JP2023548759A - 補体h因子(cfh)に対する結合タンパク質 - Google Patents

補体h因子(cfh)に対する結合タンパク質 Download PDF

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Abstract

本発明は、補体H因子(CFH)に特異的に結合する新規タンパク質に関する。本発明はさらに、CFHの製造、特にCFHの精製の方法に関する。本発明の新規CFH結合リガンドは、アフィニティークロマトグラフィーによってCFHを精製する方法を可能にするので、高度で強力なツールである。【選択図】 なし

Description

本発明は、補体H因子(CFH)に特異的に結合する新規タンパク質に関する。本発明はさらに、CFHの製造、特にCFHの精製の方法に関する。本発明の新規CFH結合リガンドは、アフィニティークロマトグラフィーによるCFHの精製法を可能にするので、高度で強力なツールである。
補体H因子(CFH;β-1Hグロブリン)は、血漿中に天然に存在する血清糖タンパク質である。CFHは補体系の代替経路の主要な液相制御因子であり、C3及びC5転換酵素の形成を防ぎ、すでに形成された転換酵素の解体を促進する。重要なことに、CFHは酵素的切断によるC3bの不活性化の補因子として作用する。CFHの変異に起因してC3bが不活化されないと、結果として重篤な疾患、例えば腎障害につながる可能性がある。他の合併症の可能性もある。H因子は治療への適用が知られている。H因子を供給するためには、その因子を高度に精製し、活性化状態で与えなければならない。
しかし、現在のCFH製造法には、いくつかの精製ステップの複雑な手順を伴うCFH(又は組換えCFH)の精製過程が含まれる。例えば、CFH精製の1つとして、3段階クロマトグラフィー精製(疎水性相互作用、ヘパリンとのアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー)が知られている。精製法後の収率は非常に低く(わずか約15%)、小規模な精製のみが可能である。
より簡便で、且つ効率的な生産方法、特にCFHの精製のための方法が可能になることが、当技術分野において強く求められている。本発明は、CFHに対する新規結合タンパク質を提供することによって、このニーズを満たす。これらの新規結合タンパク質は、アフィニティークロマトグラフィー及び診断への適用においてH因子の正確な捕捉を可能にするので、特に有利である。これにより、例えば医学的な目的で経済的に実行可能な量のCFHの精製を含む生産の成功を可能にする。
上記の概要は、必ずしも本発明によって解決されるすべての課題を記載したものではない。
本開示は、特にこれらに限定されることなく、以下の項目1~15を提供する:
1.配列番号1~25の群から選択されるいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性をもつアミノ酸配列を含む補体H因子(CFH)に対する結合タンパク質であって、CFHに対して1μM未満の結合親和性を有する結合タンパク質。配列番号13と少なくとも89.5%の配列同一性をもつアミノ酸配列を含むCFHに対する結合タンパク質であって、CFHに対して1μM未満の結合親和性を有する結合タンパク質が好ましい。
2.CFHに対して500nM未満の結合親和性を有する項目1に記載のCFHに対する結合タンパク質。
3.2、3、4、5、又は6個のCFH結合タンパク質が互いに連結した項目1~2に記載のCFHに対する結合タンパク質。
4.ホモ多量体又はヘテロ多量体である項目3に記載のCFHに対する結合タンパク質。
5.好ましくは(a)非免疫グロブリン(Ig)結合タンパク質、並びに(b)任意選択で、放射性核種、蛍光タンパク質、感光剤、色素、及び酵素、及び上記の任意の組み合わせから選択される診断上有効な部分の群から選択される少なくとも1つのさらなる分子を追加で含んでいる項目1~4に記載のCFHに対する結合タンパク質。
6.配列番号7、9、10、13、14、15、16、17、18、19及び23のいずれかのアミノ酸配列又はそれらと少なくとも89.5%の同一性をもつアミノ酸配列含む項目1~5のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質。
7.CFHに関連する疾患の診断に使用するための項目1~6のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質。
8.CFH又はCFHを含むタンパク質のアフィニティー精製などの技術的用途に使用するための項目1~7のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質。
9.項目1~8のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックス。
10.CFH又はCFHを含むタンパク質のアフィニティー精製のための、項目1~8のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質、又は項目9に記載のアフィニティー分離マトリックスの使用。
11.CFHを特異的に結合する親和性を有するアフィニティークロマトグラフィーマトリックスを採用する少なくとも1つのクロマトグラフィーステップを含むCFHを作製する方法であって、項目1~8のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質が、前記アフィニティークロマトグラフィーマトリックスにカップリングされている、方法。
12.(a)CFHを含有する液体を用意すること;(b)前記アフィニティー分離マトリックスにカップリングさせた項目1~8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックスを用意すること;(c)項目1~8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質の結合を可能にする条件下で、前記アフィニティー分離マトリックスを液体と接触させること;(d)前記アフィニティー精製マトリックスから前記CFHを溶出すること;及び(e)前記精製されたCFHを得ることを含む、項目11の方法。
13.CFHの存在を判定するための方法における項目1~8に記載のCFHに対する結合タンパク質の使用。
14.液体試料中のCFHの存在を分析する方法であって、以下のステップ:
(i)CFHを含有する液体を用意すること、
(ii)項目1~8に記載のCFHに対する結合タンパク質を用意すること、
(iii)結合タンパク質のCFHへの結合を可能にする条件下で、(i)の液体を、項目1~8に記載のCFHに対する結合タンパク質と接触させること、
(iv)項目1~8に記載のCFHの複合体を単離すること、及び
(v)(i)の液体中の項目1~8に記載のCFHに対する結合タンパク質の量を測定すること
を含む、方法。
15. 項目1~8のいずれか一項に記載の結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
本発明のこの概要は限定的なものではなく、本発明の他の態様及び実施形態は、以下の説明、実施例及び図面から明らかになるであろう。
図1:CFHに対する結合タンパク質のアミノ酸配列 図1A:配列番号1~22のアミノ酸配列 図1B:配列番号13(配列番号13、14、15、17、23)と少なくとも95%の同一性を有するCFHに対する結合タンパク質のアミノ酸の多重整列 図2:CFH結合タンパク質の分析結果(CFHに対する結合及び精製)。 図3:配列番号23のアミノ酸の固定化したCFHアフィニティーリガンド(=2つのN末端アミノ酸が欠失した配列番号13;CID213108)を用いたPraestoによってCFHが精製されたことを示すSE-HPLCからの画分のSDS-PAGE;レーン7はCFHの溶出画分(pH3.5での溶出)を示す。 図4:配列番号23(配列番号13と同一だが2つのN末端アミノ酸が欠失;CID213108)の固定化したCFHアフィニティーリガンドを用いたPraesto-213108から溶出した精製CFHのSE_HPLCクロマトグラム。Praesto-213108で精製した後、SEC及びSPRによってCFHの完全性(Integrity)及び結合を確認した。 図5:アフィニティーリガンド209621(配列番号13)の苛性安定性(Caustic stability)。UV208nmブレークスループロファイルを示す。この図は、12.5時間の0.1M NaOHインキュベーション後も、樹脂の動的結合能に有意な低下がないことを示す。0.1M NaOHインキュベーション後のアフィニティーリガンドの残存活性は98.9%であった。
本発明は、そのバリアント又はドメインを含むCFHに対して特異的な結合親和性を有する新規タンパク質を提供する。本発明の新規タンパク質は、CFHのアフィニティーリガンドとして、アフィニティークロマトグラフィーでCFHを正確に精製できるので特に有利である。さらに、本発明の新規タンパク質は、CFHに関連する医学的用途に使用することができる。配列番号1~25の群から選択される任意のポリペプチド、又は配列番号1~25のいずれか1つと少なくとも80%の同一性をもつアミノ酸配列はCFHに結合する。CFHに対する結合タンパク質のアミノ酸配列を図1に示す。
以下に本発明をより詳細に説明する前に、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコール及び試薬は変化する可能性があるので本発明はそれらに限定されないことを理解すべきである。また、ここで使用される用語は、特定の態様及び実施形態を説明する目的のためだけのものであり、添付の特許請求の範囲によって反映される本発明の範囲を限定することを意図していないことも理解すべきである。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。それには、タンパク質工学及び精製の分野の当業者だけでなく、技術的用途に使用するための、例えば、アフィニティークロマトグラフィーのアフィニティーリガンドとして使用するためのCFHに対する新しい特異的結合分子を開発する分野の当業者も含まれる。
好ましくは、本明細書で使用される用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC推奨)」、Leuenberger,H.G.W,Nagel,B.and Koelbl,H.eds.(1995),Helvetica Chimica Acta,CH-4010 バーゼル、スイス)に記載の通りに定義される。
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲を通じて、文脈上別段の解釈を必要としない限り、「含む(comprise)」という単語、及び「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、記述された整数若しくはステップ、又は整数若しくはステップのグループを含むことを意味するが、他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップのグループを除外することは意味しないと理解されたい。「comprise(s)」又は「comprising」という用語は、「からなる(consists of)」又は「からなる(consisting of)」の限定を包含できるが、そのような限定が何らかの理由で、ある程度必要である場合に限る。
いくつかの文書(例えば、特許、特許出願、科学出版物、製造業者の仕様書、説明書、GenBankアクセッション番号配列登録など)が本明細書を通じて引用される場合がある。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明によってそのような開示に先行する権利を有していないことを認めるものとして解釈すべきではない。本書に引用された文献の中には、「参照により組み込まれる」ことを特徴としうるものがある。そのような組み込まれた文献の定義及び教示と、本明細書に記載された定義及び教示が矛盾する場合は、本明細書の本文が優先される。
本明細書で言及される配列はすべて、その全体の内容及び開示とともに、本明細書の開示内容の一部を形成する添付の配列表に開示されている。
本出願で使用される重要な用語の一般的な定義
「補体H因子」という用語は、補体H因子(CFH)、そのドメイン、及びそのバリアントに関する。UniProtKB Q5TFM2(SwissProt ID P08603)に示されるアミノ酸配列、又はそのバリアント、又はそれらの断片若しくはドメインを意味する。「補体H因子」という用語は、UniProtKB Q5TFM2と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、96%、又は97%以上、又は100%のアミノ酸配列同一性を示すポリペプチドをすべて含む。また、その用語は、例えばコケ(フィスコミトレラ・パテンス)で作られる組換えヒト補体H因子(又はそのドメイン又はそのバリアント)に関する。補体H因子のドメインは、C3制御ドメイン、例えば、N末端C3b結合部位に結合しうる(Kuhn et al.J.Immunol.1995;155:5663-5670)。
「補体H因子に対する結合タンパク質」又は「CFH結合タンパク質」又は「CFHに対する結合タンパク質」又は「CFHに対するアフィニティーリガンド」という用語は、上記定義のように、補体H因子(CFH)又はバリアント又はそのドメインに結合することができるタンパク質を記述する。本明細書に記載されるように、CFHに対する結合タンパク質は、例えばSPR分析又はBLIなどの好適な方法又は当業者に公知の他の適切な技術によって測定してCFHとの検出可能な相互作用をもつタンパク質を意味する。例えば、CFHに対する結合タンパク質という用語には、例えばCFHのドメイン1、2、3、4と結合するタンパク質が含まれる。
「結合親和性」及び「結合活性」という用語は、本明細書において交換可能に使用することができ、これらは、本発明のポリペプチドが、その断片又はドメインを含むCFHに結合する能力を意味する。典型的には、結合親和性は、平衡解離定数(K)によって測定及び報告され、二分子間相互作用の強さを評価及び順序付けするために使用される。結合親和性及び解離定数は定量的に測定することができる。結合親和性を測定する方法は、当業者に周知であり、例えば、当該技術分野で十分確立されている以下の方法から選択することができる:表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、動力学排除分析(KinExAアッセイ)、フローサイトメトリー、蛍光分光法、等温滴定熱量測定(ITC)、超遠心分析、放射免疫測定法(RIA又はIRMA)、及び増強化学発光(ECL)。典型的には、解離定数Kは20℃~30℃の範囲の温度で測定される。別段の具体的な指示のない限り、本明細書に記載のK値は、SPRによって25℃で測定される。SPRをベースとするシステムで最も広く使われているのは、ビアコアAB製のビアコアである。本発明の様々な実施形態では、CFH又はそのドメインに対する結合親和性は、ビアコアSPRシステムで決定することができる。
「融合タンパク質」という用語は、少なくとも第2のタンパク質に遺伝子工学的に連結された少なくとも第1のタンパク質を含むタンパク質に関する。融合タンパク質は、もともと別々のタンパク質をコードしていた2つ以上の遺伝子をつなげることによって作り出される。したがって、融合タンパク質は、単一の直鎖ポリペプチドとして発現される同一又は異なるタンパク質の多量体からなる場合がある。
本明細書で使用される場合、「リンカー」という用語は、最も広い意味で、少なくとも2つの他の分子を共有結合させる分子を意味する。
「アミノ酸配列同一性」という用語は、2つ以上のタンパク質のアミノ酸配列の同一性(又は違い)を定量的に比較したものを意味する。参照ポリペプチド配列に対する「パーセント(%)のアミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入して、最大のパーセントの配列同一性を達成した後、参照ポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である配列中のアミノ酸残基のパーセント割合と定義される。配列同一性を決定するために、クエリータンパク質の配列は、参照タンパク質又はポリペプチドの配列、例えば、配列番号13のポリペプチドにアライメントされる。配列アライメントの方法は当該技術分野で周知である。例えば、任意のポリペプチドの、例えば配列番号13のアミノ酸配列に対するアミノ酸配列同一性の程度を決定するために、無料に利用できるSIM Local類似度プログラム(Xiaoquin Huang and Webb Miller(1991),Advances in Applied Mathematics,vol.12:337-357)が好ましくは採用される。マルチプルアライメント解析には、ClustalWが好ましくは使用される(Thompson et al.(1994)Nucleic Acids Res.,22(22):4673-4680)。
「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合で連結された2つ以上のアミノ酸の任意の鎖を意味し、生成物の特定の長さを意味しない。したがって、「ペプチド」、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、又は2つ以上のアミノ酸の鎖を指すために使用される他の任意の用語は、「ポリペプチド」の定義内に含まれ、「ポリペプチド」という用語はこれらの用語のいずれかの代わりに、又は交換可能に使用することができる。また、「ポリペプチド」という用語は、当技術分野で周知のポリペプチドの、例えばグリコシル化のような翻訳後修飾の生成物を意味することを意図する。
「アルカリ安定性のある」又は「アルカリ安定性」又は「苛性安定性のある」又は「苛性安定性」という用語は、CFH又はそのドメインに対する結合タンパク質が、CFH又はそのドメインと結合する能力を有意に失うことなくアルカリ条件に耐える能力を意味する。この分野の当業者は、CFH又はそのドメインに対する結合タンパク質又はそのドメインを、例えば実施例に記載のように、水酸化ナトリウム溶液とインキュベートし、続いて、CFH又はそのドメインに対する結合活性を、当業者に公知のルーチン実験によって、例えばクロマトグラフィー的アプローチによって試験することで容易にアルカリ安定性を調べることができる。
アルカリ安定性は、本発明のCFH結合タンパク質を表面プラズモン共鳴(SPR)センサーチップにカップリングさせ、アルカリ性溶液への曝露の前後でCFHに対する結合能又は結合活性をアッセイすることによって決定することができる。アルカリ処理は、例えば、0.1M NaOH中、室温(22℃+/-3℃)で長時間、例えば、少なくとも10時間行うことができる。本明細書でさらに記載されるように、本発明のCFH結合タンパク質、特に融合タンパク質は、本明細書に記載のアルカリ条件に曝露した後、CFHに対する少なくとも90%の結合親和性を保持しうる。さまざまな実施形態では、本発明の結合タンパク質は、固体担体、好ましくはアフィニティー分離マトリックスの固体担体に固定化されたとき、上記のようにCFHに対する結合親和性を保持する。
「クロマトグラフィー」という用語は、移動相及び固定相を使用して、試料中のある種類の分子(例えば、CFH又はバリアント又はそのドメイン)と、他の分子(例えば、混入物質)を分離する分離技術を意味する。液体移動相には分子の混合物が入っており、それら混合物は固定相(固体マトリックスなど)を横切って(across)、又は通り抜けて(through)移動する。移動相中の様々な分子と固定相との相互作用の違いにより、移動相中の分子を分離することができる。
「アフィニティークロマトグラフィー」という用語は、固定相にカップリングしたリガンド(すなわちCFH又はそのドメインに対する結合タンパク質)が、移動相(試料)中の分子(すなわちCFH又はそのドメイン)と相互作用する、すなわちリガンドが精製すべき分子に対して特異的な結合親和性を有するクロマトグラフィーの特定のモードを意味する。本発明の文脈で理解されるように、アフィニティークロマトグラフィーは、CFH又はそのドメインを含有する試料を、CFH又はそのドメインに対する結合タンパク質などのクロマトグラフィーリガンドを含む固定相に加えるものである。固定相に関して、「固体担体」又は「固体マトリックス」という用語は交換可能に使用される。
本明細書で交換可能に使用される「アフィニティーマトリックス」又は「アフィニティー精製マトリックス」又は「アフィニティークロマトグラフィーマトリックス」という用語は、アフィニティーリガンド、例えばCFHに対する結合タンパク質が結合しているマトリックス、例えばクロマトグラフィーマトリックスを意味する。結合したアフィニティーリガンド(例えば、CFHに対する結合タンパク質)は、混合物から精製又は除去されることになる目的の分子(例えば、CFH又はそのドメイン又はそのバリアント)に特異的に結合することが可能である。
本明細書で使用される「アフィニティー精製」という用語は、マトリックスに固定化されたCFH又はそのドメインに対する結合タンパク質に、CFH又はそのドメインを結合させて、液体からCFH又はそのドメインを精製する方法を意味する。それにより、CFH又はそのドメインを除く混合物の他の成分が除去される。さらなるステップにおいて、結合したタンパク質を高度に精製した形態で溶出させることができる。
本発明の実施形態の詳細な説明
次に、本発明をさらに説明する。以下の文章では、本発明の様々な態様をより詳細に定義する。以下に画定される各態様は、明確に反対の指示がない限り、いずれの他の態様又は複数の態様とも組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であると示されたいずれの特徴も、好ましい又は有利であると示されたいずれの他の特徴又は複数の特徴と組み合わせることができる。
CFHに対する新規結合タンパク質は、CFHに対して特異的な結合親和性を示す。CFHに対する結合タンパク質は、配列番号1~25の群から選択されるアミノ酸配列又は配列番号1~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性をもつアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、図1に示される少なくとも1つのアミノ酸配列を含んでいる。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号1~25のアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する。
少なくとも89.5%の配列同一性に言及する本明細書に記載の様々な他の実施形態では、配列同一性は、好ましくは、それぞれの参照配列と少なくとも89.5%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性のいずれかでありうる。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号1~25のアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも89.5%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号7、9、10、13、14、15、16、17、18、19、及び23のアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも89.5%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号13と少なくとも89.5%の配列同一性を有する。配列番号13と89.5%の配列同一性をもつアミノ酸の選ばれた例が本明細書に示されている。例えば、配列番号7、9、10、14、15、16、17、18、19、及び23は、配列番号13と少なくとも89.5%同一である。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号13と少なくとも95%の配列同一性を有する。配列番号13と少なくとも89.5%の配列同一性をもつアミノ酸の選ばれた例が本明細書に示されている。例えば、配列番号14、15、17、及び23は、配列番号13と少なくとも95%同一である。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号13と少なくとも98%の配列同一性を有する。配列番号13と少なくとも98%の配列同一性をもつアミノ酸の選ばれた例が本明細書に示されている。例えば、配列番号15及び23は、配列番号13と少なくとも98%同一である。
いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、配列番号23と少なくとも95%の配列同一性を有する。配列番号13と少なくとも95%の配列同一性をもつアミノ酸の選ばれた例が本明細書に示されている。例えば、配列番号13、14、15、及び17は、配列番号23と少なくとも95%同一である。
いくつかの実施形態では、配列番号13と少なくとも98%の同一性をもつCFHに対する結合タンパク質は、配列番号23又は配列番号15のアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号13と少なくとも95%の同一性をもつCFHに対する結合タンパク質は、配列番号14、15、17、23のアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号13と少なくとも90%の同一性をもつCFHに対する結合タンパク質は、配列番号9、10、14、15、16、17、19、23のアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、配列番号13と少なくとも89.5%の同一性をもつCFHに対する結合タンパク質は、配列番号7、9、10、14、15、16、17、18、19、23のアミノ酸配列を有する。
開示のCFHに対する結合タンパク質の1つの利点は、それがCFHに特異的に結合するという重要な機能的特徴である。このことは、指摘するまでもなく、タンパク質CFHの精製に特に有利である。CFHに対する結合タンパク質は、図2及び実施例3に示されるように、CFHに対する1μM未満の結合親和性を機能的特徴とする。いくつかの実施形態では、結合タンパク質は、500nM未満のCFHに対する結合親和性を有する(例えば、配列番号7、13~19、23)。いくつかの実施形態では、結合タンパク質は、100nM未満のCFHに対する結合親和性を有する(例えば、配列番号13~17、23)。いくつかの実施形態では、結合タンパク質は、50nM未満のCFHに対する結合親和性を有する(例えば、配列番号13、14、15、17、23)。
CFH結合タンパク質の結合親和性は、配列番号13と少なくとも89.5%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性のアミノ酸配列によって与えられる。
結合タンパク質の共通の構造的特徴は、アフィニティークロマトグラフィーで通常適用される条件、例えばアルカリ条件下で安定な人工モザイクタンパク質に基づいていることである。例えば、CFH結合タンパク質の一般的なスキャフォールドは三重らせん構造である。CFH結合タンパク質が二量体である場合、一般的なスキャフォールドは各単量体において三重らせん構造を有する。人工モザイクタンパク質は、いくつかの野生型プロテインA(SpA)ドメインの断片から構成され、さらにユニークで驚くべきCFH結合機能性を生み出す特有の変異を有する。
多量体。本発明の1つの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、互いに連結した1、2、3、4、5、又は6個の結合タンパク質を含む。例えば、配列番号1~6、25は単量体であり、配列番号7~24は二量体である。結合タンパク質の多量体は、一般に当業者に周知の組換えDNA技術によって人工的に生成される。いくつかの実施形態では、多量体はホモ多量体であり、例えば、CFHに対する結合タンパク質のアミノ酸配列は同一である。
他の実施形態では、多量体はヘテロ多量体であり、例えば、CFHに対する結合タンパク質のアミノ酸配列は異なる。例えば、配列番号7~22は、2つの異なる単量体から構成されるヘテロ二量体である。いくつかの実施形態では、これらの単量体は直接つながっている。いくつかの実施形態では、配列番号7~22の各単量体は、構造的に密接に関連し、3~9、12、13、16、18~24、26、27、30~31、34、36~41、44~46、48、51、52、54~58番目に対応する位置において同一である。1番目及び/又は2番目は欠失していてもよい。10番目に対応する位置はアミノ酸T、Q、W、E、Yから選択され、11番目に対応する位置はアミノ酸A、R、H、Eから選択され、14番目に対応する位置はアミノ酸W、Y、Eから選択され、15番目に対応する位置はアミノ酸E、W、Y、Tから選択され、17番目に対応する位置はアミノ酸E、L、V、W、Q、Aから選択され、25番目に対応する位置はアミノ酸E、W、A、H、Q、Y、R、Lから選択され、28番目に対応する位置はアミノ酸W、N、E、V、Hから選択され、29番目に対応する位置はアミノ酸A、Y、H、L、Wから選択され、32番目に対応する位置はアミノ酸W、Q、Hから選択され、33番目に対応する位置はアミノ酸S、K、R、Q、Tから選択され、35番目に対応する位置はアミノ酸A、R、W、Q、Lから選択され、43番目に対応する位置はアミノ酸L、T、K、Eから選択され、47番目に対応する位置はアミノ酸E、Q、R、Lから選択され、49番目に対応する位置はアミノ酸E、Q、H、R、L、Wから選択され、50番目に対応する位置はアミノ酸K、I、R、Lから選択され、54番目に対応する位置はアミノ酸D、Q、K、V、Iから選択される。いくつかの実施形態では、配列番号13、14、15、17、23の各単量体は、構造的に密接に関連し、3~9、11~13、15~16、18~24、26、27、30~31、34、36~42、44~46、48~49、51~58番目に対応する位置において同一である。
1番目及び/又は2番目は欠失していてもよい。
10番目に対応する位置は、アミノ酸T、Q、及びEから選択され、
14番目に対応する位置は、アミノ酸W、及びYから選択され、
17番目に対応する位置は、アミノ酸E、L、及びQから選択され、
25番目に対応する位置は、アミノ酸E、W、H、及びYから選択され、
28番目に対応する位置は、アミノ酸W及びNから選択され、
29番目に対応する位置は、アミノ酸A、Y、及びLから選択され、
32番目に対応する位置は、アミノ酸W及びQから選択され、
33番目に対応する位置は、アミノ酸S、K、及びRから選択され、
35番目に対応する位置は、アミノ酸A及びRから選択され、
43番目に対応する位置は、アミノ酸E及びWから選択され、
47番目に対応する位置は、アミノ酸E及びQから選択され、
50番目に対応する位置は、アミノ酸K及びIから選択される。
いくつかの実施形態では、例えば、配列番号13、14、15、17、及び23から選択される結合タンパク質は二量体である。
いくつかの実施形態では、CFH結合二量体のN末端に位置する単量体のアミノ酸は、10T及び10E、14W、17E及び17Q、25E、28W、29A、32W、33S、35A、43E、47E、並びに50Kから選択される。1番目及び/又は2番目は欠失していてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、N末端単量体は、3~9、11~16、18~24、26~58番目に対応する位置で同一である。可変の位置は、10番目及び17番目に対応する位置(単数又は複数)でありうる。
いくつかの実施形態では、CFH結合二量体のC末端に位置する単量体のアミノ酸は、10Q、14Y、17L、25W及び25Y及び25H、28N、29Y及び29L、32Q、33K及び33R、35R、43W、47Q、並びに50Iから選択される。1番目及び/又は2番目は欠失していてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、CFH結合二量体のC末端単量体は、3~9、11~24、26~28、30~32、34~58番目に対応する位置で同一である。可変の位置は、10、25、29、及び33番目に対応する位置(単数又は複数)でありうる。
追加部分/融合タンパク質。いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質は、開示のポリペプチドとは異なる少なくとも1つのさらなるポリペプチドをさらに含む。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質とは異なるさらなるポリペプチドは、非CFH結合タンパク質である可能性がある。さまざまな実施形態では、非CFHタンパク質は、非Ig結合タンパク質、例えば限定されないが、免疫グロブリンのFc部分に結合しないタンパク質である可能性がある。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質とは異なるさらなるポリペプチドは、非Ig結合タンパク質、例えば限定されないが、免疫グロブリンのFc部分に結合しないタンパク質である可能性がある。いくつかの実施形態では、さらなるポリペプチドの共通の構造的特徴は、さらなるポリペプチドは、本明細書に開示のCFH結合タンパク質の構造と同等の三重らせん構造を有することである。
いくつかの実施形態では、さらなるポリペプチドは、配列番号26と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、さらなるポリペプチド、例えば非Ig結合タンパク質は、配列番号26と少なくとも89.5%の同一性を有する。したがって、いくつかの実施形態は、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質及び1又は2又は3つ又はより多くのポリペプチド、例えば非Ig結合ポリペプチド(単数又は複数)を含む融合タンパク質を包含する。
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号13と少なくとも89.5%の同一性をもつアミノ酸の少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質及び少なくとも1つのさらなるポリペプチド、例えば非Ig結合タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号13と少なくとも89.5%の同一性をもつ少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質及び配列番号26と少なくとも89%の同一性の少なくとも1つのさらなるポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、融合タンパク質はCFHに対する結合タンパク質を含んでおり、CFHに対する結合タンパク質のC末端は、さらなるタンパク質のN末端に融合している。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質を含んでおり、CFHに対する結合タンパク質のC末端は、配列番号26と少なくとも89%をもつさらなるタンパク質の二量体のN末端に融合している。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質及び少なくとも1つのさらなるタンパク質、例えば非Ig結合タンパク質を含む融合タンパク質が配列番号25に示されている。
1つの実施形態では、配列番号23(2つのN末端アミノ酸が欠失した配列番号13)は、配列番号25に示される少なくとも1つの非Ig結合タンパク質(CID213110)に融合している。
1つの実施形態では、配列番号23(2つのN末端アミノ酸が欠失した配列番号13のバリアント)は、配列番号25に示される3つの非Ig結合タンパク質(複数)(CID213110)に融合している。
いくつかの実施形態では、前記融合タンパク質は、以下にさらに説明するように、固体担体が部位特異的にカップリングするための結合部位を含む。
追加診断用部分。いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質は、開示のポリペプチドとは異なる少なくとも1つのさらなるポリペプチドをさらに含む。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質とは異なるさらなるポリペプチドは、任意選択で、放射性核種、蛍光タンパク質、感光剤、色素、及び酵素、並びに任意の上記の組み合わせから選択される少なくとも1つの診断上有効な部分である可能性がある。いくつかの実施形態では、さらに少なくとも1つの診断用部分を含むCFHに対する結合タンパク質は、例えば、イメージング剤として採用することができる。生体内若しくはインビトロでのイメージング又は放射線療法における適用に適した放射性核種としては、例えば、ガンマ線放出同位体群、陽電子放出同位体群、ベータ線放出同位体群、及びアルファ線放出同位体群などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、好適な結合相手としては、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)又はジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)などのキレート剤又はそれらの活性化誘導体、ナノ粒子及びリポソームが挙げられる。さまざまな実施形態では、DOTAは、放射性同位元素用の錯化剤及び他のイメージング用薬剤として好適でありうる。
追加治療用部分。いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質は、開示のポリペプチドとは異なる少なくとも1つのさらなるポリペプチドをさらに含む。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質とは異なるさらなるポリペプチドは、任意選択で、モノクローナル抗体及びその断片、放射性核種、細胞毒性化合物、サイトカイン、ケモカイン、酵素、並びにそれらの誘導体、並びに上記の任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの治療上有効な部分である可能性がある。いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質は、治療上有効な成分を追加で含み、CFHへの上記の列挙成分のいずれかの標的化送達に使用することができる。
薬物動態を制御する追加部分。いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質は、開示のポリペプチドとは異なる少なくとも1つのさらなるポリペプチドをさらに含む。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質とは異なるさらなるポリペプチドは、任意選択で、ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、アルブミン結合タンパク質及びペプチド、免疫グロブリン結合タンパク質及びペプチド、並びに免疫グロブリン及び免疫グロブリン断片、多糖、並びにアミノ酸、アラニン、グリシン、セリン、プロリンを含む非構造化アミノ酸配列から選択される、薬物動態を制御する少なくとも1つの部分である可能性がある。
部分は、互いに直接ヘッドトゥテール(head-to-tail)で連結してもよく、リンカーによって連結してもよく、そこにおいてリンカーはペプチドリンカーであることが好ましい。さまざまな実施形態では、ペプチドリンカーは、融合タンパク質の2つの部分を立体的に隔てるアミノ酸配列として考えることができる。典型的には、そのようなリンカーは1~30個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態では、リンカーは、任意のアミノ酸から選択される20個のアミノ酸からなりうる。いくつかの実施形態では、リンカーは、Q、A、P、K、V、D、F、Sの群から選択される20個のアミノ酸からなりうる(例えば、配列番号24の融合タンパク質を参照)。
精製又は検出のための分子。いくつかの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質はまた、例えば、N-及び/又はC-末端における追加の配列など、N-及び/又はC-末端における追加のアミノ酸残基を含みうる。例えば、追加の配列としては、例えば精製又は検出のために導入される配列を挙げることができる。そのような配列の典型的な例としては、Strep-タグ、オリゴヒスチジンタグ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質、インテイン、インテイン断片、又はプロテインGのアルブミン結合ドメインなど挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、追加のアミノ酸配列は、特定のクロマトグラフィーカラム材料に親和性を付与する1つ又は複数のペプチド配列を含む。CFHに対する結合タンパク質は、固体担体への結合のための特異的な結合部位、好ましくはシステイン又はリジンなどのC末端を含むことができる。
CFHに対する結合タンパク質の同定方法。本発明はさらに、CFHに対する結合親和性をもつ本明細書に開示の結合ポリペプチドCFHの同定方法を提供し、その方法は次のステップ:(i)タンパク質の集団(ライブラリー)を用意すること;(ii)(i)のタンパク質の集団をCFHと接触させること;(iii)CFHに対する結合タンパク質とCFHを含む複合体を同定すること;及び(iv)CFHに対する結合タンパク質を得ることを含む。
CFHに対する結合タンパク質の同定方法は、CFHに対する結合親和性を測定するさらなるステップを含むことができる。結合親和性は、本明細書の他の箇所に記載のように測定することができる。
技術的用途におけるCFH又はそのドメインに対する新規結合タンパク質の使用。技術的用途における、好ましくはアフィニティー精製に使用するための、融合タンパク質を含む多量体を含む本明細書に開示のCFHに対する任意の新規結合タンパク質の使用も本明細書で提供される。
CFHの作製方法。本明細書に記載のように、アフィニティークロマトグラフィー(アフィニティー精製とも呼ばれる)は分子間の特異的な結合相互作用を利用する。タンパク質の固定化の方法及びアフィニティークロマトグラフィーの方法は、タンパク質精製の分野で周知であり、この分野の当業者は標準的な技術や装置を使用して容易に行うことができる。
いくつかの実施形態は、CFHのアフィニティー精製の方法に言及し、その方法は以下を含む:(i)CFHを含有する液体を用意すること;(ii)前記アフィニティー分離マトリックスにカップリングさせた少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックスを用意すること;(iii)少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質の結合を可能にする条件下で前記アフィニティー分離マトリックスを液体と接触させること;(iv)前記アフィニティー精製マトリックスから前記CFHを溶出すること;及び(v)前記精製されたCFHを得ること。
いくつかの実施形態は、コケ(フィスコミトレラ・パテンス)由来のCFHのアフィニティー精製の方法に言及し、その方法は以下を含む:(i)CFHを含有する液体を用意すること;(ii)前記アフィニティー分離マトリックスにカップリングさせた少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックスを用意すること;(iii)少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質の結合を可能にする条件下で前記アフィニティー分離マトリックスを液体と接触させること;(iv)前記コケ由来CFHを前記アフィニティー精製マトリックスから溶出すること;及び(v)前記精製されたコケ由来CFHを得ること。いくつかの実施形態は、コケで作られる組換えヒトCFHのアフィニティー精製の方法に言及する。
いくつかの実施形態は、CFHのアフィニティー精製のステップを含むCFHの製造方法に言及し、その方法は以下を含む:(i)CFHを含有する液体を用意すること;(ii)前記アフィニティー分離マトリックスにカップリングさせた少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックスを用意すること;(iii)少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質の結合を可能にする条件下で前記アフィニティー分離マトリックスを液体と接触させること;(iv)前記アフィニティー精製マトリックスから前記CFHを溶出すること;及び(v)前記精製されたCFHを得ること。
いくつかの実施形態は、CFHのアフィニティー精製のステップを含むコケ(フィスコミトレラ・パテンス)におけるCFHの製造方法に言及し、その方法は以下を含む:(i)CFHを含有する液体を用意すること;(ii)前記アフィニティー分離マトリックスにカップリングさせた少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックスを用意すること;(iii)少なくとも1つの上記のCFHに対する結合タンパク質又は上記の融合タンパク質の結合を可能にする条件下で前記アフィニティー分離マトリックスを液体と接触させること;(iv)前記アフィニティー精製マトリックスから前記CFHを溶出すること;及び(v)前記精製されたCFHを得ること。いくつかの実施形態は、組換えヒトCFHのアフィニティー精製のステップ及び前記精製組換えヒトCFHを得ることを含む組換えヒトCFHの製造方法に言及する。
さまざまな実施形態では、アフィニティー精製の方法は、アフィニティー精製マトリックスから、それに非特異的に結合している一部又はすべての分子を除去するのに十分な条件下で実施される1つ又は複数の洗浄ステップをさらに含むことができる。開示の用途及び方法に適したアフィニティー精製マトリックスは、当業者に公知である。
固体担体への結合。本発明の様々な態様及び/又は実施形態では、上記の方法のいずれかによって生成された、又は得られた新規タンパク質を含む本明細書に開示の新規タンパク質は、固体担体に結合される。本発明いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドを固体担体に部位特異的に共有結合でカップリングさせるための結合部位を含む。具体的な結合部位は、固相の反応性基、又は固相とタンパク質の間のリンカーとの特異的化学反応を可能にするシステイン又はリジンなどの天然アミノ酸を含むが、それらに限定されない。
アフィニティー精製マトリックス。別の実施形態では、上記の方法のいずれかによって同定されるポリペプチドを含む、CFHに対する結合タンパク質を含むアフィニティー精製マトリックスが提供される。
好ましい実施形態では、アフィニティー精製マトリックスは固体担体である。アフィニティー精製マトリックスは、本明細書に記載の少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質を含む。したがって、アフィニティーマトリックスによるCFHの精製に使用するための本明細書に開示のCFHに対する新規結合タンパク質が包含される。
アフィニティークロマトグラフィー用の固体担体マトリックスは当該技術分野で公知であり、例えば、アガロース及びアガロースの安定化誘導体、セルロース又はセルロースの誘導体、制御細孔ガラス、モノリス、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、又は合成ポリマー、及び様々な組成のハイドロゲル並びに上記の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
固体担体マトリックスのフォーマットは、任意の好適な周知の種類を使用することができる。本発明の新規タンパク質又はポリペプチドをカップリングさせるためのそのような固体担体マトリックスは、例えば、限定されないが、以下のうちの1つを含む可能性がある:カラム、キャピラリー、粒子、膜、フィルター、モノリス、繊維、パッド、ゲル、スライド、プレート、カセット、又はクロマトグラフィーにおいて一般的に使用され、当業者に公知の他の任意のフォーマット。
1つの実施形態では、マトリックスは、実質的に球状のビーズ、例えばセファロース又はアガロースビーズで構成されている。粒子の形態のマトリックスは、充填層として、又は拡張床(expanded bed)などの浮遊した形態(suspended form)で使用することができる。本発明の他の実施形態では、固体担体マトリックスは、膜、例えばハイドロゲル膜である。いくつかの実施形態では、アフィニティー精製は、本発明のCFHに対する結合タンパク質が共有結合したマトリックスとして膜を含むことができる。また、固体担体はカートリッジ内の膜の形態であることもできる。
いくつかの実施形態では、アフィニティー精製は、本発明の新規タンパク質が共有結合した固体担体マトリックスを含有するクロマトグラフィーカラムを含む。本発明の新規タンパク質又はポリペプチドは、従来のカップリング技術によって、好適な固体担体マトリックスに結合させることができる。タンパク質リガンドの固体担体への固定化の方法は、タンパク質工学及び精製の分野で周知であり、この分野の当業者は標準的な技術及び装置を用いて容易に実施することができる。
さらなる実施形態は、CFHを特異的に結合する親和性を有するアフィニティークロマトグラフィーマトリックスを採用する少なくとも1つのクロマトグラフィーステップを含むCFHを製造する方法に関し、そこにおいて上記のCFHに対する結合タンパク質は、前記アフィニティークロマトグラフィーマトリックスにカップリング結合している。
CFHの存在を判定する方法の使用。いくつかの実施形態では、CFHの存在を判定する方法における、上記のCFHに対する結合タンパク質、又は上記の融合タンパク質、又は上記のアフィニティーマトリックスの使用に言及する。
さらに、いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質又は本明細書に記載の融合タンパク質はCFHの存在を判定する方法に使用される。いくつかの実施形態は、液体試料中のCFHの存在を分析する方法に関し、その方法は次のステップを含む:(a)CFHを含有する液体を用意すること、(b)CFHに対する結合タンパク質を用意すること、(c)少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質のCFHへの結合を可能にする条件下で、CFHを含有する液体を本明細書に記載のCFHに対する結合タンパク質と接触させること(d)CFHとCFHに対する結合タンパク質の複合体を単離すること(溶出させること)、及び任意選択で、(e)(a)の液体中のCFHの量を示すCFHに対する結合タンパク質の量を測定すること。
CFHの定量の方法。さらなる実施形態はCFHの定量の方法に関し、その方法は次のステップを含む:(a)CFHを含有する液体を用意すること;(b)本明細書に記載のCFHに対する結合タンパク質が共有結合でカップリングしているマトリックスを用意すること;(c)少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質のCFHへの結合を可能にする条件下で、前記アフィニティー精製マトリックスを液体と接触させること;(d)前記CFHを溶出させること;及び任意選択で、(e)溶出したCFHの量を定量すること。液体試料中のCFHの存在を判定する方法は、定量的又は定性的である可能性がある。そのような方法は当業者に周知であり、例えば、当該技術分野で十分確立されている以下の方法:酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、酵素反応、表面プラズモン共鳴(SPR)及びクロマトグラフィーから選択することができるが、これに限定されない。
医学的用途。いくつかの実施形態では、上記のCFHに対する結合タンパク質は、CFH関連疾患の診断又は治療に使用される。1つの実施形態では、CFHに対する結合タンパク質は、CFHを診断する、又はCFHに関連する疾患を治療するために医学において使用される。
1つの実施形態は、診断(モニタリングを含む)方法であり、その診断(モニタリング)方法は、任意選択で放射性分子に結合させた記載のCFHに対する結合タンパク質を対象に投与することを含む。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質は、CFHの診断のために使用することができ、任意選択でCFHに対する結合タンパク質は放射性分子に結合される。いくつかの実施形態では、放射性又は蛍光などの標識をもつCFHに対する結合タンパク質を使用するイメージング法を採用することができる。
1つの実施形態は、CFHに関連する、又はCFHによって引き起こされる疾患を有する対象を治療する方法であり、その治療方法は、本明細書に記載のCFH結合タンパク質を対象に投与することを含む。さまざまな実施形態では、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質は、CFHに関連する、又はCFHによって引き起こされる疾患の治療のために使用することができる。
組成物。様々な実施形態は、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質を含む組成物に関する。医学における使用のための、好ましくは、上記のCFHの診断(検出/モニタリング)又はCFHに関連する若しくはCFHによって引き起こされる疾患の治療に使用するための、上記で画定されたCFHに対する結合タンパク質を含む組成物。上記のCFHに対する結合タンパク質を含む組成物は、診断目的及び治療目的の両方で臨床用途に使用することができる。特に、本明細書に記載のCFHに対する結合タンパク質を含む組成物は、CFHをイメージング、モニタリング、及び排除又は不活性化する臨床用途に使用することができる。
様々な実施形態は、本明細書に記載のCFHに対する結合タンパク質並びに診断上許容可能な担体及び/又は希釈剤を含む、CFHの診断のための診断用組成物に関する。これらには、例えば、安定化剤、界面活性剤、塩、緩衝剤、着色剤などが含まれるが、これらに限定されない。組成物は、液体製剤の形態、凍結乾燥物、顆粒、エマルションの形態又はリポソーム製剤でありうる。
本明細書に記載のCFHに対する結合タンパク質を含む診断用組成物は、上記のように、CFHの診断に使用することができる。
様々な実施形態は、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質、及び医薬的に(例えば治療上)許容可能な担体及び/又は希釈剤を含む、疾患の治療のための医薬(例えば治療)組成物に関する。医薬(例えば治療)組成物は、それ自体で知られているさらなる補助剤及び賦形剤を任意選択で含むことができる。これらには、例えば、安定化剤、界面活性剤、塩、緩衝剤、着色剤などが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で画定されるCFHに対する結合タンパク質を含む医薬組成物は、上記のように、疾患の治療のために使用することができる。
組成物は、本明細書で画定されるCFHに対する結合タンパク質の有効量を含有する。投与されるタンパク質の量は、生物、疾患の種類、患者の年齢や体重、さらにそれ自体知られている要因に依存する。ガレノス製剤に応じて、これらの組成物は、注射又は点滴による非経口投与、全身投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、又は他の従来から採用されている適用方法によって投与することができる。
組成物は、液体製剤の形態、凍結乾燥物、クリーム、局所塗布用ローション、エアロゾル、粉末の形態、顆粒、エマルションの形態又はリポソーム製剤でありうる。製剤の種類は、疾患の種類、投与経路、疾患の重症度、患者及び医学の当業者に公知の他の要因に依存する。
組成物の様々な成分は、使用説明書とともにキットとしてパッケージ化することができる。
ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞。1つの実施形態は、本明細書に開示のCFHに対する結合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド又は核酸分子を包含する。さらなる実施形態はまた、本明細書に開示のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を包含する。
さらに提供されるのは、本発明の単離ポリヌクレオチド又は核酸分子を含むベクター、特に発現ベクター、及び単離ポリヌクレオチド又は発現ベクターを含む宿主細胞である。例えば、本明細書に開示のポリペプチドをコードする1つ又は複数のポリヌクレオチドは、好適な宿主で発現することができ、生成されたタンパク質を単離することができる。ベクターとは、タンパク質をコードする情報を宿主細胞に移すために使用できるあらゆる分子又は実体(例えば、核酸、プラスミド、バクテリオファージ又はウイルス)を意味する。本発明で適用できる好適なベクターは当該技術分野で公知である。
さらに、本明細書に開示のポリヌクレオチド若しくは核酸、又はベクターを含む単離細胞が提供される。好適な宿主細胞としては、原核生物又は真核生物、例えば、細菌宿主細胞、酵母宿主細胞、又はベクターを保有する非ヒト宿主細胞が挙げられる。好適な細菌発現宿主細胞又は系は当技術分野で公知である。また、当該技術分野で公知の様々な哺乳類又は昆虫細胞培養系も、組換えタンパク質を発現させるために採用することができる。
本発明のタンパク質を生成する方法。さらなる実施形態では、記載のCFHに対する結合タンパク質の生成方法が提供され、その方法は次のステップ(単数又は複数)を含む:(a)前記CFH又はそのドメインに対する結合タンパク質を得るように、CFHに対する結合タンパク質の発現に適した条件下で(好適な)宿主細胞を培養すること;及び(b)任意選択で、前記CFHに対する結合タンパク質を単離すること。原核生物又は真核生物の宿主を培養するための好適な条件は、当業者に周知である。
CFHに対する結合タンパク質は、平易な有機合成戦略、固相補助合成技術、又は市販の自動合成装置など、従来からよく知られているいずれかの技術で調製することができる。それらはまた、従来の組換え技術によって、単独で、又は従来の合成技術と組み合わせて調製することもできる。
1つの実施形態では、上記で詳述されたように、CFHに対する結合タンパク質の調製のための方法が提供され、前記方法は次のステップを含む:(a)結合ポリペプチドをコードする核酸分子を用意すること;(b)前記核酸分子を発現ベクターに導入すること;(c)前記発現ベクターを宿主細胞に導入すること;(d)宿主細胞を培養培地中で培養すること;(e)宿主細胞を発現に適した培養条件に供し、それにより結合ポリペプチドを産生させること;任意選択で(f)ステップ(e)で作られたタンパク質又はポリペプチドを単離すること;及び(g)任意選択でタンパク質又はポリペプチドを上記の固体マトリックスに結合させること。本発明の様々な実施形態では、CFHに対する結合タンパク質の作製は、無細胞インビトロ転写及び翻訳で行われる。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために示される。しかし、本発明はそれに限定されず、以下の実施例は、上記の説明に基づいて本発明の実施可能性を示すに過ぎない。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために示される。しかし、本発明はそれに限定されず、以下の実施例は、上記の説明に基づいて本発明の実施可能性を示すに過ぎない。本発明の完全な開示のために、本出願で引用される文献も参照され、その文献は参照により本出願に完全に組み込まれる。
実施例1 CFHに対する結合タンパク質の選択とスクリーニング
ライブラリー。ランダムな位置でシステインや他のアミノ酸残基を同時に排除して、バランスの良い(well-balanced)アミノ酸分布を達成するように、安定したプロテインA様バリアント(プロテインAドメインの断片と追加の変異から構成される人工モザイクタンパク質)に基づく独自のcDNAライブラリーを、合成トリヌクレオチドホスホラミダイト(ELLA Biotech)で生成したランダム化オリゴヌクレオチドを使って自社内(in house)で合成した。対応するcDNAライブラリーをPCRで増幅し、pCD33-OmpAファージミドにライゲーションした。ライゲーション混合物のアリコートを大腸菌SS320(Lucigen)のエレクトロポレーションに使用して、ファージライブラリーを作製及び精製し、凍結ストックとして保存した。別段の指示のない限り、確立された組換え遺伝子工学の方法を使用した。
ファージディスプレイによる選択:ファージディスプレイを選択系として使用し、組換えCFH(コケから単離、本明細書では「コケ-FH」とも呼ぶ)をONターゲットとしてナイーブ(naive)ライブラリーを濃縮した。各ラウンドにおいて、Sigmablockerでブロックされた空の磁気ビーズを使用して事前選択(pre-selection)ステップを行った。AIT法を適用した。これは各ラウンドの開始前にオンターゲット(ON-target)タンパク質を磁性Epoxy M-270 Dynabeads又は磁性Pierce NHS-ビーズのいずれかに固定化したことを意味する。大腸菌ER2738(Lucigene)を、クライオファージライブラリー感染及び各ラウンド後のファージプールの再増幅に使用した。当業者に公知に標準的な方法でファージの増幅及び精製を行った。4回の選択ラウンドはすべて自動KingFisher-System(サーモフィッシャー)を用いて行って、所望のファージ-標的複合体を単離及び捕捉した。結合したファージをトリプシンで溶出し、再増幅した。選択の成功は、モス-FH(125ng/ウェル)、BSA(250ng/ウェル)又はSigmablockerでコーティングした中結合マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One)でのファージプールELISAによって解析した。α-M13 HRP結合抗体(GEヘルスケア)を使用して、結合したファージを検出した。
標的結合ファージプールの発現ベクターへのクローニング。ファージプールELISAで組換えCFHに対する特異的な結合を示す選択プールを、当該技術分野で公知の方法に従ってPCRで増幅し、適切な制限ヌクレアーゼで切断し、C末端システイン、それに続くストレプトアビジンタグを含む発現ベクターpET-28a(メルク、ドイツ)の誘導体にライゲーションした。
結果:様々なファージディスプレイ選択プールから、それぞれのオンターゲットCFHに対する特異的なシグナルが得られた。BSA又はSigmablockerを用いた参照では、ほぼすべてのプールで結合が見られなかった。選択したプールを、配列の決定、サブクローニング、ハイスループットスクリーニングに進めた。濃縮したバリアントを選択して、ラボスケールでの生産及び精製に向けてそのまま移した。
一次スクリーニング:選択プールを、CFHに対してハイスループット一次スクリーニングに進めた。したがって、CFH[c=2.5μg/ml]を384ウェル高結合プレートに固定化し、西洋わさびペルオキシダーゼで標識したStrep-Tactin(登録商標)を使用することによって結合バリアントを検出しました(450/600nmの吸光)。
二次スクリーニング:9063個のバリアントを、オンターゲット対する確認スクリーニングに選択した:CFH[c=2.5μg/ml]及びオフターゲット(OFF-target):BSA[c=2.5μg/ml]。ヒット基準:オフターゲットのシグナルの10倍より大きい試料のシグナル。
三次スクリーニング:低pH安定性(low pH stability)のスクリーニングで3009個のバリアントをヒットと判定した。したがって、クエン酸バッファーを用いてpH3.0で細胞を溶解し、TRISバッファーで中和した。可溶画分をオンターゲット対するスクリーニングに使用した:CFH[c=2.5μg/ml]及びオフターゲット:BSA[c=2.5μg/ml]を比較した。ヒット基準:>0.7、且つオフターゲットのシグナルの8倍をより大きいバリアントのシグナル。
μスケール精製及びBLI解析:456個のバリアントを、配列の決定、μ-スケール精製(PhyNexus、実施例2を参照)及びOctet 8チャネル(channel)システムを使用したCFHに対するBLI解析に向けたヒットと判定した。BLI測定のために、抗StrepTag抗体を介してセンサー表面(ForteBio)にバリアントを固定化した。結合すると、バリアントは表面に蓄積し、屈折率を増加させる。この屈折率の変化をリアルタイムで測定し、時間に対するnmシフトとしてプロットした。捕捉したバリアントのCFH[c=250nM]に対する親和性を測定し、やはり時間対するnmシフトとしてプロットした。27個のヒットバリアントをラボスケールでの作製に向けて選択した。
実施例2 CFH結合タンパク質の発現と精製
バリアントを、大腸菌BL21(DE3)でT7プロモーターの制御のもと、pNP-013ベクター系を使用して発現させた。タンパク質を、培地(自己誘導培地)に含まれるラクトースによって誘導した後、可溶性の形態で産生させた。BL21(DE3)コンピテントセルを発現プラスミドで形質転換し、選択寒天培地プレート(カナマイシン)に広げ、37℃で一晩インキュベートした。単一コロニーから50μg/mlのカナマイシンを補充した3mlの2×YT培地に単一コロニーを播種して前培養とし、培養管中で、通常のオービタルシェーカーで37℃、200rpmで6時間培養した。2.5L容UltraYieldフラスコ中で、350mlのZYM-5052(0.5%グリセロール、0.2%ラクトース、0.05%グルコース、0.5%酵母エキス、1.0%カザミノ酸、25mM NaHPO、25mM KHPO、5mM NaSO、2mM MgSO及び微量元素)に0.3/ODの前培養を播種して主培養とした。培養物をオービタルシェーカーに移し、30℃、200rpmでインキュベートした。グルコースを代謝させ、その後ラクトースを細胞内に取り込ませることによって、組換えタンパク質の発現を誘導した。細胞を一晩、約17時間培養して、約17~19の最終OD600に達した。収集前にOD600を測定し、0.6/OD600に調整した試料を取り出し、ペレット化し、-20℃で凍結した。バイオマスを集めるため、細胞を12000×g、22℃で20分間遠心分離した。ペレットの重量(湿重量)を測定し、処理前に-20℃で保存した。
タグ付きタンパク質を親和性及びサイズ排除クロマトグラフィーで精製した。最初の捕捉ステップを、StrepTactinアフィニティー樹脂(StrepTactin Superflow 5ml、IBA、結合バッファー:100mM TRIS、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT、pH8.0;溶出バッファー:100mM TRIS、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT、2.5mM D-デスチオビオチン、pH8.0)を使用し、それに続いて、AKTA xpressシステムを使用した、20mMクエン酸、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT pH6.0のサイズ排除クロマトグラフィー(HiLoad Superdex 75 16/60 120ml、GEヘルスケア)で行った。最後に5mM TCEPをタンパク質バッチに加えた。製造業者の説明書に従ってhIgG-セファロースで、タグなしタンパク質を精製した。AKTA avantシステム(GEヘルスケア)を使用して、Superdex 75又は200 26/600 カラム(GEヘルスケア;バッファー:20mMクエン酸、150mM NaCl、1mM EDTA pH6)を用いたサイズ排除クロマトグラフィーで最終精製(Polishing)を行った。SDS-PAGE解析後、陽性(positive)画分をプールし、タンパク質濃度を280nmの吸光度測定でモル吸光係数を用いて測定した。さらなる分析にRP-HPLC及びSE-HPLCを含めた。Dionex HPLCシステム及びPLRP-S(5μm、300Å)カラム(Agilent)を使用して、逆相クロマトグラフィー(RP-HPLC)を行った。Dionex HPLCシステム及びSuperdex75 increase 5/150 GL(GEヘルスケア)を使用して、分析用サイズ排除クロマトグラフィー(SE-HPLC)を行った。結果を図2に示す。
実施例3 SPRによる結合解析
精製したタンパク質を、PDEA活性化後にNHS/EDCを用いて、CM-5センサーチップ(GEヘルスケア)にC末端システインを介して固定化し、ビアコア3000システム(GEヘルスケア)で110~140RUを得た。チップをSPRランニングバッファー(PBS 0.05%ツイーン pH7.3)で平衡化した。他のバリアントは、rプロテインA表面及び抗strepタグ抗体(Anti-NWSHPQFEK、GenScript)を使用してStreptagを介して、バリアントの捕捉のために固定化した。
可溶性組換えCFHを30μl/分の流速で、連続希釈(様々な濃度)でチップに載せた。結合は120秒間、解離は120秒間行った。各ランの後、チップ表面を30μlの再生バッファー(10mMグリシン pH2.0)で再生し、ランニングバッファーで平衡化した。
CFHは表面に蓄積し、屈折率を増加させた。この屈折率の変化をリアルタイムに測定し、時間に対する応答又はレゾナンスユニットとしてプロットした。
ビアコア3000(GEヘルスケア)を使用して結合試験を実施した。データ評価は、ラングミュア1:1モデル(RI=0)を使用して、製造業者提供のBIAevaluation 3.0ソフトウェアを介してデータ評価を行った。評価した解離定数(K)は、固定化したタンパク質に対して標準化して示した。リアルタイムに測定し、時間[秒]に対する応答又はレゾナンスユニット[RU]としてプロットした屈折率の変化を示す。結果を図2に示す。
実施例4 バイオレイヤー干渉法(BLI)によるキネティック(Kinetic)結合解析
Octet(商標)システム(ForteBio、Pall LLC)を使用して、CFHに対するアフィニティーリガンドの結合特性を測定した。プロテインAセンサー(ForteBio)を、1×キネティクスバッファー(0.002%ツイーン20及び1mg/mLのBSAを補充したPBS)中の抗strepタグ抗体[c=150nM]の初期ロードに使用した。結合すると、バリアント[c=1μM]が表面に蓄積され、屈折率が上昇した。屈折率の変化をリアルタイムに測定し、時間に対するnmシフトとしてプロットした。組換えCFH[cstart=1μM]の3倍連続希釈にわたって、CFHへの結合を行った。装置製造業者の推奨に従って1×キネティクス(kinetics)バッファー中で、ベースライン及び解離のステップを実施した。捕捉したバリアント[c=1μM]のCFHに対する親和性を測定し、やはり時間に対するnmシフトとしてプロットした。すべてのキネティクス実験について、1:1結合モデルへのグローバルデータフィッティング(global data fitting)を用いて、kon(会合速度定数)、koff(解離速度定数)、及びK(平衡解離定数)の値を推定した。
実施例5 CFHのアフィニティー精製
カップリングパラメーター。タンパク質を均質に精製し、AIC実験用の樹脂にカップリングさせた。精製した結合タンパク質(213108、配列番号23)及び融合タンパク質(例えば、213109、213110)を、活性化したPraesto(商標) Epoxy 85(Purolite)1mL当たり25mg又は30mgで、製造業者の説明書に従って固定化した。カップリング条件:35℃で3時間、pH9.5、樹脂1mL当たり110mgのNaSO。バリアントはエポキシ活性化Praesto85樹脂にうまくカップリングされた。
AIC実験。捕捉と溶出。初期のカラム性能試験では、樹脂をsuperformance 50-5カラムハウジングに充填した。リン酸緩衝生理食塩水pH7.3(PBS)を使用してカラムを平衡化し、続いて10mLの組換えCFH発現上清(力価:0.47mg/mL)を6分間の滞留時間で加えた。次いで、樹脂を15カラムボリュームのPBSで洗浄した。溶出は100mMクエン酸バッファーを使用してpH3.5で行い、続いてpH2.0で残留する結合CFHを剥離した。pH3.5及びpH2.0での溶出量をUV280nm吸光度で計算した。pH3.5での溶出率を表1に載せる。
Figure 2023548759000001
SBC測定。SBC測定には、増量した組換えCFH発現上清を(50ml、力価:0.75mg/mL)を用いた。配列番号23の結合タンパク質(配列番号13に対応するが、2つのN末端アミノ酸を含まない;CID213108)並びに配列番号23(CID213109)及び配列番号25(CID213110)の融合タンパク質は、pH3.5溶出で高いステップ収率及び溶出画分中のCFHの高い純度を示した(AIC画分のSDS-PAGE分析について例えば図3を参照)。
溶出バッファーへの10%(v/v)ヘキシレングリコールの添加は、pH3.5での溶出収量の増加をもたらした。SDS-PAGEで最終的なSBC値を求めた(ソフトウェア:Totallab)。組換えCFHを標準タンパク質として使用した。溶出したCFH(マトリックスPraesto_209621から溶出)のSDS-PAGE定量した結果として、27.2mg/mLのSBC値が得られた。SDS-PAGEに対するUV280吸光相関係数は0.486であった。
AIC実験。精製CFHを用いたDBC及びSBC。精製したCFHと、固定化アフィニティーリガンドド209621(配列番号13;Praesto_209621と呼ぶ)で活性化したPraesto 85 epoxyを用いて、DBC測定を行った。精製したCFHをPBSで1mg/mlに希釈し、pH7.3に調整し、6分間の滞留時間でカラムに加えた。標的ブレイクスルーを、UV280nm吸光度で10%ブレイクスルーまで測定し、DBC10%計算を行った。標的のローディングを95%ブレイクスルーまで続け、続いてPBSでカラムを洗浄し、100mMクエン酸においてpH3.5で溶出した。溶出したCFHをUV280nmで定量した。容量値を質量方程式(mass equation)で計算し、UV280nm/SDS-PAGE相関係数で最終補正した(結果は表2に記載)。
Figure 2023548759000002
AIC測定。苛性安定性。リガンド213108を上記のようにPraesto(商標) Epoxy85にカップリングさせ、室温にて0.1M NaOHで12時間処理した(50サイクルに等しい)。残りの動的結合能を、最初のDBC/SBC測定から再利用した標的CFHを用いて求めた。図5から、0.1M NaOHと12.5時間インキュベートした後、樹脂は有意に低下した動的結合能を示さなかったことが確認される。NaOH安定性は98.9%であった。
実施例6 プロテインA ELISAにおけるリガンド検出(浸出(leaching)アッセイ)
アフィニティークロマトグラフィーにおいて、低いレベルの溶出バリアントを測定することは、信頼できる結果を得るために重要である。ネイティブ及び組換えプロテインAを検出するためのプロテインA ELISAキット(Repligen、カタログ番号9000-1)を、希釈バッファーとして0.1%PBSTを使用した以外は、製造業者の説明書に従って溶出アッセイに使用した。試料:Praesto85_213108(Praesto85に固定化した配列番号23)の溶出画分。内部参照:タンパク質スパイク:1ng/mlの精製209621(CID213108)。アフィニティーリガンドの浸出は14.2ng/mlであった。213108は、PBSTバッファー中で、rプロテインA標準と同等の良好な検出性を示した。
実施例7 AICランからのCFHの精製 - 分析(Analytics)
実行したAICランの溶出画分をプールし、AKTA avant システム(GEヘルスケア)を用い、Superdex 200 26/600 カラム(GEヘルスケア;バッファー:PBS、pH7.3)の使用したサイズ排除クロマトグラフィーでさらなる精製を行い、40mgの精製CFHタンパク質を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SE-HPLC)を用いて、精製したCFHを均質性について分析した。Dionex HPLCシステム及びSuperdex75 increase 5/150 GL(GEヘルスケア)で分析を行った。固定化したアフィニティーリガンド213108への結合を、実施例3に従ってSPR測定で分析した。図4に示されるように、精製後に標的の完全性が確認された。

Claims (15)

  1. 配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも89.5%の配列同一性をもつ前記アミノ酸配列を含む補体H因子(CFH)に対する結合タンパク質であって、CFHに対して1μM未満の結合親和性を有する、結合タンパク質。
  2. CFHに対して500nM未満の結合親和性を有する、請求項1に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  3. 2、3、4、5、又は6個のCFH結合タンパク質が互いに連結した、請求項1~2に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  4. ホモ多量体又はヘテロ多量体である、請求項3に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  5. 好ましくは(a)非免疫グロブリン(Ig)結合タンパク質、並びに(b)任意選択で、放射性核種、蛍光タンパク質、感光剤、色素、及び酵素、及び上記の任意の組み合わせから選択される診断上有効な部分の群から選択される少なくとも1つのさらなる分子を追加で含んでいる、請求項1~4に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  6. 配列番号7、9、10、14、15、16、17、18、19及び23のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  7. CFHに関連する疾患の診断に使用するための請求項1~6のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  8. CFH又はCFHを含むタンパク質のアフィニティー精製に使用するための請求項1~6のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質。
  9. 請求項1~6のいずれか一項に記載のCFHに対する結合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックス。
  10. CFH又はCFHを含むタンパク質のアフィニティー精製のための、請求項1~6のいずれか一項に記載の前記CFHに対する結合タンパク質、又は請求項9に記載の前記アフィニティー分離マトリックスの使用。
  11. CFHを特異的に結合する親和性を有するアフィニティークロマトグラフィーマトリックスを採用する少なくとも1つのクロマトグラフィーステップを含むCFHを製造する方法であって、請求項1~6のいずれか一項に記載の前記CFHに対する結合タンパク質が、前記アフィニティークロマトグラフィーマトリックスにカップリングしている、方法。
  12. CFHのアフィニティー精製の方法であって、(a)CFHを含有する液体を用意すること;(b)前記アフィニティー分離マトリックスにカップリングさせた請求項1~6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質を含むアフィニティー分離マトリックスを用意すること;(c)請求項1~6のいずれか一項に記載の前記少なくとも1つのCFHに対する結合タンパク質の結合を可能にする条件下で、前記アフィニティー分離マトリックスを前記液体と接触させること;及び(d)前記アフィニティー精製マトリックスから前記CFHを溶出することを含む、方法。
  13. CFHの存在を判定するための方法における請求項1~6に記載の前記CFHに対する結合タンパク質の使用。
  14. 液体試料中のCFHの存在を分析する方法であって、以下のステップ:
    (i)CFHを含有する液体を用意すること、
    (ii)請求項1~6に記載の前記CFHに対する結合タンパク質を用意すること、
    (iii)前記結合タンパク質の前記CFHへの結合を可能にする条件下で、(i)の前記液体を、請求項1~6に記載の前記CFHに対する結合タンパク質と接触させること、
    (iv)請求項1~6に記載のCFHの複合体を単離すること、及び
    (v)(i)の前記液体中の請求項1~6に記載の前記CFHに対する結合タンパク質の量を測定すること
    を含む、方法。
  15. 請求項1~6のいずれか一項に記載の前記結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
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