JP2024047280A - サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024047280000001
【課題】ニューラルネットワークでセンサ機能を代替する場合に、ニューラルネットワークの不得意状態を抽出し、学習を支援するセンサレスサスペンションシステムを提供する。
【解決手段】
センサ情報とサスペンションの状態情報とを関連付けて、機械学習で計算するサスペンションシステムであって、重みパラメータ記憶部と、車両状態推定部と、推定結果に基づいて、第1物理値を計算する第1の車両挙動計算部と、前記センサ情報に基づいて、第2物理値を計算する第2の車両挙動計算部と、前記第1物理値と前記第2物理値を比較して前記サスペンションの状態の推定精度を出力する推定精度検証部と、前記推定精度の出力結果に基づいて、重みパラメータの学習を指示する走行データ管理部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンションシステムに関する。
路面状況や運転状況に合わせて、サスペンションのばねに対する減衰力を変化させることで、車両の姿勢を制御するサスペンション制御システムでは、車両の4輪のサスペンションのピストン速度およびばね上上下速度を検出するセンサから得られるセンサデータを検出することで、制御値を計算してサスペンションを制御している。このセンサ機能について、低コスト化および適合工数削減の観点から、CAN(Controller Area Network)データからセンサ値を推定するロジックや推定機能を実現するニューラルネットワークを搭載することで、センサレス化を実現する技術がある。
しかしながら、走行道路は多種多様であり、全ての道路において前述のセンサ値推定技術がセンサ機能を代替することは簡単ではない。特にニューラルネットワークを適用した場合は、出荷時に搭載した学習済ニューラルネットワークで継続的にセンサ代替することは困難な可能性がある。そのため、サスペンション制御システムにおいては、道路の網羅性を向上させるための継続的な学習システムが必要である。
さらに、機械学習が適用されることがある画像認識の分野では、認識率が低い画像をヒトが特定しやすく、その画像に特化して追加学習を実施すればよいのに対して、センサレスを前提としたニューラルネットワークを適用したセンサ値推定技術においては、教師データとなるセンサ値が存在しないことから不得手な道路状況を特定することが困難である。
例えば、下記の特許文献1では、車両の挙動に関するフィードバックデータを受け付けて、機械学習アルゴリズムを実行しながら、ダンパの特性の制御を高い応答性能とロバスト性で行うことが可能なダンパ制御システムについて開示されている。
特開2021-17168号公報
従来の技術を踏まえて、サスペンション状態をセンサで直接検出せずに他のセンサ情報から推定するセンサレス化を実現するためには、さらにセンサ値推定の不得手状態を抽出して、機械学習のモデルの精度を上げる継続的な学習が必要である。これを鑑みて本発明は、ニューラルネットワークでセンサ機能を代替する場合に、ニューラルネットワークの不得意状態を抽出し、学習を支援するセンサレスサスペンションシステムを提供することが目的である。
車両に備えられる複数のセンサから取得されるセンサ情報と、前記車両に備えられるサスペンションの状態情報と、を関連付けて、機械学習で計算するサスペンションシステムであって、前記機械学習によって算出される重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶部と、前記センサ情報と前記重みパラメータとに基づいて、前記サスペンションの状態の推定結果を出力する車両状態推定部と、出力された前記推定結果に基づいて、前記車両の挙動に関する物理量の第1物理値を計算する第1の車両挙動計算部と、前記センサ情報に基づいて、前記物理量の第2物理値を計算する第2の車両挙動計算部と、前記第1物理値と前記第2物理値を比較することで、前記車両状態推定部による前記サスペンションの状態の推定精度を出力する推定精度検証部と、前記推定精度検証部による前記推定精度の出力結果に基づいて、学習管理サーバーに前記重みパラメータの学習を指示する走行データ管理部と、を備える。
サスペンション状態をセンサで直接検出せずに他のセンサ情報から推定する場合に、ニューラルネットワークの不得意状態を抽出し、学習を支援するセンサレスサスペンションシステムを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る、サスペンションシステムの機能ブロック図 図1の車両状態推定部をニューラルネットワークの構成で表した図 ニューラルネットワークを学習する際の入出力データセットの関係図 車両側の車両状態推定と学習要通知に関するフローチャート 車両側の重みデータ更新に関するフローチャート サーバー側の重みデータ学習に関するフローチャート サーバー側の異常検知対応に関するフローチャート CANデータ、車両挙動推定結果と車両挙動物理値計算結果データに係るデータを可視化するための端末画面例 車両のデータを可視化するための端末画面を想定した別の一例 車両挙動推定の結果をドライバーが確認できるようにした場合の一例 本発明の第2の実施形態に係る、サスペンションシステムの機能ブロック図 図5の車輪速信頼度判定部の内部構成の一例 本発明の第3の実施形態に係る、サスペンションシステムの機能ブロック図 第3の実施形態におけるセレクタの制御信号例 第3の実施形態のフローチャート 第4の実施形態に係る、サスペンションシステムの機能ブロック図
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
(本発明の第1の実施形態と装置の全体構成)
(図1)
サスペンション用センサを車載しないセンサレスを前提とし、自動車の乗り心地を良化させるために減衰力の制御を行うサスペンションシステムは、車両101、学習管理サーバー102、インターネット環境103の構成を有する。車両101は、サスペンションECU(Electronic Control Unit)104、ECU105、センサ106a…106b、センサECU107、CAN108、アクティブサスペンション109(以下サスペンション109)、表示部110、インターフェース(I/F)111の構成を有している。
サスペンションECU104は、車両状態推定部112、重みデータ管理部113、重みパラメータ格納部114、サスペンション制御値計算部115、第1ピッチレイト計算部116、第2ピッチレイト計算部117、推定精度検証部118、走行データ管理部119、走行データ格納部120を有している。
サスペンション109は、車両101が走行するときに、タイヤを介して路面から伝達される振動について、シートに座った運転手や搭乗者が感じる振動を抑制する。サスペンションECU104によって、サスペンション109の減衰力特性は制御され、サスペンションECU104のサスペンション制御値計算部115は、サスペンション109の制御値を導出する。
学習管理サーバー102は、サスペンションECU104に含まれる車両状態推定部112の学習を管理するサーバーであり、インターネット環境103を介して、車両101に情報を伝達する。ECU105は、インターネット環境103から伝達された学習管理サーバー102の情報を、CAN108に伝送する。これにより、サスペンションECU104内では、CAN108を経由して、各機能部と情報共有している。なお、センサECU107は、センサ106a…106bの情報を取得して、CAN108に伝送することで、センサ情報を車両101の各機能部と情報共有している。
サスペンションECU104の各機能部について説明する。サスペンションECU104は、インターフェース111を介してCAN108から情報を取得またはCAN108へ情報を出力している。重みデータ管理部113は、重みパラメータ格納部114(重みパラメータ記憶部)に格納された重みパラメータを読み出すことで、車両状態推定部112の推定のために行う計算仕様を決定する。また、重みデータ管理部113は、CAN108を介して学習管理サーバー102から学習された重みパラメータを取得し、重みパラメータの更新を行っている。
車両状態推定部112は、CAN108内に常時伝送されているデータの中で、特定の情報としてセンサ106a…106bで取得できるセンサ情報を参照する。センサ106a…106bは、車両101が有する4つの車輪のうち1つの車輪の回転速度(車輪速)の他、車両挙動系では前後加速度、左右加速度、上下加速度、ヨーレート、ロールレイト、ピッチレイト等をそれぞれ検出し、センサ情報としてCAN108に伝送する。なお、図1ではセンサ106a…106bとあたかも2種であるかのように図示しているが、実際には、前述した物理値を計測するものであり、多数であることは言うまでもない。また、車両状態推定部112が搭載される車両101が学習用車両の場合は、サスペンション用の加速度センサを車載しており、そのデータもCAN108に伝送される。
車両状態推定部112は、各センサ106a…106bからのセンサ情報を取得する。また、車両状態推定部112は、重みデータ管理部113が重みパラメータ格納部114から読み出した重みパラメータの値を、走行時の車両状態に係るデータとして取得する。車両状態推定部112は、取得したセンサ情報と取得した重みパラメータに基づいて、4輪毎のサスペンション制御に係る物理量の推定結果を出力する。
サスペンション制御値計算部115は、車両状態推定部112で推定された物理量に基づいて、サスペンション109の減衰力を制御するための制御値を計算する。このように、推定を用いた制御値の計算を行うことで、従来のように、ばね上上下速度やピストンのストローク速度を測定するための加速度センサの設置が不要になり、低コスト化に貢献できる。
つづいて、車両状態推定部112の推定精度の検証について説明する。まず、車両状態推定部112は、推定した4輪のサスペンションのばね上上下速度(サスペンション109の状態情報)を第1ピッチレイト計算部116に転送する。第1ピッチレイト計算部116は、転送された4輪分のばね上上下速度に基づいてピッチレイト(第1の物理値)を計算する。一方で、車両101に備えられる複数のセンサ106a…106bから取得されたCAN108に含まれる4輪の車輪速データ(センサ情報)は、第2ピッチレイト計算部117に転送される。第2ピッチレイト計算部117は、転送された4輪の車輪速データに基づいてピッチレイト(第2の物理値)を計算する。
本発明は、ピッチレイトはばね上上下速度でも、4輪の車輪速でも計算できることに着目したものであり、推定結果由来の第1のピッチレイトについて、第2のピッチレイトを手本として、その推定精度を検証する狙いがある。ばね上上下速度と4輪の車輪速に基づいた計算によって導き出した2つのピッチレイトを比較して、同様な値であれば、車両状態推定部112が推定したばね上上下速度の推定精度は良好であると判断する。
推定精度検証部118は、第1ピッチレイト計算部116と第2ピッチレイト計算部117で算出された2つのピッチレイト(第1の物理値および第2の物理値)を比較する。推定精度検証部118は、2つのピッチレイトの差が所定の閾値より小さければ、車両状態推定部112の出力した推定結果は問題ないと判定する。一方で、推定精度検証部118は、2つのピッチレイトの差が所定の閾値より大きければ、車両状態推定部112の出力した推定結果は問題ありと判定し、車両状態推定部112の出力精度が悪い状態を特定する。推定精度検証部118は、車両状態推定部112の出力精度が悪い状態を特定すると、CAN108経由で車両状態推定部112に入力された時系列データセットに対して、問題ありのフラグが付与される。
このように、車両状態推定部112で出力される推定結果であるサスペンション109の状態について、第1の物理値と第2の物理値の差の情報を推定精度として出力する。なお、第1の物理値および第2の物理値はピッチレイトに限らず、複数の情報やデータに基づいて計算できる他の車両挙動データ、例えば、ロールレイトであってもよい。
このように、ニューラルネットワークが推定するばね上上下速度から算出したピッチレイト(第1ピッチレイト計算部116が計算するピッチレイト)と、ニューラルネットワークを経由しないCAN108からの車輪速の情報から算出したピッチレイト(第2ピッチレイト計算部117が計算するピッチレイト)を比較することで、車両状態推定部112によるばね上上下速度の推定精度が低精度かどうかを判断する。
なお、車両状態推定部112のニューラルネットワークにおいて用いられる重みパラメータは、車両101とは別に、サスペンション用の加速度センサを搭載した検証車両等で教師データを作成し、学習によって得られたパラメータである。
推定精度検証部118は、問題ありのフラグが付与されたデータセットを走行データ管理部119に転送する。走行データ管理部119は、転送されたデータセットを走行データ格納部120に格納する。このようなプロセスを踏むことで、走行データ格納部120には、車両状態推定部112が不得手とするデータセットが蓄積される。走行データ管理部119は、蓄積された不得手なデータセットに基づいて、車両101の走行環境について、学習管理サーバー102に重みパラメータの更新を指示する。学習管理サーバー102は、推定精度検証部118の出力に基づいて行われた走行データ管理部119の指示に従い、重みパラメータを更新するための学習を実行する。このように、学習管理サーバー102は、車両101に搭載されたサスペンションECU104における推定精度検証部118の出力結果に基づいて、重みパラメータを学習する。
(図2A)
車両状態推定部112のニューラルネットワークは、入力層(素子数i)201、隠れ層(素子数j)202、出力層(素子数K)203の各素子を階層的に結合した3層構成の階層型ニューラルネットワークにより構成される。ニューラルネットワークの入力層素子群201は、車輪速時系列の入力素子群201aと、車両挙動時系列の入力素子群201bとを含み、この2つの素子群により、サスペンション109の状態を推定する。
隠れ層素子群202の素子数は、一般的には入力層素子群201と出力層素子群203の素子数から決められるが、ニューラルネットワークによる状態推定の精度を最大化する数とする。出力層素子群203からは、ピストン速度、あるいは車載したサスペンション109のばね上上下速度の推定瞬時値が出力される。なお、図2Aではニューラルネットワークの例として多層パーセプトロンを示したが、時系列データの学習に有利な再帰型ニューラルネットワークであってもよい。
入力層素子群201の各素子と隠れ層素子群202の各素子とは、重みW1ij(i=1~I、j=1~J)で結合され、隠れ層素子群202の各素子と出力層素子203とは、重みW2jk(j=1~J、k=1)で結合される。これらの重みの情報(重みパラメータ)は、重みW1ij、重みW2jkの行列式で表される。重みパラメータは予め機械学習で求められ、重みパラメータ格納部114に格納されており、車両状態推定部112は重みパラメータ管理部113を介して重みパラメータ格納部114から重みパラメータを取得することで、ニューラルネットワークを用いた計算を実施する。なお、この例では、最も単純な隠れ層素子群202が1層の全素子接続型のニューラルネットワークを示したが、これに限定されない。
(図2B)
上段の図は、CAN108の情報のうち車輪速を一例としたものである。ニューラルネットワークの学習は、前述したようにサスペンション109の制御用にピストン速度とばね上上下速度を測定する加速度センサを搭載した検証車両で走行することで行われ、かつ当該検証車両のCANに含まれるデータの時系列データ204と、センサデータ(車載センサの時系列データ)205を使用して実施される。
具体的に、時系列データ204のうち、ウィンドウ206に含まれるデータをサンプリングした離散値がニューラルネットワークの入力層素子群201(図2A)にセットされる。そして、それに対応するセンサデータ瞬時値207をニューラルネットワークの出力層素子203(図2A)にセットする。ウィンドウ206とセンサデータ瞬時値207の関係について、ウィンドウ206の幅を例えば1秒とすると、センサデータ瞬時値207は、1秒前の走行履歴から推定されるような仕様とする。したがって、サンプリング間隔を例えば20m/秒とするとウィンドウ206内のサンプリング点は50個(=1秒÷20m/秒)となり、この50個のデータ群とセンサデータ瞬時値207の組み合わせを学習用データセットと定義する。そして、ウィンドウ206とセンサデータ瞬時値207を20m/秒ごとに時間方向にスライドさせることで、データセットをn倍化する。これにより多数のデータセットを使用したニューラルネットワークの学習ができる。
(図3A)
車両101においての車両状態の推定と学習要通知について説明する。まず、ステップS101で車両状態推定部112は、車両101が走行しているかどうかを判断する。車両101が走行していれば、ステップS102およびステップS103に進み、走行していなければフローを終了する。
ステップS102では、第2ピッチレイト計算部117は、車輪速からピッチレイトを計算する。一方で、ステップS103では、車両状態推定部112はばね上上下速度を推定する。ステップS104では、ステップS103で推定したばね上上下速度に基づいて、第1ピッチレイト計算部116がピッチレイトを計算し、ステップS105に進む。
ステップS105では、ステップS102およびステップS104で算出した2つのピッチレイトに基づいて、推定精度検証部118が推定精度(誤差)を計算する。ステップS106では、所定の閾値の例として、この推定精度(誤差)が1度より大きければステップS106に進み、1度より小さければステップS101に戻る。なお、ピッチレイトを用いた推定精度の判断基準の閾値として誤差1度を用いたが、この値に限らなくてもよい。
ステップS107では、推定精度検証部118で推定精度(誤差)が1度より大きく、推定精度が悪いと判断されたデータに学習要フラグを付与する。ステップS108では学習要フラグが付与された走行データについて、走行データ管理部119が走行データ格納部120に書き込みを行う。ステップS109では、走行データ管理部119が学習要フラグ数をカウントする。
ステップS110では、走行データ管理部119が、走行データ格納部120に格納している学習要フラグ数が1000カウントより大きくなったかどうかを判断する。この1000カウントが、走行データ格納部120に蓄積されたデータを、学習管理サーバー102へ転送する条件になる。学習要フラグ数が1000カウントより大きくなった場合は、ステップS111に進み、学習要フラグが付与された走行データを走行データサーバーである学習管理サーバー102に転送する。なお、学習管理サーバー102にデータを転送する条件として、学習要フラグ数の基準を1000としたが、この値に限らなくてもよい。
(図3B)
車両101においての重みパラメータのデータ更新について説明する。ステップS201で、重みデータ管理部113は学習管理サーバー102から重みパラメータの受信があるかどうかを判断する。重みパラメータの受信があればステップS202へ進み、なければステップS201を繰り返す。
ステップS202では、重みデータ管理部113が、取得した重みパラメータのデータを重みパラメータ格納部114に格納する。ステップS203では、重みデータ管理部113が、格納部114に重みパラメータの格納が完了しているかどうか判断する。重みパラメータが格納完了していればステップS204へ進み、完了していなければステップS203を繰り返す。
ステップS204では、重みデータ管理部113が、重みパラメータの切り替えを行い、再びステップS201からのフローを繰り返し、かつステップS205のフローに進む。ステップS205では、車両状態推定部112が重みパラメータに基づいて車両状態を推定し、推定結果を出力する。
ステップS206では、推定精度検証部118が車両状態推定部112の推定出力に異常があるかどうかを判断する。ある場合はステップS207に進み、ない場合はステップS201からのフローを繰り返す。ステップS207では、推定精度検証部118が、異常がある走行データに学習要フラグを付与する。ステップS208では、推定精度検証部118が推定出力の異常を、後述の図4Bに図示する端末画面407を有する端末を所持する車両状態推定部112の開発者や、保守点検等を行う検査員等に通知した後、ステップS201からのフローを繰り返す。
(図3C)
学習管理サーバー102においての重みパラメータの学習について説明する。ステップS301では、学習管理サーバー102が車両101から走行データを受信する。つづいてステップS302では、学習管理サーバー102がニューラルネットワークの学習を行う。次に、ステップS303で学習管理サーバー102が重みパラメータを格納する。次に、ステップS304で学習管理サーバー102が重みパラメータを重みデータ管理部113に転送し、フローを終了する。
(図3D)
学習管理サーバー102において、車両状態の推定の異常の検知対応についてのフローである。ステップS401で、学習管理サーバー102は推定精度検証部118から車両状態の推定について異常通知があるかどうかを判断する。異常通知があればステップS402に進み、なければステップS401を繰り返す。ステップS402では、学習管理サーバー102は車両状態推定部112の出力の検証を行う。
ステップS403では、学習管理サーバー102は車両状態推定部112の出力に異常が発生したかどうかを判断する。異常が発生したと判断された場合はステップS404に進み、発生していないと判断された場合は、ステップS406に進む。
ステップS404では、学習管理サーバー102が格納する最新の重みパラメータのデータを退避させる。つづいて、ステップS405では学習管理サーバー102において再び学習が行われ、ステップS402のフローを繰り返す。ステップS406では、ステップS403で異常が発生していないと判断されたため、学習管理サーバー102から車両101に重みパラメータが転送される。なお、再学習は最新の重みパラメータを退避させて新しい初期値で学習する内容で説明したが、最新の重みパラメータを初期値とした追加学習であっても構わない。
(図4A)
CAN系データ、車両挙動推定結果、車両挙動物理値の計算結果データに係るデータをそれぞれ可視化する走行試験においての測定装置画面401において、上段には、CAN108から参照する複数の種類のデータ402,403(CAN系データ)、中段には、車両状態推定部112が出力する車両挙動推定結果404、下段には、車両挙動物理値の時系列データ405が表示されている。また、例えば、ニューラルネットワークへ入力するためにデータセットを、CSV形式のファイルでテキストデータとして出力し格納するためのファイル出力ボタン406があるものとする。なお、ボタン406は装置に備えられている物理的なボタンであったり、タッチ操作で選択されたりしてもよく、また、ポインティングデバイス等で選択してもよい。また、タッチセンサ機能と合わせて手指によるタッチ操作で選択されるものでもよい。
(図4B)
端末画面407には、車両状態推定部112の出力であるニューラルネットワークの出力に基づいて第1ピッチレイト計算部116で計算したピッチレイト408と、4輪の車輪速であるニューラルネットワークの出力に基づかない第2ピッチレイト計算部117で計算したピッチレイト409を並べて提示する。さらに、2種のピッチレイトの差が所定の値以上だった場合はハイレベル、2種のピッチレイトの差が所定の値未満だった場合はローレベルになるような表示を提示する精度判定結果410を、2つのピッチレイトと並べて提示するものとする。
(図4C)
図4Cは、車両挙動推定の結果について、表示部110を通してユーザが確認できるようにした場合を示した図であり、ここではユーザは運転手を一例としている。インパネ411の表示内容には、車両挙動推定結果412が含まれる。例えば、ランプ413は、精度判定結果410がハイレベルで誤差が大きい場合に点灯するランプである。また、表示メーター414は走行距離、走行時間に対して、精度判定結果410(図4B)がハイレベルである走行局面の距離、あるいはハイレベルである時間の割合を示すグラフを表している。
これにより、推定精度検証部118が出力する推定精度は、表示部110を通して、車両状態推定部112の開発者や、端末を所持する保守点検等を行う検査員や、車両101の運転手等のユーザに提示されるため、ニューラルネットワークが適用されたサスペンションシステムの精度の良否を確認し、低精度状態を認識できるようになる。
(第2の実施形態)
(図5)
第2の実施形態は、車輪速由来のピッチレイトの計算が、天候や路面状態によって信頼度が異なることに着目した実施形態である。第1の実施形態に対して変更および加えた機能部として、サスペンションシステムは、天候情報サーバー503、GPSセンサ504、ステレオカメラ505(ステカメ)、車輪速信頼度判定部506、を有している。車輪速信頼度判定部506は、車両101の外部の情報、例えば天候情報サーバー503や、車載したステレオカメラ505やGPSセンサ504の情報に基づいて、推定精度検証部118の出力について信頼度を判定している。このように、路面状態を参照したり、路面状態によってピッチレイトの信頼度が変化したりすることに着目し、信頼度判定結果を反映させることで、ニューラルネットワークの不得意状態を抽出する狙いがある。
(図6)
車輪速信頼度判定部506は、路面μ推定部601と車輪速信頼度計算部602を有している。車輪速信頼度判定部506が参照する情報は、ステレオカメラ505の情報、GPSセンサ504の情報、天候情報サーバー503の情報、車両101の装着されたタイヤの状況の情報等である。これらを参照し、それらの情報を路面μ推定部601に入力する。
路面μ推定部601は、例えばステレオカメラ505の情報に基づいて一般的に走行する路面がスリップしやすい状態、例えば降雨による水たまりができている状況や、積雪や氷結による路面μが低い状況を検知する機能を有するものとする。これについては、ステレオカメラ505でなくとも、同様の検知ができれば良いので、GPSセンサ504から取得できる自車の位置情報で天候情報サーバー503に問い合わせて路面状況を推定してもよい。
また、これまで説明した周囲の状況に応じて変化する要素以外で定常的に決まる要素、例えば砂地であったり、粒度が粗めのダート路面であったりといった情報を地図と関連付けて管理しておいて、GPSセンサ504の情報に基づいて路面がスリップ、または車輪が空転しやすいか否かを検知してもよい。
車輪速信頼度判定部506は、路面μ推定部601が出力する路面の情報と、車両101の情報と、車両101に装着したタイヤの状況(例えばグリップ力)の情報に基づいて車輪速情報の信頼度を計算し、計算結果を推定精度検証部118に出力する。一般的に、路面μは舗装ドライ路面が0.8程度、舗装ウェット路面が0.4~0.6の範囲、積雪路が0.2~0.5の範囲、氷結路が0.1~0.2の範囲とされており、この路面μとタイヤの状況からトータルの摩擦係数μ’を推定し、車両101の重量Nとの積算で滑り出す物理量を計算する。
推定精度検証部118(図5)は、車輪速信頼度判定部506において計算された車輪速情報の信頼度と、第1ピッチレイト計算部116で計算されたピッチレイトと、第2ピッチレイト計算部117で計算されたピッチレイトと、に基づいて、推定精度の検証を行う。車輪速信頼度判定部506で判定される車輪速情報の信頼度が高い場合は、第1の実施形態と同様に処理が進む。しかし、車輪速情報の信頼度が低い場合は、ニューラルネットワークによる車両状態の推定を継続したり、それ以外の代替手段に切り替えたりする処理を行う。
なお、前述した路面μは一例であり、タイヤの状況が取得できない場合は、μ’の計算を簡略化することできる。また、車両101の重量Nも車両自体の重量に加えて、搭乗者や積載物の重量が加味されることで精度を向上させてもよい。
(第3の実施形態)
(図7)
本実施形態に係るサスペンションECU104は、第1の実施形態と比較して、セレクタ703、推定値検証/補正部705を新たに備える。また、車両状態推定部112a~112dは4つの車輪ごとに設置されることで、互いに連携している。車両状態推定部112a~112dは、それぞれFL(左前)用112a、FR(右前)用112b、RL(左後)用112c、RR(右後)用112dが設置されている。
セレクタ703は、4つの車両状態推定部112a~112dから3つの推定結果を選択し、組み合わせを異ならせる。第1ピッチレイト計算部116は、セレクタ703で選択された3つの推定結果に基づいて、4種のピッチレイト(第1の物理値)を計算する。これは、車両101が剛体だとすると、3輪分の推定結果(ばね上上下速度)で第1の物理値(ピッチレイト)が計算できるので、3つの推定結果の選択の仕方で4種の第1の物理値を算出できるためである。
このように算出する理由として、推定値検証/補正部705の比較において、例えば、1輪のばね上上下速度だけが低精度であった場合は、その1輪を含まない他の3輪のばね上上下速度で計算したピッチレイトは車輪速由来のピッチレイトとほぼ一致する可能性が高く、その1輪を含む3種のピッチレイトは車輪速由来のピッチレイトと一致しない可能性が高いためである。このようにして、推定値検証/補正部705は、車輪速由来のピッチレイトと一致したピッチレイトの計算に用いた3輪のばね上上下速度推定値は高精度と判断し、対応する3輪分のばね上上下速度の推定値をサスペンション制御値計算部115に転送し、残りの1輪を排除する。
また、前述したように3輪分のデータがあればピッチレイトが計算できるので、推定値検証/補正部705は車輪速由来の正解のピッチレイトと3輪分のばね上上下速度を使用して、低精度と判定した1輪のばね上上下速度を逆算する。推定値検証/補正部705は、逆算した低精度の1輪のばね上上下速度を、サスペンション制御値計算部115に転送する。つまり、推定精度検証を行う推定値検証/補正部705は、4種の推定結果の検証や逆算による推定結果の導出を行う。
このように、高精度のピッチレイトが1系統でも得られれば、それを導出するのに使用した3系統のばね上上下速度の推定結果は高精度であると判定でき、また、残りの1系統のばね上上下速度の推定結果は低精度であると判定できる。低精度のばね上上下速度であった場合は、第2ピッチレイト計算部117で計算したピッチレイトおよび3系統のばね上上下速度を使用して逆算することで推定結果として採用でき、学習管理サーバー102で実施する車両状態推定部112を実現するニューラルネットワークの教師データとして扱うことができる。
なお、推定値検証/補正部705は、4種の第1の物理値のそれぞれと第2の物理値との比較に基づいた4つの差分値すべてが、所定の閾値よりも小さい場合に、4つの車両状態推定部112a~112dから出力される4つの推定結果を、サスペンション109の状態として採用して、サスペンション制御値計算部115にその推定結果を転送する(後述の図9におけるステップS10、ステップS18)。
推定値検証/補正部705は、低精度とされたばね上上下速度を出力した車両状態推定部112a~112dいずれかの入力データセットと、推定値検証/補正部705が計算したばね上上下速度を走行データ管理部119に転送し、走行データ管理部119は入力データセットとばね上上下速度を走行データ格納部120に格納する。
走行データ管理部119は、走行データ格納部120に一定数(例えば1000)のデータセットが格納されたら、そのカウントを転送条件としてインターフェース111を介して、データセットを学習管理サーバー102に転送する。
これらにより、学習管理サーバー102に車両状態推定部112が不得手とされるデータセットを蓄積することができ、蓄積データを使用した追加学習を実施することで車両状態推定部112a~112dの精度を向上させることができる。
(図8)
セレクタ703について説明する。図8において、セレクタ703は、車両状態推定部112の動作周期である車両状態推定周期801を基準に4つのフェーズを設けて、FL選択信号802、FR選択信号803、RL選択信号804、RR選択信号805の中からどのように3つ選ぶかを示している。例えば、周期801が20m/秒とすると、20m/秒を4分割した中で3輪を選択する組み合わせを異ならせることになる。
図8の例を見ると、第1期間ではFL選択信号802とFR選択信号803とRL選択信号804がハイレベルであるため、FLとFRとRLの3種を選択する。第2期間では、FR選択信号803とRL選択信号804とRR選択信号805がハイレベルであるため、FRとRLとRRの3種を選択する。第3期間では、FL選択信号802とRL選択信号804とRR選択信号805がハイレベルであるため、FLとRLとRRの3種を選択する。第4期間では、FL選択信号802とFR選択信号803とRR選択信号805がハイレベルであるため、FLとFRとRRの3種を選択する。
なお、この図8では、推定値検証/補正部705が1系統であり、シリアル処理で実施した場合の制御信号であり、推定値検証/補正部705が4系統であればパラレル処理で実施するのが一般的である。
(図9)
第3の実施形態のフローチャートについて説明する。ステップS1では、走行データ管理部119のカウンタの値を0にする(リセットする)。ステップS2では、第1ピッチレイト計算部116が車輪FL,FR,RLのばね上上下速度を使用して計算したセンサ推定値を用いてピッチレイト計算Aを行う。ステップS3では、第1ピッチレイト計算部116が車輪FR,RL,RRのばね上上下速度を使用して計算したセンサ推定値を用いてピッチレイト計算Bを行う。ステップS3では、第1ピッチレイト計算部116が車輪RL,RR,FLのばね上上下速度を使用して計算したセンサ推定値を用いてピッチレイト計算Cを行う。ステップS4では、第1ピッチレイト計算部116が車輪RR,FL,FRのばね上上下速度を使用して計算したセンサ推定値を用いてピッチレイト計算Dを行う。
ステップS6では、推定値検証/補正部705が、ステップS2で算出した計算結果Aから、第2ピッチレイト計算部117で算出した車輪速由来の計算結果を引いたものを算出する。ステップS7では、推定値検証/補正部705が、ステップS3で算出した計算結果Bから第2ピッチレイト計算部117で算出した車輪速由来の計算結果を引いたものを算出する。ステップS8では、推定値検証/補正部705が、ステップS3で算出した計算結果Cから第2ピッチレイト計算部117で算出した車輪速由来の計算結果を引いたものを算出する。ステップS9では、推定値検証/補正部705が、ステップS5で算出した計算結果Dから第2ピッチレイト計算部117で算出した車輪速由来の計算結果を引いたものを算出する。
ステップS10では、推定値検証/補正部705が、ステップS6~ステップS9で算出した4つの結果の差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判定する。算出した4つの結果の差が小さい場合は、ステップS18に進み、推定値検証/補正部705が4種の推定結果を採用する。その後は、4種の推定結果を引き続き用いることができるかどうか(差が所定の閾値よりも小さいかどうか)を判定し続けるために、ステップS2に戻る。
ステップS10で、算出した4種の結果の差が大きい場合は、ステップS11に進む。ステップS11では、推定値検証/補正部705が、ステップS6で算出した計算結果の差が所定よりも小さいかどうかを判断する。その差が所定の閾値よりも小さくない場合、ステップS12で、推定値検証/補正部705が、ステップS7で算出した計算結果の差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断する。その差が所定よりも小さくない場合、ステップS13で、推定値検証/補正部705が、ステップS8で算出した計算結果の差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断する。その差が所定の閾値よりも小さくない場合、ステップS14で、推定値検証/補正部705が、ステップS9で算出した計算結果Dの差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断する。ステップS14でその差が所定の閾値よりも小さくない場合、ステップS2のフローに戻る。
ステップS15では、ステップS11において、ステップS6で算出した差が所定の閾値よりも小さい場合、ステップS2のピッチレイト計算Aで車輪FL,FR,RLのばね上上下速度を使用して計算したセンサ推定値を採用する。ステップS16ではこれに基づいて、残りの車輪RRのばね上上下速度を計算し、ステップS17でその算出した車輪RRのばね上上下速度をデータセットに格納する。なお、車輪FLの計算フローであるステップS18~ステップS20、車輪FRの計算フローであるステップS21~ステップS23、車輪RLの計算フローであるステップS24~ステップS26、については、ステップS15~ステップS17までのフローと同様であるため記述を割愛する。
ステップS27で、走行データ格納部120がカウンタ処理を行う。ステップS28でステップS27のカウンタ処理数が1000を超えていれば、ステップS29で、走行データ格納部120は更新データセットを学習管理サーバー102に送信し、ステップS30で走行データ格納部120のデータセットを消去し、ステップS1に戻って上述のフローを繰り返す。する。ステップS28でカウンタ処理数が1000を超えていなければ、ステップS2に戻って上述のフローを繰り返す。
(第4の実施形態)
(図10)
第4の実施形態は、走行データの得手/不得手のフラグだけあれば仮想環境だけで再学習(パラメータの更新)ができるような構成を有している。これは、前述の実施形態において走行しながら車両状態推定部112が出力するばね上上下速度やピストン速度の推定精度を向上させたのに対し、第4の実施形態は、仮想環境下に走行環境を再現し、仮想環境下でばね上上下速度やピストン速度の推定精度を向上させるものである。
具体的には、既存センサであるGPSセンサ504やステレオカメラ604で取得した道路情報(道路プロファイルを含む)と合わせて、精度状態を学習管理サーバー102に転送し、学習管理サーバー102においてシミュレーションで再現することで、教師データを作成することで学習を実施する。
本実施形態は、第2の実施形態に、学習管理サーバー102内に車両挙動シミュレータ1103を追加し、さらに仮想環境下にリアルの地形及び道路形状を再現するために使用する地図情報サーバー1104が構成に含まれることが特徴である。地図情報サーバー1104が扱う地図情報は、例えばオープンソースのOSM(Open Street Map)であり、その他の有償/無償の地図データあってもよい。これらの地図データには、標高/勾配情報が含まれたり、データ収集が進めば道路プロファイルといった情報を適用したりしてもよい。
また、地図情報サーバー1104に天候情報サーバー503の情報を付与すれば、仮想環境下におけるリアル環境の再現性は向上していく。よって、学習管理サーバー102は、車両101に搭載される第2のセンサ(天候情報サーバー503、地図情報サーバー1104)で取得された第2のセンサ情報と、車両101の外部で学習される仮想環境情報と、に基づいて、重みパラメータを学習する。このようにして、高度化された仮想環境下で学習管理サーバー102の車両挙動シミュレータ1103を活用すれば、必ずしも実車の測定でなくても、車両状態推定部112が出力するばね上上下速度やピストン速度の推定精度を向上させることができるようになる。
以上説明した本発明の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)車両101に備えられる複数のセンサ106から取得されるセンサ情報と、車両101に備えられるサスペンション109の状態情報と、を関連付けて、機械学習で計算するサスペンションシステムは、前記機械学習によって算出される重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶部114と、センサ情報と重みパラメータとに基づいて、サスペンション109の状態の推定結果を出力する車両状態推定部112と、を備える。出力された推定結果に基づいて、車両101の挙動に関する物理量の第1物理値を計算する第1の車両挙動計算部116と、センサ情報に基づいて、物理量の第2物理値を計算する第2の車両挙動計算部117と、第1物理値と第2物理値を比較することで、車両状態推定部112によるサスペンション109の状態の推定精度を出力する推定精度検証部118と、を備える。推定精度検証部118による推定精度の出力結果に基づいて、学習管理サーバー102に重みパラメータの学習を指示する走行データ管理部119と、を備える。このようにしたことで、サスペンション用センサを搭載しない車両においてニューラルネットワークの不得意状態を抽出し、学習を支援できる。
(2)車両101は、車両101が備える4つの車輪とそれぞれ連携する、4つの車両状態推定部112を有し、4つの車両状態推定部112から出力される4つの推定結果のうち、3つの推定結果を選択するセレクタ703を備える。このようにしたことで、3輪分の推定結果だけで、車両状態推定部112おいてサスペンション109の状態を推定できる。
(3)第1の車両挙動計算部116は、セレクタ703によって選択された3つの推定結果から4種の第1物理値を算出し、推定精度検証部118は、4種の第1物理値のそれぞれと第2物理値との比較に基づいた4つの差分値が、所定の閾値よりも小さい場合には、4つの車両状態推定部112から出力される4つの推定結果を、サスペンションの状態として採用し、推定精度検証部118は、算出された4種の第1物理値のうちいずれか1種の第1物理値において、第2物理値との比較に基づいた差分値が、所定の閾値よりも小さい場合には、第1物理値を算出するためにセレクタ703によって選択された3つの推定結果を、サスペンション109の状態として採用し、第1の車両挙動計算部116は、算出された4種の第1物理値において、第2物理値との比較に基づいた差分値が、所定の閾値よりも大きい場合には、再度、セレクタ703によって選択された3つの推定結果から4種の第1物理値を算出し直す。このようにしたことで、低精度の車両状態の推定結果を考慮した推定精度の判断ができる。
(4)推定精度検証部118は、セレクタ703によって選択されなかった推定結果を、セレクタ703によって選択した3つの推定結果と、第2の物理値とによって算出する。このようにしたことで、セレクタ703によって選択されていない推定結果についても第1の物理値を算出できる。
(5)推定精度検証部118が出力する推定精度は、表示部110を通してユーザに提示される。このようにしたことで、サスペンション109の状態の推定精度を可視化できる。
(6)第1物理値および第2物理値は、車両101のピッチレイトあるいはロールレイトである。このようにしたことで、複数の車両挙動データに基づいて第1の物理値および第2の物理値を求めることができる。
(7)学習管理サーバー102は、車両101に搭載される第2のセンサで取得された第2のセンサ情報と、車両101の外部で学習される仮想環境情報と、に基づいて、重みパラメータを学習する。このようにしたことで、仮想環境下でばね上上下速度やピストン速度の推定精度を向上させる。
(8)学習管理サーバー102は、車両101に搭載された計算機に基づいて、重みパラメータを学習するこのようにしたことで、車両101側に学習管理サーバー102を設置せずに、重みパラメータを更新できる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や他の構成を組み合わせることができる。また本発明は、上記の実施形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。
101 車両
102 学習管理サーバー
103 ネットワーク
104 サスペンションECU
105 車両ECU
106 センサ
107 センサECU
108 CAN
109 アクティブサスペンション
110 表示部
111 インターフェース(I/F)
112 車両状態推定部
113 重みデータ管理部
114 重みパラメータ格納部(記憶部)
115 サスペンション制御値計算部
116 第1ピッチレイト計算部
117 第2ピッチレイト計算部
118 推定精度検証部
119 走行データ管理部
120 走行データ格納部
201 ニューラルネットワークの入力層素子群
202 ニューラルネットワークの隠れ層素子群
203 ニューラルネットワークの出力層素子
204 時系列データ
205 センサデータ
206 ウィンドウ
207 センサデータ瞬時値
401 測定装置画面
402 車輪速データ(CAN系データ)
403 前後加速度データ(CAN系データ)
404 ピストン速度データ(車両状態推定値)
405 ピッチレイトデータ(車両挙動物理値)
406 ファイル出力ボタン
407 端末画面
408 ニューラルネットワーク由来のピッチレイト
409 非ニューラルネットワーク由来のピッチレイト
410 精度判定結果
411 インストルメントパネル
412 車両挙動推定結果
413 判定結果提示ランプ
414 走行距離メーター
503 天候情報サーバー
504 GPSセンサ
505 ステレオカメラ
506 車輪速信頼度判定部
601 路面μ推定部
703 セレクタ
705 推定値検証/補正部
801 車両状態推定周期
802~805 選択信号
1103 車両挙動シュミレータ
1104 地図情報サーバー

Claims (8)

  1. 車両に備えられる複数のセンサから取得されるセンサ情報と、前記車両に備えられるサスペンションの状態情報と、を関連付けて、機械学習で計算するサスペンションシステムであって、
    前記機械学習によって算出される重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶部と、
    前記センサ情報と前記重みパラメータとに基づいて、前記サスペンションの状態の推定結果を出力する車両状態推定部と、
    出力された前記推定結果に基づいて、前記車両の挙動に関する物理量の第1物理値を計算する第1の車両挙動計算部と、
    前記センサ情報に基づいて、前記物理量の第2物理値を計算する第2の車両挙動計算部と、
    前記第1物理値と前記第2物理値を比較することで、前記車両状態推定部による前記サスペンションの状態の推定精度を出力する推定精度検証部と、
    前記推定精度検証部による前記推定精度の出力結果に基づいて、学習管理サーバーに前記重みパラメータの学習を指示する走行データ管理部と、を備える
    サスペンションシステム。
  2. 請求項1に記載のサスペンションシステムであって、
    前記車両は、前記車両が備える4つの車輪とそれぞれ連携する、4つの前記車両状態推定部を有し、
    4つの前記車両状態推定部から出力される4つの前記推定結果のうち、3つの前記推定結果を選択するセレクタを備える
    サスペンションシステム。
  3. 請求項2に記載のサスペンションシステムであって、
    前記第1の車両挙動計算部は、前記セレクタによって選択された3つの前記推定結果から4種の前記第1物理値を算出し、
    前記推定精度検証部は、4種の前記第1物理値のそれぞれと前記第2物理値との比較に基づいた4つの差分値が、所定の閾値よりも小さい場合には、4つの前記車両状態推定部から出力される4つの前記推定結果を、前記サスペンションの状態として採用し、
    前記推定精度検証部は、算出された4種の前記第1物理値のうちいずれか1種の前記第1物理値において、前記第2物理値との比較に基づいた差分値が、所定の閾値よりも小さい場合には、前記第1物理値を算出するために前記セレクタによって選択された3つの前記推定結果を、前記サスペンションの状態として採用し、
    前記第1の車両挙動計算部は、算出された4種の前記第1物理値において、前記第2物理値との比較に基づいた差分値が、所定の閾値よりも大きい場合には、再度、前記セレクタによって選択された3つの前記推定結果から4種の前記第1物理値を算出し直す
    サスペンションシステム。
  4. 請求項3に記載のサスペンションシステムであって、
    前記推定精度検証部は、前記セレクタによって選択されなかった前記推定結果を、前記セレクタによって選択した3つの前記推定結果と、前記第2物理値とによって算出する
    サスペンションシステム。
  5. 請求項1に記載のサスペンションシステムであって、
    前記推定精度検証部が出力する前記推定精度は、表示部を通してユーザに提示される
    サスペンションシステム。
  6. 請求項1に記載のサスペンションシステムであって、
    前記第1物理値および前記第2物理値は、前記車両のピッチレイトあるいはロールレイトである
    サスペンションシステム。
  7. 請求項1に記載のサスペンションシステムであって、
    前記学習管理サーバーは、前記車両に搭載される第2のセンサで取得された第2のセンサ情報と、前記車両の外部で学習される仮想環境情報と、に基づいて、前記重みパラメータを学習する
    サスペンションシステム。
  8. 請求項4に記載のサスペンションシステムであって、
    前記学習管理サーバーは、前記車両に搭載された計算機に基づいて、前記重みパラメータを学習する
    サスペンションシステム。
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