JP2023551546A - 流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置 - Google Patents

流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置に関する。指標は、後続の呼吸サイクルにわたる測定脈拍信号から決定されたデータ値s0に関数プロトタイプを適合させることに基づいて決定される。a)適合前にデータ値の数を削減すること、b)データ値の特性及び/若しくは以前の適合から知られている適合パラメータ値に基づいて関数プロトタイプの初期適合パラメータ値を決定すること、並びに/又はc)適合をいくつかの段階で実行することであって、使用されるデータ値の数が段階ごとに増加し、前の段階で決定された適合パラメータ値が現在の段階における初期適合パラメータ値として使用される、適合を実行することによって、適合プロセスが加速される。これにより、流体反応性パラメータのより迅速な決定が可能になる。

Description

本発明は、流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置、方法、及びコンピュータプログラムに関する。
米国特許第5704362(A)号は、対象者の血圧を測定するための方法を開示している。複数の圧力レベルで取得された複素振幅から、複数のオシロメトリックデータ値が得られる。オシロメトリック包絡線の生理学的に予想される形状を有する関数曲線が選択され、関数曲線はパラメータによって定義される。関数曲線とデータ値との間の誤差が複数の圧力レベルで最小化されるような関数曲線のパラメータを計算することによって、関数曲線が複数のデータ値に適合され、最後に、適合された関数曲線に基づいて収縮期血圧及び拡張期血圧が計算される。
米国特許第5577508(A1)号は、膨張可能且つ収縮可能な圧力カフと、カフを膨張させて加圧するために圧力下で媒体をカフに選択的に適用するための、カフに動作可能に結合された膨張手段とを有する自動化された血圧計装置を開示している。カフはさらに、内部の動脈血圧振動を含むカフ圧を感知するための、カフに結合されたカフ圧感知手段を備える。装置は、カフから圧力を選択的に解放するための、カフに動作可能に結合された収縮手段も備える。制御手段は、血圧決定中に各カフ圧レベルでの動脈血圧振動を検出するために、それぞれのカフ圧レベルまで、カフを膨張させるように膨張手段を制御するとともにカフを収縮させるように収縮手段を制御する。血圧決定中のそれぞれのカフ圧レベルでの動脈血圧振動に対応する脈拍振幅点を含むオシロメトリック包絡線が決定される。オシロメトリック包絡線は、一対の最良適合線によって線形近似され、一対の最良適合線の交点における圧力に基づいて、患者の平均動脈圧が決定される。
P.K.Limらによる論文「Improved Measurement of Blood Pressure by Extraction of Characteristic Features from the Cuff Oscillometric Waveform」、SENSORS、第15巻、14142~14161ページ(2015)は、オシロメトリック波形データから収縮期血圧及び拡張期血圧を決定するための方法を開示しており、CN105342590Aは、血圧を測定するためのオシロメトリック法を開示している。
EP2759257B1は、患者のボリューム反応性を表す指標を決定するための方法を開示している。患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる患者の脈拍信号のシーケンスが測定され、測定脈拍信号のシーケンスは、圧力カフを使用する非侵襲的脈拍測定方法によって検出され、圧力カフに加えられる圧力は、測定期間の過程で連続的に増加又は減少する。測定脈拍信号は、その平均値前後で振動する脈拍信号として表され、脈拍信号の包絡線信号曲線が決定される。さらに、以前に決定された包絡線信号曲線に基づいて適合包絡線信号関数が決定され、適合包絡線信号関数は、所定の第1の関数プロトタイプに基づいて決定され、換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動を含まない、複数の呼吸サイクルにわたる包絡線信号曲線の理想化された曲線推移を表す。次いで、複数の呼吸サイクルにわたる換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動に対応する呼吸性脈拍変動信号が決定され、決定される呼吸性脈拍変動信号は、包絡線信号曲線と適合包絡線信号関数との間の差異に対応する。次のステップとして、以前に決定された呼吸性脈拍変動信号に対して包絡線呼吸曲線が決定され、以前に決定された包絡線呼吸曲線に基づいて適合包絡線呼吸関数が決定され、適合包絡線呼吸関数は、所定の第2の関数プロトタイプに基づいて決定され、複数の呼吸サイクルにわたる包絡線呼吸曲線の理想化された曲線推移を表す。最後に、適合包絡線信号関数と適合包絡線呼吸関数とに基づいて、患者のボリューム反応性を表す指標が決定される。
適合包絡線信号関数は、Levenberg-Marquardtアルゴリズムを使用して、Cauchy-Lorentz関数を包絡線信号関数に適合させることによって決定される。さらに、適合包絡線呼吸関数は、同じくLevenberg-Marquardtアルゴリズムを使用して、Cauchy-Lorentz関数を包絡線呼吸関数に適合させることによって決定される。
Levenberg-Marquardtアルゴリズムは計算量が非常に多く、したがって時間がかかり、その結果、一般的には、患者のボリューム反応性を表す指標を決定するために必要な時間が非常に長くなる。
本発明の目的は、流体反応性パラメータを表す指標のより迅速な決定を可能にする装置、方法、及びコンピュータプログラムを提供することである。
本発明の第1の態様では、流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置が提供され、装置は、
- 患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる患者の測定脈拍信号のシーケンスを提供するように構成された脈拍信号提供ユニットであって、測定脈拍信号のシーケンスが非侵襲的脈拍測定方法によって検出されたものである、脈拍信号提供ユニットと、
- 提供された脈拍信号のシーケンスに基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定するように適応された決定手順を実行するように構成された指標決定ユニットであって、決定手順が、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定することと、適合中に修正される適合パラメータに依存する提供された関数プロトタイプを、決定されたデータ値に適合させることとを含み、指標決定ユニットが、a)適合の前に、適合全体に対するデータ値の数が削減され、b)関数プロトタイプの特性に関連するデータ値の特性に基づいて、及び/若しくは以前の適合から知られている適合パラメータの値に基づいて、適合パラメータの初期値が決定され、並びに/又は、c)適合がいくつかの段階で実行され、適合に使用されるデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が現在の段階における適合パラメータの初期値として使用されるように構成される、指標決定ユニットと
を備える。
適合の前に適合全体のデータ値の数を削減すること、関数プロトタイプの特性に関連するデータ値の特性に基づいて、及び/又は以前の適合から知られている適合パラメータの値に基づいて、適合パラメータの初期値を決定すること、並びに、適合をいくつかの段階で実行することであって、使用されるデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が現在の段階における適合パラメータの初期値として使用される、適合を実行することによって、算出時間が大幅に短縮される。これにより、流体反応性パラメータを表す指標のより迅速な決定が可能になる。
流体反応性パラメータは、好ましくは患者の流体反応性パラメータである。また、流体反応性パラメータは、ボランティア又は動物の流体反応性パラメータとすることもできる。流体反応性パラメータは、患者のボリューム反応性若しくは流体反応性を示すか又はそれに対応し、すなわち、流体反応性は「ボリューム反応性」とも呼ばれる。したがって、流体反応性パラメータを表す指標の決定は、好ましくは、流体反応性パラメータ(FRP:fluid responsiveness parameter)の決定、特に脈圧変動(PPV:pulse pressure variation)、収縮期圧変動(SPV:systolic pressure variation)、及び/又は1回拍出量変動(SVV:stroke volume variation)の決定である。これらの特定の事例において、決定される指標は、それぞれのFRP、すなわちPPV、SPV、及び/又はSVVである。
測定脈拍信号のシーケンスの提供は、患者の脈拍信号のシーケンスを測定すること、具体的には、血液脈動を示す圧力を連続的又は半連続的に記録することによって血液脈動に対応する信号を測定すること対応することができる。一実施形態では、測定脈拍信号のシーケンスは、圧力カフを使用する非侵襲的脈拍測定方法によって検出され、圧力カフに加えられる圧力は、測定期間の過程で連続的に増加又は減少する。測定信号は、圧力カフ内の圧力の連続的又は半連続的な記録に対応する。測定脈拍信号のシーケンスの提供は、例えば医師によって以前に測定された脈拍信号のシーケンスの提供も含む。測定脈拍信号は、その後記憶され、この記憶されたシーケンスが提供される。一般に、非侵襲的脈拍測定方法には、例えばオシロメトリック法が含まれる。オシロメトリック脈拍測定法では通常、圧力カフが膨張し、その結果、血液脈動と、膨張したボリューム内の圧力を記録する圧力センサとの間の空気圧結合が生成される。しかしながら、脈拍信号のシーケンスは、血液脈動と、血液脈動を示す圧力を記録するように適応された圧力カフの圧力センサとの間の液圧結合を提供するように適応された圧力カフを使用して測定されることが好ましい。この種類の圧力カフは、例えばWO2014/121945A1に開示されている。以降では高忠実度の圧力カフとも呼ばれるこのような圧力カフを使用することによって、空気圧結合に依存するオシロメトリック測定の場合と比較して、記録される圧力信号の品質を向上させることが可能になる。例えば、圧力カフは、圧力センサが組織を介して血液脈動に液圧的に結合されるように圧力センサを患者の組織と直接接触させるように適応され、血管内の血液と圧力センサとの間の液圧結合を確保するために、圧力センサと、患者の組織、すなわち患者の皮膚との間に空気がないことが優先される。圧力カフは、例えば、高忠実度の上腕圧力カフである。圧力センサと血液脈動との液圧結合によって、血液脈動のより正確な検出が可能になり、したがって、測定脈拍信号に基づいた流体反応性パラメータの決定の改善が可能になる。
圧力カフは、圧力変換器のような実際の圧力測定を実行する圧力感知要素に加えて、例えば、圧力感知要素に接続された患者の皮膚上の流体が充填されたセンサパッドを含む流体ベースの圧力センサを備えることができる。センサパッドには、水ベースのゲル、シリコーンオイル、又は別の流体を充填することができる。圧力感知要素は、センサパッド内若しくはセンサパッド上に配置されるか、又はセンサパッドから離れて配置されることが可能であり、この場合、流体は、例えばセンサパッドと圧力感知要素との間に延在する流体が充填されたチューブを用いてセンサパッドと圧力感知要素との間の液圧結合を提供するために使用される。流体が充填されたセンサパッドの代わりに、流体が充填された感圧フィルムのような流体が充填された別の要素を使用することもできる。また、圧力カフが、圧力感知要素を有する流体ベースの圧力センサを使用する場合、圧力センサは、空気を介さずに外皮に結合されることが優先される。さらに、流体は非圧縮性流体であることが優先される。したがって、一実施形態では、圧力カフは、組織、すなわち外皮に空気を介さずに結合された、非圧縮性流体が充填された感圧フィルム又は流体が充填されたセンサパッドを有する流体ベースの圧力センサを備え、手足は、部分的に又は完全に囲まれる。
指標決定ユニットが実行するように適応される決定手順は、提供された測定脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定することを含む。例えば、脈拍信号提供ユニットは、測定脈拍信号のシーケンスを連続的又は準連続的なデジタル信号として提供するように構成され、指標決定ユニットは、提供された測定脈拍信号のシーケンスを離散化すること、並びに/又は、提供された測定脈拍信号のシーケンスの開始点及び終了点を決定することによって、データ値を決定するように適応される。データ値は依然として、測定脈拍信号のシーケンスの直接表現又はサンプリングとして理解される。しかしながら、提供された測定脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定することは、追加として又は代替として、例えば、包絡線信号曲線の決定、呼吸性脈拍変動信号の決定、及び/又は、測定脈拍信号に対する包絡線呼吸曲線若しくは呼吸性脈拍変動信号の絶対値を示す別の曲線のような、絶対呼吸性脈拍変動曲線などの呼吸性脈拍変動信号から導出される信号若しくは曲線の決定など、測定脈拍信号の他の種類の前処理も含む。この場合、データ値は、包絡線信号曲線、又は呼吸性脈拍変動信号から導出される信号若しくは曲線、すなわち、例えばその離散化されたバージョンにそれぞれ対応する。
決定手順はさらに、所定の関数プロトタイプを決定されたデータ値に適合させることを含む。関数プロトタイプは、適合中に修正される1つ又は複数の適合パラメータに依存する可能性があり、1つ又は複数の適合パラメータのそれぞれの初期値が決定され得る。1つ又は複数の適合パラメータのそれぞれ又は一部のみの初期値は、関数プロトタイプの特性に関連するデータ値の特性に基づいて且つ/又は以前の適合から知られているそれぞれの適合パラメータの値に基づいて決定され得る。関数プロトタイプの特性に関連するデータ値の特性に基づいて且つ/又は以前の適合から知られているそれぞれの適合パラメータの値に基づいて初期値が決定されない1つ又は複数の適合パラメータの場合、初期値は、事前定義されるか、又は、例えば圧迫カフに加えられる圧力の変化率などの測定方法の特性に基づいて決定される。
測定脈拍信号のシーケンスの予想される形式に応じて、関数プロトタイプを事前決定することができ、形式は、例えば測定方法に基づいて予想される。さらに、関数プロトタイプは、提供された測定脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定するために選択された方式に応じて事前決定されることも可能であり、選択された方式は、例えば、定義された前処理に対応する。
一実施形態では、脈拍信号提供ユニットは、患者の測定脈拍信号のいくつかのシーケンスを経時的に提供するように構成され、測定脈拍信号のシーケンスのそれぞれは、異なる期間期間に検出されたものであり、指標決定ユニットは、提供された測定脈拍信号のシーケンスのそれぞれに対するデータ値のセットを決定するように構成される。異なる時間期間は、例えば、圧力カフの膨張及び/又は収縮の後続のサイクルに対応する。
提供された関数プロトタイプを決定されたデータ値に適合させるために、任意の知られている適合アルゴリズムが使用される。好ましくは、非線形最小2乗アルゴリズム、特にLevenberg-Marquardtアルゴリズムが使用される。しかしながら、計算量の削減による上記の効果は、異なる適合アルゴリズムについても達成できることが理解される。
一実施形態では、指標決定ユニットは、削減された数のデータ値が、提供された関数プロトタイプの帯域幅に関して、及び/又は、データ値自体に関して、シャノン-ナイキスト基準を満たすように、データ値の数を削減するように構成される。例えば、削減された数のデータ値が、提供された脈拍信号のシーケンスに関してシャノン-ナイキスト基準を満たすように、どのデータ値が決定されたかに基づいてデータ値の数が削減される。これは特に、データ値が、提供された脈拍信号のシーケンスを表すように決定される場合に該当する。提供された関数プロトタイプの帯域幅、具体的にはそこに含まれる周波数は、例えば、圧力カフ内の圧力が第1の圧力値から第2の圧力値まで増加又は減少する間に経過した時間に基づいて推定され、第1の圧力値及び第2の圧力値はそれぞれ、例えば、拡張期動脈圧値及び収縮期動脈圧値を指す。データ値が患者の呼吸サイクルを表すように決定される場合、データ値の数は、削減された数のデータ値が患者の呼吸サイクルに関して、シャノン-ナイキスト基準を満たすように削減される。例えば、0.004秒ごとのサンプルと対象の最大周波数0.5Hzとを有するデータ値が、半値全幅20..100秒のベル型曲線に適合される場合、1秒当たり1つのデータ値を選択することによって、適合すべきデータ値の削減を行うことができる。
一実施形態では、指標決定ユニットは、所定の周波数で1つのデータ値を決定することによって且つ/又はダウンサンプリングすることによって、データ値の数を削減するように構成される。更なる実施形態では、指標決定ユニットは、データ値の数を削減する前にデータ値をローパスフィルタ処理するように構成される。
関数プロトタイプはベル型関数であることが好ましい。圧力カフを使用して測定脈拍信号のシーケンスが検出され、圧力カフに加えられる圧力が測定期間の過程で連続的に増加又は減少する場合、このベル型関数は特に好ましい。ベル型関数は、好ましくはCauchy-Lorentz関数である。ベル型関数は、ベル型関数の最大値の高さを示す第1の適合パラメータと、ベル型関数の最大値の位置を示す第2の適合パラメータとを有することができ、指標決定ユニットは、データ値の最大値の高さ及びデータ値の最大値の位置を、第1の適合パラメータの初期値及び第2の適合パラメータの初期値として決定するように構成され得る。
適合パラメータの最終値に近い適合パラメータの初期値を提供すると、算出時間を大幅に短縮することができる。この予測は、関数プロトタイプを説明する特性のデータ値を分析することによって行うことができる。データ値からの特徴的パターンの事前決定及び事前選択により、データ値を関数プロトタイプによりよく適合させることができ、それによって適合中の総反復回数を削減することができる。例えば、上記で説明したように、適合パラメータのうちの少なくとも2つが最大値の高さ及び位置であるベル型関数プロトタイプに適合させることによって、データ値の最大値の高さ及び位置を適合パラメータの初期値として使用することができる。ベル型関数プロトタイプが依存し得る第3の適合パラメータは、半値全幅に関連する。この第3の適合パラメータの初期値は、データ値を参照することなく、すなわち、a)圧力カフ内の圧力が第1の圧力値から第2の圧力値まで増加する間に経過した時間、若しくは圧力カフ内の圧力が第2の圧力値から第1の圧力値まで減少する間に経過した時間に基づいて決定されることが可能であり、第1の圧力値及び第2の圧力値はそれぞれ、例えば、拡張期動脈圧値及び収縮期動脈圧値を指し、又は、この第3の適合パラメータの初期値は、b)第1の圧力値と第2の圧力値とを含む圧力範囲の幅として直接決定されることが可能であり、圧力範囲は、例えば、拡張期動脈圧値の0.7倍から収縮期動脈圧値の1.3倍までの範囲であるか、若しくは拡張期動脈圧値より10mmHg低い値から収縮期動脈圧値より20mmHg高い値までの範囲である。第3の適合パラメータを決定するために使用される拡張期動脈圧値及び収縮期動脈圧値は、例えば、事前定義された標準値若しくは既知の平均値、又は患者について以前に測定された値を指す。
一実施形態では、指標決定ユニットは、適合が3つの段階で実行されるように構成され、第1の段階では、データ値の第1の割合が使用され、次の第2の段階では、データ値のより高い第2の割合が使用され、次の第3の段階では、データ値の100パーセントが使用される。例えば、第1の割合を1/10パーセント、第2の割合を1パーセントとすることができる。第1の割合及び第2の割合は、例えば、1/250及び
Figure 2023551546000002
に相当する割合、すなわちそれぞれ0.4パーセント及び約6.32パーセントとすることもできる。
この多段階適合を適用する場合、総反復回数は、当初に決定されたデータ値に対して単純に適合アルゴリズムを適用する場合よりも多くなる可能性がある。しかしながら、段階のほとんど又はすべてが、算出に用いるデータ値の量を削減して実行されるので、全体の算出時間は一般に短くなる。
好ましい実施形態では、指標決定ユニットは、適合がいくつかの段階で実行されるように構成され、ある段階で適合が実行された後、適合された適合パラメータが中止基準に合致しているかどうかが判定され、合致している場合、適合が終了する。
例えば、指標決定ユニットは、a)それぞれの段階の結果として得られた適合パラメータの適合された値と、b)適合パラメータの期待値との間の偏差を、中止基準として使用するように構成され得る。例えば、基になるデータ値が関数プロトタイプに関連する形状を形成していないという理由で適合アルゴリズムが有効なデータをもたらしていない場合、妥当性について最終段階の前の各段階の適合結果を分析することにより、すべての段階を実行する必要があるわけではないとの結論に至る可能性があり、それによって不必要な算出作業が回避され、したがって実行時間が短縮される。上記で説明したように、最終適合パラメータの期待値に一定の範囲が存在し、且つ、最終段階の前の段階でこれらの範囲から大きく外れた適合パラメータがもたらされる場合に、適合結果の分析を行うことができる。
また、中止基準は、例えば、現在の段階の結果として得られた適合パラメータと前の段階の結果として得られた適合パラメータとの間の偏差が、事前定義された閾値よりも小さいかどうかを判定することによって、ある段階の結果として得られた適合パラメータがすでに非常に良好であると示すことも可能であり、この場合、最終段階が実行される前に適合を停止することができる。また、これにより算出時間の短縮も可能になる。
適合がいくつかの段階で実行されるとき、すなわち多段階適合の事例では、最後の段階での適合に元の数のデータ値が使用される場合、全体的な算出時間を短縮することができるがそれでもなお、最終結果、特に最終的に決定された適合パラメータの正確度は、元の数のデータ値に対する単一段階による適合と比較した場合と同じである可能性がある。全体的な算出時間の更なる短縮を可能にするために、最終段階での適合でも元の数よりも少ないデータ値が使用されるように、適合がいくつかの段階で実行される。
好ましい実施形態では、脈拍信号提供ユニットは、測定脈拍信号を、その平均値前後で振動する脈拍信号として表すように構成され、指標決定ユニットは、
- 脈拍信号の包絡線信号曲線を決定することによって第1のデータ値が決定され、
- 第1の適合では、結果として得られる適合包絡線信号関数が、換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動を含まない複数の呼吸サイクルにわたる包絡線信号曲線の理想化された曲線推移を表すように、第1の適合中に修正される第1の適合パラメータに依存する提供された第1の関数プロトタイプが、第1のデータ値に適合され、
- 複数の呼吸サイクルにわたる換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動に対応する呼吸性脈拍変動信号が決定され、決定された呼吸性脈拍変動信号が、包絡線信号曲線と適合包絡線信号関数との間の差異に対応し、
- 呼吸性脈拍変動信号の絶対呼吸性脈拍変動曲線を決定することによって第2のデータ値が決定され、
- 第2の適合では、結果として得られる適合呼吸関数が、複数の呼吸サイクルにわたる絶対呼吸性脈拍変動曲線の振幅における理想化された推移を示すように、第2の適合中に修正される第2の適合パラメータに依存する提供された第2の関数プロトタイプが、第2のデータ値に適合され、
- 適合包絡線信号関数及び適合呼吸関数に基づいて、流体反応性パラメータを表す指標が決定され、a)第1の適合の前に、第1の適合全体に対する第1のデータ値の数が削減され、b)第1の関数プロトタイプの特性に関連する第1のデータ値の特性に基づいて且つ/若しくは以前の第1の適合から知られている第1の適合パラメータの値に基づいて第1の適合パラメータの初期値が決定され、及び/若しくは、c)第1の適合がいくつかの段階で実行され、第1の適合に使用される第1のデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された第1の適合パラメータの値が現在の段階における第1の適合パラメータの初期値として使用され、並びに/又は、a)第2の適合の前に、第2の適合全体に対する第2のデータ値の数が削減され、b)第2の関数プロトタイプの特性に関連する第2のデータ値の特性に基づいて、及び/若しくは、以前の第2の適合から知られている第2の適合パラメータの値に基づいて、第2の適合パラメータの初期値が決定され、及び/若しくは、c)第2の適合がいくつかの段階で実行され、第2の適合に使用される第2のデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された第2の適合パラメータの値が現在の段階における第2の適合パラメータの初期値として使用されるように構成される。これは、圧力カフを使用して測定脈拍信号のシーケンスが検出され、圧力カフに加えられる圧力が測定期間の過程で連続的に増加又は減少する場合に特に好ましい。
測定脈拍信号のシーケンスは、構成可能な時間期間にわたって検出される。好ましくは、時間期間は、患者の後続の所定数の呼吸サイクル又は換気サイクルをカバーするように構成され、所定数は1から10までの任意の数である。例えば、時間期間は、例えば10秒から4分の間、好ましくは30秒から2分の間、より好ましくは約1分の長さであるように構成される。患者の脈拍数は、年齢、ストレスなどの様々な要因に依存する。成人の心臓は通常、1分当たり50回から90回拍動する。したがって、この検出時間期間内に、心拍によって引き起こされる脈拍変動を比較的多く検出することができる。流体反応性パラメータを表す指標の算出の基礎となるデータ品質という点では、このような手法は有利である可能性がある。しかしながら、高忠実度の圧力カフを使用した非侵襲的圧力測定方法を適用する場合、圧力カフの圧力によって引き起こされる血流の乱れに起因する悪影響を避けるために、検出期間は3分を超えないことが望ましい。
患者の呼吸は、脈拍変動に検出可能な影響を与える。測定される圧力の変動は、主に心臓の機能、すなわち周期的な収縮及び弛緩から導出されるが、考慮すべき別の影響力のある要因も存在する。したがって、2つの機能が重ね合わされる、すなわち、心臓の機能によって引き起こされる高周波の変動に、患者の呼吸又は換気によって引き起こされる低周波の変動が重ね合わされる。特に、患者の呼吸によって引き起こされるこのような低周波変動は、機械換気中の患者だけでなく、自発呼吸している非機械換気中の患者でも検出される。圧力の変動に関して、自発呼吸の効果は機械換気の効果とどことなく類似しているが、実際には、機械換気の場合は、吸気中に空気が外部から肺の中に高圧で押し込まれ、一方、自発呼吸の場合は、吸気中に空気が低圧で肺の中に吸い込まれる、という理由により、両方の効果は同じではない。これらの現象学的な区別に関係なく、一実施形態では、換気又は呼吸により誘発される挙動によって顕著な心肺相互作用が発生するという条件の下で、機械換気中の患者及び自発呼吸している非換気中の患者に対して等しく装置を適用することができる。
測定脈拍信号は、時間に対する関数として、又は代替として、圧力カフによって与えられる締め付け圧力に対する関数として表され、圧力カフに加えられる圧力は、測定期間の過程で連続的に増加又は減少する。
第1のデータ値が対応する包絡線信号曲線は、測定脈拍信号のシーケンスに基づいて決定される。通常、急速に変化する信号の包絡線又は関数は、急速に変化する信号の振幅における極値の輪郭を描く滑らかな曲線であると考えられる。例えば、包絡線又は関数は、急速に変化する信号の最大値又は最小値を単純に接続することによって決定される。しかしながら、好ましくは、圧力信号の包絡線、すなわち包絡線信号曲線は、測定脈拍信号の距離寸法をその平均から連続的に決定し、その後好ましくは距離寸法にローパスフィルタを適用することによって、決定される。ローパスフィルタは、患者の脈拍数を下回るカットオフ周波数を有することが好ましい。例えば、測定脈拍信号の振動曲線の平均値を下回る部分は、上回る部分へ折り畳まれることが好ましい。次いで、結果として得られた曲線は、患者の脈拍数を下回るカットオフ周波数を有するローパスフィルタを使用することによって平坦化されることが好ましい。結果として得られる曲線は、平坦化された曲線の下の区域が平坦化されていない曲線の下の区域と比較して変化していないように、平坦化され得る。任意選択として、さらに、平坦化された曲線に所定の値を乗算する。平坦化された曲線に、例えば2の平方根を乗算すると、最終的に得られる包絡線信号曲線は、実質的に測定脈拍信号の振幅における上限レベルとなる。
距離寸法はまた、2乗信号、又は、例えば約1つのパルス幅若しくは任意の他のメトリック関数の一定の領域内の極値として定義される。より一般的には、距離寸法は、例えば、信号とその平均値との間の差異の絶対値のn乗としても定義され、nは1又は任意の他の数である。差異の絶対値を距離寸法として使用した場合、結果はSVV及びPPVとよく相関する。差異の絶対値の2乗を距離寸法として用いた場合も、結果はSVV及びPPVとよく相関する。SVVが決定される場合、差異の絶対値の2乗が距離寸法として使用され、PPVが決定される場合、差異の絶対値が距離寸法として使用されることが好ましい。nを大きくすることにより、相関がさらに高まる。距離寸法として、最大メトリック、すなわち無限のnを用いると、結果はPPVと非常によく相関する。例えば、最大メトリックは、心拍の継続時間に等しい移動窓内の差異の最大値から最小値を差し引いた値を検索することによって実現される。
距離寸法算出の基礎として使用される測定脈拍信号の平均値は、患者のある単一脈拍サイクルの期間にわたる移動平均として決定され得る。この事例では測定脈拍信号である数値系列と、この事例では患者のある単一脈拍サイクルの期間である固定サブセットサイズとが与えられる場合、移動平均の第1の要素は、数値系列の初期固定サブセットの平均を取ることによって得られる。次いで、サブセットは「順方向シフト」によって修正され、すなわち、系列の第1の数値が除外され、羅列内の元のサブセットに続く次の数値を含む。これにより、平均化された、数値の新しいサブセットが作成される。このプロセスは、データ系列全体にわたって繰り返される。
場合によっては、良好に適合可能な包絡線信号曲線を得るために、包絡線信号曲線を決定する前に、測定脈拍信号に窓関数を適用することが有利である。しかしながら、脈拍信号は高忠実度の圧力カフを採用した非侵襲的圧力測定方法を使用して測定されるので、窓関数の適用は必要ない。このような状況下では、測定脈拍信号は通常、すでにベル型形式を呈しており、したがって、それ自体として、同じくベル型形式を呈する関数プロトタイプと良好に適合可能である。窓関数が適用される場合、窓関数は非負の滑らかなベル型曲線、例えばCauchy-Lorentz関数であることが好ましい。
適合包絡線信号関数の決定は、換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動を除外した、対象の包絡線信号曲線の理想化された曲線推移を表す。
包絡線信号曲線と適合包絡線信号関数との間の差異は、患者の呼吸又は換気による変調を反映している。したがって、患者の呼吸によって引き起こされる脈拍変動に対応する呼吸性脈拍変動信号が決定される。呼吸性脈拍変動信号は、呼吸性脈拍変動信号がその平均値前後で振動するように決定されることが好ましい。呼吸性脈拍変動信号の曲線の下部によって画定される区域、すなわち平均値を下回る区域は、呼吸性脈拍変動信号の曲線の上部によって画定される区域、すなわち平均値を上回る区域に実質的に対応することが好ましい。
絶対呼吸性脈拍変動曲線は包絡線呼吸曲線に対応し、その場合、適合呼吸関数は適合包絡線呼吸関数とも見なされる。適合呼吸関数は、複数の呼吸サイクルにわたる包絡線呼吸曲線の理想化された曲線推移を表す。この場合、第2のデータ値に対応する包絡線呼吸曲線の決定は、以前に決定された呼吸性脈拍変動信号に基づく。包絡線呼吸曲線は、呼吸性脈拍変動信号の距離寸法をその平均から連続的に決定し、その後好ましくは距離寸法にローパスフィルタを適用することによって算出されることが好ましい。ローパスフィルタは、患者の呼吸周波数を下回るカットオフ周波数を有することが好ましい。言い換えれば、呼吸性脈拍変動信号の振動曲線の平均値を下回る部分は、上回る部分へ折り畳まれることが好ましい。次いで、結果として得られた曲線は、患者の呼吸周波数を下回るカットオフ周波数を有するローパスフィルタを使用することによって平坦化されることが好ましい。曲線は、平坦化された曲線の下の区域が平坦化されていない曲線の下の区域と比較して変化していないように、平坦化され得る。任意選択として、さらに、平坦化された曲線に所定の値を乗算する。平坦化された曲線に、例えば2の平方根の値を乗算すると、最終的に得られる包絡線呼吸曲線は、実質的に呼吸性脈拍変動信号の振幅における上限レベルとなる。距離寸法算出の基礎として使用される呼吸性脈拍変動信号の平均値は、患者のある単一呼吸サイクルの期間にわたる移動平均として決定されることが好ましい。
好ましくは、絶対呼吸性脈拍変動曲線は、包絡線呼吸曲線に対応せず、呼吸性脈拍変動信号の絶対値を示す異なる曲線に対応する。すなわち、最初に以前に決定された呼吸性脈拍変動信号の包絡線呼吸曲線を決定して、次いでその包絡線呼吸曲線に基づいて適合呼吸関数を決定することなく、適合呼吸関数が決定されることが好ましい。その代わりに、異なる種類の絶対呼吸性脈拍変動信号に対応するデータ値、すなわち第2のデータ値、すなわち呼吸性脈拍変動信号から異なるやり方で導出されたデータ値に第2の関数プロトタイプを適合させることによって、適合呼吸関数を決定することが好ましい。それでもなお、そのような異なる種類の前処理は、呼吸性脈拍変動信号からの包絡線呼吸曲線の決定に関して上述したステップのうちの1つ又は複数を含む。一実施形態では、第2のデータ値に対応する絶対呼吸性脈拍変動曲線は、呼吸性脈拍変動信号とその平均との間のそれぞれの差異の絶対値を考慮することによって決定される。その場合、これらの絶対値は、第2のデータ値に対応する。したがって、具体的には、呼吸性脈拍変動信号とその平均値との間のそれぞれの差異の絶対値を考慮し、それによって呼吸性脈拍変動信号のその平均値を下回る部分を上回る部分へ折り畳み、第2の関数プロトタイプをそのようにして得られた値に適合させることによって、適合呼吸関数が決定される。
最初に以前に決定された呼吸性脈拍変動信号の包絡線呼吸曲線を決定し、次いで、その包絡線呼吸曲線に基づいて適合呼吸関数を決定することによって、適合呼吸関数が決定される場合、関係する算出上のステップからのバイアスを回避するために、包絡線呼吸曲線は、包絡線信号曲線と同様に算出されることが好ましいが、測定脈拍信号の代わりに呼吸性脈拍変動信号に関連付けられる。より一般的には、適合呼吸関数の適合先となるデータ値が異なること、すなわち、適合呼吸関数の適合先となるデータ値が測定脈拍信号の代わりに呼吸性脈拍変動信号に関連付けられることを除いて、適合包絡線信号関数と同様に、適合呼吸関数の適合先となるデータ値、すなわち第2のデータ値、すなわち、例えば、包絡線呼吸曲線、又は呼吸性脈拍変動信号から異なるやり方で導出されたデータ値に基づいて、適合呼吸関数が算出されることが好ましい。すなわち、例えば、適合包絡線信号関数を決定するための関数プロトタイプとしてCauchy-Lorentz関数が使用される場合、Cauchy-Lorentz関数は、適合呼吸関数を決定するための関数プロトタイプとしても使用されることが好ましい。しかしながら、例えば、適合前に適合全体に対してデータ値の数がどのように削減されるかは、データ値の特性、すなわち、例えば、データ値が包絡線に対応するか、振動信号の絶対値を考慮することによって振動信号から導出された曲線に対応するかに基づいて決定される。したがって、例えば適合前にデータ値の数がどのように削減されるかは、第1のデータ値と第2のデータ値とで、すなわち第1の適合と第2の適合とでそれぞれ異なる。一実施形態では、指標決定ユニットは、呼吸性脈拍変動信号とその平均との間のそれぞれの差異の絶対値を考慮することによって絶対呼吸性脈拍変動曲線を決定し、絶対呼吸性脈拍変動曲線の極大値ごとに1つの第2のデータ値を決定することによって、第2のデータ値の数を削減するように構成される。
流体反応性パラメータを表す指標は、適合包絡線信号関数及び適合呼吸関数に基づいて決定され得る。流体反応性パラメータを表す指標は、適合包絡線信号関数の少なくとも1つのパラメータ及び適合呼吸関数の少なくとも1つのパラメータに基づいて決定されることが好ましい。例えば、患者のボリューム反応性を表す指標は、適合包絡線信号関数の最大値と適合呼吸関数の最大値との間の比率に基づいて決定され得る。このような比率、又はこの比率の関数、特にその逆数は、患者のボリューム反応性を表す適切な指標を表す。
一実施形態では、呼吸性脈拍変動信号の更なる絶対呼吸性脈拍変動曲線を決定することによって更なるデータ値が決定され、更なる適合では、適合中に修正される更なる適合パラメータに依存する更なる関数プロトタイプは、更なる適合呼吸関数が得られるように更なるデータ値に適合され、流体反応性パラメータを表す指標は、更なる適合呼吸関数にさらに基づいて決定される。また、更なる適合は、a)更なる適合の前に、更なる適合全体に対する更なるデータ値の数が削減され、b)更なる関数プロトタイプの特性に関連する更なるデータ値の特性に基づいて、及び/若しくは、以前の更なる適合から知られている更なる適合パラメータの値に基づいて、更なる適合パラメータの初期値が決定され、並びに/又は、c)更なる適合がいくつかの段階で実行され、更なる適合に使用される更なるデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された更なる適合パラメータの値が現在の段階における更なる適合パラメータの初期値として使用されるように実行される。更なる関数プロトタイプは、第2の関数プロトタイプと同じであることが好ましい。しかしながら、更なる絶対呼吸性脈拍変動曲線は、第2の絶対呼吸性脈拍変動曲線とは異なることが好ましい。いくつかのそのような更なる適合、すなわち2つ、3つ、又はそれ以上の更なる適合が実行されることも可能であり、その場合、流体反応性パラメータを表す指標は、いくつかの更なる適合呼吸関数にさらに基づいて決定され得る。
本発明の更なる態様では、流体反応性パラメータを表す指標を決定するための方法が提供され、方法は、
- 脈拍信号提供ユニットによって、患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる患者の測定脈拍信号のシーケンスを提供するステップであって、測定脈拍信号のシーケンスが非侵襲的脈拍測定方法によって検出されたものである、ステップと、
- 指標決定ユニットによって、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定するように適応された決定手順を実行するステップであって、決定手順が、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定することと、適合中に修正される適合パラメータに依存する提供された関数プロトタイプを、決定されたデータ値に適合させることとを含み、指標決定ユニットが、a)適合の前に、適合全体に対するデータ値の数が削減され、b)関数プロトタイプの特性に関連するデータ値の特性に基づいて、及び/若しくは、以前の適合から知られている適合パラメータの値に基づいて適合パラメータの初期値が決定され、並びに/又は、c)適合がいくつかの段階で実行され、適合に使用されるデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が現在の段階における適合パラメータの初期値として使用されるように構成される、ステップと
を有する。
本発明の別の態様では、流体反応性パラメータを表す指標を決定するためのコンピュータプログラムが提示され、コンピュータプログラムは、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置に、請求項13に記載の方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む。
請求項1の装置、請求項13の方法、及び請求項14のコンピュータプログラムは、特に従属請求項に記載の実施形態と同様の且つ/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組合せでもあり得ることを理解されたい。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照することにより明らかとなり解明される。
流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置を概略的且つ例示的に示す図である。 圧力カフを使用して加えられた加圧力に依存するいくつかの曲線を概略的且つ例示的に示す図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 いくつかの決定手順を概略的且つ例示的に示す曲線の図である。 流体反応性パラメータを表す指標を決定するための決定手順のステップを概略的且つ例示的に示す図である。 流体反応性パラメータを表す指標を決定するための方法を例示的に例証する流れ図である。
図1は、流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置100を概略的且つ例示的に示している。装置100は、患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる患者の測定脈拍信号のシーケンスを提供するように構成された脈拍信号提供ユニット101を備える。測定脈拍信号のシーケンスは、非侵襲的脈拍測定方法によって検出されたものである。装置100は、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定するように適応された決定手順を実行するように構成された指標決定ユニット102をさらに備える。決定手順は、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値s0、S0、S0’、S0’’を決定することと、適合中に修正される適合パラメータに依存する提供された関数プロトタイプを、決定されたデータ値s0、S0、S0’、S0’’に適合させることとを含む。指標決定ユニット102は、a)適合の前に、適合全体に対するデータ値s0、S0、S0’、S0’’の数が削減され、b)関数プロトタイプの特性に関連するデータ値s0、S0、S0’、S0’’の特性に基づいて且つ/若しくは以前の適合から知られている適合パラメータの値に基づいて適合パラメータの初期値が決定され、及び/又は、c)適合がいくつかの段階で実行され、適合に使用されるデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が現在の段階における適合パラメータの初期値として使用されるように構成される。図1に示すように、装置100は、脈拍信号提供ユニット101と指標決定ユニット102との間の接続部を備え、脈拍信号提供ユニット101は、この接続部を介して、測定脈拍信号のシーケンスを指標決定ユニット102に提供することができる。
図2は、圧力カフを使用して検出された、提供された測定脈拍信号のシーケンスに基づいて、患者のボリューム反応性を表す指標がどのように決定され得るかを概略的且つ例示的に示しており、圧力カフに加えられる圧力は、測定期間の過程で連続的に増加している。図2に示すグラフの横軸は圧迫カフに加えられる圧力を示しており、したがって時間軸として見ることもできる。縦軸は圧迫カフの圧力センサによって測定された圧力を示す。測定脈拍信号は、その平均値前後で振動する脈拍信号p0として表される。脈拍信号p0に基づいて脈拍信号p0の包絡線信号曲線を決定することによって、データ値s0が決定される。データ値s0は、包絡線信号曲線であるか、又は包絡線信号曲線の値であると見なされる。この事例では、適合のために提供される関数プロトタイプは、
Figure 2023551546000003
形式のベル型Cauchy-Lorentz関数であり、ここで、xは横軸上に示される圧力又は時間であり、パラメータfampは関数プロトタイプのベル型曲線の振幅を決定付け、パラメータfmaxは時間軸又は圧力軸上の最大値の位置を決定付け、パラメータfbwは半値幅を決定付ける。この事例では第1の関数プロトタイプと見なされるこの関数プロトタイプを、決定された包絡線信号曲線s0に適合させると、適合包絡線信号関数f0が得られ、この適合包絡線信号関数f0は、換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動を含まない、測定期間内の複数の呼吸期間にわたる包絡線信号曲線s0の理想化された曲線推移を表す。包絡線信号曲線s0と適合包絡線信号関数f0との間の差異を取得することによって、複数の呼吸サイクルにわたる換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動に対応する呼吸性脈拍変動信号r0が決定され、脈拍信号p0と同様に呼吸性脈拍変動信号r0も、その平均値前後で振動するものとして表される。次いで、包絡線信号曲線s0が脈拍信号p0から決定されたやり方と同様に、以前に決定された呼吸性脈拍変動信号r0の包絡線を決定することによって、包絡線呼吸曲線が決定される。この事例では、第2の関数プロトタイプと同じベル型Cauchy-Lorentzタイプの第2の関数プロトタイプ
Figure 2023551546000004
が提供される。具体的には、xは、やはり横軸上に示される圧力又は時間であり、パラメータgampは関数プロトタイプのベル型曲線の振幅を決定付け、パラメータgmaxは時間軸又は圧力軸上の最大値の位置を決定付け、パラメータgbwは半値幅を決定付ける。第2の関数プロトタイプを以前に決定された包絡線呼吸曲線に適合させることによって、測定期間内の複数の呼吸サイクルにわたる包絡線呼吸曲線の理想化された曲線推移を表す適合包絡線呼吸関数g0が決定される。呼吸性脈拍変動信号r0の包絡線呼吸曲線を決定して、第2の関数プロトタイプを包絡線呼吸曲線に適合させる代わりに、例えば、呼吸性脈拍変動信号とその平均値との間のそれぞれの差異の絶対値を考慮し、それによってその平均値を下回る部分を上回る部分へ折り畳むことによって、呼吸性脈拍変動信号r0からより直接的に導出されるデータ値に第2の関数プロトタイプを適合させることが好ましい。したがって、適合包絡線呼吸関数g0は、より一般的には、適合呼吸関数g0として理解される。
最後に、患者のボリューム反応性を表す指標VRが、適合呼吸関数g0のパラメータgampの値g0ampと適合包絡線信号関数f0のパラメータfampの値f0ampとの間の比、すなわち、
Figure 2023551546000005
として決定される。従来、脈圧変動は、
Figure 2023551546000006
によって算出され、ここで、PPmax及びPPminは、それぞれある単一呼吸サイクル内の最大脈圧及び最小脈圧である。したがって、これは患者の呼吸によって引き起こされる脈拍変動の大きさを推定する。図2を参照して上述した手順では、患者の呼吸によって引き起こされる脈拍変動の大きさは、パラメータg0ampによって表される。上記式(4)による、患者のボリューム反応性の指標としての脈圧変動の算出と同様に、パラメータg0ampは、式(3)において、すなわち、心拍によって引き起こされる脈拍変動の大きさを示すf0ampによって除算することによって「正規化」される。したがって、式(3)により得られるボリューム反応性指標は、式(4)により得られる従来の指標も示すと見なされる。式(3)につながる手順が、ある単一心拍に対応する測定された脈圧変動の単一の最大値/最小値に依存せずに、代わりに測定時間内に測定されたすべての脈拍信号を考慮に入れるという状況により、差異が生じる。
図2を参照して上述した決定手順は、流体反応性パラメータ、すなわち患者のボリューム反応性を表す指標を決定するために使用される決定手順の一例であり、この決定手順は、適合アルゴリズムが関与しており、したがって計算量が非常に多くなり、時間がかかる可能性がある。上述した手順では、2つの適合が関与するので、特にこの問題が発生する可能性がある。図3から図10は、装置100を使用してこの問題をどのように軽減できるかを示している。
図3は、図4から図11と同様に、グラフの軸が図2に示すグラフの軸に対応するグラフを概略的且つ例示的に示している。図3のグラフは、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいて決定されたデータ値S0と、提供された関数プロトタイプのデータ値S0への適合に対応する適合関数F0とを含む。図示の実施形態では、データ値S0は、測定脈拍信号の値、すなわち、例えばサンプル値ではなく、測定脈拍信号のシーケンスから導出された関数に基づいて決定されており、その関数は、図2の包絡線信号曲線s0のような包絡線信号曲線に対応すると見なされる。図3の適合関数F0の形式は、提供された関数プロトタイプの形式に対応し、この事例においても、関数プロトタイプはCauchy-Lorentz関数である。適合関数F0はデータ値S0に適合されており、適合パラメータの値は、適合中に決定されており、すなわち、それぞれの初期値から開始して修正されている。適合関数F0をデータ値S0に適合させるために、データ値S0のすべてが考慮されている。
図4は図3に対応するが、データ値S0の完全なセット及び対応する適合関数F0の代わりに、削減された数のデータ値SR及び削減された数のデータ値に適合した対応する適合関数FRが描画されている。データ値SRは、データ値S0の1000分の1ごとに選択することによって得られた。これにより、適合に使用されるデータ値S0の数は、0.1パーセントに削減された。適合は、図3のグラフに到達するために使用したものと同じ関数プロトタイプ、すなわちCauchy-Lorentz関数を使用して実行された。
図3及び図4に関連する図5では、データ値は描画されておらず、データ値S0の全セット及びデータ値SRの削減されたセットへの適合の結果としてそれぞれ得られた適合関数F0及びFRのみが描画されている。図5からは、削減された適合関数FRに到達するために使用されたデータ値の数は、データ値S0の全数と比較して99.9パーセント削減されたにもかかわらず、削減された適合関数FRは、適合関数F0から比較的わずかな量だけ逸脱しているだけである。しかしながら、関数プロトタイプを削減された数のデータ値に適合させるために必要な時間は、関数プロトタイプをデータ値S0の全数に適合させるために必要な時間と比較して大幅に短縮された。流体反応性パラメータ、すなわち患者のボリューム反応性を表す指標は、上記の式(3)におけるような適合関数の最大値など、適合の結果として得られる最終適合パラメータから決定されるので、適合関数FRをもたらす削減された数のデータ値への適合に基づいて、指標を大幅に迅速に決定することができる。さらに、適合関数FRは適合関数F0から比較的わずかに逸脱しているだけであるので、指標の迅速な決定は、決定された指標の正確性に必ずしも悪影響を及ぼすわけではない。
適合のために考慮すべきデータ値の数を削減することは、より迅速な適合を可能にするため、したがって、適合された適合関数に基づいて、患者のボリューム反応性又は流体反応性を表す指標をより迅速に決定することを可能にするための唯一の方式ではない。具体的には、追加として又は代替として、提供される関数プロトタイプの依存先となり、適合によって値が決定されることになる1つ又は複数の適合パラメータの値を、適合の前に推定することができ、推定された値は、適合のための適合パラメータの初期値として使用される。これは、図6及び図7によって概略的且つ例示的に示されている。
図6及び図7は、関数プロトタイプがやはりCauchy-Lorentz関数である実施形態に関する。上記の式(1)及び式(2)に関連してすでに説明したように、Cauchy-Lorentz関数は、その最大値の高さを示す第1の適合パラメータと、その最大値の位置を示す第2の適合パラメータとを有する。
図6は、関数プロトタイプの特性に関連するデータ値S0の特性に基づいて適合パラメータの初期値が決定されるように指標決定ユニット102が構成される実施形態を示している。図示の特定の実施形態では、指標決定ユニット102は、データ値S0の最大値の高さ及びデータ値S0の最大値の位置を決定し、これらの値をそれぞれ第1の適合パラメータの初期値及び第2の適合パラメータの初期値として決定するように構成される。初期に想定される適合関数、すなわち適合の開始時に想定される適合関数は、このようにして、実行すべき適合の量を減らせるようにデータ値S0に十分に適応されることになる。
一般に、関数プロトタイプに関して関連するデータ値のセット全体の特性を捕捉する適合用のデータ値のみを考慮することによっても、必要な適合の量を減らすことができる。したがって、初期に想定された適合関数を、その適合関数の適合先となるデータ値に適応させることができるだけでなく、その適合関数の適合先となるデータ値のサブセットも、適合関数のタイプに適応させることができる。これは、図7に概略的且つ例示的に示されている。
図7は、データ値S0と比較して、異なる種類の前処理を使用して測定脈拍信号のシーケンスに基づいて決定されたデータ値S0’が描画されたグラフを示している。データ値S0’は、第2のデータ値と呼ばれ、図2に示す呼吸性脈拍変動信号r0に対応する信号から導出されると見なされ、したがって、第1のデータ値と呼ばれるデータ値S0に対応するデータ値から導出されると見なされる。この事例では、図2に示す呼吸性脈拍変動信号r0に対応する信号とその平均値との間のそれぞれの差異の絶対値を考慮することによって、すなわち、これらの信号についての包絡線をさらに決定することなく、対応する信号のうちのその平均値を下回る部分を上回る部分へ折り畳むことによって、データ値S0’が導出されている。したがって、データ値S0’は、包絡線呼吸曲線ではない絶対呼吸性脈拍変動曲線に対応する。データ値S0’は、振幅、すなわち高さが変化する一連のピークを含む。この実施形態では、データ値S0’の対象の特性は、依然としてピークの振幅の推移であり、すなわちピークのうちのいずれか1つの形状ではないので、適合のために考慮されるデータ値の数を、この対象の特性を捕捉するデータ値まで、すなわち、ピーク振幅、すなわち高さの推移を捕捉するデータ値まで削減することができる。
図示された例では、適合のために考慮されるデータ値は、極大値に対応するデータ値まで削減されている。図7では、結果として得られるデータ値の削減されたセットに、SR’という注釈が付けられている。データ値S0’のセット全体への適合の結果として、適合関数G0’が得られ、データ値SR’の削減されたセットへの適合の結果として、適合関数GR’が得られる。この事例では、元のデータ値S0’の偏差がある程度大きいので、適合関数GR’の適合関数G0’からの偏差は顕著である。それでもなお、GR’によって、G0’に対応する適合パラメータの適切な予測が可能になる。具体的には、GR’の最大値の位置はG0’の最大値の位置に近接しており、またGR’の半値全幅はG0’の半値全幅の適切な推定値である。さらに、事前定義されたスケーリング係数を適合前のデータ値S0’又は適合関数GR’に適用することが好ましい。このように、適合にS0’の極大値SR’のみを考慮することによって適合最大値の高さがすべてのデータ値S0’に適合する場合よりも常に大きくなることを考慮に入れることができる。
適合に必要な時間を短縮するための、したがって適合の結果として得られる適合関数に基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定するための更なる追加の又は代替の方式が、図8から図11に概略的且つ例示的に示されている。
図8から図11は、適合がいくつかの段階で実行される一実施形態に関連しており、適合に使用されるデータ値の数は段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が、現在の段階における適合パラメータの初期値として使用される。具体的には、図8から図11によって示された実施形態では、指標決定ユニット102は、適合が3つの段階で実行されるように構成され、第1の段階では、データ値の第1の割合が使用され、次の第2の段階では、データ値のより高い第2の割合が使用され、次の第3の段階では、データ値の100パーセントが使用される。
図8のグラフには、データ値S0’’のセット全体の第1の割合に対応するデータ値SR1’’が、データ値SR1’’に適合された適合関数FR1’’とともに描画されている。図示の実施形態では、元のデータ値S0’’は、図3から図5に関して説明した実施形態からの元のデータ値S0に対応する。さらに、データ値SR1’’の削減されたセットは、図3及び図5に関して説明した実施形態からのデータ値の削減されたセットに対応する。すなわち、この事例では、第1の割合は0.1である。
図9のグラフでは、データ値S0’’のセット全体のより高い第2の割合に対応するデータ値SR2’’のセットが、データ値SR2’’に適合された適合関数FR2’’とともに描画されている。この事例では、第2の割合は1パーセントになるように選択される。
図8及び図9はそれぞれ、適合プロセス全体の第1の段階及び第2の段階を示しており、この実施形態における適合プロセス全体の第3の段階及び最終段階は、図10に示されている。
図10のグラフでは、データ値S0’’のセット全体に対応するデータ値SR3’’が、データ値SR3’’=S0’’に適合される適合関数FR3’’とともに描画されている。
図示の実施形態では、第2の段階で実行される適合プロセスの一部は、第1の段階の結果として得られた最終値、すなわち適合関数FR1’’を記述する適合パラメータを関数プロトタイプの1つ又は複数の適合パラメータの初期値として使用して、提供された関数プロトタイプをデータ値SR2’’に適合させることを含んでいた。したがって、第2の段階での適合に必要な時間は、関数プロトタイプが適合パラメータの一般的な初期値に基づいてデータ値SR2’’に適合された場合に必要となる時間と比較して、より短い時間で実行することができる。同様に、第3の段階で実行される適合は、第2の段階での適合の結果として得られた適合パラメータの最終値に対応する1つ又は複数の適合パラメータの値で開始して、すなわち、初期適合関数としての適合関数FR2’’に基づいて、関数プロトタイプをデータ値SR3’’=S0’’に適合させることを含む。したがって、第3の段階での適合も、適合パラメータの一般的な初期値に基づいて、データ値S0’’のセット全体に対応するデータ値SR3’’に関数プロトタイプを適合させるために必要な時間よりも短い時間しか必要としなかった。
図11のグラフでは、比較のために、3つの段階の適合の結果としてそれぞれ得られた最終的な適合関数FR1’’、FR2’’、FR3’’が描画されている。適合関数FR1’’は、比較的わずかな量だけではあるが依然として適合関数FR3’’から逸脱している一方で、適合関数FR2’’の適合関数FR3’’からの逸脱は注目に値するほどではない。したがって、すでに第2の段階の結果として得られた適合関数FR2’’は、データ値S0’’のセット全体の正確な適合と見なされる。
このような理由から、いくつかの実施形態では、指標決定ユニット102は、適合がいくつかの段階で実行されるように構成され、ある段階で適合が実行された後、適合された適合パラメータが中止基準に合致しているかどうかが判定され、合致している場合、適合が終了する。例えば、図8から図11によって示された実施形態では、第2の段階での適合が実行された後、適合パラメータのうちの1つ又は複数はすでに中止基準に合致しており、その結果、適合全体が終了する。いくつかの実施形態では、適合パラメータのうちの2つ以上又はすべてがそれぞれの中止基準に合致する場合にのみ適合が終了する。
現在の適合関数がすでに十分に正確である場合、中止基準を使用して適合を終了するが、例えば多段階適合プロセスの段階のうちの1つの後に、適合結果が有効な適合関数にまったくつながらないと結論付けられた場合にも、中止基準を使用して適合を終了する。
例えば、ベル型Cauchy-Lorentz関数に適合する場合、関数の最大値の位置に対応する適合パラメータは、データ値の所与のセットについて特定の範囲内にあると予想される。範囲は上限及び下限のうちの一方又は両方によって定義され、下限は第1のデータ値の位置に対応し、上限は信号長の倍数に対応し、その倍数は、例えば、1から5までの任意の値である。
例えば、適合が3つの段階で実行され、第1の段階ではデータ値の1/250が使用され、第2の段階ではデータ値の
Figure 2023551546000007
が使用され、第3の段階ではすべてのデータ値が使用される場合、第2の段階の結果として得られた適合関数の最大値の位置が既定の範囲内になければ、最終段階を算出する必要はない。その理由は、最終結果、具体的には最終段階の結果として得られる最大値の最終位置は、有効な結果ではないと予想されるからである。
図12は、前述の実施形態の組合せによる決定手順1100を概略的且つ例示的に示している。
第1のステップ1101では、提供された測定脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値s0、S0、S0’、S0’’が決定される。
第2のステップ1102では、データ値s0、S0、S0’、S0’’に適合される関数プロトタイプの1つ又は複数の適合パラメータのそれぞれについて初期値が決定される。初期値は、それぞれの適合パラメータが示す関数プロトタイプの特性に対応するデータ値s0、S0、S0’、S0’’の特性に基づいて決定される。例えば、関数プロトタイプがベル型関数であり、第1のパラメータがベル型関数の最大値の高さを示し、第2の適合パラメータがベル型関数の最大値の位置を示す場合、ステップ1102において、データ値s0、S0、S0’、S0’’の最大値の高さ及びデータ値s0、S0、S0’、S0’’の最大値の位置が、第1の適合パラメータ及び第2の適合パラメータの初期値として決定され得る。
次のステップ1103では、ステップ1102で決定された初期値を第1の段階における適合パラメータの初期値として使用して、多段階適合が実行される。ステップ1103で実行される多段階適合は、例えば、図7から図10を参照して説明したように実行され得る。
後続のステップ1104では、更なる適合のためにデータ値の更なるセットを考慮する必要があるかどうかが判断され、データ値の更なるセットは測定脈拍信号の更なるシーケンスに基づいて決定される。この決定は、第1の適合に対して決定された第1のデータ値のセットと、測定脈拍信号の同じシーケンスに対して実行された第2の適合に対して決定された第2のデータ値のセットとに対して別々に行われる。更なる適合が必要かどうかの決定は、多段階適合の非最終段階のいずれかの後に多段階適合を終了すべきかどうかを決定するために採用される可能性のある中止基準と同様の中止基準に従って行われる。
ステップ1104において更なる適合が必要であると判断された場合、ステップ1105において、ステップ1103で実行された以前の適合の結果として得られる最終適合パラメータに基づいて、更なる適合のための初期適合パラメータが推定される。次いで、データ値の更なるセットに対して、ステップ1103で実行された多段階適合が繰り返される。ただし例外として、繰り返されるステップ1105で実行される多段階適合の第1の段階における適合パラメータの初期値として、適合パラメータが示す関数プロトタイプの特性に対応する更なるデータ値の特性を説明する値は使用されず、代わりに、以前のデータ値のセットに対する多段階適合の結果として得られる適合パラメータの最終値が使用される。したがって、図12によって示された実施形態では、指標決定ユニット102は、以前の適合から知られている適合パラメータの値に基づいて、適合パラメータの初期値を決定する。
ステップ1104又はその繰り返しにおいて更なる適合が必要であると判断される限り、すなわち、例えば、中止基準が満たされない限り、また、データ値の提供されたセットのすべてが適合に使用されているわけではない限り、ステップ1103、1104、及び1105によって定義されるサイクルが繰り返される。例えば、脈拍信号提供ユニットによって測定脈拍信号の4つのシーケンスが提供されるか、圧力カフの4回の膨張に対応する測定脈拍信号の単一のシーケンスが提供された場合、また、提供されたシーケンス又は別々のシーケンスに基づいて、データ値の4つのセットが決定され、そのセットのそれぞれが1つのシーケンス又は別々の膨張に対応する場合、ステップ1103、1104、及び1105によって定義されるサイクルは最大4回実行される。
すなわち、ステップ1104又はその繰り返しにおいてこれ以上適合が必要ないと判断される場合は常に、ステップ1106が続く。ステップ1106では、以前の、すなわち最後の適合の結果として得られた最終的な適合関数に基づいて、流体反応性パラメータを表す指標が決定される。
例えば、図12を参照して上述したように構成された装置100が、PPV、SVV、又はSPVを算出するための540個の代表レコードのセットに対して使用され、各レコードについて、2つの異なる種類の入力サンプルに対して11個の個別の適合が算出され、関数プロトタイプとしてベル型Cauchy-Lorentz関数が使用される場合、次のようなパフォーマンスの最適化を観察することができる。
最適化されない事例では、すなわち、すべてのデータ値が適合に使用され、適合が単一の段階で実行される場合、すべてのレコードの適合に必要な時間は合計64秒になり、1レコード当たりの適合は0.119秒である。各レコードについて、約13000個の入力サンプルのすべてに対する平均49回の適合反復を観察することができる。
最適化された事例では、2種類の入力サンプルのそれぞれについて、以前の適合の最終適合パラメータが、実行予定の適合の初期適合パラメータとして使用された。この事例では、すべてのレコードの適合に必要な時間は24秒になり、1レコード当たりの適合に必要な平均時間は0.044秒であり、これは最適化されていない事例において必要とされる時間の約38パーセントである。各レコードについて、削減された約50個の入力サンプルに対する平均38回の適合反復、削減された約800個の入力サンプルに対する平均23回の適合反復、及びすべての約13000個の入力サンプルに対する平均11回の適合反復を観察することができる。
図13は、流体反応性パラメータを表す指標を決定するための方法200の一実施形態を概略的且つ例示的に示している。方法は、第1の部分201において、脈拍信号提供ユニット101によって、患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる患者の測定脈拍信号のシーケンスを提供するステップを有し、測定脈拍信号のシーケンスは、非侵襲的脈拍測定方法によって検出されたものである。測定は、圧力カフを使用して実行され、圧力カフに加えられる圧力は、測定期間の過程で連続的に増加又は減少する。第2の部分202において、方法200は、指標決定ユニット102によって、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定するように適応された決定手順を実行するステップを有し、決定手順は、提供された脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値s0、S0、S0’、S0’’を決定することと、適合中に修正される適合パラメータに依存する提供された関数プロトタイプを、決定されたデータ値s0、S0、S0’、S0’’に適合させることとを含む。指標決定ユニット102は、a)適合の前に、適合全体に対するデータ値s0、S0、S0’、S0’’の数が削減され、b)関数プロトタイプの特性に関連するデータ値s0、S0、S0’、S0’’の特性に基づいて且つ/若しくは以前の適合から知られている適合パラメータの値に基づいて適合パラメータの初期値が決定され、且つ/又はc)適合がいくつかの段階で実行され、適合に使用されるデータ値の数は段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が現在の段階における適合パラメータの初期値として使用される、ように構成される。方法200の第2の部分202において実行される決定手順は、例えば図12を参照して上述した種類の決定手順とすることができる。
上述の実施形態では、関数プロトタイプはベル型関数であったが、他の関数プロトタイプも使用される。例えば、適合アルゴリズムにおける総反復回数又は適合に実際に使用されるデータ値の数を削減することにより、データ値のセット全体に単純に適合アルゴリズムを適用する場合と比較して、適合アルゴリズムの実行時間を短縮することができる。
適合に実際に使用されるデータ値の数が削減される場合、その削減は、関数プロトタイプに関してデータ値の主な特性を維持する方式で行われることが好ましい。
例えば、好ましくは適合によって決定される最終パラメータに近い関数プロトタイプのパラメータを最初に予測することによって、必要な総反復回数、したがって適合に必要とされる総時間を短縮することができる。同様の特性を有するデータ値のいくつかのセットに対して連続した適合が行われる場合、以前の適合の最終適合パラメータを、実行予定の適合の初期適合パラメータとして使用することができる。患者のボリューム反応性を表す指標を決定するという状況においては、データ値のセットは患者の後続の呼吸サイクル又は換気サイクルに対応し、適合アルゴリズムの実行時間を短縮するというより一般的な状況においては、呼吸又は換気のサイクル的な性質以外の理由により、データ値の異なるセットが同様の特性を含む。
反復的に、すなわち段階的に適合アルゴリズムを適用し、削減された数のデータ値で開始し、後続の各段階でデータ値の数を増加させることによっても、一般的な適合アルゴリズムの実行時間を短縮することができ、最後の段階では、データ値の元の全数が適合に使用されることが好ましい。このような多段階適合では、意図するアプリケーションに応じて、例えば総実行時間の最小値を実験的に見出すことによって、好ましい段階数が見出される。このようにして、各段階での適合に使用されるデータ値の数と段階数との最適な組合せを見出すことができる。
特許請求された本発明を実施する際に図面、開示、及び添付の特許請求の範囲を研究することにより、開示された実施形態に対する他の変形形態が当業者によって理解され、実現され得る。
特許請求の範囲において、「含む」という単語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形の要素は、複数存在することを排除するものではない。
単一のユニット又はデバイスが、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。
1つ若しくはいくつかのユニット又はデバイスによって実行される、測定脈拍信号のシーケンスの提供、提供された脈拍信号のシーケンスに基づくデータ値の決定、提供された関数プロトタイプの決定されたデータ値への適合、データ値の数の削減及び/又は増加、適合パラメータの初期値の決定、決定手順、具体的には提供された脈拍信号のシーケンスに基づいて指標を決定することに関与する任意の他の手順などのような手順は、他の任意の数のユニット又はデバイスによって実行され得る。これらの手順は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は専用ハードウェアとして、特に組み込みシステムとして実施され得る。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに若しくは他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの好適な媒体に記憶/配布されるが、インターネット又は他の有線通信システム若しくは無線通信システムを経由するなど、他の形式で配布されてもよい。
特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
本発明は、流体反応性パラメータのような流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置に関する。指標は、後続の呼吸サイクルにわたる測定脈拍信号から決定されたデータ値に関数プロトタイプを適合させることに基づいて決定される。a)適合前にデータ値の数を削減すること、b)データ値の特性及び/若しくは以前の適合から知られている適合パラメータ値に基づいて関数プロトタイプの初期適合パラメータ値を決定すること、並びに/又はc)適合をいくつかの段階で実行することであって、使用されるデータ値の数が段階ごとに増加し、前の段階で決定された適合パラメータ値が現在の段階における初期適合パラメータ値として使用される、適合を実行すること、によって適合プロセスが加速される。これにより、流体反応性パラメータをより迅速な決定が可能になる。

Claims (14)

  1. 流体反応性パラメータを表す指標を決定するための装置であって、前記装置が、
    患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる前記患者の測定脈拍信号のシーケンスを提供する脈拍信号提供ユニットであって、前記脈拍信号のシーケンスが非侵襲的脈拍測定方法によって検出されたものである、脈拍信号提供ユニットと、
    提供された前記脈拍信号のシーケンスに基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定する決定手順を実行する指標決定ユニットであって、前記決定手順が、提供された前記脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定することと、適合中に修正される適合パラメータに依存する提供された関数プロトタイプを、決定された前記データ値に適合させることとを含み、前記指標決定ユニットにおいて、a)前記適合の前に、前記適合全体に対する前記データ値の数が削減され、b)前記関数プロトタイプの特性に関連する前記データ値の特性に基づいて及び/若しくは以前の適合から知られている前記適合パラメータの値に基づいて前記適合パラメータの初期値が決定され、並びに/又はc)前記適合がいくつかの段階で実行され、前記適合に使用される前記データ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が前記現在の段階における前記適合パラメータの初期値として使用される、指標決定ユニットと
    を備える、装置。
  2. 前記指標決定ユニットは、削減された数のデータ値が、提供された前記関数プロトタイプの帯域幅に関して、及び/又は、前記データ値自体に関して、シャノン-ナイキスト基準を満たすように、前記データ値の数を削減する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記指標決定ユニットが、所定の周波数で1つのデータを決定することによって、及び/又は、ダウンサンプリングすることによって、前記データ値の数を削減する、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記指標決定ユニットが、前記データ値の数を削減する前に前記データ値をローパスフィルタ処理する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記関数プロトタイプがベル型関数である、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記ベル型関数が、前記ベル型関数の最大値の高さを示す第1の適合パラメータと、前記ベル型関数の最大値の位置を示す第2の適合パラメータとを有し、前記指標決定ユニットが、前記データ値の最大値の高さ及び前記データ値の前記最大値の位置を、前記第1の適合パラメータの初期値及び前記第2の適合パラメータの初期値として決定する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記指標決定ユニットにおいて、前記適合が3つの段階で実行され、第1の段階では、前記データ値の第1の割合が使用され、次の第2の段階では、前記データ値のより高い第2の割合が使用され、次の第3の段階では、前記データ値の100パーセントが使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記指標決定ユニットにおいて、前記適合がいくつかの段階で実行され、ある段階で前記適合が実行された後、適合された前記適合パラメータが中止基準に合致しているかどうかが判定され、合致している場合、前記適合が終了する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記指標決定ユニットが、a)それぞれの段階の結果として得られた前記適合パラメータの適合された値と、b)前記適合パラメータの期待値との間の偏差を、前記中止基準として使用する、請求項8に記載の装置。
  10. 前記脈拍信号提供ユニットが、前記測定脈拍信号を、前記測定脈拍信号の平均値前後で振動する脈拍信号として表し、前記指標決定ユニットにおいて、
    前記脈拍信号の包絡線信号曲線を決定することによって第1のデータ値が決定され、
    第1の適合では、結果として得られる適合包絡線信号関数が、換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる脈拍変動を含まない複数の呼吸サイクルにわたる前記包絡線信号曲線の理想化された曲線推移を表すように、前記第1の適合中に修正される第1の適合パラメータに依存する提供された第1の関数プロトタイプが、前記第1のデータ値に適合され、
    複数の呼吸サイクルにわたる換気又は呼吸により誘発される心肺相互作用によって引き起こされる前記脈拍変動に対応する呼吸性脈拍変動信号が決定され、決定された前記呼吸性脈拍変動信号が、前記包絡線信号曲線と前記適合包絡線信号関数との間の差異に対応し、
    前記呼吸性脈拍変動信号の絶対呼吸性脈拍変動曲線を決定することによって第2のデータ値が決定され、
    第2の適合では、結果として得られる適合呼吸関数が、複数の呼吸サイクルにわたる前記絶対呼吸性脈拍変動曲線の振幅における理想化された推移を示すように、前記第2の適合中に修正される第2の適合パラメータに依存する提供された第2の関数プロトタイプが、前記第2のデータ値に適合され、
    前記適合包絡線信号関数及び前記適合呼吸関数に基づいて、前記流体反応性パラメータを表す前記指標が決定され、
    a)前記第1の適合の前に、前記第1の適合全体に対する前記第1のデータ値の数が削減され、b)前記第1の関数プロトタイプの特性に関連する前記第1のデータ値の特性に基づいて、及び/若しくは以前の第1の適合から知られている前記第1の適合パラメータの値に基づいて、前記第1の適合パラメータの初期値が決定され、及び/若しくは、c)前記第1の適合がいくつかの段階で実行され、前記第1の適合に使用される前記第1のデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された前記第1の適合パラメータの値が前記現在の段階における前記第1の適合パラメータの初期値として使用され、並びに/又は、
    a)前記第2の適合の前に、前記第2の適合全体に対する前記第2のデータ値の数が削減され、b)前記第2の関数プロトタイプの特性に関連する前記第2のデータ値の特性に基づいて、及び/若しくは以前の第2の適合から知られている前記第2の適合パラメータの値に基づいて前記第2の適合パラメータの初期値が決定され、及び/若しくは、c)前記第2の適合がいくつかの段階で実行され、前記第2の適合に使用される前記第2のデータ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された前記第2の適合パラメータの値が前記現在の段階における前記第2の適合パラメータの初期値として使用される、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記指標決定ユニットが、前記呼吸性脈拍変動信号と前記呼吸性脈拍変動信号の平均との間のそれぞれの差異の絶対値を考慮することによって前記絶対呼吸性脈拍変動曲線を決定し、前記絶対呼吸性脈拍変動曲線の極大値ごとに1つの第2のデータ値を決定することによって、前記第2のデータ値の数を削減する、請求項10に記載の装置。
  12. 前記非侵襲的脈拍測定方法が、脈拍信号を測定するための圧力センサが前記患者の組織を介して血液脈動に液圧的に結合されるように前記圧力センサを前記患者の前記組織と直接接触させる圧力カフを使用する、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 流体反応性パラメータを表す指標を決定するための方法であって、前記方法が、
    脈拍信号提供ユニットによって、患者の後続の複数の呼吸サイクルに対応する時間期間にわたる前記患者の測定脈拍信号のシーケンスを提供するステップであって、測定前記脈拍信号のシーケンスが非侵襲的脈拍測定方法によって検出されたものである、ステップと、
    指標決定ユニットによって、提供された前記脈拍信号のシーケンスに基づいて流体反応性パラメータを表す指標を決定する決定手順を実行するステップであって、前記決定手順が、提供された前記脈拍信号のシーケンスに基づいてデータ値を決定することと、適合中に修正される適合パラメータに依存する提供された関数プロトタイプを、決定された前記データ値に適合させることとを含み、前記指標決定ユニットにおいて、a)前記適合の前に、前記適合全体に対する前記データ値の数が削減され、b)前記関数プロトタイプの特性に関連する前記データ値の特性に基づいて、及び/若しくは以前の適合から知られている前記適合パラメータの値に基づいて、前記適合パラメータの初期値が決定され、並びに/又は、c)前記適合がいくつかの段階で実行され、前記適合に使用される前記データ値の数が段階ごとに増加し、現在の段階では、前の段階で決定された適合パラメータの値が前記現在の段階における前記適合パラメータの初期値として使用される、ステップと
    を有する、方法。
  14. 流体反応性パラメータを表す指標を決定するためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置に請求項13に記載の方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
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