膣(例えば、ペッサリーによる);例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、くも膜下腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下、及び胸骨内を含む注射による、非経口;デポー又はリザーバーの、例えば皮下又は筋肉内への埋め込みによるもの;が挙げられるが、これらに限定されない。
合成方法
化合物Aは、有機合成化学分野で既知の合成方法、又は当業者によって理解されるその変形方法と共に、以下に記載される方法を使用して合成することができる。好ましい方法には、以下に記載の方法が含まれるが、これらに限定されない。化合物Aは、一般スキーム1及び2に概説される工程に従って合成することができる。出発材料は、市販されているか、又は報告された文献における既知の手順によって若しくは以下に例証されるように作製されるかのいずれかである。
スキーム1は、化合物Aの例示的な調製を示す。置換フェノール(1)のアシル化により、エステル(2)を得ることができる。エステル(2)は、ルイス酸(例えば、AlCl)又はブレンステッド酸(例えば、トリフル酸)条件下でヒドロキシアリールケトン(3)への転位を受け得る。アリールアルデヒドとヒドロキシアリールケトン(3)との酸性縮合により、2-置換クロメン-4-オン(5)に環化することができるケト-アルケン(4)を得ることができる。代替的に、塩基(例えば、ピリジン又はリチウムビス(トリメチルシリル)アミド)の存在下でのハロゲン化アリールによるヒドロキシアリールケトン(3)のアルキル化、その後の酸性条件(例えば、HCl)は、2-置換クロメン-4-オン(5)への環化に影響を与える可能性がある。
臭化フェニル(5)は、パラジウム触媒作用によってアシル化されて、アシルクロメン-4-オン(6)を生成し得る。例示的なパラジウム触媒条件としては、95℃で約16時間の、約30~35当量のジオキサン中の臭化フェニル(5)、約5~10mol%のPdCl(Ph及び約1.2mol%のトリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン;又は約100℃で約16時間の、臭化フェニル(5)、約1モル%のPd(OAc)、約2モル%の1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、約5当量のブチルビニルエーテル、約3当量のトリメチルアミン、及び約10体積のエチレングリコールが挙げられる。チタン(IV)アルコキシド等のルイス酸脱水剤を使用してtert-ブタンスルフィンアミドとのケトン(6)の縮合により、ケチミン(7)を得ることができる。スルフィンイミン(7)の不斉還元は、塩化セリウム(III)等の遷移金属触媒の存在下でホウ化水素試薬による影響を受けて、キラルに富んだスルフィンアミド(8)を生成し得る。酸性条件下でのスルフィニル基の除去を使用して、スルフィンアミド(8)をベンジルアミン(9)に変換することができ、これをフィンケルスタイン又はウルマン型条件下でハロゲン化アリール(10)でアルキル化して、化合物Aを得ることができる。
スキーム2は、化合物Aの別の例示的な調製を示す。ケトン(6)は、ノヨリ触媒等のキラル触媒を用いてヒドロキシ化合物(11)に還元することができる。ヒドロキシル基をメタンスルホン酸無水物又はメタンスルホニルクロリドで脱離基に変換してメシレート(12)を得ることができる。メシレート(12)を使用してアリールアミン(13)をアルキル化して化合物Aを得ることができる。あるいは、ノヨリ触媒等のキラル触媒を用いてケトン(6)をヒドロキシ化合物(14)に還元することができる。ヒドロキシル基は、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン等の塩素化剤を用いて塩化物(15)に変換することができる。次いで、塩化物(15)を用いてアリールアミン(13)をアルキル化して化合物Aを得ることができる。
定義
本明細書で使用する際、「治療する」、「治療するため」、又は「治療」という用語は、既存の症状、障害、状態又は疾患の進行又は重症度を、抑制、減速、停止、軽減、収縮、安定した病状の維持又は逆転させることを指す。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、哺乳動物、好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用される場合、「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には未制御の細胞増殖によって特徴付けられる患者の生理学的状態を指すか、又はこれを説明する。この定義には、良性及び悪性の癌が含まれる。
本明細書で使用される場合、「進行した」又は「転移性」という用語は、元の癌組織の部位ではなかった身体の1つ又は複数の部分に広がった癌を意味する。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、診断又は治療中の患者に有効な応答を提供する、治療薬、又はその薬学的に許容される塩、例えば化合物A、又はその薬学的に許容される塩、場合により1つ又は複数の追加の薬剤、又はその薬学的に許容される塩の量又は用量を指す。
本明細書で使用される場合、患者の「有効な応答」又は治療薬、又はその薬学的に許容される塩による治療に対する患者の「応答」という用語は、治療薬、又はその薬学的に許容される塩を、場合により1つ又は複数の追加の薬剤、又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与すると患者に付与される臨床的又は治療的利益を指す。
本明細書で使用される場合、「と組み合わせて」という用語は、治療剤、又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の追加の治療剤、又はその薬学的に許容される塩を、別々に、同時に、又は任意の順序で連続してのいずれかで、例えば、単回サイクル又は1回を超えるサイクルの標準的な治療過程の間のように反復間隔で投与し、その結果、1つの薬剤を他の薬剤の投与の前、同時に、又は後に投与することができ、又はそれらの任意の組み合わせで投与することを指す。
本明細書で使用される場合、「トロメタミン」という用語は、他の場合ではトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はトリスと呼ばれることがある。
本明細書で使用される場合、「エルブミン」という用語は、他の場合では、tert-ブチルアミンと称され得る。
例示的な態様
本発明の様々な態様が以下の番号付き条項に記載される。
条項1.2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸である化合物;又はその薬学的に許容される塩。
条項2.2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸である化合物。
条項3.結晶性2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸である化合物。
条項4.7.8°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、18.2°±0.2°、18.9°±0.2°、19.5°±0.2°、20.7°±0.2°、21.2°±0.2°、及び24.1°±0.2°の回折角2シータで少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項5.14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°、及び20.7°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに12.1°±0.2°の回折角2シータでピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項6.14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°、及び20.7°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに12.1°±0.2°の回折角2シータでピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項7.14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°、及び20.7°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに12.1°±0.2°の回折角2シータでピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項8.14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、18.9°±0.2°、及び20.7°±0.2°のピークとともに12.1°±0.2°の回折角2シータでピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項9.7.8°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、14.1°±0.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、18.2°±0.2°、18.9°±0.2°、19.5°±0.2°、20.7°±0.2°、21.2°±0.2°、及び24.1°±0.2°の回折角2シータでピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項10.実質的に図1に示すX線粉末回折パターンを有する、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項11.7.0°±0.2°、9.7°±0.2°、11.9°±0.2°、14.9°±0.2°、及び17.4°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項12.14.9°±0.2°、11.9°±0.2°、17.4°±0.2°、及び7.0°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに9.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項13.14.9°±0.2°、11.9°±0.2°、17.4°±0.2°、及び7.0°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、9.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項14.14.9°±0.2°、11.9°±0.2°、17.4°±0.2°、及び7.0°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、9.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項15.7.0°±0.2°、9.7°±0.2°、11.9°±0.2°、14.9°±0.2°、及び17.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項16.実質的に図2に示すX線粉末回折パターンを有する、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項17.7.4°±0.2°、8.5°±0.2°、10.6°±0.2°、13.4°±0.2°、及び15.7°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項18.8.5°±0.2°、15.7°±0.2°、10.6°±0.2°、及び7.4°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに13.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項19.8.5°±0.2°、15.7°±0.2°、10.6°±0.2°、及び7.4°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、13.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項20.8.5°±0.2°、15.7°±0.2°、10.6°±0.2°、及び7.4°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、13.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項21.7.4°±0.2°、8.5°±0.2°、10.6°±0.2°、13.4°±0.2°、及び15.7°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項22.実質的に図3に示すX線粉末回折パターンを有する、条項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
条項23.2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸のトロメタミン塩。
条項24.結晶性である、条項23に記載のトロメタミン塩。
条項25.6.4°±0.2°、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、11.8°±0.2°、13.0°±0.2°、16.5°±0.2°、16.9°±0.2°、22.1°±0.2°、23.0°±0.2°、及び24.9°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項26.8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°、及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項27.8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°、及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項28.8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°、及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項29.8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°及び22.1°±0.2°のピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項30.6.4°±0.2°、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、11.8°±0.2°、13.0°±0.2°、16.5°±0.2°、16.9°±0.2°、22.1°±0.2°、23.0°±0.2°及び24.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項31.実質的に図4に示されるX線粉末回折パターンを有する、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項32.179.0、158.7、151.7、149.7、136.3、134.7、132.9、129.3、127.4、125.2、121.7、117.0、115.5、115.2、110.4、64.1、63.2、45.3、22.6、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項23~31のいずれか一項に記載のトロメタミン塩。
条項33.179.0、129.3、63.2、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項23~31のいずれか一項に記載のトロメタミン塩。
条項34.179.0、129.3、63.2、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)にグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項23~31のいずれか一項に記載のトロメタミン塩。
条項35.179.0、158.7、151.7、149.7、136.3、134.7、132.9、129.3、127.4、125.2、121.7、117.0、115.5、115.2、110.4、64.1、63.2、45.3、22.6、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)にグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項23~31のいずれか一項に記載のトロメタミン塩。
条項36.10.6°±0.2°、13.2°±0.2°、14.5°±0.2°、15.9°±0.2°、及び17.4°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項37.10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°、及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項38.10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°、及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項39.10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°、及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項40.10.6°±0.2°、13.2°±0.2°、14.5°±0.2°、15.9°±0.2°及び17.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項41.実質的に図5に示されるX線粉末回折パターンを有する、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項42.6.3°±0.2°、11.1°±0.2°、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、及び18.9°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項43.12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°、及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項44.12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°、及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項45.12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°、及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項46.6.3°±0.2°、11.1°±0.2°、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°及び18.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項47.実質的に図6に示されるX線粉末回折パターンを有する、条項23又は条項24に記載のトロメタミン塩。
条項48.2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸のエルブミン塩。
条項49.結晶性である、条項48に記載のエルブミン塩。
条項50.6.5°±0.2°、10.5°±0.2°、11.1°±0.2°、15.2°±0.2°、15.9°±0.2°、17.6°±0.2°、18.0°±0.2°、19.3°±0.2°、21.5°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°及び26.3°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項48又は条項49に記載のエルブミン塩。
条項51.10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°、及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項48又は条項49に記載のエルブミン塩。
条項52.10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°、及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも2つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項48又は条項49に記載のエルブミン塩。
条項53.10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°、及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも3つのピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項48又は49のエルブミン塩。
条項54.10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°及び19.3°±0.2°のピークとともに11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項48又は条項49に記載のエルブミン塩。
条項55.66.5°±0.2°、10.5°±0.2°、11.1°±0.2°、15.2°±0.2°、15.9°±0.2°、17.6°±0.2°、18.0°±0.2°、19.3°±0.2°、21.5°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、及び26.3°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、条項48又は条項49に記載のエルブミン塩。
条項56.実質的に図7に示されるX線粉末回折パターンを有する、条項48又は条項49に記載のエルブミン塩。
条項57.177.4、174.8、159.8、151.7、149.5、134.0、132.6、130.7、130.3、129.0、128.1、123.1、122.4、119.4、116.8、115.9、112.3、53.0、47.5、27.4、23.3、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項48~56のいずれか一項に記載のエルブミン塩。
条項58.177.4、132.6、27.4、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択されるグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項48~56のいずれか一項に記載のエルブミン塩。
条項59.177.4、132.6、27.4、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)にグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項48~56のいずれか一項に記載のエルブミン塩。
条項60.177.4、174.8、159.8、151.7、149.5、134.0、132.6、130.7、130.3、129.0、128.1、123.1、122.4、119.4、116.8、115.9、112.3、53.0、47.5、27.4、23.3、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)のグリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、条項48~56のいずれか一項に記載のエルブミン塩。
条項61.条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、又は条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
条項62.ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)を阻害する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
条項63.変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患を有する患者を治療する方法であって、治療有効量の条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、方法。
条項64.PI3KがPI3Kαである、条項62又は条項63に記載の方法。
条項65.PI3KがH1047R変異を有する、条項62~64のいずれか一項に記載の方法。
条項66.疾患が癌である、条項63~65のいずれか一項に記載の方法。
条項67.癌が、子宮内膜癌、胃癌、白血病、リンパ腫、肉腫、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌、皮膚癌、頭頸部癌、乳癌、脳癌、又は前立腺癌である、条項66に記載の方法。
条項68.癌が、乳癌である、条項66に記載の方法。
条項69.癌が、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の進行性又は転移性乳癌である、条項66に記載の方法。
条項70.疾患が、CLOVES症候群(先天性脂肪腫性過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格及び脊髄症候群)、又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)である、条項63~65のいずれか一項に記載の方法。
条項71.PIK3CA変異癌を有する患者を治療する方法であって、有効量の条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、PIK3CA変異癌を有する患者を治療する方法。
条項72.PIK3CA変異固形腫瘍を有する患者を治療する方法であって、有効量の条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、PIK3CA変異固形腫瘍を有する患者を治療する方法。
条項73.PIK3CA変異乳癌を有する患者を治療する方法であって、有効量の条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、PIK3CA変異乳癌を有する患者を治療する方法。
条項74.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌を有する患者を治療する方法であって、有効量の条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌を有する患者を治療する方法。
条項75.PIK3CA変異癌がPIK3CA H1047R変異癌である、条項71に記載の方法。
条項76.PIK3CA変異固形腫瘍がPIK3CA H1047R変異固形腫瘍である、条項72に記載の方法。
条項77.PIK3CA変異固形腫瘍が、婦人科癌、頭頸部癌及びトリプルネガティブ乳癌から選択される、条項72に記載の方法。
条項78.PIK3CA変異固形腫瘍が婦人科癌である、条項77に記載の方法。
条項79.PIK3CA変異固形腫瘍が頭頸部癌である、条項77に記載の方法。
条項80.PIK3CA変異固形腫瘍がトリプルネガティブ乳癌である、条項77に記載の方法。
条項81.PIK3CA変異乳癌がPIK3CA H1047R変異乳癌である、条項73に記載の方法。
条項82.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌が、PIK3CA H1047R変異型、進行性又は転移性乳癌である、条項74に記載の方法。
条項83.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌が、エストロゲン受容体陽性(ER+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌である、条項74に記載の方法。
条項84.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌が、エストロゲン受容体陽性(ER+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA H1047R変異型、進行性又は転移性乳癌である、条項74に記載の方法。
条項85.治療に使用するための、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物。
条項86.変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患の治療に使用するための、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物。
条項87.PI3KがPI3Kαである、条項86に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項88.PI3KがH1047R変異を有する、条項86又は87に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項89.疾患が癌である、条項86~88のいずれか一項に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項90.癌が、子宮内膜癌、胃癌、白血病、リンパ腫、肉腫、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌、皮膚癌、頭頸部癌、乳癌、脳癌、又は前立腺癌である、条項89に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項91.癌が乳癌である、条項89に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩又は医薬組成物。
条項92.癌が、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)進行性又は転移性乳癌である、条項89に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項93.疾患が、CLOVES症候群(先天性脂肪腫性過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格及び脊髄症候群)、又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)である、条項86~88のいずれか一項に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項94.PIK3CA変異癌の治療に使用するための、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物。
条項95.PIK3CA変異固形腫瘍の治療に使用するための、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物。
条項96.PIK3CA変異乳癌の治療に使用するための、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物。
条項97.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌の治療に使用するための、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物。
条項98.PIK3CA変異癌がPIK3CA H1047R変異癌である、条項94に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項99.PIK3CA変異固形腫瘍がPIK3CA H1047R変異固形腫瘍である、条項95に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項100.PIK3CA変異固形腫瘍が、婦人科癌、頭頸部癌及びトリプルネガティブ乳癌から選択される、条項95に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項101.PIK3CA変異固形腫瘍が婦人科癌である、条項100に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項102.PIK3CA変異固形腫瘍が頭頸部癌である、条項100に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項103.PIK3CA変異固形腫瘍がトリプルネガティブ乳癌である、条項100に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項104.PIK3CA変異乳癌がPIK3CA H1047R変異乳癌である、条項96に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項105.PIK3CA変異乳癌、進行性又は転移性乳癌が、PIK3CA H1047R変異型の進行乳癌又は転移性乳癌である、条項97に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項106.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌が、エストロゲン受容体陽性(ER+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌である、条項97に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項107.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌が、エストロゲン受容体陽性(ER+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)、PIK3CA H1047R変異型、進行性又は転移性乳癌である、条項97に記載の使用のための、化合物、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
条項108.PIK3CA変異癌を治療するための医薬品の製造における、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物の使用。
条項109.PIK3CA変異固形腫瘍を治療するための医薬品の製造における、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物の使用。
条項110.PIK3CA変異乳癌を治療するための医薬品の製造における、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物の使用。
条項111.PIK3CA変異型、進行性又は転移性乳癌を治療するための医薬品の製造における、条項1~22のいずれか一項に記載の化合物、条項23~47のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、条項48~60のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は条項61に記載の医薬組成物の使用。
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、特に明記しない限り、記載のように400MHz又は300MHz及び300.3Kで記録した。化学シフト(δ)は百万分率(ppm)で報告される。スペクトルを、8、16、又は32スキャンでBruker又はVarian機器を使用して記録した。
LC-MSクロマトグラム及びスペクトルを、Luna-C18 2.0×30mm又はXbridge Shield RPC18 2.1×50mm等のC-18カラムを使用する、Agilent 1200又はShimadzu LC-20 AD&MS 2020機器を使用して記録した。注入量は、0.7~8.0μlであり、流速は、典型的には、0.8又は1.2ml/分であった。陽性検出方法は、ダイオードアレイ(DAD)又は蒸発光散乱(ELSD)並びに陽イオンエレクトロスプレーイオン化であった。MS範囲は、100~1000Daであった。溶媒は、いずれもトリフルオロ酢酸又は炭酸アンモニウム等の改質剤(典型的には0.01~0.04%)を含む水及びアセトニトリルの勾配であった。
結晶性固体のXRPDパターンは、CuKα(1.5418Å)源及びLinxeye検出器を備えた、40kV及び40mAで作動している、Bruker D8 Endeavor X線粉末回折計で得られた。試料を、4~42°2シータで、0.009 2θ°の工程サイズ及び0.5秒/工程の走査速度で、0.3°の一次スリット開口、及び3.9°の粒径分布(PSD)開口を使用して、走査するか、又は4~30 2θ°で、0.009 2θ°の工程サイズ及び0.25秒/工程の走査速度で、0.3°の一次スリット開口、及び3.9°の粒径分布(PSD)開口を使用して、走査した。乾燥粉末は、石英試料ホルダーに充填し、滑らかな表面は、ガラススライドを使用して得た。結晶形態回折パターンは、周囲温度及び相対湿度で回収した。結晶ピーク位置は、8.853及び26.774 2θ°のピークを有する内部NIST 675標準に基づいて全体パターンシフト後、MDI-Jadeで決定した。結晶学の分野において、任意の所与の結晶形態に関して、結晶形態及び晶癖等の要因から生じる好ましい配向に起因して、回折ピークの相対強度が変化し得ることが周知されている。優先配向の効果が存在する場合、ピーク強度は改変されるが、多形体の特徴的なピーク位置は不変である。例えば、The United States Pharmacopeia#23,National Formulary#18,pages 1843-1844,1995を参照されたい。更に、所与の任意の結晶形態について、角ピーク位置がわずかに変化し得ることも、結晶学の分野において周知である。例えば、ピーク位置は、試料が分析される温度の変動、試料変位、又は内部標準の存在若しくは不在によってシフトすることができる。この場合、±0.2 2θ°のピーク位置変動性は、示された結晶形態の明確な同定を妨げることなく、これらの潜在的な変動を考慮に入れると推定される。結晶形態の確認を特徴的なピークの任意の固有の組み合わせに基づいて行うことができる。
単結晶X線回折予備検査及びデータ収集は、銅アノード微小焦点封止X線管(Cu Kα λ=1.54184Å)及びDectris Pilatus3 R 200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器を備えた、Rigaku SuperNova回折計で行った。CRYSALISPRO(CrysAlisPro 1.171.38.41r(Rigaku Oxford Diffraction,2015))を使用して、細胞の精密化及びデータの減少を達成した。データは、室温で151.16°又は151.992°の最大回折角(2θ)まで収集した。構造は、SHELXT(Sheldrick,G.M.Acta Cryst.2015,A71,3-8)を使用して、直接法によって解明した。構造を、SHELXL-2014(Sheldrick,G.M.Acta Cryst.2008,A64,112-122)を使用して精密化した。窒素上に存在する水素原子を独立して精密化した。他の全ての水素原子が精密化に含まれていたが、それらが結合している原子に乗るように拘束されていた。構造をフルマトリックス最小二乗で精密化した。シミュレートされたXRPDパターンは、MERCURY結晶モデリングソフトウェアにおける単結晶構造からの単位セルパラメータ及び原子座標を使用して生成された。
示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry、DSC)分析は、TA Thermal Advantage Software v5.2.6によって実行されるTA Q2000 DSCを使用して行い、データはUniversal Analysis 2000 v4.5aによって分析した。試料を、圧着したアルミニウムパン中で25℃で平衡化させ、次いで、50mL/分の窒素パージを用いて10℃/分で300℃に加熱する前に穿刺した。温度及び熱流を、インジウム融解に対して較正した。
熱重量分析は、TA Thermal Advantage Software v5.2.6によって実行されるTA Instruments Q5000 TGAを使用して回収し、データはUniversal Analysis 2000 v4.5aによって分析される。試料(3~10mg)を周囲温度(約25℃)から200℃まで10℃/分の速度で加熱した。Nは、キャリア(10mL/分)及びパージ(50mL/分)ガスであった。温度は、ニッケル及びアルメル標準を用いたキュリー温度測定によって較正した。重量較正は、製造業者によって供給された標準を用いて行った。
固体NMR(ssNMR)は、Agilent DD2-400 NMR分光計で得、VnmrJ v3.2Aで処理した。データは、176.5ppmのグリシンを外部参照した。
ssNMRパラメータ
略語:
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
ADP アデノシン二リン酸
ATP アデノシン三リン酸
CDCl クロロホルム-d
DCM ジクロロメタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d ヘキサデュテロジメチルスルホキシド
DSC 示差走査熱量測定
eq 等量
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間(複数可)
H NMR プロトン核磁気共鳴分光法
IPA イソプロパノール
Kg キログラム
L リットル
LC-MS 液体クロマトグラフィー-質量分析
MeOH メタノール
MPa メガパスカル
2-MeTHF 2-メチルテトラヒドロフラン
min 分(複数可)
MS ES 質量分析エレクトロスプレー
ppm 百万分率
rt 室温
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
THF テトラヒドロフラン
TGA 熱重量分析
XRD X線回折
XRPD 粉末X線回折
実施例1
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸(「化合物A」)
中間体1:(2-ブロモ-4-メチル-フェニル)プロパノエート
DCM(100mL)中の2-ブロモ-4-メチル-フェノール(10.0g、53.5mmol)及びピリジン(6.34g、80.2mmol)の混合物を0℃でプロパノイルクロリド(5.44g、58.8mmol)で処理し、25℃で16時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、HCl(2M)でpHを5に調整し、DCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(2×150mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を油(13g、粗製)として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.17(t,J=7.6Hz,3H),2.30(s,3H),2.62(q,J=7.6Hz,2H),7.11-7.18(m,1H),7.19-7.26(m,1H),7.50-7.55(m,1H).
中間体2:1-(3-ブロモ-2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)プロパン-1-オン
経路1:(2-ブロモ-4-メチル-フェニル)プロパノエート(12.5 g、51.4mmol)及びAlCl(24.0 g、180mmol)の混合物を140℃で1時間撹拌した。室温に冷却したとき、混合物を水(80mL)で滴下してクエンチし、30分間撹拌した。混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(2×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、石油エーテル(20mL)で粉砕して、固体として生成物を得た(9.82g、79%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.10(t,J=7.2Hz,3H),2.28(s,3H),3.15(q,J=7.2Hz,2H),7.66-7.73(m,1H),7.77-7.83(m,1H),12.66(s,1H).
経路2:(2-ブロモ-4-メチル-フェニル)プロパノエート(120g、496mmol)を反応器に移し、-20℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸(216mL)で処理した。添加が完了した後、反応物を60℃で1時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、氷水(600mL)に注ぎ入れた。生成物を濾過(114g、95%)によって黄色固体として除去した。MS ES-m/z 241,243[M-H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.26(t,3H),2.33(s,3H),3.06(q,2H),7.55(m,2H),12.87(s,1H).
中間体3:(E)-1-(3-ブロモ-2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)-2-メチル-3-フェニル-プロプ-2-エン-1-オン
1-(3-ブロモ-2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)プロパン-1-オン(200g、822.72mmol)、ベンズアルデヒド(96.04g、904.99mmol)、AcOH(105.23g、1.75モル)及びピペリジン(172.33g、2.02モル)を含むEtOH(1600mL)の混合物を70℃で16時間撹拌した。得られた暗色溶液を水(3L)に注ぎ、濾過し、固体を6LのDCMに溶解した。有機溶液を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を暗色ガムとして得た。MS ES+m/z 331,333[M+H]
中間体4:8-ブロモ-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
経路1:DMSO(1200mL)中の(E)-1-(3-ブロモ-2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)-2-メチル-3-フェニル-プロプ-2-エン-1-オン(284g、857.48mmol)及びヨウ素(21.76g、85.75mmol、17.27mL、0.1当量)の混合物を、140℃で2時間撹拌して、黒褐色の溶液を得た。室温まで冷却し、反応物を3Lの水に注ぎ、濾過し、固体生成物をDCM(4L)中に溶解し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して残留物を得た。残留物を石油エーテル/EtOAc(1:1、1L)で粉砕して、生成物を淡黄色の固体(195g、69%)として得た。MS ES+m/z 329,331[M+H]
経路2:1-(3-ブロモ-2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)プロパン-1-オン(50.0g、205.7mmol)のTHF(100mL)中溶液を-80℃に冷却し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、617mmol)で処理した。-80℃で1時間撹拌した後、混合物を0℃に加温し、1時間撹拌した。混合物を-80℃に冷却し、塩化ベンゾイル(37.6g、267.4mmol)で滴下処理した。添加が完了した後、反応物を25℃で16時間撹拌した。反応物を-20℃に冷却し、50%酢酸水溶液でpHを4に調整した。THFを真空下で除去し、沈殿を濾過によって除去した。固体を酢酸及びHCl水溶液(250mL/10mL)に溶解し、得られた溶液を100℃で1時間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、水(100mL)で希釈した。固体を濾過によって除去し、水(50mL)で洗浄し、室温で30分間200mLのEtOAcで研和した。生成物を濾過(170.7g、83%)によってオフホワイトの固体として回収した。MS ES+m/z 329,331[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 2.24(s,3H),2.48(s,3H),7.55-7.57(m,3H),7.75-7.78(m,3H),8.00(s,1H).
中間体5:8-アセチル-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
経路1:ジオキサン(1600mL)中の8-ブロモ-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(195g、592.37mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(20.79g、29.62mmol)、及びトリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(256.72g、710.84mmol、239.92mL)の混合物を、N下、95℃で16時間撹拌して、黒褐色の溶液を得た。室温まで冷却した後、反応物を1MのHCl水溶液(100mL)で処理し、20℃で30分間撹拌した。混合物を飽和KF水溶液(2000mL)でクエンチし、30分間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを、DCM中の10%MeOH(5×5000mL)で洗浄した。合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得た。残留物を石油エーテル/EtOAc(5/1、1000mL)で粉砕して粗生成物を得、これをDCM/MeOH(10/1、500mL)で粉砕して、生成物を淡黄色の固体(180g、96%、92%純度)として得た。MS ES+m/z 293[M+H]
経路2:8-ブロモ-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(50.0g、151.9mmol)、酢酸パラジウム(0.34g、1.52mmol)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(1.25g、3.04mmol)、トリエチルアミン(46.17g、455.7mmol)、n-ブチルビニルエーテル(76g、759.5mmol)及びエチレングリコール(400mL)の混合物を、窒素雰囲気下、100℃で7時間撹拌した。反応物を30℃に冷却し、3gの活性炭で処理し、撹拌した。懸濁液をceliteを通して濾過し、濾液のpHをHClで3~4に調整し、60℃で12時間撹拌した。反応物を40℃に冷却し、固体を濾過により除去した。固体を250mLのTHF中でスラリー化し、60℃で5時間撹拌した。反応物を30℃に冷却し、生成物(40g、90%)を濾過により除去し、50℃で乾燥させると、オフホワイトの固体が得られた。MS ES+m/z 293[M+H].1H NMR(400mHz,CDCl)δ ppm 2.21(s,3H),2.52(s,3H),2.73(s,3H),7.55-7.58(m,3H),7.67-7.70(m,2H),7.97(s,1H),8.26-8.27(m,1H).
中間体6:(NE,R)-N-[1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチリデン]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
THF(1500mL)中の8-アセチル-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(180g、615.75mmol)及び(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(149.26g、1.23mol)の混合物に、テトライソプロポキシチタン(700.01g、2.46モル、726.90mL)を添加した。混合物を80℃で56時間撹拌して、黒褐色の溶液を得た。室温まで冷却した後、ブライン(2000mL)で反応をクエンチし、30分間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(4000mL)で洗浄した。有機層を分離した後、水層をEtOAc(1000mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得た。残留物を石油エーテル/EtOAc(1/1、600mL)で粉砕して、生成物を白色の固体(186g、76%)として得た。MS ES+m/z 396[M+H]
中間体7:(R)-N-[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
(NE,R)-N-[1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチリデン]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(186g、470.27mmol)及びCeCl 7HO(87.61g、235.14mmol、22.35mL)を含むMeOH(1600mL)の混合物に、NaBH(26.69g、705.41mmol)を15℃で添加した。混合物を15℃で1時間撹拌して、暗色の懸濁液を得た。反応を飽和NHCl水溶液(1500mL)で15℃でクエンチした。DCM(2×1500mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(1500mL)で洗浄し、有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を黄色の固体(180g、96%)として得た。MS ES+m/z 398[M+H]
中間体8:8-[(1R)-1-アミノエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
MeOH(1500mL)中の(R)-N-[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(180g、452.80mmol)の混合物を、HCl/MeOH(4M、300mL)で処理し、混合物を15℃で1時間撹拌して、白色の懸濁液を得た。反応物を濃縮し、残留物を水(1000mL)及びDCM(2000mL)に注ぎ、HO(25%)中のNHでpHを12に調整し、DCM(2×1000mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1000mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して残留物を得た。残留物をDCM(200mL)で粉砕して、生成物を白色の固体(122g、89%)として得た。MS ES+m/z 294[M+H]
中間体9:8-[(1S)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
オーバーヘッド撹拌及び温度プローブを備えたフラスコに、8-アセチル-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(11.0g、37.25mmol)及びクロロホルム(200mL)を装入した。撹拌スラリーをギ酸(5.14g、111.76mmol)で処理し、氷浴中で約10℃に冷却した。冷溶液を、温度を25℃未満に維持しながら、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(17.01g、111.76mmol)でゆっくり処理した。反応物を冷却浴から取り出し、RuCl(p-シメン)[(S,S)-Ts-DPEN](CAS 192139-90-5、0.66g、1.12mmol)で処理した。反応物を45℃で16時間撹拌した。反応物を分液漏斗に移し、2M HCl水溶液(2×50mL)で洗浄した。有機層を真空下、45~50℃で50~100mLに濃縮した。ACN(150mL)で希釈し、真空下、45~50℃で50mLに濃縮した。溶媒の量が50mLになるまで溶媒交換を再度行った。材料を1~2時間かけて室温まで冷却し、スラリーを4時間熟成させた。生成物(10.10g、92%)を濾過によって回収し、ACN(25mL)で洗浄し、ヘプタン(50mL)で洗浄し、真空下45℃で乾燥させた。
中間体10:[(1S)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]メタンスルホネート
フラスコに、8-[(1S)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(2.0g、6.79mmol)、メタンスルホン酸無水物(1.42g、8.15mmol)、及びDCM(20mL)を入れた。溶液を氷浴中で10℃未満に冷却した。反応物をトリエチルアミン(1.38g、13.59mmol)で5分間にわたってゆっくり処理した。氷浴から取り出し、室温で1時間撹拌した。この反応混合物をそのまま使用した。
中間体11:8-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
オーバーヘッド撹拌、凝縮器及び温度プローブを備えたフラスコに、8-アセチル-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(10g、34.2mmol)及びRuCl(p-シメン)[(R,R)-TsDPEN](CAS 192139-92-7、0.65g、1.03mmol)を装入した。メタノール50mLを添加し、撹拌を開始した。反応物を10℃に冷却し、温度を25℃未満に維持しながら、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(15.62g、102.62mmol)でゆっくり処理した。添加が完了した後、反応物を10℃に冷却し戻し、温度を15℃未満に維持しながらギ酸(4.72g、102.62mmol)で反応物を分割して処理した。添加後、反応物を55℃で約3時間撹拌した。反応物を20℃に冷却し、4MのHCl水溶液(50mL)で1時間にわたって処理し、得られたスラリーを室温で一晩撹拌した。生成物(9.35g、95%)を濾過によって単離し、水で洗浄し、真空下45℃で乾燥させた。
中間体11の代替的な合成:8-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
反応器にTHF(3L/kg、360L)、8-アセチル-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(120kg、410mol)及びナトリウムメトキシド(2.2kg、41mol、0.10eq)を投入した。反応器を真空にし、窒素を3回再充填した。反応器に(S)-RUCY-XylBINAP[CAS#1312713-89-5](364g、0.31mol、0.00075eq)を投入し、反応器をTHF(2L/kg、240L)で洗浄した。真空にし、窒素を3回補充した。反応器を1MPaの水素に加圧し、反応物を40℃で18時間撹拌した。25℃に冷却した後、分析用サンプルを採取した。反応が完了していない場合、反応器に1MPaの水素を再充填し、40℃で更に6時間撹拌した。
反応が完了したら、反応器に2-MeTHF(5L/kg、600L)及び精製水(5L/kg、600L)を投入し、25℃で30分間撹拌した。反応物を濾過し、固体を2-MeTHF(1L/kg、120L)で洗浄した。30分間放置する。水層を除去し、有機層をACN(4L/kg、480L)に溶媒交換した。10時間にわたって5℃に冷却し、混合物を5℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、固体をACN(1.52L/kg、182L)及びn-ヘプタン(5.0L/kg、600L)で洗浄し、真空下45℃で12時間乾燥させると、標記化合物(102.7kg,85%)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d6)δppm 1.40(d,3H,J=6.5Hz),2.03(s,3H),2.41(s,3H),5.24(dq,1H,J=4.2,6.5Hz),5.38(d,1H,J=4.2Hz),7.58(m,3H),7.73(m,4H).
中間体12:8-[(1S)-1-クロロエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
オーバーヘッド撹拌を装備したフラスコに、8-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(20.0g、68.0mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル(200mL)を装入した。2,4,6-トリクロロ[1,3,5]トリアジン(12.5g、23.8mmol)、引き続いてDMF(7.9mL、102mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。反応物を2MのNaOH水溶液(100mL)でゆっくり処理し、10分間撹拌した。反応物を分液漏斗に移し、有機層を除去した。有機層を水(100mL)及び飽和NaHCO水溶液(100mL)で希釈した。水層を除去した後、有機層を5%LiCl水溶液で洗浄した。有機層をフラスコに移し、200mLのIPAをフラスコに投入し、100mLまで3回濃縮することによって、溶媒をIPAと交換した。次いで、スラリーを45℃に加温し、その温度で2時間撹拌し、室温に冷却した。材料をシリンジポンプを介して80mLの水で4時間処理し、反応物を一晩熟成させた。生成物(18.4g、87%)を濾過によって回収し、40mLの1:1 IPA/水で洗浄し、45℃で乾燥させた。
中間体12の代替の合成:8-[(1S)-1-クロロエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン
反応器に2-MeTHF(5L/kg、480L)及び8-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(96kg、326.5mol)を装入し、10℃に冷却した。反応器に1-ホルミルピロリジン(32.4kg、326.5mol、1当量)を装入し、次いで、塩化ベンゾイル(91.8kg、653mol、2当量)を2時間にわたって添加した。反応物を25℃に加温し、18時間撹拌した。反応完了後、反応物を2-MeTHF(5L/kg、480L)で希釈し、15℃に冷却した。3M NaOH水溶液(5L/kg、480L)をゆっくり添加し、混合物を25℃に加温し、混合物を45分間撹拌した。30分間静置した後、水層を除去した。反応器に水(5L/kg、480L)を装入し、15分間撹拌した。30分間静置した後、水層を除去し、得られた有機層を濾過した。濾液を30分間放置し、水層を再び除去した。得られた有機溶液をイソプロパノール(5L/kg、480L)に溶媒交換し、更に精製することなく次のステップに使用した。
中間体13:2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸;(1S)-1-フェニルエタンアミン
[(1S)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]メタンスルホネートのDCM溶液(20mL)をアントラニル酸(2.79g、20.38mmol)及びトリエチルアミン(1.38g、13.59mmol)で滴下処理した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を1MのHCl水溶液(3×10mL)及びブラインで洗浄した。有機層を回収し、MgSOで乾燥させ、10mLに濃縮した。20mLの2-メチルテトラヒドロフランを装入し、10mLに濃縮した。溶媒を再び2-メチルテトラフランと交換し、70~80mLに濃縮し、45~50℃に加熱した。(S)-α-メチルベンジルアミン(0.91g、7.48mmol)を3時間にわたって添加した。室温に冷却し、一晩放置する。標記化合物(2.13g、59%)を濾過により回収し、2-メチルテトラヒドロフラン(2×10mL)で洗浄し、真空下45℃で乾燥させた。
化合物A:2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸
経路1:8-[(1R)-1-アミノエチル]-3、6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(30g、102.3mmol)、2-ヨード安息香酸(25.36g、102.26mmol)、銅(13.00g、204.5mmol)、及び炭酸カリウム(21.20g、153.4mmol)の混合物をDMF(300mL)に懸濁し、100℃で3時間撹拌した。反応物を同じ量の別の反応物と合わせ、2MのHCl水溶液でpHをpH3に調整し、1000mLのDCM及び500mLの水で希釈し、濾過し、層を分離した。有機層を3×1000mLのブラインで洗浄し、回収し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、石油エーテル中5%酢酸エチル~石油エーテル中50%EtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。得られた固体を300mLのEtOAcでトリチュレートし、濾過によって回収した。得られた固体を500mLの沸騰アセトニトリルに懸濁し、濾過によって回収すると、生成物(33g;39%)を白色固体として得た。MS ES+m/z 414[M+H]
経路2:2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸;(1S)-1-フェニルエタンアミン(15g)をDCM(150mL)と混合した。1MのHCl水溶液(75mL)を添加し、混合物を5分間撹拌した。1MのHCl水溶液(75mL)を添加し、混合物を再び5分間撹拌した。反応物を約45mLに濃縮した。DCM(30mL)及びACN(150mL)を添加し、混合物を約75mLに濃縮した。ACN(150mL)を添加し、混合物を約120mLに濃縮した。80℃に短時間加熱した。65℃に冷却し、2時間撹拌した。4時間かけて25℃に冷却し、更に4時間撹拌した。生成物(7.50g、65%)を濾過によって回収し、5mLのACNで洗浄し、75mLのヘプタンで洗浄し、45℃のバックオーブンで乾燥させた。MS ES+m/z 414[M+H]
経路3:フラスコに8-[(1S)-1-クロロエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オン(5.0g、16.0mmol)及びIPA(50mL)を装入した。次いで、反応物をアントラニル酸(6.58g、48.0mmol)で処理し、トリエチルアミン(6.7mL、48.0mmol)を滴下した。反応物を60℃で一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、50mLの2-メチルテトラヒドロフランを添加し、反応物を約50mLに濃縮した。この溶媒交換を25mLの2-メチルテトラヒドロフランで更に3回行った。25mLの2MのHCl水溶液を添加し、撹拌した。分液漏斗に移し、水層を除去した。残りの有機層を2MのHCl水溶液(2×25mL)で洗浄し、次いで50mLのACNで希釈し、約50mLに3回濃縮して濃厚なスラリーを残した。スラリーを80℃に1時間加温し、次いで65℃で2時間加温した。反応物を約5時間にわたって室温に冷却し、一晩撹拌した。生成物(5.19g、79%)を濾過によって回収し、5mLのACNで洗浄し、25mLのヘプタンで洗浄し、45℃のバックオーブンで乾燥させた。
経路4:中間体12の代替の合成に従って調製した8-[(1S)-1-クロロエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オンのイソプロパノール中溶液を反応器に装入し、アントラニル酸(111.9kg、816.3mol、2.5eq)及び重炭酸ナトリウム(41.1kg、489.4mol、1.5eq)を添加した。イソプロパノール(2L/kg、192L)を添加し、反応物を65℃で24時間撹拌した。完了したら、反応物を2-MeTHF(15L/kg、1400L)に溶媒交換した。20℃で、4M HCl水溶液(5L/kg、480L)を添加し、30分間撹拌した。30分間静置した後、水層を除去した。2-MeTHF(2L/kg、192L)及び2M HCl水溶液(3L/kg、288L)を有機層に添加し、20℃で30分間撹拌した。30分間静置した後、水層を除去した。2-MeTHF(3L/Kg、288L)及び水(5L/kg、480L)を添加し、30分間撹拌した。30分間静置した後、水層を除去した。得られた溶液を精製せずに次の工程で使用した。[注:量は、8-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3,6-ジメチル-2-フェニル-クロメン-4-オンに対するものである]
中間体13の代替的合成:2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸;(1S)-1-フェニルエタンアミン
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸の2-MeTHF溶液を上記経路4の工程に従って反応器に装入し、10L/kg(960L)に濃縮した。混合物を50℃に加熱し、(S)-メチルベンジルアミン(6.72kg、55.5mol、0.17eq)を1時間にわたって添加した。得られたスラリーを50℃で45分間撹拌し、更なる(S)-メチルベンジルアミン(303.6mol、0.93当量)を2時間にわたって添加した。スラリーを65℃で2時間撹拌した後、12時間かけて20℃に冷却した。20℃で4時間撹拌した後、スラリーを濾過し、湿ケークを1:1の2-MeTHF/n-ヘプタン(3L/kg、288L)及びn-ヘプタン(3L/kg、288L)で洗浄し、次いで、真空下、45℃で16時間乾燥させると、標記化合物が3工程にわたって収率77%で得られた。
実施例2
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸形態A(「化合物A形態A」)
実施例1による手順に従って、化合物A形態Aを得た。
図1に示す化合物A形態AのXRPDパターンは首尾よく指数化され、実験パターンが単結晶性相のものを表し、単位格子体積が無水結晶形態と一致することが確認された。
XRPD
形態Aの調製された試料は、以下の表1に記載の回折ピーク(2-シータ値)を有し、特に、14.1°、16.8°、18.9°及び20.7°からなる群から選択されるピークの1つ又は複数と組み合わせて12.1°にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターンを特徴とし、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表1.XRPDピーク
熱分析
形態Aは、25℃から200℃への加熱で検出された質量損失の欠如に基づいて無水であることが確認された。185℃℃での鋭い吸熱ピークは、形態A融解に起因した。発熱転移が192℃で観察され、続いて吸熱事象が211℃で観察され、それぞれ形態Cの結晶化及び融解と一致した。
実施例3
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸形態B(「化合物A形態B」)
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸の飽和THF溶液を周囲温度でゆっくり蒸発させることによって、THF溶媒和物を生成した。図2に示すTHF溶媒和物濾液のXRPDパターンは、材料が形態Bと命名された単結晶性相であることを確認する指標化に成功した。単位セル体積はモノTHF溶媒和物と一致する。
XRPD
形態Bの調製された試料は、以下の表2に記載の回折ピーク(2シータ値)を有し、特に、14.9°、11.9°、17.4°、及び7.0°からなる群から選択されるピークの1つ又は複数と組み合わせて9.7°にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターンを特徴とし、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表2.XRPDピーク
熱分析
10℃/分の速度で加熱すると、低温吸熱事象は脱溶媒和に起因し、続いておそらく化合物A形態Cが213℃で融解した。TGAでは、加熱時に観察された質量損失は、0.8モル当量のTHFと一致した。
実施例4
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸形態C(「化合物A形態C」)
形態Cは、化合物A形態Aを194℃で30分間アニーリングすることによって生成された。XRPDインデックス化(図3)から、形態Cの相純度が確認され、単位セル体積は無水材料と一致する。
XRPD
形態Cの調製された試料は、以下の表3に記載の回折ピーク(2シータ値)を有し、特に、8.5°、15.7°、10.6°、及び7.4°からなる群から選択されるピークのうちの1つ又は複数と組み合わせて13.4°にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターンを特徴とし、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表3.XRPDピーク
熱分析
単離された化合物A形態CのDSCは、融解に起因する209℃での吸熱事象を示した。
実施例5
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸トロメタミン塩形態A(「化合物Aトロメタミン塩形態A」)
化合物Aのトロメタミン塩形態Aの調製は、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸(2.4g、5.80mmol)及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(714.5mg、5.90mmol)を4:1のTHF:MeOH(15.9mL)に、60℃、850rpmで撹拌しながら溶解することによって行った。撹拌しながら、ヘプタン(15.8mL)を60℃で12時間にわたって添加した。スラリーを4時間かけて10℃まで冷却し、次いで、10℃で一晩撹拌した。固体生成物を真空下のWhatman紙上で単離して、表題化合物(1.72g、収率88%)を得た。
キラル増強
化合物Aトロメタミン塩形態Aの生成及び単離は、遊離酸(R)-エナンチオマー含有量と比較して(R)-エナンチオマーのキラル増強を提供した。遊離酸出発物質のHPLCは、96.6%の(R)-エナンチオマー及び3.4%の(S)-エナンチオマーを示した。結晶性トロメタミン塩のHPLCは、>99.9%の(R)-エナンチオマーを示した。
XRPD
結晶性トロメタミン塩の調製された試料は、下記の表4に記載されるような回折ピーク(2-シータ値)を有し、特に、8.4°、10.9°、16.9°及び22.1°からなる群から選択されるピークのうちの1つ又は複数と組み合わせて6.4°にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターン(図4)によって特徴付けられ、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表4.XRPDピーク
熱分析
化合物Aトロメタミン塩形態Aは、200℃に加熱して検出された無視できる重量損失に基づいて、無水であることが確認された。DSC分析は、形態Aの形態Dへの変換に起因する68℃(開始)での小さな吸熱事象を示した。連続加熱により、形態Dの融解と一致する203℃(開始)で吸熱事象が観察された。
単結晶構造分析
適切な単結晶を選択し、単結晶X線回折法によって分析した。化合物Aトロメタミン塩形態Aの単結晶構造を決定し、分子構造及び絶対配置を確認した。構造は、非対称単位中に1つの化合物Aアニオン及び1つのトロメタミンカチオンから構成される無水結晶形態であると決定された。結晶構造から絶対構造を決定し、分子はR配置で結合していることが分かった。
固体NMR
化合物Aトロメタミン塩形態Aの調製したサンプルを固体NMRによって特徴付けた。13C Solid state NMR(100.6MHz)δ 179.0,158.7,151.7,149.7,136.3,134.7,132.9,129.3,127.4,125.2,121.7,117.0,115.5,115.2,110.4,64.1,63.2,45.3,22.6,20.3,11.6ppm.
代替的実施例5
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸トロメタミン塩形態A(「化合物Aトロメタミン塩形態A」)
反応器に2-MeTHF(10L/kg)、2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸;(1S)-1-フェニルエタンアミン、及び25℃の2N HCl水溶液(4L/kg)を装入した。得られた二相混合物を30分間撹拌し、30分間放置し、次いで、水層を除去した。2N HCl水溶液(4L/kg)を有機層に添加し、30分間撹拌し、次いで、30分間放置した。水層を除去し、水(4L/kg)を有機層に添加した。30分間撹拌した後、混合物を30分間静置し、水層を除去した。得られた有機層をTHF(1.93L/kg)に溶媒交換した。MeOH(1.93L/kg)を加えた後、アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(0.95当量)を加えた。溶液を40℃に加熱し、ポリッシュ濾過し(0.22μmフィルタ)、30分間熟成させた。n-ヘプタン(1.29L/kg)を添加し、結晶化を播種し(2.5重量%)、30分間熟成させた。40℃で、n-ヘプタン(3.24L/kg)を8時間にわたって添加した。更なるn-ヘプタン(3.24L/kg)を4時間にわたって添加した。得られたスラリーを5時間にわたって10℃に冷却し、10℃で4時間撹拌した。スラリーを濾過し、湿ケーキを1:2(1:1 THF/MeOH):n-ヘプタン(3.8L/kg)、次いでn-ヘプタン(3.8L/kg)で洗浄した。湿ケークを真空下50℃で乾燥させて、表題化合物を収率87%で得た。固体をHosokawa Alpine 160 UPZピンミルでピンミル粉砕して、20マイクロメートル未満の粒径を有する材料を得た。4ロットの2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸トロメタミン塩形態Aの粒径分析の記録については、表8を参照されたい。
表8.D90測定
実施例6
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸トロメタミン塩形態C(「化合物Aトロメタミン塩形態C」)
水(0.5~1.7mL)及びアセトン(0.1~0.2mL)又は約3:1水:アセトン(0.6mL)のいずれかにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(>1当量)を溶解し、続いて化合物A形態A(30~100mg)を加えることによって、種材料の調製を行った。得られたスラリーを撹拌することが困難である場合、追加のアセトンを添加した。試料を室温で数時間又は一晩撹拌した。懸濁液を室温で5分間遠心分離し、室温で一晩乾燥させて、化合物Aトロメタミン塩形態Cと一致する固体を一水和物として得た。
化合物Aのトロメタミン塩形態Cの調製を、約3:1のアセトン:水(16.5mL)及び化合物Aトロメタミン塩形態A(4.93g、粉砕)を組み合わせることによって行った。混合物を室温で5分間撹拌した(750rpm)。シード材料(一水和物化合物Aトロメタミン塩形態C、45mg)を懸濁液に添加し、混合物を室温で一晩撹拌し(750rpm)、試料を同じ前の条件下で一晩撹拌した。懸濁液を室温で5分間遠心分離して、化合物Aトロメタミン塩形態Cと一致する固体を一水和物として得た。
XRPD
化合物Aトロメタミン塩形態Cの調製された試料を、下記の表5に記載されるような回折ピーク(2-シータ値)を有し、特に、10.6°、17.4°、13.2°及び14.5°からなる群から選択されるピークのうちの1つ又は複数と組み合わせて15.9°にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターン(図5)によって特徴付けられ、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表5.XRPDピーク
熱分析
熱分析では、形態C脱溶媒は3.1%の重量損失によって示され、これは一水和物形態の理論値3.4%と一致する。
実施例7
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸トロメタミン塩形態D(「化合物Aトロメタミン塩形態D」)
化合物Aのトロメタミン塩形態Dの調製は、化合物Aのトロメタミン塩形態Aを平板XRPD試料ホルダーに分注し、150℃に加熱することによって行った。形態Aから形態Dへの変換は、加熱中に起こった。
XRPD
形態Dは、その場でのみ観察された(VT-XRPD)。高温アニーリングによって形態Dを生成する試みは、XRPDによって形態Aをもたらし、形態Aへの変換がRTで数分以内に起こることを示唆している。
150℃でVT-XRPD上に収集した形態D(図6)のXRPDパターンのインデックス付けに成功し、実験パターンが単結晶性相のものを表すことを確認した。化合物Aトロメタミン塩形態Dは、下記の表6に記載されるような回折ピーク(2-シータ値)を有し、特に、12.6°、17.1°、6.3°及び18.9°からなる群から選択されるピークのうちの1つ又は複数と組み合わせて11.1°にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターンを特徴とし、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表6.XRPDピーク
実施例8
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸エルブミン塩形態A(「化合物Aエルブミン塩形態A」)
2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸(0.752g、1.82mmol)をアセトン(30mL)に懸濁し、55℃で500rpmで撹拌した。tert-ブチルアミン(0.220mL、2.09mmol)を添加した。アセトン(5mL)を添加して、得られたスラリーを薄くした。スラリーを55℃、450rpmで45分間撹拌し、室温に冷却し、真空下のWhatman紙で単離して、表題化合物(0.849g、収率96%)を得た。
XRPD
結晶性エルブミン塩の調製された試料は、下記の表7に記載されるような回折ピーク(2-シータ値)を有し、特に、10.5、15.2、18.0及び19.3からなる群から選択されるピークのうちの1つ又は複数と組み合わせて11.1にピークを有するものとして、CuKα線を使用するXRDパターン(図7)によって特徴付けられ、0.2度の回折角の許容誤差を有する。
表7.XRPDピーク
固体NMR
化合物Aのアルブミン塩形態Aの調製したサンプルを、固体NMRによって特徴付けた。13C Solid state NMR(100.6MHz)δ 177.4,174.8,159.8,151.7,149.5,134.0,132.6,130.7,130.3,129.0,128.1,123.1,122.4,119.4,116.8,115.9,112.3,53.0,47.5,27.4,23.3,21.3,11.3ppm.
実施例9
PI3K-αキナーゼ(PIK3CA)活性インビトロ細胞ベースのアッセイ
インビトロで癌細胞におけるPI3KαH1047Rシグナル伝達に対する化合物Aの阻害効果を測定するために、血清を添加していないMDA-MB-453細胞に漸増濃度の阻害剤を投与した。3時間の処理後、細胞を溶解し、SureFire(登録商標)Ultra(登録商標)アッセイ(PerkinElmer、カタログ番号ALSU-PAKT-B50K)を用いてホスホ-AKT Ser473をモニターした。
MDA-MB-453(ATCC-HTB-131)細胞株は、American Type Culture Collection(Manassas,VA)から入手した。細胞を、10%ウシ胎児血清、熱不活化(FBS HI、Gibco 10082-147)、1×非必須アミノ酸(NEAA、Gibco 11140-050)、及び1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco 11360-070)を補足したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Gibco 11965-092)中に維持した。培養物を、5%CO/95%空気下、37℃の加湿インキュベーター内に維持した。
0%FBSで化合物を試験するために、MDA-MB-453細胞を、1×NEAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、及び1μg/mLのヒトインスリン(Sigma I9278)を含む20μlの最小必須培地(MEM)アッセイ培地入りのホワイト384ウェルプレート中にウェル当たり1.5×10細胞の密度で播種した。DMSO中の10mMストック溶液中に溶解した化合物を、DMSO中で1:3に連続希釈して、10点希釈系列を作成し、音響液体ハンドラシステム(Echo 550 Series Liquid Handler、Labcyte)を使用してプレーティングした。次いで、1×NEAA及び1mMのピルビン酸ナトリウム(1.5%DMSO中の150μMの出発化合物濃度)を含むMEM中の5×中間化合物希釈プレートを調製した。5μlの中間連続希釈化合物を、細胞プレートに添加して、0.3%DMSO中で30mM~0.0015mMの範囲の最終濃度とした。0.3%DMSO単独を使用して、最大(MAX)シグナルを確立し、最終濃度1μMのGDC-0032を最小(MIN)シグナルについての参照化合物として使用した。3時間の処理後、培地を除去し、細胞を、室温で10分間振盪しながら10μLの1×SureFire溶解緩衝液中に溶解した。アクセプターミックス(反応緩衝液1+反応緩衝液2+活性化緩衝液+SureFire Ultraアクセプタービーズ)を、合わせた反応緩衝液1及び反応緩衝液2中で活性化緩衝液を25倍に希釈することによって調製した。アクセプタービーズを、合わせた反応緩衝液中で50倍に希釈した。5μLのアクセプターミックスを各ウェルに加え、プレートを密封し、ホイルで覆い、室温で1時間インキュベートした。ドナーミックス(希釈緩衝液+SureFire Ultraドナービーズ)を、希釈緩衝液中でドナービーズを50倍に希釈することによって調製した。5μLのドナーミックスを各ウェルに加え、プレートを密封し、ホイルで覆い、暗所で室温で1時間インキュベートした。プレートを、標準的なAlphaLisa設定を使用して、Biotek製のNeo2プレートリーダー装置で読み取った。
化合物を二重に試験し、各化合物濃度での平均阻害%を使用して、単回用量反応曲線を作成した。Genedata-Screenerツールを使用してデータを処理した。相対IC50値を、発光単位を使用して、プレート内の「最小」(GDC-0032参照対照)及び「最大」(DMSO)対照に対する阻害パーセントを計算することによって決定した。データを、4パラメータ非線形ロジスティック方程式(4パラメータロジスティック濃度-応答曲線)を使用して分析した。
Y=ボトム+[(トップ-ボトム)/1+(X/IC50)スロープ]
式中、Y=阻害%、X=阻害剤の濃度、ボトム=曲線適合が到達したyの最小値、トップ=曲線適合が到達したyの最大値、及びスロープ=IC50での曲線の勾配。
阻害%=[(Xでのシグナル-最小中央値)/(最大中央値-最小中央値)]×100
IC50:所与の応答(リガンド結合、酵素応答)を50%減少させる化合物の濃度。相対IC50:化合物の最大応答の半分を与える濃度。
化合物Aは、6.83ナノモルのIC50値を有すると決定された。

Claims (38)

  1. 2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸のトロメタミン塩。
  2. 6.4°±0.2°、8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、11.8°±0.2°、13.0°±0.2°、16.5°±0.2°、16.9°±0.2°、22.1°±0.2°、23.0°±0.2°、及び24.9°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  3. 8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°、及び22.1°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  4. 8.4°±0.2°、10.9°±0.2°、16.9°±0.2°及び22.1°±0.2°のピークとともに6.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  5. 179.0、158.7、151.7、149.7、136.3、134.7、132.9、129.3、127.4、125.2、121.7、117.0、115.5、115.2、110.4、64.1、63.2、45.3、22.6、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択される、グリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のトロメタミン塩。
  6. 179.0、129.3、63.2、20.3、及び11.6ppm(それぞれ±0.2ppm)にて、グリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のトロメタミン塩。
  7. 10.6°±0.2°、13.2°±0.2°、14.5°±0.2°、15.9°±0.2°、及び17.4°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  8. 10.6°±0.2°、17.4°±0.2°、13.2°±0.2°、及び14.5°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに15.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  9. 10.6°±0.2°、13.2°±0.2°、14.5°±0.2°、15.9°±0.2°及び17.4°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  10. 6.3°±0.2°、11.1°±0.2°、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°及び18.9°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  11. 12.6°±0.2°、17.1°±0.2°、6.3°±0.2°、及び18.9°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  12. 6.3°±0.2°、11.1°±0.2°、12.6°±0.2°、17.1°±0.2°及び18.9°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載のトロメタミン塩。
  13. 2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸のエルブミン塩。
  14. 6.5°±0.2°、10.5°±0.2°、11.1°±0.2°、15.2°±0.2°、15.9°±0.2°、17.6°±0.2°、18.0°±0.2°、19.3°±0.2°、21.5°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°及び26.3°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項13に記載のエルブミン塩。
  15. 10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°、及び19.3°±0.2°から選択される少なくとも1つのピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項13に記載のエルブミン塩。
  16. 10.5°±0.2°、15.2°±0.2°、18.0°±0.2°及び19.3°±0.2°のピークとともに、11.1°±0.2°の回折角2シータにピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項13に記載のエルブミン塩。
  17. 177.4、174.8、159.8、151.7、149.5、134.0、132.6、130.7、130.3、129.0、128.1、123.1、122.4、119.4、116.8、115.9、112.3、53.0、47.5、27.4、23.3、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)から選択される、グリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とする少なくとも1つのピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、請求項13~16のいずれか一項に記載のエルブミン塩。
  18. 177.4、132.6、27.4、21.3、及び11.3ppm(それぞれ±0.2ppm)に、グリシン(176.5ppmにおける外部基準)を基準とするピークを含む13C固体NMR(100.6MHz)スペクトルを特徴とする、請求項13~16のいずれか一項に記載のエルブミン塩。
  19. 請求項1~12のいずれか一項に記載のトロメタミン塩又は請求項13~18のいずれか一項に記載のエルブミン塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  20. ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)を阻害する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の請求項1~12のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、請求項13~18のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  21. 変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患を有する患者を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~12のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、請求項13~18のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は請求項19に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
  22. 前記PI3KがPI3Kαである、請求項20又は請求項21に記載の方法。
  23. 前記PI3KがH1047R変異を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記疾患が癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記癌が、子宮内膜癌、胃癌、白血病、リンパ腫、肉腫、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌、皮膚癌、頭頸部癌、乳癌、脳癌、又は前立腺癌である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記癌が、乳癌である、請求項24に記載の方法。
  27. 前記癌が、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の進行性又は転移性乳癌である、請求項24に記載の方法。
  28. 前記疾患が、CLOVES症候群(先天性脂肪腫性過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格及び脊髄症候群)、又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  29. 変異型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に関連する疾患の治療に使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載のトロメタミン塩、請求項13~18のいずれか一項に記載のエルブミン塩、又は請求項19に記載の医薬組成物。
  30. 前記PI3KがPI3Kαである、請求項29に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩又は医薬組成物。
  31. 前記PI3KがH1047R変異を有する、請求項29又は30に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩又は医薬組成物。
  32. 前記疾患が癌である、請求項29~31のいずれか一項に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩又は医薬組成物。
  33. 前記癌が、子宮内膜癌、胃癌、白血病、リンパ腫、肉腫、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌、皮膚癌、頭頸部癌、乳癌、脳癌、又は前立腺癌である、請求項32に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
  34. 前記癌が乳癌である、請求項32に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
  35. 前記癌が、ホルモン受容体陽性(HR+)、ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)進行性又は転移性乳癌である、請求項32に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
  36. 前記疾患が、CLOVES症候群(先天性脂肪腫性過成長、血管奇形、表皮母斑、脊柱側弯症/骨格及び脊髄症候群)、又はPIK3CA関連過成長症候群(PROS)である、請求項29~31のいずれか一項に記載の使用のための、トロメタミン塩、エルブミン塩、又は医薬組成物。
  37. 7.0°±0.2°、9.7°±0.2°、11.9°±0.2°、14.9°±0.2°、及び17.4°±0.2°から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、結晶性2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸。
  38. 7.4°±0.2°、8.5°±0.2°、10.6°±0.2°、13.4°±0.2°、及び15.7°±0.2から選択される回折角2シータに少なくとも1つのピークを有する、CuKa線を用いたX線粉末回折パターンを特徴とする、結晶性2-[[(1R)-1-(3,6-ジメチル-4-オキソ-2-フェニル-クロメン-8-イル)エチル]アミノ]安息香酸。
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