JP2024023221A - 成形性高強度アルミ合金製造物、及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性高強度アルミニウム合金製造物の作製方法を提供する。【解決手段】方法が、溶融アルミニウム合金組成物を連続して鋳造し、鋳造出口温度を有する鋳造アルミニウム合金製造物を提供することであって、溶融アルミニウム合金組成物が、7xxxシリーズのアルミニウム合金であり、鋳造アルミニウム合金製造物を、鋳造出口温度を20℃~50℃下回る温度まで冷却することと、冷却後に、熱間圧延して、アルミニウム合金ホットバンドを提供することと、アルミニウム合金ホットバンドをコイリングしてホットバンドコイルを提供することと、ホットバンドコイルを200℃~400℃の温度まで冷却することと、ホットバンドコイルを更に処理して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、最終ゲージアルミニウム合金製造物を溶体化処理することと、を含む、前記方法である。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月23日に出願された、米国特許出願第62/749,158号の優先権、及び出願の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、アルミニウム合金の分野、ならびにより具体的には、アルミ合金製造物の作製及び処理方法に関する。
高強度のアルミニウム合金が、とりわけ、自動車及び他の輸送用途(例えば、限定されるものではないが、トラック、トレーラー、列車、航空宇宙用途、及び海洋用途が挙げられる)、ならびに電子工学用途などの多くの用途における、改善された製品性能のために望まれている。場合によっては、そのような合金は、他の性質の中でも、高強度、及び高い成形性(例えば、所望の形状への成形能力)を示さなければならない。高強度を有するアルミニウム合金製造物を達成することは多くの場合、成形性の喪失をもたらす。逆に、高成形性アルミニウム合金製造物をもたらすことは多くの場合、より低い強度の製造物がもたらされる。
本発明の対象の実施形態は、本概要ではなく、特許請求の範囲によって定められる。この概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概要であり、以下の詳細な説明のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介している。この概要は、クレームされている主題の主要な特徴または重要な特徴を特定することは意図されておらず、クレームされている主題の範囲を決定する上で分離して用いられることも意図されていない。主題は、明細書全体、いずれかまたは全ての図面、及び各特許請求の範囲の適切な部分を参照することにより理解されるべきである。
本明細書においては、成形性高強度アルミニウム合金製造物の作製方法であって、当該方法が、溶融アルミニウム合金組成物を連続して鋳造し、鋳造出口温度を有する、鋳造アルミニウム合金製造物を提供することであって、溶融アルミニウム合金組成物が、少なくとも0.1重量%のZr、少なくとも2重量%のMg、及び、Al以外の主要合金元素としてZnを含む、アルミニウム合金を含む、提供することと、鋳造アルミニウム合金製造物を、鋳造出口温度を20℃~50℃下回る温度まで冷却し、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を提供することと、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延して、アルミニウム合金ホットバンドを提供することと、アルミニウム合金ホットバンドをコイリングしてホットバンドコイルを提供することと、ホットバンドコイルを200℃~400℃の温度まで冷却することと、ホットバンドコイルを更に処理して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、最終ゲージアルミニウム合金製造物を溶体化することと、を含む、方法を記載する。いくつかの実施例では、溶融アルミニウム合金組成物は、1.2~3の、Mgに対するZnの比率を含む。特定の場合において、方法は、鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延することであって、熱間圧延が、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を、熱間圧延投入温度まで加熱することを含む、熱間圧延を更に含む。場合によっては、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延して、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物の厚みを少なくとも30%(例えば40%~50%)減少させる。
場合によっては、更なる処理工程は、ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、均質化ホットバンドコイルを熱間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含むことができる。別の場合において、更なる処理工程は、ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、均質化ホットバンドコイルを冷却することと、均質化ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含むことができる。更に他の場合においては、更なる処理工程は、ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することを含むことができる。均質化工程は、アルミニウム合金ホットバンドを、少なくとも約450℃の均質化温度まで加熱することと、アルミニウム合金ホットバンドを少なくとも約450℃の均質化温度で、少なくとも約90分(例えば、約90分~約150分)の期間保持することと、を含むことができる。
方法は、最終ゲージアルミニウム合金製造物をプレエイジングする工程を更に含むことができる。プレエイジングは、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約50℃~約150℃のプレエイジング温度まで加熱することと、プレエイジング温度を約1時間~約24時間の期間維持することと、を含むことができる。方法は、最終ゲージアルミニウム合金製造物をエイジングして、少なくとも約400MPaの降伏強さを達成する工程を更に含むことができる。エイジングは、自然時効、人工時効、塗料焼き付け、及び成形後熱処理のうちの1つ以上を含むことができる。場合によっては、自然時効は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約1日~約12週間の期間、室温で維持することを含む。人工時効は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約100℃~約250℃の人工時効温度まで加熱することと、人工時効温度を、約1~約72時間(例えば、約12時間~約72時間)の期間維持することと、を含むことができる。塗料焼き付けは、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約75℃~約250℃の塗料焼き付け温度まで加熱することと、塗料焼き付け温度を約15分~約3時間の期間維持することと、を含むことができる。成形後熱処理は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約100℃~約250℃の成形後熱処理温度まで加熱することと、成形後熱処理温度を、約1時間~約24時間の期間維持することと、を含むことができる。
本明細書に記載する方法に従い調製したアルミニウム合金製造物もまた、本明細書に記載する。アルミニウム合金製造物は、あらゆるエイジング前(例えば、自然時効、人工時効、塗料焼き付け、または成形後熱処理前)のアルミニウム合金製造物と比較して、エイジング後に、伸び及び降伏強さの両方の増加を達成することができる。伸びの増加は、少なくとも約1%(例えば約1.5%~約5%)であることができる。降伏強さの増加は、少なくとも約15MPa(例えば、約15MPa~約25MPa)であることができる。
本発明の他の目的及び利点は、本発明の非限定的実施例の以下の詳細の説明、及び図面から、明らかとなろう。
本明細書に記載するアルミニウム合金処理方法を表す概略図である。 本明細書に記載するアルミニウム合金処理方法を表す概略図である。 本明細書に記載するアルミニウム合金処理方法を表す概略図である。 本明細書に記載する方法で処理されるアルミニウム合金製造物の強度及び伸び特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理されるアルミニウム合金製造物の強度及び伸び特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理されるアルミニウム合金製造物の強度及び伸び特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理されるアルミニウム合金製造物の強度及び伸び特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理されるアルミニウム合金製造物の強度及び伸び特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法により処理したアルミニウム合金製造物中での、未溶解の金属間粒子の粒子分布を示す光学顕微鏡(OM)の顕微鏡写真を含有する。 本明細書に記載する方法により処理したアルミニウム合金製造物中での、結晶構造及び未溶解の金属間粒子を示す、OM顕微鏡写真を含有する。 本明細書に記載するアルミニウム合金処理方法を表す概略図である。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の強度特性における、自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の伸び特性における、自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の伸び特性における、自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の強度特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の強度特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の伸び特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の伸び特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の伸び特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の伸び特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の曲げ特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の曲げ特性における、種々の焼入れ後の自然時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の強度特性における、人工時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の強度特性における、種々の焼入れ後の人工時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の強度特性における、種々の焼入れ後の人工時効の効果を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物中での、未溶解の金属間粒子の粒子分布を示すOM顕微鏡写真を含有する。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物中での、結晶構造及び未溶解の金属間粒子を示す、OM顕微鏡写真を含有する。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の、経時的な強度特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の、経時的な伸び特性を示すグラフである。 本明細書に記載する方法で処理したアルミニウム合金製造物の、経時的な伸び特性を示すグラフである。
本明細書では、連続鋳造工程、調整された熱間圧延スケジュール、及び様々な下流処理工程を使用して高強度アルミニウム合金製品を処理する方法、ならびにその方法に従って調製及び処理されるアルミニウム合金製品について説明する。本明細書に記載するアルミニウム合金製造物の処理方法は、エンドユーザー(例えば、相手先ブランド製造(OEM))により必要とされる、高強度及び成形性の特性を有するアルミニウム合金製造物作製するための、より効率的な方法を提供する。通常、高強度アルミニウム合金製造物は、エイジングの実践中に生じる硬化により、低成形性を被る可能性がある。同様に、高成形性アルミニウム合金製造物は、自動車、輸送、電子工学、専門用途、またはこれらの任意の組み合わせにおける構造部材として使用するのに必要な強度を欠く可能性がある。しかし、本明細書に記載するアルミニウム合金製造物は、成形性を損なうことなく、そして場合によっては、成形性が改善されながら、高強度特性を示す。本明細書に記載するアルミニウム合金製造物は、室温成形の影響もまた受けやすく、例えば、自動車産業及び他の産業において、所望されるとおりの複雑な形状を達成することができる。
定義及び説明
本明細書で使用される「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」及び「本発明(the present invention)」という用語は、本特許出願の主題の全て及び以下の特許請求の範囲を広く指すことを意図している。これらの用語を含む明細書は、本明細書に記載された主題を限定することも、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を限定したりすることもないと理解されるべきである。
この説明では、「シリーズ」または「7xxx」などのアルミニウム業界の名称で識別される合金について言及がなされている。アルミニウム及びその合金の命名及び識別に最も一般に使用される番号名称体系の理解については、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」(両方ともアルミニウム協会により発行された)を参照のこと。
以下のアルミニウム合金は、合金の総重量に基づく重量パーセント(重量%または%)での元素組成の観点から説明される。各合金の特定の例では、残りはアルミニウムであり、不純物の合計最大重量が、0.15重量%である。
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、または「the」の意味は、文脈が明確に別途指示しない限り、単数形及び複数形の言及を含む。
本明細書で使用する場合、シートとは一般的に、約15mmより大きく、最大約200mmの厚みを有する。例えば、プレートとは、約15mm超、約20mm超、約25mm超、約30mm超、約35mm超、約40mm超、約45mm超、約50mm超、約100mm超、または最大約200mmの厚みを有するアルミニウム合金製造物を意味することができる。
本明細書で使用する場合、シート(シートプレートとも呼ばれる)とは一般的に、約4mm~約15mmの厚みを有する。例えば、シートは、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、または約15mmの厚みを有することができる。
本明細書で使用する場合、シートは一般に、約4mm未満の厚みを有するアルミニウム合金製品を指す。例えば、シートは、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、約0.3mm未満、または約0.1mm未満の厚みを有し得る。
本出願では、合金の調質または質別に対する言及がなされる。最も一般的に使用されている合金質別の記述を理解するために、「American National Standards(ANSI)H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照されたい。F調質または質別とは、製造されるアルミニウム合金を指す。O調質または質別は、アニール後のアルミニウム合金を指す。T1調質または質別とは、熱間処置から冷却され、(例えば、室温で)自然時効させたアルミニウム合金を指す。T2調質または質別とは、熱間処置から冷却され、冷間処置され、自然時効させたアルミニウム合金を指す。T3調質または質別とは、溶体化熱処理され、冷間処置され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T4調質または質別とは、溶体化熱処理され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T5調質または質別とは、熱間処置から冷却され、(高温で)人工時効させたアルミニウム合金を指す。T6調質または質別とは、溶体化熱処理され、人工時効させたアルミニウム合金を指す。T7調質または質別とは、溶体化熱処理され、人工過時効させたアルミニウム合金を指す。T8x調質または質別とは、溶体化熱処理され、冷間処置され、人工時効させたアルミニウム合金を指す。T9調質または質別とは、溶体化熱処理され、人工時効させ、冷間処置されたアルミニウム合金を指す。
本明細書で使用される場合、「鋳造金属製品」、「鋳造製品」、「鋳造アルミニウム合金製品」などの用語は、互換性があり、直接チル鋳造(直接チル同時鋳造を含む)または半連続鋳造、連続鋳造(例えば、双ベルト鋳造機、双ロール鋳造機、ブロック鋳造機、もしくは他の任意の鋳造機の使用によるものを含む)、電磁鋳造、熱間トップ鋳造、または他の任意の鋳造法により作成された製品を指す。
本明細書で使用される場合、「室温」の意味は、約15℃~約30℃の温度、例えば、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、または約30℃を含み得る。
本明細書に開示の範囲は全て、任意の終点、及び、それらに包含される任意のあらゆる部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、記載された範囲「1~10」は、最小値1及び最大値10間の(且つこれらを含む)ありとあらゆる部分範囲を含むと考えられるべきであり、すなわち、全ての部分範囲は、1以上の最小値、例えば、1~6.1、から始まり、かつ、10以下の最大値、例えば、5.5~10で終わる。
調製及び処理方法
本明細書に記載する成形性高強度アルミニウム合金製造物の作製方法は、(例えば連続鋳造により)溶融アルミニウム合金組成物を鋳造することと、鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延してアルミニウム合金ホットバンドを提供することと、アルミニウム合金ホットバンドをコイリングし、冷却してホットバンドコイルを提供することと、その後、1つ以上の更なる処理工程により、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む。
場合によっては、処理方法は、熱間圧延、均質化、最終ゲージへの熱間圧延、及び溶体化を含むことができる。別の場合において、処理方法は、熱間圧延、均質化、コイル冷却、最終ゲージへの冷間圧延、及び溶体化を含むことができる。更に別の場合において、処理方法は、熱間圧延、コイル冷却、最終ゲージへの冷間圧延、及び溶体化を含むことができる。上述の処理方法のいずれかを、成形及び更なる加熱処理を含む、後続処理方法と組み合わせて、高強度かつ成形性アルミニウム合金製造物を提供することができる。
本明細書に記載するアルミニウム合金製造物は、少なくとも約0.1重量%のジルコニウム(Zr)、少なくとも約2重量%のマグネシウム(Mg)、及び、アルミニウム(Al)以外の主要合金元素としての(例えば、少なくとも約3重量%の)亜鉛(Zn)を含むアルミニウム合金組成物から調製することができる。後述の処理条件と組み合わせて、少なくとも約0.10重量%の量のZr、少なくとも約2重量%の量のMg、及び(Al以外の)主要合金元素としてのZnが存在することにより、並外れた強度及び成形性を有するアルミニウム合金製造物が得られる。場合によっては、組み合わせによって、高い腐食耐性を有するアルミニウム合金製造物が得られる。
場合によっては、Zrは、アルミニウム合金の総重量に基づいて、約0.1%~約2%(例えば、約0.15%~約1.5%、約0.2%~約1.3%、または約0.5%~約1%)の量で存在する。例えば、アルミニウム合金は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、または約2%の量でZrを含むことができる。
場合によっては、Mgは、少なくとも約2%(例えば、約2%~約5%、約2.1%~約4.9%、約2.2%~約4.8%、約2.3%~約4.75%、約2.4%~約4.7%、約2.5%~約4.6%、約2.75%~約4.5%、または約3%~約4.25%)の量で存在することができる。例えば、アルミニウム合金は、約2%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、約3%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、または約5%の量でMgを含むことができる。
上記のとおり、Znは、アルミニウム合金中で、Al以外の主な合金元素であることができる。場合によっては、Znは、少なくとも約3%(例えば約3%~約20%、約4.5%~約18%、約7.5%~約15%、約10%~約15%、約3.5%~約10.5%、または約4%~約8%)の量で存在する。例えば、アルミニウム合金は、約3%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、約5%、約5.1%、約5.2%、約5.3%、約5.4%、約5.5%、約5.6%、約5.7%、約5.8%、約5.9%、約6%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%、約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%、約11%、約11.1%、約11.2%、約11.3%、約11.4%、約11.5%、約11.6%、約11.7%、約11.8%、約11.9%、約12%、約12.1%、約12.2%、約12.3%、約12.4%、約12.5%、約12.6%、約12.7%、約12.8%、約12.9%、約13%、約13.1%、約13.2%、約13.3%、約13.4%、約13.5%、約13.6%、約13.7%、約13.8%、約13.9%、約14%、約14.1%、約14.2%、約14.3%、約14.4%、約14.5%、約14.6%、約14.7%、約14.8%、約14.9%、約15%、約15.1%、約15.2%、約15.3%、約15.4%、約15.5%、約15.6%、約15.7%、約15.8%、約15.9%、約16%、約16.1%、約16.2%、約16.3%、約16.4%、約16.5%、約16.6%、約16.7%、約16.8%、約16.9%、約17%、約17.1%、約17.2%、約17.3%、約17.4%、約17.5%、約17.6%、約17.7%、約17.8%、約17.9%、約18%、約18.1%、約18.2%、約18.3%、約18.4%、約18.5%、約18.6%、約18.7%、約18.8%、約18.9%、約19%、約19.1%、約19.2%、約19.3%、約19.4%、約19.5%、約19.6%、約19.7%、約19.8%、約19.9%、または約20%の量でZnを含むことができる。
場合によっては、Zn及びMgの量を互いに調節する。例えば、Mgの量が約3.5%以上である場合、組成物に含まれるZnの量は、7%未満(例えば、6.9%未満、6.8%未満、6.7%未満、6.6%未満、6.5%未満、6.4%未満、6.3%未満、6.2%未満、6.1%未満、6%未満、5.9%未満、5.8%未満、5.7%未満、5.6%未満、5.5%未満、5.4%未満、5.3%未満、5.2%未満、5.1%未満、5%未満、4.9%未満、4.8%未満、4.7%未満、4.6%未満、または4.5%未満)であることができる。Zn及びMgの量をこのように調節することは、本明細書に記載するアルミニウム合金製造物により示される高強度及び成形性の達成における因子である。理論により束縛されるものではないが、Mgは、アルミニウム中の合金元素として使用した場合、強度と成形性の両方を増加させることができる。Zn及びMgを、約1.2~約3の、Mgに対するZn比(即ち、Znの重量百分率/Mgの重量百分率)で組み込むことにより、強度を更に増加させ、優れた成形性を付与することができる。場合によっては、Zn及びMgをある量で組み込んで、約1.2~約2.7、約1.3~約2.5、約1.4~約2.2、約1.5~約2、または約1.2~約1.7の、Mgに対するZn比をもたらすことができる。例えば、Mgに対するZn比は、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3、またはこの間のあらゆる場所であることができる。
いくつかの非限定例では、Zn及びMgは組み合わせることで、アルミニウム合金製造物により示される腐食耐性を増加させることができる。いくつかの例では、組成物中に存在するZn及びMgの合計量は、約5.8%~約25%(例えば、約6%~約20%、約6.5%~約18%、または約7%~約15%)である。例えば、Zn及びMgの合計量は、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約10.5%、約11%、約11.5%、約12%、約13.5%、約13%、約13.5%、約14%、約14.5%、約15%、約15.5%、約16%、約16.5%、約17%、約17.5%、約18%、約18.5%、約19%、約19.5%、約20%、約20.5%、約21%、約21.5%、約22%、約22.5%、約23%、約23.5%、約24%、約24.5%、または約25%であることができる。
任意に、本明細書に記載するアルミニウム合金製造物を調製するためのアルミニウム合金は更に、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)、ならびに1つ以上の不純物を含むことができ、Alが残部である。
いくつかの実施例では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として、約0.1%~約3%(例えば、約0.1%~約2.6%、または約0.15%~約2%)の量のCuを含む。例えば、合金は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、または約3%のCuを含むことができる。場合によっては、Cuは合金中に存在しない(即ち0%である)。
いくつかの実施例では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として、最大約0.25%(例えば、約0%~約0.15%、または約0.05%~約0.10%)の量のFeを含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、または約0.25%のFeを含むことができる。場合によっては、Feは合金中に存在しない(即ち0%である)。
いくつかの実施例では、アルミニウム合金は、Mn、Si、Ti、及び/またはCrを、それぞれ、合金の総重量を基準として、最大約0.2%(例えば、0%~約0.1%、または約0.05%~約0.15%)の量でを含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、または約0.2%の、Mn、Si、Ti、及び/またはCrのそれぞれを含むことができる。場合によっては、Mn、Si、Ti、またはCrの1つ以上は、合金中に存在しない(即ち0%である)。
任意に、アルミニウム合金は、場合によっては不純物と呼ばれる他の微量元素を、それぞれ約0.05%以下、約0.04%以下、約0.03%以下、約0.02%以下、または約0.01%以下の量で更に含むことができる。これらの不純物としては、V、Ni、Sn、Ga、Ca、Bi、Na、Pb、またはこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、V、Ni、Sn、Ga、Ca、Bi、Na、またはPbは合金中に、約0.05%以下、約0.04%以下、約0.03%以下、約0.02%以下、または約0.01%以下の量で存在することができる。全不純物の合計は、約0.15%(例えば約0.10%)を超えない。合金の残りの割合はアルミニウムである。
任意に、本明細書に記載する方法において使用するのに好適なアルミニウム合金製造物としては、7xxxシリーズのアルミニウム合金が挙げられる。場合によっては、本明細書に記載する方法で使用するための7xxxシリーズのアルミニウム合金は、アルミニウム協会で登録されている7xxxシリーズのアルミニウム合金であることができ、任意に改質して、ある量のZr、Mg、Zn、及び/または上述した任意の他の元素を含むことができる。7xxxシリーズのアルミニウム合金としては、例えば、任意に改質されて、少なくとも約0.1重量%のZr、少なくとも約2.8重量%のマグネシウム(Mg)、及び、主要合金元素として亜鉛(Zn)を含む、AA7003、AA7004、AA7204、AA7005、AA7108、AA7108A、AA7009、AA7010、AA7012、AA7014、AA7015、AA7016、AA7116、AA7017、AA7018、AA7019、AA7019A、AA7020、AA7021、AA7022、AA7122、AA7023、AA7024、AA7025、AA7026、AA7028、AA7029、AA7129、AA7229、AA7030、AA7031、AA7032、AA7033、AA7034、AA7035、AA7035A、AA7036、AA7136、AA7037、AA7039、AA7040、AA7140、AA7041、AA7042、AA7046、AA7046A、AA7047、AA7049、AA7049A、AA7149、AA7249、AA7349、AA7449、AA7050、AA7050A、AA7150、AA7055、AA7155、AA7255、AA7056、AA7060、AA7064、AA7065、AA7068、AA7168、AA7072、AA7075、AA7175、AA7475、AA7076、AA7178、AA7278、AA7278A、AA7081、AA7181、AA7085、AA7185、AA7090、AA7093、AA7095、AA7099、またはAA7199を挙げることができる。
いくつかの実施例では、合金はモノリシック合金である。いくつかの実施例では、合金は、1つのコア層と、1つまたは2つのクラッド層とを有するクラッドアルミニウム合金である。場合によっては、コア層は、1つまたは両方のクラッド層と異なっていてよい。コア層は例えば、本明細書に記載するアルミニウム合金(例えば、少なくとも約0.1重量%のZr、少なくとも約2重量%のMg、及び、Al以外の主要合金元素としてZnを含む、アルミニウム合金)であることができる。
鋳造
合金は、任意の好適な鋳造プロセスを用いて鋳造することができる。例えば、本明細書に記載するアルミニウム合金を含む溶融アルミニウム合金組成物は、双ベルト鋳造機、ツインロール鋳造機、またはブロック鋳造機の使用を含むがこれに限定されない、連続鋳造(CC)プロセスを用いて鋳造することができる。いくつかの実施例では、鋳造プロセスをCCプロセスで実施して、例えばビレット、スラブ、細片などの鋳造製造物を形成する。
場合によっては、得られる鋳造アルミニウム合金製造物は、約370℃~約450℃の温度(例えば、鋳造機出口温度)で、鋳造機を出ることができる。例えば、鋳造アルミニウム合金製造物は、約370℃、約380℃、約390℃、約400℃、約410℃、約420℃、約430℃、約440℃、約450℃、またはこれらの間の任意の場所の、鋳造機出口温度を有することができる。
得られる鋳造アルミニウム合金製造物は、約5mm~約50mm(例えば約10mm~約45mm、約15mm~約40mm、または約20mm~約35mm)、例えば約10mmの厚みを有することができる。例えば、鋳造アルミニウム合金製造物は、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、約26mm、約27mm、約28mm、約29mm、約30mm、約31mm、約32mm、約33mm、約34mm、約35mm、約36mm、約37mm、約38mm、約39mm、約40mm、約41mm、約42mm、約43mm、約44mm、約45mm、約46mm、約47mm、約48mm、約49mm、または約50mm厚であることができる。
次に、鋳造アルミニウム合金製造物は更なる処理工程に供すことができる。いくつかの非限定例では、処理方法は、熱間圧延、コイリング、コイル冷却、後述する更なる処理工程、溶体化、及び/またはエイジングを含む。場合によっては、更なる処理は、均質化、及び最終ゲージへの熱間圧延を含むことができる。他の場合において、更なる処理工程は、均質化、冷却、及び最終ゲージへの冷間圧延を含むことができる。更に他の場合においては、更なる処理工程は、最終ゲージへの冷間圧延を含むことができる。
鋳造後の任意の処理
特定の実施例において、鋳造工程後に、鋳造アルミニウム合金製造物を、任意の冷却、均質化、及び/または再加熱に供すことができる。場合によっては、冷却を実施して、鋳造アルミニウム合金製造物の温度を、鋳造機出口温度よりも約20℃~約50℃下回らせる。場合によっては、鋳造機出口温度は、約400℃~約430℃であることができる(例えば、鋳造機出口温度は約400℃、410℃、420℃、または430℃であることができる)。場合によっては、冷却工程は、熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物を提供する。冷却は、回転冷却、コイル冷却、強制空気冷却、水冷却、水のミスト冷却、エマルション冷却、任意の好適な冷却技術、またはこれらの任意の組み合わせにより実施することができる。
他の実施例において、均質化工程は、インラインプロセスでの鋳造後、または、インラインプロセスでの冷却後に実施される。任意のインラインプロセスにおいて、鋳造アルミニウム合金製造物、または熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物をトンネル炉に通して、鋳造アルミニウム合金製造物または熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物を、約400℃~約520℃(例えば、約410℃~約510℃、約420℃~約500℃、約420℃~約520℃、約400℃~約500℃、または約425℃~約475℃)の均質化温度(即ち、ピーク金属温度(PMT))にて均質化させる。例えば、均質化温度は、約400℃、約410℃、約420℃、約430℃、約440℃、約450℃、約460℃、約470℃、約480℃、約490℃、約500℃、約510℃、または約520℃であることができる。場合によっては、均質化工程を使用して、鋳造アルミニウム合金製造物、または熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物の均一な温度を維持する。例えば、鋳造アルミニウム合金製造物の中心よりも、鋳造アルミニウム合金製造物の縁で冷却が速く生じることができる場合、ほぼ鋳造されたアルミニウム合金製造物が、不均一に冷却し得る。鋳造アルミニウム合金製造物、または熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物を、鋳造後、または冷却後にトンネル炉を通過させることで、均一に冷却された鋳造アルミニウム合金製造物をもたらすことができる。
いくつかの実施例では、再加熱工程を実施して、後続の熱間圧延工程のために、鋳造アルミニウム合金製造物、または熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物を調製する。再加熱工程は、インラインプロセス(即ち、トンネル炉内)として、またはオフラインプロセスとして実施することができる(例えば、コイル鋳造アルミニウム合金製造物、または熱的に安定なコイル鋳造アルミニウム合金製造物を、熱間圧延前に箱形炉の中で再加熱することができる)。場合によっては、鋳造アルミニウム合金製造物、または熱的に安定な鋳造アルミニウム合金製造物を、後述の熱間圧延温度まで加熱することで、再加熱を実施する。
熱間圧延
鋳造工程の後に、熱間圧延工程を実施することができる。場合によっては、熱間圧延工程は、鋳造の直後に実施することができる。熱間圧延工程は、熱間反転ミル操作、及び/または熱間タンデムミル操作を含むことができる。熱間圧延工程は、約250℃~約500℃(例えば、約300℃~約400℃、または約350℃~約430℃)の範囲の熱間圧延温度(例えば、熱間圧延入口温度)で実施することができる。例えば、熱間圧延工程は、約250℃、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、約400℃、約410℃、約420℃、約430℃、約440℃、約450℃、約460℃、約470℃、約480℃、約490℃、約500℃、またはこの間の任意の場所の熱間圧延温度で実施することができる。
熱間圧延工程において、鋳造アルミニウム合金製造物を、15mm以下(例えば、約2mm~約10mm)の厚みに熱間圧延し、アルミニウム合金ホットバンドを提供することができる。例えば、鋳造アルミニウム合金製造物を、約15mmゲージ以下、14mmゲージ以下、13mmゲージ以下、12mmゲージ以下、11mmゲージ以下、10mmゲージ以下、9mmゲージ以下、8mmゲージ以下、7mmゲージ以下、6mmゲージ以下、5mmゲージ以下、4mmゲージ以下、3mmゲージ以下、2mmゲージ以下、1mmゲージ以下、または0.5mmゲージまで熱間圧延することができる。場合によっては、熱間圧延工程により得られる厚みの減少割合は、少なくとも約30%(例えば約30%~約50%)であることができる。例えば、鋳造アルミニウム合金製造物の厚みは、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%減少させることができる。場合によっては、アルミニウム合金ホットバンドは、約300℃~約400℃の温度で、熱間反転ミル及び/または熱間タンデムミル(即ち、熱間ミル)から出ることができる。例えば、アルミニウム合金ホットバンドは、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、約400℃、またはこれらの間の任意の場所の、熱間ミル出口温度を有することができる。
コイリング及びコイル冷却
任意に、アルミニウム合金ホットバンドを、熱間ミルから出る際に、ホットバンドコイルに巻くことができる。いくつかの更なる実施例において、ホットバンドコイルは空気中で冷却される(コイル冷却と呼ばれる)。コイル冷却工程は、約12.5℃/時(℃/h)~約3600℃/hの速度で実施することができる。例えば、コイル冷却工程は、約12.5℃/h、約25℃/h、約50℃/h、約100℃/h、約200℃/h、約400℃/h、約800℃/h、約1600℃/h、約3200℃/h、約3600℃/h、またはこれらの間の任意の場所の速度で実施することができる。ホットバンドコイルは、約200℃~約400℃の温度まで冷却することができる。例えば、ホットバンドコイルは、約200℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約250℃、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで冷却することができる。
いくつかの実施例では、空気冷却コイルは、一定期間保管することができる。例えば、コイルは、1時間以上、約200℃~約400℃(例えば、2時間以上、5時間以上、10時間以上、1日以上、2日以上、または1週間以上)の温度で維持することができる。
任意の処理工程:均質化、最終ゲージへの熱間圧延、コイル冷却、及び最終ゲージへの冷間圧延
任意に、熱間圧延、コイリング、及びコイル冷却の後に、均質化を実施することができる。均質化工程は、ホットバンドコイルを加熱して、約、または少なくとも約450℃(例えば、少なくとも約460℃、少なくとも約470℃、少なくとも約480℃、少なくとも約490℃、少なくとも約500℃、少なくとも約510℃、少なくとも約520℃、少なくとも約530℃、少なくとも約540℃、少なくとも約550℃、少なくとも約560℃、少なくとも約570℃、または少なくとも約580℃)の、ピーク金属温度(PMT)を得ることを含むことができる。例えば、ホットバンドコイルを、約450℃~約580℃、約460℃~約575℃、約465℃~約570℃、約470℃~約565℃、約475℃~約555℃、または約480℃~約550℃の均質化温度まで加熱することができる。場合によっては、均質化温度/PMTに対する加熱速度は、約100℃/時以下、約75℃/時以下、約50℃/時以下、約40℃/時以下、約30℃/時以下、約25℃/時以下、約20℃/時以下、または約15℃/時以下であることができる。他の場合において、均質化温度/PMTに対する加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約10℃/分~約90℃/分、約15℃/分~約70℃/分、約20℃/分~約60℃/分、約20℃/分~約50℃/分、または約30℃/分~約40℃/分)であることができる。
次に、ホットバンドコイルを一定期間浸漬させる(即ち、示した温度で保持する)。ある非限定的例に従うと、ホットバンドコイルは、最大約36時間(例えば約30分間、約2時間、または約36時間)浸漬させる。例えば、ホットバンドコイルは示した時間に、30分間、60分間(即ち1時間)、90分間、120分間(即ち2時間)、150分間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、またはこれらの間の任意の場所の間浸漬することができる。
いくつかの非限定例において、均質化工程は実施されない。
任意に、均質化ホットバンドコイルを熱間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物をもたらすことができる。最終ゲージへ工程への熱間圧延は、例えば仕上げミルを用いる均質化工程の後に実施することができる。熱間圧延工程は、約250℃~約500℃(例えば、約300℃~約400℃、または約350℃~約430℃)の範囲の熱間圧延温度で実施することができる。例えば、熱間圧延工程は、約250℃、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、約400℃、約410℃、約420℃、約430℃、約440℃、約450℃、約460℃、約470℃、約480℃、約490℃、約500℃、またはこの間の任意の場所の熱間圧延温度で実施することができる。
最終ゲージ工程への熱間圧延により、ホットバンドの厚みを、約0.5mm~約6mmの最終ゲージまで、更に減少させることができる。例えば、最終ゲージ工程への熱間圧延により、約6mm以下、約5.5mm以下、約5mm以下、約4.5mm以下、約4mm以下、約3.5mm以下、約3mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約0.5mm、またはこれらの間の任意の場所のゲージを有するアルミニウム合金製造物をもたらすことができる。
任意に、均質化の後、均質化ホットバンドコイルはコイル冷却及び冷間圧延を受けることができる。均質化ホットバンドコイルは、約12.5℃/時(℃/h)~約3600℃/hの速度で、空気中で冷却することができる。例えば、コイル冷却工程は、約12.5℃/h、約25℃/h、約50℃/h、約100℃/h、約200℃/h、約400℃/h、約800℃/h、約1600℃/h、約3200℃/h、約3600℃/h、またはこれらの間の任意の場所の速度で実施することができる。コイル冷却の後に、冷間圧延工程を任意に実施することができる。冷間圧延工程の間に、均質化ホットバンドコイルを、約0.1mm~約6mm(例えば、約0.5mm~約5mm)の厚みまで冷間圧延することができる。例えば、均質化ホットバンドコイルを、約4mm未満の厚みまで冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物をもたらすことができる。例えば、最終ゲージアルミニウム合金製造物は、約6mm以下、約5.5mm以下、約5mm以下、約4.5mm以下、約4mm以下、約3.5mm以下、約3mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約0.5mm、またはこれらの間の任意の場所の厚みを有することができる。任意に、冷間圧延工程を、均質化工程及び/または熱間圧延工程なしで実施することができる。
場合によっては、ホットバンドコイルを更に処理して最終ゲージアルミニウム合金製造物をもたらすのに使用する、例示的な一続きの工程は、ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、均質化ホットバンドコイルを熱間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む。別の場合において、ホットバンドコイルを更に処理して最終ゲージアルミニウム合金製造物をもたらすのに使用する、例示的な一続きの工程は、ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、均質化ホットバンドコイルを冷却することと、均質化ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む。更に他の場合においては、ホットバンドコイルを更に処理して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することは、ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することを含む。いくつかの態様では、ホットバンドコイルを更に処理して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することは、コイル冷却、最終ゲージへの冷間圧延、溶体化、塗料焼き付け、及びエイジングを含む。
溶体化
本明細書に記載の方法は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を溶体化する工程を更に含む。溶体化工程は、必要に応じて、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約450℃以上(例えば、約460℃~約600℃、約465℃~約575℃、約470℃~約550℃、約475℃~約525℃、または約480℃~約500℃)の溶体化温度まで加熱、または冷却することを含むことができる。最終ゲージアルミニウム合金製造物は、一定の期間溶体化温度で浸漬することができる。特定の態様において、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、少なくとも30秒間(例えば、約60秒~約120秒:これらの値を含む)浸漬させる。例えば、最終ゲージアルミニウム合金製造物は、約450℃以上の温度で、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、105秒、110秒、115秒、120秒、125秒、130秒、135秒、140秒、145秒、150秒、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分、もしくは120分間、またはこれらの間の任意の場所の間、浸漬することができる。特定の態様において、溶体化は、熱間圧延工程または冷間圧延工程の直後に実施する。
焼入れ
本明細書に記載の方法は、焼入れ工程を含む。本明細書で使用する場合、用語「焼入れ」は、上述のとおりに溶体化した最終ゲージアルミニウム合金製造物の温度を急激に下げることを含むことができる。焼入れ工程において、製造物は、液体(例えば水)、気体、任意の他の好適な焼入れ媒体、またはこれらの任意の組み合わせで焼入れすることができる。特定の態様において、製造物は、約40℃~約75℃の水温を有する水を用いて、焼入れすることができる。特定の態様において、製造物は強制空気を用いて焼入れする。
特定の態様において、製造物は、選択したゲージに基づく焼入れ工程において、約50℃/s~400/sの間で変化することができる焼入れ速度で、約25℃~約65℃の温度まで冷却することができる。例えば、焼入れ速度は、約50℃/s~約375℃/s、約60℃/s~約375℃/s、約70℃/s~約350℃/s、約80℃/s~約325℃/s、約90℃/s~約300℃/s、約100℃/s~約275℃/s、約125℃/s~約250℃/s、約150℃/s~約225℃/s、または約175℃/s~約200℃/sであることができる。
プレエイジング
場合によっては、プレエイジング工程を実施することができる。理論により束縛されるものではないが、プレエイジング工程は少なくとも部分的に、アルミニウム合金製造物を自然時効することで引き起こされる機械的性質の変化を阻む。任意に、プレエイジング工程は、溶体化工程前、または溶体化工程後に実施することができる。プレエイジング工程は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約50℃~約150℃(例えば、約55℃~約140℃、約60℃~約130℃、約65℃~約120℃、または約70℃~約110℃)のプレエイジング温度まで加熱することを含むことができる。例えば、プレエイジング工程は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、または約150℃の温度まで加熱することを含むことができる。最終ゲージアルミニウム合金製造物は、最大約24時間の期間(例えば約1時間~約24時間)、プレエイジング温度で維持することができる。例えば、最終ゲージアルミニウム合金製造物は、約24時間以下、約12時間以下、約6時間以下、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下、またはこれらの間の任意の場所の間維持することができる。
エイジング
溶体化の後、焼入れ及び/またはプレエイジング工程、1つ以上のエイジング工程を実施することができる。エイジングは、自然時効、人工時効、塗料焼き付け、及び成形後熱処理のうちの1つ以上を含むことができる。
任意に、エイジングは、自然時効工程を含むことができる。自然時効は、一定の期間、室温で最終ゲージアルミニウム合金製造物を維持する工程を含むことができる。例えば、最終ゲージアルミニウム合金製造物は、最大約12週間(例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、または約12週間)、室温で維持することができる。
本明細書に記載の方法に従い調製したアルミニウム合金製造物は、任意のプレエイジング及び自然時効に供した後に送り出すことができる。アルミニウム合金製造物は、例えば、変形(例えばスタンピング、加圧成形、成形、もしくは任意の好適な変形プロセス)による、及び/または、エイジングもしくは熱処理(例えばコーティング及び塗料焼き付け、人工時効、成形後熱処理、もしくは任意の好適なエンドユーザ熱処理)による、エンドユーザによる処理の後で、高い降伏強さを達成することができる。任意に、任意のプレエイジング及び/または自然時効工程の後で、本明細書に記載するアルミニウム合金製造物を例えば、成形プロセス、コーティングプロセス、人工時効工程、及び/または塗料焼き付けプロセスに供す。
任意に、エイジングは、人工時効工程を含むことができる。人工時効は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約100℃~約250℃(例えば約110℃~約220℃、約115℃~約210℃、または約125℃~約200℃)の人工時効温度まで加熱することを含むことができる。人工時効工程は、人工時効温度を、約1時間~約72時間(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約24時間、約48時間、約60時間、または約72時間)の期間維持することを含むことができる。
いくつかの態様では、任意のコーティング手順(例えば、2~3例挙げると塗装、電気コーティング、またはリン酸亜鉛処理)を実施することができる。コーティング後に、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、塗料焼き付け、成形後熱処理、任意の好適なOEM熱処理プロセス、またはこれらの任意の組み合わせを含む更なる熱処理に供すことができる。塗料焼き付けは、アルミニウム合金製造物を更に強化して、任意に複雑な成形表面を有する高強度アルミニウム合金製造物を提供することができる。場合によっては、塗料焼き付け手順は、アルミニウム合金製造物を約75℃~約250℃の塗料焼き付け温度まで加熱することと、アルミニウム合金製造物を、最大約3時間(例えば、約15分~2時間、または約30分~約1時間)の期間、塗料焼き付け温度で維持することと、を含むことができる。いくつかの更なる場合において、成形後熱処理を実施することができる。成形後熱処理手順は、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約100℃~約250℃の成形後熱処理温度まで加熱することと、この温度を約1時間~約24時間(例えば、約2時間~約12時間)維持することと、を含むことができる。
合金製造物の特性
本明細書に記載するアルミニウム合金製造物は、本明細書に記載するエイジングの前後で、高強度及び成形性特性を有することができる。サンプルの引張試験は、米国材料試験協会(ASTM)により提供されるものなどの、関係する出版物に記載されている材料科学の領域で既知の標準的な手順に従って実施する。「金属様物質の引張試験のための標準試験法」というタイトルのASTM E8/EM8(DOI:10.1520/E0008 E0008M-15A)は、金属様物質の引張試験手順について明記している。
場合によっては、アルミニウム合金製造物は、エイジング前のアルミニウム合金製造物により達成される伸び及び降伏強さと比較して、エイジング後に伸びの増加、及び降伏強さの増加を達成する。伸びの増加は、少なくとも約1%(例えば約1.5%~約5%、または約2%~約3%)であることができる。例えば、伸びの増加は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、または約5%超であることができる。降伏強さの増加は、少なくとも約15MPa(例えば、約15MPa~約25MPa)であることができる。例えば、降伏強さの増加は、約15MPa、約16MPa、約17MPa、約18MPa、約19MPa、約20MPa、約21MPa、約22MPa、約23MPa、約24MPa、約25MPa、または約25MPa超であることができる。
いくつかの実施例では、T6の質別で提供されるアルミニウム合金製造物は、本明細書に記載の方法に従った処理の後で、約400MPaを超える降伏強さを有する。例えば、アルミニウム合金製造物は、本明細書に記載の方法に従った処理の後で、400MPa以上、405MPa以上、410MPa以上、415MPa以上、420MPa以上、425MPa以上、430MPa以上、435MPa以上、440MPa以上、445MPa以上、450MPa以上、455MPa以上、460MPa以上、465MPa以上、470MPa以上、475MPa以上、480MPa以上、485MPa以上、490MPa以上、495MPa以上、500MPa以上、505MPa以上、510MPa以上、515MPa以上、520MPa以上、525MPa以上、530MPa以上、535MPa以上、540MPa以上、545MPa以上、550MPa以上、555MPa以上、560MPa以上、565MPa以上、570MPa以上、または575MPa以上の降伏強さを有することができる。
場合によっては、T4の質別で提供されるアルミニウム合金製造物は、本明細書に記載の方法に従った処理の後で、約240MPaを超える降伏強さを有する。例えば、アルミニウム合金製造物は、約240MPa以上、約250MPa以上、約260MPa以上、約270MPa以上、約280MPa以上、約290MPa以上、約300MPa以上、約310MPa以上、約320MPa以上、約330MPa以上、約340MPa以上、約350MPa以上、約360MPa以上、約370MPa以上、約380MPa以上、約390MPa以上、約400MPa以上、約410MPa以上、約420MPa以上、または約425MPa以上の降伏強さを有することができる。
いくつかの実施例では、アルミニウム合金製造物は、本明細書に記載の方法に従った処理後にT6の質別で提供されるとき、約6%超の均一伸びを有する。例えば、T6の質別のアルミニウム合金製造物は、約6%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%、約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%、約11%、約11.1%、約11.2%、約11.3%、約11.4%、約11.5%、約11.6%、約11.7%、約11.8%、約11.9%、約12%、約12.1%、約12.2%、約12.3%、約12.4%、約12.5%、約12.6%、約12.7%、約12.8%、約12.9%、約13%、約13.1%、約13.2%、約13.3%、約13.4%、約13.5%、約13.6%、約13.7%、約13.8%、約13.9%、約14%、約14.1%、約14.2%、約14.3%、約14.4%、約14.5%、約14.6%、約14.7%、約14.8%、約14.9%、約15%、約15.1%、約15.2%、約15.3%、約15.4%、約15.5%、約15.6%、約15.7%、約15.8%、約15.9%、約16%、約16.1%、約16.2%、約16.3%、約16.4%、約16.5%、約16.6%、約16.7%、約16.8%、約16.9%、約17%、約17.1%、約17.2%、約17.3%、約17.4%、約17.5%、約17.6%、約17.7%、約17.8%、約17.9%、約18%、約18.1%、約18.2%、約18.3%、約18.4%、約18.5%、約18.6%、約18.7%、約18.8%、約18.9%、約19%、約19.1%、約19.2%、約19.3%、約19.4%、約19.5%、約19.6%、約19.7%、約19.8%、約19.9%、または約20%の均一伸びを有することができる。
いくつかの実施例では、アルミニウム合金製造物は、本明細書に記載の方法に従った処理後にT4の質別で提供されるとき、約16%超の均一伸びを有する。例えば、T4の質別のアルミニウム合金製造物は、約16%、約16.1%、約16.2%、約16.3%、約16.4%、約16.5%、約16.6%、約16.7%、約16.8%、約16.9%、約17%、約17.1%、約17.2%、約17.3%、約17.4%、約17.5%、約17.6%、約17.7%、約17.8%、約17.9%、約18%、約18.1%、約18.2%、約18.3%、約18.4%、約18.5%、約18.6%、約18.7%、約18.8%、約18.9%、約19%、約19.1%、約19.2%、約19.3%、約19.4%、約19.5%、約19.6%、約19.7%、約19.8%、約19.9%、約20%、約20.1%、約20.2%、約20.3%、約20.4%、約20.5%、約20.6%、約20.7%、約20.8%、約20.9%、約21%、約21.1%、約21.2%、約21.3%、約21.4%、約21.5%、約21.6%、約21.7%、約21.8%、約21.9%、約22%、約22.1%、約22.2%、約22.3%、約22.4%、約22.5%、約22.6%、約22.7%、約22.8%、約22.9%、約23%、約23.1%、約23.2%、約23.3%、約23.4%、約23.5%、約23.6%、約23.7%、約23.8%、約23.9%、約24%、約24.1%、約24.2%、約24.3%、約24.4%、約24.5%、約24.6%、約24.7%、約24.8%、約24.9%、約25%、約25.1%、約25.2%、約25.3%、約25.4%、約25.5%、約25.6%、約25.7%、約25.8%、約25.9%、約26%、約26.1%、約26.2%、約26.3%、約26.4%、約26.5%、約26.6%、約26.7%、約26.8%、約26.9%、約27%、約27.1%、約27.2%、約27.3%、約27.4%、約27.5%、約27.6%、約27.7%、約27.8%、約27.9%、約28%、約28.1%、約28.2%、約28.3%、約28.4%、約28.5%、約28.6%、約28.7%、約28.8%、約28.9%、約29%、約29.1%、約29.2%、約29.3%、約29.4%、約29.5%、約29.6%、約29.7%、約29.8%、約29.9%、または約30%の均一伸びを有することができる。
本明細書に記載するアルミニウム合金製造物は、本明細書に記載するエイジング前後で、優れた曲げ特性を有することができる。本明細書に記載の方法に従い調製したアルミニウム合金製造物は、ISO7438(一般的な曲げ規格)、及びVDA238-100に従った3点曲げ試験により測定すると、所望の曲げ特性を示す。例えば、アルミニウム合金製造物は、約65°を超えるVDAα曲げ角度を有することができる。場合によっては、アルミニウム合金製造物は、約65°、約65.1°、約65.2°、約65.3°、約65.4°、約65.5°、約65.6°、約65.7°、約65.8°、約65.9°、約66°、約66.1°、約66.2°、約66.3°、約66.4°、約66.5°、約66.6°、約66.7°、約66.8°、約66.9°、約67°、約67.1°、約67.2°、約67.3°、約67.4°、約67.5°、約67.6°、約67.7°、約67.8°、約67.9°、約68°、約68.1°、約68.2°、約68.3°、約68.4°、約68.5°、約68.6°、約68.7°、約68.8°、約68.9°、約69°、約69.1°、約69.2°、約69.3°、約69.4°、約69.5°、約69.6°、約69.7°、約69.8°、約69.9°、約70°、約70.1°、約70.2°、約70.3°、約70.4°、約70.5°、約70.6°、約70.7°、約70.8°、約70.9°、約71°、約71.1°、約71.2°、約71.3°、約71.4°、約71.5°、約71.6°、約71.7°、約71.8°、約71.9°、約72°、約72.1°、約72.2°、約72.3°、約72.4°、約72.5°、約72.6°、約72.7°、約72.8°、約72.9°、約73°、約73.1°、約73.2°、約73.3°、約73.4°、約73.5°、約73.6°、約73.7°、約73.8°、約73.9°、約74°、約74.1°、約74.2°、約74.3°、約74.4°、約74.5°、約74.6°、約74.7°、約74.8°、約74.9°、約75°、約75.1°、約75.2°、約75.3°、約75.4°、約75.5°、約75.6°、約75.7°、約75.8°、約75.9°、約76°、約76.1°、約76.2°、約76.3°、約76.4°、約76.5°、約76.6°、約76.7°、約76.8°、約76.9°、約77°、約77.1°、約77.2°、約77.3°、約77.4°、約77.5°、約77.6°、約77.7°、約77.8°、約77.9°、約78°、約78.1°、約78.2°、約78.3°、約78.4°、約78.5°、約78.6°、約78.7°、約78.8°、約78.9°、約79°、約79.1°、約79.2°、約79.3°、約79.4°、約79.5°、約79.6°、約79.7°、約79.8°、約79.9°、約80°、約80.1°、約80.2°、約80.3°、約80.4°、約80.5°、約80.6°、約80.7°、約80.8°、約80.9°、約81°、約81.1°、約81.2°、約81.3°、約81.4°、約81.5°、約81.6°、約81.7°、約81.8°、約81.9°、約82°、約82.1°、約82.2°、約82.3°、約82.4°、約82.5°、約82.6°、約82.7°、約82.8°、約82.9°、約83°、約83.1°、約83.2°、約83.3°、約83.4°、約83.5°、約83.6°、約83.7°、約83.8°、約83.9°、約84°、約84.1°、約84.2°、約84.3°、約84.4°、約84.5°、約84.6°、約84.7°、約84.8°、約84.9°、約85°、約85.1°、約85.2°、約85.3°、約85.4°、約85.5°、約85.6°、約85.7°、約85.8°、約85.9°、約86°、約86.1°、約86.2°、約86.3°、約86.4°、約86.5°、約86.6°、約86.7°、約86.8°、約86.9°、約87°、約87.1°、約87.2°、約87.3°、約87.4°、約87.5°、約87.6°、約87.7°、約87.8°、約87.9°、約88°、約88.1°、約88.2°、約88.3°、約88.4°、約88.5°、約88.6°、約88.7°、約88.8°、約88.9°、約89°、約89.1°、約89.2°、約89.3°、約89.4°、約89.5°、約89.6°、約89.7°、約89.8°、約89.9°、または約90°のVDAα曲げ角度を有することができる。
使用方法
本明細書に記載する合金製造物及び方法は、自動車、航空機、及び鉄道用途を含む自動車及び/または輸送用途、または任意の他の所望の用途で使用することができる。いくつかの実施例では、製造物及び方法は、自動車の車体部分製品、例えばバンパー、サイドビーム、ルーフビーム、クロスビーム、ピラー強化材(例えばAピラー、Bピラー、及びCピラー)、内部パネル、外部パネル、サイドパネル、内部フード、外部フード、またはトランク蓋パネルを作るために使用することができる。本明細書に記載のアルミニウム合金製造物及び方法は、航空機または鉄道車両の用途にも、例えば、外部及び内部パネルを作るためにも使用され得る。
本明細書に記載の製造物及び方法は、電子工学用途にも、例えば外部及び内部容器を作るためにも使用され得る。例えば、本明細書に記載の製造物及び方法は、携帯電話及びタブレットコンピューターを含む電子デバイスの筐体を作るためにも使用され得る。いくつかの実施例では、製造物は、携帯電話(例えばスマートフォン)及びタブレットのボトムシャーシの外部ケーシング用の筐体を作るために使用され得る。
特定の態様において、製造物及び方法は、航空宇宙車体部品製品を作るために使用され得る。例えば、開示した製造物及び方法は、航空機の車体部品、たとえばスキン合金を作るために使用され得る。製造物及び方法は、任意の他の所望される用途で使用され得る。
実例
実例1は、成形性高強度アルミニウム合金製造物の作製方法であって、当該方法が、溶融アルミニウム合金組成物を連続して鋳造し、鋳造出口温度を有する、鋳造アルミニウム合金製造物を提供することであって、溶融アルミニウム合金組成物が、少なくとも0.1重量%のZr、少なくとも2重量%のMg、及び、Al以外の主要合金元素としてZnを含むアルミニウム合金を含む、提供することと、鋳造アルミニウム合金製造物を、鋳造出口温度を20℃~50℃下回る温度まで冷却し、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を提供することと、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延して、アルミニウム合金ホットバンドを提供することと、アルミニウム合金ホットバンドをコイリングしてホットバンドコイルを提供することと、ホットバンドコイルを200℃~400℃の温度まで冷却することと、ホットバンドコイルを更に処理して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、最終ゲージアルミニウム合金製造物を溶体処理することと、を含む、上記方法である。
実例2は、溶融アルミニウム合金組成物が、約1.2~約3の、Mgに対するZn比を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例3は、熱間圧延が、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を、熱間圧延入口温度まで加熱することを含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例4は、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延して、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物の厚みを少なくとも30%減少させる、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例5は、鋳造アルミニウム合金製造物の厚みが40%~50%減少する、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例6は、更なる処理が、ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、均質化ホットバンドコイルを熱間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例7は、更なる処理が、ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、均質化ホットバンドコイルを冷却することと、均質化ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例8は、均質化が、アルミニウム合金ホットバンドを、少なくとも450℃の均質化温度まで加熱することと、アルミニウム合金ホットバンドを、少なくとも約90分の期間、少なくとも450℃の均質化温度で維持することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例9は、更なる処理が、ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することを含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例10は、最終ゲージアルミニウム合金製造物のプレエイジングを更に含み、プレエイジングが、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約50℃~約150℃のプレエイジング温度まで加熱することと、プレエイジング温度を約1時間~約24時間の期間維持することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例11は、最終ゲージアルミニウム合金製造物をエイジングして、少なくとも400MPaの降伏強さを達成することを更に含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例12は、エイジングが、自然時効、人工時効、塗料焼き付け、及び成形後熱処理のうちの1つ以上を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例13は、エイジングが自然時効を含み、自然時効が、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約1日~約12週間の期間、室温で維持することを含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例14は、エイジングが人工時効を含み、人工時効が、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約100℃~約250℃の人工時効温度まで加熱することと、人工時効温度を、約1時間~約72時間の期間維持することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例15は、エイジングが塗料焼き付けを含み、塗料焼き付けが、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約75℃~約250℃の塗料焼き付け温度まで加熱することと、塗料焼き付け温度を約15分~約3時間の期間維持することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例16は、エイジングが成形後熱処理を含み、成形後熱処理が、最終ゲージアルミニウム合金製造物を、約100℃~約250℃の成形後熱処理温度まで加熱することと、成形後熱処理温度を、約1時間~約24時間の期間維持することと、を含む、先行または後続実例のいずれかに記載の方法である。
実例17は、先行または後続実例のいずれかに記載の方法に従い調製したアルミニウム合金製造物である。
実例18は、アルミニウム合金製造物が、エイジング後に伸びの増加、及び降伏強さの増加を達成する、先行または後続実例のいずれかに記載のアルミニウム合金製造物である。
実例19は、伸びの増加が少なくとも約1%である、先行または後続実例のいずれかに記載のアルミニウム合金製造物である。
実例20は、伸びの増加が約1.5%~約5%である、先行または後続実例のいずれかに記載のアルミニウム合金製造物である。
実例21は、降伏強さの増加が少なくとも約15MPaである、先行または後続実例のいずれかに記載のアルミニウム合金製造物である。
実例22は、降伏強さの増加が約15MPa~約25MPaである、先行または後続実例のいずれかに記載のアルミニウム合金製造物である。
実例23は、伸びの増加が少なくとも約1%であり、降伏強さの増加が少なくとも約15MPaである、先行実例のいずれかに記載のアルミニウム合金製造物である。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、しかし、そのいかなる限定も構成しない。それどころか、その様々な実施形態、改変、及び均等物に頼ることができ、これらは、本明細書の記載を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者にそれら自体を示唆し得ることを明確に理解されたい。
実施例1:高成形性高強度アルミニウム合金の調製及び作製方法
本明細書に記載するアルミニウム合金の処理方法は、熱間圧延、コイル冷却、均質化、最終ゲージへの熱間圧延、及び溶体化(「ルート1」と本明細書では呼ばれる)を含む。図1Aは、ルート1の処理方法100を表す概略図である。連続鋳造機110を使用して、アルミニウム合金スラブ120を作製した。アルミニウム合金スラブ120は、約400℃~約430℃の温度で連続鋳造機110を出た。次に、アルミニウム合金スラブ120をホットミル130で処理し、アルミニウム合金スラブ120の厚みを約40%~約50%減少させ、ホットバンド125を作製した。次に、ホットバンド125を約350℃の温度でコイリングし、その後コイル140を更なる処理に供した。コイル140を続いて、箱形炉150内で、約480℃の均質化温度で約2時間均質化した。均質化の後に、コイル140をほどき、ホットバンド125を更に、仕上げミル160で熱間圧延し、最終ゲージアルミニウム合金製造物127を作製した。次に、最終ゲージアルミニウム合金製造物127をコイリングし、その後、アルミニウム合金製造物コイル170を溶体化プロセスに供した。場合によっては、アルミニウム合金製造物コイルを、溶体化工程の前にプレエイジングプロセスに供した。いくつかの実施例では、アルミニウム合金製造物コイルを、溶体化工程の後で他のエイジングプロセスに供した。
本明細書に記載する別のアルミニウム合金処理方法は、熱間圧延、コイル冷却、均質化、コイル冷却、冷間圧延、及び溶体化(「ルート2」と本明細書では呼ばれる)を含む。図1Bは、ルート2の処理方法101を表す概略図である。鋳造、熱間圧延、コイリング、コイル冷却、及び均質化を、上述のとおりに実施した。均質化の後に、コイル140をほどき、ホットバンド125をコールドミル165で冷間圧延し、最終ゲージアルミニウム合金製造物127を作製した。次に、最終ゲージアルミニウム合金製造物127をコイリングし、アルミニウム合金製造物コイル170を溶体化プロセスに供した。場合によっては、アルミニウム合金製造物コイルをプレエイジングプロセスまたは他のエイジングプロセスに供した。
本明細書に記載する別のアルミニウム合金処理方法は、熱間圧延、コイル冷却、冷間圧延、及び溶体化(「ルート3」と本明細書では呼ばれる)を含む。図1Cは、ルート3の処理方法102を表す概略図である。鋳造、熱間圧延、コイリング、及びコイル冷却を、上述のとおりに実施してコイル140を得た。コイル冷却の後で、コイル140をほどき、ホットバンド125をコールドミル165で冷間圧延し、最終ゲージアルミニウム合金製造物127を作製した。次に、最終ゲージアルミニウム合金製造物127をコイリングし、その後、アルミニウム合金製造物コイル170を溶体化プロセスに供した。場合によっては、アルミニウム合金製造物コイル170をプレエイジングプロセスまたは他のエイジングプロセスに供した。
実施例2:高成形性高強度アルミニウム合金の機械的特性
0.60重量%のCu、0.20重量%のFe、3.50重量%のMg、0.10重量%のMn、0.05重量%のSi、0.02重量%のTi、0.10重量%のCr、4.50重量%のZn、0.12重量%のZr、最大0.15重量%の不純物、及び残りがアルミニウムを含むアルミニウム合金組成物(「合金A」と本明細書では呼ばれる)から、連続鋳造機を使用して、鋳造アルミニウム合金製造物を調製した。合金Aは、約1.3のZn/Mg比を有した。実施例1に記載の方法に従い調製及び作製した、合金Aから採取したサンプルを、機械的試験に供した。ルート1、ルート2、及びルート3(実施例1を参照)は全て、プレエイジングあり、及びなしで利用した。場合によっては、アルミニウム合金製造物を約180℃の温度まで加熱し、この温度で約30分間維持する、追加の塗料焼き付け工程を用いた。
図2は、溶体化の前に、最終ゲージアルミニウム合金製造物127を約70℃の温度まで加熱し、この温度を約8時間維持することによる、プレエイジングなし(「PXなし」)、及びプレエイジングあり(「PX」)で、本明細書に記載する方法に従い調製及び処理した、合金Aの機械的特性を示す要約グラフである。溶体化後に、合金Aサンプルを1週間自然時効した。グラフに示すように、各サンプルの降伏強さ(各ペアの左の実線ヒストグラム)は、処理経路、またはプレエイジングを用いたか否かに関係なく、約280MPa~約325MPaの範囲であった。極限引張強さ(各ペアの右の斜線ヒストグラム)は、各アルミニウム合金製造物サンプルで約450MPa~約500MPaの範囲であった。均一伸び(白抜き円)及び全伸び(白抜き菱形)は、各サンプルで約17%~約25%の範囲であった。
図3は、T4の質別のサンプル(「T4-1W」と呼ばれる)を提供するための、プレエイジングなし、及び、1週間の自然時効で、本明細書に記載する、ルート1(「HO-HRTG」と呼ばれる)、ルート2(「HO-CC-CR」と呼ばれる、及びルート3(「CR」と呼ばれる)に従い調製及び処理した合金Aの機械的特性を示すグラフである。更に、サンプルを約125℃まで加熱し、この温度を24時間維持することで人工時効を実施し、T6の質別のサンプル(「T6-1W」と呼ばれる)を作製した。上述の塗料焼き付け手順を、特定のサンプル(T4サンプルに対しては「T4+PB-1W」と、T6サンプルに対しては「T6+PB-1W」と呼ばれる)に対して用いた。図3に示すように、各サンプルの降伏強さ(各ペアの左の実線ヒストグラム)は、処理経路に関係なく、人工時効後に著しく増加した。極限引張強さ(各ペアの右の斜線ヒストグラム)もまた、各アルミニウム合金製造物サンプルで増加した。均一伸び(白抜き円)及び全伸び(白抜き菱形)は、各サンプルで著しく低下した。
図4は、T4の質別のサンプル(「T4-4W」と呼ばれる)を提供するための、プレエイジングなし、及び、4週間の自然時効で、本明細書に記載する、ルート1(「HO-HRTG」と呼ばれる)、ルート2(「HO-CC-CR」と呼ばれる、及びルート3(「CR」と呼ばれる)に従い調製及び処理した合金Aの機械的特性を示すグラフである。更に、サンプルを約125℃まで加熱し、この温度を24時間維持することで人工時効を実施し、T6の質別のサンプル(「T6-4W」と呼ばれる)を作製した。上述の塗料焼き付け手順を、特定のサンプル(T4サンプルに対しては「T4+PB-4W」と、T6サンプルに対しては「T6+PB-4W」と呼ばれる)に対して用いた。図4に示すように、追加の自然時効によって、降伏強さ(各ペアの左の実線ヒストグラム)及び極限引張強さ(各ペアの右の斜線ヒストグラム)の両方が、わずかに増加した。驚くべきことに、成形性(即ち、均一伸び(白抜き円)及び全伸び(白抜き菱形))は著しく増加し、このことは、高強度及び高成形性アルミニウム合金を示している。
図5は、T4の質別のサンプル(「T4-1W」と呼ばれる)を提供するための、溶体化前にプレエイジングを伴い、及び、1週間の自然時効で、本明細書に記載する、ルート1(「HO-HRTG」と呼ばれる)、ルート2(「HO-CC-CR」と呼ばれる、及びルート3(「CR」と呼ばれる)に従い調製及び処理した合金Aの機械的特性を示すグラフである。更に、サンプルを約125℃まで加熱し、この温度を24時間維持することで人工時効を実施し、T6の質別のサンプル(「T6-1W」と呼ばれる)を作製した。上述の塗料焼き付け手順を、特定のサンプル(T4サンプルに対しては「T4+PB-1W」と呼ばれる)に対して用いた。
図6は、T4の質別のサンプル(「T4-4W」と呼ばれる)を提供するための、溶体化前にプレエイジングを伴い、及び、4週間の自然時効で、本明細書に記載する、ルート1(「HO-HRTG」と呼ばれる)、ルート2(「HO-CC-CR」と呼ばれる、及びルート3(「CR」と呼ばれる)に従い調製及び処理した合金Aの機械的特性を示すグラフである。更に、サンプルを約125℃まで加熱し、この温度を24時間維持することで人工時効を実施し、T6の質別のサンプル(「T6-4W」と呼ばれる)を作製した。上述の塗料焼き付け手順を、特定のサンプル(T4サンプルに対しては「T4+PB-4W」と、T6サンプルに対しては「T6+PB-4W」と呼ばれる)に対して用いた。図5及び6に示すように、プレエイジングにより、塗料焼き付けあり及びなしで、1週間及び1ヶ月の自然時効後に、自然時効したサンプルの約20MPaの増加がもたらされた。図6に示すように、プレエイジングは驚くべきことに、処理ルートに関係なく、1週間の自然時効をした、図5の実施例におけるアルミニウム合金と比較して、約2%~3%の成形性の増加を有する、T4の質別でのアルミニウム合金を作製した。
ルート1、ルート2、及びルート3に従い調製及び作製した合金Aサンプルのミクロ構造を、光学顕微鏡検査法により評価した。粒径及び分布、ならびに結晶のモルホロジーを分析した。図7は、アルミニウム合金サンプルの表面(「表面」と呼ばれる、上列)、及び、中心(「中心」と呼ばれる、下列)における、粒径及び分布を示す。ルート3(均質化なしでの冷間圧延、「CR」)により処理した合金Aサンプルは、変形プロセス(例えば成形)中に、亀裂及び破砕をもたらしうる、未溶解の粒子の大きな分布を示した。ルート1及び2により処理した(例えば、最初の熱間圧延後に均質化を伴う)合金Aサンプルは、沈殿物のないミクロ構造を示し、故に、改善された成形性が可能となる。
図8は、合金Aサンプルの表面(「表面」と呼ばれる、上列)、及び、中心(「中心」と呼ばれる、下列)における、結晶構造を示す。ルート3(均質化なしでの冷間圧延、「CR」)により処理した合金Aサンプルは、均質化により処理したサンプルよりも、微細な結晶構造を示した。(最初の熱間圧延後に均質化を伴う)ルート1及び2により処理した合金Aサンプルは、大きな結晶構造を示し、図5の実施例におけるように、約20MPa低い降伏強さに寄与した。
実施例3:高成形性高強度アルミニウム合金の調製、作製、及びエイジング方法
本明細書に記載するアルミニウム合金の処理方法は、均質化、熱間圧延、コイル冷却、最終ゲージへの冷間圧延、溶体化、塗料焼き付け、及びエイジング(「ルート4」と本明細書では呼ばれる)を含む。図9は、ルート4の処理方法900を表す概略図である。連続鋳造機110を使用して、アルミニウム合金スラブ120を作製した。アルミニウム合金スラブ120は、約400℃~約430℃の温度で連続鋳造機110を出た。トンネル炉905を使用してアルミニウム合金スラブ120を均質化し、アルミニウム合金スラブ120の幅にまたがって、アルミニウム合金スラブ120の温度を、約1分間~約5分間、約400℃~約520℃のピーク金属温度で維持した。次に、アルミニウム合金スラブ120を第1の仕上げミル910で処理し、アルミニウム合金スラブ120の厚みを約20%~約40%減少させ、スラブを約325℃~約375℃まで冷却した。次に、アルミニウム合金スラブ120を第2の仕上げミル920で処理し、アルミニウム合金スラブ120の厚みを約20%~約40%減少させ、スラブを約225℃~約275℃まで冷却してホットバンド125を作製した。ホットバンド125を次いで、約250℃未満の温度でコイリングし、コイル140を次いで、コイル冷却に供した。コイル140を続いてほどき、ホットバンド125を更に、コールドミル165で冷間圧延し、最終ゲージアルミニウム合金製造物127を作製した。次に、最終ゲージアルミニウム合金製造物127をコイリングして、アルミニウム合金製造物コイル170をもたらした。次に、アルミニウム合金製造物コイル170を溶体化炉960で、約2分間~約5分間、約450℃~約500℃の温度で溶体化に供した。溶体化の後、アルミニウム合金製造物コイル170をおよそ室温まで、水焼入れまたは強制空気焼入れのいずれか1つにより、焼入れした。場合によっては、アルミニウム合金製造物コイル170を、溶体化工程の前にプレエイジングプロセスに供した。任意に、プレエイジングプロセスは、約80℃で約6時間エイジングすることを含んだ、または、プレエイジングプロセスは、約100℃で約2時間エイジングすることを含んだ。いくつかの実施例では、アルミニウム合金製造物コイル170を、約160℃~約200℃で、塗料焼き付け炉970で約15分間~約60分間実施される、塗料焼き付けプロセスに供した。特定の場合において、アルミニウム合金製造物コイル170を、約1週間~約4週間、自然時効のいずれかに供した。任意に、アルミニウム合金製造物コイル170を、約100℃~約140℃で約6時間~約48時間、人工時効に供した。
実施例4:エイジングした高成形性高強度アルミニウム合金の機械的特性
下表1に示すアルミニウム合金組成物から、連続鋳造機を使用して、ルート4(実施例3を参照)の実施例におけるように、4つの鋳造アルミニウム合金製造物を調製した。
表1-合金組成物

Figure 2024023221000001

各合金は最大で0.15重量%の不純物を含み、残りはアルミニウムである。
合金Bは約1.29のZn/Mg比を有し、合金Cは約1.28のZn/Mg比を有し、合金Dは約2.16のZn/Mg比を有し、合金Eは約2.18のZn/Mg比を有した。更に、竪型半連続(DC)鋳造法、ならびに、実施例3に記載する均質化、熱間圧延、冷間圧延、溶体化、及び人工時効を使用して、合金Eを作製した。合金B、合金C、合金D、及び合金Eから採取したサンプルを、1週間の自然時効、4週間の自然時効、または約24時間の約120℃での人工時効に供した。ルート4(実施例3を参照)は、プレエイジングを用いて、及びプレエイジングなしで使用した。場合によっては、塗料焼き付け工程を、約180℃の温度で実施し、この温度で約30分間維持した。
図10、11、及び12は、本明細書に記載する方法で調製及び処理した、合金B、合金C、合金D、及び合金Eの機械的特性を示すグラフである。水焼入れを使用して、溶体化後に合金を冷却した。合金Eを、連続鋳造を含む本明細書に記載の方法に従い調製し(「合金E-CC」)、上述したDC鋳造を含む本明細書に記載の方法に従い調製した(「合金E-DC」)。処理後に、全ての合金を、100℃で2時間のプレエイジング(「PX:100℃×2時間」)、または80℃で6時間のプレエイジング(「PX:80℃×6時間)、続いて、1週間の自然時効(各ヒストグラムの下部)、及び4週間の自然時効(各ヒストグラムの上部)に供した。図10は、合金の縦方向への降伏強さにおける、自然時効の影響を示す。1週間の自然時効(各ヒストグラムの下部)の後に、各合金の縦方向への降伏強さを試験し、4週間の自然時効(各ヒストグラムの上部)の後に、各合金の縦方向への降伏強さを試験した。図10に示すように、自然時効は、約5MPa~約15MPaの縦方向への降伏強さの増加により示されるように、合金の縦方向への降伏強さに、わずかな影響を有した。合金E(合金E-CC及び合金E-DCを含む)は、溶体化の24時間以内での急速なエイジングにより、1週間の自然時効後に、高い縦方向への降伏強さを示した。図11は、合金の均一伸びにおける自然時効の影響を示す。各合金の縦方向への均一伸びを、1週間の自然時効(各ペアの左のヒストグラム)後に試験し、各合金の均一伸びを、4週間の自然時効(各ペアの右のヒストグラム)後に試験した。図11に示すように、自然時効は、約0%~約5%の縦方向への均一伸びの変化により示されるように、合金の縦方向への均一伸びに、わずかな影響を有した。図12は、合金の縦方向への全伸びにおける自然時効の影響を示す。各合金の縦方向への全伸びを、1週間の自然時効(各ペアの左のヒストグラム)後に試験し、各合金の縦方向への全伸びを、4週間の自然時効(各ペアの右のヒストグラム)後に試験した。図12に示すように、自然時効は、約0.3%~約4%の縦方向への全伸びの変化により示されるように、合金の縦方向への全伸びに、わずかな影響を有した。
図13及び14は、ルート4(実施例3を参照)により調製及び処理した、合金B、合金C、及び合金Dの機械的特性における、溶体化後の異なる冷却技術(例えば、上述した水焼入れ及び強制空気焼入れ)の影響を示すグラフである。処理後に、全ての合金を、100℃で2時間のプレエイジング(「PX:100℃×2時間」)、または80℃で6時間のプレエイジング(「PX:80℃×6時間)、続いて、1週間の自然時効(各ヒストグラムの下部)、及び4週間の自然時効(各ヒストグラムの上部)に供した。図13は、溶体化後に水焼入れに供した合金サンプルの、縦方向への降伏強さにおける自然時効の影響を示す。図14は、溶体化後に強制空気焼入れに供した合金サンプルの、縦方向への降伏強さにおける自然時効の影響を示す。全体として、溶体化後に水焼入れに供したサンプルは、溶体化後に強制空気焼入れに供したサンプルよりも、高い縦方向への降伏強さを示した。しかし、合金D及び合金Cは、冷却プロセスと比較したとき、縦方向への降伏強さのわずかな変化を示した。合金C及び合金Dよりも高い溶質含有量を有する合金Bは、溶体化後に強制空気焼入れをしたときよりも、溶体化後に水焼入れをしたときに、約30MPa高い強度を示した。更に、全ての合金サンプルは、合金の縦方向への降伏強さにおける、自然時効のわずかな影響を示した。図15及び16は、ルート4(実施例3を参照)により調製及び処理した、合金B、合金C、及び合金Dの縦方向への均一伸びにおける、溶体化後の異なる冷却技術(上述した水焼入れ及び強制空気焼入れを含む)の影響を示すグラフである。処理後に、全ての合金を、100℃で2時間のプレエイジング(「PX:100℃×2時間」)、または80℃で6時間のプレエイジング(「PX:80℃×6時間)、続いて、1週間の自然時効(各ペアの左のヒストグラム)、及び4週間の自然時効(各ペアの右のヒストグラム)に供した。図15は、溶体化後に水焼入れに供した合金サンプルの、縦方向への均一伸びにおける自然時効の影響を示す。図16は、溶体化後に強制空気焼入れに供した合金サンプルの、縦方向への均一伸びにおける自然時効の影響を示す。全体として、サンプルは、冷却プロセスと比較したとき、縦方向への均一伸びのわずかな変化を示した。更に、全ての合金サンプルは、合金の縦方向への均一伸びにおける、自然時効のわずかな影響を示した。
図17及び18は、ルート4(実施例3を参照)により調製及び処理した、合金B、合金C、及び合金Dの縦方向への全伸びにおける、溶体化後の異なる冷却技術(上述した水焼入れ及び強制空気焼入れを含む)の影響を示すグラフである。処理後に、全ての合金を、100℃で2時間のプレエイジング(「PX:100℃×2時間」)、または80℃で6時間のプレエイジング(「PX:80℃×6時間)、続いて、1週間の自然時効(各ペアの左のヒストグラム)、及び4週間の自然時効(各ペアの右のヒストグラム)に供した。図17は、溶体化後に水焼入れに供した合金サンプルの、縦方向への全伸びにおける自然時効の影響を示す。図18は、溶体化後に強制空気焼入れに供した合金サンプルの、縦方向への全伸びにおける自然時効の影響を示す。全体として、サンプルは、冷却プロセスと比較したとき、縦方向への全伸びのわずかな変化を示した。更に、全ての合金サンプルは、合金の縦方向への全伸びにおける、自然時効のわずかな影響を示した。
図19及び20は、ルート4(実施例3を参照)に従い調製及び処理した、合金B、合金C、及び合金Dの曲げ特性(例えば、「VDA角-α(°)」と呼ばれる、曲げ角度)における、溶体化後の異なる冷却技術(上述した水焼入れ及び強制空気焼入れを含む)の影響を示すグラフである。処理後に、全ての合金を、100℃で2時間のプレエイジング(「PX:100℃×2時間」)、または80℃で6時間のプレエイジング(「PX:80℃×6時間)、続いて、1週間の自然時効(各ペアの左のヒストグラム)、及び4週間の自然時効(各ペアの右のヒストグラム)に供した。図19は、溶体化後に水焼入れに供した合金サンプルの、曲げ特性における自然時効の影響を示す。図20は、溶体化後に強制空気焼入れに供した合金サンプルの、曲げ特性における自然時効の影響を示す。全体として、サンプルは、冷却プロセスと比較したとき、曲げ特性のわずかな変化を示した。合金Bは、合金C及び合金Dと比較したときに、合金Bにおける高い溶質含有量によって、約10°低い曲げ特性を示した。更に、全ての合金サンプルは、合金の曲げ特性における、自然時効のわずかな影響を示した。
図21、22、及び23は、ルート4(実施例3を参照)に従い調製及び処理した、合金B、合金C、合金D、合金E-CC、及び、DC鋳造により調製し、T4の質別での合金をもたらすために上述のとおりに処理した、合金E-DCの縦方向への降伏強さを示すグラフである。図21及び図22の実施例において、水焼入れを使用して、溶体化後に合金を冷却した。処理後、全合金を80℃のプレエイジングに6時間供した(「PX」)。合金B、合金D、合金E-CC、及び合金E-DCを次に、4週間の自然時効に供し、合金Cを13週間の自然時効に供して、T4の質別の合金をもたらした(各ヒストグラムの下部、「T4」と呼ばれる)。各合金を更に、180℃で30分間、塗料焼き付け(各ヒストグラムの中部)に供した。最後に、各合金を120℃で24時間、人工時効(各ヒストグラムの上部)に供した。図21は、合金の縦方向への降伏強さにおける、塗料焼き付け及び人工時効の影響を示す。自然時効(各ヒストグラムの上部)、塗料焼き付け(図21、22、及び3で「PB」と呼ばれる、各ヒストグラムの中部)、ならびに、人工時効(図21、22、及び23で「AA」と呼ばれる、各ヒストグラムの上部)のそれぞれの後に、各合金の縦方向への降伏強さを試験した。更に、各サンプルを、プレエイジングすることなく、T6の質別で提供した(円、「T6(PXなし)」と呼ばれる)。図21に示すように、塗料焼き付け(各ヒストグラムの中部)は、プレエイジング後の各合金の縦方向への降伏強さにおいて多様な影響を有し、最も顕著なものは、合金C及び合金Dにおけるもので、塗料焼き付けにより、プレエイジング後に縦方向への降伏強さが約130MPa~約145MPa増加した。人工時効(各ヒストグラムの上部)もまた、プレエイジング後の、約10MPa~約70MPaの縦方向への降伏強さの増加により示されるように、合金の縦方向への降伏強さに、多様な影響を有した。図21にもまた示すように、プレエイジング及び塗料焼き付けプロセスは、T6の質別において合金が高強度を達成する能力に悪影響を有しなかった。したがって、本明細書に記載の方法に従い処理したときに、高成形性及び高強度の両方を有する、本明細書に記載する合金を提供することができる。
図22及び23は、ルート4(実施例3を参照)により調製及び処理した、合金B、合金C、及び合金Dの機械的特性における、溶体化後の異なる冷却技術(上述した水焼入れ及び強制空気焼入れを含む)の影響を示すグラフである。処理後、全合金を80℃のプレエイジングに6時間供した(「PX」)。合金B及び合金Dを次に、4週間の自然時効に供し、合金Cを13週間の自然時効に供して、T4の質別の合金をもたらした(各ヒストグラムの下部、「T4」と呼ばれる)。各合金を更に、180℃で30分間、塗料焼き付け(各ヒストグラムの中部)に供した。最後に、各合金を120℃で24時間、人工時効(各ヒストグラムの上部)に供した。図21は、合金の縦方向への降伏強さにおける、塗料焼き付け及び人工時効の影響を示す。自然時効(各ヒストグラムの下部)、塗料焼き付け(図21、22、及び3で「PB」と呼ばれる、各ヒストグラムの中部)、ならびに、人工時効(図21、22、及び23で「AA」と呼ばれる、各ヒストグラムの上部)のそれぞれの後に、各合金の縦方向への降伏強さを試験した。更に、各サンプルを、プレエイジングすることなく、T6の質別で提供した(円、「T6(PXなし)」と呼ばれる)。図22は、合金サンプルの縦方向への降伏強さにおける、溶体化後の水焼入れの影響を示す。図23は、合金サンプルの縦方向への降伏強さにおける、溶体化後の強制空気焼入れの影響を示す。全体として、溶体化後に水焼入れに供したサンプルは、溶体化後に強制空気焼入れに供したサンプルよりも、高い縦方向への降伏強さを示した。合金C及び合金Bは、溶体化後の冷却プロセスに関係なく、高い塗料焼き付け応答を示した。
ルート4に従い調製及び作製した合金B、合金C、及び合金D、ならびに、上述したDC鋳造により調製した合金Eのミクロ構造を、上述した溶体化工程の後に、光学顕微鏡検査法により評価した。粒径及び分布、ならびに結晶のモルホロジーを分析した。図24は、各合金サンプルの粒径及び分布を示す。各合金は、同様の粒径及び分布、ならびに、わずかな未溶解の沈殿物含有量を示した。図24に示すダークグレーの粒子は、Fe含有の構成成分粒子である。図25は、各合金サンプルの結晶構造を示す。各合金サンプルは、再結晶した微細構造を示した。合金Eは、合金B、合金C、及び合金Dよりも少量の結晶を含有した。
図26、27、及び28は、ルート4(実施例3を参照)に従い作製及び調製した合金Cの、それぞれ、縦方向への降伏強さ、均一伸び、及び全伸びにおける、様々な溶体化パラメーター及び自然時効の影響を示す。合金Cを、450℃の温度で浸漬時間なしの溶体化(図26~28で「450C浸漬なし」と呼ばれる、白抜き三角形の付いた線)、450℃の温度で2分の浸漬時間の溶体化(図26~28で「450C 2分」と呼ばれる、白抜き円の付いた線)、及び、470℃で浸漬時間なしの溶体化(図26~28で「470C浸漬なし」と呼ばれる、白抜き正方形の付いた線)に供した。合金Cは、90日間の自然時効前にプレエイジングに供しなかった。図26に示すように、降伏強さは、自然時効の30日後にゆっくりとした増加を示した。図27に示すように、均一伸びは、自然時効の90日後に約5%の低下を示した。図28に示すように、全伸びは、自然時効の90日後にわずかな変化を示した。
したがって、本明細書に記載する処理方法と組み合わせた、本明細書で記載した合金組成物は、高成形性及び高強度のアルミニウム合金を提供する。
上で引用されている全ての特許及び出版物及び要約は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態が、本発明の様々な目的を実現させる中で説明されてきた。これらの実施形態は、本発明の原理を例示するに過ぎないことが認識されるべきである。それらの多数の改変及び適応は、以下の特許請求の範囲で定義されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者に容易に明らかになる。

Claims (20)

  1. 成形性高強度アルミニウム合金製造物の作製方法であって、前記方法が、
    溶融アルミニウム合金組成物を連続して鋳造し、鋳造出口温度を有する鋳造アルミニウム合金製造物を提供することであって、前記溶融アルミニウム合金組成物が、少なくとも0.1重量%のZr、少なくとも2重量%のMg、及び、Al以外の主要合金元素としてのZnを含むアルミニウム合金を含む、前記提供することと、
    前記鋳造アルミニウム合金製造物を、前記鋳造出口温度を20℃~50℃下回る温度まで冷却し、熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を提供することと、
    前記熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を熱間圧延して、アルミニウム合金ホットバンドを提供することと、
    前記アルミニウム合金ホットバンドをコイリングしてホットバンドコイルを提供することと、
    前記ホットバンドコイルを200℃~400℃の温度まで冷却することと、
    前記ホットバンドコイルを更に処理して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、
    前記最終ゲージアルミニウム合金製造物を溶体化処理することと、を含む、前記方法。
  2. 前記溶融アルミニウム合金組成物が、1.2~3の、Mgに対するZn比を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱間圧延が、前記熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物を、熱間圧延入口温度まで加熱することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記熱間圧延を実施して、前記熱安定化鋳造アルミニウム合金製造物の厚みを少なくとも30%減少させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記更に処理することが、
    前記ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、
    前記均質化ホットバンドコイルを熱間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記更に処理することが、
    前記ホットバンドコイルを均質化して、均質化ホットバンドコイルを提供することと、
    前記均質化ホットバンドコイルを冷却することと、
    前記均質化ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することと、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記均質化が、前記アルミニウム合金ホットバンドを少なくとも450℃の温度まで加熱することと、前記アルミニウム合金ホットバンドを、少なくとも90分の期間、少なくとも450℃の前記温度で維持することと、を含む、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記更に処理することが、
    前記ホットバンドコイルを冷間圧延して、最終ゲージアルミニウム合金製造物を提供することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記最終ゲージアルミニウム合金製造物をプレエイジングすることを更に含み、前記プレエイジングが、前記最終ゲージアルミニウム合金製造物を、50℃~150℃のプレエイジング温度まで加熱することと、前記プレエイジング温度を1~24時間の期間維持することと、を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記最終ゲージアルミニウム合金製造物をエイジングして、少なくとも400MPaの降伏強さを達成することを更に含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記エイジングが、自然時効、人工時効、塗料焼き付け、及び成形後熱処理のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記エイジングが自然時効を含み、前記自然時効が、前記最終ゲージアルミニウム合金製造物を1日~12週間の期間、室温で維持することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記エイジングが人工時効を含み、前記人工時効が、前記最終ゲージアルミニウム合金製造物を、100℃~250℃の人工時効温度まで加熱することと、前記人工時効温度を1時間~72時間の期間維持することと、を含む、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記エイジングが塗料焼き付けを含み、前記塗料焼き付けが、前記最終ゲージアルミニウム合金製造物を75℃~250℃の塗料焼き付け温度まで加熱することと、前記塗料焼き付け温度を約15分~約3時間の期間維持することと、を含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記エイジングが成形後熱処理を含み、前記成形後熱処理が、前記最終ゲージアルミニウム合金製造物を、100℃~250℃の成形後熱処理温度まで加熱することと、前記成形後熱処理温度を、1時間~24時間の期間維持することと、を含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の方法に従い調製した、アルミニウム合金製造物。
  17. 前記アルミニウム合金製造物が、エイジング前の前記アルミニウム合金製造物により達成される伸び及び降伏強さと比較して、エイジング後に伸びの増加、及び降伏強さの増加を達成する、請求項16に記載のアルミニウム合金製造物。
  18. 前記伸びの増加が少なくとも1%である、請求項17に記載のアルミニウム合金製造物。
  19. 前記降伏強さの増加が少なくとも15MPaである、請求項17に記載のアルミニウム合金製造物。
  20. 前記伸びの増加が少なくとも1%であり、前記降伏強さの増加が少なくとも15MPaである、請求項17~19のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製造物。
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