JP2023541484A - 衝撃緩和構造体 - Google Patents

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Abstract

ヘルメットは、衝撃緩和構造体(100)を含む。前記衝撃緩和構造体は、第1の内層(102)と、第2の外層(104)と、前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層(105)とを含む。前記反応層は、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素(106)を含む。前記第2の層が衝撃を受ける際に、前記第1の内層と前記第2の外層の互いに対する運動を促進するために、前記反応層の複数の要素が転動するように構成されるように、前記反応層は配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃緩和構造体に関するものであり、特に複数の層を有する衝撃緩和構造体に関するものである。
人又は物体が十分に大きい衝撃を受けると、人への傷害又は物体への損傷が発生する可能性がある。損傷又は傷害を与える可能性のある衝撃からの保護を提供する衝撃緩和構造体、特にヘルメット及びボディアーマーを製造するために多大の開発努力が費やされてきた。
自転車、乗馬、又はロッククライミングなどのスポーツをすることにより負う可能性のある頭部外傷は、重大な脳損傷の一般的な原因となる。脳外傷は、頭部への局所的な衝撃、頭蓋内での急激な加速又は減速、又は衝撃と運動との両方の組み合わせのいずれかの結果として発生する可能性がある。したがって、衝撃保護具は、頭部への衝撃による脳損傷を防ぐ上で重要である。
ヘルメットの形態の頭部保護具は、衝撃時にユーザーの頭部にかかる力を軽減するように設計されている。一般に、ヘルメットは、衝撃時にヘルメットが受ける力の一部を吸収するように設計された少なくとも1層の衝撃吸収層を備える。ボディアーマーも同様に、他の身体の部分を保護するものである。
しかしながら、ヘルメット及びボディアーマーは、衝撃時に直線力と接線力との両方に対して適切な保護をもたらさないことが多い。斜めの衝撃が一般的であるため、衝撃は多くの場合、直線成分と接線成分との両方が含まれる。接線力は特に脳の回転加速をもたらし、これは架橋静脈の破裂に関連している。次いでこれは硬膜下血腫及びびまん性軸索損傷の原因となる可能性がある。また、衝撃時の接線力もまた、頚椎損傷の原因となり得る。
本発明の目的は、改良された衝撃緩和構造体を提供することである。
図1は、本発明の一実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図2は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図3は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図4は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図5は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図6Aは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図6Bは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図7は、本発明の一実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図8は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図9は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図10は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図11は、本発明の一実施形態による衝撃緩和構造体の様々な構成要素の運動を示す図である。 図12は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体の様々な構成要素の運動を示す図である。 図13は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図14、図15及び図16は、本発明の実施形態により反応層の接続部がどのように配置され得るかを模式的に示す。 図14、図15及び図16は、本発明の実施形態により反応層の接続部がどのように配置され得るかを模式的に示す。 図14、図15及び図16は、本発明の実施形態により反応層の接続部がどのように配置され得るかを模式的に示す。 図17は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図18、図19及び図20は、本発明の実施形態により反応層の円柱形要素がどのように配置され得るかを模式的に示す。 図18、図19及び図20は、本発明の実施形態により反応層の円柱形要素がどのように配置され得るかを模式的に示す。 図18、図19及び図20は、本発明の実施形態により反応層の円柱形要素がどのように配置され得るかを模式的に示す。 図21は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図22は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図23は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図24A及び図24Bは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図25は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図26は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図27は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図28は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図29は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図30A及び図30Bは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式図である。 図31は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図32A及び図32Bは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図33A及び図33Bは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図34は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図35A及び図35Bは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式断面図である。 図36は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式分解図である。 図37は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体を示す模式分解図である。 図38及び図39は、本発明の一実施形態による衝撃緩和構造体から形成されたヘルメットを示す模式図である。 図38及び図39は、本発明の一実施形態による衝撃緩和構造体から形成されたヘルメットを示す模式図である。
第1の態様から見ると、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は、
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層であって、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素を備える、前記反応層;
を備え、
前記第2の層が衝撃を受ける際に、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するために前記反応層の複数の要素が転動するように構成されるように、前記反応層が配置されている。
したがって、本発明は、衝撃緩和構造体を含むヘルメットを提供する。衝撃緩和構造体は、複数の層から形成されており(反応層は内側(第1)の層と外側(第2)の層との間に挟まれている)、前記反応層は、他の(例えば衝撃吸収)層の互いに対する運動を促進する(容易にする)。ヘルメット、特に衝撃緩和構造体の第2の(外)層が(例えば閾値を超える)衝撃を受ける際に、衝撃からの力の少なくとも一部が反応層に伝わる。これにより、複数の(例えば離散的な)要素の転動が引き起こされる。この反応層の複数の要素の転動運動により、第2の層が第1の(内)層に対して、及び/又はその逆で、移動(例えば、スライド又は回転)することができる。これらの層の運動は、衝撃時及び衝撃後に起こり得る。
当業者は、衝撃緩和構造体内の反応層の提供が、第1の層と第2の層との間の複数の要素の転動により、第1の層と第2の層の互いに対する運動を促進し、互いに対する層の運動へ衝撃からのエネルギーの一部を移動するのに役立つことを理解するであろう。これは、ヘルメットが保護している頭部に移動するエネルギーの量が減少するように、衝撃からエネルギーを(例えば、反応層に)移動させるのに役立つ。
反応層は、衝撃からのエネルギーを、互いに対する層の直線運動及び/又は回転運動に変換するのに役立つ。特に、衝撃によるエネルギーは、反応層(例えば、反応層の複数の要素)に移動することができ(例えば、反応層(例えば、反応層の複数の要素)の運動エネルギー及び/又は位置エネルギーに変換される)、それにより、エネルギーがヘルメットの層によって散逸(dissipate)されず、及び/又はユーザーの頭部に隣接するヘルメットの層に伝わらないようにする。したがって、好ましくは、反応層(例えば、反応層の複数の要素)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けた場合に、(衝撃のエネルギーから)運動エネルギー及び/又は位置エネルギーを受け取るように構成される。これにより、衝撃緩和構造体を通して、例えば衝撃緩和構造体が保護しようとする身体に伝わる直線力及び回転力を低減するのに役立つ。理解されるとおり、着用者の頭部を保護するヘルメットについては、これは、頭部及び脳の損傷の可能性を低減するのに役立つ。
エネルギーを(反応層に対して機械的な仕事がなされることにより)反応層に伝えること、及び/又は衝撃において外層にかかる力から内層を隔離することは、従来のヘルメットとは対照的であり、従来のヘルメットは、例えばコネクタの変形又は層間の摩擦を介してヘルメット(例えば、ヘルメットの層間)内でエネルギーを散逸するものか、又は内層を隔離しないものである。これは、衝撃に伴う頭部及びヘルメットの初期運動エネルギーからエネルギーのかなりの量が内層に伝わる結果となる場合が多い。
さらに、少なくとも好ましい実施形態では、複数の要素が定位置に保持されている反応層の配置は、複数の要素が転動し((例えば乱れ)始める特定の閾値を導入(又は設定)して、これらの層が互いに対して移動できるように構成され得る。これは、その使用に特に適した衝撃緩和構造体を有するヘルメットを提供するのに役立ち、かつ互いに対する層の運動へのエネルギー移動量を増加させるのに役立つように使用することができる。
好ましくは、第1の内層、第2の外層及び/又は反応層は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、衝撃の回転エネルギー(すなわち、衝撃のエネルギーのうち、ヘルメットの層の互いに対する回転を引き起こす成分)の大部分が第2の外層及び/又は反応層に伝わるように構成される。ヘルメットの内層(複数可)ではなく、第2の外層及び/又は反応層へのエネルギーの移動は、それ自体が新規かつ発明的であると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
前記第1の内層と前記第2の外層との間に位置する第3の中間層;
を備え、
前記第1の内層、前記第2の外層、及び/又は前記第3の中間層は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、衝撃の回転エネルギーの大部分が前記第2の外層及び/又は前記第3の中間層に移動するように構成されている。
したがって、本発明のこの態様では、(頭部とヘルメットの)衝撃に対する入来回転運動エネルギーは、衝撃緩和構造体の内層と外層との間に配置された別個の中間層(例えば反応層)、又は第2の外層に移動する(例えば吸収される)が、衝撃緩和構造体の層間のその他の層又は構成成分に移動しない(例えば吸収されない)。したがって、好ましくは、衝撃緩和構造体の前記層のいずれかの間で散逸される衝撃の回転エネルギーは少量(例えば実質的に皆無)である。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
好ましくは、衝撃緩和構造体(例えば、衝撃緩和構造体の第1の内層、第2の外層、及び/又は反応層)は、第1の内層を第2の外層から実質的に、(機械的に)分断、及び/又は隔離するように構成されている。これは、衝撃緩和構造体の外層と内層との間で回転エネルギーが伝わるのを避けることに役立ち、衝撃による回転エネルギーがヘルメットの着用者の頭部に伝わるのを防ぐことに役立つ。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
前記第1の内層と前記第2の外層との間に位置する第3の中間層;
を備え、
前記第1の内層、前記第2の外層及び/又は前記第3の中間層は、前記第1の内層を前記第2の外層から実質的に分断、及び/又は隔離するように構成されている。
これは、内層がヘルメットの他の層から分断及び/又は隔離され、ヘルメット(好ましくは頭部に装着されるように構成されているヘルメット)の内層に作用する、ひいては頭部に作用する回転衝撃の発生を防ぐのに役立つ。
(従来のヘルメットの場合のように)ヘルメットの層間で回転運動エネルギーを散逸させるのではなく、反応層が衝撃の回転エネルギーから運動エネルギー及び/又は位置エネルギーを獲得する。これにより、例えば、反応層の複数の要素の無作為かつ無秩序な自由運動、例えば、任意の方向及び任意の軸の周りでの自由運動が生じ得る。このエネルギーは、分子及び粒子が持つ内部エネルギーと同じように考えることができる。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。好ましくは、内層、外層、及び/又は第3の中間層は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、少なくとも特定の力を有する衝撃)を受けるときに、第1の内層、第2の外層及び/又は第3の中間層のうちの1つ又は複数(例えば、すべて)が互いに対して実質的に自由に移動するように、互いに実質的に分断、及び/又は隔離されている。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
前記第1の内層と前記第2の外層との間に位置する第3の中間層;
を備え、
前記衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、前記第1の内層、前記第2の外層及び/又は前記第3の中間層が、互いに対して実質的に自由に移動するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
第1の層、第2の層、及び反応層は、個々に及び集合的にの両方で、任意の適切かつ所望の幾何学的形状を有することができる。好ましくは、第1の層、第2の層、及び反応層の1つ又は複数(例えば、それぞれ)は、(例えば各々の層の表面領域全体で)それらの他の2つの寸法よりも厚さが小さい。好ましくは、第1の層及び第2の層の一方又は両方は、反応層の厚さよりも厚さが大きい。後述するように、これは第1の層及び/又は第2の層の性質及び機能に依存し得る。好ましくは、第1の層、第2の層、及び反応層のうちの1つ又は複数(例えば、それぞれ)の厚さは実質的に一定である。
好ましい実施形態では、第1の層、第2の層、及び反応層の1つ又は複数(例えば全て)は、互いに実質的に平行に配置される。したがって、好ましくは、第1の層、第2の層、及び反応層が互いの上に積層されるように、反応層は、第1の層と第2の層との間に挟まれる。反応層は、第1及び/又は第2の層と実質的に同じ表面領域にわたって延びることができ、好ましくは、第1の層及び第2の層の一方又は両方は、反応層が延びる表面領域よりも大きな表面領域に(例えば、それらの厚さに垂直な方向に)わたって延びている。いくつかの実施形態では、反応層は、任意の衝撃が発生する可能性のあるヘルメット(ヘルメットの衝撃緩和構造体)の表面領域に延在する。
好ましい実施形態では、第1の層、第2の層、及び反応層の1つ又は複数(例えば各々)が(例えば各々の層の表面領域全体で)、(例えば二重に)湾曲している。好ましくは、第1の層、第2の層、及び反応層の形状並びに湾曲は、これらの層が互いに適合するようになっている。好ましくは、第1の層は、反応層に面する凸面を有する(かつ好ましくは、反応層と離れる方向に面する、例えば使用者の頭部に面する、反対面に凹面を有する)。好ましくは、第2の層は、反応層に面する凹面を有する(かつ好ましくは、反応層と離れる方向に面する、例えば使用者の頭部から離れる方向に面する、反対面に凸面を有する)。好ましくは、反応層は、第1の層に面する凹面と、第2の層に面する凸面とを有する。
一実施形態では、第1の層は、単一の(例えば、連続的及び/又は一体的に形成された)層を備える。一実施形態では、第2の層は、単一の(例えば、連続的及び/又は一体的に形成された)層を備える。一実施形態では、第1の層は、第1の層を共に形成する複数の(例えば、離散的な)部位、区分、又は部分を備える。一実施形態では、第2の層は、第2の層を共に形成する複数の(例えば、離散的な)部位、区分、又は部分を備える。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
を備え、
前記第1の内層及び前記第2の外層の一方又は両方が、複数の離散的な部分を備え、
前記衝撃緩和構造体は、前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層をさらに備え、
前記反応層は、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持された複数の要素を備え;かつ
前記第2の層が衝撃を受けるときに、前記反応層の複数の要素は、前記複数の離散的な部分の少なくとも一方が前記複数の離散的な部分の少なくとも1つの他方に対する運動を促進するために転動するように構成されるように、前記反応層は配置されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
反応層は、第1の内層(例えば内層の1つ又は複数の部分)と第2の外層(例えば外層の1つ又は複数の部分)との間に、任意の適切かつ所望の方法で配置することができる。一実施形態では、反応層は、反応層を共に形成する複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分を備える。例えば、反応層の複数の要素は、反応層を共に形成する複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分を提供するために、別々の領域に分布されてもよい。したがって、第1の層と第2の層との間(例えば反応層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の間)に、反応要素が存在しない1つ又は複数の領域(例えば部位、区分、又は部分)が存在し得る。
第1の層、第2の層、及び反応層のうちの2つ以上が共にそれぞれの層を形成する複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分を備える場合、それぞれの層におけるこれらの複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分は、互いに対応(例えば整合)し得る。したがって、第1の層、第2の層、及び反応層のうちの2つ以上における複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の配置(例えば形状及び/又はサイズ)は、互いに対応し得る(例えば、整合及び/又は同じであり得る)。
第1の層及び/又は第2の層(及び、例えば反応層)が複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分を備える場合、好ましくは、第1の層及び/又は第2の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分は、第2の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分のうちの1つ又は複数が衝撃を受けるときに、反応槽の複数の要素が、第1の層及び/又は第2の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の1つ又は複数の互いに対する運動を促進するために転動するように構成されている。
したがって、例えば、第2の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の1つ又は複数が、第2の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の他方(複数)に対して(例えば独立して)動くように、及び/又は第1の層の(例えば複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分)に対して(例えば独立して)動くように配置されてもよい。同様に、第1の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の1つ又は複数は、第1の層の複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分の他方(複数可)に対して(例えば独立して)動くように、及び/又は第2の層(例えば複数の(例えば離散的な)部位、区分、又は部分)に対して(例えば独立して)動くように配置されてもよい。
衝撃緩和構造体は、任意の適切かつ所望の数の反応層(及び他の層)を備えてもよい。一組の実施形態では、衝撃緩和構造体は、少なくとも2つの反応層を備える。好ましくは、衝撃緩和構造体は、追加の層を備える。例えば、第1の反応層は、第1の(内)層と第3の(中間)層との間に位置することができ、第2の反応層は、第3の(又は第4の中間)層と第2の層との間に位置することができる。追加の層はまた、例えば衝撃緩和構造体の他の層の間に配置された、本明細書に記載の1つ又は複数の低摩擦層を備えてもよい。各反応層及び/又は低摩擦層との間又は周囲には、複数の層が存在してもよい。
さらなる反応層(複数可)は、任意の適切かつ所望の構成で、例えば、第1の反応層と実質的に同じ(例えば、同一)構成で配置することができる。さらなる(中間)層は、任意の適切かつ所望の構成、例えば、第1の層及び/又は第2の層と実質的に同じ(例えば、同一)構成で配置することができる。
衝撃緩和構造体は、任意の適切かつ望ましい数の複数の要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、前記複数の要素の要素数は、5個~100,000個、例えば50個~10,000個、例えば100個~1,000個である。一組の実施形態では、要素数は、衝撃緩和構造体の(1つ又は複数の層の)サイズ(例えば表面積)に比例し得る。例えば、より大きな衝撃緩和構造体は、より多くの要素を備えることができる。一組の実施形態では、反応層の表面積に対する、複数の要素が設けられた反応層の表面積の比率は、0.05~0.5、例えば0.1~0.4、例えば約0.25である。
一組の実施形態では、反応層の(全)体積に対する複数の要素によって占有される反応層の体積の比率(すなわち、複数の要素の相対密度)は、0.15~0.6、例えば、0.2~0.5、例えば、0.3~0.4である。これは、着用者の頭部の逆回転が低減(例えば、最小化)されるように、ヘルメットを介して着用者の頭部に伝わる回転量を制御するのに役立ち、好ましくは、衝撃の結果として着用者の頭部及び脳に伝わる回転力を低減(例えば、最小化)するのに役立つ。
したがって、好ましくは、反応層における複数の要素のサイズの相対密度は、衝撃の結果として着用者の頭部及び脳に伝わる回転力を低減(例えば、最小化)するように構成される。
複数の要素は、衝撃緩和構造体の1つの層の別の層に対する運動を促進する、任意の適切かつ望ましい要素から形成され得る。複数の要素の個々の要素は、それ自体の間で形態(例えば、形状、サイズ)が異なってもよく、あるいは、いくつかの実施形態では、複数の要素は、互いに実質的に同一である。これは、衝撃緩和構造体全体で反応層の挙動の一貫性を改善するのに役立ち得る。
複数の要素の各要素は、(例えば、直線状の辺と平坦な面(のみ)を有する)多面体を備える。好ましくは、要素は、少なくとも部分的に丸みを帯びており、例えば、要素の表面積の少なくとも半分が丸みを帯びている。したがって、いくつかの実施形態では、要素は、任意の直線上の辺又は平坦な面を備えていない。丸みを帯びた要素は、第1及び/又は第2の層の運動を促進するために、より容易に回転(例えば、第1及び/又は第2の層に対して回転)することができる。
いくつかの実施形態では、要素は(実質的に)回転楕円体であり、例えば球体である。回転楕円体要素は、複数の(例えば任意の)方向に回転(例えば転動)することができ、これは、衝撃における第1及び/又は第2の層の運動を(例えば衝撃の方向とは無関係に)改善するのに役立ち、したがって、衝撃緩和構造体を介した力の移動をより効果的に低減するのに役立つ。このような効果は、少なくとも部分的に丸みを帯びた表面領域を有する要素で、なお観察され得る。
一実施形態では、1つ又は複数(例えば全て)の複数の要素(例えば各々)は、一方向に別の(例えば垂直)方向の寸法よりも大きい寸法を有する。したがって、例えば、複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば各々)は、各々の要素の最大寸法よりも小さい最小寸法を有する。複数の要素は、この(例えば非球状)形状を与えるように任意の適切かつ所望の方法で成形することができる。
一実施形態では、複数の要素の1つ又は複数(例えば全て)は、(実質的に)角柱状、例えば円柱形(好ましくは(実質的に)円形の断面を有する円柱形)である。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の円柱形要素;
を備え、
前記第2の層が衝撃を受けるときに、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するために、前記複数の円柱形要素が前記円柱形要素のそれぞれの軸に垂直な方向に転動するように構成されるように、前記複数の円柱形要素は配置されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、例えば、第2の層が衝撃を受けるとき、複数の円柱形要素は、第1の内層と第2の外層との間の反応層の一部分を形成する。
好ましくは、角柱体(例えば円柱体)の軸(主軸、投影軸)に沿った角柱体(例えば円柱体)の寸法は、角柱体(例えば円柱体)の軸(主軸、投影軸)に垂直な角柱体(例えば円柱体)の寸法よりも大きい。したがって、例えば、複数の要素が複数の円柱体を備える場合、対称軸に沿った円柱体の長さは、円柱体の断面を形成する円(軸に垂直な方向)の直径よりも大きい。一般に複数の要素のように、複数の円柱は、複数の異なるサイズ及び形状(例えば、直径に対する長さの比率)を有することができる。同様に、一般に複数の要素のように、複数の円柱体は、低摩擦材料を備えてもよい。円柱体は、低摩擦材料から形成されてもよいし、又は低摩擦コーティングを備えてもよい。
複数の要素が、一方向が別の(例えば垂直な)方向の寸法よりも大きい寸法を有する場合、好ましくは、複数の要素は、それらのより大きい寸法の方向が互いに(例えば全て)整列しない状態で反応層に配置(例えば分布及び/又は位置)される。したがって、例えば、複数の要素が複数の円柱体を備える場合、好ましくは、円柱体の対称軸は、互いに(例えば、全て)整列していない。第1の内層と第2の外層との互いに対する移動を促進するために、第2の層が衝撃を受けるときに、複数の要素が異なる方向に転動するように配置されるように複数の要素が非整列であることは、複数の要素の転動の量及び/又は方向を制御するのに役立ち、ひいては第1の層と第2の層との間の摩擦の量及び/又は方向を制御するのに役立つ。
複数の要素のうちの要素は、任意の好適かつ所望の大きさを有することができる。本出願人は、衝撃緩和構造体(例えば、ヘルメット、アーマー)の目的の用途に応じて、要素の大きさを選択することが可能であることを理解している。いくつかの実施形態では、要素(それぞれ)は、0.1mm~4mm、例えば0.5mm~3mm、例えば1mm~2mmの最大サイズ(例えば、直径)を有している。好ましくは、要素(それぞれ)は、反応層の厚さの4分の1より大きい(例えば半分より大きい)(最大)サイズを有し、例えば第1の層と第2の層との分離の間の厚さの4分の1より大きい(例えば半分より大きい)(最大)サイズを有する。
いくつかの実施形態では、複数の要素はそれぞれ、実質的に同じ形状、サイズ及び/又は寸法を有する。いくつかの実施形態では、複数の要素は、複数の異なる形状、サイズ及び/又は寸法を有する。例えば、複数の要素は、(ある特定のサイズを有する)複数のより大きい要素と、(異なるより小さい特定のサイズを有する)複数のより小さい要素を含み得る。
複数の要素のサイズ、及び例えば(相対)密度は、好ましくは、衝撃の結果として着用者の頭部及び脳に伝わる回転力を低減(例えば最小化)するように、例えば、着用者の頭部の逆回転が低減(例えば最小化)するように構成される。
第1の層と第2の層とは、任意の好適かつ所望の距離だけ互いに間隔を空けて配置することができる。一実施形態では、第1の層と第2の層との間の間隔(例えば、少なくとも、間に反応層が設けられている領域の間隔)は、実質的に一定である。この実施形態では、第1の層と第2の層との間の間隔(例えば、少なくとも、間に反応層が設けられる領域の間隔)は可変である。したがって、例えば、ある領域の第1の層と第2の層との間の間隔が、異なる領域の第1の層と第2の層との間の間隔よりも小さいような、ある領域が存在し得る。
第1の層と第2の層との間隔が可変である場合、好ましくは、(例えば、第1の層と第2の層との間の間隔に一致するように)複数の要素の大きさは可変である。したがって、例えば、複数の要素は、第1の層と第2の層との間の間隔がより小さい第1の領域においてより小さくてもよく、複数の要素は、第1の層と第2の層との間の間隔が(第1の領域における間隔よりも)大きい第2の領域において(第1の層の複数の要素のサイズよりも)大きくてもよい。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
を備え、
前記第1の内層は、前記第1の内層と前記第2の外層との間の第1の領域にわたって第1の間隔だけ前記第2の外層から間隔を空けており;
前記第1の内層は、前記第1の内層と前記第2の外層との間の第2の領域にわたって第2の間隔だけ前記第2の外層から間隔を空けており;
前記第1の間隔は、前記第2の間隔よりも大きく;かつ
前記衝撃緩和構造体は、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持された複数の転動可能な要素を備え;
前記複数の転動可能な要素は、前記第1の内層と前記第2の外層との間の前記第1の領域にわたり配置された第1の複数の転動可能な要素を含み;
前記複数の転動可能な要素は、第1の内層と第2の外層との間の第2の領域にわたり配置された第2の複数の転動可能な要素を含み;かつ
前記第1の複数の転動可能な要素は、前記第2の複数の転動可能な要素よりも大きい。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、好ましくは、第2の層が衝撃を受けたとき、(例えば、反応層の一部を形成する)複数の要素は、第1の内層と第2の外層との互いに対する運動を促進するために転動するように構成されるように配置されている。好ましくは、第1の複数の転動可能な要素は、第2の複数の転動可能な要素よりも大きな最大寸法(例えば、直径)を有する。好ましくは、第1の複数の転動可能な要素は、第2の複数の転動可能な要素よりも大きな最小寸法を有する。
前記要素は、任意の適切かつ望ましい材料から形成することができる。前記要素は、実質的に非圧縮性の流体を備えてもよい。前記要素は、非ニュートン流体を備えてもよい。好ましくは、前記要素は実質的に(例えば全体的に)固体である(すなわち、前記要素は非圧縮性であり、固定形状を有する)。例えば、前記要素は、50超過、例えば100超過のショアA硬度を有する材料から形成され得る。この硬度を持つ材料は、簡単に圧縮したり、又は変形したりすることはない。実質的に非圧縮性の(すなわち固体の)要素を使用することは、衝撃の際の要素の転動(例えば回転)を改善し、第1の層と第2の層の互いに対する運動を改善するのに役立つ。
好ましくは、複数の要素は剛性であり、例えば、0.1GPaより大きいヤング係数、例えば1GPaより大きい、例えば10GPaより大きいヤング係数を有する。
一組の実施形態では、複数の要素は、低摩擦材料を備える。前記要素は、低摩擦材料から形成されてもよいし、又は低摩擦コーティングを備えてもよい。任意の好適かつ望ましい低摩擦材料及び/又はコーティングを使用することができる。一組の実施形態では、摩擦係数は、0.6未満、例えば0.4未満、例えば0.2未満、例えば0.1未満、例えば約0.05未満である。いくつかの実施形態では、低摩擦材料及び/又はコーティングは、ナイロンを含む。低摩擦材料は、衝撃緩和構造体への衝撃の間及び/又は衝撃の後に、(例えば、互いに対して及び/又は第1及び第2の層に対する)要素の転動(例えば回転)を、衝撃の間及び/又は衝撃の後に複数の要素がより円滑に転動する(例えば回転する)ことを可能にすることによって、改善することができる。これにより、衝撃の間及び/又は衝撃の後に、第1及び第2の層の互いに対する運動の増大及び/又は円滑化を促進させることができる。
一組の実施形態では、1つ又は複数(例えば全て)の複数の要素、第1の層、及び第2の層は、高摩擦材料及び/又はコーティングを備える。これにより、衝撃緩和構造体が衝撃を受け、複数の要素が第1の層及び/又は第2の層に接触する場合に、複数の要素と第1の層及び/又は第2の層との間のトルクを促進するのに役立ち得る。この(例えば、転動の抵抗に勝る)トルクは、複数の要素が(例えば、第1及び/又は第2の層に対して滑り、かつスライドするのではなく)転動して第1及び第2の層の互いに対する運動を促進するのに役立つ。
したがって、例えば、層の互いに対する運動を促進するために第1及び第2の層の間に低摩擦層を設ける代わりに、本出願人は、第1の層と第2の層との互いに対する運動が、複数の要素の転動によって大きく改善され、この複数の要素の転動自体が、複数の要素と第1及び/又は第2の層との間の摩擦によって促進されると評価してきた。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素;
を備え、
1つ又は複数の前記複数の要素、第1の内層、及び第2の外層は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、複数の要素が第1の内層及び第2の外層の一方又は両方に接触するように構成されるように、高摩擦の材料及び/又はコーティングを備え、それにより、前記高摩擦材料が、第1の内層と第2の外層との互いに対する運動を促進するように複数の要素の転動をもたらすようにする。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、好ましくは、複数の要素は、反応層の少なくとも一部を形成する。
好ましい実施形態では、複数の要素は、第1の層及び/又は第2の層に対し直接(例えば接触した状態で)保持され、好ましくは間に中間層又は界面(例えば低摩擦層及び/又は(例えば可撓性層などの)維持構造体)がない状態で保持される。これは、複数の要素と第1及び/又は第2の層との間の摩擦を利用し、第1及び/又は第2の層上での複数の要素の転動を開始させるのに役立つ。好ましくは、複数の要素が接触する第1の層及び/又は第2の層は、硬い層(例えば、衝撃緩和構造体の衝撃吸収層が設けられている場合には、その衝撃吸収層よりも硬い層)を備える。
一組の実施形態では、1つ又は複数(例えば全て)の複数の要素、第1の層、及び第2の層は、織り目化又は構造化された表面を備える。複数の要素の織り目化又は構造化された表面は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに互いに接触する第1の層及び/又は第2の層の織り目化又は構造化された表面と補完的であり得る。例えば、1つ又は複数(例えば全て)の複数の要素、第1の層、及び第2の層は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに互いに係合するように構成された歯ざお及び小歯車、歯車、相互連結要素、ラチェット及びスピンドルを備えてもよい。この場合も、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、複数の要素と第1の層及び/又は第2の層との間のトルクを促進するのに役立つ。
一組の実施形態では、複数の要素の硬度は、第1の層及び/又は第2の層の硬度よりも大きい。しかしながら、以下に概説するように、第1及び/又は第2の層は、複数の要素と界面を形成するためのより硬いコーティング(又は追加の硬い層)を備えてもよい。第1の層及び/又は第2の層と比較した要素の硬度は、衝撃緩和構造体への衝撃時及び/又は衝撃後の要素の(例えば、互いに対する、及び/又は第1の層及び/又は第2の層に対する)転動(例えば、回転)を、衝撃の際の要素の変形を低減することにより(例えば、実質的になくすことにより)、改善するのに役立つ。
複数の要素は、異なる形状、サイズを有し、及び/又は異なる材料から形成されてもよい。しかし、好ましくは、要素は、その形状、サイズ及び材料の1つ又は複数(例えば、すべて)において実質的に同一である。
複数の要素は、任意の好適かつ所望の方法で第1の層と第2の層の間に保持され得る。好ましくは、反応層は、第2の層(又は、例えば、反応層)が衝撃を受けたとき、反応層の複数の要素が、例えば、複数の要素が衝撃を受けると転動するように構成されていることに加えて、第1の内層及び第2の外層の互いに対する運動を促進するために並進する(変位する)ように構成されている。
好ましい実施形態では、反応層の複数の要素は、第1の層と第2の層との間で特定の(例えば固定された)配置(例えば配列)で保持される。したがって、複数の要素は、ヘルメットの通常の使用中に特定の配置で保持(例えば固定)されるが、その後衝撃で特定の配置が乱され(及び、例えばそれから解放され)、複数の要素が転動し、第1及び第2の層が互いに対して移動することを可能にする。
好ましくは、複数の要素は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに(例えば、特定の配置から)解放されるように構成される。好ましくは、複数の要素は、解放された後に転動するように構成される。したがって、このようにして、反応層の複数の要素は、衝撃に対して「反応」するように構成され、例えば、第1の層と第2の層との間に低摩擦界面(すなわち、複数の要素が解放された後の反応層)を提供することを通じて、(少なくとも一部の)第1の内層と(少なくとも一部)第2の外層との互いに対する運動(例えば、スライド)を促進する。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素;
を備え、
前記複数の要素は、前記第1の内層と前記第2の外層との間に特定の配置で保持されており;
前記衝撃緩和構造体が特定の閾値力(threshold force)未満の衝撃を受けるときに、前記複数の要素が前記特定の配置に維持され;
前記衝撃緩和構造体が特定の閾値力を超える衝撃を受けるときに、前記複数の要素のうちの少なくともいくつかが前記特定の配置から解放され;かつ
前記解放された要素は、第1の内層と第2の外層との互いに対する運動を促進するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、好ましくは、複数の要素は、反応層の少なくとも一部を形成する。好ましくは、特定の(閾値)力に対して算定される衝撃の力は、衝撃の力の接線成分であり、例えば、ヘルメットの層の互いに対する回転を引き起こすものである。したがって、好ましくは、特定の(例えば閾値)力は、特定の(例えば閾値)正接値を有する力の(例えば衝撃緩和構造体の(例えば層)に対する)接線成分である。この力の成分がヘルメットを回転させ、ひいては着用者の頭部を回転させる可能性がある。
好ましくは、反応層の複数の要素の特定の配置は、第1の内層と第2の外層との互いに対する運動を促進するために、第2の層が衝撃を受けるときに乱されるように(例えば、複数の要素が転動可能なように)構成されている。
一組の実施形態では、反応層は、衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層)が少なくとも特定の(例えば所定の、閾値の)力(例えば斜めの力)を有する衝撃を受ける場合に、複数の要素が(例えば解放されて)転動する(第1の層と第2の層とが互いに対して運動することを可能にする)ように配置されている。したがって好ましくは、反応層は、衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層)が少なくとも特定の(例えば所定の、閾値の)力(例えば斜めの力)を有する衝撃を受けるときに、複数の要素の特定の配置を(例えば解放かつ)乱すことができるように配置されている。したがって、好ましくは、反応層は、衝撃緩和構造体が少なくとも特定の(例えば、所定の、閾値の)力(例えば、斜めの力)を有する衝撃を受けるまで、複数の要素を所定の位置(例えば、第1及び/又は第2の層に対して、固定又は特定の配置)に保持するように構成されている。これは、通常の使用時には複数の要素を(例えば特定の配置で)維持し、(例えば十分に大きな)衝撃(すなわち特定の(例えば正接)力以上の衝撃)を受ける場合に転動する(例えば特定の配置が乱される)のに役立つ。
いくつかの実施形態では、複数の要素は、衝撃緩和構造体(例えば、衝撃緩和構造体の第2の層)が衝撃を受けるときに、例えば複数の要素が特定の配置を乱す(例えば、それから解放される)ときに、それらが保持されている場所から(例えば、解放かつ)変位するように配置される。例えば、要素は(以前の)固定位置から、例えば転動に加えて、自由に移動することができる。一組の実施形態では、複数の要素は、特定の配置を乱す際に回転するように配置されている。例えば、第2の層が衝撃を受けると、複数の要素は、(反応層内の)固定位置で転動する(例えば、回転する)ように配置されてもよい。
好ましくは、反応層は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、少なくとも特定の力を有する衝撃)を受けたときに、複数の要素が実質的に拘束されず、自由に動くことができるように構成されている。好ましくは、複数の要素は、それらが乱される場合に、例えば任意の向きで任意の軸の周りに、実質的に無作為かつ無秩序な自由運動を行うように構成されている。好ましくは、反応層は、複数の要素が乱される(例えば、衝撃によって解放される)ときに、3次元的に自由に動くように構成されている。好ましくは、反応層(例えば、反応層の複数の要素)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、内層及び/又は外層に対する幾何学的ロックを実質的に防止するように構成されている。
好ましくは、反応層(例えば、反応層の複数の要素)は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、少なくとも特定の力を有する衝撃)を受けるときに、複数の要素が200ms-1の最大速度及び/又は80ms-1の平均速度で反応層から解放されるように構成されている。好ましくは、反応層(例えば、反応層の複数の要素)は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、少なくとも特定の力を有する衝撃)を受けるときに、複数の要素が、それらの速度に実質的に依存しない実質的に一定の転動の抵抗を有するように構成されている。
複数の要素が乱されるのに必要な特定の力は、任意の好適かつ所望の値(例えば、十分に大きな衝撃の結果として第1の層と第2の層とが互いに対して移動するような値)を有するように選択され得る。一実施形態では、特定の(例えば所定の、閾値の)力は、10N~100Nであり、例えば30N~70N、例えば約50Nである。特定の力は、例えば、衝撃緩和構造体に作用する力のうち、衝撃緩和構造体が保護している身体に損傷(例えば傷害)をもたらす可能性のある最低の力の範囲を反映するように、又はヘルメットで保護されているユーザーが(例えば、衝撃を受ける以外の通常の使用時に)衝撃緩和構造体に及ぼし得る最大の力を反映するように選択することができる。この特定の力が比較的低い値であることは、衝撃から衝撃緩和構造体に伝わるエネルギー量を低減して、反応層の作動を開始させるのに役立ち、ユーザーに伝わるエネルギーを低減するのに役立つ。
複数の要素は、任意の所望かつ好適な配置で保持することができる。好ましくは、特定の配置には、複数の要素の固定された(例えば、空間的な)配置を含む。例えば、複数の要素は、複数の要素が衝撃によって乱されるまで、この固定された配置で(例えば、複数の要素が互いに対して定められた位置を有するように)保持されてもよい。一実施形態では、特定の配置は、(例えば規則的な)配列を備える。したがって、複数の要素は、反応層内(例えば、反応層全体)で一様に分布(例えば、間隔をあけて配置)してもよい。例えば、複数の要素は、幾何学的な分布(パターン)に従って分布(例えば、間隔をあけて配置)していてもよい。ただし、複数の要素の他のパターン及び分離も構想される。
複数の要素の固定(例えば空間的)配置、並びに例えばサイズ及び/又は(相対的)密度は、好ましくは、衝撃の結果として着用者の頭部及び脳に伝わる回転力を低減(例えば最小化)するように、例えば着用者の頭部の逆回転を低減(例えば最小化)するように構成されている。
複数の要素が反応層に保持される特定の配置は、反応層が複数の要素の複数の層(例えばそれぞれの層)を備えるようなものであってもよい。好ましくは、要素の複数の層は、互いに実質的に平行に位置するように配置され、例えば、反応層の厚さに対して実質的に垂直に延在するように配置される。好ましくは、要素の複数の層は、互いに(例えば、その層の表面領域の大部分、例えば実質的に全体にわたって)重なり合う。一実施形態では、反応層は、複数の要素の単一の層のみを備える。
複数の要素は、任意の適切かつ望ましい維持手段によって、第1の層と第2の層との間に(例えば、特定の配置で)保持することができる。一実施形態では、第1及び/又は第2の層自体が、(例えば、通常の使用中に)第1の層及び第2の層との間に複数の要素を(例えば特定の配置で)保持するように配置される。一組の実施形態では、衝撃緩和構造体は、(例えば、通常の使用中に)第1の層と第2の層との間に複数の要素を(例えば特定の配置で)保持するように配置された支持構造体及び/又は維持構造体を備える。好ましくは、支持構造体及び/又は維持構造体は、衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層)が衝撃(例えば少なくとも特定の力を有する衝撃)を受けたときに、複数の要素が転動することを可能にするように(例えばそれを可能にするように複数の要素を解放するように)配置されている。
複数の要素は、任意の好適かつ望ましい維持手段によって、第1の層と第2の層との間の支持構造体及び/又は維持構造体に(例えば、特定の配置で)保持されてもよい。例えば、重力、静電気、摩擦、溝、1つ又は複数の磁石及び接着剤のうちの1つ又は複数によって、要素を支持構造体及び/又は維持構造体内に保持してもよい。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
内側衝撃吸収層;及び
前記衝撃吸収層の少なくとも一部の上に配置された外側反応層;
を備え、
前記反応層は、支持構造体及び/又は維持構造体と、前記支持構造体及び/又は前記維持構造体に保持された複数の素子とを備え;かつ
前記支持構造体及び/又は前記維持構造体は、前記反応層が衝撃を受けるときに、前記反応層と前記衝撃吸収層との互いに対する運動を促進するために、前記反応層の前記複数の要素が転動するように構成されている。
したがって、本発明は、(例えば、本明細書に記載の第1の内層と同様の)内側衝撃吸収層と、(例えば、さらなる第2の外層を除く)衝撃吸収層上の外側反応層とを有する衝撃緩和構造体を含むヘルメットも提供することがわかるであろう。この反応層は、複数の要素を、例えば特定の配置に、第1の層上の支持構造体及び/又は維持構造体内に保持するために、支持構造体及び/又は維持構造体を設けている。衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の反応層)が衝撃を受けると、複数の要素は転動するように構成され、衝撃吸収層に対する反応層の運動を促進する。これもまた、衝撃によるエネルギーの一部を層の互いに対する運動に変換するのに役立つ。これは、衝撃からのエネルギーが衝撃吸収層及びヘルメットが保護しようとする頭部に伝わらないように、吸収、偏向、及び/又は散逸するのに役立つ。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。例えば、好ましくは、複数の要素は、重力、静電気、摩擦、溝、1つ又は複数の磁石、及び接着剤のうちの1つ又は複数によって、支持構造体及び/又は維持構造体内に保持される。好ましくは、複数の要素は、支持構造体及び/又は維持構造体に特定の配置で保持される。好ましくは、反応層の複数の要素(例えば、その特定の配置)は、反応層が衝撃を受けるときに乱されるように(例えば複数の要素が転動することが可能なように)構成され、反応層と衝撃吸収層との互いに対する運動を促進するようにする。
一実施形態では、維持構造体は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、少なくとも特定の力を有する衝撃)を受けたときに、複数の要素を(例えば、維持構造体内に)維持するように配置されている。これは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたときに、複数の要素が、例えば、ヘルメットの着用者の顔に解放されることを防止するのに役立つ。したがって、好ましくは、維持構造体は、複数の要素を少なくとも部分的に封入及び/又は取り囲む。維持構造体が、一方の側で複数の要素を取り囲み、他方の側で第1の層又は第2の層が複数の要素を取り囲む。したがって、例えば、維持構造体は、第1の層又は第2の層に対して複数の要素を維持するように配置され得る。好ましくは、維持構造体は、第1の層又は第2の層の少なくとも一部にわたって延在して、例えば、第1の層又は第2の層それぞれに対して複数の要素を維持する。
いくつかの実施形態では、維持構造体は、複数の要素を実質的に完全に封入及び/又は取り囲む。これは、衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、複数の要素が解放されることを防ぐことができ、複数の要素を含む維持構造体を別個の構成部品として製造することを可能にし得る。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
内側衝撃吸収層;及び
前記衝撃吸収層の少なくとも一部の上に配置された外側反応層;
を備え、
前記反応層が、維持構造体と、前記維持構造体に保持された前記複数の要素とを備え;
前記維持構造体は、前記複数の要素を実質的に完全に封入かつ/又は取り囲み;
前記維持構造体は、前記反応層が衝撃を受けるときに、前記反応層と前記衝撃吸収層の互いに対する運動を促進するために、前記反応層の複数の要素が転動するように構成され;かつ
前記維持構造体は、前記反応層が衝撃を受けるときに、前記複数の要素が前記維持構造体内に維持されるように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
維持構造体が少なくとも部分的に(例えば実質的に完全に)複数の要素を封入及び又は取り囲む場合、好ましくは、維持構造体は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば特定の(例えば正接)力以上の力を有する衝撃)を受けるときに、第1及び/又は第2の層が(例えば維持構造体の(例えば維持層(複数可)を介して)複数の要素の少なくとも一部(例えば全て)と係合できるように構成されている。
好ましくは、維持構造体は2つの層を備え、ここで複数の要素は、維持構造体の2つの層の間に維持される(例えば、挟まれる)。したがって、好ましくは、維持構造体は、複数の要素と衝撃緩和構造体の第1の層との間の第1の維持層と、複数の要素と衝撃緩和構造体の第2の層との間の第2の維持層とを備える。
維持構造体の2つの層は、好ましくは、複数の要素の周囲(例えばその外周)で、例えば接着剤、熱プレス又は超音波溶接によって共に接合(例えば密封)される。したがって、維持構造体は、複数の要素を含有(かつ維持)する小袋又はバッグの形態をとることができる。
いくつかの実施形態では、衝撃緩和構造体は、(例えば、複数の要素を特定の配置に保持するように配置される)支持構造体と(例えば、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに複数の要素を維持するように配置される)維持構造体との両方を備える。例えば、支持構造体は、複数の要素を(例えば特定の配置に)保持することができ、維持構造体は、支持構造体を第1の層又は第2の層上に維持することができる。
好ましくは、反応層と衝撃吸収層との互いに対する運動を促進するために、反応層が衝撃を受けるときに、反応層の複数の要素が、反応層(例えば、反応層の特定の配置)から(例えば、特定の配置から、例えば、支持構造体から、及び/又は維持構造体内に)解放されるように構成されている。いくつかの実施形態では、反応層と衝撃吸収層との互いに対する運動には、(例えば固定位置での)複数の要素の転動を単に含むが、好ましくは、(例えば、特定の配置からの)複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば全て)の変位、衝撃吸収層に対する反応層の支持構造体及び維持構造体の変位を含む。
複数の要素は、複数の要素が特定の配置で保持されるように、支持構造体及び/又は維持構造体に、取り付け、埋め込み、及び/又は収容されていてもよい。好ましくは、支持構造体及び/又は維持構造体は、衝撃緩和構造体が特定の力以上の力を受けない限り(及び受けるまで)、複数の要素を特定の配置に維持するように構成されている。
いくつかの実施形態では、支持構造体及び/又は維持構造体は、例えば複数の要素に補完的な、第1の層及び/又は第2の層(例えば、第1の層及び/又は第2の層の一部又はその特徴)によって形成される。第1の層及び/又は第2の層は、複数の要素を、例えば第1の層と第2の層の間の(それらに挟まれた)、特定の配置に保持する支持構造体及び/又は維持構造体(例えばハウジング又は(例えば可撓性)層)を備える(例えば共に提供する)ことができる。一組の実施形態では、(例えば衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに)第1の層及び/又は第2の層(例えば第1の層及び/又は第2の層の支持構造体)が第1の層及び/又は第2の層(例えば第1の層及び/又は第2の層により形成されるハウジング)から複数の要素(例えば第1の層及び/又は第2の層により収納されるか、又はその間に含まれる複数の要素)を解放することによって、複数の要素が乱されるように配置されてもよい。
一組の実施形態では、反応層は、複数の要素を特定の配置に保持するように配置された(例えば、第1の層及び第2の層とは別の)支持構造体を備える。これらの実施形態では、好ましくは、支持構造体は、第1の層と第2の層との間に保持される(例えば、挟まれる)。支持構造体は、任意の好適かつ所望の方法で第1の層と第2の層との間に保持することができる。例えば、支持構造体は、第1の層と第2の層の間に単に挟まれてもよい(例えば、摩擦によって保持されてもよい)。いくつかの実施形態では、支持構造体は、例えば、接着剤又は結合剤によって、第1の層及び/又は第2の層に取り付けられる。
一組の実施形態では、支持構造体は(第1の層、第2の層、又は反応層の一部としてのいずれであっても)、複数の要素(それぞれ)を支持構造体内に、例えば特定の配置に保持するように配置された複数の位置決め点を備える。一実施形態では、支持構造体(例えば、支持構造体の複数の位置決め点)は、複数の凹部を(例えば、支持構造体の表面に)備えている。複数の凹部は、支持構造体の表面からの複数の突起によって形成されてもよい。
好ましくは、複数の凹部の各々は、複数の要素が支持構造体に、例えば特定の配置で、保持されるように、複数の要素のそれぞれの要素を特定の(例えば固定した)位置(すなわち凹部内)に保持するように配置されている。したがって好ましくは、複数の凹部は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、複数の要素が転動すること、例えば支持構造体から(例えば、支持構造体における特定の配置から)開放されることを可能にするように配置されている。好ましくは、複数の凹部は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、複数の要素が並進(例えば、変位)及び/又は転動して自由に回転することを可能にするように配置されている。
一実施形態では、支持構造体(例えば支持構造体の複数の位置決め点)は、複数の要素を支持構造体に接続して、複数の要素を支持構造体(例えば支持構造体における特定の配置)に保持するための複数のコネクタを備える。好ましくは、複数の要素の各要素は、複数のコネクタのそれぞれのコネクタに接続される。好ましくは、複数の要素は、衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層)が衝撃を受けるときに、複数のコネクタから切断(例えば分離又は断絶)するように配置され、それにより、複数の要素が転動することができ、及び/又は、例えば、特定の配置から乱れる(例えば解放される)ようにし、例えば、複数の要素が自由に並進(例えば変位)及び/又は回転することができるようにする。
上述したように、いくつかの実施形態では、複数の要素は、例えば、支持構造体(例えば支持構造体における特定の配置)に保持される場合(及び特定の配置から解放される場合)、複数の離散的な要素を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、複数の要素は、複数のコネクタに、したがって、例えば、支持構造体に(例えば、一体的に)接続されている。
複数のコネクタは、支持構造体の表面からの複数の突起を備え得、そこへ複数の要素が接続される。一実施形態では、複数の要素は、第1の層及び/又は第2の層(例えば、第1の層及び/又は第2の層の支持構造体)に直接取り付けられる(例えば、含侵又は接合される)。したがって、例えば、複数の要素は、第1の層及び/又は第2の層上に(例えば、直接、一体的に)形成されてもよい。好ましくは、複数の要素は、衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層)が衝撃を受けるときに、第1の層及び/又は第2の層(例えば第1の層及び/又は第2の層の支持構造体)から切断(例えば分離又は断絶)するように配置されており、それにより、複数の要素が支持構造体(例えば支持構造体の特定の配置)から転動する(例えば乱される(例えば解放される))ことが可能なようにする。これらの実施形態では、複数の要素は、複数の要素と第1の層及び/又は第2の層(例えば、第1の層及び/又は第2の層の支持構造体)との間の化学的及び/又は物理的結合に衝撃の力が勝る(例えば、結合を断絶する)ことによって乱される。
一実施形態では、支持構造体は、例えば、ポリマー(例えば熱ポリマー)から形成された剛性構造を備える。これは、第1の層及び/又は第2の層(又は、例えば、そのコーティング)が形成される材料と同じ材料であってもよい。
一組の実施形態では、(例えば反応層の)支持構造体は、ゲル、発泡体、又は接着剤などの可撓性又は圧縮性の層を備える。例えば、複数の要素は、ゲル、発泡体、又は接着剤に含浸又は埋め込まれ、複数の要素を支持構造体(例えば、支持構造体における特定の配置)に保持することができる。可撓性又は圧縮性の層は、好ましくは、複数の要素の(例えば最大)寸法よりも大きい厚さであり、例えば、0.1mm~5mm、例えば、1mm~4mm、例えば、2mm~3mmの厚さを有する。
一組の実施形態では、維持構造体は、複数の要素を維持構造体(例えば、維持構造体における特定の配置)に保持するために、複数の要素の上又は周りに形成された可撓性(例えば、ポリマー、繊維又は金属)層(包装層又は維持層など)を備える。一組の実施形態では、維持構造体は、複数の要素を実質的に完全に封入及び/又は取り囲む2つの可撓性(例えば、ポリマー、繊維又は金属)維持層を備える。可撓性層(複数可)は、衝撃緩和構造体に、支持構造体(それ自体が複数の要素を保持する支持構造体)を保持することができる。
可撓性(例えば繊維)層(複数化)は、織物、メッシュ、繊維又は布などの可撓性材料を含み得る。可撓性層(複数化)がその中に(例えばメッシュ又は繊維に)1つ又は複数の(好ましくは複数の)穴を有する場合、好ましくは、1つ又は複数の穴の(それぞれの)寸法は、(それぞれの)複数の要素の寸法より小さく、好ましくは複数の要素が可撓性層の穴を通過しないようにする。これにより、複数の要素を維持構造体内に維持するのに役立つ。可撓性又は圧縮性の層は、好ましくは、複数の要素の(例えば最大)寸法よりも小さい厚さであり、例えば厚さは、2mm未満であり、例えば1mm未満であり、例えば0.5mm未満であり、例えば0.1mm未満である。
複数の要素がゲル、発泡体又は接着剤によって(通常の使用中に)所定の位置に保持されている場合、好ましくは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき、例えば特定の(閾値)の力を超過するとき、複数の要素がゲル、発泡体又は接着剤から解放されるように構成されている。好ましくは、複数の要素は、例えばゲル、発泡体又は接着剤との結合が破断されるのではなく、(例えば、ゲル、発泡体又は接着剤から離れる方向に)転動することによってゲル、発泡体又は接着剤から解放されるように構成されている。
複数の要素が所定の位置に保持される方法は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)を受けたときに、複数の要素を解放するように構成され得る。好ましくは、複数の要素は(例えばそれぞれ)、結合(例えば接着剤)によって(例えば衝撃緩和構造体の1つ又は複数の他の表面、層及び/又は他の構成要素に)所定の位置で保持されており、複数の要素の1つ又は複数(例えば全て)は、(例えば衝撃緩和構造体が特定の力以上の力を有する衝撃を受けるときに)それぞれの結合から剥離されることによってそれぞれの結合から開放されるように構成されている。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に延在する1つ又は複数のコネクタ;
を備え、
前記第1の内層及び/又は前記第2の外層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、例えば特定の力以上の力を有する衝撃を受けるときに、1つ又は複数のコネクタから剥離するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
例えば、1つ又は複数のコネクタ(第1の内層及び第2の外層の一方又は両方に取り付けられ、好ましくは第1の内層を第2の外層に接続するコネクタ)は、複数の要素及び/又はそれを所定の位置に保持する方法を備えていてもよい。したがって好ましくは、複数の要素は、それぞれの(例えば接着)結合によって第1の内層及び第2の外層の一方又は両方に取り付けられており、複数の要素の1つ又は複数(例えば全て)及び/又はそれぞれの結合は、衝撃緩和構造体が(例えば特定の力以上の力を有する)衝撃を受けるときに、第1の内層及び/又は第2の外層から剥離するように構成されている。
好ましくは、1つ又は複数のコネクタ(1つ又は複数のコネクタの剥離)は、衝撃緩和構造体が(例えば、特定の力以上の力を有する)衝撃を受けるときに、第1の内層及び第2の外層の一方又は両方をコネクタから、したがって互いから解放するように構成されている。好ましくは、1つ又は複数のコネクタは、回転することによって解放されるように構成され、例えば、1つ又は複数のコネクタは、衝撃によって回転するように構成されている。一実施形態では、1つ又は複数のコネクタは、砂時計のような形状を備える。
好ましくは、維持構造体の可撓性層(複数可)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに(例えば接線方向に)伸張するように配置されている。これは、衝撃で可撓性層が引き裂かれるのを防ぐのに役立ち、したがって、複数の要素を維持構造体内に維持するのに役立つ可能性がある。したがって、好ましくは、維持構造体の可撓性層は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、その中に複数の要素を維持するように、引き裂かれないように、破壊されないように、破裂しないように、及び/又は断絶しないように(すなわち、無傷のままであるように)配置されている。
可撓性層(複数可)は、弾性的に伸張するように配置されてもよく(したがって、伸張した後に元の形状に実質的に戻るように構成されてもよく)、又は可撓性層は、塑性的に伸張するように配置されてもよい(したがって、伸張した後に元の形状に戻らないように構成されてもよい)。
したがって、好ましくは、支持構造体及び/又は維持構造体は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けた後、元の形状及び/又は位置に実質的に回復するように配置される。
いくつかの実施形態では、維持構造体の可撓性層(複数可)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき、例えば特定の(閾値の)力を超える衝撃を受けるときに裂けるように配置される。可撓性層(複数可)は、伸張後に(例えば、ある量の伸張後に)裂けるように配置されてもよいし、又は可撓性層は、(例えば、接線方向に)実質的に伸張せずに裂けるように配置されてもよい。
維持構造体(例えば維持構造体の可撓性層(複数可))は、任意の好適かつ所望の方法で衝撃緩和構造体の残部に取り付けることができる。一実施形態では、維持構造体は、反応層に隣接する衝撃緩和構造体の部分と同じ衝撃緩和構造体の部分に取り付けられる。したがって、例えば、反応層が第1の層及び/又は第2の層に隣接している(及び、例えば、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、第1の層及び/又は第2の層とそれぞれ接触する)場合、好ましくは、維持構造体が第1の層及び/又は第2の層にそれぞれ取り付けられている。
一実施形態では、維持構造体は、複数の要素から維持構造体の反対側にある衝撃緩和構造体の部分に、例えば、維持構造体に隣接する衝撃緩和構造体の部分に、取り付けられる。したがって、例えば、維持構造体が第1の層及び/又は第2の層に隣接する場合、好ましくは、維持構造体は、衝撃緩和構造体の第1の層及び/又は第2の層にそれぞれ取り付けられる。維持構造体が、複数の要素と衝撃緩和構造体の第1の層及び第2の層それぞれとの間に第1及び第2の維持層を備える場合、好ましくは、第1及び/又は第2の維持層は、衝撃緩和構造体の第1の層及び/又は第2の層にそれぞれ取り付けられている。
維持構造体は、(例えば、その代わりに、又は同様に)衝撃吸収層に(例えば、より硬い外層を通して、又はそれを介して)取り付けられることが可能である。
維持構造体は、衝撃緩和構造体の残部、例えばその任意の好適かつ所望の部分に接合することができる。維持構造体は、例えば、超音波溶着又は熱プレスによって接合することができる。
維持構造体は、衝撃緩和構造体の残部に固定されてもよく、例えば、維持構造体(例えば維持構造体の可撓性層)は、第1の層と第2の層との間、又は第1(又は第2)の層と衝撃吸収層との間に固定されてもよい。維持構造体は、衝撃緩和構造体の残部と一体的に形成されてもよく、例えば、維持構造体(例えば、維持構造体の可撓性層)は、第1の層、第2の層、及び衝撃吸収層のうちの1つ又は複数と一体的に形成されてもよい。
維持構造体は、接着剤によって衝撃緩和構造体の残部に取り付けられてもよく、例えば、維持構造体(例えば維持構造体の可撓性層(複数可))は、接着剤によって衝撃緩和構造体の第1の層及び/又は第2の層に取り付けられてもよい。維持構造体が1つ又は複数の(例えば可撓性の)維持層を備える場合、維持層(複数可)は、衝撃緩和構造体を製造する組立工程中に衝撃緩和構造体の残部(例えば、衝撃緩和構造体の第1及び/又は第2の層)に取り付けることができる。例えば、衝撃緩和構造体の様々な構成要素(例えば衝撃緩和構造体の反応層の様々な構成要素)は、維持層が衝撃緩和構造体の残部に(任意の適切かつ所望の手段によって)固定されるように、組み立てられ、次いで共に取り付けられてもよい。
維持構造体は、1つ又は複数のファスナー、例えば維持構造体を第1の層、第2の層、及び衝撃吸収層のうちの1つ又は複数に固定するファスナーによって、衝撃緩和構造体の残部に取り付けられてもよい。維持構造体は、衝撃緩和構造体の残部に、1つ又は複数の(例えば、相互に連結される)刻み目(ノッチ:notch)及び/又は突起を介して、衝撃緩和構造体の残部に取り付けられてもよい。例えば、維持構造体は、第1の層、第2の層、及び衝撃吸収層のうちの1つ又は複数に、これらの層の1つ又は複数のノッチ及び/又は突起を介して取り付けられてもよい。第1の層、第2の層、及び衝撃吸収層のうちの2つ以上は、補完的なノッチ及び突起(例えば、それぞれノッチ内に延びる突起)を備えていてもよく、その間に維持構造体が固定される。
衝撃緩和構造体が第1の層、第2の層、及び維持構造体を備える場合、例えば、第1の層と第2の層とが直接互いに取り付けられてもよく、第1の層と第2の層とが中間構成成分を介して取り付けられてもよく、及び/又は第1の層と第2の層とが反応層(例えば反応層の維持構造体)を介して互いに取り付けられてもよい。
一組の実施形態では、第1及び第2の層は、例えば熱プレス、超音波溶着、又は接着剤によって、互いに直接的に取り付けられる。
一組の実施形態では、第1及び第2の層は、中間構成成分を介して、例えば、第1及び第2の層の間に延びる1つ又は複数の支柱(ストラット:strut)及び/又はスペーサーによって、互いに取り付けられている。一実施形態では、支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)は圧縮可能であり、好ましくは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき(例えば、衝撃緩和構造体が特定の力以上の力を有する衝撃を受けるときに)、例えば、第1及び/又は第2の層が複数の要素の少なくとも一部(例えば全て)に接触するように圧縮するよう構成されている。
したがって好ましくは、第1及び第2の層は、少なくとも複数の要素が分布する領域全体で、複数の要素の対応する寸法よりも大きい距離だけ、互いから間隔を空けており(例えば支柱及び/又はスペーサーは、そのようにサイズ決めされており)、例えば支柱及び/又はスペーサーが、複数の要素から第1及び/又は第2の層を間隔づけるように配置されている。第1及び第2の層は、任意の好適かつ所望の距離、例えば1mm~5mm、例えば2mm~4mm、例えば約3mmだけ、互いに(例えば支柱及び/又はスペーサーにて)間隔を空けることができる。
第1及び第2の層を複数の要素のサイズよりも大きく互いに間隔を空けることは、第1及び/又は第2の層と複数の要素との間の摩擦を低減するのに役立つ。第1の層と第2の層とを互いに取り付けるための支柱又はスペーサーを提供し、同時にこれらの取り付け点及びその周辺において第1の層と第2の層とに互いに間隔を置くことは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、これらの取り付け点又はその近辺(例えば、直近に複数の要素のいずれかが存在しない可能性がある場所)で第1の層と第2の層との間の摩擦を低減するのにも役立つ。これにより、衝撃緩和構造体が衝撃を受けた際に、第1の層と第2の層とが互いに対して移動する場合に、第1の層と第2の層との間で幾何学的にロックされる(固定される)リスクを低減するのに役立つ。
支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)は、圧縮可能な場合、例えば、発泡体(例えば、発泡テープ)から形成することができる。発泡テープは、衝撃緩和構造体が(例えば、特定の力以上の力を有する)衝撃を受けたとき、第1の層及び/又は第2の層から剥離するように配置されてもよい。発泡テープの剥離は(例えば、発泡テープの剪断とは対照的に)、複数の要素を乱すために第1の層と第2の層とを互いに対して変位させる特定の力を制御するのに役立ち得る。
一実施形態では、支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき(例えば、第1及び第2の層に取り付けられるいずれか又は両方の端部で)旋回するように(例えばヒンジで連結され)配置されている。これにより、(例えば、維持構造体及び/又は支持構造体の)反応層が、第1及び/又は第2の層の(例えば、二重に湾曲した)表面にわたって、及び/又はその間で移動可能にすることに役立つ。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層であって、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素を備える、前記反応層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に延びる1つ又は複数の支柱及び/又は1つ又は複数のスペーサー;
を備え、
前記反応層は、前記第2の層が衝撃を受けるとき、前記第1の内層及び前記第2の外層の一方又は両方が前記反応層に接触するように前記1つ又は複数の支柱及び/又は1つ又は複数のスペーサーが旋回するよう配置されており、それにより、前記第1の内層及び前記第2の外層の互いに対する運動を促進するために前記反応層の複数の要素が転動するように構成されるようにする。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
好ましくは、反応層(例えば反応層の維持構造体及び/又は支持構造体)の少なくとも一部は可撓性であり、例えば反応層(例えば反応層の維持構造体及び/又は支持構造体)は、反応層(例えば反応層の維持構造体及び/又は支持構造体)の少なくとも一部(例えば全て)にわたって延びる1つ又は複数のヒンジ線を備える。好ましくは、反応層(例えば、反応層の維持構造体及び/又は支持構造体)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき、1つ又は複数のヒンジ線の少なくとも一部(例えば、全て)で湾曲するように配置されている。これにより、反応層(例えば、維持構造体及び/又は支持構造体の反応層)が、衝撃において、第1及び/又は第2の層の(例えば、二重に湾曲した)表面に、互いに対する移動につれて適合するように曲がることに役立つ。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層であって、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素を備える、前記反応層;
を備え、
前記第1の内層は湾曲しており;
前記第2の外層は湾曲しており;
前記反応層は、前記反応層の少なくとも一部にわたって延びる1つ又は複数のヒンジ線を備え;
前記反応層は、前記第2の層が衝撃を受けたとき、前記第1の内層と前記第2の外層の互いに対する運動を促進し、かつ湾曲した前記第1の内層と湾曲した前記第2の層が互いに対して移動するにつれて適合するように1つ又は複数のヒンジ線の少なくとも一部で曲がるように配置されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。
反応層におけるヒンジ線は、反応層、例えば維持構造体の反応層(例えば維持構造の可撓性層(複数可)の反応層)のバネ式(例えば捲縮)部分を備えてもよい。これにより、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、反応層が伸びる(伸張する)だけでなく撓むことが可能になり得る。
好ましくは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに支柱及び/又はスペーサーが旋回する場合に、複数の要素が支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)を転動するように、支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)は構成されている(例えば、そのような厚さ又は直径を有する)。
一実施形態では、第1の層及び第2の層は、反応層(例えば反応層の維持構造)の周囲(例えば周囲の外側)の周りの1つ又は複数の点で互いに取り付けられる。一組の実施形態では、第1の層及び第2の層は、反応層(例えば反応層の維持構造体)の周囲を避けて、反応層(例えば反応層の維持構造体)を介して(例えば1つ又は複数の点で)互いに取り付けられる。いくつかの実施形態では、第1の層及び第2の層は、反応層の周囲及び反応層を介しての両方で互いに取り付けられる。
第1の層及び第2の層が互いに取り付けられる点(複数可)は、離散的な(間隔を空けた)点(複数可)及び/又は連続的な点(複数可)(例えば、線に沿って延びる点)を備えてもよい。これらの線(複数可)は、例えば、反応層の別個の領域を定義することができる。
いくつかの実施形態では、支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)は、反応層(例えば、反応層の維持構造体)を通って延びる。いくつかの実施形態では、第1の層及び第2の層が互いに取り付けられる1つ又は複数の点は、反応層の1つ又は複数のヒンジ線に対応しているか、又はヒンジ線上に位置している。したがって、好ましくは、支柱(複数可)及び/又はスペーサー(複数可)は、反応層(例えば反応層の維持構造体)の1つ又は複数のヒンジ線を通って延びる。
例えば支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)を介する、第1の層と第2の層との互いへの取り付けにより、反応層(例えば反応層の維持構造体)のヒンジ線(複数可)を画定することができる。したがって、いくつかの実施形態では、支柱(複数可)及び/又はスペーサ(複数可)が反応層(例えば、反応層の維持構造体)のヒンジ線にて旋回するように配置され、かつ反応層(例えば、反応層の維持構造体)は、反応層(例えば反応層の維持構造体)の該ヒンジ線にて曲がるように配置されている。
1つの支持構造体及び/又は1つの維持構造体が、複数の要素を、例えば特定の配置に保持するために使用され得るが、一連の実施形態では、衝撃緩和構造体は、複数の(例えば離散的な)支持構造体及び/又は複数の(例えば離散的な)維持構造体を備え、それぞれの支持構造体及び/又は維持構造体に(例えば、それぞれの特定の配置で)複数の要素を保持するようにそれぞれ配置されている。これは、(例えば、衝撃の性質に応じて)、複数の要素を乱すのに必要な特定の力を増加させるのに役立ち得るか、又は複数の要素の一部のみが一度に乱されることを可能にするのに役立ち得る。これは、複数の要素を乱すのに必要な特定の力の大きさを制御したり、又は第1の層と第2の層との互いに対する運動を衝撃の場所に限定するように制御したりするのに役立ち得る。
したがって、反応層は、それぞれが複数の要素と、例えばそれぞれの支持構造体及び/又は維持構造体とを備える複数の離散的な部分を備え得る。反応層の離散的な部分は、反応層の1つ又は複数のヒンジ線によって画定(線引き)され得る。反応層、並びに支持構造体及び/又は維持構造体の離散的な部分の1つ又は複数(例えば全て)は、個々の反応層、支持構造体及び/又は維持構造体に関して本明細書に概説した好ましい特徴及び任意の特徴のいずれか又はそれぞれを備えることができる。
衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層又は反応層)が衝撃(例えば特定の力以上の衝撃)を受けるとき、例えば本明細書に記載される実施形態の1つ又は複数に従って、複数の要素(例えば複数の要素の特定の配置)は、複数の要素が、例えば特定の配置に、どのように支持構造体及び/又は維持構造体を保持するかに応じて、互いに対する第1の層の第2の層(又は反応層)に対する運動を促進するように任意の好適かつ所望の様式で複数の要素が転動するように(例えばそれらが乱されて転動可能なように)構成され得る。
一組の実施形態では、支持構造体は、衝撃緩和構造体(例えば衝撃緩和構造体の第2の層又は反応層)が衝撃を受けるときに、例えば、特定の(例えば閾値)力以上の力を有する衝撃を受けるときに、壊れる(例えば、破断及び/又は崩壊する)ように配置される。好ましくは、複数の要素は、支持構造体が壊れたときに、特定の配置から解放される(かつ例えばその結果自由に移動できる)ように配置される。好ましくは、複数の要素は、それらが特定の配置を乱す(例えば該配置から解放される)ときに自由に移動する(例えば並進及び/又は回転する)ように配置され、第1の層と第2の層とが互いに対して(又は反応層に対して第1の層が)移動(例えばスライド)することができるようにする。
一実施形態では、支持構造体及び/又は維持構造体の、例えば、中に、一部として、追加で、又は代わりに、複数の要素の1つ又は複数(例えば全て)が共に接続されている(例えば、それらの間に延びるコネクタを備える)。一実施形態では、複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば全て)が、複数の要素のうちの他の1つ又は複数(例えば全て)に接続されている。したがって、例えば、要素のペアが接続されていてもよく、要素の(例えば直線的な)ひもが接続されていてもよく、又は要素の(2次元又は3次元の)網(web)又は配列が接続されていてもよい。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素;
を備え、
前記複数の要素は、前記複数の要素と、前記第1の内層、前記第2の外層、及び他の前記複数の要素のうちの1つ又は複数との間に延びる複数のコネクタによって、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持されており;
前記複数のコネクタは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるとき、複数の要素の少なくともいくつかを解放するように構成されており;かつ
前記解放された要素は、第1の内層と第2の外層との互いに対する運動を促進するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、好ましくは、複数の要素は、反応層の少なくとも一部を形成する。
複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば全て)は、任意の好適かつ所望の方法で共に接続することができる。一実施形態では、これらの要素は、ひも、コード、糸、ばね、テープ、帯ひも(webbing)、機械的固定具(ラッチ、フック、ゲートなど)、ロッドのうちの1つ又は複数によって共に接続されている。要素間の接続部は、以下の1つ又は複数のものである:可撓性、剛性、塑性、弾性、脆性、及び折れやすい性質。したがって、要素間の接続部は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき、例えば閾値を超える衝撃を受けたとき、伸張、変形、剥離、破壊、切断及び破裂のうちの1つ又は複数が実行されるように構成され得る。好ましくは、これは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき、複数の要素を解放するように作動する。
いくつかの実施形態では、要素間の接続部(複数可)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに無傷のまま(例えば、伸張しないこと、変形しないこと、破断しないこと、切断しないこと、破断しないこと、のうちの1つ又は複数)であるように構成される。これらの実施形態では、複数の要素は、例えば、支持構造体から、維持構造体内で、或は、例えば、第1の層及び/又は第2の層への接続から異なる方法で、(例えば、特定の配置から)解放されるように構成され得る。
要素間の接続部(複数可)は、張った状態(及び、例えば、伸びることができない状態)、又は弛んだ状態(及び、例えば、衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、例えば伸びる、例えば締まることができる状態)であってもよい。接続部に張りを持たせたり、又は弛ませたりすることは、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、接続部が伸張、変形、破断、切断又は破裂する力(例えば、引張力)を制御するのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、要素間の接続部(複数可)は、衝撃緩和構造体の他の構成要素(例えば、層)の1つ又は複数を通って延在するか、又はそれに接続されている。要素間の接続部(複数可)は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けたとき、例えば閾値を超える衝撃を受けるときに、例えば要素間の接続部(複数可)が伸張、変形、破壊、切断及び破裂の1つ又は複数を行うように構成されていることに加えて、衝撃緩和構造体の他の構成要素(例えば層)から少なくとも部分的に解放されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、要素間の接続部(複数可)は、衝撃緩和構造体が、例えば閾値を超えるような衝撃を受けるときに、衝撃緩和構造体の他の構成要素(例えば層)の1つ又は複数を通じて少なくとも部分的に維持されているか、又はそれに接続されているように構成されてもよい。
一実施形態では、複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば全て)は、衝撃緩和構造体が例えば閾値を超えるような衝撃を受けたとき、支持構造体によって少なくとも部分的に維持されているように構成されている。この実施形態では、好ましくは、複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば全て)は、支持構造体に対して(例えば支持構造体内で少なくとも部分的に)転動するように構成されている。例えば、支持構造体は、複数の要素のうちの1つ又は複数(例えば全て)用のハウジングを備えることができ、ここで複数の要素は、ハウジングに対して(例えばハウジング内で少なくとも部分的に)転動するように構成されている。
好ましくは、1つ又は複数(例えば全て)の複数の要素の1つ又は複数の部分は、支持構造体(例えば、支持構造体のハウジング)から露出(例えば、突出)しており、ここで1つ又は複数(例えば全て)の複数の要素の露出部分(複数)は、第1の層及び第2の層のうちの一方又は両方に接触(及び例えば、それに対して転動)するように構成されている。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素;
を備え、
前記複数の要素の少なくとも一部分が前記第1の内層及び前記第2の外層の一方又は両方に対して露出するように、前記複数の要素は、前記第1の内層と前記第2の外層との間のハウジングに保持されており;
前記複数の要素の露出部分は、衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、第1の内層及び第2の外層の一方又は両方と接触するように構成されており;かつ
前記複数の要素は、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するために、前記ハウジング内で転動するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、好ましくは、複数の要素は、反応層の少なくとも一部を形成する。
第1の層と第2の層とは、例えば、衝撃緩和構造体において異なる(又は類似の)機能を果たすように設計されてもよい。一組の実施形態では、第1の層と第2の層との一方又は両方は、衝撃(エネルギー)吸収層を備える。少なくとも好ましい実施形態では、このような衝撃吸収層は、衝撃によってもたらされるバルク力に対してある程度の保護を提供するように設計されている。したがって好ましくは、衝撃吸収層は、衝撃の際に衝撃緩和構造体に及ぼされる力の法線成分の少なくとも一部を吸収するように配置される。
衝撃吸収層(複数可)(第1の層及び/又は第2の層)は、発泡ポリスチレン(EPS)など、任意の好適かつ所望の材料から形成することができる。好ましい一組の実施形態では、衝撃吸収層(複数可)(第1の層及び/又は第2の層)は、中空セル構造、例えば(断面において)複数の六角形のセルを備える中空セル構造を備える。好ましくは、少なくとも複数のセルが互いにテセレーション(平面敷き詰め)されている。例えば、衝撃吸収層(第1の層及び/又は第2の層)は、マイクロトラス格子又は面外ハニカム構造を備えてもよい。
好ましくは、衝撃吸収層は、(第1及び/又は第2の層の)表面上に硬質のコーティング又は層(例えばシェル)を備え、その間に(例えば接触して)反応層が配置されており、複数の要素と(ほぼ)同じ硬度を有している。好ましくは、コーティング又は層は、該コーティング又は層が設けられた第1の層及び/又は第2の層(例えば、衝撃吸収層)の硬度よりも硬度が大きい。例えば、衝撃吸収層は、ポリカーボネート層(これは、例えば、衝撃吸収層の材料よりも硬い場合がある)でコーティングされてもよい(又はそれに取り付けられていてもよい)。これは(該当する場合に)複数の要素が転動し、したがって、衝撃吸収層が反応層、第1の層及び/又は第2の層に対して移動するのに役立ち得る。
衝撃緩和構造体が支持構造体又は維持構造体を備える場合、好ましくは、支持構造体又は維持構造体は、複数の要素を(例えば支持構造体内で)第1の層又は第2の層に隣接して(例えばそれに対して)保持するように配置されている。好ましくは、支持構造体又は維持構造体が複数の要素を(例えば支持構造体における複数の要素を)第1の層又は第2の層それぞれに隣接して(例えばそれに対して)保持するように、支持構造体又は維持構造体は第1の層又は第2の層に取り付けられている。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
衝撃吸収層;
シェル層であり、前記衝撃吸収層よりも硬い前記シェル層;
前記シェル層に隣接して配置される複数の要素;及び
前記複数の要素を前記シェル層に隣接して保持するように配置された支持構造体又は維持構造体;
を備え、
前記支持構造体、前記維持構造体及び/又は前記複数の要素は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受けるとき、前記シェル層と前記維持構造体との互いに対する運動を促進するために、前記複数の要素が前記シェル層に接触かつ転動するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。例えば、好ましくは、維持構造体は、衝撃後に要素が解放されたときに、複数の要素を(例えば、維持構造体内及び/又は維持構造体とシェル層との間に)維持するように配置されている。好ましくは、支持構造体及び/又は維持構造体は、シェル層に取り付けられている。好ましくは、支持構造体、維持構造体及び/又は複数の要素が共に反応層を形成する。好ましくは、シェル層と複数の要素との間には中間層(例えば低摩擦層及び/又は(例えば可撓性層の)維持構造体)は存在せず、例えば複数の要素は支持構造体又は維持構造体によってシェル層に対し直接保持されている。好ましくは、シェル層及び/又は複数の要素は、高摩擦の材料及び/又はコーティングを備える。
シェル層、衝撃吸収層、支持構造体又は維持構造体、及び複数の要素は、例えば、本明細書に概説する実施形態に従って、任意の好適かつ所望の方法で互いに配置することができる。
いくつかの実施形態では、維持構造体又は支持構造体及び複数の要素は、衝撃吸収層とシェル層との間に存在する。いくつかの実施形態では、シェル層は、例えば衝撃吸収層の層(内層又は外層)又は衝撃吸収層のコーティングとして、衝撃吸収層の一部に取り付けられているか、又はそれを備えており、支持構造体又は維持構造体及び複数の要素は、シェル層の内側又は外側に存在する。
いくつかの実施形態では、支持構造体又は維持構造体は、衝撃緩和構造体の最内部又は最外部である。いくつかの実施形態では、衝撃緩和構造体は、追加の層(例えば、内層又は外層)を備え、維持構造体又は支持構造体及び複数の要素は、追加の層とシェル層との間に存在する。したがって、これらの実施形態では、追加の層は、衝撃緩和構造体の最内部又は最外部であってもよい。追加の層は、好ましくは、薄い及び/又は硬い層(例えばシェル層)を含む。好ましくは、この追加の層は、本明細書で概説したような第2の層を含む。このような実施形態では、第2の層に関連して本明細書で概説した任意かつ好ましい特徴は、追加の層にも同様に適用することができる。
一組の実施形態では、第2の層は、可撓性層(例えば、金属、ポリマー及び/又は繊維の層)を備える。したがって、いくつかの実施形態では、第2の層は、反応層の複数の要素の維持構造体又は支持構造体として機能することができる。このような実施形態では、維持構造体又は支持構造体に関連して本明細書に概説した任意かつ好ましい特徴は、第2の層にも同様に適用することができる。
一組の実施形態では、第2の層は、外側シェル(例えば弾性、硬質性のもの)を備える。第2の層が衝撃吸収層を備える場合、衝撃緩和構造体は(追加の)外側シェルを備えることができ、該第2の層は反応層と外側シェルとの間に配置される(例えば、挟まれる)。衝撃緩和構造体が追加の外側シェルを備える場合、衝撃を受けるのは外側シェルである(それにより、第2の層が外側シェルを介して衝撃がかかるようにする(衝撃を受けるようにする))。
好ましくは、外側シェルの厚さは、第1の層の厚さよりも(例えば、著しく)薄い。衝撃緩和構造体が第2の層と外側シェルとを備える場合、好ましくは、外側シェルの厚さは、第2の層の厚さよりも(例えば、著しく)薄い。したがって、外側シェルは、(必要に応じて)、例えば、反応層及び/又は第2の層を少なくとも部分的に覆う膜を備えることができる。
好ましくは、膜は、二重層を備え、例えば、反応層(例えば、反応層の複数の要素)の両側面を覆う(包み込む)。
好ましくは、外側シェルは、熱可塑性プラスチック、例えばポリカーボネート、炭素繊維、又は複合材料などの剛性材料から形成されるが、任意の適切かつ所望の材料から作成されるであろう。外側シェルを形成する材料は、重量に対する強度の比が高いものが好ましい。
好ましくは、反応層が間に配置される第1の層及び第2の層の表面、並びに、例えば、設けられる場合の外側シェルは、低摩擦表面、例えば、(相対的に)大きな表面積を有する低摩擦表面を備える。例えば、第1の層、第2の層及び例えば外側シェルのうちの1つ又は複数(例えば全て)は、少なくともそれらの隣接表面に、低摩擦コーティングを備えるか、及び/又は低摩擦(例えば自己潤滑性)材料から形成されている。好ましくは、該表面はまた、広い相対的重なりを有している。低摩擦面及び広い相対的重なりは、衝撃を受けるときに、第1の層、第2の層、及び反応層(及び、例えば外側シェル)が互いに対して移動するのに役立ち得る。
一実施形態では、衝撃緩和構造体は、1つ又は複数(例えば全て)の第1の層、第2の層、及び複数の要素の間に低摩擦界面(例えば層)を備える。低摩擦界面は、第1の層、第2の層及び/又は複数の要素の(低摩擦の)材料、第1の層、第2の層及び/又は複数の要素の(低摩擦の)コーティング、及び/又は第1の層、第2の層及び複数の要素の1つ又は複数(例えば全て)の間の追加の(低摩擦の)層によって設けられる。
低摩擦界面は、(実質的に)全ての第1の層と第2の層との間に、例えば、反応層と複数の要素とが存在する全ての領域に、配置することができる。いくつかの実施形態では、低摩擦界面及び/又は複数の要素は、第1の層と第2の層との間の1つ又は複数の離散的な領域に設けられる(そして、例えば、第1の層と第2の層との間の他の領域には設けられない)。低摩擦界面及び/又は複数の要素が設けられる領域(複数可)は、少なくとも部分的に互いに一致してもよく(例えば、少なくとも部分的に重なってもよく)、又は低摩擦界面及び/又は複数の要素が設けられる領域(複数可)は、互いに別個であってもよい(例えば、重ならなくてもよい)。
これは、それ自体で新規性及び発明性があると考えられ、したがって、さらなる態様から見れば、本発明は、衝撃緩和構造体を備えるヘルメットを提供し、前記衝撃緩和構造体は:
第1の内層;
第2の外層;
前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持された複数の要素;及び
前記第1の内層、前記第2の外層、及び前記複数の要素の1つ又は複数の間に配置された低摩擦界面;及び
前記複数の要素及び前記低摩擦界面は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受けるときに、前記第1の内層及び前記第2の外層の互いに対する運動を促進するために、前記反応層の前記複数の要素が転動するように構成され、及び/又は前記低摩擦界面が、前記第1の内層、前記第2の外層及び前記複数の要素のうちの1つ又は複数の間で作用するように構成されている。
本発明のこの態様のヘルメット及び衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。したがって、好ましくは、複数の要素及び低摩擦界面は、反応層の少なくとも一部を形成する。
好ましくは、反応層が間に配置される第1の層及び第2の層の表面は、硬質表面を備え、例えば、複数の要素と(ほぼ)同じ硬度を有する硬質表面を備える。例えば、第1の層、第2の層(及び、例えば外側シェル)のこれらの表面の1つ又は複数(例えば、すべて)は、少なくともそれらの隣接表面に硬質(例えば、ポリカーボネート)コーティング(又はそれに取り付けられた追加の層)を備え、及び/又は硬質材料(例えば、ポリカーボネート)から形成されている。例えば第1の層及び/又は第2の層がコーティングを備えているか、又は硬質材料から形成されているのとは対照的に、硬質シェル(複数可)(例えば層(複数可))は第1の層及び/又は第2の層と反応層との間に設けられてもよい。硬質表面(例えば、複数の要素と(ほぼ)同じ硬度を有するもの)は、衝撃を受けるときに、第1の層、第2の層、及び反応層が互いに対して移動するのに役立ち得る。
一組の実施形態では、第2の層(例えば、又は外側シェル)は、衝撃でもたらされるいずれの回転力の少なくとも一部を吸収する(例えば、取り除く)ように設計されている。好ましい実施形態では、第2の層(例えば、又は外側シェル)が衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)を受けるとき、複数の要素の乱れ(例えば、運動)によって、第2の層が第1の層上を(例えば、複数の要素がそれらの間を移動することにより)並進する(例えば、スライドする)ことを可能にする。好ましくは、複数の要素は回転するように配置され、これは、第2の層が、抵抗を減らして第1の層上を並進する(例えば、スライドする)のに役立ち得る。
第2の層(例えば、又は外側シェル)は、衝撃(例えば、閾値力を超える衝撃)の際の破壊に抵抗するように配置され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、第2の層(例えば、及び/又は外側シェル)は、例えば、第2の層(例えば、及び/又は、外側シェル)が(例えば、比較的)薄い及び/又は硬い場合、衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)の際に破壊されるように配置されている。
第1の層及び第2の層(例えば、及び/又は外側シェル)は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)を受けたときに(例えば、完全に)分離するように、例えば、互いに対する層の運動を継続可能なように、配置されてもよい。好ましくは、(例えば第2の)外層は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば特定の力以上の力を有する衝撃)を受けたときに、衝撃緩和構造体の残部から剥離するように(その結果、衝撃緩和構造体の残部にもはやエネルギーを移動できないように)配置されている。
したがって好ましくは、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)を受けたときに外層が衝撃緩和構造体の残部から剥離するように構成されるように、外層は衝撃緩和構造体の残部に取り付けられている。好ましくは、反応層及び/又は外層は、外層が衝撃緩和構造体から剥離した後、外層が衝撃緩和構造体の残部から実質的に自由に移動するように構成されている。これは、(例えば、着用者の頭部に取り付けられている)衝撃緩和構造体の残部からの衝撃を偏向させ、衝撃緩和構造体の残部に外層が幾何学的にロック(固定)される機会を減らすことに役立ち、その結果、衝撃緩和構造体の残部に伝わる衝撃のエネルギーを低減させるようにする。
衝撃緩和構造体が、例えば外層に取り付けられた、維持構造体を備える場合、好ましくは、外層は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば特定の力以上の力を有する衝撃)を受けるときに、維持構造体(例えば維持構造体の(第2の)維持層)から剥離するように構成されている。これは、衝撃時に、外層が衝撃緩和構造体の残部から分離することを可能にし、一方で、維持構造体はそのままの状態にとどまり、したがって複数の要素を維持することが可能である。
したがって、いくつかの実施形態では、維持構造体は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)を受けたとき、例えば、外層が衝撃緩和構造体の残部から剥離するとき、衝撃緩和構造体の残部(その残部の一部)に(例えば、(第1の)内層に)取り付けられたままの状態であるように配置されている。
いくつかの実施形態では、例えば維持構造体が1つ又は複数の可撓性層を備える場合、外層は、外層が衝撃緩和構造体の残部に対し特定の(閾値)距離未満で変位したときに、例えば衝撃の第1の段階の際に、(例えば維持構造体の(第2の)維持層を含む)衝撃緩和構造体の残部に取り付けられたままの状態に(例えば伸張及び/又は変形して)なるように配置されている。好ましくは、外層は、外層が衝撃緩和構造体の残部に対し少なくとも特定の(閾値)距離で変位したとき、例えば衝撃の第2の段階の際に、維持構造体(例えば維持構造体の(第2の)維持層)から剥離するように構成されている。
特定の(閾値)距離は、任意の好適かつ所望の距離であってもよく、例えば、5mm~100mm、例えば、10mm~80mm、例えば、20mm~70mm、例えば、40mm~60mm、例えば、約50mmであり得る。
したがって、いくつかの実施形態では(例えば、衝撃緩和構造体が特定の力以上の力を有する衝撃を受けたとき)、外層は、特定の(閾値)距離未満の変位で衝撃緩和構造体の残部に取り付けられるように配置され(そして維持構造体は、この変位を調整するために変形及び/又は伸張するように配置され)、次いで特定の(閾値)距離にて衝撃緩和構造体の残部から剥離するように配置される。これは、衝撃緩和構造体の様々な異なる構成要素間に接触をもたらすのに役立ち、それにより、衝撃の第1の段階では反応層が第1及び第2の層の互いに対する運動を促進することができ、衝撃の第2の段階では外側面が衝撃緩和構造体の残部から離れて移動し続けることを可能にし、維持構造体が複数の要素を維持できるようにする。
好ましくは、外層が衝撃緩和構造体の残部に取り付けられる様式(例えば、本明細書で概説する実施形態のいずれか1つによるもの)は、この2段階の挙動を促進するように構成されている。
衝撃が衝撃緩和構造体に作用する時間スケール、例えば外層が衝撃緩和構造体の残部から剥離する前の時間スケールは、任意の好適かつ所望の時間スケールとすることができる。一組の実施形態では、衝撃緩和構造体は、衝撃緩和構造体が衝撃(例えば、特定の力以上の力を有する衝撃)を受けるときに、50ミリ秒未満後、例えば20ミリ秒未満後、例えば10ミリ秒未満後、例えば5ミリ秒未満後に、外層が衝撃緩和構造体の残部から剥離するように構成されている。
衝撃緩和構造体は、衝撃における力を緩和する(例えば、衝撃からエネルギーを吸収する)ように配置された、好適かつ望ましい所望の衝撃緩和(例えば、吸収)構造であり得る。上記の態様及び実施形態は、主にヘルメットに関して記載したが、本出願人は、ヘルメットの衝撃緩和構造体が、他の種類の衝撃緩和構造体に適用可能であることを理解している。
したがって、さらなる態様から見れば、本発明は:
第1の内層;
第2の外層;及び
前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層であって、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素を備える、前記反応層;
を備える衝撃緩和構造体を提供し、
前記第2の層が衝撃を受ける際に、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するために、前記反応層の複数の要素が転動するように構成されるように、前記反応層は配置されている。
さらなる態様から見れば、本発明は:
内側衝撃吸収層;及び
前記衝撃吸収層の少なくとも一部の上に配置された外側反応層;
を備える衝撃緩和構造体を提供し、
前記反応層は、前記支持構造体及び/又は前記維持構造体と、前記支持構造体及び/又は前記維持構造体に保持された複数の素子とを備え;かつ
前記支持構造体及び/又は前記維持構造体は、前記反応層が衝撃を受ける際に、前記反応層及び前記衝撃吸収層の互いに対する運動を促進するために、前記反応層の前記複数の要素が転動するように構成されている。
本発明のこれらの態様の衝撃緩和構造体は、本発明の他の態様及び実施形態のいずれかに関して本明細書に概説した任意及び好ましい特徴のいずれか(例えば全て)を備え得ることが理解されよう。同様に、本発明は、ヘルメットを対象とする他の全ての態様に対応する衝撃緩和構造体を提供する。
衝撃緩和構造体は、車両の装甲であってもよい(例えば、その一部を形成してもよい)。しかしながら、少なくとも好ましい実施形態では、衝撃緩和構造体は、着用可能なものである。着用可能な衝撃緩和構造体は、好ましくは、衝撃を受ける際に着用者を傷害から保護するように配置されている。例えば、衝撃緩和構造体は、衝撃緩和構造体が受ける衝撃に対する保護を提供するために、人又は物体(例えば、車両)に着用される(例えば、装着される)ように構成されてもよい。そのため、衝撃緩和構造体は、衣服やボディアーマーの要素の一部を形成してもよい。そのような実施形態では、好ましくは、第1の層は、人又は物体(例えば車両)に最も近い(例えば装着される)ように配置され、複数の要素の乱れは、第1の層に対する第2の層(又は反応層)の運動を促進する。
衝撃緩和構造体がヘルメットである実施形態では、第1の層は、好ましくはヘルメットの内層であり、第2の層は、好ましくはヘルメットの外層である。衝撃緩和構造体が外側シェルを備える場合、好ましくは、外側シェルは、ヘルメットの外層を備える。これらの層は、好ましくは、頭部への層の適合を改善し、ヘルメットによってもたらされる傷害からの保護を高めるのに役立つように、湾曲しており、例えば、ほぼ半球状である。これらの特徴は、例えば身体の他の部位に適合する他のボディアーマーの要素にも同様に適用される。
衝撃緩和構造体がヘルメットを含む実施形態では、第2の(及び/又は反応)層が第1の層及びユーザーの頭部に対して並進(例えば、スライド又は回転)することができるため、ヘルメットが衝撃を受けるときに、本発明はユーザーの頭部の回転及び回転力の移動を低減しうることが理解されよう。ユーザーの頭部にかかる接線方向の力を低減することにより、頭部への衝撃による頚椎損傷及び脳損傷のリスクがさらに低減される。
以降は、例示のためにのみ、本発明の特定の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
衝撃緩和構造体は、衝撃によるエネルギーを吸収及び/又は偏向させることで、ユーザー又は物体を保護する役割を果たす。一般的な衝撃の形態である斜めからの衝撃では、衝撃緩和構造体は、大きな直線力と接線力とを受け得る。これらの力により、ユーザー及び/又は物体に急激な減速をもたらし、重大な損傷を引き起こし得る。本発明の実施形態は、衝撃時に重大な損傷を受けるリスクを低減する改良された衝撃緩和構造体を提供することを目的とする。
図1~図37は、本発明の様々な実施形態による衝撃緩和構造体を示す。
図1は、衝撃緩和構造体100の一部を通る模式断面図である。衝撃緩和構造体100は、以下の構成要素:第1の層102、第2の層104、及び反応層105を有する。反応層105は、複数の離散的な要素106から形成され、第1の層102と第2の層104との間に配置される。複数の離散的な要素106は、第1の層102と第2の層104との間の反応層105において、特定の配置(例えば規則的な配列)で保持されている。
第1の層102は、例えばヘルメットなどの、エネルギー吸収層であってもよく、第2の層104は、剛性の外側シェルであってもよい。ある特定の例では、第1の層102はポリカーボネートシェルコーティングを有する発泡ポリスチレンライナーであり、第2の層104はポリカーボネートシェルである。しかしながら、例えば衝撃緩和構造体100の用途に応じて、第1の層102及び第2の層104に適した多数の異なる材料が存在することが理解されよう。
図1では、前記離散的な要素は球体(例えばボール)106である。図1には4つの球体106しか示されていないが、反応層105が任意の適切な数の球体106を備えることが可能なように、衝撃緩和構造体100は図1に示される部分を超えて延在することが理解されよう。図1に示す球体106は球形であるが、反応層105は、他のタイプの球形又は丸みを帯びた離散要素から形成することも可能である。
第1の層102と第2の層104との間に球体106を収容するように、第1の層102及び第2の層104が形成されている。第1の層102と第2の層104とは、球体106のための支持構造体、ハウジング又はコンテナを形成する。これにより、球体106が特定の「準固定的な」配置で保持される。この配置では、球体106は運動の自由度を有し、一方、反応層105は全体として第1の層102と第2の層104の間に固定されている。例えば、各球体106は、該配置内の隣接する球体に対して一定の距離を移動することができる。しかし、第1の層102と第2の層104の分離(例えばその間の距離)に比べて球体106の直径に起因して、球体106はそれぞれの位置を入れ替える(例えば変更する)ことができない。
使用中、衝撃緩和構造体100(例えば衝撃緩和構造体100の第2の層(例えば外層))が、特定の閾値力を超える力を有する衝撃を受けたとき、第1の層102、第2の層104、及び反応層105は、それらが球体106の支持構造体、ハウジング又はコンテナをもはや提供できないような力がかかる。これは、第2の層104が衝撃の力によって変位、破断、又は押し出される結果として生じ得る。球体106は、第1の層102と第2の層104との間の配置にもはや保持されないように、反応層105におけるその特定の配置が乱される(破壊される)。衝撃後の球体106、第1の層102、第2の層104、及び反応層105の挙動は、図11に関連してより詳細に説明される。
図2は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体200の一部を通る模式断面図である。図1に示す衝撃緩和構造体100と同様に、図2に示す衝撃緩和構造体200は、第1の層202、第2の層204、及び反応層205を備える。さらに、これらの層の互いに対する配置は、図1に示すものと同じである。
図1に示す実施形態とは異なり、衝撃緩和構造体200の反応層205の離散的な要素は、異なる直径の球体206、207、208である。特に、反応層205は、3つの異なる直径の複数の球体206、207、208から形成されている。
第1の層202と第2の層204とは、図1に関連して説明したのと同じ様式で、球体206、207、208の支持構造体、ハウジング又はコンテナを形成する。しかしながら、大きさの違いにより、図2に示す球体206、207、208は、特に衝撃を受ける際に、図1に示す球体106よりも運動の自由度が高くなり得る。しかしながら、球体は依然として第1の層202と第2の層204との間に準固定的な配置で維持されている。
図3は、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体300の一部を通る模式断面図である。図1に示す衝撃緩和構造体100と同様に、図3の衝撃緩和構造体300は、第1の層302と、第2の層304と、反応層305を形成する複数の球体306とを備える。
しかしながら、図3では、各球体306は、コネクタ310によって第1の層302に接続されている。各コネクタ310は、対応する球体306を固定位置に保持し、複数の球体を固定的な配置で保持することを可能にする。コネクタ310及び球体306は、第1の層302と同じ材料から作成され、第1の層320上に一体的に形成されている。衝撃緩和構造体が特定の閾値力を超える衝撃を受けたとき、球体306が解放され、以前の固定位置から移動できるようにコネクタ310は破砕されるように配置されている。
図4及び図5は、本発明の他の実施形態による衝撃緩和構造体400、500の一部を通る模式断面図である。
図1に示す衝撃緩和構造体100と同様に、図4に示す実施形態では、衝撃緩和構造体400は、第1の(例えば衝撃吸収)層402と、第2の(例えば外側シェル)層404と、反応層を形成する複数の球体406とを含む。しかしながら、球体406を特定の配置で保持するための追加の機構が提供されている。
第1の層402は、第1の層402の表面に多数の「ディンプル(小さなくぼみ)」、例えば、刻み目又は凹部を備える。ディンプルは、各ディンプルが1つの球体406を固定位置に保持するような大きさである。これらのディンプルは、反応層全体で球体406の均一な配置(例えば配列)を与えるために、第1の層402全体でそれぞれのディンプルと規則的な(例えば均一な)距離で配置され得る。また、これらは幾何学的な分布に従って配置することもできる。
衝撃緩和構造体が特定の閾値力を超える衝撃を受けたとき、球体を第1の層402のディンプルから変位させ、反応層における固定配置から解放するのに十分なエネルギーが球体に付与される。
さらに、又はあるいは、いくつかの実施形態では、球体406は、第1の層402に化学的及び/又は物理的に結合され得る。これは、球体を固定位置から乱し、かつ変位させるのに必要な閾値力の増加を与えるのに役立つ。
図5は、図4に示す実施形態と同様の様式で、第1の層502、第2の層504、及び(反応層を形成する)複数の球体506を含む別の衝撃緩和構造体500を示す。球体506は、特定の配置で球体506を保持するために、第2の層504に含浸されるか、又は接合されている。
衝撃緩和構造体が特定の閾値力を超える衝撃を受けたとき、球体506の第2の層504への化学的及び/又は物理的結合を上回り、反応層における固定的な配置から解放するのに十分なエネルギーが付与される。球体506は、その後、以前の固定的な配置から移動することができる。
図6Aは、本発明の別の実施形態による衝撃緩和構造体600の一部を通る模式断面図である。先の図に示した衝撃緩和構造体と同様に、衝撃緩和構造体600は、第1の(例えば衝撃吸収)層602、第2(例えば外側シェル)層604及び反応層605を備える。
図6Aに示す反応層605は、複数の球体606と、球体606が埋め込まれたゲル構造614とから形成されている。球体606は、ゲル構造104の中を通して配置された複数の球体606が存在するように、以前の図に見られたものより小さいものである。球体606の様々な異なるサイズが本実施形態の範囲内であることが理解されよう。
球体606は、ゲル構造614に懸濁されている。球体606をゲル構造614に懸濁することにより、球体606は、第1の層602と第2の層604との間に固定的な配置で保持される。しかしながら、球体606は、例えばゲルの柔軟性に起因して、ゲル構造614内の運動の自由度を維持することができる。
衝撃緩和構造体が特定の閾値力を超える衝撃を受けたとき、ゲル構造614は破裂又は崩壊し、これにより球体606は反応層内の固定的な配置から解放されることが可能である。球体606は、その後、以前の固定的な配置から移動することができる。
いくつかの実施形態では、ゲル構造614の代わりに、反応層605は、球体606を第1の層602と第2の層604との間に固定的な配置で保持する接着性又は可撓性ライナー(例えば、プラスチック包装)を備えることができる。
図6Bは、図6Aに見られるのと同様の衝撃緩和構造体650を示す。衝撃緩和構造体650は、第1の層652と、複数の球体656及びゲル構造体664から形成される反応層605とを備える。しかしながら、衝撃緩和構造体650は、外層を備えていない。
衝撃緩和構造体は反応層605に衝撃を受ける際、ゲル構造体614は、球体656が衝撃緩和構造体650から解放かつ押し出されるように、破裂又は崩壊することになる。その後、球体656は、衝撃の間に構造体650に加えられたエネルギーの一部を連れて、衝撃緩和構造体650から離れて移動することができる。
また、本明細書で先に説明した実施形態では、離散的な要素を特定の配置で保持するための構造及び特徴の一部(例えば、図5のコネクタ)は、衝撃緩和構造体が第1の層及び反応層を備え、第2の層がない実施形態にも適していることが理解されるであろう。また、そのような特徴の任意の好適かつ組み合わせを有する実施形態も提供され得る。
図7は、本発明の実施形態による衝撃緩和構造体700の一部を模式的に示す図である。衝撃緩和構造体700は、ポリカーボネートコーティングを有する発泡ポリスチレン層702とポリカーボネート外側シェル704との間に配置される反応層705から形成されている。反応層705は、例えば、図1~図6Bのいずれか1つ(又は組み合わせ)に示すように、任意の好適かつ所望の配置で提供され得る。
図1~図7は、主に第1の層、第2の層、及び反応層を備える衝撃緩和構造体の実施形態を示す。図8~図10に示す実施形態では、衝撃緩和構造体は、追加の層を備える。これらの図においても、反応層は、例えば、図1~図6Bのいずれか1つ(又は組み合わせ)に示すように、任意の好適かつ所望の配置で提供され得る。
図8において、衝撃緩和構造体800は、第1の層802と第2の層804とを備える。第1の層802及び第2の層804は、いずれもエネルギー吸収層であり、例えば、衝撃で付与されるエネルギーを吸収するように配置される。反応層805は、衝撃吸収層802、804の間に配置される。第1の層802及び/又は第2の層804は、反応層805と接触するそれらの表面に硬質(例えばポリカーボネート)コーティングを有してもよい。衝撃緩和構造体800は、さらに、例えば第2の層804に接合された硬質外層812を含む。
衝撃緩和構造体800が衝撃を受けると、硬質外層812は第2の層804上の位置に留まり、一方で第1の層802及び第2の層804は互いに対し移動することができる。他の実施形態では、硬質外層812は、衝撃で第2の層804から押し出され得る。
図9において、衝撃緩和構造体900は、複数のテセレーション(平面敷き詰め)セル(tessellating cell)を備えるセルラー(例えばハニカム)構造である第1の層902を備える。衝撃緩和構造体900はまた、衝撃吸収層として機能する、例えば発泡ポリスチレンから形成された第2の層904を含む。反応層905は、これら2層の間に位置する。セルラー構造の第1の層902及び発泡ポリスチレン層904の両方は、反応層905と接触するそれらの表面上に硬質(例えばポリカーボネート)コーティングを含み得る。第2の層904の外側には、ポリカーボネートシェル912が配置されている。
図10において、衝撃緩和構造体1000は、第1のポリカーボネート層1002と第2のポリカーボネート層1004とを備える。反応層1005は、これらのポリカーボネート層1002、1004の間に位置する。衝撃緩和構造体1000は、ポリカーボネート層1002、1004、及び反応層1005の下に位置する衝撃吸収層1016(例えば、発泡ポリスチレン層又は複数のテセレーションセルを有するセルラー構造)をさらに含む。
セルラー構造902、1016は(設けられている場合に)、衝撃でもたらされる力に対する保護を提供するように配置され得る(例えば、衝撃吸収構造体として機能する)。
図11及び図12は、特定の閾値力を超える衝撃を受けた時及び/又は受けた後の衝撃緩和構造体の挙動を示す。
図11は、図1に見られる衝撃緩和構造体100を示す図である。外側の第2の層104に衝撃が加わると、衝撃によるエネルギーが第1の層102、第2の層104、及び反応層105に伝わる。その衝撃の力により、反応層105の球体106の配列が乱される。次いで、球体106は、図11の矢印で示すように、自由度の増加により回転及び転動することができる。
球体106の回転及び転動は、第1の層102及び第2の層104がスライドし、互いに対する移動の一助となる。図11では、移動方向を示す矢印で示すように、第1の層102と第2の層104は、互いに対して異なる方向に移動する。これにより、第1の層102と第2の層104の互いに対する移動が良好に制御される結果となる。第1の層102と第2の層104とは、例えば、衝撃の大きさに応じて、40mm~50mmの距離にわたって互いに対して移動することができる。
反応層105内の球体106の乱れ及び運動に起因する、第1の層102及び第2の層104の互いに対する運動は、特に第2の層104に対する斜めの衝撃において、衝撃によるエネルギーの一部を取り除くのに役立つことが理解されるであろう。これは、衝撃緩和構造体100の他の部分(残部)に伝わる衝撃によるエネルギーを低減することに役立ち、例えば衝撃緩和構造体100によって保護されている身体に対する衝撃の影響を低減するのに役立つ。
図12は、第1の層1202と反応層1205とから形成される衝撃緩和構造体を示す。反応層1205の離散的な要素1206は、(例えば、図6A及び図6Bに示す配置と同様の)可撓性材料によって特定の配置で保持される。他の例では、離散的な要素は、コネクタ(例えば、図3に示す配置と同様)を用いて特定の配置で保持することができる。特定の閾値力を超える力を有する衝撃を受ける際に、離散的な要素1206は回転し始め、反応層1205の残部から破断し、第1の層1202から解放される。離散的な要素1206は、第1の層1200から遠ざける方向に衝撃によるエネルギーを伝え、これにより、第1の層及び例えば衝撃緩和構造体を装着した人又は物体に移動するエネルギーが低減する。
図13は、第1の内層1302と第2の外層1304との間に位置する反応層1305の要素1306が一連の接続部1307によって共に接続されている衝撃緩和構造体1300の一部を模式的に示す。図13に示すように、要素1306は、線状のひもで共に接続されている。要素1306が2次元又は3次元配列で共に接続される実施形態が想定される。
図14は、反応層の要素1406の間の接続部1407、1408、1409が、例えばシェル層1402を有する衝撃吸収層1416に対して配置され得る方法を模式的に示す。接続部1407は、衝撃時にバラバラに崩壊するような剛性かつ脆いものであってもよい。接続部1408は、衝撃時に伸張し、例えば、その後に元の状態に戻るようなバネ性又は弾性であってもよい。接続部1409は、衝撃時に締まるような弛んだ状態であってもよい。したがって、接続部によって共に接続されている要素を有する反応層を収容する衝撃緩和構造体が衝撃を受けると、要素の運動が可能になるために接続部が乱れ(例えば、伸張、破壊、又は締め付け)、その結果、衝撃緩和構造体の層の互いに対する運動を促進することになることがわかるであろう。
図15は、反応層の要素1506の間の接続部1507が、シェル層1502を有する衝撃吸収層1516に接続され得る方法を模式的に示す。示すとおり、要素1506と接続部1507とのひもを形成する、要素1506の間の接続部1507は、衝撃吸収層1516及びシェル層1502を通過している。動作時に、接続部1507は、要素1506の移動を可能にするために、衝撃吸収層1516及びシェル層1502から解放され、及び/又はそれ自体が壊れてもよく、これにより衝撃緩和構造体の層の互いに対する運動を促進する。
図16は、シェル層1602を有する衝撃吸収層1616に、例えばバネ式接続部1607を介して個別に接続される要素1606を模式的に示す。図示のおとり、要素1606の間の接続部1607は、衝撃吸収層1616とシェル層1602を通過している。動作時に、接続部1607は、要素1606の移動を可能にするために、衝撃吸収層1616及びシェル層1602から伸張及び/又は解放され、及び/又はそれ自体が壊れてもよく、これにより衝撃緩和構造体の層の互いに対する運動を促進する。
図17は、外層1704とエネルギー吸収層1716を覆うシェル層1702との間に反応層1705を有する衝撃緩和構造体1700を模式的に示す。反応層1705において、要素1706は円柱形である。反応層1705の要素1706を転動させる(したがって、外層1704及びシェル層1702の互いに対する運動を促進する)衝撃緩和構造体1700への衝撃を受けたとき、円柱形要素1706は、それらの対称軸に垂直な方向に優先的に転動する。
図18は、衝撃緩和構造体の衝撃時に、反応層の円柱形要素1806の転動を模式的に示す図である。図示のように、円柱形要素1806は、その対称軸に垂直な方向に転動する。
図19は、図13に示した反応層の要素と同様の様式で、例えば、反応層の円柱形要素1906が(例えば、ひも状の)接続部1907によって共に接続され得ることを模式的に示している。
図20は、図15に示した反応層の要素と同様の様式で、例えば、反応層の円柱形要素2006が、衝撃緩和構造体の衝撃吸収層1516及びシェル層1502を通過する(例えば、ひも状の)接続部2007によって共に接続され得ることを模式的に示す。
図21は、外層2104とエネルギー吸収層2116を覆うシェル層2102との間に反応層2105を有する衝撃緩和構造体2100を模式的に示す。図17に示す衝撃緩和構造体と同様に、反応層2105において、要素2106は円柱形である。しかし、図21に示すように、円柱形要素2106は、その軸が全て互いに整列しない状態で配置されている。したがって、衝撃緩和構造体2100に対して、反応層2105の要素2106の転動を引き起こす(したがって、外層2104とシェル層2102との互いに対する運動を促進する)衝撃がかけられるとき、円柱形要素2106は複数の異なる方向へ転動する。これは、互いに対して運動する外層2104とシェル層2102との間の摩擦を制御するのに役立つ。
図22は、衝撃緩和構造体2200を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2200は、エネルギー吸収層2216を覆うシェル層2202と、外層2204とシェル層2202との間の反応層2205とを有する。外層2204は、外側に突出する部分と内側に突出する凹部とを有するように、多数の起伏を含む。したがって、外層2204とシェル層2202との間の間隔は、反応層2205全体にわたり変化する。外層2204とシェル層2202との間の間隔の変化に対応するために、反応層2205の要素2206、2207は、外層2204とシェル層2202との間の間隔に一致する、複数の異なるサイズを有する。例えば、反応層2205は、外層2204とシェル層2202との間の間隔がより大きい場合にはより大きな要素2206を含み、外層2204とシェル層2202との間の間隔がより小さい場合にはより小さな要素2207を含む。
図23は、衝撃緩和構造体2300を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2300は、エネルギー吸収層2316を覆うシェル層2302と、外層2304とシェル層2302との間の反応層2305とを有する。反応層2305は、1つ(又は複数)の転動要素2306のハウジング2307を含む。ハウジング2307は、転動要素2306の一部が露出するように、転動要素2306を部分的に収容する。動作時に、衝撃緩和構造体2300が衝撃を受けたとき、転動要素2306の露出部分が外層2304に接触し、ハウジング2307内での要素2306の転動に起因する、シェル層2302に対する外層2304の運動を促進する。
図24A及び図24Bは、衝撃緩和構造体2400を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2400は、エネルギー吸収層2416を覆うシェル層2402と、外層2404とシェル層2402との間の反応層2405とを有する。反応層2405において、要素2406は、接着剤2407のパッチによってシェル層2402と外層2404との間の所定の位置に(通常の使用中に)保持される。動作時に、衝撃緩和構造体2400が衝撃を受けたとき(図24Bに示すように)、要素2406は、接着剤のパッチ2407から離れるように転動(例えば、剥離する)ことによって解放され、その結果、自由に転動することができ、したがって、シェル層2402に対する外層2404の運動を促進する。
図25は、衝撃緩和構造体2500を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2500は、外層2504と内層2502との間に反応層2505を有する。反応層2505は、転動要素2506を有する。内層2502、外層2504、及び転動要素2506のうちの1つ又は複数(例えば全て)は高摩擦面を有する。動作時に、衝撃緩和構造体2500が衝撃を受けたとき、要素2506と、内層2502及び外層2504の一方又は両方との間の摩擦が、要素2506の転動を引き起こすトルクを生み出し、したがって、内層2502に対する外層2504の運動が促進される。
図26は、衝撃緩和構造体2600を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2600は、外層2604と内層2602との間に反応層2605を有する。反応層2605は、転動要素2606を有する。内層2602、外層2604、及び転動要素2606は、それぞれの表面に形成された連結ノッチを有する。動作時に、衝撃緩和構造2600が衝撃を受けると、要素2506と内層2602と外層264との間の連結ノッチが歯ざお及び小歯車のように働き、要素2606の転動を引き起こすトルクを生じさせ、その結果、内層2602に対する外層2604の運動を促進する。
図27は、衝撃緩和構造体2700を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2700は、反応層の複数の転動要素2706のいずれかの側面に2つの薄い層2702、2704を含む点で、図10に示すものと同様であり、さらに厚い内側衝撃吸収層2716を含む。薄い層2702、2704(例えばポリカーボネート製)は、内側衝撃吸収層2716(例えばEPS製)より硬いものである。
反応層はまた、衝撃吸収層2716に隣接する薄い層2702に接合される可撓性(例えば繊維)層2711を含む。可撓性層2711は、複数の転動要素2706を反応層内の所定の位置に保持し、衝撃を受ける際に可撓性層2711と薄い層2702との間に複数の転動要素2706を維持する。
図28は、衝撃緩和構造体2800を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2800は、反応層の複数の転動要素2806を維持する可撓性層2811を含む点で、図27に示すものと同様である。この衝撃緩和構造体2800では、可撓性層2811は衝撃緩和構造体2800の最外層であり、さらなる外層(例えば、硬質層)を含んでいない。可撓性層2811は、本実施形態では示されていないが、任意の中間(硬質)薄層ではなく、衝撃吸収層2816に直接接合されている。
図29は、衝撃緩和構造体2900を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体2900は、同様の構成要素:衝撃吸収層2916、可撓性層2911、及び衝撃吸収層2916と可撓性層2911との間に保持される反応層の複数の転動要素2906、を有する点で図28に示すものと同様である。しかし、図29に示す実施形態では、層の順序が逆になっており、可撓性層2911が最も内側の層(例えば、衝撃緩和構造体2900を組み込んだヘルメットの着用者の頭部に隣接するように配置されている)であり、衝撃吸収層2916が外側にある。
図30A及び図30Bは、衝撃緩和構造体3000の模式図であり、図30Aはその一部を分解した図である。衝撃緩和構造体3000は、衝撃吸収層3016と、外側(硬くて薄い)層3004と、可撓性層3011によって維持される複数の転動要素3006を含む中間反応層とを含む点で図27に示すものと同様である。
可撓性層3011は、衝撃吸収層3016と反応層とにおける相互連結ノッチ3013により衝撃吸収層3016に取り付けられている。
図31は、衝撃緩和構造体3100を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3100は、反応層の複数の転動要素3106のいずれかの側面に2つの薄い層3102、3104を含む点で、図27に示すものと同様であり、さらに厚い内側衝撃吸収層3116を含む。薄い層3102、3104(例えばポリカーボネート製)は、内側衝撃吸収層3116(例えばEPS製)より硬いものである。
反応層はまた、複数の転動要素3106を取り囲んで封入する可撓性(例えば繊維)層3111も含む。可撓性層3111は、複数の転動要素3106を反応層内の所定の位置に保持し、衝撃時に可撓性層3111内に複数の転動要素3106を維持する。
図32A及び図32Bは、衝撃緩和構造体3200を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3200は、反応層の複数の転動要素3206を取り囲み、封入する可撓性(例えば、繊維)層3211を含む点で、図31に示すものと同様である。
可撓性層3211は、薄い外層3204と内側衝撃吸収層3216とのいずれかの側面で(例えば接着剤を用いて)取り付けられている。可撓性層3211は、可撓性層3211の二側面が互いに対し取り付けられる複数のヒンジ線3213を有する。これにより、複数の転動要素3206は、反応層の複数の離散的な部分に分離される。
図32Bは、衝撃緩和構造体3200が接線成分(外層3204の平面に平行な成分)を有する衝撃を受ける場合の動作を示す。衝撃の第1段階において、外層3204は、内側衝撃吸収層3216に対して変位する。可撓性層3211が外層3204及び内側衝撃吸収層3216に取り付けられているために、可撓性層3211は変形して伸張するが、破裂されることはない。
この衝撃はまた、外層3204及び内側衝撃吸収層3216が可撓性層3211のそれぞれの側面を介して複数の転動要素3206に接触することをもたらす。これは、外層3204、可撓性層3211、内側衝撃吸収層3216、及び複数の転動要素3206の接触点間の摩擦により、複数の転動要素3206が転動することをもたらす。これにより、外層3204の内側衝撃吸収層3216に対する運動が促進される。
内側衝撃吸収層3216に対する外層3204の変位の間に、特に外層3204及び内側衝撃吸収層3216が二重曲面を有する場合に、反応層がこの変位に適合することができるように、可撓性層3211のヒンジ線3213により反応層が撓むことを可能にする。
衝撃が特定の閾値力より小さい力を有する場合、外層3204は可撓性層3211に取り付けられたままである。衝撃の後、可撓性層3211、ひいては外層3204は、元の位置に戻る。衝撃が特定の閾値力を超える力を有する場合、外層3204は、可撓性層3211から剥離し、衝撃緩和構造体3200の残部から分離する。外層3204が可撓性層3211から解放されることにより、可撓性層3211は、複数の転動要素3206を維持したまま元の位置に戻ることができる。
図33A及び図33Bは、衝撃緩和構造体3300を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3300は、薄い外層3304と内側衝撃吸収層3316との間に反応層の複数の転動要素3306を取り囲みかつ封入する可撓性(例えば繊維)層3311を含む点で、図32A及び図32Bに示すものと同様である。複数の支柱3315が、薄い外層3304と内側衝撃吸収層3316とを接続している。
支柱3315は、可撓性層3311を通過するため、反応層を複数の離散的な部分に分割し、それぞれが複数の転動要素3306を含む。支柱3315は、衝撃緩和構造体3300が、内側衝撃吸収層3316に対して外層3304を変位させる衝撃を受ける際に(例えば、外層3304及び内側衝撃吸収層3316にそれらを取り付ける点にて)旋回するように配置される。
支柱3315の旋回は、図33Bに示すように、外層3304が内側衝撃吸収層3316に対して変位するとき、反応層が外層3304と内側衝撃吸収層3316の(例えば二重湾曲)表面の間で移動可能にするのに役立つ。
図34は、衝撃緩和構造体3400を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3400は、薄い外層3404と内側衝撃吸収層3416との間に反応層の複数の転動要素3406を取り囲みかつ封入する可撓性(例えば繊維)層3411を含む点で、図32A及び図32Bに示すものと同様である。
可撓性層3411は、可撓性層3411の二側面が互いに対し取り付けられる複数のヒンジ線3413を有する。これにより、複数の転動要素3406は、反応層の複数の離散的な部分に分離される。ヒンジ線3413は、可撓性層3411をばね状に捲縮することで形成される。これにより、衝撃緩和構造体3400が衝撃を受けるときに、反応層が伸張するだけでなく撓むことを可能にし、これは再び外層3404及び内側衝撃吸収層3416の移動面に適合するのに役立つ。
図35A及び図35Bは、衝撃緩和構造体3500を通る断面図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3500は、薄い外層3504と内側衝撃吸収層3516を含み、その間に反応層の複数の転動要素3506が配置されている点で、図7に示したものと同様である。
外層3504と内側衝撃吸収層3516は、圧縮性発泡テープ3515によってそれぞれの外周で互いに取り付けられている。動作時に、図35Bに示すように、衝撃緩和構造体3500が衝撃を受けたとき、外層3504及び内側衝撃吸収層3516が複数の転動要素3506のそれぞれの側面に接触するように、衝撃によって圧縮性発泡テープ3515の圧縮が引き起こされる。この外層3504及び内側衝撃吸収層3516の複数の転動要素3506への接触により、複数の転動体3506が転動し、その結果、外層3504と内側衝撃吸収層3516との互いに対する運動が促進される。
圧縮性発泡テープ3515は、外層3504と内側衝撃吸収層3516とが互いに接触することを防止し、これにより外層3504と内側衝撃吸収層3516との間の摩擦を低減し、かつ外層3504と内側衝撃吸収層3516との間の幾何学的なロック(固定)を防止するのに役立つ。
図36は、衝撃緩和構造体3600の分解図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3600は、反応層の複数の転動要素3606のいずれかの側面に2つの薄い層3602、3604を含む点で、図31に示すものと同様であり、さらに厚い内側衝撃吸収層3616を含む。薄い層3602、3604(例えばポリカーボネート製)は、内側衝撃吸収層3616(例えばEPS製)より硬いものである。
反応層はまた、複数の転動要素3606を取り囲み、かつ封入する可撓性(例えば繊維)層3611a、3611bを含む。可撓性層3611a、3611bは、複数の転動要素3606を反応層内の所定の位置に保持し、衝撃時に可撓性層3611a、3611b内に複数の転動要素3606を維持する。
可撓性層3611a、3611bは、上部可撓性層3611aと下部可撓性層3611bとから形成されている。衝撃緩和構造体3600が、例えば、上部可撓性層3611aと下部可撓性層3611bとを複数の異なるヒンジ線にて共に熱プレスすることによって組み立てられる場合、複数の転動要素3606は、例えば、図32A及び32Bに示すように、離散的な部分に切り離される。
図37は、衝撃緩和構造体3700の分解図を模式的に示す。衝撃緩和構造体3700は、反応層の複数の転動要素3706のいずれかの側面に2つの薄い層3702、3704を含む点で、図27に示すものと同様であり、さらに厚い内側衝撃吸収層3716を含む。薄い層3702、3704(例えばポリカーボネート製)は、内側衝撃吸収層3716(例えばEPS製)より硬いものである。
反応層はまた、衝撃吸収層3716に隣接する薄い層3702に接合される可撓性(例えば繊維)層3700を含む。可撓性層3711は、複数の転動要素3706を反応層内の所定の位置に保持し、衝撃の際に可撓性層3711と薄い層3702との間に複数の転動要素3706を維持する。
衝撃緩和構造体3600が組み立てられる際に、可撓性層3711が薄い層3702に接合されるように、接着層3171が内側の薄い層3702にコーティングされる。さらに、薄い層3702上に複数の転動要素3706を分布させるために、複数の転動要素3706は、例えば、図32A及び32Bに示すように、離散的な部分に切り離される。
2つの薄い層3702、3704は、2つの薄い層3702、3704のそれぞれの外周における線3719で、熱プレスにより互いに接続される。
図38及び図39は、本発明の衝撃緩和構造体をヘルメット3800、3900に形成し得る方法を示す。図38に示すヘルメット3800では、外(例えばシェル及び/又は衝撃吸収)層3804と内側セルラー構造3802を見ることができる。反応層は、明確にするために図示されていないが、第1(内側セルラー構造)層3802と第2(外)層3804との間に配置されている。反応層は、例えば、図1~図37のいずれか1つ(又は組み合わせ)に示すように任意の好適かつ所望の配置で設けられてもよいが、ヘルメット3800の形状を提供するために種々の層が湾曲した形態で提供されることが理解されよう。
図39では、ヘルメット3900は、硬質ポリカーボネートから形成された第2の(外側シェル)層3904によって実質的に覆われている発泡ポリスチレンから形成される第1の(内側、衝撃吸収)層3202を備える。第1の(内側、衝撃吸収)層3902はまた、反応層と接触する表面に硬質コーティングを備えることができる。反応層は、明確にするために図示されていないが、第1の(内)層3902と第2の(外)層3904との間に配置されている。反応層は、例えば、図1~図37のいずれか1つ(又は組み合わせ)に示すように任意の好適かつ所望の配置で設けられてもよいが、ヘルメット3900の形状を提供するために種々の層が湾曲した形態で提供されることが理解されよう。
したがって、衝撃の際に複数の要素の配置が乱れて第1の層と第2の層の互いに対する運動を促進する本発明の実施形態による衝撃緩和構造体は、衝撃緩和構造体を通じて、例えば本構造体が保護するユーザー又は物体に、伝わる力を低減するのに役立つことが当業者は理解するであろう。これは、公知の衝撃緩和構造体に勝る利点をもたらし、特に衝撃緩和構造体がヘルメットである場合には、公知のヘルメットに勝る大きな利点をもたらし、例えば、脳損傷の軽減に役立ち得る。
しかしながら、本明細書に記載された特定の配置の多くの変形形態が、本発明の範囲内で可能であることがさらに理解されるであろう。例えば、本発明の実施形態の略図である図面に示す断面は、(明瞭化のために)衝撃緩和構造体の平坦な層を示しているが、少なくとも好ましい実施形態では、衝撃緩和構造体のこれらの層は(例えば、二重に)湾曲していることが理解されよう。

Claims (33)

  1. 衝撃緩和構造体を備えるヘルメットであって、前記衝撃緩和構造体は:
    第1の内層;
    第2の外層;及び
    前記第1の内層と前記第2の外層との間に配置された反応層であり、前記第1の内層と前記第2の外層との間に保持される複数の要素を備える、前記反応層;
    を備え、
    前記第2の外層が衝撃を受ける際に、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するために、前記反応層の複数の要素が転動するように構成されるように、前記反応層は配置されている、
    前記ヘルメット。
  2. 前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記反応層、前記第1の内層、及び/又は前記第2の外層は、互いに対して実質的に自由に移動するように構成されている、請求項1に記載のヘルメット。
  3. 前記第1の内層、前記第2の外層、及び/又は前記反応層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、その衝撃の回転エネルギーの大部分が前記反応層に伝わるように構成されている、請求項1又は2に記載のヘルメット。
  4. 前記第1の内層、前記第2の外層、及び/又は前記反応層は、前記第1の内層を前記第2の外層から実質的に分断、及び/又は隔離するように構成されている、請求項1、2、又は3に記載のヘルメット。
  5. 前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記第1の内層と前記第2の外層とが分離するように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のヘルメット。
  6. 前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記第2の外層が前記衝撃緩和構造体の残部から剥離するように構成されるように、前記第2の外層は前記衝撃緩和構造体の残部に取り付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のヘルメット。
  7. 前記衝撃緩和構造体が少なくとも特定の力を有する衝撃を受ける際に、前記反応層は、前記複数の要素の転動を可能にするように配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のヘルメット。
  8. 前記反応層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素が実質的に拘束されず、かつ自由に移動することができるように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のヘルメット。
  9. 前記反応層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素が実質的に無作為かつ無秩序な自由運動を行うように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のヘルメット。
  10. 前記反応層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素が前記衝撃によって解放されると、前記複数の要素が3次元に自由に移動するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のヘルメット。
  11. 前記反応層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素が前記内層及び/又は前記外層を幾何学的にロックするのを実質的に防止するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のヘルメット。
  12. 前記反応層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素が、最大速度200ms-1及び/又は平均速度80ms-1で前記反応層から解放されるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のヘルメット。
  13. 前記特定の力は、10N~100Nであり、例えば30N~70Nであり、例えば約50Nである、請求項1~12のいずれか一項に記載のヘルメット。
  14. 前記複数の要素は、前記第1の内層と前記第2の外層との間に特定の配置で保持されており;
    前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素のうちの少なくともいくつかが前記特定の配置から解放され;かつ
    前記解放された要素は、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するように構成されている、
    請求項1~13のいずれか一項に記載のヘルメット。
  15. 前記反応層、前記第1の内層、及び/又は前記第2の外層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、50ミリ秒未満後、例えば20ミリ秒未満後、例えば10ミリ秒未満後、例えば5ミリ秒未満後に、前記第2の外層が前記衝撃緩和構造体の残部から剥離するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のヘルメット。
  16. 前記複数の要素の要素数は、5個~100,000個であり、例えば50個~10,000個であり、例えば100個~1,000個である、請求項1~15のいずれか一項に記載のヘルメット。
  17. 前記反応層の表面積に対する、前記複数の要素が設けられている前記反応層の表面積の比率は、0.05~0.5であり、例えば0.1~0.4であり、例えば約0.25である、請求項1~16のいずれか一項に記載のヘルメット。
  18. 前記複数の要素は、前記反応層の厚さの4分の1よりも大きいサイズを有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のヘルメット。
  19. 前記複数の要素は、ショアA硬度が50超過の材料、例えば100超過の材料から形成されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のヘルメット。
  20. 前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素が前記第1の内層及び前記第2の外層の一方又は両方に接触するように構成されるように、1つ又は複数の前記複数の要素、前記第1の層、及び前記第2の層は、高摩擦の材料及び/又はコーティングを備え、それにより、前記高摩擦の材料により前記複数の要素を転動させて、前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するようにする、請求項1~19のいずれか一項に記載のヘルメット。
  21. 前記複数の要素の硬度は、前記第1の層及び/又は前記第2の層の硬度よりも大きい、請求項1~20のいずれか一項に記載のヘルメット。
  22. 前記複数の要素は、前記第1の層と前記第2の層との間に特定の配置で保持されており、前記反応層の前記複数の要素の特定の配置は、前記第2の層が衝撃を受ける際に前記第1の内層と前記第2の外層との互いに対する運動を促進するために、乱されるように構成されている、請求項1~21のいずれか一項に記載のヘルメット。
  23. 前記衝撃緩和構造体は、前記複数の要素を前記特定の配置で保持し、かつ前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に前記複数の要素を解放するように配置された支持構造体を備える、請求項22に記載のヘルメット。
  24. 前記反応層が間に配置された第1の層及び/又は第2の層の表面は、硬質のコーティング又は層を備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のヘルメット。
  25. 前記衝撃緩和構造体は、前記第1の層と前記第2の層との間に前記複数の要素を保持するように配置された維持構造体を備え;
    前記維持構造体は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、前記複数の要素を維持するように配置されている、
    請求項1~24のいずれか一項に記載のヘルメット。
  26. 前記維持構造体は、前記複数の要素を実質的に完全に封入及び/又は取り囲む、請求項25に記載のヘルメット。
  27. 前記維持構造体は、前記複数の要素を少なくとも部分的に封入及び/又は取り囲む可撓性層を備える、請求項25又は26に記載のヘルメット。
  28. 前記可撓性層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に伸張するように配置されている、請求項27に記載のヘルメット。
  29. 前記可撓性層は、前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、引き裂かれないように、破断されないように、破裂しないように、及び/又は破壊されないように配置されている、請求項27又は28に記載のヘルメット。
  30. 前記可撓性層は、接着剤によって前記第1の内層及び/又は前記第2の外層に取り付けられている、請求項27、28、又は29に記載のヘルメット。
  31. 前記第1の層と前記第2の層とは、前記第1の層と前記第2の層との間に延びる1つ又は複数の支柱及び/又は1つ又は複数のスペーサーによって互いに取り付けられている、請求項1~30のいずれか一項に記載のヘルメット。
  32. 前記1つ又は複数の支柱及び/又は前記1つ又は複数のスペーサーは圧縮可能であり、かつ前記衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に圧縮されるように構成されている、請求項31に記載のヘルメット。
  33. 前記反応層は、前記反応層の少なくとも一部にわたって延びる1つ又は複数のヒンジ線を備え、前記反応層は、衝撃緩和構造体が衝撃を受ける際に、少なくともいくつかの前記1つ又は複数のヒンジ線で曲がるように配置されている、請求項1~32のいずれか一項に記載のヘルメット。
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