JP2024010337A - 縫合糸切断器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】診察及び回診の際に手軽に用いることのできる縫合糸切断器具を提供する。【解決手段】縫合糸切断器具1は、板状部材から形成され、手指で保持する保持部10と、保持部10から伸びる鉤状の切断部20と、を備える。また、切断部20は、鉤状の内側に刃部22を有し、切断部20の幅の大きさは、保持部10の幅の大きさ以下である。縫合糸切断器具1は、切断部20の鉤状の内側に刃部22を有するので、安全かつ精密な操作が可能であり、診察及び回診の際に手軽に用いることができる。【選択図】図2
Description
本発明は、縫合糸切断器具に関し、より詳細には、診察及び回診において手軽に用いることのできる縫合糸切断器具に関する。
従来、縫合糸切断用の器具が開発されている。例えば、特許文献1の外科用糸切剪刀、特許文献2の医療用抜糸鋏がある。また、口内用の縫合糸切断器具として特許文献3がある。
医療現場においては、患者の身体に糸を縫合して固定されたチューブを抜く際の抜糸、縫合創の抜糸等、診察及び回診の際に手軽に縫合糸を切断したいというニーズがある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のような剪刀は、高価で医療機関内での保有数に限りがあること、紛失を防止するために管理が厳格であること等から、診察、回診等の際に手軽に用いることは難しい。
また、特許文献3の縫合糸切断器具は、刃が外形上に設けられているため取り扱いの際に医師等のユーザが怪我をしてしまうおそれがあり、回診時等に持ち歩くことは難しい。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、診察及び回診の際に手軽に用いることのできる縫合糸切断器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る縫合糸切断器具は、
板状部材から形成され、
手指で保持する保持部と、
前記保持部から伸びる鉤状の切断部と、を備え、
前記切断部は、鉤状の内側に刃部を有し、
前記切断部の幅の大きさは、前記保持部の幅の大きさ以下である。
板状部材から形成され、
手指で保持する保持部と、
前記保持部から伸びる鉤状の切断部と、を備え、
前記切断部は、鉤状の内側に刃部を有し、
前記切断部の幅の大きさは、前記保持部の幅の大きさ以下である。
また、前記切断部の幅の大きさは、
前記保持部の側から先端に向かって徐々に小さくなっている、
こととしてもよい。
前記保持部の側から先端に向かって徐々に小さくなっている、
こととしてもよい。
また、前記保持部は、
手指が挿入されるリング部と、
手指を掛けるために前記保持部から突設された指掛部と、を備える、
こととしてもよい。
手指が挿入されるリング部と、
手指を掛けるために前記保持部から突設された指掛部と、を備える、
こととしてもよい。
本発明の縫合糸切断器具は、手指で保持する保持部と、保持部の幅以下の幅の鉤状の切断部とを備え、切断部の鉤状の内側に刃部を有するので、安全かつ精密な操作が可能であり、診察及び回診の際に手軽に用いることができる。
以下、図を参照しつつ本発明の実施の形態に係る縫合糸切断器具1について説明する。図1は、縫合糸切断器具1の斜視図である。また、図2(A)、(B)は、縫合糸切断器具1の正面図、側面図である。
なお、縫合糸切断器具1の各部を説明する図では、図2(A)に示す縫合糸切断器具1の正面視における左方向を前方、右方向を後方、上方向を上方、下方向を下方とし、適宜参照する。
縫合糸切断器具1は、純チタン4種からなる厚み1mmの板状部材を加工したものである。純チタンは軽量で硬く、防錆、防金属アレルギーに優れているので医薬用として広く用いられている材料である。また、純チタン中では純チタン4種がより硬い。図1に示すように、縫合糸切断器具1は、手指、より詳細には指先で保持される保持部10と、保持部10から伸びる鉤状の切断部20と、を備える。
保持部10は、医師等のユーザが縫合糸切断器具1を手指で保持する部分であり、手指が挿入されるように主面に貫通孔が形成されることにより、リング状に形成されたリング部11と、手指を掛けるために保持部10から突設された指掛部12と、を備える。
リング部11は、図2(A)に示すように、外径Do、内径Diのリング状となっている。外径Do、内径Diの大きさは、特に限定されず、手指の挿入のしやすさ、縫合糸切断器具1の保持及び操作のしやすさ等を考慮して設定すればよい。本実施の形態では、外径Do=28mm、内径Di=20mmとしている。
このように保持部10にリング部11が形成されることにより、手指、例えば中指をリング部11に挿入することができるので、板状部材から形成される縫合糸切断器具1を保持しやすくなる。また、リング部11に手指を挿入しておくことで、縫合糸切断器具1の落下や紛失が生じ難い。更には、縫合糸切断器具1を用いて縫合糸を切断する際、リング部11に手指を掛けておくことで、縫合糸切断器具1が滑り難く、縫合糸の切断に係る引き動作を行いやすい。
指掛部12は、縫合糸切断器具1をユーザが保持した際、手指、例えば環指を掛ける部分である。指掛部12は、保持部10のリング部11から後方側に突設されている。より具体的には、指掛部12は、図2(A)に示すように、縫合糸を切断する際に切断部20が引かれる切断方向から所定の角度θの方向へ、リング部11の中心から上方に延在し、リング部11の内側から長さLfで突出して設けられている。所定の角度θ及び長さLfの大きさは、特に限定されず、縫合糸切断器具1の保持及び操作のしやすさ等を考慮して設定すればよい。本実施の形態では、角度θ=45°、長さLf=13mmとしている。ユーザがリング部11に手指を挿入して縫合糸切断器具1を保持する際、指掛部12に手指を掛けておくことにより、リング部11を中心とした回転方向のブレを抑制することができる。したがって、ユーザは、容易に精密な作業を行うことができる。
切断部20は、図2(A)に示すように、切断方向とは逆方向にリング部11から伸びる鉤状となっている。言い換えると、切断部20は、リング部11を介して指掛部12と反対側の縫合糸切断器具1前方側に形成されている。鉤状の切断部20の幅の大きさは、保持部10の幅(リング部11の外径Do)の大きさ以下となっており、リング部11から鉤状の切断部20が突出するように形成されている。そして、リング部11からの切断部20の上方側での立ち上がり部分(以下、立ち上がり部21という。)は、手指、例えば示指の末節部に沿うように弧状になっている。立ち上がり部21をこのような弧状とすることにより、示指の先端を安定して置くことができる。これにより、示指での微妙な力加減が行いやすくなり、縫合糸切断器具1の精密な操作を容易に行うことができる。
また、切断部20は、保持部10の側から先端に向かって徐々に幅が狭く(図2(A)のW1>W2)なっている。このように切断部20の幅の大きさが先端に向かって小さくなることで、先端側が見えやすくなるため、切断の際の精密な操作を行いやすい。尚、切断部20の長さLcは、特に限定されず、縫合糸切断器具1の保持及び操作のしやすさ等を考慮して設定すればよい。本実施の形態に係る切断部20の長さLcは、リング部11の内側からの長さを含め29mmとしている。
切断部20には、フトコロとも呼ばれる鉤状内側の奥部に、円弧状の刃部22が一体的に形成されている。このように刃部22を、一体の板状部材で形成することにより、縫合糸切断器具1を安価に製造することができる。尚、縫合糸切断器具1に一体的に形成される刃部22は、板材をワイヤカット、打ち抜き等によって形成することができる。
図3(A)、(B)は、刃部22の断面形状を示す図である。刃部22の刃面の形状は、特に限定されず、図3(A)に示す直線状、図3(B)に示す円弧状等適宜選択することができる。本実施の形態に係る刃部22は、図3(B)に示すように、円弧状の刃面を有する。より具体的には、刃部22は座繰りのような方法で球状に削ることにより、凹形状に形成される。また、本実施の形態では、縫合糸切断器具1の厚みを1mm、円弧状の刃部22の半径を2.5mmとしている。これにより、刃先を薄くすることができるので、刃部22の切れ味を向上させることができる。また、刃部22に酸処理を施して切れ味を向上させることとしてもよい。
また、本実施の形態においては、刃部22を一体として形成しているが、刃部22を別体として形成することもできる。
以下、本実施の形態の縫合糸切断器具1を用いた縫合糸の切断方法について図を参照しつつ説明する。図4(A)は使用状態の一例を上方から見た図であり、図4(B)は使用状態の異なる一例を側方から見た図である。
図4(A)に示すように、この使用例では中指をリング部11に挿入し、母指と示指とで切断部20とリング部11とを挟むことにより、縫合糸切断器具1が保持されている。一般的に、縫合糸切断器具1を薄い板状とした場合、縫合糸切断器具1はユーザにとって保持し難いものとなる。しかしながら、本実施の形態に係る縫合糸切断器具1は、中指がリング部11に挿入され、母指と示指とで切断部20とリング部11とを挟むように保持されるので、縫合糸切断器具1の板厚方向のブレを抑え、安定して保持することができる。
また、図4(A)に示すように、ユーザが縫合糸切断器具1を保持した際、示指が切断部20側に当接することで、切断部20での精密な操作を安定して行うことができる。また、この使用例では、環指の側面が指掛部12に当接しているため、縫合糸切断器具1の回転方向のブレを抑えることができ、安定して保持することができる。より具体的には、中指が挿入されたリング部11を中心として、器具前方側の切断部20に当接する示指と、指掛部12に当接する環指とによって、縫合糸切断器具1の回転動作を行う。これにより、鉤状の切断部20に縫合糸を引っ掛けるような作業を精度よく行うことができる。
また、図4(B)に示すように、この使用例では中指をリング部11に通し、この中指と母指とでリング部11を挟むことで、縫合糸切断器具1が保持されている。そして、示指が、弧状に形成された立ち上がり部21に当接している。したがって、切断部20での精密な操作が容易になり、また、切断の際に力を入れやすくなる。また、この使用例でも、環指の側面が指掛部12に当接しているので、リング部11による縫合糸切断器具1の回転方向のブレを抑えることができ、安定して保持することができる。
上述の使用状態のように、手指、詳細には指先で保持された縫合糸切断器具1は、切断部20の鉤先から内側をガイドとして縫合糸を刃部22に送り、保持部10を切断方向に引っ張る引き動作を行うことで、縫合糸を刃部22によって切断する。このように、本実施の形態に係る縫合糸切断方法では、縫合糸を引っかけて引っ張るという引き動作で切断動作が行われる。一般的に、押し動作で切断を行う場合、切断方向に患者の体が存在するので、動作が行き過ぎてしまった場合に患者を傷付けてしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態に係る縫合糸切断器具1は、引き動作で縫合糸を切断するので、押し動作で切断する場合と比較して、安全に切断を行うことができる。
尚、図4(A)、(B)に示した縫合糸切断器具1の使用方法は、あくまでも一例であり、他の方法で使用することもできる。例えば、リング部11に中指ではなく環指を挿入し、小指を指掛部12に当接させて用いることもできる。
以上説明したように、本実施の形態に係る縫合糸切断器具1の切断部20は、保持部10から伸びるように鉤状に形成されており、鉤状の内側に刃部22が形成されている。これにより、刃部22が外形上に露出することがないので、縫合糸切断器具1の持ち運びの際等における怪我のおそれを低減することができる。また、縫合糸切断器具1は、板状部材で形成されており、指先で保持、操作されるように、小型の器具として構成されている。したがって、持ち運びが容易であり、診察、回診等において手軽に用いることができる。
また、切断部20の幅の大きさは、保持部10の幅の大きさ以下となっている。これにより、切断部20の先端側が見えやすく、鉤状の切断部20に縫合糸を引っ掛けるような精密な作業を容易に行うことができる。さらに、切断部20の幅の大きさは、保持部10の側から先端に向かって徐々に小さくなっている。切断部20の先端で縫合糸を引っ掛けるような細かい作業を行う場合、細くとがっている方が先端が見やすく、精度よく作業を行うことができる。したがって、本実施の形態に係る縫合糸切断器具1によって、より精度よく作業を行うことができる。尚、切断部20が長過ぎると精密な操作が難しく、反対に短過ぎると指の影で縫合糸と刃部22が見え難くなるおそれがある。そこで、切断部20の長さは、本実施の形態のように、保持部10のリング部11の内側からの長さを含め29mm程度とすることが好ましい。
また、縫合糸切断器具1の保持部10は、リング状のリング部11を備える。したがって、リング部11に手指を挿入することで、縫合糸の切断の際の引き動作を容易に行うことができる。また、器具の落下や紛失のおそれを低減することができる。また、縫合糸切断器具1を指に嵌めたまま他の作業、例えば、ドレーンを固定したテープをはがす、消毒を行う等の作業を行うことができる。
また、本実施の形態では、刃部22は鉤状の内側奥部に形成されている。これにより、縫合糸の切断は、縫合糸切断器具1の引き動作で行うことができる。具体的には、縫合糸を切断する際、鉤状の先端部で縫合糸を引っ掛け、鉤状の内側を縫合糸のガイドとし、鉤状の奥部で縫合糸を切断する。したがって、押し動作で切断を行う従来の切断器具と比較して、患者を傷付けるおそれを低減することができる。
本実施の形態に係る縫合糸切断器具1の材質は、純チタン4種としたが、これに限られない。例えば、ステンレスを用いて、より安価な縫合糸切断器具1を提供することもできる。また、例えば、縫合糸切断器具1を樹脂で形成することにより、より安価なディスポーザブル製品としてもよい。
また、本実施の形態に係る縫合糸切断器具1の板状部材の厚さは、携帯性、使用上の安定性の観点から1mm程度であることとしたが、これに限られない。縫合糸切断器具1の材料の強度、携帯性、使用上の安定性等に基づいて、適宜厚さを設定すればよい。
なお、リング部11はリング状となっているが、リングの形状としては図示したものに限定されるものではなく、リングの一部が欠けている形状や、円形ではなく楕円形のようなものでもよい。
また、縫合糸切断器具1を保持する際、リング部11に指を必要以上に奥まで入れる必要はなく、挿入された手指に対してリング部11の内径Diが大き過ぎると、縫合糸切断器具1の保持及び操作が不安定になる。そこで、リング部11の内径Diとしては、本実施の形態のように、中指の第1関節の寸法である20mm程度が好ましい。
また、本実施の形態では、保持部10はリング部11を備えることとしたが、これに限られない。また、本実施の形態では、切断部20の幅の大きさは、保持部10の幅の大きさより小さくなっていることとしたが、これに限られず、保持部10の幅の大きさと同等であることとしてもよい。例えば、図5に示す縫合糸切断器具2のように、保持部10の幅と切断部20の幅とが同等の大きさで形成されていてもよい。これにより、より簡素な構造で安価な縫合糸切断器具を提供することができる。
また、切断部20の幅は保持部10の幅より狭くするとともに、保持部10の形状を矩形状の板のような形状とすることもできる。これにより、切断部20の先端が見やすくなるとともに、精密な操作をしやすくすることができる。また、簡素な構造で安価な縫合糸切断器具1を提供することができる。なお、保持部10を矩形状の板形状とする場合、保持部10の長さが長くなり過ぎると、保持位置によって、切断部20が見え難くなったり、縫合糸切断器具1の操作が不安定になったりする。したがって、縫合糸切断器具1全体の長さは、50~70mm程度であることが好ましい。また、このような矩形状の縫合糸切断器具1とする場合であっても、指掛部12を設けることとしてもよい。これにより、縫合糸切断器具1の操作の安定性を向上させることができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される種々の変更によって得られる実施の形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、縫合糸の切断に好適である。特に、診察時、回診時等において縫合糸の切断を行う切断器具に好適である
1,2 縫合糸切断器具、10 保持部、11 リング部、12 指掛部、20 切断部、21 立ち上がり部、22 刃部
Claims (3)
- 板状部材から形成され、
手指で保持する保持部と、
前記保持部から伸びる鉤状の切断部と、を備え、
前記切断部は、鉤状の内側に刃部を有し、
前記切断部の幅の大きさは、前記保持部の幅の大きさ以下である、
ことを特徴とする縫合糸切断器具。 - 前記切断部の幅の大きさは、
前記保持部の側から先端に向かって徐々に小さくなっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の縫合糸切断器具。 - 前記保持部は、
手指が挿入されるリング部と、
手指を掛けるために前記保持部から突設された指掛部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の縫合糸切断器具。
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2022
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