JP2024004377A - 炭素含有膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エッチング耐性が高く低ストレスな炭素含有膜の形成方法を提供する。【解決手段】基板に第1の炭素含有膜を形成する第1の工程と、前記第1の炭素含有膜の表層を改質する第2の工程と、を含み、前記第1の工程で形成した前記第1の炭素含有膜は第1の膜応力を有し、前記第2の工程で改質した前記第1の炭素含有膜は第2の膜応力を有し、前記第1の膜応力と前記第2の膜応力との差は、±100MPa以下である、炭素含有膜の形成方法。【選択図】図6

Description

本開示は、炭素含有膜の形成方法に関する。
特許文献1には、処理容器内に基板を配置する工程と、前記処理容器内に炭素と水素と酸素とを含む処理ガスを供給する工程と、前記処理容器内の基板を加熱して前記処理ガスを分解し、基板上にアモルファスカーボン膜を堆積する工程とを有することを特徴とするアモルファスカーボン膜の成膜方法が開示されている。
特開2007-224383号公報
一の側面では、本開示は、エッチング耐性が高く低ストレスな炭素含有膜の形成方法を提供する。
上記課題を解決するために、一の態様によれば、基板に第1の炭素含有膜を形成する第1の工程と、前記第1の炭素含有膜の表層を改質する第2の工程と、を含み、前記第1の工程で形成した前記第1の炭素含有膜は第1の膜応力を有し、前記第2の工程で改質した前記第1の炭素含有膜は第2の膜応力を有し、前記第1の膜応力と前記第2の膜応力との差は、±100MPa以下である、炭素含有膜の形成方法を提供することができる。
一の側面によれば、エッチング耐性が高く低ストレスな炭素含有膜の形成方法を提供することができる。
レジスト塗布装置の構成図の一例。 電子線照射装置の構成図の一例。 イオン注入装置の構成図の一例。 プラズマ処理装置の構成図の一例。 炭素含有膜形成方法を説明するフローチャートの一例。 基板に形成される炭素含有膜の状態を示す断面模式図の一例。 電子線照射とKrFレジスト膜の膜厚との関係を示すグラフの一例。 電子線照射とSOC膜の膜厚との関係を示すグラフの一例。 KrFレジスト膜のラマン分光分析の結果の一例を示すグラフ。 イオン注入とKrFレジスト膜の膜厚との関係を示すグラフの一例。 SOC膜のラマン分光分析の結果の一例を示すグラフ。 イオン注入とSOC膜の膜厚との関係を示すグラフの一例。 KrFレジスト膜のエッチングレートと膜応力との関係を示すグラフの一例。 SOC膜のエッチングレートと膜応力との関係を示すグラフの一例。 炭素含有膜における膜応力とエッチングレートの関係を示すグラフの一例。 基板に形成される炭素含有膜の他の構成の状態を示す断面模式図の一例。 炭素含有膜を形成した際の基板の反りを説明する基板Wの断面模式図。 基板の反りを抑制して炭素含有膜を形成する処理を説明する基板Wの断面模式図の一例。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
<レジスト塗布装置100>
まず、半導体ウエハ等の基板Wに炭素含有膜を形成する成膜装置としてのレジスト塗布装置100について、図1を用いて説明する。図1は、レジスト塗布装置100の構成図の一例である。なお、基板Wに形成される炭素含有膜は、例えば、基板Wにエッチング処理を施す際にハードマスクとして用いられる。
レジスト塗布装置100は、ケーシング120を有する。ケーシング120内の中央部には、基板Wを保持するスピンチャック130が設けられている。スピンチャック130は、水平な上面を有し、当該上面には、例えば基板Wを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、スピンチャック130は、スピンチャック130の上面に基板Wを吸着保持可能に構成される。スピンチャック130は、吸引による吸着保持に限られるものではなく、例えば、基板Wのエッジ部を機械的に押圧して保持するものであってもよい。
スピンチャック130は、例えばモータなどを備えたチャック駆動機構131を有する。チャック駆動機構131は、スピンチャック130を所定の速度に回転可能に構成される。また、チャック駆動機構131は、シリンダなどの昇降駆動源を有する。チャック駆動機構131の昇降駆動源は、スピンチャック130を上下動可能に構成される。
スピンチャック130の周囲には、基板Wから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ132が設けられている。カップ132の下面には、回収した液体を排出する排出管133と、カップ132内の雰囲気を排気する排気管134と、が接続されている。
アーム141は、レール(図示せず)に沿って水平方向に移動可能に構成される。アーム141には、塗布液としてのレジスト液を吐出するレジスト液ノズル143が支持されている。
レジスト液ノズル143には、レジスト液供給源146に連通する供給管147が接続されている。本実施の形態におけるレジスト液供給源146には、レジスト液が貯留されている。また、供給管147には、バルブ148が設けられており、このバルブ148の開閉により、レジスト液の吐出をON・OFF可能に構成される。
チャック駆動機構131によるスピンチャック130の回転動作は、制御部160により制御されている。また、アーム141によるレジスト液ノズル143の移動動作、バルブ148によるレジスト液ノズル143のレジスト液の吐出のON・OFF動作も、制御部160により制御されている。制御部160は、例えばCPUやメモリなどを備えたコンピュータにより構成され、例えばメモリに記憶されたプログラムを実行することによって、レジスト塗布装置100におけるレジスト塗布処理、乾燥処理等を実現できる。
レジスト塗布処理において、制御部160は、チャック駆動機構131を制御して基板Wを吸着したスピンチャック130を高速回転させ、アーム141及びバルブ148を制御して基板Wの表面の中心にレジスト液ノズル143からレジスト液を供給する。これにより、遠心力によって基板Wの外周側へレジスト液を拡散し、基板Wの表面にレジスト液を塗布する。
ここで、レジスト液としては、炭素(C)を含有するレジスト液を用いることができる。炭素(C)を含有するレジスト液としては、KrFレジスト膜を形成するレジスト液、SOC(Spin-on Carbon)膜を形成するレジスト液等を用いることができる。KrFレジスト膜を形成するレジスト液として、例えば、乳酸エチルと芳香族アクリル樹脂との混合液を用いることができる。また、SOC膜を形成するレジスト液として、例えば、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGEE(プロピレングリコールモノエチルエーテル)、樹脂成分、添加剤等の混合液を用いることができる。また、SOC膜を形成する際レジスト液として、例えば、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、シクロヘキサノン、樹脂成分、添加剤等の混合液を用いることができる。
乾燥処理において、制御部160は、アーム141及びバルブ148を制御してレジスト液の供給を停止し、チャック駆動機構131を制御して基板Wを吸着したスピンチャック130を高速回転させる。これにより、基板Wに塗布されたレジスト液を乾燥させる。
このように、レジスト塗布処理及び乾燥処理によって、基板Wの表面にはレジスト液の塗布膜が形成される。また、炭素(C)を含有するレジスト液を用いることにより、レジスト塗布装置100は、基板Wの表面に炭素含有膜(有機膜ともいう。)を形成する。
なお、塗布膜が形成された基板Wは、レジスト塗布装置100からベイク装置(図示せず)に搬送される。ベイク装置は、基板Wを載置する載置部と、載置部に載置された基板Wを加熱する加熱部と、を有する。ベイク装置では、基板Wをベイク(加熱)することにより、基板Wの表面に形成された炭素含有膜(レジスト液の塗布膜)を固化、もしくは重合させ、余分な溶剤を除去する。
<電子線照射装置200>
次に、炭素含有膜が形成された基板Wに電子線を照射する電子線照射装置200について、図2を用いて説明する。図2は、電子線照射装置200の構成図の一例である。
電子線照射装置200は、電源210と、フィラメント221を有する真空チャンバ220と、基板Wを配置する大気チャンバ230と、を有する。また、真空チャンバ220と大気チャンバ230との間には、電子線が通過可能な窓箔240が設けられている。電源210は、フィラメント221に電圧を印加する。これにより、フィラメント221から電子が放出される。また、電源210は、電子を加速する高電圧を発生させる。なお、加速された電子線を矢印で模式的に示す。これにより、電子線照射装置200は、高速の電子線を基板Wに照射する。
<イオン注入装置300>
次に、炭素含有膜が形成された基板Wにイオンを注入するイオン注入装置300について図3を用いて説明する。図3は、イオン注入装置300の構成図の一例である。
イオン注入装置300は、高電圧部310と、輸送部320と、プロセスチャンバ330と、を有する。高電圧部310は、イオン発生源、イオン引き出し部、質量分析部及びスリットを有する。イオン発生源は、基板Wに注入するイオンを発生させる。イオン引き出し部は、イオン発生源から発生したイオンを引き出す。質量分析部は、磁界によってイオンの進行方向を曲げる。そして、イオンがスリットを通過することにより、所望のイオンを抽出する。輸送部320は、加速部及び走査部を有する。加速部は、スリットを通過したイオンを加速する。走査部は、加速されたイオンビームを走査する。プロセスチャンバ330内には、基板Wが配置される。イオンビーム走査部で走査されたイオンビームは、基板Wに照射される。これにより、イオン注入装置300は、イオンを基板Wに注入する。
<プラズマ処理装置400>
次に、半導体ウエハ等の基板Wに炭素含有膜を形成し、炭素含有膜が形成された基板Wにプラズマを照射するプラズマ処理装置400について、図4を用いて説明する。図4は、プラズマ処理装置400の構成図の一例である。なお、基板Wに形成される炭素含有膜は、例えば、基板Wにエッチング処理を施す際にハードマスクとして用いられる。
プラズマ処理装置400は、内壁面に陽極酸化処理が施されたアルミニウム等によって略円筒状に形成されたチャンバ1を有する。チャンバ1は、接地されている。チャンバ1の内部には、サセプタ2が設けられている。サセプタ2は、チャンバ1の中央下部に設けられた略円筒状の支持部材3により支持されている。サセプタ2は、基板Wを水平に支持するための載置台(ステージ)であり、例えば窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス材料、または、アルミニウムやニッケル合金等の金属材料等で形成されている。サセプタ2は、支持部材3を介して接地されている。
サセプタ2の外縁部には、基板Wをガイドするためのガイドリング4が設けられる。また、サセプタ2には、モリブデン等の高融点金属で構成されたヒータ5が埋め込まれる。ヒータ5には、ヒータ電源6が接続されている。ヒータ5は、ヒータ電源6から供給された電力によって、サセプタ2に支持された基板Wを予め定められた温度に加熱する。
チャンバ1の天壁1aには、絶縁部材9を介してシャワーヘッド10が設けられている。本実施形態におけるシャワーヘッド10は、プリミックスタイプのシャワーヘッドであり、ベース部材11と、シャワープレート12とを有する。シャワープレート12の外周部は、貼り付き防止用の略円環状をなす中間部材13を介して、ベース部材11に固定されている。
シャワープレート12は、フランジ状をなし、シャワープレート12の内部には、凹部が形成されている。即ち、ベース部材11とシャワープレート12との間には、ガス拡散空間14が形成されている。ベース部材11の外周部にはフランジ部11aが形成されており、ベース部材11は、フランジ部11aを介して絶縁部材9に支持されている。
シャワープレート12には、複数のガス吐出孔15が形成されている。ベース部材11の略中央付近には、ガス導入孔16が形成されている。ガス導入孔16は、配管30を介してガス供給機構20に接続されている。
ガス供給機構20は、炭素含有ガス(例えば、C:xは1以上、yは0以上の整数)の供給源21aと、希ガスの供給源21bと、水素含有ガス(例えば、H)の供給源21cとを有する。本実施形態において、希ガスは、例えばArガスである。
供給源21aは、バルブ22a、マスフローコントローラ(MFC)23a、およびバルブ24aを介して配管30に接続されている。供給源21bは、バルブ22b、MFC23b、およびバルブ24bを介して配管30に接続されている。供給源21cは、バルブ22c、MFC23c、およびバルブ24cを介して配管30に接続されている。配管30を介してガス拡散空間14内の供給された処理ガスは、ガス拡散空間14内を拡散し、ガス吐出孔15を介してチャンバ1内にシャワー状に吐出される。
ベース部材11には、整合器44を介して、RF(Radio Frequency)電源45が接続されている。RF電源45は、整合器44を介してプラズマ生成用のRF電力をベース部材11に供給する。ベース部材11に供給されたRF電力は、中間部材13およびシャワープレート12を介してチャンバ1内に放射される。チャンバ1内に放射されたRF電力によって、チャンバ1内に供給された処理ガス(例えば、水素含有ガス)がプラズマ化される。これにより、水素含有ガスのプラズマを生成して、基板Wに処理ガスのプラズマを照射する。本実施形態において、シャワーヘッド10は、平行平板電極の上部電極としても機能する。一方、サセプタ2は、平行平板電極の下部電極としても機能する。なお、RF電力の供給は、上部電極のみへの供給に限らない。例えば、上部電極、および、下部電極の両方に供給してもよいし、上部電極や下部電極に周波数の異なる2周波を供給してもよい。
シャワーヘッド10のベース部材11には、ヒータ47が設けられている。ヒータ47には、ヒータ電源48が接続されている。ヒータ47は、ヒータ電源48から供給された電力によってシャワーヘッド10を予め定められた温度に加熱する。これにより、シャワープレート12は、例えば350℃以上に加熱される。ベース部材11上面には、断熱部材49が設けられている。なお、シャワープレート12を加熱する手段は、ヒータに限らない。例えば、シャワーヘッド10に冷媒流路を設けてチラーなどの冷媒機器を用いて加熱してもよい。
チャンバ1の底壁1bにおける略中央部には、略円形の開口部50が形成されている。底壁1bの開口部50には、開口部50を覆うように下方に向けて突出する排気室51が設けられている。排気室51は、内壁51aの面に陽極酸化処理が施されたアルミニウム等によって形成されている。排気室51は、チャンバ1を介して接地されている。排気室51の側壁には排気管52が接続されている。排気管52には、真空ポンプを含む排気装置53が接続されている。排気装置53により、チャンバ1内を予め定められた真空度まで減圧することができる。
なお、チャンバ1内で処理ガスがプラズマ化されると、プラズマに含まれる活性種の一部が排気室51内にも流れる。これにより、排気室51の内壁51aにも金属元素を含む膜が堆積物となって付着する。
サセプタ2には、基板Wを昇降させるための複数(たとえば、3本)のリフトピン54が、サセプタ2の表面に対して突没可能に設けられている。複数のリフトピン54は、支持板55によって支持されている。支持板55は、駆動機構56の駆動により昇降する。支持板55が昇降することにより、複数のリフトピン54が昇降する。
チャンバ1の側壁には、チャンバ1と隣接して設けられた図示しない基板搬送室との間で基板Wの搬送を行うための搬送口57が設けられている。搬送口57は、ゲートバルブ58によって開閉される。
プラズマ処理装置400は、制御装置60を備える。制御装置60は、例えばコンピュータであり、制御部61と記憶部62とを有する。記憶部62には、プラズマ処理装置400において実行される各種の処理を制御するプログラム等が予め格納されている。制御部61は、記憶部62に記憶されたプログラムを読み出して実行することによってプラズマ処理装置400の各部を制御する。また、制御装置60は、ユーザインターフェース63に接続される。制御装置60は、例えば記憶部62に記憶されたプログラムを実行することによって、プラズマ処理装置400における炭素含有膜の形成処理、プラズマ照射処理等を実現できる。
炭素含有膜の形成処理において、制御装置60は、排気装置53を制御してチャンバ1内を所定の真空雰囲気に減圧し、ヒータ電源6を制御してサセプタ2に支持された基板Wを所定の温度に加熱し、ガス供給機構20を制御してチャンバ1内に炭素含有膜の成膜ガスとしての炭素含有ガス、反応ガスとしての水素含有ガス、及び、希釈ガスとしての希ガスを供給する。これにより、プラズマ処理装置400は、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法によって基板Wの表面に炭素含有膜(有機膜ともいう。)を形成する。
プラズマ照射工程において、制御装置60は、排気装置53を制御してチャンバ1内を所定の真空雰囲気に減圧し、RF電源45を制御してプラズマ生成用のRF電力をベース部材11に供給し、ガス供給機構20を制御してチャンバ1内に水素含有ガス及び希ガスを供給することにより、チャンバ1内に水素プラズマを生成する。これにより、プラズマ処理装置400は、炭素含有膜が形成された基板Wにプラズマを照射する。
次に、基板Wの上に炭素含有膜を形成する形成方法について、図5及び図6を用いて説明する図5は、基板Wの上に炭素含有膜を形成する炭素含有膜形成方法を説明するフローチャートの一例である。図6は、基板Wに形成される炭素含有膜の状態を示す断面模式図の一例である。
ステップS101において、基板Wの上に炭素含有膜(第1の炭素含有膜)610を形成する。図6(a)は、ステップS101における基板Wに形成される炭素含有膜610の状態を示す断面模式図の一例である。
ここでは、例えば、レジスト塗布装置100(図1参照)及びベイク装置(図示せず)を用いて、基板Wのシリコン層600の上に炭素含有膜610を形成する。炭素含有膜610として、例えばKrFレジスト膜、SOC膜等のうちいずれかが形成される。
ステップS102において、基板Wの上の炭素含有膜610の表層を改質する硬質化処理(改質処理)を施す。図6(b)は、ステップS102における基板Wに形成される炭素含有膜620の状態を示す断面模式図の一例である。
ここでは、硬質化処理として、例えば、電子線照射装置200(図2参照)を用いて基板Wに形成された炭素含有膜610に電子線照射する。または、イオン注入装置300(図3参照)を用いて基板Wに形成された炭素含有膜610にイオン注入する。
炭素含有膜610(図6(a)参照)は、硬質化処理(電子線照射またはイオン注入)されることにより、炭素含有膜620は、基板Wの側(下層)の炭素含有膜(第1領域)621と、炭素含有膜620の表層の側(上層)であって改質された炭素含有膜(第2領域)622と、の2層が形成される。下層の炭素含有膜621は、硬質化処理(電子線照射またはイオン注入)が施されていない領域であり、炭素含有膜610と同様に膜応力の低い(低ストレス)特性を有する。上層の炭素含有膜622は、硬質化処理(電子線照射またはイオン注入)が施された領域であり、炭素含有膜610よりも膜密度が高く、膜応力が高く(高ストレス)、高いドライエッチング耐性を有する。
なお、レジスト塗布装置100を用い、塗布(スピンコート)によって基板Wに炭素含有膜を形成するものとして説明したが、これに限られるものではない。プラズマ処理装置400(図4参照)を用い、CVD法によって基板Wに炭素含有膜を形成してもよい。
また、炭素含有膜610に硬質化処理は、電子線照射、イオン注入に限られるものではなく、プラズマ照射であってもよい。プラズマ処理装置400(図4参照)を用い、基板Wに水素プラズマを照射することにより、基板Wの上の炭素含有膜610に硬質化処理を施してもよい。
ここで、塗布(スピンコート)によって基板Wに形成した炭素含有膜610に電子線照射またはイオン注入の硬質化処理を施した炭素含有膜620について、図7から図12を用いて説明する。以下の説明において、炭素含有膜は、KrFレジスト膜及びSOC膜について説明する。
まず、KrFレジスト膜に電子線を照射した測定結果について、図7を用いて説明する。図7は、電子線照射とKrFレジスト膜の膜厚との関係を示すグラフの一例である。図7では、未処理(non)のKrFレジスト膜、吸収線量10kGyの電子線を照射したKrFレジスト膜、吸収線量100kGyの電子線を照射したKrFレジスト膜、吸収線量1000kGyの電子線を照射したKrFレジスト膜、について膜厚(THICKNESS(nm))を棒グラフの長さで示す。また、未処理(non)のKrFレジスト膜を基準として、電子線を照射したKrFレジスト膜の縮小した割合(%)を記す。
図7に示すように、電子線を照射したKrFレジスト膜(炭素含有膜)において、膜厚が減少することが確認できた。換言すれば、膜厚が減少した分、膜密度が高くなることを示す。なお、図示は省略するが、KrFレジスト膜を形成した基板Wの断面のSEM画像において、炭素含有膜中を上層と下層の二層構造は見られなかった。また、ラマン分光分析の結果において、検出された波形には、未処理(non)のKrFレジスト膜と、電子線を照射したKrFレジスト膜との間に、大きな変化はみられなかった。
次に、SOC膜に電子線を照射した測定結果について、図8を用いて説明する。図8は、電子線照射とSOC膜の膜厚との関係を示すグラフの一例である。図8では、未処理(non)のSOC膜、吸収線量10kGyの電子線を照射したSOC膜、吸収線量100kGyの電子線を照射したSOC膜、吸収線量1000kGyの電子線を照射したSOC膜、について膜厚(THICKNESS(nm))を棒グラフの長さで示す。また、未処理(non)のSOC膜を基準として、電子線を照射したSOC膜の縮小した割合(%)を記す。
図8に示すように、電子線を照射したSOC膜(炭素含有膜)において、膜厚が減少することが確認できた。換言すれば、膜厚が減少した分、膜密度が高くなることを示す。なお、図示は省略するが、SOC膜を形成した基板Wの断面のSEM画像において、炭素含有膜中を上層と下層の二層構造は見られなかった。また、ラマン分光分析の結果において、検出された波形には、未処理(non)のSOC膜と、電子線を照射したSOC膜との間に、大きな変化はみられなかった。
次に、KrFレジスト膜にイオンを注入した測定結果について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、KrFレジスト膜のラマン分光分析の結果の一例を示すグラフである。(a)は未処理(non)の炭素含有膜610の結果を示し、(b)はC(炭素)をイオン注入した結果を示し、(c)はAr(アルゴン)をイオン注入した結果を示し、(d)はXe(キセノン)をイオン注入した結果を示す。
ここで、イオン注入装置300を用いて基板Wにイオン注入をする際、イオンの注入エネルギーが小さいと炭素含有膜の浅い位置(炭素含有膜の表面に近い位置)にイオン注入され、イオンの注入エネルギーが大きいと炭素含有膜の深い位置(炭素含有膜の表面から離れた位置)にイオン注入される。このため、注入エネルギーにおける注入量を制御することにより、炭素含有膜の表面から所定の深さまで略均一にイオン注入し、所定の深さから下にはイオン注入が抑制される。これにより、図6(b)に示すように、イオンが注入されていない炭素含有膜621と、イオンが注入された炭素含有膜622と、を形成することができる。
なお、C(炭素)をイオン注入する場合、注入エネルギーは、例えば、1~20[keV]、注入量は、例えば、1×1014~5×1014[atoms/cm]の範囲を用いることができる。また、Ar(アルゴン)をイオン注入する場合、注入エネルギーは、例えば、1~100[keV]、注入量は、例えば、5×1014~5×1016[atoms/cm]の範囲を用いることができる。また、Xe(キセノン)をイオン注入する場合、注入エネルギーは、例えば、1~200[keV]、注入量は、例えば、1×1014~5×1015[atoms/cm]の範囲を用いることができる。
(a)から(d)を対比して示すように、(b)から(d)において白抜き矢印で示す位置にピークを確認できた。このピークは、DLC(diamond-like carbon)が形成されていることを示す。換言すれば、KrFレジスト膜にCイオン、ArイオンまたはXeイオンを注入することにより、炭素含有膜がPLC(polymer-like carbon)からDLC(diamond-like carbon)に変化が進んだことを示している。
図10は、イオン注入とKrFレジスト膜の膜厚との関係を示すグラフの一例である。図10では、未処理(non)のKrFレジスト膜、C(炭素)をイオン注入したKrFレジスト膜、Ar(アルゴン)をイオン注入したKrFレジスト膜、Xe(キセノン)をイオン注入したKrFレジスト膜、について膜厚(THICKNESS(nm))を棒グラフの長さで示す。また、未処理(non)のKrFレジスト膜を基準として、イオン注入したKrFレジスト膜の縮小した割合(%)を記す。
図10に示すように、イオン注入したKrFレジスト膜(炭素含有膜)において、膜厚が減少することが確認できた。換言すれば、膜厚が減少した分、膜密度が高くなることを示す。なお、図示は省略するが、KrFレジスト膜を形成した基板Wの断面のSEM画像において、イオン注入したKrFレジスト膜では、下層の炭素含有膜621と上層の炭素含有膜622の二層構造に変化することが確認できた。
次に、SOC膜にイオンを注入した測定結果について、図11及び図12を用いて説明する。図11は、SOC膜のラマン分光分析の結果の一例を示すグラフである。(a)は未処理(non)の炭素含有膜610の結果を示し、(b)はC(炭素)をイオン注入した結果を示し、(c)はAr(アルゴン)をイオン注入した結果を示し、(d)はXe(キセノン)をイオン注入した結果を示す。
ここで、前述のように、注入エネルギーにおける注入量を制御することにより、炭素含有膜の表面から所定の深さまで略均一にイオン注入し、所定の深さから下にはイオン注入が抑制される。これにより、図6(b)に示すように、イオンが注入されていない炭素含有膜621と、イオンが注入された炭素含有膜622と、を形成することができる。
なお、C(炭素)をイオン注入する場合、注入エネルギーは、例えば、1~20[keV]、注入量は、例えば、1×1014~5×1014[atoms/cm]の範囲を用いることができる。また、Ar(アルゴン)をイオン注入する場合、注入エネルギーは、例えば、1~100[keV]、注入量は、例えば、5×1014~5×1016[atoms/cm]の範囲を用いることができる。また、Xe(キセノン)をイオン注入する場合、注入エネルギーは、例えば、1~200[keV]、注入量は、例えば、1×1014~5×1015[atoms/cm]の範囲を用いることができる。
(a)から(d)を対比して示すように、(c)及び(d)において白抜き矢印で示す位置にピークを確認できた。このピークは、DLC(diamond-like carbon)が形成されていることを示す。換言すれば、SOC膜にArイオンまたはXeイオンを注入することにより、炭素含有膜がPLC(polymer-like carbon)からDLC(diamond-like carbon)に変化が進んだことを示している。
図12は、イオン注入とSOC膜の膜厚との関係を示すグラフの一例である。図12では、未処理(non)のSOC膜、C(炭素)をイオン注入したSOC膜、Ar(アルゴン)をイオン注入したSOC膜、Xe(キセノン)をイオン注入したSOC膜、について膜厚(THICKNESS(nm))を棒グラフの長さで示す。また、未処理(non)のSOC膜を基準として、イオン注入したSOC膜の縮小した割合(%)を記す。
図12に示すように、イオン注入したSOC膜(炭素含有膜)において、膜厚が減少することが確認できた。換言すれば、膜厚が減少した分、膜密度が高くなることを示す。なお、図示は省略するが、SOC膜を形成した基板Wの断面のSEM画像において、イオン注入したSOC膜では、下層の炭素含有膜621と上層の炭素含有膜622の二層構造に変化することが確認できた。
図13は、KrFレジスト膜のエッチングレートと膜応力との関係を示すグラフの一例である。(a)は未処理(non)のKrFレジスト膜、(b)は吸収線量10kGyの電子線を照射したKrFレジスト膜、(c)は吸収線量100kGyの電子線を照射したKrFレジスト膜、(d)は吸収線量1000kGyの電子線を照射したKrFレジスト膜、(e)はC(炭素)をイオン注入したKrFレジスト膜、(f)はAr(アルゴン)をイオン注入したKrFレジスト膜、(g)はXe(キセノン)をイオン注入したKrFレジスト膜を示す。なお、(b)から(d)に示す電子線を照射したKrFレジスト膜は図7に示す電子線を照射したKrFレジスト膜に対応する。また、(e)から(g)に示すイオンを注入したKrFレジスト膜は図9,10に示すイオンを注入したKrFレジスト膜に対応する。
また、ドライエッチング条件におけるKrFレジスト膜のエッチングレート(Dry Etching Rate(nm/min))を棒グラフの長さで示す。また、膜応力(tensile Stress(MPa))を白抜き丸印で示す。
(a)と(b)~(d)を対比して示すように、KrFレジスト膜に電子線を照射することにより、エッチングレートが低下する、換言すればエッチング耐性が向上することが確認できた。また、(a)と(e)~(g)を対比して示すように、KrFレジスト膜にイオン注入することにより、エッチングレートが低下する、換言すればエッチング耐性が向上することが確認できた。なお、照射するイオンは、Ar、Xeがより好ましい。
図示は省略するが、(b)~(d)に示す電子線を照射したKrFレジスト膜の膜応力は、未処理(non)のKrFレジスト膜と同程度である。また、図示は省略するが、(e)に示す炭素(C)をイオン注入したKrFレジスト膜の膜応力は、(f)に示すAr(アルゴン)をイオン注入したKrFレジスト膜の膜応力より小さいまたは同程度である。(f)に示すAr(アルゴン)をイオン注入したKrFレジスト膜の膜応力は、(g)に示すXe(キセノン)をイオン注入したKrFレジスト膜の膜応力より小さい。
ここで、(a)に示す未処理(non)の炭素含有膜(KrFレジスト膜)の膜応力(第1の膜応力)と、(b)~(g)に示す硬質化処理(改質処理)を施した炭素含有膜(KrFレジスト膜)の膜応力(第2の膜応力)と、の差は、±100MPa以下(第1の膜応力と第2の膜応力と差が-100MPa以上100MPa以下。第1の膜応力と第2の膜応力との差の絶対値が100MPa以下)とすることが好ましい。また、硬質化処理(改質処理)を施した炭素含有膜(KrFレジスト膜)の膜応力(第2の膜応力)は、±100MPa以下とすることが好ましい。換言すれば、圧縮応力(Compressive Stress)を正、引張応力(Tensile Stress)を負とした場合、第2の膜応力は、-100MPa以上100MPa以下とすることが好ましい。これにより、エッチング耐性が高く低ストレスな炭素含有膜を形成することができる。
図14は、SOC膜のエッチングレートと膜応力との関係を示すグラフの一例である。(a)は未処理(non)のSOC膜、(b)は吸収線量10kGyの電子線を照射したSOC膜、(c)は吸収線量100kGyの電子線を照射したSOC膜、(d)は吸収線量1000kGyの電子線を照射したSOC膜、(e)はC(炭素)をイオン注入したSOC膜、(f)はAr(アルゴン)をイオン注入したSOC膜、(g)はXe(キセノン)をイオン注入したSOC膜を示す。なお、(b)から(d)に示す電子線を照射したSOC膜は図8に示す電子線を照射したSOC膜に対応する。また、(e)から(g)に示すイオンを注入したSOC膜は図11,12に示すイオンを注入したSOC膜に対応する。
また、ドライエッチング条件におけるSOC膜のエッチングレート(Dry Etching Rate(nm/min))を棒グラフの長さで示す。また、膜応力(Compressive Stress(MPa))を白抜き丸印で示す。
(a)と(b)~(d)を対比して示すように、SOC膜に電子線を照射することにより、エッチングレートが低下する、換言すればエッチング耐性が向上することが確認できた。また、(a)と(e)~(g)を対比して示すように、SOC膜にイオン注入することにより、エッチングレートが低下する、換言すればエッチング耐性が向上することが確認できた。なお、照射するイオンは、Ar、Xeがより好ましい。
図示は省略するが、(b)~(d)に示す電子線を照射したSOC膜の膜応力は、未処理(non)のSOC膜と同程度である。また、図示は省略するが、(e)に示す炭素(C)をイオン注入したSOC膜の膜応力は、(f)に示すAr(アルゴン)をイオン注入したSOC膜の膜応力より小さいまたは同程度である。(f)に示すAr(アルゴン)をイオン注入したSOC膜の膜応力は、(g)に示すXe(キセノン)をイオン注入したSOC膜の膜応力より小さい。
ここで、(a)に示す未処理(non)の炭素含有膜(SOC膜)の膜応力(第1の膜応力)と、(b)~(g)に示す硬質化処理(改質処理)を施した炭素含有膜(SOC膜)の膜応力(第2の膜応力)と、の差は、±100MPa以下(第1の膜応力と第2の膜応力と差が-100MPa以上100MPa以下。第1の膜応力と第2の膜応力との差の絶対値が100MPa以下)とすることが好ましい。また、硬質化処理(改質処理)を施した炭素含有膜(KrFレジスト膜)の膜応力(第2の膜応力)は、±100MPa以下とすることが好ましい。換言すれば、圧縮応力(Compressive Stress)を正、引張応力(Tensile Stress)を負とした場合、第2の膜応力は、-100MPa以上100MPa以下とすることが好ましい。これにより、エッチング耐性が高く低ストレスな炭素含有膜を形成することができる。
図15は、炭素含有膜における膜応力とエッチングレートの関係を示すグラフの一例である。図15の実線は、各種の炭素含有膜の材料における膜応力とエッチングレートの関係を示す。炭素含有膜は膜密度が高くなるほど、エッチング耐性が向上する。ここで、図15の実線に示すように、エッチング耐性が高くなるほど(エッチングレートが低くなるほど)、膜応力が高くなる。即ち、エッチング耐性と膜応力はトレードオフの関係となり、炭素含有膜の材料の選択によって高エッチング耐性と低膜応力を両立させることは困難である。
これに対し、本実施形態の炭素含有膜形成方法によって形成された炭素含有膜620は、図6(b)に示すように、低膜応力の炭素含有膜621と高エッチング耐性の炭素含有膜622との2層構造とすることにより、高エッチング耐性と低膜応力を両立させる。これにより、本実施形態の炭素含有膜形成方法によって形成された炭素含有膜620の特性は、図15の菱形マーカーで示すように、低膜応力と高いエッチング耐性を両立する領域(破線で示す領域)とすることができる。
なお、基板Wに形成される炭素含有膜の構成は、図6(b)に示す構成に限られるものではない。図16は、基板Wに形成される炭素含有膜の他の構成の状態を示す断面模式図の一例である。
次に、本発明の他の実施形態を図16に示す。図16(a)に示す炭素含有膜の構成では、基板Wの上に炭素含有膜610を形成する工程(第1の工程、S101)と、炭素含有膜610に硬質化処理(改質処理)を施して炭素含有膜621と炭素含有膜622との2層構造を有する炭素含有膜620を形成する工程(第2の工程、S102)と、を交互に繰り返す。このように、炭素含有膜620を複数積層して炭素含有膜を形成してもよい。これにより、高エッチング耐性の炭素含有膜622と低応力の炭素含有膜621が交互に配置されることにより、低膜応力と高いエッチング耐性を両立することができる。
また、図16(b)に示す構成では、まず、基板Wの上に炭素含有膜(第1の炭素含有膜)610を形成する工程(第1の工程、S101)と、炭素含有膜(第1の炭素含有膜)610に硬質化処理(改質処理)を施して炭素含有膜621と炭素含有膜622との2層構造を有する炭素含有膜620を形成する工程(第2の工程、S102)と、を行う。次に、炭素含有膜(第1の炭素含有膜)610よりも膜厚の小さい炭素含有膜(第2の炭素含有膜)を形成する工程(第3の工程)と、膜厚の小さい炭素含有膜(第2の炭素含有膜)の全体を改質する硬質化処理(改質処理)を施して炭素含有膜630を形成する工程(第4の工程)と、を行う。更に、第3の工程と、第4の工程と、を交互に繰り返す。このように、炭素含有膜620の上に炭素含有膜630を複数積層して炭素含有膜を形成してもよい。これにより、高エッチング耐性の炭素含有膜(炭素含有膜622及び炭素含有膜630)の膜厚を厚くすることができ、エッチング耐性をさらに向上させることができる。また、基板Wと高エッチング耐性の炭素含有膜(炭素含有膜622及び炭素含有膜630)との間に低応力の炭素含有膜621が配置されることにより、基板Wにかかる膜応力の増加を抑制することができる。
次に、炭素含有膜640による基板Wの反りについて、図17から図18を用いて説明する。図17は、炭素含有膜640を形成した際の基板Wの反りを説明する基板Wの断面模式図である。図17(a)は、炭素含有膜640を形成する前の基板Wの状態を示す図の一例である。図17(b)は、炭素含有膜640を形成した後の基板Wの状態を示す図の一例である。プラズマ処理装置400等を用いて基板Wに炭素含有膜640を形成することにより、基板Wのエッジ、ベベル(基板Wの外周面)及び基板Wの裏面にも炭素含有膜640が成膜される。ここで、炭素含有膜640が圧縮応力(Compressive Stress)を有する膜である場合、炭素含有膜640の膜応力によって基板Wの中央が凸となるように、変形する。
図18は、基板Wの反りを抑制して炭素含有膜640を形成する処理を説明する基板Wの断面模式図の一例である。
図18(a)に示すように、基板Wのエッジ、ベベル及び裏面に炭素含有膜の成膜を阻害する成膜阻害剤を塗布して、成膜阻害層650を形成する。成膜阻害剤としては、炭素含有膜の成長を抑制できる有機膜、有機塗布膜、親水化や疎水化などの前処理等を用いることができる。
次に図18(b)に示すように、基板Wに炭素含有膜640を形成する。なお、炭素含有膜640の形成は、プラズマ処理装置400を用いたCVD法による成膜であってもよい。これにより、成膜阻害層650が形成されていない基板Wの面中央領域において、炭素含有膜640を形成する。一方、基板Wのエッジ、ベベル及び裏面において、成膜阻害層650により炭素含有膜640の形成が阻害される。
そして、図18(c)に示すように、成膜阻害層として炭素含有膜の成長を抑制できる有機膜、有機塗布膜を成膜した場合は、成膜阻害層650を除去する。成膜阻害層の除去は、例えば、プラズマやバックリンス等を用いることができる。
このように、基板Wのエッジ、ベベル及び裏面を除いて基板Wの面中央領域に炭素含有膜640を形成することにより、基板Wの反りを抑制することができる。なお、基板Wのエッジ、ベベル及び裏面への成膜を阻害する手段はこれに限らない。例えば、炭素含有膜を成膜する時に環状部材を用いて物理的に基板Wのベベル及び裏面への成膜を阻害してもよい。
また、炭素含有膜640に硬質化処理(電子線照射、イオン注入、プラズマ照射)を施してもよい。なお、硬質化処理を施すタイミングは、成膜阻害層650を除去する前であってもよく、成膜阻害層650を除去した後であってもよく、限定されるものではない。
以上、有機膜の処理方法の実施形態等について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
100 レジスト塗布装置
200 電子線照射装置
300 イオン注入装置
400 プラズマ処理装置
600 シリコン層
610 炭素含有膜(第1の炭素含有膜)
620 炭素含有膜
621 炭素含有膜(第1領域)
622 炭素含有膜(第2領域)
630 炭素含有膜(第2の炭素含有膜)
640 炭素含有膜
650 成膜阻害層
W 基板

Claims (17)

  1. 基板に第1の炭素含有膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の炭素含有膜の表層を改質する第2の工程と、を含み、
    前記第1の工程で形成した前記第1の炭素含有膜は第1の膜応力を有し、
    前記第2の工程で改質した前記第1の炭素含有膜は第2の膜応力を有し、
    前記第1の膜応力と前記第2の膜応力との差は、±100MPa以下である、
    炭素含有膜の形成方法。
  2. 前記第2の工程で改質した前記第1の炭素含有膜は、
    前記基板の側の第1領域と、
    前記第1の炭素含有膜の表層の側であって、前記第2の工程で改質した第2領域と、を有する、
    請求項1に記載の炭素含有膜の形成方法。
  3. 前記第2領域の膜密度は、前記第1領域の膜密度よりも高い、
    請求項2に記載の炭素含有膜の形成方法。
  4. 前記第1領域の膜応力は、前記第2領域の膜応力よりも小さい、
    請求項3に記載の炭素含有膜の形成方法。
  5. 前記第2の工程は、
    前記第1の炭素含有膜にイオンを注入して、前記第1の炭素含有膜の表層を改質する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  6. 前記イオンの注入は、
    注入エネルギーにおける注入量を制御することにより、前記炭素含有膜の表面から所定の深さまで略均一にイオンを注入する、
    請求項5に記載の炭素含有膜の形成方法。
  7. 前記第1の炭素含有膜に注入する前記イオンは、C、Ar、Xeのうちいずれかである、
    請求項6に記載の炭素含有膜の形成方法。
  8. 前記第2の工程は、
    前記第1の炭素含有膜に電子線を照射して、前記第1の炭素含有膜の表層を改質する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  9. 前記第2の工程は、
    前記第1の炭素含有膜にプラズマを照射して、前記第1の炭素含有膜の表層を改質する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  10. 前記第2の膜応力は、±100MPa以下である、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  11. 前記第1の工程と前記第2の工程とを繰り返す、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  12. 前記第2の工程の後、前記基板に前記第1の炭素含有膜よりも膜厚の小さい第2の炭素含有膜を形成する第3の工程と、
    前記第2の炭素含有膜の全体を改質する第4の工程と、を含む、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  13. 前記第3の工程と前記第4の工程とを繰り返す、
    請求項12に記載の炭素含有膜の形成方法。
  14. 前記第1の工程は、スピンコートで前記基板に前記第1の炭素含有膜を形成する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  15. 前記第1の工程は、CVD法で前記基板に前記第1の炭素含有膜を形成する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  16. 前記第1の工程は、
    前記基板のエッジ、ベベル及び裏面に成膜阻害層が形成された前記基板に前記第1の炭素含有膜を形成する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭素含有膜の形成方法。
  17. 前記成膜阻害層を除去する工程をさらに含む、
    請求項16に記載の炭素含有膜の形成方法。
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