JP2024055507A - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象を精度よくイメージングすることが可能な信号処理装置及び信号処理方法を提供する。【解決手段】信号処理装置は、複数の送受波素子から検査対象の界面に発信される平面波が検査対象の内部を伝搬し焦点で反射して送受波素子に到達する場合の平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込み処理と、複数の送受波素子が検査対象に平面波を発信した場合に複数の送受波素子で受信される観測データを取得する取得処理と、取得した観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより検査対象のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出処理と、読み込んだ伝搬モデルと、算出した対応データとに基づいて、検査対象の焦点の位置を推定する推定処理と、を行う演算部を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、信号処理装置及び信号処理方法に関する。
圧縮センシングは、例えば磁気共鳴イメージング等のような様々な検査技術の分野において使用されている。圧縮センシングを用いたイメージング手法においては、可視化領域において高い強度分布がスパースであると仮定し、少数の観測結果を用いて検査対象のイメージ全体を復元したり、高い分解能で検査対象のイメージングを行ったりすることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
特許第6734270号公報
上記のような圧縮センシングを用いたイメージングの手法は、例えば検査対象の超音波探傷を行う場合に適用することができる。超音波探傷に圧縮センシングを適用する場合、検査対象の広い範囲を一度にイメージングしようとすると、画素数が増大し、一度に処理する情報量が多くなる。このため、処理装置のメモリ容量の制約から実行できない場合がある。この場合、狭い範囲のイメージングを繰り返すことになり、検査工数が増加してしまう。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、一度に処理する情報量を抑制して処理を行うことが可能な信号処理装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
本開示に係る信号処理装置は、複数の送受波素子から検査対象の界面に対して発信される平面波が前記検査対象の内部を伝搬し焦点で反射して前記送受波素子に到達する場合の前記平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込み処理と、複数の前記送受波素子が前記検査対象に前記平面波を発信した場合に複数の前記送受波素子で受信される観測データを取得する取得処理と、取得した前記観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより前記検査対象のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出処理と、読み込んだ前記伝搬モデルと、算出した前記対応データとに基づいて、前記検査対象の前記焦点の位置を推定する推定処理と、を行う演算部を備える。
本開示に係る信号処理方法は、複数の送受波素子から検査対象の界面に発信される平面波が前記検査対象の内部を伝搬し焦点で反射して前記送受波素子に到達する場合の前記平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込みステップと、複数の前記送受波素子が前記検査対象に前記平面波を発信した場合に複数の前記送受波素子で受信される観測データを取得する取得ステップと、取得した前記観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより前記検査対象のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出ステップと、読み込んだ前記伝搬モデルと、算出した前記対応データとに基づいて、前記検査対象の前記焦点の位置を推定する推定ステップとを含む。
本開示によれば、一度に処理する情報量を抑制して処理を行うことが可能な信号処理装置及び信号処理方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る信号処理装置を備える計測システムの一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る信号処理方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、伝搬モデルにおける送信波の伝播経路(往路)の一例を模式的に示す図である。 図4は、伝搬モデルにおける送信波の伝播経路(復路)の一例を模式的に示す図である。 図5は、圧縮センシング処理ステップにおけるアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。 図6は、計測システムによるイメージング範囲の一例を模式的に示す図である。 図7は、音響画像のモニタリングの一例を模式的に示す図である。 図8は、複数の送信波を用いたイメージングの概略を模式的に示す図である。 図9は、横波の屈折角ごとの送信レベルの一例を示す図である。 図10は、複数の送信波を用いたイメージングの概略を模式的に示す図である。 図11は、横波の屈折角ごとの送信レベルの一例を示す図である。
以下、本開示に係る信号処理装置及び信号処理方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る信号処理装置100を備える計測システムSYSの一例を示す模式図である。図1に示すように、計測システムSYSは、センサ10と、信号処理装置100とを備える。
センサ10は、探査用の発信波を出力し、出力した発信波の反射波を受信して、検査対象40の探査を行う複数の送受波素子11を有する。センサ10は、複数の送受波素子11がアレイ状に並んだ状態で配置される。本実施形態において、発信波は、平面波であり、例えば超音波等の音響信号である。本実施形態では、平面波によるPWI(Plane Wave Imaging)を行う場合を例に挙げて説明する。本実施形態において、センサ10は、検査対象40の界面41の法線方向(図3、図4のy方向)に対して傾いた傾斜方向に発信波を入射させるウェッジ型のセンサである。なお、本実施形態では超音波を用いた探査としたが、電波等を用いてもよい。また、センサをウェッジ型のセンサとしたが、検査対象40の界面41に発信波を入射させる構成であれば、他の種類のセンサであってもよい。
信号処理装置100は、例えばパルサーレシーバー50を介してセンサ10に接続される。信号処理装置100は、送受波素子11で受信した信号を処理して、周囲を探知する。信号処理装置100は、演算部20と、記憶部30とを有する。演算部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。演算部20は、各種演算を行う。記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶部と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶部とのうち、少なくとも1つ含む。
演算部20は、複数の送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波が検査対象40の内部を伝搬し焦点42で反射して送受波素子11に到達する場合の平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込み処理を行う。焦点42は、例えば検査対象40の内部に含まれる傷等の欠陥である。演算部20は、複数の送受波素子11が検査対象40に平面波を発信した場合に複数の送受波素子11で受信される観測データを取得する取得処理を行う。演算部20は、読み込んだ伝搬モデルと、取得した観測データとに基づいて、グリッドフリー圧縮センシング(GFCS:Grid-Free Compressive Sensing)により検査対象40における焦点42の位置を推定する推定処理を行う。
演算部20は、推定処理において、観測データに基づいて所定の制約付き最適化問題を解くことで双対多項式の係数を取得し、取得した双対多項式の係数と、伝搬モデルとに基づいて、双対多項式の値を算出し、算出した双対多項式の値に基づいて焦点42の位置を推定する。双対多項式は、所定の正則化パラメータを含む。双対多項式については、後述する。
演算部20は、記憶部30からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、上記の各処理を実行する。記憶部30は、演算部20の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶する。記憶部30は、センサ10で検出した処理結果、つまり探査の結果を記憶してもよい。
演算部20は、推定処理において、1つの位置について複数の双対多項式の値が算出される場合、複数の双対多項式の値のうち最大の値を1つの位置における双対多項式の値とする。
演算部20は、推定処理において、算出した双対多項式の値が所定の閾値を超える位置を焦点42の位置として推定することができる。また、演算部20は、推定処理において、算出した双対多項式の値を縦軸の値とし、検査対象の内部の位置を横軸の値とした場合における双対多項式の値の包絡線の極大値に対応する位置を焦点42の位置として推定してもよい。
演算部20は、推定処理において、観測データを用いる場合、平面波の反射条件に対応する係数を乗じることができる。
演算部20は、推定処理に先立ち、キャリブレーション処理を行ってもよい。キャリブレーション処理は、双対多項式に含まれる正則化パラメータを調整する処理である。キャリブレーション処理において、演算部20は、焦点42の位置及び個数が予め設定されたテストピースにおける伝搬モデル及び観測データに基づいて上記推定処理と同一の手順でテストピースの焦点の位置の推定を行う。そして、演算部20は、当該推定で得られた焦点の個数が予め設定された焦点の個数に対応するように、正則化パラメータを調整する。
演算部20は、記憶部30からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、上記の各処理を実行する。記憶部30は、演算部20の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶する。記憶部30は、センサ10で検出した処理結果、つまり探査の結果を記憶してもよい。
記憶部30は、複数の送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波が検査対象40の内部を伝搬し焦点42で反射して送受波素子11に到達する場合の平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込み処理と、複数の送受波素子11が検査対象40に平面波を発信した場合に複数の送受波素子11で受信される観測データを取得する取得処理と、取得した観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより検査対象40のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出処理と、読み込んだ伝搬モデルと、算出した対応データとに基づいて、検査対象40の焦点42の位置を推定する推定処理とをコンピュータに実行させる信号処理プログラムを記憶する。
以下、本実施形態に係る測定システムの計測処理について説明する。図2は、本実施形態に係る信号処理方法の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係る信号処理方法は、読み込みステップS10と、取得ステップS20と、算出ステップS30と、推定ステップS40とを含む。
読み込みステップS10において、演算部20は、複数の送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波が検査対象40の内部を伝搬し焦点で反射して送受波素子11に到達する場合の平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む。本実施形態では、送受波素子11毎に平面波の送信時間を変えることで指向性を持ったビームを形成することができる。また、本実施形態では、複数の送受波素子11の送信信号を重ね合わせることで、送受波素子11が個別に平面波を送信する場合よりも、送信レベルを増大させることができる。
本実施形態に係る測定システムの計測処理では、送信時刻から任意の焦点に対応する画素lに送信波iが到達し、そこからの反射波がk番目の送受波素子11(第k素子)に返ってくるまでの伝搬時間τilkが必要になる。伝搬モデル読み込みステップS10において読み込まれる伝搬モデルA(k)は、ウェッジ型のセンサ10を介して伝搬する超音波の焦点位置ごとの伝搬時間τilkを計算し、記録したものである。伝搬モデルは、オフラインで事前に作成されるものである。
図3は、伝搬モデルにおける送信波の伝播経路(往路)の一例を模式的に示す図である。図3では、センサ10の送信部から焦点42までの経路を示す。図4は、伝搬モデルにおける送信波の伝播経路(復路)の一例を模式的に示す図である。図4では、焦点42からセンサ10の受信部までの経路を示す。
伝搬時間τilkは、図3に示す往路の伝搬経路d(1)、d(2)、及び、図4に示す復路の伝搬経路d(3)、d(4)を音速で除算することで求めることが可能である。センサ10内の音速をv、検査対象40内の音速をvとすると、伝搬時間τilkは、以下のようにかける。
Figure 2024055507000002
往路の伝搬経路d(1)、d(2)は、伝搬経路の界面41上の座標[xVIRTVIRT、出射開始時点の平面波面の界面41との交点座標x、界面41での入射角θを用いて、以下のようにかける。
Figure 2024055507000003
復路の伝搬経路d(3)、d(4)は、反射波が第k素子の位置[xに最短時間で到達する経路であり、界面41上の座標を最適化することで求められる。すなわち、復路の伝搬経路d(3)、d(4)は、最適化した界面座標[xVIRTVIRTを用いて以下のようにかける。
Figure 2024055507000004
界面41上の座標xを0<x≦xの範囲で走査し、図4に示す伝搬経路と対象とする素子の高さ方向の差分△Hが最小化となる座標をxVIRT,kとして最適化を行う。なお、図3及び図4では、xVIRT,k=0となる例を示しているが、最短時間経路で最適化できれば、任意形状のセンサ10において上記の関係は成立する。
Figure 2024055507000005
平面波を送信するPWIでは、センサ10のアレイ開口長に相当する幅の範囲内でのみ平面波が形成される。そのため、図3に示す界面座標の範囲
Figure 2024055507000006
を経由しない焦点に対しては平面波が到達せず、上述の伝搬モデルが成立しない。本実施形態では、この条件をモデリングの拘束条件とするため、上記範囲を経由しない焦点の伝搬時間は無効値を入力する。
これにより、GFCSの際、設定された界面41の範囲を経由しない平面波については無効となる。
上記の最適化アルゴリズムでは、xの走査グリッドを定義する。そのため、グリッド間隔を細かくとることでモデルの精度が向上する一方、計算時間が増加する。現実的な計算時間で精度を担保するため、本実施形態では、最適化後の△Hを精度の指標とし、グリッド間隔を決定することができる。具体的には、
Figure 2024055507000007
となる走査グリッド間隔となるよう設定する。ここで、vは音速、Tは超音波のパルス幅に相当する時間であり、[数6]は、1パルスの時間で進む距離に相当する。これにより、最適化アルゴリズムにおけるトライアンドエラーによる調整が必要であった界面座標の走査範囲を適切に設定できる。なお、この考え方は、送信モードfull matrix captureにおいて、往路の伝搬モデルの計算でも有効である。
次に、観測データ取得ステップS20において、演算部20は、複数の送受波素子11が検査対象40に平面波を発信した場合に複数の送受波素子11で受信される観測データを取得する。
ここで、送受波素子11からの送信ビーム角度をθ、送受波素子11の素子数をMとおくと、検査対象40の内部の欠陥エコーを含む複素受信信号ベクトル
Figure 2024055507000008
が得られる。なお、Kは計測点数である。
送受波素子11で直接観測できるのは実数信号であるが、それに対してヒルベルト変換・ダウンコンバート等の処理を施すことで、複素信号η(k)が得られる。
次に、生成ステップS30において、演算部20は、取得した観測データに基づいて、GFCSにより検査対象40のイメージングデータを生成する。
図5は、計測システムによるイメージング範囲の一例を模式的に示す図である。図5に示すように、計測時刻kにおいては、検査対象40の一部がイメージング範囲40Rとなる。図6は、イメージング範囲を画素で分割した場合の一例を示す図である。図6に示すように、イメージング範囲40Rを画素で分割する場合、その画素数をLとおく。また、計測時刻kにおける瞬時値でイメージングできる範囲の画素数をL(k)とおく。
ここで、本実施形態に係る測定システムで得られる観測データ
Figure 2024055507000009
を用いて、焦点42(欠陥等の反射源)の位置を推定する問題を考える。なお、図6では、2次元配列の画像を示しているが、3次元配列の場合でも同様のインデックス付けで適用できる。
図7は、生成ステップS30におけるアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。図7に示すように、生成ステップS30において、演算部20は、観測データを取得し(ステップS301)、取得した観測データに基づいて半正定計画問題の解を求め(ステップS302)、検査対象40のイメージング範囲(図5参照)に対応する対応データを算出する(ステップS303)。
演算部20は、ステップS302において、制約付き最適化問題(SDP)である
Figure 2024055507000010
を解いて半正定計画問題の解を求める。
演算部20は、半正定計画問題の解を求めた後、時刻kにおける観測データである
Figure 2024055507000011
を入力として、η(k)を求める。
ここで、Toep(u)は、ベクトルである
Figure 2024055507000012
をToeplitz行列に展開する演算子を表す。また、trace(D)は、行列Dの対角成分の和を表す。
なお、数9におけるλ(>0)は、正則化パラメータである。正則化パラメータは、ユーザが任意の値に設定することができる。定性的には、正則化パラメータλを大きくするほどスパースな解が得られる。正則化パラメータの調整方法については後述する。
演算部20は、ステップS303において、上記の数9の解を用いて、
Figure 2024055507000013
により、双対多項式の係数である
Figure 2024055507000014
を算出する。数13で示す双対多項式の係数は、計測時刻kにおける検査対象40のイメージング範囲に対応する対応データである。
なお、上記の数9で示すSPDは、本来解くべきLassoを模した最適化問題である
Figure 2024055507000015
の近似となっている。
ここで、、||ηi||Aは、ベクトルηiに対する核ノルム(Atomic Norm)を表す。核ノルムは、無限の数の未知数で定義されるL1ノルムのようなものであるため、この最適化問題を直接解くことはできない。そこで、この最適化問題を数9のSDPで近似することにより、解くことができる。数9のSDPは、例えば公知のソルバ等により解くことができる。
次に、推定ステップS40において、演算部20は、読み込んだ伝搬モデルと、生成したイメージングデータとに基づいて、検査対象40の焦点42の位置を推定する。
図8は、推定ステップS40におけるアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。図8に示すように、推定ステップS40において、演算部20は、ステップS10で読み込んだ伝搬モデルと、ステップS30で算出した対応データとに基づいて、双対多項式の値を求める(ステップS401)。演算部20は、求めた双対多項式の値に基づいて、検査対象40の焦点42の位置を推定する(ステップS402)。
ステップS401において、演算部20は、数13に示す双対多項式の係数Q(k)と、計測時間kにおけるイメージング範囲40R(図5参照)に対応した伝搬モデル
Figure 2024055507000016
とを用いて、双対多項式の値
Figure 2024055507000017
を、
Figure 2024055507000018
により算出する。
数16及び数17における
Figure 2024055507000019
の行は、画素のインデックス、すなわち画素の座標に対応している。このように、演算部20は、計測時刻kごとに双対多項式の値が算出することができる。
ステップS402において算出された双対多項式の値は、各計測時刻のイメージング範囲40Rがオーバーラップしたものである。図9は、イメージング範囲40Rにおける画素ごとの双対多項式の値の一例を示すグラフである。図9のグラフの縦軸は双対多項式の値の大きさであり、横軸はイメージング範囲40Rにおける個々の画素を示している。
図9に示すように、イメージング範囲40Rがオーバーラップした部分の画素においては、双対多項式の値が複数算出される。実際の計測においては、イメージング範囲40Rの全体に強い平面波が入射されるとは限らないため、本来の想定とは異なる値を含むことになる。
そこで、演算部20は、推定処理において、1つの画素(位置)について複数の双対多項式の値が算出される場合、少なくとも1つの双対多項式の値が所定の閾値を超える画素の座標を焦点42の座標として推定することができる。図9に示す例では、閾値αが設定されている。図9において、閾値αを超える部分を拡大した図を併せて示している。演算部20は、閾値αを超える画素の座標を焦点42の座標として推定することができる。この例では、焦点42が多く存在する場合に利用性が高い。例えば、想定される焦点42の数が多い場合、閾値αの値を低い値に設定することで利用性が高くなる。
また、演算部20は、1つの画素(位置)について複数の双対多項式の値が算出される場合、複数の双対多項式の値のうち最大の値を当該画素における双対多項式の値とすることができる。この場合、演算部20は、画素ごとの双対多項式の最大値の座標を結ぶ曲線QLを求める。演算部20は、求めた曲線QLのピーク値(極大値)に対応する座標を焦点42の位置として推定することができる。この例では、焦点42の数が少ない場合に利用性が高い。
焦点42が複数含まれる場合、各焦点42が同一の反射条件であれば、双対多項式の値のプロファイルを正当に評価し、上記の各手法を適切に利用することができる。しかしながら、実際には、送受波素子11からの送信波及び焦点42における反射波の距離による減衰や、焦点42の状態などにより、焦点42における反射条件が異なる場合がある。そこで、上記の観測データ(実測値)に対しては、解析的にまたは実験的に距離減衰、焦点42の状態による反射条件を事前に求めておき、当該反射条件に対応する係数を乗じることで、実環境の影響に加味したアルゴリズムを適用することができる。
なお、演算部20は、数9におけるλ(正則化パラメータ)を調整する調整処理を行ってもよい。正則化パラメータは、ユーザが任意の値に設定することができる。定性的には、正則化パラメータλを大きくするほどスパースな解が得られる。演算部20は、テストピースを用いることで当該調整処理を行うことができる。
図10は、テストピース51の一例を示す図である。図10に示すように、テストピース51は、人工欠陥52の位置及び個数が予め設定されている。テストピース51は、例えば金属、ポリマー、流動体等のように素材ごとに予め用意しておく。演算部20は、テストピース51における伝搬モデル及び観測データに基づいて上記の算出処理及び推定処理と同一の手順でテストピース51の人工欠陥52の位置の推定を行う。そして、演算部20は、当該推定で得られた人工欠陥52の個数が予め設定された人工欠陥52の個数に対応するように、正則化パラメータを調整する。
図11は、正則パラメータごとの双対多項式の値の例を示すグラフである。図11に示すように、例えば正則パラメータがλである場合、双対多項式の値のピークの数は、予め設定された人工欠陥52の個数よりも多くなっている。図11において、予め設定された人工欠陥52に対応する画素以外のピークについて矢印で示している。これに対して、正則パラメータがλの場合、双対多項式の値のピークは、予め設定された人工欠陥52の個数と同数となっている。したがって、検査対象40がテストピース51と対応する素材(例えば、テストピースと同一又は同種の素材等)で形成される場合、正則パラメータをλに設定することにより、焦点42の位置を適切に推定することができる。
以上説明したように、本開示において、第1態様に係る信号処理装置は、複数の送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波が検査対象40の内部を伝搬し焦点42で反射して送受波素子11に到達する場合の平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込み処理と、複数の送受波素子11が検査対象40に平面波を発信した場合に複数の送受波素子11で受信される観測データを取得する取得処理と、取得した観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより検査対象40のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出処理と、読み込んだ伝搬モデルと、算出した対応データとに基づいて、検査対象40の焦点42の位置を推定する推定処理と、を行う演算部20を備える。
したがって、送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波により検査対象40の探査を行い、取得した観測データに基づいて、GFCSにより検査対象40のイメージング範囲に対応した対応データを算出し、算出した対応データと伝搬モデルとに基づいて検査対象40の焦点42の位置を推定するため、一度に処理する情報量を抑制して処理を行うことが可能となる。
第2態様に係る信号処理装置は、第1態様に係る信号処理装置において、演算部20が、算出処理において、観測データに基づいて所定の制約付き最適化問題を解くことで、双対多項式の係数を対応データとして算出し、推定処理において、取得した双対多項式の係数と、伝搬モデルとに基づいて双対多項式の値を求め、求めた双対多項式の値に基づいて焦点42の位置を推定する。したがって、GFSCにより焦点42の位置を適切に推定することができる。
第3態様に係る信号処理装置は、第2態様に係る信号処理装置において、演算部20が、推定処理において、1つの位置について複数の双対多項式の値が算出される場合、少なくとも1つの双対多項式の値が所定の閾値を超える位置を焦点42の位置として推定する。したがって、焦点42の位置を適切に推定することができる。
第4態様に係る信号処理装置は、第2態様又は第3態様に係る信号処理装置において、演算部20が、推定処理において、1つの位置について複数の双対多項式の値が算出される場合、複数の双対多項式の値のうち最大の値を1つの位置における双対多項式の値とする。したがって、より有効な双対多項式の値を求めることができる。
第5態様に係る信号処理装置は、第4態様に係る信号処理装置において、演算部20は、推定処理において、算出した双対多項式の値を縦軸の値とし、検査対象40の内部の位置を横軸の値とした場合において、双対多項式の値を示す座標を通る曲線の極大値に対応する位置を焦点42の位置として推定する。したがって、焦点42の位置を適切に推定することができる。
第6態様に係る信号処理装置は、第2態様から第5態様のいずれかに係る信号処理装置において、演算部20が、推定処理において、観測データを用いる場合、平面波の反射条件に対応する係数を乗じる。したがって、実際の環境の影響を加味したアルゴリズムを適用することができる。
第7態様に係る信号処理装置は、第2態様から第6態様のいずれかに係る信号処理装置において、双対多項式は、所定の正則化パラメータを含み、演算部20は、人工欠陥52の位置及び個数が予め設定されたテストピース51における伝搬モデル及び観測データに基づいて算出処理及び推定処理と同一の手順でテストピースの人工欠陥52の位置の推定を行い、当該推定で得られた人工欠陥52の個数が予め設定された人工欠陥52の個数に対応するように、正則化パラメータを調整する調整処理を行う。したがって、正則化パラメータを適切に設定することができるため、焦点42の位置を精度よく推定することができる。
第8態様に係る信号処理方法は、複数の送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波が検査対象40の内部を伝搬し焦点42で反射して送受波素子11に到達する場合の平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込みステップS10と、複数の送受波素子11が検査対象40に平面波を発信した場合に複数の送受波素子11で受信される観測データを取得する取得ステップS20と、取得した観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより検査対象40のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出ステップS30と、読み込んだ伝搬モデルと、算出した対応データとに基づいて、検査対象40の焦点42の位置を推定する推定ステップS40とを含む。
したがって、送受波素子11から検査対象40の界面41に発信される平面波により検査対象40の探査を行い、取得した観測データに基づいて、GFCSにより検査対象40のイメージング範囲に対応した対応データを算出し、算出した対応データと伝搬モデルとに基づいて検査対象40の焦点42の位置を推定するため、一度に処理する情報量を抑制して処理を行うことが可能となる。
10 センサ
11 送受波素子
20 演算部
30 記憶部
40 検査対象
40R イメージング範囲
41 界面
42 焦点
50 パルサーレシーバー
51 テストピース
52 人工欠陥
100 信号処理装置
QL 曲線
SYS 計測システム10 センサ
11 送受波素子
20 演算部
30 記憶部
40 検査対象
41 界面
50 パルサーレシーバー
100 信号処理装置
SYS 計測システム

Claims (8)

  1. 複数の送受波素子から検査対象の界面に発信される平面波が前記検査対象の内部を伝搬し焦点で反射して前記送受波素子に到達する場合の前記平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込み処理と、
    複数の前記送受波素子が前記検査対象に前記平面波を発信した場合に複数の前記送受波素子で受信される観測データを取得する取得処理と、
    取得した前記観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより前記検査対象のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出処理と、
    読み込んだ前記伝搬モデルと、算出した前記対応データとに基づいて、前記検査対象の前記焦点の位置を推定する推定処理と、を行う演算部を備える
    信号処理装置。
  2. 前記演算部は、
    前記算出処理において、前記観測データに基づいて所定の制約付き最適化問題を解くことで、双対多項式の係数を前記対応データとして算出し、
    前記推定処理において、取得した前記双対多項式の係数と、前記伝搬モデルとに基づいて前記双対多項式の値を求め、求めた前記双対多項式の値に基づいて前記焦点の位置を推定する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記演算部は、前記推定処理において、1つの位置について複数の前記双対多項式の値が算出される場合、少なくとも1つの前記双対多項式の値が所定の閾値を超える位置を前記焦点の位置として推定する
    請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記演算部は、前記推定処理において、1つの位置について複数の前記双対多項式の値が算出される場合、複数の前記双対多項式の値のうち最大の値を前記1つの位置における前記双対多項式の値とする
    請求項2に記載の信号処理装置。
  5. 前記演算部は、前記推定処理において、算出した前記双対多項式の値を縦軸の値とし、前記検査対象の内部の位置を横軸の値とした場合において、前記双対多項式の値を示す座標を通る曲線の極大値に対応する位置を前記焦点の位置として推定する
    請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記演算部は、前記推定処理において、前記観測データを用いる場合、前記平面波の反射条件に対応する係数を乗じる
    請求項2に記載の信号処理装置。
  7. 前記双対多項式は、所定の正則化パラメータを含み、
    前記演算部は、前記焦点の位置及び個数が予め設定されたテストピースにおける前記伝搬モデル及び前記観測データに基づいて前記算出処理及び前記推定処理と同一の手順で前記テストピースの前記焦点の位置の推定を行い、当該推定で得られた前記焦点の個数が予め設定された前記焦点の個数に対応するように、前記正則化パラメータを調整する調整処理を行う
    請求項2に記載の信号処理装置。
  8. 複数の送受波素子から検査対象の界面に発信される平面波が前記検査対象の内部を伝搬し焦点で反射して前記送受波素子に到達する場合の前記平面波の伝搬経路を示す所定の伝搬モデルを読み込む読み込みステップと、
    複数の前記送受波素子が前記検査対象に前記平面波を発信した場合に複数の前記送受波素子で受信される観測データを取得する取得ステップと、
    取得した前記観測データに基づいて、グリッドフリー圧縮センシングにより前記検査対象のイメージング範囲に対応した対応データを算出する算出ステップと、
    読み込んだ前記伝搬モデルと、算出した前記対応データとに基づいて、前記検査対象の前記焦点の位置を推定する推定ステップと
    を含む信号処理方法。
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