JP2024056752A - 潤滑剤のための球状炭素同素体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速用途、高応力用途、高温環境用途、高熱伝導率用途、または反スティクションのための潤滑剤を提供する。
【解決手段】液体と、前記液体内の炭素凝集体であって、前記炭素凝集体のそれぞれが複数の炭素ナノ粒子を含み、前記複数の炭素ナノ粒子のぞれぞれが少なくとも2つの結合した多層球状フラーレンと前記少なくとも2つの結合した多層球状フラーレンを被覆する1層以上のグラフェンとを含む、前記炭素凝集体と、を含む、潤滑剤。前記炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法で測定したとき、10~200m/gであり、圧縮したとき、500S/m~20,000S/mの導電率を有する。
【選択図】図4B

Description

関連出願
本出願は、2017年2月9日に出願され米国特許第9,767,992号として発行された米国特許出願第15/428,474号の継続出願である、2017年8月14日に出願された米国特許出願第15/676,649号の一部継続出願である、2017年9月21日に出願された米国特許出願第15/711,620号に基づく優先権を主張する。これらの特許出願は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
グラファイト及びグラフェンを含有する炭素粒子は、自動車タイヤ添加剤から潤滑剤や電子材料に及ぶ広範な用途において使用されている。このような幅広い用途におけるこれらの使用を可能にする一部の特性は、高い表面積、ならびに高い導電率及び熱伝導率である。
天然に存在するグラフェン及びグラファイト材料は、採掘され、様々な用途で使用するために処理される。天然に存在するグラファイト及びグラフェン材料は高濃度の不純物を含有し、より純度の高い材料を得るために天然に存在するグラファイト及びグラフェンを精製するのは困難であり、コストが高い。
種々の粗製炭化水素または精製炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパンなど)を熱分解またはクラッキングして、グラフェン及びフラーレンなどの高次炭素物質ならびに水素を生成することもできる。しかしながら、高次炭素物質を生成するために使用されるプロセスの一部は、金属触媒などの触媒の使用を必要とし、高次炭素物質中に不純物が存在することになる。更に、一部のプロセスでは、「シード」または「コア」を形成し、その周囲に高次炭素物質を形成することが必要である。更に、これらの熱分解またはクラッキングプロセスは、非常に小さく(例えば、直径100nm未満)、収集が困難かつ高価である粒子を生成する。
高次炭素同素体のいくつかの例を図1A~1Dに示す。図1Aは、炭素が原子スケールの2次元六角形格子(ここで、1つの原子が各頂点を形成している)の複数の層を形成しているグラファイトの概略図を示す。グラファイトは、グラフェンの複数の単層でできている。図1Bは、湾曲して円柱になった六角形格子を炭素原子が形成しているカーボンナノチューブの概略図を示す。カーボンナノチューブは、円柱状フラーレンと呼ばれる場合もある。図1Cは、炭素原子からなる六角形格子の単層が球体を形成しているC60バックミンスターフラーレンの概略図を示す。他には、炭素原子からなる六角形格子の単層を複数含有し、60個の原子、70個の原子、または70個より多くの原子を含有し得る球状フラーレンが存在する。図1Dは、米国特許第6,599,492号による、球状フラーレンの複数の同心円層を含有するカーボンナノオニオンの概略図を示す。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェンを含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~50ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも50m/gである。
炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェン及び多層球状フラーレンを含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。多層球状フラーレンを含む炭素材料のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、Dモードピーク、Gモードピーク、及び1.2未満のD/G強度比を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに少なくとも10m/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェンと少なくとも1種の他の炭素同素体との混合物を含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに少なくとも10m/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに100S/m超の導電率を有する。
先行技術による炭素同素体の概略図である。 先行技術による炭素同素体の概略図である。 先行技術による炭素同素体の概略図である。 先行技術による炭素同素体の概略図である。 一部の実施形態による、理想的な結合した多層球状フラーレンの概略図である。 本開示の一部の実施形態による、マイクロ波ガス処理システムの簡略化した縦断面図である。 本開示の諸実施形態による、フィラメントを有するマイクロ波ガス処理システムの簡略化した縦断面図である。 本開示の諸実施形態による、炭素粒子、ナノ粒子、凝集体、及び材料を作製するための方法のフローチャートである。 一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体のラマンスペクトルを示す。 一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。 一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。 一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。 一部の実施形態による、第1の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のトップダウン画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例における多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体の、図5Aに示した位置からのラマンスペクトルを示す。 図5Aの異なる位置を強調したトップダウン画像である。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト及びグラフェンを含有する合成したままの炭素凝集体の、図5Cに示した位置からのラマンスペクトルを示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第2の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレンを含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のラマンスペクトルを示す。 一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のラマンスペクトルを示す。 一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。 一部の実施形態による、第3の実施例におけるグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する合成したままの炭素凝集体のTEM画像を示す。
本開示は、後述するように、グラファイト、グラフェン、フラーレン、無定形炭素、及びそれらの組み合わせをはじめとする様々な炭素同素体(すなわち、種々の形態の炭素)を含む、炭素ナノ粒子及び凝集体に関する。一部の実施形態では、炭素ナノ粒子及び凝集体は、従来のシステム及び方法を用いて達成される、秩序度がより低く、かつ純度がより低い粒子とは対照的に、高い秩序度(すなわち、低い欠陥濃度)、及び/または高い純度(すなわち、低い元素不純物濃度)を特徴とする。
本明細書に記載される材料の形状因子は、粒子(例えば、ナノ粒子または凝集体)である。形状因子は、物体または基質上に配列されるフィルムではない。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素粒子は、コアレスまたはシードレスである(すなわち、炭素以外の材料からなるコアまたはシードを含有しない)。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素凝集体は、比較可能な先行技術の粒子よりも実質的に大きいサイズを特徴とする。
高い秩序度を有するグラファイト及びグラフェンを含有する粒子を生成するために従来法が使用されてきたが、従来法は、様々な欠点を有する炭素生成物をもたらす。例えば、天然に存在するグラファイトを化学的に処理し、高い導電率及び高い表面積を有するグラフェンを生成することができるが、その純度は低い。一部の事例では、粒子をある程度まで化学的に精製することができるが、これを行うためのプロセスは困難であり、コストが高い。一部の事例では、従来の精製プロセスは、材料の導電率を低減させ得るかなりの濃度の酸素を含む粒子を生成する。高い秩序度(例えば、秩序だった材料のラマンシグネチャーによって証明されるもの)を有するグラファイト及びグラフェンを含有する粒子を生成するためには、炭化水素の熱分解及びクラッキング法も使用されてきた。しかしながら、こうした粒子は低い純度(例えば、他の元素に対して95%未満の炭素)を有する。一部の事例では、触媒またはシード粒子を利用した炭化水素の熱分解及びクラッキング法に
より、触媒またはシード元素を含み、したがって低い純度(例えば、他の元素に対して95%未満の炭素)を有する生成物がもたらされる。また一部の事例では、熱分解及びクラッキング法は、粒径の小さい(例えば、100nm未満の)粒子を生成し、このため粒子の収集が困難かつ高価になる。従来法を使用して生成された炭素同素体がもつ、低い秩序度及び/または低い純度といった望ましくない特性は、結果として得られる炭素粒子の望ましくない電気特性(例えば、低い導電率または低い表面積)の原因となることが多い。
一部の事例では、従来法は、1つ以上の望ましい特性を有する炭素同素体を含有する粒子を生成することができるが、特性の組み合わせが望ましくない。例えば、一部の従来法は、高い表面積を有するグラフェンを生成することができるが、残存酸素が存在するため導電率が低い。
本明細書に記載のシードレス炭素ナノ粒子及び凝集体は、合成したままの状態で、低い元素不純物濃度を有し、大きな粒径、高い表面積、及び高い導電率を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、後述するように、比較的高い速度、低コスト、改善されたマイクロ波反応器及び方法を使用して生成される。更なる利点及び/または改善点もまた、以下の開示内容から明らかになるであろう。
本開示において、「グラフェン」という用語は、1つの原子が各頂点を形成している原子スケールの2次元六角形格子の形態における炭素の同素体を指す。グラフェン中の炭素原子はsp結合している。更に、グラフェンは、およそ1580cm-1におけるGモード、およそ1350cm-1におけるDモード、及びおよそ2690cm-1における2Dモードピークという3つの主なピークがあるラマンスペクトルを有する(532nmの励起レーザーを使用した場合)。本開示において、グラフェンの単層とは、六角形状に配列された(すなわち、sp結合した)炭素原子の単一のシートである。2DモードピークのGモードピークに対する強度比(すなわち、2D/G強度比)が、グラフェンの層数に関連することは公知である。2D/G強度比がより高いことは、多層グラフェン材料中の層数がより少ないことに対応する。本開示の様々な実施形態において、グラフェンは、15層未満の炭素原子層、もしくは10層未満の炭素原子層、もしくは7層未満の炭素原子層、もしくは5層未満の炭素原子層、もしくは3層未満の炭素原子層を含有するか、または単一の炭素原子層を含有するか、または1~10層の炭素原子層を含有するか、または1~7層の炭素原子層を含有するか、または1~5層の炭素原子層を含有する。一部の実施形態では、数層グラフェン(few layer graphene、FLG)は、2~7層の炭素原子層を含有する。一部の実施形態では、多層グラフェン(many layer graphene、MLG)は、7~15層の炭素原子層を含有する。
本開示において、「グラファイト」という用語は、1つの原子が各頂点を形成している原子スケールの2次元六角形格子の形態における炭素の同素体を指す。グラファイト中の炭素原子はsp結合している。更に、グラファイトは、およそ1580cm-1におけるGモード及びおよそ1350cm-1におけるDモードという2つの主なピークがあるラマンスペクトルを有する(532nmの励起レーザーを使用した場合)。グラフェンと同様に、グラファイトは、六角形状に配列された(すなわち、sp結合した)炭素原子の層を含有する。本開示の様々な実施形態において、グラファイトは、15層を超える炭素原子層、または10層を超える炭素原子層、または7層を超える炭素原子層、または5層を超える炭素原子層、または3層を超える炭素原子層を含有し得る。
本開示において、「フラーレン」という用語は、中空の球体、楕円体、管、または他の形状の形態における炭素の分子を指す。球状フラーレンは、バックミンスターフラーレン、またはバッキーボールと呼ばれる場合もある。円柱状フラーレンは、カーボンナノチューブと呼ばれる場合もある。フラーレンは、連結した六角形の環の積層グラフェンシート
からなるグラファイトと構造が似ている。フラーレンは、五角形(または場合によっては七角形)の環を含有する場合もある。
本開示において、「多層フラーレン」という用語は、複数の同心円層を有するフラーレンを指す。例えば、多層ナノチューブ(MWNT)は、グラフェンの巻かれた層(同心管)を複数含有する。多層球状フラーレン(MWSF)は、フラーレンの同心球を複数含有する。
本開示において、「無定形炭素」という用語は、わずかな結晶構造を有するか、または結晶構造を有しない炭素同素体を指す。無定形炭素の特性評価を行う方法の1つは、材料中に存在するsp混成結合のsp混成結合に対する比によるものである。sp対sp比は、種々の分光ピーク(EELS、XPS、及びラマン分光法を含む)の相対強度を、spまたはsp混成軌道(hybridization)をもつ炭素同素体に関して予想されるものと比較することによって決定することができる。
本開示において、「ナノ粒子」という用語は、1nm~900nmのサイズを有する粒子を指す。ナノ粒子は、1種類以上の構造(例えば、結晶構造、欠陥濃度など)、及び1種類以上の原子を含むことができる。ナノ粒子は、球形状、楕円体形状、ダンベル形状、円柱形状、細長い円柱型形状、直角プリズム形状、ディスク形状、ワイヤ形状、不規則形状、密な形状(すなわち、空隙が少ない)、多孔性形状(すなわち、空隙が多い)などを含むがこれらに限定されない任意の形状であってよい。本開示において、「粒子」という用語は、任意のサイズを有する粒子を指し、ナノ粒子を含む。
本開示において、「凝集体」という用語は、ファンデルワールス力、共有結合、イオン結合、金属結合、または他の物理的もしくは化学的相互作用によってひとつに結合している複数の粒子またはナノ粒子を指す。凝集体のサイズは大きく異なり得るが、一般的には約500nmより大きい。本出願全体を通して、「粒子」または「複数の粒子」という用語は、ナノ粒子及び凝集体を含め、任意のサイズの粒子を含み得る総称である。
本明細書に記載の炭素粒子及びナノ粒子は、グラファイト及びグラフェンを含有し、シード粒子を含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載の粒子及びナノ粒子は、15層を超える炭素原子層、もしくは10層を超える炭素原子層、もしくは7層を超える炭素原子層、もしくは5層を超える炭素原子層、もしくは3層を超える炭素原子層を含有するグラファイト、及び15層未満の炭素原子層、もしくは10層未満の炭素原子層、もしくは7層未満の炭素原子層、もしくは5層未満の炭素原子層、もしくは3層未満の炭素原子層を含有するグラフェンを含有するか、または単一の炭素原子層を含有するか、または1~10層の炭素原子層を含有するか、または1~7層の炭素原子層を含有するか、または1~5層の炭素原子層を含有し、シード粒子を含まない。一部の実施形態では、複数の炭素粒子またはナノ粒子が炭素凝集体中に含まれる。一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含有する。
一部の実施形態では、炭素粒子またはナノ粒子は、多層球状フラーレン(MWSF)を更に含む。一部の実施形態では、炭素粒子またはナノ粒子は、結合したMWSFを更に含み、グラフェンの層が、結合したMWSFを被覆している。一部の実施形態では、炭素粒子またはナノ粒子は、無定形炭素を更に含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載の粒子及び凝集体は、グラフェンと第2の炭素同素体との混合物を含有し、シード粒子を含有しない。一部の実施形態では、第2の炭素同素体は、グラファイト、MWSF、結合したMWSF、または無定形炭素である。一部の実施形態では、粒子及び凝集体は、グラフェンと、第2の炭素同素体と、第3の炭素同素
体との混合物を含有し、シード粒子を含有しない。一部の実施形態では、第2の同素体はグラファイトであり、第3の同素体は、MWSF、結合したMWSF、または無定形炭素である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、図1Eに示されている理想的な炭素ナノ粒子100によって例示されるような、高い純度をもつ高秩序構造を特徴とする。図1Eの炭素同素体は、2つの結合した多層球状フラーレン(MWSF)101及び102を含有し、グラフェンの層103が、結合したMWSF 101及び102を被覆している。図1Eに示されている同素体は、コアレスでもある(すなわち、球状フラーレンの中心に炭素以外の材料からなるコアを含有しない)。図1Eに示されている理想的なナノ粒子は、MWSFを他の炭素同素体と混合した均一性の低い混合物、多くの点欠陥及び歪んだ格子を有する低秩序のMWSF、ならびに低純度のMWSF(例えば、シード粒子をコアに有するもの)とは対照的に、MWSFのグラフェンに対する比が高いため高い均一性を有し、点欠陥(例えば、炭素原子の欠如)も炭素格子の歪みもないため高秩序であり、炭素以外の元素(例えば、不純物からなるコア)がないため高い純度を有する。他の実施形態では、結合したMWSFは、コアを含有しない。一部の実施形態では、コアは、空隙、またはMWSFではない炭素ベースの材料(例えば、無定形炭素)、または炭素ベースではないシードである。
一部の実施形態では、本明細書に記載の凝集体は、グラフェン(例えば、最大15層を含有する)及びグラファイト(例えば、15層を超える層を含有する)を含有し、グラフェンのグラファイトに対する比が20%~80%であり、高い秩序度(例えば、2DモードピークのGモードピークに対する強度比が0.5超のラマンシグネチャー)、及び高い純度を有する(例えば、炭素の、H以外の他の元素に対する比が、99.9%超である)。一部の実施形態では、グラフェンのグラファイトに対する比は、10%~90%、または10%~80%または10%~60%、または10%~40%、または10%~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法を使用して生成された粒子は、グラファイト及びグラフェンを含有し、炭素以外の不純物元素からなるコアを含有しない。一部の事例では、粒子の凝集体は、大きな直径(例えば、直径10ミクロン超)を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の凝集体は、グラフェンと、MWSFまたは結合したMWSFと、場合によりグラファイトとを含有し、グラフェンのMWSFに対する比が20%~80%であり、高い秩序度(例えば、DモードピークのGモードピークに対する強度比が0.95~1.05のラマンシグネチャー)、及び高い純度を有する(例えば、炭素の、H以外の他の元素に対する比が、99.9%超である)。一部の実施形態では、グラフェンのMWSFまたは結合したMWSFに対する比は、10%~90%、または10%~80%または10%~60%、または10%~40%、または10%~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法を使用して生成された粒子は、MWSFまたは結合したMWSFを含有し、MWSFは、炭素以外の不純物元素からなるコアを含有しない。一部の事例では、粒子の凝集体は、大きな直径(例えば、直径10ミクロン超)を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の凝集体は、グラフェンと、無定形炭素と、場合によりグラファイトとを含有し、グラフェンの無定形炭素に対する比が20%~80%であり、高い純度を有する(例えば、炭素の、H以外の他の元素に対する比が、99.9%超である)。一部の実施形態では、グラフェンの無定形炭素に対する比は、10%~90%、または10%~80%または10%~60%、または10%~40%、または10%
~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法を使用して生成された粒子は、無定形炭素を含有し、炭素以外の不純物元素からなるコアを含有しない。一部の事例では、粒子の凝集体は、大きな直径(例えば、直径10ミクロン超)を有する。
一部の実施形態では、炭素材料の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超、または99.5%超、または99.7%超、または99.9%超、または99.95%超である。
一部の実施形態では、炭素凝集体のメジアン径は、1ミクロン~50ミクロン、または2ミクロン~20ミクロン、または5ミクロン~40ミクロン、または5ミクロン~30ミクロン、または10ミクロン~30ミクロン、または10ミクロン~25ミクロン、または10ミクロン~20ミクロンである。一部の実施形態では、炭素凝集体のサイズ分布は、1ミクロン~10ミクロン、または1ミクロン~5ミクロン、または2ミクロン~6ミクロン、または2ミクロン~5ミクロンの10パーセンタイルを有する。凝集体を構成する粒子のサイズは様々であってよく、10nmより小さくても、または最大数百ナノメートルのサイズであってもよい。一部の実施形態では、凝集体のサイズは、TEM画像を使用して測定される。一部の実施形態では、凝集体のサイズは、レーザー粒径分析器(例えば、Fritsch Analysette 22 MicroTec plus)を使用して測定される。
一部の実施形態では、炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法(すなわち、「窒素を使用するBET法」、または「窒素BET法」)または密度汎関数理論(DFT)法を使用して測定したとき、50~300m/g、または100~300m/g、または50~200m/g、または50~150m/g、または60~110m/g、または50~100m/g、または70~100m/gである。
一部の実施形態では、炭素凝集体は、圧縮したとき(例えば、ディスク、ペレットなどに)、また場合によりアニーリングしたときに、500S/m超、または1000S/m超、または2000S/m超、または500S/m~20,000S/m、または500S/m~10,000S/m、または500S/m~5000S/m、または500S/m~4000S/m、または500S/m~3000S/m、または2000S/m~5000S/m、または2000S/m~4000S/m、または1000S/m~5000S/m、または1000S/m~3000S/mの導電率を有する。
本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、存在する炭素同素体の種、及びそれらの秩序度を決定するために、ラマン分光法によって特性評価される。グラファイト及びグラフェンに関するラマンスペクトルにおける主なピークは、Gモード、Dモード、及び2Dモードである。Gモードピークは、およそ1580cm-1の波数を有し、sp混成の炭素ネットワークにおける炭素原子の振動に起因する。Dモードピークは、およそ1350cm-1の波数を有し、欠陥のある六角形の炭素環のブリージングに関連し得る。2Dモードピークは、Dモードの二次倍音であり、およそ2690cm-1の波数を有する。
一部の実施形態では、グラファイト及びグラフェンを含有する炭素材料は、2Dモードピーク及びGモードピークがあるラマンスペクトルを有し(532nmの入射光を使用した場合)、2D/G強度比は、0.2超、または0.5超、または1超である。
ラマン分光法を使用してMWSFの構造の特性評価を行うこともできる。532nmの
入射光を使用した場合、ラマンGモードは、平面的なグラファイトでは典型的に1582cm-1にあるが、MWSFについては(例えば、1565~1580cm-1へと)ダウンシフトし得る。Dモードは、MWSFのラマンスペクトルではおよそ1350cm-1に観察される。DモードピークのGモードピークに対する強度比(すなわち、D/G強度比)は、MWSFの秩序度に関連し、より低いD/G強度比は、より高い秩序度を示す。約1または1未満のD/G強度比は、比較的高い秩序度を示し、1.2以上のD/G強度比は、より低い秩序度を示す。
一部の実施形態では、MWSFを含有する炭素材料は、Dモードピーク及びGモードピークがあるラマンスペクトルを有し(532nmの入射光を使用した場合)、D/G強度比は、0.9~1.1、または約1.2未満である。
一部の実施形態では、無定形炭素を含有する炭素材料は、2Dモードピーク、Dモードピーク、及びGモードピークがあるラマンスペクトルを有し(532nmの入射光を使用した場合)、D/G強度比は、0.5超である。一部の実施形態では、ラマンスペクトルは、低強度2Dモードピークも有する。一部の実施形態では、2Dモードピークは、Gモードピーク強度のおよそ30%未満、またはGモードピーク強度の20%未満、またはGモードピーク強度の10%未満の強度を有する。一部の実施形態では、ラマンスペクトルは、Dモードピーク及びGモードピークを有し、これらの間に浅い谷がある。一部の実施形態では、DモードピークとGモードピークとの間にある浅い谷の最小強度は、Gモードピーク強度のおよそ40%超、またはGモードピーク強度のおよそ50%超、またはGモードピーク強度のおよそ60%超である。
グラファイト及びグラフェン材料を生成するための方法
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素粒子、ナノ粒子、凝集体、及び材料は、「Microwave Chemical Processing」と題する米国特許出願第15/351,858号、または「Microwave Chemical Processing Reactor」と題する前出の米国特許出願第15/428,474号に記載されている任意の適切なマイクロ波反応器及び/または方法などのマイクロ波プラズマ反応器及び方法を使用して生成される。これらの特許出願は、本出願と同じ譲受人に譲渡され、あらゆる目的のために本明細書に完全に明記されているかのように参照により本明細書に組み込まれている。前出の米国特許出願には、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を生成するためのマイクロ波プラズマガス処理システム、方法、及び装置に関する更なる情報及び実施形態も記載されている。
一部の実施形態では、処理材料(例えば、炭化水素ガス、または液体混合物)のマイクロ波プラズマ化学処理を使用して、本明細書に記載の炭素粒子、ナノ粒子、及び凝集体を生成する。より具体的には、プラズマのエネルギーを制御するためのマイクロ波放射のパルシングを含む、種々の技術を使用した前駆体材料のマイクロ波プラズマ化学処理を使用して、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を生成することができる。プラズマのエネルギーを制御することができれば、前駆体材料を特定の分離成分に変換する際に1つ以上の反応経路を選択することができる。パルスマイクロ波放射を使用してプラズマのエネルギーを制御することができるのは、プラズマが点火するときに作り出される短命な高エネルギー種が、新しい各パルスの開始時に再生され得るからである。プラズマエネルギーは、従来技術よりも低い平均イオンエネルギーを有するが、高い前駆体材料流量及び高い圧力において標的の化学反応が起こるのを可能にするのに十分に高いレベルに制御される。
プラズマのエネルギーを制御するためにパルスマイクロ波放射を使用する従来のマイクロ波プラズマ化学処理システムは、90%を超える非常に高いクラッキング効率を有する
。しかしながら、こうした従来のシステムは、1標準リットル毎分(slm)未満の低いガス流速、及び小さいプラズマ中のガス体積を使用し、結果として生成速度が低く、生成コストが高い。こうした従来のシステムは、高周波数マイクロ波パルシング(例えば、およそ100Hz超)を使用しながらガス流速及びプラズマ中のガス体積を増加させることができない。大きい体積及び高い流量のガスを使用すると、プラズマがパルスに遅れないように十分に速く点火することができないからである。
これまでに開発されたシステムとは対照的に、一部の実施形態では、供給ガス及び/または前駆体材料中でマイクロ波プラズマを発生させることができ、このプラズマ中のエネルギーは、前駆体材料分子から、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を含む分離成分を形成するのに十分である。一部の実施形態では、マイクロ波放射源が反応チャンバに連結され、反応チャンバの長さのうち第1の部分に沿ってプラズマが発生し、反応チャンバの長さのうち第2の部分に沿って、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を含む成分に前駆体材料が分離される。一部の実施形態では、マイクロ波放射は、従来法におけるように誘電体壁を通してではなく、プラズマに直接導入される。
本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を生成するための前駆体材料のマイクロ波プラズマ化学処理に関する本発明の諸実施形態の方法では、ある長さを有する導波路によってパルスマイクロ波放射が供給され、マイクロ波放射は、導波路に沿った方向に伝播する。導波路中の圧力は、少なくとも0.1気圧である。導波路の長さに沿った第1の位置において導波路中に供給ガスが提供され、供給ガスの大部分は、マイクロ波放射の伝播方向に流れる。導波路の長さのうちの少なくとも一部分における供給ガス中でプラズマが発生し、第1の位置から下流にある第2の位置において、前駆体材料(例えば、処理ガス、または液体前駆体)が導波路中に加えられる。前駆体材料の大部分は、5slm超、または液体混合物では5L/分超の速度でマイクロ波伝播方向に流れる。プラズマの平均エネルギーは、i)パルスマイクロ波放射のパルシング周波数(ここで、パルシング周波数は500Hz超である)、及びii)パルスマイクロ波放射のデューティサイクル(ここで、デューティサイクルは90%未満である)のうちの少なくとも1つを制御することにより、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を含む分離成分に前駆体材料を変換するように制御される。
本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を生成するための前駆体材料のマイクロ波プラズマ化学処理に関する本発明の諸実施形態のガス処理システムにおいて、本システムは、第1のガス入口、第1のガス入口の下流にある第2のガス入口、及び長さを有する導波路を含む。第1の入口は、供給ガスを受けるように構成されており、第2の入口は、前駆体材料(例えば、処理ガスまたは液体混合物)を受けるように構成されている。パルスマイクロ波放射源は、供給ガス中にプラズマを発生させるように導波路に連結されており、マイクロ波放射は、導波路の長さに沿った方向に伝播して、前駆体材料と反応する。マイクロ波放射源は、500Hz~1000kHzの周波数及び90%未満のデューティサイクルでマイクロ波放射のパルスをオン及びオフにするように構成されている。供給ガスの流れの大部分及び前駆体材料の流れの大部分は、マイクロ波伝播方向と平行である。処理ガスの流量は5slm超であり、導波路は、少なくとも0.1気圧の圧力に適応するように構成されている。
図2Aは、本開示のマイクロ波化学処理システムの一実施形態を示し、ここでは、「電場増強導波路」(field-enhancing waveguide、FEWG)がマイクロ波エネルギー発生器(すなわち、マイクロ波エネルギー源)に連結されており、FEWGのプラズマゾーンにおいて供給ガスからプラズマが発生し、FEWGの反応長(reaction length)が、処理材料を別々の成分に分離するための反応ゾーンとして役立つ。図2Aに示される本反応器では、電場増強導波路の電場増強ゾーンと反
応ゾーンとの間に誘電体バリアがない。対照的に、従来のシステムの反応ゾーンは、これまでに説明されているような石英チャンバなどの誘電体バリアに囲まれている。マイクロ波エネルギーの伝播方向は、供給ガス及び/または処理材料(すなわち、前駆体材料)の流れの大部分と平行であり、マイクロ波エネルギーは、FEWGのうち分離成分が発生する部分の上流で導波路に入る。
図2Aに示されるように、マイクロ波化学処理反応器200は、一部の実施形態によれば、簡略化するために示されていない要素が他にもあるが、概して、FEWG 205と、FEWG 205に流れ込む供給ガス及び/または処理材料208aを受けるように構成された1つ以上の入口202と、FEWG 205に連結されたマイクロ波エネルギー源204とを含む。「処理材料」は、「前駆体材料」、または一部の実施形態では「処理ガス」と呼ばれる場合もある。入口202は、ガス状混合物または液体混合物の前駆体材料に適応するように設計することができる。液体前駆体の場合、一部の実施形態では、入口202は、反応器内に液体前駆体を効果的に分散させるための噴霧器(または他のアセンブリ)を含み得る。一部の実施形態では、バブラーを使用して液体を蒸発させ、この蒸気を入口202に提供してもよい。
一部の実施形態では、マイクロ波回路207が、マイクロ波エネルギー源204からマイクロ波エネルギー209がパルシングされるパルシング周波数を制御する。一部の実施形態では、マイクロ波エネルギー源204からのマイクロ波エネルギー209は、連続波である。
FEWG 205は、長さLを有する。FEWG 205のうち長さLを有する部分(図2Aに示されている)は、FEWGのうち長さLを有する部分(図2Aに示されている)よりもマイクロ波エネルギー発生器に近い。本開示全体を通して、FEWGのうちの異なる部分が、FEWGのある特定の部分を表す下付き文字を伴う大文字L(例えば、L、L、L、L、L)によって説明され、同義的に、FEWGのうちの異なる部分の長さもまた、FEWGのある特定の部分の長さを表す下付き文字を伴う大文字L(例えば、L、L、L、L、L)によって説明される。
長さLにおけるFEWGの断面積は、長さLにおけるFEWGの断面積よりも小さい。FEWGの長さLは、FEWGの長さLとLとの間に位置し、マイクロ波エネルギー伝播の経路に沿って減少する断面積を有する。断面積の減少は、電場を集中させ、ひいては、従来のシステムと比較して、プラズマが形成され得る相当量の面積を依然として提供しながら、マイクロ波エネルギー密度を増加させるのに役立つ。FEWGのうち長さLを有する部分(図2Aに示されている)は、2.45GHzのマイクロ波エネルギー周波数を使用する場合、寸法0.75インチ×3.4インチの長方形断面を有し得る。この断面積は、プラズマ発生面積が概して1平方インチ未満である従来のシステムと比べて大幅に大きい。FEWG 205のうちの異なる部分の寸法は、導波路として適切に機能するために、マイクロ波周波数に従って設定される。例えば、楕円形の導波路では、断面の寸法は、2.1~2.7GHzに対して5.02インチ×2.83インチであり得る。
従来のマイクロ波プラズマ材料処理システムでは、プラズマが生じ得る領域が、例えば上述のように1平方インチ未満に制限されているため、ガス反応が起こり得る容積が制約される。また、従来のシステムでは、マイクロ波エネルギーは、窓(典型的には石英)を通って反応チャンバに入る。これらのシステムでは、処理中に誘電材料(例えば、微粒炭素)が窓を被覆し、経時的に電源送給を減少させる。このことは、これらの分離成分がマイクロ波エネルギーを吸収した場合、マイクロ波エネルギーが反応チャンバに導入されてプラズマを発生させるのを妨げ得るため、大きな問題となり得る。その結果、ガス反応か
ら生成される炭素粒子などの副産物の急速な蓄積が起こり、処理機器の実行時間を制限する。本発明の諸実施形態において、システム200及び後述する他の実施形態は、反応ゾーン内に窓を使用することなく、つまり、エネルギーが反応から上流に入る平行伝播/ガス流システムを使用して設計されている。結果として、より多くのエネルギー及び電力が、マイクロ波エネルギー源からプラズマに導入され得る。窓がなく、従来のシステムにおける制限された反応チャンバ容積と比較して導波路205内の容積が大きいことにより、実行時間の制限を引き起こす粒子蓄積の問題が大幅に軽減され、したがってマイクロ波処理システムの生成効率が改善する。
図2Aのマイクロ波エネルギー209は、FEWG 205の長さのうち長さLを有するプラズマゾーン(図2Aに示されている)において、供給ガス及び/または処理材料中にマイクロ波プラズマ206を作り出す。長さLを有するプラズマゾーンは、FEWGのL部分内に位置し、長さLにおけるものよりも断面積が小さく、マイクロ波エネルギー密度が高い。一部の実施形態では、処理材料とは異なる供給ガスを使用して、マイクロ波プラズマ206を発生させる。供給ガスは、例えば、水素、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの貴ガス、または2種類以上のガスの混合物であってよい。他の実施形態では、供給ガスは処理材料と同じであり、この場合、処理材料は、分離成分が作り出される元になる材料である。
一部の実施形態では、供給ガス及び/または処理材料の入口202は、FEWGのL部分から上流に位置するか、またはFEWGのL部分内に位置するか、またはFEWGのL部分内に位置するか、またはFEWGのL部分の上流に位置する。一部の実施形態では、FEWGのL部分は、供給ガス及び/または処理材料208aがFEWGに入る位置から下流にあるFEWGに沿った位置から、FEWGの端部まで、あるいは供給ガス及び/または処理材料の入り口とFEWG 205の端部との間にある位置まで延びる。一部の実施形態では、FEWGのL部分は、供給ガス及び/または処理材料208aがFEWGに入る場所から、FEWGの端部まで、あるいは供給ガス及び/または処理材料の入り口とFEWGの端部との間にある位置まで延びる。
発生したプラズマ206は、反応長Lを有するFEWG 205の反応ゾーン201において、処理材料208b中で反応を起こすためのエネルギーを提供する。一部の実施形態では、反応ゾーンLは、処理材料208aがFEWG 205に入る場所から、FEWG 205の端部まで、または処理材料の入り口とFEWG 205の端部との間にある位置まで延びる。適正な条件を前提とすれば、プラズマ206中のエネルギーは、処理材料分子から分離成分を形成するのに十分である。1つ以上の出口203は、処理材料208b中で反応が起こるFEWGの反応ゾーン部分201の下流において、分離した生成物をFEWG 205から収集するように構成されている。図2Aに示されている例において、マイクロ波エネルギー209の伝播方向は、供給ガス及び/または処理材料の流れ208bの大部分と平行であり、マイクロ波エネルギー209は、FEWGのうち分離成分が発生する反応ゾーン201の上流でFEWG 205に入る。
一部の実施形態では、マイクロ波エネルギーを透過させる圧力バリア210が、マイクロ波エネルギー源204内の、マイクロ波エネルギー源の出口付近、またはマイクロ波エネルギー源204とFEWG内で生成されるプラズマ206との間にある他の位置に置かれていてもよい。この圧力バリア210は、プラズマがマイクロ波エネルギー源204に逆流する可能性を防ぐための安全対策として役立ち得る。プラズマは、圧力バリア自体では生じない。むしろ、圧力バリアは単に機械的なバリアである。圧力バリアを構成し得る材料のいくつかの例は、石英、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、他のプラスチック、またはセラミックである。一部の実施形態では、2つの圧力バリア210及び211があってもよく、ここで、圧力バリア210及び211の一方または両方が、マイ
クロ波エネルギー源204内の、マイクロ波エネルギー源の出口付近、またはマイクロ波エネルギー源204とFEWG内で生成されるプラズマ206との間にある他の位置にある。一部の実施形態では、圧力バリア211は、圧力バリア210よりもFEWG内のプラズマ206に近く、圧力バリア211が故障した場合に備えて、圧力バリア210と211との間に圧力噴出ポート212がある。
一部の実施形態では、FEWG内の局所的なインピーダンスは、フィラメント、点源、電極、及び/または磁石を使用して調整される。一部の実施形態では、FEWGの反応ゾーン内のプラズマの密度を増加させるために、フィラメント、点源、電極、及び/または磁石が使用される。
図2Bは、FEWG及びフィラメントを有するマイクロ波処理システムを例示する。図2Bの実施形態において、マイクロ波処理システム250は、これまでの実施形態と同様に、マイクロ波エネルギー発生器(すなわち、マイクロ波エネルギー源)254、FEWG 255、及びマイクロ波エミッタ回路257を含む。マイクロ波エネルギー259は、マイクロ波エネルギー源254により供給されて、FEWG 255の長さLの方向に伝播する。この実施形態において、供給ガス入口252は、これまでの実施形態で例示したようにL部分(すなわちプラズマゾーン)への入り口ではなく、L部分の入り口付近に配置されている。FEWG 255内には、プラズマの点火及び/またはプラズマ中のより高いエネルギー種の励起を補助するため、1つ以上の金属フィラメント270が配置されている。この実施形態において、金属フィラメント270は、第1のガス入口252の下流で、FEWGのプラズマゾーン部分Lへの入り口付近にある(FEWGよりも断面積が小さく、マイクロ波エネルギー発生器に近い)。他の実施形態では、フィラメント270は、FEWG 255の全長LのうちL部分内にある他の位置に位置していてもよく、ここでLは、これまでの実施形態との関連で記載したように、導波路の中でプラズマが形成される領域である。一部の実施形態では、フィラメント270は、FEWGのL部分内かつ処理材料入口260の上流に位置する。したがってフィラメントは、反応が起こり、反応した種でフィラメントが被覆され得るL部分(すなわち、図2Aに示されている長さL)の外側に位置する。フィラメント270の存在は、マイクロ波エネルギー259の電場を集中させることにより、点火部位をもたらすことによって、プラズマ点火電圧を低減させることができる。更に、フィラメント270は、加熱され、熱イオン放出によって電子を放出することができ、これがプラズマ点火電圧の低減に更に寄与する。フィラメント270は、この実施形態では単一のワイヤとして例示されているが、フィラメント270は、コイルまたは複数のフィラメントといった他の構成をとってもよい。一部の実施形態では、フィラメント270は、タングステンである。一部の実施形態では、フィラメントは、能動的にエネルギー供給(動力供給)されてもよいし、または受動的であってもよい。一部の実施形態では、フィラメント270は、ヒーターコイルに隣接したオスミウムフィラメントである(例えば、プレート、またはコイル、または他の形状として構成されている)。一部の実施形態では、フィラメント270は、誘導コイルの場における鉄を含む材料である。一部の実施形態では、フィラメント270は、能動的に加熱され、能動的な構成要素(例えば、加熱源構成要素)は、導波路255の外側に位置し、加熱されているフィラメント材料は、導波路255の内側にある。
FEWG内のフィラメント270は、プラズマ点火を補助し得る。一部の実施形態では、FEWG内にフィラメント270を使用することの利点は、高いガス流量(例えば、5slm超)及び大きいガス体積(例えば、最大1000L)を用いても、高速のマイクロ波パルシング周波数に遅れないように十分な速さで(例えば、500Hz超、または1kHz超の周波数で)プラズマが生じるのを可能にすることである。これは高圧下(例えば、0.9atm超、または1atm超、または2atm超)で特に重要であるが、それは、高エネルギー種が高圧雰囲気において急速に消光するため、そして、プラズマが十分に
速く点火できなければ、高圧下のパルスプラズマ中に低い割合の高エネルギー種があることになる(すなわち、経時的に組み込まれる)ためである。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び炭素凝集体を生成するための前駆体材料(すなわち、処理材料)は、炭化水素ガスをはじめとするガスであり、例えばC、C、C、水を含む二酸化炭素、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メチルアセチレン-プロパジエン、プロパジエン、プロパン、プロピン、アセチレン、またはそれらの任意の混合物もしくは組み合わせなどである。一部の実施形態では、前駆体は、半導体産業において金属及び誘電体の蒸着及びエッチングのために使用される他の材料である。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び炭素凝集体を生成するための前駆体材料(すなわち、処理材料)は、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノール、メタノール、縮合炭化水素(例えば、ヘキサン)、または他の液体炭化水素を含む液体混合物である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の様々な炭素同素体を含む炭素ナノ粒子及び凝集体は、マイクロ波プラズマ反応器を使用し、1slm(標準リットル毎分)~1000slm、または2slm~1000slm、または5slm~1000slm、または1slm超、または2slm超、または5slm超、または10slm超、または100slm超のガス流量を用いて生成される。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、マイクロ波プラズマ反応器を使用し、0.001秒~100秒、または0.01秒~100秒、または0.1秒~100秒、または0.001秒~10秒、または0.01秒~10秒、または0.1秒~10秒のガス滞留時間を用いて生成される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の様々な炭素同素体を含む炭素ナノ粒子及び凝集体は、マイクロ波プラズマ反応器を使用し、0.1L/分~1000L/分、または2L/分~1000L/分、または5L/分~1000L/分、または1L/分超、または2L/分超、または5L/分超、または10L/分超、または100L/分超の液体前駆体流量を用いて生成される。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、マイクロ波プラズマ反応器を使用し、0.001秒~100秒、または0.01秒~100秒、または0.1秒~100秒、または0.001秒~10秒、または0.01秒~10秒、または0.1秒~10秒の液体前駆体滞留時間を用いて生成される。
一部の実施形態では、前駆体材料の流速(すなわち、ガスまたは液体の流速)は、反応器内で生成される同素体の混合物を調整するために使用される。より高い流速では滞留時間がより短く、より低い流速では滞留時間がより長い。一部の実施形態では、最初に生じる1種以上の炭素同素体と、その後に生じ、かつ/または最初に生じた炭素同素体の表面に成長する他の炭素同素体とがある。より高い流速(すなわち、より短い滞留時間)では、最初に生じる同素体の、その後に生じる同素体に対する比は、より低い流速におけるものよりも高くなる。
一例は、グラフェン、グラファイト、及びMWSFの混合物の生成である。一部の実施形態では、まずMWSFが生じ、最初に生じたMWSFの表面にグラフェン及び/またはグラファイト材料が生じる。より高い流速で混合物が生成される実施形態では、グラフェン及びグラファイトのMWSFに対する比は、より低い(例えば、10%または20%と同程度に低い)。その一方で、より低い流速で混合物が生成される実施形態では、グラフェン及びグラファイトの更なる層がMWSF表面に成長するための時間がより多くあるため、グラフェン及びグラファイトのMWSFに対する比は、より高い(例えば、最大80%または90%)。
別の例は、グラフェン、グラファイト、及び無定形炭素の混合物の生成である。一部の実施形態では、まず無定形炭素が生じ、最初に生じた無定形炭素の表面にグラフェン及び/またはグラファイト材料が生じる。より高い流速で混合物が生成される実施形態では、グラフェン及びグラファイトの無定形炭素に対する比は、より低い(例えば、10%または20%と同程度に低い)。その一方で、より低い流速で混合物が生成される実施形態では、グラフェン及びグラファイトの更なる層が無定形炭素表面に成長するための時間がより多くあるため、グラフェン及びグラファイトの無定形炭素に対する比は、より高い(例えば、最大80%または90%)。
前駆体材料の流速に加えて、例えばマイクロ波パラメータ(例えば、エネルギー、電力、パルス速度)、チャンバ形状、反応温度、フィラメントの存在、ならびに利用される前駆体及び供給ガス種をはじめとする他のパラメータも、どの炭素同素体が生じるか、そして各々の成長速度に影響することは、重要な留意点である。例えば、グラフェン、またはグラフェン及びグラファイトの混合物を生成するとき、マイクロ波エネルギー及び電力、ならびに前駆体及び供給ガスの流速は、グラフェンの層数、及び/または生成されるグラフェンのグラファイトに対する比に影響を及ぼし得る。より高い電力では、炭素層の成長速度が増加し、より長い滞留時間では、成長可能な層の数が増加する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、マイクロ波プラズマ反応器を使用し、100cm~100,000cm、または1000cm~100,000cm、または100cm~10,000cm、または1000cm~10,000cm、または1000cm~5,000cmのチャンバ容積を用いて生成される。単一の反応器内で複数のチャンバを同時に使用してもよいし、同じ反応器システム内で複数の反応器を同時に使用してもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、マイクロ波プラズマ反応器を使用し、10kg/時超、または1kg/時超、または0.1~100kg/時、または1~100kg/時、または10~100kg/時、または0.1~10kg/時、または0.1~1kg/時、または1~10kg/時の生成速度で生成される。
マイクロ波プラズマ反応器を使用して生成される、本明細書に記載の炭素粒子、ナノ粒子、凝集体、及び材料を作製するための方法が、図3に示されている。一部の実施形態では、方法300は、処理ガスを反応ゾーン内に流すこと310、マイクロ波プラズマを使用して反応ゾーン内の処理ガスの分子をクラッキングすること320、クラッキングした分子を反応させて炭素凝集体を形成すること330、及び炭素凝集体を収集すること340を含む。一部の実施形態では、炭素凝集体は、グラフェンを含む。一部の実施形態では、炭素凝集体は、グラフェン、グラファイト、MWSF、結合したMWSF、無定形炭素、他の炭素同素体、またはそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、炭素凝集体は、水素を除く他の元素に対する比が99%超である炭素を含有し、炭素凝集体のメジアン径は、1~50ミクロンであり、炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに50~200m/gであり、炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
グラファイト及びグラフェン材料の後処理
一部の実施形態では、本明細書に記載のグラファイト及びグラフェンを含有する炭素粒子、ナノ粒子、ならびに凝集体は、生成及び収集され、後処理は行われない。他の実施形態では、本明細書に記載の炭素粒子、ナノ粒子、及び凝集体は、生成及び収集され、何らかの後処理が行われる。後処理のいくつかの例としては、ボールミリング、研磨、摩擦ミリング、顕微溶液化、ジェットミリングなどの機械的処理、及び中に含まれた炭素同素体
を損傷することなく粒径を低減させる他の技術が挙げられる。後処理のいくつかの例としては、とりわけ、せん断混合、化学エッチング、酸化(例えば、Hummer法)、熱アニーリング、アニーリング中の元素添加(例えば、S及びN)によるドーピング、蒸気処理、濾過、及び脱脂などの剥離プロセスが挙げられる。後処理のいくつかの例としては、不活性ガス中で高い圧力及び温度において実施することができる、SPS(スパークプラズマ焼結、すなわち、直流焼結)、マイクロ波、及びUV(紫外線)などの焼結プロセスが挙げられる。一部の実施形態では、複数の後処理法を一緒に使用しても、または順番に使用してもよい。一部の実施形態では、後処理は、本明細書に記載の官能化された炭素ナノ粒子または凝集体をもたらす。
一部の実施形態では、様々な組み合わせで材料をひとつに混合する。一部の実施形態では、本明細書に記載のグラファイト及びグラフェンを含有する様々な炭素ナノ粒子及び凝集体を、後処理の前にひとつに混合する。例えば、異なる特性(例えば、異なるサイズ、異なる組成、異なる純度、異なる処理試行など)を有する、グラファイト及びグラフェンを含有する様々な炭素ナノ粒子及び凝集体が、ひとつに混合され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、混合物中のグラファイトのグラフェンに対する比を変化させるために、グラフェンと混合され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のグラファイト及びグラフェンを含有する様々な炭素ナノ粒子及び凝集体を、後処理の後にひとつに混合する。例えば、異なる特性及び/または異なる後処理法(例えば、異なるサイズ、異なる組成、異なる機能性、異なる表面特性、異なる表面積)を有する、グラファイト及びグラフェンを含有する様々な炭素ナノ粒子及び凝集体が、ひとつに混合され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、生成及び収集され、その後、機械的研磨、ミリング、または剥離によって処理される。一部の実施形態では、この処理(例えば、機械的研磨、ミリング、剥離などによるもの)は、粒子の平均サイズを低減させる。一部の実施形態では、この処理(例えば、機械的研磨、ミリング、剥離などによるもの)は、粒子の平均表面積を増加させる。一部の実施形態では、機械的研磨、ミリング、または剥離による処理は、いくらかの割合の炭素層を削ぎ取り、炭素ナノ粒子と混合されたグラファイトのシートを生成する。
一部の実施形態では、機械的研磨、ミリング、または剥離による後続処理後の炭素凝集体の表面積は、窒素Brunauer-Emmett-Teller(BET)(すなわち、吸着質として窒素を用いるBET法)または密度汎関数理論(DFT)法を使用して測定したとき、50~300m/g、または100~300m/g、または50~200m/g、または50~150m/g、または60~110m/g、または50~100m/g、または70~100m/gである。
一部の実施形態では、機械的研磨またはミリングは、ボールミル、遊星ミル、ロッドミル、せん断ミキサー、高せん断造粒機、自生粉砕ミル、または固体材料を研磨、粉砕、もしくは切断によって小片に細分化するために使用される他の種類の機械を使用して行われる。一部の実施形態では、機械的研磨、ミリング、または剥離は、湿式または乾式で行われる。一部の実施形態では、機械的研磨は、一定時間にわたって研磨し、次いで一定時間にわたってアイドリングし、研磨及びアイドリングを数サイクル繰り返すことによって行われる。研磨時間は、例えば、1分間~20分間、または1分間~10分間、または3分間~8分間、またはおよそ3分間、またはおよそ8分間であり得る。一部の実施形態では、アイドリング時間は、1分間~10分間、またはおよそ5分間、またはおよそ6分間である。一部の実施形態では、研磨及びアイドリングのサイクル数は、1~100、または5~100、または10~100、または5~10、または5~20である。一部の実施形態では、研磨及びアイドリングの合計時間量は、10分間~1200分間、または10
分間~600分間、または10分間~240分間、または10分間~120分間、または100分間~90分間、または10分間~60分間、またはおよそ90分間、またはおよそ120分間である。
一部の実施形態では、サイクル中の研磨ステップは、第1のサイクルでは一方向(例えば、時計回り)にミルを回転させ、次のサイクルでは反対方向(例えば、反時計回り)にミルを回転させることによって行われる。一部の実施形態では、機械的研磨またはミリングは、ボールミルを使用して行われ、研磨ステップは、100~1000rpm、または100~500rpm、またはおよそ400rpmの回転速度を使用して行われる。一部の実施形態では、機械的研磨またはミリングは、ボールミルを使用し、0.1mm~20mm、または0.1mm~10mm、または1mm~10mm、またはおよそ0.1mm、またはおよそ1mm、またはおよそ10mmの直径を有するミリング媒体を使用して行われる。一部の実施形態では、機械的研磨またはミリングは、ボールミルを使用し、鋼などの金属、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、イットリア安定化酸化ジルコニウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウムなどの酸化物、または炭化ケイ素もしくは炭化タングステンなどの他の硬質材料からなるミリング媒体を使用して行われる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、生成及び収集され、その後、高温を使用して、例えば熱アニーリングまたは焼結によって処理される。一部の実施形態では、高温を使用した処理は、窒素またはアルゴンなどの不活性環境において行われる。一部の実施形態では、高温を使用した処理は、大気圧で、または真空下で、または低圧で行われる。高温は、例えば、500℃~2500℃、または500℃~1500℃、または800℃~1500℃、または800℃~1200℃、または800℃~1000℃、または2000~2400℃、またはおよそ800℃、またはおよそ1000℃、またはおよそ1500℃、またはおよそ2000℃、またはおよそ2400℃の温度であり得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、生成及び収集され、その後、更なる元素または化合物が添加され、これにより、炭素ナノ粒子及び凝集体の固有の特性が他の材料の混合物に組み込まれる。例えば、ニッケルを添加して、炭素ナノ粒子及び凝集体の透磁率、または炭素ナノ粒子及び凝集体が印加磁場に応じて得る磁化の度合いを増加させることができる。別の例は、炭素層を強制的に分離させることによって炭素ナノ粒子及び凝集体の表面積を増加させるための硫黄の添加である。例えば、硫黄の添加により、硫黄を含まない材料と比較して表面積を2倍または3倍増加させることができる。表面積を増加させる別の方法は酸化によるものであるが、結果として得られる化合物(例えば、酸化グラフェン)は絶縁体である。本明細書に記載の方法、例えば硫黄を使用するものでは、高い表面積を有し、伝導性のある粒子を生成することができる。
一部の実施形態では、硫黄を添加する後続処理後の炭素凝集体の表面積は、窒素Brunauer-Emmett-Teller(BET)または密度汎関数理論(DFT)法を使用して測定したとき、50~300m/g、または100~300m/g、または50~200m/g、または50~150m/g、または60~110m/g、または50~100m/g、または70~100m/gである。
一部の実施形態では、後処理の前または後のいずれかに、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体を、他の元素もしくは化合物の固体、液体、またはスラリーに添加することで、炭素ナノ粒子及び凝集体の固有の特性を組み込んだ更なる材料の混合物が形成される。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、他の固体粒子、ポリマー、または他の材料と混合される。結果として得られる、異なる材料の固体マトリクス中の粒子の粉末または複合物は、潤滑剤または構造用複合材料などの様々な用途におい
て使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、伝導性インクなどの様々な用途のためのインクを生成するために、液体と混合される。結果として得られるインクは、キャパシタまたは電池電極などの種々の用途のために、基質に被覆したり、または別の材料に注入したりすることもできる。一部の実施形態では、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、スラリーを作り出すために、溶媒そして場合により他の粒子と混合される。このスラリーは次いで、プリント導体のアンテナなど、種々の用途で他の表面に被覆またはプリントすることができる。
一部の実施形態では、後処理の前または後のいずれかに、本明細書に記載の炭素ナノ粒子及び凝集体は、潤滑剤配合物(例えば、高速または高応力用途のための潤滑剤、高温環境のための潤滑剤、高熱伝導率用途のための潤滑剤、及び反スティクション潤滑剤など)、濾過及び分離用途(例えば、ケミカルフィルタ、水濾過、脱塩、ガス分離、酸化バリア、不透過性膜、非反応性フィルタ、及び炭素隔離材料など)、輸送及び工業的用途(例えば、ゴム添加剤、タイヤ添加剤、自動車タイヤ添加剤、タイヤの主成分、タイヤのための官能化添加剤、カップリング、マウント、エラストマーoリング、ホース、封止剤、及びエポキシなど)、メタマテリアル配合物(例えば、予想外の特性をもたらす他の材料との組み合わせが他にもあるが、Ni、Co、もしくはFeナノワイヤで修飾された粒子または凝集体、炭素誘電体積層材料、及び官能化された表面をもつ界面材料)、電子インク配合物(例えば、伝導性インク、透明な伝導性インク、3Dプリント回路及びプリント回路基板、抵抗性インク、誘電性インク、フレキシブルエレクトロニクス、圧電体、アンテナ、レクテナ、スマートレクテナ、エレクトロクロミック素子、摩擦帯電デバイス、マイクロ波機器、システムインク、及び識別システムなど)、他のインク(例えば、化粧品、及び3Dプリント構造用インクなど)、コーティング(例えば、防食、超疎水性、暖房、除氷、冷却、静電放電(ESD)、高周波遮蔽(EMF遮蔽)高周波吸収(EMF吸収)、ならびに布帛及び布地用のコーティングなど)、キャパシタ材料配合物(例えば、スーパーキャパシタ添加剤、高表面積炭素、高純度炭素、高表面積高純度炭素、及びセパレータなど)、センサ及び固体電子工学用途(例えば、化学物質、湿度、触覚、光、トランジスタ、ダイオード、及び集積デバイスなど)、複合材料配合物(例えば、セメント、鋼、アルミニウム、プラスチック、及び炭素繊維などの添加剤として)、エネルギー用途(例えば、水素貯蔵、複合アノード、複合カソード、電池、燃料セル電極、キャパシタ、及びキャパシタ/電池ハイブリッドなど)、インビボの生物医学的用途(例えば、組織工学、薬物送達、金属送達、神経再生のための生分解性ナノワイヤ、及び健康改善など)、及びエクスビボの生物医学的用途(例えば、濾過、皮膚電極、及び他の医用デバイス)を含むがこれらに限定されない種々の用途で使用される。
更なる実施形態
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェンを含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~50ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも50m/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
一部の実施形態では、上述の炭素材料は、グラフェンに加えて1種以上の他の炭素同素体も含み、ここで、グラフェンの他の炭素同素体に対する比は90%超である。
一部の実施形態では、上述の炭素材料のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Gモードピーク、及び0.5超の2D/G強度比を有する。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体の表面積は、窒素BET法を使用して測定したときに50~300m/gである。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体の導電率は、圧縮したときに1000~20,000S/mである。
一部の実施形態では、上述の炭素材料は、無定形炭素を更に含み、無定形炭素のグラフェンに対する比は5%未満である。無定形炭素を含む炭素材料のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Dモードピーク、Gモードピーク、0.5超のD/G強度比、低強度2Dモードピーク、及びDモードピークとGモードピークとの間の浅い谷を有する。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体は、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される。例えば、後処理された炭素凝集体の表面積は、窒素BET法を使用して測定したときに50~1000m/gであり得る。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェン及び多層球状フラーレンを含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。多層球状フラーレンを含む炭素材料のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、Dモードピーク、Gモードピーク、及び1.2未満のD/G強度比を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも10m/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
一部の実施形態では、多層球状フラーレンを含む上述の炭素材料のラマンスペクトルは、0.9~1.1のD/G強度比を有する。
一部の実施形態では、上述の炭素材料中の多層球状フラーレンの、グラフェンに対する比は、20%~80%である。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体の表面積は、窒素BET法を使用して測定したときに10~200m/gである。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体の導電率は、圧縮したときに1000~20,000S/mである。
一部の実施形態では、上述の多層球状フラーレンは、結合した多層球状フラーレンを含み、多層球状フラーレンの少なくとも一部は、グラフェンの層によって被覆されている。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体は、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される。後処理された炭素凝集体の表面積は、例えば、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに50~500m/gであり得る。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の
炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェンと少なくとも1種の他の炭素同素体との混合物を含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも10m/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに100S/m超の導電率を有する。
一部の実施形態では、上述の炭素材料中のグラフェンの、少なくとも1種の他の炭素同素体に対する比は、5%~95%である。
一部の実施形態では、グラフェンを含む炭素材料のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Gモードピーク、及び0.5超の2D/G強度比を有する。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに10~200m/gである。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体の導電率は、圧縮したときに100~20,000S/mである。
一部の実施形態では、上述の炭素材料の少なくとも1種の他の炭素同素体は、多層球状フラーレンを含む。グラフェンの多層球状フラーレンに対する比は、例えば、20%~80%であり得る。ある特定の実施形態では、多層球状フラーレンは、結合した多層球状フラーレンを含み、多層球状フラーレンの少なくとも一部は、グラフェンの層によって被覆されている。
一部の実施形態では、上述の少なくとも1種の他の炭素同素体は、無定形炭素を含む。グラフェンの無定形炭素に対する比は、例えば、95%超であり得る。
一部の実施形態では、上述の炭素材料中の少なくとも1種の他の炭素同素体は、主にspの混成軌道を含む。例えば、上述の炭素材料中の他の炭素同素体は、50%超、または60%超、または70%超、または80%超、または90%超の割合のsp混成軌道をもつ炭素原子を含み得る。炭素同素体中のsp混成軌道の割合を決定するための方法の1つは、ラマン分光法である。ある特定の実施形態では、グラフェンの、主にspの混成軌道を有する他の炭素同素体に対する比は、5%~95%である。
一部の実施形態では、上述の炭素凝集体は、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される。後処理された炭素凝集体の表面積は、例えば、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに50~2000m/gであり得る。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、グラフェン及び無定形炭素を含み、シード粒子を含まない。炭素材料中のグラフェンは、最大15層を有する。無定形炭素を含有する炭素凝集体のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Dモードピーク、及びGモードピークを有する。D/G強度比は0.5超であり、低強度2Dモードピークがあり、DモードピークとGモードピークとの間には浅い谷がある。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~50ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を
用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに50m/g超である。炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。
先行段落に記載の炭素材料の諸実施形態は、例えば、上述の炭素材料中のグラフェンの、無定形炭素に対する比が90%超であるものを含み得る。諸実施形態は、上述の炭素凝集体の表面積が、窒素BET法を使用して測定したときに50~200m/gであるものも含み得る。他の実施形態では、上述の炭素凝集体の導電率は、圧縮したときに1000~20,000S/mである。更なる実施形態では、上述の炭素凝集体は、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される。なおも更なる実施形態では、上述の後処理された炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに50~1000m/gである。
一部の実施形態では、炭素材料は、複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体は、複数の炭素ナノ粒子を有し、各炭素ナノ粒子は、無定形炭素を含み、シード粒子を含まない。無定形炭素を含む炭素凝集体のラマンスペクトルは、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Dモードピーク、及びGモードピークを有する。D/G強度比は0.5超であり、低強度2Dモードピークがあり、DモードピークとGモードピークとの間には浅い谷がある。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに50m/g超である。
先行段落に記載の炭素材料の諸実施形態は、グラフェンに加えて1種以上の他の炭素同素体を更に含んでよく、ここで、グラフェンの他の炭素同素体に対する比は5%~95%である。上述の炭素凝集体の諸実施形態において、表面積は、窒素BET法を使用して測定したときに50~200m/gである。他の実施形態では、上述の炭素凝集体は、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される。更なる実施形態では、上述の後処理された炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBET法を使用して測定したときに50~2000m/gである。
一部の実施形態では、炭素凝集体を生成するための方法は、反応ゾーンを有する電場増強導波路にマイクロ波エネルギーを供給することを含む。供給ガスが供給ガス入口に加えられる。ここで、供給ガス入口は反応ゾーンの上流にある。処理材料が処理材料入口に加えられ、処理材料が反応ゾーンに流れ込む。処理材料は、反応ゾーン内で分離成分に変換される。電場増強導波路は、反応ゾーンの上流に電場増強ゾーンを有していてもよい。電場増強ゾーンは、第1の断面積から第2の断面積へと減少する断面積を有していてもよく、この第2の断面積は、電場増強導波路の反応ゾーンを形成する反応長に沿って延びる。マイクロ波エネルギーは、反応長に沿った方向に伝播する。供給ガス流の大部分は、反応ゾーン内のマイクロ波エネルギーの伝播方向と平行である。供給ガスは、プラズマゾーン内でプラズマを発生させるために使用される。反応ゾーンにおける処理材料の変換は、少なくとも0.1気圧の圧力下で起こり得る。分離成分は、炭素凝集体を含む。
上述の方法を使用して、本明細書に記載の炭素材料のいずれかを生成することができる。上述の方法の変更を行って、本明細書に記載の炭素材料のいずれかを生成することもできる。
一部の実施形態では、炭素凝集体を生成するための方法は、電場増強導波路にマイクロ
波エネルギーを供給すること、及び供給ガスを供給ガス入口に加えることを含み、ここで、供給ガス入口は反応ゾーンの上流にある。処理材料が処理材料入口に加えられ、処理材料が反応ゾーンに流れ込む。処理材料は、反応ゾーン内で分離成分に変換される。電場増強導波路は、第1の断面積及び第2の断面積、ならびに第1の断面積と第2の断面積との間の電場増強ゾーンを含み得る。電場増強導波路は、プラズマゾーン及び反応ゾーンを含んでもよい。第2の断面積は、第1の断面積よりも小さい場合があり、ここで、電場増強ゾーンは、第1の断面積から第2の断面積へと減少する断面積を有する。第2の断面積は、第1の断面積よりもマイクロ波エネルギー源から離れていてよく、電場増強導波路の反応ゾーンを形成する反応長に沿って延びていてよい。マイクロ波エネルギーは、反応長に沿った方向に伝播する。供給ガス流の大部分は、反応ゾーン内のマイクロ波エネルギーの伝播方向と平行である。供給ガスは、プラズマゾーン内でプラズマを発生させるために使用される。分離成分は炭素凝集体を含み、炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、95%超(または99.5%超)である。
先行段落に記載の方法を使用して、本明細書に記載の炭素材料のいずれかを生成することができる。上述の方法の変更を行って、本明細書に記載の炭素材料のいずれかを生成することもできる。
一部の実施形態では、炭素凝集体を生成するための方法は、処理ガスを反応ゾーン内に流すこと、及びマイクロ波プラズマを使用して反応ゾーン内の処理ガスの分子をクラッキングすることを含む。本方法は、クラッキングした分子を反応させて、1種以上の炭素同素体の混合物を有し、シード粒子を含まない炭素凝集体を形成すること;及び炭素凝集体を収集することも含む。炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比は、99%超である。炭素凝集体のメジアン径は、1~100ミクロンである。炭素凝集体の表面積は、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに50~200m/gである。炭素凝集体は、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する。反応ゾーンは、電場増強導波路の一部であってもよく、ここで、電場増強ゾーンは、減少する断面積を有し得る。1種以上の炭素同素体は、グラフェン、無定形炭素、MWSF、及び/または結合したMWSFを含み得る。
上記段落に記載の方法を使用して、本明細書に記載の炭素材料のいずれかを生成することができる。上述の方法の変更を行って、本明細書に記載の炭素材料のいずれかを生成することもできる。
実施例1:マイクロ波プラズマ反応器を使用して生成されたグラファイト及びグラフェン粒子
この第1の実施例では、上記の実施形態に記載のマイクロ波プラズマ反応器システムを使用して、グラファイト及びグラフェンを含有する炭素粒子及び凝集体を作製した。この実施例におけるマイクロ波プラズマ反応器は、石英の内壁材料と共にステンレス鋼から作られた本体を有した。しかしながら、石英の内壁材料は全ての場合に必要とされるわけではなく、反応ゾーン内またはこれに隣接した石英を含有しない反応器において同様の炭素材料を生成することができる。反応ゾーン容積はおよそ45cmであった。前駆体材料はメタンであり、場合により供給ガス(例えば、アルゴン)と混合した。メタンの流速は1~20L/分であり、供給ガスの流速は0~70L/分であった。これらの流速及びツール形状で、反応チャンバ内のガスの滞留時間は、およそ0.001秒~およそ2.0秒であり、炭素粒子生成速度は、およそ0.1g/時~およそ15g/時であった。凝集体を合成し収集した後、これらをおよそ60~およそ600分間にわたり不活性雰囲気において1000~2200℃の温度でアニーリングすることによって後処理した。
この実施例において生成された粒子は、グラファイト及びグラフェンを含有し、シード粒子は含有しなかった。この実施例における粒子は、炭素の他の元素(水素以外)に対する比がおよそ99.97%以上であった。
図4Aは、532nmの入射光を使用して取った、この実施例の合成したままの炭素粒子のラマンスペクトルを示す。図4Aの粒子は、アルゴンを含有する前駆体を使用して生成した。このスペクトルは、およそ2690cm-1における2Dモードピーク410、およそ1580cm-1におけるGモードピーク420、及びおよそ1350cm-1におけるDモードピーク430を有し、2D/G強度比は0.5超である。図4Aにおける生成された粒子の2D/G強度比は、およそ0.7である。
この実施例における凝集体のメジアン径は、合成したままの状態でおよそ11.2ミクロン、アニーリング後でおよそ11.6ミクロンである。合成したままの凝集体のサイズ分布は、およそ2.7ミクロンの10パーセンタイル、及びおよそ18.3ミクロンの90パーセンタイルを有した。アニーリングした凝集体のサイズ分布は、およそ4.2ミクロンの10パーセンタイル、及びおよそ25.5ミクロンの90パーセンタイルを有した。
ペレットに圧縮した後、凝集体の導電率を測定した。合成したままの材料は、2000psiの圧力を使用して圧縮した場合は800S/mの伝導率、そして12,000psiの圧力を使用して圧縮した場合は1200S/mの伝導率を有した。アニーリングした材料は、2000psiの圧力を使用して圧縮した場合は1600S/mの伝導率、そして12,000psiの圧力を使用して圧縮した場合は3600S/mの伝導率を有した。
図4B及び4Cは、この実施例の合成したままの炭素凝集体のグラファイト及びグラフェン同素体を示すSEM画像を示し、図4D及び4Eは、そのTEM画像を示す。炭素の歪み(しわ)の中に、層状のグラフェンが明らかに示されている。炭素同素体の3D構造も視認できる。
この実施例における凝集体の表面積は、窒素BET法及びDFT法を使用して測定した。BET法によって決定された凝集体の表面積は、およそ85.9m/gであった。DFT法によって決定された凝集体の表面積は、およそ93.5m/gであった。
従来通りに生成された炭素材料とは対照的に、この実施例におけるマイクロ波プラズマ反応器で生成された炭素粒子及び凝集体は、グラファイト及びグラフェンを含有し、シード粒子は含有せず、高い純度、高い秩序度を示すラマンシグネチャー、高い導電率、及び大きな表面積を有した。
実施例2:マイクロ波プラズマ反応器を使用して生成されたグラファイト、グラフェン、及び多層球状フラーレン粒子
この第2の実施例では、タンタル/タングステン抵抗性ワイヤを含むフィラメントを加えた、実施例1に記載のマイクロ波プラズマ反応器システムを使用して、グラファイト、グラフェン、MWSF、及び結合したMWSFを含有する炭素粒子及び凝集体を作製した。前駆体材料はメタンであり、場合により供給ガス(例えば、アルゴン)と混合した。メタンの流速は1~100L/分であり、供給ガスの流速は0~100L/分であった。これらの流速及びツール形状で、反応チャンバ内のガスの滞留時間は、およそ0.001秒~およそ2.0秒であり、炭素粒子生成速度は、およそ0.1g/時~およそ15g/時であった。凝集体を合成し収集した後、これらをおよそ60~およそ600分間にわたり不活性雰囲気において1000~2200℃の温度でアニーリングすることによって後処
理した。
この実施例において生成された粒子は、グラファイト、グラフェン、MWSFを含有し、シード粒子は含有しなかった。この実施例における粒子は、炭素の他の元素(水素以外)に対する比がおよそ99.5%以上であった。
図5A~5Dは、532nmの入射光を使用して取った、この実施例の合成したままの炭素粒子のラマンスペクトルを示す。図5A及び5Cは、試料のうち同じ領域のトップダウンの顕微鏡画像である。図5A中の円は、MWSF及び結合したMWSF材料が存在することをラマンスペクトルが示す領域である。図5Bは、図5Aにおいて円で囲まれた領域のうちの1つのラマンスペクトルの一例である。図5Bのラマンスペクトルは、およそ1580cm-1におけるGモードピーク510、及びおよそ1350cm-1におけるDモードピーク520を有し、D/G強度比はおよそ0.9である。図5C中の円は、グラファイト及びグラフェン材料が存在することをラマンスペクトルが示す領域である。図5Dは、図5Cにおいて円で囲まれた領域のうちの1つのラマンスペクトルの一例である。図5Dのラマンスペクトルは、およそ2690cm-1における2Dモードピーク530、およそ1580cm-1におけるGモードピーク540、及びおよそ1350cm-1におけるDモードピーク550を有し、2D/G強度比はおよそ0.6である。
この実施例における凝集体のメジアン径は、合成したままの状態でおよそ10.2ミクロン~19.0ミクロンであり、このサイズは、アニーリング後もほぼ同じ状態のままであった。合成したままの凝集体の粒径分布は、およそ1.8ミクロン~およそ6.5ミクロンの10パーセンタイル、及びおよそ18.0ミクロン~およそ37.3ミクロンの90パーセンタイルを有した。アニーリングした凝集体の粒径分布は、アニーリング後もほぼ同じ状態のままであった。
ペレットに圧縮した後、凝集体の導電率を測定した。合成したままの材料は、2000psiの圧力を使用して圧縮した場合は2100S/mの伝導率、そして12,000psiの圧力を使用して圧縮した場合は4300S/mの伝導率を有した。アニーリングした材料は、2000psiの圧力を使用して圧縮した場合は2300S/mの伝導率、そして12,000psiの圧力を使用して圧縮した場合は4100S/mの伝導率を有した。
図5E~5Jは、この実施例の合成したままの炭素凝集体のグラファイト、グラフェン、及びMWSF同素体を示すTEM画像を示す。図5E~5G中の画像は、グラファイト及びグラフェン材料を主に示し、図5H~5J中の画像は、材料中に存在するMWSFを示す。これらの画像には、MWSF及び結合したMWSFを含有し、グラフェンの層がMWSFを被覆し結合させている、炭素ナノ粒子が示されている。
この実施例における凝集体の表面積は、窒素BET法及びDFT法を使用して測定した。BET法によって決定された凝集体の表面積は、およそ69.8m/g~およそ106.7m/gであった。DFT法によって決定された凝集体の表面積は、およそ67.3.5m/g~およそ106.4m/gであった。
従来通りに生成された炭素材料とは対照的に、この実施例におけるマイクロ波プラズマ反応器で生成された炭素粒子及び凝集体は、グラファイト、グラフェン、MWSFを含有し、シード粒子は含有せず、高い純度、高い秩序度を示すラマンシグネチャー、高い導電率、及び大きな表面積を有した。
実施例3:マイクロ波プラズマ反応器を使用して生成されたグラファイト、グラフェン
、及び無定形炭素粒子
この第3の実施例では、実施例1に記載のマイクロ波プラズマ反応器システムを使用して、グラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含有する炭素粒子及び凝集体を作製した。前駆体材料は、メタン、またはイソプロピルアルコール(IPA)、またはエタノール、または縮合炭化水素(例えば、ヘキサン)を含有した。場合により、炭素含有前駆体を供給ガス(例えば、アルゴン)と混合した。ガス状メタンを使用した場合、メタンの流速は1~20L/分であり、供給ガスの流速は0~70L/分であった。前駆体材料がIPAとエタノールとの液体混合物であった場合、液体混合物の流速は0.1~100mL/分であった。一部の他の事例では、縮合炭化水素を使用し、炭化水素の流速はおよそ3L/分であった。これらの流速及びツール形状で、反応チャンバ内のガスの滞留時間は、およそ0.001秒~およそ2.0秒であり、炭素粒子生成速度は、およそ0.1g/時~およそ15g/時であった。凝集体を合成し収集した後、これらをおよそ60~およそ600分間にわたり不活性雰囲気において1000~2200℃の温度でアニーリングすることによって後処理した。
この実施例において生成された粒子は、グラファイト、グラフェン、無定形炭素を含有し、シード粒子は含有しなかった。この実施例における粒子は、炭素の他の元素(水素以外)に対する比がおよそ99.5%以上であった。
図6A及び6Bは、532nmの入射光を使用して取った、この実施例の合成したままの炭素粒子のラマンスペクトルを示す。図6Aは、材料中に存在する無定形炭素同素体を示すラマンスペクトルを示す。図6Aのスペクトルは、およそ2690cm-1における2Dモードピーク610、およそ1580cm-1におけるGモードピーク620、及びおよそ1350cm-1におけるDモードピーク630を有し、D/G強度比はおよそ0.9であり、低強度2Dモードピークがあり、DモードピークとGモードピークとの間には浅い谷がある。図6Bは、材料中に存在するグラファイト及びグラフェン同素体を示すラマンスペクトルを示す。図6Bのラマンスペクトルは、およそ2690cm-1における2Dモードピーク、およそ1580cm-1におけるGモードピーク、及びおよそ1350cm-1におけるDモードピークを有し、2D/G強度比はおよそ0.6である。
この実施例における凝集体のメジアン径は、合成したままの状態でおよそ12.5ミクロン~18.7ミクロンである。合成したままの凝集体の粒径分布は、およそ2.4ミクロン~およそ5.0ミクロンの10パーセンタイル、及びおよそ19.5ミクロン~およそ30.4ミクロンの90パーセンタイルを有した。
ペレットに圧縮した後、凝集体の導電率を測定した。合成したままの材料は、2000psiの圧力を使用して圧縮した場合はおよそ1300S/mの伝導率、そして12,000psiの圧力を使用して圧縮した場合はおよそ2200S/mの伝導率を有した。
図6C~6Eは、この実施例の合成したままの炭素ナノ粒子のグラファイト、グラフェン、及び無定形炭素同素体を示すTEM画像を示す。これらの画像では、グラフェン及び他の炭素材料の層を明らかに見ることができる。
この実施例における凝集体の表面積は、窒素BET法及びDFT法を使用して測定した。BET法によって決定された凝集体の表面積は、およそ74.9m/gであった。DFT法によって決定された凝集体の表面積は、およそ76.5m/gであった。
従来通りに生成された炭素材料とは対照的に、この実施例におけるマイクロ波プラズマ反応器で生成された炭素粒子及び凝集体は、グラファイト、グラフェン、及び無定形炭素同素体を含有し、シード粒子は含有せず、高い純度、高い秩序度を示すラマンシグネチャ
ー、高い導電率、及び大きな表面積を有した。
本開示の発明の諸実施形態について、詳細に言及した。その1つ以上の例が、添付の図面に例示されている。各例は、本技術を限定するものとしてではなく、本技術の説明として提示したものである。実際、本明細書は、本発明の特定の実施形態に関して詳細に記載されているが、当業者には、前述の内容を理解すれば、これらの実施形態の改変形態、変更形態、及び均等物が容易に考案され得ることは理解されよう。例えば、一実施形態の一部として例示または記載されている特徴は、なおも更なる実施形態をもたらすように、別の実施形態と共に使用され得る。したがって、本主題は、そのような改変形態及び変更形態の全てを添付のクレーム及びそれらの均等物の範囲に含むことが意図される。当業者であれば、添付のクレームにより詳しく明記されている本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対するこれら及び他の改変及び変更を実行することができる。更に、当業者には、前述の説明が単なる例であり、本発明を限定する意図はないことが理解されよう。

Claims (30)

  1. 炭素材料であって、
    複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体が、複数の炭素ナノ粒子を含み、各炭素ナノ粒子が、グラフェンを含み、シード粒子を含まず、
    前記グラフェンが最大15層を含み、
    前記炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比が、99%超であり、
    前記炭素凝集体のメジアン径が、1~50ミクロンであり、
    前記炭素凝集体の表面積が、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法によって測定したときに少なくとも50m/gであり、
    前記炭素凝集体が、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する、
    前記炭素材料。
  2. グラフェンに加えて1種以上の他の炭素同素体を更に含み、前記グラフェンの前記他の炭素同素体に対する比が90%超である、請求項1に記載の炭素材料。
  3. 前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Gモードピーク、及び0.5超の2D/G強度比を含む、請求項1に記載の炭素材料。
  4. 前記炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに50~300m/gである、請求項1に記載の炭素材料。
  5. 前記炭素凝集体の前記導電率が、圧縮したときに1000~20,000S/mである、請求項1に記載の炭素材料。
  6. 請求項1に記載の炭素材料であって、無定形炭素を更に含み、
    前記無定形炭素の前記グラフェンに対する比が5%未満であり、
    前記無定形炭素を含む前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Dモードピーク、Gモードピーク、0.5超のD/G強度比、低強度2Dモードピーク、及び前記Dモードピークと前記Gモードピークとの間の浅い谷を含む、前記炭素材料。
  7. 前記炭素凝集体が、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される、請求項1に記載の炭素材料。
  8. 前記後処理された炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに50~1000m/gである、請求項7に記載の炭素材料。
  9. 炭素材料であって、
    複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体が、複数の炭素ナノ粒子を含み、各炭素ナノ粒子が、グラフェン及び多層球状フラーレンを含み、シード粒子を含まず、
    前記グラフェンが最大15層を含み、
    前記多層球状フラーレンを含む前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、Dモードピーク、Gモードピーク、及び1.2未満のD/G強度比を含み、
    前記炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比が、99%超であり、
    前記炭素凝集体のメジアン径が、1~100ミクロンであり、
    前記炭素凝集体の表面積が、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも10m/gであり、
    前記炭素凝集体が、圧縮したときに500S/m超の導電率を有する、
    前記炭素材料。
  10. 前記D/G強度比が0.9~1.1である、請求項9に記載の炭素材料。
  11. 前記多層球状フラーレンの前記グラフェンに対する比が20%~80%である、請求項9に記載の炭素材料。
  12. 前記炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに10~200m/gである、請求項9に記載の炭素材料。
  13. 前記炭素凝集体の前記導電率が、圧縮したときに1000~20,000S/mである、請求項9に記載の炭素材料。
  14. 前記多層球状フラーレンが、結合した多層球状フラーレンを含み、前記多層球状フラーレンの少なくとも一部が、前記グラフェンの層によって被覆されている、請求項9に記載の炭素材料。
  15. 前記炭素凝集体が、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される、請求項9に記載の炭素材料。
  16. 前記後処理された炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに50~500m/gである、請求項15に記載の炭素材料。
  17. 炭素材料であって、
    複数の炭素凝集体を含み、各炭素凝集体が、複数の炭素ナノ粒子を含み、各炭素ナノ粒子が、グラフェンと少なくとも1種の他の炭素同素体との混合物を含み、シード粒子を含まず、
    前記グラフェンが最大15層を含み、
    前記炭素凝集体中の炭素の、水素を除く他の元素に対する比が、99%超であり、
    前記炭素凝集体のメジアン径が、1~100ミクロンであり、
    前記炭素凝集体の表面積が、吸着質として窒素を用いるBrunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して測定したときに少なくとも10m/gであり、
    前記炭素凝集体が、圧縮したときに100S/m超の導電率を有する、
    前記炭素材料。
  18. 前記グラフェンの前記少なくとも1種の他の炭素同素体に対する比が5%~95%である、請求項17に記載の炭素材料。
  19. 前記グラフェンを含む前記炭素材料のラマンスペクトルが、532nmの入射光を使用した場合、2Dモードピーク、Gモードピーク、及び0.5超の2D/G強度比を含む、請求項17に記載の炭素材料。
  20. 前記炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用し
    て測定したときに10~200m/gである、請求項17に記載の炭素材料。
  21. 前記炭素凝集体の前記導電率が、圧縮したときに100~20,000S/mである、請求項17に記載の炭素材料。
  22. 前記少なくとも1種の他の炭素同素体が、多層球状フラーレンを含む、請求項17に記載の炭素材料。
  23. 前記グラフェンの前記多層球状フラーレンに対する比が20%~80%である、請求項22に記載の炭素材料。
  24. 前記多層球状フラーレンが、結合した多層球状フラーレンを含み、前記多層球状フラーレンの少なくとも一部が、前記グラフェンの層によって被覆されている、請求項22に記載の炭素材料。
  25. 前記少なくとも1種の他の炭素同素体が、無定形炭素を含む、請求項17に記載の炭素材料。
  26. 前記グラフェンの前記無定形炭素に対する比が95%超である、請求項25に記載の炭素材料。
  27. 前記少なくとも1種の他の炭素同素体が、主にspの混成軌道を備える、請求項17に記載の炭素材料。
  28. グラフェンの前記少なくとも1種の他の炭素同素体に対する前記比が5%~95%である、請求項27に記載の炭素材料。
  29. 前記炭素凝集体が、ミリング、研磨、剥離、アニーリング、焼結、蒸気処理、濾過、脱脂、ドーピング、及び元素添加からなる群から選択される方法を使用して後処理される、請求項17に記載の炭素材料。
  30. 前記後処理された炭素凝集体の前記表面積が、前記吸着質として窒素を用いる前記BET法を使用して測定したときに50~2000m/gである、請求項29に記載の炭素材料。
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