JP2024055013A - 造波装置 - Google Patents

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【課題】海中に沈めた造波板を海水圧を利用して上下動させる造波装置を提供する。【解決手段】海中に備えられた造波装置であって、利用者が海中で待機可能なプラットホームと、造波ユニットと、排水ユニットと、発電ユニットと、回帰ロープと、から構成され、造波ユニットにおけるシリンダ内への海水流入及び排水によって増減する水圧を利用してピストンを上下摺動させ、かかる上下摺動に連動してピストンに接続された造波板の上下動が行われることで、任意のタイミングで海上に大波を発生させる手段を採る。【選択図】図1

Description

海中に沈めた造波板を上下作動させることにより、人工的に波を作り出す造波装置に関する。
近年、人工的に波を造る造波装置を利用したウェーブプールが見られるようになり、サーフィンに適した海岸へ出向かわなくともサーフィンが楽しめるようになったが、ウェーブプールは、使用スペースが小規模であり、コストもかかるため、サーフィンを行うために海岸へ行くこととなる。
しかし、海ではサーフィンに適した波が常時起きていることはなく、また、ウェーブプールで発生するような大規模な大波は海上の条件が整わないと発生しにくい、といった問題があった。
そこで、海上への大波の発生が容易であり、海上及び海中であっても装置の配設が可能な造波装置が求められていた。
上記問題を解決すべく、特開2014-153252号公報(特許文献1)に記載の技術提案がされている。具体的には、プールの底に配設したエアバックに予め空気を充填しておき、エアバックに接続された真空ポンプを使用して瞬時にエアバックを萎ませることにより段波を発生させる技術が記載されている。
しかしながら、エアバッグを萎ませる際に使用される真空ポンプは、大波を起こすために使用される長大なエアバッグに注入された空気を瞬時に抜き取り可能な大規模なポンプが必要であり、さらに、再度エアバッグに空気を充填可能な大型コンプレッサの設置も必要であるが、海上及び海中に、これらの装置を設置・固定すること自体が困難であり、上記問題を解決していない。
本出願人は、従来における造波装置を使用した海上への大波の発生方法に着目し、海水圧を利用して海中に沈めた造波板を上下動させることで波を発生させることができないものかとの着想のもと、海水圧を利用した上下摺動が可能な複数のピストンと、海中に設けられ該ピストンと接続された造波板を配設することにより、ピストンの摺動に連動して造波板が海中で上下動し、任意のタイミングで海上に大波を発生し得る造波装置を開発し、本発明にかかる「造波装置」の提案に至るものである。
特開2014-153252号公報
本発明は、上記問題に鑑み、海水圧を利用して海中に沈めた造波板を上下動させる造波装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、海中に備えられた造波装置であって、利用者が海中で待機可能なプラットホームと、造波ユニットと、排水ユニットと、発電ユニットと、回帰ロープと、から成り、造波ユニットは、海中に備えられた板状体でありプラットホームに対向する造波板と、中空部を有し海面に対して略垂直状に延伸し天面が開口され底面が閉塞された筒状管と、該筒状管外部の海水を筒状管底面とピストンとの間の中空部へ導入可能な海水導入孔と、筒状管内に流入した海水を排水ユニットへ流出可能な海水流出孔と、を備え、海中へ延伸可能で左右対称に複数備えられたシリンダ部と、該筒状管内を上下に摺動するピストンヘッドと、該ピストンヘッドの上面に備えられ上方に延伸するピストンロッドと、を夫々備えたピストン部と、一乃至複数の該ピストンロッド上端部と造波板所定箇所を夫々接続しピストン部の上下摺動と連動して造波板を上下動させるフレーム部と、から構成され、排水ユニットは、天面及び底面が閉塞された排水タンクと、海水を筒状管から海水流入管を介して排水タンク内へ流入させる海水流入孔と、排水タンク内に貯留された海水を外部へ排出可能な排出ポンプを備えた海水排出孔と、大気を給気可能な給気孔と、排水タンク内の空気を後段の発電ユニットへ送気させるエア送気孔と、から構成され、発電ユニットは、海中に備えられ天面が閉塞され底面が開放されたエアタンクと、排水タンクから送気された空気をエアタンク内へエア送気管を介して流入させるエア流入孔と、エアタンク内へ流入し上部へ貯留した空気を外部へ排出可能なエア排気孔と、該エア排気孔に接続されたエア排気管を介して空気を流出させ発電を行う風力発電部と、から構成され、回帰ロープは、プラットホーム近傍と海岸近傍に夫々設けられ水平方向へ回転可能な回転滑車と、回転滑車の回転を行うモータと、利用者が把持することで回転滑車間を周回可能な索道ロープと、から成る手段を採る。
また、本発明は、前記造波ユニットにおいて、前記ピストンヘッドの天面上部に滑車Aを設けると共に、筒状管の上端周縁の所定箇所に滑車Bを設け、更に、該滑車Bに対向する上端周縁部にワイヤを固定可能な固定部を備えて成り、該固定部に一端が固定されたワイヤが滑車Aから滑車Bを経由するように張架されると共に、ワイヤの他端に重りが装着される手段を採る。
さらに、本発明は、前記風力発電部にて発電された電力が、前記造波ユニットにおける排出ポンプの動力源、若しくは、前記回帰ロープに備わったモータの動力源として使用される手段を採る。
本発明にかかる造波装置によれば、筒状管中空部への海水流入及び排水によって増減する水圧にてピストンを上下摺動させることで、フレーム部を介してピストンに接続された造波板の上下動時に必要とされるエネルギーを海水圧によって補うことが可能であり、作業全体の省エネルギー化に資する、といった従来にない優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる造波装置によれば、筒状管に設けられた固定部に一端が固定されたワイヤが滑車Aから滑車Bを経由するように張架されると共に、ワイヤの他端に重りが装着されることで、ピストンの上摺動時に必要な浮力の補うことが可能であると共に、下摺動時においてピストンヘッドの下降速度を緩やかにすることが可能であり、造波板の上下動における安定性に資する、といった優れた効果を奏する。
さらに、本発明にかかる造波装置によれば、風力発電部にて発電された電力が、造波ユニットにおける排出ポンプの動力源、若しくは、回帰ロープに備わったモータの動力源として使用されることで、排出ポンプ及び回帰ロープに接続される電源への負担を低減させ、造波装置全体にかかる電力の省エネルギー化に資する、といった優れた効果を奏する。
本発明にかかる造波板の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる造波板の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる造波板の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる造波板の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかる造波装置は、海中に設けられた造波板を海水圧を利用して上下動させることで、海上に大波を発生させることが可能であることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる造波装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
尚、本発明にかかる造波装置は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができる。
図1乃至4は、本発明にかかる造波装置の実施形態を示す説明図である。具体的には、図1は、利用者が海中で待機するプラットホームと、造波ユニット及び回帰ロープを示した説明図である。図2は、造波ユニット及び排水ユニット並びに発電ユニットを示した説明図である。図3は、ワイヤと滑車と重りを造波ユニットに使用した態様であり、(a)はピストンの下動時、(b)はピストンの上動時を夫々示した説明図である。図4は、造波ユニットを三箇所に設けた態様を示す説明図である。
本発明にかかる造波装置1は、主にプラットホーム2と、造波ユニット10と、排水ユニット30と、発電ユニット40と、回帰ロープ60にて構成されている。
プラットホーム2は、利用者が海中にて待機するスペースであり、プラットホーム2に対向する箇所に備えられた造波板11の上下動によりプラットホーム2海上に大波が発生し、該利用者がサーフィン等の遊技を行うものである。
プラットホーム2の広さ、幅については特に指定はしないが、プラットホーム2で待機させる想定利用者数等によって適宜決定される。また、図1に図示したように、造波板11の長さと同程度の広さ、幅を確保することで、造波板11が発生させた大波をプラットホーム2全体で受けることが可能である。さらに、プラットホーム2が設置される深さに関しては、海底の地形やサーフィンの難易度等により調整され、例えば、海底が砂であり初心者向けのプラットホーム2を設置するといった場合は、80~100cm程度の深さを有する箇所へ設置することとなる。
造波ユニット10は、海上において波を形成するための主構成であって、造波板11と、シリンダ部12と、ピストン部13と、フレーム部20から構成されている。
造波ユニット10は、シリンダ部12へ海水を給排水することにより、ピストン部13を上下摺動させ、ピストン部13上端部に接続されたフレーム部20を介して、海中に備えられた造波板11を上下動させることにより海上へ波を形成するものである。
造波板11は、海中に備えられた板状体であり、ピストン部13の上下摺動に伴いフレーム部20を介して上下動を行うことで海上に波を形成するものである。
造波板11の大きさや形状について特に限定はしないが、形成する波の大きさやプラットホームの長さ等により、例えば、略直方形の板状体を複数枚連結させる等、適宜決定される。また、造波板11の設置深度についても特に限定はないが、形成する波の高さや大きさ等により決定されることとなる。さらに、造波板11とフレーム部20の接続方法についても特に限定はなく、ネジ等を使った螺合や溶着等の手段により固定される。
シリンダ部12は、ピストン部13を内設する筒状体であり、底面部から海水を給排水することでピストン部13を上下摺動させるものである。
シリンダ部12は、該シリンダ部12の上部が海面上に出るよう海中に沈下させた状態で配設される。配設手段について特に限定はなく、例えば、海底から所要高さの土台を設置して該土台の上にシリンダ部12を固定的に載置する態様や、海洋構造物等とシリンダ部12の側壁とを固定的に連結する態様等が考え得る。また、設置数に関しても特に限定はしないが、造波板の大きさや、該造波板の上下動に必要な動力等をもとに決定される。例えば、図1に図示したように、一の造波板11両端部へ備えられたフレーム部20に、複数のシリンダ部12が接続された態様等が考え得る。
シリンダ部12は、筒状管14と、筒状管14の底面部に備えられた海水導入孔15と海水流出孔16から構成されている。
筒状管14は、シリンダ部12を構成する筒状管であり、中空部にピストン部13が内設されるものである。
筒状管14は、中空部を有した筒状体であり、該筒状管14の天面部は、ピストン部13に備えられたピストンロッド18が上下動すべく一部又は全部が開口されており、また、筒状管14の底面部は、流入した海水を貯留すべく閉塞されている。また、筒状管14の形状及び長さについては、ピストン部13が摺動可能な内径(ピストン部13に備えられたピストンヘッド19の外径より僅かに大径)を備えて略円筒形状に形成され、且つ、ピストン部13の上下摺動距離が造波板11の上下動可能距離よりも長い全長を有して形成されている。
底面部所定箇所には、海水を中空部へ流入可能な海水導入孔15と、中空部へ流入した海水を外部へ流出させる海水流出孔16が夫々備えられ、自動的に、もしくは、手動にて海水を給排水することで、中空部に内設されたピストン部13を上下摺動させることとなる。
そして、筒状管14は、海面に対して略垂直状に延伸した状態で設置されることで、海水導入孔15の開口により、中空部に内設されたピストン部13を押し上げつつ、海面近傍まで自動的に海水が流入されることとなる。
海水導入孔15は、筒状管14の中空部へ海水を流入させるための孔であり、詳しくは、筒状管14の閉塞された底面と中空部内に備えられるピストン部13との間に海水を流入させるための孔である。海水導入孔15から該中空部へ海水を流入させることで、その海水圧によってピストン部13を上方に押し上げる。尚、中空部に流入した海水の水位は、筒状管14の水頭圧(ピストン部13に掛かる荷重)によって前後するものではあるが、最大でシリンダ部12外部の海水面近傍まで上昇し得ることとなる。海水導入孔15は、図示していないが、開放と閉塞を切り替え可能な構造(例えば弁構造)を採用し、海水の流入と停止を切り替え可能となっている。海水導入孔15の位置については、特に限定はしないが、筒状管14の閉塞された底面とピストン部13との間に海水を流入させて該ピストン部13を下方から押し上げるべく作用させることから、少なくとも筒状管14の下方域に備えられることを要し、具体的には、筒状管14の底面若しくは側壁における下端近傍に備えられる。また、海水導入孔15の大きさや数についても限定はないが、自動または手動にて海水流入量の調整が行えるよう、大きさを絞ったり開放したりする孔の数を限定することが可能な態様を採用し得る。かかる態様を採用することにより、ピストン部13上動時の速さを調整することが可能となる。
また、海水導入孔15と連動可能な水位センサを筒状管14内に設け、海水流入量を自動的に制御する海水導入制御弁71が備えられる態様も考え得る。この態様を採ることにより、規定水位に達した場合、海水導入孔15を閉塞し海水の流入を自動的に停止させるといった、水位センサの情報をもとにした海水導入制御弁71による海水の流入停止制御が可能になる。この時に設けられる水位センサの具体的構造・仕様については、従来公知の構造・仕様のものを採用すれば足り、特に限定するものではない。
海水流出孔16は、筒状管14の中空部に貯留された海水を外部に流出させる孔であり、筒状管14の所定箇所に備えられるものである。
海水流出孔16から外部へ海水を流出させることで、中空部内の水位を下げてピストン部13を下降させる。尚、後段に配設される排水タンク31が造波ユニット10よりも下方に備えられるため、中空部内の海水は該排水タンク31へ送出することとなる。尚、海水流出孔16には当然に海水流入管36が接続され、後段に配設された排水タンク31と接続される。
海水導入孔15の位置については特に限定はしないが、筒状管14の閉塞された底面とピストン部13との間の海水を流出させて該ピストン部13が下降するよう作用させることから、少なくともピストン部13の下方域に備えられることを要し、具体的には、ピストン部13の底面若しくは側壁における下端近傍に備えられる。また、海水流出孔16の大きさや数についても限定はなく、経時的流出量を調整することで、ピストン部13下降時の速さを調整することが可能となる。
また、海水導入制御弁71と同様に、海水流出孔16と連動可能な水位センサを筒状管14内に設け、海水流出量を自動的に制御する海水送出制御弁72が備えられる態様も考え得る。この態様を採ることにより、規定水位に達した場合、海水流出孔16を閉塞し海水の流出を自動的に停止させるといった、水位センサの情報をもとにした海水送出制御弁72による海水の流出停止制御が可能になる。この時に設けられる水位センサの具体的構造・仕様については、従来公知の構造・仕様のものを採用すれば足り、特に限定するものではない。
ピストン部13は、シリンダ部12に内設されるピストン本体であり、海水圧を利用して上下摺動を行うことでピストン部13の上部所定箇所に接続されたフレーム部20を介して造波板11を上下動させるものである。
ピストン部13は、シリンダ部12の中空部内に備えられており、ピストンロッド18及びピストンヘッド19によって構成されているが、シリンダ部12が複数設置されている態様であれば、当然に、該シリンダ部12の中空部内に夫々内接される。
また、ピストン部13の上下摺動制御については、海水導入孔15・海水流出孔16の開閉動作を手動、もしくは自動で行うものとなるが、制御方法について特に限定はなく、例えば、形成する波の種類によった各種動作を予めプログラムとして設定しておき、操作者がリモコン等で形成する波の種類を指示した場合、該指示内容に沿った開閉動作が自動的に行われる、といった態様が考え得る。
ピストンヘッド19は、筒状管14の中空部に備わるピストン部材であり、該ピストンヘッド19の底面と筒状管14の底面との間の中空部に貯留される海水の増減により、中空部内を垂直方向へ上下に摺動する。ピストンヘッド19の形状は略円柱状であって、上下の長さ(全高)について特に限定はないが、筒状管14の中空部内を摺動可能な程度に該筒状管14の内径よりやや縮径された外径を有して成る。この時、ピストンヘッド19の下方に存する海水がピストンヘッド19と筒状管14との僅かな間隙を通過してピストンヘッド19の上方へ漏出することのないよう、ピストンヘッド19の外周壁に一乃至複数のピストンリングを周設するなど漏水防止手段施すことで水密性を担保する態様が好適である。また、略円柱状を成すピストンヘッド19の内部を中空状として空気を充満させることで、ピストンヘッド19自体の重量を軽減させると共に、浮力を増幅させる態様も採用し得る。ピストンヘッド19の上面には、上方へ延伸するピストンロッド18の下端が固定されている。
ピストンロッド18は、長尺の棒状体であって、ピストンヘッド19の上下動をそのままフレーム部20に伝達するものである。よって、ピストンロッド18の上端はフレーム部20の下面所定箇所に連結されると共に、ピストンロッド18の下端はピストンヘッド19の天面所定箇所に固定的に連結されている。これにより、フレーム部20及び該フレーム部20に接続される造波板11をピストンヘッド19の上下動に連動して昇降させることが可能となる。
ピストンロッド18下端部の設置位置や本数については特に限定はなく、ピストンヘッド19の上下摺動によって発生する力を効率的にフレーム部20へ伝達可能な位置及び本数であれば良い。例えば、ピストンロッド18が一本であれば、ピストンヘッド19の天面部略中央箇所に固定する態様となる。また、ピストンロッド18の形状については、特に限定するものではないが、長さは少なくとも筒状管14の中空部における最下位置にピストンロッド18が降下した際に筒状管14の天面からピストンロッド18先端が突出するだけの長さを有し、太さについては造波板11にて海水内を昇降させる際にかかる抵抗に耐え得る荷重強度を有していることを要する。
ピストンロッド18の構造について、必要な荷重強度を有してさえいれば、中空部を有するパイプ状に形成することも可能である。かかる態様を採用することで、ピストンロッド18にかかる荷重を軽減させることが可能となる。
フレーム部20は、造波板11に接続されるフレームであって、ピストンロッド18の上端及び造波板11の所定箇所に夫々連結され、ピストンヘッド19の上下動に連動してピストンロッド18を介して上下に昇降動作するものである。フレーム部20の形状について、海上に突出したピストンロッド18との接続箇所と海中に備えられた造波板11との接続箇所を連結可能なフレームであれば特に限定するものではないが、例えば、図1に図示したようなカギ型で形成しつつ、湾曲部に補助フレームを接続することで全体的な強度を増加させる態様が好適である。
造波板11の昇降動作を行うにあたって、該造波板11を昇降させる際にかかる抵抗を分散させるため、複数のシリンダ部12を配設する態様も考え得る。この態様を採る場合、シリンダ部12から突出したピストンロッド18の上端を夫々フレーム部20の所定箇所にて接続していくこととなる。この際、図1に図示したように、複数のシリンダ部12を、造波板11に直交しつつ左右対称に配設し、夫々のフレーム部20を介して造波板11と接続する態様を採ることで、造波板11の上下動にかかる抵抗を均等に分散しつつピストン部13への負担を減少させることも可能となる。
また、図示していないが、複数のシリンダ部12から突出した夫々のピストンロッド18上端とフレーム部20との接続部分が回動可能に軸止し、テコの原理を利用した動作を行う態様も考え得る。この態様を採る場合、例えば、造波板11から直近のピストンロッド18上端とフレーム部20との接続部分を支点部とし、該支点部の後段に接続されたピストンロッド18を力点部とした場合、夫々のピストンロッド18を支点とする高さまで上下摺動させた後に力点部を更に上下摺動させることで、作用点となる造波板11を容易に上下動させることが可能となる。
排水ユニット30は、造波ユニット10の底面よりも下方位置に配設されており、該造波ユニット10から送出された海水を貯留及び外部へ排出を行うと共に、大気を給気し、後段の発電ユニット40へ送気するためのユニットであり、排水タンク31と、海水流入孔32と、海水排出孔33と、給気孔34と、エア送気孔35から構成されている。
排水タンク31は、造波ユニット10から送出された海水を貯留することで該排水タンク31内の空気を後段の発電ユニット40へ送気し、さらに、排水タンク31内に貯留した海水を外部へ排出することで、大気から給気を行うタンクである。
排水タンク31は、海水を貯留可能な中空部を有し、天面および底面が閉塞されたタンクであり、該排水タンク31の所定箇所には、造波ユニット10から送出された海水を排水タンク31内へ流入させる海水流入孔32と、排水タンク31内の海水を外部へ排出させる海水排出孔33及び排出ポンプ38と、大気を排水タンク31内へ給気させる給気孔34と、排水タンク31内の空気を後段の発電ユニット40へ送気させるエア送気孔35が備えられる。排水タンク31の形状や長さについては、造波ユニット10から流入される海水が貯留可能な容量を有していれば良く、具体的には、該排水タンク31に接続される一乃至複数のピストン部13の最上位置におけるピストンヘッド19の底面から筒状管14の底面までの中空部内に流入する総海水量を最大貯留量とした容量を有する排水タンク31が好適である。
海水流入孔32は、造波ユニット10から送出された海水を排水タンク31内へ流入し貯留させるための孔であり、詳しくは、海水流出孔16から送出された海水を閉塞された排水タンク31内に貯留させて、該海水流入孔32内に滞留している空気を下方から押し上げるべく作用させる孔である。
海水流入孔32の設置箇所には特に限定はないが、排水タンク31の天面が造波ユニット10の底面よりも下方位置に配設されているため、重力に従って垂下する海水が流入可能な設置箇所、例えば、図2に図示したように排水タンク31の側壁上方部に備える態様や、天面部所定箇所備える態様が好適である。この態様を採ることにより、海水流出孔16とエア送気孔35を夫々開放することで、自動的に排水タンク31への海水流入と、発電ユニット40へ向けた送気が同時に行われることとなる。また、海水流入孔32の大きさについては、海水流出孔16と同径以上とすることで海水の流入がスムーズに行われることとなる。
海水が海水流入孔32を介して排水タンク31内へ流入されることにより、該排水タンク31内に貯留する海水の総体積が増加すると共に、排水タンク31内に滞留する空気が圧縮され、排水タンク31上部に設けられたエア送気孔から後段の発電ユニット40へ向けて送気される。この作用は、海水流入孔32からの海水流入が停止される、もしくは海水排出孔33から海水が外部へ排出されるまで連続して行われることとなる。
海水排出孔33は、排水タンク31内に貯留している海水を外部に排出させるための孔であり、詳しくは、排水タンク31内に貯留した海水を外部へ排出させると同時に、大気を該排水タンク31内へ給気し滞留させるべく作用させる孔である。
尚、水頭圧の関係から、排水タンク31に貯留された海水が外部へ自然と排出されることはないため、排出ポンプ38を利用して外部へ排出させることとなる。該排出ポンプ38の具体的構造・仕様については、従来公知の構造・仕様のものを採用すれば足り、特に限定するものではない。
海水排出孔33の位置については特に限定はしないが、排水タンク31内の海水を外部へ排出させることで、該排水タンク31内に貯留している海水の体積が減少するよう作用させることから、少なくとも排水タンク31の下方域に備えられることを要し、具体的には、排水タンク31の底面若しくは側壁における下端近傍に備えられる。また、海水排出孔33の大きさや数についても限定はないが、ピストン部13の上下摺動と連動して自動的に海水排出量の調整が行えるような調整機構を排出ポンプ38に備える態様を採用し得る。かかる態様を採用することにより、ピストン部13の上摺動時には排出ポンプ38による海水排出を行い、下摺動時には排出ポンプ38を停止して海水を貯留させる、といった調整を行うことが可能となる。
海水排出孔33から外部へ排水タンク31内に貯留している海水を流出することで排水タンク31内の体積を減少させ、該排水タンク31上部に設けられた給気孔34より大気を流入させる。尚、排水タンク31が海水面よりも上部に設置されていた場合、海水排出孔33を開放することにより海水は自動的に外部(海上)へ自然排出されるが、該排水タンク31が海水面よりも下、例えば海中に設置されていた場合は、海水排出孔33に排出ポンプ38を接続し排水タンク31内の海水を吸引して外部へ排出させることとなる。この際に使用される排出ポンプ38の具体的構造・仕様については、従来公知の構造・仕様のものを採用すれば足り、特に限定するものではない。
給気孔34は、外部から大気を取り込み、排水タンク31内へ給気させるための孔であり、詳しくは、排水タンク31内に貯留した海水が外部へ排出されると同時に、海水排出量と同量の大気を該排水タンク31内へ給気し滞留させる孔である。
給気孔34には、海上の大気を吸引し排水タンク31へ向けた給気が可能なエア給気管37が接続されると共に、該排水タンク31内に滞留している空気がエア給気管37へ侵入しないよう逆流防止弁を備えたエア給気制御弁73が設けられる。また、給気孔34の位置については特に限定はしないが、排水タンク31内へ大気をスムーズに給気させるため、少なくとも排水タンク31の上方域に備えられることが好適であり、具体的には、排水タンク31の天面若しくは側壁における上端近傍が好ましい。また、給気孔34の大きさや数についても限定はないが、海水排出孔33と同径以上とすることで、該海水排出孔33から排出される海水量と給気孔34から給気される空気量が同一となり、スムーズな海水の流入及び空気の送気に資することとなる。
エア送気孔35は、排水タンク31内に滞留している空気を後段の発電ユニット40へ送気させるための孔であり、詳しくは、海水流入孔32から排水タンク31内への海水流入に伴い、滞留している空気を該排水タンク31内から後段に配設される発電ユニット40へ送気させるための孔である。
エア送気孔35には、開放と閉塞を自動もしくは手動で切り替え可能なエア送気制御弁74を備える態様が望ましい。この態様を採ることで、後段の発電ユニット40へ送気する際に、開放させるタイミングを遅らせることで空気に圧力を加えることが可能となり、後述のエアタンク41が排水タンク31よりも下方に配設された場合でも、加えられた圧力によって正常に空気を送気させることが可能となる。また、エア送気孔35の位置については特に限定はしないが、排水タンク31内の空気を後段へ送気させることから、少なくとも排水タンク31の上方域に備えられることを要し、具体的には、排水タンク31の天面若しくは側壁における上端近傍に備えられる。また、エア送気孔35の大きさや数についても限定はないが、海水流入孔32と同径以上とすることで、該海水流入孔32から流入する海水量とエア送気孔35から送気される空気量が同一となり、スムーズな海水の流入及び空気の送気に資することとなる。
エア送気孔35には、後段の発電ユニット40に配設されるエアタンク41中空部へ延伸するエア送気管45が当然に接続されており、空気は該エア送気管45を介して排水タンク31から後段へ送気されることとなる。
発電ユニット40は、排水ユニット30から送気された空気を外部へ排出すると共に、排出時の圧力を利用して風力発電を行うためのユニットであり、エアタンク41と、風力発電部44から構成されている。
エアタンク41は、中空部を有する筒状管であり、該エアタンク41の天面部は、流入した海水及び空気を貯留すべく閉塞され、エアタンク41の底面部は、排水ユニット30から延伸したエア送気管45に接続されたエア流入孔42を覆うように一部又は全部が開口されている。また、エアタンク41の形状については、特に限定はなく、エア流入孔42から流入する空気を該エアタンク41の上部近傍にて貯留可能な形状であればよく、例えば、略円筒形状や多角柱形状等が考え得る。さらに、エアタンク41の長さについても特に限定はなく、エア流入孔42から流入する空気を貯留可能な容量を形成可能な長さを有していれば良い。そして、エアタンク41の設置場所については、該エアタンク41上部近傍にて水圧により圧縮された状態で貯留している空気を排出し、その圧力を利用して風力発電を行う態様のため、少なくとも海中に設置されるものであり、例えば、水深10m程度に設置する態様であれば、貯留された空気は大気と比較して1/2程度にまで圧縮されることとなり、排出される際の流速を確保することが可能となる。
エアタンク41の開放された底面から海水が流入することで、該エアタンク41の中空部が海水で充填されることとなる。そして、エアタンク41の中空部に備えられたエア流入孔42より空気が流入することで、中空部上部に空気が貯留されることとなり、貯留された空気の体積と同量の海水は、エアタンク41の開放された底部から自動的に外部へ排出されることとなる。
エア流入孔42は、排水ユニット30から送気された空気を、エア送気管45を介してエアタンク41中空部内へ流入させる孔である。
エア流入孔42の設置箇所については、エアタンク41へ流入させる空気が該エアタンク41外に漏出しない箇所であれば特に限定はなく、図2に図示したようなエアタンク41中空部の略中央箇所等に備えられることとなる。また、エア流入孔42の大きさや数についても特に限定はないが、エア送気孔35と同径以上とすることで、該エア送気孔35からエア流入孔42へ向けて空気が送出される際に、不要な圧力がかかることなく送気される、といった効果が期待できる。
エア流入孔42からエアタンク41へ流入する空気は、該エアタンク41中空部内に充填された海水中を浮上し、エアタンク41上部にて滞留することとなる。
エア排気孔43は、エアタンク41中空部に滞留した空気を、エア排気管46を介して大気へ排気させる孔である。
エア排気孔43の設置箇所については、特に限定しないが、エアタンク41に貯留した空気を海上へ向けて排出させるため、少なくともエアタンク41の上方域に備えられることを要し、具体的には、エアタンク41の天面略中央箇所に備えられる態様が望ましい。また、この態様を採る場合に、エアタンク41の天面にエア排気孔43へ向けた傾斜を形成し、流入した空気が自然にエア排気孔43へ向けて滞留していくといった態様を採用することで、効率の良い空気の排出が可能となる。
エア排気孔43に接続されるエア排気管46には、図2に図示したようなエア排気制御弁75を設け、任意の空気量を自動または手動にて排出させるといった態様も好適である。この態様を採ることで、一定の圧力を有した空気を定量で排出することが可能となり、エア排気管46に備えられる風力発電部44において安定した発電が可能となるといった優れた効果を奏するものである。また、エア排気孔43及びエア排気管46の径をエア流入孔42よりも小径とすることで、エアタンク41への貯留量を増加させると共に、エア排気管46内における空気の流速を高めることが可能となる。
風力発電部44は、エア排気管46の所定箇所に備えられ、エアタンク41から排出される空気の圧力を使用する発電設備である。
風力発電部44は、エア排気管46の内部に複数枚のブレードを設け、該ブレードの回転力によりタービン発電機を回転させて電力を発生させるものである。
風力発電部44の構造は、特に限定はなく、例えば、ブレードであればプロペラ型やサボニウス型等の形状の中から設置箇所の構造により適宜選択されることとなる。また、タービン発電機についても限定はなく、従来公知の機器が種々適用できる。さらに、風力発電部44の設置箇所や設置数についても特に限定はないが、例えば、エア排気孔43及び効率よく使用するため、エアタンク41から排出される空気圧が一番高いエア排気制御弁75の出口付近に第一の風力発電部44を設けると共に、該風力発電部44の下流側にオリフィスを備えることで空気圧を高め、第二の風力発電部44をその後段に設けるといった態様も考え得る。
風力発電部44にて発電された電力の使用用途については、特に限定はなく、例えば、バッテリ等の外部電源に充電する態様や、造波ユニットに備わっている排出ポンプ38の電源や、後述する回帰ロープ60に設けられたモータ62の電源として使用する態様等が考え得る。
また、風力発電部44にて発電された電力の配電方法として、海上に配電施設を設け、該配電施設から電力使用箇所まで電力線を張架するといった態様等も考え得る。
回帰ロープ60は、プラットホーム2近傍と海岸近傍を周回可能なものであり、回転滑車61と、モータ62と、索道ロープ63にて構成されている。
回転滑車61は、プラットホーム2近傍に設けられる回転滑車61aと海岸近傍に設けられる回転滑車61bからなり、水平方向への回転が可能な滑車である。
回転滑車61の形状や設置位置に関して特に限定はないが、海上近傍に滑車部分が遊動しないよう配設され、且つ、プラットホーム2から見て設置箇所が確認できるような態様が望ましい。例えば、プラットホーム2から10m程度離れた場所に、海底近傍から海上へ向けて鉛直に延伸する柱状の滑車台を形成し、回転滑車61aを海面近傍に備えると共に、該回転滑車61aの直上にプラットホーム2から視認可能な1m程度の高さを有する旗を設置する態様等が考え得る。
モータ62は、回転滑車61を回転させるためのものであり、回転滑車61の近傍もしくは回転滑車61に内設される。
モータ62は、回転滑車61と直接接続されることで該回転滑車61を規定の方向へ回転させる。モータ62の構造については、従来公知の技術を使用し、回転滑車61を介して索道ロープ63を回動可能な回転力を、規定速度で継続的に提供可能であるモータであれば特に限定はない。また、モータ62の設置場所についても回転滑車61a又は回転滑車61bもしくはその両方へ回転力を与えられる箇所であれば特に限定はなく、例えば、回転滑車61aに内設し作動させる態様等が望ましい。
モータ62の稼働には電源が必要となるが、該モータ62に備えられたバッテリや、太陽光発電等の外部電源にて稼働させる態様が考え得る。さらに、40の作用により生成される電力を稼働電力として利用する態様も好適である。
索道ロープ63は、回転滑車61間に横架されたロープであり、利用者が該索道ロープ63を把持することでプラットホーム2近傍から海岸近傍間を周回するためのものである。
索道ロープ63は、回転滑車61a及び回転滑車61b間に横架されることで、プラットホーム2近傍及び海岸近傍間を周回可能なリング状のロープであり、モータ62の回転方向に沿って回転滑車61a及び回転滑車61b間を回動することとなる。索道ロープ63の回動速度は特に限定はしないが、例えば、地上をゆっくり歩く速度である分速70~80m程度に設定することが好適である。
索道ロープ63の素材は特に限定しないが、海水に長時間浸かることになるため、耐水性に優れたポリエステルや、ポリエチレン製のロープを使用する態様が好ましい。
索道ロープ63には、特に図示していないが、利用者が把持可能な取手が等間隔で備えられる態様が好適である。この態様を採ることにより、利用者同士の接触等の事故を未然に防ぐと共に、把持人数の増加等によるモータ62への負荷増大を未然に防ぐことが可能となる。
図3に図示したように、シリンダ部12及びピストン部13に夫々滑車を設け、滑車を経由するワイヤ50と重り54を使用しピストン部13の上下摺動にかかる圧力負担を軽減させる態様も好適である。
例えば、ピストンヘッド19の天面上部に動滑車である滑車A51を設けると共に、筒状管14の上端部周縁の所定箇所に定滑車である滑車B52を設け、更に、該滑車B52に対向する上端周縁部にワイヤ50を固定可能な固定部53を備え、該固定部53にワイヤ50の一端を固定し、滑車A51及び滑車B52を経由するように該ワイヤ50へ張架すると共に、ワイヤ50の他端に重り54を装着する態様が考え得る。
この態様を採ることで、図3(a)に図示したように、ピストン部13の自重及びピストン部13重力によって行われる下方摺動時には、下降するピストン部13に従属して重り54が連動し上昇することで、滑車A51に上方向の負荷がかかることとなり該ピストン部13の下降が緩やかになることとなる。また、図3(b)に図示したように、ピストン部13と筒状管14の底面間に流入した海水による浮力によって行われるピストン部13の上摺動時には、重り54の自重によって、滑車A51に上方向の負荷がかかることとなりピストン部13の上摺動に必要な力が軽減される。
この態様に使用される重り54の重さについては、ピストン部13の自重と該ピストン部13にかかる荷重負荷(フレーム部20及び造波板11の自重や該造波板11上動時の抵抗等)を勘案した重量の50%以下にすることで、ピストン部13との釣り合いを取りやすくなり該ピストン部13にかかる負担の低減に資することとなる。
また、図4に図示したように、一のプラットホーム2に対して複数の造波ユニット10を設置する態様も考え得る。この態様を採ることにより、設置された複数の造波板11を同時に上下動することで通常より大きな波を形成したり、造波板11を夫々時間差で上下動させることで、多方向の波を形成したり、夫々の造波板11の上下動幅を変えることで、複雑な波を形成するといった、バラエティ豊かな波をプラットホーム2に対して形成可能となる。
以上の各構成要素により、本発明にかかる造波装置は構成されている。
すなわち、本発明にかかる造波装置は、プラットホーム2と、造波ユニット10と、排水ユニット30と、発電ユニット40と、回帰ロープ60で構成されており、プラットホーム2に対して大波が形成可能な海上であれば、あらゆる場所に設置することが可能であって、例えば、海水浴場のサーフィン可能エリア内や、沖合等に配設され、主にサーフィンを楽しむ利用者への大波形成を行うこととなる。
次に、本発明にかかる造波装置の作用について説明する。
まず、造波ユニット10におけるピストン部13の上昇並びに造波板11の上動を行う場合について説明する。
シリンダ部12における筒状管14の下方域に備えられた海水導入孔15を開放することで、シリンダ部12外部の海水が海水導入孔15を介して筒状管14の閉塞された底面とピストンヘッド19との間の中空部内に流入する。流入する海水の水位は、水頭圧の関係により、最大でシリンダ部12外部の海水面近傍まで上昇可能であって、かかる水位上昇によりピストンヘッド19が水圧で押し上げられ、中空部内にて上方へ摺動する。尚、海水の流入中に海水導入孔15を閉塞することで、ピストンヘッド19の摺動による上昇を途中で停止させることができる。かかるピストンヘッド19の上方への摺動に連動して、該ピストンヘッド19に連結されているピストンヘッド19が上方へ押し出されると共に、該ピストンヘッド19の上端に連結されているフレーム部20並びに該フレーム部20に接続されている造波板11が上動することとなる。造波板11が会場における大波の形成に必要な高さに達した時点で、海水導入孔15を閉塞してこれ以上の上昇をストップする。
次いで、造波ユニット10におけるピストン部13の下降並びに造波板11の下動を行う場合について説明する。
シリンダ部12における筒状管14の下方域に備えられた海水流出孔16と海水送出制御弁72を開放することにより、筒状管14の閉塞された底面とピストンヘッド19との間の中空部に貯留されている海水が、海水流出孔16から海水流入管36を介して造波ユニット10よりも下方位置に配設された排水タンク31へ流出され、中空部内の水位が下降する。かかる水位下降により、ピストンヘッド19は中空部内にて下方に摺動する。尚、海水の流出中に海水送出制御弁72を閉塞して流出を停止させることで、ピストンヘッド19の摺動による下降を途中で停止させることができる。かかるピストンヘッド19の下方への摺動に連動して、該ピストンヘッド19に連結されているピストンロッド18が下方へ引き戻されると共に、該ピストンロッド18の上端に連結されているフレーム部20並びに該フレーム部20に接続されている造波板11が下動することとなる。造波板11が海上における大波の形成に必要な高さに達した時点で、海水送出制御弁72により海水流出孔16を閉塞し、これ以上の下降をストップする。
最後に、シリンダ部12から流出された海水を使用した発電作用の流れについて説明する。
まず、排水ユニット30における海水排出動作と空気の給気及び送気動作について説明する。
海水送出制御弁72の開放によって海水流出孔16から流出した海水は、排水タンク31における海水流入孔32を開放することにより排水タンク31内へ流入し、該排水タンク31中空部内に貯留される。これにより、天面及び底面が閉塞された排水タンク31中空部内において、海水の水位は上昇していくと共に、流入した海水量と同量の空気が、開放されているエア送気孔35から後段のエアタンク41へ向けて送気されることとなる。また、海水送出制御弁72を閉塞した場合は、エア送気孔35を閉鎖すると共に海水排出孔33及び給気孔34を開放し、排水タンク31内に貯留している海水が排出ポンプ38によって海水排出孔33から該排水タンク31外部へ排出されると同時に、排水された海水量と同量の空気が給気孔34を介して大気から吸引され排水タンク31内に充填されることとなる。
次に発電ユニット40における排気動作及び排気を使用した発電動作について説明する。
排水タンク31からエア送気孔35を介して送気された空気は、エアタンク41中空部内に備えられたエア流入孔42より流入する。尚、エアタンク41の底面は開口されているため該エアタンク41中空部は海水が充填されており、エア流入孔42から放出される空気はエアタンク41上部へ向けて浮上し貯留されることとなる。エアタンク41内に貯留した空気は、エア排気孔43が開放されると同時にエア排気管46を上昇し、風力発電部44を経由することとなる。該風力発電部44は、エア排気管46内にプロペラを有し、該エア排気管46内を上昇する空気が通過することによってプロペラが回転する。そして、該プロペラの回転力が風力発電部44内に設けられた発電タービンを回転させる動力となり、該発電タービンが回転することにより電力が生成されることとなる。プロペラを回転させた空気は、海上に向けて更に上昇し、大気へと排気されることとなる。
以上、本発明にかかる造波装置の基本的構成態様、並びに、動作・作用について説明したが、本発明は、上記実施形態や図面に示す構成態様に限定するものではない。例えば、排水ユニット30の構成について、天面及び底面が閉塞された排水タンク31と、該排水タンク31の上部所定箇所に備えられ海水を筒状管から海水流入管36を介して排水タンク31内へ流入させる海水流入孔32と、水車と発電タービンを備え該海水流入孔32から流入した海水を利用して発電を行う水力発電ユニットと、排水タンク31内に貯留された海水を外部へ排出可能な海水排出孔33と、から構成される態様も考え得る。
かかる態様を採ることで、排水タンク31の上部所定箇所(例えば、天面若しくは側壁における上端近傍)に設けられた海水流入孔32から流入する海水が、重力によって勢いを増した状態で落下することとなり、落下した海水は、水力発電ユニットとして設置された水車を回転させた後、排水タンク31下部へ貯留し海水排出孔33から外部へ適宜排出され、海水によって回転した水車は、ギアボックス等を介して発電タービンへ回転力を伝達することとなり、該発電タービンの回転によって電力が生成されることとなる。尚、水車及び発電タービン等を備えた水力発電ユニットの構造については、従来公知の構造が種々適用可能である。
以上の通り、本発明にかかる造波装置によれば、造波ユニット10における筒状管14中空部への海水の流入及び流出によって増減する水位・水圧によりピストン部13を上下摺動させることでフレーム部20を介して造波板11を上下動させると共に、筒状管14から流出された海水を排水ユニット30における排水タンク31へ貯留させることによって排水タンク31内に滞留している空気をエアタンク41へ送気し、該エアタンク41にて貯留させた空気によって風力発電を行うことが可能であって、造波板11の上下動に必要なエネルギーを海水圧によって補うことが可能であり、また、海水及び空気の増減により発電ユニット40による発電が可能となるため、作業の効率化並びに省エネルギー化に資するものである。
本発明にかかる造波装置は、造波板11の上下動の幅や間隔、角度などを適宜変化させることにより、様々な波を連続で形成可能であるため、プラットホーム2に集まるサーフィンの初心者から中・上級者に対しても難易度の調整が可能であり、また、装置全体の大きさを工夫することで、湖沼や人工的なプールなど海洋以外にも設置可能であり、更には、サーフィンなどのレジャー向け以外に、波の研究施設や波力発電施設といった用途へも応用可能である。したがって、本発明にかかる「造波装置」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 造波装置
2 プラットホーム
10 造波ユニット
11 造波板
12 シリンダ部
13 ピストン部
14 筒状管
15 海水導入孔
16 海水流出孔
18 ピストンロッド
19 ピストンヘッド
20 フレーム部
30 排水ユニット
31 排水タンク
32 海水流入孔
33 海水排出孔
34 給気孔
35 エア送気孔
36 海水流入管
37 エア給気管
38 排出ポンプ
40 発電ユニット
41 エアタンク
42 エア流入孔
43 エア排気孔
44 風力発電部
45 エア送気管
46 エア排気管
50 ワイヤ
51 滑車A
52 滑車B
53 固定部
54 重り
60 回帰ロープ
61 回転滑車
62 モータ
63 索道ロープ
71 海水導入制御弁
72 海水送出制御弁
73 エア給気制御弁
74 エア送気制御弁
75 エア排気制御弁


Claims (3)

  1. 海中に備えられた造波装置であって、
    利用者が海中で待機可能なプラットホームと、造波ユニットと、排水ユニットと、発電ユニットと、回帰ロープと、から成り、
    造波ユニットは、
    海中に備えられた板状体でありプラットホームに対向する造波板と、
    中空部を有し海面に対して略垂直状に延伸し天面が開口され底面が閉塞された筒状管と、該筒状管外部の海水を筒状管底面とピストンとの間の中空部へ導入可能な海水導入孔と、筒状管内に流入した海水を排水ユニットへ流出可能な海水流出孔と、を備え、海中へ延伸可能で左右対称に複数備えられたシリンダ部と、
    該筒状管内を上下に摺動するピストンヘッドと、該ピストンヘッドの上面に備えられ上方に延伸するピストンロッドと、を夫々備えたピストン部と、
    一乃至複数の該ピストンロッド上端部と造波板所定箇所を夫々接続しピストン部の上下摺動と連動して造波板を上下動させるフレーム部と、
    から構成され、
    排水ユニットは、
    天面及び底面が閉塞された排水タンクと、
    海水を筒状管から海水流入管を介して排水タンク内へ流入させる海水流入孔と、
    排水タンク内に貯留された海水を外部へ排出可能な排出ポンプを備えた海水排出孔と、大気を給気可能な給気孔と、
    排水タンク内の空気を後段の発電ユニットへ送気させるエア送気孔と、
    から構成され、
    発電ユニットは、
    海中に備えられ天面が閉塞され底面が開放されたエアタンクと、
    排水タンクから送気された空気をエアタンク内へエア送気管を介して流入させるエア流入孔と、
    エアタンク内へ流入し上部へ貯留した空気を外部へ排出可能なエア排気孔と、
    該エア排気孔に接続されたエア排気管を介して空気を流出させ発電を行う風力発電部と、
    から構成され、
    回帰ロープは、
    プラットホーム近傍と海岸近傍に夫々設けられ水平方向へ回転可能な回転滑車と、
    回転滑車の回転を行うモータと、
    利用者が把持することで回転滑車間を周回可能な索道ロープと、
    から構成されたことを特徴とする造波装置。
  2. 前記造波ユニットにおいて、前記ピストンヘッドの天面上部に滑車Aを設けると共に、筒状管の上端周縁の所定箇所に滑車Bを設け、更に、該滑車Bに対向する上端周縁部にワイヤを固定可能な固定部を備えて成り、該固定部に一端が固定されたワイヤが滑車Aから滑車Bを経由するように張架されると共に、ワイヤの他端に重りが装着されていることを特徴とする請求項1に記載の造波装置。
  3. 前記風力発電部にて発電された電力が、前記造波ユニットにおける排出ポンプの動力源、若しくは、前記回帰ロープに備わったモータの動力源として使用されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の造波装置。

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