JP2024050046A - コンピュータプログラム、情報処理方法及び情報処理装置 - Google Patents

コンピュータプログラム、情報処理方法及び情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コンピュータプログラム、情報処理方法及び情報処理装置の提供。【解決手段】画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得し、取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定し、前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定し、推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。【選択図】図8

Description

本発明は、コンピュータプログラム、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
冠動脈における閉塞部の治療法の一つに経皮的冠状動脈インターベンション(PCI : Percutaneous Coronary Intervention)と称される方法がある。PCIは、閉塞した病変部をバルーンカテーテルで拡張し、ステントを留置して、血管を再建する低侵襲治療である。
PCIの術中又は術後において、画像診断用カテーテルを用いた血管内超音波診断法(IVUS : IntraVascular UltraSound)又は光干渉断層診断法(OCT : Optical Coherence Tomography)により、血管の状態を観察することができる。また、血管に造影剤を注入しながら、X線を用いて血管を撮影する血管造影検査により、閉塞部に至る血管の走行を観察することができる。
特開2017-153621号公報
画像診断用カテーテルのシャフト部には、ガイドワイヤを挿通させるためのGWルーメンが設けられている。センサが回転し血管状態を全周に亘り撮像する機械式画像診断用カテーテルにおいては、GWルーメンはセンサよりも先端側に位置している。IVUSやOCTにより、ステント留置後の血管状態を観察する場合、留置されたステントの先端を超えて、血管の末梢側(遠位側)へGWルーメンを押し進める必要がある。押し進めた画像診断用カテーテルを血管から引き抜く方向へ移動させるとき、GWルーメンの基端側開口部がステントストラットに引っ掛かり、スタックが発生するリスクがある。
一つの側面では、スタックが発生するリスクがある場合、ユーザに注意喚起を促すことができるコンピュータプログラム、情報処理方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
(1)一つの側面に係るコンピュータプログラムは、画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得し、取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定し、前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定し、推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
(2)上記(1)のコンピュータプログラムにおいて、前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルと前記管腔器官との位置関係、若しくは、前記画像診断用カテーテルを案内するガイドワイヤと前記管腔器官との位置関係を特定し、特定した位置関係に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定することが好ましい。
(3)上記(2)のコンピュータプログラムにおいて、前記断層画像から、前記画像診断用カテーテルと前記管腔器官の内腔壁との間の距離、若しくは、前記ガイドワイヤと前記管腔器官の内腔壁との間の距離を算出することにより、前記位置関係を特定することが好ましい。
(4)上記(1)のコンピュータプログラムにおいて、管腔器官の断層画像を入力した場合、前記リスクに関する情報を出力するよう学習された学習モデルに、取得した断層画像を入力して、前記学習モデルによる演算を実行し、前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定することが好ましい。
(5)上記(1)から(4)の何れか1つのコンピュータプログラムにおいて、前記断層画像から、前記管腔器官の外径及び内腔径を算出し、算出した管腔器官の外径及び内腔径に基づき、前記ステントの留置区間を推定することが好ましい。
(6)上記(5)のコンピュータプログラムにおいて、前記管腔器官における外弾性板の位置に基づき、前記外径を算出することが好ましい。
(7)上記(1)から(6)の何れか1つのコンピュータプログラムにおいて、前記留置区間は、前記ステントの留置が予測される区間であることが好ましい。
(8)上記(1)から(6)の何れか1つのコンピュータプログラムにおいて、前記留置区間は、前記ステントが留置された留置済みの区間であることが好ましい。
(9)上記(1)から(8)の何れか1つのコンピュータプログラムにおいて、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクがあると判定した箇所を前記断層画像上で強調表示することが好ましい。
(10)上記(1)から(9)の何れか1つのコンピュータプログラムにおいて、前記断層画像と共に撮像されるアンギオ画像を取得し、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクがあると判定した箇所を前記アンギオ画像上で強調表示することが好ましい。
(11)一つの側面に係る情報処理方法は、画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得し、取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定し、前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定し、推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する。
(12)一つの側面に係る情報処理装置は、画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得する取得部と、取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定する推定部と、前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定する判定部と、推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する出力部とを備える。
一つの側面では、スタックリスクの高低に応じて、ユーザに注意喚起を促すことができる。
実施の形態1における画像診断装置の構成例を示す模式図である。 画像診断用カテーテルの概要を示す模式図である。 センサ部を挿通させた血管の断面を示す説明図である。 断層画像を説明する説明図である。 画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 学習モデルの構成例を示す模式図である。 学習モデルによる認識結果を示す模式図である。 実施の形態1に係る画像処理装置が実行する処理の概要を説明する説明図である。 実施の形態1に係る画像処理装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 アラートの出力例を示す模式図である。 実施の形態2に係る画像処理装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 実施の形態3で用いる学習モデルの構成例を示す模式図である。 実施の形態3に係る画像処理装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における画像診断装置100の構成例を示す模式図である。本実施の形態では、血管内超音波診断法(IVUS)及び光干渉断層診断法(OCT)の両方の機能を備えるデュアルタイプのカテーテルを用いた画像診断装置について説明する。デュアルタイプのカテーテルでは、IVUSのみによって超音波断層画像を取得するモードと、OCTのみによって光干渉断層画像を取得するモードと、IVUS及びOCTによって両方の断層画像を取得するモードとが設けられており、これらのモードを切り替えて使用することができる。以下、超音波断層画像及び光干渉断層画像をそれぞれIVUS画像及びOCT画像とも記載する。IVUS画像及びOCT画像を区別して説明する必要がない場合、単に断層画像とも記載する。
実施の形態に係る画像診断装置100は、血管内検査装置101と、血管造影装置102と、画像処理装置3と、表示装置4と、入力装置5とを備える。血管内検査装置101は、画像診断用カテーテル1及びMDU(Motor Drive Unit)2を備える。画像診断用カテーテル1は、MDU2を介して画像処理装置3に接続されている。画像処理装置3には、表示装置4及び入力装置5が接続されている。表示装置4は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、入力装置5は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル又はマイク等である。入力装置5と画像処理装置3とは、一体に構成されていてもよい。更に入力装置5は、ジェスチャ入力又は視線入力等を受け付けるセンサであってもよい。
血管造影装置102は画像処理装置3に接続されている。血管造影装置102は、患者の血管に造影剤を注入しながら、患者の生体外からX線を用いて血管を撮像し、当該血管の透視画像であるアンギオ画像を得るためのアンギオグラフィ装置である。血管造影装置102は、X線源及びX線センサを備え、X線源から照射されたX線をX線センサが受信することにより、患者のX線透視画像をイメージングする。なお、画像診断用カテーテル1にはX線を透過しないマーカが設けられており、アンギオ画像において画像診断用カテーテル1(マーカ)の位置が可視化される。血管造影装置102は、撮像して得られたアンギオ画像を画像処理装置3へ出力し、画像処理装置3を介して当該アンギオ画像を表示装置4に表示させる。なお、表示装置4には、アンギオ画像と、画像診断用カテーテル1を用いて撮像された断層画像とが表示される。
なお、本実施の形態では、画像処理装置3に、2次元のアンギオ画像を撮像する血管造影装置102が接続されているが、生体外の複数の方向から患者の管腔器官及び画像診断用カテーテル1を撮像する装置であれば、血管造影装置102に限定されない。
図2は画像診断用カテーテル1の概要を示す模式図である。なお、図2中の上側の一点鎖線の領域は、下側の一点鎖線の領域を拡大したものである。画像診断用カテーテル1は、プローブ11と、プローブ11の端部に配置されたコネクタ部15とを有する。プローブ11は、コネクタ部15を介してMDU2に接続される。以下の説明では画像診断用カテーテル1のコネクタ部15から遠い側を先端側と記載し、コネクタ部15側を基端側と記載する。プローブ11は、カテーテルシース11aを備え、その先端部には、ガイドワイヤGWが挿通可能なガイドワイヤ挿通部14が設けられている。ガイドワイヤ挿通部14はガイドワイヤルーメンを構成し、予め血管内に挿入されたガイドワイヤGWを受け入れ、ガイドワイヤGWによってプローブ11を患部まで導くのに使用される。カテーテルシース11aは、ガイドワイヤ挿通部14との接続部分からコネクタ部15との接続部分に亘って連続する管部を形成している。カテーテルシース11aの内部にはシャフト13が挿通されており、シャフト13の先端側にはセンサ部12が接続されている。
センサ部12は、ハウジング12dを有し、ハウジング12dの先端側は、カテーテルシース11aの内面との摩擦や引っ掛かりを抑制するために半球状に形成されている。ハウジング12d内には、超音波を血管内に送信すると共に血管内からの反射波を受信する超音波送受信部12a(以下ではIVUSセンサ12aという)と、近赤外光を血管内に送信すると共に血管内からの反射光を受信する光送受信部12b(以下ではOCTセンサ12bという)とが配置されている。図2に示す例では、プローブ11の先端側にIVUSセンサ12aが設けられており、基端側にOCTセンサ12bが設けられており、シャフト13の中心軸上(図2中の二点鎖線上)において軸方向に沿って距離xだけ離れて配置されている。画像診断用カテーテル1において、IVUSセンサ12a及びOCTセンサ12bは、シャフト13の軸方向に対して略90度となる方向(シャフト13の径方向)を超音波又は近赤外光の送受信方向として取り付けられている。なお、IVUSセンサ12a及びOCTセンサ12bは、カテーテルシース11aの内面での反射波又は反射光を受信しないように、径方向よりややずらして取り付けられることが望ましい。本実施の形態では、例えば図2中の矢符で示すように、IVUSセンサ12aは径方向に対して基端側に傾斜した方向を超音波の照射方向とし、OCTセンサ12bは径方向に対して先端側に傾斜した方向を近赤外光の照射方向として取り付けられている。
シャフト13には、IVUSセンサ12aに接続された電気信号ケーブル(図示せず)と、OCTセンサ12bに接続された光ファイバケーブル(図示せず)とが内挿されている。プローブ11は、先端側から血管内に挿入される。センサ部12及びシャフト13は、カテーテルシース11aの内部で進退可能であり、また、周方向に回転することができる。センサ部12及びシャフト13は、シャフト13の中心軸を回転軸として回転する。画像診断装置100では、センサ部12及びシャフト13によって構成されるイメージングコアを用いることにより、血管の内側から撮影された超音波断層画像(IVUS画像)、又は、血管の内側から撮影された光干渉断層画像(OCT画像)によって血管内部の状態を測定する。
MDU2は、コネクタ部15によってプローブ11(画像診断用カテーテル1)が着脱可能に取り付けられる駆動装置であり、医療従事者の操作に応じて内蔵モータを駆動することにより、血管内に挿入された画像診断用カテーテル1の動作を制御する。例えばMDU2は、プローブ11に内挿されたセンサ部12及びシャフト13を一定の速度でMDU2側に向けて引っ張りながら周方向に回転させるプルバック操作を行う。センサ部12は、プルバック操作によって先端側から基端側に移動しながら回転しつつ、所定の時間間隔で連続的に血管内を走査することにより、プローブ11に略垂直な複数枚の横断層像を所定の間隔で連続的に撮影する。MDU2は、IVUSセンサ12aが受信した超音波の反射波データと、OCTセンサ12bが受信した反射光データとを画像処理装置3へ出力する。
画像処理装置3は、MDU2を介してIVUSセンサ12aが受信した超音波の反射波データである信号データセットと、OCTセンサ12bが受信した反射光データである信号データセットとを取得する。画像処理装置3は、超音波の信号データセットから超音波ラインデータを生成し、生成した超音波ラインデータに基づいて血管の横断層を撮像した超音波断層画像(IVUS画像)を構築する。また、画像処理装置3は、反射光の信号データセットから光ラインデータを生成し、生成した光ラインデータに基づいて血管の横断層を撮像した光干渉断層画像(OCT画像)を構築する。ここで、IVUSセンサ12a及びOCTセンサ12bが取得する信号データセットと、信号データセットから構築される断層画像とについて説明する。
図3はセンサ部12を挿通させた血管の断面を示す説明図であり、図4は断層画像を説明する説明図である。まず、図3を用いて、血管内におけるIVUSセンサ12a及びOCTセンサ12bの動作と、IVUSセンサ12a及びOCTセンサ12bによって取得される信号データセット(超音波ラインデータ及び光ラインデータ)について説明する。イメージングコアが血管内に挿通された状態で断層画像の撮像が開始されると、イメージングコアが矢符で示す方向に、シャフト13の中心軸を回転中心として回転する。このとき、IVUSセンサ12aは、各回転角度において超音波の送信及び受信を行う。ライン1,2,…512は各回転角度における超音波の送受信方向を示している。本実施の形態では、IVUSセンサ12aは、血管内において360度回動(1回転)する間に512回の超音波の送信及び受信を断続的に行う。IVUSセンサ12aは、1回の超音波の送受信により、送受信方向の1ラインのデータを取得するので、1回転の間に、回転中心から放射線状に延びる512本の超音波ラインデータを得ることができる。512本の超音波ラインデータは、回転中心の近傍では密であるが、回転中心から離れるにつれて互いに疎になっていく。そこで、画像処理装置3は、各ラインの空いた空間における画素を周知の補間処理によって生成することにより、図4Aに示すような2次元の超音波断層画像(IVUS画像)を生成することができる。
同様に、OCTセンサ12bも、各回転角度において測定光の送信及び受信を行う。OCTセンサ12bも血管内において360度回動する間に512回の測定光の送信及び受信を行うので、1回転の間に、回転中心から放射線状に延びる512本の光ラインデータを得ることができる。光ラインデータについても、画像処理装置3は、各ラインの空いた空間における画素を周知の補間処理によって生成することにより、図4Aに示すIVUS画像と同様の2次元の光干渉断層画像(OCT画像)を生成することができる。すなわち、画像処理装置3は、反射光と、例えば画像処理装置3内の光源からの光を分離することで得られた参照光とを干渉させることで生成される干渉光に基づいて光ラインデータを生成し、生成した光ラインデータに基づいて血管の横断層を撮像した光干渉断層画像(OCT画像)を構築する。
このように512本のラインデータから生成される2次元の断層画像を1フレームのIVUS画像又はOCT画像という。なお、センサ部12は血管内を移動しながら走査するため、移動範囲内において1回転した各位置で1フレームのIVUS画像又はOCT画像が取得される。即ち、移動範囲においてプローブ11の先端側から基端側への各位置で1フレームのIVUS画像又はOCT画像が取得されるので、図4Bに示すように、移動範囲内で複数フレームのIVUS画像又はOCT画像が取得される。
画像診断用カテーテル1は、IVUSセンサ12aによって得られるIVUS画像又はOCTセンサ12bによって得られるOCT画像と、血管造影装置102によって得られるアンギオ画像との位置関係を確認するために、X線を透過しないマーカを有する。図2に示す例では、カテーテルシース11aの先端部、例えばガイドワイヤ挿通部14にマーカ14aが設けられており、センサ部12のシャフト13側にマーカ12cが設けられている。このように構成された画像診断用カテーテル1をX線で撮像すると、マーカ14a,12cが可視化されたアンギオ画像が得られる。マーカ14a,12cを設ける位置は一例であり、マーカ12cはセンサ部12ではなくシャフト13に設けてもよく、マーカ14aはカテーテルシース11aの先端部以外の箇所に設けてもよい。
図5は画像処理装置3の構成例を示すブロック図である。画像処理装置3はコンピュータ(情報処理装置)であり、制御部31、主記憶部32、入出力部33、通信部34、補助記憶部35、読取部36を備える。画像処理装置3は、単一のコンピュータに限らず、複数のコンピュータにより構成されるマルチコンピュータであってよい。また、画像処理装置3は、サーバクライアントシステムや、クラウドサーバ、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。以下の説明では、画像処理装置3が単一のコンピュータであるものとして説明する。
制御部31は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、GPGPU(General purpose computing on graphics processing units)、TPU(Tensor Processing Unit)等の演算処理装置を用いて構成されている。制御部31は、バスを介して画像処理装置3を構成するハードウェア各部と接続されている。
主記憶部32は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部31が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
入出力部33は、血管内検査装置101、血管造影装置102、表示装置4、入力装置5等の外部装置を接続するインタフェースを備える。制御部31は、入出力部33を介して、血管内検査装置101からIVUS画像及びOCT画像を取得し、血管造影装置102からアンギオ画像を取得する。また、制御部31は、入出力部33を介して、IVUS画像、OCT画像、又はアンギオ画像の医用画像信号を表示装置4へ出力することによって、表示装置4に医用画像を表示する。更に、制御部31は、入出力部33を介して、入力装置5に入力された情報を受け付ける。
通信部34は、例えば、4G、5G、WiFi等の通信規格に準拠した通信インタフェースを備える。画像処理装置3は、通信部34を介して、インターネット等の外部ネットワークに接続されるクラウドサーバ等の外部サーバと通信を行う。制御部31は、通信部34を介して、外部サーバにアクセスし、当該外部サーバのストレージに記憶されている各種のデータを参照するものであってもよい。また、制御部31は、当該外部サーバと例えばプロセス間通信を行うことにより、本実施の形態における処理を協働して行うものであってもよい。
補助記憶部35は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。補助記憶部35には、制御部31が実行するコンピュータプログラムや制御部31の処理に必要な各種データが記憶される。なお、補助記憶部35は画像処理装置3に接続された外部記憶装置であってもよい。制御部31が実行するコンピュータプログラムは、画像処理装置3の製造段階において補助記憶部35に書き込まれてもよいし、遠隔のサーバ装置が配信するものを画像処理装置3が通信にて取得して補助記憶部35に記憶させてもよい。コンピュータプログラムは、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体RMに読み出し可能に記録された態様であってもよく、読取部36が記録媒体RMから読み出して補助記憶部35に記憶させてもよい。補助記憶部35に記憶されるコンピュータプログラムの一例は、画像診断用カテーテル1がスタックするリスクを判定し、ステントの留置区間においてスタックするリスクがあると判定した場合、注意喚起を促す情報を出力する処理をコンピュータに実行させるためのリスク判定プログラムPGである。
また、補助記憶部35には、各種の学習モデルが記憶されてもよい。学習モデルはその定義情報によって記述される。学習モデルの定義情報は、学習モデルを構成する層の情報、各層を構成するノードの情報、ノード間の重み係数及びバイアスなどの内部パラメータを含む。内部パラメータは、所定の学習アルゴリズムによって学習される。補助記憶部35には、学習済みの内部パラメータを含む学習モデルの定義情報が記憶される。補助記憶部35に記憶される学習モデルの一例は、断層画像から、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、及びカテーテル領域を認識する処理に用いられる学習モデルMD1である。
図6は学習モデルMD1の構成例を示す模式図である。学習モデルMD1は、画像セグメンテーションを行うための学習モデルであり、例えば、SegNetなどの畳み込み層を備えたニューラルネットワークにより構築される。代替的に、学習モデルMD1は、SegNetに限らず、FCN(Fully Convolutional Network)、U-Net(U-Shaped Network)、PSPNet(Pyramid Scene Parsing Network)など画像セグメンテーション用の学習モデルであってもよい。また、学習モデルMD1は、YOLO(You Only Look Once)、SSD(Single Shot Multi-Box Detector)、ViT(Vision Transformer)など物体検出用の学習モデルであってもよい。
本実施の形態において、学習モデルMD1への入力画像は、血管内検査装置101より得られる血管の断層画像(IVUS画像又はOCT画像)である。学習モデルMD1は、断層画像の入力に対し、断層画像に含まれる血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、及びカテーテル領域の認識結果を示す情報を出力するように学習される。ここで、血管領域は断層画像内において血管が存在する領域である。IVUS画像では血管の外膜表面は不明瞭になることが多い。このため、代替的に外弾性板(EEM:External Elastic Membrane)により囲まれる領域が血管領域として認識されてもよい。内腔領域は、断層画像内において血管の内腔壁によって囲まれる領域である。ガイドワイヤ領域は、断層画像内において血管内部に挿通されたガイドワイヤGWが存在する領域である。IVUS画像には高輝度の比較的小さな領域としてガイドワイヤ領域が現れる。カテーテル領域は、断層画像内において血管内部に挿通された画像診断用カテーテル1のセンサ部12が存在する領域である。IVUS画像には黒色の円形領域として画像の中心付近にカテーテル領域が現れる。
学習モデルMD1は、例えば、エンコーダEN、デコーダDE、及びソフトマックス層SMを備える。エンコーダENは、畳み込み層とプーリング層とを交互に配置して構成される。畳み込み層は2~3層に多層化されている。
畳み込み層では、入力されるデータと、それぞれにおいて定められたサイズ(例えば、3×3や5×5など)のフィルタとの畳み込み演算を行う。すなわち、フィルタの各要素に対応する位置に入力された入力値と、フィルタに予め設定された重み係数とを要素毎に乗算し、これら要素毎の乗算値の線形和を算出する。算出した線形和に、設定されたバイアスを加算することによって、畳み込み層における出力が得られる。なお、畳み込み演算の結果は活性化関数によって変換されてもよい。活性化関数として、例えばReLU(Rectified Linear Unit)を用いることができる。畳み込み層の出力は、入力データの特徴を抽出した特徴マップを表している。
プーリング層では、入力側に接続された上位層である畳み込み層から出力された特徴マップの局所的な統計量を算出する。具体的には、上位層の位置に対応する所定サイズ(例えば、2×2、3×3)のウインドウを設定し、ウインドウ内の入力値から局所の統計量を算出する。統計量としては、例えば最大値を採用できる。プーリング層から出力される特徴マップのサイズは、ウインドウのサイズに応じて縮小(ダウンサンプリング)される。図6の例は、エンコーダENにおいて畳み込み層における演算とプーリング層における演算とを順次繰り返すことによって、224画素×224画素の入力画像を、112×112、56×56、28×28、…、1×1の特徴マップに順次ダウンサンプリングしていることを示している。
エンコーダENの出力は、デコーダDEに入力される。デコーダDEは、逆畳み込み層と逆プーリング層とを交互に配置して構成される。逆畳み込み層は2~3層に多層化されている。
逆畳み込み層では、入力された特徴マップに対して、逆畳み込み演算を行う。逆畳み込み演算とは、入力された特徴マップが特定のフィルタを用いて畳み込み演算された結果であるという推定の下、畳み込み演算される前の特徴マップを復元する演算である。この演算では、特定のフィルタを行列で表したとき、この行列に対する転置行列と、入力された特徴マップとの積を算出することで、出力用の特徴マップを生成する。なお、逆畳み込み層の演算結果は、上述したReLUなどの活性化関数によって変換されてもよい。
デコーダDEが備える逆プーリング層は、エンコーダENが備えるプーリング層に1対1で個別に対応付けられており、対応付けられている対は実質的に同一のサイズを有する。逆プーリング層は、エンコーダENのプーリング層においてダウンサンプリングされた特徴マップのサイズを再び拡大(アップサンプリング)する。図6の例は、デコーダDEにおいて畳み込み層における演算とプーリング層における演算とを順次繰り返すことによって、1×1、7×7、14×14、…、224×224の特徴マップに順次アップサンプリングしていることを示している。
デコーダDEの出力は、ソフトマックス層SMに入力される。ソフトマックス層SMは、入力側に接続された逆畳み込み層からの入力値にソフトマックス関数を適用することにより、各位置(画素)における部位を識別するラベルの確率を出力する。本実施の形態では、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、カテーテル領域を識別するラベルが設定される。画像処理装置3の制御部31は、ソフトマックス層SMから出力されるラベルの確率を参照して、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、カテーテル領域を認識する。
図7は学習モデルMD1による認識結果を示す模式図である。画像処理装置3の制御部31は、血管内検査装置101より得られる断層画像を学習モデルMD1に入力し、学習モデルMD1による演算を実行することにより、図7に示すような認識結果を取得する。図7において、境界線B1によって囲まれる領域は血管領域、境界線B2によって囲まれる領域は内腔領域、境界線B3によって囲まれる領域はガイドワイヤ領域、境界線B4によって囲まれる領域はカテーテル領域である。画像セグメンテーションでは、境界線B1と境界線B2との間の領域が血管領域として認識され、境界線B2と境界線B4との間の領域が内腔領域として認識される。また、境界線B3及び境界線B4の内側の領域はそれぞれガイドワイヤ領域、カテーテル領域として認識される。なお、断層画像がIVUS画像である場合、境界線B1は外弾性板が存在する位置を示す。
図7に示す血管径は血管領域の直径であり、内腔径は内腔領域の直径である。制御部31は、断層画像の縮尺に基づき、血管径及び内腔径の実際の寸法を算出することができる。例えば、IVUS画像は超音波により計測される寸法情報を基に生成されるので、1画素が何mmに相当するのかは画像診断装置100において既知の情報である。制御部31は、画像診断装置100において既知の寸法情報に基づき、血管径及び内腔径の実際の寸法を算出することができる。また、断層画像がDICOM形式のデータである場合、メタ情報に縮尺情報が含まれているので、メタ情報に含まれる縮尺情報を参照して、血管径及び内腔径の実際の寸法を算出してもよい。一方、断層画像がメタ情報を持たない画像形式のデータである場合、断層画像に映っているセンサ部12(すなわちカテーテル領域)の寸法が既知であれば、その寸法情報に基づき、血管径及び内腔径の実際の寸法を算出することが可能である。
図7において、L1はガイドワイヤGWと内腔壁との間の距離を表し、L2は画像診断用カテーテル1と内腔壁との間の距離を表す。上記と同様に、制御部31は、既知の寸法情報を基に、距離L1及び距離L2の実際の寸法を算出することができる。
図7では、説明を簡略化するために、血管領域及び内腔領域をそれぞれ円形領域として記載しているが、これらの領域は実際には完全な円形領域として観測されることは少ない。このため、制御部31は、各領域の中心(若しくは重心)を基準にして周方向に走査し、血管径及び内腔径に関して、最大径、最小径、及び平均径を算出してもよく、距離L1及び距離L2に関して、最大距離、最小距離、及び平均距離を算出してもよい。
図8は実施の形態1に係る画像処理装置3が実行する処理の概要を説明する説明図である。実施の形態1に係る画像処理装置3は、ステントが留置される前の血管の断層画像を取得し、取得した断層画像に基づき、ステントの留置が予測される区間(以下、留置区間ともいう)を推定する。血管(冠動脈)の壁内にプラークと呼ばれる脂質に富んだ構造物が沈着すると、血管は狭窄又は閉塞し、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の原因となる。画像処理装置3は、血管内検査装置101から得られる断層画像に基づき、血管径及び内腔径を算出し、算出した血管径及び内腔径を基に血管の狭窄部位又は閉塞部位を特定することによって留置区間を推定する。例えば、血管径に対する内腔径の比率が第1閾値未満(例えば70%未満)である場合、その断層画像には狭窄部位が存在すると判断する。狭窄部位が存在する断層画像が血管の長軸方向に沿って連続して現れる場合、その区間をステントの留置区間として推定することができる。
また、画像処理装置3は、取得した断層画像に基づき、画像診断用カテーテル1がスタックするリスクを判定する。ガイドワイヤGW又は画像診断用カテーテル1が内腔壁に近づく程、画像診断用カテーテル1がスタックするリスクが高まるので、例えば、ガイドワイヤGWと内腔壁との間の距離L1、若しくは、画像診断用カテーテル1と内腔壁との間の距離L2が第2閾値未満(例えば0.5mm未満)である場合、スタックするリスクが高いと判定することができる。
画像処理装置3は、ステントの留置区間に、スタックするリスクが高い箇所が存在する場合、術者に対して注意喚起を促すために、アラートを出力する。具体的には、画像処理装置3は、スタックするリスクが高い箇所を縦断層画像上で強調表示する。代替的に、アンギオ画像上の対応箇所を強調表示してもよい。
以下、画像処理装置3の動作について説明する。
図9は実施の形態1に係る画像処理装置3が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。実施の形態1では、ステントが留置される前の断層画像を使用して、スタックリスクを判定する。血管内検査装置101は、画像診断用カテーテル1のセンサ部12を先端側(遠位側)から基端側(近位側)に移動させながら血管内を走査して、一連の断層画像(横断層画像)を生成する。画像処理装置3の制御部31は、入出力部33を通じて、血管内検査装置101により生成される一連の断層画像を取得する(ステップS101)。
制御部31は、取得した一連の断層画像をそれぞれ学習モデルMD1に入力して、学習モデルMD1による演算を実行し、各断層画像についてセグメンテーションを実行する(ステップS102)。学習モデルMD1を用いたセグメンテーションによって、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、及びカテーテル領域が断層画像から抽出される。
制御部31は、学習モデルMD1による認識結果に基づき、各断層画像において血管径及び内腔径を算出する(ステップS103)。例えば、制御部31は、画像診断装置100において既知の寸法情報(1画素が何mmに相当するかの情報)を参照して、血管径及び内腔径の実寸を算出することができる。
制御部31は、各断層画像において算出した血管径及び内腔径に基づき、ステントの留置が予測される区間を推定する(ステップS104)。制御部31は、例えば、断層画像から算出した血管径及び内腔径に基づき、血管径に対する内腔径の比率を算出し、算出した比率が第1閾値未満(例えば70%未満)である場合、その断層画像に狭窄部位が存在すると判断する。狭窄部位が存在する断層画像が血管の長軸方向に沿って連続して現れる区間が存在する場合、制御部31は、その区間をステントの留置区間として推定する。
制御部31は、学習モデルMD1による認識結果に基づき、各断層画像において、ガイドワイヤGWと内腔壁との間の距離L1と、画像診断用カテーテル1と内腔壁との間の距離L2とを算出する(ステップS105)。例えば、制御部31は、画像診断装置100において既知の寸法情報(1画素が何mmに相当するかの情報)を参照して、距離L1,L2の実寸を算出することができる。
制御部31は、算出した距離L1,L2に基づき、各断層画像において画像診断用カテーテル1がスタックするリスクを判定する(ステップS106)。制御部31は、例えば、ガイドワイヤGWと内腔壁との間の距離L1、若しくは、画像診断用カテーテル1と内腔壁との間の距離L2が第2閾値未満(例えば0.5mm未満)である場合、その断層画像において画像診断用カテーテル1がスタックするリスクが高いと判定することができる。
本実施の形態では、距離L1,L2に対して共通の閾値(第2閾値)を設定したが、それぞれ個別の閾値を設定してもよい。また、本実施の形態では、閾値との比較により、リスクの高低(有無)を判定する構成としたが、複数の閾値を設定し、リスクのレベルを段階的に判定してもよい。
本実施の形態では、便宜的に、ステントの留置区間を推定した後にスタックするリスクを判定する手順としたが、スタックするリスクを判定した後にステントの留置区間を推定してもよく、これらの手順を同時並行的に実行してもよい。
制御部31は、ステップS104の推定結果と、ステップS106の判定結果とを参照して、ステントの留置が予測される区間(留置区間)に、スタックリスクが高い箇所が存在するか否かを判断する(ステップS107)。このとき、留置区間に該当する複数の断層画像のうち、所定割合以上の断層画像においてスタックリスクが高い箇所が存在するか否かを判断してもよい。
ステントの留置区間にスタックリスクが高い箇所が存在しないと判断した場合(S107:NO)、制御部31は、本フローチャートによる処理を終了する。
ステントの留置区間にスタックリスクが高い箇所が存在すると判断した場合(S107:YES)、制御部31は、術者に対して注意喚起を促すために、アラートを出力する(ステップS108)。
図10はアラートの出力例を示す模式図である。図10は制御部31が表示装置4に表示させる画面の一例を示している。この表示画面300には、血管の横断層画像310、縦断層画像320、及びアンギオ画像330が示されている。この例における横断層画像310は、全875フレーム中の434番目のフレームを示している。横断層画像310には、学習モデルMD1により抽出される血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、及びカテーテル領域のそれぞれの輪郭線311~314が併せて表示されている。
縦断層画像320には、マーカ321~323が示されている。マーカ321は、横断層画像310の取得位置を示す。マーカ322は、ステントの留置が予測される区間を示す。マーカ323は、スタックリスクが高い箇所を示す。また、ステントとして、直径が3.5mm、長さが21mmのステントが選択可能である旨の情報が示されている。その他、血管径、内腔径、プラークバーデン(血管の断面積に対するプラーク面積の比率)、ガイドワイヤGWから内腔壁までの距離L1、画像診断用カテーテル1から内腔壁までの距離L2などの情報が表示されてもよい。
アンギオ画像330には、マーカ331が示されている。このマーカ331は、アンギオ画像330上でスタックリスクが高い箇所を示している。すなわち、アンギオ画像330上のマーカ331は、縦断層画像320上のマーカ323に対応する。制御部31は、公知の手法を用いて、縦断層画像320上の位置に対応するアンギオ画像330上の位置を導出することが可能である。
図10の例では、マーカ323を縦断層画像320上に表示することにより、術者に注意喚起を促すことができる。なお、図10の例では、ハッチングを付した矩形領域によりマーカ323を示しているが、マーカ323の形状や色は適宜設定することが可能である。マーカ323に代えて、文字情報を表示してもよい。また、画像処理装置3が音声出力手段を備える場合、音声によってスタックリスクが高い箇所の情報を報知してもよい。
なお、術者が、マーカ322が示すステントの留置区間を画面上で修正した場合、制御部31は、修正後の留置区間内にスタックリスクの高い箇所が存在するか否かを判定し、判定結果に応じて、マーカ323の位置を変更してもよい。
以上のように、実施の形態1では、ステントの留置が予測される区間において、スタックリスクが高いと判定した場合、術者に対して注意喚起を促すためにアラートを出力する。スタックが発生すると、解除のために手技時間が延び、患者の負担が増加する。また、スタックの影響によりステントに不用意な力が加わり、ステントに変形が生じた場合、修正の必要が生じ、患者の負担が更に増加する。実施の形態1では、ステントが留置される前のタイミングでスタックリスクが高い箇所を術者に知らせることができるので、リスクの軽減を図ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、ステントが留置された後のスタックリスク判定処理について説明する。
画像診断装置100の全体構成、画像処理装置3の内部構成等については、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図11は実施の形態2に係る画像処理装置3が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。実施の形態1では、ステントが留置された後の断層画像を使用して、スタックリスクを判定する。画像処理装置3の制御部31は、入出力部33を通じて、血管内検査装置101により生成される一連の断層画像を取得する(ステップS201)。
制御部31は、取得した一連の断層画像をそれぞれ学習モデルMD1に入力して、学習モデルMD1による演算を実行し、各断層画像についてセグメンテーションを実行する(ステップS202)。実施の形態2における学習モデルMD1は、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、及びカテーテル領域に加え、ステントより内側の領域を認識するよう学習されているものとする。制御部31は、学習モデルMD1を用いたセグメンテーションによって、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、カテーテル領域、ステント領域を断層画像から抽出する。
制御部31は、学習モデルMD1による認識結果に基づき、ステントが留置されている区間を推定する(ステップS203)。ステント領域が存在する断層画像が血管の長軸方向に沿って連続して現れる場合、その区間をステントが留置されている区間(以下、留置区間ともいう)として推定することができる。
制御部31は、学習モデルMD1による認識結果に基づき、各断層画像において、ガイドワイヤGWと内腔壁との間の距離L1と、画像診断用カテーテル1と内腔壁との間の距離L2とを算出する(ステップS204)。例えば、制御部31は、画像診断装置100において既知の寸法情報(1画素が何mmに相当するかの情報)を参照して、距離L1,L2の実寸を算出することができる。実施の形態2では、ステントが留置されている区間については、距離L1,L2に代えて、ガイドワイヤGWとステントとの間の距離、及び画像診断用カテーテル1とステントとの間の距離を算出してもよい。
制御部31は、算出した距離L1,L2に基づき、各断層画像において画像診断用カテーテル1がスタックするリスクを判定する(ステップS205)。制御部31は、例えば、ガイドワイヤGWと内腔壁との間の距離L1、若しくは、画像診断用カテーテル1と内腔壁との間の距離L2が第2閾値未満(例えば0.5mm未満)である場合、その断層画像において画像診断用カテーテル1がスタックするリスクが高いと判定することができる。
本実施の形態では、便宜的に、ステントの留置区間を推定した後にスタックするリスクを判定する手順としたが、スタックするリスクを判定した後にステントの留置区間を推定してもよく、これらの手順を同時並行的に実行してもよい。
制御部31は、ステップS203の推定結果と、ステップS205の判定結果とを参照して、ステントの留置が予測される区間(留置区間)に、スタックリスクが高い箇所が存在するか否かを判断する(ステップS206)。
ステントの留置区間にスタックリスクが高い箇所が存在しないと判断した場合(S206:NO)、制御部31は、本フローチャートによる処理を終了する。
ステントの留置区間にスタックリスクが高い箇所が存在すると判断した場合(S206:YES)、制御部31は、術者に対して注意喚起を促すために、アラートを出力する(ステップS207)。
アラートの出力方法は、実施の形態1と同様である。すなわち、制御部31は、図10に示すような表示画面300を表示装置4に表示させ、術者に注意喚起を促す強調表示を行う。
以上のように、実施の形態2では、ステントが留置されている区間において、スタックリスクが高いと判定した場合、術者に対して注意喚起を促すためにアラートを出力する。術後観察のために画像診断用カテーテル1を用いる際、GWルーメンの基端側開口部がステントストラットに引っ掛かり、スタックが発生する可能性がある。スタックが発生すると、解除のために手技時間が延び、患者の負担が増加する。また、スタックの影響によりステントに不用意な力が加わり、ステントに変形が生じた場合、修正の必要が生じ、患者の負担が更に増加する。実施の形態2では、ステントが留置された後のタイミングでスタックリスクが高い箇所を術者に知らせることができるので、スタックリスクの軽減を図ることができる。
実施の形態1では、ステントが留置される前の状態、実施の形態2では、ステントが留置された後の状態について説明したが、学習モデルMD1による認識結果に基づき、ステントが留置されているか否かを判断し、ステントが留置されている場合、図11に示すフローチャートに従ってスタックリスクの判定処理を行い、ステントが留置されていない場合、図9に示すフローチャートに従ってスタックリスクの判定処理を行ってもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、学習モデルを用いてスタックリスクを判定する構成について説明する。
画像診断装置100の全体構成、画像処理装置3の内部構成等については、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図12は実施の形態3で用いる学習モデルMD2の構成例を示す模式図である。学習モデルMD2は、例えば、入力層LY1、中間層LY2、及び出力層LY3を備える。学習モデルMD2の一例は、CNN(Convolutional neural network)による学習モデルである。代替的に、学習モデルMD2は、YOLO、SSD、SVM、決定木等に基づく学習モデルであってもよい。
入力層LY1には、血管の断層画像(IVUS画像又はOCT画像)が入力される。入力層LY1に入力された断層画像のデータは中間層LY2に与えられる。
中間層LY2は、畳み込み層、プーリング層、及び全結合層により構成される。畳み込み層とプーリング層とは交互に複数設けられてもよい。畳み込み層及びプーリング層は、各層のノードを用いた演算によって、入力層LY1より入力される断層画像の特徴を抽出する。全結合層は、畳み込み層及びプーリング層によって特徴部分が抽出されたデータを1つのノードに結合し、活性化関数によって変換された特徴変数を出力する。特徴変数は、全結合層を通じて出力層へ出力される。
出力層LY3は、例えば1つのノードを備える。出力層LY3は、中間層LY2の全結合層から入力される特徴変数に基づき、スタックリスクを示す確率を計算し、ノードから出力する。
学習モデルMD2は、画像診断用カテーテル1がスタックしているときの断層画像、画像診断用カテーテル1がスタックしていないときの断層画像を訓練データとし収集し、収集した断層画像を訓練データに用いて、所定の学習アルゴリズムで学習することにより生成される。
なお、スタックリスクを算出する学習モデルは図12に示す学習モデルMD2に限定されない。例えば、図6に示すようなセマンティックセグメンテーションにより学習した学習済みネットワークのエンコーダの出力部分を、スタックリスクを判定する分類器に接続した構成であってもよい。また、セマンティックセグメンテーションの推論結果から、スタックに関係する特徴量(距離L1,L2など)を抽出し、スタックリスクを判定する分類器に入力する構成としてもよい。スタックに関係の深い特徴量を抽出することによって、判定精度を更に高めることができる。
図13は実施の形態3に係る画像処理装置3が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。画像処理装置3の制御部31は、入出力部33を通じて、血管内検査装置101により生成される一連の断層画像を取得する(ステップS301)。
制御部31は、取得した一連の断層画像をそれぞれ学習モデルMD1に入力して、学習モデルMD1による演算を実行し、各断層画像についてセグメンテーションを実行する(ステップS302)。制御部31は、学習モデルMD1を用いたセグメンテーションによって、例えば、血管領域、内腔領域、ガイドワイヤ領域、カテーテル領域、ステント領域を断層画像から抽出する。
制御部31は、学習モデルMD1による認識結果に基づき、ステントの留置区間を推定する(ステップS303)。制御部31は、実施の形態1と同様の手順にて、ステントの留置が予測される区間を推定してもよく、実施の形態2と同様の手順にて、ステントが留置されている区間を推定してもよい。
制御部31は、取得した一連の断層画像をそれぞれ学習モデルMD2に入力して、学習モデルMD2による演算を実行し、各断層画像において画像診断用カテーテル1がスタックするリスクを判定する(ステップS304)。
本実施の形態では、便宜的に、ステントの留置区間を推定した後にスタックするリスクを判定する手順としたが、スタックするリスクを判定した後にステントの留置区間を推定してもよく、これらの手順を同時並行的に実行してもよい。
制御部31は、ステップS303の推定結果と、ステップS304の判定結果とを参照して、ステントの留置が予測される区間(留置区間)に、スタックリスクが高い箇所が存在するか否かを判断する(ステップS305)。すなわち、制御部31は、学習モデルMD2から出力されるスタックリスク(確率)と予め設定した閾値とを比較し、スタックリスクが閾値より大きくなった箇所が留置区間に存在するか否かを判断する。
ステントの留置区間にスタックリスクが高い箇所が存在しないと判断した場合(S305:NO)、制御部31は、本フローチャートによる処理を終了する。
ステントの留置区間にスタックリスクが高い箇所が存在すると判断した場合(S305:YES)、制御部31は、術者に対して注意喚起を促すために、アラートを出力する(ステップS306)。
アラートの出力方法は、実施の形態1と同様である。すなわち、制御部31は、図10に示すような表示画面300を表示装置4に表示させ、術者に注意喚起を促す強調表示を行う。
以上のように、実施の形態3では、ステントが留置されている区間において、スタックリスクが高いと判定した場合、術者に対して注意喚起を促すためにアラートを出力する。実施の形態3では、学習モデルMD2を用いてスタックリスクを判定するので、精度良くスタックリスクを判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像診断用カテーテル
2 MDU
3 画像処理装置
4 表示装置
5 入力装置
31 制御部
32 主記憶部
33 入出力部
34 通信部
35 補助記憶部
36 読取部
100 画像診断装置
101 血管内検査装置
102 血管造影装置
PG リスク判定プログラム
MD1,MD2 学習モデル

Claims (12)

  1. 画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得し、
    取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定し、
    前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定し、
    推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する
    処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
  2. 前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルと前記管腔器官との位置関係、若しくは、前記画像診断用カテーテルを案内するガイドワイヤと前記管腔器官との位置関係を特定し、
    特定した位置関係に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  3. 前記断層画像から、前記画像診断用カテーテルと前記管腔器官の内腔壁との間の距離、若しくは、前記ガイドワイヤと前記管腔器官の内腔壁との間の距離を算出することにより、前記位置関係を特定する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項2に記載のコンピュータプログラム。
  4. 管腔器官の断層画像を入力した場合、前記リスクに関する情報を出力するよう学習された学習モデルに、取得した断層画像を入力して、前記学習モデルによる演算を実行し、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  5. 前記断層画像から、前記管腔器官の外径及び内腔径を算出し、
    算出した管腔器官の外径及び内腔径に基づき、前記ステントの留置区間を推定する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  6. 前記管腔器官における外弾性板の位置に基づき、前記外径を算出する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項5に記載のコンピュータプログラム。
  7. 前記留置区間は、前記ステントの留置が予測される区間である
    請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  8. 前記留置区間は、前記ステントが留置された留置済みの区間である
    請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  9. 前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクがあると判定した箇所を前記断層画像上で強調表示する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項1から請求項8の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
  10. 前記断層画像と共に撮像されるアンギオ画像を取得し、
    前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクがあると判定した箇所を前記アンギオ画像上で強調表示する
    処理を前記コンピュータに実行させるための請求項1から請求項8の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
  11. 画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得し、
    取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定し、
    前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定し、
    推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する
    処理をコンピュータにより実行する情報処理方法。
  12. 画像診断用カテーテルより得られる管腔器官の断層画像を取得する取得部と、
    取得した断層画像に基づき、ステントの留置区間を推定する推定部と、
    前記断層画像に基づき、前記画像診断用カテーテルがスタックするリスクを判定する判定部と、
    推定した留置区間における前記リスクの情報を出力する出力部と
    を備える情報処理装置。
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