JP2023546995A - インビトロ綿ファイバー製造のための細胞株、変種、および方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、綿ファイバーを製造するためのインビトロ方法を提供し、本開示の綿ファイバー製造のインビトロ方法で使用するために特に従順であることが発見された綿品種を使用する方法を含む。上記方法は、綿ファイバーの製造方法であって、綿細胞をバイオリアクターに接種することと、前記バイオリアクター内の前記細胞を増加させることと、増加された細胞を伸長させることと、前記伸長細胞から綿ファイバーを収穫することとを含み得る。

Description

背景
綿は、世界で最も普及している非食用作物である。しかしながら、綿の生産は、その成功した栽培に必要な金銭および資源の両方の点で高価である。例えば、綿は、水集約的な作物であり、製造される綿ファイバー1キログラム当たり9,000~17,000リットルの水が必要であると推定される。これは、二枚のTシャツを作るのに十分な綿を生産するために使用される1日5,000人を維持するのに十分な飲料水に相当する。同様に、綿栽培は土地を必要とし、さもなければ、食料生産などの他の作物生産から転用されなければならない。成長する綿1エーカー当たり、約500キログラムの綿ファイバーしか生産されないと推定される。綿栽培は温室効果ガスの純排出者でもあり、製造された綿ファイバー1キログラム当たり約0.75~2.25キログラムの二酸化炭素ガスが排出される。さらに、綿は植物であるため、その栽培は、不作、時宜を得ない作物、さらには過剰な生産につながる可能性がある。予期せぬ綿収穫の結果を克服するために、毎年数十億ドルが物流管理に費やされている。
植物細胞組成物のインビトロ生産は、植物由来製品の植物生産に関連するいくつかの制限要因を克服する場合があり、それによって伝統的な農業に対する信頼性が高く、エネルギー効率の良い、環境に優しい代替物を提供する。例えば、インビトロで生産された植物細胞組成物は連続的に利用可能であり得る一方、in planta法で成長した作物は、周期的に利用可能である。
しかしながら、特に工業規模での綿ファイバーのインビトロ生産のための現在知られている方法はない。植物細胞組成物のインビトロ生産の速度および規模は、現在、十分な細胞均一性の十分な量の細胞接種物を調製することの困難さ、またはインビトロ植物細胞生産サイクルのための合理的プロトコルの欠如などのいくつかの工学的制約によって制限されたままである。
したがって、綿を製造するインビトロ方法が必要とされている。
要旨
本発明は、綿ファイバーのインビトロ生産のための方法および組成物を提供する。本発明の方法および組成物は、スケールアップされる場合があり、それによって綿ファイバーの工業規模の製造を可能にする。本発明者らは、ほぼすべての綿品種に由来する細胞をこれらの綿生産のインビトロ方法に使用し得るが、特定の品種がインビトロ綿ファイバー生産に特に適した特性を有するという驚くべき発見をした。本発明のインビトロ方法で使用される場合、これらの品種のいくつかは、例えば、予期せぬことに迅速な細胞成長、迅速な細胞増加/複製、初期綿ファイバー/プレファイバー成長、および/または効率的なバイオリアクター接種を示した。
さらに、本発明者らは、綿植物の任意の分裂組織からの綿細胞、またはそれに由来する綿細胞を、開示されたインビトロ綿ファイバー製造の方法で使用し得るという驚くべき発見をした。しかしながら、予期せぬことに、特定の分裂組織内で、細胞が得られた組織上の位置は、本開示の綿生産のインビトロ方法における細胞成長、培養、およびファイバー発達に有意な影響を及ぼし得る。例えば、本発明者らは、驚くべきことに、綿の丸莢(例えば、丸莢の上部、中間部、または底部の3分の1)上の異なる位置から得られた綿胚珠表皮細胞を含む綿胚珠細胞が、本開示の方法で使用される場合、様々なレベルの細胞成長およびファイバー発達を提供することを発見した。この差異は、細胞が同じ品種の綿植物から得られた場合でも生じた。本発明者らはまた、細胞成長、培養および/またはファイバー発達のための組織上の理想的な位置が異なる綿品種間で異なるという驚くべき発見をした。
インビトロ綿製造の本開示方法を使用することにより、従来のin planta法よりも約77%少ない水および80%少ない土地面積を使用して綿ファイバーを生産し得る。同時に、この方法は綿ファイバーを生産し、従来の方法と比較して二酸化炭素排出量を約84%削減し得る。より低い資源コストにもかかわらず、本発明の方法は、in plant法よりもはるかに速く綿ファイバーを生産する。綿は、伝統的に植え付けから収穫まで5~6ヶ月を必要とするが、本開示のインビトロ方法は、約45日またはそれ未満で綿ファイバーの収穫に至り得る。さらに、開示方法は、in plant法ではなくインビトロであるため、それらはより堅固に制御され得る。したがって、完全ではないにしても、不作、時宜を得ない作物、または過剰な作物の傾向を減らし、除外し得る。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、インビトロ作物生産に関連する多くの障壁を克服した。本発明者らは、予期せぬことに、綿外植片のほぼすべての組織を使用して増殖細胞凝集体を産生し、インビトロでの綿生産のためにバイオリアクターに接種し得ることを発見した。さらに、予期せぬことに、特定の綿品種由来の細胞は、バイオリアクターに接種するための接種材料を迅速かつ効率的に産生することが示された。また、増殖細胞凝集体を安定に冷蔵保存し得る。さらに、増殖細胞凝集体を接種したバイオリアクターは、細胞の倍加を迅速にもたらし得、倍加した細胞を綿ファイバーの生産のために伸長させ得る。
したがって、本発明は、綿ファイバーの製造方法を含む。例示的な方法では、方法は、綿細胞をバイオリアクターに接種することと、バイオリアクター内の細胞を増加させることと、増加した細胞を伸長させることと、伸長細胞から綿ファイバーを収穫することとを含む。特定の方法では、バイオリアクターに接種するために使用される綿細胞は、PAYMASTER HS26、PD2164、SA2413、SEALAND #1(G.B.X G.H.)、SOUTHLAND M1、STATION MILLER、TASHKENT1、TIDEWATER29(G.B.X G.H.)、TOOLE、WESTERN STORMPROOF、ACALA5、ALLEN33、CD3HCABCUH-1-89、DELTAPINE14、DES24、DIXIE KING、FJA、M.U.8B UA 7-44、NC88-95、PAYMASTER HS200、Pima S-7、AcalaおよびMAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の綿植物からであるか、またはそれに由来する。特定の方法では、品種は、PD2164、WESTERN STORMPROOF、CD3HCABCUH-1-89、TASHKENT1、SOUTHLAND M1、ACALA5、FJA、PAYMASTER HS200、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される。いくつかの方法では、品種は、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される。特定の方法では、品種は、PD2164、SOUTHLAND M1、およびCD3HCABCUH-1-89、またはそれらのいずれかの子孫から選択される。さらに、特定の方法では、品種はPD2164である。
特定の方法では、方法は、綿胚珠表皮細胞を含み得る綿胚珠細胞をバイオリアクターに接種することを含む。綿胚珠および胚珠表皮細胞は、綿の丸莢(cotton boll)から得てもよい。特定の方法では、綿胚珠および/または胚珠表皮細胞は、綿の丸莢の底部3分の1、中間部3分の1、または上部3分の1から得られ、底部は、綿植物の茎からその成長が開始した丸莢上の位置である。特定の方法では、綿胚珠および/または胚珠表皮細胞は、綿の丸莢の上位3分の1から得られ、品種は、PD2164およびACALA5、またはそれらのいずれかの子孫から選択される。特定の方法では、綿胚珠および/または胚珠表皮細胞は、綿の丸莢の中間部3分の1から得られ、品種は、PD2164およびFJA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される。特定の方法では、綿胚珠および/または胚珠表皮細胞は、綿の丸莢の底部3分の1から得られ、品種は、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される。
綿ファイバーを製造するための方法は、綿胚珠細胞をバイオリアクターに接種することを含み得る。本方法は、代替的または追加的に、増殖細胞凝集体からの細胞をバイオリアクターに接種することを含み得る。特定の方法では、増殖細胞凝集体の細胞は、品種Pima S-7の綿植物から得られるおよび/またはそれに由来する。
好ましくは、増殖細胞凝集体は脆弱なカルスである。したがって、方法は、綿外植片から細胞を得ることと、綿外植片からの細胞をカルス誘導培地と接触させて、脆弱なカルスを産生することとをさらに含み得る。驚くべきことに、綿外植片からの細胞は、綿頂端分裂組織、子葉、若葉、胚軸、胚珠、胚珠表皮細胞、茎、成熟葉、花、花柄、花の輪紋、根、球根、発芽種子、体細胞および接合胚、ならびに/または形成層分裂組織細胞(CMC)に由来する。
本方法は、脆弱なカルスから細胞を解離することと、解離細胞を培養することとをさらに含み得る。培養された解離細胞は、バイオリアクターに接種するために使用され得る。解離細胞を培養することは、解離細胞を液体または半固体の培地で培養して細胞懸濁液を形成することを含み得る。本方法はまた、細胞懸濁液を凍結保存することと、凍結保存された細胞懸濁液をバイオリアクターに接種することとを含み得、方法は、細胞懸濁液を均質化して微細細胞懸濁液を形成することをさらに含む。均質化は、細胞懸濁液の1回またはそれを超える継代培養、細胞懸濁液の濾過、細胞懸濁液のピペッティングおよび/またはデカンテーション、ペクチナーゼの懸濁液への添加を含み得る。
方法はまた、任意の非伸長細胞から伸長細胞を分離することと、分離された伸長細胞から綿ファイバーを収穫することとを含み得る。さらに、本方法は、本方法の後続の反復で使用するために任意の非伸長細胞を再利用することを含み得る。
綿を製造するための方法はまた、成熟培地を使用して伸長増加細胞を成熟させることと、成熟した伸長細胞から綿ファイバーを収穫することとを含む。収穫は、成熟培地から綿ファイバーを分離することと、ファイバーが5%未満の水分含有量を有するまで、分離された綿ファイバーに空気を通過させることとを含み得る。
特定の態様では、綿を生産するための方法は、G.hirsutum、G.arboreum、G.barbadense、G.anomalum、G.armourianum、G.klotzchianum、G.raimondii、G.herbaceumまたはそのいずれかの子孫から選択される綿属(Gossypium)種の綿植物からのおよび/または綿植物に由来する綿細胞をバイオリアクターに接種することを含み得る。特定の態様では、綿植物は、PAYMASTER HS26、PD2164、SA2413、SEALAND #1(G.B.X G.H.)、SOUTHLAND M1、STATION MILLER、TASHKENT1、TIDEWATER 29(G.B.X G.H.)、TOOLE、WESTERN STORMPROOF、ACALA5、ALLEN33、CD3HCABCUH-1-89、DELTAPINE14、DES24、DES56、DIXIE KING、FJA、M.U.8B UA 7-44、NC88-95、PAYMASTER HS200、Pima S-7、Acala MAXXA、Coasland320、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種である。
特定の態様では、本発明の方法は、本方法で使用される4,000リットルの水ごとに少なくとも1キログラムの綿ファイバーを製造するために使用し得る。場合によっては、本発明の方法は、本方法で使用される2,000~4,000の水ごとに少なくとも1キログラムの綿ファイバーを製造し得る。
ある特定の態様において、本発明は、PD2164、WESTERN STORMPROOF、CD3HCABCUH-1-89、TASHKENT1、SOUTHLAND M1、ACALA5、FJA、PAYMASTER HS200、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の綿植物から得られた、および/またはそれらに由来する細胞を用いて綿ファイバーを製造するためのインビトロ法を含む。
ある特定の態様において、本発明は、PD2164、SOUTHLAND M1、FJA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、TASHKENT1、DIXIE KING、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の綿植物から得られた、および/またはそれらに由来する細胞を用いて綿ファイバーを製造するためのインビトロ法を含む。
図1は、本発明の例示的な方法を示す。
図2は、綿ファイバーのインビトロ生産のための商業規模プロセスの概念のフローチャートを示す。
図3は、本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムされたまたは他の方法で構成されたコンピュータシステムを示す。
詳細な説明
本発明は、綿ファイバーのインビトロ生産のための方法および組成物を提供する。本開示の方法は、細胞ベースであり得、綿ファイバーの栽培のために綿植物全体の成長を必要としない。これらの方法は、制御された環境で綿ファイバーを迅速かつ効率的に栽培することを可能にする。
驚くべきことに、すべてではないにしてもほとんどの綿品種に由来する細胞をこれらの綿生産のインビトロ方法に使用し得るが、いくつかの品種は、それらをインビトロ綿ファイバー生産の本開示方法に特に有用にする形質を有する。本発明の方法で使用される場合、これらの品種のいくつかは、例えば、予期せぬことに迅速な細胞成長、迅速な細胞増加/複製、初期綿ファイバー/プレファイバー成長、および/または効率的なバイオリアクター接種を示す。
さらに、本発明者らは、綿植物の任意の分裂組織からの綿細胞、および/またはそれに由来する綿細胞を、開示されたインビトロ綿ファイバー製造の方法で使用し得るという予期せぬ発見をした。しかし、驚くべきことに、特定の分裂組織内で、細胞が得られた組織上の位置は、本開示の綿生産のインビトロ方法における細胞成長、培養、およびファイバー発達に影響を及ぼし得る。例えば、本発明者らは、綿の丸莢(例えば、丸莢の上部、中間部、または底部の3分の1)上の異なる位置から得られた綿胚珠および/または胚珠表皮細胞が、本開示の方法で使用される場合、様々なレベルの細胞成長およびファイバー発達を提供することを発見した。この差異は、細胞が同じ品種の綿植物から得られた場合でも生じた。本発明者らはまた、細胞成長、培養および/またはファイバー発達のための組織上の理想的な位置が異なる綿品種間で異なるという驚くべき発見をした。
有利には、本発明の方法および組成物は、スケールアップされ得、それによって綿ファイバーの工業規模の製造を可能にする。インビトロ綿製造のこれらの方法を使用することにより、従来のin plant法よりも約77%少ない水および80%少ない土地を使用して綿ファイバーを生産し得る。本方法はまた、伝統的な方法と比較した場合、約84%少ない二酸化炭素排出量をもたらす綿ファイバー収穫物を生産し得る。より低い資源コストにもかかわらず、本発明の方法は、in plant法よりもはるかに速く綿ファイバーを生産する。綿は、伝統的に植え付けから収穫まで5~6ヶ月を必要とするが、本開示のインビトロ方法は、約45日で綿ファイバーの収穫に至り得る。
さらに、開示方法は、in plant法ではなくインビトロであるため、それらはより堅固に制御され得る。したがって、完全ではないにしても、不作、時宜を得ない作物、または過剰な作物の傾向を減らし、除外し得る。これらの方法は、自動機械、およびさらに所望の品質を備えた綿ファイバーの収穫を確実にするために特殊化された綿細胞株を使用して屋内で実施され得る。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、インビトロ作物生産に関連する多くの障壁を克服した。本発明者らは、予期せぬことに、綿外植片のほぼすべての組織を使用して増殖細胞凝集体を産生し、インビトロでの綿生産のためにバイオリアクターに接種し得ることを発見した。また、増殖細胞凝集体を安定に冷蔵保存し得る。したがって、一旦生成されると、細胞凝集体は、生きている綿植物に依存する必要なく、綿ファイバー製造に使用され得る。増殖細胞凝集体から少数の細胞を接種したバイオリアクターは、バイオリアクター内で細胞の倍加を迅速にもたらし、綿ファイバーの生産のために倍加した細胞を伸長させ得る。
図1は、本開示の例示的な方法101を提供する。まず、バイオリアクターに少数の綿細胞を接種する(103)。バイオリアクターに、胚珠表皮細胞を含み得る少数の綿胚珠細胞を接種してもよい。一般に、バイオリアクターには、増殖細胞凝集体からの少数の綿細胞が接種される。実施例4に示すように、増殖細胞凝集体からの綿細胞のミリグラム量は、最終的にバイオリアクターに接種するのに十分である。
接種103は、フラスコまたはプレートなどの容器内で成長培地を調製することと、増殖細胞凝集体から培地に少数の綿細胞を導入することとを含み得る。次いで、接種材料の成長のために容器を放置してもよい。あるいは、バイオリアクターの内部で接種材料の成長が起こり得る。
本発明者らは、驚くべきことに、暗条件下での接種材料の成長が優れた成長を提供することを見出した。接種材料の成長中に、例えば80~180rpmの速度で容器を振盪または撹拌してもよい。好ましくは、接種材料の成長は、約30℃~約35℃の温度で起こる。好ましくは、培地は、植物ホルモン、植物成長調節剤、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはグルコースを含む溶液である。接種材料の成長は、一般に約16日かかるが、おおよそ所望通りであり得る、または条件もしくは個々の綿細胞株に起因し得る。
接種材料は、細胞懸濁液を含む液体または半固体の培地であり得る。必要に応じて懸濁液をホモジナイズして、微細細胞懸濁培養物を得てもよい。本発明者らは、均一な細胞懸濁液が、バイオリアクターに接種した場合に、より再現性があり信頼できる結果を提供し得ることを発見した。
均質化は、当技術分野で知られる任意の方法が含まれ、懸濁液の1回またはそれを超える継代培養、濾過、ピペッティング/デカンテーション、および/または低濃度のペクチナーゼの添加を含み得る。
次いで、得られた接種材料をバイオリアクターに導入する。あるいは、得られた接種材料は、後にバイオリアクターに接種する際に使用するために、例えば凍結によって保存され得る。接種材料または均質な細胞懸濁液は、例えば液体窒素中で無期限に凍結保存され得る。これは、一般に、接種材料/均一な細胞懸濁液からの細胞を凍結保護剤溶液、例えばグリセロールおよびスクロースの溶液に懸濁することを必要とする。凍結保護剤溶液は、例えばプロリンを使用して補充され得る。凍結保存細胞は、バイオリアクターに接種する際に使用する前に、例えば、回収培地を使用して回収され得る。
増殖細胞凝集体はカルスであり得る。好ましくは、増殖細胞凝集体は脆弱なカルスであり、これは粘着性でも軟性でもないばかりではなく、物理的に破壊または崩壊され得ないほど硬質でも高密度でもない。したがって、脆弱なカルスは、コンパクトで脆いばかりではなく、破壊または崩壊されるのに適していない「硬質カルス」とも異なる。本発明者らは、脆弱なカルスが、バイオリアクターへの接種103および/または接種材料の調製に使用するために、脆弱なカルスから個々の細胞を容易に分離する単純な機械的操作を可能にすることを発見した。
接種103後、方法101は、バイオリアクターでの細胞の増加105を必要とする。この期は、一般に5~12日間続き、綿細胞の複製は綿系統に応じて約1~3日かかる。細胞は、例えば、細胞培養培地で細胞を培養することによって複製され得る。
次いで、増加した細胞を伸長107させて、綿ファイバーを生成する。これは、増加細胞において伸長を誘導するために伸長培地を使用することを含み得る。特定の態様では、伸長培地は、綿の伸長細胞の液胞からのフェノール化合物の放出を促進する。伸長細胞は、綿ファイバーに成熟する綿プレファイバーを含んでもよい。
特定の態様では、綿細胞を伸長させるために半固体の伸長培地が使用される。本発明者らは、液体培地とは対照的に半固体培地を使用すると優れた結果が達成されるという予期せぬ発見をした。
必要に応じて、伸長後、伸長した綿細胞は、任意の非伸長綿細胞から分離される。非伸長綿細胞は綿ファイバーに成熟しない。しかしながら、それらは再利用され、方法の後続の反復で使用されてもよい。伸長綿細胞を非伸長細胞から分離することは、細胞の濾過、ふるい分け、デカンテーション、および遠心分離のうちの1またはそれを超えることを含み得る。
分離されると、この時点で綿プレファイバーを有し得る伸長綿細胞が熟成する。細胞を成熟させることは、成熟培地の使用を含み得る。成熟中、糖は細胞で結合してセルロースを生成し、セルロースは、二次壁を形成する細胞内で生じる綿ファイバー(天然グルコース重合)の主成分である。綿プレファイバーは、数、密度、および/または長さが増加する。
成熟後、例えば溶液/緩衝液で細胞からファイバーを分離することによって、綿細胞から綿ファイバーを収穫した。次いで、例えば綿ファイバーに空気を通すことによって、収穫された綿ファイバーを5%未満の含水量まで乾燥させる。
したがって、方法101は、綿植物を栽培することなく綿細胞から綿ファイバーを製造し得る。これらの方法は、制御された環境で綿ファイバーを迅速かつ効率的に栽培することを可能にする。
方法101はまた、脆弱なカルスの調製も含んでもよい。脆弱なカルスは、例えば、綿の外植片から細胞を得て、その細胞をカルス誘導培地と接触させることによって作製され得る。驚くべきことに、本発明者らは、綿植物の任意の分裂組織部分からの組織を使用して、脆弱なカルスを産生し得ることを発見した。したがって、綿外植片からの細胞は、綿頂端分裂組織、子葉、若葉、胚軸、胚珠、胚珠表皮細胞、茎、成熟葉、花、花柄、花の輪紋、根、球根、発芽種子、体細胞および接合胚、ならびに/または形成層分裂組織細胞(CMC)に由来し得る。
脆弱なカルスの調製は、綿外植片の細胞をカルス誘導培地と接触させることを含み得る。カルス誘導培地は、少なくとも植物外植片の細胞サブセットの分裂を促進し得る。カルス誘導培地を使用すると、脱分化細胞塊が生じる。これらの塊の細胞はその後培養され得、これにはカルス成長培地の使用が含まれ得る。
本発明の特定の態様は、植物ホルモンおよび/または成長調節因子(オーキシン、ジベレリン等を含む)の使用を必要とする。ホルモン/調節剤は、例えば、綿細胞を培養するための本明細書に記載の培地で使用され得る。植物ホルモンおよび/または成長調節剤(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、天然に存在する供給源から誘導され、合成的に生成され、または半合成的に生成され得、すなわち、天然由来の出発材料から出発し、次いで材料を合成的に修飾する。これらの修飾は、当業者が想定する従来の方法を用いて行われ得る。以下の参考文献には、以下に記載されるか、または本明細書の他の箇所に記載される植物細胞組成物のための植物ホルモンおよび/または成長調節剤(オーキシン、ジベレリン等を含む)が含まれ(Gasparら、In Vitro Cell.Dev.Biol Plant、32、272-289、1996年10月~12月およびZhangら、Journal of Integrative Agriculture、2017年、16(8):1720~1729)、その各々の内容(特に、すべての植物ホルモンおよび/または植物成長調節剤)は、参照により本明細書に組み込まれる。特に、当業者は、特定のジベレリンが植物細胞の伸長を促進することができることを理解するであろう。
いくつかの態様では、本発明で使用される植物ホルモンおよび/または成長調節剤は、表Aのものによって例示される。
「Y」は、その行の対応する植物ホルモンまたは植物成長調節剤が、列見出しに示される用途に使用され得ることを示す。
「阻害剤」は、その行の対応する植物ホルモンまたは植物成長調節剤が、列見出しに示される活性を阻害するために使用され得ることを示す。
「ND」は、列見出しに示される用途について、対応する植物ホルモンまたは植物成長調節剤の効果が(少なくともある程度)未定であることを示す。
特定の態様では、本発明は、誘導培地またはカルス誘導培地を使用する。本明細書に記載のカルス誘導培地は、少なくとも植物外植片の細胞サブセットの分裂を促進するように構成され得る。例えば、カルス誘導培地は、綿植物カルスの誘導を促進しまたは促し得る。カルス誘導培地は、希釈基本培地(すなわち、1:1.5~1:5、1:1.5~1:4、1:1.5~1:3等)を含み得る。カルス誘導培地は、1またはそれを超える塩、多量養素、微量養素、有機分子および/またはホルモン(誘導を促進しまたは促し得るものなど)を含み得る。カルス誘導培地は、約25℃で液体であり得る。あるいは、カルス誘導培地は、特定温度で液体でない場合がある。一部の実施形態では、カルス誘導培地は、約25℃で液体でない場合がある。一部の実施形態では、カルス誘導培地は、25℃で半固体培地(ゲル化したものなど)であり得る。
半固体培地の非限定的な例としては、軟質寒天、軟質アガロース、軟質メチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、isabgol、グアーガム、他の軟質ポリマーゲル、または当技術分野で知られる任意の他のゲル化剤が挙げられる。カルス誘導培地は寒天を含み得る。一部の実施形態では、カルス誘導培地は寒天を含まない場合がある。一部の実施形態では、カルス誘導培地は、ゲル化剤を含まない。一部の実施形態では、寒天またはゲル化剤を含まないカルス誘導培地は液体であり得る。一部の実施形態では、寒天またはゲル化剤を含まないカルス誘導培地は固体であり得る。一部の実施形態では、寒天を含まないカルス誘導培地はゲルであり得る。一部の実施形態では、寒天を含まないカルス誘導培地は、寒天代替物を含み得る。一部の実施形態では、カルス誘導培地はあるpHを有し得る。カルス誘導培地のpHは、植物カルスの誘導に適切であり得る。一部の実施形態では、カルス誘導培地のpHは、植物カルスの誘導のために最適化され得る。一部の実施形態では、カルス誘導培地のpHは、5.3~6.3であり得る。一部の実施形態では、カルス誘導培地のpHは、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、もしくは6.9、または任意の2つの前述値の間の範囲であり得るか、またはそのおよそのpHであり得る。
本開示は、カルス培地またはカルス成長培地、および綿を製造するためのインビトロ方法におけるそれらの使用を含む。本明細書に記載のカルス成長培地は、植物カルスの成長を促進しまたは促し、および/または増殖細胞凝集体を産生し得る。カルス成長培地はゲル培地であり得、一部の実施形態では、寒天および/または別のゲル化剤、ならびに植物カルスの植物型のための多量養素および微量養素の混合物を含み得る。場合によっては、カルス培地は、窒素、リンまたはカリウムで富化され得る。場合によっては、カルス成長培地は液体培地であり得る。一部の実施形態では、カルス成長培地は、少なくとも1つの植物ホルモンもしくは成長調節剤(オーキシン、ジベレリン等を含む)、または少なくとも2つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも3つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも4つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも5つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも6つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも7つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも8つの植物ホルモンもしくは成長調節剤を含み得る。少なくとも1つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤(または少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤)(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、インドール酢酸(IAA)、インドイル-3-アクリル酸、4-Cl-インドイル-3-酢酸、インドイル-3-アセチルアスパルタート、インドール-3-アセトアルデヒド、インドール-3-アセトニトリル、インドール-3-乳酸、インドール-3-プロピオン酸、インドール-3-ピルビン酸、インドール酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、トリプトファン、フェニル酢酸(PAA)、グルコブラシシン、ナフタレン酢酸(NAA)、ピクロラム(PIC)、ディカンバ、エチレン、パラ-クロロフェノキシ酢酸(pCPA)、β-ナフトキシ酢酸(NOA)、ベンゾ(b)セレニエニル-3酢酸、2-ベンゾチアゾール酢酸(BTOA)、N6-(2-イソペンテニル)アデニン(2iP)、ゼアチン(ZEA)、ジヒドロ-ゼアチン、ゼアチンリボシド、カイネチン(KIN)、6-(ベンジルアデニン)-9-(2-テトラヒドロピラニル)-9H-プリン、2,4,5,-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、6-ベンジルアミノプリン(6BA)、1,3-ジフェニルウレア、N-(2-クロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、N-フェニル-N’-1,2,3-チアジアゾル-5-イルウレア、ジベレリンA、ジベレリンA1(GA1)、ジベレリン酸(GA3)、ジベレリンA4(GA4)、ジベレリンA7(GA7)、ブラシノリド(BR)、ジャスモン酸(JA)、ジベレリンA、ジベレリンA32、ジベレリンA、15-β-OH-ジベレリンA、15-β-OH-ジベレリンA、12-β-OH-ジベレリンA、12-α-ジベレリンA、サリチル酸、(-)ジャスモン酸、(+)-7-イソ-ジャスモン酸、プトレシン、スペルミジン、スペルミン、オリゴサッカリンおよびスチグマステロールからなる群から選択される任意の1つまたは組み合わせであり得る。少なくとも1つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤(または少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤)(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、インドイル-3-酢酸、インドイル-3-アクリル酸、インドイル-3-酪酸、4-Cl-インドイル-3-酢酸、インドイル-3-アセチルアスパルタート、インドール-3-アセトアルデヒド、インドール-3-アセトニトリル、インドール-3-乳酸、インドール-3-プロピオン酸、インドール-3-ピルビン酸、トリプトファン、フェニル酢酸、グルコブラシシン、2,4-ジクロロフェニルオキシ酢酸、1-ナフタレン酢酸、ディカンバ、ピクロラム、エチレン、ベンゾ(b)セレニエニル-3酢酸、トランス-ゼアチン、N-(2-イソペンチル)アデニン、ジヒドロ-ゼアチン、ゼアチンリボシド、キネチン、ベンジルアミド、6-(ベンジルアデニン)-9-(2-テトラヒドロピラニル)-9H-プリン、1,3-ジフェニルウレア、N-(2-クロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、N-フェニル-N’-1、2,3-チアジアゾル-5-イルウレア、ジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA32、ジベレリンA、15-β-OHジベレリンA、15-β-OHジベレリンA、12-β-OHジベレリンA、12-α-ジベレリンA、サリチル酸、ジャスモン酸、(-)ジャスモン酸、(+)-7-イソ-ジャスモン酸、プトレシン、スペルミジン、スペルミン、オリゴサッカリン、ブラシノリドおよびスチグマステロールからなる群から選択される任意の1つまたは組み合わせであり得る。少なくとも1つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤(または少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤)(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、インドール酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、ナフタレン酢酸(NAA)、パラクロロフェノキシ酢酸(pCPA)、β-ナフトキシ酢酸(NOA)、2-ベンゾチアゾール酢酸(BTOA)、ピクロラム(PIC)、2,4,5,-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、フェニル酢酸(PAA)、カイネチン(KIN)、6-ベンジルアミノプリン(6BA)、N6-(2-イソペンテニル)アデニン(2iP)、ゼアチン(ZEA)、ジベレリンA1(GA1)、ジベレリン酸(GA3)、ジベレリンA4(GA4)、ジベレリンA7(GA7)、エチレン、ブラシノリド(BR)およびジャスモン酸(JA)からなる群から選択される任意の1つまたは組み合わせであり得る。
特定の態様では、カルス成長培地は、約25℃で液体であり得る。一部の実施形態では、カルス成長培地は、約25℃で液体でない場合がある。一部の実施形態では、カルス成長培地は、25℃で半固体培地(ゲル化したものなど)であり得る。半固体培地の非限定的な例としては、軟質寒天、軟質アガロース、軟質メチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、isabgol、グアーガム、他の軟質ポリマーゲル、または当技術分野で知られる任意の他のゲル化剤が挙げられる。一部の実施形態では、カルス成長培地は寒天を含み得る。一部の実施形態では、カルス成長培地は寒天を含まない場合がある。一部の実施形態では、カルス成長培地は、ゲル化剤を含まない。一部の実施形態では、寒天またはゲル化剤を含まないカルス成長培地は液体であり得る。一部の実施形態では、寒天またはゲル化剤を含まないカルス成長培地は固体であり得る。一部の実施形態では、寒天を含まないカルス成長培地はゲルであり得る。一部の実施形態では、寒天を含まないカルス成長培地は、寒天代替物を含み得る。
一部の実施形態では、カルス成長培地はあるpHを有し得る。カルス成長培地のpHは、植物カルスを成長させるためおよび/または増殖細胞凝集体を生成するために適切であり得る。一部の実施形態では、カルス成長培地のpHは、植物カルスを成長させるためおよび/または増殖細胞凝集体を産生するために最適化され得る。一部の実施形態では、カルス成長培地のpHは、5.3~6.3であり得る。一部の実施形態では、カルス成長培地のpHは、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、もしくは6.9、または任意の2つの前述値の間の範囲であり得るか、またはそのおよそのpHであり得る。
本発明は、細胞培養培地(例えば、増加/複製培地)、および本明細書に記載の綿を製造するためのインビトロ方法におけるそれらの使用を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の細胞培養培地は、細胞集団または増殖細胞凝集体の増殖を促進しまたは促し得る。細胞培養培地は、1またはそれを超える塩、多量養素、微量養素、有機分子および/またはホルモン(増殖を促進しまたは促し得るものなど)を含み得る。場合によっては、細胞培養培地は、増殖細胞凝集体などの細胞集団を増殖させるように構成され得る。細胞培養培地は、細胞集団の植物細胞の植物細胞壁または増殖細胞凝集体を分解し得る酵素を含み得る。一部の実施形態では、酵素は、ペクトセルロース分解酵素であり得る。一部の実施形態では、酵素は、セルラーゼ、ヘミセルロース、セルリシン、またはそれらの組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、細胞培養培地はあるpHを有し得る。細胞培養培地のpHは、細胞集団または増殖細胞凝集体を培養するのに適切であり得る。
一部の実施形態では、細胞培養培地のpHは、増殖細胞凝集体などの細胞集団を培養するために最適化され得る。一部の実施形態では、細胞培養培地のpHは、細胞分裂のために最適化され得る。一部の実施形態では、細胞培養培地のpHは5.3~6.3であり得る。一部の実施形態では、細胞培養培地のpHは、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、もしくは6.9、または任意の2つの前述値の間の範囲であり得るか、またはそのおよそのpHであり得る。一部の実施形態では、細胞培養培地はカルス成長培地とは異なるpHを有し得る。一部の実施形態では、細胞培養培地はカルス成長培地と同じpHを有し得る。一部の実施形態では、細胞培養培地のpHは、カルス成長培地のpHと0.1未満、0.2未満、または0.3未満異なり得る。例えば、細胞培養培地のpHは、カルス成長培地のpHと0.2単位未満異なり得る。
好ましくは、本開示の細胞培養培地は、MS、B5、グルコース、スクロース、キネチン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、NAAおよびココナッツ水のうちの1またはそれを超えるものを含む。好ましくは、細胞培養培地は2,4-Dを含む。特定の態様では、細胞培養培地は、MS、B5、グルコース/スクロース、および2,4-Dを含む。
本発明はまた、回収培地、および綿ファイバーを製造するためのインビトロ方法におけるそれらの使用も含む。回収培地は、例えば、凍結保存後の綿細胞接種物の回収に使用され得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、回収培地に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載の回収培地は、綿細胞の回収を促進しまたは促し得る培地であり得る。回収培地は、伸長を促進しまたは促し得る1またはそれを超える塩、多量養素、微量養素、有機分子および/またはホルモンを含み得る。
本発明は、伸長培地、および綿ファイバーを製造するためのインビトロ方法におけるそれらの使用を含む。本明細書に記載の伸長培地は、伸長することができる細胞の伸長、例えば綿細胞の伸長を促進しまたは促し得る。本明細書に記載の伸長培地は、1またはそれを超える塩、多量養素、微量養素、有機分子および/またはホルモン(伸長を促進しまたは促し得るものなど)を含み得る。一部の実施形態では、伸長培地は、綿細胞からの液胞からのフェノール化合物の放出を促進するように構成され得る。一部の実施形態では、フェノール化合物(O-ジフェノールなど)は、インドール酢酸(IAA)オキシダーゼを阻害することによってファイバー分化を開始し、および/または細胞内オーキシンレベルを増加させるように構成される。一部の実施形態では、伸長培地は、少なくとも1つの植物ホルモンもしくは成長調節剤(オーキシン、ジベレリン等を含む)、または少なくとも2つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも3つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも4つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも5つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも6つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも7つの植物ホルモンもしくは成長調節剤、または少なくとも8つの植物ホルモンもしくは成長調節剤を含み得る。少なくとも1つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤(または少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤)(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、インドール酢酸(IAA)、インドイル-3-アクリル酸、4-Cl-インドイル-3-酢酸、インドイル-3-アセチルアスパルタート、インドール-3-アセトアルデヒド、インドール-3-アセトニトリル、インドール-3-乳酸、インドール-3-プロピオン酸、インドール-3-ピルビン酸、インドール酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、トリプトファン、フェニル酢酸(PAA)、グルコブラシシン、ナフタレン酢酸(NAA)、ピクロラム(PIC)、ディカンバ、エチレン、パラクロロフェノキシ酢酸(pCPA)、β-ナフトキシ酢酸(NOA)、ベンゾ(b)セレニエニル-3酢酸、2-ベンゾチアゾール酢酸(BTOA)、N6-(2-イソペンテニル)アデニン(2iP)、ゼアチン(ZEA)、ジヒドロ-ゼアチン、ゼアチンリボシド、カイネチン(KIN)、6-(ベンジルアデニン)-9-(2-テトラヒドロピラニル)-9H-プリン、2,4,5,-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、6-ベンジルアミノプリン(6BA)、1,3-ジフェニルウレア、N-(2-クロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、N-フェニル-N’-1,2,3-チアジアゾル-5-イルウレア、ジベレリンA、ジベレリンA1(GA1)、ジベレリン酸(GA3)、ジベレリンA4(GA4)、ジベレリンA7(GA7)、ブラシノリド(BR)、ジャスモン酸(JA)、ジベレリンA、ジベレリンA32、ジベレリンA、15-β-OH-ジベレリンA、15-β-OH-ジベレリンA、12-β-OH-ジベレリンA、12-α-ジベレリンA、サリチル酸、(-)ジャスモン酸、(+)-7-イソジャスモン酸、プトレシン、スペルミジン、スペルミン、オリゴサッカリンおよびスチグマステロールからなる群から選択される任意の1つまたは組み合わせであり得る。少なくとも1つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤(または少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤)(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、インドイル-3-酢酸、インドイル-3-アクリル酸、インドイル-3-酪酸、4-Cl-インドイル-3-酢酸、インドイル-3-アセチルアスパルタート、インドール-3-アセトアルデヒド、インドール-3-アセトニトリル、インドール-3-乳酸、インドール-3-プロピオン酸、インドール-3-ピルビン酸、トリプトファン、フェニル酢酸、グルコブラシシン、2,4-ジクロロフェニルオキシ酢酸、1-ナフタレン酢酸、ディカンバ、ピクロラム、エチレン、ベンゾ(b)セレニエニル-3酢酸、トランス-ゼアチン、N-(2-イソペンチル)アデニン、ジヒドロ-ゼアチン、ゼアチンリボシド、キネチン、ベンジルアミド、6-(ベンジルアデニン)-9-(2-テトラヒドロピラニル)-9H-プリン、1,3-ジフェニルウレア、N-(2-クロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N’-フェニルウレア、N-フェニル-N’-1、2,3-チアジアゾル-5-イルウレア、ジベレリンAジベレリンA、ジベレリンAジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA、ジベレリンA32、ジベレリンA、15-β-OHジベレリンA、15-β-OHジベレリンA、12-β-OHジベレリンA、12-α-ジベレリンA、サリチル酸、ジャスモン酸、(-)ジャスモン酸、(+)-7-イソ-ジャスモン酸、プトレシン、スペルミジン、スペルミン、オリゴサッカリン、ブラシノリドおよびスチグマステロールからなる群から選択される任意の1つまたは組み合わせであり得る。少なくとも1つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤(または少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの植物ホルモンまたは植物成長調節剤)(オーキシン、ジベレリン等を含む)は、インドール酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、ナフタレン酢酸(NAA)、パラクロロフェノキシ酢酸(pCPA)、B-ナフトキシ酢酸(NOA)、2-ベンゾチアゾール酢酸(BTOA)、ピクロラム(PIC)、2,4,5,-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、フェニル酢酸(PAA)、カイネチン(KIN)、6-ベンジルアミノプリン(6BA)、N6-(2-イソペンテニル)アデニン(2iP)、ゼアチン(ZEA)、ジベレリンA1(GA1)、ジベレリン酸(GA3)、ジベレリンA4(GA4)、ジベレリンA7(GA7)、エチレン、ブラシノリド(BR)およびジャスモン酸(JA)からなる群から選択される任意の1つまたは組み合わせであり得る。
特定の態様では、カルス成長培地は、約25℃で液体であり得る。一部の実施形態では、カルス成長培地は、約25℃で液体でない場合がある。一部の実施形態では、カルス成長培地は、25℃で半固体培地(ゲル化したものなど)であり得る。本発明者らは、半固体培地が液体培地よりも良好な結果を提供することを発見した。半固体培地の非限定的な例としては、軟質寒天、軟質アガロース、軟質メチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、isabgol、グアーガム、他の軟質ポリマーゲル、または当技術分野で知られる任意の他のゲル化剤が挙げられる。一部の実施形態では、カルス成長培地は寒天を含み得る。一部の実施形態では、カルス成長培地は寒天を含まない場合がある。一部の実施形態では、カルス成長培地は、ゲル化剤を含まない。一部の実施形態では、寒天またはゲル化剤を含まないカルス成長培地は液体であり得る。一部の実施形態では、寒天またはゲル化剤を含まないカルス成長培地は固体であり得る。一部の実施形態では、寒天を含まないカルス成長培地はゲルであり得る。一部の実施形態では、寒天を含まないカルス成長培地は、寒天代替物を含み得る。
一部の実施形態では、伸長培地はあるpHを有し得る。伸長培地のpHは、伸長綿細胞または複数の伸長綿細胞などの伸長細胞を産生/誘導するのに適切であり得る。一部の実施形態では、伸長培地のpHは、細胞伸長(綿細胞の伸長など)のために最適化され得る。一部の実施形態では、伸長培地のpHは、5.3~6.3であり得る。一部の実施形態では、伸長培地のpHは、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、もしくは6.9、または任意の2つの前述値の間の範囲であり得るか、またはそのおよそのpHであり得る。
本発明は、伸長培地、および綿ファイバーを製造するためのインビトロ方法におけるそれらの使用を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の成熟培地は、綿細胞の成熟などの細胞の成熟を促進しまたは促し得る。成熟培地は、1またはそれを超える塩、多量養素、微量養素、有機分子および/またはホルモン(成熟を促進しまたは促し得るものなど)を含み得る。一部の実施形態では、成熟培地は、成熟試薬を含み得る。一部の実施形態では、成熟培地の成熟試薬は壁再生試薬であり得る。
本発明は、綿ファイバー製造のインビトロ方法で使用するための増殖細胞凝集体の使用およびそれらの作製を含む。一部の実施形態では、以下に記載されるかまたは本明細書の他の箇所に記載される植物細胞組成物は、増殖細胞凝集体に由来し得る。増殖細胞凝集体は、増殖している植物細胞の凝集体であり得る。凝集体の増殖細胞は、例えば細胞間相互作用を介して、互いに結合または連結され得る。増殖細胞凝集体は脆弱である脆弱なカルスであり得、これは粘着性でも軟性でもないばかりではなく、物理的に破壊または崩壊され得ないほど硬質でも高密度でもない。したがって、脆弱なカルスは、これはコンパクトで脆いばかりではなく、破壊または崩壊されるのに適していない「硬質カルス」とも異なる。好ましくは、カルスは脆弱なカルスである。本発明者らは、脆弱なカルスが、単純な機械的操作を使用してカルスから解離した個々の細胞を有し得ることを発見した。
増殖細胞は、1つの型(均質な凝集体)または2を超える型(不均質な凝集体)であり得る。増殖細胞凝集体は、混合凝集体(例えば、細胞型が一緒に混合される場合)、クラスタ化凝集体(例えば、異なる型の細胞が凝集体の異なる部分に向かう傾向がある場合)、または分離凝集体(異なる種類の細胞が互いに引き離されている)であり得る。増殖細胞凝集体の細胞は、植物カルス中の残りの細胞の細胞分裂速度よりも速い速度で分裂し得る。一部の実施形態では、増殖細胞凝集体の細胞は、植物カルス細胞の細胞分裂速度よりも少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、または50倍速くなり得る速度で分裂し得る。
本発明は、綿植物細胞カルスからの細胞の使用、およびそのようなカルスを調製するための方法を含む。植物カルスは、植物実質細胞の成長塊であり得る。しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、綿植物の任意の分裂組織部分由来の細胞がカルス誘導に十分であることを発見した。したがって、植物カルスは、綿頂端分裂組織、子葉、若葉、胚軸、胚珠、胚珠表皮細胞、茎、成熟葉、花、花柄、花の輪紋、根、球根、発芽種子、体細胞および接合胚、ならびに/または形成層分裂組織細胞(CMC)から得られるまたはそれらに由来する細胞を用いて作出され得る。場合によっては、植物実質細胞の塊は組織化され得る。植物カルスは、植物または植物部分の創傷を覆う細胞から収集され得る。好ましくは、植物カルスは、植物組織試料(例えば、外植片)をカルス誘導培地で誘導することによって作出される。場合によっては、外植片の誘導は、表面滅菌およびインビトロでの培地へのプレーティングの後に起こり得る(例えば、ペトリ皿などの密閉培養容器で)。誘導は、カルス形成を開始するために、オーキシン、サイトカイニンまたはジベレリンなどの植物成長調節剤を培地に補充することを含み得る。誘導は、約20℃、25℃、28℃、30℃、35℃、もしくは40℃、または任意の2つの前述値の間の範囲の温度、またはそのおよその温度で行われ得る。
綿植物細胞を含む組成物が本発明に含まれる。本明細書に記載の植物細胞組成物は、本明細書で提供される細胞バンクストックの調製方法の最終生成物であり得る。植物細胞組成物は、操作された細胞の組成物、または野生型細胞の組成物であり得る。植物細胞組成物は、細胞バンクストックであり得る。植物細胞組成物は、成長培地中でカルスを成長させて成長増殖細胞凝集体を産生し、続いて成長増殖細胞凝集体を培養することによって得られた複数の植物細胞を含み得る。
本明細書に記載の植物細胞組成物は、成長期にあり得る。成長期は、細胞分裂、細胞拡大および/または細胞分化を含み得る。細胞分裂を含む成長期は、指数成長期(例えば、ダウエッティング(dowaiting))であり得る。一部の実施形態では、指数成長期は、細胞が有糸分裂である際に起こり得る。一部の実施形態では、指数成長中、細胞の各世代は、前の世代の2倍の数であり得る。一部の実施形態では、すべての細胞が所与の世代で生存するわけではない。一部の実施形態では、細胞の各世代は、前の世代の2倍未満の数であり得る。一部の実施形態では、指数成長期は、細胞生存アッセイによって決定され得る(例えば、定量化または同定される)。一部の実施形態では、植物細胞組成物の別の態様は、細胞生存アッセイによって決定され得る。一部の実施形態では、細胞生存アッセイは、細胞が生存能を維持または回復する能力を決定し得るアッセイであり得る。一部の実施形態では、植物細胞組成物の細胞は、分裂する能力または活発な細胞分裂についてアッセイされ得る。一部の実施形態では、細胞生存アッセイは、ATP試験、カルセインAM、クローン形成アッセイ、エチジウムホモダイマーアッセイ、エバンスブルー、フルオレセインジアセタート加水分解/ヨウ化プロピジウム染色(FDA/PI染色)、フローサイトメトリー、ホルマザンに基づくアッセイ(例えば、MTTまたはXTT)、緑色蛍光タンパク質に基づくアッセイ、ラクタートデヒドロゲナーゼ(LDH)に基づくアッセイ、メチルバイオレット、中性赤色取り込み、ヨウ化プロピジウム、レサズリン、トリパンブルー、またはTUNELアッセイであり得る。一部の実施形態では、細胞生存アッセイは、植物細胞組成物におけるジフェノール化合物の細胞質レベルを決定し得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の綿(または加工綿)は、綿属(Gossypium)種に由来し得る。綿属種は、G.arboreum、G.anomalum、G.armourianum、G.klotzchianumおよびG.raimondiiからなる群から選択され得る。綿(または加工綿)は、G.hirsutum、G.arboreum、G.barbadense、G.anomalum、G.armourianum、G.klotzchianum、およびG.raimondiiからなる群から選択される綿属(Gossypium)種に由来し得る。綿(または加工綿)は、Gossypium hirsutum、Gossypium barbadense、Gossypium arboretum、Gossypium herbaceum、または綿の別の種であり得る。
インビトロで綿ファイバーを製造するための方法で使用される綿細胞は、異なる発現遺伝子(DEG)を有する綿細胞の使用を含み得る。本開示の綿細胞は、DEGを生じさせる変異原性プロセスに供され得る。このプロセスは、DEGを用いて綿植物全体を成長させることなく、インビトロで行い得る。
突然変異誘発は、種子のEMSもしくはアジ化ナトリウム処理、またはガンマ線照射を含む放射線および/または化学的手段によって達成され得る。化学的突然変異誘発は、欠失よりもヌクレオチド置換を促進する。重イオンビーム(HIB)照射は、突然変異誘発のための既知の技術である。イオンビーム照射は、DNA損傷のレベルおよび任意のDNA欠失のサイズを決定する生物学的効果のための線量(gy)およびLET(線エネルギー付与、keV/um)の2つの物理的要因を有し、これらは突然変異誘発の程度の変化に応じて調整され得る。
生物学的薬剤を使用して、綿細胞に部位特異的変異を生じさせ得る。これらの薬剤は、内因性修復機構を刺激する、DNAの二本鎖切断を引き起こす酵素を含み得る。これらの酵素には、エンドヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、トランスポザーゼおよび部位特異的リコンビナーゼが含まれる。
特定の態様では、綿細胞はトランスジェニックであり得る。トランスジェニック細胞は、内因性のゲノムまたは遺伝子が、導入された外来または外因性の遺伝子または配列によって補充または改変されている遺伝子改変植物細胞である。多くの場合、これらの遺伝子は、それらが作動可能に接続されているプロモーターの制御下にある。導入遺伝子は、植物に導入された外来の外因性遺伝子または配列である。
本明細書に開示されるファイバーのインビトロ生産に関連する任意の1またはそれを超える組成物を生産するように構成されたバイオリアクターも本明細書で提供される。
一部の実施形態では、バイオリアクターは、細胞バンクストックを産生するように構成され得る。一部の実施形態では、バイオリアクターは、細胞バンクストックを調製する方法を実行するように構成され得る。一部のそのような場合、バイオリアクターは、カルス成長培地および/または増加培地などの細胞バンクストックの調製のためのキットの構成要素を利用するように構成され得る。
図2は、バイオリアクターによって実行され得る異なるプロセスの一例、およびこれらのプロセスをどのように相互接続され得るかを示すフローチャートを提供する。
一部の実施形態では、バイオリアクターは、綿ファイバーを産生するように構成され得る。一部の実施形態では、バイオリアクターは、大規模な綿ファイバーの製造方法を実行するように構成され得る。一部の実施形態では、バイオリアクターは、迅速な綿ファイバーの製造方法を実行するように構成され得る。一部の実施形態では、バイオリアクターは、大規模なファイバー製造のためにキットの構成要素を利用するように構成され得る。一部の実施形態では、バイオリアクターは、迅速なファイバー製造のためにキットの構成要素を利用するように構成され得る。
一部の実施形態では、バイオリアクターは、加工綿を産生するように構成され得る。一部の実施形態では、バイオリアクターは、本明細書で提供されるキットの要素を含み得る加工綿の製造のためのキットの構成要素を利用するように構成され得る。
本発明は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを含む。図3は、誘導、カルス成長、細胞培養、伸長、または成熟の実施のための命令または手段を提供および/または実施するようにプログラムされた、または他の方法で構成されたコンピュータシステム301を示す。コンピュータシステム301は、本開示の誘導、カルス成長、細胞培養、伸長、または成熟の様々な態様を調節し得る。コンピュータシステム301は、ユーザの電子デバイス、または電子デバイスに対して遠隔に配置されたコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。
コンピュータシステム301は、シングルコアもしくはマルチコアのプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであり得る中央処理装置(CPU、本明細書ではまた、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)305を含む。コンピュータシステム301はまた、メモリまたはメモリ位置310(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット315(例えば、ハードディスク)と、1またはそれを超える他のシステムと通信するための通信インターフェース320(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺装置325とを含む。メモリ310、記憶ユニット315、インターフェース320および周辺装置325は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU305と通信する。記憶ユニット315は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム301は、通信インターフェース320の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)330に動作可能に結合し得る。ネットワーク330は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであり得る。ネットワーク330は、場合によっては、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク330は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る1またはそれを超えるコンピュータサーバを含み得る。ネットワーク330は、場合によっては、コンピュータシステム301の助けを借りて、コンピュータシステム301に結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして動作することを可能にし得るピアツーピアネットワークを実装し得る。
CPU305は、プログラムまたはソフトウェアで具現化され得る機械可読命令のシーケンスを実行し得る。命令は、メモリ310などのメモリ位置に格納してもよい。命令は、CPU305を対象とし得、CPU305は、その後、本開示の方法を実施するようにCPU305をプログラムまたは他の方法で構成され得る。CPU305によって実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含み得る。
CPU305は、集積回路などの回路の一部であり得る。システム201の1またはそれを超える他の構成要素は回路に含められ得る。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
記憶ユニット315は、ドライバ、ライブラリおよび保存されたプログラムなどのファイルを記憶し得る。記憶ユニット315は、ユーザデータ、例えば、ユーザプレファレンスおよびユーザプログラムを記憶し得る。コンピュータシステム301は、場合によっては、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム301と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム301の外部にある1またはそれを超える追加のデータ記憶装置を含み得る。
コンピュータシステム301は、ネットワーク330を介して1またはそれを超えるリモートコンピュータシステムと通信し得る。例えば、コンピュータシステム301は、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信し得る。リモートコンピュータシステムの例には、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートもしくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxyタブ)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末が含まれる。ユーザは、ネットワーク330を介してコンピュータシステム301にアクセスし得る。
本明細書に記載の方法は、例えばメモリ310または電子記憶ユニット315などのコンピュータシステム301の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施され得る。機械実行可能コードまたは機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用中、コードはプロセッサ305によって実行され得る。場合によっては、コードは、記憶ユニット315から取得され、プロセッサ305による容易なアクセスのためにメモリ310に記憶され得る。いくつかの状況では、電子記憶ユニット315は除外され得、機械実行可能命令がメモリ310に記憶される。
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械で使用するために事前コンパイルおよび構成され得、またはランタイム中にコンパイルされ得る。コードは、コードが事前コンパイルされた方法またはコンパイルされた方法で実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
コンピュータシステム301など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具現化され得る。本技術の様々な態様は、典型的には機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/またはある種の機械可読媒体上に担持されるかまたはそれに具体化される関連データの形態の「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶され得る。「記憶」型の媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、または様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールのいずれかまたはすべてを含み得、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供してもよい。ソフトウェアの全部または一部は、インターネットまたは様々な他の電気通信ネットワークを介して通信されることがある。そのような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへの、例えば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担持し得る別の型の媒体は、ローカルデバイス間の物理インターフェースにわたって、有線および光の地上ネットワークを介して、および様々なエアリンクを介して使用されるような、光波、電気波、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理的要素もまた、ソフトウェアを運ぶ媒体と考えられ得る。本明細書で使用される場合、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械の「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得る任意のコンピュータなどの記憶装置のいずれかなどの光学ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル、コンピュータシステム内にバスを備えるワイヤを含む、銅ワイヤおよび光ファイバーを含む。搬送波伝送媒体は、電気信号もしくは電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音波もしくは光波の形態をとり得る。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1またはそれを超える命令の1またはそれを超えるシーケンスをプロセッサに搬送することに関与し得る。
コンピュータシステム301は、例えば、誘導、カルス成長、細胞培養、伸長、または成熟の実施のための命令または手段を提供するためのユーザインターフェース(UI)340を含む電子ディスプレイ335を含むか、またはそれと通信し得る。UIの例には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースが含まれるが、これらに限定されない。
本開示の方法およびシステムは、1またはそれを超えるアルゴリズムによって実施され得る。アルゴリズムは、中央処理装置305による実行時にソフトウェアによって実施され得る。アルゴリズムは、例えば、誘導、カルス成長、細胞培養、伸長または成熟の実施のための命令または手段を提供および/または実行し得る。
本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
実施例1:植物細胞組成物の調製
選択された植物(例えば、綿)から、細胞は、頂端分裂組織、子葉、若葉、胚軸、胚珠、胚珠表皮細胞、茎、成熟葉、花、花柄、花の輪紋、根、球根、発芽種子、体細胞および接合胚、ならびに/または形成層分裂組織細胞(CMC)からの滅菌外植片を、誘導のためにカルス誘導培地(例えば、半固体基本塩培地)上に置くことによって単離される。形成された脱分化塊を、成長のためにカルス成長培地(例えば、半固体基礎塩培地)上で21~26日の間隔で3回から5回までの継代培養を行うことによって馴化する。
細胞培養安定化後、軟性または脆弱なカルスからの細胞を液体培地に移して懸濁細胞を形成する。懸濁液を、濾過、ピペッティング/デカンテーション、または低濃度のペクチナーゼの添加によって、微細な細胞懸濁培養物を提供するための均質化のために15~20日の間隔で継代培養する。これらの培養物における細胞の均一な性質は、再現性のある信頼できる結果をもたらす。
実施例2:懸濁培養細胞の凍結保存
凍結保存技術は、頻繁な培養の必要性を排除し、したがって微生物汚染の確率を低減する。以下に提供されるプロトコルは、100を超える細胞株の凍結保存を1日で同時に可能にする。
Gossypium属および指数成長期の他の種に由来する懸濁培養細胞を15mlチューブに移し、100×gで1分間遠心分離する。細胞懸濁液は、広径チップを有するマイクロピペットを使用して処理される。上清を除去し、次いで、細胞を10%(v/v)の細胞密度で最大100mMのL-プロリンを補充した凍結保護剤溶液(LS:2Mグリセロール、0.4Mスクロース)に懸濁し、60rpmで振盪しながらおよび振盪せずに室温で0~120分間インキュベートする。細胞懸濁液のアリコート(0.5ml)をCryovial(Fisher Scientific)に分注する。LS中の細胞懸濁液を含有するCryovialを、プログラム可能な冷凍庫を使用して-0.5、-1、または-2℃/分の速度で-35℃に冷却する。-35℃に達した後、細胞を-35℃で0、30または60分間保持し、次いで、液体窒素に浸漬する。
インビトロ脱分化した植物細胞懸濁培養物は、植物の研究のための単純化されたモデル系の利点を提供するため、大規模生産にとってより便利である。細胞懸濁培養物は、比較的均一な細胞集団を含み、栄養、前駆体、成長ホルモン、および細胞のシグナル化合物への迅速かつ均一なアクセスを可能にする。
実施例3:細胞回収
凍結保存された細胞を含有するバイアルを、液体窒素貯蔵容器から液体窒素を含有するデュワーフラスコに移す。各バイアルを(1つずつ)清浄な35~40℃の水浴に移し、解凍するまで(最後の氷片が消えるまで)穏やかに数回反転させる。直ちに、各バイアルを再び氷上に置く。各バイアルを100g、4℃で1~2分間遠心分離する。各バイアルの外側を70%(体積/体積)エタノールで拭き取り、滅菌パスツールピペットを用いて各バイアルから上清を除去する。滅菌した3.5mlのトランスファーピペットを使用して、細胞を濾紙上に広げるか、または少数のクラスタとして配置することによって、2/3体積の細胞を移す。シャーレを閉じ、パラフィルムで密封する。
シャーレを1枚または2枚の濾紙で覆い、光強度を低下させた後、通常条件(24~26℃)で培養室に入れる。回収の2日後、スパチュラ(幅4mm)を使用してプレートからいくらかの細胞塊(約100~200mg FW)を収集し、生存試験のためにマイクロチューブに入れる。残りの細胞は、上部濾紙と共に、回収培地を含む新しい回収シャーレに移される。シャーレを閉じて密封し、濾紙で覆い、次いで培養室に戻す。
それらの成長速度に応じて、細胞を、通常条件(24~26℃)で、同じ培養室でさらに数日間成長させる。濾紙の大部分が厚い細胞層で覆われている場合、細胞塊を、標準的条件下(この回収段階で、アガロースを寒天または別のゲル化剤で置き換えてもよい)でさらに1~2週間、濾紙を含まない回収培地を含む新しいシャーレに移す。3~9週間の回復期間の後、細胞を液体培地に移して懸濁培養を開始する。
実施例4:バイオリアクター接種
接種材料について、培地を脱イオン(DI)水で調製して総体積を200mLにし(1Lフラスコ)、121℃で15分間オートクレーブ滅菌する。室温に冷却した後、0.2μm孔径の膜フィルターを用いて植物成長調節剤およびアミノ酸を添加する。20グラムの細胞を接種し、80rpmで約30℃~約35℃の温度で暗所のシェーカー中で維持し、接種材料の成長のために放置する。16日間(LAG期の7日間および指数期の9日間)後、懸濁液はバイオリアクターに供給するのに十分な密度である(力価=100gL-1、目に見える遊離培地なしの濃いアップルソースに匹敵する)。
バイオリアクターの例示的な概略図を図2に見出され得る。バイオリアクターにインビトロ細胞、滅菌培地および空気圧縮を供給する。バイオリアクターは、接種前にコントローラに接続され、pH5.8(±0.2)を安定させ、Oの流れを制御および較正する。図2のフローチャートに示すように、接種材料列の第1の容器は、約30℃~約35℃の温度で発生し、100g/L-1の細胞が指数期にある。並行して、培養培地の滅菌は、約125~約140℃で起こり、熱交換器(流れ13)に戻り(流れ16)、約30℃~約35℃の温度で培地を冷却する(E-103)。これにより、滅菌培地は、増加領域の反応器(反応器R-101~R-104)に供給する準備が整う。
細胞酸素化のための空気はまた、熱交換器(E-105)内のプロセス温度に調整され、したがって接種材料列(反応器R-101~R-104)に供給する4つの異なる流れ(流れ27、28、29および31)に分割される。
増加は、細胞で5~12日間の期間で起こり、複製時間は約1日~3日である(系統に依存する)。これらの時間は、細胞量が例えば64倍増加した際に終了する。最後に、内容物が次の反応器(R-102)などに装填される。最後の反応器(R-104)は隣接する肺タンクを有し、反応後、内容物はバッチ供給タンク(Tq-101)内に連続出力(流れ5)で排出される。したがって、R-104反応器の増加時間中、Tq-101は、連続流量で、次の段階である分離のために細胞を連続的にアンローディングしている。
以下の表Bは、本明細書に開示される方法に従って綿細胞を使用してバイオリアクターに接種することの成功を示す実験結果を提供する。表Bは、細胞が得られた綿品種、バイオリアクターに接種した細胞成長培地、および他の関連条件に関する詳細を提供する。
表Bに示すように、バイオリアクターに接種することは、光ではなく暗条件下で行うとはるかに効率的である。したがって、本開示は、綿細胞培養物を使用してバイオリアクターに接種する方法を提供し、接種は暗条件下で行われる。
表Bに示すように、バイオリアクターに接種する際に使用される成長培地の組成は、細胞成長に影響を及ぼす。したがって、本開示は、バイオリアクターに綿細胞を接種する方法を提供し、成長培地は植物ホルモンまたは成長調節剤を含む。表Bに示すように、成長培地が2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)を含む場合、成長は改善した。したがって、本開示は、バイオリアクターに綿細胞を接種する方法を提供し、成長培地は2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)を含む。
表Bに示すように、本開示の方法は、試験したすべての綿品種由来の細胞をバイオリアクターに接種した場合に、細胞成長の成功を可能にした。したがって、本開示は、本明細書に開示される綿品種のいずれかをバイオリアクターに接種する方法を提供する。特定の実施形態では、本明細書に開示される方法に従ってバイオリアクターに接種するために使用される綿細胞は、全体または一部が、PAYMASTER HS26、PD2164、SA2413、SEALAND #1(G.B.X G.H.)、SOUTHLAND M1、STATION MILLER、TASHKENT1、TIDEWATER29(G.B.X G.H.)、TOOLE、WESTERN STORMPROOF、ACALA5、ALLEN33、CD3HCABCUH-1-89、DELTAPINE14、DES24、DES56、DIXIE KING、FJA、M.U.8B UA7-44、NC88-95、PAYMASTER HS200、Pima S-7、Acala MAXXA、Coasland320、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物に由来するか、および/またはそれから得られる。特定の実施形態では、本明細書に開示される方法に従ってバイオリアクターに接種するために使用される綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、Acala MAXXA、FJA、Pima S-7、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物に由来するか、および/またはそれから得られる。
表Bに示すように、驚くべきことに、綿品種のPima S-7由来の細胞は、バイオリアクターに接種した場合に良好な成長をもたらした。これは、ミリグラム量の綿細胞を使用して接種材料を形成する場合に、ある範囲の成長培地にわたって含まれる。予期せぬことに、Pima S-7は、Acala MAXXAおよびFJAと比較して優れた成長/接種を提供した。さらに、この優れた成長は、同じ成長培地を使用した場合でも生じた。例えば、表Bに示すように、同じ濃度のMS、B5、グルコース、カイネチンおよび2,4-Dを含む成長培地を用いてすべてを培養した場合、Pima S-7は良好な成長を示したが、Acala MAXXAおよびFJAは不十分な成長を示した。したがって、本開示は、Pima S-7品種の綿植物またはその子孫に全体的または部分的に由来するおよび/またはそれから得られる細胞をバイオリアクターに接種することを提供する。
実施例5:細胞の伸長
伸長のために、図2のフローチャートに示すように、デカンタ容器(S-101)を使用して植物細胞を培地から分離し(流れ6)、水処理のために培地を再配置し得る(流れ45)。伸長成長培地を反応器に添加して、増加工程で使用したのと同じ条件でオートクレーブ処理し、細胞分化のために約30℃~約35℃の温度で冷却することによって滅菌する。
したがって、3つの伸長反応器(R-105、R-106、およびR-107)に供給される増加(流れ6)からの細胞は、図2のフローチャートにおいて反応器ブロック(R-105)によって表される。各反応器は、第3の細胞を受け入れ、反応容積は、細胞(流れ6)、培地(流れ38)、および空気(流れ32)の流れを含む。
実施例6:伸長細胞の分離および単離
実施例5による伸長後、3つのタンク(Tq-102、Tq-103、およびTq-104)が供給され、図2のフローチャートではブロックTq-102のみによって表されている。各タンクは、反応器の容積よりもわずかに大きい容積を有し、実質的に同じ容積の3つの反応器を収容する。伸長タンク(流れ7)の出力は、第2のデカンタ(S-102)に送られる。伸長細胞および非伸長細胞を含む底部生成物(流れ8)は、ふるい(S-103)に送られ、一方、培地(流れ46)は排出処理に除去される。ふるいの機能は、プレファイバーではないより小さい非伸長細胞を除去することである。ふるい(S-103)は、伸長細胞(プレファイバー)を保持し、すべての非伸長細胞(綿ファイバーにはならない)を放出する。
実施例7:細胞の成熟および乾燥
成熟段階では、増加および伸長段階と同様に、滅菌培地が使用される。成熟は、二次細胞壁沈着によって認識される。糖は結合してセルロースを生成し、セルロースは、二次壁を形成する細胞内で生じる綿ファイバー(天然グルコース重合)の主成分である。このプロセスでは、プレファイバーの密度は、綿ファイバーの密度である1.05~1.55g/mlに増加する。
成熟時間の後、R-108の出力は、バッファタンクTq-105(図2)に導かれて、連続的な下流プロセスを可能にする。このシーケンスでは、中間ファイバー混合物(流れ10)は、綿ファイバー(流れ11)が培地(流れ48)から分離される第3のデカンタ(S-104)に送られる。この段階で、製造されたファイバーは、許容され得るレベル(水質量で10~20%)を超える含水率を有する。含水率を低減するために、空気と作用する乾燥プロセスが実施される。この空気は綿ファイバーを通過し、最大5%の含水率に達するまで水の一部が除去される。
実施例8:再利用
一部の実施形態では、本明細書中に記載される方法によって作出される組成物は、再利用され得る。例えば、そのような場合、方法または方法の工程の完了後、組成物のアリコートが保存され、方法の前の工程に再導入される。場合によっては、誘導、成長、伸長または成熟に失敗した細胞のアリコートを保存し、方法の前の工程に再導入する。
実施例9:綿胚珠細胞からの綿ファイバーの製造
以下の表C、DおよびEは、本明細書に開示される方法による綿細胞培養物の成長および伸長の結果を示す。各成長結果について、胚珠表皮細胞を含み得る綿胚珠細胞を綿の丸莢から機械的に抽出した。抽出した綿胚珠細胞を培養し、増加させ、場合によっては伸長させた。各表は、綿細胞培養物が最初に得られた遺伝子型/品種および品種名を提供する。表はまた、細胞培養のために親綿植物から細胞を採取した胚珠位置を提供する。
表C、D、Eに示すように、すべての品種が本開示の方法に従って首尾よく成長した。したがって、本開示は、綿、本明細書で提供される方法/プロトコルのいずれかに従って綿を成長させる方法、および持続性細胞株を提供し、綿細胞は、全体的または部分的に由来しおよび/または得られ、綿種および品種の範囲にわたって使用され得る。したがって、綿生産のインビトロ方法は、PAYMASTER HS26、PD2164、SA2413、SEALAND #1(G.B.X G.H.)、SOUTHLAND M1、STATION MILLER、TASHKENT1、TIDEWATER29(G.B.X G.H.)、TOOLE、WESTERN STORMPROOF、ACALA5、ALLEN33、CD3HCABCUH-1-89、DELTAPINE14、DES24、DES56、DIXIE KING、FJA、M.U.8B UA7-44、NC88-95、PAYMASTER HS200、Pima S-7、Acala MAXXA、Coasland320、およびまたはそれらのいずれかの子孫から選択されるものを含む、任意の品種の綿植物由来の綿細胞を使用し得る。
表C、DおよびEに示すように、特定の品種は良好なまたは優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、CD3HCABCUH-1-89、FJA、TASHKENT1、WESTERN STORMPROOF、PAYMASTER HS200、Pima S-7、TIDEWATER29、DIXIE KING、FJA、SOUTHLAND M1、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物に由来するおよび/またはそれらから得られる。特定の品種は優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、ACALA5、SOUTHLAND M1、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表Cに示されるように、特定の品種は、例えば、綿植物の茎に接続するかまたは接続される丸莢上の位置から遠位の、丸莢の上部/頂部3分の1に位置する、胚珠表皮細胞を含み得る、胚珠から得られた細胞を使用して、良好または優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、Acala MAXXA、FJA、TASHKENT1、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、DIXIE KING、およびCD3HCABCUH-1-89、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から綿の丸莢の上位3分の1から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。表Cに示されるように、特定の品種は、綿の丸莢の上位3分の1から得られた胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞を使用して優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、Acala MAXXA、FJA、TASHKENT1、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、およびDIXIE KING、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から綿の丸莢の上位3分の1から得られる胚珠および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表Dに示されるように、特定の品種は、綿の丸莢の中間部3分の1から得られた胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞を使用して良好または優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、CD3HCABCUH-1-89、Acala MAXXA、FJA、TASHKENT1、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、およびDIXIE KING、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から選択される品種の綿植物から綿の丸莢の中間部3分の1から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表Dに示されるように、特定の品種は、綿の丸莢の中間部3分の1から得られた胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞を使用して優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、Acala MAXXA、FJA、TASHKENT1、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、およびDIXIE KING、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から綿の丸莢の中間部3分の1から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表Eに示されるように、特定の品種は、丸莢の底部3分の1から得られた胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞を使用して良好または優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、TASHKENT1、WESTERN STORMPROOF、ACALA5、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、Acala MAXXA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、およびDIXIE KING、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から選択される品種の綿植物から綿丸莢の底部3分の1から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。表Eに示されるように、特定の品種は、綿の丸莢の底部3分の1から得られた胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞を使用して優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、TASHKENT1、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、DIXIE KING、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から綿の丸莢の底部3分の1から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表C、DおよびEに示すように、特定の品種は、2つ以上の胚珠位置からの細胞を使用して良好または優れた成長をもたらした。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、FJA、Acala MAXXA、DIXIE KING、TIDEWATER29、PAYMASTER HS200、およびTASHKENT1、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表C、DおよびEに示すように、特定の品種は、成長した細胞において検出可能なレベルのファイバーを迅速に産生した。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、SEALAND#1(G.B.X G.H.)、ACALA5、SA2413、TOOLE、M.U.8B UA7-44、DIXIE KING、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物に由来しおよび/またはそれらから得られる。表C、DおよびEに示すように、特定の品種は、成長した細胞において検出可能なレベルのファイバーを迅速に産生した。表CおよびEに示すように、ACALA5は、迅速に検出可能なレベルのファイバーと優れた成長の両方を示した。
以下の表Fは、本明細書に開示される方法による特定の品種に由来する綿細胞培養物の成長および伸長の結果を示す。各成長結果について、胚珠表皮細胞を含み得る綿胚珠細胞を綿の丸莢から機械的に抽出する。抽出した綿胚珠細胞を培養し、増加させ、場合によっては伸長させる。各表は、綿細胞培養物が最初に得られる遺伝子型/品種および品種名を提供する。
表Fに示すように、選択された品種は、胚珠由来の細胞を使用して優れた成長を生じる。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、FJA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、TASHKENT1、DIXIE KING、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物から得られる胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞に由来しおよび/またはそれらから得られる。
表Fに示されるように、これらの選択された品種由来の細胞は、成長細胞において検出可能なレベルのファイバーを迅速に産生する。したがって、特定の実施形態では、綿細胞は、全体的または部分的に、PD2164、SOUTHLAND M1、FJA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、TASHKENT1、DIXIE KING、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の少なくとも1つの綿植物に由来しおよび/またはそれらから得られる。

Claims (24)

  1. 綿ファイバーの製造方法であって、
    綿細胞をバイオリアクターに接種することと、
    前記バイオリアクター内の前記細胞を増加させることと、
    増加された細胞を伸長させることと、
    前記伸長細胞から綿ファイバーを収穫することと、
    を含む方法であって、
    前記綿細胞が、PAYMASTER HS26、PAYMASTER HS200、PD2164、SA2413、SEALAND #1(G.B.X G.H.)、SOUTHLAND M1、STATION MILLER、TASHKENT1、TIDEWATER29(G.B.X G.H.)、TOOLE、WESTERN STORMPROOF、ACALA5、ALLEN33、CD3HCABCUH-1-89、DELTAPINE14、DES24、DIXIE KING、FJA、M.U.8B UA7-44、NC88-95、PAYMASTER HS200、Pima S-7、AcalaおよびMAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の綿植物に由来する、および/またはそれらから得られる、方法。
  2. 前記品種が、PD2164、WESTERN STORMPROOF、CD3HCABCUH-1-89、TASHKENT1、SOUTHLAND M1、ACALA5、FJA、PAYMASTER HS200、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記品種が、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記品種が、PD2164、SOUTHLAND M1、およびCD3HCABCUH-1-89、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記品種が、PD2164またはその子孫である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記バイオリアクターに綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞を接種する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞が、綿の丸莢から得られる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞が、前記綿の丸莢の底部3分の1、中間部3分の1、または上部3分の1から得られ、前記底部が、綿植物の茎からその成長が開始した前記丸莢上の位置である、請求項6に記載の方法。
  9. 前記綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞が、前記綿の丸莢の前記上位3分の1から得られ、前記品種が、PD2164およびACALA5、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞が、前記綿の丸莢の前記中間部3分の1から得られ、前記品種が、PD2164およびFJA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞が、前記綿の丸莢の底部3分の1から得られ、前記品種が、PD2164、SOUTHLAND M1、ACALA5、CD3HCABCUH-1-89、FJA、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記バイオリアクターに増殖細胞凝集体由来の細胞を接種する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記品種が、Pima S-7またはその子孫である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記増殖細胞凝集体が、脆弱なカルスである、請求項1に記載の方法。
  15. 綿外植片から細胞を得ることと、
    前記綿外植片からの前記細胞をカルス誘導培地と接触させて、前記脆弱なカルスを産生することと、
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記綿外植片からの細胞が、綿頂端分裂組織、子葉、若葉、胚軸、胚珠、胚珠表皮細胞、茎、成熟葉、花、花柄、花の輪紋、根、球根、発芽種子、体細胞および接合胚、ならびに/または形成層分裂組織細胞(CMC)に由来する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記方法が、
    前記脆弱なカルスからの細胞を解離することと、
    前記解離細胞を培養することと、
    前記バイオリアクターに、前記培養された解離細胞を接種することと、
    をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記方法が、
    前記解離細胞を液体または半固体の培地で培養して、細胞懸濁液を形成することと、
    前記細胞懸濁液を凍結保存することと、
    前記バイオリアクターに前記凍結保存された細胞懸濁液を接種することと、
    をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記方法が、前記細胞懸濁液を均質化して微細な細胞懸濁液を形成することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記方法が、前記方法で使用される4,000リットルの水ごとに少なくとも1キログラムの綿ファイバーを製造する、請求項1に記載の方法。
  21. PD2164、WESTERN STORMPROOF、CD3HCABCUH-1-89、TASHKENT1、SOUTHLAND M1、ACALA5、FJA、PAYMASTER HS200、Pima S-7、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の綿植物の細胞から得られた、および/またはそれらに由来する綿植物細胞を用いて綿ファイバーを製造するためのインビトロ法。
  22. 前記品種が、PD2164、SOUTHLAND M1、FJA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、TASHKENT1、DIXIE KING、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記綿胚珠細胞および/または胚珠表皮細胞が、前記綿の丸莢の前記上部3分の1から得られ、前記品種が、PD2164、SOUTHLAND M1、FJA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、TASHKENT1、DIXIE KING、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される、請求項8に記載の方法。
  24. PD2164、SOUTHLAND M1、FJA、PAYMASTER HS200、TIDEWATER29、TASHKENT1、DIXIE KING、およびAcala MAXXA、またはそれらのいずれかの子孫から選択される品種の綿植物の細胞から得られる、および/またはそれらに由来する綿植物細胞を用いて綿ファイバーを製造するためのインビトロ法。
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