(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では遊技機の一つであるぱちんこ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14(音響装置)が設けられている。
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
また、上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように、遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示装置)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。そしてディスプレイ枠34には、液晶ディスプレイ32の中央上方に、遊技を盛り上げるための演出光などを出力するディスプレイ枠ランプ38が設けられている。
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aか右側の遊技領域4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
またディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
ステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動口46が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(図4参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(図4参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(図4参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(図4参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な普通役物54(補助手段)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(図4参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(図4参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bを遊技球が落下するように遊技球が発射される。
したがって遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
なお、本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cに遊技球が入賞することがないようになっている。
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
図3は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70は、図3に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態(低確率状態)と、通常状態よりも大当りの当選確率が高く設定された確変状態(高確率状態・特殊状態)と、特別図柄抽選で大当りに当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別図柄抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態(特殊状態)の4種類の遊技状態が設定可能となっており、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
図4は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(主制御手段)および副制御基板202(副制御手段)を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200や副制御基板202等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
主制御基板200は、遊技の進行を制御する。主制御基板200は、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、ゲートスイッチ102、第2始動口スイッチ103、カウントスイッチ104またはアウトスイッチ106等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示部70、普通役物54、特別役物56または払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
副制御基板202は、主制御基板200から送信される情報に基づいて演出の実行を制御する。副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタン26に対する操作を検出する演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、液晶ディスプレイ32、照明装置、スピーカー14、演出物駆動装置等の演出装置の動作制御を行う。
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250、特別遊技実行手段260、払出指示手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290を含んで構成されている。
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。具体的には、普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理などを行う。
普通当り決定処理は、普通当りの当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうち、いずれの普通図柄抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各普通図柄抽選テーブルは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して、普通当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、普通図柄抽選手段220は、選択した普通図柄抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当りに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当りが当選したか否かを判定する。そして、普通図柄抽選手段220は、普通当りが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当りの当選フラグをOFF状態に設定する。
また、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に選択される普通図柄抽選テーブルは、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に選択される普通図柄抽選テーブルに比べ、普通当りが当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に行われる普通図柄抽選は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に行われる普通図柄抽選に比べ、普通当りが当選する確率が高くなっている。
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、所定の変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において普通当りが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
具体的には、本実施形態では、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通図柄の変動時間が1秒に設定されるようになっており、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合の方が、普通図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
普通役物制御手段224は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物54を制御する手段である。普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。また、普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、20秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。
したがって、普通図柄抽選において普通当りとなった場合に、遊技状態が確変状態でも時短状態でもなければ、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作するが、遊技状態が確変状態あるいは時短状態であれば、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。
特別図柄抽選手段230は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。具体的には、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
大当り決定処理は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りの当否を決定する処理である。ここで、1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各大当り抽選テーブルは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した大当り抽選テーブルを参照して、読み出した1つの大当り決定乱数値が大当りに対応づけられているか否かを判定することにより、大当りに当選したか否かを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、大当りに当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当りの当選フラグをOFF状態に設定する
また、遊技状態が確変状態である場合に選択される大当り抽選テーブルは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に選択される大当り抽選テーブルに比べ、大当りに当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態である場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)は、遊技状態が通常状態または時短状態ある場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)に比べ、大当りが当選する確率が高くなっている。
図柄決定処理は、大当り決定処理で大当りに当選した場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当り図柄(大当りの種別)を16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のうちいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。ここで、各図柄抽選テーブルは、0~99の100個の図柄決定乱数値のそれぞれに対して、16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のいずれかが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が複数種類の大当り図柄のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、フラグ記憶手段2916において、当選した大当り図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
第1特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
本実施形態では、4種類の大当り図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
第2特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
そして特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別図柄抽選の結果を表示させる。
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
遊技状態移行制御手段250は、図5に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、普通当りの当選確率が約1/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる。
そして、通常状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約1/20と低い上に、普通図柄の変動時間が長く設定されており、普通役物54が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動口49に遊技球を進入させにくくなっている。
特別遊技状態は、通常状態、確変状態または時短状態における特別図柄抽選において大当りに当選したことに基づいて開始され、大当り図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。
具体的には、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
確変状態は、16ラウンド確変図柄または4ラウンド確変図柄(確変図柄)の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、確変状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、確変状態では、普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/31に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、通常状態よりも遊技者に有利になっている。そして、確変状態は、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、特別遊技状態が終了するとメインメモリ290の確変終了判定カウンタ2930に所定の遊技回数(例えば、9999回)に相当する値(例えば、9999)を書き込み、確変状態において特別図柄抽選が行われるごとに確変終了判定カウンタ2930の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、確変終了判定カウンタ2930の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、確変状態を終了させて通常状態を開始させる。ただし、確変状態では、特別図柄抽選における大当りの当選確率が1/31に設定されるため、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
また、確変状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
また、確変状態では、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
時短状態は、16ラウンド通常図柄または4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、時短状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、時短状態では、確変状態と同様に普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われるものの、通常状態と同様に大当りの当選確率が約1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、確変状態よりも遊技者に不利になっている。そして、時短状態は、時短状態において特別図柄抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、遊技状態が時短状態に移行されたことを契機として、メインメモリ290の時短終了判定カウンタ2932に所定の遊技回数(例えば、100回)に相当する値(例えば、100)を書き込み、時短状態において特別図柄抽選が行われるごとに時短終了判定カウンタ2932の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして時短終了判定カウンタ2932の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、時短状態を終了させる。
また、時短状態では、確変状態と同様に、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
また、時短状態では、確変状態と同様に、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技実行処理1~特別遊技実行処理4などを行う。
特別遊技実行処理1は、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理1では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば、1)が加算される大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理2は、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理2では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理3は、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理3では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理4は、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理4では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
払出指示手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号またはカウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。具体的には、払出指示手段270は、入力された検出信号ごとに定められている賞球数に相当する数の遊技球を払い出すことを指示する払出コマンドを払出装置130に送信する。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、第2始動口スイッチ103またはカウントスイッチ104のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
払出装置130は、払出指示手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。払出装置130は、払出制御基板400、遊技球を貯めておく遊技球タンク、遊技球タンクに貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ、払い出された遊技球の通過を検出する払出計数スイッチ等を備えている。
払出制御基板400は、賞球の払い出しに係る制御を行う。払出制御基板400は、CPU、ROM、RAM等を備えており、主制御基板200に対して双方向に通信可能に接続されている。また、払出制御基板400には、払出モータが接続されている。そして、払出制御基板400は、主制御基板200から送信された払出コマンドおよび払出計数スイッチからの検出信号に基づいて払出モータを制御し、所定の賞球を遊技者に対して払い出させる。具体的には、払出制御基板400は、主制御基板200から送信された払出コマンドに基づいて払出モータの通電を開始する。そして、払出モータが通電し回転している間は遊技球が1個ずつ払い出される。このとき、払出計数スイッチは、払い出された遊技球の通過を検出し、検出信号を払出制御基板400に送信する。払出制御基板400は、当該検出信号に基づいて払い出された遊技球の数を把握し、主制御基板200からの指示に応じた個数の遊技球が払い出されると、払出モータの通電を停止し、遊技球の払い出しを終了する。
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを副制御基板202や払出制御基板400等に送信する制御を行っている。なお、本実施形態の遊技機では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
続いて、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ310とを含んで構成されている。
演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ310の演出データ記憶手段3110に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、前枠ランプ12やディスプレイ枠ランプ38等の照明装置を点灯あるいは点滅させたり、スピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
図6は、払出制御基板400と基板ケース402とを備える払出制御基板ユニット401を表面側から見た斜視図である。なお、本実施形態では、払出制御基板400は、表面が遊技機の背面側(後方)を向き、裏面が遊技機の正面側(前方)を向くように配置されている。
本実施形態では、払出制御基板400に実装される部品は、全て払出制御基板400の表面側に実装される。以下では、払出制御基板400の部品が実装される面(表面)を実装面と呼ぶことがある。なお、払出制御基板400の裏面側に実装される部品があってもよい。
払出制御基板400は、量産時に実装される電子部品(量産時実装部品)が配置される領域(量産時実装部品配置領域(第1部品配置領域)A:図6における二点鎖線の外側の領域)と、量産時に実装されない電子部品(量産時未実装部品)が配置される領域(量産時未実装部品配置領域(第2部品配置領域)B:図6における二点鎖線の内側の領域)とを有している。量産時未実装部品配置領域Bは、具体的には、払出制御基板400の予め定められた位置に量産時未実装部品が配置された場合に当該量産時未実装部品が占める範囲(量産時未実装部品を取り付ける(ハンダ付けする)ための実装部405(ランドやスルーホールなど)が占める範囲)、および、量産時未実装部品に関するシルク406が占める範囲といえる。なお、量産時とは、市場に提供する製品を多量に生産する際をいう。換言すると、市場において流通している製品(遊技機)においては、量産時未実装部品配置領域Bには基本的に部品(量産時未実装部品)が配置されていないこととなる。
なお、量産時実装部品配置領域Aや量産時未実装部品配置領域Bは、それぞれ複数用意されていてもよく、1つのまとまった領域となっていてもよい。
なお、電子部品は、例えば、IC(メインICを含む)、LED、受動素子(抵抗、コンデンサ、インダクタ等)、スイッチ、コネクタ等である。
量産時未実装部品としては(1)開発時にのみ用いられ、量産時には実装されない開発用部品(開発用コネクタ、開発用IC、開発用受動素子など)、(2)後の機種において機能(仕様)の追加等が決定された場合に実装される電子部品であって、量産時には(現行の機種には)実装されない機能拡張用部品(機能拡張用コネクタ、機能拡張用IC、機能拡張用受動素子など)、(3)遊技機を市場へ提供するために行われる所定の試験において用いられ、量産時には実装されない試験用部品(試験用コネクタ、試験用IC、試験用受動素子など)等がある。本実施形態では、量産時未実装部品配置領域Bは、量産時未実装部品としての開発用部品が配置される領域となっている。そして、量産時未実装部品配置領域Bには、開発用部品を取り付ける(ハンダ付けする)ための実装部405(ランドやスルーホールなど)が設けられている。
払出制御基板400は、基板ケース402に収納されている。基板ケース402は、表ケース402aと裏ケース402bとを有している。表ケース402aは、前側が開口した矩形箱状となっている。また、裏ケース402bは後側が開口した矩形箱状となっている。また、表ケース402aと裏ケース402bとは、透明な合成樹脂によって形成されている。そして、表ケース402aと裏ケース402bとが組み合わされて透明な箱状の基板ケース402が形成されている。また、払出制御基板400は、表ケース402aが払出制御基板400の表面に対向し、裏ケース402bが払出制御基板400の裏面に対向した状態で、基板ケース402の内側に収容されている。
本実施形態では、基板ケース402の面のうち、払出制御基板400の表面に対向する面を天面と呼び、払出制御基板400の裏面に対向する面を底面と呼ぶ。すなわち、基板ケース402の天面は表ケース402aによって形成されており、基板ケース402の底面は裏ケース402bによって形成されている。
また、本実施形態では、基板ケース402(基板ケース402の天面)における、量産時実装部品配置領域Aに対面する部分(図6における二点鎖線の外側の領域)をケース側第1領域A’とし、量産時未実装部品配置領域Bに対面する部分(図6における二点鎖線の内側の領域)をケース側第2領域B’とする。
本実施形態では、ケース側第2領域B’には、量産時未実装部品配置領域Bの視認性を低下させる視認性低下部C(図6における斜線で示す領域)が存在している。視認性低下部Cは、払出制御基板400の板面(表面)に直交する方向において、量産時未実装部品配置領域Bと重複する部分であり、払出制御基板400の板面(表面)に直交する方向から払出制御基板400(払出制御基板400の表面)を見た場合に、量産時未実装部品配置領域Bの視認性を阻害する部分となっている。換言すると、視認性低下部Cは、当該方向から見た場合に、量産時未実装部品配置領域Bに配置された量産時未実装部品を実装するための実装部405(ランドやスルーホールなど)または量産時未実装部品に関するシルク406等の少なくとも一部の視認性を低下させる部分となっている。なお、「視認性を低下させる(阻害する)」とは、当該方向から見た場合に視認性低下部Cによって量産時未実装部品配置領域B(量産時未実装部品配置領域Bの視認性低下部Cと重なる部分)(量産時未実装部品に関する実装部405やシルク406等)が見えにくくなるものであればよいが、ここで「見えにくくなる」とは完全に見えなくなる場合を含むものである。また、視認性低下部Cは、量産時未実装部品配置領域B(量産時未実装部品に関する実装部405やシルク406等)の少なくとも一部の視認性を低下させるものであればよいが、量産時未実装部品配置領域Bの全体の視認性を低下させるものであってもよい。換言すると、払出制御基板400に設けられた量産時未実装部品を実装するための実装部405は、全て、(少なくともその一部が)視認性低下部Cと重複する位置に存在することとしてもよい。なお、視認性低下部Cによって視認性が低下されている部分は、特定の量産時実装部品配置領域A(量産時実装部品配置領域Aのうちの特定の領域、例えば、後述するメインIC500が配置されている領域や、LEDが配置されている領域等)に比べて視認性が低下されている部分ともいえる。
視認性低下部Cは、例えば、所定の文字が付された部分(文字部)であってもよい。すなわち、基板ケース402には、所定の文字が付されており、当該文字によって量産時未実装部品配置領域Bの視認性が低下するようになっていてもよい。具体的には、視認性低下部Cは、払出制御基板400に設けられた所定の操作手段(ボタン等)に関する文字が付された部分であってもよい。より具体的には、視認性低下部Cは、「RAMクリアボタン」という文字等の、所定の操作手段の種類(操作手段の機能)を説明する文字等が付された部分であってもよい。
なお、視認性低下部Cが、所定の文字部である場合に、当該文字部は、基板ケース402に文字が印刷されることにより形成されていてもよく、文字が印刷されたシール等が付されることにより形成されていてもよく、基板ケース402の凹凸形状によって形成されているなどしてもよい。
また、視認性低下部Cは、所定サイズのシールが付された部分であってもよい。すなわち、基板ケース402には、所定のシールが付されており、当該シールによって量産時未実装部品配置領域Bの視認性が低下するようになっていてもよい。なお、当該シールは、一部が透明であるとともに一部が有色のシールであってもよく、全体が有色のシールであってもよい。換言すると、例えば、透明のシート(フィルム)に所定の文字や図(図形)等が印刷されたシール等であってもよく、白色のシート(フィルム)に所定の文字や図(図形)等が印刷されたシール等であってもよい。透明なシートに所定の印刷がされたシールの場合、当該所定の印刷がされ、所定の色が付された部分(印刷部:有色部)によって、量産時未実装部品配置領域Bの視認性が低下する。
また、視認性低下部Cは、例えば、所定の凹凸形状が形成された部分(凹凸形状部)であってもよい。すなわち、基板ケース402には、所定の凹凸形状が形成されており、当該凹凸形状によって量産時未実装部品配置領域Bの視認性が低下するようになっていてもよい。また、当該凹凸形状は、所定の情報を有するもの(所定の文字列や、デートマーク、所定の記号等)となっていてもよく、段差形状等の所定の情報を有さないものとなっていてもよい。
本実施形態では、視認性低下部Cは、図7に示すように、シール410によって形成されている。また、シール410は、基板ケース402(基板ケース402の天面)のシール貼付領域412に貼り付けられている。
シール貼付領域412は、シール410を貼り付けるための領域である。本実施形態では、シール貼付領域412は、基板ケース402に形成された凹凸形状(所定形状)によって示される領域となっている。具体的には、図7および図8(a)に示すように、基板ケース402の天面には、所定形状部413として、内面側(基板側)に向けて矩形枠状に突出する凸部が設けられている。そして、所定形状部413としての当該凸部に囲われる矩形状の領域がシール貼付領域412となっている。すなわち、本実施形態では、所定形状部413によって区画された領域がシール貼付領域412であると認識できるようになっており、シールを貼り付ける作業者(作業装置)がシール貼付領域412を判別できるようになっている。なお、本実施形態では、シール410は、基板ケース402の外面側に貼られているが内面側に貼られていてもよい。
なお、図8(a),(b)は、払出制御基板ユニット401を、払出制御基板400に直交する平面であって左右方向(および前後方向)に延びる平面(水平面)で切断し、その断面を上側から見た場合を示す概略断面図である。なお、水平面で切断した断面のみならず、鉛直面(上下方向および前後方向に延びる平面)で切断した断面も、図8(a),(b)に示すようなものとなる。
なお、本実施形態では、図8(a)に示すように、所定形状部413としての凹凸形状は、基板ケース402の内面に形成されており、基板ケース402外面における当該所定形状部413に対応する部分は、平らになっている。ただし、図8(b)に示すように、所定形状部413として、外面側から内面側に向けて矩形枠状に凹んだ凹部(凹溝)が、(内面側に向けて矩形枠状に突出する凸部とともに)形成されていてもよい。また、シール貼付領域412は、シール貼付領域412の周辺部に比べて外面側から内面側に向けて凹んだ(内面側に向けて突出した)領域であってもよい。換言すると、所定形状部413は、矩形枠状でなくてもよく、矩形状に凹む部分であってもよい。また、所定形状部413は、矩形枠状または矩形状に外面側に突出した部分であってもよい。また、所定形状部413は、1または複数のL字状の凸部あるいは凹部であり、当該L字状の凸部あるいは凹部によって、シール貼付領域412の角が示されていてもよい。なお、当該L字状の凸部あるいは凹部が1つである場合、L字の三つの頂点(両端と角)を結んで形成される仮想三角形の範囲内にシール410の少なくも一部が存在することとなる範囲(かつシール410がL字状の凸部あるいは凹部を跨がない範囲)をシール貼付領域412とする。
シール410は、所定サイズのシールとなっている。また、シール貼付領域412のサイズ(面積)は、シール410のサイズ(面積)よりも大きくなっている。すなわち、払出制御基板400の板面(表面)(基板ケース402の天面)に直交する方向から基板ケース402を見た場合に、シール貼付領域412の面積は、シール410の面積よりも広くなっている。そして、これにより、シール410の貼付作業に対する要求精度が緩和されている。すなわち、作業者(作業装置)は、シール貼付領域412内の任意の位置にシール410を貼り付ければよいため、シール貼付領域412の中心とシール410の中心とを完全一致させる必要がなく、多少ずれた位置に配置することが許容されている。
また、払出制御基板400(払出制御基板400の表面)には、基板ケース402のシール貼付領域412と対面する領域としてのシール貼付領域対面領域420(図7における二点鎖線の内側の領域)が存在する。また、シール貼付領域対面領域420のサイズ(面積)と、シール貼付領域412のサイズ(面積)とは同一となっている。換言すると、払出制御基板400の板面(表面)に直交する方向から見た場合に、シール貼付領域対面領域420は、シール貼付領域412と完全に重なり合っている。さらに換言すると、当該方向から見た場合において、シール貼付領域412は、払出制御基板400からはみ出しておらず、払出制御基板400の外縁よりも内側に位置している。
ここで、払出制御基板400に実装されている電子部品であって、シール貼付領域対面領域420の範囲内に、当該範囲内からはみ出すことなく収まっている電子部品(全体が当該範囲内に存在している電子部品)を特定電子部品と呼ぶ。本実施形態では、シール貼付領域420の範囲内の任意の位置(いかなる位置)にシール410を貼り付けた場合であっても、特定電子部品は少なくとも一部がシール410と対面するようになっている。すなわち、本実施形態では、特定電子部品として複数の電子部品が存在しているが、シール410がシール貼付領域412の範囲内の任意の位置(いかなる位置)に貼り付けられた場合であっても、複数の特定電子部品のうちのいずれかはシール410と対面するようになっている。なお、特定電子部品として1または複数の電子部品が存在しており、特定電子部品は全て(シール貼付領域対面領域420の範囲内に、当該範囲内からはみ出すことなく収まっている電子部品は全て)、シール410がシール貼付領域412の範囲内の任意の位置(いかなる位置)に貼り付けられた場合であっても、少なくとも一部がシール410と対面し、シール410によって視認性が低下されるようになっていてもよい。
なお、「シール貼付領域412の範囲内」とは、所定形状部413の外側の縁を跨がない(越えない)範囲(図8(a),(b)における一点鎖線fの内側の範囲)である。ただし、「シール貼付領域412の範囲内」とは、所定形状部413の内側の縁を跨がない(越えない)範囲(図8(a),(b)における一点鎖線gの内側の範囲)としてもよい。「シール貼付領域対面領域420の範囲内」についても同様である。
すなわち、本実施形態では、視認性低下部Cとしてのシール410は、量産時未実装部品配置領域Bの視認性を低下させるとともに、シール貼付領域412の範囲内の任意の位置(いかなる位置)に貼り付けられた場合であっても、特定電子部品と対面し、特定電子部品の視認性を低下させるようになっている。また、視認性低下部Cとしてのシール410は、シール貼付領域412の範囲内の任意の位置(いかなる位置)に貼り付けられた場合であっても、量産時未実装部品配置領域Bの少なくとも一部の視認性を低下させるようになっている。
なお、シール貼付領域対面領域420の範囲内(シール410と対面する位置)に、量産時未実装部品配置領域B(量産時未実装部品に関する実装部405やシルク406等)が存在しない構成としてもよい。
ここで、視認性低下部Cとしてのシール410による電子部品(特定電子部品)の視認性の低下についてより詳細に説明する。本実施形態では、シール410は、透明なシートとしてのシール本体(透明部)に、所定の文字や図(図形)が印刷された印刷部(有色部)が形成されたものとなっている。
本実施形態では、シール410は、図9に示すように、印刷部として、白文字で印刷された「払出制御基板」の文字、基板ケース402の開封者を記入する欄としての白く矩形状に塗りつぶされた(印刷された)開封者記入欄、開封者記入欄に併記され開封者記入欄であることを示す白文字で印刷された「開封者」の文字、基板ケース402の開封日を記入する欄としての白く矩形状に塗りつぶされた(印刷された)開封日記入欄、開封日記入欄に併記され開封日記入欄であることを示す白文字で印刷された「開封年月日」の文字、払出制御基板400に実装された部品に関する情報の記載としての白文字の文字列、および、これらの各種文字や欄を覆う白の枠線等を有している。そして、払出制御基板400の板面(表面)に直交する方向において、この印刷部が、特定電子部品や量産時未実装部品配置領域Bと重なり合い、これにより特定電子部品や量産時未実装部品配置領域Bの視認性が低下するようになっている。なお、ここで示す印刷部(有色部)としての各印刷は例示であり、シール410は、ここに示す各印刷の一部あるいは他の印刷を備えるものであってもよい。
本実施形態では、シール410を基板の管理に用いる基板管理シールとしたが、シール410は、メーカーの識別(表示)に用いるメーカー識別シールであってもよい。
なお、「払出制御基板400に実装された部品に関する情報」とは、例えば、当該部品としてのLEDの点灯状態が示す情報の説明(例えばどのLEDが点灯している場合にどのようなことを示しているのか(例えばLEDの点灯状態によって示されるエラーの種類等)を説明する文字列等)であってもよく、当該部品としての操作手段(ボタン等)の種類(操作手段の機能)の説明であってもよく、当該部品(操作手段等)の場所を示す情報(例えば場所を示す矢印記号)等であってもよい。
なお、基板ケース402について、シール410およびシール貼付領域412が複数存在してもよい。また、シール410およびシール貼付領域412が複数存在する場合に、複数(全て)のシール410が、前述の特定電子部品や量産時未実装部品配置領域Bの視認性の低下に係る各特徴を有していてもよい。また、所定のシール410が前述の特定電子部品の視認性の低下に係る各特徴を有し、他のシール410が前述の量産時未実装部品配置領域Bの視認性の低下に係る各特徴を有していてもよい。また、例えば、所定のシール410が払出制御基板400に実装された部品に関する情報を含むシール(例えばLEDの点灯状態によって示されるエラーの種類等が印刷されたシール)となっており、他のシール410が基板ケース402の開封に関するシール(「開封者」の文字、「開封年月日」の文字、開封者記入欄および開封日記入欄等が印刷されたシール)となっていてもよい。また、複数存在するシール410およびシール貼付領域412について、シール410同士のサイズ(面積)やシール貼付領域412同士のサイズ(面積)は異なっていてもよい。サイズ(面積)を異ならせることにより、シール410の貼り間違えを防止することができる。
なお、シール410は、透明なシートに所定の印刷がされたものでなく、例えば、白色のシートに所定の印刷がされたもの等であってもよい。換言すると、シール410は、全体が有色部となっており、当該有色部によって特定電子部品や量産時未実装部品配置領域Bの視認性が低下されるようになっていてもよい。
(変形例)
本変形例の遊技機では、払出制御基板400は、図10に示すように、量産時未実装部品としての特定コネクタ(開発用コネクタ、機能拡張用コネクタまたは試験用コネクタ等)を取り付ける(ハンダ付けする)ための実装部として、特定コネクタ実装部430を有している。特定コネクタ実装部430は、ランドを備える複数(4個)のスルーホール430aによって構成され、当該スルーホール430aに特定コネクタの端子を挿通し、ハンダで接合することによって特定コネクタが実装されるようになっている。なお、量産時においては、特定コネクタ実装部430には特定コネクタが実装されていないものの、特定コネクタ実装部430のスルーホールは全てハンダによって埋められており、貫通していない状態となっている。
また、特定コネクタ実装部430は、基板ケース402(表ケース402a)に覆われている。また、基板ケース402の、特定コネクタ実装部430と対面する部分(特定コネクタ実装部対面領域)には、特定コネクタを基板ケース402の外部に露出させるための開口が設けられていない。換言すると、特定コネクタが実装された状態では、基板ケース402が閉まらず、払出制御基板400を基板ケース402に収納することができないようになっている。また、特定コネクタ実装部対面領域には、通気口等も設けられていない。換言すると、特定コネクタ実装部対面領域には、いかなる貫通孔も設けられていない。そして、このように特定コネクタを露出させるための開口や通気口等を設けていないことにより、特定コネクタ実装部430を介しての不正を防止することができるようになっている。また、特定コネクタを露出させるための開口が設けられていないことにより、特定コネクタ実装部430にコネクタが実装されていなくても問題がないことを把握しやすくなっている。
また、特定コネクタは、払出制御基板400の所定の辺(上辺)に沿って、他のコネクタと略一列(ここで「略一列」とは、完全に一列となっている場合を含む)に並べて配置されるようになっている。具体的には、本実施形態では、特定コネクタと略等間隔(ここで「略等間隔」とは、完全に等間隔の場合を含む)で配置される複数(4個)のコネクタが用意されている。当該複数のコネクタは、量産時実装部品となっている。具体的には、当該複数のコネクタは、制御装置(主制御基板200)や他の基板(主制御基板200等の制御基板を含む)等の、当該遊技機に搭載される部品(遊技機搭載部品)との接続に使用される搭載部品接続コネクタとなっている。
なお、当該所定の辺に沿って(これらのコネクタ同士の間隔以上の間隔を空けて)、特定コネクタおよび4個の搭載部品接続コネクタ以外のコネクタ(例えば他の搭載部品接続コネクタ等)が設けられていてもよい。
基板ケース402には、4個の搭載部品接続コネクタそれぞれと対面する部分に、4個の搭載部品接続コネクタのそれぞれを外部に露出させるための開口432が設けられている。すなわち、4個の搭載部品接続コネクタのそれぞれについて、対応する開口432が設けられている。なお、図10においては、搭載部品接続コネクタの図示を省略している。また、基板ケース402(表ケース402a)には、外面側から内面側に向けて凹む1つの凹部434が形成されている。そして、凹部(凹部434の底面)に、4個の搭載部品接続コネクタのそれぞれに対応する4個の開口432と、特定コネクタ実装部対面領域とが配置されている。換言すると、当該4個の開口432および特定コネクタ実装部対面領域は、払出制御基板400の板面(表面)に直交する方向から見た場合において、凹部434の底面の範囲内に、当該範囲内からはみ出すことなく収まっている。このように本実施形態では、1つの凹部434に、搭載部品接続コネクタ(搭載部品接続コネクタを露出させる開口432)と、特定コネクタ実装部対面領域とを配置したことにより、特定コネクタ実装部430に不正な部品が取り付けられた場合に気付きやすくなっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板400は、凹部434に配置される4個の搭載部品接続コネクタの他にも搭載部品接続コネクタ(図示せず)を有している。そして、基板ケース402には、凹部434とは別に、当該他の搭載部品接続コネクタを露出させるための開口436が配置される凹部438が形成されている。
また、特定コネクタの端子(当該端子が挿通されるスルーホール430a)は、凹部434に配置される4個の搭載部品接続コネクタのいずれについての端子(当該端子が挿通されるスルーホール)よりも、内側(払出制御基板400の面方向内側、すなわち上辺から離れた位置)に配置されるようになっている。このため、特定コネクタ実装部430にコネクタが実装されていなくても問題がないことを把握しやすくなっている。
なお、特定コネクタ(特定コネクタ実装部430)は、払出制御基板400の所定の辺(上辺)に沿って、他のコネクタと略一列に配置しなくてもよく、例えば、払出制御基板400の中央部等の、周縁部から離れた位置に配置されることとしてもよい。また、特定コネクタを表面実装部品とし、特定コネクタ実装部430をスルーホール(貫通孔)を有しないランドによって構成してもよい。
本実施形態の遊技機は、基板400と、基板400を収納する基板ケース402と、を備える遊技機であって、基板400における、量産時に実装される電子部品が実装される領域を、量産時実装部品配置領域(第1部品配置領域)Aとし、量産時に実装されない電子部品が実装可能な領域を、量産時未実装部品配置領域(第2部品配置領域)Bとし、基板ケース402における、量産時実装部品配置領域Aに対面する領域を、第1領域A’とし、量産時未実装部品配置領域Bに対面する領域を、第2領域B’とすると、第2領域B’には、量産時未実装部品配置領域Bの少なくとも一部の視認性を低下させる視認性低下部Cが存在する。このような構成によれば、視認性低下部Cが、量産される製品において電子部品が実装されない量産時未実装部品配置領域Bに重なることとなる。このため、視認性低下部Cにおける、量産時実装部品配置領域Aと重なる範囲を減らすことができる。したがって、電子部品が実装されている部分の視認性の低下を防止することができる。
また、本実施形態の遊技機は、基板400と、基板400を収納する基板ケース402と、を備える遊技機であって、基板ケース402には、シール410が貼り付けられるシール貼付領域412があり、基板400における、シール貼付領域412に対面する領域をシール貼付領域対面領域320とすると、シール貼付領域412の面積は、シール410の面積よりも大きく、シール貼付領域対面領域420の面積と同じであり、基板400の一方の面に直交する方向から見た場合に、シール貼付領域対面領域420の範囲内に、当該範囲内からはみ出すことなく収まっている電子部品を特定電子部品とすると、シール貼付領域412の範囲内の任意の位置(いかなる位置)にシール410を貼り付けた場合であっても、特定電子部品は少なくとも一部がシール410と対面するようになっている。このような構成によれば、視認性が低下しても問題がない電子部品あるいは視認性を低下させたい電子部品をシール貼付領域対面領域420の範囲内にまとめることで、視認性の低下を避けたい電子部品についての視認性の低下を防止することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施形態の遊技機は、第1の実施の形態に係る遊技機と同様の構成を有する。したがって、第1の実施の形態と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態では、払出制御基板400に実装される部品は、全て払出制御基板400の表面側に実装される。以下では、払出制御基板400の部品が実装される面を実装面と呼ぶことがある。なお、払出制御基板400の裏面側に実装される部品があってもよい。
以下の説明において、基本的に、基板に実装される部品の長手方向(長辺)とは、実装面に直交する方向から見た場合の長手方向(長辺)を意味し、短手方向(短辺)とは、実装面に直交する方向から見た場合の短手方向(短辺)を意味し、高さ方向とは、実装面に直交する方向を意味する。また、基板に実装される部品について、底面とは、実装面側の面を意味し、天面とは、実装面の逆側を向く面を意味する。
払出制御基板400には、図11に示すメインIC500が実装されている。メインIC500は、CPU、ROMおよびRAM等が一体化(ワンチップ化)されたICとなっている。また、メインIC500は、払出制御基板400による各種処理を制御する。
メインIC500は、図12に示すソケット502を介して払出制御基板400に実装されている。すなわち、払出制御基板400には、ソケット502が取り付けられており、メインIC500はソケット502に取り付けられている。
メインIC500は、図11に示すように、CPUやメモリ等を内蔵して略矩形板状に形成されたIC本体510と、IC本体510に内蔵された回路と電気的に接続された複数のIC端子Pとを有している。複数のIC端子Pは、IC本体510の長手方向に沿って2列に並べて配置されているとともに、IC本体510から実装面側に向けて延びている。換言すると、複数のIC端子Pは、IC本体510の短手方向両側に、長手方向に沿って配置されている。さらに換言すると、複数のIC端子Pは、IC本体510の対向する2辺(2つの長辺)のそれぞれに沿って並べられている。メインIC500のパッケージは、いわゆるDIP(Dual In-line Package)となっている。
本実施形態では、メインIC500は、IC端子P1~P71の71個の端子を有している。そして、前記2列のうちの一方にはIC端子P1~P35の35個の端子が配置され、他方にはIC端子P36~P71の36個の端子が配置されている。なお、IC端子P1~P71は、それぞれ、メインIC500の第1ピン(第1端子)~第71ピン(第71端子)ともいえ、ピン番号(端子番号)1~71のピン(端子)ともいえる。
IC端子P1からIC端子P2までの距離Pxは1mmとなっている。また、IC端子P2からIC端子P3までの距離Pyは1mmとなっている。また、IC端子P1からIC端子P3までの距離Pzは2mmとなっている。すなわち、距離Pxと距離Pyとは等しくなっている。また、距離Pzは、距離Pxおよび距離Pyの2倍となっている。また、IC端子P1~P17は、隣り合うIC端子同士の間隔が等しくなっており(1mmとなっており)、IC端子P18~P35は、隣り合うIC端子同士の間隔が等しくなっており(1mmとなっており)、IC端子P36~P53は、隣り合うIC端子同士の間隔が等しくなっており(1mmとなっており)、IC端子P54~P71は、隣り合うIC端子同士の間隔が等しくなっている(1mmとなっている)。また、IC端子P17とIC端子P18との間隔およびIC端子P53とIC端子P54との間隔は、1mmよりも長くなっている。すなわち、連続する一群のIC端子P(IC端子P1~P17、IC端子P18~P35、IC端子P36~P53またはIC端子P54~P71)について、隣り合うIC端子P同士の間隔が等しくなっている。また、連続する一群のIC端子P(IC端子P1~P17、IC端子P18~P35、IC端子P36~P53またはIC端子P54~P71)について、1つ置きのIC端子P同士の間隔(2mm)は、隣り合うIC端子P同士の間隔(1mm)の2倍となっている。
なお、IC端子P17とIC端子P18との間隔およびIC端子P53とIC端子P54との間隔が、1mmとなっていてもよい。
ソケット502は、図12に示すように、メインIC500のIC端子Pがそれぞれ接続される複数のソケット端子Qと、この複数のソケット端子Qを保持するとともにメインIC500が載置されるソケット本体(ハウジング)515と、複数の足517と、を有している。ソケット本体515は、絶縁性を有する樹脂素材によって略直方体状に形成されている。また、ソケット本体515は、透明または半透明の樹脂素材によって形成されており、透光性を有している。ここで「透光性を有する」とは、「透明」な場合を含むものである。
ソケット本体515は、天面が、メインIC500が載置(装着)される側の面となっている。なお、ソケット本体515の天面にメインIC500の底面が接しなくてもよく、ソケット本体515に取り付けられたメインIC500が、ソケット本体515の天面側に位置していればよい。また、ソケット本体515の天面にメインIC500側に向かって突出する1または複数の突出部が設けられており、当該突出部がメインIC500の底面に接するようになっていてもよい。
また、ソケット本体515には複数の足517が設けられている。足517は、ソケット本体515の底面から実装面側に向けて突出している。本実施形態では、ソケット本体515の四方の隅に設けられた4個の足517と、ソケット本体515の長手方向の中心部に短手方向に離間して設けられた2個の足517との、計6個の足517が存在している。また、足517は、ソケット本体515と同一の素材(絶縁性を有する素材)によってソケット本体515と一体的に形成されているが、異なる素材によって形成されていてもよい。
なお、足517は、少なくともソケット502の四方の隅に設けられることが好ましいが、足の数が4個未満であってもよく、4個以上であってもよい。また、足517の高さh(ソケット本体515の底面からの突出量)は、1mmとなっている。
本実施形態では、ソケット502は、ソケット端子Q1~Q71の71個の端子を有している。なお、ソケット端子Q1~Q71は、それぞれ、ソケット502の第1ピン(第1端子)~第71ピン(第71端子)ともいえ、ピン番号(端子番号)1~71のピン(端子)ともいえる。また、ソケット502にメインIC500が取り付けられた状態において、各ソケット端子Q1~Q71は、対応するピン番号(同一のピン番号)のIC端子P1~P71と電気的に接続されるようになっている。
ソケット端子Qは、実装面から離れた側(天面側)がIC端子Pと接触するIC端子接触部520となっており、実装面側(底面側)が払出制御基板400に接合される基板接合部521となっている。IC端子接触部520(ソケット端子Q)の上端は、ソケット本体515の天面よりも実装面側に位置している。また、IC端子接触部520は、IC端子Pが挿入可能な形状となっている。換言すると、ソケット本体515には、ソケット端子Qのそれぞれが埋め込まれる複数(71個)の穴518が形成されており、IC端子Pのそれぞれが当該穴518のそれぞれに挿入されることで、IC端子PとIC端子接触部520とが接触した状態で、メインIC500がソケット502に取り付けられるようになっている。また、基板接合部521は、ソケット本体515の底面よりも実装面側(基板側)に突出している。また、基板接合部521は、足517よりも実装面側(基板側)に突出している。そして、各ソケット端子Qの基板接合部521が、後述する払出制御基板400の各スルーホール504に挿入され、ハンダ付けによって接合されることにより、ソケット502が払出制御基板400に取り付けられるようになっている。また、IC端子接触部520と、基板接合部521とは、導電性を有する金属によって一体的に形成されている。そして、ソケット端子Qによって、IC端子P(メインIC500)とスルーホール504(払出制御基板400)とが電気的に接続されるようになっている。
なお、各IC端子接触部520は、メインIC500の各IC端子Pが接続可能な形状であればよい。また、各IC端子接触部520は、ソケット502に取り付けられたメインIC500の抜けを抑制できる形状となっていてもよい。本実施形態では、図13に示すように、IC端子接触部520は、弾性を有する形状に金属を折り曲げて形成され、弾性力によってIC端子Pを挟持するようになっている。なお、IC端子接触部520は、IC端子Pを挿入可能な穴を有し、当該穴にIC端子Pが嵌合するようになっているなどしてもよい。
なお、基板接合部521は、スルーホール504に挿入可能となるよう、実装面に直交する方向(高さ方向)に、略直線状(ここで「略直線状」とは完全に直線状の場合を含む)に延びた形状となっている。
ソケット502では、図12に示すように、複数のソケット端子Qが、ソケット本体515の長手方向に沿って2列に並べて配置されている。そして、2列に並べられた複数のソケット端子Qについて、一方の列には、ソケット端子Q1~Q35の35個の端子が配置され、他方の列にはソケット端子Q36~Q71の36個の端子が配置されている。また、複数のソケット端子Qは、メインIC500側(ソケット本体515の天面側)の端部が、ソケット本体515の長手方向に沿って2列に並んだ状態となっているのに対し、払出制御基板400側(ソケット本体515の底面側)の端部が、ソケット本体515の長手方向に沿って4列に並んだ状態となっている。換言すると、IC端子接触部520は、ソケット本体515の長手方向に沿って2列に並べて配置されている。また、基板接合部521は、ソケット本体515の長手方向に沿って4列に並べて配置されている。さらに換言すると、複数のソケット端子Qは、ソケット本体515の長手方向に沿って2列に並べて配置されているとともに、各列のソケット端子Qは、メインIC500側の端部が直線状に配置されており、払出制御基板400側の端部が千鳥状に配置されている。
このように、複数のソケット端子Qについて、メインIC500側が2列、払出制御基板400側が4列に並べられていることから明らかなように、複数のソケット端子Qの少なくとも一部(例えば、1列に並んだソケット端子Qのうちの1つ置きのソケット端子Qについて)は、IC端子接触部520と基板接合部521との、ソケット本体515の短出方向における位置が異なっている。換言すると、少なくとも一部のソケット端子Qは、
IC端子接触部520と基板接合部521との間に、IC端子接触部520と基板接合部521との当該短出方向における位置を異ならせるように屈曲した屈曲部522を有している。
本実施形態のソケット端子Qにおける屈曲部522について、図13を参照しながら説明する。なお、図13は、ソケット本体515の短手方向および高さ方向に直交する方向(長手方向)から見た場合におけるソケット端子Qの形状を示す図であって、(a)はピン番号が奇数のソケット端子Qを示す図であり、(b)はピン番号が偶数のソケット端子Qを示す図であり、(c)はソケット本体515に保持されている状態における(a)、(b)に示すソケット端子Qの位置関係を示す図である。なお、長手方向に2列に並べられたソケット端子Qについて、一方の列のソケット端子は、図13に示す向きで配置され、他方の列のソケット端子については、図13に示す向きと左右対称な向きで配置される。
屈曲部522は、基板接合部521側に位置する第1曲部523と、IC端子接触部520側に位置する第2曲部524と、第1曲部523と第2曲部524とを繋ぐ、略直線状(ここで「略直線状」とは完全に直線状の場合を含む)の中間部525と、を有している。第1曲部523は、高さ方向に延びる基板接合部521の実装面から離れた側(天面側)において、高さ方向からソケット本体515の短手方向(払出制御基板400の面方向)に折れ曲がる部分となっている。また、第1曲部523は、折れ曲がり角度α(基板接合部521と中間部525とのなす角度)が120度となっている。また、第2曲部524は、中間部525の基板接合部521から離れた側において、ソケット本体515の短手方向(払出制御基板400の面方向)から高さ方向に折れ曲がる部分となっている。また、第2曲部524は、折れ曲がり角度β(中間部525とIC端子接触部520側の部分とのなす角度)が120度となっている。また、中間部525は、ソケット本体515の短出方向に延びており、具体的には短出方向であって払出制御基板400の面方向に対して所定角度傾斜した方向に延びている。すなわち、屈曲部522は、ソケット本体515の長手方向から見た場合において、クランク状(ここで「クランク状」とは略クランク状を含む)となっている。
そして、屈曲部522によって、1列に並んだ複数のソケット端子Qのうちの隣り合うソケット端子Q同士の基板接合部521の短手方向位置(ソケット端子Qの整列方向および高さ方向に垂直な方向における位置)を異ならせる(ずらす)ことによって、IC端子接触部520に比べ基板接合部521の方が列数が多くされている。
なお、本実施形態では、複数種類(2種類)の形状のソケット端子Qが用意されており、1列に並んだ複数のソケット端子Qについて、隣り合うソケット端子Q同士の形状を異ならせるとともに、1つ置きに同一の形状としているが、全てのソケット端子Qを同一形状としてもよい。
また、本実施形態では、ソケット端子Qは、IC端子接触部520と基板接合部521と、屈曲部522とが導電性を有する金属によって一体的に形成されているが、複数のパーツによって形成されていてもよい。換言すると、各ソケット端子Qは、メインIC500がソケット502に取り付けられている状態において、IC端子接触部520と基板接合部521とが電気的に接続されていればよい。
ソケット端子Q1の基板接合部521(下端)からソケット端子Q2の基板接合部521(下端)までの距離Qxは、2.5mmとなっている(図12参照)。また、ソケット端子Q2の基板接合部521(下端)からソケット端子Q3の基板接合部521(下端)までの距離Qyは、2.5mmとなっている。また、ソケット端子Q1の基板接合部521(下端)からソケット端子Q3の基板接合部521(下端)までの距離Qzは2mmとなっている。すなわち、ソケット端子Q1の基板接合部521とソケット端子Q2の基板接合部521との間隔は、ソケット端子Q1の基板接合部521とソケット端子Q3の基板接合部521との間隔よりも長くなっている。換言すると、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔は、等しく(2.5mm)なっている。また、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2.5mm)は、1つ置きのソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2mm)よりも長くなっている。換言すると、隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2.5mm)は、1つ置きのソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2mm)の1/2よりも長くなっている。
また、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、隣り合うソケット端子Q同士の間隔は、等しく(1mm)となっている。また、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、隣り合うソケット端子QのIC端子接触部520同士の間隔は、等しく(1mm)となっている。また、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、1つ置きのソケット端子Q同士(IC端子接触部520同士)の間隔は、隣り合うソケット端子Q同士(IC端子接触部520同士)の間隔の2倍(2mm)となっている。具体的には、ソケット端子Q1のIC端子接触部520(上端)からソケット端子Q2のIC端子接触部520(上端)までの距離は1mmとなっており、ソケット端子Q2のIC端子接触部520(上端)からソケット端子Q3のIC端子接触部520(上端)までの距離は1mmとなっており、ソケット端子Q1のIC端子接触部520(上端)からソケット端子Q3のIC端子接触部520(上端)までの距離は2mmとなっている。すなわち、ソケット端子Q1~Q71(IC端子接触部520)は、IC端子P1~P71と同様の間隔で配置されている。
そして、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、各群の隣り合うソケット端子Q同士の間隔(1mm)よりも、各群の隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2.5mm)の方が長くなっている。また、各群の隣り合うソケット端子QのIC端子接触部520同士の間隔(1mm)よりも、各群の隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2.5mm)の方が長くなっている。換言すると、メインIC500の隣り合うIC端子P同士の間隔(例えば、IC端子P1とIC端子P2との間隔Px:1mm)よりも、当該隣り合うIC端子Pが接続されるソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(例えば、ソケット端子Q1の基板接合部521とソケット端子Q2の基板接合部521との間隔Qx:2.5mm)の方が長くなっている。このように、隣り合う基板接合部521同士の間隔(距離Qx,Qy)を広くしたことにより、隣り合うソケット端子Q同士が短絡してしまうことを防止できる。
払出制御基板400には、ソケット端子Qが挿通される複数(ソケット端子Qと同数)のスルーホール504が設けられている。また、複数のスルーホール504は、複数のソケット端子Qそれぞれの基板接合部521が挿通可能となるように、払出制御基板400の長辺方向に沿って4列に並べて配置されている。そして、各スルーホール504に、各ソケット端子Qの基板接合部521が挿通されるようになっている。なお、スルーホール504の配置は、ソケット端子Qの基板接合部521の配置と同様となっている。換言すると、スルーホール504同士の間隔は、対応するソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔と同様となっている。
各スルーホール504は、払出制御基板400の表面側と裏面側とのそれぞれに円環状のランド526を有している。払出制御基板400の表面側から見たスルーホール504を、図14に示す。各ランド526の直径(φ:外径)は、1.5mmとなっている。換言すると、ランド526の半径(スルーホール504の穴の中心(中心軸)からランド526の外縁までの長さ)は、0.75mmとなっている。また、ランド526の幅(払出制御基板400の板面方向における、スルーホール504の穴の外縁からランド526の外縁までの長さ)(ランドの幅)は、0.35mmとなっている。また、スルーホール504の穴の直径は、0.8mmとなっている。
なお、ランド526の直径を1mm以下としてもよい。また、ランド526の半径を0.5mm以下としてもよい。また、ランド526の幅を0.5mm以下としてもよい。
ソケット502を払出制御基板400に取り付ける際には、各スルーホール504に各ソケット端子Q(基板接合部521)が挿通され、各スルーホール504と各ソケット端子Q(基板接合部521)とがハンダによって接合される。また、ソケット502を払出制御基板400に取り付ける際には、足517が払出制御基板400に当たることによって、それ以上のソケット502の押し込みが規制されるため、ソケット本体515の底面は、図15に示すように、払出制御基板400から浮いた状態となる。したがって、ソケット502が払出制御基板400に取り付けられた状態においては、足517が払出制御基板400に当接(または近接)するとともに、ソケット本体515の底面と払出制御基板400との間には隙間Zが形成される。すなわち、足517によって、隙間Zが形成される。本実施形態では、足517の高さは1mmであり、隙間Zは1mmの長さ(高さ)となるようにされている。
なお、隙間Zの高さ(長さ)、換言すると足517の高さは、例えば1mm以上となるようにしてもよい。
また、隙間Zは、各ソケット端子Qと各スルーホール504とを接合するハンダのハンダフィレットが、ソケット本体515の底面に接触しない長さとなっている。ここで、ソケット端子Qの周りに形成されるハンダフィレットについて説明する。ソケット502を払出制御基板400に実装するハンダ付け工程においては、まず各ソケット端子Q(基板接合部521)が各スルーホール504に挿通される。そして、ソケット端子Q(基板接合部521)およびスルーホール504に溶融したハンダが付着され固化する。これにより、ソケット端子Qとスルーホール504(スルーホール504に接続される配線パターン)とが電気的に接続された状態で、ソケット502が払出制御基板400に固定される。このとき、適切にハンダ付けが行われると、ソケット端子Q(基板接合部521)の周りには固化したハンダによるハンダフィレットが形成される。
払出制御基板400の表面側に形成されるハンダフィレットは、図15に示すように、略円錐形となる。そして、ハンダフィレットの形状は、接触角θ(基板表面とハンダ表面とが交わる点におけるハンダ表面の接線と基板表面とがなす角)が15度~45度の間となっていることが好ましい。本実施形態では、足517の高さが1mmとなっていることにより、このような良好な形状(接触角θが15度~45度)のハンダフィレットがソケット本体515に接触しないようになっている。ここで、ハンダフィレットの直径は、ランド526の直径とほぼ等しくなる。したがって、ハンダフィレットの高さ(払出制御基板400の表面からハンダフィレットの頂点までの長さ)がランド526の半径と略等しい場合に、ハンダフィレットの頂点とハンダフィレットの外縁(ハンダフィレットと払出制御基板400との接触部分の外縁)とを結ぶ線分と、ハンダフィレットの外縁とハンダフィレットの底面の中心とを結ぶ線分とのなす角(ハンダフィレットの母線と払出制御基板400とのなす角)が約45度となる。このため、良好な形状(接触角θが15度~45度)のハンダフィレットがソケット本体515に接触しないようにするためには、足517の高さをランド526の半径以上とすることが好ましく、少なくともランド526の幅以上とすることが好ましい。また、足517の高さをランド526の直径以上としてもよく、換言するとランド526の幅の2倍以上としてもよい。
なお、本実施形態では、ハンダ付けは払出制御基板400の裏面側から行われる。すなわち、本実施形態では、裏面側からハンダ付けをしつつも、少なくとも一部のソケット端子Qについて、表面側(および裏面側)にハンダフィレットが形成されるようにハンダ付けを行っている。なお、全てのソケット端子Qについて、表面側にハンダフィレットが形成されていてもよい。
本実施形態においては、ソケット本体515に複数の足517が設けられており、隙間Zが形成されていることにより、メインIC500が発する熱を隙間Zを介して放熱することができ、放熱性能を高めることができる。加えて、本実施形態では、ハンダフィレットの形状を考慮した隙間Zによって、良好な形状のハンダフィレットがソケット本体515に接触することを防止できる。
なお、隙間Zの高さを高くし過ぎてしまうと、ソケット端子Qへの不正な部品の取付が容易となってしまうおそれがあるため、足517の高さは、ランドの直径の2倍以下とすることが好ましく、ランドの直径の1.5倍以下とすることがさらに好ましい。
また、本実施形態では、屈曲部522の少なくとも一部が隙間Z内に位置している。具体的には、ソケット端子Qは、基板接合部521の実装面から離れた側において、ソケット本体515の短手方向(払出制御基板400の面方向)に折れ曲がる部分(第1曲部523)を有しており、当該部分が、隙間Z内に位置している。また、ソケット端子Qは、ソケット本体515の底面から高さ方向に突出する部分527(図13参照)を有し、第2曲部524が隙間Z内に位置している。換言すると、本実施形態では、屈曲部522の全体が隙間Z内に位置している。さらに換言すると、本実施形態のソケット502は、ソケット本体515の長手方向(短手方向および高さ方向に直交する方向)から見た場合に、隣り合うソケット端子Q(例えばソケット端子Q1とソケット端子Q2)が二股に分かれる部分(図13(c)に図示する点D部分)を有しているが、当該部分が、隙間Z内に位置している。換言すると、ソケット本体515の長辺方向から見た場合に、隣り合うソケット端子Q(例えばソケット端子Q1とソケット端子Q2)が二股に分かれる部分(図13(c)に図示する点D部分)と、当該隣り合うソケット端子Q同士が重なり合い一方のソケット端子が隠れる部分(ソケット本体515の底面から高さ方向に突出する部分527)とが視認可能となっている。
なお、実装面からソケット本体515の底面までの距離(隙間Zの高さ)は1.0mmとなっているが、実装面から第1曲部523までの距離(第1曲部523の高さ)を、例えば0.8mmとしてもよく、実装面から第2曲部524(点D)までの距離(第2曲部524(点D)の高さ)を、例えば0.8mmとしてもよい。
また、本実施形態では、屈曲部522の少なくとも一部が、ソケット端子Q(基板接合部521)のハンダフィレットの頂点よりも、実装面から離れた側に位置している。具体的には、第2曲部524は、ソケット端子Q(基板接合部521)のハンダフィレットの頂点よりも実装面から離れた側に位置している。換言すると、ソケット本体515の長手方向から見た場合に、隣り合うソケット端子Q(例えばソケット端子Q1とソケット端子Q2)が二股に分かれる部分は、ハンダフィレットの頂点よりも実装面から離れた側に位置している。すなわち、第2曲部524は、ソケット端子Qとスルーホール504とを接合するハンダ(ハンダフィレット)が当たらない位置に形成されている。このようにハンダが当たらないようにするため、第2曲部524の高さは、ランド526の半径以上とすることが好ましく、少なくともランド526の幅以上とすることが好ましい。また、第2曲部524の高さをランドの直径以上としてもよく、換言するとランド526の幅の2倍以上としてもよい。なお、第1曲部523を、ソケット端子Q(基板接合部521)のハンダフィレットの頂点よりも実装面から離れた側(ハンダが当たらない位置)に配置してもよい。換言すると、第1曲部523の高さを、ランド526の半径以上としてもよく、ランド526の幅以上としてもよい。また、第1曲部523の高さをランドの直径以上としてもよく、換言するとランド526の幅の2倍以上としてもよい。すなわち、屈曲部522の全体が、ソケット端子Q(基板接合部521)のハンダフィレットの頂点よりも、実装面から離れた側に位置していてもよい。
ソケット502は、図16および図17に示すように、短辺方向の中心部が、短辺方向の両端部(ソケット端子Q1~Q35またはソケット端子Q36~Q71の並ぶ部分)に比べ、長辺方向に沿って高さが低くなっている。換言すると、ソケット本体515の天面側は、短辺方向の中心部が、長辺方向に沿って実装面側に向けて凹んだ形状となっている。さらに換言すると、ソケット本体515の天面側であって短辺方向の中心部には、実装面側に向けて凹むとともに長辺方向に沿って延在する第1凹溝(第1凹部)540が形成されている。また、ソケット502の底面側は、短辺方向の中心部が、長辺方向に沿って天面側に向けて凹んだ形状となっている。換言すると、ソケット本体515の底面側であって短辺方向の中心部には、天面側に向けて凹むとともに長辺方向に沿って延在する第2凹溝(第2凹部)542が形成されている。すなわち、ソケット本体515におけるソケット端子Q1~Q35を保持する略直方体状の部分を第1保持部544とし、ソケット端子Q36~Q71を保持する略直方体状の部分を第2保持部546とし、第1保持部544と第2保持部546とを繋ぐ部分を連結部548とすると、連結部548は、第1保持部544および第2保持部546に比べ厚みが薄くなっている。換言すると、連結部548は、第1保持部544および第2保持部546の底面よりも上方であって、第1保持部544および第2保持部546の天面よりも下方に位置している。また、本実施形態では、複数(4個)の連結部548が、ソケット本体515の長辺方向に沿って並べて配置されており、隣り合う連結部548同士の間には、高さ方向に貫通し、第1凹溝540と第2凹溝542とを繋ぐ複数の穴549が形成されている。
そして、メインIC500とソケット502との間(すなわち、ソケット本体515の天面側)には、第1凹溝540によって、隙間Xが形成されている。すなわち、メインIC500とソケット502との間には、ソケット502(メインIC500)の長辺方向に貫通する隙間Xが形成されている。また、払出制御基板400の表面(実装面)とソケット502との間(すなわち、ソケット本体515の底面側)には、第2凹溝542によって、隙間Yが形成されている。すなわち、払出制御基板400の表面(実装面)とソケット502との間には、ソケット502(メインIC500)の長辺方向に貫通する隙間Yが形成されている。なお、本実施形態においては、隙間Yは、ソケット502の足517によって形成される隙間Zと一体的に存在しており、隙間Yと隙間Zとによって1つの隙間が構成されている。
払出制御基板400の表面には、図17に示すように、当該表面に直交する方向視においてメインIC500のIC端子P1~P35(ソケット端子Q1~Q35)とIC端子P36~P71(ソケット端子Q36~Q71)との間を通るとともに、メインIC500を長手方向に貫通するグランドパターン(第1グランドパターン560:グランドベタ)が設けられている。また、払出制御基板400の裏面にも、当該方向視において、メインIC500のIC端子P1~P35とIC端子P36~P71との間を通るとともに、メインIC500を長手方向に貫通するグランドパターン(第2グランドパターン561:グランドベタ)が設けられている。すなわち、第1グランドパターン560および第2グランドパターン561は、当該方向視においてメインIC500と重複する位置に設けられている。また、払出制御基板400には、第1グランドパターン560と、第2グランドパターン561とを電気的に接続するスルーホール(メインIC裏スルーホール562)が複数設けられている。また、この複数のメインIC裏スルーホール562は、当該方向視においてメインIC500と重複する位置に設けられているとともに、メインIC500の長手方向に沿って複数設けられている。このような第1グランドパターン560、第2グランドパターン561が設けられていることにより、メインIC500のノイズ耐性を高めることができるとともに、放熱性を向上させることができる。
また、第1グランドパターン560、第2グランドパターン561およびメインIC裏スルーホール562は、それぞれ、メインIC500とソケット502との間に形成された隙間Xおよび払出制御基板400の表面(実装面)とソケット502との間に形成された隙間Yに対応する位置に形成されている。換言すると、第1グランドパターン560、第2グランドパターン561およびメインIC裏スルーホール562は、それぞれ、少なくともその一部が、払出制御基板400の表面に直交する方向視において、隙間Xおよび隙間Yのそれぞれと重複している。このような隙間X,Yを設けることで、放熱性を向上させることができる。
なお、払出制御基板400の表面または裏面の少なくとも一方には、払出制御基板400の表面に直交する方向視においてメインIC500(ソケット502)の短手方向外側から第1グランドパターン560または第2グランドパターン561に連通するグランドパターン(例えば、メインIC500のIC端子P17とIC端子P18との間または/およびIC端子P53~P54との間を通るグランドパターン)が形成されていてもよい。すなわち、払出制御基板400の表面または裏面の少なくとも一方には、当該方向視において長手方向に一列に並ぶIC端子P(ソケット端子Q)の間を通り(IC端子P(ソケット端子Q)の列と交差し)、第1グランドパターン560または第2グランドパターン561と繋がるグランドパターンが形成されていてもよい。
図18(a)に示すように、払出制御基板400には、他の基板との接続に用いられるハーネスが接続されるコネクタ570が設けられている。また、コネクタ570は、ハウジング571と、複数の端子572とを有している。ハウジング571は、絶縁性を有する樹脂素材によって略直方体状に形成されている。また、各端子572は、導電性を有する金属によって形成されており、端子572を介して払出制御基板400と他の基板とが電気的に接続される。また、コネクタ570を払出制御基板400に取り付ける際には、払出制御基板400に設けられた複数のスルーホールのそれぞれに各端子572が挿通され、各スルーホールと各端子572とがハンダによって接合される。これにより、各端子572と各スルーホール(スルーホールに接続される配線パターン)とが電気的に接続された状態で、コネクタ570が払出制御基板400に固定される。
また、ハウジング571には、ハウジング571の底面から実装面側に突出する位置決めピン(位置決め用の突出部)(足)574が設けられており、払出制御基板400には、位置決めピン574に対応する貫通孔(穴)(ノンスルーホール)575が設けられている。貫通穴575は、内周面(内側)に銅箔(金属メッキ)が設けられておらず、基板の一方の面(表面)と他方の面(裏面)とを電気的に接続しない貫通孔(非導電性貫通孔)である。コネクタ570を払出制御基板400に取り付ける際には、位置決めピン574を対応する貫通孔575に挿入するようになっている。本実施形態では、コネクタ570は、端子572をスルーホールに挿通してハンダ付けすることにより取り付けられるようになっているため、位置決めピン574が無くても払出制御基板400へのコネクタ570の取り付けは安定的に行えるようになっている。しかし、位置決めピン574を設けたことにより、取り付け向きを誤ることなくコネクタ570を取付けることが可能となっている。換言すると、位置決めピン574は、コネクタ570を取り付ける際の位置決めとして機能する。
また、位置決めピン574の長さ(高さ)は、払出制御基板400の板厚以下となっている。具体的には、位置決めピン574の長さは、払出制御基板400の厚さ(板厚)の半分以上であって、当該厚さ(板厚)の半分未満となっている。払出制御基板400の厚さは、約2mmとなっている。また、貫通孔575への位置決めピン574の挿入量は、約1.2mmとなっている。払出制御基板400の厚さは、貫通孔575への位置決めピン574の挿入量より大きい(払出制御基板400の厚さは、貫通孔575への位置決めピン574の挿入量以上である)。換言すると、貫通孔575への位置決めピン574の挿入量は、払出制御基板400の厚さ未満となっている。コネクタ570が払出制御基板400に取り付けられた状態において、位置決めピン574は、払出制御基板400の裏面から突出しない(飛び出ない)ようになっている。位置決めピン574の先端が払出制御基板400の裏面から突出していないため、ハンダ付けの際に位置決めピン574の先端にハンダが付着するのを抑制できる。すなわち、ハンダ付けすべきではない箇所にハンダが付着するのを抑制できる。
貫通孔575への位置決めピン574の挿入量(約1.2mm)は、払出制御基板400の厚さの半分(約1mm)より大きい(貫通孔575への位置決めピン574の挿入量は、払出制御基板400の厚さの半分以上である)。位置決めピン574の挿入量が小さい場合、位置決めピン574が位置決めとして機能しないおそれがあるが、本実施形態では挿入量が基板の厚さの半分以上確保されているため、位置決めとして確実に機能する。これにより、コネクタ570の取付位置(固定位置)を安定させ、精度の高い作業を実現できる。
また、仮に位置決めピン574が長く形成され、払出制御基板400の裏面から突出している場合、ハンダ付け時に位置決めピン574が破損する等の問題が生じるおそれがある。また、払出制御基板400の組み付け時に、何らかの衝撃が位置決めピン574に加わり、位置決めピン574の破損やコネクタ570が払出制御基板400から外れる等の問題が生じるおそれがある。本実施形態では、位置決めピン574が払出制御基板400の裏面から突出しないようになっているため、そのような問題の発生を抑制できる。
図18(b)は、払出制御基板400の裏面における貫通孔575の周囲を示す図である。貫通孔575の周囲には、パターンが形成されていない領域(絶縁領域NP)(絶縁層NP)(パターン非形成領域NP)が設けられている。換言すると、絶縁領域NPは、貫通孔575の外周に沿って環状(円形状)に形成されている。
ここで、絶縁領域NPの環の幅(径方向の幅)を第1幅とし、貫通孔575の直径(径の幅)を第2幅とする。第1幅は約1mmとなっている。第2幅は約1mmとなっている。換言すると、第1幅と第2幅とは、同一または略同一の幅となっている。略同一とは、一方と他方の差が約0.3mm以内(±0.3mm以内)であることを意味する。
仮に位置決めピン574が長く形成され、払出制御基板400の裏面から突出した場合であっても、絶縁領域NPが設けられているため、位置決めピン574とパターン(銅箔)とが接触する可能性が極めて低く、パターンが損傷するのを防ぐことができる。
また、第1幅と第2幅とが同一または略同一の幅となっており、絶縁領域NPを、パターンの損傷を防ぎ、かつ他の配線パターンを設ける妨げとなりにくい、好適な大きさの領域とすることができる。
なお、位置決めピン574は、ハウジング571と同一の素材(絶縁性を有する素材)によってハウジング571と一体的に形成されているが、異なる素材によって形成されていてもよい。また、本実施形態では、コネクタ570は位置決めピン574を1つだけ備えているが、複数備えていてもよい。
裏ケース402b(下ケース)は、表ケース402a(上ケース)に対してスライド移動可能となっている。具体的には、図7に示すように、表ケース402aと裏ケース402bとの一方には係合突部が設けられ、他方には当該係合突部が挿入される溝であって左右方向(基板ケース402の天面および裏面に平行な方向)に延びる溝580が設けられており、表ケース402aと裏ケース402bとを結合する際には、溝580に係合突部を挿入し、裏ケース402bを表ケース402aに対してスライドさせることで、裏ケース402bの表ケース402aに対する前後方向(および上下方向ならびに挿入方向奥側)への動きが規制されるようになっている。そして、この状態において表ケース402aと裏ケース402bとを互いにかしめることにより、表ケース402aと裏ケース402bとが結合されるようになっている。裏ケース402bは、表ケース402aに対してスライドさせて、係止されている。なお、払出制御基板400は、表ケース402aにねじ締め(ねじ留め)され、固定されている。
また、裏ケース402bには、内面側に向けて突出するリブ581が複数設けられている。当該複数のリブ581は、その突出方向先端が、裏ケース402bと表ケース402aとの間に収納される払出制御基板400の裏面に接するようになっている。換言すると、複数のリブ581によって、裏ケース402bにおける払出制御基板400に対向する面と、払出制御基板400の裏面との間に所定の空間が形成されるようになっている。また、複数のリブ581は、払出制御基板400の裏面に形成されたベタグランド部分(すなわちベタグランドを覆うレジスト)に接し得るようになっており、裏ケース40bと表ケース402aとの間に払出制御基板400を配置した状態で裏ケース402bを表ケース402aに対してスライド移動させた場合、リブ581は、払出制御基板400の裏面に形成されたベタグランド部分を摺動し得る。リブ581は、裏ケース402bを表ケース402aに対してスライドさせた場合に、払出制御基板400の裏面と摺接するようになっている。ここで、払出制御基板400の裏面におけるリブ581が摺接する領域を摺接領域(摺動領域)とすると、摺接領域(摺動領域)はベタグランド(ベタパターン)のみによって形成されており、スルーホールや配線パターンは形成されていない。換言すると、リブ581は、払出制御基板400に設けられたスルーホール、払出制御基板400の裏面から突出する各種電子部品の端子(リード)および払出制御基板400の裏面に形成された配線パターン部分を摺動することはないようにされている。さらに換言すると、リブ581は、裏ケース402bを表ケース402aに対してスライド移動させた場合に、いずれのスルーホール、端子および配線パターンとも接することがないようにされている。
なお、ここで「配線パターン」とは、グランドパターンを除くものである。すなわち、ここでの「配線パターン」とは、信号が通る配線パターン(信号ライン)と言い換えることもできる。
(変形例)
第2の実施の形態の変形例について説明する。本変形例では、ソケット502の形状が上述のものと異なっている。
本変形例のソケット502は、足517の高さh(ソケット本体515の底面からの突出量)は、0.5mmとなっている。そして、足517によって、ソケット本体515の底面と払出制御基板400との間に隙間Zが形成されている
また、ソケット本体515の底面は、図19に示すように、ソケット端子Qの周囲が凹んだ形状となっている。換言すると、ソケット本体515の底面には、ソケット端子Qに対応する部分に、実装面から離れる方向に向かって凹んだ凹部550が形成されている。本変形例では、ソケット本体515の長手方向に沿って2列に並ぶソケット端子Qに対応して、2列の凹部(凹溝)550が形成されている。また、凹部550の各列は、ソケット本体515の長手方向の中心部に設けられた足517によって分断されており、ソケット本体515の底面には、合計で4個の凹部550が形成されている。
なお、凹部(凹溝)550は、ソケット本体515の長手方向に沿って4列に並ぶ基板接合部521に対応して、4列に形成されていてもよい。また、凹部550は、各ソケット端子Q毎に1つずつ設けられるなどしてもよい。
そして、本変形例では、凹部550によって、隙間Zにおけるソケット端子Qに対応する部分の高さが高くなっている。すなわち、本変形例では、足517によって、凹部550が存在しない部分におけるソケット本体515の底面から払出制御基板400までの距離は0.5mmとなっている。また、凹部550に対応する部分は、払出制御基板400からソケット本体515までの距離が長くなっており、当該距離が1.0mmとなっている。
ここで、本変形例では、足517の高さが0.5mmであり、ランド526の直径が1.5mmであることから、凹部550が形成されていない場合、良好な形状(接触角θが45度)のハンダフィレットがソケット本体515に接触するおそれがある。しかし、本変形例では、凹部550によって、隙間Zにおけるソケット端子Q周囲の高さが高くなっているため、ハンダフィレットがソケット本体515に接触してしまうことを防止することができる。すなわち、ソケット本体515の底面から払出制御基板400までの距離が、ランドの半径以下(未満)の場合であっても、凹部550を設けることにより、ハンダフィレットとソケット本体515の接触を防止することができる。
また、本変形例では、ソケット端子Qは、第1曲部523の折れ曲がり角度αが90度となっており、第2曲部524の折れ曲がり角度βが90度となっている。
そして、屈曲部522(屈曲部522と基板接合部521との境界)は、隙間Zよりも払出制御基板400(実装面)から離れた側に位置している。換言すると、ソケット端子Qは、IC端子接触部520と基板接合部521とのソケット本体515の短出方向における位置を異ならせるように屈曲した屈曲部522を有しているが、当該屈曲部522が、ソケット本体515の底面よりも実装面側から離れた側(換言するとソケット本体515の内側)に位置している。
また、本変形例では、ソケット端子Q1の基板接合部521(下端)からソケット端子Q2の基板接合部521(下端)までの距離Qxは、2.0mmとなっている。また、ソケット端子Q2の基板接合部521(下端)からソケット端子Q3の基板接合部521(下端)までの距離Qyは、2.0mmとなっている。また、ソケット端子Q1の基板接合部521(下端)からソケット端子Q3の基板接合部521(下端)までの距離Qzは2.0mmとなっている。すなわち、ソケット端子Q1の基板接合部521とソケット端子Q2の基板接合部521との間隔は、ソケット端子Q1の基板接合部521とソケット端子Q3の基板接合部521との間隔と等しくなっている。換言すると、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔は、等しく(2.0mm)なっている。また、連続する一群のソケット端子Q(ソケット端子Q1~Q17、ソケット端子Q18~Q35、ソケット端子Q36~Q53またはソケット端子Q54~Q71)について、隣り合うソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2.0mm)は、1つ置きのソケット端子Qの基板接合部521同士の間隔(2.0mm)と等しくなっている。なお、スルーホール504の配置は、ソケット端子Qの基板接合部521の配置と同様となっている。基板接合部521(スルーホール504)の配置をこのようにしたことにより、ソケット502がスルーホール504に安定的に保持されるようになる。
なお、本実施形態において各間隔について「等しい」とは、設計上の長さが等しい場合を意味し、製造上の誤差等があってもよい。換言すると、本実施形態における「等しい」とは、略等しい場合を含むものである。
本実施形態の遊技機は、基板400と、基板400を収納する基板ケース402と、を備える遊技機であって、基板400は、IC500が装着されるソケット502の取り付けに用いられる複数のスルーホール504を有し、スルーホール504は、ランド526を有し、ソケット502は、IC端子Pとスルーホール504とを電気的に接続する複数のソケット端子Qと、ソケット端子Qを保持するソケット本体515と、ソケット本体515を支える複数の足517と、を有し、複数の足517は、ソケット本体515と基板400の基板面(実装面)との間に所定の隙間Zを形成するものであり、隙間Zは、ソケット本体515から基板面(実装面)までの距離がランド526の幅以上となっており、ソケット端子Qとスルーホール504とを接合するハンダが、ソケット本体515に接触していない。このような構成によれば、ソケット本体515と実装面との間に形成された隙間Zによって、IC500についての放熱性を向上させることができる。加えて、少なくともソケット端子Qに対応する部分における隙間Zの高さがランド526の幅以上となっており、ハンダがソケット本体515に接触しないようになっているため、放熱性をさらに向上させることができるとともに、ソケット502の損傷を防止することができる。また、このようにハンダが、ソケット本体515に接触しないようになっていることで、予期せぬ短絡を防止することができる。
また、本実施形態の遊技機では、IC端子Pには、所定方向に連続して並べられた第1端子(IC端子P1)、第2端子(IC端子P2)および第3端子(IC端子P3)が含まれ、ソケット端子Qには、第1端子が接続される第1ソケット端子(ソケット端子Q1)と、第2端子が接続される第2ソケット端子(ソケット端子Q2)と、第3端子が接続される第3ソケット端子(ソケット端子Q3)と、が含まれ、各ソケット端子Qにおける、スルーホール504にハンダ付けされる部分を基板接合部521とすると、第1端子P1から第2端子P2までの距離と、第2端子P2から第3端子P3までの距離とが、ともに第1の長さで等しく、第1ソケット端子Q1の基板接合部521から第2ソケット端子Q2の基板接合部521までの距離と、第1ソケット端子Q1の基板接合部521から第3ソケット端子Q3の基板接合部521までの距離とが、ともに第2の長さで等しく、第2の長さは、第1の長さよりも長くなっている。このような構成によれば、隣り合うソケット端子Qの基板接合部同士の間隔を、ICの隣り合う端子P同士の間隔よりも広くすることができ、ハンダ付けがされる部分同士の距離を十分に確保することができ、短絡を防止できる。また、第1ソケット端子Q1の基板接合部521から第2ソケット端子Q2の基板接合部521までの距離と、第1ソケット端子Q1の基板接合部521から第3ソケット端子Q3の基板接合部521までの距離とが等しくなっていることにより、ソケット502が安定的にスルーホール504に保持されるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、基板400には、コネクタ570が実装されており、コネクタ570は、位置決めピン574を有し、基板400には、位置決めピン574が挿入される孔575が形成されており、位置決めピン574の長さは、基板400の厚さ以下となっている。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施形態の遊技機は、第1、第2の実施の形態に係る遊技機と同様の構成を有する。したがって、第1、第2の実施の形態と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態では、払出制御基板400は、左右方向に長い矩形板状となっている。また、本実施形態では、払出制御基板400に実装される部品は、全て払出制御基板400の表面側に実装される。以下では、払出制御基板400の部品が実装される面(表面)を実装面と呼ぶことがある。なお、払出制御基板400の裏面側に実装される部品があってもよい。
本実施形態では、図20に示すように、払出制御基板400(払出制御基板400の表面)に正対した場合(払出制御基板400を板面(表面)に直交する方向から見た場合)における、払出制御基板400の中心を通るとともに互いに直交する2つの直線で払出制御基板400を分割したときの、右上の領域を第1領域R1、左上の領域を第2領域R2、左下の領域を第3領域R3、右下の領域を第4領域R4と呼ぶこととする。換言すると、払出制御基板400に正対した場合において、払出制御基板400の中心を通り長手方向(左右方向)に延びる仮想直線をX軸とし、払出制御基板400の中心を通り短手方向(上下方向)に延びる仮想直線をY軸とするXY平面における、第1象限が第1領域R1に対応し、第2象限が第2領域R2に対応し、第3象限が第3領域R3に対応し、第4象限が第4領域R4に対応する。また、払出制御基板400に正対した場合において、払出制御基板400の中心(短手方向の中心)を通るとともに払出制御基板400の所定の辺(長辺)に平行な線(平面)で払出制御基板400を2分割したときの、一方の領域を第1特定領域S1と呼び、他方の領域を第2特定領域S2と呼ぶこととする。本実施形態では、第1特定領域S1は第1領域R1と第2領域R2とで構成され、第2特定領域S2は第3領域R3と第4領域R4とで構成される。なお、例えば、第1特定領域S1が第1領域R1と第4領域R4とで構成され、第2特定領域S2が、第2領域R2と第3領域R3とで構成されるなどしてもよい。
なお、払出制御基板400は、矩形板状から一部が欠けたような形状となっていてもよい。このような形状の場合、ここで説明した各領域を区切る直線(仮想直線)であって払出制御基板400の中心を通る直線(仮想直線)は、払出制御基板400の外縁に沿った仮想長方形(当該一部が欠けていないものとした場合の仮想長方形)の中心を通る直線(仮想直線)と解することができる(図21参照)。
また、本実施形態では、払出制御基板400に正対したときの、上側の長辺を第1長辺と呼び、下側の長辺を第2長辺と呼び、右側の短辺を第1短辺と呼び、左側の短辺を第2短辺と呼ぶこととする。すなわち、第1特定領域(第1領域および第2領域)は、第1長辺側の領域ともいえ、第2特定領域(第3領域および第4領域)は、第2長辺側の領域ともいえる。また、第1領域および第4領域は、第1短辺側の領域ともいえ、第2領域および第3領域は、第2短辺側の領域ともいえる。
払出制御基板400には、図20に示すように、制御装置(主制御基板200)や他の基板(主制御基板200等の制御基板を含む)等の、当該遊技機に搭載される部品(遊技機搭載部品)との接続に使用されるコネクタ(搭載部品接続コネクタ)600が複数実装されている。払出制御基板400は、各コネクタ600および各コネクタ600に接続されるハーネスを介して、遊技機搭載部品と電気的に接続される。なお、遊技機搭載部品は、遊技機外部の装置(例えばいわゆるホールコンピュータやCRユニット等)と遊技機(払出制御基板400)とを接続するための基板等であってもよい。また、遊技機搭載部品は、例えば、各種スイッチ、センサ、モータ、ソレノイド等であってもよい。
本実施形態では、下皿(受皿)が満タンになったことを検出する満タンスイッチ、前枠10の開放を検出する前枠開放スイッチ、内枠7の開放を検出する内枠開放スイッチ、払出計数スイッチ、払出モータ、発射装置および外部端子板等と、払出制御基板400とが、第1の所定基板を介して接続されており、払出制御基板400には、コネクタ600として、当該第1の所定基板との接続に使用されるコネクタが実装されている。なお、外部端子板とは、遊技機を外部の電子機器(データ表示装置やホールコンピュータ等)に接続するための基板であり、この外部端子板からは、遊技機の状態等を表す各種の外部情報信号が外部の電子機器に向けて出力される。また、ハンドルの回転量を検出する発射レバーボリューム、遊技球の発射を停止させる発射停止操作を検出する発射停止スイッチ等と、払出制御基板400とが、第2の所定基板を介して接続されており、払出制御基板400には、コネクタ600として、当該第2の所定基板との接続に使用されるコネクタが実装されている。また、払出制御基板400には、コネクタ600として、主制御基板200との接続に使用されるコネクタが実装されている。
第1特定領域S1には、コネクタ600が複数配置されている。具体的には、第1特定領域S1のうち、第2特定領域S2との境界と対向する縁の近傍に、コネクタ600が配置されている。換言すると、第1特定領域S1のうち、第1長辺側の部分に、コネクタ600が配置されている。具体的には、当該縁に沿って(当該縁の近傍に)コネクタ600が複数並べられている。なお、コネクタ600は全て当該縁に沿って(当該縁の近傍に)配置されていてもよい(図21参照)。また、コネクタ600は全て第1領域R1に配置されていてもよい。
第2特定領域S2には、メインIC500および量産時未実装部品配置領域B(図20における二点鎖線の内側の領域)が配置されている。具体的には、メインIC500および量産時未実装部品配置領域Bは、第3領域R3に配置されている。なお、本実施形態では、メインIC500は、ソケット502を介して払出制御基板400に実装されているが、ソケット502を介さずに直接払出制御基板400に実装(ハンダ付け)されていてもよい。
本実施形態では、量産時未実装部品配置領域Bは、量産時未実装部品としての試験用部品(試験用コネクタ、試験用IC、試験用受動素子など)が配置される領域となっている。そして、量産時未実装部品配置領域Bには、試験用部品を配置(ハンダ付け)するための実装部405(ランドやスルーホールなど)や試験用部品に関するシルク406が設けられている。すなわち、第2特定領域S2(第3領域R3)には、試験用部品が実装可能となっている。
なお、当該試験用部品は、量産時に実装される部品(量産時実装部品)であってもよい。
また、第3領域R3には、コネクタ600が配置されていない。具体的には、第2特定領域S2には、コネクタ600が配置されていない。すなわち、本実施形態では、払出制御基板400を所定方向(上下方向)に2分割したときの一方の領域(上側の領域:第1特定領域S1)にコネクタ600が配置されているとともに、他方の領域(下側の領域:第2特定領域S2)のうち、さらに当該所定方向に直交する方向(左右方向)に2分割したときの一方側(払出制御基板400に正対したときの左側:第3領域R3)にメインIC500および試験用部品が実装可能となっている。また、当該一方側(第3領域R3)、より具体的には、当該他方の領域(第2特定領域S2)にはコネクタ600が配置されていない。
(変形例)
図21に示すように、本実施形態の遊技機において、第3領域R3(第2特定領域S2)には、メインIC500および照合端子602が配置されていてもよい。この場合に、第3領域R3(第2特定領域S2)には、試験用部品が実装可能となっていてもよく、なっていなくてもよい。
ここで、照合端子602とは、所定の検査に用いられるコネクタ(端子)であって、所定の情報を出力可能なコネクタであり、検査端末(検査機器)と接続可能なコネクタである。照合端子602は、通常は検査端末と接続されておらず、検査時にのみ検査端末に接続される。そして、照合端子に検査端末を接続することで、払出制御基板400に対する不正な改造の有無等を検査することが可能となっている。ここで、照合端子602から出力される所定の情報としては、払出制御基板400のID等がある。
なお、量産品としての本実施形態の遊技機では、複数のコネクタ600は、全て配線(ハーネス)が接続されており、払出制御基板400には、照合端子602の他には配線(ハーネス)が接続されていないコネクタが存在しない。ただし、例えば、照合端子602の他にも配線(ハーネスが)接続されていないコネクタが存在してもよく、例えば、試験用部品としての試験用コネクタを量産品においても実装し、当該試験用コネクタを配線(ハーネス)が接続されていないコネクタとしてもよい。また、このような試験用コネクタは、第3領域R3(第2特定領域S2)に配置されていてもよい。
メインIC500と照合端子602とは、電子部品および配線パターンを介して接続されている。具体的には、払出制御基板400には、配線パターンとしてメインIC500と照合端子602とを繋ぐ所定の信号ライン604,604が存在し、当該信号ライン604,604には、所定の電子部品としての抵抗606,606が設けられている。抵抗606は、リード線形抵抗器であり、抵抗本体と、抵抗本体から延びる2本のリード(端子:足)とを有している。そして、抵抗606は、2本のリードが、払出制御基板400に設けられたスルーホールに挿通された状態で、ハンダ付けにより払出制御基板400に取り付けられている。
抵抗606の高さは、メインIC500の高さよりも低くなっている。具体的には、払出制御基板400に実装された状態において、抵抗606の高さは、メインIC500の高さの1/2以下となっている。また、抵抗606の高さは、照合端子602の高さよりも低くなっている。具体的には、払出制御基板400に実装された状態において、抵抗606の高さは、照合端子602の高さの1/2以下となっている。
ここで、各電子部品についての「高さ」とは、高さ方向における、払出制御基板400の実装面から各電子部品の突出方向先端(実装面から最も離れた部分)までの距離のことをいう。
なお、本実施形態では、メインIC500と照合端子602とを繋ぐ信号ライン604は2つあり、2つの信号ライン604のそれぞれに、抵抗606が設けられている。また、抵抗606の他には、メインIC500と照合端子602とを繋ぐ信号ライン604に設けられた電子部品は存在しない。換言すると、払出制御基板400において、メインIC500と照合端子602とを繋ぐ信号ライン604に設けられた電子部品は全て、メインIC500よりも高さが低く、かつ照合端子602よりも高さが低くなっている。
なお、本実施形態では、照合端子602は4個の端子を有しており、そのうちの2個の端子には信号ライン604,604が接続され、他の2個の端子にはグランドパターンが接続されている。
本実施形態において、払出制御基板400は、図22に示す配置で取り付けられている。図22は、遊技機を背面側(裏面側)から見た図である。図22に示すように、払出制御基板400は、主制御基板200よりも下側に配置されている。また、主制御基板200との接続に用いられるコネクタ600aは、払出制御基板400の上部に配置されており、当該コネクタ600aを介して払出制御基板400と主制御基板200とが電気的に接続されている。
また、払出制御基板400の下側には、他の基板が配置されていない。換言すると、払出制御基板400は、遊技機に搭載された全ての基板の中で、最も下側に配置された基板となっている。
なお、ここで、「下側に他の基板が配置されていない(最も下側に配置された基板となっている)」とは、他の全ての基板の上端が払出制御基板400の下端よりも下方に位置していない状態となっていればよいが、他の全ての基板の下端が払出制御基板400の下端以上の上方(少なくとも払出制御基板400の下端と上下方向において略同じ位置以上の上方)に位置するようになっていてもよい。
また、払出制御基板400は、前後方向(払出制御基板400の表面(板面)に直交する方向)において、他の基板と重複するように配置されている。具体的には、払出制御基板400の前方には、当該他の基板としての電源基板610が配置されている。なお、電源基板610は、各基板に接続される基板であり、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、払出制御基板400は、前後方向に重複して配置される複数の基板の中で、最も後方に配置されている。換言すると、遊技機を背面側から見た場合(内枠7を開放状態とし、払出制御基板400に正対した場合)において、払出制御基板400が前後方向に重複する基板の中で最も手前側(観察者側)に位置するようになっている。さらに換言すると、遊技機の背面側から払出制御基板400の実装面を見る場合(内枠7を開放状態とし、払出制御基板400の実装面を見る場合)に、他の基板によって視界が遮られないようになっている。
本実施形態の遊技機は、電子部品が実装された基板400を備える遊技機であって、基板400を所定方向に2分割したときの一方の領域(第1特定領域S1)に、当該遊技機に搭載されている部品との電気的な接続に使用されるコネクタ600が配置されており、他方の領域(第2特定領域S2)をさらに前記所定方向に直交する方向に2分割したときの一方側(第3領域R3)には、基板400における処理を制御する制御手段(メインIC500)と、所定の電子部品を実装可能な実装部405であって当該所定の電子部品が実装されていない実装部と、が配置されているとともに、コネクタ600が配置されていない。このような構成によれば、基板400を4分割したときの1の領域(第3領域R3)に制御手段500が配置されるとともに、当該領域には遊技機に搭載されている部品との電気的な接続に使用されるコネクタ600が配置されないので、コネクタ600に接続されるハーネス等によって制御手段500の視認性が低下してしまうことを防止できる。また、当該領域に、電子部品が実装されていない実装部405を配置することにより、制御手段500の視認性を向上させることができる。また、当該領域に実装部405を配置することにより、制御手段500の視認性を確保しつつ、コネクタ600の配置の自由度を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機は、電子部品が実装された基板400を備える遊技機であって、基板400を所定方向に2分割したときの一方の領域(第1特定領域S1)に、当該遊技機に搭載されている部品との電気的な接続に使用されるコネクタ600が配置されており、他方の領域(第2特定領域S2)をさらに前記所定方向に直交する方向に2分割したときの一方側(第3領域R3)には、基板400における処理を制御する制御手段(メインIC500)と、所定の検査に用いられる検査用端子(照合端子602)と、が配置されているとともに、コネクタ600が配置されていない。このような構成によれば、基板を4分割したときの1の領域(第3領域R3)に制御手段500が配置されるとともに、当該領域には遊技機に搭載されている部品との電気的な接続に使用されるコネクタ600が配置されないので、コネクタ600に接続されるハーネス等によって制御手段500の視認性が低下してしまうことを防止できる。また、当該領域に、所定の検査に用いられる検査用端子602、すなわち通常時においてはハーネスが接続されていないコネクタを配置することにより、制御手段の視認性を確保しつつ、他のコネクタ600の配置の自由度を高めることができる。
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。以下、払出制御基板400(以下、基板400)を備える払出制御基板ユニット700を用いて説明するが、本発明は、遊技機が備える他の所定の基板ユニットに適用可能である。
図23は、払出制御基板ユニット700の分解斜視図である。払出制御基板ユニット700は、略四角形状(略長方形状)となっている。具体的には、左右方向が長尺となっており、上下方向が短尺となっている。払出制御基板ユニット700は、基板400(払出制御基板、払出制御手段)、基板400を内側に収容(収納、封入)する基板ケース701、ネジ(図示せず)、等を主に備えて構成されている。
基板ケース701は、基板400の前方側(第1面側)を覆う第1ケース710と、基板400の後方側(第2面側)を覆う第2ケース720と、を備えている。第1ケース710および第2ケース720はそれぞれ、天面(底面)および所定の側面(側壁)を備えており、略箱状となっている。第1ケース710と第2ケース720とを組み付けることによって内側に空間が形成され、その空間に基板400が収納されるようになっている。基板ケース701は、透明な合成樹脂で形成されており、内側に配置されている基板400を外側から視認可能となっている。
ここで、基板400における前方側(正面側)の面を第1面(表面)とし、後方側(背面側)の面を第2面(裏面)とする。基板400の第1面は、第1ケース710の天面部(第1天面)と対向する。基板400の第2面は、第2ケース720の天面部(第2天面)と対向する。なお、第1ケース710の天面部を、基板ケース701の天面部と称し、第2ケース720の天面部を、基板ケース701の底面部と称してもよい。
図24は、基板400の第1面を前方側(正面側)から見た概略図である。基板400は、矩形板状となっており、長辺が左右方向に沿って延び、短辺が上下方向に沿って延び、基板面法線方向(板厚方向)が前後方向となるように配置されている。基板400は、長辺の一方が上側に位置し、長辺の他方が下側に位置し、短辺の一方が右側に位置し、短辺の他方が左側に位置している。
基板400は、第1面と第2面とを貫通する複数の貫通穴450を備えている。本実施形態では、貫通穴450は基板400の四隅にそれぞれ形成されている。なお、貫通穴450は4つ以上設けられていてもよい。また、貫通穴450は4つ未満であってもよく、例えば、基板400における対角となる隅のそれぞれに設けられた2つであってもよい。本実施形態では、貫通穴450には、基板ケース701(第1ケース710)への固定に用いられるものと、基板400の位置決めに用いられるもの(後述する)と、がある。
なお、図示を簡略(省略)するが、基板400の第1面には、複数の部品(各種電子部品)が実装(配置)されている。複数の部品としては、コネクタ、IC、抵抗、コンデンサ、ダイオードおよびスイッチ等がある。また、図示を省略するが、基板400には、各電子部品を識別(特定)するための(各電子部品の識別を可能とする)識別情報(識別符号)が、各電子部品の配置位置の近傍に設けられている。識別情報は、所定の文字または所定の文字列(文字列には数字や記号が含まれてもよい)により構成されており、例えば番号「1」が割り当てられたコネクタの場合、コネクタを表すアルファベット「CN」と、番号「1」とを組み合わせ「CN1」という文字列となっている。この識別情報は、シルク印刷により形成(表記)されており、本実施形態では白色となっている。識別情報は、シルク文字と言うこともできる。また、本実施形態では、基板400は、緑色の基板となっている。換言すると、基板400は、レジストの色が緑となっている。また、図示を省略しているが、基板400には、複数のスルーホールが設けられている。
図23に示すように、第1ケース710は、2つの取付穴711(基板取付部)を備えている。取付穴711は、基板400の対角となる隅にそれぞれ設けられている貫通穴450に対応(対向)する位置に設けられている。ネジ(図示せず)を基板400の第2面側(裏面側)から貫通孔450に通し、そのネジを取付穴711にねじ込む(差し込む)ことで、基板400が第1ケース710に固定されるようになっている。
また、第1ケース710は、2つの位置決めピン712を備えている。位置決めピン712は、基板400の対角となる隅にそれぞれ設けられている貫通穴450に対応(対向)する位置に設けられている。位置決めピン712は、前方側から後方側に向かって所定の長さ突出し、円柱状に形成されており、貫通穴450に挿入可能な直径で形成されている。位置決めピン712が貫通穴450に挿入されることで、基板400の回転が規制されるようになっている。
ここで、図25~図27を用いて、基板と基板ケース(基板の基板ケースへの固定)の別例を示す。図25に示す基板400は、5つの貫通穴450を備えている。貫通穴450は、四隅と、下辺側における左右方向略中央部と、に設けられている。
図26は、図25で示した基板400に対応する第1ケース710を背面側から見た図である。第1ケース710は、5つのボス715(基板取付部)を備えている。ボス715は、基板400の貫通穴450に対応(対向)する位置に設けられている。ボス715は、前方側から後方側に向かって所定の長さ突出しており、柱状(円柱状)に形成されている。ボス715には、ネジを挿入するための(ネジを締め付けるための)ネジ穴が設けられている。このネジ穴の直径は、ボス715の内径とも言うことができる。ネジを基板400の第2面側(裏面側)から5つの貫通穴450に通し、さらにネジをボス715のネジ穴にねじ込む(差し込む)ことで、基板400が第1ケース710に固定(締結)されるようになっている。
ネジをねじ込み、ネジが所定の量(所定の長さ)だけネジ穴に挿入されると、ボス715の先端面が基板400の第1面に接触し、かつネジの頭部が基板400の第2面に接触した状態となる。すなわち、基板400が、ボス715の先端面とネジの頭部との間に挟まれて固定された状態(固定状態)となる。このとき、ネジはそれ以上回転しない状態(ネジが緩みなく締め付けられている状態)となっている。これを、ネジの最大挿入状態と称してもよい。基板400が固定された状態において、ネジの頭部は、基板400の第2面から突出するようになっている。
本実施形態では、基板400の第1面および第2面に、銅箔からなるパターンが形成されている(銅箔が付されている)。なお、パターンには、信号が通る配線パターンと、グランドパターン(ベタグランド)と、がある。
図27(a)は、図25で示した基板400の第2面を示す図である。本実施形態では、少なくとも貫通穴450の周囲を含む所定の領域(所定の範囲)が、パターンが形成されていない領域(パターン非形成領域N:図中斜線部)となっている。本実施形態では、各貫通穴450(5箇所)の周囲と、基板400の周縁部(各辺の縁部)とが、パターン非形成領域N(絶縁領域)となっているが、少なくとも各貫通穴450の周囲がパターン非形成領域Nとなっていればよい。各貫通穴450は、パターン非形成領域Nに設けられている。
図27(b)は、図27(a)においてネジを各貫通穴450に挿通させ、ネジの頭部を基板400に接触させた状態を示している。パターン非形成領域Nは、少なくともネジの頭部が、パターン非形成領域Nから外側にはみ出さない大きさ(ネジの頭部がパターン形成領域に侵入しない大きさ)を有している。換言すると、ネジの頭部が、パターン非形成領域Nの内側に収まる大きさとなっている。具体的には、ネジの頭部の端部(外周部)と、銅箔との距離(最短距離)が、例えば、約1mm~2mm程度となっている。このため、ネジ締めした場合にネジの頭部が接触するのは、パターン非形成領域Nとなっており、ネジの頭部がパターン(銅箔)に接触しないようになっている。これにより、ネジとパターン(ベタグランド等)とが電気的に導通してショート等が発生し、部品が破損する(不具合が発生する)のを防ぐことができる。また、ネジの頭部が接触することによるパターンの損傷を防ぐことができる。
なお、図示を省略するが、図27(a)において、例えば、基板400の中央部に貫通穴450が設けられており、その貫通穴450の周囲の所定範囲が、パターン非形成領域Nとなっていてもよい。換言すると、所定のパターン非形成領域Nは、他のパターン非形成領域Nと連続しないように(孤立した状態で)設けられていてもよい。なお、パターン非形成領域Nは、パターンが設けられていないが、レジストが設けられた領域となっている。
ネジとしては、鍋ねじの他、皿ねじを用いることができる。皿ねじは、頭部の座面部分が円錐状となっているため、皿ねじを用いた場合、鍋ねじを用いた場合に比べて、銅箔との距離(最短距離)をより大きいものとすることができる。換言すると、銅箔とより接触し難いものとすることができる。
次に、第1面側について説明する。ボス715(図26)の先端面は、基板400の第1面と接触するようになっているが、ボス715(基板取付部)は、基板を支持する基板支持部(当て面、受け面)としても機能する。この基板支持部として、第1ケース710にボス715以外の所定の形状が設けられていてもよい。所定の形状としては、例えば、隅部(基板の隅部に対向する位置)に立設された突出部(凸部)や、ケース側面(側壁の内面)から内側に向かって所定の長さ延びるように形成されたリブ(凸部)等がある。例えば、基板の四隅に対応する位置に加え、基板の左右方向略中央部に対応する位置に基板支持部(凸部)が設けられている場合、基板の四隅に加え、基板の左右方向略中央部が第1面側から支持されることとなる。このため、第2面側から基板に力を加えられた場合に、基板を撓みにくくすることができる(基板の撓みを抑制することができる)。
図25に示すように、本実施形態では、基板400の第1面にもパターン非形成領域N(斜線部)が設けられている。基板支持部(ボス715)は、パターン非形成領域Nに接触(当接)するようになっている。換言すると、基板400の第1面における、少なくとも基板支持部と接触する箇所は、パターン非形成領域Nとなっている。さらに換言すると、基板400の第1面における、基板支持部と接触する範囲を含む所定の範囲が、パターン非形成領域Nとなっている。本実施形態では、所定の貫通穴450の周囲のパターン非形成領域Nについて、第1面と第2面とで比較した場合、第1面の方が、面積が大きくなっている。本実施形態では、ボス715の直径がネジの頭部の直径よりも大きいためである。なお、第1面におけるボス715の外周部と銅箔との最短距離は、第2面におけるネジの頭部の外周部と銅箔との最短距離よりも小さくなっていてもよい。また、第1面と第2面とでパターン非形成領域が同様に(同じ範囲となるように)形成されていてもよい。また、第1面および第2面のパターン非形成領域Nに、所定の情報(基板の管理番号等)が表示されていてもよい。
基板支持部としてのボスやリブ等の形状は樹脂製であり、仮にパターン(銅箔)と接触した場合に電気的に導通するものではない。しかし、パターン(銅箔)に接触してパターンを押圧した場合に、パターンの損傷や断線等を招くおそれがある。本実施形態では、基板支持部がパターン非形成領域Nに接触するようになっているため、押圧によるパターンの損傷、断線が発生することがなく、不具合が発生する(部品が破損する)のを抑制できる。
図示を省略するが、図24で示した基板400における第1面および第2面にもパターン非形成領域Nが設けられており、ネジとパターンの接触が回避され、かつ基板支持部(樹脂部)とパターンとの接触が回避されている。
基板400の第1面には、少なくとも1つのコネクタが配置されており、図28に示すように、第1ケース710における、所定のコネクタ(およびその周囲)に対応する部分は、ケース内側(基板400側)に凹んだ(窪んだ)凹部718(凹形状)となっている。この凹部718には開口が設けられており、その開口を介してコネクタが外側に露出している。
本実施形態では、凹部718の底部(底面)と、基板400の第1面(コネクタの周囲の部分)とが面接触しているが、この面接触する領域の基板400は、パターン形成領域(銅箔が付されている領域)となっていてもよい。換言すると、基板ケース701(第1ケース710)における凹部718の底部のように、相手部品と面で接触し得る箇所(接触面積が比較的大きい箇所)は、パターン非形成領域Nではなくパターン形成領域となっていてもよい。接触面積が大きく、負荷(応力)が分散されて1箇所に集中し難いものとなっている。一方、基板ケース701におけるボス715(図26)の先端のように、相手部品と点で接触し得る箇所(接触面積が比較的小さい箇所)は、パターン非形成領域N(銅箔が付されていない領域)となっている。接触面積が小さく、負荷(応力)が集中しやすいためである。
図29は、基板400の所定の面における所定の貫通穴450およびその周囲を示す部分拡大図である。本実施形態では、パターン形成領域(銅箔が付されている領域)と、パターン非形成領域N(銅箔が付されていない領域)との境目部分(境界部分)において、パターン形成領域における端の部分に(沿って)、複数のグランドスルーホールHが設けられている。これにより、グランドが強化され、基板のノイズ耐性を向上させることができるとともに、基板の安定動作を実現することができる。パターン形成領域には、信号が通る配線パターンが形成されているが、その配線パターンのうち、最も基板の外側(外周側)に位置する配線パターンよりもさらに外側に、グランドスルーホールHが設けられている。このため、一番外側の配線パターンがノイズによる影響を受けるのを低減できる。また、パターン形成領域における外側の端の部分に複数のグランドスルーホールHが設けられ(電流が流れる経路が複数設けられ)グランドが強化されているため、例えば、基板の固定に用いられるネジを介して電気(静電気)が流れ込んだ場合であっても、その電気をより確実に逃がすことができる。
なお、この境界部分に設けられているグランドスルーホールHには、はんだが内側に入り込んだ状態(はんだで埋まっている状態)のものと、はんだが内側に入り込んでいない状態(はんだで埋まっていない状態)のものと、がある。
本実施形態では、基板ユニット(払出制御基板ユニット700)が、基板面法線方向が前後方向となるように遊技機に配置されているものとしたが、基板面法線方向が上下方向となるように(例えば第1面が上を向くように)遊技機に配置されていてもよい。
図30は、基板400が第1ケース710(ボス715)に固定されている状態を示す概略断面図である。なお、図30では断面であることを示すハッチングは一部省略している。図30は、ネジαが緩みなく締め付けられ、基板400が適正(適切)に第1ケース710(ボス715)に固定されている状態(特定状態、第1状態)となっている。
基板400の第1面(表面)と、第1ケース710(上ケース)の天面部とが対向(対面)している。第1ケース710の天面部を介して、基板400の第1面を視認できる。具体的には、第1面に配置されている各種電子部品を視認できる。図30では、第1ケース710の天面部を介して、リード部品βとコネクタγとを視認できる。コネクタγは、第1ケース710に設けられた開口から露出することなく、第1ケース710の天面部に覆われているコネクタ(非露出コネクタ)となっている。非露出コネクタとしては、例えば、開発時にのみ使用され、量産時には使用されない開発用のものや、後の機種において機能(仕様)の追加等が決定された場合に使用され、現行の機種の量産時には使用されない機能拡張用のものや、遊技機を市場へ提供するために行われる所定の試験において用いられるが、量産時には使用されない試験用のもの等がある。
基板400の第2面(裏面)と、第2ケース720(下ケース)の天面部とが対向(対面)している。第2ケース720の天面部を介して、基板400の第2面を視認できる。図30では、第2ケース720の天面部を介して、リード部品βの端子と、ネジαの頭部と、を視認できる。
基板400の第1面に配置される電子部品には、本体部と、本体部から延出されたリード端子部(リード)(端子)、とを備えるもの(リード部品β)がある。リード部品β(ディスクリート部品β)としては、例えばダイオード、IC、コンデンサ、抵抗等がある。リード部品βは、リード端子部が基板400に形成された貫通穴(ホール)に挿通された状態ではんだ付けされ、基板400に固定(実装)されている。リード端子部は、基板400の第2面から所定の長さ突出している。また、リード端子部における本体部接続側とは反対側部分をリード端子部の先端側とすると、本実施形態では、リード端子部の先端側に曲げ加工が施されている。例えば、2本のリードを有する抵抗の場合、各端子の先端が内側を向くように曲げ加工が施されている。なお、基板400に配置される電子部品には、リード部品の他、チップ部品(チップ型の部品)が含まれていてもよい。
図30に示すように、ボス715(基板取付部)の高さ寸法を寸法Lとする。寸法Lは、第1ケース710の天面部(内側の面)から、ボス715の先端(基板400の第1面)までの寸法である。また、図30に示す状態において、基板400の第1面からのコネクタγ(非露出コネクタ)の高さ寸法を寸法Mとする。なお、コネクタγのような非露出コネクタが基板400に複数配置されている場合には、それらのうち、第1面からの高さが最も高い(大きい)ものの高さ寸法を寸法Mとする。また、図30に示す状態において、基板400の第1面から、ボス715に挿入されたネジαの先端までの寸法を寸法Nとする。ネジαの先端とは、ネジαの頭部とは反対側の端部である。
本実施形態では、寸法L(第6寸法)は、寸法M(第7寸法)よりも大きくなっている。ネジαを締め付けて、基板400を第1ケース710(ボス715)に取り付けた状態において、コネクタγが第1ケース710の天面部に接触することがない。これにより、コネクタγが破損するのを防止できる。
また、寸法N(第8寸法)は、寸法M(第7寸法)よりも小さくなっている。仮に寸法Nが寸法Mよりも大きくなっている場合、ネジαがボス715の奥深くまで挿入される分、コネクタγが第1ケース710の天面部に接触するおそれが高くなるが、本実施形態では、寸法Nが寸法Mよりも小さく設定されているため、そのようなおそれを低減することができる。
また、図30に示す状態において、基板400の第2面(裏面)から、ネジαの頭部の先端(頂部)までの寸法を寸法B(第2寸法)とする。また、図30に示す状態において、基板400の第2面(裏面)から、リード部品βのリード端子部の先端までの寸法(突出量)を寸法A(第1寸法)とする。寸法Aは、リード部品β(ダイオード、IC、コンデンサ、抵抗等)が基板400に複数配置されている場合には、第2面からのリード端子部の高さが最も大きいものの突出量を寸法Aとする。なお、複数のリード部品βについて、寸法Aがすべて揃うように構成されていてもよい。また、図30に示す状態において、基板400の第2面(裏面)から、第2ケース720の天面部(内側の面)までの寸法(距離)を寸法C(第3寸法)とする。
本実施形態では、寸法Bは、寸法Aよりも大きくなっている。本実施形態では、寸法Cは、寸法Bよりも大きくなっている。基板400を第1ケース710に取り付けた状態において、ネジαの頭部およびリード部品βのリード端子部の先端が、第2ケース720の天面部に接触することがない。これにより、第2ケース720やリード部品等の破損を防ぐことができる。
ここで、図30に示す状態において、ボス715へのネジαの挿入量(ネジのかかり量)を寸法E(第5寸法)とする。換言すると、ボス715のネジ穴に、ネジαが挿入されている長さ(寸法)を寸法Eとする。また、図30に示す状態において、ネジαの頭部の先端(頂部)から第2ケース720の天面部(内側の面)までの距離(寸法)を寸法D(第4寸法)とする。なお、寸法Dは、寸法Cと寸法Bの差と言うこともできる。本実施形態では、寸法Eは寸法Dよりも大きくなっている。
ここで、振動などの影響によりネジαの締め付けに緩みが生じ、ネジαとともに基板400が第2ケース720側に移動する場合を考える。寸法Eが寸法Dよりも小さい場合(寸法Dが寸法Eよりも大きい場合)、ネジαの頭部が第2ケース720の天面部に接触するよりも前に寸法Eが0となり、ネジαがボス715から脱落してしまう。この場合、ネジαが存在しないことにより、リード部品βの端子が第2ケース720の天面部に接触し、リード部品βが基板400から外れたり(抜けたり)、あるいはリード部品βが破損するおそれがある。
本実施形態では、寸法Eが寸法Dよりも大きくなっている。このため、ネジαの頭部が第2ケース720の天面部に接触した時点において(すなわち寸法D=0となった時点において)、寸法E>0となっており(ネジαの挿入量が確保されており)、ネジαはボス715から脱落しない。このため、ネジαの頭部が第2ケース720の天面部に接触した場合であっても、ネジαが存在することにより、リード部品βの端子が、第2ケース720の天面部に接触しない(リード部品βの端子と第2ケース720の天面部との間に隙間が確保される)。このため、ネジαの締め付けに緩みが生じた場合に、リード部品βの端子が第2ケース720の天面部に接触し、リード部品βが基板400から外れたり、リード部品βが破損するのを防ぐことができる。
なお、上述の説明では、寸法Eをネジαの挿入量としたが、図30に示す寸法E´をネジαの挿入量としてもよい。換言すると、ネジαの挿入量は、寸法Eであっても寸法E´であってもよい。寸法E´は、ネジαの頭部と基板400の第2面との接触部から、ネジαの先端までの寸法である。寸法E´が寸法Dよりも大きくなっているため、ネジαが緩み、ネジαの頭部が第2ケース720の天面部に接触した時点において(すなわち寸法D=0となった時点において)、寸法E´>0となっており、ネジαは脱落しない(外れない)。このため、ネジαの頭部が第2ケース720の天面部に接触した場合であっても、ネジαが存在することにより、リード部品βの端子が、第2ケース720の天面部に接触しない。
本実施形態の遊技機は、
基板400と、基板ケース701と、ネジと、を備え、
前記基板ケースは、前記基板の第1面側を覆う第1ケース710と、前記基板の第2面側を覆う第2ケース720と、を備え、
前記基板は、第2面側から前記ネジを挿入され、前記第1ケースの基板取付部にネジ締めされ、前記第1ケースに固定されており、
前記基板の第1面側から挿入される電子部品の端子は、第2面から所定の長さ突出しており、
前記基板の第1面と対向している前記第1ケースの天面部を介して、前記電子部品が視認可能となっており、
前記基板の第2面と対向している前記第2ケースの天面部を介して、前記電子部品の端子と、前記ネジの頭部と、が視認可能となっており、
前記ネジが緩みなく締め付けられ、前記基板が前記第1ケースに固定されている状態において、
前記基板の第2面から前記電子部品の端子の先端までの寸法を第1寸法とし、
前記基板の第2面から前記ネジの頭部の先端までの寸法を第2寸法とし、
前記基板の第2面から前記第2ケースの天面部までの寸法を第3寸法とすると、
前記第3寸法が前記第2寸法よりも大きくなっており、
前記第2寸法が前記第1寸法よりも大きくなっている。
前記ネジが緩みなく締め付けられ、前記基板が前記第1ケースに固定されている状態において、前記第3寸法が前記第2寸法よりも大きくなっており、前記第2寸法が前記第1寸法よりも大きくなっている。このため、前記ネジの頭部の先端や前記リード部品の端子の先端が前記第2ケースの天面部に接触することがない。これにより、前記第2ケースや前記リード部品等の破損を防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機は、
基板400と、基板ケース701と、ネジと、を備え、
前記基板ケースは、前記基板の第1面側を覆う第1ケース710と、前記基板の第2面側を覆う第2ケース720と、を備え、
前記基板は、第2面側から前記ネジを挿入され、前記第1ケースの基板取付部(711、715)にネジ締めされ、前記第1ケースに固定されており、
前記基板の第1面側から挿入される電子部品の端子は、第2面から所定の長さ突出しており、
前記基板の第1面と対向している前記第1ケースの天面部を介して、前記電子部品が視認可能となっており、
前記基板の第2面と対向している前記第2ケースの天面部を介して、前記電子部品の端子と、前記ネジの頭部と、が視認可能となっており、
前記ネジが緩みなく締め付けられ、前記基板が前記第1ケースに固定されている状態において、
前記基板の第2面から前記リード部品の端子の先端までの寸法を第1寸法(寸法A)とし、
前記基板の第2面から前記ネジの頭部の先端までの寸法を第2寸法(寸法B)とし、
前記基板の第2面から前記第2ケースの天面部までの寸法を第3寸法(寸法C)とし、
前記ネジの頭部の先端から前記第2ケースの天面部までの寸法を第4寸法(寸法D)とし、
前記ネジが前記基板取付部に挿入されている長さを第5寸法(寸法E)とすると、
前記第3寸法が前記第2寸法よりも大きくなっており、
前記第2寸法が前記第1寸法よりも大きくなっており、
前記第5寸法が前記第4寸法よりも大きくなっている。
前記ネジが緩みなく締め付けられ、前記基板が前記第1ケースに固定されている状態において、前記第3寸法が前記第2寸法よりも大きくなっており、前記第2寸法が前記第1寸法よりも大きくなっている。このため、前記ネジの頭部の先端や前記リード部品の端子の先端が前記第2ケースの天面部に接触することがない。これにより、前記第2ケースや前記リード部品等の破損を防ぐことができる。また、前記第5寸法が前記第4寸法よりも大きくなっているため、仮に、前記ネジの締め付けに緩みが生じ、前記ネジが前記第2ケースの天面部側に移動し、前記ネジの頭部が前記第2ケースの天面部に接触して前記第4寸法=0となった場合であっても、前記第5寸法>0となる。このため、前記ネジの頭部が前記第2ケースの天面部に接触した場合であっても、前記ネジが前記基板取付部に所定量だけ挿入されており、前記ネジが前記基板取付部から脱落することがない。したがって、前記ネジが脱落して(前記ネジが存在しないことによって)、前記リード部品の端子が前記第2ケースの天面部に接触することがない。これにより、前記ネジの締め付けに緩みが生じた場合に、前記リード部品が前記第2ケースの天面部に接触して、前記リード部品が前記基板から外れたり、前記リード部品が破損するのを防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記基板の第1面から前記第1ケースの天面部までの寸法を第6寸法(寸法L)とし、
前記基板の第1面に配置され、前記第1ケースの天面部に覆われた状態となっているコネクタの第1面からの高さを第7寸法(寸法M)とし、
前記基板の第1面から、前記基板取付部に挿入された前記ネジの先端までの寸法を第8寸法(寸法N)とすると、
前記第6寸法が前記第7寸法よりも大きくなっており、
前記第8寸法が前記第7寸法よりも小さくなっている。
前記第6寸法が前記第7寸法よりも大きくなっているため、前記ネジが緩みなく締め付けられ、前記基板が前記第1ケースに固定されている状態において、前記コネクタが前記第1ケースの天面部に接触することがない。これにより、コネクタが破損するのを防止できる。また、仮に前記第8寸法が前記第7寸法よりも大きくなっている場合、前記ネジが前記基板取付部の奥深くまで挿入される分、前記コネクタが前記第1ケースの天面部に接触するおそれが高くなるが、本実施形態では、前記第8寸法が前記第7寸法よりも小さく設定されているため、そのようなおそれを低減することができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。以下、上述の第4の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。また、払出制御基板ユニット700の基板400を用いて説明するが、本発明は、遊技機が備えるその他の所定の基板にも適用可能である。
図31(a)は、基板400に配置されるリード部品の1つである電解コンデンサ810(第1部品)を示している。電解コンデンサ810は、円柱状の本体部811と、本体部811の底部から延出されたリード端子部812と、を備えている。リード端子部812は、2本のリード(一対のリード)からなっている。2本のリードは、所定方向に(沿って)所定の間隔αをあけた状態で設けられている(リードの間隔はαとなっている)。
図示を省略するが、基板400には、電解コンデンサ810のリード端子部812を挿通可能とする貫通穴(ホール)が設けられている。当該貫通穴(ホール)の間隔(ピッチ)をβとすると、本実施形態では、間隔βが間隔αよりも大きくなっている。このため、図31(b)に示すように、電解コンデンサ810のリード端子部812は、先端側の間隔がβとなるように曲げ加工(フォーミング)が施されている。
電解コンデンサ810は、リード端子部812が基板400の貫通穴(ホール)に挿通(挿入)された状態ではんだ付けされ、基板400に固定される。図31(c)は、基板400の第2面側を示す図であるが、電解コンデンサ810が基板400に取り付けられた状態において、リード端子部812の先端側に曲げ加工が施されている。本実施形態では、各リードの先端がそれぞれ外側(斜め外側)を向いている。
図32(a)に示すように、本体部811(の底部)と、基板400の面(第1面、実装面)との間に、所定距離γが確保されている(所定の隙間γが形成されている)。換言すると、電解コンデンサ810(本体部811)は、基板400の面(第1面)から所定距離γだけ浮いた状態となっている。電解コンデンサ810は、ホールのピッチ(間隔β)に合わせてリード端子部812がフォーミングされているため、本体部811が基板400に接触(当接)せず、所定の距離γだけ浮いた状態で基板400に配置される。
なお、図示を省略するが、基板400が基板ケース701(第4の実施の形態参照)に収納された状態において、電解コンデンサ810の先端と第1ケース710の天面部との間に所定の隙間が確保されており、電解コンデンサ810が第1ケース710の天面部に接触しないようになっている。
図33(a)は、基板400の第1面を基板面法線方向から見た図である。基板400には、電解コンデンサ810のリードが挿入される複数の穴(貫通穴)が、所定の方向に(沿って)所定の間隔をあけて(所定の間隔ごと)設けられている。ここで、基板面と平行な方向であって、前記所定の方向に沿う方向を第2方向とする。図33(a)において、第2方向は、図の上下方向と一致している。また、基板面と平行な方向であって、第2方向と垂直となる方向(第2方向と直交する方向)を第1方向とする。なお、垂直とは90°に限らず略垂直を含むものであり、例えば、第1方向と第2方向との間の角度が約75°~約105°程度となっていてもよい。電解コンデンサ810は、基板400に配置されている他の電子部品(例えば抵抗等)に比べて相対的に背の高い部品となっており、他の電子部品に比べて組み付け時などに力(外力)を受けやすいものとなっている。
ここで、電解コンデンサ810(本体部811)に力が加えられる場合として、第1方向に沿って力が加えられる場合と、第2方向に沿って力が加えられる場合と、を考える。第1方向に沿って力(第1方向に向かう力)が加えられた場合、第2方向に沿って力(第2方向に向かう力)が加えられた場合よりも、電解コンデンサ810(本体部811)が倒れやすくなっている(リード端子部812が折れ曲がりやすいものとなっている)。換言すると、電解コンデンサ810は、第1方向に沿う外力に弱く、リード端子部812が折れ曲がりやすいものとなっている。一方、電解コンデンサ810は、第2方向に沿う外力に強く、第1方向に沿う外力を受けた場合に比べて、リード端子部812が折れ曲がり難いものとなっている。
図32(a)に示すように、基板400の面(第1面)から電解コンデンサ810の先端までの距離(高さ)を距離δ(特定距離)とする。距離δは、電解コンデンサ810の(第1面からの)高さ分の距離と言うことができる。また、図33(a)に示すように、電解コンデンサ810の配置位置を中心とし、距離δを半径とする円(仮想円)の内側の範囲を特定範囲εとする。本実施形態では、特定範囲εの範囲内であり、かつ電解コンデンサ810の第1方向となる位置(第1方向において電解コンデンサ810と隣接する位置)に、セラミックコンデンサ820(第2部品)が配置されている。
図32(b)に示すように、第1方向に沿う外力によって電解コンデンサ810がセラミックコンデンサ820側に倒れた場合(リードが折れ曲がった場合)に、電解コンデンサ810と、セラミックコンデンサ820とが接触(当接)するようになっている。換言すると、電解コンデンサ810は、セラミックコンデンサ820との接触により倒れが停止する(それ以上倒れない状態となる)ようになっている。さらに換言すると、セラミックコンデンサ820は、第1方向に外力が加わりリードが折れ曲がった電解コンデンサ810と、当接する位置(接触可能な範囲内)に配置されている。
セラミックコンデンサ820は、本体部から延出された2本のリード(一対のリード)を備えており、2本のリードが基板400の貫通穴(ホール)に挿通(挿入)された状態ではんだ付けされ、基板400に固定されている。セラミックコンデンサ820の本体部と基板400との間の距離は、前述の所定距離γよりも小さくなっており、セラミックコンデンサ820は、電解コンデンサ810よりも倒れ難い(リードが折れ曲がり難い)ものとなっている。また、セラミックコンデンサ820は、リードが挿入される穴が設けられている方向(穴の間隔が形成されている方向)が、電解コンデンサ810のリードが挿入される穴が設けられている方向(前述の第2方向)と垂直となっている。このため、セラミックコンデンサ820は、前述の第2方向には倒れやすいが、前述の第1方向には倒れ難いものとなっている。したがって、セラミックコンデンサ820は、電解コンデンサ810が倒れて力(第1方向に作用する力)を受けたとしても、電解コンデンサ810とともに倒れることなく電解コンデンサ810を支持可能となっている。
図33(a)に示すように、セラミックコンデンサ820の近傍には、セラミックコンデンサ820に対応する識別情報(シルク文字)「C32」が基板400に表記されている。本実施形態では、識別情報「C32」は、特定範囲εの範囲内であり、かつ電解コンデンサ810の第1方向となる位置に表記されている。具体的には、第1方向において、セラミックコンデンサ820を挟んで電解コンデンサ810とは略反対側となる位置に、識別情報「C32」が表記されている。
なお、識別情報「C32」は、コンデンサを表すアルファベット「C」と、当該コンデンサに割り当てられた番号「32」とを組み合わせた文字列となっている。例えば、番号「3」が割り当てられたコンデンサである場合「C3」となり、番号「108」が割り当てられたコンデンサの場合「C108」となる。
図33(b)に示すように、本実施形態では、電解コンデンサ810が倒れて(リードが折れ曲がって)セラミックコンデンサ820に当接している状態において、基板面法線方向から見た場合に、セラミックコンデンサ820が覆われて(隠されて)視認できなくなったとしても、セラミックコンデンサ820(被接触部品)の識別情報「C32」は、隠される(遮られる)ことなく視認可能となっている(すなわち識別情報「C32」の視認性が確保されている)。なお、「視認可能となっている」とは、完全に全体が視認可能となっているものに限らず、一部(例えば数字の一部)の視認性が損なわれていても(隠れていても)、作業者が識別情報「C32」であることを特定できるものであれば、視認可能であるとする。換言すると、例えば識別情報「C32」のように、部品の種別(コンデンサ)を示す文字(「C」)と、部品の番号(何番目のコンデンサであるかを示す番号)を示す文字(「32」)と、の2種類の文字で構成されている場合に、少なくとも「C」が視認可能であればよい。「C」のみが視認可能な構成でも、部品の種別を把握することができる。このため、「C32」が完全に覆われた場合に比べて、作業の効率が低下するのを抑制できる。また、上下方向において、識別情報「C32」における、少なくとも、上半分の範囲または下半分の範囲が視認可能となっていてもよい。具体的には、例えば、下側において、下半分の範囲よりも少ない所定の範囲が部品(電解コンデンサ810)に覆われて視認不可となっているが、上側では、上半分以上の範囲が部品(電解コンデンサ810)に覆われず視認可能となっていて、文字(識別情報)を把握できるようになっていてもよい。
図33(a)および図33(b)では、識別情報「C32」が特定範囲εの範囲内にあるとしたが、識別情報「C32」が特定範囲εの範囲内にあるとは、「C32」のすべての文字が特定範囲εの範囲内にある場合に限らず、「C」が当該範囲外にあり、「32」が当該範囲内にあってもよい(一部が当該範囲内にあるものであってもよい)。この場合に、部品(電解コンデンサ810)が倒れて(リードが折れ曲がって)セラミックコンデンサ820に当接している状態において、「32」が視認可能に構成されていてもよい。
識別情報「C32」は、セラミックコンデンサ820に当接している電解コンデンサ810によって覆われることのない位置に表記されている。本実施形態では、所定の距離γだけ浮いた状態で基板400に配置されている電解コンデンサ810は、第1方向に力を加えられた場合にリードが折れ曲がるが、その折れ曲がり量は、セラミックコンデンサ820の識別情報「C32」を覆い隠さない範囲内のものとなっている。
なお、電解コンデンサ810に対応する識別情報「C62」は、本体部811が倒れ難い第2方向(の一方側)に設けられている。このため、識別情報「C62」は、電解コンデンサ810が第1方向に倒れてセラミックコンデンサ820に当接した状態となっても、視認可能となっている。
また、図33(a)では、第1方向において、電解コンデンサ810に隣接する一方側(左側)にセラミックコンデンサ820が配置されているものとしたが、第1方向において、電解コンデンサ810に隣接する両側にセラミックコンデンサ820が配置されていてもよい。換言すると、電解コンデンサ810が、第1方向において、いずれの側に倒れた場合であってもセラミックコンデンサ820に当接し、倒れが停止するようになっていてもよい。その場合、電解コンデンサ810が第1方向におけるいずれの側に倒れてセラミックコンデンサ820に当接した場合であっても、基板面法線方向から見た場合に、各セラミックコンデンサ820の識別情報が視認できるようになっている。
本実施形態では、電解コンデンサ810を第1部品として説明したが、第1部品は、電解コンデンサ810に限らず、他のリード部品であってもよい。具体的には、本体部と、本体部から延出されたリード(リード端子部)とを有し、本体部が所定の距離だけ浮いた状態で基板400に配置され、リードが折れ曲がって、本体部が倒れ得るリード部品であればよい。また、当該リードの本数は2本以上であってもよく、例えば、3本のリードが設けられているものであってもよい。3本のリードの場合、基板400に、第1部品のリードが挿入される3つの穴が、所定の方向に所定の間隔をあけて(所定の間隔ごとに)設けられている。
また、本実施形態では、特定範囲εの範囲内であり、かつ電解コンデンサ810の第1方向に配置される部品を、セラミックコンデンサ820(第2部品)としたが、第2部品は、セラミックコンデンサ820に限らず、他の電子部品であってもよい。ただし、第2部品は、基板面(第1面)から所定の高さを有しており、リードが折れ曲がった状態の第1部品と当接可能となっているものとする。
また、本実施形態では、電解コンデンサ810(第1部品)が倒れてセラミックコンデンサ820(第2部品)に当接している状態において、基板面法線方向から見た場合に、セラミックコンデンサ820の識別情報「C32」が隠されることなく視認可能となっているものとしたが、当該識別情報は第2部品のものに限らず、他の電子部品に対応する識別情報であってもよい。例えば、電解コンデンサ810(第1部品)に対応する識別情報「C62」が、第1方向(の一方側)に設けられていて、第1部品が第1方向に倒れた場合であっても、当該識別情報「C62」が視認可能となっていてもよい。第1部品のリード端子部の折れ曲がりが生じた場合に、所定の識別情報が隠れてしまい(視認性が低下してしまい)、当該識別情報の把握が困難となり、作業(点検作業等)の効率が低下するのを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1部品が第1方向に倒れて第2部品に当接し、倒れが停止するものとしたが、第1部品は、第2部品以外の部品(所定の箇所)に当接し、倒れが停止してもよい。
例えば、図32(c)に示すように、第1部品の本体部の底部が基板(第1面、基板面)に接触(当接)し、倒れが停止するようになっていてもよい。また、例えば、図32(d)に示すように、第1部品の本体部が基板ケース(第1ケース710)に接触(当接)して、倒れが停止するようになっていてもよい。
また、基板400に配置される電解コンデンサには、上述の電解コンデンサ810(第1電解コンデンサ)とは別に、電解コンデンサ840(第2電解コンデンサ)(第4部品)が含まれていてもよい。図34(a)は、電解コンデンサ810および電解コンデンサ840を示した図である。電解コンデンサ840は、円柱状の本体部841と、本体部841の底部から延出されたリード端子部842と、を備えている。電解コンデンサ840の本体部841の直径は、電解コンデンサ810の本体部811の直径よりも大きくなっている(大径となっている)。換言すると、電解コンデンサ840の本体部841の大きさは、電解コンデンサ810の本体部811の大きさよりも大きくなっている。
既述のとおり、電解コンデンサ810は、リード端子部812がフォーミングされており、本体部811と基板400との間に所定距離γの隙間が設けられた状態で、基板400に配置されている。一方、電解コンデンサ840は、本体部841と基板400(の面)との間の距離(隙間)が、所定距離γ(電解コンデンサ810における本体部811と基板400との間の距離)よりも小さくなっている。所定距離γよりも小さくなっている(所定距離γよりも小さい状態)とは、隙間がない状態(隙間が0)を含むものである。本実施形態では、電解コンデンサ840は、本体部841と基板400の面との間に隙間が設けられていない状態で(すなわち本体部841が基板400に接触した状態で)基板400に配置されている。なお、図示を省略するが、本体部841と基板400の面との間に微小な隙間(所定距離γよりも小さい隙間)が設けられていてもよい。本体部811(本体部840)と基板400の面との間の隙間が小さくなっているほど、電解コンデンサを基板400に配置した場合における安定性が増加するようになっている。
基板400に配置された状態で、電解コンデンサ810の方が電解コンデンサ840よりも背の高い部品となっている。
電解コンデンサ810のリード端子部812が挿入される、基板400のホールの間隔(ピッチ)はβとなっており、本実施形態では、間隔βは5.5mmとなっている。また、電解コンデンサ840のリード端子部842が挿入されるホールの間隔(ピッチ)もβ(5.5mm)となっている。換言すると、リード端子部842の間隔はβとなっている。なお、リード端子部842は、フォーミングされていない。電解コンデンサ810と電解コンデンサ840とは、取り付けるホールのピッチが同じとなっている(電解コンデンサ810のリードの間隔と、電解コンデンサ840のリードの間隔と、は同じとなっている)。ホールのピッチを揃えておくことで(リードの間隔を揃えておくことで)、パターンの設計が容易になるという効果を享受し得る。
所定距離γの隙間が設けられた状態で基板400に配置されている電解コンデンサ810は、所定距離γよりも小さい隙間(0を含む)が設けられた状態で基板400に配置されている電解コンデンサ840に比べて、リードが折れ曲がりやすいものとなっている。本実施形態は、リードが折れ曲がりやすい電解コンデンサ810(第1電解コンデンサ)について、リードが折れ曲がって所定の部品(隣接する部品)に当接した場合であっても、該所定の部品の識別情報が視認可能となるようにしたものである。
図33(a)に示すように、セラミックコンデンサ820(第2部品)は、特定範囲εの範囲内であって、かつ電解コンデンサ810の第1方向となる位置に配置されている。このセラミックコンデンサ820は、IC830に比べて、熱に強い(耐熱性が高い)部品となっている。また、セラミックコンデンサ820は、IC830に比べて発熱量が少ない(小さい)部品となっている。
IC830(第3部品)は、矩形板状の本体部831と、本体部831から延出されたリード端子部832と、を備えている。リード端子部832を構成するリードは、本体部831の長手方向の各辺(一対の長辺のそれぞれ)に沿って、所定の間隔ごとに複数設けられている。IC830は、リード端子部832が基板400の貫通穴(ホール)に挿通された状態ではんだ付けされ、基板400に固定されている。IC830は、少なくとも一部が、特定範囲εの範囲内であって、かつ電解コンデンサ810の第2方向となる位置に配置されている。IC830は、セラミックコンデンサ820に比べて、熱に弱い(耐熱性が低い)部品となっている。また、IC830は、セラミックコンデンサ820に比べて、発熱量が多い(大きい)部品となっている。なお、本実施形態では、IC830は、プラスチックパッケージのICとなっている。
IC830は、モータドライバであり、使用頻度や状況にもよるが、遊技機での遊技が通常通り行われ、所定時間にわたって稼働(作動)が継続した場合に、セラミックコンデンサ820よりも発熱量が大きくなる(表面温度が高くなる)部品である。
電解コンデンサ810は、温度が高い環境で使用された場合には、温度が低い環境で使用された場合に比べて劣化が促進されるように(劣化するスピードが早く)なっている。換言すると、電解コンデンサ810は、高温環境下ほど劣化が促進されるようになっている。
本実施形態では、電解コンデンサ810の第2方向に耐熱性の低いIC830が配置されているが、電解コンデンサ810は、第2方向にはリードが折れ曲がり難くなっている。換言すると、熱に弱い部品(IC830)が、電解コンデンサ810が当接し難い位置に配置されている。さらに換言すると、電解コンデンサ810は、IC830(熱に弱い部品)に当接し難くなっている。これにより、電解コンデンサ810がIC830に当接し、熱によってIC830が破損するのを抑制できる。
なお、リードが折れ曲がりやすく、電解コンデンサ810が当接しやすい位置に配置されている部品(セラミックコンデンサ820)は熱に強いため、電解コンデンサ810が当接した場合であっても破損し難くなっている。
また、電解コンデンサ810の第2方向に発熱量の大きいIC830が配置されているが、電解コンデンサ810は、第2方向にはリードが折れ曲がり難くなっている。換言すると、発熱量の大きい部品(IC830)が、電解コンデンサ810が当接し難い位置に配置されている。さらに換言すると、電解コンデンサ810は、IC830に当接し難くなっている。これにより、電解コンデンサ810がIC830と当接し、電解コンデンサ810が高温となって、電解コンデンサ810の劣化が促進されるのを抑制できる。
なお、リードが折れ曲がりやすく、電解コンデンサ810が当接しやすい位置に配置されている部品(セラミックコンデンサ820)は発熱量が小さいため、電解コンデンサ810がセラミックコンデンサ820に当接した場合であっても電解コンデンサ810の劣化が促進され難くなっている。
本実施形態の遊技機は、
基板400と、
前記基板に配置された部品と、を備え、
前記部品には、第1部品(電解コンデンサ810)と、第2部品(セラミックコンデンサ820)と、が含まれ、
前記第1部品は、本体部811と、前記本体部から延出された複数のリードを有するリード端子部812と、を備え、
前記基板は、所定の方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の穴を備え、
前記第1部品は、前記複数のリードが前記複数の穴に挿入され、前記本体部と前記基板との間に所定の隙間が形成されている状態で、前記基板に配置されており、
基板面と平行な方向であって、前記所定の方向に沿う方向を第2方向とし、
基板面と平行な方向であって、前記第2方向と垂直となる方向を第1方向とし、
前記基板から前記本体部の先端までの距離を特定距離とすると、
前記基板において、前記第1部品の位置を中心とし、前記特定距離を半径とする円の範囲内に、前記第2部品が配置されているとともに、前記第2部品に対応する識別情報が表記されており、
前記第2部品および前記識別情報が、前記第1部品の前記第1方向に設けられており、
前記第1方向に作用する力が前記本体部に加えられ、前記リード端子部が折れ曲がり、前記本体部が前記第2部品に当接している状態において、基板面法線方向から見た場合に、前記識別情報が視認可能となっている。
前記第1方向に作用する力が前記本体部に加えられ、前記リード端子部が折れ曲がり、前記本体部が前記第2部品に当接している状態において、基板面法線方向から見た場合に、前記識別情報が視認可能となっている。このため、前記本体部が当接することによって前記第2部品の少なくとも一部が覆われて、前記第2部品の視認が困難な状態になったとしても、前記第2部品に対応する前記識別情報を介して、前記第2部品を特定(識別)することができる。これにより、前記第1部品における前記リード端子部の折れ曲がりが生じた場合に、前記第1部品に覆われた部品(前記第2部品)を特定することが困難となり、作業(点検作業等)の効率が低下するのを抑制できる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記第1部品は、前記第2方向に作用する力が前記本体部に加えられた場合には、前記第1方向に作用する力が前記本体部に加えられた場合よりも、前記リード端子部が折れ曲がり難くなっており、
前記第1部品に対応する識別情報は、前記第1部品の前記第2方向に設けられている。
前記リード端子部が折れ曲がり難い前記第2方向に、前記第1部品に対応する識別情報が設けられている。このため、前記リード端子部が折れ曲がった場合に、前記第1部品に対応する識別情報の視認性が損なわれるのを抑制できる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記部品には、少なくとも一部が、前記円の範囲内に含まれ、かつ前記第1部品の前記第2方向に位置するように前記基板に配置される第3部品(IC830)が含まれ、
前記第3部品は、前記第1部品の前記第1方向に配置されている前記第2部品よりも発熱量が大きく、
前記第1部品は、高温環境下ほど劣化が促進され、
前記第1部品は、前記第2方向に作用する力が前記本体部に加えられた場合には、前記第1方向に作用する力が前記本体部に加えられた場合よりも、前記リード端子部が折れ曲がり難くなっている。
前記第1部品は、高温環境下ほど劣化が促進される部品であり、前記第1部品の前記第2方向に発熱量の大きい前記第3部品が配置されているが、前記第1部品は、前記第2方向には前記リード端子部が折れ曲がり難いものとなっている。このように、前記リード端子部が折れ曲がり難い側に発熱量の大きい前記第3部品を配置することで、前記第1部品が前記第3部品に当接し、前記第1部品が高温となって前記第1部品の劣化が促進されるのを抑制できる。
また、前記リード端子部が折れ曲がりやすい側(前記第1部品が当接しやすい側)に配置されている前記第2部品は、前記第3部品よりも発熱量が小さい部品となっている。このため、前記第1部品が前記第2部品に当接した場合であっても、前記第1部品が周辺温度の影響を受けて高温となり、前記第1部品の劣化が促進されるのを抑制できる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記部品には、少なくとも一部が、前記円の範囲内に含まれ、かつ前記第1部品の前記第2方向に位置するように前記基板に配置される第3部品(IC830)が含まれ、
前記第3部品は、前記第1部品の前記第1方向に配置されている前記第2部品よりも耐熱性が低く、
前記第1部品は、前記第2方向に作用する力が前記本体部に加えられた場合には、前記第1方向に作用する力が前記本体部に加えられた場合よりも、前記リード端子部が折れ曲がり難くなっている。
前記第1部品の前記第2方向に耐熱性の低い前記第3部品が配置されているが、前記第1部品は、前記第2方向には前記リード端子部が折れ曲がり難いものとなっている。このように、前記リード端子部が折れ曲がり難い側(前記第1部品が当接し難い側)に前記第3部品を配置することで、前記第1部品が前記第3部品に当接し、耐熱性の低い前記第3部品が故障(劣化)するのを抑制できる。
なお、前記リード端子部が折れ曲がりやすい側(前記第1部品が当接しやすい側)には、前記第3部品よりも耐熱性が高い前記第2部品を配置することで、前記第1部品が当接した場合に前記第2部品が故障するのを抑制できる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記部品には、前記第1部品と同じ種類の部品であり、前記本体部の大きさが前記第1部品よりも大きい第4部品(電解コンデンサ840)が含まれ、
前記第1部品と前記第4部品とは、前記リード端子部が挿入される前記穴の間隔が同じとなっており、
前記第4部品は、前記本体部と前記基板との間の隙間が、前記第1部品における前記所定の隙間よりも小さい状態で、前記基板に配置されている。
前記第1部品は、前記リード端子部が挿入される前記基板の穴の間隔(前記本体部が前記第1部品よりも大きい前記第4部品の前記リード端子部が挿入される穴の間隔と同じ)に合わせて、前記リード端子部に曲げ加工が施されている。前記第1部品は、前記本体部(第1部品の本体部)と前記基板との間に所定の隙間が形成されている状態で前記基板に配置されている。一方、前記第4部品は、前記本体部(第4部品の本体部)と前記基板との間の隙間が、前記所定の隙間よりも小さい状態で前記基板に配置されている。前記第1部品は、前記第4部品に比べて前記リード端子部が折れ曲がりやすくなっている。
本実施形態では、前記第4部品とは異なる前記第1部品について、前記第1方向に作用する力が前記本体部(第1部品の本体部)に加えられ、前記リード端子部(第1部品のリード端子部)が折れ曲がり、前記本体部(第1部品の本体部)が前記第2部品に当接している状態となっても、基板面法線方向から見た場合に、前記識別情報(第2部品の識別情報)が視認可能となっている。これにより、前記第1部品における前記リード端子部の折れ曲がりが生じた場合に、前記第1部品に覆われた部品(前記第2部品)を特定することが困難となって、作業(点検作業)の効率が低下するのを抑制できる。
図31(c)において、電解コンデンサ810の場合、一対のリードの端子の先端がそれぞれ外側(斜め外側)を向いているものとした。一方、第4の実施の形態に係る図30において、リード部品βの場合、一対のリードの端子の先端がそれぞれ内側を向いているものとした。ここで、リード部品βを抵抗とする。このようにリード部品について、部品の種別(種類)に応じてリードの先端の曲げ方を異ならせておくことで(リードの曲げ方に規則を設けておくことで)、基板400の第2面側だけを見て、どの種別(種類)の部品であるかを特定することができる(絞り込むことができる)。これにより、点検などの作業の効率を向上させることができる。
図34(b)に示すように、所定の電子部品(リード部品)の本体部の真下(直下)に、当該電子部品に関する特定情報S1(シルク印刷)が基板400に表記されていてもよい。特定情報S1としては、例えば記号(回路図記号)がある。特定情報S1は、リードの間の範囲内に表記(印刷)されており、電子部品(リード)の取り付けによって部分的に隠れる(覆われる)ことがないようになっている。
特定情報S1をリード間の範囲内に設けることで、当該範囲外に設ける場合に比べて当該特定情報S1と配置(挿入)される電子部品との対応関係がより明確なものとなり、電子部品の誤挿入を抑制できる。また、特定情報S1をリード間の範囲内に設けることで、当該範囲外に設ける場合に比べてスペースを有効に活用でき、他の表示(識別情報など)を設けるスペースを確保できる。また、基板面に対して垂直な方向から見た場合に、特定情報S1は電子部品に覆われて視認性が低下するため(見えなくなるため)、不正対策性能を向上させることができる。
なお、図34(b)では、電子部品を電解コンデンサ810(第1部品)としているが、第1部品は、電解コンデンサ810以外の他の電子部品(リード部品)であってもよい。
図34(b)では、電解コンデンサ810の本体部811の真下に特定情報S1が表示されている。なお、本体部811と基板400との間には、隙間γ(図34(a))が形成されている。電解コンデンサ810の第1方向に、相対的に背の高い電子部品E1が配置されている。このとき、電解コンデンサ810の第2方向における特定範囲には、隙間γよりも背の高い電子部品が配置されないようになっている。なお、特定範囲には、隙間γよりも背の低い電子部品は配置されてもよい。
ここで、電解コンデンサ810(第1部品)の幅を幅W1とする。なお、第1部品が所定方向に長尺である場合(長方形状など)、長手方向の幅を幅W1とする。特定範囲は、第2方向において、電解コンデンサ810(第1部品)の端部(外端)から、幅W1に相当する距離だけ進んだ位置までの範囲である(電子部品約1個分の幅)。
特定範囲に隙間γよりも背の高い電子部品が配置されていないため、第2方向において、斜めから覗き込んだ場合に、特定情報S1を視認することができる。換言すると、電解コンデンサ810(第1部品)の真下の特定情報S1が完全に視認できなくなることを防止できる。
図34(c)に示すように、所定方向(第1方向)に沿う、基板面に対して斜めの直線であって、特定情報S1の一端X(奥側端部)と、基板ケース(第1ケース710)の天板部とを結ぶ仮想直線を直線P1とする。また、直線P1を含み、基板面に垂直な仮想平面を平面Q1(図示せず)とする。また、平面Q1上において、直線P1と基板面とがなす角を角α1とする。角α1は、約35°程度である。直線P1は、本体部811(の底面)に接触することなく、引くことが可能となっている。
図34(c)に示す仮想直線P2は、平面Q1上の直線であり、特定情報S1の他端Y(手前側端部)と、基板ケース(第1ケース710)の天板部と、を結び、平面Q1上において、基板面とのなす角が角α2となっている直線である。角α2は、角α1よりも小さい。角α2は、約20°程度である。平面Q1上において、直線P1と直線P2がなす角度は、約15°~20°程度となっている。直線P2は、本体部811(の底面)に接触することなく、引くことが可能となっている。
本例では、特定情報S1のいずれの端部であっても(すべての端部について)、平面Q1上において、当該端部と天板部とを結ぶ直線を、本体部811(の底面)と接触させずに引くことが可能となっている。
特定情報S1は、基板面に対して垂直な方向(真上)から見た場合には、電解コンデンサ810(第1部品)に覆われて視認できない。これに対し、基板面に対して斜め方向(例えば第1方向における斜め上)から見た場合には、基板ケース(天板部)を介して、直線P1と直線P2との間の範囲(角度)で、電解コンデンサ810の本体部811の真下の特定情報S1の全体(すべて)が視認可能となるように、本体部811と基板400との間の隙間γ(リードの高さ)が設定されている。
なお、基板面に対して斜め方向(例えば第1方向における斜め上)から見た場合に、電解コンデンサ810の本体部811の真下の特定情報S1の半分以上が視認可能となるように、本体部811と基板400との間の隙間γ(リードの高さ)が設定されていてもよい。例えば、所定方向(第1方向)に沿う、基板面に対して斜めの直線であって、特定情報S1の中心部と、基板ケース(第1ケース710)の天板部とを結ぶ仮想直線を直線P1´(図示せず)とし、直線P1´と直線P2との間の範囲(角度)で、電解コンデンサ810の本体部811の真下の特定情報S1の半分が視認可能となるように、本体部811と基板400との間の隙間γ(リードの高さ)が設定されていてもよい。
基板ケース(第1ケース710)は、天板部と壁板(側壁部、横側の壁)とを含んで構成されている。基板ケースを遊技機に取り付けた状態では、当該壁板と対向する位置に、別の基板ケースや周辺部品などが配置されている(他の部品と隣り合っている)。遊技機の奥行き方向の省スペース化を実現するため、このように壁板側に部品が並ぶように配置されている。換言すると、壁板面側からは、基板ケースの内部を覗き込むことが困難な配置となっている。
本実施形態では、基板ケースを遊技機に取り付けた状態において、基板ケースの天板側からリード部品の真下の特定情報S1(シルク表記)が視認可能となっている。これにより、遊技機を分解せずに(基板ケースを取り外さずに)、基板ケース内の点検(確認)を行うことができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。以下、上述の第4の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。また、払出制御基板ユニット700の基板400を用いて説明するが、本発明は、遊技機が備えるその他の所定の基板にも適用可能である。
図30では、ネジαを用いて基板400を第1ケース710(ボス715)に固定する場合を示し、ネジαは鍋ネジを用いたが、本実施形態では、図35に示すように、基板400を第1ケース710(第1部材)に固定するネジ(固定部材)として皿ネジSを用いる。金属製の皿ネジSは、頭部上面が平ら(平面)となっていて、座面が円錐状となっている。皿ネジSは、例えば、締め付け相手部材にザグリを設け、頭部を突出させたくない場合などに使用されるネジであるが、本実施形態では、締め付け相手部材である基板400にザグリを設けずに皿ネジSを使用している。ここで、基板400の厚さ方向と同方向における基板ケース701(ケース)の寸法を「基板ケース701の厚さ」とする。基板ケース701は、他の部品の搭載スペースを確保するなどの観点から、厚さを小さくする(薄くする)ことが求められている。
皿ネジSは、頭部上面が平面となっている分、鍋ネジに比べて頭部の高さが低くなっている(軸方向寸法Bが小さくなっている)。ネジの頭部と基板ケース701(第2ケース720)との間には所定の隙間(寸法D)が確保されるが、皿ネジSは鍋ネジに比べて寸法Bが小さい分、皿ネジSを用いた場合の方が鍋ネジを用いた場合よりも、第2ケース720(第2部材)を基板400側に配置することができる(基板ケース701の内側の空間を小さくすることができる)。すなわち、皿ネジSを用いた場合、鍋ネジを用いた場合よりも、基板ケース701を薄く形成し、小型化、省スペース化を実現できる。
なお、基板ケース701の厚さ(基板ケース701の内側の空間)を一定とする場合、鍋ネジを用いた場合よりも皿ネジSを用いた場合の方が、ネジの頭部と第2ケース720との間の距離(隙間)(寸法D)を大きく確保することができる。このため、ネジの頭部が第2ケース720に接触して第2ケース720が破損する可能性を低減できる。また、皿ネジSの頭部と鍋ネジの頭部とで基板400(平らな基板面)(第2面)との接触面積を比較すると、皿ネジSの頭部の方が鍋ネジの頭部に比べて基板400との接触面積が小さくなっている。このため、ねじを締めた付けた際に、基板に力が加わる範囲を小さくし、基板の損傷を抑制できる。
図29などで示したように、基板400の貫通穴450(ネジ挿通穴)(ネジ穴)の周囲には、略円形状のパターン非形成領域N(銅箔が設けられていない領域)が設けられている。略円形状とは、円形状(孤立した円)を含み、また、円の一部が別のパターン非形成領域Nと繋がっていて完全な円となっていない場合を含む。略円形状のパターン非形成領域Nの外側(径方向外側)は、パターンが形成されている領域(銅箔が設けられている)領域となっている。
図示を省略するが、貫通穴450の周囲のパターン非形成領域Nの直径は、皿ネジSの頭部の直径よりも大きくなっている。例えば、パターン非形成領域Nの直径は、皿ネジSの頭部の直径よりも約1~3mm程度大きくなっている。パターン非形成領域Nは、基板面(第2面)法線方向から見た場合に、皿ネジSの頭部が、パターン非形成領域Nから外側にはみ出さない大きさ(皿ネジSの頭部がパターン非形成領域Nの内側に収まる大きさ)となっている。このため、当該ネジと銅箔とが接触して電気的に導通し、部品が破損するのを抑制できる。また、当該ネジが接触することによる銅箔の損傷を防ぐことができる。また、仮に、頭部の直径が大きい(設計されたものとは異なる)ネジが使用された場合であっても、当該ネジの頭部が銅箔に接触する可能性を低くできる。
ここで、皿ネジSの頭部における径方向外側の端部を、皿ネジSの頭部の外端部とする。図35に示すように、皿ネジSが第1ケース710に締め付けられた状態(基板400が皿ネジSによって固定された状態)において、基板400の第2面と、皿ネジSの頭部の外端部との間の隙間(ネジの軸方向における隙間)を第1の隙間とする。
基板400の第1面には、電子部品が実装されている。また、基板400の第2面には、皿ネジSの頭部が位置している。ここで、基板ケース701の内側に形成される空間のうち、第1面側の空間を第1空間とし、第2面側の空間を第2空間とする。本実施形態では、基板400が基板ケース701内に封入(収納)されている状態において、第1空間と第2空間とを連通する(繋げる)第2の隙間が設けられている。基板ケース701内の空気は、第2の隙間を介して、第1空間と第2空間との間を移動可能となっている。第2の隙間は、例えば、基板400における所定の外縁(外端)と、基板ケース701の内面(内側の面)との間に形成されている。
第2の隙間は、基板400の第1面に配置されている電子部品(部品)の大きさよりも小さくなっている。換言すると、基板400の第1面に配置される電子部品は、第2の隙間よりも大きくなっている。第2の隙間は、基板400の第1面に配置されている電子部品が、第1空間から第2空間へと通過(移動)できない大きさとなっている。「第2の隙間は、基板400の第1面に配置されている電子部品の大きさよりも小さくなっている」という場合、第2の隙間が、電子部品における各方向(上下方向、左右方向、径方向など)の幅(寸法)のうちの最も小さい幅(寸法)よりも小さくなっていることを意味する。例えば、長尺板状の電子部品で、短手方向寸法よりも厚さ寸法が小さい場合、厚さ寸法が「最も小さい幅」となる。仮に基板400の第1面に配置されている電子部品が外れ、移動した場合であっても、当該電子部品は、第2の隙間を介して第1空間から第2空間へ移動することができない。このため、第1空間側のみを見て、外れた部品(脱落部品)の有無を点検することができる。
基板400の第1面に配置されている電子部品は、劣化等によってその一部が欠ける場合がある。そして、この欠けた部品(破片)は、第2の隙間よりも小さいということが起こり得る。すなわち、欠けた部品(破片)が、第2の隙間を介して第1空間から第2空間へ移動することが起こり得る。欠けた部品が第2空間へ移動した場合には、第2空間側を確認することで、欠けた部品の有無を確認できるが、仮に、欠けた部品が第1の隙間に挟まって留まっている場合、その欠けた部品の存在に気付くことが困難となる。
本実施形態では、第1の隙間は、第2の隙間よりも小さくなっている。このため、欠けた部品(破片)が第2の隙間を介して第1空間から第2空間へ移動した場合であっても、当該部品が第1の隙間に挟まる(入り込む)ことが困難となっている。すなわち、欠けた部品が、第1の隙間に挟まる(入り込む)可能性が低くなっている。これにより、部品が破損して欠けた場合であっても、欠けた部品を発見できる可能性を高くすることができる。
なお、本実施形態では、払出制御基板ユニット700において、基板400を基板ケース701に固定する際に皿ネジを用いることで、サイズを小型化し、省スペース化を実現した。ただし、スペースの制約が比較的厳しくない場所などに配置される所定の基板ユニットでは、基板を基板ケースに固定する際に鍋ネジを用いてもよく、皿ネジを用いてもよい。また、基板ユニット以外の意匠部などにおいて、所定の部材を固定する際に鍋ネジを用いてもよく、皿ネジを用いてもよい。換言すると、省スペース化が求められる基板ユニットでは皿ネジを使用し、その他の箇所では、適宜皿ネジを用いることができる。
本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板を収容するケース(701)と、前記基板を前記ケースに固定する固定部材と、を備え、
前記基板は、ネジ穴を備え、
前記固定部材は、皿ネジ(S)であり、
前記皿ネジは、前記基板の一方の面側から前記ネジ穴に挿通され、前記ケースに締め付けられ、
前記皿ネジの頭部の径方向外側の端部と、前記基板の一方の面との間に、第1の隙間が形成されている。
前記皿ネジは頭部の上面が平面となっており、鍋ネジに比べて頭部の高さが低い。このため、鍋ネジを用いた場合よりも前記ケースを前記基板側に配置することができる。このため、前記ケースの厚さを薄くすることができる。このため、小型化を実現し、省スペース化を図ることができる。また、前記皿ネジは、鍋ネジを用いた場合に比べ、前記基板と接触する面積が小さい。このため、前記基板に力が加わる範囲を小さくし、前記基板が損傷するのを抑制できる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記ケースは、前記基板の第1面を覆う第1部材(第1ケース710)と、前記基板の第2面を覆う第2部材(第2ケース720)と、を備え、
前記皿ネジは、前記基板の前記第2面側から前記ネジ穴に挿通され、前記第1部材に締め付けられ、
前記基板の前記第1面側に部品が配置され、
前記基板の前記第2面側に前記皿ネジの頭部が配置され、
前記ケース内には、前記第1面側の空間と前記第2面側の空間とを連通する第2の隙間が設けられ、
前記第2の隙間は、前記基板の前記第1面側に配置される部品の大きさよりも小さく、
前記第1の隙間は、前記第2の隙間よりも小さい。
前記第2の隙間が、前記基板の前記第1面側に配置される部品の大きさよりも小さいため、当該部品が前記第2の隙間を介して、前記第1面側の空間から前記第2面側の空間へ移動するのを防ぐことができる。また、前記第1の隙間が、前記第2の隙間よりも小さいため、仮に、前記基板の前記第1面側に配置される部品の一部が欠け、欠けた部品(破片)が前記第2の隙間を介して前記第1面側の空間から前記第2面側の空間へ移動した場合であっても、当該部品が前記第1の隙間に挟まる(入り込む)ことを抑制できる。これにより、欠けた部品を発見できる可能性を高くすることができる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記第2面における前記ネジ穴の周囲は、銅箔が形成されていない略円形状の領域となっており、
前記領域の直径は、前記皿ネジの頭部の直径よりも大きくなっている。
前記領域の直径が、前記皿ネジの頭部の直径よりも大きくなっているので、前記皿ネジの頭部が銅箔と接触して電気的に導通し、部品が破損するのを抑制できる。また、当該接触による銅箔の損傷を防ぐことができる。また、仮に、頭部の直径が大きいネジが使用された場合であっても、当該ネジの頭部が銅箔に接触する可能性を低くできる。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。以下、上述の第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
図7に示す、表ケース402aは、遊技機後方側に配置されるカバー部材となっており、透明な樹脂で形成されている。本実施形態では、当該樹脂として、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合成樹脂)が用いられている。一方、裏ケース402bは、遊技機前方側に配置されるベース部材となっており、透明な樹脂で形成されている。本実施形態では、当該樹脂として、PC(ポリカーボネート)樹脂が用いられている。表ケース402aと裏ケース402bはともに透明な樹脂で形成されているが材質が異なっている。図7に示すように、表ケース402aには、シール(シール410)が貼り付けられる。一方、裏ケース402bには、シールは貼り付けられない。
払出制御基板400(基板ケース402)(払出制御基板ユニット401)の周辺には、熱を発生する部品(発熱性の部品)が設けられている。基板ケース402の内部には、払出制御基板400が配置されており、払出制御基板400には各種電子部品が配置されており、熱を発生する部品が含まれる。また、基板ケース402の周辺(近傍)には、熱を発生する部品(発熱性の部品)が配置されている。当該部品は、例えば、払出制御基板400を収容する基板ケース402(裏ケース402b:ベース部材)の前方側(遊技機後方から見た場合における基板ケース402の裏側)に設けられている。なお、当該部品は、遊技機後方から見た場合に、基板ケース402(払出制御基板400)の左側、右側、上側あるいは下側のいずれかに設けられていてもよい。当該部品としては、例えば、電源基板(電源基板ユニット)がある。電源基板には複数の部品が配置されており、当該複数の部品のうち、特にコイルおよび電源ICは相対的に発熱量の大きい部品となっている。また、当該部品として、例えば、モータ、モータドライバ(IC)およびLEDドライバ(IC)等の部品が搭載された基板がある。基板ケース402の周辺に配置される、熱を発生する部品は1つに限らず、複数設けられていてもよい。筐体内における省スペース化を実現するために、当該部品は、払出制御基板400(払出制御基板ユニット401)の比較的近くに配置される場合がある。
温度変化が発生する環境下(例えば高温時)では、PC樹脂で形成されているケース(部材)の表面からガスが発生する場合がある。このため、当該ケースの表面にシールを貼り付けると、発生したガスがシールの内部に閉じ込められ、シール内に気泡が形成され(気泡が溜まり)、シールの表面に凹凸が形成されてしまう(表面がボコボコとなる)場合がある。図9に示すように、シール410には開封者記入欄、開封日記入欄などが設けられていて、文字が記入されている場合があるため、当該凹凸が形成されると、記入されている文字の視認性が低下する(文字の視認が困難となる)。また、当該凹凸が形成されている場合、シール410に文字を書き込む場合に、書き込みが困難となる。シール410は、耐熱性および耐候性に優れた塩化ビニルフィルムで形成されている。このため、紙製のシールと異なり、通気性が低く、内部の気泡が通過しにくい(外に逃げにくい)。これにより、ガスが発生し、凹凸が形成された場合、凹凸が解消されにくいものとなっている。
温度変化が発生する環境下(例えば高温時)において、ABS樹脂で形成されているケースは、PC樹脂で形成されているケースに比べて、ガスの発生量が少ない。そこで、本実施形態では、シール410が貼り付けられる表ケース402aをABS樹脂で形成し、シールが貼り付けられない裏ケース402bをPC樹脂で形成している。ABS製の表ケース402aの表面にシール410を貼り付けることで、シール410の表面に凹凸が形成されるのを抑制できる。これにより、シール410に記載されている文字の視認や、シール410への文字の書き込みが困難となるのを抑制できる。
また、本実施形態では、裏ケース402b(ベース部材)の方が表ケース402a(カバー部材)よりも体積が大きくなっている。すなわち、表ケース402aよりも体積の大きい裏ケース402bがPC樹脂で形成され、裏ケース402bよりも体積の小さい表ケース402aがABS樹脂で形成されている。PC樹脂は、ABS樹脂よりも強度が高くなっている。また、裏ケース402bは、遊技機において、表ケース402aよりも遊技者側に配置される部品である。体積がより大きく、かつ遊技者側に配置される裏ケース402bを表ケース402aよりも強い材料(PC樹脂)で形成することで、不正対策性能を向上させることができる。
また、表ケース402aと裏ケース402bとはカシメられ、結合されている。このため、カシメ部分を破壊しなければ基板ケース402を開封できないようになっている。本実施形態では、このカシメ部分が、PC(裏ケース402bの一部)で形成されている。換言すると、PC製の裏ケース402bの一部がカシメられている。ABS樹脂よりも強度の高いPC樹脂でカシメ部分を形成することで、カシメ部分の破壊をより困難とすることができる。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
表ケース402aは、ネジ穴を有するボスなどを備えており、払出制御基板400は表ケース402aにねじ締めされ、固定されている。仮に表ケース402aをPC製とした場合、その強度が高いことからネジ締めに必要となる力が大きいものとなり、作業性が低下する。本実施形態では、表ケース402aをPC樹脂ではなくABS樹脂で形成しているため、そのような作業性の低下が生じるのを回避できる。
本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板を収容するケース(402)と、を備え、
前記ケースは、前記基板の一方の面を覆う第1部材(表ケース402a)と、前記基板の他方の面を覆う第2部材(裏ケース402b)と、を備え、
前記第1部材に、所定の情報を書き込み可能なシール(410)が貼り付けられ、
前記第1部材は、ABS樹脂で形成され、
前記第2部材は、ポリカーボネート樹脂で形成されている。
仮に、前記第1部材をポリカーボネート樹脂で形成し、前記第1部材に前記シールを貼り付けた場合、ガスの発生により前記シール内に気泡が形成され、前記シールの表面に凹凸が形成されてしまう場合がある。この場合、前記シールへの所定の情報の書き込みが困難となり、前記シールに所定の情報が書き込まれている場合には、その所定の情報の視認が困難となる。本実施形態では、前記シールが貼り付けられる前記第1部材を、ポリカーボネート樹脂よりもガスが発生しにくいABS樹脂で形成しているため、前記シールの表面に凹凸が形成されるのを抑制できる。これにより、前記シールへの所定の情報の書き込みや、前記シールに記載されている所定の情報の視認が困難となるのを抑制できる。また、前記第2部材をABS樹脂ではなく、ABS樹脂よりも強度の高いポリカーボネート樹脂で形成することで、不正対策性能を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記ケースの周辺に、熱を発生する部品が設けられており、
前記第2部材には、シールは貼り付けられておらず、
前記第2部材の体積は、前記第1部材の体積よりも大きい。
前記ケースの周辺に熱を発生する部品が設けられているが、前記シールが貼り付けられているのはABS製の前記第1部材であって、PC製の前記第2部材には前記シールが貼り付けられていない。このため、前記シールの表面に凹凸が形成されるのを防ぐことができる。また、前記第1部材よりも体積の大きい前記第2部材を、ABS樹脂よりも強度が高いPC樹脂で形成している。体積のより大きい部材(前記第2部材)を、強度の高い材料で形成することで、不正対策性能を向上させることができる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。以下、上述の第4の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
図36は、本実施形態の基板400(払出制御基板400)の実装面(表面)(第1面)の一部を、実装面に直交する方向(第1面法線方向)から見た図である。本実施形態では、挿入実装型のメインIC900(特定IC)(CPU)(特定の集積回路)が、基板400に実装されている。メインIC900は、基板400による各種処理を制御する。本実施形態では、複数種類のICが基板400に配置されていて、メインIC900はそのうちの1種類であり、メインIC900の配置数は1個となっている。メインIC900は、CPUやメモリ等を内蔵して略矩形板状に形成された本体部(パッケージ)910と、本体部910に内蔵された回路と電気的に接続された複数のIC端子(リードピン)Tと、を備えている。
本実施形態では、メインIC900として、ZIP(Zigzag In-Line Package)タイプのものが使用され、IC端子Tが本体部910の一側面(片側)から実装面側に向かって、交互にジグザグ状に延出されている。なお、メインIC900はSIP(Single In-Line Package)タイプのものであってもよく、その場合、IC端子Tが本体部910の一側面(片側)から実装面側に向かって、1列に並んで延出される。
図37は、基板400におけるメインIC900が配置されている箇所を、メインIC900の本体部910の板面と正対する方向(側方)から見た概略図である。ここで、略長方形板状の本体部910について、長辺に沿う方向を「長手方向」とし、短辺に沿う方向を「短手方向」とする。また、本体部910の板厚方向を「厚さ方向」とする。メインIC900は、本体部910の長手方向の一辺側が実装面側に位置し、本体部910の短手方向の各辺が基板400の実装面と略垂直(垂直を含む)となるように配置されている。ここで、本体部910における基板400の実装面と対向する面を、本体部910の底面とする。底面は、本体部910の短手方向において対向する一対の側面のうちの一方の側面と言える。
複数のIC端子Tは、本体部910の底面から実装面側に向かって延出されており、本体部910の長手方向に沿って所定の間隔ごとに設けられている。本実施形態では、複数のIC端子Tは、交互にジグザグとなるように設けられている。換言すると、複数のIC端子Tは、互い違いに2列となるように設けられている。本実施形態では、複数のIC端子Tとして、IC端子T1~IC端子T64の64個のIC端子Tが設けられている。各IC端子Tは導電性を有する金属によって形成されている。
基板400には、IC端子T1~IC端子T64に対応する64個のスルーホールが設けられている。当該スルーホールは、メインIC900を搭載するための(メインIC900用の)スルーホールと言うことができる。メインIC900は、IC端子T1~IC端子T64が各スルーホールに挿入され、ハンダ付けされることにより基板400に接合されている。換言すると、各IC端子Tと各スルーホール(スルーホールに接続される配線パターン)とが電気的に接続された状態で、メインIC900は基板400に配置されている。
基板400には、メインIC900以外にも複数の部品(電子部品)が実装されている。なお、当該複数の部品には、リード部品に限らず、表面実装部品が含まれていてもよい。基板400には、メインIC900と、所定の部品と、を繋ぐ(接続する)配線パターン(信号線)が設けられている。換言すると、基板400には、メインIC900のIC端子T(に対応するスルーホール)と、所定の部品の端子(に対応するスルーホール)と、を繋ぐ配線パターン(信号線)が設けられている。
図38は、基板400の裏面(第2面)の一部(メインIC900の実装位置の裏側)を、裏面に直交する方向(第2面法線方向)から見た図である。本実施形態では、メインIC900と、基板400に配置された部品と、を繋ぐすべての配線パターン920は、少なくともメインIC900側の部分が、基板400の第2面においてメインIC900のIC端子Tと接続されている。
配線パターン920には、すべての経路が基板400の裏面(第2面)に設けられているタイプの配線パターン921と、一部(メインIC900側の部分)が基板400の裏面(第2面)に設けられ、かつ一部(相手部品側の部分)が基板400の表面(第1面)に設けられているタイプの配線パターン922と、がある。なお、図中の黒塗り箇所は、ハンダが付着していることを表している。
配線パターン922は、メインIC900の所定のIC端子T(に対応するスルーホール)との接続部分を含む所定長さの配線パターン(IC側配線パターン922a)が基板400の裏面に形成されており、図36に示すように、相手部品の所定の端子(に対応するスルーホール)との接続部分を含む所定長さの配線パターン(相手側配線パターン922b)が基板400の表面に形成され、両者がビア923(ビアホール)(スルーホール)を介して接続されている。本実施形態では、メインIC900の所定の端子Tと他の部品の所定の端子とを接続する配線パターンのうち、少なくとも端子Tとの接続部分を含む所定長さの配線パターンが、基板400の裏面に設けられている。
図36に示すように、基板400の表面(実装面)には、メインIC900用のすべてのスルーホール(IC端子Tが挿入されているスルーホール)の周囲の部分に、当該すべてのスルーホールを囲むグランドパターンY(グランドパターン領域Y)(ベタグランド部分Y)が設けられている。換言すると、基板400の表面では、メインIC900用のすべてのスルーホール(すべてのIC端子T)の周囲に、メインIC900と他の部品とを繋ぐ配線パターン(配線パターン920)が設けられておらず、当該配線パターンによって区切られることのない、グランドパターン領域Yが設けられている。
また、基板400の裏面にも、メインIC900用のスルーホールの周囲部分を含む部分に、グランドパターン領域Zが設けられている。グランドパターン領域Y(第1グランドパターン)と、グランドパターン領域Z(第2グランドパターン)と、はグランドスルーホール(グランドスルーホール960など)を介して電気的に接続されている。
このように構成することで、メインIC900のノイズ耐性を向上させることができる。また、放熱性を向上させることができる。また、基板400の表面において、IC端子Tの周囲に当該IC端子Tと接続する配線パターンを設けず、簡素な構成(ベタグランド部分)とすることで、不正が行われた場合に容易に発見することができる。すなわち、不正対策性能を向上させることができる。
また、グランドパターン領域Yには、メインIC900の実装位置(実装領域)を示す枠状のシルク表示930が設けられている。シルク表示930(枠線)は、例えば白色のシルク印刷で形成されている。メインIC900は、シルク表示930の内側に配置されている。なお、シルク表示930の大きさ、形状については後述する。
本実施形態では、メインIC900と、基板400に配置された部品と、を繋ぐすべての配線パターン920は、少なくともメインIC900側の部分が、基板400の第2面においてメインIC900のIC端子Tと接続されている。ここで、当該「少なくともメインIC900側の部分」、すなわちIC側配線パターン922aについて説明する。相手側配線パターン922b(図36)は、シルク表示930の外側に設けられている所定のビア923を介して、基板400の裏面に設けられているIC側配線パターン922a(図38)と接続されている。相手側配線パターン922bは、シルク表示930を跨がないようになっている。換言すると、相手側配線パターン922bは、シルク表示930の内側に入らないように形成されている。基板400の裏面では、IC側配線パターン922aは、表面のシルク表示930の外側となる所定位置(ビア923)と、メインIC900の所定の端子Tと、を結ぶ所定の長さで形成されている。IC側配線パターン922aは、端子Tとの接続部分を含み、少なくとも表面におけるシルク表示930の外側に至るまでの所定の長さを有している。
図36に示すように、メインIC900の所定のIC端子(ピン)について、基板400の表面(実装面)においてIC端子同士を配線パターンJ(グランドパターンを除く)で接続してもよい。換言すると、所定のIC端子と所定のIC端子とを接続する配線パターン(信号線)を、基板400の表面に設けてもよい。表面において、当該配線パターンの形成を許容することで、パターン設計の効率化を図ることができる。
なお、メインIC900は、本体部の片側ではなく本体部の両側(対向する一対の各辺)から実装面側に向かって端子が延出されるDIP(Dual In-Line Package)タイプのものであってもよい。なお、図17では、本体部の両側からIC端子が延出されているメインIC500について、IC端子P1~P35と、IC端子P36~P71との間に第1グランドパターン560および第2グランドパターン561を設け、かつ第1グランドパターン560と第2グランドパターン561とを電気的に接続するスルーホールとして、メインIC裏スルーホール562を複数設けた。DIPタイプのメインICであっても、本実施の形態のように、一方の面にすべての配線パターン920(少なくともIC側配線パターン922a)を設け、他方の面にグランドパターン領域Yを設けてもよい。
メインIC900がZIPタイプである場合、本体部910の片側(底面)からIC端子Tが延出されているため、メインIC500に比べ、本体部910と基板400の実装面との対向面積が小さく、また、本体部910の長手方向に沿って2列に並ぶIC端子Tの間隔(列間の間隔)も小さくなっている。このため、基板400の表面における本体部910の底面と対向する箇所(メインIC裏の領域)に、グランドパターンやグランドスルーホールを設けることが困難となっており、仮に設けた場合であっても、その幅が狭く面積の小さいグランドパターン(ベタグランド部分)となってしまう。
そこで、本実施形態では、すべての配線パターン920(少なくともIC側配線パターン922a)を基板400の裏面に設け、基板400の表面には、少なくともIC側配線パターン922aを設けず、メインIC900用のスルーホールを囲むグランドパターン領域Yを形成している。これにより、ZIPタイプのメインIC900を用いる場合であっても、ノイズ耐性を向上させることができる。また、放熱性を向上させることができる。
なお、本実施形態において、基板400の表面(第1面)にすべての配線パターン920(少なくともIC側配線パターン922a)を設け、かつ基板400の裏面(第2面)にグランドパターン領域Yを設けるように構成してもよい。ただし、メインIC900が配置される面とグランドパターン領域Yが形成される面とを同一の面とした場合(図36)、メインIC900の周囲が簡素な構成となり、不正が行われた場合に容易に発見することができる。
本実施形態では、基板400は2層基板であるが、これに限らず、多層基板であってもよい。多層基板である場合、所定の層をグランド専用の層とすることで、グランドをより強化できる。なお、本実施形態は、2層基板の場合であっても、上述のとおり基板400の一方の面にすべての配線パターン920(少なくともIC側配線パターン922a)を設け、かつ他方の面にグランドパターン領域Yを設けることで、メインIC900のノイズ耐性を実現したものである。
なお、メインIC900以外の他の部品について、他の部品同士を繋ぐ配線パターン(他の部品同士の端子と端子を接続する)配線パターンは、基板400の表面に設けられていてもよく、基板400の裏面に設けられていてもよく、基板400の表面と裏面とに設けられていてもよい。
(シルク表示)
基板400の実装面(表面)(第1面)には、メインIC900を含む複数の部品が配置されている。また、基板400の実装面には、各部品の実装領域(実装位置)を示すシルク表示(表示)が設けられている。シルク表示は、例えば白色のシルク印刷により形成されている。図36に示すシルク表示930(第1表示)は、メインIC900の実装領域を示すシルク表示である。なお、シルク表示は、実装面に直交する方向から見た場合における各部品の外形を示すように(各部品の外形に合わせて)表記されているものであってもよく、当該外形とは異なる形状(例えば四角枠)で表記されているものであってもよい。
本実施形態では、実装面に直交する方向から見た場合、メインIC900の外形と、シルク表示930の外形と、は異なっている。なお、シルク表示930は、メインIC900を本体部910の板面と正対する方向(側方)から見た場合(図37)における、本体部910の外形と対応するように形成されていてもよい。
ここで、基板400の実装面に配置される部品であって、メインIC900以外の所定部品を「所定部品940」とする。換言すると、基板400の実装面に配置される部品を、メインIC900と、所定部品940と、に分ける。所定部品940は、少なくとも1つ以上設けられている。所定部品940としては、IC(メインIC900とは異なるIC)、抵抗アレイ(ラダー抵抗)、コネクタ、電解コンデンサ、などがある。
基板400の実装面には、所定部品940の実装領域を示すシルク表示950(第2表示)が設けられている。ここで、所定部品940の1つであるIC941について説明する。IC941は、メインIC900とは異なる種類のICである。図36に示すように、本実施形態では、基板400の実装面に複数のIC941が配置されている。また、図39(a)に示すように、基板400の実装面には、IC941に対応するシルク表示950としてのシルク表示951が設けられている。シルク表示951は、IC941(の本体部)の外形に対応するように形成されており、半円弧上の切り欠き部(凹部)を有している。
図36に示すように、所定部品940の1つには、抵抗アレイ942がある。また、基板400の実装面には、抵抗アレイ942に対応するシルク表示950としてのシルク表示952が設けられている。また、図示を省略するが、所定部品940にはコネクタがあるが、基板400の実装面には、コネクタの外形に対応するシルク表示950が設けられている。また、図示を省略するが、所定部品940には電解コンデンサがあるが、基板400の実装面には、電解コンデンサの外形に対応するシルク表示950が設けられている。
本実施形態では、実装面に直交する方向から見た場合に、メインIC900の大きさに対するシルク表示930の大きさが、所定部品940の大きさに対するシルク表示950の大きさよりも大きくなっている。所定部品940が、IC941、コネクタ、電解コンデンサ等のいずれの部品(シルク表示が外形に沿うように形成されているいずれの部品)であっても、メインIC900の大きさに対するシルク表示930の大きさが、当該所定部品940の大きさに対するシルク表示950の大きさよりも大きくなっている。ここで、「大きさ」とは、実装面に直交する方向から見た場合における面積とするが、実装面に直交する方向から見た場合における外周の長さとしてもよい。
なお、所定部品940の大きさに対するシルク表示950の大きさは、1以下であってもよい。換言すると、所定部品940とシルク表示950とは同じ大きさであってもよく、所定部品940の大きさよりもシルク表示950の大きさが小さくてもよい(例えばIC941)。
所定部品940を、基板400に配置されているメインIC900以外のすべてのIC(他のIC)とする場合、本実施形態では、メインIC900の大きさに対するシルク表示930の大きさは、いずれの他のICの大きさに対するシルク表示950の大きさよりも大きくなっている。言い換えると、メインIC900に対するシルク表示930の大きさの比率は、いずれの他のIC(いずれの他の所定のIC)に対するシルク表示950の大きさの比率よりも大きくなっている。
メインIC900は、基板400による各種処理を制御する核となる部品である。本実施形態では、実装面に直交する方向から見た場合に、メインIC900の外側(周囲)であり、かつシルク表示930の内側となる部分の面積(第1の余白)が、所定部品940の外側(周囲)であり、かつシルク表示950の内側となる部分の面積(第2の余白)よりも大きくなっている。メインIC900は、第1の余白が相対的に大きく確保されているため、容易に特定することができる。これにより、基板400に対する不正の有無を点検する際に、素早くメインIC900を特定し、確認を行うことができる。このため、点検作業の効率を向上させることができる。
メインIC900は、本体部910の片側(底面)にIC端子Tが設けられているZIPであり、本体部910と基板400の実装面との対向面積が小さく、また、本体部910の長手方向に沿って2列に並ぶIC端子Tの間隔(列間の間隔)も小さい。このため、メインIC900は、基板400の表面における本体部910の底面と対向する箇所(メインIC裏の領域)、すなわち2列のIC端子Tの間(内側)に、グランドスルーホールを設けることが困難となっている。
本実施形態では、メインIC900の配置位置の近傍であって、IC端子Tの外側となる所定の位置に、少なくとも1つのグランドスルーホール960(特定グランドスルーホール)を設け、基板400の実装面のグランドパターン領域Y(第1グランドパターン)と、基板400の裏面のグランドパターン領域Z(第2グランドパターン)と、を接続し、グランドを強化している。メインIC900の配置位置の近傍にグランドスルーホール960が設けられているとは、例えば、メインIC900とメインIC900の近くに配置される部品との間の距離を第1距離とした場合に、第1距離の半分の位置(第1距離の中間点)よりもメインIC900側の位置に、グランドスルーホール960が設けられているものとする。
本実施形態では、図36に示すように、4個のグランドスルーホール960が設けられている。シルク表示930は、各グランドスルーホール960を内側に含むように形成されている。換言すると、シルク表示930は、メインIC900およびグランドスルーホール960(4個)の両方を囲むように形成されている。ZIPタイプのメインIC900を使用する場合、メインIC裏にグランドスルーホールを設けることが困難である分、メインIC900の近傍(周辺)にグランドスルーホール960を設けることの必要性(重要性)が高くなっている。すなわち、グランドスルーホール960は、グランド強化の観点から重要度が高い構成となっている。
グランドスルーホール960が内側に含まれるようにシルク表示930を設けることで、グランドスルーホール960が、メインIC900と関連する重要な構成であることが明確となり、例えば設計段階などにおいて、グランドスルーホール960を不用意に除去してしまうことや、グランドスルーホール960の位置をメインIC900から離れた位置に移動させてしまうことなどを抑制できる。
ZIPタイプのメインIC900は、実装面からの高さが相対的に大きい部品となっている。このため、本体部910に衝撃などが加えられた際に、本体部910が厚さ方向(図36の左右方向)に比較的倒れやすくなっている。ここで、本体部910の短手方向の辺が基板400の実装面に対して垂直となっている姿勢を基準位置(傾きが0度)とする。本実施形態では、メインIC900(本体部910)が基準位置に対して約10~15度程度傾いた場合であっても、実装面に直交する方向から見た場合に、本体部910がシルク表示930の外側に、はみ出さないようになっている。仮に、実装面に直交する方向から見た場合に、本体部910がシルク表示930の外側にはみ出していると、メインIC900が正規の位置に配置されていないと判断されてしまうおそれがある。本実施形態では、本体部910の傾きを考慮してシルク表示930の範囲(大きさ)を設定しているため、そのように判断されるおそれを低減できる。
DIPタイプのIC941(図36)は、本体部の両側(一対の長辺)に沿って、複数の端子が延出されている。IC941は、当該複数の端子が基板400の複数のスルーホールに挿入された状態でハンダ付けされ、基板400に接合されている。換言すると、各端子と各スルーホール(スルーホールに接続される配線パターン)とが電気的に接続された状態で、基板400に配置されている。
図39(b)は、所定のIC941が実装されている箇所を裏面側(第2面側)から見た図であるが、IC941は、四隅の端子(四隅のスルーホール)に対応するランド(パッド)の大きさ(面積)が、四隅以外の端子(四隅以外のスルーホール)に対応するランドの大きさ(面積)よりも大きくなっている。換言すると、四隅の端子が固定されている箇所のハンダ量(ハンダ付着量)が、四隅以外の端子が固定されている箇所のハンダ量(ハンダ付着量)よりも多くなっている。さらに換言すると、四隅の端子の方が四隅の端子以外の端子よりも、1つの端子に付着しているハンダの量が多くなっている。
例えば、四隅の端子に対応するランドは略楕円形状となっていて、四隅以外の端子に対応するランドは略円形状となっている。これにより、IC941と基板400との接合強度を向上させることができる。換言すると、IC941の基板400への固定をより強固なものとすることができる。なお、IC941が例えば表面実装部品である場合には、ランドをパッドと読み替えてもよい。
基板400には複数の部品が配置されているが、本実施形態では、IC941以外に四隅の端子に対応するランドが相対的に大きく形成されている部品はない。このため、基板400の裏面側(第2面側)のみを見て、IC941の実装位置や実装数を特定することができる。また、基板400にIC941とは異なる種類のIC(例えばメインIC900など)が配置されている場合に、基板400の第2面側のみを見てIC941(特定種類のIC)を特定することができる。これにより、点検作業の効率を向上させることができる。
基板400の実装面において、メインIC900と、メインIC900の最も近くに配置される所定部品940との間の距離(最短距離)を第1距離とする。また、メインIC900以外のすべての所定部品940について、所定部品940と、当該所定部品940の最も近くに配置される所定部品940との間の距離(最短距離)を第2距離とする。本実施形態では、第1距離は第2距離よりも大きく(長く)設定されている。メインIC900は、所定部品940との距離が相対的に大きく確保されているため(孤立した状態で配置されているため)、より容易に特定することができる。
また、基板400の実装面において、メインIC900と、メインIC900の最も近くに配置されるIC(メインIC900とは異なる)との間の距離(最短距離)を第1距離とし、メインIC900以外のICについて、最も接近しているIC同士の間の距離を第2距離とすると、第1距離は第2距離よりも大きく(長く)設定されている。
本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板に配置された特定の集積回路(900)と、を備え、
前記特定の集積回路は、矩形板状の本体部(910)と、前記本体部から延出された複数の端子(T)と、を備え、
前記基板は、前記複数の端子のそれぞれを挿通可能に形成された複数のスルーホールを備え、
前記特定の集積回路は、前記複数の端子が前記複数のスルーホールに挿通されて前記基板に配置され、
前記複数のスルーホールを囲むグランドパターン領域(Y)が、前記基板の一方の面に形成されていて、
前記特定の集積回路と前記基板に配置された部品とを繋ぐすべての配線パターン(920)は、少なくとも前記特定の集積回路側の部分(922a)が、前記基板の他方の面において前記端子と接続されている。
前記特定の集積回路と前記基板に配置された部品とを繋ぐすべての配線パターンは、少なくとも前記特定の集積回路側の部分が、前記基板の他方の面において前記端子と接続されていて、前記基板の一方の面には、前記複数のスルーホールを囲むグランドパターン領域が形成されている。このため、前記グランドパターン領域は、前記配線パターンによって区切られることなく形成された領域となっていて、このような前記グランドパターン領域を設けることで、前記特定の集積回路のノイズ耐性を向上させ、放熱性を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
前記本体部における短手方向において対向する一対の側面のうちの一方の側面を底面とすると、
前記複数の端子は、前記底面から延出され、前記本体部の長手方向に沿って設けられている。
前記特定の集積回路は、前記本体部の前記底面から前記複数の端子が延出され、前記複数の端子が前記本体部の長手方向に沿って設けられているタイプである。この場合、前記基板における前記特定の集積回路の前記底面と対向する位置(前記特定の集積回路の裏)にグランドパターン領域を形成することが困難である。本実施形態では、前記グランドパターン領域は、前記配線パターンによって区切られることなく形成された領域となっていて、このような前記グランドパターン領域を設けることで、前記特定の集積回路の裏にグランドパターン領域を設けることが困難であっても、前記特定の集積回路のノイズ耐性を向上させ、放熱性を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板の第1面に配置された複数の部品(900,940)と、を備え、
前記基板の第1面には、それぞれの前記部品の実装領域を示す表示(930,950)が設けられており、
前記複数の部品には、特定の集積回路(900)と、前記特定の集積回路以外の所定部品(940)と、があり、
前記特定の集積回路に対応する前記表示を第1表示(930)とし、前記所定部品に対応する前記表示を第2表示(950)とすると、
前記基板の第1面に直交する方向から見た場合に、前記特定の集積回路の大きさに対する前記第1表示の大きさが、前記所定部品の大きさに対する前記第2表示の大きさよりも大きい。
前記特定の集積回路の大きさに対する前記第1表示の大きさが、前記所定部品の大きさに対する前記第2表示の大きさよりも大きい。このため、前記複数の部品の中から前記特定の集積回路を容易に特定することができる。これにより、前記基板に対する不正の有無を点検する際に、素早く前記特定の集積回路を特定し、確認を行うことができる。このため、点検作業の効率を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
前記特定の集積回路は、矩形板状の本体部(910)と、前記本体部から延出された複数の端子(T)と、を備え、
前記本体部における短手方向において対向する一対の側面のうちの一方の側面を底面とすると、
前記複数の端子は、前記底面から延出され、前記本体部の長手方向に沿って設けられており、
前記基板は、前記複数の端子のそれぞれを挿通可能に形成された複数のスルーホールを備え、
前記特定の集積回路は、前記複数の端子が前記複数のスルーホールに挿通されて前記基板に配置されており、
前記基板は、前記特定の集積回路の近傍に形成された特定グランドスルーホール(960)を備え、
前記第1表示は、前記特定グランドスルーホールを内側に含むように形成されている。
前記特定の集積回路は、前記本体部の前記底面から前記複数の端子が延出され、前記複数の端子が前記本体部の長手方向に沿って設けられているタイプである。この場合、前記基板における前記特定の集積回路の前記底面と対向する位置(前記特定の集積回路の裏)にグランドスルーホールを形成することが困難となる。そこで、本実施形態では、前記特定の集積回路の近傍に前記特定グランドスルーホールを設け、グランドを強化し、前記特定の集積回路のノイズ耐性を向上させている。すなわち、前記特定グランドスルーホールは重要度の高い構成となっている。そこで、前記特定グランドスルーホールを内側に含むように前記第1表示を形成することで、前記特定グランドスルーホールが前記特定の集積回路と関連する重要な構成であることが明確となり、例えば設計段階などにおいて、前記特定グランドスルーホールを不用意に除去してしまうことや、前記特定グランドスルーホールの位置を前記特定の集積回路から離れた位置に移動させてしまうことなどを抑制できる。
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。以下、上述の第8の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。また、払出制御基板ユニット700の基板400を用いて説明するが、本発明は、遊技機が備えるその他の所定の基板にも適用可能である。
図36に示すように、基板400の第1面(表面)には、第1表示971が設けられている。具体的には、第1表示971は、第1情報を有するシールが、第1面(実装面)の所定の位置(所定の領域)に貼り付けられたものである。第1情報を有するシールは、長方形状となっており、白色のシート(フィルム)に、第1情報が黒色で印刷されている。第1情報は、基板400の製造年月日や基板400のロット番号等を示す情報となっており、複数の文字や数字、記号等によって構成されている。
また、第1面には、第1表示971を設ける位置(シールの貼り付け位置)を示すシルク枠972(第1の枠)(第1領域)(第1範囲)が設けられている。シルク枠972は、第1面におけるベタグランド部分の範囲内に設けられており、シールよりも大きいサイズ(範囲)を有し、例えば白色のシルク印刷で形成されている。本実施形態では、シルク枠972(枠線)は、四角形状(長方形状)の四隅の部分(L字状の部分)のみが印刷されたものとなっているが、これに限らず、四角枠(繋がった枠)となっていてもよい。また、シルク枠972は、枠の部分に限らずその内側の領域をも含むもとなっていて、例えば、四角形状に塗り潰されて形成されていてもよい。このシルク枠972が設けられていることで、シールを基板400に貼り付ける際の目安となり、シールを貼り付ける作業がより容易となる。
図38に示すように、基板400の第2面(裏面)には、第2表示981が設けられている。具体的には、第2表示981は、第2面の所定の位置に、第2情報が、エッチング加工によるエッチング文字で形成されたものである。換言すると、第2表示981は、第2情報が銅箔文字で形成されたものとなっている。第2情報は、基板400の製造メーカー名や基板400の管理番号等を示す情報となっており、複数の文字や数字、記号等によって構成されている。第2表示981は、エッチング文字で形成されているため、改ざんすることが困難となっている。また、エッチング文字(銅箔文字)の周囲には、ベタグランドが除かれた(銅箔が設けられていない)エッチング枠(エッチング領域)982(第2の枠)(第2領域)(第2範囲)が設けられている。このエッチング枠982は、略四角形状(略長方形状)となっており、本実施形態では、一部に切り欠きを有する略長方形状となっている。
第1表示971と第2表示981とは、シールに印刷された文字とエッチング文字とで異なっていることから、光の反射率、散乱の仕方等が異なり、見え方が異なるようになっている。また、基板400は、緑色の基板となっている。第2表示981は、エッチング文字であり基板400の配線パターンと同様に形成されているため、配線パターンと同じ色、具体的には緑色となっている。一方、第1表示971は、第2表示981(および配線パターン)とは異なる色、具体的には黒(周囲が白)となっている。
基板400において、第1面のシルク枠972と、第2面のエッチング枠982と、は対応する位置に設けられている。換言すると、エッチング枠982は、シルク枠972の裏側に対応する位置に設けられている。そして、エッチング枠982(第2表示981)は、シルク枠972の範囲内に収まるように形成されている。換言すると、エッチング枠982(第2表示981)は、シルク枠972よりも小さく(小さい面積で)、シルク枠972の内側に収まる大きさで形成されている。基板400の第1面を見た場合に、シルク枠972の裏側に、エッチング枠982が存在することとなる。換言すると、シルク枠972は、第1表示971を設ける位置(シールの貼り付け位置)を示す機能に加え、第2表示981(エッチング文字)が設けられている位置を示す機能をも有している。
第2面側は銅箔を除いたエッチング枠982としつつ、反対側の面(第1面)はシールを貼り付ける構成として、ベタグランド部分を確保している(エッチングしていない)。このようにベタグランド部分を確保することで、基板400のノイズ耐性を高めることができる。
図40に示すように、基板400の第1面の所定の位置には、他の基板との接続に用いられるハーネスが接続されるコネクタ990が設けられている。コネクタ990は、ハウジングと、複数の端子と、を有している。ハウジングは、絶縁性を有する樹脂素材(例えば黒色)によって略直方体状に形成されている。また、各端子は、導電性を有する金属によって形成されており、端子を介して基板400と他の基板とが電気的に接続されるようになっている。コネクタ900を基板400に取り付ける際には、基板400に設けられた複数のスルーホールのそれぞれに各端子が挿通され、各スルーホールと各端子とがハンダによって接合される。これにより、各端子と各スルーホール(スルーホールに接続される配線パターン)とが電気的に接続された状態で、コネクタ990が基板400に固定(配置)される。
コネクタ990は、第1ピン~第30ピンの30個の端子を備えている。また、基板400には、第1ピン~第30ピンに対応する(第1ピン~第30ピンが挿入される)スルーホール(第1スルーホール~第30スルーホール)が設けられている。第1スルーホール~第30スルーホールは、第1ピン~第30ピンが挿入される。当該スルーホールは、内周面(内側)に銅箔(金属メッキ)が設けられており、基板の一方の面(表面)と他方の面(裏面)とを電気的に接続する、導電性を有する貫通孔(第1導電性貫通孔)となっている。また、基板400には、スルーホール(第1導電性貫通孔)とは異なる第2導電性貫通孔としてのビアホールが設けられている。ビアホールは、内周面(内側)に銅箔(金属メッキ)が設けられており、基板の一方の面(表面)と他方の面(裏面)とを電気的に接続する、導電性を有する貫通孔となっている。ビアホールは、部品の端子が挿入されない孔となっている。また、ビアホールは、スルーホールよりも小径となっていてもよい。
図41は、コネクタ990が配置されている位置を、基板400の裏面側(第2面側)から見た図である。基板400の第2面には、コネクタ990の所定の端子に対応するスルーホールと、所定のビア(ビアホール)とを繋ぐ配線パターン991が設けられている。
具体的には、コネクタ990の第19ピンに対応するスルーホールと第1ビア992aとを繋ぐ配線パターン991aと、コネクタ990の第20ピンに対応するスルーホールと第2ビア992bとを繋ぐ配線パターン991bと、コネクタ990の第21ピンに対応するスルーホールと第3ビア992cとを繋ぐ配線パターン991cと、コネクタ990の第22ピンに対応するスルーホールと第4ビア992dとを繋ぐ配線パターン991dと、を備えている。
配線パターン991aは、第1ビア992aを介して、表面の配線パターン993a(図40)と接続されている。配線パターン991bは、第2ビア992bを介して、表面の配線パターン993b(図40)と接続されている。配線パターン991cは、第3ビア992cを介して、表面の配線パターン993c(図40)と接続されている。配線パターン991dは、第4ビア992dを介して、表面の配線パターン993d(図40)と接続されている。
図41に示すように、配線パターン991a~配線パターン991dは、基板400の第2面において、第1面側のコネクタ990(ハウジング)に対応する範囲(範囲CAとする)の内側に設けられている。換言すると、配線パターン991a~配線パターン991dは、コネクタ990(ハウジング)の裏側に設けられている。基板400の第1面を見た場合(平面視した場合)に、配線パターン991a~配線パターン991dは視認できないようになっている。
第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990(ハウジング)に対応する範囲CAの内側に設けられている。図40に示すように、基板400の第1面を見た場合(基板400の第1面に直交する方向(第1面法線方向)から見た場合(平面視した場合))に、第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990(ハウジング)に覆われ(隠され)、視認できないようになっている。換言すると、第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990に覆われている。基板400は、基板ケース701(図35)に収容され、コネクタ990は、基板ケース701に設けられたコネクタ開口701A(図42)を介して露出しているが、第1ビア992a~第4ビア992dがコネクタ990(ハウジング)に覆われている場合(図40)、第1ビア992a~第4ビア992dは視認できない。このため、基板ケース外からのビア(配線パターン:信号線)へのアクセスを困難なものとすることができる。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
仮に、コネクタ990の所定の端子に対応するスルーホールから引き出される配線パターンが基板400の第1面側(のみ)に設けられている場合、当該配線パターンがいずれの端子に対応するものであるかの特定が比較的容易となる。本実施形態では、上述のとおり、基板400の第2面(コネクタ990の裏側)に配線パターン991a~991dを設け、かつビア(第1ビア992a~第4ビア992d)をコネクタ990に覆われる位置に設けている。このため、コネクタ990の端子(ピン)と配線パターンとの対応関係を特定することが困難となっている。
なお、本実施形態ではコネクタ990を用いて説明したが、本構成は図18(a)で示したコネクタ570(位置決めピンを有しているコネクタ)にも適用可能である。
(変形例1)
図示を省略するが、変形例1では、配線パターン991a~配線パターン991dが、基板400の第2面において、第1面側のコネクタ990(ハウジング)に対応する範囲CAの外側にも設けられている。換言すると、配線パターン991a~配線パターン991dは、コネクタ990(ハウジング)の裏側およびその外側に設けられている。また、第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990(ハウジング)に対応する範囲CA外に設けられており、基板400の第1面において、第1ビア992a~第4ビア992dが、コネクタ990(ハウジング)に覆われていない。換言すると、第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990(ハウジング)に覆われない位置に形成されている(図42)。
図42は、基板400の第1面に直交する方向から見た図である。基板ケース701には、コネクタ990を露出させるためのコネクタ開口701Aが設けられている。コネクタ開口701A(の内側)と、コネクタ990(ハウジング)との間には、所定の隙間SKが設けられている。本例では、コネクタ990がコネクタ開口701Aから突出して(はみ出て)いて、コネクタ990の側面(外側面)とコネクタ開口701Aの内周面とが対向している。なお、コネクタ990がコネクタ開口701Aから突出していない場合には、コネクタ990の側面を基板と垂直方向に紙面手前側に延ばした仮想平面とコネクタ開口701Aとの間の隙間が所定の隙間SKとなる。変形例1では、基板400の第1面を見た場合(基板400の第1面に直交する方向から見た場合)に、第1ビア992a~第4ビア992dが、所定の隙間SKを介して視認可能となる位置に形成されている。換言すると、第1ビア992a~第4ビア992dは、所定の隙間SKに対応する位置に設けられている。第1ビア992a~第4ビア992dを、コネクタ990(ハウジング)に覆われない位置であって、かつ所定の隙間SKを介して視認可能な位置に設けることで、放熱効果を高めることができる。
(変形例2)
図示を省略するが、変形例2では、変形例1と同様に、配線パターン991a~配線パターン991dが、基板400の第2面において、第1面側のコネクタ990(ハウジング)に対応する範囲CAの外側にも設けられている。換言すると、配線パターン991a~配線パターン991dは、コネクタ990(ハウジング)の裏側およびその外側に設けられている。また、変形例1と同様に、第1ビア992a~第4ビア992dが、コネクタ990(ハウジング)に対応する範囲CA外に設けられており、基板400の第1面において、第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990(ハウジング)に覆われていない。換言すると、第1ビア992a~第4ビア992dは、コネクタ990(ハウジング)に覆われない位置に形成されている。また、変形例1では、基板400の第1面を見た場合に、第1ビア992a~第4ビア992dが、所定の隙間SKを介して視認可能となる位置に形成されているとしたが、変形例2では、基板400の第1面を見た場合に、第1ビア992a~第4ビア992dが、所定の隙間SKを介して視認可能となる位置に形成されていない。換言すると、第1ビア992a~第4ビア992dは、所定の隙間SKを介して視認できないようになっている。
本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板の第1面に配置されたコネクタ(図18の570)と、を備え、
前記コネクタは、位置決めピン(574)を備え、
前記基板は、前記位置決めピンが挿入される非導電性貫通孔(575)を備え、
前記基板の厚さは、前記非導電性貫通孔への前記位置決めピンの挿入量より大きく、
前記基板の第2面には、前記非導電性貫通孔の周囲に環状の絶縁領域(NP)が形成されており、
前記絶縁領域の環の幅を第1幅とし、前記非導電性貫通孔の直径を第2幅とすると、
前記第1幅と前記第2幅とは、同一または略同一の幅となっており、
前記基板の第1面に、第1表示を設ける位置を示す第1領域(972)が設けられており、
前記基板の第2面に、第2表示の周りを囲む第2領域(982)が設けられており、
前記第1領域は、シルク印刷により形成されており、
前記第2領域は、エッチング加工により形成されており、
前記第2領域は、前記第1領域の裏側に対応する位置に設けられており、
前記第2表示は、前記第1領域の内側に収まる大きさで形成されている。
前記基板の厚さは、前記非導電性貫通孔への前記位置決めピンの挿入量より大きくなっているため、前記位置決めピンが前記基板から突出し、前記位置決めピンにハンダが付着するのを抑制できる。また、前記位置決めピンに力が加わり、破損するのを抑制できる。
また、仮に前記位置決めピンが長く形成され、前記基板の第2面から突出した場合であっても、前記絶縁領域が設けられているため、前記位置決めピンとパターン(銅箔)とが接触する可能性が極めて低く、パターンが損傷するのを防ぐことができる。
また、前記第2領域は、前記第1領域の裏側に対応する位置に設けられており、前記第2表示は、前記第1領域の内側に収まる大きさで形成されている。前記第1領域は、第1表示を設ける位置を示す機能を有するとともに、第2表示が設けられている位置を示す機能も有している。前記第1領域の裏側に前記第2領域(前記第2表示)が存在するため、第2面側を見て第2表示を探す時間を短縮できる。これにより、点検作業(確認作業)の効率を上げることができる。また、前記第2領域を前記第1領域より小さくし、エッチング加工する範囲を少なくしてベタグランド部分を確保しているため、基板のノイズ耐性を向上させることができる。
本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板の第1面に配置された第1コネクタ(570)および第2コネクタ(990)と、前記基板を収容するケース(701)と、を備え、
前記第1コネクタは、位置決めピン(574)を備え、
前記基板は、前記位置決めピンが挿入される非導電性貫通孔(575)を備え、
前記基板の厚さは、前記非導電性貫通孔への前記位置決めピンの挿入量より大きく、
前記基板の第2面には、前記非導電性貫通孔の周囲に環状の絶縁領域(NP)が形成されており、
前記基板は、前記第2コネクタの所定の端子が挿入される第1導電性貫通孔(スルーホール)と、部品の端子が挿入されない第2導電性貫通孔(ビア)と、を備え、
前記基板の第2面には、前記第1導電性貫通孔と、前記第2導電性貫通孔と、を繋ぐ配線パターン(991)が形成されており、
前記第2導電性貫通孔が、前記第2コネクタに覆われている。
前記基板の厚さは、前記非導電性貫通孔への前記位置決めピンの挿入量より大きくなっているため、前記位置決めピンが前記基板から突出し、前記位置決めピンにハンダが付着するのを抑制できる。また、前記位置決めピンに力が加わり、破損するのを抑制できる。
また、仮に前記位置決めピンが長く形成され、前記基板の第2面から突出した場合であっても、前記絶縁領域が設けられているため、前記位置決めピンとパターン(銅箔)とが接触する可能性が極めて低く、パターンが損傷するのを防ぐことができる。
また、前記第2導電性貫通孔が、コネクタに覆われている。このため、前記第2導電性貫通孔へのアクセスを困難なものとし、不正対策性能を向上させることができる。
本実施形態の遊技機は、
基板(400)と、前記基板の第1面に配置された第1コネクタ(570)および第2コネクタ(990)と、前記基板を収容するケース(701)と、を備え、
前記第1コネクタは、位置決めピン(574)を備え、
前記基板は、前記位置決めピンが挿入される非導電性貫通孔(575)を備え、
前記基板の厚さは、前記非導電性貫通孔への前記位置決めピンの挿入量より大きく、
前記基板の第2面には、前記非導電性貫通孔の周囲に環状の絶縁領域(NP)が形成されており、
前記基板は、前記第2コネクタの所定の端子が挿入される第1導電性貫通孔(スルーホール)と、部品の端子が挿入されない第2導電性貫通孔(ビア)と、を備え、
前記基板の第2面には、前記第1導電性貫通孔と、前記第2導電性貫通孔と、を繋ぐ配線パターン(991)が形成されており、
前記ケースは、前記第2コネクタを露出させるコネクタ開口(701A)を備え、
前記第2コネクタと前記コネクタ開口との間に所定の隙間(SK)が形成され、
前記第2導電性貫通孔が、前記所定の隙間を介して視認可能な位置に形成されている。
前記基板の厚さは、前記非導電性貫通孔への前記位置決めピンの挿入量より大きくなっているため、前記位置決めピンが前記基板から突出し、前記位置決めピンにハンダが付着するのを抑制できる。また、前記位置決めピンに力が加わり、破損するのを抑制できる。
また、仮に前記位置決めピンが長く形成され、前記基板の第2面から突出した場合であっても、前記絶縁領域が設けられているため、前記位置決めピンとパターン(銅箔)とが接触する可能性が極めて低く、パターンが損傷するのを防ぐことができる。
また、前記第2導電性貫通孔が前記所定の隙間を介して視認可能な位置に形成されているため、放熱効果を向上させることができる。
(第10の実施の形態)
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。以下、上述の第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。図43は、遊技機を背面側から見た斜視図である。遊技機は樹脂製の裏カバー1000を備えている。換言すると、遊技機の背面に裏カバー1000が取り付けられている。裏カバー1000は、その内側に配置されている部品を保護する機能を有している。また、裏カバー1000は、複数の放熱孔(長孔)を備えており、空気を通過させ、熱を逃がすことが可能に形成されている。
図44は、遊技機を背面側から見た斜視図であり、裏カバー1000を取り外した状態を示している。なお、図44では、遊技機の一部の構成の図示を省略している。遊技機は、外枠2(図1)に対して開閉可能に設けられた内枠7(本体枠)(図1)を備えており、内枠7には(遊技機の背面側には)、サブ基板ユニット(副制御基板ユニット)1200と、メイン基板ユニット(主制御基板ユニット)1100と、払出基板ユニット(払出制御基板ユニット)401と、が設けられている。サブ基板ユニット1200は、演出の実行を制御するサブ基板(副制御基板)202と、サブ基板202を収容するサブ基板ケース(基板ケース)1210と、を備えている。メイン基板ユニット1100は、遊技の進行を制御するメイン基板(主制御基板)200と、メイン基板200を収容するメイン基板ケース(基板ケース)1110と、を備えている。払出基板ユニット401は、払出を制御する払出基板(払出制御基板)400と、払出基板400を収容する払出基板ケース(基板ケース)402と、を備えている。
本実施形態では、上方から下方に向かって、サブ基板ユニット1200(第1基板ユニット)、メイン基板ユニット1100(第2基板ユニット)、払出基板ユニット401(第3基板ユニット)の順に配置されている。サブ基板ユニット1200が上方(上段)に配置されており、払出基板ユニット401が下方(下段)に配置されており、メイン基板ユニット1100が、上下方向において、サブ基板ユニット1200と払出基板ユニット401との間(中央)(中段)に配置されている。上方側に位置するサブ基板ユニット1200およびメイン基板ユニット1100は、後方側から裏カバー1000に覆われている。一方、下方側に位置する払出基板ユニット401は、後方側から裏カバー1000に覆われていない。
図45(a)は、遊技機の一部を左側から見た図(左側面視)であって、裏カバー1000が取り付けられている状態を示している。図45(b)は、遊技機の一部を左側から見た図(左側面視)であって、裏カバー1000が取り外されている状態を示している。図46は、図45(a)をデフォルメして図示したもので、裏カバー1000、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100および払出基板ユニット401の前後方向の位置関係について説明するための概略図である。ここで、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100および払出基板ユニット401について、遊技機後方側(背面側)の面(基板ケースの平面)を「ケース面」とする。また、カバー1000について、遊技機後方側(外側)の面(平面)を「カバー面」とする。
側面視(左側面視)において、メイン基板ユニット1100のケース面(第1ケース面)よりもサブ基板ユニット1200のケース面(第2ケース面)の方が後方に位置しており、メイン基板ユニット1100の第1ケース面から、サブ基板ユニット1200の第2ケース面までの寸法(前後方向距離)が、寸法Aとなっている。寸法Aは約2mmとなっている。換言すると、メイン基板ユニット1100の第1ケース面と、サブ基板ユニット1200の第2ケース面と、の寸法差が寸法Aとなっている。
側面視(左側面視)において、サブ基板ユニット1200のケース面(第2ケース面)よりも払出基板ユニット401のケース面(第3ケース面)の方が後方に位置しており、サブ基板ユニット1200の第2ケース面から、払出基板ユニット401の第3ケース面までの寸法(前後方向距離)が、寸法B(第1寸法)となっている。寸法Bは約5mmとなっている。換言すると、サブ基板ユニット1200の第2ケース面と、払出基板ユニット401の第3ケース面と、の寸法差が寸法Bとなっている。
側面視(左側面視)において、メイン基板ユニット1100のケース面(第1ケース面)よりも払出基板ユニット401のケース面(第3ケース面)の方が後方に位置しており、メイン基板ユニット1100の第1ケース面から、払出基板ユニット401の第3ケース面までの寸法(前後方向距離)が、寸法C(第2寸法)となっている。寸法Cは約7mm(2mm+5mm)となっている。換言すると、メイン基板ユニット1100の第1ケース面と、払出基板ユニット401の第3ケース面と、の寸法差が寸法Cとなっている。
側面視(左側面視)において、払出基板ユニット401の第3ケース面よりも裏カバー1000のカバー面(外側の面)の方が後方に位置しており、払出基板ユニット401の第3ケース面から、裏カバー1000のカバー面までの寸法(前後方向距離)が寸法D(第3寸法)となっている。寸法Dは約1mmとなっている。換言すると、払出基板ユニット401の第3ケース面と、裏カバー1000のカバー面と、の寸法差が寸法Dとなっている。なお、寸法Dは0mmであってもよい。
本実施形態では、寸法Dが、寸法Bおよび寸法Cよりも小さく設定されている。換言すると、寸法Dが、寸法Bおよび寸法Cよりも小さくなるように、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100、払出基板ユニット401および裏カバー1000が配置されている。
本実施形態の遊技機は、
制御基板ユニットと、裏カバー(1000)と、を備え、
前記制御基板ユニットとして、主制御基板ユニット(1100)(第2基板ユニット)と、副制御基板ユニット(1200)(第1基板ユニット)と、払出制御基板ユニット(401)(第3基板ユニット)と、を備え、
前記副制御基板ユニットは、前記主制御基板ユニットより上方に配置され、
前記主制御基板ユニットは、前記払出制御基板ユニットより上方に配置され、
前記主制御基板ユニットおよび前記副制御基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われ、
前記払出制御基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われず、
前記払出制御基板ユニットの後方側の面と、前記裏カバーの後方側の面と、が面一または略面一となるように形成されている。
前後方向において、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100および払出基板ユニット401の各ケース面の位置(寸法)に比較的大きなばらつきが生じているが、裏カバー1000でサブ基板ユニット1200およびメイン基板ユニット1100を覆った状態では、裏カバー1000の後方側の面(カバー面)と払出基板ユニット401の後方側の面(ケース面)とが面一(面一状)または略面一(略面一状)となるように形成されている。略面一(略面一状)とは、前後方向における位置の差が約1~2mm程度となっていることをいう。このため、遊技機の背面側をフラットな(ほぼ平らな)構成にすることができる。これにより、筐体を持ち運びする際における引っ掛かり等を抑制し、作業の効率を向上させることができる。
また、払出制御基板ユニット401の後方側の面と裏カバー1000の後方側の面とは面一または略面一となるように形成されているので、遊技機を、背面側と下として床などの水平面に置いた場合に、傾くことなく安定した状態を維持させることができる。また、本実施形態において、各制御基板ユニット(副制御基板ユニット1200、主制御基板ユニット1100および払出制御基板ユニット401)および裏カバー1000は樹脂性部材となっている。また、各制御基板ユニットや裏カバー1000は、同じく樹脂性部材である所定の取付部(図示せず)に取り付けられている。各制御基板ユニット、裏カバー1000あるいは取付部は、背面側から荷重をかけると弾性変形可能となっている。遊技機を、背面側と下として床などの水平面に置いた場合、自重によって前述の弾性変形が生じ、払出制御基板ユニット401の後方側の面と裏カバー1000の後方側の面とは面一または略面一となるように形成されている。このため、遊技機をより安定した状態で置くことができる。なお、弾性変形前(荷重が加わる前)に払出制御基板ユニット401の後方側の面と裏カバー1000の後方側の面とが面一または略面一ではないが、弾性変形後(荷重が加えられた場合)に払出制御基板ユニット401の後方側の面と裏カバー1000の後方側の面とが面一または略面一となるように形成されていてもよい。
また、
前記主制御基板ユニットの後方側の面を第1ケース面とし、
前記副制御基板ユニットの後方側の面を第2ケース面とし、
前記払出制御基板ユニットの後方側の面を第3ケース面とし、
前記裏カバーの後方側の面をカバー面とすると、
前記第3ケース面は、前記第1ケース面および前記第2ケース面より後方側に位置し、
前記カバー面は、前記第3ケース面より後方側に位置し、
前後方向における、前記第2ケース面から前記第3ケース面までの距離を第1寸法とし、
前後方向における、前記第1ケース面から前記第3ケース面までの距離を第2寸法とし、
前後方向における、前記第3ケース面から前記カバー面までの距離を第3寸法とすると、
前記第3寸法が、前記第1寸法および前記第2寸法より小さい。
(変形例1)
変形例1では、上方から下方に向かって、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100、払出基板ユニット401が、この順に配置されている。換言すると、サブ基板ユニット1200が上方(上段)に配置されており、払出基板ユニット401が下方(下段)に配置されており、メイン基板ユニット1100が、上下方向において、サブ基板ユニット1200と払出基板ユニット401との間(中央)(中段)に配置されている。サブ基板ユニット1200およびメイン基板ユニット1100は、後方側から裏カバー1000に覆われている。一方、払出基板ユニット401は、後方側から裏カバー1000に覆われていない。
図47に示すように、側面視(左側面視)において、メイン基板ユニット1100の第1ケース面よりもサブ基板ユニット1200の第2ケース面の方が後方に位置しており、メイン基板ユニット1100の第1ケース面から、サブ基板ユニット1200の第2ケース面までの寸法(前後方向距離)が、寸法Aとなっている。寸法Aは約3mmとなっている。換言すると、メイン基板ユニット1100の第1ケース面と、サブ基板ユニット1200の第2ケース面と、の寸法差が寸法Aとなっている。
側面視(左側面視)において、サブ基板ユニット1200の第2ケース面よりも払出基板ユニット401の第3ケース面の方が後方に位置しており、サブ基板ユニット1200の第2ケース面から、払出基板ユニット401の第3ケース面までの寸法(前後方向距離)が、寸法B(第1寸法)となっている。寸法Bは約5mmとなっている。換言すると、サブ基板ユニット1200の第2ケース面と、払出基板ユニット401の第3ケース面と、の寸法差が寸法Bとなっている。
側面視(左側面視)において、メイン基板ユニット1100の第1ケース面よりも払出基板ユニット401の第3ケース面の方が後方に位置しており、メイン基板ユニット1100の第1ケース面から、払出基板ユニット401の第3ケース面までの寸法(前後方向距離)が、寸法C(第2寸法)となっている。寸法Cは約8mm(3mm+5mm)となっている。換言すると、メイン基板ユニット1100の第1ケース面と、払出基板ユニット401の第3ケース面と、の寸法差が寸法Cとなっている。
側面視(左側面視)において、裏カバー1000のカバー面(外側の面)よりも払出基板ユニット401の第3ケース面の方が後方に位置しており、裏カバー1000のカバー面から、払出基板ユニット401の第3ケース面までの寸法(前後方向距離)が寸法D(第3寸法)となっている。寸法Dは約1mmとなっている。換言すると、払出基板ユニット401の第3ケース面と、裏カバー1000のカバー面と、の寸法差が寸法Dとなっている。
なお、払出基板ユニット401の第3ケース面を基準(±0mm)とした場合、払出基板ユニット401の第3ケース面から、裏カバー1000のカバー面までの寸法(前後方向距離)が寸法D(-1mm)となっていると言うこともできる。なお、寸法Dは0mmであってもよい。
変形例1では、寸法Dが、寸法Bおよび寸法Cよりも小さく設定されている。換言すると、寸法Dが、寸法Bおよび寸法Cよりも小さくなるように、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100、払出基板ユニット401および裏カバー1000が配置されている。
変形例1の遊技機は、
制御基板ユニットと、裏カバー(1000)と、を備え、
前記制御基板ユニットとして、主制御基板ユニット(1100)(第2基板ユニット)と、副制御基板ユニット(1200)(第1基板ユニット)と、払出制御基板ユニット(401)(第3基板ユニット)と、を備え、
前記副制御基板ユニットは、前記主制御基板ユニットより上方に配置され、
前記主制御基板ユニットは、前記払出制御基板ユニットより上方に配置され、
前記主制御基板ユニットおよび前記副制御基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われ、
前記払出制御基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われず、
前記払出制御基板ユニットの後方側の面と、前記裏カバーの後方側の面と、が面一または略面一となるように形成されている。
また、
前記主制御基板ユニットの後方側の面を第1ケース面とし、
前記副制御基板ユニットの後方側の面を第2ケース面とし、
前記払出制御基板ユニットの後方側の面を第3ケース面とし、
前記裏カバーの後方側の面をカバー面とすると、
前記第3ケース面は、前記第1ケース面、前記第2ケース面および前記カバー面より後方側に位置し、
前後方向における、前記第2ケース面から前記第3ケース面までの距離を第1寸法とし、
前後方向における、前記第1ケース面から前記第3ケース面までの距離を第2寸法とし、
前後方向における、前記カバー面から前記第3ケース面までの距離を第3寸法とすると、
前記第3寸法が、前記第1寸法および前記第2寸法より小さい。
(変形例2)
変形例2では、上方から下方に向かって、サブ基板ユニット(第1基板ユニット)1200、メイン基板ユニット(第2基板ユニット)1100、払出基板ユニット(第3基板ユニット)401が、この順に配置されている。サブ基板ユニット1200には副制御基板(第1基板)202が収容されている。メイン基板ユニット1100には主制御基板(第2基板)200が収容されている。払出基板ユニット401には払出基板(第3基板)400が収容されている。サブ基板ユニット1200が上方(上段)に配置されており、払出基板ユニット401が下方(下段)に配置されており、メイン基板ユニット1100が、上下方向において、サブ基板ユニット1200と払出基板ユニット401との間(中央)(中段)に配置されている。変形例2では、サブ基板ユニット1200、メイン基板ユニット1100および払出基板ユニット401が、後方側から裏カバー1000に覆われている。
図44に示すように、サブ基板ユニット1200のケース面には放熱孔(孔)H1が設けられている。放熱孔は、各ユニットの内側(内部)で発生した熱を外側に逃がす機能を有している。図示を省略しているが、メイン基板ユニット1100および払出基板ユニット401の各ケース面にも同様に放熱孔が設けられている。
サブ基板ユニット1200のケース面(第2ケース面)には、複数の放熱孔(孔)H1が設けられている。放熱孔H1は、円形状(略円形状)となっており、直径(寸法D1)(第1の大きさ)が約3mmとなっている。
払出基板ユニット401のケース面(第3ケース面)には、複数の放熱孔(孔)H2が設けられている。放熱孔H2は、円形状(略円形状)となっており、直径(寸法D2)(第2の大きさ)が約1.2mmとなっている。
主基板ユニット1100のケース面(第1ケース面)には、複数の放熱孔(孔)H3が設けられている。放熱孔H3は、円形状(略円形状)となっており、直径(寸法D3)(第3の大きさ)が約1mmとなっている。
放熱孔の大きさを比較すると、寸法D1が寸法D2より大きく、寸法D2が寸法D3より大きく設定されている。換言すると、寸法D1>寸法D2>寸法D3となっている。
図48に示すように、基板ユニットでは、ケース面(内側の面)と基板面との間に所定の距離Lが確保されている。
サブ基板ユニット1200の第2ケース面(内側の面)は、前後方向において、サブ基板202の基板面(サブ基板面)と対向しており、サブ基板ユニット1200の第2ケース面(内側の面)から、サブ基板202の基板面までの距離(前後方向距離)が寸法L1となっている。寸法L1(第1の距離)は約15mmとなっている。
払出基板ユニット401の第3ケース面(内側の面)は、前後方向において、払出基板400の基板面(払出基板面)と対向しており、払出基板ユニット401の第3ケース面(内側の面)から、払出基板400の基板面までの距離(前後方向距離)が寸法L2となっている。寸法L2(第2の距離)は約20mmとなっている。
主基板ユニット1100の第1ケース面(内側の面)は、前後方向において、主基板200の基板面(主基板面)と対向しており、主基板ユニット1100の第1ケース面(内側の面)から、主基板200の基板面までの距離(前後方向距離)が寸法L3となっている。寸法L3(第3の距離)は約25mmとなっている。
ケース面から基板面までの距離を比較すると、寸法L3が寸法L2より大きく、寸法L2が寸法L1より大きく設定されている。換言すると、寸法L1<寸法L2<寸法L3となっている。
また、ケース面に設けられている放熱孔の数(孔数)を比較すると、サブ基板ユニット1200のケース面>払出基板ユニット401のケース面>主基板ユニット1100のケース面、となっている。
また、ケース面における放熱孔の開口率を比較すると、サブ基板ユニット1200のケース面>払出基板ユニット401のケース面>主基板ユニット1100のケース面、となっている。開口率とは、ケース面における(ケース面に占める)開口している部分の割合である。
変形例2の遊技機は、
第1基板(副制御基板202)を収容する第1基板ユニット(副制御基板ユニット)1200と、第2基板(主制御基板200)を収容する第2基板ユニット(主制御基板ユニット)1100と、第3基板(払出制御基板400)を収容する第3基板ユニット(払出制御基板ユニット)401と、裏カバー(1000)と、を備え、
前記第1基板ユニットは、前記第2基板ユニットより上方に配置され、
前記第2基板ユニットは、前記第3基板ユニットより上方に配置され、
前記第1基板ユニット、前記第2基板ユニットおよび前記第3基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われ、
前記第1基板ユニット、前記第2基板ユニットおよび前記第3基板ユニットは、基板を収容するケースの後方側の面であるケース面に形成された放熱孔を備え、
前記第1基板ユニットの放熱孔の大きさを第1の大きさ(D1)とし、
前記第3基板ユニットの放熱孔の大きさを第2の大きさ(D2)とし、
前記第2基板ユニットの放熱孔の大きさを第3の大きさ(D3)とすると、
前記第3の大きさが前記第2の大きさより小さく、前記第2の大きさが前記第1の大きさより小さく、
前記第1基板ユニットにおける、前記ケース面と、前記ケース面と対向する前記第1基板の基板面と、の間の距離を第1の距離(L1)とし、
前記第3基板ユニットにおける、前記ケース面と、前記ケース面と対向する前記第3基板の基板面と、の間の距離を第2の距離(L2)とし、
前記第2基板ユニットにおける、前記ケース面と、前記ケース面と対向する前記第2基板の基板面と、の間の距離を第3の距離(L3)とすると、
前記第3の距離が前記第2の距離より大きく、前記第2の距離が前記第1の距離より大きい。
放熱孔の大きさが小さい基板ユニットほど、ケース面と基板面との間の距離が大きくなるように設定されている。放熱孔の大きさが小さいものほどケースの内部に熱が籠りやすくなるが、放熱孔の大きさが小さいものほどケース面と基板面との間の距離を相対的に大きく確保することで、熱が籠ることによってケース内が高温となるのを抑制している。これにより、ケース内に配置されている部品の破損を抑制できる。
遊技の進行を制御するメイン基板200や払出を制御する払出基板400は、主制御系(メイン系)の基板となるが、主制御系の基板が収容されている基板ユニットは、不正防止の観点かあら、他の基板(例えばサブ系の基板)が収容されている基板ユニットよりもケースの放熱孔の大きさを相対的に小さくしている。ただし、放熱孔の大きさが小さいほど、ケース内に熱が籠りやすいものとなり、部品の故障の要因となる。そこで、主制御系の基板が収容されている基板ユニットは、ケース面から基板面までの距離を他の基板(例えばサブ系の基板)が収容されている基板ユニットよりも相対的に大きくしている(相対的に大きくする設計思想の基準を設けている))。当該距離を大きくすることで熱による部品の故障を抑制できる。換言すると、不正対策性能を向上させるとともに、熱による部品の故障(破損)を抑制できる。また、不正対策性能の向上および熱に対する性能(耐熱性能)の向上の両方を考慮しての製品開発を効率的に実行できる。
(変形例3)
変形性3では、第1サブ基板ユニット、第2サブ基板ユニットおよびメイン基板ユニットが、裏カバー1000に覆われている。変形例3の第1サブ基板ユニット(第1基板ユニット)は、変形例2のサブ基板ユニット1200と同様に構成されている。すなわち放熱孔H1(寸法D1)を備え、ケース面と基板面との間の距離が寸法L1となっている。変形例3の第2サブ基板ユニット(第2基板ユニット)は、変形例2の主基板ユニット1100と同様に構成されている。すなわち放熱孔H3(寸法D3)を備え、ケース面と基板面との間の距離が寸法L3となっている。変形例3のメイン基板ユニット(第3基板ユニット)は、変形例2の払出基板ユニット401と同様に構成されている。すなわち放熱孔H2(寸法D2)を備え、ケース面と基板面との間の距離が寸法L2となっている。
(第11の実施の形態)
次に本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態の遊技機は、基本的に第10の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第10の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
図50に示すように、本実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)は、外レール27と内レール28とを有する。また、外レール27と内レール28との間には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に案内する案内通路(案内領域)29が形成されている。また、図49、図50に示すように、案内通路29の上端部には、遊技領域4から案内通路29(発射装置側)に遊技球が戻ることを防止する球戻り防止機構50が設けられている。具体的には、球戻り防止機構50は、内レール28の上端部に設けられている。換言すると、球戻り防止機構50は、案内通路29と遊技領域4との境界部分としての境界領域700に設けられている。
球戻り防止機構50は、本体ケース52と、カバー53と、球戻り防止部材54と、支軸56と、を有する。
本体ケース52は、背面側が遊技盤6に接し前面側に球戻り防止部材54が載置される底面部52aと、球戻り防止部材54の遊技領域側4の部分を覆う壁部52bと、球戻り防止部材54の遊技領域4側への回動を規制するストッパ壁52cと、を有する。本実施形態では、壁部52bとストッパ壁52c(ストッパ部)とは一体的に形成されており、壁部52bの上側部分(上端部)がストッパ壁52cとなっているともいえる。また、本実施形態では、本体ケース52は、内レール28と一体的に形成されているが、内レール28の上端とストッパ壁52cとの間には、隙間が形成されている。そして、本体ケース52は、底面部52aと壁部52bとに囲われた空間であって、球戻り防止部材54の一部(後述する錘部54c)が収容可能な空間としての切欠部Sを有している。また、切欠部Sの上面側、換言すると壁部52bの上端(ストッパ壁52c)と内レール28の上端との間の隙間(切欠部Sの上面開口)から、球戻り防止部材54の一部(後述する開閉弁54b)が突出するようになっている。
底面部52aには、支軸56の一端部を挿入(支持)可能な第1軸受部52dと、後述する球戻り防止部材54の係合ピンが挿入可能なガイド溝52eと、が形成されている。また、底面部52aには、ネジ穴52fを有し前方に突出するボスと、カバー53の位置決めを可能とする位置決めピン52gと、が設けられている。
カバー53は、略板状となっている。また、カバー53は、ネジ55を挿通可能なネジ挿通孔53aと、本体ケース52の位置決めピン52gを挿入可能なピン挿入孔53bと、支軸56の他端部を挿入(支持)可能な第2軸受部53cと、を有する。そして、本体ケース52の位置決めピン52gがピン挿入孔53bに挿入され、ネジ挿通孔53aに挿通されたねじが本体ケース52のネジ穴52fにねじ込まれることで、カバー53が本体ケース52に取り付けられるようになっている。また、カバー53は、本体ケース52に取り付けられた状態において、切欠部Sの前面側を覆うようになっている。
球戻り防止部材54は、軸孔54aと、開閉弁54bと、錘部54cと、を有する。開閉弁54bおよび錘部54cは、軸孔54aを境にくの字状に屈曲するように形成されている。軸孔54aには支軸56が挿通されており、この支軸56の一端部が底面部52aの第1軸受部52dに係止され、他端部がカバー53の第2軸受部53cに係止されている。これにより、球戻り防止部材54は、本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持される。
開閉弁54bは略矩形板状に形成されており、その長手方向(鉛直方向)の長さは、遊技領域4から境界領域700に戻ってきた遊技球が衝突するのに十分な長さとなっている。開閉弁54bは、案内通路29と対向する第1側面部540bと、第1側面部540bと反対側であって遊技領域4(左打ち領域4a)と対向する第2側面部541bと、を有する(図50参照)。第1側面部540bは、発射装置から発射され、案内通路29を通過した遊技球と衝突する部分である。第2側面部541bは、遊技領域4から案内通路29に戻ろうとする遊技球と衝突する部分である。
開閉弁54bの先端部は先細に形成されている。具体的には、第1側面部540bの鉛直方向の長さは、第2側面部541bの鉛直方向の長さよりも長くなっており、第1側面部540bの先端部から第2側面部541bの先端部に向かって下方傾斜している。また、第2側面部541bの中央部には、遊技領域4に向かって突出する突出部541cが形成されている。
錘部54cは開閉弁54bよりも肉厚であって重量が大きい。錘部54cの背面側には、係合ピンが突設されており、この係合ピンが底面部52aのガイド溝52eに挿入されている。球戻り防止部材54は、上述したように本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持されており、開状態と閉状態との間で変位可能となっている。常態では、球戻り防止部材54は、錘部54cの自重によって支軸56を中心にして一方向(反時計回り)に回動するように付勢されており、係合ピンがガイド溝52eの一端部に当接している。これにより、球戻り防止部材54は、それ以上回動できず、閉状態を維持している。一方で、球戻り防止部材54は、発射装置から発射された遊技球と接触することで、その接触力により支軸56を中心にして他方向(時計回り)に回動して、上述したストッパ壁52cに当接することで開状態となる。なお、球戻り防止部材54は、ストッパ壁52cによって遊技領域4側への回動が規制されるものでなくてもよい。すなわち、ストッパ壁52cは、開状態における球戻り防止部材54と接するものであればよい。なお、接するとは、当接または近接する場合を意味する。
次に、図50および図51を参照して、球戻り防止部材54が、閉状態(第1状態)にあるときの球戻り防止機構50と、開状態(第2状態)にあるときの球戻り防止機構50について説明する。図50は球戻り防止部材54が閉状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図、図51は球戻り防止部材54が開状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図である。
図50に示すように、球戻り防止部材54が閉状態(第1状態)にあるとき、開閉弁54bが切欠部Sの上面開口から境界領域700の出口に向かって略垂直な姿勢で突出している。この状態においては、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外レール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも短く、かつ、最短となっている。なお、この距離は、球戻り防止部材54の開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外レール27までの最短の距離を意味する。そのため、一旦遊技領域4に進入した遊技球Bが、遊技領域4に配設された遊技釘36等に衝突して境界領域700に向かって跳ね戻されても、球戻り防止部材54に衝突することになる。また、球戻り防止部材54は、遊技球Bに衝突されても閉状態を維持するため、反時計回りに回動することもない。よって、球戻り防止部材54は、閉状態にあるとき、遊技領域4に進入した遊技球Bが案内通路29に戻ることを防止する。
図50に示した状態で発射装置から遊技領域4に向かって発射された遊技球Bが案内通路29を上昇し、境界領域700に侵入して開閉弁54bに接触すると、その接触力で球戻り防止部材54は閉状態から開状態に変位可能となる。そして、図51に示すように、球戻り防止部材54は、境界領域700の出口を開放する方向へ回動していき、ストッパ壁52cに衝突すると、それ以上の回動が規制されて開状態(第2状態)となる。この状態においては、開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外レール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも長く、かつ、最長となっている。よって、球戻り防止部材54は、開状態にあるとき、発射装置により発射された遊技球が境界領域700から遊技領域4に進入することを許容する。なお、球戻り防止部材54は、開状態に変位した後、錘部54cの付勢力を受けて逆方向(反時計周り)へ瞬時に回動して再び図50に示した閉状態に変位する。
上述したように、球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54が閉状態にあるときに遊技領域4に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止するように構成されているが、本実施形態では、さらに、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位する途中の状態(第3状態)でも遊技球の案内通路(案内領域)29への戻りを防止できるようになっている。
図52は、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中の状態において、遊技領域4(左打ち領域4a)に進入した遊技球が境界領域700に戻ろうとしている様子を示す、図53および図54は図52に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
図52では、発射装置から遊技領域4に向けて発射された一の遊技球B1(第1遊技球)が、案内通路29から境界領域700に進入し、球戻り防止部材54(開閉弁54b)、外レール27および他の遊技球B2(第2遊技球)に接している。図53では、一の遊技球B1と開閉弁54bの第1側面部540bとの接点を符号P1、外レール27との接点を符号P2、他の遊技球B2との接点を符号P3で示している。
また、他の遊技球B2は、遊技領域4から境界領域700に進入し、球戻り防止部材54の先端部、外レール27および一の遊技球B1に接している。図53では、他の遊技球B2と開閉弁54bの先端部との接点を符号P4、外レール27との接点を符号P5、他の遊技球B2の最下点を符号P6で示している。
図53に示す状態では、球戻り防止部材54の先端部から外レール27までの距離(特定距離、第1特定距離)は、閉状態(図50参照)のときよりも長く開状態(図51参照)のときよりも短くなっている。換言すれば、閉状態と開状態との間の距離になっている。しかも、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外レール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27までの距離H2よりも短い。換言すれば、他の遊技球B2と球戻り防止部材54の先端部との接点P4から外レール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27までの距離H2よりも短い。つまり、球戻り防止部材54の先端部から外レール27に下した垂線L1の長さH1は、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27に下した垂線L2の長さH2よりも短くなっている。
なお、距離H1は、距離H2以下となっていてもよい。
また、図54に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、他の遊技球B2と球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部との接点P4から他の遊技球B2と一の遊技球B1との接点P3までの距離H3が、他の遊技球の最下点P6から接点P3までの距離H4よりも短い。つまり、接点P4と接点P3とを結ぶ線分L3の長さは、最下点P6と接点P3とを結ぶ線分L4の長さよりも短くなっている。
また、図53および図54に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、球戻り防止部材54は、その先端部が他の遊技球B2の最下点P6に至るほど回動していない。具体的には、球戻り防止部材54の先端部は、鉛直方向において遊技球B2の最下点P6よりも高い位置にあり、水平方向において遊技球B2の最下点P6よりも左側(案内通路29側)に位置している。つまり、球戻り防止部材54の先端部は、最下点P6に対して左上に位置している。
上記のような遊技球B1と遊技球B2との衝突後に、遊技球B2が、案内通路29に戻ろうとしても、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部に遊技領域4側から接触することになる。そのため、球戻り防止部材54は、遊技領域4側から案内通路29側に向かう接触力を付与されて反時計回りに回動する可能性が高くなる。したがって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域700の出口を塞いでいき、遊技球B2が案内通路29に戻ることは困難となる。その結果、図52に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時でも、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できる。つまり、遊技球が2球連続して案内通路29に戻ることを抑制できる。
なお、図52に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時において、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外レール27までの距離(特定距離)H1が、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27までの距離H2よりも長くなっていると、その衝突後に遊技球B2が、球戻り防止部材54の先端部と外レール27との間に入り込むことが可能になる。そうすると、遊技球B2は、球戻り防止部材54の先端部にその上方から接触することが可能になるため、球戻り防止部材54は時計回りに回動する可能性が高くなる。よって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域700の出口を開いていき、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できない。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、従来のパチンコ遊技機に比べて、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止について十分な改善が行われているが、以下に示すように、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かりを防止することで更なる戻り防止の改善を図っている。そこで、図55を参照して、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かり防止について説明する。図55は、遊技領域4から境界領域700に戻ってきた遊技球Bが球戻り防止部材54と衝突している状態を示す図である。
図55に示すように、遊技球Bが、遊技領域4から境界領域700に戻ってきて球戻り防止部材54の開閉弁54bおよび本体ケース52と接している。具体的には、遊技球Bは、閉状態にある開閉弁54bの突出部541cと接し、かつ、本体ケース52の上端部(ストッパ壁52c)と接している。図55では、遊技球Bと、開閉弁54bの突出部541cとの接点を符号P7、本体ケース52の上端部との接点をP8で示し、遊技球Bの最左点をP9で示している。
このような状態において、遊技球Bと開閉弁54bの突出部541cとの接点P7は、鉛直方向において遊技球Bの最左点P9よりも下方に位置している。また、遊技球Bと本体ケース52の上端部との接点P8は、水平方向において遊技球Bの最下点P6よりも左側に位置しており、鉛直方向において遊技球Bの最下点P6よりも上方に位置している。つまり、接点P8は、最下点P6に対して左上に位置している。そして、接点P7から接点P8までの距離(第1距離)H5は、遊技球Bの最左点P9から最下点P6までの距離(第2距離)H6よりも短くなっている。
なお、第1距離H5は、第2距離H6以下であってもよい。
そのため、遊技球Bは、本体ケース52における境界領域700と対向する上面側の開口(図49参照)と、開閉弁54bの第2側面部541bにおける突出部541cよりも基端部側の部分と、の間の隙間領域SPに入り込めないようになっている。しかも、図55の点線矢印で示すように、遊技球Bは、球戻り防止部材54との衝突時に、開閉弁54bの突出部541cから右方に力を付与され、本体ケース52の上端部から右斜め上方に力を付与されることで、遊技領域4に跳ね返る。そのため、遊技球Bが隙間領域SP内に入り込むことで球戻り防止機構50の開閉弁54bと本体ケース52との間に引っ掛かかることを防止できる。よって、そのような遊技球Bの引っ掛かりに起因する球戻り防止機構50の戻り防止が損なわれることがない。したがって、球戻り防止機構50の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
なお、開閉弁54bに突出部541cは設けられていなくてもよい。その場合、遊技球Bと、開閉弁54bの第2側面部541bとの接点が符号P7となる。遊技球Bと第2側面部541bとの接点P7は、鉛直方向において遊技球Bの最左点P9よりも下方に位置している。そして、接点P7から接点P8までの距離(第1距離)H5は、遊技球Bの最左点P9から最下点P6までの距離(第2距離)H6よりも短くなっている。
なお、第1距離H5は、第2距離H6以下であってもよい。
したがって、遊技球Bが隙間領域SP内に入り込むことで球戻り防止機構50の開閉弁54bと本体ケース52との間に引っ掛かかることを防止できる。よって、そのような遊技球Bの引っ掛かりに起因する球戻り防止機構50の戻り防止が損なわれることがない。したがって、球戻り防止機構50の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
本体ケース52の上端部(ストッパ壁52c)は、「接部」と言うことができる。接点P8は、遊技球Bと接部との接点と言うことができる。また、接点P7は、遊技球Bと側面部(第2側面部541bあるいは突出部541c)との接点と言うことができる。図55において、
(1)接点P7は、遊技球の最左点(P9)よりも接点P8に近い位置となっている。換言すると、接点P8までの距離を比較した場合、接点P7の方が遊技球の最左点P9よりも接点P8に近くなっている。
(2)接点P8は、遊技球の最下点(P6)よりも接点P7に近い位置となっている。換言すると、接点P7までの距離を比較した場合、接点P8の方が遊技球の最下点P6よりも接点P7に近くなっている。
接点P7は、鉛直方向において遊技球Bの最左点P9よりも下方に位置しており、接点P8は、水平方向において遊技球Bの最下点P6よりも左側に位置していることが望ましい。しかし、第1距離H5が第2距離H6より短い、または、第1距離H5が第2距離H6以下となっていれば、接点P7や接点P8の位置はこれに限定されない。
このように構成された本実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、以下の効果を奏することができる。
球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54が閉状態にあるときに遊技領域4に進入した遊技球が戻ることを防止するだけでなく、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中でも、遊技領域4に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを抑制できる。したがって、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止を向上させることができる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、外レール27と内レール28との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域4に案内する案内通路(案内領域)29と、遊技球が遊技領域4から案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50と、を備え、球戻り防止機構50は、閉状態(第1状態)と、開状態(第2状態)と、に変位可能な開閉弁(変位部材)54bと、開閉弁54bを保持可能な本体ケース(保持部材)52と、を有し、開閉弁54bは、遊技領域4と対向する第2側面部(側面部)541bと、第2側面部541bの先端側の先端部と、を有し、先端部から外レール27までの距離を特定距離とすると、閉状態は、特定距離が開状態よりも短い状態であり、開状態は、特定距離が閉状態よりも長い状態であり、本体ケース52は、開状態において開閉弁54bの第2側面部541bと当接するストッパ壁(接する接部)52cを有し、閉状態において遊技球が本体ケース(保持部材)52(具体的には、本体ケース52のストッパ壁52c)と第2側面部541b(の突出部541c)に接しているときの、遊技球と本体ケース52(ストッパ壁52c)の接点P8から遊技球と第2側面部541b(の突出部541c)の接点P7までの距離を第1距離H5とし、遊技球の最下点P6から最左点P9までの距離を第2距離H6とすると、第1距離H5は、第2距離H6よりも短いことを特徴とする。したがって、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
なお、図56に示すように、球戻り防止機構50(本体ケース52)の右側(遊技領域4側)に、本体ケース52を覆う保護部(保護部材)68をさらに設けてもよい。保護部68は、球戻り防止機構50(本体ケース52)の側面部(右側面部)を保護し、遊技球Bが本体ケース52に衝突し、本体ケース52が破損するのを抑制する機能を有している。保護部68は、例えば、板状のベース部と、ベース部と直交し、ベース部から前方側(紙面手前側)に向かって起立する壁部と、を備えて構成されており、ベース部をアクリル板(盤面)と接触させた状態で、2箇所でねじ締めされて固定されている。
図56は、遊技球Bが、遊技領域4(図50)から境界領域700(図50)に戻ってきて、球戻り防止部材54の開閉弁54bおよび保護部68と接している状態を示している。このように、閉状態において、遊技球Bが、開閉弁54bの側面部(突出部541c)と接点P7で接し、かつ保護部68(の上端部)と接点P8で接し得るようになっていてもよい。
図56に示す状態において、接点P7から接点P8までの距離を第1距離H5とする。また、遊技球Bの最左点P9から最下点P6までの距離を第2距離H6とする。第1距離H5は、第2距離H6よりも短くなっている。なお、第1距離H5は、第2距離H6以下であってもよい。
したがって、遊技球Bが隙間に入り込み、開閉弁54bと保護部68との間に引っ掛かることを防止できる。よって、そのような遊技球Bの引っ掛かりに起因する球戻り防止機構50の戻り防止が損なわれることがない。したがって、球戻り防止機構50の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
図49において、本体ケース52、カバー53および支軸56のうちの少なくとも1つ(例えば本体ケース52)は、球戻り防止部材54の「保持部材(支持部)」と言うことができる。また、球戻り防止部材54は「変位部材(変位部)」と言うことができる。支持部は、変位部を変位可能に支持している。
球戻り防止部材54は、長尺状となっており、一端部側に板状の開閉弁54b(板状部)が設けられ、他端部側に開閉弁54bより厚さが大きい錘部54cが設けられている。
開閉弁54bにおける、外レール27と対向する面(第1側面部540b)を「板側面部」と言うことができる。
錘部54cにおける、外レール27と対向する面を「錘側面部」と言うことができる。
図49に示すように、本体ケース52には、球戻り防止部材54(の一部)を、本体ケース52の外側に出現可能(露出可能)(はみ出し可能)とする開放部60(開口60、隙間60)が設けられている。開放部60は、外レール27と対向している。この開放部60は、球戻り防止部材54の回動を可能にするための開口と言うこともできる。この開放部60には、ストッパ壁52c側(接部側)の端部(上端部61)と、内レール28側の端部(下端部62)と、がある。なお、下端部62を、内レール28の上端部と称してもよい。
図57(a)は、球戻り防止部材54(開閉弁54b)が閉状態(第1状態)となっていて、かつ案内通路29を移動する遊技球B(案内領域から遊技領域に案内される(案内されようとする)遊技球)が、球戻り防止部材54(第1状態)の錘部54c(錘側面部)に接している場合を示している。このように遊技球Bが、球戻り防止部材54(第1状態)の錘部54c(錘側面部)に接し得るようになっていてもよい。このとき、遊技球Bが錘部54c(錘側面部)と接する点を接点Q1(第1接点、第1A接点)とする。また、遊技球Bが、支持部(開放部60の下端部62)と接する接点を接点Q2(第2接点、第2A接点)とする。また、接点Q1から接点Q2までの距離を第3距離(第3A距離)とする。また、遊技球Bの最下点から遊技球Bの最右点までの距離を第4距離とする。第3距離は、第4距離よりも小さく(短く)なっている。なお、第3距離は、第4距離以下となっていてもよい。
このため、遊技球Bが、錘部54cと下端部62(支持部)との間(隙間)に入り込むことがない。これにより、遊技球Bの入り込みに起因して、球戻り防止機構50の戻り防止機能が損なわれるのを抑制できる。換言すると、球戻り防止機構50の戻り防止機能を安定して確保できる。
なお、接点Q2は、遊技球Bの最下点より右側であることが望ましい。また、接点Q1は、遊技球Bの最右点より下側であることが望ましい。ただし、第3距離が第4距離よりも短い関係になっていれば、この限りではない。
図57(b)は、球戻り防止部材54(開閉弁54b)が開状態(第2状態)となっていて、球戻り防止部材54(第2状態)の錘部54cが、開放部60(図49)を介して本体ケース52から最もはみ出している(膨出している、突出している)状態を示している。このとき、錘部54c(錘側面部)から外レール27までの距離(最短距離、幅)を距離T1(第2特定距離)とすると、距離T1は、開閉弁54bの先端部から外レール27までの距離(図57(b)ではT2)よりも小さく(短く)なっている。
なお、図50で示した閉状態(第1状態)は、第1特定距離H1が開状態(第2状態)より短く、第2特定距離T1が開状態(第2状態)より長い。
また、図51で示した開状態(第2状態)は、第1特定距離H1が閉状態(第1状態)より長く、第2特定距離T1が閉状態(第1状態)より短い。
また、図52で示した第3状態は、第1特定距離H1が閉状態(第1状態)より長く開状態(第2状態)より短い。
開状態(第2状態)において、第2特定距離T1は、遊技球Bの直径以上となっている。すなわち、第2状態において、錘部54c(錘側面部)と外レール27との間の通路幅は、遊技球Bの直径以上の長さとなっている。錘部54cが最もはみ出している状態で、遊技球Bが外レール27に接しながら案内通路29を移動した場合、遊技球Bと錘部54cとの間に隙間があるため、遊技球Bは錘部54cに接触することなく移動できる。換言すると、錘部54cによって遊技球Bの移動が妨げられるのを抑制できる。第2状態であっても、遊技領域に案内されようとする遊技球Bが、錘部54cの錘側面部によって不慮の阻害を受け難くすることができる。
図58は、図57(b)に示す状態(第2状態)において、案内通路29を移動する遊技球Bが、球戻り防止部材54(第2状態)の錘部54c(錘側面部)に接している状態を示している。このとき、遊技球B(案内領域から遊技領域に案内されようとする遊技球)が錘部54c(錘側面部)と接する点を接点Q11(第3接点、第1B接点)とする。また、当該遊技球Bが、支持部(開放部60の下端部62(または下端部62の近傍))と接する点を接点Q12(第4接点、第2B接点)とする。また、遊技球Bの中心Xと接点Q11とを結ぶ直線(仮想直線)を直線Y1とし、遊技球Bの中心Xと接点Q12とを結ぶ直線(仮想直線)を直線Y2とし、直線Y1と直線Y2とがなす角を角αとする。また、当該遊技球Bについて、進行方向における最前点を点P10とする。
また、接点Q11(第3接点、第1B接点)から接点Q12(第4接点、第2B接点)までの距離を第5距離(第3B距離)とする。また、接点Q11(第3接点)から当該遊技球Bの最前点P10までの距離を第6距離とする。
なお、発射装置(案内通路29)から遊技領域4に向かう方向を、遊技球Bの進行方向とし、遊技領域4側を進行方向における「前側」と定義する。
遊技球Bの進行方向において、接点Q11は、点P10(進行方向最前点)よりも後ろ側に位置している。換言すると、接点Q11は、遊技球Bの進行方向最前点P10まで至っていない。さらに換言すると、角αは90°未満となっている。また、第5距離は、第6距離より短くなっている。なお、第5距離は、第6距離以下であってもよい。
このため、第2状態において、遊技領域4に向かって移動する遊技球Bが錘部54cに接触した場合であっても、当該接触によって遊技球Bの移動が妨げられるのを抑える(小さくする)ことができる。第2状態であっても、遊技領域に案内されようとする遊技球Bが、錘部54cの錘側面部によって不慮の阻害を受け難くできる。
本実施形態の遊技機は、
外レール(27)と内レール(28)との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域に案内する案内領域(29)と、
遊技球が前記遊技領域から前記案内領域に戻ることを防止する球戻り防止機構(50)と、
第1基板を収容する第1基板ユニット(1200)と、
第2基板を収容する第2基板ユニット(1100)と、
第3基板を収容する第3基板ユニット(401)と、
裏カバー(1000)と、を備え、
前記球戻り防止機構は、第1状態と、第2状態と、に変位可能な変位部材(54b)と、前記変位部材を保持可能な保持部材(52)と、を備え、
前記変位部材は、前記遊技領域と対向する側面部(541b)と、前記側面部の先端側の先端部と、を備え、
前記先端部から前記外レールまでの距離を特定距離とすると、
前記第1状態は、前記特定距離が前記第2状態よりも短い状態であり、
前記第2状態は、前記特定距離が前記第1状態よりも長い状態であり、
前記保持部材は、前記第2状態となった前記変位部材の前記側面部と接する接部(52c)を備え、
前記変位部材が前記第1状態となっており、遊技球が、前記接部と前記側面部とに接している状態において、
遊技球と前記接部との接点(P8)から遊技球と前記側面部との接点(P7)までの距離を第1距離(H5)とし、遊技球の最下点(P6)から遊技球の最左点(P9)までの距離を第2距離(H6)とすると、前記第1距離は、前記第2距離よりも短くなっており、
前記第1基板ユニットは、前記第2基板ユニットより上方に配置され、
前記第2基板ユニットは、前記第3基板ユニットより上方に配置され、
前記第1基板ユニットおよび前記第2基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われ、
前記第3基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われず、
前記第3基板ユニットの後方側の面と、前記裏カバーの後方側の面と、が面一または略面一となるように形成されている。
前記第1距離は、前記第2距離よりも短くなっている。このため、遊技球の引っ掛かりに起因して、前記球戻り防止機構の戻り防止が損なわれることがない。これにより、球戻り防止機構の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域に進入した遊技球の案内領域への戻り防止を向上させることができる。
また、前記第3基板ユニットの後方側の面と、前記裏カバーの後方側の面と、が面一または略面一となるように形成されている。換言すると、遊技機の背面側がフラットな(ほぼ平らな)構成となっている。これにより、筐体を持ち運びする際における引っ掛かり等を抑制し、作業の効率を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
外レール(27)と内レール(28)との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域に案内する案内領域(29)と、
遊技球が前記遊技領域から前記案内領域に戻ることを防止する球戻り防止機構(50)と、
第1基板を収容する第1基板ユニットと、
第2基板を収容する第2基板ユニットと、
第3基板を収容する第3基板ユニットと、
裏カバー(1000)と、を備え、
前記球戻り防止機構は、第1状態と、第2状態と、に変位可能な変位部材(54b)と、前記変位部材を保持可能な保持部材(52)と、を備え、
前記変位部材は、前記遊技領域と対向する側面部(541b)と、前記側面部の先端側の先端部と、を備え、
前記先端部から前記外レールまでの距離を特定距離とすると、
前記第1状態は、前記特定距離が前記第2状態よりも短い状態であり、
前記第2状態は、前記特定距離が前記第1状態よりも長い状態であり、
前記保持部材は、前記第2状態となった前記変位部材の前記側面部と接する接部(52c)を備え、
前記変位部材が前記第1状態となっており、遊技球が、前記接部と前記側面部とに接している状態において、
遊技球と前記接部との接点(P8)から遊技球と前記側面部との接点(P7)までの距離を第1距離(H5)とし、遊技球の最下点(P6)から遊技球の最左点(P9)までの距離を第2距離(H6)とすると、前記第1距離は、前記第2距離よりも短くなっており、
前記第1基板ユニットは、前記第2基板ユニットより上方に配置され、
前記第2基板ユニットは、前記第3基板ユニットより上方に配置され、
前記第1基板ユニット、前記第2基板ユニットおよび前記第3基板ユニットは、後方側から前記裏カバーに覆われ、
前記第1基板ユニット、前記第2基板ユニットおよび前記第3基板ユニットは、基板を収容するケースの後方側の面であるケース面に形成された放熱孔を備え、
前記第1基板ユニットの放熱孔の大きさを第1の大きさ(D1)とし、
前記第3基板ユニットの放熱孔の大きさを第2の大きさ(D2)とし、
前記第2基板ユニットの放熱孔の大きさを第3の大きさ(D3)とすると、
前記第3の大きさが前記第2の大きさより小さく、前記第2の大きさが前記第1の大きさより小さく、
前記第1基板ユニットにおいて、前記ケース面と、前記ケース面と対向する前記第1基板の基板面との間の距離を第1の距離(L1)とし、
前記第3基板ユニットにおいて、前記ケース面と、前記ケース面と対向する前記第3基板の基板面との間の距離を第2の距離(L2)とし、
前記第2基板ユニットにおいて、前記ケース面と、前記ケース面と対向する前記第2基板の基板面との間の距離を第3の距離(L3)とすると、
前記第3の距離が前記第2の距離より大きく、前記第2の距離が前記第1の距離より大きい。
前記第1距離は、前記第2距離よりも短くなっている。このため、遊技球の引っ掛かりに起因して、球戻り防止機構の戻り防止が損なわれることがない。球戻り防止機構の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域に進入した遊技球の案内領域への戻り防止をさらに向上させることができる。
また、前記第3の大きさが前記第2の大きさより小さく、前記第2の大きさが前記第1の大きさより小さく、前記第3の距離が前記第2の距離より大きく、前記第2の距離が前記第1の距離より大きい。すなわち放熱孔の大きさが小さいほど、ケース面と基板面との間の距離が大きくなっている。放熱孔の大きさが小さいほどケースの内部に熱が籠りやすくなるが、その分、ケース面と基板面との間の距離を相対的に大きくすることで、熱が籠ることによりケース内が高温となるのを抑制している。これにより、ケース内に配置されている部品の破損を抑制できる。
(他の基板への適用)
上記各実施形態では、払出制御基板に本発明を適用する例について説明したが、払出制御基板以外の基板に適用してもよい。換言すると、上述した払出制御基板に関係する各構成を、払出制御基板以外の所定の基板(例えば、主制御基板、副制御基板、外部集中端子板など)および当該所定の基板に関係する部材等が有していてもよい。
(スロットマシンへの適用)
上記各実施形態では、遊技価値として遊技球を用いるぱちんこ遊技機に本発明を適用する例について説明したが、遊技価値としてメダルあるいは電子的情報を用いて賭数を設定し、スタートレバーに対する遊技開始操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンに対する停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシン(メダルレス遊技機を含む)に適用してもよい。例えば、スロットマシンにおける所定の基板(例えば、主制御基板、副制御基板等)および当該所定の基板に関係する部材等が、上述の払出制御基板に関係する各構成を有していてもよい。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の任意の変形、もしくは各構成要素の省略等が可能である。また本発明は、ぱちんこ遊技機に限ることなく、スロットマシン、遊技者が遊技球に触れることなく遊技を行う構造となった管理ぱちんこ機、遊技者が遊技メダルを用いることなく遊技を行う構造となった管理スロットマシン等の他の遊技機にも適用できる。