JP2023545047A - 硬質基材から可撓性マイクロ電子デバイスを製作し分離するための技術 - Google Patents

硬質基材から可撓性マイクロ電子デバイスを製作し分離するための技術 Download PDF

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Abstract

可撓性マイクロ電子デバイスの製造に使用される積層構造及び方法を提供する。積層構造は、硬質基材と、可撓性マイクロ電子構造と、硬質基材と可撓性マイクロ電子構造との間に設けられた剥離構造と、を含む。剥離構造は、非金属性無機材料で作製された少なくとも1つの剥離層を含む。積層構造は、第1及び第2のピーリング面を含み、ピーリング面のうちの少なくとも1つは、剥離構造の表面又は剥離構造内の表面に対応する。第1及び第2のピーリング面は、機械的層間剥離及び/又は加圧流体層間剥離から生じる剥離力によってピール可能であり、それにより可撓性マイクロ電子デバイスを硬質基材から分離することができる。

Description

関連出願
本出願は、両方ともに2020年10月6日に出願された米国特許出願第63/088.133号及び米国特許出願第63/088.150号に対する優先権を主張し、これらの出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本技術分野は、概して、可撓性エレクトロニクスの分野に関し、より詳細には、可撓性マイクロ電子構造を製造するための、及び/又は可撓性マイクロ電子構造を硬質基材から分離するための技術に関する。
可撓性エレクトロニクス(例えば、トランジスタ、キャパシタ、ダイオードなど)の分野で使用される電子部品の製造プロセスは、一般に、可撓性基材又はポリマー基材(例えば、PET、PEN、PIなど)を、硬質基材(例えば、ガラス、シリコンウェハ、SiO/シリコンウェハなど)に強く接合することを含む。製造プロセスが完了したら、可撓性基材又はポリマー基材は、典型的には、硬質キャリア基材から開放又は剥離される必要がある。既存の方法は、高価で複雑であることが知られており、したがって収率が比較的低い。
可撓性エレクトロニクス、異なるデバイスにおける可撓性層及び/又は基材の実装、並びにそれらを製造するための方法の分野において、依然として課題が存在する。
一態様によれば、可撓性マイクロ電子デバイスの製造に使用される積層構造が提供される。積層構造は、硬質基材と、少なくとも1つのデバイス層を含む可撓性マイクロ電子構造と、少なくとも1つの可撓性基材デバイス層と、硬質基材と可撓性マイクロ電子構造との間に設けられた剥離構造と、を含む。剥離構造は、非金属性無機材料で作製された少なくとも1つの剥離層を含む。積層構造は、第1及び第2のピーリング面を含む。ピーリング面のうちの少なくとも1つは、剥離構造の表面又は剥離構造内の表面に対応する。第1及び第2のピーリング面は、機械的層間剥離及び/又は加圧流体層間剥離から生じる剥離力によってピール可能であり、それにより可撓性マイクロ電子デバイスを硬質基材から分離することができる。
可能な実施形態では、硬質基材は、ケイ素、アルミナ、鋼、サファイア、及びガラスのうちの少なくとも1つを含む。
可能な実施形態では、剥離構造の少なくとも1つの剥離層は、酸化物、窒化物、炭化物、及び酸窒化物のうちの1つを含む単一の剥離層である。単一層は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び酸窒化ケイ素のうちの1つを含むことができる。好ましくは、単一層の厚さは15μm以下である。
可能な実施形態では、第1のピーリング面は、剥離構造の上面に対応し、第2のピーリング面は、可撓性マイクロ電子構造の底面に対応する。他の可能な実施形態では、第1のピーリング面は、剥離構造の底面に対応し、第2のピーリング面は、硬質基材の上面に対応する。
可能な実施形態では、剥離構造は、少なくとも第1の剥離層及び第2の剥離層を含み、ピーリング界面は、剥離構造内に形成される。
可能な実施形態では、第1及び第2の剥離層の一方は、金属合金又は金属性合金を含み、第1及び第2の剥離層のうちの他方は、酸化物、窒化物、炭化物、及び酸窒化物のうちの1つを含む。金属又は金属合金は、Ni、Al、Cu、若しくはPd、又はこれらの合金のうちの1つを含むことができる。他の剥離層は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び酸窒化ケイ素のうちの1つを含むことができる。第1の剥離層は硬質基材上に形成することができ、第2の剥離層は第1の剥離層の上に形成される。好ましくは、第2の剥離層の厚さは20μm以下である。
可能な実施形態では、少なくとも1つの剥離層は、複数のパターンを含むパターン化された層を含む。複数のパターンは、剥離構造の層のうちの1つの層の上部及び底部外面上に均一に分布されてもよく、第1のピーリング表面はパターン化された層の上面に対応し、第2のピーリング面は硬質基材の上面に対応する。
可能な実施形態では、積層構造は、少なくとも1つの剥離層と可撓性基材デバイス層との間に延びている1つ以上の追加の層を更に含み得る。これらの追加の層は、例えば、10-1g/m/日以下の水蒸気透過率を有する防湿性を有する。
可能な実施形態では、剥離構造の総厚は20μm以下である。
別の態様によれば、可撓性マイクロ電子デバイスを製造する方法が提供される。方法は、上述したような積層構造を形成することを含む。方法は、硬質基材を提供することと、硬質基材上に剥離構造を形成することと、剥離構造の上に可撓性マイクロ電子構造を形成することと、第1のピーリング面及び/又は第2のピーリング面に剥離力を加えることによって、ピーリング面において可撓性マイクロ電子構造を硬質基材から分離することと、を含み得る。
可能な実装では、方法は、可撓性マイクロ電子構造を、可撓性ホスト基材上に移すことを更に含む。
実装に応じて、ピーリング界面は、剥離構造の剥離層のうちの2つの間に、剥離構造と可撓性マイクロ電子構造との間に、又は、剥離構造と硬質基材との間に、設けることができる。
可能な実装では、分離は、剥離構造の第1のピーリング面を硬質基材上の第2のピーリング面から離層することによって、可撓性マイクロ電子デバイスを硬質構造から分離させるために、積層構造上に1つ以上の真空使用可能表面を用いて剥離力を加えることによって、達成することができる。1つの可能な選択肢は、第1のピーリング面と第2のピーリング面との間の積層構造の開放セクションにおいて加圧流体の制御された放出を適用することである。可能な実装では、分離は、開始フェーズとピーリングフェーズとを含み、開始フェーズ中に加えられる剥離力はピーリングフェーズ中よりも大きい。1つの可能な選択肢は、層流ジェットを使用して、第1及び第2のピーリング面の間に加圧流体を注入することである。別の選択肢は、1つ以上の別個のジェットを使用して、第1及び第2のピーリング面に加圧流体を注入することである。実装に応じて、分離は、25mm/秒超、好ましくは35mm/秒超、より好ましくは100mm/秒超の層間剥離にて実施される。
可能な実装では、分離は、1つ以上の集中ジェットを注入し、第1のピーリング面と第2のピーリング面との間の中央領域内から積層構造の縁部の方に向かって伝播する流体ポケット又は流体蓄積のビルドアップを作り出すことによって実施される。可能な実装では、第1のピーリング面と第2のピーリング面との間に触媒を注入することができる。触媒は、水性流体、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール、又はフッ化炭素系流体のうちの1つを含み得る。ジェットは、流体噴射ノズルの前端に設けられた長手方向スリットを通して発射され、ノズルを出るときにエアナイフを作り出し得るか、又は1つ以上の別個のジェットは、流体噴射ノズルの前端に設けられた2つ以上の出口を通して発射することができ、出口は、所定の距離だけ離間される。
可能な実装形態では、可撓性デバイス構造は、可撓性ホスト基材に取り付けることができ、可撓性ホスト基材は、ポリマー、プラスチック、又は有機若しくは無機のフォームを含む。
他の特徴は、添付の図面を参照して本発明の実施形態を読むことによってより良く理解されよう。
可能な実施形態による、可撓性マイクロ電子デバイスを製造するための方法のフローチャートである。 図1Aの方法のステップの概略図である。 単層剥離構造が使用される一実施形態による、可撓性マイクロ電子デバイスを製造するための方法のフローチャートである。 図2Aの方法のステップの概略図である。 図2Aの方法のステップの概略図である。 A~Hは、可能な実施形態による、剥離層の異なるアスペクト比を有する可能なパターンの概略図である。 a)ポリイミドをガラス基材から、及びb)提案された剥離構造をガラス基材から層間剥離するのに必要な、層間剥離移動(mm)の関数としての荷重(gF)を表しているグラフである。 2層剥離構造が使用される別の可能な実施形態による可撓性マイクロ電子デバイスを製造するための方法のフローチャートである。 図5Aの方法のステップの概略図である。 様々な実施形態による、多層剥離構造を含む異なる積層構造の概略図である。 様々な実施形態による、多層剥離構造を含む異なる積層構造の概略図である。 様々な実施形態による、多層剥離構造を含む異なる積層構造の概略図である。 層間剥離が異なる剥離界面で起こる、可能な多層剥離構造の概略図である。 異なる材料で作製された剥離層内部の応力レベルに関するグラフである。 剥離構造において層間剥離が起こる可能性のある場所を制御するために層内の応力を調整する可能な方法を示している。 機械的層間剥離の概略図である。 加圧流体層間剥離の概略図である。 可撓性マイクロ電子構造と硬質基材との間に流体蓄積が形成される、加圧流体層間剥離プロセスの概略図である。 可撓性マイクロ電子デバイスの製造に使用される積層構造の概略図であり、2つの出口を有するノズルによって積層構造のピーリング界面間に発射されるジェットを使用して層間剥離されている。 別の実装による、ピーリング面の間に層流ジェットを発射するためのスリットを有するノズルを示している。 時間の関数として、機械的層間剥離対加圧流体層間剥離に関与する開始力及び層間剥離力を示しているグラフである。 一実施形態による、硬質基材から可撓性マイクロ電子構造をピールするための装置の図である。 別の実施形態による、可撓性マイクロ電子構造を硬質基材からピールするための装置の図であり、真空ローラーに加えて流体ノズルが使用されている。 別の実施形態による、ピーリングモードで運転されている、硬質基材から可撓性マイクロ電子構造をピールするための装置の図である。 移すモードで運転されている、図14の装置の図である。 一実施形態による、硬質基材上の可撓性マイクロ電子構造を示している。 図17A~図17Bは、切断機構の実施形態を各々例示している。図17Aはナイフ又はブレードを示しており、図17Bはレーザーを示している。 積層構造の縁部に開放又は露出されたセクションを作り出すことによって、ピーリングステップを初期化するための機構の一例を例示している。 図18の機構で初期化されたピーリングステップが、真空ステージで達成され得ることを示しており、ローラーが、均一なピーリングラインを維持するために硬質基材を保持しているステージの下に存在している。 図18の機構で初期化されたピーリングステップが、真空ステージ及び流体ノズルによって達成され得ることを示している。 図18の機構で初期化されたピーリングステップが、真空ステージ、流体ノズル、及び触媒流体を収集するためのシンクを用いて達成され得ることを示している。 可撓性ホスト基材上に移されている可撓性マイクロ電子構造の2つの可能な実施形態を例示しており、1つは平坦な真空ステージによるもの(図22A)であり、1つはローラーによるもの(図22B)である。 可撓性ホスト基材上に移されている可撓性マイクロ電子構造の2つの可能な実施形態を例示しており、1つは平坦な真空ステージによるもの(図22A)であり、1つはローラーによるもの(図22B)である。
以下の説明では、図面中の同様の特徴には同様の参照番号が付与されている。図を過度に妨げないために、いくつかの要素は、それらが先行する図において既に言及されている場合、いくつかの図では示されていない場合がある。また、本明細書では、図面の要素は必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、代わりに、本実施形態の要素及び構造を明確に例示することに重点が置かれていることも理解されたい。
「a」、「an」及び「one」という用語は、本明細書では「少なくとも1つ」を意味するように定義され、すなわち、これらの用語は、別段の記載がない限り、複数の単位体を除外しない。例示的な実施形態の特徴の値、条件、又は特性を修飾する「実質的に」、「概して、一般に」、及び「約」などの用語は、値、条件、又は特性が、その意図された用途のためのこの例示的な実施形態の適切な運転のために許容可能である公差内で定義されることを意味すると理解されるべきである。
別段の記載がない限り、「接続された」及び「結合された」という用語、並びにそれらの派生語及び変形語は、本明細書では、2つ以上の要素間の直接的又は間接的ないずれかの、任意の構造的及び/又は機能的な接続又は結合を指す。例えば、要素間の接続又は結合は、機械的、光学的、電気的、論理的、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。
「デバイス」という表現は、少なくとも1つの機能に関連付けられた構成要素又はアセンブリを指す。デバイスの例は、電子デバイス、光電子デバイス、磁気デバイス、電極アレイ、受動構造、微小電気機械システム、又はこれらの任意の組み合わせである。
「可撓性エレクトロニクス」という表現、その変形語及び派生形は、変形可能、適合可能、及び/又は伸張可能な層を含む、構成要素、デバイス、回路、アセンブリなどのクラスを指すために使用される。変形可能、適合可能、及び/又は伸張可能な層は、デバイス層、基材層、又はその両方であることができよう。そのような層は、例えば、限定するものではないが、プラスチック、金属箔、紙、フレックスガラス、又は任意の他の同様の特性の材料から作製され得るか、又はこれらを含み得る。
「合金」という用語は、少なくとも2つの異なる元素を含む材料又は材料の組成物を指す。例えば、限定するものではないが、合金は、2つ、3つ、又は4つの異なる元素を含み得る。本開示の文脈において、「金属合金」という表現は、少なくとも1つの金属を含む合金を指す。
「p型ドーピング」という用語は、正孔として知られる過剰な正電荷を作り出すために成長層に不純物を組み込むことを指す。「n型ドーピング」という用語は、電子として知られる過剰な負電荷を作り出すために、成長層に不純物を組み込むことを指す。「固有ドーピング(i)」という用語は、半導体層が過剰な負電荷又は正電荷を有していない場合を指す。「p-n接合」又は「n-p接合」という用語は、一方の層がp型ドープされ、他方の層がn型ドープされた2つの連続層を指す。「p-i-n接合」又は「n-i-p接合」という用語は、1つの層がp型ドープされ、1つが固有であり、1つがn型ドープされた3つの連続した層を指す。
本説明は、概して、技術に関し、より具体的には、可撓性マイクロ電子構造(又は膜)と硬質基材(「硬質キャリア」とも称される)との間に設けられる剥離構造の製作及び開放のための方法に関する。剥離構造は、以下でより詳細に説明するように、単一の剥離層、2つの層、又はいくつかの層を含み得る。同様に、可撓性マイクロ電子構造又は膜は、1つ以上のデバイス層及び1つ以上のデバイス基材層を含み得る。剥離構造は、例えば、限定するものではないが、可撓性ホスト基材上に可撓性マイクロ電子構造を移すために有用であり得る硬質基材からの可撓性マイクロ電子構造の剥離を容易にし得る。本開示で提示されるほぼ全ての実装では、本明細書で提示される層間剥離技術は、基材への熱の適用を必要としない。
本技術及びその利点は、本技術の様々な実施形態を説明する以下の詳細な説明及び実施例からより明らかとなる。より詳細には、以下の説明セクションは、剥離構造体を含む積層構造及びそれを形成するための方法を提示する。可撓性マイクロ電子構造体を硬質基材から分離するための方法はまた、触媒を使用してもしなくてもよい異なる実装に従って説明される。可撓性マイクロ電子デバイスを製造する方法も説明する。
図1~図22Bを参照して、異なる可能な実施形態に従って、可撓性マイクロ電子デバイスを製造するための方法を説明する。以下でより詳細に説明するように、この方法は、硬質基材からの可撓性マイクロ電子構造の分離(又はピーリング)を容易にするために、及び、任意選択的に、可撓性マイクロ電子構造を可撓性ホスト基材上に移して可撓性マイクロ電子構造を形成するために、剥離構造を含む積層構造を製作することを含む。積層構造は、異なる実施形態によって製造することができ、分離(又は層間剥離)プロセスもまた、異なる実装形態に従って実施することができる。
概して言えば、図1A及び図1Bに例示するように、方法100は、積層構造10を形成するステップを含む。積層構造10は、硬質キャリアと、剥離構造と、可撓性マイクロ電子構造と、を含む。方法100はまた、剥離構造のピーリング界面において、可撓性マイクロ電子構造を硬質基材(又はキャリア)から分離又はピールするステップも含む。硬質基材20を準備するステップ102から始める。硬質基材(又は硬質キャリア)は、ケイ素、アルミナ、鋼、サファイア、及びガラスを含むいくつかの材料から作製することができる。ガラスから作製された硬質基材は、ホウケイ酸バリウム、ソーダ石灰シリケート、又はアルカリシリケートを含み得る。
ステップ104では、剥離構造40が、硬質基材20の上に形成される。剥離構造40は、1つ、2つ、又は複数の層を含むことができる。一実施形態では、剥離構造40は、好ましくは酸化物、窒化物、炭化物、又は酸窒化物から作製される単一の剥離層を含む。そのような材料の例としては、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(silicon nitride、SiN)、炭化ケイ素(silicon carbide、SiC)、及び酸窒化ケイ素(silicon oxynitride、SiOxNy)が挙げられる。他の実施形態では、剥離構造40は、「剥離層」と称される2つの層を含む。例えば、第1の剥離層を硬質基材20上に形成することができ、第2の剥離層を第1の剥離層の上部に堆積させて、2層剥離構造を形成することができる。好ましくは、第1及び第2の剥離層のうちの少なくとも1つは、酸化物、窒化物、炭化物、又は酸窒化物から作製される。他の剥離層は、好ましくは金属合金又は金属性合金から作製される。更に他の実施形態では、剥離構造は、防湿性などの特定の特性を有する追加の層を含むことができる。可能な実装では、硬質基材の上に延びている第1の層は、5μm未満の非金属性無機層であり、第1の層の上の第2の層は、0.1μm以下の厚さを有する金属性(金属又は金属合金)層である。
ステップ106では、可撓性マイクロ電子構造60を、剥離構造40の上に形成する。可撓性マイクロ電子構造60は、少なくとも1つの可撓性基材デバイス層70(すなわち、1つ以上の基材層)と、少なくとも1つのデバイス層80(すなわち、1つ以上のデバイス層)と、を含むことができる。例えば、デバイス層は、非常に薄いウェハであることができる。好ましくは、可撓性マイクロ電子構造60はまた、1つ以上の封入層も含む。可撓性基材層70及び/又はデバイス層80は、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)、及び/又は熱硬化性プラスチック材料から作製することができるか、又はそれらを含むことができる。例えば、限定するものではないが、可撓性マイクロ電子構造60は、ともに延びている層のスタックであることができる。可撓性基材層70及び可撓性デバイス層80は、製造される可撓性マイクロ電子構造のタイプに応じて、交互構成(可撓性デバイス基材層70及び可撓性デバイス層80が交互に配置)又は連続構成(複数のデバイス基材層70、その上には複数のデバイス層80が設けられている)で形成することができる。デバイス層80は、電子機能を提供するために、1つ以上のp-n接合、n-p接合、p-i-n接合、及び/又はn-i-p接合を含み得る。
したがって、剥離構造40は、非金属性で無機の材料で作製された少なくとも1つの層を含む。非金属性で無機の材料とは、この層が、金属又は金属合金を含まず、炭素を含まないことを意味している。そのような材料を使用する利点は、剥離界面に金属性層のみが使用される場合よりも層間剥離が容易である点である。機械的層間剥離及び加圧流体層間剥離の両方に必要とされる平均剥離圧力は、以下でより詳細に説明するように、剥離界面のうちの少なくとも1つが非金属性で無機の材料であるとき、金属層が使用される場合と比較して、小さい。可能な実装形態では、剥離構造は、2つ以上のピーリング界面を含み得る。
図1Bに例示したように、積層構造10は、第1及び第2のピーリング面12、14を含み、少なくとも1つは、剥離構造40の外面上に設けられる。層間剥離の前に、第1及び第2のピーリング面12、14は、共通の剥離界面16で接合している。図1Aの例では、第1の剥離面14は剥離構造40の上面に対応し、第2の剥離面12は可撓性マイクロ電子構造60の底面に対応する。剥離構造が2つ以上の剥離層を含む代替実施形態では、第1及び第2の表面は、界面剥離層の上面及び底面に対応し得る。言い換えれば、層間剥離は、剥離構造40の2つの隣接する層の間で起こり得る。更に他の実装では、第1の剥離面は硬質基材の上面に対応することができ、第2の剥離面は剥離構造40の底面に対応することができる。剥離層を形成するとき、剥離スタックにおいて層間剥離が起こる場所を制御するように、層内の内部引張応力及び/又は圧縮応力を修正するようにプロセスを適合させることができる。
なお図1A及び図1Bを参照すると、ステップ108において、第1及び第2のピーリング面は、機械的層間剥離及び/又は加圧流体層間剥離から生じる剥離力を加えることによって分離され、それは、可撓性マイクロ電子構造を硬質基材からピールすることを可能にする。分離ステップは、機械的層間剥離(例えば、真空使用可能表面を使用する)によって、又は加圧流体層間剥離(例えば、ガスジェットの制御された放出を使用する)によって実施することができる。分離ステップはまた、典型的には、2つのフェーズ又はサブステップで、すなわち、以下でより詳細に説明するように、最初に、開始フェーズ、次いで、層間剥離(又はピーリング)フェーズで実施される。分離ステップ中に、触媒16を、第1のピーリング面と第2のピーリング面との間に注入して、層間剥離プロセスを更に容易にするか又はスピードアップすることができる。触媒は、水性流体、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール、又はフッ化炭素系流体のうちの1つを含むことができる。
更に図1A及び図1Bを参照すると、方法は、可撓性マイクロ電子アセンブリを形成するために、可撓性ホスト基材上に可撓性マイクロ電子構造を移すステップ110を含み得る。このステップは、剥離構造に応じて、また層間剥離がどこで起こるか(すなわち、異なる層界面のいずれにおいて起こるか)に応じて、硬質キャリアから分離されると、可撓性マイクロ電子構造が完成し得ることから、任意選択である。層間剥離プロセス後に可撓性マイクロ電子構造の下に保護層及び/又は封止層が設けられる場合、デバイスを別の可撓性ホスト基材上に移す必要がない場合がある。
単一剥離層構造
図2A、図2B、及び図2Cを参照して、1つの可能な実装による可撓性マイクロ電子デバイスを製造するための方法を説明する。この実装は、剥離構造として単一の剥離層を形成することを含み、この単一の層は、酸化物、窒化物、炭化物、及び酸窒化物から作製される。任意選択的に、この単一の剥離層は、そこからの可撓性マイクロ電子構造体のピーリングを更に容易にするためにパターン化することができる。
この例では、ステップ104は、(ガラスウェハなどの)硬質基材上に剥離層(例えば、二酸化ケイ素(SiO)層)を形成することからなる。ステップ106では、可撓性マイクロ電子構造(「可撓性デバイス構造」として示されている)を、単一の剥離層上に、この場合は、二酸化ケイ素層42上に形成する。前述したように、可撓性デバイス構造60は、少なくとも1つのデバイス基材層と、デバイス基材層上の少なくとも1つのデバイス層と、を含む。可撓性マイクロ電子デバイス60を、硬質基材の上、剥離層42上に形成したら、ステップ108を実行し、すなわち、可撓性マイクロ電子構造を硬質基材から剥離する。次いで、必要に応じて、可撓性マイクロ電子構造60を、可撓性ホスト基材上に移すことができる。
この実施形態から得られる積層構造の例を図2B及び図2Cに示す。例示したように、剥離構造は、単一の酸化物層42に対応し、第1及び第2のピーリング面12、14は、可撓性デバイス基材層の底面及び剥離層の上面に対応することができる(図2B)。あるいは、第1及び第2のピーリング面は、剥離層の底面及び硬質キャリアの上面に対応することができる(図2C)。
好ましくは、剥離層42は、約10μm以下の厚さを有する。ピーリングを促進するために、かつ/又はパターン化された表面で起こるピーリングを「強制」するために、パターンを有する剥離層を形成することも可能である。1つの可能な実装では、パターン化された層を形成することは、最初に硬質基材20上に二酸化ケイ素層を形成することと、次いで、二酸化ケイ素層をパターン化してその中にパターンを形成することと、を含み得る。二酸化ケイ素層42の形成は、蒸着プロセスによって、例えば、スパッタリングによって、又は化学蒸着によって、行うことができる。二酸化ケイ素層のパターン化は、従来の及び/又は標準的なフォトリソグラフィプロセスを使用して達成され得る。
可能なパターンの例を、図3A~図3Jに例示しており、クリアな領域は、硬質基材20(又はその部分)を表し、ダークな領域は、酸化物層(例えば、SiO)を表している。例示したように、パターンは、硬質基材20の上面上に均一に分布していてもよく、すなわち、各パターンは、実質的に一定の距離又は寸法だけ互いに離間されていてもよい。描写した実施形態では、各パターンは正方形又は円形であるが、パターンは任意の他の形状を有していてもよい。硬質基材20の総面積に対するパターンの面積比を変化させることにより、可撓性マイクロ電子構造60を硬質基材20から分離するのに必要な剥離力を変化又は制御することができる。例えば、第1の限定的な場合に関連付けられた剥離力がFであり、第2の限定的な場合に関連付けられた剥離力がFである場合、0%~100%の範囲の所与の比率に関連付けられた剥離力は、FとFとの間に含まれる。図3C~図3Jに例示した例では、異なるパターンが例示されている。図3A~図3Jに例示した各パターンは、パターン化された面積の比率(0%、100%、~50%、~50%、25%、75、19.6%、58.9%、41.1%、及び80.37%)と、剥離(ピール)力(F~F10)と関連付けられる。いくつかの実施形態では、F<{F,F,...,F,F10}<Fである。
図2B及び図2Cを再び参照すると、方法は、剥離層42と可撓性マイクロ電子構造60との間に1つ以上の追加の層(例示せず)を形成する任意選択的なステップ105を更に含み得る。いくつかの実施形態では、追加の層のうちの1つ以上は、防湿性を有し得る。例えば、当該追加の層(「バリア」層とも称されることがある)のうちの1つ以上は、約10-1g/m/日以下の水蒸気透過特性を有し得る。バリア構造を形成するステップは、蒸着法によって行ってもよい。1つ以上の追加の層は、単なる例として、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又はポリイミドから作製することができる。
ピーリングステップ108の間、方法は、硬質基材20から可撓性デバイス構造60をピールしながら、硬質基材20と可撓性デバイス基材層との間に触媒を導入することを含み得る。例示した例では、触媒24を、構造化された二酸化ケイ素層42と、可撓性デバイス構造60の底面又は硬質キャリア20の上面のうちのいずれか1つとの間の界面に導入することができる。可撓性マイクロ電子構造60は、硬質基材20からピールされた後、可撓性ホスト基材(例示せず)上に移されて固定することができる。
単一の剥離層構造のための層間剥離機構は、図2B及び図2Cによって概略的に表されるように、ピーリング界面における表面特性によって制御される。弱い剥離界面は、可撓性デバイス基材の真下(図2B)又は硬質基材と剥離層との間(図2C)に位置することができる。剥離層の平滑で結晶質で化学的に不活性な表面は、化学結合を提供せず、例えば、可撓性デバイス基材層と剥離層界面との間に弱い界面を作り出す。この場合、結合は、本質的に、物理的、静電的性質であり、十分な力又は極性触媒を使用して容易に破壊することができる。反対に、表面が化学結合を提供する場合、例えば、有機基材上の可撓性デバイス基材層である場合、膜を分離するのに必要な力ははるかに大きくなり、膜の引き裂き及び他の欠陥につながる可能性がある。ガラス硬質基材表面は、水素リッチであることができ、これは有機層への結合を強化する。したがって、ガラス上に直接堆積された可撓性デバイス構造は、図4のグラフによって例示されるように、最も具体的には、可撓性デバイス基材層との界面において強い接着をもたらし、ガラス基材上のポリイミド(PI)(典型的には可撓性デバイス基材として使用される)の接着は、本説明で提案されるような剥離層の接着に匹敵する。この状況での層間剥離のための好ましい方法は、レーザーリフトオフ(laser lift-off、LLO)であり、それは、エネルギー集約的で低収率の熱アブレーションプロセスである。低水素濃度SiO2真空処理された結晶層は、可撓性有機層、すなわち、可撓性デバイス基材層、ひいては可撓性デバイス構造全体を剥離するより容易な方法を提供する。加圧流体層間剥離プロセスと組み合わせると、それは、LLOより安価で潜在的により高収率の代替物を提供する。
酸化物、窒化物、及び炭化物などの他の真空処理された層に対しても、これらの膜によって提供される界面が可撓性基材ポリマーに対して化学的に不活性である場合、同じ原理を適用することができる。ポリマー膜と不活性界面との間の結合力は、ポリマーと化学的に結合された界面との間の結合力の30分の1であることができる。可撓性基材界面における層間剥離の場合、剥離層と可撓性基材との間の結合は、剥離層と硬質キャリアとの間の結合よりもはるかに弱い(図2B)。硬質キャリア界面における層間剥離の場合、剥離層と硬質キャリアとの間の結合は、剥離層と可撓性基材との間の結合よりもはるかに弱い(図2C)。
2つの剥離層構造
図5A及び図5Bを参照すると、剥離構造40は、2つの層、すなわち、金属合金又は金属性合金を含む第1の剥離層440と、酸化物、窒化物、炭化物、及び酸窒化物のうちの1つを含む第2の剥離層442と、を含むことができる。この実施形態によれば、方法は、硬質基材上に金属で作製された層を堆積させることによって、硬質基材20と酸化物層440(パターン化することができるか又はすることができない)との間に金属性層を形成するステップ104’を含む。本説明の文脈において、「金属性」という表現は、金属、メタロイド、及び金属合金を包含する。「金属」という用語は、典型的には、導電性である化学的な元素、組成物、又は材料を指す。「メタロイド」という用語は、典型的には、金属様の化学元素、組成物、又は材料を指し、すなわち、金属と非金属との間の特性、又は金属と非金属との混合物である特性を有する物質を指す。金属は、例えば、限定するものではないが、Ni、Al、Cu、又はPdであることができる。あるいは、層440は、金属合金、すなわち、少なくとも1つの金属及び少なくとも別の非金属材料を含む物質から作製することができる。図5Bでは、硬質基材上に設けられた金属層440は、金属又は金属合金のいずれかから作製することができる。いくつかの実施形態では、金属性層440は、8%の破断点伸び率を有する材料から作製されることに留意されたい。本明細書の文脈において、「破断点伸び率」という表現は、所与の温度に対する、破断後の材料の増加した長さと初期長さとの間の比を指す。材料のこの特性は、一般に、亀裂を形成することなく形状の変化に抵抗する材料の能力と関連がある。いくつかの実施形態では、金属性層440は、5μm以下の厚さを有する。金属性層を形成するステップは、例えば、限定するものではないが、スパッタリング、電子ビーム蒸着、若しくは熱蒸着などの物理蒸着プロセスによって、又はより厚い金属膜のための電気めっき」などの電気化学的プロセスによって行われ得る。
硬質基材20上に金属性層440を形成するステップの後に、金属性層上に酸化物層(又は窒化物、炭化物、若しくは酸窒化物)、例えば、SiOを形成するステップが続く(ステップ104’’)。その方法はまた、二酸化ケイ素層442上に可撓性マイクロ電子デバイス60を形成するステップ106も含む。可撓性マイクロ電子構造(いくつかの実施形態では、可撓性マイクロ電子膜と称することがある)は、デバイス基材層70と、デバイス基材層上に形成されたデバイス層80と、を含む。可撓性マイクロ電子構造60を形成したら、硬質基材から可撓性マイクロ電子構造をピールするステップ108を行う。次いで、可撓性マイクロ電子構造は、可撓性ホスト基材上に移され得る。ステップ104’は、物理蒸着プロセスによって行われ得る。物理蒸着プロセスの非限定的な例としては、スパッタリング、電子ビーム蒸着、又は熱蒸着が挙げられるが、これらに限定されない。物理的堆積プロセスの非限定的な例としては、電鋳が挙げられるが、これに限定されない。層442は、当技術分野で既に知られている任意の技術を使用して、15μm以下の厚さで堆積させ得る。いくつかの実施形態では、酸化アルミナ(Al又は「アルミナ」)は、SiOの代わりに使用している場合がある。他の金属酸化物又は酸化物を、代わりに使用している場合があることに留意されたい。任意選択的に、2-剥離層積層構造は、二酸化ケイ素層442と可撓性マイクロ電子構造60との間に、1つ以上の追加のバリア層(例示せず)、例えば、水分バリア層を含むことができる。
図5A及び図5Bを更に参照すると、この例示的な実施形態では、可撓性マイクロ電子構造60を、硬質基材20からピールすることは、第1及び第2の剥離ピーリング面が2層剥離構造44内にあるように、すなわち、ピーリング界面が剥離構造内にあるように、層440と層442との間で起こる。描写した実施形態では、金属層440は、硬質基材20に付着されたままであり、非金属性無機層442は、可撓性デバイス構造60に付着されたままである。可能な実施形態では、可撓性マイクロ電子構造60を、別の可撓性ホスト基材に移す必要はない場合がある。
ピーリング速度が速いほど、剥離力は強い可能性がある。速いピーリング速度が企図される場合、剥離構造の2つのピーリング面の間に触媒を導入又は注入することが有用であり得る。ガス状触媒の適用又は導入は、可撓性マイクロ電子デバイスの製造中に液体で作業することと関連がある課題を除去又は軽減することができ、それは、液体の存在下で影響を受けたり劣化したりする可能性のある電子材料、有機材料、及び/又は光電子材料の文脈で役立ち得る。他の実施形態では、触媒は液体であってもよい。液体は、以下の非限定的な例のリストから選択され得る:水性流体、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール、及びフルオロカーボン系流体。
多層剥離構造
図6A~図6Dを参照すると、可能な実装形態によれば、多層剥離構造48も製造され得る。この構成は、層間剥離界面位置に関する完全な制御を提供し、例えば、上述した単一層の実施形態に加えて、図6Dに最もよく示されているように、硬質基材及び可撓性デバイス構造の両方が、1つ以上の剥離層と接触することができる。
これらの実施形態によれば、ポリマー系可撓性基材キャリア60は、必ずしもその直接の界面から層間剥離しない。代わりに、副層は、硬質キャリア20から剥離し、かつ可撓性基材層(典型的にはポリマー膜)に粘着するように、積層構造10、10’、又は10’’の内部に含まれる。可撓性基材60の底面で層間剥離する代わりに、剥離層それ自体が、硬質キャリア(典型的にはガラス)から層間剥離し、可撓性基材60は依然として接着しているように、積層構造を設計することができる。そうすることで、多層スタック10は、可撓性基材60を依然として運びながら、剥離層とともに持ち上げることができるように設計することができる。
剥離構造内の層の厚さを対照として使用して、可撓性デバイス基材層を剥離構造から完全に持ち上げる多層スタックも可能である。
多層剥離構造は、「単一層剥離構造」に関するセクションで説明したように、1つ以上のパターン化された層を含み得ることに留意されたい。
応力によって促進される剥離
更に図6A~図6C、並びに図7A及び図7Bを参照すると、1つ又は複数の層が、可撓性基材60と一緒に層間剥離される場合、剥離層内の内部応力が剥離プロセスを促進することができる。可能な実装では、1つ以上の層の内部応力を調整又は変更して、積層スタック内のどこで(すなわち、どの層界面の間で)層間剥離が起こるかを制御することができる。いくつかの実装の場合、高い圧縮応力を有する剥離構造は、硬質キャリア20上に残る傾向があり、高い引張応力を有する層(又は膜)は、可撓性基材60から剥離する傾向があることが観察されている。
したがって、十分に高い引張応力を有する多層剥離構造又はスタック48は、図6Aに例示したように、剥離力が硬質キャリア界面に適用されるときに、より容易に剥離させることができる。同じことが、図2Cに例示した単一の剥離層の場合にも当てはまることがある。剥離構造内部の材料の選択は、他の金属性膜、金属性合金、酸化物、窒化物、及び炭化物に拡張することができる。多層スタック内の応力が引張応力である場合、可撓性キャリア60は硬質キャリアから層間剥離することができる。可撓性デバイス基材層の下の層において応力を制御することによって、酸化物層から作製された単一の剥離層が十分でないシナリオで層間剥離を達成することができる。層中の応力を制御することは、可撓性デバイス基材層の下にある複数の層まで及ぼすことができる。
可能な実装では、層内又は層間の応力レベルは、層/膜の後処理によって制御することができる。図7Bは、膜の加熱又は冷却の関数として応力がどのように制御又は調整され得るかを例示しているグラフを示している。したがって、可能な実装形態によれば、剥離機構のための応力管理の制御を実施することができる。
層間剥離
以下の段落では、可撓性マイクロ電子構造60を硬質基材20から分離するために考えることができる異なる選択肢をより詳細に説明する。
機械的層間剥離
図8Aを参照すると、機械的層間剥離は、硬質キャリア20から可撓性マイクロ電子構造60(典型的には薄膜スタック)を引き剥がすための機械力の使用を指す。この例では、ピーリング界面は、剥離構造40と可撓性マイクロ電子構造60との間に設けられる。図8Aに提示したように、ピーリング力(F)は、硬質基材20に対してある特定の角度(θ)で可撓性マイクロ電子構造スタック(又は膜)に沿って適用され、膜は、分離点で基材から完全に引き離される。角度(θ)は、例えば、約0°~90°の間のいずれかであることができる。例えば、ローラーが使用されるとき、角度(θ)は、5°未満など非常に小さい角度であることができる。この層間剥離方法に従って調整することができるプロセスパラメータは、層間剥離の速度(ピーリング速度)及びピーリング角度である。異なる機械的層間剥離技術を、以下、より詳細に説明する。
積層構造の可能な実施形態では、剥離力(又はピーリング力)は、可撓性マイクロ電子膜60をおそらく伸張する可能性があるため、効果的ではあるが、機械的層間剥離は必ずしも適切ではない可能性がある。したがって、加圧流体層間剥離は、この方法がピーリング界面のみに力を加えることを含むため、用途に応じて好ましい場合がある。
加圧流体層間剥離
図8Bを参照すると、エアジェットで発射された加圧流体を使用する層間剥離を概略的に表している。このプロセスでは、加圧流体を使用して、可撓性デバイス構造60(又は膜スタック)の下に圧力を及ぼして、剥離界面に向けてそれを剥離する。この方法では、ノズル200を使用し、分離点(D)からある距離に配置し、硬質基材に対してある特定の角度(θ)で傾斜させることができる。ノズルは、薄膜スタック60と硬質基材20との間に流体の直接流(F)を射出し、これは、2つのピーリング面の間の界面において剥離力(ピーリング力)Fを及ぼす。流体の一部は、硬質基材20及び可撓性膜60の表面上で跳ね返り(FF2)、これは、全剥離力Fに寄与する。θに比例するθで、分離点に近いピーク強度で、図9に示すように、流体の直接流及び二次流の両方が、膜に圧力を及ぼす流体蓄積又はポケット50を作り出す。硬質基材20からの可撓性マイクロ電子構造60の分離は、1つ以上の集中エアジェットを注入し、第1のピーリング面と第2のピーリング面との間の積層構造の中央領域内から、積層構造の縁部に向かって伝播されるエアポケット又は気泡50を作り出すことによって、実施することができる。加圧流体(典型的には空気であるが、他のガスも考慮することができる)を注入するために、異なるノズル構成を使用することができる。1つ以上の別個の/分離した空気流体ジェットを注入することができ、あるいは、層流ジェットを使用することもできる。加えて、加圧流体ジェットは、剥離のために層間剥離界面に送達される力の大きさ及び方向の両方に関するより大きな制御を達成するために、単独で、又はノズル傾斜角度とともに、作用させ、パルス化され得る。
図10Aを参照すると、流体の圧力、ノズルの寸法、出口の寸法、出口間の距離、硬質基材20に対するノズルの角度、及び分離点からの出口の距離は全て、この方法を用いて実施される層間剥離プロセスを制御するために調整及び調節することができるパラメータである。可撓性マイクロ電子構造60(又は「薄膜スタック」)が、伸び及び曲げに敏感であり得ることを考慮すると、剥離力F及び剥離角度θは、デバイス層の損傷を回避するように調整することができる。流体層間剥離では、剥離力Fが適用される仕方のために、膜60の伸張が制限される。更に、角度θ及び距離Dは、流体ポケット圧力を最適化するように調整することができ、これにより、機械的層間剥離よりも速いピーリング速度がもたらされる。
加圧流体の制御された放出のために、異なるノズル構成を使用することができる。可能な実装によれば、図10Bに例示したように、硬質基材に平行に配向された連続的な長手方向スリット222を有するノズル200’を使用して、ピーリング界面間に層状ジェットを作り出すことができる。スリットは、ノズルの後端からその前端に向かって狭くなっているテーパ状の本体を有するノズル200’の前端に設けられる。したがって、加圧流体は、ノズルから出るときにエアナイフを作り出すことができる。更に別の可能な実装によれば、図10Aに例示したように、2つ以上の出口220を有するノズル200を、ノズルのテーパ状の前端に設けることができ、ノズルは、ノズルを通って延び、かつ、層間剥離時に、硬質キャリアに実質的に平行に配向された、流体チャネルを備えている。加圧流体は、硬質キャリアの平面に実質的に沿って発射されるエアジェットなどの別個のジェットを使用して、第1の界面と第2の界面との間に注入される。エアジェットなどの異なる流体を使用することができる。先に説明したように、ピーリング界面間への加圧流体の浸透を容易にするために、積層構造の縁部にある小さなセクションを最初に開くことができる。流体出口の数及び流体出口間の距離は、積層構造を層間剥離するのに必要な剥離力に基づいて選択することができる。例示された実施形態では、流体出口は、ノズルのテーパ状前縁に沿って約12mmだけ離間されるが、他の構成も可能である。図10は、そのようなノズル構成を用いた計算流体力学シミュレーションを示している。ノズル設計の結果として、流出する加圧流体の速度は、層間剥離の必要性に応じて調整することができる。より近いノズル出口は、加圧流体からのより多くの力を可能にし、したがって、可撓性マイクロ電子構造体(又は膜)に対する衝撃をより集中した様式で発生させることができる。図8B及び図9に最もよく示されているように、膜の下の局所的な空気圧が上昇し、膜60のサイズ及び特徴に応じて、移動気泡又はポケット50が形成され、その前縁52はピーリング界面を構成する。気泡又はポケットは、2つのピーリング面の間の過剰な流体の蓄積に対応する。ピーリング界面は、界面から完全に分離されるまで、剥離構造の表面に沿って気泡より先に進む。加圧流体が使用されるときなどの実装に応じて、積層構造中に開放されたセクションを作り出す必要がない場合があり、加圧流体は、適切な圧力で注入されるとき、第1及び第2のピーリング面を分離して層間剥離プロセスを初期化するのに十分であり得る。
一般に、層間剥離を実施するのに必要とされる力は、デバイス製作プロセスに耐えるのに十分な強さであるべきであるが、加圧流体ジェットを用いて層間剥離を実施するのに十分な弱さであるべきである。提案した剥離構造の存在は、これを可能にする。提案した構造はまた、ゲッターとしても有利に作用することができ、拡散する汚染物質及びイオンを、可撓性デバイス構造中の敏感な構成要素から遠ざけることができる。提案した構造はまた、その製造中又は通常の使用中に有毒な溶媒も必要としない。
開始フェーズ、層間剥離/ピーリングフェーズ、及び層間剥離速度
図11を参照すると、両方のプロセス(機械的層間剥離及び加圧流体層間剥離)について、分離は、開始フェーズ及びピーリングフェーズを含む。層間剥離プロセスを開始するために、ピーリング界面は、位置にかかわらず、開放される必要がある。この開放は開始として知られている。開始中、可撓性マイクロ電子構造(又は膜)を、接着領域の縁部で所定位置に保持する静的接着力に打ち勝たなければならない。
可能な実装では、開始は、接着領域の周辺で可撓性デバイス構造(及び適用可能な場合は剥離構造)の一部を除去する機構を用いて実施され得る。この機構は、物理的又は熱的なものを含むがこれらに限定されない切断機構を構成し得るが、適切な圧力の加圧流体それ自体でもあり得る。
打ち勝つべき初期の静的な力の結果として、図11に示すように、層間剥離が一旦始まり、その層間剥離を継続するために必要とされる力よりも大きな力が、開始を達成するために必要とされる。
開始フェーズ中に加えられる剥離力は、ピーリングフェーズ中よりも大きい。図11のグラフは、機械的層間剥離及び加圧流体層間剥離のための分離プロセス中に、可撓性マイクロ電子膜60に付着されたセンサーによって感知された力を示している。グラフは、機械的層間剥離に必要な開始力が、加圧流体層間剥離よりもわずかに大きいことを示しており、したがって、層間剥離プロセスの選択は、開始力に耐える可撓性デバイス膜60の能力に応じて選択することができる。グラフはまた、両方の方法は同等の開始ピークを有するが、残りの層間剥離フェーズに必要とされる剥離力は、真空ローラー/ステージが使用されるとき(すなわち、機械的プロセス)と比較して、加圧空気を用いたときの方が有意に小さいことも示している。グラフに示されているように、非金属性無機材料で作製された少なくとも1つの剥離層を有する提案の積層構造を使用して、可撓性マイクロ電子膜を硬質キャリアから分離するのに必要な可撓性デバイス基材によって経験される力は、開始フェーズ中は40gFより大きいが、ピーリングフェーズ中では30gF未満である。この力は、剥離に費やされるだけでなく、その一部は、流体で満たされたポケットを維持するために膜を持ち上げることにも費やされ、場合によっては、この力の一部は、可撓性マイクロ電子膜を伸張する可能性がある。可能な実装では、初期化中に適用される力は10gF以上であり、層間剥離フェーズ中には4gF未満である。可能な実装では、開始フェーズ中の剥離力は30gFを超え、ピーリングフェーズ中は25gF未満である。
機械的プロセスに対する加圧流体層間剥離プロセスの別の利点は、積層試料の所与の長さについて層間剥離を達成するのに必要な時間である。実験では、加圧層間剥離法の平均層間剥離速度は、機械的プロセスの場合よりもはるかに大きいことが分かった。加圧流体層間剥離時間は、1インチ(インチ又は101.6mmの円形試料)の長さについて約0.75秒であることができ、これは5.33インチ/秒(又は135.40mm/秒)の層間剥離速度に対応する。比較すると、機械的層間剥離法の平均層間剥離速度は、3インチ(76.2mm)の長さについて約12.5秒であり、1インチ×33インチの長方形試料)については、0.24インチ/秒(又は6mm/秒)の層間剥離速度に変換される。
実験ではまた、剥離構造が酸化物、窒化物、又は炭化物から作製された剥離層を含むときの層間剥離は、金属の単一層が使用されるときと比較して、層間剥離がより容易である(必要とされる剥離圧力又は力がより小さい)ことも実証された。これは、加圧流体を使用して、酸化物、窒化物、又は炭化物の第1の層を有する試料を層間剥離するのに必要な圧力を、金属性の第1の層を有する試料に必要な圧力と比較するときに、見ることができる。以下の表から分かるように、二酸化ケイ素層を有する試料を層間剥離するのに必要な平均圧力は50PSIであり、金属性層を有する試料を層間剥離するのに必要な平均圧力は75PSIである。この表はまた、積層構造が非金属性の無機剥離層を含むときの層間剥離速度は、単一の金属性の剥離層が使用されるときよりも、大きいことも示している。示された圧力は、同じ試料サイズ、ノズル形状、及びノズル位置の関数である。非金属性の無機剥離層を加圧流体剥離プロセスと組み合わせて使用することにより、50PSI未満の剥離圧力に対して、100mm/秒を超える層間剥離速度を達成することができる。50PSIの圧力では、135mm/秒の層間剥離速度が達成されたが、75PSIでは、260mm/秒の層間剥離速度が達成された。実装に応じて、層間剥離速度は、25mm/秒超、好ましくは35mm/秒超、より好ましくは100mm/秒超であり得る。
以下のセクションは、上記した方法の非限定的な例を提供する。これらの例は、それぞれ「第1のデバイス製作方法」及び「第2のデバイス製作方法」と称する。以下のセクションは、限定的であると解釈されるべきではなく、例示的な目的のみに役立つ。
第1のデバイス製作方法は、改質された成長基材を準備するステップを含む。改質された成長基材は、初期硬質基材を含み、マイクロ電子製作に好適な基材を挙げることができるが、これに限定されない。そのような基材の一般的な例は、アルミナ、鋼、サファイア、ホウケイ酸バリウム、ソーダ石灰シリケート、及びケイ酸アルカリである。改質された成長基材はまた、金属又は金属合金層も含む。この層の厚さは、500nm以下であってもよく、初期硬質基材上に設けられる。改質された成長基材はまた、10μm以下の厚さを有し得る二酸化ケイ素層も含む。この層は、金属層又は金属合金層上に設けられる。改質された成長基材は、低い水蒸気透過率(water vapor transmission rate、WVTR)特性を有する材料から作製され得る追加の層を含み得る。追加の層は、蒸着技術を使用して堆積させ得る。第1のデバイス製作方法はまた、改質された成長基材の上にデバイス基材層を形成することと、デバイス基材層の上にデバイス層のスタックを形成することも含む。デバイス層のスタックはポリイミドを含み得る。これらのステップが完了すると、第1のデバイス製作方法は、改質された成長硬質基材から、デバイス層及びデバイス基材層のスタックを界面剥離して、デバイス層及びデバイス基材層のスタック(すなわち、可撓性マイクロ電子デバイス)を改質成長硬質基材から分離することを含む。第1のデバイス製作方法はまた、デバイス層のスタック及びデバイス基材層をターゲット基材に固定することを含む。
第1のデバイス製作方法のいくつかの変形では、金属層は、スパッタリングによって堆積され得るニッケルの比較的薄い層である。二酸化ケイ素層は、プラズマ強化化学蒸着法(plasma-enhanced chemical vapor deposition、PECVD)を使用して堆積され得る。Niは典型的には二酸化ケイ素よりも高価であるため、二酸化ケイ素とNiとを組み合わせて使用することにより、全体的な製造コストを低減し得る。この実施例による第1のデバイス製作方法により、デバイス基材層の背面に透明層を有する可撓性マイクロ電子デバイスの製造が可能となる。例えば、第1のデバイス製作方法は、約25nmの厚さを有するNiの層を金属層として使用し、約1μmの厚さを有する二酸化ケイ素から作製された層を使用することを含む。低WVTR材料の非限定的な例は、SiN及びAIである。第1のデバイス製作方法のいくつかの変形では、剥離は、触媒としての水の存在下又は非存在下のいずれかで行ってもよい。いくつかの変形では、触媒は、可撓性マイクロ電子デバイスと改質された成長硬質基材との間に貫入し得る。剥離プロセスを容易にし得る触媒の非限定的な例は、水、アセトン、イソプロピルアルコール、Fluorinert(登録商標)、スプレー塗装ノズルヘッドによって発生される水ミスト、及び高速エアジェットである。
いくつかの変形では、SiO、Ni、SiN、又は比較的低いWVTR特性を有する任意の他の材料で作製された層を、追加のバリア保護層として働くようにデバイス層のスタックの裏側に設けてもよい。異なるバリア材料から作製され得るバリア保護層は、湿気に対する保護を提供し得る。
この実施例による第2のデバイス製作方法は、改質された成長硬質基材を提供するステップを含む。改質された成長硬質基材は、初期硬質基材を含み、マイクロ電子製作に好適な基材が挙げられ得るが、これらに限定されない。そのような基材の一般的な例は、アルミナ、鋼、サファイア、ホウケイ酸バリウム、ソーダ石灰シリケート、及びケイ酸アルカリである。改質された成長基材は、金属又は金属合金の層も含む。この層の厚さは、500nm以下であってもよく、初期硬質基材上に設けられる。改質された成長基材はまた、初期硬質基材上にパターン化された二酸化ケイ素層も含む。パターン化された二酸化ケイ素層は、約10μm以下の厚さを有し、0%~100%(100%を除く)の区間のパターン化された面積比を有する。改質された成長基材は、低い水蒸気透過率(WVTR)特性を有する材料から作製され得る追加の層を含み得る。追加の層は、蒸着技術を使用して堆積させ得る。第2のデバイス製作方法はまた、改質された成長基材の上にデバイス基材層を形成することと、デバイス基材層の上にデバイス層のスタックを形成することも含む。デバイス層のスタックはポリイミドを含み得る。これらのステップが完了すると、第2のデバイス製作方法は、改質された成長硬質基材から、デバイス層及びデバイス基材層のスタックを界面剥離して、デバイス層及びデバイス基材層のスタックを改質成長硬質基材から分離することを含む。第2のデバイス製作方法はまた、デバイス層のスタック及びデバイス基材層をターゲット基材に固定することを含む。
第2のデバイス製作方法のいくつかの変形では、SiO層は、130nm~1125nmの範囲の厚さを有し、10nm~25nmの範囲の厚さ変動を有し、SiO層は、基材の中心でより厚く、縁部付近でより薄い。デバイス層のスタックの剥離は、空気中で、触媒としてのジェット流の助けを借りて行われ得る。
第2のデバイス製作方法のいくつかの変形では、剥離は、触媒としての水の存在下又は非存在下のいずれかで行ってもよい。いくつかの変形では、触媒は、デバイス基材層と改質された成長基材との間に貫入し得る。剥離プロセスを容易にし得る触媒の非限定的な例は、水、アセトン、イソプロピルアルコール、Fluorinert(登録商標)、スプレー塗装ノズルヘッドによって発生される水ミスト、及び高速エアジェットである。
いくつかの変形では、SiO、Ni、SiN、又は比較的低いWVTR特性を有する任意の他の材料で作製された層を、追加のバリア保護層として働くようにデバイス層のスタックの裏側に設けてもよい。異なるバリア材料から作製され得るバリア保護層は、湿気に対する保護を提供し得る。
この例による第2のデバイス製作方法は、電子デバイス、光電子デバイス、磁気デバイス、電極アレイ、受動構造若しくはマイクロ電気機械的システム、又はこれらの任意の組み合わせを製造するために使用され得る。
第1又は第2の方法によって製造される積層構造の例としては、硬質基材を含み、その上にニッケル層が形成され、その上にSiO層が形成され、その上に可撓性基材層が形成されたものが挙げられる。別の例は、硬質基材を含み、その上にSiO層が形成され、その上に、形成される場合、可撓性デバイス基材が形成され、SiN層で覆われる。可能な実装では、SiO層はニッケル層によって置き換えられている。
可撓性マイクロ電子構造を硬質基材から分離するための技術
図12~図14を参照して、可撓性マイクロ電子構造60を硬質基材20からピールするための装置300について説明する。
図12に描写した実施形態では、装置300は、硬質基材20と係合可能なホルダー332を含む。ホルダー332は、試料ホルダー又は試料ステージによって具体化されてもよく、可撓性デバイス構造16の層間剥離中に、硬質基材20を受け入れて保持するようにサイズ設定される。ホルダー332は真空ホルダーであり得る。この方法によれば、可撓性マイクロ電子構造を硬質基材から分離することは、第1及び第2のピーリング界面において、積層構造上に1つ以上の真空使用可能表面を用いて剥離力を加えることによって、達成される。真空使用可能表面は、平面真空ステージ及び/又は真空ローラーを含むことができ、そのためにその速度を制御及び調整することができる。
装置300はまた、真空保持ローラー334も含む。真空保持ローラー334は、ピーリングモードで運転可能であり、係合領域において可撓性マイクロ電子構造60の外面に機械的に接触し、その上に引張力を加える。いくつかの実施形態では、引張力は吸引力である。真空保持ローラー334は、可撓性マイクロ電子構造60の表面に沿って回転するように駆動可能であり、それにより、可撓性マイクロ電子構造60は、係合領域における引張力によって硬質基材20からピールされ、真空保持ローラー334の外側円周(outer lateral periphery)上に確保又は保持される。いくつかの実施形態では、真空保持ローラー334は、約50mm~約500mmの範囲の直径を有する。装置300は、真空保持ローラー334の回転速度を調整するためのコントローラー(例示せず)を更に含み得る。いくつかの実装では、回転速度は、約16mm/秒~約25mm/秒の範囲である。
いくつかの実施形態では、装置300は、部分真空を生成するためのポンプ(例示せず)を更に含む。これらの実施形態では、真空保持ローラー334の外側円周は、複数の開口部を含む。開口部はポンプと流体連通していることから、引張力又は吸引力が、可撓性マイクロ電子構造60に適用され得る。
図15を参照すると、可撓性マイクロ電子構造60が硬質基材20からピールされると、真空保持ローラー334は移すモードで運転され得る。移すモードでは、ホルダー332は可撓性ホスト基材90と係合可能であり、真空保持ローラー334は可撓性ホスト基材90の表面に沿って転動するように運転可能であり、その結果、真空保持ローラー334の外側円周上に確保された可撓性デバイス構造60が可撓性ホスト基材90上に移される。したがって、真空保持ローラーは、積層構造に対して転動するか又は転動しないように、層間剥離中に可撓性マイクロ電子デバイス構造をその上に吸着するように、及び可撓性マイクロ電子デバイス構造を、ホスト基材上で転動しないことによって、ホスト基材上に開放するように、運転することができる。
図13~図15を参照すると、装置300は、真空保持ローラー334の上流に配置された流体ディスペンサー200を含み得る。流体ディスペンサー200は、可撓性マイクロ電子構造60が硬質基材20からピールされる際に、硬質基材20と可撓性マイクロ電子構造60との間に流体を導入、注入、又は噴霧するように構成される。流体は、空気、水性流体、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール、又はフッ化炭素系流体であり得る。図14及び図15に例示した実施形態のように、流体が液体である実施形態では、装置300は、液体触媒を再利用することが企図されるときに有用であり得る、液体を捕集するためのシンク338を含み得る。液体触媒を捕集することはまた、製造されている試料又はデバイスの周囲及び/若しくは上の液体残留物を低減又は排除もし得る。
いくつかの実施形態では、装置300は、イオンディスペンサー(例示せず)を更に含み得る。イオンディスペンサーは、触媒がガスであるとき、流体ディスペンサー200によって分配される流体又は触媒にイオンを注入するように構成される。
他の実施形態では、可撓性マイクロ電子構造60及び硬質基材20は、ピーリングモードで装置300を運転する前に浴に浸漬してもよい。浴は、水、アセトン、イソプロピルアルコール、及びFluorinert(登録商標)、又はこれらの任意の組み合わせを含有することができる。
次に図16~図22を参照して、装置300の他の特徴について説明する。
図16は、層間剥離前の、硬質基材20上の可撓性マイクロ電子構造60を示している。いくつかの実施形態では、装置は切断機構を含むことができる。図17Aでは、切断機構は、ナイフ又はブレード400によって具体化されている。別の例は、図17Bに例示されており、切断機構はレーザー402によって具体化されている。切断機構はまた、装置から物理的に分離されていてもよく、追加モジュールとして、又は別のデバイスと一緒に、提供してもよいことに留意されたい。運転中、切断機構は、硬質基材20に対して可撓性マイクロ電子構造60の一部を切断するように作動させてもよい。いくつかの実施形態では、切断機構は、可撓性マイクロ電子構造60からスライバーを切断し、それを硬質基材から除去するように運転してもよい。
スライバーを除去したら、硬質基材20からの可撓性マイクロ電子構造60のピーリング又は層間剥離を実施することができる。ピーリング初期化ステップの非限定的な例は、図18に例示しており、ピーリングは、ナイフ又はブレード400で初期化される。ナイフは、ブレードを有することができるか、又は高圧/高速でエアジェットを発射する「エアナイフ」であることができる。このピーリング初期化ステップにより、スライバーの除去後に硬質基材の一部が露出する。もちろん、ピーリング初期化ステップは、他の機構を用いて実施してもよい。いくつかの実施形態では、スライバーは約5mm以下の幅を有する。いくつかの実施形態では、剥離は、最大5mmの長さをアンダーカットして、可撓性デバイス構造の小さい薄い部分を硬質基材から分離し、かつ真空保持ローラー又は同様のホルダーが、ピールされたスライバーを密接に密着させることができるように、運転可能なナイフエッジを用いて開始される。
図19~図21は、装置300又はその構成要素によって達成され得るピーリング又は層間剥離ステップの異なる実施形態を示している。図19は、図18の機構で初期化されたピーリングステップが、真空ステージ340で達成され得ることを例示している。図20は、図18の機構で初期化されたピーリングステップが、真空ステージと流体ノズル200との組み合わせによって達成され得ることを示している。図21は、図18の機構を用いて初期化されたピーリングステップが、真空ステージ340と、流体ノズル200と、シンク380との組み合わせを用いて達成され得ることを例示している。ローラー340は、真空使用可能界面がステージであるときに制御された層間剥離を容易にするために真空ステージ上の圧力ラインを画定し、「層間剥離ライン画定ベアリング及びローラー」又は「ピーリングラインベアリング及びローラー」と称されることがある。支持具/ローラー340の機能は、層間剥離/ピーリングラインを画定するために、回転/転動しながら、真空ステージの重量又はステージに対する力の圧力のいずれかを支えることである。
図22A及び図22Bは、可撓性ホスト基材上に移される可撓性デバイス構造の可能な実施形態を例示している。図22Aでは、移すために平面ステージを使用し、図22Bでは、ホスト基材90上で可撓性デバイス構造を展開するためにローラー342を使用することができる。
硬質基材から可撓性デバイス構造をピールするための装置の1つの可能な変形について説明する。装置は、硬質基材と係合可能なホルダー332と、真空保持ステージ340とを含むことができる。真空保持ステージ340は、平面又は比較的平坦であり得る。可能な実装では、真空保持ステージのサイズは、約300mm×約400mm~約1500mm×約1850mmの範囲であり得る。真空保持ステージ340は、ピーリングモードで運転可能であり、係合領域において可撓性デバイス構造の表面に機械的に接触し、その上に引張力を加える。この変形では、引張力は、真空保持ステージ340とホルダー332との間の相対運動から生じ、可撓性マイクロ電子構造60は、係合領域における引張力によって硬質基材20からピールされ、真空保持ステージの外周上に確保される。注目すべきことに、ピーリング界面は、硬質基材を保持するステージの下のローラー342の存在によって常に維持され得る。ローラー342は、ローラーの回転速度を決定するコントローラーによって制御され得る。回転速度は、約16mm/秒~約25mm/秒の範囲であり得るが、他の速度も可能である。
実施例
以下のセクションは、可撓性デバイス構造を硬質基材からピールし、可撓性デバイス構造を可撓性ホスト基材上に移すための装置の例を提供する。以下のセクションは、限定的であると解釈されるべきではなく、例示的な目的のみに役立つ。
この例では、装置は、曲面を有する構成要素を含む。曲面を有する構成要素は、円筒形、卵形、ボール形、円錐形、又は湾曲した外周若しくは輪郭を有する任意の他の形状を有することができよう。注目すべきは、構成要素の外周又は輪郭の一部のみが湾曲していてもよく、構成要素の他の部分は平坦であってもよく、又は湾曲した輪郭とは異なる輪郭を呈していてもよい。構成要素がローラーであるとき、ローラーの直径は、約50mm~約500mmの範囲であり得る。曲面を有する構成要素は、孔を有し、そこを通して真空引きされ得る。
装置はまた、例えば、試料ホルダー中に形成された孔を介して、真空で基材を保持するように構成されたホルダーを含む。運転中、真空が有効にされ、曲面を有する構成要素が、可撓性デバイス構造が設けられている硬質基材と接触させて配置される。次いで、曲面を有する構成要素を、例えば、限定するものではないが、約45°~約180°の範囲であり得るピーリング角度で、基材に対して移動させて、デバイススタック(すなわち、可撓性マイクロ電子構造)を硬質基材から完全に層間剥離させる。いくつかの実装では、剥離速度は、一例として、約16mm/秒~約25mm/秒の範囲であり得るデバイススタックが、硬質基材から層間剥離され、曲面を有する構成要素によって保持されると、受容基材(例えば、可撓性ホスト基材)は、真空使用可能にしてホルダー中に配置され得る。次いで、デバイススタックを保持しながら、曲面を有する構成要素を、受容基材と機械的に接触させて配置させ得る。デバイススタックが受容基材上に展開されるにつれて、湾曲した基材を有する構成要素からデバイススタックを開放するために、有する構成要素の真空が制御され、例えば、漸進的に使用不能にされる。曲面を有する構成要素が受容基材に対して移動するにつれて、デバイススタックは、受容基材に移され、かつ/又は固着される。
有利なことに、上記の技術及び装置は、可撓性デバイス構造のピーリング層間剥離及び可撓性ホスト基材上へのその移しの後に、硬質基材の再利用が可能であり得る。硬質基材の再利用性は、コストの削減と関連があり得る。イオンと組み合わせ得るガス状触媒の任意選択的な使用は、ピーリングプロセスを向上させるだけでなく、移すプロセス中に典型的に発生する静電荷を散逸させることも分かっている。機器に関して、本明細書に記載の装置は、製造の観点から拡張可能である。ピーリングプロセス中に触媒を導入するための装置に流体ディスペンサーを統合することは、製造の観点からも拡張可能である。装置はまた、液体触媒と適合性であり、液体触媒の使用後に液体残留物を除去することもできる。
本明細書で説明される技術は、環境に優しく、標準的な既存のマイクロ又はナノ製作プロセスと互換性があり、大面積透明ディスプレイ、統合センサー、及び審美的ウェアラブル、ダイオード、照明、トランジスタなどのためのディスプレイシステムの製作を可能にし得る。
いくつかの代替的な実施形態及び実施例が、本明細書において説明及び例示されている。上記した実施形態は、例示のみを意図している。当業者は、個々の実施形態の特徴、並びに構成要素の可能な組み合わせ及び変形を理解するであろう。当業者は更に、実施形態のいずれかが、本明細書に開示される他の実施形態との任意の組み合わせで提供され得ることを理解するであろう。したがって、本実施例及び実施形態は、全ての点において、例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。したがって、特定の実施形態を例示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される範囲から有意に逸脱することなく、多数の修正が想起される。
有利なことに、上記の技術及び方法は、可撓性デバイス構造の剥離、層間剥離、及び可撓性ホスト基材上へのその移しの後に、硬質基材を再利用することを可能にし得る。硬質基材の再利用性は、コストの削減と関連があり得る。イオンと組み合わせ得るガス状触媒の任意選択的な使用は、ピーリングプロセスを向上させるだけでなく、移すプロセス中に典型的に発生する静電荷を散逸させることも分かっている。
本明細書で説明される技術は、環境に優しく、標準的な既存のマイクロ又はナノ製作プロセスと互換性があり、大面積透明ディスプレイ、統合センサー、及び審美的ウェアラブル、ダイオード、照明、トランジスタなどのためのディスプレイシステムの製作も可能にし得る。
以下の段落は、上記の方法、及びその方法を実施するために使用することができる装置の可能な実装を列挙している。
- 可能な実装では、可撓性デバイス構造を硬質基材から剥離するための剥離構造が提供され、その剥離構造は、硬質基材の少なくとも一部に接触するための第1の層と、第1の層の上に延びている第2の層とを含む。
- 可能な実装では、第1の層は、Ni、Al、Cu、又はPdのうちの1つを含む、金属又は金属合金から作製される。
- 可能な実装では、第1の層は、物理蒸着プロセス又は物理的堆積プロセスによって形成される。物理蒸着プロセスは、スパッタリング、電子ビーム蒸発又は熱蒸発を含むことができる。
- 可能な実装では、第1の層はNiで作製され、物理的堆積プロセスは電鋳を含む。
- 可能な実装では、第1の層は500nm以下の厚さを有する。
- 可能な実装形態では、第2の層は、二酸化ケイ素などの酸化物材料、又は窒化ケイ素などの窒化物材料から作製された薄膜層である。
- 可能な実装では、剥離構造の層のうちの少なくとも1つは、単一層を含み、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び/又は酸窒化ケイ素を含む。
- 可能な実装では、第2の層は、複数のパターンを含み、当該複数のパターンは、金属性層又は硬質基材の表面にわたって均一に分散され得る。
- 可能な実装では、第2の層は5μm以下の厚さを有する。
- 可能な実装では、剥離構造は、第1の層及び/又は第2の層の上に延びている追加の層又は複数の追加の層を更に含む。追加の層は、防湿性を有していてもよく、例えば、10-1g/m/日未満、好ましくは10-2g/m/日未満、更に好ましくは10-5g/m/日未満の水蒸気透過率を有する薄膜から作製することができる。
- 可能な実装では、剥離構造の総厚は、15μm未満であり、好ましくは5μm以下である。
- 可能な実装では、少なくとも1つの層は無機材料から作製される。
- 可能な実装では、可撓性マイクロ電子デバイスを製造する方法が提供される。その方法は、本明細書に記載の剥離構造上に可撓性マイクロ電子デバイス構造を形成することであって、可撓性デバイス構造は、1つ以上の基材層と、1つ以上のデバイス層と、1つ以上の薄膜封止層とを含む、形成することと、可撓性デバイス構造を、硬質基材又は第2の層からピールすることと、可撓性デバイス構造を、可撓性ホスト基材上に移すことと、を含む。
- 可能な実装では、可撓性デバイス構造をピールすることは、剥離構造の第2の層と可撓性デバイス構造との間の界面、又は剥離構造の第1の層と硬質基材との間の界面を分離することと、ピールされた部分を可撓性デバイス構造と一緒に除去することと、を含む。
- 可能な実装では、分離は、機械的に変位される真空使用可能ローラーの使用によって達成される。他の実施形態では、分離は、機械的に関節連結された真空使用可能ステージの使用によって、達成される。
- 可能な実装では、第2の層と可撓性デバイス構造との間の界面又は第1の層と硬質基材との間の界面の小さい機械的に開かれたセクションにおける加圧流体の制御された放出の使用。
- 可能な実装では、方法は、可撓性デバイスの当該ピーリング中に、剥離構造の第1の層と硬質基材との間に、又は剥離構造の第2の層と可撓性デバイス構造との間に、エアジェットを導入することを含む。
- 別の態様によれば、硬質基材から可撓性デバイス構造をピールするための装置が提供され、可撓性マイクロ電子デバイスは、上で定義したとおりである。装置は、硬質基材と係合可能なホルダーと、係合領域において基材層の表面に機械的に接触し、その上に引張力を加えるピーリングモードで運転可能な真空保持機構であって、真空保持機構は、可撓性デバイス構造が係合領域における引張力によって硬質基材から剥離され、真空保持機構の外側円周上に保持されるように、可撓性デバイス構造の表面に沿って又は表面から離れて回転するように駆動可能である、真空保持機構と、触媒を注入することによって層間剥離を支援するために、又はエアジェットを用いて層間剥離を実施するために、流体をピーリング界面に直接導入するためのノズルと、を含む。
- 可能な実装では、真空保持機構はローラーである。
- 可能な実装では、真空保持機構は、平面ステージを含み、ステージは、ピーリング界面を画定するローラーによって支持されている。
- 可能な実装では、装置は、真空保持機構の速度を調整するためのコントローラーを更に含む。
- 可能な実装では、速度は約16mm/秒~約25mm/秒の範囲である。
- 可能な実装では、装置は、部分真空を生成するためのポンプを更に含み、外側円周は、複数の開口部を含み、当該複数の開口部はポンプと流体連通している。
- 可能な実装では、装置は、可撓性キャリア基材に係合するための第2のホルダーを更に含み、真空保持機構は、移すモードで運転可能であり、その外側円周上に確保された可撓性デバイス構造を、第2のホルダーの可撓性キャリア基材上に積層する。
- 可能な実装では、装置は、流体触媒を捕集するためのシンクを更に含む。
- 可能な実装では、装置は、ノズルによって分配された流体触媒中にイオンを注入するように構成されたイオンディスペンサーを含む。
- 可能な実装では、ブレード又はナイフなどの切断機構が、可撓性デバイス構造からスライバーを切断し、それを硬質基材から除去するように運転可能である。
- 可能な実施態様では、機構は、1つ以上の出口を介して第1の剥離界面と第2の剥離界面との間に加圧流体を導入し、1つ以上の出口を有し、流体ジェットは、硬質基材の表面に対して0~30度の角度で方向付けられる。
- 可能な実装では、加圧流体を適用する機構は、加圧流体が硬質基材と第1の層との間又は第2の層と可撓性デバイス構造との間に分配され、機構が分離界面から0.01mm~20mmの間に留まるように、変位され得る。
- 可能な実装では、装置は、可撓性キャリア基材に係合するための第2のホルダーを含むことができ、真空保持機構は、移すモードで運転可能であり、その外側円周上に確保された可撓性デバイス構造を、第2のホルダーの可撓性キャリア基材上に積層する。
- 可能な実装では、装置は、層間剥離を達成するために流体の流量を選択又は調整するように構成された流量調整器を含み得る。
いくつかの代替的な実施形態及び実施例が、本明細書において説明及び例示されている。上記した実施形態は、例示のみを意図している。当業者は、個々の実施形態の特徴、並びに構成要素の可能な組み合わせ及び変形を理解するであろう。当業者は更に、実施形態のうちのいずれかが、本明細書に開示した他の実施形態との任意の組み合わせで提供され得ることを理解するであろう。したがって、本実施例及び実施形態は、全ての点において、例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。したがって、特定の実施形態を例示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される範囲から有意に逸脱することなく、多数の修正が想起される。

Claims (39)

  1. 可撓性マイクロ電子デバイスの製造に使用される積層構造であって、
    硬質基材と、
    可撓性マイクロ電子構造であって、
    少なくとも1つのデバイス層と、
    少なくとも1つの可撓性基材デバイス層とを含む、可撓性マイクロ電子構造と、
    前記硬質基材と前記可撓性マイクロ電子構造との間に設けられた剥離構造であって、
    非金属性無機材料から作製された少なくとも1つの剥離層を含む、剥離構造と、を含み、
    前記積層構造は、第1及び第2のピーリング面を含み、前記ピーリング面のうちの少なくとも1つは、前記剥離構造の表面又は前記剥離構造内の表面に対応し、
    前記第1及び第2のピーリング面は、機械的層間剥離及び/又は加圧流体層間剥離から生じる剥離力によってピール可能であり、それにより前記可撓性マイクロ電子デバイスを前記硬質基材から分離することができる、積層構造。
  2. 前記硬質基材が、ケイ素、アルミナ、鋼、サファイア、及びガラスのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の積層構造。
  3. 前記剥離構造の前記少なくとも1つの剥離層が、酸化物、窒化物、炭化物、及び酸窒化物のうちの1つを含む単一の剥離層である、請求項1又は2に記載の積層構造。
  4. 前記単一の層が、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び酸窒化ケイ素のうちの1つを含む、請求項3に記載の積層構造。
  5. 前記単一の層が、15μm以下の厚さを有する、請求項3又は4に記載の積層構造。
  6. 前記第1のピーリング面が、前記剥離構造の前記上面に対応し、前記第2のピーリング面が、前記可撓性マイクロ電子構造の底面に対応する、請求項1~5に記載の積層構造。
  7. 前記第1のピーリング面が、前記剥離構造の底面に対応し、前記第2のピーリング面が、前記硬質基材の上面に対応する、請求項1~5に記載の積層構造。
  8. 前記少なくとも1つの剥離層が、少なくとも第1の剥離層及び第2の剥離層を含み、ピーリング界面が、前記剥離構造内に形成されている、請求項1又は2に記載の積層構造。
  9. 前記第1及び第2の剥離層のうちの一方が、金属又は金属性合金を含み、
    前記第1及び第2の剥離層のうちの他方が、酸化物、窒化物、炭化物、及び酸窒化物のうちの1つを含む、請求項8に記載の積層構造。
  10. 前記第1及び第2の剥離層のうちの前記一方が、Ni、Al、Cu、若しくはPd、又はこれらの合金のうちの1つを含む、請求項8又は9に記載の積層構造。
  11. 前記第1及び第2の剥離層のうちの前記他方が、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び酸窒化ケイ素のうちの1つを含む、請求項8、9、又は10に記載の積層構造。
  12. 前記第1の剥離層が、前記硬質基材上に形成され、前記第2の剥離層が、前記第1の剥離層の上部に形成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載の積層構造。
  13. 前記少なくとも1つの剥離層が、複数のパターンを含むパターン化された層を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の積層構造。
  14. 前記複数のパターンが、前記剥離構造の前記層のうちの1つの上部及び底部外面上に均一に分布され、前記第1のピーリング面が、前記パターン化された層の前記上面に対応し、前記第2のピーリング面が、前記硬質基材の前記上面に対応する、請求項13に記載の積層構造。
  15. 20μm以下の厚さとしての前記第2の剥離層、請求項1~14のいずれか一項に記載の積層構造。
  16. 前記少なくとも1つの剥離層と前記可撓性基材デバイス層との間に延びている1つ以上の追加の層を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の積層構造。
  17. 前記1つ以上の追加の層が、防湿性を有する、請求項16に記載の積層構造。
  18. 前記剥離構造の総厚が、20μm以下である、請求項1~17のいずれか一項に記載の積層構造。
  19. 前記1つ以上の追加の層が、10-1g/m/日以下の水蒸気透過率を有する、請求項14~17のいずれか一項に記載の剥離構造材料。
  20. 可撓性マイクロ電子デバイスを製造する方法であって、
    請求項1~19のいずれか一項に記載の積層構造を、
    前記硬質基材を提供することと、
    前記硬質基材の上に前記剥離構造を形成することと、
    前記剥離構造の上に前記可撓性マイクロ電子構造を形成することと、
    前記第1のピーリング面上及び/又は前記第2のピーリング面上に剥離力を加えることによって、ピーリング界面において、前記可撓性マイクロ電子構造を前記硬質基材から分離させることと、によって形成することを含む、方法。
  21. 前記可撓性マイクロ電子構造を、可撓性ホスト基材上に移すことを更に含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ピーリング界面が、
    a.前記剥離構造の前記剥離層のうちの2つの間に、
    b.剥離構造と前記可撓性マイクロ電子構造との間に、又は
    c.前記剥離構造と前記硬質基材との間に、設けられ得る、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記分離が、前記剥離構造の前記第1のピーリング面を前記硬質基材上の前記第2のピーリング面から層間剥離することによって前記可撓性マイクロ電子デバイスを前記硬質構造から分離させるために、前記積層構造上に1つ以上の真空使用可能表面を用いて前記剥離力を加えることによって、達成される、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記分離が、前記第1のピーリング面と前記第2のピーリング面との間の前記積層構造の開放されたセクションにおける加圧流体の制御された放出によって、達成される、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記分離が、開始フェーズ及びピーリングフェーズを含み、前記開始フェーズ中に加えられる剥離力が、前記ピーリングフェーズ中よりも大きい、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記開始フェーズ中の前記剥離力は30gF超であり、前記ピーリングフェーズ中は25gF未満である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記加圧流体が、層流ジェットを使用して、前記第1のピーリング面と前記第2のピーリング面との間に注入される、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記加圧流体が、1つ以上の別個のジェットを使用して、前記第1のピーリング面と前記第2のピーリング面との間に注入される、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記分離が、25mm/秒超、好ましくは35mm/秒超、より好ましくは100mm/秒超の層間剥離速度で実施される、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記分離が、前記第1のピーリング面と前記第2のピーリング面との間の中央領域内から前記積層構造の縁部に向かって伝播される流体ポケットを作り出す1つ以上の集中ジェットを注入することによって、実施される、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記第1のピーリング面と前記第2のピーリング面との間に触媒を導入することを更に含み、前記触媒が、水性流体、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール、又はフルオロカーボン系流体のうちの1つを含む、請求項19~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記可撓性マイクロ電子構造を前記可撓性ホスト基材上に移すことが、前記可撓性デバイス構造を、前記可撓性ホスト基材に固定することを含み、前記可撓性ホスト基材が、ポリマー、プラスチック、又は有機若しくは無機薄膜を含む、請求項21~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記1つ以上の真空使用可能表面が、真空平面ステージを含む真空使用可能機構として設けられる、請求項23に記載の方法。
  34. 真空使用可能にされた前記1つ以上の真空使用可能表面が、真空ローラーを含む、請求項23に記載の方法。
  35. 前記真空使用可能機構の速度を調整することを更に含む、請求項23に記載の方法。
  36. 前記剥離構造の前記少なくとも1つの剥離層が、蒸着プロセスによって、物理的堆積プロセスによって、電鋳によって、又は化学的プロセスによって、形成される、請求項20~30のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記少なくとも1つの剥離層を形成することが、スパッタリング、電子ビーム蒸着、及び熱蒸着のうちの1つを含む物理蒸着プロセスを使用してなされる、請求項20に記載の方法。
  38. 前記ジェットが、流体注入ノズルの前端に設けられた長手方向スリットを通って発射し、前記加圧流体が、前記ノズルを出るときにエアナイフを作り出す、請求項27に記載の方法。
  39. 前記1つ以上の別個のジェットが、流体注入ノズルの前端に設けられた2つ以上の出口を通して発射され、前記出口が、所定の距離だけ離間されている、請求項28に記載の方法。
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