JP2024034198A - 遊技機 - Google Patents

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保 内山
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Abstract

【課題】扉開放エラーを外部装置に通知するとともに、発射球が遊技機外にこぼれ落ちることを防止しうる遊技機を提供する。【解決手段】遊技球を発射可能な発射手段と、遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段と、扉開放エラー報知を実行可能なエラー報知手段と、遊技動作を司る第1制御手段と、第1制御手段と通信可能な第2制御手段と、を備える遊技機であって、第1制御手段は、開閉扉が開放状態である場合に、扉開放エラーを判定可能なエラー判定手段と、エラー判定手段により扉開放エラーであると判定された場合、扉開放エラー報知に係るエラー処理を実行するエラー処理実行手段と、開閉扉が開放状態である場合に、発射手段の発射動作を停止させる発射停止手段と、を備え、第2制御手段は、開閉扉が開放状態である場合に、遊技機の外部に設けられた外部装置に対して所定信号を出力可能な外部信号出力手段を備えるように構成した。【選択図】図57

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
一般に弾球遊技機では、遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉を備え、その開閉扉を開放することにより、遊技領域内の玉詰まりや遊技部品の不具合のチェック、交換などが可能になっている。かかる構造上、開閉扉は不正に開放される恐れが有り、ゴト行為の危険性がある。そこで、安全対策上、開閉扉をセンサで検出し、開閉扉が開放のときは扉開放エラー報知を行い、また閉鎖のときは扉開放エラー報知を解除するように構成している(たとえば、下記特許文献1)。
特開2017-185161号公報
ところで、開閉扉が開放のときは、より一層の安全対策上、ホールコンピュータなどの外部装置に対してもその旨を通知することが望まれる。また、扉開放中に遊技球の発射動作が許容されたままであると、誤発射による発射球が遊技機の外にこぼれ落ちてしまうという恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、開閉扉が開放された際、扉開放エラーを外部装置に通知するとともに、発射球が遊技機外にこぼれ落ちることを防止しうる遊技機を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段と、
扉開放エラー報知を実行可能なエラー報知手段と、
遊技動作を司る第1制御手段と、
前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1制御手段は、
前記開閉扉が開放状態である場合に、前記扉開放エラーを判定可能なエラー判定手段と、
前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定された場合、前記扉開放エラー報知に係るエラー処理を実行するエラー処理実行手段と、
前記開閉扉が開放状態である場合に、前記発射手段の発射動作を停止させる発射停止手段と、を備え、
前記第2制御手段は、
前記開閉扉が開放状態である場合に、遊技機の外部に設けられた外部装置に対して所定信号を出力可能な外部信号出力手段を備える、
ことを特徴とする遊技機。
(2)前記第1制御手段および前記第2制御手段のそれぞれに対して前記扉開放検出手段からの検出信号が入力されるように構成された、
ことを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
本発明によれば、開閉扉が開放された際、扉開放エラーを外部装置に通知するとともに、発射球が遊技機外にこぼれ落ちることを防止することができる。
本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る遊技機の外観図である。 遊技盤と演出ボタンを示す図である。 制御装置の概略を示すブロック図である。 当り種別の説明に供する説明図である。 V当り種別の説明に供する説明図である。 ハズレ種別、特殊時短種別の説明に供する説明図である。 微時短状態の説明に供する説明図である。 液晶表示装置の画面表示の説明に供する説明図である。 先読み予告演出の説明に供する説明図である。 遊技フロー(遊技状態遷移)を示す図である。 微時短状態に係る遊技状態遷移の説明に供する説明図である。 主制御側メイン処理の前半部を示すフローチャートである。 主制御側メイン処理の後半部を示すフローチャートである。 主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図9中の特別図柄管理処理を示すフローチャートである。 図10中の特図1始動口チェック処理を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄確認時間中処理の前半部を示すフローチャートである。 図10中の特別図柄確認時間中処理の後半部を示すフローチャートである。 図9中の特別電動役物管理処理を示すフローチャートである。 図15中の小当り処理を示すフローチャートである。 図16中の大入賞口入賞数確認処理を示すフローチャートである。 図17中の特別電動役物動作ステータス別処理を示すフローチャートである。 図9中のタイマ割込内領域外処理(性能表示モニタ処理)を示すフローチャートである。 図19中の領域外RAMクリアチェック処理を示すフローチャートである。 図19中の動作確認処理を示すフローチャートである。 図19中の表示データ更新処理を示すフローチャートである。 演出制御側メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 変動パターン振分指定番号表を示す図である ハズレ変動パターン振分テーブル(通常中)を示す図である。 ハズレ変動パターン振分テーブル(微時短中)を示す図である。 ハズレ変動パターン振分テーブル(時短中)を示す図である。 (a)識別表示部LEDデータテーブル、(b)10進数値LEDデータテーブルを示す図である。 主制御基板における記憶領域の説明に供する説明図である。 領域内エラー情報、領域外エラー情報の説明に供する説明図である。 本発明の別実施形態(第2実施形態)に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る主制御側メイン処理の前半部を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る主制御側メイン処理の後半部を示すフローチャートである。 第2実施形態の玉抜き状態監視構成に係る主制御側メイン処理(後半部)を示すフローチャートである。 図34中の主制御側メイン処理の一部(S059、S065、S037のお処理)のソースコードを示す図である。 第2実施形態に係る4msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 図36中の入力管理処理を示すフローチャートである。 図37中の入賞イベント記憶処理を示すフローチャートである。 他の処理の入賞イベント記憶処理の一例を示すフローチャートである。 図38A中のリングバッファ格納処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る108msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 図40中の電文送信処理の前半部を示すフローチャートである。 図40中の電文送信処理の後半部を示すフローチャートである。 図41Aおよび図41B中のシリアル出力処理を示すフローチャートである。 図41B中のリングバッファ送信処理の前半部を示すフローチャートである。 図41B中のリングバッファ送信処理の後半部を示すフローチャートである。 本発明の別実施形態(第3実施形態)に係る主制御側メイン処理の後半部を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る54msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 図45中の電文送信処理の前半部を示すフローチャートである。 図45中の電文送信処理の後半部を示すフローチャートである。 図45中の電文受信処理を示すフローチャートである。 遊技機設置情報通知電文と、遊技機設置情報応答電文の説明に供する説明図である。 遊技機情報通知電文の説明に供する説明図である。 遊技機情報通知電文の遊技情報(2バイト構成)に係る種別情報(上位バイト側)の説明に供する説明図である。 遊技機情報通知電文の遊技情報(2バイト構成)に係るカウント情報(下位バイト側)の説明と、遊技情報(種別情報+カウント情報)の一例を示す図である。 遊技情報(種別情報+カウント情報)の一例を示す図である。 遊技情報(種別情報+カウント情報)の一例を示す図である。 遊技情報(種別情報+カウント情報)の一例を示す図である。 遊技情報(種別情報+カウント情報)の一例を示す図である。 枠側性能情報モニタ処理を示すフローチャートである。 性能情報状態通知に係るカウント情報の使用例を示す図である。 遊技機情報応答電文の説明に供する説明図である。 本発明に係るリングバッファとシフトバッファの説明に供する説明図である。 図37中の入賞イベント記憶処理(図38Aおよび図38B)に用いるスイッチカウントテーブルを示す図である。 図43B中のリングバッファ送信処理で利用される遊技情報(種別情報+カウント情報)テーブルを示す図である。 球表示処理を示すフローチャートである。 遊技球数表示器表示変換テーブルを示す図である。 本発明の別実施形態(第4実施形態)の説明に供するタイムチャートであり、(イ)は従来の判定方法の場合を、(ロ)は第4実施形態の判定方法の場合を示す図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下、「遊技機1」と略す)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を解除してガラス扉6を前側に開放でき、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態を解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、前枠2と一体的に構成された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。なお、ガラス扉6と前面操作パネル7は、一体的に前側に開放できる扉構造でなくてもよく、それぞれが単独で開閉可能な扉構造であってもよい。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、押しボタン式の演出ボタン13(第1の操作手段)の他、上方向を指し示すボタン75a、右ボタン75b、下ボタン75c、および左ボタン75dから構成され、上下左右方向に入力操作可能な十字形の方向キー75(第2の操作手段)が設けられている。演出ボタン13や方向キー75は、遊技者が操作可能な操作手段として機能し、特定の予告演出(たとえば、後述の「遊技者参加型演出」など)における所定の操作有効受付期間(ボタン有効期間)中に操作入力の受付が有効化され、この有効期間中に所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされると、その操作の前後で演出に変化をもたらすことが可能となっている。また、これらの操作手段は、たとえば、客待ち待機中(ゲーム開始待ち中)おける「遊技設定画面(メニュー画面)」において、遊技者が好みの遊技設定を行う際にも利用される。この遊技設定画面上では、音量調整や光量調整などの遊技環境の設定が可能であり、遊技設定画面には、その設定項目や調整量(レベルメータなど)が表示される。上述の客待ち待機中では、客待ち待機用演出として、後述の「客待ち前演出(デモ開始前表示)」や「客待ち前演出(デモ開始前表示)」が現出(実行)されるようになっている。
なお、演出ボタン13や方向キー75には、その内部に内蔵ランプ(ボタンLED13b)が設けられており、ボタンLED13bの発光態様(たとえば、点灯、点滅、消灯など)の違いにより、操作受付有効期間(点滅、点灯中)と、操作受付無効期間(消灯中)とが報知可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。この発射装置32は、遊技領域3aに向けて遊技球を発射可能な発射手段として機能するものであり、この実施形態では、毎分100発程度の発射性能を有する。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46(音演出手段)が設けられている。また、ガラス扉6の前枠周縁や遊技盤(図2)などの適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(光演出手段)が複数設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、所定の表示領域(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、図5Aに示す「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」)の変動表示動作(変動表示および停止表示)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられている。センター飾り体48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り体48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えており、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間に遊技球が通過可能な遊動領域が形成されており、発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて、横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置:第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置:第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動表示および停止表示)による‘特別図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに‘装飾図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。なお、特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)を含む複数のLED表示器からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。「複合」と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、右打ち有利の状態報知、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知などの複数の状態情報の表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。本実施形態に係る普通図柄表示装置39aでは、各LEDにより表現される「普通図柄」の変動表示動作による‘普通図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄が点灯と消灯を繰り返し、その変動時間が経過すると、複数個のLEDによる点灯・消灯状態の組合せにより、普通図柄変動表示ゲームの抽選結果が報知される。なお、普通図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する。
また普通図柄表示装置39aに隣接して、右打ち表示装置39bが設けられている。この右打ち表示装置39bは、LEDの点灯・消灯状態の組合せにより、遊技球が右流下経路3cを通過(流下)するように狙いを定める「右打ち」が有利であるのか、遊技球が左流下経路3bを通過(流下)するように狙いを定める「左打ち」が有利であるのかを報知する。たとえば、LEDの発光状態が、点灯した状態であれば右打ち有利、消灯状態であれば左打ち有利であることが報知される。
また、右打ち表示装置39bに隣接して、複数個のLED(ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39cが設けられている。このラウンド数表示装置39cは、複数個のLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、後述の大当りやV当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り体48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41(普通電動役物)とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口を開放または拡大可能にする‘始動口開閉手段’を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り体48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として左右一対の可動翼片(可動部材)47を備え、この可動翼片47が開閉動作を行うことで、第2の特別図柄始動口である下始動口35を開放または拡大可能となっている。
また、普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変化可能に構成されている。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に4つ(43a~43d)、右側に1つ(43e)、計5つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43h(図3参照)が形成されている。
また、普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲートからなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄(以下、普通図柄を「普図」と略す場合がある)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていないが、これに限らず、両流下経路に形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
また大入賞口50内には、遊技球が入球可能なV入賞口(特定領域)と、そのV入賞口に入球した遊技球を検出する特定領域センサ51a(図3参照)とが形成されている。大入賞口50に入球した遊技球は、V誘導装置(不図示)によりV入賞口に誘導可能となっている。このV誘導装置は、その作動状態により、V入賞口への入球(V入賞)を容易とする開状態(V入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難または不可能にする閉状態(V入賞困難またはV入賞不可能状態)とに制御可能に構成され、V誘導装置が非作動の場合、V入賞口への入賞が不可能とする閉状態(V入賞不可能状態)を保持している。本実施形態では、所定条件を満たすと、V誘導装置が作動状態に制御され、V入賞が有効化される。このV入賞有効期間中に遊技球がV入賞口に入球した場合(特定領域センサ51aが遊技球を検出した場合)、後述の「V当り」が発生するようになっている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
(大入賞口50への遊技球の入球過程)
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに不図示のゲージ構成(遊技くぎの配列)により、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうるが、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお、本実施形態の場合、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の一般入賞口43a~43dがあり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の一般入賞口43eがある。なお、下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能とされる。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属する入賞手段といえる。また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
(特定条件下における右打ち有利の構成)
本実施形態の遊技機1では、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた「右打ち」をした場合、普通図柄始動口37に遊技球は入賞し易いが、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされる。しかし、この可動翼片47は、後述の「電サポ有り状態(始動口入賞容易状態))」が生起すると、少なくとも通常遊技状態(通常状態)よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。したがって、この電サポ有り状態(電サポ状態)下であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」ではなく、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。一方、非電サポ状態である「電サポ無し状態(始動口入賞困難状態)」であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」ではなく、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされる。すなわち、遊技者が「左打ち」か「右打ち」かのどちらの打ち方をすれば有利になるかは、遊技状態に応じて変化しうる。なお詳細は後述するが、電サポ有り状態に係る遊技状態には「時短状態」や「確変状態」があり、電サポ無し状態に係る遊技状態には「通常状態」や「潜確状態」がある。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43a~43eなどの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能する。また、各入賞口に対応して設けられた上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43h(各一般入賞口43a~43eの個々に対応)などの検出センサ或いは検出スイッチは、入賞手段に入球した遊技球を検出する「入賞検出手段」として機能する。なお上記した各入賞手段については、遊技性に応じて、その個数、形状、形成位置などを適宜変更することができる。また、各入賞手段について、左流下経路3bまたは右流下経路3cを流下する遊技球を、入賞困難または入賞不可能、或いは入賞可能とするかについても遊技性に応じて適宜変更することができる。
各入賞口に遊技球が入賞した場合、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数が、遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。たとえば、上始動口34は3個、下始動口35は1個、普通図柄始動口37は0個(賞球なし)、大入賞口50は15個、一般入賞口43a~eは3個が払い出される。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された検出センサにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。また、この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技領域3a内には、遊技球の流下を妨害しない位置に、その動作態様により動的な演出効果を発揮する可動体役物(可動演出手段)が配設されている。
本実施形態では、可動体役物として、センター飾り体48内の右上側に第1の可動体役物80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物90が配設されている。第1の可動体役物80は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動可能に形成された短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として「掛時計部」を形作る。この意味で、第1の可動体役物80を「時計型役物80」とも称する。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、各数字セクターが個々に独立して異なった色で発光可能な構成となっている。この時計型役物80は、少なくとも可動演出手段(時計針82)と光演出手段(数字セクター)の2つの演出手段として機能する。
また、第2の可動体役物90は、花心の周りに複数枚の花弁からなる花冠を配し、更にその外側周囲に萼を配して花被を二重にし、以て花の形とした花型部91(第1可動体91)を、スイング動作が可能なアーム92(第2可動体92)の先端に取り付け、全体として花型役物90として構成されている。花型部91は、花心を中心軸として複数枚の花弁が回動可能となっている。
この花型役物90は、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図2に実線で示す)で静止しており、所定の動作条件が成立すると、アーム92が傾倒動作して、アーム92と共に花型部91が液晶画面を覆う位置(図2に破線で示す)まで移動する。そして、図2に破線で示す演出位置まで移動すると、花型部91がアーム先端部において回転すると共に、半透明の花心および花弁部分が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色しうる。花型役物90は、その動作を終了すると、破線の演出位置から実線の原点位置に戻る。花型部91は、花弁の回動動作として、高速回転、低速回転、逆回転などの複数種類の動作パターンが可能であり、アーム92は、破線部まで傾倒する全開傾動動作の他、所定の傾動角度まで傾動する準傾動動作やアームがガタガタと振動する振動動作、寸動動作など複数種類の動作パターンが可能である。上記の時計型役物80(時計針82)や花型役物90(第1可動体91、第2可動体92)は、後述の予告演出や設定示唆演出やデモ演出など、種々の演出に利用することができる。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係る遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係る遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下、「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行(現出)制御を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下、「演出制御部24」と称する)と、遊技球払出装置19による賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源から遊技機の各基板に対して必要な電源(バックアップ電源を含む)を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2-1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込みなどの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知し、システムリセット信号を出力してCPUをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、あらかじめ設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数(ハード乱数)を生成するためのカウンタ回路なども備えている。
なお、少なくとも主制御部(主制御基板)20と払出制御基板29は、不図示の電源基板から電圧降下信号(電源異常信号)を受けることによって、電源遮断に先立ち、バックアップ処理を開始して、電源遮断前の遊技動作を電源復帰後に再開できるようになっている(バックアップ機能)。この遊技機1では少なくとも数日は、RAMの各記憶内容を保持することが可能となっている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ちなどのゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
ここで図30を参照して、主制御部20が備えるメモリ空間(RAM203、ROM202)について簡単に説明しておく。
ROM202の「プログラム/データ領域」には、図柄変動表示ゲームや当り遊技など、主に、遊技進行に関する遊技動作処理を実行に要する制御プログラムを記憶する「領域内プログラム」や、後述の性能表示に関する処理や型式試験信号に関する処理など、当該遊技進行に直接的に関連しない制御プログラムを記憶する「領域外プログラム」や、プログラムに関する各種の固定データなどを記憶するデータ記憶領域を含んで構成されている。またRAM203には、上述の領域内プログラムと領域外プログラムにそれぞれ対応するワーク領域(たとえば、0000H番地~00FFH番地の領域内RAM領域と、0100H番地~01FFH番地の領域外RAM領域)を含んで構成されている。すなわち、CPU201がアクセス可能な記憶領域には、所定の上限容量内となるように設けられた領域内ROMおよび領域内RAMと、それらとは別の領域外ROMおよび領域外RAMとが設けられ、領域内ROMおよび領域外ROMは、それぞれ、プログラムが記憶される制御領域と、データが記憶されるデータ領域とで構成されている。
領域内ROMの制御領域に記憶される「領域内プログラム」は、同じ領域内ROMのデータ領域を参照し、また領域内RAMについては参照および更新が可能であるが、領域外RAMについては参照のみ可能であり、直接更新を行うことはできない。同様に、領域外ROMの制御領域に記憶される「領域外プログラム」は、同じ領域外ROMのデータ領域を参照し、また領域外RAMについては参照および更新処理が可能であるが、他方の領域内RAMについては参照のみ可能であり、直接更新を行うことはできない。したがって、領域内プログラムによる領域内処理中(領域内プログラム実行中)に、領域外RAMのデータを更新したい場合には、領域内プログラムから領域外プログラムをコールし(呼び出し)、その領域外プログラムによる領域外処理(領域外プログラムの実行)により領域外RAMのデータを更新する必要がある。
図3の説明に戻り、主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口センサ34a、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43hと、V入賞口(特定領域)への入賞を検出する特定領域センサ51aとが接続され、主制御部20は、これらセンサからの検出信号を受信して、いずれの入賞口に遊技球が入賞(入球)したのかを把握する。
また主制御部20には、アウト口49および各入賞口を通じて遊技機から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視センサ49aが接続され、主制御部20は、その検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、OUT監視センサ49aからの検出信号に基づき、アウト球数を計数可能な機能部(アウト球計数手段)を備える。アウト球数は、特定値で規定される「遊技実績情報」の一つである。たとえば「本日の累計アウト球数が30000発」であれば、「稼働時間=累計アウト球数(個)/発射性能(毎分100発)」という関係式により、遊技機1が「本日300分稼働していた」といった遊技実績情報を得ることができる。本実施形態の場合、アウト球数は、後述の“ベース値”(遊技実績情報の一つ)の算出に利用される。
また主制御部20には、図示はしていないが、遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ(たとえば、振動センサ、電波センサ、磁気センサ)が接続され、主制御部20は不正検出センサからの検出信号に基づき、遊技機に対する不正行為を監視可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38a、38bが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cと、右打ち表示装置39bと、ラウンド数表示装置39cとが接続され、主制御部20は、これらに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部端子基板21が接続され、主制御部20は、枠用外部端子基板21を介して、特定の遊技情報を含む1または複数の外端信号を、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCやデータカウンタDT(図示せず)などの外部装置に出力可能となっている。上記外端信号に含まれる遊技情報には、たとえば、当り遊技開始/終了情報、入賞情報、特別図柄の変動開始/変動停止情報、賞球数情報、各種セキュリティ情報(不正行為検出情報や、RAMクリア、扉開放、設定変更などの発生情報)などがある。上記「データカウンタDT」とは、外端信号に含まれる遊技情報に基づき、大当り回数、図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄変動回数)、大当り間のゲーム実行回数など、遊技機に関する特定情報を報知可能な遊技情報報知装置であり、通常、遊技機の上部に設置される。また、上記「ホールコンピュータHC」とは、外端信号に含まれる遊技情報に基づき、遊技機の状態(ゲーム数、出玉数、大当り回数、エラーなどの種々の情報)を監視・収集し、パチンコホールに設置された遊技機の動作(稼働)状況を統括的に管理する遊技店専用の管理コンピュータである。また、上記「データカウンタDT」には、パチンコホール店員を呼び出すための「コールボタン」も搭載され、コールボタンが操作されると、データカウンタDTは、自身の発光手段などを利用して、その旨を報知可能となっている。また、コールボタンの検出信号は、ホールコンピュータHCにも送信可能となっている。
なお、上記「コールボタン」は、遊技機1に搭載してもよく、たとえば、上受け皿ユニット8の適所に設けることができる。この場合、コールボタンからの検出信号は、後述の払出枠用外部端子基板21から外部装置に送信可能に構成される。
また主制御部20は、保安電子通信技術協会(保通協)で実施される型式試験(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく遊技機の型式に関する検定に係る試験)に対応して、遊技動作をリアルタイムに特定する型式試験信号を枠用外部端子基板21から出力可能となっている。なお、型式試験に適合した遊技機をパチンコホールに設置する際には、その適合した制御プログラムの変更は一切認められていない。このため、パチンコホールに設置後も型式試験信号に関する処理が実行されることになる(後述のタイマ割込内領域外処理中の試射試験信号端子管理処理(図19のステップS823参照)。
また主制御部20には、RAM203の所定領域(領域内メモリ)を初期化するためのRAMクリアスイッチ98と、設定鍵を挿入してON/OFF操作をすることにより、設定値の変更操作を許容する「設定変更許容状態(ON操作)」と、設定変更操作を禁止する「設定変更禁止状態(OFF操作)」とに切り替え可能な設定キースイッチ94と、設定変更許容状態下で、後述の「設定値」を変更するための設定変更スイッチ95とが接続され、主制御部20は、これらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。
なお、RAMクリアスイッチ98および設定変更スイッチ95は、いずれも操作者が操作可能であるが、不正行為防止の観点から、外部から視認不可能な遊技機内部の適所に配設され、前枠2を開放しない限り、遊技機外部からのON/OFF操作が不可能となっている。
また主制御部20には、設定値情報を表示する設定表示器97(設定表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態に係る設定表示器97は、1個の7セグ表示器から構成されている。設定表示器97は、設定値が外部から視認不可能となるように、遊技機内部の適所、たとえば、制御基板上またはこれを保護する基板ケース上などに搭載される。
(設定値について)
主制御部20は、出玉率(所謂「機械割」、「PAYOUT率」)などの遊技者に付与する利益の期待値(利益)を段階別に変更可能な「設定変更機能」を有し、「設定機能付きタイプ」と称される。上記「設定値」とは、この段階を示す値である。この設定値は、設定表示器97により確認可能となっており、専ら、パチンコホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員により適宜設定される。
「設定値」とは、たとえば、大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を段階別に規定するもので、設定値が高くなるほど、大当りの抽選確率(大当り当選確率)が高く設定され、遊技者に有利に作用するようになっている。このような設定値は、少なくとも2段階(少なくとも第1設定値と第2設定値)を設けることができる。たとえば、設定1~6の6段階の設定値が設ける場合には、低確率時における大当り当選確率を、設定1で1/280、設定2で1/275、設定3で1/270、設定4で1/265、設定5で1/260、設定6で1/251などとすることができる。すなわち、設定値が高くなるほど、大当りに当選し易くなり(機械割が高くなる)、遊技者に有利に作用することになる。なお、大当り抽選確率が高確率状態の場合(後述の特別図柄確変機能が作動する場合)、その確率が10倍を超えない値まで上昇しうる。ただし、その上昇率は、設定値ごとに同一であってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態の場合、上昇率は各設定値で同一としてある。上記の例で言えば、低確率時の大当り抽選確率が設定1~6=1/280~1/251、上昇率が5倍とした場合、高確率時の大当り抽選確率は、設定1~6≒1/56~1/50となる。
また、大当りを複数種類設けている場合には、設定値に応じて、少なくとも1つ大当り当選確率を変化させることができる。たとえば、大当り1~4という4種類の大当りがある場合、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1~4のすべての当選確率を高くなるように構成してもよいし、一部の大当りである大当り1~3の当選確率だけを高くなるように構成してもよいし(この場合、大当り4については全設定値で共通の当選確率となる)、特定の大当りのみ(たとえば、大当り1のみ)の当選確率だけを高くなるように構成してもよい(この場合、大当り2~4については全設定値で共通の当選確率となる)。また、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1~4の合算当選確率を高くなるように構成してもよい。また、条件装置の作動契機とならない小当り種別の当選確率を、前述の大当りのケースと同様に、設定値に応じて変化させてもよいし、全設定で同一の当選確率としてもよい。
このように「設定値」とは、大当りなどの特定事象の発生(当選)確率(発生し易さ)に関する等級を意味し、機械割に影響する事象を段階別に規定する値となっている。主制御部20は、設定値に関する機能部として、特定事象の当選確率に関する設定値を設定可能な設定手段を備えることができる。
(設定値の変更操作について)
本実施形態では、電源投入時に、少なくとも設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98とがON状態の場合に設定変更許容状態に制御され、それ以外のスイッチ操作にて、電源を投入した場合には、設定変更禁止状態に制御されるようになっている。この設定変更許容状態中において、設定変更スイッチ95をON操作する毎に、設定表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように設定1~6の使用範囲で循環式に切り替え表示される。そして希望する設定値が表示された際に、設定キースイッチ94をOFF操作すると(設定確定操作)、現在の表示値が今回の設定値として確定され、その設定値データがRAM203の所定領域(設定値格納領域)に記憶される。そして、設定キースイッチ94を現在のONからOFFに操作すると、設定変更許容状態が終了され、以後、確定された設定値の下で遊技が開始されることになる。
(設定無しタイプ)
なお本発明は、設定値を有しない「設定無しタイプ」の遊技機にも適用可能である。設定無し遊技機の場合は、設定値自体がそもそも存在しないため、設定値格納領域を設ける必要はない。
(1段階設定タイプ)
また、設定値が複数段階に切り替え可能ではなく、設定値を1つだけ設けた「1段階設定タイプ」の遊技機であってもよい。「1段階設定タイプ」とは、上記「設定機能付きタイプ」と同じく、設定変更操作などの設定値に関連する操作自体は可能であるが、その設定値を1つだけしか選択できないタイプを意味し、主に、「設定機能付きタイプ」と「設定無しタイプ」との間で、機種間の互換性・汎用性を持たせて、新機種設計を容易化するために利用される。この「1段階設定タイプ」は、設定値が1段階しかないという点で、実質的には「設定無し遊技機」と同じである。なお「1段階設定タイプ」の場合は、設定変更スイッチ95を操作しても、設定表示器97の表示値が、たとえば「1→1→1→1→・・・」のように、1つの設定値だけが表示され、1つの設定値しか選択できない。
また主制御部20は、処理状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御部24に送信可能となっている。ただし、外部からのゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(性能表示器99について)
また主制御部20には、所定期間(特定遊技期間)の遊技結果に係る情報(以下「性能情報」と称する)を報知する性能表示器99(情報表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
本実施形態の性能表示器99は、複数個の7セグメントLEDからなり、具体的には、表示部と回路部がユニット化された7セグメントLED(7セグ表示器99a~99d)を4個横に並べ、これをたとえば、主制御基板20上に搭載して、4桁の数字を表示可能な表示器を構成する。また各7セグメントLEDには、7セグメント数字の下にデシマルポイントDP(ドット)を有している。
上記「性能情報」とは、主に、パチンコホール店や関係各庁が確認・調査等のために利用する情報であり、たとえば、遊技くぎの不正調整やゴト行為などにより出玉性能に異常が生じていないか、遊技機本来の出玉性能(設計上の出玉性能)が正当に発揮されているかなどを調査するための情報、換言すれば「遊技実績に関する情報(遊技実績情報)」である。したがって、遊技者が遊技に興じる際に直接的には関係の無い情報である。このため、性能表示器99は、遊技機内部の適所、たとえば、制御基板上またはこれを保護する基板ケース上などに搭載される。
(性能情報の具体例)
ここで上記性能情報は、有用な遊技実績情報であれば、特に制限はなく、たとえば、下記(情1)~(情4)に示す種々の情報の1または複数を採用することができる。
(情1)所定の計数対象区間において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該計数対象区間おける総アウト球数(特定中アウト個数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。斯様な特定比率情報は、遊技機が有する出玉性能を評価する指標として有用である。
(情1-1)上記「総払出個数」とは、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43(43a~43e)、大入賞口50)に入賞した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。本実施形態の場合、上始動口34は3個、下始動口35は3個、大入賞口50は15個、一般入賞口43は6個である。総アウト球数とは、発射装置32から遊技領域3aに打ち込まれた遊技球数(OUT監視スイッチ49aにより検出される遊技球数)である。
(情1-2)また上記「計数対象区間」として、たとえば、特定の遊技状態(YJおよび/またはTcodeに着目した特定の遊技状態)を採用することができる。具体的には、後述の「内部遊技状態(YJ)」に着目すれば、通常状態、時短状態、潜確状態、時短状態、微時短状態、確変の他、大当り遊技中(条件装置ON)、V当り遊技中(条件装置ON)、小当り遊技中(小当り中フラグON)などであり、また後述の「遊技モード(Tcode)」に着目すれば、天国モード、地獄モード、連荘モードなどである。なお、どのような遊技状態を計数対象区間として採用するかについては、取得したい性能情報に応じて適宜定めることができる。また、計数対象区間は、1つの遊技状態だけでなく、複数の遊技状態であってもよい。たとえば、「通常状態と微時短状態」、「当り遊技中を除くすべての遊技状態」、「全遊技状態」などである。
(情1-3)また、性能情報の計数対象区間として、上述のように、通常状態中や時短状態中や大当り中など遊技状態に着目するのではなく、下記のような計数対象区間を採用してもよい。
(情1-3A:大当り抽選確率に着目するケース)
「低確率状態および/または高確率状態」の期間を計数対象とすることができる。たとえば、「低確率状態に係る遊技状態」、「高確率状態に係る遊技状態」などである。
(情1-3B:電サポ状態の有無に着目するケース)
「電サポ有り状態および/または電サポ無し状態」の期間を計数対象とすることができる。たとえば、「電サポ無し状態に係る遊技状態」、「電サポ有り状態に係る遊技状態」などである。
(情1-3C:大当り抽選確率および電サポ状態の有無に着目するケース)
たとえば、「“低確率状態+電サポ無し状態”に係る遊技状態」、「“高確率状態+電サポ無し状態”に係る遊技状態」、「“低確率状態+電サポ有り状態”に係る遊技状態」、「“高確率状態+電サポ有り状態”に係る遊技状態」などである。
(情1-3D)なお、大当り(V当りを含む)による大当り遊技中は低確率状態に制御され、また小当りによる小当り遊技中は当選時の遊技状態が継続されるが、「純粋な低確率状態の期間」を計測したい場合には、「当り遊技」および「高確率状態」を除く期間を計数対象区間とすればよい。この例において、小当り当選時の遊技状態が低確率状態である場合は、計測対象に含めてもよいし、含めなくてもよい。なお、大当り種別、小当り種別、これらの当り遊技についての詳細は後述する。また、大当りおよび小当りの双方の当り遊技中を除いた低確率状態または高確率状態の期間を計測したい場合には、全当り遊技を除く期間を計数対象区間とすればよい。
(情1-4)また、上記「総払出個数」として、1または複数の特定の入賞口を計数対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。たとえば、各入賞口のうち、大入賞口40、50を計数対象から除外したものを総払出個数としてもよい(この場合は、実質的に当り中を計数対象から除外したものが総払出個数となる)。
(情2)また性能情報として、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数、総発射球数、総獲得球数、および純増個数(差球数)の1または複数をカウントし、そのカウント結果を性能情報として採用してもよい。
(情3)所定の遊技期間における役物比率を性能情報としてもよい。所定の遊技期間は、所定のゲーム数(たとえば、最新の6000ゲーム間、累計ゲーム数(累計17500ゲーム以上、累計175000ゲーム以上など)や所定期間(たとえば、電源投入後から電源遮断まで)や所定時間(電源投入後から10時間など)とすることができる(後述の(情4)~(情報5)についても同様)。
「役物比率(%)」とは、遊技機から払い出された遊技球のうち、電動役物の作動により払い出された遊技球が占める割合である。役物比率は、「(役物作動中の総払出枚数/総払出枚数)×100」(本例の場合、小数点以下切り捨て)で算出される。なお、役物とは、普通電動役物、第1種特別電動役物、第1種非特別電動役物、第1種特別電動役物に係る役物連続作動装置などである。役物比率の表示態様としては、たとえば、識別セグ側は「7Y.」と表示され、比率セグ側は現在の役物比率(たとえば、69%ならば「69」)が表示される。なお、所定の遊技期間未満の場合(たとえば、6000ゲーム未満の場合)は識別セグを点滅表示させる。また、所定値以上(たとえば、70%以上)の場合は比率セグを点滅表示させ、100%になった場合は比率セグを「99」で点滅表示させることができる。
(情4)所定の遊技期間における連続役物比率を性能情報としてもよい。
「連続役物比率(%)」とは、遊技機から払い出された遊技メダルのうち、役物連続作動装置の作動により払い出された遊技メダルが占める割合である。連続役物比率は「(役物連続作動装置作動中の総払出枚数/総払出枚数)×100」(小数点以下切り捨て)で算出される。連続役物比率の表示態様としては、たとえば、識別セグ側は「6Y.」と表示され、比率セグ側は現在の連続役物比率(たとえば、59%ならば「59」)が表示される。なお、所定の遊技期間未満の場合(たとえば、6000ゲーム未満の場合)は識別セグを点滅表示させる。また、所定値以上(たとえば、70%以上)の場合は比率セグを点滅表示させ、100%になった場合は比率セグを「99」で点滅表示させることができる。
(情5)総ゲーム数(累計ゲーム数)における役物比率を性能情報としてもよい。
総ゲーム数(累計ゲーム数)における役物比率の表示態様としては、たとえば、識別セグ側は「7A.」と表示され、比率セグ側は現在の役物比率(たとえば、69%ならば「69」)が表示される。ただし、総ゲーム数が所定ゲーム数未満(たとえば、17500ゲーム未満)の場合、識別セグが点滅表示される。また、役物比率が所定値以上(たとえば、70%以上)の場合、比率セグが点滅表示される。
当然のことではあるが、採用する1または複数の性能情報に応じて、性能情報の算出に利用する計数値の計数対象区間が異なる。性能情報の算出に利用する計数値として、たとえば、通常状態と微時短状態における総払出個数、通常状態と微時短状態における累計アウト球数、および全遊技状態における総アウト球数が必要な場合、当該総払出個数と当該累計アウト球数の計数対象区間は通常状態と微時短状態であり、当該総アウト球数の計数対象区間は全遊技状態となる。
(本実施形態に係る計数対象区間について)
上記のように、性能情報としては、種々の情報を採用することができるが、本実施形態では、「通常状態」と「微時短状態」とを計数対象区間(計数対象の遊技状態)として定めている。そして、これら遊技状態中の総払出個数(以下「通常時払出個数」と称する)と、同遊技状態中の累計アウト球数(以下「通常時アウト個数」と称する)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出されるベース値(通常時ベース値)を、上記「性能情報」として採用し、これを性能表示器99により所定態様にて表示する。また、上記「ベース値」は、小数点第1位を四捨五入した値が性能情報として、性能表示器99に表示されるようになっている。
したがって、通常時払出個数、通常時アウト個数、ベース値(通常時ベース値)の各データが、RAM203の該当領域(通常時払出個数格納領域、通常時アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。ただし、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(たとえば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了し、その計測終了時点のベース値を、履歴情報として、RAM203の所定領域(性能表示格納領域)に格納する(今回のベース値を記憶する)。なお、今回のベース値の計測終了契機となる上記「総アウト球数(60000個)」とは、通常時アウト個数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト個数」と称する)を採用している。この全状態アウト個数もリアルタイムに計測され、RAM203の該当領域(全状態アウト個数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のため特に必要のない限り、上記した「通常時払出個数格納領域、通常時アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト個数格納領域」(性能情報の算出に関するデータ群を記憶するRAM領域)を纏めて「計数情報格納領域」と称する場合がある。
なお、性能表示器99に表示制御およびベース値に関する処理プログラムとそのワーク領域は、CPU201が通常の遊技進行(図柄変動表示ゲーム、当り遊技など)に係る処理の際にアクセスする領域(領域内メモリ(領域内ROM、領域内RAM))とは異なる領域(領域外メモリ(領域外ROM、領域外RAM))に定められている。
本実施形態のように、第1計数対象区間(通常状態)と第2計数対象区間(微時短状態)とを含む複数の計数対象区間がある場合には、各計数対象区間に係る計数値(性能情報の算出に利用する計数値)について、各計数対象区間別に定めた記憶領域(以下「個別記憶領域」とも称する)に記憶してもよい。たとえば、各計数対象区間に係る計数値(以下「個別計数値」とも称する)として、第1計数対象区間払出個数(通常状態払出個数)、第1計数対象区間アウト個数(通常状態アウト個数)、第2計数対象区間払出個数(微時短状態払出個数)、および第2計数対象区間アウト個数(微時短状態アウト個数)のそれぞれを計数し(第1計数区間払出個数計数手段、第1計数区間アウト個数計数手段、第2計数区間払出個数計数手段、第2計数区間アウト個数計数手段)、これらの値をそれぞれ記憶する記憶領域を設けることができる。なお、通常状態払出個数と微時短状態払出個数は通常時払出個数に属する計数値の一態様であり、通常状態アウト個数と微時短状態アウト個数は通常状態アウト個数に属する計数値の一態様である。
また、上述の個別記憶領域の計数値に基づいて、第1計数対象区間(通常状態)と第2計数対象区間(微時短状態)のそれぞれのベース値(以下「個別ベース値」とも称する)を算出し、これらベース値(通常状態ベース値、微時短状態ベース値)のそれぞれを記憶する記憶領域(第1個別ベース値記憶領域、第2個別ベース値記憶領域)を設けてもよい。この場合、通常状態ベース値と、微時短状態ベース値とを算出して、その平均値を表示対象のベース値としてもよい。このように、計数対象区間別に定めた計数値やベース値を記憶可能に構成する場合には、個別計数値や個別ベース値を管理可能となる。この場合には、個別計数値および/または個別ベース値を表示対象とすることができるという利点もある。
総アウト球数が所定の規定個数に達して今回のベース値を履歴情報として記憶した後は、今回の計測で使用した計数情報格納領域をクリア(初期化)し、新たな通常時払出個数、通常時アウト個数、全状態アウト球数、およびベース値の計測・算出を開始する。これにより、今回のベース値が履歴情報として記憶されるとともに、次回の性能情報がリアルタイムに計測・算出され、記憶される。
なお、初回電源投入時または領域外RAMのオールクリア時から、全状態アウト個数が所定個数(たとえば、299個)に達するまでは、テスト区間(計測前期間)として、全状態アウト個数だけをカウントし、ベース値等は計測しないようになっている。これは、パチンコ店に遊技機を初めて設置した際、動作テストを行うことを考慮したものである。たとえば、始動口に遊技球を手入れして動作を確認したり、試し打ちをしたりすることがあり、このような動作テストによる賞球やアウト球を計数対象から排除する必要がある。したがって、初回(1回目)の計測は、上記テスト区間終了後から開始する。
また初回(1回目)の計測を開始してから上記全状態アウト個数が所定の規定個数(ここでは60000個)に達した場合、この時点のベース値(初回のベース値)をRAM203の性能表示格納領域に格納し、2回目の計測のために、現在の通常時払出個数、通常時アウト個数および全状態アウト個数をそれぞれクリアする(計測データ初期化処理)。すなわち、規定個数の60000個がカウントされる毎に、今回のベース値を記憶し、次回のベース値の計測のために、計測中の通常時払出個数、通常時アウト個数および全状態アウト個数をクリアする。
上記履歴情報としての過去のベース値(履歴ベース値)と、現在リアルタイムで計測中のベース値(リアルタイムベース値)については、これらベース値が所定時間(たとえば、5秒)ごとに交互に切り替え表示されるようになっている。本実施形態では、4個の7セグメントLED99a~99dのうち、正面左側半分の2つの7セグメントLED99a、99bを、リアルタイムで計測中の「リアルタイムベース値」であるか、履歴情報である「履歴ベース値」であるかを識別可能な識別情報を表示する‘識別表示部(識別セグ)’として機能させ、正面右側半分の2つの7セグメントLED99c、99dを、ベース値を表示する‘ベース表示部(比率セグ)’として機能させている。
識別表示部(識別セグ)には、たとえば、次のように表示される。
(1)リアルタイムベース値を表示する場合:「bL.」
(2)履歴ベース値を表示する場合:「b6.」
(3)テスト期間中:「‐‐」
また、ベース値は小数点第1位を四捨五入した上で数値表示部に表示するが、四捨五入後の値が3桁以上の場合には、ベース表示部にオーバーフローを示す「99.」を表示する。たとえば、リアルタイムベース値が31であれば「bL.31」と表示され、履歴ベース値が29であれば「b6.29」と表示され、オーバーフローであれば「bL.99」や「b6.99」と表示される。なお、テスト期間は、計測開始前区間であるので、識別表示部およびベース表示部には「‐‐‐‐」を表示させるようになっている。以上により、現在表示中の表示内容が、リアルタイムベース値か、履歴ベース値かといった表示内容の違いが識別可能となっている。
なお、履歴ベース値は、前回のベース値に限らず、前々回やその前(3回前)などの特定の回数目のベース値を表示可能に構成してもよく、何回前までのベース値を表示するかについては適宜定めることができる。たとえば、「第3履歴ベース値(3回前の計測結果)」、「第2履歴ベース値(前々回の計測結果)」、「第1履歴ベース値(前回の計測結果)」、「リアルタイムベース値(今回のベース値)」といったように、複数の計測期間を所定時間ごとに切り替えて表示させることができる。この場合、各区間の計測結果を識別するために、識別表示部の表示をそれぞれ異なる表示態様とすることができる。たとえば、「第3履歴ベース値」であれば識別表示部「b3.」、「第2履歴ベース値」であれば識別表示部「b2.」、「第1履歴ベース値」であれば識別表示部「b1.」、「リアルタイムベース値」であれば識別表示部「bL.」と表示させる。また、テスト区間を表示する場合は識別表示部「‐‐」を表示する。また性能表示器99において、1または複数の性能情報の表示する場合、性能情報を識別可能であれば、その表示態様をどのようにするのかについては自由に定めることができる。また、複数の性能情報を表示する場合、一の性能情報から他の性能情報に切り換え表示するタイミングをどのようなタイミングとするかなどについても同様に自由に定めることができる。
なお、本明細書中において「計測」は「算出」または「計数」の文言に置換可能であり、「算出」は「計測」または「計数」の文言に置換可能であり、「計数」は「計測」または「計数」の文言に置換可能である。たとえば、「ベース値を算出する」の意は、「ベース値を計測する」または「ベース値を計数する」の意と等価的な概念で扱うことができる。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。
払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払い出し動作状態に関する情報(状態信号)の送信などである。主制御部20は、球の払い出しの必要がある場合に、払出制御基板29に対して払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する「払出制御コマンド」)を送信可能となっており、他方、払出制御基板29は、主制御部20に対して上記状態信号を送信可能となっている。
払出制御基板29には、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態(上受け皿9が満杯状態であるか否か)を検出する満杯検出センサ60と、扉構造体(本実施形態の場合、「前枠2」および/または「ガラス扉6」)の開放/閉鎖状態を検出する扉開放センサ61とが接続され、払出制御基板29はこれらセンサからの検出信号を受信可能となっている。本実施形態に係る扉開放センサ61は、扉開放検出手段として機能し、たとえば、前枠2またはガラス扉6が外枠4に対して前側に開放したときにON状態(開放時ON)となり、閉鎖したときにOFF状態(閉鎖時OFF)となるように構成されている。なお、扉開放センサ61は、ガラス扉6と前枠2をそれぞれ個別に検出可能なセンサとしてもよい。たとえば、第1扉開放センサ61で前枠2の開閉状態を検出し、第2扉開放センサ61でガラス扉6の開閉状態を検出してもよい。また、ガラス扉6と前面操作パネル7とがそれぞれ単独で開閉可能な扉構造である場合には、前枠2、ガラス扉6および前面操作パネル7の開放/閉鎖状態を検出可能に構成してもよい。いずれにしても、遊技機1(外枠4)に対して前側に開閉可能な扉構造体,特に、遊技機内部が開放される扉構造体については、その開放/閉鎖状態を検出可能なセンサを設けることが、不正行為防止の観点からも極めて重要である。なお本実施形態では、扉開放センサ61からの検出信号が払出制御基板29に入力され、払出制御基板29から主制御部20に対して扉構造体の開閉状態を通知する構成となっているが、本発明はこれに限らず、扉開放センサ61からの検出信号が直接的に主制御部20に入力される構成としてもよい。
また払出制御基板29は、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aおよび払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bなどからの検出信号を受信可能となっている。また払出制御基板29は、遊技球払出装置19の払出モータ19c(球払出機構部を駆動するモータ)を制御するための制御信号を送信可能となっている。
払出制御基板29は、上記状態信号として、満杯検出センサ60、扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bからの検出信号に基づいて、様々な状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す「球詰り信号」、前枠2やガラス扉6の開放/閉鎖状態を示す「扉開放信号」、遊技球払出装置19からの遊技球の供給不足を示す「補給切れ信号」、賞球の払出不足や球計数センサ19bに異常が発生したこと示す「計数エラー信号」、払い出し動作が完了したことを示す「払出完了信号」などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、扉の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。なお上記では、扉開放センサ61からの検出信号(扉開放信号)は、払出制御基板29を介して主制御部20に入力されると説明したが、払出制御基板29を介さずに主制御部20に直接的に入力される構成でもよい。
なお、払出制御基板29には発射制御基板(発射制御部)28が接続されているが、本実施形態の場合は、払出制御基板29に発射制御ICが搭載されていることを意味し、発射制御基板28に対する発射制御信号の送信は、主制御部20側が直接的に行うといった回路構成になっている。主制御部20は、払出制御基板29上の発射制御IC(発射制御基板28)に対して発射制御信号を送信可能な構成であり、主制御部20が発射制御信号の「ON(出力=発射動作許可状態)/OFF(出力停止=発射動作禁止状態)」を制御することにより発射装置32の発射動作を直接的に制御する。なお、主制御部20は、電源投入後、遊技開始条件が整うと発射制御信号を出力し続けるが(後述の図8BのステップS039参照)、特定のエラー(たとえば、扉開放エラーなど)が発生したと判断した場合には、発射制御信号を停止(発射制御信号OFF)するようになっている。
発射制御基板28は、主制御部20からの発射制御信号が出力(発射制御信号ON)されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。したがって、発射許可信号が出力されていない場合(発射制御信号OFFの場合)、いくら発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は行われず、遊技球が発射されることはない。なお、発射制御基板28は、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)からの検出信号(ON(タッチ状態)/OFF(非タッチ状態))や、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)からの検出信号を受信可能となっている。発射制御基板28は、タッチセンサにより遊技者がハンドルに触れていることが検出されていない場合(非タッチ状態)や、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチが操作されている場合(発射停止スイッチON状態)、主制御部20からの発射制御信号を受信していても、発射装置32による発射動作は行わないようになっている。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
(2-2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源LSI)、現在の時刻(実時間上の時間情報)および/または日付(月、日、曜日)に関する暦情報を管理するRTC制御部(Real Time Clock)、一定範囲のハード乱数を生成するためのカウンタ回路(16ビット用カウンタ、8ビット用カウンタ)、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などを備え、演出動作全般を制御する。また演出制御部24は、主制御部20と同じく、バックアップ機能や、演出抽選に係る乱数生成手段(演出抽選用乱数生成手段)も備えている。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、各種の演出用LED(装飾ランプ45、ボタンLED13b、その他の演出用LED)の発光制御、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90)の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、画像表示演出、光演出、音演出、または可動体演出などを実行させるために、装飾ランプ45、ボタンLED13bなどの各種の演出用LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物(時計型役物80、花型部91、アーム92)を動作させる可動体役物モータ80c、91c、92cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば所定のエラー報知処理を行う。
また演出制御部24には、演出ボタン13の操作を検出する演出ボタンスイッチ13aと、方向キー75(75a~75d)の操作を検出する方向キースイッチ75a’~75d’とが接続され、演出制御部24は、これら演出ボタン13や方向キー75からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる情報に基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により或いは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、液晶表示装置36による演出画像の表示(画像表示演出)、スピーカ46からの音の再生(音演出)、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄の変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。また演出制御部24は、所定の操作受付有効期間中において、演出ボタンスイッチ13aや方向キースイッチ75a’~75d’からの操作検出信号に基づき、演出ボタン13および/または方向キー75に対してどのような操作が行われたか(たとえば、押圧、長押し、連打、方向キー75の上下左右方向の押し順など)を識別可能な構成となっており(操作識別手段)、その操作態様に応じた演出を実行制御可能な構成となっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3-1.図柄変動表示ゲーム)
(3-1-1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果に基づく図柄表示態様で特別図柄が停止表示される。たとえば、大当り抽選結果が、「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、「小当り」の場合には所定の「小当り」態様で、「特殊時短」の場合には所定の「特殊時短」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。なお、大当り抽選に係る当選種別についての詳細は後述する。
なお、本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する場合がある。また、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)し、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを区別せずに「特別図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、また液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選の結果)が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(当り図柄:たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示態様)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態(通常状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bによる大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口50への入賞球数が最大入賞数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、10個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される(ラウンド遊技終了条件(閉鎖条件)の成立)、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定のラウンド数(たとえば、最大10ラウンド)繰り返される(後述のV当り時に実行されるラウンド遊技についても同様)。
上記大当り遊技が開始すると、まず開始インターバル時間(開始INT)を利用してオープニング演出が行われ、開始INTが終了すると、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数(最大ラウンド数)を上限として複数回行われる。そして、最大ラウンド数が終了すると、終了インターバル時間(終了INT)を利用してエンディング演出が行われて、一連の大当り遊技が終了する。なお、今回のラウンド遊技が終了すると、所定のインターバル時間(ラウンド間INT)を介して、次回のラウンド遊技が開始される。また、ラウンド遊技中には「ラウンド中演出」が、ラウンド遊技間(ラウンド間INT中)には「ラウンド間INT演出」が現出される。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング期間(開始INT期間)、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技期間、およびエンディング期間(終了INT期間)の各遊技期間を含んで構成される。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、「特殊時短」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選’と、当落抽選結果が、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「特殊時短」であったならばその特殊時短種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。
そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果や、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を、演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報(当選種別情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、大当り抽選結果の他、特定の予告演出(たとえば、後述の、リーチ演出(リーチ演出種を含む)、疑似連演出(疑似連回数を含む)、先読み予告、設定示唆演出など)の実行を指定する情報なども含むことができる。詳しくは、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これらの変動パターンには、たとえば、次のような種々の変動パターンを含むことができる。
(1)リーチ演出(リーチの種類の指定を含む)の実行を指定する“リーチ変動パターン”、
(2)リーチ演出の実行を指定しない“通常変動パターン”
(3)疑似連演出の実行とリーチ演出の実行とを指定する“疑似連有りリーチ変動パターン”
(3)疑似連演出の実行を指定しリーチ演出の実行は指定しない“疑似連有り通常変動パターン”
(4)先読み予告の実行とリーチ演出の実行とを指定する“先読み予告用リーチ変動パターン”
(5)先読み予告の実行を指定しリーチ演出の実行を指定しない“先読み予告用通常変動パターン”、など、複数種類の変動パターンを含むことができる。
なお、上述の各種の変動パターンは、一例であり、実行指定する演出種に応じて、種々の変動パターンを定めることができる。たとえば、「少なくとも○○演出の実行を指定する変動パターン」、「△△演出の実行を指定し、□□演出の実行を指定しない変動パターン」などである(○○演出、△△演出、□□演出は、演出種の一例であり、1または複数種類の演出を定めることができる)。また、リーチ変動パターンや疑似連有り変動パターンなど、特定演出の実行を指定する変動パターンについては、その演出時間を確保する関係上、基本的には、通常変動パターンよりも長い変動時間が定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)などを決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出や装飾図柄の変動表示演出(装飾図柄演出)を制御する。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45などの演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えてもよい。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。また、図柄変動表示ゲーム(特に、特別図柄変動表示ゲーム)の実行回数(ゲーム数)を、説明の便宜のために「図柄変動回数」または「変動回数」あるいは「〇〇回転(たとえば、1回転、10回転など)」と称する場合がある。また、図柄変動表示ゲームに係る演出(装飾図柄演出、予告演出等)を「変動中演出」と称する場合がある。
(3-1-2.普通図柄変動表示ゲーム)
また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動(開動作)して、下始動口35の開放時間(始動口開状態時間)が最大開放時間(たとえば、最大6秒)経過した場合か、または下始動口35への入賞球数が所定個数(たとえば、最大10個)に達するまで、入賞領域が開放または拡大する開放状態に制御され、これらいずれかの条件を満した場合に可動翼片47の開放動作が終了して下始動口35が閉鎖される。なお、最大開放時間以内であれば、下始動口35を1または複数回開放することができる。
(3-1-3.作動保留球)
本実施形態では、図柄変動表示ゲーム(特別図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、小当り遊技中、または普電開放遊技中に、各始動口34、35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中のデータまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる(図5A参照)。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また各図柄の最大保留記憶数の全部または一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。本明細書中では説明の便宜のために、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄の各作動保留球をそれぞれ、「特図1作動保留球」、「特図2作動保留球」、「普図作動保留球」とも称する。
(3-2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動機能(確変機能)」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率から高確率に変動させて、通常状態よりも有利な「高確率状態(大当り高確率状態)」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。なお、既に説明したように、設定値に応じて低確率時および高確率時の大当り抽選確率を異なるものとすることができる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率から高確率に変動させて(たとえば、1/256から255/256に変動させる)、通常状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮機能(時短機能)」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間(平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。この特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間(平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、5秒から0.6秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
また本実施形態の遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。この開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間)を通常状態よりも延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。開放延長状態下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.6秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常状態よりも単位時間あたりの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。したがって、開放延長機能が作動すると、下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高まり、開放延長機能が作動しない(非作動)状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この点で、上記開放延長状態は「電チューサポート状態(電サポ状態)」とも称される。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。以下では、説明の便宜上、各機能の作動/非作動に応じて、内部遊技状態を次のように称する。
(1)「確変状態」
特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称する。
(2)「時短状態」
確変状態に係る特別図柄確変機能を除去した遊技状態、つまり、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「時短状態」と称する。
(3)「潜確状態」
少なくとも特別図柄確変機能が作動し、かつ開放延長機能が作動しない遊技状態を「潜確状態」と称する。たとえば、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態などである。
(4)「通常状態」
全機能が作動中でない(非作動)遊技状態を「通常状態」と称する。
(5)「微時短状態」
少なくとも時短機能が作動し、特図確変機能が作動しない遊技状態を「微時短状態(特別時短状態)」と称する。具体的には、普通図柄時短機能および/または特別図柄時短機能が作動し、時短機能が作動した図柄の平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均実行時間)が少なくとも通常状態よりも短時間となる、といった遊技状態を「微時短状態」と称する。なお、時短機能が作動した図柄側の平均変動時間は、基本的には、時短状態よりも長くしてもよいし、同一または略同一であってもよい。この微時短状態は、時短機能が作動する点で、「時短状態」の一形態として扱うことができる。
(3-3:「微時短状態」について)
ここで、本発明の理解を容易なものとする為に、本実施形態に係る「微時短状態」について詳述しておく。
「微時短状態」は、普通図柄時短機能および特別図柄時短機能の少なくとも一方が作動するため、既に説明したように、1回の図柄変動表示ゲーム(特別図柄、普通図柄変動表示ゲーム)に要する平均的な時間(平均変動時間)が時短機能非作動の場合よりも短縮されることになる。そこで、微時短状態は、下記(時α)(時β)のように構成することができる。
(3―3A:少なくとも特図時短機能が作動する場合)
(時α)微時短状態中における特図(特図1および/または特図2)の変動パターンの平均変動時間(1回の特図変動表示ゲームに要する平均的な時間)をX秒、通常状態中における特図の変動パターンの平均変動時間をY秒とした場合、
少なくとも「X<Y」を満たす。つまり、微時短状態中の特図の平均変動時間は、通常状態よりも短い。
この場合、「X≒Y(略同一)」(式甲1)とすることができる。
なお、微時短状態中および/または通常状態中に係る特図1、2の平均変動時間の関係については、遊技性に応じて適宜定めることができる。本実施形態では、微時短状態中および通常状態中のいずれも「特図1(長い)>特図2(短い)」の関係であるが(図26、図27参照)、遊技性に応じて、たとえば、「特図1<特図2」、「特図1≒特図2」、または「特図1=特図2」のいずれの関係も採用することができる。遊技性に応じて、特図1と特図2における図柄変動表示ゲームの関係が、本実施形態の場合と異なるケースがあるからである。
(3―3B:少なくとも普図時短機能が作動する場合)
(時β)微時短状態中における普図の変動パターンの平均変動時間(1回の普図変動表示ゲームに要する平均的な時間)をS秒、通常状態中における普図の変動パターンの平均変動時間をT秒とした場合、
少なくとも「S<T」を満たす。つまり、微時短状態中の普図の平均変動時間は、通常状態よりも短い。
この場合、「S≒T(略同一)」(式甲2)とすることができる。
なお、“普図時短機能を作動させ、特図時短機能を作動させない”場合には、微時短状態中の特図の平均変動時間と、通常状態中の特図の平均変動時間の関係については、「X≦Y」、「X<Y」、「X≒Y」、「X≧Y」または「X>Y」のいずれを採用してもよい。
(微時短状態の具体例:図4D)
次に図4Dを参照して、微時短状態の具体例について説明する。図4Dは、微時短状態の一例を示すものであり、ここでは、普図側の機能に着目しながら微時短状態の具体例について説明する。
なお詳細は後述するが、本実施形態に係る微時短状態は、演出的または役物の挙動(たとえば、普通変動入賞装置41の作動状況)を、通常状態と略同一(遊技者が識別困難または不可能)となるようにして、遊技者側に、現在の遊技状態が通常状態であるか微時短状態であるかの判別を困難または実質的に不可能なものとし(微時短状態を秘匿する)、後述の「モーニング機能」、「微時短状態中を秘匿する(通常状態が如く装う)」、「疑似的な天井機能」などを実現する、といった特殊な時短状態を実効化するために利用される。斯様な効果を発揮するべく、たとえば、図4D(イ)~(ニ)に示す、下記の具体例1~4のように構成することが好ましい。
(具体例1:図4D(イ))
図4D(イ)は、少なくとも「普図時短機能」が作動する微時短状態の一例である。この具体例1の場合、「普図時短機能+開放延長機能」が作動状態となるが、補助当り種別(たとえば、補助当りA、補助当りB)に応じて、開放延長状態が発生するようになっている。本例では、当選確率が相対的に低い補助当りA(当選確率=「補助当り確率99/100×図柄抽選率1/256」)に当選した場合には開放延長状態が発生し、当選確率が相対的に高い補助当りB(当選確率=「補助当り確率99/100×図柄抽選率255/256」)に当選した場合には開放延長状態は発生しないようになっている(図4D(イ)備考3、「図柄抽選率」の欄参照)。
また、普図の平均変動時間(普図の場合は、遊技状態に応じて変動時間が1種類であってもよい)は、普図時短機能非作動の場合は2000ms、普図時短機能作動の場合は1996msと極短時間であるが変動時間が短縮されるようになっている(図4D(イ)備考2参照、後述の具体例2~4も同様)。この短縮度合いについては、遊技者が普図の変動表示動作を見ても、通常状態中であるか微時短状態中であるかを判別が困難または不可能な程度(略同一)とすることが好ましい。
また、開放延長状態が発生しない場合は下始動口35の開放時間が極短時間の80msであり、下始動口35への入賞が実質的に不可能とされる。一方、開放延長状態が発生すれば、下始動口35の開放時間が4000msとなり、下始動口35への入賞が容易になる(図4D(イ)備考1参照、後述の具体例2~4についても同様)。
したがって、遊技者が故意に「右打ち」をしたとしても、当選確率が非常に低確率の補助当りAに当選しない限り、普通変動入賞装置41の作動状況は、ほぼ通常状態と変わりがなく、後述の演出モードや図柄変動表示ゲーム中に係る演出(変動中演出)など、演出を通常状態のように装うようにすれば、現在の遊技状態(内部遊技状態)が微時短状態中であるか通常状態であるかの判別を困難または不可能とする、すなわち、微時短状態を秘匿し、疑似的な通常状態(疑似通常状態)を表現することが可能である。後述の具体例2~4についても同事象であり、いずれも微時短状態中は、実質的に「電サポ無し状態」を生起させて、略同一の通常状態(疑似通常状態)を実効化することが可能である。
なお本例の場合、普図時短機能が作動し、これにより、時短状態の一形態を成すことができる。したがって、特図時短機能については、その作動状態は不問である(特図時短機能は、作動または未作動のいずれであってもよい。後述の具体例4も同様)。ただし、特図時短機能を作動させる場合、微時短状態を秘匿することを実現するべく、特図側の平均変動時間については、上記(式甲1)の“「X≒Y」(X=微時短状態中に係る特図の平均変動時間、Y=通常状態中に係る特図の平均変動時間)”とすることが好適である(後述の具体例2~4について、特図時短機能を作動させる場合についても同様)。
上述のように、特図側の平均変動時間の関係を“「X≒Y」”とする場合、通常状態と微時短状態とで、次の共通点を持たせることができる。
(1)通常状態と微時短状態のベース値を共通化(同一または略同一)にすることができる。
(2)通常状態と微時短状態とで、出現させる演出(演出モード、変動中演出など)を同一または略同一とすることができる。すなわち、演出上(外見上)、微時短状態であるか通常状態であるかの判別を困難または不可能とすることができる。
(具体例2:図4D(ロ))
図4D(ロ)は、少なくとも「普図時短機能」が作動しない微時短状態の一例である。この具体例2の場合、「普図時短機能」と「開放延長機能」とが作動しない微時短状態となおり、図示の通り、普図については、微時短状態と通常状態とが同一となっている。このため、遊技者が故意に「右打ち」をしたとしても、普通変動入賞装置41の作動状況は、通常状態と変わりがなく、演出を通常状態のように装うようにすれば、微時短状態を秘匿することが可能である。
なお本例は、上述の具体例1と同じく補助当り種別が複数設けられた例示しているが、補助当り種別を1種類としてよい。たとえば、補助当りAだけを設け、当該補助当りAの図柄抽選率を100%とすることができる。なお本例の場合、普図時短機能が作動しないため、特図時短機能は作動状態に設定され、これにより、時短状態の一形態を成す(後述の具体例3についても同様)。
(具体例3:図4D(ハ))
図4D(ハ)は、少なくとも、普図時短機能が作動せず、かつ普図確変機能が作動する微時短状態の一例である。この具体例3の場合、「普図確変機能+開放延長機能」が作動状態となるが、上述の具体例1と同じく、補助当り種別(たとえば、補助当りA、補助当りB)に応じて、開放延長状態が発生するようになっている。また本例では、微時短状態中になると「普図確変機能」が作動し、補助当り確率が高確率に変動するが(低確率時=10/100、高確率時=99/100:図4D(ハ)備考1参照)、開放延長状態が発生する「補助当りA」と、開放延長状態が発生しない「補助当りB」との関係については、上述の具体例1と同事象である(図4D(ハ)備考1、「図柄抽選率」の欄参照)。なお本例の場合、上述の具体例2と同じく、普図時短機能が作動しないため、特図時短機能が作動状態に設定され、これにより、時短状態の一形態を成すようになっている。
(具体例4:図4D(ニ))
図4D(ニ)は、少なくとも「普図時短機能」と「普図確変機能」とが作動する微時短状態の一例である。この具体例4の場合、「普図時短機能+普図確変機能+開放延長機能」が作動状態となるが、上述の具体例1、3と同じく、補助当り種別(たとえば、補助当りA、補助当りB)に応じて、開放延長状態が発生するようになっている。また本例では、微時短状態中になると「普図確変機能」が作動し、補助当り確率が高確率に変動するが(低確率時=10/100、高確率時=99/100:図4D(ニ)備考1参照)、開放延長状態が発生する「補助当りA」と、開放延長状態が発生しない「補助当りB」との関係については、上述の具体例1または具体例3と同事象である。なお本例の場合、上述の具体例1と同じく、普図時短機能が作動するため、特図時短機能は、作動または未作動のいずれであってもよい。
なお、本実施形態では、普図については上記の「具体例2(図4D(ロ))」を採用した形態を扱う。
(大当り抽選確率について)
上記した各遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」、「微時短状態」または「通常状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態(通常確率)’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が最大ラウンド数まで連続的に開放される大当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(高ベース遊技状態)
確変状態や時短状態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の3つの機能が同じ契機にて動作する。しかし、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくとも1の機能が作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇する(入賞し易くなる)ことから、遊技状態としては、大当り抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度または出玉率(ベース)が通常状態よりも高まる「高ベース遊技状態(始動口入球有利状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能(普通図柄確変機能、普通図柄時短機能および開放延長機能の少なくとも1つの機能)が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常状態よりも短時間となる「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与される電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。この電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り’となる。本明細書中では、「電チューサポート状態無し」を「電サポ無し状態」と称し、「電チューサポート状態有り」を「電サポ有り状態」または「電サポ状態」と称する。なお、遊技状態が「微時短状態」である場合には、図4Dにて既に説明したように、採用する形態により、「電サポ有り」、「電サポ無し」のいずれの状態も取りうるが、本実施形態の微時短状態は、「電サポ有り状態」であっても下始動口35(普通電動役物)の入賞度合い(入賞率)が実質的に「電サポ無し状態」と同じであり、通常状態と同様に、下始動口35への入賞が困難または不可能な状態に置かれるようになっている。したがって、ベース値または電サポ状態の有無の観点から見れば、通常状態と微時短状態とは実質同一(略同一)であり、遊技者に対する有利度は同じである。しかし、抽選状態から見れば、通常状態中は、後述の特殊時短による時短状態(特定状態)が発生可能であり、微時短状態中はその発生が不可であることから、微時短状態よりも通常状態の方が遊技者にとり有利な遊技状態となっている。
(3-2-1.内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ):図25)
遊技状態を定める上記各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況については、主制御部20側において、これらの機能に対応したフラグのON/OFF状態により、その作動(5AH)/未作動(00H)が管理される。この各機能の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」とも称する。現在如何なる内部遊技状態であるかについては、「遊技状態判定番号YJ」という識別子を用いて管理される。たとえば、遊技状態判定番号YJが「00H」の場合は‘通常状態’を指定し、「01H」の場合は‘微時短状態’を指定し、「02H」の場合は‘時短状態(時短)’を指定し、「03H」の場合は‘潜確状態(潜確)’を指定し、「04H」の場合は‘確変状態’を指定する。以下では、説明の便宜上、通常状態を「通常」、「微時短状態」を「微時短」、「時短状態」を「時短」、潜確状態を「潜確」、確変状態を「確変」と略す場合がある。
(3-2-2.変動パターン振分指定番号Tcode:図25)
また本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連する多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態を複数区分して、複数の遊技状態として管理可能な構成となっている。たとえば、時短状態を「時短A」「時短B」「時短C」といった複数種類の時短状態に区分したい場合、これらを“変動パターン振分指定番号Tcode”という識別子を用いて、それぞれ異なる時短状態として管理可能となっている。
上記「変動パターン振分指定番号Tcode」の実体は、現在の遊技状態に対応する「変動パターン振分テーブル」(たとえば、後述の図26~図28参照)を選択する際に利用される識別子(変動パターン選択モードを特定するデータ)である。したがって、たとえば、時短状態(YJ=02H)を「時短A」と「時短B」と「時短C」とに区分した場合、時短状態(YJ=02H)に係る変動パターン振分指定番号Tcodeを、“Tcode=「02H(時短A)」、「03H(時短B)」、「04H(時短C)」”と3種類に定めれば、「02H(時短A)」~「04H(時短C)」のそれぞれで異なる変動パターン振分テーブルを選択することが可能となる(図25の「Tcode」の欄、後述の図26~図28の「Tcode」の欄参照)。なお詳細は後述するが、上記「変動パターン振分テーブル」は、図柄変動表示ゲームに係る特別図柄の変動パターンを決定する際に利用されるものであり、1または複数種類の変動パターン(特別図柄の変動パターン)が、少なくとも現在の遊技状態(変動パターン振分指定番号Tcode)と大当り抽選結果(当選種別)とに関連付けて定められている。
したがって、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、たとえば同じ「時短状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては「時短A」~「時短C」という複数の遊技状態(Tcode=「02H」~「04H」)のそれぞれに対応した変動パターンを選択することが可能となる。
このように、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態(YJ)」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「変動パターン振分指定番号Tcode」とをそれぞれ異なるデータとして管理することにより、同一の内部遊技状態下であっても、変動パターンをダイナミックに変化させることができる。その結果、同じ内部遊技状態下であっても、図柄変動表示ゲームの消化時間(特別図柄の変動時間)やそのゲーム中の演出(変動中演出)に大きな変化をもたらすことができ、演出の自由度が増し、演出を多彩なものとすることができる。
本実施形態の場合、図25に示す通り、上記「内部遊技状態(YJ)」の種類には、通常状態、微時短状態、時短状態などが含まれる(「YJ」の欄参照)。他方、特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態、すなわち、変動パターン振分指定番号Tcode(変動パターン選択モード)に関連する遊技状態(遊技モード)の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「天国モード(通常状態)」「地獄モードA(微時短状態)」「地獄モード2(微時短状態)」「連荘モードA(時短状態)」「連荘モードB(時短状態)」「連荘モードC(時短状態)」などが含まれる(「Tcode」の欄参照)。
なお、図25に示す「Tcode」と「YJ」と欄に示す通り、変動パターン振分指定番号Tcodeを利用して、特定の内部遊技状態を複数の遊技状態に区分してもよいし、いずれの内部遊技状態も複数の遊技状態に区分しなくてもよい。いずれにしても、遊技状態に応じた変動パターン(変動パターン振分テーブル)を選択可能な構成に変わりは無い。
本明細書中では特に必要のない限り、少なくとも変動パターン振分指定番号Tcodeに関連する遊技状態を「遊技モード」と称する(図25の「遊技モード種別」の欄参照)。この遊技モードは、図25に示す通り「変動パターン振分指定番号Tcodeと遊技状態判定番号YJ(内部遊技状態)」に関連する遊技状態、換言すれば、“遊技機全体として捉えた遊技状態”としても扱うことができる。なお、説明の便宜上、内部遊技状態と遊技モードとを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。また、変動パターン振分指定番号Tcodeを「Tcode」と略す場合がある。
<4.当りについて>
次に図4A~図4Cを参照して、本実施形態に係る「当り」について説明する。図4A~図4Cは、当り種別、当り遊技動作態様、当り遊技後の移行先遊技状態(移行先遊技モード)の説明に供する説明図である。
(4-1.当り種別について)
本実施形態における当りには、大別して、大当り抽選の抽選対象となる当り(1種当り)と、大当り抽選により小当りに当選した後、その小当り遊技中にV入賞することによる特別当り(2種当り:V当り)とがある。
大当り抽選対象の当選種別(当り種別)には、図4Aに示すように、「大当り」には大当りA~大当りDが、「小当り」には小当りA、Bが設けられている。これらの当りのうち、「大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り種別」に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りとして定められている。ここで「条件装置」とは、その作動が、ラウンド遊技を行うための役物連続作動装置(特別電動役物を連続作動させる装置)の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合(役物連続作動装置が作動中に大入賞口に入賞したものを除く)に作動するものをいう。また、役物連続作動装置の作動終了後は、時短機能や確変機能を生起させることができる(一の内部遊技状態から他の内部遊技状態に移行させる)。
したがって、「小当り」に当選した場合には、条件装置が作動せず、役物連続作動装置も作動しないため、内部遊技状態の移行は無いが、変動パターン振分指定番号Tcodeの移行制御は行うことができる。また、その小当りによる当り遊技(小当り遊技)は、役物連続作動装置が作動しないため、大当りのようなラウンド遊技は実行されないが、大入賞口の開閉パターンの定め方によって、見た目上、ラウンド遊技が実行されているように振る舞う「疑似的なラウンド遊技」を実現可能である。小当り遊技の動作態様は、ラウンド遊技が実行されない点を除き、基本的には、大当り遊技と同じである。具体的には、所定の開始インターバル時間(開始INT)の経過後、大入賞口を開放する「開閉動作遊技(疑似的なラウンド遊技)」が実行され、開閉動作遊技が終了すると、所定の終了インターバル時間(終了INT)を経て一連の小当り遊技が終了するようになっている。斯様な小当りは、大当りと同様に大入賞口の開閉動作を伴う当り遊技(特別遊技状態)の移行契機(実行契機)となる当選種別であるという点で、単なる「ハズレ」とは性質を異にする。なお、遊技性を考慮して、特図1側または特図2側のいずれも、抽選対象として1または複数種類の大当りまたは小当りを設けることができる。
(4-2.当り遊技について)
次に、上記した各当りによる当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)について説明する。
(大当り遊技)
本実施形態に係る「大当りA」「大当りB」「大当りC」に当選した場合は最大ラウンド数が3R(3ラウンド)、「大当りD」に当選した場合は最大ラウンド数が7R、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が大入賞口への入賞数が最大入賞数(たとえば、10個)に達する可能性が十分に見込める「長開放時間(たとえば、29.8秒)」に設定される大当り遊技が実行されるようになっている。大当り遊技中の利益状態(利益度合)については、最大ラウンド数が相対的に多いほど高くなり、また大入賞口の最大開放時間が長時間ほど高くなる。本実施形態の場合、各大当りに係る最大開放時間は同じであるため、最大ラウンド数が多い大当りほど、大当り遊技中の利益状態が相対的に高くなる。また、特図1側(上始動口34側)よりも特図2側(下始動口35側)の方が「大当りD」の当選があり、大当り抽選については、特図1側よりも特図2側の抽選を受ける方が、遊技者にとり有利になる。なお、ラウンド遊技に係る大入賞口の開放パターンを、どのような開放パターンに定めるかは自由である。
(4-3.小当り遊技、V当り遊技)
次に、小当り遊技とV当り遊技とについて説明する。
(小当り遊技)
上記したように「小当り」による小当り遊技は、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されないが、開放扉52bにより大入賞口50を所定のパターンで開閉動作させることにより、疑似的なラウンド遊技(開閉動作遊技)を表現し、見た目上、ラウンド遊技が実行されているかのように装うことができる。本実施形態の小当り遊技は、大入賞口50の開放回数1回およびその最大開放時間を1.8秒とする開閉動作遊技が実行されるようになっている。上記小当り遊技が開始すると、開閉動作遊技開始前のインターバル時間(小当り開始INT)を利用して、小当り遊技開始を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後(小当り開始INTが経過した後)、大入賞口50を開閉させる開閉動作遊技が実行される。このオープニング演出を利用して、V入賞を促す演出(V入賞指示演出)などが現出される。
(V当り遊技)
開閉動作遊技中に大入賞口50に遊技球が入球すると、その遊技球(入賞球)は、大入賞口50内の上記V誘導装置によってV入賞口(特定領域)に案内され、遊技球がV入賞口に入球した場合に(特定領域センサ51aが遊技球を検出した場合)「V入賞」となり、このV入賞を契機に「V当り(2種当り)」が発生するようになっている。本実施形態では、小当りに当選しさえすれば、その小当り遊技中(開閉動作期間中)に、遊技者が故意に打ち出しを遅延または停止させたり、左打ちし続けるなどのイレギュラーな行為をせずに、正しく右打ちする限りは、基本的に、ほぼ100%でV入賞を獲得できるようになっている。
V入賞した場合には条件装置が作動状態となり、一連の小当り遊技が終了後に役物連続作動装置が作動して、ラウンド遊技を伴う「V当り遊技」が開始される。V当り遊技が開始すると、V入賞開始インターバル時間(V入賞INT(V入賞時演出時間))が設定され、その間に、V当りが発生した旨を報知する「V入賞時演出(オープニング演出)」が現出される。そして、V入賞INTが経過すると、ラウンド遊技が最大ラウンド数を上限に開始され、最大ラウンド数が終了すると、V当り終了インターバル時間(V当り終了INT)を利用してエンディング演出が行われ、これにより、V当り遊技が終了する。すなわち、V当り遊技は、上述した大当り遊技と同様に、オープニング演出期間、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技実行期間、およびエンディング演出期間の各遊技期間を含んで構成される。
なお、V入賞した場合、今回の小当り遊技をラウンド遊技の1ラウンド目(見做し1R)としてカウントし(今回の小当り遊技の開閉動作遊技が、実質的な1R目のラウンド遊技として扱われる)、V当り遊技における初回のラウンド遊技を2R目としてカウントするようになっている。V当り遊技は、実質的に大当り遊技と同じく、ラウンド遊技を複数回実行しうるものであるが、小当り遊技を経由するため、V入賞時に係る小当り遊技(開閉動作遊技)が最初の1ラウンド目に相当する遊技として扱われる。
したがって、ラウンド遊技実行回数(役物連続作動装置作動中に係る特別電動役物の連続作動回数)は、正確には、「規定ラウンド数-1」回となる。たとえば、最大ラウンド数7RとするV当り遊技であれば、小当り遊技終了後、V当り遊技として「2R~7R」のラウンド遊技が実行され、賞球数については「開閉動作遊技中の入賞球による賞球数(開閉動作遊技による見做し1R)+6R分のラウンド遊技中の入賞球による賞球数」が、実際に遊技者が獲得しうる総賞球数(V当り時の出玉数)となる。たとえば、大入賞口50の賞球数15個、開閉動作遊技中の入賞球が概ね1個~3個程度(賞球数15個~45個)、1ラウンド中は最大入賞数の10個(賞球数150個)入賞可能であるとすれば、概ね、915個~945個程度の賞球数を獲得することができる。
本実施形態では、当選した小当り種別に応じてV当り遊技が異なり、小当りAに当選した場合は最大ラウンド数が7RのV当り遊技が(実質7RV当り)、小当りBに当選した場合は最大ラウンド数が3RのV当り遊技(実質3RV当り)が実行されるようになっている。なお、V当り遊技に係るラウンド遊技態様は、大当り遊技と同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。
(非V入賞の場合)
なお、小当り遊技中にV入賞しなかった場合(非V入賞の場合)、V当り遊技が実行されることなく、一連の小当り遊技が終了されることになる。なお、非V入賞時は、単なる小当り遊技が実行されるだけであり、内部遊技状態の移行は生じない(図4Aの備考8参照)。
(4-4.当り遊技後の移行先遊技状態について)
次に図4A、図4Bを用いて、上記した各当り遊技終了後に移行される遊技状態について説明する。図4A、図4Bには、当り種別に応じて、当選時の遊技状態とその当り遊技後に移行される遊技状態との関係を示してある。図4Aは大当りと小当りについて、図4CはV当り(V入賞時)について示してある。なお、図示の「当選時」は、当選時の内部遊技状態種別(括弧内は、対応する遊技モード種別)を示し、「移行先の遊技状態」は、移行先の内部遊技状態種別(括弧内は、対応する遊技モード種別)を示す。なお、微時短A、Bは、内部遊技状態が微時短状態であり、時短A、Bは内部遊技状態が時短状態となっている。また、移行される遊技モードについての詳細は、後述する。
まず図4を参照して、大当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。
(大当りA、大当りBの場合)
「大当りA」または「大当りB」の場合、図4Aに示すように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。
大当りAの場合は、当選時の遊技状態が「通常状態」であれば、大当り遊技後に「通常状態」に移行され、当選時の遊技状態が「微時短状態」または「時短状態」であれば、大当り遊技後に微時短状態に属する「微時短状態A(以下「微時短A」と称する)」に移行されるようになっている。また、大当りBの場合は、当選時の遊技状態が「通常状態」であれば「通常状態」に移行され、当選時の遊技状態が「微時短状態」または「時短状態」であれば微時短状態に属する「微時短状態B(以下「微時短B」と称する)」に移行されるようになっている。つまり、大当りA、大当りBは、微時短状態の移行契機となりうる大当りとして定められている。
上記「微時短状態」に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が、所定の規定回数(最大微時短回数)を終了するまで継続され、その規定回数内で大当りまたはV当りが発生することなく、特別図柄変動表示ゲームが終了したときには(微時短回数終了)、当該微時短状態が終了して、次回のゲームから通常状態に移行されるようになっている(図4Aの備考5参照)。なお、非V入賞時は、単なる小当り遊技が実行されるだけであり、内部遊技状態の移行は生じないため、微時短状態は終了されない。また、規定回数に達したか否かは、特別図柄変動表示ゲーム1および2の実行回数(特図1および2の変動回数)をカウントすることにより判断される(後述の時短状態の場合も同様))。つまり、大当りすることなく、特別図柄変動表示ゲーム1、2の合計実行回数(特図1、2の合計変動回数)が規定回数分終了すると微時短状態が終了される。本実施形態では、微時短Aの最大微時短回数が150回、微時短Bの最大微時短回数が250回となっている(図4Aの備考1、備考2参照)。
(大当りCの場合)
大当りCの場合は、その当り当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技後は「通常状態」に移行される。
(大当りDの場合)
大当りDの場合は、「大当りA」または「大当りB」と同様に、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。大当りDでは、当選時の遊技状態が「通常状態」であれば、大当り遊技後に時短状態に属する「時短状態B(以下「時短B」と称する)」に移行され、当選時の遊技状態が「微時短状態」または「時短状態」であれば、大当り遊技後に時短状態に属する「時短状態A(以下「時短A」と称する)」に移行されるようになっている。
「時短状態」に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が、所定の規定回数(最大時短回数)を終了するまで継続され、その規定回数内で大当りまたはV当りが発生することなく、特別図柄変動表示ゲームが終了したときには(時短回数終了)、当該時短状態が終了して、次回のゲームから通常状態に移行されるようになっている(図4Aの備考5参照)。なお、非V入賞時は、単なる小当り遊技が実行されるだけであり、内部遊技状態の移行は生じないため、時短状態は終了されない。本実施形態では、時短Aの最大時短回数が7回、時短Bの最大時短回数が100回となっている(図4Aの備考3、備考4参照)。
(V入賞した場合)
次に、図4Bを参照して、V当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。
既に説明したように、V当り遊技は、小当り遊技中のV入賞により発生する。このV当り遊技終了後は、当選した小当り種別とその小当り当選時の遊技状態とに応じて、移行先の遊技状態が異なる。
小当りAまたは小当りBのいずれも、当選時の遊技状態が「通常状態」であれば、V当り遊技後に「時短B」に移行され、当選時の遊技状態が「微時短状態」または「時短状態」であれば、V当り遊技後に「時短A」に移行されるようになっている。
<4-5.ハズレについて>
次に、図4Cを参照して、本実施形態に係るハズレ種別について説明する。本実施形態では、図示の通り、特図1側には、図柄抽選率がそれぞれ異なるハズレA、B、Cという複数種類のハズレ種別が設けられている。この実施形態の場合、図柄抽選確率が「ハズレA>ハズレB>ハズレC」を満たす関係となっており、たとえば、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%で抽選される。また、特図2側には、ハズレDが1つだけ設けられている。なお、遊技性を考慮して、特図1側または特図2側のいずれも、抽選対象として1または複数種類のハズレを設けることができる。
<4-6.特殊時短について>
次に、図4Cを参照して、本実施形態に係る特殊時短種別について説明する。先ず、「特殊時短」について説明しておく。
本実施形態では、大当り抽選による当選種別として、当り(大当りまたはV当りもしくは小当り)を契機とすることなく「時短状態」または「微時短状態」を付与可能な「特殊時短」を設けてある。なお、「当りを契機とすることなく」とは、換言すれば、「当り遊技(大当り遊技、V当り遊技、または小当り遊技)を経由することなく」、「少なくとも条件装置の作動および役物連続作動装置の作動を条件とすることなく」、または「少なくとも条件装置の作動および役物連続作動装置の作動終了を条件とすることなく」などの意が含まれる。つまり、特殊時短は、広義には「当り状態に制御されることなく移行可能な特定状態を付与可能な当選種別」であり、特殊時短に係る時短状態または微時短状態は、「当り状態を経由することなく付与される特定状態」の一態様である。
(特殊時短の発生条件)
上記「特殊時短」による時短状態または微時短状態は、特定の遊技状態に限り(たとえば、大当り抽選確率が低確率の遊技状態に限り)、その発生が許容される。本実施形態では、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、その発生が許容(特殊時短当選が有効扱い)されるようになっている。つまり、通常状態以外では特殊時短の当選は不可(抽選自体しない、または当選してもハズレ扱い(当選を無効扱い)とする)となっている(図4Cの備考1参照)。なお、特殊時短当選をハズレ扱いとする場合は、ハズレ当選時(ハズレA~Cのいずれであってもよい)と同様の遊技処理(変動パターンの選択処理など)を実行すればよい。
また本実施形態に係る特殊時短は、当り(この実施形態では、大当りおよび小当り)のいずれにも当選しなかった場合に当選可能となっており、特殊時短に当選した場合には、次回のゲームから時短状態(微時短状態を含む)が発生しうる。したがって、大当り、小当りおよび特殊時短のいずれにも当選しなかった場合は、大当り抽選結果は「ハズレ」となり、ハズレA~Cのいずれかが当選することになる。
(特殊時短性能)
本実施形態では、図4Cに示す通り、特図1側に、複数種類の特殊時短A、B、Cが設けられており、当落抽選により特殊時短に当選した場合、図柄抽選によりいずれかの特殊時短が、所定の図柄抽選率に基づき決定される(図4Cの図柄抽選率の欄参照)。また、特殊時短A~Cはそれぞれ時短性能が異なる。具体的には下記の通りである。
(A)「特殊時短A」に当選した場合、微時短A(微時短回数150回)が付与される(微時短A移行)。
(B)「特殊時短B」に当選した場合、微時短B(微時短回数250回)が付与される(微時短B移行)。
(C)「特殊時短C」に当選した場合、時短C(時短回数1回)が付与される(時短C移行)。
本実施形態では、図4に示す通り、特図1側に、複数種類の支援時短A、B、Cが、特図2側には複数種類の支援時短B、Cが設けられており、図柄抽選によりいずれかの支援時短が、所定の図柄抽選率に基づき決定される(図4の図柄抽選率の欄参照)。また、支援時短A~Cはそれぞれ時短性能が異なる。具体的には下記の通りである。
なお、特殊時短として、特図1側および/または特図2側に、1または複数種類の特殊時短を採用するかは遊技性に応じて適宜定めることができる。また、どのような性能(時短性能、微時短性能)を有する特殊時短を設けるかも適宜定めることができる。
また、本実施形態では、特殊時短の当選確率が大当りの当選確率よりも高確率の「約1/10」となっているが、特殊時短の当選確率に特に制限はない。たとえば「1/1」としてもよい(略同一でもよい)。この場合は、遊技状態が通常状態であれば必ず特殊時短に当選し(1ゲームで100%当選)、時短状態または微時短状態に移行可能、といった特殊な遊技性を創出することができる。
また、特殊時短の性能についても遊技性に応じて、適宜定めることができる。たとえば、特殊時短による時短状態として、有限時短(時短回数が有限)、有限微時短(微時短回数が有限)、無限時短(時短回数制限無し)、無限微時短(微時短回数制限無し)のいずれも採用することができる。なお、無限時短または無限微時短のような「無限系」は、正確には、その回数が「回数制限無し(無限)」のものを意味するが、有限時短や有限微時短のような「有限系」であっても、実質的に次回大当りに当選するまで時短状態や微時短状態が保障されるような回数(たとえば、10000回や65535回など)については、「無限系」に属するものとして扱うことができる。また、パチンコホールの営業時間内に消化不可能な回数(たとえば、4~5000回以上)を付与する場合も「無限系」に属するものとして扱うことができる。
一例として、次の(特時1)~(特時2)のような時短性能を有する1または複数特殊時短を設けることができる。
(特時1)大当りにより付与される時短状態と同じ「時短回数P回」を付与する特殊時短を設けることができる。時短状態を付与する大当りが複数種類ある場合、「時短回数P回」を、当該複数種類の大当りの少なくとも1つの大当りと同じ時短回数とすることができる。たとえば、時短回数50回の大当りと時短回数100回の大当りがある場合、時短回数P回を、時短回数50回および/または時短回数100回とすることができる。
(特時2)大当りにより付与される時短状態とは異なる「時短回数Q回」が付与される特殊時短を少なくとも1つ設けることができる。時短状態を付与する大当りが複数種類ある場合、全大当りに係る時短回数のうち最多の時短回数を「α回」、最小の時短回数を「β回」とした場合、「時短回数Q回>α回」または「「時短回数Q回<β回」とすることができる。なお「時短回数Q回」は、「有限(有限系の時短回数)」であってもよいし、「無限(無限系の時短回数)」であってもよい。
また、微時短状態についても同様に、次の(特時3)~(特時4)のような微時短性能を有する特殊時短を1または複数設けることができる。
(特時3))大当りにより付与される微時短状態と同じ「微時短回数p回」を付与する特殊時短を設けることができる。微時短状態を付与する大当りが複数種類ある場合、「微時短回数p回」を、当該複数種類の大当りの少なくとも1つの大当りと同じ微時短回数とすることができる。たとえば、微時短回数50回の大当りと微時短回数100回の大当りがある場合、微時短回数p回を、微時短回数50回および/または微時短回数100回とすることができる。
(特時4)大当りにより付与される微時短状態とは異なる「微時短回数q回」が付与される特殊時短を少なくとも1つ設けることができる。微時短状態を付与する大当りが複数種類ある場合、全大当りに係る微時短回数のうち最多の時短回数を「γ回」、最小の時短回数を「δ回」とした場合、「微時短回数q回>γ回」または「「微時短回数q回<δ回」とすることができる。なお「時短回数Q回」は、「有限(有限系の時短回数)」であってもよいし、「無限(無限系の時短回数)」であってもよい。
<5.演出について>
(5-1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態では、各遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行(更新)に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。
演出モードには、「通常状態」に関連する「通常演出モード」、微時短状態に関連する「微時短演出モード」、時短状態に関連する「時短演出モード」、潜確状態に関連する「潜確演出モード」、確変状態に関連する「確変演出モード」、当り遊技中に関連する「当り中演出モード」などがあり、内部遊技状態または変動パターン振分指定番号Tcodeに対応する複数種類の演出モードが設けられている。たとえば、時短状態(YJ=02H)に係る時短演出モードとして、時短A~時短C(Tcode=02H~04H)のそれぞれに対応する時短A演出モード(連荘A演出モード)、時短B演出モード(連荘B演出モード)、時短C演出モード(連荘C演出モード)を設けることができる。つまり、変動パターン振分指定番号Tcodeが異なる場合には、それぞれ異なる演出モードとすることができる。上述の例では、時短状態に関する演出モードの例を説明したが、地獄モードAと地獄モードBとで変動パターン振分指定番号Tcodeが異なる場合にもそれぞれ異なる演出モードとすることができる。
なお、演出モードは、目的や遊技性に応じて、複数の遊技状態で同一の演出モードを採用してもよい。たとえば、通常状態と微時短状態(少なくとも2つの異なる内部遊技状態で同一の演出モードとする)、時短Aと時短Bとで同一の演出モード(少なくとも2つの異なる遊技モードで同一の演出モードする)とすることができる。端的言えば、変動パターン振分指定番号Tcodeが複数ある場合、少なくとも2以上のTcodeで同一の演出モードとしてもよいし、内部遊技状態YJが複数ある場合、少なくとも2以上のYJで同一の演出モードとしてもよい。なお、少なくとも2以上の類似する遊技状態同士で同一の演出モードとすることが好ましい。たとえば、時短状態に属する時短Aと時短Bや、通常状態と微時短状態(ベース値を略同一とするケース(微時短状態を疑似的な通常状態として機能させるケース))で、同一の演出モードとすることができる。
各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示(背景演出)が、演出モードに対応した演出態様に変更される。たとえば「通常演出モード」下では、季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示)が現出され、「時短演出モード」下では、季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示)が現出される。これにより、滞在中の遊技状態が示唆される。なお、背景表示が変更されるだけでなく、BGMや装飾図柄(絵柄)なども、各演出モードに応じて変更してもよい。なお、一の演出モードと他の演出モードとで、共通の背景演出としてもよい。たとえば、通常演出モードと、微時短演出モードとで共通の背景演出(いずれも桜の木の背景画像を表示)としてもよい。
また、同一の変動パターン振分指定番号Tcode(同一の遊技モード)に属する複数の演出モードを設けることができる。このような演出モードは、Tcodeが同一の演出モードである点で、「演出ステージ」とも称される。各演出ステージの変動パターン振分指定番号Tcode自体は同一であるため、異なる演出ステージであっても、選択対象の変動パターンは同一である。したがって、同一の変動パターンが選択された場合であっても、演出ステージに応じて異なる演出を現出させることができる。なお、上述の演出モードと同じく、演出ステージに応じて、それぞれ異なる背景表示とすることができる。たとえば、桜の木を背景表示とするする「桜ステージ」、菜の花を桜の木を背景表示とする「菜の花ステージ」、蒲公英を背景表示とする「蒲公英ステージ」などである。
演出制御部24(CPU241)は、遊技状態の移行(更新)に応じて、各演出モード間を移行制御可能に構成され、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24は、主制御部20(CPU201)から送られてくる演出制御コマンドのうち、遊技状態に関する情報を含む演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態を指定したり、遊技状態が移行されることを指定したりする特定の演出制御コマンドに含まれる情報に基づき、遊技状態(内部遊技状態YJおよび/または変動パターン振分指定番号Tcode)を把握し、主制御部20側の遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理し、処理状態に応じて、一の演出モードから他の演出モードへの移行を制御可能に構成される。たとえば、変動パターン振分指定番号Tcodeに対応して、複数種類の演出モード間の移行制御が可能となっている。上述の「特定の演出制御コマンド」には、たとえば、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される特定コマンド(たとえば、大当り開始コマンドや、大当り終了コマンド)などがある。なお、演出制御部24側が独自に遊技状態を判断可能であれば、特定の演出制御コマンドによらず、演出モードの移行制御を行うことができる。
(5-2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(本実施形態では、変動パターン指定コマンドおよび/または装飾図柄指定コマンドに含まれる情報、後述の入賞時コマンドなど)に基づき、少なくとも大当り抽選結果に関連した様々な「予告演出」を実行可能に構成される。具体的には、少なくとも上記演出モード(後述の演出ステージを含む)と、大当り抽選結果(少なくとも当落抽選結果)とに関連した「予告演出」を実行可能となっている。
予告演出は、基本的には、変動中演出の一環(変動中演出シナリオの少なくとも一部)として実行されうる演出であり、変動中演出においては、種々の予告演出が現出される。予告演出の主な役割は、当り種別および/または特殊時短種別に当選したか否かの期待度(当選期待度)の示唆(予告)や、特定の予告演出の発生の示唆などである。予告演出の多くは、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」、「疑似連演出」、「遊技者参加型演出」、「ステップアップ演出」、「ステージチェンジ演出」、「先読み予告演出」などがある。
(5-2-1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様)をいい、具体的には、リーチ状態を経由してゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。
「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、演出的な装飾図柄の変動表示態様を利用して、特定の当選種別(大当り、小当りまたは特殊時短など)を示す表示態様が導出され易いこと(特定の当選種別の当選可能性があること)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽る変動表示態様をいう。たとえば、大当り当選(大当り発生)を示す装飾図柄の組合せ(大当り図柄)が「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」などの図柄揃いである場合、所定の当り有効ライン上において、図柄揃いの一部である左図柄と右図柄とが「7」を表示し(テンパイ状態)、残りの中図柄(テンパイ状態を構成していない残りの図柄)が、高速変動、コマ送り、揺動、拡大縮小、変形などをしながら変動表示を行っている状態である。
したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(大当り図柄)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。なお、上述の例で、テンパイ状態(リーチ図柄)を構成している左図柄と右図柄は、リーチ状態を構成する図柄であり、この意味で「リーチ構成図柄」とも称される。
上記の「リーチ演出」は、当選期待度に関連付けられた複数のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ=Nリーチ)が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。この「SPリーチ」の多くは、大当りへの当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、SPリーチには、通常の「SPリーチ」の他、「SPリーチ+SPSPリーチ」、「SPSPリーチ」などの特殊なSPリーチが含まれる。以下に、各リーチの内容を説明する。
(r1)「Nリーチ」
「Nリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するだけで、SPリーチが発生することなくゲーム結果(当りまたはハズレ(大当り抽選結果に関連する情報))を報知して終了する場合の変動態様であり、当選期待度が最も低いリーチ演出となっている。Nリーチには、当選期待度の異なるNリーチ1、Nリーチ2がある。
(r2)「SPリーチ(ノーマルSPリーチ)」
「SPリーチ」は、ノーマルリーチを経由して第1リーチ演出(SPリーチ)が発生し、その後、ゲーム結果を報知して終了するリーチ変動態様である。
(r3)「SPリーチ+SPSPリーチ」
「SPリーチ+SPSPリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由して第1リーチ演出(SPリーチ)が発生し、一旦ハズレが報知された後、上記第1リーチ演出よりも当選期待度の高い第2リーチ演出(SPSPリーチ)が発生し(他のSPリーチ系に発展)、ゲーム結果を報知して終了するリーチ変動態様であり、「発展型SPSPリーチ」とも称する。
(r4)「SPSPリーチ」
「SPSPリーチ」は、通常変動をした後、ノーマルリーチ状態を経由するが、第1リーチ演出(SPリーチ)は経由せずに、つまり省略されて、直ちに第2リーチ演出(SPSPリーチ)が発生し(直接、SPSPリーチに発展)、ゲーム結果を報知して終了するリーチ変動態様であり、「直撃型SPSPリーチ」とも称する。
リーチ演出における当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低に応じて変化する。たとえば、通常中のリーチ間では「Nリーチ1<リーチN2<SPリーチ<発展型SPSPリーチ<直撃型SPSPリーチ」の当選期待度の関係となるように、大当り抽選結果に関連してその選択率が定められている。
なお、実際の当選期待度は、1または複数の他の予告演出(たとえば、後述の疑似連演出)が伴うか否かに応じて変化する。たとえば、発展型SPSPリーチが出現した場合であっても、当選期待度の高い予告演出が絡めば、直撃型SPSPリーチと同等もしくはそれ以上の当選期待度となりうる。またたとえば、時短中のリーチ間(図28参照)では「時短中リーチ1<時短中リーチ2」の当選期待度の関係となるように、大当り抽選結果に関連してその選択率が定められている。
このように、リーチ演出は、遊技者にとって、或る当選種別(たとえば、大当り)の当選可能性を知る手がかりとなる。そこで、リーチの発生可能性を予告(示唆)する演出態様、換言すれば、当選期待度をさらに明確に予告しうる演出態様として、複数種類の「予告演出」が設けられている。この「予告演出」は、当選期待度を予告する煽り演出としての役割を担うものであるが、特定の演出(たとえば、リーチ演出)が発生する可能性がある旨を予告したり、特定の演出の発生が確定する旨を予告したりする役割も担う。したがって、リーチ演出のような特定の演出が発生する演出シナリオでは、予告演出がリーチ演出の前段階で発生し、リーチ演出の発生可能性を予告するとともに、当選期待度を示唆する場合がある。つまり、リーチ演出が単独で発生する場合よりも、1または複数の予告演出が伴えば、当選期待度がより明確化されうる。予告演出には、リーチ演出前に発生しうる「前予告演出」と、リーチ演出中に発生しうる「後予告演出」がある。
(5-2-2.疑似連演出(疑似連))
本実施形態では、予告演出の一つとして、「疑似連演出(以下「疑似連」と略す)」がある。「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(所謂「疑似変動」)を伴う演出態様をいう。この「疑似変動」とは、1回の装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし(通常の装飾図柄ではなく、1または複数の疑似連専用図柄を利用してもよい)、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行されうる後述の「先読み予告演出」とは異なる。
「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるように、その発生率が定められている。たとえば、疑似変動回数1回よりも2回の方が、当選期待度の高い予告演出(たとえば、SPリーチ)の発生期待度が高まることになる。したがって「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合には、主に、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、1または複数回の疑似変動を行った後、本変動であるリーチ演出が実行され、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。本明細書中で、「疑似N」と称する場合、疑似変動M回と本変動とを合わせた回数を意味する。たとえば、「疑似2」と表記する場合は「疑似変動1回+本変動」、「疑似3」と表記する場合は「疑似変動2回+本変動」を意味する(たとえば、図26中の「疑似2+SPリーチ」や「疑似3+SPリーチ」など)。また、疑似2~3が付されていない場合は「疑似連無し」の意であり、疑似連は発生しない(たとえば、図26中の「SPリーチ」など)。
(5-2-3.遊技者参加型演出)
また本実施形態では、予告演出の一つとして、「遊技者参加型演出」に属する予告演出がある。「遊技者参加型演出」とは、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、操作手段(演出ボタン13および/または方向キー75)に対して所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされた場合、その操作内容に基づき、演出の内容が変化しうる予告演出態様である。遊技者参加型演出では、所定のボタン有効期間中になると、たとえば、操作手段に対して所定の操作を指示する「操作指示演出」などの「操作前演出」が実行され、そのボタン有効期間中に、遊技者が操作手段を操作すると、その操作内容に基づき、現出中の演出が他の演出(操作後演出)に変化し、操作前後の演出態様(演出内容)に応じて、当選期待度、大当り抽選結果(当落結果、図柄抽選結果など)、または設定示唆などに関する情報が報知可能となっている。演出制御部24は、所定の設定条件に基づき(たとえば、遊技者参加型演出中の所定のタイミング)、操作手段の操作が有効となる操作有効期間(ボタン有効期間)を設定する操作有効期間設定手段と、ボタン有効期間中に所定の操作前演出を制御する操作前演出制御手段と、当該操作有効期間に演出ボタンが操作されたことに基づき、所定の操作後演出を制御する操作後演出制御手段とを備えている。
この遊技者参加型演出は、基本的には、予告演出の一環(予告演出シナリオの一部)として実行される。代表的には、遊技者参加型演出が組み込まれた「リーチ演出」、「疑似連」、「ステップアップ予告」、「先読み予告(たとえば、保留変化予告)」などがある。たとえば、遊技者参加型のリーチ演出であれば、リーチ演出の所定のタイミング(たとえば、リーチ前の所定のタイミング、リーチ形成時、リーチ後の所定のタイミングなど)でボタン予告演出を出現させ、ボタン操作に応じて演出に変化を与えることができる。
(5-2-4.ステップアップ予告)
また本実施形態では、予告演出の一つとして、演出が段階的(ステップ的)に発展しうる「ステップアップ予告(SU予告)」がある。「ステップアップ予告」では、ステップ数(段階)に対応した演出が実行され、より先のステップ数に発展した場合に当選期待度が高まるといった予告演出態様である。したがって、1段階目で演出が終了した場合が最も当選期待度が低く、最終段階目まで発展した場合は当選期待度が最も高くなる。たとえば、ステップ1~3からなる三段階に発展しうるステップアップ予告であれば、当選期待度の関係は「ステップ1<ステップ2<ステップ3」となる。なお、ステップアップする際には「ステップ1→ステップ2→ステップ3」のように順次発展していく「ノーマルステップ予告(Nステップ予告)」だけでなく、「ステップ1→ステップ3」のように一気に複数ステップ先に発展する「スーパーステップアップ予告(SPステップアップ予告)」などがある。当選期待度の関係としては「Nステップ予告<SPステップ予告」となっている。
(5-2-5.ステージチェンジ演出)
また本実施形態では、予告演出の一つとして、「ステージチェンジ演出」がある。「ステージチェンジ演出」とは、図柄変動表示ゲーム中において(図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングの到来を契機に)、現在の演出ステージを他の演出ステージに移行させることにより、当選期待度などを示唆可能な予告演出態様である。「ステージチェンジ演出」には、以下のような予告態様がある。
(C1)移行先の演出ステージに応じて当選期待度などを示唆する予告態様。たとえば、演出ステージAに移行した場合は低期待度、演出ステージBに移行した場合は高期待度を示唆する。
(C2)演出ステージ移行がなされる際に発生するカットイン演出の違いにより当選期待度などを示唆する予告態様。たとえば、たとえば、キャラクタAが出現とともに演出ステージの移行が生じた場合は低期待度、キャラクタBが出現とともに演出ステージの移行が生じた場合は高期待度を示唆する。
なお、ステージチェンジ演出は、予告演出として演出ステージが変化するという演出態様である。つまり、ステージチェンジ演出が発生したからといって、遊技状態(YJ、Tcode)の移行(変更)が生じて背景表示などの演出態様が変化している訳ではない。なお、ステージチェンジ演出には、特に当選期待度を示唆せず、単にステージチェンジを行う演出態様としてもよい。この場合は、専ら、演出を単調化させないために用いられる。
(5-2-6.先読み予告演出:図5A、図5B)
「先読み予告演出」(以下「先読み予告」と略す)とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、保留表示態様や、時系列的に先に実行される図柄変動表示ゲーム中の演出を利用して、当該作動保留球に関する当選期待度を事前に報知しうる演出態様である。
図5Aを用いて、上記先読み予告を含め、本実施形態に係る液晶表示装置の画面表示の概要について説明する。図5Aは、本実施形態に係る液晶表示装置36の画面表示の説明に供する説明図である。
液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特図1作動保留球の個数を表示する保留表示領域76と、特図2作動保留球の個数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関して、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1~d1(特別図柄1側に対応)、a2~d2(特別図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1~d1、a2~d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留球数を表示する保留表示手段として働く。しかし、後述の先読み予告を実行する場合は、保留表示部a1~d1、a2~d2のうち該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(特別保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告を発生させる手段として働く。
また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
また、図5Aに示す液晶画面内の右下隅には、装飾図柄や予告演出などのメイン演出とは別のサブ的な演出(サブ演出)の表示領域として、特図1、2の作動保留球、普図作動保留球数、特図1、2の変動表示動作に関する情報、普図の変動表示動作に関する情報を表示可能なサブ表示領域79を設けてある。このサブ表示領域79の情報は、予告演出を表示する上で、装飾図柄の表示および/または保留表示部が非表示となった場合でも表示され続ける。したがって、現在、図柄変動表示ゲーム中であるか否か、作動保留球が幾つあるかについては、サブ表示領域79の情報により識別可能となっている。
なお、遊技状態(遊技モードまたは内部遊技状態)に応じて、保留表示領域76の表示領域を保留表示領域77よりも強調的に表示し(たとえば、優先的に表示または大きく表示するなど)、逆に保留表示領域77の表示領域を保留表示領域76よりも強調的に表示しすることができる。たとえば、第1の遊技状態中(通常状態(通常モード)中)は、保留表示領域76を強調表示する、第2の遊技状態中(たとえば、時短状態(時短モード)または確変状態(確変モード)中)は保留表示領域76を強調表示することができる。また、第1の遊技状態中は保留表示領域76と77の双方を表示し、第2の遊技状態中は保留表示領域77を優先的に表示(たとえば、保留表示領域77だけを表示)することができる。
(先読み予告について)
次に、先読み予告について説明する。この先読み予告に関する現出制御については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動表示動作)の実行に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果(当落抽選結果、図柄抽選結果)を事前に判定する「先読み当り判定(先読み当落判定、先読み図柄判定)」が行われる(後述の図11のステップS318~S319(乱数判定処理~特別停止図柄データ作成処理)、図12のステップS410~S411(特別電動役物作動判定用乱数判定処理~特別停止図柄作成処理)参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)を事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図11のステップS320(始動口入賞時乱数判定処理)参照)。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由するリーチ変動パターンとなるのか、それともリーチ状態を経由しない通常変動パターンとなるのかなど、変動開始時の変動パターンが事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、先読み変動パターン情報には、当り当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報(当落抽選結果に関する情報)だけでなく、リーチの有無(リーチ有りの場合はその種別)や疑似連の有無(疑似連有りの場合はその回数)に関する情報など、特定の予告演出が実行情報も含むことができる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターンを判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告に関する演出制御処理が行われる。詳しくは、先読み判定が実行されると、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含む現存の作動保留球数)を特定可能な「保留加算コマンド」と、上記先読み変動パターン情報(少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報)を特定可能な「入賞時コマンド」とが主制御部20から演出制御部24に送信され、演出制御部24がこれらコマンドを受信すると、コマンドに含まれる情報に基づき、保留表示と先読み予告とに関する演出制御処理が行われる。具体的には、演出制御部24が保留加算コマンドと入賞時コマンドとを受信すると、先読み変動パターン情報に基づき、先読み予告を実行(現出)するか否かに関する「先読み予告抽選」を行い、先読み予告を実行する場合には先読み予告に係る演出シナリオ決定して、その演出シナリオに従い、先読み予告を現出させる(後述の図5A、図5B参照)。
上記先読み予告抽選の実行確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また、当選期待度が相対的に高い先読み変動パターン種別の場合の方が高確率となっている。よって、先読み予告が発生するか否かにより当選期待度が示される。なお、先読み予告は、作動保留球の発生したタイミング、または時系列的に先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告が実行可能である。
(入賞時系先読み予告:保留変化予告)
この実施形態では、先読み予告を実行する場合(先読み予告抽選に当選した場合)、保留表示部a1~d1、a2~d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の特殊な保留色や色彩を付した保留表示(特別保留表示態様)に変化する保留変化予告が実行されうる。この保留変化予告は、入賞時(新たな作動保留球の保留表示)を契機として現出されうることから「入賞時系先読み予告」とも称する。
この保留変化予告として、図5Aでは、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味し、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコン(当確保留予告)となっている。白点滅のアイコン表示は、後述の「ステップアップ保留変化予告」の発生可能性を示唆する保留アイコンであり、最終的な保留色が何色になるかを期待させるものとなっている(保留色が変化せずに白点滅のままの場合もある)。白点滅の場合は保留表示がそのままであれば当選期待度が特別保留表示の中で最も低いが、他の保留色に変化すれば、その保留色による当選期待度まで高まる。
本実施形態では、予告演出に関し、大当り抽選結果がハズレの場合には相対的に低い確率で選択され(低出現率)、大当りの場合には相対的に高い確率で選択(高出現率)される、といった高い当選期待度を持つ予告演出として、当選期待度が所定の期待値以上(本実施形態では、当選期待度20%以上を持つ予告演出)のものを「高期待度(当選期待度高」の予告演出とし、それ以外を低期待度の予告演出として扱う。先述の保留変化予告の場合、白点滅、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の当選期待度がそれぞれ、1%、5%、9%、20%、30%、100%であるとすれば、「緑色、赤色、虹色」が高期待度予告演出に属し、それ以外は(白点滅、青色、黄色)、低期待度予告演出に属する。先読み予告が発生した場合、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中に、当選期待度が相対的に高い高期待度予告(高回数疑似連やSPリーチなど)が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、当りへの当選期待感はより一層高まることになる。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行し(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御(シフト表示)が行われるが、上記した特別保留表示は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、先読み予告は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出が現出されうるといった点で、疑似連などのような1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
本実施形態では、下記(A)~(C)のような保留変化予告を実行可能に構成することができる。
(A)入賞を契機に、特別保留表示を現出させるケース(上記入賞時系保留変化予告)。たとえば、新たな作動保留球の保留表示を実行するタイミングで現出させるケース。
(B)所定のタイミングで、通常保留表示から特別保留表示に変化させるケース。たとえば、入賞時は通常保留表示(白色)であるが、所定のタイミングで、通常保留表示から特別保留表示(白色→青色、白色→赤色など)に変化させるケース。
(C)所定のタイミングで、現在の保留表示(通常保留表示または特別保留表示)よりも当選期待度が相対的に高い特別保留表示に変化させるケース。たとえば、白点滅や青色から黄色以上の保留色にステップアップ的(期待度が1または複数段階上の保留色)に変化させるケース。
なお、上述の(B)または(C)のケースにおける「所定のタイミング」には、たとえば、保留減算時(シフト表示実行中)や、他の作動保留球に係る図柄変動表示ゲーム中(変動中演出)の所定のタイミング(たとえば、特定の予告演出中の所定のタイミング)などがあり、新たな作動保留球に係る保留表示をした後、所定のタイミングで当該作動保留球に係る保留変化予告を実行するケースをいう。また、上述の(B)または(C)のように、保留表示後の所定のタイミングで一の保留表示から他の保留表示に変化する保留変化予告を「ステップアップ系保留変化予告」とも称する。このステップアップ系保留変化予告は、後述の「図柄変動中系先読み予告」の一態様として扱うことができる。
また、ゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77における保留表示態様と同じ表示態様が維持されて、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告(特別保留表示)が当該ゲーム中においても遊技者に報知されうるが、ゲーム実行中保留Kが受座J上に載った後の所定のタイミングに(今回の図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングに)、当該ゲーム実行中保留Kの保留表示態様が他の保留表示態様に変化する場合もある。このようなゲーム実行中保留Kの表示態様の変化も上記「ステップアップ系保留変化予告」に属するものとして扱う。
なお、原則として、現在の保留色から当選期待度が相対的に低い保留色に変化する「特別保留表示の成り下がり」は無いが、例外的に成り下がりが発生した場合は、その作動保留球が当確(高期待度であってもよい)である旨が示唆され、プレミアム的な保留変化予告となる。成り下りのケースとしては、たとえば、保留色が「青色→白色」や「赤色→青色」など、現在の保留表示よりも当選期待度が低い保留表示に変化する場合である。また、保留表示態様は、静止画による保留アイコン表示(静的表示態様)に限らず、動画(アニメーション)による保留アイコン表示(動的表示態様:たとえば、保留アイコンを回転、振動、搖動、点滅(高速点滅や低速点滅)をさせて表示する)にしてもよい。
(図柄変動中系先読み予告(変動中先読み予告))
また本実施形態では、図柄変動表示ゲームの開始を契機に、またはゲーム実行中の所定のタイミングを契機としてなされる「先読み予告」が実行可能となっている。この先読み予告は、図柄変動中に現出されうることから、変動開始時変化系または図柄変動中系の先読み予告であり、本明細書中では「変動中先読み予告」と称する。
この「変動中先読み予告」には、たとえば、上記した「ステップアップ系保留変化予告」や「連続予告」などがある。「連続予告」とは、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、1または複数回の図柄変動表示ゲームで実行する(単発的または連続的に表示する)といった先読み予告である。
すなわち、変動中先読み予告は、或る図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を実行するか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選を実行する場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。
たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全てまたは一部の図柄変動表示ゲーム中において、液晶表示装置36の画面に先読み予告画像(たとえば、図5Bの稲妻画像)を表示させる。この場合、各図柄変動表示ゲームにおいて、その全部または一部が異なる先読み予告を現出させることができる。たとえば、3回の図柄変動表示ゲームにわたり現出させる場合、1回目の図柄変動表示ゲームは雷雲画像、2回目の図柄変動表示ゲームは雨画像(雷雲から雨が降る様を表現した画像表示)または雷雲画像、3回目の図柄変動表示ゲームは稲妻画像とすることができる。また、図柄変動表示ゲームの実行ごとに「雷雲画像→雨画像→稲妻画像」と期待度が段階的に発展(期待度が増す)するステップアップ系の先読み予告としてもよい。また、先読み予告画像に応じて当選期待度が異なるものとしてもよい。上述の例でいえば、雷雲画像は低期待度、雨画像は中期待度、稲妻画像は高期待度とすることができる。この場合、雷雲画像だけで終了した場合は当選期待感が低いが、稲妻画像が表示されれば、当選期待感が飛躍的に高まるといった演出効果を奏することができる。
本実施形態では、変動中先読み予告と保留変化予告とはそれぞれ独立して現出可能となっている。具体的には、保留変化予告の実行可否と変動中先読み予告の実行可否とを、それぞれ独立した抽選により行う。したがって、保留変化予告が単独で発生ケースと、変動中先読み予告が単独で発生するケースと、保留変化予告と変動中先読み予告とが同時的(重複的)に発生するケースとがある。なお、先読み予告は、画像表示手段に限らず、可動体役物、光演出手段、音演出手段など、種々の演出手段を用いることができる。
(先読み予告演出態様例:図5B)
次に図5Bを参照して、本実施形態の遊技機1が織り成す先読み予告演出の一例ついて説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象であり、ここでは、保留変化予告と変動中先読み予告とが重複発生するケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告非実行(先読み抽選非当選)の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を特別保留表示に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常保留表示(白色)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から特別保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄がハズレ対応の「246」で停止表示されたものを示している。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、変動中先読み予告として、液晶表示装置36の画面内に専用の背景演出(稲妻画像表示による稲妻演出)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄がハズレ対応の「351」で停止表示されたとする。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、保留変化予告の特別保留表示は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了され、その後は、ゲーム実行保留Kとして表示される。また変動中先読み予告(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。なお同図(4)において、変動中先読み予告の稲妻演出(変動中先読み予告)が、今回の図柄変動表示ゲーム(先読み予告対象の作動保留球(第2番目)に係る図柄変動表示ゲーム)の中の発生を最後に終了されると説明したが、これに限らず、前回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了してもよい。この場合、変動中先読み予告は、保留変化予告の「特別保留表示」が図柄変動表示ゲームの実行に供されるとともに終了されることになる。
(5-2-6.設定示唆演出)
また本実施形態では、上記「設定値」に関する情報を示唆する演出態様(設定示唆演出)を現出可能となっている。たとえば下記(ア)~(シ)のような設定示唆演出である。
(ア)低設定域(設定1~3、1~2、2~3など)を示唆する「低設定示唆演出」。
(サ)高設定域(設定4~6、4~5、5~6など)を示唆する「高設定示唆演出」。
(キ)偶数設定(設定2、4、6)を示唆する「偶数設定示唆演出」。
(ユ)奇数設定(設定1、3、5)を示唆する「奇数設定示唆演出」。
(メ)特定の設定値(設定1~6のいずれでもよい)を確定的に報知する「特定設定確定演出」。たとえば「設定N」を確定的に報知する「設定N確定演出」。ただし、無闇に内部的な設定値を確定的に報知するのは、好ましくない。その理由は、設定1や設定2確定などのように、低設定領域を確定的に示唆するものは、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうからである。そこで、高設定領域の設定4~6のいずれかを確定的に報知させることが好ましい。特に、設定5確定や設定6確定などの高設定が確定する特定設定確定演出が出現すれば、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
(ミ)特定の設定値(設定1~6のいずれでもよい)でないことを確定的に報知する「特定設定否定演出」。
(シ)特定範囲の設定値を示唆する「特定範囲示唆演出」。たとえば、設定3~5(α≦設定値≦β)を示唆、設定4以上(α≦設定値)を示唆、「設定1、3、5、6」の複数の特定値を示唆するなどがある。また、設定値に応じて出現率を異ならせて、たとえば設定1では出にくい、設定4ではそこそこ出る、設定6では出やすいなどのように、或る設定値の可能性が高い/低いを示唆することも可能である。
なお、設定示唆演出の現出率(実行確率)は、設定値に応じて適宜定めることができる。たとえば、設定値が相対的に低いほど設定示唆演出の出現率が低くなるように定めてもよい。また、設定示唆演出の演出態様には特に制限はなく、音演出、光演出、画像表示演出、可動体演出のうち、1または複数の演出を利用することができる。
また、設定示唆演出は、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング、たとえば、予告演出と複合的または単独的に現出させることができる。また、ゲーム中に限らず、大当り遊技中や、客待ち待機中に係る演出、具体的には、後述の「客待ち前演出(デモ開始待ち表示)」や「客待ち演出(デモ表示)」などにも現出させることができる。
また、設定値に応じて特定の予告演出の出現率を規定することにより、その予告演出自身を「設定示唆演出」として機能させることもできる。たとえば、1または複数の特定の予告演出について、その演出の出現率を設定値に応じて異ならせることにより、その予告演出自体を「設定示唆演出」として機能させることができる。たとえば、ハズレ時に特定のSPリーチが出現し易い場合は“高設定濃厚”、ハズレ時に疑似連3回(疑似変動3回+本変動)が出現し易い場合は“高設定濃厚”、特定のボタン操作演出が出現した場合は“設定6確定”示唆などである。また、先読み予告の演出を利用し、設定示唆演出専用の先読み予告態様を現出させることができる。たとえば、保留アイコンが高速点滅した場合は高設定濃厚、保留アイコンの1または全部が専用の保留アイコン(専用のキャラクタやアイテム画像)に変化した場合は“高設定濃厚”示唆などである。
<5-7.演出手段>
遊技機1における各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であればよく、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者に振動を与える振動装置(たとえば、発射操作ハンドル15が震えるなど)、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物は、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置(画像表示手段)と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出(画像表示演出)を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<6.基本遊技形態:図6>
次に図6を用いて、パチンコ遊技機1における基本的な遊技形態(遊技性、各遊技状態の特徴、各遊技状態間の移行など)について説明しておく。図6に、遊技形態の概略を示す遊技フロー図を示す。
なお、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態に応じて変化する。具体的には、通常状態または微時短状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」(特図1側の抽選を受ける)が有利とされ、時短状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」(特図2側の抽選を受ける)が有利とされる。以下では、遊技者が遊技状態に応じた有利な打ち方に従う(遊技者自身が不利になるような打ち方はしない)ものとして説明し、左打ち有利(通常状態、微時短状態)の場合には“特図1側の図柄変動表示ゲーム1”が実行され、右打ち有利(確変状態、時短状態)の場合には“特図2側の図柄変動表示ゲーム2”が実行されるものとして説明する。
(内部遊技状態種別(YJ種別)、遊技モード種別(Tcode種別))
本発明の理解を容易なものとするために、先ず、遊技状態種別の概要を説明しておく。
本実施形態では、主として、「当り遊技(特別遊技状態)」、「通常状態(YJ=00H)」、「微時短状態(YJ=01H)」、「時短状態(YJ=02H)」下にて遊技が制御される。これらの遊技状態(当り遊技を除く)は、図6および図25に示すように、変動パターン振分指定番号Tcodeを用いて区分される複数の遊技モードとして、天国モード、地獄モードA、地獄モードB、連荘モードA~Cなどが設けられている。具体的には、下記(遊1)~(遊3)の遊技モードが設けられている。
(遊1)「天国モード(Tcode=00H)」
天国モードは、内部遊技状態が「通常状態」に係る遊技モードである。この天国モードは、遊技機の出荷時やRAMクリア操作(RAMクリアスイッチ98によるRAMクリア。設定変更機能を有する遊技機の場合は、設定変更操作によるRAMクリアを含む:後述の図8Bの領域内RAMクリア処理(ステップS030)が実行される処理ルート参照)が実行された場合に開始される初期の遊技モード(デフォルトの遊技モード)となっている。本実施形態では、通常状態(天国モード)中において特殊時短が当選した場合、その当選が許容(特殊時短の当選が有効扱い)されるようになっている(図4Cの備考1参照)。
天国モード(通常状態)中における特殊時短の当選確率は「約1/10」と高確率ではあるが、特殊時短種別のうち、特殊時短Aまたは特殊時短Bに当選した場合は、後述の地獄モードAまたは地獄モードB(微時短Aまたは微時短B)に移行されてしまい、特殊時短の発動不可の遊技状態に移行されてしまう(図6中のラインL1、図4C参照)。
一方、特殊時短Cに当選した場合は、後述の連荘モードC(時短C)に移行され、遊技者にとり有利な利益状態に移行される(図6中のラインL4、図4C参照)。なお、天国モード中に大当りA~Cに当選した場合には、その大当り遊技後に、再度、天国モードに移行されるようになっている(図6中のラインL8およびL9、「当り」の囲み枠、図4A参照)。
(遊2)「地獄モードA、B(Tcode=01H)」
地獄モードは、内部遊技状態が「微時短状態」に係る遊技モードである。この地獄モードには、複数の遊技モードが含まれ、本実施形態では、微時短A(微時短回数150回)に係る「地獄モードA」と、微時短B(微時短回数250回)に係る「地獄モードB」といった2種類の地獄モードがある。ただし本実施形態では、「地獄モードA」と「地獄モードB」とは微時短回数に違いがあるものの、同じ変動パターン振分指定番号Tcode「01H」で管理し、同一の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている(図6の地獄モードの囲み枠、図27の備考3参照)。したがってたとえば、地獄モードA滞在中に変動中演出を観察しても、現在、地獄モードAであるか地獄モードBであるかの判別が不可能なものとされる。
なお「地獄モードA」と「地獄モードB」とで異なる変動パターン振分指定番号Tcodeとしてもよい。この場合、少なくとも一部が異なる変動パターン振分テーブルを選択可能に構成することが好ましい(図27の備考5参照)。ここでいう「少なくとも一部が異なる変動パターン振分テーブル」とは、遊技者が頻繁に遭遇する「ハズレ」に係るハズレ変動パターン振分テーブルについて、少なくとも一部が異なる(図27の場合、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH8」「FH2」~「FH6」の一部が異なる)ことを意味するが、当り変動パターン振分テーブルおよびハズレ変動パターン振分テーブルの少なくとも一部が異なるように構成してもよい。
この地獄モード(微時短)には、主に、天国モード(通常)にて、特殊時短Aまたは特殊時短Bに当選した場合に移行される(図6中のラインL1、図4C参照)。また地獄モードは、遊技進行中、最も長く滞在しうる遊技モードであり、特殊時短に当選してもその発動が禁止(制限)され、また大当り(特図1側の大当りA、B)に当選しても地獄モードに再移行される(図6中のラインL10およびL11、「当り」の囲み枠、図4C参照)。つまり、地獄モード滞在中は、基本的には、後述の連荘モード(時短状態)に移行されないといった具合に、遊技者にとり最も不利な遊技状態として作用するようになっている。
したがって、地獄モード(微時短)が終了して天国モード(通常)に移行し(微時短回数消化による微時短状態終了→通常状態に移行)、その天国モード中に特殊時短Cに当選して、後述の連荘モード(時短状態)に移行させることが、遊技者が自己の利益を増やすための王道ルートとなる(図6中のラインL2およびL4参照)。
なお、地獄モードB(微時短回数250回)は、地獄モードA(微時短回数150回)よりも微時短回数が多い分(微時短状態が長期間である分)、有利度が相対的に低い遊技状態であるといえる。すなわち、微時短状態は、その微時短回数が多いほど、遊技者にとって不利に作用することになる。この点、時短回数が多くなるほど遊技者にとって有利に作用する遊技状態とは性質が異なる(時短状態とは、逆の性質を持つ)。
(遊3)「連荘モードA~C(Tcode=02H、03H、04H)」
連荘モードは、内部遊技状態が「時短状態」に係る遊技モードである。この連荘モードには、複数の遊技モードが含まれ、本実施形態では、時短A(時短回数7回)に係る「連荘モードA」と、時短B(時短回数100回)に係る「連荘モードB」と、時短C(時短回数1回)に係る「連荘モードC」の3種類の連荘モードがある。
「連荘モード」は時短状態に係る遊技モードであり、電チューサポート機能が付与され、特図2側の大当り抽選を積極的に受けられる遊技状態となる。このため、小当りへの当選が高確率(本実施形態では、小当り当選確率=1/7)で見込めるようになっている。すなわち、V当りを高確率で獲得するチャンスが生まれ、時短状態とV当りとを繰り返しループする連荘状態(短期間で大量の賞球を獲得しうる状態)に突入させることが可能になる(図6中のラインL6およびL7、「時短モード」および「当り」の囲み枠、図4C参照)。
本実施形態の場合、連荘モードA~Cに応じて小当り当選チャンスが高くなる。換言すれば、時短回数に応じてV当り獲得チャンスが高くなる。具体的には、小当り当選については、時短B(時短回数100回)であれば、その時短状態中においてほぼ100%で(次回、V当りがほぼ100%保障される)、時短A(時短回数7回)であれば約66%で、時短C(時短回数1回)であれば約14%で、小当りに当選し、V獲得チャンスが生まれる。したがって、「時短B」が時短状態の中でも最高の有利度を誇る時短状態として作用する。
ただし本実施形態では、時短状態終了となる最終回転目において約60秒の長変動パターン(たとえば、図28の「時短中煽り変動」、「時短最終変動」参照)が選択されるようになっており、その変動中に、遊技者が右打ちを続ける限り、特図2作動保留球数を最大保留球の4個まで保留可能な十分の時間幅が確保されている。つまり、時短状態が終了される前に、特図2作動保留球数を最大保留球数の4個まで保留可能となる。以下、このように保留された特図2作動保留球を「特図2残保留」とも称する。
そして、特図2残保留が4個の状態で時短状態が終了すると、通常状態に移行されることになるが、本実施形態では、通常状態中において特図2側の大当り抽選により小当りが当選しV当り(V入賞)を獲得した場合には、連荘モードBの時短B(時短回数100回)に移行され、実質的に次回のV当りが保障される(図4B参照)。
したがって、時短A~Cのいずれかに移行した場合には、実際には「時短回数+特図2残保留4個」に相当する回数分、特図2側の大当り抽選を受けて、V当りへのチャンスが得られるようになっている。具体的には、小当り当選チャンスに関し、時短B(時短回数100回+残保留4回=特図2抽選104回)であればほぼ100%で、時短A(時短回数7回+残保留4回=特図2抽選11回)であれば約82%で、時短C(時短回数1回+残保留4回=特図2抽選5回)であれば約54%で、小当りに当選、つまりV当りを獲得しうる。したがって、初当りにてV当りを獲得して、連荘モードC(時短C)に移行し、その時短C中に、再度V当りを獲得した場合には、連荘モードB(時短B)または連荘モードA(時短A)に移行されるので、高確率で時短状態とV当りとを繰り返しループする連荘状態が発生しうる。
以上に述べたように、如何にして連荘モード(時短状態)に移行させるかが、遊技の醍醐味となるが、連荘モードに移行させるには、天国モード(通常状態)中に特殊時短Cに当選することが必要である(図6中のラインL4)。しかし遊技進行上、天国モード中は、専ら特図1側の抽選を受け続ける状況下にあり(左打ち有利な状況)、特図1側の抽選種別のうち、時短状態に移行可能な当選種別は「特殊時短C」に限られ、特殊時短A、Bのいずれかに当選してしまうと、遊技者にとって不利な「地獄モード(微時短)」に転落移行される。そして、一旦、地獄モードに転落してしまうと、特殊時短の発動が禁止され、比較的長い遊技期間、遊技者は不利な状態下での遊技を強いられることになる。
(モーニング機能)
そこで本実施形態では、遊技者に対して、特別に有利な遊技状態を付与すべく、上記RAMクリア操作によって、遊技状態をデフォルトの通常状態(天国モード)に強制的に移行、つまり、特殊時短当選許容状態(特殊時短発動許容状態)に強制的に移行させ、特殊時短Cへの当選チャンスを付与することを可能にしている(図6中のラインM1(モーニング機能)参照)。
RAMクリア操作自体は、基本的には、パチンコホール(遊技店)の営業戦略(たとえば、前日の遊技状態を引き継がせたくないケースや、設定変更をしたいケースなど)に基づき、本日の営業が開始される前にホール店員により適宜行われる操作であるが、本実施形態の場合は、RAMクリアによってデフォルトの遊技状態(通常状態(天国モード))に戻すことで、遊技者に有利な遊技状態を強制的に作り出すことができる点に特徴がある。
RAMクリア操作が、本日の営業が開始される前、換言すれば「朝一番(朝イチ)の特典付与」として機能しうることから、RAMクリア操作後の天国モード(通常)を、本明細書中では「モーニング機能」または「モーニング状態」と称する。なお、営業中にRAMクリア操作を行うケースとしては、たとえば、RAMクリアをしなければ解除不能な特定のエラーが発生した場合や、遊技者が何らかの事情により時短状態や大当り遊技を消化せずに遊技をやめてしまった場合にその状態をリセットするなどのケースがあるが、ここでは「朝一番(朝イチ)の特典付与」として機能させるケース(本日の営業開始前にRAMクリアするケース)を代表例にとり説明する。
(モーニング状態の秘匿化)
ところで、「朝一番(朝イチ)の特典付与」として機能させる場合は、RAMクリアがなされた事実を遊技者に対して報知せずに、モーニング状態が実効化されたことを秘匿することが好ましい(モーニング非報知形態)。モーニング状態を公開(たとえば、演出などによりモーニング状態を報知)してしまうと、下記(モ1)、(モ2)のような問題が生じうるためである。なお、上述の「その事実を遊技者に対して報知せず」とは、演出的および/または役物動作的に、モーニング状態を遊技者から秘匿可能にする(判別困難または判別不可能とする)という意味であり、たとえば、外部装置に対して送信されるRAMクリア信号など、不正防止のための外端信号(セキュリティ信号)による外部報知は除くことができる。
(モ1)地獄モードに転落移行したこと、地獄モードに滞在していること、などが早々に分かってしまい、遊技機の稼働率低下を招いてしまう。
たとえば、数十回転ほど遊技して、地獄モード転落を推測できた時点で遊技をやめてしまう、またはモーニング状態でなければ遊技自体しない恐れがあるなど、遊技機の稼働率を低下させてしまうといった問題が生じうる。そのため、モーニング状態を秘匿化することが好ましいといえる。
(モ2)無闇に遊技者の射幸心を煽り、遊技者同士が遊技台の取り合いなどの客同士のトラブルが生じうる。
そこで、モーニング状態を秘匿化すれば、無闇に遊技者の射幸心を煽ることを防止し、遊技者同士が遊技台の取り合い等の問題を防止しうる。
このように、モーニング状態を秘匿化することにより、上記のような問題を解決(防止)することができる。
(モーニング状態の秘匿化手法)
モーニング状態であるか否かを秘匿するためには、「天国モード(通常)」であることを秘匿化する必要がある。たとえば、天国モード(通常)と地獄モード(微時短)とで、略同一または同一の演出モードとし、演出上から、滞在中の遊技モードを判別困難または実質的に不可能とすることが考えられる。その手法の一つとして、天国モード(通常)に係る「通常演出モード」と、地獄モード(微時短)に係る演出モードとして、通常演出モードと略同一または同一の演出をなす「微時短演出モード(微時短秘匿演出モード)」とを制御可能に構成する。既に説明したように、遊技進行は、主に、天国モード(通常)と地獄モード(微時短)を行き来し、天国モードで特殊時短Cに当選して、連荘モード(時短状態)に移行させることが、利益を増やす王道ルートとなるからである。
しかし演出的に秘匿したとしても、機械的な役物の動作状態(可動翼片47の作動状態など)を注視することにより、滞在中の遊技モードが容易に看破されてしまう恐れがある。仮に、微時短状態を電サポ有り状態に係る遊技状態としてしまうと、普通変動入賞装置41の可動翼片47が頻繁に作動してしまうことから、現在、微時短中であることが容易に看破されてしまう。
そこで本実施形態では、微時短状態については、役物動作(ここでは、普通変動入賞装置41における可動翼片47の作動状態)が通常状態と略同一に振る舞う遊技状態としている。具体的には、微時短状態は“時短状態”に属する遊技状態であるが、本実施形態に係る微時短状態は、通常状態と同じ電サポ無し状態であるか、仮に電サポ有り状態であっても実質的に電サポが滅多に作動しない遊技状態となっている。また、普図の変動時間も通常状態と同一または略同一(図4D参照)であることから、普通図柄表示装置39aの普図の変動表示動作を注視してもその違いの判別は実質的に不可能である。
また本実施形態では、さらに秘匿化を強力なものとするべく、遊技者が多く遭遇するハズレ当選に着目し、少なくともハズレ演出(ハズレ時の変動中演出)ついては、天国モード(通常)と地獄モード(微時短)とで、同一または略同一の演出態様としている。具体的には、天国モードに係るハズレ変動パターン振分テーブルと、地獄モードに係るハズレ変動パターン振分テーブルとを略同一の構成とし、共通の変動パターンが選択されるようになっている(後述の図26、図27参照)。すなわち、天国モード(通常)と地獄モード(微時短)とで、同一または略同一の変動中演出が現出可能となっている。
天国モード(通常)であるか地獄モード(微時短)であるかを判別困難または不可能なものとすれば、遊技者が遊技に興じる上で、「もし、今が天国モード中であれば、連荘モード移行のチャンスがある!!!」(有利状態移行期待感)、「まだ天国モードかも知れないから、もう少し粘ってみよう・・・」(有利状態滞在期待感)などの期待感を与えることができる、遊技の面白みを向上させ、また遊技機の稼働率を向上させる上で好適である。
(準秘匿化)
なお、必ずしも天国モード(通常)または地獄モード(微時短)を秘匿化しなくてもよい。たとえば、変動中演出として、現在の遊技状態を示唆しうる「遊技状態示唆演出」を現出可能に構成してもよい。遊技者に現在の遊技状態の推測要素を与えることが、遊技の面白みの一つになり得るからである。上記「遊技状態示唆演出」は、現在の内部遊技状態を示唆する演出態様(内部遊技状態示唆演出)であってもよいし、現在の遊技モードを示唆する演出態様(遊技モード示唆演出)であってもよい。
上記「内部遊技状態示唆演出」としては、たとえば、微時短中である旨または通常中である旨を示唆(報知)する演出(微時短中示唆演出、通常中示唆演出)や、特定の内部遊技状態中(たとえば、通常状態中)に限り出現しうる演出、つまり、その演出が出現した時点で、現在の内部遊技状態が確定的に報知される告知演出(内部遊技状態告知演出)などがある。
また上記「遊技モード示唆演出」としては、たとえば、天国モード、地獄モードA、地獄モードBのいずれかの遊技モードであるかを示唆可能な演出(特定遊技モード示唆演出)や、特定の遊技モード中(たとえば、天国モード中)に限り出現しうる演出、つまり、その演出が出現した時点で、現在の遊技モードが確定的に報知される告知演出(遊技モード告知演出)などがある。
また、内部遊技状態示唆演出や遊技モード示唆演出について、「真(本物)の示唆演出」と、「偽(ガセ)の示唆演出」を実行可能に構成してもよい。たとえば、天国モード中において示唆演出を現出する場合、天国示唆演出(本物)が高確率(たとえば、60%)で現出し、通常示唆演出(ガセ)が低確率(たとえば40%)で現出する、などである。
(モーニング状態の非秘匿化手法)
上記では、モーニング状態の秘匿化する構成を中心に説明したが、モーニング状態を秘匿しない構成(モーニング報知形態)としてもよい。つまり、朝一の挙動としてのモーニング状態を遊技者に報知可能に構成してもよい。機種の遊技性などにより、モーニング状態を報知することが好ましい場合もあるからである。
モーニング状態を報知する手法としては、たとえば、上記のような遊技状態示唆演出によって、モーニング状態(通常状態)であるか否かを報知することも可能である。しかし、遊技状態示唆演出は、変動中演出に属する演出であるために、ゲーム実行が条件とされ、またその出現率が低確率に定められている場合には、モーニング状態を適切に報知することが難しい。そこで、RAMクリア後に実行される「客待ち待機中に係る演出(以下「客待ち待機用演出」とも称する)」を利用して、モーニング状態を報知可能に構成することが好ましいといえる。
本例(モーニング報知形態)の理解を容易なものとするために、先ず、RAMクリアによる客待ち待機用演出(以下「RAMクリア後の客待ち待機用演出」と称する)と、バックアップ復帰(RAMクリア操作をせずに電源を投入した場合)による客待ち待機用演出(以下「バックアップ復帰後の客待ち待機用演出」と称する)について説明しておく。
(RAMクリア後の客待ち待機用演出について)
まず、RAMクリア後の客待ち待機用演出について説明する。本実施形態では、RAMクリア操作を行った場合、遊技状態や演出モードや作動保留球数などは、すべてデフォルト状態(初期状態)となり、まずRAMクリアに対応したエラー報知(RAMクリア報知演出)が所定時間(たとえば、10秒)実行された後、客待ち待機用演出が実行される。本実施形態の場合、RAMクリアされた場合は、デフォルト状態として、内部遊技状態が通常状態、遊技モードが天国モード、演出モードが通常演出モードに設定される。
詳しくは、RAMクリアされた場合は、まず、上記RAMクリア報知演出が所定時間実行された後、「客待ち前演出(デモ開始前表示)」(第1客待ち待機用演出)が実行される。そして、この客待ち前演出中に、作動保留球が発生することなく、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定の待機時間(たとえば、180秒)が経過した場合は、「客待ち演出(デモ表示)」(第2客待ち待機用演出)が実行される。このRAMクリア後の上記「客待ち前演出(デモ開始前表示)」では、たとえば、液晶表示装置36に、通常演出モードに係る背景表示(背景演出)と、所定の装飾停止図柄(たとえば、RAMクリア時用の「731」)などが表示される。また、上記「客待ち演出(デモ表示)」では、液晶表示装置36に所定のアニメーション動画(デモムービー)が表示される。このデモムービー中は、遊技機に関する情報として、たとえば、遊技説明、機種名、版権名、会社名に関する情報の他、めり込み防止に関する注意喚起情報なども表示されうる。
(バックアップ復帰後の客待ち待機用演出について)
次に、バックアップ復帰後の客待ち待機用演出について説明する。なお、バックアップされた内容が、ゲーム実行中や大当り遊技中などである場合は、その遊技状況から復帰するが、ここでは、バックアップされた内容が、ゲーム実行中や大当り遊技中などでは無く、かつ作動保留球が存在しないケース、すなわち、バックアップ復帰後、直ちに、客待ち待機用演出が実行されるケースを中心に説明する。
バックアップ復帰後の客待ち待機用演出については、RAMクリア報知演出が実行されない以外は、基本的には、上述のRAMクリアされた場合と同じである。バックアップ復帰後も、客待ち前演出(デモ開始前表示)が実行され、その客待ち前演出中に、作動保留球が発生することなく、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定の待機時間が経過した場合は、客待ち演出(デモ表示)が実行されるようになっている。また、バックアップ復帰後の客待ち前演出については、電断時の遊技状態の演出モードに係る背景表示(背景演出)と、RAMクリア時と同じ所定の装飾停止図柄(たとえば、「731」)が表示されるようになっている。
なお、異なる遊技状態または異なる演出モードであっても、少なくとも客待ち待機用演出が実質的同一のケース(同一(共通)または略同一のケース)の場合、客待ち待機用演出を見ても、いずれの遊技状態であるか判別困難状態(判別困難または判別不能)、つまり、モーニング状態も判別困難状態となる。たとえば、通常演出モードと微時短演出モードとにおいて、演出モードに係る背景表示や客待ち待機用演出を共通の演出をなす演出モードとして機能させる場合、バックアップ復帰後の遊技状態が通常状態または微時短状態の場合と、RAMクリアによりデフォルト状態の通常状態とされる場合とで、いずれの遊技状態であるか判別できず、モーニング状態も判別できない。そこで、モーニング状態を判別可能に報知する手法としては、次に述べる構成とすることが好適である。以下、詳述する。
本実施形態の客待ち待機用演出には、上述のように「客待ち前演出」と「客待ち演出」が含まれるが、モーニング状態を報知する際には、これら演出の少なくとも一方の演出を利用して、モーニング状態を報知(示唆)することが可能である。具体的には、「RAMクリア後の客待ち待機用演出(デフォルト状態に係る客待ち待機用演出)」と、「バックアップ復帰後の客待ち待機用演出(バックアップ復帰に係る客待ち待機用演出)」とを、異なる演出態様とし、これにより、バックアップ復帰された状態であるのか、それともRAMクリアされた状態であるのかを演出的に報知することが可能である。
上記の「RAMクリア後の客待ち待機用演出」と「バックアップ復帰後の客待ち待機用演出」を異なる演出とする場合は、たとえば、次に述べる(コ1)~(コ9)のような形態を採用することができる。
(コ1)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち待機用演出における装飾停止図柄(本実施形態の場合は、客待ち前演出における装飾停止図柄)が異なる。たとえば、RAMクリア後の場合は「731(第1装飾停止図柄)」を表示し、バックアップ復帰後は「732(第1装飾停止図柄とは異なる第2装飾停止図柄)」を表示する。電源投入後の客待ち待機用演出の装飾停止図柄の違いにより、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。ただし本形態の場合、電源投入後に、1ゲームでも実行されてしまうと、最早、モーニング状態の判別が不能となりうる。たとえば、1ゲーム目終了後、作動保留球数が0の場合、そのゲーム終了後には、客待ち前演出が実行されることになるが、この場合、当該1ゲーム目の結果である装飾停止図柄が、客待ち前演出における装飾停止図柄として表示されてしまうからである(後述の図12のステップS402のYESの処理ルート(ステップS417~S419)参照)。この点で、本形態は「1ゲーム限りの特典(RAMクリア後の1ゲーム限りの特典)」として機能させることができる。
(コ2)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち待機用演出における背景表示(本実施形態の場合は、客待ち前演出における背景表示)が異なる。たとえば、バックアップ復帰後の場合は第1背景演出(通常背景演出)を現出し、RAMクリア後の場合は当該第1背景演出とは異なる第2背景演出(特別背景演出)を現出する。電源投入後の客待ち待機用演出の背景演出の違いにより、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。一例として、遊技状態が通常状態または微時短状態でバックアップ復帰した場合には、通常背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示)を現出し、RAMクリア後の場合は、通常背景演出とは異なる特別背景演出(たとえば、富士山と桜の木の背景画像を表示)を現出する。なお、RAMクリア後の特別背景演出は、上述の(コ1)と同じく、電源投入後に1ゲームでも実行された場合には、特別背景演出ではなく通常背景演出を現出させてもよいし、複数ゲーム数にわたって特別背景演出を現出させてもよい。また、デフォルト状態の通常状態から他の遊技状態に移行された場合(特に、複数ゲーム数にわたって特別背景演出を現出可能としている場合)、特別背景演出ではなく通常背景演出を現出させてもよい。
(コ3)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち待機用演出(客待ち前演出および/または客待ち演出)における「遊技設定案内演出」の有無が異なる。この「遊技設定案内演出」とは、上記「遊技設定画面(メニュー画面)」が表示可能である旨(遊技設定が可能である旨)の案内する演出表示などである。この遊技設定案内演出の有無またはその演出態様を、RAMクリア後の場合とバックアップ復帰後とで異ならせる。たとえば、RAMクリア後の場合は遊技設定案内演出を表示し、バックアップ復帰後の場合は遊技設定案内演出を表示しないようにすることができる(前者と後者が逆のパターンでもよい)。遊技設定案内演出の有無の違いにより、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。
(コ4)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち待機用演出におけるデモ表示(本実施形態の場合は、客待ち演出(デモムービー))の内容が異なる。たとえば、デモ表示として、複数の演出表示(たとえば、版権名、機種名、会社名、遊技説明、のめり込み防止、特定のキャラクタ、特定のオブジェクトなど)を含むデモムービーが流れる場合、少なくとも1つの特定演出の有無や、少なくとも1つの特定演出態様(表示色やフォントや模様など)を異ならせる。一例としては、RAMクリア後の場合は「会社名」を表示するが、バックアップ復帰後の場合は「会社名」を表示しない(前者(RAMクリア後の場合)と後者(バックアップ復帰後の場合)が逆のパターンでもよい)。またたとえば、RAMクリア後のデモ表示の場合はのめり込み防止表示(特定表示の一つ)の文字色が赤色であるが、バックアップ復帰後のデモ表示の場合は文字色を青色にする、などである。斯様なデモ表示内容の違いにより、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。
(コ5)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち待機用演出の演出時間(演出尺)が異なる。たとえば、客待ち前演出時間および/または客待ち演出時間の長短の関係について、「通常状態(RAMクリア時)<微時短状態(バックアップ復帰時)」または「通常状態(RAMクリア時)>微時短状態(バックアップ復帰時)」とすることができる。演出時間に注目することにより、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。
(コ6)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち前演出または客待ち演出の有無が異なる。たとえば、RAMクリアの場合は客待ち前演出を実行しないが、バックアップ復帰の場合は客待ち前演出を実行するようにする(前者と後者が逆のパターンでもよい)。またたとえば、RAMクリアの場合は客待ち演出(デモムービー)を実行しないが、バックアップ復帰の場合は客待ち演出を実行する(前者と後者が逆のパターンでもよい)。客待ち前演出または客待ち演出の有無の違いにより、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。
(コ7)RAMクリアの場合とバックアップ復帰の場合とで、客待ち待機用演出(客待ち前演出および/または客待ち演出)における特定演出の有無が異なる。たとえば、RAMクリアの場合は特定のキャラクタが出現するが、バックアップ復帰の場合は特定のキャラクタが出現しない(前者と後者が逆のパターンでもよい)。斯様な特定演出の有無により、遊技者は、モーニング状態であるか否かを判断することができる。なお、この特定演出は、モーニング状態を示唆(報知)する「モーニング示唆演出」として機能させることができる。
(コ8)上述の(コ1)~(コ7)の少なくとも1つの形態を採用することができる。
(コ9)なお、「モーニング状態の報知」を朝一番の特典として機能させる場合、無闇に長期間、モーニング状態を報知することは好ましくない。そこで、モーニング状態の報知可能期間を、次の(コ8-1)または(コ8-2)のように定めることが好ましい。
(コ9-1)電源投入後の所定ゲーム数(たとえば、1または複数ゲーム)が実行されるまで、モーニング状態を報知可能とする。なお、通常状態(モーニング状態)から他の遊技状態に移行された場合(特殊時短や大当りに当選して、微時短状態や時短状態に移行された場合)は、モーニング状態が喪失するので、この場合は、モーニング状態の報知を終了させる。
(コ9-2)電源投入後、特定の当選種別に当選した場合(たとえば、特殊時短または大当り)に当選した場合、モーニング状態の報知を終了させる。なお、特定の当選種別(たとえば、大当りA~C)に当選して、再度、通常状態に移行された場合は、モーニング状態を報知可能としてもよい。
なお、バックアップ時の遊技状態と、デフォルトの遊技状態(RAMクリア時の遊技状態)が同じ場合には、バックアップ復帰後の遊技状態がモーニング状態と同じ遊技状態で復帰する。この場合は、双方で共通の客待ち待機用演出としてもよい。しかし、あえてRAMクリアされたことを報知するために、バックアップ復帰時には、RAMクリア時とは異なる客待ち待機用演出(上述の(コ1)~(コ8))を実行可能に構成してもよい。
(天井機能)
また本実施形態では、大きなハマりに遭遇した遊技者を救済するための救済機能として、天井機能が設けられている。具体的には、大当り抽選確率が低確率状態下において、所定ゲーム数(天井ゲーム数)連続して条件装置が作動しなかった場合(天井特典付与条件の成立)、天井機能が発動し、天井到達による特典(天井特典)が付与される。なお「条件装置が作動しなかった場合」とは、「大当りに当選して条件装置が作動することなく」または「V入賞して条件装置が作動することなく」の意であり、換言すれば、ハズレ当選または特殊時短当選を意味する。したがって、天井特典発動の条件は、基本的には、所定ゲーム数連続してハズレに当選し続けた場合(ハマり続けた場合)となるが、天井ゲームで特殊時短に当選した場合や小当りに当選した場合についての詳細は後述する。
本実施形態の天井ゲーム数は「751回転」であり、また天井特典は「時短C(時短回数1回)」の付与となっている。この天井機能による時短状態を「天井時短」とも称する。この天井時短は、特殊時短による時短状態と同じく、当り状態を経由することなく付与される特定状態の一態様である。なお本実施形態では、天井ゲーム終了後に天井特典を付与(天井ゲーム終了を契機(天井ゲーム終了後)に天井特典を付与)するが、天井ゲームの次ゲーム(752回転目)に天井特典を付与(次ゲーム開始を契機(次ゲーム開始時)に天井特典を付与)してもよい。また、天井特典は「時短C」を付与すると説明したが、時短A(時短回数7回)または時短B(時短回数100回)であってもよい。
(仮天井機能:図7)
ところで、本実施形態に係る微時短状態は、あらかじめ定められた微時短回数を消化した場合に、通常状態に移行されるようになっている(図6中のラインL2参照)。したがって、一旦、微時短状態に移行されたとしても、その微時短回数を消化すれば、通常状態に移行して、特殊時短Cの当選チャンスが巡ってくることになる。つまり、微時短状態ヲ利用し、「不利な遊技状態を所定ゲーム数消化すると有利な遊技状態に移行される」といった上記「天井機能」と同じような遊技性を作り出すことができる。これについて、図7を用いて詳述する。
図7(イ)~(ロ)は、遊技開始時が天国モード(通常)である場合において、地獄モード(微時短)を経由して、連荘モード(時短)への移行ルートを例示したものである。ここでは、一例として、モーニング状態(天国モード)から遊技が開始されたものとして説明する。
(仮天井経由パターン1)
まず図7(イ)を参照して、この例(仮天井経由パターン1)は、天国モード中に特殊時短Aに当選して地獄モードA(微時短A)に移行後、微時短回数150回消化するまでハズレに当選し続けて、地獄モードA(微時短A、微時短回数150回)が終了し、再度、天国モードに移行され、この天国モードにおいて特殊時短Cに当選して、連荘モード(時短C)に移行された例である。
(仮天井経由パターン2)
次に図7(ロ)を参照して、この例(仮天井経由パターン2)は、天国モード中に特殊時短Bに当選して地獄モードB(微時短B)に移行後、微時短回数250回消化するまでハズレに当選し続けて、地獄モードB(微時短B、微時短回数250回)が終了し、再度、天国モードに移行され、この天国モードにおいて特殊時短Cに当選して、連荘モード(時短C)に移行された例である。
(特殊時短C直撃パターン)
次に図7(ハ)を参照して、この例は、上記「モーニング状態」から遊技が開始されたケースを想定したものであり、朝一の天国モード中に、そのまま特殊時短Cに当選して、連荘モード(時短C)に移行された例を示している。
上記した図7(イ)、(ロ)のいずれも、移行先の微時短状態(地獄モードA、B)に係る微時短回数が終了すると通常状態(天国モード)に移行されて、特殊時短の発動許容状態下に突入することから、「微時短回数」が上記天井ゲーム数と同じような役割を果たすことになる。この点で、「微時短回数」は「疑似的な天井ゲーム数(仮天井ゲーム数)」として機能するものといえる。
また、地獄モードを複数回経由するケース、たとえば、「地獄モードA(時短A)移行→(微時短回数150回消化)→天国モードに移行→(特殊時短Aに当選)→地獄モードA移行→(再度、微時短回数150回消化)→天国モード移行→(特殊時短Cに当選)→連荘モードC(時短C)に移行」という遊技ルートを辿った場合には、地獄モードAの微時短回数150回を消化する毎に仮天井ゲーム数に到達する。すなわち、周期的に特典が付与される(ここで、有利状態となる天国モード移行付与)といった「周期的な天井機能」を作り出すことができる。このように、本実施形態に係る微時短状態は、疑似的な天井機能を付与するといった遊技性を創出する上での特殊な遊技状態であり、斯様な遊技状態を設ける点に、本実施形態の斬新性がある。
なお、微時短回数消化に係る仮天井ゲーム数に到達したゲーム数が、天井機能に係る天井ゲーム数の751回転目である場合、天井特典である時短状態(時短C)が優先的に発動するようになっている。751回転目が仮天井ゲーム数である場合は、単に、通常状態(天国モード)に移行されるだけであり、当該ゲームで天井特典付与条件が満たされるからである。
<主制御部側の処理:図8A~図22>
次に図8A~図22を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、無限ループ状のメイン処理(主制御側メイン処理:図8Aおよび図8B)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図9)とを中心的に構成される。
<8.主制御側メイン処理:図8Aおよび図8B>
図8Aおよび図8Bを参照して、主制御部20側のメイン処理(主制御側メイン処理)について説明する。図8Aおよび図8Bは、主制御側メイン処理の詳細を示すフローチャートである。
主制御側メイン処理の開始契機には、停電状態や電源異常などからの復旧時におけるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことにより、ウォッチドッグタイマ(WDT)機能が発揮されてCPUが強制的にリセット(WDTリセット)された場合などがある。いずれの場合でも、主制御側メイン処理が開始されると、主制御部20(CPU201)は、まず、電源投入時処理の一環として、遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。
初期設定処理には、たとえば、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期化処理、電動役物に係るソレノイドポートを含む各種ポートやLED出力カウンタ等のクリア処理、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定する割込みモード設定処理、割込み優先順位の設定処理、乱数回路(内部ハード乱数回路)を起動させる内部ハード乱数設定処理、周辺基板(演出制御部24や払出制御基板29)の起動待ち処理、電源投入時コマンド(BA08H)の送信などが含まれる。なお、演出制御部24が上記「電源投入時コマンド」を受けると、たとえば液晶表示装置36には「Please Wait」等の電源投入時演出を実行する。
上記初期設定処理(ステップS010)を終えると、次いで、入力ポート取得処理を実行する(ステップS011)。この入力ポート取得処理では、後述の設定変更移行モード、RAMクリアモード、設定確認モード、バックアップ復帰モードなどのいずれのモードに移行するか否かを判定するために要するスイッチ類のON/OFF信号(ON/OFF状態)が取得される。詳細は後述するが、本実施形態の場合、設定キースイッチ94、扉開放センサ61およびRAMクリアスイッチ98の三者のON/OFF信号に基づいて、移行先の処理を決定するようになっている。入力ポート1(P_INPT1)の第0~7ビットに対応する入力信号は、図示の通りであり、設定キースイッチ94(設定キースイッチ信号)のON/OFF信号は第0ビット、扉開放センサ61(扉開放信号)のON(開放状態)/OFF(閉鎖状態)信号は第5ビット、RAMクリアスイッチ98のON/OFF信号は第6ビットに入力される。
入力ポート取得処理(ステップS011)を終えると、続いて、ステップS14以降の処理を実行していく。本実施形態では、上記入力ポート取得処理(ステップS011)で取得した設定キースイッチ94、扉開放センサ61およびRAMクリアスイッチ98の三者のON/OFF状態に基づいて、処理状態を下記の処理モードに移行させるようになっている。
(1)設定変更処理(ステップS023)および領域内RAMクリア処理(ステップS030)の実行を含む「設定変更モード」。
(2)設定変更処理(ステップS023)を実行することなく、領域内RAMクリア処理(ステップS030)の実行を含む「RAMクリアモード」、
(3)設定確認処理(S027)およびバックアップ復帰処理(S028)の実行を含む「設定確認モード」、
(4)設定確認処理(S027)を実行することなくバックアップ復帰処理(S028)を実行する「バックアップ復帰モード」。
(5)RAMの内容に不具合が生じた場合に、「電源再投入待ち処理(S020)」を実行する「RAMエラーモード」。
これら処理モードのうち、「RAMエラーモード」を除く4種類のモードについては、設定キースイッチ94のON/OFF状態、扉開放センサ61のON/OFF状態(開放/閉鎖状態)、RAMクリアスイッチ98のON/OFF状態の組合せに応じて移行され
本実施形態では、RAMクリアスイッチ98と設定キースイッチ94とが共にONの場合には原則として「設定変更モード」が選択され、RAMクリアスイッチ98がON、設定キースイッチ94がOFFの場合には「RAMクリア」が選択されるが、設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98とが共にONであっても、扉閉鎖(扉開放センサ61がOFF)の場合には「設定変更モード」ではなく「RAMクリアモード」が選択されるようになっている。また同様に、RAMクリアスイッチ98がOFF、設定キースイッチ94がONの場合には原則として「設定確認モード」が選択され、RAMクリアスイッチ98と設定キースイッチ94とが共にOFFの場合には「バックアップ復帰モード」が選択されるが、RAMクリアスイッチ98がOFF、設定キースイッチ94がONであっても、扉閉鎖の場合には「設定確認モード」ではなく「バックアップ復帰モード」が選択されるようになっている。
このように本実施形態では、扉閉鎖にもかかわらずRAMクリアスイッチ98や設定キースイッチ94がONであるという状況は不正行為が疑われることから、設定変更機能に関する「設定変更モード」と「設定確認モード」とについては扉開放を条件とし、扉閉鎖の場合には、設定変更処理(S023)を実行しない「RAMクリアモード」、設定確認処理(S027)を実行しない「バックアップ復帰モード」、を選択するようになっている。
また、設定変更機能に関係しない「RAMクリアモード」、「バックアップ復帰モード」については、RAMクリアスイッチ98および設定キースイッチ94のON/OFF状態のみを条件とし、扉開放センサ61のON/OFF状態は条件としていない。なお、本実施形態では、設定変更機能に関する「設定変更モード」と「設定確認モード」とについては扉開放を条件としているが、本発明はこれに限らず、扉開放を条件しなくてもよい。すなわち、扉開放センサ61のON/OFFの状態(扉開放/閉鎖状態)を判定対象としない、または扉開放センサ61を判定対象とするが、扉開放センサ61のON/OFF状態にかかわらず「設定変更モード」や「設定確認モード」に移行可能に構成してもよい。
図8Aの説明に戻り、ステップS011の初期設定処理を終えると、次いで、上記入力ポート取得処理により取得した信号状態に基づいて、設定値を変更可能な設定変更モード移行状態であるか否かを判定する(ステップS014)。本実施形態では、遊技機1への電源オフおよび扉開放(扉開放センサ61がON(開放状態))の状態において、設定キースイッチ94(設定変更モード側に操作)およびRAMクリアスイッチ98をON操作したまま(設定キースイッチ信号と、RAMクリア信号とが共にON)、遊技機1の電源を投入すると、設定変更モード移行条件を満たしたとして、設定値の変更操作が可能な設定変更許容状態(設定変更モード移行状態)に制御される。つまり、設定キースイッチ94(設定キースイッチ信号)、扉開放センサ61(扉開放信号)、およびRAMクリアスイッチ98(RAMクリア信号)の三者の入力状態がONの場合に、設定変更モード移行状態であると判定される。
設定変更モード移行状態である場合(ステップS014:YES)、設定値(1~6段階)の変更操作を管理する設定変更処理を実行する(ステップS023)。この設定変更処理では、まず、領域内RAMの設定値格納領域に格納されている設定値Nc(設定値データ)が異常値(設定1~6に対応する00H~05H以外の値)であるか否かを判定する。正常な遊技動作であれば、設定値格納領域には、設定1~6に対応して‘00H~05H(正常値)’のいずれかの設定値データ(設定値Nc)が格納されているはずである。しかし、何らかの不具合により設定値データが破損して、設定1~6のいずれにも対応しない値が設定されている場合もありうる(設定異常エラー)。そこで、設定値Ncが正常値でない場合には、設定値格納領域をゼロクリアして、初期値の00H(ここでは、設定1)に戻す。またここでは、バックアップフラグBFもクリアする。これは、設定変更処理中に電断が発生した場合に、次回電源投入時におけるS016の判定処理にて、バックアップ異常(バックアップフラグBF=00Hである)と判定されるようにし、設定変更処理が正常に終了していないと判定するためである。
なお、上記1段階設定タイプの場合も同様に、設定異常エラーか否かを判定することができる。具体的には、領域内RAMの設定値格納領域に格納されている設定値Ncが異常値、たとえば、設定1に対応する00H以外の値であるか否かを判定する。1段階設定タイプの場合は、設定が1つのため、設定値Ncが或る固定的な値(ここでは、設定1)に対応する値(00H)であるか否かを判定し、異常であれば(Nc≠00H)、初期値(ここでは、00H)に戻す。
初期値に戻した場合かまたは正常値である場合は、現在の設定値を設定表示器97に表示する。その後、設定変更スイッチ95のON/OFF操作を監視し、設定変更スイッチ95のON操作がある毎に、現在の設定値Ncを変更(更新)する。設定変更中(設定変更操作中)の設定値については、既に説明したように、設定変更スイッチ95を操作するごとに、設定1~6の範囲で循環式に切り替わり、設定表示器97に設定変更中における現在の設定値が表示されるようになっている。そして、設定キースイッチ94のOFF操作を確認した場合、設定値が確定されたとして、現在の設定値Nc(設定作業値)をRAM203の設定値格納領域に格納する。これにより、設定変更処理を抜ける。そして、処理状態を後述の領域内RAMクリア処理(ステップS030)に移行させる。
なお、設定変更スイッチ95を設けずに、RAMクリアスイッチ98を設定変更スイッチ95として機能させる構成としてもよい。RAMクリアスイッチ98を押下するごとに、設定1~6のいずれかの設定値を選択可能に構成することができる。
一方、設定変更モード移行状態でない場合(ステップS014:NO)、RAMの内容をチェックして、その異常の有無を判定する(ステップS015)。ここでは、設定値格納領域における設定値データ(設定値Nc)が正常値であるか否か(設定1~6のいずれかを示す値が格納されているか否か)、バックアップ時のチェックサム値が正常値であるか否かをチェックする。RAMの内容に異常がある場合(ステップS015:YES)、RAMエラー移行状態(RAMエラーモード)であるとして、後述の電源再投入待ち処理(ステップS020)を実行する。
RAMの内容に異常がない、つまり正常である場合(ステップS015:NO)、次いで、バックアップフラグBFがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS016)。このバックアップフラグBFは、後述する電源異常チェック処理(図9のステップS081)の処理にて、正常にバックアップ処理が実行された場合に「5AH(正常値)」が領域内RAMのBFフラグ格納領域に設定される。したがって、正常時であれば、バックアップフラグBFが5AHのはずである。しかし何らかの不具合が生じてバックアップフラグBFが正常値(≠5AH)でない場合もありうる。そこで、バックアップフラグBFがON状態でない場合(ステップS016:NO)、電源再投入待ち処理を実行する(ステップS020)。
電源再投入待ち処理(ステップS020)では、RAMエラー時の処理として、遊技処理の進行を強制的に停止させる遊技停止状態に制御する。具体的には、電源再投入コマンドを送信し、バックアップフラグBFをクリアした後(ステップS019)、電断が発生するまで、WDTをクリアするWDTクリア処理と電源異常信号のON状態の確認(電断の確認)処理(電源異常チェック処理)を繰り返すようになっている。なお、RAMエラーが発生した場合には、電断が確認されるまでWDTクリア処理を実行し、無限ループ処理を繰返しているタイミングで、WDTリセットが生起しないようになっている。また、電源再投入コマンドを演出制御部24が受けると、RAMエラー報知(電源再投入指示演出)として、液晶表示装置36に「RAMエラー 電源を再投入して設定値を1に決定してください」等の演出画像を表示し、装飾ランプ45等の演出用LEDを全消灯し、スピーカ46を消音状態にする。また、電源再投入待ち処理中は、電断が発生するまで、所定の表示器(たとえば、設定表示器97)には、エラーを示す「E」を表示してもよい。
電源再投入待ち処理(ステップS020)が実行されて遊技停止状態となった場合には、遊技機1の電源を再投入し、その再投入時に上記設定変更モード移行状態に設定されるように操作して、設定変更処理(ステップS023)が実行されない限り、現在発生中のRAMエラー状態が解消できないようになっている。本実施形態では、設定変更処理(ステップS023)が実行された後(設定異常エラーの場合には設定値格納領域がクリアされた後)、後述の領域内RAMクリア処理(ステップS030)が実行されることで、実質的にRAM203の全領域(ただし、性能情報の表示処理に関するRAM領域(領域外RAM領域)は除く)がクリアされ、これにより、RAM203が初期状態に戻り、RAMエラーが解消可能となっている。
バックアップフラグBFがON状態である場合(ステップS016:YES)、上記入力情報取得処理により取得した信号状態に基づいて、RAMクリアモード移行状態であるか否かを判定する(ステップS025)。本実施形態では、遊技機1への電源オフの状態において、設定キースイッチ94をOFF操作し(設定変更モード側に操作しない)、RAMクリアスイッチ98をON操作した状態で(設定キースイッチ信号OFF、RAMクリア信号ON)遊技機1への電源を投入すると、RAMクリア移行条件を満たしたとして、RAMクリアモード移行状態に制御される。つまり、少なくとも、設定キースイッチ94(設定キースイッチ信号)がOFF、およびRAMクリアスイッチ98(RAMクリア信号)がONの場合に、RAMクリアモード移行状態であると判定される。
RAMクリアモード移行状態である場合(ステップS025:YES)、領域内RAMクリア処理を実行する(ステップS030)。この領域内RAMクリア処理では、クリア対象を領域内メモリに係るRAM領域(領域内RAM)だけとし、領域外RAM領域(領域外RAM)はクリアされない。なお、領域内RAMのデータであっても設定値格納領域(設定値データ)のデータはクリア対象とされない。設定値データについての初期化・その変更等については、設定変更処理(ステップS023)にて行う。つまり、領域内RAMクリア処理では、少なくとも「領域外メモリに係る領域外RAM領域」および「領域内メモリに係る領域内RAM領域のうち上記設定値格納領域(設定値データ)」を除く、所定の記憶領域(通常データ格納領域)がクリアされるようになっている。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグBFの値やチェックサム値などは、本処理において、共にゼロクリアされる。なお、領域内RAMの所定バイト分はスタック領域として使用され、たとえば、サブルーチンコール後の復帰アドレスが一時的に格納されるようになっている。したがってここでは、領域内RAM領域のうち、設定値データとサブルーチンコール後の復帰アドレスが格納されたスタック領域とを除く所定領域分が初期化される。
詳述すれば、領域内RAMクリア処理では、設定値や通常の遊技処理(図柄変動表示ゲームや当り遊技や遊技状態の移行制御などの遊技進行に係る遊技処理)で使用するデータを格納するための領域内RAMのうち、少なくとも設定値格納領域を除く全領域(通常データ格納領域)を初期化(クリア)して遊技機の動作状態を初期状態(デフォルト状態)に戻す。本実施形態では、既に説明したように、性能情報の表示に関する処理(性能情報表示処理)のプログラムやワーク領域は、CPU201が通常の遊技進行の際にアクセスする領域(領域内メモリ(第1メモリ領域))とは異なる領域(領域外メモリ(第2メモリ領域))に規定されている。すなわち、主制御部20は、通常の遊技進行(たとえば、性能表示器99の表示に関する処理以外の処理)に係る遊技処理で用いられる遊技データを記憶可能な第1RAM領域(領域内RAM)と、当該遊技進行に直接関連のない性能情報表示処理(図8BのステップS034、S043、図9のステップS101など)で用いられる情報表示データを記憶可能な第2RAM領域(領域外RAM)とを含むRAM203と、上記通常の遊技処理を実行するための遊技制御プログラムを記憶する第1ROM領域(領域内ROM)と、上記情報表示処理を実行するための情報表示制御プログラムを記憶する第2ROM領域(領域外ROM)とを含むROM202と、遊技制御プログラムおよび情報表示制御プログラムに基づいて遊技制御動作を実行するCPU201と、を有して構成される。
なお詳細は後述するが、領域外メモリに係るRAM203の所定領域(領域外RAM)、すなわち、性能情報に係るRAM領域(計数情報格納領域、性能表示格納領域、性能表示器99に係るLEDデータ設定領域等))は、後述の主制御側タイマ割込処理(図9)のタイマ割込内領域外処理(ステップS101)にて、当該RAM領域に不具合が生じた場合に初期化処理(領域外RAMクリア処理)を行うようになっている(図9のステップS101、図19のステップS824、図20参照)。このように、RAM203のワーク領域を区分し、電源投入時のRAMクリア処理(本実施形態では、領域内RAMクリア処理および設定変更処理による設定値格納領域のクリア処理)では領域外RAMを初期化(クリア)しない。これにより、電源投入時のRAMクリア処理が行われた場合であっても、性能情報に関するデータ(性能表示に関する通常時払出個数、通常時アウト個数、ベース値などのデータ)については、電断を跨いで引き継ぐことが可能となっている。
また本実施形態では、エラーに関する情報についても、エラーの種別に応じて領域内RAMと領域外RAMとに分けて記憶されるようになっている。つまり、主として遊技の結果に影響を及ぼす領域内エラー(第1種別エラー)に関する情報(図31(A)参照)が領域内RAMに、それ以外の領域外エラー(第2種別エラー)に関する情報(図31(B)参照)が領域外RAMにそれぞれ記憶され、領域内エラーに関する処理(判定、更新、コマンド送信など)は領域内処理により、領域外エラーに関する処理は領域外処理により実行される。したがって、領域内プログラムによる領域内RAMクリア処理(ステップS030)では、各種エラー情報のうち、図31(A)に示す領域内エラー情報がクリアされるようになっている。
またここでは、RAMクリア時に必要な各種のコマンド(たとえば、RAMクリアされた旨を示す「RAMクリアコマンド」および「客待ちコマンド」など)を演出制御部24に送信する。演出制御部24がRAMクリアコマンドを受けると、RAMクリアを報知する初期化報知演出(RAMクリア報知演出)を所定時間(たとえば、30秒)実行し、デフォルト状態(初期状態)の演出モードに設定する。すなわち、領域内RAMクリア処理が実行されると、遊技状態(内部遊技状態、遊技モード)および演出モードが、デフォルト状態に設定される。
なお本実施形態の場合、演出制御部24が上記RAMクリアコマンドを受けると、演出モード(演出状態)をデフォルト状態の「通常演出モード」に設定するとともに、演出手段を用いて、RAMクリアに対応したエラー報知(RAMクリア報知演出)を、所定時間(たとえば、10秒)実行する。たとえば、装飾ランプ45を赤色全点灯させ、スピーカ16からのRAMクリア時の警報音を出力させ、液晶表示装置36に「RAMクリア中です」等の演出画像を表示させる。また、領域内RAMクリア処理(ステップS030)では、RAMクリアコマンドを送信するとともに、客待ち中コマンドを送信するが、このタイミングでは、客待ち演出(デモ表示)を実行せず、RAMクリア報知演出を所定時間(たとえば、30秒)実行した後、客待ち前演出(デモ開始前表示)を実行する。その後、作動保留球が発生することなく、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定の待機時間(たとえば、180秒)が経過した場合、「客待ち演出(デモ表示)」を実行する(RAMクリア報知演出後に、客待ち前演出を実行せずに、直ちに客待ち演出を実行してもよい)。たとえば、警報音をフェードアウトするとともに、液晶表示装置36に、通常演出モード(デフォルト状態)に係る背景画像と、所定の装飾停止図柄を表示する(たとえば、装飾図柄を「731」で停止表示する)。
そして、上記したRAMクリア処理を終えると、RAMクリアフラグに「5AH」を設定する(ステップS031)。このRAMクリアフラグは、RAMクリア処理が実行されたか否かを指定するフラグであり、当該フラグが「5AH(ON状態)」であればRAMクリア処理が実行されたことを示し、当該フラグが「00H(OFF状態)」であればRAMクリア処理が実行されていないことを示す。RAMクリアフラグが「00H」のままであれば、RAMクリア処理が実行されていない、つまり、後述のバックアップ復帰処理(ステップS028)が実行される処理ルートを辿ったこと意味する。
次いで、RAMクリア時の初期設定処理(電源投入時初期データ設定処理)を実行する(ステップS032)。電源投入時初期データ設定処理では、たとえば、RAMクリア信号(セキュリティ信号の一つ)の送信時間としてエラー報知タイマに30000msをセットし、特別図柄表示装置38a、38bに表示する特別図柄(特図1停止図柄、特図2停止図柄)データとして、ハズレ図柄データを設定する。そして、後述のステップS033の処理に進む。ここで、エラー報知タイマの30000msの時間は、RAMクリアが実行されたことを示すRAMクリア信号の出力時間であるが、このタイマ値は、上記初期化報知演出の演出時間幅としても利用される。なお、RAMクリア信号は、枠用外部端子基板21を通じて、ホールコンピュータHCに出力されるようになっている。
ステップS025の説明に戻り、RAMクリアモード移行状態でない場合(ステップS025:NO)、次いで、現在の設定値を確認可能な設定確認モード移行状態(設定確認許容状態)であるか否かを判定する(ステップS026)。本実施形態の場合、遊技機1への電源オフおよび扉開放(扉開放センサ61がON)の状態において、設定キースイッチ94をON操作し、RAMクリアスイッチ98をOFF操作した状態で(設定キースイッチ信号ON、RAMクリア信号OFF)、遊技機1への電源を投入すると、設定確認モード移行条件を満たしたとして、設定確認モード移行状態に制御されるようになっている(ステップS014~S026参照)。つまり、設定キースイッチ94(設定キースイッチ信号)がON、扉開放センサ61(扉開放信号)がON、およびRAMクリアスイッチ98(RAMクリア信号)がOFFの場合に、設定確認モード移行状態であると判定される。
設定確認モード移行状態である場合(ステップS026:YES)、設定確認処理(ステップS027)と、バックアップ復帰処理(ステップS028)とを順次実行する。設定確認処理(ステップS027)では、現在の設定値を確認可能な設定確認状態に制御する。具体的には、設定確認中コマンドを演出制御部24に送信し、設定表示器97に、現在の設定値を表示(設定確認表示)させるための表示処理を行う。演出制御部24が設定確認中コマンドを受けると、演出手段を用いて、設定確認中演出を実行する。たとえば、液晶表示装置36に「設定確認中です」など演出画像を表示して設定確認中であることを報知する。なお、設定値の表示は、設定キースイッチ94がOFF操作されることで終了されるようになっている(設定確認表示の終了)。設定キースイッチ94がOFF操作された場合は(設定キースイッチ94ONからOFF)、設定確認終了コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24が定確認終了コマンドを受けると、演出手段を用いて、上記設定確認中演出を終了させる。これにより、設定確認処理(ステップS027)が終了される。
続いて、バックアップ復帰処理(ステップS028)を実行する。バックアップ復帰処理では、電断時にバックアップされたバックアップデータから遊技処理を復帰させる。これにより、電源復帰後、電源遮断前の遊技動作が再開されることになる。たとえば、電源遮断時(バックアップ処理時)が、客待ち中(保留無しの図柄停止中)であればその客待ち中から、図柄変動中であればその図柄変動中から、当り遊技中であればその当り遊技中からが復帰されることになる。また、電源遮断時の特図1作動保留球数および特図2作動保留球数をそれぞれ指定する「特図1保留数指定コマンド」および「特図2保留数指定コマンド」、復帰時の遊技状態(バックアップ時の遊技状態番号YJ)を指定する「復帰時遊技状態指定コマンド」、復帰完了を指定する「停電復帰表示コマンド」などを演出制御部24に送信する。
演出制御部24が停電復帰表示コマンドを受けると、演出手段を用いて、復旧が完了した旨を報知する「復旧完了演出」を実行する。たとえば、液晶表示装置36に「停電から復帰しました 遊技を再開してください」などの演出画像を所定時間表示させる。また、演出制御部24が特図1保留数指定コマンドおよび特図2保留数指定コマンドを受けると、電断時の作動保留球数を把握して、図5Aに示す保留表示領域76の保留表示部a1~d1と、保留表示領域77の保留表示部a2~d2とに対して、作動保留球数に対応する保留アイコンを点灯表示させる。また、演出制御部24が復帰時遊技状態指定コマンドを受けると、電断時の遊技状態に対応する演出モードに移行させ、液晶表示装置36に対して、演出モードに対応する背景画像を表示させる。なお、バックアップ復帰後は、正常に遊技動作が開始されるため、バックアップ復帰後の処理状態に応じて、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(たとえば、客待ち中コマンド、保留加算コマンド、変動パターン指定コマンド、当り遊技中に係るコマンドなど)に応じた演出制御処理が実行されることになる。
上記バックアップ復帰処理(ステップS028)を終えると、後述のステップS033の処理に進む。
一方、設定確認モード移行状態でない場合(ステップS026:NO)、つまり、設定キースイッチ94やRAMクリアスイッチ98をON操作することなく、単に遊技機1に電源が投入された場合には(本実施形態では、扉開放センサ61のON/OFFは条件としない)、バックアップ復帰モード移行状態であるとして、設定確認処理を実行せずにバックアップ復帰処理(ステップS028)を行い、後述のステップS033の処理に進む。
以上のように、設定キースイッチ94、RAMクリアスイッチ98、および扉開放センサ61のON/OFF状態の組合せに応じて、「設定変更処理(ステップS023)」、「設定確認処理(ステップS027)」、「領域内RAMクリア処理(ステップS030)」、「バックアップ復帰処理(ステップS028)」のいずれかの処理(領域内処理に属する処理)が実行された後、全レジスタの内容を退避させて(ステップS033)、領域外プログラムである後述の動作確認タイマ設定処理(ステップS034)、領域外エラー情報クリア処理(ステップS035)を順次実行した後、退避していた全レジスタの内容を復帰させる(ステップS036)。
上記動作確認タイマ設定処理では、まず領域内スタックポインタを退避させ、領域外スタックポインタを設定した後、性能表示器99の電源投入時の確認動作に要する初期設定を行う。本実施形態では、電源投入時の処理の一環として、性能表示器99に対する動作チェックを行うために、電源投入後に、4個の7セグメントLED99a~99dを所定時間(たとえば、5000ms間)、全点灯と全消灯とを周期的に繰り返す(たとえば、点灯時間300msと消灯時間300msとを周期的に繰り返す)「動作確認表示(全点滅)」を行うようになっている(図19のステップS833、その詳細を示す図21等参照)。この動作確認表示の設定処理として、性能表示器99の動作確認時間をカウントする動作確認タイマに初期値(たとえば、5000ms)を設定し、性能表示器99の点滅周期をカウントする「点滅用タイマ」をクリアする(点滅用タイマ←0)。そして、動作確認タイマ設定処理を抜ける。なお、性能表示器99の動作確認表示に関する処理(動作確認処理)は、後述のタイマ割込内領域外処理で行われる(図9のステップS101、図19のステップS833、図21参照)。なお、動作確認タイマについては、領域内RAMに設けてもよい。この場合は、ステップS036の後からステップS040以降のループ処理の前段階にて、動作確認タイマに初期値を設定することができる。たとえば、割込処理起動前(ステップS039のCTCの設定処理の実行前)や、割込処理起動後(ステップS039のCTCの設定処理の実行後)などである。
上記動作確認タイマ設定処理(ステップS034)を終えると、次いで、領域外エラー情報クリア処理を実行する(ステップS035)。
この領域外エラー情報クリア処理では、まず、RAMクリアフラグを判定する。このRAMクリアフラグは既に説明したように、領域内RAMクリア処理が実行されたか否かを指定するためのフラグであり、RAMクリアフラグが「5AH(ON状態)」であれば領域内RAMクリア処理が実行されたことを示し、RAMクリアフラグ「00H(OFF状態)」であれば、バックアップ復帰処理(ステップS028)が実行されことを示す。
本処理では、RAMクリアフラグが「5AH」であれば(RAMクリア時)、領域外RAMに記憶される領域外エラー情報のうち、RAMクリア時のクリア対象をクリアし(RAMクリア時領域外クリア処理)、RAMクリアフラグが5AHでなければ(バックアップ復帰時)、バックアップ復帰時のクリア対象をクリアする(バックアップ復帰時領域外クリア処理)。
ここで、図31(B)(D)を参照して、領域外エラー情報について説明する。図31(B)の(α)~(γ)の電波エラー検出タイマ、磁気エラー検出タイマ、入賞口エラー検出タイマの各タイマは、エラーとするか否かの判定時間を計時するためのタイマである。また(δ)~(ζ)の電波エラー報知タイマ、磁気エラー報知タイマ、入賞口エラー報知タイマの各タイマは、エラー報知期間を計時するためのタイマである。
また(η)の領域外エラーフラグは、図31(D)に示すように(図示のB0~B7はビット番号を示す)、複数種類の領域外エラー(ここでは、磁気エラー、電波エラー、入賞口エラーの3種類)に関してエラー中(エラー報知中)であるか否かを示すもので(ON(エラー)=1、OFF(正常)=0)、第0ビットが入賞口エラー、第1ビットが電波エラー、第3ビットが磁気エラーに対応している。たとえば、第0~第3ビットが「0 0 1」であれば、磁気エラー発生中であることを示す。
本実施形態では、図31(B)に示すように、RAMクリア時には領域外エラー情報の全てがクリア対象となっているのに対し、バックアップ復帰時には、領域外エラー情報のうち、領域外エラーフラグと各検出タイマのみがクリア対象となっており、各報知タイマについてはクリア対象となっていない。これにより、電断前に領域外エラーの報知中であった場合には、電断復帰後もエラー報知が継続される。
上記RAMクリアフラグに基づく、RAMクリア時領域外クリア処理またはバックアップ復帰時領域外クリア処理を終えると、領域内スタックポインタを設定して、これにより、領域外エラー情報クリア処理を終えて、領域内処理に復帰する。
次いで、全レジスタ情報を復帰させた後(ステップS036)、領域内エラー情報クリア処理を実行する(ステップS37)。この領域内エラー情報クリア処理では、領域内RAMに記憶される領域内エラー情報の他、領域内エラーのエラー判定に使用する各種スイッチ(たとえば、扉開放センサ)のレベル/エッジデータ、RAMクリアフラグなどがクリアされる。
ここで、図31(A)(C)を参照して、領域内エラー情報について説明する。
(α)バックアップフラグは、バックアップ復帰が可能か否かを示すものである。
(β)電源異常確認カウンタは、電源異常(電断等)を確認する際に用いるカウンタである。
(γ)払出通信異常確認カウンタは、払出制御基板(払出制御部)29との間の通信異常を確認する際に用いるカウンタである。
(δ)シリアル回路エラーフラグは、遊技球の払い出しなどのシリアル送信のための回路に関するシリアル回路エラーであるか否かを示すフラグである
(ε)乱数回路異常確認フラグは、乱数回路(大当り抽選に用いる乱数回路)に関する乱数回路異常であるか否かを示すフラグである。
(ζ)領域内エラーフラグは、図31(C)に示すように(図示のB0~B7はビット番号を示す)、複数種類の領域内エラー(ここでは、球詰まりエラー、補給切れエラー、計数エラー、断線エラー、扉開放エラーの5種類)に関してエラー中(エラー報知中)であるか否かを示すもので(ON(エラー)=1、OFF(正常)=0)、第0ビットが玉詰りエラー、第1ビットが補給切れエラー、第2ビットが計数エラー、第3ビットが断線エラー、第4ビットが扉開放エラーに対応している。なお、断線エラーとは、基板同士又は基板と各種センサを接続する配線(ハーネス)が断線またはショートしたときに検知された場合に発生するエラーである。
領域内エラー情報クリア処理(ステップS37)を終えると、次いで、CTCの設定処理を実行する(ステップS038)。ここでは、4ms毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定処理を実行する。これにより、以後、割込コントローラへの割込要求信号が定期的に出力され、図9に示す主制御側タイマ割込処理(4ms割込み処理)が実行される。
そして、遊技開始可能状態(遊技開始条件)が整ったとして、発射装置32の発射動作を許可する発射制御信号をOFF状態(発射禁止状態)からON状態(発射許可状態)に設定し(発射制御信号出力状態(発射許可信号ES出力状態)に設定)、遊技開始コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS039)。これにより、発射装置32からの遊技球の発射動作が許容される。なお、電源復帰時を含む電源投入時の発射制御信号は、ステップS039の処理が実行されるまで、OFFに設定(発射制御信号出力停止状態(発射停止信号NS出力状態)に設定)されている。また、演出制御部24が上記遊技開始コマンドを受けると、演出手段に関する初期動作(イニシャライズ動作)を実行する。なお、ここでのイニシャライズ動作は、専ら、可動体役物に関する電源投入時の動作チェックである。
上記一連の電源投入時処理を終えると、通常の遊技進行に係るステップS040~S045の無限ループ処理(通常遊技処理)を実行する。これにより、遊技の進行が可能な遊技開始可能状態下に制御される。ループ処理に入ると、まずCPUを割込み禁止状態に設定した状態で(ステップS040)、各種乱数更新処理を実行する(ステップS041)。この各種乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種のソフトウェア乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している乱数)を更新する。たとえば、大当り抽選に係る乱数(当落抽選に利用される大当り判定用乱数、図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)の初期値(スタート値)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数、補助当りの図柄抽選に利用される普通図柄判定用乱数)の初期値(スタート値)などの変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数など)や、図柄(特別図柄、普通図柄)の変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数(特別図柄に係る変動パターン用乱数、普通図柄に係る変動パターン用乱数)などを更新する。
上記各種乱数更新処理(ステップS041)を終えると、次いで、領域外プログラムのメインループ内領域外処理を実行する(ステップS043)。このメインループ内領域外処理では、主に、性能表示器99に表示するベース値の算出に必要な処理(性能表示モニタ集計除算処理)を中心に構成される。
本実施形態では、性能表示に関する処理の動作プログラムや記憶領域は、領域外メモリ(第2メモリ領域)に規定されている。そこで、メインループ内領域外処理では、まず領域内スタックポインタを退避させ、領域外スタックポインタを設定した後、領域外RAMチェック処理を実行する。この領域外RAMチェック処理は、性能表示器99の性能表示に関するRAM領域に異常があるか否かを判定し、異常がある場合には領域外RAM初期化処理を実行するようになっている。なお、領域外RAMチェック処理は、後述の図20に示す領域外RAMチェック処理と共通の処理となっている。
領域外RAMチェック処理を終えると、次いで、性能表示モニタ集計処理を実行する。この性能表示モニタ集計処理では、性能表示器99に表示するベース値を算出する。なお、性能表示モニタ集計処理では、ベース値に必要なカウント(たとえば、通常時払出個数、通常時アウト個数、全状態アウト個数など)の処理については常に行うが、それらのカウント値を用いてリアルタイムベース値を算出するための除算処理については、適宜なタイミングで実行してもよい。
性能表示モニタ集計処理を終えた後、領域内スタックポインタを復帰して、メインループ内領域外処理を抜ける。
上記ステップS043のメインループ内領域外処理を終えると、割込み許可状態に設定して(ステップS045)、ステップS040の処理に戻り、以後、ステップS040~S045の処理を繰り返し実行する(メインループ処理)。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理とメインループ内領域外処理とを繰り返し実行するようになっている。
<9.主制御側タイマ割込処理:図9>
次に図9を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図9は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。また主制御側のタイマ割込処理は、主に、ステップS081~S100の領域内プログラムに係る処理と、ステップS101の領域外プログラムに係る処理とを含んで構成される。
図9において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容を保存することなく、直ちに電源異常チェック処理を実行する(ステップS081)。この電源異常チェック処理では、不図示の電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断などの電源異常が生じた場合には、バックアップフラグBFの設定(BF←5AH)、チェックサム値を算出するチェックサム演算(ここでは、領域内RAMを対象とする8ビット加算演算処理)、その演算結果の記憶などを含むバックアップ処理を行う。電源異常チェック処理は、電源遮断後もRAMの所定領域のデータを保持するバックアップ手段として働く。
次いで、タイマ管理処理(領域内タイマ管理処理)を実行する(ステップS082)。遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(時間)のタイマ値はここで更新される。なお、本処理で管理されるタイマは、主に、領域内RAMに係るタイマ(たとえば、特別図柄役物動作タイマ、領域内エラーに係るエラー報知タイマなど)であり、領域外RAMに係るタイマは、後述のタイマ割込内領域外処理で管理される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS083)。入力管理処理では、遊技機1に設けられた各種のセンサやスイッチ類の検出情報や払出制御基板29からの状態信号の入力情報(ON/OFF信号に関する情報、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ)に関する情報など)に基づき、入力データ作成したり、入賞カウンタ(各入賞口別に設けられた入賞球カウント用のカウンタ)を更新したりする。また、不正入賞に対する不正監視処理(入賞無効処理)も行う。なお、不正入賞を確認した場合や、状態信号が異常を示す場合は、後述のエラー管理処理(ステップS089)にて、所定のエラー処理が実行される。
次いで、設定異常チェック処理を実行する(ステップS084)。設定異常チェック処理では、設定値データが正常値(設定1~6を示す値)であるかを判定し、正常範囲内の値でない場合には、設定値データに異常が発生したとして、設定エラーフラグをON状態(5AH)に設定する。そして、設定値異常コマンドを演出制御部24に送信して、設定異常チェック処理を抜ける。なお、演出制御部24が設定値異常コマンドを受けると、演出手段を利用して、設定エラー報知(RAMエラー報知)を実行する。なお、再度、この設定異常チェック処理が実行される際に、設定エラーフラグがON状態であれば、何もせずに、そのまま本処理を抜ける。
次いで、タイマ割込内乱数管理処理を実行する(ステップS085)。タイマ割込内乱数管理処理では、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する。具体的には、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値の変更処理を行う。なお、内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)は、上記乱数生成回路で生成されるので、ここでは更新されない。
次いで、エラー管理処理(領域内エラー判定処理)を実行する(ステップS089)。このエラー管理処理は、領域内エラー(図31(A))を監視する領域内エラー監視処理と、乱数回路の異常を監視する領域内乱数回路処理とを含んで構成される。
上記領域内エラー監視処理では、複数種類の領域内エラーが監視される。本実施形態では、領域内エラーフラグ(図31(C))に対応する「扉開放エラー、断線エラー、計数エラー、補給切れエラー、球詰まりエラー」の5種類が監視される。
ここでは、各種のスイッチやセンサ類に係る検出情報や、払出制御基板29からの状態信号などに基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたか否かを監視し、エラーが生じた場合には、そのエラーに対応する領域内エラーフラグ(図31(C))をON(対応ビット値→1)にし、エラー種別に対応したエラーコマンド(エラー報知コマンド)を演出制御部24に送信する。
演出制御部24は、上記エラーコマンドを受信すると、そのエラーコマンド種別(エラー種別)に応じたエラー報知処理を実行する。たとえば、扉開放エラーが生じた場合、主制御部20は、扉開放エラーに対応する扉開放エラーコマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24が扉開放エラーコマンドを受信した場合、扉開放エラーに対応するエラー報知として、たとえば、スピーカ46を用いて警報音を出力させたり、液晶表示装置36に「扉が開いています」などのエラー画像を表示させる。
また、発生中のエラーが解除された場合には、領域内エラーフラグ(図31(C))をOFF(対応ビット値→0)にし、エラー種別に対応したエラー解除コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24が、エラー解除コマンドを受信すると、エラー解除処理を実行する(たとえば、実行中のエラー報知を終了させる)。
なお、エラーコマンドとエラー解除コマンドは、共通の領域内コマンド送信モジュール(コマンド送信処理)を用いて送信される。
そして、上記領域内エラー監視処理を終えた後、続いて、領域内乱数回路処理を実行する。この領域内乱数回路処理では、まず乱数回路異常確認フラグを取得し、乱数回路異常確認フラグが「5AH(異常発生中)」である場合、つまり、既に乱数回路異常状態中である場合には、後述の乱数回路異常判定に関する処理をスキップして、そのまま、領域内乱数回路処理を終了して、エラー管理処理を抜ける。
乱数回路異常確認フラグが「5AH」でない場合、乱数値を取得して領域内RAMの所定領域へ格納し、乱数回路異常(たとえば、ハード乱数回路が起動していない等)であるか否かを判定する。乱数回路異常でなければ、そのまま領域内乱数回路処理を終了して、エラー管理処理を抜ける。
一方、乱数回路異常であれば、領域内RAMに取得した乱数値をクリアし、乱数回路異常確認フラグに「5AH」をセットする。これにより、以後、乱数回路異常確認フラグがクリアされるまで(乱数回路異常確認フラグ←00H)、乱数回路異常状態中であるとして処理される。なお、クリアする乱数値は、少なくとも後述の判定用乱数記憶エリアに格納される乱数値であるが、現存する作動保留球(少なくとも特図作動保留球)に係る乱数値(保留記憶エリアに格納されている乱数値)を全クリア(全乱数値クリア)してもよい。また、補助当り抽選に係る乱数(当落抽選に利用される補助当り判定用乱数、図柄抽選に利用される普通図柄判定用乱数)をクリア対象に含めてもよい。
そして、乱数回路異常コマンド(エラーコマンド)を演出制御部24に送信して、領域内乱数回路処理を終了して、エラー管理処理を抜ける。なお、この乱数回路異常コマンドは、領域内エラー判定処理におけるエラー報知/解除コマンドと共通の領域内コマンド送信モジュールを用いて送信される。また、乱数回路異常状態中である場合には、遊技動作を停止状態に制御(たとえば、少なくとも図柄変動表示ゲームを実行不可に制御するなど)してもよい。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS090)。この賞球管理処理では、主として、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を実行させる。
賞球管理処理では、上述のように、賞球の払い出し動作処理を正しく行うために、具体的には、次に述べる処理が含まれる。
賞球管理処理では、まず、シリアル回路エラーフラグ(図31(A))の値を判定し、シリアル回路エラーフラグが「5AH(異常発生中)」であれば、つまり、既にシリアル回路エラー中であれば、後述のリアル回路エラー判定に関する処理をスキップして、そのまま賞球管理処理を終了する。
シリアル回路エラーフラグが「5AH」でなければ、払出制御基板29との払出通信が正常であるか否かを判定する(払出通信異常判定)。
(払出通信が正常でない場合)
払出通信異常判定の結果、払出通信が正常でなければ、払出通信異常確認カウンタをインクリメントする(払出通信異常確認カウンタ+1)。そして、インクリメント後の払出通信異常確認カウンタが未だ所定値(異常判定値)に達していなければ、そのまま賞球管理処理を抜ける。しかし、インクリメント後の払出通信異常確認カウンタが所定値に達した場合、つまり、払出通信が正常でないとの判定が所定回数継続した場合には、払出通信異常コマンド(エラーコマンド)を演出制御部24に送信し、賞球管理処理を抜ける。
(払出通信が正常である場合)
一方、払出通信異常判定の結果、払出通信が正常であれば、払出通信異常確認カウンタをクリアし(払出通信異常確認カウンタ←0)、入賞情報および賞球情報を更新するとともに、払出制御コマンドを送信する。そして、シリアル送信ステータスが異常値であるか否かを判定し、異常値でなければ、そのまま賞球管理処理を抜けるが、シリアル送信ステータスが異常値であれば、シリアル送信異常コマンド(エラーコマンド)を演出制御部24に送信し、シリアル回路エラーフラグに「5AH」をセットして、賞球管理処理を抜ける。
なお、払出通信異常コマンド、シリアル送信異常コマンドは、上記エラー管理処理(ステップ089)におけるエラー報知/解除コマンド、同処理における上記領域内乱数回路処理における乱数回路異常コマンドと共通の領域内コマンド送信モジュールを用いて送信される。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS091)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲーム(普通図柄の変動表示動作)に必要な処理を実行する。
ここでは、普通図柄始動口センサ37aに遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数、普通図柄判定用乱数、普通図柄用の変動パターン用乱数などの普通図柄遊技情報)を取得し(普図乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普図作動保留球)として、最大保留記憶数(ここでは、4個)まで保留記憶する(普図保留記憶処理)。
そして、所定の開始条件が成立した場合、普図作動保留球(普通図柄遊技情報)に基づく補助当り抽選を行い(普通電動役物作動判定用乱数判定処理)、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄:補助当り図柄、ハズレ普通図柄)を決定し(普通図柄停止図柄作成処理)、普通図柄の変動パターンを選択してその変動時間を設定する(普通図柄変動パターン作成処理)。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する(普通図柄表示データ更新処理)。なお、補助当りは1または複数種類設けることができる。たとえば、第1補助当りと第2補助当りとを含む複数種類の補助当りを設けることができる。そして、第1補助当りの場合は、普電開放遊技として、可動翼片47を第1動作パターンで制御し、第2補助当りの場合は、普電開放遊技として、当該第1動作パターンよりも有利な第2動作パターンで制御する、といったように、補助当りに応じて、普電開放遊技の利益状態を異なるものとすることができる。また、普通図柄の変動パターンも1または複数種類設けることができる。たとえば、補助当り抽選結果(補助当り種別およびハズレの別)に基づいて異なる変動パターンを選択可能に構成してもよいし、いずれの抽選結果の場合であっても同一の変動パターンを選択可能に構成してもよい。また、補助当り抽選結果および普図作動保留球数(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数)に応じて異なる変動パターンを選択可能に構成してもよい。たとえば、補助当りの場合は、普図当り変動パターン1(普図作動保留球数共通、変動時間3秒)、普図ハズレ変動パターン1(普図作動保留球数0~2個、変動時間5秒)、普図ハズレ変動パターン2(普図作動保留球数3個、変動時間5秒)といった具合である。
次いで、普通電動役物管理処理を実行する(ステップS092)。この普通電動役物管理処理では、上記補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技の実行に必要な処理を実行する。ここでは、補助当り抽選の抽選結果が当りの場合に、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの生成および設定処理を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のステップS100のソレノイド管理処理にて、ソレノイド制御用データに基づく励磁信号が普通電動役物ソレノイド41cに対して出力され、可動翼片47の動作パターンが制御される。
次いで、特別図柄管理処理を実行する(ステップS093)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームに関する処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、先読み判定や特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図10を用いて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS095)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果に基づき、当選となった当りに応じた当り遊技の実行制御や、大当り遊技後の移行先遊技状態の設定処理など、当り遊技に必要な処理を行う。特別電動役物管理処理は、当選種別に応じた当り遊技を実行制御する特別遊技制御手段として働く。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図15を用いて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を実行する(ステップS097)。この右打ち報知情報管理処理では、「右打ち有利」な遊技状態(当り遊技中、電サポ有り状態中(時短状態または確変状態))下である場合に、右打ち表示装置39bを点灯させるためのLEDデータを作成し、「左打ち有利」な遊技状態下(通常状態)である場合には、右打ち表示装置39bを消灯させるためのLEDデータを作成する。
次いで、LED管理処理を実行する(ステップS098)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38b、右打ち表示装置39bなどの各種LED表示装置に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を実行する。上記普通図柄管理処理(ステップS091)、特別図柄管理処理(ステップS093)、右打ち報知情報管理処理(ステップS097)などで作成されたLED表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を実行する(ステップS099)。この外部端子管理処理では、各種の外端信号を作成し、枠用外部端子基板21を通して、ホールコンピュータHCなどの外部装置に対して出力制御を実行する。
次いで、ソレノイド管理処理を実行する(ステップS100)。このソレノイド管理処理では、普通電動役物管理処理(ステップS092)や特別電動役物管理処理(ステップS094)で設定されたソレノイド制御データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cや大入賞口ソレノイド52cに対して励磁信号の出力制御を実行する。これにより、可動翼片47や開放扉52bを駆動制御し、下始動口35や大入賞口50の開閉動作を実現する。
次いで、全レジスタをスタック領域に退避した後、領域外プログラムに属するタイマ割込内領域外処理を実行する(ステップS101)。このタイマ割込内領域外処理では、領域外エラーの監視、領域外エラー報知タイマの管理(タイマ減算処理)、性能表示器99に表示するベース値の算出に要する処理、その表示制御(7セグ表示器99a~99dのLED制御)に要する処理の他、領域外RAMの正当性のチェック(データ破損の有無やベース値の異常の有無のチェック)や、型式試験信号の作成とその出力処理も実行される。なお、タイマ割込内領域外処理の詳細は、図19を用いて後述する。
次いで、全レジスタを復帰し、WDTのカウント値をクリアする(ステップS102)。これにより、割込みごとにWDTがリセットされ、カウント値が初期値に戻される。
以上のステップS081~ステップS102の処理を終えると、タイマ割込処理を終了して、次のタイマ割込みが発生するまで、主制御側メイン処理を実行する。
<8.特別図柄管理処理:図10>
次に、図9中の特別図柄管理処理(ステップS093)について説明する。図10は、特別図柄管理処理(ステップS093)の詳細を示すフローチャートである。
図10において、CPU201は、まず特図1側(上始動口34側)に関する「特図1始動口チェック処理」を行い(ステップS301)、続いて、特図2側(下始動口35側)に関する「特図2始動口チェック処理」を実行する(ステップS302)。この特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理の詳細は図11を用いて後述する。
ステップS301~S302の始動口チェック処理を終えると、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがON状態、つまり大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306~S308の特別図柄の変動表示に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、大当り遊技中は特別図柄の変動表示動作は行われない。換言すれば、当り遊技中は、その当りに対応する特別図柄が特別図柄表示装置に停止表示(確定表示)されたまま保持される。
一方、ステップS304において、上記条件装置作動フラグがOFF状態(00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、大当り遊技中でない場合(ステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H~03H)に応じた処理を行う。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、上記特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じてステップS306~S308のいずれかの処理を実行する。具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする表示動作)が実現されることになる。なお、本発明と関連の深い、特別図柄変動開始処理(ステップS306)と、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)とについての詳細は、それぞれ図12、図11~図13、図14A~図14Bにて後述する。
上記ステップS306~S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図9のLED管理処理(ステップS098)でLEDデータとなって出力され、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図9のステップS095の特別電動役物管理処理を実行する。
<9.特図1始動口チェック処理:図11>
図11を参照して、特図1始動口チェック処理(図10のステップS301)について説明する。図11は、特図1始動口チェック処理(ステップS301)の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、主に、上始動口34に遊技球が入賞したときの保留記憶に関する処理や、先読み判定に関する処理を中心に構成される。なお、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは、その処理内容が、特図1側に関するものであるか、それとも特図2側に関するものであるかの違いだけで、実質的には、同じ処理内容である。したがって、ここでは、重複記載を避けるために、特図1始動口チェック処理に着目して説明する。
図11において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34(特図1側始動口)の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特図1作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特図1作動保留球数が最大保留記憶数(ここでは、4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合、つまり、最大保留記憶数を超えるオーバー入賞が発生した場合(ステップS312:YES)、オーバー入賞を指定するオーバー入賞コマンド(たとえば、特図1の場合はB406H、特図2の場合はB506H)を演出制御部24に送信する(ステップS324)。一方、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、各種の乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値を領域内RAMの保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特図1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお、上記保留記憶エリアには、特図1側と特図2側とに対応した保留記憶エリア(特図1に対応する特図1保留記憶エリアと、特図2に対応する特図2保留記憶エリア)とが設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている。
次いで、入賞時コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するコマンドデータ(入賞コマンド1)に、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を取得し(ステップS315)、続いて、「先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。この「先読み禁止条件」とは、先読み判定を禁止する条件、具体的には、先読み予告を禁止する条件である。特図1始動口チェック処理中の場合は、特図1作動保留球を対象とした先読み禁止条件が、特図2始動口チェック処理中の場合は、特図2作動保留球を対象とした先読み禁止条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、現在の遊技状態が電サポ有り状態を伴う遊技状態(時短状態や確変状態)、つまり特図2作動保留球が発生し易い遊技状態である場合には‘特図1先読み禁止’とし、「電サポ無し状態を伴う遊技状態(通常状態や潜確状態)」の場合、つまり特図1作動保留球が発生し易い遊技状態である場合には‘特図2先読み禁止中’としている。したがって、ステップS316の判定処理では、現在の遊技状態が、時短状態または確変状態である場合、特図1先読み禁止条件成立中として、その判定結果が‘YES’となる。なお、特図1と特図2のいずれを先読み禁止とするかについては、内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)および/または変動パターン振分指定番号Tcodeに応じて定めることができる。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、設定エラーフラグ判定処理(ステップS317)と先読み判定に関する処理(ステップS318~S320)をスキップし、後述のステップS321の処理に進む。この場合、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成されることになる(後述の始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)参照)。これにより、今回の作動保留球の先読み予告の実行が禁止状態に制御される(今回の作動保留球を対象とする先読み予告が実行されない)。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合(ステップS316:NO)、次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS317)。設定エラーフラグがON状態である場合(ステップS317:=5AH)、すなわちRAMエラー(設定異常エラー)が生じている場合、先読み判定に関する処理(ステップS318~S320)をスキップし、後述のステップS321の処理に進む。この場合も今回の作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、先読み禁止データ(EVENT:「9FH」)を持つ入賞時コマンドが作成されて、これにより先読み予告は実行されない。換言すれば、上記先読み禁止データ(9FH)は、先読み判定に関する処理(ステップS318~S320)が未実行であることを指定するデータである。
設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS317:≠5AH)、設定値コマンドを送信して、乱数判定処理を実行する(ステップS318)。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際に実行される「変動開始時の当落抽選(後述の図12のステップS410)」を事前に判定する‘先読み当落判定’を行う。
(設定値コマンド)
上記「設定値コマンド」は、現在の設定値を特定可能な情報が含まれ演出制御部24側にて、当該設定値に基づく予告演出(後述の設定示唆演出)を現出制御する際に利用される。この設定値コマンドは、始動口チェック処理にて、作動保留球が発生するごとに送信されるようになっている。これにより、演出制御部24側では、正しい設定値情報に基づき、作動保留球に係る予告演出(たとえば、先読み予告演出に関連する設定示唆演出)を現出制御可能となっている。なお、「設定無し遊技機」または「1段階設定タイプ」の場合は、設定値情報は不必要のため、設定値コマンドは送信しなくてもよい(設定値コマンド送信に関する処理は設けなくてもよい)。
ステップS318の乱数判定処理では、まず「当り乱数判定テーブル(図示せず)」を取得し、大当り判定用乱数値を取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(先読み当落判定)を実行し、その抽選結果(先読み当落結果)を取得する。
上記当り乱数判定テーブルには、特別図柄種別(特図1、特図2)に対応する当り乱数判定テーブル(特図1用当り乱数判定テーブル、特図2用当り乱数判定テーブル)が設けられている。したがって、特図1に係る特図1始動口チェック処理においては「特図1用当り乱数判定テーブル」が参照され、特図2に係る特図2始動口チェック処理においては「特図2用当り乱数判定テーブル」が参照される。この当り乱数判定テーブルは、後述の「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(図12のステップS410)」において、当落抽選を行う際にも利用される。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率と低確率)別に、当落種別(大当りか、小当りか、特殊時短か、ハズレかの別)を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、当落種別が決定されるようになっている。なお、本実施形態では、特図に係る確変状態は生起しないため、高確率に関する判定領域は存在しない。
また、複数段階の設定値(たとえば、設定1~6)を有する「設定機能付きタイプ」の場合、上記当り乱数判定テーブルは、設定値(設定1~6)ごとに対応した当り判定テーブル(設定1~6に応じて、少なくとも大当りの抽選確率がそれぞれ異なるテーブル)を備えることができる。
上記したステップS318の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を実行する(ステップS319)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際に実行される「変動開始時の図柄抽選(後述の図12のステップS411)」を事前に判定する‘先読み図柄判定’を行う。
上記特別停止図柄データ作成処理では、ステップS318で得られた先読み当落結果と、今回の処理対象の特別図柄種別(特図1、特図2の別)とに応じた「図柄テーブル(図示せず)」を選択する。そして、ステップS314で得られた特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと、取得した特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選(先読み図柄判定)を実行し、その抽選結果(先読み図柄結果)を取得する。
上記「図柄テーブル」には、大当り種別、小当り種別、特殊時短種別、ハズレ種別を決定するための「大当り図柄テーブル」、「小当り図柄テーブル」、「特殊時短テーブル」、「ハズレ図柄テーブル」が含まれ、特別図柄種別に対応して設けられている。たとえば、当選種別として、特図2側には「大当り種別、小当り種別、およびハズレ種別」のみが定められている場合には、特図2用の図柄テーブルには、「特殊時短テーブル」を除く、「大当り図柄テーブル」、「小当り図柄テーブル」、「ハズレ図柄テーブル」が設けられる。なお、これらの図柄テーブルは、後述の特別停止図柄作成処理(図12のステップS411)において、変動開始時の図柄抽選を行う際にも利用される。
図柄テーブルには、当選種別(図柄種別)を決定するための判定領域(判定値)と、特別図柄判定用乱数値(たとえば、特別図柄判定用乱数値の大きさ:100)とが関連付けて定められている。また、図柄テーブルには、当選種別に対応した特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号も定められており、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、所定の図柄抽選率に従い当選種別が決定され、その抽選結果を示すデータとして、特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が取得されるようになっている。たとえば、大当りである場合には図4Aに示す図柄抽選率に従い、いずれかの大当り種別(大当りA~Cのいずれか)が決定され、ハズレの場合には、図4Cに示す示す図柄抽選率に従い、いずれかのハズレ種別(ハズレA~Cのいずれか)が決定されることになる。
上記「特別図柄判定データ」とは、当選種別(当選の種類:大当り種別、小当り種別、特殊時短種別、およびハズレ種別)を識別するデータである。具体的には、いずれの当選種別(本実施形態では、大当りA~大当りD、小当りA、小当りB、特殊時短A~C、ハズレA~C)に当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理などにおいて利用される。特別図柄判定データが必要とされる処理には、たとえば、後述の図12のステップS412の遊技状態移行準備処理、ステップS413の特別図柄変動パターン作成処理、大当り種別や小当り種別などの当り遊技の実行制御に関する処理(後述の図9のステップS093の特別電動役物管理処理)などの種々の処理がある。
また上記「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)を特定する際に利用される。特別停止図柄番号は、基本的には、当選種別に応じて特別停止図柄番号が異なるようになっているが、同一の当選種別であっても、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄の表示態様が異なる場合がある。たとえば、大当りAに当選した場合、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄の表示態様が、「H」と「F」といったように、特別停止図柄態様が異なる場合がある。なお、普通図柄についても特別図柄と同じように、普通図柄判定データや普通停止図柄番号が設けられている。
上記したステップS319の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、始動口入賞時乱数判定処理を実行する(ステップS320)。この始動口入賞時乱数判定処理も‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球が変動表示動作に供される際の「変動開始時の変動パターン」を事前に判定する‘先読み変動パターン判定’を行う。具体的には、後述の図12に示す「特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)」の結果を先読み判定する。
詳しくは、上記特別停止図柄データ作成処理(ステップS319)で得られた先読み図柄判定の結果(少なくとも乱数判定処理(ステップS318)で得られた当落抽選結果)と、ステップS314で取得した変動パターン用乱数(乱数値の大きさ:10000)とを利用し、今回の作動保留球に係る「変動開始時の変動パターン」を先読み判定する。この先読みパターン判定は、変動開始時の変動パターンを事前に判定するものであるため、変動開始時に利用される変動パターン振分テーブルと基本的構成を同じにする別途設けた「先読み判定テーブル」を参照して行う。ただし本実施形態の場合は、プログラム容量の軽減を図るべく、変動パターン振分テーブルが「入賞時(先読み判定時)・変動開始時兼用」のテーブルとして設けられており、入賞時および変動開始時の双方において、当該変動パターン振分テーブルが参照され、取得した変動パターン用乱数値に基づき、変動開始時の変動パターンについて、先読み判定可能となっている。
そして、先読み判定結果として、先読み変動パターンを指定する「入賞時コマンドデータ」を取得する。ここでは、入賞時コマンドを構成するコマンドデータとして、当り・ハズレの別を特定可能な「MODE1(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする「EVENT(2バイト目(下位バイト))側のコマンドデータとが取得される。すなわち、この始動口入賞時乱数判定処理において決定されるコマンドデータにより、先読み変動パターン(作動保留球数情報は除く)の内容が指定されることになる。
以下に、本実施形態に係る変動パターン振分テーブルについて、先読み判定時(入賞時)だけでなく、変動開始時(後述の図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)参照)の処理内容にも触れながら、始動口入賞時乱数判定処理(ステップS320)について説明しておく。
始動口入賞時乱数判定処理は、先読み変動パターンを指定するための「入賞時コマンド」を決定する処理として、下記(a)および(b)の処理が含まれる。
(a)「変動パターン振分テーブル選択テーブル」(不図示)を参照して、「変動パターン振分テーブル」を決定する“入賞時変動パターン振分テーブル決定処理”と、
(b)上記(a)で決定された「変動パターン振分テーブル」(たとえば、図26~図28)を参照して、取得された変動パターン用乱数値に基づき、先読み変動パターンに対応する入賞時コマンドデータを決定する“入賞時コマンドデータ決定処理(先読み変動パターン決定処理)”と、を含んで構成される。
上記「変動パターン振分テーブル選択テーブル」には、特別図柄種別、当選種別、作動保留球数、および変動パターン振分指定番号Tcode(現在の遊技状態)に関連付けられた複数種類の「変動パターン振分テーブル」が定められている。具体的には、特別図柄種別、当選種別、作動保留球数、および変動パターン振分指定番号Tcodeに基づき、複数種類の変動パターン振分テーブルのうちから、いずれか一つの変動パターン振分テーブルが決定されるようになっている。この変動パターン振分テーブル選択テーブルは、入賞時・変動開始時における兼用(共通)の変動パターン振分テーブル選択テーブルとなっており、入賞時(先読み判定時)の「入賞時コマンド」を決定する際に利用されるだけでなく、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」の決定する際においても利用される(後述の図12のステップS413の特別図柄変動パターン作成処理参照)。
ただし、先読み判定時(上記「入賞時変動パターン振分テーブル決定処理」)においては、入賞時と変動開始時とで、判定時の作動保留球数が異なることがあるため、作動保留球数を無視して(作動保留球を0として)、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルから、目的の変動パターン振分テーブルを選択するようになっている(これについては後述する)。一方、変動開始時には、現存する作動保留球から今回の変動表示動作に供する作動保留球数分を減算した値(作動保留球数-1)が作動保留球数の情報として参照される(たとえば、図26~図28の「作動保留球数」の欄、後述の図12の特別図柄変動開始処理のステップS403、S413等参照)。
(変動パターン振分テーブル(入賞時))
次に、上記「変動パターン振分テーブル」について説明する。図26~図28に、本実施形態に係る変動パターン振分テーブルの一例を示す。なお、図26~図28には、本発明と係り合いの深い、ハズレ時に選択される変動パターン振分テーブルを示し、大当り、小当り、特殊時短当選時に選択される変動パターン振分テーブル(当り変動パターン振分テーブル、特殊時短変動パターン振分テーブル)は図示を省略している。
変動パターン振分テーブルには、次のようなデータ群が定められている。これについて、図26~図28を参照して説明する。
(先読み変動パターンに関するデータについて)
(イ)変動パターン振分テーブルには、先読み変動パターンを指定する「入賞時コマンド」を構成するためのコマンドデータと、変動パターン用乱数値に係る判定値とが関連付けて定められている。入賞時コマンドは、当り・ハズレ・特殊時短の別を特定可能な上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE1」)と、先読み変動パターンの内容を特定可能な下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)の2バイトの制御データで構成される(図26の備考1参照)。
先読み判定時には、変動パターン振分テーブルが参照され、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するか否か(変動パターン用乱数値を利用した抽選)により入賞時コマンドデータ(先読み変動パターン)が決定される。これにより、入賞時コマンドが作成され、先読み変動パターンの内容が指定される。たとえば、今回の変動が「特図1側、ハズレA、天国モード(通常)」であれば(入賞時は作動保留球数をゼロとして判定する)、図26に示す変動パターン振分テーブル「FH1」が参照され、取得した変動パターン用乱数値が、たとえば「通常変動16s」に属する値であった場合には、先読み変動パターンを指定する入賞時コマンドとして「B004H」(通常変動16s指定)が作成される。入賞時コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側で先読み変動パターンの内容(先読み変動パターン情報)が把握され、先読み予告に関する演出処理などに利用される。
(変動開始時の変動パターンに関するデータについて)
(ロ)また変動パターン振分テーブルには、変動開始時の変動パターンを指定する「変動パターン指定コマンド」を構成するためのコマンドデータと、変動パターン用乱数値に係る判定値とが関連付けて定められている。変動パターン指定コマンドは、当り・ハズレ・特殊時短の別を特定可能な上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図示の「MODE2」)と、変動開始時の変動パターンの内容を特定可能な下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図示の「EVENT」)の2バイトの制御データで構成される(図26の備考2参照)。
変動開始時の変動パターンを決定する際にも(後述の図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS413)参照)、入賞時と同じように、上記変動パターン振分テーブルが参照され、変動パターン用乱数値を利用した抽選により、変動パターン指定コマンドデータ(変動開始時の変動パターン)が決定されるようになっている。ただし、変動開始時には、作動保留球数を考慮した変動パターン振分テーブルが参照される。これにより、変動パターン指定コマンドが作成され、変動開始時の変動パターンの内容が指定される。変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側で、変動開始時の変動パターンが把握され、その変動パターン情報は、図柄変動表示ゲーム中に係る演出処理などに利用される。
ここで図26~図28では、説明の便宜上「選択率」(正しくは、判定値の範囲)を示す表記としているが、実際には、変動パターン用乱数値に応じて、入賞時コマンドデータまたは変動パターン指定コマンドを決定するための判定領域(判定値:0~9999の範囲のいずれに属するかを決定可能な判定領域)が定められており、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するものであるか否かにより、コマンドデータ(変動パターン)が決定されるようになっている。
具体的には、変動パターン用乱数値と判定値との関係は、次のようになっている。たとえば、図26のハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」を代表例にとって説明すれば、図面正面上から下の列方向に見て判定値が最初に記載されている箇所から参照すると、判定値「10」、「8990」、「1000」の順に記載されているが、この内容は、変動パターン用乱数値(BRND=0~9999)が、判定値0~9の範囲(上記「10」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動13s」を指定するコマンドデータが選択され、判定値10~8999の範囲(上記「8990」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動16s」を指定するコマンドデータが選択され、判定値9000~9999の範囲(上記「1000」の記載欄に対応)に属する場合は「Nリーチ1」を指定するコマンドデータが選択されるようになっている。本実施形態の場合、図中の空欄の部分、つまり判定値の記憶先のアドレスには、判定値データが記憶されていないわけではなく、判定値として「0」が記憶されている。これは、新機種開発の際や設計開発段階における選択率の調整を容易化するためである。
ここで本実施形態では、先読み判定時(入賞時)においては、作動保留球数を無視して(作動保留球をゼロとして)、上記「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を参照し、目的の変動パターン振分テーブルを選択すると説明したが、その理由は次に述べる通りである。
本実施形態に係る上記「変動パターン振分テーブル選択テーブル」は、入賞時・変動開始時兼用であるが、入賞時の作動保留球数と変動開始時の作動保留球数とが必ずしも一致しない。しかし、先読み判定時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とが一致しないからといって、闇雲に作動保留球数を無視して、先読み変動パターンを判定するのでは、先読み変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容とに大きな違いが生じてしまう可能性があり、その結果、先読み予告の内容と、変動中演出における予告演出の内容に大きなズレが生じる恐れがある。詳述するに、入賞時においては、主制御部20から先読み変動パターン情報を含む「入賞時コマンド」を演出制御部24に送り、これを受けた演出制御部24は、その保留加算コマンドに基づき、先読み予告演出に関する演出制御を行う。一方、変動開始時においては、主制御部20から変動開始時の変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」演出制御部24に送り、これを受けた演出制御部24は、その変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中における装飾図柄の変動表示動作演出(装飾図柄演出)と予告演出(変動中予告演出)とを含む変動中演出に関する演出制御を行う。このような関係から、先読み変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容との相違が大きいと、先読み予告の内容と変動中予告の内容との関連性が崩れ、予告演出の信頼性や面白みが低下し、遊技者の遊技意欲を減退させてしまう恐れがある。たとえば、そこそこ当選期待度の高い緑色保留が出現したにもかかわらず、リーチも掛らずに、単なる通常変動のように終了してしまうケースが頻発するケースが挙げられる。そこで本実施形態では、先読み判定について、次に述べる特徴的要素(第1の特徴的要素)を持たせてある。
(第1の特徴的要素)
図26のハズレ変動パターン振分テーブルを参照して、たとえば、現在の遊技状態が通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、当選種別がハズレA(特図1側ハズレA)である場合、前述したように、先読み判定時は、作動保留球数によらず、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」が選択される(先読み判定時は、作動保留球を0として判定する)。一方、変動開始時には、作動保留球数に応じて、変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」のいずれかが選択される(図26の「Tcode=00H(通常)、特図1、ハズレA」の欄参照)。
ここで、変動パターン振分テーブル「FH3」「FH4」には、通常変動(通常変動パターン)種別に属する“通常変動4s、通常変動8s、通常変動13s”などが選択可能となっているが、これらは、先読み予告が実行されない「非先読み予告用変動パターン種別」として定められている。この非先読み予告用変動パターンとは、具体的には「先読み予告抽選の対象外」または「先読み予告抽選の対象ではあるが、その当選確率がゼロ(先読み予告非実行)」という先読み変動パターンである。この実施形態の場合、通常変動種別のうちで先読み予告の対象となる変動パターン(先読み予告用変動パターン)は、ハズレBの場合に選択されうる「先読み予告用通常変動16s」だけとなっている(図26の「FH5」参照)。
また変動パターン振分テーブル「FH1」「FH2」は、通常変動種別に属する“通常変動13sと通常変動16s”の他、Nリーチ種別に属するNリーチ1が選択可能となっている。ここで、単なる「Nリーチ1」は、上記「非先読み予告用変動パターン」に属し、先読み予告が実行される「先読み予告用リーチ1」とは異なる。
したがって、通常中の特図1側ハズレAに当選した場合には、入賞時(先読み判定時は「FH1」が選択される)に、先読み予告の対象とされる変動パターン(先読み変動パターン)が選択されることがない。すなわち、入賞時と変動開始時とで異系統の変動パターンが決定されるケース、たとえば、先読み判定時に「Nリーチ」であると判定され、変動開始時には「通常変動」であると判定されるケースであっても、通常中の特図1側ハズレAの場合は先読み予告が現出されないため、上記した「先読み予告の内容と変動中予告の内容との関連性が崩れる」といったような問題は生じない。
なお上述のように、必ずしも先読み予告が一切現出されない構成としなくてもよく、通常変動13s、通常変動16sまたはNリーチ1が選択された場合に、先読み予告が稀に出現するケースであれば特に問題は生じないと考えられる。たとえば、通常変動13s、通常変動16sおよびNリーチ1の少なくともいずれか1つの変動パターンを先読み予告用変動パターンとして定めてもよく、この場合、選択率が相対的に低確率の「通常変動13s」および/または「Nリーチ」を先読み予告用変動パターンとして定めることが好ましく、より好ましくは、選択率が最も低い通常変動13sを先読み予告用変動パターンとして定める。ただしこの場合は、先読み予告が過度に現出させないようにするために、先読み予告用変動パターン(先読み予告用通常変動16sおよび/または先読み予告用Nリーチ1)よりも、先読み予告の出現率(先読み抽選の当選確率)を低確率に定めることが好ましい。
また、図26に示す通り、現在の遊技状態が通常中において、特図1側ハズレB(通常中特図1側ハズレB)に当選した場合、特図1側のハズレC(通常中特図1側ハズレC)に当選した場合、または特図2側でハズレDに当選した場合(通常中特図2側ハズレ)には、入賞時および変動開始時のいずれも作動保留球数によらず、それぞれ共通のハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」、「FH6」、「FH7」が選択される。また、図27に示す通り、微時短中(Tcode=01H)においても、上述の通常中(Tcode=00H)と同事象である。
以上のように、本実施形態では、各遊技状態において、先読み予告の内容と変動中予告の内容との関連性が崩れてしまうといった問題を極力生じさせない工夫がなされている。
(第2の特徴的要素について)
一般的に電サポ無し状態であっても、作動保留球数は比較的短時間で1乃至2個程度変化しうる。これを利用して作動保留球数に応じた変動パターンを選択可能に構成すれば、毎回の図柄変動表示ゲームごとに、演出時間(図柄変動表示ゲームの実行時間)に変化をもたらし、多彩な演出を発生させることが可能である。
ところで、ハズレ時における1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間(図柄変動時間)を短時間(たとえば、数秒程度)としてしまうと、所謂「変動スランプ(図柄変動表示ゲームが実行されていない期間)」の発生率が高まり、遊技者が「回らない、面白くない」と感じ易くなり、遊技興趣が減退して、遊技のリピート率が低下してしまう。そこで、1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間を長くすれば、作動保留球も貯まり易くなり、変動スランプの発生率を少なくすることができるとも考えられる。
しかし、図柄変動表示ゲームの実行時間を無闇に長時間としてしまうと、ゲームの進行スピードが緩慢化し、折角の変動中演出が気疎い演出となったり、予告演出による大当り当選への緊張感が途切れたりして、遊技者に退屈感や不満感を与えてしまう。また、図柄変動表示ゲームの実行時間を無闇に長時間にしてしまうと、作動保留球のオーバーフロー(最大保留記憶数(4個)を超える始動入賞)が生じ易くなる、つまり、ゲームの実行権利の多くを喪失してしまい、遊技者の遊技意欲が減退してしまう恐れがある。したがって、バランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させる工夫が必要である。たとえば、変動開始時における作動保留球数や遊技状態などを考慮した変動パターン選択技術が重要となる。特に、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ時に着目した変動パターン選択技術が重要である。
このような課題に鑑み、本実施形態では、特に、遊技進行上、滞在期間が比較的長い、つまり、遊技進行上、メインの遊技状態となる「通常中」または「微時短中」におけるハズレ変動パターンの選択に特徴ある構成を持たせてある。以下、図26、図27を用いて説明する。
本実施形態では、既に説明したように、遊技者が、現在の遊技状態が微時短中(地獄モード中)であるか通常中(天国モード中)であるかの判別を困難なものとするために、図26に示す「通常中ハズレ変動パターン振分テーブル」と、図27に示す「微時短中ハズレ変動パターン振分テーブル」とを略同一の構成としてある。先ず、図26に示す「通常中ハズレ変動パターン振分テーブル」について説明する。
<A.通常中ハズレ当選時に係る変動パターン振分テーブルの特徴:図26>
図26を参照しながら、通常中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH7」について説明する。
本実施形態では、ハズレ種別にはハズレA~Cの複数種類のハズレが含まれ、これらの図柄抽選率は、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%となっている(図4Cの「図柄抽選率」の欄参照)。ここで図26に示す通り、特図1側ハズレAに当選した場合、作動保留球数に応じて、変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」のいずれかが選択される。しかし、特図1側ハズレBに当選した場合、作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH5」が選択され、特図1側ハズレCに当選した場合も前述のハズレBと同様に、作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH6」が選択される。また、特図2側のハズレA~Cのいずれかに当選した場合も作動保留球数によらず、共通の変動パターン振分テーブル「FH7」が選択される。
これら通常中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」~「FH7」は、下記(α)~(ε)の特徴を持つ。以下では説明の便宜のために、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」のように、作動保留球数によらずに選択される変動パターン振分テーブル(各作動保留球数に共通して用いられる変動パターン振分テーブル)を「共通変動パターン振分テーブル」とも称する。また、作動保留球数に応じて選択される変動パターン振分テーブルを「保留数別変動パターン振分テーブル」とも称する。
なお、図26または図27には、保留数別変動パターン振分テーブルの一例として、各作動保留球数のそれぞれに応じて(作動保留球数1~4個のぞれぞれに応じて)選択される変動パターン振分テーブル「FH1(保留数0)~FH4(保留数4)」を示してあるが、各作動保留球数のうち、一部で共通の変動パターン振分テーブルが選択され、その他は異なる変動パターン振分テーブルが選択されるという場合も、この「保留数別変動パターン振分テーブル」に属するものとして扱う。たとえば、作動保留球数0~1個の場合は「第1変動パターン振分テーブル(たとえば、「FH1(保留球数0、1」)」が選択され、作動保留球数3個の場合は「第2変動パターン振分テーブル(たとえば、「FH3(保留球数3)」)」が選択され、作動保留球数3個の場合は「第3変動パターン振分テーブル(たとえば、「FH4(保留球数4)」)」が選択される、といったケースである。
(A-1.特図1側通常中ハズレA当選時に係る変動パターン振分テーブル(保留数別変動パターン振分テーブル)「FH1~FH4」)
(第1の特徴)
(α)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」のそれぞれは、少なくとも“複数種類の通常変動が選択可能”となっている。具体的には、「FH1」が選択された場合には、通常変動13s、通常変動16s、またはNリーチ1(変動時間26s)が選択される可能性があり、「FH2」が選択された場合は、通常変動13s、通常変動16s、またはNリーチ1が選択される可能性がある。また、「FH3」が選択された場合には、通常変動8sまたは通常変動13sが選択される可能性があり、「FH4」が選択された場合には、通常変動4sまたは通常変動8sが選択される可能性がある。通常変動16sは、通常変動種別のうち最も変動時間が長い“最長通常変動(最長通常変動パターン)種別”に属し、通常変動4sは通常変動種別のうち最も変動時間が短い“最短通常変動(最短通常変動パターン)種別”に属するものとなっている。本実施形態は、作動保留球数(保留記憶数)に応じて、少なくとも「先読み予告用通常変動16s」の変動時間と略同一の変動時間を定めた「通常変動16s」が、異なる選択率で選択(決定)可能な構成となっている。
なお、本発明は(Z1)~(Z3)のように構成することができる。
(Z1)本発明は、作動保留球数に応じて、最長通常変動および/または最短通常変動が異なる選択率で選択可能なハズレ変動パターン振分テーブルを含むことができる。
(Z2)また本発明は、作動保留球数に応じて、第1特定変動パターン(たとえば、通常変動16s)と、第1特定変動パターンよりも変動時間が短い短縮変動パターン(たとえば、通常変動4s、通常変動8sまたは通常変動13s)とのいずれかを選択可能な第1ハズレ変動パターン振分テーブルと、作動保留球数によらずに当該第1特定変動パターンの変動時間と略同一の変動時間である第2特定変動パターン(たとえば、先読み予告用通常変動16s)を決定可能な第2ハズレ変動パターン振分テーブルとを含むことができる。
(Z3)また本発明は、作動保留球数に応じて、第1特定変動パターン(たとえば、通常変動16s)を異なる選択率で決定可能な第1ハズレ変動パターン振分テーブルと、作動保留球数によらずに当該第1特定変動パターンの変動時間と略同一の変動時間である第2特定変動パターン(たとえば、先読み予告用通常変動16s)を決定可能な第2ハズレ変動パターン振分テーブルとを含むことができる。この場合、作動保留球数毎に、第1特定変動パターン(通常変動16s)の選択率を異なるように構成することができる。
よって、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」の全体像に着目すれば、遊技進行上、遊技者が多く遭遇するハズレ(本実施形態では、ハズレA)当選時に、作動保留球が比較的多い場合には(保留数2~3の場合)、変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易くなり、作動保留球が比較的少ない場合には(保留数0~1の場合)、変動時間が相対的に長い変動パターンが選択され易くなる。これにより、変動時間に適度な緩急が発揮され、変動スランプの発生率の低下に寄与することができる。その結果、遊技者は、作動保留球が貯まっていて、連続的にゲームが実行されているような感じを受けるようになる。また、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」では、いずれの作動保留球数においても通常変動が高確率で選択されるが、作動保留球数が少なくなるほど、リーチ変動が高確率で選択されるようになっている。そして、選択対象のリーチ変動は、低期待度リーチに属する「Nリーチ(変動時間が相対的に短いリーチ変動)」となっており、特に、この実施形態では、ハズレAの場合には先読み予告用変動パターンが選択されない。これにより、ハズレ時に当選期待感を無闇に煽ることがない。
本実施形態に係るハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」によれば、変動スランプの発生率の低下に寄与するとともに、ハズレ時に当選期待感を無闇に煽ることがない、というバランスの取れた図柄変動表示ゲームを生起させることができるようになる。
なお、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1」と「FH2」とにおいて「リーチ変動(リーチ変動パターン)」が選択可能な構成、換言すれば、作動保留球数が相対的に少ない場合にリーチ変動が選択可能な構成となっているが、本発明はこれに限られない。たとえば、変動パターン振分テーブル「FH1」に限りリーチ変動が選択可能な構成、つまり、作動保留球数が最も少ない場合に限りリーチ変動が選択される構成としてもよい。また、変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」において、通常変動だけが選択される構成としてもよい。
本実施形態では、通常変動種別を変動時間の長短で区別した場合、通常変動16s種別、通常変動13s種別などの10秒以上の変動パターンを変動時間が相対的に長い“長変動パターン”として扱う。一方、通常変動4s種別、通常変動8s種別などの10秒未満の変動パターンを変動時間が相対的に短い“短変動パターン”として扱う。このように区別する理由は、一般的な弾球遊技機では、遊技球を10秒程度発射し続ければ、作動保留球が高確率で発生しうると考えられるからである。なお、短変動パターンは、現存の作動保留球数が多い場合に選択され易くなっている。
(第2の特徴)
(β)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」は、各々が定める変動パターンのうち最も選択率の高い変動パターン(高頻度変動パターン)の変動時間が、それぞれ異なるように定められている。すなわち、作動保留球数に応じて、高頻度変動パターンの変動時間が異なるようになっている。具体的には、高頻度変動パターンの変動時間に関し、“FH4(保留3)、FH3(保留2)、FH2(保留1)、FH1(保留0)”のこの順で、変動時間が長時間となるように定められている。つまり、作動保留球数が少なくなるほど、高頻度変動パターンの変動時間が相対的に長時間となるように定められている。本実施形態の場合、上記高頻度変動パターンは“通常変動(通常変動パターン)”であり(高頻度通常変動パターン)、具体的には、図26に示す通り、変動パターン振分テーブル「FH1」の場合は“通常変動16s”、「FH2」の場合は“通常変動13s”、「FH3」の場合は“通常変動8s”、「FH4」の場合は“通常変動4s”となっている。また、変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」が選択された際の平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均実行時間)は、“FH4(保留3)、FH3(保留2)、FH2(保留1)、FH1(保留0)”のこの順で、当該平均変動時間が長時間となるように定められている。換言すれば、作動保留球数が少なくなるほど、平均変動時間が長時間となるように定められている。
(A-2.通常中特図1側ハズレB当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH5」)
(第3の特徴)
(γ)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」は、“SPSPリーチ種別(最高期待度リーチ種別)未満”の当選期待度を持つ変動パターン種別が選択可能となっている。本実施形態では、図示のように、Nリーチ種別、SPリーチ種別の他、通常変動種別のうち最も変動時間が長い“最長通常変動(最長通常変動パターン)種別”が選択可能となっている(図26のFH5の欄参照)。具体的には、「SPリーチ種別」よりも当選期待度が高い(SPリーチ種別よりも変動時間が長い)「SPSPリーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)」については選択されない。このハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」が選択された際の平均変動時間は、先述したハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」よりも相対的に長時間となっている。
(A-3.通常中特図1側ハズレC当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH6」)
(第4の特徴)
(δ)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH6」は、少なくとも“SPSPリーチ種別”が選択可能、すなわち最高期待度リーチ変動種別が選択可能となっている。換言すれば、リーチ変動パターンのうちで変動時間が最長の変動パターンが選択されるテーブル構成といえる。本実施形態の場合は、図示のように、SPSPリーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)だけが選択可能となっている。したがって、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH6」が選択された際の平均変動時間は、他の通常中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH5」よりも長時間(最長の平均変動時間)とされる。
(A-4.特図2側通常中ハズレ当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH7」)
(第5の特徴)
(ε)ハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」は、特図1側のハズレ当選時ではなく、特図2側ハズレ当選時の変動パターン振分テーブルである。本実施形態では、既に説明したように、遊技性の関係上、時短状態終了直前に保留された作動保留球(残保留)以外は、通常中において特図2作動保留球が発生することはほぼ皆無であり、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」が選択されるケースは、専ら、特殊時短Cや大当りDやV当り後の時短抜けした遊技状況(連荘の期待感を煽る連荘モード)に限られる。そして、その残保留に係るゲームは、最大4回(最大保留記憶数以下)という比較的短い遊技期間であり、また遊技者は、専ら、小当りに当選するか否かという緊張感や期待感をもって遊技に臨むことになる。斯様な遊技状況下においては、多種多様な変動パターンを設ける必要性に欠け、制御負担軽減の観点からも、無闇に変動パターンの種類を増やすべきではない。そのため、本実施形態では、適度な演出時間を確保して小当り当選期待感を煽る演出を実行するべく、ハズレ変動として「残保留用煽り変動(変動時間48s)」だけが選択されるようになっている。
(B-1.特図1側微時短中ハズレA当選時に係る変動パターン振分テーブル(保留数別変動パターン振分テーブル)「FH8」、「FH2~FH4」)
次に、図27を参照しながら、微時短中のハズレ変動パターン振分テーブル「FH2~FH6」、「FH8」、「FH21」について説明する。
(第6の特徴)
(ζ)図27に示す通り、微時短中ハズレ変動パターン振分テーブルが通常中ハズレ変動パターン振分テーブルと異なる点は、特図1側に係るハズレ変動パターン振分テーブルのうち、「特図1側ハズレA、保留数0」の場合におけるハズレ変動パターン振分テーブルが異なり(微時短中は「FH8」、通常中は「FH1」が選択される)、その他のハズレ変動パターン振分テーブルは同じである(微時短中、通常中ともに「FH2」~「FH6」が選択されうる)。この実施形態の場合、「特図1側ハズレA、保留数0」の場合において、微時短中における通常変動13sの選択率が通常中よりも僅かに高確率であり、通常変動16sの選択率が通常中により僅かに低確率となっている。しかし、その違いは微差であり、それらの選択率は略同一であるといえる(図26の「FH1」、図27の「FH8」の欄、特に、図27の灰色部分を参照)。換言すれば、微時短中変動パターン振分テーブルが選択された際の平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均実行時間)は、通常中変動パターン振分テーブルが選択された際の平均変動時間と略同一となっている。また、特図1側に係る微時短中ハズレ変動パターン振分テーブルと、特図1側に係る通常中ハズレ変動パターン振分テーブルとで、選択対象となる変動パターン種別が同一となっている。したがって、特図1側に係る微時短中ハズレ変動パターン振分テーブルと、特図1側に係る通常中ハズレ変動パターン振分テーブルとは、略同一の構成であるといえる。
なお、特図2側に係る微時短中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH21」と、通常中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH7」とは、その構成を異にするが、既に説明したように、微時短中に特図2作動保留球が発生することはほぼ皆無であり、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH21」が選択される遊技状況は、実質的には無いものとして扱うことができる。すなわち、微時短中ハズレ変動パターン振分テーブルの全体的なテーブル構成は、通常中ハズレ変動パターン振分テーブルと、実質的同一(略同一)の構成として扱っても問題はない。
したがって、既に説明した上記(式甲1)の“「X≒Y」(X=微時短状態中に係る特図の平均変動時間、Y=通常状態中に係る特図の平均変動時間)”の関係が実現可能となり、また、通常中と微時短中とで、ベース値を共通化(同一または略同一)にしたり、通常中と微時短中とで、出現させる演出(変動パターンに基づく演出(変動中演出)など)を共通化(同一または略同一)とすることができ、その結果、現在の遊技状態が微時短中(地獄モード中)であるか通常中(天国モード中)であるかの判別が極めて困難(ほぼ不可能)なものとすることができる。また、少なくとも特図1側の微時短中ハズレ変動パターン振分テーブルが選択される場合には、特図1側の通常中ハズレ変動パターン振分テーブルが選択される場合と同様の作用効果(上記(α)~(δ)参照)を奏することができる。
(B-2.特図2側微時短中ハズレ当選時共通変動パターン振分テーブル:「FH21」)
特図2側に係るハズレ変動パターン振分テーブル「FH21」においては、短変動パターンの「通常変動4s」だけが選択されるようになっているが、その理由は次に述べる通りである。
本実施形態では、微時短中に特図2作動保留球が発生することはほぼ皆無であり、仮に微時短中に特図2作動保留球が発生した場合は、イレギュラー入賞やゴト行為による不正入賞の可能性が高いと考えられる。このような事情を考慮し、特図2側のハズレについては、無闇に長変動パターンが選択されたり、作動保留球数に応じて変動パターンを選択したりすることはせずに、短変動パターンの「通常変動4s」だけが選択されるようになっている。なお、微時短中であっても特図2作動保留球が発生した場合には小当り当選の可能性があるが(図4A参照)、この場合は、イレギュラー入賞や不正入賞による小当り当選の可能性が高いため、次の(E1)~(E3)ように構成することが好ましい。
(E1)少なくとも微時短中の特図2側小当り当選時の変動パターンをハズレ時と同じ「通常変動4s」を選択させ、図柄変動表示から小当り遊技中を通じて、演出上はハズレを装い、小当り当選を外部から悟られないようにする。なお、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH21」では、「通常変動4s」のみが選択対象となっているが、変動時間4秒よりも短い変動時間の通常変動0.5s(変動時間0.5秒)、通常変動1s(変動時間1秒)などを定めてもよい。この場合、極めて短い時間で図柄変動表示ゲームを終了させて、小当り当選しても小当り当選を外部から悟られることなく、しれっと小当り遊技を実行させることが可能になる。
(E2)小当り遊技に係る開閉動作遊技において、大入賞口50および/またはV入賞口への入賞を実質的に不可能とする動作パターンで、開閉部材(開放扉52b、V誘導装置)を動作させる。
(E3)また、上述の(E1)および(E2)の構成としてもよい。
(C-1.当り変動パターン振分テーブル)
当り変動パターン振分テーブルについては、不図示であるが、ハズレ時と同じく、各遊技状態別(Tcode別)の当り当選時に係る変動パターン振分テーブルが設けられている。本実施形態の場合、当り(大当りまたは小当り)に当選した場合には、作動保留球数によらず、当り種別に応じた変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。また、当りの場合は、通常変動は選択されず、リーチ変動種別(たとえば、図26の種々のリーチ変動参照)が選択される。ただし、小当りの場合は、小当り当選専用変動が選択されるように構成してもよい。
また、特殊時短の場合も当りと同様に、各遊技状態別(Tcode別)の特殊時短当選時に係る変動パターン振分テーブルが設けられている。また、特殊時短に当選した場合は、作動保留球数によらず、特殊時短種別に応じた変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。なお、特殊時短は、大当り抽選により当りでない場合に選択される当選種別であり、ハズレの一態様として扱うことができる。したがって、特殊時短当選時には、ハズレ当選時と同様に、通常変動、リーチ変動のいずれも選択対象とすることができる。ただし、特殊時短当選を報知するために、具体的には、特殊時短に係る予告演出の演出時間幅を確保するために、通常変動種別であれば長変動パターンを選択対象とすることが好ましい。また、リーチ変動を選択対象とする場合は、Nリーチ~SPSPリーチ(たとえば、図26、図27参照)のいずれも選択対象とすることができるが、特殊時短A、Bは微時短状態に、特殊時短Cは時短状態に移行契機となる当選種別であるため、特殊時短Cの場合には高期待度のリーチ種別(SPリーチ系)が低期待度リーチ種別(Nリーチ系)よりも高確率で選択され、特殊時短A、Bの場合には、特殊時短Cの場合とは逆に、高期待度のリーチ種別が低期待度リーチ種別よりも低確率で選択されるようにすることが好ましい。
たとえば、特殊時短Cの場合には、リーチ種別の選択率を「Nリーチ1<リーチN2<SPリーチ<発展型SPSPリーチ<直撃型SPSPリーチ」とすることができる。また特殊時短A、Bの場合には、高期待度のリーチ種別の選択率を「Nリーチ1>リーチN2>SPリーチ>発展型SPSPリーチ>直撃型SPSPリーチ」とすることができる。なお、特殊時短A、Bの場合は、高期待度のリーチ種別(SPリーチ、発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)が選択されないようにしてもよいし、高期待度のリーチ種別のうち、相対的に期待度が高いリーチ種別(発展型SPSPリーチおよび直撃型SPSPリーチ、または直撃型SPSPリーチ)が選択されないようにしてもよい。
また、微時短中に特殊時短に当選した場合は、その当選は無効扱い(ハズレ扱い)として、ハズレ当選時と同じく、ハズレ変動パターン振分テーブルを参照して、ハズレ変動パターンを選択させることができる。この場合、特殊時短A~Cのいずれも特定のハズレ対応のハズレ変動パターン振分テーブル(たとえば、ハズレA対応)を参照してもよい。たとえば、ハズレA当選時に係るハズレ変動パターン振分テーブルを参照する。また、特殊時短種別に応じて、各ハズレ対応のハズレ変動パターン振分テーブルを参照してもよい。たとえば、特殊時短A~Cのぞれぞれに応じて、ハズレA~C当選時に係るハズレ変動パターン振分テーブルを参照することができる。また、特殊時短A、Bの場合はハズレA当選時に係るハズレ変動パターン振分テーブルを、特殊時短Cの場合はハズレBまたはハズレC当選時に係るハズレ変動パターン振分テーブルを参照してもよい(特殊時短種別の意一部で共通のハズレ変動パターン振分テーブルを参照する形態)。
(変形例1)
なお、既に説明した図4Dの普図に関する「具体例2(図4D(イ))」または「具体例3(図4D(イ))」を採用する場合、すなわち、特図時短機能作動の必要がない微時短状態を生起させる場合には、制御負担軽減等の観点から、通常中と微時短中とで共通の変動パターン振分テーブルとしてもよい。また、少なくとも特図1側に係るハズレ変動パターン振分テーブルについては、通常中と微時短中とで共通のハズレ変動パターン振分テーブルとしてもよい。
(変形例2)
また本実施形態では、特図1側の微時短中ハズレ変動パターン振分テーブルと、特図1側の通常中ハズレ変動パターン振分テーブルとで、選択対象となる変動パターン種別が同一であると説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、「通常中には選択されず、微時短中に選択される」または「通常中に選択され、微時短中には選択されない」といった専用の変動パターンを1または複数設けることができる。専用の変動パターンは、リーチ変動および/または通常変動とすることができる。
(第7の特徴)
なお、上記した、通常中、微時短中の「ハズレ変動パターン振分テーブル」によれば、下記のような作用効果を奏することができる。
(Α)ハズレ種別にはハズレA~Cの複数種類のハズレが含まれ、これらの図柄抽選率は、ハズレAが95%、ハズレBが4%、ハズレCが1%(ハズレA>ハズレB>ハズレC)となっている(図4C備考欄参照)。本実施形態では、このような図柄抽選率の関係を利用し、通常中または微時短中において、ハズレAに当選した場合、作動保留球が比較的多い場合には変動時間が異なる複数の短変動パターンが選択され易くなり、作動保留球が比較的少ない場合には変動時間が異なる複数の長変動パターンが選択され易くなる。また、ハズレAに当選した場合、ハズレBまたはハズレCが当選した場合よりもリーチ変動が低確率で選択されるようになっている。これにより、変動時間が長い図柄変動が無闇に頻発しない構成、すなわち、変動時間に適度な緩急が発揮され、変動スランプの発生率の低下に寄与するだけでなく、作動保留球が貯まっていて連続的にゲームが実行されているように遊技者が感じる、といったバランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させることができる(たとえば、上記(α)~(δ)参照)。
(Β)また通常中にハズレAに当選した場合には、作動保留球数が少なくなるほど、平均変動時間(1回の図柄変動表示ゲームの平均的な実行時間)が長時間となる。換言すれば、作動保留球数が多くなるほど、平均変動時間が短縮される(たとえば、上記(α)、(β)参照)。これにより、図柄変動表示ゲームの実行時間が無闇に長期化せず、変動スランプの発生率を抑えるとともに、作動保留球のオーバーフローの発生率も抑えることができる、といったバランスのよい図柄変動表示ゲームの実行時間を生起させることができる。特に、遊技進行上、遊技者が多く遭遇する「通常中」や「微時短中」において好適である。
(Γ)また、通常中または微時短中において、ハズレAに当選した場合はリーチ変動よりも通常変動が高確率で選択され、ハズレBに当選した場合は低期待度リーチ種別(NリーチやSPリーチ)が高確率で選択され、ハズレCに当選した場合は高期待度リーチ種別(発展型SPSPリーチ、直撃型SPSPリーチ)が高確率で選択される(たとえば、上記(α)~(δ)参照)。つまり、ハズレ時の多くは通常変動に係る演出(通常変動演出)が現出され、リーチ演出を適切な頻度で現出させることができる。これにより、遊技者に対して当選期待感を過度に煽ってしまうことがない。また、稀に出現する高期待度リーチ演出により遊技興趣(当選期待感)を大いに盛り上げることができる。
(第8の特徴)
(η)また本実施形態では、既に説明したように、「先読み予告用通常変動16s」と「先読み予告用Nリーチ1」とを設けてある。これら変動パターンは、先読み予告用変動パターンとして定められている他、次の(A1)~(A3)に述べる特徴を有する。
(A1)図26に示す通り、「先読み予告用通常変動16s」の変動時間は、非先読み予告用変動パターン種別に属する「通常変動16s」の変動時間と略同一であり、「先読み予告用Nリーチ1」の変動時間は、非先読み予告用変動パターン種別に属する「Nリーチ1」の変動時間と略同一である。これら変動パターンは、長変動パターンに属する。本実施形態の場合、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは、通常変動種別の中で最長の変動時間として定めた変動パターンであり、最長通常変動種別に属する。
(A2)また図26に示す通り、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは同系統の変動パターンであるが、それぞれ入賞時コマンドの値が異なる。また、先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」も同系統の変動パターンであるが、それぞれ入賞時コマンドの値が異なる。
(A3)「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」とは、低期待度変動パターン(通常変動種別、Nリーチ種別)に属する変動パターンであり、その当選期待度は、略同一である。また「先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」も同様に、低期待度変動パターンに属する変動パターンであり、その当選期待度も略同一である。
上記のような「先読み予告用通常変動16s」、「先読み予告用Nリーチ1」の機能について、図26のハズレ変動パターン振分テーブルと、先読み予告の現出制御との関係に触れながら説明する。
通常中にハズレAが当選した場合、変動開始時には、作動保留球数に応じて、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH1~FH4」(保留数別変動パターン振分テーブル)のいずれかが選択され(図26参照)、通常変動16sまたはNリーチ1が選択されうる(図26の「FH1」「FH2」参照)。また、稀にハズレB(図柄抽選率4%)が当選するが、このときは、ハズレ変動パターン振分テーブル「FH5」(共通変動パターン振分テーブル)に選択され、先読み予告用通常変動16s」または「先読み予告用Nリーチ1」が選択されうる(図26の「FH5」参照)。ここで、遊技を進行する上で、遊技者が最も遭遇確率が高い遊技状況は、ハズレAの当選(図柄抽選率95%)である。
よって、第1の効果として、低期待度の変動パターンが選択された際に、先読み予告が過度に現出されず、遊技者の当選期待感を無闇に煽ることがない。
また第2の効果として、先読み予告に係る作動保留球が図柄変動表示ゲームに供された際に、先読み予告による当選期待感を長く持続させることができる。詳述すれば、通常変動4sや通常変動8sなどの短変動パターンに係る先読み予告を発生させる場合は、その先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲームの実行時間が短く、大した予告演出も現出されずにあっさり終了してしまう。また、図柄変動表示ゲームの実行時間が短い場合、たとえば、白点滅の保留アイコンなどの「ステップアップ系保留変化予告」の発生を示唆するような演出が現出された場合に、その発生期待感を煽ることなく、あっさり終了してしまう。このようなケースは「一体、あの先読み予告は何の意味があったのだろう?」という具合に、遊技者を白けさせてしまい、先読み予告に対する不信感を惹起させてしまう。しかし本実施形態の場合、「先読み予告用通常変動16s」や「先読み予告用Nリーチ1」は、比較的変動時間の長い「長変動パターン(本実施形態の場合は、最長通常変動)」に属するものであるため、このような問題が生じてしまうことを防止することが可能である。
なお、「先読み予告用通常変動16s」と「通常変動16s」は、先読み予告対象か否かという違いはあるが、双方の図柄変動表示ゲーム中において同一の演出を実行可能な構成とすることが好ましい(「先読み予告用Nリーチ1」と「Nリーチ1」の関係についても同様)。すなわち、非先読み予告用の「通常変動16s」と、これと略同一(同一を含む)の変動時間を定めた先読み予告用の「通常変動16s」とで、図柄変動中の演出を同じ演出態様とし、いずれの変動パターンが選択された場合であっても、演出上、遊技者が同じ変動パターンが選択されたと認識させる。このように、内容的に同じであるが選択率が異なる変動パターン同士を、非先読み予告用と先読み予告用とに区別することにより、ハズレ時において、先読み予告を適度に出現させて過度な先読み予告が実行を防止し、遊技者の当選期待感を適度に煽ることができる(過剰な先読み予告の出現により、遊技者がストレスを感じないようにすることができる)。なおここでいう「同一の演出」とは、少なくとも装飾図柄の変動表示(装飾図柄演出)と予告演出とを含む演出態様を同一とすることが好ましいが、「装飾図柄の変動表示」および/または「予告演出」を同一としてもよい。ただし、演出上、同じような演出と見せるためには、装飾図柄の変動表示態様は異なるがそれ以外の演出は同一とすることが好ましい。また、「先読み予告用通常変動16s」と同じ機能を有する先読み用通常変動種別だけを1または複数設けてもよいし、「先読み予告用Nリーチ1」と同じ機能を有する先読み用Nリーチ種別だけを1または複数設けてもよい。
また既に説明したが、「通常変動16s」および/または「Nリーチ1」を先読み予告用変動パターンとして定めてもよい。この場合は「先読み予告用通常変動16s」および/または「先読み予告用Nリーチ1」よりも先読み予告の出現率を低確率に定める。たとえば、先読み予告の出現率(実行率)に関して「通常変動16s<先読み予告用通常変動16s」を満たす関係、「Nリーチ1<先読み予告用Nリーチ1」を満たす関係とする。
(変形例3(その他の実施例):通常中と微時短中とを特に秘匿化する必要がない場合について)
上記実施形態では、通常中と微時短中とにおいて、保留数別変動パターン振分テーブルを用いて変動パターンが選択可能であり、双方が実質的同一のテーブル構成であると説明したが(図26、図27参照)、遊技性により、通常中と微時短中とを特に秘匿化する必要がない場合(たとえば、演出的に秘匿化する必要がない場合など)、次の(変3-1)および/または(変3-2)のように構成することができる。
(変3-1)通常中(天国モード中)は上記「共通変動パターン振分テーブル」(たとえば、変動パターン振分テーブル「FH7」、「FH21」などのように、作動保留数によらずに選択される変動パターン振分テーブル)を用いて変動パターンを選択し、微時短中(地獄モード中)は上記「保留数別変動パターン振分テーブル」(たとえば、変動パターン振分テーブル「FH1(保留数0)~FH4(保留数4)」などのように、作動保留球数に応じて選択される変動パターン振分テーブル)を用いて変動パターンを選択可能に構成することができる。なお、共通変動パターン振分テーブルまたは保留数別変動パターン振分テーブルには、1または複数の変動パターンを定めることができる。また、共通変動パターン振分テーブルまたは保留数別変動パターン振分テーブルは、ハズレ時、特殊時短当選時、または当り当選時(大当り、小当り)のいずれの場合にも用いることができる。
通常中(天国モード中)は上記「共通変動パターン振分テーブル」、微時短中(地獄モード中)は上記「保留数別変動パターン振分テーブル」を用いる理由は次に述べる通りである。たとえば本実施形態の通常中(天国モード中)は、連荘モード(高利益状態。本実施形態では時短状態)への移行期待感が高い遊技状態であり、また滞在期間が比較的短期間となる(特殊時短の当選確率が高確率であるため)。このような遊技状態中は、種々の変動中演出をじっくり楽しむというよりも、連荘モードへの移行をいち早く知得したいと欲する遊技者も多い。したがって、通常中(天国モード中)の場合には、作動保留球数に応じて種々の変動パターンを選択し、以て、種々の変動中演出を現出する、という意義に乏しく、むしろ、テンポ良くゲーム進行させたり、連荘モードへの移行期待感を煽るような変動中演出を、作動保留球数によらずに現出させる(たとえば、毎ゲーム、所定のリーチ演出、所定の煽り演出などを現出させる)ことが好ましいといえる。一例として、たとえば、選択対象の変動パターンとして特定の変動パターン(たとえば、リーチ変動や、所定変動時間を定めた変動パターン)だけ選択されるようにすれば、毎ゲーム、テンポ良くゲーム進行させ(この場合は、作動保留球数によらず変動時間幅が固定的となる)、かつ、作動保留球数によらずに連荘モードへの移行期待感を煽るような変動中演出を現出することが可能になる。
一方、微時短中(地獄モード中)は、上述の通常中(天国モード中)とは異なり、連荘モードへの移行期待感が低い遊技状態であり、また滞在期間が通常中よりも長期間となる。このようなこのような遊技状態中は、遊技が単調となることを防止するべく、上述の通常中とは逆に、作動保留球数に応じてゲームの進行スピードに緩急を付け(変動スランプを低下させる)、また種々の変動中演出をじっくり楽しませるようにすることが好ましいといえる。そこで、微時短中(地獄モード中)は、保留数別変動パターン振分テーブルを用いて、作動保留球数に応じて種々の変動パターンを選択可能とし、以て、種々の変動中演出を現出させるようにする。
(変3-2)通常中と微時短中とにおいて、選択対象とされる変動パターンのうち少なくとも1つ(一部)の変動パターンが異なるように構成することができる。たとえば、図26と図27において、少なくとも一の特図側(たとえば、特図1側)の選択対象の変動パターンのうち、一部の変動パターンが異なるように構成することができる。たとえば、通常中は「第1通常変動4s、通常変動8s、Nリーチ1、SPリーチ」を選択対象の変動パターンとし、微時短中は「第2通常変動4s(第1通常変動4sと変動時間は同一だが変動パターン種別が異なる変動パターン)、通常変動8s(共通の変動パターン)、先読み予告用Nリーチ1(Nリーチ1とリーチ種別は同じだが、変動パターン種別が異なる)、SPリーチ(共通の変動パターン)」を選択対象の変動パターンとしたり(選択対象とされる変動パターンの少なくとも一部が異なる)、通常中は「通常変動7s、通常変動8s、Nリーチ1、SPSPリーチ」を選択対象の変動パターンとし、微時短中は「通常変動4s、通常変動6s、先読み予告用Nリーチ1、SPリーチ」を選択対象の変動パターンとする(選択対象とされる変動パターンの全てが異なる)ことができる。なお、異なる変動パターンは特に制限はなく、リーチ変動や通常変動を問わず、種々の変動パターンを採用することができる。
また本変形例の場合、図26と図27と関係のように、通常中と微時短中の双方で上記「保留数別変動パターン振分テーブル」を用いて変動パターンを選択可能に構成してもよいし、また、上述の(変3-1)のように、通常中は上記「共通変動パターン振分テーブル」、微時短中は上記「保留数別変動パターン振分テーブル」を用いて変動パターンを選択可能に構成してもよい。
なお、通常中と微時短中とで上記「保留数別変動パターン振分テーブル」を用いる場合には、少なくとも1つの作動保留球数おいて、共通の変動パターン振分テーブルを選択可能に構成してもよい。たとえば、「作動保留球数が1~2個の場合はそれぞれ異なる変動パターン振分テーブル、3~4個の場合は共通の変動パターン振分テーブル」としたり、「作動保留球数が1個の場合は異なる変動パターン振分テーブル、2~4個の場合は共通の変動パターン振分テーブル」としたりすることができる。つまり、或る作動保留球数数の場合には通常中と微時短中とで異なる変動パターンを選択可能であり、その他の作動保留球数の場合には共通の変動パターンを選択可能、といった構成である。
また、通常中は上記「共通変動パターン振分テーブル」、微時短中は上記「保留数別変動パターン振分テーブル」を用いる場合に、(テ1)“当該保留数別変動パターン振分テーブルの一部と当該共通変動パターン振分テーブルが共通の変動パターン振分テーブル”とすることができる。(テ2)また、“当該保留数別変動パターン振分テーブルのすべてと共通変動パターン振分テーブルとが異なる変動パターン振分テーブル”とすることができる。前者の(テ1)のケースとしては、たとえば、保留数別変動パターン振分テーブルが「FH1(保留数0)~FH4(保留数4)」であり、共通変動パターン振分テーブルが「FH1(保留数共通)」のケースなどである。また後者の(テ2)のケースとしては、保留数別変動パターン振分テーブルが「FH1(保留数0)~FH4(保留数4)」であり、共通変動パターン振分テーブルが「FH1~FH4」以外の変動パターン振分テーブル(たとえば、「FH5(保留数共通)」)などである。
(C19.当り当選に係る変動パターン、特殊時短当選に係る変動パターンについて)
また、当り当選に係る変動パターン(当り変動パターン)、特殊時短当選に係る変動パターン(特殊時短変動パターン)については、次の(当1)~(当4)のように構成することができる。
(当1)大当りの場合(小当りであってもよい)に選択される変動パターン(当り変動パターン)と、特殊時短の場合に選択される変動パターン(特殊時短変動パターン)とが異なる変動パターンであってもよいが、共通の変動パターンとしてもよい。なお、共通の変動パターン(たとえば、リーチ変動)とした場合であっても、変動中演出については、少なくとも一部が異なる演出を現出させることができる。主制御部20からは、演出制御部24に対して変動パターン指定コマンドの他、図柄抽選結果情報(当選種別情報)を特定可能な装飾図柄指定コマンドも送信されるため、同一の変動パターンであっても、当選種別に応じて異なる演出を現出することが可能である。したがって、変動パターン指定コマンドがたとえば「SPリーチ変動」を指定の場合、装飾図柄指定コマンドが大当りA~D、特殊時短A~Cのいずれであるかに応じて、リーチ演出に付随して現出される予告演出等が異なるSPリーチ演出を現出することができる。
(当2)また、大当りの場合はリーチ変動が選択され、特殊時短の場合はリーチ変動が選択されないようにすることができる(当り変動パターンはリーチ変動とし、特殊時短当選変動パターンはリーチ変動以外の変動パターンとすることができる)。たとえば、大当りの場合はリーチ変動が選択され(リーチ種別は1または複数選択可能)、特殊時短の場合は、通常変動および/または特殊時短当選用変動パターン(リーチ演出を指定しない変動パターン(通常変動種別の一態様))とすることができる。なお、本実施形態のように、複数の特殊時短が設けられている場合、特定の特殊時短(たとえば、時短状態(連荘モード)に移行契機となる特殊時短C)の場合には、リーチ変動を選択可能としてもよい。
(当3)また、大当りおよび特殊時短のいずれの場合も、リーチ変動が選択されるようにすることができる。この場合、大当りの場合と特殊時短の場合とで、異なるリーチ変動が選択されることが好ましい。なお、特定の特殊時短の場合(たとえば、時短状態(連荘モード)に移行契機となる特殊時短Cの場合)、大当りの場合に選択されるリーチ変動(選択対象の当りリーチ変動が複数の場合、これらのうち少なくとも1つ)と同一のリーチ変動が選択可能に構成してもよい。
(当4)また、大当りおよび特殊時短のいずれの場合もリーチ変動を選択可能な構成において、大当りの場合よりも特殊時短の場合の方が、リーチ変動の選択率を低確率とすることが好ましい。特殊時短に当選した場合に、大当りに当選した場合のようなリーチ演出(大当り当選を示唆するリーチ演出)を過度に出現させることは好ましくない一方、適度に大当りの当選期待感を煽ることも遊技を楽しませる上で重要だからである。
(V19.大当り当選時に係る予告演出、特殊時短当選に係る予告演出について)
また、大当り当選時に係る予告演出、特殊時短当選に係る予告演出について、次の(予1)~(予4)のように構成することができる。
(予1)特殊時短が当選した場合、大当り当選を確定的に報知(示唆)するプレミアム的な予告演出(大当り当確予告演出)を現出しないことが好ましい。特殊時短が当選した場合に、大当り当選を報知する予告演出(矛盾した演出)を現出することは好ましくないからである。ただし、特定の特殊時短が当選した場合に、大当り当確予告演出を現出可能に構成してもよい。たとえば、時短状態(連荘モード)に移行契機となる特殊時短Cに当選した場合である。本実施形態の「特殊時短C」のように、遊技者にとり有利度が高い遊技状態への移行契機となる当選種別の場合には、当確予告演出を現出可能に構成しても、遊技者にとって特に不利益はなく、問題は無いと考えられる。特殊時短を単なる時短状態への移行契機となる当選種別と捉える場合には大当り当確予告演出を現出させない構成とし、特殊時短を大当りと同じような価値を有する当選種別と捉える場合には大当り当確予告演出を現出可能な構成とする、といったように、遊技性に応じた予告演出態様を定めることが好適である。
(予2)また、特殊時短が当選した場合に、特殊時短当選を確定的に報知するプレミアム予告演出(特殊時短当確予告演出)を現出可能に構成することができる。この場合、特殊時短当確予告演出の種類数Nとし、大当り当確予告演出の種類数Mとした場合、「N=M」、「N≠M」、「N<M」、または「N>M」の関係とすることができる。
(予3)また、特殊時短当確予告演出、大当り当確予告演出ともに、その演出時間幅が、それぞれ同一(略同一)であってもよいし、異なっていてもよい。
(予4)また、上記「特殊時短当確予告演出」を含む変動中演出と、上記「大当り当確予告演出」を含む変動中演出とが、または、特殊時短当確予告演出と大当り当確予告演出とが、演出の途中まで(たとえば、演出開始から所定のタイミングまで)共通の演出内容(共通の演出シナリオ)としてもよく、最終的な演出結果として、特殊時短当選や大当り当選を報知する演出(特殊時短当確予告演出、当り当確予告演出)を実行してもよい。演出の途中まで共通の演出内容であれば、少なくとも当該演出の途中まで、いずれの当選種別であるかを秘匿することができ、今回のゲーム結果が如何なる結果であるのかという当選期待感や緊張感を遊技者に与えることができる。特に、大当りの場合と特殊時短の場合とで共通の変動パターンを選択可能である場合(たとえば、上記(当1)の「SPリーチ変動」のケース)、当該変動パターンに係る変動中演出おいて、特殊時短当確予告演出の現出タイミングと、大当り当確予告演出の現出タイミングとが略同一(同一)のタイミングとすれば、いずれの当選種別であるかを秘匿する上で、さらに好適である。なお、現出タイミングは、リーチ変動であれば、リーチ前(リーチ状態の形成前の所定タイミング)やリーチ後(リーチ状態形成後の所定タイミング)、SPリーチであれば、SPリーチ発展前やSPリーチ発展後など、種々のタイミングとすることができる。
(D19.その他の構成例1)
また、少なくとも通常状態(天国モード)における変動中演出として、特定の特殊時短(たとえば、特殊時短C)当選期待感を煽る「第1予告演出」と、大当り当選期待感を煽る予告演出(大当りに移行するか否か(大当り当選したか否か)を示唆する「第2予告演出」(たとえば、リーチ演出)とを現出可能である場合、第1予告演出の第1現出率(実行確率)と、第2予告演出の第2現出率との関係について、次の(式A)~(式D)のいずれかの関係を満たすように構成することができる。
(式A)「第1現出率=第2現出率」、
(式B)「第1現出率≒第2現出率(略同一の実行率)」、
(式C)「第1現出率<第2現出率」、
(式D)「第1現出率>第2現出率」
ここで上記「第1予告演出」とは、専ら、特定の遊技状態(特定の遊技モード、特定の内部遊技状態、または特定の演出モード)に移行するか否かを報知可能な演出態様である。本実施形態の場合、連荘モード(時短状態)に移行するか否か(特殊時短Cに当選したか否か)を報知可能な予告演出(連荘モード移行期待演出)が該当する。たとえば、扉を模した扉画像(シャッター画像)表示させ、扉(シャッター)が開けば遊技状態移行確定(たとえば、特殊時短C当選による時短状態移行を報知)、扉が閉じたままであれば遊技状態非移行確定を報知する(たとえば、特殊時短C非当選(特殊時短C以外の当選を報知)による時短状態非以降を報知)、といったように、その演出結果に応じて、現在の遊技状態から他の遊技状態に移行するか否かを報知するような、所謂「シャッター演出」などがその代表例である。したがって、この第1予告演出(連荘モード移行期待演出)が出現した場合、遊技者は大当り当選に期待感を寄せるのではなく、遊技状態移行に期待感に寄せて、演出を観賞することになる。これに対し、上記第2予告演出は、大当り当選期待感を煽るリーチ演出などであり、この第2予告演出が出現した場合、遊技者は遊技状態移行に期待感を寄せるのではなく、大当り当選に期待感に寄せて、演出を観賞することになる。
なお、本実施形態の通常状態(天国モード)は、時短状態(連荘モード)への移行が有利な(特殊時短が高確率で当選可能)な遊技状態として定められているため、遊技者は、専ら、この時短状態(連荘モード)への移行期待感に寄せて遊技に興じることになる。そこで、第2予告演出(リーチ演出)の現出率よりも第1予告演出(連荘モード移行期待演出)の現出率の方が、高確率とすることが好ましいといえる(「第1現出率>第2現出率」とする)。また通常状態態(天国モード)中は、毎ゲーム緊張感を与えるために、上記第1予告演出(連荘モード移行期待演出)を毎ゲーム実行(実行率100%)させてもよい。なお、大当り当選の場合は、上記第2予告演出に属する大当り当確予告演出やリーチ演出を現出させてもよいし、例外的に、第1予告演出(連荘モード移行期待演出)において、遊技状態非移行を報知することに替えて、大当り当選を報知してもよい。
一方、微時短状態(地獄モード)中は、上述の例とは逆に、上記第2予告演出の現出率よりも上記第1予告演出(連荘モード移行期待演出)の現出率の方が、低確率とすることが好ましい(「第1現出率<第2現出率」とする)。なお、本実施形態の微時短状態は、大当り抽選対象から特殊時短が除外されているため、連荘モード移行期待演出の現出率が0%(実行しない)であってもよい。「第1現出率<第2現出率」の関係は、主に、微時短状態中にも特殊時短が当選可能(発動可能)である構成の場合に好適である。
なお、装飾停止図柄については、大当り当選の場合は第1特定表示態様(たとえば、「777」などの、所謂「図柄揃い」)で表示し、特殊時短C当選の場合(連荘モードに移行される場合)は、第1特定表示態様とは異なる第2特定表示態様(たとえば、「7連7」などの特殊表示態様)で表示するように構成することができる。
図11の説明に戻る。ステップS320の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、「入賞時コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS321)。なお、先読み禁止中である場合や設定値データに異常が発生した場合は、先読み禁止データ「9FH」がそのまま維持され、「先読み禁止データ」を持つ入賞時コマンドが演出制御部24に送信されることになる。この場合、上位バイト(MODE1)側の値は、適宜な値、たとえば、「B3H」が取得され、先読み禁止の入賞時コマンド(B39FH)を送信する。
次いで、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」を作成し(ステップS322)、これを演出制御部24に送信する(ステップS323)。この「保留加算コマンド」は2バイトの制御データで構成され、今回先読み対象となった作動保留球が特図1側であるか特図2側であるかを指定する上位バイト(MODE)側と、入賞時の作動保留球数を指定する下位バイト(EVENT)側とで構成される。保留加算コマンドは、演出制御部24側において、作動保留球発生の際、保留表示領域76、77に対し、現在の作動保留球数に関する情報を報知したり、先読み予告演出が実行される場合には、その予告対象保留についての先読み予告を現出する際にも利用される。
上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、コマンドに含まれる情報が、「先読み禁止指定以外」であれば、先読み予告の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、これに当選した場合には、先読み予告の演出シナリオを作成し、そのシナリオに基づいて、今回の作動保留球を対象とする先読み予告を実行制御する。一方、「先読み禁止指定」であれば、先読み予告抽選を実行せずに、或いは、先読み予告抽選を実行するがその抽選結果を強制的にハズレ(予告演出実行せず)として処理し、先読み予告の実行を禁止(制限)する。この実施形態では、先読み禁止中の場合か、または設定異常エラーが生じている場合のいずれも、先読み禁止指定の入賞時コマンドを送信する構成となっているが、その理由は下記の通りである。
本実施形態の場合、設定異常エラーが生じても遊技動作を強制的に停止制御することはしない。その理由は第1に、設定異常エラーの解消は、既に説明したように、設定変更操作を行うことにより解消されるが、営業中の設定変更操作は、法的要請の観点から射幸心煽る事項として禁止事項に該当する可能性が高い。第2に、設定異常エラーが生じた際、直ちに遊技動作処理を強制的に停止させてしまうと、突然の遊技停止に、遊技者が不信感を抱いてしまう。たとえば、仕掛り中の図柄変動表示ゲームが正常動作時に実行されたものである場合や、大当り遊技中の場合などに、偶々、設定異常エラーが発生して、直ちに遊技ができない状態に制御してしまうと、遊技者が本来得られるべき利益が消失してしまい、遊技者の不信感を招く。このような事情を考慮し、設定異常エラーが発生した場合はエラー報知を行うに止めて、遊技進行自体は条件付きであるが、そのまま進行させる。「条件付きであるが」と表現したのは、設定異常エラーが発生した場合には、先読み予告を禁止したり、図柄変動表示ゲームの結果を強制的にハズレとするからである(図11のステップS317(=5AH)、後述の図12のステップS409(=5AH)の処理ルート参照)。
以上により、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて、特図2始動口チェック処理(ステップS302)を実行する。
<10.特別図柄変動開始処理:図12>
次に、図10中の特別図柄変動開始処理(ステップS306)について説明する。図12は、特別図柄変動開始処理(ステップS306)の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、特図2作動保留球数対象とした変動開始時の処理(ステップS403~S416)を実行する。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、特図1作動保留球数を対象とした変動開始時の処理(ステップS403~S416)を実行する。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合である。そこで「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
上記「作動保留球なし」の状態となったときの特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」(この「待機中(01H)」は、後述の図14Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472で更新される。)であった場合には(ステップS417:NO)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」(保留無し待機中)に切り替える(ステップS418)。そして、演出制御コマンドとして、客待ち中コマンド(BA04H)を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。演出制御部24が上記客待ち中コマンドを受信した場合、所定の実行条件に基づき、「客待ち演出(デモ表示)」を現出させる。演出制御部24は、客待ち中コマンドを受信した後、遊技が開始されずに、つまり作動保留球が発生せずに(入賞に係るコマンド(たとえば、保留加算コマンドなど)を受信することなく)、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定の待機時間(たとえば、180秒)が経過した場合、たとえば、液晶表示装置36にデモ画面(デモムービー)を表示させる。
なお、客待ち演出が開始されるまでの待機時間(180秒)が経過するまでは、「客待ち前演出(デモ開始待ち表示)」が現出される。この「客待ち前演出(デモ開始待ち表示)」は、たとえば、今回のゲーム結果である装飾図柄(装飾停止図柄)を表示し、装飾ランプ45を所定の発光パターンで発光させ、スピーカ43を消音状態(所定の音演出を実行していてもよい)にするといった演出態様が現出され、客待ち演出(デモ表示)の開始までこの状態が維持される。
また、演出制御部24は、客待ち演出(デモ表示)の開始後、所定の移行条件(節電モード移行条件)を満たした場合に、客待ち演出を終了して「節電モード」に移行させることができる。この場合、客待ち演出(デモ画面)の開始後、作動保留球が発生せず、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定時間(たとえば、120秒)が経過した場合、演出モードを節電モードに移行させ、液晶表示装置36に節電用画面を表示(たとえば、液晶画面に「節電中です」の文字表示)させ、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの一部またはすべてを消灯させるように制御する(節電制御)。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:NOまたはS402:NO)、ステップS403~S416を順次実行していく。なお、以下に説明するステップS403~S416の処理の仕方については、特図1作動保留球を対象とするか、特図2作動保留球を対象とするかの違いだけで、その内容は実質的には同じである。したがって重複記載を避けるため、特に必要が無い限り、どちらの作動保留球を対象とした処理であるかを区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、今回の変動表示動作に供する特図側の作動保留球数を1減算し(ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、特図1が変動開始側であるならば「00H」を、特図2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406~S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データを読み出し、領域内RAMの判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリアに格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS407)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能となっている。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS408)。遊技状態情報送信処理では、「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する。ここでの遊技状態指定コマンドには、ゲーム開始時の遊技状態を特定可能な遊技状態情報が含まれる。演出制御部24は、遊技状態指定コマンドを受信すると、これに含まれる情報に基づき、遊技状態を把握し、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で演出モードを管理する。遊技状態指定コマンドに含ませる遊技状態情報は、目的の遊技処理を行う際に最低限必要な情報であればよく、たとえば、「内部遊技状態(遊技状態判定番号YJ)」および/または「変動パターン振分指定番号Tcode」を含む情報とすることができる。
またここでは、必要に応じて、時短中であれば残り時短回数を指定可能な「時短回数コマンド」が送信され、確変中であれば残りST回数を指定可能な「ST回数指定コマンド」が送信される。演出制御部24は、これらのコマンドに含まれる情報に基づいて、残り時短回数や残りST回数を把握し、その残り時短回数または残りST回数を演出的に報知する「残余回数表示演出(カウントダウン表示)」を現出させる。なお、確変状態が次回大当りまで継続する場合(実質的に次回大当りまで継続する場合を含む)には、ST回数指定コマンドは送信しなくてもよい。
(設定値が正常時の処理ルート:S410を辿る処理ルート)
次いで、設定エラーフラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS409)。設定エラーフラグがON状態でない場合(ステップS409:≠5AH)、設定値コマンドを演出制御部24に送信し、次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を実行する(ステップS410)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした「変動開始時の当落抽選」を実行する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11のステップS318の乱数判定処理と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
このステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、まず特別図柄作動確認データに基づき、今回の処理対象側の当り乱数判定テーブル(たとえば特図1側が処理対象であれば、特図1用の当り乱数判定テーブル)を取得する。次いで、上記判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づく当落抽選を実行する。そして、その抽選結果が「大当り」当選であれば大当り判定フラグを「5AH」に設定し、「小当り」当選であれば小当り判定フラグを「5AH」に設定し、「特殊時短」当選であれば特殊時短判定フラグを「5AH」に設定する。大当り、小当り、特殊時短のいずれにも当選しなかった場合、つまり‘ハズレ’の場合は、大当り判定フラグ、小当り判定フラグ、特殊時短判定フラグのいずれもが「00H」に設定されることになる。
次いで、天井管理処理を実行する(ステップS410A)。この天井管理処理では、天井特典発動(天井時短発動)に必要な処理を行う。ここでは、天井特典発動に必要な処理として、天井までの残り天井回数(天井ゲーム数=751回)をカウントするための「天井カウンタ」の減算処理(残余天井ゲーム数カウント処理)や、天井到達(天井ゲーム数到達)となった場合に「天井判定フラグ」をON(5AH)に設定する処理を行う。
本実施形態では、既に説明した通り、大当り抽選確率が低確率状態下において、所定ゲーム数連続してハズレとなった場合、救済機能として、「天井時短」が発動する。
ここで、当り種別、特殊時短種別およびハズレ種別のそれぞれは、重複して当選することはないが、天井特典は「所定ゲーム数連続して条件装置が作動しなかった場合」にその発動が許容される関係上、今回のゲームにおいて、条件装置の作動することの無い「特殊時短」当選を契機として所定遊技状態(本例では、時短A~Cのいずれか)に移行されるケースと、今回のゲームで天井ゲーム数到達となり、次回のゲームにて天井特典による所定遊技状態(本例では、時短C)に移行されるケースとが重複する場合がありうる。
ただし本実施形態の天井機能は、天井ゲーム(751回転目)が「ハズレ」または「特殊時短当選」の場合に発動されるようになっており、天井ゲームにて特殊時短に当選した場合であっても天井特典が優先的に付与される(天井優先発動)。そこで、天井管理処理の前処理である「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(ステップS410)」にて、天井到達(ハズレ連続751回転目)の場合に、少なくとも大当り判定フラグか、または小当り判定フラグが「5AH」であって非V入賞であった場合(条件装置作動フラグ非作動)以外は、天井機能の発動が許容されて天井時短が付与される。なお本実施形態では、天井ゲームにて「特殊時短」が当選した場合は、優先的に天井機能が発動して天井時短が付与されるようになっている。また、天井ゲームにて小当りに当選した場合、非V入賞であれば、その小当り遊技終了後に天井時短が付与されるようになっている。
(天井発動優先順位について)
天井ゲームにて「特殊時短」が当選した場合であっても、天井時短(天井特典)を優先的に発動させる理由は、次に述べる通りである。
本実施形態のように、天井ゲームにて「特殊時短A、B」に当選してしまうと、通常状態よりも遊技者にとり不利な遊技状態である「微時短状態A、B」に移行されてしまう。他方、特殊時短Cに当選した場合には「時短C(時短回数1回)」に移行されるが、これは、天井時短(時短C)による利益状態と同じである。つまり、天井特典よりも特殊時短当選(特殊時短状態移行)の方が、遊技者付与される利益状態(有利度)が低い、という関係にある。また、天井特典の役割が「当り間の大きなハマりに遭遇した遊技者を救済する救済機能として働く」という点に着目すれば、相対的に有利度が低い特殊時短に当選した場合であっても、天井特典を優先的に発動させる方が好ましい。そこで本実施形態では、天井発動優先順位について「特殊時短当選<天井時短」の関係に定めてある。
(天井発動優先順位の変形例)
なお、天井発動優先順位については、次のように定めてもよい。
(1)天井特典よりも特殊時短当選の方を優先することができる(特殊時短による特殊時短状態移行優先(特殊時短状態優先発動)形態)。本実施形態では、天井特典の方が相対的に有利度が高く定められているが、特殊時短Cに当選した場合(特定の特殊時短に当選した場合)によって、天井特典と同等の利益が付与されうる。この点に着目して、天井ゲームにて特殊時短に当選した場合、当りと同様に遊技者に相応の利益状態が付与されたものとみなして、天井特典を発動させず、特殊時短当選の方を優先してもよい。この場合は、天井ゲームにて、大当り、小当り、特殊時短のいずれにも当選しなかった場合、つまり天井ゲーム(751回転目)が「ハズレ」の場合に発動されることになる。
(2)特定の特殊時短が当選した場合に天井特典を優先することができる(特定特殊時短当選時天井特典優先発動形態)。たとえば、特殊時短Aまたは特殊時短Bのように、天井特典よりも有利度が低い特定の特殊時短が当選した場合には天井特典を優先させ、特殊時短Cのように有利度が天井特典と同等か、または天井特典よりも有利度が高い特殊時短に当選した場合には特殊時短当選の方を優先する。詳述すれば、少なくとも第1特殊時短と第2特殊時短とを含む複数の特殊時短が含まれ、かつその当選による有利度(付与される利益状態)が「第1特殊時短<第2特殊時短」の関係である場合、天井発動優先順位に関し、「第1特殊時短当選<天井特典」(天井特典優先発動)かつ「第2特殊時短当選>天井特典」(第2特殊時短による特殊時短状態優先発動)とすることができる。なお、当選による有利度が「第1特殊時短=第2特殊時短」である場合であっても、第1特殊時短当選の場合には天井特典を優先的に発動させ、第2特殊時短当選の場合には特殊時短状態を優先発動させるように構成してもよい。
次いで、特別停止図柄作成処理を実行する(ステップS411)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS410の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値とを利用し、「変動開始時の図柄抽選」を実行する。本処理の基本的な処理手順は、既に説明した図11に示す特別停止図柄データ作成処理(ステップS319)と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
このステップS411の特別停止図柄作成処理では、まず特別図柄作動確認データ(特図種別)と、ステップS410の当落抽選結果とに応じた図柄テーブル(大当り図柄テーブル、小当り図柄テーブル、特殊時短図柄テーブル、またはハズレ図柄テーブル)を選択する。たとえば、特別図柄作動確認データが00H、大当り判定フラグが5AHである場合、すなわち、今回の変動開始側が‘特図1側’であり、当落抽選結果が‘大当り’である場合には、「特図1用大当り図柄テーブル」が選択される。そして、上記判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づく図柄抽選を実行し、その抽選結果である特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号を、領域内RAMの対応領域にそれぞれ格納する。
ステップS411の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を実行する(ステップS412)。この遊技状態移行準備処理では、大当り遊技後の遊技状態、特殊時短当選による時短状態、天井到達による時短状態(天井時短)など、遊技状態を移行させるための設定として、遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。
遊技状態移行準備処理では、移行先の遊技状態を指定するためのデータ群が定められた「遊技状態移行テーブル(不図示)」を取得して、その取得した遊技状態移行テーブルに定められた各種データを、対応する状態バッファに格納する(状態バッファ設定処理)。
遊技状態移行テーブルには、大当り用遊技状態移行テーブル、小当り用遊技状態移行テーブル、特殊時短用遊技状態移行テーブルが含まれ、これら遊技状態移行テーブルは、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データ(当選種別)とに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブルが設けられている。たとえば、通常状態中に特殊時短当選(たとえば、時短C)に当選した場合であれば(YJ=02H(時短状態指定)、特殊時短判定フラグ=「5AH」、特別図柄判定データ=特殊時短C対応値)、その特殊時短種別(ここでは、特殊時短C)と現在の遊技状態(通常状態)とに対応する特殊時短用遊技状態移行テーブルが取得され、そのテーブルに定められた各種データを、対応する状態バッファに格納する。本例の特殊時短遊技状態移行テーブルであれば、今回のゲーム後(特殊時短当選変動終了後)に、時短C移行指定の各種データが状態バッファに格納される。
バッファに格納されたデータは、大当り遊技終了後やV当り遊技終了後や特殊時短当選変動終了後などの所定の処理で読み出され、RAM203の所定の記憶領域(各々のバッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。これにより、移行先の遊技状態(図4A~図4Cの「移行先の遊技状態」)が指定される。
なお、上記各種の状態バッファの役割は、下記の通りである。
(α)「普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ」
これら状態バッファには、内部遊技状態を指定するための各機能のON/OFF(5AH/00H)の指定データが設定される。具体的には、普電役物開放延長移行状態バッファには、開放延長機能の作動状態を指定する普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短移行状態バッファには、普通図柄時短機能の作動状態を指定する普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変移行状態バッファには、普通図柄確変機能の作動状態を指定する普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態移行状態バッファには、特別図柄時短機能の作動状態を指定する特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変移行状態バッファには、特別図柄確変機能の作動状態を指定する特別図柄確変状態フラグに係るデータが設定される。
(β)「特別図柄時短回数カウンタバッファ」
時短回数または微時短回数を指定するためのデータ(特別図柄時短回数カウンタ用のデータ)が設定される。
(γ)「特別図柄確変回数カウンタバッファ」
確変回数を指定するためのデータ(特別図柄確変回数カウンタ用のデータ)が設定される。
(δ)「特別図柄変動回数カウンタバッファ」
或る変動パターン振分指定番号Tcodeの継続回数を指定するためのデータ(特別図柄変動回数カウンタ用のデータ)が設定される。
(ε)「変動パターン振分指定番号バッファ」
所定の更新条件が成立した場合に、更新先となる変動パターン振分指定番号Tcodeを指定するデータ(変動パターン振分指定番号Tcode用のデータ)が設定される。更新条件とは、大当り遊技後、V当り遊技後、特殊時短発動時、特別図柄変動回数カウンタがゼロになったときなどがある。
たとえば、現在の遊技状態が「通常状態(YJ=00H)」であり、「特殊時短C」に当選したケースでは、普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ」にそれぞれ「5AH(ON指定)」が設定され、特別図柄時短回数カウンタバッファに「時短回数1回を指定する値」が設定され、変動パターン振分指定番号バッファに「連荘モードCを指定する値(04H)」が設定される。これにより、次回のゲームの移行先遊技状態が「時短C」に指定される。なお、本実施形態では、変動パターン振分指定番号Tcodeの更新タイミングが内部遊技状態の更新タイミングと同じであるため、特別図柄変動回数カウンタバッファには「0回」が設定される。
次いで、特別図柄変動パターン作成処理を実行する(ステップS413)。この特別図柄変動パターン作成処理では、図柄抽選結果(ステップS411で得られた結果)、変動パターン用乱数値、変動パターン振分指定番号Tcode(現在の遊技状態)、設定値情報(必要に応じて取得する)、および作動保留球数(今回の変動表示動作に供される作動保留球を除く、現存する作動保留球数0~3個:ステップS403参照)を用いて、目的の変動パターン振分テーブルを取得し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした変動パターンを決定、つまり、変動パターン指定コマンドを作成する。そして、作成した変動パターン指定コマンドを演出制御部24側へと送信する。
特別図柄変動パターン作成処理は、既に述べた、先読み変動パターン判定処理である始動口入賞時乱数判定処理(図11のステップS320)と、基本的には同じである。本処理の基本的な処理手順は、始動口入賞時乱数判定処理(図11のステップS320)と同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
特別図柄変動パターン作成処理では、変動開始時の変動パターンを決定に関する処理として、下記(A)~(D)の処理が含まれる。
(A)「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を参照し、「変動パターン振分テーブル」を取得する“変動開始時変動パターン振分テーブル取得処理”と、
(B)取得した変動パターン振分テーブルに基づく変動パターン抽選により、変動パターン指定コマンドデータを取得し(変動パターンを決定する)、変動パターン指定コマンドを作成する“変動パターン指定コマンド取得処理(変動パターン決定処理)”と、
(C)決定された変動パターンに対応する変動時間(疑似連に必要な加算時間を含む)を決定して、領域内RAMのタイマ管理領域である「特別図柄役物動作タイマ」に設定する“変動時間設定処理”と、
(D)変動パターン指定コマンドを演出制御部24に送信する“コマンド送信処理”と、
を含んで構成される。
変動開始時においては、入賞時(先読み判定時)とは異なり、作動保留球数(ステップS403の変動開始時の作動保留球数)を考慮して、変動パターン振分テーブルが選択される。変動パターン振分テーブルには、既に説明したように、特別図柄に関する1または複数種類の変動パターンが、特図種別、当選種別、作動保留球数、変動パターン振分指定番号Tcode、および変動パターン用乱数値などに関連付けて定められており(図26~図28参照)、変動パターン用乱数による抽選により、複数種類の変動パターンのうちからいずれかの変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターン指定コマンドを構成する上位バイトデータ(MODE2)と、下位バイトデータ(EVENT)が決定される。これにより、今回の図柄変動表示ゲームに係る変動開始時の変動パターンが指定されることになる。
変動パターンが決定されると、その変動パターンに対応した変動時間が決定される。これにより、今回の変動パターンと、その変動時間が定まることになる。この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))と実質的に同一となる。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、少なくとも当落抽選結果(詳細な図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含まれる)、現在の遊技状態、変動時間情報、特定の予告演出(たとえば、リーチ演出や疑似連など)の実行指定などに関する情報が含まれる。主制御部20は、その内容を特定可能な変動パターン指定コマンドを演出制御部24に送信する。変動パターン指定コマンドは、演出制御部24側にて、今回の図柄変動表示ゲームに係る演出シナリオ(装飾図柄の変動表示や各種予告演出など)を決定する際に利用される。
上記ステップS413の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、今回の変動開始側に対応する変動中フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS414)。上記「変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらが変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。本実施形態では、特図1対応の「特別図柄1変動中フラグ」と、特図2対応の「特別図柄2変動中フラグ」を扱う。たとえば、特図1側が今回の処理対象(変動開始側)であれば、特別図柄1変動中フラグをON、特別図柄2変動中フラグをOFFに設定する。
次いで、ステップS411の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果情報を特定可能な装飾図柄指定コマンドを取得し、これを演出制御部24に送信する(ステップS415)。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、当選種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素となる図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドを受信すると、図柄変動表示ゲーム中の演出(変動中演出)を決定し、装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図9の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
(設定異常エラーが生じたケースについて:S409→S411の処理ルート)
ステップS409の判定処理の説明に戻り、ステップS409において、設定エラーフラグがON状態(5AH)である場合、つまり設定異常エラーが発生中の場合(ステップS409:=5AH)、ステップS410の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(当落抽選)をスキップし、ステップS411の特別停止図柄作成処理を実行する。すなわち、設定異常エラーが発生した場合には、変動開始時の当落抽選を実行せず、今回の当落抽選結果は、常に「ハズレ」として処理される(強制ハズレ制御)。この場合、「設定異常エラー」という深刻なエラーが生じていることを考慮し、当選期待感を煽るようなリーチ変動パターン種別は選択せずに、通常変動パターン種別のみを選択することが好ましい。また、設定異常エラーの場合には、「遊技続行不可」として、図柄変動表示ゲーム自体を開始させない(図柄変動を開始させない)構成としてもよい。この場合には、遊技機の電源がOFFになるまでエラー報知を継続させることができる。なお本実施形態では、図8Aに示す設定変更処理(ステップS023)が実行されて設定異常エラーが解除されるまでは、電源を再投入してもエラー報知が継続される。
<13.特別図柄変動中処理:図13>
次に、図10中の特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図13は、特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図13において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームが終了されるとともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。ここで上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。この確定表示時間中は、装飾図柄も確定表示(本停止)される。なお、普通図柄も同様に、確定表示時間は500msとなっている。
以上の特別図柄変動中処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理を抜けて、図9のステップS095の特別電動役物管理処理に進む。
<13.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図14Aおよび図14B>
次に、図10中の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図14Aおよび図14Bは、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
図14Aおよび図14Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図13のステップS453参照)。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、遊技状態番号YJを格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグ、小当り判定フラグ、特殊時短判定フラグ、天井判定フラグを順次判定し(ステップS474~S477)、いずれかの判定フラグが「5AH」である場合には、その判定フラグに対応した処理を実行する(ステップS474A~S477A)。以下、各処理について説明する。
(大当り判定フラグが「5AH」の場合)
大当り判定フラグが「5AH」の場合(ステップS474:=5AH)、大当り遊技開始前の設定処理として「大当り図柄停止時の各種設定処理」を実行する(ステップS474A)。この処理では、大当り判定フラグ、天井カウンタ、天井判定フラグ、変動パターン振分指定番号Tcodeなどを「00H」に設定し、条件装置作動フラグを「5AH」に設定し、その他、低確率、電サポ状態無しの状態にすべく、これらに係る上記状態フラグを「00H」に設定するなど、大当り遊技移行(大当り遊技開始)に必要な処理を実行する。
(小当り判定フラグが「5AH」の場合)
小当り判定フラグが「5AH」の場合(ステップS475:=5AH)、小当り遊技開始前の設定処理として「小当り図柄停止時の各種設定処理」を実行する(ステップS475A)。この処理では、小当り判定フラグを「00H」に設定し、小当り中フラグを「5AH」に設定するなど、小当り開始に必要な処理を実行する。なお、小当り中フラグとは、小当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には小当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には小当り遊技中ではない旨を示す。
(天井判定フラグが「5AH」の場合)
天井判定フラグが「5AH」の場合(ステップS476:=5AH)、天井時短開始前の設定処理として「天井時短設定処理」を実行する(ステップS476A)。本実施形態では、天井特典として「時短C」(天井時短)を発生させるため、本処理では、この時短Cに移行させるための設定処理を行う。具体的には、時短状態に係る上記状態フラグ(時短状態に関する機能)を「5AH」に設定し、特別図柄時短回数カウンタに所定値(天井時短=時短C(時短回数1回))を設定し、特殊時短フラグを「00H」に設定し、また変動パターン振分指定番号Tcodeを「04H(時短C)」に設定し、遊技状態番号YJを「02H」に設定し、天井判定フラグを「00H」に設定するなど、天井時短移行(天井時短開始)に必要な処理を実行する。これにより天井ゲーム終了後に、天井時短(時短C)に制御されることになる。なお、天井ゲームにて小当りに当選した場合には、天井時短設定処理(ステップS476A)よりも上記小当り図柄停止時の各種設定処理(ステップS475A)を優先的に実行し、後述の小当り処理(図15)にて非V入賞であると判断された場合に天井時短設定処理を実行し、天井時短を付与するようになっている。
(特殊時短判定フラグが「5AH」の場合)
特殊時短フラグが「5AH」の場合(ステップS477:=5AH)、特殊時短開始前の設定処理として「特殊時短図柄停止時の各種設定処理」を実行する(ステップS477A)。この処理では、当選した特殊時短種別(特殊時短A~C)に対応する特殊時短状態(微時短A、微時短B、時短C)に移行させるための設定処理を行う。微時短Aまたは微時短の場合には微時短状態に係る上記状態フラグ(微時短状態に関する機能)を「5AH」に設定し、特別図柄時短回数カウンタに所定値(微時短Aの場合は150回、微時短Bの場合は250回)を設定し、また変動パターン振分指定番号Tcodeを「01H(微時短A、B)」に設定し、遊技状態番号YJを「01H」に設定するなど、微時短状態開始に必要な設定処理を実行する。また時短Cの場合は、上述の天井時短(時短C)と同様に、時短状態に係る上記状態フラグ(時短状態に関する機能)を「5AH」に設定し、特別図柄時短回数カウンタに所定値(時短Cの場合は時短回数1回)に設定し、また変動パターン振分指定番号Tcodeを「04H(時短C)」に設定し、遊技状態番号YJを「02H」に設定するなど、時短C移行(時短C開始)に必要な設定処理を行う。これにより次回のゲームから、微時短A、微時短Bまたは時短Cに制御される。
上述のステップS474A~S477Aのいずれかを実行した後は、特別図柄確認時間中処理を抜ける。
大当り判定フラグ、小当り判定フラグ、特殊時短判定フラグ、天井判定フラグのいずれも「00H」である場合(ステップS474~S477:≠5AH)、つまり、当りに非当選、特殊時短に非当選、および天井時短が発動しない場合(完全「ハズレ」の場合)、次いで、特別図柄時短回数カウンタ(残り時短回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、時短状態または微時短状態に係るステップS479~S482の処理をスキップして、ステップS483の処理に進む。
一方、特別図柄時短回数カウンタ(時短回数)がゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態(微時短状態を含む)の終了回数に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。一方、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、時短状態または微時短状態が終了したとして、時短終了時の設定処理を実行する(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、時短状態に係る上記状態フラグ(時短状態または微時短状態に関する機能)を「00H」に設定し、変動パターン振分指定番号Tcodeを「00H(通常)」に設定するなど、時短状態または微時短状態から通常状態への移行設定処理を実行する。これにより次回のゲームから、「通常状態(天国モード)」に制御される。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS482)。ここでは、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信する。ここでの遊技状態指定コマンドには、時短状態終了を指定する情報が含まれる。この遊技状態指定コマンドにより演出制御部24は、今回のゲームで時短状態が終了した旨を把握し、次回のゲームから通常状態に移行される旨を把握する。これにより、時短状態または微時短状態に係る終了設定処理を終えて、ステップS483の処理に進む。なお、ステップS483~S487の処理は、確変状態(潜確状態を含む)に係る処理である。本実施形態の場合、確変状態は設けられていないが、確変状態に制御可能に構成した場合の処理として説明しておく。
ステップS483の処理に進むと、次いで、特別図柄確変回数カウンタ(残り確変回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、確変状態に係るステップS484~S486の処理をスキップして、ステップS488の処理に進む。
一方、特別図柄確変回数カウンタ(確変回数)がゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、確変回数が終了していないので、何もせずにステップS488の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、確変状態が終了したとして、確変終了時の設定処理を実行する(ステップS486)。ここでは、確変終了時の設定処理として、確変状態に係る上記状態フラグ(確変状態に関する機能)を「00H」に設定し、変動パターン振分指定番号Tcodeを所定値(移行先の遊技状態のTcode)に設定するなど、確変状態から特定の遊技状態への移行設定処理を実行する。ここでいう「特定の遊技状態」とは、確変状態が終了した場合に移行可能な遊技状態であり、たとえば、通常状態、時短状態または微時短状態などが含まれる(遊技性に応じて、いずれの遊技状態に移行させてもよい)。なお、潜確状態を設けた場合、潜確状態についても確変状態の処理と同様に、ステップS483~S485の処理にて潜確状態の終了タイミングが監視され、潜確状態が終了する場合には(ステップS485の判定結果がYESの場合)、確変終了時の設定処理(ステップS486)により、潜確状態が終了されることになる。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS487)。ここでは、上記ステップS482と同じく、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信するが、ここでの遊技状態指定コマンドに含まれる情報には、確変状態または潜確状態終了を指定する情報(高確率状態終了指定)が含まれる。この遊技状態指定コマンドにより演出制御部24は、今回のゲームで確変状態または潜確状態(高確率状態)が終了した旨を把握し、次回のゲームから特定の遊技状態(たとえば、通常状態、時短状態または微時短状態)に移行される旨を把握する。
ステップS487の遊技状態情報送信処理を終えると、次いで、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS488)。ここでは、変動パターン振分指定番号Tcodeの変更タイミングを監視する。本実施形態では、既に説明したように、変動パターン振分指定番号Tcodeの更新タイミングが内部遊技状態の更新タイミングと同じであるため、特別図柄変動回数カウンタの値は常にゼロとなっている。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS488:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。一方、特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS488:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS489)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS490)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS490:NO)、変動パターン振分指定番号Tcodeの更新タイミングでないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、変動パターン振分指定番号Tcodeの更新タイミングが到来したとして、変動パターン振分指定番号更新処理を実行する(ステップS491)。
次いで、遊技状態情報送信処理を実行する(ステップS492)。ここでは、上記ステップS482と同じく、遊技状態指定コマンドを演出制御部24に送信するが、ここでの遊技状態指定コマンドに含まれる情報は、更新後の変動パターン振分指定番号Tcodeを特定可能な情報が含まれる。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図10の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、特別図柄管理処理(ステップS093)を抜けて、図15の特別電動役物管理処理(ステップS095)に進む。
<15.特別電動役物管理処理:図15>
次に、図15中の特別電動役物管理処理(ステップS095)について説明する。図15は、特別電動役物管理処理(ステップS095)の詳細を示すフローチャートである。
図15において、CPU201は、まず、上記小当り中フラグを判定する(ステップS501)。小当り中フラグは、特別図柄管理処理(図9のステップS093)中の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)において、特別図柄の変動表示動作が終了した際に、大当り抽選結果が小当りである場合に「5AH(ON状態)」に設定される(図14AのステップのS475A参照)。小当り中フラグが「5AH」の場合(ステップS501:=5AH)、小当り処理を行う(ステップS504)。この小当り処理は、小当り遊技の一連の遊技動作を制御する処理である。この小当り処理についての詳細は、図16~図18を用いて後述する。
上記小当り中フラグが「00H」の場合(ステップS501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグは、特別図柄管理処理(図9のステップS093)中の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)において、特別図柄変動表示ゲーム終了時に大当り抽選結果が大当りである場合か(図14AのステップのS474A参照)、または小当り遊技中にV入賞した場合に「5AH(ON状態)」に設定される(後述の図17のフラグ設定処理(ステップS642)参照)。
小当り中フラグと条件装置作動フラグのいずれも「00H(OFF状態)」の場合は(ステップS501:≠5AH、かつステップS502:≠5AH)、小当り遊技中でなく、かつ大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
一方、条件装置作動フラグが「5AH」の場合(ステップS502:=5AH)、大当り遊技またはV当り遊技中であるとして、特別電動役物動作ステータス「00H~04H」に応じた処理を行う(特別電動役物動作ステータス分岐処理:ステップS503)。
上記「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、その値は処理状態に応じて変更され、領域内RAMの特別電動役物動作ステータス領域に格納される。特別電動役物動作ステータスには、大当り遊技(V当り遊技を含む)開始前の待機状態である旨を指定する「開始処理中(00H)」、ラウンド遊技開始前の待機状態である旨を指定する「作動開始処理中(01H)」、ラウンド遊技が実行中である旨を指定する「作動中(02H)」、次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を指定する「継続判定中(03H)」、大当り遊技終了時(V当り遊技終了時)の終了処理中である旨を指定する「大当り終了処理中(04H)」が含まれる。なお、V当り遊技も大当り遊技と同様に、条件装置および役物連続装置が作動し、ラウンド遊技が実行されるため、ここでの大当り遊技に関する処理には、V当り遊技に関する処理も含まれる。
ステップS502の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値が「開始処理中(00H)」「作動開始処理中(01H)」「作動中(02H)」「継続判定中(03H)」「大当り終了処理中(04H)」のいずれかのステータス値であるかを判定して、処理状態をステップS505~S509のいずれかの処理に移行させる。これらステップS505~S509の処理により、大当り遊技またはV当り遊技が実現される。
以下では説明の便宜上、先ず図16~図18を用いて「小当り処理(ステップS504)」について説明し、その後に、ステップS505~S509の処理内容について説明していく。
(16.小当り処理:図16)
図15中の小当り処理(ステップS504)について説明する。図16は、小当り処理(ステップS504)の詳細を示すフローチャートである。
図16において、CPU201は、まず特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」または「継続判定中(03H)」であるか否かを判定する(ステップS601)。特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」でも「継続判定中(03H)」でもない場合には(ステップS601:≠02Hかつ≠03H)、ステップS603の判定処理に進む。
一方、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」または「継続判定中(03H)」である場合には(ステップS601:=02Hまたは=03H)、大入賞口入賞数確認処理を行った後(ステップS602)、ステップS603の判定処理に進む。この大入賞口入賞数確認処理についての詳細は、図17を用いて後述する。
ステップS603の処理に進むと、特別図柄役物動作タイマがゼロか否かを判定する(ステップS603)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、処理状態に応じて、小当り開始INT(オープニング演出時間)や小当り終了INT(エンディング演出時間)や開閉動作遊技時間(1.8秒)などを管理するためのタイマ値が設定されている。
この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS603:NO)、ステップS606の判定処理に進み、特別図柄役物動作タイマがゼロであれば(ステップS603:YES)、特別電動役物動作ステータス別処理(ステップS605)を実行して、現在の特別電動役物動作ステータス値「00H~04H」に応じた処理が実行されることになる。この特別電動役物動作ステータス別処理についての詳細は、図18を用いて後述する。
ステップS605の特別電動役物動作ステータス別処理を終えると、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」であるか否かを判定する(ステップS606)。特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」でない場合(ステップS606:≠02H)、何もしないでこの小当り処理を抜ける。
一方、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」である場合(ステップS606:=02H)、大入賞口開閉動作設定処理を実行する(ステップS607)。この大入賞口開閉動作設定処理では、小当り種別に応じた大入賞口50(開放扉52b)の開閉動作やV誘導装置の動作を実現するために要するソレノイド用制御データを設定する。この大入賞口開閉動作設定処理で設定されたデータは、図9中のソレノイド管理処理(ステップS100)にて利用される。上記大入賞口開閉動作設定処理を終えると、小当り処理を抜ける。
(17.大入賞口入賞数確認処理:図17)
次に、図16中の大入賞口入賞数確認処理(ステップS602)について説明する。図17は、大入賞口入賞数確認処理(ステップS602)の詳細を示すフローチャートである。
図17において、CPU201は、まず大入賞口50の入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS621)。大入賞口50の入賞を検出しなかった場合(ステップS621:NO)、ステップS630の処理に進む。
大入賞口50の入賞を検出した場合(ステップS621:YES)、大入賞口50に入賞したことを示す「大入賞口入賞コマンド」を送信し(大入賞口入賞コマンド送信処理;ステップS622)、大入賞口50への入賞球を計数する大入賞口入賞カウンタに1加算する(ステップS623)。また、大入賞口50に入賞があるごとに「大入賞口入賞コマンド」を演出制御部24に送信する。ここでの大入賞口入賞コマンドには、大入賞口への入賞発生情報と賞球数情報とが含まれ(設定値情報も含ませてもよい)、大入賞口50に入賞した旨を報知する入賞演出に利用される他、入賞演出を利用した設定示唆演出の現出制御にも利用される。たとえば、最大入賞数を超えるオーバー入賞があった場合、設定値に応じて定められた出現率に従い、通常のオーバー入賞演出に替えて、特別なオーバー入賞演出を現出させる。
次いで、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」であるか否かを判定する(ステップS624)。特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」でない場合(ステップS624:NO)、ステップS630の処理に進む。
一方、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」である場合(ステップS624:YES)、残存球排出時間(後述の図18のステップS614参照)が経過しておらず、大入賞口50への入賞が有効であるとして、次いで、大入賞口入賞カウンタが最大入賞数(たとえば、10個)に達したか否かを判定する(ステップS625)。
最大入賞数に達していない場合には(ステップS625:NO)、何もせずにステップS630に進み、最大入賞数に達した場合には(ステップS625:YES)、大入賞口閉鎖条件が成立したとして、特別図柄役物動作タイマをクリアして(ステップS626)、ステップS629の処理に進む。特別図柄役物動作タイマ(計時中の大入賞口開閉動作時間)が強制的にゼロにすることにより、最大入賞数に達したことを以って、開放中の大入賞口50が閉鎖されることになる。なお、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」中にステップS625が実行される場合、ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口動作時間が設定されている(後述の後図18のステップS613参照)。
ステップS629の処理では、V入賞口(特定領域)への入賞を検出する特定領域センサ51aによる検出があったか否か、つまりV入賞の有無を判定する。V入賞がなかった場合(ステップS630:NO)、後述のV入賞に係るステップS631~S643をスキップして、大入賞口入賞数確認処理を抜ける。
V入賞があった場合(ステップS630:YES)、V入賞コマンドを演出制御部24に送信する(V入賞用入賞コマンド送信処理:ステップS631)。このV入賞コマンドには、少なくとも今回の小当り種別(小当りA~B(V当り1~2)の別)に関する情報が含まれ、本実施形態では、今回の小当り種別(V当り種別)と当選時の遊技状態情報が含まれる。V入賞コマンドにより、演出制御部24は、V入賞が有った旨(V入賞が発生した旨)と移行先の遊技状態を把握し、今回の小当り種別(V当り種別)に対応するV入賞時演出(オープニング演出)に係る演出処理を行う。
次いで、条件装置作動フラグが「5AH」であるか否かを判定し(ステップS641)、条件装置作動フラグが「5AH」である場合(ステップS641:NO)、つまり、既にV入賞による条件装置作動フラグが「5AH(ON状態)」に設定されている場合には、何もしないで大入賞口入賞数確認処理を抜ける。
条件装置作動フラグが「5AH(OFF状態)」でない場合には(ステップS641:YES)、V入賞発生に係るフラグ設定処理を行う(ステップS642)。このフラグ設定処理では、V当り遊技開始前処理として、条件装置作動フラグ、V入賞フラグを「5AH」に設定し、また天井判定フラグを「00H」に設定する(条件装置作動時の天井機能発動禁止制御)。これにより、条件装置が作動状態となり、小当り遊技が終了した後は、図13中の特別電動役物管理処理におけるステップS502の判定結果が‘=5AH’となり、特別電動役物動作ステータスの値に応じて、大当り遊技に関する制御処理(ステップS505~S509)が実行され、これにより、小当り種別に対応した「V当り遊技」が制御されることになる。また、「V入賞フラグ」は、小当り遊技中にV入賞したことを指定するフラグであり、条件装置作動フラグが「5AH」に設定された今回の当りが、V入賞によるものであるのか、大当り当選によるものであるのかを識別するためのフラグである。また、この「V入賞フラグ」は、V当り遊技終了時に「00H(OFF状態)」に設定される。
なお、天井ゲームで小当りに当選し、かつ非V入賞の場合は、ステップS642の処理は実行されずに天井判定フラグが「5AH」まま維持され(ステップS630がNOの処理ルート参照)、天井判定フラグのON/OFF状態は、後述の特別電動役物動作ステータス別処理(ステップS605)中の小当り終了処理(ステップS616)にて判定される。天井判定フラグがON(5AH)であれば、その小当り終了処理にて上記天井時短設定処理(ステップS476A)と同様の処理を実行して、天井時短を付与するようになっている。
次いで、V入賞時に係る遊技状態移行設定処理を行う(ステップS643)。この遊技状態移行設定処理では、今回当選した小当り種別とその当選時の遊技状態に応じて、V当り遊技終了後に移行される遊技状態(図4B参照)を指定するための各種データを、所定のバッファに格納する(状態バッファ設定処理)。バッファに格納されたデータは、後述する図14中の特別電動役物管理処理中の大当り終了処理(ステップS509)で読み出され、対応する上記状態フラグに設定される。なお、非V入賞時は遊技状態の移行制御は行わないため、本実施形態では、非V入賞時の遊技状態移行設定処理は設けられていない。
(18.特別電動役物動作ステータス別処理:図18)
次に、図16中の特別電動役物動作ステータス別処理(ステップS605)について説明する。図18は、特別電動役物ステータ別処理(ステップS605)の詳細を示すフローチャートである。
図18において、CPU201は、現在の特別電動役物動作ステータスを参照し、ステータス値が00H~04Hのいずれの値であるかに応じて、ステップS612~S616の各処理を実行する(特別電動役物動作ステータス分岐判定処理:ステップS611)。以下、ステップS612~S616の各処理について説明する。
(18-1.小当り開始処理:ステップS612)
まず、特別電動役物動作ステータス「開始処理中(00H)」に係る「小当り開始処理(ステップS612)」について説明する。
小当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」となっている(後述のステップS616の小当り終了処理を参照)。したがって、ここでは最初に、ステップS612の小当り開始処理が実行される。
この小当り開始処理では、開閉動作遊技実行開始の前処理として、小当り開始を指示する「小当り開始コマンド」を演出制御部24に送信する。この小当り開始コマンドは、演出制御部24側にて、オープニング演出に係る演出処理に利用される。そして、特別図柄役物動作タイマに、開閉動作遊技実行前の開放前インターバル時間として「小当り開始INT(オープニング時間)」を設定し、大入賞口50への入賞数をカウントする大入賞口入賞カウンタをクリアし、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に更新する。これにより、小当り開始処理を終える。
(18-2.小当り特別電動役物作動開始処理:ステップS613)
次に、特別電動役物動作ステータス「開始処理中(01H)」に係る小当り特別電動役物作動開始処理(ステップS613)について説明する。
この小当り特別電動役物作動開始処理は、上記小当り開始INTが経過した後、特別電動役物動作ステータスが「作動開始処理中(01H)」の場合に実行される。(図16のステップS603の判定処理結果が“YES”、かつ「作動開始処理中(01H)」の場合)。ここでは、大入賞口に係る入賞数カウンタ(大入賞口入賞数カウンタ)をクリアし、特別図柄役物動作タイマに、大入賞口開放動作時間(開閉動作遊技に係る大入賞口50の開閉動作時間)を設定する。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に更新する。これにより、小当り特別電動役物作動開始処理を終える。
なお、図14中の上記ステップS607の大入賞口開閉動作設定処理にて、大入賞口開放動作時間に基づくソレノイド用の励磁信号ON/OFFの設定処理が実行され、これにより開閉動作遊技に係る大入賞口50の開閉動作が制御される。大入賞口50の開閉動作は、大入賞口開放動作時間(ここでは、開閉動作遊技時間)が経過して特別図柄役物動作タイマがゼロになるか、または最大入賞数に達して特別図柄役物動作タイマが強制的にゼロクリアされるまで制御される(図17中のステップS625~S626の処理、図16中のステップS603の判定処理を参照)。
(18-3.小当り特別電動役物作動中処理:ステップS614)
次に、特別電動役物動作ステータス「作動中(02H)」に係る小当り特別電動役物作動中処理(ステップS614)について説明する。
この小当り特別電動役物作動中処理は、小当り遊技中の開閉動作遊技終了時の設定処理として機能するものであり、上述した開閉動作遊技時間の経過や最大入賞数到達によって特別図柄役物動作タイマのゼロとなり、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」の場合に実行される(図16のステップS603の判定処理結果が“YES”、かつ「作動中(02H)」の場合)。ここでは、開閉動作遊技の終了時の設定処理として、特別図柄役物動作タイマに、残存球排出時間(たとえば、1500ms)を設定し、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に更新する。これにより、小当り特別電動役物作動中処理を終える。なお、上記「残存球排出時間」とは、大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a、特定領域センサ51a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。したがって、この残存球排出時間が経過するまでに、大入賞口50内の遊技球がV入賞口に入賞すれば、「V入賞」となり、V当り遊技が発生する。
(17-4.小当り継続判定処理:ステップS615)
次に、特別電動役物動作ステータス「継続判定中(03H)」に係る小当り継続判定処理(ステップS615)について説明する。
この小当り継続判定処理は、開閉動作遊技中に大入賞口50に入球した遊技球がすべて排出されたとみなした場合に実行される処理であり、具体的には、特別図柄役物動作タイマに設定された上記残存球排出時間(1500ms)が経過した後、特別電動役物動作ステータスが「継続判定中(03H)」の場合に実行される(図16のステップS603の判定処理結果が“YES”、かつ「継続判定中(03H)」の場合)。なお、上記残存球排出時間(1500ms)するまでは、図16に示す小当り処理中のSステップS603の判定が“NO”となり、残存球排出時間が経過するまで「ステップS601→S603(=NO)→S606(≠作動中)」の処理が実行されることになる。
ここでは、特別図柄役物動作タイマに「小当り終了INT」を設定し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に更新する。なお、ここで設定される小当り終了INTは、V入賞した場合には、V当り遊技の初回のラウンド(実質2R目)に係る開放前インターバル時間(開放前INT)が設定される。一方、非V入賞の場合には、小当り遊技終了に係るエンディング演出時間幅としての「エンディング時間」が設定される。ただし、V入賞時の開放前INTは設定せずに、直ちに、上記V入賞INT(V当り遊技に係る開始インターバル時間)を設定してもよい。また、非V入賞時の小当り終了INTは、小当り種別および/または小当り当選時の遊技状態に応じて、異なるインターバル時間を設定してもよい。たとえば、当選時の遊技状態が通常状態の場合は10秒、時短状態中の場合は2.5秒などである。
(17-5.小当り終了処理:ステップS616)
次に、特別電動役物動作ステータス「終了処理中(04H)」に係る小当り終了処理(ステップS616)について説明する。
この小当り終了処理は、小当り遊技終了時の設定処理として機能するものであり、上記小当り終了INTが経過した後、特別電動役物動作ステータスが「終了処理中(04H)」の場合に実行される(図16のステップS603の判定処理結果が“YES”、かつ「終了処理中(04H)」の場合)。ここでは、小当り終了時の各種設定処理として、小当り中フラグを「00H」に設定し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に更新する。また図示はしていないが、ここでは、天井判定フラグのON/OFF状態を判定し(天井判定フラグが「5AH」であるか否かを判定)、天井判定フラグがON(5AH)であれば、上記天井時短設定処理(ステップS476A)と同様の処理内容を実行し、天井時短移行に必要な処理を実行する。これにより、小当り遊技終了後に天井時短に移行されることになる。この小当り終了処理の終了を以って、小当り遊技に関する一連の制御処理が終了される。
<15.大当り遊技制御処理(ステップS505~S509):図15>
(15-1.大当り開始処理)
図15の説明に戻り、特別電動役物管理処理(ステップS095)中のステップS505~S509について説明する。
まず、ステップS505の「大当り開始処理」について説明する。大当り遊技開始時には、条件装置作動フラグが「5AH」に設定され、特別電動役物動作ステータスが、初期値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって「大当り」となった場合は、最初にこの「大当り開始処理」が実行される。なお、V入賞した際にも、最初に「大当り開始処理」が実行されるようになっている(V当り時には、条件装置作動フラグ=5AH、特別電動役物動作ステータス「開始処理中(00H)」設定される。:図17中のステップS642、図18中のステップS616を参照)。
大当り開始処理に入ると、CPU201は、まず、大当り遊技を開始する際に必要な設定処理(開始時の設定処理)として、役物連続作動装置作動フラグを「5AH(ON状態)」に設定する。これにより、特別電動役物の連続作動(ラウンド遊技)が許容状態となる。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に更新し、ラウンド数をカウントする「連続回数カウンタ」に初回の1R目を指定する01Hを設定する。なお、V当りの場合には、小当り遊技による開閉動作遊技が見做し1R目となるため、ここでの連続回数カウンタには2R目を指定する「02H」を設定する。
次いで、今回当選した当り種別(特別図柄判定データ(ここでは、大当り種別、V当り種別(小当り種別)に関するデータ))に応じて、領域内RAMの該当領域に、今回の大当りまたはV当りに対応する「最大ラウンド数」を設定し、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」、ラウンド表示LED番号を設定する。なお、「開始インターバル時間(開始INT)」とは、大当りの場合には特別図柄の確定表示時間(図14AのステップS471、ステップS474A参照)が経過して大当りが確定した後(大当り図柄停止が確定表示された後)、特別変動入賞装置52が作動するまで(1R目のラウンド遊技が開始されるまで)のインターバル区間であって、オープニング演出区間を定めた時間幅を指す。V当りの場合には、開始インターバル時間として、上記V入賞INTが設定される。また「ラウンド表示LED番号」とは、最大ラウンド数(規定ラウンド数)を指定するデータであり、CPU201は、ラウンド表示LED番号に応じて、ラウンド数表示装置39cに対して今回の最大ラウンド数を表示させる。
次いで、「当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜ける。なお「当り開始コマンド」には、今回の当り種別(特別図柄判定データ)とその当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれる。この当り開始コマンドを演出制御部24が受信すると、今回の大当り遊技中またはV当り遊技中(開始INT中、ラウンド遊技間、ラウンド遊技中、終了INT中など)に展開される一連の当り演出シナリオ(オープニング演出、ラウンド中演出、ラウンド間インターバル演出、ラウンド終了演出、エンディング演出など)を決定し、オープニング演出を開始する。かくして、大当り遊技またはV当り遊技が開始される。
(15-2.特別電動役物作動開始処理)
次に、特別電動役物動作ステータス「作動開始処理中(01H)」に係る特別電動役物作動開始処理(ステップS506)について説明する。
特別電動役物作動開始処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、ラウンド開始前インターバル時間が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(大当り遊技の場合は1R目、V当り遊技の場合は2R目)では、上記「大当り開始処理(ステップS505)」で設定された「開始インターバル時間(開始INT)」が監視されるが、2R目以降で本処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間」、具体的には、今回のラウンド遊技が終了して次回ラウンド遊技が開始されるまでのラウンド間のインターバル時間(R間INT)が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、今回のラウンド遊技が終了していないので、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(初回のラウンドの場合は開始インターバル時間)が経過したならば、当り種別(特別図柄判定データ)と現在のラウンド数(連続回数カウンタ値)とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。ここでは、大入賞口開閉動作時間(最大開放時間)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口開閉動作時間(特別図柄役物動作タイマ)に基づき、大入賞口50(開放扉52b)の開閉動作を制御するためのソレノイド用制御データ(大入賞口ソレノイド52c用制御データ)を設定する。
また大入賞口開放開始動作に伴い、「大入賞口開放コマンド」を演出制御部24に送信する。この「大入賞口開放コマンド」には、現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド数に対応するラウンド中演出を現出させる際に利用される。そして、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替えて、この特別電動役物管理処理を抜ける。かくして、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放され、今回のラウンド遊技が開始される。
(15-3.特別電動役物作動中処理)
次に、特別電動役物動作ステータス「作動中(02H)」に係る特別電動役物作動中処理(ステップS507)について説明する。
特別電動役物作動中処理に入ると、CPU201は、まず、図17に示す「大入賞口入賞数確認処理」を実行する。大入賞口入賞数確認処理についての詳細は、上記小当り処理において既に説明した通りであるが、ここでは、大当り遊技中またはV当り遊技中における大入賞口50への入賞が監視される。なお、大当り遊技中またはV当り遊技中においては、ステップS621~ステップS630の処理が実行されるが、V入賞口の入賞は無いため、常に、ステップS630の判定結果が「NO」の処理ルートを辿ることになる。
なお、ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記「特別電動役物作動開始処理(ステップS506)」で設定された特別図柄役物動作タイマが設定されており、この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間、つまり、大入賞口開放動作時間(最大開放時間)が経過するか、または最大入賞数に達するまでの間は、何もしないで、そのまま特別電動役物作動中処理を抜ける。
最大入賞数に達するか、または最大開放時間が経過して、特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に更新し、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(1500ms)を格納する。なお、また大入賞口閉鎖(ラウンド遊技終了)に伴い、ラウンド間インターバルコマンドを演出制御部24に送信する。この「ラウンド間インターバルコマンド」は、ラウンド遊技終了情報や現在のラウンド数情報が含まれ、演出制御部24において、ラウンド間INT中のラウンド間INT演出を現出させる際に利用される。これにより、この特別電動役物作動中処理を抜ける。
(9-4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、特別電動役物動作ステータス「継続判定中(03H)」に係る特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)について説明する。
特別電動役物作動継続判定処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の残存球排出時間(1500ms)が設定されているので(ステップS507参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり残存球排出時間経過したならば、連続回数カウンタの値を取得して、現在のラウンド数が最大ラウンド数に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に更新する。
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達したならば、最終ラウンド終了時の設定処理として、「終了INT(終了インターバル時間)」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に更新する。上記「終了INT」とは、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了して残存球排出時間経過した後、大当り遊技またはV当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信して、特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。これにより、最終ラウンド(最大ラウンド数目)のラウンド遊技が終了される。なお、大当り終了コマンドには、今回の大当り種別とその当選時の遊技状態とに関する情報、つまり、大当り遊技またはV当り遊技終了後の遊技状態(図4A、図4B参照)を特定可能な情報(移行先の遊技状態情報)が含まれ、演出制御部24において、これら当り遊技終了後の演出モードを決定する際にも利用される。
(15-5.大当り終了処理)
次に、特別電動役物動作ステータス「終了処理中(04H)」に係る大当り終了処理(ステップS509)について説明する。
大当り終了処理に入ると、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS591)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間(終了INT)が設定されているので、ここでは、この終了インターバル時間が経過したか否かが判定される。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないで大当り終了処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば、状態フラグ設定処理を実行する。この状態フラグ設定処理では、既に説明した「遊技状態移行準備処理(図12のステップS412)」において設定された状態バッファの各々の値を、状態バッファに対応するフラグ領域やカウンタ領域に設定する。これにより、大当り遊技またはV当り遊技後の遊技状態が指定される。
次いで、大当り終了時の各種設定処理を実行する。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータをクリアし、遊技状態報知LED出力番号(複合表示装置38cによる遊技状態報知LEDデータ)を更新し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に更新する。この大当り終了処理の終了を以って、大当り遊技またはV当り遊技に関する一連の制御処理が終了される。
<19.タイマ割込内領域外処理:図19>
次に、図9中のタイマ割込内領域外処理(ステップS101)について説明する。図19は、タイマ割込内領域外処理の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態では、領域外エラー(図31(B)(D))の管理処理や、性能表示の制御処理に関する、型式試験用の信号出力処理などの動作プログラムや記憶領域は、領域外メモリ(第2メモリ領域)に規定されている。そこでCPU201は、図9のソレノイド管理処理を終えた後、全レジスタをスタック領域に退避させた後、図19において、まず、領域内RAMに係るスタックポインタを退避させ(ステップS820A)、領域外RAMに係るスタックポインタの設定する(ステップS820B)。
次いで、領域外タイマ管理処理を実行する(S821)。この領域外タイマ管理処理では、複数種類の領域外エラーに係るタイマの更新処理を行う。ここでは、性能表示器99の動作確認表示用の動作確認タイマや、エラー報知タイマ(電波エラー、磁気エラー、入賞口エラーの各報知タイマ(図31(B)参照))を対象としたタイマ管理処理(タイマ減算処理)を実行し、動作確認表示時間や領域外エラー報知時間を管理する。なお、動作確認タイマを領域内RAMに設ける場合は、図9のタイマ管理処理(ステップS082)で管理することができる。
次いで、領域外エラー判定処理を実行する(ステップS822)。この領域外エラー判定処理では、複数種類の領域外エラーが監視される。本実施形態では、領域外エラーフラグ(図31(D))に対応する「電波エラー、磁気エラー、入賞口エラー」の3種類が監視される。これら領域外エラーについては、各々のエラーに対応した、エラー判定値(エラー検出タイマの判定値)、エラー報知時間(エラー報知タイマの設定値)、エラーコマンド(エラー報知コマンド)、およびエラー解除コマンドが定められている。
電波エラー、磁気エラー、入賞口エラーについては、各々のエラー検出タイマが判定値に達した場合、エラーが発生したとして、そのエラー対応する、領域外エラーフラグ(図31(D))をONにし、エラー報知タイマに所定値をセットし、エラーコマンドを演出制御部24に送信する。たとえば、磁気センサが所定時間継続して磁気を検出した場合、磁気エラーが生じたとして、領域内エラーフラグ(図31(C))の第3ビットをONにし、エラー報知タイマに磁気エラー報知用タイマ値(たとえば、30秒)をセットし、磁気エラーを指定するエラーコマンドを送信する。なお、発生中のエラーが解除された場合は、対応する領域外エラーフラグ(図31(D))をOFF(0)にし、エラー解除コマンドを演出制御部24に対して送信して、エラー報知を終了させる。なお、エラーコマンドとエラー解除コマンドは、共通の領域外コマンド送信モジュールを用いて送信される。
次いで、試射試験信号端子管理処理を実行する(ステップS823)。本実施形態の遊技機1は、第三者の試験機関(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第20条第5項の規定に基づく指定試験機関)が適正な遊技機であるか否かを判断するための型式試験に対応して、遊技機の制御状態を特定可能な「型式試験信号」を枠用外部端子基板21から出力可能に構成されている。なお、型式試験を行うために提供する遊技機には、試験装置に接続するための専用接続端子(試射試験装置情報端子)を設けてあり、遊技機と試験装置間で、試験信号の入出力を行い、型式試験の実施が可能となっている。また型式試験に適合した遊技機をパチンコホールに設置する際には、その適合した制御プログラムの変更は一切認められていないため、パチンコホールに設置後も、この試射試験信号端子管理処理(ステップS823)が割込みごとに繰り返し実行されることになるが、量産用の遊技機には上記専用接続端子が実装されておらず、所謂データカウンタやホールコンピュータHC用の外端信号としては利用することができないようになっている。
この試射試験信号端子管理処理では、型式試験に必要な遊技情報(試験用情報)を、領域外RAMに設けた1バイト長の外部出力バッファ(試射試験装置情報端子ポート1~5に対応)に取得して、その情報(たとえば、フラグのON/OFF情報)を8ビットの出力ポート(たとえば、試射試験装置情報端子ポート1~5)に供給し、各種の試験用情報を型式試験信号として外部出力するようになっている。本実施形態では、所定の試験用情報を取得し、これらの情報を試射試験装置情報端子(試射試験装置情報端子ポート1~5)から出力可能となっている。CPU201は、領域内RAMに格納されている各種データ(ゲームに係る遊技進行の処理状態に応じて格納されるフラグ等)を取得し、型式試験に必要な遊技情報を試験装置に送信するようになっている。
(性能表示モニタ処理:ステップS824~S831)
試射試験信号端子管理処理を終えると、次いで、図中(P)のステップS824~S831の性能情報に関する表示制御処理(以下「性能表示モニタ処理」と称する)を実行していく。
性能表示モニタ処理では、まず、領域外RAMチェック処理を実行する(ステップS824)。この領域外RAMチェック処理では、領域外RAMのエラー(データの破損などのRAM異常)を監視する。なお、領域外RAMチェック処理の詳細は、図20を用いて後述する。
次いで、領域外用LED管理処理を実行する(ステップS825)。領域外用LED管理処理では、後述の表示データ更新処理(ステップS831)で作成される表示データに基づき、性能表示器99に対して制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を行う。領域外用LED管理処理では、前回の割込み時に表示データ更新処理で設定された「識別表示部用出力バッファ」や「ベース表示部用出力バッファ」にセットされたデータを性能表示器99に対して出力し、性能情報の表示制御(識別表示部およびデータ表示部の表示制御)を行う。識別表示部用出力バッファ、ベース表示部用出力バッファは、識別表示部、ベース表示部の各表示パターンデータを格納するためのもので、これらは領域外RAMに設けられている。
(動作確認表示に関する処理:ステップS826→S833の処理ルート)
次いで、動作確認タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS826)。動作確認タイマには、電源投入時の処理の一環である「動作確認タイマ設定処理(図8BのステップS034)」にて、初期値として5000msが設定されている。
動作確認タイマがゼロでない場合(ステップS826:≠0)、動作確認処理を実行する(ステップS833)。この動作確認処理では、電源投入時の動作確認表示(全点滅)の実行に必要な処理を行う。なお既に説明したように、動作確認タイマは、電断復帰を含む電源投入時の処理において初期値(5000ms)が設定されるため、動作確認中に電断した場合、その後の電断復帰時には、電断時の状態から動作確認が再開されるのではなく、電源復帰時には、動作確認タイマの初期値が再設定され、再度、動作確認時間5000msが経過するまで動作確認表示が行われることになる。なお、この動作確認処理についての詳細は、図21を用いて後述する。
(ステップS826→S827の処理ルート)
一方、動作確認タイマがゼロである場合(ステップS826:=0)、動作確認表示が終了したとして、性能表示器99に対して性能情報を表示させるための処理(ステップS828~S831)」を行っていく。
まず、状態判定フラグに「00H」を設定する(ステップS827)。この「状態判定フラグ」とは、性能情報(本実施形態の場合、ベース値)を計測するための「計数対象区間」(計数対象に係る遊技状態)であるか否かを指定するためのフラグであり、性能情報の算出に利用される。本実施形態の場合、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には計数対象区間(計数対象遊技状態=通常状態および微時短状態)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には計測非対象区間(通常状態および微時短状態以外の遊技状態)である旨を示す。この状態判定フラグは、1つのフラグで計数対象区間として複数の遊技状態を指定できる点(複数の遊技状態で共通のフラグである点)で好適である。
次いで、現在の遊技状態が特定遊技状態(計数対象区間:本実施形態では、通常状態または微時短状態)であるか否かを判定し(ステップS828)、特定遊技状態(である場合には(ステップS828:YES)、状態判定フラグを「5AH(ON状態)」に設定する(ステップS829)。これにより、現在、計数対象区間である旨が指定される。
しかし、特定遊技状態でない場合(ステップS828:NO)、つまり、非計数対象区間である場合には、何もせずに、ステップS830の処理に進む。したがって、この場合は、状態判定フラグが「00H」に維持されて、現在、非計数対象区間である旨が指定されることとなる。
(計数対象区間について)
本実施形態では、「通常状態と微時短状態」を計数対象の遊技状態として指定する。通常状態だけでなく、時短状態に属する微時短状態をも計数対象に含める理由は次の通りである。
本実施形態では、遊技進行上、遊技者が頻繁に遭遇しうる遊技状態(低ベース状態下に置かれる遊技状態)のベース値を計測して、遊技機の本来の性能が発揮されているか、不正行為等により出球の異常が生じてしないかをチェックするようにしている。具体的には、高ベース状態下に置かれる確変状態中や時短状態中の他、短期間で賞球を大量に獲得しうる当り遊技中なども除外される。上記「低ベース状態に置かれる遊技状態」とは、本実施形態であれば「通常状態」と「微時短状態」が該当する。
微時短状態は、時短状態に属する遊技状態であるが、本実施形態に係る微時短状態は、通常状態と同じ電サポ無し状態であるか、仮に電サポ有り状態であっても実質的に電サポが滅多に作動しない遊技状態であり、換言すれば、通常状態と略同一のベース値を発揮しうる遊技状態(通常状態のベース値≒微時短状態のベース値)として定められている。ここで、遊技状態の遭遇率(滞在率)という観点に着目して「通常状態」と「微時短状態」とを比較した場合、「微時短状態」の方が滞在率は高い、つまり、遊技進行上、最も長期間滞在しうる遊技状態である。このため、性能情報としてのベース値を算出する際に、微時短状態のみを計数対象として定めることが考えられる。しかし、通常状態も微時短状態と略同一ベース値を発揮しうる遊技状態であり、微時短状態のみを計数対象とするよりも、通常状態も含めた計数対象とする方が、性能情報としての信頼性を向上させる上で好ましいからである。
ところで、領域内RAMで管理される現在の遊技状態情報(たとえば、遊技状態番号YJ)と同一のデータを管理する記憶領域を領域外RAMに設けて、領域外RAMにおいても、現在の遊技状態情報(遊技状態番号YJ)を管理可能な構成とし、上述のステップS828において、その領域外RAMの遊技状態情報(遊技状態番号YJ)を取得して、現在の遊技状態が計数対象区間である特定遊技状態(通常状態または微時短状態)であるか否かを判定可能な構成とすることができる。なお、大当り遊技中であるか否かを判定する場合には条件装置作動フラグを取得し、小当り遊技中であるか否かを判定する場合には小当り中フラグを取得し、そのフラグのON(5AH)/OFF(00H)状態を判定可能に構成すればよい。つまり当り中であるか否か(当り中に係る内部遊技状態や遊技モードであるか否か)を判定する場合は、条件装置作動フラグや、小当り中フラグの設定状態に応じて判定すればよい。
しかしこのような構成とした場合、遊技状態情報が領域内RAMで管理されているにもかかわらず、重複した同一データを領域外RAMで管理していることになり、無闇に領域外メモリを圧迫し、結果的に、RAM203全体のメモリ領域の圧迫や制御負担に繋がってしまう。特に、本実施形態に係る遊技機では、領域外メモリに係る処理(性能表示に関する処理、試射試験に関する処理)を実行する際に、領域内RAMにアクセスすることは禁止されておらず、また法的要請によりRAMの容量等が厳しく制限されているため、少しでも使用量を低減させることが、遊技に係る種々の処理を実行する上で好適である。そこで、領域外RAMにおいて、現在の遊技状態情報(遊技状態番号YJ)を別途管理する格納領域を設けることなく、領域内RAM側の遊技状態番号YJを直接的に取得することで、計数対象に係る特定遊技状態であるか否かの判定処理を行うことができる。
(区間指定番号SF:図25)
また、領域内RAMにおいて、計数対象区間に係る複数の遊技状態で共通データを記憶するための計数対象情報記憶領域(以下、「区間指定番号SF」と称する)を設けてもよい。たとえば、計数対象区間に係る遊技状態として「通常状態と微時短状態」とを採用した場合、現在の遊技状態が、通常状態または微時短状態のいずれかである場合には、区間指定番号SFに「01H(計数区間指定)」を設定し、それ以外の遊技状態である場合には区間指定番号SFに「00H(非計数区間指定)」を設定するように構成する(図25の「SF」の欄、備考1参照)。
そして、図19のステップS828の判定処理にて、領域内RAM側の区間指定番号SFを直接的に取得することで、計数対象に係る特定遊技状態であるか否かの判定処理を行うことができる。斯様な区間指定番号SFを用いる場合、次に述べる利点がある。
本実施形態のように、「通常状態と微時短状態」などのように複数種類の遊技状態を計数対象とする場合、ステップS828の判定処理にて計数対象区間を判定する際に、たとえば、遊技状態情報として「YJ」を参照して判定する場合には、通常状態であるか否か、微時短状態であるか否か、時短状態であるか否か、当り遊技中であるか否か(条件装置作動中であるか否か、小当り中であるか否かなど)という複数段階の処理を設ける必要性が生じて、制御負担の増大に繋がる恐れがある。遊技状態情報として「Tcode」を参照して判定する場合も同様に、複数段階の処理を設ける必要性が生じうる。
しかし、区間指定番号SFを設ければ、「通常状態と微時短状態」とで共通の区間指定番号「01H」が設定され、それ以外(非計数対象)の遊技状態では区間指定番号「00H」が設定されるため、図19のステップS828の判定処理にて、領域内RAM側の区間指定番号SFを取得しその値が特定値(たとえば、01H(計数対象区間指定))であるか否かを判定するだけで、計数対象に係る遊技状態であるか否かの判定を行うことができるようになる。すなわち、領域外RAMにおいて、現在の遊技状態情報(遊技状態番号YJ)を管理する格納領域を設けることなく、タイマ割込内領域外処理にて、領域内RAMの区間指定番号SFを直接的に取得することで、計数対象に係る特定遊技状態であるか否かの判定処理(ステップS828)を行うことができるようになる。
上述の区間指定番号SFを設ける形態の場合、ステップS828の判定処理では、区間指定番号SFが「01H」であれば判定結果が“YES”となり、状態判定フラグを「5AH」(計数対象区間指定)に設定し(ステップS829)、ステップS830に進み、一方、区間指定番号SFが「00H」であれば判定結果が“NO”となり、ステップS829の処理がスキップされ、状態判定フラグが「00H」(非計数対象区間指定)が維持されたまま、ステップS830に進むことになる。
このように、区間指定番号SFは、複数の遊技状態を計数対象区間と定めたり、複数の遊技状態を非計数対象区間として定める場合に好適である。
なお、区間指定番号SFに「01H」または「00H」を設定する処理は、RAMクリア時や、遊技状態移行(更新)に係る処理、たとえば、図8BのステップS030に示す領域内RAMクリア処理(この場合は、デフォルトの通常状態に初期化されるため、本実施形態の場合、区間指定番号SFに「01H」が設定される)、図14AのステップS474A~S477Aの設定処理、図15の大当り終了処理(ステップS509)などで行えばよく、適宜、遊技状態の移行(更新)に係る処理において、区間指定番号SFに所定値(「01H」または「00H」)を設定または更新すればよい。
図19の説明に戻り、ステップS830の処理に進むと、スイッチ入力データ設定処理を実行する(ステップS830)。このスイッチ入力データ設定処理では、図9に示すタイマ割込処理中の入力管理処理(ステップS082)で取得される各種のスイッチ入力データ、具体的には、始動口センサ34a、35a、大入賞口センサ52a、特定領域センサ51a、一般入賞口センサ43h、OUT監視スイッチ49aなど、性能情報に必要なセンサ類の入力データ(遊技球検出データ)に基づき、各入賞口に対する入賞の有無に関する入力データを作成する。ここで作成されたデータは、既に説明した、図8Bのメインループ内領域外処理(ステップS043)の性能表示モニタ集計除算処理にて、通常時払出個数、通常時アウト個数、ベース値、全状態アウト個数のカウントなど性能情報を算出するためのデータとして利用される。
次いで、表示データ更新処理を実行する(ステップS831)。詳細は図22を用いて後述するが、この表示データ更新処理では、性能表示器99に対して性能情報を表示させるためのLED用表示データを作成し、識別表示部用出力バッファおよびデータ表示部用出力バッファ等のLED出力用バッファに設定する。ここで作成されたデータは、次回割込み時における領域外用LED管理処理(ステップS825)にて出力される。これにより、性能表示器99による性能情報の表示として、現在のベース値(リアルタイムベース値)と前回の履歴情報(履歴ベース値)などのリアルタイム表示が実現される。
そして、退避していたスタックポインタSPの内容を復帰させて(ステップS832)、タイマ割込内領域外処理を抜けて、全レジスタを復帰する。
以上、図19のタイマ割込内領域外処理のうち、ステップS824~S831は、上記情報表示制御プログラムに基づいて、情報表示手段(性能表示器99)に関する制御を行う情報表示制御手段として機能する。本実施形態では、RAM202の領域内RAMに、現在の遊技状態を特定するための遊技状態データ(上述した遊技状態番号YJまたは区間指定番号SFのいずれを採用してもよい)を記憶可能な遊技情報記憶領域が設けられている。他方、RAM202の領域外RAMには、特定遊技状態(通常状態または微時短状態)であることを示す特定データを記憶可能な特定情報記憶領域が設けられている。
上記情報表示制御手段は、領域内RAMの遊技情報記憶領域に記憶されている遊技状態データに基づいて、現在の遊技状態が特定遊技状態であるか否かを判定する判定手段(ステップS828)と、上記判定手段により特定遊技状態であると判定された場合、上記特定情報記憶領域に上記特定データを記憶する特定情報記憶手段(ステップS829)と、上記特定データに基づいて、上記遊技実績に関する特定情報(ベース値)を算出する算出手段(図8BのS043、図19のS830)と、上記特定情報に関する情報を性能表示器99に表示制御するための表示制御手段(図19のS825、S831)と、を含んで構成される。
<20.領域外RAMチェック処理:図20>
次に、図19中の領域外RAMチェック処理(ステップS824)について説明する。図20(A)は、本実施形態に係る領域外RAMチェック処理の詳細を示すフローチャートであり、同図(B)は、領域外RAMチェック処理の変形例を示すフローチャートである。この領域外RAMチェック処理は、図19のタイマ割込内領域外処理中だけでなく、図8Bのメインループ内領域外処理中(ステップS043)にも実行される処理(共通処理)となっているが、メインループ内領域外処理および/またはタイマ割込内領域外処理において実行可能に構成してもよい。
この領域外RAMチェック処理では、主として、性能表示に関する処理が正しく実行されているか否かのチェック(ステップS841)、性能表示に係るRAM領域のデータに不具合が生じているか否かのチェック(データ破損等のチェック)を行い(ステップS842)、異常がある場合には、計測データを初期化するデータ初期化処理(ステップS843)が実行されるようになっている。
詳しくは、図20(A)において、CPU201は、まず、チェックデータが初期値の正常値(AA55H)であるか否かを判定する(ステップS841)。このチェックデータとは、全状態アウト個数Rと通常時アウト個数Sとを比較判定する処理(アウト球数確認処理:図示せず)において監視されるデータであり、本来あり得ない計数状態、たとえば、全状態アウト個数Rよりも通常時アウト個数Sが多い場合に(R<S)、計数異常が生じたとして、チェックデータに、その旨を示す「00H」が設定されるようになっている。チェックデータが正常値でない場合(ステップS841:NO)、つまり、領域外RAMに異常が生じた場合、後述のデータ初期化処理(ステップS843)を実行する。
チェックデータが正常値である場合(ステップS841:YES)、続いて、計数データに異常が発生したか否かを判定する(ステップS842)。計数データに異常が発生した場合とは、たとえば、スイッチ入力データが異常値を示している場合や、性能情報に関する演算処理が正しく実行されていない場合などである。演算処理が正しく実行されていないケースとしては、たとえば、性能情報の算出に係るセンサを対象とした演算処理(球数加算処理)が、正しく行われていない場合が挙げられる。本実施形態の計数対象となるセンサとは、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、大入賞口センサ52a、特定領域センサ51a、一般入賞口センサ43h、OUT監視スイッチ49aの6種類の入賞検出センサである。したがって、これらのすべてのセンサを対象とした「球数加算処理」(図示せず)、具体的には「賞球数加算処理」と「アウト球数加算処理」とが正しく実行されたか否かが判定される。
上記「球数加算処理」は、図8Bのメインループ内領域外処理(ステップS043)にて実行される。この球数加算処理では、まず、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、一般入賞口センサ43h、大入賞口センサ52a、特定領域センサ51aの5つのセンサを対象に、入賞の有無を順番にチェックしていき、入賞を確認した場合にはその賞球数を加算していく(賞球数加算処理)。そして、各センサにおける賞球数加算処理を終える毎に、処理回数をカウントする「センサ検出回数カウンタ」に1加算していく(センサ検出回数カウンタ+1)。
具体的には、まず、1番目の計数対象センサの上始動口センサ34aの入賞の有無をチェックし、入賞を確認した場合には上始動口の賞球数を加算し(第1賞球数加算処理)、今回の加算処理を終えると、センサ検出回数カウンタに1加算して、そのカウンタ値を「01H」に更新する。続いて、2番目の計数対象センサの下始動口センサ35aの入賞の有無をチェックし、入賞を確認した場合には下始動口の賞球数を加算し(第2賞球数加算処理)、今回の加算処理を終えると、センサ検出回数カウンタに1加算して、そのカウンタ値を「02H」に更新する。以下同様にして、3番目、4番目、5番目の計数対象センサである、一般入賞口センサ43h、大入賞口センサ52a、特定領域センサ51aを対象とした賞球数加算処理(第3、第4、第5賞球数加算処理)を順番に行い、その加算処理を終える毎に、センサ検出回数カウンタに1加算し、カウンタ値を更新していく。
最終の5番目の特定領域センサ51aを対象とした第5賞球数加算処理を終えた後は、センサ検出回数カウンタは、常に「05H」に更新される。そして最後に、OUT監視スイッチ49aを対象とした「アウト球数加算処理」を行い、このアウト球数加算処理を終えたときに、センサ検出回数カウンタをゼロクリア(00H)する。このように、第1~第5賞球数加算処理と、アウト球数加算処理とを1サイクルとして実行する。
したがって、センサ検出回数カウンタがとり得る値の範囲は「00H」~「05H」であり、球数加算処理(最後のアウト球数加算処理)を正しく終えたときは、センサ検出回数カウンタに「00H」が設定されているはずである。しかし何かしらの不具合により、センサ検出回数カウンタの値が「00H」~「05H」以外の値となった場合や、第1賞球数加算処理を開始する際に「00H」以外の値である場合などは、演算処理が正しく実行されていない、すなわち、異常により計数データに正当性がない(異常が生じた)と判断できる。
そこで、ステップS842の判定処理にて計数データが正当性の有無を判定し、チェックデータが正常値(AA55H)であり(ステップS841:YES)、かつ計数データに正当性がある場合には(ステップS842:範囲内)、正常動作であるとして、ステップS843のデータ初期化処理をスキップし、領域外RAMチェック処理を抜ける。
しかし、計数データの正当性がない場合には(ステップS842:範囲外)、領域外RAMに異常が発生したとして、データ初期化処理を実行する(ステップS843)。
このデータ初期化処理では、チェックデータに初期値(正常値)である「AA55H」を設定し、性能表示に係る領域外RAM領域をクリアして、現在表示中の表示データもクリアし、領域外RAMをデフォルトの状態に戻す。
なお、領域外RAMのうち、領域外エラー情報の領域を除くRAM領域をクリアすることにより、異常であると判定された「性能表示に係る領域外RAM」をクリアするように構成してもよいが、領域外エラー情報にも異常がある可能性を考慮し、領域外エラー情報の領域を含む領域外RAMの全領域をクリアするように構成してもよい。上述の「性能表示に係る領域外RAM領域」とは、たとえば、性能表示内容を更新する際に使用するRAM領域、計数情報格納領域(性能情報の算出に関する計数情報格納領域(ベース値の集計を行う際に使用するRAM領域))、性能表示格納領域(履歴ベース値などを記憶するRAM領域)、初めての電源投入時にのみ異常値判定されるRAM領域などである。
また、性能表示に係るRAM領域のうち、計数情報格納領域だけをクリアしてもよい。その理由としては、性能表示格納領域に保存されているデータには、通常、前回のベース値データが保存されているが(今回が初回計測時の場合は、テスト区間用の特定値(「データ無し」を指定する値)が保存される)、このデータは、前回正しく処理された結果が保存されていると考えられるからである。また、異常が生じた場合には、動作確認タイマに0を設定し、動作確認中であれば、これを強制終了させてもよい。
なお、領域外RAMに異常あると判断されて、データ初期化処理が実行されても、エラー報知や遊技停止(遊技進行処理の停止)はせずに、そのまま処理を進める(ステップS825以降の処理を実行していく)。つまり、異常が生じた場合には、エラー報知をする、新たなベース値を計測しないなどといった特別なエラー処理をせずに、単に、計数データや表示データをクリアして、新たなベース値を算出する。このようにする理由としては、性能情報自体は、遊技者が遊技に興じる際の遊技進行には直接的に関係の無い情報であり、データの重要度が、領域内RAMに保存されるデータ(遊技進行処理に係るデータ)よりも低いからである。なお、領域内RAMに異常が生じた場合は、既に説明したように、電源再投入待ち処理(図8AのS020)に移行され、遊技処理が停止される(ステップS015がYES、またはS016がNOの処理ルート参照)。
勿論、異常が生じた場合に、エラーコマンド(領域外RAMエラーコマンド)を演出制御部24に送信して、所定のエラー報知(領域外RAMエラー報知)を実行してもよい。この場合、性能表示器99をエラー専用の表示態様で表示させることができる。なお、エラー報知中であっても、新たなベース値の計測(通常時払出個数、通常時アウト個数、全状態アウト個数のカウント、ベース値の算出)を行ってもよい。また、エラー報知の解除は、電源再投入を条件としてもよい。上記領域外RAMエラーコマンドを送信する場合、上記領域外エラー判定処理(ステップS822)におけるエラー報知/解除コマンドと共通の領域外コマンド送信モジュールを用いて送信することができる。
以上のように本実施形態では、性能表示に係るRAM領域は、メインループ内領域外処理(図8BのステップS043)やタイマ割込内領域外処理(図9のステップS101)においてチェックされ、不具合がある場合には、少なくとも性能情報を算出するために必要な計測データを記憶した領域外RAM領域(計数情報格納領域)を初期化してデフォルト状態に戻した後、新たなベース値の計測を開始させる。
また、性能表示に係る領域外RAM領域は、電源投入時におけるRAMチェック対象、つまり図8Aの設定変更処理(ステップS023)や、図8Bの領域内RAMクリア処理(ステップS030)の対象ではない。したがって仮に、領域内RAMの内容に不具合が生じても、性能表示に関するデータが一緒くたには初期化(クリア)されることがなく、通常の遊技進行に係るデータだけが独立して初期化されることになる。よって、性能表示に係るRAM領域の記憶内容にさえ不具合がなければ、バックアップ機能が正常に動作し、遊技機が通常通りに動作する限り、数日であっても数年であっても永続的にそのデータが保持することができ、長期にわたる性能情報の保持と性能情報表示とが可能となる。
(領域外RAMチェック処理の変形例:図20(B))
図20(A)の領域外RAMチェック処理は、次のような構成(変形例)とすることができる。図20(B)に、その変形例のフローチャートを示す。
図20(B)は、図20(A)におけるステップS843のデータ初期化処理において、動作確認タイマをゼロクリアする処理と、ステップS844の動作確認タイマに5000msを設定する処理とを追加したものである。他の処理内容は、図20(A)と同一内容である。
図20(B)の構成は、図示の通り、データ等の不具合によりステップS841の判定結果がNO、ステップS842の判定結果が範囲外と判定された場合、ステップS843のデータ初期化処理として、チェックデータに正常値を設定し、性能表示に係るRAM領域(性能表示格納領域、計数情報格納領域等)、現在表示中の表示データをクリアし、さらに、動作確認タイマをクリアする。そして、動作確認タイマに5000msを再セットする(ステップS844)。なお、データ初期化処理にて動作確認タイマがクリアされた場合、ステップS844で、通常の5000msではなく、異なるタイマ値(たとえば、10000ms)を再セットしてもよい。したがって、本変形例では、領域外RAMの内容に異常が生じた場合、再度、動作確認表示が所定時間実行されることになる。この点が、電断復帰時にしか動作確認表示が実行されない図20(A)の構成と異なる。
なお、本変形例において動作確認タイマを再セットしない場合には、データ初期化処理が実行されると動作確認表示中である場合はその表示が強制終了されるが、その後、性能表示器99には、通常通り、新たに計測されるリアルタイムベース値や履歴ベース値が表示されることになる。
<21.動作確認処理:図21>
次に、図19中の動作確認処理(ステップS833)について説明する。図21は、動作確認処理の詳細を示すフローチャートである。
図21において、CPU201は、まず、動作確認タイマを1減算し(ステップS851)、点滅用タイマに1加算する(S852)。
次いで、点滅切替タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS853)。本実施形態では、動作確認表示中は消灯期間と点灯期間とが、たとえば300msの所定周期で繰り返される。この点滅切替タイミングは、点滅用タイマにより管理される。本実施形態では、4msの割込み毎に点滅用タイマが1加算される。切替タイミングが300ms周期であれば、点滅用タイマの値が「75」(切替値)であるか否かで点滅切替タイミングが到来したと判定することができる。点滅切替タイミングが到来していない場合には(ステップS853:NO)何もせずに、つまり現在の点灯状態または消灯状態を維持したまま動作確認処理を抜ける。
一方、点滅切替タイミングが到来した場合(ステップS853:YES)、点滅用タイマをクリアし(ステップS854)、更新周期カウンタを更新する(ステップS855)。更新周期カウンタは、点灯であるか点滅であるかを決定するためのカウンタとして利用される。たとえば、更新周期カウンタが0~255の範囲をインクリメント処理により循環する8ビットカウンタである場合、更新周期カウンタの値の最下位ビットが‘0’である場合には点灯制御し、‘1’である場合には消灯制御をする、といった点滅制御を行うことができる。
次いで、更新周期カウンタを参照して、その値が「0」であるか「1」であるかを判定する(ステップS856)。本実施形態の場合、動作確認表示開始時は、更新周期カウンタはゼロ、性能表示器99は全点灯に制御されるようになっている。したがって、最初に本処理を通過する場合は、上記ステップS856の処理にて更新周期カウンタの値が「1」に更新されるため、ステップS857に進み(ステップS856:=1)、識別表示部用出力バッファとベース表示部用出力バッファとに、それぞれ消灯データ、すなわち「0000H」をセットする(ステップS857、S858)。これらの消灯データは、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。これにより、点灯期間が終了し消灯期間が生起する。
他方、次回の点滅切替タイミングが到来して(ステップS853:YES)、更新周期カウンタが「0」である場合(ステップS856:=0)、ステップS859に進み、識別表示部用出力バッファとベース表示部用出力バッファとに、それぞれ点灯データ、すなわち「FFFFH」をセットする(ステップS859、S860)。これらの点灯データもデータテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。これにより、消灯期間が終了し点灯期間が生起する。本実施形態では、動作確認表示をするに際し、たとえば、通常時の表示制御に用いる図29に示すようなLEDデータテーブルを参照することなく、単に各出力バッファに所定のデータ値をセットするだけであるので、簡易な処理で動作確認表示(全点滅)を実現することができる。
以上の動作確認処理により、性能表示器99が全点灯と全消灯とを繰り返す全点滅(動作確認表示)が所定時間(5000ms間)行われ、目視により性能表示器99の動作チェックが可能である。仮に性能表示器99が正常な動作確認表示を行わない場合、たとえば、断線等により7セグ表示器の一部が消灯しっぱなしの場合等は、部品交換等の適切な処置を行えばよい。
なお、動作確認処理中も、メインループ内領域外処理(図8AのS043)は実行され、少なくともベース値の算出に必要なカウント処理(球数加算処理など)は行われる。したがって、動作確認中の入賞球やアウト球についても、動作確認表示後に表示されるベース値に正確に反映させることが可能となっている。ただし動作確認表示中はベース値が表示されないため、動作確認中のメインループ内領域外処理(ステップS043)では少なくともカウント処理を行えばよいが、動作確認表示中の5000ms間はベース値の算出まで行ってもよい。
また、動作確認処理中に、性能表示器99に異常が生じたか否かを判定する判定処理を設け、異常が生じた場合には、専用のエラーコマンド(動作確認表示エラーコマンド)を演出制御部24に送信する処理を設けてもよい。演出制御部24が動作確認表示エラーコマンドを受けた場合、演出手段を利用して、性能表示器99に異常が生じた旨を報知することができる。たとえば、警報音とともに、液晶表示装置36に「性能表示器99に異常が生じています」等の演出画像を表示する。これにより、たとえば、目視では確認し辛いデシマルポイントDP等の不具合を見逃す恐れが無い。
また本実施形態では、図8Bに示すステップS033(合流ポイント)以降の処理において、性能表示器99の動作確認が実行されるため、動作確認中は、設定表示器97による設定表示(設定確認または設定変更に係る設定表示)が実行されることがない。すなわち、設定確認中または設定変更中は、動作確認表示が実行されることがなく、ベース表示も実行されることはない。これにより、性能表示器99と設定表示器97の重複表示期間が生起することがなく、重複表示により確認動作が複雑化してしまうことを防止することができるようになっている。
<22.表示データ更新処理:図22>
次に、図19中の表示データ更新処理(ステップS831)について説明する。図22は、表示データ更新処理の詳細を示すフローチャートである。この表示データ更新処理は、計数対象区間であるか非計数対象区間であるかによらず、実行される処理である。
図22において、CPU201は、まず、ベース値の表示期間として、テスト区間であるのか、初回(N=1)の計測区間であるのか、その後の計測区間(N≧2)であるのか、リアルタイムベース値表示区間であるのか、履歴ベース値表示区間であるのかなど、複数の表示区間のいずれかに応じて、図29(a)に示す「識別表示部LEDデータテーブル」から識別表示部表示パターンデータを取得し(ステップS871)、識別表示部用出力バッファにセットする(ステップS872)。複数の表示区間のいずれかであるかは、表示内容ポインタによって管理され、表示内容の切換タイミングの到来する毎に、表示内容ポインタの値が更新され、性能表示器99に対する表示内容を指定可能となっている。
本実施形態では、リアルタイムベース値を表示する‘第1ベース値出力期間’と、履歴ベース値を表示する‘第2ベース値出力期間’の2種類のベース値出力期間を設け、それらを5000ms毎に切り替えるようになっている。また、識別表示部LEDデータテーブルには、図29(a)に示すように、リアルタイムベース値を示す「bL.」の識別表示に対応する表示パターンデータ(上位「01111100B」(‘b’表示の7セグ用)、下位「10111000B」(‘L’表示の7セグ用)と、履歴ベース値を示す「b6.」の識別表示部の表示に対応する表示パターンデータ(上位「01111100B」(‘b’表示の7セグ用)、下位「11111101B」(‘6.’表示の7セグ用))とが記憶されている。
また、その時点のベース値(リアルタイム計測中のベース値)に応じて、10進数値LEDデータテーブルからベース表示部用表示パターンデータを取得し(ステップS873)、ベース表示部用出力バッファにセットする(ステップS874)。10進数値LEDデータテーブルには、図29(b)に示すように、0~9の10種類の数値に対応する各1バイト長の表示パターンデータが記憶されている。たとえば、上記リアルタイムベース値を表示する第1ベース値出力期間であって、その時点の第1ベース値が「35」であれば、10進数値LEDデータテーブルから10の位の表示データとして「3」に対応する‘01001111B’を取得し、1の位の表示データとして「5」に対応する‘01101101B’とを取得し、ベース表示部用出力バッファにセットする。
以上の表示更新処理により、全点滅(動作確認)を終了した後の性能表示器99には、リアルタイムベース値と前回の履歴ベース値とが周期的(たとえば、5000ms毎)に切替表示するという性能表示態様を実現することができる。
なお、性能表示器99の動作確認表示における点滅点灯制御に要する点滅点灯制御用データ(たとえば、点滅用タイマ、更新周期カウンタ)については、動作確認タイマと同様に、電源投入時(電断復帰を含む)に初期値を設定することが好適である(後述の第2~第4実施形態についても同様)。本実施形態では、既に説明したように、図8Bの動作確認タイマ設定処理(ステップS034)にて、動作確認タイマについては初期値の5000msを設定し、点滅用タイマについては初期値として0を設定(ゼロクリア)しているが、更新周期カウンタも含めて初期化することが好ましい。これにより、電源投入時(電断復帰を含む)の動作確認において、毎回共通の点灯点滅状態により動作確認を実行する(常に同じ状態から点滅動作を開始する)ことが可能となる。
詳述すれば、電源投入時において、確認表示の実行時間を計時するための第1情報(動作確認タイマ)と、確認表示における点滅周期を計時するための第2情報(点滅用タイマおよび更新周期カウンタ)のそれぞれを初期設定しない構成とした場合、電断復帰させた場合(バックアップ復帰の場合)には、これらタイマ値が電断時のまま復帰される。そうすると、電断復帰を含む電源投入時に、性能表示器99の確認表示の動作が毎回一定でなくなる、という問題が生じうる。具体的には、電断復帰時に性能表示器99の確認動作が瞬時に終わってしまったり、電断復帰時に性能表示器99が点灯状態の途中(たとえば、一瞬だけの点灯)から点滅が開始されてしまうなど、電源復帰後の確認表示の動作が一定でなくなり、性能表示器99の動作確認をしにくくなったり、性能表示器99に何らかの不具合(動作不良)が発生していると誤解される可能性が高くなる、という種々の問題が生じうる。そこで、本構成のようにすれば、電源投入時には、常に常に同じ状態から点滅動作(確認表示動作)を開始することが可能になり、上述のような問題が生じることはない。
なお、電源投入時に、動作確認タイマと点滅用タイマと初期化するだけでも本構成とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、更新周期カウンタを初期化しない場合には、「常に同じ状態から点滅動作(確認表示動作)を開始する」とはならないからである。たとえば、更新周期カウンタの値が電断時に「0」であった場合、電断復帰後(バックアップ復帰後)の最初の点滅切替タイミングが到来したときは「1」となり、また更新周期カウンタの値が電断時に「1」であった場合、電断復帰後(バックアップ復帰後)の最初の点滅切替タイミングが到来したときは「0」となる(図21のステップS853~S855参照)。すなわち、確認表示動作が点灯状態から開始されるケースと、消灯状態から開始されるケースとが混在し、常に同じ状態から点滅動作(確認表示動作)を開始するとは限らないからである。
(性能表示器99に係る動作確認表示に関する他の制御形態について)
なお、性能表示器99に係る動作確認表示に関する制御形態について、下記のような構成(構成(S1)~(S4))とすることができる。
構成(S1):性能表示器99に係る動作確認中であっても、ベース値の計数を実行することができる。この場合、動作確認中に、ベース値の更新があった場合であっても、あらかじめ設定された動作確認時間が終了するまでは、動作確認(全点滅)を継続させ、その更新内容は表示させないようにすることができる。しかしこれに限らず、動作確認時間が終了していない場合にベース値の更新があった場合、動作確認を強制的に終了させ、そのベース値の表示を開始させることができる。
構成(S2):性能表示器99に係る動作確認中に、演出手段を利用して、動作確認中である旨を報知可能に構成してもよい。ここでの演出手段としては、特に制限はなく、1または複数種類の演出手段を利用することができる。たとえば、光演出、音演出、画像表示演出、可動体演出、および接触圧演出(振動装置、加圧装置、風圧装置による演出)の少なくともいずれか1つの演出を利用して、動作確認中である旨を報知可能に構成してもよい。本構成では、ホール関係者等、遊技機の前側から動作確認中であることを確認することができる。
構成(S3):性能表示器99に係るプログラムやデータは、領域外RAMに設けると説明したが、少なくとも動作確認タイマについては、領域内RAM側に設けてもよい。これにより、電源投入時の処理にて、動作確認タイマを設定する場合に(図8BのステップSS034)、領域外RAMにアクセスする必要がなくなるので、電源投入時のプログラム容量を削減することができる。また、領域内RAMに動作確認タイマを設けた場合は、図9の主制御タイマ割込処理中のタイマ管理処理(ステップS082)にて、動作確認タイマのカウント処理(図21のステップS851に相当する処理)を実行し、同割込処理中のタイマ割込内領域外処理(ステップS101)においては、動作確認タイマ値を参照するのみで、カウント処理は実行しない構成とすることができる。
(S4:領域内エラー、領域外エラーに関する処理について)
また本実施形態では、領域内エラー、領域外エラーに関する処理について説明したが、本実施形態では、次に述べる課題を解決し、特有の作用効果を奏することができる。
(課題)
たとえば、弾球遊技機などの遊技機では、所謂遊技機規則において、主制御基板に搭載されるメモリの記憶手段に関する規格が定められており、全体の記憶容量の他、例えばROMに関しては制御領域とデータ領域とで構成される使用領域(第1記憶領域)の記憶容量について制限が設けられ、不正な改造その他の変更を防止するために必要な情報以外の情報についてはその使用領域内で処理を行うこととされている。従来の遊技機(たとえば、特開2019-092882号公報)は、各種エラーに関する処理は全て使用領域内で実行するように構成されていた。
しかしながら、エラーにも様々な種類があり、乱数回路に関するエラーのように遊技の結果に影響を及ぼすものもあれば、そうでないものもある。後者については、「不正な改造その他の変更を防止するために必要な情報」であると解釈し、上述した使用領域とは別の領域(第2記憶領域)で実行するように構成すれば、その分だけ使用領域の容量に余裕を持たせることができる。この場合、使用領域外に移行したエラー処理をどのように行うかが重要となる。
(作用効果)
本実施形態によれば、一部のエラーに関する処理を使用領域(第1記憶領域)とは別の領域(第2記憶領域)を用いてより効率的な処理を実行可能である。詳述すれば、本実施形態では、領域内処理(エラー管理処理(領域内エラー判定処理、領域内乱数回路処理)、賞球管理処理:図9のS089、090)により、領域内エラー(第1種別エラー)の判定およびエラーコマンドの送信に関する第1種別エラー処理と、エラー以外に関する第1処理(たとえば賞球に関する処理)とを実行した後、領域内処理から領域外処理(タイマ割込み内領域外処理(図9のS101、その詳細を示す図19)へと移行し、その領域外処理により、領域外エラー(第2種別エラー)の判定及びエラーコマンドの送信に関する第2種別エラー処理とエラー以外に関する第2処理(試射試験信号端子管理処理(S822)、性能表示モニタ処理(S824~S831)など)とを実行した後、領域外処理から領域内処理へと復帰するように構成されている。このように本実施形態では、一部のエラーに関する処理を使用領域(第1記憶領域)とは別の領域(第2記憶領域)を用いてより効率的に行うことが可能である。本実施形態は、たとえば、下記のように構成することができる。
予め定められた上限容量内となるように設けられた第1記憶領域と、
前記第1記憶領域とは別の第2記憶領域とを備え、
領域内処理を実行する領域内プログラムを前記第1記憶領域に、領域外処理を実行する領域外プログラムを前記第2記憶領域に夫々記憶させた
遊技機において、
複数種類のエラーのうちの第1種別エラーを前記領域内処理により、第2種別エラーを前記領域外処理により夫々判定し、
前記第1種別エラーに関しては前記領域内処理により、前記第2種別エラーに関しては前記領域外処理により夫々エラーコマンドを送信するように構成し、
前記領域内処理から前記領域外処理へと移行した後、前記領域内処理へと復帰するまでの間に、複数種類の前記第2種別エラーに関するエラーコマンドを送信可能とした
ことを特徴とする遊技機。
なお、本実施形態では、球詰まりエラー、補給切れエラー、計数エラー、断線エラー、扉開放エラーを領域内エラー(第1種別エラー)としたが、これらのうちの少なくとも一部を領域外エラー(第2種別エラー)とし、領域外処理にてエラー検出及び/又はエラー判定、エラー報知/解除コマンドの送信等を行うように構成してもよい。この場合、エラー検出及び/又はエラー判定、エラー報知/解除コマンドの送信等を、磁気エラー、電波エラー、入賞口エラーとは別のプログラムを用いて行うようにしてもよいが、それら磁気エラー、電波エラー、入賞口エラーと共通のプログラムを使用して行うようにすれば、プログラム容量の更なる削減が可能である。
上記のように球詰まりエラー、補給切れエラー、計数エラー、断線エラー、扉開放エラーの一部を領域外エラー(第2種別エラー)とする場合であっても、球詰まりエラー、補給切れエラー、計数エラーについては領域内処理にてエラー検出及び/又はエラー判定、エラー報知/解除コマンドの送信等を行うように構成することが望ましい。それらは遊技者に払い出される特典に直接的に関係するエラーであり、遊技の結果に影響を及ぼす恐れがあるからである。
また本実施形態では、メインループ前の領域外エラー情報クリア処理(図8BのステップS035)において領域外エラー情報をクリアするように構成したが、メインループ内領域外処理(図8BのステップS044)か、またはタイマ割込み内領域外処理(図9のステップS101)において領域外エラー情報をクリアするように構成してもよい。これにより、領域外エラー情報をクリアするためだけに領域外プログラムを呼び出す必要がなくなるため、プログラム容量の更なる削減が可能である。
払出制御基板29により検出を行う特定のエラー(球詰まりエラー、補給切れエラー、計数エラー、扉開放エラー等であるがそれ以外でもよい)について、払出制御基板29側のプログラムに領域内プログラムと領域外プログラムとを設け、領域外プログラムでエラー検出処理を行うとともに検出結果を主制御部20へと送信可能に構成してもよい。またこの場合、エラー検出処理を領域外プログラムで、検出結果の送信処理を領域内プログラムで行うようにしてもよいし、エラー検出処理を領域内プログラムで、検出結果の送信処理を領域外プログラムで行うようにしてもよい。
(状態別の時短状態、微時短状態の作動形態について)
なお、遊技状態に応じた時短状態、微時短状態の作動形態については、下記のように構成することができる。ここでは、大当り当選(V当りであってもよい)を契機に移行する時短状態(大当り遊技後に移行する時短状態)を「A時短」、天井到達を契機に移行する時短状態(天井時短)を「B時短」、特殊時短当選を契機に移行する時短状態を「C時短」と称して説明する。なお、A時短に係る大当りは、1または複数種類設けることができる。また、C時短に係る特殊時短は、1または複数種類設けることができる。また、A時短またはC時短には、時短回数の異なる複数の時短状態を含むことができる。
(A時短について)
(A1)通常状態中(低確率かつ電サポ無し状態)の場合は、大当り当選を契機にA時短に移行可能。
(A2)A時短中の場合は、大当り当選を契機にA時短に移行可能。
(A3)B時短中の場合は、大当り当選を契機にA時短に移行可能。
(A4)C時短中の場合は、大当り当選を契機にA時短に移行可能。
(A5)高確率中(確変状態または潜確状態)の場合は、大当り当選を契機にA時短に移行可能。
(A6)A時短に移行可能の場合、「当選時の遊技状態」および/または「当選した大当り種別」に応じて、A時短に係る時短回数を異ならせることができる。なお、当選時の遊技状態は適宜定めることができる。一例として、一例として、特定の大当り(たとえば、大当りD)に当選した場合において、「第1C時短(たとえば、微時短A)」中であれば「第1A時短(たとえば、時短回数1回)」に移行させ、「第2C時短(たとえば、微時短B)」中であれば「第2A時短(たとえば、時短回数7回)」に移行させることができる。
(B時短について)
(B1)通常状態中の場合は、天井到達を契機にB時短に移行可能。
(B2)A時短中の場合は、天井到達を契機にB時短に移行可能。
(B3)B時短中の場合は、天井到達を契機にB時短に移行不可。B時短中またはB時短終了後、役物連続作動装置の作動を経由することなく、再度、新たなB時短には移行不可(B時短の連続作動は不可)。
(B4)C時短中の場合は、天井到達を契機にB時短に移行可能。C時短中に天井到達の場合は、B時短に切り替える(C時短からB時短に制御する)ことができる。
(B5)高確率中の場合は、天井到達を契機にB時短に移行不可(B時短は発動しない)。
(B6)B時短に移行可能の場合、天井ゲーム(本実施形態の場合、751回転目)の遊技状態によらず、時短回数を同一とすることが好ましい(B時短は1種類のみとすることが好ましい)。
(C時短について)
(C1)通常状態中の場合は、特殊時短当選を契機にC時短に移行可能。
(C2)A時短中の場合は、特殊時短当選を契機にC時短に移行可能。
(C3)B時短中の場合は、特殊時短当選を契機にC時短に移行可能。なお、本実施形態の場合は、移行不可(ハズレ扱いとする)。
(C4)C時短中の場合は、特殊時短当選を契機にC時短に移行可能。C時短中に特殊時短に当選した場合は、新たなC時短に切り替えることができる。なお、本実施形態の場合は、移行不可(ハズレ扱いとする)としているが、移行可能に構成してもよい。
(C5)高確率中の場合は、特殊時短当選を契機にC時短に移行不可(ハズレ扱いとする)。
(C6)C時短に移行可能の場合、A時短に移行可能の場合、「当選時の遊技状態」および/または「当選した大当り種別」に応じて、C時短に係る時短回数を異ならせることができる。なお、当選時の遊技状態は適宜定めることができる。一例として、特定の特殊時短(たとえば、特殊時短C)に当選した場合において、「第1C時短(たとえば、微時短A)」中であれば「第1A時短(たとえば、時短回数1回)」に移行させ、「第2C時短(たとえば、微時短B)」中であれば「第2A時短(たとえば、時短回数7回)」に移行させることができる。
(D7)なお、上記のA時短またはC時短には、微時短状態を含むことができる(時短状態を微時短状態、時短回数を微時短回数と読み替えればよい)。また、A時短またはC時短には、微時短回数の異なる複数の微時短状態を含むことができる。
<演出制御部側の処理:図23~図24>
次に、図23~図24を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図23)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図24)とを中心に構成される。
<23.演出制御側メイン処理:図23>
図23は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図23に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部24(CPU241)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS1001)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
上記初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごと(16ms)にステップS1003~S1012のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS1013の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS1002の処理において、CPU241は、メインループ更新カウンタを参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期(カウンタ値>15)が到来したか否かを判定する(ステップS1002)。上記メインループ更新カウンタは、1ms毎に実行される後述の演出制御側タイマ割込処理中でインクリメントされるカウンタである(図17のステップS1057参照)。本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっており、ステップS1002の判定処理にて、メインループ更新カウンタ値を判定し、その値が「15」より大きい場合には(ステップS1002:YES)、メインループ処理の実行タイミングが到来したとして、ステップS1003~S1011の処理を実行し、それ以外の場合には、メインループ更新周期が到来するまで(ステップS1002:NO)、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出などの抽選に利用する各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS1012)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS1002:YES)、メインループ更新カウンタをゼロクリアし(ステップS1003)、次いで、エラー処理を実行する(ステップS1004)。ここでは、エラー中におけるエラー報知用の演出シナリオの設定やエラーが解除された際のエラー解除処理などを実行する。なお、演出手段に関するエラー(可動体役物エラー、音声ICエラーなど)は、ここで監視される。
次いで、デモ・節電モード処理を実行する(ステップS1005)。このデモ・節電モード処理では、デモ開始待ち演出、客待ち演出、および節電モードに必要な設定処理を実行する。
次いで、演出スイッチ入力処理を実行する(ステップS1006)。この演出スイッチ入力処理では、操作手段(演出ボタン13、方向キー75)の操作状態を監視し、操作を検出した場合には、その操作に応じた演出制御処理を実行する。操作手段の入力状態は、後述の図24中のボタン入力状態更新処理(ステップS1052)にて監視される。
次いで、コマンド解析処理を実行する(ステップS1007)。このコマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出処理を実行する。なお、主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じた際、図示しないコマンド受信割込処理が実行される。このコマンド受信割込処理により、演出制御コマンドが取得され、そのデータは、RAM243のコマンド受信バッファに格納される。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合(本実施形態では、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドとが受信され、それらが受信バッファに格納されている場合)、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選情報(または当選種別情報))に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
上記コマンド解析処理を終えると、次いで、シナリオ更新処理を実行する(ステップS1008)。このシナリオ更新処理では、演出シナリオの実行に必要なタイマの内容を更新、当該タイマ値に基づいて演出シナリオを進行する処理を実行する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、どのような演出手段で現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLED駆動データ更新処理(ステップS1010)や演出役物動作更新処理(ステップS1053)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、或る演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLED駆動データ更新処理(ステップS1010)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物動作更新処理(ステップS1053)で作成される。
次いで、サウンド出力処理を実行する(ステップS1009)。このサウンド出力処理では、ステップS1008のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音チャネル毎に設定されている音データに基づき、フレーズやボリュームなどのデータを音響制御部(音源LSI)に出力し、音響制御部を通じてスピーカ46から音演出を現出させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、LED駆動データ更新処理を実行する(ステップS1010)。このLED駆動データ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ13や各種演出用LEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成する。
次いで、LED出力処理を実行する(ステップS1011)。このLED出力処理では、LED駆動データ更新処理で作成されたLEDデータを光表示制御部に出力し、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45や演出用LEDなどの発光手段を点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
以上により、メインループ処理を終了すると、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS1013の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
<24.演出制御側タイマ割込処理:図24>
次に図24を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図24は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図24において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS1051)、ボタン入力状態更新処理を実行する(ステップS1052)。このボタン入力状態更新処理では、操作手段(演出ボタン13、方向キー75)からの操作検出信号の入力状態を監視し、操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この操作検出情報は、図23のシナリオ更新処理(ステップS1008)にて、遊技者参加型演出やメニュー画面やメニュー項目に係る情報などを表示する際に利用される。本実施形態では、1回押し、長押し、連打などの検出も可能となっている。
次いで、演出役物動作更新処理を実行する(ステップS1053)。この演出役物動作更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物用のモータ制御データを作成する処理を行う。
次いで、SOL・MOT出力処理を実行する(ステップS1054)。このSOL・MOT出力処理では、上記演出役物動作更新処理で作成された可動体役物用の制御データを駆動制御部に出力する。駆動制御部は、制御データに基づく制御信号を、動作対象とする可動体役物の可動体役物モータに出力しその動作を制御する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物(時計型役物80、花型役物90など)による可動体演出が実現される。
次いで、液晶コマンド送信処理を実行する(ステップS1055)。この液晶コマンド送信処理では、図23のシナリオ更新処理(ステップS1008)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信し、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、RTC情報取得処理を実行する(ステップS1056)。このRTC情報取得処理では、RTCにより計時される日時情報(RTC情報)を取得する。このRTC情報は、RTC情報に基づく演出を現出する際に利用される。
次いで、メインループ更新カウンタをインクリメントする(ステップS1057)。このメインループ更新カウンタは、上述の演出制御側のメイン処理中のステップS1003でリセットされ、本処理でインクリメントされる。したがって、ステップS1057が実行される際には、メインループ更新カウンタ値は0~15のいずれかとなっている。
上記ステップS1057の処理を終えると、退避していたレジスタの内容を復帰し(ステップS1058)、タイマ割込処理を終了して、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を実行する。
上記した第1実施形態は、下記の構成(C1)(C2)とすることができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<構成(C1)>
遊技実績に基づく所定情報(たとえば、遊技実績に基づいて算出されるベース値など)を表示可能な特定表示手段(性能表示器99)と、
前記特定表示手段に関する制御を行う特定表示制御手段(主制御部20)と、
を備える遊技機であって、
通常遊技状態(通常状態)および当該通常遊技状態とは異なる特定遊技状態(特定状態)における前記遊技実績に基づく前記所定情報を算出可能に構成された、
ことを特徴とする遊技機。
<構成(C2)>
大入賞口を開閉可能に構成された特別電動役物(特別変動入賞装置52)と、
遊技実績に基づく所定情報(たとえば、遊技実績に基づいて算出されるベース値など)を表示可能な特定表示手段(性能表示器99)と、
前記特定表示手段に関する制御を行う特定表示制御手段(主制御部20)と、を備え、
通常遊技状態(通常状態)と、前記通常遊技状態とは異なる特定遊技状態(特定状態)と、前記大入賞口を開閉する当り状態とを少なくとも制御可能な遊技機であって、
前記特定遊技状態は、前記当り状態(当り遊技)を経由することなく移行可能であり(たとえば、特殊時短による微時短状態への移行、天井機能による特定遊技状態への移行など)、
前記特定表示制御手段は、
前記通常遊技状態および前記特定遊技状態における前記遊技実績に基づく前記所定情報を算出可能に構成された(たとえば、図25の「SF」の欄)、
ことを特徴とする遊技機。
なお、上記構成(C1)または(C2)において、通常遊技状態は、内部遊技状態が通常状態の場合に限らず、通常状態に係る遊技モードを採用することができる。また、特定遊技状態は、通常遊技状態とは異なる遊技状態(内部遊技状態または遊技モード)の1または複数を採用することができる。また、後述の第2~第4実施形態の場合、上記構成(C1)または(C2)における特定表示制御手段は、枠制御部22がその機能部を有することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、一般的な弾球遊技機について説明した。この第2実施形態では、内部に封入された遊技球を循環的に使用して遊技を行うタイプの遊技機、いわゆる「封入式遊技機」或いは「管理式遊技機」と称されるタイプの遊技機に関するものである。以下、第2実施形態に係る遊技機を「管理遊技機」または「遊技機1a」と称して説明する。
管理遊技機とは、従来から知られているように、遊技機内部で複数(所定数)の遊技球(遊技媒体)を循環させ、遊技に用いる遊技球や遊技者に遊技球を直接払い出すことを不要とした遊技機である。たとえば、内部に複数(所定数)の遊技球を封入し、発射装置32により発射された遊技球を回収して、再度、発射装置32に供給することにより遊技球を循環させることで、外部から遊技球を供給することなく遊技が可能な遊技機である(たとえば、特開2002-272914、特開2006-81599号公報、特開2010-142475号公報、特開2013-106760号公報)。
上記のような管理遊技機は、遊技機内部に封入された遊技球を用いて遊技を行うため、遊技者が遊技に用いるための遊技球数(持ち球数)が電磁的方法で記録され管理される。斯様な管理遊技機では、遊技動作を統括的に司る主制御部と、遊技機の外部に設けられた遊技球貸出装置に対する貸出要求や持ち球数などを管理する副制御部(枠制御部)とを中心に構成され、主制御部側は、図柄変動表示ゲームの制御や各入賞口への入賞の監視などを行うが、枠制御部側は持ち球数の管理などを行うため、主制御部は、賞球数や大当りの発生や図柄変動の開始/停止や遊技状態の変化に関する情報など、遊技進行に伴い発生する重要な情報を、リアルタイム的に枠制御部側に送信する必要がある。そのため、主制御側と枠制御部側との間で、制御負担を無闇に増加させることなく、円滑に情報のやり取りを行うため工夫が望まれる。本実施形態では、上記事情に鑑みて、制御負担を軽減しうる管理遊技機を提供することを目的とする。
管理遊技機は、遊技機内部に封入された遊技球を用いて遊技を行う「循環式」の遊技機である点で、第1実施形態に係る遊技機のように、遊技機内部に遊技球を封入せずに、外部から供給される遊技媒体を用いて遊技を行う「非循環式」の遊技機(一般的遊技機)とは異なる。このため、上受け皿9や球抜きボタン14などは設けられていない。その替りに、持ち球数が、電磁的方式により記録・管理され、その結果(現在の持ち球数)が、所定の表示器(LED表示器)により表示されるようになっている。本実施形態では、持ち球数を表示可能な遊技球数表示装置77(図32参照)が設けられており、この表示装置77は、遊技者が視認し易いように遊技機1aの適宜な位置、たとえば、図1の上受け皿ユニット8に相当する位置などに形成されている(図1、図32(イ)参照)。
遊技者の持ち球数は、たとえば、打ち始めを「P個」とした場合、基本的には、発射装置32から発射された遊技球(アウト球:打ち込み数)を「X個」、賞球数(セーフ球:入賞による賞球)を「Y個」、球貸出装置による供給された貸遊技球を「Z個」とした場合、「(Y+Z)-X」個で算出される。たとえば、打ち始めを「100個」、アウト球数が4000個、セーフ球が3000個、貸遊技球が2000個であれば、現在の持ち球が「+1100個」(打ち始め100個+差玉1000個=1100個)の状態となり、この持ち球情報が遊技球数表示装置77に表示されることになる。実際には、後述のファール球などを考慮して、正確な持ち球数がリアルタイムに計測され、その計測された持ち球数が遊技球数表示装置77に表示される。なお、持ち球数がゼロの状態になると発射動作が停止され、遊技を続行するためには、球貸出装置から遊技球を供給する必要がある。したがって、持ち球数自体はゼロ(持ち球数=0)になることはあるが、マイナスの状態になることはない。
なお、持ち球がゼロでない場合であっても、発射制御信号が出力されていない場合(発生制御信号OFFの場合)や、発射停止スイッチが操作されている場合などは、いくら発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は行われず、遊技球が発射されることはない。この点は、第1実施形態と同様である。また、この第2実施形態、後述の第3実施形態~第4実施形態では「管理遊技機」を対象とするが、遊技性(図柄変動表示ゲームや、演出を含む種々の遊技性(たとえば、図5A~図5B、図6~図7など)に関しては、第1実施形態で述べたものを等しく適用することが可能である。したがって、第2~第4実施形態についても同様に、第1実施形態に係る遊技性を実現するための各種機能部(手段)を備えることができる。
<2A.制御装置:図32>
図32を参照して、本実施形態に係る遊技機の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図32は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図であり、同図(イ)には、遊技機1aの概略構成図を示してある。なお、図32において、図1~図3に示す要素と基本的に同じ働きをする要素については同じ符号を付し、その詳細な説明については重複記載を避けるために適宜省略する。
本実施形態に係る管理遊技機の制御装置は、図示のように、主制御部20と、演出制御部24と、主制御部20からの情報コマンド(後述の「遊技機設置情報通知電文」、「遊技機情報通知電文」など)を受けて、持ち球数や性能情報に係る管理を総括的に司る枠制御基板22(以下「枠制御部22」と称する)と、電源基板(図示せず)と、を中心に構成される。なお、図32において電源供給ルートは省略してある。また図32(イ)は、本実施形態に係る管理遊技機1aの説明に供するものであり、遊技機1aの概略正面図を示したものである。この実施形態の場合、主制御部20は遊技盤3の液晶表示装置36の裏面側に配設され、枠制御部22は前面操作パネル7の裏面側に配設されている。
(2A-3.枠制御部22)
枠制御部22は、CPU(枠制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技球数の計数や性能情報表示制御のための制御手順を記述した制御プログラムの他、制御に必要な種々のデータを格納するROM(枠制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM(枠制御RAM)とを搭載ししたマイクロコンピュータを中心に構成され、所定野表示装置(遊技数表示装置77や、性能表示器99などの表示装置)に対する表示制御部、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路など必要な機能が搭載されている。また、枠制御部22は、主制御部20と同じく、必要なデータをバックアップするバックアップ機能も備えている。
この枠制御部22の主な役割は、持ち球情報の管理(持ち球数の計測、持ち球数の記憶など)、性能情報の管理(ベース値算出に必要なデータの管理、ベース値の算出など)、性能表示器99に対する性能情報の表示制御、遊技数表示装置77の持ち球数の表示制御、遊技球の循環機能・排出機能に対する制御、発射装置32に対する発射制御、主制御部20との電文の通信制御(電文についての詳細は後述する)、外部ユニットとの通信制御(球貸出装置、ホールコンピュータHC、データカウンタDTなどの外部装置に対する通信制御)などである。
枠制御部22には、発射制御基板(発射制御部)28と、発射制御基板28を介して発射装置32が接続されている。この実施形態の場合、発射装置32は、図(イ)に示すように、遊技機1aの正面左上隅部に配設されているが、発射装置32は、第1実施形態と略同一の位置(遊技機正面左下隅部)に配設してもよい。
枠制御部22には、発射制御基板28が接続され、発射制御基板28に対して発射制御信号を送信可能となっている。枠制御部22は、基本的には、持ち球があるときは発射制御信号を出力(発射制御信号ON)して発射動作許可状態に制御するが、持ち球数がゼロの状態になると、発射制御信号をOFF(発射禁止状態)に制御して、発射装置32による発射動作を直ちに停止させるようになっている。
なお、主制御部20も発射制御基板28に対して発射制御信号を送信可能となっており、主制御部20側が直接的に発射装置32の「発射許可/発射停止」の制御が可能となっている。本実施形態の場合、発射装置32による発射動作は、枠制御部22および主制御部20からの発射制御信号がいずれもONである場合には「発射許可状態」に制御され、枠制御部22および主制御部20の少なくともいずれか一方からの発射制御信号がOFFの場合には「発射禁止(停止)状態」に制御されるようになっている。主制御部20は、電源投入後、遊技開始条件が整うと発射制御信号を出力(発射制御信号ON)して、発射動作を許可(発射動作許可状態に制御)するが(後述の図33BのステップS037参照)、遊技停止時(たとえば、遊技進行に重大な影響を与え得る深刻なエラーが生じた場合など)の他、扉開放センサ61から扉開放信号ON(開放状態)が入力された場合には直ちに発射制御信号をOFFにして、発射動作を停止(発射動作禁止状態に制御)させる(発射動作に係る即応答機能)。また主制御部20は、扉開放信号ONが所定時間継続して入力された場合(たとえば、200ms間継続して扉開放状態を検出した場合)、扉開放エラーが発生したとして、扉開放エラーコマンドを演出制御部20に送信して、演出手段による扉開放エラー報知を実行させるようになっている(扉開放エラー報知に係る遅応答機能)。この点についての詳細は、後述の第4実施形態にて説明する。
また枠制御部22には、循環ユニット73と、研磨ユニット74とが接続され、これらユニットを制御可能となっている。循環ユニット73は、発射装置32から遊技領域3aに向けて発射された遊技球(アウト球)を回収し、回収した遊技球を発射装置32へと供給する循環手段として機能し、循環機構(揚上機構などを含む)と循環機構を駆動する駆動モータとを含んで構成される。また研磨ユニット74は、循環中の遊技球を研磨する(汚れを除去する)研磨手段として機能し、遊技球に対する研磨機構と研磨機構を駆動する駆動モータとを含んで構成される。
(発射された遊技球の遊動過程について)
発射装置32から発射された遊技球の遊動過程は次のようになる。図32(イ)を参照して、発射装置32から発射された遊技球は、図示のように、遊技領域3a内を遊動しながら、入賞口(ここでは、上始動口34、大入賞口50を例示してある)またはアウト口49に入球し、遊技領域3aから排出される。遊技領域3aから排出された遊技球は、循環通路Rを通じて回収され、研磨ユニット74により磨かれながら、循環ユニット74により、再度、発射装置32へと供給されるようになっている。
なお、遊技球の発射を行う発射装置32、循環ユニット73、研磨ユニット74などは、公知の適宜な構成(たとえば、特開2013-106760号の発射手段53、循環手段54、研磨手段55、図1~図11)を適宜採用可能である。
また枠制御部22には、玉抜きユニット72と、玉抜きユニット72を作動させるための玉抜きスイッチ62とが接続されている。
玉抜きユニット72は、内部に封入された遊技球を遊技機本体から遊技機外部へと排出させるための排出手段を備える。排出手段は、封入された遊技球を遊技機外部に排出可能な機能を有するものであればよく、たとえば、発射装置32に供給される循環通路Rと、封入された遊技球を外部に排出するための排出通路(不図示)とを、電気的駆動源(たとえば、電磁ソレノイド)により切り替え可能な通路切替機構などである。また、玉抜きユニット72は通路切替機構が排出通路側の「玉抜き状態」に切り替えられているか、そうでない循環通路R側の「非玉抜き状態」であるかを検出する「玉抜き状態検出スイッチ(不図示)」も備えている。
玉抜きスイッチ62は、ホール店員などが操作可能な押しボタン式スイッチ(たとえば、オルタネイトスイッチやモーメンタリスイッチなど)であり、枠制御部22は、玉抜きスイッチ62の検出信号に基づき、玉抜きユニット72における上記排出手段(通路切替機構)を駆動制御する。たとえば、玉抜きスイッチ62をON操作した場合(玉抜きスイッチ62からの検出信号がONである場合)には「玉抜き状態から非玉抜き状態」に切り替え、玉抜きスイッチ62をOFF操作した場合(玉抜きスイッチ62からの検出信号がOFFである場合)には「非玉抜き状態から玉抜き状態」に切り替える。
また、枠制御部22は、上記玉抜き状態検出スイッチからの検出情報に基づき、玉抜き状態であるか否かを監視する機能部(玉抜き状態監視手段)を備えている。なお、「玉抜き状態⇔非玉抜き状態」の切り替えは、玉抜きスイッチ62のON/OFF操作に応じてソフトウェア的に切り替え制御するものに限らず、手動により切り替え可能なものであってもよい。ただし、いずれの場合も、玉抜き状態検出スイッチを設け、玉抜き状態であるか否かを監視可能に構成することが好ましい。
また枠制御部22には性能表示器99が接続され、枠制御部22は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。枠制御部22は、性能情報(ベース値)に関する表示制御(ベース値の算出、性能表示器99に対する表示制御など)を行う。性能情報に関する表示制御処理の基本的な内容は、実質的に第1実施形態と同じであるが、この第2実施形態の場合は、主制御部20から送られてくる電文情報を利用して、性能情報に関する表示制御を行うようになっている点が、第1実施形態とは異なる(後述の図50A~53F。特に、図50F(ホ)参照)。
また枠制御部22には、持ち球数に関する情報を表示可能な遊技球数表示装置77が接続され、枠制御部22は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。なお、遊技球数表示装置77は、持ち球情報の他、エラー種別を特定可能なエラーコードも表示可能となっている。
また枠制御部22には、入球通路カウントセンサ66と、非入球通路カウントセンサ67と、減算機構カウントセンサ68とが接続され、枠制御部22は、これらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。入球通路カウントセンサ66は、アウト球を検出する検出手段であり、その機能はOUT監視スイッチ49aと同じである。また、非入球通路カウントセンサ67は、いわゆる「ファール球(戻り球)」を検出するファール球検出手段として機能する。また、減算機構カウントセンサ68は、発射装置32から発射される遊技球(実射球)を検出する実射検出手段として機能する。本実施形態では、発射装置32から発射された遊技球が遊技領域3aに到達しなかった場合、非入球通路(不図示)を通じて発射装置32へと再供給されるようになっており、その遊技球は「ファール球」として、非入球通路カウントセンサ67により検出可能となっている。
枠制御部22は、持ち球数の管理について、入球通路カウントセンサ66と、非入球通路カウントセンサ67と、減算機構センサカウント68とからの検出情報、また後述の賞球数情報を含む遊技機情報通知電文(図49、図50A~図50C参照)などに基づき、現在の持ち球数をリアルタイムに算出し(持ち球数算出処理)、その結果を、遊技球数表示装置77に表示させる。枠制御部22は、アウト球数、セーフ球数、実射球数、ファール球数をそれぞれカウントする機能部(アウト球数計数手段、セーフ球数計数手段、実射球数計数手段、ファール球数計数手段)を有する。
なお、ファール球は遊技領域3aに到達していなため、持ち球数については“ノーカウント”として処理される。詳述すれば、発射装置32から発射された実射球1個が減算機構センサカウント68により検出された場合には持ち球数から遊技球1個が減算されるが(現在の持ち球数-1)、その実射球がファール球として非入球通路カウントセンサ67により検出された場合には、現在の持ち球数にファール球1個分が加算され(現在の持ち球数(1個発射後の持ち球数)+1)、結果的に、持ち球数の増減は0(ノーカウント)となる。また、玉貸要求スイッチ87が操作されて、球貸出装置から所定数の遊技球が供給された場合、その貸出球数が現在の持ち球数に加算(現在の持ち球数+貸出球数)されるようになっている。
また枠制御部22には、性能情報に関する格納領域(領域外RAM)を除く、領域内RAM領域(たとえば、現在の持ち球数や持ち球数の算出などに利用される格納領域)を初期化する枠用RAMクリアスイッチ63と、所定のエラーを解除するためのエラー解除スイッチ64と、持ち球数を初期化する遊技球クリアスイッチ65とが接続され、枠制御部22はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また、枠制御部22には、外部接続端子基板85が接続され、外部接続端子基板85には、外部装置としての外部ユニットSC(外部通信専用ユニット)が着脱可能に接続されている。枠制御部22は、外部接続端子基板85を介して、外部ユニットSCに所定の情報(たとえば、遊技球計数情報、遊技機設置情報、性能情報、特定情報(データカウンタDTやホールコンピュータHCが要する情報)、封入された遊技球数情報、遊技球の貸出数情報、遊技球の貸出受領結果など)を送信可能となっている。また、外部ユニットSCは、球貸出装置、ホールコンピュータHC、データカウンタDT、または全国のパチンコホールに設置された遊技機に関する情報を統括的に管理する遊技機情報センタ(図示せず)など、他の外部装置との間の通信を制御するための制御装置として機能する。
なお本実施形態の場合、扉開放センサ61は、図32に示すように、枠制御部22と主制御部20の双方に接続され、その検出信号が入力可能となっている。具体的には、枠制御部22と主制御部20は、それぞれ扉開放センサ61からの検出信号を受信可能であり、これら制御部20、22は、それぞれ独立して、扉開放センサ61からの検出信号に基づく所定のエラー処理(扉開放に係るエラー処理)を実行可能となっている。
詳しくは、主制御部20は、扉開放センサ61からの検出信号に基づいて、扉開放エラーを監視し、扉開放エラーである場合には、枠制御部22にその旨を通知することなく(扉開放センサ61の検出情報(扉開放・閉鎖情報)に関する電文は枠制御部22に対して送信しない)、扉開放エラーコマンドを演出制御部24に送信して、演出制御部24に扉開放エラー報知を演出手段に実行させる。他方、枠制御部22は、扉開放センサ61からの検出信号に基づいて、扉開放エラーを監視し、扉開放エラーである場合には、主制御部20にその旨を通知することなく(扉開放センサ61の検出情報(扉開放・閉鎖情報)に関する電文は主制御部20に対して送信しない)、所定の外端信号(ここでは、扉開放に係るセキュリティ信号)を外部接続端子基板85に出力する。外部接続端子基板85から出力された外端信号(扉開放に係るセキュリティ信号)は、外部ユニットSCを介して、外部装置(たとえば、ホールコンピュータHC、データカウンタDT、遊技機情報センタなど)に送信され、外部装置が遊技機の状態(ここでは、扉開放エラーが生じた旨)が把握可能となっている。
なお、データカウンタDTの上記「コールボタン」を遊技機1に搭載してもよい。ただし管理遊技機の場合は、枠制御部22の主な機能が賞球や遊技球数の管理、上述した外端信号の出力管理などであることから、コールボタンからの検出信号(ON(操作時)/OFF(非操作時))は主制御部20に入力されるように構成し、コールボタンが操作された場合には、主制御部20から枠制御部22にその旨を通知し、枠制御部22側が外端信号の一つとして、外部接続端子基板85から外部装置(たとえば、ホールコンピュータHCおよび/またはデータカウンタDTなど)へと送信可能な構成とすることが好ましい。端的に言えば、コールボタンの検出信号のルートは「コールボタン(操作ON信号)→主制御部20→枠制御部22→外部接続端子基板85→外部ユニットSC→外部装置(たとえば、ホールコンピュータHC)」といったルートにより、外部装置に通知される。
<主制御部側の処理:図33A~図46B>
次に図33A~図46Bを参照して、第2実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。この第2実施形態も上記第1実施形態と同じく、無限ループ状のメイン処理(主制御側メイン処理:図33A~図33B)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(2つの主制御側タイマ割込処理:図36の4ms割込処理、図40の108ms割込処理)とを中心的に構成される。ただし、第2実施形態に係る管理遊技機は「循環式」の構成であるため、第1実施形態で説明した「非循環式」の一般的遊技機とは、一部異なる処理(特に、電源投入時の処理や賞球に関する処理が異なる)が実行される。
なお、図33A~図46Bにおいて、第1実施形態と実質的に同じ処理については同じステップ番号を付し、その処理内容についての詳細は重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
<12A.主制御側メイン処理:図33Aおよび図33B>
図33Aおよび図33Bを参照して、本実施形態に係る主制御側メイン処理について説明する。図33Aおよび図33Bは、主制御側メイン処理の詳細を示すフローチャートである。
図33Aにおいて、ステップS011、S014~S016、S019~S020、S023、S025~S028、S030~S032については、図示の通り、図8と実質的に同様の処理内容である。したがって、ここでは図33Aおよび図33Bに示す主制御側メイン処理のうち、図33Aに示す処理についての説明は重複記載を避けるために省略し、図33Bに示す処理を中心に説明する。
図33Aおよび図33Bを参照して、CPU201は、図33Aに示す上記設定変更処理(ステップS023)、領域内RAMクリア処理(ステップS031)、設定確認処理(ステップS027)、およびバックアップ復帰処理(ステップS028)のいずれかの処理を終えると、続いて、電源投入時における枠制御部22との送受信を行うために必要な各種処理(図33Bに示すステップS051~S063)を実行する。
本実施形態では、主制御部20と枠制御部22との間では非同期式のシリアルポートで電文方式よる通信を行うようになっている。そこでCPU201は、まず、シリアル送信回路を起動する(ステップS051)。
次いで、図48(A)に示す「遊技機設置情報通知電文」を作成し(ステップS052)、作成した遊技機設置情報通知電文を送信シリアルポートバッファ(シリアルI/Oポートに係る送信バッファ)に書き込み、枠制御部22に送信する(ステップS053)。CPU201は、最初に送信シリアルポートバッファに格納されたデータから順番に、1バイト毎に、送信シフトレジスタを転送して、シリアルデータとして、周辺制御基板(ここでは、枠制御部22)に出力する。本実施形態では、送信シリアルポートバッファの記憶容量として16バイトを有している。
(遊技機設置情報通知電文:図48(A))
図48を参照して、上記「遊技機設置情報通知電文」について説明する。図48(A)に、遊技機設置情報通知電文の詳細を示す。
遊技機設置情報通知電文は、図示のように、電文長(電文長情報:1バイト)、電文のコマンドコード(コマンド情報:1バイト)、通信通番(シーケンス番号:1バイト)、遊技機に関する遊技機情報(21バイト)、チェックサム(1バイト)の計25バイトで構成される。電文長は電文のデータ長を示し、ここでは、電文長~チェックサムまでのデータ長である“25バイト”を示す値(0x19)が設定される。また、コマンドコードおよび通信通番には、それぞれ固定値(0x01、0x00)が設定される。また、遊技機設置情報には、弾球遊技機、回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機の種類情報(1バイト)と、少なくとも主制御部20側(本実施形態では、主制御部20および枠制御部22側)のCPUのチップID番号(9バイト)と、チップメーカコード(3バイト)と、チップ製品コード(8バイト)とが設定される。なお、遊技機設置情報には、パチンコホールの店舗情報(店舗名)、パチンコの型式情報およびその製造メーカ、性能情報など、種々の情報を含んでもよい。
この遊技機設置情報通知電文は、外部ユニットSCを介して、ホールコンピュータHCや、上記遊技機情報センタなどの外部装置に送信される。これにより、パチンコホールに設置されている遊技機の正当性、たとえば、不正改造機、不正行為、出玉情報、エラー情報などが監視され、設置中の遊技機が法的要請を満たすように正しく機能しているかなどががチェックされる。
図33Bの説明に戻り、遊技機設置情報通知電文を枠制御部22に送信した後、電源異常チェック処理を実行する(ステップS054)。電源異常チェック処理では、WDTをクリアし、次いで、電断を示す電源異常信号(電圧降下信号)の入力情報に基づき、電断の有無をチェックし、所定時間Tの待機処理を行う。所定時間Tは、後述の「遊技機設置情報応答電文」を主制御部20側が受信するまでに要する十分な時間、たとえば、後述の割込処理(図40、図45)の実行間隔時間分(108msまたは54ms)が確保されている。電源異常信号がON状態であれば、処理状態をステップS011の初期設定処理に移行させ、電断を待つことになる。
一方、電源異常信号がOFF状態であれば、正常動作であるとして、この電源異常チェック処理を抜けて、遊技機設置情報応答電文を受信したか否かを判定する(ステップS055)。この遊技機設置情報応答電文とは、端的に言えば、枠制御部22が上記遊技機設置情報通知電文を受信した場合、主制御部20に対して送信する受領結果情報である。
(遊技機設置情報応答電文:図48(B))
図48を参照して、上記「遊技機設置情報応答電文」について説明する。図48(B)に、遊技機設置情報応答電文の詳細を示す。
遊技機設置情報応答電文は、図示のように、電文長(1バイト)、コマンドコード(1バイト)、通信通番(1バイト)、遊技機設置情報受領結果(1バイト)、チェックサム(1バイト)の計5バイトで構成される。電文長は、電文長~チェックサムまでのデータ長であり、ここでは上述の計5バイトである旨(0x05)が設定される。また、コマンドコードおよび通信通番には、それぞれ固定値(0x11、0x00)が設定される。また、受領結果には、遊技機設置情報を受領した旨(0x00=受領OK)が設定される。
チェックサムは、最後に受信されるデータであり、電文長~遊技機受領結果までを加算した値が設定される。したがって、遊技機設置情報応答電文を正常に受信している場合のチェックサムの値(正常値)は、
・『0x05(電文長)+0x11(コマンドコード)+0x00(通信通番)+0x00(遊技機設置情報受領結果)=0x16(チェックサム=16H)』
となる。
枠制御部22が遊技機設置情報通知電文の受信結果を応答する際には、遊技機設置情報通知電文の通信通番(0固定)をそのまま応答し、0以外の通信通番を受信した場合は、通信異常であるとして、応答しないようになっている(無応答とする)。
なお、「玉抜き状態」の場合には、受領結果として「0x01」が設定されるが(図48(B)の「受領結果」の欄参照)、これについての詳細は図34~図35を用いて後述し、ここでは先ず「玉抜き状態」を考慮しないケースについて説明する。
上記「遊技機設置情報応答電文」を受信しているか否かは、受信シリアルポートバッファ(シリアルI/Oポートに係る受信バッファ)の受信データの有無を示す「受信シリアルポートバッファステータスレジスタ(以下「受信バッファステータス」と略す)」をチェックすることにより行う。この受信バッファステータスは、受信データ長に関する情報を含み、たとえば、00Hであれば“受信データ無し”を示し、01H~10Hであれば“受信データ1バイト有り~受信データ16バイト有り”を示す。
CPU201は、遊技機設置情報応答電文の受信を確認するまで、つまり、受信バッファステータス値が00H以外の値を確認するまで、ステップS054の電源異常チェック処理を繰り返し実行する(ステップS055:NOの処理ルート)。なお、本実施形態では、上記したように、遊技機設置情報応答電文を主制御部20側が受信するまでに要する十分な時間(たとえば、108ms)が確保されているため、通常は、ステップS055の判定結果はYESとなるが、枠制御部22が上記「無応答」の場合には、主制御部20が遊技機設置情報応答電文を受信できないため、ステップS055の判定結果はNOとなる。この場合は、電断が発生するまで(電源異常信号ONを検出するまで)、ステップS054~S055の処理を繰り返し実行することになる。
遊技機設置情報応答電文を受信したならば(ステップS055:YES)、受信データ数(受信バッファステータスの値)を取得し、ループ回数として設定する(ステップS056)。このループ回数は、後述のステップS058で利用される。ここで、遊技機設置情報応答電文は上記したように5バイト固定のデータであるが、万が一、6バイト以上のデータを複数回受信してしまうとバグが生じる可能性がある。そのためここでは、受信データ数を取得し、これをループ回数として設定する。なお、枠制御部22からの遊技機設置情報応答電文を正常に受信している場合は、受信バッファステータスの値が“受信データ5バイト有り”を示す「05H」となっているため、ループ回数として5回が設定されることになる。また、上述の「受信データ数(受信シリアルポートバッファに格納されているデータ数)」は、上記受信バッファステータスで確認可能となっており、受信シリアルポートバッファの格納データをリードすると、それに応じて、受信バッファステータスの受信データ数が減算されて行く。受信データ数が0のときに受信シリアルポートバッファをリードした場合は、受信バッファステータスの値は00Hとなる。
次いで、受信シリアルポートバッファから枠制御部22から受信した1バイトの情報を、ループ回数がゼロになるまで、順次、所定のレジスタ(たとえば、Aレジスタ)にロードする(ステップS058の判定結果がNOの処理ルート)。既に説明したように、枠制御部22からの遊技機設置情報応答電文を正常に受信している場合、最終的にAレジスタにロードされるデータは遊技機設置情報応答電文に係るチェックサムであり、その値は正常値の「16H」である。
ループ回数がゼロになったならば(ステップS058:YES)、最終的にAレジスタに取り込んだ値と、チェックサムの正常値「16H」が一致するか否かを判定する(ステップS059)。遊技機設置情報応答電文を正常に受信している場合、Aレジスタの値は「16H」となっているはずである。そこでここでは、最終的にAレジスタに書き込まれた値が、正常値「16H」であるか否かを判定している。
チェックサムが正常値でない場合(チェックサム異常である場合)(ステップS059:NO)、ステップS054の電源異常チェック処理に戻る。この場合、電断が発生するまで、ステップS054~S055の処理を繰り返すことになる(電源異常チェック処理を繰り返し実行する無限ループ状態となる)。付言すれば、再度、ステップS055の判定処理を通る場合は、遊技機設置情報応答電文が正しく受信されていないと判定されるからである。
遊技機設置情報応答電文が正常に受信できていない場合(上記「無応答」の場合を含む)、主制御部20から枠制御部22に対して、後述の「遊技機情報通知電文(図49参照)」が送信されないようになっている。そこで、枠制御部22側では、この遊技機情報通知電文が所定時間経過しても主制御部20から送られて来ない場合はタイムアウト(受信不良)して、タイムアウトエラー報知などの所定のエラー処理(チェックサムエラー処理)が実行されるようになっている。なお、チェックサム異常の場合には(ステップS059:NO)、主制御部20側にて、チェックサム異常に係る専用のエラーコマンド(上記「電源再投入コマンド」でもよい)を演出制御部24に送信した後、演出制御部24に、たとえば、チェックサム異常エラー報知(RAMエラー報知)を実行させるようにし、ステップS054の電源異常チェック処理に戻り、電源異常チェック処理を繰り返し実行する(無限ループさせる)構成としてもよい。チェックサム異常が生じた場合、遊技機の電源のOFF/ONにより、再度、電源投入時の処理(図33Aおよび図33B)を実行させ、遊技機設置情報応答電文を正しく受信することにより(チェックサムが正常の場合)、正常に復帰されうる。
一方、チェックサムが正常値である場合(ステップS059:YES)、通常の遊技の開始に備えて、主制御部と枠制御部22との送受信関係における所定のRAM領域をクリアする(ステップS060)。具体的には、後述の、通信通番に係る格納領域(通信通番RAM領域)、枠制御部22からの応答電文の受信ミス回数をカウントする受信ミスカウンタ、受信チェック開始フラグ、受信チェックサムRXSUMなどをクリアする。なお、送信用リングバッファ、リングバッファの最終アドレスを示す最終アドレスRAM領域、ロードポインタ・セーブポインタなどは、バックアップ復帰処理(図33AのステップS028)で復帰しているケースを考慮して、ここではクリアしない。
次いで、4ms毎および108ms毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定処理を実行する(ステップS061)。以後、割込コントローラへの割込要求信号が定期的に出力され、図36と図40に示す2つの主制御側タイマ割込処理(4ms割込み処理、108ms割込処理)が実行される。
次いで、遊技開始可能状態が整ったとして、発射装置32の発射動作を許可する発射制御信号をOFF(発射禁止状態(発射制御信号停止))からON(発射許可状態(発射制御信号出力))に設定し、遊技開始コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS037)。これにより、発射制御信号が発射制御基板28に出力され、発射装置32による遊技球の発射が可能となるとともに、演出手段に関する初期動作(イニシャライズ動作)実行される。
次いで、遊技許可フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS063)。この遊技許可フラグは、通常の遊技処理を許容するか否かを指定するフラグで、当該フラグがON状態(5AH)である場合には許容状態である旨を示し、当該フラグがOFF状態(00H)である場合には「禁止状態」である旨を示す。遊技許可フラグは、たとえば、後述の図36中の4ms割込処理、図40中の108ms割込処理などで利用される(図36のステップS81A、図40のステップS111参照)。
そして、一連の電源投入時処理(ステップS011~S063:遊技開始前処理)を終えると、通常の遊技進行に係る遊技処理のステップS040~S045の無限ループ処理を実行する。これにより、以後、遊技の進行が可能な状態(遊技開始可能状態)に制御されることになる。なお、本実施形態では、図8に示すステップS041(性能表示モニタ集計除算処理)が存在していないが、これは、性能情報(ベース値)の算出やその表示に関する処理は枠制御部22側に委ねているためである(後述の第3実施形態も同様)。
ここで本実施形態では、ステップS041の各種乱数更新処理の後、受信バッファステータス値をチェックして、枠制御部22からの受信データの有無を判定する(ステップS046)。ここでの受信データとは、通常の遊技中に枠制御部22から送られてくる後述の図51に示す「遊技機情報応答電文」である。詳細は後述するが、主制御部20側は、通常の遊技が開始されると、所定時間毎(たとえば、図40の108ms割込処理実行毎)に、所定の遊技情報として、後述の「遊技機情報通知電文(図49)」を枠制御部22に対して送信し、枠制御部22側は、当該遊技機情報通知電文に対する受領通知として“遊技機情報応答電文”を主制御部20に対して送信する。本実施形態の場合、上述の「遊技機情報応答電文」と「遊技機情報通知電文」とは、108ms内で送受信が完了する。このような電文の送受信により、性能情報や賞球数や遊技者の持ち球数や不正行為の有無などの遊技動作を管理可能となっている。
(遊技機情報応答電文:図51)
説明の便宜上、先ず図51を参照して、上述の「遊技情報通知応答電文」について説明する。
「遊技情報通知応答電文」には、図51に示す通り、電文長(1バイト)、コマンドコード(1バイト)、通信通番(1バイト)、遊技情報受領結果(1バイト)、チェックサム(1バイト)の情報が含まれ、図48(B)に示す上記「遊技機設置情報応答電文」と同じく計5バイトで構成される。遊技情報通知応答電文の電文長は、チェックサムまでの電文の長さ情報であり、ここでは5バイトである旨(0x05)が設定される。また、コマンドコードおよび受領結果(遊技機情報受領結果)には、それぞれ固定値(0x12、0x00=受領OK)が設定される。また、通信通番には、後述の「遊技機情報通知電文(図49参照)」で受信した通信通番(0x00~0xFF(0~255)のいずれかの値)が設定される(受信した通信通番をそのまま応答する)。チェックサムは、最後に受信されるデータとなっており、ここでは、電文長~受領結果までを加算した値が設定される。したがって、遊技情報通知応答電文を正常に受信している場合のチェックサムの値は、『0x05(電文長)+0x12(コマンドコード)+0x00(遊技機設置情報受領結果)+通信通番(0~255のいずれかの値)=固定値(0x17()+通信通番(0~255のいずれかの値)』となる。
ステップS046~S047では、受信データとして、上述の図51に示す「遊技機情報応答電文」の受信データの有無がチェックされ、受信データがあれば、枠受信データ記憶処理を実行する(ステップS047)。
この枠受信データ記憶処理では、遊技機情報応答電文の受信データを、RAM203の所定領域(受信チェックサムRXSUM)に格納する。すなわち、“最後に受信されるデータ(5バイト目)がチェックサムであること”を利用して、主制御部20は遊技機情報応答電文に係る受信データを受信すると(受信データが有る場合)、その遊技機情報応答電文に係る「電文長(1バイト)、コマンドコード(1バイト)、通信通番(1バイト)、遊技情報受領結果(1バイト)、およびチェックサム(1バイト)」を、順次、受信チェックサムRXSUMに格納し続ける。これにより、最終的に受信チェックサムRXSUMに格納されているデータは、今回受信した遊技機情報応答電文のチェックサムデータとなる。そして、今回受信した遊技機情報応答電文のチェックサムデータは、次回の遊技機情報応答電文を受信するまで保持される。なお、この受信チェックサムRXSUMに格納されたチェックサム値は、後述の図40に示す108ms割込処理(図40中のステップS114など)で利用される。
本実施形態では、上記したように「遊技情報通知応答電文⇔遊技機情報応答電文」のやり取りが108ms割込毎に実行されるため、遊技機情報応答電文は108ms程度間隔毎に枠制御部22から送られてくる。したがって、主制御部20が、次回の遊技機情報応答電文を受信するまでの間に、今回の遊技機情報応答電文を受信してその受信データを受信チェックサムRXSUMに格納し終える十分な時間が確保されている。
なお、遊技機情報応答電文の受信データの有無は、上記した受信バッファステータスで確認可能となっており、今回の遊技機情報応答電文のチェックサムを格納し終えた後は(全データ格納処理終了後)、受信バッファステータスの値は00Hとなり、次回の遊技機情報応答電文を受信するまでステップS046の判定結果は“NO”となる。遊技機情報応答電文に係る受信データの格納処理は、図示のように、ステップS047の枠受信データ格納処理にて受信データを1バイトずつ格納しながら、S040~S045のループ処理を実行してもよいし、受信データが有る場合には、受信シリアルポートバッファが空になるまで(受信バッファステータス=00Hになるまで)、ステップS046とS047の処理を繰り返し実行する構成としてもよい。いずれにしても、今回の遊技機情報応答電文のチェックサムを格納後、次回の遊技機情報応答電文を受信するまでに十分な時間が確保されているため、特に問題は生じない。
(電源投入時の処理において、玉抜き状態を含めてチェックする場合:図34)
次に、上記「玉抜き状態」の監視を含めた電源投入時の処理について説明する。図34は、「玉抜き状態」の監視を含めた電源投入時の処理内容を示すフローチャートである。なお、図34において、図33Bと実質的に同じ処理については同じステップ番号を付し、その処理内容についての説明は重複記載を避けるために適宜省略する。
玉抜き状態であるか否かを含めたチェックを行う形態(以下「玉抜き状態監視構成」と称する)では、枠制御部22は、遊技機設置情報応答電文を主制御部20に送信する際に、上記玉抜き状態検出スイッチ(不図示)のON/OFF状態をチェックし(上記玉抜き状態監視手段)、「玉抜き状態」か「非玉抜き状態」かを特定可能なデータを含めた遊技機設置情報応答電文を送信する。具体的には、図48(B)の「受領結果」の欄に示すように、「玉抜き状態」である場合には受領結果が「0x01」、「非玉抜き状態」である場合には「0x00」の遊技機設置情報応答電文を送信する。
遊技機設置情報応答電文に係るチェックサムについては、玉抜き状態でない場合には「0x16(16H)」、玉抜き状態である場合のチェックサムは、受領結果が「0x01」となり「0x17(17H)」の値をとる。このチェックサム値の違いを利用して、玉抜き状態監視構成では、図34に示すような処理を採用している。
図34を参照して、玉抜き状態監視構成の場合には、図示のように、チェックサム値が正常値の「16H」であるか否かを判定し(ステップS059)、チェックサム値が正常値でない場合には(ステップS059:NO(≠16H))、次いで、玉抜き状態であるか否かを判定する(ステップS065)。
玉抜き状態でない場合(ステップS065:OFF)、すなわち、チェックサム値が「016H(正常値)」でも「017H(玉抜き状態値)」でもない値の場合には、何らかの不具合(チェックサム異常)が生じたとして、ステップS054の処理に移行する。この場合、既に説明した図33BのステップS059の判定結果がNOの場合と同じく、電源異常チェック処理(ステップS054)を繰り返し実行するという処理ルート(無限ループ処理)となる。なお、この玉抜き状態でない場合(ステップS065の判定結果がOFFの場合)には、主制御部20側にて、異常に係る専用のエラーコマンド(上記「電源再投入コマンド」でもよい)を演出制御部24に送信した後、演出制御部24に、たとえば、チェックサム異常エラー報知(RAMエラー報知)を実行させるようにし、ステップS054の電源異常チェック処理に戻り、電源異常チェック処理を繰り返し実行する構成としてもよい。この場合も、既に説明したチェックサム異常が生じた場合(図33BのステップS059の判定結果がNOの場合)と同じく、遊技機の電源のOFF/ON(再投入)により、再度、電源投入時の処理(図33Aおよび図34)を実行させ、遊技機設置情報応答電文を正しく受信することにより(チェックサムが正常の場合)、正常に、復帰されうる。
一方、玉抜き状態である場合(ステップS065:ON)、すなわち、チェックサム値が「017H」である場合、発射装置32の発射動作を許可する発射制御信号をONにし、発射許可状態に設定する(ステップS037)。玉抜き状態である場合に発射動作を許可するのは、発射装置32内に発射待ちの遊技球が残存している場合があり、この残存球を発射装置32内から取り出すために、発射動作を許可しておくことが好ましいからである。なお、玉抜き状態中は、ベース値(性能情報)の算出は実行しないことが好ましい。
そして、玉抜きエラー状態報知処理(ステップS038)を実行した後、ステップS054の処理に戻る。玉抜きエラー状態報知処理では、玉抜きエラーである旨を指定するエラーコマンド(玉抜きエラーコマンド)を演出制御部24に送信する。演出制御部24が玉抜きエラーコマンドを受けると、演出手段を用いて、玉抜きエラー報知を実行する。玉抜きエラー報知は、音演出、光演出、画像表示演出のいずれを用いてよく、たとえば、音声で「玉抜きエラーです」を出力したり、枠LED白色全点灯にしたり、液晶画面に「玉抜きエラー発生」を表示したりする。
なお、玉抜きエラー報知は、性能表示器99および/または遊技球数表示装置77を用いてもよい。たとえば、性能表示器99や遊技球数表示装置77に、玉抜きエラーを示すエラーコード(玉抜きエラーコード)を表示させることができる。性能表示器99、遊技球数表示装置77は、枠制御部22が直接的に制御可能であるため、玉抜き状態を検出した場合に、直ちに、玉抜きエラーコードを表示させてもよい。
(玉抜き状態エラーの解消)
本実施形態では、一度、上記玉抜き状態であると判定されると、電源異常チェック処理(ステップS054)を繰り返し実行する無限ループ処理に突入するため、玉抜きスイッチ62やエラー解除スイッチ64を操作しても、玉抜き状態エラーを解消することができないようになっている。玉抜き状態エラー下から正常に復帰させるには、玉抜き状態を解消した状態で、電源のOFF/ON(再投入)する必要がある。
なお、玉抜き状態であるか否かを判定する際には、図35(イ)に示すような処理プログラムを採用することが好ましい。
図35(イ)に、ステップS059、S065の判定処理に着目したソースコードの一例を示す。なお、図35(イ)「具体例」と(ロ)「比較例」とに関し、双方の違いの説明を分かりやすくするために、玉抜き状態エラー報知処理(ステップS038)については省略してある。
図35(イ)を参照して、ステップS059の判定処理では、では、Aレジスタ(遊技機設置情報応答電文のチェックサムデータを取り込んだレジスタ)からチェックサムの正常値「16H」を減算した結果をAレジスタにセットする(SPm1)。Aレジスタの結果がゼロ、つまり、チェックサム値が正常値(=016H)であれば(ステップS059:YES)、受領が正当に完結したとして、ステップS060の処理(SYSTEM_129)にジャンプする(SPm2)。
Aレジスタの結果がゼロでない、すなわち、チェックサム値が正常値(=016H)でなければ(ステップS059:NO)、Aレジスタの値をデクリメントし(SPm3)する。ここでは、玉抜き状態であればチェックサム値が「17H」であり、チェックサム値が正常値「16H」との差分が「01H」であることを利用して、Aレジスタの値を1減算する処理を行っている。
上記減算結果がゼロでなければ(ステップS065:OFF)、何らかの不具合が生じたとして、電源異常チェック処理(SYSTEM_126、ステップS054)にジャンプする(SPm4)。
上記減算結果がゼロであれば(ステップS065:ON)、玉抜き状態であるとして、発射動作を許可して(SPm5、ステップS037)、電源異常チェック処理(SYSTEM_126、ステップS054)にジャンプする(SPm6)。
以上のように、図(イ)の具体例では、上記SPm1~3に示すように、チェックサム値が正常値「16H」であり、玉抜き状態の場合のチェックサム値が「017H」であることを利用して、「Aレジスタの値-正常値(016H)-玉抜き状態(01H)」の演算結果がゼロ(00H)であるか否かに応じて、玉抜き状態であるか否かを判定するという処理内容となっている。
このようにすると、たとえば、図35(ロ)「比較例」に示すような、段階的にチェックサム値(玉抜き状態)を判定する処理プログラムとしてしまうより、プログラム容量の削減に繋がる。これについて以下詳述する。
図35(ロ)では、ステップS059の判定処理として、Aレジスタの値が正常値(016H)であるか否かを判定し(SPm7)、その判定結果に応じて、電源異常チェック処理(SYSTEM_126、ステップS054)にジャンプするか、ステップS065の判定処理にジャンプするかを定める(SPm8)。ここでは、Aレジスタの値が正常値であれば、受領が正当に完結したとして、ステップS060(SYSTEM_129)の処理にジャンプし、Aレジスタの値が正常値でなければ、ステップS065の判定処理(玉抜き状態であるか否かの判定処理)に移行する。
ステップS065の判定処理に移行した場合、次いで、Aレジスタの値が玉抜き状態のチェックサム値(017H)であるか否かを比較判定し(SPm9)、その判定結果に応じて、電源異常チェック処理(SYSTEM_126、ステップS054)にジャンプするか、ステップS037の発射動作を許可する処理にジャンプするかを定める(SPm10)。ここでは、Aレジスタの値と「017H(玉抜き状態)」とが一致しない、すなわち「玉抜き状態」でなければ、何らかの不具合があるとして、電源異常チェック処理(SYSTEM_126、ステップS054)にジャンプする。一方、Aレジスタの値と「017H(玉抜き状態)」とが一致、すなわち「玉抜き状態」であれば、発射動作を許可し(SPm11、ステップS037)、電源異常チェック処理(SYSTEM_126、ステップS054)にジャンプする(SPm12)。
ここで図示の通り、図35(ロ)の「比較例」の場合には13バイト要するが、先述の図35(イ)の「具体例」の場合には12バイトであり、1バイトの削減に繋がっている。パチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部20が該当する)に装着されるROMのプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、たとえ1バイトであってもプログラム容量の削減は重要な意義を有している。
なお、玉抜き状態である場合には、発射装置32の発射動作を許可するが、遊技許可フラグをON状態に設定せずに、通常の遊技処理と同じステップS040以降の無限ループ処理に移行してもよい。具体的には、玉抜き状態である場合(ステップS065:ON)、チェックサム正常時と同じく、ステップS060、S061、S037の処理を順次実行するが、ステップS063の遊技許可フラグのON状態設定処理はスキップし(遊技許可フラグはOFF状態のままにする)、ステップS040以降の処理に進むように構成してもよい。いずれにしても、玉抜き状態である場合には、循環用の遊技球が遊技機外部に漏れだす恐れがあるため、通常の遊技進行に要する処理(たとえば、後述のタイマ割込処理(図36に示す4ms割込処理、図40に示す108ms割込処理)が実行されないように制御することが好ましい。
<70.主制御側タイマ割込処理(第2実施形態):図36、図40>
次に図36、図40を参照して、第2実施形態に係る主制御側のタイマ割込処理について説明する。図36は、主制御側タイマ割込処理のうち、4ms割込処理を示し、図40は、108ms割込処理を示すフローチャートである。これら主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度、108ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
本実施形態では、4ms割込処理と108ms割込処理を含む複数の割込処理を扱う。図36に示す4ms割込処理は、図9で説明した上記「主制御側タイマ割込処理」と基本的に同じ処理内容であり、図示の通り、主に通常の遊技進行(図柄変動表示ゲームや当り遊技など)に必要な処理が実行される。他方、図40に示す108ms割込処理は、主として、枠制御部22が必要とする情報の作成や出力に関する処理が実行されるようになっている。枠制御部22が必要とする情報としては、たとえば、持ち球数や賞球数や性能情報などの種々の制御処理(遊技球数表示装置77に対する表示処理、性能表示器99に対する表示処理など)を行うために要する情報や、外部装置(球貸出装置、ホールコンピュータHC)が要する情報(主に、遊技機情報通知電文(図49参照))などがある。
また本実施形態では、4ms割込処理は、108ms割込処理よりも割り込み優先度(優先順位)が高く設定されている。これは、持ち球数や性能情報などに関する処理は比較的長い時間間隔(100ms~110ms程度)で処理を実行しても特に問題は生じないが、演出や図柄変動表示ゲームに関する遊技処理については、遊技をスムーズに進行させるために時間の制約が厳しく、極短時間間隔(2ms~4ms程度)での処理が必要だからである。また、エラー処理についても、不正行為防止の観点から、エラー報知等に即座に対応可能であることが好ましいからである。
なお、優先順位の低い108ms割込処理の実行中に、優先順位の高い4ms割込処理を実行する多重割り込みを許可する構成としてもよい。また、108ms割込処理を実行する際に割り込み禁止状態に設定し、当該処理を終えた後で割り込み許可状態に設定してもよい。この場合、108ms割込処理中に、4ms割込処理の割り込み要求があった場合には、08ms割込処理を終えた後に直ちに4ms割込処理を実行可能な構成してもよい。
<4ms割込処理:図36>
まず図36を参照して、4ms割込処理について説明する。なお、図36において第1実施形態(図9の主制御側タイマ割込処理)と実質的に同じ処理については同じステップ番号を付し、その処理内容についての説明は重複記載を避けるために適宜省略する。
図36において、CPU201は、4msタイマ割込みが生じると、まず電源異常チェック処理を実行する(ステップS081)。
次いで、遊技許可フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS81A)。遊技許可フラグがON状態でない場合(ステップS81A:≠5AH)、遊技処理実行禁止状態であるとして、図示のステップS082~S101の処理をスキップして(少なくとも一部の遊技処理の実行が禁止(制限)される)、ステップS104に進み、WDTのカウント値をクリアし、4ms割込処理を終了して、次の4ms割込みが発生するまで、主制御側メイン処理を実行する。
一方、遊技許可フラグがON状態である場合(ステップS81A:=5AH)、遊技処理実行許可状態であるとして、通常の遊技進行に要する処理(図柄変動表示ゲームや普電開放遊技や当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)などに関する処理)として、タイマ管理処理(ステップS082)~WDTクリア処理(ステップS104)を順次実行していく。ただし、本実施形態に係る遊技機は「管理遊技機」であるため、第1実施形態に係る遊技機(非循環式の遊技機)の主制御側タイマ割込処理(図9)と比し、実際の遊技球を払い出すための賞球管理処理(ステップS090)は無く、また、性能情報に関する処理は枠制御部22側で行う構成のため、性能情報の算出やその表示制御に関する処理(図9のステップS101中の性能情報表示に関する処理)も設けられていない。
遊技進行に必要な情報は、後述の「遊技機情報通知電文」を作成して、これを送信が必要なタイミングで枠制御部22に送信し(後述の図40に示す108ms割込処理中の電文送信処理(ステップS123)参照)、枠制御部22がこの遊技機情報通知電文を受け、これに含まれる情報に基づき、持ち球数、性能情報の算出・表示、および外部装置(ホールコンピュータHCなど)への特定遊技情報(たとえば、賞球数、図柄変動回数、当り回数、不正行為検知などの情報)などの管理処理を行う構成となっている。
(遊技機情報通知電文:図49、図50A~図50F)
図49および図50A~図50Fを参照して、上記「遊技機情報通知電文」について説明する。
図49に、遊技機情報通知電文の詳細を示す。遊技機情報通知電文は、図示の通り、電文長(1バイト)、コマンドコード(1バイト)、通信通番(1バイト)、主制御状態1(1バイト)、主制御状態2(1バイト)、遊技機エラー状態(1バイト)、不正検知状態(1バイト)、遊技情報数(1バイト)、遊技情報n(n=0~5:遊技情報1個につき、種別情報(1バイト)+カウント情報(1バイト)の2バイトで、0バイト~10バイト)、チェックサム(1バイト)の計9バイト~19バイトで構成される。
なお上記遊技機情報通知電文の通信通番については、遊技機情報通知電文送信時に前回の通信通番に1加算した値を送信する。具体的には、通信通番は0~255(0x00~0xFF)の値とり、255の次は0に戻るといった、0~255の範囲を循環する循環式となっている。
上記主制御状態1、主制御状態2、遊技機エラー状態、不正検知状態は、主として、枠制御部22に接続された外部接続端子基板85から出力する外端信号に係る情報である。
主制御状態1や主制御状態2に係る「内容」欄の「有利状態」とは、通常遊技よりも有利な遊技状態を意味し、たとえば、時短状態、確変状態、潜確状態などが該当する。また、主制御状態2のに係る「内容」欄の「大当り中+有利状態中」とは、大当り中およびその大当り終了後の有利状態中の期間を意味する。なお、本実施形態に係る微時短状態は「時短状態に属するものであるが、通常状態と略同一のベース値を実効化しうる遊技状態」という特殊な時短状態として作用する。このため、微時短状態を有利状態とするか、非有利状態(通常状態と等価的な遊技状態として扱う)とするかは、適宜定めることができる。
また、遊技機エラー状態は、遊技機に生じたエラー種別情報を指定する。不正検知状態1は、遊技機に対する不正行為を検出するために設けられた電波センサ、振動センサ、磁気センサなどの不正監視センサが検知する不正監視情報(不正検知情報)であり、「内容」の欄の「盤面不正1~6(第0ビット~第5ビット)」は、センサによる不正検知種別を指定する。この例では、Bit0~5については、正常であれば対応するビットが「0」に設定され、不正検知(異常)であれば対応するビットが「1」に設定される。たとえば、不正検知情報として、ビット0~1(盤面不正1~2)に、大入賞口50近傍に形成された電波センサによる検出状態、大入賞口50近傍に形成された磁気センサによる検出状態を割り当て、不正を検知した場合、対応するビットが「1」に設定され、不正行為を検知したことが外部接続端子基板85を介して外部装置(外部ユニットSC)に通知される。
(遊技情報:図50A~図50F)
上記遊技情報について、図50A~図50Fを用いて説明する。なお、図50B~図50Fでは、本発明に関連の深い遊技情報(種別情報+カウント情報)を代表的に示す。
図50Aに示すように、遊技状態は「種別情報(上位1バイト)」と「カウント情報(下位1バイト)」の計2バイトで構成される。上記「種別情報」は、図50A(A)に示すように、上位4ビット(ビット4~7)がデータ種別(種別1~15)、下位4ビット(ビット0~3)がそのデータ内容を指定し、たとえば、或る入賞口への入賞、図柄確定回数(特別図柄、普通図柄の変動回数を通知)、特別図柄当り(大当り、小当りの発生を通知)、普通図柄当り(普通図柄の当り(補助当り)の発生を通知)、役物回数(役物連続作動装置が未作動時の大入賞口の開放を通知)、特定領域通過(特定領域の遊技球の通過を通知)、外部端子板パルス出力(専用ユニットからパルス出力することを指示)、性能情報状態通知(性能情報の演算に必要な情報を通知)などを特定する。
上記「カウント情報」には、図50B~図50Fに示すように、持ち球数の算出に要する情報(賞球数情報:図50B、図50C)や図柄確定回数(図50D)や当り発生回数(図50E)や、性能情報の算出に必要となる情報として遊技状態の変化(図50F(ホ)参照)を特定可能な情報(計数対象区間および/または非計数対象区間)を特定可能な情報)が含まれる。
<(イ)賞球数に係るカウント情報(データ種別=1~8):図50B~図50C>
図50B(B)に、「賞球数に係るカウント情報」を示す。賞球数に係るカウント情報は、図示の通り、上位4ビット(ビット4~7)が賞球数情報(1~15個)、下位4ビット(ビット0~3)が入賞個数(1個)を指定するものとなっている。本実施形態では、賞球数に係る遊技情報(種別情報+カウント情報)の一例として、たとえば、図50B~図50Cの(例1)~(例6)に示すようなデータが作成されるようになっている。
(データ種別1:始動口入賞)
図50B(例1)に、賞球3個の上始動口34に、2個の入賞が発生した場合の遊技情報を示す。この(例1)は、図50Aに示す「データ種別1」の「始動口入賞」の一例である。本実施形態の場合、始動口は「上始動口34」と「下始動口35」の2つであるため、ここでは始動口番号(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、上始動口34を「始動口1」、下始動口に「始動口2」を割り当て、その他は未使用としている。なお、遊技情報は、入賞個数1個に対して1つの遊技情報が作成される(他の場合も同様)。本例の場合は、入賞個数が2個であるため、遊技情報として「0x1131」のデータが2つ作成される。
(データ種別2:特別電動役物による大入賞口入賞)
図50B(例2)に、賞球15個の大入賞口50に、3個の入賞が発生した場合の遊技情報を示す。この(例2)は、図50Aに示す「データ種別2」の「特別電動役物による大入賞口入賞」の一例であり、ここでは、役物連続作動装置が非作動時の大入賞口への入賞、主に「小当り」による大入賞口への入賞を扱う。本実施形態の場合、大入賞口は「大入賞口50」のみが設けられているため、大入賞口番号(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、大入賞口50を「1」に割り当て、その他は未使用としている。本例の場合は、入賞個数が3個であるため、遊技情報として「0x21F1」のデータが3つ作成される。
(データ種別3:入賞口入賞)
図50B(例3)に、賞球3個の一般入賞口43bに、1個の入賞が発生した場合の遊技情報を示す。この(例3)は、図50Aに示す「データ種別3」の「入賞口入賞」の一例である。本実施形態の場合、一般入賞口は「一般入賞口43a~e」が設けられているため、入賞口番号(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、一般入賞口43a~eを「1」~「5」に割り当て、その他は未使用としている。本例の場合は、入賞個数が1個であるため、遊技情報として「0x3231」のデータが1つ作成される。なお、一般入賞口43のうち、賞球数が同じもの同士は、共通の入賞口番号を割り当ててもよい。
(データ種別4:ゲート通過/普図作動口入賞)
図50C(例4)に、通過ゲートからなる普通図柄始動口37(賞球0個)に、遊技球が1回通過した場合の遊技情報を示す。この(例4)は、図50Aに示す「データ種別4」の「ゲート通過/普図作動口入賞」の一例である。本実施形態の場合、通過ゲートは「普通図柄始動口37」のみが設けられているため、通過ゲート番号または普図作動口番号(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、普通図柄始動口37を「1」に割り当て、その他は未使用としている。本例の場合は、入賞個数が1個であるため、遊技情報として「0x4101」のデータが1つ作成される。
(データ種別5:普通電動役物作動による始動口入賞)
図50C(例5)に、普通電動役物作動による賞球1個の下入賞口35に1個入賞した場合の遊技情報を示す。この(例5)は、図50Aに示す「データ種別5」の「普通電動役物作動による始動口入賞」の一例である。ここでは、普電開放遊技中における下始動口35(始動口2)への入賞を扱う。本例の場合は、入賞個数が1個であるため、遊技情報として「0x5201」のデータが1つ作成される。
(データ種別6:役物連続作動装置作動による大入賞口入賞)
図50C(例6)に、役物連続作動装置による賞球15個の大入賞口50に1個入賞した場合の遊技情報を示す。この(例6)は、図50Aに示す「データ種別6」の「役物連続作動装置作動による大入賞口入賞」の一例である。ここでは、役物連続作動装置作動による大入賞口への入賞、つまり、「大当り」による大入賞口への入賞を扱う。本例の場合は、入賞個数が1個であるため、遊技情報として「0x61F1」のデータが1つ作成される。
<(ロ)図柄確定回数に係るカウント情報(データ種別=9):図50D>
図50Dに、「図柄確定回数に係るカウント情報」を例示する。図柄確定回数に係るカウント情報は、上位4ビット(ビット4~7)が未使用、下位4ビット(ビット0~3)が図柄確定回数(1回)を指定するものとなっている。
図柄確定回数に係るカウント情報の一例として、図50D(例7)に、特別図柄1が1回停止した場合の遊技情報を、同図(例8)に、普通図柄が1回停止した場合の遊技情報を示す。本実施形態の場合、図柄として、特別図柄1、特別図柄2、普通図柄1の3種類を扱っているため、特図番号または普図番号(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、特別図柄1を「1」、特別図柄2を「2」、普通図柄1を「3」に割り当て、その他は未使用としている。(例7)は、特別図柄1が1回停止した場合であるので、遊技情報として「0x9101」のデータが作成される。また(例8)は、普通図柄が1回停止した場合であるので、遊技情報として「0x9301」のデータが作成される。
<(ハ)当りに係るカウント情報(データ種別=10(特別図柄当り)、データ種別=11(普通図柄当り)):図50E>
図50Eに、「当りに係るカウント情報」を例示する。当りに係るカウント情報は、上位4ビット(ビット4~7)が未使用(0固定)、下位4ビット(ビット0~3)が当り回数(1回)を指定するものとなっている。
特別図柄当りに係るカウント情報の一例として、図50E(例9)に、大当りが1回発生した場合の遊技情報を、同図(例10)に、小当りが1回発生した場合の遊技情報を示す。本実施形態の場合、特別図柄当りとして、大当りと小当りの2種類を扱っているため、特別図柄当り種別(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、大当りを「1」、小当りを「2」に割り当て、その他は未使用としている。同図(例9)は、大当り(大当り遊技)が1回発生した場合であるので、遊技情報として「0xA101」のデータが作成される。また、同図(例10)は、小当り(小当り遊技)が1回発生した場合であるので、遊技情報として「0xA201」のデータが作成される。
また、普通図柄当りに係るカウント情報の一例として、図50E(例11)に、補助当り(普電開放遊技)が1回発生した場合の遊技情報を示す。本実施形態の場合、普通図柄当り種別として、補助当り1種類を扱っているため、普通図柄当り(補助当り)種別(図50Aの「データ番号」の欄参照)として、補助当りを「1」に割り当て、その他は未使用としている。同図(例11)は、補助当りが1回発生した場合であるので、遊技情報として「0xB101」のデータが作成される。なお、補助当りは1種類に限らず、補助当り遊技が異なる補助当りを複数種類設けてもよい。
<(ニ)役物回数(大入賞口開放回数)に係るカウント情報(データ種別=12):図50F>
図50Fに「役物回数(大入賞口開放回数)に係るカウント情報(データ種別=12)」を例示する。役物回数に係るカウント情報は、上位4ビット(ビット4~7)が未使用(0固定)、下位4ビット(ビット0~3)が大入賞口開放回数(1回)を指定するものとなっている。なお、データ種別12に係る役物番号(図50Aの「データ番号」の欄参照)は、1固定(0、2~15は未使用)となっている。
役物回数(大入賞口開放回数)に係るカウント情報の一例として、図50F(例12)に、大入賞口50が1回開放した場合の遊技情報を示す。大入賞口50が1回開放した場合は、図示の通り、遊技情報として「0xC101」のデータが作成される。
<(ホ)性能情報状態通知に係るカウント情報(データ種別=15):図50F>
図50Fに「性能情報状態通知に係るカウント情報」を例示する。この性能情報状態通知に係るカウント情報は、性能情報を算出する際に利用され、主に、性能情報算出に係る計数対象区間であるか非計数対象区間であるかを判定する際に利用される。
性能情報状態通知に係るカウント情報は、上位4ビット(ビット4~7)は未使用(0固定)であり、下位4ビット(ビット0~3)は、図示の通り、ビット0(第0ビット)はベース種別(低ベース中、高ベース中を指定)、ビット1(第1ビット)は大当り中であるか否かを指定(図示の「通常時」は非大当り中を指定する)、ビット2(第2ビット)は抽選状態種別(高確率中、低確率中を指定)、ビット3は未使用となっている。
また、性能情報状態通知に係るカウント情報は、主制御部20側において、現在の遊技状態に基づいて作成(更新)される。なお、現在の遊技状態については、枠制御部22側が必要とする遊技状態情報によって適宜定めることができる。たとえば、内部遊技状態(YJ種別)、遊技モード(Tcode種別)、条件装置作動フラグのON/OFF(ON=大当り中、OFF=非大当り中)、小当り中フラグ(ON=小当り中、OFF=非小当り中)などを利用して、性能情報状態通知に係るカウント情報を作成することができる。
性能情報状態通知に係るカウント情報の一例として、「図50F(例13)」に、たとえば、現在の遊技状態が時短状態である場合の遊技情報(電文情報)を示す。この場合、図示の通り、種別情報は“データ種別「15」、データ番号「1(固定)」(図50A参照)”、カウント情報は、上位4ビット(ビット4~7)0固定、下位4ビット(ビット0~3)はそれぞれ、第0ビット1(高ベース指定)、第1ビット0(通常時指定)、第2ビット0(低確率指定)となる。この場合は、遊技情報として「0xF101」のデータが作成される。
図50Fに示す性能情報状態通知に係るカウント情報の場合、そのビットの情報によって、たとえば、下記のような遊技状態が指定可能である。
(1)確変状態(電サポ有り状態+高確率状態)
確変状態の場合、第0ビット1(高ベース指定)、第1ビット0(通常時指定)、第2ビット1(高確率指定)となり、カウント情報(下位1バイト)は「00000101B」となる。
(2)時短状態(電サポ有り状態+低確率状態)
時短状態の場合、第0ビット1(高ベース指定)、第1ビット0(通常時指定)、第2ビット0(低確率指定)となり、カウント情報(下位1バイト)は「00000001B」となる。
(3)通常状態(電サポ無し状態+低確率状態)
通常状態の場合、第0ビット0(低ベース指定)、第1ビット0(通常時指定)、第2ビット0(低確率指定)となり、カウント情報(下位1バイト)は「00000000B」となる。
(4)大当り遊技中
大当り遊技中(特別遊技状態中)の場合、第0ビット0(低ベース指定)、第1ビット1(大当り中指定)、第2ビット0(低確率指定)となり、カウント情報(下位1バイト)は「00000010B」となる。
(微時短状態の指定(通知)について)
本実施形態に係る微時短状態は、既に説明したように、「時短状態に属するものであるが、通常状態と略同一のベース値を実効化しうる遊技状態」という特殊な時短状態として作用する。このため、微時短状態を指定する場合には、通常状態と等価的に扱い、性能情報状態通知に係るカウント情報については、通常状態と同一とすることが好ましい。また、本実施形態では、通常状態と微時短状態とを計数対象区間として定めているので、この点からも通常状態と同一のカウント情報とすることが好ましいといえる。たとえば、図50H(イ)に示すように、通常状態と微時短状態とで共通のカウント情報とする。
なお、他のビット(たとえば、1または複数の未使用ビット)を利用して、微時短状態を特定可能なカウント情報としてもよい。その一例として、たとえば図50H(ロ)に示すように、第0~第2ビットは広義の時短状態を指定するビット情報に用い、第3ビットは狭義の時短状態を指定する(時短状態種別を指定する)ビット情報に用いることができる。具体的には、第3ビットが「0」の場合は時短状態指定、「1」の場合は微時短状態指定などである。また、現在の時短状態が、大当り当選に起因する時短状態(大当り時短状態)であるのか、特殊時短当選に起因する時短状態(特殊時短状態)なのかも指定することができる。
斯様な「広義の遊技状態を複数の異なる遊技状態に区分」して指定する手法は、遊技モード(Tcode)を指定する場合にも利用できる。つまり、同一の内部遊技状態(YJ)に係る複数種類の遊技モードを設けた場合である。たとえば、時短状態に係る時短A~Cや、微時短状態に係る地獄モードA~Bなどを区別して指定する場合に好適である。本実施形態の場合、第3ビット~第7ビットの5ビット分を用いて、内部遊技状態(YJ)、遊技モード(Tcode)、計数対象区間、条件装置作動/非作動に係る当り遊技中(大当り遊技、小当り遊技の別)などを指定することができる。
図50A~図50Fの説明に戻る。上記遊技情報は、4ms割込処理内の所定の処理中で作成(更新)され、所定のRAM領域に記憶される。各種の遊技情報は、たとえば、次の処理中で作成することができる。入賞(賞球)に関する遊技情報(データ種別=1~8:図50B~図50C)は、入力管理処理(ステップS083)で作成することができる。また、普図の図柄確定回数に関する遊技情報(データ種別=9:図50D)は、普通図柄管理処理(ステップS091)で作成され、特図の図柄確定回数に関する遊技情報(データ種別9:図50D)は、特別図柄管理処理(ステップS093)で作成することができる。普図または特図の図柄確定回数に関する遊技情報は、変動時間が停止した場合(確定表示時間経過後)に作成すればよい。特図であれば、たとえば、特別図柄確認時間中処理(図14A~図14B)のステップS472の前段階、つまり特別図柄の確定表示時間経過後に作成すればよい。
また、特別図柄当り(大当り/小当り発生)に関する遊技情報(データ種別10:図50E)と役物回数(大入賞口開放回数)に係る遊技情報(データ種別12:図50F)は、特別電動役物管理処理(ステップS095)で作成され、普通図柄当り(普電開放遊技発生)に関する遊技情報(データ種別11:図50F)は、普通電動役物管理処理(ステップS092)で作成される。
また、既に説明したように、性能情報状態通知に係るカウント情報は、主制御部20側において、現在の遊技状態に基づいて作成(更新)される。また、性能情報状態通知に係るカウント情報は、その送信タイミング毎に作成するのではなく、遊技状態が変化した場合(低ベース⇔高ベース)に作成(更新)してもよい。たとえば、特別図柄管理処理(ステップS093)中の特別図柄確認時間中処理(図14A~図14B)のステップS475(大当り時)、ステップS482やS486の時短終了時、特別電動役物管理処理(ステップS095)中の大当り終了処理(ステップS509)などの処理において、遊技状態の変化が生じたした際に作成することができる。
いずれにしても、各種の遊技情報は、適宜な処理中で遊技情報を作成(更新)すればよい。
なお、上記した「主制御状態1」、「主制御状態2」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「性能情報状態通知」などに関する遊技情報は、主として、枠制御部22に接続された外部接続端子基板85から出力される情報であり、これらの情報は、たとえば、外部端子管理処理(ステップS099)で作成され、枠制御部22の外部接続端子基板85を介して、外端信号として外部装置に出力される。また、性能情報に関する情報、たとえば、通常時払出個数、通常時アウト個数、総アウト球数、リアルタイムベース値(今回のベース値)、履歴ベース値(全状態アウト球数ごとに記憶される過去のベース値)などは、枠制御部22側で作成されるが、これらの1または複数の情報を、外部接続端子基板85から出力してもよい。
(枠制御部22における計数対象区間の把握、性能情報の算出、表示処理等について)
ところで、性能情報を算出する場合、枠制御部22側において計数対象区間の把握が重要となる。第1実施形態の場合は、主制御部20側が、入賞(賞球)情報や計数対象区間を特定可能な情報(たとえば、遊技状態判定番号YJ、変動パターン振分指定番号Tcode、区間指定番号SFなど)を管理し、性能情報に関する表示制御を行う形態であった。しかし、この第2実施形態の場合は、主制御部20側から送信されてくる「特定電文(所定の遊技情報)」と、枠制御部22側が監視する遊技球情報(たとえば、実射球やファール球のカウント数など)とに基づき、性能情報に関する表示を制御する構成となっている。上記「特定電文(特定遊技情報)」とは、性能情報の算出に必要な情報であり、たとえば、賞球数に係る遊技情報(図50Aのデータ種別1~8(図50B~図50C))、性能情報状態通知に係るカウント情報(図50Fのデータ種別15)などが含まれる。
このような主制御部20と枠制御部22の関係上、枠制御部22側では、性能情報の表示に関する処理について、下記の処理が含まれる。
(1)動作確認タイマ設定処理(図8BのステップS034)に相当する第1処理(枠側動作確認タイマ設定処理)。この第2処理は、第1実施形態と同じく、電源投入時の処理において実行することが好ましい。
(2)性能表示の算出・表示(動作確認表示を含む)に要する第2処理(枠側性能表示モニタ処理)。たとえば、図8AのステップS043で説明した上記性能表示モニタ集計除算処理に相当する処理や、図19に示す処理のうち、性能情報の算出・表示に必要な処理が含まれる。第2処理では、上記特定電文に含まれる情報に基づき、性能情報の算出、表示処理等を行うように構成される。
(枠側性能情報モニタ処理:図50G)
ここで、枠制御部22で実行される枠側性能表示モニタ処理について説明する。図50Gに、枠側性能表示モニタ処理のフローチャートを示す。この枠側性能表示モニタ処理は、上記「特定電文」(少なくとも性能情報状態通知に係るカウント情報(図50Fのデータ種別15))を受信する毎に実行することが好ましい。
図50Gにおいて、枠制御部22(枠制御CPU)は、まず、RAMチェック処理を実行する(ステップS881)。このRAMチェック処理は、第1実施形態における図19の領域外RAMチェック処理(ステップS824)と同じく、性能表示に係るRAM領域のデータに不具合が生じているか否かのチェック(データ破損等のチェック)を行うための処理である。
次いで、性能情報用電文情報管理処理を実行する(ステップS882)。この性能情報用電文情報管理処理では、賞球数に係るカウント情報(データ種別1~8(図50A~図50C参照))と、性能情報状態通知に係るカウント情報(図50Fのデータ種別15)の情報を取得する。これら情報は、後述の性能情報算出処理(ステップS888)で、性能情報の算出に要するデータ、具体的には、通常時払出個数、通常時アウト個数、総アウト球数、今回のベース値(リアルタイムベース値)、その他、性能情報に要する種々のデータを算出するために利用される。
次いで、動作確認タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS883)。動作確認タイマには、上記「枠側動作確認タイマ設定処理」にて、初期値として5000msが設定される。なお、動作確認タイマは、不図示のタイマ管理処理にて、そのタイマ値が管理される。
動作確認タイマがゼロでない場合(ステップS883:≠0)、動作確認処理を実行する(ステップS889)。この動作確認処理は、第1実施形態における図19の動作確認処理(ステップS833)と同じく、電断復帰を含む電源投入時の動作確認表示(周期的な点灯/点滅動作)の実行に必要な設定を行うための処理である。動作確認表示は、第1実施形態と同様に、動作確認タイマが0になるまで実行されるようになっている。なお、第1実施形態と同様に、動作確認表示中も性能情報(ベース値)の算出処理を実行可能に構成してもよい。
一方、動作確認タイマがゼロである場合(ステップS883:=0)、動作確認表示が終了したとして、性能表示器99に対して性能情報を表示させるための処理(ステップS884~S888)」を行っていく。
ステップS884~S886の処理については、第1実施形態の図19のステップS827~S829と基本的には同じ処理内容であるが、本実施形態の場合、第1実施形態のステップS828の処理内容とは異なり、図50Fの(ハ)に示す性能情報状態通知に係るカウント情報(図50Fのデータ種別15)に基づいて、計数対象区間(特定遊技状態)であるか非計数対象区間(その他の遊技状態)であるかを判定するようになっている。
(ステップS885の判定処理について)
なお本実施形態では、微時短状態という特殊な遊技状態を制御可能に構成されているため、性能情報状態通知に係るカウント情報に工夫がなされている。これについて、図50Hを用いて説明する。図50Hに、カウント情報側のビットパターンを例示する。
(具体例1:図50H(イ))
図50H(イ)に、性能情報状態通知の一例として「性能情報状態通知例1」を示す。本例は、通常状態と微時短状態とを計数対象区間として定めている点を考慮し、通常状態と微時短状態とを同一のカウント情報とした例である。たとえば、図50Hの(イ)に示すように、通常状態と微時短状態とで共通の性能情報状態通知とする。本例では、第0~第3ビットがすべて「0」の場合(図50H(イ)(A))は計数対象区間指定、第0~第3ビットのいずれかが「1」の場合(図50H(イ)(B))は、非計数対象区間指定となっている。なお、図50H(イ)(B)の性能情報状態通知は、非計数対象区間の一例として、時短状態の例を示してある。
(具体例2)
図50H(ロ)に、性能情報状態通知の一例として「性能情報状態通知例2」を示す。本例は、時短状態と微時短状態とを区別して指定する例である。この例については既に説明した通り、第0~第2ビットは広義の時短状態を指定するビット情報に用い、第3ビットは狭義の時短状態を指定する(時短状態種別を指定する)ビット情報に用いる。第3ビットが「1」の場合は時短状態(純粋な時短状態)指定、「0」の場合は微時短状態(特殊時短状態)指定などである。なお、本例における図50H(ロ)(A)の時短状態(純粋な時短状態)指定の性能情報状態通知は「0xF101」、図50H(ロ)(B)の微時短状態指定の性能情報状態通知は「0xF109」となる。
(具体例3)
図50H(ハ)に、性能情報状態通知の一例として「性能情報状態通知例3」を示す。本例は、未使用ビットを利用して、計数対象区間/非計数対象区間を指定する例である。この例では、第3ビットを用いて、計数対象区間であるか非計数対象区間であるかを指定する例を示してある(第3ビット=計数対象区間適否指定ビット)。本例は、第1実施形態にて説明した「区間指定番号SF」と同様の作用効果を奏し得るものであり、複数の遊技状態を計数対象区間と定めたり、複数の遊技状態を非計数対象区間として定めたりする場合に好適である。なお、本例における図50H(ハ)(A)の計数対象区間指定の性能情報状態通知は「0xF100」、図50H(ロ)(B)の非計数対象区間指定の性能情報状態通知は「0xF108」となる。
(具体例4)
図50H(ニ)に、性能情報状態通知の一例として「性能情報状態通知例4」を示す。本例は、正当性の無い性能情報状態通知を例示したものである。性能情報状態通知の内容が常に正当であるものとは限らず、電気的なノイズ等の何らか原因で、性能情報状態通知が不当となるケースが稀ではあるが生じうる。たとえば、存在しない遊技状態を指定する性能情報状態通知を受信したケース(イレギュラーケース)が該当する。
図50H(ニ)は、不当な性能情報状態通知の一例を示したものである。図50H(ニ)は、『第0ビット(低ベース中、高ベース中を指定)が「1(高ベース指定)」、第1ビット(大当り中であるか否かを指定)が「1(大当り中指定)」、および第2ビット(抽選状態種別指定)が「1(高確率指定)」』という内容を指定する性能情報状態通知であるが、大当り中において「高ベース中(電サポ有り状態)+高確率状態」といった遊技状態は、本実施形態の遊技状態には存在しない。その他の不当な性能情報状態通知としては、たとえば、『第0ビットが「1(高ベース指定)」、第1ビットが「1(大当り中指定)」、および第2ビット(抽選状態種別指定)が「0(低確率指定)」』という「低確率+大当り中+低ベース」のケース(ビットパターンが「00000011B」)や、『第0ビットが「0(低ベース指定)」、第1ビットが「1(大当り中指定)」、および第2ビット(抽選状態種別指定)が「1(高確率指定)」』という「高確率+大当り中+低ベース」のケース(ビットパターンが「00000110B」)などがある。
このような不当な性能情報状態通知(以下「エラー性能情報状態通知」とも称する)を受信した場合は、現在の遊技状態が計数対象区間であるか非計数対象区間であるか判断し兼ねる。そこで、今回の性能情報状態通知については計数対象区間であると判断して性能情報に係る処理を実行してしまってもよいが、エラー性能情報状態通知である場合に無闇に性能情報を算出することは好ましくないという観点から、今回の性能情報状態通知については非計数対象区間であるとして判断し、性能情報に係る処理を実行しなくてもよい。ここで、「性能情報に係る処理」とは、次に述べる(揚1)~(揚3)の処理形態を採用することができる。
(揚1)少なくとも1つの特定の計数値の計数(算出)処理は実行せず、他の計数値の計数処理は実行し、性能情報の算出処理は実行しない。
(揚2)少なくとも1つの特定の計数値の計数(算出)処理は実行せず、他の計数値の計数処理は実行し、性能情報の算出処理は実行する。
(揚3)すべての計数値の計数処理および性能情報の算出処理を実行しない。
本実施形態に係るベース値(通常時ベース値)を代表例にとり説明すれば、ベース値の算出に用いる計数値には、主に、「通常時払出個数」と「通常時アウト個数」があり、また、今回の計測終了契機として利用する計数値として「全状態アウト個数」がある。この場合、上記(揚1)のケースでは、たとえば「通常時払出個数」と「通常時アウト個数」の計数処理は実行せず(カウントしない)、「全状態アウト個数」の計数処理は実行する(カウントする)、またベース値の算出処理は実行しないといった形態となる。また上記(揚2)のケースでは、たとえば「通常時払出個数」と「通常時アウト個数」の計数処理は実行せず、「全状態アウト個数」の計数処理は実行する、またベース値の算出処理も実行するといった形態となる。また上記(揚3)のケースでは、「通常時払出個数」、「通常時アウト個数」、「全状態アウト個数」および「ベース値」のいずれの計数(算出)処理は実行しないといった形態となる。特に、上述の(揚2)のケースは、非計数対象区間指定の正当な性能情報状態通知を受信した場合と同様の処理となっている。
また、エラー性能情報状態通知を受信した場合、“性能情報(ここでは、ベース値)を外部装置に出力する処理”または“性能表示器99に性能情報を表示する処理”については、上記(揚1)または(揚3)の場合は実行しないことが好ましく、上記(揚2)の場合は実行することが好ましい。その理由は、次の通りである。
上記(揚1)または(揚3)の場合は、ベース値の算出処理を実行しないため、外部装置に対する報知(外部報知)や性能情報報知をする必要性に欠けるからである。これに対し上記(揚2)の場合は、不確かな情報に基づく計数処理を実行せず(本実施形態の場合、「通常時払出個数」および「通常時アウト個数」の計数処理を実行しない)、正確な情報に基づくベース値(正当な性能情報状態通知に基づき計数された「通常時払出個数」および「通常時アウト個数」に基づくベース値)を算出する。したがって、エラー性能情報状態通知を受信した場合であっても、その時点における信頼性の高いデータを報知することができるからである。なお、上記(揚1)~(揚3)において、上記「個別計数値」や上記「個別ベース値」を管理可能に構成している場合も同様である。
なお、上述の(揚1)または(揚2)においては、特定の計数値の計数処理を実行しているが、これは、エラー性能情報状態通知を受信した場合であっても、計数しておく方が適切な値(以下「計数適切値」とも称する)が存在するためである。たとえば、本実施形態に係る全状態アウト個数は、既に説明したように、「全遊技状態中の総アウト球数」であり、また今回の計測終了契機として利用するための値である。つまり、「全状態アウト個数」は、現在の遊技状態によらず、計数対象とすべき値であり、したがって仮に、エラー性能情報状態通知を受信した場合であっても、アウト球数情報が存在する場合には、総アウト球数の計数処理を実行することが好ましいといえる。このように、ノイズ等により瞬間的にエラー性能情報状態通知を受信した場合であっても、計数適切値については計数処理を実行し、その他の計数値については不確かな情報に基づく計数処理は実行しないようにすることができる。
なお、如何なる性能情報を採用するかに応じて、1または複数の計数適切値を定めることができるのは勿論のことである。たとえば、所定ゲーム数(たとえば、最新の6000ゲーム数、累計ゲーム数17500ゲーム以上など)の役物比率を性能情報として採用するケースでは、ゲーム数については、全遊技状態中のゲーム数をカウントすることになるため、当該ゲーム数を計数適切値として定めることができる。したがって、上述の役物比率とベース値とを性能情報として採用するケースでは、全状態アウト個数およびゲーム数の2種類の計数値を計数適切値として定めることができる。
枠制御部22において、性能情報状態通知の内容に基づく計数対象区間であるか否かの判断は、たとえば、図50H(イ)を採用したケースであれば、性能情報状態通知が示す第0~第2ビットのカウント情報の値と、判定用のビットパターン「00000111B」の論理積をとり、その結果が「00000000B」以外となった場合は、通常状態および微時短状態以外の遊技状態である「非計数対象区間」であると判断可能である。また、性能情報状態通知の内容がエラー性能情報状態通知であるか否かの判断(存在しない遊技状態を示す性能情報状態通知であるか否かの判断)も、当該論理積の結果により判断可能である。たとえば、性能情報状態通知が図50H(ニ)の場合(エラー性能情報状態通知の場合)であれば、論理積の結果が「00000111B」(「高確率+大当り中+高ベース」指定)となり、エラー性能情報状態通知であると判断可能である。また、性能情報状態通知が「低確率+大当り中+低ベース」のケースの上記「00000011B」の場合や「高確率+大当り中+低ベース」の「00000110B」の場合なども同様である。詳述すれば、正当な性能情報状態通知であれば、通常状態または微時短状態指定の「00000000B」、時短状態指定の「00000001B」(低確率+通常時指定+低ベース)であるので、論理積の結果が「00000000B」および「00000001B」以外の場合であれば、今回の性能情報状態通知が、存在しない遊技状態を指定するエラー性能情報状態通知であると判断可能である。特に、上記(揚2)のケースのように、エラー性能情報状態通知である場合に、非計数対象区間に係る性能情報に係る処理と同様の処理を行うような場合には、論理積の結果が「00000000B」以外であれば非計数対象区間またはエラー性能情報状態通知のいずれかであると判断できるため、計数対象区間であるか否かの判断さえ行えば、エラー性能情報状態通知であるか否かの判断を行う必要がなく、制御負担軽減(プログラム容量を削減)する上で好適である。
(変形例1)
上記不当な性能情報状態通知を受信した場合は、賞球数に係るカウント情報を一旦保留状態とし、次に正当な性能情報状態通知を受信した際に、その保留した賞球数に係るカウント情報を含めて、今回の性能情報を算出可能な構成としてもよい。
(変形例2)
また「不当な性能情報状態通知は非計数対象区間であると判断する」という手法を利用して、主制御部20側が性能情報状態通知を送信する際、現在の遊技状態が非計数対象区間であれば、あえて不当な性能情報状態通知を送信可能に構成してもよい。たとえば、現在の遊技状態が計数対象区間(本実施形態では、通常状態と微時短状態)以外の遊技状態である場合には、図50Hに示すような性能情報状態通知を送信可能に構成する。時短状態や当り遊技中など、複数の遊技状態を非計数対象区間として指定したい場合に、1つの性能情報状態通知で済むので好適である。また逆に、現在の遊技状態が計数対象区間である場合に、あえて不当な性能情報状態通知を送信してもよい。この場合も、複数の遊技状態を計数対象区間として指定したい場合に、1つの性能情報状態通知で済むので好適である。
図50GのステップS884の説明に戻る。ステップS884では、状態判定フラグに「00H」を設定する(ステップS884)。この「状態判定フラグ」は、既に説明したように、性能情報(ベース値)を計測するための「計数対象区間」(計数対象に係る遊技状態)であるか否かを指定するためのフラグである。
次いで、現在の遊技状態が特定遊技状態(計数対象区間:本実施形態では、通常状態または微時短状態)であるか否かを判定し(ステップS885)、特定遊技状態(計数対象区間)である場合には(ステップS885:YES)、状態判定フラグを「5AH(ON状態)」に設定する(ステップS886)。これにより、現在、計数対象区間である旨が指定される。
しかし、特定遊技状態でない場合(ステップS885:NO)、つまり、非計数対象区間である場合には、何もせずに、ステップS887の処理に進む。したがって、この場合は、状態判定フラグが「00H」に維持されて、現在、非計数対象区間である旨が指定されることとなる。
次いで、性能情報算出処理を実行する(ステップS887)。この性能情報算出処理は、性能表示器99に表示するベース値の算出に必要な処理であり、図8Bのメインループ内領域外処理中の性能表示モニタ集計除算処理と実質的に同じ処理内容が含まれる。
次いで、表示データ出力管理処理を実行する(ステップS888)。この表示データ出力管理処理は、図19のステップS831の表示データ更新処理と実質的に同じ処理内容を含み、性能表示器99に対して性能情報を表示させるためのLED用の表示データ(LED表示データ)の作成、出力などの処理を行う。
以上の枠側性能情報モニタ処理により、性能表示器99に対する確認表示動作や、ベース値(性能情報)の表示を実現する。
なお、「枠側動作確認タイマ設定処理」に係るプログラムおよび/またはワーク領域(動作確認タイマ)、「枠側性能表示モニタ処理」に係るプログラムおよび/またはワーク領域(たとえば、通常時払出個数格納領域、通常時アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト個数格納領域など、性能情報の算出に関するデータを記憶するRAM領域(計数情報格納領域))は、領域内メモリ、領域外メモリのいずれに設けてもよい。たとえば、第1実施形態と同様の区分けをしてもよい。
図36の説明に戻る。本実施形態の入力管理処理(ステップS083)では、第1実施形態の場合と同じく、センサやスイッチ類の検出情報に基づく入力データ作成処理や不正入賞監視処理(入賞無効処理)などを行うが、管理遊技機特有の処理として、上記遊技機情報通知電文に係る遊技情報のうち、入賞(賞球)に関する遊技情報(図50B~図50C)の作成・設定に関する処理も行う。
<入力管理処理:図37>
本実施形態の入力管理処理について説明する。図37は、入力管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図37において、CPU201は、まず、入力データ作成処理を実行する(ステップS191)。入力データ作成処理では、まず入力ポートのON/OFF状態を取得し、入賞口の入賞の有無をチェックし、入賞検出データ(スイッチ入力データ)を作成する。具体的には、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43hなどの各入賞口について、その入賞の有無を特定可能な入賞検出データを作成し、RAM203の所定領域(スイッチ入力データ格納領域)に格納する。
次いで、入賞検出データに基づき、スイッチ情報作成処理を実行する(ステップS193)。スイッチ情報作成処理では、後述の図54に示す「入賞イベント記憶処理」で利用される「スイッチ情報」を作成(取得)し、これを対応する所定のRAM領域(スイッチエッジ格納領域:W_SWEDG1~5)に格納する。なお、説明を簡易なものとするために、一般入賞口43a~eについては、賞球数を共通とし、一般入賞口43a~eを1種類の入賞口として扱う(入賞口番号を「1」のみとし、他は未使用とする:図50Aの種別3の対応欄参照)。
入賞に関する遊技情報は、図50A~図50Cを用いて既に述べた通り、始動口入賞(データ種別1)~役物連続作動装置作動による大入賞口入賞(データ種別6)などの遊技情報の作成が必要となる。そこで、このスイッチ情報作成処理では、各入賞口に関し、下記のようなスイッチ情報を取得し格納する。なお、入賞が無かった場合には、入賞検出データが更新されないため、入賞無しを示す全ビット0のビットデータ「00000000B」が格納される。
(イ)上始動口34に係るスイッチ情報
上始動口34への入賞があった場合は、その入賞を示すビットデータとして「00000001B」を「W_SWEDG1」に格納する。
(ロ)普通図柄始動口37に係るスイッチ情報
普通図柄始動口37の入賞があった場合は、その入賞を示すビットデータとして「00000100B」を「W_SWEDG3」に格納する。
(ハ)一般入賞口43に係るスイッチ情報
一般入賞口43への入賞があった場合は、その入賞を示すビットデータとして「00100000B」を「W_SWEDG5」に格納する。
普通変動入賞装置42の下始動口35や特別変動入賞装置52の大入賞口50の場合は、上記した図50B(例2)や図50C(例5)に示すように、役物動作(普通電動役物、特別電動役物)に関連する遊技情報を作成するため、下記のような手順でスイッチ情報を作成するようになっている。
(ニ)下始動口35に係るスイッチ情報)
下始動口35への入賞があった場合、普通電動役物非作動中(非普電開放遊技中)であるか、普通電動役物作動中(普電開放遊技中)であるかを判定し、普通電動役物作動中の入賞であれば「W_SWEDG2」に当該入賞を示すビットデータ「00000010B」を格納し、普通電動役物非作動中であれば当該入賞を示すビットデータ「00000000B(入賞を無効扱いとする)」を格納する。すなわち、普通電動役物作動中であるか否かに応じて異なるスイッチ情報を格納する。
普通電動役物作動/非作動(ON/OFF状態)については、「普電作動中フラグ」のON/OFF状態により判定可能となっている。この「普電作動中フラグ」は、普電開放遊技中であるか否かを判定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普電開放遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(≠5AH)である場合には普電開放遊技中ではない旨を示す。本実施形態では、普電開放遊技中でない場合に入賞があった場合、これを無効として扱い、入賞無しの場合と同様の「00000000B」を格納するようにしてある。ただし、普電開放遊技終了直前(下始動口35の閉鎖直前)に入賞した遊技球(下始動口35内の残存球)については、これを有効な入賞として扱うことが必要なため、その残存球を排出するための余裕時間(たとえば、0.5秒~1秒程度)を設けてあり、可動翼片47が閉状態となっても普電作動中フラグは直ちにOFF状態にせず、その余裕時間分が経過するまでは、普電作動中フラグはON状態に制御されるようになっている。なお、図示はしていないが、普電作動中フラグの状態は、普通電動役物管理処理(ステップS092)において管理される。
したがって、この余裕時間を超えて入賞した遊技球は、不正な入賞として扱い、不正入賞であることを示すエラー処理、たとえば、当該入賞を無効にして(全ビット0とする)、所定時間(たとえば、30秒間)、専用のエラー報知を行う(下始動口不正入賞監視処理)。しかし、当該入賞は無効とせずにエラー報知だけを行う構成としてもよい。なお、電サポ有りを伴う遊技状態(時短中や確変中など)は、頻繁に普電開放遊技が発生するため、一々、不正入賞の判定をせずに、入賞をすべて有効扱いとしてもよい。電サポ中であるか否かは、普電役物開放延長状態フラグのON/OFF状態を判定すればよい。
(ホ)大入賞口50に係るスイッチ情報
大入賞口50への入賞があった場合、「大当り遊技中」であるか「小当り遊技中」であるかを判定し、大当り遊技中の入賞であれば「W_SWEDG4」に当該入賞を示すビットデータ「00001000B」を格納し、小当り遊技中の入賞であれば、「W_SWEDG4」に当該入賞を示すビットデータ「00010000B」を格納する。大当り遊技中であるか否か判定は、上記役物連続作動装置作動フラグのON/OFF状態(作動中/非作動)(上記条件装置作動フラグのON/OFF状態を判定してもよい)を判定すればよい。また、小当り遊技中であるか否かの判定は、小当り中フラグのON/OFF状態を判定すればよい。なお、役物連続作動装置作動フラグ(または条件装置作動フラグ)および小当り中フラグがOFF状態である場合の入賞は、不正な入賞として扱い、不正入賞であることを示すエラー処理、たとえば、当該入賞を無効にして(全ビット0とする)、所定時間(たとえば、30秒間)、専用のエラー報知を行う(大入賞口不正入賞監視処理)。しかし、当該入賞は無効とせずにエラー報知だけを行う構成としてもよい。
上記スイッチ情報作成処理(ステップS192)を終えると、次いで、図38Aに示す入賞イベント記憶処理を実行する(ステップS193)。
<入賞イベント記憶処理:図38A(図38B)、図39>
図38Aは、上記入賞イベント記憶処理の詳細を示すフローチャートである。
図38Aにおいて、CPU201は、まず、図53に示すスイッチカウントテーブル(D_SWCNT)を取得する(ステップS201)。
<スイッチカウントテーブル:図53>
図53に、スイッチカウントテーブルの一例を示す。なお、このスイッチカウントテーブルは、実際には、遊技情報を作成する際に要するすべてのスイッチ(センサ)に関するデータ群が定められているが、ここでは本発明と関連の深いスイッチ(センサ)に関するデータを代表的に示してある。
図53を参照して、スイッチカウントテーブルには、スイッチエッジ格納領域(W_SWEDG1~6)に対応して、入賞判定ビットデータと、イベント番号データとが定められている。「入賞判定ビットデータ」とは、入賞口については、入賞の有無および入賞時状態を判定可能なデータである。判定の仕方の詳細は追って説明するが、後者の「入賞時状態」とは、たとえば、大入賞口50への入賞があった場合、その入賞が大当り遊技中の入賞であるか、小当り遊技中の入賞であるかを特定するものである。「イベント番号データ」とは、遊技機情報通知電文に係る遊技情報(種別情報+カウント情報)を特定するための識別子として利用されるものであり、後述のリングバッファ送信処理(後述の図41BのステップS155、その詳細を示す図46A~図46B)で利用される。
次いで、ループ回数(スイッチカウントテーブルに設定された判定対象となるスイッチ情報数)を設定し、(ステップS202)。ループ回数に応じたスイッチ情報を取得する(ステップS203)。たとえば、1回目のループであれば、図53に示すスイッチカウントテーブルのEVENT1に対応するW_SWEDG1に格納されているスイッチ情報を取得する。
次いで、取得したスイッチ情報と、対応する入賞判定ビットとを比較する(ステップS204)。たとえば、1回目のループであれば、図53に示すスイッチカウントテーブルの「W_SWEDG1(上始動口34対応のスイッチ情報)」に格納されたビットデータと、入賞判定のビット(マスクデータ)の「00000001B(イベント番号1(@EVENT1)対応のビットパターン)」との論理積(AND)をとり、第0ビット以外のビットをマスクする。この例の場合、W_SWEDG1のスイッチ情報が「有り(ON状態)」の場合には、論理演算結果が「00000001B」となり(判定結果=YES)、該当するスイッチ情報が「無し(OFF状態)」の場合には、論理演算結果が「00000000B」となる(判定結果=NO)。
入賞判定有りの場合(ステップS204:YES)、対応するイベント番号を取得する(ステップS205)。たとえば、1回目のループであれば、図53に示すスイッチカウントテーブルのイベント番号1(EVENT1)を取得する。そして、そのイベント番号を、所定のRAM領域(リングバッファ)に格納し(ステップS206:リングバッファ格納処理)、ループ回数をデクリメントする(ステップS207)。なお、ステップS206のリングバッファ格納処理の詳細については、図39を用いて後述する。
ここで、4回目のループと5回目のループでは、「W_SWEDG4」のビットデータ、すなわち、大入賞口50のスイッチ情報が続けて判定対象となり、4回目のループでは、入賞判定のビット「00001000B(イベント番号4(@EVENT4)対応のビットパターン)」と比較され、5回目のループでは、入賞判定のビット「00010000B(イベント番号5(@EVENT5)対応のビットパターン)」と比較されるが、4回目のループでは「大当り遊技中の大入賞口入賞」であるか否かが特定され、5回目のループでは「小当り遊技中の大入賞口入賞」であるか否かが特定されるようになっている。入賞判定有りの場合、4回目のループであれば「イベント番号4」が取得され、5回目のループであれば「イベント番号5」が取得されることになる。
一方、入賞判定無しの場合(ステップS204:NO)、ステップS205~S206の処理(イベント番号の格納処理)を実行せずに、ループ回数をデクリメントする(ステップS207)。したがって、入賞判定無しの場合、つまり、送信すべき遊技情報の発生がない場合(イベント番号を記憶する事象が発生しない場合)には、イベント番号の格納処理(リングバッファ格納処理)がスキップされるため、イベント番号については、発生順に記憶されていくことになる。
次いで、ループ回数がゼロであるか否かを判定し(ステップS208)、ループ回数がゼロになるまで(スイッチカウントテーブルにおける全スイッチ情報を判定するまで)、ステップS203~ステップS208の処理を繰り返す(ステップS208:NOの処理ルート)。ループ回数がゼロになったならば(ステップS208:NO)、入賞イベント記憶処理を終える。
(リングバッファ格納処理(ステップS206):図39)
図38A中の上記リングバッファ格納処理(ステップS206)について説明する。図39は、上記リングバッファ格納処理の詳細を示すフローチャートである。
(リングバッファについて:図52)
本実施形態では、遊技機情報通知電文の遊技情報に関連するデータを記憶する手段として、「リングバッファ」を用い、イベントの発生順に記憶していくようになっている。この「リングバッファ」について簡単に説明しておく。図52に、シフトバッファとリングバッファの概念図を示す。リングバッファとは、周知のように、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われる「環状式バッファ」のことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶するという機能を持つバッファである(図52(2)参照)。同図(2)に示すリングバッファの場合、「セーブポインタ(リングバッファにデータを書き込むためのアドレス(格納先アドレス)を特定するためのポインタ)」が示すリングバッファのアドレスにデータが書き込まれるようになっており、「ロードポインタ(リングバッファからデータを読み込むためのアドレス(読み込み先アドレス)を特定するためのポインタ)」が示すリングバッファのアドレスからデータが読み込まれるようになっている。
したがって、読み出し可能なデータの長さ、つまり格納されているデータ量は、「“セーブポインタ”-“ロードポインタ”」の長さとなり、図示の場合、データ送信前であれば「08番地-00番地」の8バイトである。また図示のケースにおいて、たとえば、新たなデータが書き込まれない状態で5個のデータを送信した場合(図示の送信後参照)、ロードポインタはデータを1つ読み出す毎にインクリメントされて05番地に更新され、他方、セーブデータは新たなデータが書き込まれていないので、データ送信前の08番地のままである。したがって、このケースの場合、残存データ数は3バイトである。
なお、リングバッファにデータが全く保持されていない状態では(たとえば、初回の電源投入時やRAMクリア時など)、セーブポインタとロードポインタは同じアドレスを示す(たとえば、リングバッファの先頭アドレス(0番地)が格納されている)。以上の点で、リングバッファは、先頭アドレスのデータを読み込むとともに先頭アドレスのバッファをクリアし、次アドレスのデータを先頭アドレスのバッファにシフトして空き領域を作って新たなデータを記憶していくような「シフト式バッファ(シフトバッファ)」とは異なる(図52(1)参照)。なお本実施形態の場合、シフトバッファは、たとえば、保留記憶において利用される(図12のステップS406~S407)。また、リングバッファは、シフトバッファようなシフト処理の必要がなく、処理時間を相対的に短くなるという利点がある。
図39を参照して、CPU201は、まず、セーブポインタの値を取得する(ステップS231)。具体的には、セーブポインタが示すリングバッファのアドレスを取得する。
次いで、リングバッファに空き領域があるか否かを判定する(ステップS232)。
(空き領域がない場合:ステップS232→ステップS239~S242)
空き領域がない場合(ステップS232:NO)、オーバーフロー状態(満タン状態)であるとして、所定のエラー処理(ステップS239~S242)を実行する。オーバーフロー状態が生起した場合にエラー処理を実行する理由については、下記の通りである。
リングバッファの格納されたデータ(イベント番号)は、後述の図40に示す108ms割込処理の実行毎に、遊技機情報通知電文に係る遊技情報(種別情報とカウント情報)の作成に利用され、この遊技情報が枠制御部22に送信されると、当該データはクリアされるようになっている(後述の図46AのステップS175参照、図52(2)参照)。したがって、データが格納されている場合であっても、108ms割込処理の実行毎に空き領域が確保されるようになっており、今回の108ms割込処理が実行されてから次回の108ms割込処理が実行されるまでに、理論上、リングバッファが上記オーバーフロー状態にならない程度の領域が確保されている。入賞の検出は、概ね20ms程度要するため、理論上、108ms内に最大5個程度の入賞を検出可能である。
しかし、何らかの不具合により過剰入賞が発生すれば、上記オーバーフロー状態が生じうる。たとえば、いわゆる「大玉ゴト」のような不正行為が実行された場合に上記オーバーフロー状態が生起しうる。「大玉ゴト」とは、通常(正規)の遊技球よりも大きい遊技球を用いて入賞口のセンサ(検出スイッチ)部分に遊技球を詰まらせ、センサが遊技球を検知可能な状態で不正電波を飛ばしてセンサを誤作動させ、入賞信号を過剰に発生させる不正行為である。
そこで本実施形態では、上記オーバーフロー状態が発生した場合、不正行為による過剰入賞が発生したとみなして、所定のエラー処理を実行し、新たなデータをバッファに蓄積せずに破棄するようになっている(オーバーフロー状態中は、新たなデータを更新記憶しない)。具体的には、オーバーフロー状態が発生すると、エラー処理として、遊技許可フラグをクリアし(ステップS239)、発射停止信号NSを枠制御部22に出力して発射装置32による遊技球の発射を不能にし(ステップS240)、エラーコマンドを演出制御部24に送信する(ステップS241~S242)。これにより、遊技進行処理が強制的に停止状態に制御される。なお、ここで送信されるエラーコマンドは、オーバーフロー状態の発生または不正入賞エラー(過剰入賞エラー)が発生したことを示す情報を含み、演出制御部24が当該エラーコマンドを受けると、そのエラー情報に対応した専用のエラー報知を行う。オーバーフロー状態は、不正行為に起因する可能性が高いという点で、遊技機に重大な影響を及ぼす深刻なエラーであり(エラー報知優先度が相対的に高いエラー)、そのエラー報知は、1つの演出で行うのではなく、光演出、音演出、画像表示演出、および可動体演出のうち少なくとも2つを用いた派手な報知態様で行うことが好ましい。
また、オーバーフロー状態によるエラーは「深刻なエラー」という観点から、単に、遊技機の電源のOFF/ONにより復帰させるのではなく、少なくとも「RAMクリア処理」が実行された場合にエラーを解消させることが好ましい。具体的には、RAMクリアスイッチONによる領域内RAMクリア処理(図33AのステップS025→ステップS031の処理ルート)が実行されるか、または、設定変更処理が実行された場合に(図33AのステップS023→ステップS031の処理ルート)、本エラーを解消可能に構成することが好ましい。
また、オーバーフロー状態を監視する場合、次に述べる利点がある。たとえば、過剰入賞を監視する場合には、所定時間内の入賞の個数(入賞カウント)と閾値(過剰入賞とみなす個数)とを比較判定する処理が必要になるが、バッファのオーバーフロー状態を監視する場合には、単に、記憶領域の空き状態を監視するだけにとどまるため、このような処理が不要なり、制御負担の軽減に繋がる。また、過剰入賞を監視する場合には、通常、大玉ゴト対策として「不正監視用の電波センサ」を入賞口付近に設けることが必要になるが、バッファのオーバーフロー状態を監視する場合には、不正電波を監視する必要がないため、電波センサを設ける必要がなく、コスト削減や設計の容易化に繋がる。
(変形例α:オーバーフロー状態が発生した場合のエラー処理に係る変形例)
なお、上記オーバーフロー状態に係るエラー処理を、次のように構成してもよい。たとえば、オーバーフロー状態である場合(ステップS232:NO)、オーバーフロー状態発生を指定するエラーフラグ(以下「OFエラーフラグ」と称する)をセットし(ON状態)、OFエラーフラグのON/OFF状態を、後続のエラー管理処理(ステップS089)で監視する。エラー管理処理(ステップS089)でOFエラーフラグのON状態が確認された場合に、ステップS239~S242の処理を行うように構成してもよい。
なお本実施形態では、リングバッファを用いているが、シフトバッファを用いてよい。この場合も同様に、シフトバッファ格納領域がオーバーフロー状態となった場合に、所定のエラー処理(ステップS239~S242の処理)を実行すればよい。
(空き領域がある場合:ステップS232→ステップS233~S238)
一方、リングバッファに空き領域がある場合には、遊技動作が正常な動作であるとして、ステップS233以降の処理を順次実行していく。
リングバッファに空き領域がある場合(ステップS232:YES)、セーブポインタが示すアドレスのリングバッファ領域に、取得したイベント番号(図38AのステップS205で取得したデータ)を格納する(ステップS234)。
次いで、セーブポインタ(格納先アドレス)をインクリメントして、リングバッファの格納先アドレスを更新し、次回の格納先アドレスを指定する(ステップS235)。
次いで、更新されたセーブポインタが、リングバッファの最終アドレスを超えたか否かを判定する(ステップS235)。最終アドレスを超えた場合には(ステップS235:YES)、リングバッファの先頭アドレスを取得して(ステップS236)、これをセーブポインタに格納(記憶)する(ステップS237)。しかし、最終アドレスを超えていない場合には(ステップS235:NO)、データ記憶スペースがリングバッファの終端に達していないとして、そのまま、上記更新したアドレスをセーブポインタに格納する(ステップS237)。
そして、情報ストック数をインクリメントする(ステップS238)。情報ストック数とは、現在格納されている遊技情報(「種別情報・カウント情報」:図49参照)の個数であり、データが格納される毎に1加算される。この情報ストック数により、現在の遊技情報数が特定可能となっている。これにより、リングバッファ格納処理を抜けて、図38AのステップS207の処理に進む。
(他の遊技情報の作成の具体例:図38B)
上記したように、入賞(賞球)に関する遊技情報(イベント番号)を設定する際には、入賞の有無をチェックし、入賞があれば(イベントの発生)、遊技進行状態に応じた遊技情報を取得してリングバッファに格納する。他の遊技状態も同様に、イベントが発生したときに、対応するイベント番号を取得しリングバッファに格納すればよい。その一例を、図38Bに示す。
たとえば、図50Dに示すデータ種別9の「図柄確定回数に係る遊技情報」の場合には、図38B(A)に示すように、確定表示時間経過後(ステップS471:YES)、今回停止した特別図柄に対応するイベント番号を取得する(ステップS205A)。なお、いずれの特別図柄が停止したかは、特別図柄変動中フラグの状態をチェックすることにより特定することができる(上記特別図柄1変動中フラグ、特別図柄2変動中フラグのON/OFF状態を判定する)。このイベント番号取得処理では、特別図柄変動中フラグを判定し、今回のイベント取得対象が特図1であれば「イベント番号7(特別図柄1停止1回)」を取得し、特図2であれば「イベント番号8(特別図柄2停止1回)」を取得する(イベント番号の指定内容については、図50D、図54の備考欄参照)。そして、取得したイベント番号をリングバッファに格納し(ステップS206)、以後、ステップS472以降の処理を実行すればよい。
またたとえば、図50Eに示すデータ種別10の「当りに係る遊技情報」の場合には、特別電動役物管理処理(ステップS095)にて、該当するイベント番号を取得すればよい。
具体的には、小当り当選であれば、図38B(B)に示すように、小当り遊技開始時に、「イベント番号11(小当り発生)」を取得し(ステップS205B)、そのイベント番号をリングバッファに格納する(ステップS206)。そして、小当り遊技を開始する際に必要な設定処理を処理を行えばよい。また、大当り当選であれば、図38B(C)に示すように、その大当り開始処理(ステップS505)において、大当り遊技開始時に、イベント番号12(大当り発生)を取得し(ステップS205C)、取得したイベント番号をリングバッファに格納する(ステップS206)。そして、大当り遊技を開始する際に必要な設定処理を行えばよい。
なお、イベント番号を格納するためのリングバッファ格納処理(ステップS206)は制御負担軽減のため、共通処理としてある。
<108ms割込処理:図40>
次に図40を参照して、108ms割込処理について説明する。図40は、108ms割込処理の詳細を示すフローチャートである。
図40において、CPU201は、108msタイマ割込みが生じると、まず、遊技許可フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS111)。遊技許可フラグがON状態でない場合(ステップS111:≠5AH)、何もせずにそのままタイマ割込処理を終了して、次の108ms割込みが発生するまで、主制御側メイン処理を実行する。
一方、遊技許可フラグがON状態である場合(ステップS111:=5AH)、次いで、受信チェック開始フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS112)。この受信チェック開始フラグとは、枠制御部22から遊技機情報応答電文を正しく受信した否かのチェック処理(後述のステップS113~S118の処理)を実行するか否かを指定するフラグで、当該フラグがON状態(5AH)であれば当該チェック処理の実行を指定し、当該フラグがOFF状態(00H)であればチェック処理の非実行(ステップS113~S122の処理をスキップ)を指定する。受信チェック開始フラグは、後述のステップS123の電文送信処理中のステップS133(図41A参照)にてON状態に設定される。したがって、初回の108ms割込み処理実行時に本判定処理の実行時は、受信チェック開始フラグがOFF状態となっており(ステップS112:≠5AH)、上記チェック処理(ステップS113~S122)がスキップされ、後述の電文送信処理(ステップS123)に進むことになる。このように、初回の108ms割込み処理実行時に受信チェック開始フラグをOFF状態としておくのは、当該初回の108ms割込み処理実行時は遊技機情報応答電文のチェックサムを受信していないため、先述のチェック処理(図示のステップS113~S122)をスキップさせる必要だからである。この点で、「受信チェック開始フラグ」は、初回の割り込みか否かを特定するためのフラグとして機能する。
受信チェック開始フラグがON状態である場合は(ステップS112:=5AH)。次いで、通信通番をレジスタ(たとえば、Aレジスタ)に取得する(ステップS113)。この通信通番は、前回の遊技機情報通知電文の送信時の通信通番である。なお、今回送信時には、通信通番は「+1」加算されたものが送信される(後述の図41AのステップS142参照)。
次いで、取得した通信通番に、通信通番を除いた場合の遊技機情報応答電文のチェックサム値の「017H」を加算し(ステップS113)、その加算値(Aレジスタ←通信通番+017H)と、チェックサム値(受信チェックサムRXSUMの値)とが一致するか否かを判定する(ステップS115、ステップS116)。このように、「通信通番+017H」と、受信チェックサムRXSUM値とを比較する理由は次に述べる通りである。
遊技機情報応答電文の受信(枠制御部22からの返信)だけを確認すれば、その内容を一々確認しない、という処理であってもよいが、この場合には、遊技機情報応答電文の内容が果たして正しいものであるかそうでないかまでは確認することができず、電文の送受信という観点からは正確性に欠けてしまう。ここで、既に説明したように、遊技情報通知応答電文を正常に受信している場合のチェックサム値は、『0x05(電文長)+0x12(コマンドコード)+0x00(遊技機設置情報受領結果)+通信通番(0~255のいずれかの値)=通信通番(0~255)+0x17(固定値:017H)』、つまり、通信通番を除くチェックサム値は「017H(以下、「通信通番除外正常時チェックサム値」と称する)」の固定値のはずである。そこで本実施形態では、上記ステップS113~S116の処理において、まず通信通番を取得し(ステップS113)、正常時の上述の固定値「017H」を加算し(ステップS114)する。そして、この加算値と受信チェックサムRXSUMに格納されている値とを比較して(ステップS115)、遊技情報通知応答電文が正しく受信されたか否か(電文が正しく送受信されているかどうか)を判定する、という簡易な手法により、電文が正しく受信された否かを正確に判定できるようにしている(ステップS116)。
ステップS114で取得される加算値(通信通番+通信通番除外正常時チェックサム値(017H))と、受信チェックサムRXSUM値とが一致する場合には(ステップS116:YES)、正常動作である(電文が正しく送受信されている)として、後述の電文送信処理(ステップS123)に進む。しかし、加算値とチェックサム値とが一致しない場合には(ステップS116:NO)、正常動作でないとして、受信ミスカウンタを+1する(ステップS117)。この受信ミスカウンタは、主制御部20が遊技機情報応答電文を正しく受信できなかった場合の回数(受信ミス回数)をカウントするカウンタとして働く。
次いで、受信ミスカウンタ値が所定値(ここでは10回)未満であるか否かを判定する(ステップS118)。本実施形態では、図示の通り、受信ミス回数が累積10回に達した場合、遊技情報通知と遊技情報応答との送受信に異常(電文通信エラー)が発生したとみなし(ステップS118:n≧10)、所定のエラー処理を実行する。具体的には、遊技許可フラグをクリアし(ステップS119)、発射停止信号NSを発射制御基板28に出力、つまり発射制御信号をOFFにして、発射装置32による遊技球の発射を不能(発射動作禁止状態)にする(ステップS120)。
そして、エラーコマンドをセットして(ステップS121)、コマンド送信処理を行う(ステップS122)。ここで送信されるエラーコマンドは、受信エラーが発生したことを示す情報、たとえば、通信回線断を示すエラー情報を含み(通信断エラーコマンド)、演出制御部24が当該エラーコマンドを受けると、演出手段による通信回線断用のエラー報知を行う。この場合、遊技機の電源のOFF/ONにより、再度、電源投入時の処理(図33Aおよび図33B)を実行させることにより、復帰可能なケースもあるが、RAMクリアが必要なケースをも考慮し、単なる遊技機の電源のOFF/ONではなく、上記した不正入賞エラー(バッファのオーバーフロー状態に係るエラー:図39のステップS232、S239~S242参照)のように、RAMクリア処理(図33AのステップS031)が実行された場合に、エラーを解消可能な構成とすることが好ましい。
(変形例β:受信ミスが発生した場合のエラー処理に係る変形例)
なお、変形例として、受信ミスに係るエラー処理を実行する場合(ステップS118の判定結果がYESの場合)、次のように構成してもよい。たとえば、受信ミスカウンタ値が所定値に達した場合、少なくとも受信ミス発生に関するエラーフラグ(以下、「通信断エラーフラグ」と称する)をセット(ON状態)するように構成する。この場合、図36に示す4ms割込処理中の所定の処理(たとえば、エラー管理処理)で、通信断エラーフラグがセットされているか否かを判定する判定処理を設け、当該判定処理で通信断エラーフラグがセットされていると判定した場合、ステップS119~S122の処理を行うように構成してもよい。また、108ms割込処理中で、少なくとも通信断エラーフラグのセットと遊技許可フラグのクリア処理(ステップS119)を実行し、108ms割込処理の機能を実質的に無効化しておき、発射停止やエラーコマンドなどの送信処理(ステップS120~S122)は、図36に示す4ms割込処理に委ねてもよい。なお、本変形例は、後述の第3実施形態についても同様に適用可能である(図47のステップS739~S741および同図のS119~S122参照)。
受信ミス回数が累積10回に達していない場合(ステップS118:n<10)、前回の遊技情報通知と遊技情報応答との送受信が正常であったとして、今回の遊技機情報通知電文の作成・出力処理に係る電文送信処理(ステップS123)を実行し、108ms割込処理を終了して、次の108ms割込みが発生するまで、主制御側メイン処理を実行する。
(変形例γ;受信ミスカウントの変形例)
なお、本実施形態では、エラーとなる受信ミス回数(閾値)を累積10回としているが、本発明はこれに限定されず、適宜な累積回数を定めることができる。また、エラーとする受信ミス回数を所定の累積回数とせずに、受信ミスの連続回数が所定回数(たとえば、10回)に達した場合にエラーとして判定してもよい。受信ミスの連続回数をエラー判定の判断要素とすれば、仮に、偶々何らかの不具合により受信ミスが発生し、その後、正常に受信できた場合に、受信ミスがあったとカウントされないため、過度にエラー処理が実行されてしまうことを回避することができる。本変形例の場合、受信ミスカウンタが所定回数に達する前に正常に受信ができたときは、受信ミスカウンタをクリアする受信ミスカウンタ処理(たとえば、図40に示す破線のステップS123Aの処理を追加する:図中の備考欄の変形例γ参照)を設ければよい。なお、本変形例については、後述の第3実施形態についても同様の処理内容を適用することができる(たとえば、後述の図47のステップSS741の処理後、図40に示す破線のステップS123Aの処理を設ける)。
(電文送信処理:図41A~図41B)
図41Aおよび図41Bを参照して、上記電文送信処理(ステップS123)について説明する。図41Aおよび図41Bは、電文送信処理の詳細を示すフローチャートであり、図41Aは電文送信処理の前半部を、図41Bは電文送信処理の後半部を示すフローチャートである。この電文送信処理は、遊技機情報通知電文を枠制御部22に送信するための処理を中心に構成される。
図41Aおよび図41Bにおいて、CPU201は、まず、受信チェックサム用レジスタ(たとえば、Cレジスタ)クリアし(ステップS131)、受信チェックサムRXSUMをクリアする(ステップS132)。受信チェックサム用レジスタの値は、主に、後述のステップS156~S157にて、遊技機情報通知電文に係るチェックサムを枠制御部22に送信する際に利用される。
なお、受信チェックサムRXSUMをクリアする目的は、枠制御部22からの遊技機情報応答電文の送信が途絶えた場合、受信チェックサムRXSUMがそのままの値が保持され、正常であると判断される恐れがあるためである。しかし本実施形態では、受信チェックサムRXSUMの値は遊技機情報通知電文を送信する毎に異なる値に更新されるため(通信通番が0~255の値をとるため(前回のチェックサム値が+1ずつ更新されるため))、受信チェックサムRXSUMをクリアしなくてもよい。
次いで、受信チェック開始フラグをON状態(5AH)に設定する(ステップS133)。
(電文長送信:ステップS134~S139)
次いで、遊技機情報通知電文に係る電文長(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS134~S139)。ここでは、まずRAM203の所定領域(情報ストック数格納領域)に記憶されている「情報ストック数」を所定のレジスタ(ここでは、Wレジスタ)に取得する(ステップS134)。この情報ストック数により、今回送信する遊技情報数が指定される。
次いで、取得した情報ストック数が最大送信数より多いか否かを判定する(ステップS135)。本実施形態では、1回で送信可能な遊技情報数が「最大5個」であるため、ステップS135の判定処理では、取得した情報ストック数が6個未満(5個以下)であるか否かを判定している。
情報ストック数が最大送信数(5個)より多い場合には(ステップS135:情報ストック数≧6)、遊技情報(種別情報・カウント情報)の送信個数を制限するために、取得した情報ストック数を5個に補正する(ステップS136)。具体的には、情報ストック数を保持したレジスタ(本例では、Wレジスタ)に「05H」をセット(5個に更新)する。一方、情報ストック数が6個未満、つまり最大送信数(5個)以下の場合には(ステップS135:情報ストック数<6)、ステップS136の補正処理をスキップして(ステップS136)、ステップS137の処理に進む。
ステップS137の処理では、情報ストック数を2倍する(ステップS137)。具体的には、AレジスタにWレジスタの値を転送し、Aレジスタの値を2倍する。「情報ストック数を2倍する」のは、1個の遊技情報(種別情報・カウント情報)につき2バイトを要するためであり(図49参照)、遊技情報がn個であれば「情報ストック数×2バイト」分、電文長が増加するためである。
次いで、ステップS137で2倍した情報ストック数(Aレジスタ)に対して、所定値として「09H」を加算する(ステップS138)。この「09H」を加算する理由は、遊技機情報通知電文の電文長が、遊技情報数に関係なく、最低で9バイト必要なためである。詳述すれば、遊技機情報通知電文に係る各データのデータ長さは、遊技情報(種別情報・カウント情報)を除き、「電文長(1バイト)+コマンドコード(1バイト)+通信連番(1バイト)+遊技状態情報(2バイト)+エラー状態情報(1バイト)+不正検知状態情報(1バイト)+遊技情報数(1バイト)+チェックサム(1バイト)=9バイト」である。したがって、実際の遊技機情報通知電文のデータ長は、この9バイトと、遊技情報のデータ長(情報ストック数×2バイト)とを合計値であり、この合計値が今回の遊技機情報通知電文の電文長の情報として、枠制御部22に送信する必要があるためである。
次いで、シリアル出力処理(ステップS139)を実行する。これにより、今回の遊技機情報通知電文の電文長情報が枠制御部22に送信される。
(シリアル出力処理:図42)
図42に上記「シリアル出力処理」の詳細を示す。図42に示すように、シリアル出力処理は、シリアル送信用の送信シリアルポートバッファから取得した情報(ここでは、Aレジスタの値)を出力させる出力処理(ステップS161)と、当該情報(Aレジスタの値)を、受信チェックサム用レジスタ(Cレジスタ)に加算するチェックサム加算処理(ステップS162)とから構成される。
なお、上記シリアル出力処理は、ステップS139の他、後述のS141、S144、S146、S148、S150、S152、S154、S155(図46BのS183、S185)、およびS157で共通処理となっている。
また、上記シリアル出力処理では、チェックサム加算処理が実行される毎に、受信チェックサム用レジスタに、送信データ情報(Aレジスタの値)が加算されていき、後述するステップS155のリングバッファ送信処理中のシリアル出力処理(後述の図46B中のステップS183、S185)が実行されると、受信チェックサム用レジスタの値が、今回の遊技機情報通知電文に係るチェックサム(電文長~遊技情報までを加算した値)として算出されることになる。算出されたチェックサム値は、後述の図41BのステップS157のシリアル出力処理(チェックサム送信処理)によって「チェックサム情報」として枠制御部22に送信される。
(コマンドコード送信:ステップS140~S141)
次いで、コマンドコード(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS140~S141)。ここでは、まず、遊技機情報通知電文に係るコマンドコード(コマンド情報)の固定値(0x02(02H))をAレジスタにセットし(ステップS140)、次いで、図42に示すシリアル出力処理(ステップS141)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文のコマンド情報が枠制御部22に送信される。
(通信通番送信:ステップS142~S144)
次いで、通信通番(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS142~S144)。ここでは、まず、通信通番をインクリメントし(通信通番RAM領域の値+1)(ステップS142)、その通信通番をAレジスタにセットする(ステップS143)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS144)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文の通信通番(シーケンス番号)が枠制御部22に送信される。
(主制御状態1送信:ステップS145~S146)
次いで、主制御状態1(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS145~S146)。ここでは、まず、主制御状態1をAレジスタにセットする(ステップS145)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS146)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文の主制御状態1が枠制御部22に送信される。
(主制御状態2送信:ステップS147~S148)
次いで、主制御状態2(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS147~S148)。ここでは、まず、主制御状態2をAレジスタにセットする(ステップS147)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS148)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文の主制御状態2が枠制御部22に送信される。
(遊技機エラー状態送信:ステップS149~S150)
次いで、遊技機エラー状態(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS149~S150)。ここでは、まず、遊技機エラー状態をAレジスタにセットする(ステップS149)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS150)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文の遊技機エラー状態が枠制御部22に送信される。
(不正検知状態送信:ステップS151~S152)
次いで、不正検知状態(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS151~S152)。ここでは、まず、不正検知状態をAレジスタにセットする(ステップS151)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS152)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文の不正検知状態が枠制御部22に送信される。
(情報ストック数(遊技情報数)送信:ステップS153~S154)
次いで、遊技情報数(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS153~S154)。ここでは、まず、情報ストック数をAレジスタにセットする(ステップS153)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS154)を実行する。これにより、受信チェックサム用レジスタが更新されるとともに、今回の遊技機情報通知電文の遊技情報数が枠制御部22に送信される。なお、情報ストック数は、Wレジスタ(図41AのステップS134~S137参照)の値を取得する。
次いで、リングバッファ送信処理を実行する(ステップS155)。リングバッファ送信処理では、リングバッファに格納されている遊技情報(種別情報とカウント情報)を枠制御部22に送信するための処理を行う。リングバッファ送信処理の詳細は、図46Aおよび図46Bを用いて後述する。
(チェックサム送信:ステップS156~S157)
次いで、チェックサム(1バイト)の情報を出力するための処理を実行する(ステップS156~S157)。ここでは、まず、チェックサム用レジスタ(Cレジスタ)の値をAレジスタにセットする(ステップS156)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS157)を実行する。これにより、今回の遊技機情報通知電文のチェックサムが枠制御部22に送信される。なお、ステップS157のシリアル出力処理が実行された際に得られるチェックサム用レジスタの値は、次回の108ms割込処理の開始時(図41AのステップS131)にてクリアされるようになっている。
(リングバッファ送信処理:図43Aおよび図43B)。
図43Aおよび図43Bを参照して、図41B中のリングバッファ送信処理(ステップS155)について説明する。図43Aおよび図43Bは、リングバッファ送信処理の詳細を示すフローチャートであり、図43Aはリングバッファ送信処理の前半部を、図43Bはリングバッファ送信処理の後半部を示すフローチャートである。
図43Aおよび図43Bを参照して、CPU201は、まず、ループ回数として「5回」をセットする(ステップS171)。このループ回数「5回」は、上記最大送信数の5個を指定する値である。
次いで、ロードポインタの値を取得する(ステップS172)。具体的には、ロードポインタが示すリングバッファのアドレスを取得する。
次いで、ステップS172で取得したアドレスが示すリングバッファの値を取得する(ステップ173)。ここで取得される内容は上記「イベント番号」となっている。
次いで、取得したリングバッファの値がゼロでないか否かを判定する(ステップS174)。リングバッファの値がゼロであれば(ステップS174:NO)、データが無い状態であるので、何もせずにリングバッファ送信処理を抜ける。
一方、取得したリングバッファの値がゼロでなければ(ステップS174:YES)、読み込んだリングバッファの該当領域をクリアし(ステップS175)、ロードポイント(読み込み先アドレス)をインクリメントして、リングバッファの読み込み先アドレスを更新し、次回の読み込み先アドレスを指定する(ステップS176)。
次いで、更新されたロードポインタが、リングバッファの最終アドレスを超えたか否かを判定する(ステップS177)。最終アドレスを超えた場合には(ステップS177:YES)、リングバッファの先頭アドレスを取得して(ステップS178)、これをロードポインタに格納(記憶)する(ステップS179)。しかし、最終アドレスを超えていない場合には(ステップS177:NO)、データ記憶スペースがリングバッファの終端に達していないとして、そのまま、上記更新したアドレスをロードポインタに格納する(ステップS179)。
次いで、図54に示す「遊技情報テーブル(種別情報+カウント情報テーブル)」を取得し(ステップS180)、遊技情報テーブルを参照して、ステップS173で取得したリングバッファの値、つまり「イベント番号」に対応する“種別情報”と“カウント情報”のコマンドデータを取得する(ステップS181)。
<遊技情報テーブル(種別情報+カウント情報テーブル):図54>
図54に、遊技情報テーブルの一例を示す。なお、図54に示す遊技情報テーブルは、実際には、枠制御部22に送信すべき遊技情報(図50A~図50F)に関するコマンドデータ群が定められているが、ここでは本発明と関連の深い遊技情報を代表的に示してある。
図54を参照して、遊技情報テーブルには、イベント番号に対応した遊技情報が定められている。具体的には、図示の通り、上位1バイトの種別情報と、下位1バイトのカウント情報から構成される遊技情報(2バイト)データが、イベント番号1~18に対応して定められている。たとえば、イベント番号1に対応するコマンドデータは「1131H」となっており、このコマンドデータ「1131H」は、「3個賞球の上始動口34に1個入賞」を指定する。たとえば、図50B(例1)の「3個賞球の上始動口34に2個入賞した場合」には、リングバッファにイベント番号1がイベント発生順に、連続的または間欠的に格納されているケースであり、このコマンドデータ「1131H」が1つずつ送信されることで、枠制御部22側は、3個賞球の上始動口34への入賞が2回発生したことを把握することができる。重複記載を避けるために他のイベント番号についての詳細は省略する。なお、イベント番号の内容については、図示の備考欄に示す通りである。
本実施形態では、イベント発生時に、先ず、遊技情報を特定可能な「イベント番号(1バイト)」を取得し、これをリングバッファ(各1バイトの領域)に格納していく。そして、遊技情報(2バイト)の送信が必要なタイミングで、リングバッファからイベント番号に対応する遊技情報(種別情報、カウント情報)を取得し、これを枠制御部22側に送信するが、斯様なイベント番号を利用する処理構成の場合には、次に述べる利点がある。
イベント発生時に、2バイト構成の遊技情報(種別情報、カウント情報)を作成・取得して、これをリングバッファに格納するとすれば、種別情報とカウント情報とをそれぞれ取得し、これらをリングバッファに格納する処理を要する。しかしこの場合、種別情報とカウント情報とを取得、送信する処理が煩雑化し、またリングバッファに設けた個々の格納領域が2バイト必要となってしまう等、プログラム容量の増加やRAM領域を圧迫してしまい、制御負担が増大してしまう。しかし本実施形態のようなイベント番号を利用すれば、簡易な方法により遊技情報の取得・送信等を行うことができ、またバッファの容量を低減させることでき、RAM領域を圧迫してしまうことを防止できる。また、新機種設計の際には、遊技情報テーブルの書き換え等による簡易な作業で済ませることが可能になり、旧機種と新機種との間で汎用性を持たせることができる。
(種別情報送信:ステップS182~S183)
次いで、種別情報(1バイト)のコマンドデータを出力するための処理を実行する(ステップS156~S157)。ここでは、まず、遊技情報テーブルから取得した種別情報(上位1バイトのコマンドデータ)をAレジスタにセットする(ステップS182)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS183)を実行する。これにより、今回の遊技機情報通知電文の種別情報が枠制御部22に送信される。
(カウント情報送信:ステップS184~S185)
次いで、カウント情報(1バイト)のコマンドデータを出力するための処理を実行する(ステップS184~S185)。ここでは、まず、遊技情報テーブルから取得したカウント情報(下位1バイトのコマンドデータ)をAレジスタにセットする(ステップS184)。そして、図42に示すシリアル出力処理(ステップS185)を実行する。これにより、今回の遊技機情報通知電文のカウント情報が枠制御部22に送信される。
上記種別情報とカウント情報の送信処理を終えると、次いで、情報ストック数をデクリメントするとともに(ステップS186)、ループ回数をデクリメントする(ステップS187)。
次いで、ループ回数(送信数)がゼロであるか否かを判定し(ステップS188)、ループ回数がゼロになるまで、ステップS172~S188の処理を繰り返す(ステップS188:NOの処理ルート)。ループ回数がゼロになったならば(ステップS208:YES)、リングバッファ送信処理を抜ける。本実施形態では、上記ステップS171の処理、情報ストック数とは無関係に、ループ回数として最大送信数(5回)をセットし、ループ回数がゼロにならなくても、上記ステップS172で取得したバッファの値がゼロ、つまり何も格納されていない状態であれば、ステップS174の判定処理の結果が”NO“となり、リングバッファ送信処理を抜けることになる。このようにすれば、一々、情報ストック数をチェックし、その情報ストック数に応じたループ回数をセットせずとも、ループ回数として最大送信数(5回)をセットしておけば事足りるため、設計が容易になり、また、主制御部20の制御負担を軽減させることができる。
(変形例δ)
なお、チェックサム異常(受信ミス)が生じた場合に備えて、今回送信する遊技機情報通知電文の内容を再送信用のデータとして、RAM203の所定領域(電文情報退避領域)に格納しておく処理を設け、受信ミスがあった場合には、その電文情報退避領域から再送信用のデータを読み出し、これを枠制御部22側に送信可能な構成としてもよい。この場合、再度同じ通信通番を送信することになるため、枠制御部22側は、再送信に係る遊技機情報電文であること把握することができる。枠制御部22側は、再送信に係る遊技機情報電文を受信した場合、再送信に基づく処理を行うように構成すればよい(新たな情報を受信したとして処理を行わないように構成する)。
また、再送信のデータとして、少なくとも「遊技情報(種別情報+カウント情報)」を電文情報退避領域に格納しておいてもよい。遊技情報は、持ち球数や性能情報に影響を及ぼす重要な情報だからである。たとえば、ステップS173で取得したリングバッファの内容がゼロでない場合(送信電文情報が格納されている場合)、ステップS175のリングバッファ該当領域をクリアする処理の前段階において、今回送信する内容を遊技情報退避領域に格納しておく。そして、受信ミスがあった場合には、遊技情報退避領域から再送信用のデータを読み出して、その再送信用のデータに対応する遊技情報(種別情報+カウント情報)を含んだ遊技機情報通知電文を送信する。このようにすれば、再送信用のデータとして、遊技機情報電文に係る全てのデータを格納しておく必要がなく、制御負担の軽減に繋がる。ただしこの場合、枠制御部22側が新たな遊技機情報通知電文を受信したとして処理してしまうことを避けるために、再送信であることを特定可能な情報を送信し、枠制御部22側が再送信データであることを把握できるようにする。再送信であることを特定可能な情報としては、たとえば、固定値であるコマンドコードを再送信用の特定値とするなどがあるが、枠制御部22側が再送信であることが把握できる情報であればよい。なお本変形例(変形例δ)は、後述の第3実施形態についても同様に適用することができるのは勿論のことである。
[第3の実施形態]
<主制御部側の処理:図44~図47>
次に図44~図47を参照して、第3実施形態に係る主制御部20側の遊技動作処理について説明する。この第3実施形態も上記第2実施形態と同じく、無限ループ状のメイン処理(主制御側メイン処理)と、CTCからの定時割込みで起動される2つのタイマ割込処理とを中心的に構成されるが、第3実施形態が上記第2実施形態と大きく異なる点は、タイマ割込処理が、「図36に示す4ms割込処理(第2実施形態と同様)」と、第2実施形態の「108ms割込処理(図40)」に対して割り込み時間が半分の「54ms割込処理(図45)」とで構成されている点である。
詳述すれば、この第3実施形態の場合、第2実施形態の「108ms割込処理(図40)」に相当する処理を複数に分割して実行する処理形態としている。具体的には、1回の割込処理は「電文送信処理」に割り当て、2回の割込処理は「電文受信処理」に割り当て、電文の送信、受信処理を交互に行い、108ms毎に、遊技機情報通知電文を枠制御部22に送信し、遊技機情報応答電文を受信する構成となっている。この点、108ms毎に、電文の送信、受信処理を行う上記した第2実施形態と同じである。
この第3実施形態において、4ms割込処理は、54ms割込処理よりも優先順位が高く設定されている。この点は、第2実施形態で説明した、4ms割込処理と108ms割込処理の関係と同義である。なお、優先順位の低い54ms割込処理の実行中に、優先順位の高い4ms割込処理を実行する多重割り込みを許可する構成としてもよい。また、54ms割込処理を実行する際に割り込み禁止状態に設定し、当該処理を終えた後で割り込み許可状態に設定してもよい。この場合、54ms割込処理中に、4ms割込処理の割り込み要求があった場合には、54ms割込処理を終えた後に直ちに4ms割込処理を実行可能な構成としてもよい。
以下、図44~図47を用いて、第3実施形態について説明する。ただし、第2実施形態と実質的に同じ処理内容について説明は重複記載を避けるために適宜省略する。
<12B.主制御側メイン処理:図44>
図44を参照して、本実施形態に係る主制御側メイン処理について説明する。図44は主制御側メイン処理の後半部の詳細を示すフローチャートである。なお、主制御側メイン処理の前半部は、第2実施形態の図33Aに示す主制御側メイン処理の前半部と同様であるため、図示を省略する。また、図44において、第2実施形態の図33Bに示す主制御側メイン処理のと同じ処理については同じステップ番号を付してある。
図44を参照して、第2実施形態(図33B)と異なる点は、ステップS060Aの処理で、送受信関係のRAM領域として、通信通番RAM、受信ミスカウンタ、後述の送受信選択カウンタなどをクリアする点(送信用リングバッファ、リングバッファの最終アドレスを示す最終アドレスRAM領域、ロードポインタ・セーブポインタなどはクリアしない点は同じである)と、ステップS061Aの処理にて、4ms毎および54ms毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定処理を実行する点と、通常の遊技進行に係る遊技処理の無限ループ処理中に、ステップS046~S047の処理が無い点である。図44に示す他の処理は、第2実施形態で説明した図33Bに示す処理と同じであるので、重複記載を避けるために、その詳細な説明は省略する。なお、ステップS046~S043の処理に関連する処理(遊技機情報応答電文のチェックサムデータを取得する処理)は、後述の図45に示す54ms割込処理中の電文受信処理(ステップS702)で行う。
<54ms割込処理:図45>
次に図45を参照して、54ms割込処理について説明する。図45は、54ms割込処理の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態では、54msごとに割込処理を実行し、遊技機情報通知電文を送信する電文送信処理と、遊技機情報応答電文を受信する電文受信処理とを交互に繰り返すようになっている。すなわち、108ms毎に、遊技機情報通知電文を送信し、遊技機情報応答電文を受信する。この点、108ms毎に、遊技機情報通知電文の送信処理と、遊技機情報応答電文の受信処理とを一括して行う上記第2実施形態とは異なる。
図45において、CPU201は、まず、送受信選択カウンタをインクリメントする(ステップS701)。この送受信選択カウンタとは、54ms割込処理毎に、電文送信処理を実行させるか、電文送信処理を実行させるかを指定するためのカウンタである。本実施形態の場合、送受信選択カウンタの最下位ビット(LSB)が「1」であれば(ステップS702:YES)、電文送信処理(ステップS703)を実行し、「0」であれば(ステップS702:NO)、電文受信処理(ステップS704)を実行する。したがって、初回は電文送信処理(ステップS703)が実行される。
(電文送信処理(ステップS703):図46A~図46B)
図46Aおよび図46Bを参照して、上記電文送信処理(ステップS703)について説明する。図46Aおよび図46Bは、電文送信処理の詳細を示すフローチャートであり、図46Aは電文送信処理の前半部を、図46Bは電文送信処理の後半部を示すフローチャートである。
図46Aおよび図46Bに示す通り、本実施形態に係る電文送信処理は、第2実施形態の図41Aおよび図41Bに示す電文送信処理中のステップS132~S133の処理が設けられていない点を除き、実質的に同じ処理内容である。したがって、ここでは、図41Aおよび図41Bで説明した処理内容と同じ処理内容については、重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
本実施形態の場合、先述したように、第2実施形態の図40に示す108ms割込処理を、電文送信処理と電文受信処理とに分割し、これらの処理を54ms割込処理毎に交互に実行させる構成であり、詳しくは、図40に示す108ms割込処理中の上記チェック処理(図40のステップS113~S122参照)に相当する処理が、ステップS704の電文受信処理(後述の図47参照)で実行され、同108ms割込処理中のステップS123の電文送信処理に相当する処理が、ステップS703の電文送信処理で実行されるようになっている。このような処理の性質上、上記第2実施形態における受信チェック開始フラグを設ける必要が無く(ステップS133を設ける必要が無い)、また、チェックサム判定に係る受信チェックサムRXSUMも必要がないため(ステップS132の処理を設ける必要が無い)、図41Aに示すステップS132~S133の処理は、設けられていない。
(電文受信処理(ステップS703):図47)
次に、図47を参照して、上記電文受信処理(ステップS704)について説明する。図47は、電文受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図47において、CPU201は、まず、遊技許可フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する(ステップS731)。遊技許可フラグがON状態でない場合(ステップS731:≠5AH)、何もせずにそのままタイマ割込処理を終了する。
一方、遊技許可フラグがON状態である場合(ステップS111:=5AH)、次いで、受信データとして、「遊技機情報応答電文」の受信データの有無を判定する(ステップS0732)。遊技機情報応答電文の受信データの有無は、既に説明したように、受信バッファステータスの値をチェックすることにより行う。受信バッファステータスの値がゼロ(00H)であれば受信データ無しを示し、01H~16Hであれば受信データ1バイト有り~受信データ16バイト有りを示す。
ここで、前回の54ms割込処理の電文送信処理(ステップS703)にて遊技機情報通知電文が送信され、今回の54ms割込処理が実行されるまでの54ms間は、当該遊技機情報通知電文に対する遊技機情報応答電文を受信するまでに十分な時間間隔となっている。したがって、当該遊技機情報通知電文に対する遊技機情報応答電文が既に受信済みになっているはずである。そこで、受信データが無い場合には(ステップS732)、後述のステップS741の処理(受信ミス回数判定処理)に進む。
一方、受信データが有る場合には(ステップS732)、受信バッファステータスの値(受信データ数)をループ回数としてセットする(ステップS733)。
次いで、通信通番をレジスタ(たとえば、Wレジスタ)に取得し(ステップS735)、取得した通信通番に、通信通番を除く、遊技機情報応答電文のチェックサム値の「017H」を加算する(ステップS735)。このステップS735~S736の処理は、上記第2実施形態の図40に示すステップS114~S115の処理と同様の処理内容である。
次いで、ループ回数がゼロになるまで、受信シリアルポートバッファの受信データをレジスタ(たとえば、Aレジスタ)にロードし続ける(ステップS736)。ここでは、“遊技機情報応答電文の最後のデータ(5バイト目)がチェックサムであること”を利用して(図51参照)、その遊技機情報応答電文に係る「電文長(1バイト)、コマンドコード(1バイト)、通信通番(1バイト)、遊技情報受領結果(1バイト)、およびチェックサム(1バイト)」の5バイト分の値を、順次、Aレジスタにロードし続ける。これにより、最終的にAレジスタに保持されているデータは、今回受信した遊技機情報応答電文のチェックサムデータとなる。したがって、何らかの不具合が発生した場合、たとえば、受信データが5バイト未満の場合(ループ回数が5回未満)やデータの送受信時に不具合が生じてしまうと、遊技機情報応答電文に係るチェックサム値が正しく取得されず、次に述べるステップS739の判定結果が“NO”となり、受信エラーとして扱うようになっている。
次いで、ステップS735で取得される「加算値(通信通番+通信通番除外正常時チェックサム値(017H):ここでは、Wレジスタの値)」と、ステップS736~S737のループ処理で得られた「チェックサム値(ここでは、Aレジスタの値)」とを比較判定し、これらの値がが一致する場合には(ステップS739:YES)、正常動作である(遊技情報通知応答電文が正しく受信されている(電文が正しく送受信されている))として、電文受信処理を抜けて、54ms割込処理を終える。
しかし、加算値とチェックサム値とが一致しない場合には(ステップS739:NO)、正常動作でないとして、受信ミスカウンタを+1する(ステップS740)。
次いで、受信ミスカウンタ値が所定値(ここでは10回)未満であるか否かを判定する(ステップS741)。本実施形態では、上記第2実施形態と同じく、受信ミス回数が累積10回に達した場合、遊技情報通知と遊技情報応答との送受信に異常(電文通信エラー)が発生したとみなし(ステップS741:n≧10)、ステップS119~S122の所定のエラー処理を実行する。このエラー処理は、図40と同じ処理内容となっている。
一方、受信ミス回数が累積10回に達していない場合(ステップS741:n<10)、電文受信処理を抜けて、54ms割込処理を終える。
(変形例ε)
なお、第2実施形態は定時的な割り込みにより108ms割込処理を実行し、第3実施形態も同様に54ms割込処理を実行し、いずれも108msのサイクルで、電文の送信、受信を行っているが、次のように構成してもよい。たとえば、4ms割込処理の起動回数(発生回数)をカウントし、所定回数(たとえば、26回目)に達したときに、電文の送信処理または受信処理を実行する、といったように、4ms割込処理の起動回数(実行回数)に基づいて、電文の送信、受信処理を実行可能な構成としてもよい。電文の送信処理または受信処理を実行する際は、4ms割込処理に割込む形で実行させるのではなく、4ms割込処理を優先して実行させ、その後に直ちに実行させることが好ましい。
(唐揚A)「遊技球数表示装置77による持ち球数表示について:図55、図56」
ここで、遊技球数表示装置77による持ち球数表示態様について説明する。
本実施形態では、持ち球数のカウント領域として、枠制御RAMに、3バイト分の遊技球数記憶領域(3バイト遊技球数記憶領域)が設けられている。したがって、持ち球数は最大1677216個までカウント可能であるが、遊技機の出玉性能上、実際のパチンコホールの1日の営業中において数十万個を超えるような値まで持ち球が増えることは非常に稀であり、また近年では「のめり込み防止」対策の観点から、いわゆる「安全装置」を搭載することが検討されている。この安全装置は「コンプリート機能」とも称され、上記「のめり込み防止」対策の一つとして、或る遊技期間(たとえば、パチンコホール店における1日の営業中(電源ON(電源投入)から電源OFF(電源遮断)までの間))において、所定の方法で計測される差玉数が、安全装置作動契機球数に達した場合、それ以降は、遊技実行不能状態(打ち止め状態)に制御する機能である。差玉数の計測は、いわゆる「MY値(MYカウント方式)」や「純増玉数」など種々の方法があるが、たとえば、所定の計測による差玉数が「99950個」になった場合に、安全装置が作動して、それ以上は遊技実行を不可とする遊技実行不能状態に制御される。遊技実行不能状態としては、たとえば、主制御部20が発射制御信号をOFFにして、発射装置32による発射動作を禁止(発射強制停止)するなどがその代表例である。
本実施形態に係る遊技球数表示装置77では、上述したパチンコホール店における1日の営業中に獲得可能な遊技球数や上記安全装置が搭載される点を考慮し、10進数で最大6桁(0~999999個)までの持ち球数を、表示可能な構成としている。
なお、遊技球数表示装置77には、7セグメントLED(7セグ表示器)、液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置(OELD)、電子ペーパー表示装置(EPD)などの表示装置を採用することが考えられるが、コスト面や制御負担の軽減の観点から、本実施形態では、7セグ表示器を採用している。遊技球数表示装置77は、表示部と回路部がユニット化された7セグメントLEDを6個横に並べ、6桁の数字を表示可能な7セグ表示器を構成する。たとえば、持ち球数が現在「10050」個であれば、「10050」と表示され、現在「1050個」であれば「001050」と表示される。
(唐揚B)「遊技球数表示装置による持ち球数表示態様の問題点」
ところで、遊技球数表示装置77に持ち球数(遊技情報に関連する数値表示)を表示する際、たとえば、上述の「1050個」の持ち球数を表示する場合に上記のように「001050」と表示されると、遊技者が上2桁の「0」の表示を煩わしく感じたり、現在の持ち球数がぱっと見て見辛い、といった懸念がある。このような事情に鑑み、上述の「1050個」の例では、上2桁の「00」は表示させずに(消灯させる)、「1050」だけ表示させることが好ましい。
そこで本実施形態に係る遊技球数表示装置77では、現在の持ち球数を表示する場合に、全桁数(ここでは、6桁)のうち、当該持ち球数が表示される最大桁目よりも上位桁については、「0」を表示せずに消灯させるようにしている。たとえば、現在「1050個」の持ち球数である場合は、上記最大桁目は4桁目となるので、それより上位桁である5~6桁目は「0」を表示せずに消灯させる。このように、内部的に管理される数値情報を、遊技機に設けられた表示装置に表示する場合(外部表示する場合)、不要な数値情報を消灯データまたは他の表示データに変換して表示させる処理を、ここでは「不要数値変換表示処理」と称する。
(持ち球表示処理:図55)
次に、遊技球数表示装置77に対する表示処理(持ち球表示処理)について説明する。図55は、持ち球表示処理を示すフローチャートである。
図55において、枠制御部22(枠制御CPU)は、3バイト遊技球数記憶領域から持ち球数情報(持ち球数データ)を取得する(ステップS1201)。既に説明したように、枠制御部22は、持ち球数をリアルタイムに計測して、その計測した持ち球数(現在の持ち球数)を枠制御RAM内の所定記憶領域(3バイト遊技球数記憶領域)に記憶させるようになっている。たとえば、現在の持ち球数が「1050個」である場合、3バイト遊技球数記憶領域には「0x00041A」が持ち球数情報として記憶される。以下、本処理の説明において、現在の持ち球数が「1050個」の例を代表例にとり説明していく。
次いで、取得した持ち球数情報(16進数情報)を10進数情報に変換し、その変換した持ち球数情報を、遊技球数表示バッファに格納する(10進数変換処理:ステップS1201)。この遊技球数表示バッファは6バイトで構成され、6桁分の持ち球数を記憶可能な記憶領域として「遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目」が確保されている。したがって、現在の持ち球数が「1050個(3バイト表記=0x00041A)」の場合には、遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目には、それぞれ、次のような持ち球数情報が格納される。
『6桁目』遊技球数表示バッファ6桁目=0(0x00)
『5桁目』遊技球数表示バッファ5桁目=0(0x00)
『4桁目』遊技球数表示バッファ4桁目=1(0x01)
『3桁目』遊技球数表示バッファ3桁目=0(0x00)
『2桁目』遊技球数表示バッファ2桁目=5(0x05)
『1桁目』遊技球数表示バッファ1桁目=0(0x00)
次いで、判定回数Nに桁数Mから1減算した値(N←M-1)を設定する(ステップS1203)。本実施形態では、桁数が6桁であるので、判定回数Nには「5」が設定される。判定回数Nに「桁数-1」を設定する点については、追って説明する。
次いで、M桁目の遊技球数表示バッファの値を取得する(ステップS1204)。最初に本処理を通過する場合には、上1桁目の遊技球数表示バッファ、つまり6桁目の遊技球数表示バッファ(上記遊技球数表示バッファ6桁目)の値が取得されることになる。この例(持ち球数「1050個」の例)では、6桁目の「0」が取得される。
次いで、取得した値(取得値)が「0」であるか否かを判定する(ステップS1205)。
(取得値が「0」である場合:ステップS1205がYESの処理ルート)
取得値が「0」である場合(ステップS1205:YES)、判定回数Nが0であるか否かを判定する(ステップS1206)。ここでは、現在の持ち球数が「1050個」の例を説明しているので、最初にステップS1205の処理を通過する場合は、その判定結果は“YES”となり(取得値=0(6桁目))、また「N=5」であるため、ステップS1206の判定結果は“NO”となる。したがって、この場合は、次のステップS1207の処理が実行される。
ステップS1207では、M桁目の遊技球数表示バッファに「0x0A(0AH)」を設定する(ステップS1207)。詳細は後述するが、本処理で設定される値は、後述のステップS1210の遊技球数表示データ変換処理にて、図56に示す遊技球表示器表示変換テーブルから特定の表示データを取得する際のオフセット値として利用される。オフセット値が「0x0A」の場合は、表示データとして消灯用データが取得されるようになっている(後述のステップS1210、図56参照)。以下、本処理で設定される「0x0A(0AH)」を「消灯用オフセット値」とも称する。
次いで、現在の判定回数Nおよび桁数Mをそれぞれデクリメントし(ステップS1208、S1209)、ステップS1204の処理に戻る。最初に本処理を通過する場合には、「N=5」、「M=6」であるので、ステップS1208、S1209の減算処理により、「N=4」、「M=5」となる。したがって、2回目のステップS1204が実行される際には、5桁目の遊技球数表示バッファ(上記遊技球数表示バッファ5桁目)の値(ここでは、「0」)が取得され、再度、ステップS1207~S1209の処理が実行されることになる。
(取得値が「0」でない場合:ステップS1205の判定結果がNOの処理ルート)
取得値が「0」でない場合(ステップS1205:NO)、ステップS1210に進み、後述の遊技球表示テータ変換処理を実行する。この場合は、遊技球数表示バッファの値が10進数変換処理にて得られた値のまま、後述の遊技球表示テータ変換処理が実行されることになる。現在の持ち球数が「1050個」の例では、4桁目の遊技球数表示バッファ(上記遊技球数表示バッファ4桁目)の取得値が「1」であるので、「N=3」、「M=4」の段階で、ステップS1205~S1209のループ処理を抜けて(ステップS1205:NO)、遊技球表示テータ変換処理(ステップS1210)が実行される。
(取得値が「0」である場合であって、判定回数Nが「0」となった場合:ステップS1206の判定結果がNOの処理ルート)
取得値が「0」である場合であって(ステップS1205:YES)、判定回数Nが「0」となった場合(ステップS1206:NO)、ステップS1210に進み、後述の遊技球表示テータ変換処理を実行する。この場合は、6桁目~1桁目までがすべて「0」である場合であり、持ち球数が「0個」の場合が該当する。なお、ステップS1203で判定回数Nに対して「桁数M」に対応する値を設定してしまうと、下1桁目が「0」である場合に、ステップS1207の処理が実行されてしまい(遊技球数表示バッファ1桁目←0AH)、後述の遊技球表示テータ変換処理にて、LED表示データとして消灯用データが取得されてしまうからである(表示データの取得処理の内容については、後述のステップS1210、図56にて、説明する)。このため、ステップS1203で判定回数Nに対して「桁数M-1」に対応する値を設定している。
以上のステップS1204~S1209の処理を端的に説明すれば、取得値が0であれば、判定回数Nが0になるまで、ステップS1204~S1209の処理を繰り返し、判定回数が0になった場合は後述の遊技球表示テータ変換処理(ステップS1210)を実行する。具体的には、6桁目~2桁目の取得値が0であれば、ステップS1204で1桁目の値が取得されるまで、ステップS1204~S1209の処理を繰り返し、ステップS1204で1桁目の値を取得した場合には1桁目の値が0であっても、ステップS1270の処理には進まずに、後述の遊技球表示テータ変換処理(ステップS1210)に進むようになっている(1桁目の値が取得されるときは、判定回数Nが0であるため、ステップS1206の判定結果がYESとなる)。
(遊技球表示テータ変換処理:ステップS1210)
次に、上記遊技球表示テータ変換処理(ステップS1210)について説明する。
遊技球表示テータ変換処理では、図56に示す「遊技球数表示器表示変換テーブル(D_SEGNUMTBL)」と、「オフセット値」とに基づき、遊技球数表示装置77に係る表示データを取得する。ここでの「オフセット値」とは、遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目のそれぞれに記憶されている値である。
遊技球表示テータ変換処理の理解を容易なものとするために、先ず、図56を参照しながら「遊技球数表示器表示変換テーブル」の内容について説明しておく。
上記「遊技球数表示器表示変換テーブル」には、遊技球数表示装置77用の表示データ(遊技球数表示装置77用LED表示データ)として、図示のように、「遊技球数表示器表示変換データ0~9」および「遊技球数表示器表示変換データスペース(消灯)」が、順次定められている。具体的には、遊技球数表示器表示変換データ0(@SEG_0)を基準アドレスとして、相対アドレス値が「0x01」~「0x0A」(基準アドレスとの差番地が「0x01」~「0x0A」)に対応して、遊技球数表示器表示変換データ1~9(相対アドレス値「0x01」~「0x09」)および「遊技球数表示器表示変換データスペース(相対アドレス値「0x0A」)が定められている。なお、遊技球数表示器表示変換データ0~9は、7セグメントLEDに対して0~9の算用数字を表示させるための表示データ(数字表示用表示データ)であり、遊技球数表示器表示変換データスペースは、消灯用の表示データ(消灯用表示データ)である。
上記したステップS1201~S1209の処理を終えて、遊技球表示データ変換処理(ステップS1210)が実行される場合、持ち球数が「1050個」の例では、遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目には、それぞれ、次のような持ち球数情報が格納されている。
『6桁目』遊技球数表示バッファ6桁目=A(0x0A:消灯用オフセット値)
『5桁目』遊技球数表示バッファ5桁目=A(0x0A:消灯用オフセット値)
『4桁目』遊技球数表示バッファ4桁目=1(0x01:表示1用オフセット値)
『3桁目』遊技球数表示バッファ3桁目=0(0x00:表示0用オフセット値)
『2桁目』遊技球数表示バッファ2桁目=5(0x05:表示5用オフセット値)
『1桁目』遊技球数表示バッファ1桁目=0(0x00:表示0用オフセット値)
この各桁目の遊技球数表示バッファの値を、遊技球数表示器表示変換テーブルを参照する際のオフセット値として用いれば、各桁の表示データ(LED表示データ)は、次のような1バイト長の表示データが取得されることになる。
『6桁目』遊技球数表示バッファ6桁目=「00000000B」(消灯)
『5桁目』遊技球数表示バッファ5桁目=「00000000B」(消灯)
『4桁目』遊技球数表示バッファ4桁目=「00000110B」(数字「1」表示)
『3桁目』遊技球数表示バッファ3桁目=「00111111B」(数字「0」表示)
『2桁目』遊技球数表示バッファ2桁目=「01101101B」(数字「5」表示)
『1桁目』遊技球数表示バッファ1桁目=「00111111B」(数字「0」表示)
このようにして取得した各桁の表示データは、枠制御RAMに設けたLED出力バッファ(遊技球数表示装置77表示用出力バッファ)に設定され(ステップS1211)、設定された表示データが遊技球数表示装置77に対して出力されるようになっている(ステップS1212)。持ち球数が「1050個」であれば、6つの7セグメントの表示態様が「6桁目=消灯」「5桁目=消灯」「4桁目=1」「3桁目=0」「2桁目=5」「1桁目=0」と表示となり、遊技球数表示装置77の表示態様は「**1050」となる(「*」印は消灯のセグ)。
上記処理により、上記(唐揚B)で述べた問題点を解決しうる持ち球数表示を実現している。本実施形態の持ち球表示処理の特徴は、次の点にある。
(1)遊技球数表示器表示変換テーブルにおけるLED表示データが、「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、消灯用データ」の順番に記憶されている。
(2)遊技球数表示器表示変換テーブルを参照する際のオフセット値は、10進数情報に変換された遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目の値をそのまま用いる。ただし、上1桁から「0」であるか否かを判定し(ステップS1204~S1205)、判定結果が「0」であれば(ステップS1205:YES)、オフセット値として「0x0A」(最終アドレス値)を設定する(ステップS1207)。また、下1桁(最後の桁)については、10進数情報に変換された遊技球数表示バッファ1桁目の値を、そのままオフセット値として用いる(ステップS1205の判定結果がNOまたはステップS1206の判定結果がYES)。
このようにする理由は、次の通りである。第1に、たとえば持ち球数が「1050個」の場合、仮に、10進数情報に変換された遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目の値をそのままオフセット値に用いると「001050」の表示になってしまい、遊技球数表示装置77に係る本来の目的(現在の持ち球数がぱっと見て見難かったり、上2桁の「0」の表示が煩わしく感じたりするなどの上記した問題点を解決する目的)が達成できない。
第2に、10進数情報に変換された遊技球数表示バッファ1桁目~6桁目の値をそのままオフセット値に用いる場合において、遊技球数表示器表示変換テーブル(図56)の基準アドレスに対応する表示データを「消灯用データ」が取得されるように定めてしまうと、6桁目、5桁目、3桁目と1桁目のオフセット値が「0x00」があるため、これら桁については「消灯用データ」が取得される。その結果、持ち球数の表示が「**1*5*」(「*」印は消灯のセグ)のように、意味不明な表示態様となってしまう。
そこで本実施形態では、LED表示データを「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、消灯用データ」の順番に記憶した遊技球数表示器表示変換テーブルを用い、消灯させたい場合には、遊技球数表示バッファの値を、消灯用データを選択させるオフセット値に更新し(ステップS1207が実行される処理ルート)、消灯させる必要のない場合には遊技球数表示バッファの値を、そのままオフセット値として用いるようにしている(ステップS1205の判定結果がNOまたはステップS1206の判定結果がYESの処理ルート)。これにより、持ち球数が「1050個」の場合には、「**1050」(「*」印は消灯のセグ)といった持ち球数表示態様を実効化することができ、本来の上記(唐揚B)の問題を解決しうる遊技機を提供することができる。
なお、消灯させる必要のない場合には遊技球数表示バッファの値をそのままオフセット値として用い、消灯させる必要がある場合には消灯用データを選択させるオフセット値(消灯用オフセット値)とする場合、後者の消灯用オフセット値は、表示種別(種類)数と同じ値とする点に、本発明の工夫(制御負担の軽減、設計のし易さなどの利点)がある。本実施形態の遊技球数表示装置77における表示種別数は「0~9」の10種類であるから、消灯用オフセット値は「0x0A」を設定するように構成する。
なお、遊技球数表示装置77に対しても、性能表示器99と同様に、電源投入時における動作確認表示を実行可能に構成してもよい。持ち球数情報は、ベース値のような遊技者側には直接的に関係の無い情報とは異なり、遊技者が遊技を進行する上で重要な情報である。たとえば、現在の持ち球数が「1050個」である場合に遊技球数表示装置77(ここでは、7セグメントLED)に何らかの不具合が生じた場合、現在の持ち球数が正しく表示されない恐れがある。そこで、遊技球数表示装置77に対しても動作確認表示を行い、不具合が生じているかを確認できるようにすることが好ましいといえる。なお、遊技球数表示装置77の確認表示処理については、性能表示器99の確認表示処理と同様の処理内容にすればよい。
なお上記では、遊技球数表示装置77の数値表示(持ち球数表示)に、不要数値消灯表示処理を適用した例について説明したが、遊技機に設けられた1または複数の他の表示装置(枠制御部22、主制御部20、または演出制御部24により制御される表示装置)による数値表示に対しても、同様の表示処理を適用することができる。たとえば、液晶表示装置36により表示される「ゲーム実行回数(たとえば、前回の大当りまたはV当りからのゲーム実行回数など)」、「獲得球数(たとえば、連荘モードにおける賞球数または純増球数など)」、「連荘回数(たとえば、連荘モードにおける大当りまたはV当りの累計回数など)」などの数値表示(所定の遊技情報に関連する数値表示)に対しても適用することができる。またたとえば、予告演出における数値表示(遊技に関する数値表示)、たとえば「残り○○○○人倒せば、SPリーチに発展!」、「演出ボタンを連打して、○○○○ポイントに到達すれば大当り!」などの数値表示(本例の場合、「○○○○人」や「○○○○ポイント」の数値表示に該当)に対しても適用することができる。
上記不要数値変換表示処理は、内部的に管理される数値情報(内部的数値情報)を、遊技機に設けられた表示装置にその数値情報(外部的数値情報)を表示する場合において、内部数値情報と表示用数値情報とに違いがある場合には、上記不要数値変換表示処理を適用することが可能である。たとえば、遊技球数表示装置77の持ち球数表示について、内部的には「001050」という内部的数値情報であり、表示装置には「1050」という表示用数値情報で表示する場合や、液晶表示装置36の「ゲーム実行回数」の表示について、内部的には「0700」(700ゲーム目)という内部的数値情報であり、表示装置には「700」という外部的数値情報で表示する場合などである。また、上記不要数値変換表示処理では、不要な数値表示を消灯させる例について説明したが、表示内容や表示装置の種類や遊技性によっては、必ずしも消灯させる必要が無いケースもある。たとえば、「ゲーム実行回数」の表示について「700ゲーム」と表示させる場合、「.700ゲーム」といった具合に、あえて「.」(ドット)を冠して表示する場合である。このような場合には、消灯データに替えて「.」の表示データを表示装置に対して出力し、表示可能に構成することができる。
上記した第2~第3実施形態は、下記の構成(D1)~構成(D4)とすることができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<構成(D1)>
入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段と、
前記入賞検出手段が検出した検出情報に基づく賞球数情報を管理可能に構成され、遊技進行動作を司る主制御手段(図32(主制御部20))と、
前記主制御手段からの賞球数情報に基づいて、遊技を行うために用いる遊技球数の増減管理処理を実行可能に構成された副制御手段(図32(枠制御部22))とを備え、
内部に封入された遊技球を循環的に使用して遊技を行う管理遊技機(図32)であって、
前記主制御手段は、
電源投入後に開始されるメイン処理(図33A、図33B(図34))と、
第1所定時間毎に起動され、前記入賞検出手段による検出情報を管理するための管理処理を含み、遊技進行に関連する処理を実行する第1タイマ割込処理(図36)と、
第2所定時間毎に起動され、前記検出情報に基づく賞球数情報を前記副制御手段に送信する送信処理を実行する第2タイマ割込処理(図40)とを実行可能に構成され、
前記第1タイマ割込処理の優先順位が前記第2タイマ割込処理の優先順位よりも高く設定されている(図36、図40)、
ことを特徴とする管理遊技機。
<構成(D2)>
入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段と、
前記入賞検出手段が検出した検出情報に基づく賞球数情報を管理可能に構成され、遊技進行動作を司る主制御手段(図32(主制御部20))と、
前記主制御手段からの賞球数情報に基づいて、遊技を行うために用いる遊技球数の増減管理処理を実行可能に構成された副制御手段(図32(枠制御部22))とを備え、
内部に封入された遊技球を循環的に使用して遊技を行う管理遊技機(図32)であって、
前記主制御手段は、
電源投入後に開始されるメイン処理(図33A、図33B(図34))と、
第1所定時間毎に起動され、前記入賞検出手段による検出情報を管理するための管理処理を含み、遊技進行に関連する処理を実行する第1タイマ割込処理(図36)と、
第2所定時間毎に起動され、前記検出情報に基づく賞球数情報を前記副制御手段に送信する送信処理を実行する第2タイマ割込処理(図40)とを実行可能に構成され、
前記第1タイマ割込処理の優先順位が前記第2タイマ割込処理の優先順位よりも高く設定され、且つ前記第1所定時間は前記第2所定時間よりも短時間である(図36、図40)、
ことを特徴とする管理遊技機。
<構成(D3)>
入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段と、
前記入賞検出手段が検出した検出情報に基づく賞球数情報を管理可能に構成され、遊技進行動作を司る主制御手段(図32(主制御部20))と、
前記主制御手段からの賞球数情報に基づいて、遊技を行うために用いる遊技球数の増減管理処理を実行可能に構成された副制御手段(図32(枠制御部22))とを備え、
内部に封入された遊技球を循環的に使用して遊技を行う管理遊技機(図32)であって、
前記副制御手段は、
前記前記主制御手段からの賞球数情報を受信した場合、その受領結果情報を前記主制御手段に送信するように構成され、
前記主制御手段は、
電源投入後に開始されるメイン処理(図33A、図33B(図34))と、
第1所定時間毎に起動され、前記入賞検出手段による検出情報を管理するための管理処理を含み、遊技進行に関連する処理を実行する第1タイマ割込処理(図36)と、
第2所定時間毎に起動される第2タイマ割込処理(図45)とを実行可能に構成され、
前記第2タイマ割込処理は、
前記検出情報に基づく賞球数情報を前記副制御手段に送信する送信処理(図45のS703)、
前記副制御手段からの前記受領結果を受信する受信処理(図45のS704)とを含み、
前記送信処理と前記受信処理とが前記第2所定時間毎に交互に実行されるように構成した(図45のS702)、
ことを特徴とする管理遊技機。
<構成(D4)>
遊技実績に基づく所定情報を表示可能な特定表示手段(性能表示器99)と、
遊技動作を司る主制御手段(主制御部20)と、
前記特定表示手段に関する制御を実行可能な特定表示制御手段を含む副制御手段(枠制御部22、図50G)と、を備えた遊技機であって、
前記主制御手段は、
複数の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段(図36)と、
現在の遊技状態を特定可能な遊技状態情報を含む特定制御情報を前記副制御手段に送信可能な制御情報送信手段(図40(図45)、図50F(ホ))と、を備え、
前記特定表示制御手段(図50G)は、
前記特定制御情報に基づいて、前記所定情報を計測する計測手段(前記所定情報を算出する算出手段)と、
前記特定表示手段に対して前記所定情報を表示制御する所定情報表示制御手段と、を備え、
前記計測手段(算出手段)は、
前記遊技状態情報が前記複数の遊技状態のいずれの遊技状態にも該当しない情報である場合、前記所定情報を計測(算出)しないように構成された(図50Hの(ニ))、
ことを特徴とする遊技機。
<構成(D5)>
遊技実績に基づく所定情報を表示可能な特定表示手段(性能表示器99)と、
遊技動作を司る主制御手段(主制御部20)と、
前記主制御手段と通信可能に構成された副制御手段(枠制御部22)と,
を備えた遊技機(管理遊技機)であって、
前記主制御手段は、
複数の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段(図36)と、
現在の遊技状態を特定可能な遊技状態情報を含む特定制御情報を前記副制御手段に送信可能な制御情報送信手段(図40(図45)、図50F(ホ))と、
前記特定表示制御手段(図50G)は、
前記特定制御情報に基づいて、前記所定情報を計測する計測手段(前記所定情報を算出する算出手段としてもよい)と、
前記特定表示手段に対して前記所定情報を表示制御する所定情報表示制御手段と、を備え、
前記計測手段(算出手段)は、
前記遊技状態情報が前記複数の遊技状態のいずれの遊技状態にも該当しない情報である場合、前記所定情報を計測(算出)しないように構成された(図50Hの(ニ))、
ことを特徴とする遊技機。
[第4の実施形態]
次に、本発明に係る第4実施形態として、遊技機に対して前側に開閉可能な開閉扉(たとえば、前枠2やガラス扉6などの扉構造体。以下、「前扉」と略す)の開放時に、遊技球がこぼれることを未然に防止するようにした形態について説明する。
ここでは、遊技機内部に封入された遊技球を用いて遊技を行う「循環式」の管理遊技機(第2実施形態)を前提にして説明するが、「非循環式」の一般的弾球遊技機(第1実施形態)についても適用できるものである。
(1)背景技術
図35(イ)に示す循環式の管理遊技機は、図1に示す非循環式の一般的遊技機に対し、多くの共通した構造を備えている。その一つは、前扉の開閉機構である。たとえば、図1を参照して、外枠4の前面に前枠2が開閉可能に取り付けられ、この前枠2には、裏面側から、遊技盤3が、その遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませて装着される。また、前枠2の前面には、ガラス扉6と前面操作パネル7が上下に配置され、それぞれが単独に、または一体的に前側に開放できる扉構造を具備している。
ガラス扉6は、既に説明したように、遊技盤3の遊技領域3aの前側において、前枠2に開閉自在に設けられる。そして、扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)にキーを差し込んで一方側に操作すれば、前枠2に対するロック状態を解除してガラス扉6を前側に開放でき、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態を解除して前側に開放できるようになっている。また前枠2には、ガラス扉6内の左上側に発射装置32が設けられており(図32(イ)参照)、毎分100発程度の発射性能を有する。なお、この実施形態は、循環式の管理遊技機であるので、上受け皿ユニット8や上受け皿9は設けられていない。
このように循環式の管理遊技機は、非循環式の一般的遊技機の場合と同様に、前枠2の前面(少なくとも遊技領域5aの前面)をガラス扉6で覆った扉構造を具備する。このような扉構造とすることは、遊技機のメンテナンスを可能とする上で必要不可欠であるが、前枠2やこれに設けた前扉(ガラス扉6や前面操作パネル7)は不正に開放される危険がある。そこで、安全対策上、これらの開閉をセンサで検出し、開放されているときはエラー報知(扉開放エラー報知)を行い、また閉鎖されたときはそのエラー報知を解除するように構成している。また、開放エラーの発生と解除に合わせて発射装置に対する発射動作の禁止と解除を行っている。
(扉開放エラーの判定タイミングに関する問題点)
ただし、センサ信号のON(開放)/OFF(閉鎖)があった時点を捉え、その時点で「開放・閉鎖」があったと判定するのでは、遊技機の僅かな振動に対しても扉開放エラーが発生したり、扉を閉めたのに扉開放と誤検知して、無用な扉開放エラーが発生する恐れがある。たとえば、演出ボタン13が強打されたり、外枠2やガラス扉6に少し振れただけで扉開放エラーを誤発報したり、また、チャタリングにより扉開放エラーを誤発報する恐れがある。
(解決例1:図57(イ))
そこで上記問題に鑑み、センサ信号のON/OFFから所定時間だけ遅れた時点を捉え、その時点でセンサ信号がON継続中なら「開放」、OFF継続中なら「閉鎖」と判定する手法(解決例1)が考えられる。具体的に、図57(イ)に示すタイムチャートで説明する。
なお、この第4実施形態は、上記第2、第3実施形態と同様に、主制御部20と枠制御部22(少なくとも主制御部20)が扉開放センサ61からの検出信号(扉開放信号)を受信可能となっているが、ここでは、主制御部20側の扉開放エラーに係る制御処理に着目して説明する。また、扉開放センサ61は、たとえば前枠2に取り付けた有接点スイッチからなり、1つのスイッチで、外枠4に対する前枠2の開閉状態と、前枠2に対するガラス扉6の開閉状態とを相対的に検出することができる構造を有する。しかし専用のセンサを用いたり、他と共用のスイッチを用いることができる。このため、少なくともガラス扉6の開閉状態を検出する「扉開放センサ61」と称した場合、ガラス扉6専用のセンサの形態の他、ガラス扉6の開閉状態と前枠2の開閉状態が検出できるセンサの形態を含むことを意味する。なお、センサの種類としては、接触式であるか無接触式であるかを問わず、公知のセンサを用いることができる。
この扉開放センサ61からの検出信号は、図57の最上欄(検出信号の欄)に示すように、前扉(この例では「ガラス扉6」の開閉状態の検出とする)が開いた瞬間(時刻t1)にONに立ち上がり、閉じた瞬間(時刻t4)にOFFに立ち下がる信号となる。なお、本例は、管理遊技機を例にとり説明しているので、扉開放センサ61からの検出信号(扉開放信号のON(開放状態)/OFF(閉鎖状態))は、図39の入力管理処理(ステップS083)で監視される。一般的遊技機の場合は、図9の入力管理処理(ステップS083)で監視される。
図57(イ)の場合、主制御部20は、この検出信号のON(図示の例では立ち上がり、時刻t1)およびOFF(図示の例では立ち下がり、時刻t4)からそれぞれ所定時間(たとえば、500ms)だけ遅れた時点(時刻t3、t5)を捉え、つまり所定時間のディレイΔが経過するまで待つことを条件として、「扉開放/扉閉鎖」の判定、すなわち、扉開放エラーの発生の有無を判定する。
すなわち、主制御部20は、扉開放センサ61からの検出信号(扉開放信号)のON(開放)/OFF(閉鎖)に基づいて、前扉(ここでは、ガラス扉6)の開閉状態を監視する扉開放監視手段を有する。換言すれば、主制御部20は、扉開放センサ61からの検出信号に基づき、前扉が開放状態であるか閉鎖状態であるかを判定する扉開放判定手段を有し、この扉開放判定手段が、扉開放センサ61からの検出信号が、所定時間ON(所定時間継続してON)ならば「扉開放状態(扉開放中)」と判定し(時刻t3)、所定時間OFF(所定時間継続してOFF)ならば「扉閉鎖状態(扉閉鎖中)」と判定するようになっている(時刻t5)。
(扉開放状態を検出した場合)
たとえば、時刻t1にてガラス扉6が開放され、扉開放センサ61からの検出信号のON状態が所定時間続いた場合、主制御部20は「扉開放中」と判定、つまり、扉開放エラーが発生したとして、扉開放エラーフラグをON状態に設定し(扉開放中指定)、扉開放エラーコマンドを演出制御部20に送信して(図57(イ)二段目)、扉開放エラー報知を実行させる(時刻t3)。また、主制御部20は、扉開放エラーが発生した場合、発射制御信号をONからOFFに切り替える(発射許可信号ESを消失させる)。つまり、発射装置32に対する発射制御信号の内容を、発射許可信号ESから発射停止信号NSに切り替えることで、発射装置32の発射動作を停止させる(発射許可状態→発射禁止状態に制御する)。
(扉閉鎖状態を検出した場合)
その後、時刻t4にてガラス扉6が閉鎖されて、扉開放センサ61からの検出信号OFF状態が所定時間続いた場合、主制御部20は「扉閉鎖中」と判定、つまり、扉開放エラーが解除されたとして、扉開放エラーフラグをOFF状態に設定し(扉閉鎖中指定)、エラー解除コマンドを演出制御部20に送信して、扉開放エラー報知を終了させる(時刻t5)。また、主制御部20は、扉開放エラーが解除された場合、発射制御信号をOFFからONに切り替える(発射許可信号ESを出力)。つまり、発射装置32に対する発射制御信号の内容を、発射停止信号NSから発射許可信号ESに切り替えることで、発射装置32の発射動作を可能にする(発射禁止状態→発射許可状態に制御する)。
上記「扉開放中」であるか「扉閉鎖中」であるかの判定をなす前に置かれる「所定時間」(遅延時間)は、扉開放エラーの誤発報を防止するためのものであり、ここでは扉開放の場合と扉閉鎖の場合とで共通の遅延時間(同一時間(略同一時間としてもよい))として、たとえば100ms~500ms程度の値(図示の例では500ms)が採用される。なお、本例では遅延時間(ディレイΔ)を共通の遅延時間としているが、それぞれ異なる遅延時間としてもよい。たとえば、開放と判定するまでの遅延時間を第1所定時間(ディレイΔ1)とし、閉鎖と判定する場合に係る第2所定時間(ディレイΔ2)とした場合、「第1所定時間<第2所定時間」、「第1所定時間>第2所定時間」、または「第1所定時間=第2所定時間」のいずれであってもよいが、不正行為防止等の観点から、扉閉鎖状態よりも扉開放状態を早めに検出可能とするため、「第1所定時間<第2所定時間」とすることが好ましい(後述の図57(ロ)の解決例2についても同様)。なお、枠制御部22が「扉開放中」であるか「扉閉鎖中」であるかの判定する場合において、第1所定時間(ディレイΔ1)と第2所定時間(ディレイΔ2)とを設ける場合ついても同様である。
(2)「上記解決例1の技術的課題について」
しかしながら、上記した解決例1に係る図57(イ)のように、扉開放センサ61からの検出信号(扉開放信号)についての判断時点を所定時間だけ遅らせて、所定時間ONならば「扉開放」、所定時間OFFならば「扉閉鎖」と判定する方法には、次のような課題がある。
「所定時間ONで扉開放」に着目して見たとき、図57(イ)に示すように、ガラス扉6が開放された時点(時刻t1)から、主制御部20において「扉開放中」と認知される時点(時刻t2)までの間、つまり「所定時間」だけ判断時点を遅らせる「ディレイΔ」の期間中においても、主制御部20は、扉開放エラーと判断するまでは発射制御信号(発射許可信号ES)を出力し続けるため、発射許可状態にある。このため、扉開放エラーと判断するまでのディレイΔの期間中において、不用意に発射ハンドル15に触れてしまうと、発射装置32が発射動作を行い、その発射球が遊技機の外にこぼれ落ちてしまう、という問題がある。遊技機の構造(たとえば、発射装置32の形成位置や扉構造形態など)によっては、前枠2またはガラス扉6のいずれかを開放した場合に(前面操作パネル7が前枠2と一体型でなく分離型の場合は、前面操作パネル7を開放した場合を含む)、遊技球が遊技機の外部にこぼれ落ちてしまうこともありうる。
そこで本実施形態は、上記問題に鑑み、図57(ロ)に示すような制御方法(解決例2)を採用し、ガラス扉6などの前扉が開放された場合に、遊技球がこぼれることを未然に防止しうる遊技機を提供することを目的としている。
以下では、本発明の説明を分かり易くするために、図57(イ)と同じく、ガラス扉6を開放した場合に遊技球が遊技機の外にこぼれ落ちてしまうケースを例にとり説明する。
特に管理遊技機では、遊技機内部で所定数の遊技球を循環させて遊技をすることから、扉構造体を開けた際、上記した判断遅れの期間(ディレイΔ)中においても、発射動作禁止状態中ではなく、また発射装置32に対して遊技球が供給可能な状態にあることから、ガラス扉6が開放時に遊技球が発射されると、遊技球が遊技領域5aから飛び出してしまい、パチンコホール内に跳ね落ちてしまうことが強く懸念される。遊技球がホール内に跳ね落ちてしまうと、遊技球を見失ったり、探す手間が煩わしいといった問題が生じうる。
ここで上記問題を解決する手法としては、上記ディレイΔの量をゼロまたはほぼゼロの程度まで少なくし、扉開放センサ61からの検出信号ONの時点(扉開放信号の立ち上がり)で即扉開放と判断し、検出信号OFF(扉開放信号の立ち下がり)で即扉閉鎖と判定すること(即応判定)が考えられる。
このようにディレイΔをゼロにした即応判定によれば、「ガラス扉6の開放」に遅れることなく、「発射許可信号ESの消失(発射制御信号OFF)」を追従させることができ、瞬間的な応答制御が達成できる。つまり、ガラス扉6の開放と略同一のタイミングで、直ちに発射装置32による発射動作を停止させることができる。
しかし、ディレイΔをゼロにしまうと、先述したように、遊技機の僅かな振動に対しても扉開放エラーを誤発報するなど、無用な扉開放エラーが発生するといった問題が生じうる。
そこで本実施形態では、扉開放エラーを誤発報することを防止するとともに、遊技球が扉開放下で発射されて遊技機外へ落ちてしまうことを防止しうる手法として、次に述べる解決例2を採用している。図57(ロ)を参照して、この解決例2について詳細に説明する。
(3)「解決例2の概要」
本実施形態は、「扉開放エラーの判定」と「発射停止の判定」とを、異なる条件(判定基準)の下で判定するようにしたものである。具体的には、次の(a)(b)のように構成する。
(a)「扉開放エラーの判定について」
扉開放エラーの判定については、扉開放センサ61からの検出信号が第1所定時間(たとえば、200ms)ONであることを条件に、扉開放中(扉開放エラー)と判定して、扉開放エラーを発生させる。また、扉開放センサ61からの検出信号が第2所定時間(たとえば、500ms)OFFであることを条件に、「扉閉鎖」(扉開放エラー解除)と判定して扉開放エラーの発生を解除する。
(b)「発射停止の判定について」
発射停止の判定については、扉開放センサ61からの検出信号がONした(立ち上がった)ことを条件に「扉開放」と判定して、直ちに発射装置32の作動を禁止する(発射禁止状態に制御する)。また、扉開放センサ61からの検出信号がOFF(立ち下がった)したことを条件に「扉閉鎖」と判定して、直ちに発射装置の作動の禁止を解除する(発射許可状態に制御する)。
(4)「解決例2の詳細」
図57(ロ)は解決例2の説明に供するタイミングチャートである。なお、上記解決例1に係る図57(イ)で説明した内容と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
図57(ロ)は、図57(イ)の場合と同じく、前扉(ガラス扉6)の開閉状態を検出する扉開放センサ61からの検出信号が主制御部20に入力される。この検出信号は、図57の最上欄に示すように、ガラス扉6が開いた瞬間(時刻t1)にON(図示の例では扉開放信号の立ち上がり)となり、閉じた瞬間(時刻t4)にOFF(図示の例では扉開放信号の立ち下がり)となる。
主制御部20は、扉開放センサ61からの検出信号に基づいて、前扉(ここでは、ガラス扉6)が開放状態であるか閉鎖状態であるかを判定する扉開放判定手段(扉開放監視手段9を有する。ただし、本例(解決例2)に係る扉開放判定手段(扉開放監視手段)は、次の第1判定手段と第2判定手段とを含んで構成される。
(i)「第1判定手段(即応答判定手段)」
扉開放センサ61からの検出信号がONに切り替わった時点で「扉開放」と判定し、検出信号がOFFに切り替わった時点で「扉閉鎖」と判定する第1判定手段(即応答判定手段)。
(ii)「第2判定手段(遅応答判定手段)」
扉開放センサ61からの検出信号が第1所定時間(ディレイΔ1)だけONならば「扉開放」と判定し、検出信号が第2所定時間(ディレイΔ2)だけOFFならば「扉閉鎖」と判定する第2判定手段(遅応答判定手段)。この第2判定手段については、少なくとも上記第1判定手段が扉開放と判定するよりも後に、扉開放(扉開放エラー)と判定する。
(a)「発射装置の制御について」
主制御部20は、上記第1判定手段(即応答判定手段)において、扉開放センサ61からの検出信号がONに立ち上がった場合(時刻t1)、そのON状態がディレイ時間継続することを条件とすることなく(ディレイ時間の経過を待つことなく)、ONになった時点(時刻t1)を捉え、その時点で直ちに「扉開放中」と判定する。そして、この「扉開放中」と判定した場合は、発射制御信号をONからOFFに切り替えて(発射禁止状態に制御)、発射装置32の発射動作を停止させる。
また主制御部20は、上記第1判定手段(即応答判定手段)において、扉開放センサ61からの検出信号がOFFに立ち下がった場合(時刻t4)、そのOFF状態がディレイ時間継続することを条件とすることなく(ディレイ時間の経過を待つことなく)、検出信号がOFFになった時点(時刻t4)を捉え、その時点で直ちに「扉閉鎖中」と判定する。そして「扉閉鎖中」と判定した場合は、発射制御信号をOFFからONに切り替えて(発射許可状態に制御)、発射装置32の発射動作を許可し再開させる。
なお、図39(一般的遊技機の場合は図9)の入力管理処理(ステップS083)とエラー管理処理(ステップS089)とを、上記第1判定手段(即応答判定手段)として機能させることができる。たとえば、図39に示す4ms割込処理中における入力管理処理(ステップS083)にて、扉開放センサ61からの検出信号を監視しているので、この入力管理処理(ステップS083)において扉開放信号ONを検出した場合に発射停止フラグをON状態(発射停止指定)に設定し、同一割込処理内における後続のエラー管理処理(ステップS089)にて、発射停止フラグの設定状態(ON(発射停止指定)/OFF(発射許可指定))を判定し、発射制御信号停止フラグがON状態の場合には発射制御信号をOFFに設定し、発射制御信号停止フラグがOFF状態の場合には発射制御信号をONに設定するように構成することができる。
ただし、制御負担軽減の観点から、発射装置32の発射動作の禁止/許可に関する制御処理については、上述のような発射停止フラグを頼ることなく、入力管理処理(ステップS083)中で済ませることが好ましい。具体的には、入力管理処理(ステップS083)にて、扉開放センサ61からの検出信号ONを検出した場合に発射制御信号をOFFにし、扉開放センサ61からの検出信号OFF検出した場合に発射制御信号をONにするといった処理を実行させる。この場合は、入力管理処理(ステップS083)だけを、第1判定手段(即応答判定手段)として機能させることができる。
なお、扉開放センサ61からの検出信号に対して誤検出を防止するため、少なくとも2回以上の割込処理(入力管理処理)における検出結果に基づき、扉開放センサ61からの検出信号ON/OFFを判定することが好ましい。たとえば、前回と今回の割込処理にて扉開放信号の検出結果がいずれもONである場合には扉開放センサ61からの検出信号ONと判定し、前回と今回の割込処理にて扉開放信号の検出結果が異なる場合には扉開放センサ61からの検出信号OFFと判定するように構成する。いずれにしても、扉開放が検出された場合に、極めて短時間で発射制御信号のON/OFFの設定が可能であるため、上記第1判定手段(即応答判定手段)としての役割を十分に発揮することができる。たとえば、数回の割込で扉開放センサ61からの検出信号ON/OFFを判定する場合であっても、ガラス扉6を開放して8ms~16ms程度という極めて短時間で発射制御信号の出力を停止して、遊技球の発射動作を停止(禁止)させることができる。発射装置32の発射性能は毎分100発程度であるので、ガラス扉6の開放に遅れることなく、瞬時に発射動作を停止させるための判定時間としては、何ら問題の無い時間幅であると考えられる。
(b)「扉開放エラーの検出、解除について」
次に、本例(解決例2)に係る扉開放エラーの検出・解除(扉開放エラーの判定)について説明する。
主制御部20は、上記第2判定手段(遅応答判定手段)において、扉開放センサ61からの検出信号がONに立ち上がった時点(時刻t1)から第1所定時間(たとえば、200ms)ONが継続することを条件として、つまり第1ディレイΔ1が経過した時点(時刻t2)を捉え、扉開放センサ61からの検出信号が所定時間ONならば「扉開放中」と判定する(時刻t2)。そして「扉開放中」と判定した場合は、扉開放エラーが発生したとして、扉開放エラーフラグをON状態に設定し(扉開放中)、扉開放エラーコマンドを演出制御部20に送信して、外部に対して扉開放エラー報知を実行させる(時刻t2)。
また、主制御部20は、上記第2判定手段(遅応答判定手段)において、扉開放センサ61からの検出信号がOFFに立ち下がった時点(時刻t4)から第2所定時間(たとえば500ms)OFFが継続することを条件として、つまり第2ディレイΔ2が経過した時点(時刻t5)を捉え、扉開放センサ61からの検出信号が所定時間OFFならば「扉閉鎖中」と判定する(時刻t5)。そして「扉閉鎖中」と判定した場合は、扉開放エラーが解除されたとして、扉開放エラーフラグをOFF状態に設定し(扉閉鎖中)、エラー解除コマンドを演出制御部20に送信して、扉開放エラー報知を終了させる(時刻t5)。
上記した扉開放エラーの検出、解除の制御の仕方は、扉開放エラーを判断するための扉開放検知タイミングを定めるディレイΔ1が500msから200msと短くなっている点を除き、図57(イ)の場合と同じである。短くしている理由としては、ディレイΔ1の量が少ないほど、不正行為対策として有効だからである。なお、図57(ロ)では、扉閉鎖の際に、扉開放エラー解除を判断するタイミングを定めるディレイΔ2(時刻t4~t5)が、図57(イ)と同じ500msとなっているが、このディレイΔ2は500msよりも短い値または長い値に定めることもできる。
なお、扉開放エラーに係る処理については、図39(一般的遊技機の場合は図9)の入力管理処理(ステップS083)やエラー管理処理(ステップS089)において、既に説明した通りであり、これらの管理処理(ステップS083、S089)は、上記第2判定手段(遅応答判定手段)として機能させることができる。
(5)「解決例2の効果」
本例(解決例2)において、発射装置の制御に関しては、第1判定手段(即応答判定手段)により、扉開放センサ61からの検出信号がONに立ち上がった時点で。「即扉開放」と判断し、発射装置32による発射動作を発射禁止状態に制御する構成としたので、ガラス扉6の開放に遅れることなく発射装置32の発射動作を即座に止めることができ、発射された遊技球が遊技機外部にこぼれ落ちることをなくすことができる。
他方、扉開放エラーの報知に関しては、第2判定手段(遅応答判定手段)により扉開放センサ61からの検出信号ONの立ち上がりからディレイΔ1が経過した時点、およびOFFの立ち下がりからディレイΔ2が経過した時点を捉え、「扉開放中」であるか「扉閉鎖中」であるかの判定する構成としたので、ディレイ量をゼロとした場合のように扉開放エラーが誤発報されることを防止することができる。
換言すれば、本実施形態においては、扉開放か否かを判断する判定基準を、発射装置を停止させる場合の第1判定基準(即応判定)と、エラー報知を発生させる場合の第2判定基準(遅応判定)の2つに分け、両判定基準が相互に影響し合わない独立のものとし、これら2つの判定基準の内容を目的に合わせて異ならせている。本実施形態によれば、発射装置32については、ガラス扉6の開放に遅れることなく瞬時に応答して扉開放中と判定して発射制御信号を停止させる(発射許可信号ESを消失させる)「即応答判定(第1判定基準)」を採用したので、ガラス扉6を開放した際、ガラス扉6の開放に遅れることなく発射装置32の発射動作を禁止して、発射球がこぼれ落ちることをなくすことができる。
また、扉開放エラーの報知については、ガラス扉6の開放に直ぐには反応せず、ディレイ時間の経過を待ってから扉開放中と判定する「遅応答判定(第2判定基準)」を採用したので、ディレイ時間をゼロとしたときのような扉開放エラーの誤発報を防止することができる。
(枠制御部22の扉開放エラーの監視、エラー報知処理について)
なお、既に説明したように、枠制御部22と主制御部20は、それぞれ扉開放センサ61からの検出信号を受信可能であり、これら制御部20、22間では「扉開放/扉閉鎖」に関する情報(扉開放センサ61の検出情報に関する電文)のやり取りはしておらず、それぞれ独立して、扉開放センサ61からの検出信号に基づく所定のエラー処理(扉開放に係るエラー処理)を実行可能となっている。端的に言えば、枠制御部22と主制御部20は、それぞれ独立して、「扉開放/扉閉鎖」を監視可能(扉開放エラーの発生を監視可能)な構成であり、詳しくは、主制御部20が独自で(枠制御部22と連係することなく)扉開放エラーを判定可能な「第1エラー判定手段」を有し、枠制御部22が独自(主制御部20と連係することなく)で扉開放エラーを判定可能な「第2エラー判定手段」を有する構成である。
枠制御部22は、扉開放エラーであると判定した場合に(扉開放信号OFF、所定の外端信号(ここでは、扉開放に係るセキュリティ信号)を遊技機に接続された外部装置に送信するが、扉開放を検出しても発射動作の停止制御を行わない。したがって、主制御部20は、「扉開放/扉閉鎖」に基づく発射動作の「許可/禁止(停止)」に関し、枠制御部22と枠制御部22間の電文の「通知/応答」に要するタイムラグが生じることなく、つまり、枠制御部22と主制御部20が連係することなく、主制御部20側による単独制御にて、扉開放センサ61からの検出信号のON/OFFに対して、即応性ある発射動作制御(即応制御)が可能となっている(図57(ロ))。
(枠制御部22おける扉開放エラーの検出、解除について)
枠制御部22側における扉開放エラーに関する判定条件は、主制御部20側における判定条件と異なる条件としてもよいが、同一条件とすることが好ましい。その理由は、次に述べる通りである。
枠制御部22側では、扉開放エラーが生じた場合、主制御部20にその旨を通知することなく、所定の外端信号(扉開放に係るセキュリティ信号)を外部接続端子基板85を介して外部装置(たとえば、ホールコンピュータHCや遊技機情報センタなど)に送信し、扉開放エラーが発生した旨を外部に報知する。他方、主制御部20側では、扉開放エラーが生じた場合、扉開放エラーコマンドを演出制御部24に送信して、扉開放エラーが発生した旨を外部に報知(演出手段によるエラー報知)する。このように、枠制御部22と主制御部20とは、それぞれ独立して扉開放エラー報知に係る処理を行うが、扉開放エラーの報知タイミングがバラバラであると、たとえば、外部装置側が扉開放エラーを検出しているにもかかわらず、遊技機1側からは扉開放エラー報知がされていない、という状況が発生しうるため、不正行為監視等の観点から好ましくない。また、扉開放エラーが解除された場合も、その解除タイミング(エラー報知終了タイミング)がバラバラであるのは、同様の理由により好ましくない。そこで、枠制御部22においても、主制御部20と同じ扉開放エラーに関する判定条件(たとえば、図57(ロ)参照)を採用することが好適である。ここでいう「扉開放エラーに関する判定条件」とは、少なくとも扉開放エラーの発生を判定するエラー判定条件であり、好ましくは、当該エラー判定条件および扉開放エラーの解除を判定するエラー解除条件である。
いずれにしても扉が開放された場合は、扉開放エラーと判定されるよりも前に、発射装置32の発射動作が停止され(時刻t1)、その後、扉開放エラーと判定された場合に(ディレイΔ1経過後の時刻t2)、扉開放に係るセキュリティ信号の出力(送信)や、演出手段による扉開放エラー報知が実行される。また、扉開放エラー中において扉が閉鎖された場合は、扉開放エラー解除と判定されるよりも前に発射動作が再開され(時刻4)、その後(ディレイΔ2経過後の時刻t5)、発生中の扉開放エラーが解除される。
(変形例1)
上記「解決例2(図57の(ロ))」では、主制御部20は、上記第1判定手段(即応答判定手段)において、扉開放を検出した場合には直ちに発射装置32の発射動作を停止し(時刻t1)、扉閉鎖を検出した場合には停止中の発射動作を直ちに再開させる(時刻t4)形態について説明した。しかし、扉閉鎖を検出した場合には停止中の発射動作を、所定時間(ディレイΔ3)経過するのを待ってから再開してもよい。たとえば、上記第2判定手段(遅応答判定手段)により扉開放エラーが解除されたと判定された場合(時刻t5)、発射装置32の発射動作を許可し再開させてもよい。遊技球が外部にこぼれるのは、主に、扉構造体の開放時であるため、扉開放を検出した場合には直ちに発射装置32の発射動作を停止させることが効果的であるが、発射動作の再開は、扉開放エラーの解除を待ってから行っても、特に問題がないからである。
なお、本例に係る上記「所定時間(ディレイΔ3)」は、上記第2判定手段(遅応答判定手段)が、扉開放エラーが解除されたと判定するために要する「第2所定時間(ディレイΔ2)」と異なる時間(ディレイΔ3≠ディレイΔ2)とすることができる。ただし、「所定時間(ディレイΔ3)」は、「第2所定時間(ディレイΔ2)」よりも短時間であるか(ディレイΔ3<ディレイΔ2)、同一(略同一)時間(ディレイΔ3=ディレイΔ2、またはディレイΔ3≒ディレイΔ2)であることが好ましい。ディレイΔ3をディレイΔ2よりも長時間(ディレイΔ3>ディレイΔ2)としてしまうと、扉開放エラーが解除されているにもかかわらず、発射動作の再開がされない(遅延してしまう)という問題が生じてしまい、好ましくない。本例では、扉が開放された場合は上記「解決例2」と同じく、扉開放エラーと判定されるよりも前に発射装置32の発射動作が停止され(時刻t1)、その後、扉開放エラーと判定された場合に(ディレイΔ1経過後の時刻t2)、扉開放に係るセキュリティ信号の出力(送信)や、演出手段による扉開放エラー報知が実行される。一方、扉開放エラー中において扉が閉鎖された場合は上記「解決例2」とは異なり、所定時間(ディレイΔ3)の経過を待って発射動作が再開される。なお、発射動作の再開は、扉開放エラー解除と判定されるよりも前であってもよいし(「ディレイΔ3<ディレイΔ2」のケース:図57の例の場合、時刻t4<時刻t5の間で再開する)、扉開放エラー解除と判定された場合(「ディレイΔ3=ディレイΔ2」のケース:図57の例の場合、時刻t5で再開する)であってもよい。
(変形例2)
本実施形態(第4実施形態)では、前扉としてガラス扉6を例にして説明したが、前枠2やガラス扉6、その他の扉構造の1つまたは2以上に対して適用することが可能である。前枠2に対しても適用できるとしたのは、前枠2を開放した際に遊技球の発射誘導路が遮断される構造を備えている場合、即応判定を採用すれば、前枠2の開放と同時に発射装置が停止するため、誘導路の遮断箇所から遊技球が前枠2の裏面側にこぼれ落ちることを防止できるからである。たとえば前枠2の閉鎖時に、外枠4に配置された研磨装置の入口が前枠2に設けられた使用球回収路と結合するとともに、外枠4に配置された研磨装置の出口が前枠2に設けられた発射誘導路と結合して連続した球誘導通路を形成するよう構成される遊技機がある(特開2013-183925)。このように構成された遊技機においては、前枠2の開閉状態を検出するセンサ機能を扉開放センサ61に持たせ、図57(ロ)で説明した実施形態(解決例2)を適用することで、同様の作用効果を得ることができる。
(変形例3)
本実施形態(第4実施形態)では、遊技機内部に封入された遊技球を用いて遊技を行う「管理遊技機」を前提にして説明したが、ガラス扉6や外枠2などのように、開放するとエラー報知が発生する扉構造を有し、かつ扉を開放すれば発射球がこぼれ落ちる可能性がある遊技機であれば、「循環式」の遊技機であるか、「非循環式」の遊技機であるかを問うことなく、いずれの遊技機に対しても適用することができる。
たとえば、図1に示す非循環式の一般的遊技機は、循環式の管理遊技機と同様に、前枠2やガラス扉6などの扉構造有している。すなわち、外枠4の左右方向の一側にヒンジを介して縦軸廻りに開閉自在に前枠2が装着されている。前枠2は遊技盤装着枠と前面操作パネル7(支持板)とを上下に備え、その遊技盤装着枠に遊技盤3が裏側から着脱自在に装着され、また前面操作パネル7の前面に発射操作ハンドル15が、裏面に発射装置32がそれぞれ装着されている。これらの前枠2やガラス扉6は、第1実施形態にて既に説明した通り、いずれも開放されるとエラー報知が発生する扉であり、そして、これらの扉を不用意に開放させると発射装置32から遊技球が発射されて遊技機の外にこぼれ落ちてしまう、という問題を抱えている。よって、これらの扉構造のいずれに対しても、図57(ロ)で説明した実施形態(解決例2)を適用することで、同様の作用効果を得ることができる。
(変形例4:扉開放状態と玉抜き状態との関係について)
ところで、遊技中に玉詰まり等、何らの事情により、玉抜きユニット72を作動させて(玉抜き状態にする)、遊技球の全部または一部を一旦抜き取りたい場合もありうる。玉抜きユニット72を作動させるためには、前枠2を開放して、遊技機内部に設けられた玉抜きスイッチ62を操作する必要があるが、本実施形態の場合、扉開放中は玉抜き状態であるか否かを問わず、発射禁止状態に制御されるようになっている。しかし、発射装置32内に供給された発射待ちの遊技球も取り出したいケースもあるため、この点を考慮し、扉開放中の玉抜き状態(扉開放中かつ玉抜き状態)である場合は、発射動作を禁止しない(発射動作を許可する)構成としてもよい。また、ガラス扉6の開放/閉鎖状態と、前枠2の開放/閉鎖状態を別々に検出可能に構成し、前枠2の開放時には発射動作を禁止せず、ガラス扉6の開放時には発射動作を禁止する、といった構成としてもよい。
(変形例5:扉開放状態と性能情報との関係について)
扉開放中は発射動作が停止されるが、当該発射動作停止中であっても、その停止直前に発射された遊技球が、入賞球またはアウト球として検出される可能性を考慮し、性能情報に係る処理(性能情報の算出に用いる計数値の計数処理、性能情報の算出処理、性能情報の表示処理、性能情報の外部出力処理(外端信号による外部装置への出力処理)などのうちの全部または一部の処理)を実行可能に構成してもよい。この場合、発射動作停止直前に発射された遊技球に対しても性能情報に反映させることができる。ただし、扉開放の発射球は、遊技者が通常の遊技中に発射した遊技球とは言い難く、むしろ、扉開放直前にホール店員等が発射操作ハンドル15に偶々触れてしまった結果の発射球の可能性が高いと考えられる。そこで、扉開放による発射動作停止中は、上記性能情報に係る処理を実行しない構成としてもよい。「性能情報に係る処理」とは、具体的には、性能情報の算出に用いる計数値の計数処理、性能情報の算出処理、性能情報の表示処理、および性能情報の外部出力処理(外部装置に対する外端信号の出力処理)などが該当し、扉開放による発射動作停止中は、これらの処理の少なくとも1つの処理を実行しない構成とすることができる。
上記した第4実施形態は、下記の構成(E1)~(E7)とすることができる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<構成(E1)>
これは前扉(ガラス扉6)に対して適用する構成例である。
外枠(外枠4)に開閉可能に取り付けられた前枠(前枠2)と、
前記前枠に装着された遊技盤(遊技盤3)と、
遊技領域内に遊技球を発射可能な発射手段(発射装置32)と、
前記発射手段による遊技球の発射動作を制御する発射制御手段(主制御部20、発射制御基板28)と、
前記前枠の前面に開閉可能に設けられた前扉(ガラス扉6)と、
少なくとも前記前扉の開閉状態に応答し、前記前扉の開放状態/閉鎖状態を示す検出信号を出力可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
所定のエラー報知を実行可能なエラー報知実行手段(主制御部20、演出制御部24、演出手段)と、備える遊技機であって、
前記発射制御手段は、
前記開放状態を示す検出信号を検出した場合、直ちに前記発射手段の発射動作を禁止(制限)する禁止(制限)状態に制御し(図57(ロ)の時刻t1)、前記禁止状態中に前記閉鎖状態を示す検出信号を検出した場合、直ちに当該禁止状態を解除して前記発射手段の発射動作を許可する許可状態に制御し、(図57(ロ)の時刻t4)、
前記エラー報知実行手段は、
前記開放状態を示す検出信号を第1所定時間継続して検出した場合(図57の時刻t1~t2)、前記エラー報知(扉開放エラー報知)を実行し(図57(ロ)の時刻t2)、当該エラー報知中に前記閉鎖状態を示す検出信号を第2所定時間継続して検出した場合(図57の時刻t4~t5)、当該エラー報知を終了する(図57(ロ)の時刻t5)、
ことを特徴とする遊技機。
<構成(E2)>
外枠(外枠4)に開閉可能に取り付けられた前枠(前枠2)と、
前記前枠に装着された遊技盤(遊技盤3)と、
遊技領域内に遊技球を発射可能な発射手段(発射装置32)と、
前記発射手段による遊技球の発射動作を制御する発射制御手段(主制御部20、発射制御基板28)と、
前記前枠の前面に開閉可能に設けられた前扉(ガラス扉6)と、
少なくとも前記前扉の開閉状態に応答し、前記前扉の開放状態/閉鎖状態を示す検出信号を出力可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
前記扉開放検出手段からの検出信号に基づいて、前記前扉の開放状態であるか閉鎖状態であるかを判定する扉開放判定手段(主制御部20)と、
所定のエラー報知を実行可能なエラー報知実行手段(主制御部20、演出制御部24、演出手段)と、
を備える遊技機であって、
前記扉開放判定手段は、
前記開放状態を示す検出信号を受信した時点(扉開放信号がONになった時点:図57(ロ)の時刻t1)で前記開放状態と判定し、前記閉鎖状態を示す検出信号を受信した時点(扉開放信号がOFFになった時点:図57(ロ)の時刻t4)で前記閉鎖状態と判定する第1判定手段(即応判定手段)と、
前記開放状態を示す検出信号を第1所定時間継続して受信した場合に前記開放状態と判定し(図57(ロ)の時刻t1~t2)、前記閉鎖状態を示す検出信号を第2所定時間継続して受信した場合に前記閉鎖状態と判定する(図57(ロ)の時刻t4~t5)第2判定手段(遅応判定手段)とを含み、
前記発射制御手段は、
前記第1判定手段により前記開放状態と判定された場合、前記発射手段の発射動作を禁止する禁止状態に制御し(図57(ロ)の時刻t1)、前記第1判定手段により前記閉鎖状態であるであると判定された場合、前記発射手段の発射動作を許可する許可状態に制御し(図57(ロ)の時刻t4)、
前記エラー報知実行手段は、
前記第2判定手段により前記開放状態と判定された場合、前記エラー報知(扉開放エラー報知)を実行し(図57(ロ)の時刻t2)、当該エラー報知中において前記第2判定手段により前記閉鎖状態であると判定された場合、当該エラー報知を終了する(図57(ロ)の時刻t5)、
ことを特徴とする遊技機。
なお、上記「構成(開1)」または「構成(開2)」において、前扉がガラス扉6であるとする形態では、「前記前枠の前面に開閉可能に設けられた前扉と、」を「前記前枠2に開閉可能に、前記遊技盤の遊技領域を覆うように設けられた前扉と、」とすることができる。また、第1所定時間と第2所定時間の関係は、「第1所定時間<第2所定時間」、「第1所定時間>第2所定時間」、「第1所定時間=第2所定時間」のいずれであってもよい。
<構成(E3)>
遊技球を発射可能な発射手段(発射装置32)と、
前記発射手段の発射動作を制御する発射制御手段(主制御部20、発射制御基板28)と、
遊技機本体に開閉可能に配置された開放扉(前枠2やガラス扉などの扉構造体)の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
前記扉開放検出手段からの検出信号に基づき、扉開放エラーであるか否かを判定するエラー判定手段(主制御部20)と、
前記扉開放エラーに係るエラー報知を実行可能なエラー報知実行手段(主制御部20、演出制御部24、演出手段)と、
を備える遊技機であって、
前記エラー判定手段は、
前記開放状態を示す検出信号が所定時間継続して検出された場合(図57(ロ)の時刻t1~t2)、前記扉開放エラーであると判定し(図57(ロ)の時刻t2)、
前記発射制御手段は、
前記開放状態を示す検出信号が検出された場合、前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定される前に(図57(ロ)の時刻t2よりも前)、前記発射手段の発射動作を停止させる(図57(ロ)の時刻t1)、
ことを特徴する遊技機。
<構成(E4)>
遊技球を発射可能な発射手段(発射装置32)と、
前記発射手段の発射動作を制御する発射制御手段(主制御部20、発射制御基板28)と、
遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉(前枠2やガラス扉などの扉構造体)の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
前記開放状態を示す検出信号が検出されたことに基づき、遊技機の外部に設けられた外部装置(たとえば、ホールコンピュータHC、データカウンタDT、遊技機情報センタなど)に対して所定信号(扉開放エラーに係る外端信号)を出力可能な外部信号出力手段(枠制御部22、外部接続端子基板85)と、
を備える遊技機であって、
前記発射制御手段は、前記外部信号出力手段により前記所定信号が出力される前に、前記発射手段の発射動作を停止させる(「枠制御部22おける扉開放エラーの検出、解除について」参照)
ことを特徴する遊技機。
<構成(E5)>
遊技球を発射可能な発射手段(発射装置32)と、
前記発射手段の発射動作を制御する発射制御手段(主制御部20、発射制御基板28)と、
遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉(前枠2やガラス扉などの扉構造体)の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
前記扉開放検出手段からの検出信号に基づき、扉開放エラーを判定可能なエラー判定手段(枠制御部22)と、
遊技機の外部に設けられた外部装置(たとえば、ホールコンピュータHC、データカウンタDT、遊技機情報センタなど)に対して、所定信号(扉開放エラーに係る外端信号)を出力可能な外部信号出力手段(枠制御部22、外部接続端子基板85)と、を備える遊技機であって、
前記エラー判定手段は、
前記開放状態を示す検出信号を所定時間継続して検出した場合、前記扉開放エラーであると判定し(図57の時刻t2)、
前記外部信号出力手段は、
前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定された場合、前記所定信号を出力し(「枠制御部22おける扉開放エラーの検出、解除について」参照)、
前記発射制御手段は、
前記開放状態を示す検出信号が検出された場合、前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定される前に前記発射手段の発射動作を停止させる(図57(ロ)の時刻t1、「枠制御部22おける扉開放エラーの検出、解除について」参照)、
ことを特徴する遊技機。
<構成(E6)>
遊技球を発射可能な発射手段(発射装置32)と、
遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉(前枠2やガラス扉などの扉構造体)の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段(各種入賞検出センサ)と、
前記入賞検出手段が検出した検出情報に基づく賞球数情報を管理可能に構成され、遊技動作を司る主制御手段(主制御部20)と、
前記主制御手段からの賞球数情報に基づいて、遊技を行うために用いる遊技球数の増減管理処理を実行可能に構成された副制御手段(枠制御部22)と、を備え、
内部に封入された遊技球を循環的に使用して遊技を行う管理遊技機であって、
前記主制御手段および前記副制御手段に対して前記扉開放検出手段からの検出信号が入力されるように構成され(図32)、
前記主制御手段は、
前記扉開放検出手段からの検出信号に基づき、扉開放エラーを判定可能な第1エラー判定手段と、
前記発射手段の発射動作を制御可能な発射制御手段と、を備え、
前記副制御手段は、
前記扉開放検出手段からの検出信号に基づき、扉開放エラーを判定可能な第2エラー判定手段と、
前記第2エラー判定手段による判定結果に基づき、遊技機の外部に設けられた外部装置(たとえば、ホールコンピュータHC、データカウンタDT、遊技機情報センタなど)に対して所定信号(扉開放エラーに係る外端信号)を出力可能な外部信号出力手段と、備え、
前記第1エラー判定手段は、
前記開放状態を示す検出信号が第1所定時間継続して検出された場合、前記扉開放エラーであると判定し(図57(ロ)の時刻t2)、
前記発射制御手段は、
前記開放状態を示す検出信号が検出された場合、前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定される前に前記発射手段の発射動作を停止させ(図57(ロ)の時刻t1)、
前記第2エラー判定手段は、
前記開放状態を示す検出信号が第2所定時間継続して検出された場合、前記扉開放エラーであると判定し(図57(ロ)の時刻t2)、
前記外部信号出力手段は、
前記第2エラー判定手段により扉開放エラーであると判定された場合、前記所定信号を出力する、
ことを特徴する遊技機。なお、本構成において、第1所定時間と第2所定時間とを同一または略同一時間とすることができる。
<構成(E7)>
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉(前枠2やガラス扉などの扉構造体)の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段(扉開放センサ61)と、
扉開放エラー報知を実行可能なエラー報知手段(演出手段)と、
遊技動作を司る第1制御手段(主制御部20)と、
前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段(枠制御部22)と、
を備える遊技機であって、
前記第1制御手段は、
前記開閉扉が開放状態である場合に、前記扉開放エラーを判定可能なエラー判定手段と(図57(ロ))、
前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定された場合、前記扉開放エラー報知に係るエラー処理を実行するエラー処理実行手段(図36のS089)と、
前記開閉扉が開放状態である場合に、前記発射手段の発射動作を停止させる発射停止手段(図57(ロ))と、を備え、
前記第2制御手段は、
前記開閉扉が開放状態である場合に、遊技機の外部に設けられた外部装置に対して所定信号を出力可能な外部信号出力手段(「枠制御部22おける扉開放エラーの検出、解除について」参照)を備える、
ことを特徴とする遊技機。なお、上記構成(E7)において、前記第1制御手段および前記第2制御手段のそれぞれに対して前記扉開放検出手段からの検出信号が入力可能な構成である。
以上、第1~第4実施形態(各実施形態で説明した構成、変形例のすべてを含む)について説明したが、本発明は個々の実施形態に制限されず、複数の実施形態を組合せた構成としてもよく、各実施形態において記載した内容は個別の実施形態のみに限定されるものではない。また、「同一」と称する場合、「略同一」も含まれうる。
また以上に説明した実施形態では、遊技媒体として、遊技球を利用する弾球遊技機について説明したが、本発明は弾球遊技機に限られない。たとえば、アレンジボール機、雀球遊技機であってもよく、他の遊技媒体として、遊技メダルを利用する遊技機(回胴式遊技機)や、電磁気的な記録手段を利用して遊技媒体を管理する管理遊技機などであってもよい。
本発明は、遊技機に有用である。
1 遊技機、
2 前枠(扉)、
3、3a 遊技盤、遊技領域、
19 遊技球払出装置、
20 主制御部(主制御基板)、
21 枠用外部端子基板、
22 枠制御部(枠制御基板)、
24 演出制御部(演出制御基板、液晶制御基板)
28 発射制御基板、
29 払出制御基板、
32 発射装置、
34、34a 上始動口、上始動口センサ
35、35a 下始動口、下始動口センサ、
37、37a 普通図柄始動口、普通図柄始動口センサ、
38a、38b 特別図柄表示装置、
39a 普通図柄表示装置、
43、43h 一般入賞口、一般入賞口センサ、
50、52a 大入賞口、大入賞口センサ、
51a 特定領域センサ、
41、41c 普通変動入賞装置、普通電動役物ソレノイド、
52、52c 特別変動入賞装置、大入賞口ソレノイド、
36 液晶表示装置、
45 装飾ランプ、
46 スピーカ、
49 アウト口、
61 扉開放センサ、
62 玉抜きスイッチ、
63 枠用RAMクリアスイッチ、
64 エラー解除スイッチ、
65 遊技球クリアスイッチ、
66 入球通路カウントセンサ、
67 非入球通路カウントセンサ、
68 減算機構カウントセンサ、
72 玉抜きユニット、
73 循環ユニット、
74 研磨ユニット、
87 球貸要求スイッチ、
85 外部接続端子基板、
98 RAMクリアスイッチ、
99 性能表示器、
201、202、203 主制御CPU、主制御ROM、主制御RAM、
241、242、243 演出制御CPU、演出制御ROM、演出制御RAM。

Claims (2)

  1. 遊技球を発射可能な発射手段と、
    遊技機本体に開閉可能に配置された開閉扉の開放状態/閉鎖状態を検出可能な扉開放検出手段と、
    扉開放エラー報知を実行可能なエラー報知手段と、
    遊技動作を司る第1制御手段と、
    前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段と、
    を備える遊技機であって、
    前記第1制御手段は、
    前記開閉扉が開放状態である場合に、前記扉開放エラーを判定可能なエラー判定手段と、
    前記エラー判定手段により前記扉開放エラーであると判定された場合、前記扉開放エラー報知に係るエラー処理を実行するエラー処理実行手段と、
    前記開閉扉が開放状態である場合に、前記発射手段の発射動作を停止させる発射停止手段と、を備え、
    前記第2制御手段は、
    前記開閉扉が開放状態である場合に、遊技機の外部に設けられた外部装置に対して所定信号を出力可能な外部信号出力手段を備える、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1制御手段および前記第2制御手段のそれぞれに対して前記扉開放検出手段からの検出信号が入力されるように構成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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