JP2023541098A - 可変解像度マルチビームスキャンを備えたlidarシステム - Google Patents

可変解像度マルチビームスキャンを備えたlidarシステム Download PDF

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Abstract

LIDARシステムが、複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットを含み得る。LIDARシステムは、複数のレーザビームをレーザ放出ユニットから共通のスキャンユニットに透過するように構成された光学系も含み得る。共通のスキャンユニットは、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影して、視野を横切る複数のスキャンラインに沿って視野を同時にスキャンするように構成され得る。

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/077,933号、2020年9月21日に出願された米国仮特許出願第63/081,024号、2020年9月22日に出願された米国仮特許出願第63/081,646号、及び2021年4月11日に出願された米国仮特許出願第63/173,426号に対する優先権を主張するものであり、それら全てが、参照により全体として本明細書に組み込まれる。更に、本出願は、2021年8月24日に出願された国際出願第PCT/US2021/047289号に対する優先権を主張し、それは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。国際出願第PCT/US2021/047289号は、2020年8月24日に出願された米国仮特許出願第63/069,403号、及び2020年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/077,933号に対する優先権を主張し、それらは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
背景
I.技術分野
[0002] 本開示は、一般に、周囲環境をスキャンするための技術に関し、例えば、LIDAR技術を用いて周囲環境内の物体を検出するシステム及び方法に関する。
II.背景情報
[0003] 運転者支援システム及び自律走行車の出現によって、自動車は、車両のナビゲーションに影響を及ぼし得る障害物、危険、物体、及び他の物理パラメータを識別することを含めて、周囲の状況を信頼性高く検知し解釈できるシステムを搭載することが必要となっている。この目的のため、単独で又は冗長的に動作するレーダ、LIDAR、カメラベースのシステムを含む多くの異なる技術が提案されている。
[0004] 運転者支援システム及び自律走行車に伴う1つの検討すべき事項は、雨、霧、暗さ、明るい光、及び雪を含む様々な条件においてシステムが周囲の状況を判断する能力である。光検出と測距(LIDAR:light detection and ranging system、LADARとしても知られている)は、物体に光を照射して反射したパルスをセンサで測定することで物体までの距離を測定することによって、様々な条件で良好に機能することができる技術の一例である。レーザは、LIDARシステムにおいて使用できる光源の一例である。LIDARシステムなどの電気光学システムは、光源によって放出された光を電気光学システムの環境に投影するための光偏向器を含むことがある。光偏向器は、電気光学システムの視野内の所望の位置に光を投影するために、少なくとも1つの軸の周りを枢動するように制御され得る。光偏向器の動きを高精度で制御及び/又は監視するために、光偏向器の位置及び/又は向きを決定するための改良されたシステム及び方法を設計することが望ましいことがある。
[0005] 本開示のシステム及び方法は、電気光学システムで使用される光偏向器の位置及び/又は向きを監視する性能の改良を対象とする。
概要
[0006] 一態様では、LIDARシステムが開示される。LIDARシステムは、複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットと、複数のレーザビームをレーザ放出ユニットから共通のスキャンユニットに透過するように構成された光学系とを含み得る。共通のスキャンユニットは、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影して、視野を横切る複数のスキャンラインに沿って視野を同時にスキャンするように構成され得る。
[0007] 別の態様では、LIDARシステムが開示される。LIDARシステムは、複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットと、複数のレーザビームを受信するように構成されたスキャンユニットとを含み得る。共通のスキャンユニットは、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成され得る。LIDARシステムは、少なくとも1つのプロセッサも含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、FOVを横切る第1の複数のスキャンラインに沿って複数のビームを誘導し、複数のレーザビームを、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットに変位し、第2の複数のスキャンラインに沿って複数のレーザビームを誘導することによって、スキャンユニットにLIDARシステムの視野をスキャンさせるようにプログラムされ得る。
[0008] 更に別の態様では、LIDARシステムが開示される。LIDARシステムは、複数のレーザビームを生成するように構成された複数のレーザエミッタを含むモノリシックレーザアレイと、複数のレーザビームを受信するように構成された二軸スキャンミラーとを含み得る。二軸スキャンミラーは、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成される。LIDARシステムは、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、複数のレーザエミッタのうちの第1のレーザエミッタサブセットを活性化し、第1のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、LIDARシステムの視野を横切る第1の複数のスキャンラインにわたってスキャンし、第1のレーザエミッタサブセットを非活性化し、複数のレーザエミッタのうちの第2のレーザエミッタサブセットを活性化し、第2のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、LIDARシステムの視野を横切る第2の複数のスキャンラインにわたってスキャンし、第2のレーザエミッタサブセットを非活性化し、二軸スキャンミラーを、モノリシックレーザアレイの角度長さ以上の回転角度だけ傾斜させ、第1のレーザエミッタサブセットを活性化し、第1のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、LIDARシステムの視野を横切る第3の複数のスキャンラインにわたってスキャンするようにプログラムされ得る。
[0009] 前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲を限定するものではない。
図面の簡単な説明
[0010] 本開示に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、開示される様々な実施形態を示している。
[0011]開示される実施形態に従った例示的なLIDARシステムを示す図である。 [0012]開示される実施形態に従った、車両上に搭載されたLIDARシステムの単一スキャンサイクルの例示的な出力を示す画像である。 [0013]開示される実施形態に従ったLIDARシステムの出力から決定されたポイントクラウドモデルの表現を示す別の画像である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0014]本開示の実施形態に従った投影ユニットの構成を示す図である。 [0015]本開示の実施形態に従ったスキャンユニットの構成を示す図である。 [0015]本開示の実施形態に従ったスキャンユニットの構成を示す図である。 [0015]本開示の実施形態に従ったスキャンユニットの構成を示す図である。 [0015]本開示の実施形態に従ったスキャンユニットの構成を示す図である。 [0016]本開示の実施形態に従った検知ユニットの構成を示す図である。 [0016]本開示の実施形態に従った検知ユニットの構成を示す図である。 [0016]本開示の実施形態に従った検知ユニットの構成を示す図である。 [0016]本開示の実施形態に従った検知ユニットの構成を示す図である。 [0016]本開示の実施形態に従った検知ユニットの構成を示す図である。 [0017]視野の単一部分の単一フレーム時間における放出パターンを示す4つの例示的な図を含む。 [0018]視野全体の単一フレーム時間における放出スキームを示す3つの例示的な図を含む。 [0019]視野全体の単一フレーム時間中に投影された実際の光放出及び受光された反射を示す図である。 [0020]本開示の実施形態に従った第1の例示的な実施を示す図である。 [0020]本開示の実施形態に従った第1の例示的な実施を示す図である。 [0020]本開示の実施形態に従った第1の例示的な実施を示す図である。 [0021]本開示の実施形態に従った第2の例示的な実施を示す図である。 [0022]本開示のいくつかの実施形態に従った例示的な開示されたLIDARシステムの概略構成を示す図である。 [0023]本開示のいくつかの実施形態に従った視野の垂直スキャンを示す図である。 [0024]本開示のいくつかの実施形態に従った、非アクティブエリアによって分離されたアクティブエリアを有する検出器の一例を示す図である。 [0025]本開示のいくつかの実施形態に従った例示的なLIDARシステムの例示的なアーキテクチャのハイレベルブロック図である。 [0026]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0027]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの別の例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0028]本開示のいくつかの実施形態に従ったモノリシックレーザアレイの一例を示す図である。 [0029]本開示のいくつかの実施形態に従った、レーザビームによって生成されたスポットの例示的な拡大画像を示す図である。 [0030]本開示のいくつかの実施形態に従った、ビームスプリッタを含む例示的なLIDARシステムを示す図である。 [0030]本開示のいくつかの実施形態に従った、ビームスプリッタを含む例示的なLIDARシステムを示す図である。 [0031]本開示のいくつかの実施形態に従った、2Dスキャンミラーを使用して得られる例示的なスキャンパターンを示す図である。 [0032]本開示のいくつかの実施形態に従った、複数のレーザビームを使用して得られるスキャンパターンを示す図である。 [0033]本開示のいくつかの実施形態に従った、非アクティブエリアによって分離されたアクティブエリアを有するモノリシック検出器の一例を示す図である。 [0033]本開示のいくつかの実施形態に従った、非アクティブエリアによって分離されたアクティブエリアを有するモノリシック検出器の一例を示す図である。 [0033]本開示のいくつかの実施形態に従った、非アクティブエリアによって分離されたアクティブエリアを有するモノリシック検出器の一例を示す図である。 [0034]本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的なビームスプリッタを示す図である。 [0034]本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的なビームスプリッタを示す図である。 [0035]本開示のいくつかの実施形態に従った、レーザビームの出力を監視するために使用される例示的なビームスプリッタのポートを示す図である。 [0036]本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的なLIDARシステムを示す概略図である。 [0037]本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的なLIDARシステムを使用して取得された例示的なスキャンパターンを示す図である。 [0038]本開示のいくつかの実施形態に従った、複数のビーム構成を使用する重複スキャンの一例を示す図である。 [0038]本開示のいくつかの実施形態に従った、複数のビーム構成を使用する重複スキャンの一例を示す図である。 [0038]本開示のいくつかの実施形態に従った、複数のビーム構成を使用する重複スキャンの一例を示す図である。 [0039]本開示のいくつかの実施形態に従った、図17Aの一部分の拡大図を示す図である。 [0040]本開示のいくつかの実施形態に従った、LIDAR視野のサブ領域に焦点を合わされたマルチステップスキャンの一例を示す図である。 [0040]本開示のいくつかの実施形態に従った、LIDAR視野のサブ領域に焦点を合わされたマルチステップスキャンの一例を示す図である。 [0041]本開示のいくつかの実施形態に従った、LIDAR視野のサブ領域に焦点を合わされたマルチステップスキャンの別の例を示す図である。 [0042]本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的なLIDARシステムを使用して取得された例示的なスキャンパターンを示す図である。 [0043]LIDAR視野の4回の順次スキャン中にレーザアレイによって放出されるレーザビームの動きを示す図である。
詳細な説明
[0044] 以下の詳細な説明は添付図面を参照する。可能な限り、図面及び以下の記載では同一の参照番号を用いて同一又は同様の部分を指し示す。本明細書ではいくつかの例示的な実施形態を記載するが、変更、適合、及びその他の実施も可能である。例えば、図面に示されたコンポーネントに対する置換、追加、又は変更を行うことができ、開示される方法に対するステップの置換、並べ替え、除去、又は追加によって本明細書に記載される例示的な方法を変更することができる。したがって、以下の詳細な説明は開示される実施形態及び例に限定されない。適正な範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
用語の定義
[0045] 開示される実施形態は光学システムを含み得る。本明細書で用いる場合、「光学システム」という用語は、光の発生、検出、及び/又は操作のために使用される任意のシステムを広く含む。単に一例として、光学システムは、光を発生、検出、及び/又は操作するための1つ以上の光学コンポーネントを含み得る。例えば、光源、レンズ、ミラー、プリズム、ビームスプリッタ、コリメータ、偏光光学系、光学変調器、光学スイッチ、光学増幅器、光学検出器、光学センサ、光ファイバ、半導体光学コンポーネントは、それぞれ必ずしも必須ではないが、光学システムの一部となり得る。1つ以上の光学コンポーネントに加えて、光学システムは、電気的コンポーネント、機械的コンポーネント、化学反応コンポーネント、及び半導体コンポーネントのような、他の非光学コンポーネントも含み得る。非光学コンポーネントは、光学システムの光学コンポーネントと協働することができる。例えば光学システムは、検出された光を分析するための少なくとも1つのプロセッサを含み得る。
[0046] 本開示に従って、光学システムはLIDARシステムとすることができる。本明細書で用いる場合、「LIDARシステム」という用語は、反射光に基づいて1対の有形物体(tangible object)間の距離を示すパラメータの値を決定することができる任意のシステムを広く含む。一実施形態において、LIDARシステムは、LIDARシステムが放出した光の反射に基づいて1対の有形物体間の距離を決定できる。本明細書で用いる場合、「距離を決定する」という用語は、1対の有形物体間の距離を示す出力を発生することを広く含む。決定された距離は、1対の有形物体間の物理的寸法を表すことができる。単に一例として、決定された距離は、LIDARシステムとLIDARシステムの視野内の別の有形物体との間の飛行距離線を含み得る。別の実施形態において、LIDARシステムは、LIDARシステムが放出した光の反射に基づいて1対の有形物体間の相対速度を決定することができる。1対の有形物体間の距離を示す出力の例には、有形物体間の標準的な長さ単位の数(例えばメートル数、インチ数、キロメートル数、ミリメートル数)、任意の長さ単位の数(例えばLIDARシステム長の数)、距離と別の長さとの比(例えばLIDARシステムの視野内で検出された物体の長さに対する比)、時間量(例えば標準的な単位、任意の単位又は比、例えば有形物体間を光が移動するのに要する時間として与えられる)、1つ以上のロケーション(例えば承認された座標を用いて規定される、既知のロケーションに対して規定される)、及びその他のものが含まれる。
[0047] LIDARシステムは、反射光に基づいて1対の有形物体間の距離を決定することができる。一実施形態において、LIDARシステムは、光信号の放出とセンサによるその検出の時点との間の時間期間を示す時間情報を生成するセンサの検出結果を処理することができる。この時間期間は時として光信号の「飛行時間(time of flight)」と称される。一例において、光信号は短いパルスであり、受信の際にその立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間を検出することができる。関連する媒体(通常は空気)中における光の速度に関する既知の情報を用いて、光信号の飛行時間に関する情報を処理することで、放出と検出との間で光信号が移動する距離を提供できる。別の実施形態において、LIDARシステムは、周波数位相シフト(又は多周波数位相シフト)に基づいて距離を決定することができる。具体的には、LIDARシステムは、光信号の(例えば最終的な測度を与えるためいくつかの連立方程式を解くことによって)1つ以上の変調位相シフトを示す情報を処理することができる。例えば、放出された光学信号を1つ以上の一定周波数によって変調できる。放出された信号と検出された反射との間の変調の少なくとも1つの位相シフトは、放出と検出との間で光が移動した距離を示すことができる。変調は、連続波光信号、準連続波光信号、又は別のタイプの放出される光信号に適用され得る。距離を決定するため、LIDARシステムによって追加情報を使用できることに留意するべきである。追加情報は例えば、信号の投影ロケーションと検出ロケーションとの間のロケーション情報(例えば相対位置)(特に、相互に距離が離れている場合)、及びその他のものである。
[0048] いくつかの実施形態において、LIDARシステムは、LIDARシステムの環境内の複数の物体を検出するために使用できる。「LIDARシステムの環境内の物体を検出する」という用語は、LIDARシステムに関連付けられた検出器の方へ光を反射した物体を示す情報を発生することを広く含む。2つ以上の物体がLIDARシステムによって検出された場合、異なる物体に関して発生された情報、例えば、自動車が道路を走行している、鳥が木にとまっている、人が自転車に触れる、ライトバン(van)が建物の方へ移動するといった情報は、相互に連絡することができる。LIDARシステムが物体を検出する環境の寸法は、実施に伴って変動し得る。例えばLIDARシステムは、LIDARシステムが搭載されている車両の環境内で、最大で100m(又は200m、300m等)の水平方向距離まで、及び最大で10m(又は25m、50m等)の垂直方向距離まで、複数の物体を検出するために使用できる。別の例においてLIDARシステムは、車両の環境内で、又は既定の水平方向範囲内(例えば25°、50°、100°、180°等)で、及び既定の垂直方向高さ(例えば±10°、±20°、+40°~20°、±90°、又は0°~90°)まで、複数の物体を検出するため使用できる。
[0049] 本明細書で用いる場合、「物体を検出する」という用語は、物体の存在を決定することを広く指すことができる(例えば、物体はLIDARシステムに対して及び/又は別の基準ロケーションに対して特定の方向に存在し得る、又は、物体は特定の空間体積内に存在し得る)。これに加えて又はこの代わりに、「物体を検出する」という用語は、物体と別のロケーション(例えばLIDARシステムのロケーション、地球上のロケーション、又は別の物体のロケーション)との間の距離を決定することを指す可能性がある。これに加えて又はこの代わりに、「物体を検出する」という用語は、物体を識別すること(例えば自動車、木、道路のような物体の種類を分類すること、特定の物体(例えばワシントン記念塔)を認識すること、自動車登録番号を判定すること、物体の組成(例えば固体、液体、透明、半透明)を明らかにすること、物体の運動パラメータ(例えば移動中であるか、その速度、移動方向、物体の膨張)を決定することを指す可能性がある。これに加えて又はこの代わりに、「物体を検出する」という用語は、ポイントクラウドマップを発生することを指す可能性がある。ポイントクラウドマップの1つ以上のポイントの各々は、物体内のロケーション又は物体面上のロケーションに対応する。一実施形態において、視野のポイントクラウドマップ表現に関するデータ解像度は、視野の0.1°×0.1°又は0.3°×0.3°に関連付けることができる。
[0050] 本開示に従って、「物体」という用語は、その少なくとも一部から光を反射することができる有限の組成物を広く含む。例えば物体は、少なくとも部分的に固体である(例えば自動車、木)、少なくとも部分的に液体である(例えば道路の水たまり、雨)、少なくとも部分的に気体である(例えば煙、雲)、多数の別個の粒子から成る(例えば砂あらし、霧、スプレー)、例えば~1ミリメートル(mm)、~5mm、~10mm、~50mm、~100mm、~500mm、~1メートル(m)、~5m、~10m、~50m、~100mのような1つ以上の大きさであり得る。また、より小さいか又は大きい物体、及びこれらの例の間の任意の大きさも検出できる。様々な理由から、LIDARシステムは物体の一部のみを検出する場合があることに留意するべきである。例えば、場合によっては、光は物体のいくつかの側面のみから反射される(例えば、LIDARシステムに対向する側面のみが検出される)。他の場合、光は物体の一部のみに投影される(例えば、レーザビームが道路又は建物に投影される)。また他の場合、物体は、LIDARシステムと検出された物体との間の別の物体によって部分的に遮られる。また他の場合、LIDARのセンサは物体の一部から反射された光のみを検出し得る。これは例えば、周囲光又は他の干渉が物体のいくつかの部分の検出を妨害するからである。
[0051] 本開示に従って、LIDARシステムは、LIDARシステムの環境をスキャンすることで物体を検出するように構成できる。「LIDARシステムの環境をスキャンする」という用語は、LIDARシステムの視野又は視野の一部を照射することを広く含む。一例において、LIDARシステムの環境をスキャンすることは、光偏向器を移動又は枢動させて、視野の様々な部分へ向かう様々な方向に光を偏向させることによって達成できる。別の例において、LIDARシステムの環境をスキャンすることは、視野に対するセンサの位置決め(すなわちロケーション及び/又は向き)を変えることによって達成できる。別の例において、LIDARシステムの環境をスキャンすることは、視野に対する光源の位置決め(すなわちロケーション及び/又は向き)を変えることによって達成できる。更に別の例において、LIDARシステムの環境をスキャンすることは、少なくとも1つの光源及び少なくとも1つのセンサが視野に対して固定して(rigidly)移動するようにそれらの位置を変えることによって達成できる(すなわち、少なくとも1つのセンサ及び少なくとも1つの光源の相対的な距離及び向きは維持される)。
[0052] 本明細書で用いる場合、「LIDARシステムの視野」という用語は、物体を検出することができるLIDARシステムの観察可能な環境の範囲を広く含み得る。LIDARシステムの視野(FOV)は様々な条件によって影響を受け得ることに留意するべきである。様々な条件は、限定ではないが、LIDARシステムの向き(例えばLIDARシステムの光軸の方向)、環境に対するLIDARシステムの位置(例えば地面、及び隣接地形、及び障害物からの距離)、LIDARシステムの動作パラメータ(例えば放出パワー、計算設定、規定の動作角度)等である。LIDARシステムの視野は、例えば立体角を用いて規定することができる(例えばφ、θ角を用いて規定される。φ及びθは、例えばLIDARシステム及び/又はそのFOVの対称軸に対する垂直面において規定される)。一例において、視野は、特定の範囲内(例えば最大で200m)で規定することができる。
[0053] 同様に、「瞬時視野(instantaneous field of view)」という用語は、任意の所与の瞬間にLIDARシステムによって物体を検出することができる観察可能な環境の範囲を広く含み得る。例えばスキャンLIDARシステムでは、瞬時視野はLIDARシステムの全FOVよりも狭く、LIDARシステムのFOVの他の部分における検出を可能とするためLIDARシステムのFOV内で移動させることができる。LIDARシステムのFOV内での瞬時視野の移動は、LIDARシステムへの光ビーム及び/又はLIDARシステムからの光ビームを異なる方向に偏向させるようにLIDARシステムの(又はLIDARシステム外部の)光偏向器を移動させることによって達成できる。一実施形態において、LIDARシステムは、LIDARシステムが動作している環境内のシーン(scene)をスキャンするように構成できる。本明細書で用いる場合、「シーン」という用語は、LIDARシステムの視野内の物体のいくつか又は全てを、LIDARシステムの動作期間中の相対位置で及び現在の状態で広く含み得る。例えばシーンは、地上の要素(例えば土、道路、草、歩道、路面標識)、空、人工物体(例えば車両、建物、標識)、植物、人物、動物、光投影要素(例えば懐中電灯、太陽、他のLIDARシステム)等を含み得る。
[0054] 開示される実施形態は、再構築3次元モデルの生成に使用される情報を取得することを含み得る。使用できるタイプの再構築3次元モデルの例には、ポイントクラウドモデル及びポリゴンメッシュ(Polygon Mesh)(例えば三角形メッシュ)が含まれる。「ポイントクラウド」及び「ポイントクラウドモデル」という用語は、当技術分野において周知であり、ある特定の座標系に空間的に位置付けられるデータポイントセットを含むものと解釈するべきである(すなわち、各座標系によって記述される空間内に識別可能ロケーションを有する)。「ポイントクラウドポイント」という用語は、空間(無次元であるか、又は例えば1cmのような微小セル空間である場合がある)内のポイントを指し、そのロケーションは座標セットを用いたポイントクラウドモデルによって記述できる(例えば(X、Y、Z)、(r、φ、θ))。単に一例として、ポイントクラウドモデルは、そのポイントのいくつか又は全てのための追加情報を記憶することができる(例えば、カメラ画像から生成されたポイントのための色情報)。同様に、他のいずれのタイプの再構築3次元モデルも、その物体のいくつか又は全てのための追加情報を記憶することができる。同様に、「ポリゴンメッシュ」及び「三角形メッシュ」という用語は当技術分野において周知であり、とりわけ、1つ以上の3D物体(多面体等)の形状を画定する頂点(vertex)、稜線(edge)、及び面(face)のセットを含むように解釈するべきである。面は、レンダリングを簡略化できるという理由から、三角形(三角形メッシュ)、四角形、又は他の単純な凸多角形のうち1つ以上を含み得る。また、面は、より一般的な凹多角形、又はくぼみ(hole)を有する多角形を含み得る。ポリゴンメッシュは、頂点-頂点メッシュ、面-頂点メッシュ、ウイングドエッジメッシュ(Winged-edge mesh)、及びレンダーダイナミックメッシュ(Render dynamic mesh)のような様々な技法を用いて表現できる。ポリゴンメッシュの様々な部分(例えば頂点、面、稜線)は、直接的に及び/又は相対的に、ある特定の座標系に空間的に位置付けられる(すなわち、各座標系によって記述される空間内に識別可能ロケーションを有する)。再構築3次元モデルの生成は、任意の標準的な、専用の、及び/又は新規の写真測量技法を用いて実施することができ、それらの多くは当技術分野において既知である。LIDARシステムによって他のタイプの環境モデルも生成できることに留意するべきである。
[0055] 開示される実施形態に従って、LIDARシステムは、光を投影するように構成された光源を用いる少なくとも1つの投影ユニットを含み得る。本明細書で用いる場合、「光源」という用語は、光を放出するように構成された任意のデバイスを広く指す。一実施形態において、光源は、固体レーザ、レーザダイオード、高出力レーザのようなレーザ、又は発光ダイオード(LED)ベースの光源のような代替的な光源とすればよい。更に、図面全体を通して示されている光源112は、光パルス、連続波(CW)、準CW等、異なるフォーマットの光を放出することができる。例えば、使用できる光源の1つのタイプは、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL:vertical-cavity surface-emitting laser)である。使用できる別のタイプの光源は、外部キャビティダイオードレーザ(ECDL:external cavity diode laser)である。いくつかの例では、光源は約650nmから1150nmの間の波長の光を放出するように構成されたレーザダイオードを含み得る。或いは、光源は、約800nmから約1000nm、約850nmから約950nm、又は約1300nmから約1600nmの波長の光を放出するように構成されたレーザダイオードを含み得る。別段の指示がない限り、数値に関する「約」という用語は、言及された値に対して最大5%の分散として規定される。投影ユニット及び少なくとも1つの光源についての更なる詳細は、図2Aから図2Cを参照して以下で説明する。
[0056] 開示される実施形態に従って、LIDARシステムは、視野をスキャンするため光源からの光を偏向させるように構成された少なくとも1つの光偏向器を用いる少なくとも1つのスキャンユニットを含み得る。「光偏向器」という用語は、光を最初の経路から逸脱させるように構成されている任意の機構又はモジュールを広く含み、例えば、ミラー、プリズム、制御可能レンズ、機械的ミラー、機械的スキャンポリゴン(scanning polygon)、アクティブ回折(例えば制御可能LCD)、リスレープリズム(Risley prism)、非機械電子光学ビームステアリング(Vscentにより作製されるもの等)、偏光格子(Boulder Non-Linear Systemsにより提供されるもの等)、光学フェーズドアレイ(OPA:optical phased array)、及びその他のものである。一実施形態において、光偏向器は、少なくとも1つの反射要素(例えばミラー)、少なくとも1つの屈折要素(例えばプリズム、レンズ)等、複数の光学コンポーネントを含み得る。一例において、光偏向器は、光を様々な角度数に(例えば別々の角度数に、又は連続的な角度数範囲に)逸脱させるように、可動性であり得る。光偏向器は、任意選択的に、様々なやり方で制御可能であり得る(例えば、α度に偏向させる、偏向角をΔαだけ変える、光偏向器のコンポーネントをMミリメートル移動させる、偏向角が変わる速度を変化させる)。更に光偏向器は、任意選択的に、単一の面(例えばθ座標)内で偏向の角度を変えるように動作可能であり得る。光偏向器は、任意選択的に、2つの非平行の面(例えばθ及びφ座標)内で偏向の角度を変えるように動作可能であり得る。この代わりに又はこれに加えて、光偏向器は任意選択的に、所定の設定間で(例えば所定のスキャンルートに沿って)又はその他で偏向の角度を変えるように動作可能であり得る。LIDARシステムにおける光偏向器の使用に関して、光偏向器をアウトバウンド方向(送信方向すなわちTXとも称される)で用いて、光源からの光を視野の少なくとも一部へ偏向できることに留意するべきである。しかしながら、光偏向器をインバウンド方向(受信方向すなわちRXとも称される)で用いて、視野の少なくとも一部からの光を1つ以上の光センサへ偏向させることも可能である。スキャンユニット及び少なくとも1つの光偏向器についての更なる詳細は、図3Aから図3Cを参照して以下で説明する。
[0057] 開示される実施形態は、視野をスキャンするために光偏向器を枢動することを含み得る。本明細書で用いる場合、「枢動する(pivot)」という用語は、物体(特に固体の物体)を、回転中心を実質的に固定したままに維持しながら、1つ以上の回転軸を中心として回転させることを広く含む。一実施形態において、光偏向器の枢動は、固定軸(例えばシャフト)を中心として光偏向器を回転させることを含み得るが、必ずしもそうとは限らない。例えばいくつかのMEMSミラー実施では、MEMSミラーは、ミラーに接続された複数の曲げ部(bender)の作動によって動くことができ、ミラーは回転に加えてある程度の空間並進を生じ得る。それにもかかわらず、このようなミラーは実質的に固定された軸を中心として回転するように設計できるので、本開示に従って、枢動すると見なされる。他の実施形態において、あるタイプの光偏向器(例えば非機械電子光学ビームステアリング、OPA)は、偏向光の偏向角を変えるために移動コンポーネントも内部移動も必要としない。光偏向器の移動又は枢動に関する検討は、必要な変更を加えて、光偏向器の偏向挙動を変化させるように光偏向器を制御することにも適用できることに留意するべきである。例えば光偏向器を制御することで、少なくとも1つの方向から到達する光ビームの偏向角を変化させることが可能となる。
[0058] 開示される実施形態は、光偏向器の単一の瞬時位置に対応する視野の部分に関連した反射を受信することを含み得る。本明細書で用いる場合、「光偏向器の瞬時位置」(「光偏向器の状態」とも称される)という用語は、ある瞬間的な時点に又は短い時間期間にわたって光偏向器の少なくとも1つの制御されたコンポーネントが位置している空間内のロケーション又は位置を広く指す。一実施形態において、光偏向器の瞬時位置は基準系(frame of reference)に対して測定することができる。基準系はLIDARシステム内の少なくとも1つの固定点に関連し得る。又は、例えば基準系はシーン内の少なくとも1つの固定点に関連し得る。いくつかの実施形態において、光偏向器の瞬時位置は、光偏向器(例えばミラー、プリズム)の1つ以上のコンポーネントのある程度の移動を含み得るが、この移動は通常、視野のスキャン中の最大変化度に対して限られた程度のものである。例えばLIDARシステムの視野全体のスキャンは、光の偏向を30°の範囲にわたって変化させることを含み得る。また、少なくとも1つの光偏向器の瞬時位置は、光偏向器の0.05°内の角度シフトを含み得る。他の実施形態において、「光偏向器の瞬時位置」という用語は、LIDARシステムによって生成されるポイントクラウド(又は別のタイプの3Dモデル)の単一ポイントのデータを与えるために処理される光の取得中の光偏向器の位置を指し得る。いくつかの実施形態において、光偏向器の瞬時位置は、偏向器がLIDAR視野の特定の小領域(sub-region)の照射中に短時間停止する固定の位置又は向きに一致し得る。他の場合、光偏向器の瞬時位置は、光偏向器がLIDAR視野の連続的又は半連続的なスキャンの一部として通過する、光偏向器の位置/向きのスキャン範囲に沿った特定の位置/向きと一致し得る。いくつかの実施形態では、LIDAR FOVのスキャンサイクル中に光偏向器が複数の異なる瞬時位置に位置付けられるように光偏向器を移動させることができる。言い換えると、スキャンサイクルが発生する時間期間中、偏向器を一連の異なる瞬時位置/向きに移動させることができ、偏向器は、スキャンサイクル中の異なる時点でそれぞれ異なる瞬時位置/向きに到達できる。
[0059] 開示される実施形態に従って、LIDARシステムは、視野内の物体からの反射を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを用いる少なくとも1つの検知ユニットを含み得る。「センサ」という用語は、電磁波の特性(例えば電力、周波数、位相、パルスタイミング、パルス持続時間)を測定することができ、測定された特性に関する出力を生成するための任意のデバイス、要素、又はシステムを広く含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサは、複数の検出要素から構築された複数の検出器を含み得る。少なくとも1つのセンサは、1つ以上のタイプの光センサを含み得る。少なくとも1つのセンサは、他の特性(例えば感度、大きさ)が異なる同じタイプの複数のセンサを含み得ることに留意するべきである。他のタイプのセンサを用いてもよい。例えば、ある距離範囲(特に近距離)における検出の向上、センサのダイナミックレンジの向上、センサの時間的応答の向上、及び、様々な環境条件(例えば大気温度、雨等)における検出の向上のような様々な理由から、いくつかのタイプのセンサを組み合わせて使用することも可能である。一実施形態において、少なくとも1つのセンサは、一般的なシリコン基板上で検出要素として機能する、アバランシェフォトダイオード(APD:avalanche photodiode)、単一光子アバランシェダイオード(SPAD:single photon avalanche diode)から構築された固体単一光子検知デバイスであるSiPM(Silicon photomultiplier、シリコン光電子増倍管)を含む。一例において、SPAD間の典型的な距離は約10μmから約50μmの間であり、各SPADは約20nsから約100nsの間の回復時間を有し得る。他の非シリコン材料による同様の光電子増倍管も使用できる。SiPMデバイスはデジタル/スイッチングモードで動作するが、全ての微小セルが並列に読み出されて、異なるSPADによって検出される単一の光子から数百及び数千の光子までのダイナミックレンジ内で信号を発生することを可能とするので、SiPMはアナログデバイスである。異なるタイプのセンサ(例えばSPAD、APD、SiPM、PINダイオード、光検出器)からの出力が組み合わされて単一の出力になり、これをLIDARシステムのプロセッサによって処理できることに留意するべきである。検知ユニット及び少なくとも1つのセンサについての更なる詳細は、図4Aから図4Cを参照して以下で説明する。
[0060] 開示される実施形態に従って、LIDARシステムは、様々な機能を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含むか又は少なくとも1つのプロセッサと通信することができる。少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数の入力に対して論理動作を実行する電気回路を有する任意の物理デバイスを構成し得る。例えば少なくとも1つのプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)の全体又は一部、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は命令の実行若しくは論理動作の実行に適した他の回路を含む、1つ以上の集積回路(IC)を含み得る。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに一体化されているか又は埋め込まれたメモリに予めロードするか、又は別個のメモリに記憶することができる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスク、光学ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の永久メモリ、固定メモリ、若しくは揮発性メモリ、又は命令を記憶することができる他の任意の機構を含み得る。いくつかの実施形態において、メモリは、LIDARシステムの環境内の物体に関するデータを表す情報を記憶するように構成されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサは2つ以上のプロセッサを含み得る。各プロセッサは同様の構成を有するか、又は、それらのプロセッサは相互に電気的に接続されるか若しくは切断された異なる構成とすることができる。例えばプロセッサは、別々の回路とするか、又は単一の回路に一体化することができる。2つ以上のプロセッサを用いる場合、これらのプロセッサは、独立して又は協働して動作するように構成できる。これらのプロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、又はそれらの相互作用を可能とする他の手段によって、結合することができる。処理ユニット及び少なくとも1つのプロセッサについての更なる詳細は、図5Aから図5Cを参照して以下で説明する。
システムの概要
[0061] 図1Aは、投影ユニット102、スキャンユニット104、検知ユニット106、及び処理ユニット108を含むLIDARシステム100を示す。LIDARシステム100は車両110上に搭載可能である。本開示の実施形態に従って、投影ユニット102は少なくとも1つの光源112を含み、スキャンユニット104は少なくとも1つの光偏向器114を含み、検知ユニット106は少なくとも1つのセンサ116を含み、処理ユニット108は少なくとも1つのプロセッサ118を含み得る。一実施形態において、少なくとも1つのプロセッサ118は、視野120をスキャンするため、少なくとも1つの光源112の動作と少なくとも1つの光偏向器114の移動を連携させるように構成できる。スキャンサイクル中、少なくとも1つの光偏向器114の各瞬時位置を視野120の特定の部分122に関連付けることができる。更に、LIDARシステム100は、視野120の方へ投影される光を誘導する及び/又は視野120内の物体から反射された光を受光するための少なくとも1つの任意選択的な光学ウィンドウ124を含み得る。任意選択的な光学ウィンドウ124は、投影光のコリメーション及び反射光の集束のような異なる目的に供することができる。一実施形態において、任意選択的な光学ウィンドウ124は、開口、平坦なウィンドウ、レンズ、又は他の任意のタイプの光学ウィンドウとすればよい。
[0062] 本開示に従って、LIDARシステム100は、自律走行又は半自律走行の道路車両(例えば自動車、バス、ライトバン、トラック、及び他の任意の地上車)において使用することができる。LIDARシステム100を備えた自律走行道路車両は、環境をスキャンし、人の入力なしで目的地車両まで運転することができる。同様に、LIDARシステム100は、自律型/半自律型航空機(例えばUAV、ドローン、クワッドコプター、及び他の任意の航空機若しくは飛行デバイス)、又は自律型若しくは半自律型の水上船(例えばボート、船、潜水艦、及び他の任意の船舶)においても使用され得る。LIDARシステム100を備えた自律型航空機及び水上船は、環境をスキャンし、自律的に又は遠隔の人のオペレータを用いて目的地までナビゲートすることができる。一実施形態に従って、車両110(道路車両、航空機、又は水上船)は、車両110が動作している環境の検出及びスキャンに役立てるためLIDARシステム100を使用することができる。
[0063] LIDARシステム100又はそのコンポーネントのいずれも、本明細書で開示される実施形態例及び方法のいずれとも一緒に使用され得ることに留意すべきである。更に、LIDARシステム100のいくつかの態様は例示的な車両ベースのLIDARプラットフォームに関連して説明されるが、LIDARシステム100、そのコンポーネントのいずれか、又は本明細書で説明するプロセスのいずれかは、他のプラットフォームタイプのLIDARシステムに適用可能であり得る。
[0064] いくつかの実施形態において、LIDARシステム100は、車両110の周りの環境をスキャンするための1つ以上のスキャンユニット104を含み得る。LIDARシステム100は、車両110の任意の部分に取り付けるか又は搭載することができる。検知ユニット106は、車両110の周囲からの反射を受信し、視野120内の物体から反射した光を示す反射信号を処理ユニット108に転送することができる。本開示に従って、スキャンユニット104は、車両110のバンパー、フェンダー、サイドパネル、スポイラ、屋根、ヘッドライトアセンブリ、テールライトアセンブリ、バックミラーアセンブリ、フード、トランク、又はLIDARシステムの少なくとも一部を収容できる他の任意の適切な部分に搭載するか又は組み込むことができる。場合によっては、LIDARシステム100は車両110の環境の完全な周囲ビューをキャプチャする。このため、LIDARシステム100は360°の水平方向視野を有し得る。一例において、図1Aに示されているように、LIDARシステム100は車両110の屋根に搭載された単一のスキャンユニット104を含み得る。或いはLIDARシステム100は、それぞれ視野を有する複数のスキャンユニット(例えば2、3、4、又はそれ以上のスキャンユニット104)を含み、これらの視野を合わせると車両110の周りの360度のスキャンによって水平方向視野をカバーすることができる。LIDARシステム100は任意のやり方で配置された任意の数のスキャンユニット104を含み、使用されるユニット数に応じて各ユニットが80°から120°又はそれ未満の視野を有し得ることは、当業者に認められよう。更に、各々が単一のスキャンユニット104を備えた複数のLIDARシステム100を車両110上に搭載することによって、360°の水平方向視野を得ることも可能である。それにもかかわらず、1つ以上のLIDARシステム100が完全な360°の視野を与える必要はないこと、及び、いくつかの状況ではより狭い視野が有用であり得ることに留意するべきである。例えば車両110は、車両の前方に75°の視野を有する第1のLIDARシステム100と、場合によっては後方に同様のFOVを有する(任意選択的に、より小さい検出範囲を有する)第2のLIDARシステム100と、を必要とする可能性がある。また、様々な垂直方向視野角も実施され得ることに留意するべきである。
[0065] 図1Bは、開示される実施形態に従った、車両110上に搭載されたLIDARシステム100の単一のスキャンサイクルからの例示的な出力を示す画像である。この例において、スキャンユニット104は車両110の右ヘッドライトアセンブリに組み込まれている。画像における全ての灰色ドットは、検知ユニット106によって検出された反射から決定された車両110の周りの環境内のロケーションに対応する。ロケーションに加えて、各灰色ドットは、例えば強度(例えばそのロケーションからどのくらいの量の光が戻るか)、反射率、他のドットに対する近接、及びその他のもの等、様々なタイプの情報に関連付けることも可能である。一実施形態において、LIDARシステム100は、視野の複数のスキャンサイクルで検出された反射から複数のポイントクラウドデータエントリを生成して、例えば車両110の周りの環境のポイントクラウドモデルの決定を可能とすることができる。
[0066] 図1Cは、LIDARシステム100の出力から決定されたポイントクラウドモデルの表現を示す画像である。開示される実施形態に従って、車両110の周りの環境の生成されたポイントクラウドデータエントリを処理することにより、ポイントクラウドモデルから周囲ビュー画像を生成できる。一実施形態において、ポイントクラウドモデルは、ポイントクラウド情報を処理して複数のフィーチャを識別するフィーチャ抽出モジュールに提供することができる。各フィーチャは、ポイントクラウド及び/又は車両110の周りの環境内の物体(例えば自動車、木、人物、及び道路)の様々な様相(aspect)に関するデータを含み得る。フィーチャは、同一の解像度のポイントクラウドモデルを有する(すなわち、任意選択的に同様の大きさの2Dアレイに配置された同数のデータポイントを有する)、又は異なる解像度を有し得る。フィーチャは、任意の種類のデータ構造内に記憶することができる(例えばラスタ、ベクトル、2Dアレイ、1Dアレイ)。更に、車両110の表現、境界線、又は(例えば図1Bに示されているような)画像内の領域若しくは物体を分離する境界ボックス、及び1つ以上の識別された物体を表すアイコンのような仮想フィーチャを、ポイントクラウドモデルの表現の上に重ねて、最終的な周囲ビュー画像を形成できる。例えば、周囲ビュー画像の中央に車両110の記号を重ねることができる。
投影ユニット
[0067] 図2Aから図2Gは、LIDARシステム100における投影ユニット102の様々な構成及びその役割を示す。具体的には、図2Aは単一の光源を備えた投影ユニット102を示す図であり、図2Bは共通の光偏向器114に照準を合わせた複数の光源を備えた複数の投影ユニット102を示す図であり、図2Cは一次及び二次光源112を備えた投影ユニット102を示す図であり、図2Dは投影ユニット102のいくつかの構成で使用される非対称偏向器を示す図であり、図2Eは、非スキャンLIDARシステムの第1の構成を示す図であり、図2Fは、非スキャンLIDARシステムの第2の構成を示す図であり、図2Gは、アウトバウンド方向においてスキャンし、インバウンド方向においてスキャンしないLIDARシステムを示す図である。投影ユニット102の図示される構成は多くの変形及び変更を有し得ることは当業者に認められよう。
[0068] 図2Aは、投影ユニット102が単一の光源112を含むLIDARシステム100のバイスタティック構成の一例を示す。「バイスタティック構成(bi-static configuration)」という用語は、LIDARシステムから出射する投影光及びLIDARシステムに入射する反射光が実質的に異なる光路を通るLIDARシステム構成を広く指す。いくつかの実施形態では、LIDARシステム100のバイスタティック構成は、完全に異なる光学コンポーネントの使用によるか、平行であるが、完全には分離されていない光学コンポーネントの使用によるか、又は光路の一部だけに対して同一の光学コンポーネントの使用による、光路の分離を含み得る(光学コンポーネントは、例えば、ウィンドウ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ等を含み得る)。図2Aに示される例において、バイスタティック構成は、アウトバウンド光及びインバウンド光が単一の光学ウィンドウ124を通過するが、スキャンユニット104は2つの光偏向器を含む構成を含んでいる。第1の光偏向器114Aはアウトバウンド光用であり、第2の光偏向器114Bはインバウンド光用のものである(LIDARシステムのインバウンド光は、シーン内の物体から反射した放出光を含み、更に、他のソースから到達する周囲光も含み得る)。図2E及び図2Gに示される例において、バイスタティック構成は、アウトバウンド光が第1の光学ウィンドウ124Aを通過し、インバウンド光は第2の光学ウィンドウ124Bを通過する構成を含んでいる。前述の全ての構成例において、インバウンド光路及びアウトバウンド光路は相互に異なる。
[0069] この実施形態において、LIDARシステム100の全てのコンポーネントは、単一の筐体200内に収容するか、又は複数の筐体間に分割することができる。図示のように、投影ユニット102は、光(投影光204)を放出するように構成されたレーザダイオード202A(又は共に結合された1つ以上のレーザダイオード)を含む単一の光源112に関連付けられている。1つの非限定的な例では、光源112によって投影される光は、約800nmから約950nmの間の波長であり、約50mWから約500mWの間の平均パワーを有し、約50Wから約200Wの間のピークパワーを有し、約2nsから約100nsの間のパルス幅を有し得る。更に、光源112は任意選択的に、レーザダイオード202Aによって放出された光の操作のため(例えばコリメーションや集束等のため)に使用される光学アセンブリ202Bに関連付けることができる。他のタイプの光源112も使用可能であり、本開示はレーザダイオードに限定されないことに留意するべきである。更に、光源112は、光パルス、変調周波数、連続波(CW)、準CW、又は使用される特定の光源に対応した他の任意の形態のように、様々なフォーマットで光を放出することができる。投影フォーマット及び他のパラメータは、処理ユニット108からの命令のような異なるファクタに基づいて、時々光源によって変更されることがある。投影光は、視野120に投影光を誘導するためのステアリング要素として機能するアウトバウンド偏向器114Aの方へ投影される。この例において、スキャンユニット104は、視野120内の物体208から反射して戻った光子(反射光206)をセンサ116の方へ誘導する枢動可能帰還偏向器114Bも含む。反射光はセンサ116によって検出され、物体に関する情報(例えば物体212までの距離)は処理ユニット118によって決定される。
[0070] この図において、LIDARシステム100はホスト210に接続されている。本開示に従って、「ホスト」という用語は、LIDARシステム100とインタフェースで接続する任意のコンピューティング環境を指し、車両システム(例えば車両110の一部)、試験システム、セキュリティシステム、調査システム、交通制御システム、都会モデリングシステム、又はその周囲を監視する任意のシステムであり得る。そのようなコンピューティング環境は、少なくとも1つのプロセッサを含む、及び/又はクラウドを介してLIDARシステム100に接続され得る。いくつかの実施形態において、ホスト210は、カメラや、ホスト210の様々な特徴(例えば加速度、ハンドルの偏向、車の後退等)を測定するように構成されたセンサのような外部デバイスに対するインタフェースも含み得る。本開示に従って、LIDARシステム100は、ホスト210に関連付けられた静止物体(例えば建物、三脚)、又はホスト210に関連付けられた携帯型システム(例えば携帯型コンピュータ、ムービーカメラ)に固定することができる。本開示に従って、LIDARシステム100をホスト210に接続することで、LIDARシステム100の出力(例えば3Dモデル、反射率画像)をホスト210に提供できる。具体的には、ホスト210はLIDARシステム100を用いて、ホスト210の環境又は他の任意の環境の検出及びスキャンに役立てることができる。更に、ホスト210は、LIDARシステム100の出力を、他の検知システム(例えばカメラ、マイクロフォン、レーダシステム)の出力と一体化するか、同期するか、又は他の方法で共に使用することができる。一例において、LIDARシステム100はセキュリティシステムによって使用され得る。そのような実施形態の一例は、図6Dを参照して以下で説明する。
[0071] また、LIDARシステム100は、LIDARシステム100内で情報を転送するためサブシステム及びコンポーネントを相互接続するバス212(又は他の通信機構)も含み得る。任意選択的に、バス212(又は別の通信機構)は、LIDARシステム100をホスト210と相互接続するため使用することができる。図2Aの例において、処理ユニット108は、少なくとも部分的にLIDARシステム100の内部フィードバックから受信した情報に基づいて、投影ユニット102、スキャンユニット104、及び検知ユニット106の動作を連携させて規制するための2つのプロセッサ118を含む。言い換えると、処理ユニット108は、LIDARシステム100を閉ループ内で動的に動作させるように構成できる。閉ループシステムは、要素のうち少なくとも1つからのフィードバックを有し、受信したフィードバックに基づいて1つ以上のパラメータを更新することによって特徴付けられる。更に、閉ループシステムは、フィードバックを受信し、少なくとも部分的にそのフィードバックに基づいてそれ自体の動作を更新することができる。動的システム又は要素は、動作中に更新できるものである。
[0072] いくつかの実施形態によれば、LIDARシステム100の周りの環境をスキャンすることは、視野120を光パルスで照射することを含み得る。光パルスは、パルス持続時間、パルス角分散、波長、瞬時パワー、光源112からの異なる距離における光子密度、平均パワー、パルスパワー強度、パルス幅、パルス繰り返し率、パルスシーケンス、パルスデューティサイクル、波長、位相、偏光、及びその他のもののようなパラメータを有し得る。また、LIDARシステム100の周りの環境をスキャンすることは、反射光の様々な様相を検出し特徴付けることを含み得る。反射光の特徴は、例えば飛行時間(すなわち放出から検出までの時間)、瞬時パワー(例えばパワーシグネチャ(power signature))、帰還パルス全体の平均パワー、及び帰還パルス期間における光子分布/信号を含み得る。光パルスの特徴を対応する反射の特徴と比較することによって、距離を推定し、場合によっては物体212の反射強度のような物理特性も推定することができる。このプロセスを、所定のパターン(例えばラスタ、リサジュー、又は他のパターン)で複数の隣接部分122に繰り返すことによって、視野120の全体的なスキャンを達成できる。以下で更に詳しく検討するように、いくつかの状況においてLIDARシステム100は、各スキャンサイクルにおいて視野120の部分122の一部にのみ光を誘導することができる。これらの部分は相互に隣接している場合があるが、必ずしもそうとは限らない。
[0073] 別の実施形態において、LIDARシステム100は、ホスト210(例えば車両コントローラ)と通信を行うためのネットワークインタフェース214を含み得る。LIDARシステム100とホスト210との間の通信は破線の矢印によって表されている。一実施形態においてネットワークインタフェース214は、総合デジタル通信網(ISDN:integrated services digital network)カード、ケーブルモデム、衛星モデム、又は対応するタイプの電話線にデータ通信接続を与えるモデムを含み得る。別の例として、ネットワークインタフェース214は、コンパチブルなローカルエリアネットワーク(LAN)にデータ通信接続を与えるLANカードを含み得る。別の実施形態において、ネットワークインタフェース214は、無線周波数受信器及び送信器及び/又は光学(例えば赤外線)受信器及び送信器に接続されたイーサネットポートを含み得る。ネットワークインタフェース214の具体的な設計及び実施は、LIDARシステム100及びホスト210が動作するように意図された1又は複数の通信ネットワークに依存する。例えば、ネットワークインタフェース214を用いて、3DモデルやLIDARシステム100の動作パラメータのようなLIDARシステム100の出力を外部システムに提供することができる。他の実施形態では、通信ユニットを用いて、例えば外部システムから命令を受信し、検査された環境に関する情報を受信し、別のセンサからの情報を受信することができる。
[0074] 図2Bは、複数の投影ユニット102を含むLIDARシステム100のモノスタティック構成の一例を示す。「モノスタティック構成(monostatic configuration)」という用語は、LIDARシステムから出射する投影光及びLIDARシステムに入射する反射光が実質的に同一の光路を通るLIDARシステム構成を広く指す。一例において、アウトバウンド光ビーム及びインバウンド光ビームは、アウトバウンド光ビーム及びインバウンド光ビームの両方が通る少なくとも1つの光学アセンブリを共有し得る。別の例では、アウトバウンド光は光学ウィンドウ(図示せず)を通過し、インバウンド光放射は同一の光学ウィンドウ(図示せず)を通過し得る。モノスタティック構成は、スキャンユニット104が単一の光偏向器114を含み、これが投影光を視野120の方へ誘導すると共に反射光をセンサ116の方へ誘導する構成を含み得る。図示のように、投影光204及び反射光206は双方とも非対称偏向器216に入射する。「非対称偏向器」という用語は、2つの側を有する任意の光学デバイスであって、一方の側から入射する光ビームを第2の側から入射する光ビームを偏向させるのとは異なる方向に偏向させ得るものを指す。一例において、非対称偏向器は投影光204を偏向させず、反射光206をセンサ116の方へ偏向させる。非対称偏向器の一例は偏光ビームスプリッタを含み得る。別の例において、非対称216は、光を一方向にのみ通過させることができる光アイソレータを含み得る。非対称偏向器216の概略図が図2Dに示されている。本開示に従って、LIDARシステム100のモノスタティック構成は、反射光が光源112に入射するのを防止すると共に全ての反射光をセンサ116の方へ誘導することで検出感度を増大させる非対称偏向器を含み得る。
[0075] 図2Bの実施形態において、LIDARシステム100は、共通の光偏向器114に照準を合わせた単一の光源112をそれぞれ備える3つの投影ユニット102を含む。一実施形態において、複数の光源112(2つ以上の光源を含む)は実質的に同じ波長で光を投影することができ、各光源112は概ね、視野の異なるエリア(120A、120B、120Cとして図に示されている)に関連付けられている。これによって、1つの光源112で達成され得るよりも広い視野のスキャンが可能となる。別の実施形態では、複数の光源102は異なる波長で光を投影することができ、全ての光源112を視野120の同じ部分(又は重複部分)に誘導することができる。
[0076] 図2Cは、投影ユニット102が一次光源112A及び二次光源112Bを含むLIDARシステム100の例を示す。一次光源112Aは、SNR及び検出範囲を最適化するため、人の目に感知されるよりも長い波長の光を投影することができる。例えば一次光源112Aは、約750nmから1100nmの間の波長の光を投影できる。これに対して二次光源112Bは、人の目に見える波長の光を投影することができる。例えば二次光源112Bは、約400nmから100nmの間の波長の光を投影できる。一実施形態において、二次光源112Bは、一次光源112Aによって投影される光と実質的に同じ光路に沿って光を投影できる。双方の光源は時間同期することができ、同時に又は交互のパターンで光放出を投影できる。交互のパターンは、光源が同時にアクティブにならないことを意味し、相互干渉を軽減することができる。波長範囲及び活性化スケジュールの他の組み合わせも実施され得ることは当業者に認められよう。
[0077] いくつかの実施形態に従って、二次光源112BがLIDAR光学出力ポートに近すぎる場合、人はまばたきする可能性がある。これによって、近赤外スペクトルを利用する典型的なレーザ源では実現できない目に安全な機構を保証し得る。別の実施形態において、二次光源112Bは、POS(point of service:サービス提供時点管理)における較正及び信頼性のため使用することができる。これは、車両110に対して地面から特定の高さの特別なリフレクタ/パターンを用いて行われるヘッドライトの較正と多少類似した方法で行われる。POSのオペレータは、LIDARシステム100から指定距離にある試験パターンボード等の特徴的なターゲット上のスキャンパターンを単に目視検査することで、LIDARの較正を調べることができる。更に、二次光源112Bは、LIDARがエンドユーザのため動作しているという動作信頼性のための手段を提供できる。例えばシステムは、光偏向器114の前に人が手を置いてその動作を試すことができるように構成され得る。
[0078] また、二次光源112Bは、一次光源112Aが故障した場合にバックアップシステムとして兼用できる非可視要素も有し得る。この特徴は、高い機能的安全性ランクを有するフェイルセーフデバイスに有用であり得る。二次光源112Bが可視であることを踏まえ、更にコスト及び複雑さの理由から、二次光源112Bは一次光源112Aよりも小さいパワーを伴い得る。したがって、もし一次光源112Aが故障した場合、システムの機能性は二次光源112Bの機能及び能力セットへ低下することになる。二次光源112Bの能力は一次光源112Aの能力よりも劣る場合があるが、LIDARシステム100のシステムは、車両110が目的地に安全に到着できるように設計され得る。
[0079] 図2Dは、LIDARシステム100の一部となり得る非対称偏向器216を示す。図示されている例において、非対称偏向器216は、反射面218(ミラー等)及び一方向偏向器220を含む。必ず当てはまるわけではないが、非対称偏向器216は任意選択的に静電型偏向器(static deflector)とすることができる。非対称偏向器216は、例えば図2B及び図2Cに示すように、少なくとも1つの偏向器114を介した光の送信及び受信に共通の光路を可能とするため、LIDARシステム100のモノスタティック構成において使用できる。しかしながら、ビームスプリッタのような典型的な非対称偏向器は、特に送信路よりもパワー損失に敏感である可能性のある受信路において、エネルギ損失によって特徴付けられる。
[0080] 図2Dに示されているように、LIDARシステム100は送信路に位置決めされた非対称偏向器216を含むことができる。非対称偏向器216は、送信光信号と受信光信号とを分離するための一方向偏向器220を含む。任意選択的に、一方向偏向器220は送信光に対して実質的に透明であり、受信光に対して実質的に反射性であり得る。送信光は投影ユニット102によって生成され、一方向偏向器220を通ってスキャンユニット104へ進むことができる。スキャンユニット104は送信光を光アウトレットの方へ偏向させる。受信光は光インレットを通って少なくとも1つの偏向要素114に到達し、偏向要素114は反射信号を光源から離れて検知ユニット106へ向かう別の経路に偏向させる。任意選択的に、非対称偏向器216は、一方向偏向器220と同一の偏光軸で直線偏光される偏光光源112と組み合わせてもよい。特に、アウトバウンド光ビームの断面は反射信号の断面よりも著しく小さい。したがって、LIDARシステム100は、放出された偏光ビームを非対称偏向器216の寸法まで集束させるか又は他の方法で操作するための1つ以上の光学コンポーネント(例えばレンズ、コリメータ)を含み得る。一実施形態において、一方向偏向器220は、偏光ビームに対して事実上透明である偏光ビームスプリッタとすることができる。
[0081] いくつかの実施形態に従って、LIDARシステム100は、放出光の偏光を変えるための光学系222(例えば4分の1波長位相差板)を更に含み得る。例えば、光学系222は放出光ビームの直線偏光を円偏光に変えることができる。視野から反射してシステム100に戻った光は、偏向器114を通って光学系222に到達し、送信光とは逆回りの円偏光である。次いで光学系222は、受信した反対回りの偏光を、偏光ビームスプリッタ216と同一の軸でない直線偏光に変換する。上記のように、ターゲットまでの距離を伝達するビームの光学分散のため、受信光部分は送信光部分よりも大きい。
[0082] 受信光の一部は一方向偏向器220に入射し、一方向偏向器220は、いくらかのパワー損失を伴って光をセンサ106の方へ反射する。しかしながら、受信光の別の部分は、一方向偏向器220を取り囲む反射面218(例えば偏光ビームスプリッタのスリット)に入射する。反射面218は、実質的にパワー損失なしで光を検知ユニット106の方へ反射する。一方向偏向器220は、様々な偏光軸及び方向から構成された光を反射し、これは最終的には検出器に到達する。任意選択的に、検知ユニット106は、レーザ偏光に依存せず、主に特定波長範囲の入射光子量に対する感度が高いセンサ116を含むことができる。
[0083] 提案される非対称偏向器216は、貫通孔を備えた単純なミラーに比べてはるかに優れた性能を提供することに留意するべきである。孔を備えたミラーでは、孔に到達した反射光は全て検出器から失われる。しかしながら偏向器216では、一方向偏向器220がその光のかなりの部分(例えば約50%)を各センサ116の方へ偏向させる。LIDARシステムにおいて、遠隔距離からLIDARに到達する光子数は極めて限られるので、光子捕獲率の向上は重要である。
[0084] いくつかの実施形態に従って、ビーム分割及びステアリングのためのデバイスが記載される。第1の偏光を有する光源から偏光ビームを放出することができる。放出されたビームは偏光ビームスプリッタアセンブリを通過するように誘導できる。偏光ビームスプリッタアセンブリは、第1の側の一方向スリット及び反対側のミラーを含む。一方向スリットによって、放出された偏光ビームを4分の1波長位相差板の方へ伝達することができる。4分の1波長位相差板は、放出された信号を偏光信号から線形信号へ(又はその逆に)変化させることで、後に反射ビームが一方向スリットを通過できないようにする。
[0085] 図2Eは、スキャンユニット104のないLIDARシステム100のバイスタティック構成の例を示す。視野全体(又は実質的に視野全体)を偏向器114なしで照射するために、投影ユニット102は任意選択的に光源のアレイ(例えば、112A~112F)を含み得る。一実施形態において、光源のアレイは、プロセッサ118によって制御される光源の線形アレイを含み得る。例えば、プロセッサ118は、光源の線形アレイに平行レーザビームを第1の任意選択的な光学ウィンドウ124Aに向かって連続的に投影させ得る。第1の任意選択的な光学ウィンドウ124Aは、投影光を拡散させて、水平に広くて垂直に狭いビームを連続して形成するためのディフューザレンズを含み得る。任意選択的に、システム100の少なくとも1つの光源112の一部又は全部は、光を同時に投影し得る。例えば、プロセッサ118は、光源のアレイに、複数の非隣接の光源112からの光ビームを同時に投影させ得る。図示例では、光源112A、光源112D、及び光源112Fは、レーザビームを第1の任意選択的な光学ウィンドウ124Aに向かって同時に投影し、それにより視野を3つの狭い垂直ビームで照射する。第4の光源112Dからの光ビームは、視野内の物体に到達し得る。物体から反射した光は、第2の光学ウィンドウ124Bによってキャプチャされ得、センサ116へ方向転換され得る。投影光及び反射光の光路は実質的に異なるので、図2Eに示される構成は、バイスタティック構成であると考えられる。投影ユニット102は、2次元アレイ等の非線形構成に、6角形タイルに、又は任意の他の方法で、配置された複数の光源112も含み得ることに留意されたい。
[0086] 図2Fは、スキャンユニット104のないLIDARシステム100のモノスタティック構成の一例を示す。図2Eに示されている実施形態例と同様、偏向器114なしで視野全体を照射するために、投影ユニット102は光源のアレイ(例えば、112A~112F)を含み得る。しかし、図2Eとは対照的に、LIDARシステム100のこの構成は、投影光及び反射光の両方のための単一の光学ウィンドウ124を含み得る。非対称偏向器216を使用すると、反射光はセンサ116へ方向転換され得る。投影光及び反射光の光路は実質的に相互に類似しているので、図2Eに示される構成は、モノスタティック構成であると考えられる。投影光及び反射光の光路の文脈における「実質的に類似(substantially similar)」という用語は、その2つの光路の間の重なりが80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上であり得ることを意味する。
[0087] 図2Gは、LIDARシステム100のバイスタティック構成の一例を示す。この図におけるLIDARシステム100の構成は、図2Aに示される構成と類似している。例えば、両方の構成はアウトバウンド方向における投影光を視野の方へ誘導するためのスキャンユニット104を含む。しかし、図2Aの実施形態とは対照的に、この構成では、スキャンユニット104はインバウンド方向における反射光を方向転換しない。代わりに、反射光は第2の光学ウィンドウ124Bを通過してセンサ116に入る。投影光及び反射光の光路は実質的に相互に異なるので、図2Gに示される構成は、バイスタティック構成であると考えられる。投影光及び反射光の光路の文脈における「実質的に異なる(substantially different)」という用語は、その2つの光路の間の重なりが10%未満、5%未満、1%未満、又は0.25%未満であり得ることを意味する。
スキャンユニット
[0088] 図3Aから図3Dは、LIDARシステム100におけるスキャンユニット104の様々な構成及びその役割を示す。具体的には、図3AはMEMSミラー(例えば方形)を備えたスキャンユニット104を示す図であり、図3BはMEMSミラー(例えば円形)を備えたスキャンユニット104を示す図であり、図3CはモノスタティックスキャンLIDARシステムで使用されるリフレクタのアレイを備えたスキャンユニット104を示す図であり、図3DはLIDARシステム100の周りの環境を機械的にスキャンする例示的なLIDARシステム100を示す図である。スキャンユニット104の図示されている構成は単なる例示であり、本開示の範囲内で多くの変形及び変更を有し得ることは、当業者に認められよう。
[0089] 図3Aは、単一軸の方形MEMSミラー300を備えた例示的なスキャンユニット104を示す。この例において、MEMSミラー300は少なくとも1つの偏向器114として機能する。図示のように、スキャンユニット104は1つ以上のアクチュエータ302(具体的には302A及び302B)を含み得る。一実施形態において、アクチュエータ302は、半導体(例えばシリコン)で作製することができ、作動コントローラによって印加された電気信号に応答して寸法を変える圧電層(例えばPZT、チタン酸ジルコン酸鉛、窒化アルミニウム)と、半導体層と、ベース層と、を含む。一実施形態において、アクチュエータ302の物理特性は、電流が流れた場合にアクチュエータ302に加わる機械的応力を決定し得る。圧電材料が活性化されると、これがアクチュエータ302に力を加えてアクチュエータ302を曲げる。一実施形態において、ミラー300が特定の角度位置に偏向した場合のアクティブ状態の1つ以上のアクチュエータ302の抵抗率(Ractive)を測定し、休止状態の抵抗率(Rrest)と比較することができる。Ractiveを含むフィードバックは、予想角と比べられる実際のミラー偏向角を決定するための情報を与え、必要に応じてミラー300の偏向を補正することができる。RrestとRactiveとの差を、ループを閉じるように機能し得る角度偏向値へのミラー駆動に相関付けることができる。この実施形態は、実際のミラー位置の動的追跡のために使用され、線形モード及び共振モードの双方のMEMSミラースキームにおいて応答、振幅、偏向効率、及び周波数を最適化することができる。この実施形態については図32から図34を参照して以下で更に詳しく説明する。
[0090] スキャン中、接点304Aから接点304Bまで(アクチュエータ302A、ばね306A、ミラー300、ばね306B、及びアクチュエータ302Bを介して)電流が流れ得る(図では破線で表されている)。絶縁ギャップ310のような半導体フレーム308の絶縁ギャップによって、アクチュエータ302A及び302Bは、ばね306及びフレーム308を介して電気的に接続された2つの別個のアイランドとなり得る。電流、又は任意の関連付けられた電気的パラメータ(電圧、電流周波数、容量、比誘電率等)を、関連した位置フィードバックによって監視することができる。コンポーネントのうち1つが損傷する機械的故障の場合、構造を流れる電流が変わり、機能的な較正値から変化する。極端な状況では(例えば、ばねが破損した場合)、故障した要素による電気チェーンの回路遮断のため、電流は完全に中断する。
[0091] 図3Bは、二軸円形MEMSミラー300を備えた別の例示的なスキャンユニット104を示す。この例において、MEMSミラー300は少なくとも1つの偏向器114として機能する。一実施形態において、MEMSミラー300は約1mmから約5mmの間の直径を有し得る。図示のように、スキャンユニット104は、それぞれ異なる長さである可能性がある4つのアクチュエータ302(302A、302B、302C、及び302D)を含み得る。図示する例において、電流(図では破線で表されている)は接点304Aから接点304Dへ流れるが、他の場合、電流は接点304Aから接点304Bへ、接点304Aから接点304Cへ、接点304Bから接点304Cへ、接点304Bから接点304Dへ、又は接点304Cから接点304Dへ流れ得る。いくつかの実施形態に従って、二軸MEMSミラーは、水平方向及び垂直方向に光を偏向させるように構成できる。例えば二軸MEMSミラーの偏向角は、垂直方向に約0°から30°の間であり、水平方向に約0°から50°の間とすることができる。ミラー300の図示されている構成は多くの変形及び変更を有し得ることは当業者に認められよう。一例において、少なくとも偏向器114は、二軸方形ミラー又は単一軸円形ミラーを有することも可能である。円形ミラー及び方形ミラーの例は、単に一例として図3A及び図3Bに示されている。システム仕様に応じて任意の形状を採用できる。一実施形態においては、アクチュエータ302を少なくとも偏向器114の一体的な部分として組み込んで、MEMSミラー300を移動させるためのパワーを直接与えられるようになっている。更に、MEMSミラー300は1つ以上の剛性支持要素によってフレーム308に接続され得る。別の実施形態では、少なくとも偏向器114は静電又は電磁MEMSミラーを含み得る。
[0092] 上述のように、モノスタティックスキャンLIDARシステムは、投影光204の放出及び反射光206の受光のために同じ光路の少なくとも一部を利用する。アウトバウンド経路の光ビームはコリメートされて細いビームに集束され得るが、帰還経路の反射は分散のためより大きい光部分に広がる。一実施形態において、スキャンユニット104は帰還経路において大きい反射エリアを有し、反射(すなわち反射光206)をセンサ116へ方向転換する非対称偏向器216を有し得る。一実施形態において、スキャンユニット104は、大きい反射エリアを備えたMEMSミラーを含むことができ、視野及びフレームレート性能に対する影響は無視できる程度である。非対称偏向器216についての更なる詳細は図2Dを参照して以下に与えられる。
[0093] いくつかの実施形態において(例えば図3Cに例示されているように)、スキャンユニット104は、小型の光偏向器(例えばミラー)を備えた偏向器アレイ(例えばリフレクタアレイ)を含み得る。一実施形態においては、同期して動作する個別の小型の光偏向器のグループとして光偏向器114を実施することで、光偏向器114は、より大きな偏向角及び高いスキャンレートで実行可能となる。偏向器アレイは事実上、有効エリアに関して大型の光偏向器(例えば大型のミラー)として機能できる。偏向器アレイは、共有ステアリングアセンブリ構成を用いて動作させることができる。この構成によって、センサ116は、光源112によって同時に照射される視野120の実質的に同じ部分からの反射光子を収集できる。「同時に」という用語は、2つの選択された機能が、一致するか又は重複する時間期間中に発生することを意味する。この場合、一方が他方の持続期間中に開始及び終了するか、又は後のものが他方の完了前に開始する。
[0094] 図3Cは、小型のミラーを有するリフレクタアレイ312を備えたスキャンユニット104の一例を示す。この実施形態において、リフレクタアレイ312は少なくとも1つの偏向器114として機能する。リフレクタアレイ312は、(個別に又は一緒に)枢動し、光パルスを視野120の方へ向かわせるように構成された複数のリフレクタユニット314を含み得る。例えばリフレクタアレイ312は、光源112から投影された光のアウトバウンド経路の一部であり得る。具体的には、リフレクタアレイ312は、投影光204を視野120の一部へ誘導することができる。また、リフレクタアレイ312は、視野120の照射部分内に位置する物体の表面から反射した光の帰還経路の一部であり得る。具体的には、リフレクタアレイ312は、反射光206をセンサ116の方へ又は非対称偏向器216の方へ誘導することができる。一例において、リフレクタアレイ312の面積は約75から約150mmの間であり得る。ここで、各リフレクタユニット314は約10μmの幅を有し、支持構造は100μmよりも低くすることができる。
[0095] いくつかの実施形態によれば、リフレクタアレイ312は、操縦可能(steerable)偏向器の1つ以上のサブグループを含み得る。電気的に操縦可能な偏向器の各サブグループは、リフレクタユニット314のような1つ以上の偏向器ユニットを含み得る。例えば、各操縦可能偏向器ユニット314は、MEMSミラー、反射面アセンブリ、及び電気機械アクチュエータのうち少なくとも1つを含むことができる。一実施形態において、各リフレクタユニット314は、1つ以上の別個の軸の各々に沿って特定の角度に傾斜するように個々のプロセッサ(図示せず)によって個別に制御することができる。或いは、リフレクタアレイ312は、リフレクタユニット314の少なくとも一部が同時に枢動してほぼ同じ方向を指し示すようにリフレクタユニット314の移動を同期して管理するよう構成された共通コントローラ(例えばプロセッサ118)に関連付けることができる。
[0096] 更に、少なくとも1つのプロセッサ118は、アウトバウンド経路用の少なくとも1つのリフレクタユニット314(以降、「送信用ミラー」と称する)、及び、帰還経路用のリフレクタユニット314のグループ(以降、「受信用ミラー」と称する)を選択することができる。本開示に従って、送信用ミラーの数を増やすと、反射光子ビームの広がりが増大する可能性がある。更に、受信用ミラーの数を減らすと、受信フィールドが狭くなり、周囲光条件(雲、雨、霧、極端な熱、及び他の環境条件)が補償され、信号対雑音比が改善する可能性がある。また、上記のように、放出光ビームは典型的に反射光部分よりも細いので、偏向アレイの小さい部分によって充分に検出できる。更に、送信に使用される偏向アレイの部分(例えば送信用ミラー)から反射した光がセンサ116に到達するのを阻止し、これによって、システム動作に対するLIDARシステム100の内部反射の効果を低減できる。また、少なくとも1つのプロセッサ118は、1つ以上のリフレクタユニット314を枢動させて、例えば熱的効果及び利得効果による機械的障害及びドリフトを克服することができる。一例において、1つ以上のリフレクタユニット314は、意図されるもの(周波数、レート、速度等)とは異なるように移動する可能性があるが、それらの移動は偏向器を適切に電気的に制御することによって補償され得る。
[0097] 図3Dは、LIDARシステム100の環境を機械的にスキャンする例示的なLIDARシステム100を示す。この例において、LIDARシステム100は、LIDARシステム100の軸を中心として筐体200を回転させるためのモータ又は他の機構を含み得る。或いは、モータ(又は他の機構)は、1つ以上の光源112及び1つ以上のセンサ116が搭載されているLIDARシステム100の剛性構造を機械的に回転させ、これによって環境をスキャンすることができる。上述のように、投影ユニット102は、光放出を投影するように構成された少なくとも1つの光源112を含み得る。投影された光放出はアウトバウンド経路に沿って視野120の方へ進むことができる。具体的には、投影光204が任意選択的な光学ウィンドウ124の方へ進む場合、投影された光放出は偏向器114Aによって反射されて出射アパーチャ314を通ることができる。反射された光放出は、物体208から帰還経路に沿って検知ユニット106の方へ進むことができる。例えば、反射光206が検知ユニット106の方へ進む場合、反射光206は偏向器114Bによって反射される。1つ以上の光源又は1つ以上のセンサを同期して回転させるための回転機構を備えたLIDARシステムは、内部光偏向器を操縦する代わりに(又はそれに加えて)この同期させた回転を用い得ることは、当業者によって認められよう。
[0098] 視野120のスキャンが機械的である実施形態において、投影された光放出は、投影ユニット102をLIDARシステム100の他の部分から分離する壁316の一部である出射アパーチャ314へ誘導できる。いくつかの例において、壁316は、偏向器114Bを形成するため反射性材料で覆われた透明な材料(例えばガラス)で形成することができる。この例において、出射アパーチャ314は、反射性材料で覆われていない壁316の部分に相当し得る。これに加えて又はこの代わりに、出射アパーチャ314は壁316の孔又は切断部を含み得る。反射光206は、偏向器114Bによって反射され、検知ユニット106の入射アパーチャ318の方へ誘導され得る。いくつかの例において、入射アパーチャ318は、特定の波長範囲内の波長を検知ユニット106に入射させると共に他の波長を減衰させるように構成されたフィルタウィンドウを含み得る。視野120からの物体208の反射は、偏向器114Bによって反射されてセンサ116に入射することができる。反射光206のいくつかの特性を投影光204と比較することによって、物体208の少なくとも1つの様相を決定できる。例えば、投影光204が光源112によって放出された時点とセンサ116が反射光206を受光した時点とを比較することによって、物体208とLIDARシステム100との間の距離を決定できる。いくつかの例では、物体208の形状、色、材料のような他の様相も決定され得る。
[0099] いくつかの例において、LIDARシステム100(又は、少なくとも1つの光源112及び少なくとも1つのセンサ116を含むその一部)を、少なくとも1つの軸を中心として回転させて、LIDARシステム100の周囲の3次元マップを決定することができる。例えば、視野120をスキャンするため、矢印320で示されているように実質的な垂直軸を中心としてLIDARシステム100を回転させることができる。図3Dは、矢印320で示されているように軸を中心として時計回りにLIDARシステム100を回転させることを示すが、これに加えて又はこの代わりに、LIDARシステム100を反時計回りに回転させてもよい。いくつかの例において、LIDARシステム100は垂直軸を中心として360度回転させることができる。他の例において、LIDARシステム100は、LIDARシステム100の360度よりも小さいセクタに沿って前後に回転させ得る。例えば、LIDARシステム100を、完全な回転を行うことなく軸を中心として前後に揺れるプラットフォーム上に搭載することができる。
検知ユニット
[0100] 図4Aから図4Eは、LIDARシステム100における検知ユニット106の様々な構成及びその役割を示す。具体的には、図4Aは、検出器アレイを備えた例示的な検知ユニット106を示す図であり、図4Bは、2次元センサを用いたモノスタティックスキャンを示す図であり、図4Cは、2次元センサ116の一例を示す図であり、図4Dは、センサ116に関連付けられたレンズアレイを示す図であり、図4Eは、レンズ構造を示す3つの図を含む。図示されている検知ユニット106の構成は単なる例示であり、本開示の原理と一致する多くの代替的な変形及び変更を有し得ることは、当業者に認められよう。
[0101] 図4Aは、検出器アレイ400を備えた検知ユニット106の一例を示す。この例において、少なくとも1つのセンサ116は検出器アレイ400を含む。LIDARシステム100は、LIDARシステム100から異なる距離に位置する(数メートル又はそれ以上であり得る)視野120内の物体(例えば自転車208A及び雲208B)を検出するように構成されている。物体208は、固体の物体(例えば道路、木、自動車、人物)、流体の物体(例えば霧、水、大気中の粒子)、又は別のタイプの物体(例えばほこり又は照射された粉末状物体)であり得る。光源112から放出された光子が物体208に当たると、光子は反射、屈折、又は吸収される。典型的には、図に示されているように、物体208Aから反射した光子のうち一部分のみが任意選択的な光学ウィンドウ124に入射する。距離の15cmまでの変化によって1nsの移動時間差が生じるので(光子は物体208との間で光の速度で移動するので)、異なる物体に当たった異なる光子の移動時間の時間差は、充分に迅速な応答で光時間センサによって検出可能であり得る。
[0102] センサ116は、視野120から反射して戻ってきた光子パルスの光子を検出するための複数の検出要素402を含む。検出要素は全て、(例えば図示されているような)矩形配列又は他の任意の配列を有し得る検出器アレイ400に含まれ得る。検出要素402は同時に又は部分的に同時に動作することができる。具体的には、各検出要素402はサンプリング期間ごとに(例えば1ナノ秒ごとに)検出情報を提供し得る。一例において、検出器アレイ400は、共通のシリコン基板上の単一光子アバランシェダイオード(SPAD、検出要素402として機能する)のアレイから構築された固体単一光子検知デバイスであるSiPM(シリコン光電子増倍管)とすることができる。他の非シリコン材料による同様の光電子増倍管も使用できる。SiPMデバイスはデジタル/スイッチングモードで動作するが、全ての微小セルが並列に読み出されて、異なるSPADによって検出される単一の光子から数百及び数千の光子までのダイナミックレンジ内で信号を発生することを可能とするので、SiPMはアナログデバイスである。上述のように、2つ以上のタイプのセンサが実施され得る(例えばSiPM及びAPD)。場合によっては、検知ユニット106は、別個の又は共通のシリコン基板上に、SiPMアレイに一体化された少なくとも1つのAPD及び/又はSiPMに隣接して配置された少なくとも1つのAPD検出器を含む。
[0103] 一実施形態において、検出要素402を複数の領域404にグループ化することができる。これらの領域は、センサ116内の(例えば検出器アレイ400内の)幾何学的ロケーション又は環境であり、様々な形状に形成できる(例えば図示のような矩形、方形、環状等、又は他の任意の形状)。ある領域404の幾何学的エリア内に含まれる個々の検出器の全てがその領域に属するわけではないが、ほとんどの場合、領域間の境界にある程度の重複が望ましい場合を除いて、それらの検出器は、センサ310の他のエリアをカバーする他の領域404には属さない。図4Aに示されているように、これらの領域は非重複領域404であり得るが、重複する場合もある。全ての領域に、その領域に関連した領域出力回路406を関連付けることができる。領域出力回路406は、対応する検出要素402のグループの領域出力信号を提供できる。例えば、出力回路406の領域は加算回路であり得るが、他の形態の各検出器の出力の単一出力への組み合わせも採用され得る(スカラー、ベクトル、又は他の任意のフォーマットにかかわらず)。任意選択的に、各領域404は単一のSiPMであるが、必ずしもそうとは限らず、1つの領域は、単一のSiPMの小部分、いくつかのSiPMのグループ、又は異なるタイプの検出器の組み合わせとしてもよい。
[0104] 図示されている例において、処理ユニット108は、(例えば車両110内の)ホスト210(の内部又は外部の)分離された筐体200Bに配置され、検知ユニット106は、反射光を分析するための専用プロセッサ408を含み得る。或いは、反射光206を分析するために処理ユニット108を使用してもよい。LIDARシステム100は、図示されている例とは異なるやり方で複数の筐体に実装できることに留意するべきである。例えば、光偏向器114を、投影ユニット102及び/又は検知モジュール106とは異なる筐体に配置してもよい。一実施形態において、LIDARシステム100は、電気ワイヤ接続、無線接続(例えばRF接続)、光ファイバケーブル、及び上記のものの任意の組み合わせのような異なるやり方で相互に接続された複数の筐体を含むことができる。
[0105] 一実施形態において、反射光206の分析は、異なる領域の個々の検出器の出力に基づいて反射光206の飛行時間を決定することを含み得る。任意選択的に、プロセッサ408は、複数の領域の出力信号に基づいて反射光206の飛行時間を決定するように構成できる。飛行時間に加えて、処理ユニット108は反射光206を分析して帰還パルス全体の平均パワーを決定することができ、帰還パルス期間における光子分布/信号(「パルス形状」)を決定できる。図示されている例において、任意の検出要素402の出力は直接プロセッサ408に送信されず、領域404の他の検出器の信号と組み合わされ(例えば加算され)た後にプロセッサ408に渡すことができる。しかしながら、これは単なる例示であり、センサ116の回路は検出要素402からの情報を他のルートで(領域出力回路406を介することなく)プロセッサ408に送信することも可能である。
[0106] 図4Bは、2次元センサ116を用いてLIDARシステム100の環境をスキャンするように構成されたLIDARシステム100を示す図である。図4Bの例において、センサ116は、4×6の検出器410(「画素」とも称される)の行列である。一実施形態において、画素サイズは約1×1mmとすることができる。センサ116は、2つの非平行な軸(例えば、図示の例に示されているような直交軸)において検出器410の2つ以上のセット(例えば行、列)を有するという意味で2次元である。センサ116内の検出器410の数は、例えば所望の分解能、信号対雑音比(SNR)、所望の検出距離等に応じて、様々な実施において変動し得る。例えば、センサ116は5から5,000までのいずれかの数の画素を有し得る。別の例(図には示していない)では、センサ116を1次元行列としてもよい(例えば1×8画素)。
[0107] 各検出器410は複数の検出要素402を含み得る。検出要素402は、例えばアバランシェフォトダイオード(APD)、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)、アバランシェフォトダイオード(APD)と単一光子アバランシェダイオード(SPAD)の組み合わせ、又は、レーザパルス送信イベントから受信イベントまでの飛行時間及び受信光子の強度の双方を測定する検出要素である。例えば各検出器410は、20から5,000までのいずれかの数のSPADを含み得る。各検出器410内の検出要素402の出力を、加算、平均化、又は他の方法で組み合わせて、一体的な画素出力を与えることができる。
[0108] 図示されている例において、検知ユニット106は、LIDARシステム100の視野120よりも小さい視野を有する2次元センサ116(又は複数の2次元センサ116)を含み得る。この考察において、視野120(いずれの方向にも移動、回転、又は横揺れすることなくLIDARシステム100によってスキャンできる全視野)を「第1のFOV412」と表記し、より小さいセンサ116の視野を「第2のFOV412」(「瞬時FOV」と言い換え可能である)と表記する。第1のFOV412に対する第2のFOV414の対象範囲は、LIDARシステム100の具体的な用途に応じて異なり、例えば0.5%から50%の間とすることができる。一例において、第2のFOV412は垂直方向に細長い0.05°から1°の間とすればよい。LIDARシステム100が2つ以上の2次元センサ116を含む場合であっても、それらのセンサアレイの視野の組み合わせは依然として第1のFOV412よりも小さく、例えば少なくとも5分の1、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1であり得る。
[0109] 第1のFOV412をカバーするため、スキャンユニット106は、異なる時点で環境の異なる部分から到達する光子をセンサ116へ誘導することができる。図示されているモノスタティック構成では、投影光204を視野120の方へ誘導すると共に、少なくとも1つの偏向器114が瞬時位置に配置された場合、スキャンユニット106は反射光206をセンサ116へ誘導することができる。典型的に、第1のFOV412のスキャン中の各時点で、LIDARシステム100によって放出される光ビームは、(角度開口で)第2のFOV414よりも大きい環境の部分をカバーし、スキャンユニット104及びセンサ116によって集光される環境の部分を含む。
[0110] 図4Cは2次元センサ116の一例を示す図である。この実施形態において、センサ116は8×5の検出器410の行列であり、各検出器410は複数の検出要素402を含む。一例において、検出器410Aはセンサ116の第2の行(「R2」と表記されている)及び第3の列(「C3」と表記されている)に位置し、4×3の検出要素402の行列を含む。別の例において、検出器410Bはセンサ116の第4の行(「R4」と表記されている)及び第6の列(「C6」と表記されている)に位置し、3×3の検出要素402の行列を含む。したがって、各検出器410内の検出要素402の数は一定であるか又は異なる場合があり、共通アレイ内の異なる検出器410は異なる数の検出要素402を有し得る。各検出器410内の全ての検出要素402の出力を、加算、平均化、又は他の方法で組み合わせて、単一の画素出力値を提供することができる。図4Cの例における検出器410は矩形の行列(直線の行及び直線の列)に配列されているが、例えば円形の配列又はハニカム配列のような他の配列を用いてもよい。
[0111] いくつかの実施形態によれば、各検出器410からの測定によって、光パルス放出イベントから受信イベントまでの飛行時間及び受信光子の強度を決定することが可能となる。受信イベントは、光パルスが物体208から反射された結果であり得る。飛行時間は、反射物体から任意選択的な光学ウィンドウ124までの距離を表すタイムスタンプ値であり得る。飛行時間値は、時間相関単一光子計数(TCSPC:Time Correlated Single Photon Counter)のような光子検出及び計数方法、信号積分及び検定(signal integration and qualification)のようなアナログの光子検出方法(アナログ-デジタル変換又は簡素な比較器による)、又は他の方法によって認識することができる。
[0112] いくつかの実施形態において、また図4Bを参照すると、スキャンサイクル中、少なくとも1つの光偏向器114の各瞬時位置を視野120の特定の部分122に関連付けることができる。センサ116の設計によって、視野120の単一部分からの反射光と複数の検出器410との関連付けが可能となる。したがって、LIDARシステムのスキャン解像度は、(1スキャンサイクル当たりの)瞬時位置の数にセンサ116内の検出器410の数を乗算することによって表され得る。各検出器410(すなわち各画素)からの情報は、3次元空間においてキャプチャされた視野が構築される基本データ要素を表す。これは例えば、ポイントクラウド表現の基本要素を含み、空間位置及び関連付けられた反射強度値を有する。一実施形態において、複数の検出器410によって検出された視野120の単一部分からの反射は、視野120のその単一部分内に位置する様々な物体から戻ってきた可能性がある。例えば、視野120の単一部分は遠視野で50×50cmよりも大きい場合があり、相互に部分的に重なった2つ、3つ、又はそれ以上の物体を容易に含み得る。
[0113] 図4Dは、ここに開示される主題の例に従ったセンサ116の一部の横断面図である。センサ116の図示されている部分は、4つの検出要素402(例えば4つのSPAD、4つのAPD)を含む検出器アレイ400の一部を含む。検出器アレイ400は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)で実現された光検出器センサとすればよい。検出要素402の各々は、基板周囲内に位置決めされた検知エリアを有する。必ずしもそうとは限らないが、センサ116は、狭い視野を有するモノスタティックLiDARシステムにおいて使用することができる(例えば、スキャンユニット104が異なる時点で異なる視野部分をスキャンするので)。入射光ビームのための狭い視野は、実施された場合、焦点外の撮像の問題を解消する。図4Dに例示されているように、センサ116は複数のレンズ422(例えばマイクロレンズ)を含むことができ、各レンズ422は入射光を異なる検出要素402の方へ(例えば検出要素402のアクティブエリアの方へ)誘導することができ、これは焦点外の撮像が問題でない場合に使用可能であり得る。センサ116に到達する光のほとんどを検出要素402のアクティブエリアの方へ偏向させ得るので、レンズ422を用いて検出器アレイ400の開口率(optical fill factor)及び感度を増大することができる。
[0114] 図4Dに例示されているような検出器アレイ400は、様々な方法(例えばインプラント)によってシリコン基板内に埋め込まれたいくつかの層を含むことができ、この結果、検知エリア、金属層に対する接点要素、及び絶縁要素(例えばシャロートレンチインプラント(STI)、ガードリング、光学トレンチ等)が得られる。検知エリアは、CMOS検出器における体積測定要素(volumetric element)であり、デバイスに適正な電圧バイアスが印加された場合に、入射する光子の電流への光学的変換を可能とする。APD/SPADの場合、検知エリアは、電界の組み合わせによって、光子吸収により生じた電子を増倍エリアの方へ引っ張り、このエリアで光子誘起電子が増幅されて、増倍された電子のアバランシェ破壊を引き起こす。
[0115] 前側の照射された検出器(例えば図4Dに示されているような)は、半導体(シリコン)の上にある金属層と同じ側に入力光ポートを有する。金属層は、個々の光検出器要素(例えばアノード及びカソード)と、バイアス電圧、クエンチング/バラスト要素、及び共通アレイ内の他の光検出器のような様々な要素との電気的接続を実現する必要がある。光子が検出器の検知エリアに入射する際に通過する光学ポートは、金属層を介した通路で構成されている。この通路を介したいくつかの方向からの光の通過は、1つ以上の金属層(例えば図4Dの最も左側の検出器要素402に図示されている金属層ML6)によって阻止され得ることに留意するべきである。このような阻止は、検出器の全体的な光吸収効率を低下させる。
[0116] 図4Eは、ここに開示される主題の例に従った、それぞれにレンズ422が関連付けられた3つの検出要素402を示す。402(1)、402(2)、及び402(3)と表記された図4Eの3つの検出要素の各々は、センサ116の検出要素402の1つ以上に関連付けて実施され得るレンズ構成を示している。これらのレンズ構成の組み合わせも実施できることに留意するべきである。
[0117] 検出要素402(1)に関して図示されているレンズ構成では、関連付けられたレンズ422の焦点は半導体表面よりも上に位置することができる。任意選択的に、検出要素の異なる金属層の開口は、関連付けられたレンズ422によって生じる集束光の円錐形と整合した様々な大きさを有し得る。このような構造は、デバイス全体としてアレイ400の信号対雑音比及び分解能を改善することができる。パワーの伝送及び接地シールドのために大きい金属層が重要であり得る。この手法は例えば、入射光ビームが平行光線で構成され、撮像焦点が検出信号に対して何の影響も及ぼさない場合、狭い視野を有するモノスタティックLiDAR設計において有用であり得る。
[0118] 検出要素402(2)に関して図示されているレンズ構成では、スイートスポットを識別することによって、検出要素402による光子検出の効率を改善することができる。具体的には、CMOSで実装される光検出器は、検知体積エリア内に、光子がアバランシェ効果を生じる確率が最も高いスイートスポットを有し得る。したがって、検出要素402(2)で例証されるように、レンズ422の焦点を検知体積エリア内部のスイートスポットロケーションに位置決めすることができる。レンズ形状及び焦点からの距離は、レンズから半導体材料内に埋め込まれた検知スイートスポットロケーションまでの経路に沿ってレーザビームが通過する全ての要素の屈折率を考慮に入れることができる。
[0119] 図4Eの右側の検出要素に関して図示されているレンズ構成では、拡散器及び反射要素を用いて、半導体材料における光子吸収の効率を改善することができる。具体的には、近IR波長は、シリコン材料の著しく長い経路によって、この経路を進む光子の高い吸収確率を達成する必要がある。典型的なレンズ構成では、光子は検知エリアを横断することがありし、吸収されて検出可能電子にならない可能性がある。光子が電子を生じる確率を改善する長い吸収経路によって、検知エリアの大きさは、典型的な製造プロセスで製造されるCMOSデバイスにとって実用的でない寸法(例えば数十um)になる。図4Eの最も右側の検出器要素は、入射光子を処理するための技法を示している。関連付けられたレンズ422は入射光を拡散器要素424上に集束する。一実施形態において、光センサ116は、検出器のうち少なくともいくつかの外面から離れたギャップ内に位置する拡散器を更に含み得る。例えば拡散器424は、光ビームを横方向へ(例えばできる限り垂直方向に)検知エリア及び反射性光学トレンチ426の方へ向けることができる。拡散器の位置は、焦点、焦点よりも上方、又は焦点よりも下方である。この実施形態において、入射光は、拡散器要素が配置されている特定のロケーション上に集束され得る。任意選択的に、検出器要素422は、光子誘起電子が失われて有効検出効率を低下させ得る非アクティブエリアを光学的に回避するように設計される。反射性光学トレンチ426(又は他の形態の光学的に反射性の構造)は、光子を検知エリア内で往復させ、これによって検出の可能性が増大する。理想的には、光子が吸収されて電子/ホール対を生成するまで無制限に、光子は、検知エリア及び反射性トレンチから成るキャビティ内でトラップされる。
[0120] 本開示に従って、入射する光子を吸収して高い検出確率に寄与するため、長い経路が生成される。また、検出要素422において、他の検出器に漏れて誤検出イベントを発生する可能性のあるなだれ中の寄生光子のクロストーク効果を低減するため、光学トレンチも実施することができる。いくつかの実施形態によれば、より高い歩留まりの受信信号を利用する、つまり、できるだけ多くの受信信号を受信し、信号の内部劣化で失われる信号が少なくなるように、光検出器アレイを最適化することができる。光検出器アレイは、(a)任意選択的に基板の上にある金属層を適切に設計することによって、半導体表面よりも上のロケーションに焦点を移動させること、(b)基板の最も応答性の高い/感度の高いエリア(すなわちは「スイートスポット」)に焦点を誘導すること、(c)基板よりも上方に拡散器を追加して信号を「スイートスポット」の方へ誘導すること、及び/又は反射性材料をトレンチに追加して、偏向された信号を反射して「スイートスポット」に戻すことによって、改善することができる。
[0121] いくつかのレンズ構成において、レンズ422は、対応する検出要素402の中心の上方に焦点があるように位置決めされ得るが、必ずしもそうとは限らないことに留意するべきである。他のレンズ構成では、対応する検出要素402の中心に対するレンズ422の焦点の位置は、検出アレイ400の中心からの各検出要素402の距離に基づいてシフトされる。これは、中心から遠い検出器要素の方が軸から大きく外れた角度で光を受光する比較的大きい検出アレイ400において有用であり得る。焦点のロケーションを(例えば検出アレイ400の中心の方へ)シフトさせると、入射角の補正が可能となる。具体的には、焦点のロケーションを(例えば検出アレイ400の中心の方へ)シフトさせると、検出器の表面に対して同一角度に位置決めされた全ての検出要素で実質的に同じレンズ422を用いながら、入射角の補正が可能となる。
[0122] 検出要素402のアレイにレンズ422のアレイを追加することは、視野の小さい部分のみをカバーする比較的小さいセンサ116を用いる場合に有用であり得る。そのような場合、シーンからの反射信号は実質的に同じ角度から検出器アレイ400に到達するので、全ての光を個々の検出器上に容易に集束できるからである。また、一実施形態においては、空間的な区別性(distinctiveness)を犠牲にして、アレイ400全体の検出確率の増大を促進する(検出器/サブ検出器間の無効エリアで光子が「無駄になる」ことを防止する)ため、LIDARシステム100でレンズ422を用いることができる。この実施形態は、空間的な区別性を優先するCMOS RGBカメラのような従来の実施(すなわち、検出要素Aの方向に伝搬する光をレンズによって検出要素Bの方へ誘導することはできない、つまり、アレイの別の検出要素に「流す(bleed)」ことはできない)とは対照的である。任意選択的に、センサ116は、各々が対応する検出要素402に相関付けられたレンズ422のアレイを含むが、レンズ422のうち少なくとも1つは、第1の検出要素402へ伝搬する光を第2の検出要素402の方へ偏向させる(これによってアレイ全体の検出確率を増大することができる)。
[0123] 具体的には、本開示のいくつかの実施形態に従って、光センサ116は光検出器のアレイ(例えば検出器アレイ400)を含むことができ、各光検出器(例えば検出器410)は、各検出器の外面を光が通過した場合に電流を流すように構成されている。更に、光センサ116は、光検出器のアレイの方へ光を誘導するように構成された少なくとも1つのマイクロレンズを含むことができ、少なくとも1つのマイクロレンズは焦点を有する。光センサ116は更に、少なくとも1つのマイクロレンズと光検出器のアレイとの間に介在すると共に少なくとも1つのマイクロレンズからアレイへ光を通過させるギャップを有する導電性材料の少なくとも1つの層を含むことができ、少なくとも1つの層は、少なくとも1つのマイクロレンズとアレイとの間に空間を維持するような大きさに形成され、ギャップ内で、光検出器のアレイの検出表面から離間したロケーションに焦点(例えば焦点は平面であり得る)を位置付ける。
[0124] 関連する実施形態において、各検出器は複数の単一光子アバランシェダイオード(SPAD)又は複数のアバランシェフォトダイオード(APD)を含み得る。導電性材料は多層金属狭窄部(constriction)とすることができ、導電性材料の少なくとも1つの層はアレイ内の検出器に電気的に接続することができる。一例において、導電性材料の少なくとも1つの層は複数の層を含む。更に、ギャップは、少なくとも1つのマイクロレンズから焦点の方へ収束し、焦点の領域からアレイの方へ発散するような形状とすることができる。他の実施形態において、光センサ116は、各光検出器に隣接した少なくとも1つのリフレクタを更に含み得る。一実施形態において、レンズアレイに複数のマイクロレンズを配置し、検出器アレイに複数の検出器を配置することができる。別の実施形態において、複数のマイクロレンズは、アレイ内の複数の検出器へ光を投影するように構成された単一のレンズを含み得る。
[0125] 非限定的な例として図2E、図2F及び図2Gを参照すると、システム100の1つ以上センサ116は、光を、スキャン偏向器114から、又はスキャンなしでFOVから直接、受信し得ることが分かる。たとえFOV全体からの光が少なくとも1つのセンサ116に同時に到着しても、いくつかの実施態様において、1つ以上のセンサ116は、任意の所定の時間における検出出力のためにFOVの部分だけをサンプリングし得る。例えば、投影ユニット102の照射がFOVの異なる部分を異なる時に(偏向器114を使用するかどうか、及び/又は異なる光源112を異なる時に作動させることにより)照射する場合、光は検知ユニット106の全ての画素又はセンサ116に到着し得、そしてLIDAR照射を検出すると予期される画素/センサだけが検出出力のために活発にデータを収集し得る。このように、画素/センサの残りは、不必要に周囲雑音を収集しない。スキャン-アウトバウンド又はインバウンド方向における-に言及すると、実質的に異なるスケールのスキャンが実装され得ることが分かる。例えば、いくつかの実施態様において、スキャンされる領域はFOVの1%又は0.1%をカバーし得、他方、他の実施態様において、スキャンされる領域はFOVの10%又は25%をカバーし得る。FOV値の他の全ての相対部分も、言うまでもなく、実装され得る。
処理ユニット
[0126] 図5Aから図5Cは、本開示のいくつかの実施形態に従った処理ユニット108の様々な機能を示している。具体的には、図5Aは視野の単一の部分の単一のフレーム時間内の放出パターンを示す図であり、図5Bは視野全体の単一のフレーム時間内の放出スキームを示す図であり、図5Cは単一のスキャンサイクル中に視野の方へ投影された実際の光放出を示す図である。
[0127] 図5Aは、少なくとも1つの光偏向器114の瞬時位置に関連付けられた視野120の単一の部分122の単一のフレーム時間内の放出パターンの4つの例を示す。本開示の実施形態に従って、処理ユニット108は、視野120のスキャンにおいて光束を変動させ得るように、少なくとも1つの光源112及び光偏向器114を制御する(又は、少なくとも1つの光源112及び少なくとも1つの光偏向器114の動作を連携させる)ことができる。他の実施形態に従って、処理ユニット108は少なくとも1つの光源112のみを制御し、光偏向器114は固定の既定パターンで移動又は枢動させることができる。
[0128] 図5Aの図AからDは、視野120の単一の部分122の方へ放出された光のパワーを経時的に示す。図Aにおいて、プロセッサ118は、視野120のスキャン中に初期光放出が視野120の部分122の方へ投影されるように光源112の動作を制御することができる。投影ユニット102がパルス光光源を含む場合、初期光放出は1つ以上の初期パルス(「パイロットパルス」とも称される)を含み得る。処理ユニット108は、初期光放出に関連付けられた反射についてのパイロット情報をセンサ116から受信することができる。一実施形態において、パイロット情報は、1つ以上の検出器(例えば1つ以上のSPAD、1つ以上のAPD、1つ以上のSiPM等)の出力に基づく単一の信号として、又は複数の検出器の出力に基づく複数の信号として表現され得る。一例において、パイロット情報はアナログ及び/又はデジタル情報を含み得る。別の例において、パイロット情報は単一の値及び/又は(例えば異なる時点及び/又はセグメントの異なる部分の)複数の値を含み得る。
[0129] 初期光放出に関連付けられた反射についての情報に基づいて、処理ユニット108は、この後に視野120の部分122の方へ投影される光放出のタイプを決定するように構成できる。視野120の特定部分について決定されたこの後の光放出は、同一のスキャンサイクル中に(すなわち同一のフレーム内で)、又は後続のスキャンサイクルで(すなわち後続のフレーム内で)実施され得る。
[0130] 図Bにおいて、プロセッサ118は、視野120のスキャン中に異なる強度の光パルスが視野120の単一の部分122の方へ投影されるように光源112の動作を制御することができる。一実施形態において、LIDARシステム100は、1つ以上の異なるタイプの深度マップを生成するように動作可能であり得る。深度マップのタイプは例えば、ポイントクラウドモデル、ポリゴンメッシュ、深度画像(画像の各画素若しくは2Dアレイの深度情報を保持する)、又はシーンの他の任意のタイプの3Dモデルのうちいずれか1つ以上である。深度マップのシーケンスは、異なる深度マップが異なる時点で生成される時系列であり得る。スキャンサイクル(「フレーム」と言い換え可能である)に関連付けられたシーケンスの各深度マップは、対応するその後のフレーム時間の期間内に生成できる。一例において、典型的なフレーム時間は1秒未満持続し得る。いくつかの実施形態において、LIDARシステム100は、固定フレームレート(例えば毎秒10フレーム、毎秒25フレーム、毎秒50フレーム)を有するか、又はフレームレートは動的であり得る。他の実施形態において、シーケンス内の異なるフレームのフレーム時間は同一でない場合がある。例えばLIDARシステム100は、毎秒10フレームのレートを実施し、(平均)100ミリ秒で第1の深度マップ、92ミリ秒で第2のフレーム、142ミリ秒で第3のフレームを生成する等とすることができる。
[0131] 図Cにおいて、プロセッサ118は、視野120のスキャン中に異なる持続時間に関連付けられた光パルスが視野120の単一の部分122の方へ投影されるように光源112の動作を制御することができる。一実施形態において、LIDARシステム100は、各フレームにおいて異なる数のパルスを発生するように動作可能であり得る。パルスの数は0から32の間のパルス(例えば1、5、12、28、又はそれ以上のパルス)で変動する可能性があり、以前の放出から得られた情報に基づき得る。光パルス間の時間は所望の検出範囲に依存し、500nsから5000nsまでの間とすることができる。一例において、処理ユニット108は、各光パルスに関連付けられた反射についての情報をセンサ116から受信することができる。この情報(又は情報の欠如)に基づいて、処理ユニット108は追加の光パルスが必要であるか否かを判定できる。図AからDにおける処理時間及び放出時間の期間は縮尺どおりでないことに留意するべきである。具体的には、処理時間は放出時間よりも著しく長い場合がある。図Dにおいて、処理ユニット102は連続波光源を含み得る。一実施形態において、初期光放出は光が放出される時間期間を含み、後続の放出は初期光放出に連続しているか、又は不連続であり得る。一実施形態において、連続的な放出の強度は経時的に変化し得る。
[0132] 本開示のいくつかの実施形態に従って、放出パターンは、視野120の各部分ごとに決定することができる。言い換えると、プロセッサ118は、視野120の異なる部分の照射の差別化を可能とするように光放出を制御できる。一例において、プロセッサ118は、同一スキャンサイクル(例えば初期放出)からの反射光の検出に基づいて、視野120の単一の部分122に対する放出パターンを決定することができる。これによってLIDARシステム100は極めて動的となる。別の例において、プロセッサ118は、以前のスキャンサイクルからの反射光の検出に基づいて、視野120の単一の部分122に対する放出パターンを決定することができる。後続の放出について、以下のうちいずれか1つのような光源パラメータの異なる値を決定することによって、後続の放出のパターンに差が生じ得る。
a.後続の放出の全体的なエネルギ
b.後続の放出のエネルギプロファイル
c.1フレーム当たりの光パルス繰り返し数
d.持続時間、レート、ピーク、平均パワー、及びパルス形状等の光変調特性
e.偏光や波長等、後続の放出の波動特性
[0133] 本開示に従って、後続の放出の差別化を異なる用途に供することができる。一例において、安全性が検討事項である視野120の部分では放出パワーレベルを制限すると共に、視野120の他の部分ではより高いパワーレベルを放出することができる(これによって信号対雑音比及び検出範囲を改善する)。これは目の安全に関連するが、更に、皮膚の安全、光学システムの安全、検知材料の安全、及びそれ以外のものにも関連し得る。別の例では、同一フレーム又は以前のフレームからの検出結果に基づいて、より有益である視野120の部分(例えば関心領域、遠くにあるターゲット、低反射ターゲット等)の方へ、より大きいエネルギを誘導すると共に、視野120の他の部分への照射エネルギを制限することができる。処理ユニット108は、単一のスキャンフレーム時間内で単一の瞬時視野からの検出信号を数回処理できることに留意するべきである。例えば、各パルスの放出後、又はある数のパルスの放出後に、後続の放出を決定できる。
[0134] 図5Bは、視野120の単一のフレーム時間における放出スキームの3つの例を示す。本開示の実施形態に従って、少なくとも処理ユニット108は、取得情報を用いて、動的にLIDARシステム100の動作モードを調整する及び/又はLIDARシステム100の特定のコンポーネントのパラメータ値を決定できる。取得情報は、視野120でキャプチャされた処理データから決定するか、又はホスト210から(直接的又は間接的に)受信することができる。処理ユニット108は、取得情報を用いて、視野120の異なる部分をスキャンするためのスキャンスキームを決定できる。取得情報は、現在の光条件、現在の気候条件、ホスト車両の現在の運転環境、ホスト車両の現在のロケーション、ホスト車両の現在の軌道、ホスト車両の周りの道路の現在の地形、又は光反射によって検出できる他の任意の条件若しくは物体を含み得る。いくつかの実施形態において、決定されるスキャンスキームは以下のうち少なくとも1つを含み得る。(a)スキャンサイクルの一部としてアクティブにスキャンされる視野120内の部分の指定、(b)視野120の異なる部分における光放出プロファイルを規定する投影ユニット102の投影プラン、(c)例えば偏向方向、周波数を規定し、リフレクタアレイ内のアイドル要素を指定するスキャンユニット104の偏向プラン、及び(d)検出器の感度又は応答パターンを規定する検知ユニット106の検出プラン。
[0135] 更に処理ユニット108は、少なくとも部分的に、視野120内の少なくとも1つの関心領域及び視野120内の少なくとも1つの非関心領域の識別を得ることによって、スキャンスキームを決定できる。いくつかの実施形態において処理ユニット108は、少なくとも部分的に、視野120内の少なくとも1つの高い関心領域及び視野120内の少なくとも1つの低い関心領域の識別を得ることによって、スキャンスキームを決定できる。視野120内の少なくとも1つの関心領域の識別は、例えば、視野120内でキャプチャされた処理データから、別のセンサ(例えばカメラ、GPS)のデータに基づいて、ホスト210から(直接的に又は間接的に)受信して、又は上記のもののいずれかの組み合わせによって決定され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの関心領域の識別は、監視することが重要である視野120内の部分、エリア、セクション、画素、又は物体の識別を含み得る。関心領域として識別される可能性のあるエリアの例は、横断歩道、移動する物体、人物、付近の車両、又は車両ナビゲーションに役立ち得る他の任意の環境条件若しくは物体を含み得る。非関心領域(又は低関心領域)として識別される可能性のあるエリアの例は、静的な(移動していない)遠くの建物、スカイライン、地平線よりも上のエリア、及び視野内の物体であり得る。視野120内の少なくとも1つの関心領域の識別を取得したら、処理ユニット108は、スキャンスキームを決定するか又は既存のスキャンスキームを変更することができる。(上述したように)光源パラメータを決定又は変更することに加えて、処理ユニット108は、少なくとも1つの関心領域の識別に基づいて検出器リソースを割り当てることができる。一例においては、ノイズを低減するため、処理ユニット108は、関心領域に相当すると予想される検出器410を活性化し、非関心領域に相当すると予想される検出器410を無効にすることができる。別の例において、処理ユニット108は、例えば反射パワーが低い長距離検出に対するセンサ感度を増大するように、検出器感度を変更できる。
[0136] 図5Bの図AからCは、視野120をスキャンするための異なるスキャンスキームの例を示す。視野120内の方形はそれぞれ、少なくとも1つの偏向器114の瞬時位置に関連付けられた異なる部分122を表している。説明文500に、方形の充填パターンによって表される光束レベルが記載されている。図Aは、全ての部分が同じ重要度/優先度を有し、それらにデフォルト光束が割り当てられている第1のスキャンスキームを示す。第1のスキャンスキームは、始動段階で利用するか、又は別のスキャンスキームと周期的に交互に用いて予想外の物体/新しい物体について全視野を監視することができる。一例において、第1のスキャンスキームの光源パラメータは、一定振幅で光パルスを発生するように構成できる。図Bは、視野120の一部に高光束が割り当てられ、視野120の残り部分にデフォルト光束及び低光束が割り当てられている第2のスキャンスキームを示す。最も関心の低い視野120の部分に低光束を割り当てることができる。図Cは、視野120内で小型車両及びバス(シルエットを参照)が識別されている第3のスキャンスキームを示す。このスキャンスキームでは、車両及びバスの輪郭を高いパワーで追跡し、車両及びバスの中央部分に低レベルの光束を割り当てる(又は光束を割り当てない)ことができる。このような光束割り当てによって、光学予算の多くを識別された物体の輪郭に集中させ、重要度の低い中央部には少なくすることができる。
[0137] 図5Cは、単一のスキャンサイクル中に視野120の方へ向かう光の放出を示している。図示の例において、視野120は8×9の行列によって表現され、72のセルの各々は、少なくとも1つの光偏向器114の異なる瞬時位置に関連付けられた別個の部分122に対応する。この例示的なスキャンサイクルにおいて、各部分は、その部分の方へ投影された光パルスの数を表す1つ以上の白いドットを含み、いくつかの部分は、センサ116によって検出されたその部分からの反射光を表す黒いドットを含む。図示されているように、視野120は、視野120の右側のセクタI、視野120の中央のセクタII、及び視野120の左側のセクタIIIという3つの部分に分割されている。この例示的なスキャンサイクルにおいて、セクタIは最初に1部分当たり単一の光パルスが割り当てられ、過去に関心領域として識別されたセクタIIは最初に1部分当たり3つの光パルスが割り当てられ、セクタIIIは最初に1部分当たり2つの光パルスが割り当てられる。図示のように、視野120のスキャンによって4つの物体208が明らかとなっている。すなわち、近視野(例えば5から50メートルの間)における2つの自由形状の物体、中視野(例えば50から150メートルの間)における角の丸い方形の物体、及び、遠視野(例えば150から500メートルの間)における三角形の物体である。図5Cの検討では光束の割り当ての例としてパルス数を使用するが、視野の異なる部分に対する光束の割り当ては他のやり方で実施できることに留意するべきである。例えば、パルス持続時間、パルス角分散、波長、瞬時パワー、光源112からの異なる距離における光子密度、平均パワー、パルスパワー強度、パルス幅、パルス繰り返し率、パルスシーケンス、パルスデューティサイクル、波長、位相、偏光、及びその他のものを使用できる。図5Cの単一のスキャンサイクルのような光放出の説明は、LIDARシステム100の様々な機能を例証している。第1の実施形態において、プロセッサ118は、2つの光パルスを用いて第1の距離にある第1の物体(例えば角の丸い方形の物体)を検出し、3つの光パルスを用いて第1の距離よりも遠い第2の距離にある第2の物体(例えば三角形の物体)を検出するように構成されている。第2の実施形態において、プロセッサ118は、関心領域が識別されている視野の部分に多くの光を割り当てるように構成されている。具体的には、この例において、セクタIIは関心領域として識別され、したがって3つの光パルスが割り当てられたのに対し、視野120の残り部分には2つ以下の光パルスが割り当てられた。第3の実施形態において、プロセッサ118は、最初に1部分当たり2つの光パルスが割り当てられたセクタIIIの一部である図5Cの部分B1、B2、及びC1に対し、単一の光パルスだけが投影されるように光源112を制御するよう構成されている。これを行う理由は、処理ユニット108が第1の光パルスに基づいて近視野の物体を検出したからである。また、他の検討すべき事項の結果として、最大より少ないパルス量の割り当ても実行できる。例えば、少なくともいくつかの領域において、第1の距離の物体(例えば近視野の物体)が検出されると、視野120のこの部分へ放出する全体的な光量を低減することができる。
[0138] LIDARシステム100の様々なコンポーネント及びそれらに関連した機能についての更なる詳細及び例は、2016年12月28日に出願された本出願人の米国特許出願第15/391,916号、2016年12月29日に出願された本出願人の米国特許出願第15/393,749号、2016年12月29日に出願された本出願人の米国特許出願第15/393,285号、2016年12月29日に出願された本出願人の米国特許出願第15/393,593号に含まれる。これらは援用により全体が本願に含まれる。
例示的な実施:車両
[0139] 図6Aから図6Cは、車両(例えば車両110)におけるLIDARシステム100の実施を示す。上述した又は以下に記載するLIDARシステム100の態様はいずれも、車両110に組み込んで距離検知車両を提供することができる。具体的には、この例においてLIDARシステム100は、複数のスキャンユニット104と、場合によっては複数の投影ユニット102とを、単一の車両内に一体化している。一実施形態において、車両はそのようなLIDARシステムを利用して、重複ゾーン内及び重複ゾーンを超えた所でのパワー、範囲、及び精度の向上、更に、FOVの感度の高い部分(例えば車両の前方移動方向)における冗長性の向上が可能となる。図6Aに示されているように、車両110は、視野120Aのスキャンを制御するための第1のプロセッサ118Aと、視野120Bのスキャンを制御するための第2のプロセッサ118Bと、これら2つの視野のスキャンの同期を制御するための第3のプロセッサ118Cと、を含み得る。一例において、プロセッサ118Cは車両コントローラとすることができ、第1のプロセッサ118Aと第2のプロセッサ118Bとの間の共有インタフェースを有し得る。共有インタフェースは、時間的及び/又は空間的スペースにおける重複を形成するため、中間処理レベルでのデータ交換及び組み合わせ視野のスキャンの同期を可能とする。一実施形態において、共有インタフェースを用いて交換されるデータは、(a)重複した視野及び/又はその近傍の画素に関連付けられた受信信号の飛行時間、(b)レーザステアリング位置ステータス、(c)視野内の物体の検出ステータスとすることができる。
[0140] 図6Bは、視野120Aと視野120Bとの間の重複領域600を示す。図示する例において、重複領域は、視野120Aからの24の部分122及び視野120Bからの24の部分122に関連している。重複領域が規定されてプロセッサ118A及び118Bに既知であると仮定すると、各プロセッサは、複数の光源の光を対象とした目の安全の限度に従うため、又は光学予算を維持するといった他の理由から、重複領域600に放出される光の量を制限するように設計できる。更に、プロセッサ118A及び118Bは、スキャンユニット104Aとスキャンユニット104Bとの間のゆるい同期によって、及び/又はレーザ伝送タイミングの制御によって、及び/又は検出回路を有効にするタイミングによって、2つの光源が放出する光の干渉を回避できる。
[0141] 図6Cは、視野120Aと視野120Bとの間の重複領域600をどのように用いて車両110の検出距離を増大させ得るかを示している。本開示に従って、重複ゾーン内に公称光放出を投影する2つ以上の光源112を利用することで、有効検出範囲を増大できる。「検出範囲」という用語は、LIDARシステム100が物体を明瞭に検出できる車両110からのおおよその距離を含み得る。一実施形態において、LIDARシステム100の最大検出範囲は約300メートル、約400メートル、又は約500メートルである。例えば200メートルの検出範囲では、LIDARシステム100は、車両110から200メートル(又はそれ以下)に位置する物体を、時間のうち95%超、99%超、99.5%超で検出し得る。物体の反射率が50%未満(例えば20%未満、10%未満、又は5%未満)である場合も。更に、LIDARシステム100は1%未満の誤警報率を有し得る。一実施形態において、時間的及び空間的スペースに配置された2つの光源からの投影光を用いて、SNRを改善し、したがって重複領域に位置する物体の範囲及び/又はサービス品質を向上させることができる。プロセッサ118Cは、視野120A及び120Bにおける反射光から高レベルの情報を抽出できる。「情報を抽出する」という用語は、当業者に既知の任意の手段によって、キャプチャした画像データ内で、物体、個体、ロケーション、イベント等に関連した情報を識別する任意のプロセスを含み得る。更に、プロセッサ118A及び118Bは、物体(道路の区切り、背景、歩行者、車両等)や運動ベクトルのような高レベル情報を共有することで、各プロセッサがもうすぐ関心領域になりそうな周辺領域に注意を向けることを可能とする。例えば、視野120A内の移動中の物体が間もなく視野120B内に入ることを判定できる。
例示的な実施:調査システム
[0142] 図6Dは、調査システムにおけるLIDARシステム100の実施を示している。上述のように、LIDARシステム100は静止物体650に固定することができ、静止物体650は、より広い視野を得るためLIDARシステム100の筐体を回転させるためのモータ又は他の機構を含み得る。或いは、調査システムが複数のLIDARユニットを含むことも可能である。図6Dに示す例では、調査システムは単一の回転可能LIDARシステム100を用いて、視野120を表す3Dデータを取得すると共に、この3Dデータを処理して、人物652、車両654、環境の変化、又は他の任意の形態のセキュリティにとって重要なデータを検出することができる。
[0143] 本開示のいくつかの実施形態に従って、3Dデータは、小売業プロセスを監視するため分析することができる。一実施形態において、3Dデータは、物理的なセキュリティを必要とする小売業プロセスで使用できる(例えば、小売施設内への侵入、小売施設の内部又は周囲での破壊行為、保護エリアへの不正アクセス、及び駐車場内の自動車の周囲での不審な行動の検出)。別の実施形態において、3Dデータは、公共の安全のために使用できる(例えば、店舗敷地で滑って転ぶ人、店舗の床に危険な液体をこぼすこと又はそれによる通行妨害、店舗の駐車場での襲撃又は誘拐、火災非常口の通行妨害、及び店舗エリア内又は店舗外での混雑の検出)。別の実施形態において、3Dデータはビジネス機密データ収集のために使用できる(例えば、店舗エリアを通る人を追跡して、何人が通過するか、どこで立ち止まるか、どのくらいの間立ち止まるか、彼らの買い物習慣がどのように購買習慣と比較されるかを明らかにする)。
[0144] 本開示の他の実施形態に従って、3Dデータは、交通違反の取り締まりのために分析し使用することができる。具体的には、3Dデータを用いて、法定最高速度又は何らかの他の道路交通法の要件を超えて走行している車両を識別できる。一例では、LIDARシステム100を用いて、信号が赤である時に一時停止線又は指定の停止位置を超えている車両を検出できる。別の例では、LIDARシステム100を用いて、公共交通機関用に確保された車線を走行している車両を識別できる。更に別の例では、LIDARシステム100を用いて、赤信号では特定の方向転換が禁止されている交差点で方向転換している車両を識別できる。
[0145] 様々な開示される実施形態の例を、偏向器のスキャンを制御する制御ユニットに関して上述及び後述するが、開示される実施形態の様々な特徴は、そのようなシステムに限定されないことに留意するべきである。むしろ、LIDAR FOVの様々な部分に光を割り当てるための技法は、異なる視野部分に異なる量の光を誘導することが望まれる又は必要とされることがあり得る、光ベースの検知システム(LIDAR又はその他)のタイプに適用可能であり得る。いくつかの場合には、本明細書で述べるように、そのような光割り当て技法は検出能力に良い影響を与えることがあり得、しかし他の利点も生じ得る。
[0146] 本開示及び特許請求の範囲の様々なセクションにおいて、「第1」、「第2」、「第3」などの用語を使用して、様々なコンポーネント又はコンポーネントの一部分(例えば、光源、センサ、センサ画素、視野部分、視野画素など)に言及することがあることにも留意するべきである。これらの用語は、開示される様々な実施形態の説明を容易にするためにのみ使用され、限定すること、又は他の実施形態での同様の名前の要素若しくはコンポーネントとの任意の所要の相関性を示すことを意図するものではない。例えば、本開示の1つのセクションに記載される1つの実施形態における「第1のセンサ」に関連するものとして記載された特徴は、本開示の異なるセクションに記載される異なる実施形態の「第1のセンサ」に関連することも、関連しないこともある。
[0147] LIDARシステム100又はそのコンポーネントの任意のものを、以下に開示される特定の実施形態及び方法のいずれとも一緒に使用され得ることに留意すべきである。それにもかかわらず、以下に開示される特定の実施形態及び方法は、必ずしもLIDARシステム100に限定されず、場合によっては、他のシステム(限定はしないが、適用可能であれば、他のLIDARシステム、他の電気光学システム、他の光学系など)において又は他のシステムによって実装され得る。また、システム100を、例示的な車両ベースのLIDARプラットフォームに関して説明するが、システム100、そのコンポーネントの任意のもの、及び本明細書で説明されるプロセスの任意のものが、他のプラットフォームタイプに配設されたLIDARシステムに適用可能であり得る。同様に、以下に開示される実施形態及びプロセスは、車両以外のプラットフォームに、又は任意の特定のプラットフォームに関係なく配設されたシステムに設置されたLIDARシステム(又は他の電気光学システムなどの他のシステム)で又はLIDARシステムによって実装され得る。
例示的な実施:可変解像度マルチビームスキャンを備えたLIDARシステム
[0148] 1つ以上のレーザ光源及びスキャンミラーを採用するLIDARシステム及び他の光学系では、システムの複雑さが高くなり得る。更に、目の安全性の要件を満たすことは、広い視野の使用を含み得る。したがって、LIDARシステムは、システムの高い信頼性を提供しながら、広いFOVにわたってデータを取得及び収集するために、多数のコンポーネントを含み得る。既存のシステムは、典型的には、レーザから放出される各ビームに関して、レーザエミッタ、スキャンミラー、及び検出器(レーザレンジファインダ[LRF]と呼ばれる)を含む。しかし、既存のシステムは、高い複雑さを有し得、多数のコンポーネントを有し(例えば複数のLRFを必要とし)得て、高価であり得る。したがって、所望のレベルの検出範囲及び感度を提供することができるLIDAR及び他の光学系を提供すると共に、システムの複雑さ、部品の数、及びコストを低減する必要がある。ここに開示される実施形態は、この必要性に対処することを狙いとする。
[0149] 図7Aは、放出される光の複数のビームを生成するように構成された、例示的な開示されるLIDARシステム100の概略構成を示し、それらのビームは、スキャンミラーによって操舵され、単一の検出器で検知され、±50度(水平方向)の視野(FOV)のスキャンを可能にし、全て、単一の光学部品セットを含む同じ光路上にある。図7に示されるように、レーザ光ビーム714は、クワッドレーザアレイ712から放出され得る。レーザ光ビーム714は、複数のレーザエミッタ、レーザバー/アレイ、又は複数のビームに分割された単一のレーザビームによって生成され得る。レーザビーム714は、レンズ716及びフォールディングミラー718のシステム(例えば光学系710)によって、スキャンミラー720(例えばMEMスキャナ)へ誘導され得る。レーザビーム714は、スキャンミラー720によって操舵され得る。反射光716は、LIDARシステム100に入ることがあり、ダイクロイックミラー(偏光スプリッタ)740に誘導され、次いでレンズ760を有する単一の検出器750に集束され得る。図7Aに示されるように、ビーム742の各々は、共有光学部品(例えば、716、718、720、740など)を介して誘導され、コンポーネントの数、したがってLIDARシステム100に関するコストを低減することができる。
[0150] 図7Bは、垂直方向にスキャンされ得るFOV(100度×15度)770を示す。スキャンミラー720は、レーザビーム714をスキャンライン772に沿って誘導することができる。スキャンライン772に沿った位置からの反射レーザビーム714は、検出器750に誘導され得る。図7Cは、非アクティブエリア754によって分離されたアクティブエリア752を有する検出器750の一例を示す。図7Cに示されるように、検出器750は、反射レーザビーム716のスポット(例えばA、B、C、D)を検出し得る。同様に図7Cに示されるように、各アクティブエリア752は、複数の画素又はチャネル(例えば、図6に示される6つのチャネル)を有し得る。垂直スキャンラインが図7Bに示されているが、LIDARシステムは、追加又は代替として、水平スキャンラインに沿ってFOV770をスキャンするように構成され得ることが企図される。更に、上述したスポット及び/又は画素の数は例示的及び非限定的であり、各アクティブエリア752は、任意の数のチャネルを有し得、検出器750は、反射レーザビーム716の任意の数のスポットを検出するように構成され得る。図7A~7Cに示されるように、開示されるモノスタティック構成は、同じ光路上で複数のビームを送受信し、100×15度のFOVで、多くの光学コンポーネント及び複数のMEMモジュールを節約することができる。
[0151] 上記の特徴のいくつかを含むLIDARシステムが開示される。例として、図1A、2A~2G、3C、3D、4A、4B、及び7Aは、本開示に従った例示的なLIDARシステム100を示す。いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、複数のレーザビームをレーザ放出ユニットから共通のスキャンユニットに透過するように構成された光学系を含み得る。上述のように、LIDARシステム100は、レーザ放出ユニット102(例えば投影ユニット)を含み得る。いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、レーザ光源であり得る1つ以上の光源を含み得る。同様に上述したように、レーザ光源の1つ以上は、例えば、1つ以上のレーザ光ビーム204を放出するように構成され得る1つ以上のレーザダイオード202Aを含み得る。開示されるLIDARシステム100は、2つ以上のレーザ光ビームを放出するように構成されたレーザ放出ユニット102を含み得ることが企図される(例えば、図2B、2C、2E、2Fなどを参照)。いくつかの実施形態では、LIDARシステム100は、レーザアレイの形でのレーザ光源を含み得、レーザアレイは、2つ以上のレーザエミッタを含み得ることが企図される。様々なレーザ源が採用され得る。例えば、レーザアレイに関連するレーザ源は、860nm~950nmの波長を有するパルスレーザを含み得る。複数のレーザ源がレーザアレイに含まれ得、アレイが1Dパターン又は2Dパターンで配置され得る。1D構成で配置されたレーザ源は、複数(例えば2つ以上)のレーザ源を含むレーザバーアレイを含み得る。
[0152] 図8は、LIDARシステム100に関する例示的なアーキテクチャのハイレベルブロック図を示す。図8に示されるように、LIDARシステム100は、電源810、コントローラ820、光学モジュール830、レーザアレイ840、センサアレイ850、及びスキャナ860を含み得る。同様に図8に示されるように、レーザアレイ840からの光ビーム842は、光をFOV870に誘導し得る2Dスキャナ860に入射し得る。FOV870から戻る反射光ビーム844は、2Dスキャナ860で受信され得、2Dスキャナ860は、反射光ビーム844を検出するように構成され得るセンサアレイ850へ反射光ビーム844を誘導し得る。コントローラ820は、飛行時間計算を実行して、FOV870内の様々な物体までの距離を決定し得、FOV870の各スキャンごとに距離値の点群が生成され得る。いくつかの実施形態では、レーザアレイ840から放出されたレーザ光842を2Dスキャナ860に、及びFOV870に向けて伝送するためと、2Dスキャナ860で受信された反射光842をFOV870からセンサアレイ850に誘導するためとの両方に、共通の光学コンポーネント880が使用され得る。そのような構成は、複雑さの低減、コスト低減、信頼性、及び性能の面で大きな利点を提供し得る。この構成は、レーザビームが光学的に分離され、検出器でのアクティブエリアが分離されるので、連続検出器アレイ及びレーザアレイスキームと比較して、ブルーミングアーチファクトを更に低減し得る。
[0153] いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、複数のレーザエミッタを含み得る。例えば図2B、2C、2Eに示されるように、レーザ放出ユニット102は、レーザ光の2つ以上のビームを投影するように構成され得る複数のレーザエミッタ112A~112Fを含み得る。いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、複数のレーザエミッタを含む単一のモノリシックレーザアレイを含み得る。例として、レーザ放出ユニット102は、単一のシリコンウェーハに製造された複数のレーザエミッタ(例えば、112A~112F)を含み得る。したがって、レーザ放出ユニットは、モノリシックレーザアレイの形であり得る。モノリシックレーザアレイという用語は、単一の(例えばモノリシック)シリコンウェーハ上に製造されたレーザ光源のアレイを指す。レーザ光源は単一のシリコンウェーハ上に製造されるので、モノリシックレーザアレイ上のレーザ光源は互いによく位置合わせされ得る。図9Aは、複数のレーザエミッタ(例えば、912、914、916など)を含むモノリシックレーザアレイ900の一例を示す。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、1次元レーザアレイを備える。例として、図9Aに示されるように、レーザアレイ900は、単一の列に配置されたアクティブ領域912、914、916など(例えばレーザエミッタ)を含む1次元レーザアレイであり得る。しかし、いくつかの実施形態では、レーザアレイ900は、互いに分離され、2次元マトリックスに配置されたアクティブ領域を含む2次元レーザアレイであり得ることが企図される。いくつかの実施形態では、複数のレーザエミッタは、エッジエミッタであり得る。例えば、レーザアレイ900内のレーザエミッタ912、914、916などの1つ以上は、エッジエミッタレーザを含み得る。しかし、レーザエミッタ912、914、916などの1つ以上は、他のタイプのレーザエミッタ(例えば垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL))を含み得ることが企図される。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームの各々は、860nm~950nmの間の波長を有するパルスレーザビームであり得る。例えば、上述のように、レーザエミッタ912、914、916などの1つ以上は、860nm~950nmの間の波長を有するパルスレーザを放出するように構成されたパルスレーザエミッタであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のレーザエミッタ912、914、916などは、1300nm~1600nmの間の波長を有するレーザ光を放出するように構成され得ることも企図される。
[0154] いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、複数のレーザエミッタに対応する複数のアクティブ領域と、複数の非アクティブ領域とを含み得て、複数のレーザエミッタは、複数の非アクティブ領域の1つ以上によって互いに離間される。モノリシックレーザアレイは、非アクティブ領域(例えば非レーザ放出非アクティブ領域)によって互いに分離された複数のアクティブ領域(例えばレーザ光放出領域又はレーザエミッタ)を含み得る。例えば、図9Aに示されるように、レーザアレイ900は、複数(例えば8個)のレーザ光放出領域又はレーザエミッタ912、914、916、918、920、922、924、及び926を含み得る。レーザアレイ900は、複数の非アクティブ領域(例えば非レーザ放出領域)901~909も含み得る。隣接するアクティブ領域は、1つ以上の非アクティブ領域によって分離され得ることが企図される。例えば、図9Aに示されるように、アクティブ領域914及び916は、非アクティブ領域902によって分離され得る。同様に、アクティブ領域920及び922は、非アクティブ領域905によって分離され得る。アクティブ領域間に複数の非アクティブ領域が配設され得ることが企図される。例えば、図9Aに示されるように、アクティブ領域922及び924は、非アクティブ領域906、907によって分離され得る。各アクティブ領域はチャネルに対応し得る。したがって、例えば、図9Aは、8個のチャネルを有するレーザアレイ900を示す。レーザアレイ900は、任意の数のチャネルを有し得ることが企図される。
[0155] いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、4個のアクティブレーザチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、8個のアクティブレーザチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、16個のアクティブレーザチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、32個のアクティブレーザチャネルを含み得る。例えば、レーザアレイは、1Dアレイに配置された16個のレーザ源を含み得て、各レーザ源が約905nmの波長を有する。レーザ源から放出された光は、例えばレンズやコリメータなどを含む、光路に関連する様々な光学コンポーネントを通って進むことができる。図9Bは、16個又は32個のアクティブ領域956を含み得る例示的なモノリシックレーザアレイ950を示す。例えば、図9Bに示されるように、モノリシックレーザアレイ950は、アクティブレーザ放出領域956(例えばn~n32)を含み得て、アクティブレーザ放出領域956の隣接する対は、1つ以上の非レーザ放出非アクティブ領域958(例えばm~m31)によって離間される。図9Bの例は、16個のレーザチャネル(又はアレイ内の16個のレーザ光源)を含む。他の数のレーザ源も使用され得る。例えば、いくつかの実施形態は、4、8、32、64個のレーザ源、又は任意の他の所望の数のレーザ源を含み得る。
[0156] いくつかの実施形態では、複数のレーザエミッタは、複数のモノリシックレーザアレイを含み得る。例として、32個のアクティブ領域を有する単一のレーザアレイを製造する代わりに、それぞれ16個のアクティブ領域を有する2つのモノリシックレーザアレイを製造することが可能であり得る。例えば、図9Bに示されるように、レーザアレイ950は、モノリシックレーザアレイ960及び962を含み得る。レーザアレイ960は、非アクティブ領域958(例えばm~m15)によって離間されたアクティブ領域(例えばレーザエミッタ)956(例えばn~n16)を含み得る。同様に、レーザアレイ962は、非アクティブ領域958(例えばm16~m31)によって離間されたアクティブ領域(例えばレーザエミッタ)956(例えばn17~n32)を含み得る。また、図9Bに示されるように、モノリシックレーザアレイ960及び962は、どちらも同じウェーハに製造され得る。代替として、モノリシックレーザアレイ960及び962は、異なるウェーハに、又は同じウェーハの異なる部分に製造され得る。レーザアレイ960及び962は、ウェーハからダイシングされ、次いで互いに隣接して組み立てられて、単一の1Dレーザアレイ950を形成し得る。レーザアレイ960及び962は、レーザアレイ960及び962を正確に位置合わせするために、適切な製造又は組立てプロセス(例えばボンディング)によって組み立てられ得る。
[0157] レーザ光源は、1Dアレイ内で様々な構成で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域と非アクティブ領域との比は1:1であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、1Dレーザアレイは、アクティブレーザチャネルとレーザチャネル間の非アクティブ介在空間との1:1の比で動作するように構成され得る。これは、いくつかの方法で実現され得る。例えば、隣接するレーザ源の各対が、各レーザ源と等しいサイズの非アクティブ介在空間によって分離され得るように、1Dアレイ1000に16個のレーザチャネルが配置され得る。その結果、図10Aに示されるように、1Dアレイは、アレイ内の1つの非アクティブ介在空間1020に隣接する1つのレーザ源1010の交互反復シーケンスを含み得る。図10Aに示されるように、レーザ源1010と非アクティブ介在領域1012とは、同様のサイズ(例えば、約0.01mm×0.1mm又は0.001mm×0.1mm)であり得る。レーザビームが放出された後、各ビームは、1つ又は複数のコリメータ1112によってコリメートされ得る。ビームがコリメートされると、遠視野でのそのサイズスポットサイズは角度サイズとして表され得る。したがって、例えば、図10Aに示されるように、図10Aのレーザアレイ1000から放出されるビームは、コリメートされた後に0.1°の角度幅を有し得、隣接するコリメートビーム間の間隔は0.2°であり得る。角度ビームスポットサイズの非限定的な例は、例えば、0.07度×0.11度、0.1×0.05、又は0.1×0.1度、又は0.1×0.2度、又は0.1×0.4度である。レーザアレイ1000は16個のそのようなユニットを含むが、他の1:1の比のアレイ構成も使用され得る。例えば、図10Bに示されるように、8個のアクティブレーザチャネル1020が、8個の同じ又は異なるサイズの非アクティブ空間1022によってインターリーブされ得る。図10Bに示されるように、レーザ源1020と非アクティブ介在領域1022とは、同様のサイズ(例えば0.01mm×0.2mm)でよい。別の例として、図10Cに示されるように、4つのアクティブレーザチャネル1030は、4つの同じ又は異なるサイズの非アクティブ空間1032によってインターリーブされ得る。図10Cに示されるように、レーザ源1030と非アクティブ介在領域1032とは、同様のサイズ(例えば0.01mm×0.4mm)でよい。各場合に、レーザ源の出力は、所望の総出力を提供するように選択され得る。一例では、16チャネルアレイは16個の30Wレーザ源を含むことがあり、8チャネルアレイは8個の60Wレーザ源を含むことがあり、4レーザ源アレイは4個の120Wレーザ源を含むことがあり、全てが480Wの総最大出力を生み出す。エミッタは、任意の適切な電力レベル(例えば20W~200Wの間)を有し得る。
[0158] いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域幅と非アクティブ領域幅との比は1:2であり得る。1:1のアレイに加えて、図10A~10Cによって示されるように、1:2の比のアレイも使用され得る。例えば、図10D~10Fに示されるように、上述の例示的なアレイの各々は、各レーザ源の幅の2倍の非アクティブ介在空間を含み得る。したがって、16チャネル、8チャネル、及び4チャネルアレイの例の各々において、レーザ源の各対は、1つのレーザ源の幅の2倍を有する非アクティブ空間によって分離され得る。したがって、例えば、図10Dに示されるように、各レーザ源1040は、0.05mmの幅を有し得、各非アクティブ空間1042は、約0.1mm(例えば110ミクロン)の幅を有し得る。別の例として、図10Eに示されるように、各レーザ源1050は、0.1mmの幅を有し得、各非アクティブ空間1052は、約0.2mmの幅を有し得る。同様に、図10Fに示されるように、各レーザ源1060は、0.2mmの幅を有し得、各非アクティブ空間1062は、約0.4mmの幅を有し得る。レーザ源と非アクティブ空間との他の比も企図される。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域と非アクティブ領域との比は1:3であり得る。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域と非アクティブ領域との比は1:5であり得る。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域と非アクティブ領域との比は1:1~1:10の範囲内であり得る。図10Gは、アクティブ対非アクティブ領域の比が1:5である例を示す。この例では、各アクティブレーザ源は、1つのレーザ源の幅の5倍に等しい幅を有する非アクティブ空間によって分離される。例えば、図10Gに示されるように、各レーザ源1070は、約0.1mmの幅を有し得、各非アクティブ空間1072は、約0.5mmの幅を有し得る。
[0159] いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイ内の2つ以上の非アクティブ領域は、互いに対して異なる寸法を有し得る。レーザアレイの非アクティブ領域とアクティブ領域との両方が等しいサイズであるものとして上述してきたが、レーザアレイ内の異なるアクティブ領域が異なるサイズであってもよいことが企図される。したがって、例えば、図9Bに示されているように、レーザアレイ950の非アクティブ領域mは、レーザアレイ950の非アクティブ領域mの幅wとは異なることがある幅wを有し得る。別の例として、図9Bに示されているように、レーザアレイ950のアクティブ領域n16は、レーザアレイ950のアクティブ領域n31の幅wとは異なることがある幅wを有し得る。
[0160] いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイの全長(L)は、0.5mm~20mmの間であり得る。別の例示的な実施形態では、モノリシックレーザアレイ900の全長は、1mm~6mmの範囲であり得るが、他の長さも企図される。
[0161] 例として、図9Aに示されるように、モノリシックレーザアレイ900の全長はLであり得る。モノリシックレーザアレイの全長は、例えば、シリコンウェーハのサイズ、モノリシックレーザアレイからの望まれるレーザ光のビームの数、及び/又はレーザ光投影システムのサイズなど他のサイズ考慮事項に基づいて決定され得る。モノリシックレーザアレイの全長Lは、数十mm~数百mmの範囲であり得ることが企図される。1つの例示的な実施形態では、モノリシックレーザアレイ900の全長は、0.5mm~20mmの範囲であり得る。
[0162] レーザアレイでのアクティブレーザ源と非アクティブ介在空間との比は、任意の適切な形で実現され得る。いくつかの場合には、各レーザ源は、非アクティブ材料(例えば任意の非レーザ放出材料)によって離間され得る。しかし、別の例では、比は、所望の間隔比を提供するように(例えば、特定の用途の要件、特定の検知状況、目の安全性の要件などを満たすために)電子的に制御される密接に配列されたレーザ源のアレイを使用することによって実現され得る。いくつかの実施形態では、レーザエミッタは、複数のレーザエミッタの各々に供給される共通のトリガ信号によって活性化されるように構成され得る。例えば、図8に示されるように、レーザアレイ900の各アクティブ領域は、トリガ信号を受けたときにレーザ光を放出するようにされ得る。単一のトリガ信号が各アクティブ領域(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)に供給され得て、アクティブ領域の各々に、レーザ光を同時に放出させることが企図される。例えば、単一の電圧パルスが、レーザアレイ900又は1000の複数のアクティブ領域に供給され得ることが企図される。電圧パルスを受信した後、電圧パルスを受信した各アクティブ領域(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)は、レーザ光のパルスを同時に放出し得る。いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、複数のレーザエミッタを含み得、複数のレーザエミッタの各々が、個々に個別に活性化され得る。上述のように、レーザ放出ユニット102は、1つ以上のレーザエミッタ112A~112Fを含み得る。代替として、レーザ放出ユニット102は、それぞれが複数のアクティブ領域又はレーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)を含み得る1つ以上のレーザアレイ900及び/又は1000を含み得る。同様に上述したように、アクティブ領域の各々は、トリガ信号、例えば電圧パルスを受信するとレーザ光を放出するように構成され得る。したがって、レーザ放出アクティブ領域(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の各々は、電圧パルスをアクティブ領域(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の各々に個々に又は個別に供給することによって、個々に及び/又は個別に活性化され得る。
[0163] いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、複数のレーザエミッタを含み得て、複数のレーザエミッタのうちの1つ以上のレーザエミッタのサブグループが活性化され得、複数のレーザエミッタの残りのものは活性化されない。例えば、レーザアレイは、例えば様々な比のモードで動作され得る32個のアクティブレーザチャネルを含み得る。したがって、32チャネルレーザアレイは、1つおきのチャネル(16個のチャネル)を一緒に活性化し、インターリーブする16個のレーザ源を非アクティブのままにしておくことによって、1:1のアクティブ対非アクティブ空間配置で動作され得る。1つの動作モードでは、16個チャネルの1セットのみに電圧パルスが提供され得て、残りの16個チャネルには電圧パルスが提供されないことがある。この場合、電圧パルスを受信する16個のレーザ源の第1のセットはレーザ光を放出し得、電圧パルスを受信しない16個のレーザ源の第2のセットは非アクティブのままであり得る。
[0164] いくつかの実施形態では、複数のレーザエミッタは、ランダム放出タイミングプロトコルに従って活性化され得る。上述のように、1つ以上のレーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)は、電圧パルスなどのトリガ信号を受信した後にレーザ光パルスを放出するように構成され得る。電圧パルスがレーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の1つ以上に送達される時間を制御することによって、その1つ以上のレーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)からレーザパルスが放出される時間を制御することも可能であり得る。したがって、例えば、別のモードでは、32チャネルレーザアレイ内の16個のインターリーブするチャネルの2つのグループが、1:1の比の構成で交互に活性化され得る。例えば、16個のチャネルの第1のセットが時間tで活性化され得る。一定期間後、16個のチャネルの第2のセットが時間tで活性化され得る。レーザ源のパルス周波数で、又はパルス周波数の任意の倍数で(又は任意の他のタイミングパターンに従って)交替が生じ得る。
[0165] いくつかの実施形態では、視野に対するアレイの位置に応じて、複数のレーザエミッタが選択的に活性化され得る。例えば、スキャナの特定の向きで、複数のレーザエミッタの第1のサブセットがFOVの外側に誘導され、複数のレーザエミッタの第2のサブセットがFOV内にある場合、第1のサブセットは放出を停止するように制御され得て、第2のサブセットは活性化され続け得る。
[0166] いくつかの実施形態では、複数のレーザエミッタのうちの2つ以上が互いに異なるパルスレートを有するように、複数のレーザエミッタが活性化され得る。上述のように、電圧パルスがレーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の1つ以上に送達されるタイミングを制御することによって、その1つ以上のレーザエミッタ(例えば、912~926)からレーザパルスが放出されるタイミングを制御することも可能であり得る。したがって、例えば、レーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の選択されたものに異なるパルスレートで電圧パルスを送達することによって、選択されたエミッタからレーザ光が放出されるレートも異なり得る。
[0167] いくつかの実施形態では、複数のレーザエミッタのうちの2つ以上が互いに異なる強度レベルを有するように、複数のレーザエミッタが活性化され得る。レーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の各々によって放出されるレーザ光の強度は、レーザエミッタ(例えば、912~926、956、1020、1030、1040、1050など)の各々に送達されるトリガ信号又は電圧パルスの電圧レベルに依存し得る。したがって、例えば、異なる電圧レベルを有するトリガ信号又は電圧パルスを異なるレーザエミッタ(例えば912~926)に提供することによって、異なるレーザエミッタが活性化されて、異なる強度のレーザ光パルスを放出し得る。
[0168] 1:1以外のアクティブ対非アクティブ比を実現するために、同様の操作が採用され得る。例えば、1:2の比を提供するために、8個のアクティブレーザ源のセットの各々は、2つの非アクティブレーザ源によって互いに離間され得る。1つの動作モードでは、8個のアクティブ源からレーザ光パルスが放出されている間、非アクティブレーザ源は非アクティブのままであり得る。他の場合には、(アクティブレーザ間の間隔を2つの非アクティブレーザ分に保ちながら)総計の24個のレーザ源のセットのうち8個(又は他の数)のアクティブレーザのセットが、任意の望ましいタイミングパターン(例えば、交互パルス、パルスの倍数など)で変えられることがある。1:5の比のアレイで、又は任意の他の所望の比で動作されるアレイで、同様の動作スキームが採用され得る。
[0169] 特定のレーザアレイが、異なる時点で異なるアクティブ対非アクティブ比で動作され得ることにも留意するべきである。例えば、FOV又はFOVのサブ領域の1回のスキャン中、アレイは1:1の比で動作され得る。FOV又はFOVの別のサブ領域の別のスキャン中、異なる比(例えば、1:2、1:4、1:5など)が使用され得る。更に、特定のクロックサイクル中にアクティブとなるように選択されるレーザ源は、予め決定されていることも、ランダム化されていることもあり、所望のアクティブ対非アクティブ間隔比を維持する。
[0170] 使用されるアクティブ対非アクティブ比を決定するために、様々な条件が使用され得る。いくつかの場合には、比が固定されたままであり得る。しかし、他の場合には、検出イベントに基づいて、選択された比がトリガされ得る。例えば、歩行者の検出は、例えば目の安全裕度を高めるために、アクティブ空間に対する非アクティブ空間のより高い比の選択を保証し得る。所望の間隔比を選択するために、様々な他のイベントトリガも使用され得る。
[0171] 上記のように、特定の用途の要件に従って、多くの異なるレーザアレイ構成が使用され得る。再び図10D~10Fを参照すると、特定のレーザ源アレイは、多くの可能なチャネル数の中でもとりわけ、16個、8個、又は4個のチャネルを含み得る。これらのチャネルは、固定レーザアレイの一部として構成され得て、各レーザ源(例えば、1040、1050、1060)は、その隣接するレーザ源から所望の距離に位置決めされて、ある角度距離だけ離間されたビームを生成し得る。例えば、アイセーフ構成の場合、この角度距離は少なくとも約5.2mradであり得る。いくつかの実施形態では、レーザ源(例えば、1040、1050、1060)の間の非アクティブ空間(例えば、それぞれ1042、1052、1062)は、任意の非光放出材料を含み得る。しかし、他の場合には、レーザアレイ1000は、レーザアレイ内の各レーザ源の間に非光放出材料がほとんど又は全くない、近接して離間されたレーザ源から構成され得る。そのような実施形態は、特定の用途の要件に従ってレーザアレイのレーザ源が選択的に動作され得るので、かなりのレベルの柔軟性を提供し得る。
[0172] いくつかの実施形態では、例えば図10D~10Fで、特定のレーザアレイは、48個の近接して離間されたレーザ源(又は任意の数のレーザ源)を含み得る。図示される特定の例では、各レーザ源は、コリメーション後に0.1度×0.05度の角度寸法を有するビームを生成し得る。いくつかの場合には、全てのレーザ源が同時に活性化され得る。他の場合には、照射イベント(例えば、アレイの中から選択されたレーザ源からの単一のクロックタイミングパルス)中に他のあらゆるレーザ源が動作され得る。近接して離間されたレーザアレイ内の他のあらゆるレーザ源の動作は、アクティブ対非アクティブ空間の1:1の比を提供する。同様に、(下の一番左の例に示されているように)アクティブ対非アクティブ空間の1:3の比を提供するために、照射イベント中に2つおきのレーザ源が動作され得る。近接して離間された各レーザ源が0.1度×0.05度の角度寸法を有するビームスポットを生成し得るこの特定の例では、2つおきのレーザ源を動作させることにより、約0.15度(又は約2.6mrad)のアクティブレーザ源間の間隔が生じ得る。
[0173] 別の例では、図10Eに示されるように、レーザアレイ1000は、上述のものと同じレーザ源アレイ(すなわち、それぞれ0.1度×0.05度の角度寸法を有する48個の近接して離間されたレーザのアレイ)を含み得る。この例では、アクティブ空間対非アクティブ空間の1:2の比は、6個の各グループで最初の2つのレーザ(例えば、レーザ1、2、7、8、13、14など)を一緒に照射し、残りのレーザは非アクティブのままにすることによって実現され得る。この場合、照射された2つのレーザの各グループは、0.1度×0.1度の合計角度寸法を有し得、アクティブレーザグループ間の間隔は、0.3度又は約5.23mradであり得る(これは、放出レベルを低減し得る、又は目の安全性に関する特定の基準を満たし得る)。
[0174] 図10Fでは、アクティブ対非アクティブ空間の1:2の比は、12個の各グループでの最初の4つのレーザ(例えば、レーザ1、2、3、4、13、14、15、16など)を一緒に照射し、残りのレーザは非アクティブのままにすることによって実現され得る。この場合、照射された4つのレーザの各グループは、0.1度×0.2度の合計角度寸法を有し得、アクティブレーザグループ間の間隔は、0.4度又は約7mradであり得る(これは、目の安全性に関する特定の基準を満たし得る)。
[0175] いくつかの実施形態では、複数のレーザビームの各々が、0.002度~0.2度の角度幅を有し、0.02度~0.2度の角度長さを有する細長いスポットを生成する。例えば、レーザアレイから放出されたレーザビームが視野内の物体に入射すると、ビームは、物体にレーザ光のスポットを生成し得る。放出されるビーム(スポット)の形状は、対称的であっても、一軸で細長くてもよい。細長い形状は、いくつかの場合には目の安全性を向上し得る。図10Hは、例えばレーザアレイ900から放出されたレーザビームによって生成されたスポットの例示的な拡大画像を示す。図10Hに示されるように、スポットは、0.04度~0.08度の間の角度幅及び0.09度~0.15度の間の角度長さを有し得る。目の安全性を更に促進するために、レーザアレイ(例えば、950、1000)でのアクティブ対非アクティブ間隔の比が、アクティブレーザビーム間の最小角度間隔を保存するように選択され得る。最小間隔は、例えば、政府又は安全基準機関によって決定され得る。いくつかの場合には、ビーム間の最小角度間隔は、5mrad又は約0.29度であり得る。
[0176] いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、一次レーザビームを生成するように構成されたレーザエミッタと、一次レーザビームを、複数のレーザビームを提供する複数のサブビームに分割するように構成されたビームスプリッタとを含み得る。いくつかの実施形態では、光学系は、ビームスプリッタを含み得る。複数のレーザビームを生成することができるレーザアレイを上述してきたが、いくつかの実施形態では、LIDARシステム100のレーザ放出ユニット102は、一次レーザビームを生成するように構成されたレーザエミッタ112と、一次レーザビームを、所望の複数のレーザビームを提供し得る2つ以上のサブビームに分割するように構成されたビームスプリッタとを含み得ることも企図される。ビームスプリッタは、1つ以上のプリズム、部分的に銀めっきされたミラー、ダイクロイック光学コーティングを備えた偏向器などを含み得ることが企図される。
[0177] 図14Aは、初期レーザビームに対して45度の角度で配置された複数の積層されてコーティングされたガラスプレートを含み得る例示的なビームスプリッタ1440を示す。切断、コーティング、次いで接着の典型的な製造技法ではなく、図14Aのビームスプリッタ1440は、所望の反射率を提供するために個々のガラスプレート1410をコーティングすることによって製造され得る。コーティングされたプレート1420は、ボンディングされたプレートのスタック1430になるように積層されてボンディングされ得る。次いで、スタック1430は、個々のビームスプリッタ1440に切断され得る。Nスプリッタを生成するためのステップは、以下のことを含み得る。1)N-1個の平坦なガラスプレート1410から始める。2)コーティングされたプレート1420を用意するために、所望の反射率のために各プレートの片面をコーティングする。3)最後のプレートの裏側を約100%の反射コーティングでコーティングする。4)全てのプレートを一体に積層してスタック1430にし、次いでそれらを非屈折接着剤で接着する。及び5)プレートを3次元で切断して(図14Aに示される破線)、個々のビームスプリッタ1440を提供する。
[0178] ここに開示される実施形態と共に使用され得る別のタイプのビームスプリッタは、図14Bに示されているように、誘電体コーティングされた部分反射傾斜ミラーを有する成形バレルを含む。この実施形態では、レーザビームは、部分反射ミラーを透過されるときに分割され得て、そのようなミラーが直列に配置されるとき、入射レーザビームは複数回分割され得る。出力比は、各ミラーの部分反射率によって決定され得て、適合されたARコーティングを用いて制御され得る。そのような構成は、傾斜ミラー用のソケットを有する半分開いた成形バレルを含み得る。各ミラーは窓形状でよく、より大きなコーティングガラスプレートから切断され得る。そのようなビームスプリッタを製造するための製造ステップは、以下のことを含み得る。1)N個の薄いガラスプレート1440から始める。2)所望の反射率のために各プレートの片面を誘電体コーティングし、反対の面をAR約0.5%反射コーティングでコーティングする。3)各プレートから小さな窓形状の部片1450としてミラーを切断する。4)バレル1460を成形する。5)ミラー1450を成形バレル1460に結合する。
[0179] いくつかの実施形態では、出力メータが、上述したマルチビームスプリッタに一体化され得る。例えば、スプリッタの1つのポートは、レーザの出力を監視するために使用され得る。入射レーザビームをN個のサブビームに分割するように構成されたマルチポートスプリッタでは、スプリッタはN+1個のポートを含み得て、1つのポートが、レーザの出力を監視するためや、任意の不整を検出するためなどに使用され得る。図14Cに示されるように、出力を監視するための検出器1470(PD)は、(透過光を検出するために)レーザエミッタと共に一軸上に位置決めされ得て、又は代替としてビームスプリッタからの反射光を検出するために別の角度に向けられ得る。
[0180] 一実施形態では、入射レーザビームが4つの等しいサブビームに分割され得て、第5のポートは、レーザ出力を監視するためなどに使用され得る。しかし、出力を監視するために必要とされるビームは、分割されたサブビームと同様の強度を有する必要はない。例えば、一実施形態では、分割後の残留ビームは、入射レーザビーム出力/強度の約2%を表すことがあり、残留ビームはレーザ監視に使用され得る。この例は、以下の表1に示されるように、4つの界面で反射率及び透過率を有するコーティングを使用して提供され得る。
[0181] いくつかの実施形態では、ビームスプリッタは、複数のレーザビームの各々を透過させ、LIDARシステムの視野から受信された複数の反射ビームを再誘導するように構成され得る。図11Aは、ビームスプリッタ1110を含む例示的なLIDARシステム100を示す。図11Aに示されるように、LIDARシステム100は、1つ以上のレーザ光ビーム(例えば、1102、1104、1106、1108)を放出するように構成されたモノリシックレーザアレイ950を含み得る。1つ以上のレーザ光ビームは、ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108がビームスプリッタ1110に入射する前に、1つ以上のコリメータ1112によってコリメートされ得る。ビームスプリッタ1110は、レーザ光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108を通過させて、偏向器1121、1123に入射させることがあり、偏向器1121、1123は、レーザ光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108をFOV1170の方へ誘導するように構成され得る。図11Aには2つの偏向器1121、1123のみが示されているが、LIDARシステム100は、光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108の1つ以上をFOV1170の方へ誘導するように構成された3つ以上の偏向器1121、1123を含み得ることが企図される。FOV170内の1つ以上の物体は、光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108の1つ以上を反射し得る。図11Aに示されるように、反射光ビームは、レーザ光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158として表され得る。反射レーザ光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158は、ビームスプリッタ1110に直接入射するものとして図11Aに示されているが、光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158のいくつか又は全てが、偏向器1121、1123及び/又は別の偏向器によって、ビームスプリッタ1110の方へ誘導され得ることが企図される。光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158がスプリッタ1110に到達すると、スプリッタ1110は、FOV1170から受信された反射光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158を、レンズ1122を通して検出器1130の方へ誘導するように構成され得る。図11Aは、モノリシックレーザアレイ950によって放出される4個の光ビームを示しているが、モノリシックレーザアレイ950は、任意の数の光ビーム(例えば4個よりも少ない又は多い)を放出し得ることが企図される。
[0182] いくつかの実施形態では、ビームスプリッタは、複数のレーザビームの各々を再誘導し、LIDARシステムの視野から受信された複数の反射ビームを透過させるように構成され得る。例として、図11Bは、モノリシックレーザアレイ950、コリメータ1112、ビームスプリッタ1110、偏向器1121、1123、レンズ及び/又は光学フィルタ1122、及び検出器1130を含み得る例示的なLIDARシステム100を示す。図11Bに示されるように、モノリシックレーザアレイ950は、ビームスプリッタ1110に入射する前に、1つ以上のコリメータ1112によってコリメートされ得る1つ以上のレーザ光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108を放出し得る。ビームスプリッタ1110は、レーザ光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108の1つ以上を偏向器1121、1123の方へ誘導するように構成され得て、偏向器1121、1123は、1つ以上のレーザ光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108をFOV1170の方へ誘導するように構成され得る。上述のように、FOV1170内の1つ以上の物体は、レーザ光ビーム1102、1104、1106、及び/又は1108の1つ以上を反射し得る。反射レーザ光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158は、偏向器1121、1123によって、ビームスプリッタ1110に入射するように誘導され得る。反射レーザ光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158のいくつか又は全てが、偏向器1121、1123によってビームスプリッタ1110の方へ誘導されることなく、ビームスプリッタ1110に到達し得ることも企図される。図11Bに示されるように、ビームスプリッタ1110は、反射レーザ光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158がビームスプリッタ1110を通過して検出器1130に向かうことを可能にするように構成され得る。1つ以上のレンズ及び/又は光学フィルタ1122は、反射レーザ光ビーム1152、1154、1156、及び/又は1158を受信し、これらの光ビームを検出器1130の方へ誘導し得る。図11Bは、モノリシックレーザアレイ950によって入れられる4個の光ビームを示しているが、モノリシックレーザアレイ950は、任意の数の光ビーム(例えば4個よりも少ない又は多い)を放出し得ることが企図される。
[0183] いくつかの実施形態では、光学系は、複数のレーザビームが入射される少なくとも1つのフォールディングミラーを含み得る。例として、図7Aに示されているように、LIDARシステム100は、フォールディングミラー718を含み得る光学系701を含み得る。フォールディングミラー718は、クワッドレーザアレイ712から1つ以上のレーザビーム714を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光学系は、複数のレーザビームをコリメートするように構成された少なくとも1つのコリメーションレンズを含み得る。例えば、図7Aに示されているように、光学系701は、レーザビーム714をフォールディングミラー718の方へ誘導するように構成されたコリメータ716を含み得る。別の例として、図11A及び11Bに示されているように、LIDARシステム100は、レーザアレイ950から1つ以上のレーザビーム(例えば、1102、1104、1106、1108)を受信し、受信されたレーザビームをビームスプリッタ1110の方に誘導するように構成されたコリメータ1112を含み得る。いくつかの実施形態では、光学系は、複数のレーザビームを受信するように構成された受信レンズシステムを含み得る。例えば、コリメータ716又は1112の1つ以上は、それぞれレーザアレイ712又は950によって放出されたレーザビームの1つ以上を受け取るように構成された受信レンズシステムを含み得る。
[0184] いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影して、視野を横切る複数のスキャンラインに沿って視野を同時にスキャンするように構成され得る。いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、複数のレーザビームを受信するように構成されたスキャンユニットを含み得て、共通のスキャンユニットが、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成される。図7A及び8を参照して上述したように、LIDARシステム100は、スキャンユニット(例えば、720、860)を含み得る。いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、光透過性スキャンプリズムを含み得る。いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、回折ベースのスキャナを含み得る。いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、液晶オンシリコンスキャナを含み得る。いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、複数のレーザビームが入射される単一の二軸スキャンミラーを含み得る。いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、一対の単軸スキャンミラーを含む。スキャンユニット720、860は、レーザ光を視野の方へ誘導するように構成された様々な光学コンポーネントを含み得る。例えば、スキャンユニット720、860は、1つ以上の光透過性スキャンプリズム、回折素子、液晶偏向器、MEMミラーなどを含み得る。同様に上述したように、ビームスプリッタ(例えば、220又は1110)又はレーザアレイ(900、950など)から生じる2つ以上のビームは、スキャンミラーデバイス(例えば、720、860)に入射され得る。スキャンミラーデバイスは、機械作動式の単一の二軸スキャンミラーを含み得る。代替として、スキャンミラーデバイスは、2つ以上のミラー又は透過スキャナを含み得る。この構成は、従来のLIDARシステムに比べて以下の2つの重要な利益を提供し得る。1)ビームの各々は、離間され得て、LIDARシステム100が任意の範囲で目に安全であるように、目の安全性の閾値を下回るような強度を有し得る。2)ビームを単一のスキャンミラー(例えば、720、860)に提供し、スキャンミラーからFOVに投影されるビームが互いに垂直方向又は水平方向に配置されるようにすることで、FOV内に垂直スポット向きがないスキャンミラーに入射する単一ビーム又はミラーシステムごとのマルチビームと比較して、拡張された垂直FOVを提供し得る。
[0185] いくつかの実施形態では、二軸スキャンミラーは、傾斜軸及び走査軸を含む2つの軸で回転可能である。例えば、スキャンユニット720、860は、上記のセクションで述べたスキャナの任意のものを含む、任意のタイプのスキャンミラー配置を含み得る。いくつかの実施形態では、スキャンユニット720、860は、MEMミラー又はMEMミラーのアレイを含み得る。MEMSミラーは、直交し得る2つの軸の周りで回転可能であり得る。例えば、スキャンユニット720、860は、2つの概して直交する回転軸を有する図3BのMEMミラーと同様のMEMSミラーを含み得る。2つの軸の一方は、スキャンユニット720、860が傾斜することを可能にすることがあり(例えばレーザビームをFOVの上下方向に誘導する)、他方の軸は、スキャンユニット720、860がスキャンすることを可能にすることがある(レーザビームをFOVの左右方向に誘導する)ことが企図される。二軸2Dスキャンのミラーは、機械的構成(例えば、モータ駆動作動、磁気作動など)を使用して作動され得る。
[0186] いくつかの実施形態では、走査軸の周りでの二軸スキャンミラーの回転は、LIDARシステムの視野を横切る複数のスキャンラインに沿った複数のレーザビームの動きを引き起こす。例えば、いくつかのLIDARシステム100では、上述のように、2Dスキャナ(例えば、スキャンユニット720、860)などのスキャナを使用して、単一のレーザ源がLIDAR FOVにわたってスキャンされ得る。図12Aは、単一のレーザ源からのレーザ光ビームを、図示されるスキャンパターンにわたって誘導し得る2Dスキャンミラー(例えば、図3BのMEMミラー、又は二軸機械回転ミラーなど)を使用して得られる例示的なスキャンパターン1200を示す。分かりやすくするために、最大振幅が1になるように、軸上の値がスキャンの最大振幅に正規化されていることに留意するべきである。例えば、スキャンユニット720、860を走査軸の周りで順次に回転させることによって、スキャンライン1201によって表されるように、レーザ光ビームが複数の点に沿って左右方向に誘導され得る。更に、スキャンユニット720、860を走査軸の周りで順次に回転させることによって、レーザ光ビームが複数の点に沿って上下方向に誘導され得る。スキャンユニット720、860の複合2D運動は、スキャンライン1201、1203、1205などを含む図12Aのスキャンパターンを生成し得る。
[0187] 図12Aに示されるように、水平スキャンライン1201、1203、1205は等間隔である必要はない。例えば、地平線領域よりも上及び下のエリアなど、LIDAR FOVの特定の領域をスキャンするために、利用可能な最小傾斜増分よりも大きい、2Dスキャンミラーに関する垂直傾斜増分が選択され得る。図示される例では、スキャンの中心よりも上及び下の領域は、スキャンの中心の垂直傾斜増分とは異なる垂直傾斜増分でスキャンされ得る。スキャンの中心は、例えば地平線に向けられ得る。例えば、スキャンの中心よりも上及び下の領域は、例えばレーザアレイ角度サイズ全体に対応し得る0.6°の垂直傾斜増分を使用してスキャンされ得、したがって、アレイでのレーザピッチに等しい粗いサンプリング解像度を生成する。レーザピッチは、レーザアレイのアクティブレーザ光放出領域間の中心間距離を指す。しかし、スキャンの中心を含む領域では、より近接して離間されたスキャンラインをその領域内に提供する、更にはより高いサンプリング/点群解像度をその領域内に提供するために、最小の垂直傾斜角が使用され得る。レーザアクティブエリア対非アクティブの比が1:N-1であると仮定して、ライン間隔はN倍に詰められ得る。この例では、点群の垂直解像度はライン間隔に依存し得、水平解像度は、2Dスキャンミラーが各水平スキャンラインに沿ってスキャンするときに単一のレーザ源がパルスされる周波数に依存し得る。パルス周波数が高いほど、LIDARシステムからの生成される点群の生じ得る水平解像度が高くなる。
[0188] いくつかの実施形態では、傾斜軸の周りでの二軸スキャンミラーの回転は、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへの複数のレーザビームの変位をもたらし得る。LIDARシステム100のいくつかの実施形態では、単一のレーザ光源に依拠するのではなく、複数のレーザ光源が使用され得ることが企図される。1つ以上のレーザ源からの光ビームが分割されて、スキャンに利用可能な複数のレーザビームを提供し得ることも企図される。同様に上述したように、LIDAR FOVをスキャンするための複数のレーザビームを提供するために、レーザアレイ(例えば、上記のセクションにおける例で述べた1Dレーザアレイ)が使用されてもよい。レーザアレイ(例えば、950)又はビームスプリッタ(例えば、220、1110)のいずれかからの複数のレーザ光ビームがスキャンユニット(例えば、720、860)に誘導されるとき、走査軸の周りでのスキャンユニット720、860の回転は、第1の位置セットを横切る複数の水平スキャンラインを生成し得る。更に、傾斜軸の周りでのスキャンユニット720、860の回転は、複数の水平スキャンラインを垂直方向にシフトし、それによって、第1の位置セットから垂直方向に離間された第2の位置セットを横切る第2のスキャンラインセットを生成し得る。いくつかの実施形態では、走査軸の周りでの回転速度は、傾斜軸の周りでの回転速度よりも速いことがある。図12Bは、複数のレーザビームを使用して得られたスキャンパターン1220を示す。図12Bに示されるように、複数のレーザビームは、水平スキャンライン1221、1223、1225などの生成を可能にし得る。スキャンユニット720、860が傾斜軸の周りで回転するとき、水平スキャンライン(例えば、1221、1223、1224、1225など)は、傾斜軸の周りでのスキャンユニット(例えば、720、860)の回転に対応する距離DHだけ垂直方向に変位され得る。
[0189] いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、第1の単軸スキャンミラー及び第2の単軸スキャンミラーを含み得、複数のレーザビームは、第1の単軸スキャンミラーに入射され、その後、第2の単軸スキャンミラーに進む。2つの回転軸の周りで回転することができるスキャンユニット720、860について上述したが、いくつかの実施形態では、スキャンユニット720、860は、1つの回転軸の周りでのみ回転することができるミラー又は偏向器を含み得る。例として、スキャンユニット720、860は、図3Aのミラーと同様のミラー又は偏向器を含み得る。これらの実施形態では、第1の単軸スキャンミラーは、レーザ放出ユニット102からレーザ光ビームを受信し、レーザ光ビームを第2の単軸スキャンミラーに誘導し得、第2の単軸スキャンミラーは次いで、レーザ光ビームを視野の方へ誘導し得る。
[0190] いくつかの実施形態では、第1の単軸スキャンミラーは、LIDARシステムの視野を横切る複数のスキャンラインに沿った複数のレーザビームの動きを引き起こすために、走査軸の周りで回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の単軸スキャンミラーは、傾斜軸の周りで回転して、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへの複数のレーザビームの変位を引き起こすように構成され得る。例えば、2つ以上の1Dスキャナの組み合わせを使用することによって、例えば、第1及び第2の単軸スキャンミラーを2つの異なる回転軸の周りで回転させることによって、スキャンパターン1200又は1220と同様の2Dスキャンが生成され得る。例として、図11A及び11Bは、1対の偏向器1121、1123を示し、それらの一方は走査軸の周りで回転可能であり得、他方は傾斜軸の周りで回転可能であり得る。例えば、図11Bに示されるように、第1の単軸スキャンミラー1121は、第1の軸(例えば、垂直軸又は走査軸)の周りで左右方向に回転可能であり得、レーザビーム1102、1104、1106、1108などが、図12Bに示されているライン1201、1203、1205などと同様の水平スキャンラインを生成できるようにする。更に、第2の軸(例えば、第1の軸に垂直な軸、又は傾斜軸)の周りで第2の単軸スキャンミラー1123を回転させることで、スキャンライン1201、1203、1205などを、図12Bに示されているように距離DHだけシフトし得る。
[0191] いくつかの実施形態では、LIDARシステムの視野は、6度~90度の間の垂直角度寸法を有し得、LIDARシステムの視野は、20度~140度の間の水平角度寸法を有し得る。上述のように、スキャンユニット720、860は、走査軸及び/又は傾斜軸の周りで回転して、所望の視野にわたってレーザ光を投影し得る。視野内の1つ以上の物体の存在を検出するために、視野からの反射レーザ光ビームが検出され得る。視野の範囲は、スキャンユニット720、860のそれぞれの走査軸及び傾斜軸の周りでの最大回転スパン、レーザビームの発散角、並びにスキャンユニット720、860から投影される複数のレーザビーム間の角度を含む多くの因子に依存し得る。いくつかの例示的な実施形態では、視野は、20度~140度の範囲内のスキャン角度、及び6度~90度の範囲内の傾斜角にわたって広がり得ることが企図される。FOVの範囲は、ワールド座標に関して述べられていることを理解されたい。例えば、スキャンユニット720、860は、140度×44度のFOVを提供することができる20×20mmの二軸回転ミラーを含み得る。
[0192] いくつかの実施形態では、LIDARシステムの視野のスキャンは、5Hz~40Hzの間のフレームレートで行われ得る。したがって、例えば、視野内の1つ以上の物体の位置の任意の変化を連続的に検出することができるように、視野のスキャンが毎秒又は毎分に多数回反復され得る。一実施形態では、スキャンユニット720、860は、20Hzのフレームスキャンレート(例えば、毎秒20回)で視野をスキャンし得る。スキャンユニット720、860は、特定の用途の要件に応じて、特定のスキャンレート又は5~50Hzまでのスキャンレート範囲をサポートするように構成され得ることを理解されたい。1つの例示的な実施形態では、16個の放出されたパルス光ビームが、スキャンユニット720、860からFOVに向けて投影され得る。反射レーザ光ビームによって形成されるスポットは、0.07度×0.10又は0.11度のサイズを有し得る。スポットの垂直配置は、レーザ源アレイ上のレーザ源の構成に依存し得る。例えば、各レーザ源間の空間の量は、返されるスポット間に対応する空間をもたらし得る。
[0193] 1つの例示的な実施形態では、レーザビームスポットは、0.1度の垂直角度寸法を有し得、約0.2度(又は開空間対レーザエミッタの約2:1の比)だけ離間され得る。16個のチャネルの場合、FOVに向けて投影される光ビームの全体的な垂直パターン(又は「コーム」)は、約4.6度の角度高さを占めることがある。このコームは、2Dスキャナ(例えば、スキャンユニット720、860)によってFOVの幅にわたって水平方向に操舵され得て、水平解像度は、スキャン速度及びレーザ源のパルスレートによって決定され得る。2Dスキャナがその水平限界に到達すると、2Dスキャナが垂直方向に増分され(例えば傾斜軸の周りで回転され)、新たな水平スキャンラインセットでFOVの水平スキャンを続行し得る。当然、他の例では、他のパルスレート、スキャンレート、レーザサイズ、レーザ間隔なども使用され得る。更に、開示される例は、FOVにわたって水平方向にスキャンされる垂直コームパターンに関して述べられているが、いくつかの実施形態は、水平向きの光源アレイを採用してもよく、透過レーザ光スポットの水平向きの1DアレイがFOVにわたって垂直方向にスキャンされる。更に、レーザ源の2Dアレイも採用され得る。レーザは、正方形若しくは長方形のパターン、又は任意の他のタイプのパターン(例えば六角形配列など)で配置され得る。開示される数値は例示的及び非限定的であることを理解されたい。
[0194] いくつかの実施形態では、複数のレーザビームは、単一の二軸スキャンミラーの共通の位置に入射される。例として、図7Aに示されているように、複数のレーザ光ビーム714が、MEMSミラー720での共通の位置722に誘導され得る。しかし、他の実施形態では、複数のレーザ光ビーム714は、MEMSミラー720の異なる部分に誘導され得ることが企図される。MEMSミラー720の回転は、レーザ光ビーム714を視野の方へ誘導するように調節され得る。MEMSミラー720によって視野の方へ誘導された複数のレーザ光ビームは、等しい角度又は等しくない角度だけ互いに分離され得る。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームは、単一の二軸スキャンミラーから投影され得、隣接するビーム間の角度間隔は少なくとも2.5mradであることが企図される。いくつかの実施形態では、角度間隔が2.5mrad~15mradの範囲であり得ることが企図される。
[0195] いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、一連のスキャンラインに沿った複数のレーザビームでのLIDARシステムの視野のスキャンを引き起こすために、共通のスキャンユニットの1つ以上のコンポーネントの向きを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。例えば、本開示の別の箇所で記載されるとおり、スキャンユニット720、860は、スキャンユニット720、860が1つ又は2つの別個の軸の各々に沿って特定の角度に向かって回転し得るように、プロセッサ(例えば、118)によって個々に制御され得る。スキャンユニット720、860を制御することによって、プロセッサ118は、1つ以上のレーザ光ビームを視野の異なる部分の方へ誘導することができることがあり、それによって、LIDARシステム100が、上述のように1つ以上のレーザ光ビームを使用して視野をスキャンできるようにする。
[0196] いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、LIDARシステムの視野から受信された反射ビームに応答して電気信号を放出するように構成された検出器を含み得る。例えば、上述のように、LIDARシステム100は、視野内の1つ以上の物体を検出するように構成された1つ以上の検出器(例えば、検知ユニット116)を含み得る。検出器116は、視野120から反射されて戻るレーザ光を検出するための複数の検出要素402を含み得る。検出器は、上記のセクションで論じた検出器の任意のものと同様に構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、検出器は、センサのアレイ(例えば、マルチチャネルSiPMセンサアレイ又はSPADアレイ又はAPDアレイ)を含み得る。検出器は、検出器チャネル、SPAD、SIPM、APDなどのアレイを含み得る。
[0197] いくつかの場合には、検出器は、1D構成で配置され得る。いくつかの実施形態では、検出器は、光感受性アクティブ領域の単一のモノリシックアレイを含み得る。例えば、検出器116は、単一のシリコンウェーハ上に製造され得るモノリシック検出器であり得る。図11A及び11Bは、例示的なモノリシック検出器1130を示す。いくつかの実施形態では、光感受性アクティブ領域は、1つ以上の非アクティブ領域によって互いに分離され得る。例えば、図11A及び11Bに示されているように、モノリシック検出器1130は、非アクティブ領域1134によって分離された複数の光感受性アクティブ領域1132を含み得る。アクティブ領域1132及び1134のサイズは、等しくても等しくなくてもよい。
[0198] いくつかの実施形態では、検出器内の光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比は1:1である。例えば、いくつかの実施形態では、1D検出器1130は、アクティブ域対非アクティブ領域の1:1の比で動作するように構成され得る。これは、いくつかの方法で達成され得る。例えば、図13Aに示されているように、検出器1130は、n個のアクティブ領域(n~n)及びN-1個の非アクティブ領域(m~mN-1)を含み得、アクティブ領域の各対は、非アクティブ領域によって分離され得る。図13Aに示されているように、1D検出器は、等しいサイズのアレイ内で1つの非アクティブ領域1312に隣接するアクティブ領域1310の交互反復シーケンスを含み得る。したがって、アクティブ対非アクティブ領域の比は1:1であり得る。
[0199] いくつかの実施形態では、検出器内の光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比は1:2である。1:1アレイに加えて、上記の図13Aによって表されているように、1:2の比のアレイも使用され得る。例えば、図13Bに示されているように、検出器1130は、代わりに、非アクティブ領域1322に隣接するアクティブ領域1310の交互反復シーケンスを含み得て、非アクティブ領域1322は、各アクティブ領域1310の幅の2倍の幅を有し得る。レーザ源と非アクティブ空間との他の比も企図される。いくつかの実施形態では、検出器内の光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比は1:3である。いくつかの実施形態では、検出器内の光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比は1:5である。いくつかの実施形態では、検出器内の光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比は1:1~1:10の間である。図13Cは、アクティブ対非アクティブ領域の比が1:5である例を示す。この例では、各アクティブ領域1310は、アクティブ領域1310の幅の5倍に等しい幅を有する非アクティブ領域1324によって分離される。
[0200] モノリシック検出器1130には、任意の数のアクティブ及び非アクティブ領域が存在し得る。例えば、図13A~13Cでの検出器アレイ1310に関するNは、1から任意の所望の数までの範囲であり得る。したがって、例えば、Nは、4、8、16、32、64などでよい。いくつかの実施形態では、検出器は、4個の光感受性アクティブ領域を含み得る(例えばN=4)。いくつかの実施形態では、検出器は、8個の光感受性アクティブ領域を含み得る(例えばN=8)。いくつかの実施形態では、検出器は、16個の光感受性アクティブ領域を含み得る(例えばN=16)。いくつかの実施形態では、検出器は、32個の光感受性アクティブ領域を含み得る(例えばN=32)。
[0201] いくつかの実施形態では、複数のレーザビームの2つ以上が、互いに異なる発散(divergence)を有し得る。レーザビーム(例えば、714、1102、1104、1106、1108など)の各々は、図7A、11A、11Bなどに単一のラインとして示されているが、各レーザビームは、レーザ照射システム102から出た後に発散すると予想される。したがって、各レーザビーム714、1102、1104、1106、1108は、視野に向かって距離が増加するにつれて互いに発散する複数の光線によって表され得る。異なるレーザビーム(例えば、714、1102、1104、1106、1108など)の発散量又は発散角は等しくても等しくなくてもよいことも企図される。いくつかの実施形態では、反射ビームの各々が、光感受性アクティブ領域の2つ以上に入射するビームスポットを生成し得る。各レーザビームを表す複数の光線は、視野から反射され得る。複数の反射光線は、検出器(例えば、1130)にスポットを形成し得る。いくつかの実施形態では、反射レーザ光ビーム光線のスポットは、例えば、検出器1130の1つのアクティブ領域1310のみに、又は検出器1130の2つ以上のアクティブ領域に入射し得ることが企図される。図13Aは、検出器1130の2つ以上のアクティブ領域1310(例えば、n2、n3)に入射し得る例示的なスポット1350を示す。スポット1350が複数のアクティブ領域1310に入射することを保証することによって、複数のアクティブ領域が、レーザビームを反射した検出された物体に対応する信号を生成することを保証することを可能にし得る。検出された物体上の領域に対応する個別の信号により、その領域に関する解像度の増加を可能にし、すなわち、各アクティブ領域は、検出された物体の領域内のサブ領域の個々の画素である。
[0202] いくつかの実施形態では、アクティブ領域間の距離と検出器に入射するビームスポット間の距離との比は所定の値である。例として、レーザアレイから放出されたレーザビームによって生成されるビームスポット間の距離は、検出器1130のアクティブ領域(例えば、1132)間の距離の所定の倍数であり得る。したがって、例えば、ビームスポット間の間隔は、検出器1130のアクティブ領域1132間の間隔の0.5倍、1.0倍、又は1.5倍であり得る。また、各ビームスポットのサイズは、アクティブ領域1132のサイズの倍数であり得る。例として、各ビームスポットは、アクティブ領域1132のサイズの0.5倍、1.0倍、又は1.5倍であり得る。スケーリング因子0.5、1.0、1.5などは例示的及び非限定的であり、他のスケーリング因子も企図されることを理解されたい。
[0203] いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、反射ビームを検出器のそれぞれの光感受性アクティブ領域に誘導するように構成されたマイクロレンズのアレイ及び/又はディフューザを含み得る。複数のビームを使用するとき、検出器1130は、各ビームが検出器1130の1つ以上のアクティブ領域に入るように構成され得る。これらの場合、検出器1130のピッチ(例えばアクティブ間の中心間距離)が、レーザアレイ900、950などのアクティブレーザ放出領域間のピッチに対応することが必要であり得る。検出器1130のアクティブ領域間の空間は、シリコン上の「デッド(dead)」な空間であり得て、このデッド空間を最小限に抑えることが有利である。エミッタ構成が変わるたびに(例えば、ピッチ、エミッタ間の空間など)、それに応じて検出器構成が変更される必要があり得る。
[0204] この問題に対処するために、ビームを検出要素上の特定の領域に拡張又は投影するためにビーム用の「アダプタ」が提供され得る。そうすることで、反射レーザ光ビームが、検出器1130の平面ではなくアダプタ平面に像を生成することが可能になり得る。アダプタは、マスクと、ビームを正しい検出要素に拡張又は拡散(発散)するための要素とを含み得る。この要素は、ディフューザであり得る、又は1つ以上のマイクロレンズを含み得る。したがって、例えば、マイクロレンズのアレイは、アダプタによって受信された光を検出器1130の適切なアクティブ領域に誘導するために使用され得る。そのようなアダプタを使用することにより、検出器1130を(より少ないデッド空間で)より大きなサイズに拡張できるようになり得て、そこに反射レーザ光ビームが拡散され得る。このアダプタの追加の利点は、エミッタ構成への検出器の依存を切り離し得ることであり得る。例えばレーザアレイ900又は950でのレーザ放出アクティブ領域間のピッチが変更される場合、適切なアダプタ要素は、全く新しいシリコン製造検出器を用意する必要なく、反射レーザ光ビームを検出器1130のアクティブ領域に誘導するために使用され得る。
例示的な実施:偏向器の傾斜増分を変えることによる可変解像度マルチビームスキャンを備えたLIDARシステム
[0205] LIDARシステムは、2つ以上のビームを放出する放出システムを使用し得る。いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、単一の光源から生じるレーザビームを2つ以上のビームに分割するためにビームスプリッタを使用し得る。代替として、放出システムは、レーザアレイを含み得、レーザアレイは、レーザ光の2つ以上のビームを生成し得る2つ以上のレーザエミッタを含み得る。2つ以上のビーム(ビームスプリッタ又はレーザアレイから生じる)は、スキャンデバイス(例えば、スキャンミラー、プリズム、又は他のタイプのスキャンデバイス)に入射され得る。いくつかの場合には、スキャンデバイスは、単一の二軸スキャンミラーを含み得る。代替として、スキャンデバイスは、2つ以上のミラー、又は透過スキャナを含み得る。この構成は、以下のようなものなど、従来のLIDARシステムに関する特定の利益を提供し得る。1)ビームの各々は、LIDARシステムの目の安全性が任意の範囲で改良されるように離間され得る。及び2)一緒に生成され得る複数の揃えられたビームを含むマルチビームシステムは、視野に対して、又は視野の一部分に対してスキャン解像度を選択的に制御する機能を提供し得る。
[0206] 例えば、システムは、システムが視野をスキャンするために水平向きのスキャンラインを採用するか垂直向きのスキャンラインを採用するかに応じて、垂直方向又は水平方向で可変解像度を提供するように任意選択的に動作又は構成され得る。一実施形態では、分割されたレーザビームから生じるスポットは互いに等距離であり得、スキャンミラーは最小垂直傾斜増分に関連し得る(例えば最大解像度に関連する0.2度)。いくつかの場合には、スキャンミラーは、FOVの選択された領域にわたって可変垂直間隔のスキャンラインを生成するために、最小垂直傾斜増分よりも大きい傾斜増分を使用して動作され得る。他の場合には、結果として得られるスポットが等距離ではなく、しかし地平線に重なる領域で垂直方向に沿ってより近接して離間され得るように、ビームが分割され得る。更に他の実施形態では、ミラー傾斜角とスポット間隔との組み合わせにより、2つ以上の異なるスポットからのスキャンラインの重複又はインターリーブが可能になり得、ミラーの最小垂直傾斜増分によって提供される最大解像度よりも高いスキャン解像度を可能にし得る。
[0207] そのような可変解像度は、FOVの各スキャンに関連する処理オーバーヘッドを低減する機会を提供し得る。例えば、地平線近くの領域に関連し得、典型的には、より遠い物体を含む、又は関心がある物体をより高密度で含み得るFOVの中間領域(例えば、関心領域又は関心エリア)は、(例えば、より近接して離間された垂直向きのレーザスポット及び/又はより近接して離間されたレーザスキャンラインに関連するスキャンを使用して)比較的高い解像度でスキャンされ得る。対照的に、LIDARに対してより近接して位置する物体を含み得る、地平線からより遠いFOVの領域は、より低い解像度でスキャンされ得る(例えば、より広く離間されたスポット及び/又はスキャンラインを使用して)。更に、LIDARシステムは、1つ以上の光源を含み得て、光源の各々からのビームが2つ以上の分割ビームに分割される。
[0208] いくつかの実施形態では、開示されるLIDARシステムは、複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットと、複数のレーザビームを受信するように構成されたスキャンユニットであって、共通のスキャンユニットが、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成された、スキャンユニットと、少なくとも1つのプロセッサとを含み得る。開示されるLIDARシステムは、図7A、8、11A、11Bなどのシステムなど、他の開示されるLIDARシステムに関して上述したものと同様の特徴を含み得る。2Dスキャナ(例えば、720、860)は、上述した構成の任意のものを含む、任意のタイプのスキャンデバイス構成を含み得る。いくつかの場合には、2Dスキャナは、MEMミラー又はMEMミラーのアレイを含み得る。他の場合には、単一の比較的大きなミラー(例えば、約20mm×20mm、又は30mm×18mm)が使用され得る。いくつかの場合には、二軸2Dスキャナのミラーは、機械的配置(モータ駆動作動、磁気作動など)を使用して作動され得る。いくつかの場合には、2Dスキャンを生成するために、2つ以上の1Dスキャナ及び/又は回転多角体の組み合わせが使用され得る。
[0209] いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、複数のレーザビームを受信するように構成された二軸スキャンミラーを含み得、二軸スキャンミラーは、複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成される。いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、複数のレーザビームが入射される単一の二軸スキャンミラーを含み得る。いくつかの実施形態では、二軸スキャンミラーは、傾斜軸及び走査軸を含む2つの軸で回転可能である。上述のように、スキャンユニット720、860は、上記のセクションで述べた構成の任意のものを含む、任意のタイプのスキャンミラー構成を含み得る。いくつかの実施形態では、スキャンユニット720、860は、MEMミラー又はMEMミラーのアレイを含み得る。MEMSミラーは、直交し得る2つの軸の周りで回転可能であり得る。例えば、スキャンユニット720、860は、図3BのMEMSミラーと同様の、2つの概して直交する回転軸を有するMEMミラーを含み得る。2つの軸の一方は、スキャンユニット720、860が傾斜することを可能にすることがあり(例えばレーザビームをFOVの上下方向に誘導する)、他方の軸は、スキャンユニット720、860がスキャンすることを可能にすることがある(レーザビームをFOVの左右方向に誘導する)ことが企図される。更に、いくつかの実施形態では、走査軸の周りでの回転速度は、傾斜軸の周りでの回転速度よりも速いことがある。したがって、走査軸は速軸と呼ばれることがあり、傾斜軸は遅軸と呼ばれることがある。上述した全てのレーザ放出ユニット及びスキャン配置が、LIDARシステム100のこれらの開示される実施形態で実装され得ることに留意するべきである。
[0210] いくつかの実施形態では、共通のスキャンユニットは、第1の単軸スキャンミラー及び第2の単軸スキャンミラーを含み得、複数のレーザビームは、第1の単軸スキャンミラーに入射され、その後、第2の単軸スキャンミラーに入射される。上述のように、いくつかの実施形態では、スキャンユニット720、860は、1つの回転軸の周りでのみ回転することができるミラー又は偏向器を含み得る。例として、スキャンユニット720、860は、図3Aのミラーと同様のミラー又は偏向器を含み得る。これらの実施形態では、第1の単軸スキャンミラーは、レーザ放出ユニット102からレーザ光ビームを受信し、レーザ光ビームを第2の単軸スキャンミラーに誘導し得、第2の単軸スキャンミラーは次いで、レーザ光ビームを視野の方へ誘導し得る。
[0211] いくつかの実施形態では、複数のレーザビームは、複数のレーザビームが互いに角度的に等距離になり得るように、共通のスキャンユニットから投影され得る。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームは、少なくとも2.5mrad~6mradの隣接するビーム間の角度間隔で共通のスキャンユニットから投影される。上述のように、例えば、図7Aの例示的なスキャンユニット720に関して、スキャンミラー構成によって視野の方へ誘導された複数のレーザ光ビームは、等しい又は等しくない角度だけ互いに分離され得る。いくつかの実施形態では、角度間隔が2.5mrad~6mradの範囲であり得ることが企図される。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームから生じるLIDARシステムの視野内のビームスポットは、互いに等距離であり得る。上述のように、FOVの方へ誘導された複数のレーザビームの各々は、FOV内にビームスポットを生成し得る。同様に上述したように、複数のビームは、等しい又は等しくない角度だけ互いに分離され得る。その結果、複数のレーザビームによって形成されるFOV内のビームスポットは、ビームが等しい角度だけ分離されるとき、等距離になり得る。
[0212] いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、レーザアレイの形でのレーザ源を含み得る。レーザアレイからの光は、2Dスキャナに入射され、LIDAR視野(FOV)に投影され得る。FOVから戻る光反射は、2Dスキャナで受信され得て、2Dスキャナが反射光をセンサアレイに誘導し、センサアレイが反射光を検出する。飛行時間計算を実行して、FOV内の様々な物体までの距離を決定し得、FOVの各スキャンごとに距離値の点群が生成され得る。いくつかの実施形態では、レーザアレイから放出されたレーザ光を2Dスキャナに、及びFOVに向けて透過するため、並びに2Dスキャナで受信された反射光をFOVからセンサアレイに誘導するために、共通の光学経路が使用され得る。そのような構成は、複雑さの低減、コスト低減、信頼性、及び性能の面で大きな利点を提供し得る。
[0213] 様々なレーザ源が採用され得る。いくつかの場合には、レーザアレイに関連するレーザ源は、860nm~950nmの波長を有するパルスレーザを含む。いくつかの場合には、レーザ源は、約905nmの波長を有し得る。2Dパターン又は1Dパターンで配置され得るレーザアレイに複数のレーザ源が含まれ得ることも企図される。いくつかの場合には、複数の(例えば2つ以上の)レーザ源を含むレーザバーアレイを提供するために、レーザ源が1D構成で配置され得る。
[0214] いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、一次レーザビームを生成するように構成されたレーザエミッタと、一次レーザビームを、複数のレーザビームを提供する複数のサブビームに分割するように構成されたビームスプリッタとを含み得る。開示される実施形態では、単一の入射レーザビームから2つ以上のサブビームを生成するために、様々なタイプのビームスプリッタが使用され得る。いくつかの場合には、開示される実施形態は、単一のレーザ源からマルチチャネル光学系を作成するために、増倍レーザビームスプリッタ(マルチスプリッタ)を含み得る。従来のビームスプリッタの拡張として、マルチスプリッタは、所望の出力比で、レーザビームを所望の数のビームに分割し得る。単一のレーザ源の使用により、システムのサイズ、消費電力、及び光学コンポーネントの大幅な低減が可能になり得ると共に、チャネル同期及び相関が高まる。
[0215] マルチスプリッタは、LIDARシステムによって採用される905nm、1550nmなどを含む様々な波長のレーザと共に使用され得る。マルチスプリッタは、VIS-NIR用のガラス、IR用のGaAs、シリコン、及び様々なポリマーなどの産業用誘電体材料から作成され得る。更に、AOI範囲、透過率、温度、及び偏光の不変性、コストなどの特定の要件に応じて、誘電体コーティング又は薄い金属堆積のいずれかが使用され得る。マルチスプリッタは、自由空間ビームスプリッタ、又は導波路(例えばファイバ)スプリッタでよく、これは、典型的にはシングルモード1550nmレーザに関して選択され得る。レーザからの光は典型的には偏光され、記載されるビームスプリッタは偏光に対して高感度であり得る。
[0216] 図15は、開示されるLIDARシステム100の光学構成に関する追加の詳細を提供する。この例では、レーザ源1502は、それぞれが約905nmの波長を有する1Dアレイに配置された16個のレーザエミッタを含み得る。16個のレーザエミッタから放出される光は、例えばレンズやコリメータなどを含む、光路に関連する様々な光学コンポーネントを通って進み得る。図15の2Dスキャナ1510は、20Hzのフレームスキャンレートでスキャンされる140度×44度のFOVを提供することができる20×20mmのミラーを含み得る。スキャナは、特定の用途の要件に応じて、特定のスキャンレート又は最大5~50Hzのスキャンレート範囲をサポートするように構成され得る。16個の放出されたパルスレーザ光ビームは、2Dスキャナ1510からFOVに向けて投影され得る。上述のように、FOVに向けて投影されたビームの一部又は全部は、FOV内の1つ以上の物体によって反射され得る。反射レーザビームは、LIDARシステム100に関連する検出器(例えば1520)にレーザ光のスポットを形成し得る。図15に示されているように、FOVから戻される反射レーザ光のスポットはそれぞれ、約0.07度×0.10又は0.11度のサイズを有し得る。反射レーザ光スポットは、検出器1520によって受信され得る。反射レーザ光スポットの垂直配置は、レーザ源アレイ上のレーザ源(又はエミッタ)の構成にも依存し得る。例えば、レーザ源の隣接する対の間の空間の量は、FOVから反射されるレーザ光のスポットの対応する対の間に対応する空間をもたらし得る。
[0217] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、FOVを横切る第1の複数のスキャンラインに沿って複数のビームを誘導することによって、スキャンユニットにLIDARシステムの視野をスキャンさせるようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、走査軸の周りでの二軸スキャンミラーの回転は、LIDARシステムの視野を横切る第1の複数のスキャンライン及び第2の複数のスキャンラインに沿った複数のレーザビームの動きを引き起こす。上述のように、スキャンユニット(例えば、720、860)は、単一のレーザビーム又は複数のレーザビームを受信し、ビームをFOVに誘導するように構成され得る。同様に上述したように、プロセッサ118は、走査軸の周りでスキャンユニット720、860を回転させて、1つ以上のスキャンライン(例えば、1201、1203、1205など)の形でFOVの一部分にわたって左右方向にレーザビームを誘導するように構成され得る。同様に上述したように、スキャンユニット720、860は、複数のレーザビームを受信するとき、走査軸の周りで回転して、コームの形での1つ以上のスキャンライン(例えば、1221、1223、1225など)の形で、FOVの一部分にわたってレーザビームを左右方向に誘導するように構成され得る。
[0218] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、複数のレーザビームを、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットに変位し、第2の複数のスキャンラインに沿って複数のレーザビームを誘導するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、傾斜軸の周りでの二軸スキャンミラーの回転は、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへの複数のレーザビームの変位をもたらし得る。更に上述のように、プロセッサ118は、傾斜軸の周りでのスキャンユニット720、860の回転を引き起こし、複数の水平スキャンライン(例えば、1221、1223、1225など)を垂直方向にシフトさせる、それによって、第1の位置セットから垂直方向に離間された第2の位置セットを横切る第2のスキャンラインセットを生成し得る。図12Bは、複数のレーザビームを使用して得られたスキャンパターン1220を示す。図12Bに示されるように、複数のレーザビームは、水平スキャンライン1221、1223、1224などの生成を可能にし得る。スキャンユニット720、860が傾斜軸の周りで回転するとき、水平スキャンライン(例えば、1221、1223、1224など)は、傾斜軸の周りでのスキャンユニット(例えば、720、860)の回転に対応する距離DHだけ垂直方向に変位され得る。
[0219] いくつかの実施形態では、第1の複数のスキャンライン及び第2の複数のスキャンラインは、LIDARシステムの視野に対して水平方向に向けられ得る。図15に示されているように、レーザ源は、0.1度の垂直角度寸法を有し得、約0.2度(又は開空間対レーザエミッタの約2:1の比)だけ離間され得る。16個のチャネルの場合、FOVに向けて投影される複数の光ビームの全体的な垂直パターン(又は複数の光ビームによって形成される「コーム」)は、約4.6度の角度高さを占めることがある。レーザ光ビームのこのコームは、走査軸の周りで2Dスキャナ1510を回転させることによってFOVの幅にわたって水平方向に操舵され得て、水平解像度は、スキャン速度及びレーザ源のパルスレートによって決定され得る。一例では、2Dスキャナ1510がその水平限度に到達すると、2Dスキャナ1510が、傾斜軸の周りで垂直方向に増分的に回転され、新たな水平スキャンラインセットでFOVの水平スキャンを続行し得る。当然、様々なパルスレート、スキャンレート、レーザサイズ、レーザ間隔なども使用され得る。
[0220] 1Dレーザアレイを上述してきたが、レーザ源の2Dアレイも採用され得る。レーザは、正方形若しくは長方形のパターン、又は任意の他のタイプのパターン(例えば六角形配列など)で配置され得る。スキャナ1510は、上述した1つ以上のスキャナ(例えば、スキャンユニット720又は860)と同様であり得ることも理解されたい。
[0221] 上述の例は、16個のレーザチャネル(又はアレイ内の16個のレーザ光源)を含む。他の数のレーザ源も使用され得る。例えば、いくつかの実施形態は、4、8、32、64個のレーザ源、又は任意の他の所望の数のレーザ源を含み得る。レーザ光源は、1Dアレイ内で様々な構成で配置されてもよい。上述の図10A~10Gは、1Dアレイに配置されたレーザ光源のいくつかの例示的な構成を表す。
[0222] LIDARシステムの利用可能な解像度は、多くの因子に依存し得る。いくつかの場合には(例えば、単一のレーザ源システム)、解像度は、スキャンラインの間で使用されるミラー傾斜増分、及びスキャンラインにわたってスキャンする間に使用されるレーザパルス周波数を含む因子に依存し得る。マルチレーザシステムなどの他の場合には、利用可能な解像度は、ミラー傾斜増分、及びスキャン中のレーザパルス周波数に加えて、レーザアレイ(例えば、950)内のレーザ源間の間隔に依存し得る。
[0223] 例えば、いくつかのLIDARシステムでは、上述のように、2Dスキャナなどのスキャナを使用して、単一のレーザ源がLIDAR FOVにわたってスキャンされ得る。図12Aに示されているように、2Dスキャンミラー(例えば、MEMミラーや二軸機械回転ミラーなど)が、FOVにわたって単一のレーザ源からの光をスキャンするために使用され得る。水平スキャンライン1201、1203、1205などは、等間隔でなくてもよい。例えば、地平線領域よりも上及び下のエリアなど、LIDAR FOVの特定の領域をスキャンするために、利用可能な最小傾斜増分よりも大きい、2Dスキャンミラーに関する垂直傾斜増分が選択され得る。図12Aに示されている例では、水平線よりも上及び下の領域は、例えばアレイでのレーザピッチに対応し得る0.6°の垂直傾斜増分を使用してスキャンされ得、アレイでのレーザピッチに等しい粗いサンプリング解像度を生成する。しかし、地平線を含む領域では、より近接して離間されたスキャンラインをその領域内に提供する、更にはより高い点群解像度をその領域内に提供するために、最小の垂直傾斜角が使用され得る。
[0224] 図12Aに示されている例では、点群の垂直解像度はライン間隔に依存し得、水平解像度は、2Dスキャンミラーが各水平スキャンラインに沿ってスキャンするときに単一のレーザ源がパルスされる周波数に依存し得る。パルス周波数が高いほど、LIDARシステムからの生成される点群の生じ得る水平解像度が高くなる。
[0225] いくつかのLIDARシステムでは、単一のレーザ光源に依拠するのではなく、複数のレーザ光源が使用され得る。いくつかの場合には、1つ以上のレーザ源からの光ビームが分割されて、スキャンに利用可能な複数のレーザビームを提供し得る。いくつかの実施形態では、LIDAR FOVをスキャンするための複数のレーザビームを提供するために、レーザアレイ(例えば、上記のセクションにおける例で述べた1Dレーザアレイ)が使用されてもよい。
[0226] 2Dスキャンミラーを含むマルチビームシステムでは、生じ得る点群解像度は、レーザが駆動される傾斜増分(例えば、垂直傾斜増分)に依存し続けることがあり、解像度は、レーザ源が駆動されるパルス周波数にも依存し得る。しかし、マルチビームシステムでは、生じ得る利用可能な点群解像度は、レーザ源又は生成されたレーザビームの間隔にも依存し得る。以下で述べるように、いくつかのマルチビームシステムは、関心が比較的高いことがあるFOVの領域でより高い解像度を可能にし、関心が比較的低いことがあるFOVの領域でより低い解像度を可能にし得る。例えば、それぞれが検出器でN2個の画素によって分割されるN1個のレーザスポット(例えばN1個のレーザビーム)を有し、レーザ[アクティブ:非アクティブ]の比が[1:N3-1]であるレーザ源の場合、最高解像度は以下のように決定され得る:Res=ライン間隔/(N1×N2×N3)。
[0227] 記載されるレーザ源アレイは、それらの実効角度寸法(例えば、アレイからの光がFOVに向けて投影される立体角の部分)によって特徴付けられ得る。図10D~10Fに示されている例では、図示されるレーザアレイ1000の各々は、2.4度の角度寸法を有し得る。したがって、LIDAR FOVのスキャン中に、スキャンミラーがその傾斜軸の周りで各スキャンパターンライン間で2.4度だけ回転されると、FOVは、各アレイ内でレーザ源間隔によって指定された角度寸法だけ離間された水平スキャンラインでスキャンされる。例えば、2.4度の垂直増分でスキャンされる4チャネルアレイは、0.6度だけ分離された水平スキャンラインをもたらす。8チャネルアレイは、0.3度だけ分離された水平スキャンラインを提供し、16チャネルアレイは、0.15度だけ分離された水平スキャンラインを提供する。
[0228] 記載されるレーザアレイ(例えば、16個のレーザ源アレイ)は、任意の数のアクティブチャネルで選択的に動作され得て、アクティブチャネル(例えば、アクティブレーザ放出源)の数は、LIDAR FOVの単一フレームスキャン中、スキャンパターンの単一スキャンラインに沿ったスキャン中、又はLIDAR FOVスキャンに関する任意の時間間隔又は空間領域にわたって変更され得ることに留意するべきである。
[0229] 上述のレーザアレイ及びスキャンシステムは、レーザアレイ内のアクティブレーザエミッタ(又はレーザ放出領域)間の間隔よりも更に近接する水平スキャンライン間隔を実現できる可能性をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、スキャンミラーは、その垂直傾斜軸の周りで、レーザアレイの角度寸法よりも小さい角度増分(例えば、図10D~10Fのレーザアレイに関して2.4度未満)だけ回転するように制御され得る。そのような実施形態では、ミラーの制御された回転は、レーザアレイ内のレーザ源間の間隔にほぼ等しい水平線間隔を有するスキャンパターンを提供し得る。いくつかの場合には、スキャンライン間の間隔は、アレイ内の単一のレーザ源の角度寸法(例えば、16チャネルの例では0.05度、8チャネルの例では0.1度、4チャネルの例では0.2度)に対応し得る。
[0230] いくつかの実施形態では、複数のレーザビームのうちの1つ以上に関連するレーザパルスレートは、少なくとも第1の複数のスキャンラインにわたって一定であり得る。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームのうちの1つ以上に関連するレーザパルスレートは、少なくとも第1の複数のスキャンラインにわたって変化し得る。上述のように、各スキャン中に得られる水平解像度は、スキャン速度(例えば、スキャンミラーが走査軸の周りで回転するレート)及びレーザ源のパルスレート(例えば、レーザアレイの各レーザ放出領域からレーザ光パルスが放出されるレート)によって決定され得る。スキャンパターン(例えば、第1の複数のスキャンライン)を生成するために使用される複数のビームのうちの1つ以上に関連するパルスレートは、FOVの単一スキャン中に一定に保たれ得る、又は変化し得ることが企図される。例えば、いくつかのレーザビームに関して、又はFOVの一部分にわたってより高いパルスレートが使用されて、FOVのその部分にわたってより良い解像度を得ることができる。
[0231] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、複数のレーザエミッタのうちの第1のレーザエミッタサブセットを活性化し、LIDARシステムの視野を横切る第1の複数のスキャンラインにわたって第1のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームをスキャンするようにプログラムされ得る。上述のように、開示されるLIDARシステムでは、レーザアレイ(例えば、950)のアクティブ領域(又はエミッタ)の一部のみを活性化し、残りのアクティブ領域(又はエミッタ)を非アクティブのままにすることによって、複数のレーザビームが生成され得る。したがって、一実施形態では、プロセッサ118は、例えばレーザアレイ950のアクティブ領域(例えば、956)のいくつかのみを活性化して複数の光ビームを生成するようにプログラムされ得る。また、上述のように、プロセッサ118は、スキャンミラーを回転させて、生成された光ビームを、FOVを横切る第1の複数のスキャンラインにわたって誘導するように構成され得る。
[0232] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第1のレーザエミッタサブセットを非活性化し、複数のレーザエミッタのうちの第2のレーザエミッタサブセットを活性化し、第2のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、LIDARシステムの視野を横切る第2の複数のスキャンラインにわたってスキャンするようにプログラムされ得る。上で説明したように、プロセッサ118は、レーザアレイ950内のレーザエミッタの一部又は全部を活性化又は非活性化し得る。レーザアレイ(例えば、950)のレーザ光放出アクティブ領域の第1のサブセットからのレーザビームを使用して第1のスキャンを実行した後、プロセッサ118は、第1のサブセットを非活性化し、代わりにレーザアレイのアクティブ領域の第2のサブセットを活性化し得る。更に、第1のスキャンと同様に、プロセッサ118は、スキャンミラーの回転を制御して、FOVにわたって第2の複数のスキャンラインに沿って第2のスキャンを実行し得る。プロセッサ118は、傾斜軸の周りでミラーを回転させることなく走査軸の周りでのスキャンミラーの回転を制御し、それによってFOVの同じ部分にわたって第2のスキャンを生成し得ることが企図される。しかし、以下に説明するように、代替として、プロセッサ118は、第2のスキャン及び/又は任意の後続のスキャンを実行する前に、傾斜軸の周りでスキャンミラーを回転させ得る。
[0233] いくつかの実施形態では、第2の複数のスキャンラインのいずれも、第1の複数のスキャンラインにおけるスキャンライン間に空間的に位置されないことがある。図12Bに示されるように、いくつかの実施形態では、傾斜軸の周りでのスキャンユニット720、860の回転は、第1のスキャン中に生成された各水平スキャンライン(例えば、1221、1223、1225など)を、例えば図10D~10Fのレーザアレイの角度寸法(例えば、2.4度)に対応する距離DHだけ変位し得る。したがって、例えば、スキャンライン1221、1223、1225などは、第1のスキャンパターンに対応し得る。レーザアレイの角度寸法以上の角度(例えば、≧2.4度)でスキャンミラーを回転させた後、第2のスキャン中に水平スキャンライン1231、1233、1235などが生成され得る。スキャンミラーがレーザアレイの角度寸法以上の角度だけ回転されたので、各スキャンライン、例えば1231、1233、1235は、それぞれ水平スキャンライン1221、1223、1225から距離DHだけ変位され得る。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第1の複数のスキャンラインの角度幅以上の回転角度だけ傾斜軸の周りでスキャンユニットを回転させることによって、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへ複数のレーザビームを変位させ得る。例えば、上で説明したように、プロセッサ118がスキャンミラーをレーザアレイの角度寸法以上の角度(例えば、≧2.4度)だけ回転させると、第2のスキャンパターン(第2のスキャンラインセットを含む)も、第1のスキャンパターン(第1のスキャンラインセットを含む)に対して同じ回転角度だけ変位される。
[0234] プロセッサ118は、上で識別されたプロセスを何度も反復し得る。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第2のレーザエミッタサブセットを非活性化し、二軸スキャンミラーを、モノリシックレーザアレイの角度長さ以上の回転角度だけ傾斜させ、第1のレーザエミッタサブセットを活性化し、第1のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、LIDARシステムの視野を横切る第3の複数のスキャンラインにわたってスキャンするようにプログラムされ得る。例えば、上で説明したように、プロセッサ118は、レーザアレイ(例えば950)のアクティブ領域の第2のサブセットを非活性化し、レーザアレイのアクティブ領域の第1のサブセットを再活性化することによって、スキャンプロセスを反復して、FOVにわたる第3のスキャンを実行し得る。更に、第3のスキャンを実行する前に、プロセッサ118は、レーザアレイの角度長さ以上であり得る角度だけスキャンミラーを傾斜軸の周りで回転させ得る。そうすることで、第3の複数のスキャンラインが第2の複数のスキャンラインと重複しないことを保証する。しかし、プロセッサ118は、レーザアレイの角度長さよりも小さい角度だけスキャンミラーを傾斜軸の周りで回転させ得ることが企図される。その場合、第3の複数のスキャンラインの少なくともいくつかは、第2の複数のスキャンラインの少なくともいくつかと重複し得る。
[0235] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第1の複数のスキャンラインの角度幅よりも小さい回転角度だけ傾斜軸の周りでスキャンユニットを回転させることによって、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへ複数のレーザビームを変位させ得る。例えば、プロセッサ118は、レーザアレイの角度寸法よりも小さい角度(例えば、<2.4度)だけスキャンミラーを回転させ得る。この場合、各スキャンライン、例えば1231、1233、1235は、それぞれ水平スキャンライン1221、1223、1225から距離DH未満の距離だけ変位され得る。その結果、スキャンライン1231、1233、及び/又は1235の少なくともいくつかは、スキャンライン1231、1233、及び/又は1235の間に位置決めされ得る。したがって、いくつかの実施形態では、第2の複数のスキャンラインの少なくとも1つのスキャンラインは、第1の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に空間的に位置され得る。
[0236] いくつかの実施形態では、第2の複数のスキャンラインのいずれも、第1の複数のスキャンラインにおけるスキャンライン間に空間的に位置されないことがあり、少なくとも1つのプロセッサは、スキャンユニットに、FOVを横切る第3の複数のスキャンラインに沿って複数のビームを誘導させるように更にプログラムされ、第3の複数のスキャンラインのうちの少なくとも1つのスキャンラインは、第2の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に空間的に位置される。レーザアレイの角度寸法以上の角度(例えば、≧2.4度)だけスキャンミラーを回転させる、又はレーザアレイの角度寸法未満の角度(例えば、<2.4度)だけスキャンミラーを回転させるという上述の特徴は、多くの異なる方法で組み合わされ得る。例えば、第1のスキャンが実行され得て、次いで、スキャンミラーは、第2のスキャンを実行する前に、レーザアレイの角度寸法以上の角度(例えば、≧2.4度)だけ回転され得る。その結果、上で説明したように、第2のスキャンのスキャンラインはいずれも、第1のスキャンのスキャンラインの間に位置され得ない。続いて、スキャンミラーは、第3のスキャンを実行する前に、レーザアレイの角度寸法よりも小さい角度(例えば、<2.4度)だけ回転され得る。その結果、上で説明したように、第3のスキャンのスキャンラインの少なくともいくつかは、第2のスキャンのスキャンラインの少なくともいくつかの間に空間的に位置され得る。
[0237] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、スキャンユニットに、FOVを横切る第4の複数のスキャンラインに沿って複数のビームを誘導させるように更にプログラムされ、第4の複数のスキャンラインのうちの少なくとも1つのスキャンラインは、第2の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に、及びまた第3の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に空間的に位置される。スキャンミラーを異なる角度だけ回転させる上述のプロセスは反復され得る。例えば、第3のスキャンを行った後、スキャンミラーは、第4のスキャンを実行する前に、レーザアレイのアクティブレーザ放出領域間の角度間隔よりも小さい角度(例えば、図10Eのレーザアレイに関しては0.2度未満、又は図10Fのレーザアレイに関しては0.4度未満)だけ回転され得る。小さい角度だけスキャンミラーを回転させることによって、第4のスキャンのスキャンラインは、隣接するスキャンライン間の距離よりも小さい距離だけ変位され得る。その結果、第4のスキャンにおけるスキャンラインは、第2及び第3のスキャンパターンに関連するスキャンラインと重複し得る。すなわち、第4のパターンでの少なくともいくつかのスキャンラインは、第2のパターンのスキャンライン間にあり得、第4のパターンの他の少なくともいくつかのスキャンラインは、第3のパターンのスキャンライン間にあり得る。
[0238] いくつかの場合には、スキャンミラーの垂直回転が制御されて、可変解像度スキャンを提供し得る。例えば、図12Bに示されるスキャンでは、それぞれスキャンの上部及び下部に近い領域1280及び1282に関して、スキャンミラーは、その垂直傾斜軸の周りで、レーザアレイの角度寸法と少なくとも同じ大きさの角度増分だけ回転され得る。しかし、地平線を含む領域1284(例えば、±5度の間)では、スキャンミラーは、垂直傾斜軸の周りで、レーザアレイの角度寸法よりも小さい角度増分だけ回転され得る。
[0239] 図12Bのスキャンの例では、16個のレーザ源のアレイが使用され、図15に表されるように1:2のアクティブ源対非アクティブエリア比で動作され得る。図12Bの例では、16個のレーザビームがあり得て、それぞれが2つの隣接するレーザ源のグループによって放出される。各ビームは、0.05度の垂直角度寸法を有し得、16個のレーザビームの各々が、0.1度の合計垂直寸法を有する2レーザビームグループから放出され得る。アクティブレーザグループは、0.2度の合計垂直角度寸法を有する非アクティブ空間によって離間され得る。これは、アレイ内のアクティブ対非アクティブ空間の1:2の比を提供し得る。したがって、16源レーザアレイによってスキャンされるラインの水平間隔は、0.3度であり得る。レーザアレイの全垂直角度寸法(それぞれ0.2度の角度寸法を有する15個の非アクティブ介在空間によって分離された、0.1度の角度寸法を有する16個のレーザ源)は、約4.6度であり得る。
[0240] 図16は、開示されるLIDARシステム100を使用して取得され得る例示的なスキャンパターンを示す。図16に示されるように、約-6度~約+6度(地平線を含み得る)の間の領域1610は、より高い解像度が望まれ得るより関心の高い領域に対応し得る。このより高い解像度は、例えば、スキャンミラーの傾斜を、その垂直走査軸の周りで、レーザアレイの全角度寸法よりも小さい量だけ増分させることによって達成され得る。例えば、約-6度~約+6度の間の領域では、6回の水平スキャンが実行され得る。レーザアレイの水平スキャンをより近接して離間することで、垂直方向でより高い解像度が提供され得る(例えば、領域1620で0.1度)。これらの領域でレーザパルス周波数を増加させることで、水平方向での解像度も増加され得る(例えば、領域1620で0.1度)。
[0241] 解像度を更に増加させることもできる。例えば、2つのレーザ源のうちの1つだけから16個のレーザビームの各々を生成することによって、生成されるビームの各々は、0.5度の垂直角度寸法を有するレーザ源から放出され得る。後続の水平スキャンを重複し、レーザパルス周波数を更に調節することによって、(例えば)0.05度×0.05度の解像度が提供され得る。そのような技法は、例えば、領域1630などの特定の関心領域(ROI)をスキャンするために使用され得る。そのようなROIは、FOV内で事前に決定され得、又は特定の物体又は物体タイプの検出、部分的な物体検出、特定の距離範囲内の物体の検出、重複する物体の検出などのトリガイベントに基づいて識別され得る。
[0242] 地平線を含む領域及び/又は関心領域における解像度の向上を含むスキャンの別の例は、領域1610によって表される。これらの領域では、各スキャンライン間の距離(又は垂直角度変位)は、レーザアレイ内の複数のビームスポットの全長よりも小さい。このようにして、スキャンされるエリアの一部が、以前のスキャンラインと「重複」し、重複部分でより多くの画素がサンプリングされ得る。
[0243] マルチビームスキャンを使用し、以前にスキャンされた領域の一部と後続のスキャンとに重複があるようにスキャンの垂直オフセットを制御することによって、より高い解像度が実現され得る。例えば、FOV内の領域1610の分解図が図16に示されている。5~15度の間の解像度は0.15×0.3であるのに対し、ROI領域の中心では解像度が0.05×0.05に増加することが分かる。これらの領域の間には、低解像度と高解像度との間の遷移解像度が存在し得る。
[0244] 複数のビーム構成を使用する重複スキャンのいくつかの例が、図17A、17B、及び17C(例えば、16、8、又は4ビームを使用する)に示されている。例えば、図17Aは、16個のビームを用いたスキャンを示し、スキャン1702~1708は、レーザアレイの角度長さの約1/3だけの傾斜軸の周りでのスキャンミラーの回転をそれぞれ伴うスキャンである。結果として得られる複合のスキャンが、1722によって表されている。複合のスキャン1722から分かるように、解像度は、スキャンの中心に向かって徐々に増加する。同様に、図17Bは、8個のビームを用いたスキャンを示し、スキャン1732~1739は、レーザアレイの角度長さの約1/3だけの傾斜軸の周りでのスキャンミラーの回転をそれぞれ伴うスキャンである。結果として得られる複合のスキャンが、1740によって表されている。図17Cは、4個のビームを用いたスキャンを同様に示し、スキャン1752~1758は、レーザアレイの角度長さの約1/3だけの傾斜軸の周りでのスキャンミラーの回転をそれぞれ伴うスキャンである。これらの例では、スキャンライン間の距離(すなわち、垂直走査軸の周りでのスキャンミラーの角度変位に対応する)は、レーザアレイの角度長さの1/3に等しいので、解像度は、マルチビーム解像度の解像度の3倍に増加され得る。言い換えると、1:2のアクティブ対パッシブ空間比のレーザアレイを含む例では、後続の水平スキャンにおいて、レーザアレイからの光をアレイの角度長さの1/3だけ垂直方向にシフトすることで、以前のスキャン中にレーザアレイのパッシブエリアによってのみ重複された領域(例えば、1724、1742、1762など)のスキャンが可能になる。
[0245] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第1の複数のスキャンラインの1つ以上の隣接するスキャンラインの対の間の角度間隔よりも小さい回転角度だけ傾斜軸の周りでスキャンユニットを回転させることによって、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへ複数のレーザビームを変位させ得る。図17Dは、図17Aの一部分の拡大図を示し、マルチビーム光源の重複スキャンによって実現可能な解像度の向上を更に示す。図17Dに示されているように、スキャンA中、LIDAR FOVの水平線は、0.3度(アレイ内のアクティブレーザ源間の間隔)の垂直解像度でスキャンされる(16チャネルの例の中から6個のチャネルのみが示されている)。後続の水平スキャン、すなわちスキャンB中、プロセッサ118は、スキャンミラーを0.3度の垂直角度解像度の1/3だけ角度的に変位させ得る。その結果、スキャンBはスキャンAと部分的に重複する。図17Dに示されているように、スキャンにおけるこの重複により、スキャンB中、スキャンAの非アクティブ領域の1/2がスキャンされる。同様に、ミラーが0.3度の垂直角度解像度の1/3のみ再び傾けられる後続のスキャンCでは、スキャンAの非アクティブ領域の残りの半分がスキャンCによってカバーされる。その結果、この重複領域で実現可能な垂直解像度は、スキャンAのみを使用した0.3度から、スキャンA、B、及びCの重複を使用した0.1度まで増加され得る。
[0246] いくつかの実施形態では、重複スキャンは2つのステップで実行され得る。第1のステップでは、スキャンミラーが、傾斜軸の周りで、レーザアレイのアクティブ領域によって放出されるコリメートビームの角度幅に対応する角度だけ回転された後、後続のスキャンが実行され得る。このプロセスは、n回継続され得て、ここで、n=(隣接するコリメートビーム間の角度間隔/スキャンミラーが回転される角度)である。n回のスキャンが完了した後、第2のステップで、スキャンミラーを、傾斜軸の周りで、隣接するコリメートビーム間の角度間隔に対応する角度だけ回転させた後、追加のスキャンが実行され得る。例えば、レーザアレイのアクティブ領域と非アクティブ領域の比が1:2であり、各コリメートビームの角度サイズが約0.1°であり、隣接するコリメートビーム間の角度幅が約0.2°である状況を考える。この場合、第1のステップで、各スキャン後に、スキャンミラーを傾斜軸の周りで約0.1°回転させることによって、3回のスキャンが実行され得る。第2のステップでは、レーザアレイによって放出される複数のレーザビームの全角度幅の角度程度だけスキャンミラーを回転させた後に、第4のスキャンが実行され得る(例えば、アクティブ領域と非アクティブ領域との比が1:2である16個のビームに関して、レーザアレイによって放出される複数のレーザビームの合計角度幅は約4.6°~5°である)。この場合の傾斜軸の周りでの角度変位は、0.1°、0.1°、4.6°、0.1°、0.1°、4.6°などである。このマルチステップスキャンスキームは、FOV全体にわたって概して均一なサンプリング解像度を提供し得る。
[0247] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、モノリシックレーザアレイによって生成されるビームの角度幅の1/4~1/2の間の回転角度だけ傾斜軸の周りでスキャンユニットを回転させることによって、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへ複数のレーザビームを変位させ得る。0.3度の垂直角度解像度の1/3の傾斜角を上で論じたが、スキャンミラーは任意の量だけ回転され得ることが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ118は、レーザアレイによって生成されるビームの垂直角度解像度又は角度幅の1/4~1/2だけスキャンミラーを回転させ得る。
[0248] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、0.05度~5度の間の回転角度だけ傾斜軸の周りでスキャンユニットを回転させることによって、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへ複数のレーザビームを変位させ得る。図15の例に戻ると、アクティブ領域の幅が0.1度であり、アクティブ領域の間隔が0.2度であると仮定すると、レーザアレイの角度幅の1/3だけ傾斜軸の周りで回転することは、約16度×0.1=1.6度だけの回転を意味する。他方、アクティブ領域の数が32であった場合、回転量は3.2度になる。したがって、1/3シフトに対応する回転量は、レーザアレイのサイズに依存し得る。傾斜軸の周りでのスキャンミラーの回転量は、約0.05度~5度の範囲内でよく、しかし傾斜軸の範囲は変化し得ることが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、0.05度~0.5度の間の回転角度だけ傾斜軸の周りでスキャンユニットを回転させることによって、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへ複数のレーザビームを変位させ得る。
[0249] 前述の技法を使用して、レーザピッチと比較した解像度が実現され得る。受信機を使用してレーザスポットが分割される場合、レーザスポットの角度サイズの約半分(例えば0.05度)の垂直解像度が実現され得る。傾斜軸の周りでの回転を調節することによって、多数の他の構成が実現され得る。例えば、いくつかの場合には、選択されたROIに対して1つ又は複数の重複スキャンが実行されて、それらの領域でより高い解像度を提供し得る。しかし、1つ以上の後続の重複スキャンは、LIDAR FOV全体の水平スキャンを含む必要はない。むしろ、後続のスキャンは、FOV全体以下の幅を有するLIDAR FOVの1つ以上のサブ領域の任意のものに焦点を合わせることがある。
[0250] LIDAR FOVのサブ領域に焦点を合わせたマルチステップスキャンの更なる例が、図18A及び18Bに示されている。マルチステップスキャンは、第1の期間中に第1の領域を連続的にスキャンし、続いて第2の期間中に第2の領域(例えば、LIDAR FOVのサブ領域)をスキャンすることを伴う。例えば、図18Aに示されているように、第1のスキャン(スキャンライン1810、1812、1814などによって表される)が第1の期間中に実行され得て、第2のスキャン(スキャンライン1820、1822、1824などによって表される)が第2の期間中に実行され得る。図18Bにも示されているように、第2のスキャンは、第1の領域1830よりも小さいことがある第2の領域1840にわたって実行され得る。いくつかの場合には、部分関心領域がFOV全体にわたって広がることがあり、他の場合には、部分関心領域がFOVよりも小さい幅を有することもある。
[0251] 図19は、低解像度でのFOV全体のスキャン1910と、その後の高解像度での(例えば、より遅いレート及びより高いパルスレートでの)FOVのサブセクション1920のスキャンとを含むマルチステップスキャンを示す。サブセクションは、全水平範囲でよく(このソリューションは、共振水平スキャン用に実装され得る)、又はHFOV及びVFOVのサブセクションに関するものでよい。少なくとも1つの軸(例えば水平)でのFOVの全範囲を有するサブ領域の後続のスキャンを含むマルチステップスキャンは、水平方向で共振振動でスキャンするスキャナで有利に実施され得る。水平範囲及び垂直範囲のサブセクションの後続のスキャンを含むマルチステップスキャンは、両方向でのスキャンレートの準静的制御、又はスキャナの共振の調整によって達成され得る。
[0252] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインセットに沿って複数のビームを誘導することによってLIDARシステムの視野の第1の領域をスキャンさせ、第2の複数のスキャンラインセットに沿って複数のビームを誘導することによって視野の第2の領域をスキャンさせるように更にプログラムされ得て、第1の複数のスキャンラインセットのいずれも互いに重複せず、第2の複数のスキャンラインセットの少なくともいくつかが互いに重複する。上述のように、プロセッサ118は、例えば、スキャンミラー(例えば、スキャンユニット720、860)を、傾斜軸の周りでレーザアレイの角度幅以上の角度だけ回転させるように構成され得る。そうすることで、第1の複数のスキャンラインセットが生成され得、それらはいずれも互いに重複しない。プロセッサ118は、FOVの第1の領域をスキャンしながら、第1の複数のスキャンラインセットを取得し得る。同様に上述したように、プロセッサ118は、FOVの第2の関心領域をスキャンしながら、スキャンミラー(例えば、スキャンユニット720、860)を、傾斜軸の周りでレーザアレイの角度幅よりも小さい角度だけ回転させるように構成され得る。そうすることで、第2の複数のスキャンラインセットが生成され得、それらのうちの少なくともいくつかは互いに重複し得、第1の複数のスキャンラインセットのいくつかとも重複し得る。例えば、図19に示されるように、スキャンラインセット1910は、第1の複数のスキャンラインセットにおけるセットの1つを構成し得、スキャンラインセット1920は、第2の複数のスキャンラインセットにおけるセットの1つを構成し得る。
[0253] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインセットに沿って複数のビームを誘導することによってLIDARシステムの視野の第1の領域をスキャンさせ、第2の複数のスキャンラインセットに沿って複数のビームを誘導することによって視野の第2の領域をスキャンさせるように更にプログラムされ得て、第1の複数のスキャンラインセットにおける重複角度は、第2の複数のスキャンラインセットにおける重複角度よりも小さい。重複しない第1の複数のスキャンラインセットを取得する代わりに、いくつかの実施形態では、プロセッサ118は、FOVの第1の領域をスキャンしている間に、レーザアレイの角度幅よりも小さい角度だけスキャンミラーを回転させることによっても、第1の複数のスキャンラインセットを取得するように構成され得る。しかし、プロセッサ118は、第2の複数のスキャンラインセットを取得する間にスキャンミラーが回転される角度よりも大きい角度だけ、第1の複数のスキャンラインセットを得る間にスキャンミラーを回転し得る。そうすることで、FOVの第1の領域の解像度を高めることができ、FOVの第2の領域での解像度を更に高めることもできる。
[0254] いくつかの実施形態では、視野の第2の領域は関心領域であり得る。上述のように、FOVの第2の領域内のスキャンラインセット間に、実質的により多くの重複が存在し得る。実質的な重複は、関心領域であり得るFOVの特定の部分を含み得る第2の関心領域での解像度を改良する助けとなり得る。いくつかの実施形態では、関心領域は地平線を含み得る。いくつかの実施形態では、関心領域は、検出された物体を含み得る。例えば、LIDARシステムが物体の存在を検出した可能性があるので、FOVの特定の部分が関心領域であり得る。いくつかの実施形態では、物体は歩行者であり得る。いくつかの実施形態では、物体は車両であり得る。例えば、車両(例えば、自律車両)に実装されたLIDARシステムでは、検出された物体、例えば歩行者又は他の車両が視野内にあるかどうかを決定して、場合によっては、自律車両が、検出された物体との衝突の可能性を最小限に抑える回避アクションを取ることができるようにすることが望まれることがある。
[0255] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、視野の第2の領域内で検出された物体のタイプに基づいて関心領域を識別するようにプログラムされ得る。例えば、プロセッサ118は、FOVの第1の領域に対応する第1の複数のスキャンラインセットを取得し得る。プロセッサ118は、第1の複数のスキャンラインセットに基づいて、FOVのスキャンされた第1の領域に含まれ得るFOVの第2の領域内の物体の存在を決定し得る。プロセッサ118は、検出された物体のタイプ(例えば、歩行者、車両、静止物体、移動物体など)も決定し得る。第2の領域内の物体のタイプの決定に基づいて、プロセッサ118は、第2の領域を関心領域として識別し得る。例えば、車両ベースのLIDARシステムの実装形態では、プロセッサ118は、第2の領域内の物体が静止物体であると決定すると、第2の領域を関心領域として識別し得る。いくつかの実施形態では、物体は、視野の以前の全フレームスキャンから受信された反射信号に基づいて検出され得る。いくつかの実施形態では、物体は、視野の現在のフレームスキャンに関連する1つ以上の以前のスキャンラインから受信された反射信号に基づいて検出され得る。FOVの大部分の以前のスキャン中に得られたスキャンラインセットに基づいて、FOVの第2の領域内の物体が検出され得ることが企図される。追加又は代替として、FOVの第2の領域内の物体は、FOVの現在のスキャンから得られたスキャンラインセットに基づいて検出され得る。
[0256] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、スキャンユニットにLIDARシステムの視野の一部分をスキャンさせて、視野の部分フレームスキャンを提供するように更にプログラムされ、視野の一部分のスキャンは、複数の重複するスキャンラインセットを使用して実行される。上述のように、プロセッサ118は、スキャンミラー(例えば、スキャンユニット720又は860)にFOV全体又はFOVの一部分のみをスキャンさせ得る。したがって、いくつかの実施形態では、プロセッサ118は、スキャンミラーを制御して、FOVの一部分のスキャン(例えば、部分フレームスキャン)を取得し得る。部分フレームスキャンを取得する間、プロセッサ118は、スキャン中に取得されたスキャンラインセットが重複するように、スキャンミラーを、傾斜軸の周りである角度(例えば、レーザアレイの角度幅未満)だけ回転させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、視野の部分は、その視野の部分で検出される物体に基づいて識別される関心領域であり得る。いくつかの実施形態では、物体は、歩行者又は車両であり得る。いくつかの実施形態では、物体は、移動物体であり得る。上述のように、プロセッサ118は、スキャンラインセットに基づいて決定された物体に基づいて関心領域を識別し得る。プロセッサ118は、FOVの一部分にわたって得られたスキャンラインセットを使用して物体を検出するようにプログラムされ得ることが企図される。同様に上述したように、プロセッサ118は、物体を歩行者、車両、静止又は移動物体などとして識別するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、FOVの一部分をスキャンすることによって得られるスキャンラインセットを使用する代わりに、物体が、視野の以前の全フレームスキャンから受信された反射信号に基づいて検出され得ることも企図される。したがって、例えば、プロセッサ118は、以前の期間中にFOVをスキャンすることによって得られたスキャンラインセットを使用して物体を検出し得る。
[0257] いくつかの実施形態では、レーザ放出ユニットは、複数のレーザエミッタを含むモノリシックレーザアレイである。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは1次元アレイである。いくつかの実施形態では、LIDARシステムは、複数のレーザビームを生成するように構成された複数のレーザエミッタを含み得る。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、複数のレーザエミッタに対応する複数のアクティブ領域と、複数の非アクティブ領域とを含み得て、複数のレーザエミッタは、複数の非アクティブ領域の1つ以上によって互いに離間される。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイは、4~64個のレーザエミッタを含む。いくつかの実施形態では、モノリシックレーザアレイの長さは、0.5mm~20mmの間である。上で論じたように、図9A、9Bに関して、LIDARシステム100の放出ユニット102は、非アクティブ非レーザ光放出領域によって離間された複数のアクティブレーザ光放出領域を含み得るレーザアレイ(例えば、900、950)を含み得る。同様に上述したように、レーザ光アレイ900、950内のアクティブ領域の数は、1から任意の所望の数までの範囲であり得る。例えば、レーザアレイ900又は950は、4、8、32、64などのアクティブ領域、又は任意の他の所望の数のアクティブ領域を含み得る。同様に上述したように、レーザアレイ900又は950の長さは、0.5mm~20mmの間の範囲であり得る。上述の1つ以上のレーザアレイの特徴は、開示されるLIDARシステムで使用されるレーザアレイのいずれにも適用されることを理解されたい。
[0258] いくつかの実施形態では、第1の複数のスキャンライン及び第2の複数のスキャンラインは、LIDARシステムの視野に対して垂直に向けられ得る。上記の説明は、FOVにわたって水平方向にスキャンされる垂直コームパターンを開示しているが、いくつかの実施形態は、水平向きの光源アレイを採用してもよく、透過レーザ光スポットの水平向きの1Dアレイが、FOVにわたって垂直方向にスキャンされる。上述した原理、構成、及び実施形態は全て、スキャンミラーをその垂直走査軸の周りで回転させることによって達成されるLIDAR FOVの各垂直スキャンの後に、スキャンミラーがその水平走査軸の周りで角度的に増分される垂直スキャンシステムにも適用される。そのような技法は、例えば、図20によって表されるようなスキャンパターンを提供し得る。図20は、複数のレーザビームが上下方向にスキャンされ、続いてスキャンミラーが左右方向に回転されることに対応する複数のスキャンラインセット2010を含む例示的なスキャンパターンを示す。各スキャンラインセットは、垂直スキャンライン2012、2014、2016などを含み得る。図20にも示されているように、領域2020は、より接近していることがあるスキャンラインを含み得、これらのスキャンラインは、レーザアレイ(例えば、900、950など)の角度幅よりも小さい角度だけスキャンミラーを左右方向に回転させることによって実現され得る。そのようなシステムでは、レーザアレイ(図9A及び9Bの900、950など)が上下方向ではなく左右方向に沿って水平に向けられ得ることが企図される。
[0259] 上述のように、いくつかの場合には、レーザアレイは、非アクティブの非光放出材料によってそれぞれ離間された固定数のレーザチャネルを含み得る。そのような場合、上述した部分的重複技法を使用して、垂直(又は水平)方向に沿って特定のROIでより高い解像度が実現され得る。他の場合には、図21に示されているように、レーザアレイは、様々な照射タイミングスキームに従って動作され得る近接して離間されたレーザのアレイを含み得る。そのような電子制御は、レーザアレイに沿ったアクティブ対非アクティブ空間の可変であり選択可能な比を可能にすることがあり、レーザ源照射の電子制御による高解像度スキャンを可能にすることがある。例えば、図21は、それぞれが0.05度の垂直角度寸法を有する16個の近接して離間されたレーザ源を備えるレーザアレイを表す。FOV内の関心領域(例えば)の第1のスキャン(スキャンA)中、レーザ源の間に0.15度の非アクティブ空間があり、各アクティブ源が0.2度だけ離間されるように、3つおきのレーザ源が活性化される。スキャンA中、レーザ1、5、9、及び13がアクティブである。この例では、アクティブ対非アクティブ空間の比が1:3になる。
[0260] 後続のスキャンB中、水平スキャンラインの次のセットを実行するためにスキャンミラーを新たな垂直向きに角度的に変位させるのではなく、ミラーは、スキャンAに使用されたのと同じ垂直向き(固定向き、又はキーストーン効果を補正するための特定の所定の回転経路である)に留まり得る。また、スキャンA中にアレイに関連する非アクティブ空間に以前に含まれていたスキャンラインに対して垂直方向にミラーを回転させる代わりに、水平スキャンB中にレーザの別のセットが照射され得る。図示される例では、レーザ2、6、10、及び14が照射される。同様に、スキャンCでは、ミラーは、スキャンA及びB中に使用されたのと同じ垂直向きに再び留まり得る。スキャンCでは、レーザ3、7、11、及び15が活性化され得る。更に、スキャンDでは、レーザ4、8、12、及び16が活性化され得る。このようにして、垂直スキャン向き/パターンを変更することなく、FOVの領域の4回の順次水平スキャンが行われ得る。しかし、この領域では、実現される実効解像度は、スキャンA、B、C、又はDの任意のものから利用可能な解像度よりも大きい。スキャンAが0.2度の垂直解像度を提供し得る場合、スキャンA、B、C、及びDの集合体で生じ得る実現可能な垂直解像度は0.05度である。
[0261] 前述の記載は例示の目的で提示されている。これは網羅的でなく、開示される厳密な形態又は実施形態に限定されない。本明細書の検討及び開示される実施形態の実施から、当業者には変更及び適合が明らかであろう。更に、開示される実施形態の態様はメモリに記憶されているものとして記載されるが、これらの態様は、例えばハードディスク又はCD ROM、又は他の形態のRAM又はROM、USBメディア、DVD、ブルーレイ、又は他の光学ドライブ媒体のような二次記憶デバイス等、他の形態のコンピュータ読み取り可能媒体にも記憶できることは当業者には認められよう。
[0262] 記載された説明及び開示された方法に基づくコンピュータプログラムは、経験豊かな開発者のスキル内である。様々なプログラム又はプログラムモジュールを、当業者に既知の技法のいずれかを用いて生成するか、又は、既存のソフトウェアに関連付けて設計することができる。例えばプログラムセクション又はプログラムモジュールは、.Netフレームワーク、.Netコンパクトフレームワーク(及びVisual BasicやC等の関連言語)、Java、C++、Objective-C、HTML、HTML/AJAXの組み合わせ、XML、又はJavaアプレットを含むHTMLにおいて又はこれらによって、設計することができる。
[0263] 更に、例示的な実施形態を本明細書に記載したが、均等の要素(equivalent elements)、変更、省略、(例えば様々な実施形態にわたる態様の)組み合わせ、適合、及び/又は変形を有する任意の及び全ての実施形態の範囲は、本開示に基づいて当業者によって認められよう。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で使用される言語に基づいて広義に解釈され、本明細書において又は本出願の審査中に記載される例に限定されない。これらの例は非排他的に(non-exclusive)解釈されるものとする。更に、開示される方法のステップは、ステップの順序を変えること及び/又はステップを挿入又は削除することを含めて、任意に変更され得る。したがって、本明細書及び例は単に例示と見なされ、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲及び均等物(equivalents)の全範囲によって示されることが意図される。

Claims (113)

  1. 複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットと、
    前記複数のレーザビームを前記レーザ放出ユニットから共通のスキャンユニットに透過するように構成された光学系と、を備えるLIDARシステムであって、
    前記共通のスキャンユニットが、前記複数のレーザビームを前記LIDARシステムの視野に向けて投影して、前記視野を横切る複数のスキャンラインに沿って前記視野を同時にスキャンするように構成される、
    LIDARシステム。
  2. 前記共通のスキャンユニットが、光透過性スキャンプリズムを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  3. 前記共通のスキャンユニットが、回折ベースのスキャナを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  4. 前記共通のスキャンユニットが、液晶オンシリコンスキャナを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  5. 前記共通のスキャンユニットが、1対の単軸スキャンミラーを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  6. 前記共通のスキャンユニットが、前記複数のレーザビームが入射される単一の二軸スキャンミラーを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  7. 前記二軸スキャンミラーが、傾斜軸及び走査軸を含む2つの軸で回転可能である、請求項6に記載のLIDARシステム。
  8. 前記走査軸の周りでの前記二軸スキャンミラーの回転が、前記LIDARシステムの前記視野を横切る複数のスキャンラインに沿った前記複数のレーザビームの動きを引き起こす、請求項7に記載のLIDARシステム。
  9. 前記傾斜軸の周りでの前記二軸スキャンミラーの回転が、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへの前記複数のレーザビームの変位を引き起こす、請求項7に記載のLIDARシステム。
  10. 前記複数のレーザビームが、前記単一の二軸スキャンミラーの共通の位置に入射される、請求項6に記載のLIDARシステム。
  11. 前記複数のレーザビームが、少なくとも2.5mradの隣接するビーム間の角度間隔で前記単一の二軸スキャンミラーから投影される、請求項6に記載のLIDARシステム。
  12. 前記複数のレーザビームが、2.5mrad~15mradの隣接するビーム間の角度間隔で前記単一の二軸スキャンミラーから投影される、請求項6に記載のLIDARシステム。
  13. 前記共通のスキャンユニットが、第1の単軸スキャンミラー及び第2の単軸スキャンミラーを含み、前記複数のレーザビームが、前記第1の単軸スキャンミラーに入射され、その後、前記第2の単軸スキャンミラーに進む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  14. 前記第1の単軸スキャンミラーが、走査軸の周りで回転して、前記LIDARシステムの前記視野を横切る複数のスキャンラインに沿った前記複数のレーザビームの動きを引き起こすように構成される、請求項13に記載のLIDARシステム。
  15. 前記第1の単軸スキャンミラーが、傾斜軸の周りで回転して、第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットへの前記複数のレーザビームの変位を引き起こすように構成される、請求項13に記載のLIDARシステム。
  16. 前記複数のレーザビームが同時に生成される、請求項1に記載のLIDARシステム。
  17. 前記レーザ放出ユニットが、前記複数のレーザエミッタの各々に供給される共通のトリガ信号によって活性化されるように構成された複数のレーザエミッタを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  18. 前記レーザ放出ユニットが複数のレーザエミッタを含み、前記複数のレーザエミッタのうちの1つ以上のレーザエミッタのサブグループが、前記複数のレーザエミッタの残りが活性化されることなく活性化され得る、請求項1に記載のLIDARシステム。
  19. 前記レーザ放出ユニットが複数のレーザエミッタを含み、前記複数のレーザエミッタの各々が、個々に及び個別に活性化され得る、請求項1に記載のLIDARシステム。
  20. 前記複数のレーザエミッタが、ランダム放出タイミングプロトコルに従って活性化され得る、請求項19に記載のLIDARシステム。
  21. 前記複数のレーザエミッタが、前記視野に対する前記アレイの前記位置に応じて選択的に活性化され得る、請求項19に記載のLIDARシステム。
  22. 前記複数のレーザエミッタが、前記複数のレーザエミッタのうちの2つ以上が互いに異なるパルスレートを有するように活性化され得る、請求項19に記載のLIDARシステム。
  23. 前記複数のレーザエミッタが、前記複数のレーザエミッタのうちの2つ以上が互いに異なる強度レベルを有するように活性化され得る、請求項19に記載のLIDARシステム。
  24. 前記レーザ放出ユニットが、
    一次レーザビームを生成するように構成されたレーザエミッタと、
    前記一次レーザビームを、前記複数のレーザビームを提供する複数のサブビームに分割するように構成されたビームスプリッタと、
    を含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  25. 前記レーザ放出ユニットが、複数のレーザエミッタを含む単一のモノリシックレーザアレイを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  26. 前記モノリシックレーザアレイが、1次元レーザアレイを備える、請求項25に記載のLIDARシステム。
  27. 前記複数のレーザエミッタが、エッジエミッタである、請求項25に記載のLIDARシステム。
  28. 前記複数のレーザエミッタが、複数のモノリシックレーザアレイを備える、請求項25に記載のLIDARシステム。
  29. 前記モノリシックレーザアレイが、前記複数のレーザエミッタに対応する複数のアクティブ領域と、複数の非アクティブ領域とを含み、前記複数のレーザエミッタが、前記複数の非アクティブ領域の1つ以上によって互いから離間される、請求項25に記載のLIDARシステム。
  30. 前記モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:1である、請求項29に記載のLIDARシステム。
  31. 前記モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:2である、請求項29に記載のLIDARシステム。
  32. 前記モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:3である、請求項29に記載のLIDARシステム。
  33. 前記モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:5である、請求項29に記載のLIDARシステム。
  34. 前記モノリシックレーザアレイでのアクティブ領域対非アクティブ領域の比が、1:1~1:10の範囲内である、請求項29に記載のLIDARシステム。
  35. 前記モノリシックレーザアレイ内の前記非アクティブ領域のうちの前記2つ以上が、互いに対して異なる寸法を有する、請求項34に記載のLIDARシステム。
  36. 前記モノリシックレーザアレイが、4個のアクティブレーザチャネルを含む、請求項29に記載のLIDARシステム。
  37. 前記モノリシックレーザアレイが、8個のアクティブレーザチャネルを含む、請求項29に記載のLIDARシステム。
  38. 前記モノリシックレーザアレイが、16個のアクティブレーザチャネルを含む、請求項29に記載のLIDARシステム。
  39. 前記モノリシックレーザアレイが、32個のアクティブレーザチャネルを含む、請求項29に記載のLIDARシステム。
  40. 前記モノリシックレーザアレイの長さが、0.5mm~20mmの間である、請求項29に記載のLIDARシステム。
  41. 前記複数のレーザビームの各々が、0.002度~0.2度の間の角度幅を有し、0.02度~0.2度の間の角度長さを有する細長いスポットを生成する、請求項1に記載のLIDARシステム。
  42. 前記複数のレーザビームの各々が、860nm~950nmの間の波長を有するパルスレーザビームである、請求項1に記載のLIDARシステム。
  43. 前記複数のレーザビームのうちの2つ以上が互いに異なる発散を有する、請求項1に記載のLIDARシステム。
  44. 前記光学系が、ビームスプリッタを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  45. 前記ビームスプリッタが、前記複数のレーザビームの各々を通過させ、前記LIDARシステムの前記視野から受信された複数の反射ビームを再誘導するように構成される、請求項44に記載のLIDARシステム。
  46. 前記ビームスプリッタが、前記複数のレーザビームの各々を再誘導し、前記LIDARシステムの前記視野から受信された複数の反射ビームを透過するように構成される、請求項44に記載のLIDARシステム。
  47. 前記光学系が、前記複数のレーザビームが入射される少なくとも1つのフォールディングミラーを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  48. 前記光学系が、前記複数のレーザビームをコリメートするように構成された少なくとも1つのコリメーションレンズを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  49. 前記光学系が、前記複数のレーザビームを受信するように構成された受信レンズシステムを含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  50. 前記LIDARシステムの前記視野から受信された反射ビームに応答して電気信号を放出するように構成された検出器を更に含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  51. 前記検出器が、光感受性アクティブ領域の単一のモノリシックアレイを備える、請求項50に記載のLIDARシステム。
  52. 前記光感受性アクティブ領域が、1つ以上の非アクティブ領域によって互いに分離される、請求項51に記載のLIDARシステム。
  53. 前記検出器での光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:1である、請求項52に記載のLIDARシステム。
  54. 前記検出器での光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:2である、請求項52に記載のLIDARシステム。
  55. 前記検出器での光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:3である、請求項52に記載のLIDARシステム。
  56. 前記検出器での光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:5である、請求項52に記載のLIDARシステム。
  57. 前記検出器での光感受性アクティブ領域対非アクティブ領域の比が1:1~1:10の間である、請求項52に記載のLIDARシステム。
  58. 前記アクティブ領域間の距離と前記検出器に入射するビームスポット間の距離との比が所定の値である、請求項52に記載のLIDARシステム。
  59. 前記検出器が、4個の光感受性アクティブ領域を含む、請求項51に記載のLIDARシステム。
  60. 前記検出器が、8個の光感受性アクティブ領域を含む、請求項49に記載のLIDARシステム。
  61. 前記検出器が、16個の光感受性アクティブ領域を含む、請求項51に記載のLIDARシステム。
  62. 前記検出器が、32個の光感受性アクティブ領域を含む、請求項51に記載のLIDARシステム。
  63. 前記反射ビームの各々が、前記光感受性アクティブ領域のうちの2つ以上に入射するビームスポットを生成する、請求項51に記載のLIDARシステム。
  64. 前記反射ビームを前記検出器のそれぞれの光感受性アクティブ領域に誘導するように構成されたマイクロレンズのアレイ及び/又はディフューザを含む、請求項51に記載のLIDARシステム。
  65. 前記LIDARシステムの前記視野が、6度~90度の間の垂直角度寸法を有し、前記LIDARシステムの前記視野が、20度~140度の間の水平角度寸法を有する、請求項1に記載のLIDARシステム。
  66. 一連のスキャンラインに沿った前記複数のレーザビームでの前記LIDARシステムの前記視野のスキャンを引き起こすために、前記共通のスキャンユニットの1つ以上のコンポーネントの向きを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサを更に含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
  67. 前記LIDARシステムの前記視野の前記スキャンが、5Hz~40Hzの間のフレームレートで行われる、請求項66に記載のLIDARシステム。
  68. 複数のレーザビームを生成するように構成されたレーザ放出ユニットと、
    前記複数のレーザビームを受信するように構成されたスキャンユニットであって、共通のスキャンユニットが、前記複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成された、スキャンユニットと、
    少なくとも1つのプロセッサと、を備えるLIDARシステムであって、前記少なくとも1つのプロセッサが、
    前記FOVを横切る第1の複数のスキャンラインに沿って前記複数のビームを誘導することによって、前記スキャンユニットに前記LIDARシステムの前記視野をスキャンさせ、
    前記複数のレーザビームを、前記第1の複数のスキャンラインに関連する第1の位置セットから第2の複数のスキャンラインに関連する第2の位置セットに変位し、
    前記第2の複数のスキャンラインに沿って前記複数のレーザビームを誘導する
    ようにプログラムされた、LIDARシステム。
  69. 前記第2の複数のスキャンラインの少なくとも1つのスキャンラインが、前記第1の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に空間的に位置される、請求項68に記載のLIDARシステム。
  70. 前記第2の複数のスキャンラインのいずれも、前記第1の複数のスキャンラインにおけるスキャンライン間に空間的に位置されない、請求項68に記載のLIDARシステム。
  71. 前記第2の複数のスキャンラインのいずれも、前記第1の複数のスキャンラインにおけるスキャンライン間に空間的に位置されず、前記少なくとも1つのプロセッサが、
    前記スキャンユニットに、前記FOVを横切る第3の複数のスキャンラインに沿って前記複数のビームを誘導させるように更にプログラムされ、
    前記第3の複数のスキャンラインのうちの少なくとも1つのスキャンラインが、前記第2の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に空間的に位置される、
    請求項68に記載のLIDARシステム。
  72. 前記少なくとも1つのプロセッサが、
    前記スキャンユニットに、前記FOVを横切る第4の複数のスキャンラインに沿って前記複数のビームを誘導させるように更にプログラムされ、
    前記第4の複数のスキャンラインのうちの少なくとも1つのスキャンラインが、前記第2の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に、及びまた前記第3の複数のスキャンラインに含まれる2つのスキャンライン間に空間的に位置される、
    請求項68に記載のLIDARシステム。
  73. 前記第1の複数のスキャンライン及び前記第2の複数のスキャンラインが、前記LIDARシステムの前記視野に対して水平方向に向けられる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  74. 前記第1の複数のスキャンライン及び前記第2の複数のスキャンラインが、前記LIDARシステムの前記視野に対して垂直方向に向けられる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  75. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインセットに沿って前記複数のビームを誘導することによって前記LIDARシステムの前記視野の第1の領域をスキャンさせ、第2の複数のスキャンラインセットに沿って前記複数のビームを誘導することによって前記視野の第2の領域をスキャンさせるように更にプログラムされ、前記第1の複数のスキャンラインセットのいずれも互いに重複せず、前記第2の複数のスキャンラインセットの少なくともいくつかが互いに重複する、請求項68に記載のLIDARシステム。
  76. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記スキャンユニットに、第1の複数のスキャンラインセットに沿って前記複数のビームを誘導することによって前記LIDARシステムの前記視野の第1の領域をスキャンさせ、第2の複数のスキャンラインセットに沿って前記複数のビームを誘導することによって前記視野の第2の領域をスキャンさせるように更にプログラムされ、前記第1の複数のスキャンラインセットにおける重複角度が、前記第2の複数のスキャンラインセットにおける重複角度よりも小さい、請求項68に記載のLIDARシステム。
  77. 前記視野の前記第2の領域が、関心領域を含む、請求項76に記載のLIDARシステム。
  78. 前記関心領域が、地平線を含む、請求項77に記載のLIDARシステム。
  79. 前記関心領域が、検出された物体を含む、請求項77に記載のLIDARシステム。
  80. 少なくとも1つのプロセッサが、前記視野の前記第2の領域で検出された物体のタイプに基づいて前記関心領域を識別するようにプログラムされる、請求項77に記載のLIDARシステム。
  81. 前記物体が、前記視野の以前の全フレームスキャンから受信された反射信号に基づいて検出される、請求項80に記載のLIDARシステム。
  82. 前記物体が、前記視野の現在のフレームスキャンに関連する1つ以上の以前のスキャンラインから受信された反射信号に基づいて検出される、請求項80に記載のLIDARシステム。
  83. 前記物体が、歩行者である、請求項80に記載のLIDARシステム。
  84. 前記物体が、車両である、請求項80に記載のLIDARシステム。
  85. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記スキャンユニットに前記LIDARシステムの前記視野の一部分をスキャンさせて、前記視野の部分フレームスキャンを提供するように更にプログラムされ、前記視野の前記部分の前記スキャンが、複数の重複するスキャンラインセットを使用して実行される、請求項68に記載のLIDARシステム。
  86. 前記視野の前記部分が、前記視野の前記部分で検出された物体に基づいて識別される関心領域である、請求項85に記載のLIDARシステム。
  87. 前記物体が、歩行者又は車両である、請求項86に記載のLIDARシステム。
  88. 前記物体が、移動物体であると決定される、請求項86に記載のLIDARシステム。
  89. 前記物体が、前記視野の以前の全フレームスキャンから受信された反射信号に基づいて検出される、請求項86に記載のLIDARシステム。
  90. 前記レーザ放出ユニットが、複数のレーザエミッタを含むモノリシックレーザアレイである、請求項68に記載のLIDARシステム。
  91. 前記モノリシックレーザアレイが、1次元レーザアレイである、請求項90に記載のLIDARシステム。
  92. 前記モノリシックレーザアレイが、前記複数のレーザエミッタに対応する複数のアクティブ領域と、複数の非アクティブ領域とを含み、前記複数のレーザエミッタが、前記複数の非アクティブ領域の1つ以上によって互いから離間される、請求項90に記載のLIDARシステム。
  93. 前記モノリシックレーザアレイが、4個~64個のレーザエミッタを含む、請求項90に記載のLIDARシステム。
  94. 前記モノリシックレーザアレイの長さが、0.5mm~20mmの間である、請求項90に記載のLIDARシステム。
  95. 前記レーザアレイによって放出される複数のレーザビームの全角度幅が、0.4度~5度の間である、請求項90に記載のLIDARシステム。
  96. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1の複数のスキャンラインの角度幅以上の回転角度だけ傾斜軸の周りで前記スキャンユニットを回転させることによって、前記スキャンユニットに、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットへ前記複数のレーザビームを変位させる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  97. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1の複数のスキャンラインの角度幅未満の回転角度だけ傾斜軸の周りで前記スキャンユニットを回転させることによって、前記スキャンユニットに、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットへ前記複数のレーザビームを変位させる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  98. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1の複数のスキャンラインの1つ以上の隣接するスキャンラインの対の間の角度間隔に等しい回転角度だけ傾斜軸の周りで前記スキャンユニットを回転させることによって、前記スキャンユニットに、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットへ前記複数のレーザビームを変位させる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  99. 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記モノリシックレーザアレイによって生成されるビームの角度幅の1/4~1/2の間の回転角度だけ傾斜軸の周りで前記スキャンユニットを回転させることによって、前記スキャンユニットに、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットに前記複数のレーザビームを変位させる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  100. 前記少なくとも1つのプロセッサが、0.05度~5度の間の回転角度だけ傾斜軸の周りで前記スキャンユニットを回転させることによって、前記スキャンユニットに、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットへ前記複数のレーザビームを変位させる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  101. 前記少なくとも1つのプロセッサが、0.05度~0.5度の間の回転角度だけ傾斜軸の周りで前記スキャンユニットを回転させることによって、前記スキャンユニットに、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットへ前記複数のレーザビームを変位させる、請求項68に記載のLIDARシステム。
  102. 前記共通のスキャンユニットが、前記複数のレーザビームが入射される単一の二軸スキャンミラーを含む、請求項68に記載のLIDARシステム。
  103. 前記二軸スキャンミラーが、傾斜軸及び走査軸を含む2つの軸で回転可能である、請求項102に記載のLIDARシステム。
  104. 前記走査軸の周りでの前記二軸スキャンミラーの回転が、前記LIDARシステムの前記視野を横切る前記第1の複数のスキャンライン及び前記第2の複数のスキャンラインに沿った前記複数のレーザビームの動きを引き起こす、請求項103に記載のLIDARシステム。
  105. 前記傾斜軸の周りでの前記二軸スキャンミラーの回転が、前記第1の複数のスキャンラインに関連する前記第1の位置セットから前記第2の複数のスキャンラインに関連する前記第2の位置セットへの前記複数のレーザビームの変位を引き起こす、請求項103に記載のLIDARシステム。
  106. 前記共通のスキャンユニットが、第1の単軸スキャンミラー及び第2の単軸スキャンミラーを含み、前記複数のレーザビームが、前記第1の単軸スキャンミラーに入射され、その後、前記第2の単軸スキャンミラーに入射される、請求項68に記載のLIDARシステム。
  107. 前記レーザ放出ユニットが、一次レーザビームを生成するように構成されたレーザエミッタと、前記一次レーザビームを、前記複数のレーザビームを提供する複数のサブビームに分割するように構成されたビームスプリッタとを含む、請求項68に記載のLIDARシステム。
  108. 前記複数のレーザビームのうちの1つ以上に関連するレーザパルスレートが、少なくとも前記第1の複数のスキャンラインにわたって一定である、請求項68に記載のLIDARシステム。
  109. 前記複数のレーザビームのうちの1つ以上に関連するレーザパルスレートが、少なくとも前記第1の複数のスキャンラインにわたって変化する、請求項68に記載のLIDARシステム。
  110. 前記複数のレーザビームが、前記複数のレーザビームが互いに角度的に等距離になるように、前記共通のスキャンユニットから投影される、請求項68に記載のLIDARシステム。
  111. 前記複数のレーザビームが、少なくとも2.5mrad~6mradの隣接するビーム間の角度間隔で前記共通のスキャンユニットから投影される、請求項68に記載のLIDARシステム。
  112. 前記複数のレーザビームから生じる前記LIDARシステムの前記視野内のビームスポットが、互いに等距離である、請求項68に記載のLIDARシステム。
  113. 複数のレーザビームを生成するように構成された複数のレーザエミッタを含むモノリシックレーザアレイと、
    前記複数のレーザビームを受信するように構成された二軸スキャンミラーであって、前記複数のレーザビームをLIDARシステムの視野に向けて投影するように構成された二軸スキャンミラーと、
    少なくとも1つのプロセッサと、を備えるLIDARシステムであって、前記少なくとも1つのプロセッサが、
    前記複数のレーザエミッタのうちの第1のレーザエミッタサブセットを活性化し、
    前記LIDARシステムの前記視野を横切る第1の複数のスキャンラインにわたって前記第1のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームをスキャンし、
    前記第1のレーザエミッタサブセットを非活性化し、
    前記複数のレーザエミッタのうちの第2のレーザエミッタサブセットを活性化し、
    前記第2のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、前記LIDARシステムの前記視野を横切る第2の複数のスキャンラインにわたってスキャンし、
    前記第2のレーザエミッタサブセットを非活性化し、
    前記二軸スキャンミラーを、前記モノリシックレーザアレイの角度長さ以上の回転角度だけ傾斜させ、
    前記第1のレーザエミッタサブセットを活性化し、
    前記第1のレーザエミッタサブセットによって生成されたレーザビームを、前記LIDARシステムの前記視野を横切る第3の複数のスキャンラインにわたってスキャンするようにプログラムされた、LIDARシステム。
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