技術的な利点は、一般に、機能削減(RedCap)ユーザ機器(UE)の識別のための技法及び機構を説明する本開示の実施形態によって達成される。
本開示の一態様によれば、方法は、ユーザ機器(UE)によって、基準に基づいて、UEのランダムアクセス(RA)手順中に又はRA手順後に、それが機能削減(RedCap)UEであることをgNBへ示すかを決定するステップであって、RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信ブランチの数量を有するか、又は非RedCap UEの最小帯域幅よりも少ない帯域幅を有する、ステップと、UEによって、gNBへ、決定結果に従ってそれがRedCap UEであることを示すステップとを含む方法が提供される。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、非RedCap UEは、レガシーUEである。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、RedCap UEは、1つ又は2つの受信ブランチを有する。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、非RedCap UEのための受信ブランチの最小数は、周波数範囲1(FR1)について4であり、周波数範囲2(FR2)について2である。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、示すステップは、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示す第1のメッセージをRA手順中に示すことを決定するときにgNBへ送るステップを備え、第1のメッセージは、RA手順のメッセージ1(Msg1)、RA手順のメッセージ3(Msg3)、又はRA手順のRA手順のメッセージA(MsgA)を備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、方法は、UEによって、RA手順前に、gNBによってブロードキャストされ、UEによって受信される無線リソース制御(RRC)構成に基づいて、RA手順前に、第1のメッセージを決定するステップをさらに含む。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、RRC構成は、基準の情報を備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、RA手順前にgNBによってブロードキャストされ、UEによって受信される物理的ランダムアクセスチャネル(PRACH)構成に従って、第1のメッセージは、UEによって送られ、PRACH構成は、RACHプリアンブル、RACHオケージョン、又はそれらの組合せを備え、これは、RedCap UEを示すことに関係付けられる。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、方法は、UEによって、RA手順中にgNBから、受信されたカバレージ回復技法に従ってメッセージ2(Msg2)又はメッセージ4(Msg4)を受信するステップをさらに含む。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、第1のメッセージは、Msg1であり、方法は、UEによって、gNBへのMsg3の送信を繰り返すステップをさらに備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、Msg3の送信の反復の数がRACH構成に従う。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、Msg3の送信を繰り返すステップは、UEの参照信号受信電力(RSRP)測定が閾値よりも少ないときに実行される。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、示すステップは、UEによって、RA手順が完了された後にUEをRedCap UEとして示すUE機能の情報をRA手順後に示すことを決定するときにgNBへ送るステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEの受信ブランチの数、UEによって測定される参照信号受信電力(RSRP)、UEによって測定される参照信号受信品質(RSRQ)、UEによって測定される参照信号強度インジケータ(RSSI)、又はそれらの組合せに基づく。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEの機能に基づく。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、決定するステップは、UEが2つの受信ブランチを有するとき、UEによって、RA手順後にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、又はUEが1つの受信ブランチを有するとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、決定するステップは、UEが2つの受信ブランチを有し、周波数範囲1(FR1)又はFR2内で動作可能であるとき、UEによって、RA手順後にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、UEが1つの受信ブランチを有し、FR1又はFR2内で動作可能であるとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、又はUEが2つの受信ブランチを有し、FR1内で動作可能であるとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、決定するステップは、UEによって、RSRP測定をRedCap UEのために構成された閾値と比較するステップ、RSRP測定が閾値よりも大きいとき、UEによって、RA手順後にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、又はUEのRSRP測定が閾値以下であるとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、決定するステップは、UEによって、RSRP測定をRedCap UEのために構成された閾値と比較するステップ、UEが2つの受信ブランチを有し、RSRP測定が閾値よりも大きいとき、UEによって、RA手順後にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、UEが2つの受信ブランチを有し、UEのRSRP測定が閾値以下であるとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、又はUEが1つの受信ブランチを有するとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、決定するステップは、UEによって、RSRP測定をRedCap UEのために構成された閾値と比較するステップ、UEが1つの受信ブランチを有し、RSRP測定が閾値よりも大きいとき、UEによって、RA手順後にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、UEが1つの受信ブランチを有し、RSRP測定が閾値以下であるとき、UEによって、RA手順中にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップ、又はUEが2つの受信ブランチを有するとき、UEによって、RA手順後にUEをRedCap UEとして示すことを決定するステップを備える。
本開示の別の態様によれば、gNBによって、ランダムアクセス(RA)手順中に、ユーザ機器(UE)から第1のメッセージを受信するステップと、gNBによって、第1のメッセージが、UEが機能削減(RedCap)UEであることを示すかを決定するステップであって、RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信ブランチの数量を有するか、又は非RedCap UEの最小帯域幅よりも少ない帯域幅を有する、ステップと、第1のメッセージがUEをRedCap UEとして示すときに、gNBによって、カバレージ回復技法に従ってRA手順中にUEへ第2のメッセージを送るステップと、第1のメッセージがUEをRedCap UEとして示さないときに、gNBによって、RA手順が完了された後にUEがRedCap UEであるか決定するステップとを含む方法が提供される。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、非RedCap UEは、レガシーUEである。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、RedCap UEは、1つ又は2つの受信ブランチを有する。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数は、周波数範囲1(FR1)について4であり、周波数範囲2(FR2)について2である。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、第1のメッセージは、RA手順のメッセージ1(Msg1)、RA手順のメッセージ3(Msg3)、又はRA手順のメッセージA(MsgA)を備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、第1のメッセージは、gNBによってブロードキャストされる物理的ランダムアクセスチャネル(PRACH)構成に基づき、PRACH構成は、RACHプリアンブル、RACHオケージョン、又はそれらの組合せを備え、これは、RedCap UEを示すことに関係付けられる。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、第2のメッセージは、RA手順のメッセージ2(Msg2)、又はRA手順のメッセージ4(Msg4)である。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、方法は、gNBによって、UEから、RA手順が完了された後にUEをRedCap UEとして示すUE機能の情報を受信するステップをさらに備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、方法は、gNBによって、UEへ基準の情報をブロードキャストするステップであって、基準に基づいて、RA手順中に又はRA手順後に、UEをRedCap UEとしてgNBへ示すかUEが決定することを可能にする、ステップをさらに備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEの受信ブランチの数、UEの参照信号受信電力(RSRP)測定、UEの参照信号受信品質(RSRQ)測定、UEの参照信号強度インジケータ(RSSI)、又はそれらの組合せに基づく。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEの機能に基づく。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEが2つの受信ブランチを有するとき、RA手順後にRedCap UEを示すステップ、又はUEが1つの受信ブランチを有するとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEが2つの受信ブランチを有し、周波数範囲1(FR1)又はFR2内で動作可能であるとき、RA手順後にRedCap UEを示すステップ、UEが1つの受信ブランチを有し、FR1又はFR2内で動作可能であるとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップ、又はUEが2つの受信ブランチを有し、FR1内で動作可能であるとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEによって測定されるRSRPが閾値よりも大きいとき、RA手順後にRedCap UEを示すステップ、又はUEによって測定されるRSRPが閾値以下であるとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEが2つの受信ブランチを有し、UEによって測定されるRSRPが閾値よりも大きいとき、RA手順後にRedCap UEを示すステップ、UEが2つの受信ブランチを有し、UEによって測定されるRSRPが閾値以下であるとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップ、又はUEが1つの受信ブランチを有するとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、基準は、UEが1つの受信ブランチを有し、UEによって測定されるRSRPが閾値よりも大きいとき、RA手順後にRedCap UEを示すステップ、UEが1つの受信ブランチを有し、UEによって測定されるRSRPが、閾値以下であるとき、RA手順中にRedCap UEを示すステップ、又はUEが2つの受信ブランチを有するとき、RA手順後にRedCap UEを示すステップを備える。
任意選択で、前述の態様のいずれかでは、方法は、gNBによって、gNBがRedCap UEをサポートすることを示す情報をブロードキャストするステップをさらに備える。
本開示の別の態様によれば、命令を備える非一時的なメモリストレージと、メモリストレージと通信する1つ又は複数のプロセッサとを含み、ここで、命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに、装置に、前述の態様のいずれかにおける方法を実行させる装置が提供される。
本開示の別の態様によれば、コンピュータ命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに、装置に、前述の態様のいずれかにおける方法を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体である。
本開示の別の態様によれば、ユーザ機器(UE)及びgNBを含むシステムであって、UEは、基準に基づいて、UEのランダムアクセス(RA)手順中に又はRA手順後に、UEが機能削減(RedCap)UEであることをgNBへ示すかを決定することであって、RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信ブランチの数量を有するか、又は非RedCap UEの最小帯域幅よりも少ない帯域幅を有する、ことと、決定結果に従って、gNBへ、UEがRedCap UEであることを示すこととを実行するように構成され、gNBは、ランダムアクセス(RA)手順中にUEから第1のメッセージを受信することと、第1のメッセージが、UEがRedCap UEであることを示すかを決定することと、第1のメッセージがUEをRedCap UEとして示すときに、カバレージ回復技法に従ってRA手順中にUEへ第2のメッセージを送ることと、第1のメッセージがUEをRedCap UEとして示さないときに、RA手順が完了された後に、UEがRedCap UEであるか決定することとを実行するように構成される、ユーザ機器(UE)及びgNBを含むシステムが提供される。
本開示の態様は、RedCap UEが、RA手順中(早期識別)又はRA手順後(通常識別)にそれがRedCapであることを識別することを可能にし、RedCap UE識別の混合を可能にする(例えば、いくつかのRedCap UEは早期識別を実行しうるし、いくつかのRedCap UEは、通常識別を実行しうる)。これは、ネットワークが、ネットワークと通信しているRedCap UEのリンクバジェット損失を補償するための措置をとることを可能にし、通信信頼性及びユーザエクスペリエンスを改善する。
以下、本開示の実施形態の作製及び使用が、詳細に議論される。しかし、本明細書に開示される概念は、多種多様な特定の文脈において具現化されることができ、及び本明細書で議論される特定の実施形態は、例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するように働かないことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲によって定められる本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変が本明細書で行われることができることを理解されたい。
機能削減(RedCap)ユーザ機器(UE)は、複雑さを減少させる特徴/技法の使用により性能劣化に悩まされる。RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信ブランチの数量を有するUE、非RedCap UEの最小帯域幅よりも小さい帯域幅を有するUE、及び/又は機能が低減された他のUEでありうる。劣化を補償するために、反復、より低い変調及びコーディング方式(MCS)のテーブル、及び/又はトランスポートブロック(TB)のスケーリングなどのカバレージ回復技法が使用されうる。UEがgNBにアクセスする前、gNBはRedCap UEの存在に気付かないので、これらのカバレージ回復技法を適用することは、UEがRedCap UEであることを識別する又は示すことに依存しうる。gNBが、UEがRedCap UEであるかを早期に知ることができる場合、gNBは、これらの技法のうちの1つ又は複数を使用して、そのRedCap UEの性能を改善することができる。
本開示の実施形態は、RedCap UEが、(早期識別と呼ばれる)ランダムアクセス(RA)手順中に、又は(通常識別と呼ばれる)RA手順後にそれら自体を識別することを可能にする機構を提供する。従って、実施形態は、RedCap UE識別の混合を可能にし、例えば、いくつかのRedCap UEは、早期識別を実行しうるし、いくつかのRedCap UEは、通常識別を実行しうる。これは、RedCap UEがそれ自体を識別するときを決定するための柔軟性を提供し、ネットワークがカバレージ回復技法を利用してRedCap UEの通信性能を改善することを可能にする。
一実施形態によれば、UEは、UEのRA手順中にそれがRedCap UEであることをgNBへ示すか、又はRA手順後にRedCap UEであることをgNBに示すかを基準に基づいて決定し、次いで、決定結果に従ってそれがRedCap UEであることをgNBへ示してよい。例えば、UEは、RA手順のメッセージ1、メッセージ3、若しくはメッセージAにおいて、又はRA手順後のメッセージ5において、それがRedCap UEであることを示しうる。
別の実施形態によれば、gNBは、RA手順中にUEから第1のメッセージを受信し、UEがRedCap UEであることを第1のメッセージが示すかを決定しうる。第1のメッセージがUEをRedCap UEとして示すとき、gNBは、カバレージ回復技法に従って、RA手順中に第2のメッセージをUEへ送りうる。第1のメッセージが、UEをRedCap UEとして示さないとき、gNBは、RA手順が完了された後に、UEがRedCap UEであるかを決定しうる。
図1は、データを通信するためのネットワーク100を示す。ネットワーク100は、カバレージエリア101を有する基地局110と、複数のモバイルデバイス120と、バックホールネットワーク130とを備える。図示されるように、基地局110は、モバイルデバイス120とのアップリンク(破線)接続、及び/又はダウンリンク(点線)接続を確立し、これは、モバイルデバイス120から基地局110へ、及びその逆でデータ及び制御情報を運ぶように働く。アップリンク接続/ダウンリンク接続上で運ばれるデータは、モバイルデバイス120間で通信されるデータ、及びバックホールネットワーク130を介してリモートエンド(図示せず)へ/から通信されるデータを含みうる。本明細書で使用されるとき、用語「基地局」は、拡張基地局(eNB)、マクロセル、フェムトセル、Wi-Fiアクセスポイント(AP)、又は他のワイヤレスに対応されたデバイスなど、ネットワークへのワイヤレスアクセスを提供するように構成された任意の構成要素(又は構成要素の集合)を指す。基地局は、1つ又は複数のワイヤレス通信プロトコル、例えば、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、高速パケットアクセス(HSPA)、Wi-Fi802.11a/b/g/n/acなどに従ってワイヤレスアクセスを提供しうる。本明細書で使用されるとき、用語「モバイルデバイス」は、ユーザ機器(UE)、移動局(STA)、及び他のワイヤレスに対応されたデバイスなど、基地局とのワイヤレス接続を確立することができる任意の構成要素(又は構成要素の集合)を指す。いくつかの実施形態では、ネットワーク100は、リレー、低電力ノード等など、様々な他のワイヤレスデバイスを備えうる。
図2は、3GPP TS38.300の図9.6.2-1による4ステップのランダムアクセス手順を示す図である。Rel-15からの競合ベースランダムアクセス(CBRA)手順全体は、図2に示されるように、4ステップ手順であり、PRACHオケージョンにおけるランダムアクセスプリアンブル(メッセージ1(Msg1))を送信することと、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を通じてスケジュール設定された物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)においてランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(メッセージ2(Msg2))を受信することと、物理的なアップリンク制御チャネル(PUSCH)においてメッセージ3(Msg3)を送信することと、競合解決のためにPDCCHにおけるDCIによってスケジュール設定されたPDSCHにおいてメッセージ4(Msg4)を受信することとからなる。UEがネットワークにアクセスすることを試みることができる前に、それは、ダウンリンクに(時間及び周波数において)同期し、物理的なブロードキャストチャネル(PBCH)及びPDCCH/PDSCHを介してマスタ情報ブロック(MIB)及びシステム情報ブロック(SIB)を受信する必要がありうる。SIB(主にSIB1)を受信した後、UEは、物理的ランダムアクセスチャネル(PRACH)構成及び送信パラメータの知識を有する。ランダムアクセス手順又はプロセスは、RACH又はRA手順/処理と呼ばれうる。
レイテンシを減少させるために、ランダムアクセス(RA)手順のための2ステップ手順がRel-16において標準化され、図3に示されている。TS38.300からの2ステップ手順の説明は、以下に転載される。
「2ステップRAタイプのMSGAは、PRACH上のプリアンブルと、PUSCH上のペイロードとを含む。MSGA送信後、UEは、構成されたウィンドウ内でネットワークからの応答を監視する。CFRAについては、個別プリアンブル及びPUSCHリソースは、MSGA送信のために構成され、ネットワーク応答を受信すると、UEは、図9.2.6-1(d)に示されるように、ランダムアクセス手順を終わらせる。CBRAについては、ネットワーク応答の受信時に競合解決が成功である場合、UEは、図9.2.6-1(b)に示されるように、ランダムアクセス手順を終わらせ、一方、フォールバックインジケーションがMSGBにおいて受信された場合、UEは、フォールバックインジケーションにおいてスケジュール設定されたUL許可を使用してMSG3送信を実行し、図9.2.6-2に示すように、競合解決を監視する。MSG3(再)送信後に競合解決が成功しなかった場合、UEはMSGA送信に戻る。」
即ち、2ステップRA手順において、UEは、メッセージA(MsgA)をgNBへ送信し、そこで、MsgAは、PRACH上のプリアンブルと、PUSCH上のペイロードとを含む。gNBは、応答においてメッセージB(MsgB)を送る。本質的には、MsgAは、Msg1及びMsg3を一緒に送ることと均等であると見られることができ、MsgBは、Msg2及びMsg4と均等である。
RAN#86(3GPP RP-201677、2020年7月)において、機能削減(RedCap)のNRデバイス(例えば、ユーザ機器(UE))のサポートを対象とした新しい研究項目(SI)が承認された。SIは、以下の目標を含む。
「潜在的なUEの複雑さを減少させる特徴を識別し、研究する。
低減された数のUE RX/TXアンテナ
UE帯域幅の減少
留意:Rel-15SSB帯域幅は、再使用され、L1の変化は最小化されるべきである。
半二重-FDD
緩和されたUE処理時間
緩和されたUE処理機能。」
RedCap UEは、比較的ローエンドのサービスを供するNRエンティティであるが、典的なセルラーUE(非RedCap UE)とは異なる要件/特徴を有する。例えば、RedCap UEは、非常に長いバッテリ寿命を有しうる。RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信(Rx又はRX)ブランチの数量を有する、非RedCap UEの最小帯域幅よりも小さい帯域幅を有する、及び/又は機能が低減された他のUEを指しうる。非RedCap UEは、Rel.15及びRel 16(3GPP TS38.306、(リリース16)、バージョン16-2、2020年10月2日)で指定されたUEの最小要件を有するUEを指しうる。非RedCap UEは、レガシーUE又は通常のUEとも呼ばれうる。一例として、非RedCap UEについての受信ブランチの最小数は、周波数範囲1(FR1)について4であり、周波数範囲2(FR2)について2である。RedCap UEは、1つ又は2つの受信ブランチを有しうる。別の例として、最低2つのRxブランチを装備するために非RedCap UEが必要とされるFR1周波数分割複信(FDD)又はFR2帯域については、RedCap UEによってサポートされるRxブランチの最小数は1である。ワークアイテム記述(WID)は、RedCap UEのための2つのRxブランチのサポートも示す。別の例として、RedCap UEは、FR1について20MHz、FR2について100MHzの最大帯域幅を有しうるが、非RedCap UEは、FR1及びFR2についてそれぞれ100MHz及び400MHzの最小帯域幅を有しうる。別の例として、RedCap UEは、最大数のDL多入力多出力(MIMO)レイヤを有しうる(例えば、1つのRxブランチを有するRedCap UEは、最大1つのMIMOレイヤを有しうるし、2つのRxブランチを有するRedCap UEは、最大2つのMIMOレイヤを有しうる)。別の例として、RedCap UEは、減少させられた最大変調次数を有しうる(DLにおける256QAMは、任意選択である)。RedCap UEは、半二重(HD)-FDDタイプAをサポートしうる。
受信ブランチは、1つ又は複数の受信アンテナを有することができる。受信ブランチは、受信機チェーンに関連付けられる。典的には、FR1については、ブランチごとに1つの物理的なアンテナが存在する。この場合、ブランチの数は、アンテナの数に等しい。FR2については、典的には、各ブランチにおいて複数の物理的なアンテナ(ビームフォーミング)の信号の合成がある。この場合、ブランチごとに複数、例えば64個のアンテナを有することが可能である。
SIにおける減少させられた数のUEアンテナ/ブランチの特徴について、以下のものは、3GPP TR38.875、条項第7.2.4、V0.1.0、「Technical Specification Group Radio Access Network; Study on support of reduced capability NR devices」(リリース17)2020年11月25日において取り込まれた。
「一般に、減少させられた数のRxブランチを有するRedCap UEは、レガシーUEと共存することができる。しかし、減少させられた数のRxブランチを有するRedCap UEの存在は、いくつかのブロードキャストチャネルがレガシーUEとRedCap UEの両方について使用される場合、レガシーUEについての性能に影響を及ぼしうる。これは、RedCap UEの早期インジケーションがない場合、レガシーUEとRedCap UEの両方がネットワークによって同じに取り扱われることになり、これは、全てのUEの保存的治療をもたらしうる。」
SIにおいて研究されたシナリオでは、2つのRXブランチを有するRedCap UEに関してMsg2/Msg4についてダウンリンク(DL)上の補償は必要とされなかったのに対して、1つのRXブランチを有するRedCap UEについては、以下に説明されるように、6dBまでの補償が必要とされうることが観察された。従って、1つの1RXブランチを有するRedCap UEの早期識別/インジケーションを有することが有利であり、そのためMsg2/Msg4は、1RXブランチの性能制限により適切な無線パラメータで送信されることができる。即ち、RedCap UEは、ネットワークへのアクセスの早期段階においてそれがRedCap UEであることをネットワーク(例えば、gNB)へ示しうるか又は識別しうる。しかし、そのような早期識別/インジケーションは、2つのRXブランチをもつRedCap UEについては必要とされないことがある(又はまれにしか必要とされないことがある)ことに留意されたい。
初期アクセスのためのカバレージ拡張分析
複雑さを減少させる技法及び特徴の使用は、カバレージ劣化を引き起こしうるし、これは、例えば、(より小さい帯域幅を有することからの)周波数ダイバーシティの損失による、及び/又はより少ない受信ブランチ(ダイバーシティ及び/又は空間多重化の損失)によるものでありうる。
カバレージ回復評価のための複数のシナリオが、RedCap UEのランダムアクセス処理中に検討された。FR1シナリオとFR2シナリオの両方が検討された。周波数範囲1(FR1)は、約600MHzと7.25GHzの間に広がり、FR2は、約24.25GHzから47GHzの間に広がる。いくつかのチャネル及びメッセージについてのリンクバジェットが、4GHzにおけるFR1市街(シナリオ1)、2.6GHzにおけるFR1市街(シナリオ2)、及びFR2屋内(シナリオ3)といった例示的なシナリオについて評価された。
一例として、全てのFR1シナリオについて、小さいスケールのフォームファクタによるリンクバジェットの3dB損失は、(Msg3を含む)PUSCHについて補償される必要がありうると評価された。市街4GHzのシナリオ1については、受信ブランチの数が1であるとき、Msg2については5~6dBの補償が必要とされ、Msg4について2~3dB補償が必要とされうることも評価された。RedCap UEが1つの受信アンテナを有するときの市街4GHzのシナリオ1のためのチャネル及びメッセージに必要とされる補償量の概要が、以下表1に示されている。チャネル及びメッセージのいくつかは、カバレージ回復を必要としうる。
以下のことが観察される。
- UE送信電力が不正確でありうる(例えば、最小電力制御が使用される)ので、基地局におけるPUSCH/Msg3の検出成功のために、(小さいフォームファクタによる)3dBの補償が必要とされうることが評価された。小さいフォームファクタの場合、2つの受信ブランチ間の距離は、半波長よりも近いものでありうる。その結果、受信ダイバーシティから3dBのゲインを得ることは難しい。別のファクタは、ダウンリンク電力の評価が、小さいフォームファクタではあまり正確でないものでありうることであり、これは、Msg1及びMsg3のための送信電力に影響を及ぼす。PUSCH/Msg3の検出成功のために、UEは、反復のようなカバレージを補償する技法を用いて損失を補償しなければならないことがある。技法のいずれかを適用することは、UEをRedCap UEとして識別することに依存しうる。言い換えれば、gNBは、RACH処理において、UEがRedCap UEであることを早期に知る必要がありうる。
- RedCap UEが1つの受信ブランチを有する場合、Msg2ランダムアクセス応答(RAR)の検出成功のために、5~6dBのカバレージ損失が必要とされうることが評価された。従って、Msg1におけるRedCap UEとしてのUEの早期識別/インジケーションが必要であり、これは、ダウンリンクにおいて識別されたRedCap UEにカバレージ回復技法を適用するべきときを知ることにおいてgNBを手助けする。これはまた、RedCap UE及び通常の(レガシー)UE(何らカバレージ拡張を必要としなくてよいUE)のためのリソースの最適化においてgNBをやはり手助けしうる。
以下、表2は、RedCap UEが2つのRxブランチを有するときの市街4GHzのシナリオ1のためにカバレージ回復を必要とするチャネル及びメッセージを示す。受信ブランチの数が2であるとき、表2に示されるように、Msg2、Msg4及びPDCCHについてカバレージ回復が必要とされないことは注目に値する。即ち、FDD帯域とTDD帯域の両方を含むFR1について、ならびに2つのRxブランチ及び減少させられたアンテナ効率を有するRedCap UEについて、全てのダウンリンクチャネルの最大等方性損失(MIL)が基準NR UEについてのボトルネックチャネルのものよりも良く、RedCap UEのダウンリンクチャネルについてカバレージ回復は必要とされないことが示された。
以下、表3は、3GPPTR38.875V0.1.0(リリース17)における市街シナリオのシミュレーション研究に基づいている4つのRxブランチを使用することから2つのRxブランチへの及び4つのRxブランチを使用することから1つのRxブランチへのUEの性能劣化を示す。CSSは、共通の探索空間を表し、USSは、UE特有の探索空間を表す。
アップリンク同期の成功のために、及び初期アタッチメントのための許可を得るために、RACH手順/処理に含まれるメッセージは、カバレージ制限されるべきではないが、これは、複雑さを減少させる特徴/技法によるRedCap UEについての場合でありうる。そのような損失を補償するために、カバレージ回復技法が使用されうる。例えば、反復、低い変調及びコーディング方式(MCS)のテーブル、及び/又はトランスポートブロック(TB)のスケーリングが、複雑さの減少による損失を補償するために使用されうる。カバレージ回復技法に関する議論は、本開示の範囲外である。gNBは、UEがgNBにアクセスする前にRedCap UEのあらゆる存在に気付かないので、これらのカバレージ回復技法を適用することは、UEがRedCap UEであることを識別すること又は示すことに依存しうる。gNBが、RACH処理においてUEがRedCap UEであるかを早期に知ることができる場合、gNBは、これらの技法のうちの1つ又は複数を使用してそのRedCap UEのための性能を改善することができる。
加えて、カバレージ制限が本明細書で議論されるが、考慮すべき他の態様があることに留意されたい。一例として、UEはカバレージを有しうるが、メッセージを伝えるために大量のリソースを必要とする。この場合、対処される必要があるリソースの浪費がある。別の例として、Msg2からの5~6dBペナルティ(損失)は、4の反復ファクタを常に使用することによって取り扱われうる。しかし、この場合、追加のオーバーヘッドは(反復により)かなり大きく、リソース効率の観点から、実際に補償を必要とするUEのみを補償することがずっとより良い。
RedCap SIで議論される早期識別の解決策
3GPP TR38.875、v0.1.0では、RedCap UE識別のための以下のオプションが議論された。
「RedCap UEの識別のための以下の方式の実現可能性、必要性、良い点、及び悪い点が研究されている。
- オプション1:Msg1送信中
- 例えば、別個の初期UL BWP、別個のPRACHリソース、又はPRACHプリアンブル分割を介して
- オプション2:Msg3送信中
- オプション3:Msg4肯定応答後
- 例えば、Msg5送信中又はUE機能報告の一部の間」
2ステップRA手順(2ステップRACH)のための第4のオプションも初期に検討されたが、SIの過程中に優先順位が下げられた。
研究中、上記の3つのオプション全てが実行可能であることが決定された。例えば、Msg1における識別は、RedCap UEに関係付けられた時間又は周波数でPRACHプリアンブル又はオケージョンを提供することによって(構成情報を構成することによって、仕様における標準化によって、又はSIBを介してなど)可能でありうる。識別は、同じ初期の帯域幅部分(BWP)又は別個の初期のBWP内にありうる。同様に、Msg3における識別も可能でありうる。
RedCap UEが通常の(レガシー、非RedCap)UEよりも悪い性能を有する場合、RedCap UEの可能性ある存在により全てのUE(RedCap及び通常の両方)を保守的に扱わなければならないのとは対照的に、この早期識別は、RedCap UE及び通常のUEが異なるように扱われることを可能にする。より悪い性能は、より少ない数の受信ブランチなどの複雑さ低減特徴に起因しうるか、又は小さいフォームファクタに対するアンテナ性能損失によりうる。
LTE-Mデバイスのための初期アクセス
Rel-13では、ネットワークは、MIBにおいてSIB1のためのPDSCHのインジケーションを送信することによって、ロングタームエボリューションマシンタイプ通信(LTE-M)デバイスのサポートを示す。マシンタイプ通信(MTC)デバイスのための初期アクセスは、3GPP TS36.213及び36.331において定められた。LTE-MデバイスのためのRACH処理は、正規のLTE RACH処理と多くの共通性を有し、プロトコル/交換されるメッセージは同一である。
MTC UEは、それがそのUEカテゴリを送るまで、それ自体をMTCデバイスとして正式に識別しない。しかし、いくつかのMTC UEは、カバレージ制限に悩まされる。従って、RACHプリアンブル(Msg1)及びMPDCCH/PDSCH(Msg2及びMsg4)は、何度も繰り返されうる。異なるカバレージレベル(カバレージ拡張(CE)レベルとも呼ばれる)は、参照信号受信電力(RSRP)に基づいて定められ、以下の表4に示されるように、TS36.331、v16.2.1に特定されたRSRP-ThresholdsPrachInfoListの情報要素(IE)に定められる。
Rel-12の既存のPRACH-Configは、以下の表5に示されるように、TS 36.331、v16.2.1に従ってRSRP-ThresholdsPrachInfoListを含むように強化された。
加えて、RACH-ConfigCommonは、新しいIE、rach-CE-LevelInfoListを含み、これは、以下の表6(rach-CE-LevelInfoList-r13)に示されるように、TS36.331、v16.2.1に従うrach-CE-LevelInfoのリストである。
rach-CE-LevelInfoは、以下の表7に示すように、RACHに予期される所与のCEレベルにおけるUEごとの物理パラメータを含む。
全てのこれらIEは、TS 36.331に示されるように、SIBにネストされる。
これに関し、通常のUE(レガシー)に、(チャネル利得条件、RSRPの観点で)最良に調整されたLTE-M UEとPRACH領域を共有させることが可能である。
LTE-M UEとしての所与のCEレベルにおけるUEの識別は、基地局におけるMsg1の受信において実行される。UEは、RSRPに従って適切なプリアンブルを選択する。基地局は、それがMsg1を受信するまで、カバレージ拡張の量が必要であることを知らない。ネットワークは、構成されたアップリンクリソースにおいて、それがMsg1を受信するまで、LTE-Mデバイスの存在に気付かない。しかし、以下の態様に留意されたい。
・ 早期識別は、UEがRSRPに基づいて決定する選択されたRACHリソースに基づいて実行される。
・ 様々なCEレベルのUEがMsg1において識別されるが、MTC UEがMsg1において識別され、一方、他のものがMsg5において識別されるケースはなく、そのような処理は、基地局が限られた数のPRB(6)を占めるMTC UEを監視しなければならないので、現在のLTEフレームワークにおいて達成することは実際に不可能である。従って、Msg2が適切に受信されることができるように、MTC UEがMsg1において識別されることが必須である。
本開示の実施形態は、UEが、Msg5(又は後のUE機能交換)によって、又はMsg1等における早期識別によって、それ自体をRedCap UEとして識別することを可能にする機構を提供する。即ち、同時に、gNBは、(全てのRedCap UEが同時に-早期に又は早期にではなく-識別されることとは対照的に)いくつかのRedCap UEが早期に識別され、一方、他のものが後の段階で識別されることを可能にする構成を提供しうる。いくつかのRedCap UEは、RedCap UEとして識別される機能の交換まで、(現在の初期アクセス処理を使用して)通常のUEと同様の識別を有しうるが、他のRedCap UEは、Msg1又はMsg3の段階で識別されうる。後者の場合、追加機能の交換は、RA手順後でMsg5の後に(又はMsg5において)行われうる。
LTE-Mデバイスのための個別初期アクセス手順と比較して、RedCap UE識別のための提案された解決策は、(いくつかは早期段階-Msg1又はMsg3で、他のものはMsg5で)識別の混合を可能にする。個別リソースを使用することは、本解決策から除外されないことに留意されたい。
いくつかの実施形態では、RedCap UEタイプが定義されてよく(タイプは、例えば、受信アンテナの数、サポートされる帯域幅、又はそれらの組合せに基づいて異なることがある)、この場合、異なるタイプのRedCap UEが、別個の経路に沿って、即ち、RACH手順の異なる段階において、識別が行われるときの観点で、取り扱われうる。この場合、gNBは、Msg5において全てのUEを識別しなければならないことを回避することが可能でありうるとともに、Msg1又はMsg3において全てのUEを識別しなければならないことを回避することも可能である。そのような解決策を用いて、RedCap UEタイプに基づく最適化が可能である。一実施形態では、RedCap UEタイプは、RedCap UEが有する受信アンテナ/ブランチの数、又はサポートされる帯域幅、或いはその両方に基づいて定められる。
本明細書で使用される場合、UEがRedCap UEであることを識別する又は指示することは、説明の便宜上、RedCap UEの識別若しくはインジケーション、又はUEの識別若しくはインジケーションと呼ばれうる。ランダムアクセス手順が完了する前の(又はランダムアクセス手順中の)、例えば、Msg1、Msg3、又はMsgAの段階での、RedCap UEの識別又はインジケーションは、早期識別若しくはインジケーション、又は早期段階での識別若しくはインジケーションと呼ばれうる。ランダムアクセス手順が完了した後の機能の交換中のRedCap UEの識別又はインジケーションは、従来から実行されているもののように、説明の便宜上、後の(又は正規若しくは標準の)識別若しくはインジケーション、又は後の段階における識別若しくはインジケーションと呼ばれうる。以下の説明では、用語「経路」は、別段の定めがない限り、例えば、早期識別/インジケーション又は後の識別/インジケーションによって、UEをRedCap UEとして示す/識別する方法又はやり方を示すために使用される。「UEを識別すること(又はUEを識別する、UEの識別)」及び「UEを示すこと(又はUEを示す、UEのインジケーション)」という用語は、交換可能に使用される。以下において、「n個のRxブランチを有するRedCap UE」は、説明の便宜上、単に、「nRX RedCap UE」、「nRX UE」、又は「nRXを有するUE」と呼ばれうるし、nは0よりも大きい整数である。
いくつかの実施形態では、UEがRedCap UEであることを示すために、2つの経路、即ち経路A及び経路Bが定められる。
・ 経路A:UEは、Msg5(機能の交換)中にRedCap UEとして識別される。UEのUE機能/特徴/特徴セットのうちの1つ又は複数は、RedCap UEとしてUEを識別するために使用されうる。これは、1つの個別UE機能(例えば、RedCap UEなどの特徴が定められる)の使用によって、又は既存及び/又は新しいUE機能のセット(例えば、UE帯域幅、アンテナの数など)によってであることができる。そのような場合、UE特徴のうちのいくつかが、所与の組合せのセット(例えば、BW20MHz、1つのRXアンテナ)から選択されるとき、gNBは、UEがRedCap UEであることを知る。
・ 経路B:UEは、Msg5よりも先にRedCapとして識別される。これは、例えば、Msg1、MsgA、又はMsg3の送信中であることができる。UEは、(例えば、Msg1を送信するためのプリアンブル/リソース選択を使用することによって)暗示的に、又は(例えば、Msg3における1ビットの設定によって)明示的に、それがRedCap UEであることをネットワークに知らせうる。
経路Aは、後の識別又はインジケーションに対応し、経路Bは、早期識別又はインジケーションに対応する。経路Bは、早期経路とも呼ばれうる。経路Aは、正規経路、後経路、又は通常経路とも呼ばれうる。上記では、経路Aが、Msg5に関係付けられており、経路Bが、Msg1、Msg3、又はMsgAに関係付けられていることに留意されたい。
図4は、例示的なカバレージエリア、及びUEのアンテナ/ブランチの数を強調した、一実施形態の通信ネットワーク400を示す図である。図示されるように、ネットワーク400は、gNB410を含み、これは、1つのRxブランチを有するUEについてのカバレージエリア412と、2つのRxブランチを有するUEについてのカバレージエリア414とを有する。RedCap UE422及び424はそれぞれ、1つのRxブランチを有する。RedCap UE426及び428はそれぞれ、2つのRxブランチを有する。カバレージエリア412内のUE422及び426、ならびにカバレージエリア414内のUE428は、経路Aを使用して、それらがRedCap UEであることを示しうる。カバレージエリア414内のUE424は、経路Bを使用して、それがRedCap UEであることを示しうる。
いくつかの実施形態では、経路A又は経路BがRedCap UEの識別のために使用されるかを選択/決定するために基準が、UEのために定義されうる。以下のものは、例示的な基準(C)C1及びC2を与える。
・ C1:経路A又は経路Bの選択は、RedCap UEの受信アンテナの数に基づく:
o 2RX(2つのRxアンテナ/ブランチ)を有するUEは、経路Aを使用する
o 1RX(1つのRxアンテナ/ブランチ)を有するUEは、経路Bを使用する
・ C2:経路A又は経路Bの選択は、RedCap UEの受信アンテナの数及び複信のモードに基づく:
o 2RXを有するUEは、FR1 FDD及びFR2において経路Aを使用する
o 1RXを有するUEは、FR1 FDD及びFR2において経路Bを使用する
o 2RXを有するUEは、FR1 TDDにおいて経路Bを使用する
基準C1によれば、UEが2つの受信ブランチを有するとき、UEは、RA手順の後にRedCap UEとしてそれを示してよく、UEが1つの受信ブランチを有するとき、RA手順中にRedCap UEとしてそれを示してよい。
基準C2によれば、UEが2つの受信ブランチを有し、FR1 FDD帯域及びFR2帯域において動作可能であるとき、それは、RA手順の後にそれがRedCap UEであることを示しうる。UEが1つの受信ブランチを有し、FR1 FDD帯域及びFR2帯域において動作可能であるとき、それは、RA手順中にそれがRedCap UEであることを示しうる。UEが2つの受信ブランチを有し、FR1 TDD帯域において動作可能であるとき、それは、RA手順中にそれがRedCap UEであることを示しうる。現在、FR2は、TDDとして定義されていることに留意されたい。上記の基準C1及びC2は、Rxアンテナの数に基づいて定められる。RedCap UEは、1つ又は複数の周波数帯域上での動作をサポートしうる。しかし、WIDの目標によれば、RedCap UEは、2つ以上の周波数上で同時に動作することが許可されないことに留意されたい。この場合、基準C2も、何らかの修正とともに適用することができる。例えば、C2は、UEがFR1 FDD又はFR2において動作可能であるとき、2RXを有するUEが経路Aを使用し、UEがFR1 FDD又はFR2において動作可能であるとき、1RXを有するUEが経路Bを使用することを指定するように変更されてよい。従って、経路選択のための実施形態基準の実装は、RedCap UEが1つ又は複数の周波数帯域で動作することを許可されるかに応じて変わりうる。当業者は、基準の様々な修正、代替、及び実施形態が、本開示の趣旨及び原理から逸脱することなく、それがRedCap UEであることを識別するためにUEが経路を選択することに適用可能でありうることを認識するであろう。
いくつかの実施形態では、基準は、帯域幅又は帯域に基づいて定められうる。一例として、例えば、帯域幅が20MHzよりも大きい1つの第1の帯域(又は複数の第1の帯域)については、RedCap UEは、早期インジケーションを使用することができ、例えば、帯域幅が20MHz以下である1つの第2の帯域(又は複数の第2の帯域)については、RedCap UEは、機能の交換(Msg5)中にRedCap UEとしてそれ自体を示すことができる。
いくつかの実施形態では、基準はまた、(アンテナ結合前又はアンテナ結合後の)RSRP、参照信号受信品質(RSRQ)、参照信号強度インジケータ(RSSI)などを含む無線チャネル状態を示すパラメータなどの1つ又は複数の他のパラメータに基づいて定められてもよい。一例として、可能な基準C3は、以下の通りでありうる。
・ C3:経路A又は経路Bの選択は、アンテナ結合後のRSRPに基づく
o RSRP>閾値を有するUEは、経路Aを使用する。
o RSRP≦閾値を有するUEは、経路Bを使用する
一般に、評価された信号品質は、各ブランチについて個々に実行されてよく、最高の信号品質が使用されうる。信号品質の評価は、アンテナ/ブランチからの信号が結合される2つ以上のブランチに基づいてもよい。例えば、受信電力の評価は、各ブランチについての評価の(線形ドメイン内の)和に基づきうる。特定の例では、一のRSRPの評価は、-80dBmであり、第2のRSRPの評価は、-83dBmであり、結合された評価は、-78.2dBmである。
基準C3によれば、UEは、識別のために、RSRP測定をRedCap UEのために構成された閾値と比較しうる。RSRP測定が閾値よりも大きいとき、UEは、RA手順後にそれをRedCap UEとして示す。UEのRSRP測定が閾値以下であるであるとき、UEは、RA手順中にそれをRedCap UEとして示す。
C3は、UEについて単一の閾値を有する。いくつかの実施形態では、UEは、異なる閾値間の差はどの経路を使用するかを決定するためにUEによって使用されるRSRPメトリック上に自然に現れないと仮定して、そのタイプ(上述されたようなRedCapタイプ)又は機能に基づいて提供される単一の閾値を選択又は修正しうる。例えば、RSRP測定が3dBであり、RXアンテナの数が2倍である場合、複数の閾値の必要はないことがある。しかし、他の手段(例えば、1つのアンテナのみで測定されたRSRP)を用いて、ファクタが閾値に追加されてよい。又は、任意選択で、小さいフォームファクタdBに基づく補正が、閾値に対して実行されてよい。
閾値は、カバレージエリアに関係付けられうる。例えば、図4の「1つのRXアンテナを有するUEについてのカバレージエリア412」は、第1の閾値に関係付けられてよく、図4の「2つのRXアンテナを有するUEについてのカバレージエリア414」は、第2の閾値に関係付けられてよい。カバレージエリア412及び414内のUEは、対応する閾値を使用して、RedCap UEインジケーションのための経路を決定しうる。C3については、RSRPの手段は、例えば、SSBブロック、又はPDCCHのための復調参照信号(DMRS)に対して実行される測定に基づいて定められうる。RSRPの様々な測定が本開示の実施形態に適用されうることを当業者は認識するであろう。
図5は、UEによる実施形態の動作を示す流れ図500である。UEは、経路選択基準を得てよい(ブロック502)。UEは、経路選択基準、例えば、C1、C2、又はC3を知る必要がある。UEが経路選択基準を得るいくつかの可能性がありうる。一実施形態では、標準仕様は、UEによってどの経路を使用するかを規定しうる。例えば、C1については、UE挙動は、センテンス、例えば、「1つの受信アンテナを有するRedCap UEは、Msg1中又はMsg3中にそれ自体を識別する」を用いて標準仕様においてハードコーディングされうる。これは、C1又はC2がUEによって使用されるべきであることを示しうる。一実施形態では、RedCap UEインジケーションのためにUEによってどの経路を使用するかは、UEのために事前構成されうる。一例として、どの経路を使用すべきかは、SIB又は他のシグナリングメッセージにおいて示されうる。例えば、C3については、ネットワーク/基地局は、SIBにおけるRSRP閾値を示しうる。これは、C3がUEによって使用されるべきであることを示しうる。ネットワークは、基準のうちのどれがRedCap UEを識別するために使用されるべきかを暗示的又は明示的にシグナリングしうる。
UEは、経路構成を得てよい(ブロック504)。UEは、a)複数の経路が存在するかどうか、及びb)経路Bのためにどんな構成があるかを知ることが必要である。a)について、1つの経路(例えば、経路A)が構成される場合がありうる。例えば、gNBが互いに近接している密度の高い展開シナリオでは、たった1つのRXアンテナを有するRedCap UEさえも、CE手段なしでgNBと通信することが十分可能であることが予期される。従って、SIB中のパラメータは、たった1つの経路が構成されるかを示しうる。このシグナリングは、b)についての構成に基づいて明示的であってもよい。b)について、UEは、この例における早期識別のためのリソース構成を得る必要がある。例えば、識別がMsg1/MsgA又はMsg3中に実行される場合、RedCap UEは、どのパラメータ(時間リソース/PRB/プリアンブル)が早期インジケーションのために使用されるべきかを知る必要がある。様々なCEレベルを有するLTE-Mデバイスのために使用されるものと同様のシグナリングが使用されうる。一般に、経路構成は、使用するべき利用可能な経路についての情報、早期インジケーションのためのRACH構成(時間周波数リソース、及び/又はプリアンブル)、及び/又は経路BがMsg1若しくはMsg3、又はMsgA中に実行されるかを示す情報を含みうる。
UEは、使用すべき経路を決定/選択してよい(ブロック506)。RedCap UEが全ての関連するRACH構成パラメータを得たとき、それはどの経路を使用すべきかを決定する必要がある。場合によっては、この動作は些細なものであり、何も実行される必要はない(例えば、C1に関しては、RedCap UEは、それが有するアンテナの数を知っており、それは対応する経路を直接選択しうる)。しかし、場合によっては、この決定は追加の動作を必要とする。例えば、C3については、RedCap UEは、RSRP測定を実行して経路を選択する必要がある。
UEは、選択された経路に従ってそれ自体をRedCapとして識別しうる(ブロック508)。経路が選択されると、RedCap UEは、選択された経路に従って進行する。例えば、経路Aが選択された場合、UEは、特別なことを何も行う必要がなくてよく、RACH処理の後に、機能の交換中に(それがRedCap UEであるかを示す)その機能を単に送ってよい。例えばMsg1中の識別を示しうる経路Bが選択される場合、RedCap UEは、早期識別(経路B)のためにgNBによって示される/構成されるようなリソース(時間リソース/PRB/プリアンブルインデックス)のセットを選択する必要がある。
図6は、基準C1に基づく経路選択のための実施形態の動作を示す図600である。UE(RedCap UE)は、SIBから経路構成を得てよい(ブロック602)。経路構成は、図5のブロック504で説明されるものと同様でありうる。次いで、UEは、それが1つのRxアンテナを有するかどうかをチェックしうる(ブロック604)。UEが2つ以上のRxアンテナを有するとき、UEは、正規の識別、即ち経路Aを実行しうる(ブロック606)。即ち、UEは、RACH手順後、例えば、UEとネットワークとの間の機能の交換中に、それがRedCap UEであることを識別しうる。UEが1つのRxアンテナを有するとき、UEは、早期識別、即ち、経路Bを実行しうる(ブロック608)。即ち、UEは、RACH手順中に、例えば、Msg1、Msg3、又はMsgAの送信中に、それがRedCap UEであることを識別しうる。
図7は、gNBの実施形態の動作を示す図700である。gNBは、それがRedCap UEをサポートするかをチェックしてよい(ブロック702)。gNBがRedCap UEをサポートしない場合、gNBは、RedCap UEを排除しうる(ブロック704)。この場合、gNBは、RedCap UEにサービスを提供しなくてよい。gNBがRedCap UEをサポートする場合、それは、それがカバレージ回復をサポートするかをチェックしうる(ブロック706)。gNBがカバレージ回復をサポートしない場合、gNBは、経路Aに従ってRedCap UEを検出しうる(ブロック708)。即ち、gNBは、経路Aに従って実行されるインジケーション/識別に基づいて、UEがRedCap UEであることを知りうる。gNBがカバレージ回復をサポートする場合、gNBは、カバレージ回復のためのパラメータをUEに提供しうる(ブロック710)。gNBは、早期検出を実行しうる(ブロック712)。即ち、gNBは、UEのRACH手順中に、例えば、Msg1、Msg3、又はMsgAにおいて(経路Bに従って)、それがRedCap UEであることをUEが示す/識別するかを検出しうる。gNBが(経路Bによる)早期検出中にUEからのインジケーション/識別を検出しない場合、gNBは、経路Aに従ってUEを検出しうる(ブロック714)、即ち、gNBは、RACH手順後にRedCap UEを検出する。gNBが早期検出中にUEからのインジケーション/識別を検出した場合、gNBは、UEと通信するためにカバレージ回復手段を適用してよい(ブロック716)。一例として、UEがMsg1において示す場合、gNBは、RACH手順中にMsg1を受信した後に、UEへの全てのDL送信についてカバレージ回復手段を適用しうる。UEがMsg3において示す場合、gNBは、RACH手順中にMsg3を受信した後に、UEへの全てのDL送信についてカバレージ回復手段を適用しうる。UEがMsgAにおいて示す場合、カバレージ回復手段は、MsgBをUEに送信するために適用されうる。UEは、受信されたカバレージ回復技法を適用してこれらのDL送信を受信しうる。アップリンクでは、UEは、RA手順中にメッセージの送信を繰り返してよい。UEとネットワークの両方がMsg3反復をサポートする場合、UEは、反復のための構成に従ってMsg3の送信を繰り返してよい。Msg3はまた、HARQ手順に基づいて再送信されてもよく、これは、より大きい遅延を招きうる。
通常のUEが4つのRXブランチを使用するFR1 TDD帯域については、2RX RedCap UE及び1RX RedCap UEは、(例えば、より少数のブランチにより)通常のUEとは異なる挙動を有し、従って、2RX UEに通常経路を使用させることは、RedCap UEと非RedCap UEの両方に対して何らかの保守的な取り扱いを必要としうる。周波数帯域に基づいて、RedCap UEと非RedCap UEとの間に区別がありうる。この場合、RedCap UEの識別は、入力パラメータとしてのRXアンテナの数(1、2、又は4)ならびに帯域をとる基準を用いて、上述されたフレームワークにおいて行われることができる。インジケーションに基づいて、ネットワークは、RedCap UEとの通信を補償するための措置をとりうる。基準C1がFR1 TDDのために使用された場合、2Rx UEは、保守的な取り扱いが使用された場合、通常経路を使用しうる。これは、他の帯域には当てはまらないかもしれない
いくつかの実施形態では、FR1 TDD帯域において動作可能なRedCap UEが、通常経路又は早期経路に従ってそれ自体を識別するかは、SIB構成によって構成され/示されうる。一例として、SIB構成は、異なる経路に使用するための経路選択基準及びパラメータを含むようにブロードキャストされうる。別の例として、gNBは、どの経路を使用すべきか(例えば、常に経路Bを使用する)を示すために、SIBにフィールドを単に追加してよい。同様に、レガシーUEのために4RXが必須であるFDD帯域において動作可能なRedCap UEについては、SIBは、UEが経路を決定するための経路構成及び経路選択基準を示すためにブロードキャストされうる。
いくつかの実施形態では、C3で説明されたように、瞬時のチャネル状態、例えば、アンテナ結合後のRSRPによって表されるチャネル状態は、どの経路を使用すべきかを決定するためにUEによって検討されうる。一実施形態では、RedCap UEは、チャネル状態が通常経路のために構成された閾値内にある場合、それを通常経路を使用したRedCap UEとして識別しうる。このようにして、2RXを有するRedCap UEが特に悪い状態にある場合、それは、それが1RX UEであるかのようにアクセスすることができ、特に良好な状態にある1RX UEは、それが2RX UEであるかのようにアクセスすることができる。
いくつかの実施形態では、RedCap UEが経路を選択するための基準は、1RX RedCap UE又は2RX RedCap UEのうちの1つが経路を選択することができるように定められうる。以下は、そのような例示的な基準C4を提供する。
・ C4:経路A又は経路Bの選択は、2つのRXアンテナを有するUEについてアンテナ結合後のRSRPに基づく:
o 2つのRXアンテナ及びRSRP>閾値を有するUEは、経路Aを使用する
o 2つのRXアンテナ及びRSRP≦閾値を有するUEは、経路Bを使用する
o 1つのRXアンテナを有するUEは、経路Bを使用する
又は:
・ C5:経路A又は経路Bの選択は、1つのRXアンテナを有するUEについてのアンテナ結合後のRSRPに基づく
o 1つのRXアンテナ及びRSRP>閾値を有するUEは、経路Aを使用する
o 1つのRXアンテナ及びRSRP≦閾値を有するUEは、経路Bを使用する
o 2つのRXアンテナを有するUEは、経路Aを使用する
上記の基準(C4及びC5)では、経路を選択するための閾値の使用は、RedCap UEの特徴に基づく。一方のRedCap UEの特徴は、2つのRXアンテナを有するUEであり、他方のRedCap UEの特徴は、1つのRXアンテナを有するUEである。例えば、C4では、2RxのRedCap UEのみが、経路を選択するためにRSRP閾値を使用することが許可され、一方、1Rxを有するUEは、RSRPを使用することは許可されない。1Rx UEは、常に経路B、即ち早期識別を使用する。
C4についての根源は、あまりに多くのUEが、通常経路、及びPRACHプリアンブルなどの初期アクセスリソースを使用するのを防ぐために、1RX UEが、それらが良好なチャネル状態であっても、通常経路を使用することを許可しないことが望ましいものでありうることである。C5についての根源も同様である。一例では、各RedCap UEの個々の無線状態を考慮する必要なく、経路Aと経路Bとの間のRACHリソースの準静的な分割が可能でありうる。
C5では、1Rxを有するRedCap UEのみが、経路を選択するためにRSRP閾値を使用することが許可され、ここで、UEは、早期に識別される、又はより後の段階で識別されうる。2Rx UEは、常に経路Aを使用する。
上記の全てのこれらの例示的な基準では、gNBは、異なる基準を満足し、異なる段階で識別されうるRedCap UEを有しうる。例えば、いくつかのRedCap UEは、早期段階で識別されてもよく(早期識別)、一方、いくつかの他のRedCap UEは、後の段階で識別される。経路A又は経路BのいずれかによるRedCap UEの識別後、完全な機能の交換は、Msg5などの後の段階で起こりうる。
図8は、基準C4に基づく経路選択についての実施形態の動作を示す図800である。UE(RedCap UE)は、SIBから経路構成を得てよい(ブロック802)。経路構成は、図5のブロック504で説明されたものと同様でありうる。次いで、UEは、それが2つのRxアンテナを有するか、及びRSRP測定が閾値よりも大きいかをチェックしうる(ブロック804)。UEが2つのRxアンテナを有し、RSRP測定が閾値よりも大きいとき、UEは、正規の識別、即ち経路Aを実行しうる(ブロック806)。UEが2つのRxアンテナを有しない、又はRSRP測定が閾値よりも大きくないとき、UEは、早期識別、即ち経路Bを実行しうる(ブロック808)。この例は、図6に関して示された例と組み合わされうるし、そこでは、1RxのRedCap UEが、常に早期識別を使用する。
上記の実施形態では、2つの経路が説明される。しかし、3つ以上の経路が定められうることに留意されたい。例えば、Msg1、Msg3、及びMsg5による識別にそれぞれ対応する3つの経路が定義されうる。UEは、例えば、ネットワーク構成又は基準に基づいて、それがRedCap UEであることを識別するために経路のうちのどれを使用すべきかを決定しうる。この場合には、複数の(3つ以上の)経路が利用可能であるとき、経路の選択は、いくつかの異なる実施形態、検討事項、及び/又はファクタに基づきうる。例えば、選択は以下の通りでありうる。
・ 閾値ベース(例えば、RSRP)
・ UE実装ベース(例えば、UEは、そのそれ自体のアンテナ不完全性の知識を有する)
・ トラフィックベース(例えば、UEは、RRC接続後に通常通信されるそのサブスクリプション又は他の情報の知識を有する)。
「ハイエンド」及び「ローエンド」のウェアラブルがある場合、経路を選択するための基準は、ウェアラブルのタイプに基づきうる。例えば、ハイエンドウェアラブルは経路Aを使用してもよく、ローエンドウェアラブルは経路Bを使用してよい。
本開示の実施形態は、RedCap UEについて説明されるが、それらは、ローエンドスマートフォン、カバレージ拡張を必要とする「正規の」UE、産業用センサ等などの他のシナリオに適用可能である。
以下は、Msg5識別の実施形態を説明する(即ち、RedCap UEは、それを(機能の交換中の)Msg5におけるRedCap-経路Aとして識別する)。Msg5識別は、以下の説明において、Msg5経路識別とも呼ばれうる。
RedCap識別に可能な異なる経路が存在し、そのうちの1つは、RACH処理後又はUE機能の後の交換後の典的なMsg5であり、ここで、UEは、それがRedCap UEであるというインジケーション又は識別を含むことができるその特性をgNBに知らせる。RedCapの特徴に加えて、この解決策は、実際には、いかなる標準的な変更も必要としない。一実施形態では、2つのRxアンテナを有するRedCap UEは、Msg5経路識別を使用して識別されうる。別の実施形態では、1つのRxアンテナを有するが、とても強いチャネル利得条件(例えば、RSRP閾値よりも大きいRSRP)を有するRedCap UEも、Msg5経路識別を使用しうる。この識別経路は、本開示において後で説明されるように、Msg1又はMsg3を通じて他の識別経路と組み合わされてよい。
以下は、Msg1識別の実施形態を説明する(即ち、RedCap UEは、それを(RACH処理中の)Msg1におけるRedCap-経路Bとして識別する)。上述されたように、RedCap UEを識別する1つの可能なやり方は、RedCap UEによるMsg1送信中など、早期の経路識別によるものである。この経路のための構成は、SIBにおいて提供されうる。例えば、Msg1における識別は、RedCap UEに関係付けられた時間又は周波数におけるPRACHプリアンブル又はオケージョンを(構成情報によって、標準仕様を指定することによって、又はSIBにおいてなど)提供することによって可能でありうる。これらは、同じ初期BWP内、又は別個の初期BWP内にありうる。早期の経路識別は、通常識別のために使用される初期UL BWPと同じ又は別個の初期UL BWPにおいて実行されうる。初期BWPについての情報は、SIBにおいてブロードキャストされうる。異なる初期UL BWPに関係付けられた異なるRACH構成が存在しうる。
一例では、PRACH構成は、SIB中でブロードキャストされうるし、ここで、PRACH構成は、経路Bを使用してRedCap UEを識別するために使用される情報を含む。一例として、PRACH構成は、PRACHプリアンブル、RACHオケージョン、又はそれらの組合せの情報を含みうるし、これは、RedCap UEを示す/識別することに関係付けられる。上述されたように、RedCap UEの早期識別のために、RACH処理中の他のメッセージ、例えば、Msg3又はMsgAも使用されうる。Msg1、Msg3、又はMsgAのうちのどれが、早期識別のために使用されるべきかは、無線リソース制御(RRC)構成によって構成されうる。RRC構成は、gNBによってブロードキャストされうる。
SIBを受信すると、UEは、以下のうちの1つ又は複数などのPRACH構成及び送信パラメータの知識を有することになる。
・ PRACHプリアンブルのフォーマット
・ 時間-周波数リソース
・ ルートシーケンスを決定するためのパラメータ
・ PRACHプリアンブルのシーケンスセットにおける循環シフト、又は
・ 論理ルートシーケンステーブルへのインデックス、規制されていない関連セットタイプ、規制されたタイプA又はタイプB
通常のNR UEについては、TS38.331、v16.2.0に従って、PRACHプリアンブルについての時間ドメイン位置は、RRCパラメータprach-ConfigurationIndexによって決定され、PRACHプリアンブルについての周波数ドメインリソースは、RRCパラメータmsg1-FDM及びmsg1-FrequencyStartによって決定される。
一実施形態では、早期の経路識別を使用するRedCap UE(例えば、1Rxを有するRedCap UE、又は2Rxを有するがRSRP<閾値を有するRedCap UE)は、通常のUEとは別個の(RACH構成とも呼ばれる)PRACH構成の情報要素、例えば、RACH-ConfigGeneric-RedCapの情報要素を有してよく、ここで、RACH構成の情報要素は、サフィックスによって示されるように、RedCapランダムアクセスパラメータを指定する。この情報要素において、周波数及び時間リソースは、パラメータprach-ConfigurationIndex-redcap、msg1-FDM-redcap、及びmsg1-FrequencyStart-redcapによって示されうる。他の構成のネーミングは、v17及び/又は省略形rc(RedCap)を含みうるし、前述の例に限定されない。RedCap UE PRACH(又はRACH)構成は、時間、周波数位置に限定されず、リソースの周期性、サブキャリアオフセット、サブキャリアの数、プリアンブル送信及び電力ランピングステップの最大数、開始スロット数、スロットの数なども含みうる。従って、RedCap UEは、早期識別のために通常のUEとは別個の構成を受信しうるし、又はRedCap UEは、通常のUEが行うように、識別のために後のステップを使用しうる。
別の実施形態では、同じRACH-ConfigGenericの情報要素は、後の段階で(Msg5を通して)識別するRedCap UEと早期段階で(例えば、Msg1を通して)識別するRedCap UEとの両方についてのPRACH構成を含みうる。別の実施形態では、PRACHリソースは、異なる段階で識別されるべきである異なるタイプのRedCap UEについて重複しないことがあり、その場合、RedCap UEのインジケーションを構成するために定められた異なるタイプのUEについての情報要素が存在しうる。
別の実施形態では、gNBは、(カバレージ補償を必要としなくよい)2Rxを有するRedCap UEがレガシーPRACH構成を使用しうるし、一方、1Rxを有するRedCap UEが異なるPRACH構成を使用しうることを示しうる。さらに別の実施形態では、早期段階で識別されるべきであるRedCap UEについてのリソースは、通常のUEのために構成されたリソースからのオフセットの観点で指定されうる。オフセットは、時間-周波数リソースオフセットの観点でありうる。別個の構成は、時間-周波数リソース位置構成に限定されず、異なるプリアンブルなど、RACH手順に関連付けられている全ての他の構成を含みうることに留意されたい。
構成IEの例示的な実施形態は、以下、表8に提供される。この例では、別個の一般的なPRACHリソースが、早期識別を実行するRedCap UEのために(イタリック体で)構成される。RedCap UEは、通常のUEについてのPRACH構成を使用せず、別個のPRACH構成を使用する。
別の実施形態では、閾値は、RedCap UEが基準に基づいて(C3、C4、C5などの)閾値を使用して早期識別経路を使用する場合に定められる。一実施形態では、閾値は、rsrp-ThresholdsPrachInfoList-r17 IEを使用して定義されうる。異なるカバレージレベルは、RSRPに基づいて定められ、情報要素において定められうる。RACH-ConfigGeneric IEは、rsrp-ThresholdsPrachInfoList-r17 IEを含むように強化されうる。別の実施形態では、RACH-ConfigCommon IEは、rsrp-ThresholdsPrachInfoList-r17 IEを含むように強化されうる。
別の実施形態では、ネットワークはまた、Msg1において識別されるべきであるRedCap UEによって具体的に使用されることになるプリアンブルのセットも構成しうる。これらのプリアンブルは、通常のUEのために構成されたプリアンブルとは異なる特性を有しうる。異なっていることができる特性は、シーケンスのタイプ、循環シフトなどのうちの1つ又は複数を含みうる。
プリアンブルの異なるグループが、定められてよい。一実施形態では、プリアンブルの2つのグループが定められ、一方のグループは、閾値を使用して又は閾値を使用せずに、早期に識別されるUEのために構成され、他方のグループは、後で識別されるUEのために構成される。
PRACH構成を介してRedCap UE PRACHリソースを識別したとき、UEは、それに応じて、(PRACHオケージョンにおける)gNBへPRACHプリアンブル(ランダムアクセスプリアンブル)を送信しうる。gNBは、ランダムアクセスプリアンブルが送信されるRACHオケージョン(RO)に関係付けられたRA-RNTIを計算してよく、RA-RNTIを計算するために使用されるパラメータは、prach-ConfigurationIndex-redcap、msg1-FDM-redcap、及びmsg1-FrequencyStart-redcapによって示されるように、プリアンブルが送信される時間及び周波数リソースを含みうる。RedCap UEは、(例えば、アップリンクカバレージ拡張のために)プリアンブルが何度も送信されることを必要としうるので、許容される反復の最大数を含む構成が、例えばSIBにおいて、RedCap UEのために構成されうる。数は、カバレージ拡張レベルに関連付けられうる。
(図2の参照において)RACH処理の第2のステップにおいて、PRACHプリアンブルの送信に続いて、UEは、gNBからのランダムアクセス応答を待つ。ランダムアクセス応答(RAR)は、RA-RNTI値でスクランブルされたDCIを通して送られうる。UEは、ra-ResponseWindowの期間内に、対応するRA-RNTIを有するPDCCH(即ち、DCI)を検出しようと試みうる。別の実施形態では、1Rxを有するRedCap UE(又は2Rxを有し、悪いチャネル利得条件(例えば、閾値よりも小さいRSRP)を有するRedCap)は、DCIを監視するために、通常のUEとは別個の期間ra-ResponseWindow-redcapを用いて構成されうる。
経路選択のための基準は、上記で説明したように、SIBにおいて受信された構成を使用して構成されうるが、基準は、技術仕様中に取り入れられてもよい。例えば、仕様は、非RedCap UEのための最小2つのRxブランチをサポートするある帯域中で動作する2つのRxブランチのRedCap UEが、経路Aを使用してそれ自体を識別することができ、1Rx RedCap UEが、経路Bを使用してそれ自体を識別することができると述べることができる。また、2Rx RedCap UEによる経路Aの使用は、いくつかのRAN4性能要件が満たされるかに基づいてさらに決定されうる。一例として、とても小さいフォームファクタ及びアンテナ相関による乏しい受信性能を有する2RX UEは、経路Bを使用しうる。
UEがMsg1を使用して早期識別を実行する場合、いくつかの実施形態では、例として、4ステップのランダムアクセス手順における他のステップについて、以下のことが検討されうる。
いくつかの例では、Msg 2(又はMsg2)を受信するために、UEは、関係付けられたPDCCHのためのダウンリンクカバレージ拡張技法(又はダウンリンク性能を補償する技法)を使用して、(Msg2に関係付けられた)関係付けられたPDCCHを受信しうる。以下のことが検討されうる。
・ 早期識別のための個別PDCCHが存在する場合
o UEは、1つ又は複数のカバレージ拡張技法によってMsg2を運ぶPDSCHを受信することができ、これは、PDCCH内のDCIを介してシグナリングされうる
- ダウンリンクカバレージ拡張技法は、例えば、TBスケーリング、反復、及び/又はより低いMCSレベルを含みうる
- カバレージ拡張が適用されるとき、RACH(例えば、Msg3送信)のためのタイミングが変化しうることに留意されたい
・ 早期識別のための個別PDCCHが存在しない場合
o UEは、SIB構成によって提供される1つ又は複数のダウンリンクカバレージ拡張技法を使用してPDSCHを受信することができる
- ダウンリンクカバレージ拡張が適用されるとき、RACHのためのタイミングが変化しうることに留意されたい。
いくつかの例では、早期識別がMsg1において実行されるときにMsg 3(又はMsg3)を送信するために、いくつかのオプションは、以下のものを含みうる。
・ RAR UL許可への変更はない、即ち、Msg3の送信のためにRARにおいて受信されたUL許可を使用する
・ (例えば、TBスケーリング、異なるMCSレベル、及び/又は反復を使用することによって)RAR UL許可を修正する
・ SIB構成を使用してRAR UL許可を強化する(例えば、SIB構成に基づくMsg3反復などのアップリンクカバレージ拡張を実行する)。
いくつかの例では、早期識別がMsg1において実行されるときにMsg 4(又はMsg4)を受信するために、基地局(例えば、gNB)は、Msg4をスケジュール設定するためにMsg2 PDCCHを送るための技法を再使用しうる。基地局は、UEをより良く理解しているため(UEは、それをMsg1におけるRedCap UEとして識別する)、Msg4のためのPDCCHの送信のために構成されたパラメータを使用することができる。この時点で、基地局はRA-RNTIではなく、そのUE個別の一時的なRNTIを使用しうることに留意されたい。一時的なRNTIがその特定のUEに個別であるので、ここで、シグナリングは「ほとんど」個別であり、PDSCHスケジューリングは、そのUEのためにより合わせられうる。
以下は、Msg3識別の実施形態を説明する(即ち、RedCap UEは、それを(RACH処理中の)Msg3におけるRedCap-経路Bとして識別する)。上述されたように、Msg3は、RedCap UEの早期識別のために使用されてもよい。RedCap UEが通常のUEよりも悪い性能を有する場合、RedCap UEが存在する可能性により、UEの全て(RedCapと通常の両方)を保守的に扱わなければならないのとは対照的に、この早期識別は、RedCap UEと通常のUEとが異なるように扱われることを可能にする。
一実施形態では、早期識別経路を通り抜けているRedCap UEを識別するためにMsg3内の1つ又は複数のビットが使用されうる。NR RACH処理では、RACH-ConfigCommonは、RACH-ConfigCommonにおける変換プリコーダなどのMsg3に関連したパラメータを構成するために使用される。一実施形態では、UEをRedCap UEとして明示的に識別するために、Msg3における1ビットが使用されうる。別の実施形態では、Msg3サイズがある閾値を超える場合、変換プリコーダフィールドなどのMsg3の別のフィールドのビットが、UEをRedCap UEとして識別するために使用されうる。以下、表9は、msg3-transformPrecoder(msg3-transformPrecoder、イタリック体)を含む例示的なRACH-ConfigCommon IEを示す。
一実施形態では、その機能がRACH-ConfigCommon機能と同様であるが、RedCap UEのために構成された異なる値を有する別個の情報要素が、RedCapを構成する目的のために使用されうるし、早期段階で識別されるべきRedCap UEのための構成情報を提供する。
gNBは、Msg3を受信し、従って、Msg3及び使用された構成に基づいてRedCap UEを識別することができる。Msg3は、カバレージ回復技法を使用してUEによって送られうる。Msg3がカバレージ回復技法を用いて送信されるということを知ったとき、gNBは、Msg3を正確に検出することができ、Msg4を数回繰り返すこと及び/又はより低いMCS値若しくはTBスケーリングを使用することなど、ダウンリンクカバレージ回復技法を用いてRedCap UEのためのMsg4をさらに送信することができる。
以下は、カバレージ拡張(CE)を説明する。
Msg3反復は、非RedCap UEについての任意選択の特徴である。従来から、Msg3反復は、非RedCap UEによってMsg3を送信するためのアップリンクカバレージ拡張を提供するために使用されうる。Msg3は、RACH処理中にUEによって繰り返し(複数回)送信されうる。Msg3反復は、以下において「CE特徴」と呼ばれうる。gNBは、Msg3反復を実行するために非RedCap UEが使用しうるRACHオケージョン(RO)及び/又はプリアンブルを構成しうる。一例では、非RedCapは、測定されたRSRPが閾値よりも小さい場合、カバレージ拡張のためにMsg3反復を実行しうる。
早期インジケーションは、RedCap UEのための必須の特徴/機能としてgNBによって構成されうる。この場合、RedCap UEが、RACH処理中、例えば、Msg1、Msg3、又はMsgAにおいて、早期段階(経路B)でRedCap UEとしてそれ自体を識別することが必須である。非RedCap UL BWPのサイズが、RedCap UEのUL BWPのサイズ以上であるとき、RedCap UEのために早期インジケーションが使用又は構成されうる。この場合に、早期インジケーションを使用する主な理由は、RedCap及び非RedCap UE(ここで非RedCap UEは、RAプロセス中により幅広いBWPを使用しうる)の両方に対して、RA処理中により効率的なリソース割当て(又は有効なサイズのBWP)を提供するためである。
Msg3反復はまた、必要に応じて可能な小さな修正を伴って(WIDごとに)RedCap UEに利用可能であってもよい。特徴(Msg3反復)は、全てのRedCap UEに有用でありそうであっても、RedCap UEにとって任意選択でありうる。Msg3反復を適用するために、UEは、Msg1を送信するのに適切なRACHリソースを使用する必要がありうる。一例では、Msg1は、UEがRedCap UEであることを示すために使用されうる(早期インジケーション)。Msg1は、このCE特徴が適用される(又はMsg3反復が実行される)ことを示すために使用されてもよい。別の例では、Msg1が反復されてよく、Msg3がRedCapの早期インジケーションのために使用されてもよい。
gNBは、それが全てのUEタイプ(非RedCap UE及びRedCap UE)についてこのCE特徴(Msg3反復)をサポートすることを望む場合、プリアンブル/ROを4つのグループ/領域:(RedCap、非RedCap)×(Msg3反復、非Msg3反復)に分割する必要がありうる(以下の表10を参照)。
上記の表10において、RACHiは、i番目のRACH構成を表し、各RACH構成は、1つ又は複数のプリアンブル、1つ又は複数のRO、又はそれらの組合せを含みうる。グループ/領域の数は、RACH構成の数である。各RACH構成は、Msg1の送信のための構成を提供する。表10によれば、4つのRACH構成が構成されてよく、即ち、RACH1~RACH4は、UEの4つの異なる特徴の組合せ、即ち、RedCap UEと非Msg3反復、RedCap UEとMsg3反復、非RedCap UEと非Msg3反復、及び非RedCap UEとMsg3反復にそれぞれ対応する。
しかし、リソースの分割の仕方は、UEに行うように要求するには多過ぎるものでありうるし、従って、どのRACH構成が使用されることになるのかをUEが決定するために、ルールが定められる必要がありうる。別の問題は、プリアンブル及びRACHリソースの数が制限されることである。
第1の実施形態では、早期インジケーションがRedCap UEのために構成されないとき、RedCap UEと非RedCap UEの両方が、閾値とともにCE特徴で定められるRO/プリアンブルを使用しうる。即ち、閾値が満たされる(例えば、RSRP<閾値)とき、RedCap UEと非RedCap UEの両方が、定められたRO/プリアンブルを使用してMsg3カバレージ拡張を実行しうる。同じ閾値が、RedCap UE及び非RedCap UEのために使用されてよく、又は別個の閾値が、RedCap UEのために使用されてよい(例えば、複雑さを減少させる特徴を説明するために必要とされる場合)。一例として、UE(RedCap又は非RedCapのいずれか)は、RSRP測定が閾値よりも小さいときにMsg3反復を実行しうる。別の例として、閾値1は、非RedCap UEのために構成され、閾値2は、RedCap UEのために構成される。この場合、非RedCap UEは、RSRP測定が閾値1よりも小さいときにMsg3反復を実行してよく、RedCap UEは、RSRP測定が閾値2よりも小さいときにMsg3反復を実行してよい。以下の表11は、第1の実施形態のRACH構成を示す。図示されるように、2つのカテゴリ、即ち、UEと非Msg3反復、及びUEとMsg3反復に対応して2つのRACH構成、RACH1、及びRACH2が必要とされる。UEのRSRP測定が閾値よりも大きいとき、UEは、Msg3反復を実行することなくRACH1に従ってMsg1を送信する。UEのRSRP測定が閾値よりも小さいとき、UEは、RACH2に従ってMsg1を送信し、Msg3反復を実行する。
いくつかの実施形態では、ある特性を有するRedCap UE(例えば、非RedCap UEのために4つのRxブランチを必要とする帯域内に1つのRxブランチ(又は2つのRxブランチ)を有するRedCap UE)は、非反復領域(例えば、2つのRXを有するRedCap UE)(即ち、表11中のRACH1)に割り当てられてよく、又は反復領域(例えば、1つのRxブランチを有するRedCap UE)(即ち、表11中のRACH2)に割り当てられてよい。
UE特徴と閾値との組合せも使用されうる。例えば、2つのRxブランチ及び閾値よりも高いRSRPを有するRedCap UEと非RedCap UEとは、通常のRO(即ち、RACH1)を使用しうるし、又は1つのRxブランチ及び閾値よりも低いRSRPを有するRedCap UEは、CE RO(即ち、表11中のRACH2)を使用しうる。(Msg3のための)反復領域(即ち、表11中のRACH2)の使用は、UEによるCE特徴のサポートを必要とする。
このCE特徴(Msg3反復)がRedCap UEに必須である場合、それは、一意にそうしないことによって、早期インジケーションの形態に類似するように思われうることに留意されたい。例えば、Msg3反復がRedCap UEに必須である場合、ネットワークは、RedCap UEがMsg3反復をサポートすることを知っており、RedCap UEは、(例えば、表10及び11に示されるように、条件が満たされる場合)Msg3反復を使用することができることを知っている。さらに、Msg3に使用される反復の数は、RedCap UEと非RedCap UEとを区別するためにネットワークによって使用されうる。CEを示すMsg1リソースは、RedCap又は非RedCap UEのいずれかによって要求されうる。反復の数がRedCap UEに対して及び非RedCap UEにも対して一意である場合、基地局は、受信されたMsg3の反復の数をカウントして、メッセージがRedCap UEからであるか、非RedCap UEからであるかを識別しうる。反復の数が一意でない場合、基地局は、反復の数を使用して、RedCap UEと非RedCap UEとを区別することができない。一例として、非RedCap UEは{1,2}反復を使用することができ、一方、RedCap UEは{4}反復を使用し、早期インジケーションの形態を提供することが可能である。表記{x}は、Msg3の反復の許容された数である。非RedCap UEとRedCap UEとの間の反復の数に共通の値がある場合、例えば、{1,2}が非RedCap UEに対して構成され、{2,4}がRedCap UEに対して構成される場合、2つのMsg3反復が基地局において受信されるとき、UEタイプを区別することが可能でないことがある。即ち、基地局は、2つのMsg3反復がRedCap UEによって送られたのか、又は非RedCap UEによって送られたのかを知らないことがある。構成されたRedCap UEについて別個のUL BWPが存在しなくてもよい。例えば、UEの両方のタイプ(RedCap及び非RedCap)は、RedCap UEのためのUL BWP、例えば、帯域幅、ロケーションの制約の下で、同じUL BWPを共有する。
第2の実施形態では、早期インジケーションとMsg3反復の特徴との両方が、RedCap UEのために構成されてよく、非RedCap UE及びRedCap UEは、Msg3反復のために同じ領域(同じRACH構成)を使用する(従って、この例では、3つの領域(RACH1~3)がある)。以下、表12は、第2の実施形態のRACH構成を示す。Msg3反復が使用されるとき、非RedCap UEとRedCap UEとの両方が、RACH2に従ってMsg1を送信する。Msg3反復が使用されないとき、RedCap UEは、RACH1に従ってMsg1を送信し、非RedCap UEは、RACH3に従ってMsg3を送信する。
この例では、非RedCap UEは、それが早期インジケーションの一意性を弱めるが、RedCap UE及び非RedCap UEが「同じRACH構成」(例えば、RSRPが閾値よりも小さいので乏しいチャネル状態)を使用するので、RedCap UL BWPと同じUL BWPにおいてMsg3反復を送信しうる。非RedCap UEは、まだMsg3を効率的に送信しうる。上述された第1の実施形態と同様に、Msg3反復を実行するかを決定するために使用される閾値は、RedCap UEと非RedCap UEとについて異なるものであることができる。異なる特徴のRedCap UEを区別するために反復の数を使用する(例えば、1つのRxブランチを有するRedCap UEは、常に反復を使用する)ことは、その場合には、実施形態2が実施形態1に単純化するので、可能でない。この実施形態に関する1つの制限は、同じRACH構成(RACH2)がRedCap及び非RedCap UEによって使用されるので、RedCap及び非RedCap UEが、初期アクセス中に同じ初期UL BWPを共有することである。従って、反復を伴うRedCap UE及び非RedCap UEのために別個のBWPが存在しないことがある。
第3の実施形態では、早期インジケーションとMsg3反復のCE特徴との両方が、RedCap UEのために構成されてよく、非RedCap及びRedCap UEは、Msg3反復が実行されないときに同じ非反復領域(RACH構成)を使用するが、反復のために異なる領域(異なるRACH構成)を使用する(従って、この例については合計3つの領域がある)。下記、表12は、第3実施形態によるRACH構成を示す。Msg3反復が使用されないとき、非RedCap UEとRedCap UEとの両方が、RACH1に従ってMsg1を送信する。Msg3反復が使用されるとき、RedCap UEは、RACH2に従ってMsg1を送信し、非RedCap UEは、RACH4に従ってMsg1を送信する。
第3の実施形態は、あまり魅力的ではないことがあり、例えば、良好な状態にある(例えば、RSRPが閾値よりも大きく、従ってMsg3反復が使用されない)非RedCap UEは、RedCap BWの規制(同じRACH1)に従わなければならない。また、RedCap UEがMsg3反復のこのCE特徴をサポートしない場合、閾値に対してのその条件又はサポートされる特徴にかかわらず、それは「同じRACH構成」に従って非RedCap UEとして同様に扱われる。第1の実施形態で説明したものと同じ実施形態、例えば閾値が適用されてもよい。潜在的に、この解決策は、早期インジケーションがRedCap UEによって実行されうるので、RedCap UE及び非RedCap UEについて異なる数の反復(サポートされた1、2、4の反復、及び場合によっては8の反復)を可能にしうる。これは、RedCap UEがより少ないブランチを有するので合理的であり、RedCap UEに許容される反復の数は、非RedCap UEに構成される反復の数よりも大きくなりうる。これは、CEのための別個のBWPが、初期アクセス中のMsg3送信のためのRedCap及び非RedCap UEのために使用される場合、より魅力的であるとやはりみなされうる。
第4の実施形態では、RedCap UEのみが、CE特徴を使用することが許可されうる(従って、2つ又は3つの領域が存在しうる)。第4の実施形態は、(RedCap UEのために構成された)早期インジケーションがオンであり、a)CE特徴がRedCap UEのために単にシグナリングされ、又はb)CEのための閾値が、CE特徴が非RedCap UEのためにターンオフされ、非RedCap UEとは別個のRedCap UEのためのRedCapの閾値があるような値に設定される場合、3つの領域を有する第2の実施形態と同様でありうる。以下、表14は、第4の実施形態によるRACH構成を示し、Msg3反復は、適切な閾値の値を用いて、非RedCap UEに対して一般にターンオフされる。Msg3反復が使用されないとき、RedCap UEは、RACH1に従ってMsg1を送信し、非RedCap UEは、RACH3に従ってMsg1を送信する。Msg3反復が使用されるとき、RedCap UEは、RACH2に従ってMsg1を送信する。非RedCap UEは、Msg3反復が非RedCap UEによって実行されず、非RedCap UEがRACH3に従ってMsg1を送信するように、とても低い閾値で構成されうる。RedCap UEは、非RedCap UEのために構成された閾値とは異なる(Msg3反復を実行するための)閾値で構成される。3つの領域が構成されると、RedCap UEのために別個のBWPを使用することに伴う問題はない(早期インジケーションがサポートされる)。非RedCap UEは、CEを使用しない(又は、ネットワークが、非RedCap UEについてCEをサポートしないことを判断する)。
RedCap UEのために構成された早期インジケーションがない場合、2つの領域(RACH構成)がある。この例は、a)CE特徴がRedCap UEに対してシグナリングのみされる場合、又はb)CEのための閾値が、CE特徴が非RedCap UEに対してターンオフされ、非RedCap UEとは別個のRedCapの閾値が存在するような値に設定される場合、第1の実施形態と同様でありうる。この例は、以下、表15に示される。Msg3反復が使用されないとき、RedCap UE及びnon-RedCap UEは、RACH1に従ってMsg1を送信する。Msg3反復が使用されるとき、RedCap UEは、RACH2に従ってMsg1を送信する。非RedCap UEは、とても低い閾値で構成されうるし、Msg3反復が非RedCap UEによって実行されず、結果として、非RedCap UEがRACH1に従ってMsg1を送信するようになっている。RedCap UEは、非RedCap UEのために構成された閾値とは異なる(Msg3反復を実行するための)閾値を用いて構成される。
図9は、RedCap UEインジケーションのための一実施形態の方法900の流れ図である。方法900は、UEの動作を示しうる。UEは、基準に基づいて、UEのランダムアクセス(RA)手順中に、又はRA手順の後に、それが機能削減(RedCap)UEであることをgNBへ示すかを決定しうる(ブロック902)。RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信ブランチの数量を有する、又は非RedCap UEの最小帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。UEは、決定結果に従って、それがRedCap UEであることをgNBへ示しうる(ブロック904)。非RedCap UEは、レガシーUEでありうる。
図10は、RedCap UE検出のための別の実施形態の方法1000の流れ図である。方法1000は、gNBの動作を示しうる。gNBは、ランダムアクセス(RA)手順中にUEから第1のメッセージを受信しうる(ブロック1002)。gNBは、UEが機能削減(RedCap)UEであることを第1のメッセージが示すかを決定しうる(ブロック1004)。RedCap UEは、非RedCap UEの受信ブランチの最小数よりも少ない受信ブランチの数量を有する、又は非RedCap UEの最小帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。UEがRedCap UEであることを第1のメッセージが示すとき、gNBは、カバレージ回復技法に従って、RA手順中にUEに第2のメッセージを送りうる(ブロック1006)。UEがRedCap UEであることを第1のメッセージが示さないとき、gNBは、RA手順が完了した後に、UEがRedCap UEであるかを決定しうる(ブロック1008)。
図11は、ホストデバイスにインストールされうる、本明細書で説明される方法を実行するための一実施形態の処理システム1100のブロック図を示す。図示されるように、処理システム1100は、プロセッサ1104と、メモリ1106と、インターフェース1110~1114とを含み、これらは、図11に示されるように配置されうる(又は配置されなくてよい)。プロセッサ1104は、計算及び/又は他の処理に関連付けられたタスクを実行するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合でありうるし、メモリ1106は、プロセッサ1104による実行のためにプログラミング及び/又は命令を記憶するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合でありうる。一実施形態では、メモリ1106は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。インターフェース1110、1112、1114は、処理システム1100が他のデバイス/構成要素、及び/又はユーザと通信することを可能にする任意の構成要素又は構成要素の集合でありうる。例えば、インターフェース1110、1112、1114のうちの1つ又は複数は、プロセッサ1104からホストデバイス及び/又はリモートデバイス上にインストールされたアプリケーションにデータ、制御、又は管理メッセージを通信するように適合されうる。別の例として、インターフェース1110、1112、1114のうちの1つ又は複数は、ユーザ又はユーザデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)など)が処理システム1100とインタラクト/通信することを可能にするように適合されうる。処理システム1100は、長期記憶装置(例えば、不揮発性メモリ等)などの図11に示されていない追加の構成要素を含みうる。
いくつかの実施形態では、処理システム1100は、電気通信ネットワークにアクセスしている、又はさもなければ電気通信ネットワークの一部であるネットワークデバイスに含まれる。一例では、処理システム1100は、基地局、中継局、スケジューラ、コントローラ、ゲートウェイ、ルータ、アプリケーションサーバ、又は電気通信ネットワーク内の任意の他のデバイスなどのワイヤレス又は有線の電気通信ネットワーク内のネットワーク側のデバイス内にある。他の実施形態では、処理システム1100は、移動局、ユーザ機器(UE)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、ウェアラブル通信デバイス(例えば、スマートウォッチ等)、又は電気通信ネットワークにアクセスするように適合された任意の他のデバイスなどのワイヤレス又は有線の電気通信ネットワークにアクセスするユーザ側のデバイス内にある。
いくつかの実施形態では、インターフェース1110、1112、1114のうちの1つ又は複数は、処理システム1100を、電気通信ネットワークを介してシグナリングを送信及び受信するように適合された送受信機に接続する。図12は、電気通信ネットワークを介してシグナリングを送信及び受信するように適合された送受信機1200のブロック図を示す。送受信機1200は、ホストデバイスにインストールされうる。図示されるように、送受信機1200は、ネットワーク側のインターフェース1202と、カプラ1204と、送信機1206と、受信機1208と、信号プロセッサ1210と、デバイス側のインターフェース1212とを備える。ネットワーク側のインターフェース1202は、ワイヤレス又は有線の電気通信ネットワークを介してシグナリングを送信又は受信するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合を含みうる。カプラ1204は、ネットワーク側のインターフェース1202を介した双方向通信を助けるように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合を含みうる。送信機1206は、ベースバンド信号を、ネットワーク側のインターフェース1202を介した送信に適した変調されたキャリア信号に変換するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合(例えば、アップコンバータ、電力増幅器等)を含みうる。受信機1208は、ネットワーク側のインターフェース1202を介して受信されたキャリア信号をベースバンド信号に変換するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合(例えば、ダウンコンバータ、低雑音増幅器等)を含みうる。信号プロセッサ1210は、ベースバンド信号をデバイス側のインターフェース1212を介した通信に適したデータ信号に変換するように、又はその逆に変換するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合を含みうる。デバイス側のインターフェース1212は、信号プロセッサ1210とホストデバイス内の構成要素(例えば、処理システム1100、ローカルエリアネットワーク(LAN)ポート等)との間でデータ信号を通信するように適合された任意の構成要素又は構成要素の集合を含みうる。
送受信機1200は、任意のタイプの通信媒体を介してシグナリングを送信及び受信しうる。いくつかの実施形態では、送受信機1200は、ワイヤレス媒体を介してシグナリングを送信及び受信する。例えば、送受信機1200は、セルラープロトコル(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)等)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコル(例えば、Wi-Fi等)、又は任意の他のタイプのワイヤレスプロトコル(例えば、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)等)などのワイヤレスの電気通信プロトコルに従って通信するように適合されたワイヤレス送受信機でありうる。そのような実施形態では、ネットワーク側のインターフェース1202は、1つ又は複数のアンテナ/放射要素を備える。例えば、ネットワーク側のインターフェース1202は、単一アンテナ、複数の別個のアンテナ、又は、多層通信、例えば、単一入力多出力(SIMO)、多入力単一出力(MISO)、多入力多出力(MIMO)等のために構成されたマルチアンテナアレイを含みうる。他の実施形態では、送受信機1200は、有線媒体、例えば、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバ等を介してシグナリングを送信及び受信する。特定の処理システム及び/又は送受信機は、図示された構成要素の全て、又は構成要素のサブセットのみを利用してもよく、統合のレベルはデバイスごとに変わりうる。
図13は、本明細書で開示されたデバイス及び方法を実装するために使用されうるコンピューティング及び通信環境1300内に示される電子デバイス(ED)1352のブロック図である。EDの例は、UE、タブレット、IoTデバイス、コンピュータ、又はワイヤレス通信機能を有する他のデバイスを含む。
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、基地局(例えば、NodeB、evolved NodeB(eNodeB、又はeNB)、次世代NodeB(gNodeB又はgNBと呼ばれる場合もある)、ホーム加入者サーバ(HSS)、パケットゲートウェイ(PGW)若しくはサービングゲートウェイ(SGW)などのゲートウェイ(GW)、又はコアネットワーク(CN)若しくはパブリックランドモビリティネットワーク(PLMN)内の様々な他のノード若しくは機能などの通信ネットワークインフラストラクチャの要素でありうる。他の実施形態では、電子デバイスは、モバイルフォン、スマートフォン、又はユーザ機器(UE)として分類されうる他のそのようなデバイスなど、無線インターフェースを介してネットワークインフラストラクチャに接続するデバイスでありうる。いくつかの実施形態では、ED1352は、(マシンツーマシン(m2m)デバイスとも呼ばれる)マシンタイプ通信(MTC)デバイス、又はユーザに直接サービスを提供しないにもかかわらずUEとして分類されうる別のそのようなデバイスでありうる。いくつかの参考文献では、EDは、モバイルデバイスとも呼ばれることがあり、用語は、デバイス自体がモビリティのために設計されているか、又はモビリティが可能であるかにかかわらず、モバイルネットワークに接続するデバイスを反映することが意図される。特定のデバイスは、示される構成要素の全て、又は構成要素のサブセットのみを利用してよく、統合のレベルは、デバイスごとに変わりうる。さらに、デバイスは、複数のプロセッサ、メモリ、送信機、受信機等など、構成要素の複数のインスタンスを含んでよい。ED1352は、典的には、中央処理装置(CPU)などのプロセッサ1354を含み、グラフィックス処理装置(GPU)又は他のそのようなプロセッサなどの特化されたプロセッサ、メモリ1356、ネットワークインターフェース1358、及びED1352の構成要素を接続するためのバス1360をさらに含みうる。ED1352は、任意選択で、(破線で示された)大容量記憶装置1362、ビデオアダプタ1364、及びI/Oインターフェース1368などの構成要素を含んでもよい。
メモリ1356は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読取り専用メモリ(ROM)、又はそれらの組合せなどのプロセッサ1354によって読取り可能な任意のタイプの非一時的なシステムメモリを備えうる。一実施形態では、メモリ1356は、ブートアップ時に使用するためのROM、ならびにプログラムを実行している間に使用するためのプログラム及びデータを記憶するためのDRAMなど、2つ以上のタイプのメモリを含んでよい。バス1360は、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス、又はビデオバスを含む、任意のタイプのいくつかのバスアーキテクチャのうちの1つ又は複数でありうる。
電子デバイス1352は、有線ネットワークインターフェース及びワイヤレスネットワークインターフェースのうちの少なくとも1つを含みうる1つ又は複数のネットワークインターフェース1358を含んでもよい。図13に示されるように、ネットワークインターフェース1358は、ネットワーク1374に接続するための有線ネットワークインターフェースを含んでよく、無線リンクを介して他のデバイスに接続するために無線アクセスネットワークインターフェース1372を含んでもよい。ED1352がネットワークインフラストラクチャ要素であるとき、無線アクセスネットワークインターフェース1372は、無線エッジにあるもの(例えば、eNB)以外のPLMNの要素として働くノード又は機能については省略されうる。ED1352がネットワークの無線エッジにおけるインフラストラクチャであるとき、有線ネットワークインターフェースとワイヤレスネットワークインターフェースとの両方が含まれうる。ED1352がユーザ機器などのワイヤレス接続されたデバイスであるとき、無線アクセスネットワークインターフェース1372が存在してもよく、それは、WiFiネットワークインターフェースなどの他のワイヤレスインターフェースによって補足されてよい。ネットワークインターフェース1358は、ED1352が、ネットワーク1374に接続されたものなどのリモートエンティティと通信することを可能にする。
大容量記憶装置1362は、データ、プログラム、及び他の情報を記憶し、データ、プログラム、及び他の情報にバス1360を介してアクセス可能にさせるように構成された任意のタイプの非一時的な記憶デバイスを含みうる。大容量記憶装置1362は、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、又は光ディスクドライブのうちの1つ又は複数を備えうる。いくつかの実施形態では、大容量記憶装置1362は、電子デバイス1352に対して遠隔にあってよく、インターフェース1358などのネットワークインターフェースを使用することによってアクセス可能でありうる。示された実施形態では、大容量記憶装置1362は、メモリ1356とは別個であり、そこにはそれが含まれ、一般に、より高いレイテンシに適合する記憶タスクを実行しうるが、一般に、より少ない揮発性を提供してもよいし、又は全く揮発性を提供しなくてもよい。いくつかの実施形態では、大容量記憶装置1362は、異種のメモリ1356と統合されてよい。
(破線で示された)任意選択のビデオアダプタ1364及びI/Oインターフェース1368は、電子デバイス1352を外部の入力デバイス及び出力デバイスに結合するためのインターフェースを提供する。入力デバイス及び出力デバイスの例は、ビデオアダプタ1364に結合されたディスプレイ1366、I/Oインターフェース1368に結合されたタッチスクリーンなどのI/Oデバイス1370を含む。他のデバイスがED1352に結合されてよく、追加の又はより少ないインターフェースが利用されてよい。例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)(図示せず)などのシリアルインターフェースを使用して、外部デバイスのためのインターフェースを提供してよい。当業者は、ED1352がデータセンタの一部である実施形態において、I/Oインターフェース1368及びビデオアダプタ1364が仮想化され、ネットワークインターフェース1358を介して提供されてよいことを理解するであろう。
いくつかの実施形態では、ED1352は、独立デバイスであってもよく、一方、他の実施形態では、電子デバイス1352は、データセンタ内に常駐してよい。データセンタは、当業界で理解されるように、集合的コンピューティング及び記憶リソースとして使用されることができる(典的にはサーバの形態の)コンピューティングリソースの集合である。データセンタ内では、複数のサーバが互いに接続されることができ、それにより、仮想化されたエンティティがインスタンス化されることができるコンピューティングリソースプールを提供する。データセンタは、互いに相互接続されて、接続性リソースによってそれぞれに接続されるプールコンピューティング及び記憶リソースからなるネットワークを形成することができる。接続性リソースは、イーサネット又は光通信リンクなどの物理接続の形態をとってよく、場合によっては、ワイヤレス通信チャネルも含みうる。2つの異なるデータセンタが複数の異なる通信チャネルによって接続される場合、リンクアグリゲーショングループ(LAG)の形成を含むいくつかの技法のいずれかを使用して、リンクは一緒に組み合わされることができる。(ネットワーク内の他のリソースとともに)コンピューティングリソース、記憶リソース、及び接続性リソースのいずれか又は全てが、場合によってはリソーススライスの形態で、異なるサブネットワーク間で分割されることができることを理解されたい。いくつかの接続されたデータセンタ又は他のノードの集合にわたってのリソースがスライスされる場合、異なるネットワークスライスが生成されることができる。
本明細書で提供される実施形態の方法の1つ又は複数のステップは、対応するユニット又はモジュールによって実行されうることを理解されたい。例えば、信号は、送信ユニット又は送信モジュールによって送信されうる。信号は、受信ユニット又は受信モジュールによって受信されうる。信号は、処理ユニット又は処理モジュールによって処理されうる。他のステップは、決定ユニット/モジュール、RedCap UEを示す又は識別するユニット/モジュール、比較ユニット/モジュール、測定ユニット/モジュール、機能の交換ユニット/モジュール、RACH構成ユニット/モジュール、ブロードキャストカバレージ回復、RACH実行ユニット/モジュール、受信カバレージ回復ユニット/モジュール、及び/又はカバレージ回復ユニット/モジュールによって実行されうる。それぞれのユニット/モジュールは、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せであってよい。例えば、ユニット/モジュールのうちの1つ又は複数は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路でありうる。
以下の参考文献は、本開示の主題に関連しており、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
・ Ericsson,「Revised SID on Study on Support of Reduced Capability NR Devices」,document RP-201677,3GPP,Jul.2020;
・ TR38.875,v0.1.0「Study on Support of Reduced Capability NR Devices」(Release 17),2020-11-25;
・ TS36.300,v16.3.0,「E-UTRA E-UTRAN Overall Description Stage-2」;
・ TS38.331,v16.2.0,「Radio Resource RRC protocol specification」,(Release 16);
・ TS36.331,V13.11.0,「Radio Resource RRC protocol specification」,(Release 13),2018-09-27;
・ TS38.300,V16.3.0,「NR and NG-RAN Overall description;Stage-2」,(Release 16),2020-10-02;
・ TS36.213,V13.11.0,「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA);Physical layer procedures」,(Release 13),2018-10-01;
・ TS38.306,V16-2,「User Equipment(UE) radio access capabilities」,(Release 16),2020-10-02
説明を詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲によって定められる本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変を行われることができることを理解されたい。また、本開示の範囲は、本明細書に説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、当業者は、現在存在する又は後で開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップが、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行しうる、又は実質的に同じ結果を達成しうることを本開示から容易に理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップをその範囲内に含むことが意図される。