JP2024017713A - 船舶用レーザ式ガス分析システム - Google Patents
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Abstract
【課題】運用中における測定対象ガスの濃度指示値の正しさを予測でき、校正作業に柔軟に対応できる船舶用レーザ式ガス分析システムを提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、船舶の排ガス中に存在する測定対象ガスのガス分析を行うガス分析システム(1)であって、レーザ式ガス分析計(2)と、排ガス浄化装置の制御とデータの収集を行う排ガス浄化装置制御盤(3)と、前記データを解析するデータ解析部(4,5)と、を具備し、前記データ解析部は、前記濃度指示値と前記排ガス浄化装置制御盤にて取得したエンジン出力値との相関性を利用して、校正情報としての前記濃度指示値と前記エンジン出力値との乖離度合いを計測する、ことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、船舶の排ガスを分析する船舶用レーザ式ガス分析システムに関する。
船舶用のディーゼルエンジンは、船舶用燃料油により駆動される。この船舶用燃料油は、重油であって、硫黄分を多く含有する。したがって、ディーゼルエンジンの排ガスは、炭素が主成分の粒子状物質(PM:Particulate Matter)や、硫黄酸化物(SOX)などの有害物質を多く含む。そこで、環境への配慮のため、船舶用燃料油中の硫黄含有量の制限が強化されつつある。
そこで、特許文献1に記載されているように、排ガス浄化装置(EGCS:Exhaust Gas Cleaning Systems)を船舶に搭載し、排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOX)の排出量が特定の制限値を満たすように排ガスを浄化している。
図4は、船舶100内に排ガス浄化装置(EGCS)を搭載した概念図である。船舶100は、例えば、ディーゼルエンジン101、電気集塵機(ESP)102、エコノマイザ103、脱硫スクラバ104、レーザ式ガス分析計105、排ガスモニタ106、及び、煙突107等を備える。
ディーゼルエンジン101からは、高硫黄燃料油(HFO)の燃焼による排ガスが排出される。この排ガスは、炭素を主成分とする粒子状物質(PM)や、硫黄酸化物(SOX)を含有する。
排ガスは、先ず、配管を介して電気集塵機(ESP)102へ流れる。この電気集塵機(ESP)102は、ESP制御盤102a、高圧発生部102b、及び、集塵機本体102cを備える。高圧発生部102bにより集塵機本体102cへ高圧電源が供給され、ESP制御盤102aにより、集塵機本体102cの動作が制御される。集塵機本体102cは、排ガスから効率的に粒子状物質(PM)を捕集し、粒子状物質(PM)が除去された排ガスをエコノマイザ103へ流す。
エコノマイザ103は、粒子状物質(PM)が除去された排ガスに対して熱交換を行い、熱交換後の排ガスを脱硫スクラバ104へ流す。
脱硫スクラバ104は、脱硫スクラバ制御盤104a及び、海水スクラバ104bを備える。脱硫スクラバ制御盤104aにより、海水スクラバ104bの動作が制御される。海水スクラバ104bで、排ガスに海水を噴射し、排ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOX)を除去する。
レーザ式ガス分析計105は、排ガスモニタ106と接続されている。脱硫スクラバ104の後段にレーザ式ガス分析計105を配置し、煙道のガス流通部を流れ、浄化後であって水分を含む排ガスに対して監視を行う。
レーザ式ガス分析計105からの検出信号を受信した排ガスモニタ106は、排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOX)の排出量が、特定の制限値を満たすかを監視する。例えば、二酸化硫黄ガス(SO2)と二酸化炭素ガス(CO2)の濃度の比が、所定範囲内にあって適正な排ガスとなっているかを監視する。最後に排ガスは、煙突107から放出される。
レーザ式ガス分析計105は、濃度指示値の正しさを確保するため、濃度が既知の校正ガスを用いて、一定期間経過後、校正を必要とした。校正作業は、主として、ゼロ校正やスパン校正である。ゼロ校正は、測定対象ガスを含まないガス、例えば、N2ガスなどを用いて、濃度値と出力の補正を行う。スパン校正は、測定対象ガスを用いて、計測レンジに合わせて、濃度値と出力の補正を行う。
ところで、校正作業の適正な頻度は、設置環境等に左右される。すなわち、船舶用レーザ式ガス分析計は、船舶内に設置されるため、船舶の高温多湿環境や、振動といった過酷な環境に晒され、また気象変化や、海象変化、運航の変更等の影響も受ける。このため、どの程度の頻度で校正作業を行うのが妥当なのか決めることが困難であった。
特許文献2に記載の発明には、液体や、気体の状態パラメータを測定および監視するためのセンサ機能を監視する方法が開示されている。特許文献2では、電気化学、電気物理、又は、光学的センサを対象としている。これらのセンサを、時間間隔でテスト状態に置き、試験パラメータを記憶する。そして、記憶された試験パラメータに基づいて、センサ動作の将来の進行を予測し、センサが適正に動作可能な残りの持続期間に関する情報を獲得する。
しかしながら、センサ本体が取得するデータの正確度がわからないと、将来の持続期間を適切に予測することができない。特許文献2では、センサ本体から得られるあらゆる情報を基にセンサの状態監視を行っているが、センサ本体が取得するデータの正確度について言及されていない。上記したように、船舶では、気象海象などの環境や、運用状況が刻々と変化する。このため、運用中において、レーザ式ガス分析計105から得られる濃度指示値の正確性を実証できず、特許文献2に記載の発明を参照しても、妥当な校正間隔を予測することができなかった。
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、運用中における測定対象ガスの濃度指示値の正しさを予測でき、校正作業に柔軟に対応できる船舶用レーザ式ガス分析システムを提供することを目的とする。
本発明は、船舶の排ガス中に存在する測定対象ガスのガス分析を行うガス分析システムであって、前記測定対象ガスの吸収波長に合わせたレーザ光を生成する発光部と、前記排ガスが通過するガスセルと、前記ガスセル内の排ガス中を通った前記レーザ光を受光し、検出信号を出力する受光部と、前記受光部から出力された前記検出信号を、前記測定対象ガスの濃度指示値に変換する分析処理部と、を有して構成されるレーザ式ガス分析計と、排ガス浄化装置の制御とデータの収集を行う排ガス浄化装置制御盤と、前記データを解析するデータ解析部と、を具備し、前記データ解析部は、前記濃度指示値と前記排ガス浄化装置制御盤にて取得したエンジン出力値との相関性を利用して、校正情報としての前記濃度指示値と前記エンジン出力値との乖離度合いを計測する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、さらに、前記排ガス浄化装置制御盤のデータを収集し陸上データベースへ送信するデータ収集部と、前記データ収集部から送信されたデータを蓄積する前記陸上データベースと、を有し、前記データ解析部は、前記排ガス浄化装置制御盤、及び/又は、前記陸上データベースに蓄積されたデータを用いて前記乖離度合いを計測する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、CO2ガスの濃度指示値と前記エンジン出力値との相関性を利用して前記乖離度合いを計測する、ことを特徴とする。
本発明の船舶用レーザ式ガス分析システムによれば、運用中における濃度指示値の正しさを予測でき、校正作業やメンテナンス作業に柔軟に対応できる。
以下、本発明の実施の形態に係る船舶用レーザ式ガス分析システムについて、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができる。
<船舶用レーザ式ガス分析システムの全体構成図>
図1は、船舶用レーザ式ガス分析システム1の全体概要図を示している。本実施の形態の船舶用レーザ式ガス分析システム1は、船舶用レーザ式ガス分析計2と、排ガス浄化装置制御盤(EGCS制御盤)3と、データ解析部4、5と、を有して構成される。さらには、データ収集部6と、船内通信機器7と、陸上通信機器8と、陸上データベース9とを、具備できる。以下、各構成部について詳しく説明する。
図1は、船舶用レーザ式ガス分析システム1の全体概要図を示している。本実施の形態の船舶用レーザ式ガス分析システム1は、船舶用レーザ式ガス分析計2と、排ガス浄化装置制御盤(EGCS制御盤)3と、データ解析部4、5と、を有して構成される。さらには、データ収集部6と、船内通信機器7と、陸上通信機器8と、陸上データベース9とを、具備できる。以下、各構成部について詳しく説明する。
[船舶用レーザ式ガス分析計2]
船舶用レーザ式ガス分析計2は、測定対象空間としてのガスセル22内に存在する測定対象ガスを分析する。船舶用レーザ式ガス分析計2は、発光部21から出射されたレーザ光が、ガスセル22の内部(測定対象空間)を流通する測定対象ガスに照射される。測定対象ガスを透過したレーザ光が、受光部23に入射し、検出された光量から特定のガス濃度を求めることができる。
船舶用レーザ式ガス分析計2は、測定対象空間としてのガスセル22内に存在する測定対象ガスを分析する。船舶用レーザ式ガス分析計2は、発光部21から出射されたレーザ光が、ガスセル22の内部(測定対象空間)を流通する測定対象ガスに照射される。測定対象ガスを透過したレーザ光が、受光部23に入射し、検出された光量から特定のガス濃度を求めることができる。
発光部21は、測定対象ガスの吸収波長に合わせたレーザ光を生成する。発光部21内には図示しないレーザ素子が配置されている。レーザ素子は、測定対象ガスが吸収する特定の吸収線スペクトルの中心波長及びその周辺の波長で発光する。
ガスセル22は、船舶の排ガスを流通させる配管である。図1ではガスセル22を横向きに図示したが、煙道に沿って縦向きに設置できる。図1に示すように、ガスセル22には、排ガスを導入する導入口22aと、排ガスを排気する排気口22bを備え、排ガスは、矢印のようにガスセル22内を通過する。
受光部23は、発光部21から照射されたレーザ光を受光し、検出信号を出力する。図1に示すように、発光部21と受光部23は、ガスセル22を介して対向して配置される。発光部21から発光されたレーザ光は、ガスセル22の中心線近傍を通り、ガスセル22内を通過する排ガスに接触する。このため、受光部23では、測定対象ガスの吸光特性により吸収された光に基づいて検出信号を出力できる。
分析処理部24は、受光部23から出力された検出信号を測定対象ガスの濃度指示値に変換する。上記したように、検出信号は、測定対象ガスの濃度分だけレーザ光量が減衰した信号でるため、分析処理部24では、その減衰量に合わせて濃度指示値を算出できる。限定するものではないが、検出信号をロックイン検波し濃度指示値に変換する。
[EGCS制御盤3]
EGCS制御盤3は、図4に示したEGCSを制御する。例えば、EGCS制御盤3は、図4に示す電気集塵機(ESP)102や、脱硫スクラバ104の動作制御を行う。さらに、EGCS制御盤3は、必要なデータの収集と保存を行う機能を有する。すなわち、図1に示すように、EGCS制御盤3と、船舶用レーザ式ガス分析計2の分析処理部24は接続されており、分析処理部24で取得した測定対象ガスの濃度指示値や船舶用レーザ式ガス分析計2における各種の制御情報等が、EGCS制御盤3に送信される。また、EGCS制御盤3は、船舶に搭載されるスクラバ31、エンジン32及び水質計33等と接続されており、上記したスクラバ31の制御を行ったり、エンジン出力値等を収集し保存する。そのほか、EGCS制御盤3は、圧力、流量、及び各種温度等を収集する。
EGCS制御盤3は、図4に示したEGCSを制御する。例えば、EGCS制御盤3は、図4に示す電気集塵機(ESP)102や、脱硫スクラバ104の動作制御を行う。さらに、EGCS制御盤3は、必要なデータの収集と保存を行う機能を有する。すなわち、図1に示すように、EGCS制御盤3と、船舶用レーザ式ガス分析計2の分析処理部24は接続されており、分析処理部24で取得した測定対象ガスの濃度指示値や船舶用レーザ式ガス分析計2における各種の制御情報等が、EGCS制御盤3に送信される。また、EGCS制御盤3は、船舶に搭載されるスクラバ31、エンジン32及び水質計33等と接続されており、上記したスクラバ31の制御を行ったり、エンジン出力値等を収集し保存する。そのほか、EGCS制御盤3は、圧力、流量、及び各種温度等を収集する。
[データ解析部4、5]
データ解析部4、5は、EGCS制御盤3が収集したデータを解析する機能を有する。データ解析部4、5は、船舶用レーザ式ガス分析計2が計測する測定対象ガスの濃度指示値と、エンジン出力値に相関があることを利用し、該濃度指示値とエンジン出力値との乖離度合いを解析することができる。
データ解析部4、5は、EGCS制御盤3が収集したデータを解析する機能を有する。データ解析部4、5は、船舶用レーザ式ガス分析計2が計測する測定対象ガスの濃度指示値と、エンジン出力値に相関があることを利用し、該濃度指示値とエンジン出力値との乖離度合いを解析することができる。
図1では、データ解析部4、5が2つ設けられているが、どちらか一方のみでもよい。図1に示すように、データ解析部4は、EGCS制御盤3に直に接続されており、データ解析部5は、陸上データベース9に接続されている。例えば、データ解析部4は、船舶内に設置されており、データ解析部5は、陸上から船舶監視用として設置される。
[データ収集部6及び、陸上データベース9]
図1に示すように、データ収集部6は、EGCS制御盤3に接続されており、EGCS制御盤3の計測データを定期的に収集する。さらに、データ収集部6には、船内通信機器7が接続されており、無線通信にて、データ収集部6で収集したデータは、船内通信機器7から陸上通信機器8に送られ、更に、陸上通信機器8に接続された陸上データベース9に送信される。
図1に示すように、データ収集部6は、EGCS制御盤3に接続されており、EGCS制御盤3の計測データを定期的に収集する。さらに、データ収集部6には、船内通信機器7が接続されており、無線通信にて、データ収集部6で収集したデータは、船内通信機器7から陸上通信機器8に送られ、更に、陸上通信機器8に接続された陸上データベース9に送信される。
陸上データベース9は、データ収集部6から送信されたEGCS制御盤3のデータを陸上側にて保存する機能を有する。陸上データベース9は、複数の船舶のデータを収集し保存できる。
<測定対象ガスの濃度指示値と、エンジン出力値との相関性について>
ところで、本発明者らは、鋭意研究を行い、測定対象ガスの濃度指示値と、エンジン出力値とに相関があることを見出した。
ところで、本発明者らは、鋭意研究を行い、測定対象ガスの濃度指示値と、エンジン出力値とに相関があることを見出した。
図2は、運用日数とCO2濃度及び、エンジン出力との関係を示すデータの概念図である。なお、縦軸の数値は、具体的に示さず、X1、X2・・・、Y1、Y2・・・で示した。いずれの縦軸も図示上方向に向けて数値が高くなっている。図2に示すように、CO2ガス濃度とエンジン出力値とが連動して変化することがわかる。CO2ガス濃度は、船舶用レーザ式ガス分析計2にて計測することが可能である。船舶には複数のエンジンが搭載されているが、そのうちの少なくとも1つのエンジンの出力値とCO2ガス濃度とに相関関係を見出すことができる。
図2に示すCO2ガス濃度値及びエンジン出力値は、EGCS制御盤3に収集され、EGCS制御盤3からデータ解析部4に直に、或いは、データ収集部6及び陸上データベース9を介して、データ解析部5に送信される。
データ解析部4、5では、測定対象ガスの濃度指示値と、エンジン出力値との相関性を活用し、濃度指示値と、エンジン出力値との乖離度合いを計測する。
図3は、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いを示す概念図である。エンジン出力値及びCO2濃度値が、図3に示す領域Aの範囲内に収まっている場合、乖離度合いは小さく相関関係が保たれていると判断される。これに対し、エンジン出力値及びCO2濃度値が、領域Aから外れて領域Bに移動した場合、乖離度合いが大きくなり、相関性が低下したと判断される。
例えば、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いは、図3に示すグラフの傾きから判断することができる。所定範囲内の傾きであるとき、乖離度合いは小さく相関性が保たれていると判断され、所定範囲外の傾きであるとき、乖離度合いが大きく相関性が悪化した(相関性が保たれていない)と判断される。
<校正作業について>
エンジン出力値とCO2濃度値との相関性が保たれていれば、船舶用レーザ式ガス分析計2から得られる測定対象ガスの濃度指示値は正しいと判断できるが、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いが大きくなり相関性が低下すると、校正作業が必要となる。すなわち、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いは、校正情報に該当する。
エンジン出力値とCO2濃度値との相関性が保たれていれば、船舶用レーザ式ガス分析計2から得られる測定対象ガスの濃度指示値は正しいと判断できるが、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いが大きくなり相関性が低下すると、校正作業が必要となる。すなわち、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いは、校正情報に該当する。
例えば、船舶内の船員は、データ解析部4にて取得された校正情報を監視し、エンジン出力値とCO2濃度値との乖離度合いが所定値を超えた場合には、船舶用レーザ式ガス分析計2に対する校正が必要であることを認識できる。
ここで、従来においては、校正間隔を一定期間に設定していた。校正間隔は、船舶のように、環境や運用などが刻々と変化する使用状況下では、船舶用レーザ式ガス分析計2が正しく計測できているか判断することが極めて難しく、したがって、船舶自体の中間検査や定期検査よりも短い期間としていた。このように校正間隔が短いことで、他の機器に比べて手間がかかる問題があった。
これに対して、本実施の形態の船舶用レーザ式ガス分析システム1によれば、校正情報としての測定対象ガスの濃度指示値とエンジン出力値との乖離度合いを取得することで、船舶用レーザ式ガス分析計2が正しく計測できているか否かを判断でき、乖離度合いに応じて、校正作業を適宜行うことができる。
図2、図3に示すように、校正情報としての測定対象ガスの濃度指示値とエンジン出力値との乖離度合いを、航海期間中取得できるようにし、乖離度合いが所定範囲を超えたタイミングに応じて、校正作業を行うことができる。また、本実施の形態では、乖離度合いから、いつ頃に校正作業が必要となるか予測できるため校正作業のスケジュールを立てやすい。あるいは、校正日をあらかじめ決めておき、校正日付近で計測した乖離度合いから予定通り、校正日に校正作業を行うか、次回の校正日まで延期するかを容易に判断できる。
また、本実施の形態では、校正作業を、航海中において船舶内の船員が行うことができる。船員は、船舶内のデータ解析部4からの校正情報に基づいて、或いは、陸上のデータ解析部5から伝達された校正情報に基づいて、校正作業を行うことができる。あるいは、船舶が港に停泊した際に、作業員が校正作業を行うこともできる。例えば、陸上データベース9に接続されたデータ解析部5にて、測定対象ガスの濃度指示値とエンジン出力値との乖離度合いを取得した監視員が、船舶が港に停泊した際に校正作業に取り掛かることができる。また、陸上データベース9には、複数の船舶のデータを収集し保存できるため、姉妹艦船などのデータをもとに、停泊中の船舶に対する校正作業を行うこともできる。
本実施の形態の船舶用レーザ式ガス分析システム1では、乖離度合いが所定範囲を超えた際に、音や光などの通知手段を用いて、作業員に通知することが可能である。通知を受けた作業員は、船舶用レーザ式ガス分析計2に対する校正が必要であることを認識できる。
また、校正のみならず、或いは校正に代えて、部品交換等のメンテナンス作業を行うこともができる。
また、校正のみならず、或いは校正に代えて、部品交換等のメンテナンス作業を行うこともができる。
上記では、CO2ガスの濃度指示値とエンジン出力値との相関性を活用したが、エンジン出力値との相関性が認められれば、CO2ガスに限定されるものではない。
本発明の船舶用レーザ式ガス分析システムは、船舶用レーザ式ガス分析計が正しく計測できているか否かを判断でき、乖離度合いに応じて、校正作業を適宜行うことができる。
1 :船舶用レーザ式ガス分析システム
2 :船舶用レーザ式ガス分析計
3 :EGCS制御盤
4、5 :データ解析部
6 :データ収集部
7 :船内通信機器
8 :陸上通信機器
9 :陸上データベース
21 :発光部
22 :ガスセル
22a :導入口
22b :排気口
23 :受光部
24 :分析処理部
31 :スクラバ
32 :エンジン
33 :水質計
100 :船舶
101 :ディーゼルエンジン
102a :ESP制御盤
102b :高圧発生部
102c :集塵機本体
103 :エコノマイザ
104 :脱硫スクラバ
104a :脱硫スクラバ制御盤
104b :海水スクラバ
105 :レーザ式ガス分析計
106 :排ガスモニタ
107 :煙突
A、B :領域
2 :船舶用レーザ式ガス分析計
3 :EGCS制御盤
4、5 :データ解析部
6 :データ収集部
7 :船内通信機器
8 :陸上通信機器
9 :陸上データベース
21 :発光部
22 :ガスセル
22a :導入口
22b :排気口
23 :受光部
24 :分析処理部
31 :スクラバ
32 :エンジン
33 :水質計
100 :船舶
101 :ディーゼルエンジン
102a :ESP制御盤
102b :高圧発生部
102c :集塵機本体
103 :エコノマイザ
104 :脱硫スクラバ
104a :脱硫スクラバ制御盤
104b :海水スクラバ
105 :レーザ式ガス分析計
106 :排ガスモニタ
107 :煙突
A、B :領域
Claims (3)
- 船舶の排ガス中に存在する測定対象ガスのガス分析を行うガス分析システムであって、
前記測定対象ガスの吸収波長に合わせたレーザ光を生成する発光部と、
前記排ガスが通過するガスセルと、
前記ガスセル内の排ガス中を通った前記レーザ光を受光し、検出信号を出力する受光部と、
前記受光部から出力された前記検出信号を、前記測定対象ガスの濃度指示値に変換する分析処理部と、を有して構成されるレーザ式ガス分析計と、
排ガス浄化装置の制御とデータの収集を行う排ガス浄化装置制御盤と、
前記データを解析するデータ解析部と、を具備し、
前記データ解析部は、前記濃度指示値と前記排ガス浄化装置制御盤にて取得したエンジン出力値との相関性を利用して、校正情報としての前記濃度指示値と前記エンジン出力値との乖離度合いを計測する、
ことを特徴とする船舶用レーザ式ガス分析システム。 - さらに、前記排ガス浄化装置制御盤のデータを収集し陸上データベースへ送信するデータ収集部と、
前記データ収集部から送信されたデータを蓄積する前記陸上データベースと、を有し、
前記データ解析部は、前記排ガス浄化装置制御盤、及び/又は、前記陸上データベースに蓄積されたデータを用いて前記乖離度合いを計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の船舶用レーザ式ガス分析システム。 - CO2ガスの濃度指示値と前記エンジン出力値との相関性を利用して前記乖離度合いを計測する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の船舶用レーザ式ガス分析システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022120537A JP2024017713A (ja) | 2022-07-28 | 2022-07-28 | 船舶用レーザ式ガス分析システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022120537A JP2024017713A (ja) | 2022-07-28 | 2022-07-28 | 船舶用レーザ式ガス分析システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024017713A true JP2024017713A (ja) | 2024-02-08 |
Family
ID=89807401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022120537A Pending JP2024017713A (ja) | 2022-07-28 | 2022-07-28 | 船舶用レーザ式ガス分析システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024017713A (ja) |
-
2022
- 2022-07-28 JP JP2022120537A patent/JP2024017713A/ja active Pending
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