JP2023540809A - Kras g12c阻害剤の結晶形態 - Google Patents

Kras g12c阻害剤の結晶形態 Download PDF

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Abstract

本発明は、KRas G12C阻害剤及びその塩の結晶形態に関する。具体的には、本発明は、KRas GT2C阻害剤である2-[2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイイ)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態、この結晶形態を含む医薬組成物、この結晶形態を調製するためのプロセス、及びその使用方法に関する。

Description

本発明は、KRas G12Cの阻害剤の結晶形態に関する。特に、本発明は、KRas G12C阻害剤である2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態、結晶形態を含む医薬組成物、結晶形態を調製するためのプロセス、及びその使用方法に関する。
カーステンラット肉腫2ウイルスがん遺伝子ホモログ(「KRas」)は、低分子量GTPaseであり、がん遺伝子のRasファミリーのメンバーである。KRasは、非活性(GDP結合)状態と活性(GTP結合)状態との間を循環する分子スイッチとして機能し、複数のチロシンキナーゼから受け取った上流の細胞シグナルを下流のエフェクターに形質導入して、細胞増殖を含む様々なプロセスを制御する(例えば、Alamgeer et al.,(2013)Current Opin Pharmcol.13:394-401を参照されたい)。
悪性腫瘍における活性化KRasの役割は、30年以上前に観察された(例えば、Santos et al.,(1984)Science 223:661-664を参照されたい)。KRasの異常な発現は、全てのがんの最大20%を占め、GTP結合を安定化し、かつKRasの構成的活性化及び下流のシグナル伝達をもたらす発がん性KRas変異は、肺腺がんの25~30%で報告されている。(例えば、Samatar and Poulikakos(2014)Nat Rev Drug Disc 13(12):928-942 doi:10.1038/nrd428を参照されたい)。KRas一次アミノ酸配列のコドン12及び13でミスセンス変異をもたらす単一ヌクレオチド置換は、肺腺がんにおけるこれらのKRasドライバー変異の約40%を含み、G12C塩基転換は最も一般的な活性化変異である(例えば、Dogan et al.,(2012)Clin Cancer Res.18(22):6169-6177オンライン公開2012年9月26日doi:10.1158/1078-0432.CCR-11-3265を参照されたい)。
悪性度におけるKRasの周知の役割及び様々な腫瘍型におけるKRasのこれらの頻繁な変異の発見により、KRasは、製薬業界のがん治療での非常に魅力的な標的となった。がん療法のためのKRasの阻害剤を開発するための30年間の大規模な発見努力にもかかわらず、KRas阻害剤は規制当局の承認を得るのに十分な安全性及び/又は有効性をまだ示していない(例えば、McCormick(2015)Clin Cancer Res.21(8):1797-1801を参照されたい)。
近年では、KRas G12Cを標的とする不可逆的共有結合性阻害剤が報告されている(例えば、Ostrem et al.,(2013)Nature 503:548-551を参照されたい)。例えば、共有及び譲渡された米国仮特許出願第62/586,775号は、KRas G12C媒介性のがんを治療するための、KRas G12Cに不可逆的に結合する強力な経口的に生物学的に利用可能な化合物を開示する。
KRas G12Cの共有結合性不可逆的阻害剤は、MRTX849としても知られる2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルである。この化合物の非晶質形態は、2019年5月23日に国際公開第2019/099524(A1)号として公開された、2018年11月14日出願の国際出願PCT/US2018/061060号の実施例478、及びFell et al.,(2020)J.Med.Chem.63,6679-6693に記載されている。
医薬組成物のためのプロセス開発は、治療剤の所望の薬理学的特性のバランスをとる際に固体医薬化合物にとって重要な役割を果たす。例えば、固体治療剤の適切な結晶形態及び塩形態を同定することは、医薬組成物の溶解速度、溶解度、生物学的利用能、製造、包装及び/又は貯蔵寿命に有益な影響を与えることができる。加えて、結晶形態は、非晶質化合物の場合にカプセル又は噴霧乾燥形態を採用する必要があるのとは対照的に、経口送達の際には錠剤に圧縮され得る。
前述の全ての理由から、医薬組成物の溶解速度、溶解度、生物学的利用能、製造改善及び/又は貯蔵寿命の向上をもたらす、KRas G12C阻害剤、特に化合物2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの固体、結晶塩形態又は塩形態を生成することが必要とされている。本発明は、これらの必要性の1つ以上に有利に対処するものである。
国際公開第2019/099524号
Alamgeer et al.,(2013)Current Opin Pharmcol.13:394-401 Santos et al.,(1984)Science 223:661-664 Samatar and Poulikakos(2014)Nat Rev Drug Disc 13(12):928-942 doi:10.1038/nrd428 Dogan et al.,(2012)Clin Cancer Res.18(22):6169-6177オンライン公開2012年9月26日doi:10.1158/1078-0432.CCR-11-3265 McCormick(2015)Clin Cancer Res.21(8):1797-1801 Ostrem et al.,(2013)Nature 503:548-551 Fell et al.,(2020)J.Med.Chem.63,6679-6693
本発明の一態様では、KRas G12C阻害剤2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態が、本明細書において提供される。
結晶形態は、結晶形態Aとして表記される。一実施形態では、結晶形態Aは、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θ値において少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターン(「X-ray powder diffraction pattern、XRPD」)を有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。いくつかの実施形態では、3つの特徴的なピークが存在する。いくつかの実施形態では、4つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Aは、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2の°2θ値においてピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Aは、5.8±0.2、7.1±0.2、8.6±0.2、11.7±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、17.2±0.2、17.6±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、19.4±0.2、19.9±0.2、20.4±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、22.7±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.9±0.2、25.5±0.2、26.2±0.2、26.4±0.2、27.2±0.2、28.0±0.2、28.2±0.2及び29.6±0.2の°2θ値においてピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Aは、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2の°2θに2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
他の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図1A又は図1Bに示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、示差走査熱量測定「differential scanning calorimetry、DSC」によって測定したときに、46J/gの融解熱を伴う約107℃での吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図2に示されるDSCサーモグラムを有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、示差走査熱量測定「DSC」によって測定したときに、58J/gの融解熱を伴う約119℃での吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図11に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDSC特性、並びに、2)8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDSC特性、並びに、2)5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、熱重量分析「thermogravimetric analysis、TGA」によって測定したときに、約200℃での分解の開始まで無視できる重量損失を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図3に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のTGA特性、並びに、2)5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のTGA特性、並びに、2)8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、40%RHで約0.1%~90%RHで0.6%の観察された重量増加を有し、0%RHへの脱着時に完全に失われることを特徴とする。サイクルの繰り返しは、動的蒸気収着(「dynamic vapor sorption、DVS」)によって測定したときに、ヒステリシスをほとんど又は全く示さない。
別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図4に示されるDVS等温線を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDVS特性、並びに、2)5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDVS特性、並びに、2)8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
一実施形態では、結晶形態は、結晶形態Bと表記される。
一実施形態では、結晶形態Bは、16.7±0.2、17.5±0.2及び18.8±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。いくつかの実施形態では、3つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Bは、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Bは、5.8±0.2、9.1±0.2、11.2±0.2、11.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、13.3±0.2、13.6±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、14.5±0.2、15.3±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.4±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、20.4±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、22.6±0.2、23.1±0.2、23.4±0.2、23.7±0.2、24.0±0.2、24.3±0.2、24.7±0.2、25.1±0.2、25.6±0.2、25.8±0.2、26.3±0.2、26.7±0.2、27.3±0.2、27.6±0.2、28.6±0.2、29.4±0.2、29.7±0.2、及び30.0±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Bは、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2の°2θに2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図5A又は図5Bに示されるXRPDパターンを有する。
別の実施形態では、図12に示されるDSCによって測定したときに、結晶形態Bは、約122℃での吸熱ピーク開始点及び61J/gの融解熱を有することを特徴とする。
一実施形態では、DSCによって測定したときに、結晶形態Bは、49J/gの融解熱で約109℃に吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、形態Bは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Bは、25~150℃で0.6%の重量損失を有し、約200℃で分解が始まるまで更なる事象がないことを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図7に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、形態Bは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、図8に示されるDVSによって測定したときに、結晶形態Bは、60%RHで約0.6%~70%RHで2.9%まで、更に90%RHで2.5%まで増加する重量増加を有することを特徴とする。90%RH~70%RHにおける2.2%への重量損失に続いて、70~50%RHにおける2.2%~0.4%への重量変化を伴う、急速な重量損失が観察される。50~0%RHで0%への重量の一定の穏やかな減少が観察される。サイクルは、ほとんどヒステリシスを示さずに繰り返される。
別の実施形態では、形態Bは、1)上記の1つ以上のDVS特性と、2)5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Bは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
一実施形態では、結晶形態は結晶形態Cと表記される。
一実施形態では、結晶形態Cは、16.4±0.2及び19.7±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Cは、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Cは、5.7±0.2、9.0±0.2、11.0±0.2、11.3±0.2、12.3±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.1±0.2、15.5±0.2、15.8±0.2、16.4±0.2、17.1±0.2、17.3±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、18.4±0.2、18.6±0.2、19.3±0.2、19.7±0.2、21.1±0.2、21.5±0.2、21.8±0.2、22.1±0.2、22.8±0.2、23.1±0.2、23.2±0.2、23.6±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2、24.7±0.2、25.2±0.2、26.3±0.2、26.7±0.2、27.2±0.2、28.1±0.2、29.0±0.2、29.4±0.2及び29.8±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Cは、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2の°2θ値において2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Cは、実質的に図9に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、DSCによって測定したときに、結晶形態Cは、約58℃で小さい吸熱ピーク開始点及び約118℃で強い吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態Cは、実質的に図10に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、形態Cは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Cは、約260℃での分解の開始まで、約45℃~約86℃で、約1.2%の段階的な質量損失を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Cは、実質的に図10に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、形態Cは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Cは水和物である。
一実施形態では、結晶形態は結晶形態Dと表記される。
一実施形態では、結晶形態Dは、少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、4.4±0.2の°2θ値に特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施態様では、結晶形態Dは、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、4.4±0.2、8.9±0.2、10.0±0.2、11.2±0.2、12.3±0.2、12.7±0.2、13.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、14.3±0.2、15.2±0.2、16.1±0.2、16.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、18.6±0.2、19.2±0.2、20.1±0.2、20.9±0.2、21.2±0.2、21.8±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、24.2±0.2、24.7±0.2、25.2±0.2、26.1±0.2、26.3±0.2、27.2±0.2、27.6±0.2、27.9±0.2、28.3±0.2、29.0±0.2及び29.2±0.2の°2θ値におけるピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Dは、実質的に図13に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、示差走査熱量測定によって、約84℃に最大を有する吸熱ピーク及び約110℃に最大を有する別の吸熱ピークを有することを特徴とする。
一実施形態では、結晶形態Dは、実質的に図14に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、結晶形態Dは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Dは、約260℃での分解の開始まで、約45℃~約116℃で約4.3%の段階的な質量損失を有することを特徴とする。
別の実施形態では、結晶形態Dは、実質的に図14に示されるTGAプロファイルを有する。一実施形態では、結晶形態Dは水和物である。
別の実施形態では、結晶形態Dは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態は結晶形態Eと表記される。
一実施形態では、結晶形態Eは、少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2及び10.2±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2、21.9±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2、9.2±0.2、10.2±0.2、11.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.4±0.2、16.4±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、19.4±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2、21.0±0.2、21.3±0.2、21.9±0.2、22.4±0.2、22.7±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、24.2±0.2、25.7±0.2、26.8±0.2、27.2±0.2、27.4±0.2、27.9±0.2、28.6±0.2及び29.0±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施態様では、結晶形態Eは、実質的に図15に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、DSCによって測定したときに、結晶形態Eは、約99℃での吸熱ピーク開始点及び47J/gの融解熱を有することを特徴とする。
一実施形態では、結晶形態Eは、実質的に図16に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Eは、約240℃での分解の開始まで、約94℃まで結晶形態Eについて質量損失は無視できる程であることを特徴とする。
別の実施形態では、結晶形態Eは、実質的に図17に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、DVSによって測定したときに、結晶形態Eは、5%~95%RHで1.2%の段階的重量増加を有することを特徴とする。脱着の間、増加した重量はいくらかのヒステリシスを伴って失われた。
別の実施形態では、結晶形態Eは、実質的に図18に示されるDVS等温線を有する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、1)上記の1つ以上のDVS特性と、2)5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
非晶質の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル遊離塩基は、実質的に図19に示されるXRPDパターン、及び実質的に図20に示される変調DSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、結晶形態A及びBの混合物は、実質的に図21の下のトレースに示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、本発明の結晶形態は、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の結晶性である。
本発明の別の態様では、治療有効量のKRas G12C阻害剤2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態、又はその薬学的に許容される塩、及び/又は薬学的に許容される賦形剤を含む方法における使用のための医薬組成物が提供される。
一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上の混合物である。別の実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上と非晶質形態との混合物である。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、95%の結晶形態の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル又はその塩を含有する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも95%の結晶形態を含有する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも90%の結晶形態を含有する。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも80%の結晶形態を含有する。他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも70%の結晶形態を含有する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも60%の結晶形態を含有する。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも50%の結晶形態を含有する。一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上の混合物である。別の実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上と非晶質形態との混合物である。
本発明の一態様では、KRas G12C活性の阻害が所望される細胞を、単独で、又は1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/又は希釈剤と組み合わせて、治療有効量の本発明の結晶形態と接触させることを含む、細胞におけるKRas G12C活性を阻害するための方法が、本明細書において提供される。一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上の混合物である。別の実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上と非晶質形態との混合物である。
本発明の一態様では、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、治療有効量の本発明の結晶形態のKRAS G12C阻害剤を対象に投与することを含む方法が、本明細書において提供される。一実施形態では、がんは、KRas G12C関連がんである。一実施形態では、KRas G12C関連がんは、肺がんである。一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上の混合物である。別の実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上と非晶質形態との混合物である。
本明細書においては、(a)がんがKRas G12C変異(例えば、KRas G12C関連がん)と関連していることを決定すること(例えば、規制当局に承認された、例えば、FDAに承認されたアッセイ又はキットを使用して決定される)と、(b)治療有効量の本発明のKRAS G12C阻害剤の結晶形態又はその塩を、単独で、又は1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤及び/又は希釈剤と組み合わせて、患者に投与することと、を含む、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療するための方法も提供される。一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上の混合物である。別の実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれか2つ以上と非晶質形態との混合物である。
一実施形態では、対象は成人患者である。一実施形態では、対象は小児患者である。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物又は方法による治療の前に、患者は、化学療法、標的化抗がん剤、放射線療法、及び手術のうちの1つ以上により治療され、任意選択で、以前の治療は不成功に終わり、かつ/又は患者は手術が施され、任意選択で、手術は不成功に終わり、かつ/又は患者は、プラチナベースの化学療法剤により治療され、任意選択で、患者は、プラチナベースの化学療法剤による治療に非応答性であると以前に判定されており、かつ/又は患者は、キナーゼ阻害剤で治療され、任意選択で、キナーゼ阻害剤による以前の治療は不成功に終わり、かつ/又は患者は、1つ以上の他の治療薬により治療された。
本発明の別の態様では、KRas G12C阻害剤の結晶形態の調製のためのプロセスが、本明細書において提供される。一実施形態では、本方法は、結晶形態Aの調製を記載する。一実施形態では、本方法は、結晶形態Bの調製を記載する。一実施形態では、本方法は、結晶形態Cの調製を記載する。一実施形態では、本方法は、結晶形態Dの調製を記載する。一実施形態では、本方法は、結晶形態Eの調製を記載する。
それぞれ実施例1A及び1Bによる結晶形態Aの遊離塩基2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 それぞれ実施例1A及び1Bによる結晶形態Aの遊離塩基2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 実施例1Aに従って調製された結晶形態Aの示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。 実施例1Aに従って調製された結晶形態Aの組み合わされた熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。 実施例1に従って調製された結晶形態Aの動的蒸気収着(DVS)等温線プロファイルを示す。 実施例2Dに従って作製された結晶形態BのXRPDパターンを示す。 結晶形態Bの追加のXRPDパターンを示す。 実施例2Bに従って調製された結晶形態BのDSCプロファイルを示す。 実施例2Bに従って調製された結晶形態Bの組み合わされたDSC及びTGAプロファイルを示す。 実施例2Bに従って調製された結晶形態BのDVS等温線プロファイルを示す。 実施例3に従って調製された結晶形態CのXRPDパターンを示す。 実施例3に従って調製された結晶形態Cの組み合わされたDSC及びTGAプロファイルを示す。 実施例1Bに従って調製された結晶形態Aの示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。 実施例2Cに従って調製された結晶形態BのDSCプロファイルを示す。 実施例4に従って調製された結晶形態DのXRPDパターンを示す。 実施例4に従って調製された結晶形態DのDSCプロファイル及びTGAプロファイルを示す。 実施例5に従って調製された結晶形態EのXRPDパターンを示す。 実施例5に従って調製された結晶形態EのDSCプロファイルを示す。 実施例5に従って調製された結晶形態EのTGAプロファイルを示す。 結晶形態EのDVS等温線プロファイルを示す。 非晶質の遊離塩基2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。 比較例3による非晶質の遊離塩基2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの変調DSCプロファイルを示す。 比較例4に従って調製された非晶質の遊離塩基2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルのXRPDパターンと比較した、結晶形態A及び形態Bの混合物のXRPDパターンを示す。 実施例2Dに従って調製された結晶形態BのDSCプロファイルを示す。 イソプロパノール-ヘプタンから40℃で成長させた2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶のPLM画像である。B型の構造決定には板状の結晶を用い、A型の構造決定には小さな針状の結晶を用いた。 形態A(下)、シミュレートされた形態B(b)、及び出発物質のバルク(c)のシミュレートされたXRPDパターンのオーバーレイであり、バルクが形態A及び形態B2の混合物であったことを示す。 2分子を含有する2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル形態A(上)及び4分子を含有する形態B(下)の結晶構造における単位格子形状及び内容物の構造を示す。 イソプロパノール-水から成長させた2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶のPLM画像である。構造は形態Cであると決定された。 2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル形態C(上)及び形態B(下)の結晶構造における単位格子形状及び内容物の構造を示す。 実施例2Fに従って調製された結晶形態BのXRPDパターンを示す。
本発明は、KRas G12C阻害剤2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態、及びその薬学的に許容できる塩の結晶形態に関する。特に、本発明は、KRas G12C阻害剤2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態、結晶形態を含む医薬組成物、結晶形態を調製するためのプロセス、及びその使用方法に関する。
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての特許、特許出願、及び刊行物は、参照により組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「KRas G12C」は、アミノ酸位置12でのグリシンからシステインへのアミノ酸置換を含む変異型の哺乳動物KRasタンパク質を指す。ヒトKRasのアミノ酸コドン及び残基位置の割り当ては、UniProtKB/Swiss-Prot P01116:Variant p.Gly12Cysにより特定されるアミノ酸配列に基づく。
本明細書で使用される場合、「KRas G12C阻害剤」は、本発明のKRas G12C阻害剤:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル及び本明細書中に記載されるその新規な塩を指す。この化合物は、KRas G12Cの酵素活性の全て又は一部を負に調節又は阻害することができる。本発明のKRas G12C阻害剤は、12位のシステイン残基のスルフヒドリル側鎖と共有結合付加物を形成することによって、KRas G12Cと相互作用し、不可逆的に結合し、KRas G12Cの酵素活性の阻害を生じさせる。
本明細書で使用される場合、「形態A」又は「結晶形態A」という用語は、単独で使用される場合、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Aを指す。
本明細書で使用される場合、「形態B」又は「結晶形態B」という用語は、単独で使用される場合、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Bを指す。
本明細書で使用される場合、「形態C」又は「結晶形態C」という用語は、単独で使用される場合、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Cを指す。
本明細書で使用される場合、「形態D」又は「結晶形態D」という用語は、単独で使用される場合、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Dを指す。
本明細書で使用される場合、「形態E」又は「結晶形態E」という用語は、単独で使用される場合、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Eを指す。
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、溶媒を含有するKRas G12C阻害剤の結晶形態を指す。
本明細書で使用される場合、「水和物」という用語は、溶媒が水を含む溶媒和物を指す。
本明細書で使用される場合、「残留有機溶媒」という用語は、製造技術中に完全に除去されなかった、結晶化/製造プロセス中に使用又は生成された有機揮発性化学物質を指す。
本明細書で使用される場合、「残留有機溶媒を実質的に含まない」という用語は、製造された医薬調製物、例えば、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態又はその塩の結晶形態を含む医薬調製物が、1.0重量%未満の残留有機溶媒を含有し、0.5重量%未満の残留有機溶媒を含有し、0.4重量%未満の残留有機溶媒を含有し、0.3重量%未満の残留有機溶媒を含有し、0.2重量%未満の残留有機溶媒を含有し、又は0.1重量%未満の残留有機溶媒を含有することを意味する。
本明細書で使用される「KRas G12C関連疾患又は障害」は、KRas G12C変異に関連するか、又はそれによって媒介されるか、又はそれを有する疾患若しくは障害を指す。KRas G12C関連疾患又は障害の非限定的な例は、KRas G12C関連がんである。
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」、又は「患者」という用語は、交換可能に使用され、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、及びヒトなどの哺乳動物を含む任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、治療及び/又は予防されるべき疾患又は障害の少なくとも1つの症状を経験及び/又は呈した。いくつかの実施形態では、対象は、KRas G12C変異を有するがんを有すると同定又は診断されている(例えば、規制当局が承認した、例えば、FDA承認のアッセイ又はキットを使用して決定される)。いくつかの実施形態では、対象は、KRas G12C変異に対して陽性である腫瘍を有する(例えば、規制当局が承認したアッセイ又はキットを使用して決定される)。対象は、KRas G12C変異に対して陽性である腫瘍を有する対象であり得る(例えば、規制当局が承認した、例えば、FDA承認のアッセイ又はキットを使用して陽性と同定される)。対象は、腫瘍がKRas G12C変異を有する対象であり得る(例えば、規制当局が承認した、例えば、FDA承認のキット又はアッセイを使用して、腫瘍がそのように同定される場合)。いくつかの実施形態では、対象は、KRas G12C遺伝子関連がんを有することが疑われる。いくつかの実施形態では、対象は、対象がKRas G12C変異を有する腫瘍を有することを示す臨床記録を有する(及び任意選択で、臨床記録は、対象が本明細書に提供される組成物のうちのいずれかで治療されるべきであることを示す)。
本明細書で使用される「小児患者」という用語は、診断又は治療時に16歳未満の患者を指す。「小児」という用語は、以下を含む様々な亜集団に更に分けることができる:新生児(出生から生後1ヶ月まで)、乳児(1ヶ月から2歳まで)、小児(2歳から12歳まで)、及び青年(12歳~21歳(22歳の誕生日までであるが、22歳の誕生日を含まない))。Berhman RE,Kliegman R,Arvin AM,Nelson WE.Nelson Textbook of Pediatrics,15th Ed.Philadelphia:W.B.Saunders Company,1996、Rudolph AM,et al.Rudolph’s Pediatrics,21st Ed.New York:McGraw-Hill,2002、及びAvery MD,First LR.Pediatric Medicine,2nd Ed.Baltimore:Williams & Wilkins;1994。
本明細書に記載される方法又は使用のいずれかのいくつかの実施形態では、サンプル(例えば、患者(例えば、KRas G12C関連がんを有することが疑われる患者、KRas G12C関連がんの1つ以上の症状を有する患者、及び/又はKRas G12C関連がんを発症するリスクが増加した患者)からの生物学的サンプル又は生検サンプル(例えば、パラフィン包埋生検サンプル))を使用して、患者がKRas G12C変異を有するかどうかを決定するために使用されるアッセイには、例えば、次世代シーケンシング、免疫組織化学、蛍光顕微鏡検査、ブレークアパートFISH分析、サザンブロッティング、ウエスタンブロッティング、FACS分析、ノーザンブロッティング、及びPCRベースの増幅(例えば、RT-PCR及び定量的リアルタイムRT-PCR)が含まれ得る。当該技術分野で周知であるように、アッセイは、典型的には、例えば、少なくとも1つの標識された核酸プローブ又は少なくとも1つの標識された抗体若しくはその抗原結合断片を用いて行われる。
「規制当局」という用語は、その国での薬学的剤の医療使用を承認するための国の機関である。例えば、規制当局の非限定的な例は、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)である。
本明細書で使用される場合、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル又はその塩の結晶形態の「治療有効量」とは、症状を改善するか、又は何らかの様式で軽減するか、又は状態の進行を停止若しくは逆転させるか、又はKRas G12Cの活性を負に調節若しくは阻害するのに十分な量のことである。そのような量は、単回投与量として投与され得るか、又はレジメンに従って投与され得、それにより、それは効果的である。
本明細書で使用される場合、治療とは、状態、障害、又は疾患の症状又は病状が改善されるか、又はそうでなければ有益に変更される任意の方法を意味する。治療はまた、本明細書の組成物の任意の薬学的使用を包含する。
本明細書で使用される場合、特定の医薬組成物の投与による特定の障害の症状の改善は、組成物の投与に起因又は関連し得る、永続的又は一時的、持続的又は一過性の任意の軽減を指す。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値的に定義されたパラメータ(例えば、本明細書に詳述されるKRAS阻害剤の結晶形態若しくはその薬学的に許容される塩の結晶形態の用量、又は本明細書に記載される治療時間の長さ)を修飾するために使用される場合、そのパラメータが、そのパラメータについて記載された数値の上下に10%変動し得ることを意味する。例えば、約5mg/kgの用量は、4.5mg/kg~5.5mg/kgで変動し得る。「約」は、パラメータの列挙の最初に使用される場合、各パラメータを修飾することを意味する。例えば、約0.5mg、0.75mg又は1.0mgは、約0.5mg、約0.75mg又は約1.0mgを意味する。同様に、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、及び25%以上は、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、及び約25%以上を意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、XRPDピーク位置に関して使用される場合、機器の較正、本発明の結晶形態を調製するために使用されるプロセス、結晶形態の年齢、及び分析において使用される機器のタイプに依存するピークの固有の変動性を指す。XRPD分析に使用した機器の変動性は、約±0.2°2θであった。
一般的方法及び機器
以下に概説される一般的方法は、別段の記載がない限り、例示される実施例において使用された。
結晶形態は、KRas G12C阻害剤の好ましい結晶形態の形成を確実にするために、任意の好適な分析方法又はアッセイ手順(X線粉末回折、NMR、示差走査熱量測定、熱重量分析、及び重量蒸気収着が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して分析され得る。結晶形態は、典型的には、50重量%を超える単離収率、60重量%を超える単離収率、70重量%を超える単離収率、80重量%を超える単離収率、90重量%を超える単離収率又は95重量%を超える単離収率の量で生成される。
一実施形態では、本発明の結晶形態は、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の結晶性である。
I.X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折パターン(ディフラクトグラム)分析は、PANalytical X’Pert Pro MPD回折計を使用して、製造者の指示に従って、長く微細な集束源及びニッケルで生成されたCuKα放射線の入射ビームを使用して行った。回折計は、対称Bragg-Brentanoジオメトリを使用して構成された。
分析の前に、シリコン試料(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察された位置がNIST認定位置と一致することを検証した。典型的には、サンプルの試料を、シリコン0バックグラウンド基板上の薄い円形層中心として調製した。散乱防止スリット(SS)を使用して、空気によって生成されるバックグラウンドを最小化した。入射ビーム及び回折ビームのためのソーラスリットは、軸方向発散からの広がりを最小限に抑える。回折パターンを、サンプルから240mmに位置する走査位置感受性検出器(X’Celerator)を使用して収集した。データ収集及び分析に使用したソフトウェアは、Data Collector Software,v.5.5とした。
II.示差走査熱量測定(DSC)
特定のサンプルについて、示差走査熱量測定(DSC)分析を、Mettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を製造業者の指示に従って使用して行った。インジウム、スズ及び亜鉛を用いてタウラグ調整を行った。温度及びエンタルピーは、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ及び亜鉛を用いて調整した。
典型的には、各サンプルを密封アルミニウムDSCパンに入れ、サンプルを秤量し、蓋に穴を開け、DSCセルに挿入した。同じ重量の第2のアルミニウムDSCパンを、セルの参照側のサンプルパンとして構成し、蓋に穴を開けた。データを25℃~350℃で10℃/分で収集した。
特定の他のサンプルについては、50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000でDSCデータを収集した。典型的には、ピンホールアルミニウムパン中の0.5~3mgの各サンプルを、10℃/分で25℃~300℃で加熱した。50ml/分での乾燥窒素のパージをサンプル上で維持した。変調温度DSCを、2℃/分の基礎加熱速度及び60秒(期間)毎に±0.636℃(振幅)の温度変調パラメータを使用して実施した。機器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series及びThermal Advantageとし、データはUniversal Analysisを使用して分析した。
更に他のサンプルでは、50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Discovery DSCでDSCデータを収集した。典型的には、ピンホールアルミニウムパン中の0.5~3mgの各サンプルを、10℃/分で25℃~約300℃で加熱した。50ml/分での乾燥窒素のパージをサンプル上で維持した。機器制御ソフトウェアはTRIOSとし、TRIOS又はUniversal Analysisを用いてデータを分析した。
当業者であれば、上記技術のルーチン的な変更を実施することができる。
III.熱重量分析(TGA)
Mettler-Toledo TGA/DSC3+分析器を製造業者の指示に従って使用して、TGA分析又は組み合わせDSC/TGA分析を行った。温度及びエンタルピーは、インジウム、スズ及び亜鉛を用いて調整し、インジウムを用いて検証した。シュウ酸カルシウムを使用してバランスを検証した。典型的には、各サンプルを開放アルミニウムDSCパンに入れ、パンを密封し、蓋に穴を開け、パンをTGA炉に挿入し、窒素パージ下で周囲温度から350℃で10℃/分で加熱した。
IV.動的蒸気収着(DVS)
蒸気収着等温線は、DVS Intrinsic Controlソフトウェアによって制御されるSurface Measurement System(Surface Measurement System、SMS)DVS Intrinsic水分収着分析器を使用して得た。サンプルは分析前に乾燥させなかった。収着及び脱着データを、5%~95%相対湿度(relative humidity、RH)の範囲にわたって、10%RH増分で、窒素パージ下で収集した。分析に使用した平衡基準は、5分間で0.0100%未満の重量変化であり、最大平衡時間は3時間であった。
VI.偏光顕微鏡法
偏光顕微鏡を用いて結晶形態成を観察した。光学顕微鏡は、Spot Insight Color Cameraを備えたLeica DMLP Compound Polarizing Light Microscopeを用いて実施した。各サンプルをガラススライド上に置き、カバーガラスをサンプルの上に置き、典型的には1滴の鉱油を加えて毛管現象によってサンプルを覆った。画像は、2005年6月9日に構築されたSpot Advance Software Version 4.5.9を用いて周囲温度で取得した。
VII.核磁気共鳴
溶液NMRスペクトルは、製造者の指示に従ってAvance 600MHz NMR分光計を使用して取得した。約5~10mgのサンプルをDMSOd6含有TMSに溶解することによって調製した。
KRAS G12C阻害剤
本発明の一態様では、MRTX849としても知られる、KRAS G12C阻害剤2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態が本明細書において提供される。
上記のように、本明細書に開示されるKRas G12C阻害剤を製造するための方法は公知である。例えば、2019年5月23日に国際公開第2019/099524(A1)号パンフレットとして公開された2018年11月14日に出願された国際特許出願PCT/US2018/061060号、及び関連する米国出願公開第2019/014444号は、KRas G12C阻害剤を調製するための好適な中間体及び一般的な反応スキームを記載し、また実施例478において非晶質2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの調製のための詳細な合成経路を提供している。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態を調製するための方法が、本明細書において提供される。
KRAS G12C阻害剤の結晶形態
結晶形態A~形態Eを調製するための例示的な方法は、それぞれ実施例1~5に記載されている。
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの非晶質の遊離塩基のX線粉末回折パターン(「XRPD」)を図19に示す。図19に示されるように、非晶質の遊離塩基のXRPDパターンは、特徴的なピークを欠いている。
非晶質の遊離塩基2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルのDSCプロファイルを図20に示す。図20に示されるように、DSCサーモグラムは、約70℃のガラス転移温度を示し、これは比較的低いガラス転移温度であり、したがって、加工性の困難さ、並びに固体内のより大きな分子運動性に起因する物理的及び化学的不安定性の増加に関連することが知られている。
一実施形態、結晶形態Aは、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターン(「XRPD」)を有する一実施形態では、結晶形態は、結晶形態Aと称される。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。いくつかの実施形態では、3つの特徴的なピークが存在する。いくつかの実施形態では、4つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Aは、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Aは、5.8±0.2、7.1±0.2、8.6±0.2、11.7±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、17.2±0.2、17.6±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、19.4±0.2、19.7±0.2、20.4±0.2、20.7±0.2、21.2±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、22.7±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、23.9±0.2、24.7±0.2、25.5±0.2、26.2±0.2、26.4±0.2、27.2±0.2、28.0±0.2、28.2±0.2及び29.6±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Aは、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2の°2θに2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
他の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図1に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、示差走査熱量測定(「DSC」)によって測定したときに、46J/gの融解熱を伴う約107℃での吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図2に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態では、結晶形態Aは、示差走査熱量測定(「DSC」)によって測定したときに、58J/gの融解熱を伴う約119℃での吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図11に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDSC特性、並びに、2)8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDSC特性、並びに、2)5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、熱重量分析(「TGA」)によって測定したときに、約200℃で開始する分解まで無視できる重量損失を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図3に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のTGA特性、並びに、2)5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のTGA特性、並びに、2)8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、5%~90%RHで0.4%の観察された重量増加を有することを特徴とし、脱着中にRHが低下するにつれて、観察される重量増加は、動的蒸気収着(「DVS」)によって測定したときに失われた。別の実施形態では、結晶形態Aは、実質的に図4に示されるDVS等温線を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDVS特性、並びに、2)5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
別の実施形態では、形態Aは、1)上記の1つ以上のDVS特性、並びに、2)8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターン、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Aは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
一実施形態では、結晶形態は、結晶形態Bと表記される。
一実施形態では、結晶形態Bは、16.7±0.2、17.5±0.2及び18.8±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。いくつかの実施形態では、3つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Bは、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.4±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Bは、5.8±0.2、9.1±0.2、11.2±0.2、11.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、13.3±0.2、13.6±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、14.5±0.2、15.3±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.4±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.4±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、20.4±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、22.6±0.2、23.1±0.2、23.4±0.2、23.7±0.2、24.0±0.2、24.3±0.2、24.7±0.2、25.1±0.2、25.6±0.2、25.8±0.2、26.3±0.2、26.7±0.2、27.3±0.2、27.6±0.2、28.6±0.2、29.4±0.2、29.7±0.2、及び30.0±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Bは、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2の°2θに2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図5A又は図5Bに示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Bは、111℃まで無視できる重量損失を有し、DSCによって測定したときに、49J/gの融解熱で約118℃に吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、形態Bは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Bは、約250℃での分解の開始まで、約111℃まで結晶形態Bの質量の無視できる重量損失を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図7に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、形態Bは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、DVSによって測定したときに、結晶形態Bは、5%~55%RHで0.2重量%の重量増加を有し、55%~95%RHで3.5%増加することを特徴とする。重量増加は1.3モルの水に相当する。脱着の間、増加した重量はいくらかのヒステリシスを伴って失われた。別の実施形態では、結晶形態Bは、実質的に図8に示されるDVS等温線を有する。
一実施形態では、図8に示されるDVSによって測定したときに、結晶形態Bは、60%RHで約0.6%~70%RHで2.9%まで、更に90%RHで2.5%まで増加する重量増加を有することを特徴とする。90%RH~70%RHにおける2.2%への重量損失に続いて、70~50%RHにおける2.2%~0.4%への重量変化を伴う、急速な重量損失が観察される。50~0%RHで0%への重量の一定の穏やかな減少が観察される。サイクルは、ほとんどヒステリシスを示さずに繰り返される。
別の実施形態では、形態Bは、1)上記の1つ以上のDVS特性と、2)5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Bは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
一実施形態では、結晶形態は結晶形態Cと表記される。
一実施形態では、結晶形態Cは、16.4±0.2及び19.7±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Cは、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Cは、5.7±0.2、9.0±0.2、11.0±0.2、11.3±0.2、12.3±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.1±0.2、15.5±0.2、15.8±0.2、16.4±0.2、17.1±0.2、17.3±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、18.4±0.2、18.6±0.2、19.3±0.2、19.7±0.2、21.1±0.2、21.5±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.2±0.2、23.6±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2、24.7±0.2、25.2±0.2、26.3±0.2、26.7±0.2、27.2±0.2、28.1±0.2、29.0±0.2、29.4±0.2及び29.8±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Cは、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2の°2θ値において2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Cは、実質的に図9に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Cは、DSCにより、約58℃での小さな吸熱ピーク開始点及び約118℃での強い吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態Cは、実質的に図10に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、形態Cは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Cは、約260℃での分解の開始まで、約45℃~約86℃で、1.2%の結晶形態Cについての質量の段階的損失を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Cは、実質的に図10に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、形態Cは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Cは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
一実施形態では、結晶形態Cは水和物である。
一実施形態では、結晶形態は結晶形態Dと表記される。
一実施形態では、結晶形態Dは、少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、4.4±0.2の°2θ値にX線粉末回折パターンを有する。
別の実施態様では、結晶形態Dは、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.1±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、4.4±0.2、8.9±0.2、10.0±0.2、11.2±0.2、12.3±0.2、12.7±0.2、13.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、14.3±0.2、15.2±0.2、16.1±0.2、16.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、18.6±0.2、19.2±0.2、20.1±0.2、21.2±0.2、21.8±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、23.5±0.2、24.2±0.2、24.7±0.2、25.2±0.2、26.1±0.2、26.3±0.2、27.2±0.2、27.6±0.2、27.9±0.2、28.3±0.2、29.0±0.2及び29.2±0.2の°2θ値におけるピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施形態では、結晶形態Dは、実質的に図13に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、示差走査熱量測定によって、約84℃に吸熱ピーク最大を有し、約110℃にピーク最大を有する別の吸熱ピークを有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態Dは、実質的に図14に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、結晶形態Dは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Dは、約260℃で分解が開始するまで、約45℃~約116℃で、4.3%の結晶形態Dの質量の段階的損失を有することを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Dは、実質的に図14に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、結晶形態Dは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Dは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
一実施形態では、結晶形態Dは水和物である。
一実施形態では、結晶形態は結晶形態Eと表記される。
一実施形態では、結晶形態Eは、少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2及び10.2±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つの特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、単一の特徴的なピークのみが存在する。いくつかの実施形態では、2つの特徴的なピークが存在する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2、9.2±0.2、10.2±0.2、11.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、15.4±0.2、16.4±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、19.4±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2、21.0±0.2、21.3±0.2、21.9±0.2、22.4±0.2、22.7±0.2、23.1±0.2、23.8±0.2、24.2±0.2、25.7±0.2、26.8±0.2、27.2±0.2、27.4±0.2、27.9±0.2、28.6±0.2及び29.0±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施態様では、結晶形態Eは、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
別の実施態様では、結晶形態Eは、実質的に図15に示されるXRPDパターンを有する。
一実施形態では、DSCによって測定したときに、結晶形態Eは、約99℃での吸熱ピーク開始点及び47J/gの融解熱を有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態Eは、実質的に図16に示されるDSCサーモグラムを有する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、1)上記の1つ以上のDSC特性と、2)5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、TGAによって測定したときに、結晶形態Eは、約240℃での分解の開始まで、約94℃まで結晶形態Eについて質量損失は無視できる程であることを特徴とする。別の実施形態では、結晶形態Eは、実質的に図17に示されるTGAプロファイルを有する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、DVSによって測定したときに、結晶形態Eは、5%~96%RHの間で1.2%の段階的重量増加を有することを特徴とする。脱着の間、増加した重量はいくらかのヒステリシスを伴って失われた。別の実施形態では、結晶形態Eは、実質的に図18に示されるDVS等温線を有する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、1)上記の1つ以上のTGA特性と、2)5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンと、の両方を有する。
一実施形態では、結晶形態Eは、残留有機溶媒を実質的に含まない。
結晶形態の調製方法
一実施形態では、結晶形態Aは、以下のステップを含む方法によって得られる:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルをヘプタンに懸濁させること、得られた懸濁液を約25℃~約80℃で温度サイクルすること、及びヘプタンを蒸発させて結晶形態Aを得ること。
別の実施形態では、結晶形態Aは、非晶質の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを、IPA:MTBEの混合物に溶解させ、次いで溶液を50℃に冷却し、形態A 2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを播種し、25℃に冷却し、濾過し、乾燥させて、結晶形態Aを得ることにより得られる。
別の実施形態では、結晶形態Aは、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルをIPAに約50℃で溶解させ、次いで、周囲温度以下に冷却し、経時的に形態Aの結晶を形成させることによって得られる。
一実施形態では、本方法は、結晶形態Aを回収することを更に含む。他の実施形態では、本方法は、回収の前又は後に、真空オーブン中で結晶形態Aを乾燥させることを更に含む。
一実施形態では、水不混和性有機溶媒はヘプタンである。
一実施形態では、結晶形態Bは、(a)2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを、約50℃に加熱された水及び水混和性有機溶媒の混合物に懸濁させること、及び(c)懸濁液を約5℃にゆっくり冷却して結晶形態Bを得ること、のステップを含む方法によって得られる。1つのかかる実施形態では、サンプルを約0.5℃/分の速度で約5℃に冷却させた。
一実施形態では、本方法は、結晶形態Bを回収することを更に含む。他の実施形態では、本方法は、回収の前又は後に真空オーブン中で結晶形態Bを乾燥させることを更に含む。
一実施形態では、本方法は、結晶化を補助するために、ステップ(c)中に、懸濁液が30℃の温度に達したときに、懸濁液に所定量の結晶形態Bを播種するステップを更に含む。一実施形態では、懸濁液に結晶形態Bを30℃で播種し、次いで5℃に冷却させた。
一実施形態では、水混和性有機溶媒は、イソプロピルアルコール中10%の水である。
一実施形態では、水混和性有機溶媒はイソプロパノールである。
別の実施形態では、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを、IPA中10%H2Oに、約50℃で溶解させ、次いで約0.5℃/分で約5℃に冷却させる。この実施形態では、溶液が約30℃に達したら、それに形態Bを播種し、冷却を続け、5℃で部分的に結晶性の固体が得られる。別の実施形態では、真空下で乾燥させる前に追加の播種ステップが用いられる。いくつかの実施形態では、固体をX線粉末回折によって分析して、形態Bを確認する。
更に別の実施形態では、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを約70℃でイソプロパノール/水(75/25v/v)に溶解させ、次いで約30分かけて約40℃に冷却させる。この実施形態では、形態Bの種スラリーを溶液に添加し、約40℃で約1時間保持し、次いで約10時間かけて約5℃に冷却させる。この実施形態では、固体は、例えば真空濾過によって回収され、乾燥される。いくつかの実施形態では、固体をX線粉末回折によって分析して、形態Bを確認する。
更に別の実施形態では、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを約60℃でイソプロパノール/ヘプタンに溶解させ、次いで約15分かけて約45℃に冷却させる。この実施形態では、種スラリーが溶液に添加され、約20℃に達するまで連続的に低い温度で保持される。この実施形態では、固体は、例えば真空濾過によって回収され、乾燥される。いくつかの実施形態では、固体をX線粉末回折によって分析して、形態Bを確認する。
更に別の実施形態では、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを、約50℃で30%水:IPAに溶解させ、次いで約25℃に冷却させ、形態Bを播種し、次いで約5℃に冷却させ、撹拌した。この実施形態では、スラリーが形成され、これを濾過し、次いで乾燥させて固体を得る。いくつかの実施形態では、固体をX線粉末回折によって分析して、形態Bを確認する。
本発明の別の実施形態では、結晶形態Cは、イソプロパノール/水(75/25v/v)中に、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを添加し、例えば周囲温度で約14日間撹拌し、次いで、得られたスラリーをシリンジフィルターを通して濾過して固体を回収することによって調製される。一部の実施形態では、固体をX線粉末回折によって分析して、形態Cを確認する。
別の実施形態では、結晶形態Dは、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルをイソプロパノールに周囲温度で溶解させ、溶液を約40℃で蒸発させて粉末状及びガラス状固体を得、水を固体に添加して撹拌し、次いで固体を濾過、好ましくは真空濾過して回収することによって調製される。いくつかの実施形態では、これらの固体をX線粉末回折によって分析して、形態Dを確認する。
別の実施形態では、結晶形態Eは、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Dを、五酸化リンの存在下に置くことによって調製される。いくつかの態様では、これは、D型結晶を開放容器に入れ、その開放容器を五酸化リンを含有するより大きな容器に入れることによってなされる。いくつかの実施形態では、得られた形態Eの結晶を、X線粉末回折によって分析する。
一実施形態では、本発明の結晶形態は、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の結晶性である。
無水の遊離塩基の形態A~Eの結晶形態は、医薬組成物に製剤化することができる。
医薬組成物
別の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法において使用され得る、本発明によるKRas G12C阻害剤の結晶形態と、薬学的に許容できる担体、賦形剤又は希釈剤と、の医薬組成物を提供する。KRas G12C阻害剤及びその塩の結晶形態は、当該技術分野で周知の任意の方法により製剤化され得、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、気管内、又は直腸内を含むが、これらに限定されない任意の経路により投与するために調製され得る。特定の実施形態では、KRas G12C阻害剤又は酒石酸塩の結晶形態は、病院環境において静脈内投与される。一実施形態では、投与は、経口経路によるものであり得る。
一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれかの混合物である。
担体の特徴は、投与経路に依存する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、細胞、細胞培養物、組織、又は生物などの生体系と適合性があり、かつ有効成分の生物学的活性の有効性を干渉しない、非毒性材料を意味する。したがって、組成物は、阻害剤に加えて、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、及び当該技術分野で周知の他の材料を含み得る。薬学的に許容される製剤の調製は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,ed.A.Gennaro,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1990に記載されている。
本明細書で使用される場合、薬学的に許容される塩という用語は、上記で同定された化合物の所望の生物学的活性を保持し、かつ望ましくない毒性学的効果を最小限呈するか又は全く呈さない塩を指す。このような塩の例としては、限定されないが、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等)と形成される酸付加塩、並びに酢酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アジピン酸、アスパラギン酸、ケイ皮酸、ラウリン酸、マロン酸、ニコチン酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、馬尿酸、グルコヘプト酸、チオシアン酸、アルギン酸、樟脳酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、乳酸、ニコチン酸、オロチン酸、オレイン酸、カプリン酸、カプロン酸、パルミチン酸、セバシン酸、ステアリン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、ポリグルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ポリガラクツロ酸などの有機酸と形成される塩が挙げられる。化合物はまた、当業者に既知である薬学的に許容される四級塩として投与することができ、これは具体的には、式-NR+Z-の四級アンモニウム塩を含み、式中、Rは、水素、アルキル、又はベンジルであり、Zは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、-O-アルキル、トシレート、メシレート、ベシレート、スルホネート、ホスフェート、カルボキシレート(例えばベンゾエート、スクシネート、アセテート、フマレート、グリコレート、マレエート、マレート、シトレート、タルトレート、オキサレート、アスコルベート、シンナメート、マンデレート、ゲンチセート(gentisate)、馬尿酸エステル)、アミノ酸(例えばアスパルテート、グルタメート)を含む対イオンである。
活性化合物は、治療される患者に深刻な毒性作用を引き起こすことなく、治療有効量を患者に送達するのに十分な量で、薬学的に許容される担体又は希釈剤に含まれる。一実施形態では、上述の条件の全てのための活性化合物の用量は、約0.01~約300mg/kg、1日当たり約0.1~約100mg/kg、1日当たり約0.5~約50mg/kg、又は1日当たり約1~約25mg/kgの範囲である。典型的な局所投与量は、好適な担体中0.01~3%重量/重量の範囲になる。薬学的に許容される誘導体の有効な投与量範囲は、送達されるべき親化合物の重量に基づいて計算することができる。誘導体がそれ自体で活性を呈する場合、有効投与量は、誘導体の重量を使用して、又は当業者に既知である他の手段によって、上記のように推定することができる。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも95%の結晶形態を含有する。他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも90%の結晶形態を含有する。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも80%の結晶形態を含有する。他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも70%の結晶形態を含有する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも60%の結晶形態を含有する。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも50%の結晶形態を含有する。
KRas G12C阻害剤又はその塩の結晶形態を含む医薬組成物は、本明細書中に記載される使用方法において使用され得る。
使用方法
本明細書で提供される組成物及び方法は、肺、大腸、膵臓、前立腺、乳房、脳、皮膚、子宮頸がん、精巣がんなどの腫瘍を含む様々ながんの治療に使用され得る。より具体的には、本発明の組成物及び方法によって治療され得るがんには、これらに限定されないが、星状細胞、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃、頭頸部、肝細胞、喉頭、肺、口腔、卵巣、前立腺、及び甲状腺のがん及び肉腫が含まれる。より詳細には、これらの化合物は、以下を治療するために使用され得る:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵(管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺癌、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、テラトーマ、胚性癌腫、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、乳腺線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;胆管:胆嚢癌、膨大部癌、胆管癌;骨:骨原性肉腫(骨肉種)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症(gliomatosis))、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫(glioma)、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、子宮頸部異型前腫瘍)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜-包膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、腟(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌);血液系:血(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄形成異常症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、黒子異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾せん;及び副腎:神経芽細胞種。ある特定の実施形態では、がんは、非小細胞肺がんである。
本明細書においては、(a)がんがKRas G12C変異(例えば、KRas G12C関連がん)と関連していることを決定すること(例えば、規制当局に承認された、例えば、FDAに承認されたアッセイ又はキットを使用して決定される)と、(b)治療有効量のKRas G12C阻害剤の結晶形態を、単独で、又は薬学的に許容できる賦形剤及び/若しくは希釈剤と組み合わせて、患者に投与することと、を含む、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療するための方法も提供される。一実施形態では、結晶形態は形態Aである。別の実施形態では、結晶形態は形態Bである。一実施形態では、結晶形態は形態Cである。別の実施形態では、結晶形態は形態Dである。一実施形態では、結晶形態は形態Eである。一実施形態では、結晶形態は、形態A~Eのいずれかの混合物である。
一実施形態では、KRas G12C阻害剤の結晶形態は、ある期間中にカプセルとして投与される。本発明の実施形態では、錠剤又はカプセル剤は、約10mg~約1500mg、例えば、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約0mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg及び約1500mgを含む。
一実施形態では、本方法は、例えば、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg及び約1500mgの量で、結晶形態を1日1回又は2回、毎日(ある期間の間)経口投与することを含む。KRas G12C阻害剤の結晶形態の経口投与は、例えば、毎日ベースで1日1回(ある期間の間)行われる。一実施形態では、KRAS阻害剤は、1日1回経口投与される。一実施形態では、KRAS G12C阻害剤の結晶形態は、1日2回経口投与される。
当業者は、好適で、既知であり、一般に受け入れられている細胞及び/又は動物モデルを使用するインビボ及びインビトロ試験の両方が、所与の障害を治療又は予防する試験化合物の能力を予測することを認識するであろう。
当業者は、健康な患者及び/又は所与の障害に苦しむ患者における、ヒト初の用量範囲及び有効性試験を含むヒト臨床試験が、臨床及び医療分野で周知である方法に従って完了され得ることを更に認識するであろう。
いくつかの実施形態では、本願明細書において提供される方法により、1日~2年(例えば、1日~22ヶ月、1日~20ヶ月、1日~18ヶ月、1日~16ヶ月、1日~14ヶ月、1日~12ヶ月、1日~10ヶ月、1日~9ヶ月、1日~8ヶ月、1日~7ヶ月、1日~6ヶ月、1日~5ヶ月、1日~4ヶ月、1日~3ヶ月、1日~2ヶ月、1日~1ヶ月、1週~2年、1週~22ヶ月、1週~20ヶ月、1週~18ヶ月、1週~16ヶ月、1週~14ヶ月、1週~12ヶ月、1週~10ヶ月、1週~9ヶ月、1週~8ヶ月、1週~7ヶ月、1週~6ヶ月、1週~5ヶ月、1週~4ヶ月、1週~3ヶ月、1週~2ヶ月、1週~1ヶ月、2週~2年、2週~22ヶ月、2週~20ヶ月、2週~18ヶ月、2週~16ヶ月、2週~14ヶ月、2週~12ヶ月、2週~10ヶ月、2週~9ヶ月、2週~8ヶ月、2週~7ヶ月、2週~6ヶ月、2週~5ヶ月、2週~4ヶ月、2週~3ヶ月、2週~2ヶ月、2週~1ヶ月、1ヶ月~2年、1ヶ月~22ヶ月、1ヶ月~20ヶ月、1ヶ月~18ヶ月、1ヶ月~16ヶ月、1ヶ月~14ヶ月、1ヶ月~12ヶ月、1ヶ月~10ヶ月、1ヶ月~9ヶ月、1ヶ月~8ヶ月、1ヶ月~7ヶ月、1ヶ月~6ヶ月、1ヶ月~6ヶ月、1ヶ月~5ヶ月、1ヶ月~4ヶ月、1ヶ月~3ヶ月、1ヶ月~2ヶ月、2ヶ月~2年、2ヶ月~22ヶ月、2ヶ月~20ヶ月、2ヶ月~18ヶ月、2ヶ月~16ヶ月、2ヶ月~14ヶ月、2ヶ月~12ヶ月、2ヶ月~10ヶ月、2ヶ月~9ヶ月、2ヶ月~8ヶ月、2ヶ月~7ヶ月、2ヶ月~6ヶ月、又は2ヶ月~5ヶ月、2ヶ月~4ヶ月、3ヶ月~2年、3ヶ月~22ヶ月、3ヶ月~20ヶ月、3ヶ月~18ヶ月、3ヶ月~16ヶ月、3ヶ月~14ヶ月、3ヶ月~12ヶ月、3ヶ月~10ヶ月、3ヶ月~8ヶ月、3ヶ月~6ヶ月、4ヶ月~2年、4ヶ月~22ヶ月、4ヶ月~20ヶ月、4ヶ月~18ヶ月、4ヶ月~16ヶ月、4ヶ月~14ヶ月、4ヶ月~12ヶ月、4ヶ月~10ヶ月、4ヶ月~8ヶ月、4ヶ月~6ヶ月、6ヶ月~2年、6ヶ月~22ヶ月、6ヶ月~20ヶ月、6ヶ月~18ヶ月、6ヶ月~16ヶ月、6ヶ月~14ヶ月、6ヶ月~12ヶ月、6ヶ月~10ヶ月、又は6ヶ月~8ヶ月)の期間に併用療法による治療を受けた患者の1つ以上の固形腫瘍の体積の、(例えば、治療より前の患者の1つ以上固形腫瘍のサイズと比較して)1%~99%(例えば、1%~98%、1%~95%、1%~90%、1~85%、1~80%、1%~75%、1%~70%、1%~65%、1%~60%、1%~55%、1%~50%、1%~45%、1%~40%、1%~35%、1%~30%、1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、1%~5%、2%~99%、2%~90%、2%~85%、2%~80%、2%~75%、2%~70%、2%~65%、2%~60%、2%~55%、2%~50%、2%~45%、2%~40%、2%~35%、2%~30%、2%~25%、2%~20%、2%~15%、2%~10%、2%~5%、4%~99%、4%~95%、4%~90%、4%~85%、4%~80%、4%~75%、4%~70%、4%~65%、4%~60%、4%~55%、4%~50%、4%~45%、4%~40%、4%~35%、4%~30%、4%~25%、4%~20%、4%~15%、4%~10%、6%~99%、6%~95%、6%~90%、6%~85%、6%~80%、6%~75%、6%~70%、6%~65%、6%~60%、6%~55%、6%~50%、6%~45%、6%~40%、6%~35%、6%~30%、6%~25%、6%~20%、6%~15%、6%~10%、8%~99%、8%~95%、8%~90%、8%~85%、8%~80%、8%~75%、8%~70%、8%~65%、8%~60%、8%~55%、8%~50%、8%~45%、8%~40%、8%~35%、8%~30%、8%~25%、8%~20%、8%~15%、10%~99%、10%~95%、10%~90%、10%~85%、10%~80%、10%~75%、10%~70%、10%~65%、10%~60%、10%~55%、10%~50%、10%~45%、10%~40%、10%~35%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、10%~15%、15%~99%、15%~95%、15%~90%、15%~85%、15%~80%、15%~75%、15%~70%、15%~65%、15%~60%、15%~55%、15%~50%、15%~55%、15%~50%、15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~99%、20%~95%、20%~90%、20%~85%、20%~80%、20%~75%、20%~70%、20%~65%、20%~60%、20%~55%、20%~50%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~99%、25%~95%、25%~90%、25%~85%、25%~80%、25%~75%、25%~70%、25%~65%、25%~60%、25%~55%、25%~50%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~99%、30%~95%、30%~90%、30%~85%、30%~80%、30%~75%、30%~70%、30%~65%、30%~60%、30%~55%、30%~50%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~99%、35%~95%、35%~90%、35%~85%、35%~80%、35%~75%、35%~70%、35%~65%、35%~60%、35%~55%、35%~50%、35%~45%、35%~40%、40%~99%、40%~95%、40%~90%、40%~85%、40%~80%、40%~75%、40%~70%、40%~65%、40%~60%、40%~55%、40%~60%、40%~55%、40%~50%、40%~45%、45%~99%、45%~95%、45%~95%、45%~90%、45%~85%、45%~80%、45%~75%、45%~70%、45%~65%、45%~60%、45%~55%、45%~50%、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~85%、50%~80%、50%~75%、50%~70%、50%~65%、50%~60%、50%~55%、55%~99%、55%~95%、55%~90%、55%~85%、55%~80%、55%~75%、55%~70%、55%~65%、55%~60%、60%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、65%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、70%~85%、70%~80%、70%~75%、75%~99%、75%~95%、75%~90%、75%~85%、75%~80%、80%~99%、80%~95%、80%~90%、80%~85%、85%~99%、85%~95%、85%~90%、90%~99%、90%~95%、又は95%~100%)の減少をもたらすことができる。
「生存期間」という語句は、医療専門家による哺乳動物におけるがん(例えば、本明細書に記載されるがんのいずれか)の同定又は診断と、(がんによって引き起こされる)哺乳動物の死亡時との間の時間の長さを意味する。がんを有する哺乳動物における生存期間を増加させる方法が本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、本願明細書において記載されている方法のいずれかにより、(例えば、類似のがんを有し、かつ異なる治療を受けたか又は治療を受けなかった患者と比較して)患者の生存期間の(例えば、1%~400%、1%~380%、1%~360%、1%~340%、1%~320%、1%~300%、1%~280%、1%~260%、1%~240%、1%~220%、1%~200%、1%~180%、1%~160%、1%~140%、1%~120%、1%~100%、1%~95%、1%~90%、1%~85%、1%~80%、1%~75%、1%~70%、1%~65%、1%~60%、1%~55%、1%~50%、1%~45%、1%~40%、1%~35%、1%~30%、1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、1%~5%、5%~400%、5%~380%、5%~360%、5%~340%、5%~320%、5%~300%、5%~280%、5%~260%、5%~240%、5%~220%、5%~200%、5%~180%、5%~160%、5%~140%、5%~120%、5%~100%、5%~90%、5%~80%、5%~70%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~30%、5%~20%、5%~10%、10%~400%、10%~380%、10%~360%、10%~340%、10%~320%、10%~300%、10%~280%、10%~260%、10%~240%、10%~220%、10%~200%、10%~180%、10%~160%、10%~140%、10%~120%、10%~100%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、20%~400%、20%~380%、20%~360%、20%~340%、20%~320%、20%~300%、20%~280%、20%~260%、20%~240%、20%~220%、20%~200%、20%~180%、20%~160%、20%~140%、20%~120%、20%~100%、20%~90%、20%~80%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、30%~400%、30%~380%、30%~360%、30%~340%、30%~320%、30%~300%、30%~280%、30%~260%、30%~240%、30%~220%、30%~200%、30%~180%、30%~160%、30%~140%、30%~120%、30%~100%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~400%、40%~380%、40%~360%、40%~340%、40%~320%、40%~300%、40%~280%、40%~260%、40%~240%、40%~220%、40%~200%、40%~180%、40%~160%、40%~140%、40%~120%、40%~100%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~400%、50%~380%、50%~360%、50%~340%、50%~320%、50%~300%、50%~280%、50%~260%、50%~240%、50%~220%、50%~200%、50%~180%、50%~160%、50%~140%、50%~140%、50%~120%、50%~100%、50%~90%、50%~80%、50%~70%、50%~60%、60%~400%、60%~380%、60%~360%、60%~340%、60%~320%、60%~300%、60%~280%、60%~260%、60%~240%、60%~220%、60%~200%、60%~180%、60%~160%、60%~140%、60%~120%、60%~100%、60%~90%、60%~80%、60%~70%、70%~400%、70%~380%、70%~360%、70%~340%、70%~320%、70%~300%、70%~280%、70%~260%、70%~240%、70%~220%、70%~200%、70%~180%、70%~160%、70%~140%、70%~120%,~100%、70%~90%、70%~80%、80%~400%、80%~380%、80%~360%、80%~340%、80%~320%、80%~300%、80%~280%、80%~260%、80%~240%、80%~220%、80%~200%、80%~180%、80%~160%、80%~140%、80%~120%、80%~100%、80%~90%、90%~400%、90%~380%、90%~360%、90%~340%、90%~320%、90%~300%、90%~280%、90%~260%、90%~240%、90%~220%、90%~200%、90%~180%、90%~160%、90%~140%、90%~120%、90%~100%、100%~400%、100%~380%、100%~360%、100%~340%、100%~320%、100%~300%、100%~280%、100%~260%、100%~240%、100%~220%、100%~200%、100%~180%、100%~160%、100%~140%、100%~120%、120%~400%、120%~380%、120%~360%、120%~340%、120%~320%、120%~300%、120%~280%、120%~260%、120%~240%、120%~220%、120%~200%、120%~180%、120%~160%、120%~140%、140%~400%、140%~380%、140%~360%、140%~340%、140%~320%、140%~300%、140%~280%、140%~260%、140%~240%、140%~220%、140%~200%、140%~180%、140%~160%、160%~400%、160%~380%、160%~360%、160%~340%、160%~320%、160%~300%、160%~280%、160%~260%、160%~240%、160%~220%、160%~200%、160%~180%、180%~400%、180%~380%、180%~360%、180%~340%、180%~320%、180%~300%、180%~280%、180%~260%、180%~240%、180%~220%、180%~200%、200%~400%、200%~380%、200%~360%、200%~340%、200%~320%、200%~300%、200%~280%、200%~260%、200%~240%、200%~220%、220%~400%、220%~380%、220%~360%、220%~340%、220%~320%、220%~300%、220%~280%、220%~260%、220%~240%、240%~400%、240%~380%、240%~360%、240%~340%、240%~320%、240%~300%、240%~280%、240%~260%、260%~400%、260%~380%、260%~360%、260%~340%、260%~320%、260%~300%、260%~280%、280%~400%、280%~380%、280%~360%、280%~340%、280%~320%、280%~300%、300%~400%、300%~380%、300%~360%、300%~340%、又は300%~320%の)増加をもたらすことができる。
以下の実施例は、本発明の更に特定の実施形態を説明することを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
比較例1
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(非晶質)の調製。
本例は、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの非晶質の遊離塩基の調製を例示する。
ステップ1:I07の調製
N,N-ジメチルアセトアミド(3.75w/w)を反応器に充填し、続いてベンジル(S)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(I05、1w/w)を添加した。反応混合物を5分間撹拌した。混合物を20℃に冷却した。次いで、tert-ブチル2,4-ジクロロ-5,8-ジヒドロピリド(I06、1.11w/w)を反応器に投入し(1.11w/w)、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.75w/w)をゆっくり添加した。反応が完了するまで(IPC HPLC、NMT 5%のI05)、反応混合物を撹拌し、次いで酢酸エチル(9w/w)及び精製水(10w/w)で希釈した。20~30分後、反応混合物を沈降させ、水相と有機相を分離した。水相を酢酸エチル(4.5w/w)で逆抽出した。合わせた有機相を精製水(10w/w)、10%塩化ナトリウム溶液(11w/w)で連続して3回洗浄し、NaSO(0.5w/w)で乾燥し、次いで濾過した。混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗I07を更に精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2:I09の調製
粗製I07を1,4-ジオキサン(23w/w)に溶解させ、次いで、(S)-(1-メチルピロリジン-2-イル)、メタノール(I08、1.332w/w)、続いて炭酸セシウム(3.77w/w)を添加し、得られた混合物を乾燥窒素で15分間脱気した。RuPhos Pd G3(0.323w/w)を反応混合物に入れ、乾燥窒素で15分間脱気し、その後、反応混合物の温度を110℃に上げた。反応が完了したとみなされた後(IPC HPLC、NMT 5%のI07)、混合物を25℃に冷却し、酢酸エチル(18w/w)及び精製水(20.5w/w)で希釈した。得られた粗混合物をCelite(2w/w)Nutsche Filterで濾過し、反応器及び濾床を酢酸エチル(4.5w/w)で洗浄した。次いで、水相及び有機相を分離した。水相を酢酸エチル(4.5w/w)で逆抽出した。合わせた有機相を、1.5%L-システイン溶液(21.33w/w)、10%塩化ナトリウム溶液(22.35w/w)で連続して2回洗浄し、Na2SO4(0.5w/w)で乾燥させ、Nutscheフィルターで濾過した。反応器及び濾床を酢酸エチル(2w/w)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮し、得られた残留物をクロマトグラフィーによって精製して、I09を得た。
ステップ3:I10の調製
反応器中で、I09をジクロロメタン(23w/w)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(7.5w/w)をゆっくり添加した。反応が完了した後(IPC HPLC、NMT 5%のI09)、混合物を濃縮し、酢酸エチル(22.5w/w)及び精製水(10w/w)で希釈した。有機相を分離し、1.5N HCl水溶液(14w/w)で洗浄し、相を分離した。合わせた水相を酢酸エチル(22.5w/w)で2回抽出した。相を分離し、炭酸カリウム(2.5~5.0w/w)を用いて水相のpHを8~10に調整した。水相をジクロロメタン(17w/w)で3回抽出した。合わせた有機相を回収し、10%塩化ナトリウム溶液(9.35w/w)で洗浄し、Na2SO4(0.5w/w)で乾燥させ、Nutscheフィルターを通して濾過した。反応器及び濾床をジクロロメタン(2w/w)で洗浄した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗I10を更に精製することなく次のステップで使用した。
ステップ4:I15の調製
1,4-ジオキサン(10.0w/w)及びI10(1w/w)を反応器に投入した。反応混合物を10~15分間撹拌した。窒素で脱気した。1-ブロモ-8-クロロ-ナフタレン(I14、0.96w/w)及び三塩基性リン酸カリウム(2.10w/w)を反応器に添加した。反応混合物を10~15分間撹拌した。窒素で脱気した。次いで、(R)-BINAP(0.25w/w)を25℃で混合物に添加し、続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)(0.18w/w)を添加した。反応混合物の温度を75~80℃まで上昇させ、12時間撹拌した。反応が完了した後(IPC HPLC、NMT 5%のI10)、混合物を25℃に冷却し、セライト床を通して濾過した。濾床を酢酸エチル(4.5w/w)で洗浄した。濾液を水(5w/w)で希釈し、相を分離した。水相を酢酸エチル(4.5w/w)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(1w/w)で洗浄し、NaSOで乾燥させ(0.5w/w)、減圧下で濃縮した。得られた残留物をクロマトグラフィーによって精製して、I15を得た。
ステップ5:I16の調製
アセトニトリル(7w/w)を反応器に入れ、窒素雰囲気下で10~15分間撹拌し、次いでI15(1w/w)を加え、混合物を10℃に冷却した。温度を10℃に維持しながら、TMSI(1.05w/w)を添加した。添加が完了した後、温度を20~25℃に上昇させ、混合物を更に2時間撹拌した。反応が完了したとみなされた後(IPC HPLC、NMT 5%のI15)、反応混合物を重亜硫酸ナトリウム水溶液(10.0w/w)でクエンチし、温度を25℃に上げた。反応混合物を25℃で15分間撹拌し、続いて酢酸エチル(10.0w/w)を添加した。撹拌を停止し、相を分離し、有機相を回収し、10%重亜硫酸ナトリウム溶液(6.5w/w)で洗浄した。2つの水相を合わせ、酢酸エチル(4.5w/w)で抽出し、炭酸ナトリウムを使用してpHを9~10に調整した。混合物を酢酸エチル(2×9w/w)で更に抽出した。合わせた有機相を水(5.0w/w)、続いてブライン溶液(0.5w/w)で洗浄し、NaSO(0.5w/w)で乾燥させ、減圧下で濃縮して、I16を得た。
ステップ6:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの調製
ジクロロメタン(13w/w)を反応器に充填し、窒素雰囲気下で10~15分間撹拌し、次いで2-フルオロアクリル酸(0.51w/w)及びTBTU(2.42w/w)を添加した。反応混合物を約5℃に冷却し、温度を約5℃に維持しながらDIEA(1.46w/w)を添加した。次いで、ジクロロメタン(13w/w/)及びI16(1w/w)を25℃で入れた。粗混合物を25℃で1時間更に撹拌し、反応の進行をステップ内HPLCによって監視した。反応が完了したとみなされた後(IPC HPLC、I16のNMT2%)、粗混合物を10%KCO水溶液(10.0w/w)で希釈し、25℃で更に30分間撹拌し、次いでセライト床を通して濾過した。相を分離し、有機相を回収し、濃縮し、有機相-1として酢酸エチル(9w/w)に再溶解した。水相を酢酸エチル(4.5w/w)で抽出し、得られた水相と有機相-2を分離した。有機相(1及び2)を合わせ、10%KCO水溶液(10.0w/w)、水(10w/w)、10%塩化ナトリウム水溶液(11w/w)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をクロマトグラフィー溶出により精製して、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを得た。
H NMR(400MHz,Acetic)δ=7.82(d,J=8.0Hz,1H),7.69(d,J=8.0Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.41-7.30(m,2H),5.58-5.25(m,2H),5.17-4.59(m,4H),4.57-4.28(m,3H),4.24-3.78(m,4H),3.67-3.13(m,7H),3.08(br d,J=2.4Hz,3H),2.98(br d,J=6.4Hz,1H),2.83-2.61(m,1H),2.45-2.29(m,1H),2.24-2.08(m,3H)。
得られた2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの非晶質調製物のX線粉末回折パターンを図1に示す。
比較例2
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(非晶質)の代替的調製1
(国際公開第2019/099524号パンフレットからの実施例478)
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(非晶質)
2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド。2-フルオロプロパ-2-エン酸(400mg、4.44mmol、1当量)のDCM(4mL)中溶液に、(COCl)(846mg、6.66mmol、583μL、1.5当量)及びDMF(32.5mg、444μmol、34.2μL、0.1当量)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒の一部を除去し、DCM中の残留物を得た。化合物2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド(400mg、粗製)を黄色の液体として得て、更に精製することなく次のステップに使用した。
ステップA:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル。DCM(5mL)中の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(300mg、528umol、1当量、HCl)の溶液に、DCM(5mL)中のDIEA(1.73g、13.4mmol、2.33mL、25.4当量)及び2-フルオロプロパ-2-エノイルクロリド(286mg、2.64mmol、5当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(Al、ジクロロメタン/メタノール=10/1~10/1)により精製した。残留物を、分取HPLC(カラム:Gemini 150 * 25 5u;移動相:[水(0.05%水酸化アンモニアv/v)-ACN];B%:55%~85%、12分)によって精製した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150 * 30mm * 4um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:20%~50%、10.5分)によって精製した。残留物を減圧下で濃縮してACNを除去し、次いで、凍結乾燥した。標記化合物である2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(実施例478、24.1mg、36.7μmol、7%収率、99.1%純度、FA)を褐色固体として得た。
SFC条件:「AD-3S_3_5_40_3MLカラム:Chiralpak AD-3 100×4.6mm I.D.、3μm、移動相:5%~40%のCO中メタノール(0.05%DEA)流速:3mL/分波長:220nm」。
H NMR(400MHz,Acetic)δ=7.82(d,J=8.0Hz,1H),7.69(d,J=8.0Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.41-7.30(m,2H),5.58-5.25(m,2H),5.17-4.59(m,4H),4.57-4.28(m,3H),4.24-3.78(m,4H),3.67-3.13(m,7H),3.08(br d,J=2.4Hz,3H),2.98(br d,J=6.4Hz,1H),2.83-2.61(m,1H),2.45-2.29(m,1H),2.24-2.08(m,3H)。
比較例3
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(非晶質)の代替的調製2
試薬及び条件。a)(i)尿素、NaOEt/EtOH、80℃、20時間、62%;(ii)POCl、110℃、12時間、60%;b)NaOMe/MeOH 0~25℃、30分、92%;c)(S)-(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノール、rac-BINAP、Pd(OAc)、CsCO、トルエン、110℃、8時間、83%;d)Pd(OH)2/C、H2、MeOH、40℃、48時間、90%;e)Pd2(dba)3、RuPhos、Cs2CO3、トルエン、90℃、10時間、53%;f)(i)EtSH、NaH、DMF、60℃、1時間、94%;TfO、TEA、4ÅMS、DCM、-40℃、30分、20%;g)(S)-2-(ピペラジン-2-イル)アセトニトリル、DIEA、DMA、室温、15分、44%;h)2-フルオロプロパ-2-エン酸、T3P、TEA、0℃、30分、29%。
7-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール:Na(46.3g、2.01mol、4.0当量)を無水EtOH(2.5L)に少しずつ添加した。懸濁液が均質になるまで、反応混合物を60℃で30分間撹拌した。得られた溶液に尿素(90.8g、1.51mol、3.0当量)を添加し、尿素が溶解するまで混合物を10分間撹拌した。この溶液に、エチル1-ベンジル-3-オキソピペリジン-4-カルボキシレート-HCl塩(150g、504mmol、1.0当量)を加えた。混合物を80℃で20時間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して、粗残留物を得た。残留物を水(1L)に溶解させ、HCl(12N、80mL)でpH=6に酸性化した。固体を濾過により回収し、MTBE(600mL)で洗浄した。固体をトルエンで共沸乾燥させて、7-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール(80.0g、収率62%)を白色固体として得た。
7-ベンジル-2,4-ジクロロ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン:POCl(750mL、8.07mol、26当量)中の7-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4-ジオール(80.0g、311mmol、1.0当量)の混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル(1L)に溶解させ、飽和NaCO水溶液(500mL)で希釈した。混合物を分離し、有機溶媒を無水NaSO上で乾燥させ、シリカゲルのパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーSiO、石油エーテル/酢酸エチル、10/1から1/1)によって精製して、7-ベンジル-2,4-ジクロロ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(55g、収率60%)を白色固体として得た。LCMS[ESI,M+1]:294。
7-ベンジル-2-クロロ-4-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン:MeOH(2L)中の7-ベンジル-2,4-ジクロロ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(100g、340mmol、1.0当量)の溶液に、ナトリウムメトキシド(22.0g、408mmol、1.2当量)を0℃で添加した。25℃で30分間撹拌した後、混合物を2 N HCl水溶液でpH7に酸性化した。得られた混合物に水(1L)を添加し、懸濁液を濾過し、固体を水(200mL)で洗浄した。濾過ケーキを酢酸エチル(1L)に溶解させ、水(500mL)及びブライン(500mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、7-ベンジル-2-クロロ-4-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(92.0g、収率92%)を得た。白色固体;HPLC:>98%;H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.36-7.06(m,5H),3.92(s,3H),3.65-3.55(m,2H),3.46(s,2H),2.66(t,J=6.0,2H),2.55(t,J=5.6,2H);LCMS[ESI,M+1]:290。
(S)-7-ベンジル-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン:7-ベンジル-2-クロロ-4-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(92.0g、318mmol、1.0当量)、[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(73.1g、635mmol、75.4mL、2当量)のトルエン(2L)中の混合物に、酢酸パラジウム(7.13g,31.8mmol,0.1当量)、rac-BINAP(39.5g、63.5mmol、0.2当量)及び炭酸セシウム(310g、953mmol、3当量)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を窒素で3回パージし、次いで窒素下、110℃で8時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(1.5L)で濾過及び希釈した。混合物を1 N HCl水溶液でpH3~4に酸性化し、酢酸エチル(1L)で洗浄した。水層を飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH 8~9に中和し、酢酸エチル(3×1.5L)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-7-ベンジル-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(103g、収率83%)を得た。黄色油;H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.31-7.16(m,5H),4.30(dd,J=5.2,10.8Hz,1H),4.11-4.01(m,1H),3.88(s,3H),3.60(s,2H),3.42(s,2H),3.00(br t,J=7.6Hz,1H),2.71-2.45(m,5H),2.38(s,3H),2.18(dt,J=7.2,9.2Hz,1H),2.04-1.88(m,1H),1.82-1.55(m,3H);LCMS[ESI,M+1]:369。
(S)-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン:(S)-7-ベンジル-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(58.0g、157mmol、1.0当量)のMeOH(1L)中の溶液に、Pd(OH)/C(10.0g、20重量%、27.1mmol)を添加した。混合物を水素ガス(45psi)下、40℃で48時間撹拌した。混合物を窒素でパージし、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、(S)-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(41.0g、収率90%)を得た;黄色油;H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.37(dd,J=4.8,10.4Hz,1H),4.13(dt,J=7.2,10.4Hz,1H),3.95(s,3H),3.83(s,2H),3.09-3.01(m,3H),2.69-2.58(m,1H),2.49(t,J=5.6Hz,2H),2.45-2.41(m,1H),2.46-2.39(m,2H),2.24(dt,J=7.2,9.2Hz,1H),2.08-2.01(m,1H),1.85-1.63(m,3H)。LCMS[ESI,M+1]:279。
(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン:トルエン(1L)中の(S)-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(60g、215mmol、1当量)及び1-ブロモ-8-クロロ-ナフタレン(67.9g、280mmol、1.3当量)の混合物に、窒素下でRuPhos(40.2g、86.2mmol、0.4当量)、Pd(dba)(39.5g、43.1mmol、0.2当量)、CsCO(175g、539mmol、2.5当量)を添加した。混合物を、窒素下、90℃で10時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、セライトを通して濾過した。フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した(1.50L×2)。濾液を1.0 M HCl水溶液でpH2に調整し、酢酸エチル(1L2)で洗浄し、分離した。水層を固体NaCOでゆっくりと中和し、次いで酢酸エチル(1.5L×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、3:1、次いで酢酸エチル/メタノール、10:1)によって精製して、(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(52g、収率53%)を得た。黄色固体;H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.76-7.71(m,1H),7.61-7.57(m,1H),7.53-7.48(m,1H),7.45-7.40(m,1H),7.34-7.29(m,1H),7.24-7.20(m,1H),4.49-4.40(m,1H),4.34-4.25(m,1H),4.19(ddd,J=4.8,7.2,10.8Hz,1H),4.02(s,3H),3.87(dd,J=0.8,17.2Hz,1H),3.64-3.53(m,1H),3.23-3.13(m,1H),3.12-3.05(m,1H),3.03-2.93(m,1H),2.74-2.57(m,2H),2.49(s,3H),2.31-2.23(m,1H),2.05(s,1H),1.90-1.75(m,3H);LCMS[ESI,M+1]:439。
(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール:NaH(3.19g、79.7mmol、60重量%、2.0当量)のDMF(200mL)中の溶液に、EtSH(10.1mL、137mmol、3.4当量)を0℃で30分間かけて添加した。この混合物に、(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-メトキシ-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(17.5g、39.87mmol、1.0当量)のDMF(200mL)中の溶液を添加した。混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液(200mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(150mL×2)及びクロロホルム(150mL×2)で抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー[Al2O3、石油エーテル/酢酸エチル、1:1から酢酸エチル/エタノール(2%NHOH)、1:1]によって精製して、(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(16.5g、94%)を得た。黄色固体;Rf=0.05[4:3:1、石油エーテル/酢酸エチル/エタノール(2% NHOH)];H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.77-7.71(m,1H),7.58(d,J=8.0Hz,1H),7.51(d,J=7.6Hz,1H),7.42(dt,J=2.0,7.6Hz,1H),7.37-7.28(m,1H),7.22(d,J=7.6Hz,1H),4.60-4.33(m,2H),4.15-4.08(m,1H),3.75-3.67(m,1H),3.54(br dd,J=2.4,9.2Hz,1H),3.47(s,1H),3.34-3.19(m,1H),3.18-3.05(m,1H),3.00-2.73(m,2H),2.57(d,J=9.6Hz,3H),2.50-2.33(m,1H),2.07-1.78(m,4H),1.32-1.17(m,1H).);LCMS[ESI,M+1]:425。
(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート:ジクロロメタン(3.0mL)中の(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(500mg、1.18mmol、1.0当量)及び4ÅMS(300mg)の懸濁液に、-40℃でTfO(388μL、2.35mmol、2.0当量)及びTEA(819μL、5.88mmol、5.0当量)を添加した。混合物を-40℃で30分間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーSiO、石油エーテル/酢酸エチル、10:1から1:1)によって精製して、トリフルオロメタンスルホン酸(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル(134mg、収率20%)を得た。黄色固体;Rf=0.05(石油エーテル/酢酸、3:1)H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.77(dd,J=0.8,8.0Hz,1H),7.65(d,J=7.6Hz,1H),7.54(dd,J=1.2,7.6Hz,1H),7.46(t,J=7.6Hz,1H),7.35(t,J=7.6Hz,1H),7.26-7.21(m,1H),4.50-4.36(m,2H),4.25(ddd,J=3.6,6.4,10.4Hz,1H),3.97(d,J=18.0Hz,1H),3.72-3.60(m,1H),3.31-3.06(m,3H),2.85-2.64(m,2H),2.49(s,3H),2.37-2.25(m,1H),2.13-2.05(m,1H),1.93-1.72(m,3H).);LCMS[ESI,M+1]:557。
2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:(S)-7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(11.0g、10.6mmol、純度54%、1.0当量)のDMA(100mL)中の溶液に、(S)-2-(ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(1.47g、11.7mmol、1.1当量)及びDIEA(3.71mL、21.3mmol、2.0当量)を15℃で添加した。混合物を15℃で15分間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー[水、アセトニトリル(0.1%FA)]によって精製して、2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(2.5g、44%)を得た。黄色固体;H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.75(d,J=8.0Hz,1H),7.61(dd,J=2.4,8.0Hz,1H),7.55-7.49(m,1H),7.39-7.29(m,2H),7.26-7.19(m,1H),4.51-4.32(m,2H),4.18-4.12(m,1H),4.07-3.90(m,1H),3.90-3.70(m,2H),3.62-3.48(m,1H),3.37-3.19(m,1H),3.18-3.02(m,5H),3.01-2.79(m,2H),2.67(br dd,J=4.8,6.8Hz,1H),2.59-2.48(m,3H),2.48(d,J=2.8Hz,3H),2.34-2.21(m,1H),2.12-2.04(m,1H),1.79-1.69(m,3H)。LCMS[ESI,M+1]:532。
2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル:0℃の酢酸エチル(5.0mL)中の2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(80mg、1.50mmol、1.0当量)及び4Åモレキュラーシーブ(500mg)の懸濁液に、トリエチルアミン(1.67mL、12.0mmol、8.0当量)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(271mg、3.01mmol、2.0当量)及びT3P(2.68mL、4.51mmol、酢酸エチル中50重量%、3.0当量)を添加した。混合物を30分かけて15℃に加温し、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で希釈した。水相を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗残留物を得た。残留物を、分取HPLC(カラム:Waters Xbridge C18 150×50mm×10um、移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN]、B(ACN)、B%:42%~72%、11.5分)によって精製した。2-((S)-4-(7-(8-クロロナフタレン-1-イル)-2-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)-1-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(263mg、29%)を得た。灰色がかった白色固体;融点91.0~117.5℃。HPLC:98.9%;SFC:100%ee、Chiralpakカラム(IC-3 50×4.6mm I.D.3μm)、60%CHOH 40%CHCN(0.05%DEA)、3mL/分流速、220nm検出器、カラム温度:35℃、背圧:100Bar、tR:1.108分;[α]D(25℃):-0.672°(c=0.138g/100mL、CH3CN);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.76(td,J=1.6,8.0Hz,1H),7.62(t,J=7.2Hz,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.45(td,J=7.6,13.2Hz,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.18(m,1H),5.51-5.33(m,1H),5.25(dd,J=3.6,16.8Hz,1H),5.10-4.58(m,1H),4.48-4.35(m,2H),4.19-4.01(m,3H),3.99-3.74(m,2H),3.63-3.56(m,1H),3.43(br d,J=12.8Hz,1H),3.30-3.02(m,5H),2.96-2.74(m,2H),2.72-2.53(m,2H),2.48(d,J=2.0Hz,3H),2.28(ddt,J=2.0,7.2,9.6Hz,1H),2.12-1.99(m,1H),1.88-1.69(m,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 166.3,166.1,162.6,158.0,155.3,148.4,148.0,137.2,130.0,129.6,128.2,126.4,125.9,125.6,125.1,124.9,118.5,116.7,109.2,101.4,69.9,63.8,59.0,58.6,57.6,50.3,48.0,41.7,29.1,26.1,25.4,22.9;HRMS(ESI+)2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの計算値C3235ClFNH+(M+H+)604.2598、実測値604.2602。
比較例4
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(非晶質)の代替的調製3
約0.5gの2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを周囲温度でメタノール(約16ml)に溶解させた。溶液を噴霧乾燥機のノズルに供給し、液滴に噴霧し、熱窒素ガス流によって急速に乾燥させて粒子にした。BLD-35噴霧乾燥機を、約25~35g/分の溶液流量、圧力旋回Schlick 2.0アトマイザー、120psigの噴霧圧及び45℃の出口温度で使用した。得られた材料の二次乾燥を、30℃で約19時間、トレイ乾燥機中で行った。
実施例1
実施例1A:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Aの調製
700mg、±1mg量の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを20mlバイアルに秤量し、ヘプタン(10vol、7ml)を80℃で加えた。25℃~80℃の温度サイクルで24時間熟成させた後、懸濁液のアリコートをXRPDによって分析し、部分的に結晶性であることを決定した。バイアル側面上に形成された固体を懸濁液中に削り戻し、25℃/80℃のサイクルで24時間熟成を続けた。ヘプタンが完全に蒸発した後、第2の体積のヘプタン(10体積、7ml)を添加し、熟成を更に続けた。96時間の熟成後、サンプルを完全に蒸発させた。得られた固体物質をXRPDによって分析したところ、結晶性物質であることが示された。サンプルを真空オーブン中で2時間乾燥させた。結晶形態Aの2時間乾燥サンプルのX線粉末回折パターンを図1Aに示し、観察された回折ピークを表1に列挙する。特徴的なピークをアスタリスクで示す。
実施例1B:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Aの第1の追加の調製
20Lのジャケット付き反応器において、2.1kgの非晶質の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルを14Lの溶媒混合物IPA:MTBE 4:1v:vに52℃で溶解させ、10分間熟成させた。この溶液を10分で50℃に冷却し、10分間熟成させた。42gの2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル形態Aの種を添加して乾燥させ、1時間熟成させた。得られた懸濁液を0.028℃/分で25℃に冷却し、35℃で8時間、30℃で4時間、及び25℃で約12時間熟成させ、室温で約12時間真空引きして濾過し、次いで真空下約40℃で約72時間乾燥させた。得られた固体物質をXRPDによって分析したところ、結晶性物質であることが示された。結晶形態Aの2時間乾燥サンプルのX線粉末回折パターンを図1Bに示し、XRPD分析から得られた観察されたピーク及びパーセントピーク強度を表1に列挙する。
実施例1C:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Aの第2の追加の調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(115.2mg)をIPA(2.2ml)に50℃で溶解させた。溶液の約半分を0.2μmナイロンフィルターで濾過し、1ドラムバイアルに入れた。次いで、1ドラムバイアルに蓋をし、6℃のシェーカーブロックに入れた。7日後に固体が観察された。溶媒をデカントし、固体を乾燥のためにバイアル中に蓋をせずに残した。1時間後、バイアルに蓋をし、固体をX線粉末回折によって分析した。固体は形態Aから構成されていた。
Figure 2023540809000008
実施例2
実施例2A:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Bの調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(20mg±1mg)をHPLCバイアル中に秤量した。イソプロパノール(200μl)を50℃で添加し、形成された溶液を0.5℃/分で5℃に冷却した。冷却後に形成された固体をXRPDによって分析したところ、部分結晶性形態Bと一致していた。
実施例2B:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Bの第1の追加の調製
700mg、±1mg量の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-
メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルをHPLCバイアルに秤量し、IPA中10%HOの溶媒(5体積、3.5ml)を50℃で添加した。サンプルを0.5℃/分で5℃に冷却した。サンプルは、温度が30℃に達したときに薄い灰色の懸濁液を形成し、38日齢の結晶調製物を使用して播種して、形態Bの形成を補助し、また冷却を継続した。5℃で、サンプルは濃厚な白色懸濁液を形成し、XRPD分析は部分的な結晶パターンを示した。結晶形態成を更に促進するためにサンプルに再び種晶を入れ、5℃で48時間撹拌した。得られた懸濁液は結晶形態Bを含んでいた。サンプルを真空オーブン中で2時間乾燥させた。
実施例2C:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Bの第2の追加の調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(90.00g)を、2Lの反応容器中、イソプロパノール/水(75/25v/v)(347ml)に約70℃で溶解させた。溶液を30分間にわたって40℃まで冷却した。1.0gの形態Bをイソプロパノール/水(75/25v/v)(10ml)中で約1時間撹拌することによって、種スラリーを別のバイアル中で調製した。2L反応器中の溶液が40℃に達した後、種スラリーを約1分間超音波処理し、次いで2L反応器中の溶液に添加した。スラリーを40℃で1時間保持した後、10時間かけて5℃に冷却した。5℃で2日間保持した後、固体を真空濾過によって収集した。反応器をイソプロパノール/水(60/40v/v)(約400ml)で洗浄し、次いで洗浄液を回収し、ウェットケーキとともに濾過した。次いで、湿ったケーキをイソプロパノール/水(60/40v/v)(約300ml)で2回洗浄した。固体を回収し、周囲温度で3日間真空乾燥した。固体をX線粉末回折によって分析し、形態Bから構成されていた。
実施例2D:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Bの第3の追加の調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(36.89g)を、60℃で500ml反応容器中、イソプロパノール/ヘプタン(80/20v/v)(370ml)に溶解させた。溶液を15分間にわたって45℃まで冷却した。559.9mgの形態Bをイソプロパノール/ヘプタン(80/20v/v)(6.5ml)中で合わせることによって、種スラリーを別のバイアル中で調製した。種スラリーを約2分間超音波処理し、次いで周囲温度で約1時間撹拌した。500ml反応器中の溶液が40℃に達した後、種スラリーを2分間超音波処理し、次いで500ml反応器中の溶液に添加した。スラリーを45℃で2時間保持し、4時間かけて30℃に冷却し、30℃で4時間保持し、3時間かけて20℃に冷却し、最後に20℃で8時間保持した。固体を真空濾過により回収した。湿ったケーキをイソプロパノール/ヘプタン(80/20v/v)(110ml)で2回洗浄した。固体を回収し、30~40℃で1日間真空乾燥した。固体を、X線粉末回折によって分析し、形態Bから構成されていた。実施例2Dに従って作製された結晶形態BのX線粉末回折パターンを図5Aに示し、観察されたピークを表2に列挙する。特徴的なピークをアスタリスクで示す。
実施例2E:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Bの第4の追加の調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(1386mg)を、20mlバイアル及び30%水に秤量した。IPA(5体積)予備混合溶媒を50℃で添加した。サンプルを0.5℃/分で25℃に冷却し、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル、形態B約2mgを播種した。次いで、サンプルを0.5℃/分で5℃に冷却し、5℃で一晩撹拌した。朝、サンプルは濃厚なスラリーを形成し、週末にわたって5℃で撹拌したままにしておいた。サンプルをブフナー濾過により濾過し、次いで真空オーブン中室温で約4時間乾燥させた。XRPD分析は、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル形態Bを示した。収量:1.1g、79%。実施例2Eに従って作製された形態Bの特徴的なピークをアスタリスクで示す。
実施例2F:2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Bの第5の追加の調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル
(15g)を、60℃で250mL反応器中、イソプロパノール/ヘプタン(80/20v/v)(150mL)に溶解させた。溶液をおよそ10℃/時間のおよその速度で45℃に冷却した。種スラリーを、225mgの形態Bを1.5mLのイソプロパノール/ヘプタン(80/20v/v)中で合わせることによって調製した。250ml反応器中の溶液が45℃に達した後、種スラリーを250ml反応器に添加し、スラリーを45℃で1時間撹拌し、次いで2.5℃/時間の速度で35℃に冷却し、35℃で4時間保持し、2.5℃/時間の速度で25℃に冷却し、25℃で4時間保持し、2.5℃/時間の速度で5℃に冷却し、5℃で少なくとも8時間保持した。固体を真空濾過によって回収し、N2スイープ下で1~2時間乾燥させ、真空乾燥させた。固体を乾燥後にX線粉末回折によって分析し、形態Bから構成されていた。形態Bを94.0%の収率で得た。
図28は、実施例2Fに従って調製された結晶形態BのXRPDパターンを示す。X線回折計(Bruker D8 Focus)を使用してサンプルを検査し、ステップサイズ0.02°(2θ)で3°~42°(2θ)まで走査した。チューブ電圧及び電流は、それぞれ40kV及び40mAであった。サブサンプルを0バックグラウンドXRPDホルダー上に置き、わずかにプレスして、分析のために表面を滑らかにした。
Figure 2023540809000009
実施例3
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Cの調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(75.5mg)を、イソプロパノール/水(75/25v/v)(1ml)中、周囲温度で14日間撹拌した。シリンジフィルターを通してスラリーを濾過することによって固体を回収した。固体をX線粉末回折により分析したところ、形態Cから構成されていた。結晶形態CのX線粉末回折パターンを図9に示し、XRPD分析から得られた観察されたピークを表3に列挙する。特徴的なピークをアスタリスクで示す。実施例22及び図27で説明されるように、これは水和形態である。
Figure 2023540809000010
実施例4
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Dの調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(332.8mg)を、周囲温度でイソプロパノール(約100ml)に溶解させた。溶液の約1/3を100ml丸底フラスコに回収し、次いで溶液を約40℃で回転蒸発させた。得られた粉末状固体とガラス状固体の混合物に水(約10ml)を加えた。次いで、混合物を周囲温度で1日撹拌した。固体を真空濾過によって回収し、X線粉末回折によって分析した。結晶形態DのX線粉末回折パターンを図13に示し、XRPD分析から得られた観察されたピークを表4に列挙する。特徴的なピークをアスタリスクで示す。物理的特徴付けデータ及び実験は、形態Dが水和物であることを示す。
Figure 2023540809000011
実施例5
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態Eの調製
2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル形態Dを、キャップをしていないバイアルに入れ、次いでこれを五酸化リンを含有するより大きなジャーの内側に入れた。大きい方のジャーに蓋をし、2~4日後に固体をX線粉末回折によって分析した。結晶形態EのX線粉末回折パターンを図15に示し、XRPD分析から得られた観察されたピーク及び%ピーク強度を表5に列挙する。特徴的なピークをアスタリスクで示す。
Figure 2023540809000012
実施例6
結晶形態Aの示差走査熱量測定(DSC)分析
実施例1Aに従って作製した結晶形態AのサンプルのDSC分析を、50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000を使用して製造業者の指示に従って行った。秤量した量の結晶形態Aを、ピンホールアルミニウムパンに入れ、2℃/分の基礎加熱速度及び60秒(期間)毎に±0.636℃(振幅)の温度調節パラメータを使用して加熱するか(図2)、又は25℃から300℃まで10℃/分で加熱した(図3)。50ml/分での乾燥窒素のパージをサンプル上で維持した。使用した機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series及びThermal Advantageであり、データは、Universal Analysisを使用して分析した。実施例1Aに従って作製した結晶形態AのDSCサーモグラムプロファイルを図2に示す。図2に示されるように、結晶形態Aは、46J/gの融解熱で約107℃に吸熱ピーク開始点を有する。
実施例1Bに従って作製され、上記の手順と同様の手順を使用して生成された結晶形態AのDSCサーモグラムプロファイルを図11に示す。図11に示されるように、結晶形態Aは、58J/gの融解熱で約119℃に吸熱ピーク開始点を有する。
実施例7
結晶形態Aの熱重量分析(TGA)
TGA分析は、16ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAを使用して行った。秤量したサンプルを、予め風袋を量ったアルミニウムDSCパン上に載せ、周囲温度から350℃まで10℃/分で加熱した。サンプル上で60ml/分の窒素パージを維持した。分析に使用した機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series及びThermal Advantageであり、データはUniversal Analysisを使用して分析した。
結晶形態AのTGAサーモグラムプロファイルを図3に示す。図3に示されるように、TGAによって測定したときに、200℃での分解の開始まで無視できる重量損失を有する。
実施例8
結晶形態Aの動的蒸気収着(DVS)分析
GVS Intrinsic Controlソフトウェアによって制御されるSMS GVS Intrinsic水分収着分析器を使用して、結晶形態Aの収着等温線を得た。サンプル温度は、機器制御によって25℃に維持した。湿度は、総流量200ml/分で乾燥窒素流と湿潤窒素流とを混合することによって制御した。相対湿度は、サンプルの近くに配置された較正済みRotronicプローブ(1.0~100%RHのダイナミックレンジ)によって測定した。%RHの関数としてのサンプルの重量変化(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)によって絶えずモニターした。
簡単に説明すると、結晶形態Aの33日間乾燥したサンプルを、周囲条件下で風袋を量ったメッシュステンレス鋼バスケットに入れた。サンプルを40%RH及び25℃(典型的な室内条件)でロード及びアンロードした。水分収着等温線を、以下に概説するように実施した(完全サイクル当たり2回の走査)。標準等温線を、0~90%RH範囲にわたって10%RH間隔で25℃で実施した。二重サイクル(4スキャン)を行った。データ分析は、DVS Analysis Suiteを用いてMicrosoft Excel内で行った。
結晶形態AのDVS等温線プロファイルを図4に示す。図4に示されるように、形態Aは、40%RHで約0.1%~90%RHで0.6%の観察された重量増加を有し、0%RHへの脱着時に完全に失われることを特徴とする。
実施例9
結晶形態BのDSC分析
50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000を製造業者の指示に従って使用して、結晶形態Bの50サンプルのDSC分析を行った。簡潔には、1.661mgの結晶形態Bのサンプルをピンホールアルミニウムパンに入れ、2℃/分の基礎加熱速度及び25℃から330℃まで60秒(期間)毎に±0.636℃(振幅)の温度調節パラメータを使用して加熱した。50ml/分での乾燥窒素のパージをサンプル上で維持した。使用した機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series及びThermal Advantageであり、データは、Universal Analysisを使用して分析した。
結晶形態BのサンプルのDSCサーモグラムプロファイルを図6に示す。図6に示されるように、結晶形態Bは、49J/gの融解熱で約109℃に吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。
結晶形態Bのサンプルの第2のDSCサーモグラムプロファイルを図12に示す。図12に示されるように、結晶形態Bは、61J/gの融解熱で約122℃に吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。
結晶形態Bのサンプルの第3のDSCサーモグラムプロファイルを図22に示す。図22に示すように、結晶形態Bは、62J/gの融解熱を伴う約112℃での吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。
実施例10
結晶形態BのTGA
TGA分析は、16ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAを使用して行った。簡潔に述べると、結晶形態Bのサンプルを、予め風袋を量ったアルミニウムDSCパン上に装填し、周囲温度から350℃まで10℃/分で加熱した。サンプル上で60ml/分の窒素パージを維持した。分析に使用した機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series及びThermal Advantageであり、データはUniversal Analysisを使用して分析した。
結晶形態BのTGAサーモグラムプロファイルを図7に示す。図7に示されるように、結晶形態Bは、約250℃+での分解の開始まで、約111℃までの質量の無視できる重量損失を有することを特徴とする。
実施例11
結晶形態BのDVS分析
結晶形態Bの収着等温線を、DVS Intrinsic Controlソフトウェアによって制御されるSMS DVS Intrinsic水分収着分析器を使用して得た。サンプル温度は、機器制御によって25℃に維持した。湿度は、総流量200ml/分で乾燥窒素流と湿潤窒素流とを混合することによって制御した。相対湿度は、サンプルの近くに配置された較正済みRotronicプローブ(1.0~100%RHのダイナミックレンジ)によって測定した。%RHの関数としてのサンプルの重量変化(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)によって絶えずモニターした。
簡単に説明すると、結晶形態Bのサンプルを、周囲条件下で風袋計量したメッシュステンレス鋼バスケットに入れた。サンプルを40%RH及び25℃(典型的な室内条件)でロード及びアンロードした。水分収着等温線を以下に概説するように実施した(完全サイクル当たり2回の走査)。標準等温線を、0~90%RH範囲にわたって10%RH間隔で25℃で実施した。二重サイクル(4スキャン)を行った。データ分析は、DVS Analysis Suiteを用いてMicrosoft Excel内で行った。
結晶形態BのDVS等温線プロファイルを図8に示す。図8に示すように、結晶形態Bは、60%RHで約0.6%~70%RHで2.9%を有し、更に90%RHで2.5%まで増加することを特徴とする。90%RH~70%RHにおける2.2%への重量損失に続いて、70~50%RHにおける2.2%~0.4%への重量変化を伴う、急速な重量損失が観察される。50~0%RHで0%への重量の一定の穏やかな減少が観察される。サイクルは、ほとんどヒステリシスを示さずに繰り返す。
実施例12
結晶形態CのDSC分析
示差走査熱量測定は、Mettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を使用して行った。インジウム、スズ及び亜鉛を用いてタウラグ調整を行う。温度及びエンタルピーは、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ及び亜鉛で調整される。次いで、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ、及び亜鉛を用いて調整を検証する。サンプルを密封アルミニウムDSCパンに入れ、重量を正確に記録した。パンの蓋に穴を開け、次いでDSCセルに挿入した。サンプルパンとして構成された秤量したアルミニウムパンをセルの基準側に置いた。サンプル分析の前にパンの蓋に穴を開けた。データを25℃から350℃まで10℃/分で収集した。
結晶形態CのサンプルのDSCサーモグラムプロファイルを図10に示す。図10に示すように、結晶形態Cは、約58℃での小さな吸熱ピーク開始点及び約118℃での強い吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする。
実施例13
結晶形態CのTGA
TG分析は、Mettler-Toledo TGA/DSC3+分析器を用いて行った。温度及びエンタルピーの調整は、インジウム、スズ、及び亜鉛を使用して行われ、次いでインジウムで検証した。シュウ酸カルシウムでバランスを確認した。サンプルを開放アルミニウムパンに入れた。パンを密封し、蓋に穴を開け、次いでTG炉に挿入した。サンプルパンとして構成された秤量したアルミニウムパンを基準プラットフォーム上に置いた。炉を窒素下で加熱した。データを25℃から350℃まで10℃/分で収集した。
結晶形態CのTGAサーモグラムプロファイルを図10に示す。図10に示すように、結晶形態Cは、約45℃から約86℃、約260℃で分解が開始するまで、1.2%の段階的な質量損失を有することを特徴とする。
実施例14
結晶形態CのDVS分析
結晶形態Cの収着等温線は、DVS Intrinsic Controlソフトウェアによって制御されるSMS DVS Intrinsic水分収着分析器を使用して得る。サンプル温度は、機器制御によって25℃に維持する。湿度は、総流量200ml/分で乾燥窒素流と湿潤窒素流とを混合することによって制御する。相対湿度は、サンプルの近くに位置する較正されたRotronicプローブ(1.0~100%RHのダイナミックレンジ)によって測定する。%RHの関数としてのサンプルの重量変化(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)によって絶えずモニターする。
簡単に説明すると、結晶形態Cのサンプルを、周囲条件下で風袋計量したメッシュステンレス鋼バスケットに入れる。サンプルは、40%RH及び25℃(典型的な室内条件)でロード及びアンロードする。水分収着等温線を以下に概説するように実施する(完全サイクル当たり2回の走査)。標準等温線を、0~90%RH範囲にわたって10%RH間隔で25℃で行う。二重サイクル(4スキャン)を実施する。データ分析は、DVS Analysis Suiteを用いてMicrosoft Excel内で行う。
実施例15
結晶形態DのDSC分析
示差走査熱量測定は、Mettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を使用して行った。インジウム、スズ及び亜鉛を用いてタウラグ調整を行う。温度及びエンタルピーは、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ及び亜鉛で調整する。次いで、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ、及び亜鉛を用いて調整を検証する。サンプルを密封アルミニウムDSCパンに入れ、重量を正確に記録した。パンの蓋に穴を開け、次いでDSCセルに挿入した。サンプルパンとして構成された秤量したアルミニウムパンをセルの基準側に置いた。サンプル分析の前にパンの蓋に穴を開けた。データを25℃から350℃まで10℃/分で回収した。
結晶形態DのサンプルのDSCサーモグラムプロファイルを図14に示す。図14に示されるように、結晶形態Dは、約84℃に最大値を有する広い吸熱ピーク及び約110℃に最大値を有するピークを有する別の吸熱ピークを有することを特徴とする。
実施例16
結晶形態DのTGA
TG分析は、Mettler-Toledo TGA/DSC3+分析器を用いて行った。温度及びエンタルピーの調整は、インジウム、スズ、及び亜鉛を使用して行われ、次いでインジウムで検証した。シュウ酸カルシウムでバランスを確認した。サンプルを開放アルミニウムパンに入れた。パンを密封し、蓋に穴を開け、次いでTG炉に挿入した。サンプルパンとして構成された秤量したアルミニウムパンを基準プラットフォーム上に置いた。炉を窒素下で加熱した。データを25℃から350℃まで10℃/分で回収した。
結晶形態DのTGAサーモグラムプロファイルを図14に示す。図14に示すように、結晶形態Dは、約260℃での分解の開始まで、約45℃から約116℃で4.3%の段階的質量損失を有することを特徴とする。
実施例17
結晶形態DのDVS分析
結晶形態Dの収着等温線は、DVS Intrinsic Controlソフトウェアによって制御されるSMS DVS Intrinsic水分収着分析器を使用して得る。サンプル温度は、機器制御によって25℃に維持する。湿度は、総流量200ml/分で乾燥窒素流と湿潤窒素流とを混合することによって制御する。相対湿度は、サンプルの近くに位置する較正されたRotronicプローブ(1.0~100%RHのダイナミックレンジ)によって測定する。%RHの関数としてのサンプルの重量変化(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)によって絶えずモニターする。
簡単に説明すると、結晶形態Dの50日間乾燥したサンプルを、周囲条件下で風袋を量ったメッシュステンレス鋼バスケットに入れる。サンプルは、40%RH及び25℃(典型的な室内条件)でロード及びアンロードする。水分収着等温線を以下に概説するように実施する(完全サイクル当たり2回の走査)。標準等温線は、0~90%RH範囲にわたって10%RH間隔で25℃で行う。二重サイクル(4スキャン)を実施する。データ分析は、DVS Analysis Suiteを用いてMicrosoft Excel内で行う。
実施例18
結晶形態EのDSC分析
示差走査熱量測定は、Mettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を使用して行った。インジウム、スズ及び亜鉛を用いてタウラグ調整を行う。温度及びエンタルピーは、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ及び亜鉛で調整する。次いで、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ、及び亜鉛を用いて調整を検証する。サンプルを密封アルミニウムDSCパンに入れ、重量を正確に記録した。パンの蓋に穴を開け、次いでDSCセルに挿入した。サンプルパンとして構成された秤量したアルミニウムパンをセルの基準側に置いた。サンプル分析の前にパンの蓋に穴を開けた。データを25℃から350℃まで10℃/分で回収した。
結晶形態EのサンプルのDSCサーモグラムプロファイルを図16に示す。図16に示すように、結晶形態Eは、約99℃に吸熱ピーク開始点を有し、融解熱が47J/gである。
実施例19
結晶形態EのTGA
TG分析は、Mettler-Toledo TGA/DSC3+分析器を用いて行った。温度及びエンタルピーの調整は、インジウム、スズ、及び亜鉛を使用して行われ、次いでインジウムで検証した。シュウ酸カルシウムでバランスを確認した。サンプルを開放アルミニウムパンに入れた。パンを密封し、蓋に穴を開け、次いでTG炉に挿入した。サンプルパンとして構成された秤量したアルミニウムパンを基準プラットフォーム上に置いた。炉を窒素下で加熱した。データを25℃から350℃まで10℃/分で回収した。
結晶形態EのTGAサーモグラムプロファイルを図17に示す。図17に示されるように、約94℃まで、及び約240℃での分解の開始に至るまで、質量損失は無視できる程であった。
実施例20
結晶形態EのDVS分析
蒸気収着データを、Surface Measurement System DVS Intrinsic機器で収集した。サンプルは分析前に乾燥させなかった。収着及び脱着データを、窒素パージ下で10%RH増分で5%~95%RHの範囲にわたって収集した。分析に使用した平衡基準は、5分間で0.0100%未満の重量変化であり、最大平衡時間は3時間であった。
結晶形態EのDVS等温線プロファイルを図18に示す。図18に示されるように、5%~96%RHの間で1.2%の漸進的な重量増加を有することによる。脱着の間、増加した重量はいくらかのヒステリシスを伴って失われた。
実施例21
形態A及び形態Bの単結晶
イソプロパノール-ヘプタン中、40℃での非晶質出発物質(標識された純度98%)の結晶化により、単結晶X線分析に好適な結晶が得られた。結晶は、2つの識別可能な形態、すなわち板状及び針状を示した(図23)。小さな針状結晶から解析された結晶構造は、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの無水(ニート)形態であることが見出された。分子の絶対配置は(S,S)であることが確認された。板状結晶の構造も解明され、差電子密度マップに基づいて同様にニートであるように考えられた。両方の構造を周囲条件下で解析した。以下の表6に示すように、構造を形態A及び形態Bと命名した。
Figure 2023540809000013
結晶構造から生成されたシミュレーションパターンを用いた結果、結晶性バルク結晶(針状及び板状、図23)は、形態A及び形態Bの混合物であることが見出された(図24)。結晶学的データは、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルが、形態A及び形態Bにおいて本質的に同一の固体状態立体配座を示すが、2つの構造における結晶充填は異なることを示した(図25)。
形態Aの結晶学的結果:Cu放射線(λ=1.54178Å)のための高輝度IμS 3.0マイクロフォーカス(50kV×1mA)及び優れた速度、感度及び精度のPHOTON II電荷積分ピクセルアレイ検出器を備えたBruker D8 QUEST単結晶X線回折計を、結晶のスクリーニング/評価及び回折データ収集のために使用した。SHELXTLを含むBruker APEX3ソフトウェアサイトを、データ収集及び統合を含む回折実験のために、並びに構造結果の解明、精密化、表示及び公開のために使用した。約0.005mm×0.010mm×0.060mmの寸法の無色透明の針状試料をX線結晶解析に使用した。X線強度データを周囲条件下で測定した(λ=1.54178Å)。合計1458フレームを収集した。総曝露時間は11.58時間であった。狭いフレームのアルゴリズムを用いて、Bruker SAINTソフトウェアパッケージでフレームを統合した。単斜単位格子を使用したデータの積分は、63.01°の最大θ角(0.87Å分解能)に対して合計18743の反射をもたらし、そのうち4014は独立しており(平均冗長度4.669、完全性=89.2%、Rint=15.90%、Rsig=19.44%)、1527(38.04%)は2σ(F2)より大きかった。a=12.534(4)Å、b=8.129(2)Å、c=15.321(5)Å、β=97.11(2)°、体積=1549.0(8)Å3の最終セル定数は、5.813°<2θ<122.7°を有する20σ(I)を超える2346反射のXYZ-重心の精密化に基づく。マルチスキャン法(SADABS)を用いて、吸収効果についてデータを補正した。最小対最大の見かけ透過率の比は0.859であった。計算された最小及び最大透過係数(結晶サイズに基づく)は、0.9160及び0.9930である。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルについて、Z=2である空間群P 1 21 1を使用して、Bruker SHELXTLソフトウェアパッケージを使用して構造を解明し、精密化した。389個の変数を有するF2に対する最終的な異方性フルマトリックス最小二乗精密化は、観察されたデータについてR1=7.75%で収束し、全てのデータについてwR2=27.68%であった。適合度は0.970であった。最終差電子密度合成における最大ピークは0.209 e-/Å3であり、最大ホールは-0.214 e-/Å3であり、RMS偏差は0.050 e-/Å3であった。最終モデルに基づいて、計算密度は1.295g/cm3であり、F(000)は636 e-であった。
形態Bの結晶学的結果:Cu放射線(λ=1.54178Å)用の高輝度IμS 3.0マイクロフォーカス(50kV×1mA)及び優れた速度、感度、及び精度のPHOTON II Charge-Integrating Pixel Array Detectorを備えたBruker D8 QUEST単結晶X線回折計を、結晶のスクリーニング/評価及び回折データ収集のために使用した。SHELXTLを含むBruker APEX3ソフトウェアサイトを、データ収集及び統合を含む回折実験のために、並びに構造結果の解明、精密化、表示及び公開のために使用した。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの無色透明薄板状試料(およその寸法0.010mm×0.080mm×0.080mm)をX線結晶解析に使用した。X線強度データを周囲条件下で測定した(λ=1.54178Å)。合計1302フレームを収集した。総曝露時間は9.97時間であった。狭いフレームのアルゴリズムを用いて、Bruker SAINTソフトウェアパッケージでフレームを統合した。斜方晶単位格子を用いたデータの積分は、69.72°の最大θ角(0.82Å分解能)に対して合計42682回の反射をもたらし、そのうち4612回は独立しており(平均冗長度9.255、完全性=83.0%、Rint=9.55%、Rsig=6.39%)、2745回(59.52%)は2σ(F2)より大きかった。a=8.1446(2)Å、b=12.4879(4)Å、c=30.4933(11)Å、体積=3101.44(17)Å3の最終セル定数は、5.796°<2θ<137.8°を有する20σ(I)を超える9150反射のXYZ-重心の精密化に基づく。マルチスキャン法(SADABS)を用いて、吸収効果についてデータを補正した。最小対最大見かけ透過率の比は0.854であった。計算された最小及び最大透過係数(結晶サイズに基づく)は、0.8910及び0.9850である。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルについて、Z=4である空間群P21 21 21を使用して、Bruker SHELXTLソフトウェアパッケージを使用して構造を解明し、精密化した。389個の変数を有するF2に対する最終的な異方性フルマトリックス最小二乗精密化は、観察されたデータについてR1=8.53%で収束し、全てのデータについてwR2=21.83%であった。適合度は1.182であった。最終差電子密度合成における最大ピークは0.195 e-/Å3であり、最大ホールは-0.251 e-/Å3であり、RMS偏差は0.052 e-/Å3であった。最終モデルに基づいて、計算密度は1.294g/cm3であり、F(000)は1272 e-であった。
実施例22
形態B及び形態Cの単結晶
室温でのイソプロパノール-水からの2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの再結晶により、単結晶X線分析に好適な針状/ブレード状の結晶(図26)が得られた。針状の結晶を母液から新たに単離し、直ちにLT装置を備えた単結晶X線回折計で223Kに冷却した。データから解明された結晶構造は、2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの一水和物であり、そのシミュレーションパターンは形態Cと一致した。次に、第2のデータセットを同じ針状の結晶上で293Kで収集した。解明された構造は完全に脱水され、以前に解明された形態Bの構造と一致した。
形態C及び形態Bは同形である(図27)。一水和物中の水分子は、H結合供与体として、-849分子のカルボニル酸素及びピロリジン窒素と2つの水素結合を形成した。結晶格子からの水の離脱は、ねじれ角O-C-C-N、一水和物において68.55°、及び脱水構造において-65.31°によって示されるように、-849分子の立体配座変化、主にN-メチルピロリジン基の約134°回転を伴った。
形態C(一水和物)の結晶学的結果:Cu放射線(λ=1.54178Å)用の高輝度IμS 3.0マイクロフォーカス(50kV×1mA)、並びに優れた速度、感度、及び精度のPHOTON II Charge-Integrating Pixel Array Detectorを備えたBruker D8 QUEST単結晶X線回折計を、結晶のスクリーニング/評価及び回折データ収集のために使用した。SHELXTLを含むBruker APEX3ソフトウェアサイトを、データ収集及び統合を含む回折実験のために、並びに構造結果の解明、精密化、表示及び公開のために使用した。Cryostream 800 PLUS低温装置を使用して、脱溶媒和を遅らせ、したがって結晶化度の損傷を減少させた。結晶が冷たい窒素ガス流中にあると、原子の熱運動も減少し、結晶の散乱力が増加し、より良い品質の構造が得られる。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの無色透明の針状の試料(およその寸法0.060mm×0.080mm×0.120mm)をX線結晶解析に使用した。X線強度データを223Kで測定した(λ=1.54178Å)。合計2926フレームを収集した。総曝露時間は16.26時間であった。狭いフレームのアルゴリズムを用いて、Bruker SAINTソフトウェアパッケージでフレームを統合した。斜方晶単位格子を用いたデータの積分は、69.80°の最大θ角(0.82Å分解能)に対して合計54983回の反射をもたらし、そのうち5912回は独立しており(平均冗長度9.300、完全性=99.4%、Rint=7.26%、Rsig=4.01%)、4606回(77.91%)は2σ(F2)より大きかった。a=8.0887(3)Å、b=12.6101(5)Å、c=30.9568(11)Å、体積=3157.6(2)Å3の最終セル定数は、5.709°<2θ<135.1°を有する20σ(I)を超える9922反射のXYZ-重心の精密化に基づく。マルチスキャン法(SADABS)を用いて、吸収効果についてデータを補正した。最小対最大見かけ透過率の比は0.871であった。計算された最小及び最大透過係数(結晶サイズに基づく)は、0.8410及び0.9160である。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルについて、Z=4である空間群P21 21 21を使用して、Bruker SHELXTLソフトウェアパッケージを使用して構造を解明し、精密化した。403個の変数を有するF2に対する最終的な異方性フルマトリックス最小二乗精密化は、観察されたデータについてR1=5.73%で収束し、全てのデータについてwR2=17.09%であった。適合度は1.065であった。最終差電子密度合成における最大ピークは0.344 e-/Å3であり、最大ホールは-0.267 e-/Å3であり、RMS偏差は0.062 e-/Å3であった。最終モデルに基づいて、計算密度は1.309g/cm3であり、F(000)は1312 e-であった。
形態B(一水和物から脱水)の結晶学的結果:Cu放射線(λ=1.54178Å)用の高輝度IμS 3.0マイクロフォーカス(50kV×1mA)、並びに優れた速度、感度、及び精度のPHOTON II Charge-Integrating Pixel Array Detectorを備えたBruker D8 QUEST単結晶X線回折計を、結晶のスクリーニング/評価及び回折データ収集に使用した。SHELXTLを含むBruker APEX3ソフトウェアサイトを、データ収集及び統合を含む回折実験のために、並びに構造結果の解明、精密化、表示及び公開のために使用した。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの無色透明の針状の試料(およその寸法0.060mm×0.080mm×0.120mm)をX線結晶解析に使用した。X線強度データは、Cryostream 800 PLUS温度制御装置を使用して結晶を293Kに維持して測定した(λ=1.54178Å)。合計360フレームを収集した。総曝露時間は1.00時間であった。狭いフレームのアルゴリズムを用いて、Bruker SAINTソフトウェアパッケージでフレームを統合した。斜方晶単位格子を用いたデータの積分は、50.59°の最大θ角(1.00Å分解能)に対して合計6472回の反射をもたらし、そのうち2627回は独立しており(平均冗長度2.464、完全性=82.3%、Rint=4.24%、Rsig=6.65%)、1863回(70.92%)は2σ(F2)より大きかった。a=8.1450(6)Å、b=12.4844(9)Å、c=30.446(2)Å、体積=3095.9(4)Å3の最終セル定数は、5.805°<2θ<86.51°を有する20σ(I)を超える1720反射のXYZ-重心の精密化に基づく。マルチスキャン法(SADABS)を用いて、吸収効果についてデータを補正した。最小対最大見かけ透過率の比は0.899であった。計算された最小及び最大透過係数(結晶サイズに基づく)は、0.8420及び0.9160である。2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルについて、Z=4である空間群P21 21 21を使用して、Bruker SHELXTLソフトウェアパッケージを使用して構造を解明し、精密化した。389個の変数を有するF2に対する最終的な異方性フルマトリックス最小二乗精密化は、観察されたデータについてR1=4.72%で収束し、全てのデータについてwR2=12.55%であった。適合度は1.069であった。最終差電子密度合成における最大ピークは0.168 e-/Å3であり、最大ホールは-0.197 e-/Å3であり、RMS偏差は0.044 e-/Å3であった。最終モデルに基づいて、計算密度は1.296g/cm3であり、F(000)は1272 e-であった。
比較例5
非晶質に対する形態Bの安定性
形態Bの多形体は、比較例4に記載の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの非晶質形態よりも化学的及び/又は物理的に安定であることが示された。比較例4の材料のXRPDは、非晶質材料と一致した。図21は、結晶形態A及びBの混合物から構成される出発材料と比較した、比較例4の噴霧乾燥材料のXRPDパターンを示す。
非晶質2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリル(MRTX849)と結晶質(形態A及び形態Bの混合物)との化学的安定度の比較評価を、様々な加速ストレス条件に曝露した材料のHPLC評価により行った。結果は、非晶質材料が結晶性材料と比較してより高いレベルの分解を示すことと一致する(表7)。
Figure 2023540809000014
比較例6
非晶質に対する形態A及びBの安定性
比較安定試験を、結晶形態(形態A及び形態B)及び非晶質MRTX849原薬(Drug Substance、DS)材料について実施した。非晶質、形態A(粉砕されていない)及び形態B(粉砕されていない)材料の試験は、簡単に以下の通りである研究プロトコルに従って完了させた。サンプルを25℃/60%RHで保存した。小型ガラスバイアル中、40℃/75%RH及び60℃で、緩く蓋をし、ホイルで包んだ。60℃で保管されたサンプルについては2週間まで、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで保管されたサンプルについては2ヶ月までデータを得た。加えて、プロトコルの一部として3つ全てのロットに対して実施された光安定性試験からのデータを得た。
原薬形態A及びBについては、60℃で2週間保存した後、並びに25℃/60%RH及び40℃/75%RHで2ヶ月保存した後に、外観の変化は観察されなかった。非晶質材料ロットの色は、60℃条件で、40℃/75%RHで2ヶ月後に、黄褐色から褐色/淡褐色に変化した。
試験した3つのロット全てについて、60℃で2週間保存した後に不純物プロファイルの変化が観察された。T(0)からの総不純物の増加は、形態A及びBについてわずかであった:それぞれ1.1%から1.4%、及び0.3%から0.4%。これと比較し、非晶質材料についての全不純物の変化は、1.4%から9.9%へとより顕著であった。同様の不純物プロファイル傾向が、40℃/75%RHで2ヶ月間保存した後に観察された。T(0)からの顕著な変化は、形態A及びBについて、それぞれ全不純物の1.1%から1.2%、及び0.3%から0.4%と、観察されなかった。非晶質材料の増加は、T(0)での1.4%から、40℃/75%RHで2ヶ月後の5.7%であった。25℃/60%RH条件で2ヶ月間保存した後、3つ全てのロットについて不純物プロファイルの有意な変化は認められなかった。
結論として、MRTX849原薬の結晶形態A及びBは、光安定性試験の一部として1/2 ICH条件への曝露を含む試験された全ての保存条件について、非晶質材料よりも比較的安定であると考えられた。
表8は、結晶形態(形態A及び形態B)及び非晶質MRTX849原薬についての外観、精製度及び夾雑物安定性の結果を示す。
Figure 2023540809000015
対照と比較した場合、不純物プロファイルの変化は、光安定性試験の一部として1/2 ICH(International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)条件に曝露された全てのサンプルにおいて観察された。安定性サンプルで以前に観察されたように、形態A及びBについての総不純物の増加は、非晶質物質と比較して顕著ではなかった。形態A及びBについて、総不純物は、それぞれ、1.1%から3.3%及び0.3%から1.6%に増加した。非晶質ロットの増加は1.6~8.8%であった。
表9は、光安定性(1/2 ICH条件):600 klux-hrsでのVisストレス、100 W-hr/mでのUVストレスを示す。
Figure 2023540809000016
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明されてきたが、それは更なる修正が可能であり、本出願は、一般に、本発明の原理に従い、本発明が関係する当該技術分野内の既知の又は慣習的な慣行の範囲内であり、前述の本質的な特徴に適用され得、添付の特許請求の範囲において以下のような本開示からの逸脱を含む、本発明のいかなる変型、使用、又は適応も網羅することを意図することが理解されるであろう。

Claims (90)

  1. 2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態。
  2. 前記結晶形態が、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 前記結晶形態が、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2の°2θに2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  4. 前記結晶形態が、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2の°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  5. 形態Aが、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2の°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項3に記載の結晶形態。
  6. 前記結晶形態が、実質的に図1A又は図1Bに示されるXRPDパターンを有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  7. 形態Aが、示差走査熱量測定によって、約107℃で開始する吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
  8. 形態Aが、示差走査熱量測定によって、約119℃で開始する吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
  9. 形態Aが、実質的に図2に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項2に記載の結晶形態。
  10. 形態Aが、8.6±0.2、14.6±0.2、16.9±0.2及び18.3±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の結晶形態。
  11. 形態Aが、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の結晶形態。
  12. 形態Aが、実質的に図11に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項2に記載の結晶形態。
  13. 形態Aが、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項12に記載の結晶形態。
  14. 前記結晶形態が、実質的に図3に示される熱重量分析(「TGA」)プロファイルを有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  15. 前記結晶形態が、TGAによって測定したとき、約200℃での分解の開始まで無視できる重量損失を有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  16. 形態Aが、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項14又は15に記載の結晶形態。
  17. 前記結晶形態が、40%RHで約0.1%~90%RHで0.6%の観察された重量増加を有し、かつ、0%RHへの脱着時に完全に失われる、形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  18. 前記結晶形態が、実質的に図4に示される動的蒸気収着(「DVS」)等温線を有する形態Aである、請求項1に記載の結晶形態。
  19. 形態Aが、5.8±0.2、8.6±0.2、12.3±0.2、13.0±0.2、14.2±0.2、14.6±0.2、16.0±0.2、16.9±0.2、18.1±0.2、18.3±0.2、20.4±0.2、21.2±0.2、23.9±0.2及び25.5±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項17又は18に記載の結晶形態。
  20. 前記結晶形態が、16.7±0.2、17.5±0.2及び18.8±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Bである、請求項1に記載の結晶形態。
  21. 形態Bが、16.7±0.2、17.5±0.2及び18.8±0.2の°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項20に記載の結晶形態。
  22. 形態Bが、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2の°2θに2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項20に記載の結晶形態。
  23. 形態Bが、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2の°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項20に記載の結晶形態。
  24. 前記結晶形態が、実質的に図5A又は図5Bに示されるXRPDパターンを有する形態Bである、請求項1に記載の結晶形態。
  25. 形態Bが、DSCによって約109℃で開始する吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項20に記載の結晶形態。
  26. 形態Bが、DSCによって約122℃で開始する吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項20に記載の結晶形態。
  27. 形態Bが、実質的に図6又は図12に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項20に記載の結晶形態。
  28. 形態Bが、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項25~27のいずれか一項に記載の結晶形態。
  29. 前記結晶形態が、実質的に図7に示されるTGAプロファイルを有する形態Bである、請求項1に記載の結晶形態。
  30. 前記結晶形態が、TGAによって測定したときに、25~150℃で0.6%の重量損失を有し、かつ、約200℃での分解開始点まで更なる事象を伴わないことを特徴とする、形態Bである、請求項1に記載の結晶形態。
  31. 形態Bが、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項29又は30に記載の結晶形態。
  32. 前記結晶形態が、DVSによって測定したときに、60%RHで約0.6%~70%RHで2.9%の重量増加、更に90%RHで2.5%まで増加する重量増加を有することを特徴とする形態Bである、請求項1に記載の結晶形態。
  33. 前記結晶形態が、実質的に図8に示されるDVS等温線を有する形態Bである、請求項1に記載の結晶形態。
  34. 形態Bが、5.8±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.6±0.2、15.9±0.2、16.7±0.2、17.5±0.2、17.9±0.2、18.1±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、21.4±0.2、21.8±0.2、23.1±0.2、23.7±0.2及び24.7±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項32又は33に記載の結晶形態。
  35. 前記結晶形態が、16.4±0.2及び19.7±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Cである、請求項1に記載の結晶形態。
  36. 前記結晶形態が、16.4±0.2及び19.7±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Cである、請求項1に記載の結晶形態。
  37. 形態Cが、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項35に記載の結晶形態。
  38. 形態Cが、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項35に記載の結晶形態。
  39. 前記結晶形態が、実質的に図9に示されるXRPDパターンを有する形態Cである、請求項1に記載の結晶形態。
  40. 形態Cが、示差走査熱量測定によって、約73℃にピーク最大値を有する広い吸熱ピーク及び約118℃で開始する吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項35に記載の結晶形態。
  41. 形態Cが、実質的に図10に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項35に記載の結晶形態。
  42. 形態Cが、5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項41に記載の結晶形態。
  43. 前記結晶形態が、実質的に図10に示されるTGAプロファイルを有する形態Cである、請求項1に記載の結晶形態。
  44. 前記結晶形態が、TGAによって測定したときに、約260℃での分解の開始まで、約45℃~約86℃で、約1.2%の段階的な質量損失を有することを特徴とする形態Cである、請求項1に記載の結晶形態。
  45. 5.7±0.2、13.3±0.2、13.9±0.2、14.2±0.2、15.5±0.2、16.4±0.2、17.8±0.2、18.0±0.2、19.7±0.2、23.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2及び26.7±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項43又は44に記載の結晶形態。
  46. 前記結晶形態が、4.4±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Dである、請求項1に記載の結晶形態。
  47. 前記結晶形態が、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2及び27.6±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Dである、請求項1に記載の結晶形態。
  48. 前記結晶形態が、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2、及び27.6±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Dである、請求項1に記載の結晶形態。
  49. 前記結晶形態が、実質的に図13に示されるXRPDパターンを有する形態Dである、請求項1に記載の結晶形態。
  50. 形態Dが、示差走査熱量測定によって、約84℃及び110℃にピーク最大値を有する2つの広い吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項46に記載の結晶形態。
  51. 形態Dが、実質的に図14に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項46に記載の結晶形態。
  52. 形態Dが、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2及び27.6±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項51に記載の結晶形態。
  53. 前記結晶形態が、実質的に図14に示されるTGAプロファイルを有する形態Dである、請求項1に記載の結晶形態。
  54. 前記結晶形態が、TGAによって測定したときに、約260℃での分解の開始まで、約45℃~約116℃で、約4.3%の段階的な質量損失を有することを特徴とする形態Dである、請求項1に記載の結晶形態。
  55. 形態Dが、4.4±0.2、13.6±0.2、13.8±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.7±0.2、18.0±0.2、20.9±0.2、22.6±0.2、23.0±0.2及び27.6±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項53又は54に記載の結晶形態。
  56. 前記結晶形態が、5.2±0.2及び10.2±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  57. 前記結晶形態が、5.2±0.2及び10.2±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  58. 前記結晶形態が、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2の°2θ値に2つ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  59. 前記結晶形態が、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2の°2θ値にピークを含むX線粉末回折パターンを有する形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  60. 形態Eが、実質的に図15に示されるXRPDパターンを有する、請求項1に記載の結晶形態。
  61. 形態Eが、示差走査熱量測定によって、約99℃に吸熱ピーク開始点を有することを特徴とする、請求項56に記載の結晶形態。
  62. 形態Eが、実質的に図16に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項56に記載の結晶形態。
  63. 形態Eが、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項62に記載の結晶形態。
  64. 前記結晶形態が、実質的に図17に示されるTGAプロファイルを有する形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  65. 前記結晶形態が、TGAによって測定したときに、約240℃での分解の開始まで、約94℃まで無視できる結晶形態Eの質量損失を有することを特徴とする形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  66. 形態Eが、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θ値に少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項64又は65に記載の結晶形態。
  67. 前記結晶形態が、DVSによって測定したときに、5%~95%RHで1.2%の段階的重量増加を有することを特徴とする形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  68. 前記結晶形態が、実質的に図18に示されるDVS等温線を有する形態Eである、請求項1に記載の結晶形態。
  69. 形態Eが、5.2±0.2、10.2±0.2、11.8±0.2、13.5±0.2、14.3±0.2、16.9±0.2、17.7±0.2、20.3±0.2、20.5±0.2及び21.9±0.2から選択される°2θに少なくとも1つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項67又は68に記載の結晶形態。
  70. 前記結晶形態が、残留有機溶媒を実質的に含まない、請求項1~69のいずれか一項に記載の結晶形態。
  71. 前記結晶形態が、水和物である、請求項1~69のいずれか一項に記載の結晶形態。
  72. 治療有効量の請求項2~19のいずれか一項に記載の2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Aの結晶形態を含む、医薬組成物。
  73. 治療有効量の請求項20~34のいずれか一項に記載の2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Bの結晶形態を含む、医薬組成物。
  74. 治療有効量の請求項35~45のいずれか一項に記載の2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Cの結晶形態を含む、医薬組成物。
  75. 治療有効量の請求項46~55のいずれか一項に記載の2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Dの結晶形態を含む、医薬組成物。
  76. 治療有効量の請求項56~69のいずれか一項に記載の2-[(2S-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態Eの結晶形態を含む、医薬組成物。
  77. 治療有効量の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの結晶形態の形態A、B、C、D及びEの1つ以上の混合物を含む、医薬組成物。
  78. 治療有効量の2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルの形態の1つ以上の混合物を含む医薬組成物であって、前記形態が、非晶質、形態A、形態B、形態C、形態D及び形態Eから選択される、医薬組成物。
  79. 少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤及び/又は希釈剤を更に含む、請求項72~78のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  80. 細胞におけるKRas G12C活性を阻害するための方法であって、KRas G12C活性の阻害が望まれる前記細胞に、治療有効量の請求項1~71のいずれか一項に記載の結晶形態を、単独で、又は1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/若しくは希釈剤との組み合わせで、接触させることを含む、方法。
  81. がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、治療有効量の請求項1~71のいずれか一項に記載の結晶形態を、単独で、又は1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/若しくは希釈剤との組み合わせで、前記対象に投与することを含む、方法。
  82. 前記KRas G12C阻害剤の前記結晶形態の前記治療有効量が、1日当たり約0.01~100mg/kgである、請求項81に記載の方法。
  83. 前記KRas G12C阻害剤の前記結晶形態の前記治療有効量が、1日当たり約0.1~50mg/kgである、請求項81に記載の方法。
  84. 前記がんが、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵(管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺癌、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、テラトーマ、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、乳腺線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;胆管:胆嚢癌、膨大部癌、胆管癌;骨:骨原性肉腫(骨肉種)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜-包膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、腟(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌);血液系:血(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄形成異常症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、黒子異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾せん;及び副腎:神経芽細胞種からなる群より選択される、請求項81に記載の方法。
  85. 前記がんが、KRas G12C関連がんである、請求項81に記載の方法。
  86. 前記がんが、非小細胞肺がんである、請求項81に記載の方法。
  87. 前記対象が、成人患者である、請求項81に記載の方法。
  88. 前記対象が、小児患者である、請求項81に記載の方法。
  89. (a)2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルをイソプロパノール/ヘプタン(80/20v/v)に約60℃で溶解させるステップと、
    (b)溶液を約15分間にわたって約45℃に冷却するステップと、
    (c)形態Bの種スラリーを前記溶液に添加して、形態Bのスラリーを作製するステップと、
    (d)前記形態Bのスラリーを45℃で保持し、次いで30℃に冷却し、次いで20℃に冷却するステップと、
    (e)固体を回収し、乾燥させるステップと、を含むプロセスによって得られる、請求項1に記載の形態Bの結晶形態。
  90. (a)2-[(2S)-4-[7-(8-クロロ-1-ナフチル)-2-[[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ]-6,8-ジヒドロ-5H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-1-(2-フルオロプロパ-2-エノイル)ピペラジン-2-イル]アセトニトリルをイソプロパノールに約50℃で溶解させるステップと、
    (b)溶液を約0.5℃/分で約5℃まで冷却して、結晶粒子の懸濁液を得るステップと、
    (c)前記粒子を懸濁液から除去するステップと、を含むプロセスによって得られる、請求項1に記載の形態Bの結晶形態。
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