本発明の第1実施形態にかかる遊技機の一例として、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機、および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、特に断りがない限り、パチンコ遊技機の正面側を前方向、パチンコ遊技機の背面側を後方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの左側を左方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの右側を右方向、パチンコ遊技機の上側を上方向、パチンコ遊技機の下側を下方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの時計回りの方向を右回り方向、その逆に反時計回りの方向を左回り方向として定義する。
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機は、いずれも、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。このうち、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。これに対し、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
また、第3のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。この明細書で説明する第3のパチンコ遊技機も、第1特別図柄および第2特別図柄を有するが、この明細書では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるものを例に挙げて説明する。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な1種2種混合機のパチンコ遊技機を排除する趣旨ではない。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、とくに言及しない限り、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。
また、本明細書でいう「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。変動表示している図柄が停止表示(以下、「導出」とも称する)されると、後述する特別図柄の当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」もと称する)の結果や普通図柄の当り判定処理(以下、「普通図柄抽選」とも称する)の結果が確定する。なお、図柄が見掛け上は停止しているように見えるものの、特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定しない態様(例えば仮停止した態様)で図柄が表示される場合もあるが、このような態様は上記の変動表示に含まれる。なお、図柄が例えば仮停止した場合であっても、この時点では特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定していないため、再び図柄を変動表示させることができる。
また、この明細書において、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、いずれも特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)の場合を例に挙げて説明する。ただし、第1のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機については、特別図柄の数は1つであっても良い。
[1.第1のパチンコ遊技機]
先ず、第1のパチンコ遊技機について説明する。
第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
優先変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていないこと、並びに、第1特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。また、優先変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、並びに、第2特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。
また、順次変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第1特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第1特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。また、順次変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第2特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
以下では、優先変動機を例に挙げて説明する。
[1-1.外観構成]
図1は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。図2は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの分解斜視図の一例である。図3は、第1のパチンコ遊技機を後方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。
[1-1-1.基本構成]
図1~図3に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7(図2参照)、払出ユニット8(図2、図3参照)、基板ユニット9(図2、図3参照)、および、遊技盤ユニット10(図2参照)等を備える。さらに、遊技盤ユニット10の右下部にはLEDユニット160(図2参照)が設けられている。ここでは、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7、払出ユニット8および基板ユニット9について簡単に説明し、遊技盤ユニット10およびLEDユニット160についての詳細を後述する。なお、上記の括弧書きは、図1に図示がない構成についての参照図面を示している。
(外枠)
外枠2は、正面視略矩形状の枠体であり、前後方向に貫通する開口21を有する。この外枠2は、遊技場の島設備に固定して取り付けられる。外枠2の例えば左端部の前側には蝶番(参照符号なし)が設けられており、この蝶番には、ベースドア3が軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸として外枠2に対してベースドア3を前方に回動させることが可能となっている。
なお、外枠2は、ベースドア3を介して、後述する払出ユニット8、基板ユニット9、表示装置7、遊技盤ユニット10、ガラスドア4および皿ユニット5等の多数の部材を支持するため、高い強度が必要とされる。その一方で、演出効果を高めることを目的として例えば表示装置7(図2参照)や遊技盤ユニット10の大型化が要求されている。そのため、外枠2を例えば薄板の金属で構成することにより、表示装置7や遊技盤ユニット10の大型化を図りつつ、高い強度を保つことができる。とくに外枠2をアルミ製にすれば、軽量化を図ることも可能となる。
(ベースドア)
ベースドア3は、裏面側に例えば払出ユニット8および基板ユニット9等が取り付けられており、これらを支持している。
ベースドア3の表面側には遊技盤ユニット10がはめ込まれる。また、ベースドア3の例えば左端部の前側には、上端部、上下方向略中央部よりも下方側の中途部、および、下端部のそれぞれに蝶番(参照符号なし)が設けられており、上端部および中途部の蝶番にガラスドア4が軸支され、中途部および下端部の蝶番に皿ユニット5がそれぞれ軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸としてベースドア3に対してガラスドア4および皿ユニット5を一体でまたは個別に前方に回動させることが可能となっている。
また、ベースドア3の表面側の例えば右側下方には発射装置6が固定して取り付けられており、例えば上方側の左右のそれぞれには、スピーカ32(図2参照)が固定して取り付けられている。このスピーカ32からは、例えば、表示装置7に表示されるキャラクタ等の音声演出、楽曲、効果音、音声による告知、エラー報知等の演出音等が出力される。
さらに、ベースドア3の蝶番と反対側(すなわち右端部)には、施錠装置(不図示)が設けられている。この施錠装置は、外枠2に対してベースドア3を施錠したり、ベースドア3に対してガラスドア4を施錠したりする機能を備えている。
(ガラスドア)
ガラスドア4は、開口41が形成された枠状の部材である。この開口41には、透過性を有する保護ガラス43(図2参照)が後面側から取り付けられている。ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられると、遊技盤ユニット10に形成される遊技領域105(後述の図4参照)と保護ガラス43とが対向する。このようにして、ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられた状態で遊技領域105を前方から視認することができるとともに、遊技領域105を流下する遊技球が前方に飛び出さないようにすることができる。
なお、保護ガラス43は、複数枚(例えば2枚)のガラスを互いに間隙を有して取り付けるものであってもよいし、互いに間隙を有するように複数枚のガラスがユニット化されたものであってもよい。さらには、ユニット化されたものである場合、ガラスとガラスとの間に例えば導光板が備えられたものであってもよい。上記の保護ガラス43は、ガラス製に限られず、例えば透明樹脂製であってもよい。
また、ガラスドア4の下部には、遊技情報提供サービス(例えば、「ユニメモ(登録商標)」)の提供を受けるために例えば遊技者が操作することが可能な操作部66が設けられる。この操作部66は、遊技場の管理者等がホールメニュー画面上で操作することが可能な操作部として機能させることもできる。
また、ガラスドア4の上部には、上述したスピーカ32の前方に配置されるスピーカカバー45が設けられている。さらに、ガラスドア4の開口41の周縁部には、発光演出等に用いられる多数のLED群46が配置されており、これらのLED群46の前方にはLEDカバーが設けられている。図1および図2において図示される符号46は、厳密にいえばLEDカバーであるが、便宜上、LED群46として説明する。LED群46は、例えば、光での告知や、さまざまなバリエーションで発光演出等を行う演出用の発光手段であるが、このような発光演出等を実行できればLEDに限られず、例えば液晶やランプ等であってもよい。
(皿ユニット)
皿ユニット5は、上皿51と下皿52とをユニット化したものである。皿ユニット5は、ベースドア3の前下部であって、ガラスドア4の下方に配置される。この皿ユニット5は、例えば球詰まり等の発生時に遊技場の店員等が球詰まりを解消できるように、上述したとおり、ベースドア3に対して回動させて開閉できるように構成されている。なお、皿ユニット5は、必ずしも上皿51と下皿52とをそれぞれ設ける必要はなく、一体皿として構成してもよい。
上皿51は、遊技球を貯留可能に設けられており、上皿51に貯留された遊技球は、発射装置6から遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射される。上皿51には、払出口53および演出ボタン54等が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口53から上皿51に払い出される。演出ボタン54は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン54は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて振動したり上方に突出するような機能が相当する。また、上記操作部66の機能を兼用するようにしてもよい。
下皿52は、主として上皿51から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿52には上皿51と連通する払出口55が設けられており、上皿51から溢れた遊技球は払出口55から下皿52に払い出される。
下皿52の底面には、遊技者の操作によって開閉させることが可能な開口部(参照符号なし)が形成されている。下皿52の底面に形成された開口部を開状態にすると、下皿52に貯留されている遊技球を、下皿52の下方に載置された球箱に移すことができる。なお、所謂各台計数システムが各台に設けられている場合、球箱を必要としないだけでなく、各台計数システムで計数された遊技球を貯球し、貯球された遊技球を再び遊技に供することもできる。
(発射装置)
発射装置6は、上皿51に貯留された遊技球を、遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射するためのものである。発射装置6は、ベースドア3の前右下部であって、皿ユニット5の右下方に配置される。発射装置6は、パネル体61、駆動装置(不図示)および発射ハンドル62を備える。
パネル体61は、ベースドア3に対し皿ユニット5が閉じられた状態において、皿ユニット5と、ベースドア3に固定して取り付けられた発射装置6とが外観上一体となるように設けられる。
発射ハンドル62は、右回りまたは左回りに回動可能に構成されており、パネル体61の表面側に配置される。上記の駆動装置は、パネル体61の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。遊技者によって発射ハンドル62が操作されると、駆動装置の動作により遊技球が発射される。なお、発射ハンドル62を操作する際に、右回りへの回動量(操作量)が大きいほど遊技球の発射強度が強くなる。
皿ユニット5の右下方に配置された発射装置6から発射された遊技球は、発射レール(不図示)を経てガイドレール110(後述の図4参照)に沿って円弧状に転動して遊技領域105(後述の図4参照)に打ち出される。なお、発射装置6の配置位置は、皿ユニット5の右下方に限られず、皿ユニット5の左下方であってもよい。この場合、上記の発射レールが不要となり、ガラスドア4の下方の領域を有効に利用することができ、汎用性を高めることが可能となる。
(表示装置)
表示装置7(図2参照)は、遊技に関する各種の演出画像を表示する表示領域を有するものであって、遊技パネル100の開口に上記の表示領域が臨むように取り付けられる。表示装置7は、例えば、液晶表示装置、7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンスで構成される表示装置等であってもよいし、プロジェクタ等の投影装置を用いて映像を投影するものであってもよい。表示装置7の表示領域には、例えば、演出用識別図柄(例えば、装飾図柄)を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等が表示される。本実施例では、表示装置7が遊技盤ユニット10に取り付けられているが、表示装置7の表示領域が遊技パネル100の開口に臨むように配置されていれば、表示装置7はベースドア3に取り付けられるようにしてもよい。
なお、本実施例では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置7を備えているが、複数(例えば二つ)の表示装置を設けて、これら複数の表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
(払出ユニット)
払出ユニット8(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置されており、球通路81、払出装置82等で構成される。球通路81には、貯留タンク80(図2、図3参照)から遊技球が供給される。なお、貯留タンク80には、島設備(不図示)から遊技球が供給される。払出装置82は、払出条件が成立すると、貯留タンク80から球通路81に供給された遊技球のうち所定個数の遊技球を例えば上皿51に払い出す。また、払出ユニット8の背面側には、図3に示されるように電源スイッチ95が設けられる。
(基板ユニット)
基板ユニット9(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置される。基板ユニット9には、各種制御基板等が設けられる。
具体的には、図3に示されるように、主制御回路200(後述の図6参照)が実装された主制御基板91、サブ制御回路300(後述の図6参照)が実装されたサブ制御基板92、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路400(後述の図6参照)が実装された払出・発射制御基板93、および、電源を供給する電源供給回路450(後述の図6参照)が実装された電源供給基板等が基板ユニット9に設けられている。
なお、図3では、便宜上、主制御基板91、サブ制御基板92、払出・発射制御基板93および電源供給基板94を参照符号として示しているが、これらの基板は、全て、基板ケースに収容されている。
また、本実施例では、サブ制御基板92を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成する。ただし、これに限られず、例えば、後述する表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306および役物制御回路307(いずれも後述の図6参照)等の全部または一部を別個の基板とすることで、サブ制御基板92を複数の基板で構成してもよい。
[1-1-2.遊技盤ユニット]
図4は、第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット10の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される。
図4に示されるように、遊技盤ユニット10は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される遊技パネル100と、ガイドレール110と、遊技領域105の略中央部に配置されるセンター役物115と、第1始動口120と、一般入賞口122と、通過ゲートユニット125と、特別電動役物ユニット130と、第2始動口140と、普通電動役物ユニット145と、LEDユニット160と、アウト口178と、遊技盤ユニット10の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、上述したとおり、LEDユニット160については後述する。
(遊技パネル)
遊技パネル100には、表示装置7の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル100の前面には、ガイドレール110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール110から遊技領域105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
なお、本実施例では、裏ユニットを正面視で視認できるように遊技パネル100が透明樹脂で構成されているが、遊技パネル100の全部を透明としてもよいし、一部のみを透明としてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域105は、ガイドレール110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置6(後述の図6参照)から発射された遊技球を遊技領域105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物115は、遊技パネル100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール116を備えている。遊技領域105に向けて発射された遊技球は、センターレール116によって左右に振り分けられる。
この第1のパチンコ遊技機において、遊技領域105のうち、センター役物115よりも左側の領域を左側領域106と称し、センター役物115よりも右側の領域を右側領域107と称する。左側領域および右側領域の定義は、後述する第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機についても同様である。
発射装置6によって遊技領域105に向けて発射された遊技球は、左側領域106または右側領域107を流下する。左側領域106または右側領域107を流下する遊技球は、遊技パネル100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域106を流下する。一方、発射ハンドル62(図1参照)の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域107を流下する。
なお、この明細書において、発射ハンドル62の操作態様(打ち方)として、左側領域106を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「左打ち」と称し、右側領域107を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「右打ち」と称する。このように、遊技者によって左側領域106または右側領域107に向けて遊技球を打ち分け可能とされている。
また、センター役物115には、左側の外周縁部に、左側領域106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口117が形成されている。ワープ入口117に進入した遊技球は、センター役物115に形成されたステージ118に誘導可能に構成されている。ステージ118は、表示装置7の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口119が形成されており、チャンス入口119に進入した遊技球は、第1始動口120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口119に進入した遊技球は、ワープ入口117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口117に進入したもののチャンス入口119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口120は、表示装置7の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第1特別図柄の始動条件(この明細書において「第1特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
この明細書において、第1始動口120への遊技球の入賞を第1特別図柄の始動入賞と称し、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を第1特別図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで第1特別図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。第2特別図柄についても同様である。
(一般入賞口)
一般入賞口122は、表示装置7の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により一般入賞口122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット125は、右側領域107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート126と、通過ゲート126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ127(後述の図6参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット125は、右側領域107に代えてまたは加えて左側領域106に配置されていてもよい。
この明細書において、通過ゲート126への遊技球の通過を始動通過と称し、通過ゲート126への遊技球の通過によって抽出された普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を普通図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで普通図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット130は、大入賞口131と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)を検出するカウントスイッチ132(後述の図6参照)と、特別電動役物133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット130は、右側領域107において、通過ゲートユニット125よりも下方に配置されている。
大入賞口131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大入賞口131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。カウントスイッチ132(後述の図6参照)により大入賞口131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ134と、この特電用シャッタ134を作動させる特電用ソレノイド135(後述の図6参照)とを備える。特別電動役物133すなわち特電用シャッタ134は、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り遊技状態では、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大入賞口131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
第2始動口140は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されている。ただし、第2始動口140は、左打ちされた遊技球の入賞が例えば遊技釘等によって困難または不可能となっており、右打された遊技球が入賞可能となるように第2始動口140の近傍まで誘導されるように構成されている。ただし、第2始動口140をこのような構成とすることは必須ではなく、例えば右側領域107に設けてもよい。また、第2始動口140は、左打ちされた遊技球が入賞可能となるように構成されていてもよい。
第2始動口スイッチ141(後述の図6参照)により第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄にかかる各種データ(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第2特別図柄の始動条件(この明細書において「第2特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口140に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット145は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ141としている。
普通電動役物146は、所謂電チューと呼ばれる例えば羽根部材からなる普電用可動部材147と、この普電用可動部材147を作動させる普電用ソレノイド148(後述の図6参照)とを備える。普通電動役物146すなわち普電用可動部材147は、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、普電用可動部材147は、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(アウト口)
アウト口178は、遊技領域105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口120、第2始動口140、大入賞口131、一般入賞口122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口122の間等にアウト口を設けて、遊技領域105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、遊技盤ユニット10を装飾するものであって、透過性のある遊技パネル100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路300によって制御される可動役物等の演出用役物群58(後述の図6参照)を備える。演出用役物群58は、例えば表示装置7の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群58のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[1-1-3.LEDユニット]
LEDユニット160は、遊技盤ユニット10の右下部であって、遊技領域105の外側に配置される(例えば図4参照)。LEDユニット160は、各種の表示部を一体化したユニット体である。
図5は、第1のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット160を示す正面図の一例である。
図5に示されるように、LEDユニット160は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、および時短報知用表示部168を備える。
(普通図柄表示部)
普通図柄表示部161は、普通図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、普通図柄表示LED161a,161bを備える。普通図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「普通図柄の始動条件」と称する)が成立すると、普通図柄表示LED161a,161bが交互に点灯・消灯を繰り返す普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示が停止し、普通図柄の当り判定処理の結果が導出される。
普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161a,161bの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。例えば、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161aが点灯するとともに普通図柄表示LED161bが消灯する。一方、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、例えば、普通図柄表示LED161aが消灯するとともに普通図柄表示LED161bが点灯する。ただし、普通図柄の当り判定処理の結果を示す普通図柄表示LED161a,161bの停止表示態様はこれに限られない。そして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物146を作動させることが決定し、普電用可動部材147が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が容易となる。
(普通図柄用保留表示部)
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている普通図柄の可変表示の数(以下、「普通図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、普通図柄用保留表示LED162a,162bを備える。上記の「普通図柄の可変表示が保留されている」とは、通過ゲート126への遊技球の通過が検出されて普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出されてから、普通図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。なお、普通図柄の始動条件は、普通図柄が可変表示中でないこと、および、普通図柄の可変表示が保留されていること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄用保留表示LED162a,162bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の保留数が1個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点灯するとともに普通図柄用保留表示LED162bが消灯する。また、普通図柄の保留数が2個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点灯する。また、普通図柄の保留数が3個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点滅するとともに普通図柄用保留表示LED162bが点灯する。さらに、普通図柄の保留数が4個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点滅する。ただし、普通図柄の保留数を示す普通図柄用保留表示LED162a,162bの表示態様はこれに限られない。
(特別図柄表示部)
特別図柄表示部は、特別図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、第1特別図柄表示部163および第2特別図柄表示部164を備える。第1特別図柄表示部163は、例えば、8個のLED163a~163hからなる第1特別図柄表示LED群を備える。同様に、第2特別図柄表示部164も、例えば8個のLED164a~164hからなる第2特別図柄表示LED群を備える。
第1特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第1特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第1特別図柄の可変表示が停止し、第1特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第1特別図柄表示部163が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
第2特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第2特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第2特別図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第2特別図柄の可変表示が停止し、第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第2特別図柄表示部164が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
(特別図柄用保留表示部)
特別図柄用保留表示部は、特別図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている特別図柄の可変表示の数(以下、「特別図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示部165および第2特別図柄用保留表示部166を備える。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合、第1特別図柄の保留数を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bを備える。「第1特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されて第1特別図柄の始動情報が抽出されてから、第1特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの点灯・消灯の組み合わせによって第1特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第1特別図柄の保留数が1個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点灯するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが消灯する。また、第1特別図柄の保留数が2個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点灯する。また、第1特別図柄の保留数が3個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点滅するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが点灯する。さらに、第1特別図柄の保留数が4個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点滅する。ただし、第1特別図柄の保留数を示す第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの表示態様はこれに限られない。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合、第2特別図柄の保留数を表示するものであって、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bを備える。「第2特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されて第2特別図柄の始動情報が抽出されてから、第2特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの点灯・消灯の組み合わせによって第2特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第2特別図柄の保留数が1個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点灯するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが消灯する。また、第2特別図柄の保留数が2個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点灯する。また、第2特別図柄の保留数が3個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点滅するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが点灯する。さらに、第2特別図柄の保留数が4個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点滅する。ただし、第2特別図柄の保留数を示す第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの表示態様はこれに限られない。
(確変報知用表示部)
確変報知用表示部167は、後述の確変制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDまたはランプで構成されている。
確変報知用表示部167は、確変制御の実行中に点灯させるようにしてもよいが、例えば、確変制御の実行中であることを外観で把握できないように点灯させないようにすることで、確変制御の実行中であることを秘匿にしてもよい。
ただし、確変制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、確変制御の実行中であることを示すデータは消失しない。よって、確変制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、確変制御中であることを外観で把握できる態様で、確変報知用表示部167が点灯する。
なお、電源が遮断される前に、確変制御の実行中であるか否かが秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、確変報知用表示部167を点灯させることで、確変制御の実行中であることを把握できるように構成されている。
(時短報知用表示部)
時短報知用表示部168は、後述の時短制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDやランプ等で構成されている。
本実施例において、時短報知用表示部168は、例えば、第1時短報知用表示部168aおよび第2時短報知用表示部168bを有しているが、時短報知用表示部168の個数はこれに限られない。
また、詳細は後述するが、時短遊技状態には、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とが含まれている。そして、例えば、第1時短報知用表示部168aと第2時短報知用表示部168bとによる点灯または消灯の組合せによって、いずれの時短遊技状態であるかを把握できるように構成されている。
時短報知用表示部168は、実行中の時短制御に応じて第1時短報知用表示部168aまたは/および第2時短報知用表示部168bを点灯させるようにしてもよいが、例えば、時短制御の実行中であるか否かまたは実行中の時短制御の種類を外観で把握できない態様(例えば、全消灯、全点灯、実行中の時短制御とはかかわりのない態様)で点灯または消灯させることで、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にしてもよい。とくに、時短制御の実行中であるか否かについては外観で把握できる可能性があるが、いずれの時短制御が実行されているかについては外観で把握することが困難である場合があるため、実行中の時短制御の種類を秘匿とすることで、興趣を高めることが可能である。
ただし、時短制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、時短制御の実行中であることを示すデータのみならず、実行中の時短制御の種類を示すデータについても消失しない。よって、時短制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、時短制御中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168が点灯または消灯する。
なお、電源が遮断される前に、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、時短制御の実行中であることおよび実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168を点灯または/および消灯させるように構成されている。
[1-2.電気的構成]
次に、図6を参照して、第1のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図6は、第1のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図6に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450と、から構成される。
[1-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU201、メインROM202(読み出し専用メモリ)、メインRAM203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路204およびバックアップコンデンサ207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU201には、メインROM202、メインRAM203および初期リセット回路204等が接続される。メインCPU201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM202には、メインCPU201により第1のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM203は、メインCPU201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路204は、メインCPU201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ207は、電断時等に、メインRAM203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート205、および、サブ制御回路300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート206等も備える。
また、主制御回路200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路200には、上述した普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、時短報知用表示部168、普電用ソレノイド148、および、特電用ソレノイド135等が接続されている。また、主制御回路200には、これらの他、性能表示モニタ170およびエラー報知モニタ172等も接続されている。主制御回路200は、I/Oポート205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ170には、メインCPU201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路200には、第1始動口スイッチ121、第2始動口スイッチ141、通過ゲートスイッチ127、カウントスイッチ132、および、一般入賞口スイッチ123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート205を介して主制御回路200に出力される。
さらに、主制御回路200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ186にデータ送信する際に用いる外部端子板184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー174aを差し込む設定キー差込口174、メインRAM203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ176等が接続されている。本実施例において、RAMクリアスイッチ176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口174およびRAMクリアスイッチ176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口174やRAMクリアスイッチ176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口174およびRAMクリアスイッチ176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー差込口174または/およびRAMクリアスイッチ176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口174およびRAMクリアスイッチ176は、主制御回路200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路400や電源供給回路450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー差込口174やRAMクリアスイッチ176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[1-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308等を備える。サブ制御回路300は、主制御回路200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図6には示されていないが、サブ制御回路300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM302には、サブCPU301により第1のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU301は、プログラムROM302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU301は、主制御回路200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM303は、サブCPU301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路304は、表示装置7における表示制御を行うための回路である。表示制御回路304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路304は、サブCPU301からの画像表示命令に応じて、表示装置7に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置7に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置7に供給する。表示装置7に画像信号が供給されると、表示装置7に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路304は、表示装置7に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路305は、スピーカ32から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ32から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ32から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路306は、装飾LED等を含むLED群46の制御を行うための回路である。LED制御回路306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路307は、各役物(例えば、演出用役物群58のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路307は、サブCPU301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート308は、コマンド出力ポート206と接続されており、主制御回路200から送信された各種コマンドを受信するものである。
[1-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
払出・発射制御回路400は、主制御回路200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置82に対して所定の信号を送信し、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット180には、球貸し操作パネル182が接続されている。球貸し操作パネル182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット180に送信される。払出・発射制御回路400は、カードユニット180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路400は、発射ハンドル62が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
[1-2-4.電源供給回路]
電源供給回路450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路450には、電源スイッチ95等が接続されている。電源スイッチ95は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[1-3.遊技フロー]
次に、図7および図8を参照して、遊技フローの一例について説明する。図7は、遊技フローの一例である。図8は、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。なお、図7に示される遊技フローは、制御上のフローではなく、外観で把握できるフローである。
図7に示されるように、パチンコゲームでは、遊技者等のユーザー操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞口(例えば、第1始動口120等)に入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われる。パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲームと、普通図柄を用いる普通図柄ゲームとが含まれる。特別図柄ゲームとは、例えば、始動口120,140への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行し、大当り遊技状態に移行させるか否か等を決定するゲームである。また、普通図柄ゲームとは、例えば、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では第2始動口140)を開放状態とするか否か等を決定するゲームである。なお、この明細書において、「特別図柄ゲーム」を「遊技」と称する場合もあるが、「遊技」は広い概念で用いられる用語であり、例えば、普通図柄ゲームや演出ボタン54等の操作部(例えば図1参照)を使用する演出上のゲーム等も「遊技」に含まれる。
また、この明細書において、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまで(より詳しくは、特別図柄確定時間が経過するまで)を1回の特別図柄ゲームとする。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれないが、小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれるパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、小当り遊技状態に制御された場合、小当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。
特別図柄ゲームにおいて大当りを示す停止表示態様が第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別電動役物133の作動によって大入賞口131が所定時間(例えば最大30000msec)にわたって開放状態となるラウンド遊技が実行され、大入賞口131への入賞可能性が相対的に高められる。
また、普通図柄ゲームにおいて普通図柄当りを示す停止表示態様が普通図柄表示部161に導出されると、普通電動役物146の作動によって入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140)が開放状態となり、例えば第2始動口140への入賞可能性が相対的に高められる。
なお、パチンコゲームにおいて実行可能なゲームは、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームに限られず、これらとは別の新たなゲームを実行可能であってもよい。
以下、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの遊技フローの概要を説明する。
[1-3-1.特別図柄ゲーム]
図7に示されるように、特別図柄ゲームには、主として、第1始動口120または第2始動口140への入賞(通過)があった場合に行われる特別図柄始動入賞処理、および、特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄制御処理、等が含まれる。
第1始動口120または第2始動口140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が行われる。この特別図柄始動入賞処理では、特別図柄用の各種カウンタ(例えば、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ等)から特別図柄にかかる各種データ(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等)がそれぞれ抽出(取得)される。抽出された各乱数値は始動情報として保留される。この特別図柄始動入賞処理は、特別図柄制御処理の実行中であっても行われる。
また、特別図柄制御処理では、特別図柄の始動条件が成立したか否かが判定される。特別図柄の始動条件が成立すると、特別図柄の大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照し、「大当り」であるか否かを判定する特別図柄の当り判定処理が行われる。その後、停止図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。停止図柄決定処理では、特別図柄の図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、特別図柄の当り判定処理の結果とを参照し、停止表示させる特別図柄が決定される。
なお、本実施例では、確変フラグがオンであれば確変制御が実行される。上記の特別図柄の当り判定処理では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。以下、この明細書において、「大当り」であると判定される確率を「大当り確率」と称する。
なお、確変フラグは、メインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、確変制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。確変フラグがオンの場合、確変制御が実行される遊技状態(例えば本実施例では高確時短遊技状態)において遊技が進行する。一方、確変フラグがオフの場合、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態や低確時短遊技状態)において遊技が進行する。
次いで、特別図柄の変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値と、上述した特別図柄の当り判定処理の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照し、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)が決定される。そして、特別図柄の変動パターン決定処理の結果に基づいて特別図柄の可変表示制御処理が行われる。
特別図柄の変動パターンが決定されると、次に演出パターンを決定するための演出パターン決定処理が行われる。そして、演出パターン決定処理の結果に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される例えば装飾図柄やキャラクタ演出等の表示演出、および、スピーカ32から出力される音声や効果音等の音演出等の演出制御処理が行われる。なお、演出制御処理はサブCPU301によって行われる。
そして、特別図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了し、大当りである場合、大当り遊技制御処理が行われる。大当り遊技制御処理は、大当り遊技状態において実行される処理である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄ゲームが終了し、大当りでない非大当り遊技状態への遊技状態移行制御処理が行われる。この場合、大当りの種類に応じて遊技状態が移行する。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがオンにセットされる大当り種類である場合、大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行する。
一方、大当りでないすなわちハズレである場合、特別図柄ゲームが終了する。なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機では、小当りに当選すると小当り遊技制御処理が行われる。また、図7には示されていないが、後述する時短当りである場合は、時短遊技状態に移行する。
そして、特別図柄の始動条件が成立する都度、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、特別図柄制御処理中に始動口120,140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が実行される。また、始動口120,140への遊技球の入賞時に抽出される特別図柄の始動情報(例えば、大当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等の各種データ)を、特別図柄の始動条件が成立するまで保留する。
また、第1のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の始動情報の4個と第2特別図柄の始動情報の4個とで合計最大8個まで特別図柄の始動情報を保留することができるが、保留できる特別図柄の始動情報の数はこれに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報を第2特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよいし、第2特別図柄の始動情報を第1特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよい。
また、図7には示されていないが、特別図柄が始動入賞してから特別図柄の始動条件が成立するまでの間に、始動口120,140への遊技球の入賞(通過)時に抽出された始動情報に基づいて当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを特別図柄の当り判定処理に先だって判定する先読み判定(例えば、後述の図52のS396を参照)を行い、この先読み判定の結果に基づいて所定の演出を行う先読み演出機能を備えるようにしてもよい。なお、上記の先読み判定は、始動口120,140への遊技球の入賞によって抽出された始動情報が保留される前に行ってもよいし、保留された後に行ってもよい。
[1-3-2.普通図柄ゲーム]
図7に示されるように、普通図柄ゲームには、主として、通過ゲート126への遊技球の通過があった場合に行われる普通図柄始動通過処理、および、普通図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる普通図柄制御処理、等が含まれる。
通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。この普通図柄始動通過処理では、普通図柄用の当り判定用カウンタから普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出(取得)し、抽出した始動情報を保留する。
また、普通図柄制御処理では、メインCPU201は、普通図柄の始動条件が成立したか否かを判定する。普通図柄の可変表示を開始する場合、メインCPU201は、普通図柄用の当り判定用カウンタから抽出された普通図柄の当り判定用乱数値を参照し、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄の当り判定処理を実行し、その後、変動パターン決定処理を実行する。この処理では、普通図柄の当り判定処理の結果が参照され、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理の結果、および、決定された普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理を実行する。なお、演出制御処理は実行されない場合もある。
そして、普通図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了すると、メインCPU201は、「普通図柄当り」を示す普通当り図柄が普通図柄表示部161(図5、図6参照)に導出されたか否かを判定する。普通当りを示す停止表示態様が導出されたと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行する。この普通図柄当り遊技制御処理では、普通電動役物146(図4参照)が作動し、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。一方、普通当りを示す停止表示態様が導出されなかったと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行せず、普通図柄制御処理を終了する。
なお、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、普通当りを示す停止表示態様が導出される確率を0にしてもよい。時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。この時短制御は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行う制御としてもよいし、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行う制御としてもよい。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。時短性能とは、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。また、時短性能を向上させるとは、例えば、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞をより容易にすることである。すなわち、電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
そして、普通図柄の始動条件が成立する都度、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、普通図柄制御処理中に通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。また、通過ゲート126への遊技球の通過時に抽出される普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する。
なお、普通図柄の可変表示の開始は保留された順に行われ、普通図柄の始動条件が成立すると、保留されている普通図柄の始動情報のうち最先で保留された始動情報についての可変表示を実行する。
なお、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、普通図柄の当り判定用乱数値等)の抽出方式は、メインCPU201によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いてもよいし、所定周期で乱数が更新される乱数発生器におけるカウンタから乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。
[1-3-3.遊技状態遷移]
図8に示されるように、遊技の状態は、非大当り遊技状態と大当り遊技状態とに大別することができる。非大当り遊技状態では、上述したとおり特別図柄ゲームを実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、上述したとおりラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。ただし、普通図柄の可変表示については、大当り遊技状態であっても実行可能とされている。なお、小当り遊技状態についての説明は省略するものとする。
非大当り遊技状態は、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態と、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に高い高確遊技状態と、に大別することができる。
高確遊技状態には、時短制御が実行される高確時短遊技状態(高確高ベース)が含まれる。なお、第1のパチンコ遊技機における高確遊技状態には含まれないが、図8に示されるように、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態(高確低ベース状態)が高確遊技状態に含まれる場合もある。
低確率状態には、時短制御が実行されない通常遊技状態(低確低ベース)と、時短制御が実行される時短遊技状態(低確高ベース)とが含まれる。
さらに、時短遊技状態には、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが含まれる。
A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってA時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(すなわち確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、後述するRAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(例えば、天井カウンタ)が天井値(例えば、1000回)に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってB時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってC時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。なお、例えば、複数の時短遊技状態が重複する場合には、上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されたとしても、通常遊技状態に移行するのではなくC時短遊技状態が継続する。
この明細書において、複数の時短遊技状態を重ねて実行するか否かにかかわらず、時短遊技状態において時短遊技状態への移行条件が成立したり、複数の時短遊技状態への移行条件が同時に成立することを、時短遊技状態が「重複する」と称する。そして、複数の時短遊技状態が重複した場合に、メインCPU201の制御により、内部的に、重複した複数の時短遊技状態のいずれをも作動させること、すなわち重複した複数の時短遊技状態を内部的に並行して作動させることを「重ねて実行」すると称する。ただし、メインCPU201が内部的には複数の時短遊技状態を重ねて実行したとしても、実際に実行される時短制御はいずれか一方の時短遊技状態に対応する時短制御のみである。すなわち、複数の時短遊技状態が重ねて実行されている場合であっても、遊技者からは、複数の時短遊技状態のうちいずれか一の時短遊技状態に制御されているものと把握される。
次に、遊技状態の移行について説明する。
通常遊技状態、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態)、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)に制御されている場合であっても、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態が終了すると、遊技仕様にもよるが、通常遊技状態、時短遊技状態、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)のいずれにも移行させることができる。ただし、大当り遊技状態が終了したときに移行できる時短遊技状態は、A時短遊技状態に限られる。
高確遊技状態に制御されている場合、所謂ST機やループ機等の一部のパチンコ遊技機を除いて、高確遊技状態から時短遊技状態または通常遊技状態には移行しない。同様に、時短遊技状態または通常遊技状態からは、大当り遊技状態を経由しない限り、高確遊技状態には移行しない。
通常遊技状態に制御されている場合、B時短遊技状態またはC時短遊技状態に移行可能であるものの、A時短遊技状態には、大当り遊技状態を経由しない限り、移行できない。ただし、A時短遊技状態において規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、A時短遊技状態から通常遊技状態への移行は可能である。なお、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれに制御されている場合であっても、規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、B時短遊技状態やC時短遊技状態から通常遊技状態への移行も可能である。
次に、時短遊技状態どうしの移行について説明する。
A時短遊技状態に制御されている場合、A時短遊技状態において実行可能な時短回数は、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも少ない回数に設定されるため、A時短遊技状態からB時短遊技状態に移行することはない。また、A時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、B時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することもない。一方、A時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立するため、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。ただし、上述したようにA時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、C時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することはない。
B時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。また、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合も、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しうる。
C時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、C時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。
なお、時短遊技状態の重複についての詳細は後述する。
[1-4.基本仕様]
次に、図9~図19を参照して、第1のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
第1のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られない。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する制御を実行する。なお、「正規な遊技態様」とは、複数の遊技態様(例えば発射態様)のうち遊技者にとって最も不利益とならない(遊技者にとって有利な)遊技態様が相当する。
[1-4-1.設定値毎の大当り確率]
図9は、第1のパチンコ遊技機における設定値毎の大当り確率(概算)を示すテーブルの一例である。図9に示されるように、第1のパチンコ遊技機では、上述の設定キー174aやバックアップクリアスイッチ176(いずれも図6参照)等を用いて、例えば設定1~設定6といった複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセットすることができる。このような設定機能付きパチンコ遊技機の場合、大当り確率は設定値に応じて異なっており、メインCPU201は、セットされた設定値に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行する。
具体的には、確変制御が実行されない確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における大当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理および第2特別図柄の当り判定処理のいずれが実行された場合であっても、例えば、設定1で約319分の1、設定2で約314分の1、設定3で約309分の1、設定4で約304分の1、設定5で約299分の1、設定6で約294分の1となっている。また、確変制御が実行される確変フラグがオンの遊技状態(本実施例では例えば高確時短遊技状態)における大当り確率は、設定1で約77分の1、設定2で約76分の1、設定3で約75分の1、設定4で約74分の1、設定5で約73分の1、設定6で約72分の1となっている。
なお、時短当り確率は、大当り確率とは異なり全設定値で共通の確率となっている。例えば、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は160分の1、第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は240分の1となっている。時短当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合と第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合とで異ならせてもよいが、同じとしてもよい。
ただし、時短当り確率が全設定値で共通の確率であったとしても、時短継続率(例えば、セットされる時短回数)については、設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、例えば、設定1の場合は時短回数として50回がセットされ、設定6の場合は時短回数として100回がセットされるようにしてもよい。
なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが抽選対象に含まれていないが、小当りを抽選対象に含むようにしてもよい。小当りを抽選対象に含む場合、小当り確率を、全設定値で共通の確率とするとよい。また、小当りを抽選対象に含む場合、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理が行われた場合に限り小当りに当選しうるようにしてもよい。この場合、他方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の当り判定処理では、小当り当選したか否かの判定自体を行わない態様の他、小当り確率を0として小当り当選したか否かの判定を行う態様であってもよい。
上記の時短当り確率および小当りを抽選対象に含む場合の小当り確率は、上述したとおり全設定値で共通の確率となっているが、これに限られず、設定値に応じて異なる確率としてもよい。
また、本実施例では、全ての設定値においてそれぞれ大当り確率が異なっているが、これに限定されず、例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率、設定3と設定4とで共通の大当り確率、設定5と設定6とで共通の大当り確率といったように、複数の設定値で大当り確率を同じにしてもよい。
また、本実施例では、設定値に応じて大当り確率が異なっているが、遊技者にとっての有利度合いが設定値に応じて異なれば、設定値に応じて異なる対象が必ずしも大当り確率に限定されない。例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞すると大当り遊技状態に制御されるようなパチンコ遊技機であれば、設定値に応じて特定の入賞口への入賞確率を異ならせるようにしてもよい。なお、パチンコ遊技機を、設定機能付きパチンコ遊技機とすることは必須ではない。
[1-4-2.特別図柄の当り判定テーブル]
図10は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図10に示される特別図柄の当り判定テーブルは、図9に示される設定1の場合を一例として示したものである。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、抽選対象は「時短当り」、「大当り」および「ハズレ」であり、他の抽選対象(例えば、小当り)が含まれていないが、第1始動口120または/および第2始動口140に遊技球が入賞した際に、他の抽選対象に決定されるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
なお、本明細書において、確変フラグの値が「0」の場合、確変フラグがオフであり、確変フラグの値が「1」の場合、確変フラグがオンである。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理において、第1特別図柄の当り判定処理と同様、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~477のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が478~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~1123のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が1124~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第1特別図柄の当り判定処理であれば0~408)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば614~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがオフからオン(またはオンからオフ)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図10に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねて実行するようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図10に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、「時短当り」に当選しうる。ただし、メインCPU201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[1-4-3.特別図柄判定テーブル]
図11は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図11に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-4.特別図柄停止態様決定テーブル]
図12(A)は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄停止態様決定テーブルの一例である。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照される。
図12(A)に示されるように、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様は、例えば0~7の領域で構成される1バイトの制御信号で構成される。第1特別図柄の0~7の各領域は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第1特別図柄の領域0は163aに対応し、第1特別図柄の領域1は163bに対応し、第1特別図柄の領域2は163cに対応し、第1特別図柄の領域3は163dに対応し、第1特別図柄の領域4は163eに対応し、第1特別図柄の領域5は163fに対応し、第1特別図柄の領域6は163gに対応し、第1特別図柄の領域7は163hに対応している。
同様に、第2特別図柄の0~7の各領域は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第2特別図柄の領域0は164aに対応し、第2特別図柄の領域1は164bに対応し、第2特別図柄の領域2は164cに対応し、第2特別図柄の領域3は164dに対応し、第2特別図柄の領域4は164eに対応し、第2特別図柄の領域5は164fに対応し、第2特別図柄の領域6は164gに対応し、第2特別図柄の領域7は164hに対応している。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(時短当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域1に対応するLED163bと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域2に対応するLED163cと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。また、選択図柄コマンドが「z7」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域1に対応するLED164bと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z8」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域2に対応するLED164cと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(大当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z9」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域4に対応するLED164eと、第2特別図柄の領域6に対応するLED164gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域5に対応するLED164fとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(ハズレの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z11」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて特別図柄の停止態様を決定すると、決定された態様に対応する制御信号を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164を構成する各LEDに出力し、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出される特別図柄の停止態様を制御する。
なお、図12(A)では、第1特別図柄表示部163に導出されるLEDの表示態様と、第2特別図柄表示部164に導出されるLEDの表示態様とを、便宜上、同じテーブルにあらわしている。ただし、第1特別図柄表示部163と第2特別図柄表示部164とで、制御信号は別々に送信されるようにするとよい。
図12(B)は、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROMに記憶されている装飾図柄停止態様決定テーブルの一例である。装飾図柄停止態様決定テーブルは、表示装置7に表示される装飾図柄の可変表示が停止したときに導出される装飾図柄の停止態様(図柄組合せ)を、図柄指定コマンドに応じて決定する際に参照される。なお、図12(B)に示される「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。
なお、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とうちいずれか一方のみが可変表示可能であるため、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち可変表示されている特別図柄についての表示演出が表示装置7にて行われるよう制御する。この場合、サブCPU301は、可変表示されている特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを把握できる態様で、表示演出を行うことが好ましい。
本実施例において、表示装置7に表示される装飾図柄は、左図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成され、中図柄が例えば1~9及び時短図柄の10個の図柄で構成され、右図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成される。時短図柄は、例えば特別図柄抽選の結果が時短当りである場合等、遊技状態が時短遊技状態に移行する際に停止表示される図柄である。中図柄を時短図柄で停止表示することにより、時短当りに当選したことを遊技者が把握することができる。また、本実施例では、奇数図柄を、偶数図柄と比べて遊技者にとっての有利度合いが高い図柄として規定しているが、これに限定されない。
なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄抽選の結果に小当りが含まれないが、特別図柄抽選の結果に小当りが含まれる場合は、例えば、中図柄を構成する図柄に、小当り図柄(特別図柄抽選の結果が小当りである場合に停止表示される図柄)を含めるようにしてもよい。この場合、特別図柄抽選の結果が小当りであると、サブCPU301は、中図柄を小当り図柄で停止表示するため、小当りに当選したことを遊技者が把握することができる。
図12(B)に示されるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を偶数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を奇数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。なお、図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(選択図柄コマンドが「z2」または「z8」である場合)は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z7」である場合)と比べてセットされる時短回数が多く、遊技者にとっての有利度合いが高い。
図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を奇数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。なお、図柄指定コマンド「zA4」は、後述の図13を参照すると分かるように、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンにセットされる場合(選択図柄コマンドが「z4」の場合)と、確変フラグがオンにセットされない場合(選択図柄コマンドが「z5」の場合)とがある。そこで、本実施例では、選択図柄コマンドが「z4」及び「z5」のいずれであったとしても、サブCPU301は、偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で装飾図柄が停止するよう制御し、大当り遊技状態において、確変当り(確変フラグがオンにセットされる当り)であることを示す昇格演出を行うようにするとよい。
また、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合と比べて、大当り遊技状態の終了後に確変フラグがオンにセットされる期待値が小さい。この点において、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合と比べて、遊技者にとっての有利度合いが高い。
なお、図柄指定コマンドが「zA5」または「zA10」である場合(特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄をばらけ目で停止させる。ばらけ目は、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄のうち少なくとも一つの図柄が他の図柄と異なる停止態様が相当する。
図12(B)では、図柄指定コマンドに応じた装飾図柄の停止態様(例えば、図柄指定コマンドが「zA1」の場合、左図柄「2」、中図柄「時短」、右図柄「4」)を例示しているが、図12(B)の装飾図柄の停止態様の欄に示される停止態様はあくまでも例示であって、これに限られない。
[1-4-5.当り種類決定テーブル]
図13は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくは例えばラウンド数)または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z7」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z8」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は大当り遊技状態に制御されないため、大当り遊技状態の態様は決定されない。なお、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図10に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するものの、C時短遊技状態に制御せずに、高確遊技状態を継続するようにしてもよい。
また、メインCPU201は、確変フラグがオンであるときに「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するようにしてもよい。
さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果(特別図柄の当り判定処理の結果)に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。この場合、大当り判定用乱数値に対して、確変フラグがオフであるときは時短当り判定値データを割り当て、確変フラグがオンであるときは時短当り判定値データを割り当てない。そのため、確変フラグがオフであるときに時短当り判定値データに割り当てられていた乱数値の幅は、時短当り判定値データの代わりに、ハズレ判定値データ、大当り判定値データ、又は、ハズレ判定値データと大当り判定値データとの両方、に割り当てられる。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機においては、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z9」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば200回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。
また、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば300回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態もA時短遊技状態である。
なお、高確時短遊技状態における時短性能は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図13の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図13に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU201は、図10の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU201は、図11の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部163,164に導出される表示態様の種類(時短当りの種類または大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図13に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z5」の場合)、または300回(選択図柄コマンドが「z10」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)、または100回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、例えば図14に示されるように、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。図14は、図13に示される当り種類決定テーブルの変形例である。この図14では、A時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z5」、「z10」の場合)である。これに対し、C時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、100回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)または200回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、本明細書において、確変フラグの場合と同様に、時短フラグの値が「0」の場合が時短フラグオフであり、時短フラグの値が「1」の場合が時短フラグオンである。
時短フラグは、確変フラグと同様にメインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、時短制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。
また、時短回数は、時短制御を継続して実行可能な特別図柄の可変表示回数である。すなわち、例えば時短回数が「50」に決定された場合、この時短遊技状態において大当りに当選することなく50回の特別図柄の可変表示が行われると、この時短遊技状態が終了して非時短遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行する。
なお、図13等に示される確変回数および時短回数の「10000」は、大当り遊技状態終了後、大当りであると判定される(すなわち次回大当り)まで、確変制御を継続して実行できる趣旨である。
[1-4-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図15は、第1のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図15の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。図15の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。なお、図15は確変フラグがオフである場合の特別図柄の変動パターンテーブルであり、確変フラグがオンである場合の特別図柄の変動パターンテーブルの図示は省略する。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図15の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図28のS96の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
図15に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値、または/および、演出選択用乱数値等に基づいて決定されるが、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、メインCPU201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU201が決定しているが、これに限られず、サブCPU301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
決定された変動パターン情報は、コマンド出力ポート206を介してメインCPU201からサブCPU301のコマンド入力ポート308に送信される。サブCPU301は、メインCPU201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。
なお、図15には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば、当り判定処理の結果がハズレである場合、時短の種類にかかわらず時短フラグがオンであるか否かに応じて特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が時短の種類に応じて異なりうるようにしてもよい。例えば、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なるようにしてもよい。
[1-4-7.時短遊技状態]
上述したとおり、本実施例では、時短遊技状態として、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが用意されている。これらの時短遊技状態について、以下に説明する。
A時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって、選択図柄コマンドが例えば「z5」または「z10」である場合に、大当り遊技状態終了後に制御される時短遊技状態である。すなわち、本実施例において、A時短遊技状態への移行条件は、大当り(選択図柄コマンドが「z5」または「z10」の大当り)に当選することである。ただし、A時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずA時短遊技状態に移行するのではなく、A時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、バックアップクリアされた場合等)には、A時短遊技状態に移行させない。
また、A時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「A時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたとき等を起点として、天井カウンタを更新(1加算)し、天井カウンタが天井値に到達したときに制御される時短遊技状態である。すなわち、B時短遊技状態への移行条件は、天井カウンタが天井値に到達することである。B時短遊技状態への移行は、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(以下「天井最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、天井最終変動が終了したときとしてもよいし、天井最終変動の次の特別図柄の可変表示が開始されたときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態への移行タイミングは、天井最終変動が開始されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間であればよい。また、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164にはハズレの表示態様が導出されるものの、B時短遊技状態に移行することとなる。この場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件が成立したこと(例えば、本実施形態では天井カウンタが天井値に到達したこと)を遊技者に示す表示演出(例えば、装飾図柄を特殊図柄で停止させたり、キャラクタによる特殊演出を行ったり、又はこれらの両方が行われる演出)を、表示装置7に表示する制御を行ってもよい。なお、B時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずB時短遊技状態に移行するのではなく、B時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合等)には、B時短遊技状態に移行させない。
天井カウンタは、確変フラグがオンである場合には更新されず、確変フラグがオフである場合は、時短フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず常にカウントされる。天井カウンタが天井値に到達した場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」でない限りB時短遊技状態に制御される。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出されたときにB時短遊技状態が開始されるようにしてもよいし、小当り遊技状態の終了後にB時短遊技状態が開始されるようにしてもよい。すなわち、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合には、特別図柄表示部163,164に小当りの表示態様が表示されるだけであり、上述したような天井カウンタが天井値に到達したことを遊技者に示す表示演出は表示されることがない。なお、設定機能付きパチンコ遊技機の場合、設定値に応じて天井値が異なるようにしてもよい。また、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、B時短遊技状態に制御することなく大当り遊技状態に制御される。
なお、天井カウンタは、電源が投入された場合、大当り遊技状態に制御された場合、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174aや専用のスイッチ)が操作された場合、普通図柄当り確率を変更可能な遊技機にあっては普通図柄当り確率の高確率が終了した場合等、所定の条件が成立するとリセットされる。そして、天井カウンタの更新が許容されると、特別図柄の可変表示が実行される都度、天井カウンタが更新される。例えば確変フラグがオンである場合、天井カウンタの更新が許容されない。
メインCPU201は、天井カウンタをクリアした後、次の特別図柄の可変表示から天井カウンタのカウントを開始する。なお、天井値は、天井カウンタがクリアされる都度、メインCPU201がセットするものとしてもよいし、都度セットするのではなく、パチンコ遊技機固有のものとして予め決められていてもよい。
大当り遊技状態に制御されたことによって天井カウンタがクリアされた場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンでなければ、メインCPU201は、1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。また、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンであれば、特別図柄の可変表示が行われても天井カウンタを更新しないが、例えばST機や確変転落抽選を行う仕様であれば、確変フラグがオフになった後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新する。なお、確変転落抽選を行う仕様の場合、特別図柄の可変表示の開始時に確変フラグがオンからオフに変更されるため、特別図柄の可変表示の終了時に天井カウンタの更新を行う場合、特別図柄の可変表示の終了時に確変フラグがオフであれば天井カウンタを更新するようにしてもよい。
なお、メインCPU201により確変転落抽選が行われる仕様のパチンコ遊技機の場合、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドを受信すると、確変転落抽選に当選したことを示唆する演出や、高確遊技状態から低確遊技状態への移行を示唆する演出を行わないようにすることが好ましい。このようにすることで、天井カウンタによるカウントの開始時点、すなわちB時短遊技状態への移行タイミングを、表示装置7に表示される表示演出等に基づいて遊技者が把握することが困難となり、面白みのあるゲーム性を提供することが可能となる。B時短遊技状態への移行タイミングの把握が困難である場合、例えばB時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出やガセのカウントダウン演出を、サブCPU301による制御によって表示装置7に表示することにより、より一層興趣を高めることが可能となる。
また、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、メインCPU201は、RAM203内の作業領域のクリア処理後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
さらに、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174aや専用のスイッチ)が操作された場合、メインCPU201は、上記別のスイッチが操作された後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
また、B時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、予め定められた規定回数(以下「B時短規定回数」と称する)分の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。B時短遊技状態の終了条件の一つである「B時短規定回数分の特別図柄の可変表示が実行された場合」は、B時短規定回数目の特別図柄の可変表示(以下「B時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、B時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態の終了タイミングは、B時短最終変動が開始されてからこのB時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
C時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御される時短遊技状態である。すなわち、C時短遊技状態への移行条件は、時短当り(選択図柄コマンドが「z0」~「z2」、「z7」または「z8」の時短当り)に当選し、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出(確定表示)されることである。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずC時短遊技状態に移行するのではなく、C時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重ねて実行されない仕様(詳細は後述する)であって、B時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合等)には、C時短遊技状態に移行させない。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したにもかかわらずC時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させないにもかかわらず、時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出する制御を実行する。
また、C時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「C時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。C時短遊技状態の終了条件の一つであるC時短規定回数は、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数目の特別図柄の可変表示(以下「C時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、C時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、C時短遊技状態の終了タイミングは、C時短最終変動が開始されてからこのC時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
なお、時短性能は、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで互いに異なるようにしてもよい。また、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち、2つの時短遊技状態の時短性能を同じとし、これら2の時短遊技状態の時短性能と他の一つの時短遊技状態の時短性能とが異なるようにしてもよい。さらには、A時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とが同じとなるようにしてもよい。
また、A時短遊技状態の終了条件、B時短遊技状態の終了条件、およびC時短遊技状態の終了条件には、上記の他、例えば、第2特別図柄の可変表示回数が規定回数に到達したことや、普通電動役物146が所定回数開放したこと、普通電動役物146の開放態様として特定の開放態様が選択されたこと等を含めるようにしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、小当り回数が規定回数に到達したことを上記の終了条件に含めるようにしてもよい。さらには、時短転落抽選を行い、時短転落抽選に当選したことを、上記の終了条件に含めるようにしてもよい。
[1-4-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図16は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際(すなわち、後述の図43のS295の普通図柄遊技判定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、0~99(100種類)の中から抽出する。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(例えば通常遊技状態)において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~98のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が99である場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、A時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))が最も高い。
また、B時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。同様に、C時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))についても、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。したがって、非時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態との間で遊技状態が移行したとしても、普通図柄の当選確率は変更されないこととなる。
なお、普通図柄当りの当選確率を、非時短遊技状態とA時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで同じにしてもよい。この場合、普通図柄当りの当選確率を変えることなく、後述する普通図柄の種類の割合を状態毎で異ならせるようにするだけでよくなるため、制御処理を簡略化できる。
[1-4-9.普通図柄判定テーブル]
図17は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図17に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、普通図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU201は、普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz0」を選択する。
また、A時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz3」を選択する。
また、B時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz4」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz5」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz6」を選択する。
また、C時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz7」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz8」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz9」を選択する。
なお、本実施例において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)を参照して、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図17参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄当り時選択図柄コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落、および普通図柄当り時選択図柄コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-10.普通図柄当り種類決定テーブル]
図18は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。普通図柄当り種類決定テーブルは、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドに応じて、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通電動役物146の開放パターン設定処理を実行する際)に参照される。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類は次のとおり決定される。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz0」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間1000msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。すなわち、普通電動役物146が1回だけ1000msec開放される開放パターンに決定される。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間3000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間3000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz4」の場合および「fz7」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz5」の場合および「fz8」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz6」の場合および「fz9」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であったとしても、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで、最も有利度合いが不利な態様となる。
なお、普通電動役物146の開放パターンの有利度合いは、普通電動役物146が開放された場合、第2始動口140への遊技球の入賞のしやすさの度合いである。
A時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで最も有利度合いが有利な態様となる。
また、B時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、C時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146の開放パターンと、有利度合いが同じとなっているが、これに限られない。
[1-4-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図19は、第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通図柄の変動パターン決定処理を実行する際)に参照される。メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄演出選択用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。普通図柄演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図19に示されるように、非時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~99のいずれであっても、普通図柄の可変表示時間が例えば300000msecに決定される。非時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで最も長い。
また、A時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~89のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が90~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば800msecに決定される。
また、B時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
また、C時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
このように、1回の可変表示あたりの普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間のうち、A時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値が最も短い。そのため、A時短遊技状態は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、普通電動役物146が開放されるまでの時間が最も短い。
また、B時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値は、C時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値と同じとなっているが、これに限られない。
[1-5.時短遊技状態にかかわる処理の詳細]
[1-5-1.時短当り時にセットされる時短回数]
上述の説明では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定するようにしてもよい。
また、確変フラグがオンにセットされる高確遊技状態であっても、特別図柄の当り判定処理の結果に「時短当り」を含むようにしてもよい。この場合、メインCPUは、特別図柄表示部に時短当りの表示態様を導出するものの、時短遊技状態に移行させる制御を実行せず、継続して高確遊技状態に制御する。ところで、例えば所謂ST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、規定回数にわたって特別図柄の可変表示が実行されると、確変フラグをオンからオフにする遊技機が知られている。このようなST機において、高確遊技状態としての最終ゲームで行われる特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、確変フラグをオフにする処理よりも、時短当りの表示態様を導出する処理の方が後であるときには、メインCPUは、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態に制御するようにしてもよい。
[1-5-2.時短遊技状態の重複]
時短遊技状態を複数設けた場合、時短遊技状態が重複することがある。例えば、A時短遊技状態において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することとなる。また、例えば、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達すると、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複することとなる。このように時短遊技状態が重複した場合、時短遊技状態を重ねて実行するようにしてもよいし、時短遊技状態を重ねない(すなわち「時短当り」を無視する)ようにしてもよい。なお、A時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しないように、A時短遊技状態の終了条件であるA時短規定回数が、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも小さくなるように規定されている。
時短遊技状態が重複したとき、時短遊技状態を重ねて実行する態様と、時短遊技状態を重ねない態様とについて、以下に説明する。
[1-5-2-1.時短遊技状態を重ねて実行する態様]
時短遊技状態が重複したときに時短遊技状態を重ねて実行する態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したときにC時短遊技状態を重ねて実行する態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときにB時短遊技状態を重ねて実行する態様とが考えられる。
[1-5-2-1-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件が成立するまでに実行可能な特別図柄の可変表示回数が多い方を時短回数として採用する。
例えば、A時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数よりもA時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、A時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が200回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、特別図柄表示部163,164に時短当りの表示態様が導出されるものの、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り200回である。したがって、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、「時短当り」に当選せずにA時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、例えばA時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数の方がA時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、「時短当り」に基づいてセットされた時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り50回である。すなわち、A時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の30回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
[1-5-2-1-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、以下では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれる場合も含めて説明する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときに、B時短規定回数よりもC時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が300回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短規定回数が200回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。したがって、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、天井カウンタが天井値に到達することなくC時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短規定回数の方がC時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短遊技状態として実行可能な時短回数が300回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。すなわち、C時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の280回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
なお、天井最終変動において特別図柄の可変表示が終了すると、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた表示態様を導出する。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合は小当り表示態様が導出され、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合はハズレ表示態様が導出される。小当り表示態様が導出されると小当り遊技状態に制御されるが、メインCPU201は、小当り遊技状態中も時短フラグをオンに維持する。
次に、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、すなわち、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立する場合について説明する。この場合、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合と、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点ですでにB時短遊技状態に制御されている。そのため、メインCPU201は、B時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。
次に、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点では未だB時短遊技状態に制御されていない。そのため、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件(例えば、大当りの表示態様の導出、小当りまたは特定の小当りの表示態様の導出等)が成立しない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。この場合、時短性能が維持又は実行された時短遊技状態の終了条件が成立すると、時短遊技状態が終了するようにするとよい。
なお、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立した場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うB時短移行表示演出、及びC時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うC時短移行表示演出とは異なる特別な表示演出を行うようにしてもよい。また、これに代えて、例えば、B時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはB時短移行表示演出を行い、C時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはC時短移行表示演出を行う等、B時短移行表示演出及びC時短移行表示演出のうちいずれかの表示演出を優先して行うこととしてもよい。
なお、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達し、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、B時短遊技状態にも制御することなく大当り遊技状態に制御する。
[1-5-2-1-3.複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合の時短性能]
以上、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様、および、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様について説明した。
このように複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能が維持される。このような仕様のパチンコ遊技機では、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能はそれぞれ異なってもよいが、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能を同じにすることが好ましい。
例えば、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、一の時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。また、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、C時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。
また、複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機において、先に実行されている時短遊技状態に対して後から重ねて実行できる時短遊技状態については、例えば、先に実行されている時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能とを備えるようにしてもよい。そして、先に実行されている時短遊技状態に対して時短遊技状態を重ねて実行する場合は一の時短性能を発動させ、通常遊技状態において時短遊技状態を発動させる場合のように時短遊技状態を重ねて実行しない場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
例えば、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機である場合、B時短遊技状態の時短性能を、C時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能との例えば2つの時短性能を設ける。そして、C時短遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は一の時短性能を発動させ、いずれの時短遊技状態でもない通常遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
[1-5-3.時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
時短遊技状態を重ねて実行しない態様としては、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含まないように当り判定処理を行う態様と、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含むように当り判定処理を行い、時短遊技状態が重複したとしても時短遊技状態を重ねて実行しない態様(以下「後者の態様」と称する)とが考えられる。後者の態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したとしてもこれを無視してC時短遊技状態を重ねて実行しない態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしてもこれを無視してB時短遊技状態を重ねて実行しない態様との2態様が考えられる。以下に、後者の態様として考えられる上記の2態様について説明する。
[1-5-3-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、上述したとおり、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。ただし、メインCPU201は、一の時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示(以下「時短最終変動」と称する)でない限り、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御することなく、一の時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、一の時短遊技状態に制御する。この場合、一の時短遊技状態に制御されていること(時短最終変動を除く)は、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、一の時短遊技状態における時短最終変動において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合と、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態の制御を開始する。
次に、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合、すなわち、時短当りの表示態様の導出と一の時短遊技状態の終了とが同じ割込処理内で行われる場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、C時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了する。この場合、時短当りの表示態様を導出する処理を一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行うことは、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも後に行われる場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態を終了するとともにC時短遊技状態に制御する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持するのではなく、C時短遊技状態の時短性能とする。すなわち、メインCPU201は、時短当りの表示態様が導出された時点において、一の時短遊技状態の終了処理が未処理であればC時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了し、一の時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればC時短遊技状態に制御する。
[1-5-3-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、C時短遊技状態に制御する。
ただし、天井最終変動においてC時短遊技状態の時短残回数が0である場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、B時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了するとともにB時短遊技状態に制御する。一方、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理の後に行われる場合、メインCPU201は、B時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了する。すなわち、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始しようとする時点において、C時短遊技状態の終了処理が未処理であればB時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了し、C時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればB時短遊技状態に制御する。この場合、C時短遊技状態の終了処理をB時短遊技状態の開始処理の後に行うことは、B時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
なお、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、大当り遊技状態の制御を開始する。
[1-6.主制御処理]
次に、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。
[1-6-1.主制御メイン処理]
先ず、図20~図23を参照して、メインCPU201により実行されるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。図20~図23は、第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S11)。なお、図示しないが、メインCPU201は、スタックポインタの設定や割込みに対応する設定領域のアドレスの設定をS11に先だって行うことは言うまでもない。
S11において電断信号がHighレベルでないと判定された場合(S11がNO判定の場合)、メインCPU201は、S11の判定処理を繰り返す。
一方、S11において電断信号がHighレベルであると判定された場合(S11がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S12に移す。
S12において、メインCPU201は、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のフラグ管理処理を行う(S12)。この処理では、バックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態、および、設定キー174aのオン/オフ状態の退避処理が行われる。すなわち、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態を、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。また、この処理では、遊技許可フラグがオフにセットされる。メインCPU201は、S12の処理を実行した後、処理を、S13に移す。
S13において、メインCPU201は、ウェイト処理を行う。この処理では、サブ制御回路300側の起動待ちが行われる。この場合の起動待ち時間(ウェイト期間)は、例えば12000.07msecである。メインCPU201は、S13の処理を実行した後、処理を、S14に移す。
なお、サブ制御回路300側の起動待ちを行っている間、メインCPU201は、例えば、割込要求信号のチェック処理、割込要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの各種センサ初期化信号の出力処理等を行うようにしてもよい。
S14において、メインCPU201は、起動前(前回)の電断が正常電断であったか否かを判定する。この処理では、メインRAM203内の電断検知フラグ領域に格納された値に基づいて、正常電断であるか異常電断であるかが判定される。
S14において正常電断でなかったと判定された場合(S14がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
一方、S14において正常電断であったと判定された場合(S14がYES判定の場合)、メインCPU201は、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値を算出し(S15)、その後、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S16)。メインCPU201は、S16の処理を実行した後、処理を、S17に移す。
S17において、メインCPU201は、照合結果が異常であるか否かを判定する。
S17において照合結果が異常でないすなわち正常であると判定された場合(S17がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S22に移す。なお、S22以降の処理については後述する。
一方、S17において照合結果が異常であるすなわち正常でないと判定された場合(S17がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
S18において、メインCPU201は、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のうち、少なくともいずれか一方がオフであるか否かを判定する。すなわち、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンである場合はNO判定となり、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフである場合、並びに、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のいずれか一方がオフである場合はYES判定となる。
S18において設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の少なくともいずれか一方がオフでないすなわち両方ともオンであると判定された場合(S18がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S21に移す。なお、S21の処理については後述する。
一方、S18において設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のうち少なくともいずれか一方がオフであると判定された場合(S18がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S19に移す。
S19において、メインCPU201は、外部端子のセキュリティ信号をオンにセットする。メインCPU201は、S19の処理を実行した後、処理を、S20に移す。
S20において、メインCPU201は、性能表示モニタ170(図6参照)にエラー表示処理を行う。この処理は、性能表示モニタ170に信号が出力されるI/Oポート205の出力ポートに、エラー表示用のデータをセットする。これにより、性能表示モニタ170内の所定のLEDが点灯し、エラー表示が行われる。メインCPU201は、S20の処理を実行した後、永久ループに入る。
このように、前回の電断が正常電断でなかった場合や、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値の照合結果が正常でなかった場合には、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであると判定されるまで、第1のパチンコ遊技機において遊技の実行が可能とならない。
次に、S21の処理について説明する。S21において、メインCPU201は、設定変更であることを示す値をメインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。この処理は、異常起動時に行われる処理であり、設定変更であることを示す値を再度格納するようにしたものである。メインCPU201は、S21の処理を実行した後、処理を、S22に移す。
S22において、メインCPU201は、メインRAM203内のXINT検知フラグ領域および電断検知フラグ領域のクリア処理を行う。メインCPU201は、S22の処理を実行した後、処理を、S23に移す。
S23において、メインCPU201は、起動状態判定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納された起動制御フラグの値に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。メインCPU201は、S23の処理を実行した後、処理を、S24に移す。
S24において、メインCPU201は、起動時のRAM設定処理を行う。この処理では、フラグ等を管理するメインRAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、この処理は、電断復帰時と初期化時とで共通して行われるものであって、バックアップ領域はクリアされない。メインCPU201は、S24の処理を実行した後、処理を、S25に移す。
S25において、メインCPU201は、起動時初期設定処理を行う。この処理では、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理が行われる。なお、起動時初期設定処理の詳細については、図24を参照して後述する。メインCPU201は、S25の処理を実行した後、処理を、S26に移す。
S26において、メインCPU201は、割込禁止処理を行う。メインCPU201は、S26の処理を実行した後、処理を、S27に移す。
S27において、メインCPU201は、電断処理を行う。メインCPU201は、S27の処理を実行した後、処理を、S28に移す。なお、電断処理の詳細については、図25を参照して後述する。
S28において、メインCPU201は、初期値乱数の更新処理を行う。この処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の初期値乱数の更新処理が行われる。メインCPU201は、S28の処理を実行した後、処理を、S29に移す。
S29において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この判定処理は、遊技許可フラグの値に基づいて行われる。
S29において遊技許可状態でないと判定された場合(S29がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S30に移す。
一方、S29において遊技許可状態であると判定された場合(S29がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S31に移す。
S30において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S30の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
S31において、メインCPU201は、レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S31の処理を実行した後、処理を、S32に移す。
S32において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計演算処理を行う。この処理では、各種ベース値の算出および更新が行われる。また、この処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S32の処理を実行した後、処理を、S33に移す。
S33において、メインCPU201は、S31で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S33の処理を実行した後、処理を、S34に移す。
S34において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S34の処理を実行した後、処理を、S35に移す。
S35において、メインCPU201は、システム周期時間が経過したか否かを判定する。システム周期時間は、例えば、割込み周期(例えば2msec)の3倍である6msecである。
S35においてシステム周期時間が経過していないと判定された場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS26の処理に戻し、S26以降の処理を行う。
一方、S35においてシステム周期時間が経過したと判定された場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S36に移す。
S36において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタ領域に格納された割込みカウンタの値から1減算する処理を3回行う。この処理により、主制御メイン処理内の割込禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる。メインCPU201は、S36の処理を実行した後、処理を、S37に移す。
なお、本実施例では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理(例えば、S37~S44の処理)の実行前に、例えば6msecの割込禁止区間(S26~S35の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施例では、後述する遊技制御に関する各種処理が例えば6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施例では、割込禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、これに限られない。
S37において、メインCPU201は、システムタイマの更新処理を行う。システムタイマは、システム周期(例えば6msec)を管理するタイマである。システムタイマの値は、メインRAM203の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。メインCPU201は、S37の処理を実行した後、処理を、S38に移す。
S38において、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う。この処理では、主として、払出制御のコマンド送受信処理が行われる。メインCPU201は、S38の処理を実行した後、処理を、S39に移す。
S39において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、特別図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この特別図柄制御処理の詳細については、図26を参照して後述する。メインCPU201は、S39の処理を実行した後、処理を、S40に移す。
S40において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理にでは、普通図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この普通図柄制御処理の詳細については、図43を参照して後述する。メインCPU201は、S40の処理を実行した後、処理を、S41に移す。
S41において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、LEDユニット160の各表示部(例えば、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164等)に出力する表示データの設定処理が行われる。メインCPU201は、S41の処理を実行した後、処理を、S42に移す。
S42において、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理では、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等が行われる。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S42の処理を実行した後、処理を、S43に移す。
S43において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、コマンド出力ポート206(図6参照)への出力データのセット(転送)が行われる。メインCPU201は、S43の処理を実行した後、処理を、S44に移す。
S44において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、発射位置判定処理、遊技異常検知判定処理および払出異常検知判定処理等が行われる。発射位置判定処理では、発射位置(例えば、右打ちまたは左打ち)に変化があれば、発射位置コマンドが送信予約される。遊技異常検知判定処理では、異常があれば、遊技異常検知コマンドが送信予約される。払出異常検知判定処理では、異常があれば、払出異常検知コマンドが送信予約される。メインCPU201は、S44の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
[1-6-2.起動時初期設定処理]
次に、図24を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS25で行われる起動時初期設定処理について説明する。図24は、第1のパチンコ遊技機における起動時初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、起動制御フラグをロードする処理を行う(S51)。メインCPU201は、S51の処理を実行した後、処理を、S52に移す。
S52において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であるか否かを判定する。
S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値でないと判定された場合(S52がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S54に移す。
一方、S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であると判定された場合(S52がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S53に移す。
S53において、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S53の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S54において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値でないすなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S56に移す。
一方、S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であると判定された場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S55に移す。
S55において、メインCPU201は、設定操作コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図46のS336参照)で、サブ制御回路300に向けて送信される。メインCPU201は、S55の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S56において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S56の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
[1-6-3.電断処理]
次に、図25を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS27で行われる電断処理について説明する。図25は、第1のパチンコ遊技機における電断処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、XINT検知フラグがオンであるか否かを判定する(S61)。
S61においてXINT検知フラグがオンでないと判定された場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S61においてXINT検知フラグがオンであると判定された場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S62に移す。
S62において、メインCPU201は、チェックサム値の算出処理を行う。メインCPU201は、S62の処理を実行した後、処理を、S63に移す。
S63において、メインCPU201は、チェックサム値および電断検知フラグの値を、メインRAM203内の対応する所定の格納領域にそれぞれ格納する。この場合、メインRAM203のバックアップ領域に格納される。メインCPU201は、S63の処理を実行した後、処理を、S64に移す。
S64において、メインCPU201は、XINT検知フラグのクリア処理を行う。そして、S64の処理を実行した後、メインCPU201は、RAMアクセス禁止値設定処理を行う(S65)を行う。メインCPU201は、S65の処理を実行した後、処理を、S66に移す。
S66において、メインCPU201は、電断まで、CPUリセット待ち処理を繰り返す。
[1-6-4.特別図柄制御処理]
次に、図26を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図26は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示されるように、メインCPU201は、先ず、S71において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S71の処理を実行した後、処理を、S72に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S71の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S72において、メインCPU201は、S71でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S72において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
一方、S72において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S73に移す。
S73において、メインCPU201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S73において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S74に移す。
S74において、メインCPU201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S74において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S74がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S74において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S74がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S73に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S75において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図27を参照して後述する。メインCPU201は、S75の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S71~S75)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第1のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口120または第2始動口140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[1-6-5.特別図柄管理処理]
次に、図27を参照して、特別図柄制御処理(図26参照)中のS75でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図27は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が「0」の場合(S72がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S73がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S74がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が「0」でない場合(S72がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図27に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S81)。
S81において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S81がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
一方、S81において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S81がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S82に移す。
S82において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S82の処理を実行した後、処理を、S83に移す。なお、メインCPU201は、S82の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S83以降の処理を行う。
S83において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS83の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図28を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S84に移す。
S84において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS84の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図29を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S85に移す。
S85において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS85の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S86に移す。
S86において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS86の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図40を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S87に移す。
S87において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS87の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図41を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S88に移す。
S88において、メインCPU201は、大当り終了処理を行う。このS88の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図42を参照して後述する。
メインCPU201は、S83~S88の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
[1-6-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図28を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS83でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図28は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示されるように、メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S91)。
S91において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S91がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S91において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S91がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S92に移す。
S92において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU201は、S92の処理を実行した後、処理を、S93に移す。
S93において、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。また、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットする。メインCPU201は、S93の処理を実行した後、処理を、S94に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにされ、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにされる。
特別図柄の当り判定処理(S93参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S94において、メインCPU201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果(例えば、時短当り、大当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU201は、S94の処理を実行した後、処理を、S95に移す。
S95において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄決定処理(S94)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。また、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むようにし、かかる小当りの種類を複数設けてもよい。メインCPU201は、S95の処理を実行した後、処理を、S96に移す。
S96において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、遊技状態等に応じて、特別図柄の変動パターン決定処理を行う際に参照する変動パターンテーブルが異なるようにしてもよい。メインCPU201は、S96の処理を実行した後、処理を、S97に移す。
S97において、メインCPU201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S96)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU201は、S97の処理を実行した後、処理を、S98に移す。
S98において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図27のS84参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S98の処理を実行した後、処理を、S99に移す。
S99において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU201は、S99の処理を実行した後、処理を、S100に移す。
S100において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU201は、S100の処理を実行した後、処理を、S101に移す。
S101において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S100)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S101))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図29を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS84でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図29は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S111)。
S111において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S111において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S112に移す。
S112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図27のS85参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S112の処理を実行した後、処理を、S113に移す。
S113において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S113の処理を実行した後、処理を、S114に移す。
S114において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S114の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-6-8.特別図柄遊技判定処理]
次に、図30を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS85でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図30は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S121)。
S121において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S121がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S121において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S121がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S122に移す。
S122において、メインCPU201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S122において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S122がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S123に移す。
S123において、メインCPU201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板184を介してホールコンピュータ186(いずれも図6参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU201は、S123の処理を実行した後、処理を、S124に移す。なお、外部端子板184を介して例えばホールコンピュータ186や島コンピュータに出力される信号については後述する。
また、S123の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S124において、メインCPU201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU201は、例えば、大入賞口131の開放回数の上限値をセットする処理(S125)、外部端子板184への大当り信号セット処理(S126)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S128)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S129)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S122に戻って、このS122において大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S122がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S130に移す。
S130において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図31を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S121~S130)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-9.特別図柄遊技終了処理]
次に、図31を参照して、特別図柄遊技判定処理(図30参照)中のS130でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図31は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短管理処理を行う(S131)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して後述する。メインCPU201は、S131の処理を実行した後、処理を、S132に移す。
S132において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S132の処理を実行した後、処理を、S133に移す。
S133において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S134)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S134の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図30参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果がハズレである場合、メインCPU201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[1-6-10.時短管理処理]
次に、図32を参照して、メインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図32は、第1のパチンコ遊技機において、特別図柄遊技終了処理(図31参照)中のS131でメインCPU201により実行される時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、カウンタ更新処理を行う(S141)。このカウンタ更新処理の詳細については、図33を参照して後述する。メインCPU201は、S141の処理を実行した後、処理を、S142に移す。
S142において、メインCPU201は、カウンタ判定処理を行う。このカウンタ判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。メインCPU201は、S142の処理を実行した後、時短管理処理を終了し、処理を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)に戻す。
[1-6-11.カウンタ更新処理]
次に、図33を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ更新処理について説明する。図33は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS141でメインCPU201により実行されるカウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短カウンタ更新処理を行う(S151)。この時短カウンタ更新処理の詳細については、図34を参照して後述する。メインCPU201は、S151の処理を実行した後、処理を、S152に移す。
S152において、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。メインCPU201は、S152の処理を実行した後、カウンタ更新処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-12.時短カウンタ更新処理]
次に、図34を参照して、メインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理について説明する。図34は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS151でメインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図34に示される時短カウンタ更新処理は、複数の時短遊技状態が重複した場合に、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合の処理を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいか否かを判定する(S161)。この処理では、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たした場合にYES判定され、いずれか一方でも満たしていなければNO判定される。
時短フラグは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態に移行させるときに、オンにセットされる。なお、高確遊技状態に移行させるときには確変フラグをオンにセットする。
時短カウンタは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態において、それぞれ実行される時短回数を示す。
A時短遊技状態、B時短遊技状態または/およびC時短遊技状態への移行条件が成立した場合、移行条件が成立した時短遊技状態についての時短カウンタがセットされる。
なお、本実施例では、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを減算し、時短カウンタが0になったときに時短遊技状態を終了する減算方式を採用しているが、これに限られず、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを加算し、時短カウンタがセットされた時短回数になったときに時短遊技状態を終了する加算方式を採用してもよい。また、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを更新(減算又は加算)することに代えて、特別図柄の可変表示の開始時に時短カウンタを更新し、時短カウンタが0になったとき(減算方式の場合)又は時短カウンタがセットされた時短回数になったとき(加算方式の場合)に、時短遊技状態を修了するようにしてもよい。
S161において、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33)に戻す。
一方、S161において時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいと判定された場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタから1を減算する処理を行う(S162)。メインCPU201は、S162の処理を実行した後、処理を、S163に移す。
S163において、メインCPU201は、時短モード=3且つC時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=3であって、C時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S163がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S164に移す。
なお、C時短カウンタは、時短遊技状態中にC時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このC時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、後述するB時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
時短モードは、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合に設定されるフラグである。本実施例では、時短モードを例えば2bitで構成し、先に実行されている時短遊技状態に対してC時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=3」に設定される。また、先に実行されている時短遊技状態に対してB時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=2」に設定される。
一方、S163において、時短モード=3とC時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S165に移す。
S164において、メインCPU201は、C時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S164の処理を実行した後、処理を、S165に移す。
S165において、メインCPU201は、時短モード=2且つB時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=2であって、B時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S165がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S166に移す。
なお、B時短カウンタは、時短遊技状態中(本実施例ではC時短遊技状態中)にB時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このB時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、C時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
一方、S165において、時短モード=2とB時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S165がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S166において、メインCPU201は、B時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S166の処理を実行した後、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
なお、図示していないが、S164の処理を行った結果としてC時短カウンタ=0となった場合や、S166の処理を行った結果としてB時短カウンタ=0となった場合、メインCPU201は、時短モードをオフ(=0)にセットする。
ところで、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合、二つの時短遊技状態を重ねるだけにとどまらず、三つ以上の時短遊技状態を重ねて実行してもよい。この場合、上述したようにA時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することがないため、三つ以上の時短遊技状態が重複する場合とは、A時短遊技状態またはB時短遊技状態と二つ以上のC時短遊技状態とが重複する場合、および三つ以上のC時短遊技状態が重複する場合が相当する。
[1-6-13.天井カウンタ更新処理]
次に、図35を参照して、メインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS152でメインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、天井カウント禁止フラグがオフであるか否かを判定する(S171)。天井カウント禁止フラグは、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときにオンにセットされるフラグである。すなわち、確変フラグがオフである場合であって且つ天井カウンタが天井値に到達していない場合、天井カウント禁止フラグはオフである。天井カウンタの値は、メインRAM203に保存される。
なお、天井値は、B時短遊技状態への移行条件として、パチンコ遊技機固有の値として予め決められている。ただし、これに代えて、大当り遊技状態が終了したとき、バックアップクリア処理が行われたとき、天井カウンタの値をリセットする専用の操作手段が操作されたとき等に、メインCPU201が天井値をセットする処理を行うようにしてもよい。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(S171がNO判定の場合)、すなわち天井カウント禁止フラグがオンである場合、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフである場合(S171がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S172に移す。
S172において、メインCPU201は、天井カウンタに1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S172の処理を実行した後、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
[1-6-14.カウンタ判定処理]
次に、図36を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ判定処理について説明する。図36は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS142でメインCPU201により実行されるカウンタ判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短移行判定処理を行う(S181)。この時短移行判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。メインCPU201は、S181の処理を実行した後、処理を、S182に移す。
S182において、メインCPU201は、時短移行処理を行う。この時短移行処理の詳細については、図38を参照して後述する。メインCPU201は、S182の処理を実行した後、処理を、S183に移す。
S183において、メインCPU201は、時短カウンタが1より小さいか否かを判定する。
S183において、時短カウンタが1より小さくないと判定された場合(S183がNO判定)、すなわち時短カウンタが1以上である場合、メインCPU201は、処理を、S185に移す。
一方、S183において、時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S184に移す。
S184において、メインCPU201は、時短フラグをオフにする。メインCPU201は、S184の処理を実行した後、処理を、S185に移す。
なお、S183において時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定の場合)、B時短カウンタ及びC時短カウンタはいずれも1より小さいはずである(すなわち0のはずである)。しかし、メインCPU201による処理を実行する上で何らかの不具合が生じる可能性があり得ることに鑑みて、例えば、S183がYES判定であるにもかかわらずB時短カウンタまたは時短カウンタが1以上である場合に、異常警報を出力したりする等の異常時処理を実行するようにしてもよい。また、この異常時処理に代えてまたは加えて、S183がYES判定された場合に、時短フラグをオフにするだけでなく(S184参照)、B時短カウンタ及びC時短カウンタをリセットすることにより、時短カウンタとB時短カウンタとC時短カウンタとの整合性を図るようにしてもよい。
S185において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、時短移行コマンドの送信予約処理(S186)を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S186の処理後、メインCPU201は、カウンタ判定処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-15.時短移行判定処理]
次に、図37を参照して、メインCPU201により実行される時短移行判定処理について説明する。この処理では、天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短遊技状態に移行させるための判定処理が行われる。図37は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS181でメインCPU201により実行される時短移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S191)。
S191において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S191がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。すなわち、確変フラグがオンである場合、B時短遊技状態に移行させないようにすることができる。
一方、S191において、確変フラグがオフであると判定された場合(S191がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S192に移す。
S192において、メインCPU201は、天井カウンタが天井値であるか否かを判定する。
S192において、天井カウンタが天井値でないと判定された場合(S192がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S192において、天井カウンタが天井値であると判定された場合(S192がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S193に移す。
S193において、メインCPU201は、天井カウント禁止フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S193の処理を実行した後、処理を、S194に移す。
S194において、メインCPU201は、天井フラグをオンにセットする。天井フラグは、天井カウンタが天井値に到達したことを示すフラグである。メインCPU201は、S194の処理を実行した後、処理を、S196に移す。
S196において、メインCPU201は、天井カウンタをクリアする。メインCPU201は、S196の処理を実行した後、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-16.時短移行処理]
次に、図38を参照して、メインCPU201により実行される時短移行処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS182でメインCPU201により実行される時短移行処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S202)。
S202において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S202がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。このようにすることで、確変フラグがオンである場合には、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれも、開始されないようにすることができる。
一方、S202において、確変フラグがオフであると判定された場合(S202がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S203に移す。
S203において、メインCPU201は、天井フラグがONであるか否かを判定する。
S203において、天井フラグがオンでないと判定された場合(S203がNO判定の場合)、すなわち天井フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S206に移す。
一方、S203において、天井フラグがオンであると判定された場合(S203がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S205に移す。
S205において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行にかかわる処理として、B時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、B時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを2にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S205の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、B時短カウンタにセットされる時短回数は、予め定められた回数である。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S206において、メインCPU201は、時短当りフラグがオンであるか否かを判定する。
S206において、時短当りフラグがオンでないと判定された場合(S206がNO判定の場合)、すなわち時短当りフラグがオフである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S206において、時短当りフラグがオンであると判定された場合(S206がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S207に移す。
S207において、メインCPU201は、C時短遊技状態への移行にかかわる処理として、C時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、C時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを3にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S207の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、C時短カウンタにセットされる時短回数は、当り種類決定テーブル(例えば図13参照)を参照して選択図柄コマンドに応じて決定される。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S208において、メインCPU201は、時短設定処理を行う。この時短設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。メインCPU201は、S208の処理を実行した後、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-17.時短設定処理]
次に、図39を参照して、メインCPU201により実行される時短設定処理について説明する。図39は、第1のパチンコ遊技機において、時短移行処理(図38参照)中のS208でメインCPU201により実行される時短設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグがオンであるか否かを判定する(S211)。
S211において、時短フラグがオンであると判定された場合(S211がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S212に移す。
S211がYES判定の場合とは、確変フラグがオフであって、例えば、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)が相当する。
なお、図示しないが、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=2」をセットするとともに、S205で決定されたB時短カウンタをセットする。また、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=3」にセットするとともに、S207で決定されたC時短カウンタをセットする。
S211において、時短フラグがオンでないと判定された場合(S211がNO判定)、すなわち時短フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S214に移す。
S212において、メインCPU201は、現状の時短カウンタ(先に実行されていた時短遊技状態の時短残回数)と、新たな時短回数(S205またはS207で決定された時短回数)とを比較し、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さいか否かを判定する。
S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さくないと判定された場合(S212がNO判定の場合)、すなわち現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きい場合、メインCPU201は、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38を参照)に戻す。
一方、S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きいと判定された場合(S212がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S213に移す。
S213において、メインCPU201は、時短カウンタ再設定処理を行う。この処理では、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、現状の時短カウンタの値(すなわち時短残回数)と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数が、新たな時短カウンタとして再設定される。ただし、時短カウンタ再設定処理(S213)が行われたとしても、メインCPU201は、B時短カウンタおよびC時短カウンタをリセットしない。メインCPU201は、S213の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
なお、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能を維持する。すなわち、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能から新たな時短遊技状態の時短性能に変更したり、現状の時短カウンタと新たな時短回数とのうち多い方の時短回数に対応する時短遊技状態の時短性能に変更されたりはしない。
時短性能とは、上述したとおり、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。
ところで、本実施例では、B時短カウンタ及びC時短カウンタを設けることにより、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理できるようにしている。そして、上記の時短カウンタ再設定処理(S213)において、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしている。しかし、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていたとしても、表面的にあらわれる(遊技者が把握できる)時短性能は、内部的に重ねて実行されている上記二つの時短遊技状態のうち、いずれか一つの時短遊技状態についての時短性能のみである。そのため、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理せずに(すなわちB時短カウンタ及びC時短カウンタを設けずに)、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合に、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしてもよい。
S214において、メインCPU201は、時短態様設定処理を行う。この処理は、S211がNO判定の場合、すなわち、非時短遊技状態からB時短遊技状態に移行させて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、非時短遊技状態からC時短遊技状態に移行させて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)に行われる処理である。この処理では、B時短制御態様決定処理(S205)またはC時短制御態様決定処理(S207)で決定された時短回数と時短性能とが設定される。メインCPU201は、S214の処理を実行した後、処理を、S215に移す。
S215において、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S215の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
このように、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っている。本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、当り判定処理の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機の場合、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合が生じうる。このように、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合、メインCPU201は、小当り遊技状態が終了したことに基づいて、B時短遊技状態に移行させる処理を行うとよい。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っているが、これに限られず、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うようにしてもよい。とくに、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な第1のパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うことが好ましい。なぜなら、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときにB時短遊技状態に移行するようにすると、天井最終変動としてのいずれか一方の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が開始された場合、この他方の特別図柄の可変表示については、B時短遊技状態としての恩恵を受けることができなくなり、興趣が低下するおそれがあるからである。なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の可変表示が例えば600000msecといった長変動で行われることはない。ただし、このような長変動で特別図柄の可変表示が行われうるパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいてB時短遊技状態への移行処理を行うことにより、とくに天井最終変動である特別図柄の可変表示が長変動で行われる場合であっても、B時短遊技状態の開始の遅延を回避することができる。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)よりも優先して行うようにしている(図38のS203~S207を参照)が、これに限られない。例えば、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)を、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)よりも優先して行うようにしてもよい。
また、図35を参照して説明した上述の天井カウンタ更新処理では、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(図35のS171がNO判定)、天井カウンタを更新しないようにしているが、これに限られない。例えばST機や確変転落抽選を行うパチンコ遊技機では、確変フラグがオンである場合であっても特別図柄の可変表示が行われると天井カウンタを更新するようにしてもよい。この場合、天井カウンタが天井値に到達したとしても、B時短遊技状態に移行せず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、メインCPU201は、「天井カウンタ=天井値」となっただけではB時短遊技状態に移行させず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行させる処理を行うこととなる。
また、B時短遊技状態への移行条件である天井値は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の所定範囲内(例えば、2.5~3.0倍)であることが好ましい。本実施例では、例えば特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)に示されるように、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、天井値は、319×2.5~319×3.0(倍)の範囲内であることが好ましい。
また、B時短遊技状態の終了条件であるB時短規定回数の上限は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の規定倍数(例えば3.8倍)までとすることが好ましい。同様に、C時短遊技状態の終了条件であるC時短規定回数の上限についても、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母に規定数を乗じた値まで(例えば大当り確率の分母の3.8倍まで)とすることが好ましい。本実施例では、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、B時短規定回数およびC時短規定回数は、いずれも、概ね1212(319×3.8)を上限とすることが好ましい。なお、B時短規定回数の上限とC時短規定回数の上限とを同じ値とすることは必須ではない。
ところで、第1のパチンコ遊技機のように、例えば設定1~設定6といった大当り確率が異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセット可能であるパチンコ遊技機である場合、上述したとおり、時短当り確率は全設定値で共通の確率となっている。このような場合、B時短遊技状態への移行条件である天井値を、設定値にかかわらず大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に規定数(例えば3.0)を乗じた値とした場合、設定値に応じて天井値が異なることとなり、セットされている設定値が遊技者に看破されてしまうおそれがある。そこで、本実施例では、セットされた設定値がいずれであったとしても、天井値を、大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に対して規定数を乗じて決定するのではなく、設定値にかかわらず同じ値とすることが好ましい。
[1-6-18.時短管理処理にかかわる変形例]
なお、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理(以下「本実施例の時短管理処理」と称する)では、天井カウンタ更新処理(図35参照)を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)において実行している。また、B時短遊技状態への移行にかかわる処理を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理よりも優先して行うようにしている。さらに、B時短遊技状態への移行フラグ(天井フラグ)とC時短遊技状態への移行フラグ(時短当りフラグ)とを別個に設け、天井フラグがオンである場合にB時短遊技状態に移行させ、時短当りフラグがオンである場合にC時短遊技状態に移行させるようにしている。ただし、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミング、B時短遊技状態への移行とC時短遊技状態への移行との優先順位、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個にするか共通にするか、については、上記に限られず、様々なバリエーションで時短管理処理を行うことができる。
例えば、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、天井到達時に「時短当り」が非当選であることを確認した上でB時短遊技状態に移行させるようにしてもよい。
さらに、複数の時短遊技状態が重ねて実行されない場合、メインCPU201は、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きい場合に時短カウンタから1を減算する処理を行い、それ以外の場合には時短カウンタから1を減算しないようにするとよい。
[1-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図40を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS86でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図40は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S251)。
S251において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S251がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S251において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S251がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S252に移す。
S252において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S252の処理を実行した後、処理を、S253に移す。
S253において、メインCPU201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S253において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S253がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S254に移す。一方、S253において大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S253がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S257に移す。
S254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S254)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図27のS88参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S254の処理を実行した後、処理を、S255に移す。
S255において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S256)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S256の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S257において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S257の処理を実行した後、処理を、S258に移す。
S258において、メインCPU201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口131の開放回数、大入賞口131の最大開放時間、大入賞口131への最大入賞個数、大入賞口131への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口131の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU201は、S258の処理を実行した後、処理を、S259に移す。
S259において、メインCPU201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口131の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU201は、S259の処理を実行した後、処理を、S260に移す。
S260において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S260)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図27のS87参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S260の処理を実行した後、処理を、S261に移す。
S261において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S261の処理を実行した後、処理を、S262に移す。
S262において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S262の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-1.大入賞口開放制御処理]
次に、図41を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS87でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図41は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S271)。
S271において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S271がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S271において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S271がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S272に移す。
S272において、メインCPU201は、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口131への遊技球の入賞個数を計数するカウントスイッチ132(図6参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、カウントスイッチ132により計数された大入賞口入賞カウンタの値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。
S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S272がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S273に移す。
一方、S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S272がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S273において、メインCPU201は、大入賞口131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図40のS258参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S273がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していると判定された場合(S273がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S274において、メインCPU201は、大入賞口131の閉鎖設定処理を行う。メインCPU201は、S274の処理を実行した後、処理を、S275に移す。
S275において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S275)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S275の処理を実行した後、処理を、S276に移す。
S276において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S276の処理を実行した後、処理を、S277に移す。
S277において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S277の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-2.大当り終了処理]
次に、図42を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS88でメインCPU201により実行される大当り終了処理について説明する。図42は、第1のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S281)。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S281がNO判定の場合)、メインCPU201は、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S281がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S282に移す。
S282において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S282の処理を実行した後、処理を、S283に移す。
S283において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S283の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-7-3.普通図柄制御処理]
次に、図43を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS40でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図43に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図43は、第1のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図43に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。なお、図43に示される各処理は、便宜上、サブルーチンとして図示していない。
メインCPU201は、先ず、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S291)。
S291において普通図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S291がNO判定の場合)、メインCPU201は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、S41(図23参照)に戻す。
一方、S291において普通図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S291がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S292に移す。
S292において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S292の処理を実行した後、処理を、S293に移す。なお、メインCPU201は、S292の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S293以降の処理を行う。
S293において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示開始処理を行う。このS293の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理、普通図柄の変動パターン決定処理、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合には普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)設定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S294に移す。
S294において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示終了処理を行う。このS294の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この処理においてメインCPU201は、普通図柄の可変表示を終了する際の各種処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S295に移す。
S295において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS295の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この普通図柄遊技判定処理では、普通図柄の導出結果(例えば、普通図柄当りまたはハズレ)の判定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S296に移す。
S296において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS296の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この処理では、例えば、予め定められた態様で、普通電動役物146の開放処理が行われる。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S297に移す。
S297において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS297の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。メインCPU201は、この普通図柄当り終了処理を終了すると、普通図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、本実施例では、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるように、普通図柄の当り判定用乱数を例えば0~99の範囲(幅)で発生させ、例えば0~79を普通図柄当り判定値データとしている(非時短遊技状態の場合)。普通図柄当り確率は、普通図柄の当り判定用乱数の総乱数に対する普通図柄当り判定値データの数によって定められるため、例えば普通図柄の当り確率は、本実施例では100分の80である。この普通図柄当り確率は、本実施例では、時短制御が実行される場合と時短制御が実行されない場合と異なっているが、同じまたはほぼ同じとしてもよい。また、普通図柄の可変表示は、時短制御が実行されない非時短遊技状態では例えば600000msecと相対的に長時間にわたって実行されるのに対し、時短制御が実行される遊技状態では例えば1000msecと相対的に短時間しか実行されない。このようにして、時短制御が実行されると、普通電動役物開放処理の実行頻度すなわち第2始動口140への遊技球の入賞頻度が高められる。
[1-7-4.外部マスカブル割込処理]
次に、図44を参照して、メインCPU201の制御により実行される外部マスカブル割込処理について説明する。この処理は、例えば電断時等に発生する外部割込み要求に応じて行われる割込処理である。なお、図44は、第1のパチンコ遊技機における外部マスカブル割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S301)。メインCPU201は、S301の処理を実行した後、処理を、S302に移す。
S302において、メインCPU201は、I/Oポート205の所定の入力ポートの状態を読み出す。上記の所定の入力ポートは、例えば、電断検知ライン、バックアップクリアスイッチライン、センサ異常検知ライン、電波センサライン、開放検知ライン、磁気センサライン、振動センサライン、ソレノイド監視センサライン等の状態がセットされる入力ポートである。メインCPU201は、S302の処理を実行した後、処理を、S303に移す。
S303において、メインCPU201は、電断検知であるか否かを判定する。
S303において電断検知でないと判定された場合(S303がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS305に移す。一方、S303において電断検知であると判定された場合(S303がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS304に移す。
S304において、メインCPU201は、XINT検知フラグをセット(オンに)する。XINT検知フラグは電断することを示すフラグであり、XINT検知フラグの値は、メインRAM203の作業領域内のXINT検知フラグ領域に格納される。メインCPU201は、S304の処理を実行した後、処理を、S305に移す。
S305において、メインCPU201は、S301で退避させた保護レジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S305の処理を実行した後、処理を、S306に移す。
S306において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU201は、外部マスカブル割込処理を終了する。
[1-7-5.システムタイマ割込処理]
次に、図45を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図45は、第1のパチンコ遊技機において実行されるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S311)。
次いで、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する(S312)。XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定された場合(S312がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS326に移す。一方、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定された場合(S312がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS313に移す。
S313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。その後、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行い(S314)、処理を、S315に移す。
S315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、例えば起動制御フラグの値等に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。起動制御フラグは、電源投入時の起動状態が、電断復帰、設定変更、設定確認およびRAMクリア等のうちのいずれの状態であるかを判定するためのフラグである。例えば、電断復帰の場合は遊技許可状態であると判定され、設定変更、設定確認およびRAMクリア等である場合は遊技許可状態でないと判定される。
なお、起動制御フラグは、電源投入時における設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ情報の組合せで構成される。例えば、電源投入時に、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフであれば電断復帰、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであれば設定変更、バックアップクリアスイッチ176がオフ且つ設定キー174aがオンであれば設定確認、バックアップクリアスイッチ176がオン且つ設定キー174aがオフであればRAMクリアと判定される。
S315において遊技許可状態でないと判定された場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定制御処理を行う(S316)。この設定制御処理では、設定変更処理または設定確認処理が行われる。すなわち、本実施例では、設定変更処理および設定確認処理は、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内で行われ、遊技許可状態でない場合すなわち遊技不許可状態である場合に行われる。設定制御処理(S316)を実行した後、メインCPU201は、処理を、S326に移す。なお、S316の設定制御処理の詳細については、図46を参照して後述する。
なお、遊技許可状態でない場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、発射装置6(図6参照)からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー174a、バックアップクリアスイッチ176等)を除く各種スイッチの無効化、払出装置82からの賞球の払い出し禁止等を設定することが好ましい。
一方、S315において遊技許可状態であると判定された場合(S315がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S317に移す。
S317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S317の処理を実行した後、処理を、S318に移す。
S318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。メインCPU201は、S318の処理を実行した後、処理を、S319に移す。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(例えば2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
S319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S319の処理を実行した後、処理を、S320に移す。
S320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図51を参照して後述する。メインCPU201は、S320の処理を実行した後、処理を、S321に移す。
S321において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、入賞情報コマンド(払出情報)の設定処理が行われる。メインCPU201は、S321の処理を実行した後、処理を、S322に移す。
S322において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドが主制御回路200からサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S322の処理を実行した後、処理を、S323に移す。
S323において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S323の処理を実行した後、処理を、S324に移す。
S324において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170(図6参照)の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S324の処理を実行した後、処理を、S325に移す。
S325において、メインCPU201は、S323で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S325の処理を実行した後、処理を、S326に移す。
S326において、メインCPU201は、S311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[1-7-6.設定制御処理]
次に、図46を参照して、システムタイマ割込処理(図45参照)中のS316で行われる設定制御処理について説明する。図46は、第1のパチンコ遊技機における設定制御処理の一例を示すフローチャートである。
図46に示されるように、メインCPU201は、先ず、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S331)。
S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定された場合(S331がYES判定の場合)、メインCPU201は設定変更処理を行う(S332)。この設定変更処理の詳細については、図47を参照して後述する。設定変更処理(S332)の実行後、メインCPU201は、処理を、S335に移す。
一方、S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定された場合(S331がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S333に移す。
S333において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値であると判定された場合(S333がYES判定の場合)、メインCPU201は設定確認処理を行う(S334)。この設定確認処理の詳細については、図48を参照して後述する。設定確認処理(S334)の実行後、メインCPU201は、処理をS335に移す。
一方、S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値でないと判定された場合すなわちRAMクリアであると判定された場合(S333がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S337に移す。
S335において、メインCPU201は、設定操作表示処理を行う。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。メインCPU201は、S335の処理を実行した後、処理を、S336に移す。
S336において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、設定変更処理(S332)、設定確認処理(S334)または起動時初期設定処理(図25参照)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド、電断復帰コマンドまたは設定操作コマンド)がサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S336の処理を実行した後、処理を、S337に移す。
S337において、メインCPU201は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う。この処理(WDT出力処理)では、WDTクリアレジスタアドレスの読込処理、WDTのクリア処理およびWDTのリスタート処理がこの順で行われる。なお、他の処理では記載していないが、このWDT出力処理は適宜行われる。そして、S337の処理後、メインCPU201は、設定制御処理を終了し、処理を、システムタイマ割込処理(図45参照)に戻す。
[1-7-7.設定変更処理]
次に、図47を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS332で行われる設定変更処理について説明する。なお、図47は、第1のパチンコ遊技機における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、バックアップクリアスイッチ176が押下されたか否かを判定する(S341)。この処理は、I/Oポート205の入力ポートにセットされている情報を読み出して行われる。
S341においてバックアップクリアスイッチ176が押下されていないと判定された場合(S341がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS343に移す。一方、バックアップクリアスイッチ176が押下されたと判定された場合(S341がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S342に移す。
S342において、メインCPU201は、設定値の範囲内更新処理を行う。メインCPU201は、S342の処理を実行した後、処理を、S343に移す。
なお、本実施例では、設定変更処理において、バックアップクリアスイッチ176を操作することによって設定値を変更できるようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば設定スイッチを設けて、この設定スイッチを操作することによって設定値を変更できるようにしてもよい。
S343において、メインCPU201は、設定キー174aがオフにされたか否かを判定する(S343)。
S343において設定キー174aがオフにされていないと判定された場合(S343がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。一方、S343において設定キー174aがオフにされたと判定された場合(S343がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S344に移す。
S344において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第1通常遊技前処理(S344)の実行後、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-8.設定確認処理]
次に、図48を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS334で行われる設定確認処理について説明する。なお、図48は、第1のパチンコ遊技機における設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、設定キー174aがオフにされたか否かを判定する(S351)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図47参照)中のS343の処理と同様にして行われる。
S351において設定キー174aがオフにされていないと判定された場合(S351がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
一方、S351において設定キー174aがオフにされたと判定された場合(S351がYES判定の場合)、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う(S352)。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第2通常遊技前処理(S352)の実行後、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-9.第1通常遊技前処理]
次に、図49を参照して、設定変更処理(図47参照)中のS344で行われる第1通常遊技前処理について説明する。図49は、第1のパチンコ遊技機における第1通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第1通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰、設定変更および設定確認のいずれでもない場合、すなわちRAMクリア時の初期設定処理としても行われる。
メインCPU201は、先ず、初期化時RAM設定処理を行う(S361)。この処理では、電断時にバックアップデータが格納されるメインRAM203内の領域(以下、「バックアップ領域」と称する)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、性能表示モニタ制御処理(図45のS324参照)でデータが格納される領域はクリアされない。また、この処理では、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、遊技状態が初期化された状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。初期化時RAM設定処理(S361)の実行後、メインCPU201は、処理を、S362に移す。
S362において、メインCPU201は、初期化コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された初期化コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S362の処理を実行すると、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を終了する。この第1通常遊技前処理を終了すると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。
[1-7-10.第2通常遊技前処理]
次に、図50を参照して、設定確認処理(図48参照)中のS352で行われる第2通常遊技前処理について説明する。図50は、第1のパチンコ遊技機における第2通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第2通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
メインCPU201は、先ず、電断復帰時RAM設定処理を行う(S371)。この処理では、例えば、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、電断前と同じ遊技状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、電断復帰時RAM設定処理(S371)の実行後、処理を、S372に移す。
S372において、メインCPU201は、確変フラグがオンであるか否かを判定する。この処理は、メインRAM203内の作業領域に格納されたデータを読み込んで行われる。
S372において確変フラグがオンでないと判定された場合(S372がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS374に移す。
一方。S372において確変フラグがオンであると判定された場合(S372がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S373に移す。
S373において、メインCPU201は、確変報知フラグをオンにセットする。これは、電断復帰時における確変フラグの状態を報知するために行われる。確変報知フラグがオンである場合、メインCPU201は、例えば確変報知LED(不図示)が点灯されるよう制御する。これにより、電断復帰時に確変フラグがオンであるか否かを外観で把握することが可能となる。メインCPU201は、S373の処理を実行した後、処理を、S374に移す。
S374において、メインCPU201は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された電断復帰コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S374の処理を実行すると、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を終了する。
[1-7-11.スイッチ入力検出処理]
図51は、メインCPU201によるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、上述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図51に示すように、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を実行する(S381)。メインCPU201は、S381の処理を実行した後、処理を、S382に移す。始動口入賞検出処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う(S382)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S382の処理を実行した後、処理を、S383に移す。
次に、メインCPU201は、大入賞口通過検出処理を行う(S383)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口131への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S383の処理を実行した後、処理を、S384に移す。
次に、メインCPU201は、球通過検出処理を行う(S384)。球通過検出処理では、通過ゲート126への遊技球の通過検出を通過ゲートスイッチ127に検出されたことに基づいて普通図柄についての各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出する。なお、メインRAM203は、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)を有する。そして、球通過検出処理では、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否か、すなわち、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された普通図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かの判定も行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[1-7-12.始動口入賞検出処理]
図52は、メインCPU201による始動口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、上述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図52に示すように、メインCPU201は、先ず、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したか否かを判定する(S391)。
第1始動口スイッチ121で遊技球を検出していないと判定された場合(S391がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したと判定された場合(S391がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S392に移す。
S392において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S392の処理を実行した後、処理を、S393に移す。
S393において、メインCPU201は、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された第1特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。メインRAM203は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数を、始動条件が成立するまで保留する第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)の他に第1特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第1特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S393がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S393がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S394に移す。
S394において、メインCPU201は、第1特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S394の処理を実行した後、処理を、S395に移す。
S395において、メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第1特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S395の処理を実行した後、処理を、S396に移す。
S396において、メインCPU201は、先読み判定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)に先だって、S392で抽出した乱数値を用いて、特別図柄の変動パターンを決定したり、当り判定処理等を行う処理である。また、先読みフラグが設定されているか否かも判定する。
なお、先読み判定処理は、S392で乱数値を抽出してから特別図柄の当り判定処理が実行されるまでの間であれば、任意のタイミングで行ってよいが、特別図柄の可変表示が開始されるまでに、サブ制御回路300により先読み演出を行うことに鑑みると、例えばS395の処理の前後付近で行うことが好ましい。メインCPU201は、S396の処理を実行した後、処理を、S397に移す。
S397において、メインCPU201は、第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。第1特別図柄の入賞コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第1特別図柄の変動パターン情報(すなわち特別図柄の変動パターンコマンド)等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S397の処理を実行した後、処理を、S398に移す。
S398において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したか否かを判定する。
第2始動口スイッチ141で遊技球を検出していないと判定された場合(S398がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したと判定された場合(S398がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S399に移す。
S399において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S399の処理を実行した後、処理を、S400に移す。
S400において、メインCPU201は、第2始動口140への入賞に基づいて抽出された第2特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。
なお、メインRAM203は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数値を、始動条件が成立するまで保留する第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)の他に第2特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第2特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S400がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S400がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S401に移す。
S401において、メインCPU201は、第2特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S401の処理を実行した後、処理を、S402に移す。
S402において、メインCPU201は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第2特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S402の処理を実行した後、処理を、S403に移す。
S403において、メインCPU201は、第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う(S403)。第2特別図柄の入賞コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第2特別図柄の変動パターン情報等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S403の処理を実行した後、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
[1-8.サブ制御処理]
次に、図53を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
図53は、第1のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図53に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S501)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S502に移す。
なお、上述の初期化処理(S501)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS502~S508の処理が繰り返し実行される。
S502において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308(図6参照)の読込処理を行う。この処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200(図6参照)から送信されたコマンドを読み出して行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S503に移す。
S503において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S502の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S504に移す。
S504において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信された入賞コマンドに基づいて、表示装置7(図4、図6参照)に表示される表示演出の態様や、スピーカ32(図6参照)から出力される音演出の態様等が決定される。
演出態様決定処理(S504)において、サブCPU301は、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストを生成し、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S505に移す。
S505において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304(図6参照)に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S506に移す。
S506において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305(図6参照)に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S507に移す。
S507において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306(図6参照)に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S508に移す。
S508において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307(図6参照)に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路メイン処理を終了する。
[1-9.サブ制御回路による演出態様決定処理の具体例]
サブ制御回路300(より詳しくはサブCPU301)は、主制御回路200から送信された入賞コマンドに基づいて、演出態様決定処理(図53のS504を参照)を行う。
サブCPU301は、演出態様決定処理において行われる各種処理のうちの一処理として、例えば、今回の特別図柄変動(以下「当該変動」と称する)に対応するサブ変動演出の演出パターン(以下「サブ変動演出パターン」と称する)を決定するサブ変動演出パターン決定処理や、先読み演出の演出パターン(以下「先読み演出パターン」と称する)を決定する先読み演出パターン決定処理等を行う。また、演出態様決定処理では、天井カウンタが天井値に近付いていることを示唆する例えばカウントダウン演出の演出態様や、天井カウンタが天井値に到達したことを示唆するB時短遊技状態移行演出の演出態様の決定処理等、遊技の進行にかかわる様々な演出態様の決定処理についても行われる。
サブ変動演出パターン決定処理は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて行われる。サブ変動演出パターンは、当該変動の結果期待度を示す演出として、特別図柄の可変表示に伴ってサブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターン(例えば、装飾図柄の変動パターンやキャラクタ演出のパターン等)である。
サブ変動演出では、実行されるサブ変動演出パターンに応じて、特別図柄の可変表示が開始されてから特別図柄が停止するまでの時間の経過に伴って、特別図柄の当り判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
サブ変動演出パターンには、例えば後述の図54に示されるように、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,E等が含まれる。上述したとおり、時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
なお、例えば、B時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出の実行タイミングと、リーチ演出の実行タイミングとが重なった場合、サブCPU301は、いずれかの演出を優先して実行するようにするとよい。
先読み演出パターン決定処理は、先読み判定処理の結果として決定された例えば特別図柄の変動パターンに基づいて行われる。先読み演出は、先読み判定処理の結果に対する期待度を示す演出として、保留状態にあるとき(すなわち、第1始動口120に入賞した後、この入賞に基づいて抽出された各種乱数値等の始動情報が特別図柄の当り判定処理に供される(特別図柄の可変表示が開始される)までの間)に、サブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターンである。
先読み演出では、実行される先読み演出パターンに応じて、保留状態にあるときに、時間の経過(より詳しくは、先行して保留された始動情報についての可変表示の進行)に伴って、先読み判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
先読み演出は、例えば、表示装置7に表示される保留画像を用いて行われる。保留画像は、現在の保留状況を示す画像である。
先読み演出パターンには、先読み判定処理すなわち特別図柄の当り判定処理の結果種別(時短当りであるか大当りであるか)に対する期待値を示唆することが可能な先読み当り種別演出パターンと、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(大当りまたは時短当り)であることに対する期待値を示唆することが可能な先読み期待値演出パターンとが含まれる。すなわち、先読み演出では、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値と、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであることに対する期待値と、の両方またはいずれか一方を示唆することが可能である。また、先読み演出パターン決定処理(後述の図59参照)では、先読み当り種別演出パターン決定処理(後述の図59のS3006参照)と、先読み期待値演出パターン決定処理(後述の図59のS3008、S3009参照)とが行われる。先読み当り種別演出パターン、先読み期待値演出パターン、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理の具体例については後述する。
[1ー9-1.サブ変動演出パターン決定処理]
先ず、サブ変動演出パターン決定処理について説明する。図54は、時短フラグがオフの遊技状態(通常遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブル(詳細な説明は省略)の一例である。このサブ変動演出パターン決定テーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。なお、プログラムROM302には、時短フラグがオンの遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブルも記憶されているが、ここでは説明を省略する。
サブCPU301は、図54の通常遊技状態におけるサブ変動演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に対応する変動演出パターンとして、表示装置7に表示されるサブ変動演出パターン(図54において「変動パターン」と図示されている)を決定する。上述したとおり、本実施例では、サブ変動演出パターンに、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,Eが含まれている。
時短当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり時短当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、時短当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。時短当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや大当りである場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される時短当り確定リーチ演出である(図15参照)。この時短当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。時短当り系リーチBと時短当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、時短当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、時短当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄、図54、および後述の図55を参照)。
大当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり大当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、大当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。大当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや「時短当り」である場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される大当り確定リーチ演出である(図15参照)。この大当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。大当り系リーチBと大当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、大当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、大当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
共通リーチA,B,C,D,Eは、上述したとおり大当りおよび時短当りの何れの可能性もあることを示すリーチ演出であり、外観上は、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難なリーチ演出態様である。共通リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には表示されず、大当りまたは「時短当り」である場合に限り表示される当り(大当り、時短当り)確定リーチ演出である(図15参照)。共通リーチBと共通リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。また、共通リーチDは、共通リーチCから時短当り系リーチCに発展する演出である。さらに、共通リーチEは、共通リーチCから大当り系リーチCに発展する演出である。なお、共通リーチAおよび共通リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、共通リーチC、共通リーチD、および共通リーチEは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
このように、サブCPU301は、サブ変動演出パターン決定テーブル(図54参照)を参照し、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、サブ変動演出パターンを決定する。そして、サブCPU301は、決定されたサブ変動演出パターンが表示装置7に表示されるよう制御する。
[1-9-2.先読み演出パターン決定処理]
次に、先読み演出パターン決定処理として行われる、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理について説明する。
なお、ワークRAM303(図6参照)には、メインRAM203に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)、第1特別図柄始動記憶領域(2)、第1特別図柄始動記憶領域(3)、および第1特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第1サブ保留領域(0)、第1サブ保留領域(1)、第1サブ保留領域(2)、第1サブ保留領域(3)、および第1サブ保留領域(4)が設けられている。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)、および第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)には、抽出した乱数値にかかわる各種保留情報が格納されている。また、第1特別図柄始動記憶領域(0)および第1サブ保留領域(0)には、当該変動に対応する情報が格納されている。サブCPU301は、第1始動口入賞の入賞コマンドを受信すると、受信した情報を、今回の第1特別図柄始動記憶領域に対応する第1サブ保留領域に格納する。
また、ワークRAM303には、メインRAM203に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)、第2特別図柄始動記憶領域(2)、第2特別図柄始動記憶領域(3)、および第2特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第2サブ保留領域(0)、第2サブ保留領域(1)、第2サブ保留領域(2)、第2サブ保留領域(3)、および第2サブ保留領域(4)が設けられている。
本実施例では、通常遊技状態において第1特別図柄についての先読み演出が行われるものとするが、これに限られず、他の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)で行われるようにしてもよいし、第2特別図柄について行われるようにしてもよい。
先読み演出は、例えば、表示装置7の表示領域に表示される保留画像を用いて行われる。表示装置7の表示領域には、保留画像を表示する領域として、第1サブ保留領域(0)に対応する第0領域、第1サブ保留領域(1)に対応する第1保留領域、第1サブ保留領域(2)に対応する第2保留領域、第1サブ保留領域(3)に対応する第3保留領域、および第1サブ保留領域(4)に対応する第4保留領域が設けられている。
[1-9-2-1.先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
先ず、先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
ところで、決定された先読み当り種別演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態には、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態と、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態と、時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態とが含まれる。
先読み当り種別演出パターンは、保留画像の形態を、例えば、共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化させたり、共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化させたりすることにより、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値の変化を示唆することが可能な演出パターンである。
図55は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルの一例である。この図55では、図54に示される変動パターンのうち先読み対象の変動パターンのみを示している。また、図56は、先読み当り種別演出パターン決定テーブルの一例である。なお、これらのテーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
図55の先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルに示されるように、先読みフラグが設定されている変動パターンをサブCPU301が受信すると、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号を、例えば、変動パターンと保留数とに基づいて決定する。ここでいう保留数は、先読み対象の始動情報を含む。すなわち、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された始動情報が保留された場合、保留後の保留数が、図55に示される保留数に相当する。
例えば、変動パターンが「03H」であって保留数が「3」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「3」に決定される。また、例えば変動パターンが「0EH」であって保留数が「2」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「22」に決定される。
先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定されると、サブCPU301は、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルを参照し、先読み当り種別演出パターンを決定する。詳述すると、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルに示されるように、例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターンが決定される。
なお、図56では、便宜上、「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号」を「SASPT番号」と示し、「先読み当り種別演出パターン」を「SAS演出パターン」と示している。サブ演出選択用乱数値1は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。
例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「3」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「55」の場合、先読み当り種別演出パターンは「07H」に決定される。また、例えば先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「7」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「77」の場合、先読み当り種別演出パターンは「16H」に決定される。
なお、図56の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「A」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「B」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、大当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「C」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難である。
例えば、先読み当り種別演出パターンが例えば「07H」に決定された場合、第3保留領域では共通当り系先読み演出形態が表示され、第3保留領域からシフト後の第2保留領域においても共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化し、第1保留領域では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示される。
また、先読み当り種別演出パターンが例えば「16H」に決定された場合、第3保留領域では「C」の共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化、第2保留領域、および第2保留領域からシフトされた後の第1保留領域では、「B」の大当り系先読み演出形態が表示される。
すなわち、先読み当り種別演出パターンには、図56に示されるように、以下のイ)~ホ)のパターンが含まれる。なお、本実施例では、大当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化するパターン、および時短当り系先読み演出形態から大短当り先読み演出形態に変化するパターンについては、先読み当り種別演出パターンに含まれないが、これらのパターンを先読み当り種別演出パターンに含むようにしてもよい。
イ)保留された時点で時短当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、時短当り系先読み演出形態が表示される先読み時短当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「09H」)。
ロ)保留された時点で大当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り系先読み演出形態が表示される先読み大当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「17H」)。
ハ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態が表示され、その後、時短当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンA(例えば、先読み当り種別演出パターン「24H」)。
ニ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後、大当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンB(例えば、先読み当り種別演出パターン「12H」)。
ホ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後も演出形態が変化することなく、共通当り系先読み演出形態が表示される先読み共通当り演出パターンC(例えば、先読み当り種別演出パターン「06H」)。
このように、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(例えば、図55参照)を参照し、変動パターンと保留数とに基づいて、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)を決定する。そして、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、決定された先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)とサブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)を決定する。
なお、図56では、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンについては示されていないが、このように、「A」の時短当り系先読み演出形態から「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンがサブCPU301により決定されるようにしてもよい。このようにすることで、先読み演出によって遊技者に与えうる興趣を高めることが可能となる。
また、図56では、「B」の大当り系先読み演出形態は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(すなわちハズレの場合もある)ことを示す大当り系先読み演出形態であるが、これに加えて、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り確定であることを示す大当り確定先読み演出形態が表示されるようにしてもよい。この場合、サブCPU301により決定される先読み当り種別演出パターンに、以下のヘ)~チ)の先読み種別演出パターンのいずれかまたは全部が含まれるようにしてもよい。
ヘ)保留された時点で大当り確定先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り確定先読み演出形態が表示される先読み大当り確定演出パターンA。
ト)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「B」の大当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンB。
チ)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態が表示され、さらにその後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンC。
また、図56では、「A」の時短当り系先読み演出形態と「B」の大当り系先読み演出形態と「C」の共通当り系先読み演出形態とのうち、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高いが、これに限られない。例えば、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよいし、保留された時点では「B」の大当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよい。さらには、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も低くなるようにしてもよい。
また、図56では、全ての「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値1を割り当てているが、これに限られず、特定のSASPT番号に対してのみサブ演出選択用乱数値を割り当てない(すなわち、特定のSASPT番号の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-2-2.先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
次に、先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
図57は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)の一例である。また、図58は、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)の一例である。
ところで、決定された先読み期待値演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値に応じて演出形態が異なる。
時短当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は三角形であらわされる保留画像を、「四角形<五角形<六角形<円<星」といったように保留画像の形状を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が四角形である場合に期待値が最も低く、星である場合に期待値が最も高い。
また、大当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は白であらわされる保留画像を、「青<黄<緑<赤<虹」といったように保留画像の色を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が青である場合には期待値が最も低く、保留画像が虹である場合には期待値が最も高い。
なお、詳細は後述するが、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合については、保留画像を、例えば、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方であらわすようにしてもよいし、専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにしてもよい。
先読み演出が行われる保留画像は、期待値が相対的に低い演出形態から期待値が相対的に高い演出形態に変化可能であるものの、期待値が相対的に高い演出形態から期待値が相対的に低い演出形態には変化しない方が好ましい。また、保留画像の演出形態を変化させる際、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」や「青<黄<緑<赤<虹」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」や「黄→虹」に変化させてもよい。また、保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い四角形や青から開始させる必要はなく、例えば円や赤から開始させるようにしてもよい。
なお、図57の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、図56と同様に、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値の高さを示している。例えば、上述の「三角形」および「白」が「0」に相当し、上述の「四角形」および「青」が「1」に相当し、上述の「五角形」および「黄」が「2」に相当し、上述の「六角形」および「緑」が「3」に相当し、上述の「円」および「赤」が「4」に相当し、上述の「星」および「虹」が「5」に相当する。
以下、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」を、期待値レベル「0」~「5」と称する。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合の先読み期待値演出パターンは、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。同様に、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、先読み期待値演出パターンは、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。サブ演出選択用乱数値2は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。なお、図57および図58では、保留数が「1」~「3」の場合についてのみ図示し、保留数が「4」の場合の図示を、便宜上、省略している。
例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「750」の場合、先読み期待値演出パターンは「43H」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「43H」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「3」に変化し、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「3」から「5」に変化する。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「680」の場合、先読み期待値演出パターンは「3FH」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「3FH」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「4」に変化する。
このように、サブCPU301は、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)(図57参照)または先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)(図58参照)を参照し、保留数とサブ演出選択用乱数値2とに基づいて、先読み期待値演出パターンを決定する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合、各先読み期待値演出パターンの振分率は、図57に示される振分率に限られず、適宜変更可能である。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、期待値レベルが相対的に低い先読み期待値演出パターン(例えば、「01H」や「0BH」等)の選択率を高くする等により偏りを持たせているが、これに限られず、例えば均等振分にする等、適宜変更可能である。
また、図57や図58では、全ての「先読み期待値演出パターン」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値2を割り当てているが、これに限られず、特定の「先読み期待値演出パターン」に対してのみサブ演出選択用乱数値2を割り当てない(すなわち、特定の「先読み期待値演出パターン」の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-3.先読み演出パターン決定処理]
次に、図54~図58の各テーブルを参照してサブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理について、図59を参照して説明する。図59は、サブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理を示すフローチャートの一例である。なお、上述したとおり、本実施例において、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態においてのみ実行するが、これに限定されるものではない。
サブCPU301は、先ず、メインCPU201から送信される入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S3001)。
入賞コマンドを受信していない場合(S3001がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドを受信したと判定された場合(S3001がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3002に移す。
S3002において、サブCPU301は、先読み対象の保留が現時点でないか否か、すなわち、現在の保留に対して先読み演出が実行されているか否かを判定する。保留が複数存在する場合、複数の保留画像において先読み演出を行ってもよいが、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている。
現在の保留に対して先読み演出が実行されている場合(S3002がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、現在の保留に対して先読み演出が実行されていない場合(S3002がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3003に移す。
S3003において、サブCPU301は、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象であるか否か(図55参照)を判定する。
入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象でない場合(S3003がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3004に移す。
S3004において、サブCPU301は、天井値と天井カウンタとの差が例えば保留可能な上限数(例えば、4または8)より大きいか否かを判定する。この処理は、先読み演出を行ったにもかかわらず、先読み演出を行った保留について特別図柄の可変表示が実行される前に、B時短遊技状態に移行してしまうことを回避するためである。これにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3005に移す。
なお、本実施例では、S3004において、天井値と天井カウンタとの差が保留可能な上限数よりも大きいか否かを判定しているが、これに限られず、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定である場合)に、先読み対象を含めた保留数よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。また、天井値および天井カウンタは、メインCPU201から情報をコマンドとして受信してもよいし、メインCPU201とは別にサブCPU301が管理してもよい。
S3005において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(図55参照)を参照し、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3006に移す。
S3006において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、先読み当り種別演出パターンが決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3007に移す。
S3007において、サブCPU301は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」であるか否かを判定する。この処理では、メインCPU201から送信された入賞コマンドで受け取った変動パターン情報に基づいて特別図柄の当り判定処理の結果を判定し、この結果が「時短当り」または「大当り」である場合にYES判定される。ただしこれに限られず、特別図柄の当落情報をメインCPU201からサブCPU301に送信することで、「時短当り」または「大当り」を判定するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合(S3007がYES判定)、サブCPU301は、処理を、S3008に移す。
一方、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」および「大当り」のいずれでもない場合(S3007がNO判定)、サブCPU301は、処理を、S3009に移す。
S3008において、サブCPU301は、先読み期待値演出パターン(当り時)決定処理を行う。この処理では、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)を参照し、先読み演出パターン(当り時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
また、S3009において、サブCPU301は、ハズレ時先読み演出パターン決定処理を行う。この処理では、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)を参照し、先読み期待値演出パターン(ハズレ時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
[1-9-4.先読み演出が行われることによる作用効果、先読み演出の拡張例]
上述した先読み演出では、保留画像の形態変化により、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに変化していくのかといった面白みのみならず、当り(大当り、時短当り)の期待値レベルを変化させることが可能であり、これまでにない新たな演出を行うことにより興趣を高めることが可能となる。なお、保留画像の形態を変化させるタイミングは、保留がシフトする際に限られず、例えば当該変動の特別図柄の可変表示中であってもよい。
また、先読み演出として行われる保留画像の形態(例えば、第1サブ保留領域(4)~第1サブ保留領域(1)の範囲内で表示される保留画像の形態)については第1始動口120への入賞時に決定し、当該変動の特別図柄の可変表示における保留画像の形態については特別図柄の可変表示の開始時に決定するようにしてもよい。
ところで、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「03H」、「0EH」を参照)に決定される確率と、先読み大当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「06H」、「11H」を参照)に決定される確率とを比較すると、前者の確率の方が高い(例えば、図15参照)。すなわち、先読み演出の実行割合は、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合の方が高い。したがって、大当りの可能性がある場合にのみ先読み演出が行われていた従来のパチンコ遊技機と比べて、当りの期待値の低下を抑制しつつ先読み演出の実行頻度を高めることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合を、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも高くしてもよい。この場合、先読み演出が実行されると、時短当りに対する期待値よりも大当りに対する期待値の方が高いため、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例では、確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では、通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、特別図柄の当り判定処理において「時短当り」に当選しうる(図10参照)。ただし、本実施例では、通常遊技状態では先読み演出が行われるものの、低確時短遊技状態では先読み演出が行われない。低確時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、A時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行する場合、およびA時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行しない場合のいずれにおいても、時短回数が増加する可能性は低い。そのため、A時短遊技状態において「時短当り」に当選した可能性があることを、極力遊技者に知られないようにすることで、「時短当り」に当選したことによって遊技者に与える落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、低確時短遊技状態では先読み演出が行われないようにすることは必須ではなく、通常遊技状態のみならず低確時短遊技状態や高確低時短遊技状態においても先読み演出が行われるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄についてのみ先読み演出が行われるようにしているが、これに限られず、第2特別図柄についても先読み演出が行われるようにしてもよい。
また、本実施例では、上述したとおり、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチ、大当り系リーチ、または共通リーチが実行されうる。本実施例では、図15、図54~図56を参照すると分かるように、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチを実行し、大当り系リーチを実行しない。また、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、大当り系リーチを実行し、時短当り系リーチを実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンまたは先読み共通当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行可能である。ただし、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行しない。
また、先読み大当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)「37H」)と、先読み時短当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン「29H」)と、先読み共通当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み演出パターン(SAS演出パターン)「27H」)とのいずれが実行された場合であっても、サブCPU301は、サブ変動演出パターンとして共通リーチ(例えば、図55に示されるサブ変動演出パターン「0AH」、「0BH」)を実行するようにしてもよい。
また、時短当り系リーチを実行し、該時短当り系リーチでハズレを明示した後に、大当り系リーチを実行する演出パターンを設けてもよい。この場合、利益率の高い大当り系リーチが実行されるか否かを最後まで遊技者が期待感をもって遊技を行うことができるようになるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図15に示されるように、先読み演出が実行された始動情報について行われる特別図柄の可変表示(以下「ターゲット変動」と称する)において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、大当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、大当り系リーチCに移行しない。同様に、ターゲット変動において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、時短当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、時短当り系リーチCに移行しない。
ところで、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている(S3002を参照)。そのため、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「大当り先読み演出」と称する)がすでに実行されている場合にも、サブCPU301は、新たな先読み演出を実行しない。なお、複数の保留画像において先読み演出が行われるパチンコ遊技機であったとしても、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、新たな先読み演出を実行しないことが好ましい。
例えば、任意の一の保留(以下「第1の保留」と称する)と、この第1の保留よりも後に特別図柄の可変表示が開始される他の保留(以下「第2の保留」と称する)とを含む複数の保留が存在し、第1の保留において先読み大当り演出パターン(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「17H」)が実行されている場合、第2の保留において先読み演出が実行されたとしても、この第2の保留における先読み演出が意味をなさないものとなる可能性がある。とくに、第1の保留について大当りが導出されて大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御された場合、第2の保留について例えば「時短当り」が導出されたとしても、この「時短当り」の恩恵を遊技者が受けることができない可能性があり、この場合、興趣の低下が著しい。そこで、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、大当り先読み演出が実行されている保留よりも後に消化される保留についての先読み演出を実行しないようにすることが好ましい。
なお、第1の保留が大当りの保留(大当りが導出される保留)であったとしても、第1の保留について先読み演出が実行されていない場合には、第2の保留において先読み演出を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
また、第1の保留においてガセの大当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「53H」)が実行されている場合にも、第2の保留において先読み演出を実行しないことが好ましい。
ただし、第1の保留において時短当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「05H」)が実行されている場合は、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に時短当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含まないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、第1の保留において小当り先読み演出が実行されている場合にも、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含む場合、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「小当り先読み演出」と称する)が第1の保留において実行されている場合、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出が実行されるようにしてもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い小当りを期待させることが可能となるためである。
また、サブ変動演出パターンとして大当り系リーチの実行中に例えば第1始動口120に入賞して始動情報が保留された場合、サブCPU301は、この保留について先読み演出を実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、通常遊技状態でのみ先読み演出を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留について先読み演出が実行された場合および先読み演出が実行されていない場合のいずれであっても、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態でなければ、特定保留に対して先読み演出を実行しない。ただし、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態であったとしても、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。さらには、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において先読み演出を実行するパチンコ遊技機であったとしても、大当り表示態様が導出されたときに特定保留がある場合、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。
また、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留がたとえ「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御されないようにしてもよい。例えば、時短遊技状態が重複した場合に複数の時短遊技状態を重ねて実行しない仕様であって、大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御される場合であれば、特定保留が「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、「時短当り」に基づくC時短遊技状態を実行しないこととなる。
[1-10.先読み演出の具体例]
以下に、先読み演出の具体例について、図60~図64を参照して説明する。本実施例では、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、保留画像を用いた先読み演出を実行可能となっている。
[1-10-1.先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
上述したとおり、先読み演出パターンには、先読み当り種別演出パターンと、先読み期待値演出パターンとが含まれる。ここでは先ず、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図60を参照して説明する。
図60(a)~図60(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図60(a)~図60(f)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「1CH」、「3CH」、「58H」、または「78H」に相当する。また、図60(a)~図60(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図60(a)~図60(f)に示されるように、表示装置7の表示領域7aには、第1保留領域411~第4保留領域414が表示されている。上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414は、それぞれ、第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)に保留情報が記憶されているか否かを示す領域である。また、第0領域410は、当該変動に対応する情報が記憶されている第1サブ保留領域(0)に対応する領域である。
本実施例では、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されている場合、サブCPU301は、保留情報が記憶されている第1サブ保留領域に対応する保留領域411~414を、三角形で示される保留画像(以下、単に「保留画像」と称する)で表示するようにしている。また、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されていない場合、サブCPU301は、保留画像を表示せず、保留領域の枠のみを表示するようにしている。
図60(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。これは、第1サブ保留領域(1)~(3)に保留情報が記憶されており、第1サブ保留領域(4)には保留情報が記憶されていないことを示す。
図60(b)では、図60(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。これは、図60(a)に示される状態から、第1サブ保留領域(4)に保留情報が新たに記憶されたことを示す。
サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色)を、大当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、虹を除いて、色の違いを色の濃淡で図示している。
本実施例では、図60(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の色は白(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の色は青(期待値レベル「1」)である。
図60(c)は、図60(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の色が、第3保留領域413にシフトされる際に、青から黄(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図60(d)は、図60(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の色が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄から緑(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図60(e)は、図60(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の色が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑から赤(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図60(f)は、図60(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の色が、第0領域410にシフトされる際に、赤から虹(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
また、大当りに対する期待値を示す保留画像の色(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図60では、大当り系先読み演出形態を変化させて、大当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、大当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
[1-10-2.先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図61を参照して説明する。
図61(a)~図61(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図61(a)~図61(f)に示される先読み時短当り種別演出パターンは、図56の「0EH」、「2EH」、「4AH」、または「6AH」に相当する。また、図61(a)~図61(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図61(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図61(b)では、図61(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば形状)を、時短当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。
このように、本実施例では、大当りに対する期待値については保留画像の色であらわし、時短当りに対する期待値については保留画像の形状であらわしている。
本実施例では、図61(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の形状は三角形(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の形状は四角形(期待値レベル「1」)である。
図61(c)は、図61(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の形状が、第3保留領域413にシフトされる際に、四角形から五角形(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図61(d)は、図61(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形状が、第2保留領域412にシフトされる際に、五角形から六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図61(e)は、図61(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形状が、第1保留領域411にシフトされる際に、六角形から円(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図61(f)は、図61(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の形状が、第0領域410にシフトされる際に、円から星(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状は、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」に変化させてもよい。
また、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図61では、時短当り系先読み演出形態を変化させて、時短当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-3.先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図62を参照して説明する。
図62(a)~図62(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。共通当り系先読み演出形態の変化には、当り(時短当り、大当り)の期待値レベルが変化するものと、当りの種類が大当りであるか時短当りであるかが明瞭なものに変化するものとが含まれる。なお、図62(a)~図62(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図62(a)~図62(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57の「43H」に相当する。
本実施例では、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方を表示することで、あらわしている。
図62(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図62(b)では、図62(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色および形状)を、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、先読み演出が実行されない場合または当りに対する期待値が最も低い場合、保留画像を白の三角形で表示し、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順で短当りに対する期待値が高くなる。
本実施例では、図62(b)において、第1保留領域411および第2保留領域412に示される保留画像の形態は、白の三角形(期待値レベル「0」)であり、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、黄の五角形(期待値レベル「2」)である。
図62(c)は、図62(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(b)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形態が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄の五角形から緑の六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図62(d)は、図62(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑の六角形(期待値レベル「3」の共通当り系先読み演出形態)から虹の三角形(期待値レベル「5」の大当り系先読み演出形態)に変化したことを示す画像である。
すなわち、図62(b)および図62(c)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示す形態であるのか時短当りに対する期待値を示す形態であるのかを、保留画像の形態から把握することが困難な演出である。これに対し、図62(d)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示すものであって、しかもその期待値が極めて高い形態(例えば期待値レベル「5」)であることを把握することが可能なものである。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて、先読み演出を、時短当りに対する期待値を示す先読み時短当り演出パターンと、大当りに対する期待値を示す先読み大当り演出パターンと、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値を示す先読み共通当り演出パターンとのうち、いずれかのパターンで先読み演出を実行可能に構成されている。そして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が実行された場合には、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに保留画像が変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば、「黄の五角形(共通当り系先読み演出形態)→赤の三角形(大当り系先読み演出形態)」に変化させてもよいし、「緑の六角形(共通当り系先読み演出形態)→三角形の星(時短当り系先読み演出形態)」に変化させてもよい。また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い青の四角形から開始させる必要はなく、例えば赤の円から開始させるようにしてもよい。
また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図62では、共通当り系先読み演出形態を変化させて、いずれかの当り(大当りまたは時短当り)が導出される期待値を変化させたり、期待できる当りが不明の状態から大当りに変化させたりしているが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・共通当り系先読み演出形態から大当り確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・共通当り系先読み演出形態からから大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-4.共通当り系先読み演出形態の変形例]
なお、保留画像の形態として、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態は、必ずしも、大当りに対する期待値を示す色と、時短当りに対する期待値を示す形状との両方であらわす形態に限定されない。これに代えて、例えば、専用の共通当り系先読み演出形態を設けるようにしてもよい。専用の共通当り系先読み演出形態を設ける場合、大当りと時短当りとの両方に期待感を持てることができるようになるとともに、それぞれの期待値が不明であることから、今後の演出態様の変化に期待感を持って遊技を行うことができるようになり、興趣を向上することができる。
図63(a)~図63(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図63(a)~図63(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図63(a)~図63(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
また、図64(a)~図64(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図64(a)~図64(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「07H」、「27H」、「43H」、または「63H」に相当し、図64(a)~図64(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
図63(a)および図64(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図63(b)では、図63(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
同様に、図64(b)では、図64(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
図63(b)および図64(b)でのいずれにおいても、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、専用の共通当り系先読み演出形態であって、例えば光り輝く形態である。光の輝度の度合いを変更することにより、期待値レベルを変えることができる。
図63(c)は、図63(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
同様に、図64(c)は、図64(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
図63(d)は、図63(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から赤の三角形(大当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
一方、図64(d)は、図64(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から白の円(時短当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
このように、先読み演出形態を専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにした場合であっても、専用の共通当り系先読み演出形態から、大当り系先読み演出形態および時短当り系先読み演出形態のいずれに変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
[1-11.機外に出力される信号]
次に、外部端子板184(図6参照)から第1のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)、各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号について説明する。なお、本実施例では、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について説明するが、第1のパチンコ遊技機の機外からの信号を入力可能であってもよい。
本実施例において、外部端子板184(図6参照)は、第1のパチンコ遊技機の機外に信号を出力するためのコネクタとしてCH1~CH12を有する。外部端子板184の各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号は、例えば、「賞球情報1」、「扉・枠開放」、「外部情報1」~「外部情報8」、「賞球情報2」および「セキュリティ」の各種信号である。ただし、各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の種類は、これらに限られず、これらの信号の他に機外に出力される信号があってもよいし、これらのうちのいずれかの信号が出力されないように構成されていてもよい。
図65は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図65に示されるように、CN1からは「賞球情報1」の信号が出力され、CH2からは「扉・枠開放」の信号が出力され、CH3~CH10からはそれぞれ「外部情報1」~「外部情報8」の各信号が出力され、CH11からは「賞球情報2」の信号が出力され、CH12からは「セキュリティ」の信号が出力される。なお、第1のパチンコ遊技機から機外への信号の出力条件は、図65に示されるとおりである。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のタイミングチャートの一例を、「賞球情報1」の信号を例に挙げて説明する。なお、図65に示されるように、本実施例では、「賞球情報1」の信号は、賞球払出10個毎に120msec出力される。
図66は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のうち、「賞球情報1」の信号のタイミングチャートの一例である。
図66に示されるように、払出検出スイッチ(不図示)は、賞球が1個払い出される都度、オフからオンになる。なお、上述したとおり、本実施例では、大入賞口131(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば10個の賞球が払い出され、始動口(第1始動口120または第2始動口140(いずれも図4参照))に遊技球が入賞した場合は例えば3個の賞球が払い出され、一般入賞口122(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば4個の賞球が払い出される。
そして、メインCPU201(図6参照)は、賞球が10個払い出される都度、「賞球情報1」の信号を、例えば120msecの間、第1のパチンコ遊技機の機外に出力する。より詳しくは、メインCPU201は、「賞球情報1」の信号の前回の出力時を起点として10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで、例えば120msecの間、「賞球情報1」の信号を出力する。なお、「賞球情報1」の信号を、10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで出力することは一例にすぎず、例えば10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになってからオフになるまでの間であればよい。また、「賞球情報1」の信号を、賞球が10個払い出される都度出力したり120msecの間出力することについても一例にすぎず、「賞球情報1」の信号の出力タイミングや出力時間については適宜設定することができる。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の一つである「セキュリティ」の信号の一例について説明する。「セキュリティ」の信号は、主としてエラー発生時に出力される信号である。
図67は、第1のパチンコ遊技機におけるエラーの概要の一例を示す表であって、より詳しくは、エラー名称毎に、主制御回路200での発生契機、主制御回路200(図6参照)での解除契機、「セキュリティ」の信号(図67では「セキュリティ信号」と図示)の出力時間および備考を示す表である。
なお、第1のパチンコ遊技機は小当り用大入賞口を備えないが、図67には、便宜上、小当り用大入賞口異常入賞エラーについても記載している。また、図67では、大入賞口131を大当り用大入賞口と記載している。
なお、図67に示されるエラーの概要は一例であって、これらのうちの一部のみをエラーであると判断するようにしてもよいし、例えば、図67に示されないものをエラーと判断するようにしてもよい。図67に示されないもののエラーと判断されるものとしては、例えば、ソレノイド監視センサ(不図示)が所定時間以上にわたってオンまたはオフであったりした場合のソレノイド監視センサエラー、大入賞口(大当り用大入賞口または小当り用大入賞口)の内部に未排出の遊技球があったり大入賞口未開放時に大入賞口内に入賞があった場合の大入賞口入排出異常エラー、振動センサが所定時間にわたってオンである場合の振動センサエラー等が相当する。また、例えば大当り用大入賞口内に特定領域を設け、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、大当り遊技制御の終了後に確変制御が実行される仕様である場合には、特定領域への通過異常や、大当り用大入賞口の内部に未排出の遊技球が存在しないにもかかわらず特定領域を遊技球が通過した場合等にも、エラーと判断するように構成すると好ましい。
メインCPU201(図6参照)は、エラーが発生したと判断すると、サブCPU301(図6参照)に不正検知関連コマンドを送信する。不正検知関連を受信したサブCPU301は、エラーの内容に応じた報知制御を実行する。
以下に、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生した場合を例に挙げて、メインCPU201およびサブCPU301(いずれも図6参照)による制御について簡単に説明する。
図67に示されるように、例えば、初期電源投入後、1回目の大当り用大入賞口が開放される前に1個の入賞検出があると、メインCPU201(図6参照)は、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したと判断し、「セキュリティ」の信号を、12秒の間出力する。また、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したことを示す不正検知関連コマンドをサブCPU301(図6参照)に送信する。
なお、本実施例では、図67に示されるように、いずれのエラーであっても「セキュリティ」の信号の出力時間が12秒であるため、機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、「セキュリティ」の信号を受信することによってエラーの発生を把握することはできるものの、エラーの内容まで把握することができない。ただし、これに限られず、例えば、「セキュリティ」の信号の出力時間をエラーの内容に応じて変える等により、「セキュリティ」の信号を受信した機外の装置がエラーの内容を把握できるようにしてもよい。
サブCPU301(図6参照)は、例えば大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信すると、例えば以下に示す報知制御の全部または一部を実行し、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過すると、以下に示す報知制御を終了する。
・表示制御回路304を介して表示装置7(いずれも例えば図6参照)に例えば「大入賞口異常入賞エラー」の文字を表示する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32(いずれも例えば図6参照)から例えば「大入賞口異常入賞エラーです」の音声を出力する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32から例えばビープ音を出力する報知制御。
・LED制御回路306を介してLED群46(いずれも例えば図6参照)を例えば赤色で全点灯させる報知制御。
なお、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過する前に電断があった場合、サブCPU301は、上述の報知制御を終了する。
また、サブCPU301は、例えば、大当り用大入賞口異常入賞エラーの発生を示す上述の報知制御の実行中に、大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信した場合、上述の報知制御を再度実行し直す。
次に、遊技状態に応じて第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について、図68を参照して説明する。図68は、第1のパチンコ遊技機において、遊技状態に応じて機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図68において、出力される信号を〇で示し、出力されない信号を×で示す。
図68に示されるように、本実施例では、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて、出力される信号が異なっている。例えば、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)はいずれの信号も出力されず、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報7」の信号が出力され、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」、「外部情報5」および「外部情報7」の信号が出力され。また、高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機では、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報6」の信号が出力される。
このように、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて出力される信号が異ならせることにより、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機における遊技の状態を把握することが可能となる。
なお、本実施例では、図68に示されるように、小当り遊技制御処理中(通常遊技状態中)に出力される信号は、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)に出力される信号と同じである。同様に、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)に出力される信号は、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)に出力される信号は、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確非時短遊技状態中)に出力される信号は、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じである。すなわち、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機において、小当り遊技制御処理が実行されているか否かを把握することができない。ただし、これに代えて、小当り遊技制御処理中に出力される信号を、小当り遊技制御処理中でない場合に出力される信号と異ならせることにより、外部情報送信元のパチンコ遊技機において小当り遊技制御処理が実行されているか否かを、信号を受信可能な機外の装置側で把握できるようにしてもよい。
また、図68に示される低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)および小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)は、時短制御の実行中に出力される信号である。この場合、電サポ制御および特図短縮制御の両方が実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち電サポ制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち特図短縮制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよい。
また、上述の第1のパチンコ遊技機についての説明では、メインCPUの制御により、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とに制御可能である(A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能が搭載されている)ことを前提として説明したが、これに限られない。例えば、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、いずれか一つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能及びC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。また、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、二つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能、及び、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。
また、例えばST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、大当り遊技状態の終了後、100%の確率で確変フラグがオンにセットされるパチンコ遊技機では、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のいずれも搭載しないように構成してもよい。
[2.第2のパチンコ遊技機]
次に、第2のパチンコ遊技機について説明する。第2のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。ただし、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能である点において第1のパチンコ遊技機と異なる。それ故、遊技盤ユニットおよび電気的構成についても、第1のパチンコ遊技機と異なる点がある。
以下、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板1184(後述の図70参照)から第2のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ1186(後述の図70参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
また、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第2のパチンコ遊技機の説明において新たに採用した図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
ところで、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
[2-1.遊技盤ユニット]
図69は、第2のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット1010の外観を示す正面図の一例である。図69に示されるように、遊技盤ユニット1010には遊技領域1105が形成されている。
なお、第2のパチンコ遊技機の遊技領域1105に配置される各種部材(例えば第1始動口1120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105(図4参照)に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図69に示されるように、遊技盤ユニット1010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1105が形成される遊技パネル1100と、ガイドレール1110と、遊技領域1105の略中央部に配置されるセンター役物1115と、第1始動口1120と、一般入賞口1122と、通過ゲートユニット1125と、特別電動役物ユニット1130と、第2始動口1140A,1140Bと、普通電動役物ユニット1145と、小当りユニット1150と、LEDユニット1160と、アウト口1178と、遊技盤ユニット1010の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、LEDユニット1160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第2のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル1100には、表示装置1007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル1100の前面には、ガイドレール1110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール1110から遊技領域1105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域1105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル1100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル1100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル1100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル1100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール1110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域1105は、ガイドレール1110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置1006(後述の図70参照)から発射された遊技球を遊技領域1105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物1115は、遊技パネル1100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール1116を備えている。遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、センターレール1116によって左右に振り分けられる。
発射装置1006によって遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、左側領域1106または右側領域1107を流下する。左側領域1106または右側領域1107を流下する遊技球は、遊技パネル1100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域1106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域1107を流下する。
また、センター役物1115には、左側の外周縁部に、左側領域1106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1117が形成されている。ワープ入口1117に進入した遊技球は、センター役物1115に形成されたステージ1118に誘導可能に構成されている。ステージ1118は、表示装置1007の表示領域の下方前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ1118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ1118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口1119が形成されており、チャンス入口1119に進入した遊技球は、第1始動口1120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口1119に進入した遊技球は、ワープ入口1117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口1117に進入したもののチャンス入口1119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口1120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口1120は、表示装置1007の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口1120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口1120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口1120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により第1始動口1120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口1120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口1122は、表示装置1007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口1122に遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により一般入賞口1122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口1122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口1122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口1122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート1126と、通過ゲート1126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された普通図柄の始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された普通図柄の始動情報は、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に代えてまたは加えて左側領域1106に配置されていてもよい。
また、通過ゲート1126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。すなわち、大当りでない遊技状態(例えば通常遊技状態等)から大当り遊技状態への移行条件は、条件装置および役物連続作動装置の両方が作動することであるが、大当りであることを示す停止表示態様(図柄組合せ)が導出された際に、条件装置については作動させるものの役物連続作動装置については作動させないようにすることができる。そして、条件装置が作動していることを前提として、通過ゲート1126への遊技球の通過すなわち通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)により遊技球が検出されたことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット1130は、大当り用大入賞口1131と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)を検出する大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)と、特別電動役物1133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット1130は、右側領域1107において、通過ゲートユニット1125よりも下方に配置されている。
大当り用大入賞口1131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大当り用大入賞口1131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置したり、センター役物1115の上部において遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大当り用大入賞口1131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)により大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物1133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ1134と、この特電用シャッタ1134を作動させる特電用ソレノイド1135(後述の図70参照)とを備える。特別電動役物1133すなわち特電用シャッタ1134は、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り用大入賞口1131の閉鎖状態から開放状態への状態移行は、所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大当り用大入賞口1131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
本実施例では、第2始動口として、第2始動口1140Aおよび第2始動口1140Bが遊技領域1105に配置されており、これらの第2始動口1140A,1140Bは、いずれも、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口1140Aまたは/および第2始動口1140Bに入賞可能であってもよい。
第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141A(後述の図70参照)により検出される。また、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141B(後述の図70参照)により検出される。第2始動口1140A,1140Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第2始動口スイッチ1141A,1141B(後述の図70参照)により第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。一方、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
ところで、本実施例では、右打ちされたものの大当り用大入賞口1131に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、遊技球の流下経路として上下に2つの流下経路1107a,1107bが形成されている。右打ちされて大当り用大入賞口1131に入賞せずにさらに下流側に向けて流下した遊技球は、例えば図69に示される分岐釘1108によって、上方の流下経路1107aまたは下方の流下経路1107bに振り分けられる。
第2始動口1140Aは、上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されており、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが入賞可能となっている。ただし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが第2始動口1140Aに入賞するように構成することは必須ではなく、例えば、第2始動口1140Aへの入賞が殆ど期待できない構成であってもよいし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球のうち所定の期待値(例えば、概ね3分の1~5分の1)で入賞可能な構成であってもよい。なお、上方の流下経路1107aを流下したものの第2始動口1140Aに入賞しなかった遊技球は、アウト口1178から機外に排出されるように構成されている。
第2始動口1140Bは、下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されているが、その詳細については普通電動役物ユニット1145の説明において後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット1145は、下方の流下経路1107b側に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物1146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口1140Bとし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ1141Bとしている。ただし、上記の入賞口を第2始動口1140Bとすることは必須ではなく、例えば第1始動口を上記の入賞口としてもよい。
普通電動役物1146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ1147と、この普電用シャッタ1147を作動させる普電用ソレノイド1148(後述の図70参照)とを備える。普通電動役物1146すなわち普電用シャッタ1147は、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ1147に代えて、所謂電動チューリップと呼ばれる例えば羽根部材からなる可動部材を採用してもよい。また、可動部材は、一対に限られず、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(小当りユニット)
小当りユニット1150は、小当り用大入賞口1151と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)を検出する小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)と、前後方向に進退可能な小当り用シャッタ1153と、この小当り用シャッタ1153を作動させることが可能な小当り用ソレノイド1154とを一体化したユニット体である。
小当り用シャッタ1153は、前後方向に進退させることで、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。
小当り用大入賞口1151が開放されたときに遊技球が入賞すると、入賞した遊技球が小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)に検出される。小当り用大入賞口カウントスイッチ1152に遊技球が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
また、小当りユニット1150は、下方の流下経路1107bであって普通電動役物ユニット1145の下流側に配置されている。したがって、普通電動役物1146の作動によって第2始動口1140Bが開放されている場合、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、下方の流下経路1107bを流下した遊技球は小当り用大入賞口1151に到達する前に、上流側に設けられる第2始動口1140Bに入賞するため、小当り用大入賞口1151に入賞することが困難(または不可能)となる。
なお、本実施例では、大当り用大入賞口1131と小当り用大入賞口1151とをそれぞれ別に設けているが、これに限られず、大当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口と、小当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口とを、同じ大入賞口としてもよい。
(アウト口)
アウト口1178は、遊技領域1105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口1120、第2始動口1140A,1140B、大当り用大入賞口1131、一般入賞口1122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口1178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域1105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口1178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口1122の間や普通電動役物ユニット1145と小当りユニット1150との間等にアウト口を設けて、遊技領域1105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、装飾体を有するものであって、上述したように、透過性のある遊技パネル1100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路1300(後述の図70参照)によって制御される可動役物等の演出用役物群1058を備える。演出用役物群1058は、例えば表示装置1007の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群1058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[2-2.電気的構成]
次に、図70を参照して、第2のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図70は、第2のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第2のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図70に示されるように、第2のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路1300と、払出・発射制御回路1400と、電源供給回路1450と、から構成される。
[2-2-1.主制御回路]
主制御回路1200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU1201、メインROM1202(読み出し専用メモリ)、メインRAM1203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路1204およびバックアップコンデンサ1207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU1201には、メインROM1202、メインRAM1203および初期リセット回路1204等が接続される。メインCPU1201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM1202には、メインCPU1201により第2のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU1201は、メインROM1202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM1203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM1203は、メインCPU1201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU1201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路1204は、メインCPU1201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ1207は、電断時等に、メインRAM1203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路1200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート1205、および、サブ制御回路1300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート1206等も備える。
また、主制御回路1200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路1200には、普通図柄表示部1161、普通図柄用保留表示部1162、第1特別図柄表示部1163、第2特別図柄表示部1164、第1特別図柄用保留表示部1165、第2特別図柄用保留表示部1166、確変報知用表示部1167、時短報知用表示部1168、普電用ソレノイド1148、特電用ソレノイド1135、および、小当り用ソレノイド1154等が接続されている。また、主制御回路1200には、これらの他、性能表示モニタ1170およびエラー報知モニタ1172等も接続されている。主制御回路1200は、I/Oポート1205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ1170には、メインCPU1201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ1172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ1172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路1200には、第1始動口スイッチ1121、第2始動口スイッチ1141A,1141B、通過ゲートスイッチ1127、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、一般入賞口スイッチ1123および小当り用大入賞口カウントスイッチ1152等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート1205を介して主制御回路1200に出力される。
さらに、主制御回路1200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ1186にデータ送信する際に用いる外部端子板1184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー1174aが差し込まれる設定キー差込口1174、メインRAM1203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ1176等が接続されている。本実施例において、RAMクリアスイッチ1176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口1174およびRAMクリアスイッチ1176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口1174やRAMクリアスイッチ1176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口1174およびRAMクリアスイッチ1176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー差込口1174または/およびRAMクリアスイッチ1176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口1174およびRAMクリアスイッチ1176は、主制御回路1200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路1400や電源供給回路1450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー差込口1174やRAMクリアスイッチ1176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[2-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路1300は、サブCPU1301、プログラムROM1302、ワークRAM1303、表示制御回路1304、音声制御回路1305、LED制御回路1306、役物制御回路1307およびコマンド入力ポート1308等を備える。サブ制御回路1300は、主制御回路1200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図70には示されていないが、サブ制御回路1300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM1302には、サブCPU1301により第2のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU1301は、プログラムROM1302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU1301は、主制御回路1200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM1303は、サブCPU1301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路1304は、表示装置1007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路1304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路1304は、サブCPU1301からの画像表示命令に応じて、表示装置1007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置1007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路1304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置1007に供給する。表示装置1007に画像信号が供給されると、表示装置1007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路1304は、表示装置1007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路1305は、スピーカ1032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路1305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ1032から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU1301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ1032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路1306は、装飾LED等を含むLED群1046の制御を行うための回路である。LED制御回路1306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路1307は、各役物(例えば、演出用役物群1058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路1307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路1307は、サブCPU1301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU1301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート1308は、コマンド出力ポート1206と接続されており、主制御回路1200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路1400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路1400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置1082、遊技球を発射させることが可能な発射装置1006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット1180等が接続されている。
払出・発射制御回路1400は、主制御回路1200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置1082に対して所定の信号を送信し、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット1180には、球貸し操作パネル1182が接続されている。球貸し操作パネル1182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット1180に送信される。払出・発射制御回路1400は、カードユニット1180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル1182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット1180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路1400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路1450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路1450には、電源スイッチ1095等が接続されている。電源スイッチ1095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[2-3.基本仕様]
次に、図71~図75を参照して、第2のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。第2のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第2のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、確変制御は実行されるものの時短制御が実行されない高確非時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU1201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られず、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態については進行されないようにしてもよい。例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技が進行するようにし、高確非時短遊技状態において遊技が進行しないようにする等してもよい。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU1301は、正規な遊技態様(例えば、右打ちすべきか左打ちすべきか)を、例えば表示装置1007の表示領域に表示する制御を実行する。
[2-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図71は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理(後述の図78のS1034参照)において参照されるテーブル、すなわち、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「大当り」、および「ハズレ」であり、「小当り」は抽選対象に含まれていない。これに対し、第2特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「小当り」、「大当り」、および「ハズレ」である。ただし、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象に「小当り」を含めるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU1201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
また、メインCPU1201は、第2特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「小当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する小当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定される。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22322のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22323~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22968のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22969~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第2特別図柄の当り判定処理であれば0~22117)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば22323~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがOFFからON(またはONからOFF)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図71に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねるようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図71に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、メインCPU1201は、当り判定処理の結果が「時短当り」であると決定しうる。ただし、メインCPU1201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[2-3-2.特別図柄判定テーブル]
図72は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、第1始動口1120または第2始動口1140A、1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際(すなわち、後述の図78のS1035の特別図柄決定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて定められる図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図72に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0または1である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が2~9のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、例えば、特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。
なお、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られると、メインCPU1201は、小当り遊技制御処理を実行する。小当り遊技制御処理では、例えば小当り用シャッタ1153(図69参照)を作動させて、小当り用大入賞口1151(図69参照)への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる制御を実行し、賞球が払い出され得る。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が30~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z12」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。さらに、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z13」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z14」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA11」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
なお、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路1200のメインROM1202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164(図70参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部1163,1164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、小当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路1300のプログラムROM1302に記憶されている。
[2-3-3.当り種類決定テーブル]
図73は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、当り遊技状態の態様または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際(すなわち、後述の図78のS1036の当り種類決定処理を実行する際)に参照される。図73に示される当り遊技状態の態様は、大当り遊技状態の態様または小当り遊技状態の態様を示す。また、その後の遊技状態の態様は、当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z8」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z9」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は当り遊技状態に制御されないため、当り遊技状態の態様は決定されない。本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU1201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU1201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図72に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するものの、C時短遊技状態に制御しない。また、メインCPU1201は、確変フラグがオンであったとしても「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するようにしてもよい。さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態において、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU1201は、小当り遊技状態の態様として、小当り用大入賞口1151(図69参照)の開放回数を1回に決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した小当りの表示態様を第2特別図柄表示部1164に導出した後、決定された小当り用大入賞口1151の開放回数をセットし、小当り遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当り遊技状態の終了後、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグをいずれも変更せず、小当り遊技状態に制御される直前の遊技状態に戻す。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z11」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定し、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち確変フラグのみをオンにセットすることを決定し、確変回数を10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態の終了後、高確非時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、「z5」の場合、および「z12」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を10ラウンド、4ラウンド、および10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z13」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を4ラウンド、および10に決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数は、選択図柄コマンドが「z6」の場合は例えば200回にセットすることを決定し、選択図柄コマンドが「z13」の場合は例えば300回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。なお、高確時短遊技状態における時短制御の態様(以下「時短性能」とも称する)は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、メインCPU1201は、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU1201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、上述したように当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図73の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図73に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU1201は、図71の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU1201は、図72の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部1163,1164に導出される表示態様の種類(例えば、時短当りの種類、大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図73に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z6」の場合)または300回(選択図柄コマンドが「z13」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」の場合)または100回(選択図柄コマンドが「z2」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、「大当り」に当選したにもかかわらず、「大当り」当選しなかった場合(「時短当り」に当選した場合)と比べて不利になることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[2-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図74は、第2のパチンコ遊技機の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。また、図75は、第2のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。これらのテーブルは、いずれも、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている。なお、図74および図75の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図74および図75の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図78のS1037の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、例えば図74に示される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルに示されるように、メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU1201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU1301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU1201が決定しているが、これに限られず、サブCPU1301が決定するようにしてもよい。
一方、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態、すなわち、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態または低確時短遊技状態では、例えば図75に示される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
なお、本実施例では、メインCPU1201は、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する際には、先読みフラグを設定しないが、これに限られない。
図74および図75に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値に基づいて決定される。ただし、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図75の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合、図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合と比べて、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が大きい。とくに、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば概ね600000msec(例えば、長変動A~C)と極めて長時間にわたって可変表示が行われる。一方、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば1000msec(例えば、超速変動)と極めて短時間だけ可変表示が行われる。
メインCPU1201は、決定した変動パターン情報をサブCPU1301に送信する。サブCPU1301は、メインCPU1201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置1007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ1032から出力される音演出を制御する。
なお、図74および図75には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば通常遊技状態では低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、例えば高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、および低確時短遊技状態では高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルとして、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なる複数の変動パターンテーブルを設けて、例えば時短遊技状態の種類に応じて、特別図柄の変動パターンの決定に際して参照するテーブルを異ならせるようにしてもよい。
また、図74および図75の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路1200のメインROM1202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU1201は、普通電動役物1146(図69参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物1146の作動態様を制御する。
[2-4.主制御処理]
第2のパチンコ遊技機において、主制御回路1200のメインCPU1201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU1201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図86)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて、特別図柄制御処理について改めて説明する。
[2-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図76を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図76は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図76に示されるように、メインCPU1201は、先ず、S1001において、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、各特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU1201は、S1001の処理を実行した後、処理を、S1002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S1001の処理に先だって、メインRAM1203内の各特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU1201は、第1特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第1特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行い、第2特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第2特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路1300が受信すると、かかるデモ表示コマンドが主特別図柄のデモ表示コマンドである場合、サブCPU1301はデモ表示演出を行う。
なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能であるものの、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄を主特別図柄とするとともに他方を副特別図柄とし、主特別図柄についての演出制御を主として行う。本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では第1特別図柄が主特別図柄とされ、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では第2特別図柄が主特別図柄とされる。そして、サブCPU1301は、主特別図柄についての装飾図柄の可変表示およびキャラクタ等の表示演出や、主特別図柄についての音声演出等を行う。例えば副特別図柄の当り判定処理の結果が例えば大当り等である場合には、例えば、主特別図柄の演出を行いつつ副特別図柄の演出も行うようにしてもよい。なお、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態のうち、低確時短遊技状態では、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の可変表示に代えて他の演出画像(例えば、時短遊技状態が終了するまでの時短残回数をカウントダウン演出)が表示されるようにしてもよい。
S1002において、メインCPU1201は、S1001でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1002がNO判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1003に移す。例えば、第2特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1002においてNO判定される。
一方、S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1002がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1004に移す。
S1003において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1003の処理を実行した後、処理を、S1004に移す。
S1004において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1004の処理を実行した後、処理を、S1005に移す。
S1005において、メインCPU1201は、S1004でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1005がNO判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1006に移す。例えば、第1特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1005においてNO判定される。
一方、S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1005がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1007に移す。
S1006において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1006の処理を実行した後、処理を、S1007に移す。
S1007において、メインCPU1201は、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1007の処理を実行した後、処理を、S1008に移す。
S1008において、メインCPU1201は、S1007でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1008がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1010に移す。
一方、S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1008がYES判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1009に移す。
S1009において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1009の処理を実行した後、処理を、S1010に移す。
S1010において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1010の処理を実行した後、処理を、S1011に移す。
S1011において、メインCPU1201は、S1010でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1011がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1011がYES判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1012に移す。
S1012において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1012の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S1001~S1012)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、の優先順位で、後述の特別図柄管理処理が実行されるようにしている。
[2-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図77を参照して、特別図柄制御処理(図76参照)中のS1003、S1006、S1009、S1012でメインCPU1201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図77は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、例えば、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003またはS1009で呼び出されて実行される場合には第2特別図柄が処理対象となり、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1006またはS1012で呼び出されて実行される場合には第1特別図柄が処理対象となる。
また、図77に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU1201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S1021)。
S1021において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S1021がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。
一方、S1021において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S1021がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1022に移す。
S1022において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1022の処理を実行した後、処理を、S1023に移す。なお、メインCPU1201は、S1022の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S1023以降の処理を行う。
S1023において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS1023の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図78を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1024に移す。
S1024において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS1024の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1025に移す。
S1025において、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS1025の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図81および図82を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1026に移す。
S1026において、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS1026の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図84を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1027に移す。
S1027において、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS1027の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図85を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1028に移す。
S1028において、メインCPU1201は、大当り終了処理を行う。このS1028の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図86を参照して後述する。
メインCPU1201は、S1023~S1028の処理を終了後、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。なお、メインCPU1201は、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003で呼び出されている場合には処理をS1004に戻し、S1006で呼び出されている場合には処理をS1007に戻し、S1009で呼び出されている場合には処理をS1010に戻し、S1012で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[2-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図78を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1023でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図78は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図78に示されるように、メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S1031)。
S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S1031がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S1031がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1032に移す。
S1032において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。特別図柄休止フラグは、次の処理に進まないように遊技の進行を止めるフラグである。したがって、このS1032では、たとえS1031がYES判定であったとしても(すなわち、特別図柄の始動条件が成立していたとしても)、特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンである場合(S1032がNO判定である場合)、特別図柄可変表示開始処理が進行せずに終了する。
S1032において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1032がNO判定の場合)、上述したとおり、特別図柄可変表示開始処理が進行せず、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了する。その後、メインCPU1201は、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1032において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1032がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1033に移す。
S1033において、メインCPU1201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU1201は、S1033の処理を実行した後、処理を、S1034に移す。
S1034において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定処理が行われる。本実施例では、第1特別図柄については、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定され、第2特別図柄については、時短当り、小当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。メインCPU1201は、S1034の処理を実行した後、処理を、S1035に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにし、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにし、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。
上記の特別図柄の当り判定処理(S1034参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に小当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で小当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S1035において、メインCPU1201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果(例えば、時短当り、小当り、大当り、またはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。本実施例では、ハズレの種類が1種類であるため、特別図柄の当り判定処理がハズレの場合に停止図柄を決定する必要がないが、ハズレを複数種類設けて、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合に停止図柄を決定するようにしてもよい。メインCPU1201は、S1035の処理を実行した後、処理を、S1036に移す。
S1036において、メインCPU1201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、小当り、または大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図73参照)を参照し、特別図柄決定処理(S1035)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、他の当り(例えば、小当り)の種類を複数設けるようにしてもよいし、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU1201は、S1036の処理を実行した後、処理を、S1037に移す。
S1037において、メインCPU1201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定され、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU1201は、S1037の処理を実行した後、処理を、S1038に移す。
S1038において、メインCPU1201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S1037)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU1201は、S1038の処理を実行した後、処理を、S1039に移す。
S1039において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図77のS1024参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1039の処理を実行した後、処理を、S1040に移す。
S1040において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM1203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新処理等が行われる。メインCPU1201は、S1040の処理を実行した後、処理を、S1041に移す。
S1041において、メインCPU1201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU1201は、S1041の処理を実行した後、処理を、S1042に移す。
S1042において、メインCPU1201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S1041)および特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S1042))を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図79および図80を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1024でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図79および図80は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。また、以下に説明する特別図柄可変表示終了処理において、処理対象である方の特別図柄を単に「特別図柄」と称し、処理対象でない方の特別図柄を「他方の特別図柄」と称する。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S1051)。
S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S1051がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S1051がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1052に移す。
S1052において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグ値をロードする。メインCPU1201は、S1052の処理を実行した後、処理を、S1053に移す。
S1053において、メインCPU1201は、S1052でロードした特別図柄休止フラグ値に基づいて、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。
S1053において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1053がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1053において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1053がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1054に移す。
S1054において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図77のS1025参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1054の処理を実行した後、処理を、S1055に移す。
S1055において、メインCPU1201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1055の処理を実行した後、処理を、S1056に移す。
S1056において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU1201は、S1056の処理を実行した後、処理を、S1057に移す。
S1057において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであるか否かを判定する。
S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りでないと判定された場合(S1057がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1059に移す。
一方、S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであると判定された場合(S1057がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1058に移す。
S1058において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、小当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始乃至停止しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1058の処理を実行した後、処理を、S1059に移す。
S1059において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであるか否かを判定する。
S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りでないと判定された場合(S1059がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであると判定された場合(S1059がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1060に移す。
S1060において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、大当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1060の処理を実行した後、処理を、S1061に移す。
S1061において、メインCPU1201は、他方の特別図柄が可変表示中であるか否かを判定する。
S1061において他方の特別図柄が可変表示中でないと判定された場合(S1061がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1061において他方の特別図柄が可変表示中であると判定された場合(S1061がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1062に移す。
S1062において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。メインCPU1201は、S1062の処理を実行した後、処理を、S1063に移す。
S1063において、メインCPU1201は、可変表示停止フラグをセットする。この処理が行われると、試射試験信号が外部に出力されるようになる。この試射試験信号は、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止されたことを示す信号である。メインCPU1201は、S1063の処理を実行した後、処理を、S1064に移す。
S1064において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の当りフラグを強制的にハズレに変えてセットする。この処理を行うことにより、処理対象の特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りである場合、他方の特別図柄が可変表示中であって、この他方の特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであったとしても、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止することとなる。メインCPU1201は、S1064の処理を実行した後、処理を、S1065に移す。
S1065において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の可変表示に関連する作業領域をクリアする処理を行う。メインCPU1201は、S1065の処理を実行した後、処理を、S1066に移す。
S1066において、メインCPU1201は、他方の特別図柄のタイマに、所定の確定待ち時間をセットする処理を行う。この処理では、特別図柄が大当りを示す停止表示態様で停止したときに他方の特別図柄がハズレを示す停止表示態様で停止するように、確定待ち時間がセットされる。メインCPU1201は、S1066の処理を実行した後、処理を、S1067に移す。
S1067において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする。メインCPU1201は、S1067の処理を実行した後、処理を、S1068に移す。
S1068において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1068の処理を実行した後、処理を、S1069に移す。
S1069において、メインCPU1201は、他方の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された他方の特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1069の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
このように、本実施例の特別図柄可変表示終了処理では、処理対象である特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、この特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が可変表示中である場合には、他方の特別図柄の可変表示を強制的にハズレにする処理が行われる。
[2-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図81および図82を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1025でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図81および図82は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S1071)。
S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S1071がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S1071がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1072に移す。
S1072において、メインCPU1201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1072において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S1072がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1073に移す。一方、S1072において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1072がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1073において、メインCPU1201は、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1073において、小当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1074に移す。
S1074において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図83を参照して後述する。なお、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1073において、小当りであるすなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1075において、メインCPU1201は、大当り遊技制御処理または小当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板1184を介して例えばホールコンピュータ1186(いずれも図70参照)や島コンピュータ(不図示)に出力される信号の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU1201は、S1075の処理を行った後、処理を、S1076に移す。
また、S1075の大当り遊技制御処理の開始設定処理において、メインCPU1201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S1076において、メインCPU1201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU1201は、例えば、開放される大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数の上限値をセットする処理(S1077)、外部端子板1184への大当り信号セット処理(S1078)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S1080)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S1081)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S1071~S1081)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図83を参照して、特別図柄遊技判定処理(図81および図82参照)中のS1074でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図83は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU1201は、先ず、時短管理処理を行う(S1091)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様であるため、説明を省略する。メインCPU1201は、S1091の処理を実行した後、処理を、S1092に移す。
S1092において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理が行われると、次回の特別図柄遊技の実行が可能となる。メインCPU1201は、S1092の処理を実行した後、処理を、S1093に移す。
S1093において、メインCPU1201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S1094)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1094の処理後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図81参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果がハズレである場合、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[2-4-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図84を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1026でメインCPU1201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図84は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放準備処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放準備処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S1101)。
S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S1101がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S1101がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1102に移す。
S1102において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値をロードする。大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技制御処理の実行時であれば、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタが相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば、小当り遊技制御処理の実行回数を計数するカウンタが相当する。なお、大入賞口開放回数カウンタの計数値(大入賞口開放回数カウンタ値)は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。メインCPU1201は、S1102の処理を実行した後、処理を、S1103に移す。
S1103において、メインCPU1201は、大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数が上限値であるか否かを判定する。なお、本実施例では、大当り遊技状態において開放される大当り用大入賞口1131の開放回数であるラウンド数の上限値は、例えば当り種類決定テーブル(図73参照)に示されるように4ラウンドまたは10ラウンドである。一方、小当り遊技状態において開放される小当り用大入賞口1151の開放回数の上限値は例えば1回である。
S1103において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S1103がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1104に移す。
S1104において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S1104)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図77のS1028参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1104の処理を実行した後、処理を、S1105に移す。
S1105において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S1106)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1106の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
S1103に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S1103がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1107に移す。
S1107において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU1201は、S1107の処理を実行した後、処理を、S1108に移す。
S1108において、メインCPU1201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、開放する大入賞口として、大当り遊技制御処理の実行時であれば大当り用大入賞口1131(図69参照)が選択され、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151(図69参照)が選択される。メインCPU1201は、S1108の処理を実行した後、処理を、S1109に移す。
S1109において、メインCPU1201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開放回数、大入賞口の最大開放時間、大入賞口への最大入賞個数、大入賞口入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口の開放回数は、大当り遊技制御処理の実行時であればラウンド数が相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151の開放回数が相当する。なお、1ラウンドまたは小当り遊技制御処理において大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU1201は、S1109の処理を実行した後、処理を、S1110に移す。
なお、本実施例において、大入賞口の最大開放時間は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大30000msecにセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大1800msecにセットされる。大入賞口への最大入賞個数は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大10個にセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大5個にセットされる。大入賞口入賞時の賞球数は、例えば、大当り用大入賞口1131および小当り用大入賞口1151のいずれについても10個にセットされる。ただし、大入賞口関連各種設定処理においてセットされる値は上記に限られない。
S1110において、メインCPU1201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU1201は、S1110の処理を実行した後、処理を、S1111に移す。
S1111において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S1111)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図77のS1027参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1111の処理を実行した後、処理を、S1112に移す。
S1112において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1112の処理を実行した後、処理を、S1113に移す。
S1113において、メインCPU1201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1113の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-8.大入賞口開放制御処理]
次に、図85を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1027でメインCPU1201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図85は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放制御処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放制御処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S1121)。
S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S1121がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S1121がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1122に移す。
S1122において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口入賞カウンタ(例えば、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(いずれも図70参照)等)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口入賞カウンタにより計数された大入賞口入賞カウンタ値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。
S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S1122がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1123に移す。
一方、S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S1122がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1123において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図84のS1109参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S1123がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していると判定された場合(S1123がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1124において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の閉鎖処理を行う。メインCPU1201は、S1124の処理を実行した後、処理を、S1125に移す。
S1125において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1125)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1125の処理を実行した後、処理を、S1126に移す。
S1126において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1126の処理を実行した後、処理を、S1127に移す。
S1127において、メインCPU1201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1127の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-9.大当り終了処理]
次に、図86を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1028でメインCPU1201により実行される大当り終了処理について説明する。図86は、第2のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大当り終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大当り終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S1131)。
S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S1131がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図77参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
一方、S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S1131がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1132に移す。
S1132において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ、天井カウント禁止フラグ等)の値をセットまたはリセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、天井カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。なお、特別図柄休止フラグおよび天井カウンタは、いずれも、特別図柄遊技終了設定処理(S1132)においてリセットされる。また、確変フラグがオンにセットされる場合、天井カウント禁止フラグもオンにセットされる。これにより、確変フラグがオンの高確遊技状態では、天井カウンタの更新が行われないようになる。メインCPU1201は、S1132の処理を実行した後、処理を、S1133に移す。
S1133において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU1201は、S1133の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-5.小当りラッシュ]
上述した第2のパチンコ遊技機では、所謂小当りラッシュを実現することができる。以下に、小当りラッシュについて説明する。
第2のパチンコ遊技機では、上述したとおり、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御する。なお、上述したとおり、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるため、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームが主として実行される。また、その他の遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態)では、右打ちが正規な遊技態様とされるため、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームが主として実行される。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合には、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちのいずれかの遊技状態では第1特別図柄ゲームが主として実行され、高確非時短遊技状態では第2特別図柄ゲームが主として実行される。
本実施例では、高確非時短遊技状態において、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められることによって、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュとなる。
ここで、小当りラッシュの仕組みの一例について説明する。先ず、右打ちされた遊技球は、ほぼ通過ゲート1126を通過する。高確非時短遊技状態では、普通電動役物1146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口1140B)を開放状態とする頻度を高める電サポ制御が実行されない。また、大当り遊技制御処理が実行されない限り大当り用大入賞口1131も開放状態とならないため、高確非時短遊技状態において第2始動口1140Bが開放状態となる頻度は、時短制御が実行される遊技状態と比べて低い。そのため、小当り用大入賞口1151が開放されていれば、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が小当り用大入賞口1151に入賞可能となる。小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞すると、上述したように例えば10個の賞球が払い出される。また、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球は、第2始動口1140Aに入賞可能である。第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞すると、例えば、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)に示されるように3分の1(概算)といった比較的高い確率で小当りを示す停止表示態様が導出されるだけでなく、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)に示されるように超速変動(例えば、可変表示時間1000msec)が実行されるため、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められる。このようにして、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュの実現が可能となっている。
一方、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、電サポ制御が実行されることによって第2始動口1140Bが開放状態となり、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球の殆どが第2始動口1140Bに入賞してしまう。そのため、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞する期待値は低い。しかも、上述したように、第2始動口1140Bに遊技球が入賞したとしても例えば1個の賞球しか払い出されない。右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が第2始動口1140Aに入賞すると例えば3個の賞球が払い出されるものの、第2始動口1140Aには、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球のうち概ね3分の1~5分の1の遊技球しか入賞しない。このように、時短制御が実行される遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えないようになっている。
また、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるが、仮に右打ちを行った場合、右打ちされた遊技球が通過ゲート1126を通過して普通図柄当りを示す停止表示態様が導出されると普通電動役物1146が作動し、第2始動口1140Bに遊技球が入賞することによって小当り用大入賞口1151が開放される可能性がある。ただし、通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定されるため、仮に第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞したとしても、変動時間が極めて長い長変動A~Cのいずれかで第2特別図柄の可変表示が行われ、小当り用大入賞口1151が開放される頻度は極めて小さい。そのため、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行う実益はない。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合、通常遊技状態における普通図柄の当り確率を例えば0にすることにより、右打ちを行う実益を生じさせないようにしてもよい。通常遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値は、1を超えないことは勿論、時短制御が実行される遊技状態よりも小さい。
なお、本実施例では、高確非時短遊技状態において小当りラッシュとなるように構成したが、これに限られない。例えば、電サポ制御を実行せずに特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御が実行される高確時短遊技状態において小当りラッシュとなるようにしてもよい。
[3.第3のパチンコ遊技機]
次に、第3のパチンコ遊技機について説明する。第3のパチンコ遊技機は、上述したとおり、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
なお、第3のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以下、第3のパチンコ遊技機について説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板2184(後述の図88参照)から第3のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ2186(後述の図88参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第3のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[3-1.遊技盤ユニット]
図87を参照して、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010について説明する。この遊技盤ユニット2010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図87は、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット2010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される。
なお、第3のパチンコ遊技機の遊技領域2105に配置される各種部材(例えば第1始動口2120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図87に示されるように、遊技盤ユニット2010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される遊技パネル2100と、ガイドレール2110と、遊技領域2105の略中央部に配置されるセンター役物2115と、第1始動口2120と、第2始動口2140と、一般入賞口2122と、通過ゲートユニット2125と、特別電動役物ユニット2130と、普通電動役物ユニット2145と、LEDユニット2160と、V入賞装置2150と、アウト口2178と、裏ユニット(不図示)とを備える。なお、LEDユニット2160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第3のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル2100には、表示装置2007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル2100の前面には、ガイドレール2110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール2110から遊技領域2105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域2105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル2100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル2100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル2100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル2100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール2110は、第1のパチンコ遊技機と同様に円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域2105は、ガイドレール2110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置2006(後述の図88参照)から発射された遊技球を遊技領域2105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物2115は、遊技パネル2100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール2116を備えている。遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、センターレール2116によって左右に振り分けられる。
発射装置2006によって遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、左側領域2106または右側領域2107を流下する。左側領域2106または右側領域2107を流下する遊技球は、遊技パネル2100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域2106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域2107を流下する。
また、センター役物2115には、左側の外周縁部に、左側領域2106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2117が形成されている。ワープ入口2117に進入した遊技球は、センター役物2115に形成されたステージ2118に誘導可能に構成されている。ステージ2118は、表示装置2007の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ2118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ2118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2119が形成されており、チャンス入口2119に進入した遊技球は、第1始動口2120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口2119に進入した遊技球は、ワープ入口2117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口2117に進入したもののチャンス入口2119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口2120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口2120は、表示装置2007の表示領域の下方に配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口2120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口2120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口2120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により第1始動口2120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口2120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は3個に限られない。
(第2始動口)
第2始動口2140は、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)に配置されている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口2140に入賞可能であってもよい。
第2始動口2140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ2141により検出される。第2始動口スイッチ2141(後述の図88参照)により第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口2140に遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口2122は、表示装置2007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口2122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により一般入賞口2122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口2122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口2122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口2122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート2126と、通過ゲート2126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ2127(後述の図88参照)とを一体化したユニット体である。通過ゲート2126への遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ2127により通過ゲート2126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に代えてまたは加えて左側領域2106に配置されていてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット2130は、大入賞口2131と、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)と、特別電動役物2133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット2130は、右側領域2107において、通過ゲートユニット2125よりも下方に配置されている。
大入賞口2131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口2131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物2115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
大入賞口2131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)により大入賞口2131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口2131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物2133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ2134と、この特電用シャッタ2134を作動させる特電用ソレノイド2135(後述の図88参照)とを備える。特別電動役物2133すなわち特電用シャッタ2134は、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口2131への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に移行可能に構成される。大入賞口2131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合である。上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。なわち、第1のルートを経た大当り遊技状態は、大入賞口2131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット2145は、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物2146とを一体化したユニット体であって、右側領域2107に配置されている。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口2140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ2141としている。
普通電動役物2146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ2147と、この普電用シャッタ2147を作動させる普電用ソレノイド2148(後述の図88参照)とを備える。普通電動役物2146すなわち普電用シャッタ2147は、第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口2140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ2147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。
(V入賞装置)
V入賞装置2150は、右側領域2107において通過ゲート2126の下流側に設けられている。V入賞装置2150は、V入賞装置2150の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口2151と、開閉入賞口2151を開閉させることが可能なVアタッカー2152と、このVアタッカー2152を作動させて開閉入賞口2151を開閉させるVアタッカー用ソレノイド2154と、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に遊技球が進入したことを検出するVアタッカーカウントスイッチ2153と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球が通過可能なV入賞口2155と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球がV入賞口2155に遊技球が進入(通過)したことを検出するV入賞口スイッチ2156と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうちV入賞口2155に進入しなかった遊技球が進入(通過)可能なハズレ口2157と、V入賞口2155を開閉させるVシャッター2158と、このVシャッター2158を作動させてV入賞口2155を開閉させるVシャッター用ソレノイド2159と、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち1球のみを保持することができる係止部材2160とを備える。なお、V入賞装置2150は、通過ゲート2126よりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域2106に設けられていてもよい。
Vアタッカー2152は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口2151を閉鎖する閉鎖状態である。そして、特別図柄の可変表示が終了して後述する「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、特別図柄の可変表示が終了するとほぼ同時に、Vアタッカー用ソレノイド2154(後述の図88参照)の作動によりVアタッカー2152が例えば1回作動する。Vアタッカー2152は、1回作動すると開閉入賞口2151が例えば1800msec開放する開放状態となる。そして、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放している間、V入賞装置2150の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。
なお、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときにVアタッカー2152を開放させる態様は、上記に限られず、例えば、900msecの開放を2回行ってもよいし、所定個(例えば1個)の遊技球がV入賞装置2150の内部に進入したことに基づいて閉鎖するようにしてもよい。
Vアタッカーカウントスイッチ2153は、V入賞装置2150の内部への遊技球の進入を検出するものである。Vアタッカーカウントスイッチ2153によりV入賞装置2150の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU2201は、払出・発射制御回路2400を介して例えば10個の賞球を払い出し、メインCPU2201の機能であるVアタッカー入賞カウンタの値を加算する。Vアタッカー入賞カウンタが規定値に到達すると、開閉入賞口2151を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、Vアタッカー用ソレノイド2154によりVアタッカー2152が作動して開閉入賞口2151が閉鎖される。
V入賞口2155は、遊技球が通過したことを条件に、Vアタッカー2152の開放制御が継続される。すなわち、V入賞口2155は、上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
V入賞口スイッチ2156は、V入賞口2155への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU2201(図88参照)は、Vアタッカー2152が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口2155への遊技球の通過を検出すると、Vアタッカー2152の開放制御を継続する。すなわち、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、Vアタッカー2152が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる。
このように、本実施例では、第1のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合は大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるのに対し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。ただし、これに限られず、例えば第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、1ラウンド目はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるものの、ラウンド遊技の途中から例えば大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技を実行してもよい。
また、例えば特別電動役物2133の内部(すなわち、特電用シャッタ2134が開放状態となったときに遊技球の進入が可能となる領域)にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると特電用シャッタ2134が開放状態とされ、特別電動役物2133の内部に設けられたV入賞口2155に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御される。
ハズレ口2157は、V入賞装置2150の内部に進入したもののV入賞口2155を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。ハズレ口2157を通過した遊技球は機外に排出される。なお、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の全部がハズレ口2157を通過し、V入賞口2155への遊技球の通過がなかった場合、Vアタッカー2152の開放制御が継続されずに終了する。
Vシャッター2158は、Vシャッター用ソレノイド2159(後述の図88参照)の作動により、V入賞口2155への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口2155への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様との間で、常時一定動作を行っている。本実施例では、例えば、「6000msec閉鎖⇒1000msec開放⇒6000msec閉鎖」の動作を繰り返す7000msecのサイクル(周期)でVシャッター2158が常時一定動作を行っている。
係止部材2160は、V入賞口2155の上方に設けられており、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち例えば1球のみを保持することができるように構成されている。V入賞装置2150に進入したものの係止部材2160により保持されなかった遊技球は、ハズレ口2157から機外に排出される。V入賞装置2150に複数の遊技球が進入した場合であっても、係止部材2160により保持されなかった遊技球は、全て、ハズレ口2157から機外に排出される。
また、係止部材2160は、Vアタッカー2152が作動してから一定時間(例えば3000msec)経過後に、図示しない係止用ソレノイドの作動により遊技球の係止が解除される。係止部材2160における係止が解除された遊技球は、V入賞口2155に向けて落下し、このタイミングでV入賞口2155が開放されていればV入賞口2155に入賞(通過)し、このタイミングでV入賞口2155が閉鎖していればハズレ口2157を通過する。なお、係止部材2160を設けずに、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球を、V入賞口2155またはハズレ口2157に振り分けるようにしてもよい。
(アウト口)
アウト口2178は、遊技領域2105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口2120、第2始動口2140、大入賞口2131、V入賞装置2150、一般入賞口2122等)のいずれにも入賞または進入しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口2178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域2105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口2178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口2122の間や特別電動役物ユニット2130と第2始動口2140との間等にアウト口を設けて、遊技領域2105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第1のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット2010を装飾するものであって、遊技パネル2100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、表示装置2007の表示領域の周囲に配置され、サブ制御回路2300によって制御される可動役物等の演出用役物群2058を備える。これらの演出用役物群2058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[3-2.電気的構成]
次に、図88を参照して、第3のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図88は、第3のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第3のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図88に示されるように、第3のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路2200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路2300と、払出・発射制御回路2400と、電源供給回路2450と、から構成される。
[3-2-1.主制御回路]
主制御回路2200は、メインCPU2201、メインROM2202(読み出し専用メモリ)およびメインRAM2203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路2204およびバックアップコンデンサ2207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU2201には、メインROM2202、メインRAM2203および初期リセット回路2204等が接続される。メインCPU2201は、動作を監視するWDTや不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM2202には、メインCPU2201により第3のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU2201は、メインROM2202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM2203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられており、このメインRAM2203は、メインCPU2201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU2201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路2204は、メインCPU2201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ2207は、電断時等に、メインRAM2203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路2200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート2205、および、サブ制御回路2300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート2206等も備える。
また、主制御回路2200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路2200には、普通図柄表示部2161、普通図柄用保留表示部2162、第1特別図柄表示部2163、第2特別図柄表示部2164、第1特別図柄用保留表示部2165、第2特別図柄用保留表示部2166、時短報知用表示部2168、普電用ソレノイド2148、特電用ソレノイド2135、Vアタッカー用ソレノイド2154、および、Vシャッター用ソレノイド2159等が接続されている。また、主制御回路2200には、これらの他、性能表示モニタ2170およびエラー報知モニタ2172等も接続されている。主制御回路2200は、I/Oポート2205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ2170には、メインCPU2201の制御により性能表示データや設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ2172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ2172には、エラーコードの他に、例えば設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路2200には、第1始動口スイッチ2121、第2始動口スイッチ2141、通過ゲートスイッチ2127、大入賞口カウントスイッチ2132、Vアタッカーカウントスイッチ2153、V入賞口スイッチ2156、および、一般入賞口スイッチ2123も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート2205を介して主制御回路2200に送信される。
さらに、主制御回路2200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ2186にデータ送信する際に用いる外部端子板2184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー2174aが差し込まれる設定キー差込口2174、メインRAM2203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ2176等が接続されている。なお、設定機能付きパチンコ遊技機であれば、RAMクリアスイッチ2176を、設定値を変更する際のスイッチと兼用するようにしてもよいし、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口2174およびRAMクリアスイッチ2176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口2174やRAMクリアスイッチ2176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口2174およびRAMクリアスイッチ2176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の責任者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の責任者が設定キー差込口2174または/およびRAMクリアスイッチ2176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口2174およびRAMクリアスイッチ2176は、主制御回路2200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路2400や電源供給回路2450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の責任者以外の第三者が設定キー差込口2174やRAMクリアスイッチ2176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[3-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路2300は、サブCPU2301、プログラムROM2302、ワークRAM2303、表示制御回路2304、音声制御回路2305、LED制御回路2306、役物制御回路2307およびコマンド入力ポート2308等を備える。サブ制御回路2300は、主制御回路2200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図88には示されていないが、第1のパチンコ遊技機と同様、サブ制御回路2300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM2302には、サブCPU2301により第3のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU2301は、プログラムROM2302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU2301は、主制御回路2200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM2303は、サブCPU2301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路2304は、表示装置2007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路2304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路2304は、サブCPU2301からの画像表示命令に応じて、表示装置2007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置2007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路2304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置2007に供給する。表示装置2007に画像信号が供給されると、表示装置2007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路2304は、表示装置2007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路2305は、スピーカ2032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路2305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ2032から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU2301から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ2032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路2306は、装飾LED等を含むLED群2046の制御を行うための回路である。LED制御回路2306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路2307は、各役物(例えば、演出用役物群2058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路2307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路2307は、サブCPU2301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU2301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート2308は、コマンド出力ポート2206と接続されており、主制御回路2200から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路2400は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路2400には、遊技球を払い出すための払出装置2082、遊技球を発射するための発射装置2006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット2180等が接続されている。
払出・発射制御回路2400は、主制御回路2200から供給される賞球制御コマンドを受け取ると、払出装置2082に対して所定の信号を送信し、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット2180には、球貸し操作パネル2182が接続されている。球貸し操作パネル2182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット2180に送信される。払出・発射制御回路2400は、カードユニット2180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル2182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット2180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路2400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路2450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路2450には、電源スイッチ2095等が接続されている。電源スイッチ2095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[3-3.基本仕様]
次に、図89~図92を参照して、第3のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第3のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
なお、第3のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されない。また、第3のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されており、メインCPU2201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU2301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置2007の表示領域に表示する制御を実行する。
[3-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図89は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図89に示されるとおり、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」に決定する。また、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「役物開放当り」に決定する。
なお、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「役物開放当り」が決定されないようにすることは必須ではないが、「役物開放当り」に決定されるようにしたとしても、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合と比べて極めて低い確率(例えば、「大当り」と同等か「大当り」よりも低い確率)でしか決定されないようにすることが好ましい。また、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「ハズレ」に決定されないようにすることは必須ではないが、「ハズレ」に決定されるようにした場合、「役物開放当り」に決定される確率よりも高くなるようにしてもよいし、「役物開放当り」に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
メインROM2202に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口2120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口2140への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、この第3のパチンコ遊技機では、「大当り」に決定される大当り確率を変更する機能を有していないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして大当り確率が高められるようにしてもよい。
また、この第3のパチンコ遊技機では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
なお、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当り確率または/および役物開放当り確率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。この場合、例えば、大当り確率および役物開放当り確率の両方を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、役物開放当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、役物開放当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。ただし、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当り確率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当り確率や役物開放当り確率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、Vアタッカー2152の開放時間を設定値毎に変えてV入賞装置2150への入賞率を変えたり、V入賞口2155の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口2155への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、役物開放当り確率、V入賞口2155の開放頻度(すなわちVアタッカー2152の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[3-3-2.特別図柄判定テーブル]
図90は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口2120,2140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図90に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~3のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が4~60のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が61~99のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
さらに、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。
なお、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路2200のメインROM2202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部2163または第2特別図柄表示部2164(図88参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部2163,2164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、役物開放当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路2300のプログラムROM2302に記憶されている。
[3-3-3.当り種類決定テーブル]
図91は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは時短フラグおよび時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。図91の時短の終了条件に欄に示される「L」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との和を示す。同様に、「M」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「N」は役物開放当り回数を示す。なお、図91の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=6、N=3に決定する。また、選択図柄コマンドが「z5」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=3、N=3に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態(A時短遊技状態)の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=1に決定する。また、選択図柄コマンドが「z3」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットしないことを決定する。また、選択図柄コマンドが「z6」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」(例えば、選択図柄コマンドが「z7」)であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU2201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、時短フラグもオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、役物開放当り直前の遊技状態に戻す。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU2201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU2201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図91の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図91に図示したものである。
また、図91の時短の終了条件の欄に示される「L」、「M」、および「N」は、いずれも遊技状態にかかわらず同じ条件であるが、これに限られず、遊技状態に応じて異なる条件としてもよい。例えば、終了条件「L」、「M」、および「N」の全部を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。また、終了条件「L」、「M」、および「N」のうちいずれか一の終了条件のみを、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。すなわち、終了条件「L」、「M」、および「N」のうち少なくともいずれか一の終了条件を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち少なくともいずれか一の時短遊技状態において異ならせてもよい。
[3-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図92は、第3のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図92中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、メインCPU2201は、第1始動口2120に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、時短フラグの値、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて決定する。なお、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされるため第1始動口2120に遊技球が入賞することは殆どないと考えられる。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第2特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「1」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「0」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば600000msecと極めて長い長変動演出に決定する。時短フラグの値が「0」である場合、基本的に第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)することはないが、不測の事態が発生して仮に万一第2始動口2140に遊技球が入賞した場合であっても、有利者に与えうる利益を最小限にとどめるようにするためこのようにしたものであるが、このようにすることは必ずしも必須ではない。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU2201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU2301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、便宜上、図92の特別図柄の変動パターンテーブルにはあらわれていないが、本実施例では、メインCPU2201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU2201が決定しているが、これに限られず、サブCPU2301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU2201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
メインCPU2201は、決定した変動パターン情報をサブCPU2301に送信する。サブCPU2301は、メインCPU2201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置2007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ2032から出力される音演出を制御する。
また、図92の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路2200のメインROM2202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU2201は、普通電動役物2146(図87参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物2146の作動態様を制御する。
[3-4.主制御処理]
第3のパチンコ遊技機において、主制御回路2200のメインCPU2201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU2201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図103)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[3-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図93を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図93は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図93に示されるように、メインCPU2201は、先ず、S2001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU2201は、S2001の処理を実行した後、処理を、S2002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S2001の処理に先だって、メインRAM2203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU2201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路2300が受信すると、サブCPU2301はデモ表示演出を行う。なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機でないため、第1のパチンコ遊技機において説明したような主特別図柄の概念がない。
S2002において、メインCPU2201は、S2001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S2002において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S2002がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
一方、S2002において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S2002がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2003に移す。
S2003において、メインCPU2201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2003において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2003がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2004に移す。
S2004において、メインCPU2201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2004において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2004がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S2004において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2004がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2003に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2003がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2005において、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図94を参照して後述する。メインCPU2201は、S2003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S2001~S2005)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第3のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口2120または第2始動口2140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[3-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図94を参照して、特別図柄制御処理(図93参照)中のS2005でメインCPU2201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図94は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が0の場合(S2002がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S2003がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S2004がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が0でない場合(S2002がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図94に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU2201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S2011)。
S2011において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S2011がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。
一方、S2011において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S2011がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2012に移す。
S2012において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU2201は、S2012の処理を実行した後、処理を、S2013に移す。なお、メインCPU2201は、S2012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S2013以降の処理を行う。
S2013において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS2013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図95を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2014に移す。
S2014において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS2014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図96を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2015に移す。
S2015において、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS2015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図97を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2016に移す。
S2016において、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を行う。このS2016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放準備処理の詳細については、図99を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2017に移す。
S2017において、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を行う。このS2017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放制御処理の詳細については、図100を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2018に移す。
S2018において、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS2018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図101を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2019に移す。
S2019において、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS2019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図102を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2020に移す。
S2020において、メインCPU2201は、大当り終了処理を行う。このS2020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図103を参照して後述する。
メインCPU2201は、S2013~S2020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[3-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図95を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2013でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図95は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図95に示されるように、メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S2021)。
S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S2021がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S2021がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2022に移す。
S2022において、メインCPU2201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU2201は、S2022の処理を実行した後、処理を、S2023に移す。
S2023において、メインCPU2201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図89参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。本実施例では、第1特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、第2特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、および役物開放当りのうちいずれであるかが判定される。メインCPU2201は、S2023の処理を実行した後、処理を、S2024に移す。
S2024において、メインCPU2201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果(例えば、時短当り、大当り、役物開放当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図90参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU2201は、S2024の処理を実行した後、処理を、S2025に移す。
S2025において、メインCPU2201は、大当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(時短当り、大当り、役物開放当り)である場合に、当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図91参照)を参照し、特別図柄決定処理(S2024)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば役物開放当りである場合に決定される当りの種類は、役物開放当りに基づいて開放されたV入賞口2155に遊技球が通過したことによって大当り遊技制御処理が実行された場合の大当りの種類である。また、本実施例では、時短当り、大当り、および役物開放当りの種類をいずれも複数種類としているが、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類は1つであってもよい。さらには、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2025の処理を実行した後、処理を、S2026に移す。
S2026において、メインCPU2201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果、時短フラグの値、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU2201は、S2026の処理を実行した後、処理を、S2027に移す。
S2027において、メインCPU2201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S2026)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU2201は、S2027の処理を実行した後、処理を、S2028に移す。
S2028において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図94のS2014参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2028の処理を実行した後、処理を、S2029に移す。
S2029において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM2203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU2201は、S2029の処理を実行した後、処理を、S2030に移す。
S2030において、メインCPU2201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU2201は、S2030の処理を実行した後、処理を、S2031に移す。
S2031において、メインCPU2201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S2030)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S2031))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図96を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2014でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図96は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S2041)。
S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S2041がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S2041がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2042に移す。
S2042において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図94のS2015参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2042の処理を実行した後、処理を、S2043に移す。
S2043において、メインCPU2201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2043の処理を実行した後、処理を、S2044に移す。
S2044において、メインCPU2201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU2201は、S2044の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図97を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2015でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図97は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S2051)。
S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S2051がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S2051がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2052に移す。
S2052において、メインCPU2201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2052において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S2052がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2060に移す。一方、S2052において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2052がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2053に移す。なお、特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様である場合、および、特別図柄がハズレを示す停止表示態様である場合、S2052においてNO判定される。
S2053において、メインCPU2201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。メインCPU2201は、S2053の処理を実行した後、処理を、S2054に移す。
また、S2053の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2054において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、大入賞口2131の開放回数の上限値をセットする処理(S2055)、外部端子板2184への大当り信号セット処理(S2056)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2058)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2059)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2060において、メインCPU2201は、役物開放当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2060において、役物開放当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。一方、S2060において、役物開放当りであるすなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。
S2061において、メインCPU2201は、役物開放当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、役物開放当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU2201は、S2061の処理を実行した後、処理を、S2062に移す。
S2062において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放回数の上限値をセットする処理を行う。本実施例では、この処理でセットされるV入賞装置2150の開放回数の上限値は例えば1回である。メインCPU2201は、S2062の処理を実行した後、処理を、S2063に移す。
S2062において、メインCPU2201は、外部端子板2184への役物開放当り信号セット処理(S2063)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2065)、および、役物開放当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2066)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、V入賞装置開放準備処理(図94のS2016参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2067において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図98を参照して後述する。なお、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S2051~S2067)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図98を参照して、特別図柄遊技判定処理(図97参照)中のS2067でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図98は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、時短管理処理を行う(S2071)。1種2種混合機と称される第3のパチンコ遊技機では高確遊技状態に制御されないため、第3のパチンコ遊技機において実行される時短管理処理は、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と異なる点がある。具体的には、第1のパチンコ遊技機では、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットする旨を説明したが、第3のパチンコ遊技機では、高確遊技状態に制御されない。そのため、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットに代えて、天井カウンタが天井値に到達したときにのみオンにセットする点で異なる。また、第1のパチンコ遊技機では、時短移行判定処理(図37参照)において、確変フラグがオフであるか否かを判定した上で(S191参照)、確変フラグがオフであることを条件としてS192の処理を行っているが、第3のパチンコ遊技機では、上述したとおり高確遊技状態に制御されないため、S191の処理を行わずに、S192の処理を行う点で異なる。時短管理処理におけるその他の処理については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様である。メインCPU2201は、S2071の処理を実行した後、処理を、S2072に移す。
S2072において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU2201は、S2072の処理を実行した後、処理を、S2073に移す。
S2073において、メインCPU2201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S2074)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2074の処理後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図97参照)に戻す。
[3-4-7.V入賞装置開放準備処理]
次に、図99を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2016でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放準備処理について説明する。図99は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S2081)。
S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S2081がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S2081がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2082に移す。
S2082において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放パターン(すなわち、Vアタッカー2152の作動パターン)として、例えば、最大開放時間および最大開放回数等をセットする。本実施例では、最大1800msecの開放を1回だけ行う開放パターンにセットされるが、開放パターンはこれに限られず、例えば、1回あたり最大900msecの開放を最大2回行うようにしてもよいし、1回目を例えば最大600msec開放し、2回目を例えば最大1200msec開放するようにしてもよい。さらには、1回の役物開放当りにつきトータルで規定時間(例えば1800msec)を超えない範囲で複数の開放パターンを設け、これら複数の開放パターンのうち、例えば特別図柄の図柄乱数値に基づいていずれか一の開放パターンにセットされるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2082の処理を実行した後、処理を、S2083に移す。
S2083において、メインCPU2201は、V入賞装置開閉制御処理を行う。この処理では、V入賞口2155の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2083の処理を実行した後、処理を、S2084に移す。
S2084において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S2084)を行うことにより、このV入賞装置開放準備処理の終了後に、V入賞装置開放制御処理(図94のS2017参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2084の処理を実行した後、処理を、S2085に移す。
S2085において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2085の処理を実行した後、処理を、S2086に移す。
S2086において、メインCPU2201は、V入賞装置開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV入賞装置開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2086の処理を実行した後、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-8.V入賞装置開放制御処理]
次に、図100を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2017でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放制御処理について説明する。図100は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S2091)。
S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S2091がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S2091がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2092に移す。
S2092において、メインCPU2201は、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に進入した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の入賞個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、Vアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2092がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2093に移す。
一方、S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2092がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2093において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の最大開放時間(すなわち開閉入賞口2151の最大開放時間)が経過したか否かを判定する。この処理では、S2082の処理(図99参照)でセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2093がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2093がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2094において、メインCPU2201は、V入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2094の処理を実行した後、処理を、S2095に移す。
S2095において、メインCPU2201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内に、V入賞口2155への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ2156による検出があったか否か)を判定する。なお、上記の規定時間はV入賞装置2150の内部への遊技球の進入にかかわる時間であればよく、例えば、Vアタッカー2152の作動が開始してから規定時間内、係止部材2160による遊技球の係止が解除されてから規定時間内等を、上記の規定時間とすることができる。
S2095においてV入賞検出があったと判定された場合(S2095がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2096に移す。
S2096において、メインCPU2201は、V当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、V当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。ところで、V当り遊技制御が実行されると、当り種類決定テーブル(図91参照)に示されるように例えば15ラウンドのラウンド遊技が実行されるため、遊技者は、大当り遊技制御処理が実行された場合と同様に多量の賞球を獲得しうる。本実施例では、説明の便宜上、V当り遊技制御と大当り遊技制御処理とを区別して称呼しているが、V当り遊技制御を大当り遊技制御処理と称呼することもできる。メインCPU2201は、S2096の処理を実行した後、処理を、S2097に移す。
また、S2096のV当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2097において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、役物開放当りに基づいて最初に実行されたV入賞装置2150の開放(すなわちVアタッカー2152の作動)が、1ラウンド目のラウンド遊技として処理される。すなわち、V入賞検出があったと判定された(S2095がYES判定された)ことによって実行されるV当り遊技制御は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU2201は、S2097の処理を実行した後、処理を、S2098に移す。
S2098において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、V入賞装置2150の開放回数(すなわち。Vアタッカー2152の作動回数)の上限値をセットする処理(S2099)、外部端子板2184へのV当り信号セット処理(S2100)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2102)、および、V当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2103)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2095に戻って、このS2095においてV入賞検出がなかったと判定された場合(S2095がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2104に移す。
S2104において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2104の処理を実行した後、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-9.大入賞口開放準備処理]
次に、図101を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2018でメインCPU2201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図101は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S2111)。
S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S2111がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S2111がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2112に移す。
S2112において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。メインCPU2201は、S2112の処理を実行した後、処理を、S2113に移す。
S2113において、メインCPU2201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S2113において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S2113がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2114に移す。
S2114において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理(S2114)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図94のS2020参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2114の処理を実行した後、処理を、S2115に移す。
S2115において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S2116)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2116の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2113に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S2113がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2117に移す。
S2117において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU2201は、S2117の処理を実行した後、処理を、S2118に移す。
S2118において、メインCPU2201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定処理(図95のS2023参照)の結果が大当りであって、大当りを示す停止表示態様が導出された(図97のS2052がYES判定された)ことによって開始された大当り遊技制御処理である場合、開放する大入賞口として大入賞口2131が選択される。一方、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって、役物開放りを示す停止表示態様が導出され(図97のS2060がYES判定され)、さらにV入賞検出された(図100のS2095がYES判定された)ことによって開始されたV当り遊技制御である場合、開放する大入賞口としてV入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)が選択される。メインCPU2201は、S2118の処理を実行した後、処理を、S2119に移す。
S2119において、メインCPU2201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間、大入賞口2131またはV入賞装置2150への最大入賞個数、大入賞口2131またはV入賞装置2150への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口2131またはV入賞装置2150が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU2201は、S2119の処理を実行した後、処理を、S2120に移す。
なお、上記の「大入賞口2131またはV入賞装置2150」は、大入賞口2131およびV入賞装置2150のうち、開放する大入賞口としてS2118で選択された大入賞口が相当する。以下の処理においても同様である。
S2120において、メインCPU2201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2120の処理を実行した後、処理を、S2121に移す。
S2121において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理(S2121)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図94のS2019参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2121の処理を実行した後、処理を、S2122に移す。
S2122において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2122の処理を実行した後、処理を、S2123に移す。
S2123において、メインCPU2201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2123の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-10.大入賞口開放制御処理]
次に、図102を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2019でメインCPU2201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図102は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S2131)。
S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定された場合(S2131がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定された場合(S2131がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2132に移す。
S2132において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口2131への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口カウントスイッチ2132(図88参照)またはV入賞装置2150の内部への遊技球の進入個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口カウントスイッチ2132またはVアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2132がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2133に移す。
一方、S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2132がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2133において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図101のS2119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2133がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2133がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2134において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2134の処理を実行した後、処理を、S2135に移す。
S2135において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2135)を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2135の処理を実行した後、処理を、S2136に移す。
S2136において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2136の処理を実行した後、処理を、S2137に移す。
S2137において、メインCPU2201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2137の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-11.大当り終了処理]
次に、図103を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2020でメインCPU2201により実行される大当り終了処理について説明する。図103は、第3のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する(S2141)。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定された場合(S2141がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定された場合(S2141がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2142に移す。
S2142において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU2201は、S2142の処理を実行した後、処理を、S2143に移す。
S2143において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2143の処理を実行した後、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、上述したとおり、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[4.拡張例]
以下に、上述した第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に共通する拡張例について説明する。なお、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に応じて各構成に付された符号が異なるため、以下の説明では、特定のパチンコ遊技機(とくに第3のパチンコ遊技機)に限る説明である場合を除き、符号を省略する。
[4-1.確変制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機では、大当りの種類に応じて確変フラグをオンにセットするか否かを決定し、確変フラグがオンにセットされる場合に確変回数を決めているが、これに限られず、例えば、以下の態様であってもよい。
例えば、大当り遊技制御処理の実行中に、例えば大入賞口内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し、特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過したと判定された場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグをオンにセットする所謂V確変機であってもよい。なお、上記の特定領域は、例えば、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において可動部材が作動することによって、遊技球の通過が可能または容易な開放状態と、遊技球の進入が不可能または困難な閉鎖状態とに変位させることが可能となっている。
このようなV確変機では、例えば、図104~図107を参照して後述するように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の実行中に上記の特定領域への遊技球の通過のしやすさ、すなわち大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせてもよい。
図104は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの一例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、(C)特定領域の開放態様が第3開放態様である場合、を示す図である。なお、第1開放態様および第2開放態様は、特定領域への遊技球の通過が容易な態様であり、第3開放態様は、特定領域への遊技球の通過が困難な態様である。なお、図104に示される一例では、特定領域は時間制御によって開放状態となるように制御される。
なお、図104では、大入賞口が短開放された後に長開放される態様が示されているが、大入賞口の開放態様はこれに限られない。
図104(A)に示されるように、第1開放態様では、大入賞口の長開放が開始された後の所定時間を除いて、大入賞口が開放状態である間は特定領域も開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図104(B)に示されるように、第2開放態様では、大入賞口の短開放が開始されてから大入賞口の長開放が終了するまでの間、特定領域が開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することは極めて容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグが極めて容易にオンにセットされる。ただし、上述したように、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
一方、図104(C)に示されるように、第3開放態様では、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間(この2回はいずれも短時間)を除いて、特定領域が閉鎖状態となっている。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様および第2開放態様のいずれと比べても困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様の例として、第1開放態様および第2開放態様の2態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様数は、2態様に限られず、1態様だけとしてもよいし、3態様以上としてもよい。
また、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様の例として、第3開放態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様数は、1態様に限られず、2態様以上設けてもよい。
図105は、拡張例における特別図柄判定テーブルの一例である。この図105に示される特別図柄判定テーブルによれば、当落判定値データが「大当り判定値データ」である場合(特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合)、第1特別図柄および第2特別図柄の当り時選択図柄コマンドは、次のように選択される。すなわち、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、40%の選択率で「z0」が選択され、10%の選択率で「z1」が選択され、50%の選択率で「z2」が選択される。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、15%の選択率で「z3」が選択され、50%の選択率で「z4」が選択され、35%の選択率で「z5」が選択される。
図106は、拡張例における大当り種類決定テーブルの一例である。この図106に示される大当り種類決定テーブルによれば、大当りの種類(例えば、ラウンド数、特定領域の開放態様等)は、次のように決定される。すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「3」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(3R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第2開放態様の大当り(10R確変大当りC)に決定される。
すなわち、上記の図104~図106によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、40%の選択率で3R通常大当りAに決定され、10%の選択率で10R通常大当りAに決定され、50%の選択率で10R確変大当りAに決定される。一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、15%の選択率で10R通常大当りBに決定され、50%の選択率で10R確変大当りBに決定され、35の選択率で10R確変大当りCに決定される。このようにして、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせることが可能となる。
なお、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、特定領域は、図104(A)~(C)に示されるように時間制御によって開放状態となる態様に限られず、例えば、後述の図107に示されるように、大入賞口への遊技球の入賞に応じて開放状態となる態様であってもよい。
図107は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの他の例(特定領域が大入賞口への入賞に基づいて開放状態となるように制御される例)であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、を示す図である。
図107(A)に示されるように、他の例の第1開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、大入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域が開放状態となる。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、上述したとおり、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図107(B)に示されるように、他の例の第2開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出された場合に限り、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されたとしても、入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域は開放状態とならず、閉鎖状態が継続する。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様と比べて困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、この場合も、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、上記では、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる例について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされるようにしてもよい。このような仕様は、とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合とで、特定領域の開放態様として同じ開放態様を設ける例について説明したが、これに限られず、例えば、第1特別図柄専用の開放態様や第2特別図柄専用の開放態様を設けるようにしてもよい。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合および第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合のいずれにおいても、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様に決定されうる例について説明したが、これに限られず、いずれか一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理の結果が当りである場合には、少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な態様(第1態様または第2態様)のみに決定されるように構成してもよい。
また、上記では、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様において、特定領域は、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間の2回(いずれも短時間)にわたって開放状態となっているが、特定領域への遊技球の通過が困難であれば、特定領域が開放状態とされる回数は1回であってもよいし複数回であってもよい。
また、特定領域の閉鎖は、予め定められた開放時間の経過や、特定領域が開放するラウンドの終了に応じて閉鎖したり、規定回数の大入賞口や特定領域への入賞に応じて閉鎖するなどするように制御してもよい。また、閉鎖する条件が一つ乃至複数複合していてもよい。
また、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)とが、所定の上限回数(以下、「リミッタ回数」と称する)に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機であってもよい。このようなリミッタ機では、上記の繰り返し回数(以下、「ループ回数」と称する)が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に制御される。このとき、ループ回数もリセットされる。なお、このような遊技機において、リミッタ回数は、一定の回数であってもよいし、例えば、特別図柄の図柄乱数値に応じて決定したり、所定の抽選により決定してもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてリミッタ回数が異なるようにしてもよい。
なお、上記では、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技状態と、時短制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行されるようにしてもよい。とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上述したV確変機である場合には、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、確変制御が実行される遊技状態が継続される。そのため、このようなV確変機では、リミッタ回数を例えばN回とすると、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、所定のリミッタ回数に到達したものとして、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御される。一方、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合、所定のリミッタ回数に到達したものとはならないものの、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過していないため、このような場合も、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御されることとなる。なお、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされる遊技機においても同様である。
また、大当り遊技制御処理の終了後、所定回数の特別図柄ゲームが行われるまで確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)に制御され、所定回数の特別図柄ゲームが行われると、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に移行する所謂ST機であってもよい。このような遊技機において、確変制御が実行される特別図柄ゲームの回数(以下、「ST回数」と称する)を、一定回数としてもよいし、都度異なるようにしてもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてST回数の期待値が異なるようにしてもよい。さらには、例えば転落抽選を行い、転落抽選の結果に基づいて確変制御が終了する所謂転落タイプの遊技機であってもよいし、例えば大当り遊技状態中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技状態の終了後に確変制御が実行される所謂V確変タイプの遊技機であってもよい。
[4-2.時短制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に、大当り遊技制御処理の終了後、時短制御が実行されうるようにしたが、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでない場合であっても、時短制御が実行されうるようにしてもよい。
例えば、特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレであったとしても、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された乱数値のうち特定の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値等)を用いて、特別図柄当り判定処理とは別に、時短制御を実行するか否かを決める時短当落判定処理を行うようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレである場合に時短当落判定を行う場合、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された特別図柄の図柄乱数値が特定の図柄乱数値である場合に、時短制御が実行される「時短当り」に決定することができる。なお、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に時短当落判定処理を行ってもよい。
また、特別図柄当り判定処理とは別に時短当落判定処理を行う場合、時短当落判定処理を、同一フレームにおいて特別図柄当り判定処理に先だって実行してもよい。
また、上記の時短当落判定処理を行う場合、専ら時短当落判定処理に供される時短当落判定用乱数を所定の範囲で発生させて、例えば始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落用乱数値を抽出し、抽出された時短当落用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に供される乱数値は、始動口に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されることは必須ではなく、他の領域(例えば、一般入賞口、小当り入賞口、大入賞口等)に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されるようにしてもよい。さらには、例えば時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域を設けて、この専用の領域を遊技球が例えば通過したことに基づいて、時短当落判定処理に供される乱数値が抽出されるようにしてもよい。
ところで、例えば、時短当落判定処理と特別図柄当り判定処理とが別のタイミングで実行される場合、確定表示すると大当りを示す停止表示態様が導出される特別図柄の可変表示中に時短当落判定処理が実行され、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」となる場合がある。このような場合、メインCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、例えば、強制的に「時短ハズレ」を示す表示態様を導出するとよい。
また、サブCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、表示装置に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄当り判定処理の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が表示装置に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を表示装置に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を表示装置に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであった場合、サブCPUは、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置(例えば液晶表示装置)に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでなかったとしても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPUは、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に表示装置に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理が実行される前に時短当落判定処理が実行される場合、サブCPUは、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短フラグがオンにセットされた状況下)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を表示装置に表示する制御を実行してもよい。
なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
時短当落判定処理に用いられる乱数値は、例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、特別図柄転落判定用乱数値および専用の時短当落判定用乱数値等の複数種類の乱数値のうち、いずれかの乱数値であってもよい。また、設定機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値は、1種類(例えば、時短当落判定用乱数値のみ)に限られず、複数種類の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値)を用いて決定するようにしてもよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング)
時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミングは、特別図柄当り判定処理の契機となる始動口への遊技球の入賞時、普通図柄当り判定処理の実行契機となる通過ゲートへの遊技球の通過時、時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域への遊技球の通過時等、任意のタイミングであってよい。なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出は、賞球の払い出しがある特定の入賞口等への入賞に基づいて行ってもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口等への通過に基づいて行ってもよい。
なお、時短当落判定処理用乱数値を始動口への遊技球の入賞(通過)に基づいて抽出するようにした場合、第1始動口および第2始動口のいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を抽出してもよいし、いずれか一方の特定の始動口に遊技球が入賞した場合にのみ、時短当落判定用乱数値を抽出するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
抽出した時短当落判定処理用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合は、抽出した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄の図柄乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにするとよい。また、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。さらに、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにするとよい。普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合も同様である。さらには、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は、上記の条件に限らず、さまざまな条件に任意に決めることができる。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過した場合は、役物開放当りの種類に応じて時短制御の実行有無および時短回数を決定するようにするとよい。そして、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が実行されなかった場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、「時短当り」に基づいて時短制御の実行有無および時短回数を決定するとよい。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であり、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過しなかった場合は、時短制御が実行されない。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
始動口の遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行する場合、メインCPUは、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留するとよい。
また、メインCPUは、時短当落判定処理に供される乱数値を抽出するとただちに(例えば保留される前に)時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、抽出した乱数値を保留し、特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
時短当落判定処理は、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても実行するようにしてもよいし、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態等)においてのみ実行されるようにしてもよい。また、例えば、いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短制御の態様)
大当りの種類に応じて実行される時短制御の態様と、時短当落判定処理の結果に応じて実行される時短制御の態様とを、同じ態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。例えば、第1の時短フラグおよび第2の時短フラグを用意し、大当り種類に応じて時短制御が実行される場合は第1の時短フラグをオンにセットし、時短当落判定処理の結果に基づいて時短制御が実行される場合は第2の時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。この場合、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで、機能が異なる時短制御が実行されるようにするとよい。例えば、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行い、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行うようにすることができる。また、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち特図短縮制御のみが行われる第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち電サポ制御のみが行われる第2時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。ただし、複数の時短フラグのうちいずれの時短フラグをオンにセットするかについては、上記に限られず、例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定してもよいし、時短当落判定処理が実行されたときの遊技状態に応じて決定してもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定することが好ましい。ただし、これに限られず、例えば、複数の時短当落判定用乱数値が時短当り判定値データとして規定されている場合、セットされる時短回数を、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に代えてまたは加えて、抽出された時短当落判定用乱数値に応じて決定するようにしてもよい。例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された時短当落判定用乱数値が、第1の時短当り判定値データである場合は時短回数を「100」に決定し、第2の時短当り判定値データである場合は時短回数を「50」に決定すること等が相当する。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがオンの時短遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短制御が実行される遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで機能が異なる時短制御が実行されるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPUは、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが、同じ機能の時短制御である場合と異なる機能の時短制御である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが同じ機能の時短制御である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合には、実行中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合、実行中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づく時短制御を実行するようにしてもよい。
なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがオンにセットされる。また、時短制御の実行中に行われた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、実行中の時短制御が終了することとなる。
(時短制御の開始タイミング)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時とすることができる。例えば、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合、小当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングが特別図柄ゲームの終了時であって、同一フレームにおいて時短当落判定処理が特別図柄当り判定処理に先だって行われる場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合には「時短当り」を無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグがオンにセットされず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをオンにセットする(大当りの種類に応じて時短フラグがオンにセットされない場合もある)ことが好ましい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時に限られない。例えば、同一フレームにおいて時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって行う場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、ただちに(特別図柄当り判定処理が行われる前)に時短制御を開始してもよい。この場合、時短当落判定処理に用いられる乱数値の抽出時と、時短当落判定処理の実行時とで、遊技状態(すなわち、時短制御の実行有無)が異なる場合が生じ、興趣を高めることが可能となる。
さらに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングを、所定回数のゲームが実行された後としてもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」となった後、時短制御が開始されるまでの間、時短制御が開始されるか否かの煽り演出をサブCPUにより実行することで、興趣を高めることが可能となる。
なお、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り(時短制御が実行される大当り)であることに基づいて大当り遊技制御が実行される場合、この大当り遊技制御の終了に基づいて、大当りに基づく時短制御が開始されるようにするとよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当り(時短制御が実行される役物開放当り)であって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技制御が実行された場合も、大当り遊技制御の終了に基づいて時短制御が開始されるようにするとよい。また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであることに基づいてVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御が実行されなかった場合、メインCPUは、開閉入賞口2151が閉鎖したことに基づいて、「時短当り」に基づく時短制御を開始するようにするとよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば、「時短制御が実行される遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合」、「時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合」または「時短当落判定処理の結果が時短当りであったにもかかわらず時短回数が0回にセットされた場合」等である。
なお、時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて小当り遊技制御処理が実行された場合は、小当り遊技制御処理の終了後も時短制御が継続して実行される。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短制御の実行中に、特別図柄の当り判定処理が役物開放当りであることを示す停止図柄態様が導出されたことによって開閉入賞口2151が開放されたものの、Vアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が開始されなかった場合、メインCPU2201は、開閉入賞口2151が閉鎖した後も時短制御を継続して実行する。
(時短回数書き換え)
時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、時短回数を書き換えてもよいし、時短回数の書き換えを行わない(すなわち、実行中の時短制御における時短回数を消化するまで時短制御を実行する)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数を消化した時点で書き換えて(セットして)もよいし、特別図柄当り判定処理の実行時にセットしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時や停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落判定処理を行う場合、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第1時短当落判定処理」と称する)と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第2時短当落判定処理」と称する)とで、時短当り確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
時短当落判定処理の結果(時短当りであるか時短ハズレであるか)を表示する時短当落判定結果表示部、または/および、時短当落判定処理の結果(時短当り)に基づいて決定された時短回数を表示する当選時短回数表示部を設けてもよい。時短当落判定結果表示部または/および当選時短回数表示部は、特別図柄表示部等を備えるLED表示群に設けて、メインCPUにより制御されるようにするとよい。ただし、これに代えてまたは加えて、サブCPUにより、例えば液晶表示装置等の表示装置に、時短当落判定処理の結果または/および時短当りに基づいて決定された時短回数を表示するようにしてもよい。
(インターバル)
特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、当該ゲームにおいて特別図柄の可変表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。なお、装飾図柄の可変表示は特別図柄の可変表示と同期するため、この場合、サブCPUは、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を例えば液晶表示装置等の表示装置に表示することが好ましい。
また、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つこの役物開放当りに基づいて大当り遊技制御処理が実行されない場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるときの役物開放当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であるときの上記のインターバル時間よりも長くしてもよいし、同じまたは略同じ時間としてもよい。
[4-3.遊技媒体の管理にかかわる拡張例]
本明細書に記載された第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典(例えば、賞球、賞データ等)が付与される形態全ての遊技機に適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体(例えば、遊技球、メダル等)が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「払い出される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
また、主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRAM(あるいはRWM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。また、球磨き装置を設けずに、遊技球を遊技機の外部に排出する排出機構と、遊技機の外部で磨き上げた遊技球を遊技球の内部に取り込む取込機構とを設けるようにしてもよい。この場合、取込機構は、取込専用の樋を設けてもよいし、遊技領域に設けられた入賞口から取り込むように構成してもよい。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。また、例えば、遊技の終了によって封入式の遊技機に記憶される遊技価値(すなわち持ち球)の全部を清算したり、持ち球の一部を遊技媒体管理装置に送信する操作を行ったりすることによって、持ち球の全部または一部が遊技媒体管理装置で管理される遊技価値に統合される場合、封入式の遊技機に記憶される遊技価値は、減算またはクリアされ、持ち球数は減少する。さらに、遊技領域の上方から遊技球が発射されるタイプの遊技機にはファール球の概念がないが、従来の遊技機のように下方から遊技球が発射される場合にはファール球が発生しうる。そのため、下方から遊技球が発射されるタイプの遊技機の場合、ファール球の発生有無によっても、持ち球数の増減が発生する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この第2実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
なお、封入式の遊技機は、遊技者が遊技球に触れることができないように構成されていればよく、例えば、遊技球を島設備で循環させずに当該遊技機のみで循環させるタイプのもの、および、遊技球が島設備を循環するものの遊技者が遊技球に触れることができないタイプのもの等も、封入式の遊技機に含まれる。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。また、主制御回路と遊技媒体管理装置とを直接通信接続するのではなく、主制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けて、枠制御回路を経由して主制御回路と遊技媒体管理装置とを通信接続するようにしてもよい。また、主制御回路とは別に発射制御回路を設け、発射制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けるように構成してもよい。この場合、主制御回路や発射制御回路のエラー制御を枠制御回路で行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる場合、メインCPUは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPUは、可変表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は可変表示中と同様の態様でLED群で構成される特別図柄の可変表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
[4-4.その他の拡張例]
本明細書では、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、本明細書に記載された技術を、例えばパチスロ等、他の遊技機に適用することができる。
本明細書に記載された技術をパチンコ遊技機およびパチスロのいずれに適用した場合であっても、図柄の仮停止を伴う演出については、リールによる仮停止を含んでも良い。なお、図柄の「停止」には本停止と仮停止があり、「停止」の解釈はいずれであってもよい。また、遊技者による遊技を行うための操作には、レバー、ハンドル、ボタンなどの操作、タッチ等、いずれであってもよい。
パチンコ遊技機では、演出ボタンを操作することによって遊技機の管理者が演出等の設定を行う場合があるが、当該演出ボタンによる設定の後、遊技者が遊技を開始するよう運用される場合がある。この場合、結果的に、管理者による操作が、遊技者が遊技を行うための操作となる場合も想定される。同様にパチスロでは、管理者が2ベット遊技を行い、2ベット遊技に応じたBBフラグが成立した状態で、遊技者が3ベット遊技を行う運用を想定する場合がある。この場合、遊技者が2ベット遊技と3ベット遊技とのいずれでも遊技を行うことができるものの、2ベット遊技を遊技機の管理者が行う場合があるため、管理者が行う遊技(例えば、2ベット遊技等)やホールメニューの選択等が、遊技者が遊技を行うための操作であってもよい。
パチンコ遊技機では、メインCPUの制御により右打ちか左打ちかを報知することで遊技者の遊技方法を管理し、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
パチスロでは、遊技者による押し順(アシスト)等、遊技者の遊技方法をメインCPUの制御により管理する場合があるが、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合に、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機では、主制御基板と払出制御基板とが別基板で搭載されているが、1ボードであってもよい。パチスロでは、払出制御基板が存在しない場合があるが、主制御基板で払出が制御されていてもよいし、主制御基板と払出制御基板とに分かれていてもよい。
また、パチスロは、通常、種々の遊技に必要な装置を内部に収納した矩形の筐体、及び筐体に対して開閉可能な扉を備えているが、パチスロにおける筐体を枠としてとらえることが可能である。一方、パチンコにおいては、外枠を筐体ととらえること、外枠及びベースドアを筐体ととらえること、外枠、ベースドア、ガラスドア及び皿ユニットからなる遊技機全体を筐体ととらえること等が可能である。なお、筐体と扉との間や、枠と扉との間に、各種制御基板が設けられたユニット、中枠、中間部などが存在していてもよいし、扉、枠、筐体等に、各種制御基板や表示手段、装飾部、役物等が存在していてもよい。
[5.第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態(第1のパチンコ機~第3のパチンコ機)、第2実施形態(封入式の遊技機)に記載した発明を、以下に説明する第3実施形態に係るパチンコ遊技機に適用することができる。
本発明の第3実施形態に係るパチンコ遊技機の構成が、図108に示されている。この構成は、図6に示す第1のパチンコ機と同様の構成である。例えば、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の主制御回路6200、メインCPU6201、メインROM6202、メインRAM6203、設定キー差込口6174、設定キー6174a、RAMクリアスイッチ6176、電源スイッチ6095は、第1のパチンコ機の主制御回路200、メインCPU201、メインROM202、メインRAM203、設定キー差込口174、設定キー174a、RAMクリアスイッチ176、電源スイッチ95にそれぞれ対応する。したがって、ここでは、第1のパチンコ機と異なる構成、及び、本願の発明に関連する構成について説明を行う。
<メインCPUが有する各種レジスタ>
ここで、図109を参照しながら、メインCPU6201が有する各種レジスタについて説明する。なお、図109は、メインCPU6201に含まれる各種レジスタの概略構成図である。
図109(A)に示すように、メインCPU6201は、メインレジスタとして、拡張レジスタ(Qレジスタ、Uレジスタ)、汎用レジスタ(Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ)、フラグレジスタ(Fレジスタ)、インデックスレジスタ(IXレジスタ、IYレジスタ)、及びスタックポインタ(スタックポインタSP)を有する。
また、メインCPU6201は、サブレジスタとして、拡張レジスタ(Q’レジスタ)、汎用レジスタ(A’レジスタ、B’レジスタ、C’レジスタ、D’レジスタ、E’レジスタ、H’レジスタ、L’レジスタ)、フラグレジスタ(F’レジスタ)、及びインデックスレジスタ(IX’レジスタ、IY’レジスタ)を有する。なお、上述したメインレジスタ、サブレジスタのそれぞれは、1バイトのレジスタで構成される。
また、本実施形態では、BレジスタとCレジスタとをペアレジスタ(BCレジスタ)として用い、DレジスタとEレジスタとをペアレジスタ(DEレジスタ)として用いる。さらに、本実施形態では、HレジスタとLレジスタとをペアレジスタ(HLレジスタ)として用いる。
また、本実施形態では、2つのバンク(バンク0、バンク1)を切り替えて処理を行うように制御することができ、上述したメインレジスタとサブレジスタに関しても、バンク0のメインレジスタ、サブレジスタと、バンク1のメインレジスタ、サブレジスタとが用意され、バンクの切り替えによって、プログラムの命令が利用・参照するレジスタが、バンク0のレジスタ、及びバンク1のレジスタの間で切り替えられる。
なお、本実施形態のプログラムでは、アドレスの上位側のアドレスデータ(アドレス値)がQレジスタに格納される。例えば、メインCPU6201がリセットされると、Qレジスタには、バンク0において利用されるメインRAM6203の先頭アドレス(上位側)「F0」Hがセットされ、バンクを切り替えてバンク1を利用する場合には、バンク1において利用されるメインRAM6203の先頭アドレス(上位側)「F2」HがQレジスタにセットされるように制御(処理)してもよい。
また、上位側のアドレスデータとしてQレジスタを使用する場合以外にも、Qレジスタ以外のレジスタ(例えば、Hレジスタ)に、メインRAM6203の先頭アドレス(上位側)「F0」Hをセットし、Qレジスタ以外のレジスタ(例えば、Dレジスタ)に、メインRAM6203の先頭アドレス(上位側)「F2」Hがセットされるように制御(処理)してもよい。
特に、メインRAM6203の遊技用エリアと領域外エリアを参照する場合に、遊技用エリアの上位側のアドレスを参照する場合はQレジスタ(特定のレジスタ)を使用する命令を使用して参照し、領域外エリアの上位側のアドレスを参照する場合はQレジスタ以外のレジスタを使用する命令を使用して参照するように制御してもよく、このとき、バンク1に切り替える前、または切り替えた後に、Qレジスタ以外のレジスタに先頭アドレス(上位側)「F2」Hが設定されるように制御(処理)してもよい。
なお、本実施形態のプログラムにおいて、メインRAM6203の遊技用エリアと領域外エリアを参照、及び書き込みを行う制御(処理)の過多に応じて、QレジスタにセットするメインRAM6203の先頭アドレス(上位側)を「F0」H、または「F2」Hをセットすることが望ましい。
例えば、メインRAM6203の先頭アドレス(上位側)が「F0」Hのエリアを参照、及び書き込みを行う処理回数が多い場合であれば、Qレジスタに「F0」Hをセットし、また、メインRAM6203の先頭アドレス(上位側)が「F2」Hのエリアを参照、及び書き込みを行う処理回数が多い場合であれば、Qレジスタに「F2」Hをセットする。
さらに、本実施形態では、1バイトのレジスタで構成された、インタラプトページアドレスレジスタ(Iレジスタ)、メモリリフレッシュレジスタ(Rレジスタ)、プログラムカウンタ(PC)、割込み許可レジスタ1、及び割込み許可レジスタ2を、制御レジスタとして有する。
また、図109(B)に示すように、フラグレジスタのFレジスタ、F′レジスタのそれぞれには、各ビットに演算処理の結果等を示す所定のフラグ情報がセットされる。例えばビット6(D6)には、演算結果の判定処理において演算結果が「0」であるか否かを示すデータ(ゼロ・フラグ)がセットされる。具体的には、演算結果が「0」である場合、ビット6にデータ「1」がセットされ、演算結果が「0」でない場合には、ビット6にデータ「0」がセットされる。そして、演算結果の判定処理では、メインCPU6201は、ビット6のデータ「0」/「1」を参照して演算結果の判定を行う。
また、フラグレジスタのビット2(D2)には、パリティフラグ、またはオーバーフローフラグがセットされる。例えば、パリティフラグとして利用される場合、論理演算を実行した際に、演算結果が格納されるディスティネーション内のビット「1」の数をカウントし、合計が奇数であれば「0」をセットし、偶数であれば「1」をセットする。また、オーバーフローフラグとして利用される場合、符号付き算術演算を実行した際に、オーバーフローとなったときにオーバーフローフラグがセットされる。
また、所定の命令によって、フラグレジスタの各ビット(例えば、ビット2)に、他のレジスタの値をセットするように制御することもできる。
<メインROM及びメインRAMの内部構成(メモリマップ)>
次に、図110を参照しながら、主制御回路6200(マイクロプロセッサ)に含まれるメインROM6202及びメインRAM6203の内部構成(以下「メモリマップ」という)について説明する。なお、図110(A)が、メモリ全体のメモリマップを示しており、図110(B)が、当該メモリ全体の内蔵ROMの構成を示しており、図110(C)が、当該メモリ全体の内蔵RAMの構成を示している。図110(A)の内蔵ROMは、例えば、図108のメインROM6202に対応し、図110(A)の内蔵RAMは、図108のメインRAM6203に対応する。
主制御回路200が備えるメモリ全体のメモリマップでは、図110(A)に示すように、アドレスの先頭(例えば、「0000」H)から、メインROM6202のメモリ領域、メインRAM6203のメモリ領域、機能レジスタのエリアが、未使用領域を間に挟んでこの順で配置される。ここで、機能レジスタは、各周辺機能の動作設定のために用いられる第1のレジスタと、モニタや制御のための第2のレジスタからなる2種類の内蔵レジスタを含む。
メインROM6202のメモリマップでは、図110(B)に示すように、メインROM6202のアドレスの先頭(「0000」H)側から、遊技用エリア(すなわち、プログラムエリア(遊技用エリア)、及びデータエリア(遊技用エリア))、領域外エリア、及び、その他のエリアが、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。また、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、この例では、16バイトの未使用領域が設けられている。
なお、プログラムエリア(遊技用エリア)には、遊技の進行及び遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU6201により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリア(遊技用エリア)には、遊技の進行及び遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU6201により使用される各種データ(例えば、大当り抽選データテーブル等のデータテーブル、副制御回路6300に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。
すなわち、プログラムエリア(遊技用エリア)とデータエリア(遊技用エリア)とからなる遊技用エリアには、遊技店で遊技者が実際に行う遊技に関連する制御処理(遊技性に関する処理)に必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、領域外エリアには、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理)の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、パチンコ遊技機6001の検定試験(試射試験)で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電断復帰時(電源復帰時)のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が格納される。
メインRAM6203のメモリマップでは、図110(C)に示すように、メインRAM6203のアドレスの先頭(「F000」H)から、遊技用エリア(すなわち、作業領域(遊技用エリア)、及びスタックエリア(遊技用エリア))、領域外エリア(すなわち、作業領域(領域外エリア))、及びスタックエリア(領域外エリア)が、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。また、メインROM6202と同様に、遊技用エリアと領域外エリアの間に、所定サイズの未使用領域があってもよく、この例では、16バイトの未使用領域が設けられている。
作業領域(遊技用エリア)、及びスタックエリア(遊技用エリア)には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に関連する制御プログラムの実行により決定された各種データ(各種乱数値、大当り判定結果等)が一時的に格納される。
また、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)は、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理の作業領域である。本実施形態では、この作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を使用して、例えばサムチェック処理等の遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理が実行される。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、メインROM6202内において、遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(テーブル)を、遊技用エリアとは異なるアドレスに配置された領域外エリアに格納する。また、そのような遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理は、メインRAM6203内において、遊技用エリアとは異なるアドレスに配置された領域外エリアを使用して行われる。
このようなメインROM6202の構成では、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを領域外エリアに配置することができ、そのために、遊技用エリアの容量の圧迫を回避することができる。
また、本実施形態では、上述のように、バンクの切り替えを行うことによって、バンク0に係る処理とバンク1に係る処理を切り替えることができるが、ここで、バンク0に係る処理は、メインROM6202の遊技用エリアに記憶されているプログラムとデータを用いて、メインRAM6203の遊技用エリアを一時的に利用しながら、遊技者により実施される遊技の動作を制御するための演算処理を行う。すなわち、バンク0に係る処理は、遊技用エリアに係る処理ということもできる。また、このときに用いられるメインレジスタとサブレジスタは、図109で説明した、バンク0のレジスタである。
一方、バンク1に係る処理は、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムとデータを用いて、メインRAM6203の領域外エリアを一時的に利用しながら、遊技者により実施される遊技に直接関係しない処理(遊技以外の処理を行うための演算処理)を行う。すなわち、バンク1に係る処理は、領域外エリアに係る処理ということもできる。また、このときに用いられるメインレジスタとサブレジスタは、図109で説明した、バンク1のレジスタである。
なお、バンク0に係る処理(遊技用エリアに係る処理)は、メインROM6202のプログラムエリア(遊技用エリア)に記憶されているプログラムによって起動され、その処理において、メインROM6202のデータエリア(遊技用エリア)に記憶されているデータを参照し、さらに、メインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)を利用してデータの参照・更新を行うが、メインRAM6203の作業領域(領域外エリア)に記憶されたデータの参照を行うこともある。
同様に、バンク1に係る処理(領域外エリアに係る処理)は、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムによって起動され、その処理において、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているデータを参照し、さらに、メインRAM6203の作業領域(領域外エリア)を利用してデータの参照・更新を行うが、メインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)に記憶されたデータの参照を行うこともある。
バンク0の処理からバンク1の処理に切り替えるには、例えば、所定のサブプログラムを特定の呼び出し命令によりコールすることによって行われ、バンク1の処理からバンク0の処理に戻るには、例えば、上述した特定の呼び出し命令でコールされた所定のサブプログラムにおいて特定のリターン命令をコールすることによって行われる。
なお、本実施形態では、図110(C)に示すように、メインRAM6203において、アドレス「F000」Hから始まる1つの領域を作業領域(遊技用エリア)として用いたが、このような形態は例示に過ぎず、本発明がこのような実施例に限定されるものではない。例えば、「F000」Hから始める領域を第1作業領域(遊技用エリア)とし、「F100」Hから始める領域を第2作業領域(遊技用エリア)とするなど、作業領域を、特定の処理単位で複数に分割して用いるようにすることもできる。
また、図110は、メモリ内の領域を模式的に示したものであり、本発明の構成が、例示したアドレスや、各領域の見た目のサイズ(容量)等に限定されるものではない。
<割込み許可レジスタ>
ここで、図109に示した割込み許可レジスタ1、及び割込み許可レジスタ2について、より詳細に説明する。
割込み許可レジスタ1は、その値によって、割込み要因マスクによって、特定の割込み要因について割込み処理を行わないように制御可能なマスカブル割込みの許可/禁止が決定され、割込み許可レジスタ2は、特定の割込み要因について割込み処理を行わないように制御できないノンマスカブル割込み処理後に割込み許可レジスタ1の値を復帰させるために利用される。
また、割込み許可レジスタ2に関しては、上記のような、ノンマスカブル割込み処理からの復帰以外に、領域外エリアに係る処理の呼び出し命令(以降、「領域外エリア処理呼出命令」と称する)を実行した後に、領域外エリアに係る処理から遊技用エリアに係る処理に復帰する命令(以降、「遊技用エリア処理復帰命令」とする)がされた場合に、それまで割込み許可レジスタ2に格納されていた値が、割込み許可レジスタ1にコピーされる(割込み許可レジスタ2の値を割込み許可レジスタ1に復帰させる)。
また、ノンマスカブル割込みを受け付けた場合、または、領域外エリア処理呼出命令実行時には、割込み許可レジスタ1の値がクリアされ(値は「0」になる)、結果的に、その値が維持される間、マスカブル割込みが禁止される。
さらに、割込み許可レジスタ2の値は、所定の命令により、フラグレジスタ(Fレジスタ)のパリティ/オーバーフロー・フラグに格納され、割込み許可レジスタ2の値を参照したり、一時的に退避したりすることができる。
また、割込み許可命令を実行すると、割込み許可レジスタ1の値は、割込み許可を表す値「1」となり、同時に割込み許可レジスタ2の値も、割込み許可を表す値「1」となる。このように、割込み許可命令が実行されると、マスカブル割込みが許可される。また、割込み禁止命令を実行すると、割込み許可レジスタ1の値は、割込み禁止を表す値「0」となり、同時に割込み許可レジスタ2の値も、割込み禁止を表す値「0」となる。
<メインRAMの遊技用エリアと領域外エリアに関するクリア処理>
次に、図111、図112を参照して、メインRAM6203のクリア処理の概要について説明する。当該クリア処理におけるメインRAM6203のクリア範囲は、起動状態に応じて判定され、その起動状態は、電源投入時の設定キー6174a、及びRAMクリアスイッチ6176の操作等に基づいて決定される。この処理は、後述する起動状態チェック処理(図118)において詳細に説明する。
起動時におけるメインRAM6203のクリア範囲は、図111(A)に示す起動状態に応じて判定される。この起動状態は、図111(A)に示すように、メインRAM6203に異常があるか否か(図111(A)の「メインRAM異常」の欄)、パチンコ遊技機の電源投入時の操作(図111(A)の「電源投入時の操作」の欄)、及び前回の電断時に設定変更が行われていたか否か(図111(A)の「設定変更中電断復帰」の欄)に基づいた複数のパターンにより決定される。メインRAM6203に異常があるか否かについては、メインRAM6203の指定領域について、電源投入前と電源投入後でCRCを算出し、算出されたCRC値の照合を行い、両者の値が異なる場合に、メインRAM6203に異常があるものと判断する。
図111(A)の第1のパターン(NO.1)は、メインRAM6203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「A」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。ここで、パチンコ遊技機の電源投入時の操作は、「A」~「D」で表され、これらは、図111(B)に示す、パチンコ遊技機の電源投入時の操作のパターン「A」~「D」に対応する。
図111(B)のパターン「A」は、電源が投入されていない状態で、設定キー6174aをオン操作せず(すなわち、オフ状態のまま)、RAMクリアスイッチ6176のオン操作せずに(すなわち、オフ状態のまま)、電源スイッチ6095のオン操作を行う操作である。この操作は、通常の営業開始時の状態でもあり、また、電圧降下等のトラブルや、瞬断などによって再立ち上げがされるような状況でも考えられる。
パターン「B」は、電源が投入されていない状態で、設定キー6174aをオン操作し(例えば、設定キー差込口6174に差し込み、所定方向に回す)、RAMクリアスイッチ6176のオン操作せずに(オフのままとして)、電源スイッチ6095のオン操作を行う操作である。この操作は、通常、設定確認処理を行うために行われる操作である。
パターン「C」は、電源が投入されていない状態で、設定キー6174aをオン操作せず、RAMクリアスイッチ6176のオン操作をして、電源スイッチ6095のオン操作を行う操作である。この操作は、通常、メインRAM6203のクリアを行うために行われる操作である。
パターン「D」は、電源が投入されていない状態で、設定キー6174aをオン操作し、RAMクリアスイッチ6176のオン操作、及び電源スイッチ6095のオン操作の両方を行う操作である。この操作は、通常、設定変更を行うために行われる操作である。
上記のように、電源投入時の操作は、パターン「A」~「D」のいずれか1つであり、図111(A)の第1のパターンの場合は、パターン「A」の欄に「○」が配置されてパターン「A」の操作が行われていることが表されており、その他のパターン「B」~「D」はX印となっている。
図111(A)の第1のパターンの場合、起動状態は「電断復帰」と判定され、クリア範囲は電断復帰時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が電断復帰時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU6201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、電断復帰に応じた処理を行う。
図111(A)の第2のパターン(NO.2)は、メインRAM6203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「B」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。
図111(A)の第2のパターンの場合、起動状態は「設定確認」と判定され、クリア範囲は電断復帰時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が電断復帰時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU6201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定確認の処理を行う。
図111(A)の第3のパターン(NO.3)は、メインRAM6203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「C」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。
図111(A)の第3のパターンの場合、起動状態は「RAMクリア」と判定され、クリア範囲は設定変更時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が設定変更時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU6201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、電断復帰に応じた処理を行う。
図111(A)の第4のパターン(NO.4)は、メインRAM6203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「D」であり、設定変更中の電断復帰でない(X印で示されている)パターンである。
図111(A)の第4のパターンの場合、起動状態は「設定変更」と判定され、クリア範囲は設定変更時RAMクリア範囲となる。本願では、このようにクリア範囲が設定変更時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU6201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定変更の処理を行う。
図111(A)の第5のパターン(NO.5)は、メインRAM6203に異常がなく、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「A」~「D」のどれでもよい「ANY」であり、設定変更中の電断復帰がある(○印で示されている)パターンである。
図111(A)の第5のパターンの場合、起動状態は「設定変更」と判定され、クリア範囲は設定変更時RAMクリア範囲となる。このように、設定変更中の電断復帰である場合は、メインRAM6203に異常がない限り、パチンコ遊技機の電源投入時の操作がどのようなものであっても、クリア範囲に設定変更時RAMクリア範囲が設定されることになる。このパターンでは、電断前の設定キー6174a、RAMクリアスイッチ6176の操作を表す状態情報がセットされ、電源投入後に、電断前の設定キー6174a、RAMクリアスイッチ6176の操作が再現される。
このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が設定変更時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU6201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定変更の処理を行う。
図111(A)の第6のパターン(NO.6)は、メインRAM6203に異常があり、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「D」である場合のクリア範囲を示している。また、このパターンでは、設定変更中の電断復帰であるか否かについては、どちらでも良いことを表す「ANY」で示されている。
図111(A)の第6のパターンの場合、起動状態は「RAM異常1」と判定され、クリア範囲は異常時RAMクリア範囲となる。このクリア範囲については、図112を参照して後で説明する。本願では、このようにクリア範囲が異常時RAMクリア範囲に設定された後、メインCPU6201は、当該クリア範囲をクリアし、その後、設定変更の処理を行う。
図111(A)の第7のパターン(NO.7)は、メインRAM6203に異常があり、パチンコ遊技機の電源投入時の操作が「D」以外のいずれかである場合のクリア範囲を示している。また、このパターンでは、第6のパターンと同様に、設定変更中の電断復帰であるか否かについては、どちらでも良いことを表す「ANY」で示されている。
図111(A)の第7のパターンの場合、起動状態は「RAM異常2」と判定され、クリア範囲としては、異常時RAMクリア範囲が設定されるが、最終的には、遊技復帰不可能エラー処理が行われ、遊技停止となる。
なお、図111(A)に示す起動状態は、パチンコ遊技機の電源が投入されたときのステータスを識別することを目的としており、この起動状態に応じてメインRAM6203のクリア範囲が判定される。ここで、電断復帰時に設定されるクリア範囲とは、起動状態が電断復帰である場合に設定されるクリア範囲(すなわち、「電断復帰時RAMクリア範囲」)であり、設定変更時に設定されるクリア範囲とは、起動状態が設定変更である場合に設定されるクリア範囲(すなわち、「設定変更時RAMクリア範囲」)である。
なお、パチンコ遊技機の電源が投入されたときに、メインCPU6101が、電断復帰の処理を行うことになったとしても、クリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定されるとは限らない。例えば、図111(A)の第1のパターンでは、クリア範囲として「電断復帰時RAMクリア範囲」が設定され、そのクリア範囲がクリアされた後、電断復帰の処理を行うが、第3のパターンでは、クリア範囲として「設定変更時RAMクリア範囲」が設定されるが、そのクリア範囲がクリアされた後、電断復帰の処理が行われる。
また、「異常時RAMクリア範囲」、「設定変更時RAMクリア範囲」、「電断復帰時RAMクリア範囲」はそれぞれ、後述の図112に示すようなクリア範囲とすることができるが、これらのクリア範囲の少なくとも2つを、同じクリア範囲とするように設計することも可能である。
次に、図112を参照して、それぞれのクリア範囲の概要について説明する。
図112(A)には、異常時RAMクリア範囲の例が示されている。本実施形態では、メインRAM6203の遊技用エリアについての異常時RAMクリア範囲は、先頭のアドレス(「F000」H)からスタックエリア(遊技用エリア)の途中までである。メインRAMが異常であると判定されているので、作業領域はすべてクリアする。また、スタックエリアは、アドレス「F200」Hからアドレス値の小さい方向に順に用いられるため、ここでは、使用中のスタックエリアを保護するために、アドレス「F1FC」Hまでをクリアし、スタックエリアのすべてをクリアしないようにしている。スタックエリアには、例えば、呼び出されたプログラムの戻り番地を記憶している領域があり、この部分をクリア対象にしないことで、当該戻り番地を保護している。
メインRAM6203の領域外エリアについての異常時RAMクリア範囲は、先頭のアドレス(「F210」H)からスタックエリア(領域外エリア)の前までである。すなわち、作業領域(領域外エリア)のすべてがクリアされる。なお、この例では、上述のように、16バイトの未使用領域を設けているため、領域外エリアの先頭アドレスは、遊技用エリアの最終アドレスに16バイトを加算した「F210」Hとなる(図112(B)、図112(C)の領域外エリアについても同様)。また、このような、メインRAM6203の領域外エリアのクリア範囲については、メインRAM6203の遊技用エリアについての異常時RAMクリア範囲の先頭のアドレス(「F000」H)の下位1バイト(すなわち、「00」H)に基づいて判断している。
図112(B)には、設定変更時RAMクリア範囲の例が示されている。本実施形態では、メインRAM6203の遊技用エリアについての設定変更時RAMクリア範囲は、アドレス(「F003」H)からスタックエリア(遊技用エリア)の途中までである。設定変更時と判定されているので、作業領域は、先頭アドレス(「F000」H)から3バイト分確保されている設定変更に係る設定値をクリアしないようにしている。また、スタックエリアは、アドレス「F200」Hからアドレス値の小さい方向に順に用いられるため、ここでは、使用中のスタックエリアを保護するために、アドレス「F1FC」Hまでをクリアし、スタックエリアのすべてをクリアしないようにしている。スタックエリアには、例えば、呼び出されたプログラムの戻り番地を記憶している領域があり、この部分をクリア対象にしないことで、当該戻り番地を保護している。
メインRAM6203の領域外エリアについての設定変更時RAMクリア範囲は、アドレス(「F232」H)からスタックエリア(領域外エリア)の前までである。作業領域(領域外エリア)では、性能表示等に関するデータがクリアされずに残される。このような、メインRAM6203の領域外エリアのクリア範囲については、メインRAM6203の遊技用エリアについての設定登録時RAMクリア範囲の先頭のアドレス(「F003」H)の下位1バイト(すなわち、「03」H)に基づいて判断している。
図112(C)には、電断復帰時RAMクリア範囲の例が示されている。本実施形態では、メインRAM6203の遊技用エリアについての電断復帰時RAMクリア範囲は、アドレス(「F07B」H)から9バイト分をクリアする。電断復帰時と判定されているので、作業領域の大部分、及びスタックエリアの全部は、電断前の遊技状態等を保持するために、クリアされずに残される。クリアされる部分は、例えば、遊技異常検知フラグ等のデータである。なお、電断復帰時RAMクリア範囲に関しては、スタックエリアはクリア対象でないため、上述した、異常時RAMクリア範囲や、設定変更RAMクリア範囲のように、意識的にスタックエリアの一部を残しておいて、プログラムの戻り番地を確保しようとする処理を行わないように制御することが可能である。
メインRAM6203の領域外エリアについての電断復帰時RAMクリア範囲は、アドレス(「F232」H)からスタックエリア(領域外エリア)の前までである。作業領域(領域外エリア)では、性能表示等に関するデータがクリアされずに残される。このような、メインRAM6203の領域外エリアのクリア範囲については、メインRAM6203の遊技用エリアについての設定登録時RAMクリア範囲の先頭のアドレス(「F07B」H)の下位1バイト(すなわち、「7B」H)に基づいて判断している。
以上のように、それぞれのクリア範囲を決定する場合、メインRAM6203の領域外エリアについては、対応する遊技用エリアのクリア範囲のうち、先頭アドレスの下位1バイトに基づいて決定しており、新たに、各条件を参照してどのクリア範囲か判断する処理を省略している。また、遊技用エリアのクリア範囲の先頭アドレスの下位1バイトが、各クリア範囲で異なるように意図的に設定されているため、当該下位1バイトによって、メインRAM6203の領域外エリアのクリア範囲を決定することができる。
上記のように、本願では、遊技用の領域(遊技用エリア)のクリア範囲に応じて、遊技用以外の領域(領域外エリア)のクリア範囲を設定することができ、この場合、遊技用の領域のクリア範囲は、遊技用の領域のクリア範囲を指定する情報であって、例えば、遊技用の領域のクリア範囲の先頭アドレスの下位1バイトである。
なお、図112で用いたアドレス値は例示のためのものであり、メインRAM6203における各エリアの配置やサイズ、各クリア範囲を様々に設定することができる。
図112に示すような、遊技用エリアと領域外エリアのクリア処理は、遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC値の照合結果に基づいて、パチンコ遊技機の起動時に同期して(概ね同タイミングで)行われる。すなわち、(後で詳細に説明するが)図119に示す指定範囲クリア処理において図120の領域外指定領域クリア処理が呼び出され、そこで、領域外エリアのクリア処理が行われ、その後すぐに、指定範囲クリア処理に戻り、遊技用エリアのクリア処理が行われる。
<電断検知に係る外部割込み処理>
次に、本実施形態における、電断を検知した際の外部マスカブル割込み処理の概要について、図113を参照して説明する。
メインCPU6201は、本発明の第3実施形態に係るパチンコ遊技機のパラレル入力ポートを経由して、外部端子(XINT端子)からの割込み要求信号を受信すると、この外部端子に対応付けられた設定領域のエントリアドレスを開始アドレスとするプログラムを開始する。このプログラムは、後述する図131の外部マスカブル割込み処理である。また、この設定領域には、割込み処理の優先順位を示すデータが含まれる。例えば、設定領域の上位ビット側にエントリアドレスが記憶され、下位ビット側に優先順位を示すデータが記憶され、エントリアドレスと優先順位を示すデータとの間には、少なくとも1ビットの「0」が配置される。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機のタイマカウンタ(例えば、タイマカウンタPTC2)からタイマ割込みの信号を受信すると、このタイマカウンタに対応付けられた設定領域のエントリアドレスを開始アドレスとするプログラムを開始する。このプログラムは、後述する図132のシステムタイマ割込み処理である。また、この設定領域には、割込み処理の優先順位を示すデータが含まれる。例えば、設定領域の上位ビット側にエントリアドレスが記憶され、下位ビット側に優先順位を示すデータが記憶され、エントリアドレスと優先順位を示すデータとの間には、少なくとも1ビットの「0」が配置される。
このように、外部端子(XINT端子)からの外部割込みや、タイマカウンタからのタイマ割込みといった割込み要因ごとに、上述した設定領域が設けられ、その対応する設定領域に記憶されたデータによって、割込みに応じて実行される処理プログラムのエントリアドレス、及び割込みの優先順位が規定される。
上述した外部マスカブル割込み処理が開始されると、メインCPU6201は、入力ポートの所定のアドレスをチェックして、電断信号を受信したか否かを判定する。この処理は、割込み要因が電断であるか否かを判定する処理であり、電断信号を受信した場合、図113(A)に示すような割込み要因マスクで割込みマスクレジスタを更新し、所定の割込み要因をマスクする。
ここで、割込みマスクレジスタには、図113(A)に示す割込み要因マスクにより、電源投入後の初期設定において、例えば、タイマカウンタを割込みの要因とする割込み(タイマカウンタ割込み)と、電断を割込みの要因とする割込み(電断割込み)とを受け付けるように、対応するビット(例えば、ビット0~7において、ビット位置2とビット位置3)に「0」がセットされている。そして、上記の外部マスカブル割込み処理では、電断が生じた時点で、割込みマスクレジスタに対し、ビット位置2とビット位置3に、それぞれ「1」をセットする。
このように、割込みマスクレジスタのビット位置2と、ビット位置3に、それぞれ「1」をセットすると、これ以降、メインCPU6201は、タイマカウンタ割込みと電断割込みを受け付けないように制御される(すなわち、図131の外部マスカブル割込み処理と、図132のシステムタイマ割込み処理が新たに開始されないように制御される)。
次に、外部マスカブル割込み処理では、XINT検知フラグをセットし、電断が発生しているというステータスをセットする。その後、後述する主制御メイン処理で呼び出される電断判定処理(図115のステップS6015、図124)において、このXINT検知フラグの内容を参照して、電断が発生しているか否かを判定し、電断が発生していれば、電断設定処理を実行する。
図113(B)には、主制御回路6200がプログラムを実行するのに必要な情報を格納するプログラム管理エリアに記憶される割込み初期設定データが示されている。このデータには、割込み優先順の設定値が記憶されている。
図113(C)には、設定値が「01」の場合の、割込要因ごとの優先順位が示されている。図113(B)に示したように、割込み優先順位の設定値がビット「01」である場合、タイマカウンタ割込(タイマカウンタPTC2の割込み)のほうが、電断割込(XINT端子からの信号による割込み)より割込の優先順位が高くなるように設定される。なお、この優先順位は、設定値を変えれば、それに応じて変更されるようになっている。また、本実施形態では、この優先順位の設定内容をプログラムで規定する必要はない。
また、図113(A)の割込みマスクレジスタは、各ビットがそれぞれ割込み要因に対応付けられるが、ここでは、ビット位置0からビット位置5に向かって、図113(C)に示す割込み要因が、優先順いの高い順に対応付けられている。すなわち、割込みマスクレジスタのビット位置0には、タイマカウンタPTC0の割込みが対応付けられ、ビット位置1には、タイマカウンタPTC1の割込みが対応付けられ、ビット位置2には、タイマカウンタPTC2の割込みが対応付けられ、ビット位置3には、外部端子(XINT端子)からの外部割込みが対応付けられ、ビット位置4には、非同期シリアル送受信0による割込みが対応付けられ、ビット位置5には、非同期シリアル送受信1による割込みが対応付けられる。なお、ビット位置7とビット位置6は未使用である。
上記のように、本実施形態では、タイマカウンタ割込みと電断割込みの発生を前提としているが、上記のように、少なくとも、複数のタイマカウンタによる割込み、複数の非同期シリアル送受信による割込み、及びXINT端子から入力する外部からの割込みに関する要因に対応することができる。
このような、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、当該他の割込みを想定した処理のために分岐命令を記載しなくて済み、結果的に、プログラムの構成が簡潔になるとともに、サイズを小さくすることができる。
また、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、電断の検知後、早急に電断に係る処理を実行することができ、また、当該他の割込みによる処理との実行タイミングや処理順を考慮する必要がなくなる。
このように、割込みマスクレジスタに「1」をセットするビット位置によって、割込み要因ごとに発生の検知を行うか否かを調整することができるため、例えば、電断の検知により外部マスカブル割込み処理が実行された後に、特定の割込み要因に係る割込み処理については、その処理を許容するように制御することも可能である。
[主制御メイン処理]
次に、図114~図116を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図114~図116は、主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、バンク0の処理を開始し、電断信号ビットが「0」であるか否かを判定する(ステップS6001)。ステップS6001において、メインCPU6201が、電断信号ビットが「0」であると判定した場合(ステップS6001がYES判定の場合)、メインCPU6201は、電断を検知中であるとして、ステップS6001の判定処理を繰り返す。
ステップS6001において、メインCPU6201が、電断信号ビットが「0」でないと判定した場合(ステップS6001がNO判定の場合)、メインCPU6201は、電断検知中でないとして、ステップS6002に進む。
次に、メインCPU6201は、ステップS6002において、遊技用エリアに係る(バンク0の)スタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタSPに、図110(C)に示したスタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、バンク0でスタックが用いられる場合は、スタックポインタSPから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(遊技用エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用していく。
次に、ステップS6003において、内蔵レジスタの初期設定を行う。ここでは、例えば、内蔵レジスタ初期設定データテーブルを参照して、内蔵レジスタの初期設定を行う。また、Qレジスタに、バンク0において利用されるメインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)の先頭アドレス(上位側)「F0」Hがセットされる。
その後、ステップS6004において、(例えば、Eレジスタに)起動時のRAMクリアスイッチ6176の状態情報と、設定キー差込口6174に差し込まれる設定キー6174aの状態情報を格納し、それらの状態を、後の起動状態チェック処理で確認できるようにしている。
次いで、メインCPU6201は、ウェイト処理を行う(ステップS6005)。この処理では、メインCPU6201は、副制御回路6300側の起動待ち処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)はおよそ12000msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU6201は、割込み要求信号(XINT)の発生チェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。この処理は、タイムアウトレジスタを用いて行われる。また、割込み禁止中も、例えば、タイマカウンタPTC2のタイマカウントの更新を行うように制御し、PTC2のタイムアウトが発生したか否かを、PTC2タイムアウトフラグレジスタを用いて1命令で判定し、処理を分岐させることで、擬似的に、タイマ割込みが行われたか否かに応じて処理が分岐するような制御を行うことも可能である。
次いで、メインCPU6201は、RAMアクセス設定を行う(ステップS6006)。この処理で、メインCPU6201は、メインRAM6203へのアクセス許可コマンドを、対応するレジスタに送信する。
次に、メインCPU6201は、指定領域CRC検査処理を行う(ステップS6007)。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)を行う。メインCPU6201はそこで、メインRAM6203の遊技用エリアと領域外エリアに関するCRC検査を行い、その処理が終了すると、遊技用エリア処理復帰命令でリターンすることにより、以降の処理が、バンク0に係る処理(遊技用エリアの処理)を行うことになる。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
なお、CRC検査は、例えば、指定された領域のデータについて、予め定めておいた特定の値で割り、その余りを、異常があるか否かのチェック用の値として使用するものである。異なる時点でこのチェック用の値を算出し、それらが一致しない場合、当該指定された領域のデータに関して、変動があった(データの位置や値に異常があった)と判断することができる。
次に、ステップS6008において、メインCPU6201は、起動状態チェック処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、CRCチェック結果と電源投入時の所定キーの操作等に基づいて、メインRAM6203のクリア範囲を決定する。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS6009において、メインCPU6201は、指定範囲クリア処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、メインRAM6203の遊技用エリア、及び領域外エリアについて、指定範囲のクリアを行う。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS6010において、メインCPU6201は、(例えば、HLレジスタに)メインRAM6203の領域外エリアに記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットし、このHLレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを作業領域に格納する。
次いで、ステップS6011において、メインCPU6201は、ステップS6010でセットされた電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを用いて、格納対象領域に電源投入時初期化用データテーブルのデータをセットする。また、この処理では、開始時点で割込み禁止の設定がされ、終了時点で、当該処理の開始時点における割込み禁止/許可状態が復元される。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次いで、ステップS6012において、メインCPU6201は、設定変更確認処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、設定キー6174aが設定キー差込口6174に差し込まれて「オン」の状態となっている場合に、設定更新や設定変更の処理を行うように制御する。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS6013において、メインCPU6201は、遊技復帰処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、遊技機の電源投入(起動時)の際に、RAMクリアスイッチ6176が「オン」であるか否かを判定し、「オン」でなければ、電断復帰時であると判断して、遊技の復帰を行うために、電断復帰時の初期設定処理を行い、「オン」であれば、RAMクリア(バックアップクリア)が指定されたと判断して、遊技の復帰を行うために、バックアップクリア時の初期設定処理を行う。
次に、ステップS6014において、メインCPU6201は、割込み禁止処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが禁止される。またここで、上述したように、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「0」にセットされる。
この処理では、メインCPU6201は、割込み禁止命令を実行し、その結果、割込み許可レジスタ1の値は「0」となり、割込み許可レジスタ2の値も「0」となる。このように、割込み禁止命令が実行されると(割込み許可レジスタ1の値が「0」の間)、マスカブル割込みは禁止される。
次に、ステップS6015において、メインCPU6201は、電断判定処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、電断が検知されたか否か(すなわち、XINTが検知されたか否か)を判定し、電断が検知された場合は、電断設定処理を行う。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS6016において、メインCPU6201は、初期乱数値更新処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、特別図柄判定用初期値乱数の更新処理を行う。
この後、ステップS6017において、メインCPU6201は、性能表示モニタ集計除算処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)となる。メインCPU6201は、各種ベース値を算出・更新し、各処理は、メインRAM6203作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、ステップS6018において、メインCPU6201は、割込み許可処理を行う。この処理によって、マスカブル割込みが許可される。またここで、上述したように、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が共に「1」にセットされる。
次に、ステップS6019において、メインCPU6201は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する。具体的には、メインCPU6201は、メインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)の割込みカウンタ領域に格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、システムタイマ割込み処理毎に1加算され(図133のステップS6402参照)、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、ステップS6019の判定は「YES」となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合、ステップS6019の判定は「NO」となる。
ステップS6019において、メインCPU6201が、システム周期時間が経過していないと判定した場合(ステップS6019がNO判定の場合)、メインCPU6201は、処理をステップS6014の処理に戻し、ステップS6014以降の処理を行う。
一方、ステップS6019において、メインCPU6201が、システム周期時間が経過したと判定した場合(ステップS6019がYES判定の場合)、メインCPU6201は、ステップS6020において、タイマカウンタ更新処理を行う。この処理は、割込みカウンタ領域に格納された値(割込みカウンタの値)から1減算する処理を3回行うものである。この処理により、主制御メイン処理内の割込み禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる(「0」になる)。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS6014~ステップS6018の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
次いで、メインCPU6201は、主制御コマンド送受信処理を行う(ステップS6021)。この処理では、メインCPU6201は、主に、払出制御のコマンド送受信処理を行う。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次いで、メインCPU6201は、特別図柄制御処理を行う(ステップS6022)。この処理では、メインCPU6201は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理については、図26等を参照して説明した処理と同様のものである。
次いで、メインCPU6201は、普通図柄制御処理を行う(ステップS6023)。この処理では、メインCPU6201は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理については、図43等を参照して説明した処理と同様のものである。
次いで、メインCPU6201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う(ステップS6024)。この処理では、メインCPU6201は、第1特別図柄表示LED、第2特別図柄表示LED、普通図柄表示LED、保留表示LED等に出力する表示データの設定処理を行う。
次いで、メインCPU6201は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS6025)。この処理では、メインCPU6201は、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理等を行う。その後、ステップS6026において、メインCPU6201は、試射試験信号の生成処理を行う。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM6203の作業領域(領域外エリア)を使用して行われる。
次いで、メインCPU6201は、ポート出力処理を行う(ステップS6027)。この処理では、メインCPU6201は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理、WDTの出力処理を行う。
次いで、メインCPU6201は、状態監視処理を行う(ステップS6028)。この処理では、メインCPU6201は、発射位置判定処理(発射位置に変化があれば、発射位置コマンドの送信予約処理を行う)、遊技異常検知判定処理(異常があれば、遊技異常検知コマンドの送信予約処理を行う)、払出異常検知判定処理(異常があれば、払出異常検知コマンドの送信予約処理を行う)を行う。
そして、ステップS6028の処理後、メインCPU6201は、処理をステップS6014の処理に戻し、ステップS6014以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、起動後、ウェイト処理(ステップS6005)の実行前に、RAMクリアスイッチ6176の状態情報、及び、設定キー6174aの状態情報の退避する(ステップS6004)。このような処理を設けた場合、例えばウェイト期間中に設定キー差込口6174に対し設定キー6174aの操作が行われても(オン/オフされても)、電源投入時におけるこれらの状態情報を確保しておくことができるので、本実施形態では、起動時のRAMクリアスイッチ6176の操作状況、及び設定キー6174aの操作状況を、より確実に把握して、遊技機に対する操作を正確に識別することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(ステップS6020以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(ステップS6014~ステップS6018の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(ステップS6015)、初期値乱数更新処理(ステップS6016)、性能表示モニタ集計除算処理(ステップS6017)等が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技の出玉性能等に影響を与える値や遊技全体を通じて集計される値の管理処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路6200で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6200の処理負荷を軽減することができる。
[指定領域CRC検査処理]
次に、図117を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される指定領域CRC検査処理(図114のステップS6007)について説明する。なお、図117は、指定領域CRC検査処理の手順を示すフローチャートである。
指定領域CRC検査処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。ただし、この処理では、CRC算出のために、メインRAM6203のの遊技用エリアも参照する。
まず、メインCPU6201は、ステップS6041において、領域外エリアに係る(バンク1の)スタックポインタの設定処理を行う。ここでは、例えば、スタックポインタSPに、図110(C)に示したスタックエリア(領域外エリア)の最終アドレス+1をセットする。そして、以降の処理中、バンク1でスタックが用いられる場合は、スタックポインタSPから1を減じた後、そのアドレスにレジスタの値等を格納し、以降同様に、スタックエリア(領域外エリア)をアドレス値の大きいエリアから小さいエリアに順に使用する。
本実施形態では、遊技機が起動すると、最初に、図114ないし図116に示した主制御メイン処理が開始され、最初に遊技用エリアに係るスタックポインタの設定処理が行われる一方(ステップS6002)、領域外エリアに関しても、領域外エリアに係る処理として、遊技機の起動後初めて実行された指定領域CRC検査処理において、領域外エリアに係るスタックポインタ設定処理が行われる。このように、遊技用エリアのスタックポインタは、遊技用エリアの処理の際に行い、領域外エリアのスタックポインタは、領域外エリアの処理の際に行うように切り分けることで、コーディングのミス等を防止することができる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6042において、指定領域CRC演算処理を行う。この処理は、メインRAM6203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア)、及びスタックエリア(遊技用エリア))、及び領域外エリア(作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア))のデータについてCRC演算を行うものである。
次に、メインCPU6201は、ステップS6043において、電断時の指定領域に関するCRC演算結果を取得する。この処理は、記憶されている電断時のCRC演算結果をメインRAM6203から読み取るものである。電断時のCRC演算結果は、電断が検知されたときに指定領域のデータについてしたCRC演算の結果であり、例えば、CRC演算の後で、メインRAM6203の作業領域(領域外エリア)に格納される。電断時にCRC演算を行う処理については、後で詳細に説明する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6044において、ステップS6042で計算したCRC演算結果と、ステップS6043で取得した(直前の)電断時のCRC演算結果とを照合し、ステップS6045において、(例えば、Bレジスタに)初期値として、バックアップ異常ありを示すフラグ「1」をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6046において、ステップS6044で行ったCRC演算結果の照合結果を判定し、不一致であった場合(ステップS6046がYES判定の場合)、バックアップ異常があったものと判断してステップS6051に進む。Bレジスタには、初期値のまま、フラグ「1」がセットされている。
ステップS6046において、CRC演算結果の照合結果が一致したと判定された場合(ステップS6046がNO判定の場合)、メインCPU6201は、ステップS6047において、Bレジスタに、電断未検知を示すフラグ「2」をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6048において、電断が実施されたか否かを示す電断実施フラグを取得し、ステップS6049において、その電断実施フラグに基づいて、電断実施が行われたか否かを判定する。ここで、電断が実施されていないと判定された場合(ステップS6049がNO判定の場合)、メインCPU6201は、電断未検知であると判断してステップS6051に進む。Bレジスタには、ステップS6047でセットされた、(電断未検知を示す)フラグ「2」がセットされている。
ステップS6049において、電断実施が行われたと判定された場合(ステップS6049がYES判定の場合)、メインCPU6201は、Bレジスタに、異常なしを示すフラグ「0」をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6051において、Bレジスタに記憶されている照合結果(フラグ)を、「CRC照合結果」として、メインRAM6203の作業領域(領域外エリア)に格納し、さらに、ステップS6052において、電断実施フラグをクリアする。
最後に、メインCPU6201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、指定領域CRC検査処理において、電源投入後、最初にメインRAM6203の領域外エリアに関する処理を行う際に、バンク1に係るスタックポインタSPの設定がされるため、初期化処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
[起動状態チェック処理]
次に、図118を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される起動状態チェック処理(図114のステップS6008)について説明する。なお、図118は、起動状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。この処理では、メインRAM6203に異常があるか否か、電源投入時の設定キー6174a、及びRAMクリアスイッチ6176の操作、及び前回の電断時に設定変更が行われていたか否かに応じて起動状態が決定され、その決定された起動状態に基づいて、メインRAM6203のクリア範囲(RAMクリア範囲)が設定される。
まず、メインCPU6201は、ステップS6071において、メインRAM6203の作業領域(領域外エリア)に格納されているCRC照合結果を取得する。このCRC照合結果には、例えば、上述した指定領域CRC検査処理において、バックアップ異常あり(フラグ「1」)、電断未検知(フラグ「2」)、異常なし(フラグ「0」)のいずれかがセットされている。
次に、メインCPU6201は、ステップS6072において、RAMのクリア範囲(例えば、HLレジスタ)の初期値として、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスをセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6073において、ステップS6071で取得したCRC照合結果を参照して、異常があるか否かを判定し、異常がある場合(ステップS6073がYES判定の場合)、ステップS6077に進み、異常がない場合(ステップS6073がNO判定の場合)、ステップS6074において、HLレジスタに、設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスをセットする。
ステップS6074の後、メインCPU6201は、ステップS6075において、前回のRAMクリアスイッチ6176の状態情報に基づき、今回の処理が、設定変更中の電断復帰であるか否かを判定する。設定変更中の電断復帰でない場合(ステップS6075がNO判定の場合)、ステップS6077に進み、設定変更中の電断復帰である場合(ステップS6075がYES判定の場合)、ステップS6076において、(例えば、Eレジスタに)前回のRAMクリアスイッチ6176の状態情報、及び設定キー6174aの状態情報をセットする。この処理は、今回のRAMクリアスイッチ6176の状態情報、及び設定キー6174aの状態情報を、前回の(電断復帰前の)情報に書き換えるものであり、これにより、設定変更中の電断復帰であった場合に、今回において、その設定変更を継続させるようにしている。
ステップS6076の後、または、ステップS6073のYES判定の場合、ステップS6075のNO判定の場合、メインCPU6201は、ステップS6077に進み、そこで、今回のRAMクリアスイッチ6176の状態情報、及び設定キー6174aの状態情報から、RAMクリアスイッチ6176がオン、かつ設定キー6174aがオンであるか否かを判定し、両方がオンであれば(ステップS6077がYES判定の場合)、処理を終了する。
このように、メインRAMが異常であって(ステップS6073がYES判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ6176が「オン」、設定キー6174aが「オン」である場合、RAMのクリア範囲には異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS6077のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、設定変更の処理が行われる(図122、図123参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「RAM異常1」であり、第6のパターンに対応する。
また、メインRAMに異常がなく(ステップS6073がNO判定の場合)、かつ、設定変更中の電断復帰ではなく(ステップS6075がNO判定の場合)、さらに、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ6176が「オン」、設定キー6174aが「オン」である場合、RAMのクリア範囲には設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS6077のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、設定変更の処理が行われる(図122、図123参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「設定変更」であり、第4のパターンに対応する。
さらに、メインRAMに異常がなく(ステップS6073がNO判定の場合)、かつ、設定変更中の電断復帰である場合(ステップS6075がNO判定の場合)、ステップS6076において、電源投入時の操作が、RAMクリアスイッチ6176が「オン」、設定キー6174aが「オン」に擬制されるので、RAMのクリア範囲には設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS6077のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、設定変更の処理が行われる(図122、図123参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「設定変更」であり、第5のパターンに対応する。
ステップS6077において、RAMクリアスイッチ6176と設定キー6174aが両方オンでない場合(ステップS6077がNO判定の場合)、ステップS6078に進む。
次に、ステップS6078において、メインCPU6201は、CRC照合結果を参照して、異常があるか否かを判定し、異常がある場合(ステップS6078がYES判定の場合)、ステップS6079に進み、そこで、遊技復帰不可能エラー処理を行う。遊技復帰不可能エラー処理ではWDTのクリア処理、及びリスタート処理を無限ループで繰り返し、例えば、性能表示モニタ6170に「E」の文字を表示するよう制御し、遊技停止の状態となる。なお、この場合、上述したように、クリア範囲としては、異常時RAMクリア範囲が設定されるが、ここで、このクリア範囲(異常時RAMクリア範囲)をクリアするようにしてもよいし、クリアせずにそのまま遊技停止の状態としてもよい。
このように、メインRAMが異常であって(ステップS6073がYES判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ6176と設定キー6174aが両方「オン」の状態になっていない場合、RAMのクリア範囲には異常時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS6078のYES判定を経て、上記のように遊技復帰不可能エラー処理を行う。この起動状態は、図111(A)に示す「RAM異常2」であり、第7のパターンに対応する。
メインRAM6203に異常がない場合(ステップS6078がNO判定の場合)、ステップS6080において、RAMクリアスイッチ6176の状態が「オン」であるか否かを判定する。
ステップS6080において、RAMクリアスイッチ6176の状態が「オン」である場合(ステップS6080がYES判定の場合)、処理を終了する。
このように、メインRAMに異常がなく(ステップS6078がNO判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ6176が「オン」である場合(ステップS6080がYES判定の場合)、RAMのクリア範囲には設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、ステップS6080のYES判定を経て、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われ(図119、図120参照)、その後、電断復帰の処理が行われる。この起動状態は、図111(A)に示す「RAMクリア」であり、第3のパターンに対応する。
なお、この場合は、ステップS6076でRAMクリアスイッチ6176と設定キー6174aの状態情報がセットされると、ステップS6077でYES判定となるため、設定変更中の電断復帰ではないと言える。また、設定キー6174aも「オン」の状態であれば、ステップS6077でYES判定となるので、ここでは、設定キー6174aは「オフ」の状態であると言える。
ステップS6080において、RAMクリアスイッチ6176の状態が「オフ」である場合(ステップS6080がNO判定の場合)、ステップS6081において、HLレジスタに、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをセットし、処理を終了する。
このように、メインRAMに異常がなく(ステップS6078がNO判定の場合)、かつ、電源投入時の操作において、RAMクリアスイッチ6176が「オン」でない場合(ステップS6080がNO判定の場合)、RAMのクリア範囲には電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定され、この処理を終了した後、当該クリア範囲に基づいてクリア処理が行われる(図119、図120参照)。この起動状態は、図111(A)に示す「電断復帰」、または「設定確認」であり、第1のパターン、または第2のパターンに対応する。なお、ここでは、上記と同様に、ステップS6076でRAMクリアスイッチ6176と設定キー6174aの状態情報がセットされると、ステップS6077でYES判定となるため、設定変更中の電断復帰ではないと言える。
上記のように、RAMのクリア範囲に電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスが設定される起動状態として、図111(A)に示す第1のパターンと第2のパターンがあるが、第1のパターンでは、設定キー6174aが「オフ」の状態でかつ、RAMクリアスイッチ6176が「オフ」の状態になっており、一方、第2のパターンでは、設定キー6174aが「オン」の状態でかつ、RAMクリアスイッチ6176が「オフ」の状態になっており、これらの相違点に基づいて、後続の処理が切り分けられる。すなわち、第1のパターンの起動状態は「電断復帰」であり、当該クリア範囲に基づいたクリア処理の後、電断復帰の処理が行われ、第2のパターンの起動状態は「設定確認」であり、当該クリア範囲に基づいたクリア処理の後、設定確認の処理が行われる(図122、図123参照)。
[指定範囲クリア処理]
次に、図119を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される指定範囲クリア処理(図115のステップS6009)について説明する。なお、図119は、指定範囲クリア処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6101において、起動時のRAMクリアスイッチ6176の状態情報、及び設定キー6174aの状態情報といった情報をスタックに退避する。これらの情報は、例えば、EレジスタやDレジスタのデータをスタックに退避することで実現される。
次に、ステップS6102において、メインCPU6201は、RAMクリア範囲先頭アドレス(下位アドレス)がセットされているレジスタの値を、RAMクリア範囲判定データとして、メインRAM6203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))に格納する。本実施形態では、図118の起動状態チェック処理に関連して説明したように、例えば、メインRAM6203の異常、設定変更の有無、RAMクリアスイッチ6176の操作といった各条件に応じて、HLレジスタに、対応するRAMクリア範囲先頭アドレスがセットされており、メインRAM6203の領域外エリアのクリア処理にあたり、HLレジスタに記憶されているRAMクリア範囲先頭アドレスの下位を参照することによって、再度、図118に示したような判定を行わなくて済むようにした。
また、本実施形態では、HLレジスタに記憶されているRAMクリア範囲先頭アドレスの下位のみを渡すことによって、メインRAM6203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))と同様に、メインRAM6203の領域外エリア(作業領域(領域外エリア))についても、それぞれ対応する条件に応じた範囲をクリアすることができるように構成されている。例えば、ある条件で、メインRAM6203の遊技用エリアの領域(アドレス「F07B」Hを先頭とする領域)をクリアする場合に、アドレスの下位データである「7B」Hを渡すことによって、メインRAM6203の領域外エリアでは、その「7B」Hのデータに対応する領域が決定され、その決定された領域をクリアするように制御することができる。
また、ここでは、RAMクリア範囲判定データを、メインRAM6203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))に格納しているが、これは、データをレジスタに記憶させて渡すことができないためである。領域外エリア処理呼出命令がされた場合、図109に示すようにバンク0からバンク1に切り替わって、それに応じてレジスタも切り替えられる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6104において、領域外指定領域クリア処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)を行う。領域外指定領域クリア処理は、上述した、RAMクリア範囲先頭アドレスがセットされているレジスタの下位アドレスに基づいて、メインRAM6203の領域外エリアの指定範囲をクリアする。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
なお、ここで呼び出される領域外指定領域クリア処理では、割込み禁止命令、及び割込み許可命令を実行するものではないが、図115に示す主制御メイン処理のステップS6011で呼び出されるデータ格納処理(図121参照)のように、割込み禁止命令、及び割込み許可命令を実行する構成であれば、このデータ格納処理と同様に、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すように構成することができる。
すなわち、割込み禁止命令の前で割込み許可レジスタ2の値を退避し、割込み禁止命令の後で実行される所定処理が終了した後で、退避していた、割込み許可レジスタ2の値から、データ格納処理が呼び出された時点での割込み制御状態を判断し、割込み許可の状態であった場合は、割込み許可命令を実行し、そうでなければ、割込み禁止の状態のまま終了するように構成することができる。
次に、メインCPU6201では、バンク0に係る処理(遊技用エリアの処理)に戻り、ステップS6105において、RAMクリア範囲のサイズ(例えば、電断復帰時RAMクリア範囲のサイズ)をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6106において、RAMクリア範囲先頭アドレスが、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスであるか否かを判定し、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスである場合(ステップS6106がYES判定の場合)、ステップS6109に進む。
一方、電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスでない場合(ステップS6106がNO判定の場合)、この場合は、電断復帰時のRAMクリア範囲とは異なるので、ステップS6107において、電断復帰時以外のRAMクリア範囲における最終アドレスを、RAMクリア範囲最終アドレスとしてセットする。ここでセットされるRAMクリア範囲最終アドレスは、メインRAM6203の遊技用エリアの最終アドレスとなるが、スタックエリア(遊技用エリア)のうち、使用されているスタックをクリアしないように考慮される。例えば、スタックエリア(遊技用エリア)において、アドレス値の大きいスタックからアドレス値の小さいスタックに向けて順に使用されるが、スタックエリア(遊技用エリア)の最終アドレスから4を減算したアドレスがRAMクリア範囲最終アドレスとしてセットされ、所定バイト分(例えば、4バイト分)のスタックがクリアされることなく確保される。これによって、呼び出されたプログラムの戻り番地や退避されたデータ等が保護されることになる。
その後、ステップS6108において、ステップS6102で記憶されたRAMクリア範囲先頭アドレス(下位アドレス)とステップS6107でセットされたRAMクリア範囲最終アドレスとから、電断復帰時でない場合のRAMクリア範囲のサイズを算出し、その後、ステップS6109に進む。
次に、メインCPU6201は、ステップS6109において、RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、例えば、HLレジスタに記憶されている、クリア対象となるRAMクリア範囲の先頭アドレスと、ステップS6105で算出されたクリア範囲のサイズ、または、ステップS6108で算出されたクリア範囲のサイズを指定すると、その範囲のデータのすべてのバイトが「00」Hにセットされる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6110において、起動時のRAMクリアスイッチ6176の状態情報、及び設定キー6174aの状態情報といった情報をスタックから復帰させる。これらの情報は、例えば、EレジスタやDレジスタに格納される(ステップS6101参照)。
このような、指定範囲クリア処理によって、メインRAM6203の遊技用エリアにおけるクリア範囲(下位アドレス)が、メインRAM6203の領域外エリアにおけるクリア範囲の決定に効果的に利用され、処理の効率化が図られるとともに、プログラムの構成を簡潔にし、さらにプログラムのサイズを小さくすることができる。
[領域外指定領域クリア処理]
次に、図120を参照して、メインCPU6201の制御による指定範囲クリア処理で呼び出される領域外指定領域クリア処理(図119のステップS6104)について説明する。なお、図120は、領域外指定領域クリア処理の手順を示すフローチャートである。
領域外指定領域クリア処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU6201は、ステップS6121において、メインRAM6203の遊技用エリア(作業領域(遊技用エリア))に格納されているRAMクリア範囲判定データを取得する。このRAMクリア範囲判定データは、図118のステップS6102において、メインCPU6201により格納されたデータである。
次に、ステップS6122において、メインCPU6201は、取得したRAMクリア範囲判定データを(例えば、Eレジスタに)退避する。その後、ステップS6123において、メインCPU6201は、ステップS6121で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM6203の領域外エリアにおける異常時RAMクリア範囲先頭アドレスを(例えば、HLレジスタに)セットする。
次に、ステップS6124において、メインCPU6201は、HLレジスタにセットされた異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと、RAMクリア範囲判定データを比較し、RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致した場合(ステップS6124がYES判定の場合)、ステップS6128に進む。
一方、RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致しない場合(ステップS6124がNO判定の場合)、ステップS6125において、ステップS6121で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM6203の領域外エリアにおける設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスをHLレジスタにセットする。
次に、ステップS6126において、メインCPU6201は、HLレジスタにセットされた設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと、RAMクリア範囲判定データを比較し、RAMクリア範囲判定データが、設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致した場合(ステップS6126がYES判定の場合)、ステップS6128に進む。
一方、RAMクリア範囲判定データが、設定変更時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致しない場合(ステップS6126がNO判定の場合)、ステップS6127において、ステップS6121で取得したRAMクリア範囲判定データと比較するために、メインRAM6203の領域外エリアにおける電断復帰時RAMクリア範囲先頭アドレスをHLレジスタにセットし、ステップS6128に進む。
ステップS6128では、それぞれのRAMクリア範囲のサイズを算出し、その後、ステップS6129において、メインRAM6203の領域外エリアに関し、RAMクリア範囲のクリアを実行する。この処理では、例えば、HLレジスタに記憶されている、クリア対象となるRAMクリア範囲の先頭アドレスと、ステップS6128で算出されたRAMクリア範囲のサイズを指定すると、その範囲のデータのすべてのバイトが「00」Hにセットされる。
次に、ステップS6130において、メインCPU6201は、ステップS6122で退避させていたRAMクリア範囲判定データを、Eレジスタから(例えば、Aレジスタに)復帰させる。
次に、ステップS6131において、メインCPU6201は、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと、RAMクリア範囲判定データを比較し、RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致しない場合(ステップS6131がNO判定の場合)、ステップS6134に進む。なお、ステップS6131の判定は、実質的にステップS6124と同様の判定である。
RAMクリア範囲判定データが、異常時RAMクリア範囲先頭アドレスの下位アドレスと一致した場合(ステップS6131がYES判定の場合)、ステップS6132において、(例えば、HLレジスタに)メインROM6202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルのアドレスをセットする。
次に、ステップS6133において、メインCPU6201は、テーブルデータ設定処理を実行する。この処理は、メインROM6202に記憶されている性能表示モニタ制御イニシャルテーブルのアドレスを表すHLレジスタを参照して、性能表示モニタの制御に係る初期値を(メインRAM6203の)作業領域に格納する処理である。性能表示モニタの制御に係る初期値には、例えば、LEDの点滅切替タイミングや点滅繰返し回数等が含まれる。
ステップS6134において、メインCPU6201は、(例えば、HLレジスタに)メインROM6202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスをセットする。
次に、ステップS6135において、メインCPU6201は、テーブルデータ設定処理を実行する。この処理は、メインROM6202に記憶されている電源投入時初期化用データテーブルのアドレスを表すHLレジスタを参照して、電源投入時初期化用のデータを(メインRAM6203の)作業領域に格納する処理である。電源投入時初期化用のデータには、例えば、LEDの点滅切替タイミングと点滅繰返し回数の乗算結果等が含まれる。
最後に、メインCPU6201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、領域外指定領域クリア処理では、図118に示した起動状態チェック処理で決定された、メインRAM6203の遊技用エリアに係るクリア範囲を用いて、メインRAM6203の領域外エリアに係るクリア範囲を決定しているため、メインRAM6203のクリア処理が効率的かつ簡潔な構成で実行されることになる。
[データ格納処理]
次に、図121を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出されるデータ格納処理(図115のステップS6011)について説明する。なお、図121は、データ格納処理の手順を示すフローチャートである。また、メイン処理から呼び出される場合、例えば、HLレジスタには、電源投入時初期化用データテーブルのアドレスがセットされている。なお、本実施形態では、このデータ格納処理が、図115のステップS6011等を含む数カ所でコールされ、それぞれ、バンク0に係る処理(領域内エリアに係る処理)として実行されるように構成されているが、上述した特定の呼出命令でコールすることによって、バンク1に係る処理(領域外エリアに係る処理)として実行されるように構成することができる。また、ここで、データ格納処理がバンク0に係る処理(領域内エリアに係る処理)として実行される場合に、例えば、QレジスタにメインRAM6203の領域内アドレスの先頭アドレス(上位側)「F0」Hをセットしておくことで、データ格納処理では、メインRAM6203の領域内エリアにある処理対象エリアを、当該処理対象エリアの先頭アドレス(下位側)だけで特定することができ、当該処理対象エリアに係る命令の長さを(アドレスを4バイト(上位側+下位側)で指定するより)短くすることができる。同様に、データ格納処理がバンク1に係る処理(領域外エリアに係る処理)として実行される場合は、例えば、QレジスタにメインRAM6203の領域外アドレスの先頭アドレス(上位側)「F2」Hをセットしておくことで、メインRAM6203の領域外エリアにある処理対象エリアを、当該処理対象エリアの先頭アドレス(下位側)だけで特定することができる。
まず、メインCPU6201は、ステップS6151において、割込み許可レジスタ2の値をレジスタ(例えば、フラグレジスタFのパリティ/オーバーフロー・フラグ)に退避する。割込み許可レジスタ2の値は、上述の通り、割込み禁止命令がされると、「0」となり、それ以前の情報が失われてしまうため、このタイミングでこの値を退避しておく。
次に、メインCPU6201は、ステップS6152において、割込み禁止命令を行う。これによって、データ格納処理の開始時点で割込み禁止がされていない場合は、この割込み禁止命令以降、後述するステップS6162で割込み許可命令がされるまでの間、マスカブル割込みが禁止される。次に、メインCPU6201は、ステップS6153において、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを、スタックに保存する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6154において、HLレジスタを参照して、HLレジスタに記憶されているアドレスのデータを取得する。上記のように、当該処理がメイン処理から呼び出された場合、電源投入時初期化用データテーブルが取得される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6155において、ステップS6154で取得したデータから、クリア処理に係るデータのサイズを判定し、そのサイズが0で、クリア処理がないと判定した場合(ステップS6155がNO判定の場合)、ステップS6158に進む。
一方、クリア処理に係るデータのサイズが0ではなく、クリア処理があると判定した場合(ステップS6155がYES判定の場合)、ステップS6156において、ステップS6154で取得したデータから格納対象領域アドレスの下位を取得し、ステップS6157でその格納対象領域をクリアする。なお、格納対象領域の開始アドレスは、予め設定されているアドレスの上位(例えば、「F0」H)と、ステップS6156で取得した格納対象領域アドレスの下位を組み合わせることで特定され、この格納対象領域の開始アドレスと、電源投入時初期化用データテーブルから取得したクリア処理に係るデータのサイズとを用いて格納対象領域のクリアが行われる。ここでは、例えば、1バイト単位といった所定の単位でクリア処理が繰り返され、そのクリア処理の度に、クリア対象となる格納対象領域アドレスがシフトされ、クリア処理に係るデータのサイズが1バイトずつ減算される。
メインCPU6201は、ステップS6158において、ステップS6154から取得したデータから、セット処理(格納処理)に係るデータのサイズを判定し、そのサイズが0で、セット処理がないと判定した場合(ステップS6158がNO判定の場合)、ステップS6160に進む。
一方、セット処理に係るデータのサイズが0ではなく、セット処理があると判定した場合(ステップS6158がYES判定の場合)、ステップS6159において、格納対象データに格納データをストアする。この処理は、ステップS6154で取得したデータから格納対象領域アドレスの下位を取得することで、予め設定されているアドレスの上位と組み合わせて格納対象領域の開始アドレスを特定し、さらに、ステップS6154で取得したデータから格納するデータを取得することで実行される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6160において、ステップS6153でスタックに保存した、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを復帰させる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6161において、ステップS6160にで復帰させたデータであるフラグレジスタに記憶されている割込み許可レジスタ2の値が「0」か否かを判定し、「0」であると判定された場合(ステップS6161がYES判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前から割込み禁止の状態であったと判定し、割込み許可命令を実行することなく処理を終了する。
一方、割込み許可レジスタ2の値が「1」であると判定された場合(ステップS6161がNO判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前は割込み許可の状態であったと判定し、ステップS6162において、割込み許可命令を実行し処理を終了する。
データ格納処理のこうした処理により、ステップS6152の割込み禁止命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「0」となり、ステップS6162の割込み許可命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「1」となるが、データ格納処理を呼び出す時点で割込み許可レジスタ2が「0」であった場合(すなわち、データ格納処理を呼び出す時点で割込み禁止の状態であった場合)、ステップS6162は実行されず、割込み許可レジスタ2が「0」の状態が維持されることになる。
また、本実施形態では、データ格納処理を呼び出す時点で、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値が同じであることが前提となるが、ノンマスカブル割込みが発生したり、バンク1に係る処理においてデータ格納処理が呼び出されたりする場合、データ格納処理を呼び出す時点で、割込み許可レジスタ1の値が「0」、割込み許可レジスタ2の値が「1」となる可能性も考えられる。しかしながら、そのような場合であっても、割込み許可レジスタ1の値と割込み許可レジスタ2の値をそれぞれ退避し、領域のクリア処理とデータのセットを行った後で、これらのレジスタ値を復帰させることによって、データ格納処理が終了したときに、元の割込み許可、または割込み禁止の状態に戻すことができる。
なお、本実施形態では、図121に示したデータ格納処理のプログラムは、様々な箇所で領域のクリア処理、及びデータのセットを行うために呼び出される共通モジュール(汎用モジュール)としての性格を有する。
このようなデータ格納処理の構成により、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。より具体的には、所定領域のクリア処理やデータのセット処理といった所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を保存するとともに、当該呼び出される処理において割込み禁止状態で処理を行い、その後、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
また、このようなデータ格納処理のプログラムにおいて、割込み制御状態の制御、所定領域のクリア処理、及び当該所定処理へのデータのセット処理がひとまとまりに記述されることで、管理上、及び処理上の一層の効率化が図られる。
[設定変更確認処理]
次に、図122、及び図123を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される設定変更確認処理(図115のステップS6012)について説明する。なお、図122、図123は、設定変更確認処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6181において、(例えば、Eレジスタに記憶されている)起動時の設定キー6174aの状態情報を取得し、その設定キー6174aの操作が「オン」であるか否かを判定する。設定キー6174aの操作が「オフ」である場合(ステップS6181がNO判定の場合)、処理を終了する。
ステップS6181において、メインCPU6201は、設定キー6174aの操作が「オン」である場合(ステップS6181がYES判定の場合)、ステップS6182で、メインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)の設定変更ステータス領域に、起動時の設定キー6174aの状態情報、及び起動時のRAMクリアスイッチ6176の状態情報を格納する。なお、ここで保存された状態情報が、図118に示す起動状態チェック処理において、前回、設定変更中に電断が発生したか否かを判定するのに用いられる。
次に、ステップS6183において、メインCPU6201は、設定操作コマンドをセットして、演出制御コマンド送信処理を実行する。この処理により、設定操作コマンドは、副制御回路6300に向けて送信される。
次に、ステップS6184において、メインCPU6201は、割込み要求信号(XINT)が発生したか否かを判定し、発生していると判定した場合(ステップS6184でYES判定の場合)、ステップS6194において電断設定処理を実行する。一方、割込み要求信号(XINT)が発生していないと判定した場合(ステップS6184でNO判定の場合)、PTC2タイムアウトが発生したか否かを判定し、発生していないと判定した場合(ステップS6185でNO判定の場合)、ステップS6184に進み、再度、割込み要求信号(XINT)が発生したか否かを判定する。
ステップS6185において、PTC2タイムアウトが発生していると判定した場合(ステップS6185でYES判定の場合)、メインCPU6201は、ステップS6186において、入力ポート読込処理を行う。
次に、ステップS6188において、メインCPU6201は、出力ポートにセキュリティ信号出力を行い、ステップS6189において、(例えば、Aレジスタに)設定値をセットする。
次に、ステップS6190において、メインCPU6201は、設定表示データテーブルとステップS6189でセットされた設定値に基づいて、Aレジスタに設定表示データをセットし、その後、ステップS6191において、Aレジスタの設定表示データに基づいて、表示LEDデータセットを行い、さらに、ステップS6192において、性能LEDコモンセットを行う。
次に、ステップS6193において、メインCPU6201は、WDTのクリア処理、及びWDTのリスタート処理を行う。
次に、ステップS6194において、メインCPU6201は、RAMクリアスイッチ6176が「オフ」か否かを判定し、「オフ」であると判定した場合(ステップS6194でYES判定の場合)、すなわち、起動時に、RAMクリアスイッチ6176が操作されず、オフの状態となっている場合に、この操作は、設定確認の操作であると判定し、ステップS6197に進む。
一方、RAMクリアスイッチ6176が「オン」であると判定した場合(ステップS6194でNO判定の場合)、すなわち、起動時に、RAMクリアスイッチ6176が操作され、オンの状態となっている場合に、この操作は、設定更新の操作であると仮定し、ステップS6195において、RAMクリアスイッチ6176が操作されているか否かを判定する。ステップS6195において、RAMクリアスイッチ6176が操作されていない場合(ステップS6195でNO判定の場合)、ステップS6197に進む。
一方、ステップS6195において、RAMクリアスイッチ6176が操作されている場合(ステップS6195でYES判定の場合、例えば、RAMクリアスイッチ6176をカチカチと押す操作をした場合)、ステップS6196において、RAMクリアスイッチ6176の操作に応じて設定値を変動させ、設定値を更新する。
その後、ステップS6197において、メインCPU6201は、設定キー6174aが「オフ」に操作されたか否かを判定し、「オン」である場合(ステップS6197でNO判定の場合)、すなわち、設定キー6174aが「オン」のままである場合、ステップS6184に戻り、そこで再度、割込み要求信号の発生を判定する。
一方、設定キー6174aが「オフ」に操作された場合(ステップS6197でYES判定の場合)、設定変更の処理が終了したと判定して、ステップS6198において、設定変更ステータス領域(今回の設定変更に係る作業領域)をクリアし、処理を終了する。なお、ステップS6198において、設定変更ステータス領域がクリアされることによって、ここで保存された状態情報が、図118に示す起動状態チェック処理において参照された場合に、前回、設定変更中に電断が発生していないと判定され、電断等で、ステップS6198の処理が行われないと、図118に示す起動状態チェック処理において、前回、設定変更中に電断が発生したと判定される。また、ここで、設定変更ステータス情報を、レジスタ(例えば、Aレジスタ)にロードし、次の遊技復帰処理に備えている。
[電断判定処理]
次に、図124を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される電断判定処理(図115のステップS6015)について説明する。なお、図124は、電断判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6211において、XINTを検知したか否かを判定し、検知していないと判定した場合(ステップS6211でNO判定の場合)、すなわち、電断を検知していない場合、処理を終了する。一方、XINTを検知したと判定した場合(ステップS6211でYES判定の場合)、ステップS6212で電断設定処理を実行する。なお、電断判定処理については、後で詳細に説明する。
また、この処理では、XINTの検知は、XINT検知フラグを参照することによって行われ、このXINT検知フラグは、後述する外部マスカブル割込み処理が電断を検知した場合にセットする。
[電断設定処理]
次に、図125を参照して、メインCPU6201の制御による設定変更確認処理や電断判定処理で呼び出される電断設定処理(図122のステップS6194、図124のステップS6212)について説明する。なお、図125は、電断設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6231において、XINT検知フラグをクリアする。ここで、XINT検知フラグは、上述のように、後述する外部マスカブル割込み処理が電断を検知した場合にセットするフラグである。
次に、ステップS6232において、指定領域CRC生成処理を行う。この処理は、領域外エリア処理呼出命令でコールされることにより、バンク1に係る処理(領域外エリアの処理)を行う。メインCPU6201はそこで、メインRAM6203の遊技用エリアと、メインRAM6203の領域外エリアに関するCRCを生成し、その処理が終了すると、遊技用エリア処理復帰命令でリターンすることにより、以降の処理が、バンク0に係る処理(遊技用エリアの処理)を行うことになる。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
その後、メインCPU6201は、ステップS6233において、RAMアクセス禁止コマンドを所定のレジスタに送信することによって、メインRAM6203へのアクセスを禁止する、RAMアクセス禁止処理を行う。
[指定領域CRC生成処理]
次に、図126を参照して、メインCPU6201の制御による電断設定処理で呼び出される指定領域CRC生成処理(図125のステップS6232)について説明する。なお、図126は、指定領域CRC生成処理の手順を示すフローチャートである。
また、指定領域CRC生成処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。ただし、この処理では、後述のように、CRC算出のために、メインRAM6203のの遊技用エリアも参照する。
まず、メインCPU6201は、ステップS6251において、電断検知フラグをメインRAM6203のの作業領域(領域外エリア)に格納する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6252において、指定領域CRC算出処理を行う。この処理は、例えば、CRC16演算レジスタを用いて、当該CRC16演算レジスタに、算出対象となるデータをライトすることで実行される。また、算出対象としては、メインRAM6203の遊技用エリアと領域外エリアの大部分が含まれる。なお、本実施形態では、この指定領域CRC生成処理は、基本的にバンク1に係る処理を行うものとして、領域外エリア処理呼出命令によって呼び出されるが、上述したように、CRCの算出に関しては、算出対象として、メインRAM6203の遊技用エリアを含むように構成される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6253において、CRC算出結果(指定領域CRC値)を、(例えば、HLレジスタ)に格納する。
最後に、メインCPU6201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
[性能表示モニタ集計除算処理]
次に、図127を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される性能表示モニタ集計除算処理(図115のステップS6017)について説明する。なお、図127は、性能表示モニタ集計除算処理の手順を示すフローチャートである。
また、性能表示モニタ集計除算処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU6201は、ステップS6271において、領域外RAMクリアチェック処理を実行する。なお、この処理については、後で詳細に説明する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6272において、表示データ切替フラグ1領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS6273において、Aレジスタにセットした値が、区間Aフラグ値(0)以外(すなわち、299個到達済み)か否かを判定する。
ステップS6273において、区間Aフラグ値(0)以外であると判定された場合(ステップS6273がYES判定の場合)、299個に到達したとして、ステップS6280に進む。
一方、ステップS6273において、区間Aフラグ値(0)であると判定された場合(ステップS6273がNO判定の場合)、299個に到達していないとして、ステップS6272に進み、そこで、総アウトカウンタ値と区間A判定値を比較する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6275において、総アウトカウンタ値と区間A判定値との差が299個未満か否かを判定し、その差が299個未満であると判定した場合(ステップS6275がYES判定の場合)、ステップS6285に進む。総アウトカウンタ値と区間A判定値との差が299個未満でないと判定した場合(ステップS6275がNO判定の場合)、ステップS6276に進み、そこで、表示データ切替フラグ1領域に、区間Bフラグ値をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6278において、通常賞球数カウンタ領域に「0」をセットし、ステップS6279において、通常アウトカウンタ領域に「0」をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6284において、計算ワーク対象取得処理5を実行し、その後、メインCPU6201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
ステップS6273において、Aレジスタの値が区間Aフラグ値(0)以外であると判定された場合(ステップS6273がYES判定の場合)、299個に到達したとして、ステップS6280に進み、そこで、総アウトカウンタ値と区間移行判定値を比較する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6281において、総アウトカウンタ値と区間移行判定値との差が60000個未満か否かを判定し、その差が60000個未満であると判定した場合(ステップS6281がYES判定の場合)、ステップS6285に進む。総アウトカウンタ値と区間移行判定値との差が60000個未満でないと判定した場合(ステップS6281がNO判定の場合)、ステップS6282に進み、そこで、表示データ切替フラグ1領域の値を補正する(すなわち、1を加算する(ただし、規定の上限値に達した場合は加算しない))。その後、ステップS6284に進む。
ステップS6275において、総アウトカウンタ値と区間A判定値との差が299個未満であると判定した場合(ステップS6275がYES判定の場合)や、ステップS6281において、総アウトカウンタ値と区間移行判定値との差が60000個未満であると判定した場合(ステップS6281がYES判定の場合)、ステップS6285において、除算タスクモジュールアドレステーブルと除算タスク移行状態領域の内容とから、対象モジュールを決定し、当該決定した対象モジュールを呼び出す。
最後に、メインCPU6201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
このように、本実施形態では、性能表示モニタ集計除算処理の最初に、領域外RAMクリアチェック処理を行っており、これによって、メインRAM6203に異常があったような場合に、性能表示モニタ関連の領域をクリアする。
本実施形態では、図112、図119、及び図120を参照して説明したように、パチンコ遊技機の起動時に、遊技用エリアと領域外エリアのクリア処理が同期して(概ね同じタイミングで)行われるが、このようなクリア処理に加えて、ここでは、パチンコ遊技機の起動後、メインRAM6203に異常があった場合、その時点で非同期に性能表示モニタ関連の領域をクリアするように構成されている。この構成によって、継続的に性能表示モニタの機能を維持し続けることができ、また、異常な性能表示モニタによる表示を効果的に回避することができる。
[領域外RAMクリアチェック処理]
次に、図128を参照して、メインCPU6201の制御による性能表示モニタ集計除算処理で呼び出される領域外RAMクリアチェック処理(図127のステップS6271)について説明する。なお、図128は、領域外RAMクリアチェック処理の手順を示すフローチャートである。
また、領域外RAMクリアチェック処理は、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出された性能表示モニタ集計除算処理によって呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU6201は、ステップS6301において、メインRAM6203の領域外エリアに記憶されている初期化フラグ領域の内容を(例えば、HLレジスタに)セットする。次に、ステップS6302において、HLレジスタの値と初期フラグ値が同じか否かを判定し、異なると判定した場合(ステップS6302がNO判定の場合)、ステップS6309に進む。一方、HLレジスタの値と初期フラグ値が同じであると判定された場合(ステップS6302がYES判定の場合)、ステップS6303において、除算タスク移行状態領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS6304において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値か否かを判定する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6304において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値でないと判定した場合(ステップS6304がNO判定の場合)、ステップS6309に進む。一方、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値であると判定した場合(ステップS6304がYES判定の場合)、ステップS6305において、表示内容ポインタ領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS6306において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値か否かを判定する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6306において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値でないと判定した場合(ステップS6306がNO判定の場合)、ステップS6309に進む。一方、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値であると判定した場合(ステップS6306がYES判定の場合)、ステップS6307において、表示データ切替フラグ1領域の内容を(例えば、Aレジスタに)セットし、ステップS6308において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値か否かを判定する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6308において、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値でないと判定した場合(ステップS6308がNO判定の場合)、ステップS6309に進む。一方、Aレジスタの値が、正常な範囲内の値であると判定した場合(ステップS6308がYES判定の場合)、処理を終了する。
ステップS6302でNO判定の場合、ステップS6304でNO判定の場合、ステップS6306でNO判定の場合、または、ステップS6308でNO判定の場合、メインCPU6201は、ステップS6309において、メインRAM6203の領域外エリアに配置されている性能表示モニタ関連領域をクリアする。次に、メインCPU6201は、ステップS6310において、性能表示モニタ制御イニシャルテーブル等に基づいて、性能表示モニタ制御の初期設定を行い、その後、処理を終了する。
[主制御コマンド送受信処理]
次に、図129を参照して、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される主制御コマンド送受信処理(図116のステップS6021)について説明する。なお、図129は、主制御コマンド送受信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6331において、XINTを検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合(ステップS6331でYES判定の場合)、すなわち、電断を検知した場合、処理を終了する。一方、XINTを検知していないと判定した場合(ステップS6331でNO判定の場合)、ステップS6332で、(例えば、Aレジスタに)主制御コマンド制御状態番号をセットする。ここで、主制御コマンド制御状態番号は、「0」が、主制御コマンド送信開始値を表し、「1」が、払出通信モード受信値を表し、「2」が、払出通信イベント受信値を表しており、主制御コマンド送信開始処理、払出通信モード受信処理、払出通信イベント受信処理等においてそれぞれ、主制御コマンド制御状態番号が設定される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6333において、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理を選択する。この処理は、例えば、主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレス(プログラム開始アドレス)を定義している、払出通信制御分岐テーブルを参照して、Aレジスタにセットされている主制御コマンド制御状態番号に応じた処理のアドレスを求めるものである。
次に、メインCPU6201は、ステップS6334において、ステータスレジスタ(例えば、非同期シリアル送受信用のレジスタ)の受信FIFO状態チェック値を参照して、受信FIFOエラーが検知された否かを判定し、当該受信FIFOエラーが検知されていないと判定された場合(ステップS6334でNO判定の場合)、異常なしと判断して、ステップS6336に進む。
ステップS6334において、受信FIFOエラーが検知されたと判定された場合(ステップS6334でYES判定の場合)、異常ありと判断して、ステップS6335において、所定のコマンドレジスタに受信FIFOクリアのためのコマンドを送信し、受信FIFOをクリアする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6336において、ステップS6333で選択されたアドレスを用いて、対応する処理(すなわち、主制御コマンド制御状態に応じた処理)を呼び出し、その後、処理を終了する。対応する処理は、例えば、主制御コマンド送信開始処理、払出通信モード受信処理、払出通信イベント受信処理のいずれかである。
図129に示す主制御コマンド送受信処理では、受信データの有無を問わず、処理を継続するために、ステップS6334における、受信FIFOのエラー検知の結果に応じて、受信FIFOのクリアを行う。例えば、受信データがあって、受信FIFOのエラーなしの場合は、正常データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データなしで、受信FIFOのエラーなしの場合は、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがあって、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出し、受信データがなしで、受信FIFOのエラーありの場合は、受信FIFOをクリアし、0データを取得して選択された処理を呼び出す。
[主制御コマンド送信開始処理]
次に、図130を参照して、メインCPU6201の制御による主制御コマンド送受信処理において、主制御コマンド制御状態番号に基づいて選択されたプログラムアドレスを用いて呼び出される主制御コマンド送信開始処理(図129のステップS6336)について説明する。なお、図130は、主制御コマンド送信開始処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6351において、メインRAM6203の遊技用エリアの起動情報領域に記憶されている起動情報を(例えば、Aレジスタ)にセット(退避)し、ステップS6352において、この起動情報領域をクリアする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6353において、Aレジスタを参照して、起動情報があるか否かを判定する。起動情報があると判定された場合(ステップS6353がYES判定の場合)、ステップS6361に進み、起動情報がないと判定された場合(ステップS6353がNO判定の場合)、ステップS6354において、メインRAM6203の遊技用エリアの払出管理カウンタ領域のサイズを(例えば、Bレジスタ)にセットする。ここで、払出管理カウンタ領域のサイズは、例えば15であり、これが、管理する賞球数のエントリー数となる(例えば、賞球数1~15)。
次に、メインCPU6201は、ステップS6355において、払出管理カウンタ領域の先頭アドレスを取得し、その15バイト目(最下位のバイト)のアドレスを(例えば、HLレジスタ)にセットし、ステップS6356において、HLレジスタにセットされたアドレスに対応するエントリーの値(カウンタ値)が「0」であればそのままとし、それ以外は「1」を減算し、減算できたか否かに応じて、所定のフラグを変化させる。
この処理では、賞球ごとに払出しがあるかのカウンタ値(15球賞球が3回ならカウンタ値は3)があって、カウンタ値を減算できればフラグをセットし、カウンタ値が「0」の場合は「0」のままとするように、1つの処理(1命令)で行うよう制御する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6357において、払出管理カウンタ領域の判定対象アドレスに対応するエントリーのカウンタ値があるか否かを判定する。この判定は、ステップS6356において、カウンタ値に「1」の減算が行われたか否かを表す、上述した所定のフラグを参照することによって行われる。カウンタ値があると判定された場合(ステップS6357がYES判定の場合)、すなわち、「1」の減算が行われた場合、ステップS6360に進む。
一方、カウンタ値がないと判定された場合(ステップS6357がNO判定の場合)、すなわち、「1」の減算が行われていない場合、ステップS6358に進み、そこで、次のエントリーのカウンタ値を参照するように、HLレジスタのアドレスを減算する。例えば、HLレジスタのアドレスが15バイト目(最下位のバイト)であった場合は、14バイト目(最下位から1つ上位のバイト)に変更される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6359において、すべてのエントリー(例えば、払出管理カウンタ領域のサイズとして定義されている15のエントリー)の払出管理カウンタ領域について処理を行ったか否かを判定し、すべてのエントリーの処理を終了した場合(ステップS6359がYES判定の場合)、ステップS6360に進む。一方、すべてのエントリーの処理を終了していない場合(ステップS6359がNO判定の場合)、払出管理カウンタ領域の次のアドレスに関する処理を行うために、ステップS6355に進み、以降の処理を繰り返す。
ステップS6353がYES判定の場合、または、ステップS6359がYES判定の場合、上述のように、ステップS6360に進み、そこで、メインCPU6201は、主制御コマンドを生成する。本実施形態では、払出管理カウンタ領域が15のエントリーを有し、これらが、賞球数1~15に関するカウンタに対応している。ステップS6357で、判定対象アドレスに対応するエントリーにカウンタ値があると判定された場合、その判定対象アドレスに対応するエントリーの賞球数に応じた払出数の主制御コマンドを生成する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6361において、例えば、非同期シリアル送受信のデータレジスタに対して、主制御コマンドを送信する。主制御コマンドは、ステップS6361が、ステップS6353がYES判定の場合に実行されるときは、起動情報に基づいた主制御コマンドであり、ステップS6360の後で実行されるときは、ステップS6360で生成された主制御コマンドである。
次に、メインCPU6201は、ステップS6362において、主制御コマンドを、主制御コマンド送信領域にセットする。この処理は、正常な通信がおこなわれたか否かを判断するためのものである。例えば、払出通信モード受信処理では、受信したコマンドの2の補数値と、主制御コマンド送信領域にセットされた値を加算して0となれば、正常な通信が行われたと判断し、そうでなければ、主制御コマンド再生処理を行うよう制御する。
次に、ステップS6363において、主制御コマンド制御状態番号領域の値を「1」加算し、処理を終了する。
[外部マスカブル割込み処理]
次に、図131を参照して、外部マスカブル割込み処理について説明する。この処理は、XINT端子から入力される外部からの割込みが発生した場合に、この割込みに対応する設定領域に定義されている、外部マスカブル割込みのエントリアドレス(プログラムアドレス)に基づいて呼び出される処理である。なお、図131は、外部マスカブル割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6381において、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する。次に、メインCPU6201は、ステップS6382において、入力ポートの電断信号ビット位置を検査し、電断が検知されていない場合(ステップS6382がNO判定の場合)、ステップS6385に進む。一方、電断が検知された場合(ステップS6382がYES判定の場合)、ステップS6383において、割込みマスクレジスタに対して割込み要因マスクをセットし、以降の処理において割込み処理が発生しないようにする。次に、ステップS6384において、XINT検知フラグをセットし、電断が発生したステータスに更新する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6381において、ステップS6381で退避した保護レジスタを復帰させる。
[システムタイマ割込み処理]
次に、図132を参照して、システムタイマ割込み処理について説明する。この処理は、タイマカウンタ(PTC2)から入力されるタイムアウト割込みが発生した場合に、この割込みに対応する設定領域に定義されている、PTC2タイムアウト割込みのエントリアドレス(プログラムアドレス)に基づいて呼び出される処理であり、例えば、2msecの周期(割込み周期)で実行される。なお、図132は、システムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6401において、保護レジスタ(例えば、AFレジスタ)をスタックに退避する。次に、メインCPU6201は、ステップS6402において、割込みカウンタ領域の値に「1」を加算する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6403において、入力ポートの状態の読込処理を行い、ステップS6404において、スイッチ入力検知処理を行う。なお、スイッチ入力検知処理については、後で詳細に説明する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6405において、遊技LED点灯データ出力処理を行う。なお、遊技LED点灯データ出力処理については、後で詳細に説明する。次に、メインCPU6201は、ステップS6406において、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、演出制御コマンド(入賞情報コマンド)の送信予約処理を行う。
次に、メインCPU6201は、ステップS6407において、性能表示モニタ制御処理(領域外)を行う。この処理では、メインCPU6201は、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ6170の表示内容更新処理等を行う。また、この処理は、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6408において、ステップS6401で退避した保護レジスタの内容をスタックから復帰させ、その後、ステップS6409において、割込み許可を行う。
本実施形態では、上述のように、電断割込み(XINT)発生後は、割込み要因をマスクするようにしたため、システムタイマ割込み処理では、電断発生を考慮した処理を設ける必要がなく、結果として、処理が簡潔になり、プログラムサイズを節約することもできる。
[スイッチ入力検知処理]
次に、図133を参照して、メインCPU6201の制御によるシステムタイマ割込み処理で呼び出されるスイッチ入力検知処理(図132のステップS6404)について説明する。図133は、スイッチ入力検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6421において、異常状態監視処理を行う。なお、異常状態監視処理の詳細については、後で説明する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6422において、普通図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、第1始動口入賞球スイッチ6044a、通過球スイッチ6043a、第2始動口入賞球スイッチ6045a(普通電動役物6046)のチェック処理を行う。このチェック処理において、第1始動口入賞球スイッチ6044aのオンエッジ又は通過球スイッチ6043aのオンエッジが検知された場合には、乱数取得処理、乱数転送処理等が行われる。また、このチェック処理において、第2始動口入賞球スイッチ6045aのオンエッジが検知された場合には、状況に応じて、普通電動役物入賞カウンタの更新処理、入賞無効化処理等が行われる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6423において、特別図柄関連チェック処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、カウントスイッチ6132、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141のチェック処理を行う。このチェック処理において、カウントスイッチ6132のオンエッジが検知された場合には、状況に応じて、特別電動役物入賞カウンタの更新処理、入賞無効化処理等が行われる。また、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施される場合には、特定保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。一方、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施されない場合には、保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6424において、タッチ状態信号チェック処理を行う。この処理は、入力ポートの情報から、タッチ状態に変化があったか否かを判定し、タッチ状態に変化があった場合、タッチ状態オンが検知されたのか、タッチ状態オフが検知されたのかを区別して、所定のフラグにセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6425において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理では、メインCPU6201は、賞球時に、払出管理テーブルに格納されたデータ(指定賞球管理カウンタ)の更新処理を行う。
その後、ステップS6426において、アウト球関連スイッチチェック処理を行う。この処理は、例えば、上述した第1のパチンコ遊技機のアウト口178のアウト口スイッチが遊技球の通過を検知した信号が供給されたか否かを入力ポートの情報から判定し、当該信号が供給されていない場合は処理を終了し、当該信号が供給された場合、アウト球数管理カウンタ領域に格納されているアウト球数管理カウンタに「1」を加算する。ステップS6426の後、処理を終了する。
[異常状態監視処理]
次に、図134を参照して、メインCPU6201の制御によるスイッチ入力検知処理で呼び出される異常状態監視処理(図133のステップS6421)について説明する。図134は、異常状態監視処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6441において、異常状態監視処理(領域外)を行う。領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。なお、異常状態監視処理(領域外)の詳細については、後で説明する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6442において、入力ポート有効エッジ情報反映処理を行う。この処理は、入力ポート(0~3)のエッジ情報から、所定のマスクデータを用いて、有効なエッジを抽出し、入力ポート有効エッジ情報をセット(反映)するものである。
次に、メインCPU6201は、ステップS6443において、遊技機異常検知情報反映処理を行う。この処理は、メインRAM6203の遊技用エリアに記憶される遊技機異常検知フラグ領域と、メインRAM6203の領域外エリアに記憶される領域外遊技機異常検知フラグ領域とから、遊技機異常検知フラグを更新し、遊技機異常検知フラグ領域にセットするものである。
次に、メインCPU6201は、ステップS6444において、セキュリティ信号要求設定を行う。この処理は、メインRAM6203の遊技用エリアに記憶されるセキュリティ信号要求フラグと、メインRAM6203の領域外エリアに記憶される領域外セキュリティ信号要求フラグとから、セキュリティ信号要求フラグを更新し、セットするものである。
次に、メインCPU6201は、ステップS6445において、メインRAM6203の領域外エリアに記憶される扉・枠開閉状態フラグ領域を参照して、扉、枠が開放中か否か(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004が開放されているか否か)を判定する。扉、枠が開放中でない場合(ステップS6445がNO判定の場合)、処理を終了し、扉、枠が開放中である場合(ステップS6445がYES判定の場合)、ステップS6446において、磁気センサを初期化し、その後、処理を終了する。
この処理により、異常入賞に関しては、入賞が遊技進行に大きく関わる点を考慮して、異常を検知する処理を、メインRAM6203の領域外エリアに係る処理とし、検知結果を反映する処理を、メインRAM6203の遊技用エリアに係る処理としている。また、遊技機異常に関しては、異常を検知する処理、及び検知内容の合成を、メインRAM6203の領域外エリアに係る処理で行う。
[異常状態監視処理(領域外)]
次に、図135を参照して、メインCPU6201の制御による異常状態監視処理で呼び出される異常状態監視処理(領域外)(図134のステップS6441)について説明する。図135は、異常状態監視処理(領域外)の手順を示すフローチャートである。
異常状態監視処理(領域外)、上述したように、領域外エリア処理呼出命令により呼び出されるため、バンク1に係る処理となっており、この処理を実行するためのプログラムは、メインROM6202の領域外エリアに記憶されているプログラムであって、メインRAM6203のの領域外エリアである、作業領域(領域外エリア)、及びスタックエリア(領域外エリア)を利用する。
まず、メインCPU6201は、ステップS6461において、メインRAM6203の領域外エリアに配置される領域外セキュリティ信号要求フラグ領域をクリアする。その後、ステップS6462において、メインRAM6203の領域外エリアに配置される領域外遊技機異常検知フラグ領域をクリアする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6463において、入力ポート有効設定を行う。この処理は、メインRAM6203の領域外エリアに配置される入力ポート有効エッジマスク領域のすべてにデータ「FF」Hをセットする処理である。
次に、メインCPU6201は、ステップS6464において、割込み周期タイマカウンタ更新処理を行う。
次に、メインCPU6201は、ステップS6465において、異常状態監視前処理を行う。この処理では、メインRAM6203の領域外エリアに記憶される扉・枠開閉状態フラグ領域を参照して、扉、枠が開放中か否か(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004が開放されているか否か)を判定し、扉・枠が開放中であると判定した場合には、異常検知情報(入力ポートのバッファ領域)に関し、入力ポートの磁気センサビットをリセットする。これにより、磁気センサの検知レベルがオフ状態となり、磁気センサによる異常検知が行われなくなる。その後、監視補正済入力値領域に、異常検知情報をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6466において、汎用異常検知判定処理を行う。
次に、メインCPU6201は、ステップS6467において、誘導磁界監視処理を行う。この処理は、誘導磁界検知中であるか否かの判定し、誘導磁界検知中でなければ処理を終了する。一方、誘導磁界検知中であれば、入力ポート有効エッジマスクをクリアし、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に「FF」Hをセットするとともに、領域外遊技機異常検知フラグ領域の誘導磁界検知情報ビットにオン(「1」)をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6468において、普通電動役物不正入賞処理を行う。この処理は、第1のパチンコ遊技機で示したような普通電動役物146について、その役物が作動中であるか否かを(普通電動役物作動中信号管理データ領域のデータによって)判定し、例えば、作動中であると判定された場合、未作動用入賞監視カウンタ値(例えば、18)を設定し、作動中用入賞監視カウンタ値は元の値のままとする。ここで、第2始動口140への遊技球の入賞を検知した場合に、作動中用入賞監視カウンタ値から「1」を減算した結果が「0」であった場合は、異常が検知されたと判断し、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットし、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。この後、普通電動役物146が作動中であるか否かを(普通電動役物作動中フラグ領域のデータによって)判定し、作動中であれば、入賞有効期間中であることを条件に、入力ポート有効エッジマスクの始動口2スイッチのビット位置をクリアする。
普通電動役物146が作動中でない場合、作動中用入賞監視カウンタ値(例えば、4)を設定し、未作動用入賞監視カウンタ値は元の値のままとする。ここで、第2始動口140への遊技球の入賞を検知した場合に、未作動用入賞監視カウンタ値から「1」を減算した結果が「0」であった場合は、異常が検知されたと判断し、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットし、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。この後、普通電動役物146が作動中であるか否かを(普通電動役物作動中フラグ領域のデータによって)判定し、作動中であれば、入賞有効期間中であることを条件に、入力ポート有効エッジマスクの始動口2スイッチのビット位置をクリアする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6469において、特別電動役物不正入賞処理を行う。この処理は、特別電動役物1不正入賞処理と特別電動役物2不正入賞処理を含んでおり、いずれも、上述した普通電動役物不正入賞処理と同様に、作動中用入賞監視カウンタ、及び未作動用入賞監視カウンタ等に基づいて、異常の検知を行い、異常が検知された場合に、領域外セキュリティ信号要求フラグ領域に要求フラグをセットし、領域外遊技異常検知フラグ領域に要求フラグをセットする。
最後に、メインCPU6201は、遊技用エリア処理復帰命令により、この処理を終了し、処理が領域外エリアに係る処理から、遊技用エリアに係る処理に切り替えられる。
[遊技LED点灯データ出力処理]
次に、図136を参照して、メインCPU6201の制御によるシステムタイマ割込み処理で呼び出される遊技LED点灯データ出力処理(図132のステップS6405)について説明する。なお、図136は、遊技LED点灯データ出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技LED点灯データ出力処理は、図柄表示を行うためのLED(遊技LED)と、性能表示を行うためのLED(性能LED)を兼用するLEDに対して、LEDデータとLEDコモンデータの出力を制御する処理である。遊技LEDのLEDデータは、例えば、主制御メイン処理で呼び出される遊技動作表示ユニット制御処理(図116のステップS6024)においてセットされ、性能LEDのLEDデータは、例えば、システムタイマ割込み処理で呼び出される性能表示モニタ制御処理(領域外)(図132のステップS6407)で呼び出される性能表示モニタ表示処理(不図示)においてセットされる。
まず、メインCPU6201は、ステップS6481において、リフレッシュ値(例えば、8ビットのビット列「00000000」)を出力ポート12のアドレスにセットする。
なお、出力ポート12は、図柄表示を行うためのLED(遊技LED)と、性能表示を行うためのLED(性能LED)を兼用するLEDに関するLEDデータ出力用ポートである。また、後述する出力ポート11は、当該LEDに関するLEDコモンデータの出力用ポートである。
次に、ステップS6482において、メインRAM6203の遊技用エリアの遊技LEDコモン領域(遊技LEDのLEDコモンデータを格納する領域)の遊技LEDコモン値(LEDコモンデータ)に「1」を加算し更新する。このとき、遊技LEDコモン領域のアドレスが、例えば、HLレジスタのアドレスにセットされ、遊技LEDコモン値の計算が行われる。
ただし、更新後の値は、指定した値(最大値)以上の場合、「0」に設定される。また、更新後の値は、遊技LEDコモン領域の指定されたレジスタ(例えば、HLレジスタ)が示すアドレスの領域に記憶され、さらに、これとは別のレジスタ(例えば、Aレジスタ)にも記憶される。
例えば、上述した指定した値(最大値)は、遊技用エリアの遊技LEDデータ領域(遊技LEDのLEDデータを格納する領域)の範囲が「4」であり、領域外エリアの性能LEDデータ領域(性能LEDのLEDデータを格納する領域)の範囲が「4」である場合、4+4-1=7、となり、ここで、遊技LEDコモン値が「1」のとき、この値は、最大値未満であるため、HLレジスタが示すアドレスの領域には「2」に更新されるとともに、Aレジスタの値も「2」にセットされる。また、このとき、遊技LEDコモン値が「7」のとき、この値は、最大値以上であるため、HLレジスタが示すアドレスの領域は「0」に更新されるとともに、Aレジスタの値も「0」にセットされる。
ステップS6482のこうした処理は、1処理(1つの命令)によって実行される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6483において、Aレジスタの値を遊技LEDデータ領域の範囲(例えば、4データある場合は「4」)で除算し、商をAレジスタに記憶し、余りを別のレジスタ(例えば、Bレジスタ)に記憶する。またさらに、Bレジスタの値に「1」を加算して補正を行う。
例えば、ステップS6482における処理の結果、HLレジスタが示すアドレスの領域が「6」に更新され、Aレジスタの値が「6」にセットされている場合、6÷4=1で、余りが2となるので、Aレジスタには「1」が記憶され、Bレジスタには「2」が記憶され、さらに、Bレジスタに対して「1」を加算する補正を行い、結果的に、Bレジスタの値は「3」となる。このように、Bレジスタの値は、「1」~「4」の値をとることになる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6484において、Aレジスタの値が、遊技LEDコモン値か否かを判定する。この判定は、例えば、Aレジスタに記憶された値が「0」か「1」かで判定することができ、Aレジスタの値が「0」であれば、その値は遊技LEDコモン値であり、Aレジスタの値が「1」であれば、その値は性能LEDコモン値となる。遊技LEDコモン値と判定された場合(ステップS6484がYES判定の場合)、ステップS6487に進む。一方、性能LEDコモン値と判定された場合(ステップS6484がNO判定の場合)、ステップS6485において、Bレジスタの値に、性能LEDデータ領域の範囲の値(例えば、「4」)を加算して、Bレジスタの値を補正する。この結果、Bレジスタの値は、「5」~「8」の値をとることになる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6486において、メインRAM6203の領域外エリアの性能LEDコモン領域(性能LEDのLEDコモンデータを格納する領域)のアドレスをHLレジスタに設定する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6487において、ダイナミック点灯コモンデータの初期値(例えば、8ビットのビット列「10000000」)をAレジスタに設定する。ダイナミック点灯コモンデータは、LEDの点灯方法としてダイナミック点灯を行うためのコモンデータであり、ダイナミック点灯は、LEDを一定周波数で高速に点滅させることでLEDの点灯を実現する点灯方法である。
次に、メインCPU6201は、ステップS6488において、Aレジスタにセットされたダイナミック点灯コモンデータを補正する。
この処理は、例えば、Aレジスタに格納されているダイナミック点灯コモンデータ(8ビットのビット列)を左に1ビットシフトし、左端にあったビット値を右端にセットするものである。次に、ステップS6489において、HLレジスタのアドレスを補正してダイナミック点灯コモンデータ領域を選択する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6490において、Bレジスタの値に対応する所定回数分の処理を行ったか否かを判定する。所定回数分の処理を行っていない場合(ステップS6490がNO判定の場合)、ステップS6488に戻って処理を繰り返す。
この処理によって、例えば、Aレジスタに、ダイナミック点灯コモンデータの初期値(8ビットのビット列「10000000」)が格納されている場合、Bレジスタの値が「1」であれば、Aレジスタの内容は「00000001」となり、Bレジスタの値が「2」であれば、Aレジスタの内容は「00000010」となり、以降、同様に、Bレジスタの値に応じて、Aレジスタの値がシフトされ、Bレジスタの値が最大の「8」であった場合、Aレジスタの内容は元の値「10000000」に戻る。
ステップS6490において、所定回数分の処理を行っていると判定された場合(ステップS6490がYES判定の場合)、ステップS6491において、HLレジスタで示されるアドレスで指定されるLEDデータをHレジスタにセットする。例えば、HLレジスタで示されるアドレスが、性能LEDデータ領域である場合、Bレジスタの値に応じて、比率セグ上位出力ドライババッファ領域、識別セグ下位出力ドライババッファ領域、識別セグ上位出力ドライババッファ領域といった領域のうち1つの領域からデータがHレジスタにセットされる。また、HLレジスタで示されるアドレスが、遊技LEDデータ領域である場合、Bレジスタの値に応じて、遊技LEDデータ1領域(特別図柄1表示LEDに係るデータ領域)、遊技LEDデータ2領域(特別図柄2表示LEDに係るデータ領域)、遊技LEDデータ3領域(確変状態LED、時短状態報知LEDに係るデータ領域)、遊技LEDデータ4領域(ラウンド表示LED、発射位置報知LEDに係るデータ領域)といった領域のうち1つの領域からデータがHレジスタにセットされる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6492において、Aレジスタに記憶されているダイナミック点灯コモンデータをLレジスタにセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6493において、出力ポート11、出力ポート12にHLレジスタの値をセットする。
[遊技状態情報更新処理]
次に、図137を参照して、遊技状態情報更新処理について説明する。この処理は、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される遊技復帰処理(図115のステップS6013)で呼び出される処理である。また、この処理は、メインCPU6201の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)で呼び出される特別図柄制御処理(図116のステップS6022)から呼び出される特別図柄遊技判定処理(不図示、ただし、第1のパチンコ遊技機で説明した図30の特別図柄遊技判定処理と同様の処理)から呼び出される特別図柄遊技終了処理(不図示、ただし、第1のパチンコ遊技機で説明した図31の特別図柄遊技終了処理と同様の処理)からも呼び出される。なお、図137は、遊技状態情報更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6201は、ステップS6511において、遊技状態指定パラメータ設定処理を行い、ステップS6512において、メインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)に配置され、演出変動回数カウンタ値が格納されているアドレスをレジスタ(例えば、HLレジスタ)にセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6513において、HLレジスタに記憶されているアドレスで示される領域の(1バイト)データを、指定したビット位置で振り分け、それぞれの値をHレジスタ、Lレジスタにセットする。また、それぞれのレジスタの上位ビットには「0」をセットし、HLレジスタの値を2バイトのコマンドとする。
この処理は、1バイト値をコマンド用に加工するものであり、例えば、1バイトのビット列「11001001」のデータに対して、ビット位置「6」を指定すると、Hレジスタには、6ビット目を境界にして振り分た結果、最上位ビットである7ビット目の「1」が取り出され、さらに上位ビットをすべて「0」としたデータ「00000001」がセットされ、Lレジスタには、0ビット目から6ビット目の「1001001」が取り出された後、上位ビット(7ビット目)を「0」としたデータ「01001001」がセットされる。
ステップS6513のこうした処理は、1処理(1つの命令)によって実行される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6514において、HLレジスタの内容を演出変動回数表示用パラメータ領域に、2バイトのコマンドとしてセットし、ステップS6515において、レジスタ(例えば、HLレジスタに)、確変状態変動回数カウンタ値をセットする。
次に、メインCPU6201は、ステップS6516において、HLレジスタの値を2倍することで、HレジスタとLレジスタの値をすべて1ビット左にシフトし、その後、Lレジスタだけ右に1ビット分シフトすることで、HLレジスタの値を2バイトのコマンドとする。
例えば、HLレジスタの値がビット列「0000100111001001」であった場合に、これを2倍すると、「0001001110010010」となる。ここで、Hレジスタはビット列「00010011」となり、Lレジスタはビット列「10010010」となる。そして、Lレジスタを1ビット分だけ右にシフトすると、ビット列「01001001」になる。その結果、HLレジスタの値は、ビット列「0001001101001001」になる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6517において、メインRAM6203の作業領域(遊技用エリア)に配置されている確変状態変動回数表示用パラメータ領域に、HLレジスタの値をセットする。こうした確変状態変動回数表示用パラメータ領域の上位8ビット(ステップS6516で生成されたHレジスタ)と下位8ビット(ステップS6516で生成されたLレジスタ)がそれぞれ、所定コマンドの管理テーブルとして定義された場合、当該テーブルを取得したプログラムでは、例えば、Hレジスタのビット列「00010011」とLレジスタのビット列「01001001」を取得し、そのうち、Lレジスタの値の先頭の「0」を取って、HレジスタとLレジスタを繋げ、その上位ビットを「0」で埋めると、元のHLレジスタのビット列「0000100111001001」となる。
[演出制御コマンド送信処理]
次に、図138を参照して、演出制御コマンド送信処理について説明する。この処理は、メインCPU6201の制御による設定変更確認処理で実行される(図122のステップS6183)処理である。なお、図138は、演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。また、演出制御コマンド送信処理は、さまざまなプログラムから呼び出され、その場合に、用途に応じたテーブルのアドレスがセットされるが、設定変更確認処理から実行される場合、例えば、HLレジスタに、設定操作コマンド管理データテーブルのアドレスがセットされる。
まず、メインCPU6201は、ステップS6531において、割込み許可レジスタ2の値をレジスタ(例えば、フラグレジスタFのパリティ/オーバーフロー・フラグ)に退避する。割込み許可レジスタ2の値は、上述の通り、割込み禁止命令がされると、「0」となり、それ以前の情報が失われてしまうため、このタイミングでこの値を退避しておく。
次に、メインCPU6201は、ステップS6532において、割込み禁止命令を行う。これによって、演出制御コマンド送信処理の開始時点で割込み禁止がされていない場合は、この割込み禁止命令以降、後述するステップS6541で割込み許可命令がされるまでの間、マスカブル割込みが禁止される。次に、メインCPU6201は、ステップS6533において、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを、スタックに保存する。
次に、メインCPU6201は、ステップS6534において、HLレジスタを参照して、HLレジスタに記憶されているアドレスのデータ(先頭の1バイトにあるコマンド種別コード)を(例えば、Aレジスタに)セットする。また、このとき、HLレジスタに記憶されているアドレスは、「1」加算される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6535において、STU2(非同期シリアル通信)コマンドステータスレジスタにおける送信FIFOトリガレベルフラグのビット位置を検査し、送信FIFOトリガレベルが128バイト以上か否かを判定する。
送信FIFOトリガレベルは128バイト未満とする制限があるため、送信FIFOトリガレベルが128バイト以上と判定された場合(ステップS6535がYES判定の場合)、処理を終了するため、ステップS6539に進む。一方、送信FIFOトリガレベルが128バイト未満と判定された場合(ステップS6535がNO判定の場合)、ステップS6536において、STU2(非同期シリアル通信)データレジスタに対して、Aレジスタにセットされているコマンド種別コード(または、コマンドパラメータ作業領域)の出力を行う。
次に、メインCPU6201は、ステップS6537において、(例えば、Aレジスタに)HLレジスタに記憶されているアドレスのデータ(コマンド管理データテーブルに含まれるコマンドパラメータ作業領域)をセットする。また、このセットの後、HLレジスタに記憶されているアドレスは、「1」加算される。
次に、メインCPU6201は、ステップS6538において、ステップS6537でAレジスタにセットされた1バイトのデータはエンドコードか否かを判定する。Aレジスタのデータがエンドコードであると判定された場合(ステップS6538がYES判定の場合)、コマンド送信の処理は終了したので、ステップS6539に進む。一方、Aレジスタのデータがエンドコードでないと判定された場合(ステップS6538がYES判定の場合)、次のコマンド送信のために、ステップS6535に進み、ステップS6535~ステップS6538の処理を繰り返す。
ステップS6539において、メインCPU6201は、ステップS6533でスタックに保存した、割込み許可レジスタ2の値を記憶しているレジスタ(フラグレジスタF)のデータを復帰させる。
次に、メインCPU6201は、ステップS6540において、割込み許可レジスタ2の値が「0」か否かを判定し、「0」であると判定された場合(ステップS6540がYES判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前から割込み禁止の状態であったと判定し、割込み許可命令を実行することなく処理を終了する。
一方、割込み許可レジスタ2の値が「1」であると判定された場合(ステップS6540がNO判定の場合)、当該処理で割込み禁止命令を実行する前は割込み許可の状態であったと判定し、ステップS6541において、割込み許可命令を実行し処理を終了する。
演出制御コマンド送信処理のこうした処理により、ステップS6532の割込み禁止命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「0」となり、ステップS6541の割込み許可命令で割込み許可レジスタ1、割込み許可レジスタ2は共に「1」となるが、データ格納処理を呼び出す時点で割込み許可レジスタ2が「0」であった場合(すなわち、データ格納処理を呼び出す時点で割込み禁止の状態であった場合)、ステップS6541は実行されず、割込み許可レジスタ2が「0」の状態が維持されることになる。
このようなデータ格納処理の割込み禁止状態の管理の仕組みは、図121を参照して説明したデータ格納処理と同様のものであり、この処理に関しても、データ格納処理と同様の効果を得ることができる。
また、図138の演出制御コマンド送信処理では、上記のような構成により、演出制御コマンドを送信するためのリングバッファを用意する必要がなくなり、そのために、リングバッファを管理するための処理(例えば、リングバッファに対する書き込み、及び読み出しを管理する処理)を行う必要がなくなる。そして、これにより、プログラムのサイズを大幅に削減できる。
また、機種依存のメインRAM6203等にリングバッファを確保する際に、リングバッファのサイズを調整するといった処理をなくすことができる。
以上、本発明の第3実施形態について、図面を参照して説明してきたが、これらの構成や処理は例示に過ぎず、様々な他の構成・方法で本発明の技術的思想を実現することができる。また、上記では、本願の技術的思想を、主としてパチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、第2実施形態として説明した封入式遊技機に対して適用することもできる。
以下、上述した遊技機における構成とその構成から奏する効果について付記する。
<付記H-1>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、バンク切り替えによって、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)をそれぞれ区分けして使用するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機では、例えば、ROMに関しては、遊技に関する処理に関連するプログラムとデータを含んだ遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連するデータ等を含む領域外エリアに区分し、RAMに関しては、遊技に関する処理に関連する作業領域等を含む遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連する作業領域等を含む領域外エリアに区分し、さらに、ROMの遊技用エリアとRAMの遊技用エリアをバンク0に割り当て、ROMの領域外エリアとRAMの領域外エリアをバンク1に割り当てている。
このように、バンクごとにROMとRAMで別の領域を割り当てることによって、パチンコ遊技機においてプログラムを実行する際に、バンクを切り替えて、遊技用エリアを利用する処理と、領域外エリアを利用する処理を個別に管理することができ、遊技に関する処理と遊技以外の処理について、利用するプログラムやデータが混同しないように切り分けることができる。
しかしながら、従来の構成では、所定領域のクリア処理やデータのセット処理等を行う場合に、バンクの切り替えが行われると、その間の割込み禁止、割込み許可の設定が保持されない場合があり、そのために、バンクの切り替えが行われる場合に、所定のフラグをオン、オフするなどして割込み禁止、割込み許可の設定を管理し、また、そのような所定のフラグのオン、オフについても、タイミングや処理順序を意識して行う必要があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
また、さらなる本発明の目的は、所定領域のクリア処理やデータの格納処理といった所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-1-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6201)を備え、
前記演算処理手段は、
所定処理(例えば、データの格納処理や所定領域のクリア処理)を実行する際に、割込み禁止状態か割込み許可状態かを示す割込み制御状態(例えば、割込み許可レジスタ)を退避することを特徴とする遊技機(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
(H-1-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値(例えば、割込み許可レジスタ2の値)、第2の値(例えば、割込み許可レジスタ1の値)で管理され、
前記第1の値、及び第2の値は、前記割込み禁止命令、及び前記割込み許可命令によって同じ値に設定される(例えば、割込み禁止命令では禁止「0」、割込み許可命令では許可「1」)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
(H-1-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、
前記割込み制御状態を退避した後で(例えば、割込み許可レジスタ2の値がフラグレジスタに格納された後で)、前記割込み禁止命令を実行するように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
(H-1-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記割込み禁止命令を実行した後で、前記第1の値を退避する(例えば、フラグレジスタに格納された割込み許可レジスタ2の値をスタックに退避する)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
(H-1-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行するように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができる。
(H-1-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行し、
前記データの格納処理、または前記クリア処理が終わった後で、退避していた前記第1の値を復帰させるように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
(H-1-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行し、
前記データの格納処理、または前記クリア処理が終わった後で、退避していた前記第1の値を復帰させ、
復帰させた前記第1の値が割込み禁止状態を示す値である場合、割込み許可命令を実行しないように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。さらに、呼び出された時点で割込み禁止状態であった場合は、割込み禁止状態を維持するために、重複した割込み禁止命令を行わないようにして、プログラムの構成を簡潔かつ小サイズにすることができる。
(H-1-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記第1の値を退避した後で、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行し、
前記データの格納処理、またはクリア処理が終わった後で、退避していた前記第1の値を復帰させ、
復帰させた前記第1の値が割込み許可状態を示す値である場合、割込み許可命令を実行するように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
(H-1-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6203)を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域(例えば、メインRAM6203の遊技用エリア)、及び遊技用以外の領域(例えば、メインRAM6203の領域外エリア)を含み、
前記所定処理が、前記遊技用の領域に係る処理から、前記遊技用以外の領域に係る処理として呼び出される際に、前記第1の値は使用されず、前記第2の値に所定の値がセットされる(例えば、割込み許可レジスタ1に「0」がセットされる)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
(H-1-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域、及び遊技用以外の領域を含み、
前記所定処理が、前記遊技用の領域に係る処理から、前記遊技用以外の領域に係る処理として呼び出された後、前記遊技用の領域に係る処理に戻る際に、前記第1の値が、前記第2の値にセットされる(例えば、割込み許可レジスタ2の値が割込み許可レジスタ1にセットされる)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、指定された領域に対して、データの格納処理、またはクリア処理を実行する処理を呼び出すことができ、また、呼び出された割込み制御状態を保持しておくことで、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
上記構成の遊技機によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
また、上記構成の遊技機によれば、所定領域のクリア処理やデータのセット処理といった所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を保存するとともに、当該呼び出される処理において割込み禁止状態で処理を行い、その後、呼び出し元に戻る際に、割込み制御状態を、保存した状態に戻すことができるため、処理のタイミングや順序を気にする必要がなくなり、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる。
さらに、プログラムにおいて、割込み制御状態の制御、所定領域のクリア処理、及び当該所定処理へのデータの格納処理がひとまとまりに記述されることで、管理上、及び処理上の一層の効率化が図られる。
<付記H-2>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、バンク切り替えによって、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)をそれぞれ区分けして使用するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機では、例えば、ROMに関しては、遊技に関する処理に関連するプログラムとデータを含んだ遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連するデータ等を含む領域外エリアに区分し、RAMに関しては、遊技に関する処理に関連する作業領域等を含む遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連する作業領域等を含む領域外エリアに区分し、さらに、ROMの遊技用エリアとRAMの遊技用エリアをバンク0に割り当て、ROMの領域外エリアとRAMの領域外エリアをバンク1に割り当てている。
また、データの演算や記憶に用いられるレジスタの一部は、バンクごとに設けられ、さらに、データを一時的に保持するためのメモリ領域であるスタックにおける現在の操作位置を示すスタックポインタも、バンクごとに設定される。
このように、バンクごとにROMとRAMで別の領域を割り当て、さらに、レジスタやスタックを別個に設定することによって、パチンコ遊技機においてプログラムを実行する際に、バンクを切り替えて、遊技用エリアを利用する処理と、領域外エリアを利用する処理を個別に管理することができ、遊技に関する処理と遊技以外の処理について、利用するプログラムやデータが混同しないように切り分けることができる。
しかしながら、初期化処理におけるスタックポインタの設定は、RAMの遊技用エリアに関しては、バンク0に係る処理(プログラム)によって行い、RAMの領域外エリアに関しては、バンク0からバンク切り替えを行って、バンク1に係る処理(プログラム)を行う必要があるものの、当該スタックポインタの設定を行う処理やバンク切り替えのタイミング・順序について、効率的かつ簡潔な構成となるように考慮されたものはなかった。また、初期化処理においてRAMをクリアする場合にも、その範囲を決定する処理について、効率的でかつ簡潔な構成となるように考慮されたものはなかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定を行い、RAMのクリア範囲を決定する初期化処理を、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-2-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6201)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6203)と、を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域(例えば、メインRAM6203の遊技用エリア)、及び遊技用以外の領域(例えば、メインRAM6203の領域外エリア)を含み、
さらに、前記遊技用の領域に設けられたスタック(例えば、スタックエリア(遊技用エリア))は前記遊技用の領域に係る処理によって利用され、前記遊技用以外の領域に設けられたスタック(例えば、スタックエリア(領域外エリア))は前記遊技用以外の領域に係る処理によって利用され、
前記遊技用以外の領域に係る処理が最初に呼び出された場合に、前記遊技用以外の領域に設けられたスタックのスタックポインタを設定することを特徴とする遊技機(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定を行うことができ、スタックエリアの設定に係る初期化処理を、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる。
(H-2-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技用以外の領域に係る処理は、前記遊技用の領域に係る処理から呼び出され、
前記遊技用以外の領域に係る処理は、前記遊技用以外の領域に設けられたスタックのスタックポインタを設定した後に、指定領域のCRC算出(例えば、メインRAM6203の遊技用エリア、及び領域外エリアに関するCRC算出)を行うように構成される。
このような本発明の構成によれば、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定を行うことができ、スタックエリアの設定に係る初期化処理を、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる。
(H-2-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1または第2の実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行うように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入の前後において、メインRAMの指定領域に関して異常を検知することができる。
(H-2-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
前記電源投入時のCRC算出と、前記電断時のCRC算出は共通の処理であるように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入の前後において、メインRAMの指定領域に関して異常を検知することができる。
(H-2-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
前記電源投入時に、起動状態(例えば、電断復帰、設定確認、メインRAM6203のクリア、及び設定変更)に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲(例えば、メインRAM6203においてデータをクリアする範囲)が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致しなかった場合であって、電源投入時に設定変更が指示されている場合、前記クリア範囲の先頭アドレスに、異常時に設定されるクリア範囲の先頭アドレス(例えば、異常時RAMクリア範囲先頭アドレス)を設定するように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができる。
(H-2-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記クリア範囲を決定するクリア範囲判定データ(例えば、メインRAM6203の遊技用エリアに係るクリア範囲先頭アドレスの下位1バイト)は、前記遊技用の領域に係る処理において設定され、
前記遊技用以外の領域に係る処理は、前記遊技用以外の領域についてのクリア範囲を、前記クリア範囲判定データに基づいて決定するように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができ、さらに、遊技用エリアについて判定されたクリア範囲の一部に基づいて、領域外エリアのクリア範囲を決定することにより、処理が効率化されるとともに、プログラムのサイズを小さくすることができる。
(H-2-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段(例えば、設定キー差込口6174)、及び第2入力手段(例えば、RAMクリアスイッチ6176)を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、設定変更中の電断復帰である場合、今回の電源投入時における前記第1入力手段、及び前記第2入力手段の状態情報に、前回の前記第1入力手段、及び前記第2入力手段の状態情報をセットするように構成される。
このような本発明の構成によれば、前回、設定変更の途中で電断が発生した場合であっても、電源投入時に続けて設定変更を行うことができる。
(H-2-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段、及び第2入力手段を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段と前記第2入力手段がオフの場合(例えば、起動状態が電断復帰である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定するように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができる。
(H-2-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段、及び第2入力手段を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段がオンの場合(例えば、起動状態が、設定確認、または設定変更である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定しないように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができる。
(H-2-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
電源投入時に、指定領域のCRC算出が行われ、
前記電源投入時の前記CRC算出によって得られたCRC値と、前記電源投入時の前の電断時に、前記指定領域のCRC算出によって得られたCRC値との比較処理を行い、
さらに、電源投入時に設定変更を指示するための、第1入力手段、及び第2入力手段を備え、
電源投入時に、起動状態に応じて前記記憶手段におけるクリア範囲が設定され、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段と前記第2入力手段がオンの場合(例えば、起動状態が設定変更である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、設定変更時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定し、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段がオフ、かつ前記第2入力手段がオンの場合(例えば、起動状態がメインRAM6203のクリアである場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、設定変更時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定し、
前記比較処理の結果、CRC値が一致した場合であって、電源投入時において、前記第1入力手段と前記第2入力手段がオフの場合(例えば、起動状態が電断復帰である場合)、前記クリア範囲の先頭アドレスに、電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを設定し、
前記設定変更時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを記憶する記憶領域と、前記電断復帰時に設定されるクリア範囲の先頭アドレスを記憶する記憶領域(例えば、レジスタ)は同じであるように構成される。
このような本発明の構成によれば、電源投入時の起動状態に応じて、メインRAMのクリア範囲を調整することができ、クリア範囲が同じ記憶領域に記憶されることで、メインRAM6203の領域外エリアのクリア範囲を決定する場合に1つの記憶領域を参照するだけでよく、処理が単純化、効率化される。
上記構成の遊技機によれば、バンクごとに設けられているスタックポインタの設定等の初期化処理や、そのためのバンク切り替えを、効率的かつ簡潔な構成で実行することができる。
<付記H-3>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、バンク切り替えによって、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)をそれぞれ区分けして使用するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機では、例えば、ROMに関しては、遊技に関する処理に関連するプログラムとデータを含んだ遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連するデータ等を含む領域外エリアに区分し、RAMに関しては、遊技に関する処理に関連する作業領域等を含む遊技用エリアと、遊技以外の処理に関連する作業領域等を含む領域外エリアに区分し、さらに、ROMの遊技用エリアとRAMの遊技用エリアをバンク0に割り当て、ROMの領域外エリアとRAMの領域外エリアをバンク1に割り当てている。
また、データの演算や記憶に用いられるレジスタの一部は、バンクごとに設けられ、さらに、データを一時的に保持するためのメモリ領域であるスタックにおける現在の操作位置を示すスタックポインタも、バンクごとに設定される。
このように、バンクごとにROMとRAMで別の領域を割り当て、さらに、レジスタやスタックを別個に設定することによって、パチンコ遊技機においてプログラムを実行する際に、バンクを切り替えて、遊技用エリアを利用する処理と、領域外エリアを利用する処理を個別に管理することができ、遊技に関する処理と遊技以外の処理について、利用するプログラムやデータが混同しないように切り分けることができる。
このような、遊技用エリアと領域外エリアが設定された遊技機では、初期化処理において、遊技用エリアに関するクリア処理と、領域外エリアに関するクリア処理を別個に行う必要があり、さらに、遊技機の起動時の状況に応じて、RAMのクリア範囲を調整する必要がある。
また、従来の構成では、所定の処理を行う場合に、バンクの切り替えが行われると、その間の割込み禁止、割込み許可の設定が保持されない場合があり、そのために、バンクの切り替えが行われる場合に、所定のフラグをオン、オフするなどして割込み禁止、割込み許可の設定を管理し、また、そのような所定のフラグのオン、オフについても、タイミングや処理順序を意識して行う必要があった。
しかしながら、このようなRAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定するよう考慮されたものはなく、また、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができるような構成はなかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、RAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定し、また、所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、割込み禁止、割込み許可の設定を正常に維持することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-3-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6201)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6203)と、を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域(例えば、メインRAM6203の遊技用エリア)、及び遊技用以外の領域(例えば、メインRAM6203の領域外エリア)を含み、
電源投入時に、前記遊技用の領域、及び前記遊技用以外の領域の少なくとも一部をクリアするクリア制御が実行され、
前記クリア制御は、
前記遊技用以外の領域をクリアする場合、そのクリア範囲を、前記遊技用の領域のクリア範囲(遊技用の領域のクリア範囲を指定する情報であって、例えば、遊技用の領域のクリア範囲の先頭アドレスの下位1バイト)に応じて設定可能とすることを特徴とする遊技機(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、RAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定することができ、これによって、当該クリア処理の効率化を図ることができ、さらに、プログラムの構成を簡潔にし、かつプログラムのサイズを小さくすることができる。
(H-3-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記クリア制御は、
電源投入時の起動状態が電断復帰でない場合に、前記遊技用の領域に記憶された戻り番地を保護するために、クリア範囲を調整する(例えば、スタックエリア(遊技用エリア)のスタックポインタSPの初期設定アドレスから数バイト分をクリア範囲から除外する)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出したプログラムが戻り番地に正常に戻ることができ、正常なクリア処理が担保される。
(H-3-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記クリア制御は、前記記憶手段に異常が生じたと判定された場合に、
前記遊技用以外の領域の対応するクリア範囲をクリアし、
改めて、性能表示モニタを制御するための設定値を、前記遊技用以外の領域に格納する(例えば、性能モニタ制御イニシャルテーブルをメインRAM6203の作業領域(領域外エリア)に格納する)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、遊技用以外の領域のすべてがクリアされた場合であっても、性能表示モニタを制御するための初期値(例えば、LEDの設定等に関する初期値)が設定されるため、電源投入後に、当該初期値に基づいて性能表示モニタの制御を開始することができる。
(H-3-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記クリア制御は、前記記憶手段に異常が生じていないと判定された場合に、
性能表示モニタを制御するための設定値を、前記記憶手段に格納することなく、
電源投入時の初期化用設定値を、前記遊技用以外の領域に格納する(例えば、電源投入時初期化用データをメインRAM6203の作業領域(領域外エリア)に格納する)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、遊技用以外の領域の一部がクリアされた場合であっても、電源投入時の初期化用設定値(例えば、LEDの設定等に関する設定値)が格納されるため、電源投入後に、当該設定値に基づいて制御を開始することができる。
(H-3-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記クリア制御は、
電源投入時の起動状態が電断復帰でない場合に、前記遊技用の領域に記憶された戻り番地を保護するために、クリア範囲を調整し、
その後、調整後のクリア範囲に基づいて、前記遊技用の領域をクリアするように構成される。
このような本発明の構成によれば、RAMのクリア処理に関し、電源投入時の起動状態に応じて、RAMのクリア範囲を効果的に切り分けることができる。
(H-3-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記クリア制御は、
前記遊技用以外の領域のクリア範囲を、前記遊技用の領域のクリア範囲に対応付けられた判定データ(例えば、RAMクリア範囲判定データ)に応じて設定可能とし、
前記判定データを前記遊技用以外の領域とは異なる領域(例えば、所定のレジスタ)に退避した後、前記遊技用以外の領域のクリア範囲をクリアするように構成される。
このような本発明の構成によれば、遊技用の領域のクリア範囲、及び遊技用以外の領域のクリア範囲を識別可能な判定データを、遊技用以外の領域のクリア範囲をクリアした後も利用可能とすることができ、判定データが利用可能なタイミングを意識する必要がなくなる。
(H-3-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
所定処理(例えば、データの格納処理や所定領域のクリア処理)を実行する際に、割込み禁止状態か割込み許可状態かを示す割込み制御状態(例えば、割込み許可レジスタ)を退避するように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
(H-3-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
所定処理を実行する際に、割込み禁止状態や割込み許可状態かを示す割込み制御状態を退避し、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値(例えば、割込み許可レジスタ2の値)、第2の値(例えば、割込み許可レジスタ1の値)で管理され、
前記第1の値、及び第2の値は、前記割込み禁止命令、及び前記割込み許可命令によって同じ値に設定される(例えば、割込み禁止命令では禁止「0」、割込み許可命令では許可「1」)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
(H-3-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
所定処理を実行する際に、割込み禁止状態や割込み許可状態かを示す割込み制御状態を退避し、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、
前記割込み制御状態を退避した後で(例えば、割込み許可レジスタ2の値がフラグレジスタに格納された後で)、前記割込み禁止命令を実行するように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
(H-3-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
所定処理を実行する際に、割込み禁止状態や割込み許可状態かを示す割込み制御状態を退避し、
前記割込み制御状態は、割込み禁止命令で割込み禁止状態、割込み許可命令で割込み許可状態に設定され、それぞれ、割込み禁止状態か割込み許可状態かを識別可能な第1の値、第2の値で管理され、
前記割込み禁止命令を実行した後で、前記第1の値を退避する(例えば、フラグレジスタに格納された割込み許可レジスタ2の値をスタックに退避する)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。また、呼び出された処理で割込み禁止状態としつつ、呼び出された際の割込み制御状態を保持しておくことができる。
上記構成の遊技機によれば、RAMのクリア処理に関し、遊技用エリアと領域外エリアのクリア範囲についての情報を効果的に設定することができ、これによって、当該クリア処理の効率化を図ることができ、さらに、プログラムの構成を簡潔にし、かつプログラムのサイズを小さくすることができる。また、所定処理が呼び出された場合に、呼び出された際の割込み制御状態が退避されるので、呼び出された際の割込み制御状態を意識することなく、所定処理を呼び出すことができる。
<付記H-4>
従来、パチンコ遊技機と呼ばれる遊技機が知られており、このパチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に発射された遊技球が転動可能な遊技領域と、この遊技領域に設けられた始動領域と、図柄表示装置と、図柄表示装置を制御する可変表示制御手段とを備える。このような遊技機では、遊技球が始動領域を通過(遊技球の始動口入賞)したことなどの所定の条件が成立すると、可変表示制御手段が図柄表示装置を制御して、図柄表示装置の表示領域上に識別情報(例えば後述の特別図柄等)を変動表示させる。そして、図柄表示装置の表示領域上に最終的に導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行する。
また、従来、パチンコ遊技機の主制御回路において、パチンコ遊技機の電断時等に発生する外部割込み要求に応じて、割込み処理を実行するように構成されたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-53443号公報)。
このようなパチンコ遊技機の割込み処理では、入力ポートの状態を読み出して、電断信号を検知中であると判定した場合、所定フラグをオンにセットし、他の処理は、当該所定フラグがオンの状態である場合に、所定の電断処理を行うように構成される。
しかしながら、このようなパチンコ遊技機の構成では、割込み処理を開始した後に、他の割込み要因が発生すると、そのような状況を想定してプログラムを作成しなければならず、プログラムが複雑になるとともに、そのサイズが大きくなるという問題がある。また、プログラムが複雑化し、サイズが大きくなるという問題については、上記のような割込みに関連するものだけではない。
また、割込み処理を開始した後に、他の割込み要因が発生するという状況を想定するために、電断に係る割込処理を早急に実行することができないという問題が生じ、また、それぞれの割込み要因に対応する割込み処理に関して、実行タイミングや処理順を考慮する必要がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができる遊技機を提供することを目的とする。また、割込み処理の対応や他の要因により、プログラムが複雑化し、サイズが大きくなるという問題を解決することができる遊技機を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-4-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技の動作を制御するための演算処理(例えば、遊技用エリアに係る処理)と、遊技以外の処理を行うための演算処理(例えば、領域外エリアに係る処理)を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6201)を備え、
前記演算処理手段は、
割込み要因が電断である割込みを検知した場合に、電断に係る割込み処理(例えば、図131に示す外部マスカブル割込み処理)を実行し、
前記電断に係る割込み処理において、割込み要因がタイマカウンタ(例えば、タイマカウンタPTC2)である割込み処理(例えば、図132に示すシステムタイマ割込み処理)を実行しないように設定することを特徴とする遊技機(例えば、第3実施形態に係るパチンコ機)。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、当該他の割込みを想定した処理のために分岐命令を記載しなくて済み、結果的に、プログラムの構成が簡潔になるとともに、サイズを小さくすることができる。また、上記構成の遊技機によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、電断の検知後、早急に電断に係る処理を実行することができ、また、当該他の割込みによる処理との実行タイミングや処理順を考慮する必要がなくなる。
(H-4-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6203)を備え、
前記記憶手段には、前記割込み要因に対応したエントリアドレス(例えば、対応する割込み処理の開始アドレス)を有する設定領域が記憶され、
前記演算処理手段は、割込みを検知した場合に、当該割込みの割込み要因に対応した前記エントリアドレスが示す割込み処理を実行するように構成される。
このような本発明の構成によれば、割込み要因に応じて、対応する割込み処理が実行されるように構成され、対応するエントリアドレスに割込み処理を記述するだけで、割込み要因ごとの個別の処理を設定することができる。
(H-4-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1または第2の実施態様において下記の構成を有する。
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段には、前記割込み要因に対応したエントリアドレスを有する設定領域が記憶され、
前記演算処理手段は、割込みを検知した場合に、当該割込みの割込み要因に対応した前記エントリアドレスが示す割込み処理を実行し、
前記設定領域は、割込み要因ごとに、前記エントリアドレスと、対応する割込み処理の優先順位を含み、
前記エントリアドレスと前記優先順位は、所定のデータ(例えば、ビット「0」)によって区切られているように構成される。
このような本発明の構成によれば、割込み要因に応じて、対応する割込み処理が実行されるように構成されるとともに、割込み要因の優先順位を設定することができる。
(H-4-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段には、前記割込み要因に対応したエントリアドレスを有する設定領域が記憶され、
前記演算処理手段は、割込みを検知した場合に、当該割込みの割込み要因に対応した前記エントリアドレスが示す割込み処理を実行し、
前記設定領域には、前記割込み要因として、複数のタイマカウンタの割込み(例えば、タイマカウンタPTC0~PTC2)、複数の非同期シリアル送受信の受信割込み(例えば、非同期シリアル送受信RX0、RX1)、及び少なくとも外部端子(XINT)から入力される外部割込みに係るエントリアドレスと優先順位を含むことができるように構成される。
このような本発明の構成によれば、複数の異なる割込み要因に対して、対応する割込み処理を設定することができる。
(H-4-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記電断に係る割込み処理は、割込み要因がタイマカウンタである割込み処理を実行しないように設定するため、マスクデータを専用のレジスタ(例えば、割込み要因マスクレジスタ)に記憶し(例えば、割込み要因マスクで割込みマスクレジスタを更新し)、
前記マスクデータの各ビットは、そのビットに対応する割込み要因が発生した場合に、対応する割込み処理を実行するか否かを決定するために用いられるように構成される。
このような本発明の構成によれば、マスクデータの内容を調整することによって、特定の割込み要因に対応する割込み処理を実行するか否かを制御することができる。
(H-4-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
さらに、前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段を備え、
前記記憶手段は、遊技用の領域、及び遊技用以外の領域を含み、
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタ(例えば、タイマカウンタPTC2)である割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、前記遊技用以外の領域に関し、異常状態監視処理(例えば、図135に示す異常状態監視処理(領域外))を実行するように構成される。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。
(H-4-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタである割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、LEDの点灯データを出力する点灯データ出力処理(例えば、図136の遊技LED点灯データ出力処理)を実行し、
前記点灯データ出力処理は、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理を1命令で行い、
前記更新処理は、前記LEDコモンデータに1を加算した場合に、
前記加算の結果が、指定した最大値以上である場合に、第1計算結果領域に0をセットするとともに、第2計算結果領域にも0をセットし、
前記加算の結果が、指定した最大値未満である場合に、第1計算結果領域に前記加算の結果をセットするとともに、第2計算結果領域にも前記加算の結果をセットする(例えば、図136のステップS6482に示す処理)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。また、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理であって、条件に応じて、第2計算結果領域にも値をセットする処理を1命令で行うことができ、プログラムの記述を簡潔にすることができる。
(H-4-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタである割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、LEDの点灯データを出力する点灯データ出力処理を実行し、
前記点灯データ出力処理は、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理を1命令で行い、
前記更新処理は、前記LEDコモンデータに1を加算した場合に、
前記加算の結果が、指定した最大値以上である場合に、第1計算結果領域に0をセットするとともに、第2計算結果領域にも0をセットし、
前記加算の結果が、指定した最大値未満である場合に、第1計算結果領域に前記加算の結果をセットするとともに、第2計算結果領域にも前記加算の結果をセットし、
前記第2計算結果領域にセットされた値を、前記遊技LEDのLEDデータを格納する領域の数で除算し、商を前記第2計算結果領域にセットし、余りを第3計算結果領域にセットする(例えば、図136のステップS6483に示す処理)ように構成される。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。また、図柄表示を行うための遊技LEDに関するLEDコモンデータに係る更新処理であって、条件に応じて、第2計算結果領域にも値をセットする処理を1命令で行うことができ、プログラムの記述を簡潔にすることができる。
(H-4-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
割込み要因がタイマカウンタである割込みを検知した場合に、タイマカウンタに係る割込み処理を実行し、
前記タイマカウンタに係る割込み処理は、LEDの点灯データを出力する点灯データ出力処理を実行し、
前記点灯データ出力処理は、前記LEDのダイナミック点灯を行うためのコモンデータの初期値として定数(例えば、ビット列「10000000」)を用いるように構成される。
このような本発明の構成によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、タイマカウンタに係る割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上し、異常状態の監視等、様々な処理を簡潔なプログラムで記述することができる。
(H-4-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記演算処理手段は、
遊技状態に係る情報を更新する遊技状態情報更新処理(例えば、図137に示す遊技状態情報更新処理)を実行し、
前記遊技状態情報更新処理は、
指定した領域(例えば、2バイトレジスタ)に記憶されている1バイトデータに基づいて2バイトコマンドを生成するコマンド生成処理を1命令で実行し(例えば、図137のステップS6513に示す処理)、
前記コマンド生成処理は、前記1バイトデータを指定したビット位置で振り分け、それぞれ上位ビットに0をセットして1バイトデータとし、これらの1バイトを結合して2バイトデータのコマンドを生成するように構成される。
このような本発明の構成によれば、2バイトレジスタに記憶されている1バイトデータに基づいて、2バイトコマンドを生成する処理を1命令で行うことができ、プログラムの記述を簡潔にすることができる。
上記構成の遊技機によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、当該他の割込みを想定した処理のために分岐命令を記載しなくて済み、結果的に、プログラムの構成が簡潔になるとともに、サイズを小さくすることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、割込み要因マスクを利用した構成によって、電断が発生した後の他の割込みの発生を制限することができるため、電断の検知後、早急に電断に係る処理を実行することができ、また、当該他の割込みによる処理との実行タイミングや処理順を考慮する必要がなくなる。
さらに、他の割込みに処理においても、電断発生時の割込み処理を含む他の割込み処理の実行タイミングや処理順を考慮する必要がなく、設計の自由度が向上する。
また、割込み要因に関連するものだけでなく、プログラムが複雑化し、サイズが大きくなるという問題を解決することができる。
[第4実施形態]
以上、第1実施形態~第3実施形態について説明した。以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係るパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同じである。以下においては、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第3実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1のパチンコ遊技機では、~」のように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機に限定されるような記載であったとしても、第4実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第4実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態及び第3実施形態に係るパチンコ遊技機に限定するような記載についても、第4実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第4実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。従って、第1実施形態~第3実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第4実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
[第4のパチンコ遊技機]
以下、本発明の実施形態に係る遊技機の一例として、第4のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
第4のパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態で説明した第3のパチンコ遊技機と同じである。すなわち、第4のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
第4のパチンコ遊技機では、第3のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路2200(図88参照)によって管理される遊技状態として、非大当り遊技状態及び大当り遊技状態が設けられている(図8参照)。第1実施形態で説明したように、非大当り遊技状態では、特別図柄ゲーム(図7参照)が実行され、特別図柄の当り判定処理(特別図柄抽選)の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、ラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。
また、第4のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されており、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。第1実施形態で説明したように、時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物2146(図87参照)を作動させて入賞口(第2始動口2140(図87参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物2146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物2146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
第4のパチンコ遊技機においては、時短制御として、特図短縮制御及び電サポ制御の双方が行われる。電サポ制御が実行されている場合には、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、普通図柄の可変表示時間の短縮及び普通電動役物2146による入賞容易化(開放時間延長)が行われるが、電サポ制御が実行されている場合と電サポ制御が実行されていない場合とで、「普通図柄当り」の当選確率は同じである。なお、第4のパチンコ遊技機において、確変制御は実行されず、非大当り遊技状態としては、低確率状態のみが設けられている。
時短制御が実行される遊技状態(時短遊技状態)としては、A時短遊技状態及びC時短遊技状態が設けられている。第1実施形態で説明したように、A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数(C時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。
なお、第4のパチンコ遊技機においては、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態が設けられている。第1時短遊技状態においては、通常遊技状態と比較して、第2始動口2140を開放状態とする頻度が高くなっており、第2時短遊技状態においては、第1時短遊技状態と比較して、第2始動口2140を開放状態とする頻度が高くなっている。A時短遊技状態としては、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態のうちの何れかに制御される。C時短遊技状態としては、第1時短遊技状態のみに制御され、第2時短遊技状態に制御されることはない。
また、第4のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示され、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(優先変動機)である。第3のパチンコ遊技機と同様に、第1始動口スイッチ2121(図88参照)により第1始動口2120(図87参照)への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(最大4個)まで保留される。一方、第2始動口スイッチ2141(図88参照)により第2始動口2140(図87参照)への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(最大2個)まで保留される。
また、通過ゲートスイッチ2127(図88参照)により通過ゲート2126(図87参照)への遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(最大4個)まで保留される。これにより、普通図柄ゲーム(図7参照)が実行され、普通図柄の当り判定処理(普通図柄抽選)の結果として普通当りが導出されると、普通電動役物2146が作動し、第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。第2始動口2140及び普通電動役物2146は、普通電動役物ユニット2145(図87参照)の構成要素となっている。
[基本仕様]
次に、第4のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
[特別図柄の当り判定テーブル]
図139は、第4のパチンコ遊技機に係る特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図139に示されるとおり、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201(図88参照)は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「大当り」または「ハズレ」に決定する。また、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「役物開放当り」に決定する。
メインROM2202(図88参照)に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口2120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口2140への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
[特別図柄判定テーブル]
図140は、第4のパチンコ遊技機に係る特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口2120,2140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図140に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0である場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が1~50のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が51~99のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
さらに、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。
[当り種類決定テーブル]
図141は、第4のパチンコ遊技機に係る当り種類決定テーブルの一例である。
当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは、第1時短フラグ、第2時短フラグ、および時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。なお、図141の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
選択図柄コマンド「z1」、選択図柄コマンド「z2」、選択図柄コマンド「z3」、及び、選択図柄コマンド「z6」は、それぞれ、大当り1~大当り4に対応している。第4のパチンコ遊技機では、このような4種類の大当りが設けられている。選択図柄コマンド「z4」は、ハズレに対応しており、選択図柄コマンド「z5」は、時短当りに対応しており、選択図柄コマンド「z7」は、小当りに対応している。また、第1時短フラグは、第1時短遊技状態に制御されることを示すフラグであり、第2時短フラグは、第2時短遊技状態に制御されることを示すフラグである。
図141の時短の終了条件の欄に示される「L」は、第1特別図柄の可変表示回数を示す。同様に、「M」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「N」は普通図柄の可変表示回数を示す。第4のパチンコ遊技機においては、下記(i)~(iii)のうちの何れかの条件が成立したときに時短遊技状態が終了する。
(i)時短遊技状態において行われる第1特別図柄の可変表示として「L」回目の可変表示が開始するとき
(ii)時短遊技状態において行われる第2特別図柄の可変表示として「M」回目の可変表示が開始するとき
(iii)時短遊技状態において行われる普通図柄の可変表示として「N」回目の可変表示が停止するとき
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z5」である場合(特別図柄抽選において時短当りに当選した場合)、メインCPU2201は、第1時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=8、M=1、N=100に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態(A時短遊技状態)の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合(特別図柄抽選において大当り1に当選した場合)、メインCPU2201は、ラウンド数を3ラウンドに決定し、第2時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=8、M=1、N=4500に決定する。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合(特別図柄抽選において大当り2に当選した場合)、メインCPU2201は、ラウンド数を3ラウンドに決定し、第1時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=8、M=1、N=100に決定する。また、選択図柄コマンドが「z3」である場合(特別図柄抽選において大当り3に当選した場合)、メインCPU2201は、ラウンド数を3ラウンドに決定し、第1時短フラグ及び第2時短フラグをオンにセットしないことを決定する。また、選択図柄コマンドが「z6」である場合(特別図柄抽選において大当り4に当選した場合)、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、第1時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=8、M=1、N=100に決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」(例えば、選択図柄コマンドが「z7」(特別図柄抽選において小当りに当選した場合))であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、第1時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=8、M=1、N=100に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU2201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、第1時短フラグ(及び第2時短フラグ)もオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、それまでの遊技状態に継続して制御する。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU2201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU2201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、図141では、時短遊技状態の終了条件に関し、「M」の値が全て「1」となっている。すなわち、時短遊技状態において第2始動口2140に遊技球が入賞した場合、当該始動入賞に基づく第2特別図柄の可変表示が開始する時点で時短遊技状態が終了する。従って、時短遊技状態(A時短遊技状態又はC時短遊技状態)において第2始動口2140に遊技球が入賞した場合、当該始動入賞に基づく第2特別図柄の可変表示が開始してから停止するまでの間(図145に示すボーナス種別判定モードに滞在している間)は、通常遊技状態に制御される。そのため、当該始動入賞に基づく第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、当該第2特別図柄の可変表示が停止した後C時短遊技状態に制御されるが、第1実施形態で説明した時短遊技状態の重複は生じない。また、当該始動入賞に基づく第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって、大当り遊技状態に制御されなかった場合、当該第2特別図柄の可変表示の停止後は通常遊技状態に制御される。
本実施形態において、時短遊技状態の終了条件は適宜構成することが可能である。例えば、上記(i)~(iii)のうちの一部の条件(例えば、(iii))のみを時短遊技状態の終了条件として採用することとしてもよい。また、本実施形態では、第1特別図柄の可変表示が開始するときに第1特別図柄の可変表示回数をカウントし、第2特別図柄の可変表示が開始するときに第2特別図柄の可変表示回数をカウントすることとしているが、第1特別図柄の可変表示回数のカウント方法及び第2特別図柄の可変表示回数のカウント方法は、特に限定されない。例えば、第1特別図柄の可変表示が終了するときに第1特別図柄の可変表示回数をカウントすることとしてもよいし、第2特別図柄の可変表示が終了するときに第2特別図柄の可変表示回数をカウントすることとしてもよい。この場合、上記(i)の条件に代えて、時短遊技状態において行われる第1特別図柄の可変表示として「L」回目の可変表示が停止するときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。また、上記(ii)の条件に代えて、時短遊技状態において行われる第2特別図柄の可変表示として「M」回目の可変表示が停止するときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。同様に、本実施形態では、普通図柄の可変表示が終了するときに普通図柄の可変表示回数をカウントすることとしているが、普通図柄の可変表示が開始するときに普通図柄の可変表示回数をカウントすることとしてもよい。
なお、第1実施形態で説明したように、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づいて(上記第1のルートにより)大当り遊技状態が開始されるときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって当該「役物開放当り」に基づいて(上記第2のルートにより)大当り遊技状態が開始されるときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。
[普通図柄の当り判定テーブル]
図142は、第4のパチンコ遊技機に係る普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート2126を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU2201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、1~65536(65536種類)の中から抽出する。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(通常遊技状態)において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~4431のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が4432~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、第1時短遊技状態において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~4431のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、第1時短遊技状態において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が4432~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、第2時短遊技状態において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~4431のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、第2時短遊技状態において、メインCPU2201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が4432~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施形態では、非時短遊技状態、第1時短遊技状態、及び、第2時短遊技状態において、普通図柄当りの当選確率が同一となっているが、もちろん、遊技状態に応じて普通図柄当りの当選確率を異ならせてもよい。例えば、時短遊技状態(第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態)における普通図柄当りの当選確率を非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率よりも高くしてもよいし、第2時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率を第1時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率よりも高くしてもよい。
[普通図柄判定テーブル]
図143は、第4のパチンコ遊技機に係る普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート2126を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~210(211種類)の中から抽出される。
図143に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
また、第1時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
また、第2時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
[普通図柄当り種類決定テーブル]
図144は、第4のパチンコ遊技機に係る普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。
普通図柄当り種類決定テーブルは、時短の種類と、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドと、に応じて、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを決定する際に参照される。
普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz1」、及び、普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz2」は、それぞれ、普通当り1及び普通当り2に対応している。第4のパチンコ遊技機では、このような2種類の普通当り(普通図柄当り)が設けられている。
また、第4のパチンコ遊技機では、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンとして、2つの開放パターン(第1の開放パターン及び第2の開放パターン)が設けられている。第1の開放パターンは、「1回目の開放時間72msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし」となる開放パターン(図144に示す「01H」)である。第2の開放パターンは、「1回目の開放時間72msec、ウェイト時間6204msec、2回目の開放時間5550msec、ウェイト時間120msec、3回目の開放時間72msec、ウェイト時間120msec、4回目の開放時間72msec」となる開放パターン(図144に示す「02H」)である。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類(普通電動役物2146の作動態様である開放パターン)は次のとおり決定される。例えば、非時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU2201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを第1の開放パターンに決定する。また、非時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU2201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを第1の開放パターンに決定する。
また、第1時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(第1時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU2201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを第1の開放パターンに決定する。また、第1時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(第1時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU2201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを第2の開放パターンに決定する。
また、第2時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(第2時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU2201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを第2の開放パターンに決定する。また、第2時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(第2時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU2201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを第2の開放パターンに決定する。
このように、非時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物2146の開放パターンとしては、有利度合いが不利な態様(第1の開放パターン)のみが選択される。第1時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物2146の開放パターンとしては、有利度合いが不利な態様(第1の開放パターン)及び有利度合いが有利な態様(第2の開放パターン)の何れかが選択される。第2時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物2146の開放パターンとしては、有利度合いが有利な態様(第2の開放パターン)のみが選択される。普通電動役物2146の開放パターンの有利度合いは、普通電動役物2146が開放された場合における第2始動口2140への遊技球の入賞のしやすさの度合いである。
なお、大当り遊技状態においては、非時短遊技状態に制御される。従って、大当り遊技状態中に遊技球が通過ゲート2126を通過した場合には、図142に示す普通図柄の当り判定テーブル、図143に示す普通図柄判定テーブル、及び、図144に示す普通図柄当り種類決定テーブルにおいて、時短の種類として「非時短遊技状態」が参照される。
<遊技状態の遷移フロー>
図145は、第4のパチンコ遊技機に係る演出モードの移行遷移を示す図である。図146は、第4のパチンコ遊技機に係る演出モードの移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図145に示すような演出モード(サブ遊技状態)がサブ制御回路2300(図88参照)によって管理されている。演出モードとしては、通常モード、一般大当りモード、特殊大当りモード、第1時短モード、第2時短モード、ボーナス種別判定モード、ビッグボーナスモード、ミドルボーナスモード、及び、スモールボーナスモードが設けられている。
サブ制御回路2300により制御される演出モードは、主制御回路2200(図88参照)により制御される遊技状態(メイン遊技状態)に対応している。通常モード及びボーナス種別判定モードは、メイン遊技状態が通常遊技状態であるときに制御される演出モードである。一般大当りモード、特殊大当りモード、ビッグボーナスモード、ミドルボーナスモード、及び、スモールボーナスモードは、メイン遊技状態が大当り遊技状態であるときに制御される演出モードである。第1時短モードは、メイン遊技状態が第1時短遊技状態であるときに制御される演出モードである。第2時短モードは、メイン遊技状態が第2時短遊技状態であるときに制御される演出モードである。
図145及び図146を参照して具体的に説明すると、通常モードにおいて装飾図柄が特定の大当り停止態様(「7」揃い)で表示装置2007(図87参照)に表示されると、サブ制御回路2300は、通常モードから特殊大当りモードへと演出モードを移行させる(移行条件(1)参照)。また、通常モードにおいて装飾図柄が特定の大当り停止態様(「7」揃い)以外の大当り停止態様で表示装置2007に表示されると、サブ制御回路2300は、通常モードから一般大当りモードへと演出モードを移行させる(移行条件(2)参照)。
第1実施形態で説明したように、表示装置2007に表示される装飾図柄は、左図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成され、中図柄が例えば1~9及び時短図柄の10個の図柄で構成され、右図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成される。特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合には、装飾図柄が大当り停止態様(揃い図柄(ぞろ目))で停止表示される。「7」揃いは、特別図柄抽選において大当り1(図141参照)に当選した場合にのみ表示可能な装飾図柄の停止態様である。もっとも、特別図柄抽選において大当り1に当選した場合であっても、装飾図柄の停止態様が必ずしも「7」揃いになるとは限らず、他の大当り停止態様(例えば、「4」揃い)で装飾図柄が停止表示されることもある。
特殊大当りモードにおいて大当り遊技状態が終了すると、当該大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものである場合、サブ制御回路2300は、特殊大当りモードから第2時短モードへと演出モードを移行させる(移行条件(3)参照)。また、一般大当りモードにおいて大当り遊技状態が終了すると、当該大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものである場合、サブ制御回路2300は、一般大当りモードから第2時短モードへと演出モードを移行させる(移行条件(4)参照)。また、一般大当りモードにおいて大当り遊技状態が終了すると、当該大当り遊技状態が大当り2(図141参照)に当選したことに基づくものである場合、サブ制御回路2300は、一般大当りモードから第1時短モードへと演出モードを移行させる(移行条件(5)参照)。また、一般大当りモードにおいて大当り遊技状態が終了すると、当該大当り遊技状態が大当り3(図141参照)に当選したことに基づくものである場合、サブ制御回路2300は、一般大当りモードから通常モードへと演出モードを移行させる(移行条件(6)参照)。
第1時短モードにおいて、普通当り2(図144参照)に当選し、第2始動口2140に遊技球が入賞すると、サブ制御回路2300は、第1時短モードからボーナス種別判定モードへと演出モードを移行させる(移行条件(7)参照)。また、第2時短モードにおいて、普通当り1(図144参照)及び普通当り2のうちの何れかに当選し、第2始動口2140に遊技球が入賞すると、サブ制御回路2300は、第2時短モードからボーナス種別判定モードへと演出モードを移行させる(移行条件(8)参照)。
図144を用いて説明したように、普通電動役物2146が第1の開放パターンで作動する場合、普通電動役物2146は、72msという限られた時間において一度開放するだけである。このような短時間においては、遊技者が右打ちにより第2始動口2140を狙って遊技球を発射させたとしても、第2始動口2140に遊技球を入賞させることは極めて困難である。一方、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動する場合、普通電動役物2146は、最大で(2回目の開放において)5550msという長時間に亘って開放する。この間に遊技者が右打ちにより第2始動口2140を狙って遊技球を発射させれば、第2始動口2140に遊技球を入賞させることが可能である。そして、図144を用いて説明したように、第1時短遊技状態においては、普通当り2に当選した場合にのみ、普通電動役物2146の開放パターンとして第2の開放パターンが選択され得る。一方、第2時短遊技状態においては、普通当り2に当選した場合だけでなく、普通当り1に当選した場合にも、普通電動役物2146の開放パターンとして第2の開放パターンが選択され得る。上記移行条件(7)及び(8)は、このことに対応している。
また、上述したように、第4のパチンコ遊技機においては、第2特別図柄の始動情報が最大で2個まで保留される。第1実施形態と同様に、メインRAM2203(図88参照)には、変動中の第2特別図柄(当該変動)に対応する特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限2回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)及び第2特別図柄始動記憶領域(2)と、が設けられている。すなわち、第2特別図柄の始動情報は、最大で3個記憶することが可能となっている。
そして、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動する場合、2回目の開放時間(5550ms)は、遊技者が右打ちにより第2始動口2140を狙って遊技球を発射させたときに、第2始動口2140に遊技球を3個(第2特別図柄の始動情報の最大記憶数)入賞させることが可能な程度の長さの時間である。なお、2回目の開放時間が満了するよりも前に第2始動口2140に遊技球が3個入賞した場合には、3個目の遊技球が第2始動口2140に入賞した時点で、普通電動役物2146の作動を終了する(閉鎖状態にする)こととしてもよい。
上記移行条件(7)は、第1時短モードにおいて第2始動口2140に遊技球が1個入賞したときに(当該始動入賞に基づく第2特別図柄の可変表示が開始する時点で)成立し、上記移行条件(8)は、第2時短モードにおいて第2始動口2140に遊技球が1個入賞したときに(当該始動入賞に基づく第2特別図柄の可変表示が開始する時点で)成立する。もっとも、本実施形態において、上記移行条件(7)及び(8)は、これに限定されず、適宜構成することが可能である。
例えば、第1時短モードにおいて第2始動口2140に遊技球が3個入賞したとき(普通電動役物2146が作動している間に第2始動口2140に遊技球が3個入賞しなかった場合には、普通電動役物2146の作動が終了した(又は、2回目の開放時間が満了した)とき)に、上記移行条件(7)を成立させることとしてもよい。同様に、第2時短モードにおいて第2始動口2140に遊技球が3個入賞したとき(普通電動役物2146が作動している間に第2始動口2140に遊技球が3個入賞しなかった場合には、普通電動役物2146の作動が終了した(又は、2回目の開放時間が満了した)とき)に、上記移行条件(8)を成立させることとしてもよい。
このように、移行条件(7)及び(8)が成立するために、少なくとも1個の遊技球が第2始動口2140に入賞することが必要であることとした場合には、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動したとしても、遊技球が1つも第2始動口2140に入賞しなかったときには、ボーナス種別判定モードに移行しないことになる。これに対し、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定された場合には、第2始動口2140への遊技球の入賞を条件とせずに、ボーナス種別判定モードに移行させることとしてもよい。この場合、例えば、普通電動役物2146の作動が終了した(又は、2回目の開放時間が満了した)ときにボーナス種別判定モードに移行させることとしてもよいし、普通電動役物2146の作動が開始するときにボーナス種別判定モードに移行させることとしてもよいし、普通図柄の可変表示が停止したとき(普通図柄の当り判定処理の結果として、第1時短遊技状態においては普通当り2が導出されたとき、第2時短遊技状態においては普通当り1又は普通当り2が導出されたとき)にボーナス種別判定モードに移行させることとしてもよいし、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定されたことを遊技者に報知する演出(例えば、後述する普電ロング開放確定演出)が行われたときにボーナス種別判定モードに移行させることとしてもよい。
ボーナス種別判定モードでは、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に第2始動口2140に遊技球が入賞したこと(第2始動口入賞)に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果を示唆する演出(ボーナス種別示唆演出)が行われる。ボーナス種別示唆演出により示唆される第2特別図柄の当り判定処理の結果は、3つの第2特別図柄抽選結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))の組合せにより構成される。第2特別図柄抽選結果(0)は、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果であり、第2特別図柄抽選結果(1)は、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果であり、第2特別図柄抽選結果(2)は、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果である。
図141を用いて説明したように、第2特別図柄の当り判定処理の結果としては、大当り4、小当り、及び、時短当りが設けられているが、ボーナス種別判定モードにおいて、サブ制御回路2300は、大当り4及び小当りを「当り(サブ)」に変換し、時短当りを「ハズレ(サブ)」に変換する。第1実施形態と同様に、ワークRAM2303(図88参照)には、メインRAM2203に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)、及び、第2特別図柄始動記憶領域(2)のそれぞれに対応する領域として、第2サブ保留領域(0)、第2サブ保留領域(1)、及び、第2サブ保留領域(2)が設けられている。第2特別図柄抽選結果(0)として、第2サブ保留領域(0)に「当り(サブ)」又は「ハズレ(サブ)」を示す情報が記憶され、第2特別図柄抽選結果(1)として、第2サブ保留領域(1)に「当り(サブ)」又は「ハズレ(サブ)」を示す情報が記憶され、第2特別図柄抽選結果(2)として、第2サブ保留領域(2)に「当り(サブ)」又は「ハズレ(サブ)」を示す情報が記憶される。
ボーナス種別示唆演出は、3つの第2特別図柄抽選結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))の組合せに応じた態様で行われる。具体的には、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」の個数に応じて、ボーナス種別示唆演出として異なる演出を実行することが可能となっている。例えば、下記(A)のパターンにおいては「当り(サブ)」が3個であり、下記(B)のパターンにおいては「当り(サブ)」が2個であり、下記(C)のパターンにおいては「当り(サブ)」が1個であり、下記(D)のパターンにおいては「当り(サブ)」が0個である。
(A)第2特別図柄抽選結果(0)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「当り(サブ)」である場合
(B)第2特別図柄抽選結果(0)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「当り(サブ)」である場合
(C)第2特別図柄抽選結果(0)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「ハズレ(サブ)」である場合
(D)第2特別図柄抽選結果(0)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「ハズレ(サブ)」である場合
なお、普通電動役物2146が作動している間に第2始動口2140に遊技球が2個しか入賞しなかった場合には、第2特別図柄抽選結果(2)が「ハズレ(サブ)」として扱われる。また、普通電動役物2146が作動している間に第2始動口2140に遊技球が1個しか入賞しなかった場合には、第2特別図柄抽選結果(1)及び第2特別図柄抽選結果(2)が「ハズレ(サブ)」として扱われる。
ボーナス種別示唆演出としては、ビッグボーナス示唆演出、ミドルボーナス示唆演出、及び、スモールボーナス示唆演出が設けられている。ビッグボーナス示唆演出は、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」が3個である場合にのみ実行可能な演出であり、「当り(サブ)」が2個以下である場合にビッグボーナス示唆演出が行われることはない。すなわち、ビッグボーナス示唆演出が行われた場合には、「当り(サブ)」が3個であることが確定する。ミドルボーナス示唆演出は、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」が2個以上である場合にのみ実行可能な演出であり、「当り(サブ)」が1個以下である場合にミドルボーナス示唆演出が行われることはない。すなわち、ミドルボーナス示唆演出が行われた場合には、「当り(サブ)」が2個以上であることが確定する。スモールボーナス示唆演出は、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」が1個以上である場合にのみ実行可能な演出であり、「当り(サブ)」が0個である場合にスモールボーナス示唆演出が行われることはない。すなわち、スモールボーナス示唆演出が行われた場合には、「当り(サブ)」が1個以上であることが確定する。
なお、「当り(サブ)」が3個である場合であっても、必ずしもビッグボーナス示唆演出が行われるとは限らず、ミドルボーナス示唆演出又はスモールボーナス示唆演出が行われることもある。また、「当り(サブ)」が2個である場合であっても、必ずしもミドルボーナス示唆演出が行われるとは限らず、スモールボーナス示唆演出が行われることもある。ボーナス種別示唆演出の具体的態様については、後に詳述する。
ボーナス種別判定モードにおいてビッグボーナス示唆演出が行われると、サブ制御回路2300は、ボーナス種別判定モードからビッグボーナスモードへと演出モードを移行させる(移行条件(9)参照)。また、ボーナス種別判定モードにおいてミドルボーナス示唆演出が行われると、サブ制御回路2300は、ボーナス種別判定モードからミドルボーナスモードへと演出モードを移行させる(移行条件(10)参照)。また、ボーナス種別判定モードにおいてスモールボーナス示唆演出が行われると、サブ制御回路2300は、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと演出モードを移行させる(移行条件(11)参照)。
ビッグボーナスモードは、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))が全て大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合に制御される演出モードである。この場合、主制御回路2200は、第2特別図柄抽選結果(0)に基づいて1回目の大当り遊技状態を発生させ、その後、第2特別図柄抽選結果(1)に基づいて2回目の大当り遊技状態を発生させ、その後、第2特別図柄抽選結果(2)に基づいて3回目の大当り遊技状態を発生させる。このとき、一の大当り遊技状態と次の大当り遊技状態との間には、第2特別図柄の可変表示が行われ(時短遊技状態に制御され)、主制御回路2200により制御される遊技状態としては、これらの大当り遊技状態は明確に区別される。
これに対し、サブ制御回路2300は、当該3回の大当り遊技状態を一体とし、1回目の大当り遊技状態が開始してから3回目の大当り遊技状態が終了するまでの期間を一の大当りモード(ビッグボーナスモード)として管理する。ここで、第4のパチンコ遊技機では、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合には大入賞口2131(図87参照)を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるのに対し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合にはV入賞装置2150(図87参照)を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。
1回のラウンド遊技は、所定の閉鎖条件(大入賞口2131又はV入賞装置2150への所定数(本実施形態では、10個)の遊技球の入賞、又は、所定時間の経過)が成立した場合に終了する。すなわち、1回のラウンド遊技の長さは、最長で所定時間であり、所定時間が経過するまでに大入賞口2131又はV入賞装置2150に入賞した遊技球の数が所定数に達した場合には、その時点で当該ラウンド遊技が終了する。第4のパチンコ遊技機では、アタッカー(大入賞口2131又はV入賞装置2150)に遊技球が入賞するごとに、15個の遊技球が賞球として払い出される。従って、1回のラウンド遊技においては、最大で150個の遊技球が賞球として払い出されることになる。第2特別図柄抽選の結果が大当り乃至小当りであることに基づいて大当り遊技状態が発生する場合、当該大当り遊技状態のラウンド数は10ラウンドであることから(図141参照)、当該大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の数は、15×10×10=1500である。
以上より、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))が全て大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合、これにより発生する3回の大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の合計数は、1500×3=4500である。ビッグボーナスモードは、4500個の遊技球を獲得可能な大当り遊技状態が発生しているかのような(1回の大当り遊技状態において4500個の遊技球を獲得可能であるように遊技者に見せる)演出が行われる大当りモードである。
同様に、ミドルボーナスモードは、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))のうち少なくとも2つが大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合に制御される演出モードである。この場合、主制御回路2200は、一の第2特別図柄抽選結果に基づいて1回目の大当り遊技状態を発生させ、その後、他の第2特別図柄抽選結果に基づいて2回目の大当り遊技状態を発生させる。このとき、一の大当り遊技状態と次の大当り遊技状態との間には、第2特別図柄の可変表示が行われ(時短遊技状態に制御され)、主制御回路2200により制御される遊技状態としては、これらの大当り遊技状態は明確に区別される。
これに対し、サブ制御回路2300は、当該2回の大当り遊技状態を一体とし、1回目の大当り遊技状態が開始してから2回目の大当り遊技状態が終了するまでの期間を一の大当りモード(ミドルボーナスモード)として管理する。普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))のうち少なくとも2つが大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合、これにより発生する2回の大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の合計数は、1500×2=3000である。ミドルボーナスモードは、3000個の遊技球を獲得可能な大当り遊技状態が発生しているかのような(1回の大当り遊技状態において3000個の遊技球を獲得可能であるように遊技者に見せる)演出が行われる大当りモードである。
同様に、スモールボーナスモードは、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))のうち少なくとも1つが大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合に制御される演出モードである。この場合、主制御回路2200は、一の第2特別図柄抽選結果に基づいて1回の大当り遊技状態を発生させる。
これに対し、サブ制御回路2300は、当該1回の大当り遊技状態が開始してから終了するまでの期間を一の大当りモード(スモールボーナスモード)として管理する。普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))のうち少なくとも1つが大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合、これにより発生する1回の大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の合計数は、1500×1=1500である。スモールボーナスモードは、1500個の遊技球を獲得可能な大当り遊技状態が発生しているように遊技者に見せる演出が行われる大当りモードである。
なお、「当り(サブ)」が3個である場合において、ボーナス種別判定モードでミドルボーナス示唆演出又はスモールボーナス示唆演出が行われたときには、ボーナス種別判定モードからミドルボーナスモード又はスモールボーナスモードへと移行することになるが、当該ミドルボーナスモード又はスモールボーナスモードにおいて、ビッグボーナス示唆演出が行われる(ビッグボーナスモードに昇格する)ようになっている。また、「当り(サブ)」が2個である場合において、ボーナス種別判定モードでスモールボーナス示唆演出が行われたときには、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと移行することになるが、当該スモールボーナスモードにおいて、ミドルボーナス示唆演出が行われる(ミドルボーナスモードに昇格する)ようになっている。
ビッグボーナスモード、ミドルボーナスモード、及び、スモールボーナスモードのうちの何れかの大当りモードにおいて、大当り遊技状態が終了すると、サブ制御回路2300は、当該大当りモードから第1時短モードへと演出モードを移行させる(移行条件(12)参照)。当該大当り遊技状態は、大当り4又は小当りに当選したことに基づくものであるところ、当該大当り遊技状態の終了後は、第1時短遊技状態に制御されることになる(図141参照)。
また、ボーナス種別判定モードにおいて、ビッグボーナス示唆演出、ミドルボーナス示唆演出、及び、スモールボーナス示唆演出が行われなかった(何れのボーナス種別示唆演出も行われずにボーナス種別判定モードが終了した)場合、サブ制御回路2300は、ボーナス種別判定モードから第1時短モードへと演出モードを移行させる(移行条件(13)参照)。この場合、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つの第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))は、全て時短当り(「ハズレ(サブ)」)であり、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当りが導出されることに基づいて第1時短遊技状態に制御されることになる(図141参照)。
第1時短モードにおいて普通図柄の可変表示が所定回数(100回)行われると、サブ制御回路2300は、第1時短モードから通常モードへと演出モードを移行させる(移行条件(14)参照)。上述したように、第1時短遊技状態において行われる普通図柄の可変表示回数が100回に達すると、第1時短遊技状態が終了する(図141参照)。従って、第1時短遊技状態(第1時短モード)では、普通図柄の可変表示回数が100回に達するまでの間に普通図柄抽選において普通当り2に当選する(普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動する)ことを期待しながら遊技を行うことになる。
なお、図示しないが、第2時短モードにおいて普通図柄の可変表示が所定回数(4500回)行われた場合、サブ制御回路2300は、第2時短モードから通常モードへと演出モードを移行させる。上述したように、第2時短遊技状態において行われる普通図柄の可変表示回数が4500回に達すると、第2時短遊技状態が終了して通常遊技状態へと移行する(図141参照)。従って、第2時短遊技状態(第2時短モード)では、普通図柄の可変表示回数が4500回に達するまでの間に普通図柄抽選において普通当り1又は普通当り2に当選する(普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動する)ことを期待しながら遊技を行うことになる。ここで、普通図柄抽選において普通当り1又は普通当り2に当選する確率は約1/14.79であり(図142参照)、4500回の普通図柄抽選の結果が全て「ハズレ」となる確率は略0である。従って、第2時短遊技状態から通常遊技状態に移行する状況は、実際にはまず発生しない。換言すれば、第2時短遊技状態は、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが実質的に確定した遊技状態であると言える。
<演出変動テーブル>
図147は、第4のパチンコ遊技機に係る演出変動テーブルの種別を示す図である。
第4のパチンコ遊技機においては、演出変動テーブルが複数種類設けられており、遊技の状況に応じて、複数種類の演出変動テーブルのなかから一の演出変動テーブルが選択される。そして、選択された演出変動テーブルが参照されることにより、特別図柄の変動パターンテーブル(図157参照)及び普通図柄の変動パターンテーブル(図158参照)に基づいて、特別図柄の変動パターン及び普通図柄の変動パターンが決定されるようになっている。
具体的に、図147に示すように、演出変動テーブルとしては、「通常」用演出変動テーブル、「第1時短」用演出変動テーブル、及び、「第2時短」用演出変動テーブルが設けられている。当該3種類の演出変動テーブルには、それぞれ、テーブル番号(「No.1」~「No.3」)が対応付けられている。
「通常」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.1」)は、通常遊技状態において参照される演出変動テーブルである。「第1時短」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.2」)は、第1時短遊技状態において参照される演出変動テーブルである。「第2時短」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.3」)は、第2時短遊技状態において参照される演出変動テーブルである。
<演出変動グループ>
図148は、第4のパチンコ遊技機に係る演出変動グループを示す図である。
上述したように、第4のパチンコ遊技機では、遊技の状況に応じて、3種類の演出変動テーブルのなかから一の演出変動テーブルが選択される。図148に示すように、「遊技の状況」としては、「初期電源投入後・通常」、「第1時短」、及び、「第2時短」が設けられている。
これらの「遊技の状況」においては、遊技の進行に伴って、所定のタイミングで、一の演出変動テーブルから他の演出変動テーブルへと、選択される演出変動テーブルが切り替わるようになっている。このように経時的に変化する演出変動テーブルを纏めたものを「演出変動グループ」と呼ぶ。演出変動グループとしては、「グループ0」、「グループ1」、及び、「グループ2」が設けられている。
また、第4のパチンコ遊技機では、主制御回路2200において、遊技状態とは別途、演出変動モードが管理されている。主制御回路2200は、演出変動モードを参照することにより演出変動グループを判別することができるようになっている。演出変動モードとしては、モード0、モード1、及び、モード2が設けられている。一の演出変動モードに移行すると、演出変動カウンタの値が予め設定された回数(設定カウンタの値)以上である間、当該演出変動モードに滞在する。
演出変動カウンタとしては、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)が設けられている。演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)は、それぞれ、時短遊技状態の終了条件(上述した(i)~(iii))に対応している。これにより、演出変動カウンタ(特図1)の値は、第1特別図柄の可変表示が開始するときに1減算され、演出変動カウンタ(特図2)の値は、第2特別図柄の可変表示が開始するときに1減算され、演出変動カウンタ(普図)の値は、普通図柄の可変表示が停止するときに1減算される。演出変動カウンタ(特図1)の値、演出変動カウンタ(特図2)の値、及び、演出変動カウンタ(普図)の値のうちの何れかが設定カウンタの値未満となったときに、一の演出変動モードから他の演出変動モードへと移行する。
具体的に、「初期電源投入後・通常」は、電源が投入されたこと又は通常遊技状態に移行したことを契機として開始される遊技の状況であり、「グループ0」は、「初期電源投入後・通常」において選択可能な演出変動テーブルの経時的変化に対応している。電源が投入されたとき、及び、通常遊技状態に移行したときには、演出変動モードとしてモード0が設定され、「グループ0」は、当該モードにより管理される。「グループ0」においては、他の演出変動モード(遊技の状況)に移行するまで、「通常」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.1」)が選択される。
「第1時短」は、第1時短遊技状態に移行したことを契機として開始される遊技の状況であり、「グループ1」は、「第1時短」において選択可能な演出変動テーブルの経時的変化に対応している。第1時短遊技状態に移行したとき、演出変動モードとしてモード1が設定され、「グループ1」は、当該モードにより管理される。また、第1時短遊技状態に移行したとき、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)の初期値(設定時短回数)として、それぞれ、「8」、「1」、及び、「100」がセットされる。これらの初期値は、それぞれ、図141において「大当り2」、「時短当り」、「大当り4」、及び、「小当り」に対して規定された「L」、「M」、及び、「N」の値に対応している。
「グループ1」においては、演出変動カウンタ(特図1)の値、演出変動カウンタ(特図2)の値、及び、演出変動カウンタ(普図)の値が全て1以上であるとき、「第1時短」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.2」)が選択される。また、演出変動カウンタ(特図1)の値、演出変動カウンタ(特図2)の値、及び、演出変動カウンタ(普図)の値のうちの何れかが0になったとき、「通常」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.1」)が選択されるとともに、演出変動モードは、モード1からモード0に移行する。
「第2時短」は、第2時短遊技状態に移行したことを契機として開始される遊技の状況であり、「グループ2」は、「第2時短」において選択可能な演出変動テーブルの経時的変化に対応している。第2時短遊技状態に移行したとき、演出変動モードとしてモード2が設定され、「グループ2」は、当該モードにより管理される。また、第2時短遊技状態に移行したとき、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)の初期値(設定時短回数)として、それぞれ、「8」、「1」、及び、「4500」がセットされる。これらの初期値は、それぞれ、図141において「大当り1」に対して規定された「L」、「M」、及び、「N」の値に対応している。
「グループ2」においては、演出変動カウンタ(特図1)の値、演出変動カウンタ(特図2)の値、及び、演出変動カウンタ(普図)の値が全て1以上であるとき、「第2時短」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.3」)が選択される。また、演出変動カウンタ(特図1)の値、演出変動カウンタ(特図2)の値、及び、演出変動カウンタ(普図)の値のうちの何れかが0になったとき、「通常」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.1」)が選択されるとともに、演出変動モードは、モード2からモード0に移行する。
<大当り終了処理>
図149は、第4のパチンコ遊技機に係る大当り終了処理を示すフローチャートである。図150は、第4のパチンコ遊技機に係る当りの種類と演出変動モードとの対応関係を示す図である。
図149に示す大当り終了処理は、主制御回路2200において図94(特別図柄管理処理)のステップS2020で行われる処理である。
大当り終了処理において、まず、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判断する(ステップS4001)。この処理は、図103のステップS2141の処理と同様の処理である。特別図柄の制御状態番号が「7」ではないと判断した場合、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
一方、特別図柄の制御状態番号が「7」であると判断した場合、メインCPU2201は、今回の大当りが時短大当りであるか否かを判断する(ステップS4002)。メインCPU2201は、今回終了する大当り遊技状態が非時短遊技状態において大当り1、2、4及び小当りのうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、今回の大当りが時短大当りであると判断する。また、メインCPU2201は、今回終了する大当り遊技状態が時短遊技状態において大当り1~4及び小当りのうちの何れかに当選したことに基づくものである場合、今回の大当りが時短大当りであると判断する。
今回の大当りが時短大当りであると判断した場合、メインCPU2201は、今回の大当りが大当り1であるか否かを判断する(ステップS4003)。すなわち、メインCPU2201は、今回終了する大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものであるか否かを判断する。
今回の大当りが大当り1ではないと判断した場合、メインCPU2201は、第1時短フラグをオンにセットし(ステップS4004)、時短カウンタ(特図1)、時短カウンタ(特図2)、及び、時短カウンタ(普図)に、それぞれ、「8」、「1」、及び、「100」をセットする(ステップS4005)。第1時短フラグは、第1時短遊技状態に制御されることを示すフラグである。時短カウンタ(特図1)の値は、時短遊技状態において実行可能な第1特別図柄の可変表示の残り回数を示し、時短カウンタ(特図2)の値は、時短遊技状態において実行可能な第2特別図柄の可変表示の残り回数を示し、時短カウンタ(普図)の値は、時短遊技状態において実行可能な普通図柄の可変表示の残り回数を示し、メインRAM2203に記憶されている。
一方、ステップS4003において今回の大当りが大当り1であると判断した場合、メインCPU2201は、第2時短フラグをオンにセットし(ステップS4006)、時短カウンタ(特図1)、時短カウンタ(特図2)、及び、時短カウンタ(普図)に、それぞれ、「8」、「1」、及び、「4500」をセットする(ステップS4007)。第2時短フラグは、第2時短遊技状態に制御されることを示すフラグである。
ステップS4002において今回の大当りが時短大当りではないと判断した場合、又は、ステップS4005若しくはステップS4007の処理を実行した後、メインCPU2201は、大当りの種類及び大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた演出変動モードをセット(設定)する(ステップS4008)。この処理において、メインCPU2201は、移行先の演出変動モードを示す情報を、メインRAM2203の演出変動モードフラグ格納領域(図示せず)に格納する。これにより、図150に示す態様で、大当りの種類及び大当り遊技状態に移行するときの遊技状態に応じた演出変動モードに移行する。
図150(a)では、通常遊技状態(低確時短なし)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する演出変動モード(移行先の演出変動モード)について示している。図150(b)では、時短遊技状態(低確時短あり)から大当り遊技状態に移行した場合において、当該大当り遊技状態が終了した後に移行する演出変動モード(移行先の演出変動モード)について示している。
具体的に、今回終了する大当り遊技状態が通常遊技状態(低確時短なし)から移行したものであるとき、メインCPU2201は、当該大当り遊技状態が大当り3に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード0に移行させ(モード0に維持し)、当該大当り遊技状態が大当り2、4及び小当りのうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード1に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード2に移行させる。また、今回終了する大当り遊技状態が時短遊技状態(低確時短あり)から移行したものであるとき、メインCPU2201は、当該大当り遊技状態が大当り2~4及び小当りのうちの何れかに当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード1に移行させ、当該大当り遊技状態が大当り1に当選したことに基づくものである場合には演出変動モードをモード2に移行させる。
次に、メインCPU2201は、ステップS4008でセットした演出変動モードに応じた値を演出変動カウンタにセットする(ステップS4009)。この処理において、メインCPU2201は、ステップS4008でセットした演出変動モードがモード1である場合、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)に、それぞれ、「8」、「1」、及び、「100」をセットし、ステップS4008でセットした演出変動モードがモード2である場合、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)に、それぞれ、「8」、「1」、及び、「4500」をセットする。
続いて、メインCPU2201は、ステップS4010~ステップS4012の処理を実行するが、これらの処理は、図98のステップS2072~ステップS2074の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
<時短管理処理>
図151は、第4のパチンコ遊技機に係る時短管理処理を示すフローチャートである。
図151に示す時短管理処理は、主制御回路2200において図98(特別図柄遊技終了処理)のステップS2071で行われる処理である。
時短管理処理において、まず、メインCPU2201は、停止した特別図柄が時短当りを示す停止表示態様であるか否かを判断する(ステップS4021)。停止した特別図柄が時短当りを示す停止表示態様ではないと判断した場合、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
一方、停止した特別図柄が時短当りを示す停止表示態様であると判断した場合、メインCPU2201は、第1時短フラグをオンにセットし(ステップS4022)、時短カウンタ(特図1)、時短カウンタ(特図2)、及び、時短カウンタ(普図)に、それぞれ、「8」、「1」、及び、「100」をセットする(ステップS4023)。
次に、メインCPU2201は、演出変動モードをモード1にセット(設定)する(ステップS4024)。この処理において、メインCPU2201は、モード1を示す情報を、メインRAM2203の演出変動モードフラグ格納領域(図示せず)に格納する(演出変動モードをモード1に移行させる)。そして、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)に、それぞれ、「8」、「1」、及び、「100」をセットする(ステップS4025)。その後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
<特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理>
図152は、第4のパチンコ遊技機に係る特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図152に示す特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理は、主制御回路2200において図95(特別図柄可変表示開始処理)のステップS2029及びステップS2030に代えて行われる処理である。
特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理において、まず、メインCPU2201は、今回の特別図柄変動(特別図柄の可変表示)が第2特別図柄の可変表示であるか否かを判断する(ステップS4041)。この処理において、メインCPU2201は、図93のステップS2003においてYESと判断したことにより図95に示す特別図柄可変表示開始処理を行っている場合、今回の特別図柄変動(特別図柄の可変表示)が第2特別図柄の可変表示であると判断する。
今回の特別図柄変動(特別図柄の可変表示)が第2特別図柄の可変表示であると判断した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を実行する(ステップS4042)。第2特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理については、後に図153を用いて説明する。ステップS4042の処理を実行した後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
一方、今回の特別図柄変動(特別図柄の可変表示)が第2特別図柄の可変表示ではない(第1特別図柄の可変表示である)と判断した場合、メインCPU2201は、第1特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を実行する(ステップS4043)。第1特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理については、後に図154を用いて説明する。ステップS4043の処理を実行した後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
<第2特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理>
図153は、第4のパチンコ遊技機に係る第2特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図153に示す第2特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理は、主制御回路2200において図152(特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理)のステップS4042で行われる処理である。
第2特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理において、まず、メインCPU2201は、時短フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4061)。時短フラグは、時短遊技状態に制御されることを示すフラグであり、第1時短フラグ乃至第2時短フラグがオンにセットされる(時短遊技状態が開始する)ときに時短フラグもオンにセットされ、当該オンにセットされた第1時短フラグ乃至第2時短フラグがオフにセットされる(時短遊技状態が終了する)ときに時短フラグもオフにセットされる。すなわち、第1時短フラグと第2時短フラグとのうちの何れかがオンにセットされている場合には時短フラグがオンにセットされており、第1時短フラグと第2時短フラグとが双方ともオンにセットされていない場合には時短フラグがオンにセットされていないことになる。
時短フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU2201は、時短カウンタ(特図2)の値から1減算する(ステップS4062)。そして、メインCPU2201は、時短カウンタ(特図2)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4063)。時短カウンタ(特図2)の値が0であると判断した場合、メインCPU2201は、時短フラグ(第1時短フラグ又は第2時短フラグ)をオフにセットする(ステップS4064)。これにより、時短遊技状態(第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態)から通常遊技状態へと遊技状態が移行する。
ステップS4061において時短フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS4063において時短カウンタ(特図2)の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4064の処理を実行した後、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図2)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS4065)。演出変動カウンタ(特図2)の値が0よりも大きい(すなわち、演出変動モードがモード1及びモード2のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図2)の値から1減算する(ステップS4066)。
次に、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図2)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4067)。演出変動カウンタ(特図2)の値が0であると判断した場合、メインCPU2201は、演出変動モードをクリアする(ステップS4068)。すなわち、メインCPU2201は、モード1又はモード2から、モード0へと演出変動モードを移行させる。また、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)の値もクリアする(0にセットする)。ステップS4065において演出変動カウンタ(特図2)の値が0よりも大きくない(0である)と判断した場合、ステップS4067において演出変動カウンタ(特図2)の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4068の処理を実行した後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
<第1特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理>
図154は、第4のパチンコ遊技機に係る第1特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図154に示す第1特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理は、主制御回路2200において図152(特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理)のステップS4043で行われる処理である。
第1特別図柄遊技開始時カウンタ更新処理において、まず、メインCPU2201は、時短フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4081)。
時短フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU2201は、時短カウンタ(特図1)の値から1減算する(ステップS4082)。そして、メインCPU2201は、時短カウンタ(特図1)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4083)。時短カウンタ(特図1)の値が0であると判断した場合、メインCPU2201は、時短フラグ(第1時短フラグ又は第2時短フラグ)をオフにセットする(ステップS4084)。これにより、時短遊技状態(第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態)から通常遊技状態へと遊技状態が移行する。
ステップS4081において時短フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS4083において時短カウンタ(特図1)の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4084の処理を実行した後、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS4085)。演出変動カウンタ(特図1)の値が0よりも大きい(すなわち、演出変動モードがモード1及びモード2のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)の値から1減算する(ステップS4086)。
次に、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4087)。演出変動カウンタ(特図1)の値が0であると判断した場合、メインCPU2201は、演出変動モードをクリアする(ステップS4088)。すなわち、メインCPU2201は、モード1又はモード2から、モード0へと演出変動モードを移行させる。また、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)の値もクリアする(0にセットする)。ステップS4085において演出変動カウンタ(特図1)の値が0よりも大きくない(0である)と判断した場合、ステップS4087において演出変動カウンタ(特図1)の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4088の処理を実行した後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
<普通図柄遊技終了時カウンタ更新処理>
図155は、第4のパチンコ遊技機に係る普通図柄遊技終了時カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図155に示す普通図柄遊技終了時カウンタ更新処理は、主制御回路2200において図43(普通図柄制御処理)のステップS294(普通図柄の可変表示終了処理)で行われる処理である。
普通図柄遊技終了時カウンタ更新処理において、まず、メインCPU2201は、時短フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4101)。
時短フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU2201は、時短カウンタ(普図)の値から1減算する(ステップS4102)。そして、メインCPU2201は、時短カウンタ(普図)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4103)。時短カウンタ(普図)の値が0であると判断した場合、メインCPU2201は、時短フラグ(第1時短フラグ又は第2時短フラグ)をオフにセットする(ステップS4104)。これにより、時短遊技状態(第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態)から通常遊技状態へと遊技状態が移行する。
ステップS4101において時短フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS4103において時短カウンタ(普図)の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4104の処理を実行した後、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(普図)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS4105)。演出変動カウンタ(普図)の値が0よりも大きい(すなわち、演出変動モードがモード1及びモード2のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(普図)の値から1減算する(ステップS4106)。
次に、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(普図)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4107)。演出変動カウンタ(普図)の値が0であると判断した場合、メインCPU2201は、演出変動モードをクリアする(ステップS4108)。すなわち、メインCPU2201は、モード1又はモード2から、モード0へと演出変動モードを移行させる。また、メインCPU2201は、演出変動カウンタ(特図1)、演出変動カウンタ(特図2)、及び、演出変動カウンタ(普図)の値もクリアする(0にセットする)。ステップS4105において演出変動カウンタ(普図)の値が0よりも大きくない(0である)と判断した場合、ステップS4107において演出変動カウンタ(普図)の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4108の処理を実行した後、メインCPU2201は、本サブルーチンを終了する。
<第2特別図柄の変動パターン決定処理>
図156は、第4のパチンコ遊技機に係る第2特別図柄の変動パターン決定処理を示すフローチャートである。図157(a)は、第4のパチンコ遊技機に係る第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)である。図157(b)は、第4のパチンコ遊技機に係る第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)である。
図156に示す第2特別図柄の変動パターン決定処理は、第2特別図柄の可変表示が行われる(図93のステップS2003においてYESと判断した)場合に、主制御回路2200において図95(特別図柄可変表示開始処理)のステップS2026で行われる処理である。
第2特別図柄の変動パターン決定処理において、まず、メインCPU2201は、普通電動役物2146がロング開放中であるか否かを判断する(ステップS4121)。この処理において、メインCPU2201は、普電ロング開放中フラグがオンにセットされているか否かを判断する。普電ロング開放中フラグは、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している状態であることを示すフラグであり、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動を開始するときにオンにセットされ、普通電動役物2146が当該作動を終了するときにオフにセットされる。
普通電動役物2146がロング開放中であると判断した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)に基づいて、今回の特別図柄変動における特別図柄の変動パターンを決定し(ステップS4122)、本サブルーチンを終了する。一方、普通電動役物2146がロング開放中ではないと判断した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)に基づいて、今回の特別図柄変動における特別図柄の変動パターンを決定し(ステップS4123)、本サブルーチンを終了する。
第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)及び第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)の基本的な構成は、第1実施形態で説明した特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)と同じである。図157(a)及び図157(b)に示すように、第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)及び第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)においては、当り種類(「時短当り」、「大当り」、及び、「役物開放当り」)のそれぞれに対して、特別図柄の変動パターン及び可変表示時間(特別図柄変動が開始してから終了するまでの時間)が規定されている。
具体的に、第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されるとき、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、特別図柄の変動パターンとして「時短当り用長変動パターン」が選択され、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、特別図柄の変動パターンとして「大当り用長変動パターン」が選択され、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」である場合には、特別図柄の変動パターンとして「小当り用長変動パターン」が選択される。「時短当り用長変動パターン」の可変表示時間、「大当り用長変動パターン」の可変表示時間、及び、「小当り用長変動パターン」の可変表示時間は、それぞれ、105000msとなっている。
図157(a)には示していないが、「時短当り用長変動パターン」、「大当り用長変動パターン」、及び、「小当り用長変動パターン」として、それぞれ、複数の変動パターンを設けることとしてもよい。この場合、「時短当り用長変動パターン」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「大当り用長変動パターン」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「小当り用長変動パターン」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよい。例えば、「時短当り用長変動パターン」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間、「大当り用長変動パターン」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間、「小当り用長変動パターン」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が、それぞれ、105000msであることとしてもよい。
また、第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されるとき、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、特別図柄の変動パターンとして「時短当り用短変動パターン」が選択され、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、特別図柄の変動パターンとして「大当り用短変動パターン」が選択され、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」である場合には、特別図柄の変動パターンとして「小当り用短変動パターン」が選択される。「時短当り用短変動パターン」の可変表示時間、「大当り用短変動パターン」の可変表示時間、及び、「小当り用短変動パターン」の可変表示時間は、それぞれ、300msとなっている。
図157(b)には示していないが、「時短当り用短変動パターン」、「大当り用短変動パターン」、及び、「小当り用短変動パターン」として、それぞれ、複数の変動パターンを設けることとしてもよい。この場合、「時短当り用短変動パターン」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「大当り用短変動パターン」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「小当り用短変動パターン」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよい。例えば、「時短当り用短変動パターン」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も長い変動パターンの可変表示時間、「大当り用短変動パターン」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も長い変動パターンの可変表示時間、「小当り用短変動パターン」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も長い変動パターンの可変表示時間が、それぞれ、300msであることとしてもよい。
ここで、普通電動役物2146が第2の開放パターン(図144に示す「02H」)で作動し、当該普通電動役物2146の作動中に第2始動口2140に遊技球が3個入賞する場面を想定する。まず、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した1つ目の第2始動口入賞については、当該第2始動口入賞の直後に第2特別図柄の始動条件が成立する。この時点において、普通電動役物2146は、第2の開放パターンで作動している状態(図156のステップS4121:YES)である。従って、当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターンは、第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)に基づいて決定される。当該特別図柄変動は、少なくとも105000msに亘って行われ、当該特別図柄変動が停止するのは、普通電動役物2146の作動が終了した後である。当該特別図柄変動が停止することにより、当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動の継続期間は、サブ制御回路2300においてボーナス種別判定モード(図145参照)に制御される期間と基本的に一致する。
その後、当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当り又は小当りである場合には(当該結果が小当りである場合には遊技球がV入賞口に入賞したことを条件として)、大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態の終了後に、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した2つ目の第2始動口入賞について、第2特別図柄の始動条件が成立する。また、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合には、当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、当該2つ目の第2始動口入賞について、第2特別図柄の始動条件が成立する。この時点において、普通電動役物2146の作動は終了しており、普通電動役物2146は、第2の開放パターンで作動していない状態(図156のステップS4121:NO)である。従って、当該2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターンは、第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)に基づいて決定される。同様に、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターンも、第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)に基づいて決定される。
従って、当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターン(図157(a)に示す変動パターン)と比較して、当該2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターン、及び、当該3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターン(図157(b)に示す変動パターン)については、可変表示時間が極めて短くなる。後述するように、当該1つ目の第2始動口入賞に基づいて特別図柄変動が行われている期間においては、図166(f)や図182(a)に示すボタン演出が行われるが、当該2つ目の第2始動口入賞に基づいて特別図柄変動が行われている期間、及び、当該3つ目の第2始動口入賞に基づいて特別図柄変動が行われている期間は、極めて短期間であり、これらの期間において当該ボタン演出は行われない。
なお、本実施形態では、第1実施形態で説明したように、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、並びに、第2特別図柄の可変表示が保留されていること、という3つの要件が満たされたときに第2特別図柄の始動条件が成立する。もっとも、第2特別図柄の始動条件は、この例に限定されず、例えば、これらの3つの要件に加えて、第2特別図柄の保留個数が所定数(例えば、3つ)に達することという要件、又は、普通電動役物2146の作動が終了することという要件が満たされたときに、第2特別図柄の始動条件が成立することとしてもよい。
ここで、時短遊技状態が開始する状況においては、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合と、第2特別図柄の可変表示が保留されていない場合と、がある。第2特別図柄の可変表示が保留されていない状況で開始する時短遊技状態を保留無時短遊技状態と呼び、第2特別図柄の可変表示が保留されている状況で開始する時短遊技状態を保留有時短遊技状態と呼ぶこととする。上記1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動が開始するときの遊技状態は、保留無時短遊技状態である。上記2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動が開始するときの遊技状態、及び、上記3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動が開始するときの遊技状態は、保留有時短遊技状態である。
上述したように、特別図柄の変動パターンは、演出変動テーブル(図147参照)が参照されることにより決定されるところ、演出変動テーブルは、遊技の状況(演出変動グループ)に応じて選択され、演出変動グループは、演出変動モードにより管理されている(図148参照)。本実施形態では、時短遊技状態が開始するときに演出変動モードがセットされるところ(図149のステップS4008参照)、保留無時短遊技状態が開始するときにセットされる演出変動モードと、保留有時短遊技状態が開始するときにセットされる演出変動モードと、を異ならせてもよい。例えば、保留無時短遊技状態が開始するときにセットされる演出変動モードを上述したモード1又はモード2とする一方、保留有時短遊技状態が開始するときにセットされる演出変動モードをこれらとは異なるモード3としてもよい。演出変動モードがモード1又はモード2に制御されているとき、演出変動テーブルとしては、「保留無時短」用演出変動テーブルが選択され、演出変動モードがモード3に制御されているとき、演出変動テーブルとしては、「保留有時短」用演出変動テーブルが選択される。「保留無時短」用演出変動テーブルとしては、図147に示す「第1時短」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.2」)及び「第2時短」用演出変動テーブル(テーブル番号「No.3」)を採用することが可能であり、「保留有時短」用演出変動テーブルとしては、これらとは異なる演出変動テーブルを採用することが可能である。以上を前提として、第2特別図柄の変動パターン決定処理において、「保留無時短」用演出変動テーブルが参照される場合には第2特別図柄の変動パターンテーブル(1個目用)に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する一方、「保留有時短」用演出変動テーブルが参照される場合には第2特別図柄の変動パターンテーブル(2個目・3個目用)に基づいて特別図柄の変動パターンを決定するように構成してもよい。このような構成によっても、上記1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターンと比較して、上記2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターン、及び、上記3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動における特別図柄の変動パターンについて、可変表示時間を短くすることが可能である。
<普通図柄の変動パターン決定処理>
図158は、第4のパチンコ遊技機に係る普通図柄の変動パターンテーブルである。
第1実施形態で説明したように、普通図柄の変動パターンは、普通図柄の変動パターンテーブルに基づいて、普通図柄の可変表示開始処理(図43のステップS293参照)において決定される。本実施形態における普通図柄の変動パターンテーブルの基本的な構成は、第1実施形態で説明した普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)と同じである。図158に示す普通図柄の変動パターンテーブルにおいては、遊技状態(「非時短遊技状態」、「第1時短遊技状態」、及び、「第2時短遊技状態」)ごとに、普通図柄抽選の結果(「ハズレ」、「普通当り1」、及び、「普通当り2」)のそれぞれに対して、普通図柄の変動パターン及び可変表示時間(普通図柄変動が開始してから終了するまでの時間)が規定されている。
具体的に、非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「非時短用変動パターンA」が選択され、非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「非時短用変動パターンB」が選択され、非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「非時短用変動パターンC」が選択される。「非時短用変動パターンA」の可変表示時間、「非時短用変動パターンB」の可変表示時間、及び、「非時短用変動パターンC」の可変表示時間は、それぞれ、3000msとなっている。
図158には示していないが、「非時短用変動パターンA」、「非時短用変動パターンB」、及び、「非時短用変動パターンC」として、それぞれ、複数の変動パターンを設けることとしてもよい。この場合、「非時短用変動パターンA」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「非時短用変動パターンB」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「非時短用変動パターンC」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよい。例えば、「非時短用変動パターンA」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間、「非時短用変動パターンB」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間、「非時短用変動パターンC」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が、それぞれ、3000msであることとしてもよい。
また、第1時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「第1時短用変動パターンA」が選択され、第1時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「第1時短用変動パターンB」が選択され、第1時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「第1時短用変動パターンC」が選択される。「第1時短用変動パターンA」の可変表示時間、及び、「第1時短用変動パターンB」の可変表示時間は、それぞれ、666msであり、「第1時短用変動パターンC」の可変表示時間は、3000msとなっている。
図158には示していないが、「第1時短用変動パターンA」、「第1時短用変動パターンB」、及び、「第1時短用変動パターンC」として、それぞれ、複数の変動パターンを設けることとしてもよい。この場合、「第1時短用変動パターンA」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「第1時短用変動パターンB」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「第1時短用変動パターンC」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよい。例えば、「第1時短用変動パターンA」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間、及び、「第1時短用変動パターンB」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が、それぞれ666msであり、「第1時短用変動パターンC」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が3000msであることとしてもよい。
また、第2時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「第2時短用変動パターンA」が選択され、第2時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「第2時短用変動パターンB」が選択され、第2時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「第2時短用変動パターンC」が選択される。「第2時短用変動パターンA」の可変表示時間は、666msであり、「第2時短用変動パターンB」の可変表示時間、及び、「第2時短用変動パターンC」の可変表示時間は、それぞれ、3000msとなっている。
図158には示していないが、「第2時短用変動パターンA」、「第2時短用変動パターンB」、及び、「第2時短用変動パターンC」として、それぞれ、複数の変動パターンを設けることとしてもよい。この場合、「第2時短用変動パターンA」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「第2時短用変動パターンB」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよいし、「第2時短用変動パターンC」として設けられた複数の変動パターンは、互いに可変表示時間が異なるものであってもよい。例えば、「第2時短用変動パターンA」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が666msであり、「第2時短用変動パターンB」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間、及び、「第2時短用変動パターンC」として設けられた複数の変動パターンのうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が、それぞれ3000msであることとしてもよい。
以上で説明したように、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動、及び、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動している間に発生した3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動について、特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間(例えば、300ms)は、普通図柄の変動パターンにおける可変表示時間(例えば、666ms乃至3000ms)よりも短くなっている。
本実施形態において、特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間と普通図柄の変動パターンにおける可変表示時間との関係性については、適宜構成することが可能である。例えば、当該2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間、及び、当該3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間を、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定された場合に選択され得る普通図柄の変動パターン(例えば、「第1時短用変動パターンC」、「第2時短用変動パターンB」、及び、「第2時短用変動パターンC」)における可変表示時間よりも短い時間とすることが可能である。この場合、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定されなかった場合に選択され得る普通図柄の変動パターン(例えば、「第1時短用変動パターンA」、「第1時短用変動パターンB」、及び、「第2時短用変動パターンA」)における可変表示時間は、当該2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間、及び、当該3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間と比較して、長い時間であってもよいし、短い時間であってもよい。
時短遊技状態(普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定され得る状態)において、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定された場合に選択され得る普通図柄の変動パターン(例えば、「第1時短用変動パターンC」、「第2時短用変動パターンB」、及び、「第2時短用変動パターンC」)のうち可変表示時間の最も短い変動パターンの可変表示時間が、当該2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間、及び、当該3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間よりも長く設定されていれば、当該2つ目乃至3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動中に当該普通図柄の当り判定処理の結果が導出されることがないため、当該2つ目乃至3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動中に普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することを抑制することができる。この点、当該2つ目乃至3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動中に普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動する(遊技球が第2始動口2140に入賞する)ような事態が発生した場合には、本実施形態に係るパチンコ遊技機の開発者が意図する遊技性を実現することができなくなってしまうことが懸念されるところ、上記のような構成を採用すれば、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
<演出の具体的態様>
図159~図182は、第4のパチンコ遊技機に係る各演出モードにおいて行われる演出の具体的態様を示す図である。
図159では、通常モードから一般大当りモードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図160では、一般大当りモードから通常モード乃至第1時短モードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図161及び図162では、通常モードから特殊大当りモードへと移行し、その後第2時短モードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図163では、時短モードにおいて表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図164では、時短モードにおいて普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定された際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図165では、第1時短モードから通常モードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図166では、ボーナス種別判定モード(赤)において表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図167では、ボーナス種別判定モードからビッグボーナスモードへと移行する際(上記(A)のパターン:第2特別図柄抽選結果(0)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「当り(サブ)」である場合)に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図168では、ビッグボーナスモードから第1時短モードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図169では、ボーナス種別判定モードからミドルボーナスモードへと移行する際(上記(B)のパターン:第2特別図柄抽選結果(0)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「当り(サブ)」である場合)に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図170では、ミドルボーナスモードから第1時短モードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図171では、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと移行する際(上記(C)のパターン:第2特別図柄抽選結果(0)が「当り(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「ハズレ(サブ)」である場合)に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図172では、スモールボーナスモードから第1時短モードへと移行する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図173では、ボーナス種別判定モードから第1時短モードへと移行する際(上記(D)のパターン:第2特別図柄抽選結果(0)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(1)が「ハズレ(サブ)」であり、第2特別図柄抽選結果(2)が「ハズレ(サブ)」である場合)に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図174~図176では、スモールボーナスモードからミドルボーナスモード乃至ビッグボーナスモードへと昇格する際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図177及び図178では、「当り(サブ)」が1個である場合において、時短示唆演出が行われた後、復活演出が行われる際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図179では、「当り(サブ)」が2個である場合において、時短示唆演出が行われた後、復活演出が行われる際に表示装置2007に表示される画像の一例を示している。図180~図182では、ボーナス種別判定モード(青)において表示装置2007に表示される画像の一例を示している。
図159(a)では、表示装置2007の表示領域において、第1特図演出用識別図柄2601、第1特図演出用保留図柄2611、第1特図演出用ミニ識別図柄2621、第2特図演出用ミニ識別図柄2622、普図演出用ミニ識別図柄2623、第1特図演出用ミニ保留図柄2631、第2特図演出用ミニ保留図柄2632、及び、普図演出用ミニ保留図柄2633が表示されている様子を示している。
第1特図演出用識別図柄2601は、今回の第1特別図柄変動(第1特別図柄の可変表示)に対応する装飾図柄である。第1特図演出用保留図柄2611は、第1特別図柄の保留個数を示す図柄であり、今回の第1特別図柄変動(当該変動)に対応する大きめの図柄、及び、保留されている第1特別図柄変動に対応する小さめの図柄により構成される。第1特図演出用識別図柄2601及び第1特図演出用保留図柄2611は、表示装置2007の表示領域において、遊技者が視認しやすい態様で表示される。
第1特図演出用ミニ識別図柄2621は、今回の第1特別図柄変動に対応する識別図柄であり、第1特図演出用識別図柄2601と同じタイミングで変動表示が開始され、第1特図演出用識別図柄2601と同じタイミング且つ同じ態様で停止表示される。第2特図演出用ミニ識別図柄2622は、今回の第2特別図柄変動(第2特別図柄の可変表示)に対応する識別図柄である。普図演出用ミニ識別図柄2623は、今回の普通図柄変動(普通図柄の可変表示)に対応する識別図柄である。第1特図演出用ミニ識別図柄2621、第2特図演出用ミニ識別図柄2622、及び、普図演出用ミニ識別図柄2623(ミニ図柄)については、「1」~「9」のアラビア数字の変動及び停止が繰り返されるだけであり、これらのミニ図柄を用いて当りを期待させる演出(例えば、リーチ演出)は行われない。
第1特図演出用ミニ保留図柄2631は、第1特別図柄の保留個数を示す図柄であり、第1特図演出用保留図柄2611として表示される小さめの図柄の個数に対応した数字が表示される。第2特図演出用ミニ保留図柄2632は、第2特別図柄の保留個数を示す図柄であり、普図演出用ミニ保留図柄2633は、普通図柄の保留個数を示す図柄である。第1特図演出用ミニ識別図柄2621、第2特図演出用ミニ識別図柄2622、普図演出用ミニ識別図柄2623、第1特図演出用ミニ保留図柄2631、第2特図演出用ミニ保留図柄2632、及び、普図演出用ミニ保留図柄2633は、表示装置2007の表示領域の端部において、第1特図演出用識別図柄2601及び第1特図演出用保留図柄2611よりも遊技者が視認し難い態様で表示される。
図159(a)では、通常モードにおいて、第1特図演出用識別図柄2601として「2-4-6」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、今回の第1特別図柄変動の結果がハズレとなった様子を示すとともに、第1特図演出用保留図柄2611として、小さめの図柄が1個表示され、第1特別図柄の保留個数が1つである様子を示している。図159(b)では、図159(a)に示す状態の後、保留されていた第1特別図柄変動が行われている様子を示している。図中、変動中の第1特図演出用識別図柄2601及び第1特図演出用ミニ識別図柄2621を矢印により示している。また、第1特図演出用保留図柄2611が大きめの図柄に変化するとともに左位置にシフトしており、保留が1つ消化されたことを示している。
図159(c)では、図159(b)に示す状態の後、第1特図演出用識別図柄2601として「4-4-4」の図柄組合せ(「4」揃い)が停止表示され、今回の第1特別図柄変動の結果が大当りとなった様子を示している。図159(d)では、図159(c)に示す状態の後、「ボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「ボーナス」は、大当り遊技状態(大当りモード)に移行することを遊技者に報知する画像である。図145を用いて説明したように、装飾図柄として「4」揃いが停止表示された場合には一般大当りモードに移行するところ、「ボーナス」という表示は、移行先の大当りモードが一般大当りモードであることに対応している。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。
図159(e)では、図159(d)に示す状態の後、大当り遊技状態における3回目のラウンド遊技(最終ラウンド)においてボタン画像2701が表示されている様子を示している。ボタン画像2701は、演出ボタン54(図1参照)を模した画像であり、演出ボタン54を用いたボタン演出が行われる。演出ボタン54が操作されると(所定時間(ボタン有効時間)内に演出ボタン54が操作されなかった場合には当該時間が経過すると)、ボタン演出の結果(成功又は失敗)が表示される。大当り遊技状態が終了したときに移行する遊技状態が時短遊技状態である場合には、ボタン演出の結果が成功となり、大当り遊技状態が終了したときに移行する遊技状態が通常遊技状態である場合には、ボタン演出の結果が失敗となる。
図160(a)では、図159(e)に示す状態の後、「終了!」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、大当り遊技状態が終了することが遊技者に報知されている。図160(b)では、図160(a)に示す状態の後、「左打ちに戻してください」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、左打ちにより遊技を行うべきこと(通常遊技状態(通常モード)に移行すること)、すなわち、ボタン演出の結果が失敗であることが遊技者に報知されている。
図160(c)では、図159(e)に示す状態の後、「終了!」という文字画像が表示されるとともに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。モード選択用アイコン2702は、3つのアイコン(「赤モード」、「青モード」、及び、「緑モード」)を含んでいる。本実施形態では、第1時短モード、第2時短モード、及び、ボーナス種別判定モード(図145参照)において、それぞれ、3つのモード種別(赤モード、青モード、及び、緑モード)が設けられており、選択されているモード(遊技者選択モード)に応じた演出が行われる。モード選択用アイコン2702が表示されているとき、遊技者は、演出ボタン54を操作することにより、これらの3つの遊技者選択モードのなかから一の遊技者選択モードを選択することができる。
モード選択用アイコン2702は、時短モード(第1時短モード又は第2時短モード)へ移行するときに表示されるようになっており、このときに選択された遊技者選択モードは、当該時短モードだけでなく、当該時短モードから移行するボーナス種別判定モードまで継続する。換言すれば、モード選択用アイコン2702が表示されることは、時短モードへ移行することを意味しており、モード選択用アイコン2702は、時短モードへ移行することを示唆する役割も担っている。
図160(d)では、図160(c)に示す状態の後、「RUSH突入」及び「赤モード」という文字画像が表示されている様子を示している。「RUSH突入」は、時短モードに移行することを遊技者に報知する画像であり、これにより、図159(e)に示すボタン演出の結果が成功であることが報知されている。「赤モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが赤モードであることを示す画像である。ここでは、モード選択用アイコン2702において遊技者が「赤モード」を選択した場合について示している。なお、当該時短モードが第1時短モードである場合と、当該時短モードが第2時短モードである場合とで、異なる演出を行うようにしてもよい。
図161(a)では、図159(a)と同様に、第1特図演出用識別図柄2601として「2-4-6」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、今回の第1特別図柄変動の結果がハズレとなった様子を示している。図161(b)では、図159(b)と同様に、図161(a)に示す状態の後、保留されていた第1特別図柄変動が行われている様子を示している。
図161(c)では、図161(b)に示す状態の後、第1特図演出用識別図柄2601として「7-7-7」の図柄組合せ(「7」揃い)が停止表示され、今回の第1特別図柄変動の結果が大当りとなった様子を示している。図161(d)では、図161(c)に示す状態の後、「超ボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「超ボーナス」は、大当り遊技状態(大当りモード)に移行することを遊技者に報知する画像である。図145を用いて説明したように、装飾図柄として「7」揃いが停止表示された場合には特殊大当りモードに移行するところ、「超ボーナス」という表示は、移行先の大当りモードが特殊大当りモードであることに対応している。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。
図161(e)では、図161(d)に示す状態の後、大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技が開始する様子を示している。図161(f)では、図161(e)に示す状態の後、大当り遊技状態における2回目のラウンド遊技が開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。図145を用いて説明したように、特殊大当りモードにおいては、当該大当りモードの終了後に時短モード(第2時短モード)に移行することが確定している。このことに対応して、特殊大当りモードにおいては、2回目のラウンド遊技が開始してから大当り遊技状態が終了するまでの任意のタイミング(一般大当りモードよりも早いタイミング)で、遊技者が遊技者選択モードを選択することができるようになっている。もっとも、特殊大当りモードにおいても、一般大当りモードと同様に、大当りモードの終了タイミングとなってから遊技者が遊技者選択モードを選択することができる(モード選択用アイコン2702を表示する)ようにしてもよい。
なお、図145を用いて説明したように、第2時短モードにおいては、普通電動役物2146が第2の開放パターン(図144に示す「02H」)で作動することが実質的に確定している。従って、特殊大当りモード(第2時短モードに移行することが確定している大当りモード)においては、所定のタイミングで(例えば、大当り遊技状態における2回目のラウンド遊技が開始するときに)、上述した普電ロング開放確定演出として、後述する普図当りアイコン2650(図164参照)を表示することとしてもよい。
図162(a)では、図161(f)に示す状態の後、大当り遊技状態における3回目のラウンド遊技が終了したときに、モード選択用アイコン2702において遊技者が「赤モード」を選択した様子を示している。図162(b)では、図162(a)に示す状態の後、「RUSH突入」及び「赤モード」という文字画像が表示されている様子を示している。「RUSH突入」は、時短モードに移行することを遊技者に報知する画像であり、「赤モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが赤モードであることを示す画像である。なお、特殊大当りモードの終了後には第2時短モードに移行するところ、第2時短モードに移行することを遊技者に報知する演出を行うようにしてもよい。
図163(a)では、図160(d)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。普図演出用識別図柄2603は、今回の普通図柄変動(普通図柄の可変表示)に対応する識別図柄であり、表示装置2007の表示領域において、遊技者が視認しやすい態様で表示される。表示装置2007の表示領域の中央において、通常モードでは第1特図演出用識別図柄2601が表示されるのに対し、時短モードでは普図演出用識別図柄2603が表示されるようになっている。普図演出用識別図柄2603は、普図演出用ミニ識別図柄2623と同じタイミングで変動表示が開始され、普図演出用ミニ識別図柄2623と同じタイミング且つ同じ態様で停止表示される。
残り時短回数画像2711は、上述した時短カウンタ(普図)の値(時短遊技状態において実行可能な普通図柄の可変表示の残り回数)を示す画像である。図145を用いて説明したように、第1時短モードにおいて実行可能な普通図柄の可変表示回数は100回であるところ、図163(a)では、残り時短回数画像2711として「残り100回」という文字画像が表示されている。
これに対し、図163(e)では、図162(b)に示す状態の後、第2時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。図145を用いて説明したように、第2時短モードにおいて実行可能な普通図柄の可変表示回数は4500回であるところ、図163(e)では、残り時短回数画像2711として「残り4500回」という文字画像が表示されている。
図163(b)では、図163(a)に示す状態の後、遊技球が通過ゲート2126を通過したことにより、普図演出用保留図柄2613が表示され、普通図柄変動が行われている様子を示している。図中、変動中の普図演出用識別図柄2603及び普図演出用ミニ識別図柄2623を矢印により示している。普図演出用保留図柄2613は、普通図柄の保留個数を示す図柄であり、今回の普通図柄変動(当該変動)に対応する大きめの図柄、及び、保留されている普通図柄変動に対応する小さめの図柄により構成される。この例では、当該変動の他に普通図柄変動が2つ保留されている。
図163(c)では、図163(b)に示す状態の後、普図演出用識別図柄2603として「4-5-7」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、今回の普通図柄変動の結果がハズレとなった様子を示している。普通図柄変動が1回行われたことに伴い、残り時短回数画像2711として「残り99回」という文字画像が表示されている。図163(d)では、図163(c)に示す状態の後、普通図柄変動が49回行われたことにより、残り時短回数画像2711として「残り50回」という文字画像が表示されるとともに、さらに普通図柄変動が行われている様子を示している。
図164(a)では、図163(d)に示す状態の後、普図当りアイコン2650が表示されている様子を示している。普図当りアイコン2650は、普通電動役物2146が第2の開放パターン(図144に示す「02H」)で作動することが確定した状況において表示される画像であり、普図当りアイコン2650が表示されることにより、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定されたことが遊技者に報知される。すなわち、普図当りアイコン2650が表示される演出は、上述した普電ロング開放確定演出に相当する。
図164(a)では、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定された(今回の普通図柄変動の結果が普通当り2となった)ことに伴い、普図演出用ミニ識別図柄2623として「5-5-5」の図柄組合せ(ぞろ目)が停止表示されている。普図当りアイコン2650は、普図演出用識別図柄2603の代わりに表示されるものであり、普図当りアイコン2650が表示されるときに普図演出用識別図柄2603は表示されない。
図164(b)では、図164(a)に示す状態の後、普電狙い指示画像2721及び扉画像2722が表示されている様子を示している。普電狙い指示画像2721は、「右を狙って!」という文字画像及び普通電動役物2146の位置を示す矢印画像を含んでおり、これにより、普通電動役物2146を狙って遊技球を発射すべきことが遊技者に示唆される。「右を狙って!」という文字画像は、普電狙い指示画像2721の他にも、表示装置2007の表示領域の上部において帯状に複数表示されている。なお、図164(b)に示す時点において、普通電動役物2146はまだ作動を開始していない。普通図柄の可変表示が停止すると、当該停止から所定時間(確定表示時間)の経過後に普通電動役物2146が作動を開始する。図164(b)では、当該確定表示時間(本実施形態では、540ms)中の状態を示している。
図164(c)では、図164(b)に示す状態の後、当該確定表示時間が満了し、帯状に表示された「右を狙って!」という文字画像の代わりに、小窓画像2651が表示されている様子を示している。小窓画像2651は、「右を狙って!」という文字画像2651a及び時間バー画像2651bを含んでいる。時間バー画像2651bは、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動する場合における2回目の開放時間(5550ms)の残り時間に応じた態様で表示することができるようになっている。図中、時間バー画像2651bの黒色部分(残量ゲージ)が当該残り時間に対応しており、当該残量ゲージがなくなった時点で当該2回目の開放時間(5550ms)が満了する。
図164(d)では、図164(c)に示す状態の後、小窓画像2651が拡大表示され、扉画像2722の視認が困難になっている様子を示している。小窓画像2651は、当該2回目の開放時間の残り時間が所定時間以下となったときに拡大表示され、これにより、普通電動役物2146の作動が終了するタイミングが迫っている旨、遊技者に警告される。当該2回目の開放時間の残り時間が所定時間以下となる前に、第2始動口2140に遊技球が3個入賞した場合には、小窓画像2651の拡大表示が行われない。なお、図164(d)に示す状態からさらに時間が経過して、当該2回目の開放時間の残り時間が特定時間以下となった場合には、小窓画像2651を全画面表示に切り替えることとしてもよい。
図165(a)では、図164(d)に示す状態の後、普通電動役物2146の作動が終了するまでの間に第2始動口2140に遊技球が1つも入賞しなかったことに伴い、扉画像2722の表示態様が変化(暗転)した様子を示している。図165(b)では、図165(a)に示す状態の後、普図演出用識別図柄2603として「5-5-5」の図柄組合せ(「5」揃い)が停止表示されている様子を示している。当該普図演出用識別図柄2603の表示態様は、図164(a)に示す状態における普図演出用ミニ識別図柄2623の表示態様と同じである。図145を用いて説明したように、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動したとしても、遊技球が1つも第2始動口2140に入賞しなかったときには、ボーナス種別判定モードに移行しない(時短モードが継続する)ところ、図165(b)では、このことを示している。
図165(c)では、図165(b)に示す状態の後、新たな普通図柄変動が行われている様子を示している。図165(d)では、図165(c)に示す状態の後、残り時短回数画像2711として「ラスト」という文字画像が表示されるとともに、普図演出用識別図柄2603として「4-5-7」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、今回の普通図柄変動の結果がハズレとなった様子を示している。すなわち、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定されることがないまま、時短カウンタ(普図)の値(時短遊技状態において実行可能な普通図柄の可変表示の残り回数)が0になった状況を示している。
図165(e)では、図165(d)に示す状態の後、「RUSH終了」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、時短遊技状態(時短モード)が終了することが遊技者に報知されている。図165(f)では、図165(e)に示す状態の後、「左打ちに戻してください」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、左打ちにより遊技を行うべきこと(通常遊技状態(通常モード)に移行すること)が遊技者に報知されている。
図166(a)では、図164(d)に示す状態の後、扉画像2722の表示態様が変化した(扉が左右に開く)様子を示している。扉画像2722は、普通電動役物2146の作動が終了するまでの間に第2始動口2140に遊技球が3個入賞したときに、図166(a)に示す態様で表示される。このとき、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて、演出モードは、第1時短モードからボーナス種別判定モードへと移行している(図145参照)。
図166(b)では、図166(a)に示す状態の後、赤モードタイトル画像2731が表示されている様子を示している。赤モードタイトル画像2731は、「UFO襲来!」という文字画像であり、ボーナス種別判定モードスタート画像の一種である。ボーナス種別判定モードスタート画像は、ボーナス種別判定モードに移行したときに、当該ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードに応じた態様で表示され、これにより、ボーナス種別判定モードへの移行、及び、当該ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードを示唆することが可能となっている。
ここで、ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードが〇〇モードである場合、当該ボーナス種別判定モードをボーナス種別判定モード(〇〇)と呼ぶこととする。例えば、ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードが赤モードである場合、当該ボーナス種別判定モードは、ボーナス種別判定モード(赤)である。赤モードタイトル画像2731は、ボーナス種別判定モード(赤)に移行したときに表示される画像であり、赤モードタイトル画像2731が表示されることにより、ボーナス種別判定モード(赤)が開始することが遊技者に示唆される。同様に、時短モード中の遊技者選択モードが〇〇モードである場合、当該時短モードを時短モード(〇〇)と呼ぶこととする。
なお、ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードは、時短モードへ移行するとき(上述したモード選択用アイコン2702が表示されているとき)に選択された遊技者選択モードである。すなわち、時短モードからボーナス種別判定モードへと移行したとき、当該時短モード中の遊技者選択モードと当該ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードとは同じである(当該時短モード及び当該ボーナス種別判定モードでは、同じ遊技者選択モードに制御される)。時短モード及びボーナス種別判定モードが一の遊技者選択モードに制御されている場合、これらの時短モード及びボーナス種別判定モードにおいては、当該遊技者選択モードに応じた連続性のある演出が行われる。例えば、遊技者選択モードが赤モードである場合、時短モード(赤)においては、戦闘機が飛行する映像が表示される演出が行われ、ボーナス種別判定モード(赤)においては、以下で説明するように、戦闘機とUFOとが戦う映像が表示される演出が行われる。
図166(c)では、図166(b)に示す状態の後、赤モード説明文画像2732が表示されている様子を示している。赤モード説明文画像2732は、ボーナス種別判定モード(赤)において行われるボーナス種別示唆演出に関する説明を示す画像であり、赤モードタイトル画像2731とともにボーナス種別判定モードスタート画像を構成するものである。具体的に、赤モード説明文画像2732としては、「右打ちで装備を昇格させよ。」、「全機撃墜すればボーナス確定」、及び、「一機撃墜するごとに+1500」という文字画像が表示されている。
図166(b)に示す画面(赤モードタイトル画像2731)は、第2始動口2140に遊技球が入賞した後の所定のタイミングで表示される。当該タイミングは、1個目の遊技球が第2始動口2140に入賞したときであってもよいし、3個目の遊技球が第2始動口2140に入賞したときであってもよいが、ここでは、普通電動役物2146の作動が終了したときに当該画面が表示されることとする。当該画面の表示は、所定時間(例えば、2秒間)に亘って継続する。図166(c)に示す画面(赤モード説明文画像2732)は、赤モードタイトル画像2731が消えると同時に表示され、当該画面の表示は、所定時間(例えば、5秒間)に亘って継続する。すなわち、この例において、赤モードタイトル画像2731乃至赤モード説明文画像2732は、合計7秒間に亘って表示される。ここでは、赤モードタイトル画像2731と赤モード説明文画像2732とが別々の画面で表示されることとして説明しているが、赤モードタイトル画像2731及び赤モード説明文画像2732は、一の画面において同時に(上記の例では、7秒間に亘って)表示されることとしてもよい。なお、遊技球が第2始動口2140に入賞したことに伴い、第2特別図柄変動(第2特別図柄の可変表示)が開始しており、図中、変動中の第2特図演出用ミニ識別図柄2622を矢印により示している。
図166(d)では、図166(c)に示す状態の後、作動口狙い指示画像2733、戦闘機画像2734、及び、クラス画像2735が表示されている様子を示している。図166(e)では、図166(d)に示す状態の後、戦闘機画像2734が光っている態様で表示されている様子を示している。作動口狙い指示画像2733は、「右打ちで昇格させて!」という文字画像及び普図作動口の位置を示す矢印画像を含んでおり、これにより、普図作動口を狙って遊技球を発射すべきことが遊技者に示唆される。図示しないが、本実施形態では、遊技領域2105(図87参照)の右側領域2107(普通電動役物2146の近傍)に普図作動口を配設し、遊技球が普図作動口に入賞(通過)した場合には、遊技球が通過ゲート2126を通過した場合と同様に、普通図柄の当り判定処理が行われるように構成することが可能である。
戦闘機画像2734は、戦闘機を模した画像であり、クラス画像2735は、当該戦闘機のクラスに対応する画像である。戦闘機のクラスとしては、「ClassC」、「ClassB」、「ClassA」、及び、「ClassS」が設けられている。「ClassS」が最も高いクラスであり、「ClassA」が次に高いクラスであり、「ClassB」が次に高いクラスであり、「ClassC」が最も低いクラスとなっている。クラス画像2735としては、当初「ClassC」に対応する画像が表示される。その後、遊技球が普図作動口に入賞するごとにクラス昇格抽選が行われ、当該クラス昇格抽選に当選すると、クラス画像2735が上位のクラスに対応する画像に変化する。赤モード説明文画像2732における「右打ちで装備を昇格させよ。」は、このことを意味している。
遊技球が普図作動口に入賞すると、図166(e)に示すように、戦闘機画像2734の表示態様が変化する(光っている態様で表示される)。当該表示態様は、クラス昇格抽選が行われたことを示すものである。クラス昇格抽選の当選確率は、上述した3つの第2特別図柄抽選結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))の中に含まれる「当り(サブ)」の個数に応じて設定されており、当該個数が多いほど、クラス昇格抽選の当選確率が高くなっている。
これにより、戦闘機のクラスとして昇格可能な最上位のクラスは、「当り(サブ)」の個数に応じて規定されている。具体的に、「当り(サブ)」が3個である場合、最上位のクラスは、「ClassS」である(クラス昇格抽選により「ClassS」まで昇格する可能性がある)。「当り(サブ)」が2個である場合、最上位のクラスは、「ClassA」である(クラス昇格抽選により「ClassA」まで昇格する可能性がある)。「当り(サブ)」が1個である場合、最上位のクラスは、「ClassB」である(クラス昇格抽選により「ClassB」まで昇格する可能性がある)。「当り(サブ)」が0個である場合、最上位のクラスは、「ClassC」である(クラス昇格抽選が行われても「ClassC」から変化しない)。
「ClassS」まで昇格するのは、「当り(サブ)」が3個である場合だけであり、クラス画像2735として「ClassS」に対応する画像が表示されると、「当り(サブ)」が3個であることが確定する。すなわち、クラス画像2735として「ClassS」に対応する画像が表示される演出は、上述したビッグボーナス示唆演出の一種である。また、ボーナス種別判定モード(赤)において遊技者が右打ちにより遊技を行わなかった(遊技球が普図作動口に入賞しなかった)場合には、戦闘機のクラスが「ClassC」のままであり、「当り(サブ)」の個数が0~3個までの可能性が全て残っていることになる。なお、クラス昇格抽選が行われる契機は、普図作動口への遊技球の入賞に限定されず、例えば、遊技球が第2始動口2140や他の領域を通過したことを契機としてクラス昇格抽選を行うこととしてもよい。
図166(f)では、図166(e)に示す状態の後、戦闘機画像2734、UFO画像2736、及び、ボタン画像2701が表示されるとともに、戦闘機とUFOとが戦っている様子を示している。上述したように、ボタン画像2701は、演出ボタン54(図1参照)を模した画像であり、演出ボタン54を用いたボタン演出が行われる。演出ボタン54が操作されると(所定時間(ボタン有効時間)内に演出ボタン54が操作されなかった場合には当該時間が経過すると)、ボタン演出の結果が表示される。ここでは、ボタン演出の結果として、「UFO全機撃墜」、「UFO2機撃墜」、「UFO1機撃墜」、及び、「UFO撃墜無し」が設けられている。
「UFO全機撃墜」とは、戦闘機が3機のUFOを全て撃墜することであり、「UFO2機撃墜」とは、戦闘機が2機のUFOを撃墜することであり、「UFO1機撃墜」とは、戦闘機が1機のUFOを撃墜することである。「UFO全機撃墜」、「UFO2機撃墜」、及び、「UFO1機撃墜」は、戦闘機がUFOとのバトルに勝利することを意味し、大当り遊技状態に移行することを示唆している。「UFO撃墜無し」は、戦闘機がUFOとのバトルに敗北することを意味し、大当り遊技状態に移行しない(時短遊技状態に移行する)ことを示唆している。
「UFO全機撃墜」は、3つの第2特別図柄抽選結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))の中に含まれる「当り(サブ)」が3個である場合にのみボタン演出の結果として決定可能であり、ボタン演出の結果として「UFO全機撃墜」に対応する画像が表示される演出は、ビッグボーナス示唆演出に相当する。「UFO2機撃墜」は、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」が2個以上である場合にのみボタン演出の結果として決定可能であり、ボタン演出の結果として「UFO2機撃墜」に対応する画像が表示される演出は、ミドルボーナス示唆演出に相当する。「UFO1機撃墜」は、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」が1個以上である場合にのみボタン演出の結果として決定可能であり、ボタン演出の結果として「UFO1機撃墜」に対応する画像が表示される演出は、スモールボーナス示唆演出に相当する。赤モード説明文画像2732における「全機撃墜すればボーナス確定」及び「一機撃墜するごとに+1500」は、このことを意味している。「3つの第2特別図柄抽選結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))」、「当り(サブ)」、「ビッグボーナス示唆演出」、「ミドルボーナス示唆演出」、並びに、「スモールボーナス示唆演出」については、図145を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
「UFO撃墜無し」は、3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」が0~3個の何れの場合であってもボタン演出の結果として決定可能である。ボタン演出の結果として「UFO撃墜無し」に対応する画像が表示されることは、時短遊技状態(時短モード)に移行することを示唆しているところ、当該「UFO撃墜無し」に対応する画像が表示される演出を「時短示唆演出」と呼ぶこととする。もっとも、時短示唆演出が行われた状況であっても、3つの第2特別図柄抽選結果の中に「当り(サブ)」が含まれている可能性が存在し、「当り(サブ)」が含まれている場合には、改めて、ボーナス種別示唆演出(ビッグボーナス示唆演出、ミドルボーナス示唆演出、又は、スモールボーナス示唆演出)が行われる。なお、ビッグボーナス示唆演出、ミドルボーナス示唆演出、スモールボーナス示唆演出、及び、時短示唆演出を総称して、「判定結果示唆演出」とも呼ぶこととする。
図167(a)では、図166(f)に示す状態の後、「全機撃墜!」及び「完全勝利!」という文字画像が表示されている様子を示している。「全機撃墜!」という文字画像は、上記「UFO全機撃墜」に対応する画像であり、「完全勝利!」という文字画像は、3回の大当り遊技状態が発生することを示している。図167(b)では、図167(a)に示す状態の後、「ビッグボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「ビッグボーナス」は、ビッグボーナスモード(図145参照)に移行することを遊技者に報知する画像である。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。
図166(b)に示す状態以降、図167(a)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動(1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動)を継続しているが、図167(b)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「5-5-5」の図柄組合せ(「5」揃い)が停止表示され、当該第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。これにより、ボーナス種別判定モードからビッグボーナスモードへと移行することになる。
図167(c)では、図167(b)に示す状態の後、ビッグボーナスモードにおける1回目のサブラウンドゲームが開始したときに、獲得賞球数画像2741及びV狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。上述したように、「当り(サブ)」が2個乃至3個であり、大当り遊技状態が複数回発生する場合、サブ制御回路2300は、複数回の大当り遊技状態を一体的に管理することが可能である。このとき、サブ制御回路2300は、大当り遊技状態において行われるラウンド遊技をサブラウンドゲームとして管理している。具体的に、サブ制御回路2300は、1回目の大当り遊技状態における10回のラウンド遊技を1回目~10回目のサブラウンドゲームとし、2回目の大当り遊技状態における10回のラウンド遊技を11回目~20回目のサブラウンドゲームとし、3回目の大当り遊技状態における10回のラウンド遊技を21回目~30回目のサブラウンドゲームとして、30回のラウンド遊技に対応するサブラウンドゲームを連続的に管理している。図167(c)では、「Round1」という文字画像が表示されており、1回目のサブラウンドゲームが行われていることを示している。
また、上述したように、3回の大当り遊技状態(30回のサブラウンドゲーム)において遊技者が獲得することができる遊技球の数は、最大で4500である。このことに対応して、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母は、今回のビッグボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(4500)となっている。獲得賞球数画像2741で示す数字の分子は、今回のビッグボーナスモードにおいて獲得済みの遊技球の数である。V狙い指示画像2742は、「Vを狙って!」という文字画像及びV入賞装置2150の位置を示す矢印画像を含んでおり、これにより、V入賞装置2150を狙って遊技球を発射すべきことが遊技者に示唆され、遊技球がV入賞口2155を通過すると、第2のルートを経て1回目の大当り遊技状態に制御される。
図167(d)では、図167(c)に示す状態の後、ビッグボーナスモードにおける11回目のサブラウンドゲームが開始する(1回目の大当り遊技状態が終了した)ことに伴い、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動中となっている様子を示している。1回目の大当り遊技状態と2回目の大当り遊技状態との間には、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動が行われるところ、図167(d)に示す状態における第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、当該第2特別図柄変動に対応している。
図167(e)では、図167(d)に示す状態の後、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「6-6-6」の図柄組合せ(「6」揃い)が停止表示されるとともに、V狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。これにより、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されており、それに伴い、2回目の大当り遊技状態(11回目のサブラウンドゲーム)へと移行し、V入賞装置2150を狙って遊技球を発射すべきことが遊技者に示唆されている。
図167(f)では、図167(e)に示す状態の後、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「3-3-3」の図柄組合せ(「3」揃い)が停止表示されるとともに、V狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。これにより、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動(変動中の様子については、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動と同様であるため、図示を省略)の結果が小当りであることが導出されており、それに伴い、3回目の大当り遊技状態(21回目のサブラウンドゲーム)へと移行し、V入賞装置2150を狙って遊技球を発射すべきことが遊技者に示唆されている。
図168(a)では、図167(f)に示す状態の後、ビッグボーナスモードにおける29回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。上述したように、モード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいても表示されるところ、ビッグボーナスモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702と同じである。図145を用いて説明したように、ビッグボーナスモードが終了すると第1時短モードに移行するところ、演出ボタン54を操作することにより、遊技者は、当該第1時短モード中の遊技者選択モードを選択することができる。
なお、ビッグボーナスモードにおいては、特殊大当りモードと同様に、最終ラウンドよりも1つ前のラウンド(29回目のサブラウンドゲーム)が開始してからビッグボーナスモード(3回目の大当り遊技状態)が終了するまでの任意のタイミングで、遊技者が遊技者選択モードを選択することができるようになっている。もっとも、ビッグボーナスモードにおいても、一般大当りモードと同様に、ビッグボーナスモードの終了タイミングとなってから遊技者が遊技者選択モードを選択することができる(モード選択用アイコン2702を表示する)ようにしてもよい。
図168(b)では、図168(a)に示す状態の後、ビッグボーナスモードにおける30回目のサブラウンドゲームが終了したときに、モード選択用アイコン2702において遊技者が「赤モード」を選択した様子を示している。図168(c)では、図168(b)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「赤モード」という文字画像が表示されている様子を示している。「RUSH継続」は、時短モードが継続することを遊技者に報知する画像であり、「赤モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが赤モードであることを示す画像である。
図168(d)では、図168(c)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。図145を用いて説明したように、第1時短モードにおいて実行可能な普通図柄の可変表示回数は100回であるところ、図168(d)では、残り時短回数画像2711として「残り100回」という文字画像が表示されている。
図169(a)では、図166(f)に示す状態の後、「2機撃墜!」及び「勝利!」という文字画像が表示されている様子を示している。「2機撃墜!」という文字画像は、上記「UFO2機撃墜」に対応する画像であり、「勝利!」という文字画像は、少なくとも1回の大当り遊技状態が発生することを示している。図169(b)では、図169(a)に示す状態の後、「ミドルボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「ミドルボーナス」は、ミドルボーナスモード(図145参照)に移行することを遊技者に報知する画像である。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。
図166(b)に示す状態以降、図169(a)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動(1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動)を継続しているが、図169(b)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「5-5-5」の図柄組合せ(「5」揃い)が停止表示され、当該第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。これにより、ボーナス種別判定モードからミドルボーナスモードへと移行することになる。
図169(c)では、図169(b)に示す状態の後、ミドルボーナスモードにおける1回目のサブラウンドゲームが開始したときに、獲得賞球数画像2741及びV狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。上述したように、2回の大当り遊技状態(20回のサブラウンドゲーム)において遊技者が獲得することができる遊技球の数は、最大で3000である。このことに対応して、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母は、今回のミドルボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(3000)となっている。獲得賞球数画像2741で示す数字の分子は、今回のミドルボーナスモードにおいて獲得済みの遊技球の数である。
図169(d)では、図169(c)に示す状態の後、ミドルボーナスモードにおける11回目のサブラウンドゲームが開始する前に、1回目の大当り遊技状態が終了したことに伴い、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動中となっている様子を示している。1回目の大当り遊技状態と2回目の大当り遊技状態との間には、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動が行われるところ、図169(d)に示す状態における第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、当該第2特別図柄変動に対応している。
図169(e)では、図169(d)に示す状態の後、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「6-6-7」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示されている様子を示している。これにより、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。この時点で、ミドルボーナスモードにおける11回目のサブラウンドゲームはまだ開始せず、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動が行われることになる。
図169(f)では、図169(e)に示す状態の後、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「8-8-8」の図柄組合せ(「8」揃い)が停止表示されている様子を示している。これにより、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動(変動中の様子については、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動と同様であるため、図示を省略)の結果が小当りであることが導出されている。その結果、ミドルボーナスモードにおける11回目のサブラウンドゲームが開始することになる
図170(a)では、図169(f)に示す状態の後、V狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。これにより、2回目の大当り遊技状態(11回目のサブラウンドゲーム)へと移行し、V入賞装置2150を狙って遊技球を発射すべきことが遊技者に示唆されている。図170(b)では、図170(a)に示す状態の後、ミドルボーナスモードにおける19回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。上述したように、モード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいても表示されるところ、ミドルボーナスモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702と同じである。図145を用いて説明したように、ミドルボーナスモードが終了すると第1時短モードに移行するところ、演出ボタン54を操作することにより、遊技者は、当該第1時短モード中の遊技者選択モードを選択することができる。
なお、ミドルボーナスモードにおいては、特殊大当りモードと同様に、最終ラウンドよりも1つ前のラウンド(19回目のサブラウンドゲーム)が開始してからミドルボーナスモード(2回目の大当り遊技状態)が終了するまでの任意のタイミングで、遊技者が遊技者選択モードを選択することができるようになっている。もっとも、ミドルボーナスモードにおいても、一般大当りモードと同様に、ミドルボーナスモードの終了タイミングとなってから遊技者が遊技者選択モードを選択することができる(モード選択用アイコン2702を表示する)ようにしてもよい。
図170(c)では、図170(b)に示す状態の後、ミドルボーナスモードにおける20回目のサブラウンドゲームが終了したときに、モード選択用アイコン2702において遊技者が「青モード」を選択した様子を示している。図170(d)では、図170(c)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「青モード」という文字画像が表示されている様子を示している。「RUSH継続」は、時短モードが継続することを遊技者に報知する画像であり、「青モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが青モードであることを示す画像である。
図170(e)では、図170(d)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。図145を用いて説明したように、第1時短モードにおいて実行可能な普通図柄の可変表示回数は100回であるところ、図170(e)では、残り時短回数画像2711として「残り100回」という文字画像が表示されている。
図171(a)では、図166(f)に示す状態の後、「1機撃墜!」及び「勝利!」という文字画像が表示されている様子を示している。「1機撃墜!」という文字画像は、上記「UFO1機撃墜」に対応する画像であり、「勝利!」という文字画像は、少なくとも1回の大当り遊技状態が発生することを示している。図171(b)では、図171(a)に示す状態の後、「スモールボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「スモールボーナス」は、スモールボーナスモード(図145参照)に移行することを遊技者に報知する画像である。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。
図166(b)に示す状態以降、図171(a)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動(1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動)を継続しているが、図171(b)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「5-5-5」の図柄組合せ(「5」揃い)が停止表示され、当該第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。これにより、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと移行することになる。
図171(c)では、図171(b)に示す状態の後、スモールボーナスモードにおける1回目のサブラウンドゲームが開始したときに、獲得賞球数画像2741及びV狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。上述したように、1回の大当り遊技状態(10回のサブラウンドゲーム)において遊技者が獲得することができる遊技球の数は、最大で1500である。このことに対応して、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母は、今回のスモールボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(1500)となっている。獲得賞球数画像2741で示す数字の分子は、今回のスモールボーナスモードにおいて獲得済みの遊技球の数である。
図171(d)では、図171(c)に示す状態の後、スモールボーナスモードにおける9回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。上述したように、モード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいても表示されるところ、スモールボーナスモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702と同じである。図145を用いて説明したように、スモールボーナスモードが終了すると第1時短モードに移行するところ、演出ボタン54を操作することにより、遊技者は、当該第1時短モード中の遊技者選択モードを選択することができる。
なお、スモールボーナスモードにおいては、特殊大当りモードと同様に、最終ラウンドよりも1つ前のラウンド(9回目のサブラウンドゲーム)が開始してからスモールボーナスモード(大当り遊技状態)が終了するまでの任意のタイミングで、遊技者が遊技者選択モードを選択することができるようになっている。もっとも、スモールボーナスモードにおいても、一般大当りモードと同様に、スモールボーナスモードの終了タイミングとなってから遊技者が遊技者選択モードを選択することができる(モード選択用アイコン2702を表示する)ようにしてもよい。
図171(e)では、図171(d)に示す状態の後、スモールボーナスモードにおける10回目のサブラウンドゲームが終了したときに、モード選択用アイコン2702において遊技者が「緑モード」を選択した様子を示している。図171(f)では、図171(e)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「緑モード」という文字画像が表示されている様子を示している。図172(a)~(c)では、図171(f)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「緑モード」という文字画像が継続して表示されている様子を示している。「RUSH継続」は、時短モードが継続することを遊技者に報知する画像であり、「緑モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが緑モードであることを示す画像である。
ここで、図171及び図172に示す例において、スモールボーナスモード(大当り遊技状態)が終了すると第1時短モード(時短遊技状態)に移行するが、厳密には、大当り遊技状態→A時短遊技状態→C時短遊技状態→C時短遊技状態という遊技状態の遷移が行われる。1回目のC時短遊技状態は、2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りとなったことに基づいて発生するものであり、2回目のC時短遊技状態は、3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りとなったことに基づいて発生するものである。
図171(f)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動中となっているところ、当該第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応している。図172(a)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「5-6-8」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。また、図172(b)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動中となっているところ、当該第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応している。図172(c)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「8-6-8」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。
図172(d)では、図172(c)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。図145を用いて説明したように、第1時短モードにおいて実行可能な普通図柄の可変表示回数は100回であるところ、図172(d)では、残り時短回数画像2711として「残り100回」という文字画像が表示されている。
図173(a)では、図166(f)に示す状態の後、「敗北」という文字画像が表示されている様子を示している。図173(b)では、図173(a)に示す状態の後、「ST回復」という文字画像が表示されている様子を示している。「敗北」及び「ST回復」という文字画像は、上記「UFO撃墜無し」に対応する画像であり、これらの文字画像が表示されることにより、時短示唆演出が行われている。
図173(c)では、図173(b)に示す状態の後、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。上述したように、モード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいても表示されるところ、ボーナス種別判定モードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702は、一般大当りモード及び特殊大当りモードにおいて表示されるモード選択用アイコン2702と同じである。図145を用いて説明したように、何れのボーナス種別示唆演出も行われずにボーナス種別判定モードが終了すると第1時短モードに移行するところ、演出ボタン54を操作することにより、遊技者は、当該第1時短モード中の遊技者選択モードを選択することができる。
図173(d)では、図173(c)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「赤モード」という文字画像が表示されている様子を示している。図173(e)では、図173(d)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「赤モード」という文字画像が継続して表示されている様子を示している。「RUSH継続」は、時短モードが継続することを遊技者に報知する画像であり、「赤モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが赤モードであることを示す画像である。
ここで、図173に示す例において、ボーナス種別判定モードが終了すると第1時短モード(時短遊技状態)に移行するが、厳密には、C時短遊技状態への遷移が3回に亘って行われる。1回目のC時短遊技状態は、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りとなったことに基づいて発生するものであり、2回目のC時短遊技状態は、2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りとなったことに基づいて発生するものであり、3回目のC時短遊技状態は、3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りとなったことに基づいて発生するものである。
図166(b)に示す状態以降、図173(c)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動中となっているところ、当該第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応している。図173(d)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「6-7-7」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。その後、図示しないが、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動し、ばらけ目が停止表示されることにより、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出される。その後、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動するところ、図173(e)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「1-7-7」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。
図173(f)では、図173(e)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。図145を用いて説明したように、第1時短モードにおいて実行可能な普通図柄の可変表示回数は100回であるところ、図173(f)では、残り時短回数画像2711として「残り100回」という文字画像が表示されている。
図174~図176では、上記(A)のパターン(「当り(サブ)」が3個である場合)、及び、上記(B)のパターン(「当り(サブ)」が2個である場合)について説明するが、図166(f)に示す状態の後、図174(a)及び(b)に示す状態までは、上記(C)のパターン(「当り(サブ)」が1個である場合)と同じ画像(図171(a)~(c)参照)が表示され、スモールボーナスモード(図145参照)に移行している。
図174(c)では、図174(b)に示す状態の後、8回目のサブラウンドゲームにおいて、戦闘機画像2734、UFO画像2736、及び、ボタン画像2701が表示されるとともに、戦闘機とUFOとが戦っている様子を示している。図174(d)では、図174(c)に示す状態の後、9回目のサブラウンドゲームにおいて、「1機撃墜!」及び「勝利!」という文字画像が表示されている様子を示している。
ここでは、図166(f)と同様のボタン演出が行われる。本実施形態において、当該ボタン演出は、ボーナス種別判定モードだけでなく、大当りモード(スモールボーナスモード乃至ミドルボーナスモード)中にも行われることがある。当該ボタン演出が大当りモード中に行われる場合には、当該大当りモードへの移行に際して、既に「UFO1機撃墜」乃至「UFO2機撃墜」に対応する画像が表示されている(図169(a)及び図171(a)参照)。大当りモードにおけるボタン演出の結果は、既に撃墜されたUFOの数と今回新たに撃墜されたUFOの数との合計数に応じたものとなる。
例えば、図174(d)では、UFOが1機撃墜されているところ、スモールボーナスモードに移行するときにもUFOが1機撃墜されている(「1機撃墜!」という文字画像が表示されている)ため(図171(a)参照)、既に撃墜されたUFOの数と今回新たに撃墜されたUFOの数との合計数は2である。従って、図174(d)における「1機撃墜!」という文字画像は、ボタン演出の結果として「UFO2機撃墜」を示すものである。すなわち、当該文字画像が表示されたことは、ミドルボーナス示唆演出が行われたことを意味し、これにより、ミドルボーナスモードへと移行する(スモールボーナスモードからミドルボーナスモードに昇格する)ことになる。
図174(e)では、図174(d)に示す状態の後、10回目のサブラウンドゲームが終了するときに、「右打ち継続」という文字画像が表示されている様子を示している。「右打ち継続」という文字画像は、右打ちにより遊技を行うべき状況(大当りモード)が継続することを遊技者に報知する画像である。また、図174(e)では、ミドルボーナスモードに昇格することに伴い、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母が、ミドルボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(3000)となっている。
図174(f)では、図174(e)に示す状態の後、11回目のサブラウンドゲームが開始したときに、V狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。なお、図示しないが、図174(e)に示す状態の後、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動しており、図174(f)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「6-6-6」の図柄組合せ(「6」揃い)が停止表示され、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。
図175(a)では、図174(f)に示す状態の後、18回目のサブラウンドゲームにおいて、戦闘機画像2734、UFO画像2736、及び、ボタン画像2701が表示されるとともに、戦闘機とUFOとが戦っている様子を示している。ここでは、図166(f)と同様のボタン演出が再度行われる。
図175(b)では、図175(a)に示す状態の後、19回目のサブラウンドゲームにおいて、「MAX」という文字画像が表示されている様子を示している。「MAX」という文字画像は、既に撃墜されたUFOの数と今回新たに撃墜されたUFOの数との合計数が3(全機)となったことに対応しており、ボタン演出の結果として「UFO全機撃墜」を示すものである。すなわち、当該文字画像が表示されたことは、ビッグボーナス示唆演出が行われたことを意味し、これにより、ビッグボーナスモードへと移行する(ミドルボーナスモードからビッグボーナスモードに昇格する)ことになる。
図175(c)では、図175(b)に示す状態の後、20回目のサブラウンドゲームが終了するときに、「右打ち継続」という文字画像が表示されている様子を示している。「右打ち継続」という文字画像は、右打ちにより遊技を行うべき状況(大当りモード)が継続することを遊技者に報知する画像である。また、図175(c)では、ビッグボーナスモードに昇格することに伴い、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母が、ビッグボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(4500)となっている。
図175(d)では、図175(c)に示す状態の後、21回目のサブラウンドゲームが開始したときに、V狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。なお、図示しないが、図175(c)に示す状態の後、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動しており、図175(d)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「3-3-3」の図柄組合せ(「3」揃い)が停止表示され、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。
図175(d)に示す状態の後、図168(a)と同様に、29回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示され、図175(e)では、30回目のサブラウンドゲームが終了したときに、モード選択用アイコン2702において遊技者が「赤モード」を選択した様子を示している。図175(f)では、図175(e)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。
なお、この例では、スモールボーナスモードからミドルボーナスモードを経由してビッグボーナスモードへと昇格する場合について説明しているが、スモールボーナスモードから直接ビッグボーナスモードに昇格させることとしてもよい。例えば、図174(d)において「MAX」という文字画像を表示し、11回目以降のサブラウンドゲームをビッグボーナスモードとして制御するように構成してもよい。
図176(a)では、図175(a)に示す状態の後、「敗北」という文字画像が表示されている様子を示している。「敗北」という文字画像は、今回新たに撃墜されたUFOの数が0であることに対応しており、大当りモードが終了して時短遊技状態(時短モード)に移行することを示唆している。図176(b)では、図176(a)に示す状態の後、19回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。図176(c)では、図176(a)に示す状態の後、20回目のサブラウンドゲームが終了したときに、モード選択用アイコン2702において遊技者が「赤モード」を選択した様子を示している。
図176(d)では、図176(c)に示す状態の後、「RUSH継続」及び「赤モード」という文字画像が表示されている様子を示している。「RUSH継続」は、時短モードが継続することを遊技者に報知する画像であり、「赤モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが赤モードであることを示す画像である。なお、図示しないが、図176(c)に示す状態の後、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動しており、図176(d)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「8-6-8」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。
図176(e)では、図176(d)に示す状態の後、第1時短モードに移行し、普図演出用識別図柄2603及び残り時短回数画像2711が表示されている様子を示している。
図177~図179では、「当り(サブ)」が1個である場合、及び、「当り(サブ)」が2個である場合について説明するが、図166(f)に示す状態の後、図177(a)及び(b)に示す状態までは、「当り(サブ)」が0個である場合と同じ画像(図173(a)及び(b)参照)が表示されている。
図177(c)では、図177(b)に示す状態の後、「援軍到着」という文字画像が表示されている様子を示している。「援軍到着」という文字画像は、図166(f)に示すボタン演出が行われた後、当該ボタン演出の結果に対応する画像が表示されたが、当該画像に対応する結果が別の結果(遊技者にとってより有利な結果)に差し替えられることを示唆するものである。「援軍到着」という文字画像が表示される演出を「復活示唆演出」と呼び、復活示唆演出が行われた後にボタン演出の結果が有利な結果に差し替えられる演出を「復活演出」と呼ぶ。
図177(d)では、図177(c)に示す状態の後、「スモールボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。図177(e)及び(f)では、図177(d)に示す状態の後、「スモールボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が継続して表示されている様子を示している。「スモールボーナス」は、スモールボーナスモード(図145参照)に移行することを遊技者に報知する画像である。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。これにより、判定結果示唆演出としていったん時短示唆演出(図177(a)及び(b)参照)が行われたが、復活示唆演出(図177(c)参照)が行われた後、復活演出としてスモールボーナス示唆演出(図177(d)参照)が発生した状況を示している。
ここで、図166(b)に示す状態以降、図177(c)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動中となっているところ、当該第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応している。図177(d)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「9-1-1」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。その後、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動するところ、図177(e)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「8-6-1」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。
その後、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動するところ、図177(f)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「1-1-1」の図柄組合せ(「1」揃い)が停止表示され、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。これにより、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと移行することになる。
図178(a)では、図177(f)に示す状態の後、1回目のサブラウンドゲームが開始したときに、獲得賞球数画像2741及びV狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。獲得賞球数画像2741で示す数字の分母は、スモールボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(1500)となっている。その後、9回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示され(図178(b)参照)、モード選択用アイコン2702において遊技者が「赤モード」を選択すると(図178(c)参照)、10回目のサブラウンドゲームが終了したときに、時短モードの継続(時短モード(赤)への移行)が遊技者に報知され(図178(d)参照)、第1時短モードに移行する(図178(e)参照)。
図179(a)では、図177(c)に示す状態の後、「スモールボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。図179(b)では、図179(a)に示す状態の後、「スモールボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が継続して表示されている様子を示している。これにより、判定結果示唆演出としていったん時短示唆演出(図177(a)及び(b)参照)が行われたが、復活示唆演出(図177(c)参照)が行われた後、復活演出としてスモールボーナス示唆演出(図179(a)参照)が発生した状況を示している。
ここで、図166(b)に示す状態以降、図177(c)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動中となっているところ、当該第2特図演出用ミニ識別図柄2622の変動は、1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応している。図179(a)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「5-4-3」の図柄組合せ(ばらけ目)が停止表示され、1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)であることが導出されている。その後、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動するところ、図179(b)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「5-5-5」の図柄組合せ(「5」揃い)が停止表示され、2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。これにより、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと移行することになる。
図179(c)では、図179(b)に示す状態の後、6回目のサブラウンドゲームにおいて、「援軍到着」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、さらに復活演出が行われることが示唆されている。その後、10回目のサブラウンドゲームが終了したときに、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動に対応して、第2特図演出用ミニ識別図柄2622が変動するところ、図179(d)では、11回目のサブラウンドゲームが開始する前に、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「8-8-8」の図柄組合せ(「8」揃い)が停止表示されている様子を示している。これにより、3つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されており、ミドルボーナスモードへと移行する(スモールボーナスモードからミドルボーナスモードに昇格する)ことになる。
図179(e)では、図179(d)に示す状態の後、11回目のサブラウンドゲームが開始したときに、V狙い指示画像2742が表示されている様子を示している。ミドルボーナスモードに昇格したことに伴い、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母が、ミドルボーナスモードにおいて獲得可能な遊技球の合計数(3000)となっている。図179(f)では、図179(e)に示す状態の後、19回目のサブラウンドゲームが開始するときに、モード選択用アイコン2702が表示されている様子を示している。その後、20回目のサブラウンドゲームが終了すると、第1時短モードに移行する。
なお、以上の例では、「当り(サブ)」が2個である場合において、時短示唆演出が行われた後、ボーナス種別判定モード中の復活演出として、スモールボーナス示唆演出が行われ、大当りモードにおいてスモールボーナスモードからミドルボーナスモードへと昇格する場合について説明しているが、ボーナス種別判定モード中の復活演出としてミドルボーナス示唆演出が行われる(大当りモードにおける昇格は行わない)こととしてもよい。また、以上の例では、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が時短当り(「ハズレ(サブ)」)である場合に、ボーナス種別判定モードにおいて時短示唆演出が行われた後に復活示唆演出及び復活演出が行われる場合について説明しているが、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当り乃至小当り(「当り(サブ)」)である場合にも、ボーナス種別判定モードにおいて時短示唆演出が行われた後に復活示唆演出及び復活演出が行われることとしてもよい。また、「当り(サブ)」が0個である場合にも、ボーナス種別判定モードにおいて復活示唆演出が行われることとしてもよい(この場合、復活演出は行われない)。例えば、図173(a)及び(b)に示す状態の後、図177(c)に示す画像を表示し、その後、図173(c)~(f)に示す演出を行うこととしてもよい。
以上の例では、ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードが赤モードである場合について説明した。以下の例では、ボーナス種別判定モード中の遊技者選択モードが青モードである場合について説明する。
図180(a)では、「RUSH突入」及び「青モード」という文字画像が表示されている様子を示している。「RUSH突入」は、時短モードに移行することを遊技者に報知する画像であり、「青モード」は、当該時短モード中の遊技者選択モードが青モードであることを示す画像である。
図180(b)では、図180(a)に示す状態の後、第1時短モードにおいて普図当りアイコン2650が表示されている様子を示している。図164(a)を用いて説明したように、普図当りアイコン2650は、普通電動役物2146が第2の開放パターン(図144に示す「02H」)で作動することが確定した状況において表示される画像であり、普図当りアイコン2650が表示されることにより、普通電動役物2146が第2の開放パターンで作動することが決定されたことが遊技者に報知される。
図180(c)では、図180(b)に示す状態の後、普電狙い指示画像2721及び扉画像2722が表示されている様子を示している。普電狙い指示画像2721及び扉画像2722については、図164(b)を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。その後、図164(c)及び(d)と同様に、小窓画像2651が表示され、図180(d)では、普通電動役物2146の作動が終了するまでの間に第2始動口2140に遊技球が3個入賞したことに伴い、扉画像2722の表示態様が変化した(扉が左右に開く)様子を示している。このとき、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて、演出モードは、第1時短モードからボーナス種別判定モードへと移行している(図145参照)。
図180(e)では、図180(d)に示す状態の後、青モードタイトル画像2751が表示されている様子を示している。青モードタイトル画像2751は、「花火を打ち上げろ!」という文字画像であり、上述したボーナス種別判定モードスタート画像の一種である。青モードタイトル画像2751が表示されることにより、ボーナス種別判定モード(青)が開始することが遊技者に示唆される。
図180(e)に示す画面(青モードタイトル画像2751)は、図166(b)に示す画面(赤モードタイトル画像2731)と同様に、第2始動口2140に遊技球が入賞した後の所定のタイミングで表示される。当該タイミングは、1個目の遊技球が第2始動口2140に入賞したときであってもよいし、3個目の遊技球が第2始動口2140に入賞したときであってもよいが、ここでは、普通電動役物2146の作動が終了したときに当該画面が表示されることとする。当該画面の表示は、所定時間(例えば、2秒間)に亘って継続する。
ここで、赤モードにおけるボーナス種別判定モードスタート画像(図166(b)及び(c)に示す赤モードタイトル画像2731及び赤モード説明文画像2732)の表示時間は7秒であり、青モードにおけるボーナス種別判定モードスタート画像(青モードタイトル画像2751)の表示時間(2秒)よりも長くなっている。また、ボーナス種別判定モードは、ボーナス種別判定モードスタート演出が行われる期間、及び、判定結果導出用演出が行われる期間により構成される。ボーナス種別判定モードスタート演出は、ボーナス種別判定モードスタート画像が表示される演出であり、判定結果導出用演出は、ボーナス種別判定モードスタート演出が終了した後、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出されるまでの間に行われる一連の演出(ボーナス種別判定モードスタート演出以外の演出)の総称である。また、ボーナス種別判定モードに制御される期間の終了タイミングは、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動の終了タイミングと一致している。
これにより、青モードにおいて判定結果導出用演出が行われる期間は、赤モードにおいて判定結果導出用演出が行われる期間よりも長くなっている。なお、赤モードで行われるボーナス種別判定モードスタート演出、青モードで行われるボーナス種別判定モードスタート演出、赤モードで行われる判定結果導出用演出、及び、青モードで行われる判定結果導出用演出を、それぞれ、ボーナス種別判定モードスタート演出(赤)、ボーナス種別判定モードスタート演出(青)、判定結果導出用演出(赤)、及び、判定結果導出用演出(青)と呼ぶこととする。例えば、1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動の可変表示時間が105000ms(105秒)である場合(図157(a)参照)、判定結果導出用演出(赤)の実行時間が98秒であるのに対し、判定結果導出用演出(青)の実行時間は103秒となる。
図180(f)では、図180(e)に示す状態の後、打ち上げ用ボタン画像2752及びレベル画像2753が表示されている様子を示している。打ち上げ用ボタン画像2752は、演出ボタン54(図1参照)を模した画像であり、レベル画像2753は、当該ボタンの打ち上げレベルに対応する画像である。ボタンの打ち上げレベルとしては、「LEVEL 1」、「LEVEL 2」、「LEVEL 3」、及び、「LEVEL MAX」が設けられている。「LEVEL MAX」が最も高いレベルであり、「LEVEL 3」が次に高いレベルであり、「LEVEL 2」が次に高いレベルであり、「LEVEL 1」が最も低いレベルとなっている。レベル画像2753としては、当初「LEVEL 1」に対応する画像が表示される。その後、所定時間が経過するごとにレベル昇格抽選が行われ、当該レベル昇格抽選に当選すると、レベル画像2753が上位のレベルに対応する画像に変化する。
レベル昇格抽選の当選確率は、上述した3つの第2特別図柄抽選結果(第2特別図柄抽選結果(0)、第2特別図柄抽選結果(1)、及び、第2特別図柄抽選結果(2))の中に含まれる「当り(サブ)」の個数に応じて設定されており、当該個数が多いほど、レベル昇格抽選の当選確率が高くなっている。これにより、ボタンの打ち上げレベルとして昇格可能な最上位のレベルは、「当り(サブ)」の個数に応じて規定されている。具体的に、「当り(サブ)」が3個である場合、最上位のレベルは、「LEVEL MAX」である(レベル昇格抽選により「LEVEL MAX」まで昇格する可能性がある)。「当り(サブ)」が2個である場合、最上位のレベルは、「LEVEL 3」である(レベル昇格抽選により「LEVEL 3」まで昇格する可能性がある)。「当り(サブ)」が1個である場合、最上位のレベルは、「LEVEL 2」である(レベル昇格抽選により「LEVEL 2」まで昇格する可能性がある)。「当り(サブ)」が0個である場合、最上位のクラスは、「LEVEL 1」である(レベル昇格抽選が行われても「LEVEL 1」から変化しない)。「LEVEL MAX」まで昇格するのは、「当り(サブ)」が3個である場合だけであり、レベル画像2753として「LEVEL MAX」に対応する画像が表示されると、「当り(サブ)」が3個であることが確定する。すなわち、レベル画像2753として「LEVEL MAX」に対応する画像が表示される演出は、上述したビッグボーナス示唆演出の一種である。
図181(a)では、図180(f)に示す状態の後、打ち上げ用ボタン画像2752の表示態様が変化している(花火に模したボタンが上方に発射されている)様子を示している。図181(b)では、図181(a)に示す状態の後、レベル画像2753として「LEVEL 2」に対応する画像が表示されている(花火の打ち上げに成功した)様子を示している。図181(c)では、図181(b)に示す状態の後、打ち上げ用ボタン画像2752の表示態様が変化している(花火に模したボタンが上方に発射されている)様子を示している。図181(d)では、図181(c)に示す状態の後、レベル画像2753として「LEVEL 3」に対応する画像が表示されている(花火の打ち上げに成功した)様子を示している。図181(e)では、図181(d)に示す状態の後、レベル画像2753として「LEVEL MAX」に対応する画像が表示されている(花火の打ち上げに成功した)様子を示している。
図181(a)及び(c)に示すように、所定時間が経過するごとに、花火に模したボタンが上方に発射されている画像が表示される。当該画像は、レベル昇格抽選が行われたことを示すものである。図181(b)では、1回目のレベル昇格抽選に当選したことにより、ボタンの打ち上げレベルが「LEVEL 1」から「LEVEL 2」に昇格した(花火の打ち上げに成功した)ことを示し、図181(d)では、2回目のレベル昇格抽選に当選したことにより、ボタンの打ち上げレベルが「LEVEL 2」から「LEVEL 3」に昇格した(花火の打ち上げに成功した)ことを示している。
図181(e)では、ボタンの打ち上げレベルが最終的に「LEVEL MAX」に到達したことを示している。もちろん、レベル昇格抽選が複数回行われる過程において、レベル昇格抽選に非当選となる(ボタンの打ち上げレベルが変化しない(花火の打ち上げに失敗する))ことがあってもよい。なお、レベル昇格抽選が行われる契機は、所定時間の経過に限定されず、例えば、上述したクラス昇格抽選と同様に、遊技球が普図作動口や第2始動口2140や他の領域を通過したことを契機としてレベル昇格抽選を行うこととしてもよい。
図182(a)では、図181(e)に示す状態の後、ボタン画像2701が表示されている様子を示している。上述したように、ボタン画像2701は、演出ボタン54(図1参照)を模した画像であり、演出ボタン54を用いたボタン演出が行われる。演出ボタン54が操作されると(所定時間(ボタン有効時間)内に演出ボタン54が操作されなかった場合には当該時間が経過すると)、ボタン演出の結果が表示される。なお、打ち上げ用ボタン画像2752が表示されているときに演出ボタン54が操作されても、ボタン演出の結果は表示されない。ボタン演出の結果は、ボタン画像2701が表示された後(青モードタイトル画像2751が消えてから一定時間経過後)に表示させることが可能となっている。
図182(b)では、図182(a)に示す状態の後、キャラクタ画像2754が所定の態様で表示されている様子を示している。図182(c)では、図182(b)に示す状態の後、「ビッグボーナス」及び「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「ビッグボーナス」は、ビッグボーナスモード(図145参照)に移行することを遊技者に報知する画像である。「右打ち→」は、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像である。
キャラクタ画像2754の表示態様としては、4つの態様(A~D)が設けられており、キャラクタ画像2754が態様Aで表示される演出は、ビッグボーナス示唆演出に相当し、キャラクタ画像2754が態様Bで表示される演出は、ミドルボーナス示唆演出に相当し、キャラクタ画像2754が態様Cで表示される演出は、スモールボーナス示唆演出に相当し、キャラクタ画像2754が態様Dで表示される演出は、時短示唆演出に相当する。図182(b)に示すキャラクタ画像2754の表示態様は、態様Aであり、これにより、ビッグボーナスモードに移行することが示唆されている。
図180(e)に示す状態以降、図182(a)に示す状態までの間、第2特図演出用ミニ識別図柄2622は変動(1つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動)を継続しているが、図182(b)では、第2特図演出用ミニ識別図柄2622として「2-2-2」の図柄組合せ(「2」揃い)が停止表示され、当該第2特別図柄変動の結果が小当り(「当り(サブ)」)であることが導出されている。これにより、ボーナス種別判定モードからビッグボーナスモードへと移行することになる。
以上、本発明の一実施形態として、第4実施形態に係るパチンコ遊技機について説明した。
<付記I>
従来、パチンコ遊技機などの遊技機においては、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた通過領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄を変動表示する制御が実行されて、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するようにしたものが提供されている。
このような従来の遊技機として、各種演出を行うように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2017-221523号公報参照)。
本発明者は、遊技機において行われる各種演出について、鋭意検討を重ねる過程において、演出の展開に関して工夫を凝らすことにより、遊技の興趣を向上させることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、以下の特徴を備えている。
(I-1) 第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立したことに基づいて第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)を実行することが可能な第1ゲーム実行手段と、
第2の条件(通過ゲート2126への遊技球の通過)が成立したことに基づいて第2ゲーム(普通図柄ゲーム)を実行することが可能な第2ゲーム実行手段と、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段と、
演出の実行を制御可能な演出制御手段と、
演出に関するモードを制御可能なモード制御手段と、を備え、
前記状態制御手段は、前記第1ゲーム実行手段により実行される前記第1ゲームの結果が第1の結果(大当り又は小当り)である場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特定状態(大当り遊技状態)に制御可能であり、
前記第2ゲーム実行手段により実行される前記第2ゲームの結果が第2の結果(普通当り2)である場合には、前記第1の条件が相対的に成立しやすくなるように制御可能であり、
前記モード制御手段は、第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)、及び、該第1モードとは異なる演出の実行を前記演出制御手段により制御可能な第2モード(ボーナス種別判定モード)を含む複数のモードのうちの何れかのモードに制御可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立したことに基づいて第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)を実行することが可能であり、第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の結果が第1の結果(大当り又は小当り)である場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特定状態(大当り遊技状態)に制御可能である。また、第2の条件(通過ゲート2126への遊技球の通過)が成立したことに基づいて第2ゲーム(普通図柄ゲーム)を実行することが可能であり、第2ゲーム(普通図柄ゲーム)の結果が第2の結果(普通当り2)である場合には、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が相対的に成立しやすくなるように制御可能である。そして、第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)、及び、該第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)とは異なる演出の実行を制御可能な第2モード(ボーナス種別判定モード)を含む複数のモードのうちの何れかのモードに制御可能なように構成されている。これにより、第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)及び第2ゲーム(普通図柄ゲーム)が実行されることにより進行する遊技の過程において、第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)で実行される演出及び第2モード(ボーナス種別判定モード)で実行される演出を通じて、面白みのある演出展開を創出することが可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。
(I-2) 前記(I-1)の遊技機であって、
前記モード制御手段は、前記第1モードにおいて所定条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立したことに基づいて前記第2モードに移行させることが可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)において所定条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立したことに基づいて第2モード(ボーナス種別判定モード)に移行させることが可能なように構成されている。これにより、第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)において所定条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立することにより、第1モード(第1時短モード又は第2時短モード)とは異なる演出を第2モード(ボーナス種別判定モード)において行うことが可能であり、所定条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立することを契機とした斬新な演出展開を実現することができる。
(I-3) 前記(I-1)の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記第1の条件が成立したことに基づいて、前記第2モードにおいて特定演出(判定結果示唆演出)の実行を制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立したことに基づいて、第2モード(ボーナス種別判定モード)において特定演出(判定結果示唆演出)の実行を制御可能なように構成されている。これにより、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が成立したことを契機として、第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)が実行されるとともに、第2モード(ボーナス種別判定モード)において特定演出(判定結果示唆演出)が実行されることになるため、特定演出(判定結果示唆演出)の内容を通じて第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の結果を示唆することが可能であり、このような特定演出(判定結果示唆演出)が実行される第2モード(ボーナス種別判定モード)に対する遊技者の関心を高めることができる。
(I-4) 前記(I-3)の遊技機であって、
前記第1ゲーム実行手段は、前記第1ゲームの結果を導出することが可能な第1ゲーム結果導出手段を備え、
前記演出制御手段は、前記第1の条件が複数回成立した場合において、該複数回の前記第1の条件の成立に基づいて実行可能な複数の前記第1ゲームについて、前記第1ゲーム結果導出手段により結果が導出されるよりも前に、前記特定演出として、前記第1の結果が導出されることになる前記第1ゲームの数に応じた演出の実行を制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が複数回成立した場合において、該複数回の第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)の成立に基づいて実行可能な複数の第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)について、その結果が導出されるよりも前に、特定演出(判定結果示唆演出)として、第1の結果(大当り又は小当り)が導出されることになる第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の数に応じた演出の実行を制御可能なように構成されている。これにより、特定状態(大当り遊技状態)に制御されることになる回数に応じた態様で特定演出(判定結果示唆演出)を行うことが可能であり、特定演出(判定結果示唆演出)の内容を通じて、特定状態(大当り遊技状態)において遊技者に付与可能な遊技価値の合計量を示唆することができる。その結果、このような特定演出(判定結果示唆演出)が実行される第2モード(ボーナス種別判定モード)に対する遊技者の関心を一層高めることができる。
(I-5) 前記(I-3)又は(I-4)の遊技機であって、
前記第1ゲーム実行手段は、前記第1ゲームの結果を導出することが可能な第1ゲーム結果導出手段を備え、
前記特定演出として、前記第1ゲーム結果導出手段により前記第1の結果が導出されることを示唆する第1特定演出(ボーナス種別示唆演出)、及び、前記第1ゲーム結果導出手段により前記第1の結果が導出されないことを示唆する第2特定演出(時短示唆演出)が設けられており、
前記特定状態に制御されるまでに前記演出制御手段により実行制御可能な演出のパターンとして、前記第2特定演出が実行されずに前記第1特定演出が実行される第1演出パターン(図169及び図171に示す演出パターン)、及び、前記第2特定演出の実行後に前記第1特定演出が実行される第2演出パターン(図177及び図179に示す演出パターン)が設けられており、
前記演出制御手段は、前記特定演出として、前記第1演出パターン及び前記第2演出パターンを含む複数の演出パターンのうちの何れかの演出パターンによる演出の実行を制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、特定演出(判定結果示唆演出)として、第1の結果(大当り又は小当り)が導出されることを示唆する第1特定演出(ボーナス種別示唆演出)、及び、第1の結果(ボーナス種別示唆演出)が導出されないことを示唆する第2特定演出(時短示唆演出)が設けられており、特定状態(大当り遊技状態)に制御されるまでに実行制御可能な演出のパターンとして、第2特定演出(時短示唆演出)が実行されずに第1特定演出(ボーナス種別示唆演出)が実行される第1演出パターン(図169及び図171に示す演出パターン)、及び、第2特定演出(時短示唆演出)の実行後に第1特定演出(ボーナス種別示唆演出)が実行される第2演出パターン(図177及び図179に示す演出パターン)が設けられている。そして、特定演出(判定結果示唆演出)として、第1演出パターン(図169及び図171に示す演出パターン)及び第2演出パターン(図177及び図179に示す演出パターン)を含む複数の演出パターンのうちの何れかの演出パターンによる演出の実行を制御可能なように構成されている。このように、第2モード(ボーナス種別判定モード)においては、特定状態(大当り遊技状態)に制御されるまでの過程に設けられた第1演出パターン(図169及び図171に示す演出パターン)及び第2演出パターン(図177及び図179に示す演出パターン)等を通じて、第1の結果(大当り又は小当り)が導出されるか否かに関する示唆を多彩な態様で遊技者に与えることが可能であり、特定状態(大当り遊技状態)に制御されることを遊技者に期待させつつ、第2モード(ボーナス種別判定モード)に対する遊技者の関心を一層高めることができる。
(I-6) 前記(I-5)の遊技機であって、
前記第2特定演出は、前記第1の条件が相対的に成立しやすい所定状態(時短遊技状態)に制御されることを示唆する演出であり、
前記演出制御手段は、前記特定状態において、前記所定状態に制御されることを示唆する演出の実行を制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第2特定演出(時短示唆演出)は、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が相対的に成立しやすい所定状態(時短遊技状態)に制御されることを示唆する演出であり、特定状態(大当り遊技状態)においても、所定状態(時短遊技状態)に制御されることを示唆する演出の実行を制御可能なように構成されている。これにより、第2モード(ボーナス種別判定モード)及び特定状態(大当り遊技状態)の双方において、所定状態(時短遊技状態)に制御されることを示唆する演出を共用することが可能であるため、所定状態(時短遊技状態)に制御され得る場面を遊技者に分かりやすく認識させ、明快な演出展開を実現することができる。
(I-7) 前記(I-3)又は(I-4)の遊技機であって、
前記モード制御手段は、前記第2モードとして、所定の第2モード(ボーナス種別判定モード(青))及び特定の第2モード(ボーナス種別判定モード(赤))を含む複数種類の前記第2モードのうちの何れかの種類の前記第2モードに制御可能であり、
前記演出制御手段は、
前記特定演出の実行前に、前記第2モードへの移行を示唆し得る第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)の実行を、前記モード制御手段により制御される前記第2モードの種類に応じた態様で制御可能であり、
前記モード制御手段により制御される前記第2モードが前記所定の第2モードである場合には、前記第1演出として所定の第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出(青))を第1の時間に亘って実行制御可能である一方、前記モード制御手段により制御される前記第2モードが前記特定の第2モードである場合には、前記第1演出として特定の第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出(赤))を前記第1の時間よりも長い第2の時間に亘って実行制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第2モード(ボーナス種別判定モード)として、所定の第2モード(ボーナス種別判定モード(青))及び特定の第2モード(ボーナス種別判定モード(赤))を含む複数種類の第2モード(ボーナス種別判定モード)のうちの何れかの種類の第2モード(ボーナス種別判定モード)に制御可能であり、特定演出(判定結果示唆演出)の実行前に、第2モード(ボーナス種別判定モード)への移行を示唆し得る第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)の実行を、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)の種類に応じた態様で制御可能である。そして、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)が所定の第2モード(ボーナス種別判定モード(青))である場合には、第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)として所定の第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出(青))を第1の時間に亘って実行制御可能である一方、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)が特定の第2モード(ボーナス種別判定モード(赤))である場合には、第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)として特定の第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出(赤))を第1の時間よりも長い第2の時間に亘って実行制御可能なように構成されている。これにより、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)の種類に応じて第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)の実行時間を異ならせることが可能であるため、各第2モード(ボーナス種別判定モード)の特徴を勘案して第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)の設計における自由度を高めることができる。
(I-8) 前記(I-7)の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記第1演出の実行後に、前記モード制御手段により制御される前記第2モードの種類に応じた態様で第2演出(判定結果導出用演出)の実行を制御可能であり、
前記モード制御手段により制御される前記第2モードが前記所定の第2モードである場合には、前記第2演出として所定の第2演出(判定結果導出用演出(青))を第3の時間に亘って実行制御可能である一方、前記モード制御手段により制御される前記第2モードが前記特定の第2モードである場合には、前記第2演出として特定の第2演出(判定結果導出用演出(赤))を前記第3の時間よりも短い第4の時間に亘って実行制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)の実行後に、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)の種類に応じた態様で第2演出(判定結果導出用演出)の実行を制御可能であり、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)が所定の第2モード(ボーナス種別判定モード(青))である場合には、第2演出(判定結果導出用演出)として所定の第2演出(判定結果導出用演出(青))を第3の時間に亘って実行制御可能である一方、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)が特定の第2モード(ボーナス種別判定モード(赤))である場合には、第2演出(判定結果導出用演出)として特定の第2演出(判定結果導出用演出(赤))を第3の時間よりも短い第4の時間に亘って実行制御可能なように構成されている。これにより、制御される第2モード(ボーナス種別判定モード)の種類に応じて第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)の実行時間と第2演出(判定結果導出用演出)の実行時間との配分を異ならせることが可能であるため、各第2モード(ボーナス種別判定モード)の特徴を勘案して第1演出(ボーナス種別判定モードスタート演出)及び第2演出(判定結果導出用演出)の設計における自由度を高めることができる。
(I-9) 前記(I-3)又は(I-4)の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記第1の条件が複数回成立した場合において、該複数回の第1の条件成立のうち最初のタイミングでの第1の条件成立に基づく前記第1ゲームの実行中に前記特定演出が実行されるように制御可能である一方、該最初のタイミングよりも遅いタイミングでの第1の条件成立に基づく前記第1ゲームの実行中には前記特定演出が実行されないように制御可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が複数回成立した場合において、該複数回の第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立のうち最初のタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中に特定演出(判定結果示唆演出)が実行されるように制御可能である一方、該最初のタイミングよりも遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中には特定演出(判定結果示唆演出)が実行されないように制御可能なように構成されている。このように、最初のタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中と、それよりも遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中とで、特定演出(判定結果示唆演出)の実行有無を異ならせることを通じて、これらの第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中に行われる演出の内容を峻別することが可能であり、相対的に特定演出(判定結果示唆演出)を実行可能な第2モード(ボーナス種別判定モード)に対する遊技者の関心を一層高めることができる。
(I-10) 前記(I-9)の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記最初のタイミングでの第1の条件成立に基づく前記第1ゲームの実行中と前記遅いタイミングでの第1の条件成立に基づく前記第1ゲームの実行中とにおいて共通して表示され得る所定の表示(第2特図演出用ミニ識別図柄2622)を表示可能に制御する、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、最初のタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中とそれよりも遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中とにおいて共通して表示され得る所定の表示(第2特図演出用ミニ識別図柄2622)を表示可能に制御なように構成されている。このように、最初のタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中と、それよりも遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中とで、共通の表示を行うことを通じて、第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)としての共通項を確保することが可能であり、これらの第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の実行中に行われる演出の内容を峻別しつつも、一貫性を有する演出展開を実現することができる。
(I-11) 前記(I-9)の遊技機であって、
前記第1ゲーム実行手段は、前記最初のタイミングでの第1の条件成立に基づく前記第1ゲームを第5の時間に亘って実行可能である一方、前記遅いタイミングでの第1の条件成立に基づく前記第1ゲームを前記第5の時間よりも短い第6の時間に亘って実行可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、最初のタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)を第5の時間に亘って実行可能である一方、それよりも遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)を第5の時間よりも短い第6の時間に亘って実行可能なように構成されている。これにより、当該遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)(特定演出(判定結果示唆演出)が実行されない第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム))については、最初のタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)(特定演出(判定結果示唆演出)が実行される第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム))と比較して、ゲームの実行時間を短くすることができる。その結果、特定演出(判定結果示唆演出)が実行される第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)乃至第2モード(ボーナス種別判定モード)に対して相対的に遊技者の注目を集めることが可能であり、本遊技機の醍醐味となるゲーム状況を遊技者に分かりやすく認識させ、明快な演出展開を実現することができる。
(I-12) 前記(I-11)の遊技機であって、
前記第2ゲーム実行手段は、
前記第2ゲームの結果を導出することが可能な第2ゲーム結果導出手段を備え、
前記第6の時間よりも長い第7の時間に亘って前記第2ゲームを実行可能であるとともに、前記第2ゲーム結果導出手段により前記第2ゲームの結果が導出されたときに該第2ゲームを終了させることが可能である、
ことを特徴とする。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第6の時間よりも長い第7の時間に亘って第2ゲーム(普通図柄ゲーム)を実行可能であるとともに、第2ゲーム(普通図柄ゲーム)の結果が導出されたときに該第2ゲーム(普通図柄ゲーム)を終了させることが可能なように構成されている。これにより、当該遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)が行われている間に第2ゲーム(普通図柄ゲーム)の結果が導出されて該第2ゲーム(普通図柄ゲーム)が終了する可能性を低減させることができる。この点、当該第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)が行われている間に第2ゲーム(普通図柄ゲーム)の結果として第2の結果(普通当り2)が導出されて第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が相対的に成立しやすくなるような状況が発生した場合には、開発者の意図した遊技性を実現することができなくなってしまうことが懸念される。第4実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
第4実施形態では、上記第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が複数回成立した場合において、特定演出(判定結果示唆演出)として、第1の結果(大当り又は小当り)が導出されることになる第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)の数(3つの第2特別図柄抽選結果の中に含まれる「当り(サブ)」の個数)に応じた演出を行う点に関し、当該個数の例として、上記(A)~(D)のパターンについて説明した。しかし、「当り(サブ)」が2個である場合としては、上記(B)の例に限定されず、3つの第2特別図柄抽選結果のうちの任意の2つを「当り(サブ)」とすることが可能である。同様に、「当り(サブ)」が1個である場合としては、上記(C)の例に限定されず、3つの第2特別図柄抽選結果のうちの任意の1つを「当り(サブ)」とすることが可能である。なお、第4実施形態では、第2特別図柄の始動情報が最大で2個まで保留されるところ、上記複数回が3回である場合について説明した。上記複数回としては、任意の回数を適宜採用することが可能であるが、第2特別図柄の始動情報を保留可能な最大数をNとしたとき、(N+1)回を上記複数回とすることが望ましい。
また、第4実施形態では、上記特定状態(大当り遊技状態)に制御されるまでのルートとしての第2のルート(特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞する場合)に関し、基本的に、遊技球がV入賞口に入賞するものとして説明したが、もちろん、遊技球がV入賞口に入賞しないことがあってもよい。例えば、少なくとも一の第2特別図柄抽選結果が「当り(サブ)」(小当り)であり、当該「当り(サブ)」に基づいてボーナス種別示唆演出が行われ、当該ボーナス種別示唆演出に対応する大当りモード(ビッグボーナスモード、ミドルボーナスモード、又は、スモールボーナスモード)に移行したが、当該大当りモード(1回目のサブラウンドゲーム、11回目のサブラウンドゲーム、又は、21回目のサブラウンドゲーム)において遊技球がV入賞口に入賞しなかった場合には、当該サブラウンドゲームが終了する時点で、当該大当りモードから通常モードへ移行させることとしてもよい。
例えば、1つ目及び2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであり、3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が小当り(役物開放当り)であり、ボーナス種別判定モードからスモールボーナスモードへと移行する場合を想定する。この場合において、当該3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われた第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放したが遊技球がV入賞口に入賞しなかった場合には、Vアタッカーが閉鎖状態となったとき(例えば、1回目のサブラウンドゲームが終了するとき)に通常モードへ移行させることとしてもよい。上述したように、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって、大当り遊技状態に制御されなかった場合には、当該第2特別図柄の可変表示の停止後は通常遊技状態(非時短遊技状態)に制御されるところ、これにより、Vアタッカーが閉鎖状態となった後、主制御回路2200により制御される遊技状態(非時短遊技状態)とサブ制御回路2300により制御される演出モード(通常モード)とが対応することになる。
なお、ミドルボーナスモードでは、1回目のサブラウンドゲーム(当該大当りモードにおいてVアタッカーが開放状態となるのが初めてである場合)において遊技球がV入賞口に入賞しなくても、その時点では通常モードに移行させず、11回目のサブラウンドゲーム(当該大当りモードにおいてVアタッカーが開放状態となるのが2回目である場合)において遊技球がV入賞口に入賞しなかったときに通常モードへ移行させることとしてもよい。また、ビッグボーナスモードでは、1回目乃至11回目のサブラウンドゲーム(当該大当りモードにおいてVアタッカーが開放状態となるのが1回目乃至2回目である場合)において遊技球がV入賞口に入賞しなくても、その時点では通常モードに移行させず、21回目のサブラウンドゲーム(当該大当りモードにおいてVアタッカーが開放状態となるのが3回目である場合)において遊技球がV入賞口に入賞しなかったときに通常モードへ移行させることとしてもよい。ただし、遊技球がV入賞口に入賞しない場合には、ビッグボーナスモードに滞在中はミドルボーナスモードへ降格させ(例えば、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母を「4500」から「3000」に変更し)、ミドルボーナスモードに滞在中はスモールボーナスモードへ降格させる(例えば、獲得賞球数画像2741で示す数字の分母を「3000」から「1500」に変更する)こととしてもよい。
また、第4実施形態では、上記第5の時間が105000msであり、上記第6の時間が300msであり、上記第7の時間が3000msである例について説明した。本発明において、上記第5の時間は、10000ms~300000ms(あるいは、20000ms~200000ms、30000ms~150000ms、50000ms~100000ms等)程度の時間とすることが可能である。また、上記第6の時間は、50ms~3000ms(あるいは、100ms~2000ms、200ms~1000ms、300ms~500ms等)程度の時間とすることが可能である。また、上記第7の時間は、100ms~10000ms(あるいは、200ms~5000ms、300ms~3000ms、500ms~1000ms等)程度の時間とすることが可能である。また、上記第5の時間は、上記第6の時間の10倍~10000倍(あるいは、20倍~2000倍、50倍~1000倍、100倍~500倍等)程度の時間とすることが可能である。また、上記第7の時間は、上記第6の時間の1.1倍~30倍(あるいは、1.2倍~20倍、1.5倍~15倍、2倍~10倍等)程度の時間とすることが可能である。
なお、上記遅いタイミングでの第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)成立に基づく第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)が複数存在する場合には、当該複数の第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)のうち少なくとも一の第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)を上記第6の時間に亘って実行すればよく、当該少なくとも一の第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)以外の第1ゲーム(第2特別図柄ゲーム)については上記第6の時間とは異なる時間に亘って実行することとしてもよい。例えば、上記2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間と、上記3つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄変動についての特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間とは、同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
本発明における特定状態としては、遊技者にとって有利な状態(有利状態)を適宜採用することが可能であり、そのような有利状態としては、大当り遊技状態の他、例えば、時短遊技状態や確変遊技状態等を挙げることができる。また、本発明における第2ゲームは、普通図柄ゲームに限定されず、例えば、第1特別図柄ゲームであってもよい。また、本発明における所定条件は、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)と同じ条件に限定されず、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)とは異なる条件であってもよい。例えば、第2ゲーム(普通図柄ゲーム)の結果が第2の結果(普通当り2)となることという条件や、第1の条件(第2始動口2140への遊技球の入賞)が相対的に成立しやすくなっている状態が終了することという条件を、所定条件として採用することが可能である。
[第5実施形態]
以上、第1実施形態~第4実施形態について説明した。以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係るパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態~第4実施形態に係るパチンコ遊技機と同じである。以下においては、第1実施形態~第4実施形態に係るパチンコ遊技機の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第4実施形態における説明が第5実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1のパチンコ遊技機では、~」のように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機に限定されるような記載であったとしても、第5実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第5実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第4実施形態に係るパチンコ遊技機に限定するような記載についても、第5実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第5実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用することができる。従って、第1実施形態~第4実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第5実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第4実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第4実施形態に係るパチンコ遊技機と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
[第5のパチンコ遊技機]
以下、本発明の実施形態に係る遊技機の一例として、第5のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
第5のパチンコ遊技機の基本的な構成は、第1実施形態で説明した第3のパチンコ遊技機と同じである。すなわち、第5のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
第5のパチンコ遊技機では、第3のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路3200(図184参照)によって管理される遊技状態として、非大当り遊技状態及び大当り遊技状態が設けられている(図8参照)。第1実施形態で説明したように、非大当り遊技状態では、特別図柄ゲーム(図7参照)が実行され、特別図柄の当り判定処理(特別図柄抽選)の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、ラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。
また、第5のパチンコ遊技機では、第3のパチンコ遊技機と同様に、第1始動口スイッチ3121(図184参照)により第1始動口3120(図183参照)への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。一方、第2特別図柄の始動情報が抽出される契機となる始動領域としては、2つの領域(第2始動口3140A,3140B(図183参照))が設けられている。第2始動口スイッチ3141A,3141B(図184参照)により第2始動口3140A,3140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。
また、第5のパチンコ遊技機では、普通図柄の始動情報が抽出される契機となる始動領域として、2つの領域(通過ゲート3126A及び普図作動口3126B(図183参照))が設けられている。通過ゲートスイッチ3127A,3127B(図184参照)により通過ゲート3126A又は普図作動口3126Bへの遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。これにより、普通図柄ゲーム(図7参照)が実行され、普通図柄の当り判定処理(普通図柄抽選)の結果として普通当りが導出されると、普通電動役物3146(図183参照)が作動し、第2始動口3140A,3140Bへの遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。
また、第5のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されている。時短制御としては、特図短縮制御、電サポ制御、及び、普図短縮制御のうちの少なくとも何れかが行われる。第1実施形態で説明したように、特図短縮制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる制御であり、電サポ制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、普通電動役物3146を作動させて第2始動口3140A,3140Bを開放状態とする頻度を高める制御である。また、普図短縮制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、普通図柄の可変表示時間を短縮させる制御である。なお、第5のパチンコ遊技機において、確変制御は実行されず、非大当り遊技状態としては、低確率状態のみが設けられている。
時短制御が実行される遊技状態(時短遊技状態)としては、A時短遊技状態及びC時短遊技状態が設けられている。第1実施形態で説明したように、A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数(A時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数(C時短規定回数)の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。
なお、第5のパチンコ遊技機においては、C時短遊技状態として、低時短遊技状態及び中時短遊技状態が設けられており、A時短遊技状態として、高時短遊技状態及び超高時短遊技状態が設けられている。低時短遊技状態においては、通常遊技状態と比較して、第2始動口3140A,3140Bを開放状態とする頻度が低くなっており、中時短遊技状態においては、通常遊技状態と比較して、第2始動口3140A,3140Bを開放状態とする頻度が高くなっており、高時短遊技状態及び超高時短遊技状態においては、中時短遊技状態と比較して、第2始動口3140A,3140Bを開放状態とする頻度がさらに高くなっている。
[遊技盤ユニット及び電気的構成]
図183は、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図184は、第5のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図183を参照して、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット3010について説明する。この遊技盤ユニット3010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。遊技盤ユニット3010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域3105が形成される。
以下では、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010(図87参照)と異なる構成を中心に説明する。制御回路については、便宜上、第3のパチンコ遊技機(図88参照)とは異なる符合を付しているが、構成自体は第3のパチンコ遊技機と基本的に同じである(主制御回路に接続されているスイッチ及びソレノイドが異なるだけである)ため、簡潔に説明する。
(遊技パネル)
遊技パネル3100には、表示装置3007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル3100の前面には、第3のパチンコ遊技機と同様のガイドレール(図示せず)が設けられるとともに遊技釘等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレールから遊技領域3105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域3105の下方に向けて流下する。
発射装置6によって遊技領域3105に向けて発射された遊技球は、左側領域3106または右側領域3107を流下する。左側領域3106または右側領域3107を流下する遊技球は、遊技パネル3100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域3106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域3107を流下する。
左側領域3106には、第1始動口3120及び通過ゲートユニット3125Aが設けられている。右側領域3107には、第2始動口3140A,3140B、普通電動役物ユニット3145、第1非電動役物3440、第2非電動役物3441、特別電動役物ユニット3130、及び、普図作動口ユニット3125Bが設けられている。
(第1始動口)
第1始動口3120は、表示装置3007の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口3120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ3121により検出される。第1始動口スイッチ3121により第1始動口3120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口3120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット3125Aは、第1始動口3120の直上に配置されており、遊技球が通過できるように構成された通過ゲート3126Aと、通過ゲート3126Aへの遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ3127Aとを一体化したユニット体である。通過ゲート3126Aへの遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ3127Aにより通過ゲート3126Aへの遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
通過ゲート3126Aは、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口3120は、通過ゲート3126Aの直下に配置されているため、通過ゲート3126Aを通過した遊技球は、そのまま第1始動口3120に入賞するようになっている。本実施形態では、通過ゲート3126Aを通過した遊技球は、必ず第1始動口3120に入賞し、遊技球が通過ゲート3126Aを通過せずに第1始動口3120に入賞することはないものとする。もっとも、この例に限定されず、通過ゲート3126Aを通過した遊技球の一部が第1始動口3120に入賞しないことがあってもよい。
(第2始動口)
本実施例では、第2始動口として、第2始動口3140Aおよび第2始動口3140Bが遊技領域3105に配置されており、これらの第2始動口3140A,3140Bは、いずれも、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。
第2始動口3140Aに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ3141Aにより検出される。また、第2始動口3140Bに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ3141Bにより検出される。第2始動口1340A,3140Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。第2始動口スイッチ3141A,3141Bにより第2始動口3140A,3140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口3140A,3140Bに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット3145は、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物3146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を入球口3149とし、上記のスイッチを普通電動役物入球スイッチ3129としている。
普通電動役物3146は、前後方向に進退可能な普電用シャッタ3147と、この普電用シャッタ3147を作動させる普電用ソレノイド3148とを備える。普通電動役物3146すなわち普電用シャッタ3147は、入球口3149への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、入球口3149への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。入球口3149は、普通電動役物3146が開放状態となっているときに右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ3147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。入球口3149に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。
詳細については図185を参照して後述するが、普通電動役物ユニット3145が遊技パネル3100に配設された場合に、入球口3149を通過した遊技球を始動入賞役物ユニット3150に搬送する経路が形成される。入球口3149を通過した遊技球は、振分装置3506によって第1作動機構3511に向かう第1通路3504、又は、第2作動機構3513に向かう第2通路3505に振り分けられ、第1作動機構3511又は第2作動機構3513のいずれかを通過する。これにより、第1非電動役物3440又は第2非電動役物3441のいずれかが開状態となる。
(非電動役物)
第1非電動役物3440及び第2非電動役物3441は、一般に、メカチューと称される役物である。
第1非電動役物3440は、回動可能に取り付けられる羽根部材3510と、遊技球の移動に連動して羽根部材3510を回動させる第1作動機構3511(図185参照)と、を備えている。羽根部材3510は、図183に示すように、回動軸方向視した場合に弧状に形成されており、その中央部が回動自在に支持され、遊技盤ユニット3010の盤面に沿って回動する。羽根部材3510は、第1作動機構3511によって、羽根部材3510の内側の面に遊技球が乗りやすい開状態及び羽根部材3510の内側の面に乗り難い閉状態に切り替えられる。
第1非電動役物3440は、第2始動口3140Aとともに始動入賞役物ユニット3150の構成要素となっている。羽根部材3510の閉状態においては、第2始動口3140Aが羽根部材3510によって閉鎖され、第2始動口3140Aへの遊技球の入球が困難又は不可能になる。羽根部材3510の開状態においては、第2始動口3140Aが開放されるとともに、第2始動口3140Aに向かう弧状の斜面が羽根部材3510に形成される。このように羽根部材3510は、開くことによって遊技球が乗り易い状態となり、羽根部材3510に乗った遊技球は、第2始動口3140A側に移動する。すなわち、羽根部材3510が開くことによって、遊技球が第2始動口3140Aに入球し易くなる。また、開状態の羽根部材3510は、1個の遊技球が羽根部材3510を通過することによって、機械的に閉状態に移行する。
第2非電動役物3441は、回動可能に取り付けられる羽根部材3512と、遊技球の移動に連動して羽根部材3512を回動させる第2作動機構3513(図185参照)と、を備えている。羽根部材3512は、図183に示すように、回動軸方向視した場合に弧状に形成されており、その中央部が回動自在に支持され、遊技盤ユニット3010の盤面に沿って回動する。羽根部材3512は、第2作動機構3513によって、羽根部材3512の内側の面に遊技球が乗りやすい開状態及び羽根部材3512の内側の面に乗り難い閉状態に切り替えられる。
第2非電動役物3441は、第2始動口3140Bとともに始動入賞役物ユニット3150の構成要素となっている。羽根部材3512の閉状態においては、第2始動口3140Bが羽根部材3512によって閉鎖され、第2始動口3140Bへの遊技球の入球が困難又は不可能になる。羽根部材3512の開状態においては、第2始動口3140Bが開放されるとともに、第2始動口3140Bに向かう弧状の斜面が羽根部材3512に形成される。このように羽根部材3512は、開くことによって遊技球が乗り易い状態となり、羽根部材3512に乗った遊技球は、第2始動口3140B側に移動する。すなわち、羽根部材3512が開くことによって、遊技球が第2始動口3140Bに入球し易くなる。また、開状態の羽根部材3512は、2個の遊技球が羽根部材3512を通過することによって、機械的に閉状態に移行する。
第1非電動役物3440には、羽根部材3510の開く動作を検知する第1非電動役物作動スイッチ3514が備えられている。また、第2非電動役物3441には、羽根部材3512の開く動作を検知する第2非電動役物作動スイッチ3515が備えられている。メインCPU3201は、第2始動口スイッチ3141A或いは第2始動口スイッチ3141Bが遊技球を検出した時に、その時点よりも所定時間前までに第1非電動役物作動スイッチ3514或いは第2非電動役物作動スイッチ3515が遊技球を検出していない場合に異常と判定し、遊技異常検知コマンドの送信予約を行う。
なお、本実施例では、第1非電動役物3440及び第2非電動役物3441が普通電動役物ユニット3145よりも上方に配置されるものとして図示しているが、第1非電動役物3440及び第2非電動役物3441は、普通電動役物ユニット3145よりも下方に配置されることとしてもよい。普通電動役物ユニット3145と始動入賞役物ユニット3150との位置関係については、振分装置3506の構成とともに適宜設計することが可能である。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット3130は、大入賞口3131と、大入賞口3131(特別電動役物ユニット3130の内部)への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口カウントスイッチ3132と、大入賞口3131に入賞した遊技球が通過可能なV入賞口3155と、V入賞口3155に遊技球が進入(通過)したことを検出するV入賞口スイッチ3156と、特別電動役物ユニット3130の内部に進入した遊技球のうちV入賞口3155に進入しなかった遊技球が進入(通過)可能なハズレ口(図示せず)と、V入賞口3155を開閉させるVシャッター(図示せず)と、このVシャッターを作動させてV入賞口3155を開閉させるVシャッター用ソレノイド3159と、特別電動役物3133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット3130は、右側領域3107において、普通電動役物ユニット3145よりも下方に配置されている。
大入賞口3131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。大入賞口3131は、大当り遊技状態に制御されているときに開放される入賞口であり、大入賞口カウントスイッチ3132により大入賞口3131への遊技球の入賞が検出されると、例えば15個の賞球が払い出される。
特別電動役物3133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ3134と、この特電用シャッタ3134を作動させる特電用ソレノイド3135とを備える。特別電動役物3133すなわち特電用シャッタ3134は、大入賞口3131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口3131への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に移行可能に構成される。特別図柄の可変表示が終了して「大当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、上述した第1のルートを経た大当り遊技状態となり、特電用ソレノイド3135の作動により、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、第1のルートを経た大当り遊技状態は、大入賞口3131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
一方、特別図柄の可変表示が終了して「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、特別図柄の可変表示が終了するとほぼ同時に、特電用ソレノイド3135の作動により特電用シャッタ3134(Vアタッカー)が例えば1回作動する。特電用シャッタ3134は、1回作動すると大入賞口3131が例えば1800msec開放する開放状態となる。そして、特電用シャッタ3134の作動により大入賞口3131が開放している間、特別電動役物ユニット3130の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。また、大入賞口カウントスイッチ3132により特別電動役物ユニット3130の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU3201は、Vアタッカー入賞カウンタの値を加算する。Vアタッカー入賞カウンタが規定値に到達すると、大入賞口3131を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、特電用ソレノイド3135により特電用シャッタ3134が作動して大入賞口3131が閉鎖される。
第3のパチンコ遊技機と同様に、Vシャッターは、Vシャッター用ソレノイド3159の作動により、V入賞口3155への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口3155への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様と、に移行可能に構成される。第5のパチンコ遊技機において、Vシャッターは、基本的に閉鎖態様となっているが、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときだけ、特電用シャッタ3134が開放してから所定時間に亘って開放態様となる。これにより、大入賞口3131に入賞した遊技球がV入賞口3155を通過することが可能となっている。
V入賞口3155は、遊技球が通過したことを条件に、特電用シャッタ3134の開放制御が継続される。すなわち、V入賞口3155は、上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。V入賞口スイッチ3156は、V入賞口3155への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU3201は、特電用シャッタ3134が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口3155への遊技球の通過を検出すると、特電用シャッタ3134の開放制御を継続する。すなわち、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、特電用シャッタ3134が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる。
このように、本実施例では、特別電動役物3133の内部(すなわち、特電用シャッタ3134が開放状態となったときに遊技球の進入が可能となる領域)にV入賞口を設けることにより、特電用シャッタ3134がVアタッカーとしての機能を担うこととしている。もっとも、本実施形態では、第3のパチンコ遊技機と同様に、特別電動役物3133とは別途V入賞装置を設け、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合には、V入賞装置の備えるVアタッカーを閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されることとしてもよい。
また、特別図柄の可変表示が終了して「小当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、小当り遊技制御処理が実行される。小当り遊技制御処理については、第1実施形態で説明した通りであるが、特電用シャッタ3134を作動させることにより、大入賞口3131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態へと移行する。小当り遊技制御処理における特電用シャッタ3134の開放時間は、特に限定されず、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときの開放時間と同程度の時間であってもよいし、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときの開放時間よりも短い時間(例えば、遊技球が大入賞口3131に入賞することが実質的に困難な程度の時間)であってもよい。
このように、本実施例では、大当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口と、小当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口とを、同じ大入賞口としているが、第2のパチンコ遊技機と同様に、大当り用大入賞口とは別途小当り用大入賞口を設けることとしてもよい。
(普図作動口ユニット)
普図作動口ユニット3125Bは、遊技球が通過できるように構成された普図作動口3126Bと、普図作動口3126Bへの遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ3127Bとを一体化したユニット体である。普図作動口3126Bは、特別電動役物3133の右側近傍において特別電動役物3133よりもやや上方に配置されており、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。普図作動口3126Bへの遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、普図作動口3126Bへの遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。
普図作動口3126Bは、大入賞口3131の上流に配置されており、大当り遊技状態において、大入賞口3131に入賞する遊技球は、特別電動役物ユニット3130の内部に進入する前に、普図作動口3126Bを通過することが可能となっている。もっとも、普図作動口3126Bを通過した遊技球は、必ずしも大入賞口3131に入賞するとは限らず、普図作動口3126Bを通過した遊技球の一部が大入賞口3131に入賞しないことがあってもよい。あるいは、普図作動口3126Bを通過した遊技球は大入賞口3131に入賞することがないように、普図作動口3126Bを配置してもよい。
(アウト口)
アウト口3178は、遊技領域3105に向けて発射されたものの各種入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口3178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域3105の最下流側に設けられている。
(振分装置)
図185は、第5のパチンコ遊技機が備える振分装置の構成及び配置を示す説明図である。図186は、第5のパチンコ遊技機が備える振分装置への通電がオフの場合における遊技球の移動経路を示す説明図である。図187は、第5のパチンコ遊技機振が備える分装置への通電がオンの場合における遊技球の移動経路を示す説明図である。
振分装置3506は、入球口3149を通過した遊技球を第1通路3504及び第2通路3505のいずれかに振り分けるものである。入球口3149を通過した遊技球は、共通通路3540を通過する。この共通通路3540が第1通路3504及び第2通路3505に分岐している。具体的には、第2通路3505は共通通路3540に沿ってまっすぐ延びており、第1通路3504は共通通路3540に対して斜めに分岐している。
振分装置3506は、共通通路3540から第1通路3504及び第2通路3505に分岐する部位に設けられており、平板部材3531と、平板部材3531を斜め方向にスライド移動させる振分ソレノイド3532(図184参照)と、を備えている。平板部材3531は、第2通路3505の入口の上部に斜めに配置され、第2通路3505を閉鎖することが可能な大きさを有している。また、平板部材3531は、斜め方向にスライド移動可能であり、スライド移動により、第2通路3505の入口を閉鎖する状態と第2通路3505の入口を開放する状態とのうちのいずれかに切り替えることが可能である。
振分ソレノイド3532への通電制御はメインCPU3201によって行われる。振分ソレノイド3532に通電していない状態では、第2通路3505の入口が平板部材3531によって閉鎖された状態にある。振分ソレノイド3532に通電してソレノイド鉄心を変化させた場合には、平板部材3531が斜め上方に移動して、第2通路3505の入口が開放される。この時、平板部材3531の略全体が共通通路3540の外部に移動する。
図186に示すように、振分装置3506への通電がオフの場合には、第2通路3505が振分装置3506によって閉鎖された状態にある。この状態で、遊技球が入球口3149を通過すると、遊技球は第1作動機構3511を通過するようになり、それに連動して、閉状態にある第1非電動役物3440の羽根部材3510が開状態に切り替わる。なお、羽根部材3510が開状態にあるときに遊技球が第1作動機構3511を通過した場合には、羽根部材3510は開状態のまま維持される。第1作動機構3511を通過した遊技球は、遊技機の外部に排出される。
図187に示すように、振分装置3506への通電がオンの場合には、第2通路3505が開放された状態にある。この状態で、遊技球が入球口3149を通過すると、遊技球は第2作動機構3513を通過するようになり、それに連動して、閉状態にある第2非電動役物3441の羽根部材3512が開状態に切り替わる。なお、羽根部材3512が開状態にあるときに遊技球が第2作動機構3513を通過した場合には、羽根部材3512は開状態のまま維持される。第2作動機構3513を通過した遊技球は、遊技機の外部に排出される。
[基本仕様]
次に、第5のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
[特別図柄の当り判定テーブル]
図188は、第5のパチンコ遊技機に係る特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図188に示されるとおり、第1始動口3120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU3201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」、「小当り」、又は、「ハズレ」に決定する。また、第2始動口3140A,3140Bに遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU3201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を「役物開放当り」に決定する。
メインROM3202(図184参照)に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口3120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」、「小当り」、又は、「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、及び、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口3140A,3140Bへの入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
[特別図柄判定テーブル]
図189は、第5のパチンコ遊技機に係る特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、第1始動口3120乃至第2始動口3140A,3140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであった場合に、当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図189に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU3201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかである場合、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~74のいずれかである場合、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が75~99のいずれかである場合、メインCPU3201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
[当り種類決定テーブル]
図190は、第5のパチンコ遊技機に係る当り種類決定テーブルの一例である。
当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは、低時短フラグ、中時短フラグ、高時短フラグ、超高時短フラグ、および時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。
選択図柄コマンド「z1」及び選択図柄コマンド「z2」は、それぞれ、時短当り1及び時短当り2に対応している。第5のパチンコ遊技機では、このような2種類の時短当りが設けられている。選択図柄コマンド「z4」、選択図柄コマンド「z6」、及び、選択図柄コマンド「z7」は、それぞれ、小当り1~3に対応している。第5のパチンコ遊技機では、このような3種類の小当りが設けられている。選択図柄コマンド「z3」は、大当りに対応しており、選択図柄コマンド「z5」は、ハズレに対応している。また、低時短フラグは、低時短遊技状態に制御されることを示すフラグであり、中時短フラグは、中時短遊技状態に制御されることを示すフラグであり、高時短フラグは、高時短遊技状態に制御されることを示すフラグであり、超高時短フラグは、超高時短遊技状態に制御されることを示すフラグである。
図190の時短の終了条件の欄に示される「K」は、第1特別図柄の可変表示回数を示す。同様に、「L」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「M」は普通図柄の可変表示回数を示し、「N」は特別図柄抽選において小当り1に当選した回数を示す。第5のパチンコ遊技機においては、下記(i)~(iv)のうちの何れかの条件が成立したときに時短遊技状態が終了する。
(i)時短遊技状態において行われる第1特別図柄の可変表示として「K」回目の可変表示が開始するとき
(ii)時短遊技状態において行われる第2特別図柄の可変表示として「L」回目の可変表示が開始するとき
(iii)時短遊技状態において行われる普通図柄の可変表示として「M」回目の可変表示が停止するとき
(iv)時短遊技状態において行われる特別図柄抽選で小当り1に当選した場合であって、当該時短遊技状態において小当り1に当選したのが「N」回目であるとき
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合(特別図柄抽選において時短当り1に当選した場合)、メインCPU3201は、低時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、K=50~250、L=1、M=50~250、N=1に決定する。Kの値及びMの値は、50~250(50、100、150、200、及び、250)のなかから抽選により選択される一の数値であり、Kの値とMの値とは同じ値となる。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合(特別図柄抽選において時短当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、中時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、K=20、L=1、M=20、N=100に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z3」である場合(特別図柄抽選において大当りに当選した場合)、メインCPU3201は、ラウンド数を3ラウンドに決定し、低時短フラグ、中時短フラグ、高時短フラグ、及び、超高時短フラグを何れもオンにセットしないことを決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、A時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z6」である場合(特別図柄抽選において小当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、高時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、K=5、L=1、M=5、N=100に決定する。また、選択図柄コマンドが「z7」である場合(特別図柄抽選において小当り3に当選した場合)、メインCPU3201は、超高時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、K=5、L=1、M=100、N=100に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU3201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、高時短フラグ乃至超高時短フラグもオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、それまでの遊技状態に継続して制御する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU3201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z5」の場合)、メインCPU3201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄抽選の結果が小当り1又はハズレの場合、メインCPU3201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、図190では、特別図柄抽選の結果(「大当り」、「小当り1」、「小当り2」、及び、「小当り3」)のそれぞれについて、「V入賞口の状態」として「閉鎖」又は「開放」を併せて示している。「閉鎖」は、Vシャッターが閉鎖態様となることを示し、「開放」は、Vシャッターが開放態様となることを示す。特別図柄抽選において大当り乃至小当り1に当選した場合には、Vシャッターが閉鎖態様となり、特別図柄抽選において小当り2乃至小当り3に当選した場合には、Vシャッターが開放態様となる。
上述したように、Vシャッターが開放態様となると、遊技球がV入賞口3155を通過することが可能となり、遊技球がV入賞口3155を通過すると、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。すなわち、特別図柄抽選において小当り2乃至小当り3に当選した場合には、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御され得るのに対し、特別図柄抽選において小当り1に当選した場合には、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御されることはない。本明細書では、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御され得る小当りと、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御され得ない小当りとを区別し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御され得る小当りを特に「役物開放当り」と呼んでいる。
また、第4実施形態で説明したように、時短遊技状態の終了条件は適宜構成することが可能である。例えば、上記(i)~(iv)のうちの一部の条件(例えば、(iii)及び(iv))のみを時短遊技状態の終了条件として採用することとしてもよく、時短遊技状態の種別ごとに、採用する終了条件の種類を異ならせてもよい。例えば、後述するように、特別図柄の変動パターンにおける可変表示時間が普通図柄の変動パターンにおける可変表示時間よりも長いこととした場合には、上記(i)の条件が成立するよりも先に上記(iii)の条件が成立することになるため、上記(i)の条件を採用しないこととしてもよい。
また、本実施形態では、第4実施形態と同様に、第1特別図柄の可変表示が開始するときに第1特別図柄の可変表示回数をカウントし、第2特別図柄の可変表示が開始するときに第2特別図柄の可変表示回数をカウントすることとするが、第1特別図柄の可変表示回数のカウント方法及び第2特別図柄の可変表示回数のカウント方法は、特に限定されない。例えば、第1特別図柄の可変表示が終了するときに第1特別図柄の可変表示回数をカウントすることとしてもよいし、第2特別図柄の可変表示が終了するときに第2特別図柄の可変表示回数をカウントすることとしてもよい。この場合、上記(i)の条件に代えて、時短遊技状態において行われる第1特別図柄の可変表示として「K」回目の可変表示が停止するときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。また、上記(ii)の条件に代えて、時短遊技状態において行われる第2特別図柄の可変表示として「L」回目の可変表示が停止するときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。同様に、本実施形態では、普通図柄の可変表示が終了するときに普通図柄の可変表示回数をカウントすることとするが、普通図柄の可変表示が開始するときに普通図柄の可変表示回数をカウントすることとしてもよい。また、上記(iv)の条件は、当該小当り1に当選した特別図柄抽選に対応する第1特別図柄の可変表示が開始するときに成立することとしてもよいし、当該小当り1に当選した特別図柄抽選に対応する第1特別図柄の可変表示が停止するときに成立することとしてもよい。
なお、第1実施形態で説明したように、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づいて(上記第1のルートにより)大当り遊技状態が開始されるときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって当該「役物開放当り」に基づいて(上記第2のルートにより)大当り遊技状態が開始されるときに時短遊技状態を終了させることとしてもよい。
[普通図柄の当り判定テーブル]
図191は、第5のパチンコ遊技機に係る普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート3126A乃至普図作動口3126Bを遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU3201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、1~65536(65536種類)の中から抽出する。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(通常遊技状態)において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~655のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が656~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、低時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1である場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、低時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が2~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、中時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~3277のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、中時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が3278~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、高時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~13107のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、高時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が13108~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、超高時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が1~13107のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、超高時短遊技状態において、メインCPU3201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が13108~65536のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施形態において、低時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率よりも低く、中時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率よりも高く、高時短遊技状態及び超高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率が最も高くなっている。本実施形態では、高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と超高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率とが同じであることとしているが、超高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率が高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率よりも高くなるように構成してもよい。
[普通図柄判定テーブル]
図192は、第5のパチンコ遊技機に係る普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート3126A乃至普図作動口3126Bを遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~210(211種類)の中から抽出される。
図192に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU3201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
また、低時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU3201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
また、中時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU3201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
また、高時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU3201は、普通図柄の図柄乱数値が0~165のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が166~210のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
また、超高時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU3201は、普通図柄の図柄乱数値が0~210のいずれであっても普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択する。
[普通図柄当り種類決定テーブル]
図193は、第5のパチンコ遊技機に係る普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。
普通図柄当り種類決定テーブルは、時短の種類と、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドと、に応じて、普通電動役物3146の作動態様である開放パターン及び振分装置3506の駆動パターンを決定する際に参照される。
普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz1」、及び、普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz2」は、それぞれ、普通当り1及び普通当り2に対応している。第5のパチンコ遊技機では、このような2種類の普通当り(普通図柄当り)が設けられている。
普通電動役物3146の作動態様である開放パターンとしては、第4実施形態で説明した「02H」(図144参照)、すなわち、「1回目の開放時間72msec、ウェイト時間6204msec、2回目の開放時間5550msec、ウェイト時間120msec、3回目の開放時間72msec、ウェイト時間120msec、4回目の開放時間72msec」となる開放パターンが設けられている。振分装置3506の駆動パターンとしては、「オフ」及び「オン」が設けられている。「オフ」は、振分装置3506への通電がオフであること(図186参照)を示し、「オン」は、振分装置3506への通電がオンであること(図187参照)を示す。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類(普通電動役物3146の作動態様である開放パターン、及び、振分装置3506の駆動パターン)は次のとおり決定される。
例えば、非時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オフ」に決定する。また、非時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オン」に決定する。
また、低時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(低時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オフ」に決定する。また、低時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(低時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オン」に決定する。
また、中時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(中時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オフ」に決定する。また、中時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(中時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オン」に決定する。
また、高時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合(高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オフ」に決定する。また、高時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物3146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オン」に決定する。
また、超高時短遊技状態において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合(超高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合)、メインCPU3201は、普通電動役物2146の作動態様である開放パターンを「02H」に決定し、振分装置3506の駆動パターンを「オン」に決定する。
このように、普通図柄抽選において普通当り(普通当り1又は普通当り2)に当選した場合には、普通電動役物3146が比較的長時間(5550msec)に亘って開放状態となる。これにより、右打ちされた遊技球は、入球口3149を通過することが可能となる。また、普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合、振分装置3506の駆動パターンとしては、「オフ」が選択される。上述したように、振分装置3506への通電がオフである場合、入球口3149を通過した遊技球は、第1作動機構3511を通過し、第1非電動役物3440の羽根部材3510が開状態となる。これにより、右打ちされた遊技球は、第2始動口3140Aに入賞することが可能となる。これに対し、普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合、振分装置3506の駆動パターンとしては、「オン」が選択される。上述したように、振分装置3506への通電がオンである場合、入球口3149を通過した遊技球は、第2作動機構3513を通過し、第2非電動役物3441の羽根部材3512が開状態となる。これにより、右打ちされた遊技球は、第2始動口3140Bに入賞することが可能となる。
普通電動役物3146の作動態様である開放パターンとしては、特に限定されず、例えば、第1実施形態で説明したような開放パターン(図18参照)を採用することとしてもよい。その際、普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合に選択可能な開放パターンと普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合に選択可能な開放パターンとを異ならせてもよい、例えば、普通図柄抽選において普通当り2に当選した場合には、普通図柄抽選において普通当り1に当選した場合と比較して、有利度合いが有利な態様の開放パターン(例えば、普通電動役物3146の開放時間が相対的に長い開放パターン)が選択されるようにしてもよい。普通電動役物3146の開放時間は、特に限定されないが、右打ちされた遊技球が入球口3149を確実に通過することが可能な程度の時間に設定することが望ましい。
[普通図柄の変動パターンテーブル]
図194は、第5のパチンコ遊技機に係る普通図柄の変動パターンテーブルである。
第1実施形態で説明したように、普通図柄の変動パターンは、普通図柄の変動パターンテーブルに基づいて、普通図柄の可変表示開始処理(図43のステップS293参照)において決定される。本実施形態における普通図柄の変動パターンテーブルの基本的な構成は、第1実施形態で説明した普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)と同じである。図194に示す普通図柄の変動パターンテーブルにおいては、遊技状態(「非時短遊技状態」、「低時短遊技状態」、「中時短遊技状態」、「高時短遊技状態」、及び、「超高時短遊技状態」)ごとに、普通図柄抽選の結果(「ハズレ」、「普通当り1」、及び、「普通当り2」)のそれぞれに対して、普通図柄の変動パターン及び可変表示時間(普通図柄変動が開始してから終了するまでの時間)が規定されている。
具体的に、非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「非時短用変動パターンA」が選択され、非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「非時短用変動パターンB」が選択され、非時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「非時短用変動パターンC」が選択される。「非時短用変動パターンA」の可変表示時間、「非時短用変動パターンB」の可変表示時間、及び、「非時短用変動パターンC」の可変表示時間は、それぞれ、3000msとなっている。
また、低時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「低時短用変動パターンA」が選択され、低時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「低時短用変動パターンB」が選択され、低時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「低時短用変動パターンC」が選択される。「低時短用変動パターンA」の可変表示時間は、666msであり、「低時短用変動パターンB」の可変表示時間、及び、「低時短用変動パターンC」の可変表示時間は、それぞれ、3000msとなっている。
また、中時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「中時短用変動パターンA」が選択され、中時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「中時短用変動パターンB」が選択され、中時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「中時短用変動パターンC」が選択される。「中時短用変動パターンA」の可変表示時間は、666msであり、「中時短用変動パターンB」の可変表示時間、及び、「中時短用変動パターンC」の可変表示時間は、それぞれ、3000msとなっている。
また、高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「高時短用変動パターンA」が選択され、高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り1」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「高時短用変動パターンB」が選択され、高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「高時短用変動パターンC」が選択される。「高時短用変動パターンA」の可変表示時間は、666msであり、「高時短用変動パターンB」の可変表示時間、及び、「高時短用変動パターンC」の可変表示時間は、それぞれ、3000msとなっている。
また、超高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「超高時短用変動パターンA」が選択され、高時短遊技状態中に行われた普通図柄抽選の結果が「普通当り2」である場合には、普通図柄の変動パターンとして「超高時短用変動パターンB」が選択される。「超高時短用変動パターンA」の可変表示時間は、666msであり、「超高時短用変動パターンB」の可変表示時間は、3000msとなっている。
なお、第4実施形態における普通図柄の変動パターンテーブル(図158参照)と同様に、図中の各「変動パターン」として、それぞれ、複数の変動パターンを設けることとしてもよい。時短遊技状態(低時短遊技状態、中時短遊技状態、高時短遊技状態、及び、超高時短遊技状態)においては、普図短縮制御が実行されることにより、普通図柄の変動パターンとして設けられた複数の変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンについて、非時短遊技状態と比較して可変表示時間が短くなっている。
同様に、図示しないが、時短遊技状態(低時短遊技状態、中時短遊技状態、高時短遊技状態、及び、超高時短遊技状態)においては、特図短縮制御が実行されることにより、特別図柄の変動パターンとして設けられた複数の変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンについて、非時短遊技状態と比較して可変表示時間が短くなっている(図92参照)。また、特別図柄の変動パターンについては、普通図柄の変動パターンと比較して、全体的に可変表示時間が長くなっている。
なお、大当り遊技状態においては、非時短遊技状態に制御される。従って、大当り遊技状態中に遊技球が通過ゲート3126A乃至普図作動口3126Bを通過した場合には、図191に示す普通図柄の当り判定テーブル、図192に示す普通図柄判定テーブル、図193に示す普通図柄当り種類決定テーブル、及び、図194に示す普通図柄の変動パターンテーブルにおいて、時短の種類として「非時短遊技状態」が参照される。
<遊技状態の遷移フロー>
図195は、第5のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図196は、第5のパチンコ遊技機に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
上述したように、本実施形態では、主制御回路3200により制御される遊技状態(メイン遊技状態)として、非大当り遊技状態及び大当り遊技状態が設けられており、非大当り遊技状態として、非時短遊技状態、低時短遊技状態、中時短遊技状態、高時短遊技状態、及び、超高時短遊技状態が設けられている。
非時短遊技状態は、RAMクリアスイッチ3176(図184参照)がオン操作されたときに制御される遊技状態である。RAMクリアスイッチ3176がオン操作されると、RAMクリアが実行される。第1実施形態と同様に、RAMクリアは、メインRAM3203(図184参照)の作業領域に記憶されている情報をクリアする処理である(図49のステップS361参照)。
ここで、電源投入時の操作としては、(a)設定キー3174a(図184参照)をオン操作せず、RAMクリアスイッチ3176をオン操作せずに、電源スイッチ3095(図184参照)のオン操作を行う場合、(b)設定キー3174aをオン操作し、RAMクリアスイッチ3176をオン操作せずに、電源スイッチ3095のオン操作を行う場合(設定確認を行う場合)、(c)設定キー3174aをオン操作せず、RAMクリアスイッチ3176をオン操作して、電源スイッチ3095のオン操作を行う場合、及び、(d)設定キー3174aをオン操作し、RAMクリアスイッチ3176をオン操作して、電源スイッチ3095のオン操作を行う場合(設定変更を行う場合)が挙げられる。
上記(a)及び(b)の場合、主制御回路3200は、電源が投入されたときに、非時短遊技状態、低時短遊技状態、中時短遊技状態、高時短遊技状態、及び、超高時短遊技状態のうち、電断が発生した時点における遊技状態に制御する。上記(c)及び(d)の場合、主制御回路3200は、電源が投入されたときに、電断が発生した時点における遊技状態にかかわらず非時短遊技状態に制御する。以下、図195及び図196を参照して、 非時短遊技状態を起点とする遊技状態の移行遷移について、第5のパチンコ遊技機の遊技性に関わる主要なものを中心に説明する。
非時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1(図190参照)が導出されると、主制御回路3200は、非時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。そして、低時短遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示回数(普通図柄変動回数)が所定回数(50回~250回のうちの何れか)に到達すると、主制御回路3200は、低時短遊技状態から非時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。また、低時短遊技状態において、特別図柄抽選で小当り1(図190参照)に当選すると、主制御回路3200は、低時短遊技状態から非時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。
非時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2(図190参照)が導出されると、主制御回路3200は、非時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。そして、中時短遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示回数(普通図柄変動回数)が所定回数(20回)に到達すると、主制御回路3200は、中時短遊技状態から非時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。なお、中時短遊技状態において、特別図柄抽選で小当り1に当選した回数が所定回数(100回)に到達した場合にも、主制御回路3200は、中時短遊技状態から非時短遊技状態へと遊技状態を移行させるが、当該移行条件が成立する可能性は実質的に存在しない(図190参照)。
主制御回路3200において非時短遊技状態、低時短遊技状態、又は、中時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路3300(図184参照)では「通常モード」に制御されるところ、図195では、このことも併せて示している。後述するように、サブ制御回路3300において通常モードに制御されている場合には、基本的に、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像が表示装置3007(図183参照)に表示されない。すなわち、左打ちにより遊技を行うべきことが示唆される。そこで、非時短遊技状態、低時短遊技状態、及び、中時短遊技状態を総称して、「左打ち非大当り遊技状態」とも呼ぶこととする。左打ち非大当り遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされる。
左打ち非大当り遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示(普通図柄変動)において普通当り1又は普通当り2(図193参照)が導出されることで普通電動役物3146が開放状態となり、これにより発生した第2始動口3140A,3140Bへの遊技球の入賞に基づいて行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3(図190参照)が導出され、遊技球がV入賞口3155を通過すると、主制御回路3200は、左打ち非大当り遊技状態から大当り遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。
なお、左打ち非大当り遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において大当り(図190参照)が導出された場合にも、主制御回路3200は、左打ち非大当り遊技状態から大当り遊技状態へと遊技状態を移行させるが、当該移行については図示を省略している。上述したように、大当りが導出されたことにより大当り遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技状態の終了後は非時短遊技状態に制御される(A時短遊技状態に制御されない)。従って、当該大当り遊技状態への移行は、第5のパチンコ遊技機におけるA時短遊技状態に関わる遊技性とは無関係である。本実施形態では、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルート及び第2のルートを設けているが、第2のルートのみを設けることとしてもよい。すなわち、特別図柄抽選の結果として大当りを設けないように構成することも可能である。
大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が小当り2(図190参照)に当選したことに基づくものである場合、主制御回路3200は、大当り遊技状態から高時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。また、大当り遊技状態が終了するとき、当該大当り遊技状態が小当り3(図190参照)に当選したことに基づくものである場合、主制御回路3200は、大当り遊技状態から超高時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。
主制御回路3200において高時短遊技状態又は超高時短遊技状態に制御されているとき、サブ制御回路3300では「天国モード」に制御されるところ、図195では、このことも併せて示している。後述するように、サブ制御回路3300において天国モードに制御されている場合には、基本的に、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像が表示装置3007に表示される。すなわち、右打ちにより遊技を行うべきことが示唆される。そこで、高時短遊技状態及び超高時短遊技状態を総称して、「右打ち非大当り遊技状態」とも呼ぶこととする。右打ち非大当り遊技状態では、右打ちが正規な遊技態様とされる。
右打ち非大当り遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3(図190参照)が導出され、遊技球がV入賞口3155を通過すると、主制御回路3200は、右打ち非大当り遊技状態から大当り遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。ここで、右打ち非大当り遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出される場合としては、下記(A)~(C)が挙げられる。
(A)右打ち非大当り遊技状態中に普図作動口3126Bを遊技球が通過したことに基づいて行われる普通図柄抽選において普通当り1又は普通当り2に当選し、これにより発生した第2始動口3140A,3140Bへの遊技球の入賞(第2始動口入賞)に基づいて行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出される場合
(B)大当り遊技状態中に普図作動口3126Bを遊技球が通過したことに基づいて行われる普通図柄抽選において普通当り1又は普通当り2に当選し、これにより発生した第2始動口3140A,3140Bへの遊技球の入賞(第2始動口入賞)に基づいて行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出される場合
(C)左打ち非大当り遊技状態中に通過ゲート3126Aを遊技球が通過したことに基づいて行われる普通図柄抽選において普通当り2に当選し、これにより2個の遊技球が第2始動口3140Bに入賞した場合において、当該2つの第2始動口入賞のうち2つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出される場合
上記(A)は、右打ち非大当り遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出される状況として、典型的な場合である。以下では、上記(B)及び(C)について説明する。
大当り遊技状態においては右打ちにより遊技が行われるところ、普図作動口3126Bを遊技球が通過することが可能となっている。本実施形態では、大当り遊技状態中に普図作動口3126Bを遊技球が通過したとき、図191に示す普通図柄の当り判定テーブル、図192に示す普通図柄判定テーブル、及び、図193に示す普通図柄当り種類決定テーブル等を用いた各種抽選が行われる。上述したように、大当り遊技状態においては、(時短の有無及び種別に関し)非時短遊技状態に制御されるため、非時短遊技状態と同様に、普通図柄の可変表示が行われる。当該普通図柄の可変表示(普通図柄変動)において普通当り1又は普通当り2(図193参照)が導出された場合には、普通電動役物3146が開放状態となり、第2始動口3140A,3140Bに遊技球が入賞することが可能となる。当該第2始動口入賞については、大当り遊技状態が終了したときに第2特別図柄の始動条件が成立するため、当該第2始動口入賞に基づく第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)は大当り遊技状態が終了するまで保留され、当該第2特別図柄変動は大当り遊技状態が終了した時点(右打ち非大当り遊技状態が開始する時点)で行われることになる。上記(B)は、当該第2特別図柄変動において小当り2又は小当り3が導出される場合である。
また、上述したように、第1非電動役物3440の羽根部材3510は、1個の遊技球が通過することによって、開状態から閉状態に移行する。すなわち、普通図柄抽選で普通当り1に1回当選したとき、第2始動口3140Aに入賞することが可能な遊技球の個数は、最大で1個である。従って、普通図柄抽選で普通当り1に当選し、第2始動口3140Aに1個の遊技球が入賞した場合には、当該第2始動口入賞に基づいて行われる第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出され、遊技球がV入賞口3155を通過することで大当り遊技状態に移行するが、当該大当り遊技状態中に上記(B)のような態様で第2始動口3140A,3140Bに遊技球が入賞しない限り、当該大当り遊技状態が終了して右打ち非大当り遊技状態が開始する時点で、第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)は保留されていないことになる。
これに対し、第2非電動役物3441の羽根部材3512は、2個の遊技球が通過することによって、開状態から閉状態に移行する。すなわち、普通図柄抽選で普通当り2に1回当選したとき、第2始動口3140Bに入賞することが可能な遊技球の個数は、最大で2個である。従って、普通図柄抽選で普通当り2に当選し、第2始動口3140Bに2個の遊技球が入賞した場合には、当該2つの第2始動口入賞のうち1つ目の第2始動口入賞に基づいて行われる第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)において小当り2又は小当り3が導出され、遊技球がV入賞口3155を通過することで大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技状態中に上記(B)のような態様で第2始動口3140A,3140Bに遊技球が入賞しなかったとしても、当該大当り遊技状態が終了して右打ち非大当り遊技状態が開始する時点で、当該2つの第2始動口入賞のうち2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)が保留されていることになる。すなわち、当該2つ目の第2始動口入賞に基づく第2特別図柄変動は、右打ち非大当り遊技状態が開始する時点で行われることになり、上記(C)は、当該第2特別図柄変動において小当り2又は小当り3が導出される場合である。
ここで、第4のパチンコ遊技機と同様に、大当り遊技状態では、大入賞口3131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるところ、1回のラウンド遊技は、所定の閉鎖条件(大入賞口3131への所定数(本実施形態では、10個)の遊技球の入賞、又は、所定時間の経過)が成立した場合に終了する。すなわち、1回のラウンド遊技の長さは、最長で所定時間であり、所定時間が経過するまでに大入賞口3131に入賞した遊技球の数が所定数に達した場合には、その時点で当該ラウンド遊技が終了する。第5のパチンコ遊技機では、アタッカー(大入賞口3131)に遊技球が入賞するごとに、15個の遊技球が賞球として払い出される。従って、1回のラウンド遊技においては、最大で150個の遊技球が賞球として払い出されることになる。第2特別図柄抽選の結果が小当り2又は小当り3であることに基づいて大当り遊技状態が発生する場合、当該大当り遊技状態のラウンド数は10ラウンドであることから(図190参照)、当該大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の数は、15×10×10=1500である。
以上より、普通図柄抽選で普通当り1に当選し、第2始動口3140Aに1個の遊技球が入賞した場合には、少なくとも1回の大当り遊技状態へ移行可能であり、当該1回の大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の合計数は、1500×1=1500である。これに対し、普通図柄抽選で普通当り2に当選し、第2始動口3140Bに2個の遊技球が入賞した場合には、少なくとも2回の大当り遊技状態へ移行可能であり、当該2回の大当り遊技状態において遊技者が獲得することができる遊技球の合計数は、1500×2=3000である。このことから、普通図柄抽選で普通当り2に当選したことにより大当り遊技状態へ移行した場合には、サブ制御回路3300によって、第4実施形態で説明したミドルボーナスモードのような演出モードに制御されることとしてもよい。一方、普通図柄抽選で普通当り1に当選したことにより大当り遊技状態へ移行した場合には、サブ制御回路3300によって、第4実施形態で説明したスモールボーナスモードのような演出モードに制御されることとしてもよい。
なお、図190に示す時短遊技状態の終了条件を採用した場合には、右打ち非大当り遊技状態において第2特別図柄の可変表示が開始された時点で、右打ち非大当り遊技状態からいったん非時短遊技状態に移行し、その後に移行条件(8)が成立すると、非時短遊技状態から大当り遊技状態に移行することになるが、図195では、便宜上、右打ち非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行するものとして説明している。
高時短遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示回数(普通図柄変動回数)が所定回数(5回)に到達すると、主制御回路3200は、高時短遊技状態から非時短遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(9)参照)。なお、図示しないが、超高時短遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示回数(普通図柄変動回数)が所定回数(100回)に到達すると、主制御回路3200は、超高時短遊技状態から非時短遊技状態へと遊技状態を移行させる。ここで、超高時短遊技状態中に行われる普通図柄抽選において普通当り1又は普通当り2に当選する確率は約1/5であり(図191参照)、100回の普通図柄抽選の結果が全て「ハズレ」となる確率は略0である。従って、超高時短遊技状態から非時短遊技状態に移行する状況は、実際にはまず発生しない。換言すれば、超高時短遊技状態は、大当り遊技状態に移行することが実質的に確定した遊技状態であると言える。
また、上述したように、高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と超高時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率とは同じであるが(図191参照)、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」に決定された場合、超高時短遊技状態における普通当り2の当選確率は、高時短遊技状態における普通当り2の当選確率よりも高くなっている(超高時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」に決定された場合、必ず普通当り2に当選する(図192及び図193参照))。従って、超高時短遊技状態は、2回の大当り遊技状態が発生する(3000個の遊技球を獲得可能である)ことが実質的に確定した遊技状態であると言える。
ここで、第5のパチンコ遊技機は、所謂リミッタ機であることとしてもよい。第1実施形態で説明したように、リミッタ機においては、大当り遊技状態と、時短制御が実行される遊技状態(A時短遊技状態)とが、所定の上限回数(リミッタ回数)に到達するまで交互に繰り返し実行される。例えば、リミッタ回数が100回であるリミッタ機においては、上記移行条件(5)の成立により大当り遊技状態に移行した後、上記移行条件(9)が成立しないまま、上記移行条件(6)の成立回数と上記移行条件(7)の成立回数との合計回数が100回に到達した場合、当該100回目の上記移行条件(6)又は(7)の成立により移行した右打ち非大当り遊技状態において上記移行条件(8)が成立した場合、当該移行条件(8)の成立により発生する大当り遊技状態の終了後には、左打ち非大当り遊技状態(非時短遊技状態)へと移行させることとしてもよい。
なお、低時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出されても、主制御回路3200は、低時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させない。あるいは、低時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り2に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。もっとも、低時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出された場合には、低時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させることとしてもよい。また、低時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出されても、主制御回路3200は、低時短遊技状態を維持し、時短カウンタ(第4実施形態で説明した時短カウンタ(特図1)、時短カウンタ(特図2)、及び、時短カウンタ(普図))の値もリセットしない。あるいは、低時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り1に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。
また、中時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出されても、主制御回路3200は、中時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させない。あるいは、中時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り1に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。もっとも、中時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出された場合には、中時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させることとしてもよい。また、中時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出されても、主制御回路3200は、中時短遊技状態を維持し、時短カウンタ(第4実施形態で説明した時短カウンタ(特図1)、時短カウンタ(特図2)、及び、時短カウンタ(普図))の値もリセットしない。あるいは、中時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り2に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。
また、高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出されても、主制御回路3200は、高時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させない。あるいは、高時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り1に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。もっとも、高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出された場合には、高時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させることとしてもよい。また、高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出されても、主制御回路3200は、高時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させない。あるいは、高時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り2に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。もっとも、高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出された場合には、高時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させることとしてもよい。
また、超高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出されても、主制御回路3200は、超高時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させない。あるいは、超高時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り1に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。もっとも、超高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1が導出された場合には、超高時短遊技状態から低時短遊技状態へと遊技状態を移行させることとしてもよい。また、超高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出されても、主制御回路3200は、超高時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させない。あるいは、超高時短遊技状態中に行われる特別図柄抽選においては、そもそも時短当り2に当選しない(又は、当選しても導出しない)ように構成してもよい。もっとも、超高時短遊技状態中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り2が導出された場合には、超高時短遊技状態から中時短遊技状態へと遊技状態を移行させることとしてもよい。
<遊技の具体的態様>
図197~図205は、第5のパチンコ遊技機に係る各遊技状態において行われる遊技の具体的態様を示す図である。図206は、第5のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図197では、左打ち非大当り遊技状態中に普通図柄の可変表示(普通図柄変動)が行われている場合における遊技パネル3100の様子を示している。図198~図200では、左打ち非大当り遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示(普通図柄変動)において普通当り1が導出された場合における遊技パネル3100の様子を示している。図201では、大当り遊技状態中における遊技パネル3100の様子を示している。図202~図204では、左打ち非大当り遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示(普通図柄変動)において普通当り2が導出された場合における遊技パネル3100の様子を示している。図205では、高時短遊技状態中における遊技パネル3100の様子を示している。
図197に示すように、左打ち非大当り遊技状態(通常モード)では、表示装置3007の表示領域において、普図演出用識別図柄3603、第1特図演出用ミニ識別図柄3621、第2特図演出用ミニ識別図柄3622、普図演出用ミニ識別図柄3623、第1特図演出用ミニ保留図柄3631、第2特図演出用ミニ保留図柄3632、及び、普図演出用ミニ保留図柄3633が表示される。
普図演出用識別図柄3603は、今回の普通図柄変動(普通図柄の可変表示)に対応する識別図柄であり、表示装置3007の表示領域において、遊技者が視認しやすい態様で表示される。普図演出用ミニ識別図柄3623は、今回の普通図柄変動に対応する識別図柄であり、普図演出用識別図柄3603と同じタイミングで変動表示が開始され、普図演出用識別図柄3603と同じタイミング且つ同じ態様で停止表示される。
第1特図演出用ミニ識別図柄3621は、今回の第1特別図柄変動に対応する識別図柄である。第2特図演出用ミニ識別図柄3622は、今回の第2特別図柄変動(第2特別図柄の可変表示)に対応する識別図柄である。第1特図演出用ミニ識別図柄3621、第2特図演出用ミニ識別図柄3622、及び、普図演出用ミニ識別図柄3623(ミニ図柄)については、「1」~「9」のアラビア数字の変動及び停止が繰り返されるだけであり、これらのミニ図柄を用いて当りを期待させる演出(例えば、リーチ演出)は行われない。
第1特図演出用ミニ保留図柄3631は、第1特別図柄の保留個数を示す図柄であり、第2特図演出用ミニ保留図柄3632は、第2特別図柄の保留個数を示す図柄であり、普図演出用ミニ保留図柄3633は、普通図柄の保留個数を示す図柄である。第1特図演出用ミニ識別図柄3621、第2特図演出用ミニ識別図柄3622、普図演出用ミニ識別図柄3623、第1特図演出用ミニ保留図柄3631、第2特図演出用ミニ保留図柄3632、及び、普図演出用ミニ保留図柄3633は、表示装置3007の表示領域の端部において、普図演出用識別図柄3603よりも遊技者が視認し難い態様で表示される。
上述したように、左打ち非大当り遊技状態では、普通図柄の可変表示(普通図柄変動)において普通当り1又は普通当り2(図193参照)が導出された場合に、大当り遊技状態に移行させることが可能である(図195参照)。ここで、普通図柄抽選が行われる契機となる始動領域としては、通過ゲート3126A及び普図作動口3126Bが設けられているところ、通過ゲート3126Aを通過した遊技球は、第1始動口3120に入賞するようになっている(図183参照)。そのため、遊技者が左打ちにより通過ゲート3126Aを狙って遊技球を発射させた場合には、第1始動口3120への遊技球の入賞に伴って賞球を獲得することができる。これに対し、遊技者が右打ちにより普図作動口3126Bを狙って遊技球を発射させた場合には、このような賞球を獲得することはできない。
これにより、左打ち非大当り遊技状態においては、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な打ち方となっている。そのため、左打ち非大当り遊技状態(通常モード)においては、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像(例えば、「右打ち→」という文字画像)が表示装置3007に表示されることはなく、左打ちにより遊技を行うべきことが示唆される。図示しないが、このことを分かりやすくするため、左打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像(例えば、「←左打ち」という文字画像)を表示装置3007に表示することとしてもよい。遊技者が左打ちにより遊技を行うことで、遊技球が通過ゲート3126Aを通過し、普通図柄の可変表示(普通図柄変動)が行われる。図197では、このときの様子を示している。図中、変動中の普図演出用識別図柄3603、普図演出用ミニ識別図柄3623、及び、第1特図演出用ミニ識別図柄3621を矢印により示している。
図198では、図197に示す状態の後、普図演出用識別図柄3603として「4-4-4」の図柄組合せ(「4」揃い)が停止表示されるとともに、「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「4」揃いは、今回の普通図柄変動の結果が普通当り1である場合に普図演出用識別図柄3603として表示される図柄組合せである。これにより、普通電動役物3146が開放状態となり、入球口3149に遊技球を入賞させることにより、第2始動口3140Aを開放状態とすることができる。「右打ち→」という文字画像により、右打ちを行うべき(普通電動役物3146及び第2始動口3140Aを狙って遊技球を発射すべき)ことが遊技者に示唆されている。図198では、入球口3149に近接した位置に遊技球が到達しており、当該遊技球が入球口3149に入賞する直前の様子を併せて示している。
図199では、図198に示す状態の後、「ボーナス確定」及び「右打ち継続→」という文字画像が表示されている様子を示している。「ボーナス確定」という文字画像により、大当り遊技状態が発生することが(実質的に)確定したことが遊技者に示唆されており、「右打ち継続→」という文字画像により、右打ちを継続すべきことが遊技者に示唆されている。本実施形態では、第2特別図柄の当り判定処理の結果として必ず「役物開放当り」が決定されるため(図188参照)、入球口3149に遊技球が入賞した時点で、大当り遊技状態が発生することが(実質的に)確定すると言える。図199では、第1非電動役物3440の羽根部材3510が開状態となっており、羽根部材3510の内側の面に遊技球が乗っている様子を併せて示している。
図200では、図199に示す状態の後、第2特図演出用ミニ識別図柄3622として「1-1-1」の図柄組合せ(「1」揃い)が停止表示されるとともに、「ボーナス」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、大当り遊技状態に移行することが遊技者に示唆されている。なお、「ボーナス」は、上述したミドルボーナスモードとスモールボーナスモードとのうち、スモールボーナスモードに対応している。図200では、普通図柄抽選で普通当り1に当選したことにより大当り遊技状態へ移行する場合について示しており、上述したように、この場合には、サブ制御回路3300によって、スモールボーナスモードに制御することが可能である。
図201では、図200に示す状態の後、「右打ち→」という文字画像が表示されるとともに、大当り遊技状態における3回目のラウンド遊技において普通図柄変動が行われている様子を示している。「右打ち→」という文字画像により、右打ちを行うべき(大入賞口3131を狙って遊技球を発射すべき)ことが遊技者に示唆されている。また、図中、変動中の普図演出用ミニ識別図柄3623を矢印により示している。上述したように、大当り遊技状態においては、大入賞口3131に向かって流下する遊技球が普図作動口3126Bを通過することが可能であるところ、当該普図作動口3126Bへの遊技球の通過に基づいて普通図柄変動が行われる状況が発生している。なお、大当り遊技状態においては、普図演出用識別図柄3603が表示されないこととされており、図示しないが、表示装置3007の表示領域における中央部分には、スモールボーナスモード乃至ミドルボーナスモード中の演出に関する画像が表示される。
図示しないが、図201に示す状態の後、普通図柄変動の結果として普通当りが導出された場合には、普通電動役物3146が開放状態となるところ、普通当りに当選したこと(普通電動役物3146及び第2始動口3140A,3140Bを狙って遊技球を発射すべきこと)を遊技者に示唆する画像を表示することとしてもよい。なお、大入賞口3131に向かって遊技球が流下するとき、普通電動役物3146は、当該流下経路の途中に配置されているため、普通電動役物3146が開放状態であれば、当該遊技球は、入球口3149に入賞する(大入賞口3131には入賞しない)ようになっている。従って、遊技者としては、大入賞口3131を狙って遊技球を発射すれば、入球口3149に遊技球を入賞させることができる。もっとも、入球口3149に遊技球を入賞させるために必要な発射態様と大入賞口3131に遊技球を入賞させるために必要な発射態様とを異ならせることとしてもよい。
図202では、図197に示す状態の後、普図演出用識別図柄3603として「7-7-7」の図柄組合せ(「7」揃い)が停止表示されるとともに、「右打ち→」という文字画像が表示されている様子を示している。「7」揃いは、今回の普通図柄変動の結果が普通当り2である場合に普図演出用識別図柄3603として表示される図柄組合せである。これにより、普通電動役物3146が開放状態となり、入球口3149に遊技球を入賞させることにより、第2始動口3140Bを開放状態とすることができる。「右打ち→」という文字画像により、右打ちを行うべき(普通電動役物3146及び第2始動口3140Bを狙って遊技球を発射すべき)ことが遊技者に示唆されている。図202では、入球口3149に近接した位置に遊技球が到達しており、当該遊技球が入球口3149に入賞する直前の様子を併せて示している。
図203では、図202に示す状態の後、「ボーナス確定」及び「右打ち継続→」という文字画像が表示されている様子を示している。「ボーナス確定」という文字画像により、大当り遊技状態が発生することが(実質的に)確定したことが遊技者に示唆されており、「右打ち継続→」という文字画像により、右打ちを継続すべきことが遊技者に示唆されている。本実施形態では、第2特別図柄の当り判定処理の結果として必ず「役物開放当り」が決定されるため(図188参照)、入球口3149に遊技球が入賞した時点で、大当り遊技状態が発生することが(実質的に)確定すると言える。図203では、第2非電動役物3441の羽根部材3512が開状態となっており、第2始動口3140Bに1個の遊技球が既に入賞し、羽根部材3512の内側の面に遊技球が乗っている様子を併せて示している。
図204では、図203に示す状態の後、第2特図演出用ミニ識別図柄3622として「1-1-1」の図柄組合せ(「1」揃い)が停止表示されるとともに、「超ボーナス」という文字画像が表示されている様子を示している。これにより、大当り遊技状態に移行することが遊技者に示唆されている。なお、「超ボーナス」は、上述したミドルボーナスモードとスモールボーナスモードとのうち、ミドルボーナスモードに対応している。図204では、普通図柄抽選で普通当り2に当選したことにより大当り遊技状態へ移行する場合について示しており、上述したように、この場合には、サブ制御回路3300によって、ミドルボーナスモードに制御することが可能である。また、図204では、第2特図演出用ミニ保留図柄3632として「1」が表示されている。この例では、普通図柄抽選で普通当り2に当選したことに伴い、第2始動口3140Bに2個の遊技球が入賞しているところ、第2特別図柄変動の保留が1つ残っている状況となっている。
図205では、図201に示す状態の後、大当り遊技状態が終了し、高時短遊技状態において、天国モード中の演出として、ボタン画像3701が表示されている様子を示している。第4実施形態と同様に、ボタン画像3701は、演出ボタン54(図1参照)を模した画像であり、演出ボタン54を用いたボタン演出が行われる。ボタン演出は、普通図柄抽選の結果(普通当り又はハズレ)を報知する演出である。演出ボタン54が操作されると(所定時間(ボタン有効時間)内に演出ボタン54が操作されなかった場合には当該時間が経過すると)、ボタン演出の結果が表示される。
上述したように、高時短遊技状態では、普通図柄の可変表示(普通図柄変動)において普通当り1又は普通当り2(普通当り)が導出された場合に、大当り遊技状態に移行させることが可能である。一方で、高時短遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示回数(普通図柄変動回数)が所定回数(5回)に到達すると、高時短遊技状態から非時短遊技状態へと移行する(図195参照)。従って、高時短遊技状態において、遊技者は、普通図柄変動が5回行われる間に、少なくとも1回の普通図柄抽選の結果が普通当りとなることを期待しながら遊技を行うことになる。図205では、「チャンスは5回」という文字画像が表示されている様子も併せて示しているが、当該文字画像は、このような高時短遊技状態の状況に対応している。
ここで、上述したように、普通図柄抽選が行われる契機となる始動領域としては、通過ゲート3126A及び普図作動口3126Bが設けられているところ、高時短遊技状態乃至超高時短遊技状態(右打ち非大当り遊技状態)において、左打ちにより通過ゲート3126Aを狙って遊技を行うということも考えられる。しかし、通過ゲート3126Aを通過した遊技球は第1始動口3120に入賞するため、遊技者が左打ちにより通過ゲート3126Aを狙って遊技球を発射させた場合には、第1始動口3120への遊技球の入賞(第1始動口入賞)に基づいて第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄変動)が行われることになる。従って、第1特別図柄の可変表示回数が所定回数(5回)に到達することにより、右打ち非大当り遊技状態から非時短遊技状態に移行してしまう可能性が存在する(図190参照)。
とりわけ、右打ち非大当り遊技状態においては、左打ち非大当り遊技状態中に発生した第1始動口入賞に基づく第1特別図柄変動の保留が残っていることも想定されるところ、このような場合には、高時短遊技状態乃至超高時短遊技状態中に行われる普通図柄の可変表示回数(普通図柄変動回数)が所定回数(5回乃至100回)に到達するよりも前に、第1特別図柄の可変表示回数が所定回数(5回)に到達し、右打ち非大当り遊技状態が終了してしまう蓋然性が増大する。また、上述したように、右打ち非大当り遊技状態(A時短遊技状態)中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1乃至時短当り2(図190参照)が導出されたときに低時短遊技状態乃至中時短遊技状態(C時短遊技状態)に移行するような構成を採用した場合にも、左打ちを行うことで低時短遊技状態乃至中時短遊技状態へ移行する(高時短遊技状態乃至超高時短遊技状態が終了する)可能性が存在する。
これにより、右打ち非大当り遊技状態においては、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な打ち方となっており、遊技者は、右打ちにより普図作動口3126Bを狙って遊技を行うことが推奨される。そのため、右打ち非大当り遊技状態(天国モード)においては、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に促す画像(図205に示す「右打ち→」という文字画像)が表示装置3007に表示され、右打ちにより遊技を行うべきことが示唆される。もっとも、遊技者の意思に応じて、左打ちにより遊技を行うことを妨げるものではない。
図206では、非大当り遊技状態において遊技者が終始左打ちにより遊技を行うことに適した遊技盤ユニット3010について示している。この遊技盤ユニット3010では、第1始動口3120、通過ゲートユニット3125A、第2始動口3140A,3140B、普通電動役物ユニット3145、第1非電動役物3440、及び、第2非電動役物3441が全て左側領域3106に設けられている。普図作動口ユニット3125Bは設ける必要がない。なお、特別電動役物ユニット3130については、左側領域3106に設けてもよいし、右側領域3107に設けてもよい。また、図183に示す遊技盤ユニット3010と共通する構成については、適宜図示を省略している。
[特別図柄の変動パターンテーブル]
図207(a)は、第5のパチンコ遊技機に係る第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)である。図207(b)は、第5のパチンコ遊技機に係る第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)である。図207(c)は、第5のパチンコ遊技機に係る第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)である。図207(d)は、第5のパチンコ遊技機に係る第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)である。
右打ち非大当り遊技状態においては、図207に示す特別図柄の変動パターンテーブルに基づいて、今回の特別図柄変動における特別図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。この変動パターンテーブルは、特に、上述したように、第5のパチンコ遊技機がリミッタ機(リミッタ回数:100回)である場合に採用することが可能である。この例では、A時短移行回数カウンタの値に応じて、参照される変動パターンテーブルが異なっている。A時短移行回数カウンタの値は、上記移行条件(6)の成立回数と上記移行条件(7)の成立回数との合計回数(図195参照)を示し、メインRAM3203に記憶されている。A時短移行回数カウンタの値は、左打ち非大当り遊技状態へ移行したときにクリアされる。
第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)、第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、及び、第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)の基本的な構成は、第1実施形態で説明した特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)、及び、第4実施形態で説明した特別図柄の変動パターンテーブル(図157参照)と同じである。
図207に示すように、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、及び、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)においては、特別図柄抽選結果(「小当り2」及び「小当り3」)のそれぞれに対して、特別図柄の変動パターン及び可変表示時間(特別図柄変動が開始してから終了するまでの時間)が規定されている。また、第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、及び、第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)においては、特別図柄抽選結果(「時短当り1」、「時短当り2」、「大当り」、「小当り1」、及び、「ハズレ」)のそれぞれに対して、特別図柄の変動パターン及び可変表示時間(特別図柄変動が開始してから終了するまでの時間)が規定されている。
A時短移行回数カウンタの値が1又は2である場合において、第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)が行われるときには、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)が参照される。A時短移行回数カウンタの値が3~100の何れかである場合において、第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄変動)が行われるときには、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)が参照される。A時短移行回数カウンタの値が1又は2である場合において、第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄変動)が行われるときには、第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)が参照される。A時短移行回数カウンタの値が3~100の何れかである場合において、第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄変動)が行われるときには、第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)が参照される。
A時短移行回数カウンタの値が1又は2である場合に行われる第2特別図柄変動における特別図柄の変動パターン(図207(a)に示す変動パターン)については、A時短移行回数カウンタの値が3~100の何れかである場合に行われる第2特別図柄変動における特別図柄の変動パターン(図207(b)に示す変動パターン)と比較して、可変表示時間が長くなっている。また、A時短移行回数カウンタの値が1又は2である場合に行われる第1特別図柄変動における特別図柄の変動パターン(図207(c)に示す変動パターン)については、A時短移行回数カウンタの値が3~100の何れかである場合に行われる第1特別図柄変動における特別図柄の変動パターン(図207(d)に示す変動パターン)と比較して、可変表示時間が長くなっている。
ここで、本実施形態では、上述したように、右打ち非大当り遊技状態(A時短遊技状態)中に行われる特別図柄の可変表示(特別図柄変動)において時短当り1乃至時短当り2(図190参照)が導出されたときに低時短遊技状態乃至中時短遊技状態(C時短遊技状態)に移行するような構成を採用することが可能であり、また、第4実施形態と同様に、時短遊技状態が開始するときに演出変動モードがセットされるように構成することも可能である(図149のステップS4008参照)。この場合、図207(c)に示す変動パターンに基づいて時短当り1乃至時短当り2が導出されたときにセットされる演出変動モードと、図207(d)に示す変動パターンに基づいて時短当り1乃至時短当り2が導出されたときにセットされる演出変動モードと、を異ならせてもよい。これにより、A時短遊技状態からC時短遊技状態に移行したときのA時短移行回数カウンタの値に応じて、C時短遊技状態における特別図柄変動の態様を異ならせることができる。
以上、本発明の一実施形態として、第5実施形態に係るパチンコ遊技機について説明した。
<付記II>
従来、パチンコ遊技機などの遊技機においては、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた通過領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄を変動表示する制御が実行されて、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するようにしたものが提供されている(例えば、特開2010-110576号公報参照)。
本発明者は、上述したような遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、遊技に関するモードにつき工夫を凝らすことにより、遊技の興趣を向上させることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第5実施形態に係るパチンコ遊技機は、以下の特徴を備えている。
(II-1) 遊技媒体が所定領域(第1始動口3120、第2始動口3140A,3140B、通過ゲート3126A、普図作動口3126B等)を通過したことに基づいて遊技を実行することが可能な遊技実行手段と、
遊技に関するモードとして、複数のモードのうちの何れかのモードに制御可能なモード制御手段と、を備え、
前記複数のモードは、第1モード(非時短遊技状態)と、前記第1モードよりも遊技者に不利な第2モード(低時短遊技状態)と、前記第1モード及び前記第2モードよりも遊技者に有利な第3モード(中時短遊技状態)と、を含み、
前記モード制御手段は、
前記第1モードに制御されているときに、前記遊技実行手段により実行される遊技の結果が第1の結果(時短当り1)となった場合、前記第2モードに移行させることが可能であり、
前記第1モードに制御されているときに、前記遊技実行手段により実行される遊技の結果が第2の結果(時短当り2)となった場合、前記第3モードに移行させることが可能であり、
前記第2モードに制御されているときに、所定条件(普通図柄変動50回~250回、又は、小当り1当選)が成立した場合、前記第1モードに移行させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1モード(非時短遊技状態)と、第1モード(非時短遊技状態)よりも遊技者に不利な第2モード(低時短遊技状態)と、第1モード(非時短遊技状態)及び第2モード(低時短遊技状態)よりも遊技者に有利な第3モード(中時短遊技状態)と、が設けられており、第1モード(非時短遊技状態)に制御されているときに遊技の結果が第1の結果(時短当り1)となった場合には、第2モード(低時短遊技状態)に移行させることが可能であり、第1モード(非時短遊技状態)に制御されているときに遊技の結果が第2の結果(時短当り2)となった場合には、第3モード(中時短遊技状態)に移行させることが可能であり、第2モード(低時短遊技状態)に制御されているときに所定条件(普通図柄変動50回~250回、又は、小当り1当選)が成立した場合には、第1モード(非時短遊技状態)に移行させることが可能なように構成されている。これにより、第1モード(非時短遊技状態)に制御されているときには、遊技者に対して、第2モード(低時短遊技状態)に移行することへ不安を感じさせつつ第3モード(中時短遊技状態)に移行することを期待させることができるとともに、第2モード(低時短遊技状態)に移行してしまった場合には、所定条件(普通図柄変動50回~250回、又は、小当り1当選)が成立することを目指して遊技を行ってもらうことができる。このような第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)を通じて、面白みのある遊技展開を創出することが可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。
(II-2) 前記(II-1)の遊技機であって、
前記複数のモードは、第4モード(高時短遊技状態)と、前記第4モードよりも遊技者に有利な第5モード(超高時短遊技状態)と、をさらに含み、
前記第1モード、前記第2モード、及び、前記第3モードは、それぞれ、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードであり、
前記第4モード及び前記第5モードは、それぞれ、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードである、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)に加えて、第4モード(高時短遊技状態)と、第4モード(高時短遊技状態)よりも遊技者に有利な第5モード(超高時短遊技状態)と、が設けられている。そして、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)は、それぞれ、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモード(所定モード(左打ち非大当り遊技状態))であり、第4モード(高時短遊技状態)及び第5モード(超高時短遊技状態)は、それぞれ、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモード(特定モード(右打ち非大当り遊技状態))であるように構成されている。これにより、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、第3モード(中時短遊技状態)、第4モード(高時短遊技状態)、及び、第5モード(超高時短遊技状態)を通じて、所定モード(左打ち非大当り遊技状態)及び特定モード(右打ち非大当り遊技状態)を特徴付けることが可能であり、所定モード(左打ち非大当り遊技状態)(第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態))におけるモード移行、並びに、特定モード(右打ち非大当り遊技状態)(第4モード(高時短遊技状態)及び第5モード(超高時短遊技状態))におけるモード移行を基盤とする斬新な遊技展開を実現することができる。
(II-3) 前記(II-1)の遊技機であって、
第1の装置(特別電動役物ユニット3130)を制御可能な第1装置制御手段と、
第2の装置(普通電動役物ユニット3145)を制御可能な第2装置制御手段と、を備え、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体が第1所定領域(第1始動口3120、第2始動口3140A,3140B等)を通過したことに基づいて第1の遊技(特別図柄ゲーム)を実行することが可能な第1遊技実行手段と、
遊技媒体が第2所定領域(通過ゲート3126A、普図作動口3126B等)を通過したことに基づいて第2の遊技(普通図柄ゲーム)を実行することが可能な第2遊技実行手段と、を備え、
前記第1装置制御手段は、前記第1遊技実行手段により実行される前記第1の遊技の結果が特定の結果(大当り又は小当り)となった場合、前記第1の装置を遊技媒体が相対的に通過しやすい第1の状態(開放状態)に制御可能であり、
前記第2装置制御手段は、前記第1装置制御手段により前記第1の装置が前記第1の状態に制御されているときに、前記第2遊技実行手段により実行される前記第2の遊技の結果が所定の結果(普通当り)となった場合、前記第2の装置を遊技媒体が相対的に通過しやすい第2の状態(開放状態)に制御可能である、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、遊技媒体が第1所定領域(第1始動口3120、第2始動口3140A,3140B等)を通過したことに基づいて第1の遊技(特別図柄ゲーム)を実行することが可能であり、また、遊技媒体が第2所定領域(通過ゲート3126A、普図作動口3126B等)を通過したことに基づいて第2の遊技(普通図柄ゲーム)を実行することが可能である。そして、第1の遊技(特別図柄ゲーム)の結果が特定の結果(大当り又は小当り)となった場合には、第1の装置(特別電動役物ユニット3130)を遊技媒体が相対的に通過しやすい第1の状態(開放状態)に制御可能であり、第1の装置(特別電動役物ユニット3130)が第1の状態(開放状態)に制御されているときに、第2の遊技(普通図柄ゲーム)の結果が所定の結果(普通当り)となった場合には、第2の装置(普通電動役物ユニット3145)を遊技媒体が相対的に通過しやすい第2の状態(開放状態)に制御可能なように構成されている。これにより、第1の装置(特別電動役物ユニット3130)が第1の状態(開放状態)に制御されているときに、第1の装置(特別電動役物ユニット3130)に遊技媒体を通過させつつ、第2の装置(普通電動役物ユニット3145)にも遊技媒体を通過させることが可能であり、このような第1の装置(特別電動役物ユニット3130)及び第2の装置(普通電動役物ユニット3145)への遊技媒体の通過を活用した斬新な遊技展開を実現することができる。
(II-4) 前記(II-1)~(II-3)の何れかの遊技機であって、
前記遊技実行手段は、
遊技媒体が第1所定領域(第1始動口3120)を通過したことに基づいて第1の遊技(特別図柄ゲーム)を実行することが可能な第1遊技実行手段と、
遊技媒体が第2所定領域(通過ゲート3126A乃至普図作動口3126B)を通過したことに基づいて第2の遊技(普通図柄ゲーム)を実行することが可能な第2遊技実行手段と、を備え、
前記第2所定領域は、
第1の態様(左打ち)で発射された遊技媒体が通過可能な位置に設けられる第1特定領域(通過ゲート3126A)と、
第2の態様(右打ち)で発射された遊技媒体が通過可能な位置に設けられる第2特定領域(普図作動口3126B)と、を含み、
前記第1所定領域は、前記第1特定領域を通過した遊技媒体が通過可能な位置に設けられている、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、遊技媒体が第1所定領域(第1始動口3120)を通過したことに基づいて第1の遊技(特別図柄ゲーム)を実行することが可能であり、また、遊技媒体が第2所定領域(通過ゲート3126A乃至普図作動口3126B)を通過したことに基づいて第2の遊技(普通図柄ゲーム)を実行することが可能である。そして、第2所定領域(通過ゲート3126A乃至普図作動口3126B)は、第1の態様(左打ち)で発射された遊技媒体が通過可能な位置に設けられる第1特定領域(通過ゲート3126A)と、第2の態様(右打ち)で発射された遊技媒体が通過可能な位置に設けられる第2特定領域(普図作動口3126B)と、を含み、第1所定領域(第1始動口3120)は、第1特定領域(通過ゲート3126A)を通過した遊技媒体が通過可能な位置に設けられるように構成されている。これにより、遊技媒体を第1の態様(左打ち)で発射させることで、当該遊技媒体を第1特定領域(通過ゲート3126A)及び第1所定領域(第1始動口3120)に通過させることが可能であり、当該第1特定領域(通過ゲート3126A)及び第1所定領域(第1始動口3120)への遊技媒体の通過に基づいて、第1の遊技(特別図柄ゲーム)及び第2の遊技(普通図柄ゲーム)を行うことができる。また、遊技媒体を第2の態様(右打ち)で発射させることで、当該遊技媒体を第2特定領域(普図作動口3126B)に通過させることが可能であり、当該第2特定領域(普図作動口3126B)への遊技媒体の通過に基づいて、第2の遊技(普通図柄ゲーム)を行うことができる。このような第1の態様(左打ち)乃至第2の態様(右打ち)で遊技媒体を発射させることを通じて、斬新な遊技展開を実現することができる。
(II-5) 前記(II-1)~(II-3)の何れかの遊技機であって、
所定の記憶領域が設けられた記憶手段(メインRAM3203)と、
前記所定の記憶領域に記憶されている情報を消去するための初期化操作を行うことが可能な初期化操作手段(RAMクリアスイッチ3176)と、を備え、
前記モード制御手段は、前記初期化操作手段により前記初期化操作が行われた場合に、前記第1モードに制御可能である、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、初期化操作手段(RAMクリアスイッチ3176)により、所定の記憶領域に記憶されている情報を消去するための初期化操作が行われた場合に、第1モード(非時短遊技状態)に制御可能なように構成されている。これにより、遊技店としては、初期化操作を行うことで、第1モード(非時短遊技状態)を起点としたモード移行(第1モード(非時短遊技状態)から第2モード(低時短遊技状態)乃至第3モード(中時短遊技状態)への移行、並びに、第2モード(低時短遊技状態)から第1モード(非時短遊技状態)への移行)を実現することが可能であり、営業戦略を立案しやすい遊技機を提供することができる。
(II-6) 前記(II-1)~(II-3)の何れかの遊技機であって、
前記モード制御手段は、
前記遊技実行手段により実行される遊技の結果が特定の結果(大当り又は小当り)となった場合に移行可能な特別遊技状態(大当り遊技状態)が終了した後、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能な特定モード(右打ち非大当り遊技状態)に制御可能な特定モード制御手段と、
特定条件(普通図柄変動5回又は100回、リミッタ回数到達等)が成立した場合に、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能な所定モード(左打ち非大当り遊技状態)に制御可能な所定モード制御手段と、を備える、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、遊技の結果が特定の結果(大当り又は小当り)となった場合に移行可能な特別遊技状態(大当り遊技状態)が終了した後、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能な特定モード(右打ち非大当り遊技状態)に制御可能であり、特定条件(普通図柄変動5回又は100回、リミッタ回数到達等)が成立した場合に、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能な所定モード(左打ち非大当り遊技状態)に制御可能なように構成されている。これにより、所定モード(左打ち非大当り遊技状態)及び特定モード(右打ち非大当り遊技状態)をそれぞれ、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモード、及び、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードとして特徴付けるとともに、遊技者に対して、特定モード(右打ち非大当り遊技状態)と特別遊技状態(大当り遊技状態)とを一体的に認識させることが可能であり、特別遊技状態(大当り遊技状態)と特定モード(右打ち非大当り遊技状態)と所定モード(左打ち非大当り遊技状態)との間でのモード(状態)移行を基盤とする斬新な遊技展開を実現することができる。
(II-7) 前記(II-1)~(II-3)の何れかの遊技機であって、
前記モード制御手段は、
前記第2モードに制御されているときには前記第3モードに移行させるための第1移行制御(中時短フラグのオン)を実行せず、前記第3モードに制御されているときには前記第2モードに移行させるための第2移行制御(低時短フラグのオン)を実行しない、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、第2モード(低時短遊技状態)に制御されているときには第3モード(中時短遊技状態)に移行させるための第1移行制御(中時短フラグのオン)を実行せず、第3モード(中時短遊技状態)に制御されているときには第2モード(低時短遊技状態)に移行させるための第2移行制御(低時短フラグのオン)を実行しないように構成されている。これにより、第1モード(非時短遊技状態)から第2モード(低時短遊技状態)乃至第3モード(中時短遊技状態)への移行、並びに、第2モード(低時短遊技状態)から第1モード(非時短遊技状態)への移行に遊技者を専念させることが可能であり、分かりやすく明快な遊技展開を実現することができる。
(II-8) 前記(II-6)の遊技機であって、
識別情報の変動表示及び停止表示を行うことが可能な識別情報表示手段(第1特別図柄表示部2163乃至第2特別図柄表示部2164)を備え、
前記遊技実行手段は、
識別情報の表示パターンとして複数設けられた表示パターンのなかから一の表示パターンを選択することが可能な表示パターン選択手段と、
前記表示パターン選択手段により選択された表示パターンに基づいて、前記識別情報表示手段において識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な識別情報表示制御手段と、を備え、
前記所定モード制御手段は、前記特定モード制御手段により前記特定モードに制御される回数が第1の回数(リミッタ回数)に達した場合に、前記所定モードに制御可能であり、
前記表示パターン選択手段は、
前記特定モード制御手段により前記特定モードに制御される回数が前記第1の回数よりも少ない第2の回数(1回又は2回)である場合に、第1の表示パターン(第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、乃至、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)に規定される変動パターン)を選択することが可能であり、
前記特定モード制御手段により前記特定モードに制御される回数が前記第2の回数よりも多い第3の回数(3回~100回)である場合に、第2の表示パターン(第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)、乃至、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用))を選択することが可能であり、
前記第1の表示パターンは、前記第2の表示パターンと比較して、前記識別情報表示手段における識別情報の変動表示が開始してから識別情報が停止表示されるまでの時間が長い表示パターンである、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、識別情報表示手段(第1特別図柄表示部2163乃至第2特別図柄表示部2164)において識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能であり、識別情報の表示パターンとして複数設けられた表示パターンのなかから一の表示パターンを選択することが可能となっている。また、特別遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に特定モード(右打ち非大当り遊技状態)に制御される回数が第1の回数(リミッタ回数)に達した場合に、所定モード(左打ち非大当り遊技状態)に制御可能となっている。そして、当該回数が第1の回数(リミッタ回数)よりも少ない第2の回数(1回又は2回)である場合には、識別情報の表示パターンとして第1の表示パターン(第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、乃至、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)に規定される変動パターン)を選択することが可能であり、当該回数が第2の回数(1回又は2回)よりも多い第3の回数(3回~100回)である場合には、識別情報の表示パターンとして第2の表示パターン(第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)、乃至、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用))を選択することが可能であり、第1の表示パターン(第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)、乃至、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態1回目・2回目用)に規定される変動パターン)は、第2の表示パターン(第1特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用)、乃至、第2特別図柄の変動パターンテーブル(右打ち非大当り遊技状態3回目~100回目用))と比較して、識別情報表示手段(第1特別図柄表示部2163乃至第2特別図柄表示部2164)における識別情報の変動表示が開始してから識別情報が停止表示されるまでの時間(変動時間)が長い表示パターンであるように構成されている。これにより、特別遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に特定モード(右打ち非大当り遊技状態)に制御される回数が少ないときには、変動時間が相対的に長い表示パターンで識別情報を表示させることができる一方、当該回数が多くなると、変動時間が相対的に短い表示パターンで識別情報を表示させることができる。その結果、当該回数に応じて、特定モード(右打ち非大当り遊技状態)における識別情報の表示態様を異ならせることが可能であり、遊技の進行状況に見合ったスマートな変動を実現することができる。
第5実施形態では、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)が、それぞれ、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードであり、第4モード(高時短遊技状態)及び第5モード(超高時短遊技状態)が、それぞれ、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードであることとして説明した。このように、第2の態様(右打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードとして、第4モード(高時短遊技状態)及び第5モード(超高時短遊技状態)を設けたことに加え、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードとして、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)を設けたことにより、魅力的な遊技性を創出することができる。もっとも、本発明において、各モードと遊技媒体の発射態様との関係性は、この例に限定されず、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)において、第2の態様(右打ち)で遊技媒体を発射することにより遊技を行うこととしてもよいし、第4モード(高時短遊技状態)及び第5モード(超高時短遊技状態)において、第1の態様(左打ち)で遊技媒体を発射することにより遊技を行うこととしてもよい。なお、第1モード(非時短遊技状態)、第2モード(低時短遊技状態)、及び、第3モード(中時短遊技状態)においては、何れのモードに滞在しているのかを遊技者が判別困難なように、共通の演出を行う(例えば、背景画面を同じにする)ようにしてもよい。これにより、特に、第1の態様(左打ち)で遊技媒体が発射されることにより遊技可能なモードにおいて、滞在中のモードを推測する楽しみを遊技者に付与することができる。
<付記(その他)>
従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
しかしながら、従来のパチンコ遊技機やパチスロ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を効果的に図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上、第1実施形態~第5実施形態について説明した。上述した実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチスロ遊技機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態~第5実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。