JP2024051074A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】記憶装置の容量を効率的に利用すること。【解決手段】制御手段と、前記制御手段によってアクセス可能な複数の第1データテーブルとを備え、それぞれの前記第1データテーブルは、前記制御手段が取得すべきデータの一部を含むとともに、前記取得すべきデータを指定することが可能なデータ構造を有することを特徴とする遊技機。【選択図】図182

Description

本発明は、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-221523号公報
このような遊技機においては、興趣を向上させることが求められている。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
識別情報の変動表示及び停止表示を行うことが可能な識別情報表示手段と、
前記識別情報表示手段において識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な識別情報表示制御手段と、
遊技球が入賞した後、前記識別情報表示制御手段により識別情報の変動表示が行われるまでの間、入賞に応じた情報を記憶可能な情報記憶手段と、
第1の状態を開始させることが可能な第1状態開始制御手段と、
第2の状態を開始させることが可能な第2状態開始制御手段と、
前記第1状態開始制御手段により第1の状態が開始された後、第1の状態を終了させることが可能な第1状態終了制御手段と、を備え、
第1の状態に制御されているときには、第1の状態よりも期待度が低い第3の状態に制御されているときと比較して期待度が高いことを遊技者が判別容易な態様で制御可能であり、
一の単位遊技において、第2の状態の開始条件及び第1の状態の終了条件が成立する場合、次の単位遊技の制御が開始される前に、前記第2状態開始制御手段による状態の開始及び前記第1状態終了制御手段による状態の終了を制御可能であり、
第1の状態の開始条件は、遊技者にとって有利な特定遊技の終了後に成立可能であり、
第2の状態の開始条件は、特定回数の単位遊技に亘って特定遊技の発生契機が導出されない場合に成立可能であり、
前記情報記憶手段により記憶可能な情報の上限数を超える回数の識別情報の変動表示に亘って、所定の表示を実行することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
本発明によれば、興趣を向上させることができる。
第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。 第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの分解斜視図の一例である。 第1のパチンコ遊技機を後方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。 第1のパチンコ遊技機の遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。 第1のパチンコ遊技機のLEDユニットを示す正面図の一例である。 第1のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。 パチンコ遊技機の遊技フローの一例である。 遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。 第1のパチンコ遊技機における設定値毎の大当り確率(概算)を示すテーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。 (A)第1のパチンコ遊技機における特別図柄停止態様決定テーブルの一例、(B)第1のパチンコ遊技機における装飾図柄停止態様決定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における当り種類決定テーブルの一例である。 図13に示される当り種類決定テーブルの変形例である。 第1のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機の普通図柄の当り判定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機がの普通図柄判定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機の普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャート(その3)である。 第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャート(その4)である。 第1のパチンコ遊技機における起動時初期設定処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における電断処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の時短管理処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機のカウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の時短カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の天井カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機のカウンタ判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の時短移行判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の時短移行処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の時短設定処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における外部マスカブル割込処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機におけるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における設定制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における設定確認処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における第1通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における第2通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機におけるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機における始動口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。 第1のパチンコ遊技機の通常遊技状態におけるサブ変動演出パターン決定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における先読み当り種別演出パターン決定テーブルの一例である。 第1のパチンコ遊技機における先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)の一例である。 第1のパチンコ遊技機における先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)の一例である。 第1のパチンコ遊技機における先読み演出パターン決定処理を示すフローチャートの一例である。 第1のパチンコ遊技機の先読み演出パターンの一例であって、大当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。 第1のパチンコ遊技機の先読み演出パターンの一例であって、時短当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。 第1のパチンコ遊技機の先読み演出パターンの一例であって、共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。 第1のパチンコ遊技機の先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。 第1のパチンコ遊技機の先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。 第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。 第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のうち、「賞球情報1」の信号のタイミングチャートの一例である。 第1のパチンコ遊技機におけるエラーの概要の一例を示す表である。 第1のパチンコ遊技機において、遊技状態に応じて機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。 第2のパチンコ遊技機の遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。 第2のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。 第2のパチンコ遊技機における当り種類決定テーブルの一例である。 第2のパチンコ遊技機の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。 第2のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。 第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。 第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。 第2のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機の遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。 第3のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄の当り判定テーブルの一例である。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例である。 第3のパチンコ遊技機における当り種類決定テーブルの一例である。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放準備処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放制御処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。 第3のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの一例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、(C)特定領域の開放態様が第3開放態様である場合、を示す図である。 拡張例における特別図柄判定テーブルの一例である。 拡張例における大当り種類決定テーブルの一例である。 拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの他の例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、を示す図である。 第4のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット3010の外観の一例を示す正面図である。 始動入賞役物ユニット3150の内部構成の要部を模式的に示す正面図である。 振分装置3506による遊技球の振り分け動作を示す説明図である。 振分装置3506による遊技球の振り分け動作を示す正面図である。 振分装置3506が遊技球を第1作動機構3511側に振り分けた場合の始動入賞役物ユニット3150の外観を示す説明図である。 振分装置3506が遊技球を第2作動機構3512側に振り分けた場合の始動入賞役物ユニット3150の外観を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。 普通図柄抽選に当選した場合における普通電動役物3146の動作パターン及び振分装置3506の振分パターンを示すタイムチャートである。 通常状態において普図当選した場合における、普通電動役物3146、振分装置3506、第2非電動役物作動スイッチ3515、第2非電動役物3441、大当り用大入賞口3131の状態遷移を示すタイムチャートである。 第4のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャート(その3)である。 第4のパチンコ遊技機における振分装置制御処理の一例を示すフローチャートである。 第4のパチンコ遊技機における普通図柄の可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。 第4のパチンコ遊技機における開放パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 第4のパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機における小当りRUSH時の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機における小当りRUSH終了時の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第4のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。 第5のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。 第5のパチンコ遊技機におけるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 第5のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。 第5のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例1の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例2の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例3の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例4の変形例4の遊技盤ユニットを示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例4の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例5における変動パターン決定処理を示すフローチャートである。 第5のパチンコ遊技機の変形例5における演出画面の一例を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例5における演出画面の一例を示す説明図である。 第5のパチンコ遊技機の変形例5における演出画面の一例を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである 第6のパチンコ遊技機を用いた遊技の流れを示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機における演出画面の一例を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例1の遊技状態の遷移を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例2に係る遊技盤ユニットの構成を模式的に示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例2における第2時短遊技状態(b時短)突入時の特図変動、或いは2ラウンド通常大当りとなる特図変動において実行される演出の一例に示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例3に係る遊技盤ユニットの構成を模式的に示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例3に係る回転役物185の構成及び動作を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例3において、表示装置1007に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例5における遊技状態の遷移を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例6における遊技状態の遷移を示す説明図である。 第6のパチンコ遊技機の変形例7における遊技状態の遷移を示す説明図である。 第7のパチンコ遊技機の基本仕様を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。 第7のパチンコ遊技機に係る特別図柄の変動パターンテーブルの種別を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る演出変動グループを示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る大当り終了処理を示すフローチャートである。 第7のパチンコ遊技機に係る大当りの種類と演出変動モードとの対応関係を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る大当りの種類と演出変動モードとの対応関係を示す図である。 第7のパチンコ遊技機に係る特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。 第7のパチンコ遊技機に係る特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。 第7のパチンコ遊技機を用いた演出の流れを示す説明図である。 ラッシュタイム終了時の演出画面の一例を示す説明図である。 ドリームタイムから超ドリームタイムに移行する際の演出画面の一例を示す説明図である。 先読み抽選可能回数カウンタの値の一例を示す説明図である。 表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。 第8のパチンコ遊技機が備えるCPU、及びメモリの構成を示す図である。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理を説明するための図である。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理の一例を示すフローチャートである。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理を説明するための図である。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理を説明するための図である。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理を説明するための図である。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理を説明するための図である。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理の一例を示すフローチャートである。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理の一例を示すフローチャートである。 第8のパチンコ遊技機におけるデータ取得処理の一例を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
本発明の実施形態にかかる遊技機の一例として、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機、および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、特に断りがない限り、パチンコ遊技機の正面側を前方向、パチンコ遊技機の背面側を後方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの左側を左方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの右側を右方向、パチンコ遊技機の上側を上方向、パチンコ遊技機の下側を下方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの時計回りの方向を右回り方向、その逆に反時計回りの方向を左回り方向として定義する。
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機は、いずれも、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。このうち、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。これに対し、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
また、第3のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。この明細書で説明する第3のパチンコ遊技機も、第1特別図柄および第2特別図柄を有するが、この明細書では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるものを例に挙げて説明する。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な1種2種混合機のパチンコ遊技機を排除する趣旨ではない。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、とくに言及しない限り、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。
また、本明細書でいう「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。変動表示している図柄が停止表示(以下、「導出」とも称する)されると、後述する特別図柄の当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」もと称する)の結果や普通図柄の当り判定処理(以下、「普通図柄抽選」とも称する)の結果が確定する。なお、図柄が見掛け上は停止しているように見えるものの、特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定しない態様(例えば仮停止した態様)で図柄が表示される場合もあるが、このような態様は上記の変動表示に含まれる。なお、図柄が例えば仮停止した場合であっても、この時点では特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定していないため、再び図柄を変動表示させることができる。
また、この明細書において、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、いずれも特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)の場合を例に挙げて説明する。ただし、第1のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機については、特別図柄の数は1つであっても良い。
[1.第1のパチンコ遊技機]
先ず、第1のパチンコ遊技機について説明する。
第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
優先変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていないこと、並びに、第1特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。また、優先変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、並びに、第2特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。
また、順次変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第1特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第1特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。また、順次変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第2特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
以下では、優先変動機を例に挙げて説明する。
[1-1.外観構成]
図1は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。図2は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの分解斜視図の一例である。図3は、第1のパチンコ遊技機を後方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。
[1-1-1.基本構成]
図1~図3に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7(図2参照)、払出ユニット8(図2、図3参照)、基板ユニット9(図2、図3参照)、および、遊技盤ユニット10(図2参照)等を備える。さらに、遊技盤ユニット10の右下部にはLEDユニット160(図2参照)が設けられている。ここでは、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7、払出ユニット8および基板ユニット9について簡単に説明し、遊技盤ユニット10およびLEDユニット160についての詳細を後述する。なお、上記の括弧書きは、図1に図示がない構成についての参照図面を示している。
(外枠)
外枠2は、正面視略矩形状の枠体であり、前後方向に貫通する開口21を有する。この外枠2は、遊技場の島設備に固定して取り付けられる。外枠2の例えば左端部の前側には蝶番(参照符号なし)が設けられており、この蝶番には、ベースドア3が軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸として外枠2に対してベースドア3を前方に回動させることが可能となっている。
なお、外枠2は、ベースドア3を介して、後述する払出ユニット8、基板ユニット9、表示装置7、遊技盤ユニット10、ガラスドア4および皿ユニット5等の多数の部材を支持するため、高い強度が必要とされる。その一方で、演出効果を高めることを目的として例えば表示装置7(図2参照)や遊技盤ユニット10の大型化が要求されている。そのため、外枠2を例えば薄板の金属で構成することにより、表示装置7や遊技盤ユニット10の大型化を図りつつ、高い強度を保つことができる。とくに外枠2をアルミ製にすれば、軽量化を図ることも可能となる。
(ベースドア)
ベースドア3は、裏面側に例えば払出ユニット8および基板ユニット9等が取り付けられており、これらを支持している。
ベースドア3の表面側には遊技盤ユニット10がはめ込まれる。また、ベースドア3の例えば左端部の前側には、上端部、上下方向略中央部よりも下方側の中途部、および、下端部のそれぞれに蝶番(参照符号なし)が設けられており、上端部および中途部の蝶番にガラスドア4が軸支され、中途部および下端部の蝶番に皿ユニット5がそれぞれ軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸としてベースドア3に対してガラスドア4および皿ユニット5を一体でまたは個別に前方に回動させることが可能となっている。
また、ベースドア3の表面側の例えば右側下方には発射装置6が固定して取り付けられており、例えば上方側の左右のそれぞれには、スピーカ32(図2参照)が固定して取り付けられている。このスピーカ32からは、例えば、表示装置7に表示されるキャラクタ等の音声演出、楽曲、効果音、音声による告知、エラー報知等の演出音等が出力される。
さらに、ベースドア3の蝶番と反対側(すなわち右端部)には、施錠装置(不図示)が設けられている。この施錠装置は、外枠2に対してベースドア3を施錠したり、ベースドア3に対してガラスドア4を施錠したりする機能を備えている。
(ガラスドア)
ガラスドア4は、開口41が形成された枠状の部材である。この開口41には、透過性を有する保護ガラス43(図2参照)が後面側から取り付けられている。ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられると、遊技盤ユニット10に形成される遊技領域105(後述の図4参照)と保護ガラス43とが対向する。このようにして、ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられた状態で遊技領域105を前方から視認することができるとともに、遊技領域105を流下する遊技球が前方に飛び出さないようにすることができる。
なお、保護ガラス43は、複数枚(例えば2枚)のガラスを互いに間隙を有して取り付けるものであってもよいし、互いに間隙を有するように複数枚のガラスがユニット化されたものであってもよい。さらには、ユニット化されたものである場合、ガラスとガラスとの間に例えば導光板が備えられたものであってもよい。上記の保護ガラス43は、ガラス製に限られず、例えば透明樹脂製であってもよい。
また、ガラスドア4の下部には、遊技情報提供サービス(例えば、「ユニメモ(登録商標)」)の提供を受けるために例えば遊技者が操作することが可能な操作部66が設けられる。この操作部66は、遊技場の管理者等がホールメニュー画面上で操作することが可能な操作部として機能させることもできる。
また、ガラスドア4の上部には、上述したスピーカ32の前方に配置されるスピーカカバー45が設けられている。さらに、ガラスドア4の開口41の周縁部には、発光演出等に用いられる多数のLED群46が配置されており、これらのLED群46の前方にはLEDカバーが設けられている。図1および図2において図示される符号46は、厳密にいえばLEDカバーであるが、便宜上、LED群46として説明する。LED群46は、例えば、光での告知や、さまざまなバリエーションで発光演出等を行う演出用の発光手段であるが、このような発光演出等を実行できればLEDに限られず、例えば液晶やランプ等であってもよい。
(皿ユニット)
皿ユニット5は、上皿51と下皿52とをユニット化したものである。皿ユニット5は、ベースドア3の前下部であって、ガラスドア4の下方に配置される。この皿ユニット5は、例えば球詰まり等の発生時に遊技場の店員等が球詰まりを解消できるように、上述したとおり、ベースドア3に対して回動させて開閉できるように構成されている。なお、皿ユニット5は、必ずしも上皿51と下皿52とをそれぞれ設ける必要はなく、一体皿として構成してもよい。
上皿51は、遊技球を貯留可能に設けられており、上皿51に貯留された遊技球は、発射装置6から遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射される。上皿51には、払出口53および演出ボタン54等が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口53から上皿51に払い出される。演出ボタン54は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン54は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて振動したり上方に突出するような機能が相当する。また、上記操作部66の機能を兼用するようにしてもよい。
下皿52は、主として上皿51から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿52には上皿51と連通する払出口55が設けられており、上皿51から溢れた遊技球は払出口55から下皿52に払い出される。
下皿52の底面には、遊技者の操作によって開閉させることが可能な開口部(参照符号なし)が形成されている。下皿52の底面に形成された開口部を開状態にすると、下皿52に貯留されている遊技球を、下皿52の下方に載置された球箱に移すことができる。なお、所謂各台計数システムが各台に設けられている場合、球箱を必要としないだけでなく、各台計数システムで計数された遊技球を貯球し、貯球された遊技球を再び遊技に供することもできる。
(発射装置)
発射装置6は、上皿51に貯留された遊技球を、遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射するためのものである。発射装置6は、ベースドア3の前右下部であって、皿ユニット5の右下方に配置される。発射装置6は、パネル体61、駆動装置(不図示)および発射ハンドル62を備える。
パネル体61は、ベースドア3に対し皿ユニット5が閉じられた状態において、皿ユニット5と、ベースドア3に固定して取り付けられた発射装置6とが外観上一体となるように設けられる。
発射ハンドル62は、右回りまたは左回りに回動可能に構成されており、パネル体61の表面側に配置される。上記の駆動装置は、パネル体61の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。遊技者によって発射ハンドル62が操作されると、駆動装置の動作により遊技球が発射される。なお、発射ハンドル62を操作する際に、右回りへの回動量(操作量)が大きいほど遊技球の発射強度が強くなる。
皿ユニット5の右下方に配置された発射装置6から発射された遊技球は、発射レール(不図示)を経てガイドレール110(後述の図4参照)に沿って円弧状に転動して遊技領域105(後述の図4参照)に打ち出される。なお、発射装置6の配置位置は、皿ユニット5の右下方に限られず、皿ユニット5の左下方であってもよい。この場合、上記の発射レールが不要となり、ガラスドア4の下方の領域を有効に利用することができ、汎用性を高めることが可能となる。
(表示装置)
表示装置7(図2参照)は、遊技に関する各種の演出画像を表示する表示領域を有するものであって、遊技パネル100の開口に上記の表示領域が臨むように取り付けられる。表示装置7は、例えば、液晶表示装置、7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンスで構成される表示装置等であってもよいし、プロジェクタ等の投影装置を用いて映像を投影するものであってもよい。表示装置7の表示領域には、例えば、演出用識別図柄(例えば、装飾図柄)を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等が表示される。本実施例では、表示装置7が遊技盤ユニット10に取り付けられているが、表示装置7の表示領域が遊技パネル100の開口に臨むように配置されていれば、表示装置7はベースドア3に取り付けられるようにしてもよい。
なお、本実施例では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置7を備えているが、複数(例えば二つ)の表示装置を設けて、これら複数の表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
(払出ユニット)
払出ユニット8(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置されており、球通路81、払出装置82等で構成される。球通路81には、貯留タンク80(図2、図3参照)から遊技球が供給される。なお、貯留タンク80には、島設備(不図示)から遊技球が供給される。払出装置82は、払出条件が成立すると、貯留タンク80から球通路81に供給された遊技球のうち所定個数の遊技球を例えば上皿51に払い出す。また、払出ユニット8の背面側には、図3に示されるように電源スイッチ95が設けられる。
(基板ユニット)
基板ユニット9(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置される。基板ユニット9には、各種制御基板等が設けられる。
具体的には、図3に示されるように、主制御回路200(後述の図6参照)が実装された主制御基板91、サブ制御回路300(後述の図6参照)が実装されたサブ制御基板92、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路400(後述の図6参照)が実装された払出・発射制御基板93、および、電源を供給する電源供給回路450(後述の図6参照)が実装された電源供給基板等が基板ユニット9に設けられている。
なお、図3では、便宜上、主制御基板91、サブ制御基板92、払出・発射制御基板93および電源供給基板94を参照符号として示しているが、これらの基板は、全て、基板ケースに収容されている。
また、本実施例では、サブ制御基板92を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成する。ただし、これに限られず、例えば、後述する表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306および役物制御回路307(いずれも後述の図6参照)等の全部または一部を別個の基板とすることで、サブ制御基板92を複数の基板で構成してもよい。
[1-1-2.遊技盤ユニット]
図4は、第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット10の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される。
図4に示されるように、遊技盤ユニット10は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される遊技パネル100と、ガイドレール110と、遊技領域105の略中央部に配置されるセンター役物115と、第1始動口120と、一般入賞口122と、通過ゲートユニット125と、特別電動役物ユニット130と、第2始動口140と、普通電動役物ユニット145と、LEDユニット160と、アウト口178と、遊技盤ユニット10の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、上述したとおり、LEDユニット160については後述する。
(遊技パネル)
遊技パネル100には、表示装置7の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル100の前面には、ガイドレール110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール110から遊技領域105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
なお、本実施例では、裏ユニットを正面視で視認できるように遊技パネル100が透明樹脂で構成されているが、遊技パネル100の全部を透明としてもよいし、一部のみを透明としてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域105は、ガイドレール110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置6(後述の図6参照)から発射された遊技球を遊技領域105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物115は、遊技パネル100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール116を備えている。遊技領域105に向けて発射された遊技球は、センターレール116によって左右に振り分けられる。
この第1のパチンコ遊技機において、遊技領域105のうち、センター役物115よりも左側の領域を左側領域106と称し、センター役物115よりも右側の領域を右側領域107と称する。左側領域および右側領域の定義は、後述する第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機についても同様である。
発射装置6によって遊技領域105に向けて発射された遊技球は、左側領域106または右側領域107を流下する。左側領域106または右側領域107を流下する遊技球は、遊技パネル100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域106を流下する。一方、発射ハンドル62(図1参照)の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域107を流下する。
なお、この明細書において、発射ハンドル62の操作態様(打ち方)として、左側領域106を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「左打ち」と称し、右側領域107を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「右打ち」と称する。このように、遊技者によって左側領域106または右側領域107に向けて遊技球を打ち分け可能とされている。
また、センター役物115には、左側の外周縁部に、左側領域106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口117が形成されている。ワープ入口117に進入した遊技球は、センター役物115に形成されたステージ118に誘導可能に構成されている。ステージ118は、表示装置7の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口119が形成されており、チャンス入口119に進入した遊技球は、第1始動口120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口119に進入した遊技球は、ワープ入口117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口117に進入したもののチャンス入口119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口120は、表示装置7の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第1特別図柄の始動条件(この明細書において「第1特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
この明細書において、第1始動口120への遊技球の入賞を第1特別図柄の始動入賞と称し、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を第1特別図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで第1特別図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。第2特別図柄についても同様である。
(一般入賞口)
一般入賞口122は、表示装置7の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により一般入賞口122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット125は、右側領域107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート126と、通過ゲート126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ127(後述の図6参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット125は、右側領域107に代えてまたは加えて左側領域106に配置されていてもよい。
この明細書において、通過ゲート126への遊技球の通過を始動通過と称し、通過ゲート126への遊技球の通過によって抽出された普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を普通図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで普通図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット130は、大入賞口131と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)を検出するカウントスイッチ132(後述の図6参照)と、特別電動役物133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット130は、右側領域107において、通過ゲートユニット125よりも下方に配置されている。
大入賞口131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大入賞口131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。カウントスイッチ132(後述の図6参照)により大入賞口131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ134と、この特電用シャッタ134を作動させる特電用ソレノイド135(後述の図6参照)とを備える。特別電動役物133すなわち特電用シャッタ134は、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り遊技状態では、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大入賞口131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
第2始動口140は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されている。ただし、第2始動口140は、左打ちされた遊技球の入賞が例えば遊技釘等によって困難または不可能となっており、右打された遊技球が入賞可能となるように第2始動口140の近傍まで誘導されるように構成されている。ただし、第2始動口140をこのような構成とすることは必須ではなく、例えば右側領域107に設けてもよい。また、第2始動口140は、左打ちされた遊技球が入賞可能となるように構成されていてもよい。
第2始動口スイッチ141(後述の図6参照)により第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄にかかる各種データ(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第2特別図柄の始動条件(この明細書において「第2特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口140に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット145は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ141としている。
普通電動役物146は、所謂電チューと呼ばれる例えば羽根部材からなる普電用可動部材147と、この普電用可動部材147を作動させる普電用ソレノイド148(後述の図6参照)とを備える。普通電動役物146すなわち普電用可動部材147は、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、普電用可動部材147は、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(アウト口)
アウト口178は、遊技領域105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口120、第2始動口140、大入賞口131、一般入賞口122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口122の間等にアウト口を設けて、遊技領域105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、遊技盤ユニット10を装飾するものであって、透過性のある遊技パネル100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路300によって制御される可動役物等の演出用役物群58(後述の図6参照)を備える。演出用役物群58は、例えば表示装置7の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群58のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[1-1-3.LEDユニット]
LEDユニット160は、遊技盤ユニット10の右下部であって、遊技領域105の外側に配置される(例えば図4参照)。LEDユニット160は、各種の表示部を一体化したユニット体である。
図5は、第1のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット160を示す正面図の一例である。
図5に示されるように、LEDユニット160は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、および時短報知用表示部168を備える。
(普通図柄表示部)
普通図柄表示部161は、普通図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、普通図柄表示LED161a,161bを備える。普通図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「普通図柄の始動条件」と称する)が成立すると、普通図柄表示LED161a,161bが交互に点灯・消灯を繰り返す普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示が停止し、普通図柄の当り判定処理の結果が導出される。
普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161a,161bの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。例えば、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161aが点灯するとともに普通図柄表示LED161bが消灯する。一方、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、例えば、普通図柄表示LED161aが消灯するとともに普通図柄表示LED161bが点灯する。ただし、普通図柄の当り判定処理の結果を示す普通図柄表示LED161a,161bの停止表示態様はこれに限られない。そして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物146を作動させることが決定し、普電用可動部材147が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が容易となる。
(普通図柄用保留表示部)
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている普通図柄の可変表示の数(以下、「普通図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、普通図柄用保留表示LED162a,162bを備える。上記の「普通図柄の可変表示が保留されている」とは、通過ゲート126への遊技球の通過が検出されて普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出されてから、普通図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。なお、普通図柄の始動条件は、普通図柄が可変表示中でないこと、および、普通図柄の可変表示が保留されていること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄用保留表示LED162a,162bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の保留数が1個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点灯するとともに普通図柄用保留表示LED162bが消灯する。また、普通図柄の保留数が2個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点灯する。また、普通図柄の保留数が3個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点滅するとともに普通図柄用保留表示LED162bが点灯する。さらに、普通図柄の保留数が4個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点滅する。ただし、普通図柄の保留数を示す普通図柄用保留表示LED162a,162bの表示態様はこれに限られない。
(特別図柄表示部)
特別図柄表示部は、特別図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、第1特別図柄表示部163および第2特別図柄表示部164を備える。第1特別図柄表示部163は、例えば、8個のLED163a~163hからなる第1特別図柄表示LED群を備える。同様に、第2特別図柄表示部164も、例えば8個のLED164a~164hからなる第2特別図柄表示LED群を備える。
第1特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第1特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第1特別図柄の可変表示が停止し、第1特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第1特別図柄表示部163が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
第2特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第2特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第2特別図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第2特別図柄の可変表示が停止し、第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第2特別図柄表示部164が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
(特別図柄用保留表示部)
特別図柄用保留表示部は、特別図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている特別図柄の可変表示の数(以下、「特別図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示部165および第2特別図柄用保留表示部166を備える。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合、第1特別図柄の保留数を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bを備える。「第1特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されて第1特別図柄の始動情報が抽出されてから、第1特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの点灯・消灯の組み合わせによって第1特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第1特別図柄の保留数が1個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点灯するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが消灯する。また、第1特別図柄の保留数が2個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点灯する。また、第1特別図柄の保留数が3個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点滅するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが点灯する。さらに、第1特別図柄の保留数が4個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点滅する。ただし、第1特別図柄の保留数を示す第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの表示態様はこれに限られない。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合、第2特別図柄の保留数を表示するものであって、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bを備える。「第2特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されて第2特別図柄の始動情報が抽出されてから、第2特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの点灯・消灯の組み合わせによって第2特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第2特別図柄の保留数が1個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点灯するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが消灯する。また、第2特別図柄の保留数が2個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点灯する。また、第2特別図柄の保留数が3個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点滅するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが点灯する。さらに、第2特別図柄の保留数が4個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点滅する。ただし、第2特別図柄の保留数を示す第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの表示態様はこれに限られない。
(確変報知用表示部)
確変報知用表示部167は、後述の確変制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDまたはランプで構成されている。
確変報知用表示部167は、確変制御の実行中に点灯させるようにしてもよいが、例えば、確変制御の実行中であることを外観で把握できないように点灯させないようにすることで、確変制御の実行中であることを秘匿にしてもよい。
ただし、確変制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、確変制御の実行中であることを示すデータは消失しない。よって、確変制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、確変制御中であることを外観で把握できる態様で、確変報知用表示部167が点灯する。
なお、電源が遮断される前に、確変制御の実行中であるか否かが秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、確変報知用表示部167を点灯させることで、確変制御の実行中であることを把握できるように構成されている。
(時短報知用表示部)
時短報知用表示部168は、後述の時短制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDやランプ等で構成されている。
本実施例において、時短報知用表示部168は、例えば、第1時短報知用表示部168aおよび第2時短報知用表示部168bを有しているが、時短報知用表示部168の個数はこれに限られない。
また、詳細は後述するが、時短遊技状態には、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とが含まれている。そして、例えば、第1時短報知用表示部168aと第2時短報知用表示部168bとによる点灯または消灯の組合せによって、いずれの時短遊技状態であるかを把握できるように構成されている。
時短報知用表示部168は、実行中の時短制御に応じて第1時短報知用表示部168aまたは/および第2時短報知用表示部168bを点灯させるようにしてもよいが、例えば、時短制御の実行中であるか否かまたは実行中の時短制御の種類を外観で把握できない態様(例えば、全消灯、全点灯、実行中の時短制御とはかかわりのない態様)で点灯または消灯させることで、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にしてもよい。とくに、時短制御の実行中であるか否かについては外観で把握できる可能性があるが、いずれの時短制御が実行されているかについては外観で把握することが困難である場合があるため、実行中の時短制御の種類を秘匿とすることで、興趣を高めることが可能である。
ただし、時短制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、時短制御の実行中であることを示すデータのみならず、実行中の時短制御の種類を示すデータについても消失しない。よって、時短制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、時短制御中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168が点灯または消灯する。
なお、電源が遮断される前に、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、時短制御の実行中であることおよび実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168を点灯または/および消灯させるように構成されている。
[1-2.電気的構成]
次に、図6を参照して、第1のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図6は、第1のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図6に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450と、から構成される。
[1-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU201、メインROM202(読み出し専用メモリ)、メインRAM203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路204およびバックアップコンデンサ207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU201には、メインROM202、メインRAM203および初期リセット回路204等が接続される。メインCPU201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM202には、メインCPU201により第1のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM203は、メインCPU201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路204は、メインCPU201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ207は、電断時等に、メインRAM203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート205、および、サブ制御回路300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート206等も備える。
また、主制御回路200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路200には、上述した普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、時短報知用表示部168、普電用ソレノイド148、および、特電用ソレノイド135等が接続されている。また、主制御回路200には、これらの他、性能表示モニタ170およびエラー報知モニタ172等も接続されている。主制御回路200は、I/Oポート205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ170には、メインCPU201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路200には、第1始動口スイッチ121、第2始動口スイッチ141、通過ゲートスイッチ127、カウントスイッチ132、および、一般入賞口スイッチ123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート205を介して主制御回路200に出力される。
さらに、主制御回路200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ186にデータ送信する際に用いる外部端子板184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー174、メインRAM203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー174やバックアップクリアスイッチ176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー174または/およびバックアップクリアスイッチ176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176は、主制御回路200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路400や電源供給回路450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー174やバックアップクリアスイッチ176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[1-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308等を備える。サブ制御回路300は、主制御回路200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図6には示されていないが、サブ制御回路300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM302には、サブCPU301により第1のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU301は、プログラムROM302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU301は、主制御回路200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM303は、サブCPU301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路304は、表示装置7における表示制御を行うための回路である。表示制御回路304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路304は、サブCPU301からの画像表示命令に応じて、表示装置7に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置7に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置7に供給する。表示装置7に画像信号が供給されると、表示装置7に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路304は、表示装置7に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路305は、スピーカ32から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ32から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ32から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路306は、装飾LED等を含むLED群46の制御を行うための回路である。LED制御回路306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路307は、各役物(例えば、演出用役物群58のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路307は、サブCPU301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート308は、コマンド出力ポート206と接続されており、主制御回路200から送信された各種コマンドを受信するものである。
[1-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
払出・発射制御回路400は、主制御回路200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置82に対して所定の信号を送信し、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット180には、球貸し操作パネル182が接続されている。球貸し操作パネル182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット180に送信される。払出・発射制御回路400は、カードユニット180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路400は、発射ハンドル62が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
[1-2-4.電源供給回路]
電源供給回路450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路450には、電源スイッチ95等が接続されている。電源スイッチ95は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[1-3.遊技フロー]
次に、図7および図8を参照して、遊技フローの一例について説明する。図7は、遊技フローの一例である。図8は、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。なお、図7に示される遊技フローは、制御上のフローではなく、外観で把握できるフローである。
図7に示されるように、パチンコゲームでは、遊技者等のユーザー操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞口(例えば、第1始動口120等)に入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われる。パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲームと、普通図柄を用いる普通図柄ゲームとが含まれる。特別図柄ゲームとは、例えば、始動口120,140への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行し、大当り遊技状態に移行させるか否か等を決定するゲームである。また、普通図柄ゲームとは、例えば、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では第2始動口140)を開放状態とするか否か等を決定するゲームである。なお、この明細書において、「特別図柄ゲーム」を「遊技」と称する場合もあるが、「遊技」は広い概念で用いられる用語であり、例えば、普通図柄ゲームや演出ボタン54等の操作部(例えば図1参照)を使用する演出上のゲーム等も「遊技」に含まれる。
また、この明細書において、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまで(より詳しくは、特別図柄確定時間が経過するまで)を1回の特別図柄ゲームとする。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれないが、小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれるパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、小当り遊技状態に制御された場合、小当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。
特別図柄ゲームにおいて大当りを示す停止表示態様が第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別電動役物133の作動によって大入賞口131が所定時間(例えば最大30000msec)にわたって開放状態となるラウンド遊技が実行され、大入賞口131への入賞可能性が相対的に高められる。
また、普通図柄ゲームにおいて普通図柄当りを示す停止表示態様が普通図柄表示部161に導出されると、普通電動役物146の作動によって入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140)が開放状態となり、例えば第2始動口140への入賞可能性が相対的に高められる。
なお、パチンコゲームにおいて実行可能なゲームは、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームに限られず、これらとは別の新たなゲームを実行可能であってもよい。
以下、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの遊技フローの概要を説明する。
[1-3-1.特別図柄ゲーム]
図7に示されるように、特別図柄ゲームには、主として、第1始動口120または第2始動口140への入賞(通過)があった場合に行われる特別図柄始動入賞処理、および、特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄制御処理、等が含まれる。
第1始動口120または第2始動口140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が行われる。この特別図柄始動入賞処理では、特別図柄用の各種カウンタ(例えば、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ等)から特別図柄にかかる各種データ(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等)がそれぞれ抽出(取得)される。抽出された各乱数値は始動情報として保留される。この特別図柄始動入賞処理は、特別図柄制御処理の実行中であっても行われる。
また、特別図柄制御処理では、特別図柄の始動条件が成立したか否かが判定される。特別図柄の始動条件が成立すると、特別図柄の大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照し、「大当り」であるか否かを判定する特別図柄の当り判定処理が行われる。その後、停止図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。停止図柄決定処理では、特別図柄の図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、特別図柄の当り判定処理の結果とを参照し、停止表示させる特別図柄が決定される。
なお、本実施例では、確変フラグがオンであれば確変制御が実行される。上記の特別図柄の当り判定処理では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。以下、この明細書において、「大当り」であると判定される確率を「大当り確率」と称する。
なお、確変フラグは、メインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、確変制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。確変フラグがオンの場合、確変制御が実行される遊技状態(例えば本実施例では高確時短遊技状態)において遊技が進行する。一方、確変フラグがオフの場合、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態や低確時短遊技状態)において遊技が進行する。
次いで、特別図柄の変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値と、上述した特別図柄の当り判定処理の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照し、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)が決定される。そして、特別図柄の変動パターン決定処理の結果に基づいて特別図柄の可変表示制御処理が行われる。
特別図柄の変動パターンが決定されると、次に演出パターンを決定するための演出パターン決定処理が行われる。そして、演出パターン決定処理の結果に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される例えば装飾図柄やキャラクタ演出等の表示演出、および、スピーカ32から出力される音声や効果音等の音演出等の演出制御処理が行われる。なお、演出制御処理はサブCPU301によって行われる。
そして、特別図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了し、大当りである場合、大当り遊技制御処理が行われる。大当り遊技制御処理は、大当り遊技状態において実行される処理である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄ゲームが終了し、大当りでない非大当り遊技状態への遊技状態移行制御処理が行われる。この場合、大当りの種類に応じて遊技状態が移行する。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがオンにセットされる大当り種類である場合、大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行する。
一方、大当りでないすなわちハズレである場合、特別図柄ゲームが終了する。なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機では、小当りに当選すると小当り遊技制御処理が行われる。また、図7には示されていないが、後述する時短当りである場合は、時短遊技状態に移行する。
そして、特別図柄の始動条件が成立する都度、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、特別図柄制御処理中に始動口120,140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が実行される。また、始動口120,140への遊技球の入賞時に抽出される特別図柄の始動情報(例えば、大当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等の各種データ)を、特別図柄の始動条件が成立するまで保留する。
また、第1のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の始動情報の4個と第2特別図柄の始動情報の4個とで合計最大8個まで特別図柄の始動情報を保留することができるが、保留できる特別図柄の始動情報の数はこれに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報を第2特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよいし、第2特別図柄の始動情報を第1特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよい。
また、図7には示されていないが、特別図柄が始動入賞してから特別図柄の始動条件が成立するまでの間に、始動口120,140への遊技球の入賞(通過)時に抽出された始動情報に基づいて当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを特別図柄の当り判定処理に先だって判定する先読み判定(例えば、後述の図52のS396を参照)を行い、この先読み判定の結果に基づいて所定の演出を行う先読み演出機能を備えるようにしてもよい。なお、上記の先読み判定は、始動口120,140への遊技球の入賞によって抽出された始動情報が保留される前に行ってもよいし、保留された後に行ってもよい。
[1-3-2.普通図柄ゲーム]
図7に示されるように、普通図柄ゲームには、主として、通過ゲート126への遊技球の通過があった場合に行われる普通図柄始動通過処理、および、普通図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる普通図柄制御処理、等が含まれる。
通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。この普通図柄始動通過処理では、普通図柄用の当り判定用カウンタから普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出(取得)し、抽出した始動情報を保留する。
また、普通図柄制御処理では、メインCPU201は、普通図柄の始動条件が成立したか否かを判定する。普通図柄の可変表示を開始する場合、メインCPU201は、普通図柄用の当り判定用カウンタから抽出された普通図柄の当り判定用乱数値を参照し、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄の当り判定処理を実行し、その後、変動パターン決定処理を実行する。この処理では、普通図柄の当り判定処理の結果が参照され、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理の結果、および、決定された普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理を実行する。なお、演出制御処理は実行されない場合もある。
そして、普通図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了すると、メインCPU201は、「普通図柄当り」を示す普通当り図柄が普通図柄表示部161(図5、図6参照)に導出されたか否かを判定する。普通当りを示す停止表示態様が導出されたと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行する。この普通図柄当り遊技制御処理では、普通電動役物146(図4参照)が作動し、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。一方、普通当りを示す停止表示態様が導出されなかったと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行せず、普通図柄制御処理を終了する。
なお、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、普通当りを示す停止表示態様が導出される確率を0にしてもよい。時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。この時短制御は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行う制御としてもよいし、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行う制御としてもよい。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。時短性能とは、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。また、時短性能を向上させるとは、例えば、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞をより容易にすることである。すなわち、電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
そして、普通図柄の始動条件が成立する都度、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、普通図柄制御処理中に通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。また、通過ゲート126への遊技球の通過時に抽出される普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する。
なお、普通図柄の可変表示の開始は保留された順に行われ、普通図柄の始動条件が成立すると、保留されている普通図柄の始動情報のうち最先で保留された始動情報についての可変表示を実行する。
なお、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、普通図柄の当り判定用乱数値等)の抽出方式は、メインCPU201によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いてもよいし、所定周期で乱数が更新される乱数発生器におけるカウンタから乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。
[1-3-3.遊技状態遷移]
図8に示されるように、遊技の状態は、非大当り遊技状態と大当り遊技状態とに大別することができる。非大当り遊技状態では、上述したとおり特別図柄ゲームを実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、上述したとおりラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。ただし、普通図柄の可変表示については、大当り遊技状態であっても実行可能とされている。なお、小当り遊技状態についての説明は省略するものとする。
非大当り遊技状態は、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態と、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に高い高確遊技状態と、に大別することができる。
高確遊技状態には、時短制御が実行される高確時短遊技状態(高確高ベース)が含まれる。なお、第1のパチンコ遊技機における高確遊技状態には含まれないが、図8に示されるように、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態(高確低ベース状態)が高確遊技状態に含まれる場合もある。
低確率状態には、時短制御が実行されない通常遊技状態(低確低ベース)と、時短制御が実行される時短遊技状態(低確高ベース)とが含まれる。
さらに、時短遊技状態には、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが含まれる。
A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってA時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(すなわち確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、後述するRAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(例えば、天井カウンタ)が天井値(例えば、1000回)に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってB時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってC時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。なお、例えば、複数の時短遊技状態が重複する場合には、上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されたとしても、通常遊技状態に移行するのではなくC時短遊技状態が継続する。
この明細書において、複数の時短遊技状態を重ねて実行するか否かにかかわらず、時短遊技状態において時短遊技状態への移行条件が成立したり、複数の時短遊技状態への移行条件が同時に成立することを、時短遊技状態が「重複する」と称する。そして、複数の時短遊技状態が重複した場合に、メインCPU201の制御により、内部的に、重複した複数の時短遊技状態のいずれをも作動させること、すなわち重複した複数の時短遊技状態を内部的に並行して作動させることを「重ねて実行」すると称する。ただし、メインCPU201が内部的には複数の時短遊技状態を重ねて実行したとしても、実際に実行される時短制御はいずれか一方の時短遊技状態に対応する時短制御のみである。すなわち、複数の時短遊技状態が重ねて実行されている場合であっても、遊技者からは、複数の時短遊技状態のうちいずれか一の時短遊技状態に制御されているものと把握される。
次に、遊技状態の移行について説明する。
通常遊技状態、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態)、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)に制御されている場合であっても、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態が終了すると、遊技仕様にもよるが、通常遊技状態、時短遊技状態、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)のいずれにも移行させることができる。ただし、大当り遊技状態が終了したときに移行できる時短遊技状態は、A時短遊技状態に限られる。
高確遊技状態に制御されている場合、所謂ST機やループ機等の一部のパチンコ遊技機を除いて、高確遊技状態から時短遊技状態または通常遊技状態には移行しない。同様に、時短遊技状態または通常遊技状態からは、大当り遊技状態を経由しない限り、高確遊技状態には移行しない。
通常遊技状態に制御されている場合、B時短遊技状態またはC時短遊技状態に移行可能であるものの、A時短遊技状態には、大当り遊技状態を経由しない限り、移行できない。ただし、A時短遊技状態において規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、A時短遊技状態から通常遊技状態への移行は可能である。なお、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれに制御されている場合であっても、規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、B時短遊技状態やC時短遊技状態から通常遊技状態への移行も可能である。
次に、時短遊技状態どうしの移行について説明する。
A時短遊技状態に制御されている場合、A時短遊技状態において実行可能な時短回数は、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも少ない回数に設定されるため、A時短遊技状態からB時短遊技状態に移行することはない。また、A時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、B時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することもない。一方、A時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立するため、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。ただし、上述したようにA時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、C時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することはない。
B時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。また、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合も、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しうる。
C時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、C時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。
なお、時短遊技状態の重複についての詳細は後述する。
[1-4.基本仕様]
次に、図9~図19を参照して、第1のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
第1のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られない。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する制御を実行する。なお、「正規な遊技態様」とは、複数の遊技態様(例えば発射態様)のうち遊技者にとって最も不利益とならない(遊技者にとって有利な)遊技態様が相当する。
[1-4-1.設定値毎の大当り確率]
図9は、第1のパチンコ遊技機における設定値毎の大当り確率(概算)を示すテーブルの一例である。図9に示されるように、第1のパチンコ遊技機では、上述の設定キー174やバックアップクリアスイッチ176(いずれも図6参照)等を用いて、例えば設定1~設定6といった複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセットすることができる。このような設定機能付きパチンコ遊技機の場合、大当り確率は設定値に応じて異なっており、メインCPU201は、セットされた設定値に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行する。
具体的には、確変制御が実行されない確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における大当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理および第2特別図柄の当り判定処理のいずれが実行された場合であっても、例えば、設定1で約319分の1、設定2で約314分の1、設定3で約309分の1、設定4で約304分の1、設定5で約299分の1、設定6で約294分の1となっている。また、確変制御が実行される確変フラグがオンの遊技状態(本実施例では例えば高確時短遊技状態)における大当り確率は、設定1で約77分の1、設定2で約76分の1、設定3で約75分の1、設定4で約74分の1、設定5で約73分の1、設定6で約72分の1となっている。
なお、時短当り確率は、大当り確率とは異なり全設定値で共通の確率となっている。例えば、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は160分の1、第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は240分の1となっている。時短当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合と第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合とで異ならせてもよいが、同じとしてもよい。
ただし、時短当り確率が全設定値で共通の確率であったとしても、時短継続率(例えば、セットされる時短回数)については、設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、例えば、設定1の場合は時短回数として50回がセットされ、設定6の場合は時短回数として100回がセットされるようにしてもよい。
なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが抽選対象に含まれていないが、小当りを抽選対象に含むようにしてもよい。小当りを抽選対象に含む場合、小当り確率を、全設定値で共通の確率とするとよい。また、小当りを抽選対象に含む場合、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理が行われた場合に限り小当りに当選しうるようにしてもよい。この場合、他方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の当り判定処理では、小当り当選したか否かの判定自体を行わない態様の他、小当り確率を0として小当り当選したか否かの判定を行う態様であってもよい。
上記の時短当り確率および小当りを抽選対象に含む場合の小当り確率は、上述したとおり全設定値で共通の確率となっているが、これに限られず、設定値に応じて異なる確率としてもよい。
また、本実施例では、全ての設定値においてそれぞれ大当り確率が異なっているが、これに限定されず、例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率、設定3と設定4とで共通の大当り確率、設定5と設定6とで共通の大当り確率といったように、複数の設定値で大当り確率を同じにしてもよい。
また、本実施例では、設定値に応じて大当り確率が異なっているが、遊技者にとっての有利度合いが設定値に応じて異なれば、設定値に応じて異なる対象が必ずしも大当り確率に限定されない。例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞すると大当り遊技状態に制御されるようなパチンコ遊技機であれば、設定値に応じて特定の入賞口への入賞確率を異ならせるようにしてもよい。なお、パチンコ遊技機を、設定機能付きパチンコ遊技機とすることは必須ではない。
[1-4-2.特別図柄の当り判定テーブル]
図10は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図10に示される特別図柄の当り判定テーブルは、図9に示される設定1の場合を一例として示したものである。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、抽選対象は「時短当り」、「大当り」および「ハズレ」であり、他の抽選対象(例えば、小当り)が含まれていないが、第1始動口120または/および第2始動口140に遊技球が入賞した際に、他の抽選対象に決定されるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
なお、本明細書において、確変フラグの値が「0」の場合、確変フラグがオフであり、確変フラグの値が「1」の場合、確変フラグがオンである。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理において、第1特別図柄の当り判定処理と同様、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~477のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が478~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~1123のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が1124~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第1特別図柄の当り判定処理であれば0~408)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば614~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがオフからオン(またはオンからオフ)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図10に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねて実行するようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図10に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、「時短当り」に当選しうる。ただし、メインCPU201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[1-4-3.特別図柄判定テーブル]
図11は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図11に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-4.特別図柄停止態様決定テーブル]
図12(A)は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄停止態様決定テーブルの一例である。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照される。
図12(A)に示されるように、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様は、例えば0~7の領域で構成される1バイトの制御信号で構成される。第1特別図柄の0~7の各領域は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第1特別図柄の領域0は163aに対応し、第1特別図柄の領域1は163bに対応し、第1特別図柄の領域2は163cに対応し、第1特別図柄の領域3は163dに対応し、第1特別図柄の領域4は163eに対応し、第1特別図柄の領域5は163fに対応し、第1特別図柄の領域6は163gに対応し、第1特別図柄の領域7は163hに対応している。
同様に、第2特別図柄の0~7の各領域は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第2特別図柄の領域0は164aに対応し、第2特別図柄の領域1は164bに対応し、第2特別図柄の領域2は164cに対応し、第2特別図柄の領域3は164dに対応し、第2特別図柄の領域4は164eに対応し、第2特別図柄の領域5は164fに対応し、第2特別図柄の領域6は164gに対応し、第2特別図柄の領域7は164hに対応している。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(時短当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域1に対応するLED163bと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域2に対応するLED163cと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。また、選択図柄コマンドが「z7」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域1に対応するLED164bと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z8」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域2に対応するLED164cと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(大当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z9」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域4に対応するLED164eと、第2特別図柄の領域6に対応するLED164gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域5に対応するLED164fとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(ハズレの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z11」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて特別図柄の停止態様を決定すると、決定された態様に対応する制御信号を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164を構成する各LEDに出力し、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出される特別図柄の停止態様を制御する。
なお、図12(A)では、第1特別図柄表示部163に導出されるLEDの表示態様と、第2特別図柄表示部164に導出されるLEDの表示態様とを、便宜上、同じテーブルにあらわしている。ただし、第1特別図柄表示部163と第2特別図柄表示部164とで、制御信号は別々に送信されるようにするとよい。
図12(B)は、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROMに記憶されている装飾図柄停止態様決定テーブルの一例である。装飾図柄停止態様決定テーブルは、表示装置7に表示される装飾図柄の可変表示が停止したときに導出される装飾図柄の停止態様(図柄組合せ)を、図柄指定コマンドに応じて決定する際に参照される。なお、図12(B)に示される「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。
なお、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とうちいずれか一方のみが可変表示可能であるため、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち可変表示されている特別図柄についての表示演出が表示装置7にて行われるよう制御する。この場合、サブCPU301は、可変表示されている特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを把握できる態様で、表示演出を行うことが好ましい。
本実施例において、表示装置7に表示される装飾図柄は、左図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成され、中図柄が例えば1~9及び時短図柄の10個の図柄で構成され、右図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成される。時短図柄は、例えば特別図柄抽選の結果が時短当りである場合等、遊技状態が時短遊技状態に移行する際に停止表示される図柄である。中図柄を時短図柄で停止表示することにより、時短当りに当選したことを遊技者が把握することができる。また、本実施例では、奇数図柄を、偶数図柄と比べて遊技者にとっての有利度合いが高い図柄として規定しているが、これに限定されない。
なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄抽選の結果に小当りが含まれないが、特別図柄抽選の結果に小当りが含まれる場合は、例えば、中図柄を構成する図柄に、小当り図柄(特別図柄抽選の結果が小当りである場合に停止表示される図柄)を含めるようにしてもよい。この場合、特別図柄抽選の結果が小当りであると、サブCPU301は、中図柄を小当り図柄で停止表示するため、小当りに当選したことを遊技者が把握することができる。
図12(B)に示されるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を偶数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を奇数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。なお、図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(選択図柄コマンドが「z2」または「z8」である場合)は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z7」である場合)と比べてセットされる時短回数が多く、遊技者にとっての有利度合いが高い。
図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を奇数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。なお、図柄指定コマンド「zA4」は、後述の図13を参照すると分かるように、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンにセットされる場合(選択図柄コマンドが「z4」の場合)と、確変フラグがオンにセットされない場合(選択図柄コマンドが「z5」の場合)とがある。そこで、本実施例では、選択図柄コマンドが「z4」及び「z5」のいずれであったとしても、サブCPU301は、偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で装飾図柄が停止するよう制御し、大当り遊技状態において、確変当り(確変フラグがオンにセットされる当り)であることを示す昇格演出を行うようにするとよい。
また、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合と比べて、大当り遊技状態の終了後に確変フラグがオンにセットされる期待値が小さい。この点において、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合と比べて、遊技者にとっての有利度合いが高い。
なお、図柄指定コマンドが「zA5」または「zA10」である場合(特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄をばらけ目で停止させる。ばらけ目は、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄のうち少なくとも一つの図柄が他の図柄と異なる停止態様が相当する。
図12(B)では、図柄指定コマンドに応じた装飾図柄の停止態様(例えば、図柄指定コマンドが「zA1」の場合、左図柄「2」、中図柄「時短」、右図柄「4」)を例示しているが、図12(B)の装飾図柄の停止態様の欄に示される停止態様はあくまでも例示であって、これに限られない。
[1-4-5.当り種類決定テーブル]
図13は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくは例えばラウンド数)または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z7」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z8」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は大当り遊技状態に制御されないため、大当り遊技状態の態様は決定されない。なお、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図10に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するものの、C時短遊技状態に制御せずに、高確遊技状態を継続するようにしてもよい。
また、メインCPU201は、確変フラグがオンであるときに「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するようにしてもよい。
さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果(特別図柄の当り判定処理の結果)に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。この場合、大当り判定用乱数値に対して、確変フラグがオフであるときは時短当り判定値データを割り当て、確変フラグがオンであるときは時短当り判定値データを割り当てない。そのため、確変フラグがオフであるときに時短当り判定値データに割り当てられていた乱数値の幅は、時短当り判定値データの代わりに、ハズレ判定値データ、大当り判定値データ、又は、ハズレ判定値データと大当り判定値データとの両方、に割り当てられる。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機においては、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z9」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば200回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。
また、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば300回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態もA時短遊技状態である。
なお、高確時短遊技状態における時短性能は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図13の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図13に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU201は、図10の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU201は、図11の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部163,164に導出される表示態様の種類(時短当りの種類または大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図13に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z5」の場合)、または300回(選択図柄コマンドが「z10」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)、または100回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、例えば図14に示されるように、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。図14は、図13に示される当り種類決定テーブルの変形例である。この図14では、A時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z5」、「z10」の場合)である。これに対し、C時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、100回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)または200回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、本明細書において、確変フラグの場合と同様に、時短フラグの値が「0」の場合が時短フラグオフであり、時短フラグの値が「1」の場合が時短フラグオンである。
時短フラグは、確変フラグと同様にメインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、時短制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。
また、時短回数は、時短制御を継続して実行可能な特別図柄の可変表示回数である。すなわち、例えば時短回数が「50」に決定された場合、この時短遊技状態において大当りに当選することなく50回の特別図柄の可変表示が行われると、この時短遊技状態が終了して非時短遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行する。
なお、図13等に示される確変回数および時短回数の「10000」は、大当り遊技状態終了後、大当りであると判定される(すなわち次回大当り)まで、確変制御を継続して実行できる趣旨である。
[1-4-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図15は、第1のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図15の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。図15の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。なお、図15は確変フラグがオフである場合の特別図柄の変動パターンテーブルであり、確変フラグがオンである場合の特別図柄の変動パターンテーブルの図示は省略する。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図15の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図28のS96の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
図15に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値、または/および、演出選択用乱数値等に基づいて決定されるが、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、メインCPU201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU201が決定しているが、これに限られず、サブCPU301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
決定された変動パターン情報は、コマンド出力ポート206を介してメインCPU201からサブCPU301のコマンド入力ポート308に送信される。サブCPU301は、メインCPU201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。
なお、図15には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば、当り判定処理の結果がハズレである場合、時短の種類にかかわらず時短フラグがオンであるか否かに応じて特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が時短の種類に応じて異なりうるようにしてもよい。例えば、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なるようにしてもよい。
[1-4-7.時短遊技状態]
上述したとおり、本実施例では、時短遊技状態として、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが用意されている。これらの時短遊技状態について、以下に説明する。
A時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって、選択図柄コマンドが例えば「z5」または「z10」である場合に、大当り遊技状態終了後に制御される時短遊技状態である。すなわち、本実施例において、A時短遊技状態への移行条件は、大当り(選択図柄コマンドが「z5」または「z10」の大当り)に当選することである。ただし、A時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずA時短遊技状態に移行するのではなく、A時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、バックアップクリアされた場合等)には、A時短遊技状態に移行させない。
また、A時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「A時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたとき等を起点として、天井カウンタを更新(1加算)し、天井カウンタが天井値に到達したときに制御される時短遊技状態である。すなわち、B時短遊技状態への移行条件は、天井カウンタが天井値に到達することである。B時短遊技状態への移行は、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(以下「天井最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、天井最終変動が終了したときとしてもよいし、天井最終変動の次の特別図柄の可変表示が開始されたときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態への移行タイミングは、天井最終変動が開始されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間であればよい。また、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164にはハズレの表示態様が導出されるものの、B時短遊技状態に移行することとなる。この場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件が成立したこと(例えば、本実施形態では天井カウンタが天井値に到達したこと)を遊技者に示す表示演出(例えば、装飾図柄を特殊図柄で停止させたり、キャラクタによる特殊演出を行ったり、又はこれらの両方が行われる演出)を、表示装置7に表示する制御を行ってもよい。なお、B時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずB時短遊技状態に移行するのではなく、B時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合等)には、B時短遊技状態に移行させない。
天井カウンタは、確変フラグがオンである場合には更新されず、確変フラグがオフである場合は、時短フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず常にカウントされる。天井カウンタが天井値に到達した場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」でない限りB時短遊技状態に制御される。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出されたときにB時短遊技状態が開始されるようにしてもよいし、小当り遊技状態の終了後にB時短遊技状態が開始されるようにしてもよい。すなわち、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合には、特別図柄表示部163,164に小当りの表示態様が表示されるだけであり、上述したような天井カウンタが天井値に到達したことを遊技者に示す表示演出は表示されることがない。なお、設定機能付きパチンコ遊技機の場合、設定値に応じて天井値が異なるようにしてもよい。また、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、B時短遊技状態に制御することなく大当り遊技状態に制御される。
なお、天井カウンタは、電源が投入された場合、大当り遊技状態に制御された場合、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174や専用のスイッチ)が操作された場合、普通図柄当り確率を変更可能な遊技機にあっては普通図柄当り確率の高確率が終了した場合等、所定の条件が成立するとリセットされる。そして、天井カウンタの更新が許容されると、特別図柄の可変表示が実行される都度、天井カウンタが更新される。例えば確変フラグがオンである場合、天井カウンタの更新が許容されない。
メインCPU201は、天井カウンタをクリアした後、次の特別図柄の可変表示から天井カウンタのカウントを開始する。なお、天井値は、天井カウンタがクリアされる都度、メインCPU201がセットするものとしてもよいし、都度セットするのではなく、パチンコ遊技機固有のものとして予め決められていてもよい。
大当り遊技状態に制御されたことによって天井カウンタがクリアされた場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンでなければ、メインCPU201は、1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。また、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンであれば、特別図柄の可変表示が行われても天井カウンタを更新しないが、例えばST機や確変転落抽選を行う仕様であれば、確変フラグがオフになった後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新する。なお、確変転落抽選を行う仕様の場合、特別図柄の可変表示の開始時に確変フラグがオンからオフに変更されるため、特別図柄の可変表示の終了時に天井カウンタの更新を行う場合、特別図柄の可変表示の終了時に確変フラグがオフであれば天井カウンタを更新するようにしてもよい。
なお、メインCPU201により確変転落抽選が行われる仕様のパチンコ遊技機の場合、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドを受信すると、確変転落抽選に当選したことを示唆する演出や、高確遊技状態から低確遊技状態への移行を示唆する演出を行わないようにすることが好ましい。このようにすることで、天井カウンタによるカウントの開始時点、すなわちB時短遊技状態への移行タイミングを、表示装置7に表示される表示演出等に基づいて遊技者が把握することが困難となり、面白みのあるゲーム性を提供することが可能となる。B時短遊技状態への移行タイミングの把握が困難である場合、例えばB時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出やガセのカウントダウン演出を、サブCPU301による制御によって表示装置7に表示することにより、より一層興趣を高めることが可能となる。
また、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、メインCPU201は、RAM203内の作業領域のクリア処理後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
さらに、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174や専用のスイッチ)が操作された場合、メインCPU201は、上記別のスイッチが操作された後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
また、B時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、予め定められた規定回数(以下「B時短規定回数」と称する)分の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。B時短遊技状態の終了条件の一つである「B時短規定回数分の特別図柄の可変表示が実行された場合」は、B時短規定回数目の特別図柄の可変表示(以下「B時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、B時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態の終了タイミングは、B時短最終変動が開始されてからこのB時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
C時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御される時短遊技状態である。すなわち、C時短遊技状態への移行条件は、時短当り(選択図柄コマンドが「z0」~「z2」、「z7」または「z8」の時短当り)に当選し、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出(確定表示)されることである。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずC時短遊技状態に移行するのではなく、C時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重ねて実行されない仕様(詳細は後述する)であって、B時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合等)には、C時短遊技状態に移行させない。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したにもかかわらずC時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させないにもかかわらず、時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出する制御を実行する。
また、C時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「C時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。C時短遊技状態の終了条件の一つであるC時短規定回数は、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数目の特別図柄の可変表示(以下「C時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、C時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、C時短遊技状態の終了タイミングは、C時短最終変動が開始されてからこのC時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
なお、時短性能は、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで互いに異なるようにしてもよい。また、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち、2つの時短遊技状態の時短性能を同じとし、これら2の時短遊技状態の時短性能と他の一つの時短遊技状態の時短性能とが異なるようにしてもよい。さらには、A時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とが同じとなるようにしてもよい。
また、A時短遊技状態の終了条件、B時短遊技状態の終了条件、およびC時短遊技状態の終了条件には、上記の他、例えば、第2特別図柄の可変表示回数が規定回数に到達したことや、普通電動役物146が所定回数開放したこと、普通電動役物146の開放態様として特定の開放態様が選択されたこと等を含めるようにしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、小当り回数が規定回数に到達したことを上記の終了条件に含めるようにしてもよい。さらには、時短転落抽選を行い、時短転落抽選に当選したことを、上記の終了条件に含めるようにしてもよい。
[1-4-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図16は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際(すなわち、後述の図43のS295の普通図柄遊技判定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、0~99(100種類)の中から抽出する。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(例えば通常遊技状態)において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~98のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が99である場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、A時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))が最も高い。
また、B時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。同様に、C時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))についても、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。したがって、非時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態との間で遊技状態が移行したとしても、普通図柄の当選確率は変更されないこととなる。
なお、普通図柄当りの当選確率を、非時短遊技状態とA時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで同じにしてもよい。この場合、普通図柄当りの当選確率を変えることなく、後述する普通図柄の種類の割合を状態毎で異ならせるようにするだけでよくなるため、制御処理を簡略化できる。
[1-4-9.普通図柄判定テーブル]
図17は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図17に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、普通図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU201は、普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz0」を選択する。
また、A時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz3」を選択する。
また、B時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz4」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz5」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz6」を選択する。
また、C時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz7」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz8」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz9」を選択する。
なお、本実施例において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)を参照して、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図17参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄当り時選択図柄コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落、および普通図柄当り時選択図柄コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-10.普通図柄当り種類決定テーブル]
図18は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。普通図柄当り種類決定テーブルは、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドに応じて、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通電動役物146の開放パターン設定処理を実行する際)に参照される。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類は次のとおり決定される。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz0」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間1000msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。すなわち、普通電動役物146が1回だけ1000msec開放される開放パターンに決定される。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間3000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間3000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz4」の場合および「fz7」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz5」の場合および「fz8」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz6」の場合および「fz9」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であったとしても、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで、最も有利度合いが不利な態様となる。
なお、普通電動役物146の開放パターンの有利度合いは、普通電動役物146が開放された場合、第2始動口140への遊技球の入賞のしやすさの度合いである。
A時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで最も有利度合いが有利な態様となる。
また、B時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、C時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146の開放パターンと、有利度合いが同じとなっているが、これに限られない。
[1-4-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図19は、第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通図柄の変動パターン決定処理を実行する際)に参照される。メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄演出選択用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。普通図柄演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図19に示されるように、非時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~99のいずれであっても、普通図柄の可変表示時間が例えば300000msecに決定される。非時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで最も長い。
また、A時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~89のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が90~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば800msecに決定される。
また、B時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
また、C時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
このように、1回の可変表示あたりの普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間のうち、A時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値が最も短い。そのため、A時短遊技状態は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、普通電動役物146が開放されるまでの時間が最も短い。
また、B時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値は、C時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値と同じとなっているが、これに限られない。
[1-5.時短遊技状態にかかわる処理の詳細]
[1-5-1.時短当り時にセットされる時短回数]
上述の説明では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定するようにしてもよい。
また、確変フラグがオンにセットされる高確遊技状態であっても、特別図柄の当り判定処理の結果に「時短当り」を含むようにしてもよい。この場合、メインCPUは、特別図柄表示部に時短当りの表示態様を導出するものの、時短遊技状態に移行させる制御を実行せず、継続して高確遊技状態に制御する。ところで、例えば所謂ST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、規定回数にわたって特別図柄の可変表示が実行されると、確変フラグをオンからオフにする遊技機が知られている。このようなST機において、高確遊技状態としての最終ゲームで行われる特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、確変フラグをオフにする処理よりも、時短当りの表示態様を導出する処理の方が後であるときには、メインCPUは、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態に制御するようにしてもよい。
[1-5-2.時短遊技状態の重複]
時短遊技状態を複数設けた場合、時短遊技状態が重複することがある。例えば、A時短遊技状態において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することとなる。また、例えば、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達すると、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複することとなる。このように時短遊技状態が重複した場合、時短遊技状態を重ねて実行するようにしてもよいし、時短遊技状態を重ねない(すなわち「時短当り」を無視する)ようにしてもよい。なお、A時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しないように、A時短遊技状態の終了条件であるA時短規定回数が、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも小さくなるように規定されている。
時短遊技状態が重複したとき、時短遊技状態を重ねて実行する態様と、時短遊技状態を重ねない態様とについて、以下に説明する。
[1-5-2-1.時短遊技状態を重ねて実行する態様]
時短遊技状態が重複したときに時短遊技状態を重ねて実行する態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したときにC時短遊技状態を重ねて実行する態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときにB時短遊技状態を重ねて実行する態様とが考えられる。
[1-5-2-1-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件が成立するまでに実行可能な特別図柄の可変表示回数が多い方を時短回数として採用する。
例えば、A時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数よりもA時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、A時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が200回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、特別図柄表示部163,164に時短当りの表示態様が導出されるものの、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り200回である。したがって、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、「時短当り」に当選せずにA時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、例えばA時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数の方がA時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、「時短当り」に基づいてセットされた時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り50回である。すなわち、A時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の30回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
[1-5-2-1-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、以下では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれる場合も含めて説明する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときに、B時短規定回数よりもC時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が300回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短規定回数が200回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。したがって、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、天井カウンタが天井値に到達することなくC時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短規定回数の方がC時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短遊技状態として実行可能な時短回数が300回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。すなわち、C時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の280回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
なお、天井最終変動において特別図柄の可変表示が終了すると、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた表示態様を導出する。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合は小当り表示態様が導出され、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合はハズレ表示態様が導出される。小当り表示態様が導出されると小当り遊技状態に制御されるが、メインCPU201は、小当り遊技状態中も時短フラグをオンに維持する。
次に、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、すなわち、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立する場合について説明する。この場合、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合と、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点ですでにB時短遊技状態に制御されている。そのため、メインCPU201は、B時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。
次に、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点では未だB時短遊技状態に制御されていない。そのため、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件(例えば、大当りの表示態様の導出、小当りまたは特定の小当りの表示態様の導出等)が成立しない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。この場合、時短性能が維持又は実行された時短遊技状態の終了条件が成立すると、時短遊技状態が終了するようにするとよい。
なお、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立した場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うB時短移行表示演出、及びC時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うC時短移行表示演出とは異なる特別な表示演出を行うようにしてもよい。また、これに代えて、例えば、B時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはB時短移行表示演出を行い、C時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはC時短移行表示演出を行う等、B時短移行表示演出及びC時短移行表示演出のうちいずれかの表示演出を優先して行うこととしてもよい。
なお、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達し、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、B時短遊技状態にも制御することなく大当り遊技状態に制御する。
[1-5-2-1-3.複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合の時短性能]
以上、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様、および、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様について説明した。
このように複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能が維持される。このような仕様のパチンコ遊技機では、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能はそれぞれ異なってもよいが、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能を同じにすることが好ましい。
例えば、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、一の時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。また、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、C時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。
また、複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機において、先に実行されている時短遊技状態に対して後から重ねて実行できる時短遊技状態については、例えば、先に実行されている時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能とを備えるようにしてもよい。そして、先に実行されている時短遊技状態に対して時短遊技状態を重ねて実行する場合は一の時短性能を発動させ、通常遊技状態において時短遊技状態を発動させる場合のように時短遊技状態を重ねて実行しない場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
例えば、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機である場合、B時短遊技状態の時短性能を、C時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能との例えば2つの時短性能を設ける。そして、C時短遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は一の時短性能を発動させ、いずれの時短遊技状態でもない通常遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
[1-5-3.時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
時短遊技状態を重ねて実行しない態様としては、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含まないように当り判定処理を行う態様と、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含むように当り判定処理を行い、時短遊技状態が重複したとしても時短遊技状態を重ねて実行しない態様(以下「後者の態様」と称する)とが考えられる。後者の態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したとしてもこれを無視してC時短遊技状態を重ねて実行しない態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしてもこれを無視してB時短遊技状態を重ねて実行しない態様との2態様が考えられる。以下に、後者の態様として考えられる上記の2態様について説明する。
[1-5-3-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、上述したとおり、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。ただし、メインCPU201は、一の時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示(以下「時短最終変動」と称する)でない限り、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御することなく、一の時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、一の時短遊技状態に制御する。この場合、一の時短遊技状態に制御されていること(時短最終変動を除く)は、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、一の時短遊技状態における時短最終変動において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合と、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態の制御を開始する。
次に、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合、すなわち、時短当りの表示態様の導出と一の時短遊技状態の終了とが同じ割込処理内で行われる場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、C時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了する。この場合、時短当りの表示態様を導出する処理を一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行うことは、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも後に行われる場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態を終了するとともにC時短遊技状態に制御する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持するのではなく、C時短遊技状態の時短性能とする。すなわち、メインCPU201は、時短当りの表示態様が導出された時点において、一の時短遊技状態の終了処理が未処理であればC時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了し、一の時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればC時短遊技状態に制御する。
[1-5-3-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、C時短遊技状態に制御する。
ただし、天井最終変動においてC時短遊技状態の時短残回数が0である場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、B時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了するとともにB時短遊技状態に制御する。一方、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理の後に行われる場合、メインCPU201は、B時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了する。すなわち、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始しようとする時点において、C時短遊技状態の終了処理が未処理であればB時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了し、C時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればB時短遊技状態に制御する。この場合、C時短遊技状態の終了処理をB時短遊技状態の開始処理の後に行うことは、B時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
なお、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、大当り遊技状態の制御を開始する。
[1-6.主制御処理]
次に、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。
[1-6-1.主制御メイン処理]
先ず、図20~図23を参照して、メインCPU201により実行されるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。図20~図23は、第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S11)。なお、図示しないが、メインCPU201は、スタックポインタの設定や割込みベクタテーブルのアドレスの設定をS11に先だって行うことは言うまでもない。
S11において電断信号がHighレベルでないと判定された場合(S11がNO判定の場合)、メインCPU201は、S11の判定処理を繰り返す。
一方、S11において電断信号がHighレベルであると判定された場合(S11がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S12に移す。
S12において、メインCPU201は、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のフラグ管理処理を行う(S12)。この処理では、バックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態、および、設定キー174のオン/オフ状態の退避処理が行われる。すなわち、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態を、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。また、この処理では、遊技許可フラグがオフにセットされる。メインCPU201は、S12の処理を実行した後、処理を、S13に移す。
S13において、メインCPU201は、ウェイト処理を行う。この処理では、サブ制御回路300側の起動待ちが行われる。この場合の起動待ち時間(ウェイト期間)は、例えば12000.07msecである。メインCPU201は、S13の処理を実行した後、処理を、S14に移す。
なお、サブ制御回路300側の起動待ちを行っている間、メインCPU201は、例えば、割込要求信号のチェック処理、割込要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの各種センサ初期化信号の出力処理等を行うようにしてもよい。
S14において、メインCPU201は、起動前(前回)の電断が正常電断であったか否かを判定する。この処理では、メインRAM203内の電断検知フラグ領域に格納された値に基づいて、正常電断であるか異常電断であるかが判定される。
S14において正常電断でなかったと判定された場合(S14がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
一方、S14において正常電断であったと判定された場合(S14がYES判定の場合)、メインCPU201は、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値を算出し(S15)、その後、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S16)。メインCPU201は、S16の処理を実行した後、処理を、S17に移す。
S17において、メインCPU201は、照合結果が異常であるか否かを判定する。
S17において照合結果が異常でないすなわち正常であると判定された場合(S17がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S22に移す。なお、S22以降の処理については後述する。
一方、S17において照合結果が異常であるすなわち正常でないと判定された場合(S17がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
S18において、メインCPU201は、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のうち、少なくともいずれか一方がオフであるか否かを判定する。すなわち、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンである場合はNO判定となり、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフである場合、並びに、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のいずれか一方がオフである場合はYES判定となる。
S18において設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の少なくともいずれか一方がオフでないすなわち両方ともオンであると判定された場合(S18がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S21に移す。なお、S21の処理については後述する。
一方、S18において設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のうち少なくともいずれか一方がオフであると判定された場合(S18がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S19に移す。
S19において、メインCPU201は、外部端子のセキュリティ信号をオンにセットする。メインCPU201は、S19の処理を実行した後、処理を、S20に移す。
S20において、メインCPU201は、性能表示モニタ170(図6参照)にエラー表示処理を行う。この処理は、性能表示モニタ170に信号が出力されるI/Oポート205の出力ポートに、エラー表示用のデータをセットする。これにより、性能表示モニタ170内の所定のLEDが点灯し、エラー表示が行われる。メインCPU201は、S20の処理を実行した後、永久ループに入る。
このように、前回の電断が正常電断でなかった場合や、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値の照合結果が正常でなかった場合には、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであると判定されるまで、第1のパチンコ遊技機において遊技の実行が可能とならない。
次に、S21の処理について説明する。S21において、メインCPU201は、設定変更であることを示す値をメインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。この処理は、異常起動時に行われる処理であり、設定変更であることを示す値を再度格納するようにしたものである。メインCPU201は、S21の処理を実行した後、処理を、S22に移す。
S22において、メインCPU201は、メインRAM203内のXINT検知フラグ領域および電断検知フラグ領域のクリア処理を行う。メインCPU201は、S22の処理を実行した後、処理を、S23に移す。
S23において、メインCPU201は、起動状態判定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納された起動制御フラグの値に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。メインCPU201は、S23の処理を実行した後、処理を、S24に移す。
S24において、メインCPU201は、起動時のRAM設定処理を行う。この処理では、フラグ等を管理するメインRAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、この処理は、電断復帰時と初期化時とで共通して行われるものであって、バックアップ領域はクリアされない。メインCPU201は、S24の処理を実行した後、処理を、S25に移す。
S25において、メインCPU201は、起動時初期設定処理を行う。この処理では、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理が行われる。なお、起動時初期設定処理の詳細については、図24を参照して後述する。メインCPU201は、S25の処理を実行した後、処理を、S26に移す。
S26において、メインCPU201は、割込禁止処理を行う。メインCPU201は、S26の処理を実行した後、処理を、S27に移す。
S27において、メインCPU201は、電断処理を行う。メインCPU201は、S27の処理を実行した後、処理を、S28に移す。なお、電断処理の詳細については、図25を参照して後述する。
S28において、メインCPU201は、初期値乱数の更新処理を行う。この処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の初期値乱数の更新処理が行われる。メインCPU201は、S28の処理を実行した後、処理を、S29に移す。
S29において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この判定処理は、遊技許可フラグの値に基づいて行われる。
S29において遊技許可状態でないと判定された場合(S29がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S30に移す。
一方、S29において遊技許可状態であると判定された場合(S29がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S31に移す。
S30において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S30の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
S31において、メインCPU201は、レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S31の処理を実行した後、処理を、S32に移す。
S32において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計演算処理を行う。この処理では、各種ベース値の算出および更新が行われる。また、この処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S32の処理を実行した後、処理を、S33に移す。
S33において、メインCPU201は、S31で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S33の処理を実行した後、処理を、S34に移す。
S34において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S34の処理を実行した後、処理を、S35に移す。
S35において、メインCPU201は、システム周期時間が経過したか否かを判定する。システム周期時間は、例えば、割込み周期(例えば2msec)の3倍である6msecである。
S35においてシステム周期時間が経過していないと判定された場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS26の処理に戻し、S26以降の処理を行う。
一方、S35においてシステム周期時間が経過したと判定された場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S36に移す。
S36において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタ領域に格納された割込みカウンタの値から1減算する処理を3回行う。この処理により、主制御メイン処理内の割込禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる。メインCPU201は、S36の処理を実行した後、処理を、S37に移す。
なお、本実施例では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理(例えば、S37~S44の処理)の実行前に、例えば6msecの割込禁止区間(S26~S35の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施例では、後述する遊技制御に関する各種処理が例えば6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施例では、割込禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、これに限られない。
S37において、メインCPU201は、システムタイマの更新処理を行う。システムタイマは、システム周期(例えば6msec)を管理するタイマである。システムタイマの値は、メインRAM203の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。メインCPU201は、S37の処理を実行した後、処理を、S38に移す。
S38において、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う。この処理では、主として、払出制御のコマンド送受信処理が行われる。メインCPU201は、S38の処理を実行した後、処理を、S39に移す。
S39において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、特別図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この特別図柄制御処理の詳細については、図26を参照して後述する。メインCPU201は、S39の処理を実行した後、処理を、S40に移す。
S40において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理にでは、普通図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この普通図柄制御処理の詳細については、図43を参照して後述する。メインCPU201は、S40の処理を実行した後、処理を、S41に移す。
S41において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、LEDユニット160の各表示部(例えば、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164等)に出力する表示データの設定処理が行われる。メインCPU201は、S41の処理を実行した後、処理を、S42に移す。
S42において、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理では、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等が行われる。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S42の処理を実行した後、処理を、S43に移す。
S43において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、コマンド出力ポート206(図6参照)への出力データのセット(転送)が行われる。メインCPU201は、S43の処理を実行した後、処理を、S44に移す。
S44において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、発射位置判定処理、遊技異常検知判定処理および払出異常検知判定処理等が行われる。発射位置判定処理では、発射位置(例えば、右打ちまたは左打ち)に変化があれば、発射位置コマンドが送信予約される。遊技異常検知判定処理では、異常があれば、遊技異常検知コマンドが送信予約される。払出異常検知判定処理では、異常があれば、払出異常検知コマンドが送信予約される。メインCPU201は、S44の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
[1-6-2.起動時初期設定処理]
次に、図24を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS25で行われる起動時初期設定処理について説明する。図24は、第1のパチンコ遊技機における起動時初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、起動制御フラグをロードする処理を行う(S51)。メインCPU201は、S51の処理を実行した後、処理を、S52に移す。
S52において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であるか否かを判定する。
S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値でないと判定された場合(S52がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S54に移す。
一方、S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であると判定された場合(S52がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S53に移す。
S53において、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S53の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S54において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値でないすなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S56に移す。
一方、S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であると判定された場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S55に移す。
S55において、メインCPU201は、設定操作コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図46のS336参照)で、サブ制御回路300に向けて送信される。メインCPU201は、S55の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S56において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S56の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
[1-6-3.電断処理]
次に、図25を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS27で行われる電断処理について説明する。図25は、第1のパチンコ遊技機における電断処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、XINT検知フラグがオンであるか否かを判定する(S61)。
S61においてXINT検知フラグがオンでないと判定された場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S61においてXINT検知フラグがオンであると判定された場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S62に移す。
S62において、メインCPU201は、チェックサム値の算出処理を行う。メインCPU201は、S62の処理を実行した後、処理を、S63に移す。
S63において、メインCPU201は、チェックサム値および電断検知フラグの値を、メインRAM203内の対応する所定の格納領域にそれぞれ格納する。この場合、メインRAM203のバックアップ領域に格納される。メインCPU201は、S63の処理を実行した後、処理を、S64に移す。
S64において、メインCPU201は、XINT検知フラグのクリア処理を行う。そして、S64の処理を実行した後、メインCPU201は、RAMアクセス禁止値設定処理を行う(S65)を行う。メインCPU201は、S65の処理を実行した後、処理を、S66に移す。
S66において、メインCPU201は、電断まで、CPUリセット待ち処理を繰り返す。
[1-6-4.特別図柄制御処理]
次に、図26を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図26は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示されるように、メインCPU201は、先ず、S71において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S71の処理を実行した後、処理を、S72に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S71の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S72において、メインCPU201は、S71でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S72において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
一方、S72において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S73に移す。
S73において、メインCPU201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S73において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S74に移す。
S74において、メインCPU201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S74において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S74がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S74において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S74がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S73に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S75において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図27を参照して後述する。メインCPU201は、S75の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S71~S75)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第1のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口120または第2始動口140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[1-6-5.特別図柄管理処理]
次に、図27を参照して、特別図柄制御処理(図26参照)中のS75でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図27は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が「0」の場合(S72がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S73がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S74がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が「0」でない場合(S72がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図27に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S81)。
S81において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S81がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
一方、S81において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S81がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S82に移す。
S82において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S82の処理を実行した後、処理を、S83に移す。なお、メインCPU201は、S82の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S83以降の処理を行う。
S83において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS83の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図28を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S84に移す。
S84において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS84の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図29を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S85に移す。
S85において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS85の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S86に移す。
S86において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS86の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図40を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S87に移す。
S87において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS87の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図41を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S88に移す。
S88において、メインCPU201は、大当り終了処理を行う。このS88の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図42を参照して後述する。
メインCPU201は、S83~S88の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
[1-6-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図28を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS83でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図28は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示されるように、メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S91)。
S91において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S91がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S91において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S91がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S92に移す。
S92において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU201は、S92の処理を実行した後、処理を、S93に移す。
S93において、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。また、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットする。メインCPU201は、S93の処理を実行した後、処理を、S94に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにされ、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにされる。
特別図柄の当り判定処理(S93参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S94において、メインCPU201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果(例えば、時短当り、大当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU201は、S94の処理を実行した後、処理を、S95に移す。
S95において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄決定処理(S94)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。また、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むようにし、かかる小当りの種類を複数設けてもよい。メインCPU201は、S95の処理を実行した後、処理を、S96に移す。
S96において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、遊技状態等に応じて、特別図柄の変動パターン決定処理を行う際に参照する変動パターンテーブルが異なるようにしてもよい。メインCPU201は、S96の処理を実行した後、処理を、S97に移す。
S97において、メインCPU201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S96)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU201は、S97の処理を実行した後、処理を、S98に移す。
S98において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図27のS84参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S98の処理を実行した後、処理を、S99に移す。
S99において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU201は、S99の処理を実行した後、処理を、S100に移す。
S100において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU201は、S100の処理を実行した後、処理を、S101に移す。
S101において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S100)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S101))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図29を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS84でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図29は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S111)。
S111において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S111において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S112に移す。
S112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図27のS85参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S112の処理を実行した後、処理を、S113に移す。
S113において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S113の処理を実行した後、処理を、S114に移す。
S114において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S114の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-6-8.特別図柄遊技判定処理]
次に、図30を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS85でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図30は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S121)。
S121において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S121がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S121において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S121がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S122に移す。
S122において、メインCPU201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S122において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S122がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S123に移す。
S123において、メインCPU201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板184を介してホールコンピュータ186(いずれも図6参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU201は、S123の処理を実行した後、処理を、S124に移す。なお、外部端子板184を介して例えばホールコンピュータ186や島コンピュータに出力される信号については後述する。
また、S123の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S124において、メインCPU201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU201は、例えば、大入賞口131の開放回数の上限値をセットする処理(S125)、外部端子板184への大当り信号セット処理(S126)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S128)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S129)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S122に戻って、このS122において大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S122がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S130に移す。
S130において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図31を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S121~S130)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-9.特別図柄遊技終了処理]
次に、図31を参照して、特別図柄遊技判定処理(図30参照)中のS130でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図31は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短管理処理を行う(S131)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して後述する。メインCPU201は、S131の処理を実行した後、処理を、S132に移す。
S132において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S132の処理を実行した後、処理を、S133に移す。
S133において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S134)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S134の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図30参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果がハズレである場合、メインCPU201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[1-6-10.時短管理処理]
次に、図32を参照して、メインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図32は、第1のパチンコ遊技機において、特別図柄遊技終了処理(図31参照)中のS131でメインCPU201により実行される時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、カウンタ更新処理を行う(S141)。このカウンタ更新処理の詳細については、図33を参照して後述する。メインCPU201は、S141の処理を実行した後、処理を、S142に移す。
S142において、メインCPU201は、カウンタ判定処理を行う。このカウンタ判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。メインCPU201は、S142の処理を実行した後、時短管理処理を終了し、処理を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)に戻す。
[1-6-11.カウンタ更新処理]
次に、図33を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ更新処理について説明する。図33は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS141でメインCPU201により実行されるカウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短カウンタ更新処理を行う(S151)。この時短カウンタ更新処理の詳細については、図34を参照して後述する。メインCPU201は、S151の処理を実行した後、処理を、S152に移す。
S152において、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。メインCPU201は、S152の処理を実行した後、カウンタ更新処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-12.時短カウンタ更新処理]
次に、図34を参照して、メインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理について説明する。図34は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS151でメインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図34に示される時短カウンタ更新処理は、複数の時短遊技状態が重複した場合に、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合の処理を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいか否かを判定する(S161)。この処理では、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たした場合にYES判定され、いずれか一方でも満たしていなければNO判定される。
時短フラグは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態に移行させるときに、オンにセットされる。なお、高確遊技状態に移行させるときには確変フラグをオンにセットする。
時短カウンタは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態において、それぞれ実行される時短回数を示す。
A時短遊技状態、B時短遊技状態または/およびC時短遊技状態への移行条件が成立した場合、移行条件が成立した時短遊技状態についての時短カウンタがセットされる。
なお、本実施例では、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを減算し、時短カウンタが0になったときに時短遊技状態を終了する減算方式を採用しているが、これに限られず、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを加算し、時短カウンタがセットされた時短回数になったときに時短遊技状態を終了する加算方式を採用してもよい。また、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを更新(減算又は加算)することに代えて、特別図柄の可変表示の開始時に時短カウンタを更新し、時短カウンタが0になったとき(減算方式の場合)又は時短カウンタがセットされた時短回数になったとき(加算方式の場合)に、時短遊技状態を修了するようにしてもよい。
S161において、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33)に戻す。
一方、S161において時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいと判定された場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタから1を減算する処理を行う(S162)。メインCPU201は、S162の処理を実行した後、処理を、S163に移す。
S163において、メインCPU201は、時短モード=3且つC時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=3であって、C時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S163がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S164に移す。
なお、C時短カウンタは、時短遊技状態中にC時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このC時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、後述するB時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
時短モードは、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合に設定されるフラグである。本実施例では、時短モードを例えば2bitで構成し、先に実行されている時短遊技状態に対してC時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=3」に設定される。また、先に実行されている時短遊技状態に対してB時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=2」に設定される。
一方、S163において、時短モード=3とC時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S165に移す。
S164において、メインCPU201は、C時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S164の処理を実行した後、処理を、S165に移す。
S165において、メインCPU201は、時短モード=2且つB時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=2であって、B時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S165がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S166に移す。
なお、B時短カウンタは、時短遊技状態中(本実施例ではC時短遊技状態中)にB時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このB時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、C時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
一方、S165において、時短モード=2とB時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S165がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S166において、メインCPU201は、B時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S166の処理を実行した後、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
なお、図示していないが、S164の処理を行った結果としてC時短カウンタ=0となった場合や、S166の処理を行った結果としてB時短カウンタ=0となった場合、メインCPU201は、時短モードをオフ(=0)にセットする。
ところで、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合、二つの時短遊技状態を重ねるだけにとどまらず、三つ以上の時短遊技状態を重ねて実行してもよい。この場合、上述したようにA時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することがないため、三つ以上の時短遊技状態が重複する場合とは、A時短遊技状態またはB時短遊技状態と二つ以上のC時短遊技状態とが重複する場合、および三つ以上のC時短遊技状態が重複する場合が相当する。
[1-6-13.天井カウンタ更新処理]
次に、図35を参照して、メインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS152でメインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、天井カウント禁止フラグがオフであるか否かを判定する(S171)。天井カウント禁止フラグは、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときにオンにセットされるフラグである。すなわち、確変フラグがオフである場合であって且つ天井カウンタが天井値に到達していない場合、天井カウント禁止フラグはオフである。天井カウンタの値は、メインRAM203に保存される。
なお、天井値は、B時短遊技状態への移行条件として、パチンコ遊技機固有の値として予め決められている。ただし、これに代えて、大当り遊技状態が終了したとき、バックアップクリア処理が行われたとき、天井カウンタの値をリセットする専用の操作手段が操作されたとき等に、メインCPU201が天井値をセットする処理を行うようにしてもよい。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(S171がNO判定の場合)、すなわち天井カウント禁止フラグがオンである場合、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフである場合(S171がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S172に移す。
S172において、メインCPU201は、天井カウンタに1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S172の処理を実行した後、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
[1-6-14.カウンタ判定処理]
次に、図36を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ判定処理について説明する。図36は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS142でメインCPU201により実行されるカウンタ判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短移行判定処理を行う(S181)。この時短移行判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。メインCPU201は、S181の処理を実行した後、処理を、S182に移す。
S182において、メインCPU201は、時短移行処理を行う。この時短移行処理の詳細については、図38を参照して後述する。メインCPU201は、S182の処理を実行した後、処理を、S183に移す。
S183において、メインCPU201は、時短カウンタが1より小さいか否かを判定する。
S183において、時短カウンタが1より小さくないと判定された場合(S183がNO判定)、すなわち時短カウンタが1以上である場合、メインCPU201は、処理を、S185に移す。
一方、S183において、時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S184に移す。
S184において、メインCPU201は、時短フラグをオフにする。メインCPU201は、S184の処理を実行した後、処理を、S185に移す。
なお、S183において時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定の場合)、B時短カウンタ及びC時短カウンタはいずれも1より小さいはずである(すなわち0のはずである)。しかし、メインCPU201による処理を実行する上で何らかの不具合が生じる可能性があり得ることに鑑みて、例えば、S183がYES判定であるにもかかわらずB時短カウンタまたは時短カウンタが1以上である場合に、異常警報を出力したりする等の異常時処理を実行するようにしてもよい。また、この異常時処理に代えてまたは加えて、S183がYES判定された場合に、時短フラグをオフにするだけでなく(S184参照)、B時短カウンタ及びC時短カウンタをリセットすることにより、時短カウンタとB時短カウンタとC時短カウンタとの整合性を図るようにしてもよい。
S185において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、時短移行コマンドの送信予約処理(S186)を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S186の処理後、メインCPU201は、カウンタ判定処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-15.時短移行判定処理]
次に、図37を参照して、メインCPU201により実行される時短移行判定処理について説明する。この処理では、天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短遊技状態に移行させるための判定処理が行われる。図37は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS181でメインCPU201により実行される時短移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S191)。
S191において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S191がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。すなわち、確変フラグがオンである場合、B時短遊技状態に移行させないようにすることができる。
一方、S191において、確変フラグがオフであると判定された場合(S191がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S192に移す。
S192において、メインCPU201は、天井カウンタが天井値であるか否かを判定する。
S192において、天井カウンタが天井値でないと判定された場合(S192がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S192において、天井カウンタが天井値であると判定された場合(S192がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S193に移す。
S193において、メインCPU201は、天井カウント禁止フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S193の処理を実行した後、処理を、S194に移す。
S194において、メインCPU201は、天井フラグをオンにセットする。天井フラグは、天井カウンタが天井値に到達したことを示すフラグである。メインCPU201は、S194の処理を実行した後、処理を、S196に移す。
S196において、メインCPU201は、天井カウンタをクリアする。メインCPU201は、S196の処理を実行した後、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-16.時短移行処理]
次に、図38を参照して、メインCPU201により実行される時短移行処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS182でメインCPU201により実行される時短移行処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S202)。
S202において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S202がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。このようにすることで、確変フラグがオンである場合には、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれも、開始されないようにすることができる。
一方、S202において、確変フラグがオフであると判定された場合(S202がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S203に移す。
S203において、メインCPU201は、天井フラグがONであるか否かを判定する。
S203において、天井フラグがオンでないと判定された場合(S203がNO判定の場合)、すなわち天井フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S206に移す。
一方、S203において、天井フラグがオンであると判定された場合(S203がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S205に移す。
S205において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行にかかわる処理として、B時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、B時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを2にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S205の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、B時短カウンタにセットされる時短回数は、予め定められた回数である。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S206において、メインCPU201は、時短当りフラグがオンであるか否かを判定する。
S206において、時短当りフラグがオンでないと判定された場合(S206がNO判定の場合)、すなわち時短当りフラグがオフである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S206において、時短当りフラグがオンであると判定された場合(S206がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S207に移す。
S207において、メインCPU201は、C時短遊技状態への移行にかかわる処理として、C時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、C時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを3にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S207の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、C時短カウンタにセットされる時短回数は、当り種類決定テーブル(例えば図13参照)を参照して選択図柄コマンドに応じて決定される。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S208において、メインCPU201は、時短設定処理を行う。この時短設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。メインCPU201は、S208の処理を実行した後、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-17.時短設定処理]
次に、図39を参照して、メインCPU201により実行される時短設定処理について説明する。図39は、第1のパチンコ遊技機において、時短移行処理(図38参照)中のS208でメインCPU201により実行される時短設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグがオンであるか否かを判定する(S211)。
S211において、時短フラグがオンであると判定された場合(S211がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S212に移す。
S211がYES判定の場合とは、確変フラグがオフであって、例えば、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)が相当する。
なお、図示しないが、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=2」をセットするとともに、S205で決定されたB時短カウンタをセットする。また、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=3」にセットするとともに、S207で決定されたC時短カウンタをセットする。
S211において、時短フラグがオンでないと判定された場合(S211がNO判定)、すなわち時短フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S214に移す。
S212において、メインCPU201は、現状の時短カウンタ(先に実行されていた時短遊技状態の時短残回数)と、新たな時短回数(S205またはS207で決定された時短回数)とを比較し、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さいか否かを判定する。
S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さくないと判定された場合(S212がNO判定の場合)、すなわち現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きい場合、メインCPU201は、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38を参照)に戻す。
一方、S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きいと判定された場合(S212がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S213に移す。
S213において、メインCPU201は、時短カウンタ再設定処理を行う。この処理では、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、現状の時短カウンタの値(すなわち時短残回数)と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数が、新たな時短カウンタとして再設定される。ただし、時短カウンタ再設定処理(S213)が行われたとしても、メインCPU201は、B時短カウンタおよびC時短カウンタをリセットしない。メインCPU201は、S213の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
なお、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能を維持する。すなわち、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能から新たな時短遊技状態の時短性能に変更したり、現状の時短カウンタと新たな時短回数とのうち多い方の時短回数に対応する時短遊技状態の時短性能に変更されたりはしない。
時短性能とは、上述したとおり、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。
ところで、本実施例では、B時短カウンタ及びC時短カウンタを設けることにより、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理できるようにしている。そして、上記の時短カウンタ再設定処理(S213)において、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしている。しかし、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていたとしても、表面的にあらわれる(遊技者が把握できる)時短性能は、内部的に重ねて実行されている上記二つの時短遊技状態のうち、いずれか一つの時短遊技状態についての時短性能のみである。そのため、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理せずに(すなわちB時短カウンタ及びC時短カウンタを設けずに)、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合に、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしてもよい。
S214において、メインCPU201は、時短態様設定処理を行う。この処理は、S211がNO判定の場合、すなわち、非時短遊技状態からB時短遊技状態に移行させて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、非時短遊技状態からC時短遊技状態に移行させて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)に行われる処理である。この処理では、B時短制御態様決定処理(S205)またはC時短制御態様決定処理(S207)で決定された時短回数と時短性能とが設定される。メインCPU201は、S214の処理を実行した後、処理を、S215に移す。
S215において、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S215の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
このように、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っている。本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、当り判定処理の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機の場合、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合が生じうる。このように、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合、メインCPU201は、小当り遊技状態が終了したことに基づいて、B時短遊技状態に移行させる処理を行うとよい。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っているが、これに限られず、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うようにしてもよい。とくに、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な第1のパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うことが好ましい。なぜなら、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときにB時短遊技状態に移行するようにすると、天井最終変動としてのいずれか一方の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が開始された場合、この他方の特別図柄の可変表示については、B時短遊技状態としての恩恵を受けることができなくなり、興趣が低下するおそれがあるからである。なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の可変表示が例えば600000msecといった長変動で行われることはない。ただし、このような長変動で特別図柄の可変表示が行われうるパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいてB時短遊技状態への移行処理を行うことにより、とくに天井最終変動である特別図柄の可変表示が長変動で行われる場合であっても、B時短遊技状態の開始の遅延を回避することができる。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)よりも優先して行うようにしている(図38のS203~S207を参照)が、これに限られない。例えば、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)を、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)よりも優先して行うようにしてもよい。
また、図35を参照して説明した上述の天井カウンタ更新処理では、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(図35のS171がNO判定)、天井カウンタを更新しないようにしているが、これに限られない。例えばST機や確変転落抽選を行うパチンコ遊技機では、確変フラグがオンである場合であっても特別図柄の可変表示が行われると天井カウンタを更新するようにしてもよい。この場合、天井カウンタが天井値に到達したとしても、B時短遊技状態に移行せず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、メインCPU201は、「天井カウンタ=天井値」となっただけではB時短遊技状態に移行させず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行させる処理を行うこととなる。
また、B時短遊技状態への移行条件である天井値は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の所定範囲内(例えば、2.5~3.0倍)であることが好ましい。本実施例では、例えば特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)に示されるように、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、天井値は、319×2.5~319×3.0(倍)の範囲内であることが好ましい。
また、B時短遊技状態の終了条件であるB時短規定回数の上限は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の規定倍数(例えば3.8倍)までとすることが好ましい。同様に、C時短遊技状態の終了条件であるC時短規定回数の上限についても、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母に規定数を乗じた値まで(例えば大当り確率の分母の3.8倍まで)とすることが好ましい。本実施例では、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、B時短規定回数およびC時短規定回数は、いずれも、概ね1212(319×3.8)を上限とすることが好ましい。なお、B時短規定回数の上限とC時短規定回数の上限とを同じ値とすることは必須ではない。
ところで、第1のパチンコ遊技機のように、例えば設定1~設定6といった大当り確率が異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセット可能であるパチンコ遊技機である場合、上述したとおり、時短当り確率は全設定値で共通の確率となっている。このような場合、B時短遊技状態への移行条件である天井値を、設定値にかかわらず大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に規定数(例えば3.0)を乗じた値とした場合、設定値に応じて天井値が異なることとなり、セットされている設定値が遊技者に看破されてしまうおそれがある。そこで、本実施例では、セットされた設定値がいずれであったとしても、天井値を、大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に対して規定数を乗じて決定するのではなく、設定値にかかわらず同じ値とすることが好ましい。
[1-6-18.時短管理処理にかかわる変形例]
なお、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理(以下「本実施例の時短管理処理」と称する)では、天井カウンタ更新処理(図35参照)を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)において実行している。また、B時短遊技状態への移行にかかわる処理を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理よりも優先して行うようにしている。さらに、B時短遊技状態への移行フラグ(天井フラグ)とC時短遊技状態への移行フラグ(時短当りフラグ)とを別個に設け、天井フラグがオンである場合にB時短遊技状態に移行させ、時短当りフラグがオンである場合にC時短遊技状態に移行させるようにしている。ただし、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミング、B時短遊技状態への移行とC時短遊技状態への移行との優先順位、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個にするか共通にするか、については、上記に限られず、様々なバリエーションで時短管理処理を行うことができる。
例えば、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、天井到達時に「時短当り」が非当選であることを確認した上でB時短遊技状態に移行させるようにしてもよい。
さらに、複数の時短遊技状態が重ねて実行されない場合、メインCPU201は、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きい場合に時短カウンタから1を減算する処理を行い、それ以外の場合には時短カウンタから1を減算しないようにするとよい。
[1-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図40を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS86でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図40は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S251)。
S251において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S251がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S251において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S251がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S252に移す。
S252において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S252の処理を実行した後、処理を、S253に移す。
S253において、メインCPU201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S253において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S253がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S254に移す。一方、S253において大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S253がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S257に移す。
S254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S254)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図27のS88参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S254の処理を実行した後、処理を、S255に移す。
S255において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S256)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S256の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S257において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S257の処理を実行した後、処理を、S258に移す。
S258において、メインCPU201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口131の開放回数、大入賞口131の最大開放時間、大入賞口131への最大入賞個数、大入賞口131への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口131の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU201は、S258の処理を実行した後、処理を、S259に移す。
S259において、メインCPU201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口131の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU201は、S259の処理を実行した後、処理を、S260に移す。
S260において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S260)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図27のS87参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S260の処理を実行した後、処理を、S261に移す。
S261において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S261の処理を実行した後、処理を、S262に移す。
S262において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S262の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-1.大入賞口開放制御処理]
次に、図41を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS87でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図41は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S271)。
S271において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S271がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S271において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S271がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S272に移す。
S272において、メインCPU201は、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口131への遊技球の入賞個数を計数するカウントスイッチ132(図6参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、カウントスイッチ132により計数された大入賞口入賞カウンタの値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。
S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S272がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S273に移す。
一方、S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S272がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S273において、メインCPU201は、大入賞口131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図40のS258参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S273がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していると判定された場合(S273がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S274において、メインCPU201は、大入賞口131の閉鎖設定処理を行う。メインCPU201は、S274の処理を実行した後、処理を、S275に移す。
S275において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S275)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S275の処理を実行した後、処理を、S276に移す。
S276において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S276の処理を実行した後、処理を、S277に移す。
S277において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S277の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-2.大当り終了処理]
次に、図42を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS88でメインCPU201により実行される大当り終了処理について説明する。図42は、第1のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S281)。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S281がNO判定の場合)、メインCPU201は、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S281がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S282に移す。
S282において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S282の処理を実行した後、処理を、S283に移す。
S283において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S283の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-7-3.普通図柄制御処理]
次に、図43を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS40でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図43に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図43は、第1のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図43に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。なお、図43に示される各処理は、便宜上、サブルーチンとして図示していない。
メインCPU201は、先ず、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S291)。
S291において普通図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S291がNO判定の場合)、メインCPU201は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、S41(図23参照)に戻す。
一方、S291において普通図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S291がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S292に移す。
S292において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S292の処理を実行した後、処理を、S293に移す。なお、メインCPU201は、S292の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S293以降の処理を行う。
S293において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示開始処理を行う。このS293の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理、普通図柄の変動パターン決定処理、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合には普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)設定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S294に移す。
S294において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示終了処理を行う。このS294の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この処理においてメインCPU201は、普通図柄の可変表示を終了する際の各種処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S295に移す。
S295において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS295の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この普通図柄遊技判定処理では、普通図柄の導出結果(例えば、普通図柄当りまたはハズレ)の判定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S296に移す。
S296において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS296の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この処理では、例えば、予め定められた態様で、普通電動役物146の開放処理が行われる。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S297に移す。
S297において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS297の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。メインCPU201は、この普通図柄当り終了処理を終了すると、普通図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、本実施例では、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるように、普通図柄の当り判定用乱数を例えば0~99の範囲(幅)で発生させ、例えば0~79を普通図柄当り判定値データとしている(非時短遊技状態の場合)。普通図柄当り確率は、普通図柄の当り判定用乱数の総乱数に対する普通図柄当り判定値データの数によって定められるため、例えば普通図柄の当り確率は、本実施例では100分の80である。この普通図柄当り確率は、本実施例では、時短制御が実行される場合と時短制御が実行されない場合と異なっているが、同じまたはほぼ同じとしてもよい。また、普通図柄の可変表示は、時短制御が実行されない非時短遊技状態では例えば600000msecと相対的に長時間にわたって実行されるのに対し、時短制御が実行される遊技状態では例えば1000msecと相対的に短時間しか実行されない。このようにして、時短制御が実行されると、普通電動役物開放処理の実行頻度すなわち第2始動口140への遊技球の入賞頻度が高められる。
[1-7-4.外部マスカブル割込処理]
次に、図44を参照して、メインCPU201の制御により実行される外部マスカブル割込処理について説明する。この処理は、例えば電断時等に発生する外部割込み要求に応じて行われる割込処理である。なお、図44は、第1のパチンコ遊技機における外部マスカブル割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S301)。メインCPU201は、S301の処理を実行した後、処理を、S302に移す。
S302において、メインCPU201は、I/Oポート205の所定の入力ポートの状態を読み出す。上記の所定の入力ポートは、例えば、電断検知ライン、バックアップクリアスイッチライン、センサ異常検知ライン、電波センサライン、開放検知ライン、磁気センサライン、振動センサライン、ソレノイド監視センサライン等の状態がセットされる入力ポートである。メインCPU201は、S302の処理を実行した後、処理を、S303に移す。
S303において、メインCPU201は、電断検知であるか否かを判定する。
S303において電断検知でないと判定された場合(S303がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS305に移す。一方、S303において電断検知であると判定された場合(S303がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS304に移す。
S304において、メインCPU201は、XINT検知フラグをセット(オンに)する。XINT検知フラグは電断することを示すフラグであり、XINT検知フラグの値は、メインRAM203の作業領域内のXINT検知フラグ領域に格納される。メインCPU201は、S304の処理を実行した後、処理を、S305に移す。
S305において、メインCPU201は、S301で退避させた保護レジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S305の処理を実行した後、処理を、S306に移す。
S306において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU201は、外部マスカブル割込処理を終了する。
[1-7-5.システムタイマ割込処理]
次に、図45を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図45は、第1のパチンコ遊技機において実行されるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S311)。
次いで、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する(S312)。XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定された場合(S312がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS326に移す。一方、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定された場合(S312がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS313に移す。
S313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。その後、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行い(S314)、処理を、S315に移す。
S315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、例えば起動制御フラグの値等に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。起動制御フラグは、電源投入時の起動状態が、電断復帰、設定変更、設定確認およびRAMクリア等のうちのいずれの状態であるかを判定するためのフラグである。例えば、電断復帰の場合は遊技許可状態であると判定され、設定変更、設定確認およびRAMクリア等である場合は遊技許可状態でないと判定される。
なお、起動制御フラグは、電源投入時における設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ情報の組合せで構成される。例えば、電源投入時に、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフであれば電断復帰、設定キー174およびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであれば設定変更、バックアップクリアスイッチ176がオフ且つ設定キー174がオンであれば設定確認、バックアップクリアスイッチ176がオン且つ設定キー174がオフであればRAMクリアと判定される。
S315において遊技許可状態でないと判定された場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定制御処理を行う(S316)。この設定制御処理では、設定変更処理または設定確認処理が行われる。すなわち、本実施例では、設定変更処理および設定確認処理は、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内で行われ、遊技許可状態でない場合すなわち遊技不許可状態である場合に行われる。設定制御処理(S316)を実行した後、メインCPU201は、処理を、S326に移す。なお、S316の設定制御処理の詳細については、図46を参照して後述する。
なお、遊技許可状態でない場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、発射装置6(図6参照)からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー174、バックアップクリアスイッチ176等)を除く各種スイッチの無効化、払出装置82からの賞球の払い出し禁止等を設定することが好ましい。
一方、S315において遊技許可状態であると判定された場合(S315がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S317に移す。
S317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S317の処理を実行した後、処理を、S318に移す。
S318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。メインCPU201は、S318の処理を実行した後、処理を、S319に移す。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(例えば2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
S319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S319の処理を実行した後、処理を、S320に移す。
S320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図51を参照して後述する。メインCPU201は、S320の処理を実行した後、処理を、S321に移す。
S321において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、入賞情報コマンド(払出情報)の設定処理が行われる。メインCPU201は、S321の処理を実行した後、処理を、S322に移す。
S322において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドが主制御回路200からサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S322の処理を実行した後、処理を、S323に移す。
S323において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S323の処理を実行した後、処理を、S324に移す。
S324において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170(図6参照)の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S324の処理を実行した後、処理を、S325に移す。
S325において、メインCPU201は、S323で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S325の処理を実行した後、処理を、S326に移す。
S326において、メインCPU201は、S311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[1-7-6.設定制御処理]
次に、図46を参照して、システムタイマ割込処理(図45参照)中のS316で行われる設定制御処理について説明する。図46は、第1のパチンコ遊技機における設定制御処理の一例を示すフローチャートである。
図46に示されるように、メインCPU201は、先ず、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S331)。
S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定された場合(S331がYES判定の場合)、メインCPU201は設定変更処理を行う(S332)。この設定変更処理の詳細については、図47を参照して後述する。設定変更処理(S332)の実行後、メインCPU201は、処理を、S335に移す。
一方、S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定された場合(S331がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S333に移す。
S333において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値であると判定された場合(S333がYES判定の場合)、メインCPU201は設定確認処理を行う(S334)。この設定確認処理の詳細については、図48を参照して後述する。設定確認処理(S334)の実行後、メインCPU201は、処理をS335に移す。
一方、S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値でないと判定された場合すなわちRAMクリアであると判定された場合(S333がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S337に移す。
S335において、メインCPU201は、設定操作表示処理を行う。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。メインCPU201は、S335の処理を実行した後、処理を、S336に移す。
S336において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、設定変更処理(S332)、設定確認処理(S334)または起動時初期設定処理(図25参照)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド、電断復帰コマンドまたは設定操作コマンド)がサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S336の処理を実行した後、処理を、S337に移す。
S337において、メインCPU201は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う。この処理(WDT出力処理)では、WDTクリアレジスタアドレスの読込処理、WDTのクリア処理およびWDTのリスタート処理がこの順で行われる。なお、他の処理では記載していないが、このWDT出力処理は適宜行われる。そして、S337の処理後、メインCPU201は、設定制御処理を終了し、処理を、システムタイマ割込処理(図45参照)に戻す。
[1-7-7.設定変更処理]
次に、図47を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS332で行われる設定変更処理について説明する。なお、図47は、第1のパチンコ遊技機における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、バックアップクリアスイッチ176が押下されたか否かを判定する(S341)。この処理は、I/Oポート205の入力ポートにセットされている情報を読み出して行われる。
S341においてバックアップクリアスイッチ176が押下されていないと判定された場合(S341がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS343に移す。一方、バックアップクリアスイッチ176が押下されたと判定された場合(S341がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S342に移す。
S342において、メインCPU201は、設定値の範囲内更新処理を行う。メインCPU201は、S342の処理を実行した後、処理を、S343に移す。
なお、本実施例では、設定変更処理において、バックアップクリアスイッチ176を操作することによって設定値を変更できるようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば設定スイッチを設けて、この設定スイッチを操作することによって設定値を変更できるようにしてもよい。
S343において、メインCPU201は、設定キー174がオフにされたか否かを判定する(S343)。
S343において設定キー174がオフにされていないと判定された場合(S343がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。一方、S343において設定キー174がオフにされたと判定された場合(S343がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S344に移す。
S344において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第1通常遊技前処理(S344)の実行後、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-8.設定確認処理]
次に、図48を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS334で行われる設定確認処理について説明する。なお、図48は、第1のパチンコ遊技機における設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、設定キー174がオフにされたか否かを判定する(S351)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図47参照)中のS343の処理と同様にして行われる。
S351において設定キー174がオフにされていないと判定された場合(S351がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
一方、S351において設定キー174がオフにされたと判定された場合(S351がYES判定の場合)、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う(S352)。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第2通常遊技前処理(S352)の実行後、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-9.第1通常遊技前処理]
次に、図49を参照して、設定変更処理(図47参照)中のS344で行われる第1通常遊技前処理について説明する。図49は、第1のパチンコ遊技機における第1通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第1通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰、設定変更および設定確認のいずれでもない場合、すなわちRAMクリア時の初期設定処理としても行われる。
メインCPU201は、先ず、初期化時RAM設定処理を行う(S361)。この処理では、電断時にバックアップデータが格納されるメインRAM203内の領域(以下、「バックアップ領域」と称する)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、性能表示モニタ制御処理(図45のS324参照)でデータが格納される領域はクリアされない。また、この処理では、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、遊技状態が初期化された状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。初期化時RAM設定処理(S361)の実行後、メインCPU201は、処理を、S362に移す。
S362において、メインCPU201は、初期化コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された初期化コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S362の処理を実行すると、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を終了する。この第1通常遊技前処理を終了すると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。
[1-7-10.第2通常遊技前処理]
次に、図50を参照して、設定確認処理(図48参照)中のS352で行われる第2通常遊技前処理について説明する。図50は、第1のパチンコ遊技機における第2通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第2通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
メインCPU201は、先ず、電断復帰時RAM設定処理を行う(S371)。この処理では、例えば、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、電断前と同じ遊技状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、電断復帰時RAM設定処理(S371)の実行後、処理を、S372に移す。
S372において、メインCPU201は、確変フラグがオンであるか否かを判定する。この処理は、メインRAM203内の作業領域に格納されたデータを読み込んで行われる。
S372において確変フラグがオンでないと判定された場合(S372がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS374に移す。
一方。S372において確変フラグがオンであると判定された場合(S372がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S373に移す。
S373において、メインCPU201は、確変報知フラグをオンにセットする。これは、電断復帰時における確変フラグの状態を報知するために行われる。確変報知フラグがオンである場合、メインCPU201は、例えば確変報知LED(不図示)が点灯されるよう制御する。これにより、電断復帰時に確変フラグがオンであるか否かを外観で把握することが可能となる。メインCPU201は、S373の処理を実行した後、処理を、S374に移す。
S374において、メインCPU201は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された電断復帰コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S374の処理を実行すると、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を終了する。
[1-7-11.スイッチ入力検出処理]
図51は、メインCPU201によるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、上述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図51に示すように、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を実行する(S381)。メインCPU201は、S381の処理を実行した後、処理を、S382に移す。始動口入賞検出処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う(S382)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S382の処理を実行した後、処理を、S383に移す。
次に、メインCPU201は、大入賞口通過検出処理を行う(S383)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口131への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S383の処理を実行した後、処理を、S384に移す。
次に、メインCPU201は、球通過検出処理を行う(S384)。球通過検出処理では、通過ゲート126への遊技球の通過検出を通過ゲートスイッチ127に検出されたことに基づいて普通図柄についての各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出する。なお、メインRAM203は、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)を有する。そして、球通過検出処理では、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否か、すなわち、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された普通図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かの判定も行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[1-7-12.始動口入賞検出処理]
図52は、メインCPU201による始動口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、上述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図52に示すように、メインCPU201は、先ず、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したか否かを判定する(S391)。
第1始動口スイッチ121で遊技球を検出していないと判定された場合(S391がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したと判定された場合(S391がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S392に移す。
S392において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S392の処理を実行した後、処理を、S393に移す。
S393において、メインCPU201は、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された第1特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。メインRAM203は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数を、始動条件が成立するまで保留する第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)の他に第1特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第1特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S393がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S393がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S394に移す。
S394において、メインCPU201は、第1特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S394の処理を実行した後、処理を、S395に移す。
S395において、メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第1特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S395の処理を実行した後、処理を、S396に移す。
S396において、メインCPU201は、先読み判定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)に先だって、S392で抽出した乱数値を用いて、特別図柄の変動パターンを決定したり、当り判定処理等を行う処理である。また、先読みフラグが設定されているか否かも判定する。
なお、先読み判定処理は、S392で乱数値を抽出してから特別図柄の当り判定処理が実行されるまでの間であれば、任意のタイミングで行ってよいが、特別図柄の可変表示が開始されるまでに、サブ制御回路300により先読み演出を行うことに鑑みると、例えばS395の処理の前後付近で行うことが好ましい。メインCPU201は、S396の処理を実行した後、処理を、S397に移す。
S397において、メインCPU201は、第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。第1特別図柄の入賞コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第1特別図柄の変動パターン情報(すなわち特別図柄の変動パターンコマンド)等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S397の処理を実行した後、処理を、S398に移す。
S398において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したか否かを判定する。
第2始動口スイッチ141で遊技球を検出していないと判定された場合(S398がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したと判定された場合(S398がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S399に移す。
S399において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S399の処理を実行した後、処理を、S400に移す。
S400において、メインCPU201は、第2始動口140への入賞に基づいて抽出された第2特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。
なお、メインRAM203は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数値を、始動条件が成立するまで保留する第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)の他に第2特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第2特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S400がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S400がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S401に移す。
S401において、メインCPU201は、第2特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S401の処理を実行した後、処理を、S402に移す。
S402において、メインCPU201は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第2特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S402の処理を実行した後、処理を、S403に移す。
S403において、メインCPU201は、第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う(S403)。第2特別図柄の入賞コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第2特別図柄の変動パターン情報等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S403の処理を実行した後、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
[1-8.サブ制御処理]
次に、図53を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
図53は、第1のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図53に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S501)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S502に移す。
なお、上述の初期化処理(S501)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS502~S508の処理が繰り返し実行される。
S502において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308(図6参照)の読込処理を行う。この処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200(図6参照)から送信されたコマンドを読み出して行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S503に移す。
S503において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S502の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S504に移す。
S504において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信された入賞コマンドに基づいて、表示装置7(図4、図6参照)に表示される表示演出の態様や、スピーカ32(図6参照)から出力される音演出の態様等が決定される。
演出態様決定処理(S504)において、サブCPU301は、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストを生成し、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S505に移す。
S505において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304(図6参照)に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S506に移す。
S506において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305(図6参照)に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S507に移す。
S507において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306(図6参照)に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S508に移す。
S508において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307(図6参照)に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路メイン処理を終了する。
[1-9.サブ制御回路による演出態様決定処理の具体例]
サブ制御回路300(より詳しくはサブCPU301)は、主制御回路200から送信された入賞コマンドに基づいて、演出態様決定処理(図53のS504を参照)を行う。
サブCPU301は、演出態様決定処理において行われる各種処理のうちの一処理として、例えば、今回の特別図柄変動(以下「当該変動」と称する)に対応するサブ変動演出の演出パターン(以下「サブ変動演出パターン」と称する)を決定するサブ変動演出パターン決定処理や、先読み演出の演出パターン(以下「先読み演出パターン」と称する)を決定する先読み演出パターン決定処理等を行う。また、演出態様決定処理では、天井カウンタが天井値に近付いていることを示唆する例えばカウントダウン演出の演出態様や、天井カウンタが天井値に到達したことを示唆するB時短遊技状態移行演出の演出態様の決定処理等、遊技の進行にかかわる様々な演出態様の決定処理についても行われる。
サブ変動演出パターン決定処理は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて行われる。サブ変動演出パターンは、当該変動の結果期待度を示す演出として、特別図柄の可変表示に伴ってサブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターン(例えば、装飾図柄の変動パターンやキャラクタ演出のパターン等)である。
サブ変動演出では、実行されるサブ変動演出パターンに応じて、特別図柄の可変表示が開始されてから特別図柄が停止するまでの時間の経過に伴って、特別図柄の当り判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
サブ変動演出パターンには、例えば後述の図54に示されるように、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,E等が含まれる。上述したとおり、時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
なお、例えば、B時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出の実行タイミングと、リーチ演出の実行タイミングとが重なった場合、サブCPU301は、いずれかの演出を優先して実行するようにするとよい。
先読み演出パターン決定処理は、先読み判定処理の結果として決定された例えば特別図柄の変動パターンに基づいて行われる。先読み演出は、先読み判定処理の結果に対する期待度を示す演出として、保留状態にあるとき(すなわち、第1始動口120に入賞した後、この入賞に基づいて抽出された各種乱数値等の始動情報が特別図柄の当り判定処理に供される(特別図柄の可変表示が開始される)までの間)に、サブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターンである。
先読み演出では、実行される先読み演出パターンに応じて、保留状態にあるときに、時間の経過(より詳しくは、先行して保留された始動情報についての可変表示の進行)に伴って、先読み判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
先読み演出は、例えば、表示装置7に表示される保留画像を用いて行われる。保留画像は、現在の保留状況を示す画像である。
先読み演出パターンには、先読み判定処理すなわち特別図柄の当り判定処理の結果種別(時短当りであるか大当りであるか)に対する期待値を示唆することが可能な先読み当り種別演出パターンと、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(大当りまたは時短当り)であることに対する期待値を示唆することが可能な先読み期待値演出パターンとが含まれる。すなわち、先読み演出では、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値と、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであることに対する期待値と、の両方またはいずれか一方を示唆することが可能である。また、先読み演出パターン決定処理(後述の図59参照)では、先読み当り種別演出パターン決定処理(後述の図59のS3006参照)と、先読み期待値演出パターン決定処理(後述の図59のS3008、S3009参照)とが行われる。先読み当り種別演出パターン、先読み期待値演出パターン、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理の具体例については後述する。
[1ー9-1.サブ変動演出パターン決定処理]
先ず、サブ変動演出パターン決定処理について説明する。図54は、時短フラグがオフの遊技状態(通常遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブル(詳細な説明は省略)の一例である。このサブ変動演出パターン決定テーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。なお、プログラムROM302には、時短フラグがオンの遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブルも記憶されているが、ここでは説明を省略する。
サブCPU301は、図54の通常遊技状態におけるサブ変動演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に対応する変動演出パターンとして、表示装置7に表示されるサブ変動演出パターン(図54において「変動パターン」と図示されている)を決定する。上述したとおり、本実施例では、サブ変動演出パターンに、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,Eが含まれている。
時短当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり時短当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、時短当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。時短当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや大当りである場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される時短当り確定リーチ演出である(図15参照)。この時短当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。時短当り系リーチBと時短当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、時短当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、時短当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄、図54、および後述の図55を参照)。
大当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり大当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、大当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。大当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや「時短当り」である場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される大当り確定リーチ演出である(図15参照)。この大当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。大当り系リーチBと大当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、大当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、大当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
共通リーチA,B,C,D,Eは、上述したとおり大当りおよび時短当りの何れの可能性もあることを示すリーチ演出であり、外観上は、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難なリーチ演出態様である。共通リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には表示されず、大当りまたは「時短当り」である場合に限り表示される当り(大当り、時短当り)確定リーチ演出である(図15参照)。共通リーチBと共通リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。また、共通リーチDは、共通リーチCから時短当り系リーチCに発展する演出である。さらに、共通リーチEは、共通リーチCから大当り系リーチCに発展する演出である。なお、共通リーチAおよび共通リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、共通リーチC、共通リーチD、および共通リーチEは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
このように、サブCPU301は、サブ変動演出パターン決定テーブル(図54参照)を参照し、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、サブ変動演出パターンを決定する。そして、サブCPU301は、決定されたサブ変動演出パターンが表示装置7に表示されるよう制御する。
[1-9-2.先読み演出パターン決定処理]
次に、先読み演出パターン決定処理として行われる、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理について説明する。
なお、ワークRAM303(図6参照)には、メインRAM203に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)、第1特別図柄始動記憶領域(2)、第1特別図柄始動記憶領域(3)、および第1特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第1サブ保留領域(0)、第1サブ保留領域(1)、第1サブ保留領域(2)、第1サブ保留領域(3)、および第1サブ保留領域(4)が設けられている。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)、および第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)には、抽出した乱数値にかかわる各種保留情報が格納されている。また、第1特別図柄始動記憶領域(0)および第1サブ保留領域(0)には、当該変動に対応する情報が格納されている。サブCPU301は、第1始動口入賞の入賞コマンドを受信すると、受信した情報を、今回の第1特別図柄始動記憶領域に対応する第1サブ保留領域に格納する。
また、ワークRAM303には、メインRAM203に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)、第2特別図柄始動記憶領域(2)、第2特別図柄始動記憶領域(3)、および第2特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第2サブ保留領域(0)、第2サブ保留領域(1)、第2サブ保留領域(2)、第2サブ保留領域(3)、および第2サブ保留領域(4)が設けられている。
本実施例では、通常遊技状態において第1特別図柄についての先読み演出が行われるものとするが、これに限られず、他の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)で行われるようにしてもよいし、第2特別図柄について行われるようにしてもよい。
先読み演出は、例えば、表示装置7の表示領域に表示される保留画像を用いて行われる。表示装置7の表示領域には、保留画像を表示する領域として、第1サブ保留領域(0)に対応する第0領域、第1サブ保留領域(1)に対応する第1保留領域、第1サブ保留領域(2)に対応する第2保留領域、第1サブ保留領域(3)に対応する第3保留領域、および第1サブ保留領域(4)に対応する第4保留領域が設けられている。
[1-9-2-1.先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
先ず、先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
ところで、決定された先読み当り種別演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態には、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態と、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態と、時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態とが含まれる。
先読み当り種別演出パターンは、保留画像の形態を、例えば、共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化させたり、共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化させたりすることにより、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値の変化を示唆することが可能な演出パターンである。
図55は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルの一例である。この図55では、図54に示される変動パターンのうち先読み対象の変動パターンのみを示している。また、図56は、先読み当り種別演出パターン決定テーブルの一例である。なお、これらのテーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
図55の先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルに示されるように、先読みフラグが設定されている変動パターンをサブCPU301が受信すると、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号を、例えば、変動パターンと保留数とに基づいて決定する。ここでいう保留数は、先読み対象の始動情報を含む。すなわち、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された始動情報が保留された場合、保留後の保留数が、図55に示される保留数に相当する。
例えば、変動パターンが「03H」であって保留数が「3」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「3」に決定される。また、例えば変動パターンが「0EH」であって保留数が「2」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「22」に決定される。
先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定されると、サブCPU301は、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルを参照し、先読み当り種別演出パターンを決定する。詳述すると、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルに示されるように、例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターンが決定される。
なお、図56では、便宜上、「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号」を「SASPT番号」と示し、「先読み当り種別演出パターン」を「SAS演出パターン」と示している。サブ演出選択用乱数値1は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。
例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「3」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「55」の場合、先読み当り種別演出パターンは「07H」に決定される。また、例えば先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「7」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「77」の場合、先読み当り種別演出パターンは「16H」に決定される。
なお、図56の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「A」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「B」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、大当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「C」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難である。
例えば、先読み当り種別演出パターンが例えば「07H」に決定された場合、第3保留領域では共通当り系先読み演出形態が表示され、第3保留領域からシフト後の第2保留領域においても共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化し、第1保留領域では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示される。
また、先読み当り種別演出パターンが例えば「16H」に決定された場合、第3保留領域では「C」の共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化、第2保留領域、および第2保留領域からシフトされた後の第1保留領域では、「B」の大当り系先読み演出形態が表示される。
すなわち、先読み当り種別演出パターンには、図56に示されるように、以下のイ)~ホ)のパターンが含まれる。なお、本実施例では、大当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化するパターン、および時短当り系先読み演出形態から大短当り先読み演出形態に変化するパターンについては、先読み当り種別演出パターンに含まれないが、これらのパターンを先読み当り種別演出パターンに含むようにしてもよい。
イ)保留された時点で時短当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、時短当り系先読み演出形態が表示される先読み時短当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「09H」)。
ロ)保留された時点で大当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り系先読み演出形態が表示される先読み大当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「17H」)。
ハ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態が表示され、その後、時短当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンA(例えば、先読み当り種別演出パターン「24H」)。
ニ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後、大当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンB(例えば、先読み当り種別演出パターン「12H」)。
ホ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後も演出形態が変化することなく、共通当り系先読み演出形態が表示される先読み共通当り演出パターンC(例えば、先読み当り種別演出パターン「06H」)。
このように、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(例えば、図55参照)を参照し、変動パターンと保留数とに基づいて、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)を決定する。そして、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、決定された先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)とサブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)を決定する。
なお、図56では、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンについては示されていないが、このように、「A」の時短当り系先読み演出形態から「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンがサブCPU301により決定されるようにしてもよい。このようにすることで、先読み演出によって遊技者に与えうる興趣を高めることが可能となる。
また、図56では、「B」の大当り系先読み演出形態は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(すなわちハズレの場合もある)ことを示す大当り系先読み演出形態であるが、これに加えて、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り確定であることを示す大当り確定先読み演出形態が表示されるようにしてもよい。この場合、サブCPU301により決定される先読み当り種別演出パターンに、以下のヘ)~チ)の先読み種別演出パターンのいずれかまたは全部が含まれるようにしてもよい。
ヘ)保留された時点で大当り確定先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り確定先読み演出形態が表示される先読み大当り確定演出パターンA。
ト)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「B」の大当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンB。
チ)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態が表示され、さらにその後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンC。
また、図56では、「A」の時短当り系先読み演出形態と「B」の大当り系先読み演出形態と「C」の共通当り系先読み演出形態とのうち、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高いが、これに限られない。例えば、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよいし、保留された時点では「B」の大当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよい。さらには、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も低くなるようにしてもよい。
また、図56では、全ての「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値1を割り当てているが、これに限られず、特定のSASPT番号に対してのみサブ演出選択用乱数値を割り当てない(すなわち、特定のSASPT番号の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-2-2.先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
次に、先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
図57は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)の一例である。また、図58は、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)の一例である。
ところで、決定された先読み期待値演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値に応じて演出形態が異なる。
時短当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は三角形であらわされる保留画像を、「四角形<五角形<六角形<円<星」といったように保留画像の形状を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が四角形である場合に期待値が最も低く、星である場合に期待値が最も高い。
また、大当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は白であらわされる保留画像を、「青<黄<緑<赤<虹」といったように保留画像の色を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が青である場合には期待値が最も低く、保留画像が虹である場合には期待値が最も高い。
なお、詳細は後述するが、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合については、保留画像を、例えば、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方であらわすようにしてもよいし、専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにしてもよい。
先読み演出が行われる保留画像は、期待値が相対的に低い演出形態から期待値が相対的に高い演出形態に変化可能であるものの、期待値が相対的に高い演出形態から期待値が相対的に低い演出形態には変化しない方が好ましい。また、保留画像の演出形態を変化させる際、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」や「青<黄<緑<赤<虹」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」や「黄→虹」に変化させてもよい。また、保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い四角形や青から開始させる必要はなく、例えば円や赤から開始させるようにしてもよい。
なお、図57の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、図56と同様に、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値の高さを示している。例えば、上述の「三角形」および「白」が「0」に相当し、上述の「四角形」および「青」が「1」に相当し、上述の「五角形」および「黄」が「2」に相当し、上述の「六角形」および「緑」が「3」に相当し、上述の「円」および「赤」が「4」に相当し、上述の「星」および「虹」が「5」に相当する。
以下、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」を、期待値レベル「0」~「5」と称する。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合の先読み期待値演出パターンは、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。同様に、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、先読み期待値演出パターンは、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。サブ演出選択用乱数値2は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。なお、図57および図58では、保留数が「1」~「3」の場合についてのみ図示し、保留数が「4」の場合の図示を、便宜上、省略している。
例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「750」の場合、先読み期待値演出パターンは「43H」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「43H」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「3」に変化し、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「3」から「5」に変化する。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「680」の場合、先読み期待値演出パターンは「3FH」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「3FH」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「4」に変化する。
このように、サブCPU301は、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)(図57参照)または先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)(図58参照)を参照し、保留数とサブ演出選択用乱数値2とに基づいて、先読み期待値演出パターンを決定する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合、各先読み期待値演出パターンの振分率は、図57に示される振分率に限られず、適宜変更可能である。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、期待値レベルが相対的に低い先読み期待値演出パターン(例えば、「01H」や「0BH」等)の選択率を高くする等により偏りを持たせているが、これに限られず、例えば均等振分にする等、適宜変更可能である。
また、図57や図58では、全ての「先読み期待値演出パターン」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値2を割り当てているが、これに限られず、特定の「先読み期待値演出パターン」に対してのみサブ演出選択用乱数値2を割り当てない(すなわち、特定の「先読み期待値演出パターン」の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-3.先読み演出パターン決定処理]
次に、図54~図58の各テーブルを参照してサブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理について、図59を参照して説明する。図59は、サブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理を示すフローチャートの一例である。なお、上述したとおり、本実施例において、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態においてのみ実行するが、これに限定されるものではない。
サブCPU301は、先ず、メインCPU201から送信される入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S3001)。
入賞コマンドを受信していない場合(S3001がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドを受信したと判定された場合(S3001がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3002に移す。
S3002において、サブCPU301は、先読み対象の保留が現時点でないか否か、すなわち、現在の保留に対して先読み演出が実行されているか否かを判定する。保留が複数存在する場合、複数の保留画像において先読み演出を行ってもよいが、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている。
現在の保留に対して先読み演出が実行されている場合(S3002がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、現在の保留に対して先読み演出が実行されていない場合(S3002がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3003に移す。
S3003において、サブCPU301は、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象であるか否か(図55参照)を判定する。
入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象でない場合(S3003がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3004に移す。
S3004において、サブCPU301は、天井値と天井カウンタとの差が例えば保留可能な上限数(例えば、4または8)より大きいか否かを判定する。この処理は、先読み演出を行ったにもかかわらず、先読み演出を行った保留について特別図柄の可変表示が実行される前に、B時短遊技状態に移行してしまうことを回避するためである。これにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3005に移す。
なお、本実施例では、S3004において、天井値と天井カウンタとの差が保留可能な上限数よりも大きいか否かを判定しているが、これに限られず、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定である場合)に、先読み対象を含めた保留数よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。また、天井値および天井カウンタは、メインCPU201から情報をコマンドとして受信してもよいし、メインCPU201とは別にサブCPU301が管理してもよい。
S3005において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(図55参照)を参照し、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3006に移す。
S3006において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、先読み当り種別演出パターンが決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3007に移す。
S3007において、サブCPU301は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」であるか否かを判定する。この処理では、メインCPU201から送信された入賞コマンドで受け取った変動パターン情報に基づいて特別図柄の当り判定処理の結果を判定し、この結果が「時短当り」または「大当り」である場合にYES判定される。ただしこれに限られず、特別図柄の当落情報をメインCPU201からサブCPU301に送信することで、「時短当り」または「大当り」を判定するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合(S3007がYES判定)、サブCPU301は、処理を、S3008に移す。
一方、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」および「大当り」のいずれでもない場合(S3007がNO判定)、サブCPU301は、処理を、S3009に移す。
S3008において、サブCPU301は、先読み期待値演出パターン(当り時)決定処理を行う。この処理では、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)を参照し、先読み演出パターン(当り時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
また、S3009において、サブCPU301は、ハズレ時先読み演出パターン決定処理を行う。この処理では、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)を参照し、先読み期待値演出パターン(ハズレ時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
[1-9-4.先読み演出が行われることによる作用効果、先読み演出の拡張例]
上述した先読み演出では、保留画像の形態変化により、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに変化していくのかといった面白みのみならず、当り(大当り、時短当り)の期待値レベルを変化させることが可能であり、これまでにない新たな演出を行うことにより興趣を高めることが可能となる。なお、保留画像の形態を変化させるタイミングは、保留がシフトする際に限られず、例えば当該変動の特別図柄の可変表示中であってもよい。
また、先読み演出として行われる保留画像の形態(例えば、第1サブ保留領域(4)~第1サブ保留領域(1)の範囲内で表示される保留画像の形態)については第1始動口120への入賞時に決定し、当該変動の特別図柄の可変表示における保留画像の形態については特別図柄の可変表示の開始時に決定するようにしてもよい。
ところで、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「03H」、「0EH」を参照)に決定される確率と、先読み大当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「06H」、「11H」を参照)に決定される確率とを比較すると、前者の確率の方が高い(例えば、図15参照)。すなわち、先読み演出の実行割合は、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合の方が高い。したがって、大当りの可能性がある場合にのみ先読み演出が行われていた従来のパチンコ遊技機と比べて、当りの期待値の低下を抑制しつつ先読み演出の実行頻度を高めることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合を、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも高くしてもよい。この場合、先読み演出が実行されると、時短当りに対する期待値よりも大当りに対する期待値の方が高いため、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例では、確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では、通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、特別図柄の当り判定処理において「時短当り」に当選しうる(図10参照)。ただし、本実施例では、通常遊技状態では先読み演出が行われるものの、低確時短遊技状態では先読み演出が行われない。低確時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、A時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行する場合、およびA時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行しない場合のいずれにおいても、時短回数が増加する可能性は低い。そのため、A時短遊技状態において「時短当り」に当選した可能性があることを、極力遊技者に知られないようにすることで、「時短当り」に当選したことによって遊技者に与える落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、低確時短遊技状態では先読み演出が行われないようにすることは必須ではなく、通常遊技状態のみならず低確時短遊技状態や高確低時短遊技状態においても先読み演出が行われるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄についてのみ先読み演出が行われるようにしているが、これに限られず、第2特別図柄についても先読み演出が行われるようにしてもよい。
また、本実施例では、上述したとおり、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチ、大当り系リーチ、または共通リーチが実行されうる。本実施例では、図15、図54~図56を参照すると分かるように、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチを実行し、大当り系リーチを実行しない。また、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、大当り系リーチを実行し、時短当り系リーチを実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンまたは先読み共通当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行可能である。ただし、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行しない。
また、先読み大当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)「37H」)と、先読み時短当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン「29H」)と、先読み共通当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み演出パターン(SAS演出パターン)「27H」)とのいずれが実行された場合であっても、サブCPU301は、サブ変動演出パターンとして共通リーチ(例えば、図55に示されるサブ変動演出パターン「0AH」、「0BH」)を実行するようにしてもよい。
また、時短当り系リーチを実行し、該時短当り系リーチでハズレを明示した後に、大当り系リーチを実行する演出パターンを設けてもよい。この場合、利益率の高い大当り系リーチが実行されるか否かを最後まで遊技者が期待感をもって遊技を行うことができるようになるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図15に示されるように、先読み演出が実行された始動情報について行われる特別図柄の可変表示(以下「ターゲット変動」と称する)において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、大当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、大当り系リーチCに移行しない。同様に、ターゲット変動において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、時短当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、時短当り系リーチCに移行しない。
ところで、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている(S3002を参照)。そのため、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「大当り先読み演出」と称する)がすでに実行されている場合にも、サブCPU301は、新たな先読み演出を実行しない。なお、複数の保留画像において先読み演出が行われるパチンコ遊技機であったとしても、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、新たな先読み演出を実行しないことが好ましい。
例えば、任意の一の保留(以下「第1の保留」と称する)と、この第1の保留よりも後に特別図柄の可変表示が開始される他の保留(以下「第2の保留」と称する)とを含む複数の保留が存在し、第1の保留において先読み大当り演出パターン(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「17H」)が実行されている場合、第2の保留において先読み演出が実行されたとしても、この第2の保留における先読み演出が意味をなさないものとなる可能性がある。とくに、第1の保留について大当りが導出されて大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御された場合、第2の保留について例えば「時短当り」が導出されたとしても、この「時短当り」の恩恵を遊技者が受けることができない可能性があり、この場合、興趣の低下が著しい。そこで、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、大当り先読み演出が実行されている保留よりも後に消化される保留についての先読み演出を実行しないようにすることが好ましい。
なお、第1の保留が大当りの保留(大当りが導出される保留)であったとしても、第1の保留について先読み演出が実行されていない場合には、第2の保留において先読み演出を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
また、第1の保留においてガセの大当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「53H」)が実行されている場合にも、第2の保留において先読み演出を実行しないことが好ましい。
ただし、第1の保留において時短当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「05H」)が実行されている場合は、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に時短当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含まないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、第1の保留において小当り先読み演出が実行されている場合にも、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含む場合、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「小当り先読み演出」と称する)が第1の保留において実行されている場合、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出が実行されるようにしてもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い小当りを期待させることが可能となるためである。
また、サブ変動演出パターンとして大当り系リーチの実行中に例えば第1始動口120に入賞して始動情報が保留された場合、サブCPU301は、この保留について先読み演出を実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、通常遊技状態でのみ先読み演出を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留について先読み演出が実行された場合および先読み演出が実行されていない場合のいずれであっても、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態でなければ、特定保留に対して先読み演出を実行しない。ただし、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態であったとしても、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。さらには、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において先読み演出を実行するパチンコ遊技機であったとしても、大当り表示態様が導出されたときに特定保留がある場合、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。
また、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留がたとえ「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御されないようにしてもよい。例えば、時短遊技状態が重複した場合に複数の時短遊技状態を重ねて実行しない仕様であって、大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御される場合であれば、特定保留が「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、「時短当り」に基づくC時短遊技状態を実行しないこととなる。
[1-10.先読み演出の具体例]
以下に、先読み演出の具体例について、図60~図64を参照して説明する。本実施例では、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、保留画像を用いた先読み演出を実行可能となっている。
[1-10-1.先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
上述したとおり、先読み演出パターンには、先読み当り種別演出パターンと、先読み期待値演出パターンとが含まれる。ここでは先ず、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図60を参照して説明する。
図60(a)~図60(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図60(a)~図60(f)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「1CH」、「3CH」、「58H」、または「78H」に相当する。また、図60(a)~図60(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図60(a)~図60(f)に示されるように、表示装置7の表示領域7aには、第1保留領域411~第4保留領域414が表示されている。上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414は、それぞれ、第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)に保留情報が記憶されているか否かを示す領域である。また、第0領域410は、当該変動に対応する情報が記憶されている第1サブ保留領域(0)に対応する領域である。
本実施例では、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されている場合、サブCPU301は、保留情報が記憶されている第1サブ保留領域に対応する保留領域411~414を、三角形で示される保留画像(以下、単に「保留画像」と称する)で表示するようにしている。また、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されていない場合、サブCPU301は、保留画像を表示せず、保留領域の枠のみを表示するようにしている。
図60(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。これは、第1サブ保留領域(1)~(3)に保留情報が記憶されており、第1サブ保留領域(4)には保留情報が記憶されていないことを示す。
図60(b)では、図60(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。これは、図60(a)に示される状態から、第1サブ保留領域(4)に保留情報が新たに記憶されたことを示す。
サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色)を、大当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、虹を除いて、色の違いを色の濃淡で図示している。
本実施例では、図60(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の色は白(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の色は青(期待値レベル「1」)である。
図60(c)は、図60(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の色が、第3保留領域413にシフトされる際に、青から黄(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図60(d)は、図60(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の色が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄から緑(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図60(e)は、図60(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の色が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑から赤(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図60(f)は、図60(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の色が、第0領域410にシフトされる際に、赤から虹(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
また、大当りに対する期待値を示す保留画像の色(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図60では、大当り系先読み演出形態を変化させて、大当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、大当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
[1-10-2.先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図61を参照して説明する。
図61(a)~図61(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図61(a)~図61(f)に示される先読み時短当り種別演出パターンは、図56の「0EH」、「2EH」、「4AH」、または「6AH」に相当する。また、図61(a)~図61(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図61(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図61(b)では、図61(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば形状)を、時短当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。
このように、本実施例では、大当りに対する期待値については保留画像の色であらわし、時短当りに対する期待値については保留画像の形状であらわしている。
本実施例では、図61(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の形状は三角形(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の形状は四角形(期待値レベル「1」)である。
図61(c)は、図61(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の形状が、第3保留領域413にシフトされる際に、四角形から五角形(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図61(d)は、図61(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形状が、第2保留領域412にシフトされる際に、五角形から六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図61(e)は、図61(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形状が、第1保留領域411にシフトされる際に、六角形から円(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図61(f)は、図61(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の形状が、第0領域410にシフトされる際に、円から星(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状は、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」に変化させてもよい。
また、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図61では、時短当り系先読み演出形態を変化させて、時短当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-3.先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図62を参照して説明する。
図62(a)~図62(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。共通当り系先読み演出形態の変化には、当り(時短当り、大当り)の期待値レベルが変化するものと、当りの種類が大当りであるか時短当りであるかが明瞭なものに変化するものとが含まれる。なお、図62(a)~図62(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図62(a)~図62(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57の「43H」に相当する。
本実施例では、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方を表示することで、あらわしている。
図62(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図62(b)では、図62(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色および形状)を、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、先読み演出が実行されない場合または当りに対する期待値が最も低い場合、保留画像を白の三角形で表示し、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順で短当りに対する期待値が高くなる。
本実施例では、図62(b)において、第1保留領域411および第2保留領域412に示される保留画像の形態は、白の三角形(期待値レベル「0」)であり、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、黄の五角形(期待値レベル「2」)である。
図62(c)は、図62(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(b)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形態が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄の五角形から緑の六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図62(d)は、図62(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑の六角形(期待値レベル「3」の共通当り系先読み演出形態)から虹の三角形(期待値レベル「5」の大当り系先読み演出形態)に変化したことを示す画像である。
すなわち、図62(b)および図62(c)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示す形態であるのか時短当りに対する期待値を示す形態であるのかを、保留画像の形態から把握することが困難な演出である。これに対し、図62(d)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示すものであって、しかもその期待値が極めて高い形態(例えば期待値レベル「5」)であることを把握することが可能なものである。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて、先読み演出を、時短当りに対する期待値を示す先読み時短当り演出パターンと、大当りに対する期待値を示す先読み大当り演出パターンと、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値を示す先読み共通当り演出パターンとのうち、いずれかのパターンで先読み演出を実行可能に構成されている。そして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が実行された場合には、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに保留画像が変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば、「黄の五角形(共通当り系先読み演出形態)→赤の三角形(大当り系先読み演出形態)」に変化させてもよいし、「緑の六角形(共通当り系先読み演出形態)→三角形の星(時短当り系先読み演出形態)」に変化させてもよい。また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い青の四角形から開始させる必要はなく、例えば赤の円から開始させるようにしてもよい。
また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図62では、共通当り系先読み演出形態を変化させて、いずれかの当り(大当りまたは時短当り)が導出される期待値を変化させたり、期待できる当りが不明の状態から大当りに変化させたりしているが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・共通当り系先読み演出形態から大当り確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・共通当り系先読み演出形態からから大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-4.共通当り系先読み演出形態の変形例]
なお、保留画像の形態として、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態は、必ずしも、大当りに対する期待値を示す色と、時短当りに対する期待値を示す形状との両方であらわす形態に限定されない。これに代えて、例えば、専用の共通当り系先読み演出形態を設けるようにしてもよい。専用の共通当り系先読み演出形態を設ける場合、大当りと時短当りとの両方に期待感を持てることができるようになるとともに、それぞれの期待値が不明であることから、今後の演出態様の変化に期待感を持って遊技を行うことができるようになり、興趣を向上することができる。
図63(a)~図63(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図63(a)~図63(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図63(a)~図63(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
また、図64(a)~図64(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図64(a)~図64(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「07H」、「27H」、「43H」、または「63H」に相当し、図64(a)~図64(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
図63(a)および図64(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図63(b)では、図63(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
同様に、図64(b)では、図64(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
図63(b)および図64(b)でのいずれにおいても、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、専用の共通当り系先読み演出形態であって、例えば光り輝く形態である。光の輝度の度合いを変更することにより、期待値レベルを変えることができる。
図63(c)は、図63(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
同様に、図64(c)は、図64(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
図63(d)は、図63(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から赤の三角形(大当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
一方、図64(d)は、図64(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から白の円(時短当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
このように、先読み演出形態を専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにした場合であっても、専用の共通当り系先読み演出形態から、大当り系先読み演出形態および時短当り系先読み演出形態のいずれに変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
[1-11.機外に出力される信号]
次に、外部端子板184(図6参照)から第1のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)、各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号について説明する。なお、本実施例では、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について説明するが、第1のパチンコ遊技機の機外からの信号を入力可能であってもよい。
本実施例において、外部端子板184(図6参照)は、第1のパチンコ遊技機の機外に信号を出力するためのコネクタとしてCH1~CH12を有する。外部端子板184の各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号は、例えば、「賞球情報1」、「扉・枠開放」、「外部情報1」~「外部情報8」、「賞球情報2」および「セキュリティ」の各種信号である。ただし、各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の種類は、これらに限られず、これらの信号の他に機外に出力される信号があってもよいし、これらのうちのいずれかの信号が出力されないように構成されていてもよい。
図65は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図65に示されるように、CN1からは「賞球情報1」の信号が出力され、CH2からは「扉・枠開放」の信号が出力され、CH3~CH10からはそれぞれ「外部情報1」~「外部情報8」の各信号が出力され、CH11からは「賞球情報2」の信号が出力され、CH12からは「セキュリティ」の信号が出力される。なお、第1のパチンコ遊技機から機外への信号の出力条件は、図65に示されるとおりである。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のタイミングチャートの一例を、「賞球情報1」の信号を例に挙げて説明する。なお、図65に示されるように、本実施例では、「賞球情報1」の信号は、賞球払出10個毎に120msec出力される。
図66は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のうち、「賞球情報1」の信号のタイミングチャートの一例である。
図66に示されるように、払出検出スイッチ(不図示)は、賞球が1個払い出される都度、オフからオンになる。なお、上述したとおり、本実施例では、大入賞口131(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば10個の賞球が払い出され、始動口(第1始動口120または第2始動口140(いずれも図4参照))に遊技球が入賞した場合は例えば3個の賞球が払い出され、一般入賞口122(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば4個の賞球が払い出される。
そして、メインCPU201(図6参照)は、賞球が10個払い出される都度、「賞球情報1」の信号を、例えば120msecの間、第1のパチンコ遊技機の機外に出力する。より詳しくは、メインCPU201は、「賞球情報1」の信号の前回の出力時を起点として10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで、例えば120msecの間、「賞球情報1」の信号を出力する。なお、「賞球情報1」の信号を、10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで出力することは一例にすぎず、例えば10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになってからオフになるまでの間であればよい。また、「賞球情報1」の信号を、賞球が10個払い出される都度出力したり120msecの間出力することについても一例にすぎず、「賞球情報1」の信号の出力タイミングや出力時間については適宜設定することができる。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の一つである「セキュリティ」の信号の一例について説明する。「セキュリティ」の信号は、主としてエラー発生時に出力される信号である。
図67は、第1のパチンコ遊技機におけるエラーの概要の一例を示す表であって、より詳しくは、エラー名称毎に、主制御回路200での発生契機、主制御回路200(図6参照)での解除契機、「セキュリティ」の信号(図67では「セキュリティ信号」と図示)の出力時間および備考を示す表である。
なお、第1のパチンコ遊技機は小当り用大入賞口を備えないが、図67には、便宜上、小当り用大入賞口異常入賞エラーについても記載している。また、図67では、大入賞口131を大当り用大入賞口と記載している。
なお、図67に示されるエラーの概要は一例であって、これらのうちの一部のみをエラーであると判断するようにしてもよいし、例えば、図67に示されないものをエラーと判断するようにしてもよい。図67に示されないもののエラーと判断されるものとしては、例えば、ソレノイド監視センサ(不図示)が所定時間以上にわたってオンまたはオフであったりした場合のソレノイド監視センサエラー、大入賞口(大当り用大入賞口または小当り用大入賞口)の内部に未排出の遊技球があったり大入賞口未開放時に大入賞口内に入賞があった場合の大入賞口入排出異常エラー、振動センサが所定時間にわたってオンである場合の振動センサエラー等が相当する。また、例えば大当り用大入賞口内に特定領域を設け、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、大当り遊技制御の終了後に確変制御が実行される仕様である場合には、特定領域への通過異常や、大当り用大入賞口の内部に未排出の遊技球が存在しないにもかかわらず特定領域を遊技球が通過した場合等にも、エラーと判断するように構成すると好ましい。
メインCPU201(図6参照)は、エラーが発生したと判断すると、サブCPU301(図6参照)に不正検知関連コマンドを送信する。不正検知関連を受信したサブCPU301は、エラーの内容に応じた報知制御を実行する。
以下に、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生した場合を例に挙げて、メインCPU201およびサブCPU301(いずれも図6参照)による制御について簡単に説明する。
図67に示されるように、例えば、初期電源投入後、1回目の大当り用大入賞口が開放される前に1個の入賞検出があると、メインCPU201(図6参照)は、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したと判断し、「セキュリティ」の信号を、12秒の間出力する。また、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したことを示す不正検知関連コマンドをサブCPU301(図6参照)に送信する。
なお、本実施例では、図67に示されるように、いずれのエラーであっても「セキュリティ」の信号の出力時間が12秒であるため、機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、「セキュリティ」の信号を受信することによってエラーの発生を把握することはできるものの、エラーの内容まで把握することができない。ただし、これに限られず、例えば、「セキュリティ」の信号の出力時間をエラーの内容に応じて変える等により、「セキュリティ」の信号を受信した機外の装置がエラーの内容を把握できるようにしてもよい。
サブCPU301(図6参照)は、例えば大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信すると、例えば以下に示す報知制御の全部または一部を実行し、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過すると、以下に示す報知制御を終了する。
・表示制御回路304を介して表示装置7(いずれも例えば図6参照)に例えば「大入賞口異常入賞エラー」の文字を表示する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32(いずれも例えば図6参照)から例えば「大入賞口異常入賞エラーです」の音声を出力する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32から例えばビープ音を出力する報知制御。
・LED制御回路306を介してLED群46(いずれも例えば図6参照)を例えば赤色で全点灯させる報知制御。
なお、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過する前に電断があった場合、サブCPU301は、上述の報知制御を終了する。
また、サブCPU301は、例えば、大当り用大入賞口異常入賞エラーの発生を示す上述の報知制御の実行中に、大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信した場合、上述の報知制御を再度実行し直す。
次に、遊技状態に応じて第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について、図68を参照して説明する。図68は、第1のパチンコ遊技機において、遊技状態に応じて機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図68において、出力される信号を〇で示し、出力されない信号を×で示す。
図68に示されるように、本実施例では、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて、出力される信号が異なっている。例えば、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)はいずれの信号も出力されず、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報7」の信号が出力され、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」、「外部情報5」および「外部情報7」の信号が出力され。また、高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機では、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報6」の信号が出力される。
このように、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて出力される信号が異ならせることにより、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機における遊技の状態を把握することが可能となる。
なお、本実施例では、図68に示されるように、小当り遊技制御処理中(通常遊技状態中)に出力される信号は、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)に出力される信号と同じである。同様に、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)に出力される信号は、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)に出力される信号は、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確非時短遊技状態中)に出力される信号は、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じである。すなわち、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機において、小当り遊技制御処理が実行されているか否かを把握することができない。ただし、これに代えて、小当り遊技制御処理中に出力される信号を、小当り遊技制御処理中でない場合に出力される信号と異ならせることにより、外部情報送信元のパチンコ遊技機において小当り遊技制御処理が実行されているか否かを、信号を受信可能な機外の装置側で把握できるようにしてもよい。
また、図68に示される低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)および小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)は、時短制御の実行中に出力される信号である。この場合、電サポ制御および特図短縮制御の両方が実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち電サポ制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち特図短縮制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよい。
また、上述の第1のパチンコ遊技機についての説明では、メインCPUの制御により、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とに制御可能である(A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能が搭載されている)ことを前提として説明したが、これに限られない。例えば、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、いずれか一つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能及びC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。また、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、二つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能、及び、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。
また、例えばST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、大当り遊技状態の終了後、100%の確率で確変フラグがオンにセットされるパチンコ遊技機では、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のいずれも搭載しないように構成してもよい。
[2.第2のパチンコ遊技機]
次に、第2のパチンコ遊技機について説明する。第2のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。ただし、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能である点において第1のパチンコ遊技機と異なる。それ故、遊技盤ユニットおよび電気的構成についても、第1のパチンコ遊技機と異なる点がある。
以下、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板1184(後述の図70参照)から第2のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ1186(後述の図70参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
また、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第2のパチンコ遊技機の説明において新たに採用した図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
ところで、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
[2-1.遊技盤ユニット]
図69は、第2のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット1010の外観を示す正面図の一例である。図69に示されるように、遊技盤ユニット1010には遊技領域1105が形成されている。
なお、第2のパチンコ遊技機の遊技領域1105に配置される各種部材(例えば第1始動口1120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105(図4参照)に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図69に示されるように、遊技盤ユニット1010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1105が形成される遊技パネル1100と、ガイドレール1110と、遊技領域1105の略中央部に配置されるセンター役物1115と、第1始動口1120と、一般入賞口1122と、通過ゲートユニット1125と、特別電動役物ユニット1130と、第2始動口1140A,1140Bと、普通電動役物ユニット1145と、小当りユニット1150と、LEDユニット1160と、アウト口1178と、遊技盤ユニット1010の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、LEDユニット1160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第2のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル1100には、表示装置1007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル1100の前面には、ガイドレール1110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール1110から遊技領域1105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域1105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル1100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル1100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル1100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル1100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール1110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域1105は、ガイドレール1110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置1006(後述の図70参照)から発射された遊技球を遊技領域1105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物1115は、遊技パネル1100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール1116を備えている。遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、センターレール1116によって左右に振り分けられる。
発射装置1006によって遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、左側領域1106または右側領域1107を流下する。左側領域1106または右側領域1107を流下する遊技球は、遊技パネル1100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域1106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域1107を流下する。
また、センター役物1115には、左側の外周縁部に、左側領域1106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1117が形成されている。ワープ入口1117に進入した遊技球は、センター役物1115に形成されたステージ1118に誘導可能に構成されている。ステージ1118は、表示装置1007の表示領域の下方前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ1118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ1118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口1119が形成されており、チャンス入口1119に進入した遊技球は、第1始動口1120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口1119に進入した遊技球は、ワープ入口1117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口1117に進入したもののチャンス入口1119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口1120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口1120は、表示装置1007の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口1120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口1120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口1120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により第1始動口1120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口1120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口1122は、表示装置1007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口1122に遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により一般入賞口1122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口1122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口1122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口1122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート1126と、通過ゲート1126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された普通図柄の始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された普通図柄の始動情報は、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に代えてまたは加えて左側領域1106に配置されていてもよい。
また、通過ゲート1126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。すなわち、大当りでない遊技状態(例えば通常遊技状態等)から大当り遊技状態への移行条件は、条件装置および役物連続作動装置の両方が作動することであるが、大当りであることを示す停止表示態様(図柄組合せ)が導出された際に、条件装置については作動させるものの役物連続作動装置については作動させないようにすることができる。そして、条件装置が作動していることを前提として、通過ゲート1126への遊技球の通過すなわち通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)により遊技球が検出されたことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット1130は、大当り用大入賞口1131と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)を検出する大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)と、特別電動役物1133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット1130は、右側領域1107において、通過ゲートユニット1125よりも下方に配置されている。
大当り用大入賞口1131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大当り用大入賞口1131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置したり、センター役物1115の上部において遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大当り用大入賞口1131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)により大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物1133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ1134と、この特電用シャッタ1134を作動させる特電用ソレノイド1135(後述の図70参照)とを備える。特別電動役物1133すなわち特電用シャッタ1134は、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り用大入賞口1131の閉鎖状態から開放状態への状態移行は、所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大当り用大入賞口1131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
本実施例では、第2始動口として、第2始動口1140Aおよび第2始動口1140Bが遊技領域1105に配置されており、これらの第2始動口1140A,1140Bは、いずれも、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口1140Aまたは/および第2始動口1140Bに入賞可能であってもよい。
第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141A(後述の図70参照)により検出される。また、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141B(後述の図70参照)により検出される。第2始動口1140A,1140Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第2始動口スイッチ1141A,1141B(後述の図70参照)により第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。一方、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
ところで、本実施例では、右打ちされたものの大当り用大入賞口1131に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、遊技球の流下経路として上下に2つの流下経路1107a,1107bが形成されている。右打ちされて大当り用大入賞口1131に入賞せずにさらに下流側に向けて流下した遊技球は、例えば図69に示される分岐釘1108によって、上方の流下経路1107aまたは下方の流下経路1107bに振り分けられる。
第2始動口1140Aは、上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されており、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが入賞可能となっている。ただし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが第2始動口1140Aに入賞するように構成することは必須ではなく、例えば、第2始動口1140Aへの入賞が殆ど期待できない構成であってもよいし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球のうち所定の期待値(例えば、概ね3分の1~5分の1)で入賞可能な構成であってもよい。なお、上方の流下経路1107aを流下したものの第2始動口1140Aに入賞しなかった遊技球は、アウト口1178から機外に排出されるように構成されている。
第2始動口1140Bは、下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されているが、その詳細については普通電動役物ユニット1145の説明において後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット1145は、下方の流下経路1107b側に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物1146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口1140Bとし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ1141Bとしている。ただし、上記の入賞口を第2始動口1140Bとすることは必須ではなく、例えば第1始動口を上記の入賞口としてもよい。
普通電動役物1146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ1147と、この普電用シャッタ1147を作動させる普電用ソレノイド1148(後述の図70参照)とを備える。普通電動役物1146すなわち普電用シャッタ1147は、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ1147に代えて、所謂電動チューリップと呼ばれる例えば羽根部材からなる可動部材を採用してもよい。また、可動部材は、一対に限られず、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(小当りユニット)
小当りユニット1150は、小当り用大入賞口1151と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)を検出する小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)と、前後方向に進退可能な小当り用シャッタ1153と、この小当り用シャッタ1153を作動させることが可能な小当り用ソレノイド1154とを一体化したユニット体である。
小当り用シャッタ1153は、前後方向に進退させることで、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。
小当り用大入賞口1151が開放されたときに遊技球が入賞すると、入賞した遊技球が小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)に検出される。小当り用大入賞口カウントスイッチ1152に遊技球が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
また、小当りユニット1150は、下方の流下経路1107bであって普通電動役物ユニット1145の下流側に配置されている。したがって、普通電動役物1146の作動によって第2始動口1140Bが開放されている場合、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、下方の流下経路1107bを流下した遊技球は小当り用大入賞口1151に到達する前に、上流側に設けられる第2始動口1140Bに入賞するため、小当り用大入賞口1151に入賞することが困難(または不可能)となる。
なお、本実施例では、大当り用大入賞口1131と小当り用大入賞口1151とをそれぞれ別に設けているが、これに限られず、大当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口と、小当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口とを、同じ大入賞口としてもよい。
(アウト口)
アウト口1178は、遊技領域1105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口1120、第2始動口1140A,1140B、大当り用大入賞口1131、一般入賞口1122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口1178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域1105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口1178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口1122の間や普通電動役物ユニット1145と小当りユニット1150との間等にアウト口を設けて、遊技領域1105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、装飾体を有するものであって、上述したように、透過性のある遊技パネル1100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路1300(後述の図70参照)によって制御される可動役物等の演出用役物群1058を備える。演出用役物群1058は、例えば表示装置1007の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群1058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[2-2.電気的構成]
次に、図70を参照して、第2のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図70は、第2のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第2のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図70に示されるように、第2のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路1300と、払出・発射制御回路1400と、電源供給回路1450と、から構成される。
[2-2-1.主制御回路]
主制御回路1200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU1201、メインROM1202(読み出し専用メモリ)、メインRAM1203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路1204およびバックアップコンデンサ1207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU1201には、メインROM1202、メインRAM1203および初期リセット回路1204等が接続される。メインCPU1201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM1202には、メインCPU1201により第2のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU1201は、メインROM1202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM1203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM1203は、メインCPU1201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU1201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路1204は、メインCPU1201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ1207は、電断時等に、メインRAM1203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路1200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート1205、および、サブ制御回路1300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート1206等も備える。
また、主制御回路1200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路1200には、普通図柄表示部1161、普通図柄用保留表示部1162、第1特別図柄表示部1163、第2特別図柄表示部1164、第1特別図柄用保留表示部1165、第2特別図柄用保留表示部1166、確変報知用表示部1167、時短報知用表示部1168、普電用ソレノイド1148、特電用ソレノイド1135、および、小当り用ソレノイド1154等が接続されている。また、主制御回路1200には、これらの他、性能表示モニタ1170およびエラー報知モニタ1172等も接続されている。主制御回路1200は、I/Oポート1205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ1170には、メインCPU1201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ1172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ1172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路1200には、第1始動口スイッチ1121、第2始動口スイッチ1141A,1141B、通過ゲートスイッチ1127、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、一般入賞口スイッチ1123および小当り用大入賞口カウントスイッチ1152等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート1205を介して主制御回路1200に出力される。
さらに、主制御回路1200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ1186にデータ送信する際に用いる外部端子板1184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー1174、メインRAM1203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ1176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ1176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー1174やバックアップクリアスイッチ1176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー1174または/およびバックアップクリアスイッチ1176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー1174およびバックアップクリアスイッチ1176は、主制御回路1200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路1400や電源供給回路1450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー1174やバックアップクリアスイッチ1176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[2-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路1300は、サブCPU1301、プログラムROM1302、ワークRAM1303、表示制御回路1304、音声制御回路1305、LED制御回路1306、役物制御回路1307およびコマンド入力ポート1308等を備える。サブ制御回路1300は、主制御回路1200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図70には示されていないが、サブ制御回路1300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM1302には、サブCPU1301により第2のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU1301は、プログラムROM1302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU1301は、主制御回路1200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM1303は、サブCPU1301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路1304は、表示装置1007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路1304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路1304は、サブCPU1301からの画像表示命令に応じて、表示装置1007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置1007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路1304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置1007に供給する。表示装置1007に画像信号が供給されると、表示装置1007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路1304は、表示装置1007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路1305は、スピーカ1032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路1305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ1032から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU1301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ1032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路1306は、装飾LED等を含むLED群1046の制御を行うための回路である。LED制御回路1306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路1307は、各役物(例えば、演出用役物群1058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路1307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路1307は、サブCPU1301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU1301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート1308は、コマンド出力ポート1206と接続されており、主制御回路1200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路1400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路1400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置1082、遊技球を発射させることが可能な発射装置1006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット1180等が接続されている。
払出・発射制御回路1400は、主制御回路1200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置1082に対して所定の信号を送信し、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット1180には、球貸し操作パネル1182が接続されている。球貸し操作パネル1182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット1180に送信される。払出・発射制御回路1400は、カードユニット1180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル1182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット1180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路1400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路1450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路1450には、電源スイッチ1095等が接続されている。電源スイッチ1095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[2-3.基本仕様]
次に、図71~図75を参照して、第2のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。第2のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第2のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、確変制御は実行されるものの時短制御が実行されない高確非時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU1201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られず、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態については進行されないようにしてもよい。例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技が進行するようにし、高確非時短遊技状態において遊技が進行しないようにする等してもよい。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU1301は、正規な遊技態様(例えば、右打ちすべきか左打ちすべきか)を、例えば表示装置1007の表示領域に表示する制御を実行する。
[2-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図71は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理(後述の図78のS1034参照)において参照されるテーブル、すなわち、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「大当り」、および「ハズレ」であり、「小当り」は抽選対象に含まれていない。これに対し、第2特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「小当り」、「大当り」、および「ハズレ」である。ただし、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象に「小当り」を含めるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU1201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
また、メインCPU1201は、第2特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「小当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する小当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定される。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22322のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22323~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22968のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22969~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第2特別図柄の当り判定処理であれば0~22117)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば22323~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがOFFからON(またはONからOFF)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図71に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねるようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図71に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、メインCPU1201は、当り判定処理の結果が「時短当り」であると決定しうる。ただし、メインCPU1201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[2-3-2.特別図柄判定テーブル]
図72は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、第1始動口1120または第2始動口1140A、1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際(すなわち、後述の図78のS1035の特別図柄決定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて定められる図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図72に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0または1である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が2~9のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、例えば、特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。
なお、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られると、メインCPU1201は、小当り遊技制御処理を実行する。小当り遊技制御処理では、例えば小当り用シャッタ1153(図69参照)を作動させて、小当り用大入賞口1151(図69参照)への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる制御を実行し、賞球が払い出され得る。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が30~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z12」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。さらに、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z13」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z14」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA11」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
なお、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路1200のメインROM1202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164(図70参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部1163,1164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、小当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路1300のプログラムROM1302に記憶されている。
[2-3-3.当り種類決定テーブル]
図73は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、当り遊技状態の態様または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際(すなわち、後述の図78のS1036の当り種類決定処理を実行する際)に参照される。図73に示される当り遊技状態の態様は、大当り遊技状態の態様または小当り遊技状態の態様を示す。また、その後の遊技状態の態様は、当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z8」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z9」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は当り遊技状態に制御されないため、当り遊技状態の態様は決定されない。本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU1201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU1201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図72に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するものの、C時短遊技状態に制御しない。また、メインCPU1201は、確変フラグがオンであったとしても「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するようにしてもよい。さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態において、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU1201は、小当り遊技状態の態様として、小当り用大入賞口1151(図69参照)の開放回数を1回に決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した小当りの表示態様を第2特別図柄表示部1164に導出した後、決定された小当り用大入賞口1151の開放回数をセットし、小当り遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当り遊技状態の終了後、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグをいずれも変更せず、小当り遊技状態に制御される直前の遊技状態に戻す。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z11」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定し、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち確変フラグのみをオンにセットすることを決定し、確変回数を10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態の終了後、高確非時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、「z5」の場合、および「z12」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を10ラウンド、4ラウンド、および10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z13」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を4ラウンド、および10に決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数は、選択図柄コマンドが「z6」の場合は例えば200回にセットすることを決定し、選択図柄コマンドが「z13」の場合は例えば300回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。なお、高確時短遊技状態における時短制御の態様(以下「時短性能」とも称する)は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、メインCPU1201は、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU1201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、上述したように当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図73の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図73に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU1201は、図71の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU1201は、図72の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部1163,1164に導出される表示態様の種類(例えば、時短当りの種類、大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図73に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z6」の場合)または300回(選択図柄コマンドが「z13」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」の場合)または100回(選択図柄コマンドが「z2」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、「大当り」に当選したにもかかわらず、「大当り」当選しなかった場合(「時短当り」に当選した場合)と比べて不利になることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[2-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図74は、第2のパチンコ遊技機の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。また、図75は、第2のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。これらのテーブルは、いずれも、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている。なお、図74および図75の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図74および図75の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図78のS1037の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、例えば図74に示される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルに示されるように、メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU1201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU1301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU1201が決定しているが、これに限られず、サブCPU1301が決定するようにしてもよい。
一方、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態、すなわち、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態または低確時短遊技状態では、例えば図75に示される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
なお、本実施例では、メインCPU1201は、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する際には、先読みフラグを設定しないが、これに限られない。
図74および図75に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値に基づいて決定される。ただし、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図75の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合、図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合と比べて、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が大きい。とくに、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば概ね600000msec(例えば、長変動A~C)と極めて長時間にわたって可変表示が行われる。一方、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば1000msec(例えば、超速変動)と極めて短時間だけ可変表示が行われる。
メインCPU1201は、決定した変動パターン情報をサブCPU1301に送信する。サブCPU1301は、メインCPU1201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置1007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ1032から出力される音演出を制御する。
なお、図74および図75には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば通常遊技状態では低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、例えば高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、および低確時短遊技状態では高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルとして、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なる複数の変動パターンテーブルを設けて、例えば時短遊技状態の種類に応じて、特別図柄の変動パターンの決定に際して参照するテーブルを異ならせるようにしてもよい。
また、図74および図75の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路1200のメインROM1202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU1201は、普通電動役物1146(図69参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物1146の作動態様を制御する。
[2-4.主制御処理]
第2のパチンコ遊技機において、主制御回路1200のメインCPU1201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU1201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図86)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて、特別図柄制御処理について改めて説明する。
[2-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図76を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図76は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図76に示されるように、メインCPU1201は、先ず、S1001において、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、各特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU1201は、S1001の処理を実行した後、処理を、S1002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S1001の処理に先だって、メインRAM1203内の各特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU1201は、第1特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第1特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行い、第2特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第2特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路1300が受信すると、かかるデモ表示コマンドが主特別図柄のデモ表示コマンドである場合、サブCPU1301はデモ表示演出を行う。
なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能であるものの、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄を主特別図柄とするとともに他方を副特別図柄とし、主特別図柄についての演出制御を主として行う。本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では第1特別図柄が主特別図柄とされ、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では第2特別図柄が主特別図柄とされる。そして、サブCPU1301は、主特別図柄についての装飾図柄の可変表示およびキャラクタ等の表示演出や、主特別図柄についての音声演出等を行う。例えば副特別図柄の当り判定処理の結果が例えば大当り等である場合には、例えば、主特別図柄の演出を行いつつ副特別図柄の演出も行うようにしてもよい。なお、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態のうち、低確時短遊技状態では、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の可変表示に代えて他の演出画像(例えば、時短遊技状態が終了するまでの時短残回数をカウントダウン演出)が表示されるようにしてもよい。
S1002において、メインCPU1201は、S1001でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1002がNO判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1003に移す。例えば、第2特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1002においてNO判定される。
一方、S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1002がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1004に移す。
S1003において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1003の処理を実行した後、処理を、S1004に移す。
S1004において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1004の処理を実行した後、処理を、S1005に移す。
S1005において、メインCPU1201は、S1004でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1005がNO判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1006に移す。例えば、第1特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1005においてNO判定される。
一方、S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1005がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1007に移す。
S1006において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1006の処理を実行した後、処理を、S1007に移す。
S1007において、メインCPU1201は、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1007の処理を実行した後、処理を、S1008に移す。
S1008において、メインCPU1201は、S1007でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1008がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1010に移す。
一方、S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1008がYES判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1009に移す。
S1009において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1009の処理を実行した後、処理を、S1010に移す。
S1010において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1010の処理を実行した後、処理を、S1011に移す。
S1011において、メインCPU1201は、S1010でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1011がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1011がYES判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1012に移す。
S1012において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1012の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S1001~S1012)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、の優先順位で、後述の特別図柄管理処理が実行されるようにしている。
[2-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図77を参照して、特別図柄制御処理(図76参照)中のS1003、S1006、S1009、S1012でメインCPU1201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図77は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、例えば、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003またはS1009で呼び出されて実行される場合には第2特別図柄が処理対象となり、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1006またはS1012で呼び出されて実行される場合には第1特別図柄が処理対象となる。
また、図77に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU1201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S1021)。
S1021において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S1021がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。
一方、S1021において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S1021がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1022に移す。
S1022において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1022の処理を実行した後、処理を、S1023に移す。なお、メインCPU1201は、S1022の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S1023以降の処理を行う。
S1023において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS1023の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図78を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1024に移す。
S1024において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS1024の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1025に移す。
S1025において、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS1025の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図81および図82を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1026に移す。
S1026において、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS1026の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図84を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1027に移す。
S1027において、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS1027の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図85を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1028に移す。
S1028において、メインCPU1201は、大当り終了処理を行う。このS1028の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図86を参照して後述する。
メインCPU1201は、S1023~S1028の処理を終了後、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。なお、メインCPU1201は、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003で呼び出されている場合には処理をS1004に戻し、S1006で呼び出されている場合には処理をS1007に戻し、S1009で呼び出されている場合には処理をS1010に戻し、S1012で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[2-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図78を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1023でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図78は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図78に示されるように、メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S1031)。
S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S1031がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S1031がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1032に移す。
S1032において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。特別図柄休止フラグは、次の処理に進まないように遊技の進行を止めるフラグである。したがって、このS1032では、たとえS1031がYES判定であったとしても(すなわち、特別図柄の始動条件が成立していたとしても)、特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンである場合(S1032がNO判定である場合)、特別図柄可変表示開始処理が進行せずに終了する。
S1032において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1032がNO判定の場合)、上述したとおり、特別図柄可変表示開始処理が進行せず、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了する。その後、メインCPU1201は、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1032において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1032がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1033に移す。
S1033において、メインCPU1201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU1201は、S1033の処理を実行した後、処理を、S1034に移す。
S1034において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定処理が行われる。本実施例では、第1特別図柄については、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定され、第2特別図柄については、時短当り、小当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。メインCPU1201は、S1034の処理を実行した後、処理を、S1035に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにし、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにし、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。
上記の特別図柄の当り判定処理(S1034参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に小当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で小当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S1035において、メインCPU1201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果(例えば、時短当り、小当り、大当り、またはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。本実施例では、ハズレの種類が1種類であるため、特別図柄の当り判定処理がハズレの場合に停止図柄を決定する必要がないが、ハズレを複数種類設けて、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合に停止図柄を決定するようにしてもよい。メインCPU1201は、S1035の処理を実行した後、処理を、S1036に移す。
S1036において、メインCPU1201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、小当り、または大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図73参照)を参照し、特別図柄決定処理(S1035)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、他の当り(例えば、小当り)の種類を複数設けるようにしてもよいし、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU1201は、S1036の処理を実行した後、処理を、S1037に移す。
S1037において、メインCPU1201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定され、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU1201は、S1037の処理を実行した後、処理を、S1038に移す。
S1038において、メインCPU1201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S1037)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU1201は、S1038の処理を実行した後、処理を、S1039に移す。
S1039において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図77のS1024参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1039の処理を実行した後、処理を、S1040に移す。
S1040において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM1203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新処理等が行われる。メインCPU1201は、S1040の処理を実行した後、処理を、S1041に移す。
S1041において、メインCPU1201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU1201は、S1041の処理を実行した後、処理を、S1042に移す。
S1042において、メインCPU1201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S1041)および特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S1042))を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図79および図80を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1024でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図79および図80は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。また、以下に説明する特別図柄可変表示終了処理において、処理対象である方の特別図柄を単に「特別図柄」と称し、処理対象でない方の特別図柄を「他方の特別図柄」と称する。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S1051)。
S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S1051がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S1051がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1052に移す。
S1052において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグ値をロードする。メインCPU1201は、S1052の処理を実行した後、処理を、S1053に移す。
S1053において、メインCPU1201は、S1052でロードした特別図柄休止フラグ値に基づいて、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。
S1053において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1053がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1053において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1053がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1054に移す。
S1054において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図77のS1025参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1054の処理を実行した後、処理を、S1055に移す。
S1055において、メインCPU1201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1055の処理を実行した後、処理を、S1056に移す。
S1056において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU1201は、S1056の処理を実行した後、処理を、S1057に移す。
S1057において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであるか否かを判定する。
S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りでないと判定された場合(S1057がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1059に移す。
一方、S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであると判定された場合(S1057がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1058に移す。
S1058において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、小当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始乃至停止しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1058の処理を実行した後、処理を、S1059に移す。
S1059において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであるか否かを判定する。
S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りでないと判定された場合(S1059がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであると判定された場合(S1059がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1060に移す。
S1060において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、大当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1060の処理を実行した後、処理を、S1061に移す。
S1061において、メインCPU1201は、他方の特別図柄が可変表示中であるか否かを判定する。
S1061において他方の特別図柄が可変表示中でないと判定された場合(S1061がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1061において他方の特別図柄が可変表示中であると判定された場合(S1061がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1062に移す。
S1062において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。メインCPU1201は、S1062の処理を実行した後、処理を、S1063に移す。
S1063において、メインCPU1201は、可変表示停止フラグをセットする。この処理が行われると、試射試験信号が外部に出力されるようになる。この試射試験信号は、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止されたことを示す信号である。メインCPU1201は、S1063の処理を実行した後、処理を、S1064に移す。
S1064において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の当りフラグを強制的にハズレに変えてセットする。この処理を行うことにより、処理対象の特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りである場合、他方の特別図柄が可変表示中であって、この他方の特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであったとしても、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止することとなる。メインCPU1201は、S1064の処理を実行した後、処理を、S1065に移す。
S1065において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の可変表示に関連する作業領域をクリアする処理を行う。メインCPU1201は、S1065の処理を実行した後、処理を、S1066に移す。
S1066において、メインCPU1201は、他方の特別図柄のタイマに、所定の確定待ち時間をセットする処理を行う。この処理では、特別図柄が大当りを示す停止表示態様で停止したときに他方の特別図柄がハズレを示す停止表示態様で停止するように、確定待ち時間がセットされる。メインCPU1201は、S1066の処理を実行した後、処理を、S1067に移す。
S1067において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする。メインCPU1201は、S1067の処理を実行した後、処理を、S1068に移す。
S1068において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1068の処理を実行した後、処理を、S1069に移す。
S1069において、メインCPU1201は、他方の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された他方の特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1069の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
このように、本実施例の特別図柄可変表示終了処理では、処理対象である特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、この特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が可変表示中である場合には、他方の特別図柄の可変表示を強制的にハズレにする処理が行われる。
[2-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図81および図82を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1025でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図81および図82は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S1071)。
S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S1071がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S1071がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1072に移す。
S1072において、メインCPU1201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1072において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S1072がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1073に移す。一方、S1072において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1072がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1073において、メインCPU1201は、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1073において、小当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1074に移す。
S1074において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図83を参照して後述する。なお、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1073において、小当りであるすなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1075において、メインCPU1201は、大当り遊技制御処理または小当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板1184を介して例えばホールコンピュータ1186(いずれも図70参照)や島コンピュータ(不図示)に出力される信号の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU1201は、S1075の処理を行った後、処理を、S1076に移す。
また、S1075の大当り遊技制御処理の開始設定処理において、メインCPU1201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S1076において、メインCPU1201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU1201は、例えば、開放される大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数の上限値をセットする処理(S1077)、外部端子板1184への大当り信号セット処理(S1078)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S1080)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S1081)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S1071~S1081)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図83を参照して、特別図柄遊技判定処理(図81および図82参照)中のS1074でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図83は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU1201は、先ず、時短管理処理を行う(S1091)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様であるため、説明を省略する。メインCPU1201は、S1091の処理を実行した後、処理を、S1092に移す。
S1092において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理が行われると、次回の特別図柄遊技の実行が可能となる。メインCPU1201は、S1092の処理を実行した後、処理を、S1093に移す。
S1093において、メインCPU1201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S1094)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1094の処理後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図81参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果がハズレである場合、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[2-4-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図84を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1026でメインCPU1201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図84は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放準備処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放準備処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S1101)。
S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S1101がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S1101がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1102に移す。
S1102において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値をロードする。大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技制御処理の実行時であれば、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタが相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば、小当り遊技制御処理の実行回数を計数するカウンタが相当する。なお、大入賞口開放回数カウンタの計数値(大入賞口開放回数カウンタ値)は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。メインCPU1201は、S1102の処理を実行した後、処理を、S1103に移す。
S1103において、メインCPU1201は、大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数が上限値であるか否かを判定する。なお、本実施例では、大当り遊技状態において開放される大当り用大入賞口1131の開放回数であるラウンド数の上限値は、例えば当り種類決定テーブル(図73参照)に示されるように4ラウンドまたは10ラウンドである。一方、小当り遊技状態において開放される小当り用大入賞口1151の開放回数の上限値は例えば1回である。
S1103において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S1103がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1104に移す。
S1104において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S1104)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図77のS1028参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1104の処理を実行した後、処理を、S1105に移す。
S1105において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S1106)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1106の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
S1103に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S1103がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1107に移す。
S1107において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU1201は、S1107の処理を実行した後、処理を、S1108に移す。
S1108において、メインCPU1201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、開放する大入賞口として、大当り遊技制御処理の実行時であれば大当り用大入賞口1131(図69参照)が選択され、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151(図69参照)が選択される。メインCPU1201は、S1108の処理を実行した後、処理を、S1109に移す。
S1109において、メインCPU1201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開放回数、大入賞口の最大開放時間、大入賞口への最大入賞個数、大入賞口入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口の開放回数は、大当り遊技制御処理の実行時であればラウンド数が相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151の開放回数が相当する。なお、1ラウンドまたは小当り遊技制御処理において大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU1201は、S1109の処理を実行した後、処理を、S1110に移す。
なお、本実施例において、大入賞口の最大開放時間は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大30000msecにセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大1800msecにセットされる。大入賞口への最大入賞個数は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大10個にセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大5個にセットされる。大入賞口入賞時の賞球数は、例えば、大当り用大入賞口1131および小当り用大入賞口1151のいずれについても10個にセットされる。ただし、大入賞口関連各種設定処理においてセットされる値は上記に限られない。
S1110において、メインCPU1201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU1201は、S1110の処理を実行した後、処理を、S1111に移す。
S1111において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S1111)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図77のS1027参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1111の処理を実行した後、処理を、S1112に移す。
S1112において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1112の処理を実行した後、処理を、S1113に移す。
S1113において、メインCPU1201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1113の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-8.大入賞口開放制御処理]
次に、図85を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1027でメインCPU1201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図85は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放制御処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放制御処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S1121)。
S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S1121がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S1121がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1122に移す。
S1122において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口入賞カウンタ(例えば、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(いずれも図70参照)等)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口入賞カウンタにより計数された大入賞口入賞カウンタ値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。
S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S1122がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1123に移す。
一方、S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S1122がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1123において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図84のS1109参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S1123がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していると判定された場合(S1123がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1124において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の閉鎖処理を行う。メインCPU1201は、S1124の処理を実行した後、処理を、S1125に移す。
S1125において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1125)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1125の処理を実行した後、処理を、S1126に移す。
S1126において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1126の処理を実行した後、処理を、S1127に移す。
S1127において、メインCPU1201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1127の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-9.大当り終了処理]
次に、図86を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1028でメインCPU1201により実行される大当り終了処理について説明する。図86は、第2のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大当り終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大当り終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S1131)。
S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S1131がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図77参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
一方、S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S1131がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1132に移す。
S1132において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ、天井カウント禁止フラグ等)の値をセットまたはリセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、天井カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。なお、特別図柄休止フラグおよび天井カウンタは、いずれも、特別図柄遊技終了設定処理(S1132)においてリセットされる。また、確変フラグがオンにセットされる場合、天井カウント禁止フラグもオンにセットされる。これにより、確変フラグがオンの高確遊技状態では、天井カウンタの更新が行われないようになる。メインCPU1201は、S1132の処理を実行した後、処理を、S1133に移す。
S1133において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU1201は、S1133の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-5.小当りラッシュ]
上述した第2のパチンコ遊技機では、所謂小当りラッシュを実現することができる。以下に、小当りラッシュについて説明する。
第2のパチンコ遊技機では、上述したとおり、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御する。なお、上述したとおり、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるため、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームが主として実行される。また、その他の遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態)では、右打ちが正規な遊技態様とされるため、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームが主として実行される。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合には、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちのいずれかの遊技状態では第1特別図柄ゲームが主として実行され、高確非時短遊技状態では第2特別図柄ゲームが主として実行される。
本実施例では、高確非時短遊技状態において、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められることによって、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュとなる。
ここで、小当りラッシュの仕組みの一例について説明する。先ず、右打ちされた遊技球は、ほぼ通過ゲート1126を通過する。高確非時短遊技状態では、普通電動役物1146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口1140B)を開放状態とする頻度を高める電サポ制御が実行されない。また、大当り遊技制御処理が実行されない限り大当り用大入賞口1131も開放状態とならないため、高確非時短遊技状態において第2始動口1140Bが開放状態となる頻度は、時短制御が実行される遊技状態と比べて低い。そのため、小当り用大入賞口1151が開放されていれば、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が小当り用大入賞口1151に入賞可能となる。小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞すると、上述したように例えば10個の賞球が払い出される。また、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球は、第2始動口1140Aに入賞可能である。第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞すると、例えば、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)に示されるように3分の1(概算)といった比較的高い確率で小当りを示す停止表示態様が導出されるだけでなく、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)に示されるように超速変動(例えば、可変表示時間1000msec)が実行されるため、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められる。このようにして、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュの実現が可能となっている。
一方、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、電サポ制御が実行されることによって第2始動口1140Bが開放状態となり、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球の殆どが第2始動口1140Bに入賞してしまう。そのため、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞する期待値は低い。しかも、上述したように、第2始動口1140Bに遊技球が入賞したとしても例えば1個の賞球しか払い出されない。右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が第2始動口1140Aに入賞すると例えば3個の賞球が払い出されるものの、第2始動口1140Aには、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球のうち概ね3分の1~5分の1の遊技球しか入賞しない。このように、時短制御が実行される遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えないようになっている。
また、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるが、仮に右打ちを行った場合、右打ちされた遊技球が通過ゲート1126を通過して普通図柄当りを示す停止表示態様が導出されると普通電動役物1146が作動し、第2始動口1140Bに遊技球が入賞することによって小当り用大入賞口1151が開放される可能性がある。ただし、通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定されるため、仮に第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞したとしても、変動時間が極めて長い長変動A~Cのいずれかで第2特別図柄の可変表示が行われ、小当り用大入賞口1151が開放される頻度は極めて小さい。そのため、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行う実益はない。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合、通常遊技状態における普通図柄の当り確率を例えば0にすることにより、右打ちを行う実益を生じさせないようにしてもよい。通常遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値は、1を超えないことは勿論、時短制御が実行される遊技状態よりも小さい。
なお、本実施例では、高確非時短遊技状態において小当りラッシュとなるように構成したが、これに限られない。例えば、電サポ制御を実行せずに特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御が実行される高確時短遊技状態において小当りラッシュとなるようにしてもよい。
[3.第3のパチンコ遊技機]
次に、第3のパチンコ遊技機について説明する。第3のパチンコ遊技機は、上述したとおり、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
なお、第3のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以下、第3のパチンコ遊技機について説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板2184(後述の図88参照)から第3のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ2186(後述の図88参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第3のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[3-1.遊技盤ユニット]
図87を参照して、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010について説明する。この遊技盤ユニット2010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図87は、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット2010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される。
なお、第3のパチンコ遊技機の遊技領域2105に配置される各種部材(例えば第1始動口2120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図87に示されるように、遊技盤ユニット2010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される遊技パネル2100と、ガイドレール2110と、遊技領域2105の略中央部に配置されるセンター役物2115と、第1始動口2120と、第2始動口2140と、一般入賞口2122と、通過ゲートユニット2125と、特別電動役物ユニット2130と、普通電動役物ユニット2145と、LEDユニット2160と、V入賞装置2150と、アウト口2178と、裏ユニット(不図示)とを備える。なお、LEDユニット2160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第3のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル2100には、表示装置2007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル2100の前面には、ガイドレール2110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール2110から遊技領域2105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域2105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル2100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル2100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル2100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル2100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール2110は、第1のパチンコ遊技機と同様に円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域2105は、ガイドレール2110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置2006(後述の図88参照)から発射された遊技球を遊技領域2105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物2115は、遊技パネル2100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール2116を備えている。遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、センターレール2116によって左右に振り分けられる。
発射装置2006によって遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、左側領域2106または右側領域2107を流下する。左側領域2106または右側領域2107を流下する遊技球は、遊技パネル2100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域2106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域2107を流下する。
また、センター役物2115には、左側の外周縁部に、左側領域2106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2117が形成されている。ワープ入口2117に進入した遊技球は、センター役物2115に形成されたステージ2118に誘導可能に構成されている。ステージ2118は、表示装置2007の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ2118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ2118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2119が形成されており、チャンス入口2119に進入した遊技球は、第1始動口2120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口2119に進入した遊技球は、ワープ入口2117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口2117に進入したもののチャンス入口2119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口2120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口2120は、表示装置2007の表示領域の下方に配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口2120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口2120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口2120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により第1始動口2120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口2120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は3個に限られない。
(第2始動口)
第2始動口2140は、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)に配置されている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口2140に入賞可能であってもよい。
第2始動口2140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ2141により検出される。第2始動口スイッチ2141(後述の図88参照)により第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口2140に遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口2122は、表示装置2007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口2122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により一般入賞口2122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口2122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口2122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口2122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート2126と、通過ゲート2126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ2127(後述の図88参照)とを一体化したユニット体である。通過ゲート2126への遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ2127により通過ゲート2126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に代えてまたは加えて左側領域2106に配置されていてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット2130は、大入賞口2131と、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)と、特別電動役物2133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット2130は、右側領域2107において、通過ゲートユニット2125よりも下方に配置されている。
大入賞口2131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口2131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物2115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
大入賞口2131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)により大入賞口2131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口2131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物2133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ2134と、この特電用シャッタ2134を作動させる特電用ソレノイド2135(後述の図88参照)とを備える。特別電動役物2133すなわち特電用シャッタ2134は、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口2131への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に移行可能に構成される。大入賞口2131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合である。上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。なわち、第1のルートを経た大当り遊技状態は、大入賞口2131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット2145は、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物2146とを一体化したユニット体であって、右側領域2107に配置されている。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口2140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ2141としている。
普通電動役物2146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ2147と、この普電用シャッタ2147を作動させる普電用ソレノイド2148(後述の図88参照)とを備える。普通電動役物2146すなわち普電用シャッタ2147は、第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口2140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ2147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。
(V入賞装置)
V入賞装置2150は、右側領域2107において通過ゲート2126の下流側に設けられている。V入賞装置2150は、V入賞装置2150の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口2151と、開閉入賞口2151を開閉させることが可能なVアタッカー2152と、このVアタッカー2152を作動させて開閉入賞口2151を開閉させるVアタッカー用ソレノイド2154と、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に遊技球が進入したことを検出するVアタッカーカウントスイッチ2153と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球が通過可能なV入賞口2155と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球がV入賞口2155に遊技球が進入(通過)したことを検出するV入賞口スイッチ2156と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうちV入賞口2155に進入しなかった遊技球が進入(通過)可能なハズレ口2157と、V入賞口2155を開閉させるVシャッター2158と、このVシャッター2158を作動させてV入賞口2155を開閉させるVシャッター用ソレノイド2159と、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち1球のみを保持することができる係止部材2160とを備える。なお、V入賞装置2150は、通過ゲート2126よりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域2106に設けられていてもよい。
Vアタッカー2152は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口2151を閉鎖する閉鎖状態である。そして、特別図柄の可変表示が終了して後述する「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、特別図柄の可変表示が終了するとほぼ同時に、Vアタッカー用ソレノイド2154(後述の図88参照)の作動によりVアタッカー2152が例えば1回作動する。Vアタッカー2152は、1回作動すると開閉入賞口2151が例えば1800msec開放する開放状態となる。そして、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放している間、V入賞装置2150の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。
なお、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときにVアタッカー2152を開放させる態様は、上記に限られず、例えば、900msecの開放を2回行ってもよいし、所定個(例えば1個)の遊技球がV入賞装置2150の内部に進入したことに基づいて閉鎖するようにしてもよい。
Vアタッカーカウントスイッチ2153は、V入賞装置2150の内部への遊技球の進入を検出するものである。Vアタッカーカウントスイッチ2153によりV入賞装置2150の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU2201は、払出・発射制御回路2400を介して例えば10個の賞球を払い出し、メインCPU2201の機能であるVアタッカー入賞カウンタの値を加算する。Vアタッカー入賞カウンタが規定値に到達すると、開閉入賞口2151を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、Vアタッカー用ソレノイド2154によりVアタッカー2152が作動して開閉入賞口2151が閉鎖される。
V入賞口2155は、遊技球が通過したことを条件に、Vアタッカー2152の開放制御が継続される。すなわち、V入賞口2155は、上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
V入賞口スイッチ2156は、V入賞口2155への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU2201(図88参照)は、Vアタッカー2152が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口2155への遊技球の通過を検出すると、Vアタッカー2152の開放制御を継続する。すなわち、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、Vアタッカー2152が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる。
このように、本実施例では、第1のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合は大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるのに対し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。ただし、これに限られず、例えば第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、1ラウンド目はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるものの、ラウンド遊技の途中から例えば大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技を実行してもよい。
また、例えば特別電動役物2133の内部(すなわち、特電用シャッタ2134が開放状態となったときに遊技球の進入が可能となる領域)にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると特電用シャッタ2134が開放状態とされ、特別電動役物2133の内部に設けられたV入賞口2155に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御される。
ハズレ口2157は、V入賞装置2150の内部に進入したもののV入賞口2155を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。ハズレ口2157を通過した遊技球は機外に排出される。なお、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の全部がハズレ口2157を通過し、V入賞口2155への遊技球の通過がなかった場合、Vアタッカー2152の開放制御が継続されずに終了する。
Vシャッター2158は、Vシャッター用ソレノイド2159(後述の図88参照)の作動により、V入賞口2155への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口2155への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様との間で、常時一定動作を行っている。本実施例では、例えば、「6000msec閉鎖⇒1000msec開放⇒6000msec閉鎖」の動作を繰り返す7000msecのサイクル(周期)でVシャッター2158が常時一定動作を行っている。
係止部材2160は、V入賞口2155の上方に設けられており、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち例えば1球のみを保持することができるように構成されている。V入賞装置2150に進入したものの係止部材2160により保持されなかった遊技球は、ハズレ口2157から機外に排出される。V入賞装置2150に複数の遊技球が進入した場合であっても、係止部材2160により保持されなかった遊技球は、全て、ハズレ口2157から機外に排出される。
また、係止部材2160は、Vアタッカー2152が作動してから一定時間(例えば3000msec)経過後に、図示しない係止用ソレノイドの作動により遊技球の係止が解除される。係止部材2160における係止が解除された遊技球は、V入賞口2155に向けて落下し、このタイミングでV入賞口2155が開放されていればV入賞口2155に入賞(通過)し、このタイミングでV入賞口2155が閉鎖していればハズレ口2157を通過する。なお、係止部材2160を設けずに、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球を、V入賞口2155またはハズレ口2157に振り分けるようにしてもよい。
(アウト口)
アウト口2178は、遊技領域2105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口2120、第2始動口2140、大入賞口2131、V入賞装置2150、一般入賞口2122等)のいずれにも入賞または進入しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口2178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域2105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口2178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口2122の間や特別電動役物ユニット2130と第2始動口2140との間等にアウト口を設けて、遊技領域2105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第1のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット2010を装飾するものであって、遊技パネル2100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、表示装置2007の表示領域の周囲に配置され、サブ制御回路2300によって制御される可動役物等の演出用役物群2058を備える。これらの演出用役物群2058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[3-2.電気的構成]
次に、図88を参照して、第3のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図88は、第3のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第3のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図88に示されるように、第3のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路2200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路2300と、払出・発射制御回路2400と、電源供給回路2450と、から構成される。
[3-2-1.主制御回路]
主制御回路2200は、メインCPU2201、メインROM2202(読み出し専用メモリ)およびメインRAM2203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路2204およびバックアップコンデンサ2207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU2201には、メインROM2202、メインRAM2203および初期リセット回路2204等が接続される。メインCPU2201は、動作を監視するWDTや不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM2202には、メインCPU2201により第3のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU2201は、メインROM2202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM2203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられており、このメインRAM2203は、メインCPU2201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU2201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路2204は、メインCPU2201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ2207は、電断時等に、メインRAM2203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路2200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート2205、および、サブ制御回路2300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート2206等も備える。
また、主制御回路2200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路2200には、普通図柄表示部2161、普通図柄用保留表示部2162、第1特別図柄表示部2163、第2特別図柄表示部2164、第1特別図柄用保留表示部2165、第2特別図柄用保留表示部2166、時短報知用表示部2168、普電用ソレノイド2148、特電用ソレノイド2135、Vアタッカー用ソレノイド2154、および、Vシャッター用ソレノイド2159等が接続されている。また、主制御回路2200には、これらの他、性能表示モニタ2170およびエラー報知モニタ2172等も接続されている。主制御回路2200は、I/Oポート2205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ2170には、メインCPU2201の制御により性能表示データや設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ2172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ2172には、エラーコードの他に、例えば設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路2200には、第1始動口スイッチ2121、第2始動口スイッチ2141、通過ゲートスイッチ2127、大入賞口カウントスイッチ2132、Vアタッカーカウントスイッチ2153、V入賞口スイッチ2156、および、一般入賞口スイッチ2123も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート2205を介して主制御回路2200に送信される。
さらに、主制御回路2200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ2186にデータ送信する際に用いる外部端子板2184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー2174、メインRAM2203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ2176等が接続されている。なお、設定機能付きパチンコ遊技機であれば、バックアップクリアスイッチ2176を、設定値を変更する際のスイッチと兼用するようにしてもよいし、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー2174やバックアップクリアスイッチ2176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の責任者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の責任者が設定キー2174または/およびバックアップクリアスイッチ2176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー2174およびバックアップクリアスイッチ2176は、主制御回路2200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路2400や電源供給回路2450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の責任者以外の第三者が設定キー2174やバックアップクリアスイッチ2176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[3-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路2300は、サブCPU2301、プログラムROM2302、ワークRAM2303、表示制御回路2304、音声制御回路2305、LED制御回路2306、役物制御回路2307およびコマンド入力ポート2308等を備える。サブ制御回路2300は、主制御回路2200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図88には示されていないが、第1のパチンコ遊技機と同様、サブ制御回路2300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM2302には、サブCPU2301により第3のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU2301は、プログラムROM2302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU2301は、主制御回路2200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM2303は、サブCPU2301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路2304は、表示装置2007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路2304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路2304は、サブCPU2301からの画像表示命令に応じて、表示装置2007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置2007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路2304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置2007に供給する。表示装置2007に画像信号が供給されると、表示装置2007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路2304は、表示装置2007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路2305は、スピーカ2032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路2305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ2032から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU2301から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ2032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路2306は、装飾LED等を含むLED群2046の制御を行うための回路である。LED制御回路2306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路2307は、各役物(例えば、演出用役物群2058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路2307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路2307は、サブCPU2301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU2301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート2308は、コマンド出力ポート2206と接続されており、主制御回路2200から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路2400は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路2400には、遊技球を払い出すための払出装置2082、遊技球を発射するための発射装置2006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット2180等が接続されている。
払出・発射制御回路2400は、主制御回路2200から供給される賞球制御コマンドを受け取ると、払出装置2082に対して所定の信号を送信し、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット2180には、球貸し操作パネル2182が接続されている。球貸し操作パネル2182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット2180に送信される。払出・発射制御回路2400は、カードユニット2180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル2182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット2180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路2400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路2450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路2450には、電源スイッチ2095等が接続されている。電源スイッチ2095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[3-3.基本仕様]
次に、図89~図92を参照して、第3のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第3のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
なお、第3のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されない。また、第3のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されており、メインCPU2201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU2301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置2007の表示領域に表示する制御を実行する。
[3-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図89は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図89に示されるとおり、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」に決定する。また、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「役物開放当り」に決定する。
なお、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「役物開放当り」が決定されないようにすることは必須ではないが、「役物開放当り」に決定されるようにしたとしても、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合と比べて極めて低い確率(例えば、「大当り」と同等か「大当り」よりも低い確率)でしか決定されないようにすることが好ましい。また、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「ハズレ」に決定されないようにすることは必須ではないが、「ハズレ」に決定されるようにした場合、「役物開放当り」に決定される確率よりも高くなるようにしてもよいし、「役物開放当り」に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
メインROM2202に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口2120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口2140への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、この第3のパチンコ遊技機では、「大当り」に決定される大当り確率を変更する機能を有していないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして大当り確率が高められるようにしてもよい。
また、この第3のパチンコ遊技機では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
なお、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当り確率または/および役物開放当り確率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。この場合、例えば、大当り確率および役物開放当り確率の両方を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、役物開放当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、役物開放当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。ただし、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当り確率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当り確率や役物開放当り確率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、Vアタッカー2152の開放時間を設定値毎に変えてV入賞装置2150への入賞率を変えたり、V入賞口2155の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口2155への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、役物開放当り確率、V入賞口2155の開放頻度(すなわちVアタッカー2152の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[3-3-2.特別図柄判定テーブル]
図90は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口2120,2140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図90に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~3のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が4~60のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が61~99のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
さらに、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。
なお、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路2200のメインROM2202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部2163または第2特別図柄表示部2164(図88参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部2163,2164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、役物開放当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路2300のプログラムROM2302に記憶されている。
[3-3-3.当り種類決定テーブル]
図91は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは時短フラグおよび時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。図91の時短の終了条件に欄に示される「L」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との和を示す。同様に、「M」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「N」は役物開放当り回数を示す。なお、図91の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=6、N=3に決定する。また、選択図柄コマンドが「z5」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=3、N=3に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態(A時短遊技状態)の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=1に決定する。また、選択図柄コマンドが「z3」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットしないことを決定する。また、選択図柄コマンドが「z6」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」(例えば、選択図柄コマンドが「z7」)であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU2201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、時短フラグもオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、役物開放当り直前の遊技状態に戻す。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU2201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU2201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図91の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図91に図示したものである。
また、図91の時短の終了条件の欄に示される「L」、「M」、および「N」は、いずれも遊技状態にかかわらず同じ条件であるが、これに限られず、遊技状態に応じて異なる条件としてもよい。例えば、終了条件「L」、「M」、および「N」の全部を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。また、終了条件「L」、「M」、および「N」のうちいずれか一の終了条件のみを、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。すなわち、終了条件「L」、「M」、および「N」のうち少なくともいずれか一の終了条件を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち少なくともいずれか一の時短遊技状態において異ならせてもよい。
[3-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図92は、第3のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図92中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、メインCPU2201は、第1始動口2120に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、時短フラグの値、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて決定する。なお、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされるため第1始動口2120に遊技球が入賞することは殆どないと考えられる。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第2特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「1」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「0」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば600000msecと極めて長い長変動演出に決定する。時短フラグの値が「0」である場合、基本的に第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)することはないが、不測の事態が発生して仮に万一第2始動口2140に遊技球が入賞した場合であっても、有利者に与えうる利益を最小限にとどめるようにするためこのようにしたものであるが、このようにすることは必ずしも必須ではない。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU2201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU2301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、便宜上、図92の特別図柄の変動パターンテーブルにはあらわれていないが、本実施例では、メインCPU2201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU2201が決定しているが、これに限られず、サブCPU2301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU2201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
メインCPU2201は、決定した変動パターン情報をサブCPU2301に送信する。サブCPU2301は、メインCPU2201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置2007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ2032から出力される音演出を制御する。
また、図92の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路2200のメインROM2202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU2201は、普通電動役物2146(図87参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物2146の作動態様を制御する。
[3-4.主制御処理]
第3のパチンコ遊技機において、主制御回路2200のメインCPU2201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU2201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図103)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[3-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図93を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図93は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図93に示されるように、メインCPU2201は、先ず、S2001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU2201は、S2001の処理を実行した後、処理を、S2002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S2001の処理に先だって、メインRAM2203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU2201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路2300が受信すると、サブCPU2301はデモ表示演出を行う。なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機でないため、第1のパチンコ遊技機において説明したような主特別図柄の概念がない。
S2002において、メインCPU2201は、S2001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S2002において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S2002がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
一方、S2002において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S2002がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2003に移す。
S2003において、メインCPU2201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2003において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2003がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2004に移す。
S2004において、メインCPU2201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2004において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2004がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S2004において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2004がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2003に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2003がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2005において、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図94を参照して後述する。メインCPU2201は、S2003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S2001~S2005)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第3のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口2120または第2始動口2140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[3-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図94を参照して、特別図柄制御処理(図93参照)中のS2005でメインCPU2201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図94は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が0の場合(S2002がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S2003がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S2004がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が0でない場合(S2002がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図94に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU2201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S2011)。
S2011において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S2011がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。
一方、S2011において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S2011がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2012に移す。
S2012において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU2201は、S2012の処理を実行した後、処理を、S2013に移す。なお、メインCPU2201は、S2012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S2013以降の処理を行う。
S2013において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS2013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図95を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2014に移す。
S2014において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS2014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図96を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2015に移す。
S2015において、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS2015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図97を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2016に移す。
S2016において、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を行う。このS2016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放準備処理の詳細については、図99を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2017に移す。
S2017において、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を行う。このS2017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放制御処理の詳細については、図100を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2018に移す。
S2018において、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS2018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図101を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2019に移す。
S2019において、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS2019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図102を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2020に移す。
S2020において、メインCPU2201は、大当り終了処理を行う。このS2020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図103を参照して後述する。
メインCPU2201は、S2013~S2020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[3-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図95を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2013でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図95は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図95に示されるように、メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S2021)。
S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S2021がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S2021がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2022に移す。
S2022において、メインCPU2201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU2201は、S2022の処理を実行した後、処理を、S2023に移す。
S2023において、メインCPU2201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図89参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。本実施例では、第1特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、第2特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、および役物開放当りのうちいずれであるかが判定される。メインCPU2201は、S2023の処理を実行した後、処理を、S2024に移す。
S2024において、メインCPU2201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果(例えば、時短当り、大当り、役物開放当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図90参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU2201は、S2024の処理を実行した後、処理を、S2025に移す。
S2025において、メインCPU2201は、大当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(時短当り、大当り、役物開放当り)である場合に、当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図91参照)を参照し、特別図柄決定処理(S2024)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば役物開放当りである場合に決定される当りの種類は、役物開放当りに基づいて開放されたV入賞口2155に遊技球が通過したことによって大当り遊技制御処理が実行された場合の大当りの種類である。また、本実施例では、時短当り、大当り、および役物開放当りの種類をいずれも複数種類としているが、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類は1つであってもよい。さらには、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2025の処理を実行した後、処理を、S2026に移す。
S2026において、メインCPU2201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果、時短フラグの値、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU2201は、S2026の処理を実行した後、処理を、S2027に移す。
S2027において、メインCPU2201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S2026)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU2201は、S2027の処理を実行した後、処理を、S2028に移す。
S2028において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図94のS2014参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2028の処理を実行した後、処理を、S2029に移す。
S2029において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM2203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU2201は、S2029の処理を実行した後、処理を、S2030に移す。
S2030において、メインCPU2201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU2201は、S2030の処理を実行した後、処理を、S2031に移す。
S2031において、メインCPU2201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S2030)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S2031))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図96を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2014でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図96は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S2041)。
S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S2041がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S2041がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2042に移す。
S2042において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図94のS2015参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2042の処理を実行した後、処理を、S2043に移す。
S2043において、メインCPU2201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2043の処理を実行した後、処理を、S2044に移す。
S2044において、メインCPU2201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU2201は、S2044の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図97を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2015でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図97は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S2051)。
S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S2051がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S2051がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2052に移す。
S2052において、メインCPU2201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2052において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S2052がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2060に移す。一方、S2052において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2052がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2053に移す。なお、特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様である場合、および、特別図柄がハズレを示す停止表示態様である場合、S2052においてNO判定される。
S2053において、メインCPU2201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。メインCPU2201は、S2053の処理を実行した後、処理を、S2054に移す。
また、S2053の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2054において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、大入賞口2131の開放回数の上限値をセットする処理(S2055)、外部端子板2184への大当り信号セット処理(S2056)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2058)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2059)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2060において、メインCPU2201は、役物開放当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2060において、役物開放当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。一方、S2060において、役物開放当りであるすなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。
S2061において、メインCPU2201は、役物開放当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、役物開放当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU2201は、S2061の処理を実行した後、処理を、S2062に移す。
S2062において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放回数の上限値をセットする処理を行う。本実施例では、この処理でセットされるV入賞装置2150の開放回数の上限値は例えば1回である。メインCPU2201は、S2062の処理を実行した後、処理を、S2063に移す。
S2062において、メインCPU2201は、外部端子板2184への役物開放当り信号セット処理(S2063)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2065)、および、役物開放当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2066)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、V入賞装置開放準備処理(図94のS2016参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2067において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図98を参照して後述する。なお、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S2051~S2067)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図98を参照して、特別図柄遊技判定処理(図97参照)中のS2067でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図98は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、時短管理処理を行う(S2071)。1種2種混合機と称される第3のパチンコ遊技機では高確遊技状態に制御されないため、第3のパチンコ遊技機において実行される時短管理処理は、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と異なる点がある。具体的には、第1のパチンコ遊技機では、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットする旨を説明したが、第3のパチンコ遊技機では、高確遊技状態に制御されない。そのため、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットに代えて、天井カウンタが天井値に到達したときにのみオンにセットする点で異なる。また、第1のパチンコ遊技機では、時短移行判定処理(図37参照)において、確変フラグがオフであるか否かを判定した上で(S191参照)、確変フラグがオフであることを条件としてS192の処理を行っているが、第3のパチンコ遊技機では、上述したとおり高確遊技状態に制御されないため、S191の処理を行わずに、S192の処理を行う点で異なる。時短管理処理におけるその他の処理については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様である。メインCPU2201は、S2071の処理を実行した後、処理を、S2072に移す。
S2072において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU2201は、S2072の処理を実行した後、処理を、S2073に移す。
S2073において、メインCPU2201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S2074)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2074の処理後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図97参照)に戻す。
[3-4-7.V入賞装置開放準備処理]
次に、図99を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2016でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放準備処理について説明する。図99は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S2081)。
S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S2081がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S2081がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2082に移す。
S2082において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放パターン(すなわち、Vアタッカー2152の作動パターン)として、例えば、最大開放時間および最大開放回数等をセットする。本実施例では、最大1800msecの開放を1回だけ行う開放パターンにセットされるが、開放パターンはこれに限られず、例えば、1回あたり最大900msecの開放を最大2回行うようにしてもよいし、1回目を例えば最大600msec開放し、2回目を例えば最大1200msec開放するようにしてもよい。さらには、1回の役物開放当りにつきトータルで規定時間(例えば1800msec)を超えない範囲で複数の開放パターンを設け、これら複数の開放パターンのうち、例えば特別図柄の図柄乱数値に基づいていずれか一の開放パターンにセットされるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2082の処理を実行した後、処理を、S2083に移す。
S2083において、メインCPU2201は、V入賞装置開閉制御処理を行う。この処理では、V入賞口2155の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2083の処理を実行した後、処理を、S2084に移す。
S2084において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S2084)を行うことにより、このV入賞装置開放準備処理の終了後に、V入賞装置開放制御処理(図94のS2017参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2084の処理を実行した後、処理を、S2085に移す。
S2085において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2085の処理を実行した後、処理を、S2086に移す。
S2086において、メインCPU2201は、V入賞装置開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV入賞装置開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2086の処理を実行した後、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-8.V入賞装置開放制御処理]
次に、図100を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2017でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放制御処理について説明する。図100は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S2091)。
S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S2091がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S2091がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2092に移す。
S2092において、メインCPU2201は、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に進入した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の入賞個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、Vアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2092がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2093に移す。
一方、S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2092がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2093において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の最大開放時間(すなわち開閉入賞口2151の最大開放時間)が経過したか否かを判定する。この処理では、S2082の処理(図99参照)でセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2093がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2093がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2094において、メインCPU2201は、V入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2094の処理を実行した後、処理を、S2095に移す。
S2095において、メインCPU2201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内に、V入賞口2155への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ2156による検出があったか否か)を判定する。なお、上記の規定時間はV入賞装置2150の内部への遊技球の進入にかかわる時間であればよく、例えば、Vアタッカー2152の作動が開始してから規定時間内、係止部材2160による遊技球の係止が解除されてから規定時間内等を、上記の規定時間とすることができる。
S2095においてV入賞検出があったと判定された場合(S2095がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2096に移す。
S2096において、メインCPU2201は、V当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、V当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。ところで、V当り遊技制御が実行されると、当り種類決定テーブル(図91参照)に示されるように例えば15ラウンドのラウンド遊技が実行されるため、遊技者は、大当り遊技制御処理が実行された場合と同様に多量の賞球を獲得しうる。本実施例では、説明の便宜上、V当り遊技制御と大当り遊技制御処理とを区別して称呼しているが、V当り遊技制御を大当り遊技制御処理と称呼することもできる。メインCPU2201は、S2096の処理を実行した後、処理を、S2097に移す。
また、S2096のV当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2097において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、役物開放当りに基づいて最初に実行されたV入賞装置2150の開放(すなわちVアタッカー2152の作動)が、1ラウンド目のラウンド遊技として処理される。すなわち、V入賞検出があったと判定された(S2095がYES判定された)ことによって実行されるV当り遊技制御は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU2201は、S2097の処理を実行した後、処理を、S2098に移す。
S2098において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、V入賞装置2150の開放回数(すなわち。Vアタッカー2152の作動回数)の上限値をセットする処理(S2099)、外部端子板2184へのV当り信号セット処理(S2100)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2102)、および、V当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2103)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2095に戻って、このS2095においてV入賞検出がなかったと判定された場合(S2095がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2104に移す。
S2104において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2104の処理を実行した後、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-9.大入賞口開放準備処理]
次に、図101を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2018でメインCPU2201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図101は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S2111)。
S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S2111がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S2111がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2112に移す。
S2112において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。メインCPU2201は、S2112の処理を実行した後、処理を、S2113に移す。
S2113において、メインCPU2201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S2113において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S2113がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2114に移す。
S2114において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理(S2114)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図94のS2020参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2114の処理を実行した後、処理を、S2115に移す。
S2115において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S2116)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2116の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2113に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S2113がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2117に移す。
S2117において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU2201は、S2117の処理を実行した後、処理を、S2118に移す。
S2118において、メインCPU2201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定処理(図95のS2023参照)の結果が大当りであって、大当りを示す停止表示態様が導出された(図97のS2052がYES判定された)ことによって開始された大当り遊技制御処理である場合、開放する大入賞口として大入賞口2131が選択される。一方、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって、役物開放りを示す停止表示態様が導出され(図97のS2060がYES判定され)、さらにV入賞検出された(図100のS2095がYES判定された)ことによって開始されたV当り遊技制御である場合、開放する大入賞口としてV入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)が選択される。メインCPU2201は、S2118の処理を実行した後、処理を、S2119に移す。
S2119において、メインCPU2201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間、大入賞口2131またはV入賞装置2150への最大入賞個数、大入賞口2131またはV入賞装置2150への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口2131またはV入賞装置2150が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU2201は、S2119の処理を実行した後、処理を、S2120に移す。
なお、上記の「大入賞口2131またはV入賞装置2150」は、大入賞口2131およびV入賞装置2150のうち、開放する大入賞口としてS2118で選択された大入賞口が相当する。以下の処理においても同様である。
S2120において、メインCPU2201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2120の処理を実行した後、処理を、S2121に移す。
S2121において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理(S2121)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図94のS2019参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2121の処理を実行した後、処理を、S2122に移す。
S2122において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2122の処理を実行した後、処理を、S2123に移す。
S2123において、メインCPU2201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2123の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-10.大入賞口開放制御処理]
次に、図102を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2019でメインCPU2201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図102は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S2131)。
S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定された場合(S2131がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定された場合(S2131がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2132に移す。
S2132において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口2131への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口カウントスイッチ2132(図88参照)またはV入賞装置2150の内部への遊技球の進入個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口カウントスイッチ2132またはVアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2132がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2133に移す。
一方、S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2132がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2133において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図101のS2119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2133がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2133がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2134において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2134の処理を実行した後、処理を、S2135に移す。
S2135において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2135)を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2135の処理を実行した後、処理を、S2136に移す。
S2136において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2136の処理を実行した後、処理を、S2137に移す。
S2137において、メインCPU2201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2137の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-11.大当り終了処理]
次に、図103を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2020でメインCPU2201により実行される大当り終了処理について説明する。図103は、第3のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する(S2141)。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定された場合(S2141がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定された場合(S2141がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2142に移す。
S2142において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU2201は、S2142の処理を実行した後、処理を、S2143に移す。
S2143において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2143の処理を実行した後、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、上述したとおり、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[4.拡張例]
以下に、上述した第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に共通する拡張例について説明する。なお、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に応じて各構成に付された符号が異なるため、以下の説明では、特定のパチンコ遊技機(とくに第3のパチンコ遊技機)に限る説明である場合を除き、符号を省略する。
[4-1.確変制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機では、大当りの種類に応じて確変フラグをオンにセットするか否かを決定し、確変フラグがオンにセットされる場合に確変回数を決めているが、これに限られず、例えば、以下の態様であってもよい。
例えば、大当り遊技制御処理の実行中に、例えば大入賞口内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し、特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過したと判定された場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグをオンにセットする所謂V確変機であってもよい。なお、上記の特定領域は、例えば、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において可動部材が作動することによって、遊技球の通過が可能または容易な開放状態と、遊技球の進入が不可能または困難な閉鎖状態とに変位させることが可能となっている。
このようなV確変機では、例えば、図104~図107を参照して後述するように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の実行中に上記の特定領域への遊技球の通過のしやすさ、すなわち大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせてもよい。
図104は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの一例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、(C)特定領域の開放態様が第3開放態様である場合、を示す図である。なお、第1開放態様および第2開放態様は、特定領域への遊技球の通過が容易な態様であり、第3開放態様は、特定領域への遊技球の通過が困難な態様である。なお、図104に示される一例では、特定領域は時間制御によって開放状態となるように制御される。
なお、図104では、大入賞口が短開放された後に長開放される態様が示されているが、大入賞口の開放態様はこれに限られない。
図104(A)に示されるように、第1開放態様では、大入賞口の長開放が開始された後の所定時間を除いて、大入賞口が開放状態である間は特定領域も開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図104(B)に示されるように、第2開放態様では、大入賞口の短開放が開始されてから大入賞口の長開放が終了するまでの間、特定領域が開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することは極めて容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグが極めて容易にオンにセットされる。ただし、上述したように、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
一方、図104(C)に示されるように、第3開放態様では、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間(この2回はいずれも短時間)を除いて、特定領域が閉鎖状態となっている。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様および第2開放態様のいずれと比べても困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様の例として、第1開放態様および第2開放態様の2態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様数は、2態様に限られず、1態様だけとしてもよいし、3態様以上としてもよい。
また、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様の例として、第3開放態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様数は、1態様に限られず、2態様以上設けてもよい。
図105は、拡張例における特別図柄判定テーブルの一例である。この図105に示される特別図柄判定テーブルによれば、当落判定値データが「大当り判定値データ」である場合(特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合)、第1特別図柄および第2特別図柄の当り時選択図柄コマンドは、次のように選択される。すなわち、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、40%の選択率で「z0」が選択され、10%の選択率で「z1」が選択され、50%の選択率で「z2」が選択される。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、15%の選択率で「z3」が選択され、50%の選択率で「z4」が選択され、35%の選択率で「z5」が選択される。
図106は、拡張例における大当り種類決定テーブルの一例である。この図106に示される大当り種類決定テーブルによれば、大当りの種類(例えば、ラウンド数、特定領域の開放態様等)は、次のように決定される。すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「3」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(3R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第2開放態様の大当り(10R確変大当りC)に決定される。
すなわち、上記の図104~図106によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、40%の選択率で3R通常大当りAに決定され、10%の選択率で10R通常大当りAに決定され、50%の選択率で10R確変大当りAに決定される。一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、15%の選択率で10R通常大当りBに決定され、50%の選択率で10R確変大当りBに決定され、35の選択率で10R確変大当りCに決定される。このようにして、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせることが可能となる。
なお、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、特定領域は、図104(A)~(C)に示されるように時間制御によって開放状態となる態様に限られず、例えば、後述の図107に示されるように、大入賞口への遊技球の入賞に応じて開放状態となる態様であってもよい。
図107は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの他の例(特定領域が大入賞口への入賞に基づいて開放状態となるように制御される例)であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、を示す図である。
図107(A)に示されるように、他の例の第1開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、大入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域が開放状態となる。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、上述したとおり、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図107(B)に示されるように、他の例の第2開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出された場合に限り、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されたとしても、入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域は開放状態とならず、閉鎖状態が継続する。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様と比べて困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、この場合も、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、上記では、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる例について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされるようにしてもよい。このような仕様は、とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合とで、特定領域の開放態様として同じ開放態様を設ける例について説明したが、これに限られず、例えば、第1特別図柄専用の開放態様や第2特別図柄専用の開放態様を設けるようにしてもよい。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合および第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合のいずれにおいても、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様に決定されうる例について説明したが、これに限られず、いずれか一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理の結果が当りである場合には、少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な態様(第1態様または第2態様)のみに決定されるように構成してもよい。
また、上記では、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様において、特定領域は、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間の2回(いずれも短時間)にわたって開放状態となっているが、特定領域への遊技球の通過が困難であれば、特定領域が開放状態とされる回数は1回であってもよいし複数回であってもよい。
また、特定領域の閉鎖は、予め定められた開放時間の経過や、特定領域が開放するラウンドの終了に応じて閉鎖したり、規定回数の大入賞口や特定領域への入賞に応じて閉鎖するなどするように制御してもよい。また、閉鎖する条件が一つ乃至複数複合していてもよい。
また、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)とが、所定の上限回数(以下、「リミッタ回数」と称する)に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機であってもよい。このようなリミッタ機では、上記の繰り返し回数(以下、「ループ回数」と称する)が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に制御される。このとき、ループ回数もリセットされる。なお、このような遊技機において、リミッタ回数は、一定の回数であってもよいし、例えば、特別図柄の図柄乱数値に応じて決定したり、所定の抽選により決定してもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてリミッタ回数が異なるようにしてもよい。
なお、上記では、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技状態と、時短制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行されるようにしてもよい。とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上述したV確変機である場合には、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、確変制御が実行される遊技状態が継続される。そのため、このようなV確変機では、リミッタ回数を例えばN回とすると、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、所定のリミッタ回数に到達したものとして、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御される。一方、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合、所定のリミッタ回数に到達したものとはならないものの、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過していないため、このような場合も、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御されることとなる。なお、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされる遊技機においても同様である。
また、大当り遊技制御処理の終了後、所定回数の特別図柄ゲームが行われるまで確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)に制御され、所定回数の特別図柄ゲームが行われると、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に移行する所謂ST機であってもよい。このような遊技機において、確変制御が実行される特別図柄ゲームの回数(以下、「ST回数」と称する)を、一定回数としてもよいし、都度異なるようにしてもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてST回数の期待値が異なるようにしてもよい。さらには、例えば転落抽選を行い、転落抽選の結果に基づいて確変制御が終了する所謂転落タイプの遊技機であってもよいし、例えば大当り遊技状態中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技状態の終了後に確変制御が実行される所謂V確変タイプの遊技機であってもよい。
[4-2.時短制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に、大当り遊技制御処理の終了後、時短制御が実行されうるようにしたが、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでない場合であっても、時短制御が実行されうるようにしてもよい。
例えば、特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレであったとしても、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された乱数値のうち特定の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値等)を用いて、特別図柄当り判定処理とは別に、時短制御を実行するか否かを決める時短当落判定処理を行うようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレである場合に時短当落判定を行う場合、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された特別図柄の図柄乱数値が特定の図柄乱数値である場合に、時短制御が実行される「時短当り」に決定することができる。なお、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に時短当落判定処理を行ってもよい。
また、特別図柄当り判定処理とは別に時短当落判定処理を行う場合、時短当落判定処理を、同一フレームにおいて特別図柄当り判定処理に先だって実行してもよい。
また、上記の時短当落判定処理を行う場合、専ら時短当落判定処理に供される時短当落判定用乱数を所定の範囲で発生させて、例えば始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落用乱数値を抽出し、抽出された時短当落用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に供される乱数値は、始動口に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されることは必須ではなく、他の領域(例えば、一般入賞口、小当り入賞口、大入賞口等)に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されるようにしてもよい。さらには、例えば時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域を設けて、この専用の領域を遊技球が例えば通過したことに基づいて、時短当落判定処理に供される乱数値が抽出されるようにしてもよい。
ところで、例えば、時短当落判定処理と特別図柄当り判定処理とが別のタイミングで実行される場合、確定表示すると大当りを示す停止表示態様が導出される特別図柄の可変表示中に時短当落判定処理が実行され、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」となる場合がある。このような場合、メインCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、例えば、強制的に「時短ハズレ」を示す表示態様を導出するとよい。
また、サブCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、表示装置に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄当り判定処理の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が表示装置に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を表示装置に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を表示装置に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであった場合、サブCPUは、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置(例えば液晶表示装置)に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでなかったとしても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPUは、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に表示装置に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理が実行される前に時短当落判定処理が実行される場合、サブCPUは、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短フラグがオンにセットされた状況下)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を表示装置に表示する制御を実行してもよい。
なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
時短当落判定処理に用いられる乱数値は、例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、特別図柄転落判定用乱数値および専用の時短当落判定用乱数値等の複数種類の乱数値のうち、いずれかの乱数値であってもよい。また、設定機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値は、1種類(例えば、時短当落判定用乱数値のみ)に限られず、複数種類の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値)を用いて決定するようにしてもよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング)
時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミングは、特別図柄当り判定処理の契機となる始動口への遊技球の入賞時、普通図柄当り判定処理の実行契機となる通過ゲートへの遊技球の通過時、時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域への遊技球の通過時等、任意のタイミングであってよい。なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出は、賞球の払い出しがある特定の入賞口等への入賞に基づいて行ってもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口等への通過に基づいて行ってもよい。
なお、時短当落判定処理用乱数値を始動口への遊技球の入賞(通過)に基づいて抽出するようにした場合、第1始動口および第2始動口のいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を抽出してもよいし、いずれか一方の特定の始動口に遊技球が入賞した場合にのみ、時短当落判定用乱数値を抽出するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
抽出した時短当落判定処理用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合は、抽出した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄の図柄乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにするとよい。また、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。さらに、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにするとよい。普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合も同様である。さらには、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は、上記の条件に限らず、さまざまな条件に任意に決めることができる。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過した場合は、役物開放当りの種類に応じて時短制御の実行有無および時短回数を決定するようにするとよい。そして、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が実行されなかった場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、「時短当り」に基づいて時短制御の実行有無および時短回数を決定するとよい。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であり、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過しなかった場合は、時短制御が実行されない。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
始動口の遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行する場合、メインCPUは、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留するとよい。
また、メインCPUは、時短当落判定処理に供される乱数値を抽出するとただちに(例えば保留される前に)時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、抽出した乱数値を保留し、特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
時短当落判定処理は、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても実行するようにしてもよいし、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態等)においてのみ実行されるようにしてもよい。また、例えば、いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短制御の態様)
大当りの種類に応じて実行される時短制御の態様と、時短当落判定処理の結果に応じて実行される時短制御の態様とを、同じ態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。例えば、第1の時短フラグおよび第2の時短フラグを用意し、大当り種類に応じて時短制御が実行される場合は第1の時短フラグをオンにセットし、時短当落判定処理の結果に基づいて時短制御が実行される場合は第2の時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。この場合、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで、機能が異なる時短制御が実行されるようにするとよい。例えば、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行い、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行うようにすることができる。また、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち特図短縮制御のみが行われる第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち電サポ制御のみが行われる第2時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。ただし、複数の時短フラグのうちいずれの時短フラグをオンにセットするかについては、上記に限られず、例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定してもよいし、時短当落判定処理が実行されたときの遊技状態に応じて決定してもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定することが好ましい。ただし、これに限られず、例えば、複数の時短当落判定用乱数値が時短当り判定値データとして規定されている場合、セットされる時短回数を、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に代えてまたは加えて、抽出された時短当落判定用乱数値に応じて決定するようにしてもよい。例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された時短当落判定用乱数値が、第1の時短当り判定値データである場合は時短回数を「100」に決定し、第2の時短当り判定値データである場合は時短回数を「50」に決定すること等が相当する。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがオンの時短遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短制御が実行される遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで機能が異なる時短制御が実行されるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPUは、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが、同じ機能の時短制御である場合と異なる機能の時短制御である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが同じ機能の時短制御である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合には、実行中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合、実行中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づく時短制御を実行するようにしてもよい。
なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがオンにセットされる。また、時短制御の実行中に行われた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、実行中の時短制御が終了することとなる。
(時短制御の開始タイミング)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時とすることができる。例えば、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合、小当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングが特別図柄ゲームの終了時であって、同一フレームにおいて時短当落判定処理が特別図柄当り判定処理に先だって行われる場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合には「時短当り」を無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグがオンにセットされず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをオンにセットする(大当りの種類に応じて時短フラグがオンにセットされない場合もある)ことが好ましい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時に限られない。例えば、同一フレームにおいて時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって行う場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、ただちに(特別図柄当り判定処理が行われる前)に時短制御を開始してもよい。この場合、時短当落判定処理に用いられる乱数値の抽出時と、時短当落判定処理の実行時とで、遊技状態(すなわち、時短制御の実行有無)が異なる場合が生じ、興趣を高めることが可能となる。
さらに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングを、所定回数のゲームが実行された後としてもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」となった後、時短制御が開始されるまでの間、時短制御が開始されるか否かの煽り演出をサブCPUにより実行することで、興趣を高めることが可能となる。
なお、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り(時短制御が実行される大当り)であることに基づいて大当り遊技制御が実行される場合、この大当り遊技制御の終了に基づいて、大当りに基づく時短制御が開始されるようにするとよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当り(時短制御が実行される役物開放当り)であって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技制御が実行された場合も、大当り遊技制御の終了に基づいて時短制御が開始されるようにするとよい。また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであることに基づいてVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御が実行されなかった場合、メインCPUは、開閉入賞口2151が閉鎖したことに基づいて、「時短当り」に基づく時短制御を開始するようにするとよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば、「時短制御が実行される遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合」、「時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合」または「時短当落判定処理の結果が時短当りであったにもかかわらず時短回数が0回にセットされた場合」等である。
なお、時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて小当り遊技制御処理が実行された場合は、小当り遊技制御処理の終了後も時短制御が継続して実行される。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短制御の実行中に、特別図柄の当り判定処理が役物開放当りであることを示す停止図柄態様が導出されたことによって開閉入賞口2151が開放されたものの、Vアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が開始されなかった場合、メインCPU2201は、開閉入賞口2151が閉鎖した後も時短制御を継続して実行する。
(時短回数書き換え)
時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、時短回数を書き換えてもよいし、時短回数の書き換えを行わない(すなわち、実行中の時短制御における時短回数を消化するまで時短制御を実行する)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数を消化した時点で書き換えて(セットして)もよいし、特別図柄当り判定処理の実行時にセットしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時や停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落判定処理を行う場合、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第1時短当落判定処理」と称する)と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第2時短当落判定処理」と称する)とで、時短当り確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
時短当落判定処理の結果(時短当りであるか時短ハズレであるか)を表示する時短当落判定結果表示部、または/および、時短当落判定処理の結果(時短当り)に基づいて決定された時短回数を表示する当選時短回数表示部を設けてもよい。時短当落判定結果表示部または/および当選時短回数表示部は、特別図柄表示部等を備えるLED表示群に設けて、メインCPUにより制御されるようにするとよい。ただし、これに代えてまたは加えて、サブCPUにより、例えば液晶表示装置等の表示装置に、時短当落判定処理の結果または/および時短当りに基づいて決定された時短回数を表示するようにしてもよい。
(インターバル)
特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、当該ゲームにおいて特別図柄の可変表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。なお、装飾図柄の可変表示は特別図柄の可変表示と同期するため、この場合、サブCPUは、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を例えば液晶表示装置等の表示装置に表示することが好ましい。
また、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つこの役物開放当りに基づいて大当り遊技制御処理が実行されない場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるときの役物開放当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であるときの上記のインターバル時間よりも長くしてもよいし、同じまたは略同じ時間としてもよい。
[4-3.遊技媒体の管理にかかわる拡張例]
本明細書に記載された第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典(例えば、賞球、賞データ等)が付与される形態全ての遊技機に適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体(例えば、遊技球、メダル等)が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「払い出される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
また、主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。また、球磨き装置を設けずに、遊技球を遊技機の外部に排出する排出機構と、遊技機の外部で磨き上げた遊技球を遊技球の内部に取り込む取込機構とを設けるようにしてもよい。この場合、取込機構は、取込専用の樋を設けてもよいし、遊技領域に設けられた入賞口から取り込むように構成してもよい。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。また、例えば、遊技の終了によって封入式の遊技機に記憶される遊技価値(すなわち持ち球)の全部を清算したり、持ち球の一部を遊技媒体管理装置に送信する操作を行ったりすることによって、持ち球の全部または一部が遊技媒体管理装置で管理される遊技価値に統合される場合、封入式の遊技機に記憶される遊技価値は、減算またはクリアされ、持ち球数は減少する。さらに、遊技領域の上方から遊技球が発射されるタイプの遊技機にはファール球の概念がないが、従来の遊技機のように下方から遊技球が発射される場合にはファール球が発生しうる。そのため、下方から遊技球が発射されるタイプの遊技機の場合、ファール球の発生有無によっても、持ち球数の増減が発生する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この第2実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
なお、封入式の遊技機は、遊技者が遊技球に触れることができないように構成されていればよく、例えば、遊技球を島設備で循環させずに当該遊技機のみで循環させるタイプのもの、および、遊技球が島設備を循環するものの遊技者が遊技球に触れることができないタイプのもの等も、封入式の遊技機に含まれる。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。また、主制御回路と遊技媒体管理装置とを直接通信接続するのではなく、主制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けて、枠制御回路を経由して主制御回路と遊技媒体管理装置とを通信接続するようにしてもよい。また、主制御回路とは別に発射制御回路を設け、発射制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けるように構成してもよい。この場合、主制御回路や発射制御回路のエラー制御を枠制御回路で行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる場合、メインCPUは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPUは、可変表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は可変表示中と同様の態様でLED群で構成される特別図柄の可変表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
[4-4.その他の拡張例]
本明細書では、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、本明細書に記載された技術を、例えばパチスロ等、他の遊技機に適用することができる。
本明細書に記載された技術をパチンコ遊技機およびパチスロのいずれに適用した場合であっても、図柄の仮停止を伴う演出については、リールによる仮停止を含んでも良い。なお、図柄の「停止」には本停止と仮停止があり、「停止」の解釈はいずれであってもよい。また、遊技者による遊技を行うための操作には、レバー、ハンドル、ボタンなどの操作、タッチ等、いずれであってもよい。
パチンコ遊技機では、演出ボタンを操作することによって遊技機の管理者が演出等の設定を行う場合があるが、当該演出ボタンによる設定の後、遊技者が遊技を開始するよう運用される場合がある。この場合、結果的に、管理者による操作が、遊技者が遊技を行うための操作となる場合も想定される。同様にパチスロでは、管理者が2ベット遊技を行い、2ベット遊技に応じたBBフラグが成立した状態で、遊技者が3ベット遊技を行う運用を想定する場合がある。この場合、遊技者が2ベット遊技と3ベット遊技とのいずれでも遊技を行うことができるものの、2ベット遊技を遊技機の管理者が行う場合があるため、管理者が行う遊技(例えば、2ベット遊技等)やホールメニューの選択等が、遊技者が遊技を行うための操作であってもよい。
パチンコ遊技機では、メインCPUの制御により右打ちか左打ちかを報知することで遊技者の遊技方法を管理し、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
パチスロでは、遊技者による押し順(アシスト)等、遊技者の遊技方法をメインCPUの制御により管理する場合があるが、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合に、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機では、主制御基板と払出制御基板とが別基板で搭載されているが、1ボードであってもよい。パチスロでは、払出制御基板が存在しない場合があるが、主制御基板で払出が制御されていてもよいし、主制御基板と払出制御基板とに分かれていてもよい。
また、パチスロは、通常、種々の遊技に必要な装置を内部に収納した矩形の筐体、及び筐体に対して開閉可能な扉を備えているが、パチスロにおける筐体を枠としてとらえることが可能である。一方、パチンコにおいては、外枠を筐体ととらえること、外枠及びベースドアを筐体ととらえること、外枠、ベースドア、ガラスドア及び皿ユニットからなる遊技機全体を筐体ととらえること等が可能である。なお、筐体と扉との間や、枠と扉との間に、各種制御基板が設けられたユニット、中枠、中間部などが存在していてもよいし、扉、枠、筐体等に、各種制御基板や表示手段、装飾部、役物等が存在していてもよい。
[第2実施形態]
本発明の実施形態に係る遊技機の一例として、第4のパチンコ遊技機、第5のパチンコ遊技機、及び、第6のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
[5.第4のパチンコ遊技機]
次に、第4のパチンコ遊技機について説明する。第4のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機であり、第1のパチンコ遊技機と同様に第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示される。また、第4のパチンコ遊技機は、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機であり、また、所謂ST機でもある。特に、第4のパチンコ遊技機は、普通電動役物が捕捉した遊技球を、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに始動入賞させるように電気的に振り分ける振分装置を設けている点において第1のパチンコ遊技機と異なる。それ故、遊技盤ユニットおよび電気的構成についても、第1のパチンコ遊技機と異なる点がある。
以下、第4のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板3184(図87参照)から第4のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ3186(図87参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第4のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第4のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[5-1.遊技盤ユニット]
図108は、第4のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット3010の外観を示す正面図の一例である。
図108に示されるように、遊技盤ユニット3010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域3105が形成される遊技パネル3100と、ガイドレール3110と、遊技領域3105の略中央部に配置されるセンター役物3115と、一般入賞口3122A、3122Bと、クルーンユニット3124と、通過ゲートユニット3125と、中央入球口3128と、特別電動役物ユニット3130と、普通電動役物ユニット3145と、始動入賞役物ユニット3150と、LEDユニット3160と、アウト口3178と、遊技盤ユニット3010の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、LEDユニット3160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット1160と同様であり、この第4のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル3100には、表示装置3007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル3100の前面には、ガイドレール3110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール3110から遊技領域3105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域3105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル3100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル3100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル3100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル3100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
なお、本実施例では、裏ユニットを正面視で視認できるように遊技パネル3100が透明樹脂で構成されているが、遊技パネル3100の全部を透明としてもよいし、一部のみを透明としてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール3110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域3105は、ガイドレール3110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置3006(図114参照)から発射された遊技球を遊技領域3105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物3115は、遊技パネル3100の開口にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール3116を備えている。遊技領域3105に向けて発射された遊技球は、センターレール3116によって左右に振り分けられる。
第4のパチンコ遊技機においても、第1のパチンコ遊技機と同様に、遊技領域3105のうち、センター役物3115よりも左側の領域を左側領域3106と称し、センター役物3115よりも右側の領域を右側領域3107と称する。
発射装置6によって遊技領域3105に向けて発射された遊技球は、左側領域3106または右側領域3107を流下する。左側領域3106または右側領域3107を流下する遊技球は、遊技パネル3100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域3106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域3107を流下する。すなわち、遊技者によって左打ちによって左側領域3106に向けて、右打ちによって右側領域3107に向けて遊技球を打ち分け可能とされている。
また、センター役物3115には、左側の外周縁部に、左側領域3106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口3117が形成されている。ワープ入口3117に進入した遊技球は、センター役物3115に形成されたステージ3118に誘導可能に構成されている。ステージ3118は、表示装置3007の表示領域の下方前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ3118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ3118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口3119が形成されており、チャンス入口3119に進入した遊技球は、中央入球口3128の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口3119に進入した遊技球は、ワープ入口3117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口3117に進入したもののチャンス入口3119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で中央入球口3128に入球(通過)するようになっている。
(中央入球口)
中央入球口3128は、センター役物3115におけるチャンス入口3119の直下に配置されている。中央入球口3128に入球(通過)した遊技球は、クルーンユニット3124に進入する。
(一般入賞口)
一般入賞口3122Aは、遊技領域3105の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口3122Aに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ3123A(後述の図114参照)により検出される。一般入賞口3122Bは、遊技領域3105の右下方に1つ配置されており、右打された遊技球の中で、特別電動役物ユニット3130、普通電動役物ユニット3145及び始動入賞役物ユニット3150に捕捉されなかった遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口3122Bの周囲には例えば4数に1球入賞できるように遊技釘が配列されており、一般入賞口3122Bに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ3123B(後述の図114参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ3123A(後述の図114参照)により一般入賞口3122Aへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口3122Aへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。一般入賞口スイッチ3123B(後述の図114参照)により一般入賞口3122Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば1個の賞球が払い出されるが、一般入賞口3122Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は1個に限られない。
(クルーンユニット)
クルーンユニット3124は、クルーン皿3210と、第1始動口スイッチ3121A(後述の図114参照)と、2つの通過ゲートスイッチ3127A(後述の図114参照)とを備えている。クルーン皿3210は、中央入球口3128の下方に配置されており、円形の浅い凹面を有し、凹面の中心を囲むように1つの第1始動口3120A及び2つの普図始動口3220が形成されている。第1始動口スイッチ3121A(後述の図114参照)は、第1始動口3120Aを通過した遊技球の搬送経路に配置され、遊技球の通過を検知する。通過ゲートスイッチ3127A(後述の図114参照)は、普図始動口3220を通過した遊技球の搬送経路に配置され、遊技球の通過を検知する。なお、通過ゲートスイッチ3127A(後述の図114参照)は、2つの普図始動口3220にそれぞれ設けても、2つの普図始動口3220を通過した遊技球の搬送経路における合流部位に1つ設けてもよい。
中央入球口3128に入球(通過)した遊技球は、クルーン皿3210の外周部に周方向に放出される。クルーン皿3210に放出された遊技球は、クルーン皿3210の外周を周回し、転送速度が遅くなるに連れて周回しながら凹面の中心に向かっていく。そして、遊技球は、第1始動口3120A及び2つの普図始動口3220のいずれか一つを通過して、第1始動口スイッチ3121A(後述の図114参照)或いは通過ゲートスイッチ3127A(後述の図114参照)に検出される。
第1始動口スイッチ3121A(後述の図114参照)により第1始動口3120Aへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口3120Aに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。
通過ゲートスイッチ3127Aにより普図始動口3220への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ3127Aにより普図始動口3220への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット3125は、右側領域3107に配置されており、右打ちされた遊技球が通過できるように構成された通過ゲート3126と、通過ゲート3126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ3127B(後述の図114参照)とを一体化したユニット体である。通過ゲートユニット3125は、普通電動役物ユニット3145の下方に配置されており、通過ゲートユニット3125の下方には、特別電動役物ユニット3130、始動入賞役物ユニット3150及び一般入賞口3122Bが配置される。
通過ゲートスイッチ3127Bにより通過ゲート3126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。なお、通過ゲートスイッチ3127Aにより通過ゲートユニット3125への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット3125は、右側領域3107に代えてまたは加えて左側領域3106に配置されていてもよい。
また、普図始動口3220及び通過ゲート3126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。すなわち、大当りでない遊技状態(例えば通常遊技状態等)から大当り遊技状態への移行条件は、条件装置および役物連続作動装置の両方が作動することであるが、大当りであることを示す停止表示態様(図柄組合せ)が導出された際に、条件装置については作動させるものの役物連続作動装置については作動させないようにすることができる。そして、条件装置が作動していることを前提として、通過ゲートスイッチ3127B(後述の図114参照)により遊技球が検出されたことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
この明細書において、普図始動口3220及び通過ゲート3126への遊技球の通過を始動通過と称し、普図始動口3220及び通過ゲート3126のいずれかへの遊技球の通過によって抽出された普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を普通図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで普通図柄の始動情報を記憶することを保留と称し、保留されている普通図柄の始動情報を「普通図柄の保留球」とも称する。また、普通図柄を普図と略称する場合がある。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット3130は、大当り用大入賞口3131と、大当り用大入賞口3131への遊技球の入賞(通過)を検出する大当り用大入賞口カウントスイッチ3132(後述の図114参照)と、特別電動役物3133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット3130は、遊技領域3105内の略右下部に配置されている。
大当り用大入賞口3131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大当り用大入賞口3131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置したり、センター役物3115の上部において遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大当り用大入賞口3131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大当り用大入賞口カウントスイッチ3132(後述の図114参照)により大当り用大入賞口3131への遊技球の入賞が検出されると、例えば15個の賞球が払い出される。ただし、大当り用大入賞口3131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は15個に限られない。
特別電動役物3133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ3134と、この特電用シャッタ3134を作動させる特電用ソレノイド3135(後述の図114参照)とを備える。特別電動役物3133すなわち特電用シャッタ3134は、大当り用大入賞口3131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大当り用大入賞口3131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。大当り遊技状態における大当り用大入賞口3131の閉鎖状態から開放状態への状態移行は、所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大当り用大入賞口3131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。小当り遊技状態は、大当り用大入賞口3131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態であり、複数ラウンドにわたって行うものではない点で大当り遊技状態とは異なる。なお、小当り遊技状態において、所定期間内に開放状態と閉鎖状態とを複数回繰り返すことは可能である。
なお、本実施例では、大当り用大入賞口3131が、大当り遊技制御処理の実行時及び小当り遊技制御処理の実行時に開放されるが、これに限られず、大当り用大入賞口3131とは別に小当り用大入賞口に設け、大当り遊技制御処理の実行時に大当り大入賞口3131を開放し、小当り遊技制御処理の実行時に小当り用大入賞口を開放させるようにしてもよい。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット3145は、遊技領域3105の右側領域3107における通過ゲートユニット3125の上方に配設されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口3149と、この入賞口3149への遊技球の入賞を検出する普通電動役物入球スイッチ3122(後述の図114参照)と、普通電動役物3146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口3149を一般入賞口とし、上記のスイッチを一般入賞口スイッチとしている。
普通電動役物3146は、前後方向に進退可能な普電用シャッタ3147と、この普電用シャッタ3147を作動させる普電用ソレノイド3148(後述の図114参照)とを備える。普通電動役物3146すなわち普電用シャッタ3147は、入賞口3149への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、入賞口3149への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ3147に代えて、所謂電動チューリップと呼ばれる例えば一対の羽根部材からなる可動部材を採用してもよい。また、可動部材は、一対に限られず、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
普通電動役物ユニット3145が遊技パネル3100に配設された場合に、普通電動役物3146が捕捉して入賞口3149を通過した遊技球を、始動入賞役物ユニット3150に搬送する搬送経路3540(図109参照)が形成される。詳細については後述するが、普通電動役物3146が捕捉した遊技球の移動先が、振分装置3506(図109参照)によって第1作動機構3511(図109参照)に向かう第1通路3504(図109参照)又は第2作動機構3513(図109参照)に向かう第2通路3505(図109参照)に振り分けられ、第1作動機構3511(図109参照)又は第2作動機構3513(図109参照)のいずれかを通過する。これにより、第1非電動役物3440又は第2非電動役物3441のいずれかが開状態となる。
(始動入賞役物ユニット)
始動入賞役物ユニット3150は、遊技領域3105の右側下部の領域における通過ゲートユニット3125の下方でかつ特別電動役物3133の上方に配設されている。始動入賞役物ユニット3150は、第1非電動役物3440、第2非電動役物3441、アウト口3442、カバー板3443等を備えており、これらの部材を一体化したユニット体である。始動入賞役物ユニット3150が遊技パネル3100に配設された場合に、第1非電動役物3440、第2非電動役物3441は、通過ゲート3126の下方に第2非電動役物3441、第1非電動役物3440の順に配置される。
第1非電動役物3440は、始動入賞役物ユニット3150の本体に回動可能に取り付けられる羽根部材3510と、遊技球の移動に連動して羽根部材3510を回動させる第1作動機構3511(図109参照)と、を備えている。羽根部材3510は、図108に示すように、回動軸方向視した場合に弧状に形成されており、その中央部が回動自在に支持され、遊技パネル3100の盤面に沿って回動する。羽根部材3510は、第1作動機構3511(図109参照)によって、羽根部材3510の内側の面に遊技球が乗りやすい開状態及び羽根部材3510の内側の面に乗り難い閉状態に切り替えられる。
第2非電動役物3441は、始動入賞役物ユニット3150の本体に回動可能に取り付けられる羽根部材3512と、遊技球の移動に連動して羽根部材3512を回動させる第2作動機構3513(図109参照)と、を備えている。羽根部材3512は、図108に示すように、回動軸方向視した場合に弧状に形成されており、その中央部が回動自在に支持され、遊技パネル3100の盤面に沿って回動する。第2作動機構3513(図109参照)は、羽根部材3512の内側の面に遊技球が乗りやすい開状態及び羽根部材3512の内側面に乗り難い閉状態に切り替えられる。
第1非電動役物3440には、羽根部材3510の開く動作を検知する第1非電動役物作動スイッチ3514(図114参照)が備えられている。また、第2非電動役物3441には、羽根部材3512の開く動作を検知する第2非電動役物作動スイッチ3515(図114参照)が備えられている。メインCPU3201(図114参照)が、第1始動口スイッチ3121B或いは第2始動口スイッチ3141が遊技球を検出した時に、その時点よりも所定時間前までに第1非電動役物作動スイッチ3514或いは第2非電動役物作動スイッチ3515が遊技球を検出していない場合に異常と判定し、遊技異常検知コマンドの送信予約を行う。
第1非電動役物3440及び第2非電動役物3441は、一般に、メカチューと称される役物である。
始動入賞役物ユニット3150は、詳細については後述するが、普通電動役物3146が捕捉した遊技球を第1作動機構3511(図109参照)及び第2作動機構3513(図109参照)のいずれかに振り分ける振分装置3506(図109参照)を更に有している。このため、普通電動役物3146が捕捉ことによって羽根部材3510及び羽根部材3512のいずれかが開くようになる。
カバー板3443は、遊技領域3105における右側下部の領域をカバーする透明の装飾部材である。第1非電動役物3440及び第2非電動役物3441等の前方は、カバー板3443によって覆われる。このカバー板3443の裏面には、突条に延びる案内路3500が形成されており、カバー板3443が遊技パネル3100に装着された場合に案内路3500が、通過ゲートユニット3125の下方に配置される。
案内路3500は、通過ゲートユニット3125側から落下した遊技球を受けて、センター役物3115と始動入賞役物ユニット3150との間に導くように斜め方向に延びる斜面部分と、この斜面部分の下端から特別電動役物3133側に向かって案内部分とを有する。案内部分は、三段に形成されており、この段差の付根部分にそれぞれ孔部が形成されている。これら2つの孔部において、下流側の孔部が第1始動口3120Bとして機能し、中央の孔部がアウト口3442として機能し、上流側の孔部が第2始動口3140として機能する。
第1非電動役物3440の羽根部材3510の回動軸は、第1始動口3120Bとして機能する孔部の開口における下流側に配置され、閉状態においては、先端部が開口の上流側に当接又は近接することにより、第1始動口3120Bが羽根部材3510によって閉鎖される。開状態においては、羽根部材3510の先端部が案内路3500から離間することによって第1始動口3120Bが開放されるとともに、第1始動口3120Bに向かう弧状の斜面が羽根部材3510に形成される。このように羽根部材3510は、開くことによって遊技球が乗り易い状態となり、羽根部材3510に乗った遊技球は、第1始動口3120B側に移動する。すなわち、羽根部材3510が開くことによって、遊技球が第1始動口3120Bに入球し易くなる。
第2非電動役物3441の羽根部材3512の回動軸も同様に、第2始動口3140として機能する孔部の開口における下流側に配置され、閉状態においては、羽根部材3512の先端部が開口の上流側に当接又は近接することにより、第2始動口3140が羽根部材3512によって閉鎖される。開状態においては、羽根部材3512の先端部が案内路3500から離間することによって第2始動口3140が開放されるとともに、第2始動口3140に向かう弧状の斜面が羽根部材3512に形成される。このように羽根部材3512は、開くことによって遊技球が乗り易い状態となり、羽根部材3512に乗った遊技球は、第2始動口3140側に移動する。すなわち、羽根部材3512が開くことによって、遊技球が第2始動口3140に入球し易くなる。
アウト口3442は、案内路3500における第2非電動役物3441と第1非電動役物3440との間に配置されている。案内路3500に沿って流下する遊技球は、アウト口3442を通り過ぎることが多く、アウト口3442への遊技球の入球は比較的稀である。アウト口3442に入球した遊技球は遊技パネル3100の外部に排出され、再び遊技領域3105に戻ることはない。
第1始動口3120Bに遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ3121B(後述の図114参照)により検出される。第1始動口3120A,3120Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第1特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第1始動口スイッチ3121B(後述の図114参照)により第1始動口3120Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口3120Bに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。
第2始動口3140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ3141(後述の図114参照)により検出される。また、第2始動口3140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ3141(後述の図114参照)により検出される。第2始動口3140のいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第2始動口スイッチ3141(後述の図114参照)により第2始動口3140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば1個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口3140に遊技球が入賞すると例えば15個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口3140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(始動入賞役物ユニット3150の内部構成)
ここで、始動入賞役物ユニット3150の内部構成の要部について、図109を参照しながら説明する。
始動入賞役物ユニット3150は、共通通路3541と、第1通路3504と、第2通路3505と、振分装置3506と、第1作動機構3511と、第2作動機構3513と、を更に備えている。共通通路3541は鉛直下方に延びており、共通通路3541の一端部は、搬送経路3540の出口に連結され、共通通路3541の他端部は、第1通路3504と、第2通路3505とに分岐している。第1通路3504は共通通路3541に対して斜め下方に延びており、第2通路3505は共通通路3541に連続して鉛直下方に延びている。
第1通路3504、第2通路3505及び共通通路3541は、突条3551~3556が形成された平板3550をカバー板3443の裏面に対して遊技球が通過可能な程度の隙間を空けて配置することによって形成される。共通通路3541は、突条3555と突条3556との間に形成される。第1通路3504は、突条3551と突条3552との間に形成される。第2通路3505は、突条3553と突条3554との間に形成される。
突条3555及び突条3556は、1つの遊技球が通過可能な間隔で鉛直方向に沿って並列配置されている。突条3551は、鈍角のL字型に形成されており、突条3555の下端から斜め下方に延びて更に鉛直方向に沿って延びている。突条3554は、突条3555の下端か鉛直方向に沿って延びている。突条3552と突条3553は、突条3551と突条3554の内側に配置され、突条3552は鈍角のL字型に形成されており、斜め下方に延びて更に鉛直方向に沿って延びている。突条3553は鉛直方向に沿って延びている。突条3553の鉛直方向の長さは、突条3552の鉛直方向に延びた部分の長さよりも長く、突条3553の上端は突条3555の下端に対して遊技球が通過可能な間隔で配置されている。このため、第2通路3505よりも第1通路3504の入口が低くなっている。また、突条3553の上端は突条3552の上端に連結しており、突条3552の斜め下方に延びた部分は、突条3551の斜め下方に延びた部分と平行である。
突条3554にスリット3557が形成されている。このスリット3557は、突条3554における、突条3552の斜面に沿った延長線上部位に形成されている。
(振分装置)
振分装置3506は、共通通路3541と第2通路3505との間の領域に配置されている。
振分装置3506は、普通電動役物3146よって捕捉され、共通通路3541を通過して共通通路3541の出口から落下した遊技球を、第1通路3504及び第2通路3505のいずれかに振り分けるものである。
振分装置3506は、平板部材3531と、平板部材3531を斜め方向にスライド移動させる振分ソレノイド3532(図114参照)と、を備えている。平板部材3531は、第2通路3505の入口の上部に斜めに配置され、第2通路3505を閉鎖することが可能な大きさを有している。また、平板部材3531は、斜め方向にスライド移動可能であり、スライド移動により、第2通路3505の入口を閉鎖する状態、第2通路3505の入口を開放する状態のいずれかに切り替えることが可能である。
振分ソレノイド3532への通電制御はメインCPU3201によって行われる。振分ソレノイド3532に通電していない状態では、第2通路3505の入口が平板部材3531によって閉鎖された状態にある。振分ソレノイド3532に通電してソレノイド鉄心を変化させた場合には、平板部材3531が斜め上方に移動して、第2通路3505の入口が開放される。この時、平板部材3531の略全体が外部に移動する。
カバー板3443が透明部材によって構成されているため、平板部材3531の動作及び振分装置3506によって遊技球が振り分けられる様子が遊技者によって視認可能になる。
[振分装置3506の動作]
図110は振分装置3506への通電がオフの場合における遊技球の移動経路を示す説明図である。図111は振分装置3506への通電がオンの場合における遊技球の移動経路を示す説明図である。図112は遊技球が第1作動機構3511を通過した場合の遊技パネル3100の盤面を示す説明図である。図113は遊技球が第2作動機構3513を通過した場合の遊技パネル3100の盤面を示す説明図である。
振分装置3506への通電がオフの場合には、図110に示すように、第2通路3505が振分装置3506によって閉鎖された状態にある。この状態で、普通電動役物3146が遊技球を捕捉すると、図110に示すように、遊技球は第1作動機構3511を通過するようになり、第1作動機構3511が遊技球の通過に連動して、閉状態にある第1非電動役物3440(図108参照)の羽根部材3510(図108参照)が、図112に示すように、開状態に切り替わる。なお、羽根部材3510が開状態にあるときに遊技球が第1作動機構3511を通過した場合には、羽根部材3510は開状態のまま維持される。第1非電動役物3440の羽根部材3510が開状態において遊技球を1個捕捉した場合には、開状態が維持され、2個目の遊技球を捕捉した場合に閉状態となる。なお、第1非電動役物3440が開状態において遊技球を2個同時に捕捉した場合、或いは遊技球を1個捕捉した後に2個同時に捕捉した場合には閉状態となる。なお、第1非電動役物3440の羽根部材3510が開状態において遊技球を2個捕捉した場合に閉状態となるものとしたが、1個捕捉した場合に閉状態となるものとしてもよい。
振分装置3506への通電がオンの場合には、図111に示すように、第2通路3505が開放された状態にある。この状態で、普通電動役物3146が遊技球を捕捉すると、遊技球は第2作動機構3513を通過するようになり、第2作動機構3513が遊技球の通過に連動して、閉状態にある第2非電動役物3441(図108参照)の羽根部材3512(図108参照)が、図113に示すように、開状態に切り替わる。なお、羽根部材3512が開状態にあるときに遊技球が第2作動機構3513を通過した場合には、羽根部材3512は開状態のまま維持される。第2非電動役物3441の羽根部材3512が開状態において遊技球を1個捕捉した場合には、開状態が維持され、2個目の遊技球を捕捉した場合に閉状態となる。なお、第2非電動役物3441が開状態において遊技球を2個同時に捕捉した場合、或いは開状態に切り替わり、遊技球を1個捕捉した後に2個同時に捕捉した場合にも閉状態となる。なお、第2非電動役物3441の羽根部材3512が開状態において遊技球を2個捕捉した場合に閉状態となるものとしたが、1個捕捉した場合に閉状態となるものとしてもよい。
第1非電動役物3440又は第2非電動役物3441が捕捉した遊技球を、第1始動口スイッチ3121B(図114参照)又は第2始動口スイッチ3141(図114参照)が検知することにより、所定数の遊技球が賞球として遊技者に付与される。また、普通電動役物入球スイッチ3122(図114参照)が遊技球を検知することにより所定数の遊技球が賞球として遊技者に付与される。つまり、普通電動役物3146の普電用シャッタ3147によって遊技球が捕捉されることで、遊技者に賞球が付与される。なお、第4のパチンコ遊技機においては、普通電動役物3146の普電用シャッタ3147によって捕捉された遊技球は、捕捉された後に必ず普通電動役物入球スイッチ3122を通過し、普通電動役物入球スイッチ3122が遊技球を検知することによって遊技者に賞球が付与されることから、普通電動役物3146による遊技球の捕捉には入賞の意味も含まれる。更に、振分装置3506によって遊技球が第1通路3504又は第2通路3505に振り分けられた場合にも、第1始動口3120B又は第2始動口3140に始動入賞し易くなるため、遊技者に賞球獲得の機会が与えられる。
なお、上述した第4のパチンコ遊技機によれば、上流側から普通電動役物3146、第2非電動役物3441、第1非電動役物3440の順に配置されているが、これら3つの役物は、遊技領域3105における右側領域3107に配置されていれば、順序は問わない。
(アウト口)
図108において、アウト口3178は、遊技領域3105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口3120A、3120B、第2始動口3140、大当り用大入賞口3131、一般入賞口3122A、3122B等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口3178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域3105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口3178に加えて、最下流側でない位置、例えば一般入賞口3122Bの下方やクルーン皿3210にアウト口を設けて、遊技領域3105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第1のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット3010を装飾するものであって、上述したように、透過性のある遊技パネル3100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路3300(後述の図114参照)によって制御される可動役物等の演出用役物群3058を備える。演出用役物群3058は、表示装置3007の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群3058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[5-2.電気的構成]
次に、図114を参照して、第4のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図114は、第4のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図114に示されるように、第4のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路3200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路3300と、払出・発射制御回路3400と、電源供給回路3450と、から構成される。
[5-2-1.主制御回路]
主制御回路3200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU3201、メインROM3202(読み出し専用メモリ)、メインRAM3203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路3204およびバックアップコンデンサ3207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU3201には、メインROM3202、メインRAM3203および初期リセット回路3204等が接続される。メインCPU3201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM3202には、メインCPU3201により第4のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU3201は、メインROM3202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM3203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM3203は、メインCPU3201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU3201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路3204は、メインCPU3201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ3207は、電断時等に、メインRAM3203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路3200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート3205、および、サブ制御回路3300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート3206等も備える。
また、主制御回路3200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路3200には、上述した普通図柄表示部3161、普通図柄用保留表示部3162、第1特別図柄表示部3163、第2特別図柄表示部3164、第1特別図柄用保留表示部3165、第2特別図柄用保留表示部3166、普電用ソレノイド3148、特電用ソレノイド3135、振分ソレノイド3532等が接続されている。また、主制御回路3200には、これらの他、性能表示モニタ3170およびエラー報知モニタ3172等も接続されている。主制御回路3200は、I/Oポート3205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ3170には、メインCPU3201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ3172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ3172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路3200には、第1始動口スイッチ3121A,3121B、第2始動口スイッチ3141、通過ゲートスイッチ3127A,3127B、大当り用大入賞口カウントスイッチ3132、普通電動役物入球スイッチ3122、一般入賞口スイッチ3123A、3123B、第1非電動役物作動スイッチ3514及び第2非電動役物作動スイッチ3515等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート3205を介して主制御回路3200に出力される。
さらに、主制御回路3200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ3186にデータ送信する際に用いる外部端子板3184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー3174、メインRAM3203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ3176等が接続されている。本実施例において、バックアップクリアスイッチ3176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー3174およびバックアップクリアスイッチ3176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー3174やバックアップクリアスイッチ3176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー3174およびバックアップクリアスイッチ3176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー3174または/およびバックアップクリアスイッチ3176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー3174およびバックアップクリアスイッチ3176は、主制御回路3200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路3400や電源供給回路3450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー3174やバックアップクリアスイッチ3176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[5-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路3300は、サブCPU3301、プログラムROM3302、ワークRAM3303、表示制御回路3304、音声制御回路3305、LED制御回路3306、役物制御回路3307およびコマンド入力ポート3308等を備える。サブ制御回路3300は、主制御回路3200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図114には示されていないが、サブ制御回路3300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM3302には、サブCPU3301により第4のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU3301は、プログラムROM3302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU3301は、主制御回路3200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM3303は、サブCPU3301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路3304は、表示装置3007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路3304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路3304は、サブCPU3301からの画像表示命令に応じて、表示装置3007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置3007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路3304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置3007に供給する。表示装置3007に画像信号が供給されると、表示装置3007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路3304は、表示装置3007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路3305は、スピーカ32から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路3305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ32から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU3301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ32から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路3306は、装飾LED等を含むLED群46の制御を行うための回路である。LED制御回路3306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路3307は、各役物(例えば、演出用役物群58のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路3307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や動作パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路3307は、サブCPU3301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU3301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート3308は、コマンド出力ポート3206と接続されており、主制御回路3200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路3400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路3400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット3180等が接続されている。
払出・発射制御回路3400は、主制御回路3200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置3082に対して所定の信号を送信し、払出装置3082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット3180には、球貸し操作パネル3182が接続されている。球貸し操作パネル3182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット3180に送信される。払出・発射制御回路3400は、カードユニット3180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置3082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル3182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット3180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路3400は、発射ハンドル62が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路3450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路3200、サブ制御回路3300、払出・発射制御回路3400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路3450には、電源スイッチ3095等が接続されている。電源スイッチ3095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路3200、サブ制御回路3300、払出・発射制御回路3400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
第4のパチンコ遊技機の遊技フローは、図7に示す第1のパチンコ遊技機の遊技フローと同様であるため、説明は省略する。
[5-3.第4のパチンコ遊技機の基本仕様]
次に、第4のパチンコ遊技機1の基本仕様について説明する。
第4のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態(通常状態と略称する場合もある)、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、及び確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU3201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU3201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られず、確変制御は実行されるものの時短制御が実行されない高確非時短遊技状態を加えてもよい。更に、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態については進行されないようにしてもよい。例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技が進行するようにし、高確非時短遊技状態において遊技が進行しないようにするなどしてもよい。
また第4のパチンコ遊技機では、時短制御として、所定の条件を満たすことにより、a時短、b時短及びc時短を作動させる制御が行われる。a時短、b時短及びc時短の詳細については後述する。
また第4のパチンコ遊技機において、通常遊技状態では左打ちが推奨され、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが推奨される。サブCPU301は、推奨される打ち方を、例えば表示装置4007の表示領域に表示する制御を実行する。なお、高確時短遊技状態又は低確時短遊技状態から通常遊技状態又は高確非時短遊技状態に移行しても、すぐに、高確時短遊技状態又は低確時短遊技状態に再度移行することが確定している場合には、通常遊技状態又は高確非時短遊技状態であっても右打ちを推奨する表示を行ってもよい。
[大当り、小当り確率]
第4のパチンコ遊技機において、メインCPU3201は、第1始動口3120A、3120Bへの遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し(以下、第1特別図柄抽選、或いは特図1抽選と称する)、メインRAM3203に記憶される第1特別図柄の当り判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定を行う。
また、メインCPU3201は、第2始動口440への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し(以下、第2特別図柄抽選、或いは特図2抽選と称する)、メインRAM3203に記憶される第2特別図柄の当り判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定を行う。
第4のパチンコ遊技機において、第1特別図柄抽選で大当り判定となる確率は低確率状態で約1/319であり、高確率状態で約1/99である。第1特別図柄抽選で小当り判定となる確率は0である。第2特別図柄抽選で大当り判定となる確率は0であり、小当り判定となる確率は低確率状態で約317/319であり、高確率状態で約97/99である。ここで、第4のパチンコ遊技機によれば、高確率非時短遊技状態においては、普通電動役物3146を作動させることによって第2始動口3140への入賞をサポートする機能、所謂、電チューサポートがないため、第2始動口3140に入賞することは困難である。また、詳細については後述するが、高確率時短遊技状態においては、普通電動役物3146が遊技球を捕捉しても、第1非電動役物3440が開放して第1始動口3120に入賞し易くなり、第2始動口3140に入賞することは困難である。このように、高確率状態において第2始動口3140に入賞することが困難であるため、高確率状態である確変状態において小当り当選が出にくい仕様となっている。なお、第4のパチンコ遊技機の第2特別図柄の当り判定テーブルに大当りを含めてもよく、例えば、低確率状態で約1/319、高確率状態で約1/99で大当りに当選するように設定してもよい。また、第4のパチンコ遊技機によれば、第2特別図柄抽選の結果がほとんど小当りであり、小当り遊技状態への移行を期待させる演出が必要ないことから、遊技を円滑に進行させるために、第2特別図柄の変動パターンとして短時間変動のパターンが決定され易くなっている。
特図抽選による大当り当選によって大当り遊技状態に移行した場合、ラウンド数「10回」のラウンドゲームが実行される。1ラウンドは10個の遊技球の入賞又は開放時間が30秒経過した場合に終了し、このラウンドが10回繰り返される。特図抽選による小当り当選によって小当り遊技状態に移行した場合、大当り用大入賞口3131が10回開放される。この時の1回の開放時間は1個の遊技球が入賞可能な程度に設定されている。
[賞球数]
大当り用大入賞口3131に入賞した場合には、15個の遊技球が払い出される。第1始動口3120A、3120Bに入賞した場合には、4個の遊技球が払い出される。第2始動口3140に入賞した場合には、15個の遊技球が払い出される。大当り用大入賞口3131に入賞した場合には、15個の遊技球が払い出される。一般入賞口3122Aに入賞した場合には、4個の遊技球が払い出される。一般入賞口3122Bに入賞した場合には、1個の遊技球が払い出される。普通電動役物3146に入賞した場合には、1個の遊技球が払い出される。
[時短遊技]
第4のパチンコ遊技機においては、次の3つの条件のいずれかが満たされた場合に時短状態に移行する。
・大当り終了後(以下、a時短と称する場合がある)
・条件装置の作動に係る抽選回数、すなわち特別図柄の変動回数が規定の作動回数nに到達した場合(以下、b時短と称する場合がある)
・特別図柄の組み合わせが、大当りではないあらかじめ定められた組み合わせの場合(以下、c時短と称する場合がある)
(a時短)
a時短の場合、時短回数Nは任意に設定可能である。但し、b時短を有する場合には、低確時短遊技状態での時短回数Nが、b時短が作動しない回数(例えば、作動回数n未満)とすることが望ましい。第4のパチンコ遊技機においては、大当り終了後、高確時短遊技状態に移行し、「160回」の時短回数が付与される。
(b時短)
b時短の場合、作動回数nは以下の範囲内とする。
2.5/ML≦n≦3.0/ML(MLは低確率状態における大当り確率の逆数)
なお、作動回数nは、時短の有無を問わず低確率中は常にカウントする。また、高確率中の特図変動回数はカウントしないことが望ましいが、本発明において高確率中の特図変動回数をカウントすることを除外するものではない。
作動回数nのクリアパターンは以下の3通りである。
RAMクリア時
設定変更によるRAMクリア時
条件装置の作動又は終了時
作動回数nのカウントは、特図1と特図2の合算でカウントする。言い換えれば、特図1と特図2とを有しているのに、特図1のみ或いは特図2のみをカウントすることは不可である。また、設定機能付きのパチンコ遊技機の場合、設定毎に作動回数nの値を定めることは不可である。なお、b時短は、作動回数n到達後に作動する点が、パチスロにおける天井機能に似ていることから、天井時短と称する場合がある。
時短回数Nは適宜設定可能であるが、N≦3.8/MLの範囲内であることが望ましい。ここで、時短回数Nを、例えば100回、200回、・・・というように複数の回数パターンを設定することについては設定不可とすることが望ましいが、本発明において複数の回数パターンを設定することを除外するものではない。また普図抽選の当選確率は高確率状態に移行することも可能であるが、高確率状態に移行させないことが望ましい。ただし、本発明において、普図抽選の高確率状態への移行を除外するものではない。例えば、普図抽選が高確率状態であっても、通常遊技状態の当選確率とあまり変わらない当選確率であれば、高確率状態に移行させてもよい。
第4のパチンコ遊技機においては、1/MLが約319なので、作動回数nは例えば850回に設定され、時短回数Nは、作動回数n到達後に例えば「1200回」以下の値が設定可能である。第4のパチンコ遊技機においては、b時短が作動すると、時短回数Nとして「1200回」が設定され、それと併用して特図2変動「1回」が付与される。すなわち、b時短の終了条件は、特図1変動「1200回」及び特図2変動「1回」のいずれかを満たした場合となる。時短状態(b時短)においては通常状態よりも、普図変動が高速に行われる、又は、普通電動役物3146の開放時間が長い開放パターンが選択され易く、普電平均開放時間が長くなる。
なお、規定の作動回数nへの到達時に専用図柄を表示する必要性がなく、はずれであればはずれ図柄を表示し、小当りであれば小当り図柄を表示する仕様にする。また、作動回数nへの到達時の特別図柄の変動パターンは、当り後に選択される変動パターンテーブルに限り、専用の変動パターンを選択することができる。また、作動回数nへの到達時に小当りに当選した場合には、時短と小当りの両方を作動させる必要性がある。また、b時短とc時短の両方が同時に成立した場合には、プログラムによりどちらを優先するかを定める必要性がある。
(c時短)
c時短は、特定の特別図柄の組合せ表示後に作動する。c時短の作動は特図抽選が低確率非時短状態のときのみ有効である。また、設定機能付きのパチンコ遊技機の場合、設定毎に時短図柄の当選確率を定めることは不可である。c時短への移行は、大当り乱数を用いて抽選により決定する。時短図柄当選に伴う時短回数Nは適宜設定可能であるが、N≦3.8/MLの範囲内で設定されることが望ましい。但し、b時短では複数の回数パターン(例えば、時短20回、50回等)を設定しないことが望ましいが、c時短では複数の回数パターン(例えば、時短20回、50回等)を設定することが可能であり、複数の回数パターンにおいてどの回数にするかは大当り乱数を用いて決めてもよいし、時短図柄の図柄乱数を用いて決めてもよい。また、特図1と特図2とにおいてc時短への移行する図柄となる抽選確率が異なってもよい。また、c時短となる特定の特別図柄の組合せ表示後に、普図抽選の当選確率は高確率状態に移行させないことが望ましい。なお、普図抽選が高確率状態であっても、通常遊技状態の当選確率とあまり変わらない当選確率(例えば、通常遊技状態の普図当選確率が1/200で、普図高確率状態の普図当選確率が1/199.2のような場合)であれば、高確率状態に移行させてもよい。
b時短及びc時短は、時短回数N(特図1の変動回数と特図2の変動回数の合算)とは別に、時短の終了条件として、特図2の変動回数、小当りの回数等を併用することが可能である。
第4のパチンコ遊技機においては、1/MLが約319なので、時短回数Nは時短図柄の組合せ表示後に例えば「1200回」以下の値が設定可能である。なお、第4のパチンコ遊技機においては、c時短が作動すると、時短回数Nとして「1200回」が設定され、それと併用して特図2変動「1回」が付与される。すなわち、c時短の終了条件は、特図1変動「1200回」及び特図2変動「1回」のいずれかを満たした場合となる。時短状態(c時短)においては通常状態よりも、普図変動が高速に行われる、又は、普通電動役物3146の開放時間が長い開放パターンが選択されやすく、普電平均開放時間が長くなる。
なお、以下の説明の便宜上、a時短が作動している状態をa時短状態、b時短が作動している状態をb時短状態、c時短が作動している状態をc時短状態と称する場合がある。また、第4のパチンコ遊技機においては、a時短とb時短及びc時短とは時短回数が互いに異なっており、b時短とc時短とは、時短回数及び時短中の普図変動時間や普図当選確率が同じであり、互いに同じ動作を行う。そこで、a時短状態、b時短状態及びc時短状態をまとめて時短遊技状態と称し、更に、a時短状態を第1時短遊技状態、b時短状態及びc時短状態をまとめて第2時短遊技状態と称する場合がある。
また、第4のパチンコ遊技機においては、時短遊技状態は、最後の時短回数による特別図柄の変動開始時に終了する。なお、時短遊技状態は、最後の時短回数による特別図柄の変動開始時に終了してもよい。
なお、第4のパチンコ遊技機は所謂1種タイプのパチンコ遊技機であるが、第3のパチンコのような所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機にb時短及びc時短を搭載することも可能である。但し、1種2種タイプのパチンコ遊技機の場合、高確率遊技状態を備えず、通常状態、a時短遊技状態、b時短遊技状態及びc時短遊技状態で普通図柄の変動時間や普通図柄の停止時間、普図抽選の当選確率は同一とする。
また第4のパチンコ遊技機においては、a時短は、a時短中、b時短中及びc時短中のいずれに重なった場合においても大当りを経由して作動可能である。b時短は、a時短中及びb時短中に重なった場合に作動不可であるが、c時短中に重なった場合には作動可能である。但し、b時短とc時短の性能(普図の変動時間や普図の停止時間、普電の開放時間、普図の確率等)を一緒にしておく必要性がある。c時短は、a時短中、b時短中及びc時短中のいずれに重なった場合においても作動不可である。時短を重ねない場合は、一方の時短中に他方の時短が成立しても他方の時短成立を無視するものとする。時短を重ねる場合における時短回数は、一方の時短中に他方の時短が成立すると、変動回数が多い方の時短回数になる。時短が重なる場合における時短性能は、一方の時短中に他方の時短が成立すると、変動回数に関わらず実行中であった一方の時短の性能を維持する。なお、本発明においては、一方の時短中に他方の時短が成立した場合に、他方の時短を作動させてもよい。
[普通電動役物及び振分装置の動作パターン]
図115は、普通図柄抽選に当選した場合における普通電動役物3146の動作パターン及び振分装置3506の振分パターンを示すタイムチャートであり、図115(a)は、通常状態におけるパターン(以下、開放パターン1と称する)、図115(b)は、a時短状態におけるパターン(以下、開放パターン2と称する)、図115(c)は、b時短状態及びc時短状態におけるパターン(以下、開放パターン3と称する)を示す。
通常状態において普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物3146は、図115(a)に示すように、開閉動作を繰り返し行い、所定時間内に10回の開放を行う。開放終了時点から次の開放開始時点までは閉鎖状態となり、閉鎖状態となる時間は開放時間よりも長く設定されている。振分装置3506は、図115(a)に示すように、普通電動役物3146が開放状態となるタイミングで通電がオンになる。つまり、通常状態においては、普図抽選に当選して普通電動役物3146が遊技球を捕捉した場合に、第2作動機構3513が作動して第2非電動役物3441が開状態になることから、特図2抽選が行われ易くなる。
a時短状態において普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物3146は、図115(b)に示すように、所定時間内に9回の開放を行う。普通電動役物3146の開放パターンは、図115(a)に示す普通電動役物3146の開放パターンにおける開放と閉鎖のタイミングを反転したものである。振分装置3506は、図115(b)に示すように、通常状態における振分パターンと同じである。つまり、a時短状態においては、普図抽選に当選して普通電動役物3146が遊技球を捕捉した場合に、第1作動機構3511が作動して第1非電動役物3440が開状態になることから、特図1抽選が行われ易くなる。
また、a時短状態においては、普図抽選に当選した場合に、通常状態よりも普通電動役物3146の開放時間が長くなるため、普通電動役物3146は遊技球を捕捉し易くなる。
b時短状態又はc時短状態において普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物3146は、図115(c)に示すように、1回開放して閉鎖する。振分装置3506は、普通電動役物3146が開放するタイミングで開放する。つまり、b時短状態及びc時短状態においては、普図抽選に当選して普通電動役物3146が遊技球を捕捉した場合に、第2作動機構3513が作動して第2非電動役物3441が開状態になることから、特図2抽選が行われ易くなる。
なお、普通電動役物3146が捕捉した遊技球が振分装置3506に到達する時間だけ、振分装置3506への通電タイミングを遅らせてもよい。これにより、通常状態において普通電動役物3146が捕捉した遊技球は第2作動機構3513側(特図2側)に、a時短状態において普通電動役物3146が捕捉した遊技球は第1作動機構3511側(特図1側)により確実に振り分けることが可能になる。
通常状態において普図抽選を行うためには、左打ちをしてクルーンユニット3124の普図始動口3220に遊技球を入球させるか、右打ちをして通過ゲート3126に遊技球を入球させるかのいずれかになる。第4のパチンコ遊技機によれば、通常状態においては右打ちをするよりも左打ちをする方が高ベースとなるように遊技盤ユニット3010が構成されている。このため、通常状態においては左打ちをする方が遊技者に有利である。
[通常状態における普図当選]
図116は、通常状態において普図当選した場合における、普通電動役物3146、振分装置3506、第2非電動役物作動スイッチ3515、第2非電動役物3441、大当り用大入賞口3131の状態遷移を示すタイムチャートである。第4実施形態において、通常状態に普図当選する場合としては、クルーンユニット3124の普図始動口3220に遊技球が入球する場合がある。
例えば、クルーンユニット3124の普図始動口3220に遊技球が入球すると、普通図柄変動、停止する。普通図柄が当り態様で停止すると、普通電動役物3146が開放する。この時、普通電動役物3146が遊技球を捕捉すると、振分装置3506が通電されているため、遊技球は特図2側に振り分けられ、第2非電動役物作動スイッチ3515が遊技球を検知した直後に、第2非電動役物3441が開状態となる。第2非電動役物3441は2個の遊技球を捕捉して閉状態となる。第2非電動役物3441が2個の遊技球を捕捉することにより、第2始動口3140に2個の遊技球が入賞する。第2始動口3140に入賞すると高確率で小当りに当選することから、小当り遊技が2回行われる。具体的には、1回の小当り遊技で大当り用大入賞口3131が10回開放されるため、合計20回開放される。この時の1回の開放時間は1個の遊技球が捕捉可能な程度に設定されている。言い換えれば、普通電動役物3146が開放、閉鎖してから次の開放が開始するまでのインターバルは、大当り用大入賞口3131が20回開放可能な時間に設定されている。2回の小当り遊技が終了した後、2回目の普通電動役物3146の開放が行われる。2回目の普通電動役物3146の開放後も1回目の同様に小当り遊技が2回行われる。普通電動役物3146の開放は10回行われるため、2回の小当り遊技が10回繰り返される。
このように、第4のパチンコ遊技機においては、通常状態に普図抽選に当選して普通図柄当り遊技に移行した場合に、10個の遊技球が入賞可能な小当り遊技が20回実行されることから、普通図柄当り遊技は、比較的長時間に渡って実行される。
[a時短状態における普図当選]
a時短状態においては、上述したように右打ちによって通過ゲート3126に遊技球を入球させることで遊技を進める。a時短状態において普図当選した場合には、振分装置3506は、普通電動役物3146の開放パターンの開放、閉鎖のタイミングを反転させたパターンで動作する。このため、普通電動役物3146が遊技球を捕捉した時に振分装置3506が通電されていないことから、図110に示すように、遊技球は特図1側に振り分けられ、第1非電動役物作動スイッチ3514がオンになった直後に、第1非電動役物3440が開状態となる。そして、第1非電動役物3440は2個の遊技球を捕捉して閉状態となる。第1非電動役物3440が捕捉した遊技球は、第1始動口3120Bに入賞する。そして、特図1抽選に当選した場合に大当り遊技が実行される。
普通図柄当り遊技中において大当り遊技に当選した場合には、普通図柄当り遊技は強制終了となる。これにより、大当り遊技中に遊技球が大当り用大入賞口3131に流下する前に普通電動役物3146が遊技球を捕捉して、大当り用大入賞口3131が捕捉できないという事象を回避することができる。
また、a時短状態においては、普通電動役物3146が開状態となる時間が長くなり、普通電動役物3146は多くの遊技球を捕捉するが、一方で、上流側で普通電動役物3146が遊技球を捕捉することから、第1非電動役物3440側に遊技球が流下し難くなる。このため、普通電動役物3146が複数の遊技球を捕捉した場合、最初の遊技球によって第1非電動役物3440が開状態になるが、第1非電動役物3440側に遊技球が流下し難いので第1非電動役物3440に閉状態になりにくい。したがって、次の遊技球が第1作動機構3511を通過しても、第1非電動役物3440は開状態のままであり、普通電動役物3146が閉状態となった時に普通電動役物3146に捕捉されなかった遊技球が第1非電動役物3440に入球することによって第1非電動役物3440は閉状態となる。このように結果として、a時短状態においても通常状態と同様に、普通電動役物3146の1回の開放によって2個の遊技球を第1非電動役物3440が捕捉することになる。
[5-4.主制御処理]
第4のパチンコ遊技機において、主制御回路3200のメインCPU3201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)で行われる処理に、一部処理の追加、変更を行ったものである。
具体的には、次のような処理の追加、変更が行われている。
図23に示すS40で行われる普通図柄制御処理の次に、図117に示すように、S4010で行われる振分装置制御処理、S4020で行われる非電動役物管理処理が追加されている。振分装置制御処理については図118を用いて後述する。非電動役物管理処理は、第1非電動役物作動スイッチ3514或いは第2非電動役物作動スイッチ3515の状態に基づいて、第1非電動役物3440及び第2非電動役物3441の状態を管理するものであり、異常と判定した場合には遊技異常検知コマンドがメインCPU3201に送信される。
また、第4のパチンコ遊技機は、図28に示すS100において行われる遊技状態管理処理を実行する。この処理において、メインCPU3201は確変フラグや時短フラグ等の更新処理を行う。第4のパチンコ遊技機においては、時短遊技状態として、第1時短遊技状態(a時短)と第2時短遊技状態(b時短又はc時短)とがあるため、第1時短遊技状態への移行条件が満たされた場合には、第1時短フラグがオンになり、第1時短遊技状態の終了条件が満たされた場合には、第1時短フラグがオフになる。同様に、第2時短遊技状態への移行条件が満たされた場合には、第2時短フラグがオンになり、第2時短遊技状態の終了条件が満たされた場合には、第2時短フラグがオフになる。
また、第1のパチンコ遊技機は、図30に示すS124~S126おいて行われる処理を実行する。これらの処理において、メインCPU3201は、大当り及び小当りのいずれも場合でも、特別電動役物3133を駆動させて大当り用大入賞口3131を開放させる制御を行う。
また、第4のパチンコ遊技機によれば、図43に示すS293おいて行われる普通図柄の可変表示開始処理について、一部処理が変更されている。詳細については、図119及び、図120を用いて後述する。
第4のパチンコ遊技機において、上述した以外のその他の処理については第2の実施形態と同様である。このため、メインCPU1201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。
(振分装置制御処理)
図117のステップS4010において実行されるサブルーチン(振分装置制御処理)について図118を用いて説明する。
ステップS4030において、メインCPU3201は、普通図柄の制御状態番号が普通電動得物開放を示す値(3)である場合に、ステップS4031に処理を移し、普通電動得物開放を示す値(3)でない場合に、本サブルーチンを終了する。
ステップS4031において、メインCPU3201は、メインRAM3203に記憶されている図115に示すような振分パターンに基づいて、メインRAM3203に振分ソレノイド3121を駆動させるための制御信号をセットする。この制御信号が、ステップS45において各ポートより出力されることにより、振分ソレノイド3121(図114参照)にソレノイド電源が供給され、振分装置3506が駆動する。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。なお、振分装置制御処理は、例えば、ステップS296の普通電動役物開放処理(図43参照)において実行してもよい。
[普通図柄の可変表示開始処理]
図43のステップS296において実行されるサブルーチン(普通図柄の可変表示開始処理)について図119を用いて説明する。
普通図柄の可変表示開始処理は、図119に示すように、ステップS4041において、メインCPU3201は、普通制御状態番号が普通図柄の可変表示開始処理を示す値(0)であるか否か判定する。また、メインCPU3201は、普通制御状態番号が普通図柄の可変表示開始処理を示す値(0)である場合には、ステップS4042の処理に移り、普通制御状態番号が普通図柄の可変表示開始処理を示す値(0)でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS4042において、メインCPU3201は、メインRAM3203に記憶されている普通図柄保留記憶数データ(保留個数)の値が"0"であるか否か判定する。普通図柄保留記憶数データ(保留個数)の値が"0"でない場合には、ステップS4043に処理を移行し、普通図柄保留記憶数データ(保留個数)の値が"0"である場合には、ステップS4051に処理を移す。
ステップS4043において、第1時短フラグがオンであるか否かを判断する。この処理においては、メインCPU3201は、第1時短フラグがオンであると判別した場合には、ステップS4044に処理を移す。一方、メインCPU3201は、第1時短フラグがオンではないと判別した場合、つまり第1時短遊技状態ではないと判別した場合には、ステップS4045に処理を移す。
ステップS4044において、高確率で普通図柄当りを判定する処理を行う。この処理においては、メインCPU3201は、当選確率が高い当り判定テーブルを参照し、当り判定テーブルに記憶されている当り判定値と、始動記憶に含まれる、通過ゲートスイッチ3127A、3127Bを遊技球が通過したときに抽出した普通図柄当り判定用乱数値とが一致するか否か判定する。一致した場合は当選であり、一致しなかった場合はハズレである。この処理が終了した場合には、ステップS4046に処理を移す。
ステップS4045において、低確率で普通図柄当りを判定する処理を行う。この処理においては、メインCPU3201は、当選確率が低い当り判定テーブルを参照し、当り判定テーブルに記憶されている当り判定値と、始動記憶に含まれる、通過ゲートスイッチ3127A、3127Bを遊技球が通過したときに抽出した普通図柄当り判定用乱数値とが一致するか否か判定する。一致した場合は当選であり、一致しなかった場合はハズレである。つまり、第4のパチンコ遊技機においては、第1時短遊技状態における普図抽選の当選確率が高確率となり、通常状態、第2時短遊技状態における普図抽選の当選確率は低確率となる。この処理が終了した場合には、ステップS4046に処理を移す。
ステップS4046において、開放パターン設定処理を実行する。詳細については後述するが、この処理において、メインCPU3201は、図115に示す普通電動役物3146の開放パターン、すなわち、普電用ソレノイド3148の駆動パターンの設定を行う。この処理が終了した場合には、ステップS4047に処理を移す。
ステップS4047において、メインCPU3201は、普通図柄演出開始コマンドをメインRAM3203にセットする。普通図柄演出開始コマンドは、主制御回路3200のメインCPU3201によって副制御回路3300に供給される。普通図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動時間、普通図柄、普通電動役物3146の開放パターン等のデータが含まれている。副制御回路3300のサブCPU3301は、受信した普通図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS4048に処理を移す。
ステップS4048において、メインCPU3201は、普通図柄待ち時間タイマに待ち時間(例えば5秒)をセットする。この処理が終了した場合には、ステップS4049に処理を移す。
ステップS4049において、メインCPU3201は、普通図柄可変表示終了を示す値(1)を普通制御状態番号にセットする。この処理が終了した場合には、ステップS4050処理を移す。
ステップS4050において、メインCPU3201は、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS4051において、メインCPU3201は、普通図柄デモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[開放パターン設定処理]
図119のステップS4046において実行されるサブルーチン(開放パターン設定処理)について図120を用いて説明する。
ステップS4061において、第2時短遊技状態か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU3201は、第2時短フラグを有無によって、現状の遊技状態が第2時短遊技状態か否かを判定する処理を行う。第2時短遊技状態であると判定した場合には、ステップS4062に処理を移す。第2時短遊技状態であると判定しない場合には、ステップS4063に処理を移す。
ステップS4062において、メインCPU3201は、普通電動役物3146の開放パターンを第2非電動役物3441に遊技球を導きやすい開放パターン、すなわち開放パターンとして図115に示す開放パターン3に決定する処理を行う。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。
ステップS4063において、第1時短遊技状態か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU3201は、第1時短フラグを有無によって、現状の遊技状態が第1時短遊技状態か否かを判定する処理を行う。第1時短遊技状態であると判定した場合には、ステップS4064に処理を移す。第1時短遊技状態であると判定しない場合には、ステップS4065に処理を移す。
ステップS4064において、メインCPU3201は、普通電動役物3146の開放パターンを第1非電動役物3440に遊技球を導きやすい開放パターン、すなわち開放パターンとして図115に示す開放パターン2に決定する処理を行う。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。
ステップS4065において、メインCPU3201は、普通電動役物3146の開放パターンを第2非電動役物3441に遊技球を導きやすい開放パターン、すなわち開放パターンとして図115に示す開放パターン1に決定する処理を行う。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。
[5-5.遊技状態の遷移]
図121は、第4のパチンコ遊技機を用いた遊技における遊技状態の遷移を示す説明図である。
多くの場合、遊技開始当初は通常状態から遊技を開始する。通常状態においては、左打ちを行って、中央入球口3128への入球を狙って遊技を進める。遊技球が中央入球口3128へ入球すると、遊技球はクルーン皿3210に移動して第1始動口3120A又は普図始動口3220のいずれかを通過する。第1始動口3120Aへの遊技球通過を契機として特図1抽選が行われ、特図1抽選に大当り当選すると大当り遊技状態(第1ボーナス)に移行する。上述したように、特図1抽選における大当り当選確率は1/319であり、大当り遊技状態におけるラウンド数は10ラウンドである。また、1ラウンドは10個の遊技球の入賞又は開放時間が30秒経過した場合に終了し、大当り用大入賞口3131への入賞による賞球は15個であるため、大当り遊技によって獲得できる賞球数は約1500個である。
特図1抽選の大当り当選によって移行した大当り遊技状態(第1ボーナス)の終了後、特図1抽選の大当り当選確率が1/99.9の高確率状態に移行するとともに、時短回数160回の第1時短遊技状態(a時短)へ移行する。第1時短遊技状態(a時短)において特図1抽選に大当り当選すると大当り遊技状態(第1ボーナス)に移行し、大当り遊技状態(第1ボーナス)の終了後、特図1抽選が高確率状態に移行するとともに時短回数が160回にリセットされる。時短回数160回が消化された場合には、通常状態(低確率非時短状態)に移行する。
特図抽選が低確率状態における特図変動回数(特図1変動回数と特図2変動回数との合算数)が850回に到達したことを条件に、第2時短遊技状態(b時短)に移行し、時短回数として特図1変動と特図2変動との合算で「1200回」及び特図2変動「1回」が付与される。また、特図抽選において大当りに当選しなかった場合の特図の停止態様が特殊態様である場合にも、第2時短遊技状態(c時短)に移行し、時短回数として特図1変動と特図2変動との合算で「1200回」及び特図2変動「1回」が付与される。
ここで、第4のパチンコ遊技機においては、通過ゲート3126が右側領域3107に配置されているため、b時短状態に移行した場合には、遊技者は右打ちを行って遊技を進めることになる。この際、通過ゲート3126への遊技球通過を契機とする普図抽選に当選し、普通電動役物3146が作動して遊技球を捕捉した場合に、遊技球は第2始動口3140に始動入賞することになる。このため、b時短状態の時短回数は実質的に1回となる。
また、第4のパチンコ遊技機においては、小当りとなる複数種類の特図の停止態様の中に特殊態様が含まれている。ここで、第4のパチンコ遊技機においては、特図1抽選に小当りがなく、特図2抽選に小当りがあることから、特図1変動での停止図柄の組み合わせが特殊態様になることはない。このため、c時短状態は、b時短状態において移行可能である。c時短状態に移行した場合にも、b時短状態と同様に、遊技者は右打ちを行って遊技を進めることになり、第2始動口3140に始動入賞し易くなるため、c時短状態の時短回数は実質的に1回となる。このように、第4のパチンコ遊技機における第2時短遊技状態の時短回数は実質「1回」である。
第2時短遊技状態においては、第2始動口3140への始動入賞が可能になり、特図2抽選はそのほとんどが小当り当選となるため、特図2変動が停止した後に小当り遊技が実行される。更に、小当り当選の停止図柄が特殊態様であれば、第2時短遊技状態(c時短状態)に移行して小当り遊技が実行される。小当り遊技終了後、特図2保留がない場合に、第2時短遊技状態は終了する。なお、第4のパチンコ遊技機によれば、小当り当選の停止図柄が特殊態様であれば、第2時短遊技状態(c時短状態)に移行して小当り遊技が実行されるがそれに限るものではない。例えば、一部のハズレである停止図柄が特殊態様で停止した場合に第2時短遊技状態(c時短状態)に移行してもよい。この場合、遊技者は小当りによる賞球は獲得できないが、このように制御することにより、時短終了と見せかけて時短を継続したり開始したりするような演出も可能になる。
このように、第4のパチンコ遊技機においては、特図抽選が低確率状態において特図変動が850回に到達したことを条件に、小当り遊技が連続して実行され易い小当りRUSHに移行する。小当りRUSHの詳細については後述するが、小当りRUSHは、時短1回の特図2変動の消化時に特図2保留がなく、かつ最終変動の特図2の停止態様が時短を付与しない停止態様である場合、言い換えれば特殊態様でない場合に終了する。小当りRUSHが終了すると通常状態に移行する。
通常状態において普図当選した場合、具体的には、通常状態において、遊技球が中央入球口3128へ入球して普図始動口3220を通過することを契機に普図抽選が行われ、普図当選した場合に、小当り20回分の第2ボーナスに移行する。第2ボーナスにおいては、小当り遊技1回で大当り用大入賞口3131へ10個の入賞が期待することができるため、3000個の賞球が期待できしかも第2始動口3140へ10個入賞するため300個の賞球が追加される。このように、第2ボーナスにおいては、最大3300個の賞球が期待できる。但し、1回の大当り用大入賞口3131の開放で1個入賞できるとは限らないこと、或いは普図当選時に特図1変動が実行されている場合には特図1変動が停止するまで特図2変動が開始できないことから、小当り回数が減ることがあり得るため、最大3300個の賞球が獲得できるとは限らない。第4のパチンコ遊技機では、第2ボーナスにおいて1000~3300個の賞球が期待できる。第2ボーナスが終了すると通常状態に移行する。
[小当りRUSH]
次に、小当りRUSHについて、図122、図123を参照しながら詳細に説明する。
第4のパチンコ遊技機において遊技者は、通常状態において左打ちを行い、中央入球口3128に遊技球を入球させることによって、特図1大当り又は普図当りを狙うことで遊技を進める。ここで、中央入球口3128に入球した遊技球が第1始動口3120Aに入賞する確率は1/3であるため、通常状態においては特図1変動の保留が蓄えられにくい仕様となっている。このため、特図変動が850回に到達した時点で特図1変動の保留がない場合が多い。
図122は特図1変動の保留がない状態で特図変動が850回に到達して第2時短遊技状態(b時短)に移行した場合を示すものであり、第2時短遊技状態(b時短)においては、右打ちを行い、通過ゲート3126に遊技球を通過させることで、普図変動を開始させる。普図変動が当り態様で停止すると普通電動役物3146が作動する。普通電動役物3146が作動して、普通電動役物3146が遊技球を捕捉する(図122の普電入賞)と、第2非電動役物3441が作動して開状態となり、2個の遊技球通過により、第2非電動役物3441は閉鎖する。第2非電動役物3441を通過した2個の遊技球は第2始動口3140に始動入賞(図122の特図2入賞)し、先の始動入賞で特図2が変動開始し、後の始動入賞による特図2変動は保留される。特図2が変動開始すると第2時短遊技状態が終了して特図抽選の当選確率が低確率状態に移行する。特図2変動が停止するとほとんどが小当り当選となるため、小当り遊技が実行される(図122の小当り作動、小当り動作終了)。
ここで小当り当選となった特図2の停止態様が特殊態様であれば、小当り遊技終了後に第2時短遊技状態(c時短状態)に移行する。しかし、保留された特図2変動が直ぐに開始されるため、第2時短遊技状態は短時間で終了する。このため、小当り遊技終了後次の特図2変動開始までの第2時短遊技状態中に、遊技球が通過ゲート3126を通過することは困難であり、普図変動が開始することはほとんどない。したがって、先の特図2始動入賞を契機とする第2時短遊技状態中に特図2保留が増えることは極めて困難である。よって、保留された特図2変動がある場合の前の変動が時短状態へ移行する変動であるか否かに拘わらず、最後の特図2変動が時短状態へ移行する変動であるか否かによってRUSH終了が決定される。また、保留された後の特図2始動入賞を契機とする特図2変動の小当り停止態様が特殊態様であるか否かにかかわらず、小当り遊技が実行される(図122の小当り作動、小当り動作終了)。なお、後の始動入賞による特図2の小当り停止態様が特殊態様であれば、小当り遊技終了後に第2時短遊技状態(c時短状態)に移行する。
この場合は、小当り遊技終了後に特図2の保留がないため特図2変動が開始しない。特図2変動を開始させるためには普図抽選に当選する必要があることから、遊技者は右打ちをして第2時短遊技状態の間に通過ゲート3126に遊技球を通過させることで、普図変動を開始させる。この時の普図変動は、第2時短遊技状態(c時短状態)中に開始されることになる。普図変動が当り態様で停止すると普通電動役物3146が作動して、普通電動役物3146が遊技球を捕捉すると、第2非電動役物3441が作動して開状態となり、2個の遊技球通過により、第2非電動役物3441は閉鎖する。第2非電動役物3441を通過した2個の遊技球は第2始動口3140に始動入賞する。以降、同様に2個の遊技球の第2始動口3140への始動入賞に対応する2回の小当り遊技が実行される。このように、後の始動入賞による特図2の停止態様が特殊態様であれば、小当り遊技終了後に第2時短遊技状態に移行し、小当りに当選し易い状態が繰り返される。すなわち小当りRUSHが継続する。
図123は小当りRUSHが終了する場合を示すものであり、後の始動入賞による特図2の停止態様が小当り当選を示すものである一方、特殊態様でなければ、図123(a)に示すように、小当り遊技終了後に小当りRUSHが終了して通常状態に戻る。
また、後の始動入賞による特図2の停止態様が、大当り当選でも小当り当選を示すものでもなく、特殊態様でなければ、図123(b)に示すように、特図2が停止した後に、小当りRUSHが終了して通常状態に戻る。
なお、第4のパチンコ遊技機においては、特図2変動の保留数は「1」であるがそれよりも多くてもよい。この場合は、特図2の最終変動が時短を付与しない小当りであって特図2保留なしの場合、又は特図2の最終変動が時短を付与しないはずれであって特図2保留なしの場合に小当りRUSHが終了する。
また、第4のパチンコ遊技機において、通常状態に特図2が変動する場合は、第2ボーナスにおいてであり、第2ボーナス中にc時短に移行しないようにするため、通常状態において特図2が特殊態様で停止しないように停止図柄が決定される。それに対して、第2時短遊技状態においては、小当りRUSHが所定の確率で継続するように、特図2の小当り停止態様が特殊態様である場合が含まれる。なお、特図1、特図2のはずれ停止態様が特殊態様である場合を含めることも可能であるが、第2ボーナス中にc時短に移行する確率が低くなるように、通常状態よりも第2時短遊技状態において、特殊態様が出現する確率を高くすることが望ましい。
ところで、第4のパチンコ遊技機において、b時短が開始した時点で特図1保留が残っており、b時短状態で特図1変動が実行され、この特図1の変動中に遊技者は右打ちをして、第2始動口3140に2個の遊技球を始動入賞させたとする。この場合、特図2変動が「1」保留され、特図1の停止後すぐに特図2変動が開始して第2時短遊技状態(b時短)が終了するため、第2時短遊技状態(b時短)において遊技者が獲得した特図2変動は保留された1回となる。
そこで、b時短が開始した時点で特図1保留が残っている場合には、残っている特図1保留を全て消化してから、右打ちに切り替えることで、2回の特図2変動を獲得することが可能になる。但し、残っている特図1保留に大当りが含まれている場合には、特図の変動回数(作動回数n)がリセットされるため、大当り遊技状態終了後にb時短状態に移行せず、結果として、小当りRUSHに移行しないことになる。
したがって、b時短が開始した時点で特図1保留が残っている場合には、b時短の開始時に、遊技者に遊技の方針を選択させることが可能になる。例えば、b時短が開始した時点で特図1保留が3つ残っており、特図1変動が行われて、特図1保留が2つになったときに比較的信頼度が高い保留球予告が出現した場合には、そのまま特図1を消化して結果を見る方針と、右打ちをして、小当りRUSHと特図1大当りの両方を狙う方針とを選択させることができる。
なお、b時短開始までの変動回数を演出表示して、遊技者にb時短開始タイミングを報知してもよい。これにより、遊技者が、b時短の開始時に特図1保留が無いように遊技を進めることが容易に可能になる。
なお、上述した構成によれば、第2時短遊技状態(b時短)に移行した場合、時短回数として特図1変動と特図2変動との合算で「1200回」及び特図2変動「1回」が付与されることで、時短回数は実質的に特図2変動「1回」としたが特図1変動と特図2変動との合算で「1回」としてもよい。これにより、作動回数nに到達した時点で、特図1保留があれば、次に特図1変動が開始した時点で第2時短遊技状態(b時短)が終了してしまうため、遊技者は、右打ちをして普図変動を開始させて特図2保留を獲得する必要が生じる。すなわち、小当りRUSHに移行させるためには、作動回数nに到達した時の特図1の変動開始時にb時短が作動して、当該変動中に右打ちをして特図2保留を獲得する必要がある。このように、遊技者に緊迫感のある遊技を提供することが可能になる。また、作動回数nに到達した特図変動が停止した時点で特図2保留がない場合に第2時短遊技状態(b時短)を終了させてもよい。これにより、一層、遊技者に緊迫感を与えることが可能になる。
[5-6.演出画面]
図124~図127は、第4のパチンコ遊技機において、表示装置3007に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
図124は、通常状態から大当りに当選して大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態に移行するまでの演出画面を示すものである。通常状態は、左打ちで遊技が進められ、前述したように、普図抽選の当選確率は低確率状態(1/319.6)で、通常状態において普図抽選に当選すると普通電動役物3146が開放される。普通電動役物3146の開放は、遊技球を1個捕捉できる程度の時間であり、長いインターバルをおいて10回行われる。
また、通常状態においては、第1始動口3120Aへの入賞による特図1変動が行われるため、表示装置3007には、演出用の特図1識別図柄3601と、演出用の特図2識別図柄3602と、演出用の普図識別図柄3603と、特図1保留情報3611と、特図2保留情報3612と、普図保留情報3613と、その他、各種の情報や演出画像等が表示される。演出用の特図1識別図柄3601は、表示装置3007の表示領域の中央部に、遊技者に容易に視認できるように大きく表示される。演出用の普図識別図柄3603は、演出用の特図1識別図柄3601の下方に、遊技者に容易に視認できるように表示される。特図1保留情報3611及び特図2保留情報3612は、現在変動している特図1変動又は特図2保留情報3612に対応する大きめの保留図柄と、保留されている特図1変動に対応する小さめの保留図柄とからなる。普図保留情報3613は、普図変動の保留数を数字で示している。
通常状態において遊技者が左打ちを行い、遊技球が中央入球口3128へ入球して、第1始動口3120A及び普図始動口3220を通過することにより、図124(a)に示すように演出用の第1識別図柄3601及び演出用の普図識別図柄3603が変動し、特図1抽選がはずれの場合には、図124(b)に示すように、演出用の第1識別図柄3601がはずれ態様で停止表示するとともに、大きめの保留図柄が消去される。普図抽選がはずれの場合には、図124(c)に示すように、演出用の普図識別図柄3603がはずれ態様で停止表示する。
図124(b)に示すように、演出用の第1識別図柄3601がはずれ態様で停止表示すると、図124(c)に示すように、残っている小さめの保留図柄がスライド移動して大きめの保留図柄となって、当該特図1保留情報3611に基づく演出用の第1識別図柄3601の変動が開始する。
特図1抽選が大当りの場合には、図124(d)に示すように、演出用の第1識別図柄3601が大当り態様で停止表示されるとともに、大きめの保留図柄が消去される。そして、図124(e)に示すように、大当り遊技状態(第1ボーナス)に移行することを報知する画像が表示されて、図124(f)に示すように、右打ちを促す画像と、ラウンド数を報知する画像が表示される。大当り遊技状態は、右打ちで遊技が進められる。また、普図変動は大当り遊技状態においても行われる。但し、大当り遊技状態において普図当選しても普図当り遊技は実行されない。また、大当り遊技状態においては、特図1、特図2変動は実行されない。
図124(g)は、大当り遊技状態終了時の表示装置3007の表示例であり、例えば、確変モード160回と表示することにより、大当り遊技状態が終了した後、特図抽選の当選確率が高確率状態となり、更に、時短回数160回の第1時短遊技状態(a時短)に移行することを遊技者に示唆する。第1時短遊技状態は、右打ちで遊技が進められ、普図抽選の当選確率は高確率状態である。
図124(h)は、確変モードにおける表示装置3007の表示例を示すものであり、確変モードにおいては、表示装置3007に、演出用の第1識別図柄3601と特図1保留情報3611とともに、右打ちを指示する画像が表示される。なお、確変モードにおいて演出用の第1識別図柄3601が大当り態様で停止表示した場合に、表示装置3007は、図124(e)に示す画像を表示した後、大当り遊技状態における演出表示を行う。確変モードにおいて時短回数160回が消化された場合に、表示装置3007は図124(a)に示す画像に戻るとともに、左打ちを指示する画像が表示される。左打ちを指示する画像は、演出用の第1識別図柄3601の変動が開始してから終了するまでの1変動の間に行われる。なお、第4実施形態においては、時短回数160回目の演出用の第1識別図柄3601が変動を開始した時点で第1時短遊技状態は終了しているので、例えば、時短回数160回目の演出用の第1識別図柄3601が変動を開始してから終了するまでの間に「左打ちしてください」といった左打ちを促す演出表示を行ってもよい。
図125は、通常状態から普図抽選に当選して普図当り遊技状態に移行し、普図当り遊技状態に通常状態に移行するまでの演出画面を示すものである。通常状態において遊技者が左打ちを行い、遊技球が中央入球口3128へ入球して、第1始動口3120A及び普図始動口3220を通過することにより、図125(a)に示すように、演出用の第1識別図柄3601及び演出用の普図識別図柄3603が変動し、図125(b)に示すように、同種類の演出用の普図識別図柄3603が3つ揃った停止態様となった場合に普図抽選に当選したことが遊技者に報知され、図125(c)に示すように、表示装置3007に「特別ボーナス」と表示され、普図当り遊技状態(第2ボーナス)に移行することが報知される。この際、右打ち指示の画像が表示される。そして、遊技者が右打ちを行うことで遊技球が普通電動役物3146に捕捉され、第2非電動役物3441が開放して第2始動口3140に遊技球が2個始動入賞する。これに伴い、図125(c)に示す画面に、特図2保留情報3612が2つ表示され、演出用の第2識別図柄3602が変動を開始する。そして、図125(d)に示すように、演出用の第2識別図柄3602が小当り態様で停止した場合に、ボーナス1回目という普図当り遊技状態中における小当り回数を示唆する画像を表示する。以降、小当り回数を重ねるにつれて、表示装置3007に表示する小当り回数を更新し、普図当り遊技状態中における最後の第2識別図柄3602の変動が停止した場合に、図125(e)に示すように、ラストという普図当り遊技状態(第2ボーナス)終了を示唆する画像を表示する。そして、普図当り遊技状態(第2ボーナス)終了すると、図125(f)に示すように、通常状態の演出画面に戻る。この際、左打ち指示の画像が表示される。
なお、第4のパチンコ遊技機においては、普図当り遊技状態(第2ボーナス)における最大の小当り回数は20回であるが、必ずしも小当り回数は20回であるとは限らない。例えば、特図2抽選にはずれが含まれており、はずれの場合には小当り遊技が実行されないので小当り回数ははずれ回数だけ減ることになる。なお、普図当り遊技状態(第2ボーナス)において特図2抽選はすべて小当りとして必ず小当り回数20回当選し得るものとしてもよい。また、普図当りの時点で特図1変動が実行されている場合には、右打ちをして特図2保留を獲得しても、特図1変動が停止するまで特図2変動は開始されない。このため、普図当り遊技が実行されていても特図1変動が停止するまでは小当り遊技は実行されないので、その分小当り回数が減ることになる。また、普図当りの時点で特図1変動が実行されている場合に、この特図1変動が大当り態様で停止した場合には、表示装置3007の画面が、図125(c)に示す画面から、図124(e)に示す画面に切り替わり、大当り遊技状態における演出表示が実行される。更に、大当り遊技状態終了後には第1時短遊技状態(a時短)が実行される。ここで、第1時短遊技状態開始時に特図2変動が保留されているため、特図2変動によって小当りを獲得できる可能性が高い。但し、この時の小当り態様が特殊態様(例えば、奇数並び)であってもc時短は作動せず、a時短状態が継続される。
図126は、第2時短遊技状態(b時短)に移行する前後の演出画面を示すものである。図126(a)は848回目の特図変動時の演出画面、図126(b)は849回目の特図変動時の演出画面を示すものであり、第2時短遊技状態(b時短)への移行する規定回数(850回)に対して所定回数前(例えば、10回前)に到達した時点からカウントダウン表示を行うことで、第2時短遊技状態(b時短)への移行が近いことを遊技者に示唆する。そして、規定回数(850回)に到達した時に、図126(c)に示すように、特図変動開始と同時に、図126(d)に示すように、「小当りRUSH突入」と表示装置3007に表示するとともに、右打ち指示の画像を表示する。なお、規定回数(850回)に到達する前は通常状態であり、第2始動口3140への始動入賞が困難であるため、特図1変動開始と同時に、図126(d)に示すように、「小当りRUSH突入」と表示され、その後、特図1変動が停止した時点で、図126(e)に示すように、「小当りRUSH開始」と表示され、特図2変動が開始した時点で、図126(f)に示すように、「RUSH1回目」と表示され、特図2保留情報3612が2つ表示される。そして、図126(g)に示すように、1個目の特図2保留情報3612に基づく判定結果が演出用の第2識別図柄3602の停止態様によって遊技者に報知され、その後、図126(h)に示すように、2個目の特図2保留情報3612に基づく判定結果が演出用の第2識別図柄3602の停止態様によって遊技者に報知される。ここで、第2識別図柄3602の停止態様が奇数並びの場合には小当り当選であり、小当り遊技終了後「1回」の時短回数が付与される第2時短遊技状態(c時短)に移行する。このように、奇数並びの第2識別図柄3602の停止態様は特殊態様の一例である。第2識別図柄3602の停止態様が偶数並びの場合には小当り当選であり、小当り遊技終了後の遊技状態は変化しない。図126(h)に示す演出用の第2識別図柄3602の停止態様は特殊態様であるため、「1回」の時短によって特図2保留が獲得できれば小当りRUSHは継続可能である。そこで、「継続」と小当りRUSHが継続可能であること示唆する画像が併せて表示される。
図126(h)に示す表示画面の間に特図2保留が獲得できた場合には、図127(a)に示すように、「RUSH2回目」と表示され、図2保留情報3612が2つ表示される。以降、2個目の特図2保留情報3612に基づく特図2変動の停止態様が特殊態様となることにより小当りRUSHが継続する、図127(b)は小当りRUSHが10回継続した場合を示すものである。図126(d)~図126(h)、図127(a)及び図127(b)に示すように、小当りRUSHの間は、右打ち指示の画像表示が継続される。ここで、第2時短遊技状態(b時短)で特図2が変動を開始した後、特図2が停止表示している時点では第2時短遊技状態(b時短)が終了しており通常状態に戻っているが、図126(g)に示すように、右打ち指示の画像表示は継続される。
2個目の特図2保留情報3612に基づく特図2変動の停止態様が特殊態様とならなかった場合、例えば、図127(c)に示すように、特図2変動の停止態様が特殊態様ではない小当りの場合には、特図2変動の停止と同時に「終了」と表示され、小当り遊技終了後、図127(d)に示すように、通常状態の演出画面に戻る。この際、左打ち指示の画像が表示される。左打ちを指示する画像は、第2識別図柄3602の変動が開始してから終了するまでの1変動の間に行われる。
なお、2個目の特図2保留情報3612に基づく特図2変動の停止態様が特殊態様とならなかった場合としては、他にも図127(e)に示すように、特図2変動の停止態様が特殊態様ではないはずれの場合がある。この場合には、特図2変動の停止と同時に「終了」と表示して、図127(d)に示すように、通常状態の演出画面に戻る。なお、第4実施形態においては、2個目の特図2保留情報3612に基づく特図2変動の停止態様が特殊態様ではない場合に、特図2の変動時間の長い変動パターンが選択され、演出用の第2識別図柄3602が変動を開始してから終了するまでの間に「左打ちしてください」といった左打ちを促す演出表示を行ってもよい。
[5-7.第4のパチンコ遊技機による効果]
以上、説明したように構成された第4のパチンコ遊技機によれば、次に記載する効果を奏する。
第4のパチンコ遊技機によれば、b時短及びc時短を搭載しており、b時短及びc時短状態に普通電動役物3146が遊技球を捕捉した場合に開状態となり、開状態で2個の遊技球が入賞することによって閉状態となる第2非電動役物3441を第2始動口3140に設け、特図2変動の停止態様が特殊態様の場合に小当り且つ小当り遊技後1回の時短を付与する機能を搭載している。これにより、規定回数の変動が消化されてb時短に突入することを契機として1回の時短が付与され、遊技者はこの1回の時短で2回の特図2変動を獲得できる場合がある。この2回の特図2変動で2回の小当り遊技が獲得できる可能性が高く、2回目の小当り態様が特殊態様の場合に1回の時短が付与されるため、再び2回の小当り遊技が獲得できる可能性が高くなる。このように、規定回数まで特図変動を行うことにより、小当りRUSHを獲得可能になり、しかも、2回目の小当り態様が特殊態様の場合であれば小当りRUSHが継続するという、新たな興趣を備えた遊技球を遊技者に提供することが可能になる。
また、小当りRUSH中において、普通電動役物3146に遊技球を捕捉させた時点で、遊技球の発射を停止させることにより、第2非電動役物3411を開状態のまま遊技を中断することができる。そして、再度、右打ちを行い、第2非電動役物3411に遊技球を捕捉させて特図2変動を開始させ、2回目特図2変動が特殊態様で停止すれば小当りRUSHを継続させることができる。このように、第2非電動役物3411を開状態にしておくことにより、小当りRUSH中であっても遊技を中断することが可能になり、トイレ休憩を取ることが可能になる。
また、小当りRUSH中においては、特図2変動による1回の小当り遊技によって獲得可能な賞球数は150個であり、1回の小当りRUSHの継続によって遊技者は300個の賞球が獲得可能である。このため、小当りRUSHの継続回数によっては、1回の第1ボーナス或いは第2ボーナスよりも多くの賞球を獲得できる場合もあり得る。このように、第4のパチンコ遊技機においては、規定回数の変動が消化された場合に実行される小当りRUSHに対する興趣を向上させることが可能になる。また、第1時短遊技状態においては、特図1抽選に当選して大当り遊技状態に移行することによって、大量の賞球が獲得でき、第2時短遊技状態においてはほとんどが特図2抽選によって小当り当選となり、小当り遊技状態に移行することによって、少量ずつ賞球が獲得できる。このように、第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とにおいて遊技者に付与する利益が異なっているため、遊技性が互いに異なる時短遊技状態を提供することができる。
また、第4のパチンコ遊技機によれば、通常状態において普図抽選に当選することにより、第1ボーナス(特図1大当りによる大当り遊技状態)よりも多くの賞球数が期待できる第2ボーナスに移行する。これにより、普図抽選に対して大きな興趣を抱かせることが可能な遊技機を提供することができる。
以上、本発明に係る第4のパチンコ遊技機について説明したが、本発明に係る第4のパチンコ遊技機は上述したものに限るものではない。例えば、第4のパチンコ遊技機においては、普通電動役物3146の開放毎のインターバル時間が、小当りによる遊技時間を内包しているように構成されているが、それに限られるものではなく、小当りのほかに大当りによる遊技時間等を内包する設定としてもよい。具体的には、大当り遊技として、小当り遊技の開閉動作を2ラウンド以上行い、かつ大当り遊技終了後低確率時短なしの通常状態に移行する大当りを含めることにより、遊技者からは開放回数が増えたように感じさせるようにしてもよい。これにより、1回の普図当選に基づいて複数の大当りを1回の大当りとして継続して演出を実行することができ、一度に多くの出玉付与が期待できる。
また、第4のパチンコ遊技機においては、中央入球口3128への入球後に、特図1、普図始動口を含むクルーン皿3210を設け、通常状態に特図1と普図を同時に抽選させる構造としたが、これに限られるものではなく、特図2、普通電動役物、大入賞口、一般入賞口、アウト口等を含むクルーン、またはそれらを組み合わせた構成を設けてもよい。
また、第4のパチンコ遊技機においては、普通電動役物3146へ1入賞(1開放)につき第2非電動役物3411に2個入球可能であり、第2非電動役物3411に2個入球することで閉鎖するものとしたが、これに限られるものではなく、普通電動役物3146へ1入賞(1開放)につき1個入球可能であり、1個入賞することで閉鎖するとともに第1始動口3121B或いは第2始動口3140に始動入賞させる非電動役物、またはそれらを組み合わせた構成を設けてもよい。
また、第4のパチンコ遊技機においては、10回1セットの普通電動役物3146の開放を行っている途中で大当りした場合、普通電動役物3146の動作状態に関わらず大当り遊技状態に移行して、開放動作を継続する構成を設けてもよい。この場合、大当り移行後は、大当り移行前と同様に普通電動役物3146の開放及び第2非電動役物3411の開放を行うが、大当り移行前と異なり第2非電動役物3411入球による第2始動口3140による変動及び小当り動作は行わないものとしてもよい。また、普通電動役物3146への入球に基づく特図保留は、大当り中に消化されず、大当り終了後に消化されるようにする。また、入賞をサポートする非電動役物を備えるパチンコ遊技機においては、非電動役物に替えて電動役物としてもよい。
また、第4のパチンコ遊技機においては、特図変動開始と同時に時短終了するものとしたが、これに限られるものではなく、変動終了時、変動中特定のタイミング等で時短終了する構成、または、それらを組み合わせた構成を設けてもよい。
また、第4のパチンコ遊技機においては、小当りRUSH状態において時短状態と非時短状態とを行き来する構成であり、且つ特図2を変動させる時短状態は常に右打ち報知を行う仕様としたが、右打ち報知と左打ち報知とを状態に応じて切り替える仕様、または、それらを組み合わせた構成を設けてもよい。
また、第4のパチンコ遊技機においては、特図2抽選の結果の大部分が小当りとなり、低確率ではずれとなり、特殊態様でない小当り又ははずれの場合に小当りRUSHを終了させるが、第1ボーナスとなる大当りを含め、大当り遊技終了後、確変かつa時短に移行することで、小当りRUSHを終了させてもよい。
また、第4のパチンコ遊技機においては、特図2変動による小当り停止態様に、c時短に移行する特殊態様が含まれているが、特図2変動によるはずれ停止態様に、c時短に移行する特殊態様が含まれていてもよい。
[6.第5のパチンコ遊技機]
次に、第5のパチンコ遊技機について説明する。第5のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機であり、第2のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
以下、第5のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板4184(図101参照)から第2のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ4186(図101参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第2のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第5のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第2のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第2のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第5のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第2のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第2のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
なお、第5のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第2のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第2のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第4のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第2のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第2のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[6-1.遊技盤ユニット]
図128を参照して、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット4010について説明する。この遊技盤ユニット4010も、第2のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方であってベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図128は、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット4010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット4010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域4105が形成される。
なお、第5のパチンコ遊技機の遊技領域4105に配置される各種部材(例えば第1始動口4120A等)は、第2のパチンコ遊技機の遊技領域1105に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図128に示されるように、遊技盤ユニット4010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域4105が形成される遊技パネル4100と、ガイドレール4110と、遊技領域4105の略中央部に配置されるセンター役物4115と、第1始動口4120A、4120Bと、一般入賞口4122と、通過ゲートユニット4125と、特別電動役物ユニット4130と、第2始動口4140と、普通電動役物ユニット4145と、LEDユニット4160と、アウト口4178と、裏ユニット(不図示)とを備える。なお、LEDユニット4160については第2のパチンコ遊技機のLEDユニット1160と同様であり、この第5のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル4100には、表示装置4007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル4100の前面には、ガイドレール4110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール4110から遊技領域4105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域4105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル4100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル4100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル4100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル4100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール4110は、第2のパチンコ遊技機と同様に円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域4105は、ガイドレール4110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置4006(後述の図129参照)から発射された遊技球を遊技領域4105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物4115は、遊技パネル4100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール4116を備えている。遊技領域4105に向けて発射された遊技球は、センターレール4116によって左右に振り分けられる。
発射装置4006によって遊技領域4105に向けて発射された遊技球は、左側領域4106または右側領域4107を流下する。左側領域4106または右側領域4107を流下する遊技球は、遊技パネル4100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域4106を流下する。一方、発射ハンドル62(図1参照)の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域4107を流下する。
また、センター役物4115には、左側の外周縁部に、左側領域4106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口4117が形成されている。ワープ入口4117に進入した遊技球は、センター役物4115に形成されたステージ4118に誘導可能に構成されている。ステージ4118は、表示装置4007の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ4118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ4118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口4119が形成されており、チャンス入口4119に進入した遊技球は、第1始動口4120Aの直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口4119に進入した遊技球は、ワープ入口4117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口4117に進入したもののチャンス入口4119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口4120Aに入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口4120Aは、表示装置4007の表示領域の下方に配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口4120Aに遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ4121A(後述の図129参照)により検出される。また、表示装置4007の右側領域4107に第1始動口4120Bが配置されており、右打ちされた遊技球が第1始動口4120Bに入賞可能である。第1始動口4120Bに遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ4121B(後述の図129参照)により検出される。
第1始動口スイッチ4121A、4121B(後述の図129参照)により第1始動口4120A、4120Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口4120A、4120Bに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口4120A、4120Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞口)
一般入賞口4122は、表示装置4007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口4122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ4123(後述の図129参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ4123(後述の図129参照)により一般入賞口4122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口4122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口4122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口4122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット4125は、右側領域4107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート4126と、通過ゲート4126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ4127(後述の図129参照)とを一体化したユニット体であって、右側領域4107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過するように構成されている。通過ゲート4126への遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ4127により通過ゲートユニット4125への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット4125は、右側領域4107に代えてまたは加えて左側領域4106に配置されていてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット4130は、大入賞口4131と、大入賞口4131への遊技球の入賞(通過)を検出するカウントスイッチ4132(後述の図129参照)と、特別電動役物4133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット4130は、右側領域4107において、通過ゲートユニット4125よりも下方に配置されている。
大入賞口4131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口4131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物4115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
大入賞口4131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。カウントスイッチ4132(後述の図129参照)により大入賞口4131への遊技球の入賞が検出されると、例えば15個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口4131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は15個に限られない。
特別電動役物4133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ4134と、この特電用シャッタ4134を作動させる特電用ソレノイド4135(後述の図129参照)とを備える。特別電動役物4133すなわち特電用シャッタ4134は、大入賞口4131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口4131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り遊技状態では、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。なわち、大当り遊技状態は、大入賞口4131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
第2始動口4140は、左側領域4106(より詳しくは第1始動口4120Aの下方)に配置されている。ただし、第2始動口4140は、左打ちされた遊技球或いは右打ちされた遊技球がいずれも入賞可能となるように、遊技球が遊技釘によって第2始動口4140の近傍まで誘導されるように構成されている。ただし、第2始動口4140をこのような構成とすることは必須ではなく、例えば右打ちされた遊技球が入賞可能となるように右側領域4107に設けてもよい。また、第2始動口4140は、左打ちされた遊技球が入賞可能となるように構成されていてもよい。
第2始動口4140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ4141(後述の図129参照)により検出される。第2始動口スイッチ4141(後述の図129参照)により第2始動口4140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口4140に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。一方、第2始動口4140に遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口4140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット4145は、右側領域4107(より詳しくは通過ゲート4126の直下でかつ特別電動役物4133の上方)に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物4146とを一体化したユニット体である。第5のパチンコ遊技機では、上記の入賞口を第2始動口4140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ4141としている。
普通電動役物4146は、前後方向に進退可能な舌状の普電用可動部材4147と、この普電用可動部材4147を作動させる普電用ソレノイド4148(後述の図129参照)とを備える。普通電動役物4146すなわち普電用可動部材4147は、第2始動口4140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口4140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。開放状態とは、普電用可動部材4147が突出した状態であり、普電用可動部材4147に乗った遊技球が第2始動口4140に移動する。閉鎖状態とは、普電用可動部材4147が引き込んだ状態であり、普電用可動部材4147の前方を遊技球が通過する。なお、所謂電チューと呼ばれる普電用可動部材4147に代えて、例えば前後方向に回動可能なシャッタを採用してもよい。
(アウト口)
アウト口4178は、遊技領域4105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口4120、第2始動口4140、大入賞口4131および一般入賞口4122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口4178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域4105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口4178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口4122の間等にアウト口を設けて、遊技領域4105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第2のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット4010を装飾するものであって、遊技パネル4100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、表示装置4007の表示領域の周囲に配置され、サブ制御回路4300によって制御される可動役物等の演出用役物群4058を備える。これらの演出用役物群4058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[6-2.電気的構成]
次に、図129を参照して、第5のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図129は、第5のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第5のパチンコ遊技機の制御回路は、第2のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図129に示されるように、第5のパチンコ遊技機は、第2のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路4200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路4300と、払出・発射制御回路4400と、電源供給回路4450と、から構成される。
[6-2-1.主制御回路]
主制御回路4200は、メインCPU4201、メインROM4202(読み出し専用メモリ)およびメインRAM4203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路4204およびバックアップコンデンサ4207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU4201には、メインROM4202、メインRAM4203および初期リセット回路4204等が接続される。メインCPU4201は、動作を監視するWDTや不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM4202には、メインCPU4201により第2のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU4201は、メインROM4202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM4203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられており、このメインRAM4203は、メインCPU4201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU4201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路4204は、メインCPU4201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ4207は、電断時等に、メインRAM4203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路4200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート4205、および、サブ制御回路4300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート4206等も備える。
また、主制御回路4200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路4200には、普通図柄表示部4161、普通図柄用保留表示部4162、第1特別図柄表示部4163、第2特別図柄表示部4164、第1特別図柄用保留表示部4165、第2特別図柄用保留表示部4166、普電用ソレノイド4148、および、特電用ソレノイド4135等が接続されている。また、主制御回路4200には、これらの他、性能表示モニタ4170およびエラー報知モニタ4172等も接続されている。主制御回路4200は、I/Oポート4205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ4170には、メインCPU4201の制御により性能表示データや設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ4172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ4172には、エラーコードの他に、例えば設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路4200には、第1始動口スイッチ4121A、4121B、第2始動口スイッチ4141、通過ゲートスイッチ4127、カウントスイッチ4132および一般入賞口スイッチ4123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート4205を介して主制御回路4200に送信される。
さらに、主制御回路4200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ4186にデータ送信する際に用いる外部端子板4184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー4174、メインRAM4203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なバックアップクリアスイッチ4176等が接続されている。なお、設定機能付きパチンコ遊技機であれば、バックアップクリアスイッチ4176を、設定値を変更する際のスイッチと兼用するようにしてもよいし、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。また、本実施例では、特図1変動回数と、特図1変動回数と特図2変動回数との合算値を外部出力するが、特図2変動回数は外部出力しないものとする。
また、設定キー4174およびバックアップクリアスイッチ4176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー4174やバックアップクリアスイッチ4176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー4174およびバックアップクリアスイッチ4176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の責任者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の責任者が設定キー4174または/およびバックアップクリアスイッチ4176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー4174およびバックアップクリアスイッチ4176は、主制御回路4200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路4400や電源供給回路4450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の責任者以外の第三者が設定キー4174やバックアップクリアスイッチ4176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[6-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路4300は、サブCPU4301、プログラムROM4302、ワークRAM4303、表示制御回路4304、音声制御回路4305、LED制御回路4306、役物制御回路4307およびコマンド入力ポート4308等を備える。サブ制御回路4300は、主制御回路4200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図129には示されていないが、第2のパチンコ遊技機と同様、サブ制御回路4300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM4302には、サブCPU4301により第5のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU4301は、プログラムROM4302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU4301は、主制御回路4200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM4303は、サブCPU4301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路4304は、表示装置4007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路4304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路4304は、サブCPU4301からの画像表示命令に応じて、表示装置4007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置4007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路4304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置4007に供給する。表示装置4007に画像信号が供給されると、表示装置4007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路4304は、表示装置4007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路4305は、スピーカ4032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路4305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ4032から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU4301から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ4032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路4306は、装飾LED等を含むLED群4046の制御を行うための回路である。LED制御回路4306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路4307は、各役物(例えば、演出用役物群4058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路4307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路4307は、サブCPU4301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU4301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート4308は、コマンド出力ポート4206と接続されており、主制御回路4200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路4400は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路4400には、遊技球を払い出すための払出装置4082、遊技球を発射するための発射装置4006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット4180等が接続されている。
払出・発射制御回路4400は、主制御回路4200から供給される賞球制御コマンドを受け取ると、払出装置4082に対して所定の信号を送信し、払出装置4082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット4180には、球貸し操作パネル4182が接続されている。球貸し操作パネル4182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット4180に送信される。払出・発射制御回路4400は、カードユニット4180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置4082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル4182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット4180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路4400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路4450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路4200、サブ制御回路4300、払出・発射制御回路4400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路4450には、電源スイッチ4095等が接続されている。電源スイッチ4095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路4200、サブ制御回路4300、払出・発射制御回路4400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[6-3.第5のパチンコ遊技機の基本仕様]
次に、第5のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
[大当り、小当り確率]
第5のパチンコ遊技機において、特図1抽選、特図2抽選ともに「はずれ」はほとんどなく、小当り又は大当りが当選し易い仕様となっている。例えば、第1、第2特別図柄抽選で大当り判定となる確率は低確率状態で約1/319、高確率状態で約1/99とする。第1、第2特別図柄抽選で小当り判定となる確率は低確率状態で約317/319、高確率状態で約97/99とする。このため、第1、第2特別図柄抽選ではずれ判定となる確率は低確率状態で約1/319、高確率状態で約1/99となる。
第5のパチンコ遊技機においては、第1始動口4120A、4120B及び第2始動口4140への始動入賞による賞球数は4個、大入賞口4131への入賞による賞球数は15個、一般入賞口4122への入賞による賞球数は10個、大当り遊技状態におけるラウンド数は10ラウンド、大当り遊技終了後は、100%の確率で高確時短遊技状態に移行する。確変回数及び時短回数はともに160回であり、時短回数160回が消化された場合に通常状態に戻る。
大当り遊技状態において1ラウンドは、大入賞口4131に10個の遊技球が入賞するか、大入賞口4131が開放した状態が約30秒間継続した場合に終了する。小当り遊技状態において大入賞口4131は短時間開放されるが入賞は困難であり、左打ちで遊技を進行させて小当りに当選した場合に、右打ちに切り替えても、遊技球が大入賞口4131に到達する前に閉鎖される。
[時短回数]
第5のパチンコ遊技機においては、上述したa時短、b時短及びc時短の中で少なくともb時短が搭載されている。大当り抽選が低確率状態の場合における特図変動回数が、作動回数n(例えば、750回)に到達した場合にb時短が作動する。
[特別図柄の変動パターン]
特別図柄の変動パターンは、特別図柄の変動パターンテーブルに基づいて決定される。特別図柄の変動パターンテーブルは、通常遊技状態において参照される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルと、時短遊技状態において参照される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルと、があり、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル及び高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルは、それぞれ、第1特別図柄用と第2特別図柄用のテーブルがある。
低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルにおいては、第2特別図柄の変動は、特図2抽選の結果を問わず、例えば580~600秒の長変動であり、特図1大当りの場合の第1特別図柄の変動時間(例えば、最長で95秒)よりも大幅に長く設定されている。特図1抽選が小当り又はずれの場合、その多く(例えば、9割)が1秒程度の変動パターンが選択される。
高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルにおいて、特図1、特図2抽選の結果が小当り又ははずれの場合の特図変動時間は、大当りの場合の特図変動時間よりも長く設定されている。例えば、小当り又ははずれの場合の特図変動時間は1秒、大当りの場合の特図変動時間は0.5秒に設定されている。
[6-4.主制御処理]
次に、第5のパチンコ遊技機に係る主制御回路4200のメインCPU4201により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。メインCPU4201により実行される各種処理(各種モジュール)は、第2のパチンコ遊技機に係るメインCPU1201により実行される各種処理(各種モジュール)に対して共通する処理が多いが、次の点で、異なっている。
第5のパチンコ遊技機においては、図78のS1041に示す第2のパチンコ遊技機の遊技状態管理処理において、低確率状態における特図変動回数が作動回数nに到達した場合にb時短が作動していることを示すb時短フラグをオンにする処理が追加される。
また、第5のパチンコ遊技機は、図82に示すS1076~S1078おいて行われる処理を実行する。これらの処理において、第2のパチンコ遊技機では、大当りの場合には特別電動役物1133を駆動させて大当り用大入賞口1131を開放し、小当りの場合には小当り用ソレノイド1154を駆動させて小当り用大入賞口1151を開放させるが、第5のパチンコ遊技機においてメインCPU4201は、大当り及び小当りのいずれも場合でも、特別電動役物4133を駆動させて大当り用大入賞口4131を開放させる制御を行う。
第5のパチンコ遊技機において、メインCPU4201により実行されるその他の処理については第2のパチンコ遊技機と同様である。このため、メインCPU4201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。
[6-5.サブ制御処理]
次に、サブ制御回路4300のサブCPU4301により実行される各種処理の内容について説明する。サブCPU4301により実行される各種処理は、図53を参照して説明した第2のパチンコ遊技機に係るサブCPU4301により実行される各種処理を実行する。特に、第5のパチンコ遊技機においては、図130に示すコマンド解析処理が実行される。
(コマンド解析処理)
図53のS503において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図130及び図131を用いて説明する。
S4110において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU4301が、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、S4120に処理を移し、サブCPU4301が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S4120において、受信したコマンドが特別図柄遊技終了コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU4301は、特別図柄遊技終了コマンドであると判定した場合には、S4130に処理を移し、特別図柄遊技終了コマンドであると判定しない場合にはS4140に処理を移す。
S4130において、サブCPU4301は、図131に示す特別図柄遊技終了コマンド受信時処理を行う。
S4140において、サブCPU4301は、受信したコマンドに応じた処理を行う。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。
図131に示すように、特別図柄遊技終了コマンド受信時処理において、まず、サブCPU4301は、確変状態か否かを判定する処理を行う(S4210)。確変状態であると判定する場合にはS4260に処理を移す。確変状態であると判定しない場合にはS4220に処理を移す。
S4220において、低確特図変動回数カウンタを更新する処理を行う。この処理において、サブCPU4301は、低確特図変動回数カウンタとして機能するワークRAM4303の所定領域の値に「1」加算する処理を行う。すなわち、低確特図変動回数カウンタの値は特図1変動、特図2変動が停止した場合に更新される。この処理が終了した場合に、S4230に処理を移す。
S4230において、サブCPU4301は、特図1の遊技が終了したか否かを判定する処理を行う。特図1の遊技が終了したと判定する場合にはS4240に処理を移す。特図1の遊技が終了したと判定しない場合にはS4250に処理を移す。
S4240において、低確特図1変動回数カウンタを更新する処理を行う。この処理において、サブCPU4301は、低確特図1変動回数カウンタとして機能するワークRAM4303の所定領域の値に「1」加算する処理を行う。すなわち、低確特図変動回数カウンタの値は、特図1変動が停止した場合に更新され、特図2変動が停止した場合には更新されない。この処理が終了した場合に、S4250に処理を移す。
S4250において、変動回数表示演出及び天井示唆演出を設定する処理を行う。この処理において、サブCPU4301は、低確特図1変動回数カウンタの値を表示装置4007に表示させるように設定する処理を行う。また、サブCPU4301は、b時短に突入するための作動回数n(例えば750回)と低確特図変動回数カウンタの値との差に応じて、b時短突入までどの程度かを示唆する天井示唆演出を設定する処理を行う。例えば、天井示唆演出として表示装置4007に星印を表示させ、差数が750~551であれば白色、550~351であれば青色、350~151であれば黄色、150~51であれば紫色、50~11であれば赤色、10~1であれば虹色というように表示色を変化させる演出を行う。この処理が終了した場合に、S4260に処理を移す。
S4260において、サブCPU4301は、その他、特別図柄遊技終了コマンド受信時に実行する処理を行う。例えば、大当りであった場合に、低確特図変動回数カウンタ及び低確特図1変動回数カウンタをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。
[6-6.演出画面]
図132、図133は、第5のパチンコ遊技機において、表示装置4007に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
図132(a)は、通常状態において表示装置4007に表示される演出画面の一例を示すものであり、表示装置4007には、演出用の特図1識別図柄4601と、特図1保留情報4611と、低確率状態(非確変状態)における特図1の変動回数を報知する変動回数情報4621と、b時短に到達するまでの残り変動回数を示唆する示唆情報4622と、含む各種の演出画像が表示される。通常状態においては、第1始動口4120A及び第2始動口4140への入賞が可能であるため、第1特別図柄表示部4163又は第2特別図柄表示部4164において特図1変動又は特図2変動が行われる。一方、表示装置4007には、第1特別図柄表示部4163によって表示される第1特別図柄に対応する演出用の特図1識別図柄4601が表示されるが、第2特別図柄表示部4164によって表示される第2特別図柄に対応する演出用の特別図柄及び保留情報は表示されない。
演出用の特図1識別図柄4601は、表示装置4007の表示領域の中央部に、遊技者に容易に視認できるように大きく表示される。特図1保留情報4611は、現在変動している特図1変動に対応する大きめの保留図柄と、保留されている特図1変動に対応する小さめの保留図柄とからなる。
変動回数情報4621及び示唆情報4622は、図131のS4250に示す処理で設定される、変動回数表示演出及び天井示唆演出の画像である。図132(a)においては、演出用の特図1識別図柄4601が変動中であり、変動回数情報4621を視認することにより、特図1変動が600回行われていることがわかる。また、示唆情報4622である星印の色が紫色であるため、b時短に到達するまでの残り変動回数が150~51であることがわかる。
このように、通常状態において表示装置4007は特図1に係る演出表示を行い、特図2抽選に関する情報は隠される。
ところで、通常状態においては、特図2の変動時間が特図1の変動時間よりも大幅に長いため、特図1変動が停止した時点で、特図2が変動中である可能性が高い。また、特図1、特図2の抽選結果の大部分は小当りであるため、特図1変動が停止して小当りとなることにより、特図2の変動は仮に大当りであったとしてもはずれ態様で強制停止される。逆に、特図2変動が小当り態様で停止した時点で、特図1が変動中であれば、特図1の変動がはずれ態様で強制停止される。このため、仮に、特図1保留と特図2保留の両方がある場合には、特図1、特図2の停止後、同じタイミングで変動を開始し、特図1変動が先に停止することがほとんどである。
つまり、特図1が変動停止した場合には、特図2の変動がはずれ態様で強制停止されるため、図131のS4220に示す低確特図変動回数カウンタを更新する処理において、低確特図変動回数カウンタの値は「2」増加することになり、S4240に示す低確特図1変動回数カウンタを更新する処理において、低確特図1変動回数カウンタの値は「1」増加する。遊技者に報知される変動回数情報4621は、低確特図1変動回数カウンタの値であるため、実際の低確率状態(非確変状態)における特図変動回数(特図1変動回数と特図2変動回数との和)よりも低くなる。
図132(a)に示す状態で、仮に、特図2変動が99回行われていたとする。この場合、変動中の演出用の特図1識別図柄4601が小当り又ははずれで停止すると、図132(b)に示すように、変動回数情報4621が「601」に更新され、示唆情報4622は赤色に切り替わる。遊技者が、更に特図変動の回数を重ねることにより、図132(c)に示すように、示唆情報4622である星印の色が虹色に変わり、b時短に到達するまでの残り変動回数がわずかであることが報知される。そして、遊技者が、特図変動の回数を数回重ねることにより、図132(d)に示すように、b時短が作動したことを示唆する「天井モード開始」という表示が行われるとともに、「右打ち」という右打ちを促す表示が行われる。なお、第5のパチンコ遊技機によれば、特図変動の開始時に遊技状態が切り替わるため、750回目の特図変動が終了して、次の特図変動の開始時に「天井モード開始」及び「右打ち」の表示が行われる。
図132(e)は、b時短状態(天井モード)において表示装置4007に表示される演出画面の一例を示すものであり、表示装置4007には、演出用の特図1識別図柄4601と、演出用の特図2識別図柄4602と、特図1保留情報4611と、特図2保留情報4612と、含む各種の演出画像が表示される。b時短状態(天井モード)においては、第1始動口4120A及び第2始動口4140への入賞が可能であり、表示装置4007には、第1特別図柄表示部4163によって表示される第1特別図柄に対応する演出用の特図1識別図柄4601及び第2特別図柄表示部4164によって表示される第2特別図柄に対応する演出用の特図2識別図柄4602が表示される。なお、b時短状態(天井モード)においては、通常状態において表示されていた変動回数情報4621及び示唆情報4622が表示されない。
ところで、b時短状態(天井モード)において、特図1、特図2抽選の結果が小当り又ははずれの場合の特図変動時間(例えば1秒)は、大当りの場合の特図変動時間(例えば0.5秒)よりも長く設定されている。このため、演出用の特図1識別図柄4601及び演出用の特図2識別図柄4602が同時に変動開始した場合、大当りの変動が先に停止するようになり、小当りによって大当りとなる変動がはずれ態様で強制停止されることが低減される。
図132(e)に示すように、演出用の特図1識別図柄4601及び演出用の特図2識別図柄4602が同時に変動し、いずれかの一方の変動が小当りで停止すると、図132(f)に示すように、一方の変動が小当りで停止すると、他方の変動がはずれ態様で停止する。演出用の特図1識別図柄4601及び演出用の特図2識別図柄4602が同時に変動し、いずれかの一方の変動が大当りで先に停止すると、他方の変動が直後にはずれ態様で停止する。例えば、図133(a)に示すように、先に、演出用の特図2識別図柄4602が大当り態様で停止すると、演出用の特図1識別図柄4601が直後又は、同時にはずれ態様で停止する。そして、図133(b)に示すように、大当りを報知した後、大当り遊技状態に移行する。第5のパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態終了後、時短回数160回の高確時短遊技状態(確変状態かつa時短遊技状態)に移行する。時短回数160回が消化された場合には、通常状態に移行する。
図133(c)、図133(d)は、時短回数160回の高確時短遊技状態において表示装置4007に表示される演出画面の一例を示すものであり、表示装置4007には、演出用の特図1識別図柄4601と、演出用の特図2識別図柄4602と、特図1保留情報4611と、特図2保留情報4612と、含む各種の演出画像が表示される。図133(e)は、時短回数160回が消化されて高確時短遊技状態が終了した次の特図変動において表示装置4007に表示される演出画面の一例を示すものであり、演出用の特図2識別図柄4602及び特図2保留情報4612が消去され、変動回数情報4621及び示唆情報4622が表示される。この時の変動回数情報4621は「0」である。そして、演出用の特図1識別図柄4601が変動、停止して小当り又ははずれが報知された後に、図133(f)に示すように変動回数情報4621が「1」になる。以降、通常状態で遊技が実行される。
なお、特図1及び特図2が共に大当り変動となった場合、変動時間に拘わらずプログラム上の処理順で優先される特図を大当り停止させ、他方の特図をはずれ停止させる。特図1及び特図2が共に小当りであって同時に変動停止する場合、プログラム上の処理順で優先される特図を小当り停止させ、他方の特図をはずれ停止させる。
なお、上述した第5のパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態終了後、時短回数160回の高確時短遊技状態に移行するが、それに限らず、時短回数を210回とし、160回目までは高確率状態(確変状態)、161~210回目までは低確率状態(非確変状態)とする。更に、161~210回目までの低確時短遊技状態においては、特図1、特図2ともにはずれ・小当り変動時間は大当り変動時間よりも長いものとする。例えば、はずれ・小当り変動時間は1秒、大当り変動時間は60秒とする。これにより、特図1、特図2変動で一方が小当り停止した時に他方をはずれ停止させ、何れかが大当りの場合にははずれ停止させることができる。言い換えれば、50回の大当り当選しない時短遊技状態をつくることにより、b時短突入までの特図変動回数を短時間で稼ぐことが可能になる。なお、前述した時短遊技状態はa時短状態であるが、小当り又ははずれ停止態様に時短遊技状態(c時短状態)に移行可能な特殊態様を含め、c時短状態において所定回数の前述した当選しない時短遊技を実行させてもよい。これにより、更に、b時短突入までの特図変動回数を短時間で稼ぐことが可能になる。
また、a時短とc時短の時短回数を、複数の回数の中から乱数抽選によって決定してもよい。例えば、a時短の時短回数を、160回、210回、909回(160回+749回)の中から1つ決定してもよい。909回を選択した場合には、160回の高確時短遊技状態終了後に、749回の大当り当選しない時短遊技状態によって、持玉の消費を抑えながら特図変動を重ねることになるため、実質的に高確時短遊技状態終了後、短時間でb時短に移行することが約束される。
[6-7.第5のパチンコ遊技機による効果]
以上、説明したように構成された第5のパチンコ遊技機によれば、次に記載する効果を奏する。
第5のパチンコ遊技機によれば、特図1、特図2の同時変動が可能であり、b時短到達前の低確率状態における表示装置4007による演出表示おいて、特図1変動の演出表示及び特図1変動回数を表示し、特図2変動の演出表示及び特図2変動回数を表示しないことにより、実際の特図変動回数と演出表示される変動回数とに差異が生まれ、遊技者にb時短到達までの変動回数(天井回数)を分かり難くすることができる。これにより、遊技者にb時短到達までの時間を短く感じさせることができる。
また、特図1、特図2抽選の結果はほとんど大当り又は小当りであり、はずれの極めて少ないものであり、通常状態において特図2が長変動であるため、特図2が変動中の時に特図1が停止することが多くなり、特図1の停止によって特図2がはずれ態様で強制停止される。この際、特図1変動回数及び特図2変動回数が同時に増加するが、特図1変動回数が演出表示され、特図2変動回数は演出表示されない。これにより、実際の特図変動回数と演出表示される変動回数とに差異を付けることが可能になり、遊技者にb時短到達までの変動回数(天井回数)を分かり難くすることができる。
また、a時短やc時短を搭載し、時短中において特図1変動、特図2変動がともに、大当りの変動時間が小当り又ははずれの変動時間よりも大幅に長くなるように設定される。このため、特図1変動及び特図2変動のいずれか一方が小当り停止した時に、他方が大当りであってもをはずれ停止させることになる。しかも、小当り又ははずれの変動時間が比較的短いため、大当りになり難い時短状態が所定回数実行される。これにより、短時間に所定回数の特図変動を重ねることが可能になり、結果として、b時短到達までの変動回数(天井回数)を稼ぐことが可能になるため、遊技者にb時短到達までの時間を短く感じさせることができる。
また、b時短に突入した場合に、大当りの変動時間が小当り又ははずれの変動時間よりも短くなるように設定される。このため、特図1、特図2抽選の結果が大当りの場合には、大当りが先に特図停止し易くなるため、大当り遊技状態に移行可能になる。また、大当りの変動時間が例えば0.5秒、小当り又ははずれの変動時間が例えば1秒と短時間に設定されるため、b時短突入後、特図抽選が高速に消化される。
以上、第5のパチンコ遊技機について説明したが、上述した第5のパチンコ遊技機を一部変更することも可能である。例えば、上述した第5のパチンコ遊技機によれば、第1始動口4120Aと第2始動口4140とをそれぞれ分けて配置しているが、所謂、ヘソ入賞した遊技球を第1始動口4120Aと第2始動口4140とに交互に入球させる機構を設けてもよい。これにより、通常状態において、特図1と特図2とが同時に変動する機会が増加するため、特図1停止と同時に特図2停止した後に、特図1と特図2とを同時に変動を開始させる機会が多くなり、特図2変動ははずれ態様で強制停止することが多くなる。その結果、実際の特図変動回数と演出表示される変動回数とに差異を付けることが可能になり、遊技者にb時短到達までの変動回数(天井回数)を分かり難くすることができる。
また、上述した第5のパチンコ遊技機によれば、普通電動役物4146に入賞した遊技球は、第1始動口4120Bに入賞するが、普通電動役物4146に入賞した遊技球を第1始動口と第2始動口とにそれぞれ振り分けて入賞させてもよい。これにより、小当り又ははずれを機会に、特図1停止と特図2とが同時に停止し、その後に、特図1と特図2とを同時に変動を開始させる機会が多くなり、時短遊技状態における時短回数を高速に消化させることが可能になる。その結果、b時短到達までの変動回数(天井回数)を稼ぐことが可能になるため、遊技者にb時短到達までの時間を短く感じさせることができる。なお、第4のパチンコ遊技機に搭載している、始動入賞役物ユニット3150を適用することも可能である。この場合、普通電動役物が開状態になっている時間において、振分装置がオン及びオフになる時間の配分を変えることにより、第1始動口及び第2始動口への入賞頻度を変えることが可能になる。例えば、振分装置がオンになる時間とオフになる時間とが同じであれば、特図1保留と特図2保留とが同じように増加し、振分装置がオンになる時間が短く、オフになる時間が長い場合には、特図1保留が増加しやすく特図2保留が増加しにくくなる。このように、時短中における表示装置4007に表示されない特図2の変動回数の伸びを調整することが可能になる。なお、上述した第5のパチンコ遊技機によれば、作動回数nに高確率状態(確変状態)における変動回数を含めていないが、含めることを除外するものではない。具体的には、高確率時短状態で160回変動させた後、通常状態(低確率非時短状態)で590回変動させ、合計750回に到達した場合に、天井時短(b時短)を作動させてもよい。
[6-8.第5のパチンコ遊技機の変形例]
以下、第5のパチンコ遊技機の変形例について説明する。
[6-8-1.変形例1]
図134は、第5のパチンコ遊技機の変形例1の遊技盤ユニットを示す説明図である。変形例1の遊技盤ユニットは、図128に示す遊技盤ユニット4010において、第1始動口4120Aの直下に配置されている第2始動口4140を削除し、普通電動役物4146に入賞した遊技球が、第2始動口4140を通過するように構成したものである。
[変形例1の仕様]
変形例1は、遊技状態が、確変状態(高確率状態)又非確変状態(低確率状態)のいずれであることは問わず、特図変動が規定回数消化したことを条件に、時短遊技状態(b時短)に移行するものである。変形例1においては、特図変動が100回数消化したことを条件に時短遊技状態(b時短)に移行する。この時短遊技状態(b時短)においては、例えば、60回の時短回数が付与される。
低確率状態の特図1抽選で大当り当選した場合に、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態が終了した場合に、ほとんどの場合、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する。高確率状態の特図1抽選では、低確率状態よりも大当り当選確率が高くなるが、ほとんどの場合、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する。また、高確率状態の特図1抽選では、高確率で小当りに当選する。高確非時短遊技状態(潜伏確変)は、特図の変動回数が100回に到達するまで継続する。
低確率状態の特図2抽選に大当り当選した場合に、大量の賞球獲得が可能な大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態が終了した後に、高確時短遊技状態に移行する。この高確時短遊技状態は、例えば、特図変動が160回消化した場合に終了する。
[変形例1の遊技状態の遷移]
図135は変形例1の遊技状態の遷移を示す説明図であり、通常遊技状態においては、左打ちによって遊技が進められる。初当り、すなわち通常遊技状態に特図1大当りに当選した場合に、大当り遊技終了後、ほとんどの場合、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する。高確非時短遊技状態(潜伏確変)では、左打ちによって遊技が進められる。高確非時短遊技状態(潜伏確変)に特図1大当りに当選した場合には、大当り遊技終了後、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する。この際、b時短に到達するまでの特図変動回数のカウント値はリセットされる。高確非時短遊技状態(潜伏確変)に特図1小当りに当選した場合には、小当り遊技状態に移行する。高確非時短遊技状態(潜伏確変)においては、特図1大当り又は小当りに当選した場合に、右打ちに切り替え、大入賞口4131に遊技球を通過させ、大当り遊技又は小当り遊技終了後、左打ちに切り替える。高確非時短遊技状態(潜伏確変)においては、小当りに当選し易いため、所謂、小当りRUSHの状態にあるが、高確非時短遊技状態(潜伏確変)において遊技球が増加しないように(ベース値95程度)小当り確率が設定されている。なお、高確非時短遊技状態(潜伏確変)において、左打ち消化として主に特図1変動としたが、右打ち消化として主に特図2変動としてもよい。また、特図1抽選には小当りがなく、特図2抽選では小当りに高確率で当選するしようとしてもよい。
高確非時短遊技状態における特図変動回数のカウント値が100回に到達した場合に、低確時短遊技状態に移行してb時短が作動する。変形例1では60回の時短回数が付与されるが、この限りではない。b時短状態においては、右打ちによって遊技が進められ、b時短が作動した場合に、表示装置4007に「右打ち」というような右打ちを促す画像が表示される。b時短状態で特図2大当りに当選すると、大当り遊技状態に移行して多くの賞球を獲得した後、高確時短遊技状態に移行する。b時短状態で60回の時短回数が消化されると通常遊技状態に移行する。
高確時短遊技状態で特図2大当りに当選すると、大当り遊技状態に移行して多くの賞球を獲得した後、高確時短遊技状態に移行する。高確時短遊技状態で160回の時短回数が消化されると通常遊技状態に移行する。
すなわち、変形例1によれば、高確非時短遊技状態(潜伏確変)において如何に早く時短回数100回を消化させて時短遊技状態(b時短)に移行させ、時短遊技状態(b時短)おいて大当りに当選させることが大量の賞球獲得へのカギとなる。このように、高確非時短遊技状態から低確時短遊技状態(b時短)に移行することに遊技の興趣を持たせた斬新な遊技機を提供することができる。
[6-8-2.変形例2]
次に、第5のパチンコ遊技機の変形例2について説明する。変形例2の遊技盤ユニットは、図134に示す変形例1の遊技盤ユニット4010と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[変形例2の仕様]
変形例2では、特図1、特図2抽選の大当り確率が共通であり、例えば、低確率状態で1/300、高確率状態で1/99とする。特図1、特図2抽選に大当り当選した場合、大当り遊技終了後、高確率状態(確変状態)でかつ第1時短遊技状態(a時短)に移行する。具体的には、確変回数及び時短回数が160回の高確時短遊技状態に移行し、160回の時短回数が消化された場合には、通常遊技状態に移行する。
また、変形例2は、b時短機能を搭載しており、b時短が作動するために必要な特図変動回数(作動回数n)よりも、b時短に突入した場合に付与される時短回数(時短回数N)が大きくなるように設定されている。具体的に、作動回数nは750回、時短回数Nは800である。なお、作動回数nには第1時短遊技状態(a時短)で消化した時短回数も含めるものとする。
[変形例2の遊技状態の遷移]
図136は変形例2の遊技状態の遷移を示す説明図であり、通常遊技状態においては、左打ちによって遊技が進められ、主に特図1抽選が行われる。通常遊技状態に特図1大当りに当選した場合に、大当り遊技終了後、時短回数160回の高確時短遊技状態に移行する。高確時短遊技状態では、右打ちによって遊技が進められ、主に特図2抽選が行われる。通常遊技状態に特図2大当りに当選した場合に、大当り遊技終了後、時短回数160回の高確時短遊技状態に移行する。高確時短遊技状態において、時短回数160回が消化された場合、通常遊技状態に移行する。
通常遊技状態において、特図変動の回数が750回に到達したことを条件に、低確時短遊技状態の第2時短遊技状態(b時短)に移行し、時短回数800回が付与される。第2時短遊技状態(b時短)では、右打ちによって遊技が進められ、主に特図2抽選が行われる。第2時短遊技状態(b時短)に特図2大当りに当選した場合に、大当り遊技終了後、時短回数160回の第1時短遊技状態(高確時短遊技状態)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)において特図2大当りにせずに特図変動が750回消化された場合には、時短回数800回が付与される。更に、第2時短遊技状態(b時短)が開始してから特図変動が1500回消化され、時短回数は残り100回となったところで更に時短回数800回が上乗せされる。
このように、変形例2によれば、第2時短遊技状態(b時短)に移行した場合に、特図変動が750回消化する毎に時短回数が上乗せされていくため、実質的に、大当りに当選するまで、第2時短遊技状態が継続することになる。これにより、第2時短遊技状態(b時短)に移行した後に大当りを獲得できない状態が長く続く、所謂、ハマリ状態に陥ったとしても、遊技者は持玉の消費を抑えながら遊技を進めることが可能になる。
なお、変形例2において、特図1抽選に大当り当選した場合、大当り遊技終了後に、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する場合を含めてもよい。この場合、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する確率を、他の遊技状態(第1時短遊技状態又は通常状態)に移行するより高くしてもよい。
[6-8-3.変形例3]
次に、第5のパチンコ遊技機の変形例3について説明する。変形例3の遊技盤ユニットは、図134に示す遊技盤ユニット4010と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[変形例3の仕様]
変形例3では、特図1、特図2抽選の大当り確率が共通であり、例えば、低確率状態で1/300、高確率状態で1/99とする。特図1、特図2抽選に大当り当選した場合、大当り遊技終了後、高確率状態(確変状態)でかつ第1時短遊技状態(a時短)に移行する。
具体的に、初当りの場合すなわち通常遊技状態で大当りに当選した場合には、確変回数が10回の確変状態、かつ時短回数が746回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。時短中の大当りの場合には、大当り遊技終了後、確変回数が10回の確変状態、かつ時短回数が10回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。大当り遊技終了後、10回の特図変動が消化された場合には、通常遊技状態に移行する。
また、変形例3は、b時短機能を搭載しており、第2時短遊技状態(b時短)が作動するために必要な特図変動回数(作動回数n)は、a時短に突入した場合に付与される時短回数よりも大きく設定されている。具体的には、作動回数nは750回、時短回数Nは適宜設定可能であるが例えば100回とする。また、低確非時短遊技状態で特図2抽選に大当り当選した場合に、時短回数10000回を付与する。なお、作動回数nには第1時短遊技状態(a時短)で消化した時短回数も含めるものとする。
[変形例3の遊技状態の遷移]
図137は変形例3の遊技状態の遷移を示す説明図であり、通常遊技状態においては、左打ちによって遊技が進められ、主に特図1抽選が行われる。通常遊技状態で特図1大当りに当選した場合(初当り)に、大当り遊技終了後、確変回数10回、時短回数746回の第1時短遊技状態に移行する。時短遊技状態(a時短又はb時短)で特図1大当りに当選した場合に、大当り遊技終了後、確変回数10回、時短回数10回の第1時短遊技状態に移行する。
初当り後、時短回数746回の特図変動が消化された時点で、特図2保留が存在する場合に、この特図2保留で大当り当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後、確変回数10回の確変状態、かつ時短回数10000回の第1時短遊技状態に移行する。特図2保留で大当り当選しない場合には、特図の変動回数が750回に到達したことを条件に第2時短遊技状態(b時短)に移行する。初当り後、時短回数746回の特図変動が消化された時点で特図2保留が4個の場合、4個の特図2保留が大当り当選しないで消化された後に、第2時短遊技状態(b時短)に移行する。特図2保留が3個以下である場合、特図2保留が大当り当選しないで消化された後に一旦通常遊技状態に移行する。そして、左打ちによって特図1変動が1~3回行われた後に、第2時短遊技状態(b時短)に移行する。
変形例3においては、時短回数746回の特図変動が消化された時点で非時短遊技状態に移行しても、その時の特図2保留が4個の場合には、左打ちを促す演出画像を表示装置4007に表示しない。特図2保留が3個以下の場合には、左打ちを促す演出画像を表示装置4007に表示する。そして、第2時短遊技状態(b時短)に移行した後に右打ちを促す演出画像を表示装置4007に表示する。
時短中の大当り後、時短回数10回の特図変動が消化された時点で、特図2保留が存在する場合に、この特図2保留で大当り当選した場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後、確変回数10回の確変状態、かつ時短回数10000回の第1時短遊技状態に移行する。特図2保留で大当り当選しない場合には、特図の変動回数が750回に到達したことを条件に第2時短遊技状態(b時短)に移行する。なお、時短中の大当り後も初当り後と同様に、特図2保留の個数に応じて左打ち又は右打ちを促す演出画像が表示装置4007に表示される。
なお、変形例3において、特図1抽選に大当り当選した場合、大当り遊技終了後に、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する場合を含めてもよい。この場合、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する確率が、他の遊技状態(第1時短遊技状態又は通常状態)に移行するよりも高くしてもよい。
また、上述した変形例3は、第3のパチンコ遊技機のように1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機にも適用可能である。前述した1種2のパチンコ遊技機では、低確非時短遊技状態で特図2抽選に大当り当選した場合に、時短回数10000回を付与するものとしたが、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機では、低確非時短遊技状態で特図2抽選に小当り当選した場合に、V入賞し易くする。具体的には、図134に示す遊技盤ユニット4010の特別電動役物4133に、第3のパチンコ遊技機が備えているV入賞装置のようにV入賞口とVシャッターとを設けたものとする。ここで、1種2のパチンコ遊技機では、時短中は小当りしても、上流側で普通電動役物4146が遊技球を捕捉してしまうため、遊技球が特別電動役物4133に向かい難い。そこで、普通図柄の変動パターンとしてロング変動を設け、ロング変動時には、普通電動役物4146が作動せず、普通電動役物4146の下流にある特別電動役物4133に遊技球が向かう構成としてもよい。
[6-8-4.変形例4]
次に、第5のパチンコ遊技機の変形例4について説明する。
図138は、変形例4の遊技盤ユニットを示す説明図である。変形例4の遊技盤ユニットは、図128に示す遊技盤ユニット4010において、第1始動口4120Aの直下に配置されている第2始動口4140を削除し、図138に示すように、特別電動役物4133の下流側に第2始動口4140Bを設け、更に、普通電動役物4146に入賞した遊技球が、第2始動口4140Aを通過するように構成したものである。第2始動口4140A、第2始動口4140Bを通過した遊技球は、第2始動口スイッチ4141によって検知される。第2始動口4140Bの周囲に遊技釘は、特別電動役物4133に入賞しなかった遊技球の中の数球に1球が入賞するように、盤面に配置されている。変形例4の遊技盤ユニットのその他の構成は、図128に示す遊技盤ユニット4010と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[変形例4の仕様]
変形例3では、特図1、特図2抽選による大当りとして、確変大当りと通常大当りとがある。確変大当りの場合は大当り遊技終了後、高確率状態(確変状態)でかつ第1時短遊技状態(a時短)の高確時短遊技状態に移行する。通常大当りの場合は大当り遊技終了後、低確率状態(非確変状態)でかつ時短が付与されない通常遊技状態(低確非時短遊技状態)に移行する。大当り確率は、特図1、特図2抽選ともに、例えば低確率で1/300、高確率で1/150とし、大当りが確変大当りとなる割合は例えば50%とする。また、特図1抽選には小当りがなく、特図2抽選では小当りに高確率で当選する仕様とする。また、高確時短遊技状態において確変回数は750回、時短回数は700回とする。
また、変形例3は、b時短機能を搭載しており、b時短が作動する条件となる特図変動回数(作動回数n)は750回である。第2時短遊技状態(b時短)の時短回数は1000回である。なお、作動回数nには第1時短遊技状態(a時短)で消化した時短回数も含めるものとする。
[変形例4の遊技状態の遷移]
図139は変形例4の遊技状態の遷移を示す説明図であり、通常遊技状態においては、左打ちによって遊技が進められ、主に特図1抽選が行われる。通常遊技状態に特図1大当りに当選した場合に、確変大当りであれば大当り遊技終了後、確変回数750回の高確率状態でかつ時短回数700回の第1時短遊技状態の高確時短遊技状態に移行する。通常大当りであれば、通常遊技状態に移行する。確変回数750回の間に大当りに当選した場合には、大当り遊技終了後、大当り停止図柄に基づいて高確時短遊技状態又は通常遊技状態に移行する。
高確時短遊技状態においては、右打ちによって遊技を進めることが遊技者に有利であり、通過ゲート4126を遊技球が通過することで普図変動が短時間で行われ、そのほとんどが小当りになる。ここで、小当り遊技の実行中に、特別電動役物4133の上流側で普通電動役物4146が遊技球を捕捉してしまうため、小当り遊技状態において大入賞口4131への入賞による賞球を獲得することが難しい仕様になっている。
大当り遊技状態終了後、時短回数700回が消化されると、高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態に移行する。高確非時短遊技状態に移行しても、右打ちを継続し、残り50回の確変回数の間に第2始動口4140Bに遊技球を入賞させることによって、小当りを高確率で獲得することができる。この際、第1時短遊技状態(a時短)から非時短遊技状態に移行しており、普通図柄の変動時間が長変動に切り替わっているため、この長変動の間に普通電動役物4146に捕捉されずに通過した遊技球が、特別電動役物4133に遊技球が向かうようになり、大入賞口4131への入賞が可能になる。このため、残り50回の確変回数の間は、小当りに高確率で当選しかつ小当り遊技によって賞球を獲得することが可能な、所謂、小当りRUSHとなる。小当りRUSH中に特図2大当りとなった場合には、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技終了後に、大当り停止図柄に基づいて高確時短遊技状態又は通常遊技状態に移行する。なお、小当りRUSH中に特図2大当りとなった場合にはこれに限らず、小当りRUSHが終了した後に大当り遊技を実行させてもよい。
そして、残り50回の確変回数が消化されると、時短回数1000回の第2時短遊技状態(b時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)において大当りとなった場合には、大当り遊技終了後に、大当り停止図柄に基づいて高確時短遊技状態又は通常遊技状態に移行する。時短回数1000回が消化された場合には、第2時短遊技状態(b時短)から通常遊技状態に移行する。
このように構成された変形例4によれば、大当り遊技終了後、高確時短遊技状態に移行したにもかかわらず、なかなか大当りが獲得できない状態が続いても、特図変動を規定回数まで行うことによって小当りRUSHと時短が獲得できるという、新たな興趣を遊技者に提供することが可能になる。
なお、変形例4において、特図1抽選に大当り当選した場合、大当り遊技終了後に、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する場合を含めてもよい。この場合、大当りが確変大当りとなる割合を50%とし、高確非時短遊技状態(潜伏確変)に移行する確率が、他の遊技状態(第1時短遊技状態又は通常状態)に移行するよりも高くしてもよい。
[6-8-5.変形例5]
次に、第5のパチンコ遊技機の変形例5について説明する。変形例5は、第5のパチンコ遊技機の変形例1~4において、b時短到達(天井到達)時のみ変動パターンテーブルを切り替え、特定の演出からb時短に突入するように構成したものである。
図140は、図78のS1037において実行される特別図柄の変動パターン決定処理を示すフローチャートであり、メインCPU4201は、特図変動の作動回数がnであるか否かを判定する処理を行う(S4710)。作動回数がnである場合には、特別変動パターンテーブルを選択し(S4720)、作動回数がnでない場合には変動パターンテーブルを選択して(S4730)、変動パターンを決定する(S4740)。
特別変動パターンテーブルを用いて決定した特別変動パターンは、比較的長い変動時間のロング変動パターンであり、特別変動パターンに対応する特別変動パターンコマンドが、主制御回路4200からサブ制御回路4300に送信され、サブ制御回路4300のサブCPU4301は、特別変動パターンコマンドを受信することにより、演出用の特図変動を開始した後に、特定の演出から時短突入を報知する演出を実行する。変形例5においては、作動回数nが750回であるため、750回ごとにロング変動パターンが選ばれる
このように構成された変形例5によれば、750回ごとにロング変動パターンが選ばれ、特定の演出が実行されることにより、b時短に突入したことを遊技者に印象付けることが可能になる。
図141は、ロング変動パターンにおいて実行される特定演出の一例であり、図141(a)に示すように、演出用の第2識別図柄4602の変動中に、750回目の変動に対応する演出用の特図2保留情報4612において文字情報の変動表示を行う。そして、図141(b)に示すように、751回目の変動で特図2保留情報4612が大きく表示され、図141(c)に示すように、演出用の第2識別図柄4602が停止する前に、特図2保留情報4612の変動表示が停止して「時短」と表示される。これにより、遊技者に時短への移行が報知される。なお、当該変動が大当りの場合には、図141(d)に示すように、「当」と表示される。これにより、遊技者に当該変動が大当りであることが報知される。また、特図変動回数を把握している遊技者であれば、保留予告が出現した時点で、第2時短遊技状態(b時短)への突入を予測することが可能になる。なお、c時短機能を搭載している場合、保留の中に停止態様が特殊態様となるものがあれば、その保留に対して図141に示すような演出を行ってもよい。また、図141によれば、演出用の特図2保留情報4612において文字情報の変動表示を行っているが、それに限らず、特図2保留情報4612ではなく表示装置4007における他の表示領域に文字情報の変動を表示させ、750回目の特図変動の時に「時短」と停止表示させてもよい。この際、特図2保留情報4612において文字変動させる場合には、4変動前の746回目の特図変動から文字変動を表示することが可能になるが、文字変動を単独で表示する場合には、更に前のタイミング、例えば、740回目の変動の開始時に文字情報の変動を表示させることが可能になる。
なお、図141に示す特定演出は、特図変動回数が作動回数nに到達した場合にのみ実行させるものとしてもよい。この場合、特定演出が出現した時点で第2時短遊技状態(b時短)が近いことを遊技者に報知することができる。また、作動回数nの保留の前の保留を先読みして大当りとなる保留がある場合、図141に示す特定演出を行わないようにしてもよい。これにより、第2時短遊技状態(b時短)に突入する前に大当りとなることによって、第2時短遊技状態(b時短)による遊技が行えなくなる、という残念な気持ちを遊技者に抱かせることが低減可能になり、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
また、特図変動の保留が複数あり、750回目の変動に対応する保留の前に数個の保留がある場合に、図142に示すように、カウントダウン表示を行ってもよい。具体的に、4個の保留があり、最後の始動入賞に基づく4個目の保留が751回目の変動であるとする。そして、次の特図変動において、図142(a)に示すように「3」、また次の特図変動において、図142(b)に示すように「2」、また次の特図変動において、図142(c)に示すように「1」と表示し、751回目の特図変動の開始時に「天井モード開始 右打ち!」という、b時短突入を報知するとともに右打ちを促す画像を表示する。なお、図142(d)に示すように、カウントダウン表示は、保留球の中に751回目の変動に対応する保留がなくても実行可能である。例えば、保留球の中に大当りへの期待度が高い演出を実行する保留がある場合に、カウントダウン表示を行ってから、図142(e)に示すように「激熱」と表示して当該変動の信頼度を報知する演出を行ってもよい。更には、図142(f)に示すように「天井モードまであと123回!」とb時短突入までの残り特図変動回数を報知する表示を行ってもよい。これらの報知が同一の系統の演出によって行われることによって、時短が付与される期待感と大当りが付与される期待感と同時に抱くことができるため、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[6-8-6.変形例6]
次に、第5のパチンコ遊技機の変形例6について説明する。変形例6は、第5のパチンコ遊技機の変形例4において、小当り遊技で開放時間の合計が約1.8秒以下である2回の大入賞口の開閉を行い、開放時間の合計が約1.8秒以下である開放動作の2ラウンド大当りを追加し、2ラウンド大当りに当選した場合に、作動回数nをリセットする機能を持たせたものである。なお、大入賞口の開放は小当りと大当りとで同一の動作としてもよい。変形例4では、小当り遊技状態と大当り遊技状態においては同一の大入賞口に入賞させる遊技盤ユニットであることが望ましい。これにより、小当り遊技と大当り遊技との見分けがより困難になる。
図143は、小当り又は2ラウンド大当りに当選した場合の演出表示の一例を示す説明図である。小当り又は2ラウンド大当りに当選した場合、図143(a)に示すように、「天井モードまで123回」という文字情報と「天井モードまで750回」という文字情報示が左右に押し合う演出表示を行い、小当りに当選した場合には、図143(b)に示すように、「天井モードまで123回」という現時点でのb時短突入までの残り特図変動回数を報知する表示を行う。2ラウンド大当りに当選した場合には、図143(c)に示すように、「天井モードまで750回」というリセットされた残り特図変動回数を報知する表示を行う。この演出表示は、2ラウンド大当りに当選した場合及びb時短突入までの残り特図変動回数を報知する演出を実行すると決定した場合に出現する。なお、残り特図変動回数を報知する演出は、残り特図変動回数を示唆する演出であってもよい。
このように構成された変形例6によれば、b時短突入までの残り特図変動回数がリセットするか否かに対して、遊技者の興趣を向上させるような新たな遊技性を提供することが可能になる。
[6-8-7.その他の変形例]
以上、第5のパチンコ遊技機の変形例1~6について説明したが、第5のパチンコ遊技機の変形例は上述したものに限るものではない。例えば、変形例1~6には、第1時短遊技状態(a時短)と第2時短遊技状態(b時短)とが搭載されているが、第1時短遊技状態(a時短)におけるベース値よりも第2時短遊技状態(b時短)におけるベース値の方が高い仕様にしてもよく、第2時短遊技状態(b時短)におけるベース値が100を超える仕様にしてもよい。例えば、b時短中における特図2変動パターンテーブルを複数設け、各特図2変動パターンテーブルは変動時間が異なるものとし、特図2は小当り当選確率が高い仕様とする。これにより、長い変動パターンテーブルが選択されたときに単位時間当たりの小当り当選の数が少ないため、単位時間当たりの賞球数が減り、ベース値は100を越えない低い値となるが、短い変動パターンテーブルが選択されたときに単位時間当たりの小当り当選の数が多くなるため、単位時間当たりの賞球数が増え、ベース値は100を越える高い値となる
また、上述した第5のパチンコ遊技機の変形例では、b時短に突入する条件となる作動回数nの値が固定されているが、作動回数nの値が複数であってもよい。例えば、電源投入時や大当り遊技終了時に、複数の候補回数の中から、作動回数nを乱数抽選によって決定してもよい。この際、a時短中に作動回数nを満たした場合に、b時短を作動させないようにしてもよい。また、例えば変形例4のように、天井到達(b時短到達)前の大当りよりも、天井到達後の大当りについては時短付与回数を多くしてもよい。これにより、天井到達後に獲得可能な総玉数期待値を高くすることができる。
以上説明した第5のパチンコ遊技機及びその変形例によれば、天井時短とも言えるb時短を搭載することで、天井到達後における出玉付与と天井到達前における出玉付与に差をつけることが可能になり、遊技の興趣向上が可能となる。
[7.第6のパチンコ遊技機]
次に、第6のパチンコ遊技機について説明する。第6のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機と同様に1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、第3のパチンコ遊技機の説明において詳述したように、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
第6のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニットの構成及び電気的構成は、第3のパチンコ遊技機と同一であるため、詳細な説明は省略する。なお、以下、第6のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第3のパチンコ遊技機の説明に使用した符号を用いるものとする。
第6のパチンコ遊技機は、第3のパチンコ遊技機に対して基本仕様が異なっており、特に、リミッタ回数を複数持たせた点で異なっている。
図144は、第6のパチンコ遊技機においてメインCPU2201が実行する大当り終了処理を示すフローチャートである。図144に示す処理は、図29に示す処理に、S204のリミッタ回数管理処理を追加したものである。リミッタ回数管理処理において、メインCPU2201は、低確率状態(非確変状態)からの大当りである場合に、リミッタ回数を、大当りまでの特図変動の回数に基づいて設定する。また、確変状態からの大当りである場合に、大当りのループ数をカウントする。そして、大当りのループ数がリミッタ回数に到達した場合に、低確率状態に移行させる。
[7-1.パチンコ遊技機の基本仕様]
次に、第6のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
[7-1-1.リミッタ回数]
第6のパチンコ遊技機には、リミッタ回数が設定されており、当該パチンコ遊技機においてはリミッタ回数として「3」又は「7」が設定可能である。具体的には、特図大当り乱数1~100の範囲で大当りを獲得した場合にリミット3回が設定され、特図大当り乱数51~100の範囲で大当りを獲得した場合にリミット7回が設定され、特図大当り乱数101以降の乱数値で大当りを獲得した場合にリミット3回が設定される。なお、リミット3回が設定される特図乱数範囲とリミット7回が設定される特図乱数範囲は適宜設定可能である。また、リミッタ回数も適宜設定可能である。
また、特図1と特図2で複数のリミット回数の選択割合が異なるものとしてもよい。また、第6のパチンコ遊技機によれば、特図乱数範囲によって応じてリミット回数が設定される構成としたが、特定の特図変動回数の区間によってリミット回数が設定されるものとしてもよい。
第6のパチンコ遊技機によれば、例えば、特図変動回数が200回目で初回大当りとなり、リミット3回が設定された場合、初回大当りを含めると大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)へ移行する大当りが連続して4回当選するとリミッタ回数に到達し、リミッタ回数到達時の大当り(4回目の大当り)は大当り遊技終了後に第1時短遊技状態(a時短)へ移行しないように制御される。なお、「連続して4回」とは、大当り遊技状態と第1時短遊技状態(a時短)とを交互に繰り返すことで、第1時短遊技状態(a時短)へ移行する大当りが連続して4回実行されることである。なお、リミッタ回数到達時の大当り遊技の場合は、大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)へ移行しないように制御されるが、これは、あくまで、リミッタ回数に到達するか否かを管理するカウンタのカウント回数によるものである。すなわち、リミッタ回数到達時でなければ大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)へ移行する大当りに当選した場合(特別図柄抽選により抽出された乱数が、大当り判定となり、かつ第1時短遊技状態(a時短)となる特別図柄が選択される乱数である場合)に、リミッタ回数に到達するか否かを管理するカウンタのカウント回数が更新される。そして、リミッタ回数に到達したと判断された結果として、大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)へ移行しないように制御される。なお、第6のパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態終了後に、時短回数が1回又は100回の第1時短遊技状態(a時短)に移行するが、仮に、リミッタ回数到達前(大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)へと移行する大当りが連続して4回当選する前に)に大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)へ移行しない大当りが当選した場合には、その時点でリミッタ回数に到達するか否かを管理する回数がリセット(0や初期値等に更新)される。
なお、第6のパチンコ遊技機において、リミッタ回数は、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)との繰り返し回数(以下、「ループ回数」と称する)の上限回数で定義されているが、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態との繰り返しによって連続して獲得した大当り回数によって定義することも可能である。
[7-1-2.大当り、小当り確率]
第6のパチンコ遊技機において、メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞を検出すると、特図1抽選を行い、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定を行う。
また、メインCPU2201は、第2始動口2140への遊技球の入賞を検出すると、特図2抽選を行い、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定を行う。
第6のパチンコ遊技機において、第1特別図柄抽選で大当り判定となる確率は約1/319であり、小当り判定となる確率は0である。第2特別図柄抽選で大当り判定となる確率は約1/319であり、小当り判定となる確率は1/3.75である。つまり、小当りがあり得る分、特図2抽選の方が特図1抽選よりもはずれ確率が低い。
[7-1-3.賞球数]
第6のパチンコ遊技機において、開閉入賞口2151への入賞による賞球数は「10」、大入賞口2131への入賞による賞球数は「10」、第1始動口2120への入賞による賞球数は「4」、第2始動口2140への入賞による賞球数は「4」、一般入賞口2122への入賞による賞球数は「4」である。
[7-1-4.大当り、小当り遊技状態のカウント数]
第6のパチンコ遊技機において、大当り遊技状態のラウンドゲームにおけるカウント数(最大入球数)は9個、小当り遊技状態におけるカウント数(最大入球数)は10個である。
[7-1-5.大当り振分]
特図1抽選による大当り当選、特図2抽選による大当り当選の場合、特別図柄の大当り態様に応じてラウンド数として「10回」と「6回」のいずれかが選択される。ラウンド数が「10回」となる確率は0.5%、「6回」となる確率は99.5%である。また、小当り遊技状態においてV入賞口2155に入球して大当り遊技状態に移行した場合、第2特別図柄の小当り態様に応じてラウンド数として「10回」と「6回」のいずれかが選択される。ラウンド数が「10回」となる確率は0.5%、「6回」となる確率は99.5%である。なお、特図2大当りは、小当りを経由しない大当りである。
[7-1-6.時短回数振分]
特図1大当り、特図2大当りの場合、大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)に移行する。この際、特別図柄の大当り態様に応じて時短回数として「100回」と「1回」のいずれかが選択される。特図1大当りにおいて時短回数が「100回」となる確率は50%で、時短回数が「1回」となる確率は50%である。より詳しくは、特図1大当りとして6R大当りと10R大当りとがあり、6R大当りで時短1回付与される大当りが50%、6R大当りで時短100回付与される大当りが49.5%、10R大当りで時短100回付与される大当りが0.5%である。
特図2大当りにおいて時短回数が「100回」となる確率は100%である。また、小当り遊技状態においてV入賞口2155に入球して大当り遊技状態に移行した場合には、大当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)に移行し、時短回数「100回」が付与される。なお、小当り遊技状態においてV入賞口2155に入球しなかった場合には、小当り遊技状態終了後の遊技状態は、小当り遊技状態終了前の遊技状態のまま維持される。つまり、小当り遊技状態終了前の遊技状態が通常遊技状態であれば、小当り遊技状態終了後の遊技状態は通常遊技状態となり、小当り遊技状態終了前の遊技状態が第1時短遊技状態(a時短)であれば、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第1時短遊技状態(a時短)となる。この場合、時短回数も小当り遊技状態終了前の時短回数を引き継ぐことになる。なお、以下の説明において、V入賞口2155に入球することを、単に、V入賞と称する場合がある。
また、第6のパチンコ遊技機によれば、特図2抽選を契機に当選して大当り遊技状態に移行した場合(小当り当選及びV入賞を経由した大当り含めて)大当り遊技状態終了後は必ず時短100回が付与された第1時短遊技状態(a時短)になるが、これに限られるものではなく、特図2抽選で小当りに当選し、V入賞を経由した大当り遊技状態の終了後では時短100回、特図2抽選の小当り当選及びV入賞を経由せずに大当り遊技状態となった場合には、大当り遊技状態終了後に時短1回を付与してもよい。また、特図2抽選及び特図1抽選の少なくともいずれか一方における6R大当りの10%を、第1時短遊技状態(a時短)へ移行することが無い大当りにしてもよい。なお、第6のパチンコ遊技機においては、0.5%が10R大当りであるため、特図1や特図2の残りの89.5%が時短へ移行する6R大当りとなる。また、第1時短遊技状態(a時短)中に特図1抽選で大当りに当選した場合には必ず時短100回の第1時短遊技状態(a時短)に移行するように制御してもよいし、必ず第1時短遊技状態(a時短)に移行しない大当りに当選するように制御してもよい。なお、第1時短遊技状態(a時短)に移行しないことを「時短回数が0回である」と表現することも可能である。
また、大当り遊技状態はラウンド遊技を行うことが可能であり、一方で小当り遊技状態は基本的にはラウンド遊技を備えていない。小当り遊技状態においては、役物連続作動装置が作動しない大入賞口の開閉を行うことが可能である。ここで、大当り遊技状態終了後は遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、第1時短遊技状態(a時短))へ移行することが可能であるが、基本的には小当り遊技状態の終了後は小当り遊技状態へ移行される前よりも有利な遊技状態へ移行させないものである。
ただし、小当り遊技状態中に特定領域(V入賞口2155)を備えた大入賞口(第2大入賞口2131)が開放し、特定領域(V入賞口2155)を遊技球が通過することで条件装置が作動し、役物連続作動装置が作動する場合には、小当り遊技状態の終了後に遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態へ移行する。このとき、小当り遊技状態もラウンド数に数えられる場合があってもよい。
また、第6のパチンコ遊技機によれば、特図2抽選を契機とする大当り遊技状態と特図1を契機とする大当り遊技状態とにおいてラウンド割り振りに差はないが、特図2抽選を契機とする大当り遊技状態におけるラウンド割り振りの方が、特図1抽選を契機とする大当り遊技状態におけるラウンド割り振りよりもラウンド数の大きい大当りに当選し易い場合があってもよい。或いは特図2抽選を契機とする大当りの方が特図1抽選を契機とする大当りよりも、大当り遊技状態終了後に付与される時短回数の大きさが大きい場合があってもよい。また、第1時短遊技状態(a時短)中に特図2抽選或いは特図1抽選を契機として大当り遊技状態に移行した場合に、大当り遊技状態終了後に実行される時短回数は、リミッタに到達していない限り100回が望ましいが、第1時短遊技状態(a時短)中であっても例えば100回よりも少ない数を付与してもよい。ここで、通常遊技状態中に特図2抽選或いは特図1抽選を契機として大当り遊技状態に移行した場合に1回の時短が付与されるが、それと同じように100回よりも少ない数として1回の時短を付与してもよい。更には、リミッタ回数に到達していないときであっても0回の時短を設定することが可能である。
また、第6のパチンコ遊技機によれば、b時短機能を搭載しており、低確率状態における特図変動が規定回数(例えば、750回)に到達したことを条件に、第2時短遊技状態(b時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)は、特図1変動5回又は特図2変動1回のいずれかの条件を満たすまで継続し、当該条件を満たした場合に通常遊技状態に移行する。
[7-2.遊技の流れ]
図145は、本発明の第6のパチンコ遊技機を用いた遊技の流れを示す説明図である。
多くの場合、遊技開始当初は、通常遊技状態から遊技を開始する。通常遊技状態においては、左打ちを行って、第1始動口2120への入賞を狙って遊技を進める。第1始動口2120入賞を契機として特図1抽選が行われ、特図1抽選に当選すると大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、1回もしくは100回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。第1時短遊技状態(a時短)においては、右打ちを行って、通過ゲート2126への遊技球通過を狙って遊技を進める。第1時短遊技状態(a時短)においては、通過ゲート2126への遊技球通過を契機とする普通図柄抽選の当選確率が高確率状態になるため、普通電動役物2146が作動し易くなる。
時短回数が「1回」の場合には、1回目の第2特別図柄の変動がハズレ態様で停止すると第1時短遊技状態(a時短)が終了して普通図柄抽選の当選確率が低確率状態に移行する。この際、特図2変動の保留がある場合には引き戻しモードに移行する。特図2変動の保留がない場合には通常モードに移行する。ここで、特図2変動の保留がある場合には第1時短遊技状態(a時短)に移行して最初の変動が特図2変動となる。この最初の特図2変動の変動時間は、特図1の変動時間の4変動分よりも長くする。保留されている特図2変動が大当り態様で停止した場合に大当り遊技状態に移行し、小当り態様で停止した場合に小当り態様で停止して小当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態でV入賞した場合に大当り遊技状態(以下、この大当り遊技状態をV大当り遊技状態と称する場合がある)に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、時短「100回」の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。なお、第6のパチンコ遊技機においては、第1特別図柄の変動は時短回数にカウントされない。このため、特図1抽選に当選して初当りとなり、大当り遊技状態の終了後に時短「1回」が付与された時に、特図1変動の保留があって、その保留によって特図1変動、停止が行われても、第1時短遊技状態(a時短)は終了しない。
なお、上記の説明によれば、時短回数が「1回」の場合には、第2特別図柄の変動がハズレ態様で停止すると第1時短遊技状態(a時短)が終了して普通図柄抽選の当選確率が低確率状態に移行する、と説明したがこれに限られるものではなく、特図2抽選で小当りに当選し、当該小当りによる大入賞口2131の開放が行われて、特定領域(V入賞口2155)へ球が入賞しなかった場合には、小当り遊技状態終了後に第1時短遊技状態(a時短)が終了する場合がある。また、特図2による変動以外にも、第1時短遊技状態(a時短)の終了条件が特図2による変動回数が1回のときに特図1による変動が所定回数(例えば、5回)実行された場合に終了することや、小当りの当選回数が所定回数(例えば、1回)で終了するように制御することも可能である。
時短回数が「100回」の場合には、100回目の第2特別図柄の変動がハズレ態様で停止すると第1時短遊技状態(a時短)が終了して、普通図柄抽選の当選確率が低確率状態に移行する。この際、特図2の保留がある場合には引き戻しモード(後述する、最終決戦)に移行する。特図2の保留がない場合には通常遊技状態に移行する。時短回数「100回」が消化される前に第2特別図柄の変動が大当り態様で停止した場合、若しくは小当り態様で停止して小当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態でV入賞した場合にV大当り遊技状態に移行する。そして、V大当り遊技状態終了後、時短「100回」の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。
引き戻しモードは、第1時短遊技状態(a時短)終了後、特図2の保留がある場合に移行する。ここで、引き戻しモードは通常遊技状態(特別図柄抽選、普通図柄抽選の当選確率がともに低確率の遊技状態)において実行される。引き戻しモードにおいて、第2特別図柄の変動が大当り態様で停止した場合、若しくは小当り態様で停止して小当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態でV入賞した場合にV大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、時短「100回」の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。
また、大当りが連続してリミッタ回数に到達した場合に、通常遊技状態に移行する。通常遊技状態に移行するとリミッタ回数がリセットされる。通常遊技状態に移行した際に特図2変動の保留がある場合には引き戻しモードが開始される。特図2変動の保留がない場合には通常遊技状態に戻る。
このため、第6のパチンコ遊技機においては、初当りで100回の時短回数を獲得した場合、あるいは1回の時短回数であっても保留されている特図2変動を契機にV大当り遊技状態に移行して100回の時短回数を獲得した場合には、リミッタ回数分の大当りを獲得する可能性が高くなる。更に、リミッタ回数分の大当りを獲得しても、特図2の保留があれば引き戻しモードに移行する。引き戻しモードに移行すると、リミッタ回数はリセットされて3又は7回となる。そして、引き戻しモードで特図2大当り、或いは小当り、V入賞によって大当りとなれば、100回の時短回数を獲得して更にリミッタ回数分の大当りを獲得する可能性が高くなる。
このように、第6のパチンコ遊技機においては、大当り後に更にリミッタ回数分の大当りを獲得した後、通常遊技状態でかつ特図2保留がある引き戻しモードに移行し、この引き戻しモードで特図2小当りを経てV入賞することにより、V大当りに加えて更にリミッタ回数分の大当りを獲得できるという、高い興趣を与えることが可能な遊技機を提供することができる。
また、引き戻しモードで大当り遊技状態を引き戻せない場合でも、特図乱数値が51~100の範囲の大当りになれば、8回の大当り遊技分の賞球が期待できるため、遊技を継続しようとする遊技者の意欲を維持させることが可能になる。
更に、第6のパチンコ遊技機によれば、通常遊技状態において特図変動が750回行われた場合に、第2時短遊技状態(b時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)が作動すると、表示装置2007に右打ちを促す指示画像が表示され、遊技者が右打ちを行うことにより、特図2保留を獲得することができる。ここで、特図変動が750回目の時点で特図1保留がある場合には、この特図1保留による特図1変動が開始した時点で、第2時短遊技状態(b時短)が作動し、当該変動が大当りの場合には大当り遊技状態に移行する。当該変動が行われている間に、特図2変動を獲得した場合には、次に、特図2変動が開始される。この時点で第2時短遊技状態(b時短)は終了し、引き戻しモードに移行する。引き戻しモードにおいて、第2特別図柄の変動が大当り態様で停止した場合、若しくは小当り態様で停止して小当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態でV入賞した場合にV大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、時短「100回」の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。特図2保留がなくなった場合には、通常遊技状態に移行する。
このように、第6のパチンコ遊技機においては、通常遊技状態において特図変動が750回行われた場合に、V大当りを獲得できる機会が遊技者に与えられる。これにより、通常遊技状態において大当りがなかなか獲得できない、所謂ハマリ状態であっても、特図変動の回数を重ねていくことにより、V大当りを獲得できる機会が得られ、V大当りを獲得した場合にはリミッタ回数到達まで4回分の大当りを獲得できるという、高い興趣を与えることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、特図変動回数が1~750回の場合にはリミッタ回数3回、751回以降はリミッタ回数7回に設定可能としてもよい。これにより、ハマリ状態に陥った遊技者を救済することが可能になる。
また、リミッタ回数として3回付与される場合と、リミッタ回数として7回付与される場合とにおいて、例えば、リーチ演出に表示されるキャラクタを変化させるというように、表示装置2007に表示される演出の一部を変化させてもよい。例えば、図146(a)に示すように、大当りに当選して、最初の大当り遊技終了後に、表示装置2007に「あと3回」と一旦表示し(図146(b))、リミッタ回数が7回の場合には「あと7回」と表示を切り替える昇格演出を行ってもよい(図146(c)、(d))。或いは、4回目の大当り遊技終了後に、表示装置2007に「まだまだ!あと3回」と一旦表示し、リミッタ回数が7回の場合には「あと7回」と表示を切り替える昇格演出を行ってもよい。
また、第6のパチンコ遊技機においては、特図乱数範囲によってリミッタ回数を決定しているが、低確率状態における特図変動の大当り停止態様に応じてリミッタ回数を変えてもよい。
また、大当り遊技状態終了後の時短100回の第1時短遊技状態又は大当り遊技状態中において、リミッタ回数を示唆する演出を行ってもよい。
図147は、初当りによる大当り遊技状態終了後の演出画面の一例を示す説明図である。表示装置2007には、リミッタ回数を示唆する円盤2620の群が表示される。図147(a)は、リミッタ回数が「3」の場合の演出画面の一例であり、円盤2620が3つ表示される。そして、大当りとなる特図変動において、図147(b)に示すように、表示装置2007に戦闘機2630が表示され、円盤2620に攻撃を加えたところで、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後に、図147(c)に示すように、1つ撃退されて2つの円盤2620が表示される。その後、大当り遊技状態に移行する毎に円盤2620が減り、図147(d)に示すように、最後の円盤2620が撃墜された後に大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後に引き戻しモードに移行する。
図148は、初当りによる大当り遊技状態終了後の演出画面の一例を示す説明図である。図148(a)は、リミッタ回数が「7」の場合の演出画面の一例であり、2つの円盤2620と、円盤2620に対して一部デザインが異なる1つの円盤2621の計3つが表示される。円盤2621は、戦闘機2630から2回攻撃を受けた場合に撃墜されるキャラクタである。図148(a)では、4回の大当りが約束されていることが示唆されている。そして、図148(b)に示すように、円盤2620に攻撃を加えたところで、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後に、図148(c)に示すように、円盤2621が円盤2620に変化して、2つの円盤2620が表示される。また、第1時短遊技状態において、図148(d)に示すように、円盤2621又は円盤2620が増援される場合がある。図148(d)では、6回の大当りが約束されていることが示唆されている。
このようにリミッタ回数が「7」の場合には、円盤2621を表示したり、円盤2621又は円盤2620を増援させたりすることによって、戦闘機2630が計7回の攻撃を行った場合に、全ての円盤2621又は円盤2620が撃墜されるように演出表示される。
なお、リミッタ回数が「3」の場合にも、最初に円盤2620を例えば1つ表示させ、円盤2621を表示したり、円盤2621又は円盤2620を増援させたりすることによって、戦闘機2630が計3回の攻撃を行った場合に、全ての円盤2621又は円盤2620が撃墜されるように演出表示してもよい。
また、図148(e)に示すように円盤2620が撃墜されない無敵状態としたり、図148(f)に示すように、アイテム2622が円盤2620と組み合わされて円盤2620が円盤2621に昇格させる、といった演出も可能になる。更に、戦闘機2630が1回の攻撃で複数の円盤2620を撃墜する、といった演出を加えることにより、より多様な演出が可能になり、例えば、当初はリミッタ回数が「7」のように見えたが、実際はリミッタ回数が「3」であった、という演出も可能になる。
なお、上述した第6のパチンコ遊技機によれば、第1時短遊技状態の終了条件が特図1の変動回数1回又は100回を消化した場合、第2時短遊技状態の終了条件が特図2の変動回数1回を消化した場合に設定されているが、時短遊技状態の終了条件として小当りの当選或いは実行回数が設定されてもよい。この場合には、時短遊技状態が小当りの当選或いは実行回数に応じて時短遊技状態が終了する。更に、特別の小当り図柄で当選した場合、又は特別の小当り図柄が表示された時に時短遊技状態を終了させてもよい。
[7-3.第6のパチンコ遊技機の変形例1]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例1について説明する。上述した第6のパチンコ遊技機は、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機に、リミッタ機能とb時短機能を搭載したものであるが、第6のパチンコ遊技機の変形例1は、第1のパチンコ遊技機のように、所謂1種タイプのパチンコ遊技機に、リミッタ機能とb時短機能を搭載したものである。なお、第6のパチンコ遊技機の変形例1の遊技盤ユニットは、図4に示す第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[7-3-1.リミッタ回数]
変形例1のリミッタ回数は、上述した第6のパチンコ遊技機と同様であり、リミッタ回数として「3」又は「7」が設定可能である。具体的には、特図大当り判定用乱数値が1~50の範囲で大当りを獲得した場合にリミット3回が設定され、特図大当り判定用乱数値が51~100の範囲で大当りを獲得した場合にリミット7回が設定され、特図大当り判定用乱数値が101以降で大当りを獲得した場合にリミット3回が設定される。
[7-3-2.大当り確率]
変形例1において、第1、第2特別図柄抽選で大当り判定となる確率は低確率で約1/319、高確率で約1/94である。なお、第1、第2特別図柄抽選で小当り判定となる場合を含めてもよい。
[7-3-3.賞球数]
変形例1において、大入賞口入賞による賞球数は「10」、第1、第2始動口への入賞による賞球数は「4」、一般入賞口への入賞による賞球数は「4」である。
[7-3-4.大当りのカウント数]
変形例1において、大当り遊技状態のラウンドゲームにおけるカウント数(最大入球数)は9個である。なお、小当りを含めた場合には、例えば、小当り遊技状態におけるカウント数(最大入球数)を10個とする。
[7-3-5.大当り振分]
特図1抽選による大当り当選、特図2抽選による大当り当選の場合、特別図柄の大当り態様に応じてラウンド数として「10回」と「6回」のいずれかが選択される。
[7-3-6.確変振分]
通常遊技状態(低確非時短状態)において、特図1抽選による大当り当選、特図2抽選による大当り当選の場合、10%の割合で高確率状態(確変状態)に移行し、90%の割合で低確率状態(非確変状態)に移行する。確変状態又は時短遊技状態において、特図1抽選による大当り当選、特図2抽選による大当り当選の場合、100%の割合で高確率状態(確変状態)に移行する。
[7-3-7.時短回数振分]
通常遊技状態から特図1大当り又は特図2大当りを獲得し、大当り遊技状態終了後に高確率状態(確変状態)に移行した場合、第1時短遊技状態(a時短)に移行して実質的に次回大当りまでの時短回数(例えば、10000回)が設定され、大当り遊技状態終了後に高確率状態(確変状態)に移行しなかった場合、100回の時短回数の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。確変状態又は時短遊技状態(第1時短遊技状態(a時短)又は第2時短遊技状態(b時短))で特図1大当り又は特図2大当りを獲得した場合には、実質的に次回大当りまでの時短回数(例えば、10000回)が設定され、リミッタ回数到達により、大当り遊技状態終了後に低確率状態(非確変状態)に移行した場合には、100回の時短回数が設定される。
また、通常遊技状態(低確非時短状態)において、特図抽選に大当り当選せずに規定の作動回数n(例えば、750回)を消化させた場合に、例えば、時短回数100回の第2時短遊技状態(b時短)に移行する。
[7-3-8.遊技の流れ]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例1を用いた遊技の流れを、図149を参照しながら説明する。
図149に示すように、第6のパチンコ遊技機の変形例1において多くの場合、遊技開始当初は、通常遊技状態から遊技を開始する。通常遊技状態においては、左打ちを行って、第1始動口120への入賞を狙って遊技を進める。第1始動口120入賞を契機として特図1抽選が行われ、特図1抽選に当選すると大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、確変状態に移行した場合には次回大当りまでの第1時短遊技状態(a時短)に移行する。確変状態に移行しなかった場合には100回の時短回数の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。第1時短遊技状態(a時短)においては、右打ちを行って、通過ゲート126への遊技球通過を狙って遊技を進める。第1時短遊技状態(a時短)においては、通過ゲート126への遊技球通過を契機とする普通図柄抽選の当選確率が高確率状態になるため、普通電動役物146が作動し易くなる。
初当りを契機に確変状態に移行すると、リミッタ回数分の大当りを獲得することが可能になる。また、初当りを契機に100回の時短回数の第1時短遊技状態(a時短)に移行しても、大当り当選することにより、リミッタ回数分の大当りを獲得することが可能になる。なお、100回の時短回数の第1時短遊技状態(a時短)において大当り当選した場合もリミッタ回数は1減少する。
リミッタ回数に到達すると大当り遊技状態終了後に、時短100回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。この時短100回の第1時短遊技状態(a時短)において大当りを獲得できた場合には、リミッタ回数がリセットされるため、当該大当りによる大当り遊技終了後に、また新たにリミッタ回数分の大当り遊技を獲得することができる。時短100回で大当りを獲得できなかった場合には、時短100回消化後、通常遊技状態に移行する。このように、第6のパチンコ遊技機の変形例1では、リミッタ回数到達後の時短100回において、大当りを獲得できるか否かが大きなカギとなる。
なお、リミッタ回数到達後の時短100回において、特図変動回数1~50回の間に大当りを獲得した場合にリミット3回が設定され、51~100回の間に大当りを獲得した場合にリミット7回が設定される仕様としてもよい。この場合、時短回数が後半になることにより、遊技者における大当り獲得への期待感を増幅させることが可能になる。
更に、第6のパチンコ遊技機によれば、通常遊技状態において特図変動が750回行われた場合に、時短回数が100回の第2時短遊技状態(b時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)が作動すると、表示装置7に右打ちを促す指示画像が表示され、遊技者が右打ちを行うことにより、特図2保留を獲得することができる。これにより、時短回数が100回の第1時短遊技状態(a時短)の場合と同様に、第2時短遊技状態(b時短)において大当りを獲得できた場合には、当該大当りによる大当り遊技終了後に、また新たにリミッタ回数分の大当り遊技を獲得することができる。時短100回で大当りを獲得できなかった場合には、時短100回消化後、通常遊技状態に移行する。
このように、第6のパチンコ遊技機の変形例1においても、リミッタ回数到達後の、時短100回の第1時短遊技状態(a時短)において大当りを獲得することにより、更に多くの賞球が期待できるようになり、高い興趣を与えることが可能な遊技機を提供することができる。しかも、大当りが獲得できない状態が長く続いても、特図変動の回数が750回に到達すれば、時短回数が100回の第2時短遊技状態(b時短)に移行し、仮に、第2時短遊技状態(b時短)で大当りになれば、少なくとも、大当り遊技4回分の賞球が期待できるようになるため、ハマリ状態に陥った遊技者を救済することが可能になる。
なお、第6のパチンコ遊技機と同様に、変形例1においても、特図変動回数が1~750回の場合にはリミッタ回数3回、751回以降はリミッタ回数7回に設定可能としてもよい。また、リミッタ回数として3回付与される場合と、リミッタ回数として7回付与される場合とにおいて、例えば、リーチ演出に表示されるキャラクタを変化させるというように、表示装置7に表示される演出の一部を変化させてもよい。また、最初の大当り遊技終了後に、表示装置7に「あと3回」と一旦表示し、リミッタ回数が7回の場合には「あと7回」と表示を切り替える昇格演出を行ってもよい。或いは、4回目の大当り遊技終了後に、表示装置7に「まだまだ!あと3回」と一旦表示し、リミッタ回数が7回の場合には「あと7回」と表示を切り替える昇格演出を行ってもよい。
また、第6のパチンコ遊技機と同様に、変形例1においても、大当り判定用乱数によってリミッタ回数を決定しているが、低確率状態における特図変動の大当り停止態様に応じてリミッタ回数を変えてもよい。
[7-4.第6のパチンコ遊技機の変形例2]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例2について説明する。変形例2は、リミッタ機能を有しており、変形例1における遊技盤ユニットの構成を一部変更するとともに、大当り、小当りに関する仕様を一部変更したものである。
[7-4-1.遊技盤ユニットの構成]
図150は、第6のパチンコ遊技機の変形例2に係る遊技盤ユニットの構成を模式的に示す説明図である。変形例2に係る遊技盤ユニットは、図4に示す第1のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット10に、小当りユニット1150を新たに配置するとともに、通過ゲートユニット125及び普通電動役物ユニット145の配置を変えたものである。なお、図150に示す変形例2において、図4に示す第1のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット10における部材と同一の部材もしくは同一機能の部材には、同一の符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
小当りユニット1150は、図150に示すように、左側領域106の上部に配置されている。小当りユニット1150は、図69に示す第2のパチンコ遊技機が備える小当りユニット1150と同様の構成である。また、図45に示す第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10における通過ゲートユニット125Bが第1始動口120の直上に配置されており、遊技球は、第1始動口120に入球する前に必ず通過ゲート126Bを通過するように構成されている。なお、変形例2には、図4に示す遊技盤ユニット10と同様に右側領域107に通過ゲートユニット125が備えられている。変形例2では、この右側領域107の通過ゲートユニット125を通過ゲートユニット125Aと称し、通過ゲート126を通過ゲート126Aと称することにする。また、普通電動役物ユニット145が、第1始動口120の下方に配置されている。普通電動役物146は、左打ちをしても、右打ちをしても遊技球を捕捉することが可能である。
このため、特図1、特図2抽選に小当り当選した場合に左打ちによって小当り用大入賞口1151に入賞させることが可能になる。また、特図1、特図2抽選に大当り当選した場合には、大当り用大入賞口131に入賞させることになる。
なお、特図1抽選に大当り又は小当り当選した場合に小当り用大入賞口151に入賞させ、特図2抽選に大当り又は小当り当選した場合に大当り用大入賞口131に入賞させてもよい。これにより、特図1抽選による大当り遊技又は小当り遊技は左打ちによって進行させ、特図2抽選による大当り遊技又は小当り遊技は右打ちによって進行させることが可能になる。時短遊技状態(第1時短遊技状態(a時短)及び第2時短遊技状態(b時短))においては、通過ゲート126Aの方が遊技球を通過させやすいため、右打ちによって進行させることが有利である。なお、通常遊技状態において右打ちをして、通過ゲート126Aの方が遊技球を通過させ、普図当選によって第2始動口140への入賞を狙うことも可能である。しかし、変形例2では、特図2変動は保留されず、特図1変動は4回まで保留可能であるため、左打ちをして、第1始動口120への入賞を狙う方がより多く特図を変動させることが可能な仕様になっている。
[7-4-2.特図1、特図2保留]
変形例2では、特図2が特図1よりも優先して変動が行われる。また、前述したように、特図2変動は保留されず、特図1変動は4回まで保留可能である。通常遊技状態において、特図1の変動パターンは約10秒になるように変動パターン決定テーブルを設定しておく。また、非時短状態において、普図の変動時間は極めて短く、普通電動役物146の開放はやや長めで、例えば2秒程度に設定されている。ここで、特図1が変動するときには必ず通過ゲート126Bを通過するため、普通図柄抽選に当選するとすぐに普電が開くが、この時すでに特図1が変動している。特図1が変動中に開放した普通電動役物146に入賞しても特図2変動は保留されないため、特図2変動をすることができない。このように、通常遊技状態においては普通電動役物146に入賞しても特図2が変動しないため、第2始動口140は一般入賞口と同様にベース用の入賞口となる
[7-4-3.小当り]
特図1抽選及び特図2抽選に小当り当選が含まれる。特に、特図2抽選は小当りに当選し易い設定である。特図1の変動パターン決定テーブルは、小当りを契機に短い変動時間のパターンのものに選択される。具体的に、特図1の変動パターンは約10秒なので、その1/10の変動パターンが選択される変動パターン決定テーブルを用意し、小当りを契機に1/10の変動パターン決定テーブルに切り替える。そして、特図1変動後に変動パターン決定テーブルを元に戻す。
これにより、例えば、1/10の変動パターンが選択された場合には、普通図柄抽選に当選して普通電動役物146に入賞する頃に特図1変動が終了しており、特図2が変動できる場合がある。特図2抽選は小当りに当選し易いため、小当り用大入賞口151が開放して遊技球が入賞することにより、所定数の賞球(例えば、15球)が獲得できる。
なお、1/10の変動パターン決定テーブルを、1/8、1/6変動パターン決定テーブルにすることにより、ベース値50、70、90の状態を作り出すことができる。なお、1/10、1/8、1/6の時間の変動パターンが選択されるテーブルを用意し、乱数抽選によっていずれか1つを決定してもよい。
[7-4-4.大当り]
変形例2では、ラウンドゲームの時間が比較的短い2ラウンド大当りが搭載されている。2ラウンド大当りの場合も、変形例1と同様に、10%の確率で高確率状態(確変状態)かつ次回大当りまでの第1時短遊技状態(a時短)に移行し、90%の確率で低確率状態(非確変状態)かつ時短回数が100回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。
[7-4-5.演出画面]
変形例2では、通常遊技状態で750回特別図柄を変動させたことを条件に第2時短遊技状態(b時短)に移行するため、751回目の特図変動開始時にb時短が作動する。この751回目の特図変動における演出用の識別図柄の停止態様と、通常遊技状態からの2ラウンド大当りでかつ大当り遊技状態終了後に低確率状態(非確変状態)かつ100回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する、2ラウンド通常大当りとなる特図変動における演出用の識別図柄の停止態様とが、共通の特殊図柄による停止態様となる。
図151は、第2時短遊技状態(b時短)突入時の特図変動、或いは2ラウンド通常大当りとなる特図変動において実行される演出の一例であり、表示装置7に演出用の第1識別図柄1601と、演出用の第1特図保留情報1611が表示される。第2時短遊技状態(b時短)突入時の特図変動、或いは2ラウンド通常大当りとなる特図変動に関連する演出用の第1識別図柄1601が変動を開始すると、図151(a)に示すように、演出用の第1識別図柄1601がリーチ態様になり、以下、リーチ演出が開始される。そして、リーチ演出の終了時に、図151(b)に示すように、一旦、演出用の第1識別図柄1601がはずれ態様で仮停止し、その後、図151(c)に示すように、演出用の第1識別図柄1601が全て再変動して、図151(d)に示すように、時短-時短-時短という特殊図柄で停止する。なお、時短という態様の演出用の第1識別図柄1601は、第2時短遊技状態(b時短)突入時の特図変動、及び2ラウンド通常大当りとなる特図変動における演出以外で表示されることはない。
このように構成された変形例2によれば、第2時短遊技状態(b時短)突入時の特図変動、及び2ラウンド通常大当りとなる特図変動において、演出表示として共通の特殊図柄による停止態様となるため、第1時短遊技状態(a時短)に突入したのか第2時短遊技状態(b時短)に突入したのかの判断を難しくすることが可能になる。
なお、上述した変形例2では、c時短機能が搭載されていないが、c時短機能を搭載していてもよく、この場合、特図停止態様がc時短作動の条件となる特殊態様の場合に、演出用の第1識別図柄1601の停止態様を「時短-時短-時短」という特殊図柄で停止させてもよい。
[7-5.第6のパチンコ遊技機の変形例3]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例3について説明する。変形例3は、第6のパチンコ遊技機と同様に複数種類のリミッタ回数が設定可能であり、図69に示す第2のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット1010の構成を一部変更するとともに、大当り、小当りに関する仕様を一部変更したものである。
[7-5-1.遊技盤ユニットの構成]
図152は、第6のパチンコ遊技機の変形例3に係る遊技盤ユニットの構成を模式的に示す説明図である。変形例3に係る遊技盤ユニットは、図69に示す第2のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット1010に、回転役物185を新たに配置するとともに、第2始動口1140Aの位置を変更したものである。なお、図152に示す変形例3において、図69に示す第2のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット1010における部材と同一の部材もしくは同一機能の部材には、同一の符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
図153は、回転役物185の構成及び動作を示す説明図である。回転役物185は、円板185aと、切り欠き185bと、回転軸185cと、回転軸185cに回転を伝達して円板185aを一定速度で回転させる回転モータ(図示せず)とを備えている。円板185aは、遊技球より若干大きな厚みを有しており、外周部に半径方向に延びる切り欠き185bが1つ形成されている。この切り欠き185bは、遊技球が1個収容可能な大きさを有している。円板185aの回転軸は、円板185aの中心に、盤面に対して垂直に立設されている。
回転役物185は、左側領域106に配置された第2始動口1140Aの前方に配置される。この時、第2始動口1140Aは、回転役物185の頂上部に対して回転方向寄りに位置づけられる。このため、第2始動口1140Aは回転役物185に隠れているが、回転役物185が回転して、切り欠き185bが頂上部を通過した直後に切り欠き185bを介して第2始動口1140Aが視認可能となる。更に、左側領域1106における回転役物185の上方近傍に、2本の遊技釘が遊技球より若干大きい間隔で植設されている。
切り欠き185bが頂上部を通過するタイミングで、回転役物185の上方近傍の2本の遊技釘の間に遊技球が通過すると、図153(a)に示すように、切り欠き185b内に遊技球が収容される。この状態で回転役物185が回転し、図153(b)に示すように、切り欠き185bが第2始動口1140Aに到達すると、切り欠き185b内の遊技球が第2始動口1140Aに移動して、図153(c)に示すように、切り欠き185b内が空になる。切り欠き185bが再び頂上部に戻るまでに、回転役物185の上方近傍の2本の遊技釘の間に遊技球が進入すると、図153(c)、図153(d)に示すように、当該遊技球は、回転役物185の頂上部に乗った状態で維持され、切り欠き185bが頂上部に到達したときに、図153(a)に示すように、切り欠き185b内に遊技球が収容される。このような動作が繰り返されることにより、左打ちの時に第2始動口1140Aに対して一定の時間間隔で遊技球が入賞する。
[7-5-2.特図1、特図2変動]
変形例3では、特図1と特図2とが同時に変動可能である。通常遊技状態において、特図2の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルでは、約10分の変動時間の変動パターンが決定され、特図1の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルでは、最長で約2分の変動時間の変動パターンが決定される。
[7-5-3.小当り]
特図1抽選及び特図2抽選に小当り当選が含まれる。特に、特図1抽選は小当りに当選し易い設定である。なお、通常遊技状態で小当り当選した場合、小当り遊技状態における小当り用大入賞口151の開放時間は比較的短く、左打ちの時に小当り当選しても、賞球を獲得できる可能性は低い仕様となっている。
[7-5-4.その他]
変形例3では、第2始動口1140Aへの入賞による賞球数は「1」とする。このため、左打ちの時に第2始動口1140Aに対して一定の時間間隔で遊技球が入賞しても、それによって、持玉が増えることはない。その他の仕様については、第6のパチンコ遊技機と概ね同様であるが、特図1抽選に小当り当選した場合には、Vアタッカーが作動せず、V入賞できない構成とする。また、変形例3は、第6のパチンコ遊技機と同様に、b時短機能を搭載しており、通常状態すなわち低確非時短状態での特図変動が規定の作動回数n(例えば、750回)に到達したことを条件に、b時短機能が作動して、第2時短遊技状態に移行する。
[7-5-5.演出画面]
サブ制御回路1300のサブCPU1301によって、主制御回路1200から送信されるコマンドに基づいて、低確非時短遊技状態における特別図柄の総変動回数(特図1変動回数と特図2変動回数との和)と、特図1の変動回数と、表示装置1007に表示する特別図柄の変動回数である表示変動回数と、を管理する制御が行われる。表示変動回数は、特図1の変動回数に上乗せ回数を累積加算した数であり、上乗せ回数は総変動回数と表示変動回数との差分以下の数字から適宜決定される。
図154は、第6のパチンコ遊技機の変形例3において、表示装置1007に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
図154(a)は、通常状態すなわち低確非時短状態の開始時における表示装置1007に表示される演出画面の一例を示すものであり、表示装置1007には、演出用の特図1識別図柄601と、特図1保留情報611と、表示変動回数を表示する変動回数情報621と、を含む各種の演出画像が表示される。通常状態においては、第1始動口120A及び第2始動口140への入賞が可能であるため、第1特別図柄表示部163又は第2特別図柄表示部164において特図1変動又は特図2変動が行われる。一方、表示装置1007には、第1特別図柄表示部4163によって表示される第1特別図柄に対応する演出用の特図1識別図柄601が表示されるが、第2特別図柄表示部4164によって表示される第2特別図柄に対応する演出用の特別図柄及び保留情報は表示されない。
また、図154(a)に示すように、変動回数情報621は、通常状態すなわち低確非時短状態の開始時に「0」と表示され、当該変動が停止すると、図154(b)に示すように、「1」と表示される。この時、仮に、特図1及び特図2が同時に変動しており、特図1抽選の結果が小当りであれば、特図2も停止するため、総変動回数は「2」となり、特図1抽選の結果がはずれであれば、特図2は停止しないため、総変動回数は「1」となる。
変形例3では、リーチ演出を経て小当りになった場合に、変動回数情報621に表示されている回数に対して上乗せが行われる。変動回数情報621は、初期状態において特図1の変動回数が表示され、リーチ演出を経て小当りになるごとに上乗せ回数が累積加算される。例えば、図154(c)に示すように、変動回数情報621は「200」と表示されているが、総変動回数は「300」であるとする。この状態で、図154(d)に示すようにリーチがかかり、リーチ演出を経て、図154(e)に示すように演出用の特図1識別図柄601が停止すると、変動回数情報621が「201」に変化する。ここで、小当り遊技状態に移行した場合、総変動回数「300」と変動回数情報621として表示されている回数「200」との差以下の範囲、すなわち、0~100の範囲で上乗せ回数をサブCPU301が決定する。例えば、50回に決定されると、図154(e)に示すように「+50」という表示が行われ、図154(f)に示すように変動回数情報621が「251」に変化する。
このように構成された変形例3によれば、左打ちの時に第2始動口1140Aに対して一定の時間間隔で遊技球が入賞するため、特図1変動と特図2変動とを同時に行う機会を増加させることが可能になり、特図1変動で小当り当選した場合には、特図2変動も強制停止されるため、b時短が作動するまでの作動回数n分の特図変動を早く消化することが可能になる。
また、リーチ演出を経て小当りになった場合に、変動回数情報621の表示回数に所定数だけ上乗せされるため、リーチ演出に対する興趣を向上させるとともに、b時短に近づいたことを印象づけることが可能になる。
[7-6.第6のパチンコ遊技機の変形例4]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例4について説明する。第6のパチンコ遊技機の変形例4は、第6のパチンコ遊技機の変形例1において、b時短機能が作動した場合に、小当りRUSH状態となるように構成したものである。また、第6のパチンコ遊技機の変形例4においては、図69に示す第2のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット1010が適用可能である。
[7-6-1.大当り確率]
変形例4において、第1、第2特別図柄抽選で大当り判定となる確率は低確率で約1/319、高確率で約1/94である。第1特別図柄抽選で小当り判定となる確率は0であり、第2特別図柄抽選で小当り判定となる低確率で例えば1/10、高確率で0とする。
[7-6-2.時短遊技状態]
第1時短遊技状態(a時短)における普図抽選の当選確率は、通常遊技状態における普図抽選の当選確率よりも高いが、第2時短遊技状態(b時短)における普図抽選の当選確率は、通常遊技状態における普図抽選の当選確率と同じである。
第1時短遊技状態(a時短)における普図当選時の普通電動役物の開放時間は、通常遊技状態における普図当選時の普通電動役物の開放時間よりも長いが、第2時短遊技状態(b時短)における普図当選時の普通電動役物の開放時間は、通常遊技状態における普図当選時の普通電動役物の開放時間と同じである。
第1時短遊技状態(a時短)及び第2時短遊技状態(b時短)における普図変動時間は、通常遊技状態における普図変動時間よりも短く設定されている。また、第2時短遊技状態(b時短)における普図変動時間は、第1時短遊技状態(a時短)における普図変動時間よりも大幅に短く設定されている。
このように構成された変形例4によれば、天井到達(特図変動回数が作動回数nに到達)で非入賞容易状態(開放延長機能なし)のb時短が作動した場合に、普通電動役物1146の開放時間が延長されないため、普通電動役物1146によって捕捉されなかった遊技球が小当り用大入賞口1151に流れるようになり、小当り遊技状態で小当り用大入賞口151に遊技球を入賞させることが可能になる。しかも、高速に普図変動が消化されることで小当り当選までの時間が短くなるため、小当り遊技状態に度々移行して賞球を獲得することができる。このように、b時短が作動した場合に、所謂、小当りRUSHが発動するようになる。
[7-7.第6のパチンコ遊技機の変形例5]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例5について説明する。第6のパチンコ遊技機の変形例5は、第6のパチンコ遊技機の変形例1において、b時短機能が作動した場合に、通常遊技状態の場合に比較して普図当選確率が微差であり、普通電動役物の動作がほとんど変わらない、所謂、微時短を搭載したものである。また、第6のパチンコ遊技機の変形例4においては、図108に示す第4のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット3010が適用可能である。
[7-7-1.変形例5の仕様]
変形例5の仕様は、第1特別図柄抽選で大当り判定となる確率は低確率状態で約1/99であり、高確率状態で約1/66である。第1特別図柄抽選で小当り判定となる確率は0である。第2特別図柄抽選で大当り判定となる確率は低確率状態で1/99であり、高確率状態で約1/66である。第2特別図柄抽選で、小当り判定となる確率は低確率状態で約97/99であり、高確率状態で約67/69である。
通常遊技状態での特図1、特図2大当りが確変大当りである確率は50%、通常大当りである確率は50%である。高確率状態での特図1大当りが確変大当りである確率は100%、通常大当りである確率は0%である。
普図抽選による当選確率は、例えば、通常遊技状態で10/256、第1時短遊技状態(a時短)で255/256とする。
確変回数及び第1時短遊技状態(a時短)における時短回数はともに90回であり、大当り遊技終了後、特図変動が90回に到達した場合に、高確率状態であれば低確率状態に移行し、第1時短遊技状態(a時短)から通常遊技状態に移行する。
変形例5では、b時短機能を備えており、b時短に突入するための作動回数nが比較的浅い回数、例えば、90回に設定されている。時短回数Nは適宜設定可能であるが、例えば、10回に設定する。第2時短遊技状態(b時短)における普図抽選による当選確率は、例えば、通常遊技状態で11/256とする。ここで、第6のパチンコ遊技機の変形例5によれば第4のパチンコ遊技機と同様に、第1時短遊技状態(a時短)においては、所謂、電チューサポートによって普通電動役物3146が遊技球を捕捉した場合に、第1非電動役物3441が開放して、第1始動口3120に入賞し易くなり、第2始動口3140に入賞することは困難である。第2時短遊技状態(b時短)においては、所謂、電チューサポートによって普通電動役物3146が遊技球を捕捉した場合に、第2非電動役物3441が開放して、第2始動口3140に入賞し易くなり、第1始動口3120に入賞することは困難である。
また、第2時短遊技状態(b時短)で大当りに当選した場合には、通常遊技状態で特図1抽選に大当りに当選した場合よりも、遊技者にとって有利に設定されている。通常遊技状態で通常大当り或いは確変大当りに当選した場合には、時短90回付与されるが、第2時短遊技状態(b時短)で大当りに当選した場合には、次回大当りまで(時短10000回)時短が付与される。
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例5を用いた遊技の流れを、図155を参照しながら説明する。
図155に示すように、第6のパチンコ遊技機の変形例5において多くの場合、遊技開始当初は、通常遊技状態から遊技を開始する。通常遊技状態においては、左打ちを行って、第1始動口3120への入賞を狙って遊技を進める。第1始動口3120入賞を契機として特図1抽選が行われ、特図1抽選に当選すると大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、確変大当りの場合には確変回数及び時短回数が90回の高確率時短遊技状態(a時短)に移行する。確変状態に移行しなかった場合には時短回数が90回の低確率時短遊技状態(a時短)に移行する。
大当り遊技状態終了後、90回の第1時短遊技状態において特図1抽選に大当り当選する再度大当り遊技状態に移行する。この際、確変大当りの場合には、高確率状態の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。通常大当りの場合には、低確率状態の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。また、確変大当りによる大当り遊技状態終了後、高確率状態と大当り遊技状態とのループ回数が規定回数(リミッタ回数)に到達した場合、規定回数(リミッタ回数)に到達した大当り遊技状態終了後、低確率状態の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。なお、低確率状態に移行した場合にループ回数がリセットされる。
第1時短遊技状態(a時短)における時短回数(90回)が消化された場合に、次の特図変動から、時短回数が特図2変動10回の第2時短遊技状態(b時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)において特図2抽選に大当り当選した場合には、時短回数10000回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)において時短回数10回が消化された場合には、低確率非時短状態である通常遊技状態に移行する。
なお、b時短に突入するための作動回数n、時短回数N、第2時短遊技状態(b時短)で大当りに当選した場合における遊技者にとっての有利さは、前述したものに限るものではなく、適宜設定可能である。
このように構成された変形例5によれば、第2時短遊技状態(b時短)中に大当り当選することにより、通常大当りに当選した場合でも次回大当りまで(時短10000回)時短が付与されるため、第2時短遊技状態(b時短)に対する興趣を向上させることが可能になる。
なお、変形例5は、上述したものに限るものではなく、例えば、低確率状態において大当りに当選するまでに獲得した第2時短遊技状態(b時短)の回数に応じて、遊技者に与える特典を大きくしてもよい。例えば、第6のパチンコ遊技機の変形例1の仕様に適用して、低確率状態において大当りに当選するまでに獲得した第2時短遊技状態(b時短)の回数が多いほど、大きいリミッタ回数が選択できるようにしてもよい。また、上述した変形例5では、高確率状態での変動回数も、第2時短遊技状態(b時短)を作動させるための作動回数nに含めているが、高確率状態での変動回数を含めずに、高確率状態から低確率状態に移行してから特図変動が作動回数n(90回)行われた場合に、第2時短遊技状態(b時短)に移行させてもよい。これにより、大当り遊技が終了した後、直ぐに遊技を終了するのではなく、あと90回だけ特図を変動させようとする遊技者における遊技の継続意欲を喚起することが可能になる。
また、上述した変形例5は、図108に示す第4のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット3010を適用した例を説明したが、それ以外の遊技盤ユニットであってもよい。例えば、第4のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット3010において、第1作動機構3511及び第2作動機構3512、第1非電動役物3440及び第1非電動役物3440を削除して、振分装置3506によって振り分けられた遊技球が直接第1始動口3120及び第2始動口3140に入賞するようにしてもよい。更には、図4に示す第1のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット10において、第2始動口140の代わりに2つ目の第1始動口120を設けたもの、すなわち、特図1抽選のみ行うものにも適用可能である。但し、この場合は、通常遊技状態又は第1時短遊技状態(a時短)で大当りに当選した場合に大当り状態終了後に時短90回を付与し、第2時短遊技状態(b時短)で大当りに当選した場合に大当り状態終了後に時短10000回を付与する。
また、上述した変形例5によれば、ループ回数が規定回数(リミッタ回数)に到達した場合、規定回数(リミッタ回数)に到達した大当り遊技状態終了後、低確時短遊技状態に移行するが、それに限らず、低確非時短遊技状態に移行してもよい。また、ループ回数も、時短遊技状態と大当り遊技状態とのループ回数であってもよい。
[7-8.第6のパチンコ遊技機の変形例6]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例6について説明する。第6のパチンコ遊技機の変形例6は、第6のパチンコ遊技機の変形例1において、b時短に突入するための条件となる作動回数nの時の特図の停止図柄に応じて、第2時短遊技状態(b時短)の内容を切り替えるというものである。また、第6のパチンコ遊技機の変形例6においては、図69に示す第2のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット1010が適用可能である。
[7-8-1.変形例6の仕様]
変形例6の仕様は、第2のパチンコ遊技機で説明した仕様と略同一とする。普図抽選による当選確率は、例えば、通常遊技状態で50/256、第1時短遊技状態(a時短)で255/256とする。
更に、作動回数nの時の特図の停止図柄を決定するための乱数抽選で取得した乱数値に基づいて、第2時短遊技状態(b時短)の内容が決定される。
図156は、第6のパチンコ遊技機の変形例6における遊技状態の遷移を示す説明図である。図156に示すように、第6のパチンコ遊技機の変形例6において多くの場合、遊技開始当初は、通常遊技状態から遊技を開始する。通常遊技状態においては、左打ちを行って、第1始動口120への入賞を狙って遊技を進める。第1始動口120入賞を契機として特図1抽選が行われ、特図1抽選に当選すると大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態終了後、確変大当りの場合には、高確率状態に移行するとともに、時短回数が0回又は10000回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。つまり、潜確状態、もしくは電チューサポートありの確変状態に移行する。通常大当りの場合には、低確率状態に移行するとともに、時短回数が50回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。
大当り遊技状態終了後、第1時短遊技状態において特図抽選に大当り当選する再度大当り遊技状態に移行する。この際、確変大当りの場合には、高確率状態の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。通常大当りの場合には、低確率状態の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。また、確変大当りによる大当り遊技状態終了後、高確率状態と大当り遊技状態とのループ回数が規定回数(リミッタ回数)に到達した場合、規定回数(リミッタ回数)に到達した大当り遊技状態終了後、低確率状態の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。低確率状態に移行した場合にループ回数がリセットされる。なお、規定回数(リミッタ回数)に到達した大当り遊技状態終了後、通常遊技状態(低確非時短状態)に移行させてもよい。
低確率状態でかつ第1時短遊技状態(a時短)における時短回数(50回)が消化された場合に、通常遊技状態に移行する。
低確率状態における特図変動の回数が750回に到達することにより、次の特図変動から、第2時短遊技状態(b時短)に移行する。第2時短遊技状態(b時短)における普図抽選の当選確率や、変動時間は、750回目の特図変動による停止態様によって決定される。
具体的には、特図の停止図柄がはずれ態様の場合、乱数値に基づいてはずれ1とはずれ2とにグループ分けされる。はずれ1の場合には、微時短1(例えば、普図抽選による当選確率が51/256)が設定される。はずれ2の場合には、微時短2(例えば、普図抽選による当選確率が52/256)が設定される。また、特図の停止図柄がはずれ態様の場合、乱数値に基づいてはずれ1とはずれ2とにグループ分けされる。はずれ1の場合には、微時短1(例えば、普図抽選による当選確率が11/256)が設定される。はずれ2の場合には、微時短2(例えば、普図抽選による当選確率が12/256)が設定される。時短回数Nは例えば、20回が設定される。
特図の停止図柄が小当り態様の場合、乱数値に基づいて小当り1と小当り2とにグループ分けされる。小当り1の場合には時短100回、小当り2の場合には時短200回が設定される。普図抽選による当選確率は通常遊技状態と変わらないが、普通図柄の変動時間は短時間の変動パターンに切り替えられる。
そして、第2時短遊技状態(b時短)において、規定回数の特図変動が行われた場合に、通常遊技状態に移行する。
このように構成された変形例6によれば、第2時短遊技状態(b時短)に突入することになる作動回数nの時の特図の停止図柄に応じて、第2時短遊技状態(b時短)における遊技者にとっての有利の度合いが決定される。このため、作動回数nの時の特図の停止図柄に対する、遊技者の興趣を向上させることが可能になる。
[7-9.第6のパチンコ遊技機の変形例7]
次に、第6のパチンコ遊技機の変形例7について説明する。第6のパチンコ遊技機の変形例7は、b時短機能を搭載したパチンコ遊技機に係るものである。第6のパチンコ遊技機の変形例7においては、図69に示す第2のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニット10が適用可能である。一般に、パチンコ遊技機による遊技では通常遊技状態(低確非時短状態)が基本状態となるが、変形例7では、潜伏確変状態(高確非時短状態)が基本状態となる。
例えば、特図抽選における大当り当選確率を比較的高く設定し、特図抽選において確変大当りに当選する割合を高く設定し(例えば、97%)、かつ確変大当りの場合に第1時短遊技状態(a時短)に移行する割合を低くすることによって潜伏確変(確変非時短)状態に行く割合を高くする。通常大当りの場合には、大当り遊技終了後、低確率状態(非確変状態)でかつ第1時短遊技状態(a時短)に移行する。第1時短遊技状態(a時短)に移行するとN回の時短回数が付与される。
また、第1時短遊技状態(a時短)に突入した場合は、大当り遊技終了後に第1時短遊技状態(a時短)が継続する大当りとなる割合が高い。第1時短遊技状態(a時短)において通常大当りに当選した場合には、大当り遊技終了後に第1時短遊技状態(a時短)に移行する。第1時短遊技状態(a時短)において確変大当りに当選した場合には、大当り遊技終了後にM回のST、及び時短が付かない高確非時短遊技状態のいずれかに移行する。M回のSTに移行する場合には同時に時短回数M+N回の第1時短遊技状態(a時短)に移行する。すなわち、第1時短遊技状態(a時短)において確変大当りに当選した場合に、大当り遊技終了後に第1時短遊技状態(a時短)に移行し、最初のM回は高確率状態となり、ST終了後のN回は高確率状態となる。また、非時短遊技状態から大当り遊技状態に移行した場合に獲得可能な出玉数より、時短遊技状態から大当り遊技状態に移行した場合に獲得可能な出玉数の方が大幅に多くなる仕様になっている。このように、変形例7によれば、時短がつかない確変状態(高確非時短遊技状態)よりも、低確率状態の時短遊技状態(低確時短遊技状態)の方が遊技者に有利な仕様になっている。また、第6のパチンコ遊技機の変形例7においてはリミッタ機能が搭載されている。例えば、大当りと高確非時短遊技状態とのループ回数が15回(リミッタ回数15回)の場合に通常遊技状態に移行させ、大当りと第1時短遊技状態(a時短)とのループ回数が5回(リミッタ回数5回)の場合に通常遊技状態に移行させる。なお、リミッタ回数は上述したものに限るものではなく、適宜設定可能である。
次に、遊技の流れについて説明する。図157は、第6のパチンコ遊技機の変形例7における遊技状態の遷移を示す説明図である。ホール開店直後では通常遊技状態であるが、遊技開始後、大当り当選確率が高くそのほとんどが潜伏確変に移行するものであるため、基本状態は潜伏確変状態(高確非時短状態)となる。通常大当りに当選して第1時短遊技状態(a時短)に移行すると、b時短機能の作動条件となる作動回数nのカウントが開始される。ここで、作動回数nはN回の第1時短遊技状態(a時短)の時短回数と同じかもしくは大きく設定されている。このため、仮に、作動回数nが第1時短遊技状態(a時短)の時短回数(N回)であれば、第1時短遊技状態(a時短)が終了すると、次の特図変動からb時短機能が作動して、第2時短遊技状態に移行することになり、結果として時短回数が更に上乗せされる。大当り遊技終了後にSTに移行した場合には、高確率状態であるM回の時短回数では作動回数nのカウントが実行されず、その後、低確率状態に移行してN回の時短回数が消化される場合に作動回数nのカウントが実行される。このため、STが終了すると、次の特図変動からb時短機能が作動して、第2時短遊技状態に移行することになり、結果として時短回数が更に上乗せされる。大当り遊技終了後に高確非時短遊技状態に移行した場合には、時短が付与されないことから、通常大当りを目指して、遊技を進めることになる。
このように、変形例7によれば、時短がつかない確変状態よりも、低確率状態の時短遊技状態の方が遊技者に有利な仕様になっており、第1時短遊技状態(a時短)が終了した後に、第2時短遊技状態(b時短)が作動可能であるため、時短が継続しやすいという新たな興趣を遊技者に提供することが可能になる。
また、通常大当りに当選する以外でも、RAMクリア、ST抜け等によって、低確率状態に移行する。この場合も、b時短機能の作動条件となる作動回数nのカウントを開始する。このため、ホール開店直後において、作動回数nの特図変動の消化によってb時短機能が作動するため、所謂、モーニング機能を搭載することが可能になる。また、リミッタ回数に到達した場合にも低確率状態に移行する。
以上説明した第6のパチンコ遊技機及びその変形例によれば、複数種類のリミッタ回数を有し、リミッタ回数が多い場合と少ない場合とを備えることにより、新たな有利状態を有する遊技機を提供することが可能となる。また、第6のパチンコ遊技機及びその変形例によれば、天井時短とも言えるb時短を搭載することで、天井到達後における出玉付与と天井到達前における出玉付与に差をつけることが可能になり、遊技の興趣向上が可能となる。ここで、天井到達(b時短到達)前の大当りよりも、天井到達後の大当りについては時短付与回数を多くしてもよい。これにより、天井到達後に獲得可能な総玉数期待値を高くすることができる。なお、第6のパチンコ遊技機の変形例1~7においては、リミッタ機能を搭載しない遊技機であってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述したもの限るものではなく、特にb時短を搭載する機種においては、下記のような機能を持たせてもよい。
通常の大当りを期待させる一般的な先読み演出抽選と、天井時短を示唆する予兆演出が被った場合、天井時短(b時短)の予兆演出を優先して表示させてもよい。
また、天井時短(b時短)後の時間を測定して表示してもよい。
また、天井時短(b時短)到達までの残り回転数が近いとき遊技者が台を離れようとすると、天井時短到達が近いことを遊技者に示唆する機能を設けてもよい。例えば、遊技者を検知するセンサを設け、発射ハンドルへの接触が一定時間なくデモ画面へ移行するときに示唆してもよい。具体的には、天井時短(b時短)到達までの残り回転数が近い場合、デモ中に「座って」と表示したり、デモ中に「座って」と表示するとともに設定も示唆する、等の機能を搭載してもよい。
以下、上述したパチンコ遊技機における構成とその構成から奏する効果について付記する。
[付記1]
従来、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。また、有利な遊技状態として、特定の結果が大当りの場合に制御される大当り遊技状態と、特定の結果が小当りの場合に制御される、大当り遊技状態よりも遊技者にとって利益が少ない小当り遊技状態と、を含む有利な遊技状態備えた遊技機がある。
また、近年、この種の遊技機において、上記図柄の可変表示の時間が短縮されている状態(時短状態)において、特定の結果が頻繁に小当りとなることによって遊技者に所定の利益を付与する有利な遊技状態を搭載した遊技機が登場している(例えば、特開2019-076136公報)。
ところで、有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機においてもより高い興趣性が望まれている。
以下に記載する遊技機は、このような問題点を解決し、興趣性の高い有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機を提供することを目的とする。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第1始動領域と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第2始動領域と、
前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかへの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行するか否かを判定する特別遊技状態移行判定手段と、
前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果を識別情報の変動及び停止により報知する識別情報表示手段と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域と、
遊技媒体の捕捉が容易な第1状態と遊技媒体の捕捉が困難な第2状態とに変位可能な変位部材と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させるか否かを判定する変位判定手段と、
前記変位判定手段の判定結果を特定識別情報の変動及び停止により報知する特定識別情報表示手段と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態は、遊技者に利益を付与可能な所定ゲームを実行可能な第1遊技状態と、前記所定ゲームを複数回繰り返し実行可能な第2遊技状態と、を含み、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果が第2遊技状態への移行を否と判定した時に表示される前記識別情報の停止表示態様が特殊態様の場合に、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定する時間が長い変位パターンを通常状態よりも選択し易くした特殊時短状態に移行させ、
当該特殊時短状態に移行した後、前記識別情報の変動回数が規定回数に到達した場合に前記特殊時短状態を終了させ、
前記通常状態において、前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記識別情報の変動を停止させ、前記第1遊技状態を実行させることを特徴とする遊技機。
(1)によれば、識別情報の停止表示態様が特殊態様になった場合に特殊時短遊技に移行し、特殊時短遊技(b時短、c時短)において、変位判定手段(普通図柄抽選)が第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定をすると、変位部材(普通電動役物)が第1状態(開状態)となり、変位部材(普通電動役物)が特殊時短状態で遊技媒体(遊技球)を捕捉することを契機に、識別情報の変動が開始されて特殊時短状態から通常状態に移行する。識別情報の変動によって第1遊技状態への移行に当選した場合には、第1遊技状態に移行し、更にこのときの停止態様が特殊態様の場合には第1遊技状態の終了後に、特殊時短遊技に移行する。これにより、特殊時短遊技と通常状態とを交互に繰り返すことによる第1遊技状態のループが形成され、第1遊技状態が継続し得るようになる。このように、特殊時短状態を契機とする有利な遊技状態が実現可能になり、遊技者における興趣を更に向上させることが可能になる。
(2) (1)において、前記識別情報の停止表示態様が特殊態様の場合に、前記第1遊技状態に移行しかつ前記第1遊技状態終了後に前記規定回数の前記第2始動領域への遊技球通過を契機とする前記識別情報の変動を特定回数行う前記特殊時短状態に移行し、
前記規定回数の前記識別情報の変動開始時に前記特殊時短状態を終了することを特徴とする遊技機。
(3) (1)又は(2)において、前記識別情報が変動している間に前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技媒体が通過した場合に、前記識別情報の変動を保留する保留手段を有し、
前記遊技状態制御手段は、前記識別情報表示手段の停止表示態様が前記特殊態様になったことを契機とする前記第1遊技状態の終了後に、前記第2始動領域への遊技媒体通過による変動が保留されている場合、当該保留に基づく前記識別情報の変動開始と同時に前記特殊時短状態を終了させることを特徴とする遊技機。
(4) (3)において、前記識別情報表示手段の停止表示態様が前記特殊態様になったことを契機とする前記第1遊技状態の終了後に、前記保留手段に、遊技媒体が前記第2始動領域を通過したことによる識別情報の変動が保留されていない場合に、前記特殊時短状態を終了することを特徴とする遊技機。
(5) (1)~(4)において、前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態の終了後の遊技状態を、前記変位判定手段が所定の確率で前記変位部材を第1状態に切り替えると判定する前記通常状態と、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定する時間が長い変位時間で前記変位部材を第1状態に切り替えると判定し易い時短状態とのいずれかに移行させ、
前記時短状態と前記特殊時短状態とにおいて、遊技者に付与する利益が異なることを特徴とする遊技機。
(6) (1)~(5)において、前記変位部材は、複数個の遊技媒体を捕捉可能であり、複数個の遊技媒体を捕捉するまで第1状態を維持可能であり、複数個の遊技媒体を捕捉した場合に第2状態に変位することを特徴とする遊技機。
(7) (1)~(6)において、前記第2始動領域への遊技媒体通過による前記識別情報の変動時間を短時間変動とし、変動中の前記識別情報は、高確率で停止表示態様が前記特殊態様になることを特徴とする遊技機。
(8) (5)において、遊技媒体を前記遊技領域に向けて発射する発射手段と、
各種の情報を報知する報知手段と、を更に備え、
前記遊技領域は、遊技者による前記発射手段の操作によって遊技媒体を打ち分け可能な第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域は、前記第1始動領域を有し、
前記第2領域は、前記通過領域と、前記変位部材と、を有し、
前記報知手段は、前記時短状態及び前記特殊時短状態において、前記第2領域に遊技媒体を発射することを促す演出を行い、前記時短状態及び前記特殊時短状態の終了となる前記識別情報の変動開始から停止までの間に前記第1領域に遊技媒体を発射することを促す示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
(9) (3)又は(4)において、前記特殊時短状態において前記識別情報の変動を規定回数消化した後の、前記保留手段における最終の保留に基づく前記識別情報の変動後の停止表示態様が、前記第2遊技状態に移行して当該第2遊技状態の終了後に前記通常状態に移行する態様であった場合、及び前記特殊態様を除く前記特別遊技状態に移行しない態様であった場合に、前記通常状態に移行することを特徴とする遊技機。
(10) (1)~(9)において、前記変位部材は、第1状態において2個の遊技媒体を補足した場合に第2状態に変位することを特徴とする遊技機。
(11) (1)~(10)において、前記通常状態において前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機として前記第1遊技状態に移行し、当該第1遊技状態の終了後に前記特殊時短状態に移行する確率よりも、前記特殊時短状態において前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機として前記第1遊技状態に移行し、当該第1遊技状態の終了後に前記特殊時短状態に移行する確率が高いことを特徴とする遊技機。
(12) (1)~(11)において、前記遊技状態制御手段は、前記識別情報が予め定められた回数の変動回数に到達した場合に、前記特殊時短状態に移行させることを特徴とする遊技機。
上記の遊技機によれば、興趣性の高い有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機を提供することが可能になる。
[付記2]
従来、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。また、有利な遊技状態として、特定の結果が大当りの場合に制御される大当り遊技状態と、特定の結果が小当りの場合に制御される、大当り遊技状態よりも遊技者にとって利益が少ない小当り遊技状態と、を含む有利な遊技状態を備えた遊技機がある。
また、近年、この種の遊技機において、上記図柄の可変表示の時間が短縮されている状態(時短状態)において、特定の結果が頻繁に小当りとなることによって遊技者に所定の利益を付与する有利な遊技状態を搭載した遊技機が登場している(例えば、特開2019-076136公報)。
ところで、有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機においてもより高い興趣性が望まれている。
下記の遊技機は、このような問題点を解決し、興趣性の高い遊技者にとって有利な遊技状態に移行する機能を搭載することを目的とする。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な選択領域と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第1始動領域と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第2始動領域と、
前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかへの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行するか否かを判定する特別遊技状態移行判定手段と、
前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果を識別情報の変動及び停止により報知する識別情報表示手段と、
前記識別情報表示手段の停止表示態様に応じて遊技状態を切り替える遊技状態制御手段と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域と、
遊技媒体の捕捉が容易な第1状態と遊技媒体の捕捉が困難な第2状態とに変位可能な変位部材と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させるか否かを判定する変位判定手段と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な特定通過領域と、を備え、
前記選択領域は、当該特定通過領域を通過した遊技媒体を、前記第1始動領域及び前記通過領域を含む複数の遊技媒体が通過可能な領域のいずれかに通過させ、
前記特別遊技状態は、遊技者に利益を付与可能な所定ゲームを実行可能な第1遊技状態と、前記所定ゲームを複数回繰り返し実行可能な第2遊技状態と、を含み、
前記特別遊技状態移行判定手段は、前記第1始動領域への遊技媒体通過を契機に前記第1遊技状態へ移行すると判定するよりも、前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機に前記第1遊技状態へ移行すると判定する確率が高く、
前記第2始動領域は、前記変位部材が遊技球を捕捉することを契機に遊技媒体の通過が可能になり、
前記変位部材は、前記変位判定手段が前記変位部材を第1状態に変位させると判定した場合に、前記第1状態と前記第2状態とを複数回繰り返した後に前記第2状態となる変位パターンで動作し、当該変位パターンで動作している間に、前記複数回と略同数の遊技媒体を捕捉可能であることを特徴とする遊技機。
(1)によれば、通常状態において、遊技球が特定領域(クルーン皿)に移動し、通過領域を通過して、変位判定手段(普図抽選)が変位部材(普通電動役物)を第1状態に変位させる判定を行った場合に、変位部材は、第1状態(開状態)と第2状態(閉状態)とを複数回(例えば、10回)繰り返した後に第2状態となる長い変位パターンで動作する。変位部材が複数回(例えば、10回)の第1状態(開状態)の時にそれぞれ遊技媒体を捕捉することを契機に、遊技媒体が第2始動領域を通過するため、少なくとも第2始動領域へ遊技媒体が通過した数の第1遊技状態を獲得し得る。このように、遊技球が特定領域(クルーン皿)に移動して第1始動領域を通過することによって、特別遊技状態(第1のボーナス)に移行する以外に、遊技球が特定領域(クルーン皿)に移動して通過領域を通過することによって、変位部材が長い変位パターンで動作している間に複数回連続して第1遊技状態に移行する(第2のボーナス)という、新たな遊技性を持たせることができる。このように、興趣性の高い遊技者にとって有利な遊技状態に移行する機能を搭載した遊技機を提供することができる。
(2) (1)において、前記変位部材が、前記変位パターンで動作している間に遊技媒体を捕捉したことを契機として前記第1遊技状態に移行した場合に、当該第1遊技状態は、前記変位部材が前記第2状態となっている間に実行されることを特徴とする遊技機。
(3) (1)又は(2)において、前記選択領域は、前記第1始動領域、前記通過領域及び遊技媒体を前記遊技盤の外部に排出させる経路に導く排出領域を備えることを特徴とする遊技機。
(4) (1)~(3)において、遊技媒体の捕捉が容易な第1状態と遊技媒体の捕捉が困難な第2状態とに変位可能であり、前記第1状態において規定の複数の遊技媒体を補足した場合に前記第2状態に変位させるとともに、捕捉した遊技媒体を前記第2始動領域へ導く特定変位部材を更に備えることを特徴とする遊技機。
(5) (1)~(4)において、前記変位部材が前記変位パターンで動作している間に前記特別遊技状態移行判定手段が前記第2遊技状態に移行すると判定した場合に、前記変位部材の動作状態に関わらず前記第2遊技状態に移行することを特徴とする遊技機。
(6) (1)~(5)において、前記識別情報表示手段が識別情報を変動表示している間に、遊技媒体が前記第1始動領域又は前記第2始動領域を通過した場合に、前記識別情報の変動表示を所定数保留する保留手段を更に備え、
前記変位部材が前記変位パターンで動作している間に前記特別遊技状態移行判定手段が前記第2遊技状態に移行すると判定した場合に、前記保留手段に保留されている前記識別情報の変動表示は、前記第2遊技状態において実行されず、前記第2遊技状態の終了後に実行されることを特徴とする遊技機。
(7) (1)~(6)において、前記変位部材が前記変位パターンで動作している間に前記特別遊技状態移行判定手段が前記第2遊技状態に移行すると判定した場合よりも、前記変位部材が前記変位パターンで動作している間における、全ての前記第2始動領域への遊技媒体通過に基づく前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果が前記第1遊技状態への移行である方が、遊技者に付与する利益が大きいことを特徴とする遊技機。
(8) (1)~(7)において、前記遊技状態制御手段は、
前記特別遊技状態の終了後の遊技状態を、前記変位判定手段が所定の確率で前記変位部材を第1状態に切り替えると判定する通常状態と、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定する時間が長い変位時間で前記変位部材を第1状態に切り替えると判定し易い時短状態とのいずれかに移行させ、
前記変位部材は、前記変位判定手段が前記通常状態において前記変位部材を第1状態に変位させると判定した場合に、前記変位パターンで動作することを特徴とする遊技機。
(9) (8)において、前記変位部材は、前記変位判定手段が前記時短状態において前記変位部材を第1状態に変位させると判定した場合に、開放時間が前記通常状態において前記変位部材を第1状態に変位させると判定した場合における前記変位パターンにおいて第1状態となる時間より長く、第1状態となる回数が1回のパターンで動作することを特徴とする遊技機。
(10) (1)~(9)において、前記変位部材が前記変位パターンで動作することによって遊技者に付与される利益及び前記変位部材が前記変位パターンで動作している間における全ての前記第2始動領域への遊技媒体通過に基づく前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果が前記第1遊技状態への移行により遊技者に付与される利益を合算した利益は、前記第2遊技状態になることによって付与される利益よりも大きいことを特徴とする遊技機。
本発明によれば、興趣性の高い遊技者にとって有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機を提供することが可能になる。
[付記3]
従来、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。また、有利な遊技状態として、特定の結果が大当りの場合に制御される大当り遊技状態と、特定の結果が小当りの場合に制御される、大当り遊技状態よりも遊技者にとって利益が少ない小当り遊技状態と、を含む有利な遊技状態を備えた遊技機がある。
近年、この種の遊技機において、この種の遊技機において、上記図柄の可変表示の時間が短縮されている状態(時短状態)において、特定の結果が頻繁に小当りとなることによって遊技者に所定の利益を付与する有利な遊技状態を搭載した遊技機が登場している(例えば、特開2019-76136公報)。
ところで、有利な遊技状態を搭載した遊技機においてもより高い興趣性が望まれている。
下記の遊技機は、このような問題点を解決し、有利な遊技状態において、遊技者に新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第1始動領域と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第2始動領域と、
前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかへの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行するか否かを判定する特別遊技状態移行判定手段と、
前記第1始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果を第1識別情報の変動及び停止により報知する第1識別情報表示手段と、
前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果を第2識別情報の変動及び停止により報知する第2識別情報表示手段と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域と、
遊技媒体の捕捉が容易な第1状態と遊技媒体の捕捉が困難な第2状態とに変位可能であり、捕捉した遊技媒体を前記第2始動領域に導く変位部材と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させるか否かを判定する変位判定手段と、
前記変位判定手段の判定結果を特定識別情報の変動及び停止により報知する特定識別情報表示手段と、
遊技状態を切り替える遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態移行判定手段が前記特別遊技状態へ移行すると判定した場合に決定される前記第1識別情報及び前記第2識別情報の停止表示態様は、前記特別遊技状態終了後、前記特別遊技状態移行判定手段が前記特別遊技状態へ移行すると判定する確率が高くなる確変状態に移行させる確変当り態様と、前記特別遊技状態終了後、前記特別遊技状態移行判定手段が前記特別遊技状態へ移行すると判定する確率が低い非確変状態に移行させる通常当り態様とを含み、
前記確変当り態様及び前記通常当り態様は、前記特別遊技状態終了後、前記変位判定手段が第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定する時間が長い変位時間で前記変位部材を第1状態に切り替えると判定し易い時短状態に移行する停止態様と、前記変位判定手段が第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定する時間が長い変位時間で前記変位部材を第1状態に切り替えると判定し難い非時短状態に移行する停止態様を含むことを特徴とする遊技機。
(2) (1)において、各種の演出表示を行う演出表示手段と、
当該演出表示手段に各種の演出表示を実行させる制御を行う演出制御手段と、を備え、
前記第1識別情報が、前記特別遊技状態移行判定手段が前記特別遊技状態へ移行すると判定した停止態様である場合に、前記特別遊技状態終了後、前記確変状態でかつ前記非時短状態の高確非時短状態及び前記非確変状態でかつ前記時短状態の低確時短状態のいずれかに移行し、前記確変状態でかつ前記非時短状態の高確非時短状態に移行する確率が前記非確変状態でかつ前記時短状態の低確時短状態に移行する確率よりも高く、
前記第1識別情報と前記第2識別情報との変動回数を合算した値を記憶するカウント手段を更に有し、
前記遊技状態制御手段は、前記カウント手段の値が規定回数に到達した場合に、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させると判定する時間が長い変位パターンを前記非時短状態よりも選択し易くした特殊時短状態に移行させ、
前記規定回数は、前記特殊時短状態に移行した場合に付与される特殊時短回数を超えない回数とし、
前記特殊時短状態は、前記特殊時短状態に移行してからの前記カウント手段の値が特殊時短回数に到達した場合に終了することを特徴とする遊技機。
(3) (2)において、前記演出制御手段は、前記特殊時短状態への移行が近づいていることを示唆する表示を行うとともに、前記特殊時短状態への移行までの変動回数を表示することを特徴とする遊技機。
(4) (1)~(3)において、前記非確変状態でかつ前記非時短状態において第2の識別情報が変動、停止した時の停止態様が、特別遊技状態終了後に前記非確変状態でかつ前記時短状態に移行させる停止態様である場合に、当該時短状態に付与される時短回数は、前記非確変状態でかつ前記非時短状態において第1の識別情報が変動、停止した時の停止態様が、特別遊技状態終了後に前記非確変状態でかつ前記時短状態に移行させる停止態様である場合に、当該時短状態に付与される時短回数の最大数よりも大きいことを特徴とする遊技機。
(5) (2)~(4)において、特別遊技状態終了後に、前記確変状態でかつ前記時短状態に移行したのちに、前記確変状態でかつ前記非時短状態に移行し、その後前記非確変状態でかつ前記特殊時短状態へ移行することを特徴とする遊技機。
(6) (2)~(5)において、前記カウント手段の値が規定回数に到達した場合に、当該規定回数における識別情報の変動パターンを決定するために参照されるテーブルを切り替え、
前記演出制御手段は、前記特殊時短状態へ移行する際に、前記特殊時短状態へ移行することを報知する特定の演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
(7) (2)~(6)において、前記演出制御手段は、前記カウント手段の値が規定回数に到達した場合に、当該変動の信頼度と前記特殊時短状態への移行することを交えた予告として、特別遊技状態への移行とが期待できる変動であることを示唆すると共に、特別遊技状態へ移行しなくても、前記特殊時短状態への移行することとなる変動であることを示唆する演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
(8) (2)~(7)において、前記第1識別情報表示手段及び前記第2識別情報表示手段の少なくともいずれか一方の識別情報が変動表示している間に、遊技媒体が前記第1始動領域又は前記第2始動領域を通過した場合に、前記識別情報の変動表示を所定数保留する保留手段を更に備え、
前記演出制御手段は、前記保留手段の保留の中に、前記カウント手段の値が規定回数に到達する保留がある場合に、前記保留の先読みを行い、先記規定回数に到達する保留に合わせてカウントダウンする演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
(9) (2)~(8)において、前記演出制御手段は、特定の演出が実行する場合にのみ前記特殊時短状態への移行までの変動回数を告知する演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
(10) (2)~(9)において、前記特別遊技状態は、遊技者に利益を付与可能な所定ゲームを実行可能な小当り遊技状態と、前記所定ゲームを複数回繰り返し実行可能な複数種類の大当り遊技状態と、を含み、
前記カウント手段の値は、前記大当り遊技状態に移行した場合にリセットされ、
前記大当り遊技状態の中に、前記小当り遊技状態と同様の動作を行う特殊大当り遊技状態が含まれており、
前記演出制御手段は、前記小当り遊技状態及び前記特殊大当り遊技状態に移行する際に、前記カウント手段の値がリセットされるか否かを報知する演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
本発明によれば、通常状態で特別遊技状態に移行した場合には、特別遊技状態終了後に、高確非時短状態(潜伏確変状態)又は低確時短状態に移行する。ここで、高確非時短状態(潜伏確変状態)では、変位手段が第1状態に変位し難いため識別情報が変動し難くなりしかも特別遊技状態に移行し易いため、カウント手段が規定回数に到達し難い。それに対し、低確時短状態では、変位手段が第1状態に変位し易いため識別情報が変動し易くなり、しかも特別遊技状態に移行し難いため、カウント手段が規定回数に到達し易くなり、特殊時短状態に移行する可能性が増える。このように、低確時短状態のような有利な遊技状態において短時間で識別情報の変動回数を増やすことが可能になり、それだけ特殊時短状態への移行に近づけることができるという、遊技者に新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することができる。
本発明によれば、有利な遊技状態において、遊技者に新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することができる。
[付記4]
従来、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。また、有利な遊技状態として、特定の結果が大当りの場合に制御される大当り遊技状態と、特定の結果が小当りの場合に制御される、大当り遊技状態よりも遊技者にとって利益が少ない小当り遊技状態と、を含む有利な遊技状態を備えた遊技機がある。
近年、この種の遊技機において、この種の遊技機において、上記図柄の可変表示の時間が短縮されている状態(時短状態)において、特定の結果が頻繁に小当りとなることによって遊技者に所定の利益を付与する有利な遊技状態を搭載した遊技機が登場している(例えば、特開2019-76136公報)。
しかしながら、有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機において、新たな興趣を遊技者に与えることを目的とする。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な始動領域と、
前記始動領域への遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な大当り遊技状態へ移行するか否かを判定する大当り遊技状態移行判定手段と、
前記大当り遊技状態移行判定手段の判定結果を識別情報の変動及び停止により報知する識別情報表示手段と、
前記識別情報表示手段が肯定判定を報知する停止態様で前記識別情報を停止しやすい有利遊技状態に制御可能な有利遊技状態制御手段と、
前記識別情報表示手段が肯定判定を報知する停止態様で前記識別情報を停止し難い非有利遊技状態に制御可能な非有利遊技状態制御手段と、
前記識別情報の変動回数を記憶するカウント手段と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域と、
遊技媒体の捕捉が容易な第1状態と遊技媒体の捕捉が困難な第2状態とに変位可能であり、捕捉した遊技媒体を前記始動領域に導く可動変位部材と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記可動変位部材を第1状態に変位させるか否かを判定する変位判定手段と、
前記識別情報の停止表示態様に応じて遊技状態を切り替える遊技状態制御手段と、
各種の演出表示を行う演出表示手段と、
当該演出表示手段に各種の演出表示を実行させる制御を行う演出制御手段と、
遊技媒体を前記遊技領域に向けて発射する発射手段と、
を備え、
前記有利状態制御手段は、
前記遊技状態制御手段の制御により移行される前記大当り遊技状態の終了後に、前記識別情報表示手段に識別情報が大当り態様で停止表示される確率が相対的に高い確変遊技状態に制御可能な確変遊技状態制御手段と、
前記遊技状態制御手段の制御により移行される前記大当り遊技状態の終了後に、前記識別情報表示手段に識別情報が大当り態様で停止表示される確率が相対的に低い非確変遊技状態に制御可能な非確変遊技状態制御手段と、
前記遊技状態制御手段の制御により移行される前記大当り遊技状態の終了後において、前記可動変位部材が相対的に第1状態になり易い状態を含む時短遊技状態に制御可能な時短遊技状態制御手段と、を有し、
前記非有利状態制御手段は、
前記時短遊技状態制御手段により時短遊技状態に制御されてから識別情報の変動表示された回数が、時短回数になったときに、前記可動変位部材が相対的に第1状態になり難い状態を含む非時短遊技状態に制御可能な非時短遊技状態制御手段を有し、
前記始動領域は、第1始動領域と第2始動領域とを有し、
前記識別情報表示手段は、前記第1始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記大当り遊技状態に移行するか否かの判定結果を第1識別情報の変動及び停止により報知する第1識別情報表示手段と、前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記大当り遊技状態の判定結果を第2識別情報の変動及び停止により報知する第2識別情報表示手段とを有することを特徴とする遊技機。
(2) (1)において、前記有利遊技状態と前記大当り遊技状態とが交互に移行する回数がリミッタ回数に到達した場合に、前記非有利遊技状態に移行するリミッタ回数制御手段と、
前記非有利遊技状態から前記大当り遊技状態に移行した場合に、前記リミッタ回数を複数の回数の中から設定するリミッタ回数設定手段と、を更に備えることを特徴とする遊技機。
(3) (2)において、前記リミッタ回数設定手段は、前記大当り態様に基づいて前記リミッタ回数を設定することを特徴とする遊技機。
(4) (2)、(3)において、前記演出制御手段は、前記非確変遊技状態かつ前記非時短遊技状態から移行した前記大当り遊技状態の終了後に前記リミッタ回数を報知する昇格演出を実行する制御を行うことを特徴とする遊技機。
(5) (1)~(4)において、前記変位判定手段の判定結果を特定識別情報の変動及び停止により報知する特定識別情報表示手段と、
前記カウント手段の値が規定回数に到達した場合に、第2状態にある前記可動変位部材を第1状態に変位させる平均時間を非時短状態よりも短くした特殊時短状態に制御可能な特殊時短遊技状態制御手段と、を更に有することを特徴とする遊技機。
(6) (5)において、前記大当り遊技状態の中に、前記大当り遊技状態が短時間でかつ前記大当り遊技状態の終了後に前記非確変遊技状態かつ前記時短遊技状態に移行する特殊大当り遊技状態が含まれ、
前記演出制御手段は、前記演出表示手段に、前記識別情報に対応する演出用識別情報を変動、停止させる制御を行い、前記特殊大当り遊技状態に移行する場合と前記特殊時短状態に移行する場合とにおいて、前記演出用識別情報の停止態様として共通の特殊図柄を表示させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
(7) (1)~(6)において、前記第1領域に、前記第1始動領域と、前記第2始動領域と、当該第2始動領域に一定の時間間隔で遊技球を通過させる可動部材とを配置することを特徴とする遊技機。
(8) (1)~(7)において、前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかへの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利でかつ前記大当り遊技状態より有利ではない小当り遊技状態へ移行するか否かを判定する小当り遊技状態移行判定手段を更に備え、
前記第1識別情報表示手段は、前記第1始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記小当り遊技状態の判定結果を第1識別情報の変動及び停止により報知し、
前記第2識別情報表示手段は、前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記小当り遊技状態の判定結果を第2識別情報の変動及び停止により報知する第2識別情報表示手段により報知し、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とは同時変動可能であり、前記第2識別情報の変動時間は、前記第1識別情報の変動時間よりも長いことを特徴とする遊技機。
(9) (1)~(7)において、前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかへの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利でかつ前記大当り遊技状態より有利ではない小当り遊技状態へ移行するか否かを判定する小当り遊技状態移行判定手段と、を更に備え、
前記第1領域に、前記第1始動領域を配置し、
前記第2領域に、前記通過領域と前記可動変位部材と前記第2始動領域を配置し、
前記第2識別情報表示手段は、高確率で前記第2識別情報の停止態様を前記小当り遊技状態への移行を報知する小当り態様で表示することを特徴とする遊技機。
(10) (5)、(6)において、前記特殊時短状態は、前記非確変遊技状態かつ前記非時短遊技状態と略同一であり、
前記特殊時短状態から前記大当り遊技状態に移行した後に付与される前記時短回数と、前記非確変遊技状態かつ前記非時短遊技状態から前記大当り遊技状態に移行した後に付与される前記時短回数とに差があること特徴とする遊技機。
(11) (5)、(6)、(10)において、前記始動領域への遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利でかつ前記大当り遊技状態より有利ではない小当り遊技状態へ移行するか否かを判定する小当り遊技状態移行判定手段を更に備え、
前記特殊時短状態は、複数種類であり、
前記識別情報表示手段は、前記始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記小当り遊技状態移行判定手段の判定結果を前記識別情報の変動及び停止により報知可能であり、
前記識別情報表示手段によって表示される前記規定回数における前記識別情報の停止態様が、前記小当り遊技状態への移行を報知する小当り態様の場合と、前記大当り遊技状態及び前記小当り遊技状態のいずれにも移行しないことを報知するはずれ態様の場合とにおいて、前記規定回数に到達した以降の前記特殊時短状態が異なることを特徴とする遊技機。
(12) (5)、(6)、(10)、(11)において、前記カウント手段は、前記確変遊技状態においてカウントしないことを特徴とする遊技機。
(13) (5)、(6)、(10)~(12)において、前記識別情報表示手段は、高確率で前記識別情報の停止態様を大当り遊技状態への移行を報知する大当り態様で表示し、
前記大当り遊技状態終了後に、前記確変遊技状態かつ前記非時短遊技状態と、前記非確変遊技状態かつ前記時短遊技状態とのいずれかに移行し、前記確変遊技状態かつ前記非時短遊技状態に移行する割合が高く設定され、
前記規定回数は、前記時短遊技状態に移行した際に付与される前記時短回数に設定されていることを特徴とする遊技機。
本発明によれば、有利遊技状態(確変遊技状態又は時短遊技状態)と前記大当り遊技状態とが交互に移行する回数がリミッタ回数に到達した場合に、非有利遊技状態(非確変遊技状態又は非時短遊技状態)に移行し、非有利遊技状態から大当り遊技状態に移行した場合に、リミッタ回数を複数の回数の中から設定する。このため、リミッタ回数は2種類以上設定可能であるため、例えば、有利遊技状態(確変遊技状態)と前記大当り遊技状態とが交互に移行する回数がリミッタ回数に到達した場合に、非有利遊技状態(時短遊技状態)に移行する場合に、非有利遊技状態(時短遊技状態)における識別情報の変動回数に基づいてリミッタ回数を切り替えることが可能になる。このように、リミッタを持たせた遊技機に、遊技者に新たな興趣を与えることが可能になる。
上記の遊技機によれば、有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機において、新たな興趣を遊技者に与えることができる。
[付記5]
従来、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。また、有利な遊技状態として、特定の結果が大当りの場合に制御される大当り遊技状態と、特定の結果が小当りの場合に制御される、大当り遊技状態よりも遊技者にとって利益が少ない小当り遊技状態と、を含む有利な遊技状態を備えた遊技機がある。
また、近年、この種の遊技機において、この種の遊技機において、上記図柄の可変表示の時間が短縮されている状態(時短状態)において、特定の結果が頻繁に小当りとなることによって遊技者に所定の利益を付与する有利な遊技状態を搭載した遊技機が登場している(例えば、特開2019-76136公報)。
しかしながら、有利な遊技状態を搭載した遊技機においてもより高い興趣性が望まれている。
そこで、下記の遊技機は、このような問題点を解決し、遊技者にとって興趣の高い有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機を提供することを目的とする。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第1始動領域と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第2始動領域と、
前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかへの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行するか否かを判定する特別遊技状態移行判定手段と、
前記第1始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果を第1識別情報の変動及び停止により報知する第1識別情報表示手段と、
前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記特別遊技状態移行判定手段の判定結果を第2識別情報の変動及び停止により報知する第2識別情報表示手段と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域と、
遊技媒体の捕捉が容易な第1状態と遊技媒体の捕捉が困難な第2状態とに変位可能な変位部材と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位部材を第1状態に変位させるか否かを判定する変位判定手段と、
前記変位判定手段の判定結果を特定識別情報の変動及び停止により報知する特定識別情報表示手段と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
各種の演出表示を行う演出表示手段と、
当該演出表示手段に各種の演出表示を実行させる制御を行う演出制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態は、遊技者に利益を付与可能な所定ゲームを実行可能な第1遊技状態と、前記所定ゲームを複数回繰り返し実行可能な第2遊技状態と、を含み、
前記演出制御手段は、通常状態において前記第1識別情報の変動に関わる演出制御を行うことを特徴とする遊技機。
(2) (1)において、前記第1識別情報と前記第2識別情報とは同時に変動可能であり、
前記遊技状態制御手段は、前記第1識別情報と前記第2識別情報との変動回数を合算した値が規定回数に到達した場合に、前記特定識別情報の変動時間を通常状態よりも短くした特殊時短状態に移行させ、
前記第1識別情報及び前記第2識別情報における、特別遊技状態へ移行しないはずれ判定及び第1遊技状態へ移行する第1当り判定を報知する際の変動時間は、第2遊技状態へ移行する第2当り判定を報知する際の変動時間よりも長いものとし、
前記第1識別情報表示手段及び前記第2識別情報表示手段のいずれか一方が第1当り判定を報知する第1当り停止態様で停止した場合に、他方をはずれ判定を報知するはずれ停止態様で停止させ、いずれか一方が第2当り判定を報知する第2当り停止態様で停止した場合に、他方をはずれ判定を報知するはずれ停止態様で停止させることを特徴とする遊技機。
(3) (1)又は(2)において、前記演出制御手段は、通常状態において前記第2識別情報の変動に関する演出は行わず、前記第2識別情報の変動回数を外部出力しないことを特徴とする遊技機。
(4) (1)~(3)において、前記演出制御手段は、前記第1識別情報の変動回数を前記演出表示手段に表示させる演出制御を行うことを特徴とする遊技機。
(5) (4)において、前記演出制御手段は、前記特殊時短状態に到達するまでの変動回数を示唆する演出を行うことを特徴とする遊技機。
(6) (1)~(5)において、前記特殊時短状態において、前記第1識別情報と前記第2識別情報とは同時に変動可能であり、前記第1識別情報及び前記第2識別情報のうち一方の変動が第1当り停止態様で停止することで他方の変動をはずれ停止態様で停止させることを特徴とする遊技機。
(7) (6)において、他方の変動に対応する前記特別遊技状態移行判定手段が第2遊技状態に移行する判定であっても、他方の変動をはずれ停止態様で停止させることを特徴とする遊技機。
(8) (1)~(7)において、前記特殊時短状態において、第2当り停止態様になる変動時間を、はずれ停止態様及び第1当り停止態様になる変動時間よりも短くすることを特徴とする遊技機。
(9) (8)において、前記第1識別情報及び前記第2識別情報ともに、はずれ停止態様及び第1当り停止態様になる変動時間は、第2当り停止態様になる変動時間より短いことを特徴とする遊技機。
(10) (1)~(9)において、同時に変動している前記第1識別情報及び前記第2識別情報がともに、前記特別遊技状態移行判定手段が第2遊技状態に移行する判定であったことを報知する場合、変動時間にかかわらずプログラム上先に停止となる識別情報を第2当り態様で停止させることを特徴とする遊技機。
(11) (1)~(10)において、同時に変動している前記第1識別情報及び前記第2識別情報がともに、前記特別遊技状態移行判定手段が第1遊技状態に移行する判定であったことを報知する場合、変動時間にかかわらずプログラム上先に停止となる識別情報を第1当り態様で停止させることを特徴とする遊技機。
本発明によれば、第1識別情報と第2識別情報との変動回数を合算した値が規定回数に到達した場合に特殊時短状態(天井時短)に移行する。ここで、第1識別情報と第2識別情報とは同時に変動可能であり、第1識別情報及び第2識別情報の変動が並行して消化されるため、規定回数への到達が促進される。また、通常状態において第1識別情報の変動に関わる演出が行われ、例えば、第1識別情報の変動回数を表示することにより、規定回数へ到達するまでの残り回数を推測することが可能になり、遊技者にとって興趣性の高い変動回数の演出表示を実現した遊技機を提供することができる。
上記の遊技機によれば、遊技者にとって興趣の高い有利な遊技状態の機能を搭載した遊技機を提供することが可能になる。
[第3実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明した。以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ遊技機と同じである。以下においては、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ遊技機の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態及び第2実施形態における説明が第3実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1のパチンコ遊技機では、~」のように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機に限定されるような記載であったとしても、第3実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第3実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態に係るパチンコ遊技機に限定するような記載についても、第3実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第3実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。従って、第1実施形態及び第2実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第3実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチンコ遊技機と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
[第7のパチンコ遊技機]
以下、本発明の実施形態に係る遊技機の一例として、第7のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
第7のパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態で説明した第1のパチンコ遊技機と同じである。すなわち、第7のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。また、第7のパチンコ遊技機は、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(優先変動機)である。
また、第7のパチンコ遊技機は、大当り遊技制御処理の終了後、所定回数の特別図柄ゲームが行われるまで確変制御が実行される遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)に制御され、所定回数の特別図柄ゲームが行われると、確変制御が実行されない遊技状態(通常遊技状態、低確時短遊技状態等)に移行するパチンコ遊技機(ST機)である。
第7のパチンコ遊技機では、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路200(図6参照)によって管理される遊技状態として、非大当り遊技状態及び大当り遊技状態が設けられている(図8参照)。第1実施形態で説明したように、非大当り遊技状態では、特別図柄ゲーム(図7参照)を実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、ラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。
非大当り遊技状態としては、確変制御が実行されない低確率状態、及び、確変制御が実行される高確率状態が設けられている。確変制御は、確変フラグがオンである場合に実行される。特別図柄の当り判定処理(図7参照)では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。
低確率状態としては、時短制御が実行されない通常遊技状態、及び、時短制御が実行される低確時短遊技状態が設けられている。高確率状態としては、時短制御が実行される高確時短遊技状態、及び、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態が設けられている。第1実施形態で説明したように、時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物146を作動させて入賞口(第2始動口140(図4参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
第7のパチンコ遊技機においては、時短制御として、特図短縮制御及び電サポ制御の双方が行われる。電サポ制御が実行されている場合には、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、普通図柄の可変表示時間の短縮及び普通電動役物146による入賞容易化(開放時間延長)が行われるが、電サポ制御が実行されている場合と電サポ制御が実行されていない場合とで、「普通図柄当り」の当選確率は同じである。
時短制御が実行される遊技状態(時短遊技状態)としては、A時短遊技状態及びB時短遊技状態が設けられている。第1実施形態で説明したように、A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。B時短遊技状態は、低確率状態(確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、RAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(天井カウンタ)が天井値に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。
第1のパチンコ遊技機と同様に、第7のパチンコ遊技機において、天井カウンタは、確変フラグがオンである場合には更新されず、確変フラグがオフである場合には、時短フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず常にカウントされる。また、天井値は299回に設定されており、B時短規定回数は379回に設定されている。これにより、通常遊技状態又は低確時短遊技状態における特別図柄の可変表示回数が299回に到達した場合にB時短遊技状態に移行し、379回分の特別図柄の可変表示が実行された場合にB時短遊技状態が終了する。
なお、第7のパチンコ遊技機において、A時短遊技状態は、A時短規定回数目の特別図柄の可変表示(A時短最終変動)が開始されるときに終了する。また、B時短遊技状態は、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(天井最終変動)が終了するときに開始され、B時短規定回数目の特別図柄の可変表示(B時短最終変動)が開始されるときに終了する。後述するように、第7のパチンコ遊技機では、A時短最終変動と天井最終変動とが一致することがあり、この場合には、一の特別図柄の可変表示が開始されるときにA時短遊技状態が終了し、当該特別図柄の可変表示が終了するときにB時短遊技状態が開始されることになる。もっとも、第1実施形態で説明したように、A時短遊技状態及びB時短遊技状態の開始タイミング乃至終了タイミングは、特に限定されるものではない。
[基本仕様]
次に、図158を参照して、第7のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
図158は、第7のパチンコ遊技機の基本仕様を示す図である。
第1のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の当り判定処理乃至第2特別図柄の当り判定処理の結果として、「時短当り」、「大当り」、及び、「ハズレ」のうちの何れかが決定されることとして説明した(図10参照)。これに対し、図示しないが、第7のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の当り判定処理乃至第2特別図柄の当り判定処理の結果として、「大当り」及び「ハズレ」のうちの何れかが決定される。第1特別図柄の当り判定処理乃至第2特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定された(大当り判定値データが得られた)場合、選択図柄コマンドが選択され(図11参照)、選択された選択図柄コマンドに応じて、大当りの種類(大当り遊技状態の態様、及び、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様)が決定される(図13参照)。
図158に示すように、第7のパチンコ遊技機においては、第1特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定された場合に選択可能な選択図柄コマンドとして、「特図1_5R通常時短有図柄1」、「特図1_5R特定時短有図柄1」、「特図1_5R特定時短有図柄2」、及び、「特図1_10R特定時短有図柄1」が設けられている。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定された場合に選択可能な選択図柄コマンドとして、「特図2_10R通常時短有図柄1」、「特図2_2R特定時短有図柄1」、「特図2_4R特定時短有図柄1」、「特図2_6R特定時短有図柄1」、「特図2_8R特定時短有図柄1」、「特図2_10R特定時短有図柄1」、「特図2_10R特定時短有図柄2」、及び、「特図2_10R特定時短有図柄3」が設けられている。
図示しないが、第1特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定される確率は、確変フラグがオフである遊技状態(通常遊技状態及び低確時短遊技状態)においては約1/99であり、確変フラグがオンである遊技状態(高確時短遊技状態及び高確非時短遊技状態)においては約1/83である。第2特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定される確率は、確変フラグがオフである遊技状態(通常遊技状態及び低確時短遊技状態)においては約1/99であり、確変フラグがオンである遊技状態(高確時短遊技状態及び高確非時短遊技状態)においては約1/83である。
「特図1_5R通常時短有図柄1」、「特図1_5R特定時短有図柄1」、「特図1_5R特定時短有図柄2」、「特図1_10R特定時短有図柄1」、「特図2_10R通常時短有図柄1」、「特図2_2R特定時短有図柄1」、「特図2_4R特定時短有図柄1」、「特図2_6R特定時短有図柄1」、「特図2_8R特定時短有図柄1」、「特図2_10R特定時短有図柄1」、「特図2_10R特定時短有図柄2」、及び、「特図2_10R特定時短有図柄3」は、それぞれ、大当り1~大当り12に対応している。第7のパチンコ遊技機では、このような12種類の大当りが設けられている。
具体的に、第1特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定された場合には、10/100の確率で「特図1_5R通常時短有図柄1」が選択され、59/100の確率で「特図1_5R特定時短有図柄1」が選択され、30/100の確率で「特図1_5R特定時短有図柄2」が選択され、1/100の確率で「特図1_10R特定時短有図柄1」が選択される。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定された場合には、10/100の確率で「特図2_10R通常時短有図柄1」が選択され、12/100の確率で「特図2_2R特定時短有図柄1」が選択され、5/100の確率で「特図2_4R特定時短有図柄1」が選択され、5/100の確率で「特図2_6R特定時短有図柄1」が選択され、3/100の確率で「特図2_8R特定時短有図柄1」が選択され、5/100の確率で「特図2_10R特定時短有図柄1」が選択され、59/100の確率で「特図2_10R特定時短有図柄2」が選択され、1/100の確率で「特図2_10R特定時短有図柄3」が選択される。
選択図柄コマンドが「特図1_5R通常時短有図柄1」の場合(大当り1に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が5ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることが決定される。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として30回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として299回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として30回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第1特別図柄表示部163に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、低確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図1_5R特定時短有図柄1」の場合(大当り2に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が5ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として30回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として30回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第1特別図柄表示部163に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図1_5R特定時短有図柄2」の場合(大当り3に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が5ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として30回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第1特別図柄表示部163に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図1_10R特定時短有図柄1」の場合(大当り4に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が10ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第1特別図柄表示部163に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_10R通常時短有図柄1」の場合(大当り5に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が10ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることが決定される。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として299回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、低確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_2R特定時短有図柄1」の場合(大当り6に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が2ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_4R特定時短有図柄1」の場合(大当り7に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が4ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_6R特定時短有図柄1」の場合(大当り8に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が6ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_8R特定時短有図柄1」の場合(大当り9に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が8ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_10R特定時短有図柄1」の場合(大当り10に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が10ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_10R特定時短有図柄2」の場合(大当り11に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が10ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として100回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
選択図柄コマンドが「特図2_10R特定時短有図柄3」の場合(大当り12に当選した場合)には、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数が10ラウンドに決定される。また、大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることが決定される。セットされる確変回数は、100回である。セットされる時短回数は、大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた回数となっており、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされ、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行する場合には時短回数として399回がセットされる。これにより、大当りの表示態様が第2特別図柄表示部164に導出された後、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
<遊技状態の遷移フロー>
図159~図162は、第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図163は、第7のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
図159では、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態について示している。図160では、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態について示している。図161では、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態について示している。図162では、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する遊技状態について示している。
図159及び図163に示すように、通常遊技状態(低確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。また、通常遊技状態(低確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り2又は大当り3に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「チャンスタイム」に制御されるところ、図159では、このことも併せて示している。
低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(30回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)から通常遊技状態(低確時短なし<I-C>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。また、高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(30回)に到達するとき、主制御回路200は、高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)から高確非時短遊技状態(高確時短なし<I-D>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。主制御回路200において通常遊技状態(低確時短なし<I-C>)又は高確非時短遊技状態(高確時短なし<I-D>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「特殊背景」に制御されるところ、図159では、このことも併せて示している。高確非時短遊技状態(高確時短なし<I-D>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(70回)に到達するとき、主制御回路200は、高確非時短遊技状態(高確時短なし<I-D>)から通常遊技状態(低確時短なし<I-E>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。
また、通常遊技状態(低確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。主制御回路200において高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ドリームタイム」に制御されるところ、図159では、このことも併せて示している。高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)から低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(678回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)から通常遊技状態(低確時短なし<I-H>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。
ここで、図158を用いて説明したように、大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づいて通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技状態の終了後は、時短回数として399回がセットされる。すなわち、399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、A時短遊技状態に制御することが可能である。399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームのうち100回の特別図柄ゲームは、高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)で消化され、残りの299回の特別図柄ゲームは、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)で消化される。一方で、上述したように、B時短遊技状態の移行条件に係る天井値は299回に設定されているため、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)において299回の特別図柄ゲームが消化されることにより、B時短遊技状態の移行条件が成立することになる。これにより、379回(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、B時短遊技状態に制御することが可能である。低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)において実行可能な特別図柄ゲームの回数(678回)は、A時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(299回)とB時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(379回)との合計回数となっている。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)としてA時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「超ドリームタイム」に制御され、主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)としてB時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「スペシャルタイム」に制御されるところ、図159では、このことも併せて示している。なお、後述するように、A時短遊技状態が終了してB時短遊技状態が開始されるに当たっては、いったん通常遊技状態(低確時短なし)に移行するが、分かりやすくするため、ここでは、当該A時短遊技状態及びB時短遊技状態を纏めて、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)として示している。
また、通常遊技状態(低確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り5に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。また、通常遊技状態(低確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り6~大当り9、及び、大当り11のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(9)参照)。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ラッシュタイム」に制御されるところ、図159では、このことも併せて示している。低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)から通常遊技状態(低確時短なし<I-K>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(10)参照)。
図160及び図163に示すように、低確時短遊技状態(低確時短あり)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り2~大当り4、及び、大当り6~大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(11)参照)。主制御回路200において高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ドリームタイム」に制御されるところ、図160では、このことも併せて示している。高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)から低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(12)参照)。低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(678回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)から通常遊技状態(低確時短なし<II-C>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(13)参照)。
ここで、図158を用いて説明したように、大当り2~大当り4、及び、大当り6~大当り12のうちの何れかに当選したことに基づいて低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技状態の終了後は、時短回数として399回がセットされる。すなわち、399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、A時短遊技状態に制御することが可能である。399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームのうち100回の特別図柄ゲームは、高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)で消化され、残りの299回の特別図柄ゲームは、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)で消化される。一方で、上述したように、B時短遊技状態の移行条件に係る天井値は299回に設定されているため、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)において299回の特別図柄ゲームが消化されることにより、B時短遊技状態の移行条件が成立することになる。これにより、379回(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、B時短遊技状態に制御することが可能である。低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)において実行可能な特別図柄ゲームの回数(678回)は、A時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(299回)とB時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(379回)との合計回数となっている。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)としてA時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「超ドリームタイム」に制御され、主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)としてB時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「スペシャルタイム」に制御されるところ、図160では、このことも併せて示している。なお、後述するように、A時短遊技状態が終了してB時短遊技状態が開始されるに当たっては、いったん通常遊技状態(低確時短なし)に移行するが、分かりやすくするため、ここでは、当該A時短遊技状態及びB時短遊技状態を纏めて、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)として示している。
また、低確時短遊技状態(低確時短あり)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り1又は大当り5に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(14)参照)。低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(678回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)から通常遊技状態(低確時短なし<II-C>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(13)参照)。
ここで、図158を用いて説明したように、大当り1又は大当り5に当選したことに基づいて低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技状態の終了後は、時短回数として299回がセットされる。すなわち、299回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、A時短遊技状態に制御することが可能である。一方で、上述したように、B時短遊技状態の移行条件に係る天井値は299回に設定されているため、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)において299回の特別図柄ゲームが消化されることにより、B時短遊技状態の移行条件が成立することになる。これにより、379回(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、B時短遊技状態に制御することが可能である。低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)において実行可能な特別図柄ゲームの回数(678回)は、A時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(299回)とB時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(379回)との合計回数となっている。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)としてA時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「ドリームタイム」乃至「超ドリームタイム」に制御され、主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)としてB時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「スペシャルタイム」に制御されるところ、図160では、このことも併せて示している。なお、後述するように、A時短遊技状態が終了してB時短遊技状態が開始されるに当たっては、いったん通常遊技状態(低確時短なし)に移行するが、分かりやすくするため、ここでは、当該A時短遊技状態及びB時短遊技状態を纏めて、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)として示している。
図161及び図163に示すように、高確時短遊技状態(高確時短あり)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(15)参照)。主制御回路200において高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ドリームタイム」に制御されるところ、図161では、このことも併せて示している。高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)から低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(16)参照)。低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(678回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)から通常遊技状態(低確時短なし<III-C>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(17)参照)。
ここで、図158を用いて説明したように、大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づいて高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技状態の終了後は、時短回数として399回がセットされる。すなわち、399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、A時短遊技状態に制御することが可能である。399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームのうち100回の特別図柄ゲームは、高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)で消化され、残りの299回の特別図柄ゲームは、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)で消化される。一方で、上述したように、B時短遊技状態の移行条件に係る天井値は299回に設定されているため、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)において299回の特別図柄ゲームが消化されることにより、B時短遊技状態の移行条件が成立することになる。これにより、379回(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、B時短遊技状態に制御することが可能である。低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)において実行可能な特別図柄ゲームの回数(678回)は、A時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(299回)とB時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(379回)との合計回数となっている。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)としてA時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「超ドリームタイム」に制御され、主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)としてB時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「スペシャルタイム」に制御されるところ、図161では、このことも併せて示している。なお、後述するように、A時短遊技状態が終了してB時短遊技状態が開始されるに当たっては、いったん通常遊技状態(低確時短なし)に移行するが、分かりやすくするため、ここでは、当該A時短遊技状態及びB時短遊技状態を纏めて、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)として示している。
また、高確時短遊技状態(高確時短あり)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り1又は大当り5に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(18)参照)。また、高確時短遊技状態(高確時短あり)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り2、大当り3、大当り6~大当り9、及び、大当り11のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(19)参照)。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ラッシュタイム」に制御されるところ、図161では、このことも併せて示している。低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)から通常遊技状態(低確時短なし<III-F>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(20)参照)。
図162及び図163に示すように、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(21)参照)。また、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り2に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(22)参照)。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「チャンスタイム」に制御されるところ、図162では、このことも併せて示している。
低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(30回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)から通常遊技状態(低確時短なし<IV-C>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(23)参照)。また、高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(30回)に到達するとき、主制御回路200は、高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)から高確非時短遊技状態(高確時短なし<IV-D>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(23)参照)。主制御回路200において通常遊技状態(低確時短なし<IV-C>)又は高確非時短遊技状態(高確時短なし<IV-D>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「特殊背景」に制御されるところ、図162では、このことも併せて示している。高確非時短遊技状態(高確時短なし<IV-D>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(70回)に到達するとき、主制御回路200は、高確非時短遊技状態(高確時短なし<IV-D>)から通常遊技状態(低確時短なし<IV-E>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(24)参照)。
また、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(25)参照)。主制御回路200において高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ドリームタイム」に制御されるところ、図162では、このことも併せて示している。高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)から低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(26)参照)。低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(678回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)から通常遊技状態(低確時短なし<IV-H>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(27)参照)。
ここで、図158を用いて説明したように、大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づいて高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技状態の終了後は、時短回数として399回がセットされる。すなわち、399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、A時短遊技状態に制御することが可能である。399回(A時短規定回数)の特別図柄ゲームのうち100回の特別図柄ゲームは、高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)で消化され、残りの299回の特別図柄ゲームは、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)で消化される。一方で、上述したように、B時短遊技状態の移行条件に係る天井値は299回に設定されているため、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)において299回の特別図柄ゲームが消化されることにより、B時短遊技状態の移行条件が成立することになる。これにより、379回(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、B時短遊技状態に制御することが可能である。低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)において実行可能な特別図柄ゲームの回数(678回)は、A時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(299回)とB時短遊技状態として実行可能な特別図柄ゲームの回数(379回)との合計回数となっている。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)としてA時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「超ドリームタイム」に制御され、主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)としてB時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路300では「スペシャルタイム」に制御されるところ、図161では、このことも併せて示している。なお、後述するように、A時短遊技状態が終了してB時短遊技状態が開始されるに当たっては、いったん通常遊技状態(低確時短なし)に移行するが、分かりやすくするため、ここでは、当該A時短遊技状態及びB時短遊技状態を纏めて、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)として示している。
また、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り5に当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(28)参照)。また、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から移行した大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が大当り3、大当り6~大当り9、及び、大当り11のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、主制御回路200は、大当り遊技状態から高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(29)参照)。主制御回路200において低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)に制御されているとき、サブ制御回路300では「ラッシュタイム」に制御されるところ、図162では、このことも併せて示している。低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)において行われる特別図柄の可変表示回数(特別図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達するとき、主制御回路200は、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)又は高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)から通常遊技状態(低確時短なし<IV-K>)へと遊技状態を移行させる(移行条件(30)参照)。
なお、図示を省略しているが、図159~図162に示す各非大当り遊技状態(通常遊技状態(低確時短なし)、低確時短遊技状態(低確時短あり)、高確時短遊技状態(高確時短あり)、又は、高確非時短遊技状態(高確時短なし))において特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出された場合、主制御回路200は、当該非大当り遊技状態から大当り遊技状態へと遊技状態を移行させる。
<特別図柄の変動パターン>
図164は、第7のパチンコ遊技機に係る特別図柄の変動パターンテーブルの種別を示す図である。
第7のパチンコ遊技機においては、特別図柄の変動パターンテーブルが複数種類設けられており、遊技の状況に応じて、複数種類の変動パターンテーブルのなかから一の変動パターンテーブルが選択される。各変動パターンテーブルは、第1実施形態で説明した変動パターンテーブル(図15参照)と同様の構成を有しており、選択された変動パターンテーブルが参照されることにより、特別図柄の変動パターンが決定されるようになっている(図28のステップS96参照)。
具体的に、図164に示すように、特別図柄の変動パターンテーブルとしては、16種類の変動パターンテーブル(「通常」用変動パターンテーブル、「特殊背景」用変動パターンテーブル、「特殊背景_最終」用変動パターンテーブル、「チャンスタイム」用変動パターンテーブル、「チャンスタイム_最終」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム高(前半)」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム高(中盤)」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム高(後半)」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム低(前半)」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム低(中盤)」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム低(後半)」用変動パターンテーブル、「ラッシュタイム_最終」用変動パターンテーブル、「スペシャルタイム_突入」用変動パターンテーブル、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル、「スペシャルタイム_最終」用変動パターンテーブル、及び、「ドリームタイム_昇格」用変動パターンテーブル)が設けられている。16種類の変動パターンテーブルには、それぞれ、テーブル番号(「No.0」~「No.15」)が対応付けられている。
「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)は、図159に示す通常遊技状態(低確時短なし<I-E>)、通常遊技状態(低確時短なし<I-H>)、及び、通常遊技状態(低確時短なし<I-K>)、図160に示す通常遊技状態(低確時短なし<II-C>)、図161に示す通常遊技状態(低確時短なし<III-C>)及び通常遊技状態(低確時短なし<III-F>)、並びに、図162に示す通常遊技状態(低確時短なし<IV-E>)、通常遊技状態(低確時短なし<IV-H>)、及び、通常遊技状態(低確時短なし<IV-K>)において参照される変動パターンテーブルである。
「特殊背景」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.1」)は、図159に示す通常遊技状態(低確時短なし<I-C>)及び高確非時短遊技状態(高確時短なし<I-D>)、並びに、図162に示す通常遊技状態(低確時短なし<IV-C>)及び高確非時短遊技状態(高確時短なし<IV-D>)で行われる70回の特別図柄ゲームのうち、1回目~69回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。「特殊背景_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.2」)は、図159に示す通常遊技状態(低確時短なし<I-C>)及び高確非時短遊技状態(高確時短なし<I-D>)、並びに、図162に示す通常遊技状態(低確時短なし<IV-C>)及び高確非時短遊技状態(高確時短なし<IV-D>)で行われる70回の特別図柄ゲームのうち、70回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「チャンスタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.3」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)及び高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)、並びに、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)及び高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)で行われる30回の特別図柄ゲームのうち、1回目~29回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。「チャンスタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.4」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)及び高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)、並びに、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)及び高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)で行われる30回の特別図柄ゲームのうち、30回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「ラッシュタイム高(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.5」)は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)、及び、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、1回目~30回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。「ラッシュタイム高(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.6」)は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)、及び、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、31回目~80回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。「ラッシュタイム高(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.7」)は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)、及び、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、81回目~99回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「ラッシュタイム低(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.8」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)、及び、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、1回目~30回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。「ラッシュタイム低(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.9」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)、及び、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、31回目~80回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。「ラッシュタイム低(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.10」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)、及び、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、81回目~99回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「ラッシュタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.11」)は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)、及び、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)、並びに、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)、及び、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)で行われる100回の特別図柄ゲームのうち、100回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「スペシャルタイム_突入」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.12」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)中のB時短遊技状態、図160に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)中のB時短遊技状態、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)中のB時短遊技状態、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)中のB時短遊技状態、並びに、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち、1回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目を除く特別図柄ゲーム、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち1回目及び379回目を除く特別図柄ゲーム、図160に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目を除く特別図柄ゲーム、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち1回目及び379回目を除く特別図柄ゲーム、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち101回目を除く特別図柄ゲーム、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち1回目及び379回目を除く特別図柄ゲーム、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目を除く特別図柄ゲーム、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち1回目及び379回目を除く特別図柄ゲーム、並びに、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目を除く特別図柄ゲーム、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち1回目及び379回目を除く特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「スペシャルタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.14」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)中のB時短遊技状態、図160に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)中のB時短遊技状態、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)中のB時短遊技状態、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)中のB時短遊技状態、並びに、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)中のB時短遊技状態で行われる379回の特別図柄ゲームのうち、379回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
「ドリームタイム_昇格」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.15」)は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-G>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目の特別図柄ゲーム、図160に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<II-B>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目の特別図柄ゲーム、及び、低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち101回目の特別図柄ゲーム、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-B>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目の特別図柄ゲーム、並びに、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-G>)中のA時短遊技状態で行われる299回の特別図柄ゲームのうち1回目の特別図柄ゲームにおいて参照される変動パターンテーブルである。
<演出変動グループ>
図165は、第7のパチンコ遊技機に係る演出変動グループを示す図である。
上述したように、第7のパチンコ遊技機では、遊技の状況に応じて、16種類の変動パターンテーブルのなかから一の変動パターンテーブルが選択される。図165(a)及び(b)に示すように、「遊技の状況」としては、「初期電源投入時」、「チャンスタイム・特殊背景」、「ラッシュタイム低」、「ラッシュタイム高」、「ドリームタイム」、及び、「b時短作動回数到達時」が設けられている。
これらの「遊技の状況」においては、遊技の進行に伴って、所定のタイミングで、一の変動パターンテーブルから他の変動パターンテーブルへと、選択される変動パターンテーブルが切り替わるようになっている。このように経時的に変化する変動パターンテーブルを纏めたものを「演出変動グループ」と呼ぶ。演出変動グループとしては、「グループ0」、「グループ1」、「グループ2」、「グループ3」、「グループ4」、及び、「グループ5」が設けられている。
また、第7のパチンコ遊技機では、主制御回路200(図6参照)において、遊技状態(図159~図162参照)とは別途、演出変動モードが管理されている。主制御回路200は、演出変動モードを参照することにより演出変動グループを判別することができるようになっている。演出変動モードとしては、モード0、モード1、モード2、モード3、モード4、及び、モード5が設けられている。一の演出変動モードに移行すると、予め設定された回数(設定回数)だけ特別図柄ゲームが行われる間、当該演出変動モードに滞在する。図中の演出変動カウンタは、当該設定回数の残り回数を示す値である。
具体的に、「初期電源投入時」は、電源が投入されたことを契機として開始される遊技の状況であり、「グループ0」は、「初期電源投入時」において選択可能な変動パターンテーブルの経時的変化に対応している。電源が投入されたとき、演出変動モードとしてモード0が設定され、「グループ0」は、当該モードにより管理される。「グループ0」においては、他の演出変動モード(遊技の状況)に移行するまで、「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)が選択される。
「チャンスタイム・特殊背景」は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-A>)若しくは高確時短遊技状態(高確時短あり<I-B>)、又は、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-A>)若しくは高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-B>)に移行したこと(移行条件(1)、移行条件(2)、移行条件(21)、及び、移行条件(22)のうちの何れかの条件が成立したこと)を契機として開始される遊技の状況であり、「グループ1」は、「チャンスタイム・特殊背景」において選択可能な変動パターンテーブルの経時的変化に対応している。移行条件(1)、移行条件(2)、移行条件(21)、及び、移行条件(22)のうちの何れかの条件が成立したとき、演出変動モードとしてモード1が設定され、「グループ1」は、当該モードにより管理される。
「グループ1」においては、演出変動モードがモード1に移行してから行われる1回目~29回目の特別図柄ゲームでは「チャンスタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.3」)が選択され、演出変動モードがモード1に移行してから行われる30回目の特別図柄ゲームでは「チャンスタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.4」)が選択され、演出変動モードがモード1に移行してから行われる31回目~99回目の特別図柄ゲームでは「特殊背景」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.1」)が選択され、演出変動モードがモード1に移行してから行われる100回目の特別図柄ゲームでは「特殊背景_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.2」)が選択され、演出変動モードがモード1に移行してから行われる101回目以降の特別図柄ゲームでは「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)が選択される。なお、演出変動モードがモード1に移行してから行われる特別図柄ゲームの回数が100回に到達する(演出変動カウンタの値が0になった)とき、演出変動モードは、モード1からモード0に移行する。
「ラッシュタイム低」は、図159に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<I-I>)、図161に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<III-D>)、又は、図162に示す低確時短遊技状態(低確時短あり<IV-I>)に移行したこと(移行条件(8)、移行条件(18)、及び、移行条件(28)のうちの何れかの条件が成立したこと)を契機として開始される遊技の状況であり、「グループ2」は、「ラッシュタイム低」において選択可能な変動パターンテーブルの経時的変化に対応している。移行条件(8)、移行条件(18)、及び、移行条件(28)のうちの何れかの条件が成立したとき、演出変動モードとしてモード2が設定され、「グループ2」は、当該モードにより管理される。
「グループ2」においては、演出変動モードがモード2に移行してから行われる1回目~30回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム低(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.8」)が選択され、演出変動モードがモード2に移行してから行われる31回目~80回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム低(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.9」)が選択され、演出変動モードがモード2に移行してから行われる81回目~99回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム低(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.10」)が選択され、演出変動モードがモード2に移行してから行われる100回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.11」)が選択され、演出変動モードがモード2に移行してから行われる101目以降の特別図柄ゲームでは「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)が選択される。なお、演出変動モードがモード2に移行してから行われる特別図柄ゲームの回数が100回に到達する(演出変動カウンタの値が0になった)とき、演出変動モードは、モード2からモード0に移行する。
「ラッシュタイム高」は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-J>)、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-E>)、又は、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-J>)に移行したこと(移行条件(9)、移行条件(19)、及び、移行条件(29)のうちの何れかの条件が成立したこと)を契機として開始される遊技の状況であり、「グループ3」は、「ラッシュタイム高」において選択可能な変動パターンテーブルの経時的変化に対応している。移行条件(9)、移行条件(19)、及び、移行条件(29)のうちの何れかの条件が成立したとき、演出変動モードとしてモード3が設定され、「グループ3」は、当該モードにより管理される。
「グループ3」においては、演出変動モードがモード3に移行してから行われる1回目~30回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム高(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.5」)が選択され、演出変動モードがモード3に移行してから行われる31回目~80回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム高(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.6」)が選択され、演出変動モードがモード3に移行してから行われる81回目~99回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム高(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.7」)が選択され、演出変動モードがモード3に移行してから行われる100回目の特別図柄ゲームでは「ラッシュタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.11」)が選択され、演出変動モードがモード3に移行してから行われる101目以降の特別図柄ゲームでは「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)が選択される。なお、演出変動モードがモード3に移行してから行われる特別図柄ゲームの回数が100回に到達する(演出変動カウンタの値が0になった)とき、演出変動モードは、モード3からモード0に移行する。
「ドリームタイム」は、図159に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<I-F>)、図160に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<II-A>)若しくは低確時短遊技状態(低確時短あり<II-D>)、図161に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<III-A>)、又は、図162に示す高確時短遊技状態(高確時短あり<IV-F>)に移行したこと(移行条件(5)、移行条件(11)、移行条件(14)、移行条件(15)、及び、移行条件(25)のうちの何れかの条件が成立したこと)を契機として開始される遊技の状況であり、「グループ4」は、「ドリームタイム」において選択可能な変動パターンテーブルの経時的変化に対応している。移行条件(5)、移行条件(11)、移行条件(14)、移行条件(15)、及び、移行条件(25)のうちの何れかの条件が成立したとき、演出変動モードとしてモード4が設定され、「グループ4」は、当該モードにより管理される。
「グループ4」においては、演出変動モードがモード4に移行してから行われる1回目~100回目の特別図柄ゲームでは「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)が選択され、演出変動モードがモード4に移行してから行われる101回目の特別図柄ゲームでは「ドリームタイム_昇格」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.15」)が選択され、演出変動モードがモード4に移行してから行われる102回目以降の特別図柄ゲームでは、A時短遊技状態が継続する限り、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)が選択される。なお、演出変動モードがモード4に移行してから行われる特別図柄ゲームの回数が101回に到達する(演出変動カウンタの値が0になった)とき、演出変動モードは、モード4からモード0に移行する。
「b時短作動回数到達時」は、B時短遊技状態の移行条件が成立することを契機として開始される遊技の状況であり、「グループ5」は、「b時短作動回数到達時」において選択可能な変動パターンテーブルの経時的変化に対応している。B時短遊技状態の移行条件が成立したとき、演出変動モードとしてモード5が設定され、「グループ5」は、当該モードにより管理される。
「グループ5」においては、演出変動モードがモード5に移行してから行われる1回目の特別図柄ゲームでは「スペシャルタイム_突入」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.12」)が選択され、演出変動モードがモード5に移行してから行われる2回目~378回目の特別図柄ゲームでは「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)が選択され、演出変動モードがモード5に移行してから行われる379回目の特別図柄ゲームでは「スペシャルタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.14」)が選択され、演出変動モードがモード5に移行してから行われる380目以降の特別図柄ゲームでは「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)が選択される。なお、演出変動モードがモード5に移行してから行われる特別図柄ゲームの回数が379回に到達する(演出変動カウンタの値が0になった)とき、演出変動モードは、モード5からモード0に移行する。
<大当り終了処理>
図166は、第7のパチンコ遊技機に係る大当り終了処理を示すフローチャートである。図167及び図168は、第7のパチンコ遊技機に係る大当りの種類と演出変動モードとの対応関係を示す図である。
図166に示す大当り終了処理は、主制御回路200において図27(特別図柄管理処理)のステップS88で行われる処理である。
大当り終了処理において、まず、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判断する(ステップS5001)。この処理は、図42のステップS281の処理と同様の処理である。特別図柄の制御状態番号が「5」ではないと判断した場合、メインCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、特別図柄の制御状態番号が「5」であると判断した場合、メインCPU201は、今回の大当りが確変大当りであるか否かを判断する(ステップS5002)。すなわち、メインCPU201は、今回終了する大当り遊技状態が大当り2~4及び大当り6~12のうちの何れかに当選したことに基づくものであるか否かを判断する。
今回の大当りが確変大当りであると判断した場合、メインCPU201は、確変フラグをオンにセットし(ステップS5003)、確変カウンタに「100」をセットする(ステップS5004)。確変フラグは、高確率状態(高確時短遊技状態又は高確非時短遊技状態)に制御されることを示すフラグである。確変カウンタの値は、高確率状態(高確時短遊技状態又は高確非時短遊技状態)において実行可能な特別図柄ゲームの残り回数を示し、メインRAM203に記憶されている。上述したように、大当り遊技状態が終了するときにセットされる確変カウンタの値(確変回数)は、確変大当りの種類にかかわらず100回となっている(図158参照)。
ステップS5002において今回の大当りが確変大当りではないと判断した場合、又は、ステップS5004の処理を実行した後、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットし(ステップS5005)、時短カウンタに「30」、「100」、「299」、又は、「399」をセットする(ステップS5006)。時短フラグは、時短遊技状態(低確時短遊技状態又は高確時短遊技状態)に制御されることを示すフラグである。時短カウンタの値は、時短遊技状態(低確時短遊技状態又は高確時短遊技状態)において実行可能な特別図柄ゲームの残り回数を示し、メインRAM203に記憶されている。上述したように、大当り遊技状態が終了するときにセットされる時短カウンタの値(時短回数)は、大当りの種類及び大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた値(30、100、299、又は、399)となっている(図158参照)。
次に、メインCPU201は、大当りの種類及び大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた演出変動モードをセット(設定)する(ステップS5007)。この処理において、メインCPU201は、移行先の演出変動モードを示す情報を、メインRAM203の演出変動モードフラグ格納領域(図示せず)に格納する。これにより、図167及び図168に示す態様で、大当りの種類及び大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた演出変動モードに移行する。
図167(a)では、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する演出変動モード(移行先の演出変動モード)について示している。図167(b)では、低確時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する演出変動モード(移行先の演出変動モード)について示している。図168(a)では、高確時短遊技状態(高確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する演出変動モード(移行先の演出変動モード)について示している。図168(b)では、高確非時短遊技状態(高確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する演出変動モード(移行先の演出変動モード)について示している。
具体的に、今回終了する大当り遊技状態が通常遊技状態(低確時短なし)から移行したものであるとき、メインCPU201は、当該大当り遊技状態が大当り1~3のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード1に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り5に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード2に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り6~9及び大当り11のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード3に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード4に移行させる。また、今回終了する大当り遊技状態が低確時短遊技状態(低確時短あり)から移行したものであるとき、メインCPU201は、当該大当り遊技状態が大当り1~12のうちの何れに当選したことに基づくものである場合であっても、演出変動モードをモード4に移行させる。
また、今回終了する大当り遊技状態が高確時短遊技状態(高確時短あり)から移行したものであるとき、メインCPU201は、当該大当り遊技状態が大当り1又は大当り5に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード2に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り2、大当り3、大当り6~9、及び、大当り11のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード3に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード4に移行させる。また、今回終了する大当り遊技状態が高確非時短遊技状態(高確時短なし)から移行したものであるとき、メインCPU201は、当該大当り遊技状態が大当り1又は大当り2に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード1に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り5に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード2に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り3、大当り6~9、及び、大当り11のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード3に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り4、大当り10、及び、大当り12のうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード4に移行させる。
次に、メインCPU201は、ステップS5007でセットした演出変動モードに応じた値を演出変動カウンタにセットする(ステップS5008)。この処理において、メインCPU201は、ステップS5007でセットした演出変動モードがモード1、モード2、及び、モード3のうちの何れかである場合、演出変動カウンタに「100」をセットし、ステップS5007でセットした演出変動モードがモード4である場合、演出変動カウンタに「101」をセットする。上述したように、演出変動カウンタの値は、ステップS5007でセットした演出変動モードにおいて実行可能な特別図柄ゲームの残り回数を示し、メインRAM203に記憶されている。
続いて、メインCPU201は、ステップS5009~ステップS5011の処理を実行するが、これらの処理は、図31のステップS132~ステップS134の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、メインCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理>
図169は、第7のパチンコ遊技機に係る特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図169に示す特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理は、主制御回路200において図31(特別図柄遊技終了処理)のステップS131に代えて行われる処理である。
特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理において、まず、メインCPU201は、今回の特別図柄変動が開始される時点で確変フラグ(図166のステップS5003参照)がオンにセットされていたか否かを判断する(ステップS5021)。特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理は、一の特別図柄管理処理(図27参照)における特別図柄遊技終了処理(図31参照)中に行われる処理であるところ、ステップS5021の処理において、メインCPU201は、当該一の特別図柄管理処理における特別図柄可変表示開始処理(図28参照)が開始される時点(ステップS92の処理が行われる時点)で確変フラグがオンにセットされていたか否かを判断する。従って、当該一の特別図柄管理処理における特別図柄可変表示開始処理中に確変フラグがオフにセットされた場合(図170のステップS5044参照)、すなわち、今回の特別図柄変動が確変最終変動(確変カウンタの値が0に到達するときの特別図柄の可変表示)である場合、ステップS5021の処理が行われる時点では確変フラグがオフにセットされているが、ステップS5021における判断結果は「YES」となる。
今回の特別図柄変動が開始される時点で確変フラグがオンにセットされていたと判断した場合、メインCPU201は、本サブルーチンを終了する。一方、今回の特別図柄変動が開始される時点で確変フラグがオンにセットされていなかったと判断した場合、メインCPU201は、天井カウンタの値に1加算する(ステップS5022)。天井カウンタの値は、低確率状態(通常遊技状態又は低確時短遊技状態)において実行された特別図柄ゲームの回数を示し、メインRAM203に記憶されている。図示しないが、天井カウンタの値は、大当り遊技状態が終了するときに(大当り終了処理(図166参照)において)クリアされる。
そして、メインCPU201は、天井カウンタの値が天井値(299)であるか否かを判断する(ステップS5023)。天井カウンタの値が天井値(299)ではないと判断した場合、メインCPU201は、本サブルーチンを終了する。一方、天井カウンタの値が天井値(299)であると判断した場合、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットし(ステップS5024)、時短カウンタに「379」をセットする(ステップS5025)。これにより、379回(B時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行される間、B時短遊技状態に制御することが可能となる。
なお、図169に示す特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理は、図30(特別図柄遊技判定処理)のステップS122において大当りではない(NO)と判断された場合に行われる。従って、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(天井最終変動)における特別図柄の当り判定処理の結果として「大当り」が決定された(停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様である)場合には、B時短遊技状態に制御されることなく、大当り遊技状態に移行する。
次に、メインCPU201は、演出変動モードをモード5にセット(設定)する(ステップS5026)。この処理において、メインCPU201は、モード5を示す情報を、メインRAM203の演出変動モードフラグ格納領域(図示せず)に格納する(演出変動モードをモード5に移行させる)。そして、メインCPU201は、演出変動カウンタに「379」をセットし(ステップS5027)、天井カウンタに「0」をセット(天井カウンタの値をクリア)する(ステップS5028)。その後、メインCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理>
図170は、第7のパチンコ遊技機に係る特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図170に示す特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理は、主制御回路200において図28(特別図柄可変表示開始処理)のステップS99及びステップS100に代えて行われる処理である。
特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理において、まず、メインCPU201は、確変フラグ(図166のステップS5003参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS5041)。確変フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU201は、確変カウンタ(図166のステップS5004参照)の値から1減算する(ステップS5042)。
次に、メインCPU201は、確変カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS5043)。確変カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU201は、確変フラグをオフにセットする(ステップS5044)。これにより、高確率状態(高確時短遊技状態又は高確非時短遊技状態)から低確率状態(通常遊技状態又は低確時短遊技状態)へと遊技状態が移行する。
なお、一の特別図柄管理処理(図27参照)中の特別図柄可変表示開始処理(図28参照)で行われる特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理において確変カウンタが0に到達するとき、当該特別図柄可変表示開始処理中の特別図柄の当り判定処理(図28のステップS93参照)及び当り種類決定処理(図28のステップS95参照)が行われる時点では確変フラグがオンにセットされているため、当該特別図柄の当り判定処理及び当り種類決定処理は、当該確変フラグに基づいて行われる。
ステップS5041において確変フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS5043において確変カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS5044の処理を実行した後、メインCPU201は、時短フラグ(図166のステップS5005及び図169のステップS5024参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS5045)。時短フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU201は、時短カウンタ(図166のステップS5006及び図169のステップS5025参照)の値から1減算する(ステップS5046)。
次に、メインCPU201は、時短カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS5047)。時短カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU201は、時短フラグをオフにセットする(ステップS5048)。これにより、時短遊技状態(低確時短遊技状態又は高確時短遊技状態)から非時短遊技状態(通常遊技状態又は高確非時短遊技状態)へと遊技状態が移行する。
なお、一の特別図柄管理処理(図27参照)中の特別図柄可変表示開始処理(図28参照)で行われる特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理において時短カウンタが0に到達するとき、当該特別図柄可変表示開始処理中の当り種類決定処理(図28のステップS95参照)が行われる時点では時短フラグがオンにセットされているため、当該当り種類決定処理は、当該時短フラグに基づいて行われる。
ステップS5045において時短フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS5047において時短カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS5048の処理を実行した後、メインCPU201は、演出変動カウンタ(図166のステップS5008及び図169のステップS5027参照)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS5049)。演出変動カウンタの値が0よりも大きい(すなわち、演出変動モードがモード1、モード2、モード3、モード4、及び、モード5のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU201は、演出変動カウンタの値から1減算する(ステップS5050)。
次に、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS5051)。演出変動カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU201は、演出変動モードをクリアする(ステップS5052)。すなわち、メインCPU201は、モード1、モード2、モード3、モード4、又は、モード5から、モード0へと演出変動モードを移行させる。ステップS5049において演出変動カウンタの値が0よりも大きくない(0である)と判断した場合、ステップS5051において演出変動カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS5052の処理を実行した後、メインCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ここで、一の特別図柄管理処理(図27参照)中の特別図柄可変表示開始処理(図28参照)で行われる特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理においてステップS5049~ステップS5052の処理が実行された後、次の特別図柄管理処理(図27参照)中の特別図柄可変表示開始処理で行われる特別図柄の変動パターン決定処理(図28のステップS96参照)においては、当該一の特別図柄管理処理における特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理が完了した時点における演出変動モード及び演出変動カウンタに基づいて、特別図柄の変動パターンが決定される。図165を用いて説明したように、演出変動モード及び演出変動カウンタ(現在の演出変動モードに移行してから行われる特別図柄ゲームの回数)に応じて、16種類の変動パターンテーブル(図164参照)のうちの一の変動パターンテーブルが選択されるようになっている。特別図柄の変動パターン決定処理において、メインCPU201は、当該一の変動パターンテーブルを参照することにより、特別図柄の変動パターンを決定する。
具体的に、演出変動モードがモード1であるとき、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が72~100の何れかである場合には、「チャンスタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.3」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が71である場合には、「チャンスタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.4」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が2~70の何れかである場合には、「特殊背景」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.1」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が1である場合には、「特殊背景_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.2」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。
また、演出変動モードがモード2であるとき、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が71~100の何れかである場合には、「ラッシュタイム低(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.8」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が21~70の何れかである場合には、「ラッシュタイム低(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.9」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が2~20の何れかである場合には、「ラッシュタイム低(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.10」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が1である場合には、「ラッシュタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.11」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。
また、演出変動モードがモード3であるとき、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が71~100の何れかである場合には、「ラッシュタイム高(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.5」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が21~70の何れかである場合には、「ラッシュタイム高(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.6」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が2~20の何れかである場合には、「ラッシュタイム高(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.7」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が1である場合には、「ラッシュタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.11」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。
また、演出変動モードがモード4であるとき、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が2~101の何れかである場合には、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が1である場合には、「ドリームタイム_昇格」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.15」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。
また、演出変動モードがモード5であるとき、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が379である場合には、「スペシャルタイム_突入」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.12」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が2~378の何れかである場合には、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定し、演出変動カウンタの値が1である場合には、「スペシャルタイム_最終」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.14」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。
また、演出変動モードがモード0であるとき、メインCPU201は、基本的に、「通常」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.0」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。ただ、メインCPU201は、演出変動モードがモード0であっても、モード4からモード0への移行後にA時短遊技状態が継続している場合には、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定する。従って、演出変動モードがモード4に移行した後、大当り遊技状態に移行することなくA時短規定回数(299回又は399回)の特別図柄ゲームが行われる(B時短遊技状態の移行条件が成立する)場合には、演出変動モードがモード4に移行してから行われる102回目~A時短規定回数(299回又は399回)目の特別図柄ゲームにおいては、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)が選択される。そして、演出変動モードがモード4に移行してから行われるA時短規定回数(299回又は399回)目の特別図柄ゲームの次の(300回目又は400回目)特別図柄ゲームが、演出変動モードがモード5に移行してから行われる1回目(演出変動カウンタ=379)の特別図柄ゲームと一致することになる。
なお、図170に示す特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理では、演出変動カウンタの値が0となった場合にモード0へと移行することとして説明したが、演出変動カウンタの値が0となり、且つ、時短カウンタの値が0となった場合にモード0へと移行するようにしてもよい。これにより、演出変動モードがモード4に移行した場合、演出変動カウンタの値が0となった後も、A時短遊技状態が継続している限りは、モード4に滞在することになる。この場合において、演出変動モードがモード4であるとき、メインCPU201は、演出変動カウンタの値が0である場合には、「スペシャルタイム_ドリームタイム」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.13」)を参照することにより特別図柄の変動パターンを決定するように構成するとよい。これにより、上記と同様の変動パターンテーブルの経時的変化(図165参照)を実現することができる。
[演出の流れ]
図171は、第7のパチンコ遊技機を用いた演出の流れを示す説明図である。
多くの場合、遊技開始当初は、通常遊技状態から遊技を開始する。通常遊技状態においては、左打ちを行って、第1始動口120(図4参照)への入賞を狙って遊技を進める。第1始動口120入賞を契機として第1特別図柄の当り判定処理(以下、第1特別図柄抽選、或いは特図1抽選と称する)が行われる。特図1抽選においては大当り1~4(図158参照)のいずれかに当選する可能性がある。特図1抽選に当選すると大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、大当り種別(大当り1~4)に応じたボーナス演出が実行される。大当り遊技状態終了後は、大当り種別(大当り1~4)に応じた演出モードに移行する。
時短遊技状態においては、右打ちを行って、第2始動口140(図4参照)への入賞を狙って遊技を進める。第2始動口140入賞を契機として第2特別図柄の当り判定処理(以下、第2特別図柄抽選、或いは特図2抽選と称する)が行われる。特図2抽選においては大当り5~12(図158参照)のいずれかに当選する可能性がある。特図2抽選に当選すると大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、大当り種別(大当り5~12)に応じたボーナス演出が実行される。大当り遊技状態終了後は、大当り種別(大当り5~12)に応じた演出モードに移行する。
図171に示すように、ボーナス演出としては、通常ボーナス、ビッグボーナス、超ビッグボーナス、及び、ラウンドアップボーナスが設けられている。特図1抽選に当選することにより大当り遊技状態に移行した場合には、超ビッグボーナス、ビッグボーナス、及び、通常ボーナスの3種類の演出のうちの何れかの演出が行われる。具体的に、大当り1~3に当選した場合には、通常ボーナス又はビッグボーナスを実行可能であり、大当り4に当選した場合には、超ビッグボーナスを実行可能である。超ビッグボーナスにおいては、10ラウンドのラウンド演出が行われる。ビッグボーナス及び通常ボーナスにおいては、5ラウンドのラウンド演出が行われる。ビッグボーナスにおいては、大当り遊技状態終了後にラッシュタイム及びチャンスタイム(図159参照)のいずれに移行するかを報知するラウンドジャッジ演出が実行される。
特図2抽選に当選することにより大当り遊技状態に移行した場合には、超ビッグボーナス及びラウンドアップボーナスの2種類の演出のうちの何れかの演出が行われる。具体的に、大当り5、11、12に当選した場合には、超ビッグボーナスを実行可能であり、大当り6~10に当選した場合には、ラウンドアップボーナスを実行可能である。
大当り遊技状態終了後の演出モードとしては、ラッシュタイム、チャンスタイム、及び、ドリームタイムが設けられている(図159~図162参照)。ラッシュタイムは、時短回数が100回付与された場合に移行可能であり、大当り遊技状態終了後、100回の特図変動が消化されるまで滞在可能な演出モードである。
チャンスタイムは、時短回数が30回付与された場合に移行可能であり、大当り遊技状態終了後、30回の特図変動が消化されるまで滞在可能な演出モードである。チャンスタイムにおける遊技状態は、低確時短遊技状態又は高確時短遊技状態である。チャンスタイムが終了した場合には、演出モード(演出画面)が特殊背景に切り替わる。特殊背景は、大当り遊技状態終了後、31~100回の特図変動において滞在する演出モードである。特殊背景の状態における遊技状態は、低確非時短遊技状態又は高確非時短遊技状態である。すなわち、特殊背景は、潜伏確変状態である可能性があることを遊技者に示唆する演出モードである。特殊背景の状態で、大当り遊技状態終了後100回目の特図変動が終了した場合に、通常遊技状態において実行される演出モードに移行する。
ドリームタイムは、時短回数が299回及び399回のいずれかが付与された場合に移行可能であり、大当り遊技状態終了後、100回の特図変動が消化されるまで滞在可能な演出モードである。ドリームタイム終了後は超ドリームタイムに移行する。ドリームタイムにおける遊技状態は、低確時短遊技状態又は高確時短遊技状態である。超ドリームタイムおける遊技状態は、低確時短遊技状態である。
ところで、第7のパチンコ遊技機によれば、299回の時短回数が付与される場合はST回数(100回)が付与されない場合であり、399回の時短回数が付与される場合はST回数(100回)が付与される場合である(図158参照)。つまり、規定の時短回数の特図変動が終了した時点、言い換えればA時短遊技状態が終了した時点で、低確率状態での特図変動が299回消化されるため、B時短遊技状態が開始する。A時短遊技状態が終了すると超ドリームタイムが終了し、B時短遊技状態が開始するとスペシャルタイムに移行する。スペシャルタイムは、B時短遊技状態の時短回数が消化されるまで継続可能である。
ここで、ドリームタイムにおける遊技状態は高確時短遊技状態である可能性が存在するところ、高確時短遊技状態において大当りに当選した場合に付与される時短回数は100回である可能性が高くなっている(図158参照)。すなわち、ドリームタイムで大当りとなった場合には、時短回数が100回しか付与されない可能性が存在する。一方、超ドリームタイムにおける遊技状態は低確時短遊技状態であるところ、低確時短遊技状態において大当りに当選した場合に付与される時短回数は299回又は399回となっている(図158参照)。すなわち、超ドリームタイムで大当りとなった場合には、時短回数が299回又は399回付与され、さらにB時短遊技状態としての時短回数(379回)が付与され得る。したがって、第7のパチンコ遊技機によれば、高確率状態である可能性があるドリームタイムでの大当り当選よりも、ドリームタイムでは大当り当選せずに、低確率状態である超ドリームタイムに移行してからの大当り当選を期待するという、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能になる。
以下、大当り遊技状態(ボーナス演出)後の演出の遷移についてより詳細に説明する。超ビッグボーナスの終了後は、ラッシュタイム又はドリームタイムに移行する。ビッグボーナス中には、ラッシュタイム又はチャンスタイムのいずれに移行するかを決定するラウンドジャッジ演出が行われる場合がある。ラウンドジャッジ成功の場合にはビッグボーナスの終了後、ラッシュタイムに移行する。ラウンドジャッジ失敗の場合にはビッグボーナスの終了後、チャンスタイムに移行する。具体的には、時短30回の大当り(大当り1、2、低確時短なしからの大当り3)の場合にはラウンドジャッジ失敗となり、それ以外の大当り(高確時短なしからの大当り3、大当り4)の場合にはラウンドジャッジ成功となる。通常ボーナスの終了後は、チャンスタイムに移行する。
チャンスタイムは、大当り1に当選したことに基づく大当り遊技状態から移行する場合には低確時短遊技状態となり、大当り2,3に当選したことに基づく大当り遊技状態から移行する場合には高確時短遊技状態となる。チャンスタイムにおいては、時短遊技状態であるため右打ちで遊技を進めることになり、大当り5~12のいずれかで当選する可能性が高くなる。なお、大当り遊技状態終了時に、第1特別図柄の保留が残っている場合には、大当り1~4で当選する可能性もある。
チャンスタイムにおいて大当り遊技状態に移行した場合には、ボーナス演出として超ビッグボーナス又はラウンドアップボーナスが行われる。大当り1~5、11、12に当選した場合には超ビッグボーナスを実行可能であり、大当り6~10に当選した場合にはラウンドアップボーナスを実行可能である。
チャンスタイムにおいて30回の時短回数が消化された場合には、背景が特殊背景に切り替わる。特殊背景の状態では、非時短遊技状態であるため左打ちで遊技を進めることになり、大当り1~4のいずれかで当選する可能性が高くなる。なお、特殊背景の状態に移行した時点で第2特別図柄の保留が残っている場合には、大当り5~12で当選する可能性もある。特殊背景の状態において、特図1抽選に当選することにより大当り遊技状態に移行した場合には、ボーナス演出として、超ビッグボーナス、ビッグボーナス、及び、通常ボーナスのいずれかの演出が実行される。超ビッグボーナスは大当り4に当選した場合に実行される。ビッグボーナスは大当り1~3に当選した場合に実行される。通常ボーナスは時短回数が30回の大当りに当選した場合に実行される。ビッグボーナス中には、ラウンドジャッジ演出が行われ、ビッグボーナスの終了後は、ラウンドジャッジ成功の場合にラッシュタイムに移行し、ラウンドジャッジ失敗の場合にチャンスタイムに移行する。具体的には、時短30回の大当りの場合にはラウンドジャッジ失敗となり、それ以外の大当りの場合にはラウンドジャッジ成功となる。
特殊背景の状態において、特図2抽選に当選することにより大当り遊技状態に移行した場合には、ボーナス演出として、超ビッグボーナス及びラウンドアップボーナスのいずれかの演出が行われる。超ビッグボーナスは大当り5、11、12に当選した場合に実行される。ラウンドアップボーナスは大当り6~10に当選した場合に実行される。
ラッシュタイムは、時短遊技状態であるため右打ちで遊技を進めることになり、大当り5~12のいずれかで当選する可能性が高くなる。なお、第1特別図柄の保留が残っている場合には、大当り1~4で当選する可能性もある。また、ラッシュタイムは、大当り1又は大当り5に当選したことに基づく大当り遊技状態から移行する場合には低確時短遊技状態となり、それ以外の大当りに当選したことに基づく大当り遊技状態から移行する場合には高確時短遊技状態となる。このように、ラッシュタイムにおいては、低確時短遊技状態及び高確時短遊技状態のいずれの場合もあり得る。
ラッシュタイムで大当りに当選することにより大当り遊技状態に移行した場合には、ボーナス演出として、超ビッグボーナス及びラウンドアップボーナスのいずれかの演出が行われる。大当り6~10に当選した場合にはラウンドアップボーナスの演出が行われ、それ以外の大当りに当選した場合には超ビッグボーナスの演出が行われる。ラッシュタイムにおいて大当り4、大当り10又は大当り12に当選した場合には、大当り遊技状態終了後にドリームタイムに移行する。それ以外の大当りに当選した場合には、大当り遊技状態終了後にラッシュタイムに再度移行する。
また、通常遊技状態又は低確時短遊技状態において規定ゲーム数(299回)を消化してB時短遊技状態に移行した場合には、演出モードがスペシャルタイムに移行する。スペシャルタイムはB時短遊技状態において実行され、379回の特別図柄の変動が消化された場合にスペシャルタイムが終了して通常遊技状態の演出モードに移行する。スペシャルタイムで大当りに当選することにより大当り遊技状態に移行した場合には、大当り遊技状態において超ビッグボーナスの演出が行われ、大当り遊技状態の終了後は、大当りの種類にかかわらずドリームタイムに移行する。
なお、上述した演出例では、超ドリームタイムにおいてA時短遊技状態からB時短遊技状態に移行した場合に、演出モードをスペシャルタイムに切り替えているが、B時短遊技状態に移行した後も超ドリームタイムを継続することとしてもよい。
<高確率状態の判別>
第7のパチンコ遊技機によれば、低確非時短遊技状態と高確非時短遊技状態とで、変動確定待ち時間が異なっている。変動確定待ち時間は、特別図柄の変動が停止してから次の特別図柄の変動が開始するまでの時間(図27のステップS81における待ち時間)である。すなわち、変動確定待ち時間は、図31のステップS132の処理が完了してから図27のステップS83の処理が実行可能となるまでの時間である。具体的に、低確非時短遊技状態の変動確定待ち時間が804msであるのに対し、高確非時短遊技状態の変動確定待ち時間は540msとなっている。上述したように、特殊背景における遊技状態は、低確非時短遊技状態又は高確非時短遊技状態であり、潜伏確変状態である可能性が存在する状態となっているところ、変動確定待ち時間の長短を通じて、潜伏確変状態であるか否かを判別することが可能である。
また、第7のパチンコ遊技機によれば、低確非時短遊技状態と高確非時短遊技状態とで、デモ画面への移行条件が成立してからデモ画面が表示されるまでの時間が異なっている。デモ画面は、遊技が行われていない(客待ち状態である)と判断される場合に移行される画面である。デモ画面への移行条件としては、従来公知の条件を適宜採用することが可能であり、例えば、図柄の変動が停止した後ハンドルの操作が検出されないまま所定時間が経過すること、図柄の変動が停止した後始動口への入賞が発生しないまま所定時間が経過すること、保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること、といった条件を挙げることができる。
例えば、第1実施形態では、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合に、主制御回路200からサブ制御回路300へとデモ表示コマンドが送信され、サブ制御回路300がデモ表示コマンドを受信するとデモ表示演出が行われる(デモ画面が表示される)こととして説明した。第7のパチンコ遊技機では、サブ制御回路300がデモ表示コマンドを受信してからデモ画面が表示されるまでの時間が、低確非時短遊技状態の場合は30秒、高確非時短遊技状態の場合は45秒である。このため、特殊背景の状態が潜伏確変状態であるか否かをデモ画面に切り替わるまでの時間によって判別することが可能である。
<ラッシュタイムにおける変動パターンテーブル>
図165を用いて説明したように、ラッシュタイムにおいては、遊技状態と特別図柄の変動回数とに応じて、変動パターンテーブルを使い分けている。具体的に、低確時短遊技状態における、序盤(1~30回転)、中盤(31~80回転)、終盤(81~99回転)の時に参照されるそれぞれの変動パターンテーブルと、高確時短遊技状態における、序盤(1~30回転)、中盤(31~80回転)、終盤(81~99回転)の時に参照されるそれぞれの変動パターンテーブルと、低確時短遊技状態及び高確時短遊技状態共通で最終変動(100回転)の時に参照される変動パターンテーブルの7つの変動パターンテーブルを使用する。
ラッシュタイムの序盤において用いられる変動パターンテーブル(「ラッシュタイム高(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.5」)及び「ラッシュタイム低(前半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.8」))は、変動時間が比較的短い変動パターンが選択されやすい変動パターンテーブルとなっている。これらの変動パターンテーブルが参照される場合には、サブ変動演出パターンとして、即当りの演出パターンが相対的に高確率で選択され得る。即当りの演出パターンは、所定のリーチ演出が行われない演出パターンである。リーチ演出は、装飾図柄がリーチ態様で表示される(左側に位置する装飾図柄(左装飾図柄)、右側に位置する装飾図柄(右装飾図柄)、及び、中央に位置する装飾図柄(中装飾図柄)のうち、2つの装飾図柄が同じ図柄で停止表示され、残りの1つの装飾図柄が変動表示される)演出である。所定のリーチ演出は、リーチ演出のうち相対的に大当り期待度の高いもの(例えば、スーパーリーチ)である。
ラッシュタイムの中盤において用いられる変動パターンテーブル(「ラッシュタイム高(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.6」)及び「ラッシュタイム低(中盤)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.9」))は、変動時間が比較的長い変動パターンが選択されやすい変動パターンテーブルとなっている。
ラッシュタイムの終盤において用いられる変動パターンテーブル(「ラッシュタイム高(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.7」)及び「ラッシュタイム低(後半)」用変動パターンテーブル(テーブル番号「No.10」))は、変動時間が比較的長い変動パターンが選択されやすい変動パターンテーブルとなっている。ラッシュタイムの終盤において用いられる変動パターンテーブルが参照される場合には、ラッシュタイムの序盤乃至中盤において用いられる変動パターンテーブルが参照される場合と比較して、サブ変動演出パターンとして、上記所定のリーチ演出が行われる演出パターンが選択される確率が高くなっており、また、復活当りの演出パターンが選択される確率が高くなっている。復活当りの演出パターンは、リーチ演出において装飾図柄をハズレ態様で仮停止させた後、再度変動表示させて大当り態様で停止表示させる演出である。
このように、ラッシュタイムにおいて変動パターンテーブルを使い分け、序盤、中盤、終盤となるにつれて、特図変動の時間が長くなるとともに、所定のリーチ演出の発生確率が上がることで、ラッシュタイムの終了が近づくにつれて、大当りに対する期待感とラッシュタイムが終了することに対する危機感とを遊技者に喚起させることが可能になる。
<演出画面(ラッシュタイム・ドリームタイム)>
図172は、ラッシュタイム終了時の演出画面の一例を示す説明図である。図173は、ドリームタイムから超ドリームタイムに移行する際の演出画面の一例を示す説明図である。
図172に示すように、ラッシュタイムの最終変動(100回転目)において、表示装置7の表示領域7a(図60参照)に、演出用第2識別図柄(装飾図柄)の変動及び停止表示が行われた後に、遊技結果情報404及びスペシャルタイムまでの残り変動回数を示す文字情報405が表示される。遊技結果情報404は、初当りからラッシュタイム終了までのボーナス回数及び遊技球の総獲得数を含む。
上述したように、ラッシュタイムにおいては、低確時短遊技状態に制御されている場合と高確時短遊技状態に制御されている場合とがある。ラッシュタイムにおける遊技状態が低確時短遊技状態である場合には、ラッシュタイムにおける100回の特図変動回数が、B時短発動の条件となる特図変動回数としてカウントされるため、図172(a)に示すように、「スペシャルタイムまでの残り199回」という文字情報405が表示される。
これに対し、ラッシュタイムにおける遊技状態が高確時短遊技状態である場合には、ラッシュタイムにおける100回の特図変動回数が、B時短発動の条件となる特図変動回数としてカウントされないため、図172(b)に示すように、「スペシャルタイムまでの残り299回」という文字情報405が表示される。
図172(a)又は図172(b)に示すように、遊技結果情報404及び文字情報405が表示された後、図172(c)に示すように襖が閉じる画像が表示され、更に襖が開くことにより、演出モードの移行が報知される。ラッシュタイム終了時点で時短遊技状態が終了した場合には、図172(d)に示すように左打ち表示とともに通常モードの演出に移行する。ラッシュタイム終了時点で時短遊技状態が継続している場合には、図172(e)に示すように右打ち表示とともにドリームタイムに移行したことを報知する演出表示が行われる。
なお、以上では、大当り遊技状態が終了するときに付与される時短回数が100回である場合にのみラッシュタイムに移行することとして説明したが、ここでは、大当り遊技状態が終了するときに付与される時短回数が299回又は399回である場合にもラッシュタイムに移行する可能性があることとして説明している。大当り遊技状態が終了するときに付与される確変回数は100回であるため、大当り遊技状態が終了するときに299回又は399回の時短回数が付与された場合には、ラッシュタイム終了時点で時短遊技状態が継続していることになる。
ここで、図172(e)に示すように、ドリームタイムにおいては演出画面に、「×1」という1回の大当りが実質確定していることを示唆する示唆画像406が表示される。一方、図173(a)に示すように、ドリームタイムにおいて100回目の特別図柄の変動が停止した後、図173(b)に示すように、襖が閉じる画像が表示され、更に襖が開くことにより、図173(c)に示すように超ドリームタイムに移行したことを報知する演出表示が行われる。この際、示唆画像406が「×1」から「×2」に切り替わり、示唆画像406によって2回の大当りが実質確定していることが示唆される。
上述したように、第7のパチンコ遊技機によれば、ドリームタイムに移行することにより、B時短遊技状態の時短回数を含めた多くの時短回数、すなわち少なくとも678回の時短回数が付与される。ここで、大当り確率は低確率状態で約1/99であり、ハズレが678回連続する確率は、98/99の678乗で約0.1%である。言い換えれば大当り確率が約1/99である大当り抽選を678回行えば、約99.9%で1回は大当りに当選することになる。したがって、ドリームタイムに移行すれば1回の大当りは実質的に確定したと言い得る。また、第7のパチンコ遊技機によれば、図158に示すように、低確時短中に大当り当選となれば、299回及び399回の時短回数が付与されるため、大当り遊技状態終了後にドリームタイムに移行する。したがって、低確時短中に大当りに当選することにより、大当り遊技状態終了後、1回の大当りが実質的に確定する。
ここで、上述したように、ドリームタイムは、最初の100回が高確時短遊技状態であることもあり得るため、仮にドリームタイムで大当りとなった場合には、大当り遊技状態終了後のラッシュタイムにおいてST回数と時短回数とが同じである場合があり得る(図158参照)。この時のラッシュタイムにおける大当り確率は高確率状態で約1/83であり、ハズレが100回連続する確率は(82/83)の100乗で約30%である。したがって、ドリームタイムで大当りとなった場合には、その後に移行するラッシュタイムにおける100回のSTで大当りに当選できるとは限らない。
一方、超ドリームタイムは、低確時短遊技状態であるため、超ドリームタイムで大当りとなった場合には、大当り遊技状態終了後に変動回数が299回又は399回のA時短遊技状態が付与され、再度ドリームタイムに移行する(図158参照)。これにより、さらにもう1回の大当りが実質的に確定することになる。すなわち、超ドリームタイムにおいては、次の大当りまで実質的に確定していると言い得る。言い換えれば、ドリームタイムでは1回の大当りが実質確定しているが、超ドリームタイムでは2回の大当りが実質確定している。
<先読み抽選>
次に、第7のパチンコ遊技機における先読み抽選について説明する。
図174は、先読み抽選可能回数カウンタの値の一例を示す説明図である。図175及び図176は、表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
第1のパチンコ遊技機においては、第1始動口120に遊技球が入賞した後、当該始動入賞に係る特別図柄変動が開始する前に、当該始動入賞について先読み演出が行われることがある(図52のステップS396参照)。また、第1始動口120に遊技球が入賞した時点で他の始動入賞について先読み演出が実行されている場合(図59のステップS3002の判断結果が「NO」である場合)には、今回の始動入賞について先読み演出が行われないこととされている。
これに対し、第7のパチンコ遊技機においては、第2始動口140に遊技球が入賞した後、当該始動入賞に係る特別図柄変動が開始する前に、当該始動入賞について先読み演出が行われることがある。また、第2始動口140に遊技球が入賞した時点で他の始動入賞について先読み演出が実行されている場合であっても、今回の始動入賞について先読み演出が行われることがある。
第1実施形態で説明したように、第1のパチンコ遊技機において、メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞(特図1入賞)に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。同様に、第7のパチンコ遊技機において、メインCPU201は、第2始動口140への遊技球の入賞(特図2入賞)に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。但し、次の場合には、先読みフラグが設定されることはない。
(1)保留が無い状態で特図2入賞した場合(手前に変動がない場合)
(2)大当り終了時の特図2保留を消化し終えるまで
(3)時短95回転目開始以降
(4)電断後の保留が消化し終わるまで
上記(1)~(4)に該当せず、メインCPU201により先読みフラグが設定された場合に、サブCPU301は、先読み演出の内容を決定するための抽選(先読み抽選)を行う。具体的に、サブCPU301は、先読み抽選として、まず先読み大枠抽選を行い、次に先読み詳細抽選を行う。先読み大枠抽選では、複数系統の先読み演出、例えば、保留変化、連続カットイン、連続ロゴフラッシュ、連続図柄アクション、連続ビジョン等の先読み演出のうちのどの演出を行うかを抽選によって決定する。先読み詳細抽選においては、先読み大枠抽選で決定した先読み演出の詳細を抽選によって決定する。
保留変化は、第1保留領域411~第3保留領域413(図175参照)に表示される保留表示の色やデザインを変化させることで大当り期待度を示唆する演出である。連続カットインは、変動開始時にカットイン図柄415(図175参照)を短い時間表示する演出であり、複数の変動に渡って連続してカットイン図柄415が表示されるほど大当り期待度が高くなることを示唆する演出である。連続ロゴフラッシュは、演出用役物群58(図4参照)の一つである発光ロゴを発光させる演出であり、複数の変動に渡って連続して発光ロゴが発光するほど大当り期待度が高くなることを示唆する演出である。連続図柄アクションは、変動開始時に演出用識別図柄が光ったり振動したりするといったように演出用識別図柄に所定のアクションを起こさせる演出であり、複数の変動に渡って連続して連続図柄アクションが実行されるほど大当り期待度が高くなることを示唆する演出である。連続ビジョンは、変動開始時に所定の図柄を表示するものであり、例えば、最初の図柄表示は薄く、複数の変動に渡って連続して連続ビジョンが実行されるごとに図柄表示が明瞭に表示されることにより、大当り期待度が高くなることを示唆する演出である。
先読み詳細抽選においては、先読み抽選可能回数カウンタの情報をもとに先読み演出パターン(先読み演出の詳細)を決定するためのテーブルを分岐させる。先読み抽選可能回数カウンタは、先読みができる変動がいくつあるのかを管理するカウンタである。先読みができる変動とは通常固定変動である。通常固定変動とは、固定値に対応する変動パターンで可変表示が行われる特別図柄変動である。
上述したように、第7のパチンコ遊技機では、遊技者にとって相対的に有利な大当り(便宜上「第1の大当り」と呼ぶ)と相対的に不利な大当り(便宜上「第2の大当り」と呼ぶ)とが設けられている(図158参照)。ここで、第1の大当りとなった場合に所定の変動パターン(固定値)が選択される確率と第2の大当りとなった場合に所定の変動パターン(固定値)が選択される確率とが同じである一方、第1の大当りとなった場合に所定の変動パターン(不定値)が選択される確率と第2の大当りとなった場合に所定の変動パターン(不定値)が選択される確率とは異なっている。第2特別図柄の入賞コマンド(図52のステップS403)に固定値乃至不定値を含む情報が含まれているため、第2特別図柄の入賞コマンドを受信することにより、サブCPU301は、今回の始動入賞に対応する特別図柄変動における変動パターンが、固定値に対応する変動パターンと不定値に対応する変動パターンとのうちの何れの変動パターンであるのかを認識することができる。
先読み抽選可能回数カウンタは、特図2入賞によって保留が1つ増えた場合に+1カウント加算され、今回の特図2入賞に対応する特別図柄変動における変動パターンが不定値に対応する変動パターンである場合、及び、今回の特図2入賞について先読みフラグが設定された(先読み演出が行われる場合)にリセットされる。
図174では、第2始動口140への遊技球の入賞(特図2入賞)が10回発生した場合において各特図2入賞に対して設定される先読み抽選可能回数カウンタの値を示している。図174において、「通常変動」は、当該特図2入賞に対して固定値に対応する変動パターンが決定されたことを示しており、「リーチ変動」は、当該特図2入賞に対して不定値に対応する変動パターンが決定されたことを示しており、「先読みあり」は、当該特図2入賞に対して先読みフラグが設定されたことを示している。
図174に示す例において、1回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は1となっている。2回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて2となっている。3回目の特図2入賞に対しては、リーチ変動(不定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて3となっているが、その後リセットされて0となる。4回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて1となっている。5回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されるとともに、先読みフラグが設定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて2となっているが、その後リセットされて0となる。6回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて1となっている。7回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて2となっている。8回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて3となっている。9回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されるとともに、先読みフラグが設定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて4となっているが、その後リセットされて0となる。10回目の特図2入賞に対しては、通常変動(固定値に対応する変動パターン)が決定されており、先読み抽選可能回数カウンタの値は、1加算されて1となっている。なお、特図2の最大保留個数は4個であるため、先読み抽選可能回数カウンタの値の最大値は4となる。
第7のパチンコ遊技機では、複数回の特別図柄変動において連続してカットイン演出(カットイン図柄415が表示される演出)が実行される場合があり、6回の特別図柄変動において連続してカットイン演出が実行された場合には大当り確定となる。すなわち、前回の特別図柄変動までの5回の特別図柄変動において連続してカットイン演出が実行されている場合において、今回の特別図柄変動においてカットイン演出が実行された場合、今回の特別図柄変動に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果は、必ず大当りである。一方、前回の特別図柄変動までの5回の特別図柄変動において連続してカットイン演出が実行されている場合において、今回の特別図柄変動に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、今回の特別図柄変動においてカットイン演出が実行されることはない。先読み抽選可能回数カウンタは、このような演出を実現するために用いられる。以下、図175を用いて具体的に説明する。
図175(a)では、ラッシュタイムにおいて、図174における3回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動(特図2変動)が行われているときに表示領域7aに表示される演出画面を示している。このとき、演出用第2識別図柄402がリーチ変動となっている。その後、図175(b)に示すように演出用第2識別図柄402の変動中に特図2変動が4つ保留されて、第1保留領域411~第4保留領域414に保留画像が表示されたとする。この場合、第0領域410は、図174に示す3回目の特図2入賞に対応し、第1保留領域411~第4保留領域414は、図174に示す4回目~7回目の特図2入賞に対応する。
図174に示すように、5回目の特図2入賞については先読み演出が行われる。先読み演出の詳細を決定するに当たっては、先読み抽選可能回数カウンタの値が参照される。第7のパチンコ遊技機では、先読み抽選可能回数カウンタの値ごとに、先読み演出の詳細を決定するための抽選テーブル(先読み演出詳細決定テーブル)が設けられており、先読み抽選可能回数カウンタの値に応じた先読み演出詳細決定テーブルに基づいて先読み演出の詳細が決定されることになる。3回目の特図2入賞に対して設定される先読み抽選可能回数カウンタの値は2であるため、2回の特別図柄変動(4回目及び5回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動)において先読み演出を行うことが可能である。ここでは、先読み演出の詳細として、4回目の特図2入賞(第1保留領域411)に対応する特別図柄変動及び5回目の特図2入賞(第2保留領域412)に対応する特別図柄変動においてカットイン演出を行うことが決定されたとする。
この場合、図175(c)に示すように、3回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動(リーチ変動)が終了した後、図175(d)及び(e)に示すように、4回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動及び5回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動においてカットイン図柄415が表示される。
更に、5回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動が確定する前に、図175(f)に示すように、特図2変動が4つ保留されたとする。この場合、図175(f)に示す第0領域410は、図174に示す5回目の特図2入賞に対応し、第1保留領域411~第4保留領域414は、図174に示す6回目~9回目の特図2入賞に対応する。
図174に示すように、9回目の特図2入賞については先読み演出が行われる。9回目の特図2入賞に対して設定される先読み抽選可能回数カウンタの値は4であるため、4回の特別図柄変動(6回目~9回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動)において先読み演出を行うことが可能である。ここで、仮に、9回目の特図2入賞に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであり、6回目~9回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動においてカットイン演出を行うことが決定されたとする。、この場合、図176(a)~(d)に示すように、4回目及び5回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動において表示されたカットイン図柄415が更に4回の特別図柄変動に渡って表示される。そして、図176(e)に示すように、9回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動において、演出用第2識別図柄402を大当り態様で確定表示して、図176(f)に示すように、大当り遊技状態におけるボーナス演出の種類を表示する。ここではラウンドアップボーナスと表示している。
これに対し、9回目の特図2入賞に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、4回目~9回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動(6回の特別図柄変動)において連続してカットイン演出が実行されると、大当りでないにもかかわらず大当り確定の演出が行われることになり、矛盾が生じる。そこで、9回目の特図2入賞に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には、大当りである場合とは異なる演出詳細決定テーブルに基づいて先読み演出の詳細を決定することとしている。これにより、6回目~9回目の特図2入賞に対応する特別図柄変動のうち少なくとも一の特別図柄変動においてカットイン演出を行うことが決定されないようになっている。
このように、第7のパチンコ遊技機によれば、同じ連続カットイン演出が6回の特別図柄変動において連続して出現した場合には大当り確定となる。そして、先読み抽選可能回数カウンタの値及び先読み演出の対象となる特図2入賞に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果に応じた先読み演出詳細決定テーブルを設け、6回以上の特別図柄変動に亘って連続して先読み演出が行われることになる場合(先行する先読み演出として連続してカットイン演出が実行されており、今回決定する先読み演出の内容次第で、6回以上の特別図柄変動に亘ってカットイン演出が連続する可能性がある場合)には、今回の特図2入賞に対応する第2特別図柄の当り判定処理の結果に応じて、参照する先読み演出詳細決定テーブルを切り替えるように構成されている。あるいは、このような状況において、第2特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には、そもそも先読み大枠抽選において連続カットインが決定されないようにしてもよい。これにより、第2特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであるにもかかわらず6回の特別図柄変動において連続してカットイン演出が実行されることのないように制御することが可能となっている。
次に、ラウンドアップボーナスにおける演出例について説明する。
図177~図179は、表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
図176(f)に示すように、表示領域7aにラウンドアップボーナスと表示された後、図177(a)に示すように、「右打ち」と表示されて右打ちが促され、ラウンド遊技が開始する。ラウンド遊技が開始すると、図177(b)に示すように、「1ラウンド」とラウンド数が表示され、大入賞口131に入賞するごとに「+10」と10個の遊技球を獲得したことを示す画像が表示される。1ラウンドが終了し、2ラウンドが開始すると、図177(c)に示すように、「2ラウンド」とラウンド数が表示され、大入賞口131に入賞するごとに「+10」と10個の遊技球を獲得したことを示す画像が表示される。2ラウンドが終了すると、図177(d)に示すように、「+140」という2ラウンド終了時点の遊技球の獲得数が表示される。その後、図177(e)に示すように、演出ボタンの押下を促す画像が表示され、遊技者が制限時間内に演出ボタンを押下するか、或いは制限時間を経過した場合に、次のラウンドに進むか否かを報知する画像が表示される。
次のラウンドに進まない場合には、例えば「失敗」と表示された後に、図178(a)に示すように、「+140」とトータルの獲得数が表示され、更に図178(b)に示すように、「ラッシュタイム突入」とラッシュタイムへの移行を報知する表示が行われる。上述したように、ラウンドアップボーナスは大当り6~10に当選したことに基づいて大当り遊技状態に移行した場合に実行可能である。ここでは、高確時短遊技状態(高確時短あり)から移行した大当り遊技状態においてラウンドアップボーナスが行われる場合について説明する。大当り7~10の場合には次のラウンドに進み、大当り6の場合には「+140」とトータルの獲得数が表示された後にラッシュタイムに突入する。
次のラウンドに進む場合には、例えば「継続」と表示された後に、3ラウンドの演出が行われ、3ラウンドが終了すると4ラウンドの演出が行われる。3ラウンドの演出及び4ラウンドの演出においては、図179(a)に示すように、大入賞口131に入賞するごとに「+10」と10個の遊技球を獲得したことを示す画像が表示される。4ラウンドが終了すると、図179(b)に示すように、「+280」と1ラウンドからのトータルの獲得数が表示され、更に図179(c)に示すように、演出ボタンの押下を促す画像が表示される。この場合も2ラウンド終了後と同様に遊技者が制限時間内に演出ボタンを押下するか、或いは制限時間を経過した場合に、次のラウンドに進むか否かを報知する画像が表示される。
次のラウンドに進まない場合には、例えば「失敗」と表示された後に、「+280」とトータルの獲得数が表示され、更に図178(b)に示すように、「ラッシュタイム突入」とラッシュタイムへの移行を報知する表示が行われる。大当り8~10の場合には次のラウンドに進み、大当り7の場合には「+140」とトータルの獲得数が表示された後にラッシュタイムに突入する。
次のラウンドに進む場合には、例えば「継続」と表示された後に、5ラウンドの演出が開始する。以降のラウンドにおいても同様に大入賞口131に入賞するごとに「+10」と10個の遊技球を獲得したことを示す画像が表示され、6ラウンド及び8ラウンドが終了すると、図179(c)に示すように、演出ボタンの押下を促す画像が表示される。6ラウンド終了が終了して、7ラウンドに進まない場合には、例えば「失敗」と表示された後に、「+420」とトータルの獲得数が表示され、更に図178(b)に示すように、「ラッシュタイム突入」とラッシュタイムへの移行を報知する表示が行われる。8ラウンド終了が終了して、9ラウンドに進まない場合には、例えば「失敗」と表示された後に、「+560」とトータルの獲得数が表示され、更に図178(b)に示すように、「ラッシュタイム突入」とラッシュタイムへの移行を報知する表示が行われる。6ラウンド終了後において、大当り9、10の場合には次のラウンドに進み、大当り8の場合には「+420」とトータルの獲得数が表示された後にラッシュタイムに突入する。8ラウンド終了後において、大当り10の場合には次のラウンドに進み、大当り9の場合には「+560」とトータルの獲得数が表示された後にラッシュタイムに突入する。
9ラウンドに進む場合には、例えば「完走」と表示された後に、9、10ラウンドの演出が開始する。10ラウンドの演出が開始すると、図179(d)に示すように、大入賞口131に入賞するごとに「+10」と表示される。10ラウンドが終了すると、図179(e)に示すように、「+700」とトータルの獲得数が表示され、図179(f)に示すように、「ドリームタイム突入」とドリームタイムへの移行を報知する表示が行われる。
このように、第7のパチンコ遊技機によれば、大当り10の場合にラウンドアップボーナスを完走することになり、ラウンドアップボーナスを完走するとドリームタイム突入するため、1回の大当りが実質的に確定する。
次に、激熱カットイン演出について図180を参照しながら説明する。
図180は、表示領域に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
激熱カットイン演出は、今回の特別図柄変動が大当りである期待度が高い場合に、特別図柄の変動開始時に特別の画像(激熱カットイン図柄)が短い時間出現する演出である。以下では、激熱カットイン演出がラッシュタイムにおいて行われる演出であることとして説明するが、ラッシュタイム以外の演出モードにおいて激熱カットイン演出を行うこととしてもよい。
激熱カットイン演出を実行するか否かは、特別図柄の変動開始時の激熱カットイン抽選によって決定される。激熱カットイン抽選に使用される抽選テーブルは、激熱カットインフラグがオフの場合に使用されるテーブルと、激熱カットインフラグがオンの場合に使用されるテーブルと、に大別される。激熱カットインフラグは、ラッシュタイム中の一の特別図柄変動において激熱カットイン演出が出現したが当該特別図柄変動に対応する特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合にオンになり、ラッシュタイムが終了するとき(大当り遊技状態に移行するとき、又は、時短遊技状態が終了するとき)にオフになる。激熱カットインフラグがオンの場合に使用されるテーブルは、当該特別図柄変動に対応する特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には激熱カットイン演出が選択されず、大当りの場合にのみ激熱カットイン演出が選択できるように乱数値が設定されている。激熱カットインフラグがオフの場合に使用されるテーブルとしては、ラッシュタイムにおける1回目~80回目の特別図柄変動において使用されるテーブルと、ラッシュタイムにおける81回目~100回目の特別図柄変動において使用されるテーブルと、が用意されている。
図180では、ラッシュタイムにおいて特別図柄変動(特図2変動)が行われているときに表示領域7aに表示される演出画面を示している。図180(a)に示すように、演出用第2識別図柄402がはずれ態様で停止した後、次の演出用第2識別図柄402の変動開始時に激熱カットイン抽選が行われ、激熱カットイン演出の実行が決定されると、図180(b)に示すように、次の演出用第2識別図柄402の変動開始時に激熱カットイン図柄416が短い時間表示されて、図180(c)に示すように、次の演出用第2識別図柄402の変動画面に戻る。激熱カットイン図柄416が表示される演出は、大当り信頼度が高い演出であり、その後、信頼度が高いリーチ演出が実行され、図180(d)に示すように、演出用第2識別図柄402がはずれ態様で停止したとする。この時に激熱カットインフラグがオフからオンに切り替わる。その後、図180(e)に示すように、ラッシュタイムにおいて激熱カットイン図柄416が表示されると、この時の激熱カットイン図柄416は大当りの場合にのみ表示されることから、激熱カットイン図柄416の表示後、各種の演出表示を経て、図180(f)に示すように、演出用第2識別図柄402が大当り態様で停止する。
このように、第7のパチンコ遊技機によれば、ラッシュタイムにおいて(大当り遊技状態終了後から時短遊技状態終了までに)激熱カットイン図柄416が2回出現すると大当りが確定する。また、ラッシュタイム以外の演出モードで激熱カットイン演出を行う場合においても、同様に、当該演出モードが終了するまでの間に激熱カットイン図柄416が2回出現すると大当りが確定するように構成することが可能である。この場合においても、一の演出モード(例えば、チャンスタイム、ドリームタイム、超ドリームタイム)中の一の特別図柄変動において激熱カットイン演出が出現したが当該特別図柄変動に対応する特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合に激熱カットインフラグをオンにセットし、当該演出モードが終了するときに激熱カットインフラグがオフになるようにすればよい。
[第4実施形態]
以上、第1実施形態~第3実施形態について説明した。以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係るパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同じである。以下においては、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第3実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1のパチンコ遊技機では、~」のように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機に限定されるような記載であったとしても、第4実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第4実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態及び第3実施形態に係るパチンコ遊技機に限定するような記載についても、第4実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第4実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。従って、第1実施形態~第3実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第4実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
[第8のパチンコ遊技機]
次に、第8のパチンコ遊技機について説明する。第8のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機であり、第1のパチンコ遊技機と同様のハードウエア構成を有する。
[CPU、及びメモリの構成]
ここで、図181を参照して、CPU、及びメモリを含む、第8のパチンコ遊技機の主制御回路の構成について詳細に説明する。なお、第8のパチンコ遊技機の主制御回路6200は、基本的には、図6を参照して説明した第1のパチンコ遊技機の主制御回路200と同様のものである。
主制御回路6200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU6201、メインROM6202(読み出し専用メモリ)、メインRAM6203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路6204及びバックアップコンデンサ6207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU6201には、メインROM6202、及びメインRAM6203等が接続される。メインCPU6201には、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。また、メインCPU6201には、複数の内部レジスタが含まれ、CPUの状態や計算結果のステータスを表すフラグレジスタや、演算等のためにデータを一時的に記憶するデータレジスタ等がある。
メインROM6202には、メインCPU6201により第8のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムを記憶する記憶領域である制御領域6202aと、各種のテーブルといった、プログラム以外の情報を記憶する記憶領域であるデータ領域6202bがある。なお、制御領域6202a、及びデータ領域6202bは、規定等によって、それぞれサイズが制限される場合がある。また、メインCPU6201は、メインROM6202の制御領域6202aに記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM6203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM6203は、メインCPU6201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU6201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路6204は、メインCPU6201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ6207は、電断時等に、メインRAM6203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路6200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート6205、及び、サブ制御回路に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート6206等も備える。
また、上記のように、主制御回路6200は、I/Oポート6205を介して、普通図柄表示部といった各種デバイスに接続されるが、これらの構成も、図6に示す第1のパチンコ遊技機の構成と同様である。
[データ構造、及びデータ取得処理(1)]
次に、図182ないし図185を参照して、第8のパチンコ遊技機において定義されるデータ構造、及び第8のパチンコ遊技機において実行されるデータ取得処理について説明する。
図182(a)には、第8のパチンコ遊技機における動作を制御するためのデータテーブルの一例が示されている。このデータテーブル6501は、エントリー値とデータ値の組を複数有する。なお、ここでは、エントリー値が0であるエントリーを第1エントリーとし、エントリー値が1であるエントリーを第2エントリーとし、以降同様に、エントリー値に対応したエントリーが定義されている。
データテーブル6501には、第1エントリーにデータ値、450が対応付けられ、第2エントリーにデータ値、450が対応付けられ、第3エントリーから第16エントリーにそれぞれデータ値、0が対応付けられている。
このような図182(a)に示すデータテーブル6501は、一般的には、図182(b)に示すような記述6502によって定義される。なお、ここでは、プログラム言語として、アセンブラ言語が用いられている。また、図182(b)の記述6502の左端に記載されている4桁の数字は行番号を示している。図182(a)に示されているデータテーブル6501のエントリー値は、図182(b)の記述6502では、データの並び順として把握されるので、図182(a)に示したエントリー値(0~15)自体を定義する必要はない。
また、データテーブル6501のデータ値の仕様上の最大値を450と仮定した場合、データ値のそれぞれは、最大値であるデータ値450を格納するために、2バイト(16ビット)のデータ(ワード)を定義するためのDW命令によって定義される。すなわち、データ値を記憶する項目のデータ長は2バイト、ということになる。結果的に、図182(b)に示す記述6502では、データテーブル6501が、16個のDW命令で定義された数値を含む「DATATABLE1」として定義され、全体として、32バイトのサイズを有するデータとして定義される。
図182(c)には、本実施例において、図182(a)に示すデータテーブル6501を実質的に表すことができるデータ構造が、記述6503により表されている。記述6503の左端に記載されている4桁の数字は行番号を示している。図182(c)に示す記述6503では、データテーブル6501が、2個のデータ構成アサインと、2個のDW命令で定義されたデータ値の項目を含む「DATATABLE2」として定義され、全体として、6バイトのサイズを有するデータとして定義される。ここで、2個のデータ構成アサインは、DBで定義される、それぞれ1バイトのデータであり、2個のデータ値は、DWで定義される、それぞれ2バイトのデータで構成される。
データ構成アサインは、各ビットが、対応するエントリーに対応する取得すべきデータが、第1種別データか第2種別データか否かを示している。
ここで、第1種別データは、メインROM6202のデータ領域6202bなどの記憶領域に記憶されておらず、「0」や[-1]といった、想定内の同じ値であって、データテーブルからデータ値を取得することなく、プログラムによってデータ値が設定されるものである。一方、第2種別データは、メインROM6202のデータ領域6202bなどの記憶領域に実際に記憶されているものである。
第1のデータ構成アサインは、例えば、記述6503の行番号0011に記載されているように「00000011」となっており、第1ビット目のデータが、図182(a)の第8エントリーのデータ値が0であるか、それ以外の値であるかを示しており、ここでは、そのビットが「0」である場合、当該データ値が0であり、第1種別データであることが示される。この場合、そのエントリーに対応するデータ値の定義(DWで定義されるデータ)は省略される。第1のデータ構成アサインにおいては、第2ビット目から第6ビット目も「0」であり、これらに対応するエントリーのデータ値が0であって第1種別データに該当し、それらのデータ値の定義が省略されている。
第1のデータ構成アサインの第7ビット目のデータは、図182(a)の第2エントリーのデータ値が0であるか、それ以外の値であるかを示しており、ここでは、そのビットが「1」であるため、当該データ値が0以外の値(すなわち、450)であり、第2種別データであることが示される。この場合、そのエントリーに対応するデータ値が、行番号0013のDWで定義される。また、第8ビット目のデータは、図182(a)の第1エントリーのデータ値が0であるか、それ以外の値であるかを示しており、ここでは、そのビットが「1」であるため、当該データ値が0以外の値(すなわち、450)であり、第2種別データであることが示される。この場合、そのエントリーに対応するデータ値が、行番号0011のDWで定義される。
さらに、記述6503の行番号0014に記載された第2のデータ構成アサインでは、図182(a)の第9エントリーから第16エントリーのデータ値が0であるか、それ以外の値であるかを示している。ここでは、すべてのビットが「0」となっているため、第9エントリーから第16エントリーのデータ値が0であり、すべてが第1種別データであることを示している。
図182(c)に示すような、データ構成アサインを含むデータ構造の定義によって、データ値が0のような、実質的に参照する必要のないデータについては、そのデータの記憶を省略しつつ、データ構成アサインのみを参照することによって、各エントリーのデータ値が0であるか否か(参照する必要があるかないか)を把握することができる。そして、このような定義によって、参照する必要のないデータについては記憶を省略することができるため、結果的に、メモリ(例えば、メインROM6202のデータ領域6202b)の記憶容量を節約することができる。
図182(a)に示すデータテーブル6501を定義する際、図182(b)の記述6502による定義では、上記のように、32バイトの記憶領域を使用するが、図182(c)に示すような記述6503による定義では、6バイトの記憶領域のみが使用される。このような本願の定義方法では、実質的に参照する必要がないデータが多いほど、従来の定義方法に比べて記憶容量の節約効果が高いと言える。
次に、図183を参照して、図182(c)に示すような記述6503による定義を参照して、データテーブル6501のデータ値を取得する処理について説明する。
図183は、第8のパチンコ遊技機において実行されるデータ取得処理を示すフローチャートである。このデータ取得処理は、いくつかのプログラムから呼び出されるサブプログラムであり、引数(プログラム間で受け渡される変数や内部レジスタに記憶された値を含む)は、取得すべきデータが記憶されたデータテーブルの先頭アドレスと、そのデータテーブルのどのエントリーのデータを取得するかを指示するエントリー値である。エントリー値は、例えば、図182(a)に示したエントリー値に対応する。
引数のうち、データテーブルの先頭アドレスは、例えば、特別図柄の変動状態(例えば、第2特別図柄の可変表示が保留されているか否か)に応じて、複数のデータテーブルのなかから選択されたテーブルのアドレスであったり、変動パターンを選択するための乱数に係る判定を行うためのテーブルのアドレスであったりする。また、エントリー値は、例えば、演出変動グループ(例えば、演出変動モード)に基づいていくつかのデータテーブルを参照した結果求められる。
図183のデータ取得処理では、最初に、ステップS6001において、引数により渡されたエントリー値に1を加算する。これは、データ取得処理の呼び出し側の制御処理では、図182(a)に示すような、0から15のエントリー値で呼び出されるのに対し、データ取得処理では、このエントリー値を1から16として扱うためである。
次に、ステップS6002では、データテーブルのアドレスから、1ビットのデータ構成アサインを取得する。例えば、データ取得処理が呼び出される場合、引数として渡されたデータテーブルの先頭アドレスの1バイト目に第1のデータ構成アサインが配置されている(図182(c)参照)。
次に、ステップS6003において、上記アドレスに1を加算し、当該アドレスが、データ値の先頭を指すように調整する(図182(c)の行番号0012)。そして、ステップS6004において、データ構成アサイン用のカウンタ(以下、図183の説明において、単にカウンタと称する)に8をセットする。
次に、ステップS6005において、カウンタが0であるか否かを判定し、0であれば(ステップS6005のYES)、ステップS6002に進み、データテーブルのアドレスから、1ビットのデータ構成アサインを再び取得する。この場合は、例えば、データテーブルのアドレスの1バイト目に第2のデータ構成アサインが配置されている(図182(c)参照)。ステップS6005において、カウンタが0でない場合は(ステップS6005のNO)、ステップS6006に進み、データテーブルの指定されたエントリーに対応するデータ値を格納するためのデータレジスタをクリア(「0」をセット)する。
次に、ステップS6007において、ステップS6002で取得したデータ構成アサインのビット列(8ビットからなるビット列)を右方向に1だけシフトする。なお、このとき、データ構成アサインの先頭ビット(左側の1ビット)には、「0」がセットされる。
ここで、ステップS6008において、ステップS6007のシフト操作によって、右端ビット位置から、データ構成アサインの右側にシフトされた(シフトアウトされた)ビットが1か否かを判定し、1でなければ(ステップS6008のNO)、対応するデータ値がないものと判断して、ステップS6012に進む。データ構成アサインの右側にシフトされたビットが1である場合(ステップS6008のYES)、対応するデータ値があるものと判断して、ステップS6009に進み、そこで、対応するデータ値を指す、データテーブルのアドレスから2バイト分を、データレジスタにセットする。
次に、ステップS6010において、データが取得されたことを示す取得フラグに1をセットする。この取得フラグは、図183のデータ取得処理が呼び出された時には0に設定されており、この取得フラグの値を、データ取得処理を呼び出した制御処理で判定すれば、指定したエントリー値に対応する値が、データテーブルから取得できたか否かが容易に判別できる。なお、この取得フラグは、この実施例では、フラグレジスタのキャリーフラグ(C、CF等)とすることができ、ステップS6007のシフト操作に応じて自動的にセットされるものである。
次に、ステップS6011において、データテーブルのアドレスに2を加算し、ステップS6012において、エントリー値を1だけ減算する。その後、ステップS6013において、エントリー値が0か否かを判定し、0であると判定された場合は(ステップS6013のYES)、指定されたエントリーの探索が終了したので、データ取得処理を終了する。一方、エントリー値が0でないと判定された場合は(ステップS6013のNO)、カウンタを1だけ減算し、ステップS6005に戻る。
以上のようなデータ取得処理のフローにより、このデータ取得処理を呼び出した制御処理では、データテーブルのアドレスとエントリー値を指定しただけで、そのデータテーブルの指定したエントリーに記憶されている値を取得することができ、データテーブルが、図182(c)に示すような特殊な構成となっていることを意識する必要がない。
次に、上記のデータ取得処理のフローが、実際にどのように実行されるのかを簡単に説明する。ここでは、図182(c)に示したデータテーブル、DATATABLE2の第2エントリー(エントリー値は1)のデータ値を取得するものとする。
データ取得処理を呼び出す制御処理では、DATATABLE2の先頭を指すアドレスが指定される(例えば、0x116E:「0x」の表記は、その後の数字が16進数表記であることを表す、以下同じ)。
最初に、エントリー値「1」に1が加算され、「2」に調整される(ステップS6001)。次に、アドレス0x116Eから1バイト、すなわち、図182(c)の第1のデータ構成アサインが取得される(ステップS6002)。
次に、アドレスが1加算されて、0x116Fとなり(ステップS6003)、カウンタに「8」がセットされる(ステップS6004)。ここで、カウンタは「8」であるため(ステップS6005のNO)、データレジスタ(例えば、メインCPU6201のデータレジスタDE)がクリアされ、0x0000がセットされる。
ステップS6002で取得された第1のデータ構成アサインはビット列「00000011」であり、これを右に1ビットシフトすると、「000000001」となる。ここで、シフト前の右端のビット「1」はシフトアウトされ、シフト後の左端には、ビット「0」が充填される(ステップS6007)。
そうすると、ステップS6008の判定はYESとなり、アドレス0x116F、0x1170の2バイトに記憶されているデータ、450(0x1C2)が、データレジスタ(DE)にセットされる(ステップS6009)。その後、取得フラグに1がセットされる(ステップS6010)。なお、アセンブラ言語では、ステップS6008のシフト操作において、キャリーフラグCは「1」となり、これが取得フラグに相当する。
次に、アドレスに2が加算され、0x1171となり(ステップS6011)、エントリー値が1減算されて「1」となる(ステップS6012)。ここで、エントリー値が0でないため(ステップS6013のNO)、カウンタが1減算されて「7」になり(ステップS6014)、ステップS6005に進む。
ここで、カウンタは「7」であるため(ステップS6005のNO)、データレジスタ(DE)に記憶されていた450(0x1C2)がクリアされ、0x0000がセットされる。
ステップS6002で取得された第1のデータ構成アサインは、現時点でビット列「00000001」であり、これを右に1ビットシフトすると、「000000000」となる。ここで、シフト前の右端のビット「1」はシフトアウトされ、シフト後の左端には、ビット「0」が充填される(ステップS6007)。
そうすると、ステップS6008の判定はYESとなり、アドレス0x1171、0x1172の2バイトに記憶されているデータ、450(0x1C2)が、データレジスタ(DE)にセットされる(ステップS6009)。その後、取得フラグに1がセットされる(ステップS6010)。
次に、アドレスに2が加算され、0x1173となり(ステップS6011)、エントリー値が1減算されて「0」となる(ステップS6012)。ここで、エントリー値が0であるため(ステップS6013のYES)、データ取得処理を終了し、呼び出し側の制御処理に戻る。このとき、取得されたデータ値は、データレジスタ(DE)に記憶されていた450(0x1C2)であり、図182(c)のDATATABLE2の第2エントリーに対応付けられた450と一致していることが分かる。また、取得フラグには、データ値が、データテーブルから取得されたことを意味する「1」が格納されている。
上述した実施例では、図182に示すように、取得すべきデータがデータテーブルに存在する場合に、そのエントリーを表すビットを「1」(すなわち、第2種別データ)とし、取得すべきデータがデータテーブルに存在しないエントリーを表すビットを「0」(すなわち、第1種別データ)としたデータ構成アサインをデータテーブルに含めるよう構成し、2つの第2種別データ「450」がセットされていたが、複数の異なるデータ(例えば、「450」と「460」など)を記憶しておくこともできる。
また、エントリー値で指定された取得すべきデータが、第1種別データである場合に、本実施例では、戻り値として、データレジスタに「0」を返しており、その結果、実質的に、図182(a)に示すデータテーブル6501を表すことができたが、呼び出し側の制御処理で、戻り値の「0」を他の値(例えば、「-1」)に置換するように制御することもできる。これにより、図183のデータ取得処理を共通のサブプログラムとして構成することが可能となる。
例えば、図184には、図182に示したデータテーブルとは別のデータテーブルの例が示されている。図184(a)に示したデータテーブル6601には、第1エントリーにデータ値、9224が対応付けられ、第2エントリーにデータ値、9350が対応付けられ、これらが第2種別データとなる。一方、第3エントリーから第16エントリーには、それぞれ、第1種別データであるデータ値、-1が対応付けられている。なお、ここで「-1」の値は、2の補数表現では0xFFFFであり、呼び出し側の制御処理において、所定の値と比較するのに都合がよい。
このような図184(a)に示すデータテーブル6601は、一般的な定義で表すと、図182(b)と同様に、図184(b)に示すような記述6602によって定義される。これも、結果的には、データテーブル6601が、16個のDW命令で定義された数値を含む「DATATABLE3」として定義され、全体として、32バイトのサイズを有するデータとして定義される。
図184(c)には、本実施例において、図184(a)に示すデータテーブル6601を実質的に表すことができるデータ構造が、記述6603により表されている。図184(c)に示す記述6603では、データテーブル6601が、2個のデータ構成アサインと、2個のDW命令で定義された数値を含む「DATATABLE4」として定義され、全体として、6バイトのサイズを有するデータとして定義される。
また、図185には、さらに別のデータテーブルの例が示されている。図185(a)に示したデータテーブル6701には、第4エントリーにデータ値、7507が対応付けられ、第6エントリー、第9エントリーにそれぞれデータ値、9807が対応付けられ、第7エントリー、第10エントリーにそれぞれデータ値、9007が対応付けられ、第8エントリー、第11エントリーにそれぞれデータ値、8507が対応付けられ、これらが第2種別データとなる。一方、それ以外のエントリーには、それぞれ、第1種別データであるデータ値、-1が対応付けられている。
このような図185(a)に示すデータテーブル6701は、一般的な定義で表すと、図182(b)と同様に、図185(b)に示すような記述6702によって定義される。これも、結果的には、データテーブル6701が、16個のDW命令で定義された数値を含む「DATATABLE5」として定義され、全体として、32バイトのサイズを有するデータとして定義される。
図185(c)には、本実施例において、図185(a)に示すデータテーブル6701を実質的に表すことができるデータ構造が、記述6703により表されている。図185(c)に示す記述6703では、データテーブル6701が、2個のデータ構成アサインと、7個のDW命令で定義された数値を含む「DATATABLE6」として定義され、全体として、16バイトのサイズを有するデータとして定義される。
上記のように、図184(a)に示すデータテーブル6601や、図185(a)に示すデータテーブル6701については、図183のデータ取得処理を実行すると、第1種別データに関し、戻り値であるデータレジスタが「0」となるが、そのような場合は、呼び出し側の制御処理において、アクセスしているデータテーブルの内容を意識し、このデータレジスタを「-1」に変換するように制御する。こうした呼び出し側の制御処理によって、図183のデータ取得処理を共通化することができる。
なお、図185(c)の場合は、図182(c)の場合や図184(c)の場合とは異なり、第2種別データであるデータが多く定義されているために、より多くの記憶領域を要することになっているが、それでも、図185(b)に示す従来の定義より小さなサイズを実現できている。
また、上述したデータテーブルの例では、エントリーの数が16個となっており、それぞれ8ビットのデータ構成アサインで表し易い構成となっていたが、もちろん、16個以上のエントリーを表現することもできるし、8の倍数でないエントリー数に対応することも可能である。
本実施例では、これまで説明してきた、データ構成アサインを用いた特有のデータ構造によって、メインROM6202のデータ領域6202bの記憶容量を効果的に節約することができ、さらに、当該データ構造から必要なデータ値を取得するプログラムも、図183に示すように、比較的簡単でシンプルな構成となっているため、メインROM6202の制御領域6202aの記憶域を圧迫することがない。
また、本実施例のデータ構造を、サブ制御回路のサブCPUがアクセス可能なプログラムROMに記憶されるデータテーブル等に適用することもでき、それによって、プログラムROMの記憶容量の効果的な節約が実現可能となる。
またさらに、本実施例のデータ構造に係るデータテーブルを、主制御回路6200のメインCPU6201がアクセス可能なメインRAM203や、サブ制御回路のサブCPUがアクセス可能なワークRAM等に展開し、一時的にプログラムでそのデータテーブルを利用するような場合にも適用可能である。
[データ構造、及びデータ取得処理(2)]
次に、図186ないし図190を参照して、第8のパチンコ遊技機において定義される他のデータ構造、及び当該データ構造を有するデータテーブルからデータを取得するためのデータ取得処理について説明する。
図186、図187はそれぞれ、比較値とデータ値とのセットを複数有するデータテーブルの例を表しており、これらのデータテーブルは、判定値が与えられた場合に、その判定値と比較値との関係に基づいて、対応するデータ値を提供するという、共通の目的のために定義される。
図186(a)に示すデータテーブル6801は、先頭アドレスにブロックサイズを有し、さらにその次に、比較値とデータ値の組を複数有する。ここで、ブロックサイズは、比較値とデータ値の組の合計バイト数を表しており、この例では、比較値が1バイトのデータ長、データ値が1バイトのデータ長であり、ブロックサイズは2(バイト)である。
また、この例では、比較値とデータ値の組は5つあり、第1の組は、比較値が「0」、データ値が「0」、第2の組は、比較値が「1」、データ値が「2」、第3の組は、比較値が「70」、データ値が「1」、第4の組は、比較値が「71」、データ値が「4」、第5の組は、比較値が「100」、データ値が「3」である。
図186(b)には、図186(a)に示したデータテーブル6801が、プログラム言語による記述6802で示されている(DATATABLE7)。なお、ここでは、プログラム言語として、アセンブラ言語が用いられている。また、図186(b)の記述6802の左端に記載されている4桁の数字は行番号を示している。
図186(b)の記述6802において、DATATABLE7は、行番号0011で示すように、命令DBによって、1バイトのブロックサイズが定義され、このブロックサイズの値は、上述の通り「2」である。その次に、行番号0012の命令DBによって、1バイトの比較値(値は「0」)と、1バイトのデータ値(値は「0」)が定義され、これらが、比較値とデータ値の第1の組を構成している。同様に、行番号0013の命令DBによって、1バイトの比較値(値は「1」)と、1バイトのデータ値(値は「2」)が定義され、これらが、比較値とデータ値の第2の組を構成している。また、行番号0014の命令DBによって、1バイトの比較値(値は「70」)と、1バイトのデータ値(値は「1」)が定義され、これらが、比較値とデータ値の第3の組を構成している。またさらに、行番号0015の命令DBによって、1バイトの比較値(値は「71」)と、1バイトのデータ値(値は「4」)が定義され、これらが、比較値とデータ値の第4の組を構成している。最後に、行番号0013の命令DBによって、1バイトの比較値(値は「100」)と、1バイトのデータ値(値は「3」)が定義され、これらが、比較値とデータ値の第5の組を構成している。
図187(a)に示すデータテーブル6803は、先頭アドレスにブロックサイズを有し、さらにその次に、比較値とデータ値の組を複数有する。ここで、ブロックサイズは、比較値とデータ値の組の合計バイト数を表しており、この例では、比較値が2バイトのデータ長、データ値が1バイトのデータ長であり、ブロックサイズは3(バイト)である。
また、この例では、比較値とデータ値の組は5つあり、第1の組は、比較値が「1」、データ値が「14」、第2の組は、比較値が「378」、データ値が「13」、第3の組は、比較値が「379」、データ値が「12」、第4の組は、比較値が「450」、データ値が「11」、第5の組は、比較値が「478」、データ値が「10」である。
図187(b)には、図187(a)に示したデータテーブル6803が、プログラム言語による記述6804で示されている(DATATABLE8)。なお、ここでは、プログラム言語として、アセンブラ言語が用いられている。また、図187(b)の記述6804の左端に記載されている4桁の数字は行番号を示している。
図187(b)の記述6804において、DATATABLE8は、行番号0021で示すように、命令DBによって、1バイトのブロックサイズが定義され、このブロックサイズの値は、上述の通り「3」である。その次に、行番号0022の命令DWによって、2バイトの比較値(値は「1」)が定義され、さらに、行番号0023の命令DBによって、1バイトのデータ値(値は「14」)が定義され、この2つが、比較値とデータ値の第1の組を構成する。
同様に、行番号0024の命令DWによって、2バイトの比較値(値は「378」)が定義されるとともに、行番号0025の命令DBによって、1バイトのデータ値(値は「13」)が定義され、この2つが、比較値とデータ値の第2の組を構成する。さらに、行番号0026の命令DWによって、2バイトの比較値(値は「379」)が定義されるとともに、行番号0027の命令DBによって、1バイトのデータ値(値は「12」)が定義され、この2つが、比較値とデータ値の第3の組を構成する。また、行番号0028の命令DWによって、2バイトの比較値(値は「450」)が定義されるとともに、行番号0029の命令DBによって、1バイトのデータ値(値は「11」)が定義され、この2つが、比較値とデータ値の第4の組を構成する。最後に、行番号0030の命令DWによって、2バイトの比較値(値は「478」)が定義されるとともに、行番号0031の命令DBによって、1バイトのデータ値(値は「10」)が定義され、この2つが、比較値とデータ値の第5の組を構成する。
ここで、図186のDATATABLE7と図187のDATATABLE8を比較すると、両者とも、ブロックサイズの記憶領域1つと、比較値とデータ値の組を5つ有しているが、図186のDATATABLE7では、比較値の仕様上の最大値が100となっているため、比較値を記憶する領域を1バイトとすることができる。1バイトは8ビットであり、記憶できる数値は0から255である。
一方、図187のDATATABLE8では、比較値の仕様上の最大値が478であるため、比較値を記憶する領域は(バイト単位で領域を設定する場合)2バイト必要になる。2バイトは16ビットであり、記憶できる数値は0から65535である。
この結果、図186のDATATABLE7のサイズが、11バイトであるのに対し、図187のDATATABLE8のサイズは、16バイトとなっている。なお、図186のDATATABLE7や図187のDATATABLE8では、比較値とデータ値の組を5つ有するデータとして構成されているが、これらの組はいくつでもよく、また、比較値とデータ値の組も、その項目と数は、これに限られるものではない。
次に、図188ないし図190を参照して、図186(b)に示す記述6802、及び図187(b)に示す記述6804による定義を参照して、データテーブル6801、及びデータテーブル6803のデータ値を取得する処理について説明する。
図188は、第8のパチンコ遊技機において実行されるデータ取得処理を示すフローチャートである。このデータ取得処理は、いくつかのプログラムから呼び出されるサブプログラムであり、引数(プログラム間で受け渡される変数や内部レジスタに記憶された値を含む)は、データを取得する対象となりうる複数のデータテーブルのアドレスが連続的に定義されたアドレス定義領域の先頭アドレス、第8のパチンコ遊技機の状態を表す状態種別データ(例えば、A時短やB時短を表すデータ)、及び第8のパチンコ遊技機において遊技に係るカウントが行われている所定のカウンタ値(例えば、演出変動カウンタ)である。
図188のデータ取得処理では、最初に、ステップS6101において、引数により渡されたデータからデータテーブルのアドレスを取得する。ここでは詳細な処理を省略するが、例えば、引数から、第8のパチンコ遊技機の動作モード(例えば、演出変動モード)に係る情報と、上述したアドレス定義領域の先頭アドレスを受け取り、動作モードに応じて、アドレス定義領域の何番目のアドレスを選択するか(すなわち、どのデータテーブルを選択するか)を決定し、その結果に基づいて、処理対象とするデータテーブルのアドレスを取得する。
次に、ステップS6102において、上述した状態種別データとカウント値を取得し、ステップS6103において、状態種別データが「1」であるか否かを判定する。
状態種別データが「1」である場合(ステップS6103のYES)、ステップS6104に進み、そこで、カウンタ値の下位1バイトを判定値1にセットする。ここで、カウンタ値は、本来2バイトのデータであるが、状態種別データが「1」である場合は、255を超えないことが保証されているので、カウンタ値の下位1バイトを1バイトデータである判定値1にセットすることができる。
次に、ステップS6105において、サブプログラムである1バイトデータ選択処理を呼び出す。1バイトデータ選択処理は、図189を参照して後で詳細に説明するが、1バイトデータ選択処理によって、処理対象としたデータテーブルから取得したデータ値が記憶領域(例えば、データレジスタ(A))に記憶されるので、ステップS6106において、そのデータ値を当該記憶領域から、別の記憶領域(例えば、メインRAM6203の記憶領域)にストアする。ステップS6106の後、処理を終了し、呼び出したプログラムに制御が戻される。
ステップS6103において、状態種別データが「1」でないと判定された場合(ステップS6103のNO)、ステップS6107に進み、そこで、カウンタ値2バイトを、2バイトデータである判定値2にセットする。
次に、ステップS6108において、サブプログラムである2バイトデータ選択処理を呼び出す。2バイトデータ選択処理は、図190を参照して後で詳細に説明するが、2バイトデータ選択処理によって、処理対象としたデータテーブルから取得したデータ値が記憶領域(例えば、データレジスタA)に記憶されるので、ステップS6109において、そのデータ値を当該記憶領域から、別の記憶領域(例えば、メインRAM6203の記憶領域)にストアする。ステップS6109の後、処理を終了し、呼び出したプログラムに制御が戻される。
ここで、状態種別データは、処理対象とするデータテーブルのアドレスと連動するように構成されており、状態種別データ=「1」であれば、データテーブルは、図186に示すような、比較値が1バイトのデータテーブルが選択されることになっており、状態種別データが「1」でなければ、データテーブルは、図187に示すような、比較値が2バイトのデータテーブルが選択されることになっている。
その結果、図188に示すデータ取得処理では、データテーブルの比較値が1バイトであるデータ構造を有する場合は、1バイトデータ選択処理を呼び出し、データテーブルの比較値が2バイトであるデータ構造を有する場合は、2バイトデータ選択処理を呼び出し、それぞれ処理対象のデータテーブルから、1バイトのデータ値を取得するようになっている。
図189は、図188に示すデータ取得処理から呼び出される1バイトデータ選択処理を示すフローチャートである。この1バイトデータ選択処理の引数(プログラム間で受け渡される変数や内部レジスタに記憶された値を含む)は、データを取得する対象となるデータテーブルの先頭アドレス、及び判定値である。
最初に、ステップS6201では、データテーブルの先頭アドレスに配置されているブロックサイズを取得する。ここでは、例えば、図186(b)に示すDATATABLE7の最初の1バイトに記憶されている「2」が、ブロックサイズとして取得される。
次に、ステップS6202で、アドレスに1を加算することで、アドレスが、データテーブルの、比較値とデータ値の第1の組の先頭に位置づけられる。これは、例えば、図186(b)に示すDATATABLE7で、比較値とデータ値の第1の組の先頭(行番号0012)に対応する。
その後、ステップS6203において、アドレスで指定されている1バイトデータの比較値を取得し、ステップS6204において、その比較値と判定値を比較する。判定値が比較値より大きいと判定された場合(ステップS6204のNO)、取得するデータは、その比較値と組をなすデータ値でないものと判断して、ステップS6205において、アドレスに、ステップS6201で取得したブロックサイズ(すなわち、2)を加算し、次の比較値とデータ値の組に関する判断を行うために、再びステップS6203に戻る。
ステップS6204において、判定値が比較値以下であると判定された場合(ステップS6204のYES)、取得するデータは、その比較値と組をなすデータ値であると判断して、ステップS6206において、アドレスに1を加算し、当該アドレスが、その比較値と組をなすデータ値の先頭を指すようにする。
次に、ステップS6207において、アドレスで指定される1バイトデータのデータ値を取得し、ステップS6208において、取得したデータ値を所定の記憶領域(例えば、データレジスタA)に記憶する。ステップS6208の後、処理を終了し、呼び出し側のプログラムである、データ取得処理に制御が戻される。
このようにして、1バイトデータ選択処理では、引数で与えられた判定値以上である直近の比較値と組をなすデータ値が、処理対象のデータテーブルから抽出される。なお、1バイトデータ選択処理に引数として与えられる判定値は1バイト(0~255の範囲)であり、この1バイトの判定値が、データテーブルに記憶されている1バイトの比較値と比較される。
図190は、図188に示すデータ取得処理から呼び出される2バイトデータ選択処理を示すフローチャートである。この2バイトデータ選択処理の引数(プログラム間で受け渡される変数や内部レジスタに記憶された値を含む)は、データを取得する対象となるデータテーブルの先頭アドレス、及び判定値である。
最初に、ステップS6301では、データテーブルの先頭アドレスに配置されているブロックサイズを取得する。ここでは、例えば、図187(b)に示すDATATABLE8の最初の1バイトに記憶されている「3」が、ブロックサイズとして取得される。
次に、ステップS6302で、アドレスに1を加算することで、アドレスが、データテーブルの、比較値とデータ値の第1の組の先頭に位置づけられる。これは、例えば、図187(b)に示すDATATABLE8で、比較値とデータ値の第1の組の先頭(行番号0022)に対応する。
その後、ステップS6303において、アドレスで指定されている2バイトデータの比較値を取得し、ステップS6304において、その比較値と判定値を比較する。判定値が比較値より大きいと判定された場合(ステップS6304のNO)、取得するデータは、その比較値と組をなすデータ値でないものと判断して、ステップS6305において、アドレスに、ステップS6301で取得したブロックサイズ(すなわち、3)を加算し、次の比較値とデータ値の組に関する判断を行うために、再びステップS6303に戻る。
ステップS6304において、判定値が比較値以下であると判定された場合(ステップS6304のYES)、取得するデータは、その比較値と組をなすデータ値であると判断して、ステップS6306において、アドレスに2を加算し、当該アドレスが、その比較値と組をなすデータ値の先頭を指すようにする。
次に、ステップS6307において、アドレスで指定される1バイトデータのデータ値を取得し、ステップS6308において、取得したデータ値を所定の記憶領域(例えば、データレジスタA)に記憶する。ステップS6308の後、処理を終了し、呼び出し側のプログラムである、データ取得処理に制御が戻される。
このようにして、2バイトデータ選択処理では、引数で与えられた判定値以上である直近の比較値と組をなすデータ値が、処理対象のデータテーブルから抽出される。なお、2バイトデータ選択処理に引数として与えられる判定値は2バイト(0~65535の範囲)であり、この2バイトの判定値が、データテーブルに記憶されている2バイトの比較値と比較される。
本実施例では、同様の用途に用いられ、一般的には同じデータ構造のデータとして一律に定義されるデータテーブルであっても、個々のデータテーブルで記憶されるデータ項目の仕様上の最大値を考慮して、その最大値を格納し得る、できるだけ小さなサイズの記憶域を設定するようにする。例えば、図186に示したDATATABLE7では、上記のように、比較値の項目の仕様上の最大値が255以下であるため、比較値を記憶するための領域を1バイトとした。
これによって、無駄な記憶領域の消費を回避することができるため、結果的に、メモリ(例えば、メインROM6202のデータ領域6202b)の記憶容量を節約することができる。
一方で、それぞれのデータテーブルからデータ値を取得するデータ取得処理も、図188ないし図190に示すように、比較的簡単でシンプルな構成により、選択されたデータテーブルの比較値が1バイトデータか2バイトデータかによって処理を切り分けており、メインROM6202の制御領域6202aの記憶域を圧迫することがない。
また、本実施例のような、項目の最大値に応じたデータ構造を、サブ制御回路のサブCPUがアクセス可能なプログラムROMに記憶されるデータテーブル等に適用することもでき、それによって、プログラムROMの記憶容量の効果的な節約が実現可能となる。
またさらに、本実施例のデータ構造に係るデータテーブルを、主制御回路6200のメインCPU6201がアクセス可能なメインRAM203や、サブ制御回路のサブCPUがアクセス可能なワークRAM等に展開し、一時的にプログラムでそのデータテーブルを利用するような場合にも適用可能である。
以上、本発明の一実施形態として、第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機について説明した。
<付記A>
従来、ROM等の記憶装置に記憶されたプログラムに従って遊技に関する各種処理を実行するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2017-221523号公報参照)。
近年の遊技機業界では、遊技性の複雑化により記憶装置の容量が圧迫されることが増えており、このような容量の制約に起因して、開発者が望む遊技性を実現し難いといった事情が存在する。魅力的な遊技機を開発するに当たっては、記憶装置の容量を効率的に利用して遊技性を向上させるための工夫を凝らすことが重要である。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、記憶装置の容量を効率的に利用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、以下の特徴を備えている。
(A-1) 制御手段(メインCPU6201やサブCPU)と、
前記制御手段によって参照可能な複数の第1データテーブルと(メインROM6202やプログラムROMに記憶されたテーブルであって、特別図柄の変動状態に応じて設定されるテーブル、又は変動パターンを選択するための乱数に係る判定を行うためのテーブル)を備え、
それぞれの前記第1データテーブルは、前記制御手段が取得すべきデータの一部を含むとともに、前記取得すべきデータを指定することが可能なデータ構造(図182(c)の記述6503で定義される構造)を有する、
ことを特徴とする遊技機(図181に示す主制御回路6200を備えた第8のパチンコ遊技機)。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、遊技機のROM等には、制御手段が取得すべきデータの一部のみが記憶され、他の部分については記憶する必要がなくなるので、結果的に、遊技機の記憶装置の容量(特に、メインROMのデータ領域の容量)を効率的に利用することができる。
(A-2) 前記(A-1)の遊技機であって、
前記第1データテーブルは、前記取得すべきデータを指定するための指定データ(図182(c)の記述6503の行番号0011、0014に記載されたデータ構成アサイン)をそれぞれ含み、
前記指定データは、前記取得すべきデータが、第1種別データ(「0」といった、第1データテーブルには記憶されていないデータ)か、前記第1種別データの値とは異なる値である第2種別データ(図182(c)の記述6503の行番号0012、0013に記載された「450」といった、第1データテーブルに記憶されているデータ)かを判別することが可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1データテーブルが指定データを含むことにより、取得すべきデータが第1種別データか第2種別データかを、この指定データを用いて容易に判別できる。
(A-3) 前記(A-1)又は(A-2)の遊技機であって、
前記第1データテーブルは、前記取得すべきデータを指定するための指定データをそれぞれ含み、
前記指定データは、前記取得すべきデータが、第1種別データか、前記第1種別データの値とは異なる値である第2種別データかを判別することが可能であり、
前記第1種別データは前記第1データテーブルに記憶されておらず、前記第2種別データは前記第1データテーブルに記憶されており、
前記制御手段は、
取得すべきデータに対応付けられた前記指定データの部分(取得すべきデータを示すエントリー値に対応する、指定データの1ビット)を参照して、前記取得すべきデータが前記第1種別データか前記第2種別データかを判別し(図182(c)の記述6503の行番号0011、0014に記載されたデータ構成アサインで、取得すべきデータが「0」のビットに対応する場合は第1種別データであり、取得すべきデータが「1」のビットに対応する場合は第2種別データであると判別する)、
前記取得すべきデータが前記第1種別データである場合に、前記取得すべきデータの値を所定の値に設定可能(例えば、「0」や「-1」といった値に設定可能)であり、
前記取得すべきデータが前記第2種別データである場合に、前記指定データに基づいて、対応する第2種別データが記憶されている位置を特定し(行番号0011の指定データの第7ビット目に対応するデータを取得しようとする場合、指定データの第8ビットと第7ビットが「1」であれば、取得すべきデータは、行番号0013に記載されたデータ「450」である(図182(c)参照))、その位置にある第2種別データを、取得すべきデータの値として取得する
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1データテーブルの指定データによって、取得すべきデータが第1種別データか第2種別データかを判別でき、取得すべきデータが第1種別データである場合は、第1データテーブルを参照することなく、取得すべきデータの値を所定の値に設定するので、第1種別データに係る値を第1データテーブルに記憶する必要がなく、結果的に、遊技機の記憶装置の容量(特に、メインROMのデータ領域の容量)を効率的に利用することができる。なお、取得すべきデータが第1種別データである場合が多ければ多いほど、記憶容量をより効率的に利用することができる。
(A-4) 前記(A-1)~(A-3)のいずれかの遊技機であって、
前記第1データテーブルは、前記取得すべきデータを指定するための指定データをそれぞれ含み、
前記指定データは、前記取得すべきデータが、第1種別データか、前記第1種別データの値とは異なる値である第2種別データかを判別することが可能であり、
前記第1種別データは前記第1データテーブルに記憶されておらず、前記第2種別データは前記第1データテーブルに記憶されており、
前記制御手段は、
取得すべきデータに対応付けられた前記指定データの部分(取得すべきデータを示すエントリー情報に対応する、指定データの1ビット)を参照して、前記取得すべきデータが前記第1種別データか前記第2種別データかを判別し(図182(c)の記述6503の行番号0011、0014に記載されたデータ構成アサインで、取得すべきデータが「0」のビットに対応する場合は第1種別データであり、取得すべきデータが「1」のビットに対応する場合は第2種別データであると判別する)、
前記取得すべきデータが前記第1種別データである場合に、前記取得すべきデータの値を所定の値に設定可能(「0」や「-1」といった値に設定可能)であり、
前記取得すべきデータが前記第2種別データである場合に、前記指定データに基づいて、対応する第2種別データが記憶されている位置を特定し(指定データの第7ビット目に対応するデータを取得しようとする場合、指定データの第8ビットと第7ビットが「1」であれば、取得すべきデータは、指定データの3バイト先のデータである(図182(c)参照))、その位置にある第2種別データを、取得すべきデータの値として取得し、
前記制御手段は、取得処理(図183に示すデータ取得処理)と、前記取得処理を実行する(サブプログラムである取得処理を呼び出す)制御処理を実行するよう制御し、
前記取得処理は、前記指定データを参照して、取得すべきデータが前記第1種別データか前記第2種別データかを判別し、
前記制御処理は、前記取得処理で、前記取得すべきデータが前記第1種別データであると判別された場合に(サブプログラムの戻り値が「0」である場合や、サブプログラム終了後の取得フラグが「0」を示す場合)、所定の条件に応じて、前記取得すべきデータの値を設定する(複数の第1データテーブルのうち、一の第1データテーブルに対しては、データの値を「0」とし、他の第1データテーブルに対しては、データの値を「-1」とする)、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、サブプログラムである取得処理を呼び出した制御処理は、取得処理で、取得すべきデータが第1種別データであるとの判別結果を受け取ると、そこで、取得すべきデータの値を、所定の条件に応じた値に設定するため、取得処理をサブプログラムとして共通化し、処理の汎用性を向上させることができるとともに、制御処理において、取得すべきデータが第1種別データである場合の対応を集中させ、かつ柔軟に行うことができる。また、取得処理を共通化することにより、遊技機の記憶装置の容量(特に、メインROMの制御領域の容量)を節約する効果もある。
第4実施形態では、取得処理(図183に示すデータ取得処理)において、取得すべきデータが第1種別データであると判別された場合に(サブプログラムの戻り値が「0」である場合や、サブプログラム終了後の取得フラグが「0」を示す場合)、取得すべきデータの値を制御処理が設定する(複数の第1データテーブルのうち、一の第1データテーブルに対しては、データの値を「0」とし、他の第1データテーブルに対しては、データの値を「-1」とする)こととして説明した。例えば、上記制御処理が第1始動口120乃至第2始動口140に遊技球が入賞したときに行われる処理(例えば、始動口入賞検出処理(図52参照))である場合に用いられるデータテーブル(例えば、図182に示すデータテーブル)に対してはデータの値を「0」とする一方、上記制御処理が特別図柄変動の開始されるときに行われる処理(例えば、特別図柄可変表示開始処理(図28参照))である場合に用いられるデータテーブル(例えば、図184乃至図185に示すデータテーブル)に対してはデータの値を「-1」とするように構成することが可能である。
第1データテーブル(メインROM6202やプログラムROMに記憶されたテーブルであって、特別図柄の変動状態に応じて設定されるテーブル、又は変動パターンを選択するための乱数に係る判定を行うためのテーブル)としては、例えば、特別図柄可変表示開始処理中の特別図柄の変動パターン決定処理(図28のステップS96参照)や始動口入賞検出処理中の先読み判定処理(図52のステップS396参照)において特別図柄の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルを採用することが可能である。例えば、特別図柄の変動パターン決定処理(図28のステップS96参照)においては、上記制御処理により取得したデータの値と所定の乱数値とが比較され、当該データの値が「-1」である場合には、「-1(2の補数で「FFFF」)」であり、当該データの値が必ず「大」となる。比較結果が「大」か「小」かによって、その後の処理において参照されるテーブルが異なることになる。また、先読み判定処理(図52のステップS396参照)においては、所定の乱数値が上記制御処理により取得したデータの値(例えば、250)よりも小さい場合には、不定値「7F」がセットされる(不定値判定)。一方、所定の乱数値が当該データの値(例えば、250)以上である場合には、特別図柄の変動パターンを決定するための所定の処理が実行される。なお、所定の乱数値は、第1始動口120乃至第2始動口140に遊技球が入賞したときに決定される値であり、始動情報に含まれるものである。また、第3実施形態で説明したように、先読み判定処理は、第1始動口120に遊技球が入賞したときに加えて(第1始動口120に遊技球が入賞したときに代えて)、第2始動口140に遊技球が入賞したときに行われるように構成することが可能である。
また、第4実施形態では、第1データテーブルの例として、、エントリー値とデータ値の組を複数有するデータテーブルについて説明した。ここで、図182、図184、及び、図185に示すデータテーブルにおいては、0~15のエントリー値が設定されているところ、これらのエントリー値(0~15)は、それぞれ、第2データテーブルから取得される対応情報(変動パターンテーブルの識別子を表すデータ値)に対応するものとしてもよい。すなわち、上記取得処理(図183に示すデータ取得処理)においては、対応情報取得処理(図189に示す1バイトデータ選択処理や図190に示す2バイトデータ選択処理)により取得した対応情報(図164に示すテーブル番号)に対応するデータ値を取得することとしてもよい。また、例えば、図184に示すデータテーブルは第2特別図柄の可変表示が保留されていない場合に参照され、図185に示すデータテーブルは第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に参照されるものとしてもよい。
(A-5) 前記(A-1)~(A-4)の何れかの遊技機であって、
前記制御手段は、
単位遊技(特別図柄ゲーム)を制御することにより、遊技を進行させることが可能であって、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段を備え、
前記状態制御手段は、
第1の開始条件(時短大当りに基づく大当り遊技状態が終了すること)が成立した場合に、遊技者にとって有利な状態である第1の状態(A時短遊技状態)を開始させることが可能な第1状態開始制御手段(図166のステップS5005の処理を実行するメインCPU201)と、
第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)が成立した場合に、遊技者にとって有利な状態である第2の状態(B時短遊技状態)を開始させることが可能な第2状態開始制御手段(図169のステップS5024の処理を実行するメインCPU201)と、
前記第1状態開始制御手段により前記第1の状態が開始された後、所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)が成立した場合に、前記第1の状態を終了させることが可能な第1状態終了制御手段(図170のステップS5048の処理を実行するメインCPU201)と、を備え、
一の単位遊技が行われることにより前記所定の終了条件及び前記第2の開始条件の双方が成立する場合、該一の単位遊技の制御が開始された後、次の単位遊技の制御が開始される前に、前記第1状態終了制御手段による状態の終了及び前記第2状態開始制御手段による状態の開始の双方を制御可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1の開始条件(時短大当りに基づく大当り遊技状態が終了すること)が成立した場合に遊技者にとって有利な第1の状態(A時短遊技状態)を開始させること(第1の開始と呼ぶ)が可能であり、その後、所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)が成立した場合に第1の状態(A時短遊技状態)を終了させること(第1の終了と呼ぶ)が可能である。また、第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)が成立した場合に遊技者にとって有利な第2の状態(B時短遊技状態)を開始させること(第2の開始と呼ぶ)が可能である。そして、一の単位遊技(特別図柄ゲーム)が行われることにより所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)及び第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)の双方が成立する場合、該一の単位遊技(特別図柄ゲーム)の制御が開始された後、次の単位遊技(特別図柄ゲーム)の制御が開始される前に、第1の終了(A時短遊技状態の終了)及び第2の開始(B時短遊技状態の開始)の双方を制御可能なように構成されている。これにより、第1の終了(A時短遊技状態の終了)が制御されるタイミングと第2の開始(B時短遊技状態の開始)が制御されるタイミングとを近接させることを通じて、所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)が成立することにより終了する状態(A時短遊技状態)と第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)が成立することにより開始する状態(B時短遊技状態)とを実質的に連続して発生させることが可能であり、魅力的な遊技性を創出することができる。
(A-6) 前記(A-1)~(A-5)の何れかの遊技機であって、
前記制御手段は、
単位遊技(特別図柄ゲーム)を制御することにより、遊技を進行させることが可能であって、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段を備え、
前記状態制御手段は、
第1の開始条件(時短大当りに基づく大当り遊技状態が終了すること)が成立した場合に、遊技者にとって有利な状態である第1の状態(A時短遊技状態)を開始させることが可能な第1状態開始制御手段(図166のステップS5005の処理を実行するメインCPU201)と、
第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)が成立した場合に、遊技者にとって有利な状態である第2の状態(B時短遊技状態)を開始させることが可能な第2状態開始制御手段(図169のステップS5024の処理を実行するメインCPU201)と、
第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること)が成立した場合に、遊技者にとって有利な状態である第3の状態(大当り遊技状態)を開始させることが可能な第3状態開始制御手段(図30のステップS123の処理を実行するメインCPU201)と、
前記第1状態開始制御手段により前記第1の状態が開始された後、所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)が成立した場合に、前記第1の状態を終了させることが可能な第1状態終了制御手段(図170のステップS5048の処理を実行するメインCPU201)と、を備え、
一の単位遊技が行われることにより前記所定の終了条件、前記第2の開始条件、及び、前記第3の開始条件が成立する場合、前記第2状態開始制御手段による状態の開始をさせない一方、前記第1状態終了制御手段による状態の終了及び前記第3状態開始制御手段による状態の開始を制御可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1の開始条件(時短大当りに基づく大当り遊技状態が終了すること)が成立した場合に遊技者にとって有利な第1の状態(A時短遊技状態)を開始させること(第1の開始と呼ぶ)が可能であり、その後、所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)が成立した場合に第1の状態(A時短遊技状態)を終了させること(第1の終了と呼ぶ)が可能である。また、第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)が成立した場合に遊技者にとって有利な第2の状態(B時短遊技状態)を開始させること(第2の開始と呼ぶ)が可能であり、第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること)が成立した場合に遊技者にとって有利な第3の状態(大当り遊技状態)を開始させること(第3の開始と呼ぶ)が可能である。そして、一の単位遊技(特別図柄ゲーム)が行われることにより所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)、第2の開始条件(低確率状態において行われる特別図柄ゲームの回数が天井値に達すること)、及び、第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること)が成立する場合、第2の開始(B時短遊技状態の開始)をさせない一方、第1の終了(A時短遊技状態の終了)及び第3の開始(大当り遊技状態の開始)を制御可能なように構成されている。これにより、第2の開始(B時短遊技状態の開始)よりも第3の開始(大当り遊技状態の開始)を優先的に実行しつつ、所定の終了条件(特別図柄ゲームの回数がA時短規定回数に達すること)が成立することにより終了する状態(A時短遊技状態)と第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること)が成立することにより開始する状態(大当り遊技状態)とを実質的に連続して発生させることが可能であり、魅力的な遊技性を創出することができる。
第3実施形態では、一の単位遊技(天井カウンタが天井値に到達する特別図柄ゲーム)における特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が開始されるときに第1の状態(A時短遊技状態)が終了し、当該単位遊技(特別図柄ゲーム)において第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること、すなわち、当該特別図柄ゲームにおいて停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であること)が成立しない(ハズレである)場合、当該単位遊技(特別図柄ゲーム)における特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が終了するときに第2の状態(B時短遊技状態)が開始されることとして説明した。また、一の単位遊技(天井カウンタが天井値に到達する特別図柄ゲーム)における特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が開始されるときに第1の状態(A時短遊技状態)が終了し、当該単位遊技(特別図柄ゲーム)において第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること、すなわち、当該特別図柄ゲームにおいて停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であること)が成立する(大当りである)場合、当該単位遊技(特別図柄ゲーム)における特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が終了するときに、第2の状態(B時短遊技状態)が開始されず、第3の状態(大当り遊技状態)が開始されることとして説明した。これらの場合、当該単位遊技(特別図柄ゲーム)における特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が行われている間は、非時短遊技状態となり、時短制御(特図短縮制御及び電サポ制御)が実行されない。なお、当該単位遊技(特別図柄ゲーム)において第3の開始条件(特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが決定されること、すなわち、当該特別図柄ゲームにおいて停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であること)が成立する(大当りである)場合においても、いったん第2の状態(B時短遊技状態)を開始させ(いったん時短フラグをオンにセットし、すぐに時短フラグをオフにした上で)、第3の状態(大当り遊技状態)を開始させることとしてもよい。
第1の状態(A時短遊技状態)の終了タイミング及び第2の状態(B時短遊技状態)の開始タイミングは、特に限定されず、一の単位遊技(特別図柄ゲーム)における任意のタイミングで、第1の状態(A時短遊技状態)を終了させ、第2の状態(B時短遊技状態)を開始させるように構成することが可能である。これらのタイミングは、特別図柄の可変表示(特別図柄変動)の開始前であってもよいし、特別図柄の可変表示(特別図柄変動)の終了後であってもよいし、特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が開始されるのと略同時であってもよいし、特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が終了する(特別図柄が停止表示される)のと略同時であってもよいし、特別図柄の可変表示(特別図柄変動)が行われている途中であってもよい。
また、第1の状態(A時短遊技状態)の終了タイミングと第2の状態(B時短遊技状態)の開始タイミングとの先後関係は、特に限定されず、第1の状態(A時短遊技状態)を終了させた後に第2の状態(B時短遊技状態)を開始させてもよいし、第2の状態(B時短遊技状態)を開始させた後に第1の状態(A時短遊技状態)を終了させてもよい。また、第1の状態(A時短遊技状態)を終了させるのと略同時に第2の状態(B時短遊技状態)を開始させることとしてもよい。例えば、第1の状態(A時短遊技状態)を終了させる処理、及び、第2の状態(B時短遊技状態)を開始させる処理を、双方とも特別図柄遊技終了時カウンタ更新処理(図169参照)において実行することとしてもよいし、双方とも特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理(図170参照)において実行することとしてもよい。
以上では、第1の状態と第2の状態とがともに時短遊技状態であることとして説明した。しかし、これらの状態は、この例に限定されず、例えば、一方の状態(例えば、第2の状態)が時短遊技状態であり、他方の状態(例えば、第1の状態)が高確率状態(確変遊技状態)であることとしてもよい。第1の開始条件としては、時短大当りに基づく大当り遊技状態が終了することという条件を採用することが可能であり、時短大当りは、大当り遊技状態が終了するときに時短フラグがオンにセットされる大当りである。第3実施形態では、大当り1~12が全て時短大当りであることとして説明したが、もちろん、少なくとも一の大当りが非時短大当り(大当り遊技状態が終了するときに時短フラグがオンにセットされない大当り)であってもよい。また、第1の状態、第2の状態、及び、第3の状態は、それぞれ、遊技者にとって有利な状態(有利状態)であるところ、有利状態としては、パチンコ遊技機における時短遊技状態、確変遊技状態、大当り遊技状態等の遊技状態、パチスロ遊技機におけるボーナス状態(BB状態やMB状態等)、RT状態、AT状態(ART状態)等を挙げることができる。
(A-7) 前記(A-1)~(A-6)のいずれかの遊技機であって、
前記制御手段は、遊技に関する状態(演出変動モード)を制御可能であり、
前記状態の少なくとも一部についてそれぞれ設定された複数の第2データテーブル(演出変動モードごとに設定されたテーブル)を備え、
前記第2データテーブルにはそれぞれ、数値(演出変動カウンタの値との比較対象となる比較値)と、前記数値に対応する対応情報(変動パターンテーブルの識別子を表すデータ値)との組が複数記憶され、前記数値を記憶するデータ長は、当該数値が取りうる上限値に応じて、前記第2データテーブルごとに個別に設定され(上限値が255以下の場合は1バイト、上限値が65535以下で256以上の場合は2バイト)、
前記制御手段は、
前記状態に基づいて、対応する前記第2データテーブルを選択し、選択された前記第2データテーブルから、前記数値に対応する対応情報を取得する対応情報取得処理(1バイトデータ選択処理や2バイトデータ選択処理)を実行し、
選択された前記第2データテーブルの前記数値を記憶するデータ長に応じて、前記対応情報取得処理の処理内容を切り替える(1バイトのデータ長の第2データテーブルを選択した場合は、第2データテーブルの「数値」の項目を1バイトで比較して、1バイト長の「数値」を用いて対応情報を取得する第1サブプログラムを呼び出し、2バイトのデータ長の第2データテーブルを選択した場合は、第2データテーブルの「数値」の項目を2バイトで比較して、2バイト長の「数値」を用いて対応情報を取得する第2サブプログラムを呼び出す)、
ことをを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、状態に応じてそれぞれ設定された複数の第2データテーブルに関しては、状態ごとに、同じプログラムによって同様の処理が行われることが一般的であるところ、特定の数値項目については、その上限値に応じてデータ長を個別に調整することにより、例えば、上限値が255以下である数値項目について、2バイトの記憶領域を無駄に確保するようなことがなくなり、結果的に、遊技機の記憶装置の容量(特に、メインROMのデータ領域の容量)を効率的に利用することができる。
第4実施形態では、第2データテーブル(演出変動モードごとに設定されたテーブル)の例として、数値(演出変動カウンタの値との比較対象となる比較値)と、当該数値に対応する対応情報(変動パターンテーブルの識別子を表すデータ値)との組が複数記憶されたデータテーブルについて説明した。例えば、図165を用いて説明した例において、演出変動モードがモード1~4の何れかである場合には、演出変動カウンタの値の取りうる上限値が100乃至101(255以下)であるため、当該演出変動モードに基づいて選択されるデータテーブルにおいて、比較値を1バイトのデータ長とすることができる。これに対し、演出変動モードがモード5である場合には、演出変動カウンタの値の取りうる上限値が379(256以上65535以下)であるため、当該演出変動モードに基づいて選択されるデータテーブルにおいて、比較値を2バイトのデータ長とすることができる。そして、演出変動モードがモード1~4の何れかである場合(状態種別データがA時短遊技状態を示すデータである場合)には、1バイトデータ選択処理を実行する一方、演出変動モードがモード5である場合(状態種別データがB時短遊技状態を示すデータである場合)には、2バイトデータ選択処理を実行するように構成することが可能である。なお、データ値としては、変動パターンテーブルの識別子としてのテーブル番号(図164参照)を採用することができる。
また、第4実施形態では、図187に示すデータテーブルが、比較値とデータ値の組として第1の組~第5の組を有することとして説明したが、これらの組のうち第4の組及び第5の組を有さないデータテーブル(比較値とデータ値の組として、比較値が「1」でありデータ値が「14」である組、比較値が「378」でありデータ値が「13」である組、及び、比較値が「379」でありデータ値が「12」である組を有するデータテーブル)を採用することとしてもよい。このとき、演出変動モードがモード5である場合に当該データテーブルが選択され、演出変動モードがモード1である場合に図186に示すデータテーブルが選択されるように構成することが可能である。
(A-8) 前記(A-1)~(A-7)の何れかの遊技機であって、
識別情報の変動表示及び停止表示を行うことが可能な識別情報表示手段(第1特別図柄表示部163及び第2特別図柄表示部164)を備え、
前記制御手段は、
前記識別情報表示手段において識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な識別情報表示制御手段(図27の処理を実行するメインCPU201)と、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段と、を備え、
前記識別情報表示制御手段は、前記状態制御手段により制御される状態が所定の状態(低確率状態)である場合には、識別情報の停止表示が行われてから第1の待機時間が経過したときに識別情報の変動表示を行うことが可能である一方、前記状態制御手段により制御される状態が特定の状態(高確率状態)である場合には、識別情報の停止表示が行われてから第2の待機時間が経過したときに識別情報の変動表示を行うことが可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、所定の状態(低確率状態)に制御されている場合には、識別情報の停止表示が行われてから第1の待機時間が経過したときに識別情報の変動表示を行うことが可能である一方、特定の状態(高確率状態)に制御されている場合には、識別情報の停止表示が行われてから第2の待機時間が経過したときに識別情報の変動表示を行うことが可能なように構成されている。これにより、識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間を通じて、現在制御されている状態が所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)とのうちの何れの状態であるのかを遊技者に推測させることが可能であり、魅力的な遊技性を創出することができる。
所定の状態及び特定の状態としては、特に限定されず、例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態、及び、高確非時短遊技状態のうちの任意の状態を適宜採用することが可能である。例えば、低確率状態(低確非時短遊技状態及び低確時短遊技状態)と高確率状態(高確時短遊技状態及び高確非時短遊技状態)との間で識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間を異ならせてもよい。この場合、低確非時短遊技状態と低確時短遊技状態との間で、識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、高確時短遊技状態と高確非時短遊技状態との間で、識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。あるいは、非時短遊技状態(低確非時短遊技状態及び高確非時短遊技状態)と時短遊技状態(低確時短遊技状態及び高確時短遊技状態)との間で識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間を異ならせてもよい。この場合、低確非時短遊技状態と高確非時短遊技状態との間で、識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、低確時短遊技状態と高確時短遊技状態との間で、識別情報の停止表示が行われてから識別情報の変動表示が行われるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。第1の待機時間と第2の待機時間との関係は、特に限定されず、第1の待機時間の方が長くてもよいし、第2の待機時間の方が長くてもよい。ただ、遊技者から見てこれらの時間の長短を辛うじて判別可能な程度に異なる(例えば、長い方の時間が短い方の時間の1.2倍~2倍程度)ように設定することが望ましい。
(A-9) 前記(A-1)~(A-8)の何れかの遊技機であって、
画像を表示することが可能な画像表示手段(表示装置7)を備え、
前記制御手段は、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段と、
遊技に関するモードを制御可能なモード制御手段と、
前記画像表示手段における画像の表示を制御可能な画像表示制御手段と、を備え、
前記状態制御手段は、
所定の状態(低確率状態)において所定回数の単位遊技が行われた場合に、遊技者にとって有利な状態(B時短遊技状態)を開始させることが可能であり、
前記モード制御手段により制御されるモードが特定のモード(ラッシュタイム)である場合、前記所定の状態と特定の状態(高確率状態)とのうちの何れかの状態に制御可能であり、
前記モード制御手段により制御されるモードが前記特定のモードであり、且つ、前記状態制御手段により制御される状態が前記特定の状態である場合において、前記特定のモードが終了した後、前記所定の状態に制御可能であり、
前記画像表示制御手段は、前記特定のモードが開始された後、前記所定の状態において行われた単位遊技の回数が前記所定回数に達するまでの残り回数に応じた画像の表示を制御可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、所定の状態(低確率状態)において所定回数の単位遊技が行われた場合に、遊技者にとって有利な状態(B時短遊技状態)を開始させることが可能であり、特定のモード(ラッシュタイム)に制御されている場合、所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)とのうちの何れかの状態に制御可能である。また、特定のモード(ラッシュタイム)に制御されており、且つ、特定の状態(高確率状態)に制御されている場合において、特定のモード(ラッシュタイム)が終了した後、所定の状態(低確率状態)に制御可能である。そして、特定のモード(ラッシュタイム)が開始された後、所定の状態(低確率状態)において行われた単位遊技の回数が所定回数に達するまでの残り回数に応じた画像の表示を制御可能なように構成されている。これにより、特定のモード(ラッシュタイム)において特定の状態(高確率状態)に制御されている場合、所定の状態(低確率状態)において行われた単位遊技の回数が所定回数に達するまでの残り回数は、特定のモード(ラッシュタイム)中に減少せず、特定のモード(ラッシュタイム)が終了してから減少することになる。一方、特定のモード(ラッシュタイム)において所定の状態(低確率状態)に制御されている場合には、所定の状態(低確率状態)において行われた単位遊技の回数が所定回数に達するまでの残り回数が特定のモード(ラッシュタイム)中に減少することになる。従って、特定のモード(ラッシュタイム)が開始された後、特定のモード(ラッシュタイム)において制御される状態が所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)とのうちの何れの状態であるのかに応じて、当該残り回数が異なることになる。このような状況において、当該残り回数に応じた画像を通じて、遊技者にとって有利な状態(B時短遊技状態)が開始されるまでに必要な単位遊技の回数を遊技者に示唆することが可能であり、魅力的な遊技性を創出することができる。
第3実施形態では、特定のモード(ラッシュタイム)が終了するときに、所定の状態(低確率状態)において行われた単位遊技の回数が所定回数に達するまでの残り回数に応じた画像として、遊技者にとって有利な状態(B時短遊技状態)が開始されるまでに必要な単位遊技の回数を示す画像が表示されることとして説明した。所定の状態(低確率状態)において行われた単位遊技の回数が所定回数に達するまでの残り回数に応じた画像は、遊技者にとって有利な状態(B時短遊技状態)が開始されるまでに必要な単位遊技の回数(数値)を直接明示する画像に限定されず、遊技者にとって有利な状態(B時短遊技状態)が開始されるまでに必要な単位遊技の回数の目安を遊技者が把握できるような画像を適宜採用することが可能である。例えば、所定回数(天井値)に対する当該残り回数(天井値と天井カウンタとの差分)の割合、又は、所定回数(天井値)に対する天井カウンタの割合を示す画像(例えば、当該割合をメーターにより示す画像)を表示することとしてもよい。当該画像の表示タイミングは、特定のモード(ラッシュタイム)が終了するときに限定されず、特定のモード(ラッシュタイム)が開始された後の任意のタイミング(例えば、特定のモード(ラッシュタイム)の途中、特定のモード(ラッシュタイム)の終了後等)に当該画像を表示することが可能である。
なお、以上では、状態制御手段とは別途モード制御手段を設け、モード制御手段によりモード(演出モード)を管理することとして説明したが、状態制御手段により制御される状態にモード(演出モード)を含め、状態制御手段によりモード(演出モード)を管理することとしてもよい。特定のモードは、ラッシュタイムに限定されず、他の演出モード(例えば、ドリームタイム)であってもよい。
(A-10) 前記(A-1)~(A-9)の何れかの遊技機であって、
識別情報の変動表示及び停止表示を行うことが可能な識別情報表示手段(第1特別図柄表示部163及び第2特別図柄表示部164)を備え、
前記制御手段は、
遊技に関する所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)を行うことが可能な決定手段と、
前記決定手段により行われる前記所定の決定の結果に基づいて、前記識別情報表示手段において識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な識別情報表示制御手段(図27の処理を実行するメインCPU201)と、
前記決定手段により前記所定の決定が行われた後、前記識別情報表示制御手段により該所定の決定に基づく識別情報の変動表示が行われるまでの間、該所定の決定の結果に対応する決定結果情報(始動情報)を記憶可能な決定結果情報記憶手段と、
前記識別情報表示制御手段により識別情報の変動表示が行われるとき、所定の演出(カットイン演出)を実行することが可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記決定結果情報記憶手段により記憶可能な前記決定結果情報の上限数を超える回数の識別情報の変動表示に亘って、連続して前記所定の演出を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)の結果に基づいて識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能であり、また、所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)が行われた後、該所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)に基づく識別情報の変動表示が行われるまでの間、該所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)の結果に対応する決定結果情報(始動情報)を記憶可能である。そして、記憶可能な決定結果情報(始動情報)の上限数を超える回数の識別情報の変動表示に亘って、連続して所定の演出(カットイン演出)を実行することが可能なように構成されている。これにより、所定の演出(カットイン演出)が連続して発生する回数が当該上限数を超えることを通じて、遊技者に対して大きな期待感を抱かせることが可能であり、魅力的な遊技性を創出することができる。
第3実施形態では、一の所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)が行われた時点で、先行する所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)について先読み演出が実行されている場合であっても、今回の所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)について先読み演出が行われることがあることとして説明した。これにより、現在行われている識別情報の変動表示(特別図柄変動)において所定の演出(カットイン演出)が実行された場合において、今回の所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)についての先読み演出として所定の演出(カットイン演出)が選択された場合には、記憶可能な決定結果情報(始動情報)の上限数(4)を超える回数の識別情報の変動表示(特別図柄変動)に亘って、連続して所定の演出(カットイン演出)が行われる可能性がある。なお、先読み演出とは、一の所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)の結果を示唆する演出のうち、当該一の所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)よりも先に行われた所定の決定(大当り判定用乱数値の抽出)に対応する識別情報の変動表示(特別図柄変動)が終了する前にその内容が決定されるものを指す。
また、第3実施形態では、固定値に対応する変動パターンと不定値に対応する変動パターンとが設けられていることとして説明した。この場合において、今回の始動入賞に対応する特別図柄変動における変動パターンが固定値に対応する変動パターンである場合には、大当りか否かを示す情報とともに、変動パターンを示す情報が主制御回路200からサブ制御回路300へと送信される一方、今回の始動入賞に対応する特別図柄変動における変動パターンが不定値に対応する変動パターンである場合には、大当りか否かを示す情報だけが主制御回路200からサブ制御回路300へと送信され、変動パターンを示す情報は送信されないように構成してもよい。これにより、今回の始動入賞に対応する特別図柄変動における変動パターンが不定値に対応する変動パターンである場合には、当該始動入賞について先読み演出が行われないようにすることが可能である。なお、所定の変動パターン(固定値)と所定の変動パターン(不定値)とでは、同一の変動パターンで特別図柄変動を行うようにしてもよいし、異なる変動パターンで特別図柄変動を行うようにしてもよい。
(A-11) 前記(A-1)~(A-10)の何れかの遊技機であって、
画像を表示することが可能な画像表示手段(表示装置7)を備え、
前記制御手段は、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段と、
所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立した場合に、前記画像表示手段にデモ画像を表示させることが可能な画像表示制御手段と、を備え、
前記画像表示制御手段は、前記状態制御手段により制御される状態が所定の状態(低確率状態)である場合には、前記所定のデモ移行条件が成立してから第1の時間が経過したときに前記画像表示手段にデモ画像を表示させることが可能である一方、前記状態制御手段により制御される状態が特定の状態(高確率状態)である場合には、前記所定のデモ移行条件が成立してから第2の時間が経過したときに前記画像表示手段にデモ画像を表示させることが可能である、
ことを特徴とする。
第3実施形態及び第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、所定の状態(低確率状態)に制御されている場合には、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してから第1の時間が経過したときにデモ画像を表示させることが可能である一方、特定の状態(高確率状態)に制御されている場合には、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してから第2の時間が経過したときにデモ画像を表示させることが可能なように構成されている。これにより、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間を通じて、現在制御されている状態が所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)とのうちの何れの状態であるのかを遊技者に推測させることが可能であり、魅力的な遊技性を創出することができる。
所定のデモ移行条件(デモ画面への移行条件)としては、従来公知の条件を適宜採用することが可能である。例えば、パチンコ遊技機においては、図柄の変動が停止した後ハンドルの操作が検出されないまま所定時間が経過すること、図柄の変動が停止した後始動口への入賞が発生しないまま所定時間が経過すること、保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること、といった条件を、デモ画面への移行条件として挙げることができる。また、パチスロ遊技機においては、メダルの払出が行われた後BETが行われないまま所定時間(例えば、10秒)が経過すること、再遊技による自動投入の後スタートレバーが操作されないまま所定時間が経過すること、C/Pボタンが操作されクレジットされているメダルが全て払い出されること、電源が投入されること(BETが行われるまでの間)、といった条件を、デモ画面への移行条件として挙げることができる。
所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)との間で所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像(デモ画面)が表示されるまでの時間を異ならせるに当たっては、サブ制御回路がデモ表示コマンドを受信してからデモ画面が表示されるまでの時間を所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)との間で異ならせてもよいし、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからサブ制御回路へとデモ表示コマンドが送信されるまでの時間を所定の状態(低確率状態)と特定の状態(高確率状態)との間で異ならせてもよい。
所定の状態及び特定の状態としては、特に限定されず、例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態、及び、高確非時短遊技状態のうちの任意の状態を適宜採用することが可能である。例えば、低確率状態(低確非時短遊技状態及び低確時短遊技状態)と高確率状態(高確時短遊技状態及び高確非時短遊技状態)との間で所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間を異ならせてもよい。この場合、低確非時短遊技状態と低確時短遊技状態との間で、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、高確時短遊技状態と高確非時短遊技状態との間で、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。あるいは、非時短遊技状態(低確非時短遊技状態及び高確非時短遊技状態)と時短遊技状態(低確時短遊技状態及び高確時短遊技状態)との間で所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間を異ならせてもよい。この場合、低確非時短遊技状態と高確非時短遊技状態との間で、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、低確時短遊技状態と高確時短遊技状態との間で、所定のデモ移行条件(保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること等)が成立してからデモ画像が表示されるまでの時間は、同じであってもよいし異なっていてもよい。あるいは、所定の状態及び特定の状態として、演出モードを採用することとしてもよい。第1の時間と第2の時間との関係は、特に限定されず、第1の時間の方が長くてもよいし、第2の時間の方が長くてもよい。ただ、遊技者から見てこれらの時間の長短を辛うじて判別可能な程度に異なる(例えば、長い方の時間が短い方の時間の1.2倍~2倍程度)ように設定することが望ましい。
<付記(その他)>
従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
しかしながら、従来のパチンコ遊技機やパチスロ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を効果的に図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上、第1実施形態~第4実施形態について説明した。上述した実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチスロ遊技機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態~第4実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
201,1201,2201 メインCPU
301,1301,2301 サブCPU
120,1120,2120 第1始動口
140,1140A,1140B,2140 第2始動口

Claims (1)

  1. 識別情報の変動表示及び停止表示を行うことが可能な識別情報表示手段と、
    前記識別情報表示手段において識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な識別情報表示制御手段と、
    遊技球が入賞した後、前記識別情報表示制御手段により識別情報の変動表示が行われるまでの間、入賞に応じた情報を記憶可能な情報記憶手段と、
    第1の状態を開始させることが可能な第1状態開始制御手段と、
    第2の状態を開始させることが可能な第2状態開始制御手段と、
    前記第1状態開始制御手段により第1の状態が開始された後、第1の状態を終了させることが可能な第1状態終了制御手段と、を備え、
    第1の状態に制御されているときには、第1の状態よりも期待度が低い第3の状態に制御されているときと比較して期待度が高いことを遊技者が判別容易な態様で制御可能であり、
    一の単位遊技において、第2の状態の開始条件及び第1の状態の終了条件が成立する場合、次の単位遊技の制御が開始される前に、前記第2状態開始制御手段による状態の開始及び前記第1状態終了制御手段による状態の終了を制御可能であり、
    第1の状態の開始条件は、遊技者にとって有利な特定遊技の終了後に成立可能であり、
    第2の状態の開始条件は、特定回数の単位遊技に亘って特定遊技の発生契機が導出されない場合に成立可能であり、
    前記情報記憶手段により記憶可能な情報の上限数を超える回数の識別情報の変動表示に亘って、所定の表示を実行することが可能である、
    ことを特徴とする遊技機。

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