JP2023549438A - 食品の保存方法および保存装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、果物、野菜、肉、魚などの食品を保存するための方法および装置に関する。前記食品は、処理チャンバ(3)内に配置され、冷却ユニットによって冷却された空気流と熱交換状態に保たれる。空気は、異なる材料層(21、22)の存在のために静電荷を発生させるように適合された少なくとも1つの活性要素(20)を備える、電気的な視点での最適化デバイス(10)を包む。

Description

本発明は、概して、食品を保存するための方法および装置に関する。
以下の説明では、主に家庭用の装置を参照するが、これは限定的な条件として理解されるべきではなく、本発明の原理は、以下で明らかになるように、産業用途、専門家向け用途または商業用途にも拡張され得る。
知られているように、食品、特に果物、肉、野菜などの生鮮食品の保存は、それらを低温環境で、またはいずれにせよ室温より低い温度で保存することによって行われる。
低温保存のために、冷蔵は、典型的には、保存される食品、保存時間(例えば、数時間、数週間など)、外部温度、または他の場合によって関連するパラメータに応じて、0℃を上回る数℃、例えば2~4℃から約8~10℃の値の範囲の温度間隔内で提供される。
いずれにせよ、食品を極低温(0℃未満、約-18/-20℃まで)でも保存することが知られており、これは、食料品を冷凍または急速冷凍することによって行われる。
これに関連して、分かりやすくいうと、冷凍と急速冷凍との違いは、食品温度を低下させるのに必要な時間にあると述べることができ、急速冷凍プロセスでは、冷凍プロセスよりも短く、急速冷凍される質量に応じて、数分から1時間またはそれよりわずかに長くなり得る。
実際、急速冷凍は、食品中の水を急速に氷に変換し、食品の細胞構造および繊維を損傷しない小さな結晶を生成するため、冷凍食品とは異なり、食料品を室温に戻したり調理温度まで上げたりしても、液体または栄養物質が失われることはない。
反対に、凍結プロセスの持続時間は長いため、(急速冷凍と比較して)より大きく、食品の内部組織および繊維を損傷する凍結結晶構造が形成され、結果的に、その中に含まれる液体は保持されず、それらが室温に戻されるとにじみ出ることになる。
さらに、一般に、急速冷凍および冷凍は、食品を所望の条件に保つために、他の全てのパラメータは等しいが、比較的高い冷却力を有する装置を必要とし、実際、約-18℃の冷凍製品または急速冷凍製品の温度を得るためには、エバポレータに供給される空気の温度は-30℃以下である必要があるため、コンプレッサによる電気機械エネルギーの無視できない消費が避けられない。
これは、コールドチェーン全体、すなわち元の生産者から最終消費者に冷凍または急速冷凍の食品をもたらす全ての様々なプロセスに適用される。
逆に、冷蔵は、冷凍および急速冷凍のプロセスの低温の禁忌なしに、食品の栄養特性および感覚刺激特性を本質的に変えることなく保つことを可能にする。
しかしながら、これは限られた時間間隔でのみ可能である。
実際、肉、果物、野菜、乳製品などの製品は、家庭用冷蔵庫内で数日間またはせいぜい数週間しか保存できず、その後に劣化することが一般的に知られている。
この保存時間を延長できること、または少なくとも制御できることが望まれる。
より一般的には、上記の検討に照らして、特に0℃を超える温度に関するものとして、食品の保存を改善する必要性が現在感じられていると言える。
これにより、低い凍結温度または急速凍結温度の禁忌なしに低温保存の利点が提供される。
したがって、本発明の目的は、従来技術の上述の制限を克服するような構造的および機能的特徴を有する、食品を保存するための方法およびそれを実施するための関連デバイスを提供することである。
そのような目的の達成につながる基本的な考え方は、食品のバイタル能力を変更またはいずれにせよ改善することであり、食品のバイタル能力というこの用語は、その中に含まれる物質のいくつかの化学的-物理的パラメータによってもたらされる能力を示す。
このようにして、食品保存特性に影響を与えることが可能であり、0℃を超える温度であっても食品を保存する可能性を高める。
本発明の特徴は、この明細書に添付された特許請求の範囲に具体的に記載されている。
そのような特徴は、添付の例示的かつ非限定的な図面を参照して本明細書で提供される本発明の例示的な実施形態の以下の説明に照らしてより明らかになるであろう。
図1は本発明による装置を示す。 図2は開動作状態にある上記装置を示す。 図3は図2の装置の側面図である。 図4は本発明による装置のデバイスの円錐形要素の斜視図である。 図5は図4の要素の正面図である。 図6(a)は図5の円錐形要素の各実施形態の図5の線VI-VIに沿った断面図である。 図6(b)は図5の円錐形要素の各実施形態の図5の線VI-VIに沿った断面図である。 図7は本発明によるデバイスを示す。 図8は本発明によるデバイスを示す。 図9は本発明によるデバイスを示す。 図10(A)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(B)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(C)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(D)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(E)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(F)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(G)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(H)上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(I)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(J)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(K)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(L)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(M)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(N)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図10(O)は上記の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図11は本発明による処理の前後の果実試料の写真である。 図12は本発明による処理の前後の果実試料の写真である。 図13は本発明によるデバイスの変形用途を示す。 図14は本発明によるデバイスの変形用途を示す。 図15は図13および図14の装置を使用して収集されたパラメータを用いて得られた、いくつかの変数に関するグラフを示す。 図16は意味論的記述子プロファイルおよびSDP合成(定量的)に関するグラフを示す。 図17は図16における差に関する棒グラフを示す。 図18は各記述子に起因する重みに関するグラフを示す。 図19は定量的記述プロファイルを表すグラフを示す。 図20は意味論的記述プロファイル(SDP)を表すグラフを示す。 図21は記述子パラメータの意味論的記述プロファイル(SDP)に関するグラフを示す。 図22は再活性化された水との差異を示すデルタ1(微細濾過水との差)およびデルタ2(水道水との差)に関するグラフを示す。 図23は快楽または想起記述子パラメータに関連する意味論的記述プロファイルおよび中央値ベースの記述子プロファイルを表すグラフを示す。
上記の図を参照すると、数字1は、全体として、本発明による食品保存機器を示す。
好ましくは、そのような機器は、ブラストチラー、すなわち、数分から1時間の範囲の時間内に、またはそれよりわずかに長い時間内に、その中に配置された物体の温度を実に数十℃も低下させるように適合された温度装置(家庭用、産業用、または業務用の用途のいずれか)である。
図示の装置1は、本出願人が製造した「Fresco(フレスコ)」という名称のブラストチラーであり、その技術仕様は、本出願人のインターネットサイト「www.irinox.com」から自由にダウンロードすることができる。
このような機器は、その中に置かれた製品を急速に冷却することに加えて、それらを加熱することもでき、必要に応じて、オーブンまたは火炎型(すなわち、ガス)または電気(レジスタ型または誘導)調理器の温度よりも低い中程度の温度(60~70℃)でそれらを調理することもできるという特異性を有する。
これらの特徴により、装置1は、調理または消費の前に食品を保存および/または調整するための温度処理(冷却および/または加熱)サイクルに食品を供することを必要とする、生地の発酵または任意の他の用途にも適したものになる。
これに関連して、本発明は、一般的な冷蔵庫またはブラストチラーなどの、典型的には加熱機能を欠く単純な冷却機器にも適用可能であることを強調しなければならない。
簡潔にするために、装置1自体は既知であるので、以下では本発明を理解するために必要な説明のみを提供するが、さらなる詳細については上記の技術仕様を参照されたい。
したがって、装置1は、平行六面体の外部構造2を備え、その内部には、ドア4によって前方で閉じられる処理チャンバまたは空洞3があり、ドア4に隣接して、外部構造2の前面2aには、装置1の動作を制御するためのユーザインターフェースとして機能するタッチキーパッド5がある。
外部構造2は、本発明を理解するために必要であるとは考えられない他の構成要素に加えて、少なくとも1つのコンプレッサ7および1つのエバポレータ8を含む冷却ユニット6も備える。
装置1が、例えば、装置1が接続されている主電源によって電力供給されるプロセッサ、センサ、メモリなどの電子制御および/または管理手段(簡略化のために図示せず)を備え、それらがそこに記憶されているプログラムに従って機器の様々な機能および部品を処理することを付記する価値がある。
したがって、ユーザがキーパッド5を使用して、食品の冷却および/またはチルドの時間および最終温度などの動作パラメータを設定すると、機器1は必要な作業サイクルを処理し、その後それを実行する。
これに関して、ブラストチリングは、装置1に含まれる冷却ユニットのエバポレータ8によって冷却されかつ処理チャンバ3内を循環する空気の流れによって、主に対流熱交換により得られることを指摘する必要がある。
コンプレッサ7は、エバポレータ8を通って流れる冷却ユニットの冷却剤を圧縮し、セルの上部の区画室に配置されたファン、送風機などの電気機械的手段9によって生成された空気流を冷却する。
処理チャンバ3内には、好ましくはグリル、格子などの形態の少なくとも1つの支持棚35があり、そこに処理される食品が置かれ、外部構造2の上部内で、処理チャンバ3の上部に、本発明による最適化デバイス10を支持するための棚38がある。
最適化デバイス10は、円筒形または平行六面体の形状などであってもよい金属製の容器またはボックス11を備え、その内部に少なくとも1つの円錐形の要素または本体20を収容し、これは図4~図6においてよりよく見ることができる。
円錐形要素20は、金属材料で、好ましくは銅で作られるが、これは純粋であっても、スズ、チタン、真鍮、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、クロム、イリジウム、タングステンなどの他の金属と合金化されていてもよい。
したがって、円錐体は、真鍮(銅-亜鉛)、青銅(銅-スズ)、銅およびアルミニウムを含む合金(例えばアルミニウム青銅)、またはさらに亜鉛およびアルミニウムを含む合金(ザマク)、ならびに銀、金、白金、ゲルマニウム、ビスマスを含む合金で作られてもよく、または円錐形要素20は、シリコン、シュンジャイト、トルマリン、セラミック、様々な結晶、ジルコニウム、テスラまたはコルゾブ板を含んでもよい。
前記の本体または要素20の円錐形状は、好ましくは、約30~50mm、好ましくは約40mmの範囲の直径Dを特徴とし、円錐体の高さ「h」は、約4mm~15mm、好ましくは9~10mmの範囲である。
さらに、円錐形要素20は、内部が中空であり、その外面は、わずか千分のミリメートル(2~4μm)の厚さを有する銀層21でコーティングされている。
好ましくは、円錐体20の内面も銀層21でコーティングされ、円錐体20の外面への適用が図6(a)に示され、内面および外面の両方への適用が図6(b)に見ることができる。
コーティング21は、好ましくは、任意の適切な技術、例えば化学的および/または物理的材料の堆積、噴霧、浸漬塗装などを使用することによって適用することができる一種のめっきである。
さらに、銀が好ましい材料であることが証明されているが、円錐形要素20のコーティング21として、金、白金、ゲルマニウム、ビスマス、ならびにシリコン、シュンジャイト、トルマリン、セラミック、様々な結晶、ジルコニウム、テスラまたはコルゾブ板などの他の材料を使用することも可能である。
円錐形要素20の壁22も非常に薄く、好ましくは約1~2mmであり、その結果、総重量は約17gである。
円錐形要素20、または2つ以上が使用される場合には複数の円錐形要素20を収容するボックス11は、好ましくはステンレス鋼または銅、青銅、アルミニウム、亜鉛およびチタンのような他の材料で作られた、蓋11bを有する本質的に筐体11aであるので、円錐形要素20を含むボックス11は、最適化デバイス10(「OptiSystem」(商標)とも呼ばれる)を構成する本質的な部分である。
少なくとも1つの円錐形要素20を内部に収容するボックス11を備える最適化デバイス10は、ブラストチラー1内に、好ましくはチャンバ3内を循環する空気流が進む経路の領域に配置され、このようにして、最適化デバイス10は空気によって包まれ、それと食品との間の接触を促進する。
家庭用ブラストチラー1の内部に配置された最適化デバイス10、またはいずれにしても、装置が動作しているときに形成される内部チャンバ3内を循環する空気流によって包まれるように配置された最適化デバイスは、異なる金属層(銅銀または上記の金属材料の対のいずれか)の存在に起因して非常に弱い静電気電流または電荷を生成することができ、そのような弱い電流または電荷は、本発明者が行った経験および試験に従えば、エネルギーの観点で有利な貢献をもたらすことができ、食品のコンディショニングを最適化すると考えられる。
最適化デバイス10が生成することができる非常に弱い静電気電流または電荷は、円錐形要素20の基部から頂点への方向に動きを生じることができることを指摘しておく必要がある。最適化デバイス10の面上で、円錐形要素20の頂点に向かって付勢効果が生成されることになる。逆に、円錐形要素20の基部が位置するデバイス10の他方の面で反対の付勢解除効果を観察することができる。したがって、最適化デバイス10は、一方の側に垂直ではなく、チャンバ3の上方または下方の平行な位置にのみ配置されるべきである。
正しい向きは、円錐形要素20の頂点が前記チャンバの下に配置されたときに上方を指し、円錐形要素20の頂点が前記チャンバの上に配置されたときに下方を指す。
食品中で行われるこのような貢献は、細胞寿命を促進および活性化するため、食品の保存、したがってそれらの感覚刺激特性および栄養特性の維持を促進すると考えられる。
同様の処理を施した水試料においても同様の効果が観察された。
これに関連して、特定の物理的な理論または研究に束縛または限定されることなく、最適化要素20の円錐形状は、チャンバ3内を循環して食品を包む流体の流れとデバイス10との電磁相互作用に寄与できると考えられる。
以下の適用例は、上記の説明のより良い理解を提供する。
本出願人が提供したブラストチラー1の可能性を比較試験によって評価した。この比較試験では、選択した食品試料を、ブラストチラー1内に存在させる前後に分析し、スイッチを入れ、24℃の温度で少なくとも12時間通気した(以下、食品に生じるエネルギー変化を評価するため、「Opti-System(商標)処理」とも呼ぶ)。
特に、この比較分析は、最適化デバイス10を備えたブラストチラー1とデバイス10を備えていないブラストチラー1とにおける同一条件での食品の保存に関するものであった。
異なる食品試料のいくつかの化学的-物理的パラメータ、すなわちpH(酸性度値)、rH(酸化還元電位)、R(電気抵抗率)のデータを収集した。
化学的-物理的パラメータの分析は、市販されており、イタリア特許出願第10 2015 000013161号に記載されているBioelettronica ATC 330と呼ばれる測定デバイスを使用して、食品を圧搾することによって抽出した液体の試料に対して行った。
具体的には、opti-system(商標)処理を受けた食品に関係なく、全てのパラメータ分析は、人体の典型的な内部温度をシミュレートする目的で、ATC 330デバイスのセルをこのようなデバイスの操作方法に従って37℃に加熱することによって行った。
異なる試験から得られたデータを含む各表を以下に示す。
次いで、このようなデータを、Bioelettronica ATC 330機械に関連するソフトウェアプログラムを使用して処理することによって、添付の図面に示すように、「バイタルpH」、「バイタル酸化還元」、「バイタルR」、「バイタルエネルギー」、「エントロピーエネルギー」、「エネルギー指数」、「共鳴」と呼ばれる機能についての図を生成した。
実施例1
A.ブドウ-基本条件(通常環境)
B.ブドウ-通常のブラストチラーでの処理
C.ブドウ-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラーの処理チャンバ3に保持されたブドウから得られたジュースの試料に対して、24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を回避するために、ブドウを絞り、直ちに分析した。
追加の比較として、基本的な環境条件、すなわちブラストチラーで処理されていないブドウについても分析を行った。
表1.A(ブドウ-周囲条件)
表1.B(ブドウ-通常のブラストチラーでの処理)
表1.C(ブドウ-最適化されたブラストチラーでの処理)
実施例2
D.リンゴ-通常のブラストチラーでの処理
E.リンゴ-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラー1の処理チャンバ3に保持された、同じロットから採取されたリンゴから得られたジュースの試料に対して24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を避けるために、リンゴは皮を剥き、直ちに分析された。
表2.D(リンゴ-通常のブラストチラーでの処理)
表2.E(リンゴ-最適化されたブラストチラーでの処理)
実施例3
F.プラム-通常のブラストチラーでの処理
G.プラム-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラー1の処理チャンバ3に保持された、同じロットから採取されたプラムから得られたジュースの試料に対して24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を回避するために、プラムを絞り、直ちに分析した。
表3.F(プラム-通常のブラストチラーでの処理)
表3.G(プラム-最適化されたブラストチラーでの処理)
実施例4
H.キュウリ-通常のブラストチラーでの処理
I.キュウリ-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラー1の処理チャンバ3に保持された、同じロットから採取されたキュウリから得られたジュースの試料に対して24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を回避するために、キュウリをスライスし、絞り、直ちに分析した。
表4.H(キュウリ-通常のブラストチラーでの処理)
表4.I(キュウリ-最適化されたブラストチラーでの処理)
実施例5
J.トマト-通常のブラストチラーでの処理
K.トマト-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラー1の処理チャンバ3に保持された、同じロットから採取されたトマトから得られたジュースの試料に対して24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を回避するために、トマトを絞り、直ちに分析した。
表5.J(トマト-通常のブラストチラーでの処理)
表5.K(トマト-最適化されたブラストチラーでの処理)
実施例6
L.ニンジン-通常のブラストチラーでの処理
M.ニンジン-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラー1の処理チャンバ3に保持された、同じロットから採取されたニンジンから得られたジュースの試料に対して24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を回避するために、ニンジンをスライスし、絞り、直ちに分析した。
表6.L(ニンジン-通常のブラストチラーでの処理)
表6.M(ニンジン-最適化されたブラストチラーでの処理)
実施例7
N.ブルーベリー-通常のブラストチラーでの処理
O.ブルーベリー-最適化されたブラストチラーでの処理
以下の表は、それぞれ通常のブラストチラー1および最適化デバイス10で最適化されたブラストチラー1の処理チャンバ3に保持された、同じロットから採取されたブルーベリーから得られたジュースの試料に対して24℃の温度で約12時間行われた試験に関する。処理後にのみ、試料酸化プロセスの開始を回避するために、ブルーベリーを絞り、直ちに分析した。
表7.N(ブルーベリー-通常のブラストチラーでの処理)
表7.O(ブルーベリー-最適化されたブラストチラーでの処理)
評価した化学的-物理的パラメータ(pHレベル、酸化還元電位rHおよび電気抵抗率R)に基づいて、上に要約したように、当技術分野でビンセントの理論として知られている技術に従って構築された変数に関連するBioelettronica ATC330機械の専用ソフトウェアプログラムによっていくつかの指標を計算した。
前記指標は、評価された化学的-物理的パラメータのバイタル成分およびエントロピー成分を指し、この主題に関するさらなる情報については、利用可能な文献を参照されたい。
これに関連して重要なことは、実施した試験の結果により、食品に対する活性化効果の存在が確認され、この効果は、ブラストチリング装置1に使用される最適化デバイス10の使用によるものであると本出願人が考えていることである。
前述のように、前記装置が動作しているときに生成された内部空気流れと交差するように家庭用ブラストチラー1の内部に最適化デバイス10が配置されている場合、円錐形要素20を構成する異なる金属層(銅銀または上述の他の可能な金属材料対のいずれか1つ)の存在のために非常に弱い静電気電流がその中に発生し、本発明者による経験および実施試験によれば、他の全ての条件は等しい、前記デバイスがない同様の装置と比較して、そのような弱い電流が食品にプラスの効果をもたらし、その保存を改善することができると本出願人は考えている。
図10(a)~図10(O)は、先の表1.A、表1.B、表2.C、表2D、.....表7.Oに列挙されたものにそれぞれ対応するパラメータのバイタル成分およびエントロピー成分を示す。
バイタルエネルギーに関して、以下の改善を観察することができる。
様々な食品のバイタルエネルギーは、概して、通常のブラストチラー1における処理から、本発明による最適化デバイス10を備えたブラストチラーにおける処理までで値の増加を示す。
前記値は、パーセンテージで、2%をわずかに超えるもの(ブドウおよびプラム)から約67%(リンゴ)までの範囲で拡大し、トマトが唯一の例外である(-2.44%)。
本出願人は、図11および図12の写真複製に示されるように、同じロットから採取され、同様の外観品質を有するアンズの2つの試料(a)、(b)に対して本出願人の試験室で定性試験を実行することによって検証することができたため、これは食品保存に好ましい効果を有する。
最初に、全てのアンズは「良質で無傷」の外観を有し、前述のように室温で2つのフレスコ装置1に入れられた。
第1の装置1は最適化デバイス10を欠いていた(ロット1)が、第2の装置1はその内部に配置された最適化デバイス10を装備していた(ロット2)。
2020年7月16日に位置決めを実施し、刺激実験試験に使用した温度は25℃であり、毎日24時間試験を継続した。これは、処理チャンバ3内で、うどんこ病および微生物の増殖にとって好ましい条件を再現するために行った。
処理前、処理中および処理後の6日間の存在時間(2020年7月22日まで)のロット1およびロット2をそれぞれ示す写真画像の図11の(a)、(b)および図12の(a)、(b)から明らかなように、最適化デバイス10を備えた装置1では、ロット2の果実(アンズ)は明確な損傷の徴候を示さなかった。
対照的に、ロット1のいくつかの果実は、うどんこ病、真菌および菌糸の発生の明確な徴候を示した。このような果実の劣化状態は、第2のロットを処理するために使用されたブラストチラー1に使用された最適化デバイス10がないことに起因すると本出願人は考えている。
上記の経験から、最適化技術および関連デバイス10の使用が、上記で検討されたブラストチラー1以外の装置にも適用可能であること、および上記の実施例の食品(果物および野菜)だけでなく適用可能であることを本出願人は推論した。
例えば、水のみを処理するために、図13および図14に示すような特別に設計された装置100を使用することが可能である。
そのような図のうちの最初のものは、家庭用またはオフィス用の水ディスペンサ100を示し、ジャグ101(またはガラス、ボトル等)は濾過水で満たされている。
ディスペンサ100は空洞102を備え、ジャグ101は、オーバーヘッドノズル103を通して上方から水で満たすことができるような位置に置かれる。給水コマンドは、好ましくはディスペンサ100の前面に配置される、1つ以上の押しボタン104によってユーザが出す。
側壁が部分的に除去されているために内部を見ることができる図13に概略的に示すように、ディスペンサ100内には、水処理に適した最適化デバイス110が設置されている。
最適化デバイス110は、密閉容器111を備え、円筒形が好ましいが、別の形状(例えば平行六面体など)を有してもよく、その中には最適化デバイス10によって最適化された静止水で満たされた容積またはチャンバ113が存在する。最適化デバイス10によって最適化された水は、そのプラスの効果をチャンバ113内に浸漬されたチューブに伝え、次にそれは、図13、図14の矢印によって示されるように、水をそれぞれ出し入れするための少なくとも一対のダクトまたはコネクタ114、115を介してその中を流れる水に伝える。
入口コネクタ114と出口コネクタ115との間で、容器111を通る水の経路116は、ダクト116に沿って延びる。前記ダクトは、好ましくは家庭用または飲食物用の水に適合する金属、例えば銅もしくはその合金、またはステンレス鋼で作られる。
容器111は、家庭用または飲食物用の水に適合するものから選択される金属(例えば、真鍮、青銅、鋼などの蛇口および継手用の金属)製であることが好ましく、中でもステンレス鋼が最も優れていることが分かった。
しかしながら、金属材料だけでなく、ガラス、セラミック、プラスチックなど、またはそれらの組み合わせ、例えばプラスチックでコーティングされた金属などの他の材料も使用されうる。
これにかかわらず、「Opti-System」最適化デバイス10は、前述のように、チャンバ113の上部に配置され、容器110と接触し、水で覆われる。
円錐体20は、前述のようにボックス11の内側に配置される必要がある。
この目的のために、容器110は、蓋118によって上部で密閉された本体117を備え、その上に「Opti-System」最適化デバイス10がある。
コネクタ114および115は蓋118上に配置され、最適化デバイス10は、有利にはその間に配置することができる。
しかしながら、最適化デバイス10も、容器110の底部に配置されてもよいことを指摘しておく必要がある。
水ディスペンサ100は、水道管、例えば蛇口または家庭用水濾過システムの下流に接続することができ、その結果、入口コネクタ114を介してチャンバ113内に供給される水が最適化される。
循環水は、最適化デバイス10内を巡るため、ブラストチラー1で処理された試料に関して先に述べた好ましい効果がもたらされ、次いで出口コネクタ115を通って最適化デバイス110の外に流れ出る。
最適化デバイス110の性能は、ブラストチラー1に関して先に示したように試験された。
水試料のいくつかの化学的-物理的パラメータ、すなわちpH(酸性度値)、rH(酸化還元電位)、R(電気抵抗率)のデータを収集した。
Bioelettronica ATC 330と呼ばれる前述の測定システムを使用して、上水道からの水試料に対して化学-物理パラメータの分析を行った。
本明細書で前述したのと同じ方法を使用し、食品試料の代わりに水試料を最適化デバイス110内のOpti-System処理に供することによって、前記パラメータを分析した。
異なる試験から得られたデータを含む各表を以下に示す。
次いで、前記データを、Bioelettronica ATC 330機械に関連するソフトウェアプログラムを使用して処理し、それによって添付の図に示すように、「バイタルpH」、「バイタル酸化還元」、「バイタルR」、「バイタルエネルギー」、「エントロピーエネルギー」、「エネルギー指数」、「共鳴」と呼ばれる機能についての図を生成した。
このような読み取り値とATC 330機械によって処理されかつ添付の図に示された機能とに基づくと、バイタルエネルギーは約21%増加した。
上記の実験的化学的-物理的分析の補足として、本出願人らはまた、本発明による装置によって処理された食料品の官能特性を未処理製品の官能特性と比較するためにいくつかの比較試験を行った。
特に、このような試験は、異なるカスタードおよび水試料に関するものであった。
試験は、EUROISA-Istituto Europeo di Analisi Sensoriale(Via Venzone 12、Treviso-31100、https://www.uniseflab.it/proposta/euroisa.it)という名称の外部専門機関によって行われた。この機関はUNIS&F機関の研究所であり、トレビーゾ州およびポデノーネ州の産業にサービスを提供している。
試験された製品の各々について、EUROISA研究所によって発行された20ページを超える全記録を添付することは不適切であると考えられたため、以下に、実施された試験および前記試験の根拠となった基準を要約する。
カスタード
最初の製品は、多くの菓子製品で使用されているような、卵黄、砂糖、牛乳および小麦粉に基づく周知のタイプのクリームであった。小麦粉の代わりに、トウモロコシデンプンまたはコメデンプンなどの他の増粘剤を使用してもよい。
この場合、本出願人らは3つのカスタード試料を供給し、それぞれ結果では以下のように示された。
T1:基準カスタード T2:従来のカスタード T3:基準カスタード(複製)
用いた試験方法は「Sensory Storming-Test duo trio」法であり、試験セッションは、2021年の6月10日と24日であった。それらは、Euroisa研究所の職員(Tiziano CasanovaおよびGiulia Zanatta)の管理下で行われ、カスタード試料T1、T2、T3を匿名で10人の審査官のグループに提出することからなっていた。
審査官は、Euroisaによって発行された概要報告から得られた、以下の表に列挙される様々な年齢、出身、性別などを代表する10人の匿名の人々であった。
表1
各審査官には、全ての試料タイプT1、T2、T3が出され、各人はそれぞれ較正試験、試料試験、および複製試験についての評価を紙の用紙に記入した。
分析は、いかなる情報も審査官らに提供されることなくEuroisa官能研究所で行われ、次いで、前記審査官らは、紙の用紙上で試料を評価した(それらを試食した後、紙の用紙に投票を表すことによって)。試食と試食の間には、水で口をすすぐことが求められた。
全ての審査官が参加して、試料T1「基準カスタード」に対して較正を行い、次いで、その有効性を基準パラメータによって検証した。
換言すれば、身体的な人間によってなされた判断の分散および不均一のリスクを制限するために、前記審査官らは、次の5つの所定の指標に従って順に分類された。
i)再現性指標:2つの異なる瞬間に1つの試料を評価して、各記述子に同様の値を割り当てる審査官の能力を測定する。
ii)コリメーション指数:各記述子および各試料に、中央値によって総合的に表される、グループの平均値に類似する値を帰属させる審査官の能力を測定する。
iii)判別指標:尺度の全ての値を使用するため、最小主義、最大主義または怯懦への傾向として表される心理的制約に影響されない審査官の能力を測定する。
iv)パネル判別指標:パネル全体の挙動と自分の挙動を比較することによって利用可能な全ての尺度を使用する審査官の能力を測定する。
v)試料判別指標:審査官の判別能力、即ち、各記述子についての試料間の差を見出す審査官の能力を測定する。
このような5つの指標が与えられると、以下の表2のように、適切に重み付けされた他の5つの指標の合成を表す、有効性指標と呼ばれる第6の指標を表すことが可能である。
表2
審査した事例では、カスタード試験に関する審査官の有効性表は以下の通りであった。
表3
審査官の同じグループは、次の評価のための製品(すなわち、カスタード)の関連パラメータを事前に識別した。33個の知覚状態/記述子を識別し、視覚知覚状態、嗅覚知覚状態、触覚知覚状態、味覚知覚状態および快楽または想起知覚状態の5つのカテゴリに分けた。考慮される知覚状態を以下の表4に列挙する。
表4
視覚、嗅覚、触覚および味覚の知覚状態は、各記述子に関するおよび各試料に関する試験評価の統計中央値の識別に寄与する。したがって、既知の統計原理によれば、中央値Meは、累積相対頻度が0.5に等しい(かそれを超える)値/最頻値、すなわち第2四分位値、すなわち50パーセンタイルである。
Euroisaによって行われた試験では、中央値の識別は、結果の信頼性が一定の値の帰属における審査官の一義性と共に増加するという仮定に基づいていた。
この場合、信頼性指標の中央値は、0を最小、10を最大として、0から10までの尺度で表される。慣例により、試験履歴の分析によっても裏付けられるが、十分性値は6である。
したがって、スコアが高いほど、各中央値(信頼度の中央値が高い)を中心として、審査官の判断が一致していることを示す。
視覚、嗅覚、触覚および味覚の知覚状態の信頼性指標の中央値を以下の表5に示す。
表5
以上のように、全てのパラメータが十分性閾値を超えているフレーム内では、カスタード試料T1およびT3、すなわち最適化処理を受けたカスタード試料、および従来のカスタード試料T2の最下位の知覚状態は「調理済みの味」である。
最も信頼できるパラメータが、この順序で、色の均一性から生の味まで、光沢、悪臭、花の匂い、バニラの匂いなどを間に挟んで並んでいる。
知られているように、個々の記述子の強度を評価することは、記述試験において確立された慣行であり、これは、審査官らによって表された値の(一般に中央値)合成の指標によって得られる。知覚マップを提供する際に異なる記述子が有する重みも考慮することが非常に重要である。したがって、強度からだけでなく、属性の知覚の頻度からも作成された、より完全なプロファイルが得られる。この技術は、審査官らが所定の記述子によって制約されることなく自分の知覚を自由に表現する場合に必須であるが、古典的な記述試験においても良好な情報の徴候である。
このセクションの指標の目的は、識別された様々な記述子について、以下を行うためにそれらの相対的および絶対的な「重み」を決定することである。
i.強度だけでなく検出頻度にも拘束されたプロファイルを識別する
ii.非常に具体的で相互に相関する記述子をより少数の(より一般的な)記述子に統合することを可能にする
審査官らは、知覚された記述子に1(最小知覚)から10(最大知覚)の尺度の値を割り当てることによって、互いに影響を及ぼすことなく、試験中の製品の官能特性を自律的に識別した。
検出頻度(異なる試料に関して参加した審査官らの数)および強度(1~10の尺度での評価)の両方を考慮して、幾何平均を使用してデータを処理し、識別された記述子の各々に重みを帰属させた。
試験した事例では、様々な知覚状態の意味論的記述プロファイルの結果は、以下の表6に列挙される通りであった。
表6
これらの理解をより容易かつより直感的にするために、これらの値はまた、異なる試料T1、T2、およびT3に対して行われた検出を個別におよび一緒に極座標で示す図16において図式的に処理されている(左上のグラフ)。
基準試料と従来の製品との差は、同じ出発製品であるため、合理的に小さい。しかしながら、グラフは、試料T1/T3に適用された処理がいくつかの知覚要素を強調したことを示している。
これらの検出に基づいて、基準製品T1およびT3(すなわち、最適化処理を受けたカスタード)と従来のカスタードT2との間の最大の差異(デルタ)を図式的に配置することが可能である。
このような差は、図17の棒グラフにグラフ処理されている。図から分かるように、DELTAグラフは、製品T1/T3「基準カスタード」と製品T2「従来のカスタード」との差を示している。
前記グラフは、「調理済みの匂い」の知覚が従来のカスタードの方が明らかに大きいことを強調している。同様に、基準試料は、風味および香りのより大きな知覚、特により高い「光沢」のために際立っている。
カスタード試料で行われたような記述試験では、試料が実際に異なる場合に同様のプロファイルが得られることがよくある。実用的な観点から、書式を再考案し、パネルの調査能力を改善することによって対策を講じることができるが、試料の特徴付けに最も寄与する記述子を認識することが不可欠である。
図18のグラフは、0(最小)から1(最大)までの尺度で各記述子に起因する重みを示している。
各記述子の一般的な重みを評価するために、個々の試料の結果に関係なく、特定の指標が使用され、それは次に、最も重要な記述子(より高い重み)を重要でない記述子(より低い重み)から識別することを可能にする全体的な指標に要約される。
様々な記述子への重みの帰属は、まさに個々の試料の場合と同様に、本質的に頻度および強度に基づくが、ここでは以下の2つのさらなる重み増加要素が考慮される。
i.第1の要素は、基準試料とその複製との比較に由来する。実質的に、基準試料およびその複製の両方において記述子が認識される頻度が高いほど、それに起因する重みは大きくなる。
ii.第2の要素は、記述子の判別能力に由来する。記述子が試料間の差を強調するのに有用であるほど、それに起因する重みは大きくなる。
図19は、1から10の尺度で、各記述子パラメータについて審査官らによって表された値の中央値から得られた定量的記述プロファイルを表すグラフを示し、値1は知覚されない品質(記述変数として理解される)を表し、値10は最大強度を表す。
図19のグラフは、視覚(グラフ1)、嗅覚(グラフ2)、触覚(グラフ3)、味覚(グラフ4)の4つの主要なカテゴリの知覚状態パラメータの中央値を指す。
前記グラフは、2つの基準カスタード試料T1およびT3の合成中央値を従来のカスタードT2の中央値と比較し、製品の全体的な知覚における個々の記述子の重要性を評価することを可能にする、中央値に基づく定量的記述プロファイルを示す。
この場合、試験中の製品の特徴的な特性として、例えば、「密度/緻密性」、「悪臭」、「甘い匂い」、「調理済みの匂い」、「味覚強度」および「風味強度」が重要であることが判明した。
以下の表7のように調査データを行列形式でソートすることにより、データの独立性の推定値を取得することが可能であり、結果として、偏りのある情報を取得することを回避するか、またはいずれにせよ考慮されるパラメータ間の可能な相関を推定する。
表7
評価された試料における変数間の相関の表は、いくつかの強い正の相関を緑色で示す。ブラベー-ピアソン線形相関係数が0に近い非相関(独立)は、表では白色で示され、逆線形相関は赤色で示されている。
相関指数の分析は、識別された知覚状態が試験中の製品を分析するために最適であると見なすことを可能にする。
試験した事例では、例えば、一方では「良い風味」と「甘味」との間(0.82)、他方では「風味強度」と「味覚強度」との間(0.76)の相関が際立つ。
最後に、このカスタードの実施例の説明をさらに詳細に検討することなく、上述したものと同様のプロセスを通して、快楽または想起知覚状態パラメータ、すなわち製品の評価を表す記述子を検出することが可能であることを追加するのみである。
図20は、1から10の尺度で各記述子について審査官らによって表された値の中央値から得られた、意味論的記述プロファイル(SDP)に関するグラフを示している。
審査官らは、知覚された記述子に1(最小知覚)から10(最大知覚)の尺度の値を割り当てることによって、互いに影響を及ぼすことなく、試験中の製品の快楽特性を自律的に識別した。別の試料で以前に知覚された記述子の非検出は、1のスコアに等しい。
検出頻度(異なる試料に関して参加した審査官らの数)および強度(1~10の尺度での評価)の両方を考慮した幾何平均を使用してデータを処理し、知覚された各快楽品質に重みを帰属させた。
快楽指数IEと定量記述子に起因する値との間の相関分析を通して、後者の強度と製品の全体的な満足度との間の数学的結合が識別され、一方で、このセッションの試料に対するパネルの判断に従った、どの特性が製品の評価の増減に主に関連するかについての有用な示唆が得られた。値が正であるほど(>0.5)、記述子の強度と製品の満足度との関係がより直接的になる。
処理された値を以下の表8に列挙する。
表8

前述したような比較分析は、図13および図14に示すような装置で最適化処理した水試料に対しても、トレビーゾのEUROISA研究所によって行われた。
簡潔にするために参照する必要がある、前記カスタード試料について記載されたものと同じである実施された方法論的基準を繰り返すことなく、この場合、判定パネルは、資格のある官能審査官も含む、異なる抽出および起源を代表する7人の審査官で構成されたことを強調するだけでよい。表9に示すように、それらの有効性を上記の指標(再現性、過去の判別、パネル判別および試料判別)によって評価した。
表9
各審査官は、以下に列挙する試料タイプの全てを入手可能であり、試飲用グラスで提供された。
表10
各審査官は、個々の装備として、各試料および複製についての較正用の紙の用紙に加えて、天然ミネラルウォーター、ノートパッドおよびペンを自由に使用することができた。
本発明の装置によって最適化処理された水試料を分析しなければならないが、特定の視覚的、嗅覚的、味覚的、触覚的および想起的(または快楽的)知覚状態または記述子パラメータは、カスタード試料のものとは異なっていた。それらを以下の表11に列挙する。
表11
信頼性指標の中央値は、0から10までの尺度で表され、0が最小であり、10が最大である、以下の表12のように推定した。したがって、このスコアが高いほど、パネル審査官はそれぞれの中央値付近でより一致していた(高い中央信頼度)。10というスコアは、最大中央信頼性(パネル審査官によって割り当てられたスコアにおける最大一致)を示し、十分性値は6である。
表12
見て分かるように、試飲された全ての製品について、「残留清浄感」と呼ばれる知覚状態は検出されなかった(したがって、あまり有意ではなくなる)。製品T2については、「気泡の存在」および「良い風味」と呼ばれる知覚状態もほとんど有意ではなかった。
11の知覚状態の中で、10もが、製品T1/T3にとって重要かつ有意であることが判明している。同じ製品について、「透明性」および「無色」の知覚状態の比較では、幾分有意性が失われる。審査官らはまた、「匂いの存在」、「透明性」、および「金属的」徴候に高スコアをつけた。
個々の記述子の強度を評価することは、記述試験において確立された慣行であり、これは、審査官らによって表された値の(一般に中央値)合成の指標によって得られる。知覚マップを提供する際に異なる記述子が有する重みも考慮することが非常に重要である。したがって、強度からだけでなく、属性の知覚の頻度からも作成された、より完全なプロファイルが得られる。この技術は、審査官らが所定の記述子によって制約されることなく自分の知覚を自由に表現する場合に必須であるが、同様に、古典的な記述試験においても良好な情報の徴候である。
このセクションの指標の目的は、識別された異なる記述子について、強度だけでなく検出頻度にも拘束されたプロファイルを識別して、それらの相対的および絶対的な「重み」を決定し、非常に具体的で相互に相関する記述子をより少数の(より一般的な)記述子に統合することを可能にすることである。
審査官らは、知覚された記述子に1(最小知覚)から10(最大知覚)の尺度の値を割り当てることによって、互いに影響を及ぼすことなく、試験中の製品の官能特性を自律的に識別した。
検出頻度(異なる試料に関して参加した審査官らの数)および強度(1~10の尺度での評価)の両方を考慮して、幾何平均を使用してデータを処理し、識別された記述子の各々に重みを帰属させた。このようにして得られた結果を表13に示す。
表13
記述子パラメータの意味論的記述プロファイル(SDP)に関するデータは、図21にグラフで示されている。
図から分かるように、識別可能で特有の特性を有する一方で、第1の製品試料T1、すなわち最適化処理によって再活性化された水は、その官能分析において未処理の製品T2(微細濾過水)とあまり異ならないが、製品T3はより低い性能を有する。再活性化された水および微細濾過された水は、不一致の低いピークを有する類似の線に従う。T1は、確かに、不純物の含有は最も少なく、金属的な味覚も最も少ないと知覚されたものであり、加えて最も風味があり、残留清浄度に関する最も高い感覚の1つを確実に与えるものである。
知覚された匂いの存在に関する限り、試料T2(微細濾過水)を除いて、全ての試料が同様である。試料T3(水道水)を除いて、「気泡の存在」知覚状態について同一の類似傾向が観察される。
図22において、DELTA 1グラフは、製品T1/T4「再活性化水」とT2「微細濾過水」との違いを示している。再活性化された水は、「残留清浄度」および「匂いの存在」のより高い感覚を際立たせているが、悪臭の知覚に大きな違いは存在しない。
前記グラフの下端では、再活性化された水が「金属的」徴候の低い知覚を明確に示していることが分かる。DELTA 2グラフは、製品T1/T4「再活性化水」とT3「水道水」との違いを示している。
再活性化された水は、「気泡の存在」および「良い風味」を明確に際立たせているが、例えば、「悪臭」、「金属の徴候」、および「透明性」の異なる知覚は際立っていない。
この場合も、以下の表14に示すように、収集したデータを行列状に並べ替えることで、前記データ間の相関の存在の評価を得ることができる。
表14
水についても、次いで、快楽または想起記述プロファイルを、カスタードに使用したものと同じ方法を使用することによって識別した。
図23のグラフは、快楽または想起記述子パラメータに関連する意味論的記述プロファイルおよび中央値に基づく定量的プロファイルを示す。
第1のグラフでは、このセクションの指標の目的は、強度だけでなく検出頻度にも拘束されたプロファイルを識別するために、識別された異なる記述子について、それらの相対的および絶対的な「重み」を決定することである。非常に具体的で相互に相関する記述子をより少数の(より一般的な)記述子に統合することを可能にする。
検出頻度(異なる試料に関して参加した審査官らの数)および強度(1~10の尺度での評価)の両方を考慮した幾何平均を使用してデータを処理し、知覚された快楽品質の各々に重みを帰属させた。
第2のグラフでは、再活性化水の2つの試料T1およびT4の合成中央値を他の2つの製品T2およびT3の中央値と比較することによって、製品の全体的な知覚における個々の記述子の重要性を識別することが可能である。例えば、この場合、「残留清潔感」、「苦味」、「気泡の存在」は、試験中の製品の特徴的な特性の識別に重要であることが判明している。
重ねられたグラフは、製品T1/T4の長所のうち、「満足度」、「軽やかさ」、「魅力」などの快楽要素と、重厚感という限られた知覚を示している。
以前のものと比較して、製品T2は、魅力のレベルは低くなったが、「鮮度」および「リフレッシュ性」の品質の知覚は高くなった。商品T3については「鮮度」に対する感覚の低さが報告されている。快楽指標と定量的記述子に起因する値との間の相関分析を通して、後者の強度と製品の全体的な満足度との間の数学的結合が識別され、一方で、このセッションの試料に対するパネルの判断に従った、どの特性が製品の評価の増減に主に関連するかについての有用な指標が得られる。値が正であるほど(>0.5)、記述子の強度と製品の満足度との関係がより直接的になる。
この分析の結果を以下の表15に要約する。
表15
カスタードおよび水などの異なる製品で行われた比較実験分析は、化学的-物理的分析を通して以前に観察されたこと、すなわち最適化デバイス10がその様々な実施形態において官能特性またはそれらの少なくとも一部に影響を及ぼすことを本質的に確認した。
これは、考慮される記述子パラメータによって強調されるように、食品の保存およびそれらの評価も促進する。
上記の説明に照らして、以下の特許請求の範囲において本発明の特徴を具体的に説明することが可能である。

Claims (17)

  1. 食品、水、液体などを処理および/または保存するための装置であって、前記食品、水、液体などが配置される少なくとも1つの処理チャンバ(3;113)が存在する外部構造(2;111)と、前記チャンバ(3)内で流体の流れを循環させるための手段(4、5、6、7、8、9;114、115)とを備え、前記装置は、前記処理チャンバ(3;113)内を循環しかつ前記チャンバ(3;103)内に配置された前記食品、水または液体を包む流体の流れと相互作用するように適合された、異なる材料層(21、22)を備える少なくとも1つの活性要素(20)が存在する最適化デバイス(10)を備えることを特徴とする、装置。
  2. 前記最適化デバイス(10)は、前記処理チャンバ(3;113)内に、またはそれに隣接して収容されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記活性要素(20)の前記異なる材料層(21、22)は金属材料を含む、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記活性要素(20)の前記異なる材料層(21、22)は、銀、金、白金、またはそれらの合金などの貴金属でコーティングされた、銅、アルミニウム、またはそれらの合金を含む群に含まれる少なくとも1つの金属を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記活性要素(20)の前記合金は、真鍮、青銅、ザマクおよびアルミニウム青銅を含む、請求項4に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つの活性要素(20)は、銀、金、白金、またはそれらの合金などの貴金属でコーティングされた、銅、アルミニウム、またはそれらの合金を含む群に含まれる金属材料で作られた実質的に円錐形の要素を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記少なくとも1つの活性要素(20)は、金属製の容器またはボックス(11a;11b)に収容されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記容器またはボックス(11a;11b)はステンレス鋼で作られている、請求項7に記載の装置。
  9. 前記装置は2℃~80℃の間に含まれる範囲で動作する食品用のブラストチラー(1)であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記装置は水ディスペンサ(110)であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記装置はチャンバ(113)が内部に画定され、水または別の液体を供給するための少なくとも1つの入口(114)および出口(115)を介して外部と流体連通する容器(111)を備え、少なくとも1つの最適化デバイス(10)が収容されている、請求項10に記載の装置。
  12. 前記装置は冷却ユニット(6、7、8)を備えること、および冷蔵庫、冷蔵室、または同様の食品保存装置であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
  13. 食品を処理および/または保存する方法であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置内に所定の時間、存在させるステップを含むことを特徴とする、方法。
  14. 前記存在時間は数分から数時間である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記存在時間は180分未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記食品は、果物、野菜、肉、魚、乳製品、ジュースの中からの少なくとも1つを含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記方法は前記温度を3~10℃の間に含まれる値に下げるステップを含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
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