JP2023539014A - 風味を増大および/またはシミュレートするための方法およびシステム - Google Patents

風味を増大および/またはシミュレートするための方法およびシステム Download PDF

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マイケル ゲカウィチ,
ジョナサン ローマン ブランド,
ラビンドラン サンタクマール, ミータ ネサム ジェイムズ
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Abstract

本明細書に提示されるものは、食品を消費(例えば、飲食)する間の、ユーザへのシミュレートされた風味感覚の送達に関連する、システム、方法、および技法である。風味の認知は、味だけではなく、視覚、音、匂い、および感触等の他の知覚体験も伴うため、多重知覚体験である。ユーザが食品を消費している際のユーザへの1つまたはそれを上回る知覚体験の送達は、ユーザが食品の風味を体験する方法を増大させることが可能である。例えば、食品の匂いまたは色を変化させることは、ユーザが消費しているときにこれを認知する方法に影響を及ぼしている。種々の感覚を刺激するステップを通して認知を変化させることは、刺激を送達または組み合わせると、期待を有意に予期しない方法において改変することができる。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年6月24日に出願された、米国仮出願第63/056202号の優先権および利益を主張する。
風味は、毎日消費する食品および飲料物の感覚印象であり、人の生存において極めて重要な構成要素である。風味の認知は、多くの人の感覚(例えば、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、および触覚)からの情報を伴う、多重知覚体験である。以前の体験および期待が、風味の認知に関わるにもかかわらず、風味の認知は、一般的には、味および匂いの感覚である、本質的な風味成分に絞り込まれる。
食品の味は、極めて個人的体験である。食料雑貨店まで足を運ぶだけで、異なる風味を有する無数の物品を楽しめる。例えば、スポーツ飲料およびコーヒー等の食料品は、個人がその風味選好が有意に変動するため、多種多様な風味料において入手可能である。これらの風味選好が存在する理由は、複数あり、とりわけ、出身地域、風味に関する以前の体験、個人の年齢、または遺伝的要素に起因し得る。
加えて、食品を作るためだけではなく、食品の風味を変化させるためにも利用可能な調味料および物品は、非常に豊富であり、変動する。現在、個人が、コーヒー等の食品の味を変化させることを所望する場合、入手可能ないくつかの調味料および/または風味料が、存在する。砂糖、牛乳、およびクリームが、広く入手可能であり、個人の所望に適するようにコーヒーの風味を変化させるために一般的に使用される。
しかしながら、利用可能な食品の種々の調味料および風味によって立証されるように、食品または飲料物の味、食感、または他の属性を取り巻く個別化された体験に起因して、全世界の一般大衆に訴える風味を作り出すことは、困難である。さらに、これらの調味料の多くのものの添加はまた、望ましくないことに、一口または一飲み毎に非一貫した体験をもたらし得る。加えて、食品を風味豊かかつ魅力的にする、添加物および調味料の多くはまた、不健康でもある。顧客は、これらの選択肢の多くに対して低カロリーかつ健康的な代替物に関する選択肢を殆ど有していない。また、低カロリーな選択肢の多くは、満足の行くものではなく、それ自体で健康問題を提示し得る。
したがって、個別化され、カスタマイズ可能な味および/または味わい体験の個人への送達のための改良された技術の必要性が、存在する。
本明細書に提示されるものは、食品を消費(例えば、飲食)する間の、ユーザへのシミュレートされた風味感覚の送達に関連する、システム、方法、および技法である。風味の認知は、味だけではなく、視覚、音、匂い、および感触等の他の知覚体験も伴うため、多重知覚体験である。ユーザが食品または飲料物を消費している際のユーザへの1つまたはそれを上回る知覚体験の送達は、ユーザが食品または飲料物の風味を体験する方法を増大させることができる。例えば、食品または飲料物の匂いまたは色を変化させることは、ユーザが消費の間にこれを認知する方法に影響を及ぼす。種々の感覚を刺激するステップを通して認知を変化させることは、刺激を送達または組み合わせると、期待を有意に予期しない方法において改変することができる。故に、いくつかの実施形態では、本開示は、食品(例えば、固形食品、飲料物)を消費しながら、シミュレートされた風味感覚を送達するための技術(例えば、デバイス、システム、および/または方法)を提供する。
いくつかの実施形態では、シミュレートされた風味感覚が、ユーザに1つまたはそれを上回る知覚刺激を提供するステップを通して、標的風味プロファイルに基づいてユーザに送達される。典型的には、知覚刺激は、ユーザの認知を改変するが、食品自体への調味料および/または風味料の添加を通して食品に影響を及ぼさないものである。むしろ、種々の実施形態によると、知覚刺激は、ユーザが提供された刺激および風味プロファイルに基づく風味の差異を認知するように、食品を消費する際にユーザに送達される。
加えて、ある実施形態では、提供されるシステムは、ユーザへの1つまたはそれを上回るシミュレートされた風味感覚の送達のための好適な知覚モジュール(例えば、匂いモジュール、熱モジュール、電気味モジュール、色投影モジュール)の使用を可能にする。ある実施形態では、知覚モジュールは、適切な装置を使用して、風味感覚の異なる属性(例えば、食感、発泡性)を刺激するために使用されてもよい。ある実施形態では、シミュレートされた風味感覚は、部分的に、ユーザに示される画像および/または動画に基づいてもよい。
故に、本明細書に開示される技術を使用して、ユーザに1つまたはそれを上回る知覚刺激を送達することによって、ユーザが食品および/または飲料品を消費するにつれて知覚刺激を変調および/または付加するステップを通して、ユーザ/風味相互作用の新しい設計機会が、利用可能になる。
一側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、知覚モジュールは、ユーザにシミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、ユーザの鼻に香りを送達するように位置付けられる、匂いモジュール、ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/またはユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経)に熱刺激を提供するための、熱モジュール、ユーザの舌を電気的に刺激するための、電気味モジュール、および/またはユーザに視覚キューを提供するための、色投影モジュールから成る群から選択される、システムを包含する。
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、コンピューティングデバイスのプロセッサと、その上に記憶される命令を有する、メモリであって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、シミュレートされた風味感覚に対応するデータを受信および/またはそれにアクセスさせ、シミュレートされた風味感覚に対応するデータを使用させ、1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つを使用して、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達させる、メモリとを備える。いくつかの実施形態では、命令は、プロセッサに、電気味モジュールを使用して、電気刺激をユーザの舌に送達させる。いくつかの実施形態では、本システムは、少なくとも1つの電気味モジュールを備え、命令は、プロセッサに、電気味モジュールを使用して、シミュレートされた風味感覚に対応する電気刺激をユーザの舌に送達させる。いくつかの実施形態では、電気刺激は、0~200μAの電流を含む。いくつかの実施形態では、電気刺激は、0~1,200Hzの周波数を含む。
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、1つまたはそれを上回る画像を発生させるための、画像発生デバイスと、1つまたはそれを上回る画像のうちの少なくとも1つに対応するシミュレートされた風味感覚をプロセッサに伝送するための、通信モジュールとを備える。いくつかの実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、場面データに基づいてシミュレートされた風味感覚に対応するデータを改変させる。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、ユーザの頭部上に搭載されるように適合可能に構成される、構造フレームを備え、画像発生デバイスは、動画場面のユーザ観察のために構造フレームに搭載される。
いくつかの実施形態では、電気味モジュールは、電極のセットと、電極のセットに動作可能に接続される、関数発生器とを備える。いくつかの実施形態では、電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、電極は、約2mm離間される。いくつかの実施形態では、電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、電極は、0.1mm~4mm離間される。いくつかの実施形態では、関数発生器は、定電流源である、および/またはそれを備える。いくつかの実施形態では、電極のセットは、伝導性材料である、および/またはそれを含む。いくつかの実施形態では、伝導性材料は、金属または金属合金である、および/またはそれを含む。いくつかの実施形態では、金属または金属合金は、少なくとも95%の銀を含む。いくつかの実施形態では、伝導性材料は、伝導性ポリマーを含む。
いくつかの実施形態では、匂いモジュールは、1つまたはそれを上回る匂いカートリッジを備え、匂いカートリッジはそれぞれ、香料を有する、1つまたはそれを上回る組成物を備える。いくつかの実施形態では、香料は、エッセンシャルオイルを含む。いくつかの実施形態では、匂いカートリッジは、1つまたはそれを上回る組成物を吸収および/または含有するための媒体を備える。
いくつかの実施形態では、匂いモジュールはさらに、1つまたはそれを上回るエアポンプを備え、1つまたはそれを上回る匂いカートリッジはそれぞれ、1つまたはそれを上回るエアポンプのうちの少なくとも1つと動作可能にインターフェースをとられる。
いくつかの実施形態では、熱モジュールは、加熱および/または冷却要素を備える。いくつかの実施形態では、加熱および/または冷却要素は、熱電加熱および/または冷却要素である。ある実施形態では、冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、熱伝導性材料は、ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/またはユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経)と連通可能に接触する。ある実施形態では、冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、熱伝導性材料は、ユーザの舌と連通可能に接触する。ある実施形態では、熱伝導性材料は、金属である、および/またはそれを含む。ある実施形態では、熱伝導性材料は、95%の銀である。
いくつかの実施形態では、熱刺激は、15℃~40℃である。
いくつかの実施形態では、熱刺激は、18℃~38℃に急速に加熱および冷却するステップを含む。
いくつかの実施形態では、色モジュールは、1つまたはそれを上回る照明源を備える。
いくつかの実施形態では、色モジュールは、1つまたはそれを上回る照明源のうちの少なくとも1つを分散させる、および/または和らげるための拡散要素を備える。
いくつかの実施形態では、本システムは、液体を含有するための容器を備える。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つが、容器に搭載される。
いくつかの実施形態では、本システムは、食品を消費するための食事用具を備える。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールはさらに、1つまたはそれを上回る付加的モジュールを備え、1つまたはそれを上回る付加的モジュールは、風味感覚の異なる属性を刺激する。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールはさらに、1つまたはそれを上回る付加的モジュールを備え、1つまたはそれを上回る付加的モジュールは、風味感覚の異なる属性を刺激する。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールは、ユーザの1つまたはそれを上回る神経を(例えば、直接または間接的に)刺激してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む。
別の側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、シミュレートされた風味感覚に対応する、標的風味プロファイルを受信するステップと、以下、すなわち、対象の鼻に、標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注するステップ、熱モジュールを使用して、ユーザの舌の一部、および/またはユーザの上唇の一部、および/または上唇と鼻との間の面積の一部、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経)を加熱または冷却するステップであって、熱モジュールの温度は、標的風味プロファイルに対応する、ステップ、標的風味プロファイルに対応して、ユーザの舌を電気的に刺激するステップ、および/または標的風味プロファイルに対応する、光の1つまたはそれを上回る色を投影するステップのうちの1つまたはそれを上回るものを実施することによって、少なくとも標的風味プロファイルに基づいてユーザを刺激するステップとを含む、方法を対象とする。
いくつかの実施形態では、ユーザを刺激するステップはさらに、ユーザに示される1つまたはそれを上回る画像に基づいてユーザを刺激するステップを含む。
いくつかの実施形態では、ユーザの舌を電気的に刺激するステップは、ユーザの舌に電気信号を送達するステップを含む。いくつかの実施形態では、電気信号は、0~200μAの電流を含む。いくつかの実施形態では、電気信号は、0~1,200Hzの周波数を含む。いくつかの実施形態では、電気信号は、苦い味に対応する。いくつかの実施形態では、電気信号は、酸っぱい味に対応する。いくつかの実施形態では、電気信号は、塩辛い味に対応する。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る香料を分注するステップは、ユーザの鼻に1つまたはそれを上回る香料のうちの少なくとも1つを吹送するステップを含む。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る香料を分注するステップはさらに、1つまたはそれを上回る香料の分注をペーシングするステップを含む。
いくつかの実施形態では、加熱または冷却するステップは、加熱および/または冷却要素を15℃~40℃の温度に加熱または冷却するステップを含む。いくつかの実施形態では、加熱または冷却するステップは、甘い味に対応し、約18℃~約38℃に急速に加熱および冷却するステップを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザが居住する、および/または拠点とする地域に基づいて標的風味プロファイルを更新するステップを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザに提示されるシナリオに基づいて標的風味プロファイルを更新するステップを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザに関する1つまたはそれを上回る予め較正されたプロファイルに基づいて標的風味プロファイルを更新するステップを含む。
いくつかの実施形態では、ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む。
別の側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、知覚モジュールは、ユーザにシミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、ユーザの鼻に香りを送達するように位置付けられる、匂いモジュールと、ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/またはユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経に熱刺激を提供するための、熱モジュールとを備える、システムを包含する。
別の側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、知覚モジュールは、ユーザにシミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、ユーザの鼻に香りを送達するように位置付けられる、匂いモジュールと、ユーザの舌を電気的に刺激するための、電気味モジュールと、ユーザに視覚キューを提供するための、色投影モジュールとを備える、システムを包含する。
別の側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、シミュレートされた風味感覚に対応する、標的風味プロファイルを受信するステップと、対象の鼻に、標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注するステップと、熱モジュールを使用して、ユーザの舌の一部、および/またはユーザの上唇の一部、および/または上唇と鼻との間の面積の一部、および/または1つまたはそれを上回る神経を加熱または冷却するステップであって、熱モジュールの温度は、標的風味プロファイルに対応する、ステップとによって、少なくとも標的風味プロファイルに基づいてユーザを刺激するステップとを含む、方法を包含する。
別の側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、シミュレートされた風味感覚に対応する、標的風味プロファイルを受信するステップと、対象の鼻に、標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注すること、標的風味プロファイルに対応して、ユーザの舌を電気的に刺激すること、および/または標的風味プロファイルに対応する、光の1つまたはそれを上回る色を投影することによって、少なくとも標的風味プロファイルに基づいてユーザを刺激するステップとを含む、方法を包含する。
本開示の前述および他の目的、側面、特徴、および利点は、付随の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明白な状態となり、より深く理解されるであろう。
図1Aおよび1Bは、例証的実施形態による、2つの例示的な仮想風味装置の画像である。 図1Aおよび1Bは、例証的実施形態による、2つの例示的な仮想風味装置の画像である。
図2Aは、例証的実施形態による、例示的仮想コーヒーデバイスの概略図である。
図2Bは、例証的実施形態による、例示的仮想カクテルデバイスの概略図である。
図3Aは、例証的実施形態による、例示的仮想コーヒーデバイスと相互作用する対象の画像である。
図3Bは、例証的実施形態による、例示的仮想カクテルデバイスと相互作用する対象の画像である。
図4は、仮想飲料物デバイスからの異なる刺激の平均強度スコアのグラフである。
図5は、仮想コーヒーデバイスからの異なる刺激の平均強度スコアのグラフである。
図6は、仮想飲料物デバイスからの異なる刺激の平均選好スコアのグラフである。
図7は、仮想コーヒーデバイスからの異なる刺激の平均選好スコアのグラフである。
図8は、仮想飲料物グラスから報告される主要な味感覚の観点からの異なる刺激の組み合わせの平均強度スコアを示す、一連のグラフである。
図9は、仮想飲料物グラスを使用した、異なる刺激の組み合わせの平均選好スコアを示す、一連のグラフである。
図10は、仮想飲料物デバイスからの異なる仮想風味刺激によって媒介される、感情のグラフである。
図11は、仮想コーヒーデバイスからの異なる仮想風味刺激によって媒介される、感情のグラフである。
図12は、ある実施形態において使用される、例示的クラウドコンピューティング環境のブロック図である。
図13は、ある実施形態において使用される、例示的コンピューティングデバイスおよび例示的モバイルコンピューティングデバイスのブロック図である。
本開示の特徴および利点は、同様の参照記号が全体を通して対応する要素を識別する、図面と併せて下記に記載される詳細な説明からより明白な状態となるであろう。図面では、同様の参照番号は、概して、同じ、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。
定義
約:用語「約」または「おおよそ」は、本明細書においてある値を参照して使用されるとき、文脈においてその参照された値に類似する値を参照する。一般に、本文脈に精通している当業者は、その文脈における「約」または「おおよそ」によって包含される相違の妥当な範囲を理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、用語「約」または「おおよそ」は、参照される値の25%またはそれ未満以内の値の範囲を包含し得る。
詳細な説明
本願発明のシステム、アーキテクチャ、デバイス、方法、およびプロセスが、本明細書に説明される実施形態からの情報を使用して開発される変形例および適合を包含することが、当業者に想起され得るように、想定される。
物品、デバイス、システム、およびアーキテクチャが、具体的コンポーネントを有する、含む、または備えるものとして説明される、またはプロセスおよび方法が、具体的ステップを有する、含む、または備えるものとして説明される、本説明の全体を通して、加えて、列挙されるコンポーネントから本質的に成る、または成る、本発明の物品、デバイス、システム、およびアーキテクチャが、存在し、列挙される処理ステップから本質的に成る、または成る、本発明によるプロセスおよび方法が、存在することが想定される。
ステップの順序またはあるアクションを実施するための順序が、本発明が動作可能なままである限り、重要ではないことを理解されたい。また、2つまたはそれを上回るステップまたはアクションが、別様に規定された場合を除いて、同時に行われてもよい。
本明細書における任意の出版物の言及は、出版物が、本明細書で提示される請求項のうちのいずれかに関する従来技術としての役割を果たすという承認ではない。背景技術の節は、明確にする目的で提示され、任意の請求項に関する従来技術の説明として意図されるものではない。
文書は、記載されるように、参照することによって本明細書に組み込まれる。特定の用語の意味に任意の相違が存在する場合、上記の定義の節に提供される意味が、優先される。
見出しは、読者の便宜のために提供され、見出しの存在および/または設置は、本明細書に説明される主題の範囲を限定することを意図していない。
本明細書に提示されるものは、ユーザへの1つまたはそれを上回る風味感覚の送達に関連する、組成物、システム、および方法である。ある実施形態では、提供される技術は、例えば、本明細書に説明されるように、1つまたはそれを上回るモジュール(例えば、知覚モジュール)を介してユーザを刺激するステップを通した、ユーザ(例えば、人、動物、例えば、ネコ、イヌ)へのシミュレートされた風味感覚の送達のためのシステムに関する。
風味は、特に、味および匂いによって決定される、多面的感覚である。限定ではないが、色、食感、温度、および音を含む、付加的な様相もまた、風味感覚の認知に寄与する。いくつかの事例では、食品および飲料物の風味は、鮮やかで色彩豊かな記憶および感情を呼び起こす。加えて、人の嗅覚および味覚と記憶および感情応答の緊密な関連が、存在し得る。風味認知および感情応答の本切り離された性質に起因して、風味は、個人に、例えば、楽しい休日、病気であること、またはその他等のこれまでの肯定的記憶または否定的記憶を思い出させることができる。例えば、一部の個人は、疲れているとき、1杯のお茶またはコーヒーを飲む、ストレスを感じるときにお菓子を食べる、または暑い夏の日に、リラックスするために1杯のレモネードを少しずつ飲むことを好む。これらの体験は全て、感情に関連する。故に、本明細書に開示される技術を通して感覚のうちの1つまたはそれを上回るものに訴える、刺激の個々の印加または同時印加は、ユーザが食品または飲料物を消費する際に認知する、または体験している風味に有意かつ驚くべき影響を及ぼすことができる。
本明細書に解説されるように、食品または飲料物の味は、従来、調味料または他の添加物の添加を通して、ユーザの個々の味に改変される。例えば、コーヒーは、砂糖の添加によってより甘くされることができる。加えて、または代替として、コーヒー豆の焙煎または調達元を変更することは、風味を有意に改変することができる。しかしながら、これらの変更は、多くの場合、恒久的である。例えば、いったん砂糖が、添加されると、これは、実践的に除去されることはできず、コーヒーは、潜在的に、多すぎるものを添加することによって、特定の個人にとって台無しになる。加えて、砂糖および他の調味料は、ユーザの健康にとって有害であり得る。例えば、多くの場合、糖尿病等、食事制限のあるユーザまたは肥満を患う人は、大量の砂糖を有する飲料物を消費しないように助言される。医療用助言に反して、ユーザは、これらの調味料および/または添加物を使用し続け得る。代替として、ユーザは、低カロリー代替物を模索することが可能であるが、多くの場合、これらは、満足の行くものではない。
故に、ある実施形態では、本明細書に議論される技術は、食品または飲料品に恒久的影響を及ぼすことなく、および/またはユーザに有害な(例えば、本質的に物理的および/または食事に関する)健康影響を及ぼすことなく、食品の風味に影響を及ぼす。食品を消費するユーザにシミュレートされた風味感覚を提供することによって、風味が、砂糖等の付加的な調味料を用いることなく、ユーザの選好に合うように増大および/または増強されることができる。いくつかの実施形態では、提供される技術はまた、1つまたはそれを上回る減損された様相(例えば、味または匂い)を伴うユーザが、病気または障害に起因するかどうかにかかわらず、以前には認知不可能であった風味を体験することを可能にするために使用されることもできる。
例えば、ある実施形態では、シミュレートされた風味感覚が、1つまたはそれを上回る標的風味プロファイルの使用を通してユーザに送達される。標的風味プロファイルは、ユーザが特に所望する味および/またはパラメータに関する情報を有することができる。例えば、風味付けされていない水を飲用するユーザは、代わりに、コーヒー飲料物を体験することを所望し得る。シミュレートされた風味感覚が、次いで、1つまたはそれを上回る刺激を使用して、ユーザに、甘いコーヒー飲料物に対応する標的風味プロファイルを送達するであろう。例えば、標的風味プロファイルは、シミュレートされるコーヒー風味に関連する情報に基づく、熱および/または匂い情報を有し得る。適切な量の熱が、次いで、ユーザの鼻面積に提供され、コーヒーの熱をシミュレートするであろう。加えて、コーヒーの匂いが、ユーザが飲料するにつれて、彼らの鼻に送達されることができる。そのような刺激の組み合わせが、コーヒーを飲用することと同様であるような体験を提供し、さらに、ユーザによって消費されている水にはいかなるカロリーも恒久的変化も提供しないであろう。そのような刺激を生成するための例示的システムおよび方法が、本明細書にさらに説明される。ある実施形態では、水以外の飲料(例えば、ベース飲料)が、使用され得る。ある実施形態では、デジタル風味料もまた、食品の望ましくない(例えば、苦すぎる)味を覆い隠すために使用されることができる。いくつかの実施形態では、そのような覆い隠しの使用が、ユーザにとって健康的であるが、ユーザがその原料の味または他の属性(例えば、タンパク質またはケール粉末の味または食感等)を嫌う、1つまたはそれを上回る原料の味または他の感覚を全体的または部分的に隠すために使用され得る。
加えて、風味の概念も、人の感情とのその関連も、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、および人間とコンピュータの相互作用(HCI)分野において十分に研究および/または利用されていない。特に、風味感覚を通して媒介される、風味認知および人の感情に対する、限定ではないが、味、匂い、色、および温度(例えば、熱い/冷たい)を含む、種々の認知様相の寄与等の基本的概念は、上記に述べられる分野において追求されていないままである。ある実施形態では、提供される技術は、風味の概念をデジタル相互作用設計のプロセスに効果的に統合し、VRおよび人/風味の相互作用の新しい設計機会を開放する方法を決定するために使用されることができる。故に、ある実施形態では、本明細書に説明される技術は、ユーザによって体験される食品の風味を改変するために、計算方法および知覚刺激を統合する。
知覚モジュール
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な知覚モジュールが、使用され得る。知覚モジュールは、限定ではないが、視覚、接触、匂い、味、および音を含む、ユーザの1つまたはそれを上回る感覚を刺激するために使用される。代替として、または加えて、複数の知覚モジュールが、同一の感覚または複数の感覚を刺激するために使用されてもよい。
本明細書に説明される技術によって送達される刺激が、ユーザが飲料または固形食品等の食料品を消費するにつれて、ユーザの1つまたはそれを上回る感覚(例えば、1つまたはそれを上回る神経、例えば、1つまたはそれを上回る脳神経)を刺激することによって、ユーザにシミュレートされた風味感覚を提供するために使用されてもよい。
本明細書に説明されるようなある実施形態では、知覚モジュールは、食品自体の風味の恒久的変化を引き起こすものではない。例えば、いったん刺激が、停止されると、ユーザによって認知される食品の味は、ある時間周期(例えば、1分、5分、15分、30分)内の刺激の印加に先立った状態に戻される。本特徴は、例えば、従来的に、風味を増強および/または増大させるために食品に適用される化学物質ベースの風味料(例えば、砂糖、塩、合成風味料)に優る、有意な恩恵を提供する。従来的な化学物質ベースの風味料とは異なり、本明細書に説明される知覚モジュールは、所与の瞬間的所望に基づいて、必要とされる度に動的に調節および/またはリセットされることができる。加えて、風味料を添加するのではなく、感覚を刺激することは、個々の所望に基づいて迅速に風味を増強/変化させるための低カロリー選択肢である。
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールは、食品または飲料品を消費するために使用される、任意の用途に適切な食事用具または容器に搭載される、および/またはそれに組み込まれることができる。例えば、ある実施形態では、食事用具は、限定ではないが、フォーク、スプーン、ナイフ、カップ、グラス、または箸を含み得る。ある実施形態では、モジュールが、食事用具から取り外され得る、構造フレーム上に搭載されることができる。モジュールが用具上に位置付けられる方法は、当業者によって、本明細書に提供される説明に基づいて理解されるであろう。
下記の節において説明されるものは、一連の例示される知覚モジュールである。これらの例示されるモジュールは、その技術に限定されることを意図しておらず、本明細書に説明される技術に組み込まれ得るモジュールおよび/または方法の実施例を提供することを意図している。
匂いモジュール
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な方法またはシステムが、ユーザにシミュレートされた風味感覚に対応する香り(例えば、匂い)を提供するために組み込まれ得る。ある実施形態では、これは、専用のモジュール(例えば、「匂いモジュール」)を通して、または本明細書に開示される技術等の用途に適切な技術の別の構成要素またはモジュールへの組み込みを通して行われてもよい。いくつかの実施形態では、匂いモジュールは、1つまたはそれを上回る神経(例えば、脳神経、例えば、1つまたはそれを上回る嗅覚神経)の嗅覚刺激(例えば、直接的または間接的刺激)を通してシミュレートされた風味感覚を提供してもよい。
香りは、食品の風味および/または味感覚の認知に有意に寄与する。ある実施形態では、1つまたはそれを上回る香りとともに味感覚(例えば、塩辛い、酸っぱい、甘い、苦い、および旨味の主要な味感覚)を共暴露することは、概して、風味の健全な感覚体験を提供する。例えば、合致する香り/味の対は、ある風味の認知を向上させる。1つのそのような実施例では、酸っぱい味およびレモンの匂いを対にすることは、酸っぱい風味または感覚の認知を向上させる。対照的に、合致しない香り/味の対は、驚くべきことに、いくつかの異なる味感覚の認知を向上させる。別の実施例では、酸っぱい味とチョコレートの匂いを対にすることは、塩辛い、酸っぱい、および甘い感覚の認知を向上させる。
本明細書に説明されるような匂いモジュールは、鼻腔香気および/または口腔香気嗅覚アプローチを介してユーザに香り(例えば、香料、香気)を送達するために実装されることができる。すなわち、ある実施形態では、本明細書に開示されるような技術は、ユーザの鼻に、および/またはユーザの口腔を通して香りを送達することができる。
匂いモジュールを使用してユーザに送達される香料は、任意の好適な香り付けられた組成物から導出されてもよい。香りの送達の間のユーザ安全性の重要性を前提として、食品グレードおよび/または食品安全品質を有する組成物が、望ましい。食品グレード品質は、人および/または動物の消費にとって安全であること、および食品との接触に関して安全であることを含む。これは、ユーザおよび/または技術に対して逆および/または有害反応を引き起こさないことを含み得る。香料を提供するであろう、好適な組成物の実施例は、限定ではないが、エッセンシャルオイル、アルコール(例えば、ワイン)、蒸留酒、および良い香りのエステル(例えば、酢酸イソアミル)を含む。多くの人工的な香りは、食品と反応する組成物を有する、含有している、および/または組成物であり、ある条件下での使用のためには好適ではない場合がある。
本明細書に開示される技術は、任意の好適なコンテナ(例えば、カートリッジ)内に香料をカプセル化してもよい。ある実施形態では、香料は、匂いコンテナ内に含有される化合物の混合物からのものであってもよい。加えて、本技術は、複数の匂いコンテナを単一のデバイスに組み込んでもよい。例えば、匂いコンテナは、食品を消費するための用具および/またはデバイス(例えば、ボウル、カップ)に直接組み込まれることができる。匂いコンテナはまた、(例えば、含浸によって、または製造技法を通して)香料に染み込まれ得る媒体(例えば、綿球、ゲル、または液体)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、刺激(例えば、電子信号、熱、または同等物)が、匂いモジュールから香りを発生させるために印加されてもよい。例えば、刺激(例えば、熱)が、油または他の香り付けられた組成物を加熱するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、香り付けられた組成物の単純な拡散を可能にすることが、ユーザに香りを提供するために十分であり得る。
ある実施形態では、匂いコンテナは、ユーザに送達されるための匂いを引き起こすための圧力勾配を生成し得る、ポンプまたはデバイスに接続される。例えば、マイクロエアポンプが、空気を匂いコンテナの中に押し込み、香料をユーザの鼻まで運搬するために使用されてもよい。加えて、または代替として、(香気療法および他の用途において使用されるものに類似する)超音波噴霧器デバイスもまた、ユーザへの送達のために香料をエアロゾル化するために使用されてもよい。
ある実施形態では、ユーザの鼻への香料の送達は、ある実施形態では、アルゴリズムによって制御される。例えば、アルゴリズムは、香料がユーザに分散されるレートおよび/または体積を制御するために使用されてもよい。パルス幅変調(PWM)技法を使用したアルゴリズム制御は、ユーザが体験する匂いの強度を制御するために重要である。さらに、アルゴリズムは、ユーザが、匂いコンテナから匂いの望ましい混合物を見出すために、異なる匂いまたは香料を調節することを可能にする。
熱モジュール
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な方法またはシステムが、対応するシミュレートされた風味に従って、ユーザ[例えば、ユーザの唇または他の局所面積、ユーザの舌、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経)]を加熱および/または冷却するために組み込まれ得る。ある実施形態では、これは、専用のモジュール(例えば、「熱モジュール」)を通して、または本明細書に開示されるもの等の用途に適切な技術の別の構成要素またはモジュールへの組み込みを通して行われてもよい。いくつかの実施形態では、熱モジュールは、1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経、例えば、1つまたはそれを上回る三叉神経)の刺激(例えば、直接的または間接的刺激)を通してシミュレートされた風味感覚を提供してもよい。
いくつかの実施形態では、熱モジュールは、ユーザの上唇および/または下唇の一部と接触する構成要素を含んでもよい。例えば、鼻の周囲の皮膚上に熱感覚を印加することによって行われ得る、飲料物の風味を改変することは、飲料物を飲用するときの皮膚温度変化をシミュレートする。いかなる特定の理論にも拘束されることを所望するわけではないが、風味の豊かさおよび後味が、ユーザの上唇および鼻領域を加熱することによって有意に増強される。
ある実施形態では、例えば、提供されるシステムの1つまたはそれを上回る構成要素もまた、または代替として、ユーザの上唇と鼻との間の面積と接触してもよい。例えば、ある実施形態では、Suzuki et al.によって開示されるシステムおよび方法(Affecting tumbler: affecting our flavor perception with thermal feedback, in In Proceedings of the 11th Conference on Advances in Computer Entertainment Technology, p. 19. ACM, 2014)(ユーザに熱を提供するために使用される加熱装置に関して、参照することによって組み込まれる)が、熱感覚をユーザの鼻の近傍の皮膚上またはその周囲に印加し、皮膚温度変化をシミュレートするために利用されてもよい。
加えて、または代替として、熱モジュールの構成要素が、ユーザの舌の一部と接触してもよい。特に、熱モジュールの構成要素は、舌の先端と接触し、ユーザの舌を加熱および/または冷却してもよい。ユーザの舌を加熱および/または冷却することは、味にも影響を及ぼす、熱感覚を生成することができる。例えば、ユーザの舌の先端を約18℃まで冷却するステップは、ミントおよび/またはメントール感覚を生成することができる。別の実施例では、ユーザの舌の先端を約38℃まで加熱するステップは、辛い(例えば、スパイシーな)感覚を生成することができる。
熱モジュールは、急速に加熱および/または冷却するために使用され得る、任意の好適な加熱および/または冷却要素から成ることができる。ある実施形態では、加熱および/または冷却要素は、持ち運び可能な外形を維持する。例えば、ペルチェ素子等の熱電加熱/冷却素子が、いくつかの実施形態では、皮膚の加熱/冷却を提供するために使用される。ある実施形態では、加熱および/または冷却要素は、加熱要素自体がユーザと直接接触しないように伝導性材料に取り付けられることができる。
ある実施形態では、熱電加熱器/冷却器が、ユーザ(例えば、ユーザの舌、ユーザの上唇/下唇、ユーザの鼻と上唇との間の面積)と接触する熱伝導性材料に取り付けられることができる。熱伝導性材料は、熱/冷感覚の伝達を可能にする、任意の好適な材料であることができる。例えば、金属または金属鍍着材料は、熱伝導性であり、熱がユーザに効率的に伝達されることを可能にする。銀、金、白金、またはパラジウムを含有するもの等、食品安全性の伝導性金属または金属合金が、望ましい。ある特定の実施形態では、95%の銀を含有する金属が、それらの食品安全性および比較的に低い価格のために望ましい。加えて、または代替として、伝導性材料または加熱要素が、ユーザと伝導性材料および/または加熱要素との間に保護障壁を提供し、したがって、ユーザ安全性を増強するためにセラミック内に埋設されてもよい。ある実施形態では、伝導性材料は、熱伝導性プラスチックであってもよい。
ある実施形態では、熱モジュールは、それと熱モジュールの構成要素が接触する、身体の表面を加熱および/または冷却することによって、特定の風味認知を生成および/または増大させるために使用される。例えば、ユーザの舌の一部(例えば、舌の先端)を(例えば、秒あたり約2℃のレートにおいて)18℃から38℃まで急速に加熱し、次いで、(例えば、秒あたり約2℃のレートにおいて)約18℃に至るまで冷却することによって、ユーザは、「熱い」から「冷たい」までの遷移の間に甘い風味の認知を報告している。加えて、ミントまたはメントール風味が、舌の先端を20℃を下回る温度(例えば、約18℃またはそれより低い温度)に至るまで冷却することによって生成され得ることが見出されている。さらに、スパイシーまたは辛い風味が、舌の先端を35℃を超えた温度(例えば、約38℃)まで加熱することによって生成されることができる。
ユーザの安全性および快適性のために、種々の実施形態によると、熱モジュールによって身体表面上に生成される温度は、約15℃におよび約40℃に限定されてもよい。
電気味モジュール
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な方法またはシステムが、対応するシミュレートされた風味プロファイルに従って、(例えば、電気刺激を使用して)ユーザの舌を電気的に刺激するために組み込まれ得る。ある実施形態では、これは、専用のモジュール(例えば、「電気味モジュール」)を通して、または本明細書に開示されるもの等の用途に適切な技術の別の構成要素またはモジュールへの組み込みを通して行われてもよい。いくつかの実施形態では、電気味モジュールは、1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経、例えば、1つまたはそれを上回る顔面神経、1つまたはそれを上回る舌咽神経、1つまたはそれを上回る迷走神経)の刺激(例えば、直接的または間接的刺激)を通してシミュレートされた風味感覚を提供してもよい。ある実施形態では、刺激される神経は、味感覚に関わるものである。
ある実施形態では、電気味モジュールは、それを用いてユーザの舌の上側表面または下側表面のいずれかに電気刺激を送達するための、1つの(またはそれを上回る)関数発生器を有する。刺激の設置場所は、所望の効果に依存する。関数発生器は、ユーザの舌が、表面上に配列される、電極のセットと接触すると、刺激を送達する。例えば、ある実施形態では、電極のセットは、Ranasinghe, N. et al.のFood Research International(2018)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるように、例えば、カップまたはボウルの縁上に配列される、または箸に組み込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、電極は、それらがある間隙によって離間されるように、例えば、食品または飲料物容器の表面上に配列される。電極間の間隙の距離および/または電極の配列は、電極のうちの少なくとも2つが舌と接触することを可能にするべきである。しかしながら、いくつかの実施形態では、電極は、約2mm(例えば、0.1~4mm)の間隙によって分離される。約0.1mm~約0.4mmの間隙は、特に、本距離によって分離される電極が、両方の電極が舌と適切に接触することを可能にする点において有益であり得る。本配列はまた、舌を通した電流流動を最小限化する。ユーザの舌と電極のセットを接触させることは、電極のセットを横断した回路の完了に起因して、舌の組織を横断した電気流動として、電極を横断した電気接続を生成する。狭すぎる間隔(例えば、0.1mm未満)は、高電流密度の結果として、疼痛につながり得る。
いくつかの実施形態では、ユーザと接触する電極のサイズ(例えば、幅、長さ)および/または形状は、重要な設計考慮点である。例えば、電極の幅が、小さすぎる(例えば、1mmまたはそれより小さい)場合、ユーザは、電気刺激から疼痛および/または不快感を被り得る。ユーザが被る疼痛および/または不快感は、電極と舌の接触点において生成されている高電流密度に起因する。ある実施形態では、電極のセットは、電流の流動の指向性によって定義されるように、アノードとして作用する電極と、カソードとして作用する電極とを有する。ある実施形態では、(例えば、定電流を使用すると)カソードとして作用する電極およびアノードとして作用する電極は、カソードおよびアノードとしてのそれらの識別を変更しない。アノードとして作用する電極のサイズおよび/または形状は、重要であることが見出されている。ある実施形態では、電極は、丸みを帯びた、菱形、矩形、または他の類似の形状を有してもよい。
いくつかの実施形態では、舌に接触する電極の設置場所および/または場所は、重要な設計考慮点である。例えば、いくつかの実施形態では、電極の設置場所は、舌の同一または反対の表面上であることができる。例えば、2つまたはそれを上回る電極(例えば、カソードおよびアノード)が、舌の上部表面に接触してもよい。別の実施形態では、2つまたはそれを上回る電極(例えば、カソードおよびアノード)は両方とも、舌の底部表面に接触してもよい。別の実施形態では、2つまたはそれを上回る電極(例えば、カソードおよびアノード)が、舌の対向表面上に位置してもよい。
電極は、電気伝導性および/または熱伝導性を可能にする、任意の好適な材料から成ることができる。材料が、ユーザの安全性のために食品安全性であることもまた、望ましい。ある実施形態では、金属、金属合金、および/または金属鍍着材料が、限定ではないが、銀、金、白金、およびパラジウムを含む、電極を加工するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、銀は、安価であり、広く入手可能であるため、特に有利である。ある実施形態では、伝導性金属または金属合金は、少なくとも95%の銀を含有し得る。他の実施形態では、食品グレード品質の伝導性ポリマーおよび/またはプラスチックが、電極として使用されてもよい。
ある実施形態では、電極は、体液(例えば、唾液)と反応するであろう、材料から成るべきではない。例えば、銅は、唾液と接触すると腐食するため、望ましい材料ではない。故に、銅の使用は、いくつかの実施形態では、材料が、経時的使用に伴って腐食し、ユーザを傷害させ得る、潜在的に有害な副生成物を放出するであろうため、有意な安全性問題を提示し得る。
ある実施形態では、電極は、消費されている食品内に化学反応を導出するべきではない。例えば、等張性飲料を通して電流を印加するステップは、ある条件下でユーザにとって有害である、または食品または飲料物の風味プロファイルを改変し得る、(電解として公知である)化学反応を導出し得る。
いくつかの実施形態では、ユーザの舌に送達される電気刺激の形態および/または種類が、認知される風味に有意に影響を及ぼし得る。ある実施形態では、「定電流」が、ユーザの舌に送達される。定電流を使用することは、同一の信号が、組織の抵抗またはインピーダンスにかかわらず、舌を横断して送達されることを確実にする点で、他の信号タイプに優る利点を有することができる。概して、電気刺激の一部として送達される電流は、0μA~約200μAの範囲に及ぶ。いくつかの実施形態では、300μAより高い電流が、ユーザの疼痛および/または不快感を誘発し得る。加えて、種々の実施形態によると、電気刺激の周波数は、約0~1,200Hzの範囲に及ぶ。1,000Hzを上回る周波数は、概して、ヒトの組織が、本範囲の周波数差を区別することが不可能であるため、使用されることはない。これらの信号は、標的風味プロファイルの一部として味を送達するために、任意の好適な様式において修正および変調されることができる。
種々の実施形態によると、電極の設置に加えて、種々の電流/周波数の組み合わせのうちのいずれかが、ユーザに味を送達するためにともに使用されることができる。電流/周波数の組み合わせを変動させることが、ユーザが味の対応する変化を体験することをもたらし得る。例えば、塩辛い味は、約20~50μAおよび約200~400Hz(例えば、約40μAの電流および約400Hの周波数)に対応する。別の実施例では、酸っぱい味は、約140~180μAおよび約800~1,200Hz(例えば、約180μAの電流および約800Hzの周波数)に対応する。第3の実施例では、苦い味は、約60~100μAおよび400~600Hz(例えば、約80μAの電流および約600Hzの周波数)に対応する。苦い味はさらに、舌の下側および上側表面の両方への電気刺激の印加を通して誘発され得る。例えば、ある実施形態では、アノード電極が、舌の下側と接触し、カソード電極が、舌の上部表面と接触するであろう。ある実施形態では、電流/周波数の組み合わせは、あるユーザが、その味選好に基づいて特定の電流/周波数の組み合わせに関する、わずかに異なる味を体験することが可能性として考えらえるため、個々のユーザ体験に基づいて(例えば、動的に)さらに調節される必要があり得る。
色投影モジュール
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な方法またはシステムは、対応するシミュレートされた風味プロファイルに従って、ユーザに視覚刺激を提供するために組み込まれ得る。ある実施形態では、これは、専用のモジュール(例えば、「色投影モジュール」)を通して、または本明細書に開示されるもの等の用途に適切な技術の別の構成要素またはモジュールへの組み込みを通して行われてもよい。いくつかの実施形態では、色投影モジュールは、色付きの光を投影するステップおよび1つまたはそれを上回る神経(例えば、1つまたはそれを上回る脳神経、例えば、1つまたはそれを上回る視神経)を刺激する(例えば直接的または間接的に刺激する)ステップを通して、シミュレートされた風味感覚を提供してもよい。例えば、色投影モジュールは、ユーザの眼に色付きの光を投影することによって、視神経を刺激してもよい。
食品または飲料物の視覚表現または色は、風味感覚に影響を及ぼすことにおいて重要な役割を果たすことができる。色と食品および/または飲料物との以前の体験との間の異種感覚的な相互作用に起因して、ユーザは、時として、色または食品および/または飲料物に基づいて、その頭の中に風味の事前認知を生成する。例えば、黄色および緑色は、一般的には、酸っぱい感覚にリンクされる一方、赤色は、甘い感覚にリンクされる。さらに、食品または飲料物が、明るい色を有するとき、風味は、より強烈であると認知される。対照的に、ユーザは、多くの場合、色情報の欠如に起因して、異なる風味を伴う無色の溶液を味わうとき、混乱する。故に、例えば、食品または飲料物上に色を投影することを通してユーザに色を提供する色投影モジュールは、食品の風味のユーザの認知を増大させることに役立つ。
ある実施形態では、LEDまたは他の色投影技術が、ユーザの食品を照明し、その色を変化させるために使用されてもよい。ある実施形態では、Narumi et al.の「Evaluating cross sensory perception of superimposing virtual color onto real drink: toward realization of pseudo-gustatory displays. In Proceedings of the 1st Augmented Human International Conference, p. 18. ACM, 2010」(参照することによってその全体として組み込まれる)において議論されるもの等の無線LED(発光ダイオード)モジュールが、飲料物の中に色を投影するために、本技術に組み込まれてもよい。ある実施形態では、Ranasinghe et al.の「Vocktail: A Virtual Cocktail for Pairing Digital Taste, Smell, and Color Sensations. In MM ’17: Proceedings of the 25th ACM international conference on Multimedia. October 2017. Pg. 1139-1147」(参照することによってその全体として組み込まれる)に議論されるもの等のLED(発光ダイオード)モジュールが、飲料物の中に色を投影するために、本技術に組み込まれてもよい。
付加的/代替モジュール
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な方法またはシステムが、風味感覚の付加的および/または異なる属性をシミュレートするために、組み込まれ得る。
ある実施形態では、限定ではないが、食感および発泡性を改変または提供するモジュールが、ユーザが味の差異を認知するであろうように組み込まれてもよい。例えば、微小振動モジュールが、炭酸飲料物の発泡性または気泡性を生産および/または維持するために組み込まれることができる。
ある実施形態では、ユーザに音を提供するモジュールが、組み込まれてもよい。音はまた、ユーザが食品を消費しながら味わう、または体験するものに影響を及ぼし得る。例えば、「噛み砕き」音を提供することは、消費されている食品の認知される硬度に影響を及ぼす。
仮想/拡張現実
本明細書に説明されるような技術のある実施形態では、任意の用途に適切な方法またはシステムが、ユーザが食品を消費するにつれて、ユーザのための動画および/またはオーディオ体験を提供するために組み込まれ得る。例えば、ある実施形態では、食品または飲料物を消費するユーザは、TVにおいて見出されるもの等のスクリーンを提供されてもよい。ある実施形態では、スクリーンは、VRシステム内にあり、ユーザが、食品および/または飲料物を消費するにつれて、視覚体験によって刺激されることを可能にする、構造フレームまたは任意の他の用途に適切な機構を使用して、ユーザの頭部に搭載されてもよい。
ユーザに送達されているシミュレートされる風味は、同期化される、またはユーザに示されている画像または動画に部分的に基づいてもよい。ある実施形態では、(拡張現実シナリオと同様に)オーバーレイされている動画または画像の変化が、(例えば、ユーザに提供されている1つまたはそれを上回る特定の風味プロファイルを変化させることを通して)対応するシミュレートされた風味感覚の変化をもたらし得る。例えば、一実施形態では、ブラックコーヒーの外観および食感および/または口当たりが、牛乳コーヒーに改変され得る。別の実施例では、皿の上のブロッコリが、ユーザによって消費されている間、チョコレート片として感知され得る。風味感覚の変化および/または新しい風味プロファイルに関する情報が、次いで、本技術のモジュール、デバイス、またはシステムに伝送されてもよい。情報伝送は、通信モジュールを使用して、任意の好適な無線手段(例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC、または類似の技術)を使用して無線で遂行されることができる。代替として、または加えて、情報は、任意の好適な有線接続を使用して伝送されることができる。
例えば、コーヒー飲料物を消費するユーザが、ラベンダー畑の画像を示されてもよい。シミュレートされた風味プロファイルは、ユーザがコーヒーを飲用するにつれて、偏移し得、風の偏移が、ラベンダーおよび/またはコーヒーの匂いをユーザに送達させる。
安全性およびセキュリティ特徴(ソフトウェア/ハードウェア)
ある実施形態では、本明細書に説明される技術は、デバイスおよび/またはユーザ安全性を提供するためのセキュリティ方策として任意の好適な方法またはシステムを組み込み得る。例示的なセキュリティ方策は、限定ではないが、ハードウェアおよび/またはソフトウェアレベルの実装を含む。セキュリティ方策は、(例えば、メモリ上の命令を介して)モジュール内に直接的に、および/または1つまたはそれを上回る別個の安全モジュールを通して組み込まれるかのいずれかにおいて本技術に組み込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、セキュリティのハードウェア(例えば、低レベル、すなわち、レベル1)実装が、例えば、1つまたはそれを上回る知覚モジュール内で使用されてもよい。ある実施形態では、別個の刺激監視および/または制御回路(例えば、安全モジュール、例えば、電気刺激安全モジュール)が、ユーザに送達されている異なる刺激を持続的に監視する。別個の回路が、(例えば、1つまたはそれを上回るモジュールを使用して)ユーザに送達される刺激が、例えば、特定の信号または信号のセットの強度および/または持続時間を限定することによって、安全および/または快適性の設定内になることを確実にする。ある実施形態では、別個の回路が、ユーザに送達されている電気刺激(例えば、電流、電圧)および/または熱刺激を持続的および/または断続的に監視する。ある実施形態では、別個の回路が、ユーザに送達される色刺激(例えば、光出力)の強度および/または持続時間を持続的および/または断続的に監視する。例えば、各モジュールがアクティブ化され得る最大時間(例えば、匂いモジュールに関して一度に最大5秒)を限定および/または定義する、ハードウェアベースの安全方策が、実装されることができる。
セキュリティ方策のソフトウェア(例えば、高レベル、すなわち、レベル2)実装が、例えば、個々のモジュールまたは複数のモジュール、および/または1つまたはそれを上回るモジュールに機能的に接続される、システムのコンポーネント上に提供される命令を通して、任意の用途に適切な方法において、デバイス内に組み込まれてもよい。ソフトウェア実装はまた、他のデバイスの技術のコネクティビティに応じて、複数のモジュールを通して行われることができる。さらに、各モジュールがアクティブ化され得る最大時間(例えば、匂いモジュールに関して、一度に最大5秒の活動)等を定義する、付加的なソフトウェアベースの安全方策が、実装されることができる。
いくつかの実施形態では、提供されるシステムまたは他のデバイスが、インターネットサービスに接続される場合、セキュアな接続が、好適な暗号化および/または他のコネクティビティプロトコルを通して提供されるべきである。例えば、SSL(セキュアソケットレイヤ)またはTLS(トランスポートレイヤセキュリティ)プロトコルが、本明細書に開示されるデバイス、モジュール、および/またはシステムをサーバに接続するために使用されてもよい。例えば、ある実施形態では、セキュリティ証明書(例えば、SSL証明書)が、本明細書に開示されるように、サーバからデバイスまたはシステムに送信される。デバイスおよび/またはシステム上のソフトウェアが、セキュリティ証明書が信頼されることが可能であるかどうかを検証する。次いで、サーバは、これが信頼される情報源であるため、プロファイルをデバイスおよび/またはシステムに送信することが可能になる。
技術提供されるシステムまたは他のデバイスがモバイルアプリケーション(「アプリ」)に接続される、ある実施形態では、セキュリティのソフトウェアレベル実装が、Bluetooth(登録商標)または他の好適な近距離ピアツーピア通信プロトコル(例えば、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID))に加えて、別のレベルのセキュリティを提供する。
ある実施形態では、提供されるシステムまたは他のデバイスは、異なるハードウェアモジュール(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアベースの方策)への配電を監視するための、1つまたはそれを上回る付加的なセキュリティ方策を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソフトウェアが、ユーザに送達される電気刺激(例えば、電流、電圧)を監視するために使用されてもよい。
標的風味プロファイルおよび更新設定
本明細書に説明されるようなある実施形態では、標的風味プロファイルが、ユーザに提供される体験に基づいて、更新および/または変更され得る。
例えば、ある実施形態では、標的風味プロファイルが、ユーザが居住する、および/または拠点とする地域に基づいて更新されてもよい。概して、風味が、遺伝性の遺伝成分によって影響を及ぼされるだけではなく、ユーザの年齢のような経験によっても影響を及ぼされることが、公知である。例えば、非常に香辛料の効いた食品を食べて成長してきたユーザは、より穏やかな食品のみを体験してきた個人より強烈な刺激を要求し得る。さらに、(例えば、煙草、大麻、および同等物の)習慣的喫煙者、食餌が制限されている対象、病状(例えば、癌、アルツハイマー病)を有する対象、または医療的治療(例えば、化学療法)を受けている対象もまた、より強烈な刺激を要求し得る。故に、標的風味プロファイルは、別のユーザと対照的に、1人のユーザに対して所望の風味感覚を生産するために、1つまたはそれを上回る設定(例えば、電気刺激の電流/周波数の組み合わせ)に対する調節を要求し得る。
ある実施形態では、標的風味プロファイルは、ユーザのための1つまたはそれを上回る予め較正されたプロファイルに基づいて更新されることができる。例えば、ユーザが、特定のバックウラウンドまたは選好および/または忌避を有することを前提として、本明細書に開示される技術は、ユーザを刺激するための設定をアルゴリズム的および/または手動のいずれかで変更するための任意の適切な調整機構を組み込むことができる。
加えて、全てのユーザが、同一の設定に伴って同一の味を体験するわけではない。例えば、あるユーザは、約40μAの電流および約400Hzの周波数を伴う電気刺激を使用しながら、より強い強度を伴う、明確な塩辛い味を体験し得る。対照的に、第2のユーザは、約45μAの電流および約410Hzの周波数において、明確な塩辛い味を体験し得る。
ある実施形態では、標的風味プロファイルは、食品または飲料物内の原料に基づいて調節されることができる。例えば、低い塩分のスープの塩辛さを増強させるために、ナトリウムを含まない食品(例えば、ナトリウムを含まないスープ)と比較して同一の塩辛い風味を達成するために、より少ない増強のみを必要とする場合がある。
さらに、ある実施形態では、標的風味プロファイルは、ユーザに提示される特定のシナリオに基づいて更新されてもよい。例えば、デジタル的に食品要素を制御するための能力を有することは、シェフおよびバーテンダーが並外れた食事概念およびシナリオを生成することを可能にするであろう。
1つのシナリオでは、例えば、ある食事する人は、食事の前にブラックコーヒーを飲料し、食事の後にデザートコーヒーとして、チョコレート風味を添加することを選定するであろう。
加えて、または代替として、風味プロファイルは、ユーザが食品を消費している時刻に基づいて、更新されてもよい。例えば、風味プロファイルを消費することは、朝において、夕刻と比較してあまり甘くない風味体験を提供してもよい。これは、より複雑な入力を伴うことなく、ユーザ選好がカスタマイズされることを可能にするであろう。
ある実施形態では、標的風味プロファイルは、ユーザのデバイス(例えば、コンピュータ、携帯電話)上のアプリケーション(「アプリ」)を使用して更新されることができる。ユーザは、風味を「微調整」するために、特定の風味に関して自身の選好に基づいて更新することができる。ある実施形態では、標的風味プロファイルは、他のユーザから受信され、さらに、特定の所望の風味に調節されることができる。
加えて、いくつかの実施形態では、風味プロファイルは、ユーザが特定の食品または飲料物を消費するにつれて、動的に変更されることができる。実施例として、細かい食事設定において、風味プロファイルが、ユーザが特定の料理または飲料物を消費する際に意図的に変更され、単に本技術を適用しなければ不可能な、変動された消費体験を提供し得る。
例示されるデバイス
本節は、風味および/または感情のユーザの認知に関する異なる刺激の組み合わせの影響を実証するデータに加えて、例示的デバイス構成の説明を提供する。
風味認知に関する異なる感覚様相の効果を検査するために、本出願人は、普通の水に味、匂い、色、および熱刺激(すなわち、仮想風味)を付加することによって、風味感覚を調合するためのアプローチを提示する。さらに、本出願人は、4つの主要な味感覚(塩辛い、甘い、苦い、および酸っぱい)の観点から仮想風味の認知に対するこれらの多面的な刺激の影響を調査した。本出願人はまた、異なる様相が所与のシミュレートされた風味感覚に対する参加者の感情および選好に影響を及ぼす方法を診査した。
驚くことに、参加者が、彼らの味の感覚を改変させるために、食品添加物の形態で風味を提供される必要性がなかった、またはモジュールを介して舌上に刺激を提供される必要もなかったことが見出された。1つまたはそれを上回る匂い感覚を付加することによって、参加者が、増大された味感覚を認知したこともまた、見出された。例えば、イチゴの香りまたはバニラの香りを付加することによって、参加者は、普通の水の甘味の増加を認知した。
図1Aおよび1Bは、シミュレートされた風味感覚を送達するために使用される、2つの例示的装置を示す。
図1Bでは、例示的な仮想飲料物グラスが、描写される。仮想飲料物グラスは、電気刺激(例えば、グラスの縁上に取り付けられた銀電極を介した舌上の電気刺激)、匂い(例えば、マイクロエアポンプおよびエッセンシャルオイルを介して飲料物の表面上に分散される)、および色(RGB発光ダイオードを介して飲料物上に投影される)によって、味を操作する。ユーザが、仮想飲料物グラスから飲料すると、色が、飲料物上に投影され(視覚)、匂いが、飲料物の表面上に放出され(嗅覚)、酸っぱい感覚および塩辛い感覚が、種々の風味感覚をシミュレートするために電気刺激を介して印加される(味覚)。
仮想飲料物グラス(図1B)は、電子制御モジュールと、3つの香りカートリッジ(例えば、コンテナ)と、3つのマイクロエアポンプとを保持する、3D印刷された構造基部(d)上にマティーニグラスを取り付けることによって展開された。原理上、より多いまたはより少ない香りカートリッジおよび/またはポンプが、用途に応じて使用されてもよい。本実施形態では、(c)は、匂いおよび色刺激送達モジュールである。モジュールの内側のLEDが、飲料物を照明するように位置付けられる。加えて、モジュールの内側の管が、仮想飲料物グラスの3D印刷された基部(d)につながる。グラスの縁上に、2つの電極(f)が、それらがユーザの舌と接触する可能性が高くなるように、それらの間に間隙を伴って位置付けられる。
図1Aでは、例示的な仮想コーヒーマグが、示される。仮想コーヒーマグは、匂い(マイクロエアポンプおよびエッセンシャルオイルを介して飲料物の表面上に分散される)および熱(使い捨て可能なコーヒーマグ上に取り付けられたペルチェ要素を介した)感覚のみに基づいてコーヒー飲料物を飲用する体験をシミュレートする。仮想コーヒーマグでは、仮想風味が、ユーザの鼻の近傍に分散された香り(嗅覚)および(コーヒーの温度をシミュレートするために)ユーザの上唇近傍の熱刺激(熱い温度および/または冷たい温度)を通して送達される。単一または組み合わせられた刺激のユーザの認知が、彼らが本装置を使用しながら消費する普通の水に固有ではない、仮想風味感覚を生成する。仮想コーヒーマグは、制御モジュールと、3つの香りカートリッジと、ペルチェ要素とから成る、3D印刷された構造に使い捨て可能な紙のコーヒーカップを取り付けることによって展開された。3D印刷された構造は、新しいおよび/または異なるコンテナが構造の中に挿入されることが可能であるように、除去可能である。制御モジュールおよび香りカートリッジは、3D印刷された構造の基部(b)内に見出される。ユーザの上唇と接触する、加熱された要素(a)が、カップの蓋上に位置付けられる。
したがって、稼働原理は、これらの2つの装置から飲用するときに、異なる、外側から印加された刺激を付加することである。刺激の同時印加は、ユーザが異なる仮想風味を体験することを可能にする。仮想飲料物グラスは、一般的な飲料物(例えば、ソフトドリンク)をシミュレートすることを意図している一方、仮想コーヒーマグは、コーヒー様の体験をシミュレートすることを意図している。コーヒーは、検査のために特に有用な飲料物にする、全世界で感情的に認識された飲料物である。しかしながら、本デバイスは、コーヒーまたは任意の特定の飲料物のシミュレーションに限定されるものではない。
異なる感覚様相が、仮想の飲料物体験をシミュレートするための2つの装置の中で取り上げられた。仮想コーヒーマグでは、2つの感覚様相、すなわち、匂いおよび温度が、選択された。仮想飲料物グラスは、日常の混合された飲用物内で利用される、最も一般的な感覚様相、すなわち、視覚(例えば、光)、匂い、および味と統合された。
ユーザ実験が、両方のデバイスを使用して行われ、室温において普通の水にわたって電気刺激、匂い、色、および熱刺激の異なる組み合わせを印加した。参加者は、両方のデバイスを使用し、仮想的に風味付けられた水を消費し、認知された風味感覚(4つの主要な味感覚(すなわち、塩辛い、酸っぱい、苦い、および甘い)の観点からのもの)、シミュレートされた感覚に対する彼らの選好、および彼らがこれらの風味刺激に関連した感情に関する彼らのフィードバックを提供するように命令された。実験結果は、参加者が、種々の刺激構成に伴って異なる仮想風味感覚を認知したことだけではなく、シミュレートされた感覚に対する感情および選好の観点から変動された応答を有していたことも明らかにした。さらに、熱刺激および匂い刺激の組み合わせが、水の味のユーザの認知を改変することが可能であったことが、驚くべきことであった。
ある仮想風味刺激に対する選好および仮想風味刺激から媒介された感情は、VRおよびHCIにおいて、特に、電気的な味感覚と結合されたときについて、追求されていないままである。人々の風味感覚に対する快楽的選好は、主に、その匂いおよび味感覚の印象に基づく。加えて、具体的な風味感覚および周囲雑音に関連する、以前または繰り返される暴露、快適または不快な体験、記憶もまた、風味感覚に対する選好に影響を与える要素のうちの一部である。人々はまた、食品または飲料と関連付けられるカロリー数に起因して、ある風味を好む。例えば、ビールおよびコーヒー等の飲料物は、苦い味がするが、人々は、依然として、消費されるカロリーおよび放出される匂いに起因して、より高い選好を展開する。本現象は、選好応答が、味感覚が匂い感覚と対にされると増加される、「風味の連想的学習」として公知である。例えば、一般に、甘い味と関連付けられる匂いは、苦い味とリンクされる匂いと比較すると、より高い選好スコアを受け取る。
風味は、人々の感情に著しい影響を及ぼしており、逆もまた同様である。風味は、感情を調整および改変することができ、同時に、感情は、食品の選定および食欲に影響を及ぼすことができる。しかしながら、VRおよびHCIの研究では、人々の感情に対する異なる風味属性の影響は当然ながら、風味感覚を通して媒介された感情は、詳細に検査されていない。
味/感情値マッピング(甘い味を肯定的感情として、苦い味を否定的感情としてマッピングする)は、現実的シナリオに及び、味/感情覚醒マッピングは、相互間で比例する(味が、高いほど、感情が、より高い)。双方向システムにおいて感情を測定することは、人々の感情が、使用のコンテキストおよび具体的な感情を正確に言語化する際の困難度等、複数の要因に基づいて変動するため、特有の厄介さである。自己評価マネキン(SAM)、感情の輪、およびEsSenseプロファイル、および異なる感情条件を測定するためのいくつかの語彙用語等の、多くのスケールが、存在する。本出願人は、EsSenseプロファイルを取り入れ、参加者の感情を測定した。EsSenseプロファイルは、特に、感覚科学および検査において、食品および飲料物と関連付けられる感情を測定する際に広く受け入れられている。したがって、本技術の重要となる寄与は、4つの主要な味感覚(すなわち、塩辛い、酸っぱい、苦い、および甘い)に対する幅広い範囲の風味認知のデジタル刺激構成および具体的な変化を診査すること、種々の刺激構成に対する参加者の快楽的選好を検査すること、異なる刺激構成を通して媒介される感情を検査すること、およびARおよび/またはVR技術にデジタル風味体験を実装するためのアプローチを導入することであった。加えて、本明細書に提示される研究は、風味感覚のデジタル可制御性を実証する。
例示的装置の技術的詳細
本節は、両方の装置、すなわち、仮想風味感覚を送達するために使用された、仮想飲料物グラスおよび仮想コーヒーマグに関する技術的情報を説明する。ユーザが、これらの装置のうちのいずれかから一口飲んだとき、匂い、味、色、および熱刺激が、本明細書に説明される技術を使用して、ベース飲料(すなわち、普通の水)の風味を増強するように印加された。仮想飲料物グラスは、図2Bに示されるような3つのサブシステム、すなわち、1)色投影モジュールと、2)電気味モジュールと、3)匂いモジュールとを有した。仮想コーヒーマグは、図2Aに図示されるような2つのサブシステム、すなわち、1)匂いモジュールと、2)熱モジュールとを有した。
図2AおよびBは、図2A(仮想コーヒーマグ)および図2B(仮想飲料物グラス)の異なる構成要素を示す。本デバイスの構成要素が、以下、すなわち、(a)マイクロエアポンプ、(b)匂いコンテナ、(c)Bluno Nanoを伴うメイン制御モジュール、(d)ペルチェ要素を伴う温度モジュール、(e)使い捨て可能なコーヒーカップ、(f)RGB色モジュールおよび匂い拡散管、および(g)電気味モジュールのように列挙される。両方の装置内の異なるサブシステムが、DFRobot製のArduino Bluno Nano 1モジュールによって制御された。種々の組み合わせの刺激が、コンピュータまたはスマートフォンを使用して、Bluetooth(登録商標)接続を介して調合およびアクティブ化され得る。
図3Aは、仮想コーヒーカップデバイスと相互作用する、個人を示す。図3Bは、仮想飲料物グラスデバイスと相互作用する、個人を示す。
例示的な色投影モジュール
本実施例では、色投影モジュールが、ユーザに色を投影するために使用された。RGB LEDが、仮想飲料物グラスの底部表面に取り付けられた。光拡散層が、白色に着色された拡散紙によって提供され、飲料物の照明を増強した。異なる刺激構成に基づいて、明確に異なる色が、飲料物上に投影され得る。
例示的な電気味モジュール
本実施例では、定電流源が、仮想飲料物グラス内に展開され、飲用している間、弱い制御された電気パルスをユーザの舌に印加し、したがって、例えば、酸っぱさおよび塩辛さをシミュレートした。定電流源は、電気刺激が、ユーザの舌の抵抗に応じて改変されないことを確実にした。電気刺激が、仮想飲料物グラスの縁に取り付けられた、2つの95%銀電極を介して提示された。電気的な「酸っぱい」刺激および「塩辛い」刺激が、下記に列挙されるように形成された。
「酸っぱい」:電流の大きさ:180mA、周波数:800Hz
「塩辛い」:電流の大きさ:40mA、周波数:400Hz
例示的な匂いモジュール
本実施例では、両方の装置内の匂いモジュールが、3つの構成要素、すなわち、マイクロエアポンプと、エッセンシャルオイルを保持する匂いコンテナと、ポリウレタン管都を使用して実装された。各エアポンプは、個々に作動され、空気を具体的な匂いコンテナの中に押進し得る。各匂いコンテナは、特定の香りを一貫して保持するための媒体として作用した、エッセンシャルオイルに含浸された綿球を有した。
仮想飲料物グラスでは、レモンの香りおよびチョコレートの香り、および蒸留酒様の香り(ライム、コニャック、およびイソプロピルアルコールを混合することによって調製される)が、使用された。コーヒー、チョコレート、およびミントのエッセンシャルオイルが、仮想コーヒーマグ内で使用される。鼻腔香気嗅覚アプローチが、採用され、匂い刺激をユーザの鼻に送達した。匂い刺激の強度は、パルス幅変調(PWM)された制御アルゴリズムを使用して調整され、具体的なペースにおいてエアポンプを動作させた。エッセンシャルオイルが、Aftelier Chef製Essence(登録商標)風味製品から選択された。
例示的な熱モジュール
例示的な仮想コーヒーマグでは、銀金属部片に取り付けられたペルチェ要素が、熱いまたは冷たいコーヒー体験をシミュレートするユーザの上唇上またはその近傍に、制御された熱刺激を印加するために使用された。パルス幅変調(PWM)された制御アルゴリズムが、熱刺激の強度を管理するために実装された。ペルチェ要素の方向(熱い対冷たい)が、モータ駆動部を介して制御され、これは、約7ワットを消費した。ヒートシンクが、ペルチェ要素によって経時的に発生される過度の熱を抽出するためにペルチェモジュールに取り付けられた。付加的な安全機構(例えば、ソフトウェアベースの安全機構)が、熱アルゴリズムの中に組み込まれ、印加される熱刺激が、快適な範囲内にあることを確実にした。
例示される実施形態の実験設定および評価
本明細書に説明されるものは、本明細書に開示されるような技術の例示される実施形態を使用して行われる、検査に関連する実験結果である。本明細書において提示および議論される実験の主要目的は、(1)仮想風味技術の概念を立証し、その証明となること、および(2)異なるシミュレートされる飲料物を消費する間の参加者の感情プロファイルに対する刺激の影響を決定することであった。目標は、参加者が、異なる刺激構成に基づいて異なる飲料物を認知し、それを好むことが可能となるであろうことである。参加者の感情が、認知された種々の仮想風味感覚に伴って変動するであろう、異なる刺激の組み合わせによって影響を受けるであろうこともまた、仮定された。本検査は、実世界体験をシミュレートするために2つの装置、すなわち、1)それを通して液体が視認可能であったモクテルまたはカクテルグラス製品を模倣した、仮想飲料物グラス、および2)それを通してカップの内側の液体がカップを通して概して可視ではなかった、コーヒーマグまたはトラベルマグを模倣した、仮想コーヒーマグを提示した。
参加者
30人の人々のサンプルセットが、本装置の両方を用いた検査のために選定された。参加者(ユーザとも称される)は、年齢18歳を上回り、いかなる色、味、匂い、および/または温度の感覚異常も有していなかった。彼らは、実験の1時間前にコーヒーまたはスパイシーな食品等の重厚な風味を伴ういかなる食品または飲料物も消費することを避けるように命令された。さらに、彼らは、そのセッションに参加する間、検査の間にいかなるコロンも使用せず、刺激構成に及ぼす外部影響を最小限化させるように求められた。参加者は、検査前に同意し、各セッションは、最大約20分を要した。
刺激構成
本検査は、最小限の干渉を伴う、空調された研究実験室内で行われた。静かな臭気のない環境が、制御された試験環境を確実にするために維持された。部屋に入る人々のいずれも、本検査の間にいかなる香料製品も使用することを許容されなかった。各参加者間の時間間隙は、部屋の中のいかなる残存する匂いも一掃するために、最低30分であった。仮想飲料物グラスに関して、下記に提示される表1に説明されるように、4つの異なるカテゴリにおける、11個の異なる刺激構成が、存在した。
異なる刺激構成が、視覚、電気味、匂い、および熱感覚の種々の組み合わせを網羅するように選択された。色刺激を選定すると、普通の水およびグラス製品を通したある色の可視性に加えて、一般的な食品および飲料物から天然色を選択するように、特別な注意が、払われた。例えば、青色は、食料品においてあまり好まれないため、選択されず、青色は、自然発生する青色の色付き食品が非常に少ないため、非典型的な食品色であると見なされた。塩辛さおよび酸っぱさは、それらが舌の上の電気刺激を介して報告される、2つの顕著な味感覚であるため、選択された。レモン、チョコレート、および蒸留酒様の(アルコール)エッセンシャルオイル等の親しみのある匂いが、匂い刺激を調合するために使用された。
同様に、仮想コーヒーマグに関して、(下記に示される)表2におけるような、3つの異なるカテゴリ下の、11個の異なる刺激の組み合わせが、存在した。コーヒー、チョコレート、およびミント等の親しみのある匂いが、仮想コーヒーマグにおいて、熱い熱感覚および冷たい熱感覚と併用された。熱い感覚および冷たい感覚が、それぞれ、室温から5℃より熱い、またはより冷たい、熱刺激を提供することによって生成された。臭味のない瓶入りの水が、ベース飲料の均一性を維持し、水質に基づく参加者の風味および感情認知に対するいかなる影響も回避するために利用された。本デバイスは、各参加者の試験セッションの前後に70%イソプロピルアルコール拭取布を使用して消毒された。
実験方法
本明細書に説明されるものは、本明細書に説明される実験を行い、参加者が有した風味の選好の相対量を決定するために使用された、実験方法である。
仮想飲料物グラスに関して、年齢範囲18~37歳(平均値=26.42、標準偏差=4.8)の30人の参加者(男性17人および女性13人)が、検査された。仮想コーヒーマグに関して、年齢範囲18~40歳(平均値=22.89、標準偏差=5.23)の29人の参加者(男性17人および女性12人)が、検査された。
各参加者は、試験するための11個のサンプルを有し、各サンプルに続く、一連の可能性に応答した。参加者は、各サンプルについて質問に回答する前に、約2口または3口摂取した。
仮想飲料物グラスを用いた検査の間、参加者は、異なるサンプルの間に必要に応じてその装置を水で充填することが許容された。仮想コーヒーマグに関して、1つの水で充填されたカップが、参加者にとって十分であった。参加者は、治験審査委員会(IRB)の承認に従って両方の装置を使用して普通の水を飲用していることが通知された。
異なるサンプルの提示順序が、順序バイアスを回避するための対抗手段として採用された。各サンプルの後、参加者は、認知される風味感覚(4つの主要な味感覚の観点から)、刺激に対する選好(全体的選好、匂いの選好、味の選好、色の選好、および温度の選好)、および刺激を通して媒介された感情を記録するために、質問に回答するように求められた。各刺激の後、風味感覚が、JAR(「ちょうどよい」)スケールに基づいて、塩辛い、酸っぱい、甘い、および苦い感覚の観点から記録された。JARスケールは、一般的には、「少なすぎる量」から「強すぎる量」までの5つの点カテゴリスケール範囲に基づく、製品内の特定の属性のレベルの適切性を評価するために使用される。例えば、JARスケールは、具体的な味感覚が特定の仮想風味構成において高すぎる、低すぎる、またはちょうどよいかどうかを決定することに役立った。
参加者はまた、各刺激に対する、「極めて嫌い」から「極めて好む」までの範囲に及ぶ、9点の快楽的スケールに基づいて選好を評価した。また、刺激毎に、参加者は、「該当するものを全てチェックする」(CATA)スケールに基づいて、関連し得る全ての感情をチェックするように求められた。CATAアプローチは、参加者のフィードバックを採集するための簡易的かつ簡単な方法であると考えられた。本アプローチは、彼らが特定の刺激に関連して当てはまる全ての感情を選択するため、認知労力を殆ど要求しなかった。したがって、CATAスケールは、参加者の感情を評価するために組み込まれ、感情のリストが、EsSenceプロファイルに基づいて提供された。
実験結果
2つの装置(仮想飲料物グラスおよび仮想コーヒーマグ)を用いたユーザ実験からの主要な発見が、本明細書に議論される。異なる風味刺激および媒介された感情に関する参加者の応答が、両方の装置に関して類似の様式において記録される。仮想飲料物グラスが、全体的選好、匂いの選好、味の選好、および色の選好に関してフィードバックを提供した一方、仮想コーヒーマグは、各装置内に含まれる異なる様相に基づいた、全体的選好、匂いの選好、味の選好、および温度の選好に対するフィードバックを提供した。一元配置分散分析が、行われ、p値≦0.05に基づいて有意な差異を決定した。本出願人らは、必要である場合、フォローアップの事後分析を行った。
異なる風味刺激を伴う基本的味感覚の認知
異なる風味刺激の認知が、両方の装置を使用して、4つの主要な味感覚(すなわち、塩辛い、酸っぱい、甘い、および苦い)の観点から評価された。刺激の強度が、参加者によって、5点の「JAR(「ちょうどよい」)スケール」上で等級付けられた。図4に示されるように、仮想飲料物グラスからの結果は、いくつかの刺激が、「弱すぎる」から「ちょうどよい」までの範囲内にあると認知されたことを示す。塩辛い、酸っぱい、および甘い感覚の認知において記録された、有意な差異は、存在しなかった。塩辛い感覚および苦い感覚では、色のみの刺激(弱すぎるものとして認知される)から組み合わせられた刺激(ちょうどよいものとして認知される)までの明確な傾向が、存在した。一般に、甘い感覚は、いかなる有意な差異も伴わず、試験されたほぼ全ての刺激構成間で「弱すぎる」ものとして認知された。酸っぱい感覚に関して、認知の有意な差異が、一元配置分散分析を使用して見出された(F(10,329)=4.452、p≦0.0001)。チューキーのHSDおよびBonferroniのペアワイズ比較を用いた事後試験が、酸っぱい認知が、1)レモンの匂いのみ(M=0.218、p=0.011)、チョコレートの匂いのみ(M=0.226、p=0.016)、黄色のみ(M=0.185、p=0.002)、緑色のみ(M=0.177、p=0.001)、および赤色のみ(M=0.157、p=0.00)刺激と比較して、レモン+酸っぱい+黄色刺激(M=0.492)において、および2)赤色のみ(M=0.153、p=0.023)の刺激と比較して、蒸留酒+酸っぱい+緑色刺激(M=0.411)において有意により高くなることを明らかにした。
複数の様相が組み合わせられると、認知の増加に向かう、わずかな傾向が、存在する。顕著なことには、冷たい温度+コーヒーの匂いが、組み合わせられたとき、風味の認知の増加が、存在した。仮想コーヒーマグおよび仮想飲料物グラスの両方において、複数の様相を組み合わせることが、風味の認知を増強させた。加えて、匂いおよび/または色刺激のいずれかの強度レベルを増加させることが、個人が風味のより強烈な認知を有することをもたらした。本結果は、特に、驚くべき発見であった。本発見は、舌に対して具体的に標的化されていなかった刺激およびモジュールの組み合わせが、依然として、風味認知を有意かつ予期されていない度合まで改変することが可能であったことを実証するため、有意である。
具体的な仮想風味刺激に向かう参加者の選好
仮想飲料物グラスを通して送達された、異なる仮想風味刺激に対する参加者の選好スコアが、図6に提示される。全体的選好カテゴリおよび匂いの選好カテゴリの両方において、報告されたいかなる有意な差異も、存在しなかった。
興味深いことに、両方のカテゴリにおいて、色のみ(黄色、緑色、および赤色)およびチョコレートの匂いおよびレモンの匂いを使用して構成された刺激は、他の刺激と比較して、より高い選好スコアを受け取る傾向の増加を示した。着目すべきこととして、選好スコアの有意な差異が、一元配置分散分析を使用して、味の選好カテゴリ内で見出された(F(10,329)=3.131、p=0.001)。チューキーのHSDおよびBonferroniのペアワイズ比較を用いた事後試験が、1)黄色のみ(M=5.742、p=0.013)および赤色のみ(M=5.742、p=0.013)の条件が、レモン+酸っぱい+黄色刺激(M=4.419)と比較して、有意により高い選好スコアを受けたことを明らかにした。色の選好では、選好スコアの有意な差異が、一元配置分散分析を使用して見出された(F(10,329)=2.510、p=0.006)。チューキーのHSDおよびBonferroniのペアワイズ比較を用いた事後試験は、1)黄色のみ(M=6.194)の条件が、チョコレートの匂いのみ刺激(M=5.194、p=0.025)および蒸留酒の匂いのみ刺激(M=5.161、p=0.017)と比較して、有意により高い選好スコアを受け取ったことを明らかにした。仮想コーヒーマグを使用して記録された、参加者の選好スコアに対して行われた事後分析は、図7に示されるように、異なる刺激に対する選好の傾向を示した。提示される異なる刺激に関して、全体的選好、匂いの選好、味の選好、および温度の選好にいかなる有意な差異も、存在しなかったが、本分析は、選好スコアが、より高い範囲内にあったことを明確に示した。高いスコアは、参加者が、全体として、刺激構成を好んだことを示した。着目すべきこととして、刺激選好スコアのいずれも、嫌いの範囲内にあることが見出されなかった。これらの結果は、参加者が、全般的に、刺激構成、例示的装置、および本アプローチを好んだことを実証する。
具体的な想風味刺激に対する参加者の選好
仮想飲料物に関する刺激の組み合わせが、4つの異なる群に組み合わせられた。群は、以下の通り、すなわち、色(赤色刺激と、緑色刺激と、青色刺激とを含有する)、電気味(塩辛い味刺激と、酸っぱい味刺激とを含有する)、匂い(レモンの匂い刺激、チョコレートの匂い刺激、および蒸留酒の匂い刺激)、および組み合わせ(黄色+酸っぱい+レモンと、チョコレート+塩辛い+赤色と、蒸留酒+酸っぱい+緑色とを含有する)であった。これらの群は、群が、類似の種類および数の刺激を共有したため、選定された。例えば、色の群化では、仮想飲料物は、色モジュールから色刺激のみを送達し、(例えば、電気味モジュールを使用して)いかなる味刺激も、(例えば、匂いモジュールを使用して)いかなる匂い刺激も、ユーザに提供されなかった。以下の節では、群化物内またはその間の差異が、述べられる。
全体的選好、匂いの選好、味の選好、および温度の選好の差異が、刺激の異なる群化物内で比較された。繰り返された測定分散分析が、行われ、群内に選好の差異が存在したかどうかを試験した。これは、特定の刺激(例えば、特定の色)または各群内の刺激の特定の組み合わせが、強度および選好スコアが崩壊し得るように、大幅に異なる結果を生産していなかったかどうかを決定するために行われた。匂いの選好および味の選好の両方に関して、群内には、いかなる差異も、存在しなかった(p<0.05)。全体的選好に関して、色群、電気味群、および組み合わせ群内には、いかなる差異も、存在しなかった(p<0.05)。全体的選好には、匂いの群内に、有意な差異が、存在した(F(2,60)=5.41、p=0.007、η=0.091)。チューキーの事後分析は、蒸留酒の匂いが、全体的に、レモンの匂い(p=0.015)およびチョコレートの匂い(p=0.018)よりあまり好まれないことを明らかにした。
同様に、塩辛い、酸っぱい、甘い、および苦い感覚の認知の差異が、刺激の組み合わせの異なる群化物内で比較された。繰り返された測定分散分析が、群内に感覚の認知の差異が存在したかどうかを試験するために行われた。「塩辛い」、「甘い」、または「苦い」の認知に関して、群内には、いかなる差異も、存在しなかった。「酸っぱい」の認知に関して、匂いの群内(F(2,60)=4.76、p=0.0012、η=0.03)および組み合わせ群内(F(2,60)=4.44、p=0.016、η=0.049)に、有意な差異が、存在した。匂いの群内では、蒸留酒の匂いが、レモン(p=0.02)の匂いおよびチョコレート(p=0.034)の匂いの両方と比較して、より強力な「酸っぱい」の感覚が、導出された。組み合わせ群において、レモン+酸っぱい+黄色の組み合わせが、チョコレート+塩辛い+赤色の組み合わせ(p=0.012)と比較して、より酸っぱいものとして認知された。
味の観点からの仮想飲料物群の比較
ここで、異なる仮想風味刺激群化物(色、電気味、匂い、および組み合わせ)の認知が、仮想飲料物において、4つの主要な味感覚(すなわち、塩辛い、酸っぱい、甘い、および苦い)の観点から評価された。データの初期の査察が、塩辛い、酸っぱい、および苦い感覚に関する差異を明らかにした(例えば、図8参照)。図8は、仮想飲料物グラスから報告された主要な味感覚の観点から、異なる刺激の組み合わせの平均強度スコアを示す、一連のグラフである。繰り返された測定分散分析は、「塩辛い」の認知に関する有意な差異を明らかにした(F(3,90)=8.96、p<0.001、η=0.092)。チューキーの事後の比較が、電気味および組み合わせの群が、相互と異なり(p>0.05)、両方とも、色および匂いの群を上回る(p<0.05)ことを明らかにする。「酸っぱい」の認知の有意な差異が、見出された(F(3,90)=14.3、p<0.001、η=0.12)。「塩辛い」の認知と同様に、電気味および組み合わせの群は、色および匂いの群より「酸っぱい」がより高かった(p<0.05)。「苦い」の認知においても見出された有意な差異もまた、存在した(F(3,90)=9.94、p=<0.001、η=0.077)。「苦い」の認知は、色および匂いの群と比較して、電気味群および組み合わせ群においてより高かった(p<0.05)。「甘い」の認知に関して、群間に、統計的に有意な差異は、存在しなかった。全体として、電気味群および組み合わせ群が、より高い風味感覚を示した。
選好の観点からの仮想飲料物群の比較
図9は、異なる刺激群化物の参加者の全体的選好、匂いの選好、味の選好、および温度の選好の比較を示す。群化物は、異なるタイプの刺激構成が仮想飲料物の選好に影響を及ぼす方法を理解するために、本明細書において比較される。
データの初期の査察が、組み合わせ群と比較した、色群に関する一般的な選好が存在したことを示唆した(図9)。繰り返された測定分散分析が、全体的選好(F(3,90)=5.82、p<0.001、η2=0.10)、味の選好(F(3,90)=8.00、p<0.001、η=0.12)、および温度の選好(F(3,90)=5.69、p<0.001、η=0.11)に関する刺激群の有意な効果を示した。チューキーの事後分析が、参加者が、全体的に、電気味群(p=0.002)および組み合わせ群(p=0.008)の両方よりも、色群を好んだことを示した。参加者は、電気味群および匂いの群(p<0.05)の両方よりも、色の味および組み合わせ群を好んだ。最後に、参加者は、電気味(p=0.006)および組み合わせ群(p=0.004)よりも、色群の温度を好んだ。参加者が匂いの群を好んだ方法に、差異は、存在しなかった(p=0.055)。全体として、参加者は、色群を最も好んだが、組み合わせ群の味もまた、享受した。
仮想コーヒーマグ様相の群化
仮想飲料物に関する先験的な群化物が存在した同一の方法において、本明細書に説明されるような仮想コーヒーデバイスによって送達された刺激に関する群化物が、生成された。それらは、以下、すなわち、風味(チョコレート、ミント、およびコーヒー風味料のみ)、熱い風味(熱い温度+チョコレート、熱い温度+ミント、および熱い温度+ミント)、冷たい風味(冷たい温度+チョコレート、冷たい温度+ミント、および冷たい温度+ミント)、熱い温度、冷たい温度、および刺激なしであり、群、風味、熱い風味、および冷たい風味)が、主要な感覚(塩辛い、酸っぱい、甘い、および苦い)(例えば、図5)および選好スコア(全体、味、匂い、および温度)(例えば、図7)の観点から群の差異内に関して診査された。図5は、仮想コーヒーデバイスからの異なる刺激の平均強度スコアのグラフである。データの初期の査察が、群化物内に、該当する場合でも、全体的に、差異が殆ど存在しないことを示唆する。繰り返された測定分散分析が、群化物内に差異が殆ど存在しなかったことを確認した。群内には、主要な感覚の観点からは、差異が存在せず(p>0.05)、選好スコアに関して、1つのみの差異が存在した。熱い風味群内には、匂いの選好の有意な効果が、存在した(F(2,54)=4.06、p=0.023、η=0.062)。熱い+コーヒー刺激の組み合わせは、熱い+ミント(p=0.022)刺激の組み合わせより高い匂いの選好を有した。ミントの匂いよりも高い温度と対にされるときにコーヒーの匂いを好むユーザ以外には、群内に観察された差異は、存在しなかった。
感情応答および仮想風味刺激との関連付け
図10は、対応分析要因マップ上の、仮想飲料物グラスを介して送達された、異なる仮想風味刺激によって媒介された種々の感情を描写する。対応分析要因マップは、主成分分析(PCA)の使用を通して生成された。主成分を使用したデータの分析は、データの助長性を低減させた。主成分(PC)は、提示される要因(例えば、本明細書におけるF1およびF2)の分散が大きいほど、提示されるグラフ内でより大きい変動性が説明されるように、観察される変数の分散の大部分のものを構成する。軸が、データの分散の45.16%を明らかにした。F1軸が、肯定的(愛情深い)感情および否定的(嫌悪)の感情を説明する一方、F2軸が、活力に関連する感情を図示し、肯定的(活力に満ちている)感情と否定的(攻撃的)感情の間に及ぶ。色刺激から導出された感情は、「穏やか」、「快適」、および「友好的」等の快適な感情に関連した。電気的な味感覚内で、「塩辛い」は、「興味深い」および「熱心」な感情に綿密に関連した。酸っぱい味は、具体的な感情に特に関連しなかったが、しかしながら、これは、「退屈」な感情の線上にあった。チョコレートの匂いは、「友好的」、「落ち着いている」、「礼儀正しい」、「安定している」、および「思いやりがある」と同様に、多くの肯定的感情と綿密に関連付けられた。レモンの匂いは、いかなる具体的な感情とも緊密な関連付けを有していなかった。参加者は、興味深いものであるとき、蒸留酒の匂いを「大胆」な感情と関連付けた。類似の傾向に従って、参加者は、色、味、および匂いの組み合わせられた刺激が提供されたとき、異なる感情を報告した。例えば、蒸留酒の匂いは、「大胆」な感情と関連付けられた。蒸留酒の匂いが、酸っぱい味および緑色と組み合わせられると、参加者は、「アクティブ」であると感じた。対照的に、レモネード様の体験を模倣することを意図した、レモンの匂い、酸っぱい味、および黄色の組み合わせられた刺激は、「罪悪感」および「心配」な感情に関連した。
図11は、対応分析要因マップ上の、仮想コーヒーマグを介して送達された、異なる仮想風味刺激によって導出された感情を描写する。軸が、データの変動性の38.54%を示す。F1軸が、「嫌悪」および「退屈」に関連する感情を表示する一方、F2軸が、肯定的(「良好」)感情と否定的(「罪悪感」)感情との間に及ぶ。
本明細書に解説されるように、仮想コーヒーまたは仮想飲料物グラスのいずれかから仮想風味感覚を送達するときに導出される、種々の範囲の感情が、存在した。仮想コーヒーマグから導出された感情は、仮想飲料物グラスを使用して導出された感情と比較して、異なる感情に密接に結び付けられた。
熱い刺激は、「退屈」な感情に関連するため、単独で参加者に送達されたときに享受されなかったことに気付いたことは、興味深い。しかしながら、熱い刺激が、匂いと組み合わされたとき、参加者の応答が、有意に改変された。例えば、熱い+チョコレート刺激は、「大胆」な感情と関連付けられた一方、熱い+コーヒーは、「心配」な感情に関連した。対照的に、熱い+ミント刺激は、「穏やか」な感情と関連付けられた。
冷たい刺激は、単独または組み合わせにおいてシミュレートされると、いくつかの感情クラスタと関連付けられた。冷たい刺激は、「良好」および「嬉しい」感情に関連した一方、冷たい+コーヒーは、「良好」、「温厚」、および「穏やか」な感情に関連した。同様に、冷たい+チョコレート刺激は、「思いやりがある」、「興味深い」、および「友好的」感情に富むものと認知され、冷たい+ミント刺激は、「一体的」、「懐かしい」、「安定した」、および「自由」な感情と緊密に関連付けられた。ミントの匂いのみの刺激は、「礼儀正しい」および「冒険的」な感情と関連付けられた。類似の傾向が、コーヒーおよびチョコレートの匂い刺激とともに観察され、これは、「のどか」、「愛しい」、「楽しい」、「快適」、および「温かい」感情と関連付けられた。仮想コーヒーマグ内に与えられたほぼ全ての刺激が、肯定的感情に関連し、これは、最終的には、本装置だけではなく仮想風味感覚も伴う、良好なユーザ体験を表す。
実験結果の解説
本明細書に議論される実験の結果は、参加者が、1)異なる刺激構成を提示されたとき、種々の風味感覚を認知したこと、2)概して、異なるシミュレートされた風味感覚を好んだこと、3)提示された刺激に従って、異なる基本的味感覚を区別したこと、および4)異なる感情と種々のシミュレートされた風味感覚を関連付けたことを明らかにした。
予期されなかった、1つの重要な発見は、参加者が、刺激構成のうちのいずれも嫌わなかったことであった。本発見は、仮想風味成分が送達された方法が、従来的な飲用体験と有意に対照的であるため、有望である。個人が食品を消費している、従来的な体験では、揮発性香気化合物が、口の内側での咀嚼と通して口腔香気的に放出される。本明細書に説明されるアプローチでは、ユーザは、鼻腔香気的に放出された匂い刺激、舌の先端に印加された電気味刺激、および唇の外側に印加された熱刺激によって、刺激された。味感覚を送達するための、本明細書に議論されるアプローチは、全ての参加者にとって初めての体験であった。これは、「ネオフィック効果」を通してそれらの選好スコアに影響を及ぼしているとされる。本効果は、制御された実験環境においても新しいことを試す恐怖をもたらす。さらに、展開された2つの装置は、日常の用具より少し重く、それらと異なっており、したがって、これがまた、参加者の応答に悪影響を及ぼしているとされる。
加えて、本実施例のために使用される刺激構成は、個人の選好に対して較正されなかった。風味プロファイルを通してユーザに送達される風味の組み合わせはさらに、個人の選好に基づいて較正されてもよい。色、匂い、電気刺激、および熱刺激の好ましい強度レベルは、異なる参加者に基づいて変動されることができる。甘い味感覚に関して受け取られた応答は、仮想飲料物グラスから送達された刺激に基づいて、弱いと決定された。
組み合わせられた(色+味+匂い)刺激が、健全な「ちょうどよい」体験を送達するために見出された。例えば、酸っぱい味の認知において、レモン+酸っぱい+黄色は、単独で送達された電気的な酸っぱい感覚と比較して、より高い酸っぱい強度レベルを報告する。
仮想コーヒーカップは、匂いおよび熱刺激だけではなく、(例えば、舌への電気刺激を介した)任意の味刺激も提供するように設計された。しかしながら、電気味刺激がない状態で、ユーザが、熱および匂いの刺激のみの組み合わせに基づいて普通の水のみを飲用しているにもかかわらず、本明細書に議論されるような風味の感知を報告したことは、驚くべきことであった。故に、ある実施形態では、本明細書に開示されるようなモジュールおよび/または刺激の組み合わせが、ユーザに提供されてもよい。
異なる仮想風味感覚から導出された感情は、概して、肯定的感情であると考えられた。仮想飲料物グラスから報告された感情が、落ち着いた、穏やかな、快適な感情として認識された一方、仮想コーヒーマグから報告された感情が、活力に満ちた、幸せ、かつ陽気であるものとして識別されたこともまた、観察された。これらの感情は、概して、また、ソフトドリンクおよびコーヒーとも関連付けられる。
刺激のうちのいずれも、嫌悪または怒りに関連していなかった。これらの発見は、参加者が、刺激構成の大部分のものを享受したことを確認した。さらにより多くの匂いおよび色感覚が、本明細書に開示されるものより可能性として考えられる。
例示的な仮想飲料物デバイス1
一側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、知覚モジュールは、ユーザにシミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、ユーザの鼻に香りを送達するように位置付けられる、匂いモジュールと、ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/またはユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経に熱刺激を提供するための、熱モジュールとを備える、システムを包含する。
ある実施形態では、本システムはさらに、1つまたはそれを上回る画像を発生させるための、画像発生デバイスと、1つまたはそれを上回る画像のうちの少なくとも1つに対応するシミュレートされた風味感覚をプロセッサに伝送するための、通信モジュールとを備える。ある実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、場面データに基づいてシミュレートされた風味感覚に対応するデータを改変させる。
ある実施形態では、本システムはさらに、ユーザの頭部上に搭載されるように適合可能に構成される、構造フレームを備え、画像発生デバイスは、動画場面のユーザ観察のために構造フレームに搭載される。
ある実施形態では、匂いモジュールは、1つまたはそれを上回る匂いコンテナを備え、匂いコンテナはそれぞれ、香料を有する1つまたはそれを上回る組成物を備える。ある実施形態では、香料は、エッセンシャルオイルを含む。ある実施形態では、匂いモジュールはさらに、1つまたはそれを上回るエアポンプを備え、1つまたはそれを上回る匂いコンテナはそれぞれ、1つまたはそれを上回るエアポンプのうちの少なくとも1つと動作可能にインターフェースをとられる。ある実施形態では、匂いコンテナは、1つまたはそれを上回る組成物を吸収および/または含有するための媒体を備える。
ある実施形態では、熱モジュールは、加熱および/または冷却要素を備える。ある実施形態では、加熱および/または冷却要素は、熱電加熱および/または冷却要素である。ある実施形態では、冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、熱伝導性材料は、ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/またはユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/またはユーザの1つまたはそれを上回る神経と連通可能に接触する。ある実施形態では、冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、熱伝導性材料は、ユーザの舌と連通可能に接触する。ある実施形態では、熱伝導性材料は、金属である、および/またはそれを含む。ある実施形態では、熱伝導性材料は、95%の銀である。
ある実施形態では、熱刺激は、15℃~40℃である。
ある実施形態では、熱刺激は、20℃~38℃の急速な加熱と、冷却とを含む。
ある実施形態では、本システムは、液体を含有するための容器を備える。
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つが、容器に搭載される。
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールはさらに、1つまたはそれを上回る付加的モジュールを備え、1つまたはそれを上回る付加的モジュールは、風味感覚の異なる属性を刺激する。
ある実施形態では、ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む。ある実施形態では、1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む。
例示的な仮想飲料物デバイス2
一側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、知覚モジュールは、ユーザにシミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、ユーザの鼻に香りを送達するように位置付けられる、匂いモジュールと、ユーザの舌を電気的に刺激するための、電気味モジュールと、ユーザに視覚キューを提供するための、色投影モジュールとを備える、システムを包含する。
ある実施形態では、本システムはさらに、コンピューティングデバイスのプロセッサと、その上に記憶される命令を有する、メモリであって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、シミュレートされた風味感覚に対応するデータを受信および/またはそれにアクセスさせ、シミュレートされた風味感覚に対応するデータを使用させ、1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つを使用して、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達させる、メモリとを備える。ある実施形態では、本システムは、少なくとも1つの電気味モジュールを備え、命令は、プロセッサに、電気味モジュールを使用して、シミュレートされた風味感覚に対応する電気刺激をユーザの舌に送達させる。ある実施形態では、電気刺激は、0~200μAの電流を含む。ある実施形態では、電気刺激は、0~1,200Hzの周波数を含む。
ある実施形態では、電気味モジュールは、電極のセットと、電極のセットに動作可能に接続される、関数発生器とを備える。ある実施形態では、電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、電極は、約2mm離間される。ある実施形態では、電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、電極は、0.1mm~4mm離間される。ある実施形態では、関数発生器は、定電流源である、および/またはそれを備える。ある実施形態では、電極のセットは、伝導性材料である、および/またはそれを含む。ある実施形態では、伝導性材料は、金属または金属合金である、および/またはそれを含む。ある実施形態では、金属または金属合金は、少なくとも95%の銀を含む。ある実施形態では、伝導性材料は、伝導性ポリマーを含む。
ある実施形態では、匂いモジュールは、1つまたはそれを上回る匂いカートリッジを備え、匂いコンテナはそれぞれ、香料を有する1つまたはそれを上回る組成物を備える。ある実施形態では、香料は、エッセンシャルオイルを含む。ある実施形態では、匂いモジュールはさらに、1つまたはそれを上回るエアポンプを備え、1つまたはそれを上回る匂いコンテナはそれぞれ、1つまたはそれを上回るエアポンプのうちの少なくとも1つと動作可能にインターフェースをとられる。ある実施形態では、匂いコンテナは、1つまたはそれを上回る組成物を吸収および/または含有するための媒体を備える。
ある実施形態では、色モジュールは、1つまたはそれを上回る照明源を備える。
ある実施形態では、色モジュールは、1つまたはそれを上回る照明源のうちの少なくとも1つを分散させる、および/または和らげるための拡散要素を備える。
ある実施形態では、システムは、液体を含有するための容器を備える。
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つが、容器に搭載される。
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る知覚モジュールはさらに、1つまたはそれを上回る付加的モジュールを備え、1つまたはそれを上回る付加的モジュールは、風味感覚の異なる属性を刺激する。
コンピュータシステムおよびネットワーク環境
本明細書において議論されるように、種々の実施形態が、ネットワーク化された環境の一部として含まれ得ることが想定される。本節の説明は、いくつかの実施形態との併用のための例示的構成およびパラメータを提供することを意図しており、限定することを意図していない。
図12に示されるように、本明細書に説明されるように、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステム、方法、およびアーキテクチャを提供するステップにおける使用のためのネットワーク環境1200の実装が、示され、説明される。概略的大要において、ここで図12を参照すると、例示的クラウドコンピューティング環境1200のブロック図が、示され、説明されている。クラウドコンピューティング環境1200は、1つまたはそれを上回るリソースプロバイダ1202a、1202b、1202c(集合的に、1202)を含んでもよい。各リソースプロバイダ1202は、コンピューティングリソースを含んでもよい。いくつかの実装では、コンピューティングリソースは、データを処理するために使用される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでもよい。例えば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータプログラム、および/またはコンピュータアプリケーションを実行することが可能なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでもよい。いくつかの実装では、例示的コンピューティングリソースは、記憶および読出能力を伴うアプリケーションサーバおよび/またはデータベースを含んでもよい。各リソースプロバイダ1202は、クラウドコンピューティング環境1200内の任意の他のリソースプロバイダ1202に接続されてもよい。いくつかの実装では、リソースプロバイダ1202は、コンピュータネットワーク1208を経由して接続されてもよい。各リソースプロバイダ1202は、コンピュータネットワーク1208を経由して1つまたはそれを上回るコンピューティングデバイス1204a、1204b、1204c(集合的に、1204)に接続されてもよい。ある実施形態では、1つまたはそれを上回るコンピューティングデバイスが、本明細書に開示されるデバイス、方法、および/またはシステムの一部であってもよい。例えば、リソースプロバイダが、風味プロファイルを生成および/または改変するための風味プロファイルおよび/またはコンピュータアプリケーションを記憶してもよい。
クラウドコンピューティング環境1200は、リソースマネージャ1206を含んでもよい。リソースマネージャ1206は、コンピュータネットワーク1208を経由してリソースプロバイダ1202およびコンピューティングデバイス1204に接続されてもよい。いくつかの実装では、リソースマネージャ1206は、1つまたはそれを上回るリソースプロバイダ1202による、1つまたはそれを上回るコンピューティングデバイス1204へのコンピューティングリソースのプロビジョニングを促進してもよい。リソースマネージャ1206は、特定のコンピューティングデバイス1204からコンピューティングリソースに関する要求(例えば、シミュレートされた風味感覚、風味プロファイル)を受信してもよい。リソースマネージャ1206は、コンピューティングデバイス1204によって要求されるコンピューティングリソースを提供することが可能な1つまたはそれを上回るリソースプロバイダ1202を識別してもよい。リソースマネージャ1206は、コンピューティングリソースに提供するためのリソースプロバイダ1202を選択してもよい。リソースマネージャ1206は、リソースプロバイダ1202と特定のコンピューティングデバイス1204との間の接続を促進してもよい。いくつかの実装では、リソースマネージャ1206は、特定のリソースプロバイダ1202と特定のコンピューティングデバイス1204との間の接続を確立してもよい。いくつかの実装では、リソースマネージャ1206は、要求されたコンピューティングリソースを伴う特定のリソースプロバイダ1202に特定のコンピューティングデバイス1204をリダイレクトしてもよい。
図13は、本開示において説明される方法およびシステムを実装するために使用され得る、コンピューティングデバイス1300およびモバイルコンピューティングデバイス1350のある実施例を示す。コンピューティングデバイス1300は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の用途に適切なコンピュータ等の種々の形態のデジタルコンピュータを表すことを意図している。モバイルコンピューティングデバイス1350は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の類似コンピューティングデバイス等の種々の形態のモバイルデバイスを表すことを意図している。ここで示されるコンポーネント、それらの接続および関係、およびそれらの機能は、実施例であるように意図されているにすぎず、限定的となるように意図されていない。
コンピューティングデバイス1300は、プロセッサ1302と、メモリ1304と、記憶デバイス1306と、メモリ1304および複数の高速拡張ポート1310に接続する、高速インターフェース1308と、低速拡張ポート1314および記憶デバイス1306に接続する、低速インターフェース1312とを含む。プロセッサ1302、メモリ1304、記憶デバイス1306、高速インターフェース1308、高速拡張ポート1310、および低速インターフェース1312はそれぞれ、種々のバスを使用して相互接続され、共通マザーボード上に、または適宜他の様式で搭載されてもよい。プロセッサ1302は、高速インターフェース1308に結合されたディスプレイ1316等の外部入力/出力デバイス上のGUIのためにグラフィカル情報を表示するように、メモリ1304の中に、または記憶デバイス1306上に記憶された命令を含む、コンピューティングデバイス1300内での実行のための命令を処理することができる。他の実装では、複数のメモリおよびタイプのメモリとともに、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが適宜使用されてもよい。また、複数のコンピューティングデバイスが、接続されてもよく、各デバイスは、(例えば、サーババンク、ブレードサーバ群、またはマルチプロセッサシステムとして)必要な動作の部分を提供する。例えば、本明細書に開示されるように、コンピューティングデバイスは、知覚モジュールを個々に制御してもよい。ある実施形態では、各モジュールは、独立的なコンピューティングデバイスおよび/またはネットワーク化されたコンピューティングデバイスを通して独立的に動作されてもよい。ある実施形態では、単一のコンピューティングデバイスが、複数のモジュールを制御してもよい。したがって、本用語が本明細書で使用される際、複数の機能が、「プロセッサ」によって実施されるものとして説明される場合において、これは、複数の機能が任意の数の(1つまたはそれを上回る)コンピューティングデバイスの任意の数の(1つまたはそれを上回る)プロセッサによって実施される、実施形態を包含する。さらに、機能が、「プロセッサ」によって実施されるものとして説明される場合において、これは、機能が、(例えば、分散型コンピューティングシステム内の)任意の数の(1つまたはそれを上回る)コンピューティングデバイスの任意の数の(1つまたはそれを上回る)プロセッサによって実施される、実施形態を包含する。
メモリ1304は、コンピューティングデバイス1300内に情報を記憶する。いくつかの実装では、メモリ1304は、複数の揮発性メモリユニットまたは複数のユニットである。いくつかの実装では、メモリ1304は、不揮発性メモリユニットまたは複数のユニットである。メモリ1304はまた、磁気または光ディスク等の別の形態のコンピュータ可読媒体であってもよい。
記憶デバイス1306は、コンピューティングデバイス1300のための大容量記憶装置を提供することが可能である。いくつかの実装では、記憶デバイス1306は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリまたは他の類似ソリッドステートメモリデバイス、または記憶エリアネットワークまたは他の構成内にデバイスを含むデバイスのアレイ等のコンピュータ可読媒体である、またはそれを含有してもよい。ある実施形態では、コンピュータ可読媒体は、1つまたはそれを上回る風味プロファイルおよび/または風味に関するユーザの選好を記憶してもよい。命令は、情報担体内に記憶されることができる。命令は、情報担体内に記憶されることができる。命令は、1つまたはそれを上回る処理デバイス(例えば、プロセッサ1302)によって実行されると、本明細書に説明される等の1つまたはそれを上回る方法を実施する。例えば、ある実施形態では、命令は、標的風味プロファイルを受信するステップおよびプロファイルに基づいてユーザを刺激するステップを通して、ユーザにシミュレートされた風味プロファイルを提供してもよい。命令はまた、コンピュータまたは機械可読媒体(例えば、メモリ1304、記憶デバイス1306、またはプロセッサ1302上のメモリ)等の1つまたはそれを上回る記憶デバイスによって記憶されることもできる。
高速インターフェース1308が、コンピューティングデバイス1300のための帯域幅集中動作を管理する一方、低速インターフェース1312は、より低い帯域幅集中動作を管理する。そのような機能の配分は、実施例にすぎない。いくつかの実装では、高速インターフェース1308は、メモリ1304、(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通して)ディスプレイ1316、および種々の拡張カード(図示せず)が差し込まれ得る高速拡張ポート1310に結合される。本実装では、低速インターフェース1312は、記憶デバイス1306および低速拡張ポート1314に結合される。種々の通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)、無線Ethernet(登録商標))を含み得る、低速拡張ポート1314は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、または、例えば、ネットワークアダプタを通したスイッチまたはルータ等のネットワーキングデバイス等の1つまたはそれを上回る入力/出力デバイスに結合されてもよい。
コンピューティングデバイス1300は、図に示されるように、いくつかの異なる形態において実装されてもよい。例えば、これは、標準サーバ1320として、またはそのようなサーバ群の中で複数回実装されてもよい。加えて、これは、ラップトップコンピュータ1322等のパーソナルコンピュータ内に実装されてもよい。これはまた、ラックサーバシステム1324の一部として実装されてもよい。代替として、コンピューティングデバイス1300からのコンポーネントが、モバイルコンピューティングデバイス1350等のモバイルデバイス(図示せず)の中の他のコンポーネントと組み合わせられてもよい。そのようなデバイスはそれぞれ、コンピューティングデバイス1300およびモバイルコンピューティングデバイス1350のうちの1つまたはそれを上回るものを含有してもよく、システム全体が、相互に通信する複数のコンピューティングデバイスで構成されてもよい。例えば、ある実施形態では、ラップトップまたはサーバが、ユーザに同時または個々にシミュレートされた風味感覚を送達するために使用されてもよい。
モバイルコンピューティングデバイス1350は、他のコンポーネントの中でもとりわけ、プロセッサ1352と、メモリ1364と、ディスプレイ1354等の入力/出力デバイスと、通信インターフェース1366と、送受信機1368とを含む。モバイルコンピューティングデバイス1350はまた、付加的な記憶装置を提供するように、マイクロドライブまたは他のデバイス等の記憶デバイスを提供されてもよい。プロセッサ1352、メモリ1364、ディスプレイ1354、通信インターフェース1366、および送受信機1368はそれぞれ、種々のバスを使用して相互接続され、コンポーネントのうちのいくつかは、共通マザーボード上に、または適宜他の様式において搭載されてもよい。
プロセッサ1352は、メモリ1364内に記憶された命令を含む、命令をモバイルコンピューティングデバイス1350内で実行することができる。プロセッサ1352は、別個かつ複数のアナログおよびデジタルプロセッサを含む、チップのチップセットとして実装されてもよい。プロセッサ1352は、例えば、ユーザインターフェース、モバイルコンピューティングデバイス1350によって起動されるアプリケーション、およびモバイルコンピューティングデバイス1350による無線通信の制御等のモバイルコンピューティングデバイス1350の他のコンポーネントの協調を提供してもよい。ある実施形態では、プロセッサは、本明細書に開示されるように、例えば、1つまたはそれを上回る知覚モジュールの協調を提供してもよい。
プロセッサ1352は、制御インターフェース1358およびディスプレイ1354に結合されたディスプレイインターフェース1356を通して、ユーザと通信してもよい。ディスプレイ1354は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイ、またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であってもよい。ディスプレイインターフェース1356は、グラフィカルおよび他の情報をユーザに提示するようにディスプレイ1354を駆動するための適切な回路網を備えてもよい。ある実施形態では、グラフィカルな情報は、電流および/または所望の風味プロファイルに関する情報を含んでもよい。ある他の実施形態では、グラフィカルな情報は、ユーザ固有の風味プロファイルに関する情報を含んでもよい。制御インターフェース1358は、ユーザからコマンドを受信し、それらをプロセッサ1352へのサブミッションのために変換してもよい。加えて、外部インターフェース1362が、他のデバイスとのモバイルコンピューティングデバイス1350の近距離通信を可能にするように、プロセッサ1352との通信を提供してもよい。外部インターフェース1362は、例えば、いくつかの実装では有線通信、または他の実装では無線通信を提供してもよく、複数のインターフェースもまた、使用されてもよい。
メモリ1364は、モバイルコンピューティングデバイス1350内に情報を記憶する。メモリ1364は、コンピュータ可読媒体または複数の媒体、揮発性メモリユニットまたは複数のユニット、または不揮発性メモリユニットまたは複数のユニットのうちの1つまたはそれを上回るものとして実装されることができる。拡張メモリ1374もまた、提供され、例えば、SIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインターフェースを含み得る、拡張インターフェース1372を通してモバイルコンピューティングデバイス1350に接続されてもよい。拡張メモリ1374は、モバイルコンピューティングデバイス1350のための余剰記憶空間を提供してもよい、またはモバイルコンピューティングデバイス1350のためのアプリケーションまたは他の情報も記憶してもよい。具体的には、拡張メモリ1374は、上記で説明されるプロセスを行う、または補完するための命令を含んでもよく、セキュアな情報も含んでもよい。例えば、ある実施形態では、拡張メモリは、拡張メモリを切り替える、追加する、および/または除去するステップが風味プロファイルを改変するように、シミュレートされた風味感覚に関する命令を提供してもよい。このように、拡張メモリは、ゲーム用カートリッジと同様に作用してもよい。ある実施形態では、拡張メモリ1374が、モバイルコンピューティングデバイス1350のためのセキュリティモジュールとして提供されてもよく、モバイルコンピューティングデバイス1350のセキュアな使用を可能にする命令を用いてプログラムされてもよい。ある実施形態では、提供される命令は、本明細書に説明されるように、1つまたはそれを上回る安全方策の使用を通してユーザ安全性を提供してもよい。加えて、セキュアなアプリケーションが、ハッキング不可能な様式においてSIMMカード上に識別情報を置くこと等、付加的な情報に加えて、SIMMカードを介して提供されてもよい。
メモリは、例えば、下記で議論されるようなフラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含んでもよい。いくつかの実装では、命令は、情報担体内に記憶され、1つまたはそれを上回る処理デバイス(例えば、プロセッサ1352)によって実行されると、上記で説明されるもの等の1つまたはそれを上回る方法を実施する。命令はまた、1つまたはそれを上回るコンピュータまたは機械可読媒体(例えば、メモリ1364、拡張メモリ1374、またはプロセッサ1352上のメモリ)等の1つまたはそれを上回る記憶デバイスによって記憶されてもよい。いくつかの実装では、命令は、例えば、送受信機1368または外部インターフェース1362を経由して、伝搬信号内で受信されることができる。
モバイルコンピューティングデバイス1350は、必要な場合にデジタル信号処理回路網を含み得る、通信インターフェース1366を通して無線で通信してもよい。通信インターフェース1366は、とりわけ、GSM(登録商標)音声通話(汎欧州デジタル移動電話方式)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(符号分割多元接続)、PDC(パーソナルデジタルセルラ)、WCDMA(登録商標)(広帯域符号分割多元接続)、CDMA2000、またはGPRS(汎用パケット無線サービス)等の種々のモードまたはプロトコルの下で通信を提供してもよい。そのような通信は、例えば、無線周波数を使用して、送受信機1368を通して生じ得る。加えて、短距離通信が、Bluetooth(登録商標)、Wi-FiTM、または他のそのような送受信機(図示せず)等を使用して生じ得る。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール1370が、モバイルコンピューティングデバイス1350上で起動するアプリケーションによって適宜使用され得る、付加的なナビゲーションおよび場所関連無線データをモバイルコンピューティングデバイス1350に提供してもよい。
モバイルコンピューティングデバイス1350はまた、ユーザから口頭の情報を受信し、これを使用可能なデジタル情報に変換し得る、オーディオコーデック1360を使用して、可聴に通信してもよい。オーディオコーデック1360は、同様に、例えば、モバイルコンピューティングデバイス1350のハンドセットの中で、スピーカ等を通してユーザのための可聴音を発生させてもよい。そのような音は、音声通話からの音を含んでもよく、録音された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイル等)を含んでもよく、また、モバイルコンピューティングデバイス1350上で動作するアプリケーションによって発生される音を含んでもよい。
モバイルコンピューティングデバイス1350は、図に示されるように、いくつかの異なる形態において実装されてもよい。例えば、これは、携帯電話1380として実装されてもよい。これはまた、スマートフォン1382、携帯情報端末、または他の類似モバイルデバイスの一部として実装されてもよい。
ここで説明されるシステムおよび方法の種々の実装は、デジタル電子回路網、集積回路網、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現されることができる。これらの種々の実装は、特殊目的または汎用目的であり、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、およびそこへデータおよび命令を伝送するように結合され得る、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含む、プログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能である、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても公知である)は、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高次プロシージャおよび/またはオブジェクト指向プログラミング言語において、および/またはアセンブリ/機械言語において実装されることができる。本明細書で使用されるように、用語「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。用語「機械可読信号」は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意の信号を指す。
ユーザとの相互作用を提供するために、ここで説明されるシステムおよび方法は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、それによってユーザが入力をコンピュータに提供し得るキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有する、コンピュータ上で実装されることができる。他の種類のデバイスも、ユーザとの相互作用を提供するために使用されることができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であることができ、ユーザからの入力は、音響、発話、または触覚入力を含む、任意の形態において受信されることができる。本明細書に説明されるある実施形態、システム、および方法では、コンピュータは、本明細書に説明されるように、仮想現実および/または拡張現実システムとともに組み込まれてもよい。例えば、ディスプレイデバイスが、ユーザの頭部に搭載されてもよい。ある実施形態では、仮想現実および/または拡張現実システムはまた、および/または代替として、本明細書に説明されるように、ユーザに提供される音に基づいて、風味を改変するためのオーディオキューを組み込んでもよい。
ここで説明されるシステムおよび技法は、(例えば、データサーバとしての)バックエンドコンポーネントを含む、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを有するクライアントコンピュータまたは携帯電話、またはそれを通してユーザが本明細書に説明されるシステムおよび方法の実施形態と相互作用し得るウェブブラウザ)を含む、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステム内に実装されることができる。本システムのコンポーネントは、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続されることができる。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、およびインターネットを含む。
コンピューティングシステムは、クライアントと、サーバとを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して、相互から遠隔にあり、典型的には、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、個別のコンピュータ上で起動され、相互にクライアント/サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。例えば、ある実施形態では、携帯電話が、遠隔サーバからの風味プロファイルを受信した、および/または風味感覚をシミュレートした、クライアントとして作用してもよい。
いくつかの実装では、本明細書に説明されるモジュール(例えば、データ集約モジュール1330、マッピングモジュール1350、仕様モジュール1370)は、分離される、組み合わせられる、または単一の、または組み合わせられたモジュールに組み込まれることができる。図に描写されるモジュールは、本明細書に説明されるシステムを、その中に示されるソフトウェアシステムおよびアーキテクチャに限定することを意図していない。
本明細書に説明される、異なる実装の要素が、上記に具体的に述べられていない他の実装を形成するように組み合わせられ得る。要素は、それらの動作に悪影響を及ぼすことなく、本明細書に説明されるプロセス、コンピュータプログラム、データベース等から除外され得る。加えて、図内に描写される論理フローは、望ましい結果を達成するために示される特定の順序または順次順序を要求するものではない。種々の別個の要素は、本明細書に説明される機能を実施するために、1つまたはそれを上回る個々の要素に組み合わせられてもよい。装置およびシステムが具体的な構成要素を有する、含む、または備えるものとして説明される、または、プロセスおよび方法が具体的なステップを有する、含む、または備えるものとして説明される、説明の全体を通して、加えて、列挙される構成要素から本質的になる、またはそれらから成る、本発明の装置およびシステムが存在すること、および、列挙される処理ステップから本質的に成る、またはそれらから成る、本発明によるプロセスおよび方法が存在することが、想定される。
ステップの順序またはあるアクションを実施するための順序が、本発明が動作可能なままである限り、重要ではないことを理解されたい。また、2つまたはそれを上回るステップまたはアクションが、同時に行われてもよい。
本発明は、具体的な好ましい実施形態を参照して具体的に示され、説明されているが、添付の請求項によって定義されるような本発明の蒸留酒および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の種々の変更がその中に成され得ることが、当業者によって理解されるはずである。
均等物
当業者は、日常的にすぎない実験を使用して、本明細書に説明される発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識するであろう、または確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図しておらず、むしろ、以下の請求項で述べられている通りである。
別の側面では、本開示は、ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、シミュレートされた風味感覚に対応する、標的風味プロファイルを受信するステップと、対象の鼻に、標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注すること、標的風味プロファイルに対応して、ユーザの舌を電気的に刺激すること、および/または標的風味プロファイルに対応する、光の1つまたはそれを上回る色を投影することによって、少なくとも標的風味プロファイルに基づいてユーザを刺激するステップとを含む、方法を包含する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、上記システムは、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、上記知覚モジュールは、
上記ユーザに上記シミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、上記ユーザの鼻に上記香りを送達するように位置付けられる匂いモジュール、
上記ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/または上記ユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/または上記ユーザの1つまたはそれを上回る神経に熱刺激を提供するための熱モジュール、
上記ユーザの舌を電気的に刺激するための電気味モジュール、および/または
上記ユーザに視覚キューを提供するための色投影モジュール
を含む群から選択される、システム。
(項目2)
上記システムはさらに、
コンピューティングデバイスのプロセッサと、
メモリであって、上記メモリは、その上に記憶される命令を有し、上記命令は、上記プロセッサによって実行されると、上記プロセッサに、
上記シミュレートされた風味感覚に対応するデータを受信および/またはそれにアクセスすることと、
上記シミュレートされた風味感覚に対応する上記データを使用し、上記1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つを使用して、上記ユーザに上記シミュレートされた風味感覚を送達することと
を行わせる、メモリと
を備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記システムは、少なくとも1つの電気味モジュールを備え、上記命令は、上記プロセッサに、上記電気味モジュールを使用して、上記シミュレートされた風味感覚に対応する電気刺激を上記ユーザの舌に送達させる、項目2に記載のシステム。
(項目4)
上記電気刺激は、0~200μAの電流を含む、項目3に記載のシステム。
(項目5)
上記電気刺激は、0~1,200Hzの周波数を含む、項目3または4に記載のシステム。
(項目6)
上記システムはさらに、
1つまたはそれを上回る画像を発生させるための画像発生デバイスと、
上記1つまたはそれを上回る画像のうちの少なくとも1つに対応する上記シミュレートされた風味感覚を上記プロセッサに伝送するための通信モジュールと
を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
上記命令は、上記プロセッサによって実行されると、上記プロセッサに、場面データに基づいて上記シミュレートされた風味感覚に対応する上記データを改変させる、項目6に記載のシステム。
(項目8)
上記システムはさらに、上記ユーザの頭部上に搭載されるように適合可能に構成される構造フレームを備え、上記画像発生デバイスは、動画場面のユーザ観察のために上記構造フレームに搭載される、項目6または7に記載のシステム。
(項目9)
上記電気味モジュールは、
電極のセットと、
上記電極のセットに動作可能に接続される関数発生器と
を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目10)
上記電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、上記電極は、約2mm離間される、項目9に記載のシステム。
(項目11)
上記電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、上記電極は、0.1mm~4mm離間される、項目9に記載のシステム。
(項目12)
上記関数発生器は、定電流源である、および/またはそれを備える、項目9-11のいずれか1項に記載のシステム。
(項目13)
上記電極のセットは、伝導性材料である、および/またはそれを含む、項目9-12のいずれか1項に記載のシステム。
(項目14)
上記伝導性材料は、金属または金属合金である、および/またはそれを含む、項目13に記載のシステム。
(項目15)
上記金属または金属合金は、少なくとも95%の銀を含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
上記伝導性材料は、伝導性ポリマーを含む、項目13-15のいずれか1項に記載のシステム。
(項目17)
上記匂いモジュールは、1つまたはそれを上回る匂いコンテナを備え、上記匂いコンテナはそれぞれ、香料を有する1つまたはそれを上回る組成物を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目18)
上記香料は、エッセンシャルオイルを含む、項目17に記載のシステム。
(項目19)
上記匂いモジュールはさらに、1つまたはそれを上回るエアポンプを備え、上記1つまたはそれを上回る匂いコンテナはそれぞれ、上記1つまたはそれを上回るエアポンプのうちの少なくとも1つと動作可能にインターフェースをとられる、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目20)
上記匂いコンテナは、上記1つまたはそれを上回る組成物を吸収および/または含有するための媒体を備える、項目17-19のいずれか1項に記載のシステム。
(項目21)
上記熱モジュールは、加熱および/または冷却要素を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目22)
上記加熱および/または冷却要素は、熱電加熱および/または冷却要素である、項目21に記載のシステム。
(項目23)
上記冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、上記熱伝導性材料は、上記ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/または上記ユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/または上記ユーザの1つまたはそれを上回る神経と連通可能に接触する、項目21または22に記載のシステム。
(項目24)
上記冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、上記熱伝導性材料は、上記ユーザの舌と連通可能に接触する、項目21-23のいずれか1項に記載のシステム。
(項目25)
上記熱伝導性材料は、金属である、および/またはそれを含む、項目23または24に記載のシステム。
(項目26)
上記熱伝導性材料は、95%の銀である、項目25に記載のシステム。
(項目27)
上記熱刺激は、15℃~40℃である、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目28)
上記熱刺激は、20℃~38℃の急速な加熱と、冷却とを含む、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目29)
上記色モジュールは、1つまたはそれを上回る照明源を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目30)
上記色モジュールは、上記1つまたはそれを上回る照明源のうちの少なくとも1つを分散させる、および/または和らげるための拡散要素を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目31)
上記システムは、液体を含有するための容器を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目32)
上記1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つが、容器に搭載される、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目33)
上記システムは、食品を消費するための食事用具を備える、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目34)
上記1つまたはそれを上回る知覚モジュールはさらに、1つまたはそれを上回る付加的モジュールを備え、上記1つまたはそれを上回る付加的モジュールは、風味感覚の異なる属性を刺激する、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目35)
上記ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目36)
上記1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む、項目35に記載のシステム。
(項目37)
ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、上記方法は、
シミュレートされた風味感覚に対応する標的風味プロファイルを受信することと、
以下、すなわち、
対象の鼻に、上記標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注すること、
熱モジュールを使用して、ユーザの舌の一部、および/または上記ユーザの上唇の一部、および/または上記上唇と鼻との間の面積の一部、および/または1つまたはそれを上回る神経を加熱または冷却することであって、上記熱モジュールの温度は、上記標的風味プロファイルに対応する、こと、
上記標的風味プロファイルに対応して、上記ユーザの舌を電気的に刺激すること、および/または
上記標的風味プロファイルに対応する光の1つまたはそれを上回る色を投影すること
のうちの1つまたはそれを上回るものを実施することによって、少なくとも上記標的風味プロファイルに基づいて上記ユーザを刺激することと
を含む、方法。
(項目38)
上記ユーザを刺激するステップはさらに、上記ユーザに示される1つまたはそれを上回る画像に基づいて上記ユーザを刺激することを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
上記ユーザの舌を電気的に刺激することは、上記ユーザの舌に電気信号を送達することを含む、項目37または38に記載の方法。
(項目40)
上記電気信号は、0~200μAの電流を含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
上記電気信号は、0~1,200Hzの周波数を含む、項目37または40に記載のシステム。
(項目42)
上記電気信号は、苦い味に対応する、項目39-41のいずれか1項に記載のシステム。
(項目43)
上記電気信号は、酸っぱい味に対応する、項目39-42のいずれか1項に記載のシステム。
(項目44)
上記電気信号は、塩辛い味に対応する、項目39-43のいずれか1項に記載のシステム。
(項目45)
上記1つまたはそれを上回る香料を分注することは、上記ユーザの鼻に上記1つまたはそれを上回る香料のうちの少なくとも1つを吹送することを含む、項目37-44のいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
上記1つまたはそれを上回る香料を分注することはさらに、上記1つまたはそれを上回る香料の分注をペーシングすることを含む、項目37-45のいずれか1項に記載の方法。
(項目47)
上記加熱または冷却することは、加熱および/または冷却要素を15℃~40℃の温度に加熱または冷却することを含む、項目37-46のいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
上記加熱または冷却することは、甘い味に対応し、約18℃~約38℃に急速に加熱および冷却することを含む、項目37-47のいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
上記方法は、ユーザが居住する、および/または拠点とする地域に基づいて上記標的風味プロファイルを更新することを含む、項目37-48のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
上記方法は、上記ユーザに提示されるシナリオに基づいて上記標的風味プロファイルを更新することを含む、項目37-49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
上記方法は、上記ユーザに関する1つまたはそれを上回る予め較正されたプロファイルに基づいて上記標的風味プロファイルを更新することを含む、項目37-50のいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
上記ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む、項目37-51のいずれか1項に記載の方法。
(項目53)
上記1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、上記システムは、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、上記知覚モジュールは、
上記ユーザに上記シミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、上記ユーザの鼻に上記香りを送達するように位置付けられる匂いモジュールと、
上記ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/または上記ユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/または上記ユーザの1つまたはそれを上回る神経に熱刺激を提供するための熱モジュールと
を備える、システム。
(項目55)
ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、上記システムは、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、上記知覚モジュールは、
上記ユーザに上記シミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、上記ユーザの鼻に上記香りを送達するように位置付けられる匂いモジュールと、
上記ユーザの舌を電気的に刺激するための電気味モジュールと、
上記ユーザに視覚キューを提供するための色投影モジュールと
を備える、システム。
(項目56)
ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、上記方法は、
シミュレートされた風味感覚に対応する標的風味プロファイルを受信することと、
対象の鼻に、上記標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注することと、
熱モジュールを使用して、ユーザの舌の一部、および/または上記ユーザの上唇の一部、および/または上記上唇と鼻との間の面積の一部、および/または1つまたはそれを上回る神経を加熱または冷却することであって、上記熱モジュールの温度は、上記標的風味プロファイルに対応する、ことと
によって、少なくとも上記標的風味プロファイルに基づいて上記ユーザを刺激することと
を含む、方法。
(項目57)
ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、上記方法は、
シミュレートされた風味感覚に対応する標的風味プロファイルを受信することと、
対象の鼻に、上記標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注することと、
上記標的風味プロファイルに対応して、上記ユーザの舌を電気的に刺激することと、
上記標的風味プロファイルに対応する光の1つまたはそれを上回る色を投影することと
によって、少なくとも上記標的風味プロファイルに基づいて上記ユーザを刺激することと
を含む、方法。

Claims (57)

  1. ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、前記システムは、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、前記知覚モジュールは、
    前記ユーザに前記シミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、前記ユーザの鼻に前記香りを送達するように位置付けられる匂いモジュール、
    前記ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/または前記ユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/または前記ユーザの1つまたはそれを上回る神経に熱刺激を提供するための熱モジュール、
    前記ユーザの舌を電気的に刺激するための電気味モジュール、および/または
    前記ユーザに視覚キューを提供するための色投影モジュール
    を含む群から選択される、システム。
  2. 前記システムはさらに、
    コンピューティングデバイスのプロセッサと、
    メモリであって、前記メモリは、その上に記憶される命令を有し、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
    前記シミュレートされた風味感覚に対応するデータを受信および/またはそれにアクセスすることと、
    前記シミュレートされた風味感覚に対応する前記データを使用し、前記1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つを使用して、前記ユーザに前記シミュレートされた風味感覚を送達することと
    を行わせる、メモリと
    を備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記システムは、少なくとも1つの電気味モジュールを備え、前記命令は、前記プロセッサに、前記電気味モジュールを使用して、前記シミュレートされた風味感覚に対応する電気刺激を前記ユーザの舌に送達させる、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記電気刺激は、0~200μAの電流を含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記電気刺激は、0~1,200Hzの周波数を含む、請求項3または4に記載のシステム。
  6. 前記システムはさらに、
    1つまたはそれを上回る画像を発生させるための画像発生デバイスと、
    前記1つまたはそれを上回る画像のうちの少なくとも1つに対応する前記シミュレートされた風味感覚を前記プロセッサに伝送するための通信モジュールと
    を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、場面データに基づいて前記シミュレートされた風味感覚に対応する前記データを改変させる、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記システムはさらに、前記ユーザの頭部上に搭載されるように適合可能に構成される構造フレームを備え、前記画像発生デバイスは、動画場面のユーザ観察のために前記構造フレームに搭載される、請求項6または7に記載のシステム。
  9. 前記電気味モジュールは、
    電極のセットと、
    前記電極のセットに動作可能に接続される関数発生器と
    を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 前記電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、前記電極は、約2mm離間される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記電極のセットは、少なくとも2つの電極を含み、前記電極は、0.1mm~4mm離間される、請求項9に記載のシステム。
  12. 前記関数発生器は、定電流源である、および/またはそれを備える、請求項9-11のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 前記電極のセットは、伝導性材料である、および/またはそれを含む、請求項9-12のいずれか1項に記載のシステム。
  14. 前記伝導性材料は、金属または金属合金である、および/またはそれを含む、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記金属または金属合金は、少なくとも95%の銀を含む、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記伝導性材料は、伝導性ポリマーを含む、請求項13-15のいずれか1項に記載のシステム。
  17. 前記匂いモジュールは、1つまたはそれを上回る匂いコンテナを備え、前記匂いコンテナはそれぞれ、香料を有する1つまたはそれを上回る組成物を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  18. 前記香料は、エッセンシャルオイルを含む、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記匂いモジュールはさらに、1つまたはそれを上回るエアポンプを備え、前記1つまたはそれを上回る匂いコンテナはそれぞれ、前記1つまたはそれを上回るエアポンプのうちの少なくとも1つと動作可能にインターフェースをとられる、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
  20. 前記匂いコンテナは、前記1つまたはそれを上回る組成物を吸収および/または含有するための媒体を備える、請求項17-19のいずれか1項に記載のシステム。
  21. 前記熱モジュールは、加熱および/または冷却要素を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  22. 前記加熱および/または冷却要素は、熱電加熱および/または冷却要素である、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、前記熱伝導性材料は、前記ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/または前記ユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/または前記ユーザの1つまたはそれを上回る神経と連通可能に接触する、請求項21または22に記載のシステム。
  24. 前記冷却および/または加熱要素は、熱伝導性材料と動作可能にインターフェースをとられ、前記熱伝導性材料は、前記ユーザの舌と連通可能に接触する、請求項21-23のいずれか1項に記載のシステム。
  25. 前記熱伝導性材料は、金属である、および/またはそれを含む、請求項23または24に記載のシステム。
  26. 前記熱伝導性材料は、95%の銀である、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記熱刺激は、15℃~40℃である、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  28. 前記熱刺激は、20℃~38℃の急速な加熱と、冷却とを含む、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  29. 前記色モジュールは、1つまたはそれを上回る照明源を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  30. 前記色モジュールは、前記1つまたはそれを上回る照明源のうちの少なくとも1つを分散させる、および/または和らげるための拡散要素を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  31. 前記システムは、液体を含有するための容器を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  32. 前記1つまたはそれを上回る知覚モジュールのうちの少なくとも1つが、容器に搭載される、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  33. 前記システムは、食品を消費するための食事用具を備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  34. 前記1つまたはそれを上回る知覚モジュールはさらに、1つまたはそれを上回る付加的モジュールを備え、前記1つまたはそれを上回る付加的モジュールは、風味感覚の異なる属性を刺激する、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  35. 前記ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  36. 前記1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む、請求項35に記載のシステム。
  37. ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、前記方法は、
    シミュレートされた風味感覚に対応する標的風味プロファイルを受信することと、
    以下、すなわち、
    対象の鼻に、前記標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注すること、
    熱モジュールを使用して、ユーザの舌の一部、および/または前記ユーザの上唇の一部、および/または前記上唇と鼻との間の面積の一部、および/または1つまたはそれを上回る神経を加熱または冷却することであって、前記熱モジュールの温度は、前記標的風味プロファイルに対応する、こと、
    前記標的風味プロファイルに対応して、前記ユーザの舌を電気的に刺激すること、および/または
    前記標的風味プロファイルに対応する光の1つまたはそれを上回る色を投影すること
    のうちの1つまたはそれを上回るものを実施することによって、少なくとも前記標的風味プロファイルに基づいて前記ユーザを刺激することと
    を含む、方法。
  38. 前記ユーザを刺激するステップはさらに、前記ユーザに示される1つまたはそれを上回る画像に基づいて前記ユーザを刺激することを含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記ユーザの舌を電気的に刺激することは、前記ユーザの舌に電気信号を送達することを含む、請求項37または38に記載の方法。
  40. 前記電気信号は、0~200μAの電流を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記電気信号は、0~1,200Hzの周波数を含む、請求項37または40に記載のシステム。
  42. 前記電気信号は、苦い味に対応する、請求項39-41のいずれか1項に記載のシステム。
  43. 前記電気信号は、酸っぱい味に対応する、請求項39-42のいずれか1項に記載のシステム。
  44. 前記電気信号は、塩辛い味に対応する、請求項39-43のいずれか1項に記載のシステム。
  45. 前記1つまたはそれを上回る香料を分注することは、前記ユーザの鼻に前記1つまたはそれを上回る香料のうちの少なくとも1つを吹送することを含む、請求項37-44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記1つまたはそれを上回る香料を分注することはさらに、前記1つまたはそれを上回る香料の分注をペーシングすることを含む、請求項37-45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記加熱または冷却することは、加熱および/または冷却要素を15℃~40℃の温度に加熱または冷却することを含む、請求項37-46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記加熱または冷却することは、甘い味に対応し、約18℃~約38℃に急速に加熱および冷却することを含む、請求項37-47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記方法は、ユーザが居住する、および/または拠点とする地域に基づいて前記標的風味プロファイルを更新することを含む、請求項37-48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記方法は、前記ユーザに提示されるシナリオに基づいて前記標的風味プロファイルを更新することを含む、請求項37-49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記方法は、前記ユーザに関する1つまたはそれを上回る予め較正されたプロファイルに基づいて前記標的風味プロファイルを更新することを含む、請求項37-50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記ユーザの1つまたはそれを上回る神経は、1つまたはそれを上回る脳神経を含む、請求項37-51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記1つまたはそれを上回る脳神経は、三叉神経である、またはそれを含む、請求項52に記載の方法。
  54. ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、前記システムは、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、前記知覚モジュールは、
    前記ユーザに前記シミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、前記ユーザの鼻に前記香りを送達するように位置付けられる匂いモジュールと、
    前記ユーザの舌の一部、および/または上唇および/または下唇の一部、および/または前記ユーザの上唇と鼻との間の面積の一部、および/または前記ユーザの1つまたはそれを上回る神経に熱刺激を提供するための熱モジュールと
    を備える、システム。
  55. ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達するためのシステムであって、前記システムは、1つまたはそれを上回る知覚モジュールを備え、前記知覚モジュールは、
    前記ユーザに前記シミュレートされた風味感覚に対応する香りを提供するための、前記ユーザの鼻に前記香りを送達するように位置付けられる匂いモジュールと、
    前記ユーザの舌を電気的に刺激するための電気味モジュールと、
    前記ユーザに視覚キューを提供するための色投影モジュールと
    を備える、システム。
  56. ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、前記方法は、
    シミュレートされた風味感覚に対応する標的風味プロファイルを受信することと、
    対象の鼻に、前記標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注することと、
    熱モジュールを使用して、ユーザの舌の一部、および/または前記ユーザの上唇の一部、および/または前記上唇と鼻との間の面積の一部、および/または1つまたはそれを上回る神経を加熱または冷却することであって、前記熱モジュールの温度は、前記標的風味プロファイルに対応する、ことと
    によって、少なくとも前記標的風味プロファイルに基づいて前記ユーザを刺激することと
    を含む、方法。
  57. ユーザにシミュレートされた風味感覚を送達する方法であって、前記方法は、
    シミュレートされた風味感覚に対応する標的風味プロファイルを受信することと、
    対象の鼻に、前記標的風味プロファイルに対応する1つまたはそれを上回る香料を分注することと、
    前記標的風味プロファイルに対応して、前記ユーザの舌を電気的に刺激することと、
    前記標的風味プロファイルに対応する光の1つまたはそれを上回る色を投影することと
    によって、少なくとも前記標的風味プロファイルに基づいて前記ユーザを刺激することと
    を含む、方法。
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