JP2024004277A - 物体検出装置及び車両制御システム - Google Patents

物体検出装置及び車両制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】高反射物体に対する検出精度を高める物体検出装置を提供する。
【解決手段】物体検出装置1は、測定領域MAの物体を検出する。物体検出装置1は、光を発光する光源11a~dを有し、測定領域MAへ向けて光を投光する発光部10と、受光素子32を有し、受光素子32が受光した光を検出する受光部30と、光源11a~dの発光時に物体から反射されてきた光を受光部30が検出することによる反射光データ及び光源11a~dの無発光時に受光部30が検出することによる背景光データを処理するデータ処理部50と、を備える。データ処理部50は、反射光データ及び背景光データの比較に基づき、反射光データにおけるフレアを識別するフレア識別部52を有する。
【選択図】図6

Description

この明細書による開示は、物体を検出する技術及びこれを用いて車両を制御する技術に関する。
物体を検出する装置が知られている。特許文献1には、高反射物体に対して発光パルス数や発光パルス強度を減少させることが開示されている。
特開2018-169336号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、高反射物体に対して光を発光するため、フレアの発生を完全に除去することはできない。このため、フレアが発生したとしても精度よく物体を検出する技術が求められている。
この明細書の開示による目的のひとつは、高反射物体に対する検出精度を高める物体検出装置を提供することにある。目的の他のひとつは、高反射物体に対して適切な対応が可能な車両制御システムを提供することにある。
ここに開示された態様のひとつは、測定領域(MA)の物体を検出する物体検出装置であって、
光を発光する光源(11a~d,111a~d)を有し、測定領域へ向けて光を投光する発光部(10,110)と、
受光素子(32)を有し、受光素子が受光した光を検出する受光部(30)と、
光源の発光時に物体から反射されてきた光を受光部が検出することによる反射光データ及び光源の無発光時に受光部が検出することによる背景光データを処理するデータ処理部(50)と、を備え、
データ処理部は、反射光データ及び背景光データの比較に基づき、反射光データにおけるフレアを識別するフレア識別部(52)を有する。
このような態様によると、反射光データと背景光データを比較することで、反射光データにおけるフレア識別の精度が高まる。すなわち、高反射物体を原因として発生し得るフレアによる影響を、物体の検出結果においてより正確に判断することができる。故に、高反射物体に対する検出精度を高める物体検出装置を提供することができる。
また、開示された態様の他のひとつは、測定領域(MA)の物体を検出する物体検出装置であって、
光を発光する光源(11a~d,111a~d)を有し、測定領域へ向けて光を投光する発光部(10,110)と、
受光素子(32)を有し、受光素子が受光した光を検出する受光部(30)と、を備え、
発光部は、物体のうち高反射物体へ向かう方向に対して、光源から発光される光の発光強度を、他の方向よりも弱めた状態で発光させる。
このような態様によると、高反射物体への発光を弱めることで、高反射物体に反射されて受光部が受光する光の強度を、比較的弱く抑えられる。したがって、高反射物体を原因とするフレアの発生自体を抑制することができる。故に、高反射物体に対する検出精度を高める物体検出装置を提供することができる。
また、開示された態様の他のひとつは、車両を制御する車両制御システムであって、
測定領域(MA)の物体を検出する物体検出装置(1)と、
物体検出装置から出力された情報に基づき、車両の運転を制御する運転制御装置(60)と、を具備し、
物体検出装置は、
光を発光する光源(11a~d,111a~d)を有し、測定領域へ向けて光を投光する発光部(10,110)と、
受光素子(32)を有し、受光素子が受光した光を検出する受光部(30)と、
光源の発光時に物体から反射されてきた光を受光部が検出することによる反射光データ及び光源の無発光時に受光部が検出した背景光データを処理するデータ処理部(50)と、を備え、
データ処理部は、反射光データと背景光データとの比較に基づき、反射光データにおけるフレアの発生を識別するフレア識別部(52)を有し、フレア識別部によりフレアが発生していると判断された場合に、フレアの発生を通知する信号を、運転制御装置へ向けて出力し、
運転制御装置は、フレアの発生を通知する信号を受信した場合に、フレアの発生方向への衝突回避行動の作動を規制する衝突回避制御部(62)を備える。
このような態様によると、物体検出装置において、反射光データと背景光データを比較することで、反射光データにおけるフレア識別の精度が高まる。こうして精度の高いフレア識別についての情報が、運転制御装置に提供されて、フレアの発生方向への衝突回避行動の作動が規制される。フレアに対する不要作動を回避しつつ、フレアの発生原因となる高反射物体に対して適切な対応が可能な車両制御システムを提供することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
物体検出装置の概略的構成を示す構成図。 投光ビームの走査を説明する図。 データ処理部の機能等を説明する構成図。 反射強度と背景光強度との関係を説明するグラフ。 反射強度と距離との関係を説明するグラフ。 画像の関係性を説明する図。 処理方法の例を示すフローチャート。 反射強度とフレアらしさとの関係を説明するグラフ。 パルス幅とフレアらしさとの関係を説明するグラフ。 物体サイズの縮小処理を説明する図。 光源と画像領域との関係を説明する図。 データ処理部の機能等を説明する構成図。 データ処理部の機能等を説明する構成図。 発光強度制御と画像との関係を説明する図。 フレア除去モデルを説明する図。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本開示の第1実施形態による物体検出装置1は、移動体としての車両に搭載され、車両の周辺の物体を検出する。物体検出装置1は、ライダ(LiDAR,Light Detection and Ranging/Laser imaging Detection and Ranging)2及び画像処理ユニット3を含む構成である。物体検出装置1は、ライダユニットと称されてもよい。なお、以下の説明において、前、後、上、下、左及び右が示す各方向は、水平面上の車両を基準として定義される。
ライダ2は、光源11a~11dから光を投光し、測定対象物である物体からの反射光を検出する光検出装置である。ライダ2は、発光部10、走査部20、受光部30及びコントローラ40を含む構成である。
発光部10は、測定領域MAへ向けて投光ビームを発光する。発光部10は、例えば光源アレイ11及び投光光学系12を含む構成である。光源アレイ11は、図2に示すように、複数の光源11a~dを例えば上下方向に沿って配列して形成されている。光源11a~dの数は任意の数であってよい。各光源11a~dは、例えばレーザダイオード(LD,Laser Diode)等のレーザ発振素子であってよい。各光源11a~dは、LEDであってもよい。各光源11a~dは、コントローラ40からの電気信号に応じた発光タイミングにて、発光可能である。
投光光学系12は、光源11a~dから発光された光を集光し、測定領域MAへ向けてビーム状の投光ビームを投光する。投光光学系12は、1つ又は複数のレンズを含む構成である。
走査部20は、図2に示すように、発光部10からの投光ビームを測定領域MAの範囲内で走査する。走査部20は、走査ミラー21を含む構成である。走査ミラー21は、駆動モータ及び反射体を含む構成である。駆動モータは、例えばボイスコイルモータ、ブラシ付きDCモータ、ステッピングモータ等である。駆動モータは、コントローラ40からの電気信号に応じた回転量及び回転速度にて、反射体の回転軸を駆動する。反射体は、投光ビームを測定領域MAへ向けて反射する反射面を有するミラーである。反射面は、例えば平面状に形成されている。
特に本実施形態において、反射体は、回転軸方向に沿った長手方向寸法を有する細長く伸びた形状を有する。これにより、反射体が発光部10の投光光学系12及び受光部30の受光光学系31の両方に対向する。故に反射体は、投光ビームだけでなく、投光ビームが測定領域MAの物体から反射された反射ビームも同時に反射して受光部30へ入射させることが可能となっている。
受光部30は、受光光学系31、受光素子32及びデコーダ33を含む構成である。受光光学系31は、走査部20の反射体によって反射された反射ビームを集光し、受光素子32に入射させる。受光光学系31は、1つ又は複数のレンズを含む構成である。
受光素子32は、受光光学系31からの光を受光する。受光素子32は、例えば単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD、Single Photon Avalanche Diode)センサである。受光素子32は、複数のSPADを、長方形状の検出面上に高度に集積化された状態で、2次元配列して形成されている。
SPADは、1つの光子を受光すると、アバランシェ倍増による電子倍増動作(いわゆるガイガーモード)により、1つの電気パルスを生成する。すなわち、SPADは、アナログ進行からデジタル信号へのAD変換回路を介さずに、換言すると直接的に、デジタル信号としての電気パルスを発生させることができる。したがって、受光結果は高速に読み出し可能である。
デコーダ33は、SPADが生成した電気パルスを出力するために設けられ、選択回路及びクロック発振器を含む構成である。選択回路は、電気パルスを取り出す対象となるSPADを、順次選択していく。選択されたSPADは、電気パルスをコントローラ40へ出力する。選択回路がSPADを1回ずつ選択し終えると、1回のサンプリングが終了する。このサンプリング周期は、クロック回路から出力されるクロック周波数に応じたものとなる。
なお、発光部10から投光ビームが投光されないタイミング、すなわち無発光時においては、受光部30は、反射体の角度に応じた方向からの外乱光を受光して検出することが可能である。さらに、外乱光が受光素子32上に結像されることにより、測定領域MAの物体を捕捉することも可能である。ここでいう外乱光は、背景光とも称される。
コントローラ40は、ライダ2の動作を制御する。具体的に、コントローラ40は、発光部10における各光源11a~dの発光と、走査部20における走査ミラー21の向きとを、連動するように制御する。さらにコントローラ40は、受光部30から出力された電気パルスを演算処理した検出データを、画像処理ユニット3に出力する。コントローラ40は、メモリ及びプロセッサを少なくとも1つずつ有した専用コンピュータにより構成されていてもよいし、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよい。
ここで、コントローラ40は、測定領域MAの物体について、ライダ2からの距離を算出する機能を有していてよい。ここで算出された距離は、検出データに含まれてもよい。一方で距離は、画像処理ユニット3において算出されるようにしてもよい。距離は、デプス(depth、奥行き)と称されてもよい。この距離は、いわゆる光の飛行時間を測定する、TOF(Time Of Flight)方式により測定されてよい。
画像処理ユニット3は、ライダ2から取得した検出データに基づき画像を生成して処理する。画像処理ユニット3は、専用コンピュータにより実現されてよい。画像処理ユニット3は、メモリ3a及びプロセッサ3bを少なくとも1つずつ有していてもよい。メモリ3aは、プロセッサ3bにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも1種類の非遷移的実態的記憶媒体であってよい。さらにメモリ3aとして、例えばRAM(Random Access Memory)等の書き換え可能な揮発性の記憶媒体が設けられていてもよい。プロセッサ3bは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも1種類をコアとして含む。
画像処理ユニット3は、コントローラ40から取得した検出データに基づき、反射強度画像P1、距離画像P0、パルス幅画像P2、背景光画像P3等の各種画像を生成する。
反射強度画像P1は、発光部10の発光タイミングに対応した検出データにおける反射ビームの受光強度を、測定領域MAの各方向からの反射強度を示す2次元画像に画像化したものである。
距離画像P0は、発光部10の発光タイミングに対応した検出データにおける、反射ビームからTOF方式により測定された距離を、測定領域MAについての2次元画像に画像化したものである。
パルス幅画像P2は、発光部10の発光タイミングに対応した検出データにおける、反射ビームのパルス幅を、測定領域MAについての2次元画像に画像化したものである。
背景光画像P3は、発光部10が無発光であるタイミングに対応した検出データにおける、背景光の受光強度を、測定領域MAについての2次元画像に画像化したものである。
ここで、反射強度画像P1、距離画像P0及びパルス幅画像P2は、反射光データに相当していてよい。反射光データは、光源の発光時に物体から反射されてきた光を受光部30が検出することにより得られるデータである。反射光データは、画像に限らず、単なる数値データ等のあらゆるデータ態様を含む概念である。
また、背景光画像P3は、背景光データに相当していてよい。背景光データは、光源の無発光時に受光部が検出することにより得られるデータである。背景光データは、画像に限らず、単なる数値データ等のあらゆるデータ態様を含む概念である。
さらに画像処理ユニット3は、生成したこれらの画像又は画像処理の結果に基づき、コントローラ40が発光部10及び受光部30を制御するためのフィードバック信号を、コントローラ40へ向けて出力してもよい。
図3は、物体検出装置1の機能的なアーキテクチャを示す図である。ここで、コントローラ40及び画像処理ユニット3は、互いに協働して、発光部10、走査部20及び受光部30を制御すると共に、外部に検出結果を提供するためのデータ処理部50として機能する。データ処理部50は、画像生成部51、フレア識別部52及び検出結果出力部53を、プログラムを実行する少なくとも1つのプロセッサにより実現される機能ブロックとして含む構成である。
画像生成部51は、上述のように、画像処理ユニット3により反射強度画像P1、距離画像P0、パルス幅画像P2、背景光画像P3等の各種画像を生成する。画像生成部51は、生成した各種画像をフレア識別部52へ提供する。
フレア識別部52は、画像生成部51から提供されたデータから、フレアを識別する。フレア識別部52は、単に画像においてフレアが発生しているか否かを判別してもよい。フレア識別部52は、画像ないし測定領域において、フレアが発生している部分を特定してもよい。フレアは、測定領域MAに高反射物体が存在する場合に発生しやすい傾向がある。高反射物体は、例えば看板、車両ないし自転車に装着された反射材等である。
フレア識別部52は、反射光データ及び背景光データの比較に基づき、反射光データにおけるフレアを識別する。例えば、反射強度画像P1、距離画像P0及び背景光画像P3の比較によって、反射強度画像P1又は距離画像P0においてフレアが発生している部分が識別され得る。
具体的に、フレアが発生していない、すなわち正常な検出ができている場合、画像の対応する画素同士ないし対応する画素領域同士において、反射強度画像P1の反射強度と背景光画像P3の背景光強度とを比較すると、正の相関が示される(図4参照)。また、画像の対応する画素同士ないし対応する画素領域同士において、反射強度画像P1の反射強度と距離画像P0の距離とを比較すると、負の相関が示される(図5参照)。これら相関の関係性が崩れている場合、フレアが発生している、すなわち正常な検出ができていない可能性が高い。
そこでフレア識別部52は、これらの関係性が成立しているか否かを判定することによって、フレアを識別する。以下に、その詳細な方法を示す。以下に示す第1の方法及び第2の方法のうち、いずれかが実施されればよい。
第1の方法では、画素毎に判定が実施される。具体的に、フレア識別部52は、反射強度画像P1と背景光画像P3との対応する画素同士において、反射強度と背景光の強度比を算出する。フレアの発生画素では、反射強度を背景光強度で除した判定対象の画素の強度比が、フレアが発生していない画素よりも著しく大きくなる。
すなわち、フレア識別部52は、反射強度を背景光強度で除した強度比の許容範囲を、距離に応じて予め設定しておく。そして、判定対象における強度比が許容範囲を超えているか否かによって、フレアが発生しているか否かが識別される。
フレア識別部52は、フレアが発生している画素が発見された場合、その周辺画素についても同様の判定を実施する。そうすることで、フレアの判定における画素欠落の発生が防止される。
第2の方法では、隣接する複数の画素の集合である画素領域毎に判定が実施される。具体的に、フレア識別部52は、距離画像P0を参照し、距離が同じ又は近似する距離セグメントによって、画像を複数の画素領域に分割する。次に、フレア識別部52は、画素領域における強度比を算出し、当該強度比が許容範囲を超えているか否かによって、フレアが発生しているか否かが識別される。
ここで、フレア識別部52は、分割された全ての画素領域に対して判定を実施しなくてもよい。例えば、フレア識別部52は、反射ビームが強く返ってくる可能性が高い領域を探索し、この画素領域及び周辺の画素領域に対して、判定を実施してよい。そうすることで、フレア識別処理の負荷を低減することができる。
具体例として図6の事例を説明する。上段の距離画像P0では、物体が存在する物体領域OAとフレアが発生しているフレア発生領域FAが一体の領域として距離演算されてしまっている。そこで、中段の背景光画像P3と下段の反射強度画像P1とを比較すると、物体領域OAでは、反射強度も背景光も画像が白くなる程度の光量を得られており、強度比が1に近い。これに対し、フレア発生領域FAでは、反射強度は若干画像が白っぽくなっているが、背景光は画像が黒くなっており、強度比が著しく大きくなっている。これらの関係性を利用して、距離画像P0において、フレアが発生している領域を判別することが可能である。
検出結果出力部53は、データ処理部50からみた外部の出力対象へ向けて、検出データに基づき生成された各種画像、フレア検出結果及び検出された物体の情報のうちを当該出力対象にとって必要なデータを、出力する。出力データは、フレアの発生を通知する信号を含んでいてよい。フレアの発生を通知する信号は、フレアの発生の有無を通知する信号を含んでいてよい。フレアの発生を通知する信号は、フレアが発生した領域を通知する信号を含んでいてよい。
出力対象は、検出結果に応じた発光制御を実現するために、発光部10を含んでいてもよい。出力対象は、検出結果に応じた受光制御を実現するために、受光部30を含んでいてもよい。出力対象は、検出結果に応じた車両制御を実現するために、運転制御装置60を含んでいてもよい。
運転制御装置60は、例えば物体検出装置1と共に車両に搭載されている。運転制御装置60は、物体検出装置1から出力された情報等に基づき、車両の運転を制御する。車両の運転の制御とは、自動運転を実行することであってもよく、ドライバの運転を支援することであってもよい。運転制御装置60は、物体検出装置1と共に、車両を制御する車両制御システムVCSを構成していてよい。
運転制御装置60は、専用コンピュータにより実現されてよい。運転制御装置60は、メモリ及びプロセッサを少なくとも1つずつ有していてもよい。メモリは、プロセッサにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも1種類の非遷移的実態的記憶媒体であってよい。さらにメモリとして、例えばRAM(Random Access Memory)等の書き換え可能な揮発性の記憶媒体が設けられていてもよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも1種類をコアとして含む。
図3に示すように、運転制御装置60は、運転モード管理部61及び衝突回避制御部62を、プログラムを実行する少なくとも1つのプロセッサにより実現される機能ブロックとして含む構成である。
運転モード管理部61は、車両の運転モードを管理する。例えば運転モード管理部61は、ドライバのスイッチ操作、車両のおかれた環境等に応じて、自動運転と手動運転とを切り替えてよい。運転モード管理部61は、ドライバのスイッチ操作等に応じて、衝突被害軽減、緊急操舵回避等の衝突回避行動を支援するアプリの作動モードと非作動モードとを切り替えてもよい。
衝突回避制御部62は、測定領域MAにおいて検出された物体と車両との衝突を回避するための、当該車両による衝突回避行動を制御する。衝突回避制御部62は、物体検出装置1からフレアの発生を通知する信号を受信した場合に、フレアの発生方向への衝突回避行動の作動を規制する。すなわち、車両からフレアの発生方向へ距離画像が示す距離離れた位置には、物体が存在していないとみなして車両が制御される。
次に、物体検出方法及び車両制御方法の例を、図7のフローチャートを用いて説明する。図7に示す一連の処理は、所定の実行周期で又は所定のトリガに基づき、実行される。一連の処理は、データ処理部50の機能及び衝突回避制御部62の機能等が実現されるように、物体検出装置1及び運転制御装置60が備える少なくとも1つのプロセッサを主体として実行されてよい。
S1では、ライダ2により、測定領域が測定される。S1の処理後、S2へ進む。
S2では、画像生成部51は、S1の結果に基づき、反射強度画像P1、距離画像P0、パルス幅画像P2、背景光画像P3等の各種画像を生成する。S2の処理後、S3へ進む。
S3では、フレア識別部52は、S2で生成された画像を用いて、反射強度画像P1上に発生しているフレアを識別する。これらの検出結果は、検出結果出力部53により運転制御装置60へ送信される。S3の処理後、S4へ進む。
S4では、運転制御装置60の衝突回避制御部62は、S3にて送信された検出結果、特にフレアの発生を通知する信号に応じて、フレアの発生方向への衝突回避行動の動作を規制する。S4を以って一連の処理を終了する。
以上説明した第1実施形態をまとめると、反射光データと背景光データを比較することで、反射光データにおけるフレアの識別精度が高まる。すなわち、高反射物体を原因として発生し得るフレアによる影響を、物体の検出結果においてより正確に判断することができる。故に、高反射物体に対する検出精度を高めることができる。
また、第1実施形態によると、反射光データにおける反射強度と背景光データにおける背景光強度との相関の関係性と、反射光データにおける反射強度と物体距離との相関の関係性とを用いて、フレアが識別される。フレアによって出現する反射光データ及び背景光データの特徴を的確に検出するので、フレアの識別精度をさらに高めることができる。
また、第1実施形態によると、物体検出装置1において、反射光データと背景光データを比較することで、反射光データにおけるフレア識別の精度が高まる。こうして精度の高いフレア識別についての情報が、運転制御装置60に提供されて、フレアの発生方向への衝突回避行動の作動が規制される。フレアに対する不要作動を回避しつつ、フレアの発生原因となる高反射物体に対して適切な対応が可能な車両制御システムVCSを提供することができる。
(第2実施形態)
図8~10に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態のフレア識別部52は、相関関係に基づいた識別に代えて、フレアらしさを示す確率を算出してフレアを識別する。フレアらしさを示す確率は、画素単位で算出されてもよく、画素領域単位で算出されてもよい。ここでいう画素領域は、第1実施形態のように距離セグメントによって区分されてもよく、他の方法によって区分されてもよい。
具体的に、フレアらしさを示す確率は、反射光データにおける反射強度画像P1と背景光データにおける背景光画像P3との強度比、反射光データにおけるパルス幅画像P2、及び反射強度画像P1のそれぞれから、算出することができる。
また、例えば図8に示されるように、反射強度画像P1の反射強度が大きくなる程、フレアらしさを示す確率は漸次大きくなることが、利用されてもよい。また、例えば図9に示されるように、パルス幅画像P2におけるパルス幅が大きくなる程、フレアらしさを示す確率は漸次大きくなることが、利用されてもよい。
強度比及び画像のうち、2種類以上からそれぞれフレアらしさを示す確率が算出された場合、これらは尤度を用いて確率統合される。例えば以下の数式1によって統合された確率が算出される。
X=A・B/[A・B+(1-A)・(1-B)] ・・・(数式1)
ここで、Aは第1の尤度であり、0~1の範囲の数値である。Bは第2の尤度であって、0~1の範囲の数値である。数式1は、2つの尤度(A,B)を統合する式である。3つの尤度を統合する場合は、数式1の計算を、((A,B),C)のように反復することで対応することが可能である。
例えば、Aに反射強度画像P1に基づくフレアらしさの値が代入され、Bにパルス幅画像P2に基づくフレアらしさの値が代入されることで、2つのフレアらしさを示す値を統合した値Xを算出することができる。
フレア識別部52は、算出されたフレアらしさを示す確率に基づき、フレアが発生しているか否かを判定してもよい。この場合、フレア識別部52は、フレアの発生有無を示す情報を含むフレア検出結果を、検出結果出力部53等に提供する。
一方で、フレア識別部52は、フレアの発生有無までは判定せずに、フレアらしさを示す確率を、フレア検出結果として提供してもよい。画像生成部51ないし検出結果出力部53は、フレアらしさを示す確率に基づいて、各種画像に基づいて検出された物体のサイズを縮小処理してもよい。物体は、例えば距離画像を用いて検出される。
例えば図10に示すように、フレアらしさを示す確率が60%と算出された画素領域が検出されたものとする。この場合、60%の画素領域全体を1つの物体と判定するのではなく、画素領域に対してα倍縮小された領域が1つの物体として判定される。ここでαは、0より大きく1よりも小さい、予め設定された値である。
特に本実施形態では、ライダ2の構成に基づいてフレアの発生における異方性を推定し、推定された異方性に基づいて、物体のサイズの縮小方向が設定されている。具体的に、本実施形態の発光部10では、車両の上下方向に沿って複数の光源が配列されており、画像においても上下方向にフレアが発生しやすい。したがって、物体が本来結像する領域に対して上下方向にフレアが発生している仮定の下、60%の画素領域のサイズを上下方向に短縮した領域が、物体が本来結像している領域であると推定される。
また、検出結果出力部53は、運転制御装置60へフレアらしさを示す確率を通知する信号を、送信する。運転制御装置60において衝突回避制御部62は、当該フレアらしさを示す確率に応じて、衝突回避行動において作動させる制動力及び操舵制御のうち少なくとも1つを、決定する。
より詳細に、測定領域MAのうちのある物体存在可能性を示す領域に対するフレアらしさを示す確率が予め設定された閾値を超える場合、衝突回避制御部62は、当該物体存在可能性を示す領域に対する衝突回避行動として設定する制動力を、フレアらしさを示す確率が閾値以下の場合よりも弱める。また、衝突回避制御部62は、操舵制御を、急操舵ではなく、慎重な操舵に設定する。
そうすることで、不要作動を低減することができる。例えば、運転制御装置60が次回受信する検出された物体の情報において、上述の物体存在可能性を示す領域に物体が存在しないことが判明した場合に、結果的に、急制動ないし急操舵が実施されずに済むこととなる。
(第3実施形態)
第3実施形態は第2実施形態の変形例である。第3実施形態について、第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第3実施形態のフレア識別部52は、算出されたフレアらしさを示す確率に基づき、フレアが発生しているか否かを判定する。ここで、算出されたフレアらしさを示す確率がフレアの発生有無の判定に用いるには低い信頼度である場合に、フレア識別部は、識別に用いる情報を増やす。フレアらしさを示す確率がフレアの発生有無の判定に用いるには低い信頼度である場合とは、当該確率が中間値を示す場合(例えば45~55%の場合)であってよい。
具体的に、フレア識別部52は、フレアの発生の識別における信頼度が低い場合に、光源の発光強度を変更するように発光部を制御する。ライダ2は、発光強度が変更された条件下、測定領域MAの物体を測定する。これにより、識別に用いる反射光データ(例えば反射強度画像P1、パルス幅画像P2)が増加する。フレア識別部52が、異なる条件のデータから算出された確率を統合することで、信頼度が高まる。すなわち、フレアらしさを示す確率が中間値から0に近い値又は1に近い値に振れる可能性が高まる。
(第4実施形態)
図11に示すように、第4実施形態は第2実施形態の変形例である。第4実施形態について、第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態の発光部110において光源アレイ111を構成する各光源は、受光素子32による検出において複数の光源111a~dのうちどの光源の光を検出したかを識別可能となるような特徴が付与された状態にて発光する。
複数の光源111a~dのうちどの光源の光を検出したかを識別可能となるような特徴は、発光強度、発光時間、光の位相、光の波長のうち少なくとも1種類を含んでいてよい。具体的に、各光源111a~dの発光強度を互いに異ならせることによって、反射光における光源の識別を可能としてもよい。また、各光源111a~dの発光時間(例えばパルス幅)を互いに異ならせることによって、反射光における光源の識別を可能としてもよい。また、各光源111a~dが発光する投光ビームの位相を互いに異ならせることによって、反射光における光源の識別を可能としてもよい。各光源111a~dが発光する投光ビームの波長を互いに異ならせることによって、反射光における光源の識別を可能としてもよい。
フレア識別部52は、受光部30からの検出データないし各画像における光源111a~dを識別するための特徴を抽出して、フレアの識別に用いてもよい。例えばフレア識別部52は、想定している光源の特徴とは異なる特徴をもつ光を受光した場合に、フレアが発生していると判定してもよい。また例えば、フレア識別部52は、ある波長の光源の発光が弱い方向にも関わらず、当該方向から異常に強い当該波長の反射光を受光した場合に、フレアが発生していると判定してもよい。
図11には、光源アレイ111において上下方向に沿って配列された各光源111a~dが発光する波長を互いに異ならせた例が示されている。この場合、距離画像P0、反射強度画像P1及びパルス幅画像P2は、上下方向に画像を光源数だけ分割した画像領域PAa~dを有するものとして解析可能である。
具体的に、フレアが発生していない場合、画像領域PAaでは、光源111aを起源とする反射光が検出される。画像領域PAbでは、光源111bを起源とする反射光が検出される。画像領域PAcでは、光源111cを起源とする反射光が検出される。画像領域PAdでは、光源11dを起源とする反射光が検出される。例えば画像領域PAcに、光源11bを起源とした反射光が検出された場合、フレアが発生している可能性が高まる。
また、フレア識別部52がニューラルネットワークを含んで構成され、機械学習された識別モデルを用いてフレアを識別する場合(第7実施形態も参照)にも、上述の特徴により識別に用いることができる特徴量が増える。故に、識別精度を向上させることができる。
(第5実施形態)
図12に示すように、第5実施形態は第1実施形態の変形例である。第5実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第5実施形態のデータ処理部50は、機能ブロックとして、方向別発光強度変更部54及び受光感度変更部55をさらに含む構成である。方向別発光強度変更部54は、光源11a~dから発光される光の発光強度を、発光方向に応じて変更可能とするように、発光部10を制御する。
第5実施形態のフレア識別部52は、フレアが発生したと判断した場合に、フレアの認識結果と、距離画像P0等の各種画像、距離画像P0等により検出された物体情報に基づき、フレアを発生させた原因となるフレア発生源を特定する。フレア発生源は、測定領域MAに存在する物体のなかから選定される。
方向別発光強度変更部54は、フレア識別部52から取得したフレアの識別結果に応じて、発光方向毎の発光強度を設定する。方向別発光強度変更部54は、フレア発生源が存在する方向への発光強度を、他の方向への発光強度よりも低下させる。以下において、他の方向への発光強度は、基準強度と表現する。
方向別発光強度変更部54は、フレア発生源が存在する方向への発光強度の低下量を、ライダ2からフレア発生源までの距離(以下、物体距離と称する)に応じて設定してもよい。例えば、方向別発光強度変更部54は、フレア発生源の物体距離が予め設定された閾値よりも大きな場合に、フレア発生源が存在する方向への発光強度を、基準強度に対して第1低下量だけ低下させてよい。一方で、方向別発光強度変更部54は、フレア発生源の物体距離がこの閾値以下である場合に、フレア発生源が存在する方向への発光強度を、基準強度に対して第2低下量だけ低下させてよい。
ここで、第2低下量は、第2低下量よりも大きい。すなわち、フレア発生源の物体距離が近くなる程、受光部30が受光する反射強度が大きくなりフレアが発生し易くなるので、発光強度が弱くされる。
ここでさらに、方向別発光強度変更部54は、フレア発生源の物体距離が上述の閾値以下である場合、又は上述の閾値よりも小さな値に設定された第2の閾値以下である場合に、フレア発生源が存在する方向への発光を無発光としてもよい。
受光感度変更部55は、方向別発光強度変更部54により設定された発光強度に応じて、受光素子32の受光感度を変更する。例えば発光強度が小さくされた、フレア発生源が存在する方向から入射する反射ビームの感度が高く設定されることで、発光強度を小さくしても、物体の検出が容易となる。ここで感度を高くすることとは、受光素子32による信号とノイズとを判別するための閾値を変更して、弱信号を信号として拾い易くすることを意味していてよい。
以上説明した第5実施形態によると、高反射物体への発光を弱めることで、高反射物体に反射されて受光部30が受光する光の強度を、比較的弱く抑えられる。したがって、高反射物体を原因とするフレアの発生自体を抑制することができる。故に、高反射物体に対する検出精度を高めることができる。
(第6実施形態)
図13,14に示すように、第6実施形態は第5実施形態の変形例である。第6実施形態について、第5実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第6実施形態のデータ処理部50は、車両に搭載されている地図データベース(以下、地図DB)91の地図情報を取得する。地図DB91は、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を含んで構成される。地図DB91は、例えば車両に搭載された通信機を介したV2X通信等により、外部の地図サーバ92から最新の地図情報を取得して記憶することが可能である。
地図DB91は、2次元又は3次元の高精度地図データを地図情報として記憶している。高精度地図データには、物体の位置情報が含まれていてよい。さらに高精度地図データには、静的物体の反射特性又は反射特性を推測可能な反射推測可能情報が付加されていてよい。反射特性は、単純にその静的物体の反射率であってよい。反射推測可能情報は、静的物体の種類(看板、樹木等)であってもよく、色や表面の形状等であってもよい。
第6実施形態の方向別発光強度変更部54は、第5実施形態の発光制御に加えて、地図DB91から地図データを用いて発光強度を調整してよい。地図データにおける反射特性又は反射推測可能情報に基づいて静的物体が高反射物体と認められる場合に、方向別発光強度変更部54は、当該静的物体が存在する方向への発光強度を低下させてよい。
地図データを用いて高反射物体への発光強度を予め低下させることで、フレアの発生自体も未然に抑制することが可能である。
具体例として図14の事例を説明する。方向別発光強度変更部54は、地図データから、高反射物体としての看板SBの情報を取得した場合、看板SBへ向かう方向への発光強度を低下させる。具体的に、複数の光源11a~dのうち、看板SBへ向かう方向に投射ビームを投光可能である光源11a,bの発光強度を、走査ミラー21の角度が看板SBに合わせられているタイミングだけ弱める。このような制御によって得られる反射強度画像P1のうち、看板SBの周囲の領域WAは、弱い発光強度によって得られる反射強度画像となり、それ以外の領域SAは、基準強度によって得られる反射強度画像となる。
さらに、運転制御装置60が地図DB91の地図データを利用するようにしてもよい。例えば、運転制御装置60の衝突回避制御部62は、地図データ及びフレアの発生を通知する信号に基づいて、衝突回避行動の作動を決定する。
具体的に、衝突回避制御部62は、物体検出装置1からフレアの発生を通知する信号を受信した場合に、地図データを参照して、フレアの発生方向に高反射物体が存在するか否かを判断する。衝突回避制御部62は、フレアの発生方向に高反射物体が存在する場合には当該高反射物体がフレアの発生源であると推定し、地図DB91に記憶され、高反射物体と認められた静的物体の位置情報に基づき、衝突回避行動の作動を決定する。これによって、衝突回避の確度を高めることができる。
(第7実施形態)
図15に示すように、第7実施形態は第1実施形態の変形例である。第7実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第7実施形態のデータ処理部50は、フレア識別部52として機能する、フレア除去モデル52aを有する。フレア除去モデル52aは、ニューラルネットワークを主体として構成される学習済みモデルである。フレア除去モデル52aは、反射光データ(例えば距離画像P0、反射強度画像P1、パルス幅画像P2)及び背景光データ(例えば背景光画像P3)を入力することにより、フレアが除去された状態の反射光データを出力することが可能となっている。
フレア除去モデル52aは、例えば反射光データ及び背景光データと、それに対応する正解データとを与えることによって、学習させることが可能である。正解データは、フレア除去モデル52aを作成するオペレータの判断によって、手入力されてもよい。正解データは、反射光データ及び背景光データと同じ測定領域を測定した他のセンサによって、与えられてもよい。
データ処理部50は、フレア除去モデル52aを用いて、フレアを除去した状態の物体情報を得ることができる。すなわち、フレア除去モデルから出力されたフレアが除去された状態の距離画像P0に基づき、物体を検出して、外部の運転制御装置60等に提供することができる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、物体検出装置1は、車両に搭載されていなくてもよい。物体検出装置1は、インフラストラクチャーを構成する路側ユニットに設けられ、固定された状態で道路の物体を検出してもよい。
また、物体検出装置1が検出した物体情報は、車両の制御に用いられなくてもよい。例えば、物体検出装置1が検出した物体情報は、道路網を整備するためのビッグデータの収集に用いられてもよい。
また、第4実施形態の受光素子32による検出において複数の光源111a~dのうちどの光源の光を検出したかを識別可能となるような特徴が付与する構成を、第5~7実施形態に適用して、フレアの識別精度を高めてもよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1:物体検出装置、10,110:発光部、11a~d,111a~d:光源、30:受光部、32:受光素子、50:データ処理部、52:フレア識別部、60:運転制御装置、62:衝突回避制御部、VCS:車両制御システム、MA:測定領域

Claims (20)

  1. 測定領域(MA)の物体を検出する物体検出装置であって、
    光を発光する光源(11a~d,111a~d)を有し、前記測定領域へ向けて前記光を投光する発光部(10,110)と、
    受光素子(32)を有し、前記受光素子が受光した前記光を検出する受光部(30)と、
    前記光源の発光時に前記物体から反射されてきた光を前記受光部が検出することによる反射光データ及び前記光源の無発光時に前記受光部が検出することによる背景光データを処理するデータ処理部(50)と、を備え、
    前記データ処理部は、前記反射光データ及び前記背景光データの比較に基づき、前記反射光データにおけるフレアを識別するフレア識別部(52)を有する、物体検出装置。
  2. 前記フレア識別部は、前記反射光データにおける反射強度と前記背景光データにおける背景光強度との相関の関係性と、前記反射光データにおける反射強度と物体距離との相関の関係性とを用いて、前記フレアを識別する、請求項1に記載の物体検出装置。
  3. 前記光源は、パルス状の光を発光し、
    前記フレア識別部は、前記反射光データにおける反射強度画像(P1)と前記背景光データにおける背景光画像(P3)との強度比、前記反射光データにおけるパルス幅画像(P2)、及び前記反射強度画像のうち少なくとも1種類に基づき、フレアらしさを示す確率を算出する、請求項1に記載の物体検出装置。
  4. 前記フレアらしさを示す確率は、前記パルス幅画像に基づくフレアらしさと、前記反射強度画像に基づくフレアらしさとを、尤度を用いて確率統合することにより算出される、請求項3に記載の物体検出装置。
  5. 前記データ処理部は、前記フレアらしさを示す確率に基づいて、検出された前記物体のサイズを縮小処理する、請求項3又は4に記載の物体検出装置。
  6. 前記フレア識別部は、フレアの発生の識別における信頼度が低い場合に、前記光源の発光強度を変更し、識別に用いる前記反射光データを増加させて前記信頼度を高める、請求項1に記載の物体検出装置。
  7. 前記光源は、互いにずれた位置に配置されるように複数設けられ、前記受光素子による検出において複数の前記光源のうちどの光源の光を検出したかを識別可能となるような特徴が付与された状態にて発光する、請求項1に記載の物体検出装置。
  8. 前記特徴は、発光強度、発光時間、光の位相、光の波長のうち少なくとも1種類を含む、請求項7に記載の物体検出装置。
  9. 前記データ処理部は、
    前記フレア識別部として機能する、ニューラルネットワークを含む学習済みモデルである、前記反射光データ及び前記背景光データを入力することにより、フレアが除去された状態の前記反射光データが出力されるフレア除去モデル(52a)を有し、
    前記フレア除去モデルを用いて、フレアを除去した状態の物体情報を得る、請求項1に記載の物体検出装置。
  10. 前記光源から発光される光の発光強度を、発光方向に応じて変更可能とする方向別発光強度変更部(54)を、さらに備え、
    前記方向別発光強度変更部は、前記フレア識別部によるフレアの識別結果に応じて、前記発光方向毎の発光強度を設定する、請求項1に記載の物体検出装置。
  11. 前記フレア識別部は、フレアを発生させた原因となるフレア発生源を特定し、
    前記方向別発光強度変更部は、
    前記フレア発生源の物体距離が予め設定された閾値よりも大きな場合に、前記フレア発生源が存在する方向への発光強度を、第1低下量だけ低下させ、
    前記フレア発生源の物体距離が前記閾値以下の場合に、前記フレア発生源が存在する方向への発光強度を、前記第1低下量よりも大きな第2低下量、低下させる、請求項10に記載の物体検出装置。
  12. 前記方向別発光強度変更部は、前記フレア発生源の物体距離が前記閾値以下である場合、又は前記閾値よりも小さな値に設定された第2の閾値以下である場合に、フレア発生源が存在する方向への発光を無発光とする、請求項11に記載の物体検出装置。
  13. 前記方向別発光強度変更部は、
    静的物体の位置情報を含む地図データであって、前記静的物体の反射特性又は前記反射特性を推測可能な反射推測可能情報が付加された地図データを取得し、
    前記反射特性又は前記反射推測可能情報に基づいて前記静的物体が高反射物体と認められる場合に、前記静的物体が存在する方向への発光強度を低下させる、請求項10に記載の物体検出装置。
  14. 前記方向別発光強度変更部により設定された発光強度に応じて、前記受光素子の受光感度を変更する受光感度変更部(55)を、さらに備える請求項10から13のいずれか1項に記載の物体検出装置。
  15. 前記フレア識別部は、フレアを発生させた原因となるフレア発生源を特定する、請求項1に記載の物体検出装置。
  16. 測定領域(MA)の物体を検出する物体検出装置であって、
    光を発光する光源(111a~d)を有し、前記測定領域へ向けて前記光を投光する発光部(110)と、
    受光素子(32)を有し、前記受光素子が受光した前記光を検出する受光部(30)と、を備え、
    前記発光部は、前記物体のうち高反射物体へ向かう方向に対して、前記光源から発光される光の発光強度を、他の方向よりも弱めた状態で発光させる、物体検出装置。
  17. 前記光源は、互いにずれた位置に配置されるように複数設けられ、前記受光素子による検出において複数の前記光源のうちどの光源の光を検出したかを識別可能となるような特徴が付与された状態にて発光する、請求項16に記載の物体検出装置。
  18. 車両を制御する車両制御システムであって、
    測定領域(MA)の物体を検出する物体検出装置(1)と、
    前記物体検出装置から出力された情報に基づき、前記車両の運転を制御する運転制御装置(60)と、を具備し、
    前記物体検出装置は、
    光を発光する光源(11a~d,111a~d)を有し、前記測定領域へ向けて前記光を投光する発光部(10,110)と、
    受光素子(32)を有し、前記受光素子が受光した前記光を検出する受光部(30)と、
    前記光源の発光時に前記物体から反射されてきた光を前記受光部が検出することによる反射光データ及び前記光源の無発光時に前記受光部が検出した背景光データを処理するデータ処理部(50)と、を備え、
    前記データ処理部は、前記反射光データと前記背景光データとの比較に基づき、前記反射光データにおけるフレアの発生を識別するフレア識別部(52)を有し、前記フレア識別部によりフレアが発生していると判断された場合に、フレアの発生を通知する信号を、前記運転制御装置へ向けて出力し、
    前記運転制御装置は、前記フレアの発生を通知する信号を受信した場合に、前記フレアの発生方向への衝突回避行動の作動を規制する衝突回避制御部(62)を備える、車両制御システム。
  19. 前記光源は、パルス状の光を発光し、
    前記データ処理部は、前記反射光データにおける反射強度画像(P1)と前記背景光データにおける背景光画像(P3)との強度比、前記反射光データにおけるパルス幅画像(P2)、及び前記反射強度画像のうち少なくとも1種類に基づき、フレアらしさを示す確率を算出すし、さらに前記フレアらしさを示す確率を通知する信号を、前記運転制御装置へ向けて出力し、
    前記衝突回避制御部は、前記フレアらしさを示す確率に応じて、前記衝突回避行動において作動させる制動力及び操舵制御のうち少なくとも1つを決定する、請求項18に記載の車両制御システム。
  20. 静的物体の位置情報を含む地図データであって、前記静的物体の反射特性又は前記反射特性を推測可能な反射推測可能情報が付加された地図データを記憶している地図データベース(91)を、さらに具備し、
    前記衝突回避制御部は、前記地図データ及び前記フレアの発生を通知する信号に応じて、衝突回避行動の作動を決定する、請求項18に記載の車両制御システム。
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