JP2024066244A - 計画立案装置、計画立案方法及び計画立案プログラム - Google Patents

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敬和 小林
Takakazu Kobayashi
正樹 小林
Masaki Kobayashi
太郎 原
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祐人 安達
Yuto Adachi
直人 小宮
Naoto Komiya
智之 佐々木
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Abstract

【課題】与えられた遵守すべき制約を守れない場合であっても、適切な計画を立案することができる技術を提供する。【解決手段】計画立案装置(1)は、第1制約を指定する第1指定部(11)と、第2制約を指定する第2指定部(12)と、第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出部(13)と、求められた緩和量に基づいて第1制約を緩和した第1緩和制約、及び第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成部(14)と、計画において評価すべき項目の値、および第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価部(15)と、第1緩和制約、第2緩和制約、第3制約、ならびに評価値に基づいて、計画を立案する立案部(16)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、計画立案装置、計画立案方法及び計画立案プログラムに関する。
計画を立案するにあたっては、さまざまな条件を考慮する必要があり、多くの条件を満たす計画を立案するためのさまざまな方法が提案されている。例えば、製品を製造するにあたって、原料を必要な時期に必要な量だけ入手する方法として、従来さまざまな方法が提案されている。それらの多くは、各種の条件を制約として、制約を満たしつつ、目的関数又は評価関数を最適化するという手法が用いられる。しかし、現実的にはすべての制約を満たすことは困難であることが多く、そのため制約を緩和しながら最適条件を探すという手法が考えられている。例えば、特許文献1には、違反制約と関連する制約を特定し、緩和パターンを生成し、緩和パターンごとに、履歴データから緩和量と評価関数での評価値との関係と、緩和量の適用頻度を抽出し、緩和量と評価値との関係と緩和量の適用頻度に基づいて緩和量を選定する制約緩和部と、生成された緩和パターンごとの緩和量に基づいて計画を立案し、評価関数で評価し、評価のより良い計画を採用する計画立案部とを含む計画立案装置が開示されている。
特開2021-189933号公報
特許文献1に開示された計画立案装置は、違反制約を特定し、履歴データから緩和量と評価の関係を抽出することで、より良い緩和を選択することで計画を立案している。しかしながら、どの制約の組合せを緩和し、どれだけ緩和すれば制約をすべて満たす計画を立案できるかを特定するものではない。
本発明の一態様は、与えられた遵守すべき制約を守れない場合であっても、適切な計画を立案することができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る計画立案装置は、対象となる計画を立案する計画立案装置であって、前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定部と、前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定部と、前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出部と、求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成部と、前記計画において評価すべき項目の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価部と、前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案部と、を備える。
また、本発明の一態様に係る計画立案方法は、対象となる計画を立案する計画立案方法であって、前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定ステップと、前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定ステップと、前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出ステップと、求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成ステップと、前記計画において評価すべき項目の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価ステップと、前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案ステップと、を含む。
本発明の各態様に係る計画立案装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記計画立案装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記計画立案装置をコンピュータにて実現させる計画立案プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一態様によれば、与えられた遵守すべき制約を守れない場合であっても、適切な計画を立案することができる技術を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る計画立案装置1の構成を示すブロック図である。 配船計画立案のための複数の制約と評価項目の一例を示す表である。 本発明の実施形態1に係る計画立案方法S1の流れを示すフロー図である。 第1制約が複数ある場合に最適評価値を与える計画立案方法S2の流れを示すフロー図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、複数工場又は複数工程で処理される半製品や製品において、生産計画又は物流計画を立案するための計画立案装置について説明する。計画立案の目的は、一例として、原料の在庫を切らさず安定製造をさせながら、かつ調達コストを削減するためである。例えば、鉄鉱石を製錬してスラブやコイル等の鉄製品を製造する場合に、複数の輸送船を用いてどのような銘柄の鉄鉱石をどの港からどの港にどれくらいの量をいつ輸送するかという配船計画を立案する場合がある。この場合、所定量の原料の在庫を切らさない等の条件のもとで、鉄鉱石の輸送費をできるだけ低減する計画を立案する必要がある。
例えば、原料の配船計画を立案する際に決定すべき対象となる項目(以下、適宜、決定項目)として、計画期間で使用することになる輸送船の数および船型や、積揚(原料の荷積と荷揚)場所、積揚場所毎の積揚銘柄、積揚量および積揚時刻等がある。また、前提条件として、計画開始時の原料毎(銘柄毎)の在庫量、使用予定量(日毎など)および契約量(月毎など)や、船型毎の使用可能数および輸送単価、バース荷役条件等がある。ここでの配船計画の目的は、所定量の原料の在庫を維持しつつ、輸送費を削減することである。ここで、輸送費は航海距離に基づく運賃と、他船が居る等の理由で輸送船が揚場所に入港できない場合の待ちの際に発生する滞船料からなり、この運賃と滞船料を評価すべき項目(以下、適宜、評価項目)として、評価を良くすることで、上記目的の実現を目指す。尚、この評価項目の値(評価値)は、決定項目の値より計算できる。
まず、本実施形態に係る配船計画の内容について、図2を参照して説明する。図2は、配船計画立案のための複数の制約と評価項目を示す表である。この配船計画は、各種の原料を輸送船で運搬するにあたり、さまざまな制約をできるだけ満たしつつ、輸送費をできるだけ小さくすることを目的とする。一般に、立案対象の計画は、対象の計画や目的などに応じた様々な制約(条件)を満たすことが求められるが、鋭意検討により本発明者らは、与えられた複数の制約は、大きく分けて次の3つの種類に分類し得ることを見出した(図2参照)。
(1)遵守すべき制約(第1制約)。第1制約には、優先度を設けてもよい。優先度とは、第1制約の中でより遵守が要求される順位である。以下では遵守への要求が高い順に優先度1,2…と表すが、逆でも良い。
(2)違反が許容される制約(第2制約)。
(3)契約等により、変更できない制約(第3制約)。
本実施形態の原料の配船計画に関しては、図2に示すように、例えば入荷量制限や在庫下限の制約など、その必要性がある制約の種類については工場毎、原料毎に設けられている。そして、第1制約としては、一例として、次のような制約がある(図2の「制約の種類」欄を参照)。
(1-1)X工場におけるB原料の入荷量制限。入荷量制限とは、これ以上は入荷ができない量である。
(1-2)X工場におけるA原料の在庫下限及びX工場におけるB原料の在庫下限。在庫下限とは、在庫量をこれより小さくしてはいけない下限値である。
なお、上記例のように第1制約が入荷量制限および在庫下限など複数の制約を含む場合には、入荷量制限は優先度1、在庫下限は優先度2としても良い。
また、第2制約としては、一例として、次のような制約がある(図2の「制約の種類」欄を参照)。
(2-1)X工場におけるA原料の入荷量制限、Y工場におけるA原料の入荷量制限、及びY工場におけるB原料の入荷量制限。
(2-2)Y工場におけるA原料の在庫下限、及びY工場におけるB原料の在庫下限。
第3制約としては、一例として、次のような制約がある。これらは契約で決められているため、変更ができない制約である。
(3-1)各種原料の購入量。
(3-2)各種原料の入荷日程(入荷が可能となる日程)。
ここで、第1制約および第2制約を上記の通りにした理由を説明する。在庫下限の制約を例として説明すると、原料の中では品質等の関係で、工場毎に主に使用する原料(主銘柄)が決まっており、これを使い続けたいと考えることが一般的である。但し、主銘柄だけでは入荷タイミングの問題で在庫下限の制約違反を起こす場合には、品質の似た他の原料(代替銘柄)で代替が可能であるとする。例えば、X工場及びY工場では主銘柄がAであるが、代替銘柄として銘柄Bを用いることが可能であり、A銘柄+B銘柄で在庫を賄えば良いとする。このような前提の下、図2に示す実施形態では、X工場及びY工場において、A銘柄に対する在庫下限の制約は遵守すべきものとして第1制約とし、B銘柄に対する在庫下限の制約は、第1制約の遵守のためには違反も許容できるものとして第2制約としている。
また、優先度の付け方について、説明すると、入荷量制限は、貯蔵場所の容量の上限が決まっているため、入荷量制限を超過した場合の対応が困難である。一方、在庫下限の制約については、ある原料の在庫が下限を下回った場合でも、他の原料で代替可能な場合があり、また他の工場から在庫を回してもらう可能性もあるため、入荷量制限の制約違反時に比べて対応がとりやすい。このような場合は、相対的に遵守への要求が高い入荷量制限を優先度1とし、相対的に遵守への要求が低い在庫下限を優先度2としている。
計画立案装置1は、以上の第1制約と第2制約を可能な限り遵守しながら、第3制約を満しつつ、輸送費ができるだけ小さくするような配船計画を立案する。
(計画立案装置1の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る計画立案装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、計画立案装置1により配船計画を立案する例について説明する。計画立案装置1は、第1指定部11、第2指定部12、緩和量算出部13、生成部14、評価部15、立案部16、及び優先度指定部17を備える。評価部15と立案部16は協働するため、評価部15は立案部16に含まれていてもよい。
計画立案装置1は、コンピュータにより実現されても良い。コンピュータは、プロセッサ18と、メモリ19とを備える。メモリ19は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の内部記憶装置、またはHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の外部記憶装置のうちから、1または複数種類の記憶装置を備えていてもよい。一例として、プロセッサ18は、外部記憶装置に記録された各種のプログラムをRAMに展開し、実行することにより、第1指定部11、第2指定部12、緩和量算出部13、生成部14、立案部16、優先度指定部17としての機能を実現する。プロセッサ18は、少なくとも1つのMPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサを用いて構成することができる。また、プロセッサ18は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はPLD(Programmable Logic Device)等のプロセッサを含んでいてもよい。計画立案装置1の各機能部のうちの少なくともいずれかを、上述のFPGA等のハードウェアにより実現しても良い。
次に、計画立案装置1が備える上述した機能部(第1指定部11、第2指定部12、緩和量算出部13、生成部14、評価部15、立案部16。図1参照)について、それぞれ説明する。
第1指定部11は、対象となる計画が満たすべき条件である複数の制約(初期制約)の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する。また、第2指定部12は、初期制約の少なくとも1つを、第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する。なお、第1指定部11が第1制約を指定することと第2指定部12が第2制約を指定することの順序はどちらが先でもかまわない。あるいは両方の処理を並行して行ってもよい。本実施形態において、制約とは、対象となる計画を作成するための条件である。制約には複数の種類があるが、最大限の遵守が要求される制約(第1制約)と、最適な計画を得る上で違反が許容される制約(第2制約)と、第1制約と第2制約以外である第3制約と、に分類できる。つまり、第1制約は第2制約よりも制約違反が許容されにくい。このことを、第1制約は第2制約よりも重要度が高いと称する。第3制約は、例えば原料の購入量及び入荷日程といった契約により定められる条件など、問題の構造上変更(緩和)できない制約である。第1制約と第2制約は、場合により変更可能な制約であるが、第1制約は、第2制約よりも変更が好ましくない制約である。第1指定部11は、少なくとも1つの第1制約を指定してもよい。第2指定部12は、少なくとも1つの第2制約を指定してもよい。
なお、第1制約、第2制約については、予めユーザが分類してメモリ19に記録した第1制約と第2制約の情報を参照して第1指定部11と第2指定部12がそれぞれを指定してもよい。また、第1指定部11と第2指定部12が、図示しない入力装置を介してユーザが入力した、第1制約、第2制約がそれぞれどれかを示す情報を取得して指定してもよい。
なお、与えられた制約を用いて計画が立案可能な場合は、当然ながら第1制約の緩和量を求める必要はないし、第2制約の違反量を考慮する必要もない。以下では、与えられた制約条件では計画を立案できない場合に、計画の立案を可能にするために計画立案装置1が実行する処理について説明する。緩和量算出部13は、第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める。言い換えれば、緩和量算出部13は、第1制約の緩和量を算出する。また、第1制約において、求めた緩和量がゼロとなる場合がある。この場合は、その第1制約の緩和は必要ないということを意味する。緩和量がゼロの場合も含めて、緩和後の制約を第1緩和制約と称する。
なお、緩和量算出部13は、初期制約の内で、第1制約と第3制約を全て満たす計画が立案できない場合に、緩和量を算出する。初期制約を全て満たす計画が立案できる場合は、計画立案装置1は、その初期制約に基づいた計画を立案する。この構成によれば、初期制約を満たす計画が立案できない場合に第1制約の緩和や、第2制約の違反量を考慮した評価値の算出を実行する。初期制約を全て満たす計画が立案できる場合は、緩和量はゼロで、かつ違反量も発生せず、制約を緩和する必要もない。一方、初期制約を全て満たす計画が立案できない場合は、第1制約の緩和、及び第2制約の違反量を考慮した評価値の算出を実行する。これにより、計画立案を迅速に行うことができる。緩和量を算出する方法の具体例については後述する。
生成部14は、緩和量算出部13で求められた緩和量に基づいて、第1制約を緩和した第1緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する。例えば、生成部14は、緩和量算出部13で求められた緩和量を使って第1制約を修正することにより、第1緩和制約を生成する。第1緩和制約は、緩和前の第1制約よりも緩和量分だけ制約違反になりにくい制約となる。緩和量の求め方の具体例は後述する。また、第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約の作成を行う。違反量の織り込みの具体例は後述する。
評価部15は、計画において決定項目、および第2制約の違反量に応じた評価値を算出する。例えば、評価部15は、立案しようとする計画である配船計画において評価すべき項目(評価項目)の値、および第2制約の違反量に応じた評価値を算出する。通常、計画の立案過程において後述する立案部16によって複数の計画案が算出されるが、評価値は、算出される各計画案の良否の定量化が可能な指標である。評価部15は、複数の評価項目に基づいて評価値を算出する。この複数の評価項目は、計画立案において最適化対象の指標(本実施形態では輸送費)を評価するための1以上の評価項目の他、第2制約の違反量を評価するための1以上の違反評価項目(ペナルティ項)で構成される。第2制約に指定された制約の数だけ、違反評価項目が有っても良い。評価部15は、違反評価項目を考慮しない場合に比べ、第2制約の違反量に応じた分だけ評価値が不利になるように、評価値を算出する。
一例として、輸送費を指標とする際の評価項目について説明する。輸送費は、1または複数の評価項目に基づいて算出される評価値に基づいて評価される。評価項目は、その影響が相対的に大きいものとなる下記の評価項目の少なくとも1つを含んでも良い。そして、計画立案装置1は、評価値を小さくすることが可能な、配船計画において決定項目の値を求める。
以下に輸送費に関する評価項目の例を示す。
(評価項目1)航海距離。航海距離が大きくなるほど、運賃が高くなる。
(評価項目2)滞船時間。港に停泊する時間が長くなるほど、港の使用料と輸送船の賃借料が高くなる。
さらに、評価部15は、第2制約の違反量を評価に追加する。そして、例えば第2制約の違反量が大きいほど評価値が不利になるように、評価値を算出する。その際、第2制約の違反量に対する評価値への影響度を、重み付けするなどして、第2制約をどの程度遵守すべきかの許容度に応じて設定してもよい。評価値は、制約が満たされた条件の中で、より適切な計画を立案するために用いられる。評価値は、(1)当初の評価項目と(2)第2制約からなる違反評価項目(違反量)と、の総合評価となる。そのため、(1)が優で(2)が劣な場合と(1)が劣で(2)が優の場合が考えられ、(2)が劣でも総合評価が良い場合も存在する。本実施形態の場合は、評価値はコストであるので、評価値が小さいほど評価が高い。これによって、第2制約の違反量を考慮して計画の評価を行うことができ、第2制約の違反を許容しつつ、より適切な計画の立案を行うことが可能となる。
立案部16は、第1緩和制約と、第2緩和制約と、第1制約および第2制約以外である第3制約と、第2制約の違反量を加えた評価とに基づいて、計画を立案する。すなわち、第1緩和制約、第2緩和制約、第3制約を満たしつつ、評価項目の値、および第2制約の違反量に応じた評価値が所定の条件を満たすように、配船計画において決定項目の値を決定する。上記の所定の条件は、評価値が最も良い、評価値が規定値以下であっても良い。例えば数理計画法や、メタヒューリスティクスなどの周知な手法など、の決定を行っても良い。
(緩和量の算出方法)
次に、緩和量算出部13が、計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める方法の一例について説明する。緩和量算出部13は、最適化手法により、緩和量を算出してもよい。例えば、緩和量算出部13は、図1に示すように、判定部131と処理実行部132を備えてもよい。
一例として、緩和量算出部13は、線形計画問題、或いは混合整数計画問題として定式化し、そこに一般的に用いられる人工変数を導入することで2段階シンプレックス法の要領で人工変数の値を最少化させ、求まった人工変数の値を緩和量として適用することで、緩和量を導出してもよい。人工変数の値がゼロの場合は、緩和の必要はないこととなる。ここでの定式化は、決定項目、違反評価項目を変数(それぞれ決定変数、違反評価変数と呼ぶ)、評価項目を変数として構成し、評価式および制約式を定式化してもよい。評価式は評価変数で構成され、例えば、評価項目2の滞船時間等を含む。滞船時間は、決定変数である積揚時刻から計算できる。この方法は、判定部131が、第1制約を満たす決定変数の値が存在しないと判定した場合に、処理実行部132は、計画の立案を可能にするのに必要な第1制約の最小の緩和量を求めることができる。この方法によれば、本方法(緩和処理)によって求める緩和量は、計画の立案が可能となるために必要な最小の量である。第1制約は、最大限の遵守が要求される制約であり、緩和量を最小とすることで、最も望ましい計画を立案することができる。
この場合、緩和量算出部13は、第1制約の全てについて、一度に緩和量を算出しても良いし、少なくとも一部に対して緩和量を算出しても良い。つまり、第1制約の全てに対して緩和を行わなくても計画を立案できる場合があり、計画の立案が可能となる範囲で緩和を行うように構成してもよい。例えば、第1制約に指定された制約に対して、上述した優先度を設定することで、緩和量算出部13が、設定された優先度に基づいて緩和の実行順序を判断するようにしても良い。優先度は、第1制約に指定された制約が複数ある場合に、どの制約から優先して緩和を行うかを指定するための情報である。
図2に示す実施形態では、第1制約において、制約毎に優先度の指定が可能となっている。また、緩和せずに遵守すべき第1制約ほど、高い優先度が付与されるようになっており、緩和量算出部13は、第1制約の優先度にしたがって、優先度が高いものから順に1つずつ第1制約の緩和量を求めて、当該第1制約を緩和する処理を行う。本実施形態では、複数の第1制約が属する制約については、その全てに対して緩和を行うようになっているが、その一部に対して行ってもよい。ただし、他の実施形態では、第1制約に指定された制約毎に優先度の指定が可能であっても良い。
以下に、第1制約に優先度が指定されている場合について説明する。
(第1制約に優先度が指定される場合)
複数の制約の少なくとも一部には、制約のカテゴリを示すカテゴリ情報が関連づけられていてもよい。カテゴリ情報は、「入荷量制限」や「在庫下限」等の、制約の分類情報を指し、カテゴリは、個々のカテゴリ情報の具体的な項目を指す。複数のカテゴリの各々には、1以上の第1制約または1以上の第2制約の少なくとも一方が属していてもよい。例えば、「在庫下限」という1つのカテゴリ情報の中には、「A工場の在庫下限」という制約、「B工場の在庫下限」という制約のように、複数の制約が含まれている。そして、そのうちの1つ以上が第1制約または第2制約に指定されていてもよい。上記構成によれば、制約は階層構造で管理されている。
優先度指定部17は、第1制約に対して優先度を指定する。複数のカテゴリの少なくとも一部に対して、優先度を指定してもよい。カテゴリ毎に優先度を指定することで、指定の容易化を図ることができる。なお、優先度指定部17は、カテゴリ情報と関連付けずに、第1制約が複数存在する場合に、その複数の第1制約の中から選択して優先度を指定してもよい。優先度は、予めユーザが設定して、メモリ19に記録していてもよい。また、入力装置を介してユーザが入力した優先度を優先度指定部17が取得して指定してもよい。
本実施形態では、緩和したくない制約ほど優先度が高くなるように、小さい優先度の値を指定するようになっている。この場合、優先度の値が小さい方から順に緩和量を決定する。緩和量算出部13は、優先度の高いカテゴリから順に、すなわち優先度1のカテゴリの第1制約の緩和量を先に求め、次に優先度2のカテゴリの第1制約の緩和量を求める。上記構成によれば、第1制約には優先度が設定されており、第1制約の緩和を優先度に従って行う。第1制約は、最大限の遵守が要求される制約であり、これによって、計画の立案が可能となった時点で、これより優先度が高い第1制約の緩和は行わないなど、優先度に応じた処理を可能とすることができる。このように、複数の制約を第1制約に指定した場合に、第1制約の緩和を優先度に従って行うことにより、緩和する第1制約の範囲を小さくすることができ、より適切な計画の立案を行うことができる。
具体的には、例えば上述のように人工変数を用いて緩和量を算出する場合、まず、優先度が最も高い、即ち制約の変更の許容度が最も低いカテゴリの第1制約を選択し、当該第1制約に対してのみ人工変数を設定し、2段階シンプレックス法の要領で人工変数の値を最少化させる。以下、この値を緩和量として当該第1制約を緩和した緩和制約を作成する。次に優先度が高いカテゴリの第1制約を選択し、同様に緩和制約を作成する。以下同様であり、緩和量算出部13は、全ての第1制約の緩和制約が作成されるまで繰り返す。これより優先度が高い第1制約を優先して緩和が行われ、優先度が高い第1制約程、最大限の遵守が実現された計画の立案を可能とすることができる。
以上では、緩和量算出部13が、計画の立案を可能にするのに必要な緩和量を算出する方法を説明した。しかし、緩和量を算出する方法はシンプレックス法に限らず、内点法又は楕円体法などを用いてもよい。
また、緩和量算出部13は、線形計画法を用いずに緩和量を算出してもよい。例えば、緩和量算出部13は、制約を逐次変更して緩和量を算出してもよい。緩和量算出部13は、必ずしも最小値の緩和量を算出する必要はない。例えば、緩和量算出部13は、制約をすべて満たす計画が得られない場合、第1制約の1つを選択し、その制約を少しずつ緩和して計画を立案し、制約をすべて満たす計画が得られるまで繰り返す。ある第1制約を限界まで緩和しても制約をすべて満たす計画が得られない場合は、緩和量算出部13は、別の第1制約を緩和して上記の手順を繰り返してもよい。制約は、整数の場合など、離散的な値を取る場合がある。そのような場合は、緩和量算出部13は、離散的な値を用いて第1制約を緩和する方向に順次変更して最適化する操作を、制約をすべて満たす計画が得られるまで繰り返してもよい。
以上のように、緩和量算出部13が最適化手法により緩和量を算出することにより、適切な緩和量を効率的に求めることができる。
(第1緩和制約の生成例)
次に、第1制約が複数ある場合に、第1緩和制約を生成する方法の具体的な一例について図2を参照して説明する。制約のカテゴリは、「在庫下限」または「入荷量制限」の少なくとも一方を含んでもよい。図2では、201に「入荷量制限」、202に「在庫下限」と、両方のカテゴリを示している。在庫下限および入荷量制限には、それぞれ、複数の工場の各々に対する制約が属している。
さらに、この表には、制約の具体的な対象と制約の種類、初期制約を満たさない場合の制約の変更内容を示している。図2では、制約の種類として、指定された第1制約、第2制約と優先度1、優先度2を示している。優先度1の第1制約は、優先度2の第1制約よりも緩和したくない制約である。この場合、優先度1の第1制約は、優先度2の第1制約よりも優先度が高いと称する。
図2に示すように、制約のカテゴリとして、「入荷量制限」と「在庫下限」の2つを例にとって説明する。入荷量制限は、ある工場におけるある原料の入荷量の上限値である。在庫下限は、ある工場におけるある原料の在庫量の下限値である。なお、制約は他にもあるが、記載は省略している。
入荷量制限のカテゴリには優先度1が指定されている。入荷量制限の制約のうち、X工場におけるB原料の入荷量制限は第1制約に指定されている。つまり、X工場におけるB原料の入荷量制限は優先度1である。これ以外の入荷量制限は第2制約である。また、在庫下限のカテゴリには、優先度2が指定されている。在庫下限の制約のうち、X工場におけるA原料の下限値と、X工場におけるB原料の下限値が第1制約に指定されている。これらの第1制約の優先度は2である。このように、複数の第1制約に同じ優先度を指定してもよい。これら以外の制約は第2制約である。なお、第1指定部は、複数の工場の少なくとも一部を第1制約に指定し、第2指定部は、複数の工場のうちの少なくとも一部を第2制約に指定している。以上のように、計画は、配船計画である。第1制約はX工場におけるB原料の入荷量制限、X工場におけるA原料の下限値、及びX工場におけるB原料の下限値であり、第2制約はそれ以外の制約である。これによって、配船計画を確実に立案することができる。
初期制約を満たさない場合、第1制約について制約が緩和される。その場合、初期制約から一旦第1制約および第2制約を取り除き、前述のように、優先度の高いカテゴリ順に第1制約を緩和してもよい。第2制約については、ある程度の違反をすることを許容するため、違反を許容するように第2制約を修正した制約式と、この違反に対してペナルティを与えるペナルティ項を評価式(評価項目)に追加する。以下に第2制約のペナルティ項を評価式に追加する方法について説明する。
(第2制約の評価式への追加)
評価項目は、例えば評価項目1である、輸送船の航海距離(z1)と、評価項目2である、輸送船が港に滞在する時間である滞船時間(z2)であるとする。これらは輸送費をできるだけ小さくするための評価項目である(図2の203を参照)。この場合、評価式は、下記式(2)のように表すことができる。
w1・z1+w2・z2 …式(2)
ここで、w1は単位距離当たりの運賃(定数)、w2は単位時間あたりの滞船費用(定数)である。評価式の値(評価値)はできるだけ小さいほうがよい。
また、評価項目に第2制約の違反量を追加する。具体的には、図2に示す例の場合、式(2)に、2つの第2制約の違反量を追加する。第2制約の違反量を追加した評価式を下記式(3)に表す。
w1・z1+w2・z2+w3・y1+w4・y2 …式(3)
ここで、w3・y1は入荷量制限違反の追加項目(入荷量制限違反ペナルティ)であり、y1は入荷量制限違反量、w3は任意の係数である。また、w4・y2は在庫下限違反の追加項目(在庫下限違反ペナルティ)であり、y2は在庫下限違反量、w4は任意の係数である。w3・y1、及びw4・y2はそれぞれ第2制約のペナルティ項とも言える。
第2制約は違反を許容するように制約式を修正し、このように、この違反に対する違反量を評価項目に入れる。ペナルティ項の係数w3、w4を適切に設定して評価式の値をできるだけ小さくする違反量を求める(最適化する)ことにより、輸送費をできるだけ小さくするとともに、第2制約の違反量をできるだけ小さくすることができる。ペナルティ項の係数は、例えば輸送費の評価項目の係数よりも大きくすることで、評価値に与える影響を大きくすることができる。そのため、第2制約の違反量を小さくすることができる。
立案対象計画が満たすべき制約は、最大限の遵守が要求される第1制約と、最適解を得る上で違反が許容される第2制約と、変更できない第3制約である。そして、変更できない制約があることで、現実的には、最大限の遵守が要求される第1制約であったとしても緩和せざるを得ない場合がある。そこで、第1緩和制約、第2緩和制約、第1制約及び第2制約以外である第3制約、ならびに評価項目の値、および第2制約の違反量を応じた評価式に基づいて、計画を立案することができる。
上記の構成を有する計画立案装置1によれば、与えられた遵守すべき制約を守れない場合であっても、適切な計画を立案することができる。具体的には、第1制約をどの程度緩和すれば、緩和した制約を含めて、制約をすべて満たす計画を作成できるかを特定することができる。つまり、最大限の遵守が要求される第1制約を緩和せざるを得ない場合であっても、第1制約については、計画の立案可能となるところまで緩和し、第2制約については違反量をペナルティとして評価値で考慮することで、評価値に基づいて最適な計画を立案することができる。
(計画立案方法)
次に、計画立案方法について説明する。図3は、本実施形態に係る計画立案方法S1の流れを示すフロー図である。図3に示すように、計画立案方法S1は、ステップS11からステップS16を含む。なお、計画立案方法S1は、初期制約を全て満たす計画が立案できない場合に行われるものとする。計画立案方法S1は、例えば、少なくとも1つのプロセッサなど計画立案装置1によって実行される。
第1指定部11は、ステップS11を実行する。ステップS11は、計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定ステップである。
第2指定部12は、ステップS12を実行する。ステップS12は、初期制約の少なくとも1つを、第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定ステップである。例えば、予めユーザが分類してメモリ19に記録した第1制約と第2制約の情報を参照して、ステップS11において、第1指定部11が第1制約を指定し、ステップS12において第2指定部12が第2制約を指定してもよい。また、ステップS11,S12として、第1指定部11と第2指定部12が、入力装置を介してユーザが入力した第1制約と第2制約の情報をそれぞれ取得して指定してもよい。
緩和量算出部13は、ステップS13を実行する。ステップS13は、第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出ステップである。
生成部14は、ステップS14を実行する。ステップS14は、求められた緩和量に基づいて第1制約を緩和した第1緩和制約、及び第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成ステップである。
評価部15は、ステップS15を実行する。ステップS15は、計画において評価すべき項目の値、および第2制約の違反量に応じた評価値を算出するステップである。
立案部16は、ステップS16を実行する。ステップS16は、第1緩和制約、第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、第1制約及び第2制約以外の制約である第3制約、ならびに評価値に基づいて、計画を立案するステップである。具体的には、例えば、立案部16は、制約を満たせる変数値(決定変数および違反評価変数)群を求め、求めた変数値による評価値を評価部15に算出させる。評価部15は、計画において評価項目の値、および第2制約の違反量に応じた評価値を算出する。より具体的には、評価部15は、評価関数に対して立案した計画(計画案:決定すべき変数セット)の変数の値と、第2制約の違反量を代入して、評価値を算出してもよい。立案部16は、評価部15が算出した評価値が最も良い計画案を最終的な計画として立案(決定)する。以上のステップS11からステップS16までは、必ずしも順序通りに実行する必要はない。例えば、ステップS11とステップS12は、順序を入れ替えてもよく、並行して実行してもよい。
また、第1制約が複数あり、それぞれに異なる優先度が設定されているなど第1制約に優先度が設けられている場合は、図4に示す方法を用いてもよい。図4は、本実施形態に係る他の計画立案方法S2の流れを示すフロー図である。計画立案方法S2は、第1制約が複数ある場合に最適評価値を与える方法である。図4に示すように、計画立案方法S2は、ステップS21からステップS27を含む。計画立案方法S2は、例えば、少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
第1指定部11と第2指定部12は、ステップS21を実行する。ステップS21は、初期制約の中から、第1重要度を有する第1制約と第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約を指定するステップである(図3のS11及びS12に対応)。例えば、予めユーザが分類してメモリ19に記録した優先度の情報を含む第1制約の情報と第2制約の情報を参照して、第1指定部11が優先度の情報を含めて第1制約を指定し、第2指定部12が第2制約を指定してもよい。また、第1指定部11と第2指定部12が、入力装置を介してユーザが入力した優先度の情報を含む第1制約の情報と第2制約の情報をそれぞれ取得して指定してもよい。
判定部131は、ステップS22を実行する。ステップS22は、全ての第1制約(第1緩和制約を含む)を満たす計画が立案できるか否かを判定するステップである。ステップS22において、全ての第1制約を満たす計画が立案できると判定された場合(ステップS22:YES)は、ステップS26に移行する。一方、ステップS22において、全ての第1制約を満たす計画が立案できないと判定された場合(ステップS22:NO)は、ステップS23に移行する。
優先度指定部17は、ステップS23を実行する。ステップS23は、第1制約を優先度順に1つ又は複数(カテゴリ単位で)選択するステップである。あるいは、緩和量算出部13が、優先度指定部17によって指定された優先度にしたがって、ステップS23を実行してもよい。
処理実行部132と生成部14は、ステップS24を実行する。ステップS24は、選択した第1制約を制約として考慮に追加し、その緩和量を求めて当該第1制約を緩和量だけ緩和するステップである。ステップS24により、第1緩和制約が生成される。
判定部131は、ステップS25を実行する。ステップS25は、第1制約をすべて選択したか否かを判定するステップである。ステップS25において、第1制約をすべて選択していないと判定された場合(ステップS25:NO)は、ステップS23に移行する。一方、ステップS25において、第1制約をすべて選択したと判定された場合(ステップS25:YES)は、ステップS26に移行する。
評価部15は、ステップS26を実行する。ステップS26は、第2制約の違反量をペナルティ項として評価式に追加するステップである(図3のS15に対応)。
立案部16は、ステップS27を実行する。ステップS27は、すべての制約(第1緩和制約、第2緩和制約、及び第3制約)を満たす項目を決定するステップ(図3のS15に対応)である。
以上の計画立案方法S1又はS2によれば、与えられた遵守すべき制約を守れない場合であっても、適切な計画を立案することができる。具体的には、制約をどの程度緩和すれば、緩和した制約を含めて、制約をすべて満たす計画を作成できるかを特定することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
計画立案装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能の一部又は全部は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
〔まとめ〕
態様1に係る計画立案装置は、対象となる計画を立案する計画立案装置であって、
前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定部と、前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定部と、前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出部と、求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成部と、前記計画において評価すべき項目(評価項目)の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価部と、前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案部と、を備える。
態様2に係る計画立案装置は、態様1に係る計画立案装置において、前記緩和量算出部は、前記初期制約を全て満たす計画が立案できない場合に前記緩和量を求める。
態様3に係る計画立案装置は、態様2に係る計画立案装置において、前記初期制約の少なくとも一部には、前記制約のカテゴリを示す複数のカテゴリ情報のうちのいずれかが関連づけられており、前記複数のカテゴリ情報の各々には、1以上の前記第1制約または1以上の前記第2制約の少なくとも一方が属しており、前記複数のカテゴリ情報の少なくとも一部に対して、優先度を指定する優先度指定部をさらに備える。
態様4に係る計画立案装置は、態様3に係る計画立案装置において、前記緩和量算出部は、前記優先度の高い前記カテゴリから順に、該カテゴリに属する前記第1制約の前記緩和量を求める。
態様5に係る計画立案装置は、態様4に係る計画立案装置において、前記緩和量算出部は、前記計画の立案が可能となった前記カテゴリよりも前記優先度が高い前記カテゴリに属する前記第1制約については、前記緩和量の算出は行わない。
態様6に係る計画立案装置は、態様3~5のいずれか1つに係る計画立案装置において、前記制約のカテゴリは、在庫下限または入荷量制限の少なくとも一方を含み、前記在庫下限および前記入荷量制限には、それぞれ、複数の工場の各々に対する制約が属しており、前記第1指定部は、前記複数の工場の少なくとも一部を前記第1制約に指定し、前記第2指定部は、前記複数の工場のうちの少なくとも一部を前記第2制約に指定する。
態様7に係る計画立案装置は、態様1~6のいずれか1つに係る計画立案装置において、前記緩和量算出部は、前記計画の立案を可能にするのに必要な最小の前記緩和量を求める。
態様8に係る計画立案装置は、態様1~7のいずれか1つに係る計画立案装置において、前記緩和量算出部は、前記初期制約を満たす前記計画の立案できない原因となる前記第1制約を判定する判定部と、判定された前記第1制約に対して前記緩和量を算出する処理を実行する処理実行部と、を有する。
態様9に係る計画立案装置は、態様8に係る計画立案装置において、前記緩和量算出部は、最適化手法により、前記緩和量を算出する。
態様10に係る計画立案方法は、対象となる計画を立案する計画立案方法であって、前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定ステップと、前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定ステップと、前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出ステップと、求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成ステップと、前記計画において評価すべき項目(評価項目)の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価ステップと、前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案ステップと、を含む。
態様11に係るプログラムは、対象となる計画を立案する計画立案プログラムであって、コンピュータに、前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定処理と、前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定処理と、前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出処理と、求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成処理と、前記計画において評価すべき項目(評価項目)の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価処理と、前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案処理と、を実行させる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1・・・計画立案装置
11・・・第1指定部
12・・・第2指定部
13・・・緩和量算出部
131・・・判定部
132・・・処理実行部
14・・・生成部
15・・・評価部
16・・・立案部
17・・・優先度指定部
18・・・プロセッサ

Claims (11)

  1. 対象となる計画を立案する計画立案装置であって、
    前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定部と、
    前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定部と、
    前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出部と、
    求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成部と、
    前記計画において評価すべき項目の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価部と、
    前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案部と、
    を備える計画立案装置。
  2. 前記緩和量算出部は、前記初期制約を全て満たす計画が立案できない場合に前記緩和量を求める請求項1に記載の計画立案装置。
  3. 前記初期制約の少なくとも一部には、前記制約のカテゴリを示す複数のカテゴリ情報のうちのいずれかが関連づけられており、
    前記複数のカテゴリ情報の各々には、1以上の前記第1制約または1以上の前記第2制約の少なくとも一方が属しており、
    前記複数のカテゴリ情報の少なくとも一部に対して、優先度を指定する優先度指定部をさらに備える請求項2に記載の計画立案装置。
  4. 前記緩和量算出部は、前記優先度の高い前記カテゴリから順に、該カテゴリに属する前記第1制約の前記緩和量を求める請求項3に記載の計画立案装置。
  5. 前記緩和量算出部は、前記計画の立案が可能となった前記カテゴリよりも前記優先度が高い前記カテゴリに属する前記第1制約については、前記緩和量の算出は行わない請求項4に記載の計画立案装置。
  6. 前記制約のカテゴリは、在庫下限または入荷量制限の少なくとも一方を含み、
    前記在庫下限および前記入荷量制限には、それぞれ、複数の工場の各々に対する制約が属しており、
    前記第1指定部は、前記複数の工場の少なくとも一部を前記第1制約に指定し、
    前記第2指定部は、前記複数の工場の残りのうちの少なくとも一部を前記第2制約に指定する請求項3~5のいずれか1項に記載の計画立案装置。
  7. 前記緩和量算出部は、前記計画の立案を可能にするのに必要な最小の前記緩和量を求める請求項1~5のいずれか1項に記載の計画立案装置。
  8. 前記緩和量算出部は、
    前記初期制約を満たす前記計画の立案できない原因となる前記第1制約を判定する判定部と、
    判定された前記第1制約に対して前記緩和量を算出する処理を実行する処理実行部と、を有する請求項1~5のいずれか1項に記載の計画立案装置。
  9. 前記緩和量算出部は、最適化手法により、前記緩和量を算出する請求項8に記載の計画立案装置。
  10. 対象となる計画を立案する計画立案方法であって、
    前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定ステップと、
    前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定ステップと、
    前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出ステップと、
    求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成ステップと、
    前記計画において評価すべき項目の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価ステップと、
    前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案ステップと、を含む計画立案方法。
  11. 対象となる計画を立案する計画立案プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記計画が満たすべき条件である複数の制約からなる初期制約の少なくとも1つを、第1重要度を有する第1制約に指定する第1指定処理と、
    前記初期制約の少なくとも1つを、前記第1重要度よりも低い第2重要度を有する第2制約に指定する第2指定処理と、
    前記第1制約のうちの少なくとも1つの制約について、前記計画の立案を可能にするために必要な緩和量を求める緩和量算出処理と、
    求められた前記緩和量に基づいて前記第1制約を緩和した第1緩和制約、及び前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約のうちの少なくとも1つを生成する生成処理と、
    前記計画において評価すべき項目の値、および前記第2制約の違反量に応じた評価値を算出する評価処理と、
    前記第1緩和制約、前記第2制約に対する違反量を織り込んだ第2緩和制約、前記第1制約及び前記第2制約以外の制約である第3制約、ならびに前記評価値に基づいて、計画を立案する立案処理と、を実行させる計画立案プログラム。
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