JP2023538233A - 磁気変形可能機械及び変形可能3d磁気機械を製作する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヘテロジニアスボクセルを備える磁気変形可能機械を製作する方法、並びに変形可能3D磁気機械に関し、磁気機械は10000mm未満のサイズを有し、磁気機械は複数のボクセルを含み、そのうちの少なくともいくつかは磁性を有し、ボクセルのうちの少なくともいくつかは500MPa未満のヤング率を有し、複数のボクセルは結合剤で互いに結合され、各ボクセルは、所定の形状、サイズを有し、所定の磁気特性及び所定の材料特性を有する。

Description

本発明は、ヘテロジニアスボクセルを備える磁気変形可能機械を製作する方法、並びに変形可能3D磁気機械に関し、磁気機械は10000mm未満のサイズを有し、磁気機械は複数のボクセルを備え、ボクセルのうちの少なくともいくつかは磁性を有し、ボクセルのうちの少なくとも1つは500MPa未満のヤング率を有し、複数のボクセルは結合剤で互いに結合され、各ボクセルは、所定の形状、サイズを有し、所定の磁気特性及び所定の材料特性を有する。
外部刺激に応答する小規模の柔らかい本体を有する機械は、生体模倣ロボット工学、マイクロファクトリ、及び低侵襲医療用装置において革新的な用途の見込みがある。外部磁場は、柔らかい機械の安全な、迅速な、正確な、器用な、且つ無線の作動のための有望な刺激の選択肢として出現している。そのような磁気機械の全体的なサイズがミリメートルスケールまで小さくなると、それらの設計及び機能性は、材料、幾何学的形状、及び磁化プロファイルの限定された選択だけで機能する利用可能な製作方法により強く制約されてきた。
最近の研究が、小規模磁気ソフト機械の製作を、2次元(2D)金型成形及びレーザー切断法から、押出成形ベース及び紫外線(UV)リソグラフィベースの3D印刷法に前進させた一方で、任意の3D磁気プログラミング及び幾何学的形状を有する複数の任意の材料組成物の一体化は、まだ成し遂げられていない。更には、既存の方法は、それを更に改善することを制限するいくつかの基本的な制約に苦労している。具体的には、押出成形ベースの手法は、貯蔵弾性率の厳しい要求、追加される磁性粒子により引き起こされる性能劣化、及びソフトエラストマの押出成形物の膨張ゆえに、より細かい磁性の柔らかい繊維を織って複雑な構造に製作することができない。そして、未硬化液体フォトレジスト中での磁性粒子の強い局所相互作用により、隣接するボクセルの任意の磁化をリソグラフィベースの手法によりプログラムすることが制限される。
これらの課題を考慮すると、本発明の目的は、mm範囲を下回るスケールにおいてさえ、できる限り容易且つ再現可能な方法で生産でき、上記の欠点を克服する、磁気変形可能機械を製作する方法を利用可能にすることがある。本発明の更なる目的は、標的部位において遠隔で変形させることができ、標的部位に到達する前に様々な環境を通して移動させることができる、磁気機械を利用可能にすることである。
この目的は、それぞれの独立請求項の主題に従う方法及び磁気変形可能機械により満たされる。
ヘテロジニアスボクセル、すなわち異なる特徴、特性、及び組成のボクセルを含む磁気変形可能機械を製作するそのような方法は、
磁気機械の変形特性を定めるステップと、
磁気機械の変形特性を参照して、磁気機械のブループリントを作成するステップと、
複数のボクセルを提供するステップであって、ボクセルのうちの少なくとも1つ、好ましくはいくつかが磁性を有し、複数のボクセルのうちの少なくとも1つは500MPa未満のヤング率を有する、ステップと、
作成されたブループリントに従って、結合剤を使用して複数のボクセルを互いに結合させて、磁気機械を組み立てるステップと、
結合剤を硬化させるステップと、
のシーケンスを含む。
したがって、本発明は、個々のボクセルが段階的に互いに結合されて変形可能磁気機械が形成されるボトムアップアセンブリ法を利用可能にする。トップダウン手法を用いる従来の方法とは対照的に、磁気機械の形成のこれまで知られていなかった精度が利用可能になる。更には、本方法は、個々のビルディングブロックとして実装することが非常に単純である。すなわち、ボクセルを磁気機械の特定の機能に合うように調整でき、次いで、単に、ブループリントに従って、それらに直接隣接するボクセルに接続される。
例えば、第1の位置と第2の位置との間での磁気機械の輸送を、第1の磁場の印加を介して、それらの磁気特性により可能にするために、特定のボクセルを構成できるが、その一方で、他のボクセルは、すなわち、例えばサイズの拡張、制限を介して、磁気機械が変形することを可能にすることにより、又は、磁気機械の構成要素が、例えば、第1の磁場とは異なる第2の磁場の印加を介して、磁気機械の更なる部分に対して移動することを可能にすることにより、磁気機械の外観を変えるように構成できる。
磁気機械のタイプに応じて、磁気機械を移動させること、及び/又はその厳密な用途に対してその外観を変えることを可能にするために、磁気機械の変形が必要である。変形することができ、それにより特定の機能を実行できる、磁気機械を製作することを可能にすることにより、本発明はまた、プログラム可能な磁気機械の生産も可能にする。
例えば、ペイロードを第1の位置から第2の位置まで輸送して、ペイロードを第2の位置でアンロードするために、カプセル化された磁気機械が選択される場合、磁気機械のサイズは、ペイロードに応じて選択される必要があり、磁気装置の剛性特性は、ペイロードを確実に輸送することが可能となるように選択される必要があり、磁気機械の磁気特性は、磁気機械を第1の位置から第2の位置まで移動させることが可能となるように選択される必要があり、第1の位置にてペイロードをロードし、第2の位置にてペイロードを磁気機械から解放することを可能にするように、変形特性が選択される必要があり、すなわち、磁気機械を第1の位置から第2の位置まで移動させるために磁気機械が変形され得る形態に加えて、磁気機械を変形させるために、第2の種類の磁場が印加されてもよい。
サイズを決定するために、使用環境が調査される。例えば、人の胃の中にペイロードを輸送するためにカプセルを使用することが意図される場合、例えば5~20mmの平均カプセルサイズが選択される。次いで、例えば、輸送されなければならないペイロードの量などにより、剛性特性が決定される。これらは、磁気機械の変形特性を定め、次いで磁気機械のブループリントを作成するために実行されてもよいステップである。
これに関連して、ブループリントは、所望の磁気機械を形成するために、磁気機械の変形特性を参照して、異なるビルディングブロック、すなわちボクセルが、結合剤を使用して、どのように互いに組み立てられ、互いに結合されるかに関する手順書であるということに留意すべきである。
現在のボトムアップ製作方法は、ヘテロジニアス組み立てベースの3次元(3D)微細加工戦略が、任意の複数材料組成物、任意の3D幾何学的形状、及び任意のプログラム可能3D磁化プロファイルを高解像度で有する、複雑な3D小型無線磁気ソフト機械を構築することを可能にする。そのような手法は、ひな型機械において、多様な特性、例えば、プログラム可能な形状モーフィング、負のポアソン比、複雑な剛性分布、方向性を有する接合部曲げ、及び形状再構成のための再磁化、を実現することを手助けする。これら特徴は更に、設計に自由度をもたらし、様々な生物医学的装置関連の機能、例えば、蠕動ポンプ移送、能動的な貨物輸送及び送達、制御された表面係留及び解放、並びに情報暗号化を可能にする。この3Dヘテロジニアス一体化手法は、3D磁気ソフト機械の達成可能な複雑さのレベルを大幅に向上させ、したがって、ロボット工学、生物医学的装置、及び生物工学での用途に関して、その将来の能力及び性能を向上させる。組み立て方法の固有の利点として、そのようなボクセルは、任意の幾何学的形状、材料、及び磁気プログラミングを有する、任意の/異なる微細加工プロセスにより製作できる。
磁気機械の変形特性を定めるステップは、
磁気機械の用途を定めるステップと、
磁気機械のそれぞれの用途の動作環境を定めるステップと、
磁気機械の変形パラメータを定めるステップと、
磁気機械のサイズを選択するステップと、
磁気機械の形状を選択するステップと、
前述したステップの組み合わせと、
からなる要素群から選択されるステップのうちの少なくとも1つを含んでもよい。このように、本方法のユーザは、磁気機械の製作を、その正確な労働環境に合わせて調整し、要求に合った磁気機械を生産できる。
ブループリントは、磁気機械を形成するために使用されるそれぞれのボクセルの数と、磁気機械を形成するために使用されるそれぞれのボクセルの配置と、機械を形成するために使用されるそれぞれのボクセルの特性(例えば、ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性、変形、最大歪み又は応力、薬物又は他の分子のローディング能力、遠隔加熱特性、多孔性、ガス、液体又は分子透過性、電気伝導率又は熱伝導率、熱膨張、液体膨潤特性、刺激(例えば、pH、化学物質、温度、湿度、流れ、圧力、グルコース)応答性、生体適合性、生物学的又は他の分解性又は可溶性、特定の画像化技術(蛍光画像化、近赤外画像化、磁気共鳴画像化、陽電子放出断層撮影、超音波画像化、光音響画像化、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影)における視認性、免疫反応特性、タンパク質吸収特性、酵素反応特性、及び他のボクセル、生物組織又は他の表面に対する一時的又は永続的な接着力)と、磁気機械を形成するために使用されるボクセルにおける硬化剤の配置と、を含んでもよい。
したがって、ブループリントは、それぞれの作業環境に合うように調整された磁気機械を生産するために、どのような種類のボクセルがどのような構成で必要であるかという指示を含む。
これに関連して、磁化プロファイルは、磁性材料における永久の又は誘起された磁気双極子モーメントの密度を表す、ボクセルの磁場のベクトル場の空間プロファイルを定めることに留意すべきである。
磁気機械のブループリントを作成するステップは、
異なるボクセルの材料を選択して、磁気機械の剛性特性を定めるステップと、
磁気機械のそれぞれのボクセルのために1つ以上の材料を選択するステップと、
磁性ボクセルの均一な又は不均一な3D磁化プロファイルを選択して、磁気機械の磁気トルクベース又は磁力ベースの変形特性を定めるステップと、
それぞれのボクセルのサイズを選択するステップと、
それぞれのボクセルの形状を選択するステップと、
それぞれのボクセルの磁気特性を選択するステップと、
それぞれのボクセルの材料特性を選択するステップと、
ブループリントに基づいて磁気機械の挙動及び/又は変形をシミュレートするステップと、
磁気機械の挙動及び/又は変形のシミュレーションの結果に応じて、磁気機械のブループリントを適合させるステップと、
前述したステップの組み合わせと、
からなる要素群から選択されるステップのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
このようにして、磁気機械の特定のビルディングブロックを組み立てて、それぞれの作業環境に合うように調整された磁気機械を生産することができる。
各ボクセルは、3D形状を有してもよく、所定の形状、サイズであってもよく、所定の磁気特性及び所定の材料特性、例えば、ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性、変形、最大歪み又は応力、薬物又は他の分子のローディング能力、遠隔加熱特性、多孔性、ガス、液体又は分子透過性、電気伝導率又は熱伝導率、熱膨張、液体膨潤特性、刺激(例えば、pH、化学物質、温度、湿度、流れ、圧力、グルコース)応答性、生体適合性、生物学的又は他の分解性又は可溶性、特定の画像化技術(蛍光画像化、近赤外画像化、磁気共鳴画像化、陽電子放出断層撮影、超音波画像化、光音響画像化、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影)における視認性、免疫反応特性、タンパク質吸収特性、酵素反応特性、及び他のボクセル、生物組織又は他の表面に対する一時的又は永続的な接着力、を有してもよい。
上記の種類のボクセルを使用することにより、各ビルディングブロックを、特定の機能、例えば、磁気機械の安定性、磁気機械の輸送、磁気機械の変形などに合うように調整することができる。
磁気機械の磁性ボクセルの磁化プロファイルは、磁気感知技術又は画像化技術(例えば、カー効果及び/又はファラデー効果を使用する光磁気感知、磁力顕微鏡、磁気X線顕微鏡)により視認できる。このように、磁気機械のボクセルのうちのいくつかが、画像化技術にとって不可視である場合がある一方で、同時に追跡技術にとって可視である場合があり、又はその逆であってもよい。ボクセルを、例えば医学分野におけるミニチュアロボットとして配備する場合、ボクセルは、磁気機械で実行できる追跡及び配置用途にとって有益となり得る。
複数のボクセルを互いに結合させるステップは、ボクセルの1つ以上の面及び/又は1つ以上の縁部で生じてもよい。このようにして、変形可能な磁気機械の動作の精度を改善できる。なぜなら、例えばボクセルの互いに対する移動が、ボクセルがどのように互いに結合されているかに応じて影響を受ける可能性があるからである。
複数のボクセルを互いに結合させるステップは、以降のステップにおいて1つのボクセルを別のボクセルに結合させるステップを含んでもよく、及び/又は複数のボクセルを互いに結合させるステップは、一群のボクセルを群毎に別の群に結合させるステップを含んでもよい。このようにして、例えば、機械の非常に柔軟な及び/又は感度の高い部分が組み立てられる場合、個々のボクセルを以降のステップにおいて互いに取り付けることができる。これに対して、磁気機械の、特に柔軟でない又は感度が高くない部分が組み立てられる場合、機械のこの部分を形成するボクセルは、複数のボクセルを同時点で互いに結合させることにより、バッチのようなプロセスで互いに結合できる。
これに関連して、バッチのようなプロセスは、複数のボクセルが同時点で支持具内に配置され互いに金型成形されるプロセスであって、支持具は、形成される磁気機械の少なくとも一部に整合する予め定められた形状及びサイズを有する、プロセスであり得る。
それぞれのボクセルは、その隣接するボクセルに結合される前に、又はその隣接するボクセルに結合されている間に、又はその隣接するボクセルに結合された後に、磁化されてもよい。このように、本方法は、機械を形成する際により融通が利く可能性がある。
複数のボクセルを互いに結合させるステップは、磁気変形可能機械の少なくともの一部のネガティブ形状を有するジグ、特に1つ以上のジグ、を提供するステップと、所定量の複数のボクセルをジグ内に配置するステップと、次いで、ジグ内の所定量の複数のボクセルを結合させるステップと、を含んでもよい。ジグの使用により、ボクセルの改善された且つより正確な配置が、したがって、より正確に形成された機械が可能になる。
所定量の複数のボクセルのうちの1つ以上が、ロボット(図示せず)を用いて、ある時点でジグ内に配置されてもよい。ボクセルを配置するためにロボットを使用することにより、配置の精度を向上させることができ、また、例えば医療機械が形成されている場合は、無菌環境を維持することに役立つことができる。
所定量の複数のボクセルのうちの1つ以上が、ジグ内に配置される前に、又はジグ内に配置されてその隣接するボクセルに結合された後に、磁化されてもよい。それゆえ、所望の予め定められた磁化配向をボクセルに提供するために、ジグを使用してボクセルを磁化することもできる。
結合剤を硬化させるステップは、室温又は別の特定の温度にて、及び結合させるステップが実施される環境にて実施されてもよく、結合剤を硬化させるステップは、紫外線(UV)又は他の波長の光源により実施でき、又は、結合剤を硬化させるステップは、オーブン内で又はホットプレートにて実施できる。このような結合方法は、磁気機械の信頼性が高く且つ容易な製造方法を確実にする。
磁気機械のそれぞれの辺長が、10000mm未満、とりわけ100mm未満のサイズを有してもよい、及び/又は、各ボクセルは3D形状を有し、3D形状のそれぞれの辺長のサイズが、2500mm~5nmの範囲内、とりわけ25mm~1μmの範囲内で選択されてもよい、及び/又は、各ボクセルは、正方形のボクセル、矩形のボクセル、丸いボクセル、多角形のボクセル、三角形のボクセル、及びあらゆる任意の3D形のボクセル、及び前述したものの組み合わせ、からなる要素群から選択される形状を有することができる。このように、多くの種類の磁気機械を、サブmm範囲、更にはより大きい種類の用途の両方に対して形成できる。これに関連して、10mmを超えるサイズを有するボクセルが、対応する金型内にボクセルの対応する材料を入れるキャスト成形により形成されてもよいことに留意すべきである。
これに関連して、そのような形状は、有益には、3D印刷、及び/又は二光子レーザーリソグラフィ若しくはフォトリソグラフィ、及び/又は注型成形技術などの技術を使用して形成できることに留意すべきである。一般的に言えば、いかなる製造方法の形も、それが所望の形状、サイズ及び特性を有するボクセルを利用可能にする限り、ボクセルを形成するために使用できる。
更なる態様によれば、本発明は、変形可能3D磁気機械に更に関し、磁気機械は10000mm未満のサイズを有し、磁気機械は複数のボクセルを備え、ボクセルのうちの少なくとも1つ、好ましくはいくつかが磁性を有し、ボクセルのうちの少なくとも1つは500MPa未満のヤング率を有し、複数のボクセルは結合剤で互いに結合され、各ボクセルは、所定の形状、サイズを有し、所定の磁気特性及び所定の材料特性、例えば、ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性、変形、最大歪み又は応力、薬物又は他の分子のローディング能力、遠隔加熱特性、多孔性、ガス、液体又は分子透過性、電気伝導率又は熱伝導率、熱膨張、液体膨潤特性、刺激(例えば、pH、化学物質、温度、湿度、流れ、圧力、グルコース)応答性、生体適合性、生物学的又は他の分解性又は可溶性、特定の画像化技術(蛍光画像化、近赤外画像化、磁気共鳴画像化、陽電子放出断層撮影、超音波画像化、光音響画像化、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影)における視認性、免疫反応特性、タンパク質吸収特性、酵素反応特性、及び他のボクセル、生物組織又は他の表面に対する一時的又は永続的な接着力、を有する。
したがって、磁気機械は、前述した方法を用いて、従来技術の機械とは対照的に、移動及び配備の改善された精度を有して形成できる。これは、この磁気機械が、ボトムアップ手法というよりもむしろトップダウン組み立てを使用する現状技術とは対照的に、著しく改善された解像度で形成できるからである。更には、上記の方法は、複数の異なる種類の材料を単一の装置内に一体化するために有利に使用できる。前述した利点は、同然ながら、以下で述べる磁気機械にも当てはまる。
少なくとも1つ、好ましくはいくつかが磁性を有する、複数のボクセルを提供することにより、磁気機械を、空間的に離れて位置する異なる位置の間で移動させることができ、磁気機械は、磁気機械により特定の所望の機能が実施される場合に、その形状を変化させることが可能なように作動できる。
個々のボクセルは、磁気機械の剛性パターンを定めるために、異なるヤング率を有する材料で作製できる。剛性パターンを定めることにより、磁気機械の変形が可能になり、その結果、所望の機能を実行させるために、磁気機械を作動させて磁気機械の形状の所望の変更を行うことができる。
これに関連して、ボクセルが、磁性材料、硬質/軟質材料、生分解性又は非生分解性材料で作ることができるビルディングブロックであって、これは、トップダウン製作手法というよりもむしろボトムアップ製作プロセスを実施し、磁気機械の各部分を、磁気機械の移動及び/又は作動のその特定の機能に合わせて調整するように、選択されることに留意すべきである。
磁気機械のそれぞれの辺長が、100mm未満、特に5mm未満のサイズを有してもよい、及び/又は、各ボクセルは3D形状を有し、3D形状のそれぞれの辺長のサイズが、500mm~5nmの範囲内、特に10mm~1μmの範囲内で選択されてもよい、及び/又は、各ボクセルは、正方形のボクセル、矩形のボクセル、丸いボクセル、多角形のボクセル、三角形のボクセル、及びあらゆる任意の3D形のボクセル、からなる要素群から選択される形状を有することができる。
磁気機械は、貨物(例えば、薬物、幹細胞、遺伝子、造影剤、T細胞、マクロファージ)を輸送し、標的部位において装置を変形させるか又は開けることにより貨物を解放することができる、貨物送達装置であってもよく、又は、磁気機械は、係留装置、ステント、ソフト蠕動液体ポンプ又は他のタイプの液体ポンプ、ソフト立方体フレーム、情報暗号化装置、変形可能メタマテリアル、形状適合性又は形状プログラム可能ロボット、グリッパー、折り畳み可能装置、閉塞装置、泳ぐロボット、器官モデル、合成心臓又は他の器官、及び収縮性リングフラワ、のうちの1つであってもよい。このような磁気機械は、様々な環境における多くの異なる種類の用途で使用できる。
磁気機械の非磁性ボクセルのうちの少なくともいくつかの材料が、エラストマ、熱可塑性エラストマ、ゴム、デュロプラスチック、熱可塑性プラスチック、例えばポリジメチルシロキサン、脂肪族芳香族コポリエステル若しくは改質ポリエステル、又は改質コポリエステル、ポリウレタンエラストマ、シリコーンゴム、天然ゴム、ラテックス、スチレンエチレンブチレンスチレン、ブチルゴム、フルオロシリコーンゴム、ポリエステル、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン;生物分解可能な合成材料、例えば、ポリグリコリドポリラクチド、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド);生体材料、例えば、ゼラチン、キトサン、アルギン酸、アガロース、ヒアルロン酸誘導体、エラスチン、キトサン、フィブリン糊、セルロース、フィブロネクチン、コラーゲン、絹;ヒドロゲル;イオン性ゲル;液晶ポリマー、エラストマ又はゲル;形状記憶ポリマー;フォトレジストポリマー、例えば、SU-8;生体タンパク質、例えば、イカ環歯タンパク質;繊維材料;非磁性金属;シリコン;シリカ;ガラス;木材;炭素繊維;並びに前述したものの派生物及び組み合わせ、からなる非磁性材料の群からそれぞれ選択されてもよい。それにより、磁気機械は、その特定の使用に合うように調整できる。
磁性ボクセルのうちの少なくともいくつかの材料は、バルク形態、粒子形態、ディスク形態、ワイヤ形態、繊維形態、又はヤヌス粒子形態の磁性材料であって、例えば、二酸化クロム(CrO)、サマリウム-コバルト(SmCo)、ネオジム-鉄-ホウ素(NdFeB)、コバルト(Co)、フェライト、パーマロイ(NiFe)、炭素鋼、タングステン鋼、アルニコ、鉄、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)、鉄プラチナ(FePt)、酸化鉄、バリウムフェライト、磁鉄鉱の磁性材料、前述したものの組み合わせ又は複合物、の磁性材料;及び/又は、ボクセルであって、上記の磁性材料又はその組み合わせで作製された磁気薄膜若しくは層で被覆されている、ボクセル;からなる群から選択されてもよい。更には、磁性複合材料が、ボクセルを形成するために、上述した非磁性ボクセル材料の中に埋め込まれていてもよく、又はそれを覆っていてもよく、又はその上に堆積されていてもよい。また、磁気機械を形成するために、様々な磁性ボクセルの組み合わせを使用できる。
結合剤の材料は、未硬化シリコーンゴム、PDMS、ポリウレタン、改質されたコポリエステル、シリコーンゴム及び上述した材料の他の未硬化ポリマー、温度硬化性ポリマー、UV又は他の波長の光で硬化可能なポリマー、化学的硬化性ポリマー、ワックス、接着テープ、スーパーグルー、外科用グルー、様々な種類の生物学的ポリマー、例えば、ゼラチン、デオキシリボ核酸(DNA)及びベースとなる結合剤、並びに前述したものの組み合わせ、からなる要素群から選択されてもよい。そのような結合剤は、それらのそれぞれの用途を実行するのに適合された、より正確な且つより高い解像度を有する磁気機械の形成を可能にする。
磁性ボクセルは、あらゆる任意の3D磁化プロファイルを有してもよく、例えば、均一な磁性ボクセルについて、各ボクセルは、0~1Tの範囲内で選択される、好ましくは0~50mTの範囲内で選択される、平均表面磁場強度を有してもよく、各ボクセルは、例えば、それぞれのボクセルの面に平行な、又はそれぞれのボクセルの面に垂直な、又はそれぞれのボクセルの1つ以上の面に対して傾斜している、所定配向の磁場強度を有し、不均一な磁性ボクセルについては、各ボクセルは、ボクセル全体にわたって変化する磁気配向を伴う、ボクセル全体にわたって不均一な磁気分布を有してもよい。
それぞれのボクセル及び結合剤のそれぞれの形状、サイズ及び材料組成の選択により、高解像度の磁気機械を形成できる。このように、互いに空間的に分離された様々な位置の間を迅速且つ効率的に移動させ、それにより所望の目標位置において、それらの形状及び/又はサイズを変化させて、それらの所望の機能を実行できる、磁気機械が利用可能となる。
一態様によれば、本発明はまた、貨物(例えば、薬物、幹細胞、遺伝子、撮像剤、T細胞、マクロファージ)を輸送し、標的部位において磁気機械を変形又は開けることにより貨物を解放することができる、貨物送達装置、係留装置、ステント、ソフト蠕動液体ポンプ又は他のタイプの液体ポンプ、ソフト立方体フレーム、情報暗号化装置、変形可能メタマテリアル、形状適合性又は形状プログラム可能ロボット、グリッパー、折り畳み可能装置、閉塞装置、泳ぐロボット、器官モデル、合成心臓又は他の器官、及び収縮性リングフラワ、のうちの少なくとも1つとしての磁気機械の使用に関する。
本発明を、以下の図面を参照して詳細に説明する。
小規模磁気ソフト機械のヘテロジニアス一体化ベースの3D製作の概略的プロセスのステップである。 小規模磁気ソフト機械のヘテロジニアス一体化ベースの3D製作の概略的プロセスのステップである。 小規模磁気ソフト機械のヘテロジニアス一体化ベースの3D製作の概略的プロセスのステップである。 小規模磁気ソフト機械のヘテロジニアス一体化ベースの3D製作の概略的プロセスのステップである。 小規模磁気ソフト機械のヘテロジニアス一体化ベースの3D製作の概略的プロセスのステップである。図1cに示す3Dリングのうちの1つに関するジグ支援組立プロセスの代表的なステップを示す。 提案された製作方法の、任意の3D磁化プロファイルを構築する解像度特徴及び能力である。35μmの辺長を有する4個の立方体磁性ボクセルのチェッカーボード組立品であり、SEM画像はボクセルの高忠実度の形状を示し、チェッカーボードは、その表面近傍の磁場
Figure 2023538233000002

の法線成分の測定値により確認されたヘテロジニアス磁化プロファイルを有する。
提案された製作方法の、任意の3D磁化プロファイルを構築する解像度特徴及び能力である。100μmの辺長を有する3つの立方体ボクセルが、異なる3D方向の
Figure 2023538233000003

を有するように磁化され、それぞれの
Figure 2023538233000004

は、それぞれの
Figure 2023538233000005

の測定値により確認された。
提案された製作方法の、任意の3D磁化プロファイルを構築する解像度特徴及び能力である。100μmの辺長を有する立方体磁性ボクセルの測定された磁化値及び理論的な磁化値を、異なるMMP濃度及び様々な磁化用磁場強度に対して示し、カラム及びバーは、それぞれ、同一セット内の3つの試料の測定値の平均値及び標準偏差(SD)値を表し、「*」は、バックグラウンドノイズから区別できなかった測定値を示す。 提案された製作方法の、任意の3D磁化プロファイルを構築する解像度特徴及び能力である。中空立方体が、その6つの面の磁化プロファイル中にプログラムされた文字及びシンボルを有し、不可視の文字及びシンボルは、磁場画像化(光磁気センサ)機器(タイプBセンサを有するMagView S、Matesy GmbH)を使用して各面を画像化することにより明らかになった。 異なる多様な特性を示す様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 異なる多様な特性を示す様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 異なる多様な特性を示す様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 異なる多様な特性を示す様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 潜在的な生物医学的機能を有する様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 潜在的な生物医学的機能を有する様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 潜在的な生物医学的機能を有する様々なミニチュア磁気ソフト機械である。 提案された製作手法の金型成形及び磁化ステップ、並びにその汎用性を示す。2光子重合(TPP)、すなわち3Dマイクロプリンティング、及び金型成形を使用して、ボクセル金型が、そして最終的にはボクセルが構築された。NdFeB及びコバルト磁気微粒子(MMP)に関する走査型電子顕微鏡(SEM)画像が提供される。 提案された製作手法の金型成形及び磁化ステップ、並びにその汎用性を示す。埋め込まれたNdFeB(左)及びコバルトMMP(右)を有するPDMSで作製された例示的なボクセルのSEM画像である。 提案された製作手法の金型成形及び磁化ステップ、並びにその汎用性を示す。提案された戦略を使用して製作された様々な形状を有するいくつかの例示的なボクセルのSEM画像及び概略図である。SEM画像は、LEO Gemini 1530 VPを使用して3kVの加速電圧にて撮影された。より良好な視認性のために、全てのSEM画像がGIMPを使用して調整された。 提案された製作手法の金型成形及び磁化ステップ、並びにその汎用性を示す。複数のボクセルが、それらのそれぞれの3D角度にてジグ内で固定され、所望の3D磁化を有する個々の
Figure 2023538233000006

をプログラムするために、VSM内でバッチで磁化された。
提案された製作手法の金型成形及び磁化ステップ、並びにその汎用性を示す。PDMS及び埋め込みMNP(コバルト酸化鉄、30nm粒径、Merck KGaA)で作製された例示的な100μm辺長の立方体ボクセルであって、MNPは10:1の質量比であり1.8Tの磁場中で磁化された。 増加する印加
Figure 2023538233000007

下において収縮可能なリングの形の磁気機械の変形である。
増加する印加
Figure 2023538233000008

下において収縮可能なリングの形の磁気機械の変形である。
増加する印加
Figure 2023538233000009

下において収縮可能なリングの形の磁気機械の変形である。
ソフト立方体フレームの有限要素法(FEA)シミュレーション及び実験による実証である。 ソフト立方体フレームの有限要素法(FEA)シミュレーション及び実験による実証である。 花形機械の設計、シミュレーションによる確認、及び製作プロセスである。機械の全体的磁化プロファイルの設計及びボクセルの幾何学的設計である。 花形機械の設計、シミュレーションによる確認、及び製作プロセスである。この機械のシミュレートされた形状モーフィング挙動である。 花形機械の設計、シミュレーションによる確認、及び製作プロセスである。補助ジグの設計、及び機械の製作のスケッチを、実験の写真と共に示す。 蠕動ポンプとして設計された磁気機械の側部及び上部プロファイルを観察したもの、並びにポンプの修正版の設計及び結果である。 蠕動ポンプとして設計された磁気機械の側部及び上部プロファイルを観察したもの、並びにポンプの修正版の設計及び結果である。 蠕動ポンプとして設計された磁気機械の側部及び上部プロファイルを観察したもの、並びにポンプの修正版の設計及び結果である。 ロードした液体流体をソフトミニチュアカプセルから吐出できる、臨界
Figure 2023538233000010

の大きさ、及び
Figure 2023538233000011

の空間勾配
Figure 2023538233000012

値を測定したものである。
管内の係留装置の形の磁気機械の変形を示し、規格化面積と印加
Figure 2023538233000013

の大きさとの関係である。
管内の係留装置の形の磁気機械の変形を示し、小さい振幅を有する
Figure 2023538233000014

を繰り返し印加することにより、係留装置が、どのようにその初期の構成に回復するかを示す。
ヒトデ形機械の設計、シミュレーション検証、及び製作プロセスである。機械の全体的な磁化プロファイルの設計、及びボクセルの幾何学的設計である。 ヒトデ形機械の設計、シミュレーション検証、及び製作プロセスである。補助ジグの設計、及びヒトデ形機械の製作のスケッチを、実験の写真と共に示す。 カプセル形機械の設計及びその製作プロセスである。機械の全体的な磁化プロファイル、及びボクセルの幾何学的設計である。 カプセル形機械の設計及びその製作プロセスである。補助ジグの設計、及び機械の製作のスケッチを、実験の写真と共に示す。 蠕動ポンプの設計、及びその製作プロセスの図である。ポンプの全体的な磁化プロファイルの設計、及びそのボクセルの設計であり、変形はシミュレーションにより検証された。 蠕動ポンプの設計、及びその製作プロセスの図である。補助ジグの設計の図、及び製作プロセスのスケッチを、実験の写真と共に示す。 この作業において利用されるMMPの磁気特性評価である。MMP(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)の異なる質量比を有し、異なる方向に沿って磁化された、100μmのボクセルにより生成された磁場の画像化(タイプBセンサを有するMagView S、Matesy GmbH)である。 この作業において利用されるMMPの磁気特性評価である。それぞれ、0.6T(l1)、1.2T(l2)、及び1.8T(l3)の最大磁場強度にてVSMを使用して測定されたベアMMP(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)の試料の磁気特性評価の結果である。 この作業において利用されるMMPの磁気特性評価である。3種類のベースポリマー中の2種類のMMP、すなわちNdFeB及びコバルト(Sigma-Aldrich)の試料の磁気特性評価結果が、VSMを使用して1.8Tの最大磁場強度にて測定された。 面結合及び縁部結合方法の概略図である。面結合及びピンセットを使用する過剰な結合剤の除去を実施する3つの構成であり、ボクセルの面に結合剤を塗布する手法が挿入図に示される。 面結合及び縁部結合方法の概略図である。補助ジグを使用して縁部結合を実施する手順であり、その側部及び全ての底部にポケットがある。 係留ソフト機械の上面にヘテロジニアスに一体化されているマイクロケージに、生きている幹細胞を装填することを示す。係留ソフト機械にセルマイクロケージを組み付けることを示し、ケージ底部のほぞが、係留機械のボクセルにおけるほぞ穴の中に差し込まれ、結合のために未硬化ポリマーが塗布される。 係留ソフト機械の上面にヘテロジニアスに一体化されているマイクロケージに、生きている幹細胞を装填することを示す。細胞をセルケージに植え付けたことを示す。 係留ソフト機械の上面にヘテロジニアスに一体化されているマイクロケージに、生きている幹細胞を装填することを示す。細胞取り付けのため装置全体を24時間にわたって定温器に入れたことを示す。
図1a~図1dは、磁気変形可能機械10を製作する際に実行されるステップを示す。磁気機械10は、複数のヘテロジニアスボクセル12、12’、12’’を備える。
例えば図1dに示す変形可能3D磁気機械10は、10000mm未満、すなわち約4mmのサイズを有する。複数のボクセル12、12’、12’’のうちのいくつかは、結合剤14で互いに結合され、各ボクセル12、12’、12’’は、所定の形状、サイズを有し、所定の磁気特性及び所定の材料特性、例えば、ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性などを有する。
磁気機械のそれぞれの辺長が、100mm未満、特に5mm未満のサイズを有してもよく、図1dの本実施例では、4mmの辺長を有する。各ボクセル12、12’、12’’は3D形状を有し、3D形状のそれぞれの辺長のサイズが、2500mm~5nmの範囲内、とりわけ25mm~1μmの範囲内で選択され、本実施例では、ボクセルの縁部20に沿った辺長は25μmになる。
図1aに示すように、ボクセル12は矩形の3D形状であり、ボクセル12’は三角形及び矩形の3D形状の混合物を備える。一般的に言えば、3Dボクセル12、12’、12’’は、矩形3Dボクセル12、12’、12’’、円形3Dボクセル12、12’、12’’、例えば、球形ボクセル、多角形3Dボクセル12、12’、12’’、三角形ボクセル12、12’、12’’、任意の3D形状のボクセル12、12’、12’’、及び前述したものの組み合わせであり得る。
磁気機械10は、貨物(例えば、薬物、幹細胞、遺伝子、造影剤、T細胞、マクロファージ)を輸送し、標的部位において磁気機械10を変形させるか又は開けることにより貨物を解放することができる、貨物送達装置であってもよい。代わりに、磁気機械10は、係留装置、ステント、ソフト蠕動液体ポンプ又は他のタイプの液体ポンプ、ソフト立方体フレーム、情報暗号化装置、変形可能メタマテリアル、形状適合性又は形状プログラム可能ロボット、グリッパー、折り畳み可能装置、閉塞装置、泳ぐロボット、器官モデル、合成心臓又は他の器官、及び収縮性リングフラワ、のうちの1つであってもよい。
磁気機械10の非磁性ボクセル12、12’、12’’のうちの少なくともいくつかの非磁性ボクセル材料は、エラストマ、熱可塑性エラストマ、ゴム、デュロプラスチック、熱可塑性プラスチック、例えばポリジメチルシロキサン、脂肪族芳香族コポリエステル若しくは改質ポリエステル、又は改質コポリエステル、ポリウレタンエラストマ、シリコーンゴム、天然ゴム、ラテックス、スチレンエチレンブチレンスチレン、ブチルゴム、フルオロシリコーンゴム、ポリエステル、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン;生物分解可能な合成材料、例えば、ポリグリコリドポリラクチド、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド);生体材料、例えば、ゼラチン、キトサン、アルギン酸、アガロース、ヒアルロン酸誘導体、キトサン、フィブリン糊、エラスチン、セルロース、フィブロネクチン、コラーゲン、絹;ヒドロゲル;イオン性ゲル;液晶ポリマー、エラストマ又はゲル;形状記憶ポリマー;フォトレジストポリマー、例えば、SU-8;生体タンパク質、例えば、イカ環歯タンパク質;繊維材料;非磁性金属;シリコン;シリカ;ガラス;木材;炭素繊維;並びに前述したものの派生物及び組み合わせ、からなる材料の群からそれぞれ選択される。
磁性ボクセル12、12’、12’’のうちの少なくともいくつかの材料が、バルク形態、粒子形態、ディスク形態、ワイヤ形態、繊維形態、又はヤヌス粒子形態の磁性材料であって、例えば、二酸化クロム(CrO)、サマリウム-コバルト(SmCo)、ネオジム-鉄-ホウ素(NdFeB)、コバルト(Co)、フェライト、パーマロイ(NiFe)、炭素鋼、タングステン鋼、アルニコ、鉄、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)、鉄プラチナ(FePt)、酸化鉄、バリウムフェライト、磁鉄鉱の磁性材料、又は前述したものの組み合わせ若しくは複合物である、磁性材料;及び/又は、ボクセル12、12’、12’’であって、上記の磁性材料又はその組み合わせ、前述した磁性ボクセル材料が前述した非磁性ボクセル材料内に均一に又は不均一に埋め込まれているか又は前述した非磁性ボクセル材料で被覆されているか又は前述した非磁性ボクセル材料上に堆積されている磁気複合材料、及び/又は前述したものの組み合わせ、で作製されている磁気薄膜若しくは層で被覆されている、ボクセル12、12’、12’’;からなる要素群から選択されていてもよい。
結合剤14の材料は、未硬化シリコーンゴム、PDMS、ポリウレタン、改質されたコポリエステル、シリコーンゴム及び上述した材料の他の未硬化ポリマー、温度硬化性ポリマー、UV又は他の波長の光で硬化可能なポリマー、化学的硬化性ポリマー、ワックス、接着テープ、スーパーグルー、外科用グルー、様々な種類の生物学的ポリマー、例えば、ゼラチン、デオキシリボ核酸(DNA)及びベースとなる結合剤、並びに前述したものの組み合わせ、からなる要素群から選択される。
磁性ボクセル12は、あらゆる任意の3D磁化プロファイルを有してもよく、例えば、均一な磁性ボクセル12、12’、12’’については、各ボクセルは、0~1Tの範囲内で選択される、好ましくは0~50mTの範囲内で選択される、平均表面磁場強度を有してもよく、各ボクセル12は、例えば、それぞれのボクセル12、12’、12’’の面18に平行な、又はそれぞれのボクセル12、12’、12’’の面18に垂直な、又はそれぞれのボクセル12、12’、12’’の1つ以上の面18に対して傾斜している、所定配向の磁場強度を有する。
不均一な磁性ボクセル12、12’、12’’については、各ボクセル12、12’、12’’は、ボクセル12、12’、12’’全体にわたって変化する磁気配向を伴う、ボクセル12、12’、12’’全体にわたって不均一な磁気分布を有してもよい。
本方法を実施する際に、製作される磁気機械10の変形特性が定められなければならない。これは、例えば、磁気機械10の用途が、並びに、場合によっては磁気機械10のそれぞれの用途の作業環境が定められなければならないことを意味する。これはまた、磁気機械10のサイズ、及び場合によっては磁気機械10の形状を選択することを含んでもよい。
例えば、食道を介して患者の胃の中に貨物16を薬物の形で輸送するために、例えば、磁気機械10が貨物送達装置として使用される場合、磁気機械10は、第2の位置、すなわち標的部位で開くことができるカプセル10の形状を有するように設計されて、薬物を第2の位置に送達することができる。変形は、例えば、貨物16が磁気機械10から出ることができるように磁気機械10を膨張させることにより、磁気機械10を圧縮して貨物16を絞り出すことにより、又はフラップ等を開けることにより磁気機械10の一部を開けることにより、もたらすことができる。
したがって、貨物16をロードし、貨物16をアンロードするために、すなわち薬物を送達するために、磁気機械10は、その変形能力に起因して、磁場の印加により変形できる。これに関連して、磁気機械10を変形させるために使用する磁場が、磁気機械10をある位置から別の位置に移動させるために印加する磁場とは異なることに留意すべきである。
磁気機械10を第1の位置から第2の位置に移動させるために、磁力を用いて磁気機械10を移動させる。更には、そのとき、磁気機械10の形状及び/又はサイズに変化をもたらすために、異なる磁場を使用して磁気機械10の変形を作動させることができる。この目的のため、磁気機械10の変形パラメータを定めることが必要な場合がある。
磁気機械10の用途及び磁気機械10の変形特性が定められたので、磁気機械10の変形特性を参照して、磁気機械10のブループリントが作成される。ブループリントは、典型的には、磁気機械10を形成するために使用されるそれぞれのボクセル12、12’、12’’の数と、磁気機械10を形成するために使用されるそれぞれのボクセル12、12’、12’’の配置と、磁気機械10を形成するために使用されるそれぞれのボクセル12、12’、12’’の性質と、磁気機械10を形成するために使用される複数のボクセル12、12’、12’’における硬化剤の配置と、を含む。
これに関連して、磁気機械10のブループリントを作成するステップは、
異なるボクセル12、12’、12’の材料を選択して、磁気機械10の剛性特性を定めるステップと、
磁気機械10のそれぞれのボクセル12、12’、12’’のために1つ以上の材料を選択するステップと、
磁性ボクセル12、12’、12’’の均一な又は不均一な3D磁化プロファイルを選択して、磁気機械10の磁気トルクベース又は磁力ベースの変形特性を定めるステップと、
それぞれのボクセル12、12’、12’’のサイズを選択するステップと、
それぞれのボクセル12、12’、12’’の形状を選択するステップと、
それぞれのボクセル12、12’、12’’の磁気特性を選択するステップと、
それぞれのボクセル12、12’、12’’の材料特性を選択するステップと、
ブループリントに基づいて磁気機械10の挙動及び/又は変形をシミュレートするステップと、
磁気機械10の挙動及び/又は変形のシミュレーションの結果に応じて、磁気機械10のブループリントを適合させるステップと、
前述したステップの組み合わせと、
からなる要素群から選択されるステップのうちの少なくとも1つを含むことに留意されたい。
いったんブループリントが作成されると、ボクセル12、12’、12’’が提供される。ボクセル12、12’、12’’のうちの1つ、好ましくはいくつかが磁性を有し、複数のボクセル12、12’、12’’のうちの1つ以上のボクセル12、12’、12’’が、500MPa未満のヤング率を有し、いくつかの場合では、複数のボクセル12、12’、12’’のうちの1つ以上のボクセル12、12’、12’’が、5MPa未満のヤング率を有し、非常に特別な場合では、複数のボクセル12、12’、12’’のうちの1つ以上のボクセル12、12’、12’’が、100kPa未満のヤング率を有してもよい。
作成されたブループリントに従って、結合剤14を使用してボクセル12、12’、12’’を互いに結合させて、磁気機械10を組み立てる。複数のボクセル12、12’、12’’を互いに結合させるステップは、各ボクセル12、12’、12’’の1つ以上の面18で生じてもよい。加えて又は代わりに、複数のボクセル12、12’、12’’を互いに結合させるステップは、ボクセル12、12’、12’’の1つ以上の縁部20で生じてもよい。
これに関連して、複数のボクセル12、12’、12’’を互いに結合させるステップは、以降のステップにおいて1つのボクセル12、12’、12’’を別のボクセル12、12’、12’’に結合させることを含み。加えて又は代わりに、複数のボクセル12、12’、12’’を互いに結合させるステップは、一群のボクセル12、12’、12’’を群毎に別の群に結合させることを含む。ボクセル12、12’、12’’の結合に続いて、結合剤が硬化させる。
これに関連して、磁気機械10のボクセル12、12’、12’’のうちの少なくともいくつかが、画像化技術にとって不可視である一方で、同時に追跡技術にとって可視であってもよく、又はその逆であってもよいことに留意すべきである。
結合剤14を硬化させるステップは、室温又は別の特定の温度にて、及び結合させるステップが実施される環境にて実施されてもよく、結合剤14を硬化させるステップは、紫外線(UV)又は別の波長の光源により実施でき、又は、結合剤14を硬化させるステップは、オーブン内で又はホットプレートにて実施できる。
図1a~図1dは、小規模磁気ソフト機械10のヘテロジニアス一体化ベースの3D製作を示す。図1aは、異なる材料、形状、及び(大きさ及び配向の両方が変化する)磁化プロファイル
Figure 2023538233000015

を有するボクセル12、12’が、(磁気機械10としても知られる)ソフト磁気機械10のためのビルディングブロックとして使用されることを示す。様々なボクセル12、12’は、結合剤14により一緒に一体化され、結合剤は引き続いて硬化されて、様々なボクセル12、12’間での良好な接続を確実にする。
図1bは、隣接するボクセルを接続するために、結合剤14が2つの異なる方法、すなわち面結合及び縁部結合で塗布されることを示し、これらは、外部磁場
Figure 2023538233000016

に対して異なって応答する。面結合については、結合剤14は、互いに結合されるそれぞれのボクセル12、12’の面18上に塗布される。これとは対照的に、縁部結合については、結合剤14は、それぞれのボクセル12、12’の縁部20に、すなわち、2つ以上の面18が互いに接する各ボクセルの位置に塗布される。
図1cは、2つの相互接続された円形リングを有する例示的なソフト磁気機械10の設計を示す。磁気機械10は、複数のヘテロジニアスボクセル12、12’を指定された3D位置及び配向にて組み立てることにより製作される。挿入図は、それぞれ、2つの結合オプションが使用される位置を示す。これに関連して、図1c及び大部分の以下の図では、視認をより容易にするために、面結合接続部における結合剤14が、全ての概略図において省略されていることに留意すべきである(図3を参照)。
図1dは、製作されたソフト磁気機械10の実験結果を示す。実験結果は、設計された形状-モーフィング挙動に一致する負のポアソン比を有するメタマテリアル特徴を有する3D装置を示す。図1dにおける2つの画像のうちの下図は、図1dにおける2つの画像のうちの上図に示す膨張状態と比較して、磁場を印加すると、磁気機械が収縮によりどのように変形できるかを示す。
提案された製作方法の能力を説明するために、典型的なソフト磁気機械10を設計した。磁気機械10は、3Dメタマテリアル特徴を有する2つの相互接続された円形リングから成る(図1)。円形リングは、約1mmの直径を有し、異なるヤング率(すなわち、剛性)を有する3種類のエラストマ、すなわち、Dragonskin、Ecoflex-10シリコーンゴム、及びポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製されたボクセル12、12’、12’’から成る。様々な形状及び剛性を有する、多様な磁性及び非磁性のソフト材料のこれらボクセル12、12’を、ソフトリソグラフィ技術(図5を参照)を使用してバッチ製作した。埋め込まれた硬質磁気微粒子(MMP;例えばNdFeB微粒子)を有するソフトエラストマ(例えば、シリコーンゴム)で作製された磁性ボクセル12、12’、12’’が、それらの個々の局所磁気モーメント
Figure 2023538233000017

をプログラムするために事前に磁化された。これらボクセル12、12’、12’’は、隣接するボクセル12、12’、12’’をその面18又は縁部20(図1bを参照)で接続するために塗布されて異なる形状モーフィング挙動を引き起こす結合剤14(すなわち、液体の非架橋ソフトエラストマ)を用いて、一緒に正確に組み立てられた。
このソフト機械10のプログラムされた3D幾何学的形状及び磁化プロファイルが、図1cから分かる。外部均一磁場
Figure 2023538233000018

が印加された場合、各リングはその半径方向に収縮し、ソフト機械10全体が負のポアソン比を有するメタマテリアルとして振る舞った(図1d)。異なる
Figure 2023538233000019

下でのリングのうちの1つの変形特徴について、以下に説明する(図6を参照も)。図1は、提案された組み立てベースの戦略が、従来の方法と比較して、異なる材料を高解像度でヘテロジニアスに自由に一体化し、以前は達成できなかった、結合されていない任意の3D幾何学的形状及び磁化プロファイルを達成するという、固有の利点を有する。
提案された製作方法の解像度(すなわち、ボクセル12、12’、12’’の最小サイズ)を示すために、35μmの辺長を有する4つの立方体ボクセル12、12’、12’’(図2a)によりチェッカーボードを組み立てた。この解像度は、磁気ソフト機械10の現在の3D印刷法によりもたらされる解像度の半分未満である。このような解像度は、将来、ソフト合成材料ベース又は生物学的材料ベースのボクセル内に埋め込まれたナノスケール磁性粒子、DNAタイプのプログラム可能な生物学的結合剤、及び光学ピンセットタイプの精密マイクロ/ナノ操作システムを使用することにより、最小でサブ10μmスケール、更にはサブμmスケールまで更に改善できる。そのような高い製作解像度において、各ボクセル12、12’、12’’は、局所磁気モーメント
Figure 2023538233000020

を更に有することができる。
Figure 2023538233000021

は、任意の3D方向に向くことができる(図2b)。均一な(一定の)を磁化を想定することの他に、
Figure 2023538233000022

は、空間的に可変となるようにプログラムできる。また、
Figure 2023538233000023

は、ゼロから、MMPの磁気特性によって上限が定められる最大値までの、任意の値を有することができる。この最大の大きさは、所与のボクセルにおけるMMP濃度、及びボクセルを磁化するために使用される磁場
Figure 2023538233000024

の大きさにより調整できる(図2c)。
急峻な変化を伴う高充実度の3D磁化プロファイルをプログラムするための、提案された製作戦略の能力を提示するために、中空の立方体機械10を、218個の100μm辺長の立方体ボクセルで作製した(図2d)。磁化プロファイルにおけるこのような面外の急峻な変化は、押出成形ベースの又はUVリソグラフィベースの3D印刷法を使用して実現するには挑戦的である。なぜなら、これら方法で使用される事前に磁化されたMMPは、2D幾何学的平面内に留まる傾向があり、急峻な方向変化をとることを嫌うからである。更には、この種の完全に封止された中空構造は、以前に報告されたUVリソグラフィベースの方法では製作できない。なぜなら、上面を印刷するには支持材料を必要とし、未硬化フォトレジストを水密な表面から排出できないからである。製作された中空立方体の各面は、そのそれぞれの磁化プロファイルにおいて、エンコードされた文字又はシンボル、すなわち「MPI-IS」を有する。磁場画像化機器(例えば、光磁気センサ)での検査において、プログラムされた磁化プロファイルは、隣接するボクセル12、12’、12’’間で明白な変化を示し、判読可能な情報を伝え、正確な磁化プロファイルを、最小でボクセルスケールレベルに至るまでエンコードする能力が実証された。硬質MMPにプログラムされた磁化プロファイルは肉眼では見えず、消去が困難なので、見えない複雑なパターンを磁気ソフト機械にプログラムすることは、情報記憶及び暗号化において使用される潜在能力を有する。
図1eは、図1cに示す3Dリングのうちの1つのためのジグ支援組立プロセスの代表的なステップを示す。最初に、磁性ボクセル12をスリット状のジグ100内に差し込み、キャップ102で覆った。キャップ102の穴103を介して結合剤14を塗布し、引き続いてスクレイパ106を使用して余分な結合剤14を除去して縁部結合を形成した。
次に、2光子重合(TPP)又は金型成形により製作された2Dジグ108に磁性及び非磁性のボクセル12、12’を差し込んだ。2Dジグ108は、図1cに示すリングのうちの1つのネガティブ形状を有し、したがって、機械10のこのリングの基本形状を定めている。磁性及び非磁性ボクセル12、12’は、面結合によりジグ108内で組み立てられて、リングが形成される。半リングを形成するために、ジグ108のリングの半分だけを磁性及び非磁性ボクセル12、12’で満たすことも可能である。
最後に、リング及び2つの半リングを、(TPPベースの3Dマイクロプリンティングにより製作された)3Dジグ110内に差し込み、図1cに示す完成された機械の形状を定める。機械10の3つの部分をジグ内で組み立て、次いで、面結合により3Dソフト機械10を構築するために、それぞれの面18に結合剤を塗布する。
図2a~2dは、提案された3D製作戦略の解像度及び汎用性を示す。図2aは、35μmの辺長を有する4個の立方体磁性ボクセル12のチェッカーボード組立品を示す。走査型電子顕微鏡(SEM、LEO双子座1530 VP)画像は、ボクセル12の高忠実度形状を示す。チェッカーボードは、その表面近傍の磁場
Figure 2023538233000025

の法線成分の測定値により確認されたヘテロジニアス磁化プロファイルを有する。SEM画像は、3kVの加速電圧にて撮影された。人工的着色がGNU 画像操作プログラム(GIMP)において手作業で加えられ、Lassoツールを使用して部品の境界を定めた。
図2bは、異なる3D方向を有する
Figure 2023538233000026

を有するように磁化された100μmの辺長を有する3個の立方体ボクセル12を示す。それらのそれぞれの
Figure 2023538233000027

は、それらの
Figure 2023538233000028

の測定値により確認された。
図2cは、100μmの辺長を有する立方磁性ボクセル12の磁場成分
Figure 2023538233000029

の測定値を、異なるMMP濃度及び様々な磁化用磁場強度に対して示す。0.0%、33.3%、50.0%、及び66.7%のMMP重量比をそれぞれ有する4個の試料が示される。
図2dは、潜在的な情報暗号化用途の実証として、その6つの面18の磁化プロファイルにプログラムされた文字及びシンボルを有する立方体ソフト機械を示す。測定された
Figure 2023538233000030

の明瞭な縁部は、隣接するボクセル12、12’、12’’間での急峻な磁化プロファイルの変化を示唆する。肉眼で見えない情報は、磁場画像化(光磁気センサ)機器(MagView S、Matesy GmbH)を使用して各面を画像化することにより明らかになる。
図3a~図3dは、異なる多様な特性を示す様々なミニチュア磁気ソフト機械10を示す。図3aは、負のポアソン比を有する、すなわち
Figure 2023538233000031

の存在下で3次元の全てにおいて縮小する、3Dメタマテリアル特性を呈する中空立方体装置10aを示す。図3bは、複雑な剛性分布を有する花形ソフト機械10bを示す。その花弁は、磁場強度が次第に増加するにつれて、順次、開花する。図3cは、ヒトデ形機械10cを示し、方向性のある接合部の曲げが2層の磁性ボクセルにより形成されている。その平坦な本体は、均一磁場下で垂直方向に拡張し、水平方向に縮小している。
図3dは、異なる保磁力を有するMMPが埋め込まれて再構成可能な磁化が可能な、2つの円筒状ボクセル/部品を有するカプセル形装置10dを示す。それは、2つの部品間の引力を伴う磁気相互作用に起因して、閉じた状態に保持されている。パルス状の再磁化用磁場の後に、保磁力がより小さいMMPを有する部品は、その磁気モーメントの方向を逆転させ、磁気相互作用が引力から反発に変化して、カプセルは開く。この装置10dは、異なる磁性材料を有するボクセルを用いる、プログラム可能な再磁化能力を提示する。
このようなカプセルを使用して、液剤16を人体の目標位置、例えば胃又は消化(GI)管に、最小限の侵襲で送達することができる。したがって、磁気機械10の変形特性を定める際に、及び磁気機械10の変形特性を参照して磁気機械10のブループリントを作成する際に、磁気機械10は以下の特徴を有し得ることが分かった:
1.磁気機械は、薬物をロードするための中空形状を有する。
2.磁気機械は、内容物を絞り出すのに、及び人体組織と相互作用するのに、十分に柔らかい。
3.磁気機械は、移動及び薬物放出の両方の制御のために外部磁場により制御される。
4.生体適合性である。
上述した特徴を実現するために、磁気機械10のブループリントは、9個のソフトリングから成る中空球形カプセルとなるように設計されている。磁気機械の全体のサイズは、様々な用途に関して決定できる。磁気機械10の各リングの磁化は、印加されたグローバルな磁場強度
Figure 2023538233000032

が臨界値を超えた場合に、チャンバを絞ることによりカプセルが薬物16を放出することができ、その強度
Figure 2023538233000033
を小さく保持したまま、磁場を回転させた場合に、平坦でない表面上で転げまわることができる、ように設計される。オリフィスの直径は、回転中に薬物を保持するように特に設計されている。各リングは、単一のボクセルにより形成され、各カプセルは、複数のリング状ボクセル及び2つ以上のプレート状ボクセルにより形成されている。本実施例では、カプセルを形成するために、2個のプレート状ボクセル及び7個のリング状ボクセルが使用される。それぞれのボクセルのために使用される材料は、エラストマ、熱可塑性エラストマ、ゴム、デュロプラスチック、熱可塑性プラスチック、例えばポリジメチルシロキサン、脂肪族芳香族コポリエステル若しくは改質ポリエステル、又は改質コポリエステル、ポリウレタンエラストマ、シリコーンゴム、天然ゴム、ラテックス、スチレンエチレンブチレンスチレン、ブチルゴム、フルオロシリコーンゴム、ポリエステル、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン;生物分解可能な合成材料、例えば、ポリグリコリドポリラクチド、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド);生体材料、例えば、ゼラチン、キトサン、アルギン酸、アガロース、ヒアルロン酸誘導体、キトサン、フィブリン糊、エラスチン、セルロース、フィブロネクチン、コラーゲン、絹;ヒドロゲル;イオン性ゲル;液晶ポリマー、エラストマ又はゲル;形状記憶ポリマー;フォトレジストポリマー、例えば、SU-8;生体タンパク質、例えば、イカ環歯タンパク質;繊維材料;並びに前述したものの派生物及び組み合わせ、であってもよい。
提案された製作方法の前例のない汎用性は、以前は製作することが難題であったソフト機械のいくつかの重要な設計フィーチャの実現を可能にする。そのような可能になった重要なフィーチャを示すために、最初に、達成可能な磁場下で大きな変形を確実にするためにEcoflex 0050で作製された、100μmの辺長を有する68個の立方体ボクセル12、12’、12’’を組み立てることにより、3Dにおいて負のポアソン比を有する立方体のベアエッジフレームを構築した(図3a)。このような形状、すなわちベアエッジを有する中空立方体は、支持材料を用いない既存の方法を使用して製作することが困難である。370mTの
Figure 2023538233000034

では、立方体は、水平方向に(x軸及びy軸に沿って)11%縮小し、垂直方向に(z軸に沿って)6%縮小し、3Dメタマテリアル特性を示した。異なる率を有するボクセル12、12’、12’’を用いることにより、この構造の変形を更に調整できる。
第2に、複雑な剛性分布は、ソフト機械10の設計空間を更に広げることができる。この組み立て手法は、広範囲にわたる率を有するビルディング材料を自由に選択する能力を利用可能にする。実証として、連続的に花弁が咲く応答を有する花様機械10を構築した(図3b)。機械(約1mm直径)を、100μmの辺長を有する126個の立方体磁性ボクセル及び中央の六角形非磁性ボクセルで作製した。その花弁のための磁化プロファイルは同一であるが(図8)、そのボクセル12、12’、12’’を、2種類のポリマー材料、すなわち、Ecoflex 0050シリコーンゴム(比較的柔らかい)及びPDMS(比較的硬い)で作製した。慎重に選択された剛性値を有するこれら2つのボクセル12、12’、12’’タイプを利用して、磁気機械10の剛性分布を微調整した。その結果、磁気機械10の3つの花弁は40mTにて完全に開き、その他の3つは90mTにて開き(図3b)、これはシミュレーション分析により更に確認された。
次に、縁部結合技術は、曲げ対称性を破壊し、材料に方向性を有する接合部の曲げを実現する能力をもたらす。例示のために、ヒトデ様の折り紙形状の磁気機械10cを構築した(図3c)。これを、24個の三角形の平坦な磁性ボクセル12、12’、12’’で作製した。そして、接合部は、図ではピンク色でマークされた結合剤14により、辺に向かって曲がっている。全てのボクセル12、12’、12’’は、1:3のポリマー対MMPの質量比を有して磁性を示した。磁気機械10cは、
Figure 2023538233000035

の存在下にて、その初期的な平坦な形状から垂直方向に拡張する一方で、同時に水平方向に縮小した。
最後に、複数材料を使用する可能性は、再構成可能な磁化プロファイルを可能にする。異なる保磁力の値を有する2つの異なる種類のMMP材料(NdFeB及びコバルト)を使用して、縁部結合により組み合わされた2つの円筒状ボクセル/部品から成るカプセル状のソフト機械のひな型を作製した(図3d)。それは、2つの部品間の局所的磁気引力ゆえに、非作動状態で閉じたままであった。その部品のうちの1つの磁化方向を変化させるために、パルス状の再磁化用磁場(295mTのピーク値を有し、パルスは、1.33msにて、そのピーク値の半分まで減衰する)が印加される。この磁場は、より小さい保磁力を有するコバルト部品の磁気方向を逆転させる一方で、より高い保磁力を有するNdFeB部品には影響を及ぼさないほどに、十分に強力且つ急速である。したがって、局所的磁気相互作用が、インサイチュで引力から反発力に切り替えられて、カプセルが開き、たとえ
Figure 2023538233000036

が不在のときでも、この作動状態が維持される。このような装置を使用して、内部の貨物を穏やかな方法で(吐出流の応力なく)送達することができ、その結果、幹細胞及び遺伝子などの脆弱な貨物を標的場所に送達できる。また、この装置は、将来の流体生検ツールとして、人体からの局所的な生物学的流体試料(例えば、腸からの微生物叢試料)を収集するために使用される可能性を有する。この機械は、同じ機械内に複数の種類のMMPタイプを組み込んで再構成可能ソフト機械設計のためのプログラム可能磁化プロファイルを実現する、我々の製作方法の能力を提示する。
図4は、潜在的な生物医学的機能を有する様々なミニチュア磁気ソフト機械10を示す。図4aは、磁気機械10としての、腸を模倣した蠕動ソフトポンプを示す。管状ポンプは、x-y平面内における回転
Figure 2023538233000037

の下で、進行波のような変形をその本体上に形成する。リザーバの底部に配置されると、機械は粘稠液体(例えば、ここではPDMSベース)をポンプ移送し、その蠕動波が下向きに伝搬するときに、1mmの直径の固体ポリスチレン球体を輸送する。
したがって、ミニチュア蠕動ポンプとして機能し様々な種類の液体及び固体をポンプ移送する装置10を構築することが望みである。そのような蠕動ポンプは、以下の特徴を必要とする:
1.蠕動ポンプは、液体及び固体をポンプ移送できる。
2.蠕動ポンプは、ミニチュア本体を有し、したがって小さく且つ制約された環境で動作できる。
これに基づいてブループリントを形成する際に、所望のポンプ機能を実現する方法として、蠕動変形が選択された。装置は一般に、管のような形状を有し、蠕動変形は、管の長さに沿って伝搬する変形パターンによって生成できる。
伝搬する挙動を実現するために、管はその長さに沿って円形のスライスに分けられる。ブループリントの全てのスライスは、類似した磁化プロファイルを有する。しかし、隣接するスライスの磁化プロファイル間に位相変化が加えられる。伝搬する変形のための位相変化を使用するために、作動磁場は、管の長さと同一直線上にある回転軸を有する回転磁場となるように選択される。各スライスは、回転磁場中で周期的に変形及び復元する。しかし、位相変化の結果、異なるスライスの変形は、スライス間の遅延時間と同期し、その結果、伝搬現象がもたらされる。この設計では、スライス当たり4~32個のボクセルを使用してもよく、それぞれのボクセルの材料は、本明細書に記載されるように選択されてもよく、それぞれのボクセル12、12’、12’’の辺長は、35μm~10mmの範囲内で選択されてもよい。
図4bは、磁気機械10としてのミニチュアソフトカプセルを示す。臨界磁場
Figure 2023538233000038

を印加した後、カプセルは、その設計された上部開口部を通して、オンデマンドで内部液体貨物を吐出することが可能である。カプセルは、オンデマンドで胃の模型の表面上で転がり、食用色素を放出した。そのような装置のうちの5個が移動し一緒に作動して、内部ダミー薬液を放出する。
図4cは、磁気機械10として表面係留装置を示す。この装置は、オンデマンドで、20cm/sの流体(水)の流れにおいて管内で係留及び解放することができる。装置10の設計及び
Figure 2023538233000039

へのその応答が、概略的に示される。装置は、
Figure 2023538233000040

の不在下で、それ自体を管内で係留し、流体の流れに抵抗する。いったん
Figure 2023538233000041

が印加されると、装置はそれ自体を解放し、流体の流れ及び/又は(外部の永久磁石によって生成された)外部から印加された磁場勾配
Figure 2023538233000042

により移動して、管内の目標位置に係留する。視認をより容易にするために、面結合接続部における結合剤は、全ての概略図において省略されている。
係留装置を血管内に係留するために、ミニチュア装置10は、以下の特徴を有することが必要である。
1.ミニチュア装置は、オンデマンドで管構造内で移動及び係留できる。
2.ミニチュア装置は、高速血流に耐えることができる。
これらの目的を達成するために、磁気機械10のブループリントは、連結棒を介して接続された複数の収縮性リングを備える。各リングは、磁場が印加されていないときに、それ自体が係留できるように、目標とする作業空間の断面よりも僅かに大きい直径を有する。各リングの磁化は、外部から磁場
Figure 2023538233000043

が印加されているときにリングが大幅に縮小して、それ自体を係留位置から解放することができるように、具体的に決定される。そのような設計の別の利点は、流れを妨げることがなく、したがって、最小限の流体抗力を受けるということである。各リングを形成するために使用されるボクセルの数は24~120の範囲内にあってもよく、各ボクセルの平均辺長は35μm~10mmの範囲内にあってもよい。それぞれのボクセルのために使用される材料は、本明細書で言及される材料のうちのいずれであってもよい。
上記の4つの重要な特徴を実現する能力が付与されることで、潜在的な医学的機能を呈する3つの新規な無線ミニチュア磁気ソフト機械10が提示される。これら実施例により、提案された製作戦略が、磁気ソフト機械10の実現可能な設計空間を大幅に拡張して、様々な潜在的な現実の生物医学的用途及び他の用途の必要性を満たすことができることが確認される。第1の実証では、腸を模倣した管状ソフト蠕動ポンプが開発された。機械の37個の垂直に積層された円形の水平方向スライス(スライス厚:100μm、外径:1.2mm、内径:1.0mm)が特定の磁化プロファイルを有し、このスライスは、x-y平面内での回転
Figure 2023538233000044

に応答して、特定の位相差を伴って(例えば、隣接するスライス間の積層されたボクセル12、12’、12’’の
Figure 2023538233000045

は、x-y平面内で10°回転される)、周期的に縮小及び拡張して、管状ソフトポンプに沿って進行波を形成することができる(図5を参照)。隣接するスライスの磁化プロファイルにおけるプログラムされた位相変化に起因して、磁気機械10は、その本体(図4a)上に、軸方向の進行波の様な変形を形成した。そのような進行波は、進行波方向に応じて、前方に又は後方に、流体をポンプ移送すること、並びに固体を輸送することができる(図4a及び図5)。磁気機械10は垂直方向及び水平方向に載置され、重力などの環境要因を分離するために、両方向にポンプ移送するように制御された。結果から、観察されたポンプ移送の挙動が、実際に、磁気機械10の本体の進行波のような変形によって引き起こされることが確認された。そのような小規模でのポンプ移送は、様々な「チップ上ラボ」装置の用途(例えば、臨床分析)を有することができ、外科訓練のための蠕動を伴う尿管モデルを構築できる。更には、この装置は、体内の生物学的流体を能動的にポンプ移送できる小さい管状の(例えば、腸又は尿管)無線インプラントを人体内に形成することにより、場合によっては将来の医療用途を有することができる。
第2の実証は、中空の球形ミニチュアカプセル(最大寸法:600μm)を示し、このカプセルは、平坦でない表面(すなわち、胃の模型)上で無線で回転し、標的場所に移動し、いったん所望の場所で作動されると、ここでは食用色素であるが、将来は薬物、遺伝子、又は撮像剤により置き換えることができる、閉じ込められていた液体貨物を吐出し、最終的に、作業環境から離れるように移動する(図4b)。オンデマンドで貨物を局所的に運び投与できるこのような無線ミニチュアカプセルは、がんの治療における将来の標的を狙った薬物送達用途及び他の疾病の治療にとって有望である。
Figure 2023538233000046

が印加されると、カプセルは縮小し、それ自体が圧縮された。
Figure 2023538233000047

が小さい(この特定の設計では、<100mT)場合、カプセルの先端にある開口部は閉じている。いったん
Figure 2023538233000048

が閾値(この特定の設計では、>100mT)を超えると、カプセル内部で確立される圧力は、オリフィスを開くのに十分に大きく、ダミー液剤を外に吐出させた。どちらの場合も、カプセルのネット磁気モーメント
Figure 2023538233000049

により、カプセルが、
Figure 2023538233000050

により、平坦でない表面上で回転移動し、障害物を乗り越えて移動することが可能になる。方法のセクションでは、3つの異なる粘度を有する液体がカプセル内にロードされ、必要な臨界
Figure 2023538233000051

が報告される(図10を参照)。更には、5つのそのようなカプセル10がチームとして配備され、それらは同時に液体貨物を移動し送達した。そのようなカプセルのチームは、より高い送達効率を可能にでき、場合によっては、不均一磁場又はヘテロジニアスなロボット設計を使用して、独立に制御できる。
最後の装置実証として、磁気機械10(外径:1.68mm、長さ:1.70mm)として、表面係留装置が構築された。この装置を、オンデマンドで、内部流体流れを有する管内で解放、移動、及び係留することができた(図4c)。このような装置を、将来、場合によっては血管内で使用して、身体内の深い標的部位に到達させて、低侵襲の介入を実施することができる。係留装置は、目標とする作業空間(この場合は、管の内径)の断面よりも僅かに大きい直径を有する。この設計により、この係留装置がいったん配備されたら、管壁に力を加えることが可能になる。
Figure 2023538233000052

が印加されていない場合、装置10は管内でそれ自体を留め、20~45cm/sの速度を有する液体(例えば、水)の流れに抵抗した(図4cの0sにおいて)。
Figure 2023538233000053

が印加されている場合、機械10は、管の内径よりも小さいサイズに縮小し、その係留位置からそれ自体を解放し、管内の流体の流れと共に移動することができる。係留装置10をより適切に配置するために、外部の永久磁石により生成できる
Figure 2023538233000054

Figure 2023538233000055

の適切な空間勾配も使用して、装置を、流体の流れに沿って(図4cの8s)又はそれに逆らって(図4cの14~15s)移動させることができる。いったん
Figure 2023538233000056

が除去されると、装置は、その蓄積された弾性エネルギーに起因して、その拡張された形状を復元し、管内で再びそれ自体で留まる(図4cの26s)(図11を参照も)。実験で使用されるガラス管(1.62mm)の内径及び流速(動的係留試験では20cm/s、静的係留試験では45cm/s)は、内腔の直径及び人間の冠状動脈の血流速度の臨床測定値の範囲内にある。このソフト装置を、将来、医学的により機能的にするために、このソフト装置に薬物を搭載することができ、係留した後に、薬物を標的血管領域において長期間にわたって放出させることができる。薬物が枯渇した場合、装置は、その係留位置からそれ自体を解放し、体から回収されることができる。更には、このような装置は、場合によっては心血管系において無線ステントとして使用できる。
図5は、様々な磁気ソフト機械10の原型を作るための提案された製作戦略の概略図を示す。図5aは、フォトリソグラフィ、TPP、及び金型成形技術を用いる、ボクセル12、12’、12’’のための製作プロセスを表す。図5bは、提案された戦略を使用して製作された様々な形状を有するいくつかの例示的なボクセル12、12’、12’’のSEM画像及び概略図を示す。図5cは、硬化後に、磁性ボクセル12、12’、12’’が所望の3D角度に配向され、次いで、振動試料磁力計(VSM;Microsense EZ7)内で、高い(最大1.8T)均一磁場を用いて磁化されて、
Figure 2023538233000057

が所望の3D磁化強度及び方向を有するようにプログラムされることを示す。図5dは、面結合又は縁部結合手法のいずれかで塗布された結合剤14を用いて一緒に組み立てられた複数のボクセル12、12’、12’’を示す。
図6は、増加する
Figure 2023538233000058

下での、収縮可能リングの変形を示す。図6aは、収縮可能プロセスの実験スナップショットを示す。図6bは、α及びβ接合部の曲がりの詳細図を示す。図6cは、規格化面積と印加された
Figure 2023538233000059

の大きさとの関係を示す。実験は、摩擦を排除するために水面上で行った。規格化面積は、現在の状態と、
Figure 2023538233000060

がオフにされたときの状態との間での、包囲された面積の比率で定義される。
図7は、ソフト立方体フレームの有限要素法(FEA)シミュレーション及び実験による実証を示す。図7aは、異なる材料で作製されたる立方体フレームの変形の分析を示す。図7bは、機械が、グリセロール内でソルダリングアイアンを把持し、輸送し、標的場所で解放する実験結果を示す。
図8は、花様ソフト機械の概略図及びFEAシミュレーションを示す。図8aは、花様ソフト機械の磁化プロファイルの概略図を示す。図8bは、花弁構造の変形のFEAシミュレーションを示す。より柔らかい(左)及びより硬い(右)花弁の変形がシミュレートされた。印加された磁場
Figure 2023538233000061

は、どちらの場合も40mTであった。
図9は、蠕動ポンプの側部及び上部プロファイルを観察したもの、並びにソフトポンプの修正版の設計及び結果である。図9aは、回転する
Figure 2023538233000062

中での蠕動ポンプの観察された側部及び上部プロファイルを示す。角度θは、図4で定義されている。図9bは、粘稠液体における異なるポンプ方向の実験結果間での比較を示す。図9cは、この機械が空気中で固体ポリスチレン球体を輸送することを示す。球体位置は、補足動画1で確認できる。
図10は、ロードした液体流体をソフトミニチュアカプセルから吐出できる、臨界
Figure 2023538233000063

の大きさ、及び
Figure 2023538233000064

の空間勾配
Figure 2023538233000065

値を測定したものを示す。異なる粘度を有する3つの試料が使用された。
図11は、管内の係留装置の変形を示す。図11aは、規格化面積と印加された
Figure 2023538233000066

の大きさとの関係を示す。規格化面積は、現在の状態と、
Figure 2023538233000067

が存在しないときの状態との間での、包囲された面積の比率で定義される。実験は、ガラス管内で行われた。図11bは、小さい振幅を有する
Figure 2023538233000068

を繰り返し印加することにより、係留装置がその初期の構成に回復できることを示す。赤い矢印は、
Figure 2023538233000069

の方向を示す。
磁気機械10の精密な組み立てベースの3D製作の際、ボクセル12、12’、12’’は初期的にはSolidworks(Dassault Systemes)にて設計される。設計は次いで、2つの手法、すなわち、二光子重合(TPP)及びフォトリソグラフィを使用して、突出するフィーチャを有するポジティブ金型に製作された。TPP及びフォトリソグラフィでは、それぞれ、IPS(Nanoscribe GmbH)及びSU8(MicroChem)を使用した。TPPは、面外寸法がより正確であり且つ不均一な厚さを可能にするという利点を有する。フォトリソグラフィは、時間及び費用がより効率的であるという利点を有する。次いで、ベースと硬化剤との間に5:1の質量比を有するPDMS(Sylgard 184、ダウケミカル社)を注型成形することによりネガティブ金型を作製した。これらの金型を、ボクセルの硬化及び解放を促進するためにシランで処理した。未硬化ポリマーを任意選択のMMPと共に、これらの形状を定めるネガティブ金型内で注型成型することにより、基本的なビルディングブロックとしての様々な材料及び形状のボクセルを製作した。ボクセルを、ネガティブ金型内でバッチで硬化させた。ポリマーマニュアルにより必要とされる硬化温度及び時間に従った。このボクセル製作プロセスは、図5aに概略的に示される。この作業において使用される複数の種類のポリマーは、Ecoflex 0010(Smooth-On)、Ecoflex 0030(Smooth-On)、Ecoflex 0050(Smooth-On)、Ecoflex Gel(Smooth-On)、Dragon Skin 30(Smooth-On)、及びPDMSを含む。図5bは、我々が製作できる様々な幾何学的形状を有するいくつかの例示的なボクセルを示す。
ボクセル12、12’、12’’、更にはジグ100、108、110、112を製作する方法について以下に詳細に述べる。
磁性ボクセル12、12’、12’’は、所望のMMP濃度に対応する質量比にて未硬化ポリマー中で混合されたMMP(ネオジム-鉄の-ホウ素(NdFeB)の硬質磁気微粒子;Magnequench製MQP-15-7;5μmの平均直径)を有した。この作業では、ポリマーとMMPとの間の質量比は、特に明記しない限り、1:1である。硬化後、ボクセル12、12’、12’’を、ピンセットを使用して手作業で金型から取り出した。磁性ボクセル12、12’、12’’が、設計された3D配向で配置され、振動試料磁力計(VSM;Microsense製EZ7)により磁化されて、3Dプログラムされた強度及び配向を有するボクセル磁気モーメント
Figure 2023538233000070

が生成された(図5c)。磁化用磁場は、特に明記しない限り、1.8Tの強度を有した。最後に、磁性及び非磁性ボクセル12、12’、12’’が、隣接するボクセル12、12’、12’’を接続するために塗布された結合剤14と一緒に組み立てられた。組み立てプロセスでは、各ボクセル12、12’、12’’の位置及び配向の両方が制御され、その結果、最終的な磁気機械10のヘテロジニアス3D幾何学的形状及び3D磁化プロファイルが得られた。結合剤14は、未硬化の液体ソフトエラストマであり、それが接続するボクセルに接触して硬化する。
製作された3Dソフト機械のそれぞれの指定された位置にボクセルを組み立てる場合に、結合剤14を使用した(図5d)。結合剤14は、隣接するボクセル12、12’、12’’と接触して硬化できる未硬化液体ソフトエラストマとして選択された。結合剤14の機能は、隣接するボクセル12、12’、12’’を接続し、それらを一体化して合成3D磁気機械10を形成することである。この作業では、我々は2つの手法を使用して、結合剤14を塗布した。
選択された結合剤14を、ボクセル12、12’、12’’の面18の領域全体に塗布した。次いで、第1のボクセル12、12’、12’’の近傍に第2のボクセル12、12’、12’’を移動させ、結合剤14が2つの面18の中央に位置するように整列させた。接触が生じるまで、2つのボクセル12、12’、12’’を互いに向かって移動させた。2つのボクセル12、12’、12’’の面18の間で結合剤14が硬化され、2つのボクセルは一体化されて合成部品になった。この手法により形成された接続は対称である。すなわち、この接続は、曲げにおいて優先的な方向を有しない。接続されたボクセル12、12’、12’’は、明示的な接合部を有することなく、連続的な柔らかい本体を形成する。面結合の特別な場合は、2つの面18が、互いに平行である代わりに、鋭角を成すことである。結合剤14は、隣接するボクセル12、12’、12’’を接続するだけでなく、ボクセル12、12’、12’’としても機能し、それ自体で最終的な機械の幾何学的形状を補完する。この状況は、結合剤14と同じエラストマで作製されたボクセル12、12’、12’’が接合位置において必要であるが、小さすぎて効果的に製作し組み立てることができない場合に生じる。
非対称の接続を構築するために、結合剤14は、2つの隣接するボクセル12、12’、12’’の接触面18の側部20に塗布された。それら接触面18の間には結合剤14がないので、2つの隣接するボクセル12、12’、12’’は、いったん適切なトルクが存在すると、容易に互いに係合解除され得る。しかしながら、2つ以上の面が接する縁部20に塗布された結合剤14は、ボクセル12、12’、12’’を1つの辺で固定して、接合部が結合剤14とは反対側の辺から開くことを遥かにより容易にすることにより、曲げ対称性を破壊している。したがって、好ましい方向にトルクが印加されると、ボクセル12、12’、12’’は係合解除され接合部は開くのに対し、トルクの方向が逆転すると、ボクセル12、12’、12’’は互いに圧縮され接合部は閉じたままである。開く接合部により、比較的小さいトルクを使用して大きな変形を達成することが可能になる。対照的に、閉じた接合部は、柔らかい本体の全体が曲がることを強制し、したがって曲げは遥かに困難になり、その結果、トルク振幅が同じ場合、変形はより小さくなる。
2つの結合手法は、ボクセル間の各接続に対して、所与の機械における特定の接続での所望の形状モーフィング挙動を考慮してケースバイケースで選択された。大部分の機械は、それらの製作プロセスにおいて両方の手法を利用している。
これは、結合剤14が、ボクセル12、12’、12’’のように、機械の変形特性に寄与する可能性があることを意味する。適切な結合剤14を、特定のボクセル12、12’、12’’の所定の位置に配置することにより、ヒンジのようなフィーチャを磁気機械10に導入することができ、そのフィーチャの周りに又はそのフィーチャに対して、磁気機械10は変形することができる。例えば図1dに示すように、磁場を印加すると、下図は、磁気機械10が、上図に示すものと比較して変形されていることを示す。一般的に言えばより柔らかい磁化されていないボクセル12、12’、12’’に対して、一般的に言えばより硬い磁化されたボクセル12、12’、12’’を移動させることにより、比較的硬い材料のボクセル12、12’、12’’に対して、比較的柔らかい材料のボクセル12、12’、12’’が磁気機械10の屈曲を可能にするため、変形が可能である。
これに関連して、比較的柔らかい材料のボクセル12、12’、12’’が、比較的硬い材料のヤング率よりも小さいヤング率を有することに留意すべきである。比較的柔らかい材料のヤング率は、典型的には、比較的硬い材料のヤング率よりも少なくとも5kPa小さくなるように選択されることに更に留意すべきである。
製作の後、プロトタイプ磁気機械10を、それらの指定された試験セットアップ、例えば円形の管の内部に配置し、光学顕微鏡で観察した。作業空間内で任意の3D方向に磁場ベクトルを生成するために、手持ち永久磁石(ネオジム、N42、ニッケルめっき、Supermagnete)を使用した。観察された試料の変形及び運動を、ビデオカメラ(Point Grey Research Inc)及び高速度カメラ(Phantom Cinemag II v641)でキャプチャした。各試料を、可逆的に複数回にわたって試験したが、性能劣化のいかなる徴候も観察されなかった。
この作業では、ボクセルのヘテロジニアスな一体化は、実体顕微鏡下でピンセットを用いて手作業で実施した。手作業は、大きな柔軟性及び汎用性を提供するものの、製作される機械の効率及び再現性を限定し、それにより、35μmよりも小さい寸法のボクセルを効果的に利用することが更に妨げられる。より高い精度、再現性及び速度のために、将来は、手作業による製作プロセスを遠隔操作又は自動マイクロマニピュレータで置き換えることが望ましい。この調査方向の実現可能性を立証するために、100μmの辺長を有する4個の立方体磁性ボクセルを、2台の遠隔操作マイクロマニピュレータを用いてチェッカーボードパターンに組み立てる、予備的な実証を実施した。
リングの縮小プロセス(例えば図1cを参照)は、均一な磁場
Figure 2023538233000071

を提供できる振動試料磁力計(VSM、Microsense製EZ7)で調査された。リングは、平面内での変形を実現させるように水面上に配置された。図6に示す結果は、外部の磁場と、現在と元々の包囲された面積の比率である規格化面積(図6c)で定量化した変形との間の非線形な関係を示す。α接合部は、β接合部よりも小さい曲げ剛性を有するように設計されており、リングの変形を開始させた(図6b)。α接合部及びβ接合部の両方の曲げにより、リングの円周が減少し、全ての方向への収縮が誘発された。
立方体フレームを構築するために使用されるEcoflex 0050は装置の大きな変形を保証し、それは図7aのシミュレーション結果により分かる。ここで、ネオフックモデルを使用して、材料の歪み-応力関係をモデル化する。本明細書で使用される材料、すなわち、Ecoflex 0050(剪断弾性率:27.6kPa、体積弾性率:2GPa)、Dragon skin 0030(剪断弾性率:197.6kPa、体積弾性率:2GPa)、及びPDMS(剪断弾性率:290kPa、体積弾性率:1GPa)が比較のために選択された。均一な磁場では、フレームの各ボクセル12、12’、12’’は、トルクにより、印加された磁場と整列すると想定され、トルクは更に結合解除されて、ボクセル境界面に作用する力になる。Ecoflex 0050で作製された立方体フレームだけが、200mTの磁場下で有意な収縮を示す。立方体フレームは、ゼロでないネット磁気モーメントを有する。その結果、立方体フレームは、回転磁場中で表面上を転がる可能性がある。中空内部空間及び3Dメタマテリアル特性により、機械10は、貨物を把持し、輸送のために転げ回り、標的場所でそれを解放するように制御された(図7b)。
異なる材料特性を有するボクセル12、12’、12’’のパターン形成(図8aを参照)が花ペダルの曲がりに及ぼす影響をシミュレーションにより更に分析ができる。シミュレーションでは
Figure 2023538233000072

は下向きに印加され、これは曲げを開始させることはなかった。なぜなら、花弁の磁化方向は垂直方向に整列するように設定されており、最初は花弁にトルクが作用しないからである。したがって、曲げプロセスを始めるために小さい外乱を導入した。図8bは、40mTの磁場下での、より柔らかい及びより硬い花弁のシミュレーション結果を示す。この結果は、磁気機械10の全体的構造の実効的な曲げ剛性を、異なる材料で作られたボクセルをパターン形成することにより調整できることを示す。
磁気機械10として設計された管状のソフト蠕動ポンプは、その積み重ねられたリング全体にわたる
Figure 2023538233000073

の連続的な位相変更に依存する。この位相変化の値は、進行波ベースの形状変形の滑らかさと、観察可能なポンプ移送効果を作り出すのに必要な積み重ねの量とをバランスさせるために10°に選択された。より大きな位相変化角度(例えば、20°)は、変形を更に離散化することになる一方で、より小さな角度値(例えば、5°)は、液体をポンプ移送し固体を輸送するための進行波様の変形を生成するために、より多くの積み重ねられたリングを必要とすることになる。
Figure 2023538233000074

の存在下では、各リングは、
Figure 2023538233000075

とグローバルな
Figure 2023538233000076

との間の相対角度により決定される異なる変形プロファイルを想定している。
Figure 2023538233000077

が回転すると、この任意の特定のリングが連続的に変化し、そのリングの周期的な変形が誘起される。その結果、管状機械10の進行波ベースの形状変形は、その軸方向に沿って伝搬し、その伝搬方向は
Figure 2023538233000078

の回転方向により決定される。回転する
Figure 2023538233000079

中での蠕動ポンプの側部及び上部プロファイルを図9aに示す。
ミニチュアカプセル10内に搭載されたダミー液剤16を吐出させるために、どの程度の
Figure 2023538233000080

の大きさ、及び
Figure 2023538233000081

の空間勾配
Figure 2023538233000082

が必要であるかを特徴付けるために、実験を実施し、図10に示した。この臨界値の完全な分析には、ミニチュアカプセルの磁気変形、オリフィスの封止(Ecoflex Gelがそれ自体に接着するので)、ロードされた流体の特性、及びカプセルの周りの流体、に関する詳細な調査が必要である。この作業の範囲では、カプセル内部の液体の粘性を変化させる一方で、それ以外は全て一定にすることだけに絞った。具体的には、同じカプセルが、食用色素(粘性は水と同様であると想定、25℃にて粘度≒8.955×10-7/s)、1:1の比率の食用色素/グリセロール溶液(25℃にて粘度≒6.018×10-6/s)、及び純粋なグリセロール(25℃にて粘度≒7.201×10-4/s)で予め充填された。次いで、カプセルを流体タンク内に配置し、永久磁石を使用してそれに接近させ、その一方で内部の液体を絞り出すのに必要な臨界
Figure 2023538233000083

及び
Figure 2023538233000084

を記録した。図10の結果が示すように、より高い粘度を有する液剤を解放するには、より大きい
Figure 2023538233000085

及び
Figure 2023538233000086

が必要である。
表面係留装置の縮小性能の特性を決定するために、
Figure 2023538233000087

と規格化面積との関係を見つけるための実験を行った。係留装置10を、図4cで使用したものと同じ1.62mmの内径を有するガラス管内に配置した。均一な
Figure 2023538233000088

を印加するためにVSMを使用した。水面上に浮遊している収縮性リングの縮小プロセスとは異なり、係留装置10の収縮は、臨界
Figure 2023538233000089

(約150mT)を有し、それを超えると収縮速度は著しく増加する(図11a)。この観察結果は、内側管壁の制約、及び内側管壁と係留装置の外面との間の接着力により引き起こされる場合がある。
Figure 2023538233000090

は最終的に飽和し(約220mT)、その結果、
Figure 2023538233000091

がより大きくても装置10が更に縮小することはないであろう。この段階では、
Figure 2023538233000092

をオフにした後、装置10は、その元の構成に完全に回復することはなく、各リングの有意な面外への変形が観察された(図11bの第1列)。装置10をその初期の構成に回復させるために、単純に、小さい振幅を有する
Figure 2023538233000093

を様々な方向から繰り返し印加することができる。図11bの第2列は、装置を復帰させるための実現可能な1つの経路を示す。
要約すれば、既存の製作技術を使用して製作することが困難な、複数の機能的なミニチュア磁気ソフト機械10が提示された。提案されたヘテロジニアスな精密な組み立てに基づく製作戦略のボトムアップ性質のおかげで、ソフト機械10の構成材料、3D幾何学的形状、及び3D磁化プロファイルは、互いに切り離されており、個々に且つ独立に設計できる。対照的に、先に報告した3D印刷ベースの方法は、流動学的特性、MMP間の局所的磁気相互作用、及び層ごとの手法により課される設計空間に対する厳しい制限により苦労している。
提示した戦略は、複数の材料を高解像度で(各次元に沿って最小35μmで)組み込むことができ、これは、押出成形ベースの及びUVリソグラフィベースの技術と比較して利点である。提示された装置10は、洗練された3D設計を可能にすることにより、無線磁気ソフト機械10の探索空間を拡大し、現実の医学的な及び他の可能な用途において必要な高度な機能のレパートリを拡充する。現在用いられている手動組立プロセスは、達成可能な最大装置プロトタイピング速度、解像度、及び精度を限定し、これは、遠隔操作の又は自動のマイクロマニピュレーションシステム(方法セクションを参照)を使用することにより更に改善できる。本明細書では、2つのMMP、すなわちNdFeB及びコバルトが使用されたが、特定の用途要件により良く適応するように、他の磁気ハード又はソフトナノ粒子を選択できる。例えば、生体適合性の及び生物分解性の磁性粒子、例えば酸化鉄ナノ粒子を、将来のインビボ医療用途において使用できる。
図8は、花形機械10の設計及び製作を示す。この機械10は、提案された製作方法の汎用性により可能となる剛性分布を提示する。花形機械10は、127個の磁性ボクセル12で作製された。中央の六角形ボクセル12及び51個の磁性ボクセル12を、1:1の質量比のPDMS(Sylgard 184、ダウコーニング社、ベースと硬化剤を10:1の質量比で混合)と埋め込みMMP(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)とで作製した。残りの75個のボクセル12は、1:1の質量比のEcoflex 50(Smooth-On、パートAとパートBを1:1の質量比で混合)と埋め込みMMP(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)とで作製した。これらの2つの種類のボクセル12の測定されたヤング率は、それぞれ、0.96MPa及び98kPaである。
バッチ製作されたボクセル12を、磁化用のジグ112内で、VSM(Microsense EZ7)により生成された均一な1.8Tの磁場中で磁化した。結果として得られたボクセル12の磁化は、MMPの密度(製造業者により提供された7.61g/cm3、NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)、ポリマー密度(製造業者により提供された1.07g/mL、Smooth-On製Ecoflex 0050;製造業者により提供された1.03g/mL、Dow Corning製Sylgard 184)、及びMMPの残留磁化(図S1)に基づき、PDMSベースのボクセル12については78kA/m、及びEcoflex 50ベースのボクセル12については80kA/mと計算された。上記の設計及びボクセル構成の場合、シミュレーションは、機械10が所望の形に向かって変形することを示し、ボクセル12を異なる材料特性でパターン形成することにより、全体的な曲げ剛性が変化する(図8b)。
図8cでは、補助ジグ100、108、112の設計及びそれらのそれぞれの機能が、その組立プロセスのスケッチと共に概略的に示される。最初に、ボクセル12は磁化用のジグ112内で磁化され、次いで、個々のボクセル12はジグ内に配置され、結合剤14として未硬化シリコーン(Smooth-On製Ecoflex 0050、パートAとパートBを1:1の質量比で混合)を使用して面結合されて、花形機械10の一部が形成される。
磁性ボクセルは、振動試料磁力計(VSM)を、1Tを超える強度の磁場中で使用して磁化される。この目的のために、手持ち式の永久磁石(立方体磁石12mm、ネオジム、N48、ニッケルめっき、Webcraft GmbH)を試料に近付けて、垂直方向に沿って所望の磁場を加えた。このプロセスは、ボクセルの磁化のために1回だけ行われる。このプロセスは、ボクセルの磁気配向が再プログラムされる場合にのみ繰り返される。
これとの比較で、永久磁石を使用して、装置10の形状モーフィングを誘起させてもよい。磁石により発生する磁場は、0~300mTの範囲内にある。この磁場は、装置の磁化を変化させることは意図されておらず、また変化させることはできない。その代わりに、この磁場は、装置10に分散された磁気トルクを及ぼし、装置を変形させる。
いったん部品が組み立てられると、これらを、花形機械10の構成要素を形成するためにジグ108内に配置することができる。これに続いて、図1eに示す実施形態と同様に、花形機械10を形成するために、ジグ108内で構成要素を組み立て、互いに結合させることができる。
図12aは、ヒトデ形機械10の設計を示す。この機械10は、縁部結合技術が、曲げ対称性を破壊し、方向性を有する接合部の曲げを引き起こすことを提示する。この機械は、24個の同一の三角形の平坦な磁性ボクセル12で作製した。PDMS(Sylgard 184、ダウコーニング、ベース及び硬化剤が10:1の質量比で混合された)をベースポリマーとして使用し、MMP(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)を1:3の質量比でポリマー中に均一に混合させた。
ボクセル12は、金型成形技術によりバッチ製作された。製作されたボクセル12を、VSM(Microsense EZ7)により生成された均一な1.8Tの磁場中で磁化した。結果として得られたボクセル12の磁化は、MMP密度、ポリマー密度、及びMMPの残留磁化に基づいて、188kA/mと計算された。上記の設計及びボクセル構成の場合、シミュレーションは、機械が所望の形(図12a)に向かって変形することを示す。
図12bでは、補助ジグ100、110の設計及びそれらのそれぞれの機能が、その組立プロセスのスケッチと共に概略的に示される。ジグ112は、ヒトデ形機械10の個々のボクセル12のために三角形の形状を有し、ジグ100は、三角形の形状を有するボクセル12のうちの2つを結合剤14を使用して互いに接続するために使用される。磁性ボクセル12は、結合剤14として未硬化シリコーン(Ecoflex 0010、Smooth-On、パートAとパートBを1:1の質量比で混合)を使用して縁部結合された。
次いで、既に接続されている三角形の形状のボクセル12を、結合剤14を使用して互いに接続するために、更なるジグ100を使用することができる。最後に、個々の部品が、結合剤14を使用して再び互いに結合できるように、ヒトデ形機械のネガティブ金型を形成するジグ内で組み立てられる。
手持ち式の永久磁石(立方体磁石12mm、ネオジム、N48、ニッケルめっき、Webcraft GmbH)を試料に近付けて、垂直方向に沿って500mTの所望の磁場を加えた。
図13a及び図13bは、カプセル形機械10の設計及び製作を示す。この機械10は、異なるMMPと連携するという提案された方法の柔軟性により可能になる、再構成可能な磁化プロファイルにより、その機能性を実現する。機械10は2つの磁気部品を有し、その1つは、NdFeB(Magnequench製MQP-15-7、保磁力の値=6120 Oe)を含み、他の1つは、コバルト(Sigma-Aldrich、平均直径2μm、保磁力の値=209 Oe)を含む。機械10は、2つの磁性ボクセル12、12’及び2つの非磁性ボクセル12、12’で作製された。2つの磁性ボクセル12は、幾何学的に同一であった。一方のボクセル12は、1:3の質量比でPDMS(Sylgard 184、ダウコーニング、ベース及び硬化剤を10:1の質量比で混合)とNdFeBとを混合して作製された。他方のボクセル12は、1:1の質量比でPDMSとコバルトとを混合して作製された。
両方の磁性ボクセル12が、磁性ボクセル12のネガティブ形状を有する磁化用ジグ112内で、VSM(Microsense製EZ7)により生成される1.8Tの均一な磁場中で磁化された。2つの磁性ボクセル12の理論的な結果として生じる磁性は、それぞれ、188kA/m(NdFeB)及び10kA/m(コバルト)であった。理論値は、MMP密度、ポリマー密度、及びMMPの残留磁化に基づいて計算された。
図13bでは、補助ジグ112、110の設計及びそれらのそれぞれの機能が、この機械10の組立プロセスのスケッチと共に概略的に示される。
ジグ112、110は、他の実施形態のジグ100、108、110、112のように、現在形成されているそれぞれの機械10のボクセル12、部品、又は構成要素のそれぞれのネガティブ形状を有する。
2つの非磁性ボクセル12’は、結合剤14として未硬化PDMS(Sylgard 184、ダウコーニング、ベースと硬化剤は10:1の質量比で混合)を使用して磁性ボクセル12に面結合された。2つの磁性ボクセルは、結合剤14として未硬化シリコーン(Ecoflex 0010、Smooth-On、パートAとパートBを1:1の質量比で混合)を使用して縁部結合された。
機械10の全体的なサイズを変えることはできないが、異なるチャンバサイズが要求されるシナリオでは、磁気引力/反発の強さは、MMPの濃度を増加させることにより維持でき、これが、より強い磁気モーメントをもたらす。加えて、装置10の幾何学的形状を変えて、2つの本体部品間の接触面積を増加又は減少させること、したがって磁気相互作用の強さを調整することもできる。現在の設計を例にとると、現在の円形断面の代わりに正方形断面を使用すると、接触面積が28%増加することになる。代わりに、カプセルが横方向の代わりに長手方向に開くように設計を変更すると、接触面積は94%増加することになる。全体として、提案された方法の柔軟性のおかげで、カプセルの磁気強度を犠牲にすることなく、カプセル当たりの投与量を増加させるためにチャンバサイズを拡大する複数の方法がある。
報告された実験では、材料の毛細管効果及び疎水性が、性能において果たす役割は無視できるほどであった。将来の構成において、これらの要因がより重要になる場合、試験段階において負の影響が生じる場合、提案された方法の汎用性により可能になる1つ以上の戦略を使用することで、これを克服することができる。例えば、横方向に開く代わりに長手方向に開く場合、装置が毛細管効果により受ける影響はより小さくなり、そのチャンバと環境との間での材料の交換はより簡単になる。ここでも、提案された製作方法の汎用性により、装置を設計する際にユーザにより多くの自由度が付与され、特定のタスクに好適なカスタム設計を見つけることがより容易になる。この装置で使用されるシリコーンゴムの疎水性は、プラズマ処理などの表面処理技術により変えることができる。薬物送達の代わりに、生物学的流体を体から取り出すことが必要な場合、シリコンゴムをプラズマ処理することに加えて、貨物領域に綿又は組織を予めロードすることも役立つであろう。
報告された実験では、提案されたカプセル形機械は、垂直に印加されたパルス状磁場により再磁化された。パルス状磁場は、直径1mmの銅コイルの18回の巻線で作製したカスタムメイドの電磁コイルにより生成された。各巻線は19mmの直径を有する。磁場強度を増強するために、コイルシステム内部に円筒形の軟鉄(直径16mm、長さ3cm)を配置した。コイルシステム及び鉄円筒は、一端にて整列された。180Vまで充電された4.3mFのコンデンサが、電磁コイルシステムに接続され、その結果、295mTの最大振幅を有し、1.33msでそのピークの半分まで減衰する、パルス状磁場が得られた。
報告された実験では、磁場が印加されるとき、試料は固定されておらず、自由に移動できた。パルス状磁場は、最初は垂直方向に印加された。次いで、パルス状磁場の前に、手持ち式の永久磁石により生成された垂直磁場を印加して、試料を垂直方向に整列させた。再磁化中に試料を安定化させるために、この特定の構成により、NdFeB部品の磁気方向を、それ以降のパルス状磁場と同じにした。
パルス状磁場の方向は物理的な設定により固定され、これは多くの場合、リアルタイムで容易に変更することはできない。したがって、再磁化前の整列作業は、現在の試料の配向に合うパルス状磁場を形成するように設定を変える代わりに、費用効果がより高い選択肢として、試料を所望の配向に移動させるために、これまで報告されてきた再磁化の研究において広く利用されてきた。試料配向は、再磁化後に、コバルト部分の磁気方向が、更には最終的な磁化プロファイルがどうなるかを決定する。現実的なシナリオでは、多くの場合、その作業空間内の試料の場所及び配向を操作するために、(パルス状磁場よりも弱くて遅い)別の磁場が使用される。なぜなら、多くの場合、現実的な用途のためには、再構成可能な磁化プロファイルの他に、無線制御可能性が望ましいからである。この整列作業を実施するために、この制御用の磁場が容易に使用できる。
パルス状磁場は、機械が、たとえ機械的に固定されていない場合であっても、コバルト部分の磁化方向を逆転させるには十分に強く速かった。パルスが印加されているとき、磁場とNdFeB部分との間の整列は、コバルト部分が再磁化されている最中に装置を定位置に保持する安定化のための力を提供する。パルス状磁場が意図的に遅くされた場合であっても、NdFeB部分はコバルト部分よりも磁気的に強力なので、試料が飛び去ることはない。その代わりに、コバルト部分は、印加された磁場に整列するために捻れることになり、それによりカプセルは依然として開く。
図14aは、蠕動ポンプの設計を示す。この機械は、回転
Figure 2023538233000094

に応答してその本体上に形成される連続的且つ時空的に変化する変形を使用する、液体及び固体の小規模物体をポンプ移送する機能を呈する。ポンプは、1:1の質量比の弾性ポリマー(Ecoflex Gel、Smooth-On、パートAとパートBを1:1の質量比で混合)と埋め込みMMP(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)とに基づいて、296個の幾何学的に同一の磁性ボクセル12で作製した。ボクセル12は、金型成形技術を使用してバッチで製作された。
次いで、ボクセル12は、磁化ステップのために補助ジグ112内に配置され、補助ジグは、VSM(Microsense製EZ7)内での各ボクセル12の配向を固定した。VSMは1.8Tの磁場を生成し、これがボクセル12を磁化し、その結果、74kA/mの理論的な磁化値となった。この値は、1.8Tで磁化した後にNdFeBで測定された残留磁化(図S1)に関連して、ポリマー密度(製造業者により提供される0.98g/cm3、Smooth-On)、及びMMP密度(製造業者により提供される7.61g/cm3、NdFeB、Magnequench製MQP-15-7)により計算された。
図14bでは、補助ジグ100、112、108の設計及び組立プロセスが概略的に示される。結合剤14として未硬化ポリマー(Ecoflex Gel、Smooth-On、パートAとパートBを1:1の質量比で混合)を用いて、隣接するボクセル12を一緒に接続するために、面結合方法を用いた。最初に、半円形の外形を有する個々のボクセルがジグ100上で組み立てられ、互いに面結合されて、中空円筒の半分が形成される。このプロセスが繰り返されて、中空円筒の第2の半分が形成される。これに続いて、中空円筒の2つの半分がジグ108内に配置され、結合剤14を使用して互いに結合されて、機械10が形成される。
回転する均一磁場
Figure 2023538233000095

を使用して、カスタムメイドのHalbachシリンダにより構築された提案された蠕動ポンプを作動させた。この円筒をステッピングモータ(MOONS’)上に搭載した。このステッピングモータは、円筒がその中心軸に対して回転するように駆動し、
Figure 2023538233000096

を回転させた。モータは、マイクロコントローラ(Arduino UNO)により制御されるモータドライバ(Brian SchmalzによるEasyDriver)により駆動された。マイクロコントローラはモータの回転速度及び方向を調整した。このセットアップは、電源(EX355P-USB、Aim-TTi)により給電された。
図12~図15に示すように、様々なジグ100、108、110及び112を使用して、ボクセル12を磁化すること、結合剤14を用いてボクセル12、12’、12’’を予め定められた配向で互いに接続すること、機械の部品及び/又は構成要素を形成すること、及び、最終的に複数の部品及び/又は構成要素から所望の配向で機械を組み立てること、ができる。
それぞれのボクセル12、12’、12’’は、その隣接するボクセル12、12’、12’’に結合される前に、又はその隣接するボクセル12、12’、12’’に結合されている間に、又はその隣接するボクセル12、12’、12’’に結合された後に、磁化されてもよい。
複数のボクセル12、12’、12’’を互いに結合させるステップは、磁気変形可能機械10の少なくともの一部のネガティブ形状を有するジグ100、108、110、112を提供するステップと、所定量の複数のボクセル12、12’、12’’をジグ100、108、110、112内に配置するステップと、次いで、ジグ100、108、110、112内の所定量の複数のボクセル12、12’、12’’を結合させるステップと、を含んでもよい。
所定量の複数のボクセル12、12’、12’’のうちの1つ以上が、ロボット(図示せず)を用いて、ある時点でジグ100、108、110、112内に配置されてもよい。ロボットは、供給コンテナからそれぞれのボクセル12、12’、12’’を把持し、それぞれのボクセル12、12’、12’’をジグ100、108、110、112のうちの1つの中に配置するように適合された、ピックアンドプレイスロボットであってもよい。結合するステップに続き、ロボットを次いで、機械の部品又は構成要素を把持し、これを、機械10を形成するための更なるジグ100、108、110、112に、又は機械1oの更なる部品若しくは構成要素に輸送することができる。
所定量の複数のボクセル12、12’、12’’のうちの1つ以上が、ジグ100、108、110、112内に配置される前に、又はジグ100、108、110、112内に配置されてその隣接するボクセル12、12’、12’’に結合された後に、磁化されてもよい。
未硬化ポリマーを任意選択の磁気微粒子(MMP)と共に、再利用可能な形状を定めるネガティブ金型で注型成形することにより、基本的なビルディングブロックとして、様々な磁性及び非磁性材料、並びに形状のボクセル12、12’、12’’を製作できる。ボクセル12、12’、12’’を、これら金型内でバッチで硬化させた。このステップの前に、突出するフィーチャを有するポジティブ金型を、Solidworks(Dassault Systemes)で設計し、二光子重合(TPP、Photonic Professional GT、Nanoscribe GmbH)を使用して構築した。この研究では、速いプロトタイピング及び迅速なイタレーションのために高忠実度3次元(3D)幾何学的形状を構築できるので、TPPを使用した。フォトレジストのIP-S及びIP-Q(Nanoscribe)を使用した。ポリジメチルシロキサン(PDMS、Sylgard 184、Dow Corning、ベースと硬化剤を5:1の質量比で混合)が、これらポジティブ金型で注型成形されて、対応する凹状フィーチャを有するネガティブ金型が構築された。このステップにおいて、真空脱気を実行して、いかなるトラップされた空気も除去した。これらのネガティブ金型を、Trichloro(1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチル)シラン(PFOCTS、Merck KGaA)によりシラン化して、ソフトポリマーの架橋及びボクセルの解放を促進させ、次いでボクセル12、12’、12’’を製作するために使用した。全ての金型は、経費を削減し効率を改善するために、繰り返して使用できる。このボクセル製作プロセスは、図5aに概略的に示される。
金型は、TPP及び通常のフォトリソグラフィ技術を介して製作できる。しかしながら、金型は再利用可能であり、多くのボクセル12、12’、12’’が1回の金型プロセスで製作できるので、バッチ処理用金型を製作することは不必要であり、一方で、金型設計のイタレーションはより重要である。加えて、複雑な3D幾何学的形状を構築することは、フォトリソグラフィ技術にとって挑戦的であることに留意すべきである。したがって、設計が互換性を有する場合にのみ、複雑な3D幾何学的形状を構築することを選択肢と考えるべきである。金型が準備できれば、選択されたベース材料が、選択された磁気微粒子(MMP)又は磁気ナノ粒子(MNP)、例えば、ネオジム-鉄-ホウ素(NdFeB、Magnequench製MQP-15-7、平均直径5μm)と、特定の質量比で混合される。この質量比は、異なる磁気モーメント強度を実現するために調整できる(図2c)。前述した材料は、ボクセル12、12’、12’’を形成するために使用できる。流体混合物はネガティブ金型において注型成形され、いかなるトラップされた空気も除去するために脱気された。過剰な混合物は、カミソリ刃を使用して除去された。金型内の混合物は、設計された幾何学的フィーチャを有するボクセルで硬化された。ポリマーマニュアルにより必要とされる硬化温度及び時間に従った。次いで、次のステップのために、これらの硬化されたボクセル12、12’、12’’を金型からピンセット又は針で取り出した。
この作業において使用されるベース材料は、プラチナ触媒シリコーン(Ecoflexシリーズ、0010~0050及びGelを含む)、PDMS、ウレタンプラスチック、及びゼラチンを含む。これら装置により使用される材料の歪み-応力関係が、汎用テスト機械(Instron 5942、Instron,Norwood,MA)にて、ASTM D412に従う試料の張力試験により特徴付けられた。材料の選択の他に、個々のボクセルの幾何学的フィーチャも設計できる。図16cは、我々が製作できる様々な幾何学的形状を有する、いくつかの例示的なボクセル12、12’、12’’を示す。様々なボクセル幾何学的形状を作ることが可能なことにより、製作における時間及び費用を節約できる可能性がある。その理由は、a)それら形状が、装置10のためのより良好な幾何学的プロファイルを作製できるからであり、例えば、蠕動ポンプ10のために、一般的な立方体ボクセル12、12’、12’’を使用して滑らかな表面を構築することは困難である;b)実現可能な場合、一般的でない幾何学的形状を有するより大きいボクセル12、12’、12’’が、装置において一般的な一群のボクセル12、12’、12’’を置き換えて製作効率を改善でき、例えば、カプセル内でリングボクセル12、12’、12’’を使用すると、一般的な一群の立方体ボクセルを使用する場合と比較して製作時間が節約されるからである。
磁性ボクセル12、12’、12’’が、補助ジグの手助けにより、所望の3D配向で配置され、振動試料磁力計(VSM、Microsense製EZ7)により磁化されて、3D強度及び配向を有するボクセル磁気モーメント
Figure 2023538233000097

がプログラムされた(図5d)。磁化用磁場は、特に明記しない限り、1.8Tの強度を有した。同時に、
Figure 2023538233000098

の強度が、ボクセル内のMMP濃度、並びに
Figure 2023538233000099

の強度により制御され、この強度は、VSMのグラフィックユーザインターフェースを介して正確に制御された。異なるMMP濃度を有し異なる方向に沿って磁化された例示的なボクセル12、12’、12’’が図15aに画像化されている。ベアMMPの磁気特性も、実験的に測定した(図15b)。
VSMは、互いに1cmの間隔で配置されているその2つの平行な円形プレート間の間隙内に
Figure 2023538233000100

を発生させた。
Figure 2023538233000101

の方向は円形プレートに対して垂直であり、その強度はVSMの制御端子により制御された。ボクセル12、12’、12’’は、磁化112用のジグ内で、それらの対応する配向で固定された。そして、ジグ112は、1cm幅の立方体アクリルプレートに固定された。この立方体アクリルプレートはVSMの2枚の円形プレートによりクランプされて、ボクセル12、12’、12’’は間隙の幾何学的中央に位置した。次いで、VSMにより
Figure 2023538233000102

が生成されて、ボクセル12、12’、12’’が磁化された。VSMは、0.2T/sにて
Figure 2023538233000103

の所望の強度までランプアップし、所望の強度(例えば1.8T)を2秒間維持し、次いで、-0.2T/sにて0までランプダウンするように指示された。
補助ジグ112はまた、このステップにおいて、ボクセル12、12’、12’’又は一群のボクセル12、12’、12’’の変形を固定して、ボクセル12、12’、12’’又は一群のボクセル12、12’、12’’の本体に対して、変化する磁化プロファイルをプログラムすることができる。一般に、ボクセルは、製作の汎用性を最大化するために、一緒に組み立てる前に磁化されている。しかし、いくつかの設計では、効率を改善するために、図13のカプセル10及び図11の係留装置10など、最初に一群のボクセル12、12’、12’’を組み立て、次いで磁化することができる。2つの手法は両方とも、例示的な3Dリングを使用して示された(図1)。
磁性及び非磁性ボクセル12、12’、12’’を、隣接するボクセル12、12’、12’’を接続するために塗布された結合剤14と一緒に組み立てた。補助ジグ100、108、110、112を使用して、各ボクセル12、12’、12’’の位置及び配向の両方が組み立てプロセスにおいて制御され、その結果、最終的な機械10の3D幾何学的形状及び磁化プロファイルが得られた。このような機械的固定は、ボクセル100、108、110、112間の磁気相互作用に打ち勝つことを手助けする。
2つの手法、すなわち面結合及び縁部結合を用いて、ボクセル12、12’、12’’を一緒に結合させて、合成された3Dソフト機械10を形成した。各ボクセル12、12’、12’’をその指定された位置に固定する結合剤14を使用して、ボクセル間の結合を形成した。結合剤は、隣接するボクセルと接触して硬化できる未硬化液体ソフトエラストマとして選択された。そのような適切なエラストマが利用可能ではないまれなケースでは、機械式インターロック構造を適用できる。万能接着剤及び光学接着剤などの様々な接着剤も、代替として使用できる。機械式インターロック構造により誘起されるエネルギー散逸、及びボクセル12、12’、12’’に対する様々な接着剤の互換性が、将来、完全に調査される必要があるだろう。材料設計及び磁場強度を含む、全ての報告された機械に関する製作プロセスの詳細が、前述した内容で論じられている。
組み立てプロセスは、6.3倍~50倍の範囲の倍率を有する実体顕微鏡(ZEISS Stemi 508、Carl Zeiss Microscopy GmbH)下で行った。顕微鏡のズーム及び焦点は、その左側と右側の両方に対称的に位置する2セットの回転ノブにより容易に調整できる。この顕微鏡は、ユーザが、視野のズーム及び焦点を素早く調整することを可能にし、これは3D構造を組み立てする場合に特に有用である。顕微鏡の他に、組み立てを実施するための主な手持ち式工具として、ピンセット(5-SA Outils Rubis SA、スイス)又は鉄の針(Agani 30G needles、テルモ)を使用した。いくつかのボクセル12、12’、12’’、例えば、35μmの辺長を有する立方体形状の本研究において報告される最も小さいボクセル12、12’、12’’に対して、ピンセット先端が大きすぎる場合は、後者が好ましい。面結合又は縁部結合を形成するために所望の場所に結合剤14を塗布するための工具としてのSeque/Proキャピラリーチップ(Bio-Rad Laboratories)内に、0.03mm直径の銅線をネスト状にして入れた。加えて、場合によっては、作業中にボクセル12、12’、12’’の
Figure 2023538233000104

方向を区別するために、磁化された鉄の針を使用した。上述した器具の全てが、学界及び産業界の大部分の人にとって低価格でありアクセスが容易である。
組み立てステップでは、補助ジグ100、108、110、112を使用した。ジグ100、108、110、112は、製作のためのガイドライン及び基準を提供し、作業中のボクセル12、12’、12’’の相対位置及び配向を固定することを手助けし、それにより、製作精度が制御され、再現性が向上する。これらのジグ100、108、110、112は、製作の後に繰り返し使用できる。
ジグ100、108、110、112は、2D又は3Dのいずれかである。2Dジグは、金型成形ステップにおける金型に類似しており、リング(図1)又は蠕動ポンプ(図9及び図15)の一層を組み立てるために使用されるジグなどの対応する部品を収容する凹状フィーチャを有する。ジグ100、108、110、112の寸法は、複数のボクセル12、12’、12’’で作製される部品の設計に基づいている。しかしながら、凹状フィーチャのサイズは、部品を自由に挿入できることを確実にするために、対応する部品の外形よりも僅かに大きくなるように設計されていなければならない。ジグ100、108、110、112は、二光子重合(TPP)、すなわち3Dマイクロ印刷を介して直接、又は金型成形技術を介して構築した。後者の場合、金型は、TPPにより構築された構造に、PDMS(Sylgard 184、ダウコーニング、ベースと硬化剤を5:1の質量比で混合)を注型成形してネガティブ金型を形成することにより作製した。3Dジグは、新しい作業面を構築することにより3D部品を支持する面外フィーチャを有する(図1e)。3Dジグは、(TPPの従来のサイズスケールと比較して)比較的大きいフィーチャを印刷するように設計された特別な対物レンズ(10倍及び25倍、Nanoscribe GmbH)を用いて、TPPにより直接作製された。これらのジグ100、108、110、112は、ビルディング建設のための足場と同様に設計された。典型的な実施例の1つは、3Dリングを組み立てるために使用されるジグ100、108、110、112である(図1)。
報告されたジグ設計100、108、110、112は、決して唯一の実現可能な設計ではない。ジグ設計は、この分野における機械10の設計と同様に、大部分が発見的に構築され、経験並びに試行錯誤に基づいている。
結合剤14を中央で用いて、面結合を利用して2つのボクセル12、12’、12’’を一緒に対面させるように移動させて、明確な接合部のない連続的な構造を形成した。結合界面は、装置10の形状モーフィング挙動に影響を及ぼす点では最小限の役割を果たし、それにより、ヤング率などの材料特性が変形を支配する。2つのボクセル12、12’、12’’を一緒に押し付けることにより、過剰な結合剤が絞り出されるので、結合剤14の量は無視できるほどであると考えられる。更には、面結合されたビームとバルク注型成形されたビームでは観察可能な違いがなかった。
図16aは、実装プロセスを表す。3つの手法が存在する。(i)1つのボクセル12、12’、12’’がジグ100、108、110、112内に配置される一方で、他の1つのボクセル12、12’、12’’がジグ100、108、110、112の近傍であるがジグの外側に配置された。(ii)他のボクセル12、12’、12’’も、ジグ100、108、110、112内に配置できるが、2つのボクセル12、12’、12’’間に一定距離が残っている。(iii)2つのボクセル12、12’、12’’をジグ100、108、110、112内に配置できるが、とりわけソフトボクセル12、12’、12’’については、それらの接触端がジグ100、108、110、112の外側に残っている。結合剤14の中に浸し、その先端で一部を取り込むための工具としてのSeque/Proキャピラリーチップ(Bio-Rad Laboratories)内に、0.03mm直径の銅線をネスト状にして入れた。液体結合剤14が表面18に接触するまで、ワイヤを、ボクセル12、12’、12’’の表面の近くに移動させた。次いで、ワイヤを遠ざけた。ボクセル面18における少量の結合剤14が、自動的に表面領域全体にわたって広がった。次に、第2のボクセル12、12’、12’を、(i)ジグ100、108、110、112内に配置した、又は(ii)第1のボクセル12、12’、12’’に向かってジグ100、108、110、112内を移動させた。第3のケースでは、(iii)ジグ100、108、110、112の2つのボクセル12、12’、12’’の外側の部分を、ジグ100、108、110、112内に押し込んだ。2つのボクセル12、12’、12’’は互いに密接に接触し、塗布された結合剤14の過剰分が絞り出されることになる。ピンセット又は針を使用して、ジグ100、108、110、112から絞り出された余分な結合剤14を除去した。面結合は対称である。すなわち、この結合は、曲げにおいて優先的な方向を有しない。
縁部結合が、明確な接合部を形成することにより、及び非対称接続を形成することにより、隣接する2ボクセル12、12’、12’’を接合させた。縁部結合を形成するために、結合剤14は、2つのボクセル12、12’、12’’の接触面18の1つの側部に塗布された。具体的には、2つのボクセル12、12’、12’’は、側部又は底部に余分な空間を有するジグ100、108、110、112内に配置できる(図16b)。金型成形技術と同様に、このポケット内で結合剤14が注型成形され、過剰な結合剤14がピンセット又は針により除去された。縁部結合における結合剤14の量は、補助ジグ100、108、110、112の形状により制御された。
それら接触面18の間には結合剤14がないので、2つのボクセル12、12’、12’’は、変形中に容易に互いに係合解除され得る。図1bに示す典型的な実施例として、上縁部に塗布された結合剤14は、ボクセル12、12’、12’’を上部の辺で固定して、接合部が底部の辺から開くことを遥かに容易にすることにより、曲げ対称性を破壊している。この設計により、
Figure 2023538233000105

が上向きの場合、ボクセル12、12’、12’’は係合解除され、接合部は開く。このような開いた接合部(図1b「縁部結合」の中間のケース)により、比較的小さいトルクを使用して大きい変形を実現することが可能になった。
Figure 2023538233000106

が逆転されると、ボクセル12、12’、12’’は互いに圧縮され、接合部は閉じたままとなった。そのような閉じた接合部(図1b「縁部結合」の第3のケース)が、柔らかい本体の全体が曲がることを強制し、したがって曲げは遥かに困難になり、その結果、トルクの大きさが同じ場合、変形はより小さくなる。
縁部結合は、とりわけ、弱い磁気作動下で大きな変形を生じさせるように、及び変形対称性を破壊するように、設計されている。縁部結合は、その好ましい変形方向に沿って大きな負荷に耐えるようには設計されていない。しかしながら、その負荷に耐える能力は、反対方向に沿っては影響を受けない。通常は、大きい変形は、強力な作動磁場又は柔らかい本体材料を必要とする。この非対称な縁部結合手法は、比較的弱い作動磁場において大きい変形を可能にして、形状モーフィング装置を設計する際により多くの自由度をもたらす。
ボクセル12、12’、12’’を一緒に組み立てた後、結合剤14の硬化のために、指定された温度で装置10全体を保管した。これらの温度は、選択された結合剤14の対応する製造業者により提供される硬化要件により決定された。このステップに対して特定の温度の環境を提供するために、非磁性のホットプレート及びオーブンを使用した。
製作の後、プロトタイプ機械10を、それらの指定された試験セットアップ、例えば、係留装置用の円形の管の内部に配置し(図11)、光学顕微鏡で観察した。作業空間内で任意の3D方向に磁場を生成するために、手持ち式の永久磁石(ネオジム、ニッケルめっき、Supermagnete)を使用した。観察された試料の変形及び運動を、ビデオカメラ(Point Grey Research Inc)及び高速度カメラ(Phantom Cinemag II v641)でキャプチャした。各試料を、複数回にわたって試験したが、性能劣化のいかなる徴候も観察されなかった。
ヒト脂肪由来の間葉系幹細胞120(haMSC、ATCC)を、低血清用の間葉系幹細胞成長キット(ATCC)で補充されたMSC基本培地(ATCC)、2%のウシ胎児血清(FBS、Gibco)、ペニシリン(25UI mL-1)、及びストレプトマイシン(25μg mL-1)を含む、75cm2のポリスチレン細胞培養フラスコを使用して、加湿した37℃の5%CO環境にて培養した。細胞は、80%コンフルエンスに達する前に、0.25%のTyrpin-EDTA(Gibco)溶液で分割された。
幹細胞120を捕捉するために、TPPにより3D印刷されたマイクロケージ122が、6リング係留機械10の半分である係留機械にヘテロジニアスに一体化された(図17a)。ケージ122は、細胞培養及び組織工学のために特別に設計された生体適合性の商用IP-Visioフォト樹脂(Nanoscribe GmbH)で作製された。ケージ122は、それが係留機械10上の対応するほぞ穴に嵌まることができるように、ほぞを有するように設計された。アセンブリの間、ケージ122が挿入される前に、最初に、少量の未硬化シリコーンエラストマ(Ecoflex 0010)がボクセル12、12’、12’’のほぞ穴に塗布された。セルを植え付ける前に、装置全体を1倍濃度のリン酸塩-緩衝食塩水(PBS)溶液中に入れ、UV下で1時間にわたって滅菌した。殺菌後、装置全体を、1倍濃度のPBS中の25μg・mL-1フィブロネクチン溶液中で37℃にて2時間にわたって定温保管して、マイクロケージ122への細胞の接着を強化させた。フィブロネクチン処理の後、装置10全体をPBSで洗浄し、懸濁液中の細胞120を、1mL当たり1.5×106個の細胞120の密度で上部から植え付けた(50μLの量で)。次いで、閉じ込められた細胞120を有する装置10を、37℃、5%COの加湿環境に移した。
24時間の細胞閉じ込め後の、細胞の生存率を調査するために、LIVE/DEAD(登録商標)生存率/細胞毒性キットを使用して、製造業者の蛍光顕微鏡検査プロトコルに基づいて生細胞及び死細胞を染色した。簡潔に言うと、生きている緑色のバイアルを解凍し、死んでいる赤色成分と混合して、2倍の作用液を形成し、次いでこれを、係留装置10を含むウェルに、同量の成長媒体と共に加えた。装置10及び細胞120を、画像化の前に室温にて、溶液と共に30分にわたって定温保管した。スピニングディスク共焦点顕微鏡(Nikon Instruments Inc.,Eclipse Ti-E)を使用して、生細胞及び死細胞120を画像化した。
マイクロケージ122内での細胞接着及び保持は、将来、ケージ内で人工細胞ニッチを構築することにより更に制御できる。マイクロケージ122の内面を天然細胞外マトリックス由来の細胞接着性ペプチド及びタンパク質で装飾することにより、細胞運命及び挙動を調整することが可能になる。また、ケージの機械的特性を調整することによって、固有の幹細胞環境の物理的性質を要約することが、装置10の輸送中に細胞120の安定性及び保持をサポートできる。
2.任意の3D磁化プロファイルを構築する解像度及び能力
提案された製作手法は、以前の方法と比較して、高い解像度での3Dから3Dへの形状モーフィング機能を有する機械10を構築することを可能にする。提案された製作方法の解像度の特性を決定するために、35μmの辺長を有する4つの立方体ボクセル12、12’、12’’(図2a)によりチェッカーボードを組み立てた。この解像度は、磁気ソフト機械の現在の3D印刷法によりもたらされる解像度の半分未満である。製作解像度は、正確に繰り返して組み立てることができる最小のボクセル12、12’、12’’の3Dサイズと定義される。この定義は、提案された方法が、結果として生じる機械の個々のボクセルの材料並びに磁気特性を3Dで変化させることが可能であるという事実に基づく。
このように製作解像度が高いと、各ボクセルは、任意の3D方向を示し得る局所的な磁気モーメント
Figure 2023538233000107

を有することができる(図2b)。均一な(一定の)を磁化を想定する他に、比較的大きいボクセル12、12’、12’’における
Figure 2023538233000108

は、磁化プロセスにおいて特定の変形を想定することにより、空間的に変化するようにプログラムすることもできる。また、
Figure 2023538233000109

は、ゼロから、MMPの磁気特性によって上限が定められる最大値までの、任意の値を有することができる。
Figure 2023538233000110

の正確な値は、所与のボクセル12、12’、12’’におけるMMP濃度、及びボクセル12、12’、12’’を磁化するために使用される磁場
Figure 2023538233000111

の大きさにより調整できる。MMPの異なる質量比(0.0%、33.3%、50.0%、及び66.7%)に対するボクセル12、12’、12’’の測定された磁化値を、対応する理論値との比較と共に図2cに示す。結果は、MMP濃度、並びに磁化用磁場
Figure 2023538233000112

の強度を変化させることにより、
Figure 2023538233000113

を調整できることを示す。

Claims (42)

  1. ヘテロジニアスな複数のボクセル(12、12’、12’’)を備える磁気変形可能機械(10)を製作する方法であって、
    前記方法は、
    前記磁気機械(10)の変形特性を定めるステップと、
    前記磁気機械(10)の前記変形特性を参照して、前記磁気機械(10)のブループリントを作成するステップと、
    前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を提供するステップであって、前記複数のボクセル(12、12’、12’’)のうちの少なくともいくつかは磁性を有し、前記複数のボクセル(12、12’、12’’)のうちの少なくともいくつかのボクセル(12、12’、12’’)は500MPa未満のヤング率を有する、ステップと、
    作成された前記ブループリントに従って、結合剤(14)を使用して前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を互いに結合させて、前記磁気機械(10)を組み立てるステップと、
    前記結合剤(14)を硬化させるステップと、
    のシーケンスを含む方法。
  2. 前記磁気機械(10)の変形特性を定める前記ステップは、
    前記磁気機械(10)の用途を定めるステップと、
    前記磁気機械(10)の前記用途の動作環境をそれぞれ定めるステップと、
    前記磁気機械(10)の変形パラメータを定めるステップと、
    前記磁気機械(10)のサイズを選択するステップと、
    前記磁気機械(10)の形状を選択するステップと、
    前述したステップの組み合わせと、からなる要素群から選択される少なくとも1つのステップを含む、請求項1に記載の方法。

  3. 前記ブループリントは、
    前記磁気機械(10)を形成するために使用されるそれぞれの前記複数のボクセル(12、12’、12’’)の数と、
    前記磁気機械(10)を形成するために使用されるそれぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の配置と、
    前記磁気機械(10)を形成するために使用されるそれぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の性質と、
    前記磁気機械(10)を形成するために使用される前記複数のボクセル(12、12’、12’’)における硬化剤の配置と、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記特性は、
    ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性、変形、最大歪み又は応力、薬物又は他の分子のローディング能力、遠隔加熱特性、多孔性、ガス、液体又は分子透過性、電気伝導率又は熱伝導率、熱膨張、液体膨潤特性、刺激応答性、生体適合性、生物学的又は他の分解性又は可溶性、特定の画像化技術における視認性、免疫反応特性、タンパク質吸収特性、酵素反応特性、及び他のボクセル、生物組織又は他の表面に対する一時的又は永続的な接着力、からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記刺激応答性は、pH、化学薬品、温度、湿度、流れ、圧力アンモニウム、グルコース、及びブドウ糖のうちの1つへの応答である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記特定の画像化技術は、蛍光画像化、近赤外画像化、磁気共鳴画像化、陽電子放出断層撮影、超音波画像化、光音響画像化、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影のうちの1つである、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記磁気機械(10)の前記ブループリントを作成する前記ステップは、
    異なるボクセル(12、12’、12’’)の材料を選択して、前記磁気機械(10)の剛性特性を定めるステップと、
    前記磁気機械(10)のそれぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)のために1つ以上の材料を選択するステップと、
    前記磁性ボクセル(12、12’、12’’)の均一な又は不均一な3D磁化プロファイルを選択して、前記磁気機械(10)の磁気トルクベース又は磁力ベースの変形特性を定めるステップと、
    それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)のサイズを選択するステップと、
    それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の形状を選択するステップと、
    それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の磁気特性を選択するステップと、
    それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の材料特性を選択するステップと、
    前記ブループリントに基づいて前記磁気機械(10)の挙動及び/又は変形をシミュレートするステップと、
    それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)のうちの1つ以上を磁化するステップと、
    前記磁気機械(10)の挙動及び/又は変形のシミュレーションの結果に応じて、前記磁気機械(10)の前記ブループリントを適合させるステップと、
    前述したステップの組み合わせと、からなる要素群から選択されるステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 各ボクセル(12、12’、12’’)は3D形状を有し、所定の形状、サイズを有し、所定の磁気特性及び所定の材料特性を有し、及び/又は
    それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)は、その隣接するボクセル(12、12’、12’’)に結合される前に、又はその隣接するボクセル(12、12’、12’’)に結合されている間に、又はその隣接するボクセル(12、12’、12’’)に結合された後に、磁化される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記所定の材料特性は、ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性、変形、最大歪み又は応力、薬物又は他の分子のローディング能力、遠隔加熱特性、多孔性、ガス、液体又は分子透過性、電気伝導率又は熱伝導率、熱膨張、液体膨潤特性、刺激応答性、生体適合性、生物学的又は他の分解性又は可溶性、特定の画像化技術における視認性、免疫反応特性、タンパク質吸収特性、酵素反応特性、及び他のボクセル、生物組織又は他の表面に対する一時的又は永続的な接着力、からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記刺激応答性は、pH、化学薬品、温度、湿度、流れ、圧力、グルコースのうちの1つへの応答である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記特定の画像化技術は、蛍光画像化、近赤外画像化、磁気共鳴画像化、陽電子放出断層撮影、超音波画像化、光音響画像化、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影のうちの1つである、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記磁気機械(10)の前記磁性ボクセル(12、12’、12’’)の磁化プロファイルが、磁気感知又は画像化技術により視認できる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記磁気感知又は画像化技術は、カー効果及び/又はファラデー効果、磁力顕微鏡検査、及び/又は磁気X線顕微鏡検査を使用する光磁気感知である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を互いに結合させる前記ステップは、前記ボクセル(12、12’、12’’)の1つ以上の面(18)及び/又は1つ以上の縁部(20)で起こる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を互いに結合させる前記ステップは、以降のステップにおいて1つのボクセル(12、12’、12’’)を別のボクセル(12、12’、12’’)に結合させることを含み、及び/又は、
    前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を互いに結合させる前記ステップは、一群のボクセル(12、12’、12’’)を群毎に別の群に結合させることを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を互いに結合させる前記ステップは、前記磁気変形可能機械(10)の少なくとも一部のネガティブ形状を有するジグ(100、108、110、112)を提供するステップと、所定量の前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を前記ジグ(100、108、110、112)内に配置するステップと、次いで、前記ジグ(100、108、110、112)内の前記所定量の前記複数のボクセル(12、12’、12’’)を結合させるステップと、を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記所定量の前記複数のボクセル(12、12’、12’’)のうちの1つ以上が、ロボットを用いて、ある時点で前記ジグ(100、108、110、112)内に配置される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記所定量の前記複数のボクセル(12、12’、12’’)のうちの1つ以上が、前記ジグ内に配置される前に、又は前記ジグ(100、108、110、112)内に配置されてその隣接するボクセル(12、12’、12’’)に結合された後に、磁化される、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記結合剤(14)を硬化させる前記ステップは、室温又は別の特定の温度にて、及び結合させる前記ステップが実施される環境にて実施され、
    前記結合剤(14)を硬化させる前記ステップは、紫外線(UV)又は他の波長の光源により実施される、又は、
    前記結合剤(14)を硬化させる前記ステップは、オーブン内で又はホットプレートにて実施される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記磁気機械(10)のそれぞれの辺長が、10000mm未満のサイズを有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記磁気機械(10)の前記それぞれの辺長が、100mm未満のサイズを有する、請求項20に記載の方法。
  22. 各ボクセル(12、12’、12’’)は3D形状を有し、前記3D形状のそれぞれの辺長のサイズが、2500mm~5nmの範囲内で選択されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 各ボクセル(12、12’、12’’)は3D形状を有し、前記3D形状のそれぞれの辺長のサイズが、25mm~1μmの範囲内で選択されている、請求項22に記載の方法。
  24. 各ボクセル(12、12’、12’’)は、正方形のボクセル(12、12’、12’’)、矩形のボクセル(12、12’、12’’)、丸いボクセル(12、12’、12’’)、多角形のボクセル(12、12’、12’’)、三角形のボクセル(12、12’、12’’)、あらゆる任意の3D形状のボクセル(12、12’、12’’)、及び前述したものの組み合わせ、からなる要素群から選択される形状を有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 変形可能3D磁気機械(10)であって、
    前記磁気機械(10)は10000mm未満のサイズを有し、
    前記磁気機械(10)は複数のボクセル(12、12’、12’’)を備え、前記複数のボクセルのうちの少なくともいくつかは磁性を有し、前記ボクセル(12、12’、12’’)のうちの少なくともいくつかは500MPa未満のヤング率を有し、
    前記複数のボクセル(12、12’、12’’)は結合剤(14)で互いに結合され、
    各ボクセル(12、12’、12’’)は、所定の形状、サイズを有し、所定の磁気特性及び所定の材料特性を有する、変形可能3D磁気機械(10)。
  26. 前記所定の磁気及び/又は材料特性は、ヤング率、磁化プロファイル、剛性、機械的強度、耐久性、変形、最大歪み又は応力、薬物又は他の分子のローディング能力、遠隔加熱特性、多孔性、ガス、液体又は分子透過性、電気伝導率又は熱伝導率、熱膨張、液体膨潤特性、刺激応答性、生体適合性、生物学的又は他の分解性又は可溶性、特定の画像化技術における視認性、免疫反応特性、タンパク質吸収特性、酵素反応特性、及び他のボクセル、生物組織又は他の表面に対する一時的又は永続的な接着力、のうちの少なくとも1つである、請求項25に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  27. 前記刺激応答性は、pH、化学薬品、温度、湿度、流れ、圧力及び/又はグルコースへの応答である、請求項26に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  28. 特定の画像化技術における前記視認性は、蛍光画像化、近赤外画像化、磁気共鳴画像化、陽電子放出断層撮影、超音波画像化、光音響画像化、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影、からなる群から選択される、請求項26又は27に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  29. 請求項1~12のいずれか一項に記載の方法により取得可能な、請求項25~28のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  30. 前記磁気機械(10)のそれぞれの辺長が、100mm未満、特に5mm未満のサイズを有する、請求項25~29のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  31. 各ボクセル(12、12’、12’’)は3D形状を有し、前記3D形状のそれぞれの辺長のサイズが、2500mm~5mmの範囲内、とりわけ25mm~1μmの範囲内で選択されている、請求項25~30のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  32. 各ボクセル(12、12’、12’’)は、正方形のボクセル(12、12’、12’’)、矩形のボクセル(12、12’、12’’)、丸いボクセル(12、12’、12’’)、多角形のボクセル(12、12’、12’’)、三角形のボクセル(12、12’、12’’)、あらゆる任意の3D形状のボクセル(12、12’、12’’)、及び前述したものの組み合わせ、からなる要素群から選択される形状を有することができる、請求項25~31のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  33. 前記磁気機械(10)は、貨物を送達する装置であり、前記貨物を輸送し、標的部位において前記磁気機械(10)を変形させるか又は開放することにより、前記貨物を解放することができる、
    又は、前記磁気機械(10)は、係留装置、ステント、ソフト蠕動液体ポンプ又は他のタイプの液体ポンプ、ソフト立方体フレーム、情報暗号化装置、変形可能メタマテリアル、形状適合性又は形状プログラム可能ロボット、グリッパー、折り畳み可能装置、閉塞装置、泳ぐロボット、器官モデル、合成心臓又は他の器官、及び収縮性リングフラワ、のうちの1つである、請求項25~32のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  34. 前記貨物は、薬物、幹細胞、遺伝子、造影剤、T細胞、及び/又はマクロファージである、請求項33に記載の変形可能3D磁気機械。
  35. 前記磁気機械(10)の非磁性ボクセル(12、12’、12’’)のうちの少なくともいくつかの非磁性材料は、
    エラストマ、熱可塑性エラストマ、ゴム、デュロプラスチック、熱可塑性プラスチック、例えばポリジメチルシロキサン、脂肪族芳香族コポリエステル若しくは改質ポリエステル、又は改質コポリエステル、ポリウレタンエラストマ、シリコーンゴム、天然ゴム、ラテックス、スチレンエチレンブチレンスチレン、ブチルゴム、フルオロシリコーンゴム、ポリエステル、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン;生物分解可能な合成材料、例えば、ポリグリコリドポリラクチド、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド);生体材料、例えば、ゼラチン、キトサン、アルギン酸、アガロース、ヒアルロン酸誘導体、キトサン、フィブリン糊、エラスチン、セルロース、フィブロネクチン、コラーゲン、絹;ヒドロゲル;イオン性ゲル;液晶ポリマー、エラストマ又はゲル;形状記憶ポリマー;フォトレジストポリマー、例えば、SU-8;生体タンパク質、例えば、イカ環歯タンパク質;繊維材料;非磁性金属;シリコン;シリカ;ガラス;木材;炭素繊維;並びに前述したものの派生物及び組み合わせ、からなる材料の群からそれぞれが選択される、請求項25~34のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  36. 少なくともいくつかの前記磁性ボクセル(12、12’、12’’)の磁性材料は、バルク形態、粒子形態、ディスク形態、ワイヤ形態、繊維形態、又はヤヌス粒子形態で存在する磁性材料であって、例えば、二酸化クロム(CrO)、サマリウム-コバルト(SmCo)、ネオジム-鉄-ホウ素(NdFeB)、コバルト(Co)、フェライト、パーマロイ(NiFe)、炭素鋼、タングステン鋼、アルニコ、鉄、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)、鉄プラチナ(FePt)、酸化鉄、バリウムフェライト、磁鉄鉱、前述したものの組み合わせ若しくは複合物である、磁性材料;及び/又は、ボクセル(12、12’、12’’)であって、前記磁性材料又は前記磁性材料の組み合わせで作製された磁気薄膜若しくは層で被覆されている、ボクセル(12、12’、12’’);からなる群から選択されている、請求項25~35のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  37. 前記磁性ボクセル材料が、均一に又は不均一に、前記非磁性ボクセル(12、12’、12’’)材料内に埋め込まれている、又は前記非磁性ボクセル(12、12’、12’’)材料で被覆されている、又は前記非磁性ボクセル(12、12’、12’’)材料上に堆積されている、及び/又は前述したものの組み合わせである、磁気複合材料である、請求項25~36のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  38. 前記結合剤(14)の材料は、未硬化シリコーンゴム、PDMS、ポリウレタン、改質されたコポリエステル、シリコーンゴム及び上述した材料の他の未硬化ポリマー、温度硬化性ポリマー、UV又は他の波長の光で硬化可能なポリマー、化学的硬化性ポリマー、ワックス、接着テープ、スーパーグルー、外科用グルー、様々な種類の生物学的ポリマー、例えば、ゼラチン、デオキシリボ核酸(DNA)及びベースとなる結合剤、並びに前述したものの組み合わせ、からなる要素群から選択される、請求項25~37のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  39. 前記磁性ボクセル(12)は、あらゆる任意の3D磁化プロファイルを有し、例えば、均一な磁性ボクセル(12、12’、12’’)について、各ボクセルは、0~1Tの範囲内で選択される平均表面磁場強度を有し、各ボクセル(12)は、所定配向の前記磁場強度を有する、請求項25~38のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  40. 不均一な磁性ボクセル(12、12’、12’’)について、各ボクセル(12、12’、12’’)は、前記ボクセル(12、12’、12’’)全体にわたって変化する磁気配向を伴う、前記ボクセル(12、12’、12’’)全体にわたって不均一な磁気分布を有する、請求項39に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  41. 前記磁場強度は0~50mTの範囲内で選択される、請求項39又は40に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
  42. 前記磁場強度の前記所定配向は、それぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の面(18)に平行に選択される、又はそれぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の面(18)に垂直に選択される、又はそれぞれの前記ボクセル(12、12’、12’’)の1つ以上の面(18)に対して傾斜している、請求項38~40のいずれか一項に記載の変形可能3D磁気機械(10)。
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