JP2023552717A - 飲料を調製するためのカプセル及びシステム - Google Patents

Abstract

本発明は、飲料調製用のカプセルであって、カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する本体であって、内部空間が飲料を調製するための原材料で充填される、本体と、本体と一体の基部壁であって、第１の端部において内部空間を覆う基部壁と、基部壁と反対側の第２の端部において開口面の周りに周方向に配置されたフランジと、第２の端部において内部空間と開口面とを覆い、カプセルを閉鎖する蓋であって、飲料調製デバイス内でカプセルを使用するためにフランジに取り外し可能に取り付けられる、蓋と、原材料と蓋との間で内部空間内に配置されたフィルタ要素と、内部空間内に設けられ、蓋とフィルタとの間に配置されるキャリアディスクと、を備え、ディスクは、カプセルが使用されるときに、飲料を内部空間から外側に向かって排出する予め形成された出口開口部を備え、ディスクは５０～１５０個の出口開口部を備え、開口表面率は４％よりも高い。【選択図】 図２Ｂ

Description

本発明は、飲料、好ましくはクレマのないコーヒー、茶、ミルク又はチョコレートベースの飲料を調製するための、フィルタ要素を一体化したカプセルに関する。

カプセルは、コーヒーなどの飲料を調製するための飲料原材料で少なくとも部分的に充填されるカプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、側壁の第１の端部において内部空間を覆う基部壁と、基部壁と反対側の側壁の第２の端部において内部空間を覆う蓋と、を備える。カプセルは、その内部空間にフィルタと、開口部を備えるアルミニウムディスクとを一体化しており、蓋はカプセルに取り外し可能に取り付けられている。

本発明はまた、当該カプセルを製造するためのプロセスに関する。

飲料調製デバイス内で飲料を調製するためのカプセルであって、当該特徴を示すカプセルは、先行技術から一般的に知られている。飲料調製デバイスは、カプセルが配置される淹出チャンバを備える。飲料調製デバイスからの液体は、カプセル内に注入されて、抽出可能な原材料、通常は焙煎され挽かれたコーヒー若しくは茶から飲料を抽出する、又はカプセルの内部空間内に収容された可溶性原材料、通常はインスタントコーヒー、インスタント茶若しくはインスタントミルク、又はチョコレートベースの製品から飲料を調製する。

現在市販されているカプセルの多くの場合、保管中に飲料原材料の鮮度を維持又は延ばすために、飲料調製デバイス内で使用される前に、カプセルの内部空間は環境から密閉又は液密に閉鎖される。

これに関して、カプセルは、多くの場合、内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、側壁の第１の端部において内部空間を覆う基部壁と、を備える。基部壁と反対側の側壁の第２の端部において、カプセル本体は、開口充填側を有する。流体及びガスを通さない蓋、例えばアルミニウム蓋が、内部空間を覆うためにカプセル本体の開口充填側の上に設けられる。使用時に、カプセルは、好ましくは基部壁及び／又は蓋において穿孔されて、熱湯などの液体を注入するための注入開口部を形成してもよく、及び／又は調製された飲料がカプセルから出ることを可能にする出口開口部を形成してもよい。

既知のカプセルは、より具体的には、高圧熱水を送り出す飲料調製デバイスを使用してエスプレッソタイプの飲料を調製するために考案されており、カプセル内への加圧熱水の注入は、コーヒー飲料原材料からの物質の抽出をもたらし、高圧淹出を使用する既知のピストンタイプのエスプレッソマシンで得られるようなクレマ層を有するエスプレッソ飲料に対応する泡を、飲料上に形成する。

クレマのないコーヒー飲料、例えば、フィルタコーヒーとも呼ばれる泡のないコーヒー飲料の場合、通常、飲料原材料と水との混合物の非加圧濾過によって飲料が調製される特定の装置が使用される。

クレマのないコーヒーの調製のために、加圧飲料デバイスで使用されるいくつかのカプセルが提案されている。

欧州特許第２９５２１２５（Ａ１）号は、カプセルの内部空間に収容された抽出可能な製品を使用して飲料を調製するためのカプセルを開示している。カプセルは、周方向の第１の壁と、第１の端部において周方向の第１の壁を閉鎖する第２の壁と、第２の壁と反対側の第２の開口端部において周方向の第１の壁を閉鎖する可撓性のシート状の穿孔及び／又は多孔性の第３の壁とを備え、それによって当該内部空間を形成する。第３の壁は、カプセルの軸方向においてカプセルの最も外側の境界を形成し、フィルタ紙などの織布又は不織布フィルタ材料を含む。

国際公開第２０１９／０１３６２３（Ａ１）号は、飲料原材料が充填された内部空間を境界付ける周方向壁及び基部壁を有する剛性のカプセル本体を備えるカプセルを提案している。基部壁と反対側の周方向壁の端部におけるカプセルの開口充填側は、液密材料の蓋で覆われる。蓋は、カプセルが飲料調製デバイス内で使用されるときに、内部空間から調製された飲料を排出するのに適した予め形成された出口開口部を備えている。出口開口部は、蓋の少なくとも一部の上に延びる取り外し可能なカバー要素によって液密に閉鎖される。

しかしながら、これらの解決策は、カプセルの構造、消費者によるその人間工学的使用、及び得られたカップ内の結果に関して、完全に満足できるものではない。

したがって、本発明の目的は、ドリップコーヒーマシンで作られるフィルタタイプのコーヒーの全ての特性を有し、消費者によって期待されるカップ内での期待される感覚的結果に適合する、クレマのないフィルタタイプのコーヒー飲料を製造するための単純な構造のカプセル及び対応するシステムを提供することである。

この点において、本発明は、請求項１に記載され、本明細書に記載されるような、クレマのないコーヒー、茶、ミルク又はチョコレートベースの飲料を提供するためのカプセルを提供する。

請求項に記載のカプセルは、飲料を調製するために意図されており、
カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、当該内部空間は、飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
カプセル本体と一体の剛性の基部壁であって、側壁の第１の端部において内部空間を覆う剛性の基部壁と、
基部壁と反対側の基部本体の側壁の第２の端部においてカプセルの開口面の周りに周方向に配置されたフランジと、
基部壁と反対側の側壁の第２の端部において内部空間とカプセルの開口面とを覆い、カプセルをしっかりと閉鎖する蓋であって、飲料調製デバイス内でカプセルを使用するためにフランジに取り外し可能に取り付けられる、蓋と、
飲料原材料と蓋との間でカプセルの内部空間内に配置されたフィルタ要素と、
カプセルの内部空間内に設けられたキャリアディスクと、を備える。

キャリアディスクは、蓋とフィルタとの間でカプセルの内部空間内に配置され、当該キャリアディスクは、カプセルが飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された飲料を内部空間からカプセルの外側に向かって排出するのに適した予め形成された複数の出口開口部を備える。

本発明によれば、キャリアディスクは５０～１５０個の出口開口部を備え、キャリアディスクの開口表面率は４％よりも高い。

飲料原材料として焙煎され挽かれたコーヒーを含むカプセルの例において、カプセルの特定の構造及び特定のキャリアディスクにより、蓋の取り外し後にカプセルが飲料調製で抽出されるときに、泡及びクレマの形成が制限されたコーヒーを得ることが可能になる。

この淹れたてコーヒーは、クレマが少なく、すぐに消えて（１分又は２分足らずで）カップの周りにクレマの冠のみを残す、フィルタのようなコーヒーの主な特性を有する。このカップ内の結果は、香りがよく、柔らかく、滑らかで、甘みがありながら、ボディが軽く、酸味が少なく、苦みが少なく、刺激味のないコーヒーである。

重要なことに、キャリアディスクの開口表面率は、４％よりも高いものとして定義され、より具体的には、４％～１５％、好ましくは５％～１２％である。設定された開口表面率は、抽出中にカプセル内に圧力構築が生じないこと、又は低減された圧力構築が生じることを可能にする。

提案された解決策では、キャリアディスクは、５０～１５０個の開口部、好ましくは７０～１２０個の開口部、最も好ましくは８５～１１０個の開口部を備える。複数の開口部を有するそのような構造により、抽出中にコーヒー床内での水のチャネリングの可能性が回避される。

加えて、またチャネリング効果の回避に寄与して、開口部は、キャリアディスクの表面に均一に分布され、隣接する出口開口部から０．５ｍｍ～３ｍｍの距離だけ離隔している。

キャリアディスクの出口開口部は、円形又は楕円形の開口部である。提案された開口部形状は、容易な製造、及びより低い工具費のために最適化される。しかしながら、得られるカップの結果に応じて、開口部の他の形状が選択されてもよい。

好ましい方法では、出口開口部は、０．４ｍｍ～３ｍｍ、最も好ましくは０．５ｍｍ～１．３ｍｍの直径を有する。これらの寸法は、約３００ｍＬ／分の漏出速度に対して計算されている。

提案されるように、キャリアディスクは、２８．５ｍｍ～３０．５ｍｍの直径を有する概ね円形状を有する。

カプセル内での安全かつ容易な組み立てを可能にするために、キャリアディスクには、少なくとも０．５ｍｍの距離にわたって、好ましくは０．５ｍｍ～２．５ｍｍ、より好ましくは１ｍｍ～２ｍｍの距離にわたって、その外周上に出口開口部がない。

キャリアディスクの厚さは、０．０５ｍｍ～１．５ｍｍ、好ましくは０．１ｍｍ～１ｍｍ、最も好ましくは０．２ｍｍ～０．８ｍｍであり、これは、抽出中又は抽出後に膨張したコーヒー床の圧力による排出に耐えるのに十分な剛性を、キャリアディスクに与える。

好ましくは、キャリアディスクはアルミニウム製である。これにより、カプセルをアルミニウム製にした場合、従来のアルミニウムの流れでの容易なリサイクルが可能になる。

代替的な方法では、キャリアディスクは、プラスチック又は積層されたプラスチック要素で作られる。

カプセルが、引き裂き面を有する抽出プレートを備える飲料調製デバイス内で抽出されることを考慮すると、出口開口部は、キャリアディスクの出口開口部の１０％未満が抽出プレートの引き裂き面に直接面する状態で、キャリアディスクにわたって均一に分布している。この特徴により、抽出されたコーヒーがキャリアディスクから出ることを妨げられず、抽出プレートの近くの引き裂き面によって影響されないようにすることが可能になる。

更に、キャリアディスクにわたる出口開口部の分布のパターンはまた、出口開口部の分布が抽出プレートの引き裂き面に対するキャリアディスクの角度位置決めに依存しないように構成される。

この提案されたカプセル構造では、フィルタ要素は、コーヒードレインが通過するのを防止し、クレマ層の形成を低減するように適合された不織布材料の層を備える。

現在想定されている解決策では、フィルタは、キャリアディスク上に配置される。これにより、カプセルの組み立てプロセスにおける容易な処理が可能になる。更に、フィルタは、キャリアディスク上に固定されてもよい。

カプセルの蓋は、蓋から突出する自由なプルタブを備える。プルタブは蓋と一体であり、蓋全体を取り外すことを可能にする。そして、この取り扱い及び開封は、より容易である。

提案された実施形態では、蓋は、カプセル内のコーヒーのより良好な貯蔵寿命を確実にするために、少なくともアルミニウム層を含む。

加えて、蓋は、カプセルのフランジ上に蓋を封止するための食品グレード適合性を確実にするために、プラスチック層及び／又はヒートシール層を更に含んでもよい。

好ましくは、カプセル本体、蓋、及びキャリアディスクは、それぞれ主にアルミニウムから作られる。アルミニウムの使用は、より良好なコーヒーの保護及びより長い貯蔵寿命を確実にする。更に、カプセルの寿命の終わりがより容易であり、リサイクルがより容易である。

代替的な方法では、カプセル本体、蓋、及びキャリアディスクはそれぞれ、プラスチック、又は積層された若しくは多層のプラスチック要素で作られてもよい。

提案されたカプセルは、飲料原材料を含む。飲料原材料は、好ましくは少なくとも４ｇ、好ましくは４．５ｇ～１５ｇの量の挽かれたコーヒーである。

提案されたカプセル構造のおかげで、キャリアディスクは、カプセルの内側に配置され、蓋から０．１ｍｍ～２ｍｍの距離に保たれる。これにより、コーヒー床容積が抽出中に膨張するときに、キャリアディスクと飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面との間で起こり得る相互作用を回避することができる。

実際に、カプセルは、飲料原材料の抽出が、８バール未満、より好ましくは５バール未満の圧力で行われる抽出プロセスを持続すべきである。

本発明はまた、本明細書に記載されるシステムを提供する。

本発明のシステムは、飲料を調製することを目的とする。システムは、交換可能なカプセルと、飲料調製デバイスであって、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力でカプセルに供給することができる流体分配デバイスと、カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える淹出チャンバとを有する飲料調製デバイスと、を備える。

請求項に記載のシステムは、飲料調製デバイスにおいて上記開示された特徴の１つ以上を一体化した請求項に記載の交換可能なカプセルを使用することを提案し、飲料調製デバイスの淹出チャンバの第２の部分は、カプセルを保持する淹出チャンバが閉鎖されたときに側壁の第２の端部において交換可能なカプセルと係合するための抽出プレートを備え、抽出プレートは、使用時にカプセルの第２の端部においてキャリアディスクに面する引き裂き面を備え、閉鎖された淹出チャンバ内で使用されるカプセルのキャリアディスクは、抽出プレートの引き裂き面によって変更されず、使用時に、１０％未満の出口開口部が、抽出プレートの引き裂き面に直接面している。

より具体的には、抽出プレートの引き裂き面はピラミッド状要素を含み、出口開口部の分布によれば、出口開口部の１０％未満が引き裂き面のピラミッド状要素に直接面している。

有利には、キャリアディスクにわたる出口開口部の分布はまた、出口開口部の分布が抽出プレートの引き裂き面に対するキャリアディスクの角度位置決めに依存しないように構成される。

本発明によれば、飲料原材料の抽出は、８バール未満、より好ましくは５バール未満の圧力で行われる抽出である。

本発明は更に、上記に開示された特徴の１つ以上を示すカプセルを単独で、又は上記に開示された特徴の１つ以上を示すシステムで使用することに関する。

本出願の優先特許出願（２０２０年１１月２７日に出願された欧州特許出願第２０２１０２８４．４号）の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

本発明の特定の実施形態は、以下の詳細な説明において記載される。これらの目的は、本発明、すなわちカプセル、システム及びカプセル製造方法によって達成される。

本発明は、本発明の一部を形成する以下の実施例及び図面を参照して更に説明される。図面は、明確かつ明示的に示されない限り、いかなる意味でも本発明の範囲の限定を反映するものではない。請求項に記載の本発明は、形はどうあれ、これらの実施形態及び図によって限定されることを意図するものではないことが理解されよう。

図は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態の概略図にすぎないことに留意されたい。

次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して例として説明する。
本発明による、飲料調製デバイス内で使用する前にしっかりと閉鎖されたカプセルの斜視側面図である。 本発明による、蓋が部分的に取り外されたカプセルの斜視側面図である。 本発明による、蓋が取り外され、飲料調製デバイス内で使用される準備ができているカプセルの斜視側面図である。 本発明の第１の実施形態によるカプセルの概略断面図である。 図２ａのカプセルの特定された底部の拡大図である。 カプセルに組み立てられる前の図２ａのカプセルのキャリアディスクの図である。 第１の提案された実施形態による、４つのクリンプ点を有するカプセルに組み立てられた後の図２ａのカプセルのキャリアディスクの概略図である。 第１の提案された実施形態による、８つのクリンプ点を有するカプセルに組み立てられた後の図２ａのカプセルのキャリアディスクの概略図である。 本発明による異なる孔の分布パターンを有するキャリアディスクの概略図である。 本発明による異なる孔の分布パターンを有するキャリアディスクの概略図である。 本発明による異なる孔の分布パターンを有するキャリアディスクの概略図である。 本発明による異なるディスクバージョンについて、抽出されたコーヒー飲料中のクレマの経時的な分散の展開を示す表である。 提案された孔の分布パターンの図である。 ３つの異なる角度位置における飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面を有する、図６ａの提案された孔の分布パターンの透明な重ね合わせ図である。

本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。言い換えれば、それらは、「含む」であるが「限定するものではない」との意味を意図するものである。

本明細書における先行技術文献へのいかなる参照も、かかる先行技術が周知であること、又は当該技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものとみなされるべきではない。

図１ａは、保管状態として定義される、飲料調製デバイス内で使用する前の本発明によるカプセル１を示す。図２の参照を使用すると、図１ａのカプセル１は、剛性のカプセル本体２を備える。本体２は、本体の内部空間の周りに周方向に延びる円錐台形の側壁２ａを備える。カプセルは、カプセル本体２の側壁の第１の端部において内部空間を閉鎖する、カプセル本体２と一体の剛性の基部壁３を更に備える。フランジ４は、カプセル本体の側壁２ａの第２の端部から半径方向外向きに延びる。側壁の第２の端部において、カプセル本体２は、開口充填側を有する。

通常通り、カプセル本体２は、食品グレードになるように加工され、ほとんどの場合、カプセル本体の内側に適用されたラッカー層又はポリマーフィルム層（図示せず）を含む。

カプセルは、カプセル本体のフランジ４に取り付けられ、それによってカプセルを密閉する蓋５を更に含む。蓋５は、自由なプルタブ６を引っ張ることによってカプセルから手動で取り外されてもよい。この場合、プルタブ６は蓋５と一体であり、蓋から突出しているが、代替的な解決策が利用可能である。

蓋５は、封止側に任意選択のヒートシールラッカー層又はポリマー層を有するアルミニウム製の可撓性シート状の箔である。

蓋５がその封止側にラッカー層を含む場合、ラッカー層の厚さは０．００３ｍｍ～０．０３ｍｍであってもよい。蓋５が封止側にポリマー層を含む場合、ポリマー層の厚さは０．０１ｍｍ～０．０５ｍｍであってもよい。

プルタブを使用して取り外されることが意図される蓋５は、接着層を使用してフランジ４に取り付けられる。接着材料は、接着材料の層の形態で適用され、例えば、ヒートシールラッカー層又はポリマーフィルム層であってもよい。

一例として、接着材料を形成する封止層は、０．００３ｍｍ～０．０３ｍｍの層であってもよい。

接着材料の層は、カプセル１に損傷を与えることなく、カプセルのフランジ４に対する蓋５の取り外しを可能にする。

カプセルの内部空間は、カプセルが閉鎖される前に飲料原材料で充填される。この場合、カプセルは、焙煎され挽かれたコーヒーの新鮮さを維持するために、カプセルが蓋５でしっかりと閉鎖される前に焙煎され挽かれたコーヒーのコーヒー床で充填される。コーヒーの重量は、カプセルのサイズに応じて４ｇ～１５ｇの範囲である。しかしながら、茶、ミルク又はチョコレート原材料が想定され得る。

図１ｂのカプセルは、プルタブ６を引き裂くことによって蓋５が部分的に取り外された図１ａのカプセルを示し、図１ｃでは、蓋５が完全に取り外された同じカプセルを示す。見て分かるように、カプセルの第２の端部（充填側）は、もはや閉鎖されておらず、カプセルの内側に、キャリアディスク７として画定される膜を示す。キャリアディスク７は、飲料調製デバイス内で調製される飲料（ここではコーヒー）のための、予め形成された複数の出口開口部８を備える。カプセルはまた、キャリアディスク７をカプセルの内部空間内に保持する、側壁２ａとフランジ４との間の接合部で行われる機械的変形部１１ａ、１１ｂ、１１ｃ．．．を備える。４つの機械的変形部１１が、図１ｂに見られる。これらの機械的変形部１１ａ、１１ｂ、１１ｃ．．．は、図１ｃのカプセル上にも見られ、実際に８つの機械的変形部を観察することができる。これらの局所的な変形は、クリンププロセスを使用して行われる。それらの機能及びそれらが実行される方法は、図２ａ及び以下に関連して説明される。

キャリアディスク７の予め形成された出口開口部８は、カプセルの蓋５によって覆われ、それによってカプセルを閉鎖して、保管中にカプセル内の飲料原材料の鮮度を確実にするためにカプセルの内部空間の気密封止を維持する。

本発明のカプセルの様々な実施形態の断面図（例えば図２ａ参照）に見られるように、カプセルは、コーヒー床とキャリアディスク７との間に配置されたフィルタ要素９をカプセルの内部空間に更に備える。フィルタ要素９は、飲料原材料の固体粒子、例えばコーヒー粒子又は茶葉が、抽出中にカプセルから最終消費者カップ内に流出することを防止する。

提案された発明では、カプセル本体２及び蓋５は、それぞれ主にアルミニウムから作られる。

しかしながら、カプセル本体及び蓋のために、他の材料が想定されてもよい。

例えば、カプセル本体及び蓋は、プラスチックポリマー材料で作られてもよく、又はカプセル本体及び蓋は、紙ベースの材料で作られてもよい。

理解されるように、本発明のカプセルは、従来のＮｅｓｐｒｅｓｓｏ（登録商標）コーヒーカプセルと互換性のある従来の高圧飲料調製デバイスを使用して抽出される。飲料調製デバイスは、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力でカプセルに供給することができる流体分配デバイスと、カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える淹出チャンバと、を備え、淹出チャンバの第２の部分は、カプセルの基部壁と反対側の第２の端部においてカプセルと係合するための引き裂き面を示す抽出プレートを備える。

飲料調製デバイスにおける、閉鎖されたカプセルの従来の抽出プロセスを要約すると、カプセルは、飲料調製デバイスの淹出チャンバ内に挿入される。流体分配デバイスは、コーヒーを浸出させ、次いで抽出するために、カプセル内の基部壁３を通してカプセルにある量の水などの流体を供給する。カプセル内の圧力が上昇すると、カプセルの蓋が抽出プレートの引き裂き面と接触し、蓋が当該引き裂き面によって変更されて、コーヒーがカプセルから流出することができる開口部の形成につながる。

コーヒーを流出させるために蓋と引き裂き面との相互作用によって蓋の表面に出口開口部を形成することは、調製プロセスにおける泡及びクリームの形成に関与する。

従来のカプセル（閉鎖されたカプセル）を上述のプロセスと共に使用することにより、８バール～２０バールの圧力でのコーヒーの抽出につながる。

本発明のカプセルの抽出プロセスでは、カプセルの蓋は、飲料調製デバイスの淹出チャンバ内にカプセルを挿入する前に取り外される。流体分配デバイスは、コーヒーを浸出させ、次いで抽出するために、カプセル内の基部壁３を通してカプセルにある量の水などの流体を供給する。抽出されたコーヒーは、フィルタ要素９を通過し、次いで、キャリアディスク７の出口開口部を通って流出する。抽出中、（カプセルのフランジからある距離にある）キャリアディスク７は、飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面と接触するようには意図されていない。キャリアディスク７は、カプセルの抽出中の引き裂きによって変更されない（前のセクションで説明したように、抽出プレートの引き裂き面上でカプセル膜が引き裂かれる、従来の閉鎖されたカプセルの抽出の場合のように）。

（従来の飲料調製デバイス内での）本発明のカプセルの使用により、カプセル内のコーヒーの量及びフィルタ要素構造に応じて、０．１バール～８バールの圧力でのコーヒーの抽出につながる。

蓋が、飲料調製デバイス内での使用前にカプセルから取り外され、キャリアディスクがカプセル内に配置される（例えば図２ａを参照）という事実により、キャリアは抽出プレートの引き裂き面に接触することを意図しておらず、したがって当該引き裂き面によって変形することはない。

より詳細には、飲料調製デバイス内で本発明のカプセル１を使用してコーヒーを調製するとき、ユーザは、カプセルを飲料調製マシンに挿入する前にプルタブ６を引き裂くことによって蓋５を取り外す。カプセル本体２の基部壁３は、コーヒー飲料の調製のために圧力下で水をカプセル内に供給するための飲料調製デバイスの穿孔手段によって更に穿孔され、開封される。

飲料調製デバイス内で使用されるときにカプセルが閉鎖されていない（蓋５が取り外され、出口開口部がアクセス可能である）という事実により、カプセル内で上昇する抽出圧力が制限され（０．１～６バール）、抽出中の泡及びクリームの形成が制限される。

したがって、コーヒー／蓋／開口要素（複数可）と飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面との間の相互作用において、（従来のカプセルの使用と同様に）圧力上昇及び急激な圧力低下が生じないので、結果として得られるカップ内のコーヒーは、クレマがほとんどない、又は全くない。

本発明のカプセルにより、カプセル内の飲料原材料に応じて、クレマのないコーヒー、茶、ミルク又はチョコレートを調製することが可能になる。

図２ａは、本発明のカプセルの第１の実施形態を示す。開示されるように、カプセルは、予め形成された複数の出口開口部８を備えるキャリアディスク７を内部空間内に備える。

図２ａの特定された底部部分の拡大された断面図である図２ｂに示されるように、キャリアディスク７は、蓋５から０．１ｍｍ～２ｍｍの距離でカプセル内に配置され、蓋５は、フランジ４上に封止される。

カプセル蓋５（したがって、蓋が抽出のために取り外された後のフランジ４）とキャリアディスク７との間のこの間隙は、キャリアディスク７が抽出プロセス中に撓んだ場合に、キャリアディスク７が飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面との引き裂き境界面にならないように、凹部を提供する。

キャリアディスク７は、図２ｃに示されるように実質的に円形の材料であり、その直径は、キャリアディスク７が組み立てプロセスに応じて配置される／挿入される／維持される場所におけるカプセルの内径にほぼ等しい。

したがって、提案された実施形態では、キャリアディスク７の直径は、約２９．５～３０．５ｍｍである。

提案された実施形態では、キャリアディスクはアルミニウム製である。その厚さは約０．３ｍｍであるが、０．１ｍｍ～１ｍｍの間で変化してもよい。

キャリアディスクはアルミニウム製であり、好ましい解決策では、図に示されるもののように、カプセル本体、蓋、及びキャリアディスクは、それぞれ主にアルミニウム製である。

提示された解決策では、キャリアディスク７は、カプセル１の側壁２ａとフランジ４との間の接合部においてカプセル上に作られた局所的な機械的変形部１１のおかげで、カプセルの内側に維持される。図２ｂの詳細な断面図では、１つの機械的変形部１１が見られる。機械的変形部は、クリンプ点１１の形態であり、基部壁３と反対側のカプセルの開口面の側面に位置する。

カプセルは延性材料、好ましくはアルミニウムで作られているので、クリンプによる機械的変形部により、直径が局所的に減少し、それによってキャリアディスク７（及びフィルタ）をカプセルの内側に保持することが可能になる。その後、キャリアディスクはカプセル１内に保持される。

ここで、製造プロセス中、蓋５でカプセルを閉鎖する前に、クリンプ点１１につながるフランジ４と側壁２ａとの接合部においてカプセルを機械的に変形させるステップが、カプセルに対して行われる。

２～１０個のクリンプ点であるクリンプ点１１（図１ｃでも見られる）は、カプセルのフランジと側壁との接合部において、カプセルの開口面の周囲に角度的に分布している。

クリンプ点を作製するために使用される工具を考慮して、クリンプ点１１は、好ましくは、カプセルの開口面の周囲に均等に分布している。

加えて、クリンプ点１１は、使用されるクリンプ工具に従って丸みを帯びたクリンプインプリントを有してもよい。

代替的方法において、キャリアディスク７は、プラスチックで、又は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、若しくは任意の他の半結晶性ポリマーなどのポリオレフィンを含む積層膜で作られてもよい。キャリアディスク７は、コート紙、ラミネート紙、又は成形紙のような、紙ベースの材料で作られてもよい。

図２ｃに見られるように、予め形成された出口開口部９は、キャリアディスクの表面に均一に分布した円形の開口部である。出口開口部のこの均一な分布は、カプセル１から流出するコーヒーの均一な流れを確実にする。これはまた、カプセル内の飲料（コーヒー床）によるチャネルの生成を回避するのに役立つ。

開口部は、約０．７５ｍｍ～１ｍｍに設定された直径を有するが、直径は、０．４ｍｍ～３ｍｍの間、最も好ましくは０．５ｍｍ～１．３ｍｍの間で変化してもよい。

予め形成された出口開口部の数は、カプセルのサイズ（及びキャリアディスクのサイズ）、並びにどれだけ速いコーヒーの送り出しが望まれるかに応じて変化してもよい。開示された実施形態では、キャリアディスク７は、５０～１５０個の開口部、好ましくは約９０個、示された実施形態では約１００個の出口開口部を備える。

代替的な実施形態では、予め形成された出口開口部は、楕円形であってもよい。

提示されるように、カプセルは、可能な組み立てプロセス中に、カプセルの充填後に原材料床（例えばコーヒー床）上に配置されるフィルタ要素９を更に備え、キャリアディスク７は、フィルタ要素と蓋５との間に配置される。代替的な組み立てプロセスでは、フィルタがキャリアディスク上に組み立てられ、両方の要素が原材料床上のカプセル内に挿入される。

カプセルが逆さまにされ、図２ｂの拡大図に示されるように、フィルタ要素９がキャリアディスク７上に位置する。次に、フィルタ要素は、カプセル内のキャリアディスク７によって支持される。フィルタは、カプセル内で平坦に維持され、抽出中に飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面に接触することはない。

ツーピース設計の使用は、封止不可能なフィルタ材料の使用を可能にし得、これは、持続可能性のための利点であり得る。

この実施形態で提案されるように、フィルタ要素９は、キャリアディスク７の直径よりも小さい直径、すなわち２８ｍｍ～３０．５ｍｍ、一般にディスクキャリアよりも0．１ｍｍｎ小さい直径を有する円形である。

しかしながら、代替的な実施形態において、フィルタ要素９の直径は、キャリアディスク７の直径と同様であり得る。

フィルタ要素９は、クレマ層の生成を回避する目的で、かつコーヒードレインがディスクキャリアを通過してカップに直接進むことを回避する目的で、飲料の抽出中にコーヒードレインが過度に遅く又は過度に速く通過することを防止／抑制するように適合された不織布材料で作られる。

提案された実施形態のフィルタ要素９は、２０～３００ミクロンの厚さ、ＩＳＯ９２３７による１００～５０００ｌ／ｍ２／ｓの範囲の空気透過率、及び５～６００ｇ／ｍ２の範囲の重量を備える。それは、例えば紙ベースのフィルタ要素であってもよい。

フィルタ要素は、任意の既知の手段によって別のフィルタリング層に接続された不織布材料の層を含んでもよい。

図２ａ～図２ｃの提案された実施形態では、フィルタ要素９及びキャリアディスク７は、互いの上に配置された独立した要素である。しかしながら、それらは、例えば、接着又は任意の他の手段によって、一緒に組み立てられてもよい。これにより、フィルタ及びキャリアディスクの挿入が１つのステップで行われるので、カプセル内の組み立てプロセスが変更される。

提案された円形のキャリアディスク７は、円錐台形状を有するカプセルに嵌合（圧力嵌め）するように、キャリアディスク７の周囲にテーパ形状を有してもよい。しかしながら、カプセル内のキャリアディスクの他の代替的な形状及び配置が想定されてもよい。

飲料調製マシンにおいて、蓋５が取り外され、カプセル１が抽出されたときに、キャリアディスク７及びフィルタ要素９がカプセル内の定位置にとどまることが重要である。いくつかの組み立てプロセスが考慮されてもよく、本発明によるカプセルの提案された実施形態に関連して後に開示される。

図示されていない変形実地形態では、キャリアディスクは、プラスチック又は積層されたプラスチック要素で作られる。この状況では、カプセル内のキャリアディスクの組み立てプロセスは、同様のままである。

図３ａ及び図３ｂは、図２ａのカプセルにキャリアディスク７が挿入され、蓋を取り付けることによってカプセルの開口面を閉鎖する前に、それぞれ４つ及び８つのクリンプ点でカプセル内に組み立てられた状態の、図２ａのカプセル（カプセルの開口面から見た図）を表す。見て分かるように、キャリアディスク７の孔の分布パターンは同じであるが、２つの異なる角度位置で見られる。

クリンプ点（機械的変形部）の数は、キャリアディスク７（及びキャリアディスクによって支持されるフィルタ要素９）をカプセル１内に十分かつ効率的に保持することを可能にするために、２～１０個の間で変化してもよい。

クリンプ点１１は、カプセルの側壁２ａとフランジ４との間の接合部において、カプセルの開口面周囲の周りに角度的に分布している。好ましくは、本明細書に提示されるように、クリンプ点は、カプセルの開口面の周囲に沿って均等に分布している。

カプセルを機械的に変形させるステップ中に現在使用されている工具細工は、実質的に丸みを帯びたクリンプインプリントを有するクリンプ点を有することを可能にする丸い端部形状を有する。

図４ａ、図４ｂ及び図４ｃは、カプセル本体２の内部空間に挿入されるキャリアディスク７の満足のいく異なるバージョンを、異なる孔の分布で示す。前の図で既に見られるように、キャリアディスク７は、カプセルが飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された飲料をカプセルの内部空間からカプセルの外側に向かって排出するのに適した予め形成された複数の出口開口部８を備える。

提案されたキャリアディスク７は、３０ｍｍ＋／－３ｍｍに設定された直径を有する円形状のアルミニウムディスクである。しかしながら、キャリアディスクの直径は、カプセルのサイズ及び／又は構造に応じて、２８．５ｍｍ～３０．５ｍｍであってもよい。

図２ａのカプセルで使用されるキャリアディスク７の厚さは、約０．３ｍｍである。しかしながら、キャリアディスクの厚さは変化してもよい。それは、０．０５ｍｍ～１．５ｍｍ、好ましくは０．１ｍｍ～１ｍｍ、最も好ましくは０．２ｍｍ～０．８ｍｍであり得る。

キャリアディスクは、組み立て中にいくつかの出口開口部が損傷すること、及び／又はクリンプ点（図３ａ及び図３ｂに見られる）によって覆われることを回避するために、少なくとも０．５ｍｍの距離にわたってその外周上に出口開口部がない空隙空間１０を有する。空隙空間１０は、図４ａで特に見られる。

図に示されるように、出口開口部８は、予め形成された較正された円形の開口部である。出口開口部８は、キャリアディスク７の表面に均一に分布しており、各出口開口部は、隣接する出口開口部（複数可）から２．５ｍｍの距離だけ離隔しているが、この距離は０．５ｍｍ～３ｍｍであってもよい。開口部分布のパターンは、一般に、製造プロセスのために参照される開口部（孔）であるいくつかの特定の出口開口部を有する格子又はマトリックスのように見える。

提案された実施形態では、出口開口部８は、約１ｍｍに設定された直径を有する。しかしながら、出口開口部は、０．４ｍｍ～３ｍｍ、好ましくは０．５ｍｍ～１．３ｍｍの直径を有する。

図示されていない変形実施形態では、出口開口部は楕円形の孔である。

特定の出口開口部の分布を有するキャリアディスクの製造プロセスは、金属箔のパンチング技術を使用して行われてもよい。このタイプの技術は、ダイを使用して、マトリックスを通して材料を打ち抜く。しかしながら、当業者に知られている他の技術が使用されてもよい。

図４ａ、図４ｂ及び図４ｃの提案されたキャリアディスク７は、４％より高いキャリアディスクの開口表面率を有する５０～１５０個の出口開口部８を備える。

開口表面率は、キャリアディスクの表面に対する孔の表面の和の比率として定義される。式は以下の通りである。

Ｒｏｓ＝開口表面率
Ｓｈ＝孔表面
Ｓｄ＝キャリアディスク表面

本発明では、最初の要件は、従来のＮｅｓｐｒｅｓｓｏ（登録商標）マシンで使い捨てカプセルを抽出することによって、できるだけクレマの少ないフィルタのようなコーヒーを得ることである。ある場合には、いくらかのクレマが発生したとしても、このクレマは２分後に消失すると期待される。

以下の表（表１）は、出口開口部８（孔とも呼ばれる）の数だけでなく、孔のサイズ及びキャリアディスクのサイズも重要であり、開口表面率につながることを示す。

試験は、約３０ｍｍの直径を有するキャリアディスク上で行われた。

表１に示されるデータは、以下を示す。

試験１、２及び５～７は、５０個より多い数の孔及び４％より高い開口表面率で行われた。抽出から2分後に、得られたコーヒー飲料には残りのクレマが見られなかったので、結果は満足のいくものであると考えられた。

試験３において、孔の数が５０個未満であり、開口表面率が４％未満である場合、抽出されたコーヒーには、２分後に消えないクレマが含まれる。最終的に抽出されたコーヒーは、閉鎖されたカプセルの高圧抽出から得られたコーヒーと同様であった。

試験４において、孔の数が５０個未満、例えば２個であり、開口表面率が４％を超える場合、コーヒー抽出は可能であったが、マシンの引き裂き面上のフィルタの穿孔に関連する技術的問題のため、カップ内にコーヒー粒が入っていてコーヒーは満足のいくものではなかった。抽出プロセスは、飲料マシンの抽出プレートの引き裂き面上のカプセル要素（ここではフィルタ）の引き裂きを伴う従来の高圧密閉カプセル抽出と同様であった。

図５を参照すると、異なる時間における、異なるキャリアディスクバージョン及び結果として抽出されたコーヒー（コーヒーカップの上からの写真）について、抽出の終了に対応するｔ０、抽出の終了の１分後に対応するｔ０＋１分、抽出の終了の２分後に対応するｔ０＋２分、及び抽出の終了の５分後に対応するｔ０＋５分を示す表が提示されている。

見て分かるように、基準に対応するキャリアディスク及び５０個を超える孔を有するキャリアディスクは、ｔ０＋１分において、カップ内に残るクレマを全く示さないか、又はほとんど示さない。

４２個の孔を含むキャリアディスク（Ｖ２．１．７）は、ｔ０＋５分においてコーヒーの中に残るクレマを示し、したがって、期待されるフィルタのようなコーヒーに対応しない。したがって、このキャリアディスクは、従来のＮｅｓｐｒｅｓｓｏ（登録商標）マシンにおいて使い捨てカプセルを使用してフィルタのようなコーヒーを製造する特定の目的のために保持することができない。

上記の結果（図５及び表１）から、キャリアディスクは、好ましくは７０～１２０個の出口開口部を備え、最も好ましくは８５～１１０個の出口開口部を備える。

キャリアディスクの開口表面率に関しては、開口表面率は４％より高く、好ましくは４％～１５％、より好ましくは５％～１２％である。

これらの値以外では、キャリアディスク上の孔の寸法及び孔の数に関していくつかの技術的限界があり、そのようなキャリアディスクの工業的形成プロセスを可能にしない。

例えば、約３０ｍｍの直径を有するキャリアディスク上に均一に分布した０．３ｍｍの直径を有する開口部の場合、
５％の開口表面率は、約２００個の孔をもたらす
１０％の開口表面率は、約９９５個の孔をもたらす
１５％の開口表面率は、約１４９３個の孔をもたらす
これは、品質問題を生じることなしに工業レベルで技術的に実現可能ではない。

加えて、非常に重要なことに、感覚要件が考慮されなければならない。実際に、請求項に記載の値以外では、抽出されたコーヒーは期待される味に対応しない。

図６ａ及び図６ｂを参照すると、提案されたキャリアディスク７、及び飲料調製デバイスの抽出チャンバの引き裂き面１２に対するこのキャリアディスクの異なる向きが示されている。

示されたキャリアディスク７は、約３０ｍｍの直径を有し、約１ｍｍの距離にわたってその外周上に出口開口部８がない空隙空間１０を除き、キャリアディスクの表面全体にわたって分布した９６個の出口開口部を備える。

キャリアディスクの開口表面率は約９．３％である。

上述のパラメータに加えて、説明したように、当該特定のキャリアディスク７を一体化したカプセル１は、飲料調製デバイス又はマシン（図示せず）内で抽出されるように意図されている。

図示されていない飲料調製デバイスは、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力でカプセルに供給することができる流体分配デバイスと、カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える淹出チャンバと、を備える。淹出チャンバの第２の部分は、カプセルを保持する淹出チャンバが閉鎖されたときに側壁の第２の端部において交換可能なカプセルと係合するための抽出プレートを備え、抽出プレートは、使用時にカプセルの第２の端部に面するピラミッド状要素を有する引き裂き面を備える。

したがって、本発明のカプセルの抽出プロセスでは、カプセルの蓋は、飲料調製デバイスの淹出チャンバ内にカプセルを挿入する前に取り外される。カプセル、より具体的にはキャリアディスク７は、飲料調製デバイスの抽出プレートの（ピラミッド要素の形態の）引き裂き面に面している。

抽出プロセス中、水はカプセル内に注入され、カプセルの内部空間内に配置されたコーヒー原材料と混合する。蓋が取り外されているので、コーヒー原材料の抽出は、８バール未満、より好ましくは５バール未満の圧力での抽出である。

次いで、コーヒー飲料は、フィルタを通過し、出口開口部を通ってカプセルから流出することを目指す。

抽出中、キャリアディスクが抽出プレートの引き裂き面と引き裂き相互作用しない場合であっても、抽出されたコーヒーがキャリアディスクから出ることを防止せず、抽出プレートの近くの引き裂き面によって影響を受けないことが重要である。

出口開口部の分布の提案されたパターンでは、キャリアディスク７の出口開口部８の１０％未満が抽出プレートの引き裂き面に直接面している。

パターンは、上記特徴が抽出プレートの引き裂き面に対するキャリアディスクの角度位置決めに依存しないように構成される。

図６ｂは、３つの異なる角度位置、それぞれ０°、２０°及び３０°における、図６ａの提案された孔の分布パターンを示す、キャリアディスクと抽出プレートの引き裂き面との透明な重ね合わせを具体的に示す。

キャリアディスク７の各角度位置について、閉塞された孔の数がカウントされた。０°で４つの孔が閉塞され、２０°で８つの孔が閉塞され、３０°で６つの孔が閉塞された。

抽出プレートの引き裂き面に対するキャリアディスクの角度位置がどのようなものであっても、閉塞される孔の数が少ない（１０％未満）おかげで、抽出されたコーヒーの最適化された規則的な流れが得られる。

本発明を例として説明してきたが、特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び改変を加えることができることが理解されるべきである。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。

１ カプセル
２ カプセル本体／２ａ 側壁
３ 基部壁
４ フランジ
５ 蓋
６ プルタブ
７ キャリアディスク
８ 出口開口部
９ フィルタ
１０ 空隙空間
１１ 機械的変形部／クリンプ

Claims (18)

1. 飲料を調製するためのカプセルであって、
   前記カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、前記内部空間は、前記飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
   前記カプセル本体と一体の剛性の基部壁であって、前記側壁の第１の端部において前記内部空間を覆う剛性の基部壁と、
   前記基部壁と反対側の前記基部本体の前記側壁の第２の端部において前記カプセルの開口面の周りに周方向に配置されたフランジと、
   前記基部壁と反対側の前記側壁の第２の端部において前記内部空間と前記カプセルの前記開口面とを覆い、前記カプセルをしっかりと閉鎖する蓋であって、飲料調製デバイス内で前記カプセルを使用するために前記フランジに取り外し可能に取り付けられる、蓋と、
   前記飲料原材料と前記蓋との間で前記カプセルの前記内部空間内に配置されたフィルタ要素と、
   前記カプセルの前記内部空間内に設けられたキャリアディスクと、を備え、
   前記キャリアディスクが、前記蓋と前記フィルタとの間で前記カプセルの前記内部空間内に配置され、前記キャリアディスクは、前記カプセルが前記飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された前記飲料を前記内部空間から前記カプセルの外側に向かって排出するのに適した予め形成された複数の出口開口部を備えており、
   前記キャリアディスクが５０～１５０個の出口開口部を備え、前記キャリアディスクの開口表面率が４％よりも高い、
   飲料を調製するためのカプセル。
2. 前記キャリアディスクが、好ましくは７０～１２０個の出口開口部、最も好ましくは８５～１１０個の出口開口部を備える、請求項１に記載の飲料を調製するためのカプセル。
3. 前記キャリアディスクの前記開口表面率が、４％～１５％、好ましくは５％～１２％である、請求項１又は２に記載の飲料を調製するためのカプセル。
4. 前記出口開口部が、較正された円形又は楕円形の開口部である、請求項１～３のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
5. 前記出口開口部が、０．４ｍｍ～３ｍｍ、好ましくは０．５ｍｍ～１．３ｍｍの直径を有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
6. 前記出口開口部が、前記キャリアディスクの表面に均一に分布している、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
7. 各出口開口部が、隣接する出口開口部から０．５ｍｍ～３ｍｍ、より好ましくは１ｍｍ～３ｍｍの距離だけ離隔している、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
8. 引き裂き面を有する抽出プレートを備える飲料調製デバイス内で抽出される、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセルであって、前記キャリアディスクの前記出口開口部の１０％未満が、前記抽出プレートの前記引き裂き面に直接面している、飲料を調製するためのカプセル。
9. 前記キャリアディスクが、２８．５ｍｍ～３０．５ｍｍの直径を有する概ね円形状を有する、請求項１～８のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
10. 前記キャリアディスクには、少なくとも１ｍｍの距離にわたって、好ましくは０．５ｍｍ～２．５ｍｍ、より好ましくは１ｍｍ～２ｍｍの距離にわたって、その外周上に出口開口部がない、請求項９に記載の飲料を調製するためのカプセル。
11. 前記キャリアディスクの厚さが、０．０５ｍｍ～１．５ｍｍ、好ましくは０．１ｍｍ～１ｍｍ、最も好ましくは０．２ｍｍ～０．８ｍｍである、請求項１～１０のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
12. 前記キャリアディスクがアルミニウム製である、請求項１～１１のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
13. 前記カプセル本体、前記蓋、及び前記キャリアディスクが、それぞれ主にアルミニウムから作られる、請求項１～１２のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
14. 前記キャリアディスクが、プラスチック又は積層されたプラスチック要素で作られる、請求項１～１１のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
15. 前記飲料原材料が、少なくとも４ｇ、好ましくは４．５～１５ｇの量の挽かれたコーヒーを含む、請求項１～１４のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
16. 請求項１～１５のいずれか一項に記載の交換可能なカプセルと、飲料調製デバイスであって、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力で前記カプセルに供給することができる流体分配デバイスと、前記カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える前記淹出チャンバとを有する飲料調製デバイスと、を備える飲料を調製するためのシステムであって、
    前記交換可能なカプセルが、
    前記カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、前記内部空間は、前記飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
    前記カプセル本体と一体であり、前記側壁の第１の端部において前記内部空間を覆う剛性の基部壁であって、前記ある量の流体を供給するために前記飲料調製デバイスのための前記流体分配デバイスの少なくとも１つのナイフによって使用時に穿孔される剛性の基部壁と、
    前記交換可能なカプセルは、前記基部壁と反対側の前記周方向壁の第２の端部において前記内部空間を覆い、使用前に前記カプセルをしっかりと閉鎖する蓋であって、前記カプセルが前記飲料調製デバイス内で使用されるときに前記カプセルから取り外される蓋を備え、
    前記カプセルの前記内部空間内に配置され、前記カプセルが前記飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された前記飲料を前記内部空間から排出するのに適した５０～１５０個の予め形成された出口開口部を備えるキャリアディスクと、を備え、
    前記淹出チャンバの前記第２の部分が、前記カプセルを保持する前記淹出チャンバが閉鎖されたときに前記側壁の前記第２の端部において前記交換可能なカプセルと係合するための抽出プレートを備え、前記抽出プレートは、使用時に、前記カプセルの前記第２の端部において前記キャリアディスクに面するピラミッド状要素を有する引き裂き面を備え、
    使用時に、前記出口開口部の１０％未満が、前記抽出プレートの前記引き裂き面の前記ピラミッド状要素に直接面している、
    飲料を調製するためのシステム。
17. 前記飲料原材料の抽出が、８バール未満、より好ましくは５バール未満の圧力での抽出である、請求項１６に記載の飲料を調製するためのシステム。
18. 請求項１～１５のいずれか一項に記載の容器、請求項１６又は１７に記載のシステムのための使用。
    
    

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