JP2023539393A - パーフルオロメチルビニルエーテル及び2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレンの工業的合成の新規プロセス - Google Patents

パーフルオロメチルビニルエーテル及び2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレンの工業的合成の新規プロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造するための新規工業プロセス、液相反応かつマイクロ反応器にて反応が行われることに関する。本発明はさらに、ルイス酸触媒の存在下で、2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシ-エチレン(FCTFE)を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化、即ち完全フッ素化することにより、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造する新規工業プロセス、再び液相において、好ましくはマイクロ反応器にて反応が行われることに関する。

Description

本発明は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)を製造するための新規工業プロセスに関する。本発明はさらに、2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)のフッ素化(即ち、完全フッ素化)によりパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造する新規工業プロセスに関する。
化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)は、パーフルオロメトキシエチレン(IUPAC)又はパーフルオロメトキシエチレンとも呼ばれ、化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)は、2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメチル-ビニルエーテル又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン(IUPAC)とも呼ばれ、この両者も従来技術において公知である。これらはメトキシエチレン(HC-O-CH=CH、CAS番号:107-25-5、その他の名称はメチルビニルエーテル又はメトキシエチレンであるが、好ましくはIUPAC名称がメトキシエチレンである)のハロゲン化誘導体であり、メトキシエチレンはエチレン(IUPAC名称:エチレン、HC=CH、CAS番号:74-85-1)の誘導体である。
例えば、パーフルオロメチルビニルエーテルは、いくつかの含フッ素エラストマーを製造するためのモノマーである。
これらの次式(I)と(II)を有する化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)と2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)の合成方式も当分野において公知である。
しかしながら、例えば、本明細書で記述されている化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)の公知の合成方式は欠点があり、かつ前記化合物を製造するための改善されたプロセスの提供が期待される。
以前、デュポン社(Du Pont)はUS3180895(1965)において、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとフルオライドとを反応させた後、脱カルボキシル化してPFMVEを製造するプロセスを開示した。該プロセスは、以下のとおりである:
[metal fluoride:金属フッ素化合物]
この経路は、原材料の処理、安全及び利用可能性の方面で非常に複雑である。特に有毒ガス原料から始まり、次いで液体中間体と塩形態の中間体(脱カルボキシル化に対しては、多くの場合、塩が好ましい)、再びガスで終了することは非常に挑戦的なことである。処理に加えて、大量の有毒廃水と有毒副材料が発生し、環境問題を引き起こすおそれがある。また、2-パーフルオロメトキシプロパン酸フルオリドを300℃で乾燥の硫酸カリウムペレットの改良と改善に直接応用することが記載された。これは触媒プロセスではないため、硫酸カリウムを再循環させることはできない。この2つのプロセスは、いずれも大きな工業規模に適していない。
代替的に、中藍晨光化学公司はCN1318366(2005)において、1,2-ジクロロ-1,1,2-トリフルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)エタンからPFVMEを製造する方法を開示している。
中化藍天は、CN107814689(2018)において、流動床で2-パーフルオロメトキシプロパン酸フルオリドを熱分解することを含む別の経路を提案している。別の出願では、中化藍天は、CN105367392においてCFO-アンモニア塩の用途及びクロロトリフルオロエチレンとの反応を開示しているが、反応後の処理が複雑で、形成されたアンモニア塩は回収利用できない。
水素含有誘導体に用いられる公知の他の方法もかなり複雑である。例えば、1994年のUS3162622にはトリフルオロメトキシビニルエーテルが開示されている。このような化合物については、パーフルオロメチルビニルエーテルよりも技術的にはるかに容易であり、デュポン社がハロトリフルオロメチルビニルエーテルから始まり、塩基処理を利用するプロセスを開示している。出発原料である2-クロロ-トリフルオロメチル-エーテル又は2-臭化-トリフルオロメチル-エーテルをスリーステップ法により調製し、2-ハロアルコールとカルボニルフッ化物との反応から中間体を得て、最終的にSFを用いて2-ハロ-トリフルオロメチル-エテニル-エーテルにフッ素化される。ここでは2-クロロヒドリンを例に挙げる。
Kamilらは、トリフルオロメトキシビニルエーテルを調製する他の方法を開示している。「無機化学(Inorganic Chemistry)」(1986),25(3),376-80において、ハロゲン化アルケンを用いてトリフルオロメチル亜塩素酸塩を1,2-付加反応で相応なハロトリフルオロメトキシハロゲン化アルカンに転化し、次いで、H-Hal除去を行う。
DE1953144(1969)に開示されているように、カルボニルフッ化物とClFとの反応によりCFOClの製造が公知である。ソルベイスペシャルティポリマーズ社(Solvay Specialty Polymers)は、EP1801091(2007)において、攪拌容器にてCFOFをトリクロルエチレンに添加し、数年後、WO2019/110710において同様の反応を開示しているが、いわゆるマイクロ反応器を用いて、非常に低い温度-50℃で動作し、98%の1、2-付加生成物混合物を生成するという欠点がある。そして、この混合物をテトラブチル水酸化アンモニウム水溶液で処理して92%FCTFEを生成するが、環境に優しくない塩や廃水が多く形成されるという欠点がある。
PFMVEに対して、付加ステップにおいて、FCTFEに対してF添加とハロゲン化水素除去反応が行われ、後者もソルベイスペシャルティポリマーズ社によってWO2012/104365で開示されている。
全てのステップにおいて、良好な選択性が報告されているが、2つのステップは低温反応であり、一つのステップにおいて廃水と塩を形成し、一つが気相であり、これらのステップはいずれもエネルギー消費が非常に高く、工業化規模上でいくつかの経済的な制限を受けるかもしれない。
本明細書で上記示されたように、従来技術のプロセスはまだ最適ではなく、かついくつかの欠点がある。従来技術プロセスのこのような欠点は、例えば、特に塩の形成及び高エネルギー消費を含む。従来技術プロセスにおける高エネルギー消費、例えば、反応ステップの順序に起因するものであり、1つのステップ(液相反応ステップ)において冷却され、別のステップ(気相反応ステップ)において加熱される必要がある。
そのため、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を大規模及び/又は工業化製造できることは重要な切実な要求になっている。後者は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造するための適切な中間体であり、ここで、PFMVE及び/又はFCTFEの製造は、従来技術の欠点を回避し、特に塩を形成することを含まず、上記従来技術よりもエネルギー消費が少なくなった。
米国特許公開番号3180895(1965) 中国特許公開番号1318366(2005) 中国特許公開番号107814689(2018) 中国特許公開番号105367392 ドイツ特許公開番号1953144(1969) 欧州特許公開番号1801091(2007) 国際公開番号2019/110710 国際公開番号2012/104365
無機化学(Inorganic Chemistry)」(1986),25(3),376-80
そのため、本発明の一つの目的は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造するための有効かつ簡略化された新規工業プロセスを提供することである。
本発明の別の目的は、2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)からパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造するための有効かつ簡略化された新規工業プロセスをさらに提供することである。
好ましくは、本発明の別の目的は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造するための有効かつ簡略化された新規工業プロセスを提供することであり、そして、好ましくは、特殊装置及び特殊反応器の設計を介してPFMVE及び/又はFCTFEの大規模及び/又は工業化生産を達成することである。
本発明の目的は、特許請求の範囲で定義されるように解決され、以下で、詳細に説明される。
本発明は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造するための適切な中間体である1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれる)を製造するための新規工業プロセスに関し、本明細書及び特許請求の範囲に記載されるように、例えば、液相反応、マイクロ反応器にて反応が行われることに関する。本発明はさらに、ルイス酸触媒の存在下で、HF(フッ化水素)を用いて2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシ-エチレン(FCTFE)をフッ素化(即ち、完全フッ素化)することにより、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造する新規工業プロセスに関し、本明細書以下の説明及び特許請求の範囲に記載されるように、再び液相において反応させ、好ましくはマイクロ反応器にて行われる。
例えば、本発明は、従来技術プロセスの上記欠点、例えば塩形成及び高エネルギー消費を回避した。従来技術プロセスにおける高エネルギー消費は、例えば、反応ステップの順序に起因するものであり、それは一つのステップ(液相反応ステップ)において冷却され、別のステップ(気相反応ステップ)において加熱される必要がある。
従来技術プロセスに比べて、限定ではなく例によって、例えば(代表的に)CFOF(例えば、混合化学量論量のCOFとFとによって予備製造(イプソ位)される)を出発材料として用いられ、かつ例えば(代表的に)CFOFをトリクロルエチレン(ClC=CHCl)と反応させることにより、本発明による反応ステップ順序は、このような非所望の塩形成及び非所望の高エネルギー消費を回避した。
有利なことに、本発明によれば、従来技術で使用される任意の慣用触媒なしに付加(A)と除去(B)反応順序を行うことができる。この(代表的に)実施例では、CFOFをトリクロルエチレン(ClC=CHCl「三」)と反応させることによって、その付加生成物(A-P)を生成し、次いで、この付加生成物を(代表的に)実施例でハロゲン化水素除去する。ハロゲン化水素除去は、基質からハロゲン化水素(H-Hal)を消除(除去)する除去反応である。ハロゲン化水素(H-Hal)は、化学式H-Halを有する二原子無機化合物であり、ここで、「Hal」は、ハロゲン一種、例えば文脈又は本発明におけるフッ素又は塩素であることが知られている。ハロゲン化水素(例えば、本発明におけるHF(フッ化水素)又はHCl(塩化水素))は、ガス(環境条件下)である。本発明のこの(代表的に)実施例では、前記脱ハロゲン化水素の基質は、CFOFとトリクロルエチレン(ClC=CHCl)との付加生成物(A-P)であり、本発明の除去(B)反応において、前記付加生成物(A-P)から除去(除去)されたハロゲン化水素はHCl(塩化水素)であり、そして、この(代表的に)実施例で式(II)の化合物、即ち、2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)が得られ、前述したように、該FCTFEはパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)(即ち、式(I)の化合物)を製造するための適切な中間体である。
好ましくは、本発明によれば、式(I)で表されるように、HCl除去生成物1-クロロ-1-フルオロ-2-クロロ-2-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)を容易に得るために、Ni反応器又は高Ni表面含有量を有する反応器(例えばHastelloy鋼)にて100℃で液相において除去(B)反応を行ってもよい。反応スキーム1に示されるように、この除去(B)反応は、未確認かつ未分離の中間体トリフルオロメトキシトリクロロフルオロエタンによって行われる可能性が最も高い。
スキーム1:
CFOFをトリクロルエチレン(ClC=CHCl、「Tri」)と反応させる(好ましいオプション)。
反応スキーム1に従って得られたHCl除去生成物1-クロロ-1-フルオロ-2-クロロ-2-トリフルオロメトキシエチレン(FCTFE)は、ルイス酸の触媒化下でHFとさらに反応する(例えば、フッ素化反応が行われる)。(未確認かつ未分離の中間体)1,2-ジクロロ-2,2-ジフルオロエチル基-トリフルオロメチル-エーテルと1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチル基-トリフルオロメチル-エーテルとを介してフッ素化(C)反応させると、反応スキーム2に示されるように、最終的にパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)、即ち式(I)の化合物が得られる。
本発明によるHF(フッ化水素)とのフッ素化反応は、液体HF(フッ素化剤)(特に無水HF(フッ化水素)又は水を含まないHF(フッ化水素))をルイス酸触媒化下での反応にそれぞれ添加する条件下で行われることが好ましい。
スキーム2:
HF/ルイス酸を用いてフッ素化することにより、付加生成物(A-P)(例えば、CFOFとトリクロルエチレン(ClC=CHCl、三)との反応により得られたもの)をPFMVEに転化する(好ましいオプション)。
上記背景部分で決定されたSolvayプロセスに比べて、スキーム1及び/又は2に記載の本発明の例示的(好ましくい)反応経路に従って、式(II)のFCTFE化合物及び/又は式(I)のPFMVE化合物を生成することは、前述したように、非常に低い温度を回避し、従来技術プロセスよりも2つのステップが少なくなり、非所望塩形成及び廃水形成を回避した。なお、別の巨大な長所として、スキーム1及び/又は2に記載の本発明の例示的(好ましくい)反応経路従って、高価な元素フッ素(F)(例えば、電解により生成されたFガス)ではなく、はるかに安価なHFをフッ素化剤として用いられることによって、式(II)のFCTFE化合物をさらにフッ素化し、最終的に式(I)のPFMVE化合物が得られる。
従来技術プロセスに比べて、スキーム3に限定ではなく例によって、反応スキーム3に示されるように、更なる実施例(代替の好ましいオプション)によって説明される。本発明による反応ステップ順序は、例えば(代表的に)CFOF(例えば、COFとFを化学量論量で混合することにより予備製造(イプソ位))し、出発材料として、及びCFOFを例えば(代表的に)トリフルオロエチレン(FC=CHF)と反応させた後、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)、即ち式(I)の化合物を直接生成することにより、非所望の塩形成と非所望の高エネルギー消費を再び回避する。
スキーム3:
CFOFをトリフルオロエチレン(FC=CHF)と反応させる(代替の好ましいオプション)。
スキーム4に限定ではなく例によって、反応スキーム4に示されるように、更なる実施例(さらに代替であるが比較的好ましくないオプション)によって説明される。本明細書で前述したように、本発明による反応ステップ順序は、従来技術よりも優れた前記プロセスの利点も示されている。
反応スキーム4(付加(A)と除去(B)反応)及び反応スキーム5(フッ素化(C)反応)に示される一つ代替オプションは、本発明によるプロセスの第1の付加(A)反応ステップにおいてCFOFの代わりにCClOClを使用する。本発明は、この代替オプションを含むが、CCl原子団のみがCFCl原子団に完全にフッ素化されていなく、比較的高い含有量のクロロジフルオロメトキシルフルオロエチレンの存在を容認しなければならないため、あまり好ましくない。しかしながら、不要なCFCl化合物を回収することはもちろん可能であるが、前述した、好ましくはCFOFの使用に比べて、反応器システムへの追加の再循環及び再投入の努力が必要となる。例えば、COClをClと簡単に混合することにより、マイクロ反応器にて(イプソ位)CClOClを調製することができるが、例えば、COFをFと簡単に混合することによって(イプソ位)、好ましいCFOFを調製することに比べて、CClOClに完全転化するのにほぼ3倍の滞留時間を要した。
スキーム4:
CClOClをトリクロルエチレン(ClC=CHCl、「三」)と反応させる(別の替代オプション)。
スキーム5:
HF/ルイス酸を用いてフッ素化することにより、CClOClとトリクロルエチレン(ClC=CHCl、三)との反応により得られた付加生成物(A-P)をPFMVEに転化する(好ましいオプション)。
まず、上記に本発明を例にとって説明したが、本発明のプロセス(より一般的に、本発明)は、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関し、
式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩及び式(IV)のトリハロエチレンを互いに反応させ、
CX3-O-X 式(III)
ここで、式(III)中、XはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
ここで、式(IV)中、YはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
(A)第一ステップにおいて、第一の反応器にて、条件が式(IV)のトリハロエチレンがガス状出発材料である場合、第一の反応器はループ型反応器ではなく、好ましくは、第一の反応器はマイクロ反応器であり、付加反応が行われ、ここで、式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩を式(IV)のトリハロエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で付加反応を行って付加生成物(A-P)を形成し、その後、
(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、(液体)付加生成物(A-P)を分離しないことが好ましく、
(B)第二ステップにおいて、第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HY(ハロゲン化水素)を付加生成物(A-P)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で除去反応が行われて、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物を生成し、
ここで、式(V)中、XはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、YはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、そして、以下の付帯条件(i)及び(ii)を有し、
(i)、式(III)~(V)の化合物における各々のXとYが同じであり、かつXとYにおける各々がF(フッ素原子)を表す場合、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を直接得、及び、
(ii)、XとYが互いに異なる場合、XがF(フッ素原子)を表し、YがCl(塩素原子)を表し、又はXがCl(塩素原子)を表し、YがF(フッ素原子)を表し、
(C)そして、第三の反応器にて、好ましくは、第三の反応器はマイクロ反応器であり、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物が液相においてフッ素化反応し、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(V)の化合物に含まれるCl(塩素原子)置換基をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする。
次に、上記に本発明を例にとって説明したが、本発明のプロセス(より一般的に、本発明)は、式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスに関し、
式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVb)のトリクロルエチレンを互いに反応させ、
CF3-O-F (IIIa)
そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
(A)第一ステップにおいて、第一の反応器、好ましくはループ型反応器又はマイクロ反応器、より好ましくはマイクロ反応器にて付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチルを式(IVb)のトリクロルエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で付加反応を行って付加生成物(A-Pab)を形成し、その後、
(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、(液体)付加生成物(A-P)を分離しないことが好ましく、
(B)第二ステップにおいて、第一の反応器がループ型反応器である場合、第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HCl(塩化水素)を付加生成物(A-Pab)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で除去反応が行われて、式(II)の化合物FCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシエチレン)が得られる、ことを特徴とする。
本明細書及び特許請求の範囲に記載されているように、本発明によるプロセスにおける反応ステップ(A)(付加反応)、(B)(除去反応、H-Hal除去、H=水素、Hal=ハロゲン原子、即ちフッ素又は塩素、ハロゲン化水素除去)及び/又は(C)(フッ素化ステップ、ルイス酸触媒の存在下で、HFをフッ素化剤として用いられる)を、様々な反応器設計において行うことができる。例示的反応器設計は、ループ型反応器システム、逆流(環状管)システム(「逆向ガス洗浄器システム」)、マイクロ反応器システム(1つ又は複数を含んでもよい)及びコイル式反応器設計を含む。図4(ガス洗浄器システム、逆流[環状管]システム)、図1~図3(マイクロ反応器システム)において、具体的な反応器が示される。なお、本発明プロセスにおけるフッ素化ステップは、それぞれバッチ式又は連続式で行ってもよい。なお、本発明プロセスにおける任意の付加ステップ(A)、除去ステップ(B)及びフッ素化ステップ(C)は、それぞれバッチ式又は連続式で行ってもよい。
本発明のステップ(A)~(C)のいずれか1つ(例えば、(A)~(C)の1つ又は複数又は全てのステップ)で使用される好ましい反応器は、独立してマイクロ反応器システムである。好ましくは、ステップ(B)(除去反応、H-Hal除去)の場合、反応器は、マイクロ反応器システム(1つ又は複数を含んでもよい)である。
任意の反応ステップ(A)~(C)の全ての原料がいずれもガス状である場合以外、本発明の任意の一つのステップ(A)と(C)は、ループ型反応器システム、逆流(環状管)システム(「逆向ガス洗浄器システム」)にて独立して行われてもよい。
例えば、CFOFとトリフルオロエチレン(即ち、2種類のガス)を出発原料として用いられる場合、付加反応(A)は、少なくともいくつかの(液体)付加生成物(A-P)を形成するまで、少なくとも最初に気相(気相反応)で発生する。反応ステップ(A)~(C)においてガスを原料として用いられる場合、反応器は、ループ型反応器システム、逆流(環状管)システム(「逆向ガス洗浄器システム」)ではないが、マイクロ反応器システム(1つ又は複数を含む場合がある)である。図1(マイクロ反応器システム)を参照されたい。
例えば、CFOFとトリクロルエチレン(即ち、ガス(CFOF)と液体(トリクロルエチレン))を原料として用いられる場合、付加反応(A)は、液相で発生し、(液体)付加生成物(A-P)を形成する。反応ステップ(A)~(C)において少なくとも1種の液状原料を使用する場合、反応器は、ループ型反応器システム、逆流(環状管)システム(「逆向ガス洗浄器システム」)であってもよいが、この場合、反応器は、マイクロ反応器システム(1つ又は複数を含んでもよい)であることも好ましい。図4(ガス洗浄器システム、逆流[環状管]システム)を参照されたい。
連続式プロセスの場合、即ち、本発明のステップ(A)~(C)のうちのいずれか1つのステップ(例えば、(A)~(C)の1つ又は複数又は全てのステップにおいて)において、本発明による連続プロセスが行われる場合、本明細書及び特許請求の範囲に記載されているように、本発明の反応器システムは、独立してマイクロ反応器システム(1つ又は複数を含んでもよい)であり、かつ連続作動方式で使用される。
バッチ式方式プロセス、そして出発材料がガス状ではない場合、本発明によるバッチ式プロセスは、逆流システムにて行ってもよく、好ましくは、本明細書及び特許請求の範囲に記載されているように、バッチ式作動方式で行われる。
本発明は、化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(即パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)の前駆体又は中間体化合物)をそれぞれ製造するために、本明細書及び特許請求の範囲に記載されているように、プロセスステップ(A)、(B)及び/又は(C)が任意に独立してバッチ式方式で動作するか、又は連続式で動作することにさらに関する。本明細書及び特許請求の範囲に定義されているように、連続プロセスとして少なくとも1つのステップにおいて反応が行われ、ここで、この連続プロセスは、少なくとも1つの上部幅方向寸法が約≦5mm又は約≦4mmである連続流反応器にて行われ、
好ましくは、少なくとも1つのマイクロ反応器にて、
より好ましくは、前記ステップにおいて、少なくとも(b2)フッ素化反応のステップが、少なくとも1つのマイクロ反応器にて、
流速:約10ml/h~約400l/h、
温度:それぞれ約-20℃~約150℃、又は-10℃~約150℃、又は0℃~約150℃、又は10℃~約150℃、又は20℃~約150℃、又は約30℃~約150℃、
圧力:約1バール~約50バール(1大気圧絶対圧力)、好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約20バール、より好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約5バール、特に好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約4バール、一実施例では、圧力が約3バールであること、
滞留時間:約1秒(好ましくは約1分)~約60分、のうちの1種又は複数の種の条件下での連続プロセスである。
本発明は、本明細書に記載されているように、任意にバッチ式方式で動作するか、又は連続式で動作する式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(A)において、第一の反応器にて、SiC反応器にて付加反応が行われることを特徴とする。
本発明は、本明細書に記載されているように、任意にバッチ式方式で動作するか、又は連続式で動作する式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(B)において、第二の反応器にて、ニッケル反応器(Ni反応器)又は高ニッケル含有量(Ni含量)内表面を有する反応器にて除去反応が行われることを特徴とする。
パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)化合物の沸騰点は-22℃(常圧又は環境圧力下)であるため、室温下では、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)化合物がガス状である。そのため、本発明プロセスの一実施形態では、化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)が分離され、反応後、例えば、除去ステップ(B)反応器の後又はフッ素化ステップ(C)反応器の後に、冷却器を用いて反応混合物を0℃(冷却器は図示せず)まで冷却し、さらに、例えば除去ステップ(B)で形成されたHF又はフッ素化ステップ(C)で形成されたHClの大部分がサイクロン分離器を介して洗浄器にパージされるので、そして、化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を、温度がPFMVE沸騰点(例えば、PFMVE沸騰点にあるか、又はよりも低い-22℃)よりも低い温度に保持する冷却トラップ(冷却トラップは図示せず)に収集する。例えば、冷却トラップは約-30℃の温度に保持されている。
化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれ、即ちパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)の前駆体又は中間体化合物である)の沸騰点は約90.0℃±40.0℃(正常又は環境圧力下、予測、提供源SciFinder(登録商標))であるため、室温下では、化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)が液体である。そのため、本発明プロセスの一実施形態では、化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)の分離は、反応後に冷却器を使用することに起因し、例えば除去ステップ(B)反応器の後に、反応混合物を0℃(冷却器は図示せず)まで冷却し、そして、さらに、フッ素化ステップ(C)で形成されたHClの大部分がサイクロン分離器を介して洗浄器にパージされ、化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を、温度がPFMVE沸騰点よりも低い温度、例えば、FCTFEの沸騰点よりも十分に低く、例えば、それぞれ約環境温度又は約室温下で、例えば約25℃の温度下であるが、約環境温度又は室温温度よりも低い温度ももちろん可能であり、例えば約0℃の温度、又は必要に応じ0℃よりも低い温度に保持する(冷却)トラップ([冷却]トラップは図示せず)に収集する。化合物FCTFE(2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン)も公知であり、その代替名としては、例えば、1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)エチレンと1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-トリフルオロメトキシエチレンが挙げられる。
本明細書の文脈に特に好ましく用いられる特定の他の化合物の特徴を例にして説明する。
次亜フッ素酸は、OF-の形式誘導体であり、OF-は、次亜フッ素酸の共役塩基である。一例としては、次亜フッ素酸トリフルオロメチル(CFOF)が挙げられる。
CFOF、次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル(CAS番号:373-91-1、常圧又は環境圧力下での沸騰点が約-94.2℃であり、実験測定、提供源SciFinder(登録商標))、そのため、室温下で(出発材料)化合物CFOFがガス状である。CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)の製造は、当分野において公知であり、化学量論量のCOF(カルボニルジフルオロ化物、CAS番号:353-50-4、ガス状、沸騰点-94.6℃、常圧又は環境圧力下)とF(元素状フッ素、ガス状)(イプソ位)とを簡単に混合することにより、CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)を製造することができる。化合物CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)も公知であり、その代替名としては、例えば、次亜フッ素酸トリフルオロメチル、トリフルオロ(フルオロオキシ)メタン(トリフルオロフルオロオキシメタン)、オキシフッ化トリフルオロメタン(オキシフッ化トリフルオロメタン)、オキシフッ化パーフルオロメタンが挙げられる。
CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)は、次亜フッ素酸(HOF)(化学式HOF)の誘導体であり、次亜フッ素酸は唯一の公知である含フッ素オキシ酸であり、マスタ原子が酸素から電子を得て負酸化態を生成する唯一の公知であるオキシ酸でもある。次亜フッ素酸における酸素の酸化態は0である。
前述した次亜フッ素酸(HOF)に関連する化合物は次亜塩素(HOCl)であり、技術的にはより重要であるが、まだ精製形態で得られていない。
CClOCl、トリクロロメチル次亜塩素酸エステル(CAS番号:51770-65-1)、(常圧又は環境圧力下で、沸騰点が約142.9℃±30.0℃であり、予測、提供源SciFinder(登録商標))であるため、室温下で、(出発材料)化合物CClOClが液体である。化合物CClOCl(トリクロロメチル次亜塩素酸)も公知であり、その代替名としては、例えば、トリクロロメチル亜塩素酸塩が挙げられる。CClOCl(トリクロロメチル次亜塩素酸)の製造は、当分野において公知である。次亜フッ素酸トリフルオロメチル(CFOF)と同様に、化学量論量のCOCl(カルボニルジクロリド、ホスゲンとも呼ばれ、CAS番号:75-44-5、常圧又は環境圧力下でガス状であり、沸騰点が7.4℃である)とCl(元素状塩素、ガス状)(イプソ位)とを簡単に混合することにより、化合物CClOCl(トリクロロメチル次亜塩素酸)を製造することができる。
トリフルオロエチレン(CAS番号:359-11-5)、常圧又は環境圧力下で、沸騰点が約-53.0℃(約-51.0℃から)であるため、室温下で、(出発材料)化合物トリクロルエチレンがガス状である。化合物トリフルオロエチレンも公知であり、その代替名としては、例えば、トリフルオロエチレン、トリフルオロ化エチレンが挙げられる。トリフルオロエチレンの製造は、当分野において公知である。
トリクロルエチレン(CAS番号:79-01-6)、常圧又は環境圧力下で、沸騰点が約87.0℃であるため、室温下で、(出発材料)化合物トリクロルエチレンが液体である。化合物トリクロルエチレンも公知であり、その代替名としては、例えば、トリクロロ化エチレン、トリクロルエチレン、TCE、三が挙げられる。トリクロルエチレンの製造は、当分野において公知である。
CFOFとトリフルオロエチレンとを2つのマイクロ反応器の配列にて反応させることにより、PFMVEを製造する。 第1のマイクロ反応器は、付加(A)反応に用いられるSiCマイクロ反応器であり、第2のマイクロ反応器は、除去(B)反応に用いられるNiマイクロ反応器である。以下の反応スキーム3と実施例2を参照されたい。第一ステップにおいて、以下に記載する付加(A)反応を行い、付加生成物(A-P)を得るために、CFOF-ガス投入とトリフルオロエチレン-ガス投入を導入する。第二ステップにおいて、付加生成物(A-P)が除去(B)反応を行って生成物PFMVEを生成し、この生成物を冷却トラップに収集する。除去(B)反応(第二ステップ)で形成されたHFは、本明細書で記載されているサイクロン分離器上でパージガスとして脱出される。 CFOFとトリクロルエチレンとを2つのマイクロ反応器の配列にて反応させることにより、FCTFEを製造する。 以下の反応スキーム1と実施例3を参照されたい。第一ステップにおいて、以下に記載する付加(A)反応を行い、付加生成物(A-P)を得るために、CFOF-ガス投入とトリフルオロエチレン-ガス投入を導入する。第二ステップにおいて、付加生成物(A-P)が除去(B)反応を行って生成物FCTFEを生成し、この生成物を冷却トラップに収集する。除去(B)反応(第二ステップ)で形成されたHClは、本明細書で記載されているサイクロン分離器上でパージガスとして脱出される。 マイクロ反応器にて、ルイス酸触媒の存在下でHFを用いてフッ素化し、FCTFEからPFMVEを製造する。 以下の反応スキーム2と実施例6~8、特に実施例6を参照されたい。FCTFEとルイス酸触媒の各貯蔵槽からそれらを取り出し、一緒に混合器に投入し、次いで、それらの混合物をフッ素化(C)反応のためにマイクロ反応器に送り、以下で説明されるようにPFMVE生成物が得られ、この生成物を冷却トラップに収集する。フッ素化(C)反応で形成されたHClは、本明細書で記載されているサイクロン分離器上でパージガスとして脱出される。これらのフッ素化反応では、液体HF(フッ素化剤)、特に無水HF(フッ化水素)又は水を含まないHF(フッ化水素)がそれぞれ添加される。 ガス洗浄器システムを用いて、トリクロルエチレン及びCFOFからFCTFEを製造する。 逆流システムにおける2工程バッチ処理。以下の反応スキーム1と実施例9を参照されたい。貯蔵槽は、第一ステップの液状原料トリクロルエチレンを含有する。第一ステップにおいて、以下に記載する付加(A)反応を行い、付加生成物(A-P)を得るために、CFOFガス投入を導入する。第二ステップ(図示せず)において、付加生成物(A-P)が除去(B)反応を行って生成物FCTFEを生成し、この生成物を冷却トラップに収集する。除去(B)反応(第二ステップ)で形成されたHClは、第二ステップの反応期間で本明細書で記載されている反応器システムをパージするための不活性ガスと共にパージガスとして脱出される。
概要において簡単に説明され、特許請求の範囲において定義され、かつ本明細書の以下の説明及び実施例によってさらに詳述されるように、本発明は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれ、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造するための適切な中間体である)を製造するための新規工業プロセスに関し、本明細書の以下説明及び特許請求の範囲に記載されているように、液相反応かつマイクロ反応器にて反応が行われることに関する。
本発明は、特に、ルイス酸触媒の存在下で、HF(フッ化水素)を用いて2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロメトキシ-エチレン(FCTFE)をフッ素化(即ち、完全フッ素化)することにより、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造する新規工業プロセスにさらに関し、再び液相において反応させ、本明細書以下の説明及び特許請求の範囲に記載されるように、好ましくはマイクロ反応器にて行われる。
第一の態様では、本発明は、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関し、
式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩及び式(IV)のトリハロエチレンを互いに反応させ、
CX-O-X (III)
ここで、式(III)中、XはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
ここで、式(IV)中、YはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
(A)第一ステップにおいて、第一の反応器にて、条件が式(IV)のトリハロエチレンがガス状出発材料である場合、第一の反応器はループ型反応器ではなく、好ましくは、第一の反応器はマイクロ反応器であり、付加反応が行われ、ここで、式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩を式(IV)のトリハロエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で付加反応を行って付加生成物(A-P)を形成し、その後、
(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、(液体)付加生成物(A-P)を分離しないことが好ましく、
(B)第二ステップにおいて、第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HY(ハロゲン化水素)を付加生成物(A-P)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で除去反応が行われて、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物を生成し、
ここで、式(V)中、XはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、YはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
そして、以下の付帯条件(i)及び(ii)を有し、
(i)、式(III)~(V)の化合物における各々のXとYが同じであり、かつXとYにおける各々がF(フッ素原子)を表す場合、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を直接得、及び、
(ii)、XとYが互いに異なる場合、XがF(フッ素原子)を表し、YがCl(塩素原子)を表し、又はXがCl(塩素原子)を表し、YがF(フッ素原子)を表し、
(C)そして、第三の反応器にて、好ましくは、第三の反応器はマイクロ反応器であり、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物が液相においてフッ素化反応し、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(V)の化合物に含まれるCl(塩素原子)置換基をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義されているように、式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩におけるXがF(フッ素原子)を表すことを特徴とする、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関する。
この好ましい態様では、本発明は、特に、前述に定義されているように、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関し、
式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVb)のトリクロルエチレンを互いに反応させ、
CF-O-F (式IIIa)、
そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
(A)第一ステップにおいて、第一の反応器、好ましくはループ型反応器又はマイクロ反応器、より好ましくはマイクロ反応器にて付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチルを式(IVb)のトリクロルエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で付加反応を行って付加生成物(A-Pab)を形成し、その後、
(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、(液体)付加生成物(A-P)を分離しないことが好ましく、
(B)第二ステップにおいて、第一の反応器がループ型反応器である場合、第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HY(ハロゲン化水素)を付加生成物(A-Pab)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で除去反応が行われて、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を生成し、
及び、
(C)そして、第三の反応器にて、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を液相においてフッ素化反応させ、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(II)の化合物を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(II)の化合物に含まれるCl(塩素原子)をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする。
さらに別の態様では、本発明は、前述に定義されているように、式(IV)のトリハロエチレンにおけるYがF(フッ素原子)を表すことを特徴とする、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関する。
さらに別の態様では、本発明は、前述に定義されているように、式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩におけるXと式(IV)のトリハロエチレンにおけるYが、いずれもF(フッ素原子)を表すことを特徴とする、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関する。
この代替的な好ましい態様では、本発明は、特に、前述に定義されているように、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスに関し、
式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVa)のトリフルオロエチレンを互いに反応させ、
CF-O-F 式(IIIa)
そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
(A)第一ステップにおいて、第一の反応器にて、条件が第一の反応器がループ型反応器ではない場合(その理由は式(IVa)のトリフルオロエチレンがガス状出発材料であるためである)、好ましくは、第一の反応器はマイクロ反応器であり、付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)のトリフルオロメチル次亜ハロゲン酸塩を式(IVa)のトリフルオロエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で付加反応を行って付加生成物(A-Paa)を形成し、その後、
(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、(液体)付加生成物(A-P)を分離しないことが好ましく、
(B)第二ステップにおいて、第二の反応器にて、好ましくは第二の反応器はマイクロ反応器であり、液相において除去反応が行われ、ここで、HF(フッ化水素)を付加生成物(A-Paa)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で除去反応が行われて、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする。
特定の別の態様では、本発明は、前述に定義されているように、式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスにさらに関し、
前記プロセスは、ステップ(C)を行うことを含み、
ステップ(C)において、反応器にて、好ましくは、反応器はマイクロ反応器であり、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を
液相においてフッ素化反応し、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(II)の化合物に含まれるCl(塩素原子)をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする。
本発明は、2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれ、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造するための適切な中間体である)を製造することにさらに関する。この特定の態様では、本発明は、式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスに関し、
式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVb)のトリクロルエチレンを互いに反応させ、
CF-O-F 式(IIIa)、
そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
(A)第一ステップにおいて、第一の反応器、好ましくはループ型反応器又はマイクロ反応器、より好ましくはマイクロ反応器にて付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチルを式(IVb)のトリクロルエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で付加反応を行って付加生成物(A-Pab)を形成し、その後、
(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、(液体)付加生成物(A-P)を分離しないことが好ましく、
(B)第二ステップにおいて、第一の反応器がループ型反応器である場合、第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HCl(塩化水素)を付加生成物(A-Pab)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で除去反応が行われて、式(II)の化合物FCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)が得られる、ことを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(A)において、第一の反応器の第一ステップにおいて、約15℃~約35℃の温度範囲内(又は約25℃±10℃の温度)、好ましくは約20℃~約30℃の温度範囲内(又は約25℃±5℃の温度)、より好ましくは環境温度(又は室温)(又は約20℃~約25℃の温度)で付加反応が行われることを特徴とする。
さらに別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(B)において、第二ステップにおいて、第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、約90℃~約110℃の温度範囲内(又は約100℃±10℃の温度)、好ましくは約95℃~約105℃の温度範囲内(又は約100℃±5℃の温度)、又は約100℃の温度(例えば、約100℃±4℃、又は100℃±3℃、又は100℃±2℃、又は100℃±1℃)で除去反応が行われることを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(C)において、約50℃~約100℃の温度範囲内、好ましくは約60℃~約100℃の温度範囲内、より好ましくは約60℃~約90℃の温度範囲内、更により好ましくは約70℃~約90℃の温度範囲内(又は約80℃±10℃の温度)、より好ましくは約70℃~約80℃の温度範囲内(又は約100℃±5℃の温度)、又は約75℃の温度(例えば、約75℃±4℃、又は75℃±3℃、又は75℃±2℃、又は75℃±1℃の温度)でフッ素化反応が行われることを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、任意のプロセスステップ(A)、(B)と(C)(適用可能である場合)を開始する前に、使用される1つ又は複数の反応器、好ましくは使用される反応器おける各々及びいずれか1つを不活性ガスでパージする。不活性ガスとして、He(ヘリウム)を用いることが好ましい。
さらに別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスにさらに関し、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスに関する。上記プロセスでは、ステップ(A)において、第一の反応器にて、SiC反応器にて付加反応が行われることを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(B)において、第二の反応器にて、ニッケル反応器(Ni反応器)又は高ニッケル含有量(Ni含有量)の内表面を有する反応器にて除去反応が行われることを特徴とする。好ましくは、本発明の文脈において、「高ニッケル含有量」という用語は、ニッケル反応器を製造した金属合金におけるニッケル(Ni)含有量が少なくとも50%であることを指す。特に好ましくはHastelloy C4ニッケル合金から作られたニッケル反応器である。従来技術では、Hastelloy C4ニッケル合金は、クロムと高モリブデン含有量の組み合わせとを含むニッケル合金であることが知られている。このようなHastelloy C4ニッケル合金は、大量の化学媒体、例えば汚染された還元性無機酸、塩化物及び塩化物で汚染された有機と無機媒体に対して優れた抵抗力を示している。
Hastelloy C4ニッケル合金は、例えば商品名がNicrofer(登録商標) 6616 hMo又はHastelloy C-4(登録商標)である市販のものであってもよい。Hastelloy C4ニッケル合金の密度は、8.6g/cmであり、溶解温度範囲は、1335~1380℃である。
C4の特殊化学成分により、Hastelloy C4ニッケル合金は良好な構造安定性と高抗増感能力を有する。
Hastelloy C4(ニッケル合金)の化学成分を例にとると、以下の表1に示されるように、金属合金におけるニッケル(Ni)含有量は少なくとも50%であり、ニッケル(Ni)含有量にHastelloy C4ニッケル合金成分を加算して合計100%金属合金となる。
Hastelloy C4(ニッケル合金)の化学成分
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(C)において、連続式で、好ましくはマイクロ反応器にて、連続式でフッ素化反応が行われることを特徴とする。
さらに別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(C)において、ルイス酸触媒の存在下で、フッ素化反応が行われ、該ルイス酸触媒はSnCl(四塩化スズ)、TiCl(四塩化チタン)及びSbF(ペンタフルオロアンチモン)から選ばれることを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(C)において、ルイス酸触媒SbF(ペンタフルオロアンチモン)の存在下で、フッ素化反応が行われることを特徴とする。
特定かつ好ましい態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(A)において、連続式で、好ましくはマイクロ反応器にて、連続式で付加反応が行われることを特徴とする。
別の特定かつ好ましい態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、ステップ(B)において、連続式で、好ましくはマイクロ反応器にて、連続式で除去反応が行われることを特徴とする。
さらに別の特定かつ好ましい態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、(A)、(B)と(C)(適用可能である場合)の少なくとも1つの反応ステップにおける反応は独立して連続プロセスとして行われ、ここで、少なくとも1つの上部幅方向寸法が約≦5mm又は約≦4mmである連続流反応器にて、(A)、(B)と(C)(適用可能である場合)の少なくとも1つの反応ステップにおける連続プロセスが行われ、好ましくは少なくとも1つの連続流反応器はマイクロ反応器であることを特徴とする。
より好ましい態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスにさらに関する。上記プロセスでは、(A)、(B)と(C)(適用可能である場合)の少なくとも1つの反応ステップにおいて、この反応は連続プロセスとして行われ、ここで、少なくとも1つの上部幅方向寸法が約≦5mm又は約≦4mmである連続流反応器にて該連続プロセスが行われ、好ましくは少なくとも1つのマイクロ反応器にて行われ、
より好ましくは、前記ステップ(A)、(B)と(C)において、少なくともフッ素化反応のステップ(C)は、少なくとも1つのマイクロ反応器にて、
流速:約10 ml/h~約400 l/h、
温度:それぞれ約-20℃~約150℃、又は-10℃~約150℃、又は0℃~約150℃、又は10℃~約150℃、又は20℃~約150℃、又は約30℃~約150℃、
圧力:約1バール(1大気圧絶対圧力)~約50バール、好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約20バール、より好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約5バール、特に好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約4バール、一実施例では、圧力が約3バールであること、
滞留時間:約1秒(好ましくは約1分)~約60分、のうちの1種又は複数の種の条件下での連続プロセスである、ことを特徴とする。
別の態様では、本発明は、前述に定義された何れかの式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は、前述に定義された何れかの式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスに関する。上記プロセスでは、ステップ(A)から生成された生成物、ステップ(B)から生成された生成物及び/又はステップ(C)から生成された生成物(適用可能である場合)に対して蒸留を行うことを特徴とする。
バッチプロセス:
本発明は、バッチ式で行われる特定プロセスステップを含み、好ましくは塔型反応器にてバッチプロセスステップが行われるフッ素化化合物を製造するためのプロセスにも関する。以下の塔型反応器の配置において、プロセスはバッチプロセスとして記述されるが、任意に、このプロセスは前記塔型反応器の配置において連続プロセスとして行われてもよい。前記塔型反応器の配置において連続プロセスである場合、追加の入口及び出口が予想され、それぞれ出発化合物の投入及び生成物化合物、及び/又は任意の中間体化合物(必要な場合)の排出のために用いられることは言うまでもない。図4と実施例9を参照されたい。
本発明がバッチプロセスに関する場合、好ましくは塔型反応器にて、バッチプロセス、即ち、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれ、パーフルオロメチルビニルエーテルを製造するのに適切な中間体(PFMVE))である)を製造するためのプロセスが行われ、特に好ましくは、(密閉)塔型反応器(システム)にて、液体出発化合物(例えば、それぞれトリクロルエチレン又はFCTFEである)又はそれからなる液体媒体を環状管で循環させながら、ガス状出発化合物(例えば、CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)又はHF-フッ素化ガス)を塔型反応器に投入し、その中の液体媒体を介して液体出発化合物と反応させることを含む反応が行われる。好ましくは、塔型反応器における環状管は、1500l/hないし5000l/h、より好ましくは3500l/hないし4500l/hの循環速度で動作する。
本発明がこのようなバッチプロセスに関する場合、前記液体媒体を塔型反応器にて乱流又は層流の形式で循環させ、好ましくは乱流の形式で循環させるように、本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造するためのプロセスが行われることができる。
通常、それぞれ、目標生成物化合物及び/又は任意の中間体化合物(必要な場合)に必要な化学量論に基づいて、ガス状出発化合物(例えば、CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)又はHF-フッ素化ガス)を環状管に投入して、反応速度に適応される。
例えば、本発明による化合物PFMVE及び/又はFCTFEを製造するための前記プロセスは、例えばバッチ式で行われてもよい。ここで、塔型反応器は、少なくとも1つの冷却器(システム)、液体出発化合物を含むか、又はそれらからなる液体媒体に用いられる少なくとも1つの液体貯蔵槽、ポンプ(液体媒体をポンプ輸送/循環するために用いられる)、好ましくは塔型反応器の頂部に配置され、循環媒体を塔型反応器に注入するための1つ又は複数の(噴射ノズル)噴射器、ガス状出発化合物(例えば、CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)又はHF-フッ素化ガス)を導入するための1つ又は複数の投入入口、任意に、1つ又は複数の篩、好ましくは2つの篩、好ましくは塔型反応器の底部に配置された1つ又は複数の篩、及び圧力弁を備えた少なくとも1つのガス出口、のうちの少なくとも1つを備える。
そのため、本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)化合物を製造するためのプロセスは、
(i)少なくとも1つの冷却器(システム)、液体媒体に用いられる入口と出口を有し、そして出発化合物を含むか、又はそれらからなる液体媒体、好ましくはそれぞれトリクロルエチレン又はFCTFEである液体媒体を含む少なくとも1つの液体貯蔵槽、
(ii)塔型反応器中の液体媒体をポンプ輸送及び循環するためのポンプ、
(iii)好ましくはそのうちの1つ又は複数の(噴射ノズル)噴射器が塔型反応器の頂部に配置され、循環液体媒体を塔型反応器に注入するための1つ又は複数の(噴射ノズル)噴射器、
(iv)ガス状出発化合物(例えば、CFOF(次亜フッ素酸トリフルオロメチルエステル)又はHF-フッ素化ガス)を塔型反応器にそれぞれ導入するための1つ又は複数投入入口、
(v)任意に、1つ又は複数の篩、好ましくは2つの篩、好ましくは塔型反応器の底部に配置された1つ又は複数の篩、
(vi)及び、少なくとも1つに圧力弁をそれぞれ備えたガス出口と、生成物化合物及び/又は必要な任意の中間体化合物を取り出すための少なくとも1つの出口、のうちの少なくとも1つを備えた塔型反応器にて行われてもよい。
一実施形態では、本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)化合物を製造するためのプロセスは、塔型反応器にて行われてもよく、この塔型反応器は充填層塔型反応器であり、好ましくは耐反応物(特に耐フッ化水素)の充填物(用語「充填物」及び「充填材」は本発明の文脈において同義である)を充填した充填層塔型反応器(HF)である。本発明の文脈において、適用した反応物かつ特に耐フッ化水素(HF)の充填物は、特にHFプラスチック充填物及び/又は耐HF金属充填物である。例えば、場合によっては、充填層塔型反応器にはステンレス(1.4571)充填物を充填する場合があるが、ステンレス(1.4571)充填物は、反応器システムにおいて(微量)湿気が存在するリスクがあるので、以下に記載されている他の充填物に及ばない。好ましくは、例えば、本発明では、充填層塔型反応器には、耐反応物、かつ特に耐フッ化水素(HF)の充填物、例えばラッシヒ充填物、E-TFE充填物及び/又は耐HFの金属充填物、例えばHastelloy金属充填物、及び/又は(好ましい)HDPTFE充填物を充填し、より好ましくは、充填層塔型反応器は、前述の何らかの耐HFのHastelloy金属充填物及び/又はHDPTFE充填物、好ましくはHDPTFE充填物を充填したガス洗浄器システム(塔)である。
別の実施形態では、本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)化合物を製造するためのプロセスは、液体出発化合物又はそれからなる循環液体媒体を含む逆流及びガス状出発化合物又はHF-フッ素化ガスの逆流をそれぞれ用いて反応し、上記両者は塔型反応器に投入される。
圧力弁の役割は、反応に必要な圧力を保持し、任意の排気、例えば、フッ素化ガスに含まれる不活性キャリアガスを放出することであり、適用可能である場合、反応から釈放する任意のハロゲン化水素ガスと共に放出される。
本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)化合物を製造するための前記プロセスは、例えばバッチ式で行われてもよく、それによって、前記プロセスにおいて、塔型反応器が前述した充填層塔型反応器、好ましくはHDPTFE充填物を充填した充填層塔型反応器である。
図4の充填塔は、Hastelloy C4(ニッケル合金)(当業者に知られている)から作られ、100又は200mmの直径(循環流速及び規模に依存する)を有してもよく、且つ直径100mmの塔の長さは3メートル、直径200mmの塔の長さは6メートルである(より高い容量が必要な場合は後者)。Hastelloyから作られた塔には、前述した何らかの充填物を充填するか、又は好ましいHDPTFE充填物を充填する。各種の直径は10mmであり、市販のものであってもよい。充填物のサイズは非常に柔軟であり、充填物のタイプも非常に柔軟であり、上述した特性範囲内、即ち、以下の実施例9に開示されている試験では、HDPTFE充填物(又はそれぞれHDPTFE充填剤)が使用され、任意のガス状(出発)化合物を逆流方式で投入する際に、大きな圧力低下(圧力損失)をもたらすことなく、同じ性能を示した。
マイクロ反応器を使用する方法は、コイル式反応器の変化形に対しても適用可能である。
本発明の好適な実施形態によれば、化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)は、それぞれ連続式で製造してもよい。より好ましくは、それぞれマイクロ反応器にて化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造する。
任意に、本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)化合物を製造するためのプロセスにおける任意の中間体を分離及び/又は精製してもよく、次いで、そのような分離及び/又は精製された中間体を必要に応じてさらに処理してもよい。例えば、化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれる)は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造するのに適切な中間体であり、分離及び/又は精製されることができる。例えば、第一のマイクロ反応器配列において付加(A)と除去(B)反応により、化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(例えば図1、マイクロ反応器1[SiC]とマイクロ反応器2[Ni]参照)を製造し、この化合物は任意に分離及び/又は精製され、次いで、化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を別のマイクロ反応器(例えば図3参照)に移し、それぞれ定量の液体HF(フッ素化剤)、特に無水HF(フッ化水素)又は水を含まないHF(フッ化水素)とさらに反応させる。ルイス酸は、フッ素化促進触媒として存在し、例えばそれぞれ実施例4又は実施例6で使用されるSbFである。
上記第一のマイクロ反応器配列において付加(A)と除去(B)反応により、中間体である化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を生成し、この化合物は、任意に分離及び/又は精製されてもよく、そして、分離及び/又は精製形態の最終生成物を構成してもよい。
代替的に、得られた未精製化合物(例えば、さらに精製されていない)として、第一のマイクロ反応器配列において付加(A)と除去(B)反応により、(中間体)化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(例えば図1、マイクロ反応器1[SiC]とマイクロ反応器2[Ni]参照)を生成し、これを上記の別のマイクロ反応器(例えば図3参照)に移して、(好ましい)無水HF(フッ化水素)とさらに反応させることによって、最終目標化合物パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を生成する。同様に、ルイス酸は、フッ素化促進触媒として存在し、例えばそれぞれ実施例4又は実施例6で使用されるSbFである。
本発明の別の変化形では、それぞれ例えば実施例4又は実施例6の反応スキーム2を参照して、(中間体)化合物2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)から最終目標化合物であるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造してもよく、そして、上記でより詳細に説明する。好ましくは、連続式で反応が行われてもよい。
ルイス酸特性を有するフッ素化触媒:
本発明のプロセスステップ(C)において、フッ素化触媒を用いる。フッ素化とは、化学反応であり、1つ又は複数のフッ素(F)原子を化合物又は材料に添加することに関する。フッ素化及びこれらの反応に関する適切なフッ素化触媒は、当業者に知られている。
フッ素化触媒は、当業者に知られており、本発明の文脈では、好ましくはSb、As、Bi、Al、Zn、Fe、Mg、Cr、Ru、Sn、Ti、Co、Niベースのものであり、好ましくはSbベースのものである。
本発明は、この態様では、例えば、好ましくはフッ素化触媒がSbベースのものであり、より好ましくは反応性物質HSbFを提供する触媒から選ばれるSbフッ素化触媒であるプロセスにさらに関する。
本発明は、例えば、フッ素化触媒がペンタフルオロアンチモンであり、好ましくは触媒がペンタフルオロアンチモン(SbF)であり、かつオートクレーブにてSbClとHFとの反応によりペンタフルオロアンチモンを製造するプロセスに関する。本発明のいずれかの実施形態によるプロセスにおけるフッ素化反応ステップ(C)の前に、より好ましくはHFに反応性物質HSbF6を形成するSbFが含まれる。
ルイス酸の存在下で、HFを用いて液相フッ素化/付加が行われる。
本発明によれば、ルイス酸触媒の存在下で、液相においてHFを用いたフッ素化/付加プロセスが行われ、HF(フッ化水素)の付加反応とHCl(塩化水素)の除去により、両者とも液相にあり、そして、HFの付加反応とHClの除去はルイス酸によって誘導される。
好ましくは、本発明によるHF(フッ化水素)を用いたフッ素化反応、液体HF(フッ素化剤)(特にそれぞれ無水HF(フッ化水素)又は水を含まないHF(フッ化水素))をルイス酸触媒に加える反応が行われる。
本発明によるルイス酸触媒の存在下でのHFを用いたフッ素化/付加プロセスにおいて、ルイス酸は金属ハロゲン化物であり、好ましくはSbCl/SbF、TiCl/TiF、SnCl/SnF、FeCl/FeF、ZnCl/ZnFから選ばれる金属ハロゲン化物であり、又は好ましくはSbベースのルイス酸特性を有するフッ素化促進触媒、より好ましくは上記反応性物質HSbFを提供する触媒から選ばれるSbフッ素化触媒である。
マイクロ反応器プロセス:
本発明は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)(1,2-ジクロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)-エチレン(CAS番号:94720-91-9)とも呼ばれ、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)を製造する適切な中間体である)を製造するためのプロセスにさらに関してもよく、ここで、このプロセスは、連続プロセスであり、好ましくは、マイクロ反応器にて行われる。
本発明は、1つ以上のマイクロ反応器を使用してもよく、即ち、本発明は、容量又は滞留時間を延長するために、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上のマイクロ反応器、例えば、10個までの並列のマイクロ反応器又は直列の4つのマイクロ反応器を使用してもよい。1つより多くのマイクロ反応器を使用する場合、複数のマイクロ反応器は、順序的に、又は並列的に配置されてもよく、3つ又はそれ以上のマイクロ反応器を使用する場合、それらは、順序的に配置されてもよいし、並列的に配置されてもよく、又は両方を兼ねてもよい。
本発明も非常に有利であり、本発明によるパーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造するためのプロセスは、任意に、連続流反応器システムにて行われるか、又は好ましくはマイクロ反応器システムにて行われる。
一つの好ましい実施形態では、本発明は、パーフルオロメチルビニルエーテル(PFMVE)及び/又は2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン(FCTFE)を製造するためのプロセスに関し、ここで、少なくとも1つの反応ステップは、少なくとも1つの上部幅方向寸法が約≦5mmであるか、又は約≦4mmである連続流反応器にて行われる連続プロセスとして行われ、
好ましくは少なくとも1つのマイクロ反応器にて、より好ましくは前記ステップにおいて、少なくともフッ素化反応のステップが、少なくとも1つのマイクロ反応器にて、
流速:約10ml/h~約400l/h、
温度:約30℃~約150℃、
圧力:約4バール~約50バール、
滞留時間:約1秒(好ましくは約1分)~約60分、のうちの1種又は複数の種の条件下での連続プロセスである。
別の好ましい実施形態では、本発明は、このような本発明による化合物を製造するプロセスに関し、ここで、少なくとも1つの前記連続流反応器、好ましくは少なくとも1つのマイクロ反応器は、独立してSiC連続流反応器、好ましくは独立してSiCマイクロ反応器である。
連続流反応器とマイクロ反応器:
上記に加えて、本発明の一態様によれば、プロセス発明で使用され、且つ本明細書に記載されているような工場工程発明が提供される。この発明は、任意の、及びプロセスのいくつかの実施例形態に関し、さらにこのプロセスは、マイクロ反応器にて実施されることが好ましい。
用語「マイクロ反応器」について:本発明の一実施形態では、「マイクロ反応器」又は「マイクロ構造反応器」又は「マイクロチャネル反応器」は、化学反応が、約≦1mmの典型的な幅方向寸法を有する範囲内で行われる装置であり、このような制限的な典型形態の一例は、マイクロチャネルである。通常、本発明の文脈では、用語「マイクロ反応器」、「マイクロ反応器」又は「マイクロ構造化反応器」又は「マイクロチャネル反応器」は、化学反応が約≦5mmの典型的な幅方向寸法範囲内で行われる装置を示す。
マイクロ反応器は、物理プロセスが発生する他の設備(例えば、マイクロ熱交換器)とともにマイクロプロセス工学の分野で研究されている。マイクロ反応器は、通常、連続流反応器(バッチ反応器に比べて)である。従来規模の反応器に比べて、マイクロ反応器は、エネルギー効率、反応速度と収率、安全性、信頼性、可拡張性、現場/オンデマンド製造及びより高い程度のプロセス制御などの方面の巨大な改良を含む多くの利点を有する。
マイクロ反応器は、化学反応を行うために、「流動化学」に用いられる。
マイクロ反応器がよく用いられる流動化学では、化学反応は、バッチ生産ではなく連続流動の流れで行われる。バッチ生産は、一連のワークステーション上で議論対象を段階的に作成され、そして、異なるロットの製品を生産する製造用の技術である。作業生産(一括生産)及びロット生産(フロー生産又は連続生産)と共に、3つの主要な生産プロセスの1つである。逆に、流動化学では、化学反応は、ポンプが流体を管内に移動させ、そして流体を管の相互接続場所にて互いに接触させる連続流動の流れで行われる。これらの流体が反応性であれば、反応する。流動化学は、成熟した技術であり、大量の所定材料を製造する際に大規模に利用することができる。しかし、この用語は、最近の実験室規模での応用によって創出されたものである。
連続流反応器(例えば、マイクロ反応器として用いられる)は、通常、管状のものであり、かつ非反応性材料から作られ、従来の技術で知られているように、可能なエッチ液及び/又は反応物の特定目的及び特性に依存する。混合プロセスは、例えば反応器の直径が狭い(例えば<1mm)場合、マイクロ反応器と静的混合器において単独拡散することを含む。連続流反応器は、伝熱、時間及び混合を含む反応条件を良好に制御することができる。反応器内での試薬の滞留時間、即ち反応が加熱又は冷却される時間は、反応器の体積とそれによる通過する流速から計算される:滞留時間=反応器体積/流速。そのため、より長い滞留時間を得るために、試薬をより緩やかにポンプ輸送してもよく、より大容量の反応器を使用してもよく、及び/又はさらにいくつかのマイクロ反応器を直列に配置してもよく、反応ステップを完了させるために必要であれば、それらの間にいくつかの円筒のみを配置して滞留時間を増加させてもよい。後者の場合、各マイクロ反応器後のサイクロン分離器は、形成されたHClの放出に寄与し、反応性能に積極的な影響を与える。生産効率は、ml毎分からリットル毎時間まで様々であってもよい。
流反応器のいくつかの具体例は、回転ディスク反応器(Colin Ramshaw)、紡糸管反応器、多室流反応器、振動流反応器、マイクロ反応器六角反応器及び吸気式反応器である。吸気式反応器において、反応物を吸入させるように試薬をポンプにより推進する。プラグ流反応器と管状流反応器について更に言及する。
本発明では、一実施形態では、特に好ましくはマイクロ反応器を採用する。
好適な実施形態では、本発明による用途とプロセスにおいて、本発明はマイクロ反応器を使用する。ただし、注意すべきことは、本発明のより一般的な実施形態では、本発明の前記好適な実施形態がマイクロ反応器を使用することに加えて、他の任意の反応器、本明細書で定義されるように、例えば、好ましくは上部幅方向寸法が最高約1cm管状連続流反応器を使用してもよい。そのため、このような連続流反応器は、好ましくは最高約≦5mm又は約≦4mm上部幅方向寸法を有し、これは、本発明の好適な実施形態、例えば、マイクロ反応器が好ましいことを意味する。一連のSTRを連続作動させることは、別の選択であるが、マイクロ反応器を使用することに比べて、比較的好ましくない。
本発明の上述した実施例の前に、その最小の幅方向寸法は、例えば1mmである。好ましくは管状連続流反応器は、約>5mmであってもよいが、通常、1cmを超えない。そのため、例えば、好ましくは管状連続流反応器の幅方向寸法は、約>5mm~約1cmの範囲内にあってもよく、そして、両者の間の任意の値であってもよい。例えば、好ましくは管状連続流反応器の幅方向寸法は、約5.1mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約10mmであってもよく、又は前記値の間の任意の値であってもよい。
先に本発明のマイクロ反応器を使用する実施形態では、好ましくはマイクロ反応器の最小幅方向寸法は、少なくとも約0.25mm、好ましくは少なくとも約0.5mmであってもよいが、マイクロ反応器の最大幅方向寸法は約≦5mmを超えない。そのため、例えば、好ましくはマイクロ反応器の幅方向寸法は、約0.25mm~約≦5mm、好ましくは約0.5mm~約≦5mmの範囲内にあってもよく、そして、両者の間の任意の値であってもよい。例えば、好ましくはマイクロ反応器の幅方向寸法は、約0.25mm、約0.3mm、約0.35mm、約0.4mm、約0.45mmと約5mmであってもよく、又は前記値の間の任意の値であってもよい。
前述したように、本発明の実施形態では、その最も広い意味は、好ましくは上部横方向最高約1cmの管状連続流反応器を使用することである。このような連続流反応器は、例えばプラグ流反応器(PFR)である。
プラグ流反応器(PFR)は、連続管状反応器、CTR又はプラグ流れ反応器と呼ぶ場合もあり、円柱幾何学的形状の連続流動システムにおいて化学反応を行い、記述するための反応器である。PFR反応器モデルは、重要な反応器変量、例えば、反応器の寸法を推定することができるように、このように設計された化学反応器の行為を予測するために用いられる。
PFRを流れる流体を、反応器を流れる一連の無限薄いコヒーレンス「プラグ」にモデル化してもよく、各プラグは反応器の軸方向上に移動し、各プラグの成分は均一であり、かつ各プラグの成分はその前後とは異なる。重要な仮定は、プラグがPFRを流れると、流体が径方向(即ち、横方向)上に完全に混合され、軸方向(前方向又は後方向)上に完全に混合されないことである。
そのため、本明細書で用いられる本発明の文脈で用いられる反応器のタイプを定義するための用語、例えば、「連続流反応器」、「プラグ流反応器」、「管状反応器」、「連続流反応器システム」、「プラグ流反応器システム」、「管状反応器システム」、「連続流システム」、「プラグ流システム」、「管状システム」は、互いに同義であり、かつ区別なく使用することができる。
反応器又はシステムは、例えば、線形、環状、蛇行性、円形、渦巻き式、又はそれらの組み合わせである複数の管として配置されてもよい。例えば、渦巻き式であれば、反応器又はシステムは、「コイル管反応器」又は「コイル管システム」とも呼ばれる。
径方向、即ち横向方向において、このような反応器又はシステムは、最高約1cmの内径又は内断面寸法(即ち、それぞれ径方向寸法又は幅方向寸法)を有してもよい。そのため、一実施形態では、反応器又はシステムの幅方向寸法は、約0.25mm~約1cm、好ましくは約0.5mm~約1cm、より好ましくは約1mm~約1cmの範囲内にあってもよい。
さらに別の実施形態では、反応器又はシステムの幅方向寸法は、約>5mm~約1cm、又は約5.1mm~約1cmの範囲内にあってもよい。
幅方向寸法が最高約≦5mm、又は最高約≦4mmである場合、この反応器は「マイクロ反応器」と呼ばれる。そのため、よりさらに別のマイクロ反応器実施形態では、反応器又はシステムの幅方向寸法は、約0.25mm~約≦5mm、好ましくは約0.5mm~約≦5mm、より好ましくは約1mm~約≦5mmの範囲内にあってもよく、又は反応器又はシステムの幅方向寸法は、約0.25mm~約≦4mm、好ましくは約0.5mm~約≦4mm、より好ましくは約1mm~約≦4mmの範囲内にあってもよい。
本発明の代替的実施形態では、さらに任意に、マイクロ反応器以外の別の連続流反応器を使用することが望ましい。好ましくは、例えば、ハロゲン化又はフッ素化に使用される(ハロゲン化促進、例えばハロゲン化又は好ましくはハロゲン化)触媒組成物が、反応過程において粘稠になることが多い場合、又は前記触媒として自体が粘稠である。この場合、連続流反応器、即ち、その中に化学反応を制限する装置は、その下部幅方向寸法がマイクロ反応器の上述した幅方向寸法、即ち約1mmより大きいが、上部幅方向寸法が約≦4mmである。そのため、本発明のこの代替的実施形態では、連続流反応器を使用しており、用語「連続流反応器」とは、好ましくは化学反応が制限下で行われる装置を示し、その典型的な幅方向寸法は、約≧1mm~約≦4mmである。本発明のこのような実施形態では、特に好ましくは、連続流反応器として、前記幅方向寸法を有するプラグ流反応器及び/又は管状流反応器を採用する。同様に、本発明のこのような実施形態では、マイクロ反応器を採用した実施形態に比べて、特に好ましくは、連続流反応器において、好ましくはプラグ流反応器及び/又は管状流反応器において、比較的高い流速を採用し、上述した幅方向寸法を有する。例えば、マイクロ反応器に対して本明細書で述べた典型的な流速に比べて、このような比較的高い流速は、それぞれ約2倍高い、約3倍高い、約4倍高い、約5倍高い、約6倍高い、約7倍高い、又は約≧1~約≦7倍高い、約≧1~約≦6倍高い、約≧1~約≦5倍高い、約≧1約~≦4倍高い、約≧1~約≦3倍高い、又は約≧1~約≦2倍高い倍数のうちのいずれかの中間流速よりも高い。好ましくは、本発明のこの実施形態で用いられる前記連続流反応器、より好ましくはプラグ流反応器及び/又は管状流反応器には、本明細書で定義されるマイクロ反応器に用いられる構造材料が配置されている。例えば、このような建築材料は、ケイ素炭化物(SiC)及び/又は合金、例えば、高度耐腐食のニッケルクロムモリブデンタングステン合金、本明細書でマイクロ反応器に対して記述したように、例えばHastelloy(登録商標)である。
本発明の一つの非常に特殊な利点は、上述した幅方向寸法を有するマイクロ反応器又は連続流反応器を採用することであり、分離ステップの数を減少及び簡略化することができ、そして、時間及びエネルギー消費を節約することができ、例えば、中間蒸留ステップを減少した。特に、マイクロ反応器又は上述した幅方向寸法を有する連続流反応器を使用する本発明の特別な利点は、簡単な相分離プロセスを用いて分離することができ、そして、未消費の反応成分をプロセスに再循環させるか、又は必要に応じて、又は製品自体として適切に使用されることができることである。
本発明によるマイクロ反応器を使用する本発明の好適な実施形態に加えて、マイクロ反応器を使用することに加えて、又は代替として、プラグ流反応器又は管状流反応器をそれぞれ採用することが可能である。
プラグ流反応器又は管状流反応器及びその動作条件は、それぞれ当業者に知られている。
本発明では、場合によっては、特に好ましくは幅方向寸法がそれぞれ約≦5mm又は約≦4mmである連続流反応器、特にマイクロ反応器を使用するが、マイクロ反応器を放棄し、それぞれプラグ流反応器又は乱流反応器を採用する人が想定されると、収率を損失させ、滞留時間を延長させ、温度を向上させることは当然である。しかし、これは潜在的利点を有する可能性があり、上述した可能性のある不利な収率損失を考慮し、即ち、利点はプラグ流反応器の管又は通路の直径がマイクロ反応器の管又は通路の直径よりも大きいため、詰まり発生の可能性を減少させることである(非最適駆動方式でタール顆粒を形成する)。
しかしながら、プラグ流反応器又は管状流反応器を使用するような変化形の可能性のある欠点は、主観的な観点のみとみなされる場合もあるが、別の態様では、地域又は生産施設のいくつかのプロセスの制約下で、依然として適切なものである可能性があり、他の利点又は制限を回避したことを考慮し、収率損失はあまり重要ではないこととみなされ、さらに許容されてもよい。
以下では、マイクロ反応器を使用する文脈で本発明についてより具体的に説明する。好ましくは、本発明による使用されるマイクロ反応器は、セラミック連続流反応器であり、より好ましくは、SiC(ケイ素炭化物)連続流反応器であり、そして、多規模な材料製造に用いられることができる。一体化された熱交換器と構造SiC材料において、挑戦的な流動化学用途のために最適な制御を提供することができる。流量発生反応器のコンパクト化かつモジュール化構造は、異なるプロセスタイプに対する長期的な柔軟性、一定の生産量(5~400l/h)達成可能、空間が限られた場合に化学生産強化、素晴らしい化学的相容性と熱制御に有利である。
例えば、セラミック(SiC)マイクロ反応器は、拡散結合された3M SiC反応器、特に無半田と無金属の反応器に有利であり、FDA認証を有する建築材料又は他の薬物規制機関(例えば、EMA)によって認証された建築材料の優れた伝熱及び物質移動、優れた化学的相容性を有する。ケイ素炭化物(SiC)は金剛砂とも呼ばれ、ケイ素と炭素を含み、そして、当業者に知られている。例えば、合成SiC粉末は多くの技術応用に大量生産され、加工されている。
例えば、本発明の実施形態では、少なくとも1つの反応ステップが、マイクロ反応器にて行われるプロセスによって実現されることを目的とする。特に、本発明の好適な実施形態では、少なくとも1つの反応ステップが、SiCを含むか、又はSiCから作られたマイクロ反応器(「SiCマイクロ反応器」)にて行われるか、又は合金(例えば、Hastelloy C)を含むか、又は合金(Hastelloy C)から作られたマイクロ反応器にて行われるプロセスによって実現されることを目的とし、それぞれ、以下でより詳細に定義される。
以上は、好ましいHastelloy C4ニッケル合金についてさらに説明した。例えば、表1を参照されたい。
そのため、例えば、これに限定するものではないが、本発明の一実施形態では、このマイクロ反応器は、(好ましくは工業)生産に適しており、「SiCマイクロ反応器」は、SiCを含むか、又はSiC(ケイ素炭化物、例えばダウコーニング(Dow Corning)G1SiC型又はChemtrix MR555 Plant-rixによって提供されるSiC)から作られ、例えば、1時間当たり約5~約400kgの生産能力を提供する。又は、例えば、これに限定するものではないが、本発明の別の実施形態では、工業生産に適用されるマイクロ反応器は、Ehrfeldによって提供されるHastelloy Cを含むか、又はそれから作られる。このようなマイクロ反応器は、(好ましくは工業)本発明によるフッ素化生成物を生産するのに特に適している。
生産規模の流量反応器に対する提出された機械的と化学的要求を満たすために、Plantrixモジュールは、3MTMSiC(C級)から作られる。特許を取得した3M(EP 1 637 271 B 1及び海外特許)拡散接着技術を用いて製造された反応器全体は、気密性があるものであり、そして溶接ライン/継手及びロウ剤を有さない。Chemtrix MR 555 Plantrixについてのより多くの技術情報は、全体として参照によって本明細書に組み入れられるChemtrix BVが2017年に出版した小冊子<CHEMTRIX-拡張可能流動化学技術情報Protrix(登録商標)(CHEMTRIX-Scalable Flow Chemistry-Technical Information Protrix(登録商標)>において見出すことができる。
上述した実施例に加えて、本発明の別の実施形態では、通常、他の製造業者からの、かつ当業者に知られているSiCは、本発明に用いられてもよいことは言うまでもない。
そのため、本発明では、マイクロ反応器としてChemtrix社のProtrix(登録商標)を用いてもよい。Protrix(登録商標)は、3M(登録商標)ケイ素炭化物から作られたモジュール化連続流反応器であり、優れた耐薬品性と伝熱性を有する。流反応器に対する機械的と化学的要求を満たすために、Protrix(登録商標)モジュールは、3M(登録商標) SiC(C級)から作られる。特許を取得した3M(EP 1 637 271 B 1及び海外特許)拡散接着技術を用いて製造された反応器全体は、気密性があるものであり、溶接ライン/継手及びロウ剤を有さない。このような製造技術は、製造プロセスであり、固態SiC反応器(熱膨張率=4.1x10-6-1)を提供することができる。
Protrix(登録商標)は、0.2~20ml/minの流速及び最高25バールの圧力のために設計され、ユーザが実験室レベルの連続流技術を開発し、その後、材料製造のためのPlantrix(登録商標) MR555(×340比例係数)に移行することを可能にする。Protrix(登録商標)反応器は、一体化された熱交換器の拡散結合式3M(登録商標) SiCモジュールを備え、無段の熱制御と優れた耐薬品性を提供でき、標準通風室においてg級の極端反応条件を安全に使用でき、試薬入力数、容量又は反応時間の方面では効率的かつ柔軟に生産できるという利点を有するフロー反応器である。Protrix(登録商標)流反応器の汎用仕様は、以下で概述するように、可能な反応タイプが、例えばA+B→P1+Q(又はC)→Pであり、ここで、用語「A」、「B」及び「C」は遊離体を表し、「P」及び「P1」は生成物を表し、「Q」はクエンチャーを表す。収量(ml/min)は約0.2~約20であり、通路寸法(mm)は1×1(予熱と混合領域)、1.4×1.4(滞留通路)であり、投入1~3、モジュール寸法(幅×高さ)(mm)は110×260であり、枠寸法(幅×高さ×長さ)(mm)は約400×300×250であり、各モジュールのモジュールの数は1つ(最小)~4つ(最大)である。ChemtrixProtrix(登録商標)反応器についてのより多くの技術情報は、全体として参照によって本明細書に組み入れられるChemtrix BVが2017年に出版した小冊子<CHEMTRIX-拡張可能流動化学技術情報Protrix(登録商標)(CHEMTRIX-Scalable Flow Chemistry-Technical Information Protrix(登録商標))>において見出すことができる。
ダウコーニングG1SiC型マイクロ反応器は工業生産に拡張してもよく、プロセス開発と小バッチ式にも適しており、その寸法は、典型的な反応器寸法(長さ×幅×高さ)が88cm×38cm×72cmであり、典型的な流体モジュール寸法が188mm×162mmであることに特徴付けられることができる。ダウコーニングG1SiC型マイクロ反応器の特徴は、優れた混合と熱交換、特許を取得したHEART設計、内部体積が小さく、滞留時間が長く、高度柔軟かつ用途が広く、高薬品耐久性により高pH値の化合物、特にヒドロフルオロ酸に適用できること、建築材料用の混合ガラス/SiC溶液、他の先進流反応器と無差別に拡大できることにまとめられることができる。ダウコーニングG1SiC型マイクロ反応器の典型的な仕様は、流速が約30ml/min~約200ml/minで、動作温度が約-60℃~約200℃で、動作圧力が約18barg(「barg」とは、ゲージ圧の単位、即ち、バールで計算される環境圧力又は大気圧の圧力単位である)、使用材料がケイ素炭化物、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、パーフルオロエラストマーで、内部容積が10mlである流体モジュールであり、オプション:規制機関認証、例えば、それぞれFDA又はEMAである。ダウコーニングG1SiC型マイクロ反応器の反応器配置は、様々な用途の特徴を有し、そしてカスタム配置可能であり、前記反応器上の任意の部位に注入点を追加してもよい。
Hastelloy(登録商標) Cは、化学式がNiCr21Mo14Wである合金であり、「合金22」又は「Hastelloy(登録商標) C-22」とも呼ばれる。前記合金は、周知の高耐食ニッケルクロムモリブデンタングステン合金であり、そして、優れた抗酸化還元性と混合酸の能力を有する。前記合金は、排気脱硫黄工場、化学工業、環境保全システム、廃棄物焼却工場、廃水処理工場に用いられている。上述した実施例に加えて、本発明の別の実施形態では、通常、他の製造業者からの、かつ当業者に知られているニッケルクロムモリブデンタングステン合金も本発明に用いられてもよい。総合金組成が100%であることに基づき、このようなニッケルクロムモリブデンタングステン合金の典型的な化学組成(いずれも重量%で計算される)は、主成分(余剰量)とするNi(ニッケル)が少なくとも約51.0%、例えば、約51.0%~約63.0%、Cr(クロム)が約20.0%~約22.5%、Mo(モリブデン)が約12.5%~約14.5%、W(それぞれタングステン(tungsten)又はタングステン(wolfram)である)が約2.5~3.5%、及びFe(鉄)の含有量が最高約6.0%、例えば約1.0%~約6.0%、好ましくは約1.5%~約6.0%、より好ましくは約2.0%~約6.0%の範囲内にある。任意に、総合金組成の百分比が100%であることに基づき、Co(コバルト)の合金における存在量は、最高約2.5%、例えば約0.1%~約2.5%の範囲内にあってもよい。任意に、総合金組成の百分比が100%であることに基づき、V(バナジウム)の合金における存在量は、最高約0.35%、例えば約0.1%~約0.35%の範囲内にあってもよい。同様に、総合金組成の百分比が100%であることに基づき、任意に、少量(即ち≦0.1%)の他の元素微量物質、例えば、独立してC(炭素)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)及び/又はS(硫黄)がある。少量(即ち≦0.1%)他の元素の場合、総合金組成の百分比が100%であることに基づき、前記元素、例えばC(炭素)、i(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)及び/又はS(硫黄)は、それぞれ独立して存在量が最高約0.1%、例えばそれぞれ独立して約0.01%~約0.1%の範囲内にあり、好ましくはそれぞれの量が独立して最高約0.08%、例えばそれぞれ独立して約0.01%~約0.08%の範囲内にある。例えば、総合金組成の百分比が100%であることに基づき、前記元素、例えばC(炭素)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、P(リン)及び/又はS(硫黄)は、それぞれ独立して存在の量(各値は、およそ値とする)は、C≦0.01%、Si≦0.08%、Mn≦0.05%、P≦0.015%、S≦0.02%である。通常、上述した合金組成において、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、N(窒素)及びCe(セリウム)のいずれかの微量元素も見つからない。
Hastelloy(登録商標) C-276合金は、溶接潜在的な危険を軽減することができる鍛造ニッケルクロムモリブデン材料(炭素とケイ素含有量が極めて低いため)である。そのため、化学プロセスと関連業界で幅広く受け入れられ、そして、多くの耐食性化学薬品で証明された性能も50年の歴史を持っている。他のニッケル合金と同様、圧延性を有し、成形及び溶接しやすく、そして、塩素含有溶液中で優れた耐応力腐食割れ性(オーステナイトステンレスが分解しやすい形態)を有する。その比較的高いクロムとモリブデン含有量によって、酸化性と非酸化性酸に耐えることができ、塩化物と他のハロゲン化物が存在する場合でも、優れた耐孔食と細隙侵食能力を示した。総成分が100%であることに基づき、重量%で計算された公称組成物は、Ni(ニッケル)57%(余剰量)、Co(コバルト)2.5%(最大)、Cr(クロム)16%、Mo(モリブデン)16%、Fe(鉄)5%、W(それぞれタングステン(tungsten)又はタングステン(wolfram)である)4%であり、含有量が比較的低い他の成分は、Mn(マンガン)が最高1%(最大)、V(バナジウム)が最高0.35%(最大)、Si(ケイ素)が最高0.08%(最大)、C(炭素)0.01(最大)、Cu(銅)が最高0.5%(最大)である。
本発明の別の実施形態では、例えば、これに限定するものではないが、前記生産に適しており、好ましくは前記工業生産に用いられるマイクロ反応器は、SiCを含むか、又はSiCのみを建築材料として(ケイ素炭化物、例えばダウコーニング社によって提供されるG1SiC型又はChemtrix MR555 Plant-rixによって提供されるSiC)から作られたSiCマイクロ反応器であり、例えば、1時間当たり約5~約400kgの生産能力を提供する。
本発明によれば、本発明によるフッ素化生成物の生産、好ましくは工業生産では、1種類以上のマイクロ反応器、好ましくは1種類以上のSiCマイクロ反応器を使用することができることは言うまでもない。本発明によるフッ素化生成物の生産では、好ましくは工業生産では、1つより多くのマイクロ反応器、好ましくは1つより多くのSiCマイクロ反応器を使用する場合、これらのマイクロ反応器、好ましくはこれらのSiCマイクロ反応器は、並列に使用及び/又は後続に配置されてもよい。例えば、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のマイクロ反応器、好ましくは2つ、3つ、4つ又はそれ以上のSiCマイクロ反応器を並列及び/又は連続に配置使用してもよい。
実験室研究にとって、例えば、適用の反応及び/又は拡大条件下で、例えば、これに限定するものではないが、マイクロ反応器としてChemtrix社のPlantrix型反応器は適切である。場合によって、マイクロ反応器のガスケットがHDPTFE以外の材料から作られ、短時間操作後に膨潤によるすぐに漏れが発生するため、HDPTFEガスケットを介してマイクロ反応器の長時間運転を保証することができ、及び沈降器と蒸留塔のような他の設備部品に関する。
例えば、工業流反応器(「IFR」、例えば、Plantrix(登録商標)MR555)は、(湿潤化されていない)ステンレスフレーム内に収容されたSiCモジュール(例えば、3M(登録商標)SiC)からなり、このモジュールを介して標準スウェージロック(Swagelok)アクセサリーを用いて投入ラインと動作媒体とを接続することができる。動作媒体(熱流体又は蒸気)と組み合わせて使用する場合、プラグ流を生成し、高熱交換能力を有する目的を達成するように、モジュール内でプロセス流体を、一体化熱交換器を用いて加熱又は冷却し、鋸歯形又は双鋸歯形メソ孔構造で反応させてもよい。基本的なIFR(例えば、Plantrix(登録商標)MR555)システムは、A+B→Pタイプの反応を行うことができる1つのSiCモジュール(例えば、3M(登録商標)SiC)と、混合器(「MRX」)とを含む。モジュール数の増加により、反応時間及び/又はシステム収率の向上をもたらす。クエンチングQ/Cモジュールを追加することは、反応タイプをA+B→P1+Q(又はC)→Pに拡張することができ、そして、遮蔽板により2つの温度領域を提供する。ここで、用語「A」、「B」及び「C」は遊離体を表し、「P」及び「P1」は生成物を表し、「Q」はクエンチャーを表す。
工業流反応器(「IFR」、例えばPlantrix(登録商標)MR555)の典型的な寸法は、4×4(「MRX」、混合器)と5×5(MRH-I/MRH-II、「MRH」は滞留モジュールを表す)であり、モジュール寸法(幅×高さ)は、200mm×555mmであり、枠寸法(幅×高さ)は、322mm×811mmである。工業流反応器(「IFR」、例えばPlantrix(登録商標) MR555)の典型的な通過量は、例えば約50l/h~約400l/hの範囲内にある。さらに、使用される流体特性及びプロセス条件に従って、工業流反応器(「IFR」、例えばPlantrix(登録商標) MR555)の通過量は、例えば、>400l/hであってもよい。滞留モジュールは、必要な反応量又は収率を提供するために、直列に配置されてもよい。直列に配置可能性なモジュールの数は、流体属性及び目標流速に依存する。
工業流反応器(「IFR」、例えばPlantrix(登録商標)MR555)の典型的な動作又はプロセス条件は、例えば、約-30℃~約200℃の温度範囲、温度差(動作-処理)<70℃、投入1~3、約200℃の温度下、最大動作圧力(動作流体)約5バール、約≦200℃の温度下、最大動作圧力(処理流体)約25バールである。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものとされ、特許請求の範囲を限定することは意図していない。
実施例
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものとされ、特許請求の範囲を限定することは意図していない。
実施例1:
CFOFの製造(非新規性)。
JACS 70(1948)3986に基づいて、COと過剰FからCFOFを製造した。
代替的に、CFOFは、EP 1801091(2006、Solvay Solexis)に記載されているように、COFを中間体とする2ステッププロセスによって製造されてもよい。
実施例2:
CFOFとトリフルオロエチレンの2つのマイクロ反応器での反応。
本実施例における反応は、図1に示されるような2つのマイクロ反応器システムにて行われた。
実施例2a:
2つの27mlのマイクロ反応器(1つ目はSiC製であり、2つ目はNi製である)を直列に取り付け、冷却により第1のマイクロ反応器を室温(環境温度、約25℃)に保持し、第2のマイクロ反応器を100℃まで加熱し、サイクロン分離器ガス出口に取り付けられた圧力弁を介して圧力を4バールの絶対圧力に調整した。
第2のマイクロ反応器の後には、反応混合物を直ちに0℃まで冷却するための冷却器(図1には図示せず)が取り付けられ、ここで、必要な生成物PFMVEはガスであり、形成されたHFは液状になる。なお、第2のマイクロ反応器の後及び冷却器の後に、液体反応混合物の一部を、ガス出口に圧力弁を備えたサイクロン分離器(図1にも図示せず)に投入される。サイクロン分離器の液相材料(HF)は、貯蔵タンクに移動して繰り返し使用される。サイクロン分離器の気相は、主にPFMVE(いくつかの微量のHFと共に)からなり、1つのスウェージロック(Swagelok)手動弁(例えば、約1気圧下で、約正常圧力までさらに膨張するために用いられる)を介して、深管(深管とガス出口とを備えたステンレス製ボンベ)を介して冷却トラップに入り、冷却トラップは約-30℃に保持される。
反応開始の前に、システムを連続的に浮揚させるようにHe(ヘリウム)不活性ガスでパージし、原料投入が開始されると、パージを急速に減少し、そして、原料を一定に反応器に投入することに達した後、パージを完全に停止する。不活性ガスが2つの反応器での熱交換効率を急激に低下させるため、不活性ガス投入(パージ)の急速減少は不可欠である。
この反応器装置では、He(ヘリウム)不活性ガスを用いて浮揚させ、CFOFがガス容器(気相で)から投入されてBronkhorst質量流制御器を通過するとともに、ガス状トリフルオロエチレンが150g(1.83mol/h)で別のガス容器から放出されてBronkhorst質量流制御器を通過し、比例は1.05:1.0とした。
Hastelloy C4(ニッケル合金)から作られた圧力カラムにおいて、収集したPFMVEの最終蒸留を5バール絶対圧力で行い、トリフルオロエチレン出発材料に基づいて96%のPFMVE(99.9%GC純度)を生成した。
実施例2b:
別の試験では、冷却器とサイクロン分離器はいずれも故障し、サイクロン分離器圧力弁を介して第2のマイクロ反応器から出るすべてのガス状物質は、いずれも約正常圧力、例えば1気圧の絶対圧力まで膨張し、そして、すべての生成物材料は-30℃の冷却トラップで凝縮された。次いで、Hastelloy容器でPFMVE/HF混合物を、NEtを用いて4バール絶対圧力で緩やかに中和して、HFをクエンチングし、収率93%の生成物PFMVEが含まれる第2の低相を形成した。
実施例3:
2つのマイクロ反応器にてトリクロルエチレンとCFOFからFCTFEを製造した。
本実施例における反応は、図2に示されるようなマイクロ反応器システムにて行われた。
2つの27mlのマイクロ反応器(1つ目はSiC製であり、2つ目はNi製である)を直列に取り付け、冷却により第1のマイクロ反応器を25℃(室温(環境温度、約25℃))に保持し、第2のマイクロ反応器を100℃まで加熱した。サイクロン分離器ガス出口に取り付けられた圧力弁を介して、圧力を4バールの絶対圧力に調整した。実施例2も参照されたい。
反応開始の前に、システムを連続的に浮揚させるようにHe(ヘリウム)不活性ガスでパージし、原料投入が開始されると、パージを急速に減少し、そして、原料を一定に反応器に投入することに達した後、パージを完全に停止する。用量が開始されると、不活性ガスが2つの反応器での熱交換効率を急激に低下させるため、不活性ガス投入の急速減少は不可欠である。
CFOFは、ガス容器(気相で)から出てきて、この反応器装置に投入され、Bronkhorst質量流制御器を通過して、貯蔵タンクから出てきた液体トリクロルエチレン(TRI)とともに、比例が1.05:1.0とした。TRI投入設定は120g/h(0.91mol/h)であった。
実施例2と同様に、第2のマイクロ反応器の後には、反応混合物を0℃まで冷却するための冷却器(図2には図示せず)が1つ取り付けられる。第2のマイクロ反応器と冷却器の後に、反応混合物をサイクロン分離器(図2にも図示せず)に投入し、サイクロン分離器中の液相は、スウェージロック(Swagelok)手動弁(例えば、1気圧下で、約正常圧力までさらに膨張する)を流れ、深管(深管とガス出口とを備えたステンレス製ボンベ)を介して(冷却)トラップ(25℃)に入る。サイクロン分離器中の気相(HClを含む)は、高効率の洗浄器に入る。
大部分のHClは、サイクロン分離器を介して洗浄器にパージされ、FCTFEは、上述した25℃に保持された冷却トラップに収集され、いくつかの微量の溶解HClを含む。
FCTFEの最終蒸留は、ステンレス鋼カラムにおいて1バール絶対圧力で行い、98℃の転移温度でトリクロルエチレン出発材料ベースの89%FCTFE(99.2%GC純度を有する)を生成した。
実施例4:
HFとSbFをルイス酸として(バッチ式)フッ素化することにより、FCTFEをPFMVEに転化した。
FCTFEをPFMVEに最終的にフッ素化するために、実施例で得られたFCTFEを実施例3の冷却トラップから取り出した。
250ml Rothオートクレーブにおいて、ライニングがHDPTFE(HDPTFE=高密度テトラクロロエタン)から作られ、そして、ガス出口には圧力弁が1つ取り付けられ、圧力を8バール絶対圧力に調整し、40g(0.2mol)のFCTFEを緩やかに投入し、深管を介してオートクレーブに入り、オートクレーブには7.9g(0.04mol)のSbFと100gの無水HFが含まれており、軽微の放熱活動が観察された。SbClを室温(環境温度)(約25℃)でピストンポンプを用いて、HFが予め充填されたオートクレーブに緩やかに投入するとともに、この予備フッ素化プロセスにおいて、いくつかのHClガスを介してパージして、圧力を3バール絶対圧力に保持させることによって、SbF/HF混合物を予備製造した。FCTFE投入が完了した後、次いで、オートクレーブを油浴で80℃まで加熱して1時間持続し、いくつかのHClが全ての時間で8バール絶対圧力に保持された圧力弁を介してオートクレーブから脱出することが観察された。最終的に過剰なHFを排出するために、内容物を冷却した後(オートクレーブが深管上で空化される)、50mlの氷水を含み、容積が500mlであり、かつ5バール絶対圧力に保持するHDPTFEコーティング圧力ボンベに緩やかに投入する。オートクレーブの空化が完了した時に、オートクレーブの気相入口にN圧力を加えて全ての内容物を取り出す。60%(GC)PFMVEと32%(GC)ジクロロ-ジフルオロエチル基-トリフルオロメチルエーテルを含有する圧力ボンベ中に有機相(下相)及び8%(GC)の未転化FCTFEを形成し、GC-MS(Angilentからの50m CP-SILカラム)により同定した。GCサンプルは気相サンプルとして注入された。
実施例5:
HF(バッチ式)及びSnClをルイス酸としてフッ素化することにより、FCTFEをPFMVEに転化した。
実施例4を繰り返したが、実施例4におけるSbClの代わりに、ルイス酸としてSnCl(等量)を用いた。FCTFE転化率は29%であり、後処理後、出発材料以外に、有機相は3%PFMVEと主にGC-MS(アジレント(Angilent)からの50m CP-SILカラム)によって同定されたジクロロジフルオロエチル基-トリフルオロメチルエーテルのみを含む。
実施例6、7及び8:HF(連続式で)及びルイス酸を用いてフッ素化することにより、FCTFEをPFMVE転化にした。
図3に示される反応スキームを参照して、マイクロ反応器における連続合成を示した。以下で記述するように、実施例6、7及び8において様々なルイス酸を用いた。
実施例6:
実施例6では、SbFはルイス酸として用いられ、HFとの混合物としてステンレス円筒から投入された。実施例3で得られたFCTFEをこのHF/触媒混合物と共にChemtrixからの27ml SiCマイクロ反応器に投入し、このマイクロ反応器を75℃(圧力=8バール絶対圧力)まで加熱した。150g(0.75mol)のFCTFEを過剰の40g(2.0mol)HF及び3.16g(0.02mol)によって溶解されたSbFと1時間反応させた。マイクロ反応器の後に、反応混合物を0℃まで冷却し、その後サイクロン分離器(図3にも図示せず)に移すためのSiCから作られた冷却器(図3には図示せず)が1つ取り付けられた。サイクロン分離器の気相(主にHClである)は、高効率の洗浄器に送られ、液相は、スウェージロック(Swagelok)手動弁を介して1バール絶対圧力まで膨張した。ドライアイス/メタノール混合物(-30℃)で冷却した冷却トラップに入れ、実施例4における冷却トラップ内容物としてPFMVEを分離した後、氷水に処理し、97GC%PFMVEを含有する有機相と微量だけ未転化FCTFEを得た。
実施例7:
実施例7では、予備フッ素化されたTiClはルイス酸として用いられた。実施例6の過程を繰り返した。転化率は47%に過ぎず、有機相は主にGC-MSによって確認されたジクロロジフルオロエチル基-トリフルオロメチルエーテルを含有し、微量のPFMVEのみを有した。
実施例8:
実施例8では、予備フッ素化されたSnClはルイス酸として用いられた。実施例6の過程を繰り返した。転化率は56%であり、有機相はGC-MSによって確認されたジクロロジフルオロエチル基-トリフルオロメチルエーテルと10GC%のPFMVEを含有した。
実施例9:
逆流反応器にてトリクロルエチレンとCFOFを用いてFCTFEを製造した。
本実施例における反応は、図4に示されるように、2つマイクロ反応器システムにて行われた。
装置:次の図に従ってHastelloy C4(ニッケル合金)から作られた30cm長さと、10mm Hastelloy充填物(ラッシヒ(Raschig)社からのポールリングタイプ)と、5cm直径とを有するカラムを用いた。液面測定機能を備えた貯蔵槽の容積は、2リットルであり、同様にHastelloyから作られた。ポンプはSchmitt社からの遠心ポンプであった。塔頂には圧力を調節するための圧力弁が1つ取り付けられている。加熱冷却用の熱交換器は、図に示される環状管に取り付けられている。熱分解ステップ(第二ステップ)に対して、塔頂部に取り付けられた圧力弁を介して装置から脱出した気流(FCTFE/HCl)は、0℃に保持された冷却トラップに接続された(図4には図示せず)。
貯蔵槽には1000g(7.6mol)のトリクロルエチレンが入っており、環状管ポンプ(流速は約1500l/hである)を作動させるとともに、0℃まで冷却し、圧力弁は2バール絶対圧力に設定された。循環管体が0℃になると、CFOFがガス容器から出てきて、Bronkhorst質量流量計により1時間405.6(3.9mol)の流量で塔に送られ、それによって、反応温度を5℃以下に保持させた。2時間後、811.2g(7.8mol)CFOFをシステムに完全に投入し、15分再循環後、この前のCFOF投入に用いられる入口に少量のN不活性気流(100l/h)を加えた。今、圧力は2バール絶対圧力に保持されており、FCTFE(及びいくつかの溶解HCl)を収集するために、冷却トラップを運行開始し、混合物を100℃まで緩やかに加熱した。70℃の時に、いくつかのHClが放出開始され、100℃の時に、より強くなった。貯蔵槽内の容積が100mlまで縮小される時(冷却トラップは生成物を収集しているため)、再びCFOF投入ステップの過程を開始してより多くの材料を製造するために、熱分解を停止し、貯蔵槽を別の1000gトリクロルエチレンで再充填した。
冷却トラップに収集した物質は、最終的に氷水で洗浄してNa2Sで乾燥することで、中和された。濾過した後、GC分析は、得られたFCTFEの純度が98.3%(収率82%)であるため、さらなる精製を必要とせずにフッ素化ステップに利用可能であることを示している。

Claims (22)

  1. 式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスであって、
    式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩及び式(IV)のトリハロエチレンを互いに反応させ、
    CX-O-X 式(III)、
    ここで、式(III)中、XはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
    ここで、式(IV)中、YはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
    そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
    (A)第一ステップにおいて、第一の反応器にて、条件が式(IV)のトリハロエチレンがガス状出発材料である場合、前記第一の反応器はループ型反応器ではなく、好ましくは、前記第一の反応器はマイクロ反応器であり、付加反応が行われ、ここで、式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩を式(IV)のトリハロエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で前記付加反応を行って付加生成物(A-P)を形成し、その後、前記(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、
    (B)第二ステップにおいて、前記第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HY(ハロゲン化水素)を前記付加生成物(A-P)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で前記除去反応が行われて、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物を生成し、
    ここで、式(V)中、XはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、YはF(フッ素原子)又はCl(塩素原子)を表し、
    そして、以下の付帯条件(i)及び(ii)を有し、
    (i)、式(III)~(V)の化合物における各々のXとYが同じであり、かつXとYにおける各々がF(フッ素原子)を表す場合、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を直接得、及び、
    (ii)、XとYが互いに異なる場合、XがF(フッ素原子)を表し、YがCl(塩素原子)を表し、又はXがCl(塩素原子)を表し、YがF(フッ素原子)を表し、
    (C)そして、第三の反応器にて、好ましくは、前記第三の反応器はマイクロ反応器であり、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物が液相においてフッ素化反応し、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(V)のトリハロメトキシルトリハロエチレン化合物を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(V)の化合物に含まれるCl(塩素原子)置換基をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とするプロセス。
  2. 式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩におけるXは、F(フッ素原子)を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  3. 式(IV)のトリハロエチレンにおけるYは、F(フッ素原子)を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  4. 式(III)のトリハロメチル次亜ハロゲン酸塩におけるX及び式(IV)のトリハロエチレンにおけるYは、いずれもF(フッ素原子)を表す、ことを特徴とする請求項1に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  5. 式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVa)のトリフルオロエチレンを互いに反応させ、
    CF-O-F 式(IIIa)、
    そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
    (A)第一ステップにおいて、第一の反応器にて、条件が前記第一の反応器がループ型反応器ではない場合、好ましくは、前記第一の反応器はマイクロ反応器であり、付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)のトリフルオロメチル次亜ハロゲン酸塩を式(IVa)のトリフルオロエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で前記付加反応を行って付加生成物(A-Paa)を形成し、その後、前記(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、
    (B)第二ステップにおいて、第二の反応器にて、好ましくは前記第二の反応器はマイクロ反応器であり、液相において除去反応が行われ、ここで、HF(フッ化水素)を前記付加生成物(A-Paa)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で前記除去反応が行われて、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする請求項1に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  6. 式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVb)のトリクロルエチレンを互いに反応させ、
    CF-O-F 式(IIIa)、
    そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
    (A)第一ステップにおいて、第一の反応器、好ましくはループ型反応器又はマイクロ反応器、より好ましくはマイクロ反応器にて付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチルを式(IVb)のトリクロルエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で前記付加反応を行って付加生成物(A-Pab)を形成し、その後、前記(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、
    (B)第二ステップにおいて、前記第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HCl(塩化水素)を前記付加生成物(A-Pab)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で前記除去反応が行われて、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を生成し、
    (C)そして、第三の反応器にて、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を液相においてフッ素化反応させ、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(II)の化合物を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(II)の化合物に含まれるCl(塩素原子)をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とする請求項1に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  7. 式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセスであって、
    前記プロセスは、ステップ(C)を行うことを含み、
    ステップ(C)において、反応器にて、好ましくは、前記反応器はマイクロ反応器であり、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を
    液相においてフッ素化反応し、ここで、少なくとも1種のルイス酸触媒の存在下で、約50℃~約100℃の温度範囲内で、式(II)の化合物(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を、HF(フッ化水素)を用いてフッ素化し、式(II)の化合物に含まれるCl(塩素原子)をF(フッ素原子)で置換し、HFの付加とHCl(塩化水素)の除去により、式(I)の化合物PFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)が得られる、ことを特徴とするプロセス。
  8. 式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセスであって、
    式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチル及び式(IVb)のトリクロルエチレンを互いに反応させ、
    CF-O-F 式(IIIa)、
    そして、前記プロセスは、以下のステップを行うことを含み、
    (A)第一ステップにおいて、第一の反応器、好ましくはループ型反応器又はマイクロ反応器、より好ましくはマイクロ反応器にて付加反応が行われ、ここで、式(IIIa)の次亜フッ素酸トリフルオロメチルを式(IVb)のトリクロルエチレンに加え、約0℃~約35℃の温度範囲内で前記付加反応を行って付加生成物(A-Pab)を形成し、その後、前記(液体)付加生成物(A-P)を分離するか、又は不分離しなく、
    (B)第二ステップにおいて、前記第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、液相において除去反応が行われ、ここで、HCl(塩化水素)を前記付加生成物(A-Pab)から除去し、約80℃~約120℃の温度範囲内で前記除去反応が行われて、式(II)の化合物FCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)が得られる、ことを特徴とするプロセス。
  9. ステップ(A)において、第一の反応器の第一ステップにおいて、約15℃~約35℃の温度範囲内(又は約25℃±10℃の温度)、好ましくは約20℃~約30℃の温度範囲内(又は約25℃±5℃の温度)、より好ましくは環境温度(又は室温)(又は約20℃~約25℃の温度)で前記付加反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  10. ステップ(B)において、前記第二ステップにおいて、前記第一の反応器がループ型反応器である場合、前記第一の反応器にて、又はマイクロ反応器である第二の反応器にて、約90℃~約110℃の温度範囲内(又は約100℃±10℃の温度)、好ましくは約95℃~約105℃の温度範囲内(又は約100℃±5℃の温度)、又は約100℃の温度(例えば、約100℃±4℃、又は100℃±3℃、又は100℃±2℃、又は100℃±1℃)で前記除去反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  11. ステップ(C)において、約50℃~約100℃の温度範囲内、好ましくは約60℃~約100℃の温度範囲内、より好ましくは約60℃~約90℃の温度範囲内、更により好ましくは約70℃~約90℃の温度範囲内(又は約80℃±10℃の温度)、より好ましくは約70℃~約80℃の温度範囲内(又は約100℃±5℃の温度)、又は約75℃の温度(例えば、約75℃±4℃、又は75℃±3℃、又は75℃±2℃、又は75℃±1℃の温度)で前記フッ素化反応が行われる、ことを特徴とする請求項1及び7のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  12. 任意のプロセスステップ(A)、(B)と(C)(適用可能である場合)を開始する前に、使用される1つ又は複数の反応器、好ましくは使用される反応器おける各々及びいずれか1つを不活性ガスでパージし、不活性ガスとして、He(ヘリウム)を用いることが好ましい、ことを特徴とする請求項1~7、9~11のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8~10のいずれか1項に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  13. ステップ(A)において、前記第一の反応器にて、SiC反応器にて前記付加反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~6、9及び12のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8、9及び12のいずれか1項に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  14. ステップ(B)において、前記第二の反応器にて、ニッケル反応器(Ni反応器)又は高ニッケル含有量(Ni含量)内表面を有する反応器にて前記除去反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~6、9及び12のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8~10に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  15. ステップ(C)において、連続式で、好ましくはマイクロ反応器にて、連続式で前記フッ素化反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~7、11及び12のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  16. ステップ(C)において、ルイス酸触媒の存在下で、前記フッ素化反応が行われ、前記ルイス酸触媒はSnCl(四塩化スズ)、TiCl(四塩化チタン)及びSbF(ペンタフルオロアンチモン)から選ばれる、ことを特徴とする請求項1~7、11、12及び15のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  17. ステップ(C)において、ルイス酸触媒SbF(ペンタフルオロアンチモン)の存在下で、前記フッ素化反応が行われる、ことを特徴とする請求項16に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス。
  18. ステップ(A)において、連続式で、好ましくはマイクロ反応器にて、連続式で前記付加反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~7、9~17のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8~10、12~14のいずれか1項に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  19. ステップ(B)において、連続式で、好ましくはマイクロ反応器にて、連続式で前記除去反応が行われる、ことを特徴とする請求項1~7、9~17のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8~10、12~14のいずれか1項に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  20. (A)、(B)と(C)(適用可能である場合)の少なくとも1つの反応ステップにおける反応は独立して連続プロセスとして行われ、ここで、少なくとも1つの上部幅方向寸法が約≦5mm又は約≦4mmである連続流反応器にて(A)、(B)と(C)(適用可能である場合)の少なくとも1つの反応ステップにおける連続プロセスが行われ、好ましくは少なくとも1つの前記連続流反応器はマイクロ反応器である、ことを特徴とする請求項15、18~19のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項18~19のいずれか1項に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  21. (A)、(B)と(C)(適用可能である場合)の少なくとも1つの反応ステップにおいて、反応は連続プロセスとして行われ、ここで、少なくとも1つの上部幅方向寸法が約≦5mm又は約≦4mmである連続流反応器にて前記連続プロセスが行われ、好ましくは少なくとも1つのマイクロ反応器にて行われ、
    より好ましくは、前記ステップ(A)、(B)と(C)において、少なくとも前記フッ素化反応のステップ(C)が、少なくとも1つのマイクロ反応器にて、
    流速:約10ml/h~約400l/h、
    温度:それぞれ約-20℃~約150℃、又は-10℃~約150℃、又は0℃~約150℃、又は10℃~約150℃、又は20℃~約150℃、又は約30℃~約150℃、
    圧力:約1バール(1大気圧絶対圧力)~約50バール、好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約20バール、より好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約5バール、特に好ましくは約1バール(1大気圧絶対圧力)~約4バール、一実施例では、圧力が約3バールであること、
    滞留時間:約1秒(好ましくは約1分)~約60分、のうちの1種又は複数の種の条件下での連続プロセスである、ことを特徴とする請求項20に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項20に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。
  22. 独立して、ステップ(A)から生成された生成物、ステップ(B)から生成された生成物及び/又はステップ(C)から生成された生成物(適用可能である場合)に対して蒸留を行う、ことを特徴とする請求項1~7、9~21のいずれか1項に記載の式(I)を有するPFMVE(パーフルオロメチルビニルエーテル)を製造するためのプロセス、又は請求項8~10、12~14、18~21のいずれか1項に記載の式(II)を有するFCTFE(2-フルオロ-1,2-ジクロロ-トリフルオロ-メトキシエチレン)を製造するためのプロセス。

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