JP2023549927A - Cns障害の予防および/または治療 - Google Patents

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Abstract

アデノシン受容体(例えば、A2Aおよび/またはA1受容体)拮抗薬化合物および前記化合物を含む組成物が開示される。本開示はまた、生物学的システムにおいてA2Aおよび/またはA1受容体を調節する(例えば、阻害または拮抗する)ために前記化合物および組成物を使用する方法を提供する。前記化合物および組成物は、中枢神経系またはパーキンソン病などの神経変性疾患の治療を含む多様な治療的適用において用途を見出す。また、前記化合物および組成物は、癌および免疫腫瘍学における治療を含む多様な治療的適用において用途を見出す。

Description

<関連出願との相互参照>
本出願は、2020年11月19日付け出願の米国仮出願第63/115,972に基づく優先権の利益を主張し、当該出願の内容はすべて本出願に組み込まれる。
アデノシンは、特定の細胞受容体を介して多くの生物学的機能を実行し、免疫機能や炎症を含む多様な生物学的活性に関連している。
アデノシン受容体には4種類(A1、A2A、A2B、A3)があり、ヘテロマーGタンパク質に結合している。A2A受容体とA2B受容体はそれぞれ、Gαタンパク質のGsサブタイプに接続されている。これらの受容体が刺激されると、受容体のフォーマットが変化し、そのような変化により、Gβρ二量体によって活性化されたGsサブユニットの脱落が誘発され、細胞内のアデノシン三リン酸(ATP)が加水分解されて、サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)が生成される。cAMP合成は、プロテインキナーゼA(PKA)および他のタンパク質のリン酸化を活性化させる。T細胞では、主にI型PKAアイソフォームがT細胞受容体(TCR)の周囲に存在し、cAMPレベルの上昇によりPKAの活性化が高まると、TCRシグナル伝達プロセスが阻害され、多様な病気の発生に寄与する。
癌細胞は、正常細胞よりもかなり多くのアデノシンを生成する。癌細胞では、高密度アデノシンがA2A受容体の活性化を誘導し、それによって免疫系を阻害し、細胞を保護する。腫瘍の微小環境では、アデノシンの濃度は50μMであり、正常細胞よりも増加し、T細胞の機能と活性化の免疫抑制につながる可能性がある。A2A受容体拮抗薬を使用して、癌細胞による免疫系の阻害を調整し、抗癌効果を誘発することができる。
A2A受容体拮抗薬は、免疫腫瘍学治療のために開発中である。A2A受容体拮抗薬は、抗腫瘍免疫を強化することができる。A2A受容体は白血球で広く産生されている。T細胞のA2A受容体が活性化されると、TCRを介した細胞毒性およびサイトカインの産生が減少し、T細胞の増殖が抑制され、Treg細胞の増殖が誘導される。免疫腫瘍学では、PD-1またはPD-L1の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗体阻害剤)が広く使用されている。しかし、統計的には患者の20%から30%だけがPD-1/PD-L1を産生しているため、そのような阻害剤の有効性の恩恵を受けていない患者がたくさんいる。A2A受容体拮抗薬と組み合わせた免疫チェックポイント阻害薬を含む治療は興味深いものである。
アデノシン受容体の調節は、多様な適応症の治療に重要である。アデノシンA1受容体の調節活性は、神経系障害、喘息、心不全、腎不全などの治療に重要であり、アデノシンA2A受容体を拮抗することは、パーキンソン病などの治療に重要であり、アデノシンA2B受容体の活性を調節することは、喘息などの慢性肺疾患、癌、免疫腫瘍学などにおける治療に重要であり、アデノシンA3受容体を調節することは喘息および慢性閉塞性肺疾患、緑内障、癌、脳卒中などの治療に重要である。
本開示は、アデノシン受容体(例えば、A2Aおよび/またはA1受容体)拮抗薬化合物および前記化合物を含む組成物を提供する。本開示はまた、生物学的システムにおいてA2Aおよび/またはA1受容体を調節する(例えば、阻害または拮抗する)ために前記化合物および組成物を使用する方法を提供する。前記化合物および組成物は、中枢神経系またはパーキンソン病などの神経変性疾患の治療を含む多様な治療的適用において用途を見出す。一部実施形態において、前記化合物および組成物は、癌、免疫腫瘍学などにおける治療を含む多様な治療的適用において用途を見出す。
第1の態様において、本開示は、下記の式(Ia)のA2Aおよび/またはA1拮抗薬化合物、または、それらの溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、または、それらの薬学的に許容される塩を提供する。

Figure 2023549927000002
ここで、
Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり;
1~Y4は、CR10とNから独立して選択され、ここでY1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり;
10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され;
aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており;
Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルである。
第2の態様において、本開示は、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩(例えば、式(I)~(III)の化合物)、および薬学的に許容される添加剤を含む薬学的組成物を提供する。
第3の態様において、本開示は、サンプルまたは細胞または生物学的システムを有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)~(III)の化合物、またはその薬学的に許容される塩)と接触させることを含む、アデノシンA2Aおよび/またはA1受容体を調節する(例えば、阻害または拮抗する)方法を提供する。
また、中枢神経系または神経変性疾患を有するまたはそのリスクのある対象体に治療的有効量のA2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物(例えば、本明細書に記載のように、式(I)~(III)の化合物、またはその薬学的に許容される塩)を投与することを含む、中枢神経系または神経変性疾患を治療する方法が提供される。また、A2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物(例えば、本明細書に記載されている)の治療的有効量を、癌を有する対象体に投与することを含む、癌を治療する方法が提供される。一部実施形態において、前記方法は、免疫チェックポイント阻害剤などの追加の活性剤を対象体に併用投与(co-administering)する段階をさらに含む。
さらなる態様において、本開示は、(i)ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症、筋萎縮性側索硬化症からなる群より選択される中枢神経系(CNS)障害を治療する方法;(ii)閉鎖性頭部損傷(closed head injury)、鈍的外傷(blunt trauma)、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血(cerebral ischemia)、脊髄損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷(ここで、損傷は、閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化および手術による神経損傷である)からなる群より選択された神経変性(neuronal degeneration)を起こす損傷または疾病を治療する方法;または(iii)運動障害を治療する方法から選択される方法を提供し、ここで前記方法は、有効量の本明細書に記載の式(Ia)のアデノシン受容体(例えば、A2Aおよび/またはA1)拮抗薬化合物を、それを必要とする対象体に投与することを含む。前述の方法において、A2Aおよび/またはA1拮抗薬化合物は式(I)-(III)の化合物であり得る。前述の方法において、CNS障害、神経変性疾患または運動障害は、アデノシン受容体(例えば、A2Aおよび/またはA1受容体)に関連するものであり得る。
前述のおよびその他の長所や目的が達成される本発明の方式を説明するため、添付された図面に示された特定の実施形態を参照して本発明をより具体的に説明する。添付される図面は本発明の典型的な実施形態のみを示すものであり、その範囲を制限するものではない。以下、図面を参照してさらなる特異性および詳細事項とともに本発明を描写し説明する。
全体治療期間における各治療群の週間体重を示したグラフである。データは平均±SEMで表される。統計:グループB対グループCの二元配置分散分析(two-way ANOVA)に続く処置(treatment)のボンフェローニ(Bonferroni)の事後検定。 時間に応じたALOのAIMS評価を示したグラフである。グラフはグループ群当たりのALOのAIMの平均スコアを示す。データは平均±SEMの棒グラフで表される。統計:グループB対グループCの二元配置分散分析に続く処置のボンフェローニの事後検定。 時間に応じたALOのAIMS評価を示したグラフである。グラフはグループ当たりのALOのAIMの平均スコアを示す。データは平均±SEMの棒グラフで表される。統計:グループB対グループCの二元配置分散分析に続く処置のボンフェローニの事後検定。 シリンダーテスト結果を示したグラフである。強制経口投与(PO)された動物における、反対側前肢使用の百分率(%)を示している。統計:全グループ(ビヒクルMTC)の一元配置分散分析(one-way ANOVA)に続く処置のボンフェローニの事後検定。データはグループ当たりの平均±SEMで表される。 シリンダーテスト結果を示したグラフである。鼻腔投与(IN)された動物における、反対側前肢使用の百分率(%)を示している。統計:全グループ対ビヒクル(DMSO)グループのクラスカル・ウォリスに続く処置のダン(Dunn)の事後検定。データはグループ当たりの平均±SEMで表される。
<アデノシン受容体拮抗薬化合物>
前述されたように、本開示は、A2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物、組成物、およびこれらの用途を提供する。これらの化合物は、目的の細胞および生物学的システムにおいてアデノシンA2Aおよび/またはA1受容体を調節することができる。これらの化合物は、中枢神経系または神経変性疾患、例えばパーキンソン病の治療、および癌や免疫腫瘍学における治療を含む多様な治療的適用において用途を見出す。
本開示の化合物は、5員複素環に融合した2-アミノ-ピリミジン環を有するコア構造を含むシアノ置換融合ピリミジン化合物として説明することができる。コア構造自体を、ベンゾニトリル置換基(例えば、3-シアノフェニル)またはその誘導体(例えば、シアノピリジル置換基)でさらに置換することができる。融合5員複素環は、任意に置換されたベンジル基でさらに置換することができる。場合によっては、化合物は、本明細書に記載のようにさらに置換された1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミンコア構造を有する。式(I)および(Ia)のA2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物は、国際公開WO2021/099837A公報に開示されており、その開示内容は全体が本明細書に参照として含まれる。
一部実施形態において、化合物は、例えば下記の式のベンゾニトリル置換融合ピリミジン化合物、
Figure 2023549927000003
またはその誘導体(例えば、3-ベンゾニトリル基がシアノ-ピリジル基で置換されている誘導体化合物)である。ここで、Cyは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む融合5員複素環(例えば、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環)であり、Rは任意に置換されたフェニル基であり、R10は少なくとも1つの任意の置換基である。一部実施形態において、Rはハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル基、アミド基、ニトロ基、アミノ基、置換または非置換された(C1-C5)アルキル基、置換または非置換された(C2-C5)アルケニル基、置換または非置換された(C2-C5)アルキニル基、置換または非置換された(C1-C3)ハロアルキル基、および置換または非置換された(C1-C3)アミノアルキル基または置換または非置換された(C1-C5)アルコキシ基からそれぞれ独立して選択されるR11、R12、および/またはR13基によって置換されたフェニルであり、R10は水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、置換または非置換された(C1-C5)アルキル基、置換または非置換された(C2-C5)アルケニル、置換または非置換された(C2-C5)アルキニル基、置換または非置換された(C1-C3)ハロアルキル基、置換または非置換された(C1-C5)アルコキシ基、またはシアノ基から独立して選択される1つ以上の基である。
一部実施形態において、前述のR11およびR13は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、(C1-C5)アルキル基、または(C1-C3)ハロアルキル基であり、前述のR12は水素またはアミノ基であり、前述のR10は独立して水素、ハロゲン、(C1-C5)アルキル基、またはシアノ基である。上記の式のさらなる実施形態は、本明細書に記載されている。
本開示の態様は、下記の式(I)のA2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物、または、それらの溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、または、それらの薬学的に許容される塩を含む。
Figure 2023549927000004
ここで、
1およびZ2は、CRとNから独立して選択され、ここでZ1およびZ2の少なくとも1つはNであり;
Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり;
1~Y4は、CR10とNから独立して選択され、ここでY1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり;
10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され;
aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており;
Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルである。
式(I)の一部実施形態において、Y1~Y4は、CR10とNから独立して選択され、ここでY1~Y4のうちの少なくとも3つは独立してCR10である。
式(I)の一部実施形態では、化合物が式(Ia)の化合物、または、その溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、または、それらの薬学的に許容される塩であるように、Z1はNであり、Z2はCRである。
Figure 2023549927000005
式(Ia)の一部実施形態において、Rは(C1-C3)アルキルである。式(Ia)の一部実施形態では、RはHである。
式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、Aはフェニルである。式(I)及び(Ia)の一部実施形態では、Aは置換されたフェニルである。式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、Aは、フェニル、または1つ、2つまたは3つのR20基で置換されたフェニルであり、各R20は、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから独立して選択される。
式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、Aはピリジルである。式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、Aは置換されたピリジルである。Aは、2-ピリジル、3-ピリジル、または4-ピリジルである任意に置換されたピリジルであり得る。式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、Aは、ピリジル、または1つ、2つまたは3つのR20基で置換されたピリジルであり、各R20は、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから独立して選択される。
式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、RaおよびRbはそれぞれHである。
式(Ia)の一部実施形態において、Y1~Y4は、CR10とNから独立して選択され、ここでY1~Y4のうちの少なくとも3つは独立してCR10である。
式(Ia)の一部実施形態において、化合物は、本明細書に記載の式(II)または(III)の化合物である。
式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、RはHであり;RaおよびRbはそれぞれHであり;Aは2つのR20基で置換され、ここで、R20は-H、NH2、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択され;Y1~Y4はCR10であり、R10はHまたはハロゲンである。式(I)及び(Ia)の一部実施形態において、RはHであり;RaおよびRbはそれぞれHであり;Aは2つのR20基で置換され、ここで、R20はH、NH2、CH3およびCF3から選択され;Y1~Y4はCR10であり、各R10はHまたはハロゲンであり、これらのうちの3つまたは4つのR10はHである。
式(III)の一部実施形態において、R21およびR22はそれぞれHであり、R5およびR9はそれぞれHであり、R6およびR8はH、F、CH3およびCF3から独立して選択される。式(III)の一部実施形態において、R6がCF3であるとき、R8はHであり、R6がHであるとき、R8はCF3である。
式(I)の一部実施形態において、化合物は以下から選択される:
3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル;3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-メチルベンゾニトリル;3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル;3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル;および3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル。
本明細書に記載の化合物、例えば式(I)、特に表1に示される化合物の塩、および/または溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体のすべてのバリエーションは、本開示に含まれる。したがって、本明細書に記載の化合物のいずれかは、式(I)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、または、その薬学的に許容される塩と称されることもある。
一部実施形態において、化合物は、表1の化合物の1つ、または、それらの溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、または、それらの塩(例えば、薬学的に許容される塩)の構造によって表される。本開示は、表1のいずれか1つの化合物、またはその塩、および/またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、および/または同位体標識された形態を含むことを意味する。例えば、本明細書に記載の(例えば、式(I)の)、または表1に示される化合物の溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体形態の塩は、本開示に含まれることを意味する。
Figure 2023549927000006

Figure 2023549927000007

Figure 2023549927000008

Figure 2023549927000009

Figure 2023549927000010

Figure 2023549927000011
国際公開WO2021/099837A公報に開示された前記A2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物の類似体、塩、異性体、プロドラッグのCNS障害または神経変性疾患の予防および/または治療における用途は本明細書に含まれる。実施形態において、CNS障害または神経変性障害はA2Aおよび/またはA1受容体に関連する。
<医薬組成物>
本開示の化合物は、医薬組成物に製剤化することができる。医薬組成物は、1つ以上の例のA2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物(例えば、本明細書に記載されている)および少なくとも1つの賦形剤(例えば、薬学的に許容される賦形剤)を含むことができる。
本明細書に記載の化合物は、A2Aおよび/またはA1受容体の活性の阻害または拮抗作用が望ましい多様な治療的適用において、それを必要とする対象体に投与するための医薬組成物における用途を見出すことができる。
したがって、実施形態において、本開示は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物、その薬学的に許容される塩またはそのプロドラッグ、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。「薬学的に許容される賦形剤」という句は、本明細書に記載の本発明の化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することができるビヒクル、または任意の他の便利な薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤)を指し、患者において実質的に無毒で非炎症性を有するものである。賦形剤には、例えば、付着防止剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(色)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはコーティング剤、フレーバー、香料、流動促進剤(流動促進剤)、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、調剤または分散剤、甘味料、および水和水が含まれ得る。一部実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグを治療的有効量で含む。
医薬組成物は、任意の便利な方法に従って製剤化することができ、錠剤、丸剤、粉末、ナノ粒子、カプセル、シロップ、懸濁液、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンなどの経口投与用の様々な形態で、または 筋肉内、静脈内または皮下投与のための製剤など非経口投与用の形態で製造することができる。本明細書で提供される医薬組成物は、経口(経腸)投与、非経口(注射による)投与、直腸投与、経皮投与、皮内投与、髄腔内投与、皮下(SC)投与、静脈内(IV)投与、筋肉内(IM)投与、および鼻腔内投与を含むが、これに限定されない多様な経路によって投与可能である。
特定の例において、医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、または添加剤を含むことができる。医薬組成物は、通常の方法で医薬品として製造することができ、錠剤、丸剤、粉末、カプセル、シロップ、エマルジョン、マイクロエマルジョンなどの多様な経口医薬品として製造することができ、または、筋肉注射、血管注射、皮下注射などの非経口医薬品としても製造することができる。
用語「担体」、「アジュバント」、「ビヒクル」および「賦形剤」は、本明細書において互換的に使用され、本開示の化合物は担体とともに投与される。担体は固体担体または流動性担体である。好適な薬剤学的担体はRemington:The Science and Practice of Pharmacy、21st Ed.、Lippincott Williams & Wilkins(2005)に開示されたものなどを含む。
医薬組成物が経口医薬品の形態で製造される場合、使用される添加剤または担体の例には、セルロース、ケイ酸カルシウム、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、デキストロース、リン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ゼラチン、タルク、界面活性剤、懸濁液、乳化剤、希釈剤などが含まれ得る。本発明の医薬組成物が注射剤の形態で製造される場合、添加剤または担体には、水、食塩水、グルコース水溶液、同様の糖可溶性溶液、アルコール、グリコール、エーテル(例えば、ポリエチレングリコール400), 油、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリセリド、界面活性剤、懸濁液、乳化剤などが含まれ得る。
一部実施形態において、医薬組成物は、それを必要とする対象体への非経口投与のために製剤化される。一部の非経口的実施形態において、医薬組成物は、それを必要とする対象体への静脈内投与のために製剤化される。一部の非経口的実施形態において、医薬組成物は、それを必要とする対象体への皮下投与のために製剤化される。
<A2Aおよび/またはA1受容体を調節する方法>
本開示の態様は、生物学的システムまたはサンプル中のA2Aおよび/またはA1受容体の活性を調節する方法を含む。一部実施形態において、A2Aおよび/またはA1受容体の活性を調節することは、サンプル中のA2Aおよび/またはA1受容体を阻害することを指す。一部実施形態において、A2Aおよび/またはA1受容体の活性を調節することは、細胞または生物学的システムにおけるA2Aおよび/またはA1受容体の活性に拮抗することを指す。
一部実施形態において、前記方法は、サンプルを、A2Aおよび/またはA1受容体の活性を調節することができる本開示の化合物と接触させることを含む。一部実施形態において、前記方法は、細胞または生物学的システムを、A2Aおよび/またはA1受容体の活性を調節することができる本開示の化合物と接触させることを含む。
本開示は、A2Aおよび/またはA1受容体調節活性、例えば、A2Aおよび/またはA1受容体阻害および/または拮抗活性を有する化合物を提供する。一部実施形態において、化合物は、A2A受容体阻害および/または拮抗薬活性を有する。一部実施形態において、化合物は、A2AおよびA1受容体阻害および/または拮抗薬活性を有する。一部実施形態において、化合物はA1受容体阻害および/または拮抗薬活性を有する。A2Aおよび/またはA1受容体の活性を調節する化合物の能力は、多様なアッセイを使用して、例えばA2Aおよび/またはA1受容体結合アッセイおよび/またはA2Aおよび/またはA1受容体機能アッセイによって特徴付けられ得る。例えば、実験のセクションでは、A2A受容体結合アッセイについて説明する。本開示の例示的な化合物を評価し、Ki値を決定して、本開示の化合物がアッセイシステムにおいてヒトA2A受容体への特異的結合を提供できることを示した。さらに、実験のセクションでは、ヒト組換えA2A受容体安定細胞株で生成されたcAMPシグナルのモニタリングを含むA2A機能アッセイについて説明する。本開示の例示的な化合物を評価し、IC50値を取得した。これは、化合物がアッセイシステムにおいてヒトA2A受容体に拮抗できることを示している。。
本開示の態様は、本明細書に記載の化合物を使用して、A2Aおよび/またはA1受容体を調節する(例えば、阻害または拮抗する)方法を含む。このような方法は、このようなシステムを化合物(例えば、式(I)による構造を有する化合物または表1の化合物)と接触させることによって、生物学的システムにおけるA2Aおよび/またはA1受容体を調節する方法を含み得る。生物学的システムには、細胞、組織、器官、体液、生物、非哺乳動物対象体、および哺乳動物対象体(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、サル、チンパンジーおよび類人猿のような霊長類、特にヒト)が含まれるが、これらに限定されない。
一部実施形態において、A2Aおよび/またはA1受容体の阻害または拮抗する方法は、A2Aおよび/またはA1受容体を含む生物学的システムまたはサンプルを、有効量の本明細書に記載の任意の化合物またはその薬学的に許容される塩、若しくは本明細書に記載の医薬組成物と接触させて、A2A受容体を阻害または拮抗する段階を含む。特定の実施形態において、生物学的システムまたはサンプルは、インビトロ(in vitro)である。他の実施形態において、生物学的システムまたはサンプルはインビボ(in vivo)である。一部実施形態において、サンプルは細胞サンプルである。一部実施形態において、A2Aおよび/またはA1受容体は細胞膜に結合している。
一部実施形態において、化合物は、A1受容体で望ましいレベルの阻害活性を示すA2A受容体拮抗薬である。一部実施形態において、化合物は、A2A受容体およびA1受容体のデュアル拮抗薬である。一部実施形態において、A1受容体阻害活性の望ましいレベルは、細胞モデル(例えば、実施例2.1で評価される)におけるヒトA1受容体でのKi値が1mM以下、例えば300μM以下、100μM以下、30μM以下、10μM以下、3μM以下、または1μM以下である化合物を指す。一部実施形態において、本開示の化合物は、A2A受容体およびA1受容体に対して阻害活性を示す。実験セクションの実施例2、表2は、本開示の化合物がデュアル拮抗薬として強力な活性を有し得ることを示すA2AおよびA1受容体阻害データを提供する。このような場合、化合物は、CNSおよび神経変性疾患の治療における用途を見出すことができる。
<炎症性疾患>
本開示は、対象化合物を治療剤として使用する、対象体の炎症性疾患を治療または予防する方法、および前記化合物を含む組成物を提供する。A2A受容体拮抗薬が当業者によって有用であると考えられる任意の炎症性疾患は、単剤療法として、または他の治療剤(例えば、本明細書に記載されている)と組み合わせて、本開示の化合物を使用して治療可能な疾患として考慮される。
一部実施形態において、前記方法は、炎症性疾患を有する対象体に、治療的有効量のA2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物(例えば、本明細書に記載されている)を投与することを含む。一部実施形態において、炎症性疾患は、関節リウマチ(RA)のような慢性炎症性疾患である。一部実施形態において、炎症性疾患は急性炎症性疾患である。
一部実施形態において、前記方法は、炎症性疾患を患っているか、または、炎症性疾患のリスクがある対象体を特定することをさらに含む。
一部実施形態において、前記方法は、炎症性疾患に関連する基礎疾患または炎症性疾患に関連する状態を特定することをさらに含む。
<CNSおよび神経変性障害または疾患>
本開示は、(i)ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症(MS)、血管性認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、うつ病、統合失調症、およびてんかんからなる群より選択される中枢神経系(CNS)障害を治療する方法;(ii)閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷(ここで、損傷は、閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化、および手術による神経損傷)からなる群より選択される神経変性を起こす損傷または疾病を治療する方法;または(iii)運動障害を治療する方法から選択される方法を提供し、ここで前記方法は、有効量の本明細書に記載の式(Ia)のアデノシン受容体(例えば、A2Aおよび/またはA1)拮抗薬化合物を、それを必要とする対象体に投与することを含む。前述の方法において、A2Aおよび/またはA1拮抗薬化合物は式(I)-(III)の化合物であり得る。前述の方法において、CNS障害または神経変性疾患はアデノシン受容体(例えば、A2Aおよび/またはA1受容体)に関連するものであり得る。一部実施形態において、CNS障害または神経変性疾患はA2A受容体に関連するものであり得る。
本開示の態様は、本明細書に記載の化合物および/または組成物を使用して、関心のある治療的適応のために対象体を治療する方法を含む。用語「治療的適応症」とは、何らかの形態の治療または他の治療的介入(例えば、A2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬の投与)により、対象体において、緩和、安定化、改善、治療、または他の方式で処理される可能性のあるすべての症状、状態、障害、または疾病を意味する。A2Aおよび/またはA1受容体の生物学的活性および/または機能不全の調節に関連する治療的適応症は、本明細書では「アデノシン受容体関連の適応症」に称される。一部実施形態において、本開示の方法は、有効量の本明細書に記載の化合物および/または組成物(例えば、A2Aおよび/またはA1受容体拮抗薬化合物)を対象体に投与することで、アデノシン受容体関連の適応症を治療することを含み得る。
本開示は、治療剤として本開示の化合物、または化合物を含む医薬組成物を使用して対象体における中枢神経系(CNS)または神経変性疾患または障害を治療または予防する方法を提供する。一部実施形態において、CNS疾患は、CNSの神経変性疾患または障害と称される。本開示の化合物および医薬組成物を使用する予防または治療の対象であるCNSおよび神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、うつ病、統合失調症およびてんかんを含むが、これらに限定されない。
一部実施形態において、方法は、パーキンソン病を治療または予防する方法であり、パーキンソン病を有するか、またはそのリスクのある対象体に、有効量の本開示の化合物を投与することを含む。場合によっては、化合物は、A2A受容体およびA1受容体の両方で二重阻害活性を有するものである。場合によっては、化合物は、A2A受容体で阻害活性を有する化合物である。
他の実施形態において、本開示は、運動障害(筋肉制御異常に関連する運動過多性運動障害)または振戦を治療する方法を提供する。例示的な運動障害または振戦は、パーキンソン病およびパーキンソニズム(特に、運動緩慢(bradykinesia)で定義される)、筋緊張異常(dystonia)、舞踏病(chorea)およびハンチントン病、運動失調、振戦(例えば、本態性振戦、パーキンソン型振戦、起立性振戦、生理的振戦、心因性振戦)、間代性筋けいれん(myoclonus)および驚愕、チックおよびトウレット症候群、レストレスレッグス症候群、スティッフパーソン症候群(stiff-person syndrome)、運動異常および歩行障害を含むが、これらに限定されない。
一部実施形態において、前記方法は、CNSまたは神経変性疾患を患っているか、またはそのリスクのある対象体を特定することをさらに含む。
一部実施形態において、前記方法は、CNSまたは神経変性疾患に関連する基礎疾患または状態を特定することをさらに含む。
前述の医薬組成物の投与量は、個体または患者の疾病を治療または予防するための有効量であり、目的に応じて経口または非経口で投与することができる。経口投与の場合、有効成分を基づいて投与される量は、体重1kg当たり0.01~1,000mg、より具体的には1kg当たり0.1~300mgである。非経口投与の場合、有効成分を基準にした0.01~100mgを1日1kg体重あたり、より具体的には0.1~50mgを1回または数回投与する。特定の個体または患者に投与される量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与時間、投与方法、病気の重症度などを含む多くの関連要因に基づいて決定できる。専門家によって適切に増減することができると理解されており、前述の投与量は、本開示の範囲を決して制限するものではない。関連する技術分野の通常のレベルの知識を持つ医師または獣医は、医薬組成物の有効量を決定および製剤することができる。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するために必要な量よりも少ない、本開示の下で医薬組成物に使用される化合物の量から始めて、所望の効果が達成されるまで徐々に投与される量を増やすことができる。
好適な投与経路の例には、経口、直腸、経粘膜(舌下および頬側を含む)、鼻腔内、局所、経皮または腸投与;筋肉内、皮下、静脈内、骨髓内注射だけでなく、髄腔内、直接脳室内注射、ヒト脳への直接注射、直接心室内、腹腔内、鼻腔内または眼球内注射を含む非経口伝達が含まれる。化合物はまた、ナノ粒子、デポ注射、浸透圧ポンプ、電子ポンプ、丸剤、経皮(電気輸送を含む)パッチなどを含む持続または制御放出投与の形態で長期間および/または予め決められた比率で決められた時間にパルス投与のために投与し得る。CNS露出を増加させ且つ全身露出を最小化するため、持続または制御放出投与の形態を使用し得る。少なくとも2つの異なる投与経路を組み合わせることも可能である。
本開示の化合物および組成物は、単独で、本開示のさらに他の例による化合物と組み合わせて、または少なくとも1つの他の治療剤、例えば本明細書に記載の他の医薬有効成分との同時、別個または連続的な併用投与で投与することができる。
特定の実施例において、本開示の医薬組成物は、その範囲内に、有効成分としての有効治療量の特定の例による化合物の少なくとも1つ、または医薬担体と組み合わせて含まれる医薬組成物を含む。任意に、本開示の実施形態による化合物は、独立して、別の特定の例による化合物と組み合わせて、または1つまたは複数の他の治療薬と同時に、例えば抗癌剤(例えば、本明細書に記載されるように)と、または活性医薬材料と同時に、別々に、または連続して組み合わせて投与することができる。
<定義>
別段の定義がない限り、ここで使われたすべての技術および科学用語は見た開始が属する技術分野で通常の知識を持った者によって一般的に理解されることと等しい意味を持つ。
本明細書で提供される定義は、相互に排他的であることを意図していないことが理解される。したがって、一部の化学部分は、複数の用語の定義に含まれる場合がある。
「1つの」、「一個」、「当該」などの単数形の記載、および要素を説明する文脈での同様の指示対象は、本書で別段の指示がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形と複数形の両方をカバーすると解釈される。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲の上限および下限を含む、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、ここに個別に記載されているかのように当該明細書に統合される。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(すなわち、「など」)の使用は、単に実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲を制限するものではない。
一部実施形態では、「約」という用語の使用が定量値の前にある場合、本開示は、特に明記しない限り、特定の定量値自体も含む。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、他に示されないかまたは推測されない限り、公称値からの±10%の変動を指す。組成物中の成分または材料の量に関してパーセンテージが提供される場合、特に明記しない限り、または文脈から理解されない限り、パーセンテージは、重量に基づくパーセンテージであると理解されるべきである。
分子量が提供され、例えばポリマーの絶対値ではない場合、特に明記しない限り、または文脈から理解されない限り、分子量は平均分子量であると理解されるべきである。
本開示が機能し続ける限り、ステップの順序または特定のアクションを実行するための順序は重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上のステップまたはアクションを同時に実行できる。
「医薬的に許容される賦形剤」、「医薬的に許容される希釈剤」、「医薬的に許容される担体」、および「医薬的に許容されるアジュバント」という用語は互換的に使用され、医薬組成物を製造するのに有用な賦形剤、希釈剤、担体、またはアジュバントを指し、一般的に安全で、毒性がなく、生物学的にも他に望ましくないものでもない。また、動物用医薬品やヒト用医薬品に使用できる賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントが含まれている。「薬学的に許容される賦形剤」という句は、1つ以上の賦形剤、希釈剤、担体、および/またはアジュバントの両方を含む。
「医薬組成物」という用語は、哺乳動物、特にヒトなどの対象への投与に適した組成物を包含することを意味する。一般に、「医薬組成物」は無菌であり、望ましくは、対象内で望ましくない応答を誘発する可能性のある汚染物質を含まない(すなわち、医薬組成物中の化合物は医薬グレードである)。医薬組成物は、経口、頬、直腸、非経口、腹腔内、皮内、気管内、筋肉内、皮下などを含む多くの異なる投与経路を介して、それを必要とする対象体または患者に投与するように設計することができる。
「疾病」、「障害」および「状態」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
投与が考慮される用語「対象体」は、ヒト(すなわち、すべての年齢群の男性または女性、例えば、小児対象体(例えば、乳児、児童、青少年)または成人対象体(例えば、青年、中年または高齢者))および/または非ヒト動物、例えば霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類などの哺乳動物、ネコおよび/またはイヌを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、対象体はヒトである。特定の実施形態において、対象体は非ヒト動物である。「ヒト」、「患者」および「対象(体)」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
本明細書に記載のように、特に明記しない限り、「治療する(treat、treating)」および「治療(treatment)」という用語は、対象体が特定の疾病、障害または状態を患っている間に発生するアクションを意味し、これは疾病、障害、または状態の重症度を低下させるか、または、疾病、障害または状態の進行を阻害するかまたは遅延させる。「治療」または「治療する」は、次を含む:(i)疾病、障害または状態の予防、すなわち疾病、障害または状態に罹患するかまたは露出する可能性があるか、素因を有し得るがまだ診断されていないか、疾病、障害または状態に罹患したと診断されるか、またはそのような疾病、障害または状態が発生するリスクのある対象体で発生する疾病、障害または状態の発生率の減少および/または効果および/または持続期間の改善;(ii)疾病、障害または状態の抑制、すなわち疾病、障害または病態の少なくとも1つの症状を既に患っているかまたは持っている対象体で疾病、障害または状態の開始を予防または遅延;疾病、障害または病態の進展または進行を阻止;または疾病、障害または状態悪化の危険性の減少;(iii)疾病、障害または状態の改善、すなわち疾病、障害、状態またはその少なくとも1つの症状を弱化、緩和、逆転または除去。
本明細書に記載のように、特に明記しない限り、化合物の「治療的有効量」は、疾病、障害または状態の治療において治療的利点を提供するか、若しくは、疾病、障害または状態に関連する少なくとも1つの症状を遅延または最小化するのに十分な量である。化合物の治療的有効量は、疾病、障害または状態の治療において治療的利点を提供する治療剤の単独または他の療法と組み合わせられた治療剤の量を意味する。用語「治療的有効量」は、全体療法を改善するか、疾病または状態の症状または原因を減少または防止するか、若しくは他の治療剤の治療効能を向上させる量を含み得る。
本明細書に記載のように、特に明記しない限り、化合物の「予防的有効量」は、疾病、障害または状態、または疾病、障害または状態に関連する少なくとも1つの症状を予防するかまたはその再発を予防するのに十分な量である。予防的有効量の化合物は、疾病、障害または状態の予防において予防的利点を提供する治療剤の単独または他の製剤と組み合わせられた治療剤の量を意味する。用語「予防的有効量」は、全般的な予防を改善するかまたは他の予防剤の予防効能を向上させる量を含み得る。
<例示的な実施形態>
本明細書に記載されるように、本文は、本発明の化合物、組成物、および方法の多様な実施形態を言及する。記載されている多様な実施形態は、多様な例示的な実施例を提供することを意図しており、代替種の説明として解釈されるべきではない。むしろ、本明細書で提供される多様な実施形態の説明は、重複する範囲のものである可能性があることに留意されたい。本明細書で論じられる実施形態は、単なる例示であり、本技術の範囲を限定することを意味するものではない。
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示の態様は、以下の条項によって示されている。
条項1.活性成分として有効量の式(Ia)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、またはその薬学的に許容される塩;および薬学的に許容される担体を含む、CNS障害または神経変性障害を持っている対象体を治療するための医薬組成物。
Figure 2023549927000012
ここで、
Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり;
1~Y4は、独立してCR10とNから選択され、Y1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり;
10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され;
aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており;
Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルである。
条項2.条項1において、Aは、フェニル、または1つ、2つまたは3つのR20基で置換されたフェニルであり、各R20は(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択される、医薬組成物。
条項3.条項1において、RがHである、医薬組成物。
条項4.条項1において、RaおよびRbがそれぞれHである、医薬組成物。
条項5.条項2において、前記化合物が下記の式(II)のものである、医薬組成物。
Figure 2023549927000013
1~R9は、H、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから独立して選択される。
条項6.条項5において、R1~R9は、独立してH、(C1-C5)アルキル、置換された(C1-C5)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C5)アルコキシ、置換された(C1-C5)アルコキシ、-NH2、置換されたアミノ、ハロゲンおよびヒドロキシルから選択される、医薬組成物。
条項7.条項6において、R1~R9は、独立してH、NH2、F、CH3およびCF3から選択される、医薬組成物。
条項8.条項5において、前記化合物が式(III)のものである医薬組成物。
Figure 2023549927000014
ここで、R21およびR22は、H、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、SO230およびCOR30から独立して選択され、R30は(C1-C8)アルキルまたは置換された(C1-C8)アルキルである。
条項9.条項8において、
21およびR22は、それぞれHであり;
5、R6、R8およびR9は、H、(C1-C5)アルキル、置換された(C1-C5)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C5)アルコキシ、置換された(C1-C5)アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシルから選択され;
2~R4は、それぞれHであり;
1は、H、(C1-C5)アルキル、置換された(C1-C5)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C5)アルコキシ、置換された(C1-C5)アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシルから選択される、医薬組成物。
条項10.条項9において、R1がH、F、CH3およびCF3から選択される、医薬組成物。
条項11.条項1において、式(Ia)の化合物が以下から選択される、医薬組成物。
Figure 2023549927000015

Figure 2023549927000016

Figure 2023549927000017

Figure 2023549927000018
条項12.条項1において、前記CNS障害が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症および筋萎縮性側索硬化症から選択される、医薬組成物。
条項13.条項1において、前記CNS障害がアデノシン受容体に関連する、医薬組成物。
条項14.条項13において、前記アデノシン受容体がアデノシン受容体A2Aおよび/またはA1である、医薬組成物。
条項15.条項1において、前記CNS障害がパーキンソン病である、医薬組成物。
条項16.閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷(blunttrauma)、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血(cerebralischemia)、脊髄損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された神経変性をもたらす損傷または疾病を治療する医薬組成物であって、前記組成物は活性成分として本明細書に記載の式(Ia)の化合物;および薬学的に許容される担体を含み、ここで損傷は閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された1次神経系損傷である、医薬組成物。
条項17.条項16において、前記神経変性を誘発する疾患がパーキンソン病である、医薬組成物。
条項18.本明細書に記載の式(Ia)の化合物の治療的有効量を含む、運動障害を治療するための医薬組成物。
条項19.条項18において、前記運動障害がアデノシン受容体に関連する、医薬組成物。
条項20.条項19において、前記運動障害が運動緩慢、筋緊張異常、舞踏病およびハンチントン病、運動失調、振戦、間代性筋けいれんおよび驚愕、チックおよびトウレット症候群、レストレスレッグス症候群、スティッフパーソン症候群、運動異常および歩行障害からなる群より選択される、医薬組成物。
条項21.治療的有効量で化合物または組成物を投与することで対象体を治療することにおける本明細書に記載の式(Ia)の化合物または前記化合物を含む組成物の用途であって、ここで対象体は、
(i)ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症および筋萎縮性側索硬化症からなる群より選択されるCNS障害、または神経変性障害を患っているか;
(ii)閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された神経変性を引き起こす損傷または疾病を患っており、ここで損傷は閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択される1次神経系損傷であり/あるか;および/または
(iii)アデノシン受容体に関連する運動障害を患っている対象体である、用途。
条項22.対象体を治療するための医薬品を製造することにおける本明細書に記載の式(Ia)の化合物または前記化合物を含む組成物の用途であって、ここで対象体は、
(i)ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症および筋萎縮性側索硬化症からなる群より選択されるCNS障害、または神経変性障害を患っているか;
(ii)閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された神経変性を引き起こす損傷または疾病を患っており、ここで損傷は閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択される1次神経系損傷であり/あるか;および/または
(iii)アデノシン受容体に関連する運動障害を患っている対象体である、用途。
<実施例>
下記の実施例は、本開示を例示するために提供されるものであり、本技術の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。機能的に同等であるすべての方法は、本技術の範囲内にある。本明細書に記載されたものに加えて、本技術の多様な変形が、前述の説明から当業者に明らかになるであろう。このような変更は、添付の特許請求の範囲に含まれる。
特に明記されていない限り、すべての温度は摂氏温度である。使用される数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するための努力が払われているが、一部の実験誤差と偏差は許容する必要がある。
略語が定義されていない場合は、一般に受け入れられている意味である。
<一般的な合成方法>
最終化合物は、高速液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MS)の分析によって確認され、純度が90重量%を超えると判断された。1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、CDCl3(残留内部標準CHCl3=δ7.26)、ジメチルスルホキシド(DMSO)-d6(残留内部標準CD3SOCD2H=δ2.50)、メタノール-d4(残留内部標準CD2HOD=δ3.30)、またはアセトン-d6(残留内部標準CD3COCD2H=δ2.05)で記録された。報告された化学シフト(δ)は百万分率(ppm)で示され、結合定数(J)はヘルツ(Hz)で示される。スピン多重度は、s=一重線、bs=広い一重線、bm=広い多重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、p=五重線、dd=二重線の二重線、ddd=二重線の二重線の二重線、dt=三重線の二重線、td=二重線の三重線、tt=三重線の三重線、m=多重線。
勾配溶出を用いてHPLC-MS分析を行った。中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)は、順相と逆相の両方でシリカゲルカラムを使用して行った。
<実施例1:化合物の製造>
本開示の化合物は、下記スキーム1または2によって示される方法に従って、周知の化学的変換を適応させることによって生成される。表1の一部の例示的な化合物の合成は、下記実施例1.1~1.33に記載されている。表1の他の一部の化合物は、本明細書に記載の方法を適用して製造され、実施例2に記載の生物学的アッセイに従って評価された。
一般的なスキーム1
Figure 2023549927000019
スキーム1の例示的な合成方法を以下に詳細に説明する。
前述のスキーム1を参照してより詳細に説明すると、A-2化合物をテトラヒドロフランおよびH2Oの溶媒に溶解し、前記溶液をヒドラジン一水和物と25℃~60℃で24時間連鎖反応させてA-3化合物を製造する第1段階と、A-3化合物をN,N-ジメチルホルムアミド溶媒に溶解した後、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムが提供される条件下で、前記溶液を25℃~60℃で24時間にかけてA-4化合物と求核置換反応させてA-5化合物を製造する第2段階と、A-5化合物を1,4-ジオキサンおよび蒸留水に溶解し、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリルとその誘導体、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよび炭酸ナトリウムが提供される条件下で、前記溶液を100℃~115℃で2時間~24時間にかけてスキームA-6の化合物と鈴木カップリング反応させてA化合物を製造するか、または、前記溶液を同じ条件下で鈴木カップリング反応させ、その溶液をエタノール溶媒に溶解し、該溶液を塩化スズ(II)二水和物および酸の条件下で還元反応させてA化合物を製造する第3段階と、を含む一連のプロセスを通じて、前記スキーム1に示される化合物を製造することが可能である。ここで、前述のスキーム1のRa1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、本明細書に記載の式の置換基、例えば式(II)のR1~R9およびシアノ基に対応する。
実施例1.1:3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物201)の製造
1.1.1:4-クロロ-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミンの製造
Figure 2023549927000020
試薬と条件:(a)ヒドラジン、TEA、THF:H2O(3:1)、室温~50℃、3時間、定量(quant);(b)4-ニトロベンジルブロミド、K2CO3、DMF、0℃~室温、12時間、58%。
段階1:4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミンの製造
2-アミノ-4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(S1、4g、20.83mmol)をテトラヒドロフラン(THF)とH2Oの溶媒に溶かし、そこにヒドラジン一水和物(0.78ml、24.99mmol)とトリエチルアミン(TEA、3.51ml、24.99mmol)を添加した。その後、反応混合物を50℃に加熱し、3時間撹拌して濃縮した。次いで、濃縮物を蒸留水で洗浄して中間体化合物(S2、3.45g、100%)を得た。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ13.25(s、1H)、8.02(s、1H)、7.14(s、2H)。
段階2:4-クロロ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミンの製造
段階1で生成された中間体化合物(S2、3.0g、18.12mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶かし、4-ニトロベンジルブロミド(3.92g、18.12mmol)と炭酸カリウム(K2CO3、3.75g、27.18mmol)を添加した。次いで、室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(EA)で希釈して蒸留水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮した。次に、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、所望の化合物(S3、3.2g、58%)を得た。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.19(d、2H)、8.09(s、1H)、7.40-7.38(m、4H)、5.56(s、2H)。
1.1.2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物201)の製造。
Figure 2023549927000021
試薬と条件:(c)3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル、Pd(PPh34、Na2CO3、ジオキサン:H2O(8:1)、室温~105℃、12時間、70%;(d)SnCl2・2H2O、濃塩酸、EtOH、室温~50℃、3時間、45%。
段階1:3-(6-アミノ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリルの製造
実施例1-1の化合物(S3、1.0g、3.28mmol)を1,4-ジオキサンとH2Oに溶かし、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.12g、4.92mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム((0)(Pd(PPh34、758mg、0.65mmol)、および炭酸ナトリウム(Na2CO3、695mg、6.56mm)を添加した。その後、反応混合物を密閉管を用いて105℃で12時間撹拌し、ジクロロメタン(DCM)で希釈して蒸留水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過および濃縮した後、濃縮物を酢酸エチル/ヘクサン(EA/Hex)で洗浄して中間体化合物(S4、852mg、70%)を得た。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.54(s、1H)、8.51-8.49(m、2H)、8.08(dd、1H)、7.80(t、1H)、7.42(d、2H)、7.15(s、2H)、5.62(s、2H)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリルの製造
段階1で生成された中間体化合物(S4、400mg、1.07mmol)をエタノール(EtOH)に溶かし、塩化スズ(II)二水和物(SnCl2・2H2O、730mg、3.23mmol)および濃塩酸(水溶液)(1.8mL、21.54mmol)を添加した。その後、反応混合物を50℃で3時間撹拌し、ジクロロメタン(DCM)で希釈して蒸留水で洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥、濾過、濃縮した。その後、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、所望の化合物(201、161mg、45%)を得た。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.50(s、1H)、8.48-8.45(m、1H)、8.35(s、1H)、8.07-8.04(m、1H)、7.79(t、1H)、7.07(s、2H)、6.95(d、2H)、6.47(d、2H)、5.23(s、2H)、5.04(s、2H)。
実施例1.2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-メチルベンゾニトリル(化合物205)の製造
Figure 2023549927000022
試薬と条件:(a)2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル、Pd(PPh34、Na2CO3、ジオキサン:H2O(8:1)、室温~105℃、12時間、81%;(b)SnCl2・2H2O、濃塩酸、EtOH、室温~50℃、3時間、74%。
段階1:3-(6-アミノ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-メチルベンゾニトリルの製造
実施例1.1.2の段階1で3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.12g、4.92mmol)の代わりに2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキシボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(120mg、0.49mmol)を使用したことを除き、実施例1.1.2の段階1と同じプロセスを使用して、中間体化合物(S5、103mg、81%)を得た。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.21(d、2H)、7.97(d、1H)、7.90(s、1H)、7.82(d、1H)、7.56(t、1H)、7.46(d、2H)、7.13(s、2H)、5.59(s、2H)、2.52(s、3H)
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-メチルベンゾニトリルの製造
実施例1.1.2の段階2で塩化スズ(II)二水和物(SnCl2・2H2O、180mg、0.80mmol)および濃塩酸(水溶液)(0.45ml、5.34mmol)の量を変更したことを除いて実施例1.1.2の段階2と同じプロセスを、前述の段階1の中間体化合物(S5、103mg、0.26mmol)に対して実施して、所望の化合物を得た。(205、71mg、74%)。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ7.95(d、1H)、7.79(d、1H)、7.77(s、1H)、7.54(t、1H)、7.05(s、2H)、6.98(d、2H)、6.48(d、2H)、5.21(s、2H)、5.04(s、2H)、2.49(s、3H)。
実施例1.3:3-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物202)の製造
Figure 2023549927000023
試薬と条件:(a)2-フルオロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル、Pd(PPh34、Na2CO3、ジオキサン:H2O(8:1)、室温~105℃、12時間、90%;(b)SnCl2・2H2O、濃塩酸、EtOH、室温~50℃、3時間、92%。
段階1:3-(6-アミノ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリルの製造
実施例1.1.2の段階1で3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.12g、4.92mmol)の代わりに2-フルオロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.21g、4.92mmol)を使用し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh34、758mg、0.65mmol)の含量と炭酸ナトリウム(Na2CO3、695mg、6.56mmol)の含量を変更したことを除き、実施例1.1.2の段階1と同じプロセスを実施して中間体を得た。(S6、1.15g、90%)。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.22-8.15(m、4H)、8.10(d、1H)、7.61(t、1H)、7.43(d、2H)、7.21(s、2H)、5.60(s、2H)。
段階2:3-(6-アミノ-1-4(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリルの製造
実施例1.1.2の段階2で塩化スズ(II)二水和物(SnCl2.2H2O、250mg、1.11mmol)および濃塩酸(水溶液)(0.62ml、7.40mmol)の量を変更したことを除き、実施例1.1.2の段階2と同じプロセスを段階1の中間体化合物(S6、144mg、0.37mmol)に対して実施して所望の化合物(202、131mg、92%)を得た。1H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.14(t、2H)7.96(d、1H)、7.11(s、2H)、6.96(d、2H)、6.48(d、2H)、5.22(s、2H)、5.04(s、2H)。
実施例1.4.:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物204)の製造
1.4.1:3-(6-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(中間体化合物S7)の製造
Figure 2023549927000024
試薬と条件:(a)Pd(PPh34、Na2CO3、ジオキサン/H2O、100℃、16時間。
ジオキサン(20mL)中の4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、(3-シアノフェニル)ボロン酸(519mg、1.2当量)、Pd(PPh34(340mg、0.1当量)およびNa2CO3(625mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で100℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)と水(30mL)との間で分配した。有機相を分離して塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮して残留物を得た。粗生成物3-(6-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(500mg、粗製)を黄色固体として収得し、追加的な精製なく次の段階で使用した。MS:m/z=237.1(M+1、ESI+)。
1.4.2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物204)の製造。
Figure 2023549927000025
試薬と条件:(a)K2CO3、DMF、80℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、1時間。
段階1:3-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリルの製造
DMF(10mL)中の4-(クロロメチル)-2-メチル-1-ニトロ-ベンゼン(500mg、1.27当量)および中間体化合物S7または3-(6-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(500mg、1当量)の溶液にK2CO3(585mg、2当量)に添加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:40%-70%、10分)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(200mg、収率24%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.56-8.42(m、3H)、8.10-8.06(m、1H)、8.00-7.92(m、1H)、7.86-7.76(m、1H)、7.40-7.30(m、1H)、7.24-7.08(m、3H)、5.65-5.43(m、2H)、2.49(s、3H)。MS:m/z=386.0(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物204)の製造
エタノール(12mL)および水(4mL)中の3-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(150mg、1当量)の溶液に、鉄粉(108mg、1.95mmol、5当量)およびNH4Cl(166mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:23%-53%、10分)で精製した。化合物204または3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-3-メチル-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(54.26mg、収率38%、純度98.27%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.54-8.49(m、1H)、8.49-8.45(m、1H)、8.37-8.31(m、1H)、8.09-8.01(m、1H)、7.84-7.70(m、1H)、7.16-6.99(m、2H)、6.91-6.86(m、1H)、6.86-6.80(m、1H)、6.58-6.45(m、1H)、5.33-5.14(m、2H)、4.98-4.57(m、2H)、2.02-1.96(m、3H)。
実施例1.5:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物206)の製造
1.5.1:4-クロロ-1-(3-メチル-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(中間体化合物S8)の製造
Figure 2023549927000026
試薬と条件:(a)K2CO3、DMAc、80℃、16時間。
DMAc(50mL)中の4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(0.8g、1当量)および4-(クロロメチル)-2-メチル-1-ニトロ-ベンゼン(720mg、0.8)の溶液にK2CO3(1.30g、2当量)を添加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。粗生成物4-クロロ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(800mg、粗製)を黄色固体として収得し、追加的な精製なく次の段階で使用した。MS:m/z=354.9(M+1、ESI+)。
1.5.2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物206)の製造
Figure 2023549927000027
試薬と条件:(a)Pd(PPh34、K2CO3、ジオキサン/H2O、100℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、1時間。
段階1:3-(6-アミノ-1-(3-メチル-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の(3-シアノ-2-フルオロ-フェニル)ボロン酸(434mg、1.2当量)、中間体化合物S8または4-クロロ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(700mg、1当量)、Pd(PPh34(253mg、219.63μmol、0.1当量)およびNa2CO3(465mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で110℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@40mL/分の溶離液)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(800mg、収率90%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=386.0(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物206)の製造
水(4mL)およびエタノール(12mL)中の3-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(200mg、1当量)の溶液に、鉄粉(138mg、5当量)およびNH4Cl(212mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Phenomenex Synergi C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:16%-46%、11分)で精製し、1次精製後に純度89%の化合物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:18%-48%、10分)で精製した。化合物206または3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-3-メチル-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(111.35mg、収率59%、純度97.78%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.21-8.10(m、2H)、8.00-7.94(m、1H)、7.66-7.52(m、1H)、7.16-7.07(m、2H)、6.92-6.80(m、2H)、6.56-6.46(m、1H)、5.34-5.15(m、2H)、4.93-4.67(m、2H)、2.06-1.88(m、3H)。
実施例1.6:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物210)の製造
1.6.1:4-クロロ-1-(4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(中間体化合物S9)の製造
Figure 2023549927000028
試薬と条件:(a)K2CO3、DMAc、80℃、16時間。
DMF(20mL)中の4-(クロロメチル)-1-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.39g、1.2当量)および4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(2g、1当量)溶液にK2CO3(3.26g、2当量)を添加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮してDMFを除去して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@45mL/分の溶離液)で精製した。化合物4-クロロ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(2g、収率45%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=373.3(M+1、ESI+)
1.6.2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物210)の製造
Figure 2023549927000029
試薬と条件:(a)Pd(PPh34、K2CO3、ジオキサン/H2O、100℃、15時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:3-(6-アミノ-1-(4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(1mL)中の(3-シアノフェニル)ボロン酸(236mg、1.5当量)、中間体化合物S9または4-クロロ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1当量)、Pd(PPh34(124mg、0.1当量)、K2CO3(296mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で100℃で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンおよび水を除去して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(300mg、収率63%)を黄色オイルとして収得した。MS:m/z=440.1(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物210)の製造
水(5mL)およびエタノール(15mL)中の3-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(290mg、1当量)の溶液に、鉄粉(190mg、5当量)およびNH4Cl(292mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、エタノールを除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:43%-63%、10分)で精製した。化合物210または3-[6-アミノ-1-[[4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(59.98mg、収率21%、純度99.14%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.52(s、1H)、8.47(d、J=8.1Hz、1H)、8.38(s、1H)、8.06(d、J=7.7Hz、1H)、7.79(t、J=7.8Hz、1H)、7.30(d、J=1.5Hz、1H)、7.23-7.17(m、1H)、7.10(s、2H)、6.78(d、J=8.4Hz、1H)、5.59(s、2H)、5.30(s、2H)。
実施例1.7:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物211)の製造
Figure 2023549927000030
試薬と条件:(a)Pd(PPh34、K2CO3、ジオキサン/H2O、100℃、15時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:3-(6-アミノ-1-(4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(1mL)中の(3-シアノ-2-フルオロ-フェニル)ボロン酸(265mg、1.5当量)、中間体化合物S9または4-クロロ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1当量)、Pd(PPh34(124mg、0.1当量)、K2CO3(296mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で100℃で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンおよび水を除去して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(350mg、収率71%)を黄色オイルとして収得した。MS:m/z=458.3(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物211)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の3-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(300mg、1当量)の溶液に、鉄粉(183mg、5当量)およびNH4Cl(280mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、エタノールを除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm ;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:43%-63%、10分)で精製した。化合物211または3-[6-アミノ-1-[[4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(41.58mg、収率15%、純度98.23%)を灰白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.20-8.11(m、2H)、8.00(d、J=3.5Hz、1H)、7.60(t、J=7.8Hz、1H)、7.30(d、J=1.6Hz、1H)、7.23-7.17(m、1H)、7.15(s、2H)、6.78(d、J=8.4Hz、1H)、5.60(s、2H)、5.29(s、2H)。
実施例1.8:3-(6-アミノ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物213)の製造
Figure 2023549927000031
試薬と条件:(a)K2CO3、DMAc、80℃、16時間;(b)Pd(PPh34、K2CO3、ジオキサン/H2O、80℃、16時間。
段階1:4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(中間体化合物S10)の製造
DMAc(100mL)中の4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(8g、47.18mmol、1当量)および2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(11.72g、56.61mmol、1.2当量)の溶液にK2CO3(13.04g、94.36mmol、2当量)を添加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@60mL/分の溶離液)で精製した。中間体化合物S10または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(4g、13.53mmol、収率29%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.35-7.77(m、1H)、7.53-7.41(m、1H)、7.40-7.31(m、2H)、7.19-6.98(m、2H)、5.60-5.20(m、2H)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物213)の製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の(3-シアノ-2-フルオロ-フェニル)ボロン酸(251mg、1.5当量)、中間体化合物S10または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(300mg、1当量)、Pd(PPh34(117mg、0.1当量)、K2CO3(280mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で80℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:45%-65%、10分)で精製した。化合物213または3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(118.51mg、収率30%、純度98.93%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.22-8.09(m、2H)、7.95(d、J=3.5Hz、1H)、7.60(t、J=7.8Hz、1H)、7.52-7.39(m、1H)、7.19(s、2H)、7.13(t、J=8.0Hz、2H)、5.45(s、2H)。
実施例1.9:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物209)の製造
Figure 2023549927000032
試薬と条件:(a)K2CO3、DMAc、60℃、16時間;(b)Pd(PPh34、K2CO3、ジオキサン/H2O、80℃、16時間;(c)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、3時間。
段階1:4-クロロ-1-(2-フルオロ-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(中間体化合物S11)の製造
DMF(20mL)中の4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(5.1g、1当量)および1-(ブロモメチル)-2-フルオロ-4-ニトロ-ベンゼン(7g、1当量)の溶液にK2CO3(8.3g、2当量)を添加した。混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@40mL/分の溶離液)で精製した。中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(5g、収率52%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.15-8.11(m、1H)、8.08-8.06(m、1H)、8.05-8.01(m、1H)、7.47-7.38(m、2H)、7.33(t、J=8.0Hz、1H)、5.57(s、2H)。MS:m/z=323.3(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(2-フルオロ-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の(3-シアノフェニル)ボロン酸(341mg、1.5当量)、中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、Pd(PPh34(179mg、0.1当量)、K2CO3(428mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で100℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンを除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:45%-65%、10分)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(200mg、収率33%、純度99%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.55-8.51(m、1H)、8.49-8.46(m、1H)、8.31-8.26(m、1H)、8.18-8.01(m、4H)、7.38-7.28(m、1H)、7.22-7.05(m、2H)、5.62(s、2H)。MS:m/z=389.9(M+1、ESI+)。
段階3:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物209)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の3-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(200mg、513.69μmol、1当量)の溶液に、鉄粉(143mg、5当量)およびNH4Cl(219mg、8当量)を添加した。混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールと水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:30%-50%、10分)で精製した。化合物209または3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(36.42mg、収率19%、純度97.66%)を灰白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.51(s、1H)、8.49-8.44(m、1H)、8.35(s、1H)、8.08-8.01(m、1H)、7.79(t、J=7.8Hz、1H)、7.07(s、2H)、6.88(t、J=8.5Hz、1H)、6.36-6.22(m、2H)、5.40(s、2H)、5.28(s、2H)。
実施例1.10:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物207)の製造
Figure 2023549927000033
試薬と条件:(a1)NBS、AIBN、CCl4、90℃、15時間;(a2)K2CO3、DMAc、80℃、3時間;(b)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、2時間、MW;(c)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、1時間。
段階1:4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(中間体化合物S12)の製造
テトラクロロメタン(50mL)中の1,3-ジフルオロ-2-メチル-5-ニトロ-ベンゼン(2g、11.55mmol、1当量)の溶液に、NBS(3.08g、17.33mmol、1.5当量)およびAIBN(190mg、1.16mmol、0.1当量)を添加した。その後、混合物を90℃で15時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して残留物を得た。残留物にDMAc(50mL)、4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(1.96g、11.55mmol、1当量)およびK2CO3(3.19g、23.11mmol、2当量)を添加した。次いで、混合物を80℃で3時間撹拌した。混合物に水(130mL)および酢酸エチル(130mL)を添加して層を分離した。水性物を酢酸エチル(130mL×2)で抽出した。有機相を合わせて塩水(150mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、濾液を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(40gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~30%酢酸エチル/石油エーテル勾配@60mL/分の溶離液)で精製した。中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(1.5g、4.26mmol、収率37%、純度96.7%)を黄色固体として収得した。
段階2:3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリルの製造
中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1.47mmol、1当量)、(3-シアノフェニル)ボロン酸(323mg、2.20mmol、1.5当量)、K2CO3(405mg、2.94mmol、2当量)およびPd(dppf)Cl2(107mg、146.77μmol、0.1当量)をジオキサン(6mL)および水(2mL)中にマイクロ波管に取り込んだ。密閉管をマイクロ波下で2時間110℃で加熱した。その後、混合物に水(80mL)および酢酸エチル(80mL)を添加し、層を分離した。水性物を酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濾液を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(20gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@50mL/分の溶離液)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(200mg、441.90μmol、収率30%、純度90%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.49(d、J=1.2Hz、1H)、8.47-8.41(m、1H)、8.35(s、1H)、8.16-8.07(m、2H)、8.06(td、J=1.3、7.8Hz、1H)、7.79(t、J=7.9Hz、1H)、7.16(s、2H)、5.55(s、2H)。MS:m/z=408.0(M+1、ESI+)。
段階3:3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(化合物207)の製造
エタノール(8mL)および水(2mL)中の3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(200mg、491.00μmol、1当量)の溶液に、鉄粉(137mg、2.45mmol、5当量)およびNH4Cl(210mg、3.93mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。その後、混合物に水(30mL)を添加し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濾液を真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%水酸化アンモニウム)];B%:30%-70%、15分)で精製した。化合物207または3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ベンゾニトリル(62.95mg、163.33μmol、収率33%、純度97.91%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.49(t、J=1.4Hz、1H)、8.45(td、J=1.4、7.9Hz、1H)、8.29(s、1H)、8.05(td、J=1.3、7.7Hz、1H)、7.79(t、J=7.8Hz、1H)、7.07(s、2H)、6.30-6.06(m、2H)、5.80(s、2H)、5.25(s、2H)。
実施例1.11:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物203)の製造
Figure 2023549927000034
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、3時間。
段階1:3-(6-アミノ-1-(2-フルオロ-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の(3-シアノ-2-フルオロ-フェニル)ボロン酸(383mg、2.33mmol、1.5当量)、中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、Pd(PPh34(179mg、0.1当量)、K2CO3(428mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンを除去して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@30mL/分の溶離液)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(300mg、収率48%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=407.9(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物203)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の3-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(209mg、1当量)の溶液に、鉄粉(143mg、5当量)およびNH4Cl(219mg、8当量)を添加した。混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、エタノールを除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:33%-53%、10分)で精製した。80%純度の所望の化合物を得た後、残留物を2回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:22%-52%、7分)で精製した。化合物203または3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(62.37mg、収率31%、純度97.40%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.21-8.10(m、2H)、7.98(d、J=3.7Hz、1H)、7.61(t、J=7.8Hz、1H)、7.14(s、2H)、6.97-6.84(m、1H)、6.32(s、1H)、6.31-6.28(m、1H)、5.42(s、2H)、5.27(s、2H)。
実施例1.12:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物208)の製造
Figure 2023549927000035
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl4、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、15時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、1時間。
段階1:3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの製造
水(2mL)およびジオキサン(8mL)中の中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1.17mmol、1当量)の溶液に(3-シアノ-2-フルオロ-フェニル)ボロン酸(300mg、1.82mmol、1.55当量)、Pd(dppf)Cl2(86mg、117.41μmol、0.1当量)およびK2CO3(325mg、2.35mmol、2当量)を添加した。その後、混合物を110℃で15時間撹拌した。その後、混合物を真空で濃縮して残留物を得、それをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、20~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@50mL/分の溶離液)で精製した。化合物3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(140mg、322.25μmol、収率27%、純度97.9%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.20-8.12(m、2H)、8.12-8.05(m、2H)、7.99(d、J=3.6Hz、1H)、7.60(t、J=7.8、1H)、7.22(s、2H)、5.54(s、2H)。MS:m/z=426.1(M+1、ESI+)。
段階2:3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリル(化合物208)の製造
エタノール(8mL)および水(2mL)中の3-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(140mg、329.16μmol、1当量)の溶液に、鉄粉(92mg、1.65mmol、5当量)およびNH4Cl(140mg、2.63mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。混合物に水(50mL)を添加した後、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:35%-75%、15分)で精製した。化合物208または3-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(44.01mg、109.41μmol、収率33%、純度98.28%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.14(dd、J=6.7、7.7Hz、2H)、7.93(d、J=3.6Hz、1H)、7.60(t、J=7.8Hz、1H)、7.13(s、2H)、6.27-6.07(m、2H)、5.80(s、2H)、5.24(s、2H)。
実施例1.13:4-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物234)の製造
Figure 2023549927000036
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、80℃、16時間。
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S10または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(300mg、1当量)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(279mg、1.2当量)、K2CO3(279mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(74mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンを除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:38%-58%、10分)で精製した。化合物234または4-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(124.39mg、収率34%、純度99.96%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.96(d、J=5.1Hz、1H)、8.58(d、J=0.6Hz、1H)、8.41-8.39(m、1H)、8.39-8.36(m、1H)、7.51-7.41(m、1H)、7.25(s、2H)、7.17-7.08(m、2H)、5.47(s、2H)。
実施例1.14:4-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物226)の製造
Figure 2023549927000037
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、80℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、2時間。
段階1:4-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1.17mmol、1当量)の溶液に4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(540mg、2.35mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl2(86mg、117.41μmol、0.1当量)およびK2CO3(325mg、2.35mmol、2当量)を添加した。その後、混合物を100℃で15時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(20gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~60%酢酸エチル/石油エーテル勾配@50mL/分の溶離液)で精製した。化合物4-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(300mg、625.68μmol、収率53%、純度85%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.96(d、J=5.1Hz、1H)、8.58(s、1H)、8.43(s、1H)、8.38(dd、J=1.7、5.1Hz、1H)、8.09(br d、J=7.1Hz、2H)、7.28(br s、2H)、5.56(s、2H)。MS:m/z=409.1(M+1、ESI+)。
段階2:4-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物226)
水(3mL)およびエタノール(9mL)中の4-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(300mg、734.72μmol、1当量)の混合物に、鉄粉(205mg、3.67mmol、5当量)およびNH4Cl(314mg、5.88mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。混合物に水(30mL)を添加し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、濾液を真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘクサン-エタノール(0.1%NH3・H2O)];B%:30%-70%、15分)で精製した。化合物226または4-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(70.80mg、178.73μmol、収率24%、純度95.51%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.96(dd、J=0.8、5.1Hz、1H)、8.58(dd、J=0.8、1.6Hz、1H)、8.46-8.24(m、2H)、7.19(s、2H)、6.29-6.08(m、2H)、5.80(s、2H)、5.26(s、2H)。
実施例1.15:4-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物230)の製造
Figure 2023549927000038
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、3時間。
段階1:4-(6-アミノ-1-(3-メチル-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S8または4-クロロ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(541mg、1.5当量)、K2CO3(433mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(114mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素(N2)雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@30mL/分の溶離液)で精製した。化合物4-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(500mg、収率82.49%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.99(dd、J=0.7、5.1Hz、1H)、8.56(s、1H)、8.43(dd、J=1.7、5.1Hz、1H)、7.98-7.91(m、1H)、7.39-7.31(m、1H)、7.30-7.07(m、3H)、5.68-5.49(m、2H)、2.49-2.47(m、3H)。MS:m/z=387.1(M+1、ESI+)。
段階2:4-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物230)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の4-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(400mg、1当量)の溶液に、鉄粉(289mg、5当量)およびNH4Cl(443mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:15%-45%、11.5分)で精製した。化合物230または4-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-3-メチル-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(41.4mg、収率7%、純度95.38%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.97(dd、J=0.6、5.1Hz、1H)、8.60(d、J=0.9Hz、1H)、8.44(s、1H)、8.40(dd、J=1.7、5.1Hz、1H)、7.17(s、2H)、6.93-6.79(m、2H)、6.52(d、J=8.1Hz、1H)、5.24(s、2H)、4.81(s、2H)、1.99(s、3H)。
実施例1.16:6-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物215)の製造
Figure 2023549927000039
試薬と条件:(a)NaOMe、MeOH、25℃、0.5時間;(b)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(c)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、3時間。
段階1:(6-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(中間体化合物S13)の製造
メタノール(10mL)中のメトキシドナトリウム(212mg、1当量)の溶液に、メチル3-[(6-シアノ-2-ピリジル)スルホニル]プロパノエート(1g、1当量)を添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、メタノールを除去して残留物を得た。中間体化合物S13の粗生成物または(6-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(1g、粗製)を黄色固体として収得し、追加的な精製なく次の段階で使用した。MS:m/z=167.0(M+1、ESI+)。
段階2:6-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの製造
ジオキサン(5mL)中の中間体化合物S13または4-クロロ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、(6-シアノ-2-ピリジル))スルフィニルオキシナトリウム(374mg、1.2当量)、酢酸パラジウム(36mg、0.1当量)、Cy3P(92mg、0.2当量)およびK2CO3(453mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、70~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物6-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(200mg、504.92μmol、収率31%、純度94%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.66(dd、J=1.3、8.0Hz、1H)、8.50(s、1H)、8.35-8.30(m、1H)、8.28-8.24(m、1H)、8.20(d、J=8.9Hz、2H)、7.41(d、J=8.9Hz、2H)、7.20(s、2H)、5.64(s、2H)。MS:m/z=373.1(M+1、ESI+)。
段階3:6-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物215)の製造
水(5mL)およびエタノール(15mL)中の6-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(200mg、1当量)の溶液に、鉄粉(150mg、5当量)およびNH4Cl(230mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールと水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:10%-40%、11.5分)で精製し、所望の化合物を純度89%で得て、残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:20%-60%、15分)で再精製し、純度91%の所望の化合物を得た。その後、残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:16%-46%、10分)で精製した。化合物215または6-[6-アミノ-1-[(4-アミノフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(21.55mg、収率11%、純度98.25%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.65(d、J=7.6Hz、1H)、8.39(s、1H)、8.35-8.27(m、1H)、8.26-8.22(m、1H)、7.12(s、2H)、6.94(br d、J=8.3Hz、2H)、6.48(br d、J=8.3Hz、2H)、5.25(s、2H)、5.03(s、2H)。
実施例1.17:6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物219)の製造
Figure 2023549927000040
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、THF/H2O、80℃、4時間。
段階1:6-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの製造
ジオキサン(5mL)中の中間体化合物S13または(6-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(495.01mg、2.60mmol、1.2当量)、中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(700mg、2.17mmol、1当量)、酢酸パラジウム(48.70mg、216.93μmol、0.1当量)、Cy3P(121.67mg、433.86μmol、140.66μL、0.2当量)およびK2CO3(599.64mg、4.34mmol、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、10~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配@40mL/分の溶離液)で精製した。化合物6-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(220mg、503.88μmol、収率26%、純度89.4%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.66(dd、J=1.1、7.9Hz、1H)、8.49(s、1H)、8.36-8.29(m、1H)、8.28-8.23(m、1H)、8.16(dd、J=2.3、9.8Hz、1H)、8.04(dd、J=1.8、8.6Hz、1H)、7.29(t、J=8.0Hz、1H)、7.22(s、2H)、5.64(s、2H)。
段階2:6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物219)の製造
THF(10mL)および水(2mL)中の6-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(200mg、512.39μmol、1当量)の混合物に、鉄粉(143mg、2.56mmol、5当量)およびNH4Cl(219.27mg、4.10mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を80℃で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液に50mLの飽和NaHCO3水溶液を添加して、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:35%-75%、15分)で精製した。化合物219または6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(56.69mg、151.63μmol、収率30%、純度96.38%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.65(dd、J=1.2、8.0Hz、1H)、8.39(s、1H)、8.34-8.29(m、1H)、8.26-8.22(m、1H)、7.13(s、2H)、6.95-6.79(m、1H)、6.31(dd、J=1.8、5.4Hz、1H)、6.28(s、1H)、5.40(s、2H)、5.29(s、2H)。
実施例1.18:6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物223)の製造
Figure 2023549927000041
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、THF/H2O、80℃、5時間。
段階1:6-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの製造
ジオキサン(15mL)中の中間体化合物S13または6-シアノピリジン-2-スルフィン酸ナトリウム(530mg、2.79mmol、2当量)、中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(470mg、1.38mmol、0.99当量)、酢酸パラジウム(31mg、139.36μmol、0.1当量)、Cy3P(78mg、278.72μmol、0.2当量)およびK2CO3(385mg、2.79mmol、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下で120℃で16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(20gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、30~60%酢酸エチル/石油エーテル勾配@50mL/分の溶離液)で精製した。化合物6-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(180mg、290.95μmol、収率21%、純度66%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.65(dd、J=1.1、8.0Hz、1H)、8.38(s、1H)、8.35-8.33(m、1H)、8.26-8.21(m、1H)、8.12-8.06(m、2H)、7.22(s、2H)、5.57(s、2H)。MS:m/z=409.0(M+1、ESI+)。
段階2:6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物223)
THF(10mL)および水(3mL)中の6-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(180mg、290.95μmol、純度66%、1当量)の混合物に、鉄粉(81mg、1.45mmol、5当量)およびNH4Cl(124mg、2.33mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を80℃で5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液に飽和NaHCO3水溶液(50mL)を添加して、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%水酸化アンモニウム)];B%:40%-80%、10分)で精製した。化合物223または6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(24.24mg、60.94μmol、収率21%、純度95.11%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.65(dd、J=0.9、8.0Hz、1H)、8.35(s、1H)、8.34-8.29(m、1H)、8.27-8.21(m、1H)、7.13(s、2H)、6.18(d、J=10.3Hz、2H)、5.80(s、2H)、5.27(s、2H)。
実施例1.19:6-(6-アミノ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物231)の製造
Figure 2023549927000042
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、10時間、MW。
ジオキサン(2mL)中の(6-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(231mg、1.2当量)、中間体化合物S10または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(300mg、1当量)、酢酸パラジウム(23mg、0.1当量)、Cy3P(57mg、0.2当量)およびK2CO3(280mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物をマイクロ波の条件下で120℃で10時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:37%-67%、11分)で精製した。化合物231または6-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(70.52mg、収率18%、純度95.65%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.65(dd、J=1.0、8.0Hz、1H)、8.36(s、1H)、8.33-8.27(m、1H)、8.26-8.20(m、1H)、7.51-7.41(m、1H)、7.18(s、2H)、7.12(t、J=8.0Hz、2H)、5.48(s、2H)。
実施例1.20:6-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物227)の製造
Figure 2023549927000043
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:6-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの製造
ジオキサン(5mL)中の中間体化合物S13または(6-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(356mg、1.2当量)、中間体化合物S8または4-クロロ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、酢酸パラジウム(35mg、0.1当量)、Cy3P(88mg、0.2当量)およびK2CO3(433mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);24gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、50~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物6-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(300mg、収率40%、純度81%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.66(dd、J=1.1、7.9Hz、1H)、8.48(s、1H)、8.37-8.29(m、1H)、8.28-8.22(m、1H)、7.95(d、J=8.5Hz、1H)、7.32(s、1H)、7.24-7.14(m、3H)、5.55(s、2H)、2.47(s、3H)。MS:m/z=387.1(M+1、ESI+)。
段階2:6-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物227)の製造
水(5mL)およびエタノール(15mL)中の6-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(311mg、1当量)の溶液に、鉄粉(225mg、5当量)およびNH4Cl(344mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールと水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:10%-40%、11.5分)で精製し、所望の化合物を純度88%で得て、残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-SiOH 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:15%-55%、15分)で再精製し、純度90%の所望の化合物を得た。その後、残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-SiOH 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:15%-55%、15分)で精製し、純度91%の所望の化合物を得た。最後に、残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:21%-51%、10分)で精製した。化合物227または6-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-3-メチル-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(30.69mg、収率10%、純度98.87%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.65(dd、J=1.1、8.0Hz、1H)、8.39(s、1H)、8.34-8.27(m、1H)、8.26-8.20(m、1H)、7.11(s、2H)、6.86(s、1H)、6.82(dd、J=1.9、8.1Hz、1H)、6.52(d、J=8.0Hz、1H)、5.24(s、2H)、4.80(s、2H)、1.99(s、3H)。
実施例1.21:2-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物216)の製造
Figure 2023549927000044
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:2-(6-アミノ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリルの製造
ジオキサン(5mL)中の4-シアノピリジン-2-スルフィン酸ナトリウム(298mg、1.2当量)、中間体化合物S3または4-クロロ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1当量)、酢酸パラジウム(29mg、0.1当量)、Cy3P(73mg、0.2当量)およびK2CO3(362mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした。その後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、70-90%酢酸エチル/石油エーテル勾配@30mL/分の溶離液)で精製した。化合物2-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(300mg、収率55%、純度89%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=373.1(M+1、ESI+)。
段階2:2-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物216)の製造
水(5mL)およびエタノール(15mL)中の2-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(300mg、1当量)の溶液に、鉄粉(225mg、5当量)およびNH4Cl(345mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールと水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:18%-48%、8分)で精製し、純度80%の所望の化合物を得た。その後、残留物を2回目の分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-SiOH 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:15%-55%、15分)で精製し、純度80%の所望の化合物を得た。最後に、残留物を3回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:17%-47%、10分)で精製した。化合物216または2-[6-アミノ-1-[(4-アミノフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(23.18mg、収率8%、純度95.02%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.54(d、J=2.1Hz、1H)、9.22(d、J=2.0Hz、1H)、8.92(t、J=2.1Hz、1H)、8.45(s、1H)、7.13(s、2H)、6.96(d、J=8.4Hz、2H)、6.63-6.37(m、2H)、5.25(s、2H)、5.04(s、2H)。HRMS-TOF:343.1408.
実施例1.22:2-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物220)の製造
Figure 2023549927000045
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、1時間。
段階1:2-(6-アミノ-1-(2-フルオロ-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリルの製造
ジオキサン(5mL)中の4-シアノピリジン-2-スルフィン酸ナトリウム(424mg、1.2当量)、中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(600mg、1当量)、酢酸パラジウム(41mg、0.1当量)、Cy3P(104mg、0.2当量)およびK2CO3(513mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、70-90%酢酸エチル/石油エーテル勾配@30mL/分の溶離液)で精製した。化合物2-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(300mg、収率41%、純度99%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.13-9.06(m、1H)、8.68(dd、J=0.9、1.5Hz、1H)、8.55(s、1H)、8.16(dd、J=2.3、9.9Hz、1H)、8.09(dd、J=1.6、4.9Hz、1H)、8.03(dd、J=2.1、8.5Hz、1H)、7.30(t、J=8.0Hz、1H)、7.21(s、2H)、5.63(s、2H)。
段階2:2-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物220)の製造
水(5mL)およびエタノール(15mL)中の2-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(300mg、1当量)の溶液に、鉄粉(214mg、5当量)およびNH4Cl(328mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールと水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOHカラム:Welch Ultimate XB-SiOH 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:15%-55%、15分(0.1%NH3・H2O)];B%:30%-70%、15分)で精製し、分取HPLCの後、純度90%の所望の化合物を得て、残留物を2回目の分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%水酸化アンモニウム)];B%:30%-70%、15分)で精製した。化合物220または2-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(33.67mg、89.81μmol、純度96.12%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.08(dd、J=0.7、5.0Hz、1H)、8.68(d、J=1.3Hz、1H)、8.46(s、1H)、8.08(dd、J=1.6、5.0Hz、1H)、7.13(s、2H)、6.88(t、J=8.4Hz、1H)、6.33-6.30(m、1H)、6.29(s、1H)、5.40(s、2H)、5.29(s、2H)。
実施例1.23:2-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(化合物224)の製造
Figure 2023549927000046
試薬と条件:(a)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、3時間;(b)Pd(OAc)2、K2CO3、PCy3、ジオキサン、120℃、16時間。
段階1:1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロベンジル)-4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(中間体化合物S14)の製造
水(3mL)およびエタノール(10mL)中の中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(700mg、1.38mmol、純度67%、1当量)の混合物に、鉄粉(385mg、6.88mmol、5当量)およびNH4Cl(590mg、11.01mmol、8当量)を添加した。次いで、混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。混合物に水(30mL)を添加し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:20%-60%、15分)で精製した。中間体化合物S14または1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロベンジル)-4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1.03mmol、収率75%、純度88%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=7.92(s、1H)、7.32(s、2H)、6.25-6.09(m、2H)、5.80(s、2H)、5.18(s、2H)。
段階2:2-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(化合物224)
ジオキサン(10mL)中の(4-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(550mg、2.89mmol、2.55当量)、中間体化合物S14または1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]-4-クロロ-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1.13mmol、純度88%、1当量)、酢酸パラジウム(25mg、113.30μmol、0.1当量)、Cy3P(63mg、226.59μmol、73.46μL、0.2当量)およびK2CO3(313mg、2.27mmol、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(20gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、20~40%酢酸エチル/石油エーテル勾配@40mL/分の溶離液)で精製した。化合物224または2-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(70mg、181.87μmol、収率16%、純度98.30%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.07(dd、J=0.8、5.0Hz、1H)、8.67(dd、J=0.9、1.5Hz、1H)、8.41(s、1H)、8.06(dd、J=1.7、5.0Hz、1H)、7.11(s、2H)、6.27-6.11(m、2H)、5.79(s、2H)、5.26(s、2H)。
実施例1.24:2-(6-アミノ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物232)の製造
Figure 2023549927000047
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間。
ジオキサン(5mL)中の(4-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(232mg、1.2当量)、中間体化合物S10または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(300mg、1当量)、酢酸パラジウム(23mg、0.1当量)、Cy3P(57mg、0.2当量)およびK2CO3(281mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:43%-63%、10分)で精製した。化合物232または2-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(66.33mg、収率18%、純度99.34%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.06(d、J=5.0Hz、1H)、8.67(s、1H)、8.44-8.38(m、1H)、8.09-8.03(m、1H)、7.51-7.39(m、1H)、7.22-7.15(m、2H)、7.14-7.09(m、2H)、5.47(s、2H)。
実施例1.25:2-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物228)の製造
Figure 2023549927000048
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、K2CO3、Cy3P、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:2-(6-アミノ-1-(3-メチル-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリルの製造
ジオキサン(5mL)中の(4-シアノ-2-ピリジル)スルフィニルオキシナトリウム(215mg、1.2当量)、中間体化合物S8または4-クロロ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(300mg、1当量)、酢酸パラジウム(21mg、0.1当量)、Cy3P(52mg、0.2当量)およびK2CO3(260mg、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);24gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、50~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物2-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(200mg、収率55%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=387.1(M+1、ESI+)。
段階2:2-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)イソニコチノニトリル(化合物228)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の2-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(200mg、1当量)の溶液に、鉄粉(145mg、5当量)およびNH4Cl(221mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:20%-50%、8分)で精製し、分取HPLCの後、純度80%の所望の化合物を得て、残留物を2回目の分取HPLCで精製した(カラム:Shim-packC18 150*25*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:16%-46%、10分)。化合物228または2-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-3-メチル-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(19.65mg、収率10%、純度96.15%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.08(dd、J=0.8、4.9Hz、1H)、8.67(dd、J=0.9、1.6Hz、1H)、8.45(s、1H)、8.07(dd、J=1.6、5.0Hz、1H)、7.10(s、2H)、6.86(s、1H)、6.82(dd、J=1.9、8.1Hz、1H)、6.51(d、J=8.0Hz、1H)、5.23(s、2H)、4.80(s、2H)、1.98(s、3H)。
実施例1.26:5-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリル(化合物217)の製造
Figure 2023549927000049
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、THF/H2O、60℃、3時間。
段階1:5-(6-アミノ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の(5-シアノ-3-ピリジル)ボロン酸(583mg、1.5当量)、中間体化合物S3または4-クロロ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(800mg、1当量)、K2CO3(726mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(192mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);24gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@30mL/分の溶離液)で精製した。化合物5-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(800mg、収率82%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.63-9.52(m、1H)、9.37-9.31(m、2H)、9.25-9.23(m、1H)、9.15-9.12(m、2H)7.46-7.42(m、2H)、5.65-5.60(m、2H)。MS:m/z=373.1(M+1、ESI+)。
段階2:5-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリル(化合物217)の製造
THF(15mL)および水(5mL)中の5-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(300mg、1当量)の溶液に、鉄粉(224mg、5当量)およびNH4Cl(344mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、THFおよび水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:10%-40%、11.5分)で精製した。化合物217または5-[6-アミノ-1-[(4-アミノフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(27.63mg、収率7%、純度98.17%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.54(d、J=2.1Hz、1H)、9.22(d、J=2.0Hz、1H)、8.92(t、J=2.1Hz、1H)、8.45(s、1H)、7.13(s、2H)、6.96(d、J=8.4Hz、2H)、6.63-6.37(m、2H)、5.25(s、2H)、5.04(s、2H)。
実施例1.27:5-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物221)の製造
Figure 2023549927000050
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:5-(6-アミノ-1-(2-フルオロ-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の(5-シアノ-3-ピリジル)ボロン酸(343mg、1.5当量)、中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(500mg、1当量)、K2CO3(428mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(113mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンを除去して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@30mL/分の溶離液)で精製した。化合物5-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(300mg、収率50%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=390.9(M+1、ESI+)。
段階2:5-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリル(化合物221)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の5-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(300mg、1当量)の溶液に、鉄粉(214mg、5当量)およびNH4Cl(328mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:13%-43%、11.5分)で精製した。化合物221または5-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(37.61mg、収率13%、純度94.57%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.54(d、J=2.1Hz、1H)、9.23(d、J=2.0Hz、1H)、8.91(t、J=2.0Hz、1H)、8.45(s、1H)、7.14(s、2H)、6.90(t、J=8.4Hz、1H)、6.31(d、J=10.8Hz、2H)、5.41(s、2H)、5.29(s、2H)。
実施例1.28:5-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物225)の製造
Figure 2023549927000051
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、100℃、15時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、80℃、2時間。
段階1:5-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S12または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1.17mmol、1当量)の溶液に、(5-シアノ-3-ピリジル)ボロン酸(346mg、2.34mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl2(86mg、117.00μmol、0.1当量)およびK2CO3(323mg、2.34mmol、2当量)を添加した。その後、混合物を100℃で15時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(20gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~60%酢酸エチル/石油エーテル勾配@50mL/分の溶離液)で精製した。化合物225または化合物5-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(400mg、852.27μmol、収率73%、純度87%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.51(d、J=2.0Hz、1H)、9.21(d、J=1.9Hz、1H)、8.89(t、J=2.1Hz、1H)、8.44(s、1H)、8.09(d、J=7.3Hz、2H)、7.23(s、2H)、5.55(s、2H)。MS:m/z=409.0(M+1、ESI+)。
段階2:5-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物225)
水(3mL)およびエタノール(9mL)中の5-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(400mg、979.62μmol、1当量)の混合物に、鉄粉(274mg、4.90mmol、5当量)およびNH4Cl(420mg、7.84mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。次いで、混合物に水(30mL)を添加した後、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:30%-70%、15分)で精製し、不純な生成物を得た。不純な生成物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH(0.1%NH3・H2O)];B%:25%-65%、15分)で再精製した。化合物225または5-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(113.05mg、297.07μmol、収率30%、純度99.42%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.52(d、J=2.1Hz、1H)、9.21(d、J=1.8Hz、1H)、8.89(t、J=2.1Hz、1H)、8.38(s、1H)、7.13(s、2H)、6.18(d、J=10.1Hz、2H)、5.25(s、2H)。
実施例1.29:5-(6-アミノ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリル(化合物233)の製造
Figure 2023549927000052
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間。
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S10または4-クロロ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(400mg、1当量)、(5-シアノ-3-ピリジル)ボロン酸(300mg、1.5当量)、K2CO3(373mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(99mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンを除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(コラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150*50mm*3μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:45%-65%、10分)で精製し、所望の化合物を純度80%で得た後、2回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:31%-61%、10分)で精製した。化合物233または5-[6-アミノ-1-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(69.15mg、収率14%、純度97.76%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.96(d、J=5.1Hz、1H)、8.58(d、J=0.6Hz、1H)、8.41-8.39(m、1H)、8.39-8.36(m、1H)、7.51-7.41(m、1H)、7.25(s、2H)、7.17-7.08(m、2H)、5.47(s、2H)。
実施例1.30:5-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリル(化合物229)の製造
Figure 2023549927000053
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:5-(6-アミノ-1-(3-メチル-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリルの製造
ジオキサン(10mL)中の(5-シアノ-3-ピリジル)ボロン酸(208mg、1.5当量)、中間体化合物S8または4-クロロ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(300mg、1当量)、K2CO3(260mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(68.87mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);24gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物5-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(300mg、収率82%)を黄色固体として収得した。MS:m/z=386.9(M+1、ESI+)。
段階2:5-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-メチルベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ニコチノニトリル(化合物229)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の5-[6-アミノ-1-[(3-メチル-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(400mg、1当量)の溶液に、鉄粉(289mg、5当量)およびNH4Cl(443mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Shim-packC18 150*25*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:12%-42%、10分)で精製し、所望の化合物を純度92%で得た後、混合物を2回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:14%-44%、11.5分)で精製した。化合物229または5-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-3-メチル-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(58.12mg、収率15%、純度97.57%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.53(d、J=2.1Hz、1H)、9.22(d、J=2.1Hz、1H)、8.91(t、J=2.1Hz、1H)、8.43(s、1H)、7.12(s、2H)、6.91-6.77(m、2H)、6.52(d、J=8.1Hz、1H)、5.23(s、2H)、4.80(s、2H)、1.99(s、3H)。
実施例1.31:4-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物218)の製造
Figure 2023549927000054
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:4-(6-アミノ-1-(4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S3または4-クロロ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(800mg、1当量)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(906mg、1.5当量)、K2CO3(725mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(192mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、30~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物4-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(500mg、収率51%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.05-8.94(m、1H)、8.84-8.71(m、2H)、8.58(s、1H)、8.43(dd、J=1.8、5.1Hz、1H)、8.09-8.07(m、1H)、7.46-7.41(m、2H)、7.31-7.24(m、2H)、5.67-5.61(m、2H)。MS:m/z=372.9(M+1、ESI+)。
段階2:4-(6-アミノ-1-(4-アミノベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物218)の製造
水(5mL)およびエタノール(15mL)中の4-[6-アミノ-1-[(4-ニトロフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(300mg、1当量)の溶液に、鉄粉(224mg、5当量)およびNH4Cl(344mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、エタノールと水を除去して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:12%-42%、11.5分)で精製し、所望の化合物を純度80%で得た後、残留物を2回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:16%-46%、8分)で精製した。化合物218または4-[6-アミノ-1-[(4-アミノフェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(52.04mg、収率18%、純度95.28%)を白色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.97(d、J=5.1Hz、1H)、8.60(d、J=0.7Hz、1H)、8.44(s、1H)、8.40(dd、J=1.6、5.1Hz、1H)、7.18(s、2H)、6.96(d、J=8.3Hz、2H)、6.48(d、J=8.4Hz、2H)、5.25(s、2H)、5.04(s、2H)。
実施例1.32:4-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物222)の製造
Figure 2023549927000055
試薬と条件:(a)Pd(dppf)Cl2、K2CO3、ジオキサン/H2O、110℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、2時間。
段階1:4-(6-アミノ-1-(2-フルオロ-4-ニトロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリルの製造
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の中間体化合物S11または4-クロロ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(1g、1当量)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(784mg、1.1当量)、K2CO3(856mg、2当量)、Pd(dppf)Cl2(226mg、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジオキサンを除去して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~80%酢酸エチル/石油エーテル勾配@35mL/分の溶離液)で精製した。化合物4-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(1g、収率83%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.98(dd、J=0.7、5.1Hz、1H)、8.65-8.59(m、2H)、8.56(s、1H)、8.41(dd、J=1.7、5.1Hz、1H)、7.61-7.54(m、1H)、7.34(t、J=8.0Hz、1H)、7.31-7.23(m、2H)、5.63(s、2H)。MS:m/z=391.1(M+1、ESI+)。
段階2:4-(6-アミノ-1-(4-アミノ-2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピコリノニトリル(化合物222)の製造
エタノール(15mL)および水(5mL)中の4-[6-アミノ-1-[(2-フルオロ-4-ニトロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(500mg、1当量)の溶液に、鉄粉(357mg、5当量)およびNH4Cl(548mg、8当量)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:15%-45%、11.5分)で精製し、所望の化合物を純度79%で得て、残留物を2回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:18%-48%、8min)で精製し、所望の化合物を81%純度で得た。最後に残留物を3回目の分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3μm;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニウムv/v)-ACN];B%:16%-46%、11.5分)で精製した。化合物222または4-[6-アミノ-1-[(4-アミノ-2-フルオロ-フェニル)メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(31.41mg、95.76%純度)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=8.97(dd、J=0.8、5.1Hz、1H)、8.60(dd、J=0.8、1.7Hz、1H)、8.44(s、1H)、8.40(dd、J=1.8、5.1Hz、1H)、7.19(s、2H)、6.89(t、J=8.4Hz、1H)、6.37-6.24(m、2H)、5.46-5.37(m、2H)、5.32-5.22(m、2H)。
実施例1.33:2-[6-アミノ-1-[[4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(化合物235)
Figure 2023549927000056
試薬と条件:(a)Pd(OAc)2、Cy3P、K2CO3、ジオキサン、120℃、16時間;(b)Fe、NH4Cl、EtOH/H2O、60℃、8時間。
段階1:2-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリルの製造
ジオキサン(10mL)中の4-シアノピリジン-2-スルフィン酸ナトリウム(420mg、2.21mmol、2当量)、中間体化合物S9または4-クロロ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(435mg、1.10mmol、純度94.74%、1当量)、酢酸パラジウム(25mg、110.49μmol、0.1当量)、Cy3P(62mg、220.98μmol、71.64μL、0.2当量)およびK2CO3(305mg、2.21mmol、2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージした後、混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(12gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、30~60%酢酸エチル/石油エーテル勾配@40mL/分の溶離液)で精製した。化合物2-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(160mg、354.13μmol、収率32%、純度97.46%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.09(d、J=4.9Hz、1H)、8.68(s、1H)、8.57(d、J=1.0Hz、1H)、8.17-8.04(m、2H)、7.96(s、1H)、7.60(dd、J=1.2、8.4Hz、1H)、7.20(s、2H)、5.69(s、2H)。MS:m/z=441.1(M+1、ESI+)。
段階2:2-[6-アミノ-1-[[4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(化合物235)
エタノール(10mL)および水(3mL)中の2-[6-アミノ-1-[[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(150mg、340.65μmol、1当量)の溶液に、鉄粉(95mg、1.70mmol、5当量)およびNH4Cl(146mg、2.73mmol、8当量)を添加した。その後、混合物を60℃で8時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液に飽和NaHCO3溶液(50mL)を添加して、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*70*10μm;移動相:[ヘクサン-エタノール(0.1%水酸化アンモニウム)];B%:20%-60%、15分)で精製した。化合物235または2-[6-アミノ-1-[[4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピリジン-4-カルボニトリル(76.29mg、180.52μmol、収率53%、純度97.10%)を黄色固体として収得した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=9.08(dd、J=0.7、5.0Hz、1H)、8.67(d、J=0.9Hz、1H)、8.47(s、1H)、8.07(dd、J=1.6、5.0Hz、1H)、7.28(d、J=1.6Hz、1H)、7.18(dd、J=1.3、8.6Hz、1H)、7.14(s、2H)、6.77(d、J=8.4Hz、1H)、5.59(s、2H)、5.31(s、2H)。
<実施例2:ピラゾロ-ピリミジン化合物の活性の評価>
2.1.ヒトアデノシンA1受容体の結合アッセイ
一般的な方法
試験化合物を秤量し、DMSOに溶解して10mMのストック溶液を製造し、DMSOで希釈して作業溶液を製造した後、指示された濃度に100倍希釈する。CHO-K1細胞で発現したヒト組換えアデノシンA1受容体を使用して、インキュベーションバッファー(20mM HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH7.4、10mM MgCl2、100mM NaCl)でメンブレンを用意した。試験化合物またはビヒクル(2.2μL)を200μLのメンブレンに添加し、20μLの1nM[3H]DPCPX(8-シクロペンチル-1,3-ジプロピルキサンチン)とともに25℃で90分間インキュベートした。非特異的結合は、100μMのR(-)-PIA((R)-N-(1-メチル-2-フェニルエチル)アデノシン)の存在下で推定された。ハーベスターを使用して0.3%PEI(ポリエチレンイミン)で事前に浸したGF/Bフィルター上に真空濾過によりインキュベーションを停止し、続いて氷冷した50mM Tris-HCl、pH7.4で4回洗浄し、GF/Bフィルターマットの放射性をシンチレーションカウンター(PerkinElmer Topcount(登録商標))を使用してカウントして、特異的に結合している[3H]DPCPXを確認する。ビヒクルDMSOの最終濃度は1%である。
データは、Meth-IQソフトウェア(ID Business Solutions Ltd.、UK)の非線形カーブフィッティングルーチンを使用してフィッティングされる。IC50は、Cheng-Prusoffの式によってKiに変換される。
i=IC50/(1+[L]/KD
ここで、[L]は、アッセイで使用される放射性標識リガンドの濃度である。
2.2.ヒトアデノシンA2A受容体の結合アッセイ
一般的な方法
試験化合物を秤量し、DMSOに溶解して10mMのストック溶液を製造し、DMSOで希釈して作業溶液を調製した後、指示された濃度に100倍希釈する。HEK-293細胞で発現したヒト組換えアデノシンA2A受容体を使用して、インキュベーションバッファー(50mM Tris-HCl、pH7.4、10mM MgCl2、1mM EDTA、2U/mlアデノシンデアミナーゼ)でメンブレンを用意した。試験化合物またはビヒクル(2.2μL)を200μLのメンブレンに添加し、20μLの50nM[3H]CGS-21680とともに25℃で90分間インキュベートした。非特異的結合は、50μMのNECA(5’-N-エチルカルボキサミドアデノシン)の存在下で推定された。ハーベスターを使用して0.3%PEI(ポリエチレンイミン)で事前に浸したGF/Bフィルター上に真空濾過によりインキュベーションを停止し、続いて氷冷した50mM Tris-HCl、pH7.4で4回洗浄し、GF/Bフィルターマットの放射性をシンチレーションカウンター(PerkinElmer Topcount(登録商標))を使用してカウントして、特異的に結合している[3H]CGS-21680を確認する。ビヒクルDMSOの最終濃度は1%である。
データは、Meth-IQソフトウェア(ID Business Solutions Ltd.、UK)の非線形カーブフィッティングルーチンを使用してフィッティングされる。IC50はCheng-Prusoffの式によってKiに変換される。
i=IC50/(1+[L]/KD
ここで、[L]は、アッセイで使用される放射性標識リガンドの濃度である。
2.3.結果
選択された化合物のA2AおよびA1受容体結合親和性を実施例2.1および2.2に記載の結合アッセイを使用して評価した。参照アデノシン受容体拮抗薬化合物としてイストラデフィリン(Istradefylline)(CAS No.155270-99-8)の結合親和性もこのアッセイで測定した。
表2:例示的な化合物のA2AおよびA1受容体結合親和性
A2A受容体結合親和性の場合:
A:Ki≦20nM
B:20nM<Ki≦200nM
C:200nM<Ki≦1000nM
D:1000nM<Ki≦5000nM
A1受容体結合親和性の場合:
A:Ki≦0.1μM
B:0.1μM<Ki≦1μM
C:1μM<Ki≦10μM
D:Ki>10μM
Figure 2023549927000057

Figure 2023549927000058
表2のA2A受容体結合アッセイの結果は、本開示の化合物がA2A受容体拮抗薬として作用可能なことを示している。一部化合物は、A2A受容体およびA1受容体の両方のデュアル拮抗薬として強力な活性を示した。例えば、表2の化合物203、206、207、208、211および213を参照し得る。
<生物学的実施例1:動物モデルにおけるインビボ(in vivo)神経変性疾患の治療活性の評価>
1.1.方法および材料
パーキンソン病(PD)動物モデルを作製するため、約9週齢の雌ラット(Wistar Han)67匹に片側性(unilateral)6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)病変を誘発させた。6-OHDA病変を誘発するため、各動物の内側前脳束(MFB)に2μl(4μg/μl)を1回注射した。6-OHDAはPDのモデルとして黒質線条体のドーパミン性システムを損傷させるために広く使用される。
注射から3週後、運動非対称(locomotor asymmetry)評価のためのシリンダーテストを行い、6-OHDA病変の効能を決定した(4匹の動物はテスト前に死亡した)。シリンダーテストの結果によって、6-OHDA病変動物が研究にさらに投入された。化合物単独試験群(B+C)において、動物(n=52)にL-DOPA(レボドパまたはL-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)プライミング(priming)を提供した(2匹の動物はグループ割り当て前に死亡した)。症状が発現しない動物(n=11)は試験化合物の追加投与または組織収集なしに除去した。
シリンダーテストにおいて、基準線を評価した後、すべての動物を21日間連続してL-DOPA/ベンセラジド(10/15mg/kgip)で治療した。行動評価は、ALO(体幹(axial)、四肢(limb)および口舌側(orolingual))の異常不随意運動スコア(AIMS)およびL-DOPA誘導回転テストで再度行われた。化合物単独試験群で強力な症状を見せる動物を試験群に割り当てた(グループBの場合n=12、グループCの場合n=11)。症状が現れないグループBおよびグループCの動物(n=27)は試験化合物の追加投与または組織収集なしに除去した。
残り23匹の動物には、1つのビヒクル、四種の異なる用量の3-(6-アミノ-1-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物210、「TI」とも称する)、または表3に記載のような参照化合物L-DOPA(ベンセラジド)を経口(グループBおよびグループCでPO)または鼻腔内(グループCでIN)経路で総6回投与した。
各処理時点の後、すべての動物に対して体幹、四肢および口舌側の異常不随意運動スコア(ALOのAIMS)を評価した。追加的に、単独治療を受けた動物をシリンダーテストで評価した。
すべてのテストは、処理の後、定義された期間内に時間臨界方式(time critical manner)で行われた。
1.2.シリンダーテスト
試験に使用されたすべての動物を対象に、処理日(L-DOPAプライミング終了の4日後)にシリンダーテストを行った。動物はビヒクル、L-DOPA/ベンセラジド、化合物210(TI)のIN投与から1時間後(+/-5分)、および試験化合物のPO投与から3時間後(+/-5分)にテストした。シリンダーテストは、垂直探索活動(立ち上がり行動(rearing))における前肢使用の非対称性を評価することを目標とする。動物を直径20cm、高さ40cmのシリンダーに入れた。各動物は5分間個別的に評価された。右側足、左側足、および両側足が同時にシリンダー壁に触れる回数を数えた。結果は百分率で提供され、次のように計算された。右側足、左側足および両側足がシリンダー壁に接触したテスト総合が100%であり、これに基づいて各結果に対する百分率値を計算した(Araujo、2013)。
1.3.体幹、四肢および口舌側の異常不随意運動スコア(ALOのAIMS)の評価
ALOテストは、化合物単独テストに使用されたすべての動物を対象にして治療日(L-DOPAプライミング終了の4日後)に行われた。ALOのAIMSは、ビヒクル、L-DOPA/ベンセラジド、および試験化合物のIN投与の5分後(+/-分)から始めて、試験化合物のPO投与後2時間(+/-5分)およびその後の3時間にかけて20分毎に採点された。すべての動物を寝具類のない空のケージに入れた。ALO(体幹、四肢および口舌側)のAIMSは、CencyおよびLundblad(2007)によって説明されたプロトコルに従って治療盲検観察者によって評価され、前記プロトコルは時間基盤(例えば、持続期間)および深刻度基盤(例えば、振幅)の異常運動の評価をすべて含む。
ALOのAIMSは1分間、180分間にかけて20分毎に採点された。ALOのAIMS持続時間は、0=異常運動症なし;1=観察期間の50%未満で存在する運動異常の間欠的兆候;2=観察期間の50%超過で存在する運動異常の頻繁な兆候;3=全体観察期間で存在するが、外部刺激によって抑制可能な異常運動症;および4=外部刺激によって抑制できない持続的な異常運動症;の尺度で評価された。体幹(axial)のAIM振幅は、次の尺度によって評価された。1=~30°角度で頭と首の持続的な偏差;2=30°~60°の角度で頭と首の持続的な偏差;3=60°~90°の角度で頭、首および上部胴体の持続的な捩れ;および4=90°以上の角度で頭、首および胴体の持続的な捩れ;マウスが両足で立っている姿勢で均衡を失うようにする。
四肢のAIM振幅は、次の尺度によって評価された。1=固定された位置周辺で足の小さい動き;2=足全体の可視的変位を誘発する動き;3=肩筋肉の目立つ収縮とともに四肢全体の大きい変位;および4=肩と伸筋の同時収縮とともに最大振幅の活発な四肢変位。
口舌側のAIM振幅は、次の尺度によって評価された。1=顎を開けず、小さい咀嚼運動を伴った顔面筋肉の攣縮(twitching);2=顎が開く咀嚼運動を伴った顔面筋肉の攣縮;3=頻繁な顎開き、時々舌の突出とともに顔面および咀嚼筋肉の広範囲な介入のある動き;および4=上記のすべての筋肉の最大限の介入(involvement)。統合ALOのAIMは、前述した(Ohlin et al.、2011)ALOのAIM振幅×ALOのAIM持続時間で定義され、累積ALOのAIMは、ALOのAIM持続時間またはALOのAIM振幅の和を他の連続測定時点にかけて現わす(Frouni et al.、2018)。
1.4.動物の体重
毎週体重を記録し、結果を図1に示した。二つの治療群の動物は、典型的な体重増加を見せた。生活期(life phase)全体にかけてグループ間に統計的に有意な差はなかった(図1を参照)。
1.5.結果
結果を図1~図3bに示した。結果(例えば、テスト期間に動物をグループに割り当てた最後のL-DOPAプライミング日に測定されたALOスコア)はプライミング終了時にすべての動物が異常運動症を現すことを示す(図2a)。L-DOPAプライミング休薬期間の4日後、AIMスコアによって検査されたL-DOPA/ベンセラジド-誘導運動異常症がそれ以上観察されず(図2bを参照)、これは動物を化合物210(TI)で処理しても適用経路(経口または鼻腔内)や濃度のすべての面でL-DOPA/ベンセラジドが異常運動症類似副作用を誘導しないことを意味する(図2b)。シリンダーテストの結果は単独(stand-alone)効能研究のテスト期間にすべての病変動物が病変反対側の減少した前肢使用を示した。しかし、増加した反対側四肢使用に対する濃度関連傾向は、ビヒクル処理されたグループと比べて、本発明の化合物(TI)が投与されたグループ(IN経路およびPO経路)で観察された。また、鼻腔内投与はPO投与群に比べて濃度関連傾向がさらに顕著であった。
Figure 2023549927000059
<同等物および参照による組み込み>
本発明が望ましい実施形態および多様な代替の実施形態を参照して具体的に図示され説明されたが、関連技術の当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が可能であることを理解するであろう。したがって、上記の実施形態は、例示を目的とするものであり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書の本文内に引用されているすべての参考文献、発行された特許および特許出願は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (22)

  1. CNS障害または神経変性障害を持っている対象体を治療するための医薬組成物であって、
    活性成分として下記の式(Ia)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含み、
    Figure 2023549927000060
    Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり、
    1~Y4は、独立してCR10とNから選択され、Y1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり、
    10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され、
    aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており、
    Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルである、医薬組成物。
  2. Aは、フェニル、または1つ、2つまたは3つのR20基で置換されたフェニルであり、各R20は、独立して(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. RがHである、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. aおよびRbがそれぞれHである、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前記化合物は、下記の式(II)であり、
    Figure 2023549927000061
    1~R9は、H、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから独立して選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
  6. 1~R9は、独立してH、(C1-C5)アルキル、置換された(C1-C5)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C5)アルコキシ、置換された(C1-C5)アルコキシ、-NH2、置換されたアミノ、ハロゲンおよびヒドロキシルから選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 1~R9は、独立してH、NH2、F、CH3およびCF3から選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記化合物は、下記の式(III)であり、
    Figure 2023549927000062
    21およびR22は、H、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、SO230およびCOR30から独立して選択され、R30は、(C1-C8)アルキルまたは置換された(C1-C8)アルキルである、請求項5に記載の医薬組成物。
  9. 21およびR22は、それぞれHであり、
    5、R6、R8およびR9は、H、(C1-C5)アルキル、置換された(C1-C5)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C5)アルコキシ、置換された(C1-C5)アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシルから独立して選択され、
    2~R4は、それぞれHであり、
    1は、H、(C1-C5)アルキル、置換された(C1-C5)アルキル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C5)アルコキシ、置換された(C1-C5)アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシルから選択される、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 1がH、F、CH3およびCF3から選択される、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 式(Ia)の化合物が以下から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
    Figure 2023549927000063

    Figure 2023549927000064

    Figure 2023549927000065

    Figure 2023549927000066
  12. 前記CNS障害が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症および筋萎縮性側索硬化症から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  13. 前記CNS障害がアデノシン受容体に関連している、請求項1に記載の医薬組成物。
  14. 前記アデノシン受容体がアデノシン受容体A2Aおよび/またはA1である、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 前記CNS障害がパーキンソン病である、請求項1に記載の医薬組成物。
  16. 閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髄損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された神経変性をもたらす損傷または疾病を治療するための医薬組成物であって、
    前記組成物は、活性成分として下記の式(Ia)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含み、
    Figure 2023549927000067
    Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり、
    1~Y4は、独立してCR10とNから選択され、Y1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり、
    10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され、
    aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており、
    Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルである、医薬組成物。
  17. 前記神経変性を誘発する疾病がパーキンソン病である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 運動障害を治療するための医薬組成物であって、
    前記組成物は、活性成分として下記の(Ia)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含み、
    Figure 2023549927000068
    Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり、
    1~Y4は、独立してCR10とNから選択され、Y1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり、
    10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され、
    aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており、
    Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルである、医薬組成物。
  19. 前記運動障害がアデノシン受容体に関連している、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 前記運動障害が、運動緩慢、筋緊張異常、舞踏病およびハンティングトン病、運動失調、振戦、間代性筋けいれんおよび驚愕、チックおよびトウレット症候群、レストレスレッグス症候群、スティッフパーソン症候群、運動異常および歩行障害からなる群より選択される、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 治療的有効量で化合物または組成物を投与することで対象体を治療することにおける、下記の式(Ia)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、またはその薬学的に許容される塩、若しくはこのような化合物を含む組成物の用途であって、
    Figure 2023549927000069
    Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり、
    1~Y4は、独立してCR10とNから選択され、Y1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり、
    10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され、
    aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており、
    Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルであり、
    前記対象体は、
    (i)CNS障害または神経変性障害を患っており、ここでCNS障害は、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症および筋萎縮性側索硬化症からなる群より選択されるか、
    (ii)閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された神経変性を引き起こす損傷または疾病を患っており、ここで損傷は、閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択される1次神経系損傷であり/あるか;および/または、
    (iii)運動障害を患っており、ここで運動障害は、アデノシン受容体に関連している対象体である、用途。
  22. 対象体を治療するための医薬品を製造することにおける、下記の式(Ia)の化合物、またはその溶媒和物、水和物、プロドラッグおよび/または立体異性体、またはその薬学的に許容される塩、若しくはこのような化合物を含む組成物の用途であって、
    Figure 2023549927000070
    Rは、H、(C1-C3)アルキル、または置換された(C1-C3)アルキルであり、
    1~Y4は、独立してCR10とNから選択され、Y1~Y4のうちの少なくとも2つは独立してCR10であり、
    10は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、置換された(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、置換された(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、置換された(C2-C8)アルキニル、(C1-C3)ハロアルキル、(C1-C8)アルコキシ、置換された(C1-C8)アルコキシ、-CONH2、置換されたアミド、-NH2、置換されたアミノ、-CO2H、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、-SO3H、-SO2NH2、置換されたスルホンアミド、およびチオールから選択され、
    aおよびRbは、それぞれ独立してH、F、(C1-C3)アルキル、および置換された(C1-C3)アルキルから選択されるか、または、RaおよびRbは環状に結合し、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、または置換されたシクロプロピルを形成しており、
    Aは、フェニル、置換されたフェニル、ピリジル、または置換されたピリジルであり、
    前記対象体は、
    (i)CNS障害または神経変性障害を患っており、ここでCNS障害は、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、統合失調症、軽度認知障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、多発性硬化症、血管性認知症および筋萎縮性側索硬化症からなる群より選択されるか、
    (ii)閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化、および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択された神経変性を引き起こす損傷または疾病を患っており、ここで損傷は、閉鎖性頭部損傷、鈍的外傷、貫通性外傷、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、緑内障、脳虚血、脊髓損傷、老化および手術によって誘発された神経損傷からなる群より選択される1次神経系損傷であり/あるか;および/または、
    (iii)運動障害を患っており、ここで運動障害は、アデノシン受容体に関連している対象体である、用途。
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