JP2024047169A - 刃先交換式切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ろう付け時のガス排除機構を備えながらも鋼ヘッド部の剛性を十分に確保した小径ろう付けホルダを備えた刃先交換式工具を提供する。【解決手段】工具径φ8mm以下のろう付けホルダと切削インサートとを備える刃先交換式工具。鋼ヘッド部は先端部に取付座を有し、後端部に凹部が形成されている。超硬シャンク部の先端部には、テーパー面を含む凸部が形成される。超硬シャンク部の貫通穴の先端は、ろう付けホルダ内の空所に開口する。空所は、貫通穴のみを介してろう付けホルダの外部空間に通じる。超硬シャンク部の凸部の最大径D2に対する貫通穴の直径D1の割合は、10.0%以上50.0%以下である。テーパー角度θは40°≦θ≦60°である。鋼ヘッド部の全長L2に対する中実部の長さLsの割合は、5%以上25%以下である。【選択図】図6

Description

本発明は、刃先交換式切削工具に関する。
従来から、鋼ヘッド部と超硬シャンク部をろう付けで接合することで剛性を高めたろう付けホルダが知られている。ろう付け工程では、鋼ヘッド部の接合面と超硬シャンク部の接合面にろう材を挟み、挟んだろう材を外部から加熱し融解させることで接合させる。それぞれの接合面の表面にろう材をぬれ広げるため、接合面の表面の酸化被膜を除去するが、その際にガスが発生するため、ガス抜き穴を備える必要がある。ガス抜き穴の形態としては、鋼ヘッド部を径方向に貫通して側面に開口する側面穴が知られる(非特許文献1参照)。非特許文献1の2ページ目には5本のホルダ写真が掲載されているが、その内の小径側の3本がろう付けホルダであり、さらに最も工具径が細いホルダには側面穴が確認できる。
特許第3822506号公報
株式会社MOLDINO,「仕上げ加工用 刃先交換式ボールエンドミル アルファボールプレシジョンF ABPF」カタログ(2022年3月)
鋼ヘッド部に設けた側面穴をガス抜き穴とした場合、工具径が小さいと、鋼ヘッド部の体積に対してガス抜き穴が占める比率が大きくなるため、応力集中に起因する破損や、動バランスが悪化する懸念がある。
一方、特許文献1に記載のように、鋼ヘッド部と超硬シャンク部とを軸方向に貫通するクーラント穴が設けられている場合、クーラント穴がガス抜き穴としても機能する。鋼ヘッド部と超硬シャンク部を貫通する貫通穴は、工具径が大きい場合には断面積において工具径に対する貫通穴の比率が小さいため、必要な工具剛性を確保することが比較的容易である。しかしながら、工具径が小さい場合には、工具径に対するクーラント穴の比率が大きいため、鋼ヘッド部において必要な工具剛性を確保することが困難となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ろう付け時のガス排除機構を備えながらも鋼ヘッド部の剛性を十分に確保した小径ろう付けホルダを備えた刃先交換式工具を提供することを目的としている。
(1)本発明の一態様の刃先交換式切削工具は、中心軸に沿って配置される鋼製の鋼ヘッド部と超硬合金製の超硬シャンク部とがろう付けによって軸方向に接合された工具径φ8mm以下のろう付けホルダと、前記鋼ヘッド部に装着される切削インサートとを備える刃先交換式工具である。前記鋼ヘッド部の先端部には、少なくとも1個の切削インサートを取付可能な取付座が設けられる。前記鋼ヘッド部の後端部には、前記超硬シャンク部側に向かって開口するとともに、前記超硬シャンク部との接合部を構成する凹テーパー面を含む凹部が形成されている。前記超硬シャンク部の先端部には、前記鋼ヘッド部の前記凹テーパー面に嵌合されるテーパー面を含む凸部が形成されている。前記超硬シャンク部は、前記超硬シャンク部の径方向中心部を軸方向に貫通する貫通穴を有する。前記貫通穴の先端は、前記鋼ヘッド部の凹部と前記超硬シャンク部の凸部とに囲まれる前記ろう付けホルダ内の空所に開口する。前記空所は、前記貫通穴のみを介して前記ろう付けホルダの外部空間に通じている。前記貫通穴の直径をD1、前記超硬シャンク部の凸部の最大径をD2とするとき、D2に対するD1が占める割合は、10.0%以上50.0%以下の関係を満たす。前記超硬シャンク部のテーパー面のテーパー角度θは、40°≦θ≦60°である。前記切削インサートを取り付けた状態の前記鋼ヘッド部の軸方向の全長をL2、前記鋼ヘッド部のうち中心軸から外周まで中実な軸直断面を有する部分である中実部の軸方向の長さをLsとするとき、L2に対するLsの割合は、5%以上25%以下である。
上記構成によれば、鋼ヘッド部における中実部の長さLsが、鋼ヘッド部の全長L2に対して5%以上であるため、鋼ヘッド部の外周部からの破損リスクを低減でき、鋼ヘッド部に十分な剛性を確保でき、φ8mm以下の小径工具であっても十分な工具剛性が得られる。さらに、超硬シャンク部の凸部の最大径D2に対する貫通穴の直径D1の割合が10.0%~50.0%の範囲内にあり、かつ、テーパー角度θが40°~60°の範囲にあることにより、ガス抜き穴の形成と、必要な工具剛性の確保の両立が可能である。
(2)(1)において、前記切削インサートの先端から空所先端部までの軸方向の距離をL1とするとき、前記鋼ヘッド部の全長L2に対する距離L1の比L1/L2が、45%≦L1/L2≦60%である構成としてもよい。
(3)(1)または(2)において、前記刃先交換式切削工具の軸方向の全長をL3とするとき、前記鋼ヘッド部の全長L2は、前記刃先交換式切削工具の全長L3に対して18.0%以下である構成としてもよい。
(4)(1)~(3)のいずれか1つにおいて、前記鋼ヘッド部は、硬度35HRC以上の鋼で形成され、前記超硬シャンク部は硬度80HRC以上の超硬合金で形成されている構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、ろう付け時のガス排除機構を備えながらも鋼ヘッド部の剛性を十分に確保した小径ろう付けホルダを備えた刃先交換式工具が提供される。
図1は、実施形態の刃先交換式切削工具の側面図である。 図2は、図1に示す刃先交換式切削工具を、軸方向の先端側から見た正面図である。 図3は、ろう付けホルダの分解斜視図である。 図4は、鋼ヘッド部の三面図である。 図5は、鋼ヘッド部と超硬シャンク部との接合構造を示す図である。 図6は、刃先交換式切削工具の各部の寸法を示す図である。
図1は、本実施形態の刃先交換式切削工具の側面図である。図2は、図1に示す刃先交換式切削工具を、軸方向の先端側から見た正面図である。図3は、ろう付けホルダの分解斜視図である。図4は、鋼ヘッド部の三面図である。図5は、鋼ヘッド部と超硬シャンク部との接合構造を示す図である。
本実施形態の刃先交換式切削工具1は、ろう付けホルダ2と、ろう付けホルダ2に装着される切削インサート3とを備える。ろう付けホルダ2は、中心軸Oに沿って配置される鋼製の鋼ヘッド部4と超硬合金製の超硬シャンク部5とがろう付けによって軸方向に接合された構成を備える。ろう付けホルダ2は、工具径φ8mm以下の小径ホルダである。
以下の説明においては、刃先交換式切削工具1の中心軸Oの軸線方向に沿って、超硬シャンク部5から鋼ヘッド部4に向かう方向を先端側、鋼ヘッド部4から超硬シャンク部5に向かう方向を後端側と言う。また、刃先交換式切削工具1の中心軸Oに垂直な方向を径方向と言い、中心軸Oを中心に周回する方向を周方向と言う。
本実施形態の刃先交換式切削工具1は、刃先交換式のボールエンドミルである。刃先交換式切削工具1は、中心軸Oの軸回りに回転可能である。したがって、刃先交換式切削工具1の中心軸Oは、刃先交換式切削工具1の工具回転軸である。
刃先交換式切削工具1は、鋼ヘッド部4に切削インサート3が取り付けられた上で、超硬シャンク部5の後端部が工作機械の主軸に把持される。刃先交換式切削工具1は、中心軸Oの軸回りに工具回転方向Tに回転されつつ、中心軸Oに交差する方向に送り出されることにより、切削インサート3に設けられた複数の切刃31によって被削材に切削加工を施す。
切削インサート3は、例えば超硬合金からなる。超硬シャンク部5は、硬度80HRC以上の超硬合金で形成されることが好ましい。切削インサート3は、板状のインサート本体3aと、インサート本体3aの先端部に形成される複数の切刃31とを備える。切刃31は、本実施形態の場合、中心軸O回りの回転軌跡が半球状を成すボール刃である。2つの切刃31は、中心軸Oを中心とする180°回転対称位置に配置されている。インサート本体3aには、インサート本体3aを板厚方向に貫通する貫通孔が設けられている。インサート本体3aの貫通孔には、切削インサート3を鋼ヘッド部4に固定する際に、固定ねじ12が通される。
本実施形態の切削インサート3は2枚刃であるが、1枚刃あるいは3枚刃以上の切削インサートであってもよい。鋼ヘッド部4に複数の切削インサートが装着される構成であってもよい。刃先交換式切削工具1は、ラジアスエンドミルまたはスクエアエンドミルであってもよい。
鋼ヘッド部4の先端部には、切削インサート3を取付可能な取付座8が設けられる。取付座8には、切削インサート3がその中心軸(インサート中心軸)をろう付けホルダ2の中心軸に一致させた姿勢で配置される。つまり、ろう付けホルダ2の中心軸と、切削インサート3の中心軸とは、互いに同軸に配置される。そして、これら切削インサート3の中心軸とろう付けホルダ2の中心軸は、刃先交換式切削工具1の中心軸Oに一致する。
鋼ヘッド部4は、鋼材からなる。鋼ヘッド部4は、硬度35HRC以上の鋼で形成されることが好ましい。図4に示すように、鋼ヘッド部4は、概略円柱状である。鋼ヘッド部4の先端部に、切削インサート3が挿入される溝からなる取付座8が設けられる。取付座8は、図4(A)に示すように、鋼ヘッド部4の軸方向先端側から見て概略長方形状である。取付座8の底面8aは、中心軸Oに直交する平面である。
溝状の取付座8が形成されることにより、鋼ヘッド部4の先端部は2つの把持部4A、4Bに分割されている。把持部4A、4Bは、鋼ヘッド部4の先端部においてそれぞれ軸方向に延びる。把持部4Aには、把持部4Aを径方向に貫通する貫通穴9Aが形成されている。把持部4Bには、把持部4Bを径方向に貫通するねじ穴9Bが形成されている。ねじ穴9Bの雌ねじ部には、切削インサート3を固定する固定ねじ12の雄ねじ部が嵌め合わされる。
切削インサート3は、把持部4A、4Bに挟まれる取付座8に挿入される。切削インサート3が取付座8に設置された状態で、把持部4Aの貫通穴9Aと、切削インサート3の貫通孔と、把持部4Bのねじ穴9Bとが同軸位置に配置される。貫通穴9A側から固定ねじ12を挿入し、固定ねじ12をねじ穴9Bに締め込むことにより、切削インサート3が鋼ヘッド部4に固定される。
図4(B)に示すように、把持部4A、4Bは、ねじ穴9Bの軸方向から見たときに、中心軸Oに対して非対称となる形状を有する。具体的には、把持部4A、4Bは、それらの工具回転方向T後方側の部分が切り欠かれた形状である。これにより、図1に示すように、切削インサート3を装着したときに、切刃31のすくい面が把持部4A、4Bから露出される。一方、切削インサート3のすくい面と反対側の面は、把持部4A、4Bによって覆われる。2つの切刃31のすくい面と把持部4A、4Bの側端面4a、4b(図4参照)を含む溝が、それぞれの切刃31の切屑排出溝となる。さらに本実施形態では、図4に示すように、側端面4a、4bを、取付座8の底面8aよりも後方側まで延長する切欠部15A、15Bが鋼ヘッド部4の側面に設けられている。切欠部15A、15Bも、切屑排出溝の一部として機能する。
鋼ヘッド部4の後端部には、超硬シャンク部5側に向かって開口する凹部7が形成されている。凹部7は、鋼ヘッド部4の後端から先端に向かって先窄まりの凹テーパー面7aと、凹テーパー面7aの先端部からさらに先端側へ延びる凹円筒面7bとを有する。本実施形態では、凹テーパー面7aの後端における直径は、鋼ヘッド部4の直径に一致する。凹円筒面7bの直径は、本実施形態の場合、後述する超硬シャンク部5の貫通穴11の直径D1と同程度の大きさである。
本実施形態では、凹円筒面7bの先端に、先端側へ延びる凹円錐面が形成されているが、凹円筒面7bをドリルで加工した場合の穴形状を表しており、平坦面であってもよい。
超硬シャンク部5は、中心軸Oに沿って延びる円筒状である。超硬シャンク部5は、先端部に、先端側に向かって先窄まりの凸部6を有する。凸部6の外周面は、鋼ヘッド部4の凹テーパー面7aに嵌合されるテーパー面6aである。超硬シャンク部5には、超硬シャンク部5を軸方向に貫通する貫通穴11が形成されている。貫通穴11は、超硬シャンク部5と同軸の断面円形状である。凸部6の先端に貫通穴11が開口する。凸部6の先端の直径は、貫通穴11の先端の開口径とほぼ同じ大きさである。凸部6は、径方向から見て台形状である。
図5に示すように、鋼ヘッド部4と超硬シャンク部5は、ろう付けにより固定される。具体的に、超硬シャンク部5の凸部6が鋼ヘッド部4の凹部7に挿入され、凸部6のテーパー面6aと、凹部7の凹テーパー面7aとがろう付けされる。テーパー面6aと凹テーパー面7aとが、接合部13を構成する。
図5(A)に示すように、鋼ヘッド部4と超硬シャンク部5とがろう付けされた状態において、超硬シャンク部5の凸部6は、凹テーパー面7aの軸方向範囲内に収容される。これにより、鋼ヘッド部4の内部には、鋼ヘッド部4の凹部7と超硬シャンク部5の凸部6とに囲まれる空所14が形成されている。本実施形態の場合、空所14は、凹部7のうちの凹円筒面7bに囲まれる空間である。なお、凸部6の先端部が、凹円筒面7bの軸方向範囲内に位置していてもよい。
超硬シャンク部5の貫通穴11の先端側の開口は、凹円筒面7bの後端に位置する。超硬シャンク部5の貫通穴11は、空所14に開口する。凹テーパー面7aとテーパー面6aとの接合部13は、ろう付けにより封止される。また、鋼ヘッド部4には、鋼ヘッド部4を径方向に貫通して空所14に通じる通気孔も設けられていない。したがって、空所14は、貫通穴11のみを介してろう付けホルダ2の外部空間に通じている。
空所14は、凹テーパー面7aとテーパー面6aとを接合する過程において、接合部13から押し出される余分なろう材の排出場所として機能する。凹テーパー面7aとテーパー面6aとの間に位置するろう材の厚さを制御しやすくなる。刃先交換式切削工具1の寸法精度を高めることができる。また、製品毎の接合部13の接合強度のばらつきも抑制できる。
貫通穴11は、凹テーパー面7aとテーパー面6aとを接合する過程において、ろう材から発生するガスを外部に排出する通路として機能する。空所14が外部から密閉されていると、発生したガスによって内部の圧力が高まり、接合部13のろう材が外部へ押し出されたり、接合面に気泡が混入して接合強度が低くなるおそれがある。本実施形態によれば、ろう付け時のガスによる不具合の発生がなく、十分な接合強度を得ることができる。
本実施形態の刃先交換式切削工具1は、図6に示す各部の寸法が、所定の範囲または大きさの関係を満たす寸法に設定される。
まず、超硬シャンク部5の貫通穴11の直径をD1、超硬シャンク部5の凸部6の最大径をD2とするとき、D2に対するD1が占める割合は、10.0%以上50.0%以下の関係を満たす。
D2に対するD1が占める割合が10.0%より小さいと、貫通穴11が非常に細くなるため、超硬シャンク部5の先端に流れたろう材で貫通穴11の開口部が閉塞されやすくなる。貫通穴11が閉塞されると、ろう付け時に発生するガスによる接合強度低下などの不具合が発生しやすくなる。
D2に対するD1が占める割合が50.0%より大きいと、超硬シャンク部5の凸部6の先端に大きな開口が形成されるため、テーパー面6aの面積が狭くなる。ろう付け面積が減少するため、接合強度の確保が難しくなる。
超硬シャンク部5のテーパー面6aのテーパー角度θは、40°以上60°以下である。鋼ヘッド部4の凹テーパー面のテーパー角度は、接合されるテーパー面6aのテーパー角度θに一致する。テーパー角度θが40°より小さいと、鋼ヘッド部4において凹テーパー面7aの径方向外側の肉厚が薄くなるため、鋼ヘッド部4の剛性が低下するおそれがある。テーパー角度θが60°を超えると、テーパー面6aの面積が減少するため、接合部13の接合面積が減少し、接合強度の確保が難しくなる。
切削インサート3を取り付けた状態の鋼ヘッド部4の軸方向の全長をL2、鋼ヘッド部4のうち中心軸Oから外周まで中実な軸直断面を有する部分である中実部20の軸方向の長さをLsとするとき、L2に対するLsの割合は、5%以上25%以下である。
中実部20は、本実施形態の場合、切欠部15A、15Bの後端と、凹部7の先端とに挟まれる鋼ヘッド部4の円柱状部分である。切欠部15A、15Bの深さは、切削インサート3の形状に応じて異なり、切欠部15A、15Bの深さによっては、鋼ヘッド部4の剛性が低下する場合がある。そのため、中実部20は、切欠部15A、15Bと、鋼ヘッド部4の中空部となる凹部7の両方を含まない部分として定義される。
L2に対するLsの割合Ls/L2が5%より小さいと、鋼ヘッド部4における中実部20の割合が小さすぎるため、鋼ヘッド部4の剛性が不足する。Ls/L2が25%より大きいと、相対的にテーパー角度θが大きくなりすぎてしまう。その結果、テーパー面6aの面積が減少し、十分なろう付け面積が確保できなくなるおそれがある。Ls/L2は、7.5%以上であることが好ましく、より好ましくは10.0%以上である。
本実施形態の鋼ヘッド部4には、鋼ヘッド部4を軸方向に貫通する穴は設けられていない。特許文献1に記載の鋼ヘッド部は、クーラント穴として鋼ヘッド部を軸方向に貫通する穴を有する。このような貫通穴は、大径工具または中径工具では問題は生じないが、小径工具に適用すると、工具に対する中空部(クーラント穴)の割合が大きくなるため、工具剛性が不足するおそれがある。また仮に、鋼ヘッド部の一部に中実部を設けたとしても、中実部の大きさが不足すると、鋼ヘッド部の剛性向上に寄与しない。本実施形態では、中実部20を設け、かつLs/L2を上記範囲とすることで、φ8mm以下の小径工具においても剛性を確保できる構成とした。
切削インサート3の先端から空所14の先端部までの軸方向の距離をL1とするとき、鋼ヘッド部4の全長L2に対する距離L1の比L1/L2が、45%≦L1/L2≦60%であることが好ましい。
比L1/L2が45%より小さいと、空所14の容積が大きくなり、中空部分の割合が増加するため、鋼ヘッド部4全体の剛性確保が難しくなる。比L1/L2が60%より大きいと、空所14の容積を確保しにくくなり、余分なろう材による貫通穴11の閉塞を生じやすくなる。
刃先交換式切削工具1の軸方向の全長をL3とするとき、鋼ヘッド部4の全長L2は、刃先交換式切削工具1の全長L3に対して18.0%以下であることが好ましい。上記した本実施形態の鋼ヘッド部4の構成は、鋼ヘッド部4の全長L2の5.5倍を超える全長を有する刃先交換式切削工具1に好適である。上記構成の鋼ヘッド部4を備える刃先交換式切削工具1は、切削工具全体の剛性を確保しやすくなる。
本発明の効果を確認するため、表1に示す本発明例1~3、比較例1の鋼ヘッド部を超硬シャンク部とろう付けして刃先交換式切削工具を作製した。
超硬シャンク部は、硬度68HRCの超硬合金製であり、長さ75.5mm、貫通穴の直径D1:1.5mm、最大径D2:5.5mmとした。先端の凸部のテーパー角度θは、表1に記載の角度とした。
Figure 2024047169000002
本発明例1~3の刃先交換式切削工具では、超硬シャンク部の凸部の最大径D2に対する貫通穴の直径D1が占める割合が、10.0%以上50.0%以下の範囲にあり、超硬シャンク部のテーパー面のテーパー角度θが40°≦θ≦60°の範囲にあり、鋼ヘッド部の全長L2に対する中実部の長さLsの割合が、5%以上25%以下の範囲にある。
本発明例1~3の刃先交換式切削工具では、鋼ヘッド部と超硬シャンク部との接合部の面積を十分に確保することができ、十分な接合強度が得られた。ここで、表1に記載の◎〇△について、◎は接合部面積が60mm超、〇は接合部面積が55mm以上60以下、△は接合部面積が55mm未満である。評価水準は、実機における接合強度の測定結果に基づく。実施例の工具径において、鋼ヘッド部と超硬シャンク部との接合部面積が55mm以上であれば、刃先交換式切削工具の仕様範囲の負荷に対して十分な接合強度が得られることが実験により確認されている。また、接合部面積が60mm超であれば、刃先交換式切削工具の仕様範囲を超える切削条件の負荷にも耐えられる接合強度が得られることが実験により確認されている。
一方、テーパー角度θが60°を超えている比較例1の刃先交換式切削工具では、鋼ヘッド部と超硬シャンク部との接合部の面積が小さいために、十分な接合強度を得ることができなかった。
1…刃先交換式切削工具、2…ホルダ、3…切削インサート、4…鋼ヘッド部、5…超硬シャンク部、6…凸部、6a…テーパー面、7…凹部、7a…凹テーパー面、8…取付座、11…貫通穴、13…接合部、14…空所、20…中実部、D1…貫通穴の直径、D2…超硬シャンク部の凸部の最大径、L1…切削インサートの先端から空所先端部までの軸方向の距離、L2…切削インサートを取り付けた状態の鋼ヘッド部の全長、L3…刃先交換式切削工具の全長、Ls…中実部の軸方向長さ、O…中心軸、θ…テーパー角度

Claims (4)

  1. 中心軸に沿って配置される鋼製の鋼ヘッド部と超硬合金製の超硬シャンク部とがろう付けによって軸方向に接合された工具径φ8mm以下のろう付けホルダと、前記鋼ヘッド部に装着される切削インサートとを備える刃先交換式工具であって、
    前記鋼ヘッド部の先端部には、少なくとも1個の切削インサートを取付可能な取付座が設けられ、
    前記鋼ヘッド部の後端部には、前記超硬シャンク部側に向かって開口するとともに、前記超硬シャンク部との接合部を構成する凹テーパー面を含む凹部が形成されており、
    前記超硬シャンク部の先端部には、前記鋼ヘッド部の前記凹テーパー面に嵌合されるテーパー面を含む凸部が形成され、
    前記超硬シャンク部は、前記超硬シャンク部の径方向中心部を軸方向に貫通する貫通穴を有し、
    前記貫通穴の先端は、前記鋼ヘッド部の凹部と前記超硬シャンク部の凸部とに囲まれる前記ろう付けホルダ内の空所に開口し、前記空所は、前記貫通穴のみを介して前記ろう付けホルダの外部空間に通じており、
    前記貫通穴の直径をD1、前記超硬シャンク部の凸部の最大径をD2とするとき、D2に対するD1が占める割合は、10.0%以上50.0%以下の関係を満たし、
    前記超硬シャンク部のテーパー面のテーパー角度θは、40°≦θ≦60°であり、
    前記切削インサートを取り付けた状態の前記鋼ヘッド部の軸方向の全長をL2、前記鋼ヘッド部のうち中心軸から外周まで中実な軸直断面を有する部分である中実部の軸方向の長さをLsとするとき、L2に対するLsの割合は、5%以上25%以下であることを特徴とする、
    刃先交換式切削工具。
  2. 前記切削インサートの先端から空所先端部までの軸方向の距離をL1とするとき、
    前記鋼ヘッド部の全長L2に対する距離L1の比L1/L2が、45%≦L1/L2≦60%である、
    請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
  3. 前記刃先交換式切削工具の軸方向の全長をL3とするとき、
    前記鋼ヘッド部の全長L2は、前記刃先交換式切削工具の全長L3に対して18.0%以下である、
    請求項1または2に記載の刃先交換式切削工具。
  4. 前記鋼ヘッド部は、硬度35HRC以上の鋼で形成され、
    前記超硬シャンク部は硬度80HRC以上の超硬合金で形成されている、
    請求項1または2に記載の刃先交換式切削工具。
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