JP2024025015A - 保全工程管理装置及び保全工程管理方法 - Google Patents

保全工程管理装置及び保全工程管理方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024025015000001
【課題】ハザードに対する防護措置を確保した保全工程のスケジュールを作成する保全工程管理装置を提供する。
【解決手段】原子炉プラントの保全工程管理装置は、ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積(体積)の情報と、ハザード区域の許容火災荷重及び許容床占有面積(体積)の情報と、を記憶する情報記憶装置10と、保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するエリア干渉検出処理装置11と、保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重及び許容床占有面積(体積)が、許容火災荷重及び許容床占有面積(体積)を超えているか否かを判定するハザード演算処理装置12と、前記エリア干渉検出処理装置またはハザード演算処理装置の判定結果を表示する表示装置13と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、原子力発電所等の保全工程管理装置及び保全工程管理方法に関する。
原子炉設置者は、原子炉規制法等により、一定の期間毎に定期検査を要求されている。この定期検査では、多くの機器は、規制に提示した点毎に基づき時間基準保全で点検を実施している。
例えば、原子炉設置者は、プラント停止時の安全性を確保するため、原子炉規制委員会規則により要求されている保安規定に基づき、機能維持すべき系統以外の系統を隔離して機器の点検を実施する。さらに、作業エリア、天井クレーン、大物搬入口等の干渉が発生する作業を把握し、各作業実施元が調整して干渉を回避し機器の点検を実施する。
また、点検に際して、燃料移送中の被ばく回避等のために、特定エリアにおいて作業規制が発生する場合がある。また、非常用ガス処理系の試験時に、フィルタの性能劣化を防止したり、差圧変動を抑制するために、有機溶剤の使用が制限されたり、空調システムの作動変更が抑制される場合がある。これら作業規制も、工程検討上反映させる必要がある。
原子炉設置者は、プラント停止時の適切な点検工程を作成するため、上述した定期検査工程に影響を及ぼす全ての制約条件を反映して、保全工程管理装置により保全工程のスケジュールを作成している(特許文献1を参照)。
詳しくは、特許文献1には、必要最小限の入力によって工程間の干渉を可能な限り回避して最適な保守作業用の全体スケジュールを自動的に作成し、作業内容が変更されたときに迅速にスケジュールを修正可能なプラント保守作業管理装置の技術が開示されている。
特開平08-129414号公報
近年、原子炉設置許可基準と技術基準の変更に伴い、プラント停止時の安全性を確保するため、機能維持している系統は、ハザードによる機能喪失を回避することが必要になっている。そのため、原子炉設置者は、火災、溢水、竜巻等の各種ハザードに対する防護措置を確保して、保安作業を行う必要がある。
しかし、上記の保全工程管理装置では、ハザードに対する防護措置を確保した保全工程のスケジュールを作成できない。
本発明の目的は、ハザードに対する防護措置を確保した保全工程のスケジュールを作成する保全工程管理装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、原子炉プラントの保全工程管理装置であって、ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積(体積)の情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重及び許容床占有面積(体積)の情報と、を記憶する情報記憶装置と、保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するエリア干渉検出処理装置と、前記保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重及び許容床占有面積(体積)が、許容火災荷重及び許容床占有面積(体積)を超えているか否かを判定するハザード演算処理装置と、
前記エリア干渉検出処理装置またはハザード演算処理装置の判定結果を表示する表示装置と、を備えるようにした。
本発明によれば、ハザードに対する防護措置を確保した保全工程のスケジュールを作成できるので、原子力プラントの安全性を高めることができる。
実施例1の保全工程管理装置の動作の概要を示すフロー図である。 実施例1の保全工程管理装置の構成図である。 保全工程管理装置を適用する原子炉建屋の横断面を示す図である。 実施例1の保全工程管理装置の火災荷重の許容判定処理を示す図である。 実施例2の保全工程管理装置の動作の概要を示すフロー図である。 実施例2の保全工程管理装置の構成図である。 実施例2の保全工程管理装置の火災荷重の許容判定処理を説明する図である。 実施例3の保全工程管理装置の動作の概要を示すフロー図である。 実施例3の保全工程管理装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の保全工程管理装置は、保全作業の作業エリア情報と、プラント停止時の機能維持系統の配置情報と、機能維持系統をハザードから保護するためのハザードバウンダリーで防護されたエリア情報と、ハザードを管理するエリア区域情報と、作業エリアに持込む資機材や消耗品等の持込物品情報と、定期検査における全保全工程と、を格納するデータベースと、これらデータベースの情報に基づいて、保全作業の成立性を評価する演算装置と、当該演算装置から出力される情報に基づいて、保全作業が成立しない範囲を特定して表示する表示装置を備えている。
これにより、本実施形態の保全工程管理装置は、原子力プラントの保全のために策定された各機器の点検工程案において、プラント停止時におけるハザードやエリアによる工程影響因子を顕在化させる。
図1は、本実施形態の保全工程管理装置の動作の概要を示すフロー図である。図2は、実施形態の保全工程管理装置の構成図である。
図1のステップS11で、保全工程管理装置は、プラント停止時の保全工程の成立性を検討するために必要な情報を収集する。
詳しくは、保全工程管理装置は、プラント停止期間中に保全作業を実施する点検対象機器情報と、定期検査工程情報と、各作業の作業エリア情報と、保全作業を実施するための工具・設備等の持込物品情報と、持込物品の火災荷重(等価可燃物量)情報と、持込物品の床占有面積(体積)情報と、ハザードバウンダリーの崩壊情報と、を収集する。
なお、持込物品の床占有面積(体積)情報は、持込物品の床占有面積情報または床占有体積情報を意味する。
それと併せて、保全工程管理装置は、機器の点検を実施するための各系統の隔離範囲情報と、隔離時期情報と、隔離期間情報と、その隔離情報に基づき機能維持する機器の配置情報と、機能維持する機器配置エリアのハザードバウンダリーにより仕切られたハザード区域情報と、火災区域エリアの許容火災荷重情報と、溢水区域エリアの許容床面積(体積)情報と、を収集する。
なお、溢水区域エリアの許容床面積(体積)情報は、溢水区域エリアの許容床面積情報、または溢水区域エリアの許容床体積情報を意味する。
保全工程管理装置は、収集した上述の情報を、後述する情報記憶装置10(図2)に記憶する。
ここで、火災に関するハザードバウンダリーは、壁、防火扉、3時間耐火措置(検知および1時間耐火措置)により構成する。また、溢水に関するハザードバウンダリーは、壁、水密扉、水密処理措置により構成し、竜巻に関するハザードバウンダリーは、外壁、竜巻防護対策扉により構成する。
また、火災に関するハザードバウンダリーは、多重化されたプラント安全系統に応じて区分し、ハザード区域とする。さらに、各ハザード区域は、部屋単位の区域に分割している場合がある。
溢水に関するハザードバウンダリーは、伝播経路と排出量を勘案して、ハザード区域に分割する。
なお、本実施形態における保全工程は、各機器の保全作業ステップとその期間、系統隔離ステップとその期間、系統隔離期間における各機器の保全手順、作業規制による作業禁止条件、定期事業者検査などによる規制当局や事業者の立ち合い期間が反映されたものである。保全工程管理装置は、この保全工程の各情報は、後述する情報記憶装置10に、各系統の隔離範囲情報、隔離時期情報、隔離期間情報として記憶する。
ステップS12で、保全工程管理装置は、定期検査工程情報の各工程と各種情報の関連付けを行う。
詳しくは、後述する情報記憶装置10の各作業の作業エリア情報と、当該作業エリアへの持込物品の火災荷重情報と、当該作業エリアへの持込物品の床占有面積(体積)情報と、扉、貫通部や機器の耐火バリアなどのハザードバウンダリー崩壊情報とを、定期検査工程情報の各工程と関連付ける。
また、原子力発電プラントの保全における機能維持機器は、プラント停止時の系統運用に応じ変動する。そのため、機能維持する機器配置エリアのハザード区域エリア情報と、各ハザード区域の許容火災荷重情報と許容床占有面積(体積)情報とを、定期検査工程情報の各工程を関連付ける。
ステップS13で、保全工程管理装置は、機能維持する機器の配置エリアにおけるハザード区域で実施する作業を特定する。
詳しくは、後述するエリア干渉検出処理装置11が、機能維持している機器配置エリアのハザード区域で実施する作業件名を特定する。また、エリア干渉検出処理装置11は、各作業がエリア干渉する場合にも、作業件名を特定する。
なお、保全作業において、火気作業や危険物持込作業等から持込物品の制約を受ける場合がある。このため、保全工程管理装置は、ステップS11において、これらの情報を収集するとともに、ステップS12とステップS13に反映するようにしてもよい。
ステップS14で、保全工程管理装置は、ステップS13で特定した作業の持込物品が、ハザード区域の許容値を過量しているか否かを評価する。
詳しくは、後述するハザード演算処理装置12が、ステップS13で特定した作業の持込物品の火災荷重情報と持込物品の床占有面積(体積)情報とを情報記憶装置10から取得し、情報記憶装置10の許容火災荷重情報と許容床面積(体積)情報を過量しているか否かを評価する。
ハザード演算処理装置12は、図4により詳細を後述するが、ハザード区域で同時期に複数の作業を実施する場合には、複数作業での実施する作業の火災荷重情報と床占有面積(体積)情報のそれぞれの積算値で、許容値を超えるか否かを判断する。
なお、ハザード演算処理装置12は、持込物品の火災荷重と床占有面積(体積)が時間変動する場合には、作業単位、作業ステップ単位、日にち単位、時間単位で、許容値を超えるか否かを判断する。
ハザード演算処理装置12は、ステップS13で特定した作業の持込物品に関してハザード区域の許容値を超えた場合には、許容値を超える作業件名や作業ステップ情報を表示装置13に表示する。
ステップS15で、保全工程管理装置は、ハザードバウンダリーの崩壊による機能維持機器への影響評価を行う。
詳しくは、エリア干渉検出処理装置11が、情報記憶装置10の各プラント停止状態でのハザードバウンダリーの崩壊情報と機能維持する機器の配置情報とから、機能維持機器のハザードバウンダリーが崩壊しているか否かを判断する。なお、ハザードバウンダリー崩壊情報は、保全作業の持込部品により、防火扉が閉じれない状態になっている場合等に、崩壊状態に設定される。
エリア干渉検出処理装置11は、機能維持機器のハザードバウンダリーが崩壊している場合、ハザードバウンダリー崩壊情報と、崩壊を誘発した作業件名を表示装置13に表示する。
ステップS16で、保全工程管理装置は、ハザード許容値を超える保全作業と、ハザードバウンダリーの崩壊により機能維持機器に影響を及ぼす保全作業とを是正した保全工程について、再評価を行う。詳しは、保全工程管理装置は、ステップS12からステップS15の処理を再度実施する。ハザード許容値を超える保全作業がない場合と、ハザードバウンダリーの崩壊がない場合には、ステップS16を実施しない。
ここで、本実施形態の保全工程管理装置の構成について説明する。
本実施形態の保全工程管理装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(hard disk drive)等の記憶装置、ディスプレイを備えるコンピュータ(情報処理装置)により構成する。
そして、図2に示すように、HDDにより上述した各種の情報を記憶する情報記憶装置10を形成し、HDDに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、エリア干渉検出処理装置11、ハザード演算処理装置12として機能する。表示装置13は、ディスプレイである。
図3は、本実施形態の保全工程管理装置を適用する原子炉建屋の横断面を示す図であり、複数階のフロアのひとつのフロアを示している。
フロアは、ハザードバウンダリーで構成されたA区域からG区域までの複数の区域に区分されている。
本実施形態では、保全作業の作業エリアは、A区域からG区域までの複数の区域の内部に設定されているものとする。図3では、A区域に作業エリアA(作業Aの作業エリア)と作業エリアBが設定され、G区域に作業エリアCと作業エリアDが設定されている。
また、A区域、B区域とC区域は、保全作業にあたって、機能維持する区域として、斜線のハッチングしている。
本実施形態の保全工程管理装置は、保全作業中にハザードが生じても機能維持する区域Aが機能喪失しないようにするため、作業エリアAと作業エリアBにおける持込物品の火災荷重と床占有面積(体積)の積算値が許容値を超えていないか判定する。これにより、保全工程管理装置は、A区域が機能維持する区域の場合には、作業エリアAと作業エリアBにおける保全作業を行わないように、保全工程を是正するよう警告する。
また、本実施形態の保全工程管理装置は、図3では図示していないが、C区域またはE区域の保全作業の持込物品によりC区域とE区域の間の防火扉または水密扉を閉じれない状態にある場合には、ハザードが生じた際にC区域の機能喪失を招くことになる。このため、保全工程管理装置は、ハザードバウンダリー崩壊が生じているとして、保全工程を是正するよう警告する。
さらに、本実施形態の保全工程管理装置は、G区域の作業Cと作業Dの保全作業の作業エリアが干渉しているか否かを判定し、干渉する作業名を特定する。詳しくは、保全工程管理装置は、作業エリアが干渉する作業Cと作業Dとが、同じ時間帯に作業するか否かを判定する。
図4は、本実施形態の保全工程管理装置が、ハザード区域(ハザードが生じても機能維持する区域)で同時期に作業Aと作業Bの保全作業を行う場合に、実施する作業の火災荷重情報の積算値(火災荷重計)が、ハザード区域の許容火災荷重を超えるか否かを判定して、保全作業の可否を判断することを説明する図(火災荷重の許容判定処理図)である。
図4は、横方向が作業ステップまたは経過時間を意味し、作業Aと作業Bのそれぞれの工程と火災荷重の変化と、作業Aと作業Bの火災荷重計の変化と、ハザード区域の許容火災荷重の変化を示している。
詳しくは、作業AはA-1とA-2とA-3の工程から成り、作業BはB-1とB-2とB-3の工程から成る。そして、A-1工程では10・10に順に火災荷重が変化し、B-1工程では50・50・50に順に火災荷重が変化する。A-2、A-3、B-2、B-3も図4に示すように火災荷重が変化する。
作業Aと作業Bの火災荷重計は、作業ステップまたは経過時間毎に、作業Aと作業Bの火災荷重を積算した値である。
図4において、作業ステップまたは経過時間毎に、火災荷重計と許容火災荷重を比較すると、背景を斜線のハッチングした場所で、火災荷重計が許容火災荷重を超えている。つまり、背景を斜線のハッチングした場所に対応する作業ステップまたは経過時間で、ハザードが生じた際にハザード区域の機能喪失を招くことが判る。
保全工程管理装置は、機能喪失を招くこと判定した場合に、許容値を超える作業件名や作業ステップ情報を表示装置13に表示する。また、図4を表示装置13に表示してもよい。
本実施形態の保全工程管理装置によれば、定期検査等の保全作業中にハザードが生じた場合に、停止時の原子力発電プラントの安全性と、工程の成立性を阻害する制約条件を特定することが可能となる。
本実施形態の保全工程管理装置は、保全作業の作業エリア情報と、プラント停止時の機能維持系統の配置情報と、機能維持系統をハザードから保護するためのハザードバウンダリーで防護されたエリア情報と、ハザードを管理するエリア区域情報と、作業エリアに持込む資機材や消耗品等の持込物品情報と、定期検査における全保全工程と、天井クレーンや大物搬入口を使用する作業情報と、作業規制情報と、を格納するデータベースと、これらデータベースの情報に基づいて、作業の成立性を評価し、作業が成立しない場合には、作業が成立するよう作業実施時期を自動で変更する演算装置と、当該演算装置から出力される情報に基づいて、保全工程を表示する表示装置を備えている。
これにより、本実施形態の保全工程管理装置は、プラント停止時の工程案が作成されてない段階で、ハザード、共通施設、エリアなどの工程影響因子を反映させ、原子力発電プラントの保全のために策定された各機器の点検工程を策定する。
図5は、本実施形態の保全工程管理装置の動作の概要を示すフロー図である。図6は、実施形態の保全工程管理装置の構成図である。
図5のステップS51で、保全工程管理装置は、プラント停止時の保全工程を策定するために必要な情報を収集する。
詳しくは、保全工程管理装置は、プラント停止期間中に点検作業を実施する点検対象機器情報と、各機器の点検作業情報と、各作業の作業ステップ情報と、各作業ステップの作業期間情報と、各作業ステップの作業エリア情報と、各作業ステップの開始可能条件情報と、作業ステップの完了条件情報と、天井クレーンなど作業エリア内の共用設備を使用する作業ステップ情報と、大物搬入口などの共用施設を使用する作業ステップ情報と、各作業ステップにおける持込物品の情報と、持込物品の火災荷重情報と、持込物品の床占有面積(体積)情報と、ハザードバウンダリーの崩壊情報を収集する。
また、保全工程管理装置は、機器の点検を実施するための各系統の隔離範囲情報と、保安規定を遵守した系統隔離ステップ情報と、その隔離情報に基づく機能維持機器の配置エリア情報と、各機能維持機器のハザードバンダリー構成情報と、ハザード区域情報と、火災区域エリアの許容火災荷重情報と、溢水区域エリアの許容床面積(体積)情報を収集する。
さらに、保全工程管理装置は、作業規制項目情報と、作業規制期間情報と、定期事業者検査などの事業者や規制当局の立ち合い項目情報と、その立ち合い期間情報を収集する。
保全工程管理装置は、収集した上述の情報を、後述する情報記憶装置10(図6)に記憶する。なお、各情報は、必要時前までに収集してもよい。
保全工程管理装置は、上記以外に、リソースローディング、作業員技量、動員能力、雰囲気線量当量率、被ばく量等の情報を収集してもよい。
ステップS52で、保全工程管理装置は、機器単体点検の工程策定を行う。
詳しくは、保全工程管理装置は、点検機器単体の点検作業情報を情報記憶装置10から抽出し、各作業における作業開始と終了の制約条件を設定し、後述する工程作成演算処理装置14を用いて作業ステップを設定し、各作業ステップの作業期間情報を反映することで、機器単体の点検工程情報を策定し、情報記憶装置10に格納する。
工程作成演算処理装置14は、機器単体の点検におけるクリティカル工程が最短になるように作業ステップを設定する。また、工程作成演算処理装置14は、作業開始と作業終了の制約条件を設定し、作業開始可能な時点から作業する手順で、サブクリティカル工程とオフクリティカル工程となる作業をそれぞれ作成する。
工程作成演算処理装置14は、省力化のために、作業項目は、点検項目に応じて事前にパターン化し、各点検項目パターンに応じて作業工程も事前策定し、情報記憶装置10に記録しておいてよい。但し、各作業の開始と終了の制約条件は、工程に反映する。
ステップS53で、保全工程管理装置は、機器点検工程と各種情報の関連付けを行う。
詳しくは、ステップS52で策定した機器単体の点検工程情報と、各作業ステップの作業エリア情報と、持込物品の火災荷重情報と、持込物品の床占有面積(体積)情報と、各作業ステップの開始可能条件情報4と、各作業ステップの完了条件情報と、ハザードバウンダリーの崩壊情報と、各系統の隔離範囲情報と、系統隔離ステップ情報と、を関連付ける。
また、保全工程管理装置は、作業ステップの開始と終了条件が系統隔離に起因する場合は、各系統の隔離範囲情報と、系統隔離ステップ情報を関連付ける。
さらに、保全工程管理装置は、機能維持機器の配置エリア情報と、その機器配置エリアのハザード区域情報と、各ハザード区域の許容火災荷重情報と、各ハザード区域の許容床面積(体積)情報と、各作業ステップの作業エリア情報とを、点検工程に関連付ける。
なお、各情報は、必要時前までに関連付けしてもよい。
ステップS54で、保全工程管理装置は、各系統の隔離期間の設定を行う。
詳しくは、まず、工程作成演算処理装置14が、各系統の隔離中に実施する点検機器を情報記憶装置10から取得し、ステップS52で策定した対応する機器単体の点検工程情報を、ステップS53で関連付けた作業ステップ開始と終了条件に従い各系統隔離期間が最短となるように設定する。
また、工程作成演算処理装置14は、天井クレーンや大物搬入口などの共通設備の使用が重複する場合、工程が成立するよう作業ステップを組み直す。
工程作成演算処理装置14による作業ステップの生成と共に、エリア干渉検出処理装置11が、同時期に同エリアで作業する作業項目を抽出し、並行作業が成立するか否かを判定し、並行作業が成立しない場合には、これを工程作成演算処理装置14に通知する。工程作成演算処理装置14は、その情報を受けて、並行作業が成立するように作業ステップを組み直す。
さらに、エリア干渉検出処理装置11は、系統機能維持する機器配置エリアのハザード区分で作業が発生する場合、その作業ステップを抽出し、ハザード演算処理装置12が、抽出した作業ステップでの火災荷重や溢水占有面積が許容値を超えているか否かを判定する。
許容値を超えている場合には、ハザード演算処理装置12は許容値を超えている作業ステップを工程作成演算処理装置14に通知し、工程作成演算処理装置14は、通知された作業ステップでの火災荷重や溢水占有面積が許容値を超えないように作業ステップを組み直し、系統別工程情報として情報記憶装置10に記憶する。
保全工程管理装置は、組み直した作業ステップにおいても火災荷重や溢水占有面積が許容値を満足できない場合には、作業ステップを細分化するか、または持込物品量を見直す等の是正処置を実施し、再度評価する。
また、保全工程管理装置は、火気作業や危険物持込作業等から持込物品の制約を受ける場合には、ステップS51で、これらの情報を収集するとともに、ステップS52からステップS54に反映してもよい。
ステップS55で、保全工程管理装置は、各系統の隔離期間と隔離時期の統合を行う。
詳しくは、保全工程管理装置は、ステップS54で工程作成演算処理装置14が策定した各系統別工程情報を情報記憶装置10から抽出し、情報記憶装置10の系統隔離ステップ情報に反映し、系統間の各作業ステップの作業開始と終了条件を整合させて、各系統工程情報を統合する。
保全工程管理装置は、それと併せて、エリア干渉検出処理装置11とハザード演算処理装置12を用い、ステップS54で実施した作業エリア干渉とハザード評価を実施して、工程制約条件を工程作成演算処理装置14に通知し、保全工程を整合させる。
ステップS56で、保全工程管理装置は、クリティカル工程との整合を行い保全工程全体の策定を行う。
設備更新、設備性能向上や発電機の分解点検等の長期間の工事が発生しない、多くの場合、保全工程のクリティカル工程は、原子炉開放、燃料取替、制御棒取替、核計装取替、原子炉復旧、原子炉耐圧試験、格納容器復旧、格納容器リーク試験、起動前試験、系統構成、起動となる。改良型沸騰型軽水炉では、これに再循環ポンプの点検が追加される。
また、多くの原子炉機器では、このクリティカル工程の原子炉耐圧試験までに作業を完了させる必要がある。また、タービン設備では、起動前に、復水器の真空引き、ターニング、主タービン起動、タービン起動試験を実施するが、タービン機器の多くは、復水器の真空引き前までに点検作業は完了させる必要がある。
ステップS55で策定した系統別工程情報で、原子炉とタービンで最も遅く復旧される機器の工程が、原子炉の耐圧試験と復水器の真空引きの開始のタイミングとなる。保全工程管理装置は、この工程が、上述のクリティカル工程より長くなる場合は、原子炉とタービンで最も遅く復旧される機器の工程をクリティカル工程とする。
保全工程管理装置は、ステップS51で収集し、情報記憶装置10に記憶している原子炉開放、燃料取替、制御棒取替、核計装取替、原子炉復旧、原子炉耐圧試験、格納容器復旧、格納容器リーク試験、起動前試験、系統構成、起動、復水器の真空引き、タービンのターニング、主タービン起動、タービン起動試験の単体工程と、これらの手順と、ステップS55で策定した系統別工程情報とを、工程作成演算処理装置14で関連付けし、保全工程の全体の工程を策定する。
保全工程管理装置は、この全体工程策定において、各作業ステップの作業開始と終了の条件による制約は整合する。
なお、保全工程管理装置は、定期検査中に工程変動が発生した場合においても、工程の成立性とプラント安全を確保した新たな工程が速やかに策定できる。
図6は、本実施形態の保全工程管理装置の構成を示す図である。
本実施形態の保全工程管理装置は、図2で説明した保全工程管理装置の構成に、火災荷重や溢水占有面積が許容値を超えないように作業ステップを組み直す工程作成演算処理装置14を追加して構成する。情報記憶装置10は、図5のステップS51で説明した情報を記憶する記憶部である。エリア干渉検出処理装置11、ハザード演算処理装置12と表示装置13は、図2と同様のため説明は省略する。
つぎに、本実施形態の保全工程管理装置の、図5のステップS54における工程作成演算処理装置14とエリア干渉検出処理装置11の処理内容を、図7により説明する。
図7は、図4と同様の火災荷重の許容判定処理図を、上下2段に示した図である。
図7の上段は、工程作成演算処理装置14が生成した作業Aと作業Bの作業ステップについて、ハザード演算処理装置12が作業Aと作業Bの並列作業が成立するか否かを判定する状況を示している。
図7の上段は、図4と同じため説明は省略するが、背景を斜線のハッチングした場所で、火災荷重計が許容火災荷重を超えており、ハザード演算処理装置12は、作業Aと作業Bの並列作業の不成立を判定する。
これにより、工程作成演算処理装置14は、図4の下段のように、火災荷重計が許容火災荷重を超えないようにA-2工程に中断を設けて、作業ステップを組み直し、作業Aと作業Bが並列作業できるようにする。
本実施形態の保全工程管理装置によれば、保全作業中にハザードが生じた場合でも、停止時の原子力発電プラントの安全性と定期検査工程の成立性を確保した定期検査等の保全作業の工程を策定することができる。
本実施形態の保全工程管理装置は、保全作業の作業エリア情報と、プラント停止時の系統構成及びその機能維持系統の配置情報と、機能維持系統をハザードから保護するためのハザードバウンダリーで防護されたエリア情報と、ハザードを管理するエリア区域情報と、作業エリアに持込む資機材や消耗品等の持込物品情報と、各機器の保全工程と、天井クレーンや大物搬入口を使用する作業情報と、作業規制情報と、機器の点検実績と点検周期の情報と、運転サイクルの期間情報と、を格納するデータベースと、これらデータベースの情報に基づいて、作業の成立性を評価しながら、設備利用率を最大化するために点検実施時期を最適化する情報演算装置と、その当該情報演算装置から出力される情報に基づいて、保全工程の点検範囲と作業工程を表示する表示装置を備えている。
これにより、本実施形態の保全工程管理装置は、工程影響因子による影響評価を実施し、複数の停止時の工程を成立させるとともに、設備利用率を最大化する。
図8は、本実施形態の保全工程管理装置の動作の概要を示すフロー図である。図9は、実施形態の保全工程管理装置の構成図である。
図8のステップS81で、保全工程管理装置は、プラント停止時の保全工程を策定するために必要な情報を収集する。
詳しくは、保全工程管理装置は、プラント停止期間中に点検作業を実施する点検対象機器情報と、プラントの運転サイクル期間情報、各機器の点検周期情報と、各機器の点検履歴情報と、各機器の点検項目情報と、各作業ステップの作業情報と、各作業ステップの作業期間情報と、各作業ステップの作業エリア情報と、作業ステップの開始可能条件情報と、作業ステップの作業完了条件情報と、天井クレーンなど作業エリア内の共用設備を使用する作業ステップ情報と、大物搬入口などの共用施設を使用する作業ステップ情報と、持込物品情報と、持込物品の火災荷重情報と、持込物品の床占有面積(体積)情報と、ハザードバウンダリーの崩壊情報を収集する。
また、保全工程管理装置は、機器の点検を実施するための各系統の隔離範囲情報と、系統の隔離ステップ情報と、その隔離情報に基づく機能維持機器の配置情報と、機能維持機器の各ハザードバンダリー構成情報と、ハザード区域情報と、火災区域エリアの許容火災荷重情報と、溢水区域エリアの許容床面積(体積)情報と、作業規制項目情報と、作業規制期間情報と、定期事業者検査などの事業者や規制当局の立ち合い項目情報と、その立ち合い期間情報を収集する。
上記以外に、リソースローディング、作業員技量、動員能力、雰囲気線量当量率、被ばく量等の情報を収集してもよい。
保全工程管理装置は、収集した上述の情報を、後述する情報記憶装置10(図9)に記憶する。なお、各情報は、必要時前までに収集してもよい。
ステップS82で、保全工程管理装置は、複数の各停止時における点検対象機器の点検実施時期の仮設定を行う。詳しくは、保全工程管理装置は、情報記憶装置10に収納された運転サイクル期間情報と、機器の点検周期情報と、機器の点検履歴情報から、点検周期が最も長くなるように、各停止時に点検する機器を仮選定する。
ステップS83で、保全工程管理装置は、機器単体の点検工程の策定を行う。
詳しくは、保全工程管理装置は、点検機器単体の機器の点検作業情報を情報記憶装置10から抽出し、各作業における作業ステップの作業開始可能条件情報と作業ステップの作業完了条件情報から工程の制約を設定し、工程作成演算処理装置14を用いて、機器単体の点検作業ステップを設定し、各作業ステップの作業期間情報を反映することで、機器単体の点検工程情報を策定し、情報記憶装置10に格納する。
工程作成演算処理装置14は、機器単体の点検におけるクリティカル工程が最短になるように作業ステップを設定する。また、工程作成演算処理装置14は、作業開始と作業終了の制約条件を設定し、作業開始可能な時点から作業する手順で、サブクリティカル工程とオフクリティカル工程となる作業をそれぞれ作成する。
ステップS84で、保全工程管理装置は、点検工程と各種情報の関連付けを行う。
詳しくは、保全工程管理装置は、ステップS83で策定した機器単体の点検工程情報と、各作業ステップの作業エリア情報と、持込物品の火災荷重情報と、持込物品の床占有面積(体積)情報と、各作業ステップの作業開始可能条件情報と、作業ステップの完了条件情報と、ハザードバウンダリーの崩壊情報と、各系統の隔離範囲情報と系統の隔離ステップ情報を関連付ける。
また、保全工程管理装置は、機能維持機器の配置エリア情報と、機能維持機器の各ハザードバンダリー構成情報と、機能維持する機器配置エリアのハザード区域情報と、各火災区域エリアの許容火災荷重情報と、持込物品の床占有面積(体積)情報を、各作業ステップの作業エリア情報と機器単体の点検工程情報に関連付ける。
なお、各情報は、必要時前までに関連付けしてもよい。
ステップS85で、保全工程管理装置は、各停止時における各系統の隔離期間の設定を行う。
詳しくは、まず、工程作成演算処理装置14は、各系統の隔離中に実施する点検機器を情報記憶装置10から抽出し、ステップS83で策定した機器単体の点検工程情報を、ステップS84で関連付けた作業ステップの開始可能条件情報と、作業ステップの完了条件情報に従い各系統隔離期間が最短となるように工程を作成する。
また、工程作成演算処理装置14は、共用設備使用の作業ステップ情報と共用施設使用の作業ステップ情報により、天井クレーンや大物搬入口などの共通設備や共通施設の使用が重複する場合、工程が成立するよう作業ステップを組み直す。
工程作成演算処理装置14による作業ステップの生成と共に、エリア干渉検出処理装置11が、同時期に同エリアで作業する作業項目を抽出し、並行作業が成立するか否かを判定し、並行作業が成立しない場合には、これを工程作成演算処理装置14に通知する。工程作成演算処理装置14は、その情報を受けて、並行作業が成立するように作業ステップを組み直す。
さらに、エリア干渉検出処理装置11は、系統機能維持する機器配置エリアのハザード区域にて作業が発生する場合、その作業ステップを抽出し、ハザード演算処理装置12が、作業ステップにおける持込物品の火災荷重情報と持込物品の床占有面積(体積)情報により、当該区域での火災荷重と床占有面積(体積)の積算値を算出し、積算値が許容値を超えているか否かを判定する。単一作業でも、ハザード演算処理装置12は、許容値を超えるか否かを判断する。
許容値を超えている場合には、ハザード演算処理装置12は許容値を超えている作業ステップを工程作成演算処理装置14に通知し、工程作成演算処理装置14は、通知された作業ステップでの火災荷重や溢水占有面積が許容値を超えないように作業ステップを組み直し、系統別工程情報として情報記憶装置10に記憶する。
保全工程管理装置は、組み直した作業ステップにおいても火災荷重や溢水占有面積が許容値を満足できない場合には、作業ステップを細分化するか、または持込物品量を見直す等の是正処置を実施し、再度評価する。
この時点で、情報記憶装置10の作業規制項目情報と、作業規制期間情報と、立ち合い項目情報と、立ち合い期間情報における系統別工程に影響を及ぼす項目を抽出し、工程作成演算処理装置14で反映させる。
なお、火気作業や危険物持込作業等から持込物品の制約を受ける場合があるため、ステップS81で、これら情報を収集するとともに、ステップS82からステップS85に反映してもよい。
ステップS86で、保全工程管理装置は、各定期検査の各系統の隔離期間と隔離時期の統合を行う。
詳しくは、保全工程管理装置は、ステップS85で工程作成演算処理装置14が策定した各系統別工程情報を情報記憶装置10から抽出し、情報記憶装置10の系統隔離ステップ情報に反映し、系統間の各作業ステップの作業開始と終了条件を整合させて、各定期検査の各系統工程情報を統合する。
保全工程管理装置は、それと併せて、エリア干渉検出処理装置11とハザード演算処理装置12を用い、ステップS85で実施した作業エリア干渉とハザード評価を実施して、工程制約条件を工程作成演算処理装置14に通知し、保全工程を整合させる。
ステップS87で、保全工程管理装置は、各定期検査におけるクリティカル工程との整合を行い保全工程全体の策定を行う。
設備更新、設備性能向上や発電機の分解点検等の長期間の工事が発生しない、多くの場合、保全工程のクリティカル工程は、原子炉開放、燃料取替、制御棒取替、核計装取替、原子炉復旧、原子炉耐圧試験、格納容器復旧、格納容器リーク試験、起動前試験、系統構成、起動となる。改良型沸騰型軽水炉では、これに再循環ポンプの点検が追加される。
多くの原子炉機器では、このクリティカル工程の原子炉耐圧試験までに作業を完了させる必要がある。また、タービン設備では、起動前に、復水器の真空引き、ターニング、主タービン起動、タービン起動試験を実施するが、タービン機器の多くは、復水器の真空引き前までに点検作業は完了させる必要がある。
ステップS87で策定した系統別工程情報で、原子炉とタービンで最も遅く復旧される機器の工程が、原子炉の耐圧試験と復水器の真空引きの開始のタイミングとなる。保全工程管理装置は、この工程が、上述のクリティカル工程より長くなる場合は、原子炉とタービンで最も遅く復旧される機器の工程をクリティカル工程とする。
保全工程管理装置は、ステップS81で収集し、情報記憶装置10に記憶している原子炉開放、燃料取替、制御棒取替、核計装取替、原子炉復旧、原子炉耐圧試験、格納容器復旧、格納容器リーク試験、起動前試験、系統構成、起動、復水器の真空引き、タービンのターニング、主タービン起動、タービン起動試験の単体工程と、これらの手順と、ステップS86で策定した系統別工程情報とを、工程作成演算処理装置14で関連付けし、保全工程の全体の工程を策定して情報記憶装置10に記憶する。
保全工程管理装置は、この全体工程策定において、各作業ステップの作業開始と終了の条件による制約は整合する。
なお、保全工程管理装置は、燃料取替、制御棒取替、核計装取替員数は、プラント運転状況に応じて変更となり、取替員数の予測が難しいことから、それぞれ員数を仮設定するものとするが、原子炉の水抜き作業が発生する場合は、燃料は全数取出しで評価する。
ステップS88で、保全工程管理装置は、定検機器を点検する定期検査の確定をして、各機器の点検時期の最適化を行う。
工程作成演算処理装置14は、ステップS87で得られた各定期検査の工程のクリティカル工程と、各定期検査の系統毎のクリティカル工程を情報記憶装置10から抽出し、各機器の点検周期をパラメータとして、各定期検査工程の積算値を算出する。各定期検査の工程積算値が最小になった場合が、各定期検査の点検対象機器の最適点検実施時期となる。
パラメータサーベイする際の各機器の点検周期は、既存の点検周期を超えないことが前提である。
この演算で、機器の点検実施時期が変更となった定期検査の成立性とプラント安全を確認するため、ステップS84からステップS87を再実施する。
各定期検査の工程は、表示装置13に提示する。
この後、新規に作成された各定期検査の工程積算値が最小になるまで、ステップS88を繰り返す。
工程作成演算処理装置14の演算処理能力に裕度がある場合、パラメータサーベイする際に、対象機器は、定期検査のサブクリティカル工程と、各定期検査の系統毎のサブクリティカル工程を形成する機器までを対象にして、点検周期によるパラメータサーベイを実施してもよい。
さらに、工程作成演算処理装置14の演算処理能力に裕度がある場合は、全機器の点検周期をパラメータとして、ステップS83からステップS87を実施して、各機器の点検実施時期を設定してもよい。
但し、予備機との入れ替え方式を適用している点検において、予備機の員数が限定される機器は、保有している予備機以上に点検を実施する場合は、予備機が無い場合の作業ステップ、作業期間を事前に準備する必要がある。
図9は、本実施形態の保全工程管理装置の構成を示す図である。
本実施形態の保全工程管理装置は、図6で説明した保全工程管理装置の構成と同様の構成となっている。しかし、情報記憶装置10は、図8のステップS81で説明した情報を記憶する記憶部であり、工程作成演算処理装置14が、ステップS88の処理機能を追加していることが異なる。
本実施形態の保全工程管理装置によれば、定期検査等の作業工程が長い機器をひとつの保全作業の停止時に作業をせず、分散して作業することができるので、設備利用率が最大化できる。
また、定期検査等の保全作業中に工程変動が発生した場合において、工程の成立性とプラント安全を確保した新たな工程が速やかに策定できる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
10 情報記憶装置
11 エリア干渉検出処理装置
12 ハザード演算処理装置
13 表示装置
14 工程作成演算処理装置

Claims (6)

  1. 原子炉プラントの保全工程管理装置であって、
    ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積と床占有体積のいずれかの情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重の情報と、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかの許容値の情報と、を記憶する情報記憶装置と、
    保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するエリア干渉検出処理装置と、
    前記保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えているか否か、及び、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えているか否かを判定するハザード演算処理装置と、
    前記エリア干渉検出処理装置またはハザード演算処理装置の判定結果を表示する表示装置と、
    を備えたことを特徴とする保全工程管理装置。
  2. 原子炉プラントの保全工程管理装置であって、
    ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積と床占有体積のいずれかの情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重の情報と、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかの許容値の情報と、を記憶する情報記憶装置と、
    保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するエリア干渉検出処理装置と、
    前記保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えているか否か、及び、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えているか否かを判定するハザード演算処理装置と、
    前記保全工程の作業ステップを作成するとともに、前記エリア干渉検出処理装置と前記ハザード演算処理装置の判定結果に応じて、前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊が生じないように、かつ、前記ハザード区域の火災荷重及び許容床占有面積(体積)が、許容火災荷重及び許容床占有面積(体積)を超えないように、前記保全工程の作業ステップを組み直す工程作成演算処理装置と、
    前記工程作成演算処理装置が作成した前記保全工程の作業ステップを表示する表示装置と、
    を備えたことを特徴とする保全工程管理装置。
  3. 原子炉プラントの保全工程管理装置であって、
    各機器の点検履歴と、各機器の点検周期と、運転サイクルと、ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積と床占有体積のいずれかの情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重の情報と、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかの許容値の情報と、を記憶する情報記憶装置と、
    保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するエリア干渉検出処理装置と、
    前記保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えているか否か、及び、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えているか否かを判定するハザード演算処理装置と、
    機器の保全作業が複数の停止時に分けて実施されるように前記保全工程の作業ステップを作成するとともに、前記エリア干渉検出処理装置と前記ハザード演算処理装置の判定結果に応じて、前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊が生じないように、かつ、前記ハザード区域の火災荷重及び許容床占有面積(体積)が、許容火災荷重及び許容床占有面積(体積)を超えないように、前記保全工程の作業ステップを組み直し、複数の定期検査で設備利用率が最大化する工程作成演算処理装置と、
    前記工程作成演算処理装置が作成した前記保全工程の作業ステップを表示する表示装置と、
    を備えたことを特徴とする保全工程管理装置。
  4. 原子炉プラントの保全工程管理方法であって、
    ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積と床占有体積のいずれかの情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重の情報と、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかの許容値の情報と、を情報記憶装置に記憶するステップと、
    エリア干渉検出処理装置が保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するステップと、
    ハザード演算処理装置が保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えているか否か、及び、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えているか否かを判定するステップと、
    前記エリア干渉検出処理装置またはハザード演算処理装置の判定結果を表示装置に表示するステップと、
    を含むことを特徴とする保全工程管理方法。
  5. 原子炉プラントの保全工程管理方法であって、
    ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積と床占有体積のいずれかの情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重の情報と、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかの許容値の情報と、を情報記憶装置に記憶するステップと、
    エリア干渉検出処理装置が、保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するステップと、
    ハザード演算処理装置が、保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えているか否か、及び、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えているか否かを判定するステップと、
    工程作成演算処理装置が、前記保全工程の作業ステップを作成するとともに、前記エリア干渉検出処理装置と前記ハザード演算処理装置の判定結果に応じて、前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊が生じないように、かつ、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えないように、かつ、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えないように、前記保全工程の作業ステップを組み直すステップと、
    表示装置が、前記工程作成演算処理装置が作成した前記保全工程の作業ステップを表示するステップと、
    を含むことを特徴とする保全工程管理方法。
  6. 原子炉プラントの保全工程管理方法であって、
    各機器の点検履歴と、各機器の点検周期と、運転サイクルと、ハザード発生時にも機能維持する機器の配置エリアをハザードバウンダリーにより仕切るハザード区域の情報と、原子炉建屋内に持込み、保全作業を行う持込物品の火災荷重及び床占有面積と床占有体積のいずれかの情報と、前記ハザード区域の許容火災荷重の情報と、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかの許容値の情報と、を情報記憶装置に記憶するステップと、
    エリア干渉検出処理装置が、保全工程の各作業において前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊を判定するステップと、
    ハザード演算処理装置が、保全工程の各作業において、前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えているか否か、及び、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えているか否かを判定するステップと、
    工程作成演算処理装置が、機器の保全作業が複数の停止時に分けて実施されるように前記保全工程の作業ステップを作成するとともに、前記エリア干渉検出処理装置と前記ハザード演算処理装置の判定結果に応じて、前記持込物品によるハザードバウンダリーの崩壊が生じないように、かつ、前前記ハザード区域の火災荷重が許容火災荷重を超えないように、かつ、前記ハザード区域の床占有面積と床占有体積のいずれかが許容値を超えないように、前記保全工程の作業ステップを組み直し、複数の定期検査で設備利用率が最大化するステップと、
    を含むことを特徴とする保全工程管理方法。
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