JP2023544389A - 単一のカーカス層を備えるタイヤ - Google Patents

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Abstract

乗用車用の空気タイヤ(11)は、クラウン(12)と、2つのビード(32)と、各々が各ビード(32)をクラウン(12)に連結する2つのサイドウォール(30)と、各ビード(32)に固定されたカーカス補強体(34)とを備える。空気タイヤ(11)は、LI≧LI’+1であって、LI’がETRTO規格マニュアル(2019)に準拠した同じサイズのEXTRA LOADタイヤの荷重指数である荷重指数LIを有する。空気タイヤ(11)は、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠してSWをタイヤの公称断面幅、ARをタイヤの公称アスペクト比とした場合に、H=SW×AR/100で定義されるサイドウォール高さHがH<95である。カーカス補強体(34)は単一のカーカス層(36)を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ、そのようなタイヤを備える取付け組立体、及びそのようなタイヤ又はそのような取付け組立体を備える車両に関する。タイヤとは、取付け組立体の支持要素と協働して空洞を形成し、この空洞が大気圧を超える圧力まで加圧可能であるように意図された囲いを意味すると理解される。本発明による取付け組立体は、タイヤの主軸と一致する取付け組立体の主軸に関して回転対称性を示す実質的に円環体形状の構造を有する。
電気自動車又はハイブリッド自動車の開発は、特に、車両の航続距離に実質的に比例して比較的高重量のバッテリのために、車両重量の増加を引き起こしている。このように、例えば、電気自動車の航続距離を伸ばすために、バッテリのサイズを大きくする必要があり、結果的に車両の重量が増加する。
簡単に言えば、今日、電気モータの航続距離が1キロメートル伸びると車両の重量が1キログラム増加すると推定されている。従って、航続距離500kmを達成するためには、内燃機関車両の重量を約500kg増加させる必要がある。このような車両に装備するためには、非常に高い荷重に耐えることのできるタイヤを使用する必要がある。
従来から、比較的高い荷重に耐えることのできる乗用車用のタイヤが知られている。このタイヤは、MICHELIN(商標)のブランド名でPilot Sport 4シリーズとして販売されており、サイズが255/35R18である。このタイヤには、ETRTO規格マニュアル(2019)で定められたEXTRA LOAD(XLと略記)バージョンがあり、このEXTRA LOADバージョンは、94に等しい荷重指数を有する。つまり、このタイヤは、290kPaの圧力で670kgの荷重に耐えることができる。この耐荷重性は、同じサイズでSTANDARD LOAD(SLと略記)と呼ばれる、荷重指数が90に等しく250kPaの圧力で600kgの荷重に耐えられるタイヤと比較して、相対的に高い。
このようなタイヤを市場に出すためには、規制試験に合格する必要がある。例えばヨーロッパでは、タイヤは、UN/ECE規則第30号の附則VIIに記載される荷重/速度性能試験に合格する必要がある。
しかしながら、EXTRA LOADバージョンでは、STANDARD LOADバージョンではなおさら、このようなタイヤは、所望の航続距離を達成するために必要なバッテリに対応する余分な荷重に耐えることができない。従って、タイヤメーカは、この新しいニーズに応えるために新しい解決策を提案する必要がある。
タイヤメーカが考える解決策の1つは、所与の車両に対して、より大きなサイズを有し、それによってより大きな荷重に耐えられるタイヤを使用することである。このように、所与の車両には、より高い荷重指数を有するタイヤを装着することができる。例えば、EXTRA LOADバージョンで上述のタイヤを装着した車両には、EXTRA LOADバージョンのサイズ275/35R19のタイヤを装着することができ、これは100に等しい荷重指数を有し、290kPaの圧力で、670kgの荷重よりも遥かに大きい800kgの荷重に耐えることができる。
このようなタイヤサイズの増大は、必然的に車両の内部空間の減少又は車両の外部嵩の増大のいずれかを伴うが、これらは、収容性能及びコンパクト性の理由からいずれも望ましくない。
さらに、このようなタイヤサイズの増大は、車両シャーシの再設計を必要とし、これは、明白なコストの理由から望ましくない。
最後に、タイヤのサイズ、特に公称断面幅の増加は、タイヤから発生する外部騒音の増大、そして転がり抵抗の増大を伴い、これも騒音公害及び車両のエネルギ消費を低減するためには望ましくない。
例えば、タイヤメーカが考える別の解決策は、所与のサイズ及び所与のバージョンのタイヤについて、推奨空気圧を高くすることである。これは、空気圧が高いほど、タイヤが高荷重に耐えられるからである。
しかしながら、比較的高い推奨空気圧を使用すると、タイヤが硬くなって、車両の乗員の快適性の喪失を伴うので、乗員の快適性が耐荷重よりも優先される場合、これは明らかに一部の自動車メーカが望まない。
タイヤ開発時にメーカが直面する別の問題は、特にUN/ECE規則第30号の附則VIIに記載されている試験で明らかになる可能性がある構造体内のエネルギ散逸及び温度である。具体的には、所望の航続距離を得るために必要な電池に相当する重量の追加をシミュレートするために、タイヤに加わる荷重を増加させると、タイヤのビード部及びショルダ部の両方で、エネルギ散逸及び温度の上昇が顕著に観察される。このエネルギ散逸は、タイヤが車両の推奨圧力よりも低い圧力で膨らんでいる使用事例で特に大きくなる。
本発明の目的は、タイヤの推奨圧力の増加を必ずしも伴うことなく、既存のタイヤよりも大きな荷重に耐えるが、収容性能、コンパクト性及び快適性を犠牲にすることなく、依然としてタイヤの構造体内のエネルギ消散及び温度上昇を、特に膨張不足の場合に制御することである。
従って、本発明の主題は、クラウンと、2つのビードと、各々が各ビードをクラウンに連結する2つのサイドウォールと、各ビードに固定されたカーカス補強体と、を備える乗用車用のタイヤであって、クラウンは、クラウン補強体とトレッドとを備え、カーカス補強体は、各サイドウォール内を延びると共にクラウン内でクラウン補強体の半径方向内側を延びており、
タイヤは、LI≧LI’+1であって、LI’がETRTO規格マニュアル(2019)に準拠した同じサイズのEXTRA LOADタイヤの荷重指数である荷重指数LIを有し、
タイヤは、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠してSWをタイヤの公称断面幅、ARをタイヤの公称アスペクト比とした場合に、H=SW×AR/100で定義されるサイドウォール高さHがH<95であり、
カーカス補強体は単一のカーカス層を備える。
本発明によれば、タイヤは乗用車用のタイヤである。このようなタイヤは、例えば、ETRTO(欧州タイヤ及びリム技術機構)規格マニュアル(2019)に規定されている。このようなタイヤは、一般にサイドウォールの少なくとも1つに、ETRTO規格マニュアル(2019)のマーキングに準拠してX/YαVUβの形でタイヤのサイズを示すマーキングを有し、Xは公称断面幅を指定し、Yは公称アスペクト比を指定し、αは構造を指定してR又はZRとすることができ、Vは公称リム径を指定し、Uは荷重指数を指定し、βは速度定格を指定する。
荷重指数LI’は、同じサイズ、すなわち同じ公称断面幅、同じ公称アスペクト比、同じ構造(R及びZRは同一と見なす)及び同じ公称リム径を有するタイヤの荷重指数である。荷重指数LI’は、ETRTO規格マニュアル(2019)に、具体的には、「乗用車用タイヤ-メートル法指定によるタイヤ」と題するセクション、20~41頁に与えられる。
本発明によるタイヤの荷重指数を、EXTRA LOADバージョンにおける同じサイズのタイヤの荷重指数と比べて増大させることにより、本発明は、それが使用される車両の収容能力、コンパクト性及び快適性を変更することなく、取付け組立体の耐荷重性能を高めることができる。詳細には、本発明によるタイヤのサイズがEXTRA LOADバージョンのタイヤのサイズと同一であるため、取付け組立体は、EXTRA LOADバージョンのタイヤよりも多くのスペースを取ることがない。本発明によるタイヤには、これをSTANDARD LOADバージョン及びEXTRA LOADバージョンと区別するために、例えばタイプHL(HIGH LOAD)又はXL+(EXTRA LOAD+)のマーキングなど、特徴のあるマーキングを付与することができる。このようなマーキングは、高耐荷重(HIGH LOAD CAPACITY)タイヤを指定するために、特にETRTO規格マニュアル(2021)の「一般的注意事項-乗用車用タイヤ」のセクションの3頁に開示されている。また、サイズの例は、ETRTO規格マニュアル(2021)の44頁、「乗用車用タイヤ-メートル法指定によるタイヤ」セクションのパラグラフ9.1に開示されている。
本発明による単一のカーカス層を備えるカーカス補強材は、最適なエネルギ散逸及び動作温度を有するタイヤ、特に高負荷下において、STANDARD LOAD又はEXTRA LOADバージョンの同じサイズのタイヤの推奨圧力以下でのタイヤを得ることを可能にする。具体的には、各サイドウォールの屈曲が、タイヤのサイドウォール及びショルダ部において軸方向で最も内側のカーカス層の比較的高い圧縮をもたらし、エネルギ散逸が増大する2つのカーカス層を備えるカーカス補強体とは異なり、単一のカーカス層は、サイドウォール及びショルダ部でより少ない圧縮を示し、従ってより低く最適な動作温度をもたらす。
詳細には、高い頻度で慢性的に発生する膨張不足の場合、この作動温度を制御することが必須である。具体的には、STANDARD LOAD又はEXTRA LOADバージョンのタイヤの場合、膨張不足がサイドウォールの作動温度の上昇をもたらすことが知られている。HIGH LOAD CAPACITYタイヤの場合、膨張不足はさらに問題であり、タイヤが支える荷重が非常に高いため、サイドウォールの作動温度の上昇を増幅させる。
単一のカーカス層とは、カーカス層は別として、カーカス補強体が繊維状補強要素で補強された層を有しないことを意味すると理解される。タイヤのカーカス補強体から除外されたそのような補強層の繊維状補強要素は、金属繊維状補強要素及び布地繊維状補強要素を含む。非常に好ましくは、カーカス補強は、単一のカーカス層で構成される。
単一のカーカス層は、単一のカーカス層の2つの軸方向縁によって軸方向に区切られ、カーカス層の一方の軸方向縁から他方の軸方向縁まで軸方向に延びるカーカス繊維状補強要素を含む。
本発明によれば、サイドウォール高さHは、H<95である。比較的低いサイドウォール高さを有するタイヤは、カーカス補強体の比較的高い圧縮を示し、支える荷重が大きくなると一層であり、これは本発明による荷重指数LIを有するタイヤの場合に当てはまる。従って、サイドウォール高さH<95と組み合わせて単一のカーカス層を使用することは、本発明の本質的な特徴である。
公称断面幅SW及び公称アスペクト比ARは、タイヤのサイドウォールにETRTO規格マニュアル(2019)に準拠して刻まれるサイズマーキングによって示される。
本発明によるタイヤは、タイヤの回転軸と実質的に一致する回転対称軸の周りの円環体形状を有する。この回転対称軸は、当業者が従来から使用している3つの方向、軸方向、周方向及び半径方向を規定する。
軸方向とは、タイヤ又は取付け組立体の回転対称軸、すなわちタイヤ又は取付け組立体の回転軸に実質的に平行な方向であると理解される。
周方向とは、軸方向に対してもタイヤ又は取付け組立体の半径に対しても実質的に垂直な(換言すれば、タイヤ又は取付け組立体の回転軸の周りの円に接する)方向であると理解される。
半径方向とは、タイヤ又は取付け組立体の半径に沿う方向、つまり、タイヤ又は取付け組立体の回転軸と交差してその軸に対して実質的に垂直なあらゆる方向であると理解される。
タイヤの正中面(Mで示す)とは、2つのビードの軸方向中間に位置してクラウン補強体の軸方向中央を通る、タイヤの回転軸に対して垂直な平面であると理解される。
タイヤの赤道周面とは、子午断面において、正中面と半径方向とに垂直な、タイヤの赤道を通る平面であると理解される。タイヤの赤道は、子午断面(周方向に垂直で半径方向及び軸方向に平行な平面)において、タイヤの回転軸に平行であり、地面と接触するように意図されたトレッドの半径方向最外点と、支持体、例えばリムと接触するように意図されたタイヤの半径方向最内点と、の間で等距離に位置する軸である。
子午面とは、タイヤ又は取付け組立体の回転軸に平行でそれを含み、周方向に垂直な平面であると理解される。
「~の半径方向内側に」及び「~の半径方向外側に」は、それぞれ、「~よりもタイヤの回転軸に近い」及び「~よりもタイヤの回転軸から遠い」を意味すると理解される。「~の軸方向内側に」及び「~の軸方向外側に」は、それぞれ、「~よりもタイヤの正中面に近い」及び「~よりもタイヤの正中面から遠い」を意味すると理解される。
ビードとは、タイヤを取付け支持体に、例えばリムを備えたホイールに取り付けることができるように意図されたタイヤの部分であると理解される。従って、各ビードは特に、リムの取付けを可能にするリムのフランジと接触するように意図される。
表現「aとbとの間」で示す値の範囲は、aより大からbより小に広がる(つまり、端点a及びbを除外する)値の範囲を表すのに対して、表現「aからbまで」で示す値の範囲は、aからbまで広がる(つまり、厳密な端点a及びbを含む)値の範囲を意味する。
特定の随意的であるがそれでも有利な実施形態では、90≦H<95である。具体的には、これらの実施形態は、本発明が対象範囲とするサイドウォール高さの範囲内で比較的高いサイドウォールを有し、この場合、単一のカーカス層の使用は、2つのカーカス層を備えるタイヤと比較して、タイヤの重量及び転がり抵抗を大幅に低減することを可能にするので特に有利である。
有利な一実施形態では、LI’+1≦LI≦LI’+4、好ましくはLI’+2≦LI≦LI’+4である。従って、タイヤの耐荷重性能はさらに高まる。
カーカス補強体を折り返して固定することを可能にする第1の実施形態では、単一のカーカス層は、各ビードの周方向補強要素に巻きを形成し、単一のカーカス層の軸方向内側部分は、軸方向で単一のカーカス層の軸方向外側部分の内側に配置され、単一のカーカス層の各軸方向端は、半径方向で各周方向補強要素の外側に配置されるようになっている。
この実施形態の特定の変形例では、単一のカーカス層の各軸方向端は、半径方向でタイヤの赤道の内側に配置され、さらに好ましくは、各ビードの各周方向補強要素の半径方向内端から30mm以下の半径方向距離で配置される。
巻かれた単一のカーカス層の各軸方向端をタイヤの赤道の内側に配置することにより、カーカス補強体の質量が著しく削減される。さらに、現在、乗用車用タイヤに使用されているリムの大部分は、全ての事例において、高さが30mm未満であるJ型フランジを有する。各軸方向端が半径方向でリムフランジに実質的に対応する領域に配置されていることが非常に好ましいため、各軸方向端を機械的に保護することが可能である。具体的には、各軸方向端が、各ビードの各周方向補強要素の半径方向上方にあまりに遠くに配置されると、すなわち、各周方向補強要素の半径方向内端から厳密に30mmを超える半径方向距離に配置されると、各軸方向端は、高耐荷重(HIGH LOAD CAPACITY)タイヤの場合に特に高い過剰応力を受けるタイヤの柔軟領域に存在することになる。
カーカス補強体を折り返すことなく固定することを可能にする第2の実施形態では、単一のカーカス層は、軸方向で各ビードの2つの周方向補強要素の間に配置された部分を有し、単一のカーカス層の各軸方向端は、半径方向で各ビードの各周方向補強要素の各半径方向外端の内側に配置される。カーカス補強体を固定するこのような方法は、例えば、国際公開第2005/113259号及び国際公開第2021/123522号に記載されている。
カーカス補強体の固定は、詳細には、サイドウォール高さHと荷重指数Llの関数として選択されることになる。具体的には、サイドウォールの高さHが低く、荷重指数が高いほど、第2の実施形態のアンカーリングが優先されることになる。サイドウォール高さHが高く、荷重指数が低い場合、第1又は第2の実施形態の固定方法が無差別に選択されることになる。
随意的に、単一のカーカス層は、カーカス層の2つの軸方向縁によって軸方向に区切られ、軸方向に一方の軸方向縁から他方の軸方向縁まで、タイヤの周方向と、絶対値で80°から90°までの範囲にある角度を成す主方向に沿って延びるカーカス布地繊維状補強要素を備える。
繊維状要素とは、円形、楕円形、長方形、多角形、特に矩形又は正方形又は長円形といった断面の形状に関わらず、その断面の最大寸法よりも少なくとも10倍大きい長さを示す要素であると理解される。矩形断面の場合、繊維状要素はストリップの形態をとる。
布地とは、粘着性組成物をベースとする1又は2以上の被覆層で任意に被覆された1又は2以上の布地基本モノフィラメントを備えた繊維状要素を意味すると理解される。この又はこれらの布地基本モノフィラメントは、例えば、溶融紡糸、溶液紡糸又はゲル紡糸によって得られる。各布地基本モノフィラメントは、有機材料、特にポリマ材料、或いは無機材料、例えばガラス又はカーボンなどから作製される。ポリマ材料は、例えば脂肪族ポリアミド、特にポリアミド6、6、及びポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートなど、熱可塑性タイプのものとすることができる。ポリマ材料は、例えば芳香族ポリアミド、特にアラミド、及び天然又は人造のセルロース、特にレーヨンなどの非熱可塑性タイプのものとすることができる。
各カーカス布地繊維状補強要素は、475tex以上の総番手を有する少なくとも2つのマルチフィラメントプライの集合体を備えることが好ましい。
具体的には、単一のカーカス層が十分な機械的強度を有するように、所定の材料について、比較的高い機械的強度を達成することを可能にする、比較的高い番手を有するカーカス布地織物状補強要素が使用されることになる。
有利には、各カーカス布地織物状補強要素は、平均直径D≧0.85mm、好ましくはD≧0.90mmである。
同様に有利には、D≦1.10mm、好ましくはD≦1.00mmである。
各プライ及び繊維状補強要素の番手(又は線密度)は、ASTM規格D885/D885M-10a(2014)に準拠して決定される。番手は、tex(製品1000mのグラム単位での重量(メモとして)、0.111texは1デニールに等しい)単位で与えられる。
各カーカス布地繊維状補強要素の直径は、カーカス布地繊維状補強要素が外接する最小円の直径である。平均直径は、各カーカス層の10cmの長さに沿って位置を定めるカーカス布地繊維状補強要素の直径の平均値である。
各マルチフィラメントプライは、ポリエステルマルチフィラメントプライ、芳香族ポリアミドマルチフィラメントプライ及び脂肪族ポリアミドマルチフィラメントプライから選択され、好ましくはポリエステルマルチフィラメントプライ及び芳香族ポリアミドマルチフィラメントから選択される。
ポリエステルマルチフィラメントプライとは、エステル結合で結び付いた群で形成される線状巨大分子のモノフィラメントで構成されたマルチフィラメントプライであると理解される。ポリエステルは、ジカルボン酸又はその誘導体の1つとジオールとのエステル化による重縮合で製造される。例えば、ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合で製造することができる。公知のポリエステルの中では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、又はポリプロピレンナフタレート(PPN)を挙げることができる。
芳香族ポリアミドマルチフィラメントプライとは、アミド結合で結び付いた芳香族基で形成される線状巨大分子のモノフィラメントで構成されたマルチフィラメントプライであると理解され、その少なくとも85%は2つの芳香環に直接結合しており、特にポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)(又はPPTA)繊維は光学異方性紡糸組成物から非常に長い間生産されてきた。芳香族ポリアミドの中で、ポリアリルアミド(又はPAA、詳細にはSolvay社から商品名Ixefで知られる)、ポリ(メタキシリレンアジパミド)、ポリフタルアミド(又はPPA、詳細にはSolvay社から商品名Amodelで知られる)、非晶質半芳香族ポリアミド(又はPA6-3T、詳細にはEvonik社から詳細には商品名Trogamidで知られる)、或いはパラアラミド(又はポリ-パラフェニレンテレフタラミド又はPA PPD-T、詳細にはDuPont de Nemours社から商品名Kevlarで、又はTeijin社から商品名Twaronで知られる)を挙げることができる。
脂肪族ポリアミドのマルチフィラメントプライとは、アミド基を含み芳香環を持たないポリマ又はコポリマの線状巨大分子のモノフィラメントであると理解され、カルボン酸とアミンの重縮合で合成することができる。脂肪族ポリアミドの中で、ナイロンPA4、6、PA6、PA6、6又はPA6、10、並びに、詳細にはDupont社のZytel、Solvay社のTechnyl、又はArkema社のRilsamidを挙げることができる。
非常に好ましくは、本集合体は、2つのポリエステルマルチフィラメントプライの集合体、及び、ポリエステルマルチフィラメントプライと芳香族ポリアミドマルチフィラメントプライとの集合体から選択される。
好ましい実施形態では、本タイヤは、205から315までの範囲にある公称断面幅SW、25から55までの範囲にある公称アスペクト比、17から23までの範囲にある公称リム径、及び98から116までの範囲にある荷重指数LIを有し、好ましくは、225から315までの範囲にある公称断面幅SW、25から55までの範囲にある公称アスペクト比、18から23までの範囲にある公称リム径、及び98から116までの範囲にある荷重指数LIを有し、より好ましくは245から315までの範囲にある公称断面幅SW、30から45までの範囲にある公称アスペクト比、18から23までの範囲にある公称リム径、及び98から116までの範囲にある荷重指数LIを有する。上記で説明したように、本発明によるタイヤは、比較的高い荷重を支えるように意図されており、必然的に、EXTRA LOADバージョンの同じサイズのタイヤと比較して、相対的に激しい摩耗につながる。従って、トレッドに加わる圧力を、結果的には摩耗を低減するために、比較的大きな公称断面幅を有するタイヤを使用することが特に有利である。
有利には、0.82≦H/LI≦0.92である。従って、本発明は、比較的大きな撓みを有すると見込まれるタイヤに適用されることが好ましく、というのは、それらのタイヤが、所与のサイドウォール高さに対して比較的高い荷重指数を有する、すなわちH/LI≦0.92を満たすからである。これは、単一のカーカス層の存在によって可能となり、サイドウォールの撓みが大きいにも拘わらず、エネルギ散逸を低減することができる。しかしながら、サイドウォールが荷重指数に対して短すぎる場合、すなわちH/LI<0.82を満たす場合には、サイドウォールの撓みが単一のカーカス層の比較的高い圧縮をもたらし、結果としてはエネルギ散逸が増大する。
特に好ましい実施形態は、タイヤは以下のサイズ及び荷重指数から選ばれたサイズ及び荷重指数LIを有する:205/40R17 88、205/40ZR17 88、255/35R18 98、255/35ZR18 98、245/35R20 98、245/35ZR20 98、265/35R20 102、265/35ZR20 102、245/35R21 99、245/35ZR21 99、255/35R21 101、255/35ZR21 101、265/35R21 103、265/35ZR21 103、285/30R21 103、285/30ZR21 103、315/30R21 109、315/30ZR21 109、315/30R23 111、315/30ZR23 111。
一部の実施形態では、クラウン補強体は、半径方向内側ワーキング層と、半径方向内側ワーキング層の半径方向外側に配置された半径方向外側ワーキング層とを含むワーキング補強体を備える。
一部の実施形態では、各ワーキング層は、当該ワーキング層の2つの軸方向縁によって軸方向に区切られ、軸方向に当該ワーキング層の一方の軸方向縁から他方の軸方向縁まで実質的に互いに平行に延びるワーキング繊維状補強要素を備える。
随意的に、各ワーキング繊維状補強要素は、タイヤの周方向と、絶対値で、厳密には10°より大きい、好ましくは15°から50°までの範囲、より好ましくは20°から35°までの範囲にある角度を成す主方向に沿って延びる。
好ましくは、ワーキング補強体が、半径方向最内ワーキング層と、半径方向で半径方向最内ワーキング層の外側に配置された半径方向最外ワーキング層とを備える実施形態では、半径方向最内ワーキング層の各ワーキング繊維状補強要素が延びる主方向と、半径方向最外ワーキング層の各ワーキング繊維状補強要素が延びる主方向とは、タイヤの周方向に関して反対向きの角度を成す。
随意的に、クラウン補強体はフープ補強体を備え、フープ補強体は、2つの軸方向縁によって軸方向に区切られ、各軸方向縁の間を軸方向に延びるように螺旋状に周方向に巻かれた少なくとも1つのフーピング繊維状補強要素を備える。
好ましくは、フープ補強体はワーキング補強体の半径方向外側に配置される。
好ましくは、当該又は各フーピング繊維状補強要素は、タイヤの周方向と、絶対値で10°以下、好ましくは7°以下、より好ましくは5°以下である角度を成す主方向に沿って延びる。
本発明のさらなる主題は、
-リムを備える取付け支持体と、
-リムに取り付けられる上記で規定したタイヤと、
を備える取付け組立体である。
有利には、クラウン補強体は、半径方向でトレッドとカーカス補強体との間に配置されて、少なくとも1つの軸方向に最も狭いワーキングを含むワーキング補強体を備え、軸方向に最も狭いワーキング層が、mm単位で表される軸方向幅T2を有し、リムが、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠してmm単位で表されるリム幅Aを有する場合に、比率T2/Aは、T2/A≦1.00である。
本発明によるタイヤの動作中に構造体内でのエネルギ散逸及び温度を制御するために、軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅がリムの幅に対して正しいサイズを有することを保証することが好ましい。というのは、先行技術から知られるものを超える高負荷の場合、タイヤの撓み、すなわち、無負荷での取付け組立体の半径とその負荷下での取付け組立体の半径との差は、かなり増大するからである。この撓みの増大は、タイヤの構造体、特にビードにおいて、比較的高いエネルギ散逸と比較的大きな温度上昇をもたらす。
これを制御するために、タイヤの半径方向剛性を高めて、タイヤの過度の撓みと、タイヤの構造体内でのエネルギ散逸の増大及び温度の上昇を回避することを目的として、タイヤのサイドウォールを真っ直ぐにする、すなわちサイドウォールを半径方向により真っ直ぐにすることが好ましい。従って、
-所与のリム幅Aに対して、軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2を小さくし、それによって接地面の幅が小さくなり、結果としてタイヤのサイドウォールが半径方向に真っ直ぐになるように、
-所与の軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2に対して、リム幅Aを大きくし、それによってもタイヤのサイドウォールが半径方向に真っ直ぐとなるように、
比率T2/Aを1.00以下の値まで下げることが推奨される。
当業者が軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2を変更する場合には、タイヤのクラウンの特徴、詳細にはワーキング補強体といずれかのフープ補強材とを備えるクラウン補強体の特徴、及びトレッドの特徴を、自分で決定した軸方向幅T2に応じて適合させることになる。
どちらの場合にも、タイヤの半径方向剛性が高まり、結果として所与の負荷に対してタイヤの撓みが減少し、それによって負荷増大の影響を少なくとも部分的に相殺することが可能となり、従ってタイヤの構造体に加わる応力が減少し、それゆえタイヤの動作中のエネルギ散逸及び温度上昇も減少する。
車両上で回転する質量の増加を抑えるためだけでなく、取付け組立体が占めるスペースを減らして車両の収容性能及びコンパクト性を促進するために、リム幅Aを大きくするよりも軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2を小さくすることが優先されることになる。
軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅は、子午面内のタイヤ断面で測定され、ワーキング層の2つの軸方向端の間の軸方向幅に対応する。
好ましくは、軸方向に最も狭いワーキング層は、ワーキング補強体の半径方向外側ワーキング層である。
同様に有利な実施形態では、0.85≦T2/A、好ましくは0.90≦T2/A、より好ましくは0.93≦T2/A≦0.97である。
比率T2/Aは、過度に小さくないことが好ましい。具体的には、所与のリム幅Aに対して、軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2の値を過度に小さくしないことが好ましく、なぜなら、そうしないと縁に沿った曲げ剛性、結果として大旋回時のコーナリング剛性が低下するからである。さらに、軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2の値が小さくなりすぎると、接地面の幅が減少し、それによってトレッドに加わる圧力、結果として摩耗が増加するが、この摩耗は、本発明によるタイヤが比較的高い荷重を支えるように意図されていることから増大し、必然的に激しい摩耗、どんな場合でも小さい荷重を支えることが求められるEXTRA LOADバージョンの同じサイズのタイヤよりも激しい摩耗につながる。所与の軸方向に最も狭いワーキング層の軸方向幅T2については、上記で説明したように、車両上で回転する質量の増加を抑えるためだけでなく、取付け組立体が占めるスペースを減らして車両の収容能力及びコンパクト性を促進するために、リム幅Aの値をあまり大きくしないこともまた好ましい。
好ましい実施形態では、タイヤは、T2≧SW-75、好ましくはT2≧SW-70となるような公称断面幅SWを有する。所与の公称断面幅に対して、主に接地面の幅を規定する軸方向に最も狭いワーキング層は、あまり小さくない。実際、上記で説明したように、これによって、比較的激しい摩耗を必然的にもたらす比較的高い負荷をタイヤが支えるように意図されているにも拘わらず、タイヤの良好な摩耗性能を維持することが可能となる。
好ましい実施形態では、タイヤは、T2≦SW-27、好ましくはT2≦SW-30となるような公称断面幅SWを有する。
これらの実施形態では、本発明全般に見られるように、公称断面幅は、タイヤのサイドウォールに刻まれたサイズマーキングによって示される幅である。
小さすぎて、タイヤのショルダ部の比較的高度の曲がりをもたらすようなリム幅を備えたリムにタイヤが取り付けられるリスクを低減するために、タイヤと共に使用できるリムを限定することが優先されることになる。従って、リムは、以下から選択される:
-リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム(measuring rim)幅コードに等しく、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠して規定されるリム、
-リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム幅コードから0.5を引いたものに等しいリム、及び
-リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム幅コードに0.5を加えたものに等しいリム。
基準リム(measuring rim)は、特に、ETRTO規格マニュアル(2019)の「乗用車用タイヤ-メートル法指定によるタイヤ」のセクションの20頁から41頁に規定される。
好ましくは、車両上で回転する質量の増加を抑えるためだけでなく、取付け組立体が占めるスペースを減らして車両の収容性能及びコンパクト性を促進するために、リムは、タイヤサイズに対する基準リム幅コードから0.5を引いたものに等しいリム幅コードを有する。
有利には、タイヤは、200kPaから350kPaまで、好ましくは250kPaから330kPaまでの範囲にある圧力に膨らむ。この圧力は、タイヤを走行させない、25℃における取付け組立体の圧力である。これは、多くの場合、自動車メーカが推奨する空気圧の1つに対応する。
タイヤの耐荷重性能を優先させることが望まれる用途では、270kPa以上の比較的高い圧力が使用されることになる。
乗員の快適性と車両の挙動、特に乾いた地面でのグリップを優先させることが望まれる用途では、270kPa以下の比較的低い圧力が使用されることになる。
本発明のさらなる対象は、上記に規定した少なくとも1つのタイヤ又は取付け組立体を備える乗用車である。
本発明は、図面を参照して単に非限定的な例として与えられる以下の説明を読むとより良く理解できるはずである。
本発明の第1の実施形態による取付け組立体の子午断面図である。 図1の取付け組立体のタイヤの子午断面図である。 図1のタイヤのカーカス補強を示す、図2の平面III-III’に沿う断面図である。 先行技術の取付け組立体の撓みと図1の取付け組立体の撓みとを比較した図1と同様の図である。
各図には、タイヤの通常の軸方向(Y)、半径方向(Z)及び周方向(X)にそれぞれ対応する基準系X、Y、Zが示されている。
以下の説明では、無負荷で非膨張のタイヤに関して、又は子午面内のタイヤの部分に関して行われた測定値を採用する。
図1は、本発明による、全体が参照番号10で表される取付け組立体を示す。取付け組立体10は、タイヤ11と、リム200を含む取付け支持体100とを備える。タイヤ11は、この場合、200kPaから350kPaまで、好ましくは250kPaから330kPaまでの範囲にある圧力、この事例では270kPaに等しい圧力に膨らむ。
タイヤ11は、軸方向Yと実質的に平行な回転対称軸Rの周りに実質的に円環形状を有する。タイヤ11は乗用車向けである。様々な図において、タイヤ11は新品として、つまりまだ走行していないものとして図示される。
タイヤ11は、タイヤ11のサイズを示すマーキング、さらにまた速度定格及び速度コードを有する2つのサイドウォール30を備える。この例では、タイヤ11は、205から315の範囲、好ましくは245から315の範囲にあり、ここでは255に等しい公称断面幅SWを有する。タイヤ11はまた、25から55までの範囲、好ましくは30から45までの範囲にあり、ここでは35に等しい公称アスペクト比ARを有する。タイヤ11は、17から23までの範囲、好ましくは18から23までの範囲にあり、ここでは18に等しい公称リム径を有する。従って、タイヤ11は、SW×AR/100で定義されるサイドウォール高さH=89<95を有する。
本発明によれば、マーキングはまた、98から116までの範囲にある荷重指数LIを含み、LI’をETRTO規格マニュアル(2019)に準拠した同じサイズのEXTRA LOADタイヤの荷重指数とした場合に、LI>LI’+1であるようになっている。好ましくは、LI’+1≦LI≦LI’+4であり、さらにはLI’+2≦LI≦LI’+4である。
EXTRA LOADバージョンでのサイズ255/35R18のタイヤは、ETRTO規格マニュアル(2019)の「乗用車用タイヤ-メートル法指定によるタイヤ(Passenger Car Tyres-Tyres with Metric Designation)」の部分の368頁に示されるように、94に等しい荷重指数を有する。従って、タイヤ11の荷重指数LIは、LI≧95、好ましくは95≦LI≦98、さらには96≦LI≦98であるようになっており、この場合、LI=98である。この98に等しい荷重指数は、ETRTOマニュアル(2021)に示されるサイズ255/35R18の高耐荷重(HIGH LOAD CAPACITY)タイヤの荷重指数に相当する。従って、タイヤ11は、明らかに高耐荷重タイプである。
タイヤ11は、0.82≦H/LI≦0.92であり、この場合H/LI=0.91である。
このようなサイズの場合、ETRTO規格マニュアル(2019)は、「乗用車用タイヤ-メートル法指定によるタイヤ」の部分の36頁で、リム幅コードが7に等しい基準リムを指示する。従って、取付け組立体10のリム200は、以下から選択される:
-リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム幅コードに等しく、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠して規定されるリム、
-リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム幅コードから0.5を引いたものに等しいリム、及び
-リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム幅コードに0.5を加えたものに等しいリム。
この場合、取付け組立体10のリム200は、リム幅コードがタイヤサイズに対する基準リム幅コードから0.5を引いたものに等しい、従ってこの場合、8.5に等しいリムである。リム200は、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠して、タイプJの外形とリム幅Aとを有する。この例では、リム200の外形がタイプ8.5Jであるため、mm単位で表したそのリム幅Aは、215.90mmに等しい。
図2を参照すると、タイヤ11はクラウン12を備え、クラウン12は、走行時に地面と接触するように意図されたトレッド14と、クラウン12内を周方向Xに延びるクラウン補強体16とを備える。タイヤ11はまた、膨張ガスに対して気密な層18を備え、この層は、ひとたびタイヤ11が取付け支持体100に取り付けられると、タイヤ11に関して取付け支持体100で閉じられた内部空洞を画定するように意図されている。
クラウン補強体16は、ワーキング補強体20とフープ補強体22とを備える。ワーキング補強体16は、少なくとも1つのワーキング層を備え、この場合、2つのワーキング層を備え、半径方向外側ワーキング層26と、その半径方向内側に配置された半径方向内側ワーキング層24とを備える。半径方向内側層24と半径方向外側層26のうち、軸方向に最も狭い層は、半径方向外側層26である。
フープ補強体22は、少なくとも1つのフーピング層を備え、この場合、1つのフーピング層28を備える。
クラウン補強体16には、半径方向にトレッド14を載せている。この場合、フープ補強体22、この事例ではフーピング層28は、ワーキング補強体20の半径方向外側に配置され、従って半径方向でワーキング補強体20とトレッド14との間に挿入される。
2つのサイドウォール30は、クラウン12を半径方向内方へ延ばす。タイヤ10はまた、サイドウォール30の半径方向内側に2つのビード32を有する。各サイドウォール30は、各ビード32をクラウン12に連結させる。
タイヤ11は、カーカス補強体34を備え、カーカス補強体34は、各ビード32に固定され、この事例では周方向補強要素、この場合ビードワイヤ33の周りに巻きを形成する。カーカス補強体34は、各サイドウォール30において半径方向に、クラウン12において軸方向に、クラウン補強体16の半径方向内側に延びる。クラウン補強体16は、半径方向でトレッド14とカーカス補強体34との間に配置される。カーカス補強体34は、少なくとも1つのカーカス層36を備え、この場合、単一のカーカス層36である。
フープ補強体22、この事例ではフーピング層28は、2つの軸方向縁281、282によって区切られ、1又は2以上のフーピング繊維状補強要素を備え、それらは、タイヤ10の周方向Xと、絶対値で10°以下、好ましくは7°以下、より好ましくは5°以下である角度AFを成す主方向に沿って、各軸方向縁281、282の間で周方向に螺旋状に巻き付けられる。この場合、AF=-5°である。
各半径方向内側ワーキング層24及び半径方向外側ワーキング層26は、各ワーキング層24、26の2つの軸方向縁241、242、261、262によってそれぞれ軸方向に区切られる。半径方向内側ワーキング層24は軸方向幅T1=223.00mmを有し、半径方向外側ワーキング層26は軸方向幅T2=209.00mmを有し、半径方向外側ワーキング層26は軸方向に最も狭いワーキング層となる。
SW=255及びT2=209は、以下の関係、T2≧SW-75、好ましくはT2≧SW-70、及びT2≦SW-27、好ましくはT2≦SW-30を満たすことに留意されたい。
図1に示すように、取付け組立体10は、タイヤ11が半径方向に真っ直ぐなサイドウォールを有するようなものである。具体的には、比率T2/Aは、0.85≦T2/A≦1.00、好ましくは0.90≦T2/A≦1.00、より好ましくは0.93≦T2/A≦0.97であるようになっており、この場合、T2/A=0.97である。
各ワーキング層24、26は、その一方の軸方向縁241、261から他方の軸方向縁242、262まで、それぞれに反対向きの角度AT1及びAT2を成す主方向に沿って互いに実質的に平行に延びるワーキング繊維状補強要素を備え、それらの角度は、タイヤ10の周方向Xと、絶対値で、厳密には10°より大きい、好ましくは15°から50°までの範囲、より好ましくは20°から35°までの範囲にある。この場合、AT1=-26°であり、AT2=+26°である。
単一のカーカス層36は、それぞれ2つの軸方向縁361、362によって軸方向に区切られ、一方の軸方向縁361から他方の軸方向縁362まで、角度ACを成す主方向D3に延びるカーカス布地繊維状補強要素360を備え、この角度は、タイヤ10の周方向Xと、絶対値で80°から90°までの範囲にあり、この場合はAC=+90°である。
単一のカーカス層36は、各ビード32の各周方向補強要素33の周りに巻きを形成して、第1のカーカス層36の軸方向内側部分3611、3621が第1のカーカス層36の軸方向外側部分3612、3622の軸方向内側に配置されるように、並びに第1のカーカス層36の各軸方向端361、362が各周方向補強要素33の半径方向外側に配置されるようにする。
単一のカーカス層36の各軸方向端361、362は、タイヤの赤道Eの半径方向内側に配置される。より具体的には、第1のカーカス層36の各軸方向端361、362は、各ビード32の各周方向補強要素33の半径方向内端331から30mm以下の半径方向距離RNCに配置される。この場合、RNC=23mmである。
各ワーキング層24、26、フーピング層28及びカーカス層36は、対応する層の繊維状補強要素のためのカレンダ加工母材を備える。好ましくは、カレンダ加工母材は、タイヤの分野で通常使用されるようなポリマであり、より好ましくはエラストマである。
各フーピング繊維状補強要素は従来、2つのマルチフィラメントプライを備え、各マルチフィラメントプライは、脂肪族ポリアミド、この事例ではナイロンのモノフィラメントの紡績糸で構成され、番手は140texに等しく、これら2つのマルチフィラメントプライは、1メートル当たり250巻きで螺旋状に個々に撚られ、次いで反対方向に1メートル当たり250巻きで螺旋状に共に撚り合わされる。これら2つのマルチフィラメントプライは、互いに螺旋状に巻き付けられる。変形形態として、脂肪族ポリアミド、この事例ではナイロンのモノフィラメントの紡績糸で構成されて番手が140texに等しい1つのマルチフィラメントプライと、芳香族ポリアミド、この事例ではアラミドのモノフィラメントの紡績糸で構成されて番手が167texに等しい1つのマルチフィラメントプライと、を備えるフーピング繊維状補強要素を利用することができ、これら2つのマルチフィラメントプライは、一方向に1メートル当たり290巻きで螺旋状に個々に撚られ、次いで反対方向に1メートル当たり290巻きで螺旋状に撚られる。これら2つのマルチフィラメントプライは、互いに螺旋状に巻き付けられる。さらに別の変形形態では、各々が芳香族ポリアミド、この事例ではアラミドのモノフィラメントの紡績糸で構成されて番手が330texに等しい2つのマルチフィラメントプライと、脂肪族ポリアミド、この事例ではナイロンのモノフィラメントの紡績糸で構成されて番手が188texに等しい1つのマルチフィラメントプライとを備えたフーピング繊維状補強要素を利用することができ、これらマルチフィラメントプライの各々は、一方向に1メートル当たり270巻きで螺旋状に個々に撚られ、次いで反対方向に1メートル当たり270巻きで螺旋状に撚られる。これら2つのマルチフィラメントプライは、互いに螺旋状に巻き付けられる。
一般に、高荷重の使用は、タイヤの許容限界速度の低下をもたらし、また、その挙動、例えばコーナリング剛性の低下を招く。従って、例えば1又は2以上の芳香族ポリアミドパイルを備えた上記最後の2つの変形形態で説明したものなど、1又は2以上の高弾性フーピング繊維状補強要素を用いることによって、タイヤの許容限界速度を高め、その挙動、特にそのコーナリング剛性を改善することが可能である。
各ワーキング繊維状補強要素は、4本の鋼製モノフィラメントの集合体4.26であり、2本のモノフィラメントの内層と、その内層の周りに、例えばS方向に14.0mmのピッチで螺旋状に一緒に巻き付けられた2本のモノフィラメントの外層とを備える。このような集合体4.26は、640Nに等しい破断力、0.7mmに等しい直径を有する。各鋼製モノフィラメントは、0.26mmに等しい直径と、3250MPaに等しい機械的強度とを有する。変形形態として、0.23mmに等しい直径を有し、第1の方向、例えばZ方向に12.5mmのピッチで螺旋状に互いに一緒に巻かれた2本のモノフィラメントの内層と、第1の方向とは反対の第2の方向、例えばS方向に12.5mmのピッチで内層の周りに螺旋状に巻き付けられた4本のモノフィラメントの外層とを備えた、6本の鋼製モノフィラメントの集合体を利用することも可能である。
図3に示すように、各カーカス布地繊維状補強要素360は、少なくとも2つのマルチフィラメントプライ363、364の集合体を備える。各マルチフィラメントプライ363、364は、ポリエステルマルチフィラメントプライ、芳香族ポリアミドマルチフィラメントプライ及び脂肪族ポリアミドマルチフィラメントプライから選択され、好ましくはポリエステルマルチフィラメントプライ及び芳香族ポリアミドマルチフィラメントから選択される。この例では、集合体は、2つのポリエステルマルチフィラメントプライの集合体の中から、並びに1つのポリエステルマルチフィラメントプライと1つの芳香族ポリアミドマルチフィラメントプライとの集合体から選択され、この事例では、2つのPETマルチフィラメントプライで構成され、これら2つのマルチフィラメントプライが一方向に1メートル当たり270巻きで個別に螺旋状に撚られ、次いで反対方向に1メートル当たり270巻きで螺旋状に撚られる。これらのマルチフィラメントプライの各々は334texに等しい番手を有するので、集合体の総番手は、475tex以上、この事例では668texに等しい。各カーカス布地繊維状補強要素360は、mmで表される平均直径Dを有し、D≧0.90mm、D≦1.10mm、好ましくはD≦1.00mm、この場合D=0.95mmである。
比較試験
走行試験シミュレーション
第1のシミュレーションにおいて、本発明の利点を実証するために、本発明者らは、本発明によるタイヤであってサイドウォール高さH<95を有するタイヤの走行と、サイドウォール高さH≧95を有するタイヤの走行をシミュレートした。これら2つのタイヤは、実質的に等しい比T2/Aを有する。
上記の各タイヤに関して、ETRTO2019規格のマニュアルに従って定義されたタイヤサイズについて、測定リムを含む取付け支持体に取り付けられた上記の各タイヤを備える取付け組立体をシミュレートした。これらの取付け組立体の各々について、UN/ECE規則第30号の附則VIIに記載される荷重/速度性能試験に類似した走行試験シミュレーションをさらに厳しい条件下で実施した。
従って、EXTRA LOADバージョンのタイヤが通常耐える必要がある荷重であるが、ETRTO2019規格のマニュアルに従って290kPaの圧力で250kPaに等しい圧力に膨らませたタイヤをシミュレートした。従って、これらの条件は、タイヤの過負荷及び膨張不足の使用状況を再現する。
これらのシミュレーションの間、サイドウォールに位置する単一のカーカス層の一部のカレンダ加工母材の最大体積エネルギ散逸DNRJをdaN/mm2で記録した。この値が高いほど,タイヤ構造によるエネルギ散逸が大きく,温度上昇も大きくなる。これらの値は,相対値100との関係で表され、相対値100未満ではエネルギ散逸が制御され、それ以上ではエネルギ散逸が十分に制御されない。これらの値は、以下の表1にまとめてある。
Figure 2023544389000002
これらの試験は、比較的短いサイドウォールと組み合わせて単一のカーカス層を使用することにより、比較的高い荷重の下で、対応する荷重を支えるための推奨圧力よりも低い圧力であっても、サイドウォールに位置するカーカス補強体の部分におけるエネルギ散逸を制御することができることを示す。
最大子午線曲率シミュレーション
第2のシミュレーションでは、本発明に従うものではない、カーカス補強体が2つのカーカス層を備えるサイズ255/35 R21及び275/30 R20のタイヤを比較した。これらのタイヤの各々は、サイドウォール高さH<95である。
これらのタイヤの各々について、測定リム幅コードから0.5を引いたものに等しいリム幅コードを有し、タイヤのサイズに関するETRTO2019規格のマニュアルに従って定義されるリムにタイヤを装着した場合に軸方向最内側にあるカーカス層の最大子午線曲率Cmaxを測定した。これらの取付け組立体は、UN/ECE規則第30号の附則VIIに記載の荷重/速度性能試験に記載された荷重よりも大きな荷重を受け、対応する荷重を支えるための推奨圧力よりも低い圧力に膨らませた状態でシミュレーションを行った。事前に、サイドウォールの軸方向最内側のカーカス層の比較的高い圧縮とエネルギ散逸の増加が観察される子午線曲率の最大限界は、0.30mm-1に等しいと判断した。
Figure 2023544389000003
従って、サイドウォール高さHが厳密に95未満であるこれらのタイヤは、高荷重下及び膨張不足時の使用条件において、許容される最大閾値よりも大きな曲率を有する軸方向最内側のカーカス層を有することが観察された。
また、サイドウォール高さHが高くなると曲率は減少し、H=95で到達する0.30mm-1の閾値に近づくことに留意されたい。
張力シミュレーション
第3のシミュレーションでは、本発明の利点を実証するために、本発明者らは、複数のタイヤの各カーカス繊維状補強要素の張力をシミュレートした。これらの試験の各々について、各カーカス繊維状補強要素の張力を、2.8barに等しい圧力に膨らみ、UN/ECE規則第30号の附則VIIに記載される荷重/速度性能試験に使用される荷重よりも遥かに高い荷重を受けるタイヤに関してシミュレートした。
単一のカーカス層を含むカーカス補強体を備える以下のサイズ、255/35R20、235/60R18、255/60R18の様々なタイヤをシミュレートした。
各カーカス繊維状補強要素の張力は、単一のカーカス層の端部で測定する。
これらのシミュレーションの結果は以下の表3にまとめてある。
Figure 2023544389000004
サイドウォール高さが95以上の場合、単一のカーカス層を備えるカーカス補強体の張力は制御されないことに留意されたい。
走行試験のシミュレーション
第4のシミュレーションでは、有利ではあるが本発明の範囲では任意である、タイヤのサイドウォール側壁を真っ直ぐにする利点を示すために、ETRTO2019規格内で94に等しい荷重指数を有する、EXTRA LOADバージョンのMICHELIN商標の、サイズ255/35R18のパイロットスポーツ4のタイヤの走行をシミュレートした。このタイヤは、T2の値が226.00mmに等しいことを除いて、上記のタイヤと同様のクラウン補強体を備える。
3つの異なるリム幅コード:8.5、9、10を有するリムを含む複数の取付け支持体に、上記のタイヤを取り付けた複数の取付け組立体についてシミュレーションを行った。これらの取付け組立体の各々それぞれについて、UN/ECE規則第30号の附則VIIに記載される荷重/速度性能試験に類似した走行試験シミュレーションを、2つの異なるタイプのさらに厳しい条件下で実施した。
EXTRA LOADバージョンのタイヤの使用を再現する第1のタイプの条件では、670kgに等しい荷重の下で250kPaに等しい圧力に膨張したタイヤをシミュレートした。加えられる荷重は、ETRTO 2019規格のマニュアルに従って290kPaの圧力でタイヤが通常支えることができる荷重に相当することに留意されたい。従って、これらの第1の条件は、膨張不足の、結果として特に厳しいタイヤの使用を再現する。
非常に高い荷重での使用を再現する第2のタイプの条件では、750kgに等しい荷重の下で同様に250kPaに等しい圧力に膨張したタイヤをシミュレートした。加えられる荷重は,ETRTO 2019規格のマニュアルに従って荷重指数98のタイヤが290kPaの圧力で通常支える必要がある荷重に相当することに留意されたい。従って、これらの第2の条件は、第1の条件よりもさらに厳しい、タイヤの過負荷及び膨張不足の使用を再現する。
これらのシミュレーションの間、第1のシミュレーションと同様に、サイドウォールに位置する単一のカーカス層の部分のカレンダ加工母材の最大体積エネルギ散逸DNRJを記録し、daN/mm2単位で表した。これらの値は、第1のシミュレーションの相対値100とは絶対値が異なる相対値100との関係で表され、相対値100未満ではエネルギ散逸が制御され、それ以上ではエネルギ散逸が十分に制御されない。これらの値は、以下の表4に記載されている。NTの表示は、取付け組立体が試験されていないことを意味する。
Figure 2023544389000005
これらの試験は、比率T/2Aの減少により、比較的高い荷重の下で、対応する荷重に耐えるための推奨圧力よりも低い圧力であっても、サイドウォールに位置する単一のカーカス補強体の部分におけるエネルギ散逸を制御することが可能であることを示す。従って、サイドウォールを半径方向に真っ直ぐにすることが可能な比率T2/Aを得るために、T2及び/又はAを変更することが可能であり、結果としてカーカス補強体に作用する応力を低減させることができる。
静的試験
有利ではあるが本発明の範囲では任意である、サイドウォールを真っ直ぐにする効果を説明するために、図4は、サイズ255/35R18のタイヤに対する静的圧縮試験の結果を示しており、このタイヤは上述のタイヤと同一であるが、比率T2/Aが1.05に等しい(左側に図示するタイヤ)、並びに比率T2/Aが0.97に等しい(右側に図示するタイヤ)である。各タイヤに加えられた荷重は、250kPaの圧力で750kgに等しい。
左側タイヤの撓みが右側タイヤの撓みよりも遥かに大きいことに留意されたい。具体的には、左側のタイヤにおける回転軸Rから地面までの距離DR1は、右側のタイヤにおける回転軸Rから地面までの距離DR2よりも小さい。
特に、右側タイヤのサイドウォールが左側タイヤのサイドウォールよりも半径方向に真っ直ぐであることに留意されたい。これは、各サイドウォール上の同じ半径方向点において、接地面とは反対側に位置するサイドウォールの外面と、タイヤの回転軸Rに垂直であってリムの軸方向幅Aを画定するリムの支承面を通過する平面SAとの距離DF1及びDF2を比較することで分かる。このことは、接地面と並んで位置する各サイドウォールの同じ半径方向点において、サイドウォールの外面と垂直平面SAとの距離DF1’とDF2’を比較することでも分かる。DF1>DF2であること、及びDF1’>DF2’であることが観察されることになる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。

Claims (14)

  1. クラウン(12)と、2つのビード(32)と、前記ビード(32)の各々を前記クラウン(12)に連結する2つのサイドウォール(30)と、前記ビード(32)の各々に固定されたカーカス補強体(34)と、を備える乗用車用のタイヤ(11)であって、
    前記クラウン(12)は、クラウン補強体(16)とトレッド(14)とを備え、前記カーカス補強体(34)は前記サイドウォール(30)の各々内を延びると共に前記クラウン(12)内で前記クラウン補強体(16)の半径方向内側を延びており、
    前記タイヤ(11)は、LI>LI’+1で、LI’がETRTO規格マニュアル(2019)に準拠した同じサイズのEXTRA LOADタイヤの荷重指数である荷重指数LIを有し、
    前記タイヤ(11)は、ETRTO規格マニュアル(2019)に準拠してSWを前記タイヤの公称断面幅、ARを前記タイヤの公称アスペクト比とした場合に、H=SW×AR/100で定義されるサイドウォール高さHがH<95であり、
    前記カーカス補強体(34)は、単一のカーカス層(36)を備えている、
    ことを特徴とするタイヤ(11)。
  2. LI’+1≦LI≦LI’+4、好ましくはLI’+2≦LI≦LI’+4である、
    請求項1に記載のタイヤ(11)。
  3. 前記単一のカーカス層(36)の各々は、前記カーカス層(36)の2つの軸方向縁(361、362)によって軸方向に区切られ、軸方向に前記カーカス層(36)の一方の軸方向縁から他方の軸方向縁まで、前記タイヤ(11)の周方向(X)と、絶対値で80°から90°までの範囲にある角度を成す主方向に沿って延びるカーカス布地繊維状補強要素(360)を備える、
    請求項1又は2に記載のタイヤ(11)。
  4. 205から315までの範囲にある公称断面幅SW、25から55までの範囲にある公称アスペクト比、17から23までの範囲にある公称リム径、及び98から116までの範囲にある荷重指数LIを有し、好ましくは225から315までの範囲にある公称断面幅SW、25から55までの範囲にある公称アスペクト比、18から23までの範囲にある公称リム径、及び98から116までの範囲にある荷重指数LIを有し、より好ましくは245から315までの範囲にある公称断面幅SW、30から45までの範囲にある公称アスペクト比、18から23までの範囲にある公称リム径、及び98から116までの範囲にある荷重指数LIを有する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ(11)。
  5. 0.82≦H/LI≦0.92である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のタイヤ(11)。
  6. 以下のサイズ及び荷重指数:205/40R17 88、205/40ZR17 88、255/35R18 98、255/35ZR18 98、245/35R20 98、245/35ZR20 98、265/35R20 102、265/35ZR20 102、245/35R21 99、245/35ZR21 99、255/35R21 101、255/35ZR21 101、265/35R21 103、265/35ZR21 103、285/30R21 103、285/30ZR21 103、315/30R21 109、315/30ZR21 109、315/30R23 111、315/30ZR23 111から選択されたサイズ及び荷重指数LIを有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のタイヤ(11)。
  7. 前記クラウン補強体(16)は、半径方向内側ワーキング層(24)と、前記半径方向内側ワーキング層(24)の半径方向外側に配置された半径方向外側ワーキング層(26)とを含むワーキング補強体(20)を備える、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のタイヤ(11)。
  8. 前記ワーキング層(24、26)の各々は、前記ワーキング層(24、26)の2つの軸方向縁(241、242、261、262)によって軸方向に区切られ、軸方向に前記ワーキング層(24、26)の一方の軸方向縁から他方の軸方向縁まで実質的に互いに平行に延びるワーキング繊維状補強要素を備える、
    請求項7に記載のタイヤ(11)。
  9. 前記ワーキング繊維状補強要素の各々は、前記タイヤ(11)の周方向(X)と、絶対値で、厳密には10°より大きい、好ましくは15°から50°までの範囲、より好ましくは20°から35°までの範囲にある角度を成す主方向に延びる、
    請求項8に記載のタイヤ(11)。
  10. 前記クラウン補強体(16)はフープ補強体(22)を備え、前記フープ補強体(22)は、前記フープ補強体(22)の2つの軸方向縁(261、282)によって軸方向に区切られ、前記フープ補強体(22)の前記軸方向縁((261、282)の間を軸方向に延びるように螺旋状に周方向に巻かれた少なくとも1つのフーピング繊維状補強要素を備える、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のタイヤ(11)。
  11. 前記又は各フーピング繊維状補強要素は、前記タイヤ(11)の周方向(X)と、絶対値で10°以下、好ましくは7°以下、より好ましくは5°以下である角度を成す主方向に沿って延びる、
    請求項10に記載のタイヤ(11)。
  12. リム(200)を備える取付け支持体(100)と、
    前記リム(200)に取り付けられる請求項1から11のいずれかに記載のタイヤ(11)と、を備える取付け組立体(10)。
  13. 前記クラウン補強体(16)は、半径方向で前記トレッド(14)と前記カーカス補強体(34)との間に配置されて、少なくとも1つの軸方向に最も狭いワーキング(26)を含むワーキング補強体(20)を備え、前記軸方向に最も狭いワーキング層(26)がmm単位で表される軸方向幅T2を有し、前記リム(200)がETRTO規格マニュアル(2019)に準拠してmm単位で表されるリム幅Aを有する場合に、比率T2/Aは、T2/A≦1.00である、
    請求項12に記載の取付け組立体(10)。
  14. 請求項1から11のいずれか1項に記載の少なくとも1つのタイヤ(11)、又は請求項12又は13に記載の取付け組立体(10)を備える乗用車。
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