JP2024061408A - 検量線出力装置、検量線出力方法および検量線出力プログラム - Google Patents

検量線出力装置、検量線出力方法および検量線出力プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】効果的に高精度な検量線を作成すること。【解決手段】検量線出力装置10は、試料の測定値を収集し、当該試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、当該採取試料が採取された採取時刻ごとに、測定値と目的変量との組合せを生成し、複数の組合せを用いて当該試料における測定値と目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、当該検量線データを出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、検量線出力装置、検量線出力方法および検量線出力プログラムに関する。
従来、細胞培養装置(バイオリアクター)を使用した細胞培養において、近赤外線分光計やキャパシタンスセンサを用いた測定装置(測定器)によって細胞培養液中に含まれるグルコースや乳酸の成分量、生細胞密度等を予測する技術がある。このとき、測定装置は、細胞培養液のスペクトル値やキャパシタンス値を測定し、細胞培養のバッチ単位で作成した検量線を用いることによって成分量等に変換する演算を実行している。
特開2021-162532号公報
しかしながら、従来の技術では、時間変化のある対象成分の測定を高精度に行うことは難しい。例えば、上記の予測技術は、精度の高い検量線を作成できたとしても、時間が経過するにつれて測定誤差が発生する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、効果的に高精度な検量線を作成することを目的とする。
本発明は、試料の測定値を収集する収集部と、前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得する取得部と、前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成する生成部と、前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する出力部と、を備える検量線出力装置を提供する。
また、本発明は、コンピュータが、試料の測定値を収集し、前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成し、前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する、処理を実行する検量線出力方法を提供する。
また、本発明は、コンピュータに、試料の測定値を収集し、前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成し、前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する、処理を実行させる検量線出力プログラムを提供する。
本発明によれば、効果的に高精度な検量線を作成することができるという効果がある。
実施形態に係る検量線出力システムの構成例を示す図である。 実施形態に係る検量線出力システムの各装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態に係る検量線出力装置のオンラインデータ記憶部の一例を示す図である。 実施形態に係る検量線出力装置のオフラインデータ記憶部の一例を示す図である。 実施形態に係る検量線出力装置のデータセット記憶部の一例を示す図である。 実施形態に係る検量線出力装置の検量線データ記憶部の一例を示す図である。 実施形態に係るバリデーション処理の具体例1を示す図である。 実施形態に係るバリデーション処理の具体例2を示す図である。 実施形態に係るバリデーション処理の具体例3を示す図である。 実施形態に係る検量線出力処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る検量線データ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る検量線承認処理の流れの一例を示すフローチャートである。 ハードウェア構成例を説明する図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る検量線出力装置、検量線出力方法および検量線出力プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る検量線出力システムの構成、検量線出力装置等の構成、各処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
〔1.検量線出力システム100の構成〕
図1を用いて、実施形態に係る検量線出力システム100の構成を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る検量線出力システム100の構成例を示す図である。以下では、検量線出力システム100全体の構成例、検量線出力システム100の処理、検量線出力システム100の効果の順に説明する。
(1-1.検量線出力システム100全体の構成例)
検量線出力システム100は、検量線出力装置10、細胞培養装置20、測定装置30および分析装置40を有する。図1に示した検量線出力システム100には、複数台の検量線出力装置10、複数台の細胞培養装置20、複数台の測定装置30または複数台の分析装置40が含まれてもよい。また、検量線出力装置10は、細胞培養装置20、測定装置30および分析装置40のうち1つ以上と統合された構成であってもよい。以下では、検量線出力装置10、細胞培養装置20、測定装置30、分析装置40の順に説明する。
(1-1-1.検量線出力装置10)
検量線出力装置10は、測定装置30と通信可能に接続され、測定装置30が送信する細胞培養装置20の細胞培養液CSのスペクトル値やキャパシタンス値等の測定値Mを含むオンラインデータを収集する。また、検量線出力装置10は、分析装置40と通信可能に接続され、分析装置40が送信する細胞培養装置20の細胞培養液CSの成分濃度や細胞密度等の目的変量Aを含むオフラインデータを取得する。
(1-1-2.細胞培養装置20)
細胞培養装置20は、動物細胞、微生物、植物細胞等の細胞が含まれる細胞培養液CSを収容する細胞培養槽を有する。また、細胞培養装置20の細胞培養槽が収容する細胞培養液CSには、成分としてグルコース、乳酸、抗体等が含有される。また、細胞培養装置20は、測定装置30と制御可能に接続される。
(1-1-3.測定装置30)
測定装置30は、細胞培養装置20と制御可能に接続され、細胞培養装置20の細胞培養液CSのスペクトル値やキャパシタンス値等を測定する。測定装置30は、近赤外分光装置、ラマン分光装置、赤外分光装置、紫外分光装置、可視分光装置等の分光装置や、キャパシタンスセンサ等であるが、特に限定されない。なお、検量線出力システム100において、複数の測定装置30が存在する場合には、測定装置30A、測定装置30B、測定装置30C、・・・のように表示することがある。
(1-1-4.分析装置40)
分析装置40は、細胞培養装置20の細胞培養液CSから採取(サンプリング)された採取培養液SCSを分析し、細胞培養液CSの成分濃度や細胞密度等を定量分析する。
(1-2.検量線出力システム100全体の処理)
上記の検量線出力システム100全体の処理について説明する。なお、下記の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の処理のうち、省略される処理があってもよい。
(1-2-1.オンラインデータ収集処理)
検量線出力装置10は、測定装置30からオンラインデータを収集する(ステップS1)。例えば、検量線出力装置10は、測定装置30が送信する細胞培養装置20の細胞培養液CSのスペクトル値等の測定値Mを含むオンラインデータを収集する。このとき、検量線出力装置10は、オンラインデータとして、測定装置30が測定値Mを測定した測定時刻Tと、測定値Mとを対応付けて収集する。また、検量線出力装置10は、収集したオンラインデータを記憶する。
(1-2-2.オフラインデータ取得処理)
検量線出力装置10は、分析装置40からオフラインデータを取得する(ステップS2)。例えば、検量線出力装置10は、分析装置40が送信する細胞培養装置20の細胞培養液CSの成分濃度等の目的変量Aを含むオフラインデータを取得する。このとき、検量線出力装置10は、オフラインデータとして、細胞培養液CSから採取された採取時刻Tと、目的変量Aとを対応付けて取得する。
(1-2-3.データセット生成処理)
検量線出力装置10は、データを併合してデータセットを生成する(ステップS3)。例えば、検量線出力装置10は、オフラインデータを取得した場合には、記憶するオンラインデータを参照し、取得した目的変量Aごとに採取時刻Tが近い測定時刻Tの測定値Mを抽出し、採取時刻Tごとの測定値Mと目的変量Aとの複数の組合せをデータセットとして生成する。
(1-2-4.検量線データ生成処理)
検量線出力装置10は、データセットから検量線データを生成する(ステップS4)。図1に示すように、例えば、検量線出力装置10は、細胞培養液CSの成分であるグルコースについて、グルコース濃度(g/L)から算出可能な係数とスペクトル強度との対応関係を示す検量線CCの検量線データを生成する。ここで、検量線出力装置10は、直接スペクトル強度を直接使用するのではなく、グルコース濃度の変化に寄与するところが抽出されるように前処理を施す。なお、図1に示した検量線CCは一例であり、検量線CCおよび計算アルゴリズムは、測定値Mや目的変量Aによって変わる。
(1-2-5.検量線データ生成処理)
検量線出力装置10は、検量線CCに対してバリデーション(評価)を実行する(ステップS5)。例えば、検量線出力装置10は、バリデーション用のデータセットを使用して、生成した検量線データを用いて算出した成分濃度の予測値と、当該成分濃度の実測値とを比較することによって検量線CCの精度についてバリデーションを実行する。
(1-2-6.検量線データ送信処理)
検量線出力装置10は、検量線データを測定装置30に送信する(ステップS6)。例えば、検量線出力装置10は、検量線CCと検量線CCに対するバリデーション結果(評価結果)を画面に表示し、検量線出力装置10の利用者Uによって検量線CCが承認された場合には、検量線CCの検量線データを測定装置30に送信する。
(1-3.検量線出力システム100の効果)
以下では、参考技術の検量線出力処理の問題点を説明した上で、検量線出力システム100の効果について説明する。
(1-3-1.参考技術1の概要)
参考技術1の検量線出力処理は、近赤外線分光計、キャパシタンスセンサを使ってオンラインで測定対象を測定する測定装置に適用される。このとき、参考技術1に係る測定装置は、近赤外線分光計によって、細胞培養液中に含まれるグルコース、乳酸等の成分量を測定する。また、参考技術1に係る測定装置は、キャパシタンスセンサを使用して、細胞培養液中に含まれる生細胞密度を測定する。
ここで、参考技術1の検量線出力処理では、近赤外線分光計が成分の周波数当たりのスペクトル値を測定し、キャパシタンスセンサが周波数ごとのキャパシタンス値を測定しているので、成分量に変換する演算が必要になる。以下では、当該演算処理等に関する概要について説明する。
第1に、参考技術1の検量線出力処理では、成分量に変換する演算に、多変量統計解析等の演算が用いられる。第2に、参考技術1の検量線出力処理では、成分量を正確に演算するためには、測定開始前に校正する必要がある。第3に、参考技術1の検量線出力処理では、校正の作業として検量線を作成する。第4に、参考技術1の検量線出力処理では、検量線は、1バッチ分のセンサによる測定値(スペクトル値、キャパシタンス値)と、一定時間(例:1日間隔)で細胞培養液からサンプリングし、分析装置で測定した成分量のデータとを入力することによって求める。第5に、参考技術1の検量線出力処理では、細胞培養装置は、校正用のソフトウェアを別のPC(Personal Computer)で用意しているので、校正用のソフトウェアにそれぞれの測定データを手作業で取り込んで検量線を作成する。また、参考技術1の検量線出力処理では、作成された検量線についても、測定装置に手作業で反映する。第6に、参考技術1の検量線出力処理では、ラマン分光法を用いた測定装置にも適用可能である。
また、参考技術1の検量線出力処理では、バッチ単位でセンサの値を取り込み、検量線を作成し、測定装置に反映する。以下では、当該作成処理等に関する概要について説明する。
第1に、参考技術1の検量線出力処理では、細胞培養装置がラボ向けのリアクターであるので、流加培養(フェドバッチ)で培養している。第2に、参考技術1の検量線出力処理では、細胞培養中は検量線を更新しない。第3に、参考技術1の検量線出力処理では、誤差の発生に対応するために、一定期間の間隔で、オンライン測定によって得られた演算結果を一次補間等によって補正する。また、参考技術1の検量線出力処理では、一定期間の分析装置で測定した成分量を入力値とする。第4に、参考技術1の検量線出力処理では、タッチパネル上の入力画面から補正をする。第5に、連続培養(パーフュージョン、灌流培養)という培養手法があり、その場合は上記の細胞培養装置を用いた手法では検量線を更新することができない。第6に、「FDA(Food and Drug Administration) 21 CFR Part11」等の医薬業界規制により、培養に関わるデータはすべて記録できていなければならないので、参考技術1の検量線出力処理では、測定に使用した検量線が関連付けられていないといけない。
(1-3-2.参考技術1の検量線出力処理の問題点)
参考技術1の検量線出力処理では、以下のような問題点がある。第1に、参考技術1の検量線出力処理では、校正用のソフトウェアにそれぞれの測定データを手作業で取り込んで検量線を作成しなければならず、作成した検量線についても測定装置に手作業で反映しなければならない。第2に、参考技術1の検量線出力処理では、細胞培養中は検量線を更新しないので、時間が経過するにつれて誤差が発生する。第3に、参考技術1の検量線出力処理では、細胞培養が連続培養である場合には、検量線を更新することができない。第4に、参考技術1の検量線出力処理では、医薬業界規制により、作成した検量線を即時に測定装置に適用することは難しい。
(1-3-3.参考技術2の概要)
特許文献1に示す参考技術2の検量線出力処理は、土壌に含まれる対象試料を高精度に特定するために、過去に抽出した土壌を使用する技術である。以下では、参考技術2の検量線出力処理に関する概要について説明する。
参考技術2の検量線出力処理では、入力されたデータに各処理を実行する。具体的には、参考技術2の検量線出力処理では、データベースの構築時には、入力されたデータベース構築用の各データを最適化する。一方、参考技術2の検量線出力処理では、対象試料の性状判定時には、入力された対象試料のスペクトルに前処理を実行する。また、参考技術2の検量線出力処理では、データベースに新たに追加するデータが入力された場合にも、当該データに前処理を実行する。
また、参考技術2の検量線出力処理では、既知試料について生成する特徴データと、当該特徴データに対応する性状導出データである検量線とを対応付けてデータベース化する。
以上のように、参考技術2の検量線出力処理では、複数の既知試料の特徴データの中から対象試料のスペクトルの特徴データと類似したものを特定し、特定した特徴データに対応する性状導出データを用いて、対象試料のスペクトルから当該対象試料の性状を特定する。
(1-3-4.参考技術2の検量線出力処理の問題点)
参考技術2の検量線出力処理では、以下のような問題点がある。第1に、参考技術2の検量線出力処理では、時間変化がある成分の測定に対しては適用できない。なぜならば、参考技術2の検量線出力処理では、様々な場所でサンプリングした土壌の成分を分析する処理を実行するので、細胞培養のように生細胞数や生細胞が摂取するグルコース量、排出する乳酸の変化は土壌の変化に比べ比較的短時間で、生細胞や液中成分の時間変化を連続的に測定することは難しい。第2に、参考技術2の検量線出力処理では、精度の高い検量線を作成したとしても、時間の経過につれて測定誤差が発生する可能性がある。第3に、GMP(Good Manufacturing Practice)や「FDA 21 CFR Part11」等の医薬業界規制のために、利用者の承認を受けることなく、作成した検量線を即時適用することは難しい。
(1-3-5.検量線出力システム100の概要)
検量線出力システム100では、以下の検量線出力処理が実行される。第1に、検量線出力装置10は、測定装置30から測定値Mを含むオンラインデータを収集する。第2に、検量線出力装置10は、分析装置40から目的変量Aを含むオフラインデータを取得する。第3に、検量線出力装置10は、オンラインデータとオフラインデータとを併合してデータセットを生成する。第4に、検量線出力装置10は、データセットから検量線データを生成する。第5に、検量線出力装置10は、検量線CCに対してバリデーションを実行する。第6に、検量線出力装置10は、利用者によって承認された検量線データを測定装置30に送信する。
(1-3-6.検量線出力システム100の効果)
検量線出力システム100では、以下の効果が期待される。第1に、検量線出力システム100は、対象成分の時間変化の測定値Mを使用して、自動的に検量線CCを作成することができる。すなわち、検量線出力システム100は、時間変化がある成分の測定であっても、オフラインデータの入力を契機として、検量線CCを更新することが可能となる。第2に、検量線出力システム100は、新しい検量線CCによる結果を、利用者が確認して、承認したものを最新の測定に反映することができる。すなわち、検量線出力システム100は、検量線CCを新規に作成した場合であっても、利用者の承認後の検量線CCを測定装置30に反映するので、医薬業界の要請に応じた処理が可能となる。以上より、検量線出力システム100では、効果的に高精度な検量線CCを作成することが期待される。
〔2.検量線出力システム100の各装置の構成〕
図2を用いて、図1に示した検量線出力システム100が有する各装置の機能構成について説明する。以下では、実施形態に係る検量線出力装置10の構成例、検量線出力装置10の推定結果の具体例、細胞培養装置20の構成例、測定装置30の構成例、分析装置40の構成例の順に詳細に説明する。
(2-1.検量線出力装置10の構成例)
まず、図2を用いて、図1に示した検量線出力装置10の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る検量線出力システム100の各装置の構成例を示すブロック図である。検量線出力装置10は、入力部11、表示部12、通信部13、記憶部14および制御部15を有する。
(2-1-1.入力部11)
入力部11は、当該検量線出力装置10への各種情報の入力を司る。例えば、入力部11は、マウスやキーボード等で実現され、当該検量線出力装置10への設定情報等の入力を受け付ける。
(2-1-2.表示部12)
表示部12は、当該検量線出力装置10の各種情報を表示する。例えば、表示部12は、ディスプレイ等で実現され、当該検量線出力装置10に記憶された設定情報等を表示する。
(2-1-3.通信部13)
通信部13は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部13は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部13は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
(2-1-4.記憶部14)
記憶部14は、制御部15が動作する際に参照する各種情報や、制御部15が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部14は、オンラインデータ記憶部14a、オフラインデータ記憶部14b、データセット記憶部14cおよび検量線データ記憶部14dを有する。ここで、記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図2の例では、記憶部14は、検量線出力装置10の内部に設置されているが、検量線出力装置10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
(2-1-4-1.オンラインデータ記憶部14a)
オンラインデータ記憶部14aは、制御部15の収集部15aによって収集された測定値Mを含むオンラインデータを記憶する。ここで、図3を用いて、オンラインデータ記憶部14aが記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る検量線出力装置10のオンラインデータ記憶部14aの一例を示す図である。図3の例において、オンラインデータ記憶部14aは、「細胞培養装置識別情報」、「時間」、「測定結果」といった項目を有する。
「細胞培養装置識別情報」は、細胞培養装置20を識別するための識別情報を示し、例えば細胞培養装置20の識別番号や識別記号である。「時間」は、測定装置30が測定値Mを測定した時刻を示し、例えば時分秒で表わされる。「測定結果」は、測定装置30が測定した測定値Mを示し、例えば周波数当たりのスペクトル値や周波数ごとのキャパシタンス値である。
すなわち、図3では、「C001」で識別される細胞培養装置20について、時間「T001」の測定結果が「測定結果#1」、時間「T002」の測定結果が「測定結果#2」、時間「T003」の測定結果が「測定結果#3」、時間「T004」の測定結果が「測定結果#4」、時間「T005」の測定結果が「測定結果#5」、時間「T006」の測定結果が「測定結果#6」、時間「T007」の測定結果が「測定結果#7」、時間「T008」の測定結果が「測定結果#8」、時間「T009」の測定結果が「測定結果#9」、・・・である例を示す。
(2-1-4-2.オフラインデータ記憶部14b)
オフラインデータ記憶部14bは、制御部15の取得部15bによって取得された目的変量Aを含むオフラインデータを記憶する。ここで、図4を用いて、オフラインデータ記憶部14bが記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る検量線出力装置10のオフラインデータ記憶部14bの一例を示す図である。図4の例において、オフラインデータ記憶部14bは、「細胞培養装置識別情報」、「時間」、「分析結果」といった項目を有する。
「細胞培養装置識別情報」は、細胞培養装置20を識別するための識別情報を示し、例えば細胞培養装置20の識別番号や識別記号である。「時間」は、分析装置40が目的変量Aを定量分析した細胞培養液CSが採取された時刻を示し、例えば時分秒で表わされる。「分析結果」は、分析装置40が定量分析した目的変量Aを示し、例えば成分濃度、細胞密度、pH(水素イオン指数)、浸透圧等の含有される成分によって決定される数値である。
すなわち、図4では、「C001」で識別される細胞培養装置20について、時間「T002」の分析結果が「分析結果#1」、時間「T004」の分析結果が「分析結果#2」、時間「T006」の分析結果が「分析結果#3」、時間「T008」の分析結果が「分析結果#4」、・・・である例を示す。
(2-1-4-3.データセット記憶部14c)
データセット記憶部14cは、制御部15の生成部15cによって生成された測定値Mと目的変量Aとの組合せであるデータセットを記憶する。ここで、図5を用いて、データセット記憶部14cが記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係る検量線出力装置10のデータセット記憶部14cの一例を示す図である。図5の例において、データセット記憶部14cは、「細胞培養装置識別情報」、「時間」、「測定結果」、「分析結果」といった項目を有する。
「細胞培養装置識別情報」は、細胞培養装置20を識別するための識別情報を示し、例えば細胞培養装置20の識別番号や識別記号である。「時間」は、測定装置30が測定値Mを測定した時刻や、分析装置40が目的変量Aを定量分析した細胞培養液CSが採取された時刻を示し、例えば時分秒で表わされる。「測定結果」は、測定装置30が測定した測定値Mを示し、例えば周波数当たりのスペクトル値や周波数ごとのキャパシタンス値である。「分析結果」は、分析装置40が定量分析した目的変量Aを示し、例えば成分濃度、細胞密度、pH、浸透圧等の含有される成分によって決定される数値である。
すなわち、図5では、「C001」で識別される細胞培養装置20について、{時間「T002」,測定結果「測定結果#2」,分析結果「分析結果#1」}、{時間「T004」,測定結果「測定結果#4」,分析結果「分析結果#2」}、{時間「T006」,測定結果「測定結果#6」,分析結果「分析結果#3」}、{時間「T008」,測定結果「測定結果#8」,分析結果「分析結果#4」}、・・・である例を示す。
(2-1-4-4.検量線データ記憶部14d)
検量線データ記憶部14dは、制御部15の出力部15dによって生成された検量線データやバリデーション結果を記憶する。ここで、図6を用いて、検量線データ記憶部14dが記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係る検量線出力装置10の検量線データ記憶部14dの一例を示す図である。図6の例において、検量線データ記憶部14dは、「検量線」、「バリデーション結果」といった項目を有する。
「検量線」は、培養細胞液CSにおける測定値Mと目的変量Aとの対応関係を示し、例えば検量線CCの近似式、予測値標準偏差、相関係数等である。「バリデーション結果」は、検量線CCの精度の評価結果を示し、例えば予測プロット、エラートレンド、予測トレンドを示すグラフである。
すなわち、図6では、検量線「検量線#1」のバリデーション結果が「バリデーション結果#1」、検量線「検量線#2」のバリデーション結果が「バリデーション結果#2」、検量線「検量線#3」のバリデーション結果が「バリデーション結果#3」、・・・である例を示す。
(2-1-5.制御部15)
制御部15は、当該検量線出力装置10全体の制御を司る。制御部15は、収集部15a、取得部15b、生成部15c、出力部15dおよび承認部15eを有する。ここで、制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
(2-1-5-1.収集部15a)
収集部15aは、試料Sの測定値Mを収集する。例えば、収集部15aは、試料Sとして、動物細胞、微生物、植物細胞等の細胞を培養する細胞培養液CSの測定値Mを収集する。また、収集部15aは、測定値Mとして、ラマン分光分析、近赤外分光分析、赤外分光分析、可視分光分析等により測定装置30が測定したスペクトル値を収集する。また、収集部15aは、測定値Mとして、キャパシタンスセンサを用いて測定装置30が測定したキャパシタンス値を収集する。
具体的な例を用いて説明すると、収集部15aは、測定装置30Aが測定した細胞培養液CS-Aの測定値MAとして{近赤外分光スペクトルA001,近赤外分光スペクトルA002,近赤外分光スペクトルA003,・・・}を一定時間ごとに収集し、測定装置30Bが測定した細胞培養液CS-Bの測定値MBとして、{ラマン分光スペクトルB001,ラマン分光スペクトルB002,ラマン分光スペクトルB003,・・・}を一定時間ごとに収集し、測定装置30Cが測定した細胞培養液CS-Cの測定値MCとして、{キャパシタンスC001,キャパシタンスC002,キャパシタンスC003,・・・}を一定時間ごとに収集する。
また、収集部15aは、細胞培養液CSの測定値Mを所定の時間ごとに収集する。このとき、収集部15aは、収集した測定値Mと測定値Mを測定した測定時刻Tとを対応付けて記憶部14に格納する。
具体的な例を用いて説明すると、収集部15aは、測定装置30Aが測定した細胞培養液CS-Aの測定値MAとして{近赤外分光スペクトルA001,近赤外分光スペクトルA002,近赤外分光スペクトルA003,・・・}を90秒ごとに収集し、{12時00分00秒:近赤外分光スペクトルA001,12時01分30秒:近赤外分光スペクトルA002,12時03分00秒:近赤外分光スペクトルA003,・・・}のように測定時刻Tを対応付けてオンラインデータ記憶部14aに細胞培養溶液CSごとに格納する。
(2-1-5-2.取得部15b)
取得部15bは、試料Sから採取された採取試料SSに含まれる成分の含有量によって決定される目的変量Aを取得する。例えば、取得部15bは、採取試料SSとして、動物細胞、微生物、植物細胞等の細胞を培養する細胞培養液CSから採取された採取培養液CSCの目的変量Aを取得する。また、取得部15bは、細胞培養液CSから採取された採取培養液SCSを分析する分析装置40から、採取培養液CSCに含まれる成分濃度または生細胞密度を取得する。さらに、取得部15bは、分析装置40から、採取培養液CSCに含まれるpHや浸透圧を取得してもよい。
具体的な例を用いて説明すると、取得部15bは、分析装置40が分析した採取細胞培養液SCS-Aの目的変量AAとして{グルコース濃度A001,グルコース濃度A002,グルコース濃度A003,・・・}を定期的に取得し、分析装置40が分析した採取細胞培養液SCS-Bの目的変量ABとして、{乳酸濃度B001,乳酸濃度B002,乳酸濃度B003,・・・}を定期的に取得し、分析装置40が分析した採取細胞培養液SCS-Cの目的変量ACとして、{生細胞密度C001,生細胞密度C002,生細胞密度C003,・・・}を定期的に取得する。
また、取得部15bは、採取細胞培養液SCSの目的変量Aを定期的に取得する。このとき、取得部15bは、取得した目的変量Aと、目的変量Aが分析された採取試料SSが採取された採取時間Tとを対応付けて記憶部14に格納する。
具体的な例を用いて説明すると、取得部15bは、1日おきに一定時間(例:1分間隔で10分間)にわたって採取され、分析装置40が分析した採取細胞培養液SCS-Aの目的変量AAとして{グルコース濃度A001,グルコース濃度A002,グルコース濃度A003,グルコース濃度A004,・・・}を取得し、{12時00分00秒:グルコース濃度A001,12時01分00秒:グルコース濃度A002,12時02分00秒:グルコース濃度A003,12時03分00秒:グルコース濃度A004,・・・}のように採取時刻Tを対応付けてオフラインデータ記憶部14bに採取細胞培養液SCSごとに格納する。
(2-1-5-3.生成部15c)
生成部15cは、採取試料SSが採取された採取時刻Tごとに、測定値Mと目的変量Aとの組合せを生成する。例えば、生成部15cは、目的変量Aが取得された場合には、記憶部14に記憶される測定値Mのうち、採取時刻Tから所定の時間内の測定時刻Tに対応する測定値Mを抽出し、抽出した測定値Mを対応する採取時刻Tの目的変量Aと併合することによって、測定値Mと目的変量Aとの組合せを生成する。なお、生成部15cは、生成した測定値Mと目的変量Aとの組合せをデータセットとして記憶部14に格納する。
ここで、生成部15cは、例えば採取時刻Tから10秒以内の測定時刻Tに対応する測定値Mを抽出する設定をしていた場合には、採取時刻Tから10秒以内の測定値Mを抽出し、採取時刻Tの目的変量Aと併合する。このとき、生成部15cは、採取時刻Tから10秒以内の測定値Mが複数存在する場合には、最も採取時刻Tに近い測定時刻Tに対応する測定値Mを抽出して目的変量Aと併合してもよいし、該当する測定値Mの平均値を目的変量Aと併合してもよい。一方、生成部15cは、該当する測定値Mが存在しない場合には、採取時刻Tに対応する目的変量Aと併合しない。
具体的な例を用いて説明すると、生成部15cは、採取細胞培養液SCS-Aのオフラインデータ{12時00分00秒:グルコース濃度A001,12時01分00秒:グルコース濃度A002,12時02分00秒:グルコース濃度A003,12時03分00秒:グルコース濃度A004,・・・}が取得された場合には、細胞培養液CS-Aのオンラインデータ{12時00分00秒:近赤外分光スペクトルA001,12時01分30秒:近赤外分光スペクトルA002,12時03分00秒:近赤外分光スペクトルA003,・・・}を参照し、データセット{12時00分00秒:グルコース濃度A001,近赤外分光スペクトルA001}、{12時03分00秒:グルコース濃度A004,近赤外分光スペクトルA003}、・・・を生成し、データセット記憶部14cに細胞培養溶液CSごとに格納する。
(2-1-5-4.出力部15d)
出力部15dは、測定値Mと目的変量Aとの複数の組合せを用いて試料Sにおける測定値Mと目的変量Aとの対応関係を示す検量線データを生成し、検量線データを出力する。このとき、出力部15dは、取得したデータの前処理を実行し、検量線CCの検量線データを生成し、生成した検量線CCを評価し、生成した検量線データの検量線CCを表示し、承認された検量線CCの検量線データを送信する。なお、出力部15dは、生成した検量線データおよび検量線CCに対する評価結果を記憶部14に格納する。
第1に、出力部15dは、測定値Mに対して前処理を実行する。例えば、出力部15dは、測定値Mと目的変量Aとの複数の組合せに含まれる測定値Mに対してサビツキーゴーレイ(Savitzky-Golay)法を含む前処理を実行する。
第2に、出力部15dは、検量線CCの検量線データを生成する。例えば、出力部15dは、多変量統計解析を実行することによって検量線CCの検量線データを生成する。このとき、出力部15dは、多変量統計解析として、PCA(Principal Component Analysis:主成分分析)やPLS(Partial Least Squares)による解析を実行することができるが、特に限定されない。なお、出力部15dは、生成した検量線データを検量線データ記憶部14dに格納する。
第3に、出力部15dは、生成した検量線CCを評価する。例えば、出力部15dは、生成した検量線データを用いて算出した目的変量Aの予測値と、目的変量Aの実測値とを比較することによって検量線CCを評価する。なお、検量線CCの評価処理の詳細については、(2-2.検量線出力装置10のバリデーション処理の具体例)にて後述する。また、出力部15dは、検量線CCの評価結果を検量線データ記憶部14dに格納する。
(2-1-5-5.承認部15e)
第1に、承認部15eは、生成した検量線データの検量線CCを表示する。例えば、承認部15eは、検量線CCおよび検量線CCに対する評価結果を画面に表示する。このとき、承認部15eは、検量線CCとして、検量線CCを示すグラフや、検量線CCを示す近似値、予測標準偏差、相関係数等を表示部12に表示する。また、承認部15eは、検量線CCに対する評価結果として、選択した検量線CCのグラフや近似値等とともに、予測プロット、エラートレンド、予測トレンド等のグラフを表示部12に表示する。
第2に、承認部15eは、監査証跡を記録する。例えば、承認部15eは、表示部12に表示された検量線CCのうち利用者Uによって承認された場合には、利用者Uが承認した日時、承認した利用者U、承認した検量線CCを監査証跡として検量線データ記憶部14dに格納する。
第3に、承認部15eは、承認された検量線CCの検量線データを送信する。例えば、承認部15eは、表示した検量線CCのうち、利用者Uによって選択された検量線CCの検量線データを利用者Uに送信する。具体的な例を用いて説明すると、承認部15eは、細胞培養装置20を管理する利用者Uが使用する端末装置に、3つの検量線CCである検量線CC-1、検量線CC-2、検量線CC-3を表示し、利用者Uが検量線CC-1を選択した場合には、利用者Uが管理する測定装置30に検量線CC-1の検量線データを送信する。
(2-2.検量線出力装置10のバリデーション処理の具体例)
図7~図9を用いて、検量線出力装置10のバリデーション処理の具体例について説明する。図7~図9は、実施形態に係るバリデーション処理の具体例を示す図である。以下では、予測プロットを用いたバリデーション処理である具体例1、エラートレンドを用いたバリデーション処理である具体例2、予測トレンドを用いたバリデーション処理である具体例3について説明する。
(2-2-1.具体例1:予測プロット)
図7を用いて、検量線出力装置10のバリデーション処理の具体例1について説明する。具体例1は、予測プロットを用いたバリデーション処理である。
図7の例では、横軸に「実測値(g/L)」、縦軸に「予測値(g/L)」をとり、検量線データに基づいて算出した予測値と、オフラインデータである実測値との誤差を確認できる「予測プロット」が表示されている。予測値は、バリデーション用に選択したデータセットの測定値Mと、検量線CCをもとに作成された検量線モデルとを用いて算出された数値である。また、実測値は、バリデーション用に選択したデータセットの目的変数Aである。
ここで、図7のグラフ中の四角は、近似式「0.738x+1.434」、予測値標準偏差「1.141」、相関係数「0.859」を示す検量線CC-1をもとに作成された「検量モデル1」から算出された予測値、および対応する実測値を示す。また、図7のグラフ中の星印は、近似式「0.964x+0.027」、予測値標準偏差「0.371」、相関係数「0.982」を示す検量線CC-7をもとに作成された「検量モデル7」から算出された予測値、および対応する実測値を示す。また、図7のグラフ中の実線は、予測値と実測値とが一致する点を示す。
図7の例では、検量線CC-1~検量線CC-7の検量線データをもとに作成された「検量線モデル1」~「検量線モデル7」の7種類の検量線モデルのうち、利用者Uによって「検量線モデル1」および「検量線モデル7」のチェックボックスにチェックが入力されているので、「検量線モデル1」および「検量線モデル7」の予測プロットが表示されている。
具体例1の予測プロットを用いたバリデーション処理では、プロットした予測値が実線に近いほど、精度の高い検量線モデルであり、精度の高い検量線CCであることがわかる。図7の例では、「検量線モデル1」の予測プロット(四角)よりも「検量線モデル7」の予測プロット(星印)の方が実線に近いプロットが多いので、検量線CC-1よりも検量線CC-7の方が精度の高い検量線CCであることが予想される。
上記の予測プロットを用いたバリデーション処理およびバリデーション結果の表示処理が実行された後、利用者Uが検量線CCを選択することによって、測定装置30に反映する検量線CCを承認することができる。例えば、検量線出力装置10の承認部15eは、実測値から乖離したプロットが少ない「検量モデル7」を利用者Uが最終的に選択した場合には、測定装置30に反映する検量線CCとして検量線CC-7の承認を受け付け、利用者Uが管理する測定装置30に検量線CC-7の検量線データを送信する。このとき、承認部15eは、予測値と実測値とが一致する点を示す実線から所定の範囲内に閾値以上のプロットが含まれる検量線データを選択し、測定装置30に送信してもよい。
(2-2-2.具体例2:エラートレンド)
図8を用いて、検量線出力装置10のバリデーション処理の具体例2について説明する。具体例2は、エラートレンドを用いたバリデーション処理である。
図8の例では、横軸に「経過時間(Day)」、縦軸に「誤差(g/L)」をとり、検量線データに基づいて算出した予測値と、オフラインデータである実測値とから算出された誤差の時系列変化を確認できる「エラートレンド」が表示されている。予測値は、バリデーション用に選択したデータセットの測定値Mと、検量線CCをもとに作成された検量線モデルを用いて算出された数値である。また、実測値は、バリデーション用に選択したデータセットの目的変数Aである。
ここで、図8のグラフ中の四角は、図7のグラフと同様に、近似式「0.738x+1.434」、予測値標準偏差「1.141」、相関係数「0.859」を示す検量線CC-1をもとに作成された「検量モデル1」から算出された予測値および対応する実測値を示す。また、図8のグラフ中の星印は、図7のグラフと同様に、近似式「0.964x+0.027」、予測値標準偏差「0.371」、相関係数「0.982」を示す検量線CC-7をもとに作成された「検量モデル7」から算出された予測値および対応する実測値を示す。
図8の例では、図7の例と同様に、検量線CC-1~検量線CC-7の検量線データをもとに作成された「検量線モデル1」~「検量線モデル7」の7種類の検量線モデルのうち、利用者Uによって「検量線モデル1」および「検量線モデル7」のチェックボックスにチェックが入力されているので、「検量線モデル1」および「検量線モデル7」のエラートレンドが表示されている。
具体例2のエラートレンドを用いたバリデーション処理では、プロットした誤差が0に近いほど、精度の高い検量線モデルであり、精度の高い検量線CCであることがわかる。また、経過時間が大きくなってもプロットした誤差が0に近いほど、時間変化に関わらず精度の高い検量線モデルであり、より精度の高い検量線CCであることがわかる。図8の例では、「検量線モデル1」の予測プロット(四角)よりも「検量線モデル7」の予測プロット(星印)の方が0に近いプロットが多いので、検量線CC-1よりも検量線CC-7の方が精度の高い検量線CCであることが予想される。
上記のエラートレンドを用いたバリデーション処理およびバリデーション結果の表示処理が実行された後、利用者Uが検量線CCを選択することによって、測定装置30に反映する検量線CCを承認することができる。例えば、検量線出力装置10の承認部15eは、誤差1g/L以内のプロットが多い「検量モデル7」を利用者Uが最終的に選択した場合には、測定装置30に反映する検量線CCとして検量線CC-7の承認を受け付け、利用者Uが管理する測定装置30に検量線CC-7の検量線データを送信する。このとき、承認部15eは、誤差が所定の範囲内(例えば、±1g/L以内)に閾値以上のプロットが含まれる検量線データを選択し、測定装置30に送信してもよい。
(2-2-3.具体例3:予測トレンド)
図9を用いて、検量線出力装置10のバリデーション処理の具体例3について説明する。具体例3は、予測トレンドを用いたバリデーション処理である。
図9の例では、横軸に「経過時間(Day)」、縦軸に「予測値(g/L)」をとり、検量線データに基づいて算出した予測値の時系列変化を確認できる「予測トレンド」が表示されている。予測値は、バリデーション用に選択したデータセットの測定値Mと、検量線CCをもとに作成された検量線モデルを用いて算出された数値である。また、実測値は、バリデーション用に選択したデータセットの目的変数Aである。
ここで、図9のグラフ中の四角は、図7および図8のグラフと同様に、近似式「0.738x+1.434」、予測値標準偏差「1.141」、相関係数「0.859」を示す検量線CC-1をもとに作成された「検量モデル1」から算出された予測値および対応する実測値を示す。また、図9のグラフ中の星印は、図7および図8のグラフと同様に、近似式「0.964x+0.027」、予測値標準偏差「0.371」、相関係数「0.982」を示す検量線CC-7をもとに作成された「検量モデル7」から算出された予測値および対応する実測値を示す。また、図9のグラフ中の実線は、実測値の時系列変化を示す。
図9の例では、図7および図8の例と同様に、検量線CC-1~検量線CC-7の検量線データをもとに作成された「検量線モデル1」~「検量線モデル7」の7種類の検量線モデルのうち、利用者Uによって「検量線モデル1」および「検量線モデル7」のチェックボックスにチェックが入力されているので、「検量線モデル1」および「検量線モデル7」の予測トレンドが表示されている。
具体例3の予測トレンドを用いたバリデーション処理では、プロットした予測値が実線に近いほど、精度の高い検量線モデルであり、精度の高い検量線CCであることがわかる。また、経過時間が大きくなってもプロットした予測値が実線に近いほど、時間変化に関わらず精度の高い検量線モデルであり、より精度の高い検量線CCであることがわかる。図9の例では、「検量線モデル1」の予測プロット(四角)よりも「検量線モデル7」の予測プロット(星印)の方が実線に近いプロットが多いので、検量線CC-1よりも検量線CC-7の方が精度の高い検量線CCであることが予想される。
上記の予測トレンドを用いたバリデーション処理およびバリデーション結果の表示処理が実行された後、利用者Uが検量線CCを選択することによって、測定装置30に反映する検量線CCを承認することができる。例えば、検量線出力装置10の承認部15eは、実測値から乖離したプロットが少ない「検量モデル7」を利用者Uが最終的に選択した場合には、測定装置30に反映する検量線CCとして検量線CC-7の承認を受け付け、利用者Uが管理する測定装置30に検量線CC-7の検量線データを送信する。このとき、承認部15eは、実測値の時系列変化を示す実線から所定の範囲内に閾値以上のプロットが含まれる検量線データを選択し、測定装置30に送信してもよい。
(2-3.細胞培養装置20の構成例)
図2を用いて、図1に示した細胞培養装置20の構成例について説明する。細胞培養装置20は、図示しない細胞培養槽を有する。細胞培養槽は、細胞、グルコースやアミノ酸を含む栄養成分、細胞代謝物を含む細胞培養液CSを収容する。ここで、細胞培養液CSによって培養される培養物としては、細胞の他、微生物、酵母等を使用してもよい。
(2-4.測定装置30の構成例)
図2を用いて、図1に示した測定装置30の構成例について説明する。測定装置30は、測定部31および送受信部32を有する。
(2-4-1.測定部31)
測定部31は、試料Sの測定値Mを測定する。例えば、測定部31は、ラマン分光分析、近赤外分光分析、赤外分光分析、紫外分光分析、可視分光分析等の分光分析を実行し、細胞培養液CSのスペクトル値を測定する。また、測定部31は、キャパシタンスセンサを用いて、細胞培養液CSのキャパシタンス値を測定する。
(2-4-2.送受信部32)
送受信部32は、各種情報を送信する。例えば、送受信部32は、検量線出力装置10に測定値Mを含むオンラインデータを送信する。また、送受信部32は、各種情報を受信する。例えば、送受信部32は、検量線出力装置10から検量線データを受信する。
(2-5.分析装置40の構成例)
図2を用いて、図1に示した分析装置40の構成例について説明する。分析装置40は、分析部41、送受信部42および出力部43を有する。
(2-5-1.分析部41)
分析部41は、試料Sから採取された採取試料SSに含まれる成分の含有量によって決定される目的変量Aを定量分析する。例えば、分析部41は、細胞培養液CSから採取された採取培養液SCSの成分濃度または生細胞密度を定量分析する。また、分析部41は、細胞培養液CSから採取された採取培養液SCSのpHや浸透圧を決定してもよい。
(2-5-2.送受信部42)
送受信部42は、各種情報を送信する。例えば、送受信部42は、検量線出力装置10に目的変量Aを含むオフラインデータを送信する。また、送受信部32は、各種情報を受信する。例えば、送受信部42は、検量線出力装置10から目的変量Aの要求通知を受信する。
(2-5-3.出力部43)
出力部43は、当該分析装置40の各種情報を出力する。例えば、出力部43は、ディスプレイ等で実現され、当該分析装置40に記憶されたオフラインデータや設定情報等を出力する。
〔3.検量線出力システム100の処理の流れ〕
図10~図12を用いて、実施形態に係る検量線出力システム100の処理の流れについて説明する。以下では、検量線出力処理全体の流れ、検量線データ生成処理の流れ、検量線承認処理の流れの順に説明する。
(3-1.検量線出力処理全体の流れ)
図10を用いて、実施形態に係る検量線出力処理全体の流れについて説明する。図10は、実施形態に係る検量線出力処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S105の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S105の処理のうち、省略される処理があってもよい。
(3-1-1.オンラインデータ収集処理)
第1に、ステップS101に先立って、検量線出力装置10の収集部15aは、オンラインデータを収集する。例えば、収集部15aは、測定装置30が送信する細胞培養装置20の細胞培養液CSのスペクトル値等の測定値Mを含むオンラインデータを収集する。
(3-1-2.オフラインデータ取得処理)
第2に、検量線出力装置10の取得部15bは、分析装置40からオフラインデータを入力された場合(ステップS101:Yes)、ステップS102の処理に移行する。一方、取得部15bは、分析装置40からオフラインデータを入力されていない場合(ステップS101:No)、処理を終了する。
(3-1-3.データセット生成処理)
第3に、検量線出力装置10の生成部15cは、入力データの時刻周辺のオンラインデータが存在する場合(ステップS102:Yes)、データを併合してデータセットを生成する(ステップS103)。一方、生成部15cは、入力データの時刻周辺のオンラインデータが存在しない場合(ステップS102:No)、処理を終了する。
(3-1-4.検量線データ生成処理)
第4に、検量線出力装置10の出力部15dは、検量線データ生成処理を実行する(ステップS104)。なお、検量線データ生成処理の詳細については、(3-2.検量線データ生成処理の流れ)にて後述する。
(3-1-5.検量線承認処理)
第5に、検量線出力装置10の承認部15eは、検量線承認処理を実行し(ステップS105)、処理を終了する。なお、検量線承認処理の詳細については、(3-3.検量線承認処理の流れ)にて後述する。
(3-2.検量線データ生成処理の流れ)
図11を用いて、実施形態に係る検量線データ生成処理の流れについて説明する。図11は、実施形態に係る検量線データ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS201~S205の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS201~S205の処理のうち、省略される処理があってもよい。
(3-2-1.データセット前処理)
第1に、検量線出力装置10の出力部15dは、データセット前処理を実行する(ステップS201)。このとき、出力部15dは、各成分の時系列変化で強く反応している周波数帯のスペクトルを抽出する。また、出力部15dは、データセットを、検量線データを生成するためのデータセットとバリデーションするためのデータセットとに分割する。なお、出力部15dは、各成分で抽出する周波数帯、検量線データ生成用とバリデーション用のデータセットの作成パターンについては、あらかじめ記録した設定を使用する。
(3-2-2.多変量統計解析処理)
第2に、検量線出力装置10の出力部15dは、多変量統計解析処理を実行する(ステップS202)。例えば、出力部15dは、PCAやPLSによる解析処理を実行し、検量線データを生成する。なお、出力部15dは、あらかじめ設定されたアルゴリズムを使用して多変量統計解析処理を実行する。
(3-2-3.バリデーション処理)
第3に、検量線出力装置10の出力部15dは、バリデーション処理を実行する(ステップS203)。例えば、出力部15dは、生成した検量線データを用いて算出した目的変量Aの予測値と、目的変量Aの実測値とを比較することによって検量線CCを評価する。このとき、出力部15dは、データセットに含まれる測定値Mを入力データとして、生成した検量線データを使用した目的変量Aの演算結果と、データセットに含まれる目的変量Aを使用して、予測値標準偏差を求める。
(3-2-4.データ記憶処理)
第4に、検量線出力装置10の出力部15dは、データ記憶処理を実行する(ステップS204)。例えば、出力部15dは、生成した検量線データおよび検量線CCに対するバリデーション結果を記憶部14に格納する。
(3-2-5.検量線データ生成処理の反復)
第5に、検量線出力装置10の出力部15dは、全成分の検量線データを生成した場合(ステップS205:Yes)、処理を終了する。一方、出力部15dは、検量線データを作成していない成分がある場合(ステップS205:No)、ステップS201の処理に戻り、検量線データ生成処理を反復する。例えば、出力部15dは、グルコース、乳酸の2成分の検量線データを生成する場合には、上記のステップS201~S204の処理を2回実行する。
(3-3.検量線承認処理の流れ)
図12を用いて、実施形態に係る検量線承認処理の流れについて説明する。図12は、実施形態に係る検量線承認処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS301~S304の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS301~S304の処理のうち、省略される処理があってもよい。
(3-3-1.検量線表示処理)
第1に、検量線出力装置10の承認部15eは、検量線表示処理を実行する(ステップS301)。例えば、承認部15eは、検量線CCおよび検量線CCに対するバリデーション結果を表示部12に表示する。
(3-3-2.承認受付処理)
第2に、検量線出力装置10の承認部15eは、表示した検量線CCを利用者Uが承認した場合(ステップS302:Yes)、ステップS303の処理に移行する。このとき、利用者Uは、検量線CCのバリデーション結果を確認し、測定装置30に適用が可能であれば、表示部12上に表示されている承認ボタンを押す。一方、承認部15eは、表示した検量線CCを利用者Uが承認しない場合(ステップS302:No)、処理を終了する。
(3-3-3.監査証跡記録処理)
第3に、検量線出力装置10の承認部15eは、監査証跡記録処理を実行する(ステップS303)。このとき、承認部15eは、承認した日時、承認した利用者U、承認した検量線CCを記録する。
(3-3-4.検量線データ送信処理)
第4に、検量線出力装置10の承認部15eは、検量線データ送信処理を実行し(ステップS304)、処理を終了する。このとき、利用者Uは、測定装置30に適用できる検量線データを取得する。なお、利用者Uは、測定装置30に適用できる検量線データを、検量線出力装置10にアクセスすることで取得してもよい。また、承認部15eは、利用者Uが検量線データを取得した場合には、取得した日時、取得した測定装置30を記録する。
〔4.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~6について説明する。
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、検量線出力装置10は、試料Sの測定値Mを収集し、試料Sから採取された採取試料SSに含まれる成分の含有量によって決定される目的変量Aを取得し、採取試料SSが採取された採取時刻Tごとに、測定値Mと目的変量Aとの組合せを生成し、複数の組合せを用いて試料Sにおける測定値Mと目的変量Aとの対応関係を示す検量線データを生成し、当該検量線データを出力する。このため、実施形態に係る処理では、効果的に高精度な検量線CCを作成することができる。
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、検量線出力装置10は、収集した測定値Mと測定値Mを測定した測定時刻Tとを対応付けて記憶部14に格納し、目的変量Aを取得した場合には、記憶部14に記憶した測定値Mのうち、採取時刻Tから所定の時間内の測定時刻Tに対応する測定値Mを抽出し、抽出した測定値Mを対応する採取時刻Tの目的変量Aと併合することによって、測定値Mと目的変量Aとの組合せを生成する。このため、実施形態に係る処理では、オフラインデータの入力を契機として、効果的に高精度な検量線CCを作成することができる。
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、検量線出力装置10は、複数の組合せに含まれる測定値Mに対してサビツキーゴーレイ法を含む前処理を実行するとともに多変量統計解析を実行することによって検量線データを生成し、生成した検量線データを用いて算出した目的変量Aの予測値と、目的変量Aの実測値とを比較することによって検量線データの検量線CCを評価する。このため、実施形態に係る処理では、データセットが更新されたタイミングで検量線CCの作成とバリデーションを実行することによって、効果的に高精度な検量線CCを作成することができる。
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、検量線出力装置10は、検量線CCおよび検量線CCに対する評価結果を画面に表示し、表示した検量線CCのうち、利用者Uによって選択された検量線CCの検量線データを利用者Uに送信する。このため、実施形態に係る処理では、利用者Uが目視で検量線CCを確認し、新たな検量線CCについて承認することができるので、効果的に高精度な検量線CCを作成することができる。
(4-5.効果5)
第5に、上述した実施形態に係る処理では、検量線出力装置10は、試料Sは、細胞を培養する細胞培養液CSであって、細胞培養液CSの測定値Mを所定の時間ごとに収集し、細胞培養液CSから採取された採取培養液SCSに含まれる成分の含有量によって決定される目的変量Aを取得する。このため、実施形態に係る処理では、時間変化が起こりやすい細胞培養液CS中の測定対象であっても、効果的に高精度な検量線CCを作成することができる。
(4-6.効果6)
第6に、上述した実施形態に係る処理では、検量線出力装置10は、細胞培養液CSを測定する測定装置30から、スペクトル値またはキャパシタンス値を収集し、採取培養液SCSを分析する分析装置40から、採取培養液SCSに含まれる成分濃度または生細胞密度を取得する。このため、実施形態に係る処理では、バイオプラントにおける時間変化が起こりやすい細胞培養液CS中の測定対象であっても、効果的に高精度な検量線CCを作成することができる。
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
〔ハードウェア〕
次に、検量線出力装置10のハードウェア構成例を説明する。図13は、ハードウェア構成例を説明する図である。図13に示すように、検量線出力装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図13に示した各部は、バス等で相互に接続される。
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図2に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
プロセッサ10dは、図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、検量線出力装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、収集部15a、取得部15b、生成部15c、出力部15d、承認部15e等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、収集部15a、取得部15b、生成部15c、出力部15d、承認部15e等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
このように、検量線出力装置10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、検量線出力装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、検量線出力装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
(1)試料の測定値を収集する収集部と、前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得する取得部と、前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せ(データセット)を生成する生成部と、前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する出力部と、を備える検量線出力装置。
(2)前記収集部は、収集された前記測定値と前記測定値を測定した測定時刻とを対応付けて記憶部に格納し、前記生成部は、前記目的変量が取得された場合には、前記記憶部に記憶される前記測定値のうち、前記採取時刻から所定の時間内の前記測定時刻に対応する前記測定値を抽出し、抽出した前記測定値を対応する前記採取時刻の前記目的変量と併合することによって、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成する、(1)に記載の検量線出力装置。
(3)前記出力部は、前記複数の組合せに含まれる前記測定値に対してサビツキーゴーレイ法を含む前処理を実行するとともに多変量統計解析を実行することによって前記検量線データを生成し、生成した前記検量線データを用いて算出した前記目的変量の予測値と、前記目的変量の実測値とを比較することによって前記検量線データの検量線を評価する、(1)または(2)に記載の検量線出力装置。
(4)前記検量線および前記検量線に対する評価結果を画面に表示し、表示した前記検量線のうち、利用者によって選択された前記検量線の前記検量線データを前記利用者に送信する承認部、をさらに備える(3)に記載の検量線出力装置。
(5)前記試料は、細胞を培養する細胞培養液であって、前記収集部は、前記細胞培養液の測定値を所定の時間ごとに収集し、前記取得部は、前記細胞培養液から採取された採取培養液に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得する、(1)から(4)のいずれか1つに記載の検量線出力装置。
(6)前記収集部は、前記細胞培養液を測定する測定装置から、スペクトル値またはキャパシタンス値を収集し、前記取得部は、前記採取培養液を分析する分析装置から、前記採取培養液に含まれる成分濃度または生細胞密度を取得する、(5)に記載の検量線出力装置。
(7)コンピュータが、試料の測定値を収集し、前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成し、前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する、処理を実行する検量線出力方法。
(8)コンピュータに、試料の測定値を収集し、前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成し、前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する、処理を実行させる検量線出力プログラム。
10 検量線出力装置
11 入力部
12 表示部
13 通信部
14 記憶部
14a オンラインデータ記憶部
14b オフラインデータ記憶部
14c データセット記憶部
14d 検量線データ記憶部
15 制御部
15a 収集部
15b 取得部
15c 生成部
15d 出力部
15e 承認部
20 細胞培養装置
30 測定装置
31 測定部
32 送受信部
40 分析装置
41 分析部
42 送受信部
43 出力部
100 検量線出力システム

Claims (8)

  1. 試料の測定値を収集する収集部と、
    前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得する取得部と、
    前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成する生成部と、
    前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する出力部と、
    を備える検量線出力装置。
  2. 前記収集部は、
    収集された前記測定値と前記測定値を測定した測定時刻とを対応付けて記憶部に格納し、
    前記生成部は、
    前記目的変量が取得された場合には、前記記憶部に記憶される前記測定値のうち、前記採取時刻から所定の時間内の前記測定時刻に対応する前記測定値を抽出し、
    抽出した前記測定値を対応する前記採取時刻の前記目的変量と併合することによって、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成する、
    請求項1に記載の検量線出力装置。
  3. 前記出力部は、
    前記複数の組合せに含まれる前記測定値に対してサビツキーゴーレイ法を含む前処理を実行するとともに多変量統計解析を実行することによって前記検量線データを生成し、
    生成した前記検量線データを用いて算出した前記目的変量の予測値と、前記目的変量の実測値とを比較することによって前記検量線データの検量線を評価する、
    請求項1に記載の検量線出力装置。
  4. 前記検量線および前記検量線に対する評価結果を画面に表示し、
    表示した前記検量線のうち、利用者によって選択された前記検量線の前記検量線データを前記利用者に送信する承認部、
    をさらに備える請求項3に記載の検量線出力装置。
  5. 前記試料は、
    細胞を培養する細胞培養液であって、
    前記収集部は、
    前記細胞培養液の測定値を所定の時間ごとに収集し、
    前記取得部は、
    前記細胞培養液から採取された採取培養液に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の検量線出力装置。
  6. 前記収集部は、
    前記細胞培養液を測定する測定装置から、スペクトル値またはキャパシタンス値を収集し、
    前記取得部は、
    前記採取培養液を分析する分析装置から、前記採取培養液に含まれる成分濃度または生細胞密度を取得する、
    請求項5に記載の検量線出力装置。
  7. コンピュータが、
    試料の測定値を収集し、
    前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、
    前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成し、
    前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する、
    処理を実行する検量線出力方法。
  8. コンピュータに、
    試料の測定値を収集し、
    前記試料から採取された採取試料に含まれる成分の含有量によって決定される目的変量を取得し、
    前記採取試料が採取された採取時刻ごとに、前記測定値と前記目的変量との組合せを生成し、
    前記複数の組合せを用いて前記試料における前記測定値と前記目的変量との対応関係を示す検量線データを生成し、前記検量線データを出力する、
    処理を実行させる検量線出力プログラム。
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