JP2024042126A - 振動検知システム、振動検知方法、および振動検知プログラム - Google Patents

振動検知システム、振動検知方法、および振動検知プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】構造物または対象物の振動検知を簡易に行い得るようにする。【解決手段】構造物または構造物に取り付けられた対象物の振動を検知する振動検知システムは、撮像装置によって撮影された構造物または対象物の画像を取得する取得部と、空間フィルタ処理によって画像から各画素の時系列を生成する空間フィルタ処理部と、構造物または対象物を特徴付けるパラメータを用いた時間フィルタ処理によって各画素の時系列のうちの特定振動数の画素の変化量を拡大する時間フィルタ処理部と、特定振動数の画素の変化量が拡大された各画素の時系列を基に再構成した拡大画像をフレーム分割したサンプリングフレームから構造物または対象物の振動を定量化する指標を算出し、指標の時系列から構造物または対象物の振動を検知する振動検知部とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、振動検知システム、振動検知方法、および振動検知プログラムに関する。
橋梁等の構造物にはボルト等の対象物が取り付けられている。より具体的には、構造物の部材を連結するために、ボルト等の締結部材が多くの場所で用いられている。例えばボルトは、その軸部に作用する軸力によりボルトに挟まれた添接板間に働く摩擦力を以って、部材を強固に連結する。
ここで、ボルトの軸力が経年変化により減少し、ボルトの締結が緩むと、構造物の信頼性や安全性の低下につながる。このため、従来は点検者が実地にてボルトの締結の緩みを点検していた。
また、EVM(Eulerian Video Magnification)は、経時的なビデオ(画素など)の空間的な位置の微妙な変化を増幅する技術である。EVMに関するさらなる詳細は、Wu等による「世界の若干の微妙な変化を明らかにするオイラービデオ倍率」と題されたマサチューセッツ工科学研究所が発表した記事で提供されている。EVMを血流や呼吸の検出や、血管のサイズなどにおける僅かな変化の可視化に適用する技術がある。
H. Wu, M. Rubinstein, E. Shih, F. Durand, W. Freeman, "Eulerian Video Magnification for Revealing Subtle Changes in the World.," ACM Transactions on Graphics, July 2012, Vol. 31, No. 4, Article No.: 65. A. Long, C.W. Kim, and Y. Kondo, "Detecting Loosening Bolts of Highway Bridges by Image Processing Techniques.," 16th East Asia-Pacific Conference on Structural Engineering & Construction (EASEC16), Brisbane, Australia, December 3-6, 2019.
特表2020-522292号公報 特表2016-533786号公報
しかしながら、構造物において、全てのボルトが緩んでいるとは限らない。特に橋梁などの大型構造物において、全てのボルトの緩みの有無を、個別に調査することは、構造物に足場を組むなど、大変な労力と費用を要することから、非現実的である。そこで、詳細な調査の対象とするボルトを事前にスクリーニングする技術が望まれていた。
本発明は上記の点を考慮してなされたものであって、構造物または対象物の振動検知を簡易に行い得るようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、例えば、構造物または構造物に取り付けられた対象物の振動を検知する振動検知システムは、撮像装置によって撮影された前記構造物または前記対象物の画像を取得する取得部と、空間フィルタ処理によって前記画像から各画素の時系列を生成する空間フィルタ処理部と、前記構造物または前記対象物を特徴付けるパラメータを用いた時間フィルタ処理によって前記各画素の時系列のうちの特定振動数の画素の変化量を拡大する時間フィルタ処理部と、前記特定振動数の画素の変化量が拡大された前記各画素の時系列を基に再構成した拡大画像をフレーム分割したサンプリングフレームから前記構造物または前記対象物の振動を定量化する指標を算出し、前記指標の時系列から前記構造物または前記対象物の振動を検知する振動検知部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、構造物または対象物の振動検知を簡易に行うことができる。
実施形態の振動検知システムを含む全体システムの概略を示す図。 実施形態の振動検知システムの構成を示すブロック図。 実施形態の空間フィルタ処理部における画像分解処理を説明するための図。 実施形態の空間フィルタ処理部における画像分解処理を説明するための図。 実施形態のボルトの振動の定量化を説明するための図。 実施形態のボルトの振動の定量化を説明するための図。 実施形態のボルトの振動の定量化を説明するための図。 実施形態の振動検知処理を示すフローチャート。 実施形態のハンマーテストによる実験結果を説明するための図。 実施形態のハンマーテストによる実験結果を説明するための図。 実施形態のハンマーテストによる実験結果を説明するための図。 実施形態のハンマーテストによる実験結果を説明するための図。 実施形態のハンマーテストによる実験結果を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験の実験条件を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験の実験条件を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験の実験条件を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験の実験条件を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験による実験結果を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験による実験結果を説明するための図。 実施形態の模型橋梁での模型車両の走行実験による実験結果を説明するための図。 実施形態の適用例において振動検知対象である送電鉄塔と、送電鉄塔に設定する複数の振動検知点の例を示す図。 実施形態の適用例における送電鉄塔の固有振動数の例を示す図。 実施形態の適用例において複数の振動検知点の各振動モードの拡大画像から検知される振動による変位の例を示す図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は、本発明を必要十分に説明するための例示であって、適宜省略および簡略化がなされている。以下の実施形態で説明する構成および処理のうち、全てが本発明の実施において必須ではなく、適宜省略可能である。本発明は、以下の実施形態の他、本発明の目的を達成できる様々な他の形態で実施することができる。また、本発明の技術思想の範囲内で整合する限りにおいて、各実施形態および変形例の一部または全部を組合せた形態も、本発明の実施形態に含まれる。
以下の実施形態では、既出の構成および処理と同様の後出の構成および処理には、同一の符号を付与して説明を省略あるいは差分のみを説明する場合がある。添え字のみが異なり添え字を除く本体部分が同一である符号は、同一または類似の構成もしくは処理を添え字で区別し、添え字を除く本体部分のみの符号で同一または類似の構成および処理を総称する場合がある。
以下の実施形態では、振動検知の対象物として、橋梁の部材締結に用いられるボルトを例として説明する。しかし本発明は、橋梁のボルトに限らず、トンネル、道路構造物、河川構造物、港湾構造物、プラント、上下水道、ビル、鉄塔、ケーブル(電線、吊り橋、索道など)、柱(照明柱、標識柱、信号柱など)、留め具(トンネル照明やジェットファンの留め金具など)といった構造物または対象物を振動検知の対象とし、その微小な振動を検知し、異常の有無を診断することができる。また振動する構造物または対象物の目に見えない異常を評価できることから、原子炉や焼却炉といった、人が近付いて点検することができない、あるいは接触式のセンサなどが設置できない構造物または対象物の振動を検知し、評価することができる。
(全体システムSの構成)
図1は、実施形態の振動検知システム1を含む全体システムSの概略を示す図である。全体システムSは、橋梁3を含む系であり、振動検知システム1と、カメラ2とを有する。
カメラ2は、橋梁3に取り付けられているボルトを、例えば数m離れた位置から、ボルトの頭部側から撮影する。あるいはボルトのナット側から撮影してもよい。カメラ2の画角に一度に収まるボルトを同時に振動検出対象とできる。振動検出対象のボルトに対してカメラ2を常時設置するとしてもよいし、都度、振動検出対象のボルトに対してカメラ2を設置するとしてもよい。
またカメラ2は、例えば4Kカメラやハイスピードカメラなどの動画像カメラとするが、これに限らず、本実施形態で十分な解像度およびフレームレートの動画像を取得可能な有するカメラあるいはセンサでもよい。またカメラ2は、動画像を撮影するカメラに限らず、静止画像を一定間隔で連続して撮影できるカメラあるいはセンサでもよい。
図1の例では、橋梁3に取り付けられているボルトのうち4つのボルト42a,42b,42c,42dがカメラ2の画角に同時に収まる全てのボルトである。以下、振動検出対象のボルトをボルト42と総称する。図1に示す添接板(補強板)40は、橋梁3におけるボルト42の周辺部材である。図1では、カメラ2の撮影方向を固定した場合に、カメラ2の画角に同時に収まるボルト42が4つである場合を示している。
全体システムSでは、橋梁3の振動検出対象のボルト42近傍に設置されたカメラ2によって取得された動画像が、有線もしくは無線の伝送媒体または記録媒体を介して、カメラ2から振動検知システム1へ受け渡される。振動検知システム1は、構造物または構造物に取り付けられた対象物の振動を検知する。一例をあげると、構造物は橋梁3であり、対象物はボルト42である。振動検知システム1は、カメラ2から取得した動画像に基づいてボルト42の振動を検知し、ボルト42の緩みを評価する。なお、カメラ2は、車両が常時走行可能な橋梁の場合には、常時動画像を取得してもよいし、通行量が少なくなる時間帯において所定期間動画像を取得するようにしてもよい。或いは、カメラ2は、車両の走行が制限されている橋梁において、検査用に車両を走行させる前後の所定期間について動画像を取得してもよいし、橋梁が鉄道用である場合には、運行ダイヤを参照して鉄道車輛がこの橋梁を通過する前後の所定期間について動画像を取得してもよい。
なお本実施形態では、図1に示すように、1つのカメラ2から取得された動画像を振動検知システム1が処理する構成を例として説明している。本実施形態で振動検知システム1が行うとして以下に説明する処理は、一部または全部がカメラ2側で処理されてもよい。または複数のカメラ2が分散協調処理を行うことで振動検知システム1と同等の機能を実現する分散協調システムの構成であってもよい。
(振動検知システム1の構成)
図2は、実施形態の振動検知システム1の構成を示すブロック図である。振動検知システム1は、カメラ2から取得したボルト42の動画像から、ボルト42の振動を検知し評価する処理を行う。振動検知システム1は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、I/F(Inter/Face)部14と、出力部15と、を有する。プロセッサ11は、メモリ12と協働してプログラムを実行することで、画像取得部111と、空間フィルタ処理部112と、時間フィルタ処理部113と、振動検知部114と、の各機能部を実現する。
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、PLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの処理装置である。メモリ12は主記憶装置である。ストレージ13は補助記憶装置である。I/F部14は、振動検知システム1がカメラ2と伝送媒体または記録媒体を介して動画像を受け取るためのインターフェースである。出力部15は、モニタやディスプレイなどであり、各種情報を出力する。
画像取得部111は、I/F部14を介して、カメラ2から構造物または構造物に取り付けられた対象物の動画像を取得し、ストレージ13へ格納する。例えば、画像取得部111は、動画像として橋梁3に取り付けられたボルト42の動画像を取得する。
空間フィルタ処理部112は、空間フィルタ(Spatial Filter)処理によって、カメラ2から受け取ったボルト42の動画像の各フレームをピクセル(画素)へ分解し、各フレームに亘る各ピクセルの動きを時系列化する。
図3Aおよび図3Bは、実施形態の空間フィルタ処理部112における画像分解処理を説明するための図である。図3Aでは、u軸およびv軸で動画像内のピクセルの座標x=(u,v)を表し、t軸でフレーム経過の時刻を表す。図3Aでは、説明の簡単のため、時刻t=0のフレームに対してグリッド線を重畳し、1つのグリッドが1つのピクセルに該当するとしている。図3Aから、時刻t=0における座標(u,v)のピクセルI(u,v)に該当する各時刻tのピクセルI(u,v,t)を抜き出すと、図3Bに示すように、ピクセルI(u,v,t)は、ピクセルI(u,v)の時間経過に伴う動きを含んだ時系列を構成する。
時間フィルタ処理部113は、時間フィルタ(Temporal Filter)処理によって、空間フィルタ処理部112が時系列化したピクセルに対して、抽出したい振動の振動数のバンドパスフィルタを適用し、この振動数の振動による各ピクセルの変化量を拡大する。抽出したい振動の振動数は、例えば60~65Hzや90~100Hzといった、緩みによるボルトの振動と考えられる振動数であり、以下、特定振動数という。
本実施形態では、下記文献1に開示のPhase-based Video Motion Processingを用いて、特定振動数の振動を拡大する。
文献1:Neal Wadhwa, Michael Rubinstein, Fredo Durand, William T. Freeman, “Phase-based Video Motion Processing,” ACM Transactions on Graphics, July 2013, Vol. 32, No. 4, Article No.: 80
以下、Phase-based Video Motion Processingを用いた空間フィルタ処理部112および時間フィルタ処理部113の処理を説明する。
空間フィルタ処理部112は、空間フィルタ処理によって、カメラ2から取得したボルト42の動画像を分解したピクセルxの単位で各フレームに亘るピクセルの時系列I(x,t)を構成する。ピクセルxはフレーム経過に応じて変位することから、ピクセルxの変位(変化量)は時間の関数δ(t)で表される。よって時系列I(x,t)=f(x+δ(t))は、式(1)のように、各振動数ωに対応する複素正弦曲線の和で表される。
Figure 2024042126000002
なお各振動数ωの複素正弦曲線Sω(x,t)は、式(2)のように表される。
Figure 2024042126000003
時間フィルタ処理部113は、時間フィルタ処理によって、空間フィルタ処理部112が時系列I(x,t)=f(x+δ(t))に対してバンドパスフィルタを適用し、特定振動数の振動を拡大する。そこで特定振動数のピクセルxの変位δ(t)を強調するバンドパスフィルタを、式(3)のように構成する。式(3)においてαは強調係数である。
Figure 2024042126000004
ω(x,t)に式(2)のバンドパスフィルタを作用させると、式(4)に示すS^ω(x,t)のように、特定振動数の複素正弦曲線S^ω(x,t)の変動δ(t)が強調されることが分かる。
Figure 2024042126000005
なお特定振動数は、ボルト42の動きを特徴付ける物理パラメータと相関がある。よってこの物理パラメータを用いて、特定振動数を算出してもよい。
振動数ω=(-∞,∞)の範囲で、変位を強調したい特定振動数の複素正弦曲線S^ω(x,t)と、特定振動数ω以外の振動数の複素正弦曲線Sω(x,t)の和を算出する。このようにして、時系列I(x,t)は、変動δ(t)が強調された特定振動数と、変動δ(t)が強調されていない振動数と、を含む全ての振動数ωに対応する複素正弦曲線の和で表される。
または空間フィルタ処理部112および時間フィルタ処理部113は、上記Phase-based Video Motion Processingに代えて、非特許文献1に開示のEulerian Video Magnificationを用いて、特定振動数の振動を拡大してもよい。しかし、ノイズを低減しつつ目的の振動数の振動を明瞭に拡大できるという点で、Phase-based Video Motion Processingの方が有利である。
振動検知部114は、時間フィルタ処理部113によって特定振動数の振動が強調された全てのピクセルを再結合して元の動画像を構成する。振動検知部114は、再構成した動画像を所定のサンプリングレートのサンプリングによって再度フレーム分割する。振動検知部114は、再度フレーム分割した各フレームについて、画素の強調、補間、および平滑化を行う。振動検知部114は、画素の強調、補間、および平滑化を行った各フレームにおいてボルト42の振動を定量化し、ボルト42の緩みを評価する。
図4A、図4B、図4Cは、実施形態のボルトの振動の定量化を説明するための図である。例えば図4Aに示すように、振動検知部114は、振動検出対象のボルト42毎に、ボルトの所定近傍の橋梁3のある部分(例えば添接板40の外周部分のあるピクセル)を基準点p0に設定し、ボルト42のある部分(例えばボルト42の頭部のあるピクセル)を観測点p1に設定する。振動検知部114は、基準点p0に対する観測点p1の相対距離の変化である相対ピクセル振幅を各ボルト42の振動を表す指標として定義することで、ボルト42の振動を定量化する。相対ピクセル振幅として、基準点p0に対する観測点p1のv軸方向の相対距離の変化としてもよい。
鋼鈑のような固定された部材に取り付けられたボルトが緩んだ際のボルトの振動は、固定された部材と比較して相対的に大きい。よって、基準点p0、観測点p1、および相対ピクセル振幅を設定すると、図4Bおよび図4Cから分かるように、図面に向かって最も右側のボルトの相対ピクセル振幅が他のボルトと比較して大きくなっており(破線丸囲み部分)、ボルト42を振動させる外力の大きさに依存せずボルト42の振動を検知できる。またボルト42の緩みと振動の間に相関があることから、検知した相対ピクセル振幅の大きさに基づいてボルト緩みの程度を評価できる。
(振動検知システム1における振動検知処理)
図5は、実施形態の振動検知処理を示すフローチャートである。振動検知システム1は、定期的にまたはオペレータの指示を契機として、振動検知処理を実行する。
先ずS11では、画像取得部111は、カメラ2からボルト42の頭部を含んだ動画像を取得する。次に空間フィルタ処理部112は、空間フィルタ処理によって、S11で取得した動画像を各ピクセルに分解し、動画像のフレーム間に亘る各ピクセルの動きを示す時系列I(x,t)=f(x+δ(t))を生成する画像分解処理を行う。
次にS13では、時間フィルタ処理部113は、文献1のPhase-based Video Motion Processingを用いる時間フィルタ処理によって、S12で画像分解後の各ピクセルの時系列I(x,t)=f(x+δ(t))に対してバンドパスフィルタを適用し、特定振動数のピクセルの振動を拡大する。
次にS14では、振動検知部114は、S13で特定振動数のピクセルの振動を拡大した各ピクセルをもとにピクセル分割前の元の動画像を再構成する。次にS15では、振動検知部114は、S14で再構成した動画像を、所定のサンプリングレートでサンプリングしたサンプリングフレームに分割する。
次にS16では、振動検知部114は、S14で得られた各サンプリングフレームに対し、グレースケーリングなどによる画素強調処理、双三次内挿法などによる画素補間処理、およびウイナーフイルタなどによる画素平滑化処理を含む画像処理を行う。画素強調処理では、画素の輪郭や明暗を明瞭にし、基準点やボルト42の観測点を検出しやすくする。画素補間処理では、画素の動きを滑らかにして振動を検知しやすくする。画素平滑化処理では、平均や分散を用いてノイズを除去する。
次にS17では、振動検知部114は、ボルト42の振動を定量化する。振動検知部114は、ボルト42の相対ピクセル振幅をボルト42の振動を表す指標として定義し、振動を定量化する。
次にS18では、振動検知部114は、S17で定量化したボルト42の相対ピクセル振幅に基づいて、ボルト42の振動を検知し、ボルト緩みを評価する。本実施形態を用いた実験結果の説明でも後述するが、例えば振動検知部114は、S17で定量化したボルト42の振動を表す相対ピクセル振幅に対してFFT(Fast Fourier Transform)などの周波数解析を実行する。周波数解析を実行することで、相対ピクセル振幅の振動数を抽出する。相対ピクセル振幅が抽出した振動数がボルト緩みと見なしうる特定振動数と一致しかつ相対ピクセル振幅が所定値以上である場合に、ボルト42が緩んでいると評価できる。なお抽出した振動数と特定振動数の一致度および相対ピクセル振幅の大きさに応じて、ボルト42の緩みの危険度を判断してもよい。
なおS18でボルトの振動が適切に検知できなかった場合には、S13に戻って特定振動数を調整し、再度S13~S18の処理を、ボルト緩みに起因する振動が検知されるまで、またはボルト緩みに起因する振動が発生していないと判断できるまで、繰り返し実行してもよい。
(ハンマーテストによる実験)
図6A~図6Eは、実施形態のハンマーテストによる実験結果を説明するための図である。図6Aに示すように、4つのボルト42a~42dを取り付けた鋼板40aに、ハンマーhで所定の打撃を加えた。本実験では、ボルト42a,42c,42dは適正締め付けトルクの100%で鋼板40aに締め付けた一方、ボルト42bはボルト緩みと見なし得る適正締め付けトルクが0%になるように鋼板40aに取り付けた。
本実験によれは、Phase-based Video Motion Processingの非適用の場合は動画像上で振動を検知できなかったが、Phase-based Video Motion Processingを適用することで、ボルト緩みと評価できる振動を動画像上で検知できる結果が得られた。
なお本実験では、Phase-based Video Motion Processingの強調係数αを50、フレームのサンプリングレート5000f/sを振動拡大前の原動画像と同一とした。
Phase-based Video Motion Processingを適用した動画像の時系列I(x,t)のうち、図6Bに示す時刻t=t1,t2,t3の各時刻のフレームを図6C、図6D、図6Eに示す。図6C~図6Eに示すように、ボルト42aに設定した観測点p11は、時刻t=t1,t2,t3を通して変位がない一方、ボルト42bに設定した観測点p12は、時刻t=t1,t2,t3の推移に応じて変位したことが分かる。この変位は、Phase-based Video Motion Processingを非適用の動画像の時系列I(x,t)では確認されなかったが、Phase-based Video Motion Processingを適用することで確認された。
(模型橋梁30での模型車両50の走行による実験)
図7A~図7Eは、実施形態の模型橋梁30での模型車両50の走行実験による実験条件を説明するための図である。図7Aおよび図7Bは、模型橋梁30の構造を示す。図7Aおよび図7Bでは、模型橋梁30の長手方向をX軸、幅手方向をY軸、高さ方向をZ軸とする正系のXYZの座標軸を用いて説明を行う。
図7Aは、模型橋梁30を図7Aに示すY軸の正方向から見た側面図である。模型橋梁30は、橋台31a,31bおよび橋脚32a,32bを備える。
橋台31aと橋脚32aとの間には橋桁33aが架けられている。橋脚32aと橋脚32bとの間には橋桁33bが架けられている。橋脚32bと橋台31bとの間には橋桁33cが架けられている。橋脚32aが橋桁33bを支える支承部はPin支承とし、橋脚32bが橋桁33bを支える支承部はRoller支承とした。
橋台31aと橋脚32aの桁長は2500ミリ、橋脚32aと橋脚32bの桁長はL=5600ミリ、橋脚32bと橋台31bの桁長は2500ミリである。橋脚32aと橋脚32bの支間長は5400ミリであり、支間長30mの橋梁に相当する。
模型車両50は、走行方向の長さが400ミリである。模型車両50の鉛直振動数は2.9Hzとし、大型ダンプトラックを模擬している。模型橋梁30の重さを280kgf、模型車両50の重さを22kgfとして車両と橋梁の重量比を0.1以下とし、実橋梁と同様の条件とした。
模型車両50は、橋台31aに設けたモータ100のロープ牽引によって、図7Aに向かって右から左(x軸の正方向)へ模型橋梁30上を移動する。橋桁33aは、模型車両50の加速領域である。橋桁33bは、模型車両50の定速領域である。橋桁33cは、模型車両50の減速領域である。模型車両50の走行速度は、0.46m/s~1.63m/sとした。これは、支間長30mの橋梁上を走る大型ダンプトラックに換算すると、2.6m/s~9.055m/sあるいは9km/h~33km/hに相当する。
橋脚32aおよび橋脚32bの中心位置L/2=2800ミリの位置に、添接板40が4つのボルト42a~42dによって橋桁33bに取り付けた。カメラ2は、添接板40および4つのボルト42をその画角に収めて撮影する位置に配置した。
図7Bは、模型橋梁30を図7Aに示すX軸の正方向から見た断面図である。模型橋梁30の橋桁33aについて説明するが、橋桁33b,33cも同様である。橋桁33aは、主桁33a1,33a2と、床板33a3と、床板33a3上のレール33a31,33a32とを備える。レール33a31,33a32は、模型車両50がその両輪を乗せて移動する軌道を定める。
主桁33a1,33a2は、それぞれZ軸方向の高さが90ミリ、Y軸方向の厚みが8ミリである。橋桁33aの幅さは、300ミリである。床板33a3は、Z軸方向の厚みが19ミリである。床板33a3上のレール33a31,33a32は、それぞれ主桁33a1,33a2から55ミリだけオフセットした位置に設けられ、高さが8ミリである。
図7Cは、実施形態の模型橋梁30に取り付けた添接板40のサイズを示す。添接板40は、X軸方向が13.5センチ、Z軸方向が5.00センチの大きさである。添接板40に取り付けられたボルト42a~42dは、フランジの半径が1センチ、ボルト軸の半径が0.75センチである。ボルト42a~42dのそれぞれは、ボルト軸の外周が添接板40のZ軸方向の両端辺から1.5センチに位置する。ボルト42aは、添接板40のX軸方向の最寄りの端辺から0.5センチに位置する。ボルト42dは、添接板40のX軸方向の最寄りの端辺から0.5センチに位置する。ボルト42aとボルト42b、ボルト42bとボルト42c、ボルト42cとボルト42dのボルト軸間長は、それぞれ1.5センチである。
図7Dは、添接板40とボルト42の基準点および観測点の設定を示す図である。ボルト42a,42dは、100%の締め付けトルクで締め付けられている。ボルト42bは、75%の締め付けトルクで締め付けられている。ボルト42cは、締め付けトルクを0とし、完全にボルトが緩んだ状態とした。
図7Dに示すように、グレースケーリングによって添接板40のZ軸方向の端辺と、ボルト42のフランジ部分が他の部分と比較して輝度が高くなっている。よって図7Dに示すように、ボルト42aに対して基準点p11と観測点p21を、ボルト42bに対して基準点p12と観測点p22を、ボルト42cに対して基準点p13と観測点p23をそれぞれ設定した。
なお本実験では、Phase-based Video Motion Processingの強調係数αを100、フレームのサンプリングレートを7000f/s、特定振動数ωを96~98Hz、SIGMA値を5とした。なお、この特定振動数ωは、緩んだ状態のボルトの振動を特徴付ける物理パラメータである。
図8A~図8Cは、実施形態の模型橋梁30での模型車両50の走行実験による実験結果を説明するための図である。図8A~図8Cは、横軸をフレーム番号(時刻)、縦軸を相対ピクセル振幅の大きさとしている。図8Aはボルト42aの相対ピクセル振幅のフレーム間推移、図8Bはボルト42bの相対ピクセル振幅のフレーム間推移、図8Cはボルト42cの相対ピクセル振幅のフレーム間推移を示している。なおボルト42dは、図示を省略している。
図8A~図8Cに示す各相対ピクセル振幅に対してFFTなどの周波数解析を実行すると、ボルト42a(図8A)およびボルト42b(図8B)の相対ピクセル振幅は周期的特性を有さないため、ボルトの振動は発生していないと評価される。一方、ボルト42c(図8C)の相対ピクセル振幅は、特定振動数と一定する周期的特性を有し、かつ相対ピクセル振幅の最大値Rが所定値以上であるため、ボルトに振動が発生しており、かつボルトの振動はボルト緩みに起因する可能性があると推定できる。
(実施形態の効果)
上記実施形態によれは、ボルトの振動特性に合せて画像中のボルトの微小な振動をノイズやブレなく鮮明に拡大するので、足場の設置を要する現場の実地点検を行うことなく、ボルトの緩みを簡易に評価することができる。また、画像により簡易調査できることから、実地点検に先立ち、調査が必要な個所を事前スクリーニングできる。スクリーニング後にボルトの緩み個所においてボルト軸力が減少している部分を詳細に調査し、交換するボルトを特定でき、調査の労力と費用の軽減を図ることができる。
(実施形態の変形例)
(1)ボルトの振動の定量化指標について
上記実施形態では、基準点p0に対するボルト42の観測点p1の相対距離の変化を相対ピクセル振幅として、ボルト42の振動を定量化する指標とした。しかしこれに限らず、ボルト42の振動の定量化指標は、デジタル画像相関法などを用いて得られるボルト42の頭部の絶対的な移動量(回転量または変位量)などでもよい。
また、基準点p0を設定せず、ボルト42の観測点p1の絶対的な移動量を、ボルト42の振動を定量化する指標としてもよい。例えば車両が橋梁3を通行したことによってボルト42の振動が生じるが、この振動がボルト緩みによる振動を含みうるかの判断は、次のようにして行う。すなわち、ボルト42が緩んでいない状態で車両が橋梁3を通行したときに生じたボルト42の振動の振動数および振幅を予め計測しておく。振動検知時の振動数が予め計測した振動数と異なり、かつ振幅が予め計測した振幅よりも所定以上大きい場合に、実地点検の必要があるボルト緩みの可能性があると評価する。
このように、観測点の絶対的な移動量を振動検知の指標とすることで、振動検知対象の構造物や対象物の動画像をもとに、比較対象物を必要とせず、構造物や対象物の振動を検知することができる。
(2)ボルトの振動の定量化指標を用いない例について
上記実施形態では、ボルト42の振動を表す指標に基づいてボルト42の振動を検知し、緩みを評価した。ここで、ボルト42の振動数は、ボルト42の締結状態を特徴付ける物理パラメータと相関がある。よって、時間フィルタ処理部113による時間フィルタ処理において、緩んでいると見なしうる状態のボルト42の物理パラメータから導き出されるボルト42の振動数を特定振動数とすることで、ボルト42の振動を表す指標を定義しなくても、ボルト42の緩みに起因する振動を拡大し、検知することができる。
(3)ベイズファクターを用いたボルト緩みの評価について
上記実施形態では、検出されたボルトの振動の振幅や周期性に基づいて、ボルト緩みを評価した。しかし振動特性およびボルト緩みの評価方法は、これに限られるものではない。検出されたボルトの振動の振幅や振動数はボルトの特徴量と見なすことができる。よって、ボルトの振動の振幅や振動数に基づく振動特性およびボルト緩みの評価指標として、式(5)で定義されるベイズファクターBを算出する。
Figure 2024042126000006
上記式(5)において、Hは帰無仮説(ボルト42の緩みがない状態)、Hは対立仮説(ボルト42が緩んでいる状態)、xは仮説検定の対象とする特徴量(ボルトの振動の振幅や振動数)である。
式(5)に示すベイズファクターBにおいて、分母p(x|H)は診断時の特徴量xがボルト42の基準時における状態(緩みがない状態)と同じ特徴量である周辺尤度を示し、分子p(x|H)は診断時の特徴量xがボルト42の基準時における状態と異なる特徴量である周辺尤度を示す。ベイズファクターBが閾値を超えると、ボルト緩みによる振動が発生していると判断できる。このように、ベイズファクターBを用いると、ボルト緩みの有無やその程度を定量的に評価できる。
なお式(5)に示すベイズファクターBにおいて、分母p(x|H)を診断時の特徴量xが対象物の基準時における状態(振動がない状態)と同じ特徴量である周辺尤度とし、分子p(x|H)を診断時の特徴量xが対象物の基準時における状態と異なる状態(振動がある状態)の特徴量である周辺尤度としてもよい。このように、ベイズファクターBを用いて振動そのものを検知することもできる。
(実施形態の適用例)
上述した実施形態では、構造物が橋梁であり対象物がボルトであり、ボルトの動きを拡大するフィルタを適用してボルトの振動を検知する場合について説明した。以下実施形態の適用例として、構造物の振動を検知する場合について説明する。より具体的には、構造物を送電鉄塔とし、送電鉄塔を撮影した画像に複数の振動検出ポイントを設定し、画像から検知した振動に関する情報の変位に基づいて構造物の構造同定および異常検知を行う場合を説明する。なお画像から検知した振動に関する情報は、変位に限らず、歪みや、速度、加速度などであってもよい。なお、実測現場においては、橋梁にカメラを取り付けているのではなく橋梁とは別の場所にカメラを設置して構造物の振動を計測する。また、送電鉄塔を計測する場合も送電鉄塔等の構造物から離した位置にカメラを設置して対象構造物を撮影した画像で振動数を検知する。
図9は、実施形態の適用例において振動検知対象である送電鉄塔Tと、送電鉄塔Tに設定する複数の振動検知点jの例を示す図である。本適用例では、振動検知部114(図2)は、振動検知対象の構造物を一例として送電鉄塔Tとし、送電鉄塔Tの全体の構造同定および異常検知を行うため、送電鉄塔Tの全体を撮影した画像を用いるとする。しかし目的に応じて、構造物の所定部分を撮影した画像を用いてもよい。
図9では、送電鉄塔Tを撮影した画像にインデックスj=1,2,3,4の4か所の振動検知点を設定する。なお設定する振動検知点の数および設定位置は、4つおよび図示に限定されない。インデックスjの振動検知点を振動検知点jとする。
図10は、実施形態の適用例における送電鉄塔Tの固有振動数の例を示す図である。図10では、横軸を固有振動数(Hz)とし、縦軸を所定期間における各固有振動数の振動の発現回数とする。なお、図10に示す固有振動数の例は、例えば、送電鉄塔に取り付けた加速度計や変位計等のセンサから取得したデータをもとに固有振動数を算出することで得られる。図10から分かるとおり、送電鉄塔Tの振動には、1次振動モード、2次振動モード、3次振動モード、・・・の各次の振動モードが含まれる。振動モードの次数をkとする。
本適用例では、1次振動モード、2次振動モード、および3次振動モードの各周波数の振動を含んだ画像を強調するフィルタを、上記実施形態で示した式(3)のようにそれぞれ構成する。上記実施形態で示した画像拡大法によって、送電鉄塔Tの各固有振動数の周波数帯の画像を拡大することで、1次振動モード、2次振動モード、3次振動モードといった構造物全体の振動モードの変位量を確認することができる。
図11は、実施形態の適用例において複数の振動検知点jの各振動モードの拡大画像から検知される振動による変位の例を示す図である。図11は、図9の振動検知点j=1,2,3,4における各時刻の各次数k=1,2,3の振動モードの変位をグラフG(j,k)で表し、グラフG(j,k)を振動検知点jごとに足し合わせたグラフをグラフGjとして示している。グラフG(j,k)およびグラフGjでは、横軸を時刻、縦軸を振動による変位としている。
なお本適用例では、k≧4の振動モードはその変位が無視できるものとして取り扱うが、何れの次数の振動モードを含めて検知するかは、振動検知対象の構造物や目的に応じて適宜変更可能である。
例えばグラフG(1,1)は、振動検知点j=1における1次振動モードを拡大した振動波形のグラフを表す。同様にグラフG(1,2)は振動検知点j=1における2次振動モードを拡大した振動波形のグラフを、グラフG(1,3)は振動検知点j=1における3次振動モードを拡大した振動波形のグラフを表す。振動検知点j=1の画像から、グラフG(1,1)、グラフG(1,2)、およびグラフG(1,3)をそれぞれ作成する。振動検知点j=2,3,4についても同様である。このように、実施形態の適用例では、バンドパスフィルタとして振動モードに応じたフィルタを適用して、各周波数の振動を含んだ画像を強調した拡大画像を各々得る。ここで、各々の振動検知点において、振動次数に対応した次数のフィルタを適用することで、対応する次数の振動を検知する。例えば、各々の振動検知点において1次のフィルタ(例えば5Hz~7Hz)では「振動次数k=1」の1次の振動が検知できるが2次の振動や3次の振動が検知できず、2次のフィルタ(例えば10Hz~12Hz)では「振動次数k=2」の2次の振動が検知できるが1次の振動や3次の振動が検知できず、3次のフィルタ(例えば20Hz~22Hz)では「振動次数k=3」の3次の振動を検知できるが1次の振動や2次の振動を検知できない。これにより画像拡大して各振動モードのフィルタで処理すれば、拡大画像に応じて各次数の振動が検知できる。このため、同じ構造物において部位に応じて振動次数が異なる場合でも、画像拡大して各振動モードのフィルタで処理すれば、部位ごとの振動モードを特定できる。
また、グラフG(j,k)は、複数の振動検知点jのk次振動モードの波形を同時性をもって表現している。よって振動検知点jごとにグラフG(j,k)を合計したグラフGjは、振動検知点jにセンサを設置して計測した変位の計測結果と同等と見なせる。
そこで、振動検知点j(本適用例ではj=1,2,3,4)を送電鉄塔Tに設置されたn個(nは1以上の自然数、本適用例ではn=4)のセンサの設置位置と見なし、グラフGjをn個の各センサによる計測結果の時系列と見なす。そしてグラフGjによって示されるn個の振動検知点jにおける時刻kの変位から、式(6)に示す時刻tにおける観測ベクトルy(t)を構成する。観測ベクトルy(t)は、送電鉄塔Tの振動に関する情報の時系列ベクトルとして取得される。
Figure 2024042126000007
式(6)において、tは時刻インデックス、pは自己回帰モデルの次数、n次行列Aは回帰係数の行列、e(t)は時刻tにおける自己回帰モデルの誤差項である。行列Aは、自己回帰モデルにおいて線形結合されたセンサ情報ベクトルy(t-i)の時系列のそれぞれに乗じられている回帰係数である。式(6)は、構造物の運動方程式を変換することで得られる、対象の構造物の状態を表すシステム行列を含んだ状態方程式を、離散化した観測信号の時系列の線形結合である自己回帰モデルで表現したものである。
式(6)の自己回帰モデルにおける回帰係数である行列Aの各要素は、システム行列に含まれる構造物の物理量と関連付けられ、振動検知点jにおける変位、速度、加速度、質量マトリクスm、減衰係数マトリクスc、および剛性マトリクスkの情報のうちの少なくとも一つを含んでいる。
よって行列Aを用いることで、振動に関する様々な情報を含むように構造物の状態を表現することができる。すなわち行列Aの変化を捉えることで、変位、速度、加速度、質量マトリクスm、減衰係数マトリクスc、および剛性マトリクスkといった構造物の状態の変化を捉えることが可能になる。
ただし、振動検知点jが1つ(n=1)の場合では、自己回帰モデルにおける行列Aは、スカラーとなる。
そしてn個のセンサにより計測された観測ベクトルy(t)の時系列から生成した式(6)に示すp次の自己回帰モデルを行列式で表すと、式(7)のようになる。
Figure 2024042126000008
ここで式(7)における左辺のYは予測状態を、右辺第1項のYはp次の過去の変位を、右辺第2項のEは構造物の状態観測の不確定性に起因する誤差を表す。また式(7)における右辺第1項の係数行列Aは、1からpまでのiについての行列Aを結合したn×(n×p)行列である。
なお係数行列Aには構造物の診断結果に無関係な質が劣る情報の成分が含まれている。この質が劣る情報の成分を除去するために係数行列Aの主成分分析によって再構築された主成分行列A^を、係数行列Aの代替としてもよい。
このようにして求められた係数行列Aまたは主成分行列A^を構造物の状態を表す特徴量として用いることで、構造物の振動特性を有する時系列を再現し、構造物の構造同定および状態の診断が可能となる。
ここで式(8)によって定義されるベイズファクターBを導入する。式(8)において、Hは帰無仮説(本適用例では送電鉄塔Tの健全状態)、Hは対立仮説(本適用例では送電鉄塔T異常・損傷状態)、Yは仮説検定の対象とする或る時刻tの特徴量(本適用例では係数行列Aまたは主成分行列A^)、ΦはHあるいはHの仮説のもとでのパラメータ(例えば特徴量の確率分布の平均値や標準偏差)である。
Figure 2024042126000009
式(8)に示すベイズファクターBにおいて、分母p(Y,H)は診断時の特徴量Yが送電鉄塔Tの基準時における状態(健全状態)と同じ特徴量である周辺尤度を示し、分子p(Y,H)は診断時の特徴量Yが送電鉄塔Tの基準時における状態と異なる特徴量である周辺尤度を示す。よってp(Y,H)に対するp(Y,H)の比であるベイズファクターBが閾値を超えると、或る特徴量に基づいて送電鉄塔Tに異常や損傷が発生していると判断できる。
この閾値は、過去の点検データなどから、送電鉄塔Tの点検技術者が異常と判定した区分が設定されたものであり、ベイズファクターBが閾値より大である場合に送電鉄塔Tに異常があると判定し、ベイズファクターBが閾値以下である場合に送電鉄塔Tが正常であると判定する。
なお、過去の点検データなどに基づき、ベイズファクターBの大きさから、送電鉄塔Tの異常や損傷の程度を診断してもよい。
さて、式(8)に基づくベイズファクターBは、送電鉄塔Tを全体的に見て異常を検知するための評価指標である。一方、送電鉄塔Tの各振動検知点jの変位の時系列から得られる特徴量に基づいて個別のベイズファクターを算出することもできる。個別のベイズファクターをローカルベイズファクターと呼ぶ。例えば振動検知点jの変位の時系列に基づくローカルベイズファクターBは、式(9)で定義される。
Figure 2024042126000010
ローカルベイズファクターBをベイズファクターBに代えて診断を行うことで、異常を示すローカルベイズファクターBのインデックスjから、振動検知点jにおいて橋梁4の異常や損傷の有無や程度を識別できる。
なお上記では、自己回帰モデルの回帰係数に基づいて、或る時刻における構造物の状態を示す特徴量を生成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自己回帰モデルの回帰係数以外の情報から、構造物の状態を示す特徴量を生成してもよい。
(機械学習に基づく異常診断)
さて、本適用例では、グラフGjが示す送電鉄塔Tの各振動検知点jにおける変位の時系列に基づいてベイズファクターを算出し、ベイズファクターに基づいて送電鉄塔Tの異常や損傷の診断(あるいは構造同定)を行っている。各振動検知点jにおける拡大されたk次振動モードを含んだグラフGjは、送電鉄塔Tの各振動検知点jについて各振動モードの次数で拡大された各々の拡大画像から作成される。よってグラフGjに基づいて算出されたベイズファクターに基づく送電鉄塔Tの異常や損傷の診断結果と、グラフGjの元となる各々の拡大画像の組合せとは、対応関係を有する。
一例を挙げると、グラフG1、G2、G3、およびG4に基づくベイズファクターBは、j=1、2、3、および4のそれぞれの振動検知点における1次、2次、および3次の振動モードの拡大画像の組合せと対応関係を有する。また、グラフGjに基づくローカルベイズファクターBは、振動検知点jにおける1次、2次、および3次の振動モードの拡大画像の組合せと対応関係を有する。
そこで、振動検知部114は、前述の対応関係を大量に機械学習し、送電鉄塔Tの拡大画像を入力とし診断結果を出力する学習器を作成する。そしてこの学習器に対して、送電鉄塔Tの拡大画像を入力とし、出力として送電鉄塔Tの異常や損傷の診断結果の予測値を得る。これにより、構造物の拡大画像から、診断結果(あるいは構造同定結果)の予測値を速やかに得ることができる。なお、学習器を作成する際には、診断結果と診断結果に対応する全ての拡大画像の組合せを学習することが望ましいが、全ての拡大画像の組合せに限らず、診断結果と診断結果に対応する全ての拡大画像のうちの一部の拡大画像の組合せを学習してもよい。
なお機械学習に基づく異常診断において、予測時に学習器を適用する拡大画像の振動検知点と振動モードの次数の組合せのパターンが、学習器の作成に用いた拡大画像の振動検知点と振動モードの次数の組合せのパターンと同一であることが望ましいが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、振動検知点jの数および設定箇所、ならびに学習対象とする振動モードの次数kは、適宜変更可能である。また、ローカルベイズファクターBをベイズファクターBに代えて診断を行うようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、構造物が橋梁であり対象物が橋梁に取り付けられたボルトである場合、或いは、構造物が鉄塔である場合を説明したが実施形態はこれに限定されるものではなく、振動を検知できるすべての構造物に対して適用可能である。例えば、構造物がトンネルであり対象物がトンネルに取り付けられた照明やファンであってもよいし、照明やファンに取り付けられたボルトであってもよい。或いは、構造物が道路や橋梁であり対象物が道路や橋梁に取り付けられた標識柱や照明柱であってもよい。また、構造物はビルや家屋等の建築構造物であってもよい。なお、構造物は、使用する材料の分類に依らず木構造、鉄筋コンクリート構造、鋼(鉄骨)構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造、補強コンクリートブロック構造等であってもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の構成について、追加、削除、置換、統合、または分散をすることが可能である。また実施形態で示した構成および処理は、処理または実装の効率に基づいて適宜分散、統合、または入れ替えることが可能である。上記実施形態で説明したシステムの各処理を実行するプログラムは、記録媒体あるいは伝送媒体を介して1または複数のコンピュータにインストールされるプログラム、もしくは組み込みプログラムとして提供される。
1:振動検知システム、2:カメラ、3:橋梁、111:画像取得部、112:空間フィルタ処理部、113:時間フィルタ処理部、114:振動検知部

Claims (13)

  1. 構造物または構造物に取り付けられた対象物の振動を検知する振動検知システムであって、
    撮像装置によって撮影された前記構造物または前記対象物の画像を取得する取得部と、
    空間フィルタ処理によって前記画像から各画素の時系列を生成する空間フィルタ処理部と、
    前記構造物または前記対象物を特徴付けるパラメータを用いた時間フィルタ処理によって前記各画素の時系列のうちの特定振動数の画素の変化量を拡大する時間フィルタ処理部と、
    前記特定振動数の画素の変化量が拡大された前記各画素の時系列を基に再構成した拡大画像をフレーム分割したサンプリングフレームから前記構造物または前記対象物の振動を定量化する指標を算出し、前記指標の時系列から前記構造物または前記対象物の振動を検知する振動検知部と
    を有することを特徴とする振動検知システム。
  2. 前記時間フィルタ処理部は、
    複数種類の前記パラメータを用いた時間フィルタ処理を実行し、
    前記振動検知部は、
    前記複数種類のパラメータ各々に対応する拡大画像のサンプリングフレームから前記指標を算出して前記構造物または前記対象物の振動を検知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検知システム。
  3. 前記振動検知部は、
    前記サンプリングフレームにおける基準画素に対する前記構造物または前記対象物の画素の相対振幅を前記指標として前記構造物または前記対象物の振動を検知する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動検知システム。
  4. 前記振動検知部は、
    前記サンプリングフレームにおける前記構造物または前記対象物の変位量を前記指標として前記構造物または前記対象物の振動を検知する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動検知システム。
  5. 前記振動検知部は、
    前記指標の値を周波数解析した結果に基づく該値の周期性の有無を基に前記構造物または前記対象物の振動を検知する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の振動検知システム。
  6. 前記振動検知部は、
    前記サンプリングフレーム毎の前記指標の値について、前記構造物または前記対象物が振動状態でないと仮定した場合における該値の確率分布を表す周辺尤度に対する、前記構造物または前記対象物が振動状態であると仮定した場合における該値の確率分布を表す周辺尤度の比率に基づいて、前記構造物または前記対象物の振動を検知する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の振動検知システム。
  7. 前記振動検知部は、
    前記画像に設定された振動検知点における前記構造物の振動に関する情報を時系列で取得し、
    前記時系列から或る時刻における前記構造物の状態を示す特徴量を生成し、当該特徴量に基づいて前記指標を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の振動検知システム。
  8. 前記振動検知部は、
    前記或る時刻における前記情報を、該或る時刻以前において取得された前記情報の時系列の線形結合で表現する自己回帰モデルを生成し、
    前記自己回帰モデルの回帰係数に基づいて、前記特徴量を生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の振動検知システム。
  9. 前記情報の時系列は、前記構造物における位置毎に取得されたものであり、
    前記振動検知部は、
    前記構造物における位置毎の前記時系列に基づいて位置毎の前記特徴量を算出する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の振動検知システム。
  10. 前記振動検知部は、
    前記特徴量について、前記構造物が健全状態であると仮定した場合における該特徴量の確率分布を表す第1の周辺尤度と、前記構造物が前記健全状態でないと仮定した場合における該特徴量の確率分布を表す第2の周辺尤度と、の比率である評価指標を算出し、該評価指標に基づいて前記構造物を診断する
    ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載の振動検知システム。
  11. 前記振動検知部は、
    前記画像と、前記構造物の状態を診断した診断結果との対応関係を学習して学習済モデルを作成し、
    前記学習済モデルに対して、前記構造物の画像を入力として、該構造物の状態の診断結果を出力として得る
    ことを特徴とする請求項10に記載の振動検知システム。
  12. 構造物または構造物に取り付けられた対象物の振動を検知する振動検知システムが行う振動検知方法であって、
    撮像装置によって撮影された前記構造物または前記対象物の画像を取得し、
    空間フィルタ処理によって前記画像から各画素の時系列を生成し、
    前記構造物または前記対象物を特徴付けるパラメータを用いた時間フィルタ処理によって前記各画素の時系列のうちの特定振動数の画素の変化量を拡大し、
    前記特定振動数の画素の変化量が拡大された前記各画素の時系列をもとに再構成した拡大画像をフレーム分割したサンプリングフレームから前記構造物または前記対象物の振動を定量化する指標を算出し、前記指標の時系列から前記構造物または前記対象物の振動を検知する
    各処理を有することを特徴とする振動検知方法。
  13. コンピュータを、構造物または構造物に取り付けられた対象物の振動を検知する振動検知システムとして機能させるための振動検知プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    撮像装置によって撮影された前記構造物または前記対象物の画像を取得する取得部、
    空間フィルタ処理によって前記画像から各画素の時系列を生成する空間フィルタ処理部、
    前記構造物または前記対象物を特徴付けるパラメータを用いた時間フィルタ処理によって前記各画素の時系列のうちの特定振動数の画素の変化量を拡大する時間フィルタ処理部、
    前記特定振動数の画素の変化量が拡大された前記各画素の時系列をもとに再構成した拡大画像をフレーム分割したサンプリングフレームから前記構造物または前記対象物の振動を定量化する指標を算出し、前記指標の時系列から前記構造物または前記対象物の振動を検知する振動検知部
    として機能させるための振動検知プログラム。
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