JP2024042818A - 磁気粘性流体および制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁場の印加と除去を繰り返しても、粘性の変化幅が安定している磁気粘性流体、および、かかる磁気粘性流体を有する制振装置を提供すること。【解決手段】分散媒と、前記分散媒に分散され、保磁力が398[A/m]以下(5[Oe]以下)である磁性金属粒子と、を有し、0.5Tの磁場を連続して480秒間印加し、前記磁場を除去した後にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τAが、前記磁場を印加する前にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τBの2.0倍未満であることを特徴とする磁気粘性流体。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気粘性流体および制振装置に関するものである。
磁気粘性流体は、例えば分散媒に磁性金属粒子を分散させてなる流体である。磁気粘性流体に磁場を印加すると、磁性金属粒子が磁化されて磁場方向に整列する。これにより、鎖状のクラスターが形成され、流体の粘性が変化する。そこで、粘性の変化を利用して、制振装置や制動装置等の利用が検討されている。
これらの装置では、例えば磁場の印加と除去を繰り返すことにより、磁気粘性流体の粘性を調整し、制振、制動等の各種機能を実現するようになっている。
例えば、特許文献1には、鉄カルボニル粒子およびフュームドシリカの粒子が、ポリαオレフィンを含む液体中に分散してなる磁気粘性流体が開示されている。また、この磁気粘性流体は、付与した磁界の影響下で流動性を可逆的に変化させる能力を持つため、例えば緩衝器、制振材(制振装置)、トルク伝達装置等に用いられることが開示されている。
特開平10-032114号公報
特許文献1に記載の磁気粘性流体では、磁場を印加した後、除去したときに、粘性が磁場印加前の状態に十分に戻らない場合がある。この場合、粘性の変化幅を十分に確保することができないため、例えば制振、制動等の各種機能の実現に支障を来すおそれがある。
本発明の適用例に係る磁気粘性流体は、
分散媒と、
前記分散媒に分散され、保磁力が398[A/m]以下(5[Oe]以下)である磁性金属粒子と、
を有し、
0.5Tの磁場を連続して480秒間印加し、前記磁場を除去した後にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τが、前記磁場を印加する前にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τの2.0倍未満である。
本発明の適用例に係る制振装置は、
本発明の適用例に係る磁気粘性流体と、
前記磁気粘性流体を貯留する容器と、
前記容器に貯留された前記磁気粘性流体に作用する磁場を発生させる磁場発生部と、
を有する。
実施形態に係る磁気粘性流体について磁場の印加を切り替えながら測定されたせん断降伏応力の変化を示すグラフである。 磁場の印加と除去を6回繰り返しながら測定されたせん断降伏応力の変化を示すグラフである。 実施形態に係る磁気粘性流体を模式的に示す断面図である。 図3に示す磁性金属粒子を模式的に示す断面図である。 実施形態に係る制振装置を示す縦断面図である。
以下、本発明の磁気粘性流体および制振装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.磁気粘性流体
まず、実施形態に係る磁気粘性流体について説明する。
磁気粘性流体は、磁場が印加されていないときには液体のように振る舞い、磁場が印加されたときには半固体のように振る舞う流体である。このような粘性の変化を利用することにより、磁気粘性流体は、応力を制御することで様々な機能を発揮する各種装置等に用いられる。
1.1.磁気粘性流体の特性
本実施形態に係る磁気粘性流体は、0.5Tの磁場を連続して480秒間印加し、磁場を除去した後にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断応力を「せん断降伏応力τ」とし、磁場を印加する前にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断応力を「せん断降伏応力τ」とするとき、せん断降伏応力τに対するせん断降伏応力τの倍数が2.0倍未満となる流体である。
このような磁気粘性流体は、所定の磁場が印加された後、除去されれば、印加前と同等の低粘性を回復し得る流体である。本明細書では、このような特性を「低粘度回復性」という。せん断降伏応力τに対するせん断降伏応力τの倍数が2.0倍未満であれば、十分な低粘度回復性が得られる。これにより、磁場印加時と磁場除去時との間で粘性の変化幅を十分に確保することができる。本明細書では、このような粘性の変化幅を「粘度変化幅」という。そして、磁気粘性流体が有する磁性金属粒子の保磁力が398[A/m]以下(5[Oe]以下)であれば、低粘性を十分に回復できる。このため、そのような低保磁力の磁性金属粒子を有する磁気粘性流体であれば、磁場の印加と除去が繰り返されても、この粘度変化幅が安定する。これにより、長期にわたって良好な特性を示す磁気粘性流体を実現することができる。その結果、磁気粘性流体を用いる各種装置に対し、高い性能および長期信頼性を付与することができる。
なお、磁気粘性流体のせん断降伏応力とは、せん断速度0.01[/s]で測定されたせん断応力のことである。せん断応力の測定には、例えば、アントンパール社製、レオメーターMCR102等が挙げられる。また、測定時に磁場を印加する機器として、アントンパール社製、磁場印加アタッチメントMRD70等を用いることができる。
せん断応力は、磁気粘性流体を200μLサンプリングし、装置の試料台と直径20mmのローターとの間に挟んだ状態でローターを回転させ、所定のせん断速度を加えた状態で、磁場の印加を切り替えつつ測定する。磁場の強さは0.5Tとし、試料台とローターとの隙間を0.5mmとする。
図1は、実施形態に係る磁気粘性流体について、磁場の印加を切り替えながら測定されたせん断降伏応力の変化を示すグラフである。図1では、磁場印加期間をIとし、磁場除去期間をOとしている。磁場印加期間Iの長さは連続480秒とする。また、図1の縦軸は、印加する磁場の強さを表す軸、および、測定されたせん断降伏応力を対数で表す軸である。図1の横軸は、せん断降伏応力の測定を開始してからの経過時間である。
磁場の印加を切り替えると、せん断降伏応力もそれに対応して変動する。磁場除去期間Oから磁場印加期間Iへの切り替え時には、せん断降伏応力が瞬時に増大する。この増大直前のせん断降伏応力が、前述した「せん断降伏応力τ」である。なお、増大直前のせん断降伏応力とは、磁場の切り替え時点から5秒前までの期間で測定された最小値のことをいう。
一方、磁場印加期間Iから磁場除去期間Oへの切り替え時には、せん断降伏応力が瞬時に減少する。この減少直後のせん断降伏応力が、前述した「せん断降伏応力τ」である。なお、減少直後のせん断降伏応力とは、磁場除去期間Oへの切り替え時点から80秒後までの期間で測定された最大値のことをいう。
本実施形態に係る磁気粘性流体では、前述したように、せん断降伏応力τがせん断降伏応力τの2.0倍未満である。これにより、粘度変化幅を安定させることができ、長期にわたって良好な特性を有する磁気粘性流体が得られる。
なお、せん断降伏応力τに対するせん断降伏応力τの倍数は、好ましくは1.7倍以下とされ、より好ましくは1.5倍以下とされる。また、この倍数は、例えば磁性金属粒子の保磁力、平均粒径、粒度分布等に応じて調整可能である。例えば、保磁力を下げたり、平均粒径を大きくしたりすることにより、上記の倍数が下がる傾向にある。また、粒度分布、例えば後述する比D90/D50を下げることにより、上記の倍率が下がる傾向にある。
また、磁場の印加および除去は複数回繰り返されてもよい。図2は、磁場の印加と除去を6回繰り返しながら測定されたせん断降伏応力の変化を示すグラフである。図2に示す1回の磁場印加期間Iの長さ、および、1回の磁場除去期間Oの長さは、それぞれ80秒である。つまり、図2では、6回の磁場印加期間Iの総計が480秒になっている。
図2に示すように、磁場印加期間Iが6回あれば、6回の磁場除去期間Oが存在する。そこで、各磁場除去期間Oにおけるせん断降伏応力の最大値を、それぞれ、せん断降伏応力τA’とする。そうすると、図2には、6つのせん断降伏応力τA’が存在することになる。
本実施形態に係る磁気粘性流体では、この6つのせん断降伏応力τA’のうち、最大の値τA’_MAXについても、せん断降伏応力τの2.0倍未満であることが好ましく、1.7倍以下であることがより好ましく、1.5倍以下であることがさらに好ましい。例えば、図2の場合、645秒付近に位置するせん断降伏応力τA’が、最大の値τA’_MAXである。最大の値τA’_MAXが前記範囲内にあることで、磁気粘性流体の粘度変化幅をさらに安定させることができ、より長期にわたって良好な特性を有する磁気粘性流体が得られる。
1.2.磁気粘性流体の構成
図3は、実施形態に係る磁気粘性流体1を模式的に示す断面図である。図3に示す磁気粘性流体1は、磁性金属粒子2と、添加剤3と、分散媒4と、を有する。磁性金属粒子2および添加剤3は、分散媒4に分散している。
1.2.1.磁性金属粒子
磁性金属粒子2の保磁力は、前述したように、398[A/m](5[Oe])以下である。保磁力とは、磁化された磁性体を、磁化されていない状態に戻すために必要な反対向きの外部磁場の値をいう。つまり、保磁力は、外部磁場に対する抵抗力を意味する。保磁力が前記範囲内にある磁性金属粒子2は、残留磁化が小さいため、磁場が印加されていないときにはほとんど磁化しない一方、磁場の印加に伴って磁化するため、磁場の変化に対する磁化の追従性が高い。このため、磁性金属粒子2を有する磁気粘性流体1は、磁場の変化に対する応答性に優れる。また、このような低保磁力の磁性金属粒子2は、磁場が印加されていないときに凝集しにくいため、分散媒4に対して高濃度に含まれていても均一に分散可能である。このため、磁性金属粒子2を有する磁気粘性流体1は、低粘度回復性を有する。
また、低粘度回復性が十分であれば、磁場印加時と磁場除去時との間で粘度変化幅を十分に確保することができる。磁性金属粒子2の保磁力が前記範囲内であれば、ヒステリシスを小さく抑えられるため、磁場の印加と除去を繰り返しても粘度変化幅を安定させることができる。これにより、長期にわたって良好な特性を示す磁気粘性流体1を実現することができる。
磁性金属粒子2の保磁力は、好ましくは239[A/m](3[Oe])以下とされ、より好ましくは159[A/m](2[Oe])以下とされる。
なお、磁性金属粒子2の保磁力は、例えば、振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いて測定される。振動試料型磁力計としては、例えば、株式会社玉川製作所製のTM-VSM1550HGC等が挙げられる。保磁力を測定する際の最大印加磁場は、例えば1194[kA/m](15[kOe])とされる。また、磁気粘性流体1から磁性金属粒子2を分離する場合、例えば、ノルマルヘキサンやアセトンのような有機溶剤によって分散媒4を除去する方法が用いられる。
磁性金属粒子2の飽和磁化は、50emu/g以上であることが好ましく、100emu/g以上であることがより好ましい。飽和磁化とは、外部から十分大きな磁場を印加した時に磁性材料が示す磁化が磁場に関係なく一定となる場合の磁化の値である。磁性金属粒子2の飽和磁化が高いほど、磁性材料としての機能を十分に発揮させることができる。具体的には、磁場中における磁性金属粒子2の移動速度を向上させることができるため、磁場に対する応答性を高めることができる。また、粘度変化幅をより拡大することができる。
なお、磁性金属粒子2の飽和磁化の上限値は、特に限定されないが、性能とコストのバランスに適する材料選択の容易性の観点から、220emu/g以下とするのが好ましい。
磁性金属粒子2の飽和磁化は、振動試料型磁力計(VSM)等により測定することができる。飽和磁化を測定する際の最大印加磁場は、例えば1194[kA/m](15[kOe])以上とされる。
磁性金属粒子2の平均粒径は、0.05μm以上20.0μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上10.0μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以上5.0μm以下であるのがさらに好ましい。磁性金属粒子2の平均粒径が前記範囲内であれば、磁場が印加されていない状態における磁性金属粒子2の凝集や沈降を抑制することができる。また、磁場応答性が小さくなるのを抑制することができる。
なお、磁性金属粒子2の平均粒径が前記下限値を下回ると、磁性金属粒子2の構成材料によっては、磁場を印加していない状態でも磁性金属粒子2の凝集が発生しやすくなるおそれがある。また、粘度変化幅が小さくなるおそれがある。一方、磁性金属粒子2の平均粒径が前記上限値を上回ると、磁性金属粒子2の構成材料によっては、分散媒4中で磁性金属粒子2が沈降し、偏在するおそれがある。
磁性金属粒子2の平均粒径は、レーザー回折・分散法により体積基準の粒度分布を測定し、この粒度分布から得られた積算分布曲線から求めることができる。具体的には、積算分布曲線において、小径側からの累積値が50%である粒子径(メディアン径)が、磁性金属粒子2の平均粒径D50である。レーザー回折・分散法により粒度分布を測定する装置としては、例えばマイクロトラック・ベル社製のMT3300シリーズ等が挙げられる。
また、磁性金属粒子2について取得された粒度分布の積算分布曲線において、小径側からの累積値が90%である粒子径を、磁性金属粒子2の90%粒径D90とする。磁性金属粒子2において平均粒径D50に対する90%粒径D90の比D90/D50は、3.0以下であるのが好ましく、2.0以下であるのがより好ましく、1.7以下であるのがさらに好ましい。これにより、粗大な磁性金属粒子2の含有率が低くなるため、粗大な磁性金属粒子2が周囲の比較的小さな磁性金属粒子2を引き寄せて凝集し、凝集体が生じるのを抑制することができる。凝集体が生じると、自重によって沈降しやすくなり、粘度変化幅が減少したり、粘度変化幅が安定しなかったりするおそれがある。
磁性金属粒子2の含有率は、磁気粘性流体1全体の40質量%以上95質量%以下であることが好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、磁場印加時および磁場除去時における磁気粘性流体1においてそれぞれ適度な粘性が得られるとともに、磁気粘性流体1における粘度変化幅を十分に大きくすることができる。
図4は、図3に示す磁性金属粒子2を模式的に示す断面図である。
図4に示す磁性金属粒子2は、粒子本体21と、その表面に設けられた酸化物膜22と、その表面に設けられた表面修飾膜23と、を有する。なお、酸化物膜22および表面修飾膜23は、必要に応じて設けられればよく、いずれか一方または双方が省略されていてもよい。
1.2.1.1.粒子本体
粒子本体21の構成材料としては、例えば、Fe基金属材料、Ni基金属材料、Co基金属材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の複合材料が用いられる。また、これらの金属系磁性材料と酸化物系磁性材料との複合材料であってもよい。このうち、粒子本体21の構成材料には、飽和磁化の大きいFe基金属材料が好ましく用いられる。
Fe基金属材料は、Feを主成分とする金属材料である。主成分とは、Fe基金属材料においてFeの含有率が原子数比で50%以上であることをいう。このようなFe基金属材料は、フェライト等に比べて飽和磁化が大きく、靭性や強度も高い。このため、Fe基金属材料は、粒子本体21の構成材料として有用である。
Fe基金属材料は、Feの他に、NiまたはCoのように単独で強磁性を示す元素を含んでいてもよく、目標とする特性に応じて、Cr、Nb、Cu、Al、Mn、Mo、Si、Sn、B、C、P、TiおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。また、Fe基金属材料には、実施形態の効果を損なわない範囲で、不可避的不純物が含まれていてもよい。
不可避的不純物とは、原料や製造時に意図せずに混入する不純物である。不可避的不純物としては、例えば、O、N、S、Na、Mg、K等が挙げられる。
このようなFe基金属材料としては、特に限定されないが、例えば、純鉄、カルボニル鉄の他、センダストのようなFe-Si-Al系合金、Fe-Ni系、Fe-Co系、Fe-Ni-Co系、Fe-Si-B系、Fe-Si-Cr-B系、Fe-Si-B-C系、Fe-Si-B-Cr-C系、Fe-Si-Cr系、Fe-B系、Fe-P-C系、Fe-Co-Si-B系、Fe-Si-B-Nb系、Fe-Si-B-Nb-Cu系、Fe-Zr-B系、Fe-Cr系、Fe-Cr-Al系のようなFe基合金材料等が挙げられる。
また、粒子本体21の構成材料は、アモルファス金属材料であってもよいし、結晶金属材料であってもよいし、微結晶(ナノ結晶)金属材料であってもよい。このうち、アモルファス金属材料または微結晶金属材料が好ましく用いられる。なお、微結晶金属材料とは結晶粒径が100nm以下の微結晶(ナノ結晶)が存在する金属材料のことをいう。これらは、例えば金属酸化物等に比べて靭性および強度が高いため、粒子本体21の摩耗や欠損等を効果的に抑制することができる。その結果、粘度変化幅が特に安定している磁気粘性流体1を実現することができる。
アモルファス金属材料としては、例えば、Fe-Si-B系、Fe-Si-Cr-B系、Fe-Si-B-C系、Fe-Si-B-Cr-C系、Fe-Si-Cr系、Fe-B系、Fe-B-C系、Fe-P-C系、Fe-Co-Si-B系、Fe-Si-B-Nb系、Fe-Zr-B系のような2元系または多元系のFe基アモルファス合金、Ni-Si-B系、Ni-P-B系のようなNi基アモルファス合金、Co-Si-B系のようなCo基アモルファス合金等が挙げられる。
微結晶金属材料としては、例えば、Fe-Si-B-Nb-Cu系、Fe-Zr-B系、Fe-Hf-B系、Fe-Nb-B系、Fe-Zr-B-Co系、Fe-Hf-B-Co系、Fe-Nb-B-Co系、Fe-Si-B-P-Cu系のようなFe基ナノ結晶合金等が挙げられる。
なお、Fe基金属材料は、Siの含有率が好ましくは1.0原子%以上30.0原子%以下、より好ましくは1.5原子%以上13.0原子%以下、さらに好ましくは2.0原子%以上7.0原子%以下である合金が挙げられる。このような合金は、透磁率が高いため、飽和磁化が高くなる傾向がある。これにより、磁性金属粒子2の磁場応答性を高めることができる。
また、Fe基金属材料は、含有率が5.0原子%以上16.0原子%以下のB(ホウ素)、および、含有率が0.5原子%以上5.0原子%以下のC(炭素)のうちの少なくとも1種を含有していてもよい。これらは、アモルファス化を促進させる元素であり、磁性金属粒子2に安定したアモルファス組織またはナノ結晶組織を形成することに寄与する。
さらに、Fe基金属材料は、含有率が1.0原子%以上8.0原子%以下のCr(クロム)を含有することが好ましい。これにより、磁性金属粒子2の耐食性を高めることができる。
なお、不純物の含有率は、合計で1.0原子%以下であることが好ましい。この程度であれば、不純物が含有していても、磁性金属粒子2の効果が損なわれない。
特に好ましいFe基金属材料の一例として、Feを主成分とし、Siの含有率が2.0質量%以上9.0質量%以下であり、Bの含有率が1.0質量%以上5.0質量%以下であり、Crの含有率が1.0質量%以上5.0質量%以下である合金が挙げられる。このようなFe基金属材料は、良好なアモルファス形成能を有するため、保磁力が低く、かつ、飽和磁化が高い。また、Crを含むことにより、耐食性が高くなる。
粒子本体21の構成元素および組成は、JIS G 1258:2014に規定されたICP発光分析法、JIS G 1253:2002に規定されたスパーク発光分析法などにより特定することができる。また、粒子本体21が被覆膜等で被覆されている場合には、化学的または物理的手法でそれらを除去した後、上記手法により測定することができる。また、磁性金属粒子2を切断した上で、コアである粒子本体21の部分をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)、EDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)等の分析装置にて分析してもよい。
粒子本体21は、いかなる方法で製造された粒子であってもよい。製造方法の例としては、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、回転水流アトマイズ法等の各種アトマイズ法の他、粉砕法、カルボニル法等が挙げられる。このうち、アトマイズ法によれば、粒子形状がより真球に近い粒子本体21が得られる。このような粒子本体21は、より凝集しにくいものとなる。
1.2.1.2.酸化物膜
酸化物膜22は、粒子本体21の表面に設けられている被膜である。酸化物膜22は、粒子本体21と後述する表面修飾膜23との間に介在し、粒子本体21に対する表面修飾膜23の密着性を高める。また、酸化物膜22が、粒子本体21を保護するとともに凝集を抑制することができ、かつ、粒子本体21の耐吸湿性および防錆性を高めることができる。なお、酸化物膜22は、粒子本体21の表面全体を覆っているのが好ましいが、表面の一部のみに設けられていてもよい。
酸化物膜22の構成材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化クロム、酸化マンガン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物もしくは複合物等が挙げられる。
このうち、酸化ケイ素が好ましく用いられる。酸化ケイ素は、組成式SiO(0<x≦2)で表される酸化物であるが、好ましくはSiOである。
酸化物膜22の平均厚さは、1nm以上500nm以下であるのが好ましく、3nm以上300nm以下であるのがより好ましく、20nm以上100nm以下であるのがさらに好ましい。酸化物膜22の平均厚さが前記範囲内であれば、前述した酸化物膜22の機能を確保しつつ、酸化物膜22が必要以上に厚くなるのを避けることができる。これにより、磁性金属粒子2の凝集や劣化を抑制しつつ、酸化物膜22の比率が高くなりすぎることに伴う磁性金属粒子2の磁気特性の低下を抑制することができる。
酸化物膜22の平均厚さは、磁性金属粒子2の粒子の断面を電子顕微鏡で観察し、10か所以上の酸化物膜22の膜厚を平均した値である。
酸化物膜22の成膜方法は、特に限定されないが、例えば、ストーバー法を含むゾルゲル法のような湿式成膜法、ALD(Atomic Layer Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、イオンプレーティングのような気相成膜法等が挙げられる。このうち、ゾルゲル法、特にストーバー法によれば、低コストでムラなく酸化物膜22を形成することができるので有用である。
ストーバー法は、シリコンアルコキシドの加水分解により、酸化物膜22を形成する手法である。シリコンアルコキシドとしては、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン、Si(OC)が好ましく用いられる。
1.2.1.3.表面修飾膜
表面修飾膜23は、酸化物膜22を介して粒子本体21の表面を被覆する。これにより、分散媒4中における磁性金属粒子2の分散性を高めることができる。なお、表面修飾膜23は、酸化物膜22または粒子本体21の表面全体を覆っているのが好ましいが、表面の一部のみに設けられていてもよい。
表面修飾膜23の構成材料は、カップリング剤、界面活性剤またはポリマー重合膜に由来する有機化合物を含む。カップリング剤は、官能基および加水分解性基を有する化合物である。カップリング剤を用いることにより、酸化物膜22の表面に官能基を導入することができる。これにより、磁性金属粒子2の粒子同士の凝集を抑制するとともに、分散媒4への分散性をより高めることができる。これにより、磁場の変化に対する追従性に優れ、かつ、分散媒4に対して高濃度でも均一に分散可能な磁性金属粒子2を実現することができる。
また、表面修飾膜23は、磁性金属粒子2の耐湿性、防錆性等を高めることにも寄与する。耐湿性や防錆性が高められることにより、磁性金属粒子2の吸湿や発錆による劣化を抑制することができる。
カップリング剤が有する官能基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、環状構造含有基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基、ニトロ基、アシル基、シアノ基等を含有するものが挙げられ、特に脂肪族炭化水素基または環状構造含有基が好ましく用いられる。
脂肪族炭化水素基は、分岐または非分岐のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素原子数は、特に限定されないが、1以上12以下であるのが好ましく、1以上6以下であるのがより好ましい。これにより、油性の分散媒4に対して特に良好に分散する磁性金属粒子2が得られる。
環状構造含有基は、環状構造を持つ官能基である。環状構造含有基としては、例えば、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基、環状エーテル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素から水素を除いた残基であり、炭素数は、6以上20以下であるのが好ましい。芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アルキルアリール基、アミノアリール基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、インデニル基等が挙げられる。アルキルアリール基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、脂環式炭化水素から水素を除いた残基であり、炭素数は、3以上20以下であるのが好ましい。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基、3,4-エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等が挙げられる。
フルオロアルキル基は、1つ以上のフッ素原子で置換されている炭素数1以上16以下のアルキル基または炭素数3以上16以下のシクロアルキル基である。特にフルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であるのが好ましい。
フルオロアリール基は、1つ以上のフッ素原子で置換されている炭素数6以上20以下のアリール基である。特にフルオロアリール基は、パーフルオロアリール基であるのが好ましい。
カップリング剤が有する加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アミノキシ基、アミド基、ケトオキシム基、イソシアネート基、ハロゲン原子等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等が挙げられるが、特にシランカップリング剤が好ましく用いられる。
カップリング剤の添加量は、粒子本体21の量を1質量部としたとき、0.01質量部以上1.0質量部以下であるのが好ましく、0.02質量部以上0.10質量部以下であるのがより好ましい。
1.2.2.添加剤
添加剤3としては、例えば、沈降抑制剤、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、摩擦調整剤、界面活性剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
沈降抑制剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、脂肪酸アマイドワックス、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンやジアルキルジチオリン酸モリブデンのような有機モリブデン化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛やジアルキルジチオリン酸亜鉛のような有機亜鉛化合物、ベントナイトやヘクトライトのような粘土粉等の固体粒子が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。このような固体粒子は、磁性金属粒子2とは構成材料が異なる粒子であり、磁性金属粒子2の沈降を抑制する。これにより、磁場が印加されていない期間が長く続いても、粘度変化幅の減少を抑制することができる。
沈降抑制剤の含有率は、磁気粘性流体1全体の5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。これにより、粘度変化幅に影響を及ぼすことなく、磁性金属粒子2の沈降を抑制し、長期にわたる粘度変化幅の安定化を図ることができる。
分散剤としては、例えば、オレイン酸塩、ナフテン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸塩、モノオレイン酸グリセロール、セスキオレイン酸ソルビタン、ラウリン酸、脂肪酸、脂肪アルコール等が挙げられる。
また、添加剤3の合計の含有率は、磁気粘性流体1全体の10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、添加剤3によって磁性金属粒子2の機能が阻害されてしまうのを抑制することができる。
なお、添加剤3は、必要に応じて添加されればよく、省略されていてもよい。
1.2.3.分散媒
分散媒4は、磁性金属粒子2や添加剤3を分散させ得る液体であれば、特に限定されない。分散媒4としては、例えば、シリコーンオイル、ポリ-α-オレフィン基油、芳香族系合成油、パラフィン油、アルキル化フェニルエーテル油、エーテル油、エステル油、ポリブテン油、ポリアルキレングリコール類、鉱物油、植物性油、動物性油のような油類、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤、エチルメチルイミダゾリウム塩、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム塩、1-メチルピラゾリウム塩のようなイオン性液体(常温溶融塩)類等が挙げられる。また、分散媒4は、これらの2種以上を含む混合物であってもよく、これらのうちの1種または2種以上と上記以外の液体とを含む混合物であってもよい。
このうち、エステル油としては、例えば、1価アルコールとジカルボン酸とから製造されるジエステル、ポリオールとモノカルボン酸とから製造されるポリオールエステル、または、ポリオールとモノカルボン酸とポリカルボン酸とから製造されるコンプレックスエステル等が挙げられる。
ジエステルとしては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の二塩基酸のエステルが挙げられる。二塩基酸としては、炭素数4~36の脂肪族二塩基酸が好ましい。二塩基酸のエステルのエステル部を構成するアルコール残基は、炭素数4~26の1価アルコール残基が好ましい。このようなジエステルとしては、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジイソデシルアジペート、ジオクチルアゼレート等が挙げられる。
ポリオールエステルおよびコンプレックスエステルに用いられるポリオールとしては、具体的には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等のβ水素を持たないヒンダードアルコールが好適に用いられる。ポリオールエステルおよびコンプレックスエステルに用いられるモノカルボン酸としては、ヤシ油脂肪酸、ステアリン酸等の直鎖飽和脂肪酸、オレイン酸等の直鎖不飽和脂肪酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖飽和ポリカルボン酸が好適に用いられる。
アルキル化フェニルエーテル油としては、アルキル化ジフェニルエーテル、(アルキル化)ポリフェニルエーテル等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドコポリマー、プロピレンオキサイド-ブチレンオキサイドコポリマー、またはこれらの誘導体等が挙げられる。
1.3.磁気粘性流体の用途例
磁気粘性流体1の用途としては、磁場の印加を切り替えたときの応力の差を利用した、様々な装置やデバイス等が挙げられる。かかる装置やデバイスとしては、例えば、車両や建物のダンパーやショックアブソーバーのような制振装置、ブレーキのような制動装置、クラッチのような動力伝達装置、ロボットの筋肉部分やエンドエフェクター、液体流量制御用バルブ、触覚呈示装置、音響装置、医療・福祉用ロボットハンド、介護ハンド、パーソナルモビリティー等が挙げられる。
1.4.磁気粘性流体の製造方法
磁気粘性流体1の製造方法は、まず、上述した磁気粘性流体1の原材料を混合し、撹拌する。撹拌方法としては、例えば、ヘラによる撹拌、ボルテックスミキサー、ハイシアミキサー、低周波音響共振ミキサー等が挙げられる。撹拌時間は、撹拌方法に応じて適宜設定されるが、5分以上4時間以下であるのが好ましい。撹拌温度は、撹拌方法に応じて適宜設定されるが、15℃以上70℃以下であるのが好ましい。
2.制振装置
次に、実施形態に係る制振装置について説明する。
図5は、実施形態に係る制振装置100を示す縦断面図である。なお、図5の制振装置100は、使用時の姿勢を特に限定されるものではないが、以下の説明では、図5における上方を「上」、下方を「下」として説明する。
図5に示す制振装置100は、上下端が閉塞した円筒状のシリンダー200(容器)と、シリンダー200の外部からシリンダー200の上部210を貫通し、シリンダー200内に延伸するよう設けられたピストンロッド310と、このピストンロッド310の下端に設けられ、シリンダー200内を上下に摺動するピストン300と、を有している。また、シリンダー200内には、磁気粘性流体1が収納されている。
このような制振装置100は、ピストンロッド310の上端部に接続された部材と、シリンダー200の下端部に接続された部材との間で伸縮するように動作する。例えば、ピストンロッド310の上端部が自動車の車体に接続され、シリンダー200の下端部が車輪または車軸に接続されている場合、車体と車輪(車軸)との間隔が伸縮する際に、制振装置100に伸縮力が付与される。
制振装置100では、各部材間に加わった伸縮力に伴ってピストン300が摺動するが、この摺動の際、ピストン300には、前述の伸縮力を緩和する方向に磁気粘性流体1から抵抗力が付与される。その結果、ピストン300は、各部材間に加わった伸縮力を緩和し、減衰させる緩衝器として機能する。
また、制振装置100は、ピストン300内に設けられ、シリンダー200内に収納された磁気粘性流体1に対して磁場を付与するコイル400と、コイル400に電圧を印加する図示しない電源回路と、を有している。これにより、コイル400および電源回路は、磁場形成装置として機能する。
磁気粘性流体1は、磁場の有無や強度に応じて粘度が変化する。このため、前述の磁場形成装置による磁場の有無や強度を適宜設定することにより、磁気粘性流体1の粘度を調整することができる。このような特性を利用することにより、制振装置100は、その減衰力を制御し得る減衰力可変ダンパーとなる。
以下、制振装置100の各部について詳述する。
図5に示すシリンダー200は2層構造(複筒式)になっており、外側の外筒220と内側の内筒230とで構成されている。
また、内筒230の内側の空間は、ピストン300の上方のロッド側室200aと、ピストン300の下方のピストン側室200bとに分けられている。
さらに、ピストン側室200bの下方には、内筒230の内側の空間を仕切るように設けられたベースバルブ240を介して、第1リザーバー室250が設けられている。
ベースバルブ240には、ベースバルブ240を貫通するオリフィス241が設けられており、このオリフィス241を介してピストン側室200bと第1リザーバー室250とが連通している。
また、外筒220と内筒230との間の空間は、第2リザーバー室260である。なお、第1リザーバー室250と第2リザーバー室260とは、内筒230の下端部を介して隣接している。
また、内筒230の第1リザーバー室250と第2リザーバー室260とを隔てる部分には、この部分を貫通するオリフィス231が設けられており、このオリフィス231を介して、第1リザーバー室250と第2リザーバー室260とが連通している。
シリンダー200は、機械的特性および耐油性に優れた材料、例えば各種金属材料で構成されている。
ピストンロッド310は、剛性の高い棒状部材で構成されており、シリンダー200の上部210の中央部を貫通して、シリンダー200の内外に延伸している。
ピストン300は、円柱状の部材で構成されており、その外側面がシリンダー200の内筒230の内壁面に摺接している。このピストン300により、前述したように、内筒230の内側の空間が、ロッド側室200aとピストン側室200bとに仕切られている。
また、ピストン300を貫通するように、2つのオリフィス320、330が設けられている。この各オリフィス320、330により、ロッド側室200aとピストン側室200bとが連通している。
また、ピストン300の上面のうち、オリフィス320の上端開口部付近には、弁体340が設けられている。この弁体340は、オリフィス320の上端開口部を塞いで、オリフィス320を磁気粘性流体1が流通できない状態(閉状態)と、オリフィス320の上端開口部を開放し、オリフィス320を磁気粘性流体1が流通可能な状態(開状態)と、をとり得るよう構成されている。また、この弁体340は、磁気粘性流体1のピストン側室200bからロッド側室200aへ向かう流れを通過させ、その逆向きの流れを遮断する機能を有する一方向弁になっている。なお、図5は、開状態の弁体340を示している。
この弁体340は、シリンダー200に対してピストン300が摺動し、これに伴って発生する、ピストン300に対する磁気粘性流体1の相対的な流れを駆動力として開閉する。なお、弁体340が閉状態から開状態へと移行するためには、磁気粘性流体1が所定の速さより速く流れることによって、弁体340に所定の大きさ以上の圧力を付与する必要がある。したがって、弁体340は、ピストン300が所定の速さ以上の速さで摺動するときにのみ、開状態をとり得るよう構成されている。このような弁体340により、制振装置100では、ピストン300の摺動速度が低速のときと高速のときとで減衰力を異ならせることができる。
ピストン300の内部には、リング状のコイル400(磁場発生部)が設けられている。また、コイル400の外側面の一部は、各オリフィス320、330に臨んでいる。
また、コイル400には、前述したように電源回路が接続されている。そして、コイル400に電圧を印加すると、コイル400の周囲に磁場が発生する。
なお、図5では、ピストン300の内部にコイル400が設けられているが、コイル400の設置箇所は、特に限定されない。
3.前記実施形態が奏する効果
以上のように、前記実施形態に係る磁気粘性流体1は、分散媒4と、磁性金属粒子2と、を有する。磁性金属粒子2は、分散媒4に分散され、保磁力が398[A/m]以下(5[Oe]以下)である。そして、磁気粘性流体1は、0.5Tの磁場を連続して480秒間印加し、磁場を除去した後にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τが、磁場を印加する前にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τの2.0倍未満である。
このような磁気粘性流体1は、十分な低粘度回復性を有する。これにより、磁場の印加と除去を繰り返しても、粘性の変化幅が安定している磁気粘性流体1が得られる。その結果、磁気粘性流体1を用いる各種装置に対し、高い性能および長期信頼性を付与することができる。
また、0.5Tの磁場を80秒間印加する磁場印加期間Iと、磁場を80秒間除去する磁場除去期間Oと、磁場印加期間Iの総計が480秒になるまで繰り返すようにしてもよい。このとき、磁気粘性流体1では、磁場除去期間Oにせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τA’のうち、最大の値τA’_MAXが、せん断降伏応力τの2.0倍未満であることが好ましい。
これにより、磁気粘性流体1の粘度変化幅をさらに安定させることができ、より長期にわたって良好な特性を有する磁気粘性流体1が得られる。
また、磁性金属粒子2の平均粒径は、0.05μm以上20.0μm以下であることが好ましい。これにより、磁場が印加されていない状態における磁性金属粒子2の凝集や沈降を抑制することができる。また、磁場応答性が小さくなるのを抑制することができる。
また、磁性金属粒子2は、Fe基金属材料で構成された粒子本体21を有していてもよい。Fe基金属材料は、フェライト等に比べて飽和磁化が大きく、靭性や強度も高い。このため、Fe基金属材料は、磁性金属粒子2が有する粒子本体21の構成材料として有用である。
また、粒子本体21の表面を被覆する酸化物膜22を有していてもよい。酸化物膜22は、粒子本体21を保護するとともに凝集を抑制することができ、かつ、粒子本体21の耐吸湿性および防錆性を高めることができる。
また、酸化物膜22の平均厚さは、1nm以上500nm以下であることが好ましい。これにより、酸化物膜22の機能を確保しつつ、酸化物膜22が必要以上に厚くなるのを避けることができる。その結果、磁性金属粒子2の凝集や劣化を抑制しつつ、酸化物膜22の比率が高くなりすぎることに伴う磁性金属粒子2の磁気特性の低下を抑制することができる。
また、磁性金属粒子2のレーザー回折・分散法により取得された体積基準の粒度分布から求めた積算分布曲線において、小径側からの累積値が50%である粒径をD50とし、小径側からの累積値が90%である粒径をD90とするとき、比D90/D50は、3.0以下であることが好ましい。
これにより、磁性金属粒子2の凝集を抑制し、粘度変化幅が不安定化するのを抑制することができる。
また、前記実施形態に係る磁気粘性流体1は、添加剤3を有していてもよい。添加剤3は、磁性金属粒子2とは構成材料が異なる固体粒子を有する。このような固体粒子は、磁性金属粒子2の沈降を抑制する。これにより、磁場が印加されていない期間が長く続いても、粘度変化幅の減少を抑制することができる。
また、前記実施形態に係る制振装置100は、磁気粘性流体1と、シリンダー200(容器)と、コイル400(磁場発生部)と、を有する。シリンダー200は、磁気粘性流体1を貯留する。コイル400は、シリンダー200に貯留された磁気粘性流体1に作用する磁場を発生させる。
このような制振装置100によれば、コイル400が発生させる磁場の有無や強度を適宜設定することにより、磁気粘性流体1の粘度を調整することができるので、減衰力を制御し得る減衰力可変ダンパーが得られる。
以上、本発明の磁気粘性流体および制振装置について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の磁気粘性流体および制振装置は、前記実施形態に任意の構成が付加されたものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
4.磁気粘性流体の作製
4.1.実施例1
まず、磁性金属粒子および固体粒子を分散媒に分散させ、磁気粘性流体を作製した。磁性金属粒子には、平均粒径3.0μmのFe73Si11Cr11合金粒子を用いた。なお、この組成式は、各構成元素の比率を原子数比で表したものである。また、Fe73Si11Cr11合金は、アモルファス合金である。固体粒子には、粘土粉を用い、分散媒には、ポリ-α-オレフィン基油およびジオクチルセバケート(セバシン酸ジオクチル)の混合物を用いた。
磁気粘性流体における磁性金属粒子の含有率は、85質量%とし、固体粒子の含有率は、2質量%とした。
4.2.実施例2、3
磁気粘性流体の構成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして磁気粘性流体を得た。
4.3.実施例4
粒子本体である平均粒径3.0μmのFe73Si11Cr11合金粒子と、酸化物膜である酸化ケイ素膜と、を有する磁性金属粒子を用いるとともに、磁気粘性流体の構成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして磁気粘性流体を作製した。なお、酸化ケイ素膜の形成には、ストーバー法を用いた。また、酸化ケイ素膜の平均厚さは、表1に示す通りである。
4.4.実施例5
シランカップリング剤(CA)としてメチルトリメトキシシランを用いるとともに、磁気粘性流体の構成を表1に示すように変更した以外は、実施例4と同様にして磁気粘性流体を得た。シランカップリング剤は、実施例4で作製した酸化ケイ素膜を覆うように供給され、これにより表面修飾膜が形成された。シランカップリング剤の添加量は、Fe73Si11Cr11合金粒子1質量部に対して0.04質量部とした。
4.5.実施例6、7
磁性金属粒子として、Fe73Si1015合金粒子を用いるとともに、磁気粘性粒子の構成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして磁気粘性流体を得た。なお、Fe73Si1015合金は、アモルファス合金である。
4.6.実施例8
磁性金属粒子として、Fe73.5Si13.5CuNb合金粒子を用いるとともに、磁気粘性粒子の構成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして磁気粘性流体を得た。なお、Fe73.5Si13.5CuNb合金は、ナノ結晶合金である。
4.7.比較例1
Fe73Si11Cr11合金粒子に代えて、平均粒径5.0μmのカルボニル鉄粒子を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして磁気粘性流体を得た。
4.8.比較例2、3
磁気粘性流体の構成を表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様にして磁気粘性流体を得た。
5.磁気粘性流体の特性取得
各実施例および各比較例の磁気粘性流体について、以下のようにして特性を取得した。
5.1.粒度分布
各実施例および各比較例の磁気粘性流体の作製に用いた磁性金属粒子について、平均粒径D50、および、比D90/D50を測定または算出した。測定結果および算出結果を表1に示す。
5.2.磁気特性
各実施例および各比較例の磁気粘性流体の作製に用いた磁性金属粒子について、飽和磁化および保磁力を測定した。測定結果を表1に示す。
5.3.τ、ならびに、τ/τおよびτA’_MAX/τの倍数
各実施例および各比較例の磁気粘性流体について、せん断降伏応力τの測定、ならびに、せん断降伏応力τに対するせん断降伏応力τの倍数およびせん断降伏応力τA’_MAXの倍数の算出を行った。測定結果および算出結果を表1に示す。
6.磁気粘性流体の評価結果
各実施例および各比較例の磁気粘性流体について、以下の評価を行った。
6.1.30回または60回印加後の安定性
各実施例および各比較例の磁気粘性流体について、磁場の印加と除去を繰り返した。そして、30回繰り返した直後のせん断降伏応力および60回繰り返した直後のせん断降伏応力について、それぞれ、磁場を印加する直前のせん断降伏応力τに対する倍数の算出を行った。そして、算出した倍数を、以下の評価基準に照らして評価した。
A:倍数が2.0倍未満である
B:倍数が2.0倍以上4.0倍未満である
C:倍数が4.0倍以上6.0倍未満である
D:倍数が6.0倍以上12.0倍未満である
E:倍数が12.0倍以上である
評価結果を表1に示す。
6.2.長期安定性
各実施例および各比較例の磁気粘性流体について、磁場の印加と除去を100回繰り返した。そして、その直後のせん断降伏応力について、磁場を印加する直前のせん断降伏応力τに対する倍数の算出を行った。そして、算出した倍数を、以下の評価基準に照らして評価した。
A:倍数が2.0倍未満である
B:倍数が2.0倍以上4.0倍未満である
C:倍数が4.0倍以上6.0倍未満である
D:倍数が6.0倍以上12.0倍未満である
E:倍数が12.0倍以上である
評価結果を表1に示す。
Figure 2024042818000002
表1から明らかなように、各実施例の磁気粘性流体は、磁場の印加と除去を長期にわたって繰り返しても、粘度変化幅が安定していることが認められた。これに対し、各比較例の磁気粘性流体は、磁場の印加と除去を長期間繰り返すと、せん断降伏応力τに対するせん断降伏応力の倍数が増加し、結果的に粘度変化幅が減少していることが認められた。
1…磁気粘性流体、2…磁性金属粒子、3…添加剤、4…分散媒、21…粒子本体、22…酸化物膜、23…表面修飾膜、100…制振装置、200…シリンダー、200a…ロッド側室、200b…ピストン側室、210…上部、220…外筒、230…内筒、231…オリフィス、240…ベースバルブ、241…オリフィス、250…第1リザーバー室、260…第2リザーバー室、300…ピストン、310…ピストンロッド、320…オリフィス、330…オリフィス、340…弁体、400…コイル、I…磁場印加期間、O…磁場除去期間、τ…せん断降伏応力τ、τA’…せん断降伏応力τA’、τ…せん断降伏応力τ

Claims (9)

  1. 分散媒と、
    前記分散媒に分散され、保磁力が398[A/m]以下(5[Oe]以下)である磁性金属粒子と、
    を有し、
    0.5Tの磁場を連続して480秒間印加し、前記磁場を除去した後にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τが、前記磁場を印加する前にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τの2.0倍未満であることを特徴とする磁気粘性流体。
  2. 0.5Tの磁場を80秒間印加する磁場印加期間と、前記磁場を80秒間除去する磁場除去期間と、前記磁場印加期間の総計が480秒になるまで繰り返したとき、前記磁場除去期間にせん断速度0.01[/s]で測定されたせん断降伏応力τA’のうち、最大の値τA’_MAXが、前記せん断降伏応力τの2.0倍未満である請求項1に記載の磁気粘性流体。
  3. 前記磁性金属粒子の平均粒径は、0.05μm以上20.0μm以下である請求項1または2に記載の磁気粘性流体。
  4. 前記磁性金属粒子は、Fe基金属材料で構成されている粒子本体を有する請求項1または2に記載の磁気粘性流体。
  5. 前記粒子本体の表面を被覆する酸化物膜を有する請求項4に記載の磁気粘性流体。
  6. 前記酸化物膜の平均厚さは、1nm以上500nm以下である請求項5に記載の磁気粘性流体。
  7. 前記磁性金属粒子のレーザー回折・分散法により取得された体積基準の粒度分布から求めた積算分布曲線において、小径側からの累積値が50%である粒径をD50とし、小径側からの累積値が90%である粒径をD90とするとき、
    比D90/D50は、3.0以下である請求項1または2に記載の磁気粘性流体。
  8. 添加剤を有し、
    前記添加剤は、前記磁性金属粒子とは構成材料が異なる固体粒子である請求項1または2に記載の磁気粘性流体。
  9. 請求項1または2に記載の磁気粘性流体と、
    前記磁気粘性流体を貯留する容器と、
    前記容器に貯留された前記磁気粘性流体に作用する磁場を発生させる磁場発生部と、
    を有することを特徴とする制振装置。
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