JP2023544017A - 磁気センサアレイ回路のためのシステム及び方法 - Google Patents

磁気センサアレイ回路のためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 新規かつ有用なシステム及び方法を提供することである。【解決手段】 マルチアレイ磁気検知コンポーネントのためのシステム及び方法は、回路ベースプラットフォームと、回路ベースプラットフォーム上に配置された磁気センサのセットと、中間回路コンポーネント、信号入力、及び信号出力を含む回路システムと、を含むことができる。信号入力は、電気発振器信号入力であると共に、磁気センサのセット内の各磁気センサへ方向付けることができる。信号出力は、磁気センサのセットからの磁場測定を含み、各磁場測定は個別に選択可能である。回路システムは、磁気センサのセットのサブセットをオン又はオフにするよう構成されている。中間回路コンポーネントはミキサを含む。【選択図】 図2

Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2020年9月30日に出願された米国仮出願第63/085,467号の利益を主張する。この仮出願は援用により全体が本願に含まれる。
[0002] 本発明は、一般に磁気センサの分野に関し、特に、強磁性共鳴に基づく磁気センサに関し、更に具体的には、磁気センサアレイ回路のための新規かつ有用なシステム及び方法に関する。
[0003] 強磁性共鳴(FMR:ferromagnetic resonance)は、強磁性サンプルにおける磁化の歳差運動を検出することによって材料の磁気特性を測定するために用いることができる。様々なタイプのFMRには、外部駆動FMR及び電流駆動FMRが含まれる。FMRはとりわけ、キャビティ励起(cavity excitation)、ストリップ線路励起、スピン移動トルク、及びスピン軌道トルクのような、多種多様な技法を用いて励起することができる。これらの利用は通常、デバイス用途と両立しない。これらは、有効となるために大きいキャビティと高パワー駆動が必要であり、使用するサンプル体積が大きい。このため、FMRの使用は主として大きい実験装置及び研究プロジェクトに限定されている。
[0004] いくつかのタイプの高感度磁気センサが存在するが、それら全てに様々な制限がある。例えば、スピン交換緩和フリー(SERF:Spin Exchange Relaxation Free)及び超電導量子干渉素子(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)磁気検知手法は高い感度を有するが、その代わり大型で、複雑であり、システム統合が困難である可能性がある。これらのセンサは部屋の大きさほどの統合を必要とし、これには、周囲及びその他の外部場からセンサを隔離する重い遮蔽と、機能性のため厳しく維持された温度条件が必要である。あるいは、ホール効果センサ及び磁気抵抗センサはもっと小型のソリューションであるが、その代わり感度が犠牲になる可能性があり、概して、例えば脳活動監視デバイスを含む多くの目的には充分でない。
[0005] FMRセンサデバイスは、他の磁気センサよりも優れた高い汎用性が実証されている。FMRセンサデバイスの容易さと利用を更に増大するため、FMRセンサの柔軟かつ簡単な利用を可能とする発明が必要とされている。従って、FMRセンサの分野では、小型で携帯可能であり、多くの用途向けに容易に変更可能であるFMRマルチセンサ回路のための新規かつ有用なシステム及び方法が必要とされている。本発明は、そのような新規かつ有用なシステム及び方法を提供する。
[0006] 例示的なシステムの概略図である。 [0007] システムの高レベル概略図である。 [0008] ADFMRセンサデバイスの全体概略図である。 [0009] 単一センサSAWデバイスADFMRセンサの概略図である。 [0010] 櫛形トランスデューサの概略図である。 [0011] システム内に組み込まれた直交磁気バイアスの磁気フィルムを含む、2つの単一センサADFMRセンサの概略図である。 [0012] システム内に組み込まれた同一磁気バイアスの磁気フィルムを含む、2つの単一センサADFMRセンサの概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0013] ADFMRセンサの例示的な概略図である。 [0014] 印加場の強度の関数として強磁性体の吸収スペクトルを示す一例のプロットである。 [0015] ADFMRセンサデバイスシステムの簡略化概略図である。 [0016] 干渉計ADFMRセンサデバイスの概略図である。 [0017] 1次元グラジオメータADFMRセンサデバイスの概略図である。 [0018] 例示的な回路サブコンポーネントの用語集である。 [0019] 低エネルギ干渉計システムの概略図である。 [0020] 雑音低減を実装する干渉計システムの概略図である。 [0021] 大きな差(large disparity)のEM場干渉計の概略図である。 [0022] 干渉計ADFMRセンサデバイスの全体回路概略図である。 [0023] ADFMRセンサデバイスの全体回路概略図である。 [0024] 2試験回路、2次元干渉計ADFMRセンサデバイスの概略図である。 [0025] 2試験回路、2次元干渉計ADFMRセンサデバイスの第2の概略図である。 [0026] 1試験回路、2次元干渉計ADFMRセンサデバイスの概略図である。 [0027] 単一のSAWデバイスを有するグラジオメータADFMRセンサデバイスの概略図である。 [0028] 1試験回路、2次元干渉計ADFMRセンサデバイスの概略図である。 [0029] ベクトル変調器回路を有する干渉計の回路図である。 [0030] 線形化回路を組み込んだ干渉計システムの回路表現の概略図である。 [0031] 好適な実施形態の方法のフローチャートである。 [0032] 変更された電子発振器の概略図である。 [0033] システム及び/又は方法を実装する際に使用され得る例示的なシステムアーキテクチャである。 [0034] 単一の試験回路と単一の参照回路の概略テンプレートである。 [0035] 参照回路内に含まれ得る回路コンポーネントの例示的な概略図である。 [0035] 参照回路内に含まれ得る回路コンポーネントの例示的な概略図である。 [0035] 参照回路内に含まれ得る回路コンポーネントの例示的な概略図である。 [0036] 試験回路内に含まれ得る回路コンポーネントの例示的な概略図である。 [0036] 試験回路内に含まれ得る回路コンポーネントの例示的な概略図である。 [0036] 試験回路内に含まれ得る回路コンポーネントの例示的な概略図である。
[0037] 本発明の実施形態の以下の説明は、本発明をこれらの実施形態に限定することでなく、当業者が本発明を実装及び使用できるようにすることを意図したものである。
1.概説
[0038] 図1及び図2で示されているように、磁気センサアレイ回路のためのシステム及び方法は、回路ベースプラットフォームと、回路システムに統合された複数の磁気センサから成るセンサセットと、を含む。好適な変形例において、磁気センサは強磁性センサであり、より好適には、音響駆動強磁性共鳴(ADFMR:acoustically driven ferromagnetic resonance)マルチセンサである。システム及び方法は場(field)センサとして機能し、電磁場特性(例えば場の強度、場の方向、場の勾配、場の揺らぎ(fluctuation))の測定を可能とする。特に、システム及び方法は、システム統合のため使用可能電子フォーマット内にパッケージ化される磁気センサアレイを可能とする。センサアレイ回路は、所望の空間における場特性の多次元測定を可能とするように位置決めできる。本明細書において、システム及び方法は、複数の磁気センサ(例えばADFMRセンサ)のアレイを用いたデバイスの動作機能性を可能とする設計ソリューションを実現する。これは例えば、磁気センサ間での時間及び/又は周波数ドメイン多重化による回路コンポーネントの共有、能動型/受動型のノイズ遮蔽、電力節約又は検知機能のための切り換え可能な動作状態、及び/又は他の設計上の検討事項である。
[0039] 望ましい実装例に応じて、システム及び方法は、場測定のための、又は、他のデバイスがこのシステム及び方法によって場測定を実行できるようにするための、複数のシステム及び方法の変形例を提供する。システム及び方法の様々な実装例は、種々のタイプの場測定を対象とし、精度を重視し、高い空間分解能を提供し、ノイズを低減し、電力消費を削減することができる。
[0040] 単一又はアレイADFMRセンサユニットは、ADFMRセンサコンポーネントの本体を含む圧電基板と、基板に沿って伝搬する圧電効果を用いて電気信号から表面音響波(SAW:surface acoustic wave)を発生させる入力櫛形トランスデューサ(IDT:interdigitated transducer)と、SAWが伝搬する際にSAWによる磁場の吸収を可能とすることでSAWを変更する、基板に沿った強磁性フィルムと、変更されたSAWを電気信号に変換する出力IDTと、を含み得る。次いで、この変更されたSAWを用いて磁場の強度を決定することができる。図3及び図6から図14で示されているように、実装例に応じてADFMRセンサは、1つの又は複数の検知機能すなわちマルチセンサユニットを含む多くの変形例を有し得る。
[0041] ADFMRマルチセンサの一部として、ADFMRセンサを並列コンポーネントとして接続することができる。この場合、変形例に応じて、ADFMRマルチセンサは単一又は複数の入力及び出力IDTを有し得るので、電子発振器からの無線周波数(RF)信号を用いて単一のADFMRセンサ又は複数のADFMRセンサから複数の入力及び/又は出力信号を発生させ、これらを用いてEM場の多次元の空間特性を決定することができる。
[0042] 回路システム及びセンサデバイスチップセットに加えて、システム及び方法は、全ての実装例に含まれるか又は含まれない場合がある追加のコンポーネントを含み得る。システム及び方法は更に、1つ以上の磁気センサを駆動するための信号入力として用いられる所望の帯域幅のRF信号を発生させる電子発振器であると好ましいパワー発生器と、センサ出力の処理及び正規化の双方のために電気信号を組み合わせる周波数ミキサと、出力電気信号からセンサデータをデジタル化及び抽出する処理システムと、を含み得る。
[0043] システム及び方法は更に、信号増幅器、バンドパスフィルタ、減衰器、インダクタ、移相器、カプラ、整合ネットワーク、アナログ-デジタル変換器(ADC)、デジタル-アナログ変換器(DAC)、及び比較器のような、他の回路及び信号コンポーネントを含み得る。システム及び方法は更に、所望のように他のコンポーネントを含み得る。
[0044] システム及び方法は、センサアレイの場センサを「コンポーネント」として提供することができ、これは場測定のための他のシステムに組み込んでもよい。このように、システム及び方法は、他のデバイスに組み込むことができる磁気センサアレイチップ又は電子コンポーネントパッケージを提供し得る。場測定チップとして、システム及び方法は、特定用途向け集積回路チップ(ASIC:application specific integration chip)又はASSP(application specific standard project)として組み込まれ得る。実装例に応じて、システム及び方法は、複数の使用事例のために、高度に専門化されているか又は汎用の場センサアレイを提供することができる。システム及び方法は、EM場の測定を必要とするいかなる分野にも広く応用され得る。システム及び方法は、EM場及びEM場特性の極めてロバストで精密な測定を行うので、多くの使用事例が実行可能である。
[0045] システム及び方法は、人体可視化技法(例えばMRI、fMRI)の一部としての核医学、医療監視ツール(例えば脳活動監視、心筋及び末梢筋監視)等、多くの医療分野で実装され得る。このように、システム及び方法は、睡眠監視、感情/脳活動監視、脳コンピュータインタフェース、及び/又は他の用途等、より複雑な機能性に応用され得る。
[0046] システム及び方法は、拡張現実/仮想現実の分野に応用され得る。この場合、システム及び方法は、加速度計のようなツールの位置決め、頭部の位置決め、カメラの位置決め、及び脳活動の決定の改善を可能とすることができる。チップサイズのシステムによって、AR眼鏡、VRヘッドセット、スマートウオッチ、ヘッドフォン、胸部バンド(例えば心臓モニタ)、及びフィットネストラッカのようなウェアラブル機器に組み込むことが可能となる。
[0047] システム及び方法は概して、fNIR分光法、ライダー、インピーダンス断層撮影、及びその他の磁気センサ等、多くの「検知」技術に適用され得る。
[0048] 更に、ADFMRチップセンサは、他のセンサデバイスでは容易に実装できない特殊なコンポーネント又は強化された機能を含むように構築され得るので、多くの潜在的な利点がある。その例には、低電力使用、ノイズキャンセル、場強度最適化が含まれる。
[0049] 高密度のセンサアレイによって、多くの所望の形状又は位置における複雑な場測定を可能とすることができる。これにより、他の測定システムよりも高い精密さ及び精度が可能となり得る。
[0050] 特殊ADFMRチップセンサの1つの潜在的な利点は、ノイズキャンセルを含み得ることである。ノイズキャンセルを含むADFMRチップセンサは、正確な読み取りのために必要な外部場(例えば地球磁場)からのノイズ遮蔽とノイズキャンセルが著しく小さくなる可能性がある。
[0051] 更に、高密度アレイで用いられるADFMRチップセンサでは、ノイズキャンセルの必要性を著しく低減するという潜在的な利点が追加され得る。高密度のセンサアレイは、充分な数のセンサ読み取り値を加えるので、信号処理技法によってセンサ読み取り値からノイズを除去することができる。
[0052] 特殊ADFMRチップセンサのもう1つの潜在的な利点は、低電力使用である。ある程度の感度は犠牲になるが、いくつかの変形例において、ADFMRチップセンサは、少なくとも特定の時間期間において使用電力を著しく低減するように設計され得る。低電力使用ADFMRチップセンサは、極めて移動度が高いと共に電力依存性が低い可能性のあるデバイスにとって有益となり得る。例えば、てんかん発作監視用のデバイスで実装される場合、このデバイスは特定のパターンを監視する低電力モードで主に動作され、活動のスパイクが検出されると、デバイスは発作イベント中の活動を捕捉するための高分解能監視モードに移行することができる。例えば、デバイスを用いて、発作を示す発作期間中のような何らかのイベントを示す活動のスパイク中の活動を測定することができる。
[0053] 磁場を測定するため同等の感度を有する現在のシステムでは、通常、磁場及び磁束を測定することができる範囲は小さい。システムのもう1つの潜在的な利点は、ADFMRチップセンサが場及び勾配を数桁以上正確に測定し得ることである。
[0054] 別の潜在的な利点として、システム及び方法は、より費用対効果の高い検知アレイを可能とすることができる。マルチセンサ実装例の一部として、システム及び方法は、単一の高価なコンポーネント(例えばミキサ)を用いた複数のセンサを可能とし、これによってセンサ当たりのコストを低減する。コンポーネントの共有は、コストを削減するだけでなくコンポーネント数の削減に役立つことにより、パッケージの小型化を図ると共に、センサアレイの高密度化も達成する可能性がある。更に、システム及び方法は、費用対効果の高い製品を提供し得るウェーハ規模の製造可能製品を可能とすることができる。
[0055] チップ/回路ベースのマルチセンサアレイとして、システム及び方法は複数の潜在的な利点を提供する。いくつかの変形例において、チップ/回路ベースのマルチセンサアレイは、完全パッケージ化センサシステムの潜在的な利点を提供する。すなわち、システム及び方法は、全てのコンポーネントが集積チップ又はパッケージ上に統合されている集積システムオンチップ(SoC:System-on-a-chip)を提供し得る。これにより、磁気センサアレイチップ又はパッケージを他のシステム統合内に組み込むことが可能となり得る。例えば、システム及び方法によって可能となる磁気アレイセンサパッケージは、広いエリアにわたる多次元磁気検知のために複数のそのようなパッケージを含む医療デバイスに統合することができる。
[0056] 別の潜在的な利点は、システムが、極めてコンパクトな形態でセンサ製品を可能とし得ることである。チップ/回路ベースのマルチセンサアレイとして、システムは、単一のチップ/回路内に数百又は数千のオーダーの磁気センサを含み得る。
[0057] チップ/回路ベースのマルチセンサアレイの別の潜在的な利点は、特殊実装ツールの利点である。すなわち、チップベースのセンサアレイは特定用途向け集積回路(ASIC)実装とすることができ、システムは特定用途実装のために構築及び構成される。
[0058] チップ/回路ベースのマルチセンサアレイの別の潜在的な利点は、汎用実装センサツールの利点である。すなわち、チップベースのセンサアレイはASSP実装とすることができ、システムは概ね他のシステムに組み込まれるように構築される。ASSP実装の一部として、システム及び方法は、汎用の/標準化された接続を用いてほとんどのデバイスに簡単に組み込むことができる。システムコンポーネント(例えばセンサ群)は、所望の特定の実装ごとに、永久に又は無期限に活性化又は非活性化され得る。
[0059] システム及び方法は、極めてエネルギ効率の高い磁気センサアレイの利点を提供する可能性がある。システム及び方法は、磁場検出のための電力使用を低減させた回路形状を可能とし得る。更に、システム及び方法は、センサアレイ全体の低電力機能性を可能とする。この場合、精密な測定の代わりに、センサの一部のみが同時に機能することで電力消費を低減する。更に、いくつかの変形例において、システム及び方法は、音響駆動磁性共鳴(ADFMR)センサを組み込んで、場測定を行うセンサアレイを提供することができる。このセンサ測定の精度は、他のタイプのセンサに比べ、電力消費に比例しない。
2.システム
[0060] 図1及び図2で示されているように、マルチアレイ磁気検知コンポーネントは、回路ベースプラットフォーム110と、回路ベースプラットフォーム上に配置された磁気センサ120のセットと、磁気センサセットのサブセットをオン又はオフにするよう構成された回路システム130と、を含む。回路システムは、中間回路コンポーネント、信号入力、及び信号出力を含む。信号入力は、磁気センサセット内の各磁気センサへ方向付けることができる電気発振器信号入力である。信号出力は、磁気センサセットの下流の電気信号を含み、磁気センサセットのうち1つ以上から出力するため個別に選択可能であり得る(例えば、別個の電気信号が磁気センサのうち1つ又はサブセットに対応するか、又は磁気センサの出力の組み合わせから得られた出力信号から抽出可能である)。更に、信号出力は磁気センサセットからの磁場測定を含む。中間回路コンポーネントは、信号入力及び信号出力が磁気センサセットとの間で移動する際に経由する回路コンポーネントを含む。中間回路コンポーネントはミキサを含む。
[0061] システムは、高度にカスタマイズ可能な場センサ(すなわち磁力計)、又は場勾配センサ(すなわちグラジオメータ)として機能し、これは、個別に又は統合磁気センサアレイとして実装され得る。多くの変形例において、この高度にカスタマイズ可能な場センサアレイは、一般的にいかなる電子システムでも実装され得る「チップ」ベースの場センサアレイである。
[0062] システムは、回路ベースプラットフォーム110上に配置された磁気センサ120のセットの構成を利用して、様々な周波数スペクトル(例えば狭域又は広域)におけるEM場の測定を可能とする。実装例に応じて、すなわち、回路ベースプラットフォーム110上の磁気センサ120のセットの数と配置、及び、実装される動作モードに応じて、システムは極めて多様な機能性を提供することができる。一般的なシステム機能には、多次元場測定、多次元場勾配測定、広周波数帯域測定、狭周波数帯域測定、複数周波数帯域同時測定、及び、大きく変動し得る周波数帯域での場測定が含まれ得る。
[0063] 更に、システムは、極めて感度の高い場測定を行い(例えば、最大で約100mT、最低で1fTの場を測定する)、約100μm~1mの長さスケールで場変動を測定し得る高密度センサアレイ配置を提供し(例えば10センサ/cmのセンサ密度)、効率的な低電力機能性を提供し(例えば数十μWを用いる)、DC~GHzの範囲の高帯域幅磁場測定を提供することを可能とする。また、システムは、場測定の時間的及び空間的な強化によってセンサ測定を向上させるように構成され得る。
[0064] いくつかの変形例において、特に「センサ高密度」センサアレイ変形例において、システムは更に遮蔽140を含み得る。遮蔽140は、受動型又は能動型の遮蔽コンポーネント及び/又は遮蔽プロトコルを含んで、システム及び環境のノイズを低減すると共に、複数のセンサが相互に近接して機能することを可能とする。
[0065] システムは、チップベースのセンサアレイとして実装され得る。いくつかの態様において、システムは、全てのコンポーネントが集積チップ(IC)回路ベースプラットフォーム110上に位置付けられた統合システムオンチップ(SoC)を含み得る。あるいは、磁気センサ120のセットはIC回路ベースプラットフォーム110上に配置されるが、他のシステムコンポーネント(電源及びプロセッサ等)は、他の場所(例えば異なるチップ上)に配置されるか又は配置されないことも可能である。
[0066] チップベースのセンサアレイは、カスタマイズされた固有の実装とすることができる。あるいは、チップベースのセンサアレイは、特定用途向け集積回路(ASIC)実装とすることができ、システムは特定用途実装のために構築及び構成される。あるいは、チップベースのセンサアレイはASSP実装とすることができ、システムは概ね他のシステムに組み込まれるように構築される。ASSP実装の一部として、システムコンポーネント(例えばセンサ群)は、所望の特定の実装ごとに、永久に又は無期限に活性化又は非活性化され得る。
[0067] システムは回路ベースプラットフォーム110を含み得る。回路ベースプラットフォーム110は、システムのセンサ及び他のコンポーネントの物理的統合として機能する。様々なシステムコンポーネントは、回路ベースプラットフォーム110の上もしくはその周囲に位置するか、又は回路ベースプラットフォーム110上に印刷されるか、又はこれを介して延出するか、又はこれに接続され得る。回路ベースプラットフォーム110は、ベース基板及び/又は、何らかの用途で用いられる電子コンポーネントとしてシステムを配送する際に使用される他のパッケージ要素を含み得る。1つの変形例における回路ベースプラットフォーム110は、印刷回路基板(PCB)とすることができるか又はこれを含み得る。PCBは、任意の一般的なタイプ又は特定のタイプのPCBとすればよい。別の変形例における回路ベースプラットフォーム110は、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、システムオンチップ(SoC)、及び/又は他の適切な変形例等、他のいずれかのタイプの集積回路とすることができるか又はこれらを含み得る。
[0068] 回路ベースプラットフォーム110は、実装例に応じてサイズ及び/又は形状が変動し得る。更に、実装例に応じて、回路ベースプラットフォームは剛性又は可撓性の構造とすることができる。すなわち、回路ベースプラットフォーム110のサイズ、形状、及び/又は剛性は、回路ベースプラットフォームと共に組み込まれるセンサの数及び/又は使用目的の双方によって変動し得る。このため、回路ベースプラットフォーム110の幾何学的形状及び引張強度は、使用の際にセンサを位置決めすること及び保護することにも役立ち得る。ユーザの仮想現実(VR:virtual reality)経験の一例では、回路ベースプラットフォーム110は、VR眼鏡の上又は内部に収まるよう充分に小さくすることができる(例えば縦横1インチ)。
[0069] PCB及び/又はチップ回路ベースプラットフォーム110は、システムコンポーネント及び外部コンポーネントの双方を物理的かつ電気的に接続するため、任意の適切な回路及び電気コンポーネントを含み得る。回路は、任意のタイプの一般的なワイヤ又はトレースを含み得る。いくつかの変形例において、回路はワイヤボンドを含む。ワイヤボンドは、任意の導電性材料(例えば銅、銀、金、又はアルミニウム)で構成され得る。ワイヤボンド位置決めの幾何学的形状は、任意の一般的に望ましい位置決めとすればよい。いくつかの変形例において、ワイヤボンドは、異なるワイヤボンド間で発生する誘導結合の量が最小限であるか又は皆無であるような距離に維持される。
[0070] いくつかの変形例において、システムの様々なサブコンポーネントは、共に統合される別個の回路コンポーネントとして実装され得る。例えば、様々なサブコンポーネントをASICコンポーネントとしてパッケージ化し、次いでPCB上で組み合わせることができる。これらの回路サブコンポーネントは、1つ又は複数のセンサを含み得る。1つの例示的な実装例では、PCB又はASICの回路ベースプラットフォームは、複数のセンサを含む(例えば磁気センサ120のセット全体)。別の例示的な実装例では、PCB又はASICの回路サブシステムは、磁気センサ120のセット内の単一のセンサを含むことができ、次いで、複数の回路サブシステムを接続して回路ベースプラットフォーム「全体」を形成することができる。回路ベースプラットフォーム110は、磁気センサ110のセット及びその他の組み込まれた回路コンポーネントに、基礎となる幾何学的形状を提供し得る。このように回路ベースプラットフォーム110は、センサ間に、極めて多様であるが非常に制御された間隔を可能とし得る。センサ間隔は、任意の所望の用途向けに調節され得る。すなわち、極めて高い分解能が必要である用途(例えば回路基板試験)では極めて近接して配置することができ(100μmまで)、より大きい面積が必要であり非常に狭い間隔が有用でない用途(例えば脳撮像)では、もっと離して配置することができる(1cmまで)。
[0071] 回路ベースプラットフォームは、大きく変更可能かつ精密な間隔を可能とすることに加えて、センサ及びセンサコンポーネントの幾何学的形状に対する制御を可能とし得る。1つの変形例において、回路要素(例えば発振器、増幅器、インダクタ)は、干渉を最小限に抑えるように位置決めされ得る。一例において、インダクタは、近位の磁気センサの検出軸に直交するように回路ベースプラットフォーム110上に位置決めされ得る。別の例において、回路コンポーネントは、干渉を低減するため、ある最小距離をあけて配置することができる。この最小距離は、実装例に固有のものであり得る。別の変形例において、回路ベースプラットフォーム110は、磁気センサ120のセットを格子パターンに(又は代替的な所望の幾何学的形状に)位置決めすることを可能とする。一例において、磁気センサ120のセットは、各センサの感度軸が格子パターンを形成するように回路ベースプラットフォーム上に配置される。この格子パターンは、幾何学的空間パターン(例えば矩形、三角形、六角形、パターン)を含み、隣接するセンサのセンサ向きを交互に配置することができる(例えば、「x」及び「y」方向が交互である、又は「x」、「y」、及び「z」向きが交互である)。これは、より均一なセンサ対象範囲を提供するように機能し得る。システムが特定の場の使用事例で実装される(すなわち、場の位置決めが既知である特定の場を測定するためにシステムが実装される)変形例では、回路ベースプラットフォーム110は、場測定を改善するため、測定対象の磁力線に沿った磁気センサ120のセット(又はそれらのサブセット)の位置決めを可能とし得る。例えば、脳の特定部分からの双極子を測定するシステム実装例(例えば、頭頂葉皮質活動を測定するヘルメットセンサ)では、回路ベースプラットフォーム110は、ヘルメットの一部として、脳の特定部位の真上(例えば頭頂葉皮質の真上)で双極子磁力線(例えばz方向)に沿った1つの磁気センサ(又は複数の磁気センサ)の位置決めを可能とし得る。更に、回路ベースプラットフォームは、双極子磁力線に沿って磁気センサの周りに一連の直交磁気センサ(例えばx及びy方向)を位置決めすることを可能とし得る。第3の変形例では、必要に応じてセンサを2D及び/又は3D空間に配置することができる。例えば遮蔽ヘルメットの一部として、センサは、遮蔽ヘルメットの内側(例えば、ヘルメット表面の内側の2D湾曲超曲面)で2D格子に沿って位置決めされ得る。回路ベースプラットフォーム110は更に、例えば参照測定のため)、ヘルメット外側の他のセンサ及びセンサコンポーネントを可能とし得る。
[0072] システムは磁気センサ120のセットを含む。磁気センサ120のセットは、電磁(EM:electromagnetic)波及び/又はEM波の特性(例えば方向、大きさ、勾配等)を測定するように機能するセンサを含む。すなわち、磁気センサ120のセットは、EM場活動を測定するセンサアレイとして機能する。従って、磁気センサ120のセットはセンサアレイ機能性を提供し、このアレイ機能性を利用して、多次元測定を行い、EM場活動の高分解能「撮像」を「改善し」、及び/又はEM場活動の空間マッピングを提供する。例えば、脳活動を測定するヘルメットの一部としてシステムが組み込まれる変形例では、磁気センサ120のセットはヘルメットの内面全体に広がり、頭部全体のため脳の表面に沿った磁場の大きさの測定を可能とすることができる。別の例では、マイクロチップ構築に用いられるセンサデバイスの一部としてシステムが用いられ、センサアレイは、構築されているマイクロチップの3次元画像を可視化するようにセットアップされ得る。
[0073] システムは、磁気センサ120内の各センサをオン又はオフにして、それらをアクティブ又は非アクティブ状態に設定するように構成され得る。システムは更に、センサのサブセットを同時にオン又はオフにするように構成され得る。本明細書で用いられる場合、センサのサブセットとは、磁気センサ120のセット内の少なくとも1つのセンサから最大では全てのセンサまでを含むセンサ群のことを示し得る。すなわち、磁気センサ120のセット内の少なくとも1つのセンサから最大ではセット全体を含むセンサのサブセットを、機能及び実装ごとに要求に応じてオン又はオフにすることができる。アクティブ及び非アクティブ状態に加えて又はそれらの代わりに、いくつかのシステム変形例が有する磁気センサ120は、様々なパワー状態で動作させることができ、センサがどのように駆動されるかに基づいて、分解能、範囲、精度、サンプリング、ウィンドウ、及び/又は他の動作パターンを調整できる。
[0074] センサのアクティブ/非アクティブ状態を用いて、電力消費を低減することができる(すなわち、非アクティブセンサは電力使用が低減するか又は皆無となり得る)。追加的に又は代替的に、センサのアクティブ/非アクティブ状態は、センサ機能性の一部とすることができる(例えばセンサ間のノイズを防止する)。このため、必要に応じて、センサのサブセットをアクティブ及び非アクティブ状態にすることを繰り返してもよい。1つの変形例では、センサのサブセットを0.1ms未満でアクティブから非アクティブに、またその逆にすることを繰り返すことができる。この「低速」時間の循環は、電力節約の変形例において実装され得る。別の変形例では、センサのサブセットを0.01ms未満でアクティブから非アクティブに、またその逆にすることを繰り返せばよい。1つの変形例では、センサのサブセットを1ms未満でアクティブから非アクティブへ、またその逆にすることを繰り返せばよい。別の変形例では、センサのサブセットを1μs未満でアクティブから非アクティブへ、またその逆にすることを繰り返せばよい。第4の変形例では、センサのサブセットを0.1μs未満でアクティブから非アクティブへ、またその逆にすることを繰り返せばよい。別の変形例では、センサのサブセットを0.01μs未満でアクティブから非アクティブへ、またその逆にすることを繰り返せばよい。1つの変形例では、センサのサブセットを1ns未満でアクティブから非アクティブへ、またその逆にすることを繰り返せばよい。この「高速」時間の繰り返しは、ゴールド符号(gold-coding)又は他のノイズ除去技法の変形例において実装され得る。
[0075] 磁気センサ120のセットは、複数のセンサを含み得る(マルチセンサ)。磁気センサ120のセット内の各センサは、単一の場測定を行う機能を有する単一のセンサを含むか、又は、複数の場測定を行うことができるマルチセンサを含み得る。例えば、単一センサの変形例は、簡単な局地的監視を行えば充分である使用事例において(例えば心拍数モニタとして)実装され得る。あるいは、マルチセンサの変形例では、複数のセンサが心拍数監視を同時に行って、心拍数分解能を改善すること及び/又は心拍数監視中の外部ノイズを最小限に抑えることを可能とする。
[0076] 1つの変形例において、磁気センサ120のセット内の各センサは単一の集積チップ(IC)(すなわちセンサIC)を含み得る。1つのセンサのセンサコンポーネントは、センサICの上に又はセンサICの一部の上に配置されて、センサICが実質的に磁気センサとして機能するようになっている。このように、磁気センサ120のセットは、PCB回路ベースプラットフォーム110上に配置されたセンサICのセットを含む。この変形例が特に有用であり得るのは、各センサがそれ自体のセンサIC上に、又はPCB上でセンサICに隣接して関連付けられた遮蔽を有する特定の遮蔽実装である。更に、この変形例は、マルチセンサシステムと共に他のコンポーネントを追加して用いることを可能とする。
[0077] 別の変形例では、磁気センサ120のセット内のセンサのサブセットを単一のIC上でグループ化することができる。これらのグループ化したICは、ICごとの個々のセンサと同様に、PCB回路ベースプラットフォーム110上に位置決めできる。センサのサブセットを用いて、センサ機能性を最適化すること又は無料の機能性を提供することができる。例えば、各ICは3つの直交磁気センサを含み、単一のICが「x」、「y」、及び「z」方向で場を測定できるようになっている。別の例では、単一のICが2つのセンサを含み、これらは同一方向に沿って場を測定し、2つのセンサ間に明確に決定された空間が存在し得る。この例では、各IC/磁気センサ群が実質的にグラジオメータとして機能し、双方のポイントにおけるEM場の測定を用いて局所場勾配を決定することができる。
[0078] 第3の変形例、すなわちSoC変形例では、磁気センサ120のセット内の全てのセンサが単一のIC上に配置され得る。このため、全てのセンサのセンサコンポーネントはIC上のコンポーネントから成る。この変形例の一例において、回路ベースプラットフォームは、汎用ASSP場測定チップを含み得る。チップを他のデバイス内に組み込んで、デバイスに場測定特性を提供することができる。例えば、ASSP場チップをヘッドセットデバイス内に組み込み、場測定を用いて、(例えば地球磁場に対して)ヘッドセットデバイスの向きを決定することができる。
[0079] マルチセンサシステムのセンサは並列又は直列とすることができる。すなわち、磁気センサ120のセット内の磁気センサのサブセットは、直接又は並列に配置され得る。直列又は並列の配置は、任意の長さスケールで実装され得る。例えば、それぞれ単一のセンサを含むICをPCB上で並列又は直列に配置することができる。追加的に又は代替的に、磁気センサを直接PCB上で並列又は直列に配置してもよい。別の例では、1つのIC上でセンサを並列又は直列に配置することができる。第3の例では、複数のIC上でセンサを並列又は直列に配置し、これらのICをPCB上で並列又は直列に配置することができる。
[0080] 磁気センサ120のセットは、任意の適切なアレイ形態に配置することができる。いくつかの変形例において、磁気センサ120のセットは回路ベースプラットフォーム110上で2Dアレイに配置される。それらは、規則的な格子、線形パターン、円形配置、及び/又は2次元に沿った任意の適切な配列に配置され得る。多くの変形例において、磁気センサのセットは回路ベースプラットフォーム110上で2次元超曲面配置に(例えばヘルメットの内面に沿って、ループ状アームバンドに沿って等)配置される。同様に、磁気センサ120のセットは何らかの線又は経路に沿って連続的に配置され得る。あるいは、磁気センサ120のセットは、例えば特定の用途向けに構成され得る不規則パターンで配置され得る。磁気センサ120のセットは、均一方向に向けてもよく、あるいは異なる向き及び方向を有してもよい。いくつかの変形例では、磁気センサ120のセットを3D空間内に配置することも可能である。1つの基本的な変形例では、磁気センサ120の1つのサブセットをPCBの一方側に位置決めし、磁気センサの第2のサブセットをPCBの反対側に位置決めすることができる。可撓性PCB材料を利用するか、あるいは後で単一ユニットに統合される複数のPCBを利用する複雑なPCB設計では、磁気センサ120のセットは任意の適切な配列に配置され得る。
[0081] チップ当たりのセンサ数は様々に変動し得る。1つの変形例では、チップ当たり10の桁の(例えば10~99の)磁気センサが存在し得る。別の変形例では、チップ当たり100の桁の(例えば100~999の)磁気センサが存在し得る。実際には、磁気センサ120のセットは任意の数のセンサを含み得る。一例では、磁気センサ120のセットは1つのセンサ(例えば心臓センサ)を含み得る。別の例では、磁気センサ120のセットは2つのセンサを含み得る。別の例では、磁気センサ120のセットは4つのセンサを含み得る。別の例では、磁気センサ120のセットは10の桁のセンサのセンサセットを含み得る(例えば10~90のセンサ)。別の例では、磁気センサ120のセットは100の桁の(例えば100~1000の)センサのセンサセットを含み得る。例えばシステムは、100~200のセンサの領域(patch)を可能とするように実装され得る。別の例では、磁気センサ120のセットは、1000を超えるセンサを有するセンサセットを含み得る。例えば、ヘルメット又はアームバンドは、数千のセンサを含むためにシステムの複数の事例(instance)を使用することができる。センサの数は実装例に固有のものであり、センサの範囲は大きく変動し得る。例えばアームバンドは、末梢神経の検知のため(例えば数千のセンサ)、ゲーム用制御インタフェースのため(例えば数百のセンサ)、又は接続されたデバイスのため(例えば数十のセンサ)、実装され得る。別の例のヘルメット実装例では、ヘルメットは、脳から直接データを必要とする(例えば数千のセンサ)か、診断又は脳訓練データのために使用される(例えば数万のセンサ)か、小さいエリアの脳検知のための脳領域(例えば数百のセンサ)、又は、瞑想や睡眠のようにゲーム又は健康の用途で使用され得る(例えば数十のセンサ)。
[0082] 磁気センサ120のセット内の各センサは、同一又は異なるものとすることができる。1つの変形例では、磁気センサ120のセット内の全てのセンサは同一の磁力計(すなわち場センサ)を含む。別の変形例では、磁気センサ120のセットは異なるタイプの磁力計を含み得る(例えば、一般的な測定用の耐久性は高いが低感度の磁力計、及び、精密測定用の高感度かつノイズに敏感な磁力計)。各センサは少なくとも1つの場センサを含み得るが、複数の場センサを含んでもよい。磁気センサのタイプの例には、ホールセンサ、フラックスゲート、ADFMRセンサ、巨大磁気抵抗(GMR:giant magnetoresistance)センサ、及び磁気抵抗(MR:magnetoresistance)センサが含まれる)。
[0083] 磁気センサ120のセットに加えて、システムは、他のタイプのセンサからのデータを含むか又は組み込むことができる。これらの追加センサは、新しい機能性を加える(例えば、位置検出、動き検出、温度検出、EM場勾配測定)、及び/又は、磁気センサの機能性を向上させることができる(例えば、ノイズ低減、信号対ノイズ比(SNR)増幅、電力使用低減、EM場測定の改善)。望ましいセンサコンポーネントの例は、慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)、加速度計、追加の磁力計、デジタル体温計、GPS受信器、IRセンサ、カメラ、通信アンテナ、マイクロプロセッサ、信号増幅器、バンドパスフィルタ、減衰器、インダクタ、移相器、カプラ、ミキサ、整合ネットワーク、アナログ-デジタル変換器、及び比較器を含み得る。これらのセンサを、場センサのデータ入力と連携して用いることができる。例えば、これらのセンサを用いて望ましくない外部信号(例えばノイズ)を識別し除去することができる。また、別の例では、デバイス移動及び向きの知識を利用して地球磁場の除去を改善することができる。実装例に応じて、磁気センサ120のセットと共に又はそれとは別個に、他のタイプのセンサを組み込むことができる。1つの例は、遮蔽の内部にセンサが格子状に存在する場合の、遮蔽の外部の参照センサである。1つの実装例では、脳活動を測定するヘルメット用の参照センサを、頭部から大きく離れた人体の部位に(例えば人の足に)位置決めすることができる。
[0084] 好適な変形例において、磁気センサ120のセット内の磁気センサは音響駆動強磁性共鳴(ADFMR)センサデバイスである。ADFMRセンサデバイスは単一センサ又はマルチセンサアレイを含むことができ、これは以下で記載するように、ADFMRセンサを含む少なくとも1つのADFMR回路を含み、更に追加回路(例えば参照回路)も含み得る。図3は、単一のADFMRセンサを含む単一のADFMR回路を備える簡略化したADFMRセンサデバイスを示す。ADFMRセンサデバイスは、ADFMRセンサによってEM場を測定するように機能する。言い換えれば、磁気ひずみ要素すなわち表面音響波(SAW)デバイスを通って圧電基板の表面上を伝搬する音響駆動波によってEM場を測定する。音響波と磁気ひずみ要素との相互作用は、磁場に強く依存する。EM場の存在下で、伝搬する音響波は場の強度に比例して変化するので、これによって場の測定が可能となる。
[0085] ADFMRセンサは、少なくとも1つの音響共振器(例えばIDT)と磁気ひずみ要素(例えば強磁性体)とを含むことができる。ADFMRセンサのSAWデバイス変形例(すなわち少なくとも2つのIDT音響共振器)において、ADFMRセンサは、図4及び図6から図14に示されている任意の幾何学的形状、及び/又は、これらの図を組み合わせた及び/又はこれらの図に示されているコンポーネントを追加した、より複雑な幾何学的形状を含み得る。一般に、IDTは、任意の周波数関数範囲のために構成され得る、すなわち、狭帯域幅又は広帯域幅の所望の周波数に設定され得る。磁気ひずみ要素は、単に強磁性体と呼ばれるが、任意の一般的な磁気ひずみ要素(例えば反磁性体、常時生体、反強磁性体等)とすることができる。更に、磁気ひずみ要素は、上述の方法を用いて、及び/又は磁気ひずみ要素をバイアスさせるために使用される任意の他の方法を用いることで、任意の方向バイアス(例えば「x」方向、「y」方向、「z」方向)を与えることができる。ADFMRセンサデバイスは、ADFMRセンサに加えて、ADFMRセンサデバイスについて以下で記載されるいずれかの及び/又は全ての回路コンポーネントを含み得る。
[0086] ADFMRセンサデバイスは、ADFMRセンサを含むADFMR回路を含む。図4のADFMRセンサのモデル概略図で示されているように、ADFMRセンサは、音響波を伝搬させるための櫛形トランスデューサ(IDT)すなわちSAWデバイスを利用することができる。図5で示されているように、IDTは、(例えば圧電基板上に)周期構造を形成する相互にかみ合った櫛形アレイの金属電極を含み得る。あるいは、音響波を発生させるために他のタイプの音響共振器を利用してもよい。図4の変形例では、IDTによって音響駆動波が発生及び吸収される。すなわち、入力IDTが音響波を発生させ、出力IDTが「変更された(modified)」音響波を吸収する。IDTは、電気信号(例えば無線周波数信号)を音響波に変換し(入力IDT)、音響波を電気信号に変換する(出力IDT)ことができる音響共振器である。入力IDTは、圧電効果を用いて無線周波数(RF)電気信号を表面音響波(SAW)に変換することにより機能する。出力IDTは、SAWを吸収してこれを電気信号に再変換することにより機能する。
[0087] 入力IDTは、固有の電気信号帯域幅で機能することができる。すなわち、特定の周波数範囲の電気信号は入力IDTが音響波を発生するように誘導できるが、この範囲外の周波数はIDTに対してほとんど又は全く効果を持たない。すなわち、入力IDTの周期構造に対して共鳴する相補的な電気信号がSAWを発生させる。入力IDTの帯域幅は所望のように設定すればよい。いくつかの変形例において入力帯域幅は狭く(例えば1MHz)、いくつかの変形例において入力帯域幅は広い(例えば500MHz)可能性がある。変形例において、磁気センサのセットは、少なくともADFMRセンサデバイスのサブセットにおける測定機能の選択のため、異なるように較正されたIDTを有するADFMRセンサデバイスを用いることができる。
[0088] いくつかの変形例において、入力IDTは複数の電気信号帯域幅で機能することができる。すなわち、複数の異なる帯域幅の電気信号は入力IDTが音響波を発生するように誘導できるが、これらの範囲外の周波数はIDTに対してほとんど又は全く効果を持たない。これらの変形例において、異なる各帯域幅は、入力IDTがその帯域幅に対応する別個の音響波を発生するよう誘導することができる。更に、これらの変形例において、入力IDTは複数の異なる周期構造を含むことができ、各周期構造が活性化共振周波数電気信号に対応する。複数帯域周波数入力IDTは、複数の場測定で用いるためADFMRセンサの多重化を可能とし得る。例えば、2周波数平面場の実装例では、1つの周波数帯域幅を用いて「x」方向の場を測定し、1つの周波数帯域幅を用いて「y」方向の場を測定することができる。広帯域IDTは、電気発振器を利用して、広い帯域幅での動作を可能とする別個の様々な周波数を発生させることができる。例えば、500MHzの広帯域幅入力IDTは、1MHz離隔した500の固有の信号を「多重化する」ことができる。追加的に又は代替的に、入力IDTは、マルチバンド周波数を可能とするため高調波周波数を用いて動作できる。高調波周波数はIDT設計によって調節され得る。1つの例示的な実装例では、100MHzの基本周波数を有する入力IDTは、200MHz、300MHz、400MHz等の高調波周波数を有し得る。別の例示的な実装例では、100MHzの基本周波数を有する入力IDTは、300MHz、500MHz等の高調波周波数を有し得る。
[0089] また、ADFMRセンサは方向性(又は複数の方向性)を有し得る。すなわちADFMRセンサは、1又は複数の特定の向き又は方向のEM場に対して感度が高いが、直交方向の場に対しては最小限に応答し得る。ADFMRセンサは、方向性(方向性バイアスとも呼ばれる)を有するように生成又は誘導することができる。すなわちADFMRセンサは、方向に対して特定的とすることができる。方向性バイアスは、ADFMRセンサを構成する1又は複数の強磁性体の磁気応答を調節することによって実装され得る。実装される調節の例は、交換バイアス、双極子バイアス、及び/又は形状異方性の使用を含み得る。任意の数のバイアス又は他の方法を用いてADFMRセンサの方向性を誘導することができ、システムは任意の所望のタイプのバイアスを用いたADFMRセンサを実装できる。このように、異なる各磁気ひずみ要素(例えば強磁性体)がそれ自体のバイアスを有することで、異なる向き測定を実行できる。
[0090] 第1の変形例では、交換バイアスADFMRセンサが実装される。交換バイアスADFMRセンサは、強磁性体の上又は下に配置された反強磁性層を含む。反強磁性層の磁化は、強磁性層の磁化を特定方向に固定するよう機能することができる。
[0091] 第2の変形例では、双極子バイアスADFMRセンサが実装される。双極子バイアスADFMR回路は、所望のバイアスの方向に沿って並べた1又は複数の追加の磁石を含む。
[0092] 第3の変形例では、異方性ADFMRセンサが実装される。異方性ADFMRセンサに含まれるADFMRセンサでは、強磁性体が磁化される。磁化強磁性体は所望の方法で実装され得る。一例では、ADFMRセンサデバイスの製造中に強磁性体を磁化することができる。強磁性フィルムを堆積しながら磁場を印加することにより、強磁性体を磁化できる。第2の例では、システムに磁場を印加しながらADFMRセンサ(すなわち強磁性体)を加熱する。
[0093] 第4の変形例では、形状バイアスADFMRセンサが実装される。この変形例では、強磁性体の形状が、ADFMRセンサで方向性バイアスを実装するように機能する。例えば、楕円形の強磁性体は楕円の長軸に沿った方向性バイアスを有し得る。あるいは、円形の強磁性体は方向性バイアスを誘導しない場合がある。
[0094] いくつかの変形例において、各ADFMRセンサは、所望のように様々な数の複数のセンサ(すなわちマルチセンサ)を含み得る。マルチセンサは直列又は並列とすることができる。特に明記しない限り、本明細書では、1つ又は複数のセンサを含むADFMRセンサを区別しない。すなわち、ADFMRセンサ及びADFMRマルチセンサという用語は、1又は複数の場測定を行うことができるADFMRセンサを示すために等しく使用され得る。同様に、ADFMRセンサデバイスは、複数のEM場を測定する能力を有することを示唆する。ADFMRセンサデバイスのマルチセンサ機能は1つのADFMRセンサを用いて組み込むことができ、及び/又は、ADFMRセンサデバイスは複数のADFMRセンサを含み、各ADFMRセンサは追加的にマルチセンサ機能を有し得る。一例において、マルチセンサ機能は、複数の方向性バイアスされたセンサを備えるADFMRセンサデバイスとすることができる。この例の一実装例では、図6で示されているように、2つの直交ADFMRセンサを用いて平面内のEM場を測定することができる(例えば、1つのセンサをx方向に位置合わせし、1つのセンサをy方向に位置合わせする)。同様に、3つの直交ADFMR回路によってEM場の3次元測定を可能とすることも可能である。第2の例では、ADFMRセンサデバイスは同一の向きに沿った少なくとも2つのセンサを含み得る。図7で示されているように、複数のADFMRセンサを同一の向きに沿って実装することができる(例えば2つのセンサを平行方向に位置合わせする)。同一の向きに沿った複数の場の測定は、EM場の勾配の測定を可能とし、場測定のノイズ低減に役立ち、及び/又は場測定の空間分解能を改善することができる。あるいは、図8及び図9で示されているように、勾配を測定するように単一のADFMRセンサを組み込んでもよい。第3の例では、各センサが、(同一及び異なる)全ての向きのADFMR回路を有することで、EM場と場勾配の測定を可能とする。
[0095] EM場を測定するために、より多くのセンサノードを提供することに加えて、ADFMRマルチセンサは、多次元場測定、場勾配測定、及び、場測定と場勾配測定の双方の分解能向上を可能とし得る。あるいは、ADFMRマルチセンサによって他の機能性を提供してもよい。
[0096] いくつかの変形例において、システムは、様々な数及び機能性のIDT(例えば低周波数IDT、高周波数IDT)、並びに強磁性体(「x」方向バイアス強磁性体、「y」方向バイアス強磁性体」)を組み込むことができる。IDTの様々な実装例によって、センサ出力を区別すること、センサ機能性を向上させること、及びセンサ多重化を可能とすることができる。例えば周波数多重化を含む変形例において、磁気センサ120のセットは、磁気センサの1つ又は複数の周波数サブセットを含んで、周波数サブセット内の各磁気センサへ方向付けられた信号入力が別個の周波数帯域幅であるようにすることができる。この別個の周波数帯域幅は、各磁気センサの信号出力から識別可能であり得る。すなわち、周波数サブセット内の各磁気センサからの信号出力は周波数によって識別可能であり得る。時間多重化を含む変形例において、磁気センサ120のセットは、磁気センサの1つ又は複数の時間サブセットを含んで、時間サブセット内の各磁気センサへ方向付けられた信号入力が別個の時間間隔で発生されるようにすることができる。それに応じて、時間サブセット内の各磁気センサからの信号出力は、信号出力の別個の時間間隔によって識別可能であり得る。一例において、時間サブセット内の各磁気センサの信号入力時間間隔は、時間サブセット内の他のいずれの磁気センサの信号入力時間間隔とも重複しない(すなわち、信号入力は同時に発生しない)。それに応じて、時間サブセット内の各磁気センサからの信号出力は、所与の時間における唯一の信号出力として識別可能であり得る。第2の例において、時間サブセット内の各磁気センサの信号入力時間間隔は、信号入力のアクティブ及び非アクティブの時間間隔を含む別個の時間パターンを含む。それに応じて、時間サブセット内の各磁気センサからの信号出力は、アクティブ及び非アクティブ時間間隔を含む別個の時間パターンによって識別可能であり得る。
[0097] 強磁性体の数を変動させると、実質的に、複数測定のためセンサ数を変化させることができる。簡単にするため、2つのセンサコンポーネント(例えば2つの入力IDT、2つの強磁性体、2つの出力IDT)の構成の変形例について検討する。同じパターンを拡張して、任意の数のADFMRコンポーネントを備える変形例を実装することができる。実装例に応じて、異なる構成の入力IDT及び出力IDTを用いたADFMRコンポーネントの異なるサブセットをグループ化できる。場合によっては、異なる周波数で動作する複数の入力/出力IDTを共に接続し、単一の(又は「組み合わせた」入出力として用いてもよい。単一のADFMR回路上に複数の強磁性体を含めると、実質的に単一のセンサがマルチセンサに変換されることに留意するべきである。このため、マルチセンサについての検討は、複数の強磁性領域を有するか又は複数のADFMR回路を組み込んでいるADFMRセンサを等しく示し得る。言い換えると、単一のADFMRセンサは、磁気センサ120のセット内の1つ又は複数のセンサを含み得る。
[0098] 1つの変形例では、図4で示されているように、磁気センサ120のセット内のADFMRセンサは単一の入力及び出力IDTを有する。各ADFMRセンサにおいて、これらのIDTペアは、入力IDTによって設定された何らかの帯域幅で機能する。これは狭帯域幅であるか、又は広帯域幅である可能性がある。図10で示されているような多少類似した構成は、2つのADFMR回路のために同一の強磁性体/磁気ひずみ要素を組み込むことができる。本明細書では、場測定は相互に位置的に近接して固定される。
[0099] 別の変形例において、マルチセンサは、単一の強磁性及び単一の出力IDTのために複数の入力IDT(例えば2つのセンサ用)を有し得る。複数の入力IDTは、複数の周波数及び/又は複数の帯域幅でEM場を測定することを可能とし得る。単一の強磁性体では、この構成はグラジオメータ実装例に有用であり得る。図11で示されているように、2つの入力IDTでは、2つの入力IDTの各々が別個の周波数をSAWに変換することができる。印加されたEM場の測定における2つの周波数間の差によって、ノイズを検出してシステムから除去すること及び/又は場勾配を測定することが可能となり得る。ADFMRセンサは単一の出力IDTを有するが、2つの入力IDTが異なる帯域幅で機能する場合、(入力IDTからの)2つの異なる信号を周波数ドメインによって隔離することができる。あるいは、2つの入力IDTからの交流(パルス)信号によって2つの異なる信号を隔離できる。
[00100] 別の変形例では、図8で示されているように、各ADFMRセンサは単一の入力IDT及び単一の出力IDTを有する。単一の入力IDTは音響波を発生し、この音響波は2つの異なる強磁性体(例えば「x」方向バイアス及び「y」方向バイアス強磁性体)を伝搬し、次いで単一の出力IDTは全ての出力音響波を集めて単一の出力信号にする。入力IDTは広帯域信号IDTであるか、あるいは入力IDTは狭帯域幅である可能性がある。広帯域信号IDTは、「y」強磁性体に対して「x」強磁性体を通る信号の分離を可能とし得る。この変形例によって、単一のADFMRセンサが、実質的にマルチセンサ(例えば2つの方向の場を測定する)として機能することが可能となる。この周波数多重化の実装例では、単一のデジタル化チェーンが実装される。すなわち、出力信号のデジタル化及びフーリエ変換によって、異なるセンサデータを後に抽出することができる。
[00101] 複数の強磁性体、単一の入力IDT、及び単一の出力IDTを備えるADFMRセンサの代替的な変形例では、強磁性体はADFMR回路に沿って並行して配置され得る。図9で示されているように、2つの異なる強磁性体は並行しており、各強磁性体が異なる方向バイアスを有する(例えば「x」及び「y」方向)。この変形例において、単一の入力信号は双方の強磁性体を通り、単一のデジタル化チェーンを進む。
[00102] 1つの変形例では、図12で示されているように、ADFMR回路の強磁性体は単一の入力IDT及び2つの出力IDTに接続され得る。この構成の一例において、入力IDTは広帯域とすることができ、2つの出力IDTは狭帯域である。このため、出力IDTを用いて、多周波数入力信号を、それぞれが固有の処理及びデジタル化チェーンを有する異なるチャネルに分割することができる。この構成によって、2つの出力チャネル上で相関測定を実行し、処理及びデジタル化チェーンから追加ノイズを除去することを可能とする。
[00103] 別の変形例では、図13で示されているように、ADFMRセンサの各強磁性体は異なる入力IDTを有し、全ての信号は単一の出力IDTを通って出る。従って、この変形例は単一のデジタル化チェーンを有し、2つの強磁性体からの信号を分離する必要がある。信号の分離は、周波数ドメイン又は時間ドメインのいずれかにより実行され得る。一実装例において、2つの入力IDTは異なる周波数帯域幅で機能する。2つの異なる周波数ドメインからの信号を隔離することにより、2つの異なる強磁性体からの出力を分離することができる。別の実装例では、2つの入力IDTに対する電気信号を交番させる(alternate)ことができる。すなわち、信号をパルス化して、2つの強磁性体からの出力を分離することができる。各強磁性体の出力信号は、異なる時間間隔に位置付けられる。この実装例は更に、システムとの間のセンサノイズを低減するのに役立ち、干渉計及びグラジオメータの双方の実装に有用であり得る。
[00104] 1つの変形例では、図10で示されているように、各ADFMRセンサは各強磁性体に対して2つの入力IDT及び2つの出力IDTを有する。この変形例では、2つの別個の周波数ドメインで場を分析することができる。これによって信号ノイズの低減が可能となり得る。更に、2つの出力IDTは、SAWを電気信号に変換する場合に帯域幅を狭くすることによってノイズを低減できる。
[00105] 別の変形例では、図14で示されているように、各ADFMR回路は、単一の入力IDT、2つの強磁性体、及び2つの出力IDTを有する。この変形例において、各強磁性体はそれ自体の出力IDTを有し、従ってデジタル化チェーンを有する。この変形例では、2つの異なる強磁性体に対してセンサの一部として同一の入力信号を用いることができる。この変形例は、広帯域又は狭帯域信号と共に用いることができ、異なる出力を分離するために周波数分離は必要ない。更に、入力を最小限に抑えることで、この変形例を用いる電力コストを低減できる。
[00106] 図4で示されているような基本の簡略化概略ADFMRセンサと、図6から図14で示されているようなADFMRセンサ概略の変形例は、ADFMRセンサの変形例のサンプル表現を提示する。これらのサンプル表現において、任意の1つのコンポーネントの数は2に限定される(例えば2つの入力IDT、2つの強磁性体、2つの出力IDT)。基本のADFMRセンサ及びサンプル表現は概して、どのように追加のコンポーネントを加えられるか、及び、どのように強磁性体を位置決めできるか(例えば直列、並列、又は物理的に拡張される)を示す。一般に、ADFMRセンサは、サンプル表現のいずれかを拡張すること及び/又はサンプル表現を組み合わせることにより、任意の数のコンポーネントを備える任意の所望のサイズに拡張できる。
[00107] システムは、磁気センサ120のセット内のセンサのサブセットをオン又はオフにするよう構成され得る。ADFMRセンサデバイスの変形例では、ADFMRセンサデバイス及び回路コンポーネントを所望のように活性化又は非活性化することができる。より正確に言えば、システムは、磁気センサ120のセット内の個々のセンサコンポーネント(例えば入力IDT、出力IDT、ADFMRセンサに対するパワー等)、個々のセンサ、センサコンポーネントのサブセット、及び/又はセンサの任意のサブセットを、いつでもオン又はオフにするよう構成され得る。いくつかの変形例において、システムは、サブマイクロ秒精度の時間でセンサ及び/又はセンサコンポーネントをオン又はオフにするよう構成され得る。一実装例では、センサ及びセンサコンポーネントを1マイクロ秒精度でオン又はオフにすることができる。別の実装例では、センサ及びセンサコンポーネントを0.1マイクロ秒精度でオン又はオフにすることができる。別の実装例では、センサ及びセンサコンポーネントを10ナノ秒精度でオン又はオフにすることができる。別の実装例では、センサ及びセンサコンポーネントを1ナノ秒精度でオン又はオフにすることができる。センサ及びセンサコンポーネントの機能のこの独立性は、デバイス機能性を向上させること及び/又は追加の機能性を実装することを可能にする。例えば、磁気センサ120のセット内の複数のサブセットを次々と活性化することで、単一のセンサのセンサノード又はセンサ群がEM場をアクティブに測定している間に他の付近のセンサを非アクティブとすることができる。このタイプの測定は、測定中の外部センサノイズ(すなわちクロストーク)を低減することにより、活性化されたセンサが測定するノイズを低減することに役立ち得る。この例のいくつかの実装例では、特定のセンサコンポーネントのみ(例えば無線周波数信号を発するコンポーネント)をオフにすることができる。第2の例では、センサは概ね非アクティブであり、特定の時点(何らかの活動周波数)にのみ活性化される。この第2の例は更に、電力消費の低減に役立ち得る。
[00108] いくつかのマルチセンサ/多重化の変形例において、隣接するセンサは、アクティブ状態と非アクティブ状態が交番するように構成され得る。アクティブ状態から非アクティブ状態へ(及びその逆へ)の交番は、EM干渉を低減するように機能できる。このように、音響波伝送の時間的使用を利用して、無線周波数(RF)ノイズを低減することができる。音響波伝送の時間的使用の一例では、音響波が各ADFMRセンサ回路を伝搬するために約100~1000nsを要する。2センサのマルチセンサでは、まず第1のセンサのための励起信号を500nsまでの間活性化し、次いでオフにする。次いで、第2のセンサのための励起信号を500nsまでの間活性化し、次いでオフにする。センサはオン及びオフを交互に繰り返す。このように、干渉(すなわちクロストーク)を低減させながら、第1のセンサ及び第2のセンサからの音響波を用いることができる。
[00109] システムは回路システム130を含む。回路システム130は、システムのセンサ及び他のコンポーネントの電気的統合として機能する。このため回路システムは、磁気センサ120のセットに対する信号入力と、磁気センサ120のセットからの信号出力とを含む。回路システム130は更に、回路信号入力及び信号出力を変更する中間回路コンポーネントを含む。中間コンポーネントの例には、電源、ミキサ、フィルタ、アナログ-デジタル変換器、デジタル-アナログ変換器、減衰器、インダクタ、移相器、増幅器等が含まれる。
[00110] 回路システム130は信号入力及び信号出力を含む。信号入力は磁気センサ120のセットに対する信号であり、信号出力は磁気センサのセットからの信号であるので、特にセンサの直列構成では、何が「入力」又は「出力」であるかは常に明らかであるわけではない。一般に、信号入力及び信号出力という用語は、磁気センサセットとの相互作用よりも前(すなわち信号入力)、及び、磁気センサセットとの相互作用の後の信号を記述するために用いられる。特定のセンサ相互作用を記述するためには、より正確な言語が用いられる。
[00111] 回路システム130は信号入力を含む。信号入力は、磁気センサ120のセット内の各磁気センサへ方向付けることができる電気発振器信号入力である。最初は電気発振器信号であるが、信号入力を変更する(例えば表面音響波に変換する)ことも可能である。
[00112] 回路システム130は信号出力を含む。信号出力は、磁気センサ120のセットの信号出力を含む。このため信号出力は、磁気センサ120のセットの磁場測定を含む。好ましくは、磁気センサ120のセット内の各磁気センサからの信号出力は個別に選択可能である。
[00113] いくつかの変形例において、システムは遮蔽140(センサ遮蔽とも呼ばれる)を含み得る。遮蔽140は、場測定に対する環境の効果(例えば地球磁場、局所磁場)及びシステムの(例えばセンサが発生した)ノイズの効果を隔離又は補償するように機能できる。このように、遮蔽140は、遮蔽コンポーネントを利用して、マルチアレイ検知コンポーネントの機能性、精度、及び/又は精密さを向上させることができる。センサ遮蔽140は、センサコンポーネント、磁気センサ120のセット内の各センサ、センサ群、回路ベースプラットフォーム110、及び/又はシステム全体のための遮蔽コンポーネントを含み得る。センサ遮蔽140のタイプは、実装例に応じて、また、どのタイプの信号を遮蔽したいかに応じて、変動する可能性がある。遮蔽140は受動型又は能動型の遮蔽を含み得る。受動型遮蔽は、磁気センサ120のセットを取り囲む1又は複数の高透磁率材料を含み得る。受動型遮蔽の例はミューメタル又はファラデー箱を含む。例示的な能動型遮蔽は磁場コイルを含む。遮蔽140の組み込みは選択的とすればよい。すなわち、遮蔽140は、磁気センサ120のセット内の磁気センサのサブセットを望ましくないノイズから「保護する」ために組み込むことができる。これは様々な理由で実行され得るが、特に、環境ノイズ及びシステムノイズの双方の測定を可能とするために行われる。
[00114] 多くの変形例において、受動型遮蔽の組み込みは、受動型遮蔽であるような実装例に固有のものとすればよい。例えば、ヘルメットに組み込まれたマルチアレイ磁気検知コンポーネントの一実装例において、受動型遮蔽は、ヘルメットの一部としてユーザの頭部にぴったりフィットするほぼ球形の(例えば半球形の又は頭部/ヘルメット形状の)遮蔽を含み得る。次いで、球形の遮蔽内に磁気センサ120のセットを配置することで、センサを外部環境から受動的に遮蔽する。「zに向けた」センサの別の例では、遮蔽は、長軸がzに沿っている円筒形(例えばファラデー箱)を含み、「x」及び「y」方向の磁場を遮蔽することができる。第3の例では、センサ間に受動型遮蔽(例えばミューメタル)を組み込むことにより、センサ間のクロストークノイズを防止及び/又は低減することができる。
[00115] 能動型遮蔽の変形例において、遮蔽140は、処理システムと共に機能して、システム及び外部のノーズ要素を変更、隔離、及び/又は打ち消すことができる。1つの能動型遮蔽140の変形例において、遮蔽は磁場コイル(FC:field coil)を含み得る。磁場コイルは、直流(DC)コイル、交流(AC)コイル、及び/又は磁場を生成するための任意の適切なコイルもしくはシステムとすればよい。電力出力をオフセットするための磁場を生成できる他の任意の適切なコンポーネントを用いてもよい。磁場コイルは、センサの出力を正又は負にオフセットさせるための磁場バイアスを発生するように機能する。1つの変形例において、磁場コイルは、システムに近接した外部場を実質的に低減及び/又は打ち消す局所場を発生させることによって外部場を無効にする。別の変形例において、磁場コイルは、減算/ノイズ除去バイアスポイントを最適化することにより、キャンセルループからの出力電力を低減できる。磁場コイルは、回路コンポーネントが線形に機能する小さい出力レジームに電力出力をオフセットさせるように実装され、これによって非線形性に対する系統的誤差を低減することができる。例えば、センサ出力に比べ、増幅器ははるかに小さい線形増幅範囲を有し得る。従って、センサ出力範囲を縮小すると、増幅器の線形機能性が可能となる。磁場コイルは、必要に応じて任意の周波数(又は周波数の組み合わせ)で磁場を印加し得る。例えば、システムが、地球磁場に加えて電力線からの望ましくない大きい信号(例えば60Hz)に露呈された場合、電力線によって変化する望ましくない場及び地球磁場を打ち消すことができる。磁場コイルを用いて、任意の適切なタイプの打ち消す磁場を印加することができる。
[00116] 磁場コイルは、電力出力を任意の所望の範囲にオフセットすることができる。いくつかの変形例において、磁場コイルは外部場をほぼゼロにオフセットすることができる。他の変形例では、磁場コイルは代替的に又は追加的に、センサが最適に機能する範囲に磁場をオフセットすることができる。例えば、システムがグラジオメータとして使用される実装例において、磁場コイルは、外部場の変化が電力出力の最大の変化(例えば出力電力スペクトルの変曲点)を引き起こすレジームに磁場をオフセットすることができる。このため、所与の周波数で、磁場コイルは、活動の中心が曲線の変曲点となるように外部場を変更することができる。
[00117] いくつかの変形例において、システムは処理システムを含み得る。処理システムは、回路ベースプラットフォーム上に配置されたシステムコンポーネント(すなわちプロセッサ)、又は、システム及びシステムコンポーネントと共に動作する外部コンポーネントを含み得る。すなわち、処理システムは他のシステムコンポーネントに直接取り付けてもよい。あるいは、システムが処理システムを含まないこと、又は外部処理システムを利用することも可能である。
[00118] 処理システムは、磁気センサ120のセットからのセンサ信号をデジタル化し、各センサ信号を隔離するように機能する。つまり、マルチセンサの変形例において処理システムは、信号の処理、すなわち信号のデジタル化及びセンサ出力の分離に関与し得る。このため処理システムは、複数の並列センサから発生された出力信号を取得し、信号から各センサの出力を隔離する。更に処理システムは、異なるシステム動作モード(例えば低電力動作モード及び較正モード)を可能とすると共に制御するよう機能し得る。
[00119] 処理システムがセンサ信号を隔離するために必要な「処理」の複雑さは、実装例に固有のものであり得る。例えば図6で示されているように、各センサが異なる出力を有する変形例では、各センサ信号は明らかに隔離され、処理はほとんど又は全く必要ない可能性がある。図11で示されているように、各センサが異なる周波数帯域幅で機能する変形例では(例えば、入力IDT1及び入力IDT2が異なる帯域幅でSAWを発生するように機能する場合)、処理システムは周波数を隔離してセンサ出力を決定することができる。図8で示されているように、単一入力の広帯域信号及び単一の出力を備える別の変形例では、処理システムは単一の出力信号をデジタル化し、出力信号をフーリエ変換(例えばFFT)して、各センサから異なる出力を取得できる(例えば、2つのセンサ出力に対する単一の出力信号は、各強磁性体から1つずつの、2つの信号に分離される)。別の変形例では、時間ドメインを用いてセンサ情報を隔離することができる。例えば図11で示されているように、各センサは異なる時間に機能し、処理システムは次いで時間ドメインを用いて各センサ出力を隔離できる。従って、システムは異なるセンサ間で入力信号を循環させ得る。
[00120] 処理システムは更に、必要に応じてセンサコンポーネント及び他のシステムコンポーネントを制御すると共に、システムコンポーネントが取得したデータを「処理する」ように機能し得る。また、特に能動型遮蔽の変形例では、処理システムはアクティブなノイズ検出及びフィルタリングに関与し得る。アクティブなノイズ検出及びフィルタリングは、センサ遮蔽コンポーネントを用いて又は用いることなく実行され得る。更に、遮蔽140のコンポーネントを用いて、検出したノイズ成分を打ち消すことができる。例えば磁場コイルを用いて、環境場ノイズを打ち消す磁場を発生させることができる。
[00121] 実装例に応じて、処理システムは特定の動作モードの変形例を可能とし得る。動作モードは、センサ測定の向上、システム電力使用の変更、(例えば能動型遮蔽コンポーネントと連携した)システムノイズ低減の向上、動作用のシステム較正を行うための、システムコンポーネントの動作及び処理を含み得る。動作モードは一般に、特定のシステム実装例に対して利用可能であるか又は固有のものであり得る。例えば、アクティブノイズ低減モードは、遮蔽140を含まないシステムでは利用可能でない場合がある。
[00122] 処理システムは空間的平均化モードを含み得る。空間的平均化モードは、センサデータのコースグレイニングの実装例として機能する。空間的平均化モードでは、センサノードをクラスタにグループ化し、各クラスタでセンサデータを空間的に平均化する。コースグレイニングは、システムノイズを低減し、クラスタサイズの指示(order)によって逆問題を簡略化し得るが、EM場プロファイルの精密さが犠牲になる。EM場の進化の時間スケール及びその他の所望のファクタに応じて、処理システムは、コースグレイニングのために実装されるコースグレイニングのレベルを決定することができる。例えば、EM場が時間のオーダーで進化し、500のセンサノードを含む小さい心臓領域のためのものである場合、処理システムは空間的平均化モードを実装しない場合がある。あるいは処理システムは、ミリ秒のオーダーで進化するEM場に対して、クラスタサイズ100(例えばヘルメットの10000のセンサノード)の空間的平均化を実装し得る。いくつかの実装例において、ユーザ/管理者は空間的平均化のレベルを設定することができる。
[00123] 処理システムは更に最適化モードを含み得る。最適化モードによってシステムは、信号対ノイズ比(SNR)を改善し、場の計算を最適化し、及び/又は場の計算を迅速化することができる。最適化モードは、計算の反復において結果を改善する方法を含み得る。最初の計算によって(例えば、粗視化による空間的平均化モードを最初に用いて)、処理システムは、EM場のソース及び全体的なプロファイルを決定できる。最適化モードでは、反復計算によって処理システムは、場の計算を簡略化し改善するために重要でない(例えばソースから遠い)センサノードを非活性化することにより、実装例に使用されるセンサノードの数を低減できる。これによって、必要なコースグレイニングのレベルを低下させ(例えば精密さを増大させ)、不必要なセンサノードからのシステムノイズを低減することができる。
[00124] 処理システムはノイズ低減動作モードを含み得る。ノイズ低減モードはノイズを低減するように機能する。ノイズ低減モードは、外部ノイズ(例えば地球磁場)と内部ノイズ(例えばシステム非線形性)の双方を低減するための複数の実装例を含み得る。一実装例において、外部ノイズは、外部磁気センサによって(例えばセンサ120のセットの付近又は周囲に配置された1又は複数の磁場コイルによって)測定された外部磁場を減算することにより低減できる。この外部センサは、磁気センサ120のセット内の磁気センサとしてもよいが、ノイズ低減のために用いられる別個の磁気センサであってもよい。アクティブノイズ低減モードにおいて、磁場コイルは、センサ120のセットに近接した環境場を打ち消すための磁場を発生する。
[00125] 別の実装例では、空間的平均化によって内部ノイズを低減することができる。
[00126] 第3の実装例では、検出された場をセンサの線形レジーム(例えばほぼゼロ)に正規化することによって、不正確さ(例えば非線形性に起因する不正確さ)を低減し、これにより各センサのノイズを軽減できる。更に、この実装例でシステムは、線形化回路を備えるセンサを含み得る。線形回路センサは、磁気センサ120のセット内のセンサ、又はセンサデータの線形化に最適な別個のセンサとすることができ、これにより磁気センサは、図15のグラフに示されているように、線形レジームで又はその付近で「改善された」場測定を行うことができる。更に、磁場コイルを含む変形例では、較正動作モードにおいて、磁場コイルは、センサ120のセットによって行われる場測定を場測定の線形レジームにシフトさせるための磁場を発生する。
[00127] 別のノイズ低減実装例において、処理システムは、空間的にグループ化したセンサノード群から一度にデータを収集すると同時に、空間的にグループ化した群の近くのセンサノードをオフにし、これによってセンサノイズを低減することができる。
[00128] 処理システムは低電力動作モードを含み得る。低電力動作モードは、動作中のシステムの電力使用を最小限に抑えるよう機能することができる。いくつかの変形例において、低電力動作モードは、図20で示されているように、低電力ADFMRセンサデバイスと共に実装され得るか、あるいは、任意の他のシステム実装例に組み込むことも可能である。低電力動作は、特に拡張使用監視に有用であり、特に、実験室又は診療所の外部、及びアクセス可能電源から遠い他の場所での実装例において有用であり得る。低電力動作モード中、処理システムは、所与の時間の機能に必要でないセンサ及び他のシステムコンポーネントをオフにし、所望のようにデータ取得速度を制限することができる(例えば、毎分1センサ測定)。低電力動作は様々な動作段階で行われ、動作タイプが異なる可能性がある。いくつかの変形例において、システムはEM位置特定低電力動作モードを含み得る。EM位置特定低電力動作モードは、EM場のソースを識別するように機能できる(例えば何らかの脳活動の場所を識別する)。低電力モードは好ましくは、他の動作モードと共に機能することができる。
[00129] 低電力動作モードの一実装例では、磁気センサ120のセットをクラスタに分割することができる。これらのクラスタ内のセンサの指定及び位置決めは、実装例に固有のものとすることができる(例えば、システムのVRヘルメット実装例ではユーザの頭部の周りに均等に分散させる)。低電力動作モード中、各クラスタ内の1つだけ(又は指定された数)のセンサがアクティブであり得る。すなわち、センサのセット内の磁気センサのごく一部のみが連続的に動作している。
[00130] システムは、低電力モードと完全アクティブモードとの間でアクティブに切り換えることができる。あるいはシステムは、完全アクティブモードと低電力モードとの間で自動的に切り換わるためのトリガを含み得る。例えば1つの変形例では、一度トリガ信号が処理システムによって識別されたら(例えば、アクティブなセンサが受信した場合、システムは低電力動作モードから出ることができる)、システムは完全アクティブ動作モードに切り換わることができる。更に、完全アクティブ動作モードのシステムのためのいくつかの変形例では、センサ活動が特定の閾値を下回ったら、システムは低電力動作モードに切り換わることができる。これらの閾値測定は、磁気センサ120のセット内のアクティブセンサの測定からのものであるか、又は、別個の実装閾値信号であり得る。例えばVRヘルメットの一実装例において、システムは慣性測定装置(IMU:inertial measurement unit)を含み得る。この実装例では、VRヘルメットの充分な動きを検出すると、システムが低電力動作モードから出るための閾値信号を発生することができる。トリガ信号の例示的な外部ソースは、IMU、ECGセンサ要素、パルスモニタ、外部アプリケーション(例えばコンピュータアプリケーション又はゲーム)、及び/又は他のセンサ入力、又は外部システムを含み得る。
[00131] システムは電源を含み得る。多くの変形例において、電源は電子発振器を含み得る。電子発振器は、振動電圧すなわち交流(AC)電力信号をシステムに提供するように機能する。発振器からの電力は、センサ回路を活性化するため用いられる。すなわち、電源はセンサ120のセットに対する信号入力を提供する。あるいは、他のタイプの発振器を用いてもよい。電源は、磁気センサ120のセットに直接に又は間接的に接続され得る。すなわち電源は、回路ベースプラットフォーム110上に直接配置するか、回路ベースプラットフォーム(例えば、回路ベースプラットフォームに接続されたバッテリ)に直接結合するか、又は、回路ベースプラットフォーム(例えば、誘導充電される回路ベースプラットフォーム上のコンデンサのセット)に間接的に結合することが可能である。いくつかの変形例では、システムが複数の電源を有し、これらの電源を回路ベースプラットフォーム120上に配置すること及び回路ベースプラットフォームから離れて配置することの双方が可能である。
[00132] 図33で示されているように、いくつかの変形例において、電子発振器は更に入力及び出力IDTを含み得る。電子発振器に組み込まれた入力及び出力IDTは、発振器の帯域幅を所望の周波数のみに狭めるように機能できる。すなわち、広域RF信号(又はノイズ信号でも)を、入力IDTを介して送信することができ、入力IDTの共鳴に近い領域のみが、磁気デバイスなしの(すなわち強磁性体なしの)圧電基板を伝搬するSAWに変換される。出力IDTがSAWをRF信号に再変換したら、信号を増幅器に接続して、センサと共に使用される狭域RF信号を発生することができる。いくつかの代替的なバージョンでは、強磁性体を含めてもよい。
[00133] いくつかの変形例において、電子発振器は電圧制御発振器(VCO:voltage-controlled oscillator)である。多くの変形例において、発振器の周波数はギガヘルツのオーダーである。発振器の高周波数パルスによって、センサの高速ターンオン及びターンオフ時間が可能となり得る。高速ターンオン/ターンオフ時間は、マイクロ秒のオーダーであるか又はもっと高速であり得る。あるいは、ADFMRセンサデバイスはMHz発振で機能し得るので、発振器を、ADFMR機能性を可能とする任意の範囲内、すなわちMHzからGHzのオーダーとしてもよい。例えば一実装例において、高速ターンオン/ターンオフ時間は10.0μsのオーダーであり得る。例えば一実装例において、高速ターンオン/ターンオフ時間は1.0μsのオーダーであり得る。別の実装例において、高速ターンオン/ターンオフ時間は0.1μsのオーダーであり得る。別の実装例において、高速ターンオン/ターンオフ時間は10nsのオーダーであり得る。
[00134] いくつかの変形例では、複数のVCOを組み合わせて用いてもよい。これは、単一のVCOが全ての所望の周波数を発生することができない場合に使用され得る。例えば電気発振器システムは、第1の周波数範囲で動作する第1のVCO及び第2の周波数範囲で動作する第2のVCOの組み合わせを用いることができ、第1及び第2のVCOは所望の範囲で組み合わせ周波数を発生する。任意の適切な数のVCOを組み合わせることができる。周波数範囲は、連続的な範囲とすればよいが、あるいは個別の範囲の組み合わせであってもよい。
[00135] ADFMRセンサデバイスを含む変形例では、共振周波数電気信号によって入力IDTが活性化されるので、発振器はADFMRセンサデバイスの活性化を調節することができる。電子発振器を変調すること、又は広域もしくは狭域周波数を組み込むことで、磁気センサ120のセットを制御できる。いくつかの変形例では、EM干渉を最小限に抑えるように、電子発振器を用いて入力IDT共振帯域幅及び周波数間隔の割り当てを実装できる。
[00136] いくつかのADFMRセンサデバイスの変形例において、電子発振器は周波数コム(frequency comb)を発生することができる。周波数コムは、中心搬送周波数の周りに間隔をあけた複数の周波数の範囲を含む。周波数コムは、磁気センサ120のセットのセンサ出力の周波数ドメイン隔離を可能とするのに役立ち得る。周波数コムは、周波数増分を位置付けるためにIDTペアを用いて又は用いることなく発生することができる。一例において、周波数コムは、約2200MHzの中心搬送周波数の周りに発生し、2150~2250MHzの離散周波数を含む。一実装例において、周波数は約1MHz間隔で離れている。別の変形例では、高調波周波数の重複を避けるため、周波数は3.5MHz間隔で離れている。いくつかの変形例では、素数による離隔を用いることができる(例えば、素数3,499,999Hzによる離隔)。
[00137] 別の変形例では、周波数を約5MHz間隔で離すことで、ADFMRセンサデバイスの入力IDTが望ましくない信号を除去できるようにする。増分間隔は任意の所望の間隔とすればよい。周波数間の充分な間隔によって、センサ間で電力損失又は干渉を生じることなく、ADFMRセンサデバイスのIDTを並列に位置決めすることが可能となり得る。充分な間隔は更に、信号分割の必要なく、磁気センサ120のセットが全て並行して機能することを可能とし得る。
[00138] 回路システム130は中間コンポーネントを含み得る。回路システムはミキサ(すなわち周波数ミキサ(X))を含み得る。いくつかの変形例において、ミキサは単側波帯(SSB:single sideband)ミキサとすればよい。ミキサは、2つの電気信号を1つに組み合わせるように機能する。すなわちミキサは、磁気センサ120のセットからの信号出力を組み合わせることを可能とし得る。ミキサは、信号を乗算して周波数混合を可能とすることができる。更にミキサは、オリジナルの電子発振器信号をセンサ出力と混合して電子発振器ノイズを除去することを可能とし得る。
[00139] いくつかの変形例において、ミキサは、各センサからの1GHzまでの周波数をゼロ周波数(すなわちDC)に引き下げることができる。電子発振器が周波数コムを発生するこの変形例の一実装例において、信号チェーンは周波数コムのスケーリングバージョンを減算することができる。このスケーリングバージョンは、分割信号を参照脚(reference leg)に送信することによって決定できる。次いでこの信号を各センサ出力から減算し、その後ミックスダウンする(mix down)ことができる。
[00140] 一変形例において、ミックスダウンされた信号(ミキサ局所発振器ポートに対する入力)はオフセットされ(すなわち、わずかに中心を外れてシフトされ)、これはエイリアシング及び高調波を避けるように機能することができる。例えば、上記の周波数コムの例の、中心搬送周波数が2200である範囲2150~2250では、減算された周波数は2200.5MHzにシフトされ得る。
[00141] 別の変形例として、いくつかのセンサによって異なる周波数を含む周波数コムが設定された場合、ミキサは、結果として得られる様々な信号を乗算する(すなわち「ミックスダウンする」)ことができる。次いで、これにより得られた信号を抽出し、対応する個々のセンサに関連付けることができる。例えば、いくつかのADFMRセンサデバイスを介して送信された周波数コムによって、2001MHz、2003MHz、及び2005MHzの信号が生じ得る。2000MHz信号を用いてこれらの信号をミックスダウンし、1MHz、3MHz、及び5MHzにすることができる。これらを分離させ、対応するセンサにマッピングすることができる。
2.ADFMRセンサのためのシステム
[00142] ADFMRセンサは、2020年12月14日に出願され、援用によって全体が本願に含まれる米国特許出願第17/120,907号に記載されているような音響駆動強磁性共鳴(ADFMR)センサデバイスを含み得る。図16で示されているように、音響駆動強磁性共鳴(ADFMR)ベースのセンサは、システムに電力を供給するため電気信号を提供する電力源210と、電磁場に対して感度が高いADFMR回路220すなわち第1の「試験」回路と、を含む。ADFMR回路は、ADFMRデバイス222と、アナログ-デジタル変換器を含む検出器回路と、を含む。ADFMRセンサは、外部の電磁(EM)場に起因するADFMR回路を介した電気信号の摂動を測定することによって外部EM場を検出及び測定するための生物学的センサアレイ及び周囲場アレイの一部として記載されたADFMRセンサとして機能する。いくつかの好適な実施形態において、ADFMRセンサは少なくとも1つの追加回路(例えば追加の試験回路又は参照回路)を含み得る。システムは更に、電気信号を少なくとも1つの回路に分割する少なくとも1つの電力スプリッタ232と、ADFMR回路220からの摂動している可能性のある電気信号出力を他の電気信号と組み合わせる少なくとも1つの電力結合器234と、を含む。
[00143] 少なくとも1つの追加回路を含むいくつかの変形例では、図17で示されているように、少なくとも1つの追加回路は第1の信号処理回路を含む。第1の信号処理回路はADFMR回路220と並列に配置され、ADFMR回路に対する「参照」として機能する。このシステム変形例、すなわち干渉計変形例は、第1の信号処理回路すなわち第1の参照回路を通る非摂動電気信号に対してADFMR回路220を通る電気信号の摂動を比較することによって、外部電磁(EM)場を検出及び測定するように機能する。すなわち、システムの干渉計変形例では、ADFMR回路220を通る電力信号は外部場によって摂動し、次いで参照回路からの非摂動参照信号と干渉する。次いで、試験信号と参照信号との干渉(例えば破壊的干渉)プロファイルを検出器回路が用いて、外部場の強度を決定することができる。
[00144] 別の変形例では、図18で示されているように、システムは外部EM場の変化(すなわち勾配)を測定するように機能する、すなわちグラジオメータとして機能することができる。グラジオメータ変形例では、少なくとも1つの回路は、追加のADFMR回路220すなわちEM場に対して感度の高い第2の試験回路を含み得る。この変形例では、第1の試験回路と第2の試験回路との間の測定の差を用いてEM場の勾配を決定することができる。すなわち、システムのグラジオメータ変形例では、双方のADFMR回路220を通る電力信号は外部場によって摂動する。2つの回路の位置依存性を考慮することによって、2つの信号間の干渉(例えば破壊的干渉)測定による外部場の勾配の測定が可能となる。
[00145] 多くの変形例において、システムは追加的に又は代替的に、システム機能を増大する及び/又は変更するためのサブコンポーネントを含み得る。その例には、追加のADFMRデバイス222(例えば多次元場測定を可能とする)、増幅器(例えば電力/電気信号を増幅するため)、フィルタ(例えば内部及び背景の雑音を低減するため)、整合ネットワーク(例えば並列回路間で信号電力を整合するため)、減衰器、移相器(例えば試験信号と参照信号との間の干渉パターンを変えるため)、ミキサ(例えば信号周波数を混合するため)、磁場コイル(例えば信号帯域をシフトさせるため)、及び他の任意の所望のコンポーネントが含まれる。可能なシステムサブコンポーネントの例には、信号増幅器(A)、バンドパスフィルタ(F)、減衰器(l)、インダクタ(L)、移相器(γ)、カプラ(c)、ミキサ(X)、整合ネットワーク(M)、アナログ-デジタル変換器(ADC)、デジタル-アナログ変換器(DAC)、比較器(≧)、論理回路、及び磁場コイルが含まれる。システムは、適用可能な場合、他にも任意の所望のコンポーネントを含み得る。図19は、システムのいくつかの変形例において実装されるサブコンポーネントの用語集及び符号を含む。
[00146] これらのサブコンポーネントによって多くの追加の変形例が可能となる。例えばシステムは、図20の一例に示されているような低エネルギ消費のために最適化された変形例、図21の例の一例に示されているような雑音を低減するための変形例、図22の一例に示されているようなシステムの感度及び/又は動作範囲を最適化する変形例を含み得る。システムは、追加的に又は代替的に、要望に応じて任意の組み合わせ又は追加の変形例を含み得る。
[00147] システムは、システムの一部として並列又は直列の回路及び回路セグメントを含み得る。これらの回路は、機能性の要求に応じて任意の回路サブコンポーネント(例えば上述のサブコンポーネント)を含み得る。本セクションで用いられる場合、「回路」という用語は概ね、回路全体又は回路セグメントのいずれかを指すために用いられる。すなわち、回路はそれ自体が必ずしも閉ループを形成するわけでなく、ここで明示的に提示される場合もそうでない場合もある追加の回路との組み合わせにより、回路は閉ループの一部として機能し得る。
[00148] 図23及び図24で示されているように、回路の番号付けは、試験回路(ダッシュを付けた下付き番号で示されている)、ADFMRデバイスサブコンポーネントを含む回路、及び信号処理回路(下付き番号で示されている)の番号を示す。また、試験回路をADFMR回路又はセンサ回路と呼ぶこともある。更に、第1の試験回路を番号なしで、例えば試験回路又はADFMR回路と呼ぶこともある。これらの図では回路は単に並列に番号を付けて示されているが、システムの変形例は、回路内で他の非並列構成である試験回路及び/又は信号処理回路を含み得る。
[00149] システムの一般的な回路レイアウトでは、図24で示されているように、システムは「n」個の試験回路と「N」個の信号処理回路を含み得る。ここで、n及びNは特定の実装例によって決定される任意の整数である。回路サブコンポーネント、すなわち特定の回路上のコンポーネントは、回路番号を表す下付き文字を用いて示すことができる。試験回路サブコンポーネントにはダッシュを付けた下付き文字が用いられ(例えば、L2’は第2の試験回路上のインダクタを指す)、信号処理回路サブコンポーネントにはダッシュを付けていない下付き文字が用いられる(例えば、Lは第2の信号処理回路上のインダクタを指す)。いくつかの変形例では、特定のサブコンポーネントが、どの回路に属しているかが明らかでない領域に現れることがある。これらのサブコンポーネントは、下付き文字なしで含ませるか、又は所望の回路に関連付ける下付き文字を含むことがある(例えば、サブコンポーネントが所望の回路に対する補足的機能を有する場合)。
[00150] 回路名称の一部として、回路サブコンポーネントは相互に対して上流又は下流にあるものと記載され得る。本明細書では、「上流」及び「下流」を用いて、回路を通って進む電力の方向を示す。すなわち、サブコンポーネント「B」の下流にあるサブコンポーネント「A」は、これらの間に他のコンポーネントが存在するか否かにかかわらず、電力がサブコンポーネント「B」からサブコンポーネント「A」へ進む場合の位置性(positionality)を示す。サブコンポーネント「B」の上流にあるサブコンポーネント「A」は、これらの間に他のコンポーネントが存在するか否かにかかわらず、電力がサブコンポーネント「A」からサブコンポーネント「B」へ進む場合の位置性を示す。
[00151] システムは電力源210を含み得る。電力源はエネルギ源として機能し、システムに電気信号を提供する。いくつかの変形例において、電力源210は電子発振器である。電子発振器は、振動電圧すなわち交流(AC)電力信号をシステムに提供するように機能する。発振器からの電力を用いてセンサ回路を活性化する。あるいは、例えば直流(DC)のような他のタイプの電流を用いてもよい。
[00152] いくつかの変形例において、電子発振器は電圧制御発振器(VCO:voltage-controlled oscillator)である。好ましくは、発振器の周波数はギガヘルツのオーダーであり、より好ましくは、2GHzまでである。発振器の高周波数パルス発生によって、センサの高速ターンオン及びターンオフ時間が可能となり得る。高速ターンオン/ターンオフ時間は、マイクロ秒のオーダー又はより高速であり得る。ADFMRデバイス222はMHz発振によって機能し得るので、発振器は代替的に、ADFMR機能を可能とする任意の範囲内、すなわちMHzからGHzのオーダーとしてもよい。
[00153] システムは少なくとも1つのADFMR回路220を含み得る。ADFMR回路220は、システムのためのセンサ動作を可能とするADFMRデバイスを含む「試験」回路として機能する。ADFMR回路220をセンサ回路又は試験回路と呼ぶこともある。変形例に応じて、システムは1又は複数のADFMR回路220を含み得る。各ADFMR回路は、複数のADFMRデバイス222を共有するか、単一のADFMRデバイスを有するか、又は複数のADFMRデバイスを有することができる。いくつかの変形例において、システムはADFMR回路のセットを含み得る。複数のADFMR回路220を用いて、勾配場測定、多次元場測定、及び/又は場測定精度の改善を図ることができる(例えば重複測定によって)。ADFMR回路220を電力源210の下流に位置決めすることで、電力源が提供する電気信号をADFMR回路に沿って試験信号として実装することを可能とする。
[00154] いくつかの変形例において、システムは、ADFMR回路220上に分散した複数のADFMRデバイス222を含み得る。1つの変形例では、単一のチップ上に、1次元又は多次元を測定する複数のADFMR回路220を実装することができる。これは、図25又は図26で示されているようなレイアウトに極めて類似している。所望の実装例に応じて、各次元の機能を活性化又は非活性化することができる。
[00155] 1つの変形例では、単一のチップ上に、1次元、いくつかの次元、又は全ての所望の次元を測定する単一のADMR回路220を実装することができる。これは、図27で示されているようなレイアウトに極めて類似している。所望の実装例に応じて、各次元の機能を活性化又は非活性化することができる。
[00156] ADFMRデバイス222は、好ましくはシステムのコンポーネントであり、更にはADFMR回路220のサブコンポーネントである。ADFMRデバイス222は、音響駆動磁気共鳴を用いて無線周波数(RF)搬送波信号(すなわち試験信号)の変更を可能とすることによってEM場を「測定する」デバイスとして機能する。多くの変形例において、磁気共鳴は強磁性体によって実装される(すなわち強磁性共鳴)が、任意の磁性材料を用いて実装することができる。他のタイプの磁性材料の例には、反強磁性体、フェリ磁性体等が含まれる。すなわち、デバイスはADFMRデバイス222と呼ばれるが、ADFMRデバイスは実際には例えばフェリ磁性共鳴デバイスとしてもよい。ADFMRデバイス222は、音響波を生成及び/又は吸収する少なくとも1つの音響トランスデューサ、音響波伝搬のための媒質を提供する音響共振器、並びに、磁気共鳴を用いてEM場によって音響波を摂動させる磁性材料を含み得る。
[00157] ADFMRデバイス222は好ましくは音響トランスデューサを含む。音響トランスデューサは、試験信号を音響波に変換する及び/又は音響波をRF信号(例えば変化した試験信号)に変換するように機能する。音響トランスデューサは、電気信号から、音響共振器(例えば圧電基板)に沿って伝搬する音響波(又は圧力波)を生成及び/又は吸収するように機能する。
[00158] 好ましくは、音響トランスデューサはペアで実装され、一方のトランスデューサが生成する音響波が他の音響共振器に伝搬し、次いで第2のトランスデューサによって吸収される。すなわち、第1の音響トランスデューサはADFMR回路220を通って進む試験信号を音響波に変換し、音響波はADFMRデバイス222内を又はADFMRデバイス222に沿って第2の音響トランスデューサへ伝搬し、次いで第2の音響トランスデューサが音響波を電気信号に変換する。あるいは、単一の音響トランスデューサが、RF試験信号の音響波への変換と音響波のRF信号への再変換の双方を行うことができる。例えば、電気信号は音響トランスデューサによって音響波に変換することができ、音響波は伝搬した後に反射して音響トランスデューサへ戻り、次いで音響トランスデューサが音響波を電気信号に再変換する。他の例では、音響波の生成及び吸収の双方を行うために複数の音響トランスデューサを実装することができる。すなわち、1つのADFMRデバイス222ごとに複数の音響トランスデューサを実装し、単一又は複数のRF信号の音響波への変換及び/又は音響波のRF信号への変換を1回又は複数回実行することができる。
[00159] 音響トランスデューサは好ましくは、ADFMRデバイス222のタイプに適した音響波を生成する。生成される音響波の例は、表面音響波(SAW)、バルク音響波(BAW:bulk acoustic wave)、及びラム波を含み得る。特定の音響トランスデューサは、実装例に特有のものであり得る。音響トランスデューサのタイプは、電気信号(例えば信号周波数、信号電力)、及び/又は生成される音響波のタイプ(例えば表面音響波、バルク音響波)に依存し得る。例えば、システムがラム波を使用する変形例では、音響トランスデューサは電磁超音波探触子(EMAT:electromagnet-acoustic transducer)で構成され得る。システムがSAWを使用する変形例では、音響トランスデューサはインターデジタル変換器(IDT:interdigital transducer)を含み得る。あるいは、SAW又は他のタイプの音響波のいずれかを生成する他のタイプのトランスデューサ(例えば、フィルムバルク音響共振器、高倍音バルク音響共振器)を実装することも可能である。音響波は好ましくは、強磁性体の共振周波数で又はその近傍で生成される。音響波は好ましくは、音響共振器内で又は音響共振器に沿って強磁性体を通って伝搬する。このため、音響波によって強磁性体は共鳴で又は近共鳴で機能することができる。
[00160] システムがSAWを用いるいくつかの変形例では、音響トランスデューサはIDTを含み得る。IDTは、圧電効果を用いて電気信号からSAWを生成する(又はSAWから電気信号を生成する)ように機能し得る。IDTは、圧電基板(例えば石英、ニオブ酸リチウム)上に位置決めされ、金属電極がかみ合った櫛形アレイで構成されて周期構造を形成するデバイスである。IDTは、任意の所望の構成/形状を有し得る。図22に一例のIDT構成が示されている。IDTのペアでは、好ましくは一方が入力IDTとして機能し、一方が出力IDTとして機能する。入力IDTは、圧電効果を用いて無線周波数(RF)電気信号を表面音響波(SAW)に変換することができる。出力IDTは、SAWを吸収してこれを電気信号に再変換することにより機能する。
[00161] ADFMRデバイス222は音響共振器を含み得る。音響共振器は、音響波の伝搬を可能とする媒質として機能する。音響共振器は、ある体積を介した波動伝搬(例えばBAW)、媒質の表面に沿った波動伝搬(例えばSAW)、媒質のキャビティを介した波動伝搬(例えば音響共振器のエアキャビティを介した音波の伝搬)を可能とすることができる。音響共振器は、所望のタイプの音響波伝搬を可能とする任意の材料で構成され得る。いくつかの変形例では、音響共振器は圧電基板(例えば石英)で構成される。いくつかの変形例では、音響共振器はADFMRデバイス222の主要な「本体部分(body)」を含み、他の全てのコンポーネントは音響共振器上に又は音響共振器の周りに配置され得る。
[00162] いくつかの変形例において、音響共振器は圧電基板である。圧電基板は、圧電効果によって音響波の形成及び伝搬を可能とする。圧電基板は、任意の所望の圧電化合物(例えばほとんどの結晶化合物又はセラミック化合物)で構成され得る。1つの好適な変形例では、圧電基板としてYカット(Y-cut)ニオブ酸リチウム基板が用いられる。2つの音響トランスデューサを含むいくつかの変形例では、2つの音響トランスデューサ間の空間の長さ(すなわち遅延線)は1~3mmである。一例において、圧電基板(例えば酸化亜鉛)は、ADFMRベース(例えばダイヤモンド系材料)上の2つのIDTの下方又は上方に配置されている。
[00163] ADFMRデバイス222は、好ましくは磁気ひずみ材料である磁性材料を含み得る。磁気ひずみ特性によって磁性材料は、ひずみ(strain)を磁化の変化に変換すること又は磁化の変化をひずみに変換することができる。磁性材料に対する唯一の制約は、磁性材料が巨視的規模の共鳴(すなわち、個々の分子及び/又は原子の励起を超えた共鳴)を達成し得ることである。磁性材料の例には、強磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体、常磁性体、反磁性体等が含まれる。いくつかの変形例では、磁性材料は強磁性体及び/又は強磁性体混合物を含み得る。磁性材料は音響波を吸収するように機能し、この吸収は共鳴時に磁場に対して極めて高感度となる。好ましくは、局所磁場によって磁性材料の共振周波数が音響波周波数に又は音響波周波数の近くに設定されるように、磁性材料は音響波の経路内に(遅延線に沿って)位置決めされる。これにより、磁性材料は効果的に音響波を吸収し、伝搬音響波を磁場の大きさに対して変えることができる。好適な変形例では、2つの音響共振器の間に強磁性体が(例えば磁気フィルムとして)配置され、磁性材料の厚さ及び長さは吸収において大きな役割を果たすので、磁性材料は実装例に応じて可変の厚さ及び異なる長さを有し得る。強磁性体の変形例では、実装される強磁性体のタイプの例は、鉄、ニッケル、及びコバルトを含むが、任意の適切なタイプの強磁性体とすればよい。いくつかの変形例では、システムは他の磁性材料を用いて実装され得る。例えば、常磁性体、反磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体、又はこれらの材料の任意の組み合わせが用いられる。強磁性体の変形例と同様、磁性材料は磁場を吸収するために共鳴で又は近共鳴で実装され得る。
[00164] いくつかの変形例において、強磁性体は空間的配向(spatial orientation)を有する。すなわち強磁性体は、ある1つの空間的配向(例えばx方向)のEM場が磁石と音響波との相互作用に影響を与え、他の配向の場が強磁性体に影響を与えないままにするように、構築し配向することができる。このように、実装される強磁性体に応じて、強磁性体(従ってADFMRデバイス222)は、1つ、2つ、又は3つの空間次元に対して高感度とすることができる。
[00165] いくつかの変形例では、ADFMRデバイス222は信号検出器を含み得る。信号検出器は、ADFMRデバイス222からの出力電力信号を測定するように機能する。出力電力信号は印加場によって摂動している可能性があるので、出力電力信号を用いて電磁場の強度を決定することができる。信号検出器は更に雑音低減機能も含み得る。1つの変形例において、信号検出器はフーリエ変換を実行して所望の出力信号を他の無関係な電磁(EM)波から分離することができる。例えば、入力音響トランスデューサは無関係なEM波も生成する可能性がある。信号検出器は、高速フーリエ変換を実行してこれらの無関係なEM波を所望の信号から分離し除去することができる。EM波伝搬に比べて音響波伝搬は時間遅延があるので、他の時間依存性の方法を用いて音響波をEM波から分離することも可能である。例えば一実装例では、電子発振器を固定時間期間だけオンにすることとオフにすることを繰り返し、電子発振器のオフサイクル中に伝搬音響波の測定を行うことで、望ましくない信号の除去を可能とする。
[00166] いくつかの変形例において、ADFMRデバイス222はSAWデバイスとすることができる。すなわち、SAWデバイスの一例においてADFMRデバイス222は、圧電基板に沿って位置決めされた2つのIDT、すなわち入力IDTと出力IDTを含み得る。これら2つのIDTの間で圧電基板に沿って磁気フィルムが位置決めされている。一般に、IDT(入力及び出力IDT)の数、1又は複数の磁気フィルムの数及び種類、並びに圧電基板上の位置決めは、上述のように変更され得る。SAWデバイスの具体的な構成及び形状は実装例に応じて変動し得る。この変動の例には、1つのADFMR回路220当たり単一のSAWデバイスを有すること、図25から図27で示されているように、多次元場センサのためSAWデバイス上に空間的に配向した強磁性体(1つ以上)を有すること、図28の例で示されているように、複数のADFMR回路220の間に単一の強磁性体を備える単一のSAWデバイスを用いること、図18、図25、及び図29の例で示されているように、干渉計又はグラジオメータの実装例のいずれかとして複数の強磁性体を備える単一のSAWデバイスを用いること、図29で示されているように(例えば直列多次元センサの一部として)個別に配向された複数の直列の強磁性体を備える単一のSAWデバイスを有すること、図27の例で示されているように(例えば直列多次元センサの一部として)個別に配向された複数の直列の強磁性体を備える複数のSAWデバイスを有すること、が含まれる。これらの例示的な変形例は必ずしも別個のものではなく、多くの例示的な図は複数の変形例を示すことに留意するべきである。具体的な変形例は、所望のように又は必要に応じて、もっと少数のコンポーネント又は追加のコンポーネントを含み得る。
[00167] いくつかの変形例において、ADFMRデバイス222は磁場コイル(FC:field coil)を含む。磁場コイルは、直流(DC)コイル及び/又は磁場を生成するための任意の適切なコイルもしくはシステムとすればよい。電力出力をオフセットするための磁場を生成できる他の任意の適切なコンポーネントを用いてもよい。磁場コイルは、ADFMRデバイス222の出力を正又は負にオフセットさせるため磁場バイアスを生成するように機能する。1つの変形例において、磁場コイルは、ADFMRデバイス222が露呈される小さい外部場を誘導することによって電力出力を低減する。磁場コイルは、回路コンポーネントが線形に機能する小さい出力レジームに電力出力をオフセットさせるように実装され、これによって非線形性に対する系統的誤差を低減することができる。例えば、ADFMRデバイス222の出力に比べ、増幅器ははるかに小さい線形増幅範囲を有し得る。従って、センサ出力の範囲を縮小すると、増幅器の線形機能性が可能となる。磁場コイルは、必要に応じて任意の周波数(又は複数の周波数の組み合わせ)で磁場を印加し得る。例えば、システムが、地球磁場に加えて電力線からの望ましくない大きい信号(例えば60Hz)に露呈された場合、電力線によって変化する望ましくない場及び地球磁場を打ち消すことができる。磁場コイルを用いて、任意の適切なタイプの打ち消す磁場を印加することができる。
[00168] 磁場コイルは、電力出力を任意の所望の範囲にオフセットすることができる。いくつかの変形例において、磁場コイルは外部場をほぼゼロにオフセットできる。他の変形例において、磁場コイルは代替的に又は追加的に、ADFMRセンサが最適に機能する範囲に磁場をオフセットすることができる。例えば、システムがグラジオメータとして使用される実装例において、磁場コイルは、外部場の変化が電力出力の最大の変化(例えば出力電力スペクトルの変曲点)を引き起こすレジームに磁場をオフセットすることができる。
[00169] システムは検出器回路を含み得る。検出器回路は、ADFMR回路220の出力(すなわち摂動している可能性のある電気信号)及び他の任意のコンポーネントの出力を取得し、EM場の強度を決定するように機能する。多くの変形例において、検出器回路はアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。ADCは、アナログ信号をデジタル信号に変換するように機能する。いくつかの変形例では、ADCを用いて、分析のために出力信号をデジタル信号に変換することができる。いくつかの変形例において、ADCは、各回路(ADFMR回路220を含む)ごとに実装され得る。これらの変形例では、回路信号を結合する前に、ADCが回路の信号出力をデジタル出力に変換する。次いで、全ての回路デジタル出力を結合してデジタル出力信号にすることができる。
[00170] 並列回路を含む変形例では、システムは更に電力スプリッタ232及び/又は電力結合器234も含み得る。電力スプリッタ232は、電力信号を複数の部分に分割して、追加の並列回路コンポーネントの接続を可能とするように機能する。電力結合器234は、複数の回路を結合するように機能する。多くの変形例において、電力スプリッタ232は最初の電力信号を試験信号と参照信号に分割することができる。追加的に又は代替的に、電力スプリッタ232は電力信号を複数の試験信号及び/又は複数の参照信号に分割し得る。他の特性に加えて、電力スプリッタ/結合器のセットは、場測定のための干渉計の機能性を可能とする。すなわち、電力信号を2つの部分(例えば試験信号と参照信号)に分割し、これらのうち一方(又は双方)の信号を、(例えばADFMRデバイスを介した場のパワー吸収によって)変化させることができる。次いで、これら2つの信号が結合された場合に生成される干渉パターンを調べることにより、場を測定することができる。システムは、システム内に含まれる並列回路の各々において1対の電力スプリッタ/結合器を含み得る。あるいはシステムは、システム内に含まれる並列回路の各々において、より多いか又はより少ない電力スプリッタ/結合器の対を含み得る。いくつかの変形例では、システムは異なる数の電力スプリッタ232及び電力結合器234を含み得る(例えば、1つの分割電力信号が接地に接続され、電力結合器を必要としないことがある)。
[00171] いくつかの多次元実装例の場検出において、システムは、ADFMR回路220の追加を可能とするため追加の電力スプリッタ/結合器を含むことができる。例えば、面内で複数の場の測定を可能とする実装例において、システムは、回路を第1の試験回路及び第2の試験回路に分割する電力スプリッタ232と、「x方向」の場を測定する第1のADFMR回路220及び「y方向」の場を測定する第2のADFMR回路を結合する電力結合器234と、を含み得る。システムは更に、(図示されたカプラの代わりに)第2の対の電力スプリッタ/結合器を有し、電力信号を最初に参照信号と試験信号に分割してもよい。あるいは単一の試験回路が複数の直列のADFMRデバイス222(例えば異なる配向を有する)を有し、それらの配向によって複数次元の場の測定を可能としてもよい。いくつかの変形例では、これらの直列のADFMRセンサは同時に機能し得るが、他の変形例ではそれらは交互に動作し得る。
[00172] 先に検討したように、システムは様々なサブコンポーネントの組み合わせも更に含み得る。サブコンポーネントの例には、信号増幅器、バンドパスフィルタ、減衰器、インダクタ、移相器、カプラ、ミキサ、整合ネットワーク、磁場コイル、及び比較器が含まれる。サブコンポーネントは、所望のように、試験回路、信号処理回路、又はシステムの他の任意の部分に組み込むことができる。
[00173] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つの増幅器(A)を含む。増幅器は信号強度を増大させるように機能する。増幅器は、元の電力を分割したことに起因する電力損失及び電力低減の効果を弱めることに役立ち得る。増幅器は能動又は受動増幅器とすることができる。
[00174] いくつかの変形例において、システムは減衰器(l)を含み得る。減衰器は、信号波形に影響を及ぼすことなく信号の電力を低減するように機能する。いくつかの変形例において、減衰器は雑音を低減するために実装される。また、減衰器は、並列回路の間(例えば試験回路と参照回路との間)で電力信号振幅を整合することができる。減衰器はデジタル又はアナログとすることができる。いくつかの変形例では、デジタル減衰器を用いて、1/f「ピンク」ノイズ、すなわち電力に比例する雑音の除去を最大化する。また、アナログ減衰器も1/fノイズを低減するが、それらの制御電圧の雑音信号に依存する。いくつかの変形例では、ADFMR回路220は減衰器を含み得る。
[00175] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つのバンドパスフィルタ(F)を含む。バンドパスフィルタは電気信号帯域を狭めるように機能し、これによって使用及び/又は分析のための狭い波帯域を可能とする。更に、これは、信号が増幅されて必然的に信号スペクトルが拡大した場合にも該当し得る。
[00176] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つのインダクタ(L)を含む。インダクタは、磁場でエネルギを蓄えるように機能する。整合インダクタは、トランスデューサのインピーダンスをトランスデューサに隣接する任意の回路コンポーネントと整合することができる。いくつかの変形例において、システムは、音響トランスデューサをミキサ入力と整合する整合インダクタを含み得る。
[00177] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つの移相器(γ)を含む。移相器は、電気信号の位相を「シフトする」ことで機能する。移相器は、後に結合される並列回路間に建設的干渉又は破壊的干渉を与えるように実装され得る。これは干渉計の実装において特に重要である。
[00178] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つのミキサ(例えば周波数ミキサ(X))を含み得る。ミキサは、2つの電気信号を1つに結合するように機能する。ミキサは、信号を乗算して周波数混合を可能とすることができる。いくつかの変形例において、ミキサは、ADFMRデバイス222からの1Ghzまでの周波数をゼロ周波数DCに低減することができる。更に、ミキサは、元の電力源210の信号をADFMRデバイス222の出力と混合して電子発振器の雑音を除去することができる。
[00179] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つのカプラを含む。カプラは、1つの回路を通って進む電力を別の回路に結合するように機能し、同一の信号を別の回路で使用することを可能とする。いくつかの変形例では、電力スプリッタの代わりにカプラを用いて、双方の経路で同一の電力レベルを維持することができる。いくつかの変形例において、システムは更にハイブリッドカプラも含み得る。ハイブリッドカプラは、2つの入力源を2つの出力源に結合することを可能とする。いくつかの好適な変形例において、ハイブリッドカプラは、単一の入力源を分割し、出力源の位相をシフトするように実装される。
[00180] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つの整合ネットワークを含む。整合ネットワークは、インダクタとキャパシタの組み合わせを含み得る。整合ネットワークは、音響トランスデューサと隣接する回路コンポーネント(例えばミキサ入力)との間のインピーダンス整合を行うように、かつ、トランスデューサを高効率(低電力)発振器に取り付けられるようにトランスデューサの見かけ上のインピーダンスが高くなるように機能し得る。いくつかの変形例において、整合ネットワークは、トランスデューサのインピーダンスをトランスデューサに隣接した任意の回路コンポーネントに整合することができる。いくつかの変形例において、システムは、音響トランスデューサをミキサ入力に整合する整合ネットワークを含み得る。
[00181] いくつかの変形例において、システムは少なくとも1つの比較器(≧)を含む。比較器は、出力信号の符号、すなわち正、負、又はゼロを検出するように機能する。比較器を論理回路と共に用いて、出力信号に対する漸進的変化を可能とする。
[00182] 前述のように、システムは、少なくとも1つのADFMRデバイス222を含む少なくとも1つのADFMR回路220(すなわち第1のADFMR回路)を含む。各ADFMR回路は、ADFMRデバイスサブコンポーネントを含む及び/又はADFMRデバイスサブコンポーネントを他のADFMR回路と共有する。ADFMR回路220は、外部磁場を測定するように機能する。変形例に応じて、各ADFMR回路220は同一であるか又は異なる可能性がある。ADFMR回路220は、実装例に応じて追加のサブコンポーネントを有し得る。例えば、一実装例においてADFMR回路220は整合ネットワークを含み得る。他の変形例において、ADFMR回路220はインダクタ及び/又は減衰器を含み得る。ADFMR回路220は、追加的に又は代替的に、増幅器又は移相器のような他のコンポーネントを有し得る。
[00183] 図35は、簡略化した干渉計のための概略テンプレートを示す。図36から図38は、参照回路の一部として組み込むことができる回路コンポーネントのサンプル変形例を示す。これらの回路コンポーネントは、所望のように追加/除去又は交換を行うことができる。特定の変形例では、回路内に2つの減衰器及び/又は移相器が含まれる。これらの変形例において、1つの減衰器/移相器はデジタル減衰器であり、離散的な段階変化のみを可能とするが、他方の減衰器/移相器はアナログであり、値の連続的な変化を可能とし得る。図39から図41は、試験回路の一部として組み込むことができる回路コンポーネントのサンプル変形例を示す。これらの回路コンポーネントは、所望のように追加/除去又は交換を行うことができる。特定の変形例では、回路内に2つの減衰器及び/又は移相器が含まれる。これらの変形例において、1つの減衰器/移相器はデジタル減衰器であり、離散的な段階変化のみを可能とするが、他方の減衰器/移相器はアナログであり、値の連続的な変化を可能とし得る。
[00184] 1つの「低電力」の変形例において、ADFMR回路220は整合ネットワークを含む。この変形例において、整合ネットワークは、ADFMR回路のインピーダンスを別の回路と整合するように機能し得る。この変形例において、システムは高インピーダンス電力源(例えば発振器)を含むことができ、ADFMRデバイスの音響トランスデューサは低インピーダンスとすることができる。
[00185] 1つの低電力の例では、図20で示されているように、ADFMRセンサはミキサ及び検出回路のみを含み得る。低電力の例は、極めて小さい電力消費(25μW未満)で場を検出する際に機能する。ADFMRデバイスがSAWデバイスを含む変形例では、システムは更に、干渉計の前段及び干渉計の後段に整合ネットワークを含み得る。整合ネットワークは高い抵抗を与え、IDTインピーダンスを電子発振器及びミキサのインピーダンスと整合することにより、それらの電圧を整合することができる。
[00186] 1つの一般的な干渉計使用例では、図30で示されているように、干渉計は、ベクトル変調器回路と、IQミキサ回路と、増幅回路と、検出回路とを更に含む。この例において、増幅回路は、「内部(inner)」干渉計及び「外部(outer)」干渉計、並びにベクトル変調器回路の出力を増幅し、これらは次いでIQミキサに接続される。全ての信号は最終的に組み合わされて検出回路に出力される。この一般的使用例は、所望のように場を測定するよう機能する。追加的に又は代替的に、この例はグラジオメータシステム向けに実装され得る。
[00187] 場の強度の大きな差を含み得る大きな差の一例では、図31で示されているように、一般的な使用例は更に線形化回路を含み得る。大きな差の例は、大きさに著しい差があり得る場を精密に測定するよう機能する。一般的な使用例は広範囲にわたって機能し得るが、大きい差の例は、場の大きさの顕著な差に起因した非線形効果を低減し得るフィードバックループを含み、これによって場の測定の精度を高める。
3.方法
[00188] 図32で示されているように、強磁性共鳴(FMR)マルチセンサ回路を用いて電磁(EM)場活動を測定するための方法は、電気信号を発生すること(S110)と、電流を試験信号と参照信号に分割すること(S120)と、各強磁性センサにおいて試験信号にEM場を印加すること(S130)によって試験信号を変更することと、変更した試験信号を参照信号と比較することによってEM場を測定すること(S140)と、を含む。方法は、FMRセンサデバイス、特に音響駆動強磁性共鳴(ADFMR)センサデバイスを用いて、特定の領域に印加されたEM場を測定するように機能する。デバイスは上述のようなシステムとすればよいが、あるいは、FMRセンサを含む任意の適用可能システムを含み得る。
[00189] 電気信号を発生すること(S110)を含むブロックS110は、マルチセンサ回路を活性化し、これに電力を供給するよう機能する。電気信号を発生すること(S110)は、所与の中心周波数と帯域幅を有する無線周波数(RF)信号を生成することを含む。いくつかの変形例において、信号は経時的に変化し得るが、他の変形例では信号は固定されている。ADFMRセンサは、これらのセンサと共鳴する電気信号によって活性化されるので、信号を発生すること(S110)は具体的には、ADFMRセンサと共鳴する信号を発生させればよい。従って、信号を発生すること(S110)は、異なる周波数に調節することによってADFMRセンサを活性化又は非活性化できる。
[00190] いくつかの変形例において、信号を発生すること(S110)は周波数コムを発生することを含み得る。周波数コムは、中心周波数と、この中心周波数から所望の信号帯域幅までに及ぶ「離散的な(discrete-like)」増分周波数ステップとを含む、半離散的な信号を含む。好適な変形例では、ステップ増分が充分に大きいので、1つの特定の周波数増分が共鳴時にセンサコンポーネントを活性化しながら他のセンサには何の効果も持たないことが可能である。このようにして、センサノイズ(すなわちクロストーク)を低減できる。更に、周波数増分は、1つの周波数によって発生された高調波が他の所望の周波数と重複しないように選択される。
[00191] 信号を試験信号と参照信号に分割することを含むブロックS120は、単一の振動電流を取得し、これを試験信号及び参照信号と呼ばれる2つの同相の電流に分割するよう機能する。電流を分割することにより、干渉計又はグラジオメータのいずれかとして、試験信号及び参照信号間の比較測定が可能となり得る。グラジオメータの実装例では、参照信号を第2の試験信号と呼ぶこともある。試験信号に言及するか当てはまる全ての方法ステップは、第2の試験信号にも等しく言及するか又は当てはまる。
[00192] 各FMRセンサにおいて試験信号にEM場を印加することを含むブロックS130は、EM場の強度と方向に応じて試験信号を変更するように機能する。ブロックS130がADFMRセンサに適用される変形例では、ブロックS130は更に、共振周波数RF信号に応答して表面音響波(SAW)を発生することと、SAWを強磁性フィルムに伝搬させることによってSAWにEM場を印加することと、変化したSAWを変化した試験信号に変換することと、を含む。
[00193] 表面音響波(SAW)を発生することは、試験信号をSAWに変換するよう機能する。SAWを発生することは更に、SAWを強磁性体に沿って伝搬させることと、強磁性体を励起して共鳴させることと、を含む。好適な変形例において、試験信号は無線周波数(RF)場に変換され、これは次いで入力櫛形トランスデューサ(IDT)によってSAWに変換されるが、他の方法を実装してもよい。この好適な変形例において、入力IDTは好ましくは音響駆動強磁性共鳴(ADFMR)デバイスのコンポーネントであり、ADFMRデバイスは更に、圧電基板ベースと、出力IDTと、入力IDTと出力IDTとの間で圧電基板に沿った強磁性物質と、を含む。SAWの発生は好ましくは、強磁性物質の共振周波数又はその近傍の周波数のSAWを発生する。SAWが強磁性体に沿って進んで伝搬すると、強磁性体は励起されて共鳴し得る。これにより、強磁性体は磁場の影響を受けやすくなり得る。強磁性体を磁場に暴露すると、強磁性体によって磁場を吸収することができる。強磁性体の磁場への暴露は任意の時点で実行され得る。実際には、地球磁場を考慮すると、これは厳密に言えば常に実行されている。強磁性体が共鳴又は近共鳴になったら、強磁場の暴露によって強磁性体は場を吸収することができる。場の吸収は好ましくは、伝搬するSAWを変化させることを含む。SAWは、強磁性体上を伝搬するので、好ましくは場の大きさと方向に比例して変化する。
[00194] 変化した音響波を変化した試験信号に変換することは、次いで、変化した試験信号を用いて場を測定することを可能とする。変化した音響波を変化した試験信号に変換することは、好ましくは音響トランスデューサで実行される。より好ましくは、圧電基板上の出力IDTで実行される。
[00195] 前述のように、FMRセンサは、電気信号がFMRセンサと共鳴している場合にのみ活性化され得る。マルチセンサ回路の一部として、電気信号は、(RF信号内に適切な周波数帯域を含めることによって)所望のFMRセンサを活性化するため使用することができ、同時に、望ましくないFMRセンサには効果を持たない。従って、好適な変形例では、信号を用いてセンサを活性化及び非活性化することができる。これは、センサ間のクロストークノイズの低減を引き起こすと共に、電力消費を改善することができる。更に、並列のFMRセンサでは、単一の電子発振器を用いて所望のようにセンサを活性化及び非活性化できる。
[00196] EM場を測定することを含むブロックS140は、変化した試験信号を変更されていない参照信号と比較することによって、EM場に関する所望の情報を測定するよう機能する。EM場の測定は検出器において実行され得る。これは好ましくは、変更した試験信号を参照信号と組み合わせ、干渉を利用して場の強度を決定することによって達成される。いくつかの好適な変形例では、これは破壊的干渉を利用し、場の測定は、参照信号と元の試験信号が打ち消し合うように参照場の位相を半周期ずらすことを含む。
[00197] 場の勾配を測定するための代替的な好ましい変形例では、EM場の測定(S140)は、変化した試験信号と、「第1の」試験信号に対して固定変位に空間的に位置付けられる変化した第2の試験信号との間の場の強度の差を決定することを含む。
[00198] EM場を測定すること(S140)は、信号をデジタル信号に変換することを含み得る。信号を試験信号に変換することは、2つの変形例を有し得る。すなわち、組み合わせた試験及び参照信号をデジタル出力信号に変換するか、又は、試験信号をデジタル参照信号に変換し、参照信号をデジタル参照信号に変換し、デジタル試験信号及びデジタル参照信号を組み合わせることができる。
4.システムアーキテクチャ
[00199] 実施形態のシステム及び方法は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読命令を記憶しているコンピュータ可読媒体を受容するように構成された少なくとも1つのマシンを含むコンピューティングシステムに関連付けて具現化及び/又は実装することができる。マルチアレイ磁気検知コンポーネント、具体的にはADFMRセンサデバイス、及びそれに対応する上述したシステム及び方法は、そのようなデバイスのプログラム制御を使用できるようにコンピューティングシステム内に統合され得る。コンピューティングシステムは、EM場センサデータを提供するセンサ入力を利用することができる。コンピューティングシステムは、1つ以上のマルチアレイ磁気検知対応システムを含み得る。命令は、アプリケーション、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウェブサイト、通信サービス、通信インタフェース、ユーザコンピュータもしくはモバイルデバイスのハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア要素、リストバンド、スマートフォン、又はそれらの任意の適切な組み合わせと統合されたコンピュータ実行可能コンポーネントによって実行することができる。実施形態の他のシステム及び方法は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読命令を記憶しているコンピュータ可読媒体を受容するように構成されたマシンとして具現化及び/又は実装することができる。命令は、上述したタイプの装置及びネットワークと統合されたコンピュータ実行可能コンポーネントによって実行することができる。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CD又はDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、又は任意の適切なデバイス等、任意の適切なコンピュータ可読媒体上に記憶することができる。コンピュータ実行可能コンポーネントはプロセッサであり得るが、任意の適切な専用ハードウェアデバイスが(代替的に又は追加的に)命令を実行することも可能である。
[00200] 1つの変形例において、システムは命令を記憶している1つ以上のコンピュータ可読媒体から成り、これらの命令は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行された場合、電気信号を生成すること、電気信号を音響波に変換すること、音響波を磁性材料に伝搬すること、変化した音響波を変化した電気信号に変換すること、及び電磁場を測定すること等、本明細書に記載されているシステム又は方法のものを含む動作をコンピューティングプロラットフォームに実行させる。
[00201] 1つの変形例において、非一時的コンピュータ可読媒体は命令を記憶しており、これらの命令は、コンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行された場合、低電力モードで動作すること、低電力動作モードに切り換わること、完全アクティブ動作モードに切り換わること、アクティブノイズ低減モードで動作すること、空間的平均化モードで動作すること、最適化モードで動作すること、及び較正モードで動作すること等、本明細書に記載されているシステム又は方法の動作をコンピューティングプラットフォームに実行させることができる。
[00202] 第2の変形例において、非一時的コンピュータ可読媒体は命令を記憶しており、これらの命令は、コンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行された場合、電気信号を発生すること、電気信号を音響波に変換すること、電流を試験信号と参照信号に分割すること、試験信号にEM場を印加すること、及びEM場を測定すること等、本明細書に記載されているシステム又は方法の動作をコンピューティングプラットフォームに実行させることができる。
[00203] 図34は、システムの一実装例の例示的なコンピュータアーキテクチャ図である。いくつかの実装例において、システムは、通信チャネル及び/又はネットワークと通信している複数のデバイスで実装される。いくつかの実装例において、システムの要素は別個のコンピューティングデバイスで実装される。いくつかの実装例において、システム要素のうち2つ以上は同一のデバイスで実装される。システム及びシステムの部分は、システムとして又はシステム内で機能することができるコンピューティングデバイス又はシステムに統合され得る。
[00204] 通信チャネル1001は、プロセッサ1002A~1002N、メモリ(例えばランダムアクセスメモリ(RAM))1003、リードオンリメモリ(ROM)1004、プロセッサ可読記憶媒体1005、ディスプレイデバイス1006、ユーザ入力デバイス1007、及びネットワークデバイス1008とインタフェースで接続する。図示のように、電力源1101、磁気センサのセット(例えば磁気センサ1102)、回路システム1103、及び/又は他の適切なコンピューティングデバイスを接続するために、コンピュータインフラを用いることができる。あるいは、コンピュータインフラに接続された自己完結型システムとして上述のシステムを実装してもよい。
[00205] プロセッサ1002A~1002Nは、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィック処理装置)、マイクロプロセッサ、テンソル処理ユニット等のML/DL(機械学習/深層学習)処理装置、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、カスタムプロセッサ、及び/又は任意の適切なタイプのプロセッサ等、多くの形態をとることができる。
[00206] プロセッサ1002A~1002N及びメインメモリ1003(又は何らかのサブコンビネーション)は、処理ユニット1010を形成することができる。いくつかの実施形態において、処理ユニットは、RAM、ROM、及び機械可読記憶媒体のうち1つ以上に通信可能に結合された1つ以上のプロセッサを含む。処理ユニットの1つ以上のプロセッサは、バスを介して、RAM、ROM、及び機械可読媒体のうち1つ以上によって記憶された命令を受信し、受信した命令を実行する。いくつかの実施形態において、処理ユニットはASIC(特定用途向け集積回路)である。いくつかの実施形態において、処理ユニットはSoC(システムオンチップ)である。いくつかの実施形態において、処理ユニットはシステムの要素のうち1つ以上を含む。
[00207] ネットワークデバイス1008は、システム及び/又は外部システムのデバイスのような他のデバイス間でデータ及びコマンドを交換するため、1つ以上の有線又は無線のインタフェースを提供することができる。このような有線又は無線のインタフェースには、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、ブルートゥースインタフェース、Wi-Fiインタフェース、イーサネットインタフェース、近距離無線通信(NFC:near field communication)インタフェース等が含まれる。
[00208] プロセッサ可読記憶媒体1005、ROM1004、又は他の任意のデータ記憶システムから、メモリ1003に、ソフトウェアプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及びデバイスドライバ等)のための構成から成るコンピュータ及び/又は機械可読実行可能命令を記憶することができる。
[00209] 各機械実行可能命令は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行される場合、通信チャネル1001を介して(処理ユニット1010の)プロセッサ1002A~1002Nのうち少なくとも1つによってアクセスされ、次いでプロセッサ1001A~1001Nのうち少なくとも1つによって実行することができる。また、ソフトウェアプログラムによって生成又は使用されたデータ、データベース、データレコード、又は他の記憶形態のデータも、メモリ1003に記憶することができる。このようなデータは、ソフトウェアプログラムの機械実行可能命令の実行中に、プロセッサ1002A~1002Nのうち少なくとも1つによってアクセスされる。
[00210] プロセッサ可読記憶媒体1005は、ハードドライブ、フラッシュドライブ、DVD、CD、光ディスク、フロッピーディスク(登録商標)、フラッシュストレージ、ソリッドステートドライブ、ROM、EEPROM、電子回路、半導体メモリデバイス等のうち1つ(又はそれらのうち2つ以上の組み合わせ)である。プロセッサ可読記憶媒体1005は、オペレーティングシステム、ソフトウェアプログラム、デバイスドライバ、及び/又は他の適切なサブシステムもしくはソフトウェアを含むことができる。
[00211] 本明細書で用いる場合、第1、第2、第3等は、様々な要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションを特徴付けて区別するために用いられる。これらの要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるものではない。数値を示す用語の使用は、ある要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションを、別の要素、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションから区別するために使用され得る。そのような数値を示す用語の使用は、文脈上明らかに示される場合を除いて、シーケンス又は順序を暗示しない。そのような数値の参照記号は、本明細書における実施形態及び変形例の教示から逸脱することなく交換可能に使用され得る。
[00212] 前述の詳細な説明から、並びに図面及び特許請求の範囲から、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく本発明の実施形態に変更及び変化を加え得ることは、当業者には認められよう。

Claims (18)

  1. マルチアレイ磁気検知コンポーネントのためのシステムであって、
    回路ベースプラットフォームと、
    前記回路ベースプラットフォーム上に配置された磁気センサのセットと、
    中間回路コンポーネント、信号入力、及び信号出力を含む回路システムと、
    を備え、前記信号入力は電気発振器信号入力であると共に前記磁気センサのセット内の各磁気センサへ方向付けることができ、
    前記信号出力は前記磁気センサのセットからの磁場測定を含み、各磁場測定は個別に選択可能であり、
    前記回路システムは前記磁気センサのセットのサブセットをオン又はオフにするよう構成され、
    前記中間回路コンポーネントはミキサを含む、システム。
  2. 前記磁気センサのセットは音響駆動強磁性共鳴(ADFMR)センサデバイスのセットを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記磁気センサのセットは磁気センサの周波数サブセットを含み、前記周波数サブセット内の各磁気センサへ方向付けられた前記信号入力が別個の周波数帯域幅であると共に、前記周波数サブセット内の各磁気センサからの前記信号出力が周波数によって識別可能である、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記磁気センサのセットは磁気センサの時間サブセットを含み、前記時間サブセット内の各磁気センサへ方向付けられた前記信号入力が別個の時間間隔で発生されると共に、前記時間サブセット内の各磁気センサからの前記信号出力が時間間隔によって識別可能である、請求項1に記載のシステム。
  5. 各磁気センサの前記信号入力時間間隔は重複しない時間間隔を含み、前記時間サブセット内の1つの磁気センサに対する前記信号入力が前記時間サブセット内の他の磁気センサに対する前記信号入力と同時に発生しないと共に、前記時間サブセット内の各磁気センサからの信号出力が所与の時間における唯一の信号出力として識別可能である、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記別個の時間間隔信号入力は、複数のアクティブ及び非アクティブの時間間隔を含む別個の時間パターンを含み、前記時間サブセット内の各磁気センサからの前記信号出力はその別個の時間パターンによって識別可能である、請求項4に記載のシステム。
  7. 前記システムは、前記磁気センサのセット内の前記磁気センサのごく一部のみが連続的に動作している低電力動作モードで動作するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記システムは、トリガ信号に応答して、低電力動作モードから、前記磁気センサのセット内の全ての磁気センサが機能を開始するアクティブ動作モードに切り換わるように構成されている、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記システムは、トリガ信号が受信されると低電力動作モードに切り換わるように構成されている、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記トリガ信号は閾値を下回る前記センサのアクティビティである、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記磁気センサのセットを取り囲む高透磁率材料を更に含む、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記磁気センサのセットの近くに又は周囲に配置された磁場コイルを更に含み、遮蔽動作モードにおいて、前記磁場コイルは、前記磁気センサのセットの近くの環境場を打ち消すための磁場を発生する、請求項1に記載のシステム。
  13. 較正動作モードにおいて、前記磁場コイルは、前記磁気センサのセットにより行われた場測定を線形レジームにシフトさせるための磁場を発生する、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記磁気センサのセットは前記回路ベースプラットフォーム上で2次元超曲面配置に配置される、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記回路ベースプラットフォームは集積回路(IC)を含み、前記磁気センサのセット及び中間回路コンポーネントは前記IC上に配置されている、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記回路ベースプラットフォームは印刷回路基板(PCB)を含み、前記磁気センサのセット及び中間回路コンポーネントは前記PCB上に配置されている、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記磁気センサのセット内の磁気センサのサブセットは集積回路(IC)上に配置され、前記ICは前記PCB上に配置されている、請求項16に記載のシステム。
  18. マルチアレイ磁気検知コンポーネントのためのシステムであって、
    回路ベースプラットフォームと、
    前記回路ベースプラットフォーム上に配置されたADFMRセンサデバイスのセットと、
    中間回路コンポーネント、信号入力、及び信号出力を含む回路システムと、
    を備え、前記信号入力は電気発振器信号入力であると共に前記磁気センサのセット内の各磁気センサへ方向付けることができ、
    前記信号出力は前記磁気センサのセットからの磁場測定を含み、各磁場測定は個別に選択可能であり、
    前記回路システムは前記磁気センサのセットのサブセットをオン又はオフにするよう構成され、
    前記中間回路コンポーネントはミキサ及び電圧ゲート電気発振器を含む、システム。
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