JP2024021157A - 放送受信装置およびコンテンツ保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度デジタル放送サービスをより好適に送信または受信する技術を提供する。【解決手段】音源別の信号を放送波を介して受信可能な放送受信装置であって、放送波を受信する放送受信部と、複数のスピーカにより構成され、放送受信装置から送信された音源別の信号に従って音声を出力する音声出力部と、制御部と、を備え、制御部は、複数のスピーカの配置情報に従い、音源別の信号による音声の再生位置を決定し、音源別の信号をもとに22.2chの音声チャンネルに対応した信号を計算した後、22.2ch用の音声チャンネルに対応した信号を音声出力部用の信号に変換する、放送受信装置を用いる。【選択図】図2A

Description

本発明は、放送受信装置およびコンテンツ保護方法に関する。
従来のアナログ放送サービスに替わり、1990年代後半より各国でデジタル放送サービスが開始された。デジタル放送サービスは、誤り訂正技術を用いた放送品質の向上、圧縮符号化技術を用いた多チャンネル化およびHD(High Definition)化、BML(Broadcast Markup Language)やHTML5(Hyper Text Markup Language version5)を用いたサービスのマルチメディア化、等を実現した。
近年では、さらなる周波数使用効率の向上、高解像度化や高機能化を目的として、各国において、高度デジタル放送方式の検討が進められている。
特開2016-144020号公報
現行のデジタル放送はサービスを開始してから既に10年以上を経過しており、現行のデジタル放送サービスを受信可能な放送受信装置が充分に普及している。このため、現在検討を進めている高度デジタル放送サービスを開始するにあたっては、現行のデジタル放送サービスとの互換性を考慮する必要がある。即ち、現行のデジタル放送サービスの視聴環境を維持しつつ、映像信号のUHD(Ultra High Definition)化等を実現することが好ましい。
デジタル放送サービスでUHD放送を実現する技術として特許文献1に記載のシステムがある。しかしながら、特許文献1に記載のシステムは現行のデジタル放送に置き換えるものであり、現行のデジタル放送サービスの視聴環境の維持を考慮したものではない。
本発明の目的は、現行のデジタル放送サービスとの互換性も考慮した、より高機能な高度デジタル放送サービスをより好適に送信または受信する技術を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲に記載の技術を用いる。
一例を挙げるならば、音源別の信号を放送波を介して受信可能な放送受信装置であって、前記放送波を受信する放送受信部と、複数のスピーカにより構成され、前記放送受信装置から送信された前記音源別の信号に従って音声を出力する音声出力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のスピーカの配置情報に従い、前記音源別の信号による音声の再生位置を決定し、前記音源別の信号をもとに22.2chの音声チャンネルに対応した信号を計算した後、前記22.2ch用の音声チャンネルに対応した信号を前記音声出力部用の信号に変換する、放送受信装置を用いれば良い。
本発明によれば、高度デジタル放送サービスをより好適に送信または受信する技術を提供することができる。
本発明の一実施例に係る放送システムのシステム構成図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置の第一チューナ/復調部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置の第二チューナ/復調部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置の第三チューナ/復調部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置の第四チューナ/復調部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置の第一デコーダ部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置の第二デコーダ部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置のソフトウェア構成図である。 本発明の一実施例に係る放送局サーバの構成図である。 本発明の一実施例に係るサービス事業者サーバの構成図である。 本発明の一実施例に係る携帯情報端末のブロック図である。 本発明の一実施例に係る携帯情報端末のソフトウェア構成図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るセグメント構成を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係る階層伝送における階層割り当てを説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るOFDM伝送波の生成処理を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係る伝送路符号化部の基本的な構成を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るOFDM方式のセグメントパラメータを説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係る伝送信号パラメータを説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係る同期変調セグメントのパイロット信号の配置を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係る差動変調セグメントのパイロット信号の配置を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCCキャリアのビット割り当てを説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報のビット割り当てを説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の伝送パラメータ情報を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報のシステム識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報のキャリア変調マッピング方式を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の周波数変換処理識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の物理チャンネル番号識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の主信号識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の4K信号伝送階層識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の追加階層伝送識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るTMCC情報の内符号の符号化率の識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号のビット割り当てを説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の構成識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の地震動警報情報を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の地震動警報情報の信号識別を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の地震動警報情報の地震動警報詳細情報を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の地震動警報情報の地震動警報詳細情報を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の変調波の伝送制御に関する付加情報を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の伝送パラメータ付加情報を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号の誤り訂正方式を説明する図である。 本発明の一実施例のデジタル放送に係るAC信号のコンスタレーション形式を説明する図である。 本発明の一実施例に係る偏波両用伝送方式を説明する図である。 本発明の一実施例に係る偏波両用伝送方式を用いた放送システムのシステム構成図である。 本発明の一実施例に係る偏波両用伝送方式を用いた放送システムのシステム構成図である。 本発明の一実施例に係る周波数変換処理を説明する図である。 本発明の一実施例に係るパススルー伝送方式の構成を説明する図である。 本発明の一実施例に係るパススルー伝送帯域を説明する図である。 本発明の一実施例に係るパススルー伝送方式の構成を説明する図である。 本発明の一実施例に係るパススルー伝送帯域を説明する図である。 本発明の一実施例に係るパススルー伝送帯域を説明する図である。 本発明の一実施例に係る単偏波伝送方式を説明する図である。 本発明の一実施例に係る単偏波伝送方式を用いた放送システムのシステム構成図である。 本発明の一実施例に係る単偏波伝送方式を用いた放送システムのシステム構成図である。 本発明の一実施例に係る階層分割多重伝送方式を説明する図である。 本発明の一実施例に係る階層分割多重伝送方式を用いた放送システムのシステム構成図である。 本発明の一実施例に係る周波数変換増幅処理を説明する図である。 本発明の一実施例に係る階層分割多重伝送方式を用いた放送システムのシステム構成図である。 MPEG-2 TSのプロトコルスタックを説明する図である。 MPEG-2 TSで使用するテーブルの名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用するテーブルの名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MPEG-2 TSで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MMTの放送伝送路におけるプロトコルスタックを説明する図である。 MMTの通信回線におけるプロトコルスタックを説明する図である。 MMTのTLV-SIで使用するテーブルの名称と機能を説明する図である。 MMTのTLV-SIで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MMTのMMT-SIで使用するメッセージの名称と機能を説明する図である。 MMTのMMT-SIで使用するテーブルの名称と機能を説明する図である。 MMTのMMT-SIで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MMTのMMT-SIで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MMTのMMT-SIで使用する記述子の名称と機能を説明する図である。 MMT方式のデータ伝送と各テーブルの関係を説明する図である。 本発明の一実施例に係る放送受信装置のチャンネル設定処理の動作シーケンス図である。 ネットワーク情報テーブルのデータ構造を説明する図である。 地上分配システム記述子のデータ構造を説明する図である。 サービスリスト記述子のデータ構造を説明する図である。 TS情報記述子のデータ構造を説明する図である。 本発明の一実施例に係るリモートコントローラの外観図である。 本発明の一実施例に係るチャンネル選択時のバナー表示を説明する図である。 スピーカ配置を説明する図である。 スピーカ配置を説明する図である。 スピーカ配置を説明する図である。 ヘッドフォン使用時の位置関係を説明する図である。 ヘッドフォン使用時の位置関係を説明する図である。 チャンネルベース信号のみの音声信号に対する音声デコーダの構成例である。 高度な音声信号に対する音声デコーダの構成例である。 スピーカシステムの配置情報の例である。 22.2chの信号から5.1chの信号へのダウンミックス係数のデフォルト値である。 5.1chの信号から2chの信号へのダウンミックス係数のデフォルト値である。 音声再生に用いるスピーカシステムを選択する画面の例である。 オブジェクトベース信号のメタデータを説明する図である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するメタデータの例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するメタデータの例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するメタデータの例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を選択する画面の例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を設定する画面の例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するメタデータの例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するストリームデータの例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するストリームデータの例である。 オブジェクトベース信号の再生位置を指定するストリームデータの例である。 HOA方式信号の信号数を説明する図である。 出力デバイス毎に音声信号を選択する選択画面の図である。 連携機器における音声再生について説明する図である。 伝送される音声信号数と取得先を記述するパラメータを説明する図である。 音声コンポーネント記述子のデータ構造を説明する図である。 音声コンポーネント種別のデータを説明する図である。 伝送される音声信号を電子番組表で表示する例である。 伝送される音声信号を電子番組表で表示する例である。 信号源と出力デバイスの表示例である。 本実施例に係るコンテンツ保護処理の制御例の一例を説明する図である。 本実施例に係るコンテンツ保護処理の制御例の一例を説明する図である。 本実施例に係るコンテンツ保護処理の制御例の一例を説明する図である。 本実施例に係るコンテンツ保護処理の制御例の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
[システム構成]
図1は、放送システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
放送システムは、例えば、放送受信装置100とアンテナ200、放送局の電波塔300と放送局サーバ400、サービス事業者サーバ500、移動体電話通信サーバ600と移動体電話通信網の基地局600B、携帯情報端末700、インターネット等のブロードバンドネットワーク800とルータ装置800R、で構成される。また、インターネット800には、各種サーバ装置や通信機器がさらに接続されても良い。
放送受信装置100は、高度デジタル放送サービスの受信機能を備えたテレビ受信機である。放送受信装置100は、さらに既存デジタル放送サービスの受信機能を備えても良い。さらに、デジタル放送サービス(既存デジタル放送サービスまたは高度デジタル放送サービス)にブロードバンドネットワークを利用した機能を連携させ、ブロードバンドネットワークを介した付加コンテンツの取得やサーバ装置における演算処理、携帯端末機器との連携による提示処理等をデジタル放送サービスと組み合わせる放送通信連携システムに対応可能である。放送受信装置100は、アンテナ200を介して、電波塔300から送出されたデジタル放送波を受信する。前記デジタル放送波は、電波塔300からアンテナ200に直接送信されても良いし、図示を省略した放送衛星や通信衛星等を経由して送信されても良い。ケーブルテレビ局が再送信した放送信号を、ケーブル回線等を経由して受信しても良い。また、放送受信装置100は、ルータ装置800Rを介してインターネット800と接続可能であり、インターネット800上の各サーバ装置との通信によるデータの送受信が可能である。
ルータ装置800Rは、インターネット800と無線通信または有線通信により接続され、また、放送受信装置100とは有線通信で、携帯情報端末700とは無線通信で接続される。これにより、インターネット800上の各サーバ装置と放送受信装置100と携帯情報端末700とが、ルータ装置800Rを介して、データの送受信を相互に行うことが可能となる。ルータ装置800Rと放送受信装置100と携帯情報端末700は、LAN(Local Area Network)を構成する。なお、放送受信装置100と携帯情報端末700との通信は、ルータ装置800Rを介さずに、BlueTooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)等の方式で直接行われても良い。
電波塔300は、放送局の放送設備であって、デジタル放送サービスに係る各種制御情報や放送番組のコンテンツデータ(動画コンテンツや音声コンテンツ等)等を含むデジタル放送波を送出する。また、放送局は放送局サーバ400を備える。放送局サーバ400は、放送番組のコンテンツデータおよび各放送番組の番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、等のメタデータを記憶する。放送局サーバ400は、前記コンテンツデータやメタデータを、契約に基づいて、サービス事業者に対して提供する。サービス事業者に対するコンテンツデータおよびメタデータの提供は、放送局サーバ400が備えるAPI(Application Programming Interface)を通して行われる。
サービス事業者サーバ500は、サービス事業者が放送通信連携システムによるサービスを提供するために用意するサーバ装置である。サービス事業者サーバ500は、放送局サーバ400から提供されたコンテンツデータおよびメタデータと、放送通信連携システム用に制作されたコンテンツデータおよびアプリケーション(動作プログラムおよび/または各種データ等)の記憶、管理および配信等を行う。また、テレビ受信機からの問い合わせに対して、提供可能なアプリケーションの検索や一覧の提供を行う機能も有する。なお、前記コンテンツデータおよびメタデータの記憶、管理および配信等と、前記アプリケーションの記憶、管理および配信等は、異なるサーバ装置が行うものであっても良い。放送局とサービス事業者は同一であっても良いし、異なる事業者であっても良い。サービス事業者サーバ500は、異なるサービスごとに複数用意されても良い。また、サービス事業者サーバ500の機能は、放送局サーバ400が兼ね備えるものであっても良い。
移動体電話通信サーバ600はインターネット800と接続され、一方、基地局600Bを介して携帯情報端末700と接続される。移動体電話通信サーバ600は、携帯情報端末700の移動体電話通信網を介した電話通信(通話)およびデータ送受信を管理し、携帯情報端末700とインターネット800上の各サーバ装置との通信によるデータの送受信を可能とする。なお、携帯情報端末700と放送受信装置100との通信は、基地局600Bと移動体電話通信サーバ600、およびインターネット800、ルータ装置800Rを介して行われるものであっても良い。
[放送受信装置のハードウェア構成]
図2Aは、放送受信装置100の内部構成の一例を示すブロック図である。
放送受信装置100は、主制御部101、システムバス102、ROM103、RAM104、ストレージ(蓄積)部110、LAN通信部121、拡張インタフェース部124、デジタルインタフェース部125、第一チューナ/復調部130C、第二チューナ/復調部130T、第三チューナ/復調部130L、第四チューナ/復調部130B、第一デコーダ部140S、第二デコーダ部140U、操作入力部180、映像選択部191、モニタ部192、映像出力部193、音声選択部194、スピーカ部195、音声出力部196、で構成される。
主制御部101は、所定の動作プログラムに従って放送受信装置100全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス102は主制御部101と放送受信装置100内の各動作ブロックとの間で各種データやコマンド等の送受信を行うための通信路である。
ROM(Read Only Memory)103は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラムが格納された不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられる。また、ROM103には、放送受信装置100の動作に必要な動作設定値等が記憶される。RAM(Random Access Memory)104は基本動作プログラムやその他の動作プログラム実行時のワークエリアとなる。ROM103およびRAM104は主制御部101と一体構成であっても良い。また、ROM103は、図2Aに示したような独立構成とはせず、ストレージ(蓄積)部110内の一部記憶領域を使用するようにしても良い。
ストレージ(蓄積)部110は、放送受信装置100の動作プログラムや動作設定値、放送受信装置100のユーザの個人情報等を記憶する。また、インターネット800を介してダウンロードした動作プログラムや前記動作プログラムで作成した各種データ等を記憶可能である。また、放送波から取得した、或いは、インターネット800を介してダウンロードした、動画、静止画、音声等のコンテンツも記憶可能である。ストレージ(蓄積)部110の一部領域を以ってROM103の機能の全部または一部を代替しても良い。また、ストレージ(蓄積)部110は、放送受信装置100に外部から電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。したがって、例えば、フラッシュROMやSSD(Solid State Drive)等の半導体素子メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気ディスクドライブ、等のデバイスが用いられる。
なお、ROM103やストレージ(蓄積)部110に記憶された前記各動作プログラムは、インターネット800上の各サーバ装置や放送波からのダウンロード処理により、追加、更新および機能拡張することが可能である。
LAN通信部121は、ルータ装置800Rを介してインターネット800と接続され、インターネット800上の各サーバ装置やその他の通信機器とデータの送受信を行う。また、通信回線を介して伝送される番組のコンテンツデータ(或いは、その一部)の取得も行う。ルータ装置800Rとの接続は有線接続であっても良いし、Wi-Fi(登録商標)等の無線接続であっても良い。LAN通信部121は符号回路や復号回路等を備える。また、放送受信装置100が、BlueTooth(登録商標)通信部やNFC通信部、赤外線通信部等、他の通信部をさらに備えていても良い。
第一チューナ/復調部130Cと第二チューナ/復調部130Tと第三チューナ/復調部130Lと第四チューナ/復調部130Bは、それぞれ、デジタル放送サービスの放送波を受信し、主制御部101の制御に基づいて所定のサービスのチャンネルに同調することによる選局処理(チャンネル選択)を行う。さらに、受信信号の変調波の復調処理や波形整形処理等、また、フレーム構造や階層構造の再構成処理、エネルギー逆拡散処理、誤り訂正復号処理、等を行い、パケットストリームを再生する。また、受信信号から伝送TMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)信号の抽出および復号処理を行う。
なお、第一チューナ/復調部130Cは、現行地上デジタル放送受信用アンテナであるアンテナ200Cが受信した現行の地上デジタル放送サービスのデジタル放送波が入力可能である。また、第一チューナ/復調部130Cは、後述する偏波両用地上デジタル放送の水平(H)偏波信号と垂直(V)偏波信号のうち一方の偏波の放送信号を入力して、現行の地上デジタル放送サービスと同じ変調方式を採用する階層のセグメントを復調することも可能である。また、第一チューナ/復調部130Cは、後述する単偏波地上デジタル放送の放送信号を入力して、現行の地上デジタル放送サービスと同じ変調方式を採用する階層のセグメントを復調することも可能である。また、第一チューナ/復調部130Cは、後述する階層分割多重地上デジタル放送の放送信号を入力して、現行の地上デジタル放送サービスと同じ変調方式を採用する階層のセグメントを復調することも可能である。
第二チューナ/復調部130Tは、偏波両用地上デジタル放送受信用アンテナであるアンテナ200Tが受信した高度地上デジタル放送サービスのデジタル放送波を、変換部201Tを介して入力する。また、第二チューナ/復調部130Tは、単偏波地上デジタル放送受信用アンテナ(図示省略)が受信した高度地上デジタル放送サービスのデジタル放送波を入力しても良い。第二チューナ/復調部130Tが単偏波地上デジタル放送受信用アンテナ(図示省略)から高度地上デジタル放送サービスのデジタル放送波を入力する場合、変換部201Tは介さずとも良い。なお、偏波両用地上デジタル放送のデジタル放送波を受信するアンテナ200Tは、水平偏波信号を受信する素子と垂直偏波信号受信する素子とを備える。単偏波地上デジタル放送受信用アンテナ(図示省略)は、水平偏波信号を受信する素子と垂直偏波信号受信する素子の何れか一方を備える。単偏波地上デジタル放送受信用アンテナ(図示省略)は、現行地上デジタル放送受信用アンテナであるアンテナ200Cと共用されても良い。
第三チューナ/復調部130Lは、階層分割多重地上デジタル放送受信用アンテナであるアンテナ200Lが受信した高度地上デジタル放送サービスのデジタル放送波を、変換部201Lを介して入力する。
第四チューナ/復調部130Bは、BS/CS共用受信用アンテナであるアンテナ200Bが受信した高度BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送サービスや高度CS(Communication Satellite)デジタル放送サービスのデジタル放送波を、変換部201Bを介して入力する。
なお『チューナ/復調部』との表現は、チューナ機能と復調機能を備えた構成部を意味する。
また、アンテナ200C、アンテナ200T、アンテナ200L、アンテナ200B、変換部201T、変換部201L、変換部201Bは、放送受信装置100の一部を構成するものではなく、放送受信装置100が設置される建物等の設備側に属するものである。
また、上述の現行地上デジタル放送は、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスの放送信号である。
また、偏波両用地上デジタル放送(偏波両用伝送方式を採用した高度地上デジタル放送)及び単偏波地上デジタル放送(単偏波伝送方式を採用した高度地上デジタル放送)の詳細は後述するが、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスの放送信号である。偏波両用地上デジタル放送は、水平(H)偏波と垂直(V)偏波の複数の偏波を用いる地上デジタル放送であり、複数の偏波の両方の偏波において、分割された一部のセグメントで、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスを伝送する。単偏波地上デジタル放送は、水平(H)偏波と垂直(V)偏波の何れか一方の偏波を用いる地上デジタル放送であり、分割された一部のセグメントで、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスを伝送する。
なお、本発明の各実施例の説明において、偏波両用地上デジタル放送について『複数の偏波』という表現を用いた場合、特に断りがない限り、水平(H)偏波と垂直(V)偏波の2つの偏波を意味するものである。また、単に『偏波』との表現を用いた場合でも『偏波信号』を意味する。また、複数の偏波の一方または両方の偏波において、分割された一部のセグメントで、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する上述の現行地上デジタル放送を同じ変調方式で伝送可能である。即ち、偏波両用地上デジタル放送では、本発明の各実施例の複数の偏波の異なるセグメントで、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行地上デジタル放送サービスと、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスとを同時に伝送することができる。また、単偏波地上デジタル放送は、分割された一部のセグメントで、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する上述の現行地上デジタル放送を同じ変調方式で伝送可能である。即ち、単偏波地上デジタル放送では、本発明の各実施例の異なるセグメントで、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行地上デジタル放送サービスと、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスとを同時に伝送することができる。
また、階層分割多重地上デジタル放送(階層分割多重伝送方式を採用した高度地上デジタル放送)の詳細は後述するが、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスの放送信号である。階層分割多重地上デジタル放送は、信号レベルが異なる複数のデジタル放送信号を多重化するものである。なお、信号レベルが異なるデジタル放送信号とは、デジタル放送信号を送信する電力が異なることを意味する。本発明の各実施例の階層分割多重地上デジタル放送は、当該信号レベルが異なる複数のデジタル放送信号として、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行地上デジタル放送サービスの放送信号と、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスの放送信号とを同一物理チャンネルの周波数帯で階層多重して伝送可能である。即ち、本発明の各実施例の階層分割多重地上デジタル放送では、信号レベルの異なる複数の階層で、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行地上デジタル放送サービスと、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な地上デジタル放送サービスとを同時に伝送することができる。
なお、本発明の各実施例における放送受信装置は、高度なデジタル放送を好適に受信できる構成であれば良く、第一チューナ/復調部130Cと第二チューナ/復調部130Tと第三チューナ/復調部130Lと第四チューナ/復調部130Bのすべてを備えることが必須ではない。例えば、少なくとも第二チューナ/復調部130Tまたは第三チューナ/復調部130Lの一方を備えれば良い。また、より高度な機能を実現するために、第二チューナ/復調部130Tまたは第三チューナ/復調部130Lの一方に加えて、上記4つのチューナ/復調部の1つまたは複数をともに備えても良い。
また、アンテナ200Cとアンテナ200Tとアンテナ200Lは適宜兼用されても良い。また、第一チューナ/復調部130Cと第二チューナ/復調部130Tと第三チューナ/復調部130Lのうち、複数のチューナ/復調部が適宜兼用(或いは統合)されても良い。
第一デコーダ部140Sと第二デコーダ部140Uは、それぞれ、第一チューナ/復調部130Cや第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lや第四チューナ/復調部130Bから出力されたパケットストリーム、或いは、LAN通信部121を介してインターネット800上の各サーバ装置から取得したパケットストリームを入力する。第一デコーダ部140Sと第二デコーダ部140Uが入力するパケットストリームは、MPEG(Moving Picture Experts Group)-2 TS(Transport Stream)やMPEG-2 PS(Program Stream)、TLV(Type Length Value)、MMT(MPEG Media Transport)、等の形式のパケットストリームであって良い。
第一デコーダ部140Sと第二デコーダ部140Uは、それぞれ、コンディショナルアクセス(Conditional Access:CA)処理、パケットストリームに含まれる各種制御情報に基づいて前記パケットストリームから映像データや音声データや各種情報データ等を分離抽出する多重分離処理、映像データや音声データの復号処理、番組情報の取得およびEPG(Electronic Program Guide:電子番組表)生成処理、データ放送画面やマルチメディアデータの再生処理、等を行う。また、生成したEPGや再生したマルチメディアデータを復号した映像データや音声データと重畳する処理を行う。
映像選択部191は、第一デコーダ部140Sから出力された映像データと第二デコーダ部140Uから出力された映像データを入力し、主制御部101の制御に基づいて、適宜選択および/または重畳等の処理を行う。また、映像選択部191は、適宜スケーリング処理やOSD(On Screen Display)データの重畳処理等を行う。モニタ部192は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであり、映像選択部191で選択および/または重畳処理を施された映像データを表示して、放送受信装置100のユーザに提供する。映像出力部193は、映像選択部191で選択および/または重畳処理を施された映像データを外部に出力する映像出力インタフェースである。
音声選択部194は、第一デコーダ部140Sから出力された音声データおよび第二デコーダ部140Uから出力された音声データを入力し、主制御部101の制御に基づいて、適宜選択および/またはミックス等の処理を行う。スピーカ部195は、音声選択部194で選択および/またはミックス処理を施された音声データを出音して、放送受信装置100のユーザに提供する。音声出力部196は、音声選択部194で選択および/またはミックス処理を施された音声データを外部に出力する音声出力インタフェースである。
デジタルインタフェース部125は、符号化されたデジタル映像データおよび/またはデジタル音声データを含むパケットストリームを出力若しくは入力するインタフェースである。デジタルインタフェース部125は、第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140Uが第一チューナ/復調部130Cや第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lや第四チューナ/復調部130Bから入力したパケットストリームをそのまま出力可能である。また、デジタルインタフェース部125を介して外部から入力したパケットストリームを第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140Uに入力したり、ストレージ(蓄積)部110に記憶するように制御しても良い。或いは、第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140Uで分離抽出した映像データや音声データを出力しても良い。また、デジタルインタフェース部125を介して外部から入力した映像データや音声データを第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140Uに入力したり、ストレージ(蓄積)部110に記憶するように制御しても良い。
拡張インタフェース部124は、放送受信装置100の機能を拡張するためのインタフェース群であり、アナログ映像/音声インタフェース、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、メモリインタフェース等で構成される。アナログ映像/音声インタフェースは、外部映像/音声出力機器からのアナログ映像信号/音声信号の入力、外部映像/音声入力機器へのアナログ映像信号/音声信号の出力、等を行う。USBインタフェースは、PC等と接続してデータの送受信を行う。HDDを接続して放送番組やその他のコンテンツデータの記録を行っても良い。また、キーボードやその他のUSB機器の接続を行っても良い。メモリインタフェースはメモリカードやその他のメモリ媒体を接続してデータの送受信を行う。
操作入力部180は、放送受信装置100に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、図示を省略したリモコン(リモートコントローラ)から送信されるコマンドを受信するリモコン受信部とボタンスイッチを並べた操作キーで構成される。いずれか一方のみであっても良い。また、操作入力部180は、モニタ部192に重ねて配したタッチパネル等で代替可能である。拡張インタフェース部124に接続したキーボード等で代替しても良い。リモコンはリモコンコマンド送信機能を備えた携帯情報端末700で代替可能である。なお、以下の実施例で説明される、リモコンに備えられた「キー」は、いずれも「ボタン」と表現しても問題ない。
なお、放送受信装置100がテレビ受信機等である場合、映像出力部193および音声出力部196は必須の構成ではない。また、放送受信装置100は、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダなどの光ディスクドライブレコーダ、HDDレコーダなどの磁気ディスクドライブレコーダ、STB(Set Top Box)等であっても良い。デジタル放送サービスの受信機能を備えたPC(Personal Computer)やタブレット端末等であっても良い。放送受信装置100がDVDレコーダやHDDレコーダやSTB等である場合、モニタ部192およびスピーカ部195は必須の構成ではない。映像出力部193および音声出力部196或いはデジタルインタフェース部125に外部モニタおよび外部スピーカを接続することにより、テレビ受信機等と同様の動作が可能となる。
図2Bは、第一チューナ/復調部130Cの詳細構成の一例を示すブロック図である。
選局/検波部131Cは、アンテナ200Cが受信した現行のデジタル放送波を入力し、チャンネル選択制御信号に基づいてチャンネル選択を行う。TMCC復号部132Cは選局/検波部131Cの出力信号からTMCC信号を抽出して各種TMCC情報を取得する。取得したTMCC情報は後段の各処理の制御に使用される。TMCC信号およびTMCC情報の詳細に関しては後述する。
復調部133Cは、TMCC情報等に基づいて、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、DQPSK(Differential QPSK)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、等の方式を用いて変調された変調波を入力し、周波数デインターリーブや時間デインターリーブやキャリアデマッピング処理等を含む復調処理を行う。復調部133Cは、前述の各変調方式と異なる変調方式にさらに対応可能であっても良い。
ストリーム再生部134Cは、階層分割処理、ビタビ復号等の内符号誤り訂正処理、エネルギー逆拡散処理、ストリーム再生処理、RS(Reed Solomon)復号等の外符号誤り訂正処理、等を行う。なお、誤り訂正処理としては、前述の各方式と異なるものが用いられても良い。また、ストリーム再生部134Cで再生されて出力されるパケットストリームは、例えばMPEG-2 TS等である。その他の形式のパケットストリームであっても良い。
図2Cは、第二チューナ/復調部130Tの詳細構成の一例を示すブロック図である。
選局/検波部131Hは、アンテナ200Tが受信したデジタル放送波の水平(H)偏波信号を入力し、チャンネル選択制御信号に基づいてチャンネル選択を行う。選局/検波部131Vは、アンテナ200Tが受信したデジタル放送波の垂直(V)偏波信号を入力し、チャンネル選択制御信号に基づいてチャンネル選択を行う。なお、選局/検波部131Hにおけるチャンネル選択処理の動作と選局/検波部131Vにおけるチャンネル選択処理の動作は、連動して制御されても良いし、それぞれ独立に制御されても良い。即ち、選局/検波部131Hと選局/検波部131Vを1つの選局/検波部であるものと見做して、水平/垂直両偏波を利用して伝送されるデジタル放送サービスの1つのチャンネルを選局するように制御することも可能であり、選局/検波部131Hと選局/検波部131Vを独立した二つの選局/検波部であるものとして、水平偏波のみ(或いは垂直偏波のみ)を利用して伝送されるデジタル放送サービスの異なる二つのチャンネルをそれぞれ選局するように制御することも可能である。
なお、本発明の各実施例における放送受信装置の第二チューナ/復調部130Tが受信する水平(H)偏波信号と垂直(V)偏波信号は偏波方向が略90度異なる放送波による偏波信号であれば良く、以下に説明する水平(H)偏波信号と垂直(V)偏波信号とその受信に関する構成を逆にしても構わない。
TMCC復号部132Hは選局/検波部131Hの出力信号からTMCC信号を抽出して各種TMCC情報を取得する。TMCC復号部132Vは選局/検波部131Vの出力信号からTMCC信号を抽出して各種TMCC情報を取得する。TMCC復号部132HとTMCC復号部132Vはいずれか一方のみであっても良い。取得したTMCC情報は後段の各処理の制御に使用される。
復調部133Hと復調部133Vは、それぞれ、TMCC情報等に基づいて、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、DBPSK(Differential BPSK)、QPSK、DQPSK、8PSK(Phase Shift Keying)、16APSK(Amplitude and Phase Shift Keying)、32APSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAM、等の方式を用いて変調された変調波を入力し、周波数デインターリーブや時間デインターリーブやキャリアデマッピング処理等を含む復調処理を行う。復調部133Hと復調部133Vは、前述の各変調方式と異なる変調方式にさらに対応可能であっても良い。
ストリーム再生部134Hとストリーム再生部134Vは、それぞれ、階層分割処理、ビタビ復号やLDPC(Low Density Parity Check)復号等の内符号誤り訂正処理、エネルギー逆拡散処理、ストリーム再生処理、RS復号やBCH復号等の外符号誤り訂正処理、等を行う。なお、誤り訂正処理としては、前述の各方式と異なるものが用いられても良い。また、ストリーム再生部134Hで再生されて出力されるパケットストリームは、例えばMPEG-2 TS等である。ストリーム再生部134Vで再生されて出力されるパケットストリームは、例えばMPEG-2 TSやMMTパケットストリームを含むTLV等である。それぞれ、その他の形式のパケットストリームであっても良い。
なお、第二チューナ/復調部130Tが単偏波地上デジタル放送のデジタル放送波を入力する場合、選局/検波部131VとTMCC復号部132Vと復調部133Vは備えなくとも良い。また、異なるセグメントで、現行地上デジタル放送サービスと高度地上デジタル放送サービスとが同時に伝送される場合、復調部133Hから出力される信号のうち、現行地上デジタル放送サービスを伝送するセグメントの信号はストリーム再生部134Hに入力され、高度地上デジタル放送サービスを伝送するセグメントの信号はストリーム再生部134Vに入力される。
図2Dは、第三チューナ/復調部130Lの詳細構成の一例を示すブロック図である。
選局/検波部131Lは、階層分割多重(Layered Division Multiplexing:LDM)処理を施されたデジタル放送波をアンテナ200Lから入力し、チャンネル選択制御信号に基づいてチャンネル選択を行う。階層分割多重処理を施されたデジタル放送波は、上側階層(Upper Layer:UL)の変調波と下側階層(Lower Layer:LL)の変調波が異なるデジタル放送サービス(或いは同一の放送サービスの異なるチャンネル)の送信に用いられて良い。また、上側階層の変調波は復調部133Sに、下側階層の変調波は復調部133Lに、それぞれ出力される。
TMCC復号部132Lは、選局/検波部131Lから出力される上側階層の変調波と下側階層の変調波を入力し、TMCC信号を抽出して各種TMCC情報を取得する。TMCC復号部132Lに入力される信号は、上側階層の変調波と下側階層の変調波のいずれか一方のみであっても良い。
復調部133Sと復調部133Lは、復調部133Hや復調部133Vと同様の動作を行うため、詳細説明を省略する。また、ストリーム再生部134Sやストリーム再生部134Lは、それぞれ、ストリーム再生部134Hやストリーム再生部134Vと同様の動作を行うため、詳細説明を省略する。
図2Eは、第四チューナ/復調部130Bの詳細構成の一例を示すブロック図である。
選局/検波部131Bは、アンテナ200Bが受信した高度BSデジタル放送サービスや高度CSデジタル放送サービスのデジタル放送波を入力し、チャンネル選択制御信号に基づいてチャンネル選択を行う。その他の動作は選局/検波部131Hや選局/検波部131Vと同様であるので、詳細説明を省略する。また、TMCC復号部132B、復調部133B、ストリーム再生部134Bも、それぞれ、TMCC復号部132HやTMCC復号部132V、復調部133Hや復調部133V、ストリーム再生部134Vと同様の動作を行うため、詳細説明を省略する。
図2Fは、第一デコーダ部140Sの詳細構成の一例を示すブロック図である。
選択部141Sは、主制御部101の制御に基づいて、第一チューナ/復調部130Cから入力したパケットストリームと第二チューナ/復調部130Tから入力したパケットストリームと第三チューナ/復調部130Lから入力したパケットストリームとから1つを選択して出力する。第一チューナ/復調部130Cや第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lから入力するパケットストリームは、例えばMPEG-2 TS等である。CAデスクランブラ142Sは、パケットストリームに重畳された限定受信に関する各種制御情報に基づいて、所定のスクランブル方式の暗号アルゴリズムの解除処理を行う。
多重分離部143Sは、ストリームデコーダであり、入力したパケットストリームに含まれる各種制御情報に基づいて、映像データや音声データや文字スーパーデータや字幕データや番組情報データ等を分離抽出する。分離抽出された映像データは映像デコーダ145Sに、分離抽出された音声データは音声デコーダ146Sに、分離抽出された文字スーパーデータや字幕データや番組情報データ等はデータデコーダ144Sに、それぞれ分配される。多重分離部143Sには、LAN通信部121を介してインターネット800上のサーバ装置から取得したパケットストリーム(例えば、MPEG-2 PS等)が入力されても良い。また、多重分離部143Sは、第一チューナ/復調部130Cや第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lから入力したパケットストリームを、デジタルインタフェース部125を介して外部に出力することが可能であり、デジタルインタフェース部125を介して外部から取得したパケットストリームを入力することが可能である。
映像デコーダ145Sは、多重分離部143Sから入力した映像データに対して、圧縮符号化を施された映像情報の復号処理や復号した映像情報に対するカラリメトリ変換処理やダイナミックレンジ変換処理等を行う。また、主制御部101の制御に基づいた解像度変換(アップ/ダウンコンバート)等の処理を行い、適宜UHD(水平3840画素×垂直2160画素)やHD(水平1920画素×垂直1080画素)やSD(水平720画素×垂直480画素)等の解像度で映像データを出力する。その他の解像度での映像データ出力を行っても良い。音声デコーダ146Sは、圧縮符号化を施された音声情報の復号処理等を行う。また、主制御部101の制御に基づいたダウンミックス処理等を行い、22.2chや7.1chや5.1chや2ch等のチャンネル数で音声データを出力する。なお、映像デコーダ145Sや音声デコーダ146Sは、映像データや音声データの復号処理等を複数同時に行うために、複数備えられていても良い。
データデコーダ144Sは、番組情報データに基づいてEPGを生成する処理やBMLデータに基づくデータ放送画面生成処理や放送通信連携機能に基づく連携アプリケーションの制御処理等を行う。データデコーダ144SはBML文書を実行するBMLブラウザ機能を備え、データ放送画面生成処理は前記BMLブラウザ機能により実行される。また、データデコーダ144Sは、文字スーパーデータを復号して文字スーパー情報を生成する処理や字幕データを復号して字幕情報を生成する処理等を行う。
重畳部147Sと重畳部148Sと重畳部149Sは、それぞれ、映像デコーダ145Sから出力された映像データとデータデコーダ144Sから出力されたEPGやデータ放送画面等の重畳処理を行う。合成部151Sは、音声デコーダ146Sから出力された音声データとデータデコーダ144Sで再生された音声データとを合成する処理を行う。選択部150Sは、主制御部101の制御に基づいた映像データの解像度選択を行う。なお、重畳部147Sや重畳部148Sや重畳部149Sや選択部150Sの機能は映像選択部191と統合されても良い。合成部151Sの機能は音声選択部194と統合されても良い。
図2Gは、第二デコーダ部140Uの詳細構成の一例を示すブロック図である。
選択部141Uは、主制御部101の制御に基づいて、第二チューナ/復調部130Tから入力したパケットストリームと第三チューナ/復調部130Lから入力したパケットストリームと第四チューナ/復調部130Bから入力したパケットストリームとから1つを選択して出力する。第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lや第四チューナ/復調部130Bから入力するパケットストリームは、例えば、MMTパケットストリーム或いはMMTパケットストリームを含むTLV等である。映像圧縮方式にHEVC(High Efficiency Video Coding)等を採用したMPEG-2 TS形式のパケットストリームであっても良い。CAデスクランブラ142Uは、パケットストリームに重畳された限定受信に関する各種制御情報に基づいて、所定のスクランブル方式の暗号アルゴリズムの解除処理を行う。
多重分離部143Uは、ストリームデコーダであり、入力したパケットストリームに含まれる各種制御情報に基づいて、映像データや音声データや文字スーパーデータや字幕データや番組情報データ等を分離抽出する。分離抽出された映像データは映像デコーダ145Uに、分離抽出された音声データは音声デコーダ146Uに、分離抽出された文字スーパーデータや字幕データや番組情報データ等はマルチメディアデコーダ144Uに、それぞれ分配される。多重分離部143Uには、LAN通信部121を介してインターネット800上のサーバ装置から取得したパケットストリーム(例えば、MPEG-2 PSやMMTパケットストリーム等)が入力されても良い。また、多重分離部143Uは、第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lや第四チューナ/復調部130Bから入力したパケットストリームを、デジタルインタフェース部125を介して外部に出力することが可能であり、デジタルインタフェース部125を介して外部から取得したパケットストリームを入力することが可能である。
マルチメディアデコーダ144Uは、番組情報データに基づいてEPGを生成する処理やマルチメディアデータに基づくマルチメディア画面生成処理、放送通信連携機能に基づく連携アプリケーションの制御処理等を行う。マルチメディアデコーダ144UはHTML文書を実行するHTMLブラウザ機能を備え、マルチメディア画面生成処理は前記HTMLブラウザ機能により実行される。
映像デコーダ145Uと音声デコーダ146Uと重畳部147Uと重畳部148Uと重畳部149Uと合成部151Uと選択部150Uは、それぞれ、映像デコーダ145Sや音声デコーダ146Sや重畳部147Sや重畳部148Sや重畳部149Sや合成部151Sや選択部150Sと同様の機能を有する構成部である。これらは図2Fにおける映像デコーダ145Sや音声デコーダ146Sや重畳部147Sや重畳部148Sや重畳部149Sや合成部151Sや選択部150Sについての説明において符号の末尾のSをUに読み替えれば、図2Gにおける映像デコーダ145Uと音声デコーダ146Uと重畳部147Uと重畳部148Uと重畳部149Uと合成部151Uと選択部150Uのそれぞれの説明となるので別途の詳細説明は省略する。
[放送受信装置のソフトウェア構成]
図2Hは、放送受信装置100のソフトウェア構成図であり、ストレージ(蓄積)部110(或いはROM103、以下同様)およびRAM104におけるソフトウェア構成の一例を示す。ストレージ(蓄積)部110には、基本動作プログラム1001と受信機能プログラム1002とブラウザプログラム1003とコンテンツ管理プログラム1004およびその他の動作プログラム1009が記憶されている。また、ストレージ(蓄積)部110は、動画や静止画や音声等のコンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶領域1011、外部の携帯端末機器やサーバ装置等との通信や連携の際に使用する認証情報等を記憶する認証情報記憶領域1012、その他の各種情報を記憶する各種情報記憶領域1019を備えるものとする。
ストレージ(蓄積)部110に記憶された基本動作プログラム1001はRAM104に展開され、さらに主制御部101が前記展開された基本動作プログラムを実行することにより、基本動作制御部1101を構成する。また、ストレージ(蓄積)部110に記憶された受信機能プログラム1002やブラウザプログラム1003やコンテンツ管理プログラム1004は、それぞれRAM104に展開され、さらに主制御部101が前記展開された各動作プログラムを実行することにより、受信機能制御部1102やブラウザエンジン1103やコンテンツ管理部1104を構成する。また、RAM104は、各動作プログラム実行時に作成したデータを、必要に応じて一時的に保持する一時記憶領域1200を備えるものとする。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部101がストレージ(蓄積)部110に記憶された基本動作プログラム1001をRAM104に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作制御部1101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
受信機能制御部1102は、放送受信装置100の放送受信機能や放送通信連携機能等の基本的な制御を行う。特に、選局/復調部1102aは、第一チューナ/復調部130Cや第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lや第四チューナ/復調部130B等におけるチャンネル選局処理やTMCC情報取得処理や復調処理等を主として制御する。ストリーム再生制御部1102bは、第一チューナ/復調部130Cや第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lや第四チューナ/復調部130B等における階層分割処理や誤り訂正復号処理やエネルギー逆拡散処理やストリーム再生処理等を主として制御する。AVデコード部1102cは、第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140U等における多重分離処理(ストリームデコード処理)や映像データ復号処理や音声データ復号処理等を主として制御する。マルチメディア(MM)データ再生部1102dは、第一デコーダ部140SにおけるBMLデータ再生処理や文字スーパーデータ復号処理や字幕データ復号処理や通信連携アプリの制御処理、第二デコーダ部140UにおけるHTMLデータ再生処理やマルチメディア画面生成処理や通信連携アプリの制御処理、等を主として制御する。EPG生成部1102eは、第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140UにおけるEPG生成処理および生成したEPGの表示処理を主として制御する。提示処理部1102fは、第一デコーダ部140Sや第二デコーダ部140Uにおけるカラリメトリ変換処理やダイナミックレンジ変換処理や解像度変換処理や音声のダウンミックス処理等の制御、および映像選択部191や音声選択部194等の制御を行う。
ブラウザエンジン1103のBMLブラウザ1103aやHTMLブラウザ1103bは、前述のBMLデータ再生処理やHTMLデータ再生処理の際にBML文書やHTML文書の解釈を行い、データ放送画面生成処理やマルチメディア画面生成処理を行う。
コンテンツ管理部1104は、放送番組の録画予約や視聴予約を行う際のタイムスケジュール管理や実行制御、放送番組や録画済み番組等をデジタルインタフェース部125やLAN通信部121等から出力する際の著作権管理や放送通信連携機能に基づき取得した連携アプリケーションの有効期限管理等を行う。
前記各動作プログラムは、製品出荷の時点で予めストレージ(蓄積)部110および/またはROM103に記憶されていても良い。製品出荷後にインターネット800上のサーバ装置からLAN通信部121等を介して取得しても良い。また、メモリカードや光ディスク等に記憶された前記各動作プログラムを、拡張インタフェース部124等を介して取得しても良い。放送波を介して新たに取得或いは更新されても良い。
[放送局サーバの構成]
図3Aは、放送局サーバ400の内部構成の一例である。放送局サーバ400は、主制御部401、システムバス402、RAM404、ストレージ部410、LAN通信部421、デジタル放送信号送出部460、で構成される。
主制御部401は、所定の動作プログラムに従って放送局サーバ400全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス402は主制御部401と放送局サーバ400内の各動作ブロックとの間で各種データやコマンド等の送受信を行うための通信路である。RAM404は各動作プログラム実行時のワークエリアとなる。
ストレージ部410は、基本動作プログラム4001およびコンテンツ管理/配信プログラム4002とコンテンツ送出プログラム4003を記憶し、さらに、コンテンツデータ記憶領域4011およびメタデータ記憶領域4012を備える。コンテンツデータ記憶領域4011は放送局が放送する各放送番組のコンテンツデータ等を記憶する。メタデータ記憶領域4012は前記各放送番組の番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、等のメタデータを記憶する。
また、ストレージ部410に記憶された基本動作プログラム4001およびコンテンツ管理/配信プログラム4002とコンテンツ送出プログラム4003は、それぞれRAM404に展開され、さらに主制御部401が前記展開された基本動作プログラムおよびコンテンツ管理/配信プログラムとコンテンツ送出プログラムを実行することにより、基本動作制御部4101およびコンテンツ管理/配信制御部4102とコンテンツ送出制御部4103を構成する。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部401がストレージ部410に記憶された基本動作プログラム4001をRAM404に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作制御部4101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
コンテンツ管理/配信制御部4102は、コンテンツデータ記憶領域4011およびメタデータ記憶領域4012に記憶されたコンテンツデータやメタデータ等の管理と、前記コンテンツデータやメタデータ等を契約に基づいてサービス事業者に提供する際の制御を行う。さらに、コンテンツ管理/配信制御部4102は、前記サービス事業者に対してコンテンツデータやメタデータ等の提供を行う際に、必要に応じてサービス事業者サーバ500の認証処理等も行う。
コンテンツ送出制御部4103は、コンテンツデータ記憶領域4011に記憶された放送番組のコンテンツデータや、メタデータ記憶領域4012に記憶された放送番組の番組タイトル、番組ID、番組コンテンツのコピー制御情報等を含むストリームを、デジタル放送信号送出部460を介して送出する際のタイムスケジュール管理等を行う。
LAN通信部421は、インターネット800と接続され、インターネット800上のサービス事業者サーバ500やその他の通信機器との通信を行う。LAN通信部421は符号回路や復号回路等を備える。デジタル放送信号送出部460は、コンテンツデータ記憶領域4011に記憶された各放送番組のコンテンツデータや番組情報データ等で構成されたストリームに変調等の処理を施して、電波塔300を介して、デジタル放送波として送出する。
[サービス事業者サーバの構成]
図3Bは、サービス事業者サーバ500の内部構成の一例である。サービス事業者サーバ500は、主制御部501、システムバス502、RAM504、ストレージ部510、LAN通信部521、で構成される。
主制御部501は、所定の動作プログラムに従ってサービス事業者サーバ500全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス502は主制御部501とサービス事業者サーバ500内の各動作ブロックとの間で各種データやコマンド等の送受信を行うための通信路である。RAM504は各動作プログラム実行時のワークエリアとなる。
ストレージ部510は、基本動作プログラム5001およびコンテンツ管理/配信プログラム5002とアプリケーション管理/配布プログラム5003を記憶し、さらに、コンテンツデータ記憶領域5011およびメタデータ記憶領域5012とアプリケーション記憶領域5013を備える。コンテンツデータ記憶領域5011およびメタデータ記憶領域5012は、放送局サーバ400から提供されたコンテンツデータやメタデータ等、或いはサービス事業者が制作したコンテンツや前記コンテンツに関するメタデータ等を記憶する。アプリケーション記憶領域5013は、各テレビ受信機からの要求に応じて配布するための、放送通信連携システムの各サービスの実現に必要となるアプリケーション(動作プログラムおよび/または各種データ等)を記憶する。
また、ストレージ部510に記憶された基本動作プログラム5001およびコンテンツ管理/配信プログラム5002とアプリケーション管理/配布プログラム5003は、それぞれRAM504に展開され、さらに主制御部501が前記展開された基本動作プログラムおよびコンテンツ管理/配信プログラムとアプリケーション管理/配布プログラムを実行することにより、基本動作制御部5101およびコンテンツ管理/配信制御部5102とアプリケーション管理/配布制御部5103を構成する。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部501がストレージ部510に記憶された基本動作プログラム5001をRAM504に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作制御部5101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
コンテンツ管理/配信制御部5102は、放送局サーバ400からのコンテンツデータやメタデータ等の取得、コンテンツデータ記憶領域5011およびメタデータ記憶領域5012に記憶されたコンテンツデータやメタデータ等の管理、および各テレビ受信機に対する前記コンテンツデータやメタデータ等の配信の制御を行う。また、アプリケーション管理/配布制御部5103は、アプリケーション記憶領域5013に記憶された各アプリケーションの管理と、前記各アプリケーションを各テレビ受信機からの要求に応じて配布する際の制御と、を行う。さらに、アプリケーション管理/配布制御部5103は、各テレビ受信機に対して各アプリケーションの配布を行う際に、必要に応じてテレビ受信機の認証処理等も行う。
LAN通信部521は、インターネット800と接続され、インターネット800上の放送局サーバ400やその他の通信機器との通信を行う。また、ルータ装置800Rを介した放送受信装置100や携帯情報端末700との通信を行う。LAN通信部521は符号回路や復号回路等を備える。
[携帯情報端末のハードウェア構成]
図3Cは、携帯情報端末700の内部構成の一例を示すブロック図である。
携帯情報端末700は、主制御部701、システムバス702、ROM703、RAM704、ストレージ部710、通信処理部720、拡張インタフェース部724、操作部730、画像処理部740、音声処理部750、センサ部760、で構成される。
主制御部701は、所定の動作プログラムに従って携帯情報端末700全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス702は、主制御部701と携帯情報端末700内の各動作ブロックとの間で各種データやコマンド等の送受信を行うための通信路である。
ROM703は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラムが格納された不揮発性メモリであり、例えばEEPROMやフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられる。また、ROM703には、携帯情報端末700の動作に必要な動作設定値等が記憶される。RAM704は、基本動作プログラムやその他の動作プログラム実行時のワークエリアとなる。ROM703及びRAM704は、主制御部701と一体構成であっても良い。また、ROM703は、図3Cに示したような独立構成とはせず、ストレージ部710内の一部記憶領域を使用するようにしても良い。
ストレージ部710は、携帯情報端末700の動作プログラムや動作設定値、携帯情報端末700のユーザの個人情報等を記憶する。また、インターネット800を介してダウンロードした動作プログラムや前記動作プログラムで作成した各種データ等を記憶可能である。また、インターネット800を介してダウンロードした、動画、静止画、音声等のコンテンツも記憶可能である。ストレージ部710の一部領域を以ってROM703の機能の全部又は一部を代替しても良い。また、ストレージ部710は、携帯情報端末700に外部から電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。したがって、例えば、フラッシュROMやSSD等の半導体素子メモリ、HDD等の磁気ディスクドライブ、等のデバイスが用いられる。
なお、ROM703やストレージ部710に記憶された前記各動作プログラムは、インターネット800上の各サーバ装置からのダウンロード処理により、追加、更新および機能拡張することが可能である。
通信処理部720は、LAN通信部721、移動体電話網通信部722、NFC通信部723、で構成される。LAN通信部721は、ルータ装置800Rを介してインターネット800と接続され、インターネット800上の各サーバ装置やその他の通信機器とデータの送受信を行う。ルータ装置800Rとの接続は、Wi-Fi(登録商標)等の無線接続で行われる。移動体電話網通信部722は、移動体電話通信網の基地局600Bとの無線通信により、電話通信(通話)およびデータの送受信を行う。NFC通信部723は対応するリーダ/ライタとの近接時に無線通信を行う。LAN通信部721と移動体電話網通信部722とNFC通信部723は、それぞれ符号回路や復号回路、アンテナ等を備える。また、通信処理部720が、BlueTooth(登録商標)通信部や赤外線通信部等、他の通信部を更に備えていても良い。
拡張インタフェース部724は、携帯情報端末700の機能を拡張するためのインタフェース群であり、本実施例では、映像/音声インタフェース、USBインタフェース、メモリインタフェース等で構成されるものとする。映像/音声インタフェースは、外部映像/音声出力機器からの映像信号/音声信号の入力、外部映像/音声入力機器への映像信号/音声信号の出力、等を行う。USBインタフェースは、PC等と接続してデータの送受信を行う。また、キーボードやその他のUSB機器の接続を行っても良い。メモリインタフェースはメモリカードやその他のメモリ媒体を接続してデータの送受信を行う。
操作部730は、携帯情報端末700に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、本実施例では、表示部741に重ねて配置したタッチパネル730Tおよびボタンスイッチを並べた操作キー730Kで構成される。何れか一方のみであっても良い。拡張インタフェース部724に接続したキーボード等を用いて携帯情報端末700の操作を行っても良い。有線通信又は無線通信により接続された別体の端末機器を用いて携帯情報端末700の操作を行っても良い。即ち、放送受信装置100から携帯情報端末700の操作を行っても良い。また、前記タッチパネル機能は表示部741が備え持っているものであっても良い。
画像処理部740は、表示部741、画像信号処理部742、第一画像入力部743、第二画像入力部744、で構成される。表示部741は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであり、画像信号処理部742で処理した画像データを携帯情報端末700のユーザに提供する。画像信号処理部742は図示を省略したビデオRAMを備え、前記ビデオRAMに入力された画像データに基づいて表示部741が駆動される。また、画像信号処理部742は、必要に応じてフォーマット変換、メニューやその他のOSD(On Screen Display)信号の重畳処理等を行う機能を有する。第一画像入力部743および第二画像入力部744は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の電子デバイスを用いてレンズから入力した光を電気信号に変換することにより、周囲や対象物の画像データを入力するカメラユニットである。
音声処理部750は、音声出力部751、音声信号処理部752、音声入力部753、で構成される。音声出力部751はスピーカであり、音声信号処理部752で処理した音声信号を携帯情報端末700のユーザに提供する。音声入力部753はマイクであり、ユーザの声などを音声データに変換して入力する。
センサ部760は、携帯情報端末700の状態を検出するためのセンサ群であり、本実施例では、GPS受信部761、ジャイロセンサ762、地磁気センサ763、加速度センサ764、照度センサ765、近接センサ766、で構成される。これらのセンサ群により、携帯情報端末700の位置、傾き、方角、動き、および周囲の明るさ、周囲物の近接状況、等を検出することが可能となる。また、携帯情報端末700が、気圧センサ等、他のセンサを更に備えていても良い。
携帯情報端末700は、携帯電話やスマートホン、タブレット端末等であって良い。PDA(Personal Digital Assistants)やノート型PCであっても良い。また、デジタルスチルカメラや動画撮影可能なビデオカメラ、携帯型ゲーム機やナビゲーション装置等、またはその他の携帯用デジタル機器であっても良い。
なお、図3Cに示した携帯情報端末700の構成例は、センサ部760等、本実施例に必須ではない構成も多数含んでいるが、これらが備えられていない構成であっても本実施例の効果を損なうことはない。また、デジタル放送受信機能や電子マネー決済機能等、図示していない構成が更に加えられていても良い。
[携帯情報端末のソフトウェア構成]
図3Dは、携帯情報端末700のソフトウェア構成図であり、ROM703、RAM704およびストレージ部710におけるソフトウェアの構成の一例を示す。ROM703には、基本動作プログラム7001およびその他の動作プログラムが記憶されている。ストレージ部710には、連携制御プログラム7002およびその他の動作プログラムが記憶されている。また、ストレージ部710は、動画や静止画や音声等のコンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶領域7200、テレビ受信機や各サーバ装置にアクセスする際に必要な認証情報等を記憶する認証情報記憶領域7300、その他の各種情報を記憶する各種情報記憶領域を備えるものとする。
ROM703に記憶された基本動作プログラム7001はRAM704に展開され、さらに主制御部701が前記展開された基本動作プログラムを実行することにより、基本動作実行部7101を構成する。また、ストレージ部710に記憶された連携制御プログラム7002も同様にRAM704に展開され、さらに主制御部701が前記展開された連携制御プログラムを実行することにより、連携制御実行部7102を構成する。また、RAM704は、各動作プログラム実行時に作成したデータを、必要に応じて一時的に保持する一時記憶領域を備えるものとする。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部701がROM703に格納された基本動作プログラム7001をRAM704に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作実行部7101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
連携制御実行部7102は、携帯情報端末700がテレビ受信機との連係動作を行う際の、機器認証および接続、各データの送受信、等の管理を行う。また、連携制御実行部7102は、前記テレビ受信機と連動するアプリケーションを実行するためのブラウザエンジン機能を備えるものとする。
前記各動作プログラムは、製品出荷の時点で、予めROM703および/またはストレージ部710に記憶されていても良い。製品出荷後に、インターネット800上のサーバ装置からLAN通信部721または移動体電話網通信部722を介して取得しても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記各動作プログラムを、拡張インタフェース部724等を介して取得しても良い。
[デジタル放送の放送波]
ここで、本発明の実施例の放送受信装置が受信するデジタル放送の放送波の一例に関して説明する。
放送受信装置100は、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial Television Broadcasting)方式と少なくとも一部の仕様を共通にする地上デジタル放送サービスを受信可能である。具体的には、第二チューナ/復調部130Tが受信可能な、偏波両用地上デジタル放送や単偏波地上デジタル放送は、一部の仕様をISDB-T方式と共通にする高度な地上デジタル放送である。また、第三チューナ/復調部130Lが受信可能な、階層分割多重地上デジタル放送は、一部の仕様をISDB-T方式と共通にする高度な地上デジタル放送である。なお、第一チューナ/復調部130Cが受信可能な現行地上デジタル放送は、ISDB-T方式の地上デジタル放送である。また、第四チューナ/復調部130Bが受信可能な高度BSデジタル放送や高度CSデジタル放送は、ISDB-T方式と異なるデジタル放送である。
ここで、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送と単偏波地上デジタル放送および階層分割多重地上デジタル放送は、ISDB-T方式と同様に、伝送方式にマルチキャリア方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)を採用する。OFDMは、マルチキャリア方式であるためにシンボル長が長く、ガードインターバルと呼ばれる時間軸方向の冗長部分を付加することが有効であり、ガードインターバルの範囲内のマルチパスの影響を軽減することが可能である。このためSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)を実現することが可能であり、周波数の有効利用が可能となる。
本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送と単偏波地上デジタル放送および階層分割多重地上デジタル放送は、ISDB-T方式と同様に、OFDMのキャリアをセグメントと呼ばれるグループに分割しており、図4Aに示すように、デジタル放送サービスの1つのチャンネル帯域幅は13セグメントで構成される。帯域の中央部をセグメント0の位置とし、この上下に順次セグメント番号(0~12)が割り付けられる。本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送と単偏波地上デジタル放送および階層分割多重地上デジタル放送の伝送路符号化はOFDMセグメントを単位に行われる。このため階層伝送を定義することが可能であり、例えば、1つのテレビジョンチャンネルの帯域幅の中で、一部のOFDMセグメントを固定受信サービスに、残りを移動体受信サービスに、それぞれ割り当てることができる。階層伝送では、各階層が1つまたは複数のOFDMセグメントで構成され、階層ごとにキャリア変調方式、内符号の符号化率、時間インターリーブ長、等のパラメータを設定することができる。なお、階層数は任意に設定できて良く、例えば、最大3階層までと設定すれば良い。図4Bに、階層数を3または2とした場合のOFDMセグメントの階層割り当ての一例を示す。図4B(1)の例では、階層数が3であり、A階層が1セグメント(セグメント0)で構成され、B階層が7セグメント(セグメント1~7)で構成され、C階層が5セグメント(セグメント8~12)で構成される。図4B(2)の例では、階層数が3であり、A階層が1セグメント(セグメント0)で構成され、B階層が5セグメント(セグメント1~5)で構成され、C階層が7セグメント(セグメント6~12)で構成される。図4B(3)の例では、階層数が2であり、A階層が1セグメント(セグメント0)で構成され、B階層が12セグメント(セグメント1~12)で構成される。各階層のOFDMセグメント数や伝送路符号化パラメータ等は編成情報に従って決定され、受信機の動作を補助するための制御情報であるTMCC信号によって伝送される。
なお、図4Bの(1)、(2)、(3)のセグメント階層割り当ての使用例の一例としては、例えば以下の例があり得る。
例えば、図4B(1)の階層割り当ては、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送において用いることができ、水平偏波、垂直偏波ともに同じセグメント階層割り当てを用いれば良い。具体的には、A階層として水平偏波の上記1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送すれば良い。(なお、当該現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスは同じサービスを垂直偏波の上記1セグメントで伝送しても良い。この場合、これもA階層として扱う。)また、B階層として水平偏波の上記7セグメントで、現行の地上デジタル放送である水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスを伝送すれば良い。(なお、当該水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスは同じサービスを垂直偏波の上記7セグメントで伝送しても良い。この場合、これもB階層として扱う。)さらに、C階層として水平偏波と垂直偏波の両者の上記5セグメント、合計10セグメントで水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送するように構成しても良い。当該伝送の詳細は後述する。当該セグメント階層割り当ての伝送波は例えば、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信可能である。
また、図4B(1)の階層割り当ては、本実施例に係る単偏波地上デジタル放送において用いることができる。具体的には、A階層として上記1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送すれば良い。また、B階層として上記7セグメントで、現行の地上デジタル放送である水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスを伝送すれば良い。さらに、C階層として上記5セグメントで水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送するように構成しても良い。なお、この場合、C階層においては、現行の地上デジタル放送よりも高効率のキャリア変調方式や誤り訂正符号方式や映像符号化方式等を用いる。当該伝送の詳細は後述する。当該セグメント階層割り当ての伝送波は例えば、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信可能である。
また、図示しない例として、本実施例に係る単偏波地上デジタル放送において、A階層の1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送し、B階層の8セグメントで現行の地上デジタル放送である水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスを伝送し、C階層の4セグメントで水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送するように構成しても良い。なお、この場合も、C階層においては、現行の地上デジタル放送よりも高効率のキャリア変調方式や誤り訂正符号方式や映像符号化方式等を用いる。当該伝送の詳細は後述する。当該セグメント階層割り当ての伝送波は例えば、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信可能である。
例えば、図4B(2)の階層割り当ては、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送において図4B(1)とは別の例として用いることができ、水平偏波、垂直偏波ともに同じセグメント階層割り当てを用いれば良い。具体的には、A階層として水平偏波の上記1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送すれば良い。(なお、当該現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスは同じサービスを垂直偏波の上記1セグメントで伝送しても良い。この場合、これもA階層として扱う。)さらに、B階層として水平偏波と垂直偏波の両者の上記5セグメント、合計10セグメントで水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送するように構成しても良い。また、C階層として、水平偏波の上記7セグメントで現行の地上デジタル放送である、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスを伝送すれば良い。(なお、当該水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスは同じサービスを垂直偏波の上記7セグメントで伝送しても良い。この場合、これもC階層として扱う。)当該伝送の詳細は後述する。当該セグメント階層割り当ての伝送波は例えば、本実施例の放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信可能である。
また、図4B(2)の階層割り当ては、本実施例に係る単偏波地上デジタル放送において図4B(1)とは別の例として用いることができる。具体的には、A階層として上記1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送すれば良い。さらに、B階層として上記5セグメントで水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送するように構成しても良い。なお、この場合、B階層においては、現行の地上デジタル放送よりも高効率のキャリア変調方式や誤り訂正符号方式や映像符号化方式等を用いる。また、C階層として、上記7セグメントで現行の地上デジタル放送である、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスを伝送すれば良い。当該伝送の詳細は後述する。当該セグメント階層割り当ての伝送波は例えば、本実施例の放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信可能である。
例えば、図4B(3)の階層割り当ては、本実施例に係る階層分割多重地上デジタル放送や現行の地上デジタル放送において用いることができる。具体的には、階層分割多重地上デジタル放送で用いる場合には、A階層として図中の1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送すれば良い。さらに、B階層として図中の12セグメントで水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスを伝送するように構成しても良い。当該セグメント階層割り当ての伝送波は、例えば、本実施例の放送受信装置100の第三チューナ/復調部130Lで受信可能である。現行の地上デジタル放送において用いる場合には、A階層として図中の1セグメントで現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送すれば良く、B階層として図中の12セグメントで現行の地上デジタル放送である、水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する地上デジタル放送サービスを伝送すれば良い。当該セグメント階層割り当ての伝送波は、例えば、本実施例の放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cで受信可能である。
図4Cに、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送と単偏波地上デジタル放送および階層分割多重地上デジタル放送のデジタル放送波であるOFDM伝送波の生成処理を実現する放送局側のシステムの一例を示す。情報源符号化部411は映像/音声/各種データ等をそれぞれ符号化する。多重化部/限定受信処理部415は、情報源符号化部411でそれぞれ符号化した映像/音声/各種データ等を多重化し、さらに限定受信に対応した処理を適宜実行して、パケットストリームとして出力する。情報源符号化部411と多重化部/限定受信処理部415は、並列的に複数存在させることができ、複数のパケットストリームを生成する。伝送路符号化部416では、当該複数のパケットストリームを再多重して1つのパケットストリームと為し、伝送路符号化処理を行って、OFDM伝送波として出力する。図4Cに示す構成は、情報源符号化や伝送路符号化の方式の詳細は異なるものの、OFDM伝送波の生成処理を実現する構成としては、ISDB-T方式と共通である。よって、複数の情報源符号化部411と多重化部/限定受信処理部415のうち、一部をISDB-T方式の地上デジタル放送サービスのための構成とし、一部を高度な地上デジタル放送サービスのための構成とし、複数の異なる地上デジタル放送サービスのパケットストリームを伝送路符号化部416で多重しても良い。多重化部/限定受信処理部415をISDB-T方式の地上デジタル放送サービスのための構成とする場合は、MPEG-2システムズで規定されるTSP(Transport Stream Packet)のストリームであるMPEG-2TSを生成すれば良い。また、多重化部/限定受信処理部415を高度な地上デジタル放送サービスのための構成とする場合は、MMTパケットストリーム或いはMMTパケットを含むTLVストリームや、その他のシステムで規定されるTSPのストリームを生成すれば良い。当然、複数の情報源符号化部411と多重化部/限定受信処理部415のすべてを高度な地上デジタル放送サービスのための構成とし、伝送路符号化部416で多重するすべてのパケットストリームを高度な地上デジタル放送サービスのためのパケットストリームにしても良い。
図4Dに、伝送路符号化部416の構成の一例を示す。
まず、図4D(1)について説明する。図4D(1)は、現行の地上デジタル放送サービスのデジタル放送のOFDM伝送波のみを生成する場合の伝送路符号化部416の構成である。本構成で伝送するOFDM伝送波は、例えば、図4B(3)のセグメント構成を有するものである。多重化部/限定受信処理部415から入力されて再多重処理を施されたパケットストリームは、誤り訂正の冗長度が付加される他、バイトインターリーブ、ビットインターリーブ、時間インターリーブ、周波数インターリーブなどの各種のインターリーブ処理が行われる。その後、パイロット信号、TMCC信号、AC信号とともにIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)による処理が行われ、ガードインターバルが付加された後に直交変調を経てOFDM伝送波となる。なお、外符号処理、電力拡散処理、バイトインターリーブ、内符号処理、ビットインターリーブ処理、マッピング処理までは、A階層やB階層などの階層ごとに別々に処理が可能なように構成される。(なお、現行の地上デジタル放送サービスのデジタル放送では運用上2階層であるが、3階層まで伝送可能であるため、図4D(1)では3階層の例を示している。)マッピング処理はキャリアの変調処理である。また、多重化部/限定受信処理部415から入力されるパケットストリームは、TMCCの情報やモードやガードインターバル比等の情報が多重されていて良い。なお、伝送路符号化部416に入力されるパケットストリームは、上述のとおり、MPEG-2システムズで規定されるTSPのストリームで良い。図4D(1)の構成で生成されたOFDM伝送波は、例えば、本実施例の放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cで受信可能である。
次に、図4D(2)について説明する。図4D(2)は、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送のOFDM伝送波を生成する場合の伝送路符号化部416の構成である。本構成で伝送するOFDM伝送波は、例えば、図4B(1)または(2)のセグメント構成を有するものである。図4D(2)においても、多重化部/限定受信処理部415から入力されて再多重処理を施されたパケットストリームは、誤り訂正の冗長度が付加される他、バイトインターリーブ、ビットインターリーブ、時間インターリーブ、周波数インターリーブなどの各種のインターリーブ処理が行われる。その後、パイロット信号、TMCC信号、AC信号とともにIFFTによる処理が行われ、ガードインターバル付加処理がされた後に直交変調を経てOFDM伝送波となるものである。
図4D(2)の構成例では、外符号処理、電力拡散処理、バイトインターリーブ、内符号処理、ビットインターリーブ処理、マッピング処理、時間インターリーブまでは、A階層、B階層、C階層などの階層ごとに別々に処理が可能なように構成する。しかしながら、図4D(2)の構成例では、水平偏波(H)のOFDM伝送波のみではなく、垂直偏波(V)のOFDM伝送波を生成するものであり、処理フローが2系統に分岐する。水平偏波(H)の処理系統から垂直偏波(V)の処理系統に分岐する際に、水平偏波(H)の処理系統と同じデータを垂直偏波(V)の処理系統に分岐するか、水平偏波(H)の処理系統と異なるデータを垂直偏波(V)の処理系統に分岐するか、または垂直偏波(V)の処理系統にデータを分岐しないかは、図4B(1)または(2)で説明したセグメント構成に対応して、階層ごとに異ならせることができる。
図4D(2)の構成に示される外符号、内符号、マッピング等の処理は、図4D(1)の構成と互換性のある処理に加えて、図4D(1)の構成の各処理では採用していないより高度な処理を用いることができる。具体的には、図4D(2)の構成のうち、階層ごとに処理が行われる部分について、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層では、外符号、内符号、マッピング等の処理について、図4D(1)の構成と互換性のある処理が行われる。これに対し、図4D(2)の構成のうち、階層ごとに処理が行われる部分について、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送する階層については、外符号、内符号、マッピング等の処理について、図4D(1)の構成の各処理では採用していないより高度な処理を用いるように構成すれば良い。
なお、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送では、後述するTMCC情報により、階層と伝送される地上デジタル放送サービスの割り当てが切り替え可能とすることもできるため、各階層に施す外符号、内符号、マッピング等の処理をTMCC情報により切り替え可能に構成することが望ましい。
なお、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送する階層については、バイトインターリーブ、ビットインターリーブ、時間インターリーブは現行の地上デジタル放送サービスと互換性のある処理を行っても良く、またより高度な異なる処理を行っても良い。または高度な地上デジタル放送サービスを伝送する階層については、一部のインターリーブを省略しても構わない。
また、図4D(2)の構成では、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層のソースとなる入力ストリームは、伝送路符号化部416に入力されるパケットストリームのうち、現行の地上デジタル放送で採用されているMPEG-2システムズで規定されるTSPのストリームで良い。図4D(2)の構成の高度な地上デジタル放送サービスを伝送する階層のソースとなる入力ストリームは、伝送路符号化部416に入力されるパケットストリームのうち、MMTパケットストリーム或いはMMTパケットを含むTLVなどの、MPEG-2システムズで規定されるTSPのストリーム以外のシステムで規定されるストリームであって良い。ただし、高度な地上デジタル放送サービスにおいてMPEG-2システムズで規定されるTSPのストリームを採用しても構わない。
以上説明した図4D(2)の構成では、入力ストリームからOFDM伝送波が生成されるまで、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層では、現行の地上デジタル放送と互換性のあるストリーム形式や処理が維持される。これにより、図4D(2)の構成で生成される水平偏波のOFDM伝送波や垂直偏波のOFDM伝送波の一方の伝送波を、現存する現行の地上デジタル放送サービスの受信装置が受信した場合も、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層については、地上デジタル放送サービスの放送信号を正しく受信および復調することが可能となる。
また、図4D(2)の構成では、水平偏波のOFDM伝送波と垂直偏波のOFDM伝送波との両者のセグメントを用いる階層において、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送することができ、当該高度な地上デジタル放送サービスの放送信号は本発明の実施例に係る放送受信装置100で受信および復調することが可能となる。
即ち、図4D(2)の構成では、高度な地上デジタル放送サービスに対応した放送受信装置においても、現存する現行の地上デジタル放送サービスの受信装置においても、デジタル放送が好適に受信および復調できるデジタル放送波を生成することができる。
なお、本実施例に係る単偏波地上デジタル放送のOFDM伝送波を生成する場合、図4D(2)に示した伝送路符号化部416は、水平偏波(H)のOFDM伝送波を生成する系統と垂直偏波(V)のOFDM伝送波を生成する系統の何れか一方のみで構成されれば良い。この場合も、本構成で伝送するOFDM伝送波は、例えば、図4B(1)または(2)のセグメント構成を有するものであるが、上述の偏波両用地上デジタル放送のOFDM伝送波を生成する場合と異なり、水平偏波のOFDM伝送波と垂直偏波のOFDM伝送波の何れか一方のみが送出される。その他の構成及び動作等は上述の偏波両用地上デジタル放送のOFDM伝送波を生成する場合と同様となる。
次に、図4D(3)について説明する。図4D(3)は、本実施例に係る階層分割多重地上デジタル放送のOFDM伝送波を生成する場合の伝送路符号化部416の構成である。図4D(3)においても、多重化部/限定受信処理部415から入力されて再多重処理を施されたパケットストリームは、誤り訂正の冗長度が付加される他、バイトインターリーブ、ビットインターリーブ、時間インターリーブ、周波数インターリーブなどの各種のインターリーブ処理が行われる。その後、パイロット信号、TMCC信号、AC信号とともにIFFTによる処理が行われ、ガードインターバルが付加された後に直交変調を経てOFDM伝送波となるものである。
しかしながら、図4D(3)の構成では、上側階層で伝送される変調波と下側階層で伝送される変調波とをそれぞれ生成し、多重したのちデジタル放送波であるOFDM伝送波を生成する。図4D(3)の構成の上側に示す処理系統が上側階層で伝送される変調波を生成するための処理系統であり、下側に示す処理系統が下側階層で伝送される変調波を生成するための処理系統である。図4D(3)の上側階層で伝送される変調波を生成するための処理系統を伝送するデータは、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスであり、図4D(3)の上側階層で伝送される変調波を生成するための処理系統における各種処理は、図4D(1)の各種処理と同一または互換性を有する処理である。図4D(3)の上側階層で伝送される変調波は、例えば、図4D(1)の伝送波と同様に図4B(3)のセグメント構成を有するものである。よって、図4D(3)の上側階層で伝送される変調波は現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスと互換性を有するデジタル放送波である。これに対し、図4D(3)の下側階層で伝送される変調波を生成するための処理系統を伝送するデータは、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスであり、例えば、外符号、内符号、マッピング等の処理について、図4D(1)の構成の各処理では採用していないより高度な処理を用いるように構成すれば良い。
図4D(3)の下側階層で伝送される変調波は、例えば、13セグメントすべてをA階層として水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスに割り当てても良い。または、図4B(3)のセグメント構成を有して1セグメントのA階層で現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送し、12セグメントのB階層で水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスを伝送しても良い。後者の場合、図4D(2)と同様に、外符号処理から時間インターリーブ処理までA階層とB階層などの階層ごとに処理を切り替えられるように構成すれば良い。現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスを伝送する階層では、現行の地上デジタル放送と互換性のある処理を維持する必要がある点は、図4D(2)の説明と同様である。
図4D(3)の構成では、上側階層で伝送される変調波と、下側階層で伝送される変調波とを多重化した地上デジタル放送波であるOFDM伝送波を生成する。当該OFDM伝送波から上側階層で伝送される変調波を分離する技術は現存する現行の地上デジタル放送サービスの受信装置にも搭載されているため、上側階層で伝送される変調波に含まれる、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスや水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する現行の地上デジタル放送サービスの放送信号は、現存する現行の地上デジタル放送サービスの受信装置で正しく受信および復調される。これに対し、下側階層で伝送される変調波に含まれる、水平1920画素×垂直1080画素を超える画素数を最大解像度とする映像を伝送可能な高度な地上デジタル放送サービスの放送信号は、本発明の実施例に係る放送受信装置100で受信および復調することが可能となる。
即ち、図4D(3)の構成では、高度な地上デジタル放送サービスに対応した放送受信装置においても、現存する現行の地上デジタル放送サービスの受信装置においても、デジタル放送が好適に受信および復調できるデジタル放送波を生成することができる。また、図4D(3)の構成では、図4D(2)の構成と異なり、複数の偏波を用いる必要がなく、より簡便に受信可能なOFDM伝送波を生成することができる。
本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM伝送波生成処理では、SFNの置局間距離への適合性や移動受信におけるドップラーシフトへの耐性等を考慮し、キャリア数の異なる三種類のモードを用意する。なお、キャリア数の異なる別モードをさらに用意しても良い。キャリア数が多いモードでは有効シンボル長が長くなり、同じガードインターバル比(ガードインターバル長/有効シンボル長)であればガードインターバル長が長くなり、長い遅延時間差のマルチパスに対する耐性を持たせることが可能である。一方、キャリア数が少ないモードの場合にはキャリア間隔が広くなり、移動体受信等の場合に生じるドップラーシフトによるキャリア間干渉の影響を受けにくくすることが可能である。
本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM伝送波生成処理では、1つまたは複数のOFDMセグメントにより構成される階層ごとにキャリア変調方式、内符号の符号化率、時間インターリーブ長等のパラメータを設定可能である。図4Eに、本実施例に係るシステムのモードで識別されるOFDMセグメントの1セグメント単位の伝送パラメータの一例を示す。なお、図中のキャリア変調方式とは『データ』キャリアの変調方式を指すものである。SP信号、CP信号、TMCC信号、AC信号は、『データ』キャリアの変調方式とは異なる変調方式を採用する。これらの信号は、情報量よりも雑音に対する耐性が重要な信号であるため、『データ』キャリアの変調方式(いずれもQPSK以上、即ち4状態以上)より状態数の少ない少値のコンスタレーション(BPSKまたはDBPSK、即ち2状態)にマッピングを行う変調方式を採用し、雑音に対する耐性を高めている。
また、キャリア数の各数値は、斜線の左側の数値がキャリア変調方式としてQPSKや16QAMや64QAM等を設定した場合の値であり、斜線の右側の数値がキャリア変調方式としてDQPSKを設定した場合の値である。図中、下線を引いたパラメータは、現行の地上デジタル放送の移動体受信サービスとは互換性のないパラメータである。具体的には『データ』キャリアの変調方式の256QAM、1024QAMや4096QAMは、現行の地上デジタル放送サービスでは採用されていない。したがって、本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM放送波生成処理における現行の地上デジタル放送サービスと互換性が必要な階層における処理においては、『データ』キャリアの変調方式の256QAM、1024QAMや4096QAMは用いない。高度な地上デジタル放送サービスに対応する階層で伝送する『データ』キャリアに対しては、現行の地上デジタル放送サービスと互換性のあるQPSK(状態数4)、16QAM(状態数16)、64QAM(状態数64)などの変調方式に加えて、256QAM(状態数256)、1024QAM(状態数1024)や4096QAM(状態数4096)などのさらに多値の変調方式を適用しても構わない。また、これらの変調方式と異なる変調方式を採用しても構わない。
なお、パイロットシンボル(SPやCP)キャリアの変調方式は、現行の地上デジタル放送サービスと互換性のあるBPSK(状態数2)を用いれば良い。ACキャリアとTMCCキャリアの変調方式は、現行の地上デジタル放送サービスと互換性のあるDBPSK(状態数2)を用いれば良い。
また、内符号処理の方式として、LDPC符号は、現行の地上デジタル放送サービスでは採用されていない。したがって、本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM放送波生成処理における現行の地上デジタル放送サービスと互換性が必要な階層における処理においては、LDPC符号は用いない。高度な地上デジタル放送サービスに対応する階層で伝送するデータに対しては、内符号としてLDPC符号を適用して構わない。また、外符号処理の方式として、BCH符号は、現行の地上デジタル放送サービスでは採用されていない。したがって、本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM放送波生成処理における現行の地上デジタル放送サービスと互換性が必要な階層における処理においては、BCH符号は用いない。高度な地上デジタル放送サービスに対応する階層で伝送するデータに対しては、外符号としてBCH符号を適用して構わない。
また、図4Fに、本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM放送波生成処理の1物理チャンネル(6MHz帯域幅)単位の伝送信号パラメータの一例を示す。本実施例の図4D(1)、図4D(2)、および図4D(3)に係るOFDM放送波生成処理においては、現行の地上デジタル放送サービスとの互換性のために基本的には、図4Fのパラメータでは原則として現行の地上デジタル放送サービスと互換性のあるパラメータを採用する。ただし、図4D(3)の下側階層で伝送する変調波においてすべてのセグメントを高度な地上デジタル放送サービスに割り当てる場合は、当該変調波において現行の地上デジタル放送サービスと互換性を維持する必要はない。したがって、この場合、図4D(3)の下側階層で伝送する変調波については図4Fに示すパラメータ以外のパラメータを用いても良い。
次に、本実施例に係るOFDM伝送波のキャリアについて説明する。本実施例に係るOFDM伝送波のキャリアには、映像や音声等のデータが伝送されるキャリアの他、復調の基準となるパイロット信号(SP、CP、AC1、AC2)が伝送されるキャリアや、キャリアの変調形式や畳込み符号化率等の情報であるTMCC信号が伝送されるキャリアがある。これらの伝送には、セグメントごとのキャリア数の1/9に相当する数のキャリアが使用される。また、誤り訂正には連接符号を採用しており、外符号には短縮化リードソロモン(204,188)符号、内符号には拘束長7、符号化率1/2をマザーコードとするパンクチャード畳込み符号を採用する。外符号、内符号ともに前記と異なる符号化を使用しても良い。情報レートは、キャリア変調形式や畳込み符号化率やガードインターバル比等のパラメータにより異なる。
また、204シンボルを1フレームとし、1フレーム内には整数個のTSPが含まれる。伝送パラメータの切り替えはこのフレームの境界で行われる。
復調の基準となるパイロット信号には、SP(Scattered Pilot)、CP(Continual Pilot)、AC(Auxiliary Channel)1、AC2がある。図4Gに、同期変調(QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAM、4096QAM等)の場合のパイロット信号等のセグメント内での配置イメージの一例を示す。SPは同期変調のセグメントに挿入され、キャリア番号(周波数軸)方向に12キャリアに1回、OFDMシンボル番号(時間軸)方向には4シンボルに1回伝送される。SPの振幅および位相は既知であるため、同期復調の基準として使用可能となる。図4Hに、差動変調(DQPSK等)の場合のパイロット信号等のセグメント内での配置イメージの一例を示す。CPは差動変調のセグメントの左端に挿入される連続した信号であり、復調に使用される。
AC1およびAC2はCPに情報を載せたものであり、パイロット信号の役割に加え、放送事業者用の情報の伝送にも使用される。その他の情報の伝送に使用されても良い。
なお、図4Gおよび図4Hに示した配置イメージは、それぞれモード3の場合の例であり、キャリア番号は0から431となるが、モード1やモード2の場合では、それぞれ、0から107或いは0から215となる。また、AC1やAC2やTMCCを伝送するキャリアはセグメントごとに予め決められていて良い。なお、AC1やAC2やTMCCを伝送するキャリアは、マルチパスによる伝送路特性の周期的なディップの影響を軽減するために、周波数方向にランダムに配置されるものとする。
[TMCC信号]
TMCC信号は、階層構成やOFDMセグメントの伝送パラメータ等、受信機の復調動作等に関わる情報(TMCC情報)を伝送する。TMCC信号は、各セグメント内で規定されたTMCC伝送用のキャリアで伝送される。図5Aに、TMCCキャリアのビット割り当ての一例を示す。TMCCキャリアは204ビット(B0~B203)で構成される。B0はTMCCシンボルのための復調基準信号であり、所定の振幅および位相基準を有する。B1~B16は同期信号であり、16ビットのワードで構成される。同期信号は、w0とw1の二種類が規定され、フレームごとにw0とw1が交互に送出される。B17~B19はセグメント形式の識別に用いられ、各セグメントが差動変調部か同期変調部かを識別する。B20~B121はTMCC情報が記載される。B122~B203はパリティビットである。
本実施例に係るOFDM伝送波のTMCC情報は、例えば、その一例として、システム識別、伝送パラメータ切替指標、起動制御信号(緊急警報放送用起動フラグ)、カレント情報、ネクスト情報、周波数変換処理識別、物理チャンネル番号識別、主信号識別、4K信号伝送階層識別、追加階層伝送識別、等の、受信機の復調と復号動作を補助するための情報を含むように、構成すれば良い。カレント情報は現在の階層構成および伝送パラメータを示し、ネクスト情報は切り替え後の階層構成および伝送パラメータを示す。伝送パラメータの切り替えはフレーム単位で行われる。図5Bに、TMCC情報のビット割り当ての一例を示す。また、図5Cに、カレント情報/ネクスト情報に含まれる伝送パラメータ情報の構成の一例を示す。なお、連結送信位相補正量は、伝送方式が共通な地上デジタル音声放送ISDB-TSB(ISDB for Terrestrial Sound Broadcasting)等の場合に使用される制御情報であり、ここでは詳細の説明を省略する。
図5Dに、システム識別のビット割り当ての一例を示す。システム識別用の信号には2ビットが割り当てられる。現行の地上デジタルテレビジョン放送システムの場合、『00』が設定される。伝送方式が共通な地上デジタル音声放送システムの場合、『01』が設定される。また、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送または単偏波地上デジタル放送または階層分割多重地上デジタル放送などの高度地上デジタルテレビジョン放送システムの場合、『10』が設定される。高度地上デジタルテレビジョン放送システムでは、偏波両用伝送方式または単偏波地上デジタル放送または階層分割多重方式による放送波伝送により、2K放送番組(水平1920画素×垂直1080画素の映像の放送番組、それ以下の解像度の映像の放送番組を含んでも良い)と4K放送番組(水平1920画素×垂直1080画素を超える映像の放送番組、水平3840画素×垂直2160画素の映像の放送番組に限られない)を同一サービス内で同時に伝送することが可能である。
伝送パラメータ切替指標は、伝送パラメータを切り替える場合にカウントダウンすることにより、受信機に切り替えタイミングを通知するために用いられる。この指標は、通常時には『1111』の値であり、伝送パラメータを切り替える場合には切り替えの15フレーム前からフレームごとに1ずつ減算される。切り替えタイミングは『0000』を送出する次のフレーム同期とする。指標の値は、『0000』の次は『1111』に戻る。図5Bに示したTMCC情報のシステム識別やカレント情報/ネクスト情報に含まれる伝送パラメータ情報や周波数変換処理識別や主信号識別や4K信号伝送階層識別や追加階層伝送識別等のパラメータのいずれか1つ以上を切り替える場合にはカウントダウンを行う。TMCC情報の起動制御信号のみを切り替える場合にはカウントダウンを行わない。
起動制御信号(緊急警報放送用起動フラグ)は、緊急警報放送において受信機への起動制御が行われている場合には『1』とし、起動制御が行われていない場合には『0』とする。
カレント情報/ネクスト情報ごとの部分受信フラグは、伝送帯域中央のセグメントが部分受信に設定される場合には『1』に、そうでない場合には『0』に設定される。部分受信用にセグメント0が設定される場合、その階層はA階層として規定される。ネクスト情報が存在しない場合には、部分受信フラグは『1』に設定される。
図5Eに、カレント情報/ネクスト情報ごとの各階層伝送パラメータにおけるキャリア変調マッピング方式(データキャリアの変調方式)に対するビット割り当ての一例を示す。このパラメータが『000』の場合、変調方式がDQPSKであることを示す。『001』の場合、変調方式がQPSKであることを示す。『010』の場合、変調方式が16QAMであることを示す。『011』の場合、変調方式が64QAMであることを示す。『100』の場合、変調方式が256QAMであることを示す。『101』の場合、変調方式が1024QAMであることを示す。『110』の場合、変調方式が4096QAMであることを示す。未使用の階層またはネクスト情報が存在しない場合には、このパラメータには『111』が設定される。
符号化率や時間インターリーブの長さ等の設定は、カレント情報/ネクスト情報ごとの各階層の編成情報に応じて各パラメータが設定されて良い。セグメント数は各階層のセグメント数を4ビットの数値で示す。未使用の階層やネクスト情報が存在しない場合には『1111』を設定する。なお、モードやガードインターバル比等の設定は、受信機側において独自に検出されるため、TMCC情報での伝送は行わなくとも良い。
図5Fに、周波数変換処理識別のビット割り当ての一例を示す。周波数変換処理識別は、図2Aの変換部201Tや変換部201Lにおいて、後述の周波数変換処理(偏波両用伝送方式の場合)や周波数変換増幅処理(階層分割多重伝送方式の場合)が行われた場合には『0』を設定する。周波数変換処理や周波数変換増幅処理が行われていない場合には『1』を設定する。このパラメータは、例えば、放送局から送出される際には『1』に設定され、変換部201Tや変換部201Lで周波数変換処理や周波数変換増幅処理を実行した際に変換部201Tや変換部201Lにおいて『0』への書き換えを行うように構成しても良い。このようにすれば、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tや第三チューナ/復調部130Lで受信した際に、周波数変換処理識別のビットが『0』であった場合に、当該OFDM伝送波が放送局から送出された後に周波数変換処理等が行われたことを識別することができる。
本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送においては、複数の偏波のそれぞれにおいて、当該周波数変換処理識別ビットの設定や書き換えを行えば良い。例えば、複数の偏波の両者が図2Aの変換部201Tで周波数変換されないのであれば、両者のOFDM伝送波に含まれる周波数変換処理識別ビットを『1』のままとすれば良い。また、複数の偏波の一方の偏波のみを変換部201Tで周波数変換するのであれば、当該周波数変換された偏波のOFDM伝送波に含まれる周波数変換処理識別ビットを変換部201Tにおいて『0』に書き換えれば良い。また、複数の偏波の両者を変換部201Tで周波数変換するのであれば、当該周波数変換された両者の偏波のOFDM伝送波に含まれる周波数変換処理識別ビットを変換部201Tにおいて『0』に書き換えれば良い。このようにすれば、放送受信装置100において、複数の偏波のうち、偏波ごとに周波数変換の有無を識別することができる。
なお、当該周波数変換処理識別ビットは、現行地上デジタル放送では定義されていないため、既にユーザに使用されている地上デジタル放送受信装置では無視されることとなる。ただし、現行地上デジタル放送を改良した水平1920画素×垂直1080画素を最大解像度とする映像を伝送する新たな地上デジタル放送サービスに当該ビットを導入しても良い。この場合、本発明の実施例の放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cも当該新たな地上デジタル放送サービスに対応する第一チューナ/復調部として構成しても良い。
なお、変形例としては、図2Aの変換部201Tや変換部201Lで当該OFDM伝送波に対して周波数変換処理や周波数変換増幅処理が実行されることを前提に、放送局から送出される際に予め『0』に設定されても良い。なお、受信する放送波が高度地上デジタル放送サービスでない場合、このパラメータは『1』に設定されるように構成しても良い。
図5Gに、物理チャンネル番号識別のビット割り当ての一例を示す。物理チャンネル番号識別は6ビットの符号で構成され、受信する放送波の物理チャンネル番号(13~52ch)を識別する。受信する放送波が高度地上デジタル放送サービスでない場合、このパラメータは『111111』に設定される。当該物理チャンネル番号識別のビットは、現行地上デジタル放送では定義されておらず、現行地上デジタル放送の受信装置では、放送局側で指定した放送波の物理チャンネル番号をTMCC信号やAC信号などから取得することができなかった。本発明の実施例に係る放送受信装置100では、受信したOFDM伝送波の物理チャンネル番号識別のビットを用いて、TMCC信号やAC信号以外のキャリアを復調しなくとも、当該OFDM伝送波に対して放送局側が設定した物理チャンネル番号を把握することができる。なお、13ch~52chの物理チャンネルは、1ch当たり6MHzの帯域幅で、470~710MHzの周波数帯域に予め割り当てられているものである。よって、放送受信装置100で物理チャンネル番号識別のビットに基づいてOFDM伝送波の物理チャンネル番号を把握できるということは、当該OFDM伝送波が地上デジタル放送波として空中で伝送されていた周波数帯を把握できることを意味するものである。
本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送においては、放送局側のOFDM伝送波の生成処理においては元々1つの物理チャンネルを構成する帯域幅における複数の偏波のペアのそれぞれに当該物理チャンネル番号識別ビットを配置し、同一の物理番号を付与しておけば良い。ここで、放送受信装置100の設置環境によっては、図2Aの変換部201Tにおいて複数の偏波のうち一方の偏波の周波数のみを変換する場合がある。これにより、放送受信装置100で受信する際の当該複数の偏波のペアのそれぞれの周波数が互いに異なってしまった場合、周波数が異なってしまった当該複数の偏波を元々ペアであったことを何らかの方法で把握できなければ放送受信装置側で、偏波両用地上デジタル放送の両方の偏波を用いた高度な地上デジタル放送の復調ができなくなってしまう。このような場合でも、上述の物理チャンネル番号識別ビットを用いれば、放送受信装置100において物理チャンネル番号識別ビットが同一の値を示す伝送波が複数の異なる周波数に存在した場合、放送局側で元々1つの物理チャンネルを構成していた偏波ペアとして伝送されていた伝送波であると識別することができる。これにより、当該同一の値を示す複数の伝送波を用いて、偏波両用地上デジタル放送の高度な地上デジタル放送の復調を実現することが可能となる。
図5Hに、主信号識別のビット割り当ての一例を示す。本例は当該主信号識別のビットをビットB117に配置する例である。
伝送されるOFDM伝送波が偏波両用地上デジタル放送の伝送波である場合、主たる偏波で伝送される伝送波のTMCC情報ではこのパラメータを『1』に設定する。副たる偏波で伝送される伝送波のTMCC情報では『0』に設定する。なお、主たる偏波で伝送される伝送波とは、垂直偏波信号と水平偏波信号のうちの、現行の地上デジタル放送サービスの伝送に使用されている偏波方向と同一の偏波方向の偏波信号を指す。即ち、現行の地上デジタル放送サービスで水平偏波での伝送が採用されている地域では、偏波両用地上デジタル放送サービスにおいては、水平偏波が主たる偏波であり、垂直偏波が副たる偏波となる。また、現行の地上デジタル放送サービスで垂直偏波での伝送が採用されている地域では、偏波両用地上デジタル放送サービスにおいては垂直偏波が主たる偏波であり、水平偏波が副たる偏波となる。
本発明の実施例の偏波両用地上デジタル放送の伝送波を受信した放送受信装置100においては、当該主信号識別のビットを用いることにより、受信している伝送波が伝送時に主たる偏波で伝送されていたのか、副たる偏波で伝送されていたのかを識別することができる。例えば、当該主たる偏波および副たる偏波の識別処理を用いれば、後述する初期スキャンの際に、主たる偏波で伝送された伝送波を先に初期スキャンを行い、主たる偏波で伝送された伝送波の初期スキャンの終了後に、副たる偏波で伝送された伝送波の初期スキャンを行うなどの処理が可能となる。
本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送の階層とセグメントと送信するデジタル放送サービスの構成例の詳細は後述するが、主たる偏波のみに含まれるセグメントから構成される階層を用いて現行の地上デジタル放送サービスを伝送し、主たる偏波と副たる偏波の両者に含まれるセグメントを含む階層で高度な地上デジタルサービスを伝送する場合は、先に主たる偏波で伝送された伝送波の初期スキャンを行ってしまい、現行の地上デジタル放送サービスの初期スキャンを完了し、その後、副たる偏波で伝送された伝送波の初期スキャンを行って高度な地上デジタル放送サービスの初期スキャンを行うようにしても良い。このようにすれば、高度な地上デジタル放送サービスの初期スキャンを現行の地上デジタル放送サービスの初期スキャンの完了後に行うことができ、現行の地上デジタル放送サービスの初期スキャンによる設定を、高度な地上デジタル放送サービスの初期スキャンによる設定に反映することができ、好適である。
なお、主信号識別のビットの『1』と『0』の意味の定義は上述の説明の逆でも構わない。
また、当該主信号識別のビットに替えて、偏波方向識別ビットをTMCC情報の一パラメータとしても良い。具体的には、水平偏波で伝送する伝送波には放送局側で偏波方向識別ビットを『1』とし、垂直偏波で伝送する伝送波には放送局側で偏波方向識別ビットを『0』とすれば良い。本発明の実施例の偏波両用地上デジタル放送の伝送波を受信した放送受信装置100においては、当該偏波方向識別ビットを用いることにより、受信している伝送波が伝送時にいずれの偏波方向で伝送されていたのかを識別することができる。例えば、当該偏波方向の識別処理を用いれば、後述する初期スキャンの際に、水平偏波で伝送された伝送波を先に初期スキャンを行い、水平偏波で伝送された伝送波の初期スキャンの終了後に、垂直偏波で伝送された伝送波の初期スキャンを行うなどの処理が可能となる。当該処理の効果の説明は、上述の主信号識別のビットの説明における初期スキャンに関する部分の『主たる偏波』を『水平偏波』と読み替え、『副たる偏波』を『垂直偏波』と読み替えれば良いため、再度の説明は省略する。
なお、偏波方向識別ビットの『1』と『0』の意味の定義は上述の説明の逆でも構わない。
また、上述の主信号識別のビットに替えて、第1信号第2信号識別ビットをTMCC情報の一パラメータとしても良い。具体的には、水平偏波と垂直偏波のうち一方の偏波を第1の偏波と定義し、第1の偏波で伝送する伝送波の放送信号を第1信号と定義し、放送局側で第1信号第2信号識別ビットを『1』とすれば良い。また、他方の偏波を第2の偏波と定義し、第2の偏波で伝送する伝送波の放送信号を第2信号と定義し、放送局側で第1信号第2信号識別ビットを『0』とすれば良い。本発明の実施例の偏波両用地上デジタル放送の伝送波を受信した放送受信装置100においては、当該第1信号第2信号識別ビットを用いることにより、受信している伝送波が伝送時にいずれの偏波方向で伝送されていたのかを識別することができる。なお、当該第1信号第2信号識別ビットは、上述の主信号識別のビットの定義から『主たる偏波』および『副たる偏波』という概念を『第1の偏波』および『第2の偏波』に替えたのみであり、放送受信装置100における処理および効果は、上述の主信号識別のビットの説明における放送受信装置100の処理に関する部分の『主たる偏波』を『第1の偏波』と読み替え、『副たる偏波』を『第2の偏波』と読み替えれば良いため、再度の説明は省略する。
なお、第1信号第2信号識別ビットの『1』と『0』の意味の定義は上述の説明の逆でも構わない。
なお、上述の主信号識別や偏波方向識別や第1信号第2信号識別は、放送波が本実施例に係る単偏波地上デジタル放送のサービスである場合や高度地上デジタル放送サービスではない場合には必須ではなく、このパラメータは『1』に設定すれば良い。
次に、本実施例に係る階層分割多重地上デジタル放送の伝送波では、上述の主信号識別のビットに替えて、上下階層識別ビットをTMCC情報の一パラメータとしても良い。具体的には、上側階層で伝送される変調波のTMCC情報では上述の上下階層識別ビットを『1』に設定し、下側階層で伝送される伝送波のTMCC情報では上述の上下階層識別ビットを『0』に設定すれば良い。また、放送波が高度地上デジタル放送サービスではない場合、このパラメータは『1』に設定すれば良い。
本実施例に係る階層分割多重地上デジタル放送においては、放送局側のOFDM伝送波の生成処理においては元々1つの物理チャンネルの上側階層と下側階層とで伝送していた複数の変調波のうち下側階層について、放送受信装置100の設置環境によっては、図2Aの変換部201Lで周波数変換と信号増幅が行われる場合もある。放送受信装置100では、階層分割多重地上デジタル放送の伝送波を受信している場合、上述の上下階層識別ビットに基づいて、元々上側階層で伝送されていた変調波であったのか、下側階層で伝送されていた変調波であったのかを識別することが可能である。例えば、当該識別処理により、下側階層で伝送される高度な地上デジタル放送サービスの初期スキャンを上側階層で伝送される現行の地上デジタル放送サービスの初期スキャンの完了後に行うことができ、現行の地上デジタル放送サービスの初期スキャンによる設定を、高度な地上デジタル放送サービスの初期スキャンによる設定に反映することが可能となる。また、放送受信装置100の第三チューナ/復調部130Lにおいて、当該識別結果に基づいて復調部133Sと復調部133Lの処理の切り替えに用いることもできる。
なお、以下の各実施例における偏波両用伝送方式の説明においては、特に断りのない場合、一例として水平偏波が主たる偏波であり垂直偏波が副たる偏波である例について説明する。しかしながら、水平偏波と垂直偏波について、主と副の関係が逆であっても良い。
図5Iに、4K信号伝送階層識別のビット割り当ての一例を示す。
伝送する放送波が本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送サービスの伝送波の場合、当該4K信号伝送階層識別のビットは、B階層およびC階層のそれぞれについて、水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用して4K放送番組の伝送を行うか否かを示すものとすれば良い。B階層の設定およびC階層の設定にそれぞれ1ビットを割り当てる。例えば、B階層およびC階層おいて、それぞれの階層についての4K信号伝送階層識別のビットが『0』の場合、当該階層において水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用して4K放送番組の伝送を行うことを示すようにすれば良い。B階層およびC階層において、それぞれの階層についての4K信号伝送階層識別のビットが『1』の場合、当該階層において水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用する4K放送番組の伝送を行わないことを示すようにすれば良い。このようにすれば、放送受信装置100において、4K信号伝送階層識別のビットを用いて、B階層およびC階層において、それぞれの階層で水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用して4K放送番組の伝送を行うか否かを識別することができる。
また、伝送する放送波が本実施例に係る単偏波地上デジタル放送サービスの伝送波の場合、当該4K信号伝送階層識別のビットは、B階層およびC階層のそれぞれについて、4K放送番組の伝送を行うか否かを示すものとすれば良い。B階層の設定およびC階層の設定にそれぞれ1ビットを割り当てる。例えば、B階層およびC階層おいて、それぞれの階層についての4K信号伝送階層識別のビットが『0』の場合、当該階層において4K放送番組の伝送を行うことを示すようにすれば良い。B階層およびC階層において、それぞれの階層についての4K信号伝送階層識別のビットが『1』の場合、当該階層において4K放送番組の伝送を行わないことを示すようにすれば良い。このようにすれば、放送受信装置100において、4K信号伝送階層識別のビットを用いて、B階層およびC階層において、それぞれの階層で4K放送番組の伝送を行うか否かを識別することができる。
また、伝送する放送波が、本実施例の階層分割多重地上デジタル放送サービスの放送波である場合、当該4K信号伝送階層識別のビットは、下側階層で4K放送番組の伝送を行うか否かを示すものとすれば良い。このパラメータのB119が『0』の場合、下側階層で4K放送番組の伝送を行う。このパラメータのB119が『1』の場合、下側階層で4K放送番組の伝送を行わない。このようにすれば、放送受信装置100において、4K信号伝送階層識別のビットを用いて、下側階層で4K放送番組の伝送を行うか否かを識別することができる。なお、伝送する放送波が、本実施例の階層分割多重地上デジタル放送サービスの放送波である場合、このパラメータのB118は未定義で良い。
なお、このパラメータが『0』の場合、キャリア変調マッピング方式として、図5Eに示した基本的な変調方式の他、NUC(Non-Uniform Constellation)の変調方式を採用することが可能である。この場合、B階層/C階層に関する伝送パラメータ付加情報のカレント/ネクスト情報を、AC1等を用いて伝送することが可能である。
また、伝送する放送波が高度地上デジタル放送サービスでない場合、このパラメータはそれぞれ『1』に設定しても良い。
なお、以上説明した4K信号伝送階層識別のビットの『0』と『1』の定義を上述の説明と逆にしても構わない。
図5Jに、追加階層伝送識別のビット割り当ての一例を示す。当該追加階層伝送識別のビットは、伝送する放送波が本実施例の偏波両用地上デジタル放送サービスであって、副たる偏波で伝送される伝送波のB階層およびC階層のそれぞれについて、仮想D階層または仮想E階層として使用するか否かを示すものとすれば良い。
例えば、図の例では、B120に配置するビットは、D階層伝送識別ビットであり、このパラメータが『0』の場合、副たる偏波で伝送されるB階層を仮想D階層として使用する。これは、正確に表現すれば、副たる偏波で伝送されるセグメントのうち、主たる偏波で伝送されるB階層に属するセグメントと同じセグメント番号を有するセグメント群を、主たる偏波で伝送されるB階層とは異なる階層であるD階層として扱うということである。このパラメータが『1』の場合、副たる偏波で伝送されるB階層を仮想D階層として使用せず、B階層として使用する。
また、例えば、B121に配置するビットは、E階層伝送識別ビットであり、このパラメータが『0』の場合、副たる偏波で伝送されるC階層を仮想E階層として使用する。これは、正確に表現すれば、副たる偏波で伝送されるセグメントのうち、主たる偏波で伝送されるC階層に属するセグメントと同じセグメント番号を有するセグメント群を、主たる偏波で伝送されるC階層とは異なる階層であるE階層として扱うということである。このパラメータが『1』の場合、副たる偏波で伝送されるC階層を仮想E階層として使用せず、C階層として使用する。
このようにすれば、放送受信装置100において、追加階層伝送識別のビット(D階層伝送識別ビットおよび/またはE階層伝送識別ビット)を用いて、副たる偏波で伝送されるD階層、E階層の有無を識別することができる。即ち、本実施例に係る地上デジタル放送では、図5Jに示す追加階層伝送識別のパラメータを用いることにより、現行の地上デジタル放送ではA階層、B階層、C階層の3つに制限されていた階層数を越えて新たな階層(図5Jの例ではD階層とE階層)を運用することができる。
なお、このパラメータが『0』の場合、図5Cに示したキャリア変調マッピング方式や符号化率や時間インターリーブの長さ等のパラメータを、仮想D階層/仮想E階層とB階層/C階層とで異ならせることが可能である。この場合、仮想D階層/仮想E階層に関するキャリア変調マッピング方式や畳込み符号化率や時間インターリーブの長さ等のパラメータのカレント/ネクスト情報はAC情報(例えばAC1)等を用いて伝送すれば、放送受信装置100側で、仮想D階層/仮想E階層に関するキャリア変調マッピング方式や畳込み符号化率や時間インターリーブの長さ等のパラメータを把握することができる。
なお、変形例としては、追加階層伝送識別のビット(D階層伝送識別ビットおよび/またはE階層伝送識別ビット)が『0』の場合、副たる偏波で伝送されるTMCC情報のカレント情報/ネクスト情報のB階層および/またはC階層の伝送パラメータを、仮想D階層および/または仮想E階層の伝送パラメータの意味に切り替えるように構成しても良い。この場合、仮想D階層および/または仮想E階層が使用される場合、主たる偏波では、A階層、B階層、C階層が使用され、これらの階層の伝送パラメータは主たる偏波で伝送されるTMCC情報のカレント情報/ネクスト情報で伝送すれば良い。また、副たる偏波では、A階層、D階層、E階層が使用され、これらの階層の伝送パラメータは副たる偏波で伝送されるTMCC情報のカレント情報/ネクスト情報で伝送すれば良い。この場合でも、放送受信装置100側で、仮想D階層/仮想E階層に関するキャリア変調マッピング方式や畳込み符号化率や時間インターリーブの長さ等のパラメータを把握することができる。
また、伝送する放送波が高度地上デジタル放送サービスでない場合、或いは、高度地上デジタル放送サービスであっても単偏波伝送方式や階層分割多重伝送方式である場合、このパラメータはそれぞれ『1』に設定するように構成しても良い。
なお、追加階層伝送識別のパラメータは、主たる偏波のTMCC情報と副たる偏波のTMCC情報の両者に格納しても良いが、少なくとも副たる偏波のTMCC情報に格納されていれば、上述の処理はいずれも実現可能である。
また、以上説明した追加階層伝送識別のビットの『0』と『1』の定義を上述の説明と逆にしても構わない。
なお、上述の4K信号伝送階層識別のパラメータがB階層で4K放送番組の伝送を行うことを示している場合、上記D階層伝送識別ビットがB階層を仮想D階層として使用することを示していても、放送受信装置100は当該D階層伝送識別ビットを無視するようにしても良い。同様に、4K信号伝送階層識別のパラメータがC階層で4K放送番組の伝送を行うことを示している場合、E階層伝送識別ビットがC階層を仮想E階層として使用することを示していても、放送受信装置100は当該E階層伝送識別ビットを無視するように構成しても良い。判断処理に用いるビットの優先順位をこのように明確にしておけば、放送受信装置100における判断処理のコンフリクトを防止することができる。
また、伝送する放送波において、上述の周波数変換処理識別のビットや物理チャンネル番号識別のビットや主信号識別のビットや4K信号伝送識別のビットや追加階層伝送識別のビット等は、上述のシステム識別のパラメータが『10』でない場合にはすべてのビットが『1』に設定されることを原則とすれば良い。システム識別のパラメータが『10』でないが、何らかの問題で例外的に、周波数変換処理識別のビットや物理チャンネル番号識別のビットや主信号識別のビットや4K信号伝送識別のビットや追加階層伝送識別のビットが『1』でない場合であっても、放送受信装置100は、当該『1』でないビットを無視して、これらのすべてのビットが『1』であると判断するように構成しても良い。
図5Kに、図5Cに示される「符号化率」ビット、即ち誤り訂正の符号化率識別のビット割り当ての一例を示す。
ここで、現行の2K放送の地上デジタル放送方式においては、「畳込み符号」専用の符号化率を伝送する識別ビットが伝送される。しかしながら、本実施例に係るデジタル放送では、4K放送の高度地上デジタル放送サービスを2K放送の地上デジタル放送サービスと混在して放送することができる。そして既に説明したとおり、当該4K放送の高度地上デジタル放送サービスでは、内符号としてLDPC符号を用いることができる。
そこで、図5Kに示す本実施例に係る誤り訂正の符号化率識別のビットは、現行の2K放送の地上デジタル放送方式とは異なり、畳込み符号専用の符号化率識別ビットではなく、LDPC符号にも対応するように構成している。
ここで、対象となる地上デジタル放送サービスの内符号が畳込み符号である場合でもLDPC符号である場合でも、共通の範囲に配置されるビットを、符号化率伝送の識別ビットとすることで、ビット数の節約を実現する。さらに、同一の識別ビットであっても、対象となる地上デジタル放送サービスの内符号が畳込み符号である場合と、LDPC符号である場合とでそれぞれ符号化率の設定を独立して設定することにより、デジタル放送システムとして、それぞれの符号化方式に好適な符号化率の選択肢群を採用することができる。
具体的には、図5Kの例では、識別ビットが『000』の場合、内符号が畳込み符号であれば符号化率が1/2、内符号がLDPC符号であれば符号化率が2/3であることを示す。識別ビットが『001』の場合、畳込み符号であれば符号化率が2/3、内符号がLDPC符号であれば符号化率が3/4であることを示す。識別ビットが『010』の場合、内符号が畳込み符号であれば符号化率が3/4、内符号がLDPC符号であれば符号化率が5/6であることを示す。識別ビットが『011』の場合、内符号が畳込み符号であれば符号化率が5/6、内符号がLDPC符号であれば符号化率が2/16であることを示す。識別ビットが『100』の場合、内符号が畳込み符号であれば符号化率が7/8、内符号がLDPC符号であれば符号化率が6/16であることを示す。識別ビットが『101』の場合、内符号が畳込み符号であれば未定義、内符号がLDPC符号であれば符号化率が10/16であることを示す。識別ビットが『110』の場合、内符号が畳込み符号であれば未定義、内符号がLDPC符号であれば符号化率が14/16であることを示す。未使用の階層またはネクスト情報が存在しない場合には、このパラメータには『111』が設定される。なお、上述の符号化率2/3は符号化率81/120を代替しても良い。符号化率3/4は符号化率89/120を代替しても良い。符号化率5/6は符号化率101/120を代替しても良い。また、符号化率8/16や符号化率12/16等を割り当てても良い。
なお、対象となる地上デジタル放送サービスの内符号が畳込み符号であるかLDPC符号であるかの識別は、当該地上デジタル放送サービスが現行の地上デジタル放送サービスであるか高度地上デジタル放送サービスであるかを識別した結果を用いて識別しても良い。当該識別は、図5Dまたは図5Iで説明した識別ビットを用いて行えば良い。ここで、対象となる地上デジタル放送サービスが現行の地上デジタル放送サービスである場合に内符号が畳込み符号であると識別すれば良い。また、対象となる地上デジタル放送サービスが高度地上デジタル放送サービスである場合に内符号がLDPC符号であると識別すれば良い。
また、対象となる地上デジタル放送サービスの内符号が畳込み符号であるかLDPC符号であるかの識別の別の例としては、図6Iで後述する、誤り訂正方式の識別ビットに基づいて識別しても良い。
以上説明した図5Kに示す誤り訂正の符号化率識別のビットによれば、複数の内符号の方式に対応しながら識別ビットのビット数の増加を防止することができ、好適である。
また、偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスにおいて、水平偏波で伝送される伝送波のTMCC情報と垂直偏波で伝送される伝送波のTMCC情報は、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。同様に、階層分割多重伝送方式の高度地上デジタル放送サービスにおいて、上側階層で伝送される伝送波のTMCC情報と下側階層で伝送される伝送波のTMCC情報は、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。また、前述の周波数変換処理識別のパラメータや主信号識別のパラメータや追加階層伝送識別等は、副たる偏波で伝送される伝送波や下側階層で伝送される伝送波のTMCC情報のみに記載されても良い。
なお、上述の説明では、周波数変換処理識別のパラメータ、主信号識別のパラメータ、偏波方向識別のパラメータ、第1信号第2信号識別のパラメータ、上下階層識別のパラメータ、4K信号伝送階層識別のパラメータ、追加階層伝送識別のパラメータがTMCC信号(TMCCキャリア)に含められて伝送される例を説明した。しかしながら、これらのパラメータはAC信号(ACキャリア)に含められて伝送されても良い。即ち、これらのパラメータは、データキャリアの変調方式より状態数の少ないマッピングを行う変調方式で変調されるキャリア(TMCCキャリア、ACキャリアなど)の信号で伝送されれば良い。
[AC信号]
AC信号は、放送に関する付加情報信号であり、変調波の伝送制御に関する付加情報または地震動警報情報などである。なお、地震動警報情報はセグメント0のACキャリアを用いて伝送される。一方、変調波の伝送制御に関する付加情報は任意のACキャリアを用いて伝送可能である。図6Aに、AC信号のビット割り当ての一例を示す。AC信号は204ビット(B0~B203)で構成される。B0はACシンボルのための復調基準信号であり、所定の振幅および位相基準を有する。B1~B3はAC信号の構成を識別するための信号である。B4~B203は変調波の伝送制御に関する付加情報の伝送または地震動警報情報の伝送に用いられる。
図6Bに、AC信号の構成識別のビット割り当ての一例を示す。AC信号のB4~B203を用いて地震動警報情報を伝送する場合、このパラメータは『001』または『110』に設定する。地震動警報情報の伝送する場合の構成識別のパラメータ(『001』または『110』)は、TMCC信号の同期信号の先頭3ビット(B1~B3)と同一の符号とし、TMCC信号と同一のタイミングでフレームごとに交互に送出する。また、このパラメータが前述以外の値の場合は、AC信号のB4~B203を用いて変調波の伝送制御に関する付加情報を伝送していることを示す。この場合、AC信号の構成識別のパラメータは、『000』と『111』を、或いは『010』と『101』を、或いは『011』と『100』を、フレームごとに交互に送出する。
AC信号のB4~B203は、変調波の伝送制御に関する付加情報の伝送または地震動警報情報の伝送に用いられる。
変調波の伝送制御に関する付加情報の伝送は、多様なビット構成により行われて良い。例えば、TMCC信号の説明において述べた、周波数変換処理識別や物理チャンネル番号識別や主信号識別や4K信号伝送階層識別や追加階層伝送識別等は、TMCC信号に変えてまたはTMCC信号に加えて、AC信号の変調波の伝送制御に関する付加情報にビットを割り当てて伝送するようにしても良い。このようにすれば、放送受信装置100において、これらのパラメータを用いて既にTMCC信号の説明において説明した各種識別処理を行うことができる。また、4K信号伝送階層識別のいずれかのパラメータが『0』の場合の4K放送番組の伝送階層に関する伝送パラメータ付加情報や、追加階層伝送識別のいずれかのパラメータが『0』の場合の仮想D階層/仮想E階層に関する伝送パラメータの、カレント/ネクスト情報を割り当てても良い。このようにすれば、放送受信装置100において、これらのパラメータを用いて各階層の伝送パラメータを取得することができ、各階層の復調処理を制御することができる。
地震動警報情報の伝送は、図6Cに示すビット割り当てにより行われて良い。地震動警報情報は、同期信号、開始/終了フラグ、更新フラグ、信号識別、地震動警報詳細情報、CRC、パリティビット、等で構成される。同期信号は、13ビットの符号で構成され、TMCC信号の同期信号の先頭3ビットを除く13ビット(B4~B16)と同一の符号とする。AC信号の構成識別が地震動警報情報を伝送することを示している場合、構成識別と同期信号を組み合わせた16ビットの符号は、TMCCの同期信号と同一の16ビットの同期ワードとなる。開始/終了フラグは、地震動警報情報の開始タイミング/終了タイミングのフラグとして、2ビットの符号で構成される。開始/終了フラグは、地震動警報情報の送出の開始時には『11』から『00』に変更され、地震動警報情報の送出の終了時には『00』から『11』に変更される。更新フラグは、2ビットの符号で構成され、開始/終了フラグが『00』の場合に伝送される一連の地震動警報詳細情報の内容に変更が生じるごとに、『00』を初期値として『1』ずつ増加される。『11』の次は『00』に戻るものとする。開始/終了フラグが『11』の場合は更新フラグも『11』となる。
図6Dに、信号識別のビット割り当ての一例を示す。信号識別は、3ビットの符号で構成され、地震動警報詳細情報の種別を識別するために使用される。このパラメータが『000』の場合、『地震動警報詳細情報(該当地域あり)』を意味する。このパラメータが『001』の場合、『地震動警報詳細情報(該当地域なし)』を意味する。このパラメータが『010』の場合、『地震動警報詳細情報の試験信号(該当地域あり)』を意味する。このパラメータが『011』の場合、『地震動警報詳細情報の試験信号(該当地域なし)』を意味する。このパラメータが『111』の場合、『地震動警報詳細情報なし』を意味する。なお、開始/終了フラグが『00』の場合には、信号識別は『000』または『001』または『010』または『011』となる。開始/終了フラグが『11』の場合には、信号識別は『111』となる。
地震動警報詳細情報は、88ビットの符号で構成される。信号識別が『000』や『001』や『010』や『011』の場合、地震動警報詳細情報は、地震動警報情報を送出する現在時刻に関する情報や地震動警報の対象となる地域を示す情報や地震動警報の対象となる地震の震源地の緯度/経度/震度、等の情報を伝送する。信号識別が『000』や『001』や『010』や『011』の場合の地震動警報詳細情報のビット割り当ての一例を、図6Eに示す。また、信号識別が『111』の場合、地震動警報詳細情報のビットを用いて、放送事業者を識別するための符号等を伝送することが可能である。信号識別が『111』の場合の地震動警報詳細情報のビット割り当ての一例を、図6Fに示す。
CRCは、地震動警報情報のうちのB21~B111について、所定の生成多項式を用いて生成される符号である。パリティビットは、地震動警報情報のうちのB17~B121について、差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(187,105)により生成される符号である。
放送受信装置100では、図6C、図6D、図6E、図6Fで説明した地震動警報に関するパラメータを用いて、緊急事態に対処するための各種制御を行うことが可能である。例えば、地震動警報に関する情報を提示制御、優先度の低い表示内容を地震動警報に関する表示に切り替える制御、アプリケーションの表示を終了して地震動警報に関する表示や放送番組映像に切り替える制御などを行うことが可能である。
図6Gに、変調波の伝送制御に関する付加情報のビット割り当ての一例を示す。変調波の伝送制御に関する付加情報は、同期信号、カレント情報、ネクスト情報、パリティビット、等で構成される。同期信号は、13ビットの符号で構成され、TMCC信号の同期信号の先頭3ビットを除く13ビット(B4~B16)と同一の符号とする。同期信号はTMCC信号の同期信号の先頭3ビットを除く13ビット(B4~B16)と同一の符号でなくとも良い。AC信号の構成識別が変調波の伝送制御に関する付加情報を伝送することを示している場合、構成識別と同期信号を組み合わせた16ビットの符号は、TMCCの同期信号に準する16ビットの同期ワードとなる。TMCCの同期信号とは異なる16ビットの同期ワードであっても良い。カレント情報は、B階層またはC階層で4K放送番組を伝送する際の伝送パラメータ付加情報や、仮想D階層または仮想E階層に関する伝送パラメータの、現在の情報を示す。ネクスト情報は、B階層またはC階層で4K放送番組を伝送する際の伝送パラメータ付加情報や、仮想D階層または仮想E階層に関する伝送パラメータの、切り替え後の情報を示す。
図6Gの例において、カレント情報のB18~B30は、B階層伝送パラメータ付加情報の現在の情報であり、B階層で4K放送番組を伝送する際の伝送パラメータ付加情報の現在の情報を示すものである。また、カレント情報のB31~B43は、C階層伝送パラメータ付加情報の現在の情報であり、C階層で4K放送番組を伝送する際の伝送パラメータ付加情報の現在の情報を示すものである。また、ネクスト情報のB70~B82は、B階層伝送パラメータ付加情報の、伝送パラメータの切り替え後の情報であり、B階層で4K放送番組を伝送する際の伝送パラメータ付加情報の伝送パラメータの切り替え後の情報を示すものである。また、ネクスト情報のB83~B95は、C階層伝送パラメータ付加情報の伝送パラメータの切り替え後の情報であり、C階層で4K放送番組を伝送する際の伝送パラメータ付加情報の伝送パラメータの切り替え後の情報を示すものである。ここで、伝送パラメータ付加情報とは、図5Cに示すTMCC情報の伝送パラメータに追加して仕様を拡張する、変調に関する伝送パラメータである。伝送パラメータ付加情報の具体的な内容は後述する。
図6Gの例において、カレント情報のB44~B56は、仮想D階層を運用する場合の仮想D階層についての伝送パラメータの現在情報である。カレント情報のB57~B69は、仮想E階層を運用する場合の仮想E階層についての伝送パラメータの現在情報である。また、ネクスト情報のB96~B108は、仮想D階層を運用する場合の仮想D階層についての伝送パラメータの切り替え後の情報である。カレント情報のB109~B121は、仮想E階層を運用する場合の仮想E階層についての伝送パラメータの切り替え後の情報である。仮想D階層についての伝送パラメータと仮想E階層についての伝送パラメータに格納するパラメータは図5Cに示したものと同様で良い。
仮想D階層と仮想E階層は、現行の地上デジタル放送に存在しない階層である。図5BのTMCC情報は、現行の地上デジタル放送と互換性を維持する必要があるためビット数の増加を行うことは容易ではない。そこで、本発明の実施例では、当該仮想D階層と仮想E階層についての伝送パラメータを、TMCC情報ではなく、図6Gに示すようにAC情報に格納する。
これにより、TMCC情報を現行の地上デジタル放送と互換性を維持したままとしながら、新たな仮想D階層と仮想E階層についての変調に関する情報を受信装置に伝送することが可能となる。これにより、本実施例に係る偏波両用地上デジタル放送サービスの放送波であって、副たる偏波で伝送される伝送波のB階層/C階層を仮想D階層/仮想E階層として使用する場合に、副たる偏波で伝送される伝送波の仮想D階層/仮想E階層の伝送パラメータを主たる偏波で伝送される伝送波のB階層/C階層の伝送パラメータと異ならせて設定することが可能となる。
なお、仮想D階層または仮想E階層が使用されない場合には、使用されない階層についての伝送パラメータの情報は、放送受信装置100において無視して問題ない。例えば、仮想D階層または仮想E階層について、図5JのTMCC情報の追加階層伝送識別のパラメータが『1』を示す場合(仮想D階層/仮想E階層を使用しないことを示す場合)、放送受信装置100は、当該使用されない仮想D階層または仮想E階層についての図6Gに示す伝送パラメータにいかなる値が入っていても無視するように構成すれば良い。
次に、図6Gで説明した伝送パラメータ付加情報の詳細について説明する。
図6Hに伝送パラメータ付加情報の具体的な一例を示す。伝送パラメータ付加情報には、誤り訂正方式のパラメータ、コンスタレーション形式のパラメータ等を含めることができる。
誤り訂正方式は、B階層またはC階層で4K放送番組(高度な地上デジタル放送サービス)を伝送する際に、内符号および外符号の誤り訂正方式としてどのような符号化方式を使用するかの設定を示す。図6Iに、誤り訂正方式のビット割り当ての一例を示す。このパラメータが『000』の場合、B階層またはC階層で4K放送番組を伝送する際に、内符号として畳込み符号を使用し、外符号として短縮化RS符号を使用する。このパラメータが『001』の場合、B階層またはC階層で4K放送番組を伝送する際に、内符号としてLDPC符号を使用し、外符号としてBCH符号を使用する。さらにその他の組み合わせを設定して選択できるようにしても良い。
また、B階層またはC階層で4K放送番組を伝送する際、キャリア変調マッピング方式として均一コンスタレーションだけでなく不均一コンスタレーション(Non Uniform Constellation:NUC)を採用することが可能である。図6Jに、コンスタレーション形式のビット割り当ての一例を示す。このパラメータが『000』の場合、TMCC情報の伝送パラメータで選択されたキャリア変調マッピング方式を均一コンスタレーションで適用する。このパラメータが『001』~『111』のいずれかである場合、TMCC情報の伝送パラメータで選択されたキャリア変調マッピング方式を不均一コンスタレーションで適用する。なお、不均一コンスタレーションを適用する場合、誤り訂正方式の種別およびその符号化率等に応じて、不均一コンスタレーションの最適値が異なる。よって、コンスタレーション形式のパラメータが『001』~『111』のいずれかである場合に、本実施例の放送受信装置100は、復調処理で使用する不均一コンスタレーションを、キャリア変調マッピング方式のパラメータと誤り訂正方式のパラメータとその符号化率のパラメータに基づいて、決定すれば良い。当該決定は、放送受信装置100が予め記憶している所定のテーブルを参照することなどで行えば良い。
[高度地上デジタル放送サービスの伝送方式1]
現行の地上デジタル放送サービスの視聴環境を維持しつつ、4K(水平3840画素×垂直2160画素)放送を実現するため、本発明の実施例に係る高度地上デジタル放送サービスの伝送方式の一例として、偏波両用伝送方式について説明する。本発明の実施例に係る偏波両用伝送方式は、現行の地上デジタル放送方式と一部の仕様を共通とする方式である。例えば、1つの物理チャンネルに相当する約6MHz帯域内の13セグメントを分割して、7セグメントを2K(水平1920画素×垂直1080画素)放送番組の伝送用に、5セグメントを4K放送番組の伝送用に、1セグメントを移動体受信(所謂ワンセグ放送)用に、それぞれ割り当てる。さらに、4K放送用の5セグメントは、水平偏波信号だけでなく垂直偏波信号も用いて、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術により合計10セグメント分の伝送容量を確保する。なお、2K放送番組は最新のMPEG-2 Video圧縮技術の最適化等による画質維持を行い、現行のテレビ受信機でも受信可能とし、4K放送番組についてはMPEG-2 Videoよりも高効率なHEVC圧縮技術の最適化や変調多値化等による画質確保を行う。なお、各放送用に対するセグメントの割り当て数は前述と異なっても良い。
図7Aに、本発明の実施例に係る高度地上デジタル放送サービスにおける偏波両用伝送方式の一例を示す。地上デジタル放送サービスの放送波の伝送には470~710MHzの周波数帯域が用いられる。前記周波数帯域における物理チャンネル数は13~52chの40チャンネルであり、各物理チャンネルは6MHzの帯域幅を有する。本発明の実施例に係る偏波両用伝送方式では、1つの物理チャンネル内で水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用する。
図7Aには、13セグメントの割り当て例について(1)と(2)の二つの例を示している。(1)の例では、水平偏波信号のセグメント1~7(B階層)を用いて2K放送番組の伝送を行う。水平偏波信号のセグメント8~12(C階層)と垂直偏波信号のセグメント8~12(C階層)の合計10セグメントを用いて4K放送番組の伝送を行う。垂直偏波信号のセグメント1~7(B階層)は、水平偏波信号のセグメント1~7(B階層)で伝送する2K放送番組と同一の放送番組の伝送に用いても良い。または、垂直偏波信号のセグメント1~7(B階層)において水平偏波信号のセグメント1~7(B階層)で伝送する2K放送番組と異なる放送番組の伝送に用いても良い。または、垂直偏波信号のセグメント1~7(B階層)において、その他のデータ伝送に使用しても良いし、未使用でも良い。垂直偏波信号のセグメント1~7(B階層)をどのように使用するかの識別情報は、既に説明したTMCC信号の4K信号伝送階層識別のパラメータや追加階層伝送識別のパラメータ等により受信装置側に伝送可能である。放送受信装置100では、これらパラメータにより、垂直偏波信号のセグメント1~7(B階層)の扱いを識別することができる。また、水平偏波信号のB階層を用いて伝送する2K放送番組と水平/垂直両偏波信号のC階層を用いて伝送する4K放送番組とは、同一の内容の放送番組を異なる解像度で伝送するサイマル放送であっても良いし、異なる内容の放送番組を伝送するものであっても良い。水平/垂直両偏波信号のセグメント0は、同一のワンセグ放送番組の伝送を行う。
図7Aの(2)の例は、(1)とは別の変形例である。(2)の例では、水平偏波信号のセグメント1~5(B階層)と垂直偏波信号のセグメント1~5(B階層)の合計10セグメントを用いて4K放送番組の伝送を行う。水平偏波信号のセグメント6~12(C階層)を用いて2K放送番組の伝送を行う。(2)の例でも、垂直偏波信号のセグメント6~12(C階層)は、水平偏波信号のセグメント6~12(C階層)で伝送する2K放送番組と同一の放送番組の伝送に用いても良い。垂直偏波信号のセグメント6~12(C階層)は、水平偏波信号のセグメント6~12(C階層)で伝送する2K放送番組と異なる放送番組の伝送に用いても良い。また、垂直偏波信号のセグメント6~12(C階層)は、その他のデータ伝送に使用しても良いし、未使用でも良い。これらの識別情報についても(1)の例と同様であるため再度の説明を省略する。
なお、図7Aの(1)(2)の例はいずれも、水平偏波が主たる偏波である場合の例を説明したが、運用によっては、水平偏波と垂直偏波を逆にしても構わない。
図7Bに、本発明の実施例に係る偏波両用伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成の一例を示す。これは、偏波両用伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの送信側のシステムと受信側のシステムを共に示したものである。偏波両用伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成は、基本的に図1に示した放送システムの構成と同様であるが、放送局の設備である電波塔300Tは水平偏波信号と垂直偏波信号とを同時に送出可能な偏波共用送信アンテナとなる。また、図7Bの例では、放送受信装置100は第二チューナ/復調部130Tの選局/検波部131Hと選局/検波部131Vのみを抜粋して記載し、他の動作部は記載を省略している。
電波塔300Tから送出された水平偏波信号は、偏波共用受信アンテナであるアンテナ200Tの水平偏波受信用エレメントで受信され、同軸ケーブル202T1を介して、コネクタ部100F1から選局/検波部131Hに入力される。一方、電波塔300Tから送出された垂直偏波信号は、アンテナ200Tの垂直偏波受信用エレメントで受信され、同軸ケーブル202T2を介して、コネクタ部100F2から選局/検波部131Vに入力される。アンテナ(同軸ケーブル)とテレビ受信機とを接続するコネクタ部にはF型コネクタが使用されることが一般的である。
ここで、ユーザが誤って、同軸ケーブル202T1をコネクタ部100F2に接続し、同軸ケーブル202T2をコネクタ部100F1に接続する可能性もある。この場合、選局/検波部131Hおよび選局/検波部131Vにおいて、入力された放送信号が水平偏波信号か垂直偏波信号かを識別できない等の不具合を生じる可能性がある。前述の不具合を防ぐためには、アンテナ(同軸ケーブル)とテレビ受信機とを接続するコネクタ部の一方、例えば、垂直偏波信号を伝送する同軸ケーブル202T2およびコネクタ部100F2のコネクタ部を、水平偏波信号を伝送する同軸ケーブル202T1とコネクタ部100F1のコネクタ部のF型コネクタとは異なる形状のコネクタ部にする等が考えられる。或いは、選局/検波部131Hおよび選局/検波部131Vが、それぞれ各入力信号のTMCC情報の主信号識別を参照することにより、入力された放送信号が水平偏波信号か垂直偏波信号かを識別して動作するように制御すれば良い。また、同軸ケーブル202T1と同軸ケーブル202T2の2本の同軸ケーブルに代替して、一本の多芯同軸ケーブルによりアンテナ200Tと放送受信装置100とを接続しても良い。
図7Cに、本発明の実施例に係る偏波両用伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成の前述とは異なる構成例の一例を示す。図7Bに示したような、放送受信装置100が二つの放送信号入力用コネクタ部を備え、アンテナ200Tと放送受信装置100との接続に二本の同軸ケーブルを用いる構成は、設備のコスト面およびケーブル配線時の取り扱い等で必ずしも好適ではない場合がある。そこで、図7Cに示した構成では、アンテナ200Tの水平偏波受信用エレメントで受信された水平偏波信号とアンテナ200Tの垂直偏波受信用エレメントで受信された垂直偏波信号とを変換部(コンバータ)201Tに入力し、変換部201Tと放送受信装置100との接続を一本の同軸ケーブル202T3で行うようにする。コネクタ部100F3から入力された放送信号は、分波されて選局/検波部131Hと選局/検波部131Vに入力される。コネクタ部100F3は、変換部201Tに対して動作用電力を供給する機能を有して良い。
変換部201Tは、放送受信装置100を設置する環境(例えば集合住宅など)の設備に属しても良い。または、アンテナ200Tと一体の装置として構成して住宅等に設置しても良い。変換部201Tは、アンテナ200Tの水平偏波受信用エレメントで受信された水平偏波信号とアンテナ200Tの垂直偏波受信用エレメントで受信された垂直偏波信号のいずれか一方に対して、周波数変換処理を行う。この処理により、同一周波数帯域の水平偏波と垂直偏波を使用して電波塔300Tからアンテナ200Tに伝送された水平偏波信号と垂直偏波信号を、互いに異なる周波数帯域に分離して、一本の同軸ケーブル202T3で同時に放送受信装置100に送信することが可能となる。なお、必要があれば、水平偏波信号と垂直偏波信号の両者に対して周波数変換処理を行っても良いが、この場合も周波数変換後の両者の周波数帯が互いに異なっている必要がある。また、放送受信装置100は1つの放送信号入力用コネクタ部100F3を備えれば良い。
図7Dに、周波数変換処理の一例を示す。この例では、垂直偏波信号に対して周波数変換処理を行っている。具体的には、470~710MHzの周波数帯域(UHFの13ch~52chに相当する帯域)で伝送された水平偏波信号と垂直偏波信号のうち、垂直偏波信号の周波数帯域を470~710MHzの周波数帯域から770~1010MHzの周波数帯域に変換する。この処理により、同一周波数帯域の水平偏波と垂直偏波を使用して伝送された信号を、相互に干渉等することなく、一本の同軸ケーブル202T3で同時に放送受信装置100に送信できるようになる。なお、水平偏波信号に対して周波数変換処理を行っても良い。
また、周波数変換処理は、TMCC情報の主信号識別を参照した結果に応じて、副たる偏波で伝送された信号に対して行うようにすることが好ましい。図5Hを用いて説明したとおり、主たる偏波で伝送された信号は、副たる偏波で伝送された信号よりも現行の地上デジタル放送サービスが含められて伝送される可能性が高い。よって、現行の地上デジタル放送サービスとの互換性をより好適に維持するために、主たる偏波で伝送された信号は周波数変換せずに、副たる偏波で伝送された信号を周波数変換するのが好適といえる。
また、副たる偏波で伝送された信号を周波数変換する場合には、変換後の信号において、主たる偏波で伝送された信号の周波数帯よりも副たる偏波で伝送された信号の周波数帯を高くすることが望ましい。これにより、放送受信装置100の初期スキャンにおいて、低周波数側から開始し高周波数側にスキャンを進めていけば、主たる偏波で伝送された信号を副たる偏波で伝送された信号よりも先に初期スキャンを行うことができる。これにより、現行の地上デジタル放送サービスの初期スキャンによる設定を、高度な地上デジタル放送サービスの初期スキャンによる設定に反映する処理などをより好適に行うことができる。
また、周波数変換処理は、高度地上デジタル放送サービスで使用するすべての物理チャンネルに対して行っても良いが、偏波両用伝送方式による信号伝送を用いている物理チャンネルに対してのみ行っても良い。
なお、周波数変換処理による変換後の周波数帯域は、710~1032MHzの間とすることが好ましい。即ち、地上デジタル放送サービスとBS/CSデジタル放送サービスとを同時に受信しようとする場合、アンテナ200Tで受信した地上デジタル放送サービスの放送信号とアンテナ200Bで受信したBS/CSデジタル放送サービスの放送信号とを混合して一本の同軸ケーブルで放送受信装置100に送信することが考えられる。この場合、BS/CS-IF信号が1032~2150MHz程度の周波数帯域を使用するため、前記周波数変換処理による変換後の周波数帯域を710~1032MHzの間となるようにしておけば、水平偏波信号と垂直偏波信号との干渉を避けつつ、地上デジタル放送サービスの放送信号とBS/CSデジタル放送サービスの放送信号との干渉も避けることが可能となる。また、ケーブルテレビ(Community Antenna TVまたはCable TV:CATV)局による再送信放送信号の受信等を考慮した場合、ケーブルテレビ局によるテレビ放送配信で770MHz以下の周波数帯域(UHFの62ch以下に相当する帯域)が使用されていることから、周波数変換処理による変換後の周波数帯域を、UHFの62chに相当する帯域を超える770~1032MHzの間とすれば、より好ましい。
また、周波数変換処理による変換前の周波数帯域と変換後の周波数帯域との間の領域(図中のa部)の帯域幅は、1つの物理チャンネルの帯域幅(6MHz)の整数倍となるように設定することが好ましい。このようにすると、放送受信装置100において、周波数変換処理による変換前の周波数帯域の放送信号と変換後の周波数帯域の放送信号とを一括して周波数スキャンする場合等に、周波数設定制御が容易になる等の利点がある。
なお、前述のように、本発明の実施例に係る偏波両用伝送方式では、4K放送番組の伝送に水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用する。したがって、4K放送番組を正しく再生するためには、受信側で、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号の物理チャンネルの組み合わせを正しく把握する必要がある。周波数変換処理を行って、同一物理チャンネルについての、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号とが互いに異なる周波数帯の信号として受信装置に入力される場合でも、本実施例の放送受信装置100では、図5Fから図5Jに示されるTMCC情報のパラメータ(例えば、主信号識別および物理チャンネル番号識別)を適宜参照することにより、同一物理チャンネルの水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号の組み合わせを正しく把握することが可能である。これにより、本実施例の放送受信装置100では、4K放送番組を好適に受信および復調して再生することが可能である。
なお、図7B、図7C、図7Dの例はいずれも、水平偏波が主たる偏波である場合の例を説明したが、運用によっては、水平偏波と垂直偏波を逆にしても構わない。
なお、以上説明した偏波両用伝送方式で伝送される地上デジタル放送の放送波は、上述のとおり、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信および再生が可能であるが、放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cでも受信可能である。当該地上デジタル放送の放送波を第一チューナ/復調部130Cで受信した場合、当該地上デジタル放送の放送波の放送信号のうち、高度地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号は無視されるが、現行の地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号については再生が行われる。
<高度地上デジタル放送サービスのパススルー伝送方式>
放送受信装置100は、パススルー伝送方式で伝送される信号を受信することが可能である。パススルー伝送方式は、ケーブルテレビ局等が受信した放送信号を、そのままの信号方式で、同一の周波数或いは周波数変換してCATVの配信システムに送出する方式である。
パススルー方式は、(1)地上波受信アンテナ出力の各地上デジタル放送信号の伝送信号帯域抽出やレベル調整を行い、伝送信号周波数と同一周波数でCATV施設に伝送する方式と、(2)地上波受信アンテナ出力の各地上デジタル放送信号の伝送信号帯域抽出やレベル調整を行い、CATV施設管理者の設定したVHF帯域やMID帯域やSHB帯域やUHF帯域の周波数でCATV施設に伝送する方式と、がある。前記第一の方式の信号処理を行うための受信増幅器を構成する機器或いは前記第二の方式の信号処理を行うための受信増幅器および周波数変換器を構成する機器がOFDMシグナルプロセッサ(OFDM Signal Processor:OFDM-SP)である。
図7Eに、偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスにパススルー伝送方式の前記第一の方式を適用した場合のシステム構成の一例を示す。図7Eには、ケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cと放送受信装置100が示されている。また、図7Fに、その際の周波数変換処理の一例を示す。図7Fにおける(H・V)との表記は、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号の両者が同じ周波数帯に存在する放送信号の状態を示し、(H)との表記は水平偏波で伝送された放送信号を示し、(V)との表記は垂直偏波で伝送された放送信号を示すものである。以降の図7H、図7Iにおける表記も同様の意味である。
本発明の実施例の偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスに対して、前記第一の方式のパススルー伝送を適用する場合、水平偏波で伝送された放送信号に対しては、ケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cにおいて信号帯域抽出やレベル調整を行い、伝送信号周波数と同一周波数での送出を行う。一方、垂直偏波で伝送された放送信号に対しては、ケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cにおいて信号帯域抽出やレベル調整を行い、図7Dの説明と同様の周波数変換処理(垂直偏波で伝送された放送信号をUHFの13ch~62chに相当する帯域である470~770MHzの周波数帯域よりも高い周波数帯に変換する処理)を行った後に送出を行う。この処理により、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号との周波数帯域が重複しなくなるので、一本の同軸ケーブル(または光ファイバケーブル)での信号伝送が可能となる。伝送された信号は、本実施例の放送受信装置100で受信可能である。本実施例の放送受信装置100において当該信号に含まれる水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号とを受信、復調する処理は、図7Dの説明と同様であるため、再度の説明を省略する。
図7Gに、偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスにパススルー伝送方式の前記第二の方式を適用した場合のシステム構成の一例を示す。図7Gには、ケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cと放送受信装置100が示されている。また、図7Hに、その際の周波数変換処理の一例を示す。
本発明の実施例の偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスに対して、前記第二の方式のパススルー伝送を適用する場合、水平偏波で伝送された放送信号に対しては、ケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cにおいて信号帯域抽出やレベル調整を行い、CATV施設管理者の設定した周波数への周波数変換処理を行った後に送出を行う。一方、垂直偏波で伝送された放送信号に対しては、ケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cにおいて信号帯域抽出やレベル調整を行い、図7Dの説明と同様の周波数変換処理(垂直偏波で伝送された放送信号をUHFの13ch~62chの帯域である470~770MHzの周波数帯域よりも高い周波数帯に変換する処理)を行った後に送出を行う。図7Hに示す周波数変換処理は、図7Fと異なり、水平偏波で伝送された放送信号が、UHFの13ch~62chの帯域である470~770MHzの周波数帯域にとどまらず、より低い周波数帯域にまで範囲を広げて90~770MHzの範囲で再配置するように周波数変換を行うものである。この処理により、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号との周波数帯域が重複しなくなるので、一本の同軸ケーブル(または光ファイバケーブル)での信号伝送が可能となる。伝送された信号は、本実施例の放送受信装置100で受信可能である。本実施例の放送受信装置100において当該信号に含まれる水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号とを受信、復調する処理は、図7Dの説明と同様であるため、再度の説明を省略する。
また、図7Gにおけるケーブルテレビ局のヘッドエンド設備400Cの周波数変換処理の別の変形例として、周波数変換後のパススルー出力時の放送信号を図7Hから図7Iに示す状態に変更しても良い。この場合、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号の双方に対して、信号帯域抽出やレベル調整を行い、CATV施設管理者の設定した周波数への周波数変換処理を行った後に送出を行うようにしても良い。図7Iの例では、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号の双方をともに、90~770MHzの範囲(VHF1chからUHF62chまでの範囲)で再配置するように周波数変換を行うものであり、UHF62chを超えた範囲の周波数帯を使用しないので、放送信号の周波数帯利用効率が図7Hよりも高くなる。
また、アンテナ受信時のUHFの13ch~52chの帯域である470~710MHzの周波数帯域よりも放送信号を再配置する帯域が広くなるため、図7Iの例に示すように、水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号を交互に再配置することも可能である。このとき、図7Iの例に示すように、アンテナ受信時に同一の物理チャンネルであった水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号のペアを、アンテナ受信時の物理チャンネル順に、交互に再配置すれば、本実施例の放送受信装置100が低周波数側から初期スキャンを行う場合に、元々同一の物理チャンネルあった水平偏波で伝送された放送信号と垂直偏波で伝送された放送信号のペアを元々同一の物理チャンネル単位で順に初期設定を進めていくことができ、初期スキャンを効率良く行うことができる。
なお、図7E、図7F、図7G、図7Hおよび図7Iの例はいずれも、水平偏波が主たる偏波である場合の例を説明したが、運用によっては、水平偏波と垂直偏波を逆にしても構わない。
なお、以上説明したパススルー伝送方式がなされた偏波両用伝送方式の地上デジタル放送の放送波についても、上述のとおり、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信および再生が可能であるが、放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cでも受信可能である。当該地上デジタル放送の放送波を第一チューナ/復調部130Cで受信した場合、当該地上デジタル放送の放送波の放送信号のうち、高度地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号は無視されるが、現行の地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号については再生が行われる。
[高度地上デジタル放送サービスの伝送方式2]
現行の地上デジタル放送サービスの視聴環境を維持しつつ、4K放送を実現するため、本発明の実施例に係る高度地上デジタル放送サービスの伝送方式の前述とは異なる一例として、単偏波伝送方式について説明する。本発明の実施例に係る単偏波伝送方式は、現行の地上デジタル放送方式と一部の仕様を共通とする方式であり、水平偏波信号と垂直偏波信号の何れか一方を用いて、SISO(Single-Input Single-Output)技術によりデータ伝送を行う方式である。例えば、1つの物理チャンネルに相当する約6MHz帯域内の13セグメントを分割して、8セグメントを2K放送番組の伝送用に、4セグメントを4K放送番組の伝送用に、1セグメントを移動体受信用に、それぞれ割り当てる。なお、2K放送番組は最新のMPEG-2 Video圧縮技術の最適化等による画質維持を行い、現行のテレビ受信機でも受信可能とし、4K放送番組についてはMPEG-2 Videoよりも高効率なHEVC圧縮技術やVVC圧縮技術等を採用し、更に変調多値化やNUC等の技術の採用による画質確保を行う。なお、各放送用に対するセグメントの割り当て数は前述と異なっても良い。
図7Jに、本発明の実施例に係る高度地上デジタル放送サービスにおける単偏波伝送方式の一例を示す。地上デジタル放送サービスの放送波の伝送には470~710MHzの周波数帯域が用いられる。前記周波数帯域における物理チャンネル数は13~52chの40チャンネルであり、各物理チャンネルは6MHzの帯域幅を有する。本発明の実施例に係る単偏波伝送方式では、1つの物理チャンネル内で2K放送サービスの伝送と4K放送サービスの伝送とを同時に行う。
図7Jには、13セグメントの割り当て例について(1)と(2)の二つの例を示している。(1)の例では、セグメント1~4(B階層)を用いて4K放送番組の伝送を行う。セグメント5~12(C階層)を用いて2K放送番組の伝送を行う。B階層を用いて伝送する4K放送番組とC階層を用いて伝送する2K放送番組とは、同一の内容の放送番組を異なる解像度で伝送するサイマル放送であっても良いし、異なる内容の放送番組を伝送するものであっても良い。(2)の例は、(1)とは別の変形例である。(2)の例では、セグメント1~8(B階層)を用いて2K放送番組の伝送を行う。セグメント9~12(C階層)を用いて4K放送番組の伝送を行う。
図7Kに、本発明の実施例に係る単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成の一例を示す。これは、単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの送信側のシステムと受信側のシステムを共に示したものである。単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成は、基本的に図1に示した放送システムの構成と同様であるが、放送局の設備である電波塔300Sは水平偏波信号と垂直偏波信号の何れか一方を送出可能な単偏波送信アンテナとなる。また、図7Kの例では、放送受信装置100は第二チューナ/復調部130Tの選局/検波部131Hのみを抜粋して記載し、他の動作部は記載を省略している。
電波塔300Sから送出された単偏波信号は、単偏波受信アンテナであるアンテナ200Sで受信され、同軸ケーブル202Sを介して、コネクタ部100F3から選局/検波部131Hに入力される。アンテナ(同軸ケーブル)とテレビ受信機とを接続するコネクタ部にはF型コネクタが使用されることが一般的である。単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成ではアンテナ200Sと放送受信装置100とを一本の同軸ケーブル202Sで接続することが可能であり、周波数変換処理(変換部)も不要となるため、好適である。
なお、以上説明した単偏波伝送方式で伝送される地上デジタル放送の放送波は、上述のとおり、放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで受信および再生が可能であるが、放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cでも受信可能である。当該地上デジタル放送の放送波を第一チューナ/復調部130Cで受信した場合、当該地上デジタル放送の放送波の放送信号のうち、高度地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号は無視されるが、現行の地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号については再生が行われる。
前述のように、放送受信装置100では、単偏波伝送方式で伝送される地上デジタル放送の放送波のうち、現行の地上デジタル放送サービスの階層(図7Jの2K放送を伝送する階層)で伝送された放送信号は第一チューナ/復調部130Cでも受信可能である。このため、第二チューナ/復調部130Tと第一チューナ/復調部130Cとを同時に使用するダブルチューナの構成とすることにより、高度地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号と現行の地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号とを同時に受信/再生することが可能となる。
図7Lに、本発明の実施例に係る単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成であって、前述のダブルチューナとなる構成の一例を示す。これは、単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの送信側のシステムと受信側のシステムを共に示したものである。単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成は、基本的に図1に示した放送システムの構成と同様であるが、放送局の設備である電波塔300Sは水平偏波信号と垂直偏波信号の何れか一方を送出可能な単偏波送信アンテナとなる。また、図7Lの例では、放送受信装置100は第一チューナ/復調部130Cの選局/検波部131Cと第二チューナ/復調部130Tの選局/検波部131Hのみを抜粋して記載し、他の動作部は記載を省略している。
電波塔300Sから送出された単偏波信号は、単偏波受信アンテナであるアンテナ200Sで受信され、同軸ケーブル202Sを介して、コネクタ部100F3から放送受信装置100に入力される。放送受信装置100に入力された単偏波信号は分波されて、それぞれ選局/検波部131Cと選局/検波部131Hに入力される。選局/検波部131Cでは、現行の地上デジタル放送サービスの放送波に対する選局/検波処理が行われ、選局/検波部131Hでは、高度地上デジタル放送サービスの放送波に対する選局/検波処理が行われる。
このような構成とすることにより、現行の地上デジタル放送サービスと高度地上デジタル放送サービスとが提供される放送システムにおいて、前記現行の地上デジタル放送サービスと前記高度地上デジタル放送サービスとを同時に受信することが可能となる。特に、チャンネル設定処等で効率の良い処理が可能となる。なお、現行の地上デジタル放送サービスと高度地上デジタル放送サービスとは、同一の物理チャンネルを用いて伝送される方式であっても良いし、異なる物理チャンネルを用いて伝送される方式であっても良い。また、現行の地上デジタル放送サービスと高度地上デジタル放送サービスとは、サイマル放送サービスのペアであっても良いし、ペアでなくとも良い。
更に、図7Lの例は、単偏波伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送サービスを受信する場合の例であるが、同様の構成は偏波両用伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送サービスを受信する場合にも適用することが可能である。この場合、偏波両受信用アンテナであるアンテナ200Tで受信され、変換部201Tを介してコネクタ部100F3から放送受信装置100に入力された偏波両用信号は、分波されて、それぞれ選局/検波部131Cと選局/検波部131Hと選局/検波部131Vとに入力されれば良い。選局/検波部131Cが水平偏波信号と垂直偏波信号の何れか一方で伝送された現行の地上デジタル放送サービスの放送波に対する選局/検波処理を行い、選局/検波部131H及び選局/検波部131Vが、水平偏波信号と垂直偏波信号で伝送された高度地上デジタル放送サービスの放送波に対する選局/検波処理が行われる。
[高度地上デジタル放送サービスの伝送方式3]
現行の地上デジタル放送サービスの視聴環境を維持しつつ、4K放送を実現するため、本発明の実施例に係る高度地上デジタル放送サービスの伝送方式の前述とは異なる一例として、階層分割多重伝送方式について説明する。本発明の実施例に係る階層分割多重伝送方式は、現行の地上デジタル放送方式と一部の仕様を共通とする方式である。例えば、現行の2K放送サービスの放送波と同一チャンネルに信号レベルが低レベルの4K放送サービスの放送波を多重して伝送する。なお、2K放送は所要C/N以下に4K放送の受信レベルを抑制して、従来どおりの受信を行う。4K放送については変調多値化等による伝送容量の拡大等を行いつつ、LDM(階層分割多重)技術に対応した受信技術を用いて、2K放送波をキャンセルし、残った4K放送波で受信を行う。
図8Aに、本発明の実施例に係る高度地上デジタル放送サービスにおける階層分割多重伝送方式の一例を示す。上側階層を現行の2K放送の変調波で構成し、下側階層を4K放送の変調波で構成し、前記上側階層と下側階層とを多重し、同一周波数帯で合成波として出力する。例えば、上側階層では変調方式として64QAM等を用い、下側階層では変調方式として256QAM等を用いる構成にすれば良い。なお、上側階層を用いて伝送する2K放送番組と下側階層を用いて伝送する4K放送番組とは、同一の内容の放送番組を異なる解像度で伝送するサイマル放送であっても良いし、異なる内容の放送番組を伝送するものであっても良い。ここで、上側階層は高電力で送信され、下側階層は低電力で送信される。なお、上側階層の変調波レベルと下側階層の変調波レベルの差(電力の差)をインジェクションレベル(IL:Injection Level)と呼び、これは、放送局側で設定する値である。インジェクションレベルは、変調波レベルの差(電力の差)を対数表現の相対比(dB)で示すのが一般的である。
図8Bに、本発明の実施例に係る階層分割多重伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成の一例を示す。階層分割多重伝送方式を用いた高度地上デジタル放送サービスの放送システムの構成は、基本的に図1に示した放送システムの構成と同様であるが、放送局の設備である電波塔300Lは、上側階層の2K放送と下側階層の4K放送とを多重した放送信号を送出する送信アンテナである。また、図8Bの例では、放送受信装置100は第三チューナ/復調部130Lの選局/検波部131Lのみを抜粋して記載し、他の動作部は記載を省略している。
アンテナ200Lで受信された放送信号は、変換部(コンバータ)201Lおよび同軸ケーブル202Lを介して、コネクタ部100F4から選局/検波部131Lに入力される。ここで、前記構成にて、アンテナ200Lから放送受信装置100に放送信号が送信される際、図8Cに示すように、変換部201Lにおいて、周波数変換増幅処理を放送信号に対して施すようにしても良い。即ち、マンション等の屋上にアンテナ200Lを設置し、ケーブル長の長い同軸ケーブル202Lにより各部屋の放送受信装置100まで放送信号の送信を行う場合、放送信号が減衰してしまい、選局/検波部131Lにおいて特に下側階層の4K放送波が正しく受信できないという不具合を生じる可能性が考えられる。
そこで、前述の不具合を防ぐため、変換部201Lでは、下側階層の4K放送信号に対して周波数変換増幅処理を行う。周波数変換増幅処理は、下側階層の4K放送信号の周波数帯域を470~710MHzの周波数帯域(UHFの13ch~52chに相当する帯域)から、例えば、UHFの62chに相当する帯域を超える770~1010MHzの周波数帯域に変換する。さらに、下側階層の4K放送信号をケーブルでの減衰の影響が問題とならない程度の信号レベルに増幅する処理を行う。このような処理を行うことにより、2K放送信号と4K放送信号との干渉を避けつつ、同軸ケーブル送信中の放送信号の減衰の影響も避けることが可能となる。なお、同軸ケーブル202Lのケーブル長が短い場合等、減衰の影響が問題とならない場合には、変換部201Lおよび周波数変換増幅処理は不要としても良い。
また、図8Dに示すように、放送受信装置100の第三チューナ/復調部130Lが備える選局/検波部を、上側階層(2K放送)の変調波に対して選局/検波等の処理を行う選局/検波部131L1と下側階層(4K放送)の変調波に対して選局/検波等の処理を行う選局/検波部131L2とで構成するようにしても良い。このような構成とすることにより、変換部201Lにおいて周波数変換増幅処理を施された信号に対して、同一の物理チャンネルを用いて放送局から送出された2K放送信号と4K放送信号とで同時に選局/検波等の処理を行うことが可能となり、特にサイマル放送時等に好適な処理を行うことができる。
また、周波数変換増幅処理による変換後の周波数帯域は、UHFの52chに相当する帯域を超える710~1032MHzの間またはUHFの62chに相当する帯域を超える770~1032MHzの間(ケーブルテレビ局による再送信等の場合)とすることが好ましいこと、周波数変換増幅処理による変換前の周波数帯域と変換後の周波数帯域との間の領域の帯域幅は、1つの物理チャンネルの帯域幅(6MHz)の整数倍となるように設定することが好ましいこと、周波数変換増幅処理は、階層分割多重伝送方式による信号伝送を用いている物理チャンネルに対してのみ行っても良いこと、等は、いずれも既に説明した周波数変換に係る本実施例の説明と同様であるため、再度の説明は省略する。
なお、本実施例の放送受信装置100は、受信した放送信号が下側階層で伝送された放送信号であるのか上側階層で伝送された放送信号であるのかを、図5Hで説明したTMCC情報の上下階層識別ビットを用いて識別することが可能である。また、本実施例の放送受信装置100は、受信した放送信号が、アンテナ受信後に周波数変換がなされた放送信号であるか否かを、図5Fで説明したTMCC情報の周波数変換処理識別ビットを用いて識別することが可能である。また、本実施例の放送受信装置100は、受信した放送信号が、下側階層で4K番組を伝送しているか否かを、図5Iで説明したTMCC情報の4K信号伝送階層識別ビットを用いて識別することが可能である。これらの識別処理は、データキャリアを復調してストリーム内に含まれる制御情報を参照して行うことも不可能ではないが、データキャリアの復調が必要であり処理が複雑になる。上述のTMCC情報のパラメータを参照して識別する方が、処理がより簡便で高速になるため、例えば、放送受信装置100の初期スキャンをより高速化することが可能である。
なお、本発明の実施例に係る放送受信装置100の第三チューナ/復調部130Lの選局/検波部131Lは、既に説明したとおり、LDM(階層分割多重)技術に対応した受信機能を有しているので、アンテナ200Lから放送受信装置100の間に必ずしも図8Bに示す変換部201Lが必要ではない。
なお、以上説明した階層分割多重伝送方式で伝送される地上デジタル放送の放送波は、上述のとおり、放送受信装置100の第三チューナ/復調部130Lで受信および再生が可能であるが、放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cでも受信可能である。当該地上デジタル放送の放送波を第一チューナ/復調部130Cで受信した場合、当該地上デジタル放送の放送波の放送信号のうち、高度地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号は無視されるが、現行の地上デジタル放送サービスの階層で伝送された放送信号については再生が行われる。
[MPEG-2 TS方式]
本実施例の放送システムは、映像や音声等のデータを伝送するメディアトランスポート方式として、現行の地上デジタル放送サービス等で採用されているMPEG-2 TSに対応可能である。具体的には、図4D(1)のOFDM伝送波によって伝送されるストリームの方式はMPEG-2 TSであり、図4D(2)および図4D(3)のOFDM伝送波のうち、現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層で伝送するストリームの方式はMPEG-2 TSである。また、図2の放送受信装置100の第一チューナ/復調部130Cで伝送波を復調して得るストリームの方式はMPEG-2 TSである。また、第二チューナ/復調部130Tで伝送波を復調して得るストリームのうち、現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層に対応するストリームの方式はMPEG-2 TSである。同様に、第三チューナ/復調部130Lで伝送波を復調して得るストリームのうち、現行の地上デジタル放送サービスが伝送される階層に対応するストリームの方式はMPEG-2 TSである。
MPEG-2 TSは、番組を構成する映像や音声等のコンポーネントを、制御信号やクロックと共に1つのパケットストリームに多重することを特徴とする。クロックも含めて1つのパケットストリームとして扱うため、伝送品質が確保された1つの伝送路で1つのコンテンツを伝送するのに適しており、現行の多くのデジタル放送システムで採用されている。また、固定網/携帯網等の双方向網を介して双方向通信を実現することが可能であり、デジタル放送サービスにブロードバンドネットワークを利用した機能を連携させ、ブロードバンドネットワークを介した付加コンテンツの取得やサーバ装置における演算処理、携帯端末機器との連携による提示処理等をデジタル放送サービスと組み合わせる放送通信連携システムに対応可能である。
図9Aに、MPEG-2 TSを用いる放送システムにおける伝送信号のプロトコルスタックの一例を示す。MPEG-2 TSにおいて、PSIやSI、その他の制御信号等は、セクション形式で伝送される。
[MPEG-2 TS方式を用いる放送システムの制御信号]
MPEG-2 TS方式の制御情報としては、主として番組配列情報で使用されるテーブルと番組配列情報以外で使用されるテーブルがある。テーブルはセクション形式で伝送され、記述子はテーブル内に配置される。
<番組配列情報で使用されるテーブル>
図9Bに、MPEG-2 TS方式の放送システムの番組配列情報で使用されるテーブルの一覧を示す。本実施例では、番組配列情報で使用されるテーブルとして以下に示すものが用いられる。
(1)PAT(Program Association Table)
(2)CAT(Conditional Access Table)
(3)PMT(Program Map Table)
(4)NIT(Network Information Table)
(5)SDT(Service Description Table)
(6)BAT(Bouquet Association Table)
(7)EIT(Event Information Table)
(8)RST(Running Status Table)
(9)TDT(Time and Date Table)
(10)TOT(Time Offset Table)
(11)LIT(Local Event Information Table)
(12)ERT(Event Relation Table)
(13)ITT(Index Transmission Table)
(14)PCAT(Partial Content Announcement Table)
(15)ST(Stuffing Table)
(16)BIT(Broadcaster Information Table)
(17)NBIT(Network Board Information Table)
(18)LDT(Linked Description Table)
(19)AMT(Address Map Table)
(20)INT(IP/MAC Notification Table)
(21)事業者が設定するテーブル
<デジタル放送で使用されるテーブル>
図9Cに、MPEG-2 TS方式の放送システムの番組配列情報以外で使用されるテーブルの一覧を示す。本実施例では、番組配列情報以外で使用されるテーブルとして以下に示すものが用いられる。
(1)ECM(Entitlement Control Message)
(2)EMM(Entitlement Management Message)
(3)DCT(Download Control Table)
(4)DLT(DownLoad Table)
(5)DIT(Discontinuity Information Table)
(6)SIT(Selection Information Table)
(7)SDTT(Software Download Trigger Table)
(8)CDT(Common Data Table)
(9)DSM-CCセクション
(10)AIT(Application Information Table)
(11)DCM(Download Control Message)
(12)DMM(Download Management Message)
(13)事業者が設定するテーブル
<番組配列情報で使用される記述子>
図9Dと図9Eと図9Fに、MPEG-2 TS方式の放送システムの番組配列情報で使用される記述子の一覧を示す。本実施例では、番組配列情報で使用される記述子として以下に示すものが用いられる。
(1)限定受信方式記述子(Conditional Access Descriptor)
(2)著作権記述子(Copyright Descriptor)
(3)ネットワーク名記述子(Network Name Descriptor)
(4)サービスリスト記述子(Service List Descriptor)
(5)スタッフ記述子(Stuffing Descriptor)
(6)衛星分配システム記述子(Satellite Delivery System Descriptor)
(7)地上分配システム記述子(Terrestrial Delivery System Descriptor)
(8)ブーケ名記述子(Bouquet Name Descriptor)
(9)サービス記述子(Service Descriptor)
(10)国別受信可否記述子(Country Availability Descriptor)
(11)リンク記述子(Linkage Descriptor)
(12)NVOD基準サービス記述子(NVOD Reference Descriptor)
(13)タイムシフトサービス記述子(Time Shifted Service Descriptor)
(14)短形式イベント記述子(Short Event Descriptor)
(15)拡張形式イベント記述子(Extended Event Descriptor)
(16)タイムシフトイベント記述子(Time Shifted Event Descriptor)
(17)コンポーネント記述子(Component Descriptor)
(18)モザイク記述子(Mosaic Descriptor)
(19)ストリーム識別記述子(Stream Identifier Descriptor)
(20)CA識別記述子(CA Identifier Descriptor)
(21)コンテント記述子(Content Descriptor)
(22)パレンタルレート記述子(Parental Rating Descriptor)
(23)階層伝送記述子(Hierarchical Transmission Descriptor)
(24)デジタルコピー制御記述子(Digital Copy Control Descriptor)
(25)緊急情報記述子(Emergency Information Descriptor)
(26)データ符号化方式記述子(Data Component Descriptor)
(27)システム管理記述子(System Management Descriptor)
(28)ローカル時間オフセット記述子(Local Time Offset Descriptor)
(29)音声コンポーネント記述子(Audio Component Descriptor)
(30)対象地域記述子(Target Region Descriptor)
(31)ハイパーリンク記述子(Hyperlink Descriptor)
(32)データコンテンツ記述子(Data Content Descriptor)
(33)ビデオデコードコントロール記述子(Video Decode Control Descriptor)
(34)基本ローカルイベント記述子(Basic Local Event Descriptor)
(35)リファレンス記述子(Reference Descriptor)
(36)ノード関係記述子(Node Relation Descriptor)
(37)短形式ノード情報記述子(Short Node Information Descriptor)
(38)STC参照記述子(STC Reference Descriptor)
(39)部分受信記述子(Partial Reception Descriptor)
(40)シリーズ記述子(Series Descriptor)
(41)イベントグループ記述子(Event Group Descriptor)
(42)SI伝送パラメータ記述子(SI Parameter Descriptor)
(43)ブロードキャスタ名記述子(Broadcaster Name Descriptor)
(44)コンポーネントグループ記述子(Component Group Descriptor)
(45)SIプライムTS記述子(SI Prime TS Descriptor)
(46)掲示板情報記述子(Board Information Descriptor)
(47)LDTリンク記述子(LDT Linkage Descriptor)
(48)連結送信記述子(Connected Transmission Descriptor)
(49)TS情報記述子(TS Information Descriptor)
(50)拡張ブロードキャスタ記述子(Extended Broadcaster Descriptor)
(51)ロゴ伝送記述子(Logo Transmission Descriptor)
(52)コンテント利用記述子(Content Availability Descriptor)
(53)カルーセル互換複合記述子(Carousel Compatible Composite Descriptor)
(54)限定再生方式記述子(Conditional Playback Descriptor)
(55)AVCビデオ記述子(AVC Video Descriptor)
(56)AVCタイミングHRD記述子(AVC Timing and HRD Descriptor)
(57)サービスグループ記述子(Service Group Descriptor)
(58)MPEG-4オーディオ記述子(MPEG-4 Audio Descriptor)
(59)MPEG-4オーディオ拡張記述子(MPEG-4 Audio Extension Descriptor)
(60)登録記述子(Registration Descriptor)
(61)データブロードキャスト識別記述子(Data Broadcast Id Descriptor)
(62)アクセス制御記述子(Access Control Descriptor)
(63)エリア放送情報記述子(Area Broadcasting Information Descriptor)
(64)素材情報記述子(Material Information Descriptor)
(65)HEVCビデオ記述子(HEVC Video Descriptor)
(66)階層符号化記述子(Hierarchy Descriptor)
(67)通信連携情報記述子(Hybrid Information Descriptor)
(68)スクランブル方式記述子(Scrambler Descriptor)
(69)事業者が設定する記述子
<デジタル放送で使用される記述子>
図9Gに、MPEG-2 TS方式の放送システムの番組配列情報以外で使用される記述子の一覧を示す。本実施例では、番組配列情報以外で使用される記述子として以下に示すものが用いられる。
(1)パーシャルトランスポートストリーム記述子
(Partial Transport Stream Descriptor)
(2)ネットワーク識別記述子(Network Identification Descriptor)
(3)パーシャルトランスポートストリームタイム記述子
(Partial Transport Stream Time Descriptor)
(4)ダウンロードコンテンツ記述子(Download Content Descriptor)
(5)CA_EMM_TS_記述子(CA EMM TS Descriptor)
(6)CA契約情報記述子(CA Contract Information Descriptor)
(7)CAサービス記述子(CA Service Descriptor)
(8)カルーセル識別記述子(Carousel Identifier Descriptor)
(9)アソシエーションタグ記述子(Association Tag Descriptor)
(10)拡張アソシエーションタグ記述子
(Deferred Association tags Descriptor)
(11)ネットワークダウロードコンテンツ記述子
(Network Download Content Descriptor)
(12)ダウンロード保護記述子(Download Protection Descriptor)
(13)CA起動記述子(CA Startup Descriptor)
(14)事業者が設定する記述子
<INTで使用される記述子>
図9Hに、MPEG-2 TS方式の放送システムのINTで使用される記述子の一覧を示す。本実施例では、INTで使用される記述子として以下に示すものが用いられる。なお、前述の番組配列情報で使用される記述子および番組配列情報以外で使用される記述子は、INTでは使用しない。
(1)ターゲットスマートカード記述子(Target Smartcard Descriptor)
(2)ターゲットIPアドレス記述子(Target IP Address Descriptor)
(3)ターゲットIPv6アドレス記述子(Target IPv6 Address Descriptor)
(4)IP/MACプラットフォーム名記述子(IP/MAC Platform Name Descriptor)
(5)IP/MACプラットフォームプロバイダ名記述子
(IP/MAC Platform Provider Name Descriptor)
(6)IP/MACストリーム配置記述子(IP/MAC Stream Location Descriptor)
(7)事業者が設定する記述子
<AITで使用される記述子>
図9Iに、MPEG-2 TS方式の放送システムのAITで使用される記述子の一覧を示す。本実施例では、AITで使用される記述子として以下に示すものが用いられる。なお、前述の番組配列情報で使用される記述子および番組配列情報以外で使用される記述子は、INTでは使用しない。
(1)アプリケーション記述子(Application Descriptor)
(2)伝送プロトコル記述子(Transport Protocol Descriptor)
(3)簡易アプリケーションロケーション記述子
(Simple Application Location Descriptor)
(4)アプリケーション境界権限設定記述子
(Application Boundary and Permission Descriptor)
(5)起動優先情報記述子(Autostart Priority Descriptor)
(6)キャッシュ情報記述子(Cache Control Info Descriptor)
(7)確率的適用遅延記述子(Randomized Latency Descriptor)
(8)外部アプリケーション制御記述子
(External Application Control Descriptor)
(9)録画再生アプリケーション記述子(Playback Application Descriptor)
(10)簡易録画再生アプリケーションロケーション記述子
(Simple Playback Application Location Descriptor)
(11)アプリケーション有効期限記述子(Application Expiration Descriptor)
(12)事業者が設定する記述子
[MMT方式]
本実施例の放送システムは、映像や音声等のデータを伝送するメディアトランスポート方式として、MMT方式に対応することも可能である。具体的には、図4D(2)および図4D(3)のOFDM伝送波のうち、高度な地上デジタル放送サービスが伝送される階層で伝送するストリームの方式は原則としてMMT方式である。また、図2の放送受信装置100の第二チューナ/復調部130Tで伝送波を復調して得るストリームのうち、高度な地上デジタル放送サービスが伝送される階層に対応するストリームの方式は原則としてMMTである。同様に、第三チューナ/復調部130Lで伝送波を復調して得るストリームのうち、高度な地上デジタル放送サービスが伝送される階層に対応するストリームの方式は原則としてMMTである。なお、変形例としては、高度な地上デジタル放送サービスでMPEG-2 TSのストリームを運用しても構わない。また、第四チューナ/復調部130Bで伝送波を復調して得るストリームの方式はMMTである。
MMT方式は、近年のコンテンツの多様化、コンテンツを利用する機器の多様化、コンテンツを配信する伝送路の多様化、コンテンツ蓄積環境の多様化、等、コンテンツ配信に関する環境変化に対してMPEG-2 TS方式の機能に限界があることから、新たに策定されたメディアトランスポート方式である。
放送番組の映像信号および音声信号の符号はMFU(Media Fragment Unit)/MPU(Media Processing Unit)とし、MMTP(MMT Protocol)ペイロードに乗せてMMTPパケット化し、IPパケットで伝送する。また、放送番組に関連するデータコンテンツや字幕の信号についてもMFU/MPUの形式とし、MMTPペイロードに乗せてMMTPパケット化し、IPパケットで伝送する。
MMTPパケットの伝送には、放送伝送路ではUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)が用いられ、通信回線では、UDP/IPまたはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が用いられる。また、放送伝送路においては、IPパケットの効率的な伝送のためにTLV多重化方式が用いられても良い。
図10Aに、放送伝送路におけるMMTのプロトコルスタックを示す。また、図10Bに、通信回線におけるMMTのプロトコルスタックを示す。MMT方式では、MMT-SIとTLV-SIの二種類の制御情報を伝送する仕組みを用意する。MMT-SIは、放送番組の構成等を示す制御情報である。MMTの制御メッセージの形式とし、MMTPペイロードに乗せてMMTPパケット化して、IPパケットで伝送する。TLV-SIは、IPパケットの多重に関する制御情報であり、選局のための情報やIPアドレスとサービスの対応情報を提供する。
[MMT方式を用いる放送システムの制御信号]
前述のように、MMT方式では、制御情報としてTLV-SIとMMT-SIを用意する。TLV-SIは、テーブルと記述子で構成される。テーブルはセクション形式で伝送され、記述子はテーブル内に配置される。MMT-SIは、テーブルや記述子を格納するメッセージ、特定の情報を示す要素や属性を持つテーブル、より詳細な情報を示す記述子の三階層で構成される。
<TLV-SIで使用するテーブル>
図10Cに、MMT方式の放送システムのTLV-SIで使用されるテーブルの一覧を示す。本実施例では、TLV-SIのテーブルとして以下に示すものが用いられる。また、図9B、図9Cに示した各テーブルと同義のテーブルをさらに用いても良い。
(1)TLV用ネットワーク情報テーブル(Network Information Table for TLV)
(2)アドレスマップテーブル(Address Map Table)
(3)事業者が設定するテーブル
<TLV-SIで使用する記述子>
図10Dに、MMT方式の放送システムのTLV-SIで使用される記述子の一覧を示す。本実施例では、TLV-SIの記述子として以下に示すものが用いられる。また、図9D、図9E、図9F、図9G、図9H、図9Iに示した各記述子と同義の記述子をさらに用いても良い。
(1)サービスリスト記述子(Service List Descriptor)
(2)衛星分配システム記述子(Satellite Delivery System Descriptor)
(3)システム管理記述子(System Management Descriptor)
(4)ネットワーク名記述子(Network Name Descriptor)
(5)リモートコントロールキー記述子(Remote Control Key Descriptor)
(6)事業者が設定する記述子
<MMT-SIで使用するメッセージ>
図10Eに、MMT方式の放送システムのMMT-SIで使用されるメッセージの一覧を示す。本実施例では、MMT-SIのメッセージとして以下に示すものが用いられる。
(1)PA(Package Access)メッセージ
(2)M2セクションメッセージ
(3)CAメッセージ
(4)M2短セクションメッセージ
(5)データ伝送メッセージ
(6)事業者が設定するメッセージ
<MMT-SIで使用するテーブル>
図10Fに、MMT方式の放送システムのMMT-SIで使用されるテーブルの一覧を示す。本実施例では、MMT-SIのテーブルとして以下に示すものが用いられる。また、図9B、図9Cに示した各テーブルと同義のテーブルをさらに用いても良い。
(1)MPT(MMT Package Table)
(2)PLT(Package List Table)
(3)LCT(Layout Configuration Table)
(4)ECM(Entitlement Control Message)
(5)EMM(Entitlement Management Message)
(6)CAT(MH)(Conditional Access Table (MH))
(7)DCM(Download Control Message)
(8)DMM(Download Management Message)
(9)MH-EIT(MH-Event Information Table)
(10)MH-AIT(MH-Application Information Table)
(11)MH-BIT(MH-Broadcaster Information Table)
(12)MH-SDTT(MH-Software Download Trigger Table)
(13)MH-SDT(MH-Service Description Table)
(14)MH-TOT(MH-Time Offset Table)
(15)MH-CDT(MH-Common Data Table)
(16)MH-DIT(MH-Discontinuity Information Table)
(17)MH-SIT(MH-Selection Information Table)
(18)DDMテーブル(Data Directory Management Table)
(19)DAMテーブル(Data Asset Management Table)
(20)DCCテーブル(Data Content Configuration Table)
(21)EMT(Event Message Table)
(22)事業者が設定するテーブル
<MMT-SIで使用する記述子>
図10Gと図10Hと図10Iに、MMT方式の放送システムのMMT-SIで使用される記述子の一覧を示す。本実施例では、MMT-SIの記述子として以下に示すものが用いられる。また、図9D、図9E、図9F、図9G、図9H、図9Iに示した各記述子と同義の記述子をさらに用いても良い。
(1)アセットグループ記述子(Asset Group Descriptor)
(2)イベントパッケージ記述子(Event Package Descriptor)
(3)背景色指定記述子(Background Color Descriptor)
(4)MPU提示領域指定記述子(MPU Presentation Region Descriptor)
(5)MPUタイムスタンプ記述子(MPU Timestamp Descriptor)
(6)依存関係記述子(Dependency Descriptor)
(7)アクセス制御記述子(Access Control Descriptor)
(8)スクランブル方式記述子(Scrambler Descriptor)
(9)メッセージ認証方式記述子(Message Authentication Method Descriptor)
(10)緊急情報記述子(Emergency Information Descriptor)
(11)MH-MPEG-4オーディオ記述子(MH-MPEG-4 Audio Descriptor)
(12)MH-MPEG-4オーディオ拡張記述子
(MH-MPEG-4 Audio Extension Descriptor)
(13)MH-HEVC記述子(MH-HEVC Descriptor)
(14)MH-リンク記述子(MH-Linkage Descriptor)
(15)MH-イベントグループ記述子(MH-Event Group Descriptor)
(16)MH-サービスリスト記述子(MH-Service List Descriptor)
(17)MH-短形式イベント記述子(MH-Short Event Descriptor)
(18)MH-拡張形式イベント記述子(MH-Extended Event Descriptor)
(19)映像コンポーネント記述子(Video Component Descriptor)
(20)MH-ストリーム識別記述子(MH-Stream Identifier Descriptor)
(21)MH-コンテント記述子(MH-Content Descriptor)
(22)MH-パレンタルレート記述子(MH-Parental Rating Descriptor)
(23)MH-音声コンポーネント記述子(MH-Audio Component Descriptor)
(24)MH-対象地域記述子(MH-Target Region Descriptor)
(25)MH-シリーズ記述子(MH-Series Descriptor)
(26)MH-SI伝送パラメータ記述子(MH-SI Parameter Descriptor)
(27)MH-ブロードキャスタ名記述子(MH-Broadcaster Name Descriptor)
(28)MH-サービス記述子(MH-Service Descriptor)
(29)IPデータフロー記述子(IP Data Flow Descriptor)
(30)MH-CA起動記述子(MH-CA Startup Descriptor)
(31)MH-Type記述子(MH-Type Descriptor)
(32)MH-Info記述子(MH-Info Descriptor)
(33)MH-Expire記述子(MH-Expire Descriptor)
(34)MH-CompressionType記述子
(MH-Compression Type Descriptor)
(35)MH-データ符号化方式記述子(MH-Data Component Descriptor)
(36)UTC-NPT参照記述子(UTC-NPT Reference Descriptor)
(37)イベントメッセージ記述子(Event Message Descriptor)
(38)MH-ローカル時間オフセット記述子(MH-Local Time Offset Descriptor)
(39)MH-コンポーネントグループ記述子(MH-Component Group Descriptor)
(40)MH-ロゴ伝送記述子(MH-Logo Transmission Descriptor)
(41)MPU拡張タイムスタンプ記述子(MPU Extended Timestamp Descriptor)
(42)MPUダウンロードコンテンツ記述子(MPU Download Content Descriptor)
(43)MH-ネットワークダウンロードコンテンツ記述子
(MH-Network Download Content Descriptor)
(44)アプリケーション記述子(MH-Application Descriptor)
(45)MH-伝送プロトコル記述子(MH-Transport Protocol Descriptor)
(46)MH-簡易アプリケーションロケーション記述子
(MH-Simple Application Location Descriptor)
(47)アプリケーション境界権限設定記述子
(MH-Application Boundary and Permission Descriptor)
(48)MH-起動優先情報記述子(MH-Autostart Priority Descriptor)
(49)MH-キャッシュ情報記述子(MH-Cache Control Info Descriptor)
(50)MH-確率的適用遅延記述子(MH-Randomized Latency Descriptor)
(51)リンク先PU記述子(Linked PU Descriptor)
(52)ロックキャッシュ指定記述子(Locked Cache Descriptor)
(53)アンロックキャッシュ指定記述子(Unlocked Cache Descriptor)
(54)MH-ダウンロード保護記述子(MH-DL Protection Descriptor)
(55)アプリケーションサービス記述子(Application Service Descriptor)
(56)MPUノード記述子(MPU Node Descriptor)
(57)PU構成記述子(PU Structure Descriptor)
(58)MH-階層符号化記述子(MH-Hierarchy Descriptor)
(59)コンテンツコピー制御記述子(Content Copy Control Descriptor)
(60)コンテンツ利用制御記述子(Content Usage Control Descriptor)
(61)緊急ニュース記述子(Emergency News Descriptor)
(62)MH-CA契約情報記述子(MH-CA Contract Info Descriptor)
(63)MH-CAサービス記述子(MH-CA Service Descriptor)
(64)MH-外部アプリケーション制御記述子
(MH-External Application Control Descriptor)
(65)MH-録画再生アプリケーション記述子
(MH-Playback Application Descriptor)
(66)MH-簡易録画再生アプリケーションロケーション記述子
(MH-Simple Playback Application Location Descriptor)
(67)MH-アプリケーション有効期限記述子
(MH-Application Expiration Descriptor)
(68)関連ブロードキャスタ記述子(Related Broadcaster Descriptor)
(69)マルチメディアサービス情報記述子(Multimedia Service Descriptor)
(70)MH-スタッフ記述子(MH-Stuffing Descriptor)
(71)MH-放送ID記述子(MH-Broadcast ID Descriptor)
(72)MH-ネットワーク識別記述子(MH-Network Identification Descriptor)
(73)事業者が設定する記述子
<MMT方式におけるデータ伝送と各制御情報の関係>
図10Jに、MMT方式の放送システムにおけるデータ伝送と代表的なテーブルの関係を示す。
MMT方式の放送システムでは、放送伝送路を介したTLVストリームや通信回線を介したIPデータフロー等、複数の経路でデータ伝送を行うことができる。TLVストリームには、TLV-NITやAMTなどのTLV-SIと、IPパケットのデータフローであるIPデータフローが含まれる。IPデータフロー内には一連の映像MPUを含む映像アセットや一連の音声MPUを含む音声アセットが含まれる。さらに、一連の字幕MPUを含む字幕アセット、一連の文字スーパーMPUを含む文字スーパーアセット、一連のデータMPUを含むデータアセット等が含まれても良い。これらの各種アセットは、PAメッセージに格納されて伝送されるMPT(MMTパッケージテーブル)により、パッケージ単位で関連付けられる。具体的には、MPTにパッケージIDと当該パッケージに含まれる各アセットのアセットIDとを関連付けて記載すれば良い。
パッケージを構成するアセットはTLVストリーム内のアセットのみとすることもできるが、図10Jに示したように、通信回線のIPデータフローで伝送されるアセットを含めることもできる。これは、当該パッケージに含まれる各アセットのロケーション情報をMPT内に含めて、放送受信装置100が各アセットの参照先を把握可能とすることにより実現できる。各アセットのロケーション情報としては、
(1)MPTと同一のIPデータフローに多重されているデータ
(2)IPv4データフローに多重されているデータ
(3)IPv6データフローに多重されているデータ
(4)放送のMPEG2-TSに多重されているデータ
(5)IPデータフロー内にMPEG2-TS形式で多重されているデータ
(6)指定するURLにあるデータ
等、様々な伝送経路で伝送される各種データ指定することが可能である。
MMT方式の放送システムでは、さらにイベントという概念を有する。イベントは、M2セクションメッセージに含められて送られるMH-EITが扱う、所謂番組を示す概念である。具体的には、MH-EITに格納されたイベントパッケージ記述子が指し示すパッケージにおいて、MH-EITに格納された開示時刻から、継続時間分の期間に含まれる一連のデータが、当該イベントの概念に含まれるデータである。MH-EITは、放送受信装置100において当該イベント単位での各種処理(例えば、番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理、等)などに用いることができる。
[放送受信装置のチャンネル設定処理]
<初期スキャン>
現行の地上デジタル放送では、送出マスター単位でネットワークIDが異なり、NITに他局の情報が記載されないことが一般的である。したがって、現行の地上デジタル放送に対する互換性を有する、本発明の実施例の放送受信装置100は、本発明の実施例の地上デジタル放送(高度地上デジタル放送、または高度地上デジタル放送と現行の地上デジタル放送とが別階層で同時に伝送される地上デジタル放送)について、受信地点における全受信可能チャンネルをサーチ(スキャン)して、サービスIDに基づくサービスリスト(受信可能周波数テーブル)の作成を行う機能を有する必要がある。なお、MFN(Multi Frequency Network:多周波数ネットワーク)により、同一ネットワークIDを異なる物理チャンネルで受信可能な地域では、基本的に受信C/NまたはBER(Bit Error Rate)の良好なチャンネルを選択してサービスリストに記憶するように動作すれば良い。
なお、本発明の実施例の放送受信装置100の第四チューナ/復調部130Bで受信する高度BSデジタル放送または高度CSデジタル放送では、放送受信装置100がTLV-NITに格納されるサービスリストを取得して記憶すれば良く、サービスリストを作成する必要はない。しがたって、第四チューナ/復調部130Bで受信する高度BSデジタル放送または高度CSデジタル放送については、初期スキャンおよび後述する再スキャンは不要である。
<再スキャン>
本発明の実施例の放送受信装置100は、新規の開局や新中継局設置やテレビ受信機の受信地点変更等の場合に備えた再スキャン機能を有する。既設定の情報を変更する場合、放送受信装置100は、その旨をユーザに報知することが可能である。
<初期スキャン/再スキャン時の動作例>
図11Aに、本発明の実施例の放送受信装置100のチャンネル設定処理(初期スキャン/再スキャン)の動作シーケンスの一例を示す。なお、同図ではメディアトランスポート方式としてMPEG-2 TSを採用する場合の例を示すが、MMT方式を採用した場合も基本的に同様の処理となる。
チャンネル設定処理では、まず受信機能制御部1102が、ユーザの指示に基づいて、居住地域の設定(放送受信装置100の設置された地域の選択)を行う(S101)。このときユーザの指示に替えて、所定の処理により取得した放送受信装置100の設置位置情報に基づいて、居住地域の設定を自動的に行っても良い。設置位置情報の取得処理の例としては、LAN通信部121が接続するネットワークから情報を取得しても良く、デジタルインタフェース部125が接続する外部機器から設置位置に関する情報を取得しても良い。次に、スキャンする周波数範囲の初期値を設定し、前記設定した周波数へのチューニングを行うようにチューナ/復調部(第一チューナ/復調部130Cと第二チューナ/復調部130Tと第三チューナ/復調部130Lを区別しない場合はこのように記述する。以下同様。)に対して指示する(S102)。
チューナ/復調部は、前記指示に基づいてチューニングを実行し(S103)、前記設定した周波数へのロックに成功した場合(S103:Yes)はS104の処理に進む。ロックに成功しなかった場合(S103:No)はS111の処理に進む。S104の処理では、C/Nの確認を行い(S104)、所定以上のC/Nが得られている場合(S104:Yes)はS105の処理に進み、受信確認処理を行う。所定以上のC/Nが得られていない場合(S104:No)はS111の処理に進む。
受信確認処理では、受信機能制御部1102が、まず受信した放送波のBERを取得する(S105)。次に、NITを取得して照合することにより、NITが有効なデータか否かを確認する(S106)。S106の処理で取得したNITが有効なデータである場合、受信機能制御部1102は、NITからトランスポートストリームIDやオリジナルネットワークID等の情報を取得する。また、地上分配システム記述子から各トランスポートストリームID/オリジナルネットワークIDに対応する放送伝送路の物理的条件に関する分配システム情報を取得する。また、サービスリスト記述子からサービスIDの一覧を取得する。
次に、受信機能制御部1102は、受信装置に記憶しているサービスリストを確認することにより、S106の処理で取得したトランスポートストリームIDが既取得であるか否かの確認を行う(S107)。S106の処理で取得したトランスポートストリームIDが既取得ではない場合(S107:No)、S106の処理で取得した各種情報をトランスポートストリームIDと関連付けてサービスリストに追加する(S108)。S106の処理で取得したトランスポートストリームIDが既取得である場合(S107:Yes)、S105の処理で取得したBERとサービスリストに記載済みのトランスポートストリームIDを取得した際のBERとの比較を行う(S109)。その結果、S105の処理で取得したBERのほうが良好な場合(S109:Yes)は、S106の処理で取得した各種情報を以ってサービスリストを更新する(S110)。S105の処理で取得したBERのほうが良好でない場合(S109:No)は、S106の処理で取得した各種情報は破棄する。
また、前述のサービスリスト作成(追加/更新)処理の際に、TS情報記述子からリモコンキーIDを取得し、トランスポートストリームごとの代表的なサービスとリモコンキーとの関連付けを行っても良い。この処理により、後述のワンタッチ選局が可能となる。
受信確認処理を終えると、受信機能制御部1102は、現在の周波数設定がスキャンする周波数範囲の最終値か否かを確認する(S111)。現在の周波数設定がスキャンする周波数範囲の最終値でない場合(S111:No)は、チューナ/復調部に設定された周波数値をアップさせて(S112)、S103~S110の処理を繰り返す。現在の周波数設定がスキャンする周波数範囲の最終値である場合(S111:Yes)は、S113の処理に進む。
S113の処理では、前述の処理で作成(追加/更新)したサービスリストを、チャンネル設定処理の結果としてユーザに提示する(S113)。また、リモコンキーの重複等がある場合にはその旨をユーザに報知し、リモコンキー設定の変更等を行う(S114)ように促しても良い。前述の処理で作成/更新したサービスリストは、放送受信装置100のROM103やストレージ(蓄積)部110等の不揮発性メモリに記憶される。
図11Bに、NITのデータ構造の一例を示す。図中の『transpotrt_stream_id』が前述のトランスポートストリームIDに、『original_network_id』がオリジナルネットワークIDに、それぞれ対応する。また、図11Cに、地上分配システム記述子のデータ構造の一例を示す。図中の『guard_interval』や『transmission_mode』や『frequency』等が前述の分配システム情報に対応する。図11Dに、サービスリスト記述子のデータ構造の一例を示す。図中の『service_id』が前述のサービスIDに対応する。図11Eに、TS情報記述子のデータ構造の一例を示す。図中の『remote_control_key_id』が前述のリモコンキーIDに対応する。
なお、放送受信装置100では、前述のスキャンする周波数範囲を、受信する放送サービスに応じて適宜変更するように制御しても良い。例えば、放送受信装置100が現行の地上デジタル放送サービスの放送波を受信している場合には、470~770MHzの周波数範囲(物理チャンネルの13ch~62chに相当)をスキャンするように制御する。即ち、前記周波数範囲の初期値を470~476MHz(中心周波数473MHz)と設定し、周波数範囲の最終値を764~770MHz(中心周波数767MHz)と設定し、S112の処理では+6MHzの周波数値アップを実施するように制御を行う。
また、放送受信装置100が高度地上デジタル放送サービスを含む放送波を受信している場合には、470~1010MHzの周波数範囲(図7Dに示した周波数変換処理や図8Cに示した周波数変換増幅処理を行っている可能性があるため)をスキャンするように制御する。即ち、前記周波数範囲の初期値を470~476MHz(中心周波数473MHz)と設定し、周波数範囲の最終値を1004~1010MHz(中心周波数1007MHz)と設定し、S112の処理では+6MHzの周波数値アップを実施するように制御を行う。なお、放送受信装置100が高度地上デジタル放送サービスを受信している場合であっても、前述の周波数変換処理や周波数変換増幅処理を行っていないと判断される場合には、470~770MHzの周波数範囲のみをスキャンするように制御すれば良い。スキャンする周波数範囲の選択制御は、放送受信装置100が、TMCC情報のシステム識別および周波数変換処理識別等に基づいて行うことが可能である。
また、本発明の実施例の放送システムが、例えば図7Cに示した構成であって、放送受信装置100が偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスを受信している場合、選局/検波部131Hと選局/検波部131Vの一方で470~770MHzの周波数範囲をスキャンし、他方で770~1010MHzの周波数範囲をスキャンするようにしても良い(当該他方の選局/検波部で検波した偏波で伝送波について周波数変換処理が施されている場合)。TMCC情報のシステム識別および周波数変換処理識別に基づいて、このように制御すれば、不要な周波数範囲におけるスキャンを省くことが可能となり、チャンネル設定に要する時間を縮減することが可能となる。さらに、この場合、選局/検波部131Hと選局/検波部131Vの双方で図11Aの動作シーケンスを並行して進めて、図11Aの動作シーケンスにおける周波数アップS112のループを同期させても良い。このとき、図11Aの動作シーケンスにおける周波数アップのループにおける同タイミングのループにおいて、同一物理チャンネルで伝送されていた水平偏波信号と垂直偏波信号のペアについて、それぞれ並行して受信するように構成すれば、当該水平偏波信号と垂直偏波信号のペアで伝送される高度地上デジタルサービスのパケットストリーム内部の制御情報等をデコードして、当該ループ処理中に取得可能になる。これにより、効率良くスキャンとサービスリストの作成が進むため、好適である。
同様に、放送受信装置100が図8Bに示した構成でさらにチューナ/復調部(選局/検波部)が複数備えられた所謂ダブルチューナの構成(例えば、第三チューナ/復調部130Lを複数備える構成、図8Dに示した構成でも良い)であって、階層分割多重伝送方式の高度地上デジタル放送サービスを受信している場合、前記ダブルチューナの一方で470~770MHzの周波数範囲をスキャンし、他方で770~1010MHzの周波数範囲をスキャンするようにしても良い(周波数変換増幅処理が施されている場合)。このように制御すれば、前述と同様にチャンネル設定に要する時間を縮減することが可能となる。
なお、図8A、図8Bおよび図8Cで説明したとおり、図8Bに示した構成で、上側階層または下側階層のいずれか一方で伝送される地上デジタル放送サービスは、現行の地上デジタル放送サービスである。よって、例えば、470~770MHzの周波数範囲と770~1010MHzの周波数範囲のうち、現行の地上デジタル放送サービスが伝送される周波数範囲について第一チューナ/復調部130Cでスキャンを行い、他方の周波数範囲について並行して第三チューナ/復調部130Lでスキャンを行っても良い。この場合も、上述の第三チューナ/復調部130Lのダブルチューナによる並行スキャンと同様に、チャンネル設定に要する時間を縮減することが可能となる。470~770MHzの周波数範囲と770~1010MHzの周波数範囲のうちいずれにおいて、現行の地上デジタル放送サービスが伝送されているか、高度な地上デジタル放送サービスが伝送されているかは、初期スキャン/再スキャンの動作シーケンスを始める前に、それぞれの周波数範囲について1点ずつ合計2点、例えば、470~476MHz(中心周波数473MHz)と770~776MHz(中心周波数773MHz)の2点について、第三チューナ/復調部130Lで受信を行い、それぞれの周波数で伝送されるTMCC情報を取得して、当該TMCC情報に格納されるパラメータ(例えば、システム識別のパラメータ)を参照することにより識別可能である。
なお、偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスで、例えば、図7Aの階層分割例(1)に示したC階層の4K放送番組のような、水平偏波信号と垂直偏波信号の両方を使用して伝送を行う放送番組を有するチャンネルの場合、470~770MHzの周波数範囲と770~1010MHzの周波数範囲の双方のスキャンで同一のトランスポートIDを検出するが、これは1つのチャンネルとしてサービスリストに記載する。また、同図に示したB階層の2K放送番組の場合、水平偏波信号のB階層と垂直偏波信号のB階層とで同一の放送番組が伝送されている場合には、同一のトランスポートIDを検出しても1つのチャンネルとしてサービスリストに記憶すれば良い。即ち、異なる偏波で伝送される同一階層において、同一の放送番組が伝送されている場合には、1つのチャンネルにマージして認識し、別々のチャンネルとは認識しない。このようにすれば、サービスリストを用いた選局処理において、別チャンネルで全く同一の放送番組が存在することによるユーザの混乱等を回避することができる。
これに対し、偏波両用伝送方式の高度地上デジタル放送サービスで、水平偏波信号のB階層と垂直偏波信号のB階層とで異なる放送番組が伝送されている場合(垂直偏波信号のB階層を仮想D階層として扱う場合)には、異なるチャンネルとしてサービスリストに記憶する。水平偏波信号のB階層と垂直偏波信号のB階層とで同一の放送番組が伝送されているか否かは、放送受信装置100において、TMCC情報の追加階層伝送識別パラメータ等を参照することにより判断すれば識別できる。
[放送受信装置の選局処理]
本発明の実施例の放送受信装置100は、番組選局の機能として、リモコンのワンタッチキーによるワンタッチ選局や、リモコンのチャンネルアップ/ダウンキーによるチャンネルアップ/ダウン選局や、リモコンの10キーを用いた3桁番号の直接入力によるダイレクト選局等の機能を有する。いずれの選局機能も、上述した初期スキャン/再スキャンで生成したサービスリストに記憶される情報を用いて行えば良い。また、選局後は、バナー表示等により選局したチャンネルの情報(ダイレクト選局に用いる3桁番号、枝番、TS名、サービス名、ロゴ、映像解像度情報(UHDやHDやSDの区別等)、映像解像度アップ/ダウンコンバートの有無、音声チャンネル数、音声ダウンミックスの有無、等)を表示する。このようにすれば、ユーザは、選局後のチャンネルの情報を視覚的に得ることができ、所望のチャンネルに選局できたか否かを確認することができる。以下に、各選局方法における処理の一例を記述する。
<ワンタッチ選局の処理例>
(1)リモコンのワンタッチキー押下により、『remote_control_key_id』で指定される『service_id』のサービスを選局する。
(2)ラストモードを設定し、選局後のチャンネル情報表示を行う。
<チャンネルアップダウンボタンによるアップダウン選局の処理例>
(1)リモコンのチャンネルアップ/ダウンキー押下により、ダイレクト選局に用いる3桁番号順の選局を行う。
(1-1)アップキーが押下された場合は、3桁番号の上側隣接サービスを選局する。但し、現在の3桁番号の値がサービスリスト最大値の場合には、最小値の番号のサービスを選局する。
(1-2)ダウンキーが押下された場合は、3桁番号の下側隣接サービスを選局する。但し、現在の3桁番号の値がサービスリスト最小値の場合には、最大値の番号のサービスを選局する。
(2)ラストモードを設定し、選局後のチャンネル情報表示を行う。
<ダイレクト選局の処理例>
(1)ダイレクト選局が選択されると、3桁番号の入力待ち状態となる。
(2-1)所定時間(5秒程度)に3桁番号の入力が完了しない場合は、通常モードに復帰し、現在選局されているサービスのチャンネル情報表示を行う。
(2-2)3桁番号の入力が完了した場合には、受信可能周波数テーブルのサービスリストにそのチャンネルが存在するかを判定し、無ければ『このチャンネルは存在しません』等のメッセージを表示する。
(3)チャンネルが存在する場合には選局処理を行い、ラストモードを設定し、選局後のチャンネル情報表示を行う。
なお、選局動作はSIに基づいて行われるものであり、放送休止中と判断した場合には、その旨を表示してユーザに報知する機能も有して良い。
<放送受信装置のリモコン>
図12Aに、本発明の実施例の放送受信装置100に対する操作指示の入力に使用するリモコン(リモートコントローラー)の外観図の一例を示す。
リモコン180Rは、放送受信装置100の電源オン/オフ(スタンバイオン/オフ)を行うための電源キー180R1と、カーソルを上下左右に移動させるためのカーソルキー(上、下、左、右)180R2と、カーソル位置の項目を選択項目として決定するための決定キー180R3と、戻るキー180R4と、を備える。
また、リモコン180Rは、放送受信装置100が受信する放送ネットワークを切り替えるためのネットワーク切替キー(高度地デジ、地デジ、高度BS、BS、CS)180R5を備える。また、リモコン180Rは、ワンタッチ選局に使用するワンタッチキー(1~12)180R6と、チャンネルアップ/ダウン選局に使用するチャンネルアップ/ダウンキー180R7と、ダイレクト選局の際に3桁番号の入力に使用する10キーと、を備える。なお、同図に示した例では、10キーはワンタッチキー180R6と兼用され、ダイレクト選局の際には直接キー180R8の押下後にワンタッチキー180R6を操作することで3桁番号の入力が可能となる。
また、リモコン180Rは、番組表を表示するためのEPGキー180R9と、システムメニューを表示するためのメニューキー180RAと、を備える。番組表やシステムメニューは、カーソルキー180R2や決定キー180R3や戻るキー180R4により詳細操作が可能である。
また、リモコン180Rは、データ放送サービスやマルチメディアサービス等に用いるdキー180RBと、放送通信連携サービスやその対応アプリの一覧等の表示のための連携キー180RCと、カラーキー(青、赤、緑、黄)180RDと、を備える。データ放送サービスやマルチメディアサービスや放送通信連携サービス等では、カーソルキー180R2や決定キー180R3や戻るキー180R4やカラーキー180RDにより詳細操作が可能である。
また、リモコン180Rは、関連する映像を選択するための映像キー180REと、音声ESの切り替えや二か国語の切り替えのための音声キー180RFと、字幕のオン/オフの切り替えや字幕言語の切り替えのための字幕キー180RGと、を備える。また、リモコン180Rは、音声出力の音量アップ/ダウンのための音量キー180RHと、音声出力のオン/オフの切り替えのための消音キー180RIと、を備える。
<高度地デジキーによるネットワーク切り替えの処理例>
本発明の実施例の放送受信装置100のリモコン180Rは、ネットワーク切替キー180R5として、『高度地デジキー』と『地デジキー』と『高度BSキー』と『BSキー』と『CSキー』を備える。ここで、『高度地デジキー』と『地デジキー』は、高度地上デジタル放送サービスにおいて、例えば、異なる階層で4K放送番組と2K放送番組のサイマル放送が実施されている場合に、『高度地デジキー』押下状態ではチャンネル選択時に4K放送番組の選局を優先し、『地デジキー』押下状態ではチャンネル選択時に2K放送番組の選局を優先するように構成しても良い。このように制御することにより、例えば、4K放送番組の受信が可能な状況下で4K放送番組の伝送波にエラーが多いような場合、『地デジキー』押下を行うことにより、強制的に2K放送番組を選局できる等の制御が可能となる。また、異なる階層で4K放送番組と2K放送番組のサイマル放送が実施されている場合で、4K放送番組の受信が可能な状況下で4K放送番組の伝送波にエラーが多いような場合には、『高度地デジキー』押下状態であっても2K放送番組(選択中の4K放送番組のサイマル)を選局するようにしても良い。
<選局時の画面表示例>
前述のように、本発明の実施例の放送受信装置100は、ワンタッチ選局やチャンネルアップ/ダウン選局やダイレクト選局等によるチャンネル選択を実行した際に、バナー表示等により選局したチャンネルの情報を表示する機能を有する。
図12Bに、選局時のバナー表示の一例を示す。バナー表示192A1は2K放送番組を選局した際に表示されるバナー表示の例であり、例えば、番組名と番組の開始時刻/終了時刻とネットワーク種別とリモコンのダイレクト選局キーの番号とサービスロゴと3桁番号と、を表示すれば良い。また、バナー表示192A2は4K放送番組を選局した際に表示されるバナー表示の例であり、例えば、前述のバナー表示192A1と同様の各情報の他、受信中の番組が4K放送番組であることを示す『高度』を記号化したマークがさらに表示される。また、解像度変換処理やダウンミックス処理等が行われた場合には、その旨を示す表示を行っても良い。バナー表示192A2の例では、一例として、UHD解像度からHD解像度へのダウンコンバート処理および22.2chから5.1chへのダウンミックス処理が行われたことを表示している。
放送受信装置100において、これらの表示を行うことにより、サイマル放送等により同一コンテンツが、2K放送番組と4K放送番組などの異なる品質の放送番組として、同時に放送されている場合に、いずれの放送番組を表示しているかが、ユーザが好適に把握できるようになる。
以上説明した本発明の実施例に係る各機能の一部または全部の機能を有する高度デジタル放送サービスのシステムによれば、現行のデジタル放送サービスとの互換性も考慮した、より高機能な高度デジタル放送サービスの送信技術および受信技術を提供することが可能となる。即ち、高度デジタル放送サービスをより好適に送信または受信する技術を提供することができる。
(実施例2)
[高度な音声信号]
本実施例は、高度な音声信号の取り扱いに関するものである。現行のシステムの音声信号は、スピーカに対応したチャンネルベースの信号である。5.1chのものと22.2chのものがある(ここで「ch」は「チャンネル」の略である)。これに対して、本実施例においては、チャンネルベースの信号の他に、オブジェクトベースの信号とHOA(Higher Order Ambisonics)方式の信号を含んだ音声信号を取り扱う。
オブジェクトベースの信号とは、ナレーターの音声など、右側に配置するか、左側に配置するか等、受信機側で再生位置を変更することができる音声信号である。再生位置は固定せず、ダイナミックに変更しても構わない。
HOA方式の信号とは、音場を球面調和関数の和として展開した信号である。伝送容量に上限があるので、有限次数までの展開を使用する。チャンネルベース信号は標準的なスピーカ配置に対応したマイク位置での収録を基本とするので、標準的或いはそれに近い配置のスピーカ群での音声再生に適している。これに対して、HOA方式では、特定のスピーカ配置とは独立に空間の音場情報を記録する方式のため、任意のスピーカ配置に対応する場合に好適である。
標準的なスピーカ配置の例を図13A、図13Bおよび図13Cに示す。スピーカ群は、図13Aに示すように、設置位置の高さにより、上層、中層、下層の3つのグループに分けられる。そして、それぞれのグループ毎の配置は図13B、図13Cに示されたようになる。図13Bは、22.2chのスピーカシステムの配置であり、図13Cは、7.1chのスピーカシステムの配置である。ch数表示の小数点以下の数字が低周波数用の信号のチャンネル数であり、対応するスピーカはLFE1、LFE2およびLFEである。それ以外の信号のチャンネルをメインチャンネルと呼ぶ。そして、7.1chのスピーカシステムから、上層のスピーカを除いたものが、5.1chのスピーカシステムである。
現行のシステムでは、チャンネルベースの音声信号のチャンネル数と同じスピーカ数のスピーカシステムであればそのまま再生し、スピーカシステムのスピーカ数と異なる場合は、そのスピーカシステムのスピーカ数に合わせてフォーマット変換を行い再生する。特に、スピーカ数の方が音声信号のチャンネル数より少ない場合は、このフォーマット変換をダウンミックスと呼ぶ。フォーマット変換は、音声信号を作成する際に前提としているスピーカシステムの位置と実際のスピーカシステムの位置が異なる場合にも行われる。実際のスピーカの位置から出力されるべき音を各チャンネルの音声信号を重み付けして加算することにより合成する。標準的なスピーカシステムの配置では、想定される視聴者の標準視聴位置に対して、各スピーカは等距離に配置されるので、再生時刻の調整は必要ないが、実際のスピーカが視聴者の位置から等距離に配置されていない場合は、再生時刻の調整も行われて良い。フォーマット変換は次の式1のようになる。
Figure 2024021157000002
ここで、s(ch) n(t)は放送・通信で伝送されるチャンネルベースの音声信号であり、nは信号の番号であり、チャンネルベース信号の信号数はN(ch)である。tは時刻である。p(ch) m(t)はスピーカに入力される音声信号であり、mはスピーカ番号であり、スピーカ数はMである。g(ch) mnはチャンネルベース信号に対する重み付け係数である。Δtmは基準視聴位置から最も遠くにあるスピーカと標準視聴位置間の距離Roからのずれに応じた遅延時間調整の時間である。m番目のスピーカの位置と標準視聴位置間の距離をRmとし、音速をcとすると、Δtmは次の式2で与えられる。
Figure 2024021157000003
次に、高度な音声信号の場合は、オブジェクトベースの信号とHOA方式の信号とが含まれるが、それぞれ、チャンネルベース信号のフォーマット変換式と同様に、伝送された信号を重み付けして加算することにより、式3および式4に示すように、スピーカに入力する信号に変換される。
Figure 2024021157000004
Figure 2024021157000005
ここで、記号の意味はチャンネルベース信号と同じであり、上付きの文字が(ch)であればチャンネルベース信号に対する記号であることを表し、(obj)はオブジェクトベース信号に対するもの、(HOA)はHOA方式の信号に対するものであることを表す。これらを含めて、高度な音声信号を扱うシステムにおいては、スピーカシステムに入力される音声信号pm(t)は次の式5で与えられる。
Figure 2024021157000006
ここで、重み付け係数g(*) mnは、スピーカ配置と標準視聴位置の関係で決まるが、オブジェクトベース信号に関する重み付け係数g(obj) mnは、個々のオブジェクトの再生位置も考慮に入れて決定される。なお、全ての信号に共通する内容に関しては、記号の上付き文字(*)を使って表現している。
ヘッドフォンで音声を聞く場合も、M=2として、上記のフォーマット変換を行う。但し、ヘッドフォンの場合、視聴者の顔の向きにより、受信機画面に対する音声出力部の位置が変わるので、その要素も考慮して重み付け係数g(*) mnが決定される。ヘッドフォンを使用する場合の放送受信装置100との位置関係を図14Aに示す。左右の音声出力部をつなぐ線分の中点がこの場合の視聴位置になる。なお。通常のヘッドフォンの場合は音声出力部は左右対称に作られるのでΔtm=0である。
音声信号により作られる音場は、受信機画面の中央方向を基準方向とする基準座標系を前提としている。一方、ヘッドフォンの音声出力部は、ユーザの頭部の回転によりこの基準座標系内でその位置を変える(図14B)。従って、ヘッドフォンの音声出力部への入力信号を合成するための重み付け係数g(*) mnは、その時点でのヘッドフォンの音声出力部の基準座標系内での位置を考慮して計算される。ヘッドフォンの音声出力部の位置は、例えば、ユーザ入力により、ユーザが受信機画面の中央を向いている位置を記録し、その後のユーザの顔の向きの変化をヘッドフォンに搭載したジャイロセンサ等で検出することにより得ることができる。なお、図14Bでは、平面上の配置を示したが、高さ方向の位置を考慮しても構わない。
次に音声デコーダの構成例を示す。この音声デコーダは、全体構成の中では、図2F、図2Gの音声デコーダ146S,146Uに組み込まれるものである。伝送される音声信号がチャンネルベース信号だけである場合の音声デコーダ10000の構成例を図15Aに示す。まず、放送や通信で多重化されて伝送されてきた音声ビットストリームをコアデコーダ10001によりチャンネル別の信号に復号する。次に、フォーマット変換器10002により、上述のフォーマット変換を行い、スピーカ用の音声信号とヘッドフォン用の音声信号とを出力する。外部機器への出力は無線で行っても良い。
図15Bは高度な音声信号に対応した音声デコーダ10100の構成例である。高度な音声信号の場合は、まず、放送や通信で多重化されて伝送されてきた音声ビットストリームをコアデコーダ10101により各信号に復号する。ここで、各信号とは、チャンネルベース信号、オブジェクトベース信号およびHOA方式信号である。高度な音声信号の場合も外部機器への出力は無線で行っても良い。
[チャンネルベース信号の処理]
まず、チェンネルベース信号の処理について説明する。チャンネルベース信号については、現行の音声信号と同様に、フォーマット変換器10102により、スピーカ配置に応じて式1により各スピーカ向けの信号に変換される。同時に、チャンネルベース信号はヘッドフォン用の信号にも変換される。スピーカの配置情報は、受信機に保存されている配置情報を使用する。
スピーカの配置情報の例を図16に示す。配置情報は、スピーカを区別する番号に対応して、スピーカの種類(メインチャンネル用か、低周波数チャンネル用か)、方位位置、高さ方向の位置(仰角、伏角)、視聴者頭部位置からの距離で構成される。ここで、方位位置とは、視聴位置から見て正面方向を0°として、正の値が左方向に回った方向で、負の値が右方向に回った方向である。また、高さ方向の位置とは、視聴者頭部の位置から見て、水平方向を0°として、正の値が仰角を表し、負の値が伏角を表す。これらの情報とチャンネルベース信号の構成により、上述の重み付け係数g(ch) mnが設定される。また距離情報によりΔtmの遅延時間調整を行うが、距離情報がない場合は、遅延時間調整は行わない。なお、ここでのスピーカの配置情報は、極座標表示で行っているが、直交座標による表示を行っても構わない。
このスピーカ配置情報は、5.1chスピーカシステム等の標準的な配置情報を用いても良いし、受信機特有のスピーカ配置情報であっても良い。また、受信機ユーザがカスタマイズしたスピーカシステムの配置情報であっても良い。その際、ユーザカスタマイズの配置情報は、番組視聴前に登録を行い、どの配置情報を用いるか、ユーザが設定できるようにする。また、受信機に備わったスピーカシステムとユーザがカスタマイズしたスピーカシステムを切替えて使用できるようにしても良い。さらにまた、番組毎に使用するスピーカシステムを予約設定しても良い。或いは、番組の種別毎、時間帯毎、視聴者毎に使用するスピーカシステムを設定しておいても良い。番組内容や、その時の視聴環境に応じた音声再生が可能となり、ユーザにとっての利便性が向上する。
ここで、標準的な信号構成である22.2chのチャンネルベース信号を、標準的なスピーカ配置である5.1chのスピーカシステムに出力する場合の重み付け係数の例を以下に示す。フォーマット変換式を次のように表す。
C’=FC+g1*FLc+g1*FRc+g3*(TpFC+g4*TpC+BtFC) (式6)
L’=FL+g1*FLc+g2*SiL+g3*(TpFL+g2*TpSiL+BtFL) (式7)
R’=FR+g1*FRc+g2*SiR+g3*(TpFR+g2*TpSiR+BtFR) (式8)
Ls’=BL+g5*BC+g2*SiL+g3*(TpBL+g5*TpBC+g2*TpSiL+g4*TpC) (式9)
Rs’=BR+g5*BC+g2*SiR+g3*(TpBR+g5*TpBC+g2*TpSiR+g4*TpC) (式10)
LFE’=g6*(LFE1+LFE2) (式11)
上記のg1,g2,g3,g4,g5,g6が重み付け係数(ダウンミックス係数)であり、図17Aにデフォルト値を示す。このダウンミックス係数は、音声信号のメタデータとして伝送されるが、受信するまでは、デフォルト値を用いる。この変換式および重み付け係数のデフォルト値はチャンネルベース信号のみの音声信号を取り扱うシステムで使用するものと同じである。システム間で処理を共通化することにより、信号処理部を共通化することも可能となり、共用受信機の場合、システム全体の規模低減につながる。
5.1chよりチャンネル数の大きい音声信号から2chのスピーカシステムに出力する信号に変換する場合は、一旦5.1chの信号にダウンミックスした後、2ch用の信号にダウンミックスする。この5.1chから2chへのダウンミックスの変換式の例を下記に示す。
Lt’=L+g7*C+g8*Ls (式12)
Rt’=R+g7*C+g8*Rs (式13)
上記のg7,g8が重み付け係数(ダウンミックス係数)であり、図17Bにデフォルト値を示す。このダウンミックス係数は、音声信号のメタデータとして伝送されるが、受信するまでは、デフォルト値を用いる。この変換式および重み付け係数のデフォルト値はチャンネルベース信号のみの音声信号を取り扱うシステムで使用するものと同じである。システム間で処理を共通化することにより、信号処理部を共通化することも可能となり、共用受信機の場合、システム全体の規模低減につながる。
次に、視聴時に使用するスピーカシステムの設定方法について説明する。使用するスピーカシステムは、受信機組み込みの内蔵スピーカ、有線接続の外部スピーカ、無線接続の外部スピーカ等がある。リモコン操作(例えば矢印ボタンによる選択)で使用スピーカの選択を行っても良いし、スマートホン等の連携端末で行っても良い。スピーカ設定の選択メニューの例を図18に示す。図18では、「外部スピーカ1」のシステムを選択しているところを表している。外部スピーカシステムとの接続は、有線接続と無線接続が混在していても構わない。また、ユーザ定義とは、各システムのスピーカを組合せたスピーカシステムである。例えば、内蔵スピーカに拡張用の外部スピーカを組合せたシステムである。選択メニューを準備することにより、視聴者の好み、その時の視聴環境により最適なスピーカシステムの選択が簡便に行え、視聴者の利便性が向上する。
上記のスピーカシステムを使用する際には、図16の配置情報が必要である。この配置情報は、視聴者自身が入力しても良いが、受信機メーカやスピーカメーカのサイトよりダウンロードしても構わない。この配置情報のダウンロードは、スピーカシステムの型番等の識別情報の入力を受けて受信機が行なっても良い。或いは、スピーカ本体に記録された配置情報を受信機に送信しても良い。さらにまた、受信機とスピーカとの連携動作により、実際のスピーカの配置状態を計測して配置情報を作成および修正しても良い。配置状態の計測は、例えば、受信機或いはスピーカまたは双方に備えられたカメラ、UWB(Ultra Wideband)等の測距デバイスを用いても良い。計測やユーザ入力により配置情報を変更した場合、視聴中であっても重ね合わせ係数を変更しても良いし、番組の切れ目、音声出力の切れ目、チャンネル変更時を待って重ね合わせ係数を変更しても良い。スピーカシステムの配置情報が適切に設定、処理されることにより、音声再生の状態が良好となる。
さらにまた、外部スピーカシステムを用いる場合、フォーマット変換に用いる重み付け係数を外部から与えても構わない。この重み付け係数はユーザ自身で入力しても良いし、スピーカシステムから通信により受信機に入力しても良いし、サーバから受信機が取得しても構わない。
外部スピーカシステムの場合、スピーカシステム側で音声変換機能を備えている場合がある。その場合、受信機は、スピーカシステム側からの要求により、スピーカシステムに出力する信号を調整しても良い。出力する信号における調整とは、例えばチャンネルベース信号のチャンネル数、オブジェクトベース信号の信号数、HOA方式信号の信号数、それらの再生に必要なメタデータの範囲等の調整である。番組により、出力できる信号に制限がある場合(例えばチャンネル数)は、番組毎に出力信号の調整を行っても良い。また、外部スピーカシステムが音声ビットストリームのデコーダも備える場合は、図15Bに示すビットストリーム出力制御器10106を通して、音声ビットストリームを外部接続のスピーカシステムに出力しても構わない。適切に出力信号を調整することにより、音声出力の動作が保証される。
[オブジェクトベース信号の処理]
次にオブジェクトベース信号の処理について説明する。オブジェクトベース信号は、音源別の信号であり、コアデコーダ10101により、ビットストリームの信号から音源毎の信号に分離する。続いて、付随した再生位置情報を元に、オブジェクトレンダラー10103により、スピーカ毎の出力信号が計算される。その際、実際のスピーカシステムの配置情報も考慮される。スピーカ毎の出力信号を計算する際、直接計算しても良いし、一旦22.2chの標準的なスピーカシステムへの出力信号を計算し、その後、チャンネルベース信号のフォーマット変換に合わせて、実際のスピーカシステムへの出力信号を計算しても良い。これにより、一部の処理の共通化ができる。
また、外部スピーカを用いる場合、スピーカへの出力信号を計算するための重み付け係数を外部から与えても構わない。この重み付け係数の設定はユーザが行なっても構わないし、スピーカシステムとの通信で取得しても構わないし、サーバから取得しても構わない。この際、重み付け係数は、音源位置によっても変わるので、表形式、或いは関数形式で与えられる。或いは、音源位置を考慮した22.2ch用の信号までは受信機内部の処理で行われることを前提に、22.2ch用の信号から外部スピーカ用の信号に変換する変換係数のみを与えることでも良い。
オブジェクトベース信号は、視聴者が音源の再生位置を指定できるものと、できないものに分かれる。音源毎にこの位置指定と指定位置変更の可否がメタデータとして伝送され、受信機はその可否の指定により処理を変える。受信機には、オブジェクトベース信号毎に再生位置設定をユーザに対して許可するかどうかの情報が記述されたパラメータが伝送される。図19がメタデータの例である。図19では、音源として、ナレーション、ボーカルおよびギターの3種類の音源がある場合を示している。
この例では、ナレーションの音声は、位置変更可能としており、また、差し替え用の音源も用意してある。差し替え用の音源はsub-IDで区別する。例えば、sub-IDがaのものは日本語、bは英語、cはフランス語である。日本語をデフォルトとし、ユーザの指示を受けて他の言語に差し替える。ユーザ指示は、番組毎に行っても良いし、常に特定の言語に差し替える、という設定を行っておいても良い。差し替え用の信号は、汎用のユーザ領域を用いて伝送されていても良い。
ナレーション音声のデフォルトの再生位置は、標準的なスピーカシステム、例えば22.2chシステムの、スピーカ毎の出力レベルで設定しても良いし、標準的な視聴者位置から見た方向として設定しても良い。図20A、図20Bおよび図20Cに、再生位置のデータ例を示す。まず、再生位置を表現する形式を示すデータ種別を設定する。再生位置の表現形式としては、スピーカの出力レベルで示す(図20A)、標準視聴位置を原点とする極座標で示す(図20B)、標準視聴位置を原点とする直交座標で示す(図20C)等がある。図20Aでは、2つのスピーカの出力レベルを示しているが、3つ以上のスピーカの出力レベルを設定しても良い。図20Bの極座標表示とは、原点から見た方位角と仰伏角と原点からの距離の組合せであり、方位角とは、原点から見て画面中央に向かう方向が0°の方位であり、左方向に回る方位を正の角度とする。また、仰伏角とは原点から見て上下方向の角度を意味し、正の角度が仰角であり、負の角度が伏角である。図20Cの直交座標表示とは、画面に平行に右向きの方向をX軸の正方向とし、画面に垂直に原点から画面に向かう方向をY軸の正方向とし、鉛直上方向をZ軸の正方向とする。次に、プリセットデータ数を設定し、そのプリセットデータを設定する。プリセットデータについては、プリセットデータ1がデフォルトの再生位置であり、ユーザ指示により、他のプリセットデータに変更する。或いは、ユーザ指示により、ユーザが定義する再生位置を用いることができる構成としても良い。
オブジェクトベース信号の再生位置の設定例として、図21に、ユーザによるナレーション音声の再生位置の選択例を示す。設定画面では、プリセットされている位置をボタンで示し、リモコンの矢印キーで選択する。図では左の位置が選択されている状態を表す。遠近方向の選択を行えるようにしても良い。また、ボタン選択状態に対応したナレーション音声を再生しても良い。さらに、ナレーションの音量も独立に設定できるようにしても良い。例えば、ナレーション用の音量設定画面にて、リモコンの音量変更ボタンにより設定する。
図22に、ユーザによるナレーション位置の設定例を示す。この例は、プリセット位置からの選択ではなく、予め定められた範囲内で自由に再生位置を設定する場合の例である。図中の黒丸が設定位置を表し、ユーザは、リモコンの矢印ボタンで位置を調整する。ナレーションの音量設定については、図21と同様である。ユーザが設定できる範囲については、音源の種類毎に設定してもよく、設定用スケールの表示はユーザが設定できる範囲に限定しても良い。また、再生位置により大音量になってしまう可能性がある場合は、音量設定の範囲も制限を加えても良い。以上のようにオブジェクトベース信号の再生位置、音量を変更できることにより、ユーザにとって、より好適な音声再生が実現できる。
次に、ボーカルや、ギターなど、画像に合わせた再生位置で再生することが望ましい音源について説明する。これらの音源の再生位置は、ユーザによる変更を禁止し、フラグでもそのように設定する。そしてこれらの音源の再生位置は、再生時刻毎の音声位置を記録したストリームデータとして伝送される。このように再生位置がストリームデータとして与えられる場合、図19の再生位置の情報は、ストリームデータを示す情報となる(図23)。図23におけるデータ種別は再生位置の表現形式を表し、「4」「5」「6」は、再生位置がストリームデータとして与えられることを表す。さらに「4」は、再生位置の指定として、スピーカ出力レベルの指定を用いることを表し、「5」は極座標表示、「6」は直交座標表示を表す。図24Aが、再生位置をスピーカの出力レベルで指定するストリームデータの例であり、図24Bが、再生位置を極座標表示で指定するストリームデータの例であり、図24Cが、再生位置を直交標表示で指定するストリームデータの例である。ストリームデータ上の再生時刻については、任意に設定しても良いし、番組画像のフレームに同期させても良い。また、全体の音量調節とは別に、音源毎の音量調節を行っても良い。このように、音源毎に再生位置、音量を指定することにより、音像定位に優れ、ユーザの嗜好に合った音声再生が可能となる。
[HOA方式信号の処理]
次に、HOA方式信号の処理について説明する。HOA方式の信号は、音場を0次からある次数までの球面調和関数で展開した信号である。球面調和関数の次数は、非負整数でありn次の球面調和関数は2n+1個ある。従って、n次までの球面調和関数で展開したHOA方式の信号数は(n+1)2個となる。展開に使用する球面調和関数の最高次数とHOA方式信号の信号数を図25にまとめる。ここでは、展開に使用する球面調和関数の最高次数をHOA方式信号の次数と呼ぶことにする。図を見て分かるように、HOA方式信号の信号数は、次数が上がるにつれ急激に大きくなる。22.2chのスピーカシステムに対応するチャンネルベース信号の信号数が24個であるので、25個の信号数からなる4次のHOA方式の信号が大体これに匹敵する情報量となる。
HOA方式の信号は、まず、コアデコーダ10101により球面調和関数で展開した形の信号に分離され、続いてスピーカの配置情報を元にHOA方式専用のデコーダ10104を用いてスピーカへ出力する信号に変換される。この変換は、直接使用するスピーカシステムへの出力信号を生成しても良いし、一旦22.2ch用の信号に変換した後、チャンネルベース信号の変換に合わせて変換を行っても良い。これにより、一部の処理の共通化ができる。
また、外部スピーカを用いる場合、スピーカへの出力信号を計算するための重み付け係数を外部から与えても構わない。この重み付け係数の設定はユーザが行なっても構わないし、スピーカシステムとの通信で取得しても構わないし、サーバから取得しても構わない。
ところで、このHOA方式信号とチャンネルベース信号の違いは、視聴空間における情報の密度の違いである。HOA方式信号は、情報密度は等方的で一様であるのに対して、チャンネルベース信号は、スピーカが多く配置される正面方向の情報密度が高い。通常視聴環境では、チャンネルベース信号の音声再生で問題ないが、標準のスピーカ配置から大きく異なるスピーカシステムや、空間内での方向が大きく変わり得るヘッドフォンの場合は、HOA方式信号を用いた方がより好適な再生音声を楽しむことができる。特に、ヘッドマウントディスプレイでの視聴を行う番組においては、360°の空間での映像を見るために音声の情報量は等方的であることが望ましいので、HOA方式の信号を用いることが望ましい。
このHOA方式信号と、チャンネルベース信号は、視聴を行うシステムにより、またユーザの嗜好によりどちらか選択できるようにした方が望ましい。図26に、出力デバイス毎の音声信号の選択画面を示す。図26では、チャンネルベース信号を「正面重視型」、HOA方式信号を「全方位型」と表現しており、スピーカはチャンネルベース信号を選択し、ヘッドフォンはHOA方式信号を選択していることを示している。この設定は、番組毎に行っても構わないし、番組によらず共通の設定でも良い。また、デフォルトの設定として、スピーカに対してはチャンネルベース信号を用い、ヘッドフォンに対してはHOA方式の信号を用いることとしても良い。また、番組で、その出力デバイスに対して設定された信号が提供されない場合は、他の信号を用いる、という処理を行っても良い。
HOA方式の信号は、次数が高いほど精密な音場再生が可能となるが、放送による伝送容量には、限りがあるので、球面調和関数の展開形において、低次数の信号は放送で伝送し、高次数の信号はインターネット経由で伝送する、という方法でも良い。例えば、0次から4次までは放送で伝送して、5次以上の信号はインターネット経由で伝送する、という方法である。何らかの事情でインターネット経由の信号が途絶えても、音声が全くなくなるわけではないので、大きな障害とはならない。また、インターネット経由の信号は、放送開始前に一括して受信機にダウンロードしておいても構わない。このようにすれば視聴中のインターネット障害の影響を排除できる。
或いは、放送ではHOA方式の信号は伝送せず、インターネット経由のみでHOA方式の信号を伝送する方法でも良い。インターネットの障害でHOA方式の信号が途絶えた場合は、チャンネルベース信号を代わりに用いることにすれば、音声が全くなくなることにはならない。この場合もインターネット経由の信号は、放送開始前に一括して受信機にダウンロードしておいても構わない。このようにすれば視聴中のインターネット障害の影響を排除できる。
音声信号の一部をインターネット経由で伝送する方式は、チャンネルベース信号やオブジェクトベース信号に用いても構わない。例えば、チャンネルベース信号では、22.2chに対応した24チャンネルの信号を放送で伝送し、追加するチャンネルをインターネットで伝送しても良い。これにより、情報密度をより等方的とし、HOA方式の信号の代替にすることもできる。また、オブジェクトベース信号では、複数の音源別の信号のうち、一部の信号をインターネットで伝送しても良い。以上、色々な信号の伝送パターンを説明したが、これにより、様々な視聴環境、ユーザの嗜好に対応することができ、好適な音声再生を実現することができる。
[連携機器への随伴出力]
上記での音声出力は、内部スピーカシステムであれ、外部スピーカシステムであれ、主として使用するシステムへの音声出力を行うことを前提としていた。しかし、複数人で使用する場合等、ユーザによっては、自分だけ違う副音声を聞きたい、という希望もある。そのような希望に答えるため、主たるシステムに追加して、別の出力デバイスで音声再生を行うことをしても構わない。例えば、連携デバイスとして手持ちのスマートホン等で副音声を聴く。その際の出力デバイスは、スピーカ、通常のイヤホンまたはオープンエア型のイヤホン等、適宜選択して良い。
図27に、連携機器であるスマートホン10300において、スマートホンで再生する音声を選択する例を示す。onが再生を表し、offが非再生を表す。再生と非再生とは、ユーザの嗜好に従って切替えられる。ここで、全体音声というのは、チャンネルベース信号の音声であり、個別音声というのはオブジェクトベース信号の音声である。例えば、スポーツ番組の際、オブジェクトベース信号で伝送される、中立的な実況音声と、どちらかのチームのファンの立場からの実況音声を選択することも可能である。全体音声は観客の音声等であるが、ユーザの嗜好に従って、受信機で再生しても、個別の連携機器で再生しても良い。また選択できる音声の設定はこの例に限定されることなく、適宜に選んで良い。このようにユーザ近傍の再生機器による音声再生を自由に選択できることにより、よりユーザの嗜好にあった音声再生が可能となる。
[音声信号に関する表示]
伝送される音声信号に関する表示例についての説明をする。まず、図28Aに、伝送される信号数と信号取得先に関するパラメータの例を示す。チャンネルベース信号、オブジェクトベース信号、HOA方式信号のそれぞれにおいて、信号数とインターネット取得の場合の取得先アドレス(URL)を記述するパラメータがある。インターネットによる伝送を組み合わせることにより、伝送容量の限られた放送による伝送の補完が可能となる。
図29Aに、電子番組表の番組毎に、伝送される音声信号の表示をした例を示す。図29Aでは、音声信号の種別毎に信号数を示す。図29Aにおいて括弧内の信号はインターネット経由で取得される信号を表す。もしも、インターネットからの情報取得ができない状態になっている場合は、そのことが分かる表示にする。図29Bに、インターネットからの情報取得ができない状態の時に、インターネット経由で伝送される音声信号に関して、取り消し線を重畳して表示する例を示す。或いは、情報取得ができない場合は、インターネット経由の音声信号については表示を行わない、ということでも良い。さらに、電子番組表には、ユーザが再生を選択することのできる音源について説明情報を記載しても良い。以上のように番組毎の音声信号の構成を表示することにより、ユーザにその番組音声の充実度が分かり、番組選択における補助情報とすることができる。また、番組開始前に、その番組視聴時に使用する音声再生の設定を予約できるようにしても良い。さらに、よく使用する設定については、設定内容を受信機に記録し、その記録を呼び出すことにより、番組視聴時や予約時の音声再生設定を簡便に行えるようにしても良い。これにより、ユーザの使い勝手が向上する。
スピーカシステムの選択や、再生している信号源の種別、信号数は、画面に表示しても良い(図30)。表示は、常に行っても良いし、電源投入時、チャンネル変更時、状態の変更時のみに予め定めた時間表示することでも良い。また、この表示はユーザにより禁止されても良い。このように、現状の状態が示されることにより、ユーザが状態把握を適切に行うことができる。
[ヘッドフォンによる視聴]
特殊なヘッドフォンでは、ユーザ頭部の音の伝達特性を考慮して音声信号に処理を加えるものがある。この処理は外部機器で行っても良いし、図15Bに示すミキサーおよび分配器10105に処理機能を持たせて受信機で行っても良い。その際、処理に必要なプログラムや、パラメータ等は、ヘッドフォンメーカのサーバより取得しても良い。これにより、より精密な音声再生が実現できる。
[緊急放送時の処理]
緊急放送時の場合は、確実に緊急放送内容がユーザにより認識できるように、緊急放送が開始された時点で、音声再生に関するユーザ設定は全て無効とし、緊急放送視聴用の設定に変更する。緊急放送が終了した後は、緊急放送開始前のユーザ設定に戻すようにする。これにより、ユーザの嗜好に対する変更を最低限に抑えた上で確実に緊急放送の内容を伝達することができる。
[例外処理]
いくつかの例外処理について説明する。まず、受信機の電源投入時またはチャンネル変更時であるが、標準的に使用するスピーカシステムを使用することにしても良いし、電源を落とす前或いはチャンネルを変更する前に使用していたスピーカシステムを使用することにしても良い。さらに、電源投入時、或いはチャンネル変更時に受信する番組に対して使用するスピーカシステムが設定されている場合には、そのスピーカシステムを使用する。標準的に使用するスピーカシステムは、受信機固有のもであっても良いし、ユーザが設定したものでも良い。
外部スピーカシステムを使用する場合に、外部スピーカシステムの電源が落ちていることを検出した場合は、その旨画面に表示し、内部スピーカ等、切替えたスピーカシステムを表示する。以上のように、例外処理を設定しておくことにより、ユーザの視聴状態を良好に保つことができる。
[著作権保護処理]
次に、本実施例に係る放送システムにおける著作権保護処理(コンテンツ保護処理)について、説明する。
[著作権保護機能]
本実施例のデジタル放送システムにおいて、MPEG-2 TSの番組配列情報(例えば、PMT)やMMTのMPTなどの制御情報に、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)などのコンテンツのコピー制御を示す制御情報を格納して、放送局側から放送受信装置100へ伝送する。第1の制御情報(digital_recoding_control_data)は、例えば、2ビットのデータであり、00であれば『制約条件なしにコピー可能』を示し、10であれば『1世代のみコピー可』を示し、11であれば『コピー禁止』を示すように構成すれば良い。なお、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が00で『制約条件なしにコピー可能』である場合に、他の1ビットの制御情報と組み合わせて、『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』と『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理不要』の2種類の状態を識別するようにしても良い。また、第2の制御情報(copy_restriction_mode)は、例えば、1ビットのデータであり、0であれば『1世代のみコピー可』を示し、1であれば『個数制限コピー可』を示すように構成すれば良い。なお、『個数制限コピー可』とは、所定回数のコピーを許可するコピー制御状態であり、例えば、9回コピー可+ムーブ1回可であれば、いわゆる『ダビング10』となる。なお、第2の制御情報(copy_restriction_mode)は、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が10であれば『1世代のみコピー可』を示す場合のみ機能する。すなわち、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が10であれば『1世代のみコピー可』を示す場合に、コンテンツのコピー制御が、『個数制限コピー可』であるか、『1世代のみコピー可』であるかを識別するための制御情報である。したがって、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が00であり『制約条件なしにコピー可能』を示す場合、および第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が11であり『コピー禁止』を示す場合は、第2の制御情報(copy_restriction_mode)は0または1のいずれを示している場合でも、放送受信装置100はコピー制御の識別に用いない。すなわち、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が00であり『制約条件なしにコピー可能』を示す場合、および第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が11であり『コピー禁止』を示す場合は、第2の制御情報(copy_restriction_mode)は放送受信装置100においてDon’t_Care状態として扱われる。この場合、本実施例の放送受信装置100は当該第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)に応じて、当該コンテンツのストレージ(蓄積)部110への蓄積、リムーバブル記録媒体への記録、外部機器への出力、外部機器へのコピー、外部機器へのムーブ処理などを制御するように構成しても良い。なお、蓄積処理の対象は放送受信装置100内部のストレージ(蓄積)部110のみならず、放送受信装置100のみで再生可能となるように暗号化処理等の保護処理を施した記録を含んでも良い。具体的には、蓄積処理の対象には外付けの記録装置などのうち、放送受信装置100のみで記録再生可能な状態にしたものなどが含まれる。
当該第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)などの制御情報に基づく映像コンテンツの処理の具体例を以下に説明する。
まず、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)により『制約条件なしにコピー可能』を示すコンテンツについて、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110への蓄積、リムーバブル記録媒体への記録、外部機器への出力、外部機器へのコピー、外部機器へのムーブ処理を制限なしに行って構わない。ただし『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』と『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理不要』とが分かれている場合は、『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』の際には、ストレージ(蓄積)部110への蓄積、リムーバブル記録媒体への記録、外部機器への出力、外部機器へのコピー、および、外部機器へのムーブ処理を回数に制限なく行うことができるが、何れも暗号化処理を施す必要がある。
また、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)の組み合わせにより『1世代のみコピー可』を示すコンテンツについて、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110への暗号化しての蓄積を可能とするが、蓄積後のコンテンツを外部機器へ視聴用に出力する場合には、『再コピー禁止』のコピー制御情報とともに暗号化して出力することとする。ただし、外部機器へのいわゆるムーブ処理(外部機器へコンテンツをコピーし、放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110内のコンテンツは消去処理などにより再生不能化する処理)は可能とする。
また、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)の組み合わせにより『個数制限コピー可』を示すコンテンツについて、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110へ暗号化して蓄積することを可能とするが、蓄積後のコンテンツを外部機器へ視聴用に出力する場合には、『再コピー禁止』のコピー制御情報とともに暗号化して出力することとする。ただし、外部機器へ予め定められた数のコピーとムーブ処理を可能として良い。いわゆる『ダビング10』規定の場合は、外部機器へ9回のコピーと1回のムーブ処理を行って良い。
また、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)により『コピー禁止』を示すコンテンツについて、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110へのコピーを禁止する。ただし、放送受信装置100は予め定められた所定時間または放送信号に含まれる制御情報により指定される所定時間のみストレージ(蓄積)部110への保持を可能とする『一時蓄積』モードを有するように構成する場合には、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が『コピー禁止』を示す場合であっても、ストレージ(蓄積)部110への当該コンテンツの一時的な保持を可能とする。MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)が『コピー禁止』の当該コンテンツを外部機器への視聴用として出力する場合には、『コピー禁止』のコピー制御情報とともに暗号化して出力することとする。
なお、前述の外部機器への視聴用の出力は、図2Aの映像出力部193、或いは、デジタルI/F部125やLAN通信部121などを介して行えば良い。前述の外部機器へコピーまたはムーブ処理は、図2AのデジタルI/F部125やLAN通信部121などを介して行えば良い。
以上説明した処理によれば、映像コンテンツと対応付けられたコピー制御情報に応じて、適切なコンテンツ保護を実現することができる。
次に、当該コピー制御情報に基づく音声コンテンツの処理の具体例を以下に説明する。既に説明したとおり、本実施例のデジタル放送システムでは、高度な音声信号が含まれる音声コンテンツを送受信することが可能である。したがって、本実施例の放送受信装置100は、当該高度な音声信号が含まれる音声コンテンツに対応する、より好適な著作権保護処理(コンテンツ保護処理)を行う機能を搭載することが望ましい。
まず、図28Bに、本実施例のデジタル放送システムにおいて、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる音声コンポーネント記述子(audio_component_descriptor)のデータ構造を示す。図28Bの音声コンポーネント記述子は、本実施例のデジタル放送システムで伝送されるコンテンツの音声コンポーネントに関する各種情報を記述するデータが格納されている。このうち、図28Bに示す、component_type(コンポーネント種別)のデータに、対象コンテンツに含まれる音声コンポーネントの音声コンポーネントの種類の情報を格納することが可能である。なお、図28Bに示すcomponent_typeのデータ表記には、「音声」は示されていないが、音声コンポーネント記述子に格納される、component_typeであるため、これは、すなわち音声コンポーネント種別を示す情報を格納するデータであるといえる。
次に、図28Cを用いて、本実施例のデジタル放送システムにおいて伝送可能な、音声コンポーネント種別のデータの値について説明する。
図28Cには、音声コンポーネント種別のデータにおける一部のビットにより示すことが可能な音声信号の種類の一覧が示されている。例えば、00000~10001などには、従来のデジタル放送で用いられた定義と同様の定義が用いられている。これらの定義の中に、シングルモノ(シングルモノラル)や、ステレオ、5.1ch、7.1ch、22.2chなど、比較的ポピュラーな音声信号の定義も含まれている。なお、図28Cに示すLFE(Low Frequency Effect)とは、低音増強用チャンネルを示すものである。
さらに、本実施例に係る音声コンポーネント種別のデータでは、音声コンポーネント種別のデータにおける一部のビットにより示すことが可能な音声信号の種類として、新たに10010~11010の定義を追加する。具体的には、図28Cに示すとおり、データ10010として、7.1chに上方に配置される4チャンネルを加えた7.1.4chを定義する。データ10011として、7.1.4chに4つのオブジェクト信号を含めた7.1.4ch+4objを定義する。データ10100として、7.1.4chに6つのオブジェクト信号を含めた7.1.4ch+6objを定義する。データ10101として、22.2chに4つのオブジェクト信号を含めた22.2ch+4objを定義する。データ10110として、信号数が1のHOA方式信号である、HOA1を定義する。データ10111として、信号数が4のHOA方式信号である、HOA4を定義する。データ11000として、信号数が9のHOA方式信号である、HOA9を定義する。データ11001として、信号数が16のHOA方式信号である、HOA16を定義する。データ11010として、信号数が25のHOA方式信号である、HOA25を定義する。
本実施例において既に説明したとおり、本実施例のデジタル放送システムでは、高度な音声信号が含まれる音声コンテンツを送受信することが可能である。ここで、図28Cに示される、音声信号の種類のうち、音声コンポーネント種別のデータが00001のシングルモノラル信号から10010の7.1.4ch信号までの音声信号はチャンネルベースの信号である。これに対し、音声コンポーネント種別のデータが10011の7.1.4ch+4obj信号から10101の22.2ch+4obj信号からまでが、オブジェクトベース信号の音声信号である。オブジェクトベース信号は、本実施例における高度な音声信号に含まれる。また、音声コンポーネント種別のデータが10110のHOA1信号から11010のHOA25信号からまでが、HOA方式の音声信号である。HOA方式の音声信号は、本実施例における高度な音声信号に含まれる。
したがって、本実施例のデジタル放送システムでは、コンテンツを伝送するときに、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる音声コンポーネント記述子に音声コンポーネント種別のデータを格納し、放送局側から放送受信装置100へ伝送することにより、放送受信装置100において、伝送されたコンテンツの音声信号が、高度な音声信号か否かを識別することが可能となる。
ここで、放送受信装置100における音声コンテンツに対する著作権保護処理(コンテンツ保護処理)の制御例について、図31Aから図32Bを用いて説明する。
なお、図31Aから図32Bにおいて示される、第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)は、コンテンツのコピー制御を示す制御情報であり、当該コンテンツについての第1の制御情報(digital_recoding_control_data)、第2の制御情報(copy_restriction_mode)の定義については、既に説明した通りである。
なお、図31Aから図32Bにおいて示される、デコード音声出力(アナログ)とは、デコードされたアナログ信号状態での音声信号の出力処理である。これは、例えば、図15Bのコアデコーダでデコードされた音声信号が、図示しないD/Aコンバータ(デジタル―アナログコンバータ)により、アナログ信号に変換され、図2Aの拡張インタフェース部124が備えるアナログ映像/音声インタフェースなどを介して、アナログ信号状態で外部機器などに出力される処置である。
また、図31Aから図32Bにおいて示される、デコード音声出力(デジタル)とは、デコードされたデジタル信号状態での音声信号の出力処理である。これは、例えば、図15Bのコアデコーダでデコードされた音声信号が、図2Aの音声出力部196を介してデジタル信号の状態で外部機器などに出力される処理である。なお、デコードされた音声信号をデジタルI/F部125やLAN通信部121などを介して、デジタル信号の状態で外部機器などに出力しても良い。
また、図31Aから図32Bにおいて示される、ストリーム出力(IPインタフェース)とは、ストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号の出力処理である。これは、例えば、図15Bのコアデコーダでのデコードを行わず、ビットストリーム出力制御器10106を介して、ストリーム形式のデジタル信号状態で外部機器へ出力する処理である。この場合、放送受信装置100から外部機器へ出力は、例えば、図2AのLAN通信部121を介したIPインタフェース出力として外部機器へ出力しても良い。
ここで、図31Aは、放送受信装置100において、コンテンツの音声コンポーネントを蓄積せずにそのまま出力する場合の著作権保護処理の制御例を示す表である。当該コンテンツについての第1の制御情報(digital_recoding_control_data)、第2の制御情報(copy_restriction_mode)の定義については、既に説明した通りである。また、第3の制御情報(音声 component_type)は、図28Cで説明した音声コンポーネント種別の情報であり、当該音声コンポーネント種別の情報により、放送受信装置100は、コンテンツに含まれる音声コンポーネントの音声信号の種類がチャンネルベース信号であるか、オブジェクトベース信号であるか、HOA方式の信号であるかを識別する。また、放送受信装置100は、当該音声コンポーネント種別の情報が未定義に対応する値を示す場合はその旨も識別する。
ここで、図31Aの制御例では、第1の制御情報、第2の制御情報、第3の制御情報がいずれの状態であっても、アナログ信号状態でのデコード音声出力については、制限なしにコピー可能の状態で出力するように制御する。デジタル信号に比べてコピー処理による劣化が生じやすいアナログ信号であれば、デジタル信号ほど厳しくコピーを制限する必要がないためである。
ここで、図31Aの制御例では、デジタル信号状態でのデコード音声出力については、第3の制御情報が高度な音声信号を示す場合、すなわち、第3の制御情報がオブジェクトベース信号またはHOA方式の信号を示す場合、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値がいずれの組み合わせであっても、コピー禁止の状態で出力するように制御する。高度な音声信号のコンテンツは、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツより価値が高い。よって、図31Aの制御例では、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値の組み合わせが、『制約条件なしにコピー可能』を示す場合、『1世代のみコピー可』を示す場合、『個数制限コピー可』を示す場合などにおいて、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツよりも、オブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツについて、デジタル信号状態でのデコード音声出力でのコピー制御をより制限の厳しい制御としている。これにより、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応するコピー制御を実現することが可能となる。なお、デジタル信号状態でのデコード音声出力について、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツと、未定義を示すコンテンツは、図31Aに示すとおり、第1の制御情報が『制約条件なしにコピー可能』を示す場合は、制限なしにコピー可能の状態で出力するように制御する。また、デジタル信号状態でのデコード音声出力について、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツと、未定義を示すコンテンツは、図31Aに示すとおり、第1の制御情報が『1世代のみコピー可』を示す場合は、第2の制御情報の値がいずれの値であっても、再び1世代のみコピー可の状態で出力するように制御する。また、デジタル信号状態でのデコード音声出力について、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツと、未定義を示すコンテンツは、図31Aに示すとおり、第1の制御情報が『コピー禁止』を示す場合は、コピー禁止の状態で出力するように制御する。
なお、図31Aに示した、デジタル信号状態でのデコード音声出力についての制御例は、デコード音声出力の出力部が、SCMS(Serial Copy Management System)などのコピー制御方式に対応した出力部である場合に、行うものである。デコード音声出力の出力部がコピー制御に対応していない場合は、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値と第3の制御情報の値がいずれの組み合わせであっても、コピー制限なしに出力することを許容する。
また、図31Aに示した、IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力についての制御例でのコピー制御状態の設定は、図31Aに示すとおり、デジタル信号状態でのデコード音声出力についての制御例と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力についての制御例でも、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値の組み合わせが、『制約条件なしにコピー可能』を示す場合、『1世代のみコピー可』を示す場合、『個数制限コピー可』を示す場合などにおいて、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツよりも、オブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツのコピー制御をより制限の厳しい制御としている。これにより、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応するコピー制御を実現することが可能となる。なお、図31Aに示した、IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力では、コピー制御方式としてDTCPまたはDTCP2を用いる。第1の制御情報の値と第2の制御情報の値が、『1世代のみコピー可』、『個数制限コピー可』、『コピー禁止』などコピー制限があることを示すコンテンツについて、DTCPにもDTCP2にも対応していない外部機器への出力は禁止するように制御する。この点の制御は、デジタル信号状態でのデコード音声出力についての制御例と相違する。
以上説明した本実施例の図31Aの制御例によれば、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応する、より好適なコピー制御を実現することが可能となる。
次に、図31Bの制御例について説明する。図31Bの制御例は、放送受信装置100において、コンテンツの音声コンポーネントを蓄積せずにそのまま出力する場合の著作権保護処理の制御例であり、図31Aの制御例の変形例である。以下、繰り返しの説明を省略するため、図31Aの制御例と同様の点は説明を省略し、図31Aの制御例と相違する点のみ説明する。
図31Bの制御例では、アナログ信号状態でのデコード音声出力の制御と、IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力の制御は、図31Aの制御例と同一である。これに対し、図31Bの制御例では、デジタル信号状態でのデコード音声出力における制御が、図31Aの制御例と異なる。
具体的には、図31Bの制御例のデジタル信号状態でのデコード音声出力の制御では、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値の組み合わせが、『制約条件なしにコピー可能』を示す場合は、第3の制御情報の値がいずれの値を示していても、デジタル信号状態でのデコード音声出力において制限なしにコピー可能の状態で出力可能とする。また、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値の組み合わせが、『1世代のみコピー可』を示す場合でも『個数制限コピー可』を示す場合でも、第3の制御情報の値がいずれの値を示していても、デジタル信号状態でのデコード音声出力において1世代のみコピー可の状態で出力する。また、第1の制御情報の値と第2の制御情報の値の組み合わせが、『コピー禁止』を示す場合、第3の制御情報の値がいずれの値を示していても、デジタル信号状態でのデコード音声出力においてコピー禁止の状態で出力する。すなわち、図31Bの制御例のデジタル信号状態でのデコード音声出力の制御では、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツのコピー制御に対して、高度な音声信号であるオブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツのコピー制御とで、音声出力時のコピー制限に差をつけていない。これは、高度な音声信号であるオブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツのデジタル信号状態でのデコード音声出力であっても、例えば、図15Bのミキサーおよび分配器10105の処理を経たのちの出力であれば、出力先の外部機器において、放送受信装置100の受信時の音声信号のコンテンツの状態を再現することは困難であると考えられるためである。よって、この考えにもとづけば、高度な音声信号のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力であっても、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力と同等のコピー制御で十分であると考えられる。これに対し、IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力では、ミキサーおよび分配器10105の処理を経ていないので、出力先の外部機器において、高度な音声信号のコンテンツを、放送受信装置100の受信時の状態で取得することができてしまう。よって、図31Bの制御例に示すように、IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力については、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツよりも、オブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツのコピー制御をより制限の厳しい制御とするのが好適である。
以上説明した本実施例の図31Bの制御例によっても、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応する、より好適なコピー制御を実現することが可能となる。
次に、図32Aは、放送受信装置100において、コンテンツの音声コンポーネントを蓄積し、そののちに出力する場合の著作権保護処理の制御例を示す表である。当該蓄積の処理は、放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110に、音声コンポーネントを含むコンテンツを蓄積することにより行われる。
ここで、図32Aの制御例では、第1の制御情報の値および第2の制御情報の値の組み合わせによって、蓄積状態におけるコンテンツのコピー制御状態はそれぞれ異なるように制御する。具体的には、第1の制御情報が『制約条件なしにコピー可能』を示す場合には、第2の制御情報の値がいずれの値であっても、当該コンテンツを制限なしにコピー可能の状態で蓄積する。このとき、第3の情報がいずれの値であっても、当該コンテンツを制限なしにコピー可能の状態で蓄積して構わない。また、第1の制御情報が『1世代のみコピー可』を示し第2の制御情報が『1世代のみコピー可』を示す場合には、当該コンテンツを再コピー禁止の状態で蓄積する。このとき、第3の情報がいずれの値であっても、当該コンテンツを再コピー禁止の状態で蓄積して構わない。また、第1の制御情報が『1世代のみコピー可』を示し第2の制御情報が『個数制限コピー可』を示す場合には、当該コンテンツを個数制限コピー可の状態で蓄積する。このとき、第3の情報がいずれの値であっても、当該コンテンツを個数制限コピー可の状態で蓄積して構わない。また、第1の制御情報が『コピー禁止』を示す場合には、第2の制御情報の値がいずれの値であっても、当該コンテンツを一時蓄積の状態で蓄積可能なように構成しても良い。このとき、第3の情報がいずれの値であっても、当該コンテンツを一時蓄積の状態で蓄積して構わない。
次に、図32Aの制御例では、第1の制御情報の値および第2の制御情報の値の組み合わせによって、蓄積状態におけるコンテンツのコピー制御状態はそれぞれ異なるように制御するが、蓄積状態におけるコピー制御状態がいずれの状態であっても、第3の制御情報がいずれの状態であっても、蓄積後のコンテンツについての、アナログ信号状態でのデコード音声出力については、制限なしにコピー可能の状態で出力するように制御する。デジタル信号に比べてコピー処理による劣化が生じやすいアナログ信号であれば、デジタル信号ほど厳しくコピーを制限する必要がないためである。
また、図32Aの制御例では、蓄積後のコンテンツについての、デジタル信号状態でのデコード音声出力については、第3の制御情報が高度な音声信号を示す場合、すなわち、第3の制御情報がオブジェクトベース信号またはHOA方式の信号を示す場合は、蓄積状態におけるコピー制御状態がいずれのコピー制御状態であっても、コピー禁止の状態で出力するように制御する。高度な音声信号のコンテンツは、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツより価値が高い。よって、図32Aの制御例では、蓄積状態におけるコピー制御状態が、制限なしにコピー可能を示す場合、再コピー禁止を示す場合、個数制限コピー可を示す場合などにおいて、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツよりも、オブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツについて、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力でのコピー制御をより制限の厳しい制御としている。これにより、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応するコピー制御を実現することが可能となる。なお、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力について、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツと、未定義を示すコンテンツは、図32Aに示すとおり、蓄積状態におけるコピー制御状態が、制限なしにコピー可能の制御状態である場合は、制限なしにコピー可能の状態で出力するように制御する。また、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力について、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツと、未定義を示すコンテンツは、図32Aに示すとおり、蓄積状態におけるコピー制御状態が、再コピー禁止の制御状態または個数制限コピー可の制御状態である場合は、1世代のみコピー可の状態で出力するように制御する。また、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力について、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツと、未定義を示すコンテンツは、図32Aに示すとおり、蓄積状態におけるコピー制御状態が、一時蓄積の制御状態である場合は、コピー禁止の状態で出力するように制御する。
なお、図32Aに示した、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力についての制御例は、デコード音声出力の出力部が、SCMS(Serial Copy Management System)などのコピー制御方式に対応した出力部である場合に、行うものである。デコード音声出力の出力部がコピー制御に対応していない場合は、蓄積状態におけるコピー制御状態がいずれの状態であっても、第3の制御情報の値がいずれの値であっても、コピー制限なしに出力することを許容する。
次に、図32Aに示した、蓄積後のコンテンツについてのIPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力についての制御例では、蓄積状態におけるコピー制御状態が、再コピー禁止の制御状態、個数制限コピー可の制御状態または、一時蓄積の制御状態などのコピー制限のある制御状態である場合は、第3の制御情報の値がいずれの値であっても、再コピー禁止の状態で出力を行う。図32Aに示した、蓄積後のコンテンツについてのIPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力についての制御例では、蓄積状態におけるコピー制御状態が、制限なしにコピー可能である場合には、第3の制御情報に応じて、出力時のコピー制御状態を切り替える。具体的には、第3の制御情報がチャンネルベース信号の音声信号を示すコンテンツまたは第3の制御情報が未定義を示すコンテンツは、制限なしにコピー可能の状態での出力を許容する。これに対し、第3の制御情報が高度な音声信号であるオブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号を示すコンテンツについては、再コピー禁止の状態で出力するように制御する。
なお、図32Aに示した、蓄積後のコンテンツについての、IPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力では、コピー制御方式としてDTCPまたはDTCP2を用いる。蓄積状態におけるコピー制御状態が、再コピー禁止の制御状態、個数制限コピー可の制御状態または、一時蓄積の制御状態など、コピー制限のある制御状態であるコンテンツについて、DTCPにもDTCP2にも対応していない外部機器への出力は禁止するように制御する。
以上説明した本実施例の図32Aの制御例によれば、蓄積後のコンテンツの出力においても、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応する、より好適なコピー制御を実現することが可能となる。
次に、図32Bの制御例について説明する。図32Bの制御例は、放送受信装置100において、コンテンツの音声コンポーネントを蓄積し、そののちに出力する場合の著作権保護処理の制御例であり、図32Aの制御例の変形例である。以下、繰り返しの説明を省略するため、図32Aの制御例と同様の点は説明を省略し、図32Aの制御例と相違する点のみ説明する。
図32Bの制御例では、蓄積後のコンテンツについてのアナログ信号状態でのデコード音声出力の制御と、蓄積後のコンテンツについてのIPインタフェースを介したストリーム形式のデジタル信号状態での音声信号出力の制御は、図32Aの制御例と同一である。これに対し、図32Bの制御例では、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力における制御が、図32Aの制御例と異なる。具体的には、図32Bの制御例の蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力の制御では、蓄積状態におけるコピー制御状態が、制限なしにコピー可能の制御状態である場合は、第3の制御情報の値がいずれの値を示していても、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力において制限なしにコピー可能の状態で出力可能とする。また、蓄積状態におけるコピー制御状態が、再コピー禁止の制御状態である場合または個数制限コピー可の制御状態である場合は、第3の制御情報の値がいずれの値を示していても、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力において1世代のみコピー可の状態で出力する。また、蓄積状態におけるコピー制御状態が、一時蓄積の制御状態である場合、第3の制御情報の値がいずれの値を示していても、蓄積後のコンテンツについてのデジタル信号状態でのデコード音声出力においてコピー禁止の状態で出力する。すなわち、図32Bの制御例のデジタル信号状態でのデコード音声出力の制御では、チャンネルベース信号の音声信号のコンテンツのコピー制御に対して、高度な音声信号であるオブジェクトベースの音声信号またはHOA方式の音声信号のコンテンツのコピー制御とで、音声出力時のコピー制限に差をつけていない。この制御の理由は、既に説明した、図31Bの制御例のデジタル信号状態でのデコード音声出力の制御の理由と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
以上説明した本実施例の図32Bの制御例によっても、蓄積後のコンテンツの出力においても、音声信号の種別に応じたコンテンツの価値に対応する、より好適なコピー制御を実現することが可能となる。
以上説明した処理によれば、音声コンテンツと対応付けられたコピー制御情報に応じて、適切なコンテンツ保護を実現することができる。
なお、映像コンテンツについても音声コンテンツについても、IPインタフェースを介した出力においては、上述の制御に加えて、以下の制御を行っても良い。具体的には、MPEG-2 TSのPMTやMMTのMPTに含まれる第1の制御情報(digital_recoding_control_data)および第2の制御情報(copy_restriction_mode)により『1世代のみコピー可』、『個数制限コピー可』、『コピー禁止』などのコピー制限が示されているコンテンツについての、LAN通信部121を介した外部機器へのコピー処理については、放送受信装置100からの送信パケットの宛先である外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内にある場合のみ可能とし、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外にある場合は、禁止しても良い。コピー制御情報が『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』のコンテンツも同様に扱っても良い。
同様に、コピー制御情報が、『1世代のみコピー可』、『個数制限コピー可』、『制約条件なしにコピー可能かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』などのコピー制限を示しているコンテンツを一度ストレージ(蓄積)部110へ蓄積した後、LAN通信部121を介して外部機器へムーブする処理についても、放送受信装置100からの送信パケットの宛先である外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内にある場合のみ可能とし、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外にある場合は、禁止しても良い。
放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110へ蓄積したコンテンツについての視聴用映像出力、音声出力は、原則として、放送受信装置100からの送信パケットの宛先である外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内にある場合のみ可能とし、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外にある場合は禁止する。ただし、当該外部機器が所定期間以内に、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内で接続されており、かつ、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外でも視聴可能な機器としての登録処理(ペアリング)がなされている機器の場合は、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外であっても、当該外部機器への放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110へ蓄積したコンテンツについての視聴用映像出力、音声出力を可能とするように構成しても良い。この場合、当該視聴用映像出力、音声出力はコンテンツに暗号化を施して行う。
以上、本発明の実施形態の例を、実施例1および2を用いて説明したが、本発明の技術を実現する構成は前記実施例に限られるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。これらはすべて本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
前述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現する動作プログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現しても良い。ハードウェアとソフトウェアを併用しても良い。
なお、放送受信装置100を制御する前記ソフトウェアは、製品出荷の時点で予め放送受信装置100のROM103および/またはストレージ部110等に格納された状態であっても良い。製品出荷後にインターネット800上のサーバ装置からLAN通信部121を介して取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記ソフトウェアを、拡張インタフェース部124等を介して取得しても良い。同様に、携帯情報端末700を制御する前記ソフトウェアは、製品出荷の時点で予め携帯情報端末700のROM703および/またはストレージ部710等に格納された状態であっても良い。製品出荷後にインターネット800上のサーバ装置からLAN通信部721若しくは移動体電話網通信部722等を介して取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記ソフトウェアを、拡張インタフェース部724等を介して取得しても良い。
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上のすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えても良い。
100:放送受信装置、101:主制御部、102:システムバス、103:ROM、104:RAM、110:ストレージ(蓄積)部、121:LAN通信部、124:拡張インタフェース部、125:デジタルインタフェース部、130C、130T、130L、130B:チューナ/復調部、140S、140U:デコーダ部、180:操作入力部、191:映像選択部、192:モニタ部、193:映像出力部、194:音声選択部、195:スピーカ部、196:音声出力部、180R:リモートコントローラ、200、200C、200T、200S、200L、200B:アンテナ、201T、201L、201B:変換部、300、300T、300S、300L:電波塔、400C:ケーブルテレビ局のヘッドエンド、400:放送局サーバ、500:サービス事業者サーバ、600:移動体電話通信サーバ、600B:基地局、700:携帯情報端末、800:インターネット、800R:ルータ装置。

Claims (8)

  1. 音源別の信号を放送波を介して受信可能な放送受信装置であって、
    前記放送波を受信する放送受信部と、
    複数のスピーカにより構成され、前記放送受信装置から送信された前記音源別の信号に従って音声を出力する音声出力部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記複数のスピーカの配置情報に従い、前記音源別の信号による音声の再生位置を決定し、
    前記音源別の信号をもとに22.2chの音声チャンネルに対応した信号を計算した後、前記22.2ch用の音声チャンネルに対応した信号を前記音声出力部用の信号に変換する、
    放送受信装置。
  2. 請求項1に記載の放送受信装置において、
    前記放送波は、前記音源別の信号毎に再生位置設定をユーザに対して許可するかどうかの情報が記述されたパラメータを前記放送受信部に伝送し、
    前記再生位置設定は、前記放送波を介して伝送されるプリセット位置から前記制御部が選択し、または、範囲を限定してユーザが設定する、
    放送受信装置。
  3. 請求項1に記載の放送受信装置において、
    リモートコントローラからの制御信号を入力する操作入力部をさらに有し、
    ユーザは、前記リモートコントローラを用いて前記音源別の信号による音声の再生位置を設定可能である、
    放送受信装置。
  4. 請求項1に記載の放送受信装置において、
    ネットワークを介してデータを受信可能な通信部と、
    前記通信部は、前記音源別の信号とは異なる追加の音声信号を前記ネットワークを介して受信し、
    前記制御部は、前記音声信号による音声を、前記放送波を介して受信した前記音源別の信号の音声と共に再生する、
    放送受信装置。
  5. 請求項1に記載の放送受信装置において、
    前記放送受信部が緊急放送を受信した場合、前記制御部は、ユーザにより設定された音声再生に関する設定を無効にし、音声再生に関する設定を緊急放送用設定に変更する、
    放送受信装置。
  6. 第1の制御情報と第2の制御情報と第3の制御情報と、音声信号が含まれるコンテンツが伝送されるデジタル放送を受信する受信装置におけるコンテンツ保護方法であって、
    前記第1の制御情報と前記第2の制御情報との組み合わせにより、前記コンテンツのコピー制御状態が示されるものであり、
    前記第3の制御情報は前記コンテンツに含まれる音声信号の種類を示すものであり、
    前記デジタル放送を受信する受信ステップと、
    受信した前記デジタル放送に含まれるコンテンツについて、外部機器へ出力する出力ステップを備え、
    前記出力ステップにおけるコンテンツの出力時のコピー制御状態は、前記受信ステップで受信したときの前記コンテンツのコピー制御状態と、前記コンテンツに含まれる音声信号の種類に応じて決定される、
    コンテンツ保護方法。
  7. 第1の制御情報と第2の制御情報と第3の制御情報と、音声信号が含まれるコンテンツが伝送されるデジタル放送を受信する受信装置におけるコンテンツ保護方法であって、
    前記第1の制御情報と前記第2の制御情報との組み合わせにより、前記コンテンツのコピー制御状態が示されるものであり、
    前記第3の制御情報は前記コンテンツに含まれる音声信号の種類を示すものであり、
    前記デジタル放送を受信する受信ステップと、
    受信した前記デジタル放送に含まれるコンテンツについて、外部機器へ出力する出力ステップを備え、
    前記第1の制御情報と前記第2の制御情報との組み合わせにより、1世代のみコピー可のコピー制御状態または個数制限コピー可のコピー制御状態が示され、かつ、前記第3の制御情報でオブジェクトベースの音声信号を含むことが示されている状態で受信したコンテンツについて、前記出力ステップおいて前記受信装置のIPインタフェースを介したストリーム出力を行う場合のコピー制御状態は、前記出力ステップにおいて前記受信装置で前記コンテンツの音声信号をデコードしてデジタル音声出力を行う場合のコピー制御状態よりも厳しいコピー制御状態で出力する、
    コンテンツ保護方法。
  8. 請求項7に記載のコンテンツ保護方法において、
    前記受信ステップで受信した前記コンテンツを蓄積する蓄積ステップを備え、
    前記出力ステップは、前記蓄積ステップで蓄積した後のコンテンツについて行われる、
    コンテンツ保護方法。
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