JP2024059729A - 塩 - Google Patents

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JP2024059729A
JP2024059729A JP2024022139A JP2024022139A JP2024059729A JP 2024059729 A JP2024059729 A JP 2024059729A JP 2024022139 A JP2024022139 A JP 2024022139A JP 2024022139 A JP2024022139 A JP 2024022139A JP 2024059729 A JP2024059729 A JP 2024059729A
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由香子 安立
Yukako Adachi
裕子 向井
Yuko Mukai
幸司 市川
Koji Ichikawa
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】良好なCD均一性(CDU)を有するレジストパターンを製造することができる塩を提供することを目的とする。【解決手段】式(IA)で表される塩又は式(IB)で表される塩。JPEG2024059729000158.jpg74111【選択図】なし

Description

本発明は、塩に関する。
特許文献1には、下記式で表される構造単位を有する樹脂と、下記式で表されるいずれ
かの塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物がそれぞれ記載されている。
Figure 2024059729000001
特許文献2には、下記式で表される構造単位を有する樹脂と、下記式で表される塩を酸
発生剤として含有するレジスト組成物も記載されている。
Figure 2024059729000002
特開2014-153432号公報 特開2016-113450号公報
本発明は、上記のレジスト組成物から形成されたレジストパターンよりも、良好なCD
均一性(CDU)でレジストパターンを製造することができるレジスト組成物を提供する
ことを課題とする。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(a2-A)で表される構造単位及び酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂
、ならびに式(I)で表される塩を含有するレジスト組成物。
Figure 2024059729000003
[式(a2-A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6
のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は-Xa51-(Aa52-Xa52nb-を表し、*は-Ra50が結合す
る炭素原子との結合部位を表す。
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のRa51は互いに同一であっても異なってもよい。]
Figure 2024059729000004
[式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12の炭化水
素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わって
いてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。mが2のとき、2つのR1は同一又は
相異なり、nが2のとき、2つのR2は同一又は相異なる。
Arは、置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
は、単結合、-CH-、-O-又は-S-を表す。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル
基を表す。
は、置換基を有してもよい炭素数1~18の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含
まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよ
い。]
[2]Arが、炭素数1~8のアルキル基を有してもよいフェニル基又は炭素数1~8
のアルキル基を有してもよいナフチル基(但し、該アルキル基に含まれる-CH-は、
-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である[1]に記載のレジスト組成物

[3]Rが、炭素数1~12のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数3~16
の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-
に置き換わっていてもよい。)である[1]又は[2]記載のレジスト組成物。
[4]R及びRが水素原子であり、n及びmが2である[1]~[3]のいずれか
に記載のレジスト組成物。
[5]酸不安定基を有する構造単位が、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a
1-2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]~[4
]のいずれかに記載のレジスト組成物。
Figure 2024059729000005
[式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1-CO-O
-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。
m1は、0~14のいずれかの整数を表す。
n1は、0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
[6]式(I)で表される塩から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさら
に含有する[1]~[5]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[7](1)[1]~[6]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工
程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、を含むレジストパターンの製造方法。
[8]式(IA)で表される塩。
Figure 2024059729000006
[式(IA)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12の炭化水
素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わって
いてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。mが2のとき、2つのR1は同一又は
相異なり、nが2のとき、2つのR2は同一又は相異なる。
Arは、置換基を有してもよいナフチル基を表す。
は、単結合、-CH-、-O-又は-S-を表す。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル
基を表す。
3Aは、炭素数3~6の分岐のアルキル基を表す。]
[9]式(IB)で表される塩。
Figure 2024059729000007
[式(IB)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12の炭化水
素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わって
いてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。mが2のとき、2つのR1は同一又は
相異なり、nが2のとき、2つのR2は同一又は相異なる。
Arは、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
02は、単結合又は-CH-を表す。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル
基を表す。
3Bは、炭素数3~6の分岐のアルキル基を表す。]
本発明のレジスト組成物を用いることにより、良好なCD均一性(CDU)でレジスト
パターンを製造することができる。
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH-CO-」
の構造を有するモノマー及び「CH2=C(CH3)-CO-」の構造を有するモノマーか
らなる群より選ばれる少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び
「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる
少なくとも1種」を意味する。「CH2=C(CH3)-CO-」又は「CH2=CH-C
O-」を有する構造単位が例示されている場合には、双方の基を有する構造単位が同様に
例示されているものとする。また、本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構
造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。立体異性体が存在する場合は
、全ての立体異性体を含む。「由来する」又は「誘導される」とは、その分子中に含まれ
る重合性C=C結合が重合により-C-C-基となることを指す。また、「組み合わせた
基」とは、例示した基を2種以上結合させた基を意味し、それら基の価数は結合形態によ
って適宜変更してもよい。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後
述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
〔レジスト組成物〕
本発明のレジスト組成物は、式(a2-A)で表される構造単位及び酸不安定基を有す
る構造単位を含む樹脂(以下、樹脂(A)という場合がある。)、ならびに式(I)で表
される塩(以下「塩(I)」という場合がある。)を含有する。
また、レジスト組成物は、クエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合があ
る)及び/又は溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、式(a2-A)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-A)」と
いう場合がある)を含む。
〈構造単位(a2-A)〉
Figure 2024059729000008
[式(a2-A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6
のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は-Xa51-(Aa52-Xa52nb-を表し、*は-Ra50が結合す
る炭素原子との結合部位を表す。
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のRa51は互いに同一であっても異なってもよい。]
式(a2-A)において、Ra50におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子及び臭素原子等が挙げられる。
a50におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、
トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2
,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペ
ルフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,
3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,
3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、1,1,2,2-テトラフルオロブチル基、
1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフ
ルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ペプタフルオロブチル基、ブチル基、ペ
ルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロペンチ
ル基、1,1-ビス(トリフルオロメチル)-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロ
ピル基、2-(ペルフルオロブチル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-
ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,
5,5-デカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフル
オロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-ドデカフルオロヘ
キシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
a50は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又
はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げ
られる。
a51におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられる。
炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メ
トキシ基がさらに好ましい。
a51におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチ
リル基等が挙げられる。
a51におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニ
ルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。
a51は、メチル基が好ましい。
-Xa51-(Aa52-Xa52nb-としては、-O-、-CO-O-、-O-C
O-、-CO-O-Aa52-CO-O-、-O-CO-Aa52-O-、-O-Aa52
-CO-O-、-CO-O-Aa52-O-CO-、-O-CO-Aa52-O-CO-、
が挙げられる。なかでも、-CO-O-、-CO-O-Aa52-CO-O-又は
O-Aa52-CO-O-が好ましい。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、
プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基
、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,
3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及
び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
a52は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
a50は、単結合、-CO-O-又は-CO-O-Aa52-CO-O-であることが
好ましく、単結合、-CO-O-又は-CO-O-CH2-CO-O-であることが
より好ましく、単結合又は-CO-O-であることがさらに好ましい。
mbは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
ヒドロキシ基は、ベンゼン環のo-位又はp-位に結合することが好ましく、p-位に
結合することがより好ましい。
構造単位(a2-A)としては、特開2010-204634号公報、特開2012-
12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
構造単位(a2-A)としては、式(a2-2-1)~式(a2-2-6)で表される
構造単位及び、式(a2-2-1)~式(a2-2-6)で表される構造単位において構
造単位(a2-A)におけるRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造
単位が挙げられる。構造単位(a2-A)は、式(a2-2-1)で表される構造単位、
式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-6)で表される構造単位及び式
(a2-2-1)で表される構造単位、式(a2-2-3)で表される構造単位又は式(
a2-2-6)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるRa50
相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることが好ましい。
Figure 2024059729000009
樹脂(A)中の構造単位(a2-A)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5
~80モル%であり、より好ましくは10~70モル%であり、さらに好ましくは15~
60モル%であり、さらにより好ましくは20~55モル%である。
構造単位(a2-A)は、例えば構造単位(a1-4)を用いて重合した後、p-トル
エンスルホン酸等の酸で処理することにより、樹脂(A)に含ませることができる。また
、アセトキシスチレン等を用いて重合した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等
のアルカリで処理することにより、構造単位(a2-A)を樹脂(A)に含ませることが
できる。
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合が
ある)を含む。ここで、酸不安定基とは、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離
して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
〈構造単位(a1)〉
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という
場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す
)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が好ましい。
Figure 2024059729000010
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキ
ル基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1
びRa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~20の非芳香族炭
化水素環を形成する。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方
は1を表す。
*は結合部位を表す。]
Figure 2024059729000011
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~1
2の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、Ra2’
びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3~20の
複素環を形成し、該炭化水素基及び該複素環に含まれる-CH-は、-O-又は-S-
で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合部位を表す。]
a1、Ra2及びRa3におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
a1、Ra2及びRa3における脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれで
もよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式
炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記
の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。Ra1、Ra2及びRa3の脂環式炭化
水素基の炭素数は、好ましくは3~16である。
Figure 2024059729000012
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基
、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられ
る。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
a1及びRa2が互いに結合して非芳香族炭化水素環を形成する場合の-C(Ra1)(R
a2)(Ra3)としては、下記の環が挙げられる。非芳香族炭化水素環は、好ましくは炭素
数3~12である。*は-O-との結合部位を表す。
Figure 2024059729000013
a1’、Ra2’及びRa3’における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭
化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げ
られる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、Ra1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様のも
のが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
(例えばシクロアルキルアルキル基)、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有す
る芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル
基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-
6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘ
キシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のア
リール-シクロアルキル基等が挙げられる。
a2’及びRa3’が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに複素
環を形成する場合、-C(Ra1’)(Ra2’)-X-Ra3’としては、下記の環が挙げら
れる。*は、結合部位を表す。
Figure 2024059729000014
a1’及びRa2’のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
基(1)としては、以下の基が挙げられる。
式(1)においてRa1、Ra2及びRa3がアルキル基であり、ma=0であり、n
a=1である基。当該基としては、tert-ブトキシカルボニル基が好ましい。
式(1)において、Ra1、Ra2が、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマン
チル基を形成し、Ra3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。
式(1)において、Ra1及びRa2がそれぞれ独立してアルキル基であり、Ra3がアダマ
ンチル基であり、ma=0であり、na=1である基。
基(1)としては、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
Figure 2024059729000015
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
Figure 2024059729000016
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノ
マー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5~20
の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を
有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用
すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、式(a1-
0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-0)という場合がある。)、式(a1
-1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-1)という場合がある。)又は式(
a1-2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-2)という場合がある。)が挙
げられる。好ましくは、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群から
選ばれる少なくとも1種の構造単位である。これらは単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
Figure 2024059729000017
[式(a1-0)、式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1
CO-O-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を
表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~
18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1は0~14のいずれかの整数を表す。
n1は0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は0~3のいずれかの整数を表す。]
a01、Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a01、La1及びLa2は、好ましくは酸素原子又は*-O-(CHk01-C
O-O-であり(但し、k01は、好ましくは1~4のいずれかの整数、より好ましくは
1である。)、より好ましくは酸素原子である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7におけるアルキル基、脂環式炭化水素基及び
これらを組合せた基としては、基(1)のRa1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様の基
が挙げられる。
a02、Ra03、及びRa04におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル
基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基であ
る。
a6及びRa7におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり
、より好ましくはメチル基、エチル基又はイソプロピル基であり、さらに好ましくはエチ
ル基又はイソプロピル基である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは
5~12であり、より好ましくは5~10である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素
基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメチ
ル基又はエチル基である。
a04は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基又は炭素数5~12の脂環式炭化水素
基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基で
ある。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、
より好ましくはメチル基、エチル基又はイソプロピル基であり、さらに好ましくはエチル
基又はイソプロピル基である。
m1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1-0)としては、例えば、式(a1-0-1)~式(a1-0-12)
のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-0)におけるRa01に相当するメ
チル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-0-1)~式(a1-
0-10)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
Figure 2024059729000018
構造単位(a1-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-1-1)~式(a1
-1-4)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-1)におけるRa4に相
当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1-1-1)~式
(a1-1-4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
Figure 2024059729000019
構造単位(a1-2)としては、式(a1-2-1)~式(a1-2-6)のいずれか
で表される構造単位及び構造単位(a1-2)におけるRa5に相当するメチル基が水素
原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-2-2)、式(a1-2-5)及び
式(a1-2-6)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
Figure 2024059729000020
樹脂(A)が構造単位(a1-0)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常5~60モル%であり、好ましくは5~50モル%であり、より好まし
くは10~40モル%である。
樹脂(A)が構造単位(a1-1)及び/又は構造単位(a1-2)を含む場合、これ
らの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常10~90モル%であり、好
ましくは15~85モル%であり、より好ましくは20~80モル%であり、さらに好ま
しくは20~75モル%であり、さらにより好ましくは20~70モル%である。
構造単位(a1)において基(2)を有する構造単位としては、式(a1-4)で表さ
れる構造単位(以下、「構造単位(a1-4)」という場合がある。)が挙げられる。
Figure 2024059729000021
[式(a1-4)中、
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1
~6のアルキル基を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
laは0~4のいずれかの整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は互い
に同一でも異なっていてもよい。
a34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、
a36は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、Ra35及びRa36は互いに結合してそれ
らが結合する-C-O-とともに炭素数2~20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水
素基及び該2価の炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-S-で置き換わって
もよい。]
a32及びRa33におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。該アルキル基は、炭
素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が
さらに好ましい。
a32及びRa33におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等
が挙げられる。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、トリフルオロメ
チル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフル
オロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロ
ピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブ
チル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフ
ルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、炭素数1~4のアルコキシ
基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい

アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げら
れる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基等が挙げられる。
a34、Ra35及びRa36における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基
、芳香族炭化水素基、及びこれらを組み合わせた基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基
としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基
等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナ
フチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等が
挙げられる。
Figure 2024059729000022
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
(例えばシクロアルキルアルキル基)、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有す
る芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル
基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-
6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘ
キシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のア
リール-シクロアルキル基等が挙げられる。特に、Ra36としては、炭素数1~18のア
ルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又は
これらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
式(a1-4)において、Ra32としては、水素原子が好ましい。
a33としては、炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基
がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
laとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
a34は、好ましくは、水素原子である。
a35は、好ましくは、炭素数1~12のアルキル基又は脂環式炭化水素基であり、よ
り好ましくはメチル基又はエチル基である。
a36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることに
より形成される基であり、より好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~1
8の脂環式脂肪族炭化水素基又は炭素数7~18のアラルキル基である。Ra36における
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、無置換であることが好ましい。Ra36における芳香
族炭化水素基は、炭素数6~10のアリールオキシ基を有する芳香環が好ましい。
構造単位(a1-4)における-OC(Ra34)(Ra35)-O-Ra36は、酸(例えば
p-トルエンスルホン酸)と接触して脱離し、ヒドロキシ基を形成する。
構造単位(a1-4)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマー由来の構造単位が挙げられる。好ましくは、式(a1-4-1)~式(a1
-4-12)でそれぞれ表される構造単位及び構造単位(a1-4)におけるRa32
相当する水素原子がメチル基に置き換わった構造単位が挙げられ、より好ましくは、式(
a1-4-1)~式(a1-4-5)、式(a1-4-10)でそれぞれ表される構造単
位が挙げられる。
Figure 2024059729000023
樹脂(A)が、構造単位(a1-4)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造
単位の合計に対して、3~80モル%であることが好ましく、5~75モル%であること
がより好ましく、7~70モル%であることがさらに好ましく、7~65モル%であるこ
とがさらにより好ましく、10~60モル%であることが特に好ましい。
基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1
-5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1-5)」という場合がある)も挙げら
れる。
Figure 2024059729000024
式(a1-5)中、
a8は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハ
ロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*-(CH2h3-CO-L54-を表し、h3は1~4のいずれか
の整数を表し、*は、L51との結合部位を表す。
51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
s1は、1~3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0~3のいずれかの整数を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオ
ロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1-5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が
好ましい。
51は、酸素原子が好ましい。
52及びL53のうち、一方が-O-であり、他方が-S-であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0~2のいずれかの整数が好ましい。
a1は、単結合又は*-CH2-CO-O-が好ましい。
構造単位(a1-5)としては、例えば、特開2010-61117号公報に記載され
たモノマー由来の構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-5-1)~式(a1-5-
4)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1-5-1)又は式(a1-5-2
)で表される構造単位がより好ましい。
Figure 2024059729000025
樹脂(A)が、構造単位(a1-5)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造
単位に対して、1~50モル%が好ましく、3~45モル%がより好ましく、5~40モ
ル%がさらに好ましく、5~30モル%がさらにより好ましい。
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
Figure 2024059729000026
樹脂(A)が上記、(a1-3-1)~(a1-3-7)のような構造単位を含む場合
、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10~95モル%が好ましく、15
~90モル%がより好ましく、20~85モル%がさらに好ましく、20~70モル%が
さらにより好ましく、20~60モル%が特に好ましい。
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
Figure 2024059729000027
樹脂(A)が上記、(a1-6-1)~(a1-6-3)のような構造単位を含む場合
、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10~60モル%が好ましく、15
~55モル%がより好ましく、20~50モル%がさらに好ましく、20~45モル%が
さらにより好ましく、20~40モル%が特に好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(a2-A)と構造単位(a1)とのみからなるコポリマーで
あってもよいし、構造単位(a2-A)と、構造単位(a1)と、構造単位(a2-A)
及び構造単位(a1)以外の構造単位の1以上とを含むコポリマーであってもよい。構造
単位(a2-A)及び構造単位(a1)以外の構造単位としては、例えば、後述する酸不
安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、酸不安定基を
有する構造単位以外の構造単位であってハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位
(a4)」という場合がある)、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)
」という場合がある)、非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」
という場合がある)、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下「構造単位(II
)」という場合がある)、その他の当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位等が挙
げられる。
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場
合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不
安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロ
キシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場
合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構
造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれ
ば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基としては、アルコール性ヒドロキシ基が挙げら
れる。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでい
てもよい。
構造単位(a2)においてアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては、式(
a2-1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-1)」という場合がある。)が
挙げられる。
Figure 2024059729000028
式(a2-1)中、
a3は、-O-又は*-O-(CH2k2-CO-O-を表し、
k2は1~7のいずれかの整数を表す。*は-CO-との結合部位を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0~10のいずれかの整数を表す。
式(a2-1)では、La3は、好ましくは、-O-、-O-(CH2f1-CO-O-
であり(前記f1は、1~4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは-O-である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0~3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
構造単位(a2-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2-1-1)~式(a2-1-6
)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2-1-1)~式(a2-1-4)
のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2-1-1)又は式(a2-1-
3)で表される構造単位がさらに好ましい。
Figure 2024059729000029
樹脂(A)が構造単位(a2-1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常1~45モル%であり、好ましくは1~40モル%であり、より好まし
くは1~35モル%であり、さらに好ましくは2~30モル%であり、さらにより好まし
くは2~25モル%である。
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β-プロピオラクトン環、γ-ブチロラクト
ン環、δ-バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮
合環でもよい。好ましくは、γ-ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ
-ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環(例えば下式(a3-2)で表される構造単位)
が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)
又は式(a3-4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、
2種以上を含有していてもよい。
Figure 2024059729000030
[式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)及び式(a3-4)中、
a4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk3
CO-O-(k3は1~7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
a7は、-O-、*-O-La8-O-、*-O-La8-CO-O-、*-O-L
a8-CO-O-La9-CO-O-又は*-O-La8-O-CO-La9-O-を表
す。
a8及びLa9は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合部位を表す。
a18、Ra19及びRa20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a24は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又
はハロゲン原子を表す。
a3は、-CH-又は酸素原子を表す。
a21は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
a22、Ra23及びRa25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭
素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0~5のいずれかの整数を表す。
q1は、0~3のいずれかの整数を表す。
r1は、0~3のいずれかの整数を表す。
w1は、0~8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のRa21、Ra22、Ra2
及び/又はRa25は互いに同一でも異なっていてもよい。]
a21、Ra22、Ra23及びRa25における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基
等のアルキル基が挙げられる。
a24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素
原子が挙げられる。
a24におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等
が挙げられ、好ましくは炭素数1~4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基
又はエチル基が挙げられる。
a24におけるハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、
ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフ
ルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペ
ルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチ
ル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
a8及びLa9におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロ
パン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペ
ンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、
2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペン
タン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
式(a3-1)~式(a3-3)において、La4~La6は、それぞれ独立に、好ま
しくは-O-又は、*-O-(CHk3-CO-O-において、k3が1~4のいず
れかの整数である基、より好ましくは-O-及び、*-O-CH-CO-O-、さらに
好ましくは酸素原子である。
a18~Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメ
チル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、
より好ましくは0又は1である。
式(a3-4)において、Ra24は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキ
ル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは
水素原子又はメチル基である。
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
a7は、好ましくは-O-又は*-O-La8-CO-O-であり、より好ましくは
-O-、-O-CH-CO-O-又は-O-C-CO-O-である。
w1は、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3-4)は、式(a3-4)’が好ましい。
Figure 2024059729000031
(式中、Ra24、La7は、上記と同じ意味を表す。)
構造単位(a3)としては、特開2010-204646号公報に記載されたモノマー
、特開2000-122294号公報に記載されたモノマー、特開2012-41274
号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては
、式(a3-1-1)、式(a3-1-2)、式(a3-2-1)、式(a3-2-2)
、式(a3-3-1)、式(a3-3-2)及び式(a3-4-1)~式(a3-4-1
2)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位において、式(a3-1)~式(
a3-4)におけるRa18、Ra19、Ra20及びRa24に相当するメチル基が水素
原子に置き換わった構造単位が好ましい。
Figure 2024059729000032
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常5~70モル%であり、好ましくは5~60モル%であり、より好まし
くは7~50モル%である。
また、構造単位(a3-1)、構造単位(a3-2)、構造単位(a3-3)又は構造
単位(a3-4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、5~60モ
ル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、7~40モル%がさらに好ましい。
〈構造単位(a4)〉
構造単位(a4)としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2024059729000033
[式(a4)中、
41は、水素原子又はメチル基を表す。
42は、炭素数1~24のハロゲン原子を有する飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水
素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
42で表される飽和炭化水素基は、鎖式飽和炭化水素基及び単環又は多環の脂環式飽和
炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
鎖式飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘ
キサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基
、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、
アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂
環式飽和炭化水素基が挙げられる。
Figure 2024059729000034
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の脂環式飽和炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙
げられ、-アルカンジイル基-脂環式飽和炭化水素基、-脂環式飽和炭化水素基-アルキ
ル基、-アルカンジイル基-脂環式飽和炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4-0)で表される構造単位、式(a4-1)で表
される構造単位、及び式(a4-4)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2024059729000035
[式(a4-0)中、
54は、水素原子又はメチル基を表す。
4aは、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基を表す。
3aは、炭素数1~8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3~12のペルフ
ルオロシクロアルカンジイル基を表す。
64は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
4aにおけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン-1,1
-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロ
パン-1,3-ジイル基及び2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等の分岐状アルカン
ジイル基が挙げられる。
3aにおけるペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペル
フルオロエチレン基、ペルフルオロエチルフルオロメチレン基、ペルフルオロプロパン-
1,3-ジイル基、ペルフルオロプロパン-1,2-ジイル基、ペルフルオロプロパン-
2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,4-ジイル基、ペルフルオロブタン-2,
2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-1,5
-ジイル基、ペルフルオロペンタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-3,3
-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-1,6-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-2,2
-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-1,7
-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-3,4
-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-4,4-ジイル基、ペルフルオロオクタン-1,8
-ジイル基、ペルフルオロオクタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロオクタン-3,3
-ジイル基、ペルフルオロオクタン-4,4-ジイル基等が挙げられる。
3aにおけるペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘ
キサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジ
イル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
4aは、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単
結合、メチレン基である。
3aは、好ましくは炭素数1~6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ま
しくは炭素数1~3のペルフルオロアルカンジイル基である。
構造単位(a4-0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(
a4-0)におけるR54に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げら
れる。
Figure 2024059729000036
Figure 2024059729000037
[式(a4-1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基を表し、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又は式(a-g
1)で表される基を表す。ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも1つは、置換
基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
Figure 2024059729000038
〔式(a-g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の
飽和炭化水素基を表す。
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の飽和炭化水素基
を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO
-を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合部位であり、右側の*が-O-CO-Ra42との結合部位である。]
a42における飽和炭化水素基としては、鎖式炭化水素基及び単環又は多環の飽和脂環
式炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等が挙げられる。
単環又は多環の飽和脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基
、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、
アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂
環式炭化水素基が挙げられる。
Figure 2024059729000039
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の飽和脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙
げられ、-アルカンジイル基-飽和脂環式炭化水素基、-飽和脂環式炭化水素基-アルキ
ル基、-アルカンジイル基-飽和脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
a42が有する置換基としては、ハロゲン原子及び式(a-g3)で表される基からな
る群から選択される少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
Figure 2024059729000040
[式(a-g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す。
a45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
*はRa42との結合部位を表す。]
ただし、Ra42-Xa43-Aa45において、Ra42がハロゲン原子を有しない場合は、Aa4
5は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
a45における飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式
の脂環式炭化水素基;並びにデカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及
び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
Figure 2024059729000041
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げら
れ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アル
カンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
a42は、ハロゲン原子を有していてもよい飽和炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子
を有するアルキル基及び/又は式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基がよ
り好ましい。
a42がハロゲン原子を有する飽和炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有
する飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシ
クロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1~6のペルフルオロアルキル基であ
り、特に好ましくは炭素数1~3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキ
ル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基
、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフル
オロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキ
ル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、式(a-
g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、Ra42の総炭素数は、15以下が好まし
く、12以下がより好ましい。式(a-g3)で表される基を置換基として有する場合、
その数は1個が好ましい。
a42が式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、Ra42は、さ
らに好ましくは式(a-g2)で表される基である。
Figure 2024059729000042
[式(a-g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を
表す。
a44は、**-O-CO-又は**-CO-O-を表す(**はAa46との結合部位を
表す。)。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47
うち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合部位を表す。]
a46の飽和炭化水素基の炭素数は1~6が好ましく、1~3がより好ましい。
a47の飽和炭化水素基の炭素数は4~15が好ましく、5~12がより好ましく、Aa
47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
式(a-g2)で表される基の好ましい構造は、以下の構造である(*はカルボニル基
との結合部位である)。
Figure 2024059729000043
a41におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1
,6-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1
,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,4-
ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられ
る。
a41の表すアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1~
6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1~4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数
2~4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
式(a-g1)で表される基におけるAa42、Aa43及びAa44の表す2価の飽和炭化水
素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環の2価の脂環式飽和炭化水素基
、並びに、アルカンジイル基及び2価の脂環式飽和炭化水素基を組合せることにより形成
される2価の飽和炭化水素基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プ
ロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、
1-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-
メチルプロパン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
a42、Aa43及びAa44の表す2価の飽和炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基
及び炭素数1~6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
式(a-g1)で表される基において、Xa42が-O-、-CO-、-CO-O-又は
-O-CO-である基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び
**はそれぞれ結合部位を表わし、**が-O-CO-Ra42との結合部位である。
Figure 2024059729000044
式(a4-1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中
の式(a4-1)で表される構造単位におけるRa41に相当するメチル基が水素原子に置
き換わった構造単位が挙げられる。
Figure 2024059729000045
Figure 2024059729000046
式(a4-1)で表される構造単位としては、式(a4-2)で表される構造単位及び
式(a4-3)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2024059729000047
[式(a4-2)中、
f5は、水素原子又はメチル基を表す。
44は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-C
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
f6は、炭素数1~20のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表す。
ただし、L44及びRf6の合計炭素数の上限は21である。]
44の炭素数1~6のアルカンジイル基は、Aa41で例示したものと同様の基が挙げら
れる。
f6の飽和炭化水素基は、R42で例示したものと同様の基が挙げられる。
44におけるアルカンジイル基としては、炭素数2~4のアルカンジイル基が好ましく
、エチレン基がより好ましい。
式(a4-2)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1-1)~式(a4
-1-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-2)における
f5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-2)で表され
る構造単位として挙げられる。
Figure 2024059729000048
[式(a4-3)中、
f7は、水素原子又はメチル基を表す。
5は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表
す。
f12は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はAf13との結合部位を表す。
)。
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
但し、Af13及びAf14の少なくとも1つは、フッ素原子を有し、L5、Af13及びAf14
の合計炭素数の上限は20である。]
5におけるアルカンジイル基としては、Aa41のアルカンジイル基で例示したものと同
様の基が挙げられる。
f13におけるフッ素原子を有していてもよい2価の飽和炭化水素基としては、好まし
くはフッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基及びフッ素原子を有してい
てもよい2価の脂環式飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイ
ル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチ
レン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基
;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペ
ルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカン
ジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のい
ずれでもよい。単環式の基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘ
キサンジイル基等が挙げられる。多環式の基としては、アダマンタンジイル基、ノルボル
ナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
f14の飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい飽和炭化水素基は、Ra42
例示したものと同様の基が挙げられる。なかでも、トリフルオロメチル基、ジフルオロメ
チル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1
,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,
3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,
2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2
,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基
、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペル
フルオロオクチル基等のフッ化アルキル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基
、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘ
キシル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボル
ニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチ
ルメチル基等が好ましい。
式(a4-3)において、L5は、エチレン基が好ましい。
f13の2価の飽和炭化水素基は、炭素数1~6の2価の鎖式飽和炭化水素基及び炭素
数3~12の2価の脂環式飽和炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数2~3の2価の鎖
式飽和炭化水素基がさらに好ましい。
f14の飽和炭化水素基は、炭素数3~12の鎖式飽和炭化水素基及び炭素数3~12
の脂環式飽和炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数3~10の鎖式飽和炭化水素基及び
炭素数3~10の脂環式飽和炭化水素基を含む基がさらに好ましい。なかでも、Af14
、好ましくは炭素数3~12の脂環式飽和炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、
シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びア
ダマンチル基である。
式(a4-3)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1’-1)~式(a
4-1’-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-3)にお
けるRf7に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-3)で表
される構造単位として挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4-4)で表される構造単位も挙げられる。
Figure 2024059729000049
[式(a4-4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、-(CH2j1-、-(CH2j2-O-(CH2j3-又は-(CH2j4
CO-O-(CH2j5-を表す。
j1~j5は、それぞれ独立に、1~6のいずれかの整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1~10の飽和炭化水素基を表す。]
f22の飽和炭化水素基は、Ra42で表される飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる
。Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭
素数1~10の脂環式飽和炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~10の
アルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~6のアルキル基がさらに好ま
しい。
式(a4-4)においては、Af21としては、-(CH2j1-が好ましく、エチレン
基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
式(a4-4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で
表される構造単位において、構造単位(a4-4)におけるRf21に相当するメチル基が
水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
Figure 2024059729000050
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、1~20モル%が好ましく、2~15モル%がより好ましく、3~10モル
%がさらに好ましい。
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素
基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を有する
基が好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5-1)で表される構造単位が挙げられる

Figure 2024059729000051
[式(a5-1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水
素原子は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
55は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
52における脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式
の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば
、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1~8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有する脂環式炭化水素基としては、3-メチルアダマンチル基などが挙げられ
る。
52は、好ましくは、無置換の炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、より好まし
くは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
55における2価の飽和炭化水素基としては、2価の鎖式飽和炭化水素基及び2価の脂
環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の鎖式飽和炭化水素基である。
2価の鎖式飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイ
ル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式
飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシク
ロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダ
マンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
55の表す2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-又は-CO-で置き
換わった基としては、例えば、式(L1-1)~式(L1-4)で表される基が挙げられ
る。下記式中、*及び**は各々結合部位を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。
Figure 2024059729000052
式(L1-1)中、
x1は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はLx1との結合部位を表す。
)。
x1は、炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1-2)中、
x3は、炭素数1~17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx3及びLx4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1-3)中、
x5は、炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~14の2価の脂肪族飽和炭化
水素基を表す。
ただし、Lx5、Lx6及びLx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1-4)中、
x8及びLx9は、単結合又は炭素数1~12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3~15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。
x1は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、
メチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合である。
x3は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、
メチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは、炭素数3~10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは
、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
式(L1-1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 2024059729000053
式(L1-2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 2024059729000054
式(L1-3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 2024059729000055
式(L1-4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 2024059729000056
55は、好ましくは、単結合又は式(L1-1)で表される基である。
構造単位(a5-1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(
a5-1)におけるR51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げら
れる。
Figure 2024059729000057
Figure 2024059729000058
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル
%がさらに好ましい。
<構造単位(II)>
樹脂(A)は、さらに、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位
(II)」という場合がある)を含有していてもよい。構造単位(II)としては、具体
的には特開2016-79235号公報に記載の構造単位が挙げられ、側鎖にスルホナー
ト基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位又は側鎖にスルホニ
オ基と有機アニオンとを有する構造単位であることが好ましい。
側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位
は、式(II-2-A’)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2024059729000059
[式(II-2-A’)中、
III3は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含
まれる-CH-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数
1~6のアルキル基又はヒドロキシ基で置き換わっていてもよい。
x1は、炭素数1~8のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水
素原子は、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基で置換されていてもよ
い。
RAは、スルホナート基又はカルボキシレート基を表す。
III3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1
~6のアルキル基を表す。
ZAは、有機カチオンを表す。]
III3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨ
ウ素原子等が挙げられる。
III3で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基とし
ては、Ra8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同
じものが挙げられる。
x1で表される炭素数1~8のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基
、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル
基、ヘキサン-1,6-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイ
ル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-
ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイ
ル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられ
る。
x1に置換されていてもよい炭素数1~6のペルフルオロアルキル基としては、トリ
フルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソ
プロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブ
チル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
III3で表される炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐
状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環飽和炭化水素基が挙げられ、これら
の組み合わせてあってもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,
2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1
,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-
1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ド
デカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン-1,3-ジイル基、
2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペン
タン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイ
ル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン
-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基等
の2価の単環式脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1
,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の2価の多環式脂環式飽和炭化水素
基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わった
ものとしては、例えば式(X1)~式(X53)で表される2価の基が挙げられる。ただ
し、飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わる
前の炭素数はそれぞれ17以下である。下記式において、*及び**は結合部位を表し、
*はAx1との結合部位を表す。
Figure 2024059729000060
3は、炭素数1~16の2価の飽和炭化水素基を表す。
4は、炭素数1~15の2価の飽和炭化水素基を表す。
5は、炭素数1~13の2価の飽和炭化水素基を表す。
6は、炭素数1~14の2価の飽和炭化水素基を表す。
7は、炭素数1~14の3価の飽和炭化水素基を表す。
8は、炭素数1~13の2価の飽和炭化水素基を表す。
ZA+で表される有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカ
チオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカ
チオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウ
ムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンが
より好ましい。具体的には、式(b2-1)~式(b2-4)のいずれかで表されるカチ
オン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2-1)」等という場合がある。)が挙げら
れる。
Figure 2024059729000061
式(b2-1)~式(b2-4)において、
b4~Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1~30の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の
脂環式炭化水素基又は炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含
まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数3~12の脂
環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環
式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基
、炭素数2~4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく
、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1
~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成し
てもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっても
よい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0~5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複
数のRb8は同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1~36の鎖式炭化水素基又は炭素数3~
36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成
してもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わって
もよい。
b11は、水素原子、炭素数1~36の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化
水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は
炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、炭
素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれ
る水素原子は、炭素数1~12のアルコキシ基又は炭素数1~12のアルキルカルボニル
オキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、互いに結合してそれらが結合する-CH-CO-を含めて環を形成
していてもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わ
ってもよい。
b13~Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0~5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数の
b14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2
が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17
同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基とは、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基を表す。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び
2-エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。
特に、Rb9~Rb12の鎖式炭化水素基は、好ましくは炭素数1~12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化
水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙
げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基
、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
Figure 2024059729000062
特に、Rb9~Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3~18、より好ましく
は炭素数4~12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロへキシル基、2-メチルアダマンタン-2-イル基、2-エチ
ルアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル基、メチルノル
ボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された
脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好
ましくは20以下である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル
基等のアリール基が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水
素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリ
ル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル
基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)及び脂環式炭
化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチル
フェニル基等)等が挙げられる。なお、芳香族炭化水素基が、鎖式炭化水素基又は脂環式
炭化水素基を有する場合は、炭素数1~18の鎖式炭化水素基及び炭素数3~18の脂環
式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p-メトキシフェニ
ル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された鎖式炭化水素基としては、ベンジル基、フェ
ネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の
アラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げ
られる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニル
オキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカル
ボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキ
シ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニル
オキシ基及び2-エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は
、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい
。この環は、炭素数3~18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4~18の環である。ま
た、硫黄原子を含む環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環であ
り、例えば下記の環が挙げられる。*は結合部位を表す。
Figure 2024059729000063
b9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性
、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ
、好ましくは3員環~7員環である。例えば、チオラン-1-イウム環(テトラヒドロチ
オフェニウム環)、チアン-1-イウム環、1,4-オキサチアン-4-イウム環等が挙
げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性
、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ
、好ましくは3員環~7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環
、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
カチオン(b2-1)~カチオン(b2-4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2
-1)である。
カチオン(b2-1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2024059729000064
カチオン(b2-2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2024059729000065
カチオン(b2-3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2024059729000066
カチオン(b2-4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2024059729000067
式(II-2-A’)で表される構造単位は、式(II-2-A)で表される構造単位
であることが好ましい。
[式(II-2-A)中、
III3、XIII3及びZAは、上記と同じ意味を表す。
zは、0~6のいずれかの整数を表す。
III2及びRIII4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1
~6のペルフルオロアルキル基を表し、zが2以上のとき、複数のRIII2及びRII
I4は互いに同一でも、異なっていてもよい。
及びQは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアル
キル基を表す。]
III2、RIII4、Q及びQで表される炭素数1~6のペルフルオロアルキ
ル基としては、後述のQb1で表される炭素数1~6のペルフルオロアルキル基と同じも
のが挙げられる。
式(II-2-A)で表される構造単位は、式(II-2-A-1)で表される構造単
位であることが好ましい。
Figure 2024059729000069
[式(II-2-A-1)中、
III2、RIII3、RIII4、Qa、Qb、z及びZAは、上記と同じ意味を
表す。
III5は、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
I2は、炭素数1~11の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれ
る-CH-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水
素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
III5で表される炭素数1~12の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基
、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及
びドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
I2で表される2価の飽和炭化水素基としては、XIII3で表される2価の飽和炭
化水素基と同様のものが挙げられる。
式(II-2-A-1)で表される構造単位としては、式(II-2-A-2)で表さ
れる構造単位が好ましい。
Figure 2024059729000070
[式(II-2-A-2)中、
III3、RIII5及びZAは、上記と同じ意味を表す。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。]
式(II-2-A’)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位、RIII3
のメチル基に相当する基が水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロゲン
原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)
に置き換わった構造単位及び国際公開第2012/050015号記載の構造単位が挙げ
られる。ZAは、有機カチオンを表す。
Figure 2024059729000071
側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位は、式(II-1-1)で表さ
れる構造単位であることが好ましい。
Figure 2024059729000072
[式(II-1-1)中、
II1は、単結合又は2価の連結基を表す。
II1は、炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。
II2及びRII3は、それぞれ独立して、炭素数1~18の炭化水素基を表し、R
II2及びRII3は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成してい
てもよい。
II4は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~
6のアルキル基を表す。
は、有機アニオンを表す。]
II1で表される炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基
及びナフチレン基等が挙げられる。
II2及びRII3で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基
、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェ
ニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチ
ル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭
化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチル
フェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げら
れる。
II4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ
素原子等が挙げられる。
II4で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基として
は、Ra8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同じ
ものが挙げられる。
II1で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~18の2価の飽和炭化
水素基が挙げられ、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又
は-CO-で置き換わっていてもよい。具体的には、XIII3で表される炭素数1~1
8の2価の飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
式(II-1-1)中のカチオンを含む構造単位としては、以下で表される構造単位及
びRII4のメチル基に相当する基が、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル等に
置き換わった構造単位などが挙げられる。
Figure 2024059729000073
で表される有機アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオ
ン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。Aで表される
有機アニオンは、スルホン酸アニオンが好ましく、スルホン酸アニオンとしては、後述す
る式(B1)で表されるアニオンと同様のものが挙げられる。
で表されるスルホニルイミドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000074
スルホニルメチドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000075
カルボン酸アニオンとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000076
式(II-1-1)で表される構造単位としては、以下で表される構造単位などが挙げ
られる。
Figure 2024059729000077
樹脂(A)中に、構造単位(II)を含有する場合の構造単位(II)の含有率は、樹
脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは1~20モル%であり、より好ましくは2~
15モル%であり、さらに好ましくは3~10モル%である。
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、このような構造単
位としては、当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(a2-A)と構造単位(a1)とからなる樹脂
、すなわち、モノマー(a2-A)とモノマー(a1)との共重合体及び構造単位(a2
-A)と構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すなわち、モノマー(a2
-A)とモノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1-6)、構造単位(a1-0)、構造
単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)(好ましくはシクロヘキシル基、及びシクロ
ペンチル基を有する該構造単位)からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好
ましくは構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)(好ましくはシクロヘキシル基
、及びシクロペンチル基を有する該構造単位)からなる群から選ばれる少なくとも一種で
あり、さらに好ましくは少なくとも二種である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)からなる群から
選ばれる少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは構造単位(a2-1)
である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3-1)で表される構造単位、式(a3
-2)で表される構造単位及び式(a3-4)で表される構造単位からなる群から選ばれ
る少なくとも一種である。
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)に
よって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いる
モノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,5
00以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30
,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。本明細書では、重量平均分
子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値
である。
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、さらに、樹脂(A)以外の樹脂を含有していてもよい。
樹脂(A)以外の樹脂としては、例えば、構造単位(a4)又は構造単位(a5)を含
有する樹脂(以下、樹脂(X)という場合がある)、式(a2-A)で表される構造単位
を含まず、かつ酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(以下、樹脂(AY)という場合
がある)等が挙げられる。
樹脂(X)としては、なかでも、構造単位(a4)を含む樹脂が好ましい。
樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に
対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好まし
く、45モル%以上であることがさらに好ましい。
樹脂(X)及び樹脂(AY)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(
a1)、構造単位(a2)、構造単位(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構
造単位が挙げられる。中でも、樹脂(X)は、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a
5)のみからなる樹脂であることが好ましい。
樹脂(X)及び樹脂(AY)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せ
て用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラ
ジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(X)が有する各構造単位の含有率
は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(X)及び樹脂(AY)の重量平均分子量は、それぞれ独立して、好ましくは6,
000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より好ましくは60
,000以下)である。樹脂(X)及び樹脂(AY)の重量平均分子量の測定手段は、樹
脂(A)の場合と同様である。
本発明のレジスト組成物が、樹脂(AY)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)10
0質量部に対して、通常、1~2500質量部(より好ましくは10~1000質量部)
である。
また、レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量
部に対して、好ましくは1~60質量部であり、より好ましくは1~50質量部であり、
さらに好ましくは1~40質量部であり、特に好ましくは1~30質量部であり、特に好
ましくは1~8質量部である。
レジスト組成物における樹脂(A)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、8
0質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下がよ
り好ましい。また、樹脂(A)以外の樹脂を含む場合は、樹脂(A)と樹脂(A)以外の
樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以
下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。レジスト組成
物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマト
グラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
<式(I)で表される塩>
本発明のレジスト組成物は、式(I)で表される塩(以下「塩(I)」という場合があ
る)を含有する。
Figure 2024059729000078
[式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12の炭化水
素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わって
いてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。mが2のとき、2つのR1は同一又は
相異なり、nが2のとき、2つのR2は同一又は相異なる。
Arは、置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
は、単結合、-CH-、-O-又は-S-を表す。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル
基を表す。
は、置換基を有してもよい炭素数1~18の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含
まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよ
い。]
塩(I)のうち、負電荷を有する側を「アニオン(I)」、正電荷を有する側を「カチ
オン(I)」と称することがある。
式(I)において、Arの芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙
げられる。
Arの芳香族炭化水素基が有する置換基としては、炭素数1~16のアルキル基(該ア
ルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい)、ハ
ロゲン原子、シアノ基及びこれらの基のうち2種以上を組み合わせた基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、
イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等
のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~8であり、より好ま
しくは1~4である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
アルキル基に含まれる-CH2-が、-O-又は-CO-に置き換わった基としては、
ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボ
キシル基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)
、炭素数1~15のアルコキシ基(炭素数2~16のアルキル基中に含まれる-CH2
が、-O-に置き換わった基)、炭素数2~15のアルコキシカルボニル基(炭素数3~
16のアルキル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、
炭素数2~16のアルキルカルボニル基(炭素数2~16のアルキル基中に含まれる-C
2-が、-CO-に置き換わった基)、炭素数2~15のアルキルカルボニルオキシ基
(炭素数3~16のアルキル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換
わった基)、及びこれらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニ
ルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基は、
上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した
基を表す。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブ
トキシカルボニル基等が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピ
オニル基及びブチリル基等が挙げられ、アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチル
オキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
置換基としては、炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は
、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい)又はフッ素原子であることが好ましく
、炭素数1~8のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO
-に置き換わっていてもよい)又はフッ素原子であることがより好ましい。
及びR2で表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基等の鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基及
びこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n
-ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、
n-ウンデシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、
イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクチニル基、イソオクチニル基、ノネニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、イソプロピニル基、ブチニル基、
イソブチニル基、tert-ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、
ノニニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化
水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル
基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デ
カヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられ
る。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル、アントリル基等が挙げられる。
組み合わせた基の場合、上述の基において価数の異なる基(アルカンジイル基、アルカ
ントリイル基、シクロアルカンジイル基、シクロアルカントリイル基等)が含まれていて
もよい。
組み合わせることにより形成される基としては、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基と
を組み合わせた基(例えば、アラルキル基)、及び、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基
とを組み合わせた基(例えば、脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-
脂環式炭化水素基-*)が挙げられる。*は結合部位を表す。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、シクロヘキシルメチル基、シクロ
ヘキシルエチル基、1-(アダマンタン-1-イル)メチル基、1-(アダマンタン-1
-イル)エチル基等のシクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
アルキル基-脂環式炭化水素基-*としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシク
ロヘキシル基、2-アルキルアダマンタン-2-イル基等のアルキル基を有するシクロア
ルキル基等が挙げられる。
炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-又は-CO-に置き換わった基としては、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シク
ロヘキシルメトキシ基等のシクロアルコキシ基、アセチル基等のアルキルカルボニル基、
メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセチルオキシ基等のアルキルカル
ボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基等の芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基等が挙げられる。炭化水素基
に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で置き換わっている場合、その数は1つでも
よいし、2以上でもよい。
Arは、炭素数1~12のアルキル基を有してもよいフェニル基又は炭素数1~12の
アルキル基を有してもよいナフチル基(但し、該アルキル基に含まれる-CH-は、-
O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~8の
アルキル基を有してもよいフェニル基又は炭素数1~8のアルキル基を有してもよいナフ
チル基(但し、該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっ
ていてもよい。)であることがより好ましく、炭素数1~4のアルキル基を有してもよい
フェニル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数2~5のアルコキシアルカンジイル
オキシ基を有してもよいナフチル基であることがさらに好ましい。
mは、1又は2であり、2であることが好ましい。
nは、1又は2であり、2であることが好ましい。
m及びnは、少なくとも一方が2であることが好ましく、ともに2であることがより好
ましい。n+mは、3又は4が好ましい。
は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、水素原子であ
ることがより好ましい。
は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、水素原子であ
ることがより好ましい。
及びRは、ともに水素原子であることが好ましい。
は、単結合、-CH-、又は-O-であることが好ましく、-CH-、又は-
O-であることがより好ましい。
1及びQ2のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロ
エチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル
基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペ
ンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましく、フ
ッ素原子がより好ましい。Q1及びQ2が、ともにフッ素原子であることがさらに好ましい
で表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基等の鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基及びこれら
を組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n
-ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、
n-ウンデシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、
イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクチニル基、イソオクチニル基、ノネニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、イソプロピニル基、ブチニル基、
イソブチニル基、tert-ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、
ノニニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化
水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル
基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デ
カヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられ
る。具体的に、脂環式炭化水素基としては、式(Y1)~式(Y11)、式(Y36)~
式(Y38)で表される基が挙げられる。脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O
-、-S-、-SO-又は-CO-で置き換わっている場合、その数は1つでもよいし
、2以上でもよい。そのような基としては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)
~式(Y41)で表される基が挙げられる。
Figure 2024059729000079
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル、アントリル基等が挙げられる。
組み合わせた基の場合、上述の基において価数の異なる基(アルカンジイル基、アルカ
ントリイル基、シクロアルカンジイル基、シクロアルカントリイル基等)が含まれていて
もよい。
組み合わせることにより形成される基としては、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基と
を組み合わせた基(例えば、アラルキル基)、及び、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基
とを組み合わせた基(例えば、脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*、及びアルキル
基-脂環式炭化水素基-*)が挙げられる。*は結合部位を表す。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、シクロヘキシルメチル基、シクロ
ヘキシルエチル基、1-(アダマンタン-1-イル)メチル基、1-(アダマンタン-1
-イル)エチル基等のシクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
アルキル基-脂環式炭化水素基-*としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシク
ロヘキシル基、2-アルキルアダマンタン-2-イル基等のアルキル基を有するシクロア
ルキル基等が挙げられる。
炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-又は-CO-に置き換わった基としては、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シク
ロヘキシルメトキシ基等のシクロアルコキシ基、アセチル基等のアルキルカルボニル基、
メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセチルオキシ基等のアルキルカル
ボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基等の芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基等が挙げられる。炭化水素基
に含まれる-CH-が-O-、-S-、-S(O)-又は-CO-で置き換わってい
る場合、その数は1つでもよいし、2以上でもよい。特に、脂環式炭化水素基に含まれる
-CH-が-O-、-S-、-S(O)-又は-CO-で置き換わった基としては、
式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y41)で表される基が挙げられる。
の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~12
のアルキル基、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わっ
た基)、カルボキシル基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置
き換わった基)、炭素数1~12のアルコキシ基(炭素数2~13のアルキル基中に含ま
れる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、炭素数2~13のアルコキシカルボニル
基(炭素数3~14のアルキル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き
換わった基)、炭素数2~13のアルキルカルボニル基(炭素数2~13のアルキル基中
に含まれる-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、炭素数2~13のアルキルカル
ボニルオキシ基(炭素数3~14のアルキル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-CO
-O-に置き換わった基)、及びこれらの基のうち2種以上を組み合わせた基が挙げられ
る。
これらの置換基としては、Arの置換基と同様の基が例示される。
置換基としては、フッ素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルキル基であるこ
とが好ましく、フッ素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~6のアルキル基であることがよ
り好ましい。
は、好ましくは置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基
に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を
有してもよい炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~6のアルキル
基と炭素数3~12の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基(該アルキル基及び該脂
環式炭化水素基は、置換基を有してもよく、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含ま
れる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であり、より好ま
しくは置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-C
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有してもよい
炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O
-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であり、さらに好ましくは炭素数1~12
のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭
化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)で
あり、より好ましくは炭素数3~12の分岐のアルキル基又はフッ素原子もしくはヒドロ
キシ基を有してもよい炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれ
る-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であり、さらに好ま
しくは炭素数3~6の分岐のアルキル基又はフッ素原子もしくはヒドロキシ基を有する炭
素数5~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であり、さらにより好ましくはイソプロピル
基、t-ブチル基又はフッ素原子もしくはヒドロキシ基を有する炭素数5~16の脂環式
炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換
わっていてもよい。)である。
塩(I)としては、式(IA)で表される塩(以下「塩(IA)」という場合がある)
が挙げられる。
Figure 2024059729000080
[式(IA)中、
1、R2、m、n、X、Q1及びQ2は、上記と同義である。
Arは、置換基を有してもよいナフチル基を表す。
3Aは、炭素数3~6の分岐のアルキル基を表す。]
Arのナフチル基が有する置換基としては、Arの置換基と同様の基が例示される。
Arは、炭素数1~12のアルキル基を有してもよいナフチル基(但し、該アルキル
基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であるこ
とが好ましく、炭素数1~8のアルキル基を有してもよいナフチル基(但し、該アルキル
基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であるこ
とがより好ましく、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数2~5のアルコキシアルカン
ジイルオキシ基を有してもよいナフチル基であることがさらに好ましい。
3Aは、イソプロピル基又はt-ブチル基であることが好ましく、t-ブチル基であ
ることがより好ましい。
また、塩(I)としては、式(IB)で表される塩(以下「塩(IB)」という場合が
ある)も挙げられる。
Figure 2024059729000081
[式(IB)中、
1、R2、m、n、Q1及びQ2は、上記と同義である。
Arは、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
02は、単結合又は-CH-を表す。
3Bは、炭素数3~6の分岐のアルキル基を表す。]
Arのフェニル基が有する置換基としては、Arの置換基と同様の基が例示される。
Arは、炭素数1~12のアルキル基を有してもよいフェニル基(但し、該アルキル
基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であるこ
とが好ましく、炭素数1~8のアルキル基を有してもよいフェニル基(但し、該アルキル
基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であるこ
とがより好ましく、炭素数1~4のアルキル基を有してもよいフェニル基であることがさ
らに好ましい。
は、-CH-であることが好ましい。
3Bは、イソプロピル基又はt-ブチル基であることが好ましく、t-ブチル基であ
ることがより好ましい。
塩(I)のカチオンとしては、以下の式(I-c-1)~式(I-c-40)で表され
るカチオン等が挙げられる。
Figure 2024059729000082
Figure 2024059729000083
なかでも、式(I-c-1)~式(I-c-15)、式(I-c-21)~式(I-c
-35)で表されるカチオンが好ましく、式(I-c-1)、式(I-c-4)、式(I
-c-5)、式(I-c-6)、式(I-c-7)、式(I-c-9)、式(I-c-1
1)、式(I-c-14)、式(I-c-21)、式(I-c-23)、式(I-c-2
6)、式(I-c-28)、式(I-c-31)、式(I-c-33)で表されるカチオ
ンがより好ましく、式(I-c-1)、式(I-c-5)、式(I-c-6)、式(I-
c-7)、式(I-c-11)、式(I-c-23)及び式(I-c-28)で表される
カチオンがさらにより好ましい。
塩(I)のアニオンとしては、以下の式(Ia-1)~式(Ia-12)で表されるア
ニオン等が挙げられる。
Figure 2024059729000084
塩(I)は、アニオン及びカチオンの組合せである。これらのアニオンとカチオンとは
任意に組み合わせることができる。塩(I)の具体例として、上記したカチオン(I)と
アニオン(I)とを任意に組み合わせた塩が挙げられる。塩(I)の具体例を下記表に示
す。下記表において、各符号は、上述のアニオン(I)やカチオン(I)を表す構造に付
した符号を表す。たとえば、塩(I-1)は、式(I-a-1)で示されるアニオンと式
(I-c-1)で示されるカチオンとからなる塩であり、以下に示す塩である。
Figure 2024059729000085

Figure 2024059729000086




Figure 2024059729000087




Figure 2024059729000088




Figure 2024059729000089




Figure 2024059729000090

中でも、塩(I)は、塩(I-1)~塩(I-6)、塩(I-11)~塩(I-18)
、塩(I-23)~塩(I-30)、塩(I-35)~塩(I-42)、塩(I-47)
~塩(I-54)、塩(I-59)~塩(I-66)、塩(I-71)~塩(I-78)
、塩(I-83)~塩(I-90)、塩(I-95)~塩(I-102)、塩(I-10
7)~塩(I-114)、塩(I-119)~塩(I-126)、塩(I-131)~塩
(I-138)、塩(I-143)、塩(I-147)、塩(I-145)~塩(I-1
50)、塩(I-155)~塩(I-162)、塩(I-167)~塩(I-174)、
塩(I-179)~塩(I-186)、塩(I-191)~塩(I-198)、塩(I-
203)、塩(I-204)であることが好ましい。
<塩(I)の製造方法>
塩(I)は、式(I-a)で表される塩と式(I-b)で表される塩とを溶媒中で反応
させることにより製造することができる。また、塩(IA)及び塩(IB)も、同様の方
法で製造することができる。
Figure 2024059729000091
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。
A、RB及びRCは、それぞれ独立に、炭素数1~12の炭化水素基を表す。RDは、水素
原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表す。)
この反応における溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル、イオン交換水等が挙
げられる。
反応温度は通常0℃~80℃であり、反応時間は通常0.5時間~24時間である。
式(I-a)で表される塩は、例えば、以下で表される塩などが挙げられ、市場から容
易に入手でき、また、公知の製法により容易に合成することができる。
Figure 2024059729000092
式(I-b)で表される塩は、例えば、以下で表される塩などが挙げられ、市場から容
易に入手でき、また、公知の製法により容易に合成することができる。
Figure 2024059729000093
式(I-a)で表される塩は、例えば、式(I-c)で表される化合物と式(I-d)
で表される化合物とを、五酸化リン及び、メタンスルホン酸の存在下で反応させることに
より製造することができる。
Figure 2024059729000094
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
反応温度は通常0℃~80℃であり、反応時間は通常0.5時間~24時間である。
式(I-c)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物などが挙げら
れ、市場から容易に入手できる。
Figure 2024059729000095
式(I-d)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物などが挙げら
れ、市場から容易に入手できる。
Figure 2024059729000096
塩(I)は、レジスト組成物において、酸発生剤として機能する。塩(I)は、レジス
ト組成物において、1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
<酸発生剤(B)>
本発明のレジスト組成物は、塩(I)に加えて、レジスト分野で公知の酸発生剤(以下
「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有していてもよい。酸発生剤(B)は、単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸発生剤(B)は、非イオン系又はイオン系のいずれを用いてもよい。非イオン系酸発
生剤としては、スルホネートエステル類(例えば2-ニトロベンジルエステル、芳香族ス
ルホネート、オキシムスルホネート、N-スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケ
トン、ジアゾナフトキノン 4-スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケト
スルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニ
ウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニ
オン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、
特開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号
、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号、米国特許第3,779,
778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第
126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる
。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)
で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある。但し、塩(I)を除く。)
である。
Figure 2024059729000097
[式(B1)中、
b1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロア
ルキル基を表す。
b1は、炭素数1~24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に
含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~1
8の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-
S(O)-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
Z1は、有機カチオンを表す。]
b1及びQb2の表すペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペ
ルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフル
オロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペル
フルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
b1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるこ
とが好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
b1における2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アル
カンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基
のうち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4
-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1
,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1
,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、
トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-
1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-
ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル
基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-
1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル
基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサ
ン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基
である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-
1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化
水素基等が挙げられる。
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で
置き換わった基としては、例えば、式(b1-1)~式(b1-3)のいずれかで表され
る基が挙げられる。なお、式(b1-1)~式(b1-3)で表される基及びそれらの具
体例である式(b1-4)~式(b1-11)で表される基において、*及び**は結合
部位を表し、*は-Yとの結合手を表す。
Figure 2024059729000098
[式(b1-1)中、
b2は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b3は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb2とLb3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-2)中、
b4は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb4とLb5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-3)中、
b6は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
b7は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb6とLb7との炭素数合計は、23以下である。]
式(b1-1)~式(b1-3)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる
-CH-が-O-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽
和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げら
れる。
b2は、好ましくは単結合である。
b3は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
b4は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化
水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b6は、好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和
炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b7は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽
和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく
、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わってい
てもよい。
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で
置き換わった基としては、式(b1-1)又は式(b1-3)で表される基が好ましい。
式(b1-1)で表される基としては、式(b1-4)~式(b1-8)でそれぞれ表
される基が挙げられる。
Figure 2024059729000099
[式(b1-4)中、
b8は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1-5)中、
b9は、炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に
含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b10は、単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい

ただし、Lb9及びLb10の合計炭素数は20以下である。
式(b1-6)中、
b11は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b12は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい

ただし、Lb11及びLb12の合計炭素数は21以下である。
式(b1-7)中、
b13は、炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表す。
b14は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b15は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい

ただし、Lb13~Lb15の合計炭素数は19以下である。
式(b1-8)中、
b16は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基
に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b17は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい

ただし、Lb16~Lb18の合計炭素数は19以下である。]
b8は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
b9は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b10は、好ましくは単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基であり、よ
り好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b11は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b12は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b13は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
b14は、好ましくは単結合又は炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
b15は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、よ
り好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b16は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
b17は、好ましくは炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
b18は、好ましくは単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基であり、よ
り好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
式(b1-3)で表される基としては、式(b1-9)~式(b1-11)でそれぞれ
表される基が挙げられる。
Figure 2024059729000100
式(b1-9)中、
b19は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b20は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb19及びLb20の合計炭素数は23以下である。
式(b1-10)中、
b21は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b22は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b23は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb21、Lb22及びLb23の合計炭素数は21以下である。
式(b1-11)中、
b24は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b25は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b26は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb24、Lb25及びLb26の合計炭素数は21以下である。
なお、式(b1-9)で表される基から式(b1-11)で表される基においては、飽
和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、
置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基
等が挙げられる。
式(b1-4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000101
式(b1-5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000102
式(b1-6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000103
式(b1-7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000104
式(b1-8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000105
式(b1-2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000106
式(b1-9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000107
式(b1-10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000108
式(b1-11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000109
Yで表される脂環式炭化水素基としては、式(Y1)~式(Y11)、式(Y36)~
式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-S(O)-又は-
CO-で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上でもよい。そのような基とし
ては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y41)で表される基が挙げら
れる。
Figure 2024059729000110
Yで表される脂環式炭化水素基としては、好ましくは式(Y1)~式(Y20)、式(
Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)~式(Y41)の
いずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16
)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y
39)又は式(Y40)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y1
5)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(
Y39)又は式(Y40)で表される基である。
Yで表される脂環式炭化水素基が式(Y28)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y
40)等の酸素原子を含むスピロ環である場合には、2つの酸素原子間のアルカンジイル
基は、1以上のフッ素原子を有することが好ましい。また、ケタール構造に含まれるアル
カンジイル基のうち、酸素原子に隣接するメチレン基には、フッ素原子が置換されていな
いのが好ましい。
Yで表されるメチル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3~1
6の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基、-(
CHja-CO-O-Rb1基又は-(CHja-O-CO-Rb1基(式中、
b1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6
~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。jaは、0~4のいずれ
かの整数を表す。該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-
、-S(O)-又は-CO-で置き換わっていてもよく、該アルキル基、該脂環式炭化
水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原子に置
き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒド
ロキシ基で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~16の脂環式
炭化水素基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、炭素
数7~21のアラルキル基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、グリシジルオキシ基
、-(CHja-CO-O-Rb1基又は-(CHja-O-CO-Rb1基(
式中、Rb1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭
素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。jaは、0~4の
いずれかの整数を表す。該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、
-O-、-S(O)-又は-CO-で置き換わっていてもよく、該アルキル基、該脂環
式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原
子に置き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシ
クロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノ
ルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェ
ニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭
化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化
水素基としては、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル
基、p-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-
エチルフェニル基等が挙げられ、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基としては、
p-アダマンチルフェニル基、p-シクロへキシルフェニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基
、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基
等が挙げられる。
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
エチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメ
チル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基
等が挙げられる。
Yとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2024059729000111
Figure 2024059729000112
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり
、より好ましく置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、該脂環式炭化水素基又
はアダマンチル基を構成する-CH-は-CO-、-S(O)-又は-CO-に置き
換わっていてもよい。Yは、さらに好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル
基、オキソアダマンチル基又は下記で表される基である。
Figure 2024059729000113
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、式(B1-A-1)~
式(B1-A-55)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1-A
-1)」等という場合がある。〕が好ましく、式(B1-A-1)~式(B1-A-4)
、式(B1-A-9)、式(B1-A-10)、式(B1-A-24)~式(B1-A-
33)、式(B1-A-36)~式(B1-A-40)、式(B1-A-47)~式(B
1-A-55)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。
Figure 2024059729000114
Figure 2024059729000115
Figure 2024059729000116
Figure 2024059729000117
Figure 2024059729000118
ここでRi2~Ri7は、互いに独立に、例えば、炭素数1~4のアルキル基、好まし
くはメチル基又はエチル基である。Ri8は、例えば、炭素数1~12の鎖式炭化水素基
、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数5~12の脂環式炭化水素基又はこれら
を組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシ
ル基又はアダマンチル基である。LA4は、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基
である。Qb1及びQb2は、上記と同じ意味を表す。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開20
10-204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとして好ましくは、式(B1a-
1)~式(B1a-34)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2024059729000119
Figure 2024059729000120
Figure 2024059729000121
なかでも、式(B1a-1)~式(B1a-3)及び式(B1a-7)~式(B1a-
16)、式(B1a-18)、式(B1a-19)、式(B1a-22)~式(B1a-
34)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
Z1の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、
有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及
び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオ
ン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ま
しい。
式(B1)中のZ1は、式(II-2-A’)で表される構造単位における有機カチ
オンZAと同様のものが挙げられる。
酸発生剤(B)は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは
任意に組合せることができる。酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1a-1)~
式(B1a-3)、式(B1a-7)~式(B1a-16)、式(B1a-18)、式(
B1a-19)、式(B1a-22)~式(B1a-34)のいずれかで表されるアニオ
ンと、カチオン(b2-1)又はカチオン(b2-3)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1-1)~式(B1-48)でそれぞれ表
されるものが挙げられる、中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、
式(B1-1)~式(B1-3)、式(B1-5)~式(B1-7)、式(B1-11)
~式(B1-14)、式(B1-20)~式(B1-26)、式(B1-29)、式(B
1-31)~式(B1-48)で表されるものがとりわけ好ましい。
Figure 2024059729000122
Figure 2024059729000123
Figure 2024059729000124
Figure 2024059729000125
Figure 2024059729000126
Figure 2024059729000127
酸発生剤として塩(I)及び酸発生剤(B)を含有する場合、塩(I)と酸生剤(B)
との含有量の比(質量比;塩(I):酸発生剤(B))は、通常、1:99~99:1で
あり、好ましくは2:98~98:2であり、より好ましくは5:95~95:5であり
、さらに好ましくは10:90~90:10であり、特に好ましくは15:85~85:
15である。
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤の合計の含有率は、前述の樹脂(A)1
00質量部に対して、好ましくは1質量部以上45質量部以下、より好ましくは1質量部
以上40質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上35質量部以下である。
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上99.9質量%以下で
あり、好ましくは92質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは94質量%以上
99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガス
クロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類
;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチ
ルケトン、2-ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ-ブチロラクトン等の
環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で使用してもよく、
2種以上を使用してもよい。
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)としては、塩基性の含窒素有機化合物及び酸発生剤(B)から発生
する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩が挙げられる。クエンチャー(C)の含有量は
、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01~15質量%程度であることが好ましく
、0.01~10質量%程度であることがより好ましく、0.01~5質量%程度である
ことがさらに好ましく、0.1~3質量%程度であることがさらにより好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミン
としては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級
アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピ
ルアニリン、2-,3-又は4-メチルアニリン、4-ニトロアニリン、N-メチルアニ
リン、N,N-ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン
、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルア
ミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、
トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン
、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、
メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチ
ルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン
、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘ
キシルメチルアミン、トリス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソ
プロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、4,4’-ジアミノ-3,3’
-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタ
ン、2,2’-メチレンビスアニリン、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ピリジ
ン、4-メチルピリジン、1,2-ジ(2-ピリジル)エタン、1,2-ジ(4-ピリジ
ル)エタン、1,2-ジ(2-ピリジル)エテン、1,2-ジ(4-ピリジル)エテン、
1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン、1,2-ジ(4-ピリジルオキシ)エタン、ジ(
2-ピリジル)ケトン、4,4’-ジピリジルスルフィド、4,4’-ジピリジルジスル
フィド、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙
げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、より好ましくは2,6-ジイソ
プロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシル
アンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメ
チルアンモニウムヒドロキシド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げ
られる。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、
酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸
を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常-3<pKaの塩であり、好
ましくは-1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で
表される塩、特開2015-147926号公報記載の式(D)で表される塩(以下、「
弱酸分子内塩(D)という場合がある。」)、並びに特開2012-229206号公報
、特開2012-6908号公報、特開2012-72109号公報、特開2011-3
9502号公報及び特開2011-191745号公報記載の塩が挙げられる。好ましく
は、酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱いカルボン酸を発生する塩(カルボ
ン酸アニオンを有する塩)であり、より好ましくは、弱酸分子内塩(D)である。
Figure 2024059729000128
弱酸分子内塩(D)としては、以下の塩が挙げられる。
Figure 2024059729000129
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成
分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定
はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定
剤、染料等を利用できる。
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、塩(I)、樹脂(A)及び酸発生剤(B)、並びに、必要
に応じて、用いられる樹脂(A)以外の樹脂、溶剤(E)、クエンチャー(C)及びその
他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に
限定されるものではない。混合する際の温度は、10~40℃から、樹脂等の種類や樹脂
等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、
混合温度に応じて、0.5~24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混
合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003~0.2μm程度のフィルターを用いてろ過す
ることが好ましい。
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置に
よって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レ
ジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成され
ていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、
例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベー
ク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50~200℃である
ことが好ましく、加熱時間は、10~180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥
する際の圧力は、1~1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であって
もよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマ
レーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレ
ーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を
波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超
紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書に
おいて、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際
、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子
線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわ
ゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50~200℃程度、好ま
しくは70~150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法
としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げら
れる。現像温度は、例えば、5~60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5
~300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより
、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として
アルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水
溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2-ヒドロキシ
エチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を
除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として
有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン等のケト
ン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエ
ステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等
のグリコールエーテル溶剤;N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール
等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、
95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさ
らに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンを含む現像液が
好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2-ヘプタノンの合計含有率は、50質量%
以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実
質的に酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量
の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止して
もよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、
レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶
液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエ
キシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEU
V露光用のレジスト組成物、特に電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光
用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す
「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である
。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgil
ent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。以下の
実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
実施例1:式(I-37)で表される塩の合成
Figure 2024059729000130
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-37-b)で表される化合物1.72部を5分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-37-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I
-37-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-1-d)で表される塩4.00部及び
クロロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた
有機層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得ら
れた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて
攪拌し、ろ過することにより、式(I-37)で表される塩4.02部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 259.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 245.0
実施例2:式(I-49)で表される塩の合成
Figure 2024059729000131
メタンスルホン酸9.07部に五酸化二リン0.91部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-2-a)で表される化合物2.20部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-37-b)で表される化合物1.74部を5分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水11部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-49-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I
-49-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-1-d)で表される塩4.04部及び
クロロホルム20.21部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得
られた有機層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った
。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を
加えて攪拌し、ろ過することにより、式(I-49)で表される塩3.76部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 273.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 245.0
実施例3:式(I-145)で表される塩の合成
Figure 2024059729000132
式(I-145-c)で表される塩33.79部、式(I-1-d)で表される塩35
部、クロロホルム140部及び5%シュウ酸水溶液70部を添加し、23℃で2時間撹拌
した後、分液した。得られた有機層に、イオン交換水70部を加えて攪拌し、分液した。
この水洗を5回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメ
チルエーテル150部を加えて攪拌し、ろ過することにより、式(I-145)で表され
る塩39.27部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 235.2
MASS(ESI(-)Spectrum):M 245.0
合成例1:式(I-147)で表される塩の合成
Figure 2024059729000133
式(I-145-c)で表される塩7.33部、式(I-147-d)で表される塩7
.50部、クロロホルム37.50部及び5%シュウ酸水溶液18.75部を添加し、2
3℃で2時間撹拌した後、分液した。得られた有機層に、イオン交換水18.75部を加
えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣
に、tert-ブチルメチルエーテル60部を加えて攪拌し、ろ過することにより、式(
I-147)で表される塩9.07部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 235.2
MASS(ESI(-)Spectrum):M 323.1
合成例2:式(I-48)で表される塩の合成
Figure 2024059729000134
メタンスルホン酸10.92部に五酸化二リン1.09部を添加し、23℃で30分間
攪拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.43部を加え、そ
の後、5℃に冷却して、式(I-37-b)で表される化合物2.11部を20分かけて
添加した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物
を5℃に冷却した後、イオン交換水12部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5
部を添加し中和することにより、式(I-37-c)で表される塩を含む溶液を得た。式
(I-37-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-12-d)で表される塩5.19
部及びクロロホルム15部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得
られた有機層に、イオン交換水15部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った
。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を
加えて攪拌し、ろ過することにより、式(I-48)で表される塩5.18部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 259.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 271.1
合成例3:式(I-39)で表される塩の合成
Figure 2024059729000135
メタンスルホン酸8.97部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-37-b)で表される化合物1.72部を20分かけて添
加した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を
5℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部
を添加し中和することにより、式(I-37-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(
I-37-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-3-d)で表される塩4.30部及
びクロロホルム22部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られ
た有機層に、イオン交換水22部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得
られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加え
て攪拌し、ろ過することにより、式(I-39)で表される塩4.73部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 259.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 323.1
実施例4:式(I-1)で表される塩の合成
Figure 2024059729000136
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-1-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I-
1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-1-d)で表される塩4.00部及びクロ
ロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた有機
層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた
有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌
し、ろ過することにより、式(I-1)で表される塩3.89部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 245.0
合成例4:式(I-121)で表される塩の合成
Figure 2024059729000137
式(I-121-c)で表される塩33.98部、式(I-1-d)で表される塩35
部、クロロホルム140部及び5%シュウ酸水溶液70部を添加し、23℃で2時間撹拌
した後、分液した。得られた有機層に、イオン交換水70部を加えて攪拌し、分液した。
この水洗を5回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメ
チルエーテル150部を加えて攪拌し、ろ過することにより、式(I-121)で表され
る塩39.55部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 245.0
合成例5:式(I-75)で表される塩の合成
Figure 2024059729000138
メタンスルホン酸8.97部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-75-b)で表される化合物1.52部を20分かけて添
加した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を
5℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部
を添加し中和することにより、式(I-75-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(
I-75-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-3-d)で表される塩4.30部及
びクロロホルム22部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られ
た有機層に、イオン交換水22部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得
られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加え
て攪拌し、ろ過することにより、式(I-75)で表される塩4.12部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 245.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 323.1
合成例6:式(I-83)で表される塩の合成
Figure 2024059729000139
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-75-b)で表される化合物1.52部を5分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-75-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I
-75-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-11-d)で表される塩3.57部及
びクロロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られ
た有機層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得
られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加え
て攪拌し、ろ過することにより、式(I-83)で表される塩2.19部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 245.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 203.0
実施例5:式(I-2)で表される塩の合成
Figure 2024059729000140
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-1-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I-
1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-2-d)で表される塩3.86部及びクロ
ロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた有機
層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた
有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌
し、ろ過することにより、式(I-2)で表される塩3.12部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 231.0
合成例7:式(I-3)で表される塩の合成
Figure 2024059729000141
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-1-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I-
1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-3-d)で表される塩4.31部及びクロ
ロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた有機
層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた
有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌
し、ろ過することにより、式(I-3)で表される塩4.09部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 323.1
合成例8:式(I-4)で表される塩の合成
Figure 2024059729000142
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-1-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I-
1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-4-d)で表される塩4.47部及びクロ
ロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた有機
層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた
有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌
し、ろ過することにより、式(I-4)で表される塩3.69部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 339.1
合成例9:式(I-5)で表される塩の合成
Figure 2024059729000143
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-1-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I-
1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-5-d)で表される塩4.45部及びクロ
ロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた有機
層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた
有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌
し、ろ過することにより、式(I-4)で表される塩4.24部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 337.1
合成例10:式(I-6)で表される塩の合成
Figure 2024059729000144
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-1-a)で表される化合物2.00部を加え、その
後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて添加
した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物を5
℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5部を
添加し中和することにより、式(I-1-c)で表される塩を含む溶液を得た。式(I-
1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-6-d)で表される塩6.05部及びクロ
ロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得られた有機
層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。得られた
有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌
し、ろ過することにより、式(I-6)で表される塩4.61部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 481.1
実施例6:式(I-193)で表される塩の合成
Figure 2024059729000145
メタンスルホン酸4.49部に五酸化二リン0.90部を添加し、23℃で30分間攪
拌した。得られた混合物に、式(I-193-a)で表される化合物2.73部を加え、
その後、5℃に冷却して、式(I-1-b)で表される化合物1.75部を20分かけて
添加した。5℃で20分間攪拌した後、さらに23℃で4時間撹拌した。得られた混合物
を5℃に冷却した後、イオン交換水10部を加えて、その後、28%アンモニア水溶液5
部を添加し中和することにより、式(I-193-c)で表される塩を含む溶液を得た。
式(I-1-c)で表される塩を含む溶液に、式(I-1-d)で表される塩4.00部
及びクロロホルム20部の混合溶液を添加し、23℃で18時間攪拌し、分液した。得ら
れた有機層に、イオン交換水20部を加えて攪拌し、分液した。この水洗を5回行った。
得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加
えて攪拌し、ろ過することにより、式(I-193)で表される塩3.92部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 319.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 245.0
樹脂の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物
をその式番号に応じて、「モノマー(a1-1-3)」等という。
Figure 2024059729000146
合成例11〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)及びモノマー
(a1-2-6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1
-3):モノマー(a1-2-6)〕が、38:24:38の割合となるように混合し、
さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチル
イソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃
で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p-トルエンスルホン
酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタン
に注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.3×10
である樹脂A1(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有
するものである。
Figure 2024059729000147
合成例12〔樹脂A2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)及びモノマー(a1-2-6)を用い、そ
のモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-2-6)〕が、38:62の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるよう
に添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に
、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層
を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分
子量が約5.4×10である樹脂A2(共重合体)を収率89%で得た。この樹脂A2
は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2024059729000148
合成例13〔樹脂A3の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-6-1)及びモノマー
(a3-2-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-x
):モノマー(a3-2-1)〕が、38:31:31の割合となるように混合し、さら
に、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソ
ブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル
を全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約
5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p-トルエンスルホン酸水
溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注
ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.9×10であ
る樹脂A3(共重合体)を収率88%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有する
ものである。
Figure 2024059729000149
合成例14〔樹脂A4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-2)、モノマー(
a1-2-5)、モノマー(a2-1-1)及びモノマー(a3-1-1)を用い、その
モル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-2):モノマー(a1-2-
5):モノマー(a2-1-1):モノマー(a3-1-1)〕が、38:3:26:2
0:13の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計
質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol
%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、
重合反応液に、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得
られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより
、重量平均分子量が約5.5×10である樹脂A4(共重合体)を収率85%で得た。
この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2024059729000150
合成例15〔樹脂AX1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-6-1)及びモノマー(a3-2-1)を用い、そ
のモル比〔モノマー(a1-x):モノマー(a3-2-1)〕が、50:50となるよ
うに混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及
びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5m
ol%及び4.5mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混
合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。
得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒に添加し、リパルプした後、ろ過するという精
製操作を2回行い、重量平均分子量5.7×10の樹脂AX1を収率78%で得た。こ
の樹脂AX1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2024059729000151
合成例16〔樹脂AX2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-1-2)、モノマー(a1-2-5)、モノマー(
a2-1-1)及びモノマー(a3-1-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-1
-2):モノマー(a1-2-5):モノマー(a2-1-1):モノマー(a3-1-
1)〕が、5:42:32:21となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル
)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを7
5℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注い
で樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を、メタノール/水混合溶媒に添
加し、リパルプした後、ろ過するという精製操作を2回行い、重量平均分子量5.7×1
の樹脂AX2を収率77%で得た。この樹脂AX2は、以下の構造単位を有するもの
である。
Figure 2024059729000152
<レジスト組成物の調製>
表2に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素
樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1~A4、AX1、AX2:樹脂A1~樹脂A4、樹脂AX1、樹脂AX2
<塩(I)>
I-1:式(I-1)で表される塩
I-2:式(I-2)で表される塩
I-3:式(I-3)で表される塩
I-4:式(I-4)で表される塩
I-5:式(I-5)で表される塩
I-6:式(I-6)で表される塩
I-37:式(I-37)で表される塩
I-39:式(I-39)で表される塩
I-48:式(I-48)で表される塩
I-49:式(I-49)で表される塩
I-75:式(I-75)で表される塩
I-83:式(I-83)で表される塩
I-121:式(I-121)で表される塩
I-145:式(I-145)で表される塩
I-147:式(I-147)で表される塩
I-193:式(I-193)で表される塩
<クエンチャー(C)>
C1:特開2011-39502号公報記載の方法で合成
Figure 2024059729000154
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
γ-ブチロラクトン 5部
(レジスト組成物の電子線露光評価)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザ
ンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物
層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレ
ート上で、表2の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウ
ェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS-F1
25 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン
(ホールピッチ40nm/ホール径17nm)を直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表2の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポ
ジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、形成したホール径が17nmとなる露光
量を実効感度とした。
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径17nmで形成したパターンのホール径を、一つのホール
につき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の
、ホール径17nmで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集
団として標準偏差を求めた。
その結果を表3に示す。表内の数値は標準偏差(nm)を示す。

比較組成物1~3と比較して、組成物1~20での標準偏差が小さく、CD均一性(C
DU)評価が良好であった。
本発明のレジスト組成物は、良好なCD均一性(CDU)を有するレジストパターンを
得られるため、半導体の微細加工に好適であり、産業上極めて有用である。

Claims (5)

  1. 式(IA)で表される塩。
    [式(IA)中、
    1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。
    m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。mが2のとき、2つのR2は同一又は相異なり、nが2のとき、2つのR1は同一又は相異なる。
    Arは、置換基を有してもよいナフチル基を表す。
    は、単結合、-CH-、-O-又は-S-を表す。
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。
    3Aは、炭素数3~6の分岐のアルキル基を表す。]
  2. 式(IB)で表される塩。
    [式(IB)中、
    1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。
    m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。mが2のとき、2つのR2は同一又は相異なり、nが2のとき、2つのR1は同一又は相異なる。
    Arは、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
    02は、単結合又は-CH-を表す。
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。
    3Bは、炭素数3~6の分岐のアルキル基を表す。]
  3. Arが、炭素数1~8のアルキル基を有してもよいナフチル基(但し、該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である請求項1に記載の塩。
  4. Arが、炭素数1~8のアルキル基を有してもよいフェニル基(但し、該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)である請求項2に記載の塩。
  5. 及びRが水素原子であり、n及びmが2である請求項1~4のいずれかに記載の塩。
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