JP2023546237A - ディーゼル燃料組成物の使用 - Google Patents

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Abstract

圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減するための、(5)体積%以上のバイオディーゼルを含む、ディーゼル燃料組成物の使用。

Description

本発明は、圧縮点火エンジンにおける排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation、EGR)システムにおいて特定の利益を提供するための、バイオディーゼル成分を含むディーゼル燃料組成物の使用に関する。特に、本発明は、圧縮点火エンジンでの排気ガス再循環システムにおける堆積物の蓄積を低減するためのディーゼル燃料組成物の使用に関する。
排気ガス再循環(EGR)は、軽負荷、中負荷、及び高負荷ディーゼルエンジンシステムから2ストローク低速船舶エンジンまでの広範囲のディーゼルエンジンに適用可能なNOx排出制御技術である。EGRシステムの構成は、要求されるEGR率及び特定の用途の他の要求に依存する。ほとんどのEGRシステムは、以下の主要なハードウェア構成要素、すなわち、1つ以上のEGR制御弁、1つ以上のEGR冷却器、配管、フランジ、及びガスケットを含む。
EGRシステムは、様々なEGRハードウェア構成要素上に蓄積する堆積物によって汚染される傾向があることが分かっている。これは、高圧EGRシステムに特有の問題である。システム内に形成される堆積物は、NOx排出及び燃料消費の増加を引き起こす可能性があり、EGR弁を詰まらせることによって、又は深刻な場合にはシステムを完全に遮断することによって、システムを故障させる可能性がある。酸化触媒及び/又は微粒子フィルタをEGRシステムの前に取り付けて、EGRの汚れを引き起こす排気ガスからの炭化水素及び微粒子を低減することができるが、これは、コスト及び複雑さを増加させ、したがって、製造業者によって広く採用されていない。低圧EGRの場合、DPFは、エンジンと低圧EGRシステムとの間に配置されるので、堆積物は、これらの構成においてそのような問題とはならない。
したがって、第一に堆積物の形成を防止し、製造業者が採用した装置に関係なく、全てのEGRシステムに適用可能な燃料ベースの解決策を提供することが望ましい。
脂肪酸メチルエステル(fatty acid methyl ester、FAME)の形態のバイオディーゼルは、圧縮点火(ディーゼル)エンジンにおいて最も一般的に使用される再生可能燃料源である。FAMEは、典型的には生物学的供給源から誘導可能であり、典型的には、燃料生産及び消費プロセスの環境影響を低減するために、又は潤滑性を改善するために含まれている。世界的に、ディーゼル燃料中のFAMEのレベルが増加する傾向があるが、これは、FAME供給原料の持続可能性に関する懸念及びエンジン/車両適合性の理由により、いくつかの市場では上限が定められている。
ある量のFAMEなどのバイオディーゼル成分を含むディーゼル燃料組成物を使用することによって、EGR堆積物の蓄積における驚くべきかつこれまで認識されていなかった低減が達成され得ることがここで見出された。
本発明によれば、圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減するための、5体積%以上のバイオディーゼルを含むディーゼル燃料組成物の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減する方法であって、5体積%以上のバイオディーゼルを含むディーゼル燃料組成物をエンジンに導入するステップを含む方法が提供される。
ある量のバイオディーゼル成分を含むディーゼル燃料組成物の使用は、圧縮点火内燃エンジンのEGRシステムにおける堆積物の蓄積を減少させることができることが見出された。
ある量のバイオディーゼル成分を含むディーゼル燃料組成物の使用は、第一に、EGRシステムにおける堆積物の形成を防止することができ、製造業者が採用した装置に関係なく、全てのEGRシステムに適用可能であることも見出された。
以下の表2に示されるEGR堆積物質量結果のグラフ表示であり、丸印は個々の試験結果を示し、菱形印は実施例1で試験された各FAME燃料含有量レベルについての平均結果を示す。 実施例1で試験された各FAME燃料含有量レベルについての、以下の表2に示される平均EGR堆積物質量結果のグラフ表示である。 B0に対する実施例1で試験した各FAMEレベルについての、以下の表2に示されるEGR堆積物質量の平均減少率のグラフ表示である。
本明細書で使用される場合、圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減するための、5体積%以上のバイオディーゼルを含むディーゼル燃料組成物の使用が提供される。
本発明のこの態様の文脈において、「堆積物の蓄積を低減する」という用語は、堆積物の蓄積における任意の程度の低減を包含する。堆積物の蓄積の低減は、バイオディーゼル成分を含有しない類似の燃料配合物によって引き起こされるEGRシステムにおける堆積物の蓄積と比較して、5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、更により好ましくは50%以上、特に70%以上の程度であり得る。本明細書で使用される場合、「蓄積を低減する」という用語は、第一に、EGR堆積物形成の防止も包含する。
本発明は、高圧EGRシステムの場合に、これらのシステムが低圧EGRシステムよりも堆積物の蓄積を受けやすいので、特に有用であることが見出された。
また、本発明は、従来のディーゼル燃料で形成された既存のEGR堆積物の浄化の目的のために使用され得ることが想定される。
本明細書における第1の必須成分はバイオディーゼル成分である。バイオディーゼル燃料は、生物学的材料に由来する燃料である。
バイオディーゼル成分は、本明細書のディーゼル燃料組成物中に、5%v/v以上、好ましくは10%v/v以上、より好ましくは10%v/v~50%v/vの範囲、更により好ましくは10%v/v~40%v/vの範囲、特に20%v/v~40%v/vのレベルで存在する。本発明の特に好ましい実施形態では、バイオディーゼル成分は、全ディーゼル燃料組成物に対して、20%v/v~30%v/vの範囲のレベルで存在する。
本明細書で使用するのに好適なバイオディーゼル燃料としては、任意のバイオ由来酸素化物が挙げられる。生体材料から様々な種類の含酸素添加物を誘導するための処理経路が存在し、これらには、アルコール、ケトン、フェノール、エーテル、並びにメチルエステル及びエチルエステルを含むがこれらに限定されないアルキルエステルなどのエステルが含まれる。
本明細書で使用するのに好ましいバイオディーゼル成分は、脂肪酸アルキルエステル(fatty acid alkyl ester、FAAE)である。ディーゼル燃料組成物中に脂肪酸アルキルエステル(FAAE)、特に脂肪酸メチルエステル(FAME)を含むことが知られているが、EGRシステムにおける堆積物の蓄積を低減するという文脈では知られていない。好適なFAAEの例としては、ナタネ油メチルエステル(rapeseed methyl ester、RME)、ヤシ油メチルエステル(palm oil methyl ester、POME)、ダイズ油メチルエステル、ヒマワリ油メチルエステル、獣脂メチルエステル(tallow methyl ester、TME)、使用済み調理油メチルエステル(used cooking oil methyl ester、UCOME)などが挙げられる。FAAEは、典型的には生物学的供給源から誘導可能であり、典型的には、燃料生産及び消費プロセスの環境影響を低減するために、又は潤滑性を改善するために含まれている。
FAAE、そのうちディーゼル燃料の文脈において最も一般的に使用されているものはメチルエステルであり、再生可能なディーゼル燃料(いわゆる「バイオディーゼル」燃料)としてすでに知られている。それらは長鎖カルボン酸分子(一般に10~22個の炭素原子長)を含み、各々が一端に結合したアルコール分子を有する。植物油(リサイクル植物油を含む)及び動物性脂肪(魚油を含む)などの有機的に誘導された油は、アルコール(典型的にはC~Cアルコール)とのエステル交換プロセスに供して、典型的にはモノアルキル化された対応する脂肪エステルを形成することができる。このプロセスは、好適には、酸又は塩基(例えば、塩基KOH)のいずれかで触媒され、油中に含有するトリグリセリドを、それらのグリセロール骨格から油の脂肪酸成分に変換する。FAAEはまた、使用済み調理油から調製することができ、脂肪酸から標準的なエステル化によって調製することができる。
本発明において、FAAEは、任意のアルキル化脂肪酸又は脂肪酸の混合物であってよい。その脂肪酸成分は、好ましくは生物学的供給源、より好ましくは植物源に由来する。それらは飽和であっても不飽和であってもよい。それらは、直鎖又は分枝鎖、環式又は多環式であってもよい。好適には、それらは、酸基-COHを含めて、6~30個、好ましくは10~30個、より好適には10~22個又は12~24個又は16~18個の炭素原子を有する。FAAEは、典型的には、その供給源に応じて、異なる鎖長の異なる脂肪酸エステルの異なる脂肪酸エステルの混合物を含む。
本発明で使用されるFAAEは、好ましくは天然脂肪油、例えば、トール油、ナタネ油、ヤシ油又はダイズ油に由来する。
FAAEは、好ましくはC~Cアルキルエステル、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、(好適にはイソプロピル)又はブチルエステル、更により好ましくはメチル又はエチルエステル、特にメチルエステルである。本明細書の一実施形態では、FAAEは、ヤシ油のメチルエステル(POME)及びナタネ油のメチルエステル(RME、並びにこれらの混合物から選択される。
一般に、それは、天然又は合成、精製又は未精製(「粗」)のいずれかであり得る。
FAAEは、製造プロセスの結果として不純物又は副生成物を含有してもよい。
FAAEは、組成物が適用される意図された用途(例えば、どの地理的地域において、どの時期に)を考慮して、好適には、燃料組成物の残りの部分及び/又はそれが添加されるベース燃料に適用される仕様に適合する。特に、FAAEは、好ましくは101℃より高い引火点(IP34)、1.9~6.0mm/秒、好ましくは3.5~5.0mm/秒の40℃での動粘度(IP71)、15℃で845~910kg/m、好ましくは860~900kg/mの密度(IP365、EN ISO12185又はEN ISO3675)、500ppm未満の含水量(IP386)、-360℃未満のT95(IP123に従って測定される、燃料の95%が蒸発した温度)、-0.8mgKOH/g未満、好ましくは0.5mgKOH/g未満の酸価(IP139)、及び燃料110g当たり125グラム未満、好ましくは120グラム未満又は115グラム未満のヨウ素(I)のヨウ素価(IP84)、を有する。それはまた、好ましくは(例えば、ガスクロマトグラフィー(gas chromatography、GC)により)0.2%w/w未満の遊離メタノール、0.02%w/w未満の遊離グリセロール及び96.5%w/w超のエステルを含有する。一般に、FAAEは、ディーゼル燃料として使用するための脂肪メチルエステルに関する欧州規格EN14214に適合することが好ましい場合がある。
2種以上のFAAEを、別々に又は予め調製されたブレンドとして、本発明によるディーゼル燃料組成物に添加してもよい。
FAAEは、典型的にはブレンド(すなわち物理的混合物)として、任意選択的に、1種以上の他の燃料成分(ディーゼルベース燃料など)とともに、及び任意選択的に、1種以上の燃料添加剤とともに、ディーゼル燃料組成物に組み込まれる。FAAEは、燃料組成物で運転されるディーゼルエンジンに組成物が導入される前に、ディーゼル燃料組成物に組み込まれると都合がよい。
本明細書のディーゼル燃料組成物に使用するのに好ましい燃料成分は、FAAEに加えて、パラフィン系軽油である。本発明での使用に好適なパラフィン系軽油は、ディーゼル燃料組成物での使用に好適である限り、任意の好適な供給源から誘導することができる。
好適なパラフィン系軽油としては、例えば、フィッシャー・トロプシュ由来の軽油、及び水素化処理植物油(hydrotreated vegetable oil、HVO)由来の軽油、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で使用するのに好ましいパラフィン系軽油は、フィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料である。フィッシャー・トロプシュ由来軽油のパラフィン性は、それを含有するディーゼル燃料組成物が、従来のディーゼルと比較して高いセタン価を有することを意味する。
フィッシャー・トロプシュ由来軽油は、本明細書で使用するのに好ましいパラフィン系軽油であるが、本明細書で使用する場合の「パラフィン系軽油」という用語は、植物油の水素化処理(HVO)から誘導されるパラフィン系軽油も含む。HVOプロセスは、油精製技術に基づく。このプロセスでは、水素を使用してトリグリセリド植物油分子から酸素を除去し、トリグリセリドを3つの別々の鎖に分割してパラフィン系炭化水素を生成する。
存在する場合、パラフィン系軽油(すなわち、フィッシャー・トロプシュ由来軽油、水素化植物油由来軽油)は、好ましくは少なくとも95%w/w、より好ましくは少なくとも98%w/w、更により好ましくは少なくとも99.5%w/w、最も好ましくは最大100%w/wのパラフィン系成分、好ましくはイソ及びノルマルパラフィンからなる。
「フィッシャー・トロプシュ由来」とは、燃料又は基油が、フィッシャー・トロプシュ縮合プロセスの合成生成物であるか、又はそれから誘導されることを意味する。「非フィッシャー・トロプシュ由来」という用語は、それに応じて解釈され得る。フィッシャー・トロプシュ由来燃料は、GTL(Gas-to-Liquid)燃料と称されることもある。
フィッシャー・トロプシュ反応は、一酸化炭素及び水素をより長鎖の、通常はパラフィン系の炭化水素に変換する、すなわち、適切な触媒の存在下、典型的には高温(例えば、125~300℃、好ましくは175~250℃)及び/又は高圧(例えば、5~100バール、好ましくは12~50バール)で、n(CO+2H)=(-CH-)+nHO+熱を行う。所望であれば、2:1以外の水素:一酸化炭素比を用いてもよい。
一酸化炭素及び水素自体は、有機又は無機、天然源又は合成源、典型的には天然ガス又は有機的に誘導されたメタンのいずれかから誘導することができる。より最近では、温室効果ガスの利益を得るために、二酸化炭素からこの合成ガス一酸化炭素を誘導するための経路が試みられている。
軽油、灯油燃料及び基油生成物は、フィッシャー・トロプシュ反応から直接、又は例えば、フィッシャー・トロプシュ合成生成物の分別によって、若しくは水素化処理されたフィッシャー・トロプシュ合成生成物から間接的に得ることができる。水素化処理は、沸点範囲を調整するための水素化分解(例えば、英国特許第2077289号及び欧州特許第0147873号参照)及び/又は分岐パラフィンの割合を増加させることによって低温流動性を改善することができる水素化異性化を伴うことができる。欧州特許第0583836号には、フィッシャー・トロプシュ合成生成物を最初に、実質的に異性化又は水素化分解(これはオレフィン及び酸素含有成分を水素化する)を受けないような条件下で水素化転化に供し、次いで、得られた生成物の少なくとも一部を、水素化分解及び異性化が起こって実質的にパラフィン系の炭化水素燃料又は油が得られるような条件下で水素化転化する、2段階水素化処理方法が記載されている。所望のディーゼル燃料留分は、その後、例えば、蒸留によって単離してもよい。
他の合成後処理、例えば、重合、アルキル化、蒸留、分解-脱炭酸、異性化及び水素化改質を用いて、例えば、米国特許第A-4125566号及び米国特許第A-4478955号に記載されているように、フィッシャー・トロプシュ縮合生成物の特性を改変してもよい。
パラフィン系炭化水素のフィッシャー・トロプシュ合成のための典型的な触媒は、触媒活性成分として、周期表の第VIII族からの金属、特にルテニウム、鉄、コバルト又はニッケルを含む。好適なこのような触媒は、例えば、欧州特許第0583836号に記載されている。
フィッシャー・トロプシュベースのプロセスの例は、van der Burgtらの「The Shell Middle Distillate Synthesis Process」(上記参照)に記載されているSMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)である。このプロセス(時にはShell「Gas-to-Liquids」又は「GTL」技術とも称される)は、天然ガス(主にメタン)由来の合成ガスを重質長鎖炭化水素(パラフィン)ワックスに変換することによってディーゼル範囲の生成物を生成し、次いでこれを水素化変換及び分別して、軽油及び灯油などの液体輸送燃料を生成することができる。触媒変換ステップのために固定床反応器を利用するSMDSプロセスのバージョンは、現在、マレーシアのBintulu及びカタールのRas LaffanのPearl GTLにおいて使用されている。SMDSプロセスにより調製された灯油及び(ガス)油は、例えば、Royal Dutch/Shell Group of Companiesから市販されている。
フィッシャー・トロプシュプロセスにより、フィッシャー・トロプシュ由来軽油は、硫黄及び窒素を本質的に含まないか、又は検出できないレベルで含む。これらのヘテロ原子を含有する化合物は、フィッシャー・トロプシュ触媒にとっての毒として作用する傾向があるので、合成ガス供給物から除去される。更に、通常運用されるプロセスは、芳香族成分を全く生成しないか、又は実質的に生成しない。
例えば、フィッシャー・トロプシュ軽油の芳香族含有量は、例えば、ASTM D4629によって測定して、典型的には1%w/w未満、好ましくは0.5%w/w未満、より好ましくは0.1%w/w未満である。
一般的に言えば、フィッシャー・トロプシュ由来燃料は、例えば、石油由来燃料と比較して、極性成分、特に極性界面活性剤のレベルが比較的低い。これは、消泡及び曇り除去性能の改善に寄与し得ると考えられる。このような極性成分としては、例えば、含酸素添加物、並びに硫黄及び窒素含有化合物を挙げることができる。フィッシャー・トロプシュ由来燃料中の低レベルの硫黄は、一般に、含酸素添加物及び窒素含有化合物の両方が低レベルであることを示すが、これは、全てが同じ処理プロセスによって除去されるからである。
本明細書で使用するのに好ましいフィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料は、典型的には160℃~400℃の範囲内であり、好ましくは360℃以下のT95を有する、石油由来ディーゼルの蒸留範囲と同様の蒸留範囲を有する液体炭化水素中間留分燃料である。また、フィッシャー・トロプシュ由来燃料は、硫黄、窒素及び芳香族のような望ましくない燃料成分が少ない傾向がある。
好ましいフィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料は、典型的には、15℃で、0.76~0.80、好ましくは0.77~0.79、より好ましくは0.775~0.785g/cmの密度(EN ISO12185によって測定される)を有する。
本明細書で使用するのに好ましいフィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料は、セタン価(ASTM D613)が70より大きく、好適には70~85、最も好適には70~77である。
本明細書で使用するのに好ましいフィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料は、2.0mm/秒~5.0mm/秒、好ましくは2.5mm/秒~4.0mm/秒の範囲の40℃での動粘度(ASTM D445に従って測定される)を有する。
本明細書で使用するのに好ましいフィッシャー・トロプシュ由来軽油は、5ppmw(重量百万分率)以下、好ましくは2ppmw以下の硫黄含有量(ASTM D2622)を有する。
本発明で使用するのに好ましいフィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料は、販売するのに好適であり、かつ軽油燃料の特定の特性を必要とする用途で使用される、別個の最終製品として製造されるものである。特にそれは、上述したように、フィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料に通常関連する範囲内に入る蒸留範囲を示す。
本発明で使用される燃料組成物は、2種以上のフィッシャー・トロプシュ由来軽油燃料の混合物を含んでもよい。
存在する場合、本明細書で使用されるフィッシャー・トロプシュ由来成分(すなわち、フィッシャー・トロプシュ由来軽油)は、好ましくは、フィッシャー・トロプシュ由来成分の重量で、3%w/w以下、より好ましくは2%w/w以下、更により好ましくは1%w/w以下のシクロパラフィン(ナフテン)を含む。
存在する場合、本明細書で使用されるフィッシャー・トロプシュ由来成分(すなわち、フィッシャー・トロプシュ由来軽油)は、好ましくは、フィッシャー・トロプシュ由来成分の重量で、1%w/w以下、より好ましくは0.5%w/w以下のオレフィンを含む。
本発明で使用するための本明細書に記載のディーゼル燃料組成物は、ディーゼル燃料として使用するのに特に好適であり、優れた低温流動特性のために冬季グレードのディーゼル燃料として北極用途に使用することができる。
例えば、-10℃以下の曇り点(EN23015)又は-20℃以下の低温フィルタ目詰まり点(cold filter plugging point、CFPP)(EN116によって測定される)は、本明細書の燃料組成物で可能であり得る。
本明細書に記載されるディーゼル燃料組成物は、バイオディーゼル燃料成分に加えてディーゼルベース燃料を含んでもよい。
ディーゼルベース燃料は、50ppm未満の硫黄を含む石油由来低硫黄ディーゼル、例えば、超低硫黄ディーゼル(ultra-low sulphur diesel、ULSD)又はゼロ硫黄ディーゼル(zero sulphur diesel、ZSD)などの、内燃エンジンでの使用に好適な任意の石油由来ディーゼルであってもよい。好ましくは、低硫黄ディーゼル油は、10ppm未満の硫黄を含む。
本発明で使用するのに好ましい石油由来低硫黄ディーゼルは、典型的には15℃で、0.78~0.865g/cm、好ましくは0.80~0.845g/cmの密度、少なくとも51のセタン価(ASTM D613)、及び40℃で、1.5~4.5mm/秒、好ましくは2.0~4.0mm/秒、より好ましくは2.2~3.7mm/秒の動粘度(ASTM D445)、を有する。
一実施形態では、ディーゼルベース燃料は、従来の石油由来ディーゼルである。
一般的に言えば、本発明の文脈において、燃料組成物には、燃料添加剤が添加されてもよい。
本発明者らは、EGRシステムにおける堆積物の蓄積を低減する観点から、バイオディーゼル成分に加えて、ディーゼル燃料組成物中に堆積物制御添加剤(deposit control additive、DCA)パッケージを含めることが特に有利であることを見出した。
特に明記しない限り、燃料組成物中のこのような各添加剤の(活性物質)濃度は、好ましくは最大10000ppmw、より好ましくは5~1000ppmw、有利には95~150ppmwなどの75~300ppmwの範囲である。このような添加剤は、燃料組成物の製造中の様々な段階で添加され得る。精油所でベース燃料に添加されるものとしては、例えば、帯電防止剤、パイプライン抵抗低減剤、中間留分流動性向上剤(middle distillate flow improver、MDFI)(例えば、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はアクリレート/無水マレイン酸コポリマー)、潤滑性向上剤、酸化防止剤及びワックス沈降防止剤から選択され得る。
燃料組成物は、DCAを含み得、これは、エンジン内、特に噴射器ノズルなどの燃料噴射システム内の燃焼関連堆積物を除去し、かつ/又はその蓄積を防止するように作用することができる薬剤(好適には界面活性剤)を意味する。このような材料は、分散剤添加剤と称されることもある。燃料組成物がDCAを含む場合、好ましい濃度は、全燃料組成物に対して、20~500ppmw、より好ましくは40~500ppmw、最も好ましくは40~300ppmw又は100~300ppmw又は150~300ppmwの範囲の活性物質洗浄剤である。ディーゼル燃料用のDCAは、公知であり、市販されている。好適なDCA添加剤の例としては、ポリオレフィン置換スクシンイミド又はポリアミンのスクシンアミド、例えば、ポリイソブチレンスクシンイミド又はポリイソブチレンアミンスクシンアミド、脂肪族アミン、マンニッヒ塩基又はアミン、及びポリオレフィン(例えば、ポリイソブチレン)無水マレイン酸が挙げられる。特に好ましいのは、ポリイソブチレンスクシンイミドなどのポリオレフィン置換スクシンイミドである。
燃料添加剤として、例えば、清浄剤と組み合わせて組み込むことができる他の成分としては、潤滑性向上剤、例えば、アルコキシル化フェノールホルムアルデヒドポリマーといった脱ヘーズ剤、消泡剤(例えば、市販のポリエーテル変性ポリシロキサン)、点火改良剤(セタン向上剤)(例えば、硝酸2-エチルヘキシル(EHN)、硝酸シクロヘキシル、ジ-tert-ブチルペルオキシド、及び米国特許第4208190号の第2欄第27行~第3欄第21行に開示されているもの)、防錆剤(例えば、テトラプロペニルコハク酸のプロパン-1,2-ジオール半エステル、又はコハク酸誘導体の多価アルコールエステルであって、コハク酸誘導体が、そのα-炭素原子の少なくとも1つに、20~500個の炭素原子を含有する非置換又は置換脂肪族炭化水素基を有するもの、例えば、ポリイソブチレン置換コハク酸のペンタエリスリトールジエステル)、腐食防止剤、付香剤、耐摩耗添加剤、酸化防止剤(例えば、2,6-ジ-tert-ブチルフェノールなどのフェノール類、又はN,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン)、金属不活性化剤、帯電防止添加剤、及びそれらの混合物、が挙げられる。
添加剤は、消泡剤を含有することが好ましく、防錆剤及び/又は腐食防止剤及び/又は潤滑添加剤と組み合わせて含有することがより好ましい。
特に燃料組成物が低い(例えば、500ppmw以下)硫黄含有量を有する場合、潤滑性向上剤が燃料組成物中に含まれることが特に好ましい。潤滑性向上剤は、全燃料組成物に対して、50~1000ppmw、好ましくは100~1000ppmwの濃度で存在するのが都合がよい。
燃料組成物中の任意の曇り除去剤の(活性物質)濃度は、好ましくは1~20ppmw、より好ましくは1~15ppmw、更により好ましくは1~10ppmw、有利には1~5ppmwの範囲である。存在する任意の点火向上剤の(活性物質)濃度は、好ましくは600ppmw以下、より好ましくは500ppmw以下、好都合には300~500ppmwである。
本発明は、特に、燃料組成物が、直接噴射ディーゼルエンジン、例えば、ロータリーポンプ、インラインポンプ、ユニットポンプ、電子ユニットインジェクタ若しくはコモンレールタイプの直接噴射ディーゼルエンジン、又は間接噴射ディーゼルエンジンにおいて使用されるか、又は使用されることが意図される場合に適用可能であり得る。燃料組成物は、高馬力及び/又は低馬力ディーゼルエンジン、並びにオンロード使用又はオフロード使用のために設計されたエンジンにおける使用に好適であり得る。
少なくとも上記の用途に好適であるために、本発明のディーゼル燃料組成物は、好ましくは以下の特性のうちの1つ以上を有する。
- 40℃で1.9mm/秒以上、より好ましくは1.9~4.5mm/秒の範囲の動粘度;
- 800kg/m以上、より好ましくは800~860の範囲、更により好ましくは800~845kg/mの密度;
- 360℃以下のT95;
- 0℃~-13℃、より好ましくは-5℃~-8℃の範囲の曇り点;
- -8℃~-30℃、より好ましくは-15℃~-20℃の範囲のCFPP。
以下の非限定的な実施例を参照して、本発明を更に説明する。
実施例1
本明細書の実施例では、4つの異なる燃料を使用した。
1つの燃料は、従来のディーゼル燃料、CEC RF79-07(ディーゼルB0)であった。実施例で使用した従来のディーゼル燃料(ディーゼルB0)の物理的特性を以下の表1に示す。本明細書で使用する場合、「ディーゼルB0」は、ゼロバイオ燃料成分を含有するディーゼルベース燃料を意味する。バイオ燃料成分は、ヤシ油メチルエステル(POME)であった。
第2、第3、及び第4の試験燃料は、10、20、又は30%のバイオ燃料成分を含有するように設計されたディーゼル燃料組成物であった。実際に、通常の実験誤差では、燃料の実際のバイオ含有量は、それぞれ10.5、20.6、及び29.9%であった。バイオ燃料が添加されたベースディーゼル燃料は、EN590ディーゼル燃料規格に適合するディーゼル燃料であり、CEC RF79-07と称される参照燃料である。ここでも、バイオ燃料成分は、POME FAME成分であった。実施例で使用したディーゼル及びFAMEブレンドB10、B20、B30燃料の分析した特性を以下の表1に示す。
試験方法
実施例で使用したエンジンは、欧州のいくつかの低馬力乗用車モデルに設置されたタイプの標準構成PSA DV6 1.6L Euro5エンジンであった。清浄なEGRシステムを秤量し、次いでエンジンに取り付けた。
試験は、2500rpm及び5kW(19Nm)の試験条件で24時間連続して行った。エンジン冷却液温度を全試験期間にわたって37℃に制御した。試験が完了したとき、エンジンを分解し、全てのEGR構成要素を秤量した。次いで、全てのEGR構成要素を写真撮影し、その後、EGRシステム全体を溶媒及び音波浴を用いて洗浄して堆積物を除去した。次に、清浄なEGRシステムを再秤量した後、次の試験を行うためにエンジンに取り付けた。許容可能なレベルの反復性を保証するために実行されたシーケンスの開始時のB0に関する2つの試験を除いて、任意の燃料に関する連続した繰り返しを回避するように設計された一連の試験を行った。各燃料についての残りの繰り返しは、バランスのとれた試験順序となるように試験シーケンス全体にわたって分配された。B0燃料を用いて4つの試験を行い、B10、B20、及びB30の各々について2つの試験を行った。試験シーケンス及びEGR堆積物質量の結果を以下の表2に示し、その結果を図1~図3に示す。
考察
表2の結果及び図1~図3のグラフから分かるように、従来のディーゼルB0燃料と比較して、FAME含有燃料の場合、EGR構成要素上に形成された堆積物の量が有意に減少しており、この減少はFAMEレベルの増加とともに増加する。B10ディーゼル燃料の場合、B0ディーゼル燃料と比較して、EGR構成要素上に形成された堆積物質量が22.0%少ない。B20燃料の場合、B0からの差は、27.2%であり、B30燃料の場合、B0からの差は、28.8%であった。
考察
表2の結果及び図1~図3のグラフから分かるように、従来のディーゼルB0燃料と比較して、FAME含有燃料の場合、EGR構成要素上に形成された堆積物の量が有意に減少しており、この減少はFAMEレベルの増加とともに増加する。B10ディーゼル燃料の場合、B0ディーゼル燃料と比較して、EGR構成要素上に形成された堆積物質量が22.0%少ない。B20燃料の場合、B0からの差は、27.2%であり、B30燃料の場合、B0からの差は、28.8%であった。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[項目1]
圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減するための、5体積%以上のバイオディーゼルを含む、ディーゼル燃料組成物の使用。
[項目2]
前記ディーゼル燃料組成物が、前記ディーゼル燃料組成物に対して、10体積%~50体積%のバイオディーゼルを含む、項目1に記載の使用。
[項目3]
前記ディーゼル燃料組成物が、前記ディーゼル燃料組成物に対して、20体積%~40体積%のバイオディーゼルを含む、項目1又は2に記載の使用。
[項目4]
前記バイオディーゼルが、脂肪酸アルキルエステルから選択される、項目1~3のいずれか一項に記載の使用。
[項目5]
前記バイオディーゼルが、脂肪酸メチルエステルである、項目1~4のいずれか一項に記載の使用。
[項目6]
前記バイオディーゼルが、ナタネ油メチルエステル(RME)、ヤシ油メチルエステル(POME)、ダイズ油メチルエステル、ヒマワリ油メチルエステル、獣脂メチルエステル(TME)、使用済み調理油メチルエステル(UCOME)、及びこれらの混合物である、項目1~5のいずれか一項に記載の使用。
[項目7]
前記ディーゼル燃料組成物が、堆積物制御添加剤(DCA)添加剤パッケージを更に含む、項目1~6のいずれか一項に記載の使用。
[項目8]
前記ディーゼル燃料組成物が、ディーゼルベース燃料を更に含む、項目1~7のいずれか一項に記載の使用。
[項目9]
前記ディーゼル燃料組成物が、水素化処理植物油、フィッシャー・トロプシュ由来ベース燃料、及びこれらの混合物から選択されるパラフィン系ベース燃料を更に含む、項目1~8のいずれか一項に記載の使用。
[項目10]
圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減する方法であって、5体積%以上のバイオディーゼルを含むディーゼル燃料組成物を前記エンジンに導入するステップを含む、方法。

Claims (10)

  1. 圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減するための、5体積%以上のバイオディーゼルを含む、ディーゼル燃料組成物の使用。
  2. 前記ディーゼル燃料組成物が、前記ディーゼル燃料組成物に対して、10体積%~50体積%のバイオディーゼルを含む、請求項1に記載の使用。
  3. 前記ディーゼル燃料組成物が、前記ディーゼル燃料組成物に対して、20体積%~40体積%のバイオディーゼルを含む、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記バイオディーゼルが、脂肪酸アルキルエステルから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記バイオディーゼルが、脂肪酸メチルエステルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記バイオディーゼルが、ナタネ油メチルエステル(RME)、ヤシ油メチルエステル(POME)、ダイズ油メチルエステル、ヒマワリ油メチルエステル、獣脂メチルエステル(TME)、使用済み調理油メチルエステル(UCOME)、及びこれらの混合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記ディーゼル燃料組成物が、堆積物制御添加剤(DCA)添加剤パッケージを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記ディーゼル燃料組成物が、ディーゼルベース燃料を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記ディーゼル燃料組成物が、水素化処理植物油、フィッシャー・トロプシュ由来ベース燃料、及びこれらの混合物から選択されるパラフィン系ベース燃料を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 圧縮点火内燃エンジンの排気ガス再循環(EGR)システムにおける堆積物の蓄積を低減する方法であって、5体積%以上のバイオディーゼルを含むディーゼル燃料組成物を前記エンジンに導入するステップを含む、方法。
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