JP2023536927A - 減圧治療システムの漏出を制御する装置 - Google Patents

減圧治療システムの漏出を制御する装置 Download PDF

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Abstract

例示的な一実施形態では、創傷部位における組織の治癒を刺激するためのシステムが開示される。システムは、多孔性パッドと、創傷部位においてパッドを覆い創傷部位において陰圧を維持するためのドレープとを含むドレッシングと、ポンプ圧力を生成するためのポンプ及び電気モータを含む、創傷部位に適用するための陰圧源と、ポンプ圧力を感知するための第1の圧力センサと、を備える。システムは、第1の圧力センサ及び電気モータに結合されたコントローラと、システムの治療環境への漏出を誘発するためにコントローラに結合され、ドレッシング内の流体流の最小レベルを維持するレギュレータと、をさらに備える。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年8月6日に出願された米国特許仮出願第63/062,218号に対する優先権の利益を主張する。
添付の特許請求の範囲に記載される本発明は、概して組織治療システムに関し、限定するものではないが、特に、陰圧創傷治療システムの漏出制御に関する。
臨床研究及び臨床診療は、組織部位の近接の圧力の低減が、組織部位における新しい組織の成長を増強及び加速させることができることを示している。この現象の用途は数多くあるが、創傷を治療するために特に有利であることが判明している。創傷の原因に関わらず、外傷、手術、又は別の原因かどうかに関わらず、創傷の適切なケアが転帰に重要である。減圧による創傷又は他の組織の治療は、一般に「陰圧療法」と称され得るが、例えば「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、及び「真空補助閉鎖法(vacuum-assisted closure)」を含む他の名称によっても知られている。陰圧治療は、上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、及び創傷部位における組織の微小変形などを含む多くの利益を提供することができる。これらの利益は全体として、肉芽組織の発達を増加させることができ、治癒時間を低減することができる。
陰圧治療の臨床的利益は広く知られているが、陰圧治療のコスト及び複雑さが陰圧治療の適用を制限する要因であり得、陰圧システム、陰圧構成要素、並びに陰圧プロセスの開発及び動作は、製造業者、ヘルスケア提供者、及び患者に重大な課題を提示し続けている。
陰圧治療環境において、陰圧を低漏出及び高漏出状態に維持するための新規かつ有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。特許請求されている主題を当業者が作製及び使用することを可能にするための例示的実施形態も提供されている。
例えば、切り傷又は創傷などの組織部位に減圧治療システムによって供給される減圧は、減圧治療の有効性を増加させるように適切に制御される必要があり得る。減圧治療システムは、減圧を供給するためのポンプと、創傷に隣接して配置される創傷ドレッシングと、両方を覆い、減圧治療を提供するための密閉環境を、ポンプから密閉環境まで提供するドレープと、を含んでもよい。しかしながら、減圧治療システムのドレッシング及び他の構成要素において、漏出が、例えば、ドレープと組織部位との間での漏出、すなわち、システム漏出が発生し得る。システム漏出は、特にドレッシング近傍でのシステム内流体流量に応じて、高システム漏出又は低システム漏出であり得る。低システム漏出においては、組織部位における創傷の効果的治療を維持するために、流量を監視かつ制御して、流量が最小値すなわち最小流量を下回らないことを確実とすることが必要であり得る。流量が最小流量未満に低下した場合、創傷の有効な治療を維持するため、外部環境からドレッシングの治療環境への空気の漏出を誘発することによって流量を増加させるようにシステムが構成されてもよい。
一例示的実施形態では、組織部位における創傷の治癒を促進するためのシステムは、組織部位に配置されるように構成され、ドレープによって覆われるように適合されて、組織部位における創傷圧力(WP)を維持するために外部環境から隔てられた治療環境を形成する多孔性パッドを含むドレッシングを備える。システムは、ポンプ圧力(PP)を生成するように適合され、組織部位に陰圧を印加するために多孔性パッドに流体結合されるようにさらに適合されたポンプを含む陰圧源をさらに備えてもよい。システムは、ポンプと多孔性パッドとの間に流体結合された入力と、ポンプと多孔性パッドとの間での漏出を示す流体の流量(FR)を表す流量信号を提供するための出力とを有する流量センサをさらに備えてもよい。システムは、流量センサの出力に結合された入力と出力とを有するコントローラをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、流量信号に基づいて流量(FR)を判定し、次いで、測定された流量(FR)を最小流量(MinFR)と比較するように構成されてもよい。コントローラは、流量(FR)が最小流量(MinFR)未満であるとき、コントローラの出力において低漏出信号を生成するようにさらに構成されてもよい。システムは、低漏出信号の発生に応答して、ポンプと多孔性パッドとの間の漏出を増加させることによって流量(FR)を増加させるように適合され得る、コントローラの出力に結合されたレギュレータをさらに備え得る。
いくつかの例示的実施形態では、流量センサは、ポンプ圧力(PP)を感知するための第1の入力及びポンプ圧力(PP)を示す信号を提供するための第1の出力を有する第1の圧力センサと、創傷圧力(WP)を感知するための第2の入力及び創傷圧力(WP)を示す信号を提供するための第2の出力を有する第2の圧力センサとを備えてもよい。コントローラは、第1のポンプの第1の出力及び第2のポンプの第2の出力に電気的に結合されてもよく、ポンプ圧力(PP)と創傷圧力(WP)との間の差に基づいて流量(FR)を判定するようにさらに構成されてもよい。
一例示的実施形態では、組織部位における創傷の治癒を刺激するための方法は、多孔性パッドを組織部位に配置することと、多孔性パッドをドレープで覆って、組織部位における創傷圧力(WP)を維持するために外部環境から隔てられた治療環境を形成することと、を含んでもよい。方法はさらに、ポンプを使用して多孔性パッドに陰圧を印加し、組織部位に陰圧を印加するためのポンプ圧力(PP)を生成することを含んでもよい。方法は、漏出を示す、ポンプと多孔性パッドとの間の流体の流量(FR)を判定することと、流量信号を提供することと、次いで、流量(FR)を最小流量(MinFR)と比較することと、をさらに含んでもよい。測定された流量(FR)が最小流量(MinFR)未満である場合、方法はさらに、低漏出信号を生成することと、低漏出信号の発生に応答して、ポンプと多孔性パッドとの間での漏出を増加させることによって、流量(FR)を増加させることと、を含む。
特許請求される主題を作製及び使用する目的、利点、及び好ましい態様が、例示的実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付の図面を参照することによって最もよく理解されよう。
図1は、本明細書による、ポンプモータに結合されたコントローラと、組織部位に提供される圧力のハイブリッド制御及び減圧型圧力治療システムの漏出の制御を提供することができるポンプとを含む、減圧治療システムの一例の実施形態の機能ブロック図である。 図2は、図1の減圧治療システムで使用され得るポンプモータのストール電圧特性を示すグラフであり、x軸はポンプモータの真空圧力負荷を表し、y軸はストール電圧を表す。 図3は、例示的実施形態の具体例によるモータ駆動システムの圧力制御を図示するグラフである。x軸は、時間を分(min)及び/又は秒(sec)単位で表す。y軸は、図1の減圧治療システムにおいて使用され得る、連続制御モード及び間欠モードにおいて時間とともに変動する、ポンプによって生成される圧力をTorr(mmHg)単位で表す。 図4は、例示的実施形態の具体例による、モータ駆動システムの圧力制御を図示するグラフである。x軸は、時間を分(min)及び/又は秒(sec)単位で表す。y軸は、ポンプによって生成される圧力をTorr(mmHg)単位で表し、PIDコントローラ及び/又はバングバングコントローラで用いるために、組織部位又は組織部位における創傷圧力(WP)などの操作変数を、ポンプ圧力(PP)などの制御変数と比較している。 図5Aは、例示的な実施形態の具体例による、バングバングコントローラの圧力制御を示すグラフである。x軸は、時間を秒(sec)単位で表し、y軸は、ポンプによって生成され、連続制御モードで時間とともに変化する圧力をTorr(mmHg)単位で表す。バングバングコントローラの圧力制御は、図5Aに示す図1の減圧治療システムによって生成される上部圧力を受けており、これは、図5Bに示す、より小さい上部圧力と比較して大きい。 図5Bは、例示的な実施形態の具体例による、バングバングコントローラの圧力制御を示すグラフである。x軸は、時間を秒(sec)単位で表し、y軸は、ポンプによって生成され、連続制御モードで時間とともに変化する圧力をTorr(mmHg)単位で表す。バングバングコントローラの圧力制御は、図5Aに示す図1の減圧治療システムによって生成される上部圧力を受けており、これは、図5Bに示す、より小さい上部圧力と比較して大きい。 図6は、例示的な実施形態の具体例による、PIDコントローラの圧力制御を示すグラフである。x軸は、時間を秒(sec)単位で表し、y軸は、ポンプによって生成され、連続制御モードで時間とともに変化する圧力をTorr(mmHg)単位で表す。ここで、圧力制御をバングバングコントローラの圧力制御と比較するために、水平タイムスケールは、図5Bに示される水平タイムスケールと実質的に同じである。 図7は、例示的実施形態の具体例による、組織部位における減圧を制御するための、図1のコントローラ上に記憶され得るプロセス又は治療ループを図示するフローチャートであり、これには、組織部位における減圧を制御するための適切なポンプ圧力制御を選択するための治療アルゴリズムを含む。 図8は、例示的実施形態の具体例による、外部環境から減圧治療システムの治療環境内への気体漏出を制御するためのプロセス又は流量ループを図示する、フローチャートである。
例示的な実施形態の以下の説明は、当業者が、添付の特許請求の範囲に記述されている主題を製造及び使用することを可能にする情報を提供するが、当該技術分野において既に周知の特定の詳細については省略することがある。したがって、以下の詳細な説明は、限定ではなく例示として解釈されたい。
例示的実施形態はまた、添付の図面に示されている様々な要素間の空間的関係又は様々な要素の空間的向き(orientation)を参照して本明細書に記載され得る。概して、このような関係又は向きは、処置を受ける位置にある患者と整合する又は当該患者に対する基準系をとる。しかしながら、この基準系は厳密な規定ではなく、単に説明上の便宜的なものであることが当業者には理解されよう。
図1は、本明細書による陰圧治療を提供することができる減圧治療システム100の例示的実施形態の簡略化された機能ブロック図である。より具体的には、治療システム100は、適切な量の減圧を組織部位105に供給するために、どのポンプ圧力制御が利用されるかを制御するために使用され得る。組織部位105は、骨組織、脂肪組織、筋組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨組織、腱、靭帯又は他の任意の組織を含む、任意のヒト、動物又は他の生物体の体組織であり得る。組織部位105は、創傷、罹患組織、又は欠損組織を含んでもよいが、組織部位は、創傷、罹患、又は欠損のない健康な組織をさらに含んでもよい。組織部位105への減圧の適用は、組織部位105からの滲出液及び他の液体の排出を促進するため、並びに追加の組織の成長を促進するために用いられ得る。組織部位105が創傷部位である場合、肉芽組織の成長並びに滲出液及び細菌の除去は、創傷の治癒を促進する。健康な組織を含む非創傷組織又は非欠損組織への減圧の適用は、採取されて別の組織位置に移植され得る組織の成長を促進するために使用され得る。
組織部位105に適用される減圧は、減圧源110によって供給され得る。減圧源110は、任意の種類の手動で、機械的に、又は電気的に作動されるポンプであり得る。減圧源110の非限定的な例は、貯蔵されたエネルギーによって駆動され、減圧を生成することができるデバイスを含む。これらの貯蔵エネルギー、減圧源の例としては、圧電エネルギー、バネエネルギー、太陽エネルギー、運動エネルギー、コンデンサに貯蔵されたエネルギー、燃焼、及びスターリングサイクル又は同様のサイクルによって発生したエネルギーによって駆動されるポンプが挙げられるが、これらに限定されない。減圧源110において使用され得るか又は含まれ得るさらに他のデバイス及びプロセスは、シリンジ、親ねじ、ラチェット、時計仕掛け駆動デバイス、振り子駆動デバイス、手動発電機、浸透圧プロセス、熱加熱プロセス、及び真空圧力が凝縮によって生成されるプロセスを含む。別の実施形態では、減圧源110はポンプ112を含むことができ、ポンプ112は、システムコントローラとも呼ばれる減圧治療システム100の構成要素でもあるコントローラ170に電気的に結合されたモータ114によって駆動され得る組織部位105に陰圧又は減圧、すなわちポンプ圧力(PP)を供給する。モータ114は、例えば、バッテリ(図示せず)などのDC電源によって電力供給される直流モータであってもよい。好ましくは、ポンプ112は、例えば、ダイヤフラムポンプのように、少量の電力を使用し、バッテリの1回の充電で長期間動作することができる。
一例示的実施形態では、減圧源110は、バッテリ、すなわち、印加電力によって電力供給されるDCモータ114を備える。印加電力は、モータに印加される電流又は電圧すなわち「印加電圧」(V)のいずれかを変化させることによって、モータの速度を制御するために変化させることができる。印加電圧(V)は、例えば、電圧を矩形波で変調し、矩形波のデューティサイクルを変化させてDCモータ114の速度を制御することによって、変化させることができる。減圧源110はまた、組織部位105に減圧又は真空を供給するポンプ112を備える。その結果、ポンプ112は、DCモータ114にかかる負荷を表し、その結果、組織部位105における減圧を増加させることが必要であることを治療が要求するとき、DCモータ114に供給される印加電圧(V)が、組織部位105における目標減圧を達成するために増加される。印加された電圧(V)が、この場合はダイヤフラムポンプであり得るポンプ112の慣性又は負荷に打ち勝つのに十分となるまで、DCモータ114が作動しない又はポンプを回転させないことは、当業者に既知である。
より具体的に図2を参照すると、ポンプ112を始動させるために必要なポンプモータ114のための電圧を示すグラフ301が示されており、X軸は、DCポンプモータの負荷となるポンプ圧力(PP)を表し、Y軸は、印加された電圧(V)を表す。例えば、破線302、303によって示されるように、DCモータ114に100mmHgの圧力で負荷がかかっているとき、コントローラ170は、ポンプ112を回転させるには少なくとも2.3Vの電圧をDCモータ114に印加する必要があり得る。2.3V未満の電圧をDCモータ114に印加するのでは、モータがポンプを回転させるのに不十分な電力しか得られない、すなわち、負荷をかけられたモータは停止したまま、すなわち「ストール」したままとなり、結果としてモータはポンプを回転させることができない。したがって、2.3Vの値は、当業界では「ストール電圧」と呼ばれることが多く、100mmHgの圧力の負荷におけるDCモータについて計算される。それに対応して、125mmHgのより大きい圧力で負荷がかかっているとき、コントローラ170は、ポンプを回転させるにはより大きい電圧である少なくとも2.45VをDCモータに印加する必要があり得る(304)。2.45Vのストール電圧未満の電圧をDCモータに印加するのでは、125mmHgのストール圧力下でDCモータにポンプを回転させるのに十分ではない。ストール電圧の変動は、モータにかかる圧力負荷の変動に比例する、すなわち、モータにかかる圧力負荷が大きいほど、圧力負荷に打ち勝つのに必要なストール電圧は大きくなる。
ダイヤフラムポンプを駆動するために使用される特定のDCモータに対する特定のストール電圧は、典型的には、DCモータに対して利用可能な仕様から当業者によって決定され得る。ダイヤフラムポンプ及びDCモータは、例えば、そのような情報が容易に利用可能であるThomas Model No.30130002シリーズ4.5Vダイヤフラムポンプなどの統合デバイスであってもよい。(Thomas;thomas.de@gardnerdenver.com)グラフ301がポンプモータのストール電圧を示している図2を再び参照すると、Y軸は、上で参照したトーマスウェブサイトで現在利用可能な仕様に基づいてこのトーマスモータについて計算されたストール電圧を表す。上のパラグラフで提供された例は、単なる例示である電圧及び圧力を含む。グラフ301は、当業者が、DCモータの様々なストール電圧を、そのモータの典型的に利用可能な仕様に基づいて計算することができることを単に示す。トーマスDCモータなどのDCモータによって駆動される小型ダイヤフラムポンプを扱う担当者は、多くの場合、ストール電圧を「ストール電力」、すなわち、ストール電圧と特定のDCモータの定格電流の積として言及する。
ポンプ仕様からのデータは、典型的には、最大ポンプ電圧(例えば、上記で特定されたトーマスポンプに対する4.5V)における真空圧力に対する最大流量の関係に限定される。正圧は、mbar単位(正圧のmmHg=0.7500616827042mbar)で指定され、真空圧は、真空パーセントで指定される。例えば、100%最大真空が760mmHgで指定される場合、40%最大真空は、304mmHgの真空(=0.4760mmHg)に等しくなる。この例では、304mmHgの真空圧力は、ポンプが4.5Vで動作し、DCモータが停止するまで動作することが許された場合に達成することができる理論上の最大真空圧力である。図2のグラフ301は、モータ仕様と、このポンプを駆動するために必要であった観測されたストール電圧とに基づいて生成された。
この特定のポンプに対するストール電圧を計算するための式は、以下の通りである:ストール電圧=1.638 V+(0.006515V/mmHgXmmHg)、式中、Xは現在の真空圧である。したがって、50mmHgの真空では、ストール電圧は1.96V(1.638+(0.00651550))に等しく、125mmHgの真空では、ストール電圧は、破線304、305によって示されるように2.45V(1.638+(0.006515125))に等しく、175mmHgの真空では、ストール電圧は、破線306、307によって示されるように2.78V(1.638+(0.006515175))に等しい。この場合も、真空圧力が高いほど、ポンプを始動させるのに必要な印加電圧が高くなる。さもないと、ポンプは停止し、必要なストール電圧が印加されるまで動かない。ポンプが停止すると、DCモータは単に過熱し、これがDCモータを損傷し、バッテリ寿命を短縮する可能性がある。
図1に戻って参照すると、減圧源110は、ドレッシング115を介して組織部位105に減圧を供給し得る。ドレッシング115は、例えば、組織部位105に隣接又は接触して配置され得るマニホールド120などの組織界面を含んでもよい。マニホールド120は、組織部位105と接触して配置され、組織部位105に減圧を分配することができる生体適合性の多孔性材料であってもよい。マニホールド120は、発泡体、ガーゼ、フェルトマット、又は特定の生物学的用途に適した任意の他の材料から作製され得る。マニホールド120は、減圧若しくは流体の組織部位105への又はそこからの分配を容易にするため、複数の流路又は経路を含んでもよい。
一実施形態において、マニホールド120は多孔性発泡体であり、流路として機能する複数の相互接続されたセル又は細孔を含む。多孔性発泡体は、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)によって製造されるGranuFoamなどのポリウレタン、開放セル、網状発泡体であってもよい。連続気泡発泡体が使用される場合、多孔性は様々でよいが、好ましくは約400~600ミクロンである。流路は、開放セルを有するマニホールド120の部分全体にわたって流体連通を可能にする。セル及び流路は、形状及びサイズが均一であってもよく、又は形状及びサイズのパターン化された若しくはランダムな差異を含んでもよい。マニホールドのセルの形状及びサイズの差異は、流路の差異をもたらし、そのような特性は、マニホールド120を通る流体の流れ特性を変更するために使用され得る。マニホールド120は、「閉鎖セル」を含む部分をさらに含んでもよい。マニホールド120のこれらの閉鎖セル部分は、複数のセルを含み、その大部分は、隣接するセルに流体接続されていない。閉鎖セル部分は、マニホールド120内に選択的に配置されて、マニホールド120の外周面を通る流体の透過を防止することができる。
マニホールド120はまた、減圧治療システム100の使用後に患者の身体から除去される必要がない生体吸収性材料から構築されてもよい。好適な生体吸収性材料は、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを含み得るが、これらに限定されない。ポリマーブレンドはまた、ポリカーボネート、ポリフマレート、及びカプララクトン(capralactone)含み得るが、これらに限定されない。マニホールド120はさらに、新たな細胞増殖のためのスキャフォールドとして機能し得る、又は、スキャフォールド材料をマニホールド120と併用して細胞増殖を促進することができる。スキャフォールドは、細胞の成長又は組織の形成を強化又は促進するために使用される物質又は構造体であり、例えば、細胞成長のためのテンプレートを提供する3次元多孔性構造体などである。スキャフォールド材料の例示的な例としては、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラル(coral)ヒドロキシアパタイト、カーボネート、又は、加工された同種移植片材料が挙げられる。一実施例では、スキャフォールド材料は、高い空隙摩擦(すなわち、高含有量の空気)を有する。
ドレッシング115はまた、ドレープ又はカバーとも称されるシール部材125を含んでもよい。マニホールド120は、シール部材125を使用して組織部位105に固定され得る。シール部材125は、マニホールド120を組織部位105に固定するために使用されるカバーであってもよい。シール部材125は、不透過性又は半透過性であってもよいが、一実施例では、マニホールド120を覆ってシール部材125を取り付けた後、シール部材125は組織部位105における減圧を維持することができる。シーリング部材125は、シリコーンベースの化合物、アクリル、ヒドロゲル若しくはヒドロゲル発泡材料、又は組織部位105に所望される不透過性若しくは透過特性を含む、任意の他の生体適合性材料から作製される可撓性ドレープ又はフィルムであり得る。シール部材125は、シール部材125による水分吸収を防止するために疎水性材料で形成されてもよい。一実施形態では、シール部材125は、マニホールド120及び組織部位105を取り囲む組織との密閉された接続を提供するように構成される。密閉された接続は、シール部材125の周囲に沿って配置される、又はシール部材125の任意の部分上に配置される接着剤(図示せず)によって提供され、シール部材125をマニホールド120に、又は組織部位周辺の損傷を受けていない表皮、すなわち周辺組織に固定してもよい。接着剤は、シール部材125上に予め配置されてもよく、又はシール部材125を取り付ける直前にシール部材125に噴霧若しくは他の方法で塗布してもよい。
一般に、治療システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合されてもよい。構成要素は互いに流体的に接続して、構成要素間で流体(すなわち、液体及び/又は気体)を移送するための経路を提供することができる。いくつかの実施形態では、例えば、構成要素は、チューブを通して流体結合されてもよい。本明細書で使用するとき、「チューブ」は、2つの端部の間で流体を運ぶように適合された1つ以上のルーメンを有する、チューブ、パイプ、ホース、導管、又は他の構造体を広範に指す。典型的には、チューブは、ある程度の可撓性を有する細長い円筒状の構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は変化し得る。いくつかの実施形態では、構成要素は、加えて又は代わりに、物理的な近接性により、単一の構造に一体化されることにより、又は同じ材料片から形成されることにより、結合され得る。いくつかの文脈では、結合はまた、機械的結合、熱的結合、電気的結合、又は化学的結合(例えば化学結合)を含み得る。
減圧源110によって生成される減圧は、供給源チューブ130及び送達チューブ135を通して組織部位105に印加されてもよい。供給源チューブ130及び送達チューブ135は、気体、液体、ゲル、又は他の流体が流れ得る任意のチューブであり得る。例えば、組織部位105からの滲出液は、送達チューブ135を通って流れ得る。図1では、供給源チューブ130は、減圧源110をキャニスタ140に結合し、送達チューブ135は、キャニスタ140をドレッシング115に結合する。しかしながら、別の実施形態では、減圧源110は、送達チューブ135を使用してドレッシング115に直接結合されてもよい。
供給源チューブ130及び送達チューブ135は、任意の材料から作製され得る。供給源チューブ130及び送達チューブ135は、可撓性又は非可撓性のいずれかであり得る。また、供給源チューブ130及び送達チューブ135は、流体が流れ得る1つ以上の経路又は管腔を含み得る。例えば、送達チューブ135は、2つの管腔を含んでもよい。この例では、1つの管腔が、組織部位105からキャニスタ140への滲出液の通過のために使用され得る。他方の管腔は、流体、例えば、空気、抗菌剤、抗ウイルス剤、細胞増殖促進剤、洗浄流体、又は他の化学活性剤を、組織部位105に送達するために使用されてもよい。これらの流体が由来する流体源は、図1には示されていない。減圧治療システム100における複数管腔チューブの包含に関するさらなる詳細は、以下に提供される。
一実施形態では、送達チューブ135は、接続部材145を介してマニホールド120に結合される。接続部材145は、マニホールド120から送達チューブ135への流体の通過を可能にし、逆もまた同様である。例えば、マニホールド120を使用して組織部位105から収集された滲出液は、接続部材145を介して送達チューブ135に進入し得る。別の実施形態では、減圧治療システム100は接続部材145を含まない。この実施形態では、送達チューブ135は、送達チューブ135の端部がマニホールド120に隣接又は接触するように、シール部材125又はマニホールド120内に直接挿入されてもよい。
組織部位105からの滲出液などの液体は、送達チューブ135を通ってキャニスタ140に流れ得る。キャニスタ140は、気体及び液体などの流体、並びに固体を含む流体を収容することができる任意のデバイス又は空洞であってもよい。例えば、キャニスタ140は、組織部位105からの滲出液を収容し得る。供給源チューブ130及び送達チューブ135は、キャニスタ140に直接接続されてもよく、又は矢印151によって示されるように、コネクタ150などのコネクタを介してキャニスタ140に結合されてもよい。キャニスタ140は、送達チューブ135によってマニホールド120に流体接続される、可撓性又は剛性キャニスタ、バッグ、又はパウチであってもよい。キャニスタ140は、別個のキャニスタであってもよく、又は滲出液及び流体を収集するために減圧源110と動作可能に組み合わせられてもよい。
減圧治療システム100は、コントローラ170に電気的に結合された第1の圧力センサ又は創傷圧力センサ155をさらに備えることができる。創傷圧力センサ155は、組織部位105又はその近傍における実際の減圧、すなわち、組織部位圧力又は創傷圧力(WP)を検出する。創傷圧力(WP)という用語の一部としての「創傷」という語への言及は例示的なものに過ぎず、例えば切開部又は皮下腔などの他の種類の組織部位における圧力の測定に適用される際に、本明細書における用語又は説明を制限するものではない。1つの非限定的な例では、創傷圧力センサ155は、シリコンピエゾ抵抗ゲージ圧力センサである。創傷圧力センサ155は、接続部材145に直接流体結合された制御チューブ160を介して、又は間接的に、制御チューブ160のキャニスタ140を通る部分によって創傷圧力(WP)を検出するように構成され得る。制御チューブ160は、流体が流れ得る1つ以上の経路又は管腔を含み得る。
減圧治療システム100は、コントローラ170に電気的に結合された第2の圧力センサ又はポンプ圧力センサ156をさらに備えることができる。ポンプ圧力センサ156は、キャニスタ140における、又はその下流における減圧、すなわち、ポンプ圧力(PP)を制御チューブ157及び158により、それぞれ検出するように構成されてもよい。言い換えれば、ポンプ圧力センサ156は、ポンプ圧力(PP)を検出するために、キャニスタ144に直接、制御チューブ157によって、又は制御チューブ158を経由してソースチューブ130によって結合され得る。例示的な一実施形態では、ポンプ圧力センサ156は、シリコンピエゾ抵抗ゲージ圧力センサであってもよい。さらに別の例示的実施形態では、ポンプ圧力(PP)は、図2を参照して示されるように、コントローラ170がポンプモータ114のDC電圧を分析することによって決定されてもよい。
圧力センサ155及び156は、減圧治療システム100上又は減圧治療システム100内の代替位置に配置されてもよい。図1に戻って参照すると、創傷圧力センサ155は、組織部位105から隔てられて示されている。この例では、組織部位105における減圧は、隔てられて位置する創傷圧力センサ155から制御チューブ160を介して直接検出されてもよく、又は創傷圧力センサ155に結合された制御チューブ160の部分を介してキャニスタ140から間接的に検出されてもよい。また、この例では、ポンプ圧力センサ156は、減圧治療システム100の他の隔てられて位置する構成要素、例えば、減圧源110、キャニスタ140、又は減圧治療システム100の任意の他の図示された構成要素などに直接又は間接的に結合されてもよい。別の例では、創傷圧力センサ155は、組織部位105における圧力を検出するために制御チューブ160の使用を必要としなくてもよい。1つの非限定的な例では、創傷圧力センサ155は、マニホールド120に直接結合される、又はシール部材125とマニホールド120との間に配置される。
減圧治療システム100はまた、コントローラ170に電気的に結合されたレギュレータ165を含んでもよい。レギュレータ165は、入力及び出力を有する弁であってもよく、入力は、矢印166によって示されるように外部環境に流体結合されてもよく、出力は、減圧治療システム100の治療環境に流体結合されてもよい。例えば、レギュレータ165の出力は、矢印167によって示されるように、キャニスタ140に流体結合されてもよい。別の実施形態では、レギュレータ165の出力は、制御チューブ160に流体結合されてもよい(図示せず)。レギュレータ165は、減圧治療システム100の治療環境内の減圧を解放し、それによってその中の流体の流量を増加させることが可能な任意の弁であってもよい。レギュレータ165の非限定的な例としては、空気圧ソレノイド弁、比例弁、又は機械弁が挙げられる。一例では、レギュレータ165は、看護者によって手動で制御されてもよい。別の例では、レギュレータ165は、コントローラ170によって制御され得る。
動作中、マニホールド120は、組織部位内に、組織部位を覆って、組織部位の上に、又はその他の組織部位に近接する位置に配置されてもよい。シール部材125は、マニホールド120を覆って配置され、組織部位105の近くの組織に封着され得る。例えば、シール部材125は、組織部位の周辺の損傷を受けていない表皮、すなわち創傷周辺組織に封着されてもよい。したがって、ドレッシング115は、実質的に外部環境から隔離された、組織部位に近接する密閉された治療環境を提供することができ、減圧源110は、密閉された治療環境における圧力を低下させることができる。密閉された治療環境においてマニホールド120を介して組織部位全体に適用された減圧は、巨視的歪み及び微視的歪みを組織部位に誘発するとともに、滲出液及び他の流体を組織部位から除去することができ、滲出液及び他の流体はキャニスタ140内に収集され適切に処分され得る。
減圧源を使用して、密閉された治療環境内などの別の構成要素又は位置において圧力を低減する流体力学は、数学的に複雑であり得る。しかしながら、陰圧治療に適用可能な流体力学の基本原理は、当業者には全般的に周知であり、圧力を低下させるプロセスは、例えば、本明細書では例示的に、陰圧を「送達する」、「分配する」、又は「発生させる」として記載され得る。
一般に、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿ってより低い圧力に向かって流れる。したがって、「下流」という用語は、典型的には、流体経路内の減圧源により近いものを意味し、逆に、「上流」という用語は、陰圧源からより遠く離れたものを意味する。同様に、このような基準系における流体の「入口」又は「出口」の観点からある特徴部を記載することが便利であり得る。本明細書における減圧治療システムの様々な特徴及び構成要素を説明する目的のために、一般にこの向きが仮定される。しかし、用途によって、流体経路はまた、(例えば減圧源の代わりに陽圧源を使用することによって)逆転されてもよく、この説明上の慣例は、制約的な慣習と解釈されるべきではない。
この文脈での用語「組織部位」とは、組織上又は組織内部に位置する創傷又は欠損を広範に指し、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、又は靭帯を含むがこれらに限られない。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、又は静脈不全潰瘍など)、皮弁、及び移植組織を含み得る。用語「組織部位」とはまた、必ずしも創傷又は欠損がある任意の組織の領域ではないが、代わりに、追加の組織の成長を追加又は促進することが望ましいことがある領域を指し得る。例えば、特定の組織領域において陰圧を使用して、採取されて別の組織位置に移植され得る追加的組織を成長させ得る。
「陰圧又は減圧」は、一般に、ドレッシング102によってもたらされる密閉された治療環境の外側にある局所環境における、周囲圧力などの局所的な周囲圧力より低い圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置する大気圧であり得る。代替的に、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧未満であり得る。別途指示のない限り、本明細書に記載されている圧力の値は、ゲージ圧である。同様に、陰圧の増加への言及は、典型的には絶対圧力の低下を指す一方で、陰圧の低減は、典型的には絶対圧力の上昇を指す。
減圧源110などの陰圧源は、減圧された空気のリザーバであり得、又は密閉容積内の圧力を低下させ得る手動若しくは電動のデバイス、例えば真空ポンプ、吸引ポンプ、多くの健康管理施設で利用可能な壁面吸引ポート、又はマイクロポンプなどであり得る。陰圧源は、他の構成要素内、例えば、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示デバイス、又は陰圧治療をさらに容易にするユーザインタフェース、に収容されてもよく、又はそれらと併用されてもよい。例えば、減圧源110及びコントローラ106は、治療制御ユニット内に収容されてもよい。組織部位に適用される陰圧の大きさ及び性質は、治療要件に応じて変化し得るが、圧力は概して、低い真空(rough vacuum)とも一般に称される低真空(low vacuum)、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)である。一般の治療範囲は、-75mmHg(-9.9kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)である。
上述したように、DCモータ114に供給される印加電圧(V)を使用して、ポンプ圧力(PP)を制御し、最終的に組織部位105において所望の圧力又は目標圧力を達成することができる。それに対応して、ポンプ圧力センサ156を使用する代わりに、印加された電圧(V)がポンプ圧力(PP)の指標を提供し、コントローラ170によって監視されてもよく、コントローラ170は次に、ポンプ圧力(PP)の時間変化率に必然的に対応する印加された電圧(V)の時間変化率を判定してもよい。コントローラ170はまた、減圧源110と組織部位105との間の空気の流量、すなわち、流量(FR)を判定するために、この計算を使用してもよい。別の実施形態では、減圧治療システム100は、例えば、流量計、又は創傷圧力(WP)とポンプ圧力(PP)との間の差の時間変化率を計算するための差分プロセッサなど、流量(FR)を直接測定する感知デバイス(図示せず)をさらに備えることができる。さもなければ、流量(FR)は、例えば上述の圧力センサ155及び156などの2つの圧力センサから取得された測定値に基づいて圧力差を計算することによって判定されてもよい。
流量(FR)は、例えば、減圧源110と組織部位105との間の空気の立方センチメートル/分(cc/分)として測定されてもよい。流量(FR)は、陰圧システム100のドレッシング115又は他の構成要素が漏出し(すなわち、システム漏出)、組織部位105における圧力を治療のために目標とされる所望の圧力未満に減少させている可能性の程度の何らかの指標を提供する。例えば、高い流量(FR)は、システム100のドレッシング材115又は他の構成要素が「高システム漏出」又は「高漏出状態」を有すると見なされ、例えば、ポンプ圧力(PP)を増加させる又は組織部位の周囲のシールを調節することによって是正される必要があることを示し得る。一方、より低い流量(FR)は、システム100のドレッシング115又は他の構成要素が、「低システム漏出」又は「低漏出状態」を有すると見なされ、所望の創傷圧力(WP)を維持するためのより低い速度でDCモータ114を駆動するより少ないバッテリ電力を要するより低いポンプ圧力(PP)を必要とすることを示し得る。
コントローラ170は、減圧治療システム100の一体化された又は別個の構成要素であってもよい。コントローラ170は、創傷圧力センサ155及び/又はポンプ圧力センサ156からのデータなどのデータを処理することが可能な任意のデバイスであってもよい。コントローラ170はまた、減圧源110、モータ114、レギュレータ165、圧力センサ155及び156、並びにインジケータ172などの減圧治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御してもよい。コントローラ170は、ポンプ112及びモータ114を含む減圧源110の他の構成要素(図示せず)を制御し、そこからデータを受信することができる。一実施形態では、コントローラ170は、上述のように、創傷圧力センサ155からの創傷圧力(WP)、ポンプ圧力センサ156からのポンプ圧力(PP)、及びモータ114への印加電圧(V)の監視からの流量(FR)などのデータを受信し、処理する。コントローラ170はまた、組織部位105における創傷圧力を管理するために、減圧治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。一実施形態では、コントローラ170は、臨床医療従事者又は他の使用者によって設定される所望の目標創傷圧力(TWP)を受けるための入力を含んでもよく、組織部位105に印加される目標創傷圧力(TWP)の設定及び入力に関するデータを処理するプログラムであってもよい。
一実施形態例では、目標創傷圧力(TWP)は、組織部位105における治療にとって望ましい減圧の目標としてユーザ/看護者が決定し、その後、コントローラ170に入力として提供される固定圧力値であってもよい。ユーザは、組織部位105に印加されるべき所望の陰圧を処方する看護師、又は医師、又は他の承認された臨床医療従事者であり得る。所望の組織部位圧力は組織部位に応じて変化するであろうが、一般に、組織部位を形成する組織の種類、(存在する場合)傷害又は創傷の種類、患者の病状、及び主治医の選好に基づいて選択されるであろう。所望の目標創傷圧力(TWP)を選択した後、組織部位105に印加される目標創傷圧力(TWP)が実現されるように、減圧源110が制御される。
より具体的に図3を参照すると、目標創傷圧力(TWP)は、実線401及び点線402によって示されるように、ユーザによって連続圧力モードにおいて設定することができ、ユーザが減圧源110を停止させるまで、減圧が組織部位105に印加される。目標創傷圧力(TWP)はまた、実線401、403及び405によって示されるように、ユーザによって間欠圧力モードに設定することができ、創傷圧力(WP)は、目標創傷圧力(TWP)と大気圧との間を循環する。例えば、目標創傷圧力(TWP)は、ユーザにより、指定された期間(例えば、5分)にわたり125mmHgの値に設定されてもよく、続いて、実線403によって示されるように指定された期間(例えば、2分)にわたり、組織部位105を大気に通気することにより治療がオフにされ、次に、実線405によって示されるように治療を再びオンにすることによりサイクルを繰り返し、その結果、目標創傷圧力(TWP)レベルと無圧力との間で矩形波パターンが連続的に形成される。
組織部位105における周囲圧力から目標創傷圧力(TWP)への創傷圧力(WP)の増加は瞬間的ではなく、むしろ治療機器及びドレッシングの種類に依存して制限されることを理解されたい。例えば、減圧源110及びドレッシング115は、破線407によって示されるように、使用されているドレッシング及び治療機器の種類に依存して変化し得る初期立ち上がり時間を有する場合がある。例えば、ある治療システムに対する初期立ち上がり時間は、約20~30mmHg/秒の範囲にあり、又はより具体的には約25mmHg/秒に等しく、別の治療システムでは、約5~10mmHg/秒の範囲にあり得る。間欠モードで動作する場合、線405の繰り返し立ち上がり時間は、線407の初期立ち上がり時間と実質的に等しくてもよい。
目標圧力はまた、動的圧力モードで変化する、コントローラ170によって制御又は決定される可変目標圧力(VTP)であってもよい。例えば、可変目標圧力(VTP)は、組織部位105における治療に対する所望の減圧範囲として、ユーザによる入力として設定され得る最大圧力値と最小圧力値との間で変化し得る。可変目標圧力(VTP)はまた、例えば、正弦波形又は鋸歯状波形又は三角波波形などの所定の波形に従って目標創傷圧力(TWP)を変化させるコントローラ170によって処理及び制御されてもよく、これは、組織部位105における治療に所望される所定の又は時間変化する減圧としてユーザによる入力として設定され得る。例えば、可変目標圧力(VTP)は、50~125mmHgの間で変化し、立ち上がり時間が+25mmHg/分の速度で設定され、立ち下がり時間が-25mmHg/分の速度で設定された三角波形の形態で組織部位105に減圧を印加することにより、有効な処置を提供する減圧であり得る。減圧治療システム100の別の実施形態では、可変目標圧力(VTP)は、25~125mmHgの間で変化し、立ち上がり時間が+30mmHg/分の速度で設定され、立ち下がり時間が-30mmHg/分で設定された三角波形の形態で組織部位105に減圧を印加する減圧であり得る。ここでも、システム及び組織部位の種類は、使用される減圧治療の種類を決定する。
目標創傷圧力(TWP)を選択した後、減圧源104は、圧力(PP)を制御することによって、創傷部位105において所望の圧力を達成するように動作される。多くの場合、減圧源110は、減圧源110と組織部位105との間の圧力損失の理由により、目標創傷圧力(TWP)における圧力よりも、高いポンプ圧力(PP)で動作されるべきである。さらに、導管内の滲出液及び他の流体の上部圧力は、組織部位105における真空圧の低下をもたらし得る。組織部位105より上のキャニスタ140の高さは、導管内の流体によって組織部位105に課される上部圧力の量を決定し得る。水と同様の密度を有する滲出液及び流体の場合、1フィートの流体によって課される上部圧力は、ほぼ25mmHgである。組織部位105から引き出される一部の流体は、水よりもさらに重い又はより粘性であり得、したがって、組織部位105における圧力損失に対してより顕著な影響を有する。
導管内の流体の重量によって引き起こされる潜在的損失の例として図4を参照すると、特定の組織部位に対して処方される目標創傷圧力(TWP)は、-125mmHgであってもよく、創傷圧力(WP)は、減圧が組織部位105に印加されている間に変動する。(図4に示される創傷圧力(WP)の定常正弦波変動は、説明に過ぎず、例えば、図5A及び5Bに示される変動などの正常動作条件下での創傷圧力(WP)の実際の変動を表さないことを理解されたい)。キャニスタ140が組織部位105から2フィート上に配置される場合、かつキャニスタ140と組織部位105との間の送達チューブ135が完全に流体で満たされている場合、その流体によって課される上部圧力は、約50mmHgの圧力差(δP)を生成し得る。この特定の例は、組織部位が足などの患者の下肢に位置し、キャニスタ140が患者の頭部の近く又は上方に(例えば、患者が車椅子内にいるときの点滴ポールに)取り付けられるときに生じる。したがって、送達チューブ135内の流体の上部圧力が約50mmHgである場合、ポンプ112は、約125mmHgの組織部位105における目標創傷圧力(TWP)をもたらすために、約185mmHgの最大ポンプ圧力値(PPmax)まで上昇し、約165mmHgの最小ポンプ圧力値(PPmin)まで低下する(約175mmHgの目標ポンプ圧力中央値(TPP))ポンプ圧力(PP)を供給する必要がある。
コントローラ170はまた、圧力の許容範囲内に目標創傷圧力(TWP)を維持するように、ユーザによってプログラムされ、かつ制御されてもよい。例えば、目標創傷圧力(TWP)が、組織部位105に対する所望の治療圧力として125mmHgに設定される場合、ユーザは、創傷圧力(WP)が115mmHgの最小創傷圧力値(WPmin)と135mmHgの最大創傷圧力値(WPmax)との間、すなわち、約20mmHgの差分創傷圧力範囲(δWP)で制御されるように、創傷圧力(WP)が所望の目標創傷圧力(TWP)から±10mmHgを超えて変動しないことを所望し得る。したがって、この例では、上述のように上部圧力が約50mmHgであると仮定すると、ポンプ圧力(PP)は約165mmHgの最小ポンプ圧力値(PPmin)から約185mmHgの最大ポンプ圧力値(PPmax)までの範囲、すなわち約20mmHgのポンプ圧力差(δTTP)以内で変化するように、ポンプ圧力(PP)も目標ポンプ圧力(TPP)から±10mmHg以内で変化しなければならない。ポンプ圧力(PP)をこの範囲内に留まるように制御することにより、約115mmHgの最小創傷圧力値(WPmin)から約135mmの最大創傷圧力値(WPmax)までの範囲内に創傷圧力(WP)を間接的に維持する。
図4に示される例とは対照的に、正常動作条件下での創傷圧力(WP)変動の例として図5Aを参照すると、ポンプ圧力(PP)と創傷圧力(WP)との間の圧力差(δP)は、システム内のドレッシング115及び他の構成要素における約300cc/分のかなり高い流量(FR)(高漏出条件)の結果である。この例では、約155mmHgの最大ポンプ圧力値(PPmax)まで上昇し、約120mmHgの最小ポンプ圧力値(PPmin)まで低下することによって、組織部位105における約125mmHgの目標創傷圧力(TWP)をもたらすポンプ圧力(PP)を供給することによって、創傷圧力(WP)は、上述のように約135mmHgと115mmHgとの間で循環するように制御されている。したがって、圧力差(δP)は、約15mmHgであり、これは、上記の図4に関連する例における上部圧力から生じる約50mmHgの圧力差(δP)よりもはるかに小さい。図5Bは、ポンプ圧力(PP)と創傷圧力(WP)との間の圧力差(δP)が、システム内のドレッシング115及び他の構成要素における約50cc/分のより低い流量(FR)(低漏出条件)の結果である、さらに別の実施例を図示する。この例においても、140mmHgの最大ポンプ圧力値(PPmax)まで上昇し、115mmHgの最小ポンプ圧力値(PPmin)まで低下するポンプ圧力(PP)を供給することによって、創傷圧力(WP)は、約135mmHgと115mmHgとの間で循環するように制御されて、組織部位105における約125mmHgの目標創傷圧力(TWP)をもたらす。したがって、圧力差(δP)は約5mmHgであり、これは先の例における圧力差よりもさらに小さい。
コントローラ170は、オンオフコントローラ又はヒステリシスコントローラとも呼ばれるバングバングコントローラ(図示せず)を含むこともできる。バングバングコントローラは、2つの状態間、例えば、オンとオフとの間で突然切り替わるフィードバックコントローラである。基本的に、バングバングコントローラは、オールオアナッシング形式の制御を適用することができる。図5A及び図5Bに関連して一般的に上述した圧力変動を生成するために、バングバングコントローラが使用されてもよい。その一般的な説明を続けると、バングバングコントローラは、以下のように1つのモードで動作することができる。例えば、創傷圧力(WP)が最小創傷圧力値(WPmin)にまで過度に低下すると、印加電圧(V)がストール電圧、すなわち、開始時(ton)におけるバングバングオン電圧(VON)よりも大きい状態で、減圧ポンプ112がオンにされ、ポンプ圧力(PP)を最大ポンプ圧力(PPmax)まで増加させる。ポンプ圧力(PP)の増加は、印加電圧(V)の印加にわずかに遅れ得るが、増加するポンプ圧力(PP)は、結局、時間t1において示されるように、創傷圧力(WP)をも増加させる。バングバングオン電圧(VON)は、ポンプ圧力(PP)の最大ポンプ圧力値(PPmax)への到達、又は創傷圧力(WP)の最大創傷圧力値(WPmax)への到達のいずれかが、先に起こるまで印加され続ける。これらの最大値のうちのいずれか1つが到達又は超過されると、減圧ポンプ112は、オフ時(toff)においてオフにされ、その結果、ポンプ圧力(PP)は印加されず、減圧治療システム100内の残留圧力が、システム内の漏出の結果として減少することが可能となる。減圧ポンプ112は、創傷圧力(WP)が再び最小創傷圧力値(WPmin)以下になること、又はポンプ圧力(PP)が最小ポンプ圧力値(PPmin)以下になることのいずれかが先に起こるまで、停止したままである。
バングバングコントローラは、これらの2つの状態の間の切り替えを行っており、創傷圧力又はポンプ圧力が下降モードにおいて過度に低下すると、減圧ポンプ112がオンにされ、創傷圧力又はポンプ圧力が上昇モードにおいて過度に上昇すると、減圧ポンプ112をオフにする。図5Bをより具体的に参照すると、バングバングコントローラは、創傷圧力(WP)が、ユーザがコントローラ170にプログラムする2つの限度、例えば、最小創傷圧力値(WPmin)115mmHg及び最大創傷圧力値(WPmax)135mmHg、の間に包含されるように、125mmHgの目標創傷圧力(TWP)近くで往復することを可能にする。創傷圧力(WP)がこれらの限度のいずれか1つを超えない限り、創傷圧力(WP)は、20mmHgの創傷圧力範囲(δWP)内において引き戻されることがない。バングバングコントローラは低漏出環境において漏出を増やす補償の必要がないので、バングバングコントローラは創傷圧力(WP)を実質的にこの範囲内に維持する。
コントローラ170はまた、測定されたプロセス変数と所望の設定点又は目標との間の差として誤差値を計算する制御ループフィードバック機構を提供するPIDコントローラ(図示せず)を含んでもよく、この場合、それぞれ、創傷部位105における創傷圧力(WP)及び対応する目標創傷圧力(TWP)である。PIDコントローラは、比例情報、履歴情報、及び時間変化率情報を提供して、創傷圧力(WP)を目標圧力(TP)近くに維持するものとして当業者に周知である。PIDの総和(PID summation)が、プロセスを調整するために、この場合は減圧治療プロセスを制御要素、例えばDCモータに供給される電力又は電圧、すなわち、上述のようにポンプ圧力(PP)に直接関連する印加電圧(V)によって調整するために使用される。上述したように、ドレッシング115の漏出及び/又は上述した圧力ヘッドを補償するのに必要な所望のポンプ圧力(PP)を達成するために、パルス幅変調を調整することによって、印加電圧(V)を変化させてもよい。PIDコントローラの応答は、誤差に対するコントローラの応答性、コントローラが設定点、例えば、目標圧力(TP)をオーバーシュートする程度、及びシステム往復の程度、例えば、上述の許容範囲内での創傷圧力(WP)の往復の程度に依存する。PIDコントローラの好ましい実施形態はデジタルコントローラであるが、PIDコントローラはアナログコントローラ又は単純なRC回路であってもよい。アナログ又はデジタルPIDコントローラは、プログラム論理コントローラの一部としてソフトウェアで実装されてもよい。
創傷圧力センサ155が創傷圧力(WP)を測定した後、PIDコントローラは、創傷圧力(WP)を調整して目標圧力(TP)に戻すために必要な印加電圧(V)を供給すること、すなわちポンプ圧力補正(δPP)を行うことによって、ポンプ圧力(PP)を調整する。ポンプ圧力補正(δPP)は、創傷圧力(WP)を所望の目標圧力(TP)、例えば、125mmHgに維持するために必要とされる付加的圧力であり、数秒毎に計算されてもよい。その結果、PID制御は、DCモータ114への印加電圧(V)を変化させて、ポンプ圧力(PP)を最小ポンプ圧力値(PPmin)と最大ポンプ圧力値(PPmax)との間で達成し、これにより、創傷圧力(WP)を目標創傷圧力(TP)近くに維持する。
図4に示される例とは対照的である、創傷圧力(WP)をPIDコントローラの通常の動作条件下に維持する例として図6をより具体的に参照すると、ポンプ圧力(PP)と創傷圧力(WP)との間の圧力差(δP)は、第1のポンプ圧力(PP1)、第2のポンプ圧力(PP2)、及び第3のポンプ圧力(PP3)を含む3つの例によって示されるように、異なる漏出量(LR)の結果である。第1の例では、第1のポンプ圧力(PP1)は、約350cc/分のかなり高い流量(FR)から生じる約15~16mmHgの比較的大きい圧力差(δP1)を有する。第1の圧力(PP1)は、創傷圧力(WP)を125mmHgの目標創傷圧力(TWP)に維持するように、最大ポンプ圧力値(PPmax)と最小ポンプ圧力値(PPmin)との間でPIDコントローラによって変化させられる。言い換えれば、PIDコントローラは、創傷圧力(WP)を125mmHgの目標創傷圧力(TWP)に維持するように、第1のポンプ圧力(PP1)を140mmHgと141mmHgとの間で変化させる。第2の例では、第2のポンプ圧力(PP2)もまた、約250cc/分のかなり高い流量(FR)から生じる約11~12mmHgの比較的大きい圧力差(δP2)を有し、創傷圧力(WP)を125mmHgの目標創傷圧力(TWP)に維持するように、PIDコントローラによって最大ポンプ圧力値(PPmax)と最小ポンプ圧力値(PPmin)との間で変化させられる。言い換えれば、PIDコントローラは、第2のポンプ圧力(PP2)を136mmHgと137mmHgとの間で変化させて、創傷圧力(WP)を125mmHgの目標創傷圧力(TWP)に維持する。基本的に、これら2つの例の間の違いは、より高い流量(FR)では、創傷圧力(WP)を同じ目標圧力(TP)に維持するためにより大きな圧力差(δP)を必要とすることである。第3の例も、同様の差を示し、第3のポンプ圧力(PP3)もまた、さらに約100cc/分のより低い流量(FR)から生じる約4~5mmHgのはるかに小さい圧力差(δP3)を有し、創傷圧(WP)を125mmHgの目標創傷圧(TWP)に維持するために、PIDコントローラによって129mmHgと130mmHgとの間で変化させられる。
バングバングコントローラとは異なり、PIDコントローラは、減圧ポンプ112をオン及びオフに切り替えるのではなく、むしろポンプ圧力(PP)の印加を最大圧力値(PPmax)と最小圧力値(PPmin)との間で連続的に制御する。これにより、創傷圧力(WP)は、バングバングコントローラの場合に示されるように最大圧力値(WPmax)と最小圧力値(WPmin)との間で変化可能とされることなく、比較的一定のレベル、例えば破線で示されるような125mmHgの目標創傷圧力(TWP)に維持される。したがって、ポンプ圧力(PP)が最小ポンプ圧力値(PPmin)に向かって低下する程度により、PIDコントローラは、DCモータ114に供給されている印加電圧(VA)を増加させる。それに対応して、創傷圧力(WP)が目標圧力(TP)から大きく変化するほど、PIDコントローラは、DCモータ114に供給される印加電圧(V)を調整することによって、さらに応答する。印加電圧(V)を増加又は減少させるために取られるアクションは、減圧システムによって供給される創傷圧力(WP)が目標創傷圧力(TP)から逸脱する程度に比例する。PIDコントローラは、特に高い漏出量(LR)に対して、創傷圧力(WP)を目標創傷圧力(TP)にできるだけ近く保つために、連続的に動作する。その結果、PIDコントローラは、創傷圧力(WP)を平均して目標創傷圧力(TP)により近く維持する一方で、バングバングコントローラは、創傷圧力(WP)が上述したように2つの限度の間で往復することを可能にするので、図6及び図5の創傷圧力(WP)変動を比較するときにそれぞれ示されるように、PIDコントローラは、減圧治療システム100をバングバングコントローラよりも滑らかに動作させる。
流量(FR)が十分小さく、低漏出状態を示すとき、例えば、ポンプ圧力(PP)又は創傷圧力(WP)が、それらのそれぞれの最小圧力値、すなわち、(PPmin)又は(WPmin)に向かって非常に遅い速度で減少しているとき、バングバングコントローラは、バッテリ電力を節約し、同じ治療期間中に間欠的にオフにされる減圧ポンプ112によって騒音を低減しながら、治療中に十分に平滑な創傷圧力(WP)を供給し得る。例えば、DCモータ114及びポンプ112は、図5Bに示される1分間のうちのかなりの割合の時間にわたってオフにされるが、PIDコントローラが図6に示されるように動作しているときには連続的に動作する。したがって、例えば、流量(FR)が低漏出状態を表す固定目標流量(TFR)以下であるときなどの低漏出状態に対しては、治療セッション中にバングバングコントローラを可能な限り動作させたままとし、流量(FR)が固定目標流量(TFR)より大きく高漏出状態を表すときにはPIDコントローラに切り替えることが望ましい。その結果、コントローラ170の別の例示的な実施形態は、PIDコントローラ及びバングバングコントローラの両方、すなわちハイブリッドコントローラと、それらの間での切り替えを、漏出の位置又は漏出物に関わらずに減圧治療システム100の漏出の程度に応じて行う追加の処理とを含む。
したがって、コントローラ170は、流量(FR)に影響を及ぼす減圧治療システム100のドレッシング115又は他の構成要素によって生成されるシステム漏出の量に関連する特定の切り替え条件に応じて、PIDコントローラを有効又は無効にするために、上述のように動作するPIDコントローラと併せてバングバングコントローラを使用するようにプログラムされてもよい。そのようなハイブリッドコントローラを使用することはPIDコントローラのみを利用することよりも好ましい。PIDコントローラは、上述の連続制御モード(又は上記のような間欠制御モードのうちの有効化された部分)の間、連続的に動作し、目標創傷圧力(TP)における創傷圧力(WP)をより厳密に維持するが、騒音を連続的に発生させ、モータ114を駆動するバッテリをより急速に消耗させ得る。ハイブリッドコントローラは、バングバングコントローラを作動させ、それによって、DCモータ114がオン及びオフされてバッテリ電力を節約し、治療処置中ポンプ112によって発生する騒音を低減してもよい。コントローラ170は、ユーザ/看護者が1つ以上の目標流量(TFR)を設定するための入力をさらに含んでもよい。
ユーザ/看護者は、ドレッシング115又は他の構成要素が高漏出状態と低漏出状態のどちらにあるのかを判定するための切り替え条件として、目標流量(TFR)を設定してもよい。流量(FR)が固定目標流量(TFR)よりも大きい場合、すなわち高漏出状態である場合、バングバングコントローラは無効にされ、創傷圧力(WP)を目標創傷圧力(TP)にできるだけ近く保つためにPIDコントローラが引き継ぐ。しかしながら、流量(FR)が固定目標流量(TFR)以下である場合、すなわち低漏出状態である場合、バングバングコントローラが有効化され、創傷圧力(WP)を創傷圧力差(δWP)範囲内に抑えつつ、電池電力を節約し、ポンプ112からの騒音を低減させる。例えば、固定目標流量(TFR)は65cc/分であってもよい。上述したように、ドレッシング115が低漏出状態にあるときは、治療中に、バングバングコントローラを可能な限り動作させ続けることが望ましい。例えば、コントローラ170は、流量(FR)が固定目標流量(TFR)以下であるときにはバングバングコントローラを作動させ、患者が動き回り最終的に高漏出状態がもたらされたためにドレッシング115内で生じた追加的な漏出の結果として流量(FR)が固定目標流量(TFR)を上回るときは、PIDコントローラに戻してもよい。
別の実施形態では、バングバングコントローラは、二重目標流量(TFR)能力を有してもよく、コントローラ170は、ドレッシング115又は他の構成要素が高漏出状態又は低漏出状態にあるかどうかを判定するための切り替え条件として、2つの目標流量(TFR)、すなわち、増加する流量(FR)でバングバングコントローラが有効にされるときの上昇目標流量(TFRA)及び減少する流量(FR)でPIDコントローラが有効にされるときの下降目標流量(TFRD)をユーザが設定するための入力をさらに含む。一実施形態では、上昇目標流量(TFRA)及び下降目標流量(TFRD)の両方が固定目標流量(TFR)よりも大きく、その結果、コントローラ170は、PIDコントローラからバングバングコントローラへより迅速に切り替え、バングバングコントローラからPIDコントローラへよりゆっくりと切り替える。例えば、上昇目標流量(TFRA)及び下降目標流量(TFRD)はともに、先の例における65cc/分の固定目標流量(TFR)よりも高い約80cc/分に設定されてもよい。さらに別の実施形態では、上昇目標流量(TFRA)はまた、下降目標流量(TFRD)よりも大きくてもよく、その結果、コントローラ170は、PIDコントローラからバングバングコントローラにさらに迅速に切り替え、バングバングコントローラからPIDコントローラにさらにゆっくりと切り替える。この場合、コントローラ170は、PIDコントローラの連続動作に関連する欠点とは対照的に、バングバングコントローラを使用することから得られる利益を優先する。例えば、上昇目標流量(TFRA)は75cc/分であってもよく、下降目標流量(TFRD)は約85cc/分であってもよい。PIDコントローラが、流量(FR)が減少している高漏出状態で現在有効にされている場合、コントローラ170が、PIDコントローラからより迅速にバングバングコントローラに切り替えて有効にするように、下降目標流量(TFR)は65cc/分ではなく85cc/分に設定される。代替的に、バングバングコントローラが、流量(FR)が増加している低漏出状態で有効にされている場合、コントローラ170が、よりゆっくりバングバングコントローラに切り替えて無効にするように、上昇目標流量(TFRA)は、65cc/分ではなく75cc/分に設定される。
一実施形態では、コントローラ170は、創傷圧力センサ155によって測定される、組織部位105における創傷圧力(WP)がポンプ圧力(PP)の増加に応答しないことに応答して、視覚信号及び/又は可聴信号を発するように、インジケータ172に出力信号を提供してもよい。例えば、インジケータは、視覚信号を提供する発光ダイオード(LED)であってもよい。この実施形態では、インジケータ172は、組織部位105における創傷圧力(WP)が増加するポンプ圧力に応答しないことに応答して点灯する。別の実施形態では、インジケータ180は、スピーカなどの音放出デバイスである。この実施形態では、インジケータ172は、組織部位105における創傷圧力(WP)が増加するポンプ圧力に応答しないことに応答して音を発する。コントローラ170は、陰圧治療システムが低漏出状態にあるか高漏出状態にあるかを示す他の出力信号を提供することができる。
ほとんどの減圧治療システムは、いくらかのシステム漏出を有するが、システムのドレッシング及び他の構成要素における改善は、上記で言及された目標流量(TFR)などの低システム漏出よりも、システム漏出をさらに低くするように、大幅に低減した。例えば、シール部材125のようなシール部材、及びシール部材を周辺組織に取り付けるための接着剤は、それらがより気密であり、外部環境から治療環境へのシステム漏出を大幅に低減するように改善されている。場合によっては、創傷圧力(WP)は既に目標創傷圧力(TWP)に等しい可能性があり、一方、組織部位105における流量(FR)は、50cc/分未満から0までの範囲であり得る。目標流量(TFR)未満の流量(FR)は、創傷を治癒するには低過ぎることが多い。適切な治癒を促進するために、組織部位においてある最小レベルの流体流が必要とされる。例えば、組織部位から滲出液を除去するためには、最小レベルの流体流が必要である。流量(FR)が、(いくつかの実施形態では、目標流量(TFR)未満である)創傷の適切な治癒に必要な最小流量(MinFR)を下回る場合、システム漏出と関連付けられる流量(FR)を測定し、「誘導漏出モード」で組織部位105における創傷を治癒するために、システム流量を上回る流量(FR)を許容可能レベル(すなわち、「誘導漏出」)まで増加させることが望ましいであろう。いくつかの実施形態では、最小流量(MinFR)は、目標流量(TFR)に依存する、又はそれに等しくてもよい。さらに他の実施形態では、最小流量(MinFR)は、ドレッシングの具体的種類及び/又は治癒される必要がある創傷の種類により依存する。
いくつかの実施形態では、コントローラ170は、システム漏出に関連付けられる流量(FR)を判定し、それを特定の種類のドレッシング及び/又は創傷種類に所望される最小流量(MinFR)と比較するように構成されてもよい。コントローラ170は、流量(FR)が最小流量(MinFR)未満である場合、レギュレータ165を開くことによって漏出を増加させるようにさらに構成することができる。レギュレータ165が開いて外部環境から治療環境への漏出を誘発し、治療システム内の、最終的には組織部位105における流体の流量(FR)を増加させるとき、コントローラ170は、流量(FR)が最小流量(MinFR)に向かって増加するにつれて流量(FR)を調整し、次いで流量(FR)を最小流量(MinFR)より上に維持するようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ170は、制御された様式で治療環境への漏出を誘導するためのアルゴリズムをさらに含むように構成されてもよい。例えば、アルゴリズムは、流量(FR)を最小流量(MinFR)まで増加させるために、線形又は非線形のランプ関数を含んでもよい。アルゴリズムはさらに、振幅及び/又は周波数を変化させることによって、流量(FR)を最小流量(MinFR)より上回って維持する正弦関数を備えてもよい。アルゴリズムは、振幅、周波数、及び/又はデューティサイクルを変化させることによって流量(FR)を変化させるデジタル関数をさらに含んでもよい。
上述したように、システム100は、システムのドレッシング及び/又は他の構成要素並びに創傷自体から生じるシステム漏出を有し得る。したがって、異なる減圧治療システムは、これらの要因に応じて異なるシステム漏出値を有し得る。例えば、1つのシステムは、50cc/分の低いシステム漏出を有してもよく、別のシステムは、100cc/分の低い漏出状態を有してもよい。いくつかの実施形態では、低漏出条件は、最小流量(MinFR)として設定されてもよく、これもまた、例えば、50~100cc/分で変動してもよい。コントローラ170は、治療システム内の流体の流量(FR)が最小流量(MinFR)未満に低下すると、治療システム100への漏出を誘発するために、レギュレータ165を開放するように構成されてもよい。
一例では、ドレッシングは、100cc/分の最小流量(MinFR)要件を有するが、コントローラは、50cc/分の流量(FR)を測定し、流体はドレッシングから2フィート上のキャニスタに排出される必要がある。重力の影響及び滲出液によるより濃厚な流体は、そのような小さな漏出の流体流をドレッシング内で静止させたままにする可能性がある。しかしながら、コントローラは、流量(FR)が100cc/分の最小流量(MinFR)要件よりも低いことを検出し、レギュレータを開放して制御し、ドレッシングの治療環境への空気流の漏出を誘発する。アルゴリズムは、振幅、周波数、及び/又はデューティサイクルを変化させることによって流量(FR)を変化させるデジタル関数をさらに含んでもよい。例えば、100cc/分の最小流量(MinFR)要件は、1.0mmHg/10秒の低下に等しく、50cc/分の流量(FR)は、0.5mmHg/10秒の低下に等しい。アルゴリズムが、例えば、デジタル関数を含む場合、周波数は、20%/サイクルのデューティサイクル、すなわち、1秒幅/サイクルで、1サイクル/5秒又は12サイクル/分に増加され得る。これは、組織部位における創傷圧力(WP)を減少させ(代替的に圧減衰を増加させ)、流量(FR)を少なくとも100cc/分まで増加させ、それによって、重力に打ち勝って、キャニスタがドレッシングの上方2フィートに移動させられることを可能にするであろう。次いで、バングバングコントローラは、PIDコントローラと併せて、必要に応じて創傷圧力(WP)を調整するために、上述のように動作してもよい。
ここで図7を参照すると、創傷圧力(WP)を制御するための方法又はプロセスの例示的実施形態は、例えば、上述のようなコントローラ170などのコントローラ上で、又は代替的に、コントローラ170の別の例示的実施形態上で実装される。コントローラ170及び他の構成要素は、図7のフローチャートとして図示される治療ループ700に従って、上記で説明されるように、本プロセスを実装してもよい。治療ループ700は、電力を節約し、同時にポンプ112及びモータ114からの騒音を低減しながら、組織部位への減圧の送達を制御するために、適切なコントローラ、すなわち、PIDコントローラ又はバングバングコントローラを選択するための治療アルゴリズム703を含む。コントローラ170は、最初に、705において、陰圧治療システム100がオンにされたかどうかを確認し、陰圧治療システム100がオンでない場合、707において、印加電圧(VA)が0Vに設定され、709において、新しいモータ電圧(VM)としてモータ114に印加され、モータ114が動作しないようにする。陰圧治療システム100がオンにされている場合、コントローラ170は、711において、治療アルゴリズム703、すなわちデューティサイクル治療時間(tDC)を作動させるのに十分な時間が経過したかどうかを判定するためにチェックする。治療アルゴリズム703のデューティサイクルは、例えば、約50msであってもよい。したがって、治療アルゴリズム703が最後に計算されてから50ms未満の場合、モータ電圧(VM)は、709において、以前に印加された電圧(VA)に設定されたままである。治療ループ700自体のデューティサイクルは、治療アルゴリズム703を作動させない場合、例えば、10msであり得る。しかしながら、50msを超えた場合、コントローラ170は、治療アルゴリズム703を再計算し、713において、現在の創傷圧力(WP)及び/又はポンプ圧力(PP)を、上述したようなそれらの対応する最大及び最小創傷圧力及びポンプ圧力値、すなわち、それぞれ、(WPmax)及び(WPmin)、並びに(PPmax)及び(PPmin)に関してチェックすることに進む。
治療アルゴリズム703は、713において、バングバングコントローラがアクティブであるか否かを判定することによって開始する。PIDコントローラが作動しており、バングバングコントローラが作動していない場合、715において、局所ポンプ圧力(PPL)が現在のポンプ圧力(PPC)に設定される。上述のように、PID制御は、最小ポンプ圧力値(PPmin)と最大ポンプ圧力値(PPmax)との間のポンプ圧力(PP)を達成して、創傷圧力(WP)を目標創傷圧力(TP)近くに維持するように、DCモータ114への印加電圧(VA)を調整する。例として図6に戻って参照すると、PIDコントローラは、第1のポンプ圧力(PP1)を140mmHgと141mmHgとの間で変化させて、創傷圧力(WP)を125mmHgの目標創傷圧力(TWP)に維持し、高漏出状態の間、ポンプ圧力(PP)を制御し続ける。コントローラ170は、717において、現在のポンプ圧力(PPC)に対応する印加電圧(VA)の値を決定し、709において、その電圧をモータ電圧(VM)として印加する。しかしながら、バングバングコントローラが図5Bに示されるように作動している又はアクティブである場合、治療アルゴリズム703は、719において、バングバングコントローラが上昇しているか下降しているかを判定する。
下降モードにおいて創傷圧力(WP)が低下し過ぎた場合、例えば、上述のように最小創傷圧力値(WPmin)を下回る場合、減圧ポンプ112は、ストール電圧、すなわちバングバングオン電圧(VON)よりも大きい印加電圧(VA)でオンにされて、ポンプ圧力(PP)を上昇モードにおける最大ポンプ圧力(PPmax)まで増加させる。ポンプ圧力(PP)が、例えば、501及び503に示されるように最大ポンプ圧力値(PPmax)に到達するか、又は創傷圧力(WP)が、例えば、502及び504に示されるように最大創傷圧力値(WPmax)に到達するかの、いずれかが先に発生するまで、バングバングオン電圧(VON)が印加され続ける。創傷圧力(WP)が上昇モードにあるとき、治療アルゴリズム703は、723において、局所目標創傷圧力(TPL)を目標創傷圧力(TP)にヒステリシス値(H)を加えたものに設定する。ヒステリシス値(H)は、損傷を与え得る過剰な量の減圧から組織部位105を保護するために、コントローラ170がポンプ112をオフにする前に、創傷圧力(WP)が上昇モードにあるときに目標創傷圧力(TP)を上回って増加すべき最大圧力量である。ヒステリシス値(H)は、最大圧力値(WPmax)である目標創傷圧力(TP)を上回る上限を設定する。例えば、ヒステリシス値(H)が10mmHgである場合、最大創傷圧力値(WPmax)は、図5Bに示されるように、135mmHgに設定される。創傷圧力(WP)は、通常、502及び504における創傷圧力ピーク、並びに501及び503におけるポンプ圧力ピークによって示されるように、上昇するポンプ圧力(PP)に追従するので、ポンプ圧力(PP)が最大ポンプ圧力値(PPmax)、例えば、503における501で約140mmHgに達するとき、創傷圧力(WP)は、通常、最大創傷圧力値(WPmax)未満、例えば、505及び506で約132mmHg未満である。その結果、コントローラ170は、バングバングコントローラが減圧の適用を調整し続けることを可能にするが、減圧サイクルの下降モードにおいてポンプ112をオフにする。
それに応じて、創傷圧力(WP)が上昇モードにおいて高く上昇し過ぎる場合、例えば、上述のように最大創傷圧力値(WPmax)又は最大ポンプ圧力値(PPmax)を上回る場合、減圧ポンプ112はオフにされ、その結果、ポンプ圧力(PP)は印加されず、システム内の漏出の結果として、減圧治療システム100内の残留圧力が下降モードにおいて減少することが可能となる。創傷圧力(WP)が、例えば、508で示されるように、再び最小創傷圧力値(WPmin)以下になるか、又は、ポンプ圧力(PP)が、例えば、507で示されるように、最小ポンプ圧力値(PPmin)以下になるかの、いずれかが先に発生するまで、減圧ポンプ112はオフのままである。創傷圧力(WP)が上述のように下降モードにあるとき、治療アルゴリズム703は、721において、局所目標創傷圧力(TPL)を目標創傷圧力(TP)からヒステリシス値(H)を引いた値に設定する。ヒステリシス値(H)は、創傷圧力(WP)が下降モードにあるとき、PIDコントローラが創傷圧力(WP)を上述のように目標創傷圧力(TP)により近く維持することを要求するのに十分に大きい流量まで流量(FR)が増加したとコントローラ170が判定する前に、創傷圧力(WP)が目標創傷圧力(TP)を下回って減少すべき圧力の最小量である。したがって、ヒステリシス値(H)はまた、最小圧力値(WPmin)である目標創傷圧力(TP)を下回る下限を設定する。例えば、ヒステリシス値(H)が10mmHgである場合、最小創傷圧力値(WPmin)は、図5Bに示されるように、115mmHgに設定される。ポンプ圧力(PP)は、通常、それぞれ501及び502におけるポンプ圧力ピーク及び創傷圧力ピークと、それぞれ507及び508におけるポンプ圧力最小値及び創傷圧力最小値との間で示されるように、下降する創傷圧力(WP)に従うので、バングバングコントローラは、507においてポンプ112をオンに戻し、その後、創傷圧力(WP)は、上昇モードにおいて再び増加し始める。その結果、コントローラ170は、バングバングコントローラが減圧の印加を調整し続けること、かつこれを減圧サイクルの上昇モードにおいてポンプ112をオンにすることによって行うことを可能にする。バングバングコントローラは、115mmHgの最小創傷圧力値(WPmin)及び135mmHgの最大創傷圧力値(WPmax)を使用して、又はヒステリシス値(H)を使用して、創傷圧力(WP)が、コントローラ170に別個にプログラムされ得る2つの限度の間に含まれるように、125mmHgの目標創傷圧力(TWP)を中心として効果的に往復することを可能にする。いずれの場合も、バングバングコントローラは、創傷圧力(WP)を、創傷圧力範囲(δWP)内、例えば20mmHgの創傷圧力範囲(δWP)内に維持する。
治療アルゴリズム703が、治療ループ700に再び入るために、709において、モータ電圧(VM)を印加電圧(VA)に等しくなるように設定した後、次いで、治療ループ700は、コントローラ170によって725において測定された現在の流量(FR)を読み取り、現在の流量(FR)が目標流量(TFR)未満であるか否かを727において判定する。流量(FR)が目標流量(TFR)未満であり、上述のように低漏出状態を示す場合、バングバングコントローラは729に示すようにオンのままである、又は有効にされる。しかしながら、流量(FR)が目標流量(TFR)以上であり、上述の高い漏出状態を示す場合、731に示すように、バングバングコントローラはオフのままである、又は無効にされる。最後に、治療ループ700は、陰圧創傷治療システム100がオフにされたかどうかを733で確認し、オフにされていない場合、735で示されるように治療ループを継続する。陰圧治療システム100がオフにされている場合、治療ループは737で終了する。
ここで図8を参照すると、流量(FR)を制御するための方法又はプロセスの例示的な実施形態は、例えば、上述したようなコントローラ170上などのコントローラ上で、又は代替的に、コントローラ170の別の例示的な実施形態上で実装される。コントローラ170及び他の構成要素は、図8のフローチャートとして示される流量(FR)ループ800に従って、上述のようにこのプロセスを実施することができる。流量(FR)ループ800は、流量(FR)が最小流量(MinFR)未満に減少していないことを確実にするために周期的に実行される。流量(FR)ループ800は、802で流量(FR)を読み取り、次いで804で流量(FR)を最小流量(MinFR)と比較することによって、開始する。804において流量(FR)が最小流量(MinFR)以上である場合、陰圧治療は806に続き、いくつかの実施形態では、700において治療ループに戻ってもよい。804において流量(FR)が最小流量(MinFR)未満である場合、流量(FR)ループ800は、低漏出信号(図示せず)を生成し、より詳細に上述したように、808において低漏出信号に応答した漏出を誘発するように進む。流量(FR)ループ800は、流量(FR)を再び読み取り(図示せず)、810において、新しい流量(TF)を最小流量(MinFR)と比較する。810において、新たな流量(FR)がなお最小流量(MinFR)未満である場合、流量(FR)ループ800は、より詳細に上述したように、808において漏出を誘発し続ける。このサイクルは、810において、新たな流量(FR)が最小流量(MinFR)よりも小さくなく、むしろ大きくなるまで続く。陰圧治療は、好ましい実施形態では、806において治療ループ700上へと続くが、治療ループ700は、いくつかの実施形態では、システムが所望の創傷圧力(WP)範囲内で平衡に達した後にのみ開始されるべきである。
本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、著しい利点を提供することができる。例えば、PID制御アルゴリズムは、陰圧源を、指定された許容範囲内に圧力を維持するように常に調整するが、これは、低漏出用途では非効率的であり、単純なヒステリシス制御アルゴリズムよりも多くの電力を消費する可能性がある。逆に、ヒステリシスアルゴリズムは、低漏出用途では良好に機能することができ、比較的少ない電力を使用するが、高漏出用途においては、陰圧源を頻繁にオフ及びオンする原因となり得、これは騒音が多く、電力消費を増加させ得る。ハイブリッド制御は、本明細書で説明されるように、PID及びヒステリシス制御アルゴリズムの利点を組み合わせて、電力消費及び騒音を最小限にすることができる。陰圧治療用途が低漏出である場合、例えば、ハイブリッド制御アルゴリズムは、電力消費を最小限に抑えるためにヒステリシス制御アルゴリズムを選択することができる。用途が変更され、又はより高い漏出を発生させる場合、ハイブリッド制御アルゴリズムは、PID制御アルゴリズムに切り替えて騒音を最小化することができる。
いくつかの例示的実施形態で示してきたが、当業者であれば、本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法は、様々な変更及び修正を許容することを認識するであろう。また、「又は(or)」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、不定冠詞「a」又は「an」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の場合に限定しない。
添付の特許請求の範囲は、上記の主題の新規性及び進歩性を記載するが、特許請求の範囲はまた、具体的には詳細に記載されていない追加の主題を包含し得る。例えば、ある特徴、要素、又は態様は、新規性及び進歩性を有する特徴を当業者に既に知られているものから区別するのに必要でない場合、特許請求の範囲から省略され得る。本明細書に記載されている特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、組み合わされてもよく、又は同じ、均等な、若しくは同様の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられてもよい。

Claims (37)

  1. 組織部位における創傷の治癒を促進するためのシステムであって、
    前記組織部位に配置されるように構成され、ドレープによって覆われるように適合されて、創傷圧力(WP)を維持するために外部環境から隔てられた治療環境を形成する多孔性パッドを含むドレッシングと、
    ポンプ圧力(PP)を生成するように適合され、前記組織部位に陰圧を印加するために前記多孔性パッドに流体結合されるようにさらに適合されたポンプを含む陰圧源と、
    前記ポンプと前記多孔性パッドとの間に流体結合された入力と、前記ポンプと前記多孔性パッドとの間での漏出を示す流体の流量(FR)を表す流量信号を提供するための出力とを有する流量センサと、
    前記流量センサの前記出力に結合された入力と、出力とを有するコントローラであって、(i)前記流量信号に基づいて流量(FR)を判定し、(ii)前記流量(FR)を最小流量(MinFR)と比較し、(iii)前記流量(FR)が前記最小流量(MinFR)未満であるときに、前記コントローラの前記出力において低漏出信号を生成する、ように構成された前記コントローラと、
    前記コントローラの前記出力に結合され、低漏出信号の発生に応答して前記治療環境への前記漏出を増加させることによって前記流量(FR)を増加させるように適合されたレギュレータと、
    を備える、システム。
  2. 前記流量センサは、前記ポンプ圧力(PP)を感知するための第1の入力及び前記ポンプ圧力(PP)を示す信号を提供するための第1の出力を有する第1の圧力センサと、前記創傷圧力(WP)を感知するための第2の入力及び前記創傷圧力(WP)を示す信号を提供するための第2の出力を有する第2の圧力センサと、を備え、前記コントローラは、第1のポンプの前記第1の出力及び第2のポンプの前記第2の出力に電気的に結合され、ポンプ圧力(PP)と前記創傷圧力(WP)との間の差に基づいて前記流量(FR)を判定するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記レギュレータは、前記外部環境から前記治療環境へ気体を通気することによって前記漏出を増加させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記レギュレータが、制御弁である、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記漏出は、第1の漏出閾値及び第2の漏出閾値を有する、請求項3に記載のシステム。
  6. 前記レギュレータは、前記漏出を0から第1の漏出閾値まで増加させるようにさらに構成されている、請求項3に記載のシステム。
  7. 前記レギュレータは、気体を一定速度で通気することによって前記漏出を増加させるようにさらに構成されている、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記レギュレータは、気体を可変速度で通気することによって前記漏出を増加させるようにさらに構成されている、請求項6に記載のシステム。
  9. 前記レギュレータは、前記可変速度の振幅を変化させるようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記レギュレータは、前記可変速度の周波数を変化させるようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
  11. 前記レギュレータは、前記可変速度のデューティサイクルを変化させるようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
  12. 前記最小流量(MinFR)が約50cc/分未満である、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記最小流量(MinFR)が約100cc/分未満である、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記最小流量(MinFR)が、2つ以上の目標流量を含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記コントローラが、第1の目標流量及び第2の目標流量に基づいて前記流量(FR)を調整するようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記最小流量(MinFR)が、約50cc/分未満の第1の目標流量及び約100cc/分未満の第2の目標流量を含む、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記ポンプが、電源からの電力の印加に応答して前記ポンプを駆動するためのモータに結合されている、請求項1に記載のシステム。
  18. 前記コントローラは、前記創傷圧力(WP)が最小創傷圧力(WPMin)未満であるとき、前記モータに印加される電力を増加させることによって、前記創傷部位における陰圧を増加させるようにさらに構成されている、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記コントローラは、前記創傷圧力(WP)が最大創傷圧力(WpMAX)よりも大きいとき、前記モータに印加される前記電力を減少させることによって、前記創傷部位における陰圧源を減少させるようにさらに構成される、請求項17に記載のシステム。
  20. 前記コントローラは、前記ポンプ圧力(PP)を目標ポンプ圧力(TPP)と比較し、前記比較に応答して、前記電気モータに印加される前記電力を変化させて、前記ポンプ圧力(PP)を前記目標圧力(TPP)近くに維持するようにさらに構成されている、請求項17に記載のシステム。
  21. 前記コントローラは、前記電気モータに印加される前記電力の時間変化率に基づいて前記流量(FR)を判定するようにさらに構成されている、請求項17に記載のシステム。
  22. 前記コントローラは、前記電気モータに印加される電圧の時間変化率を判定することによって前記流量(FR)を判定するようにさらに構成されている、請求項17に記載のシステム。
  23. 前記コントローラは、前記電気モータによって引き込まれる電流の時間変化率を判定することによって前記流量(FR)を判定するようにさらに構成されている、請求項17に記載のシステム。
  24. 組織部位における創傷の治癒を促進するためのシステムであって、
    前記組織部位に配置されるように構成され、ドレープによって覆われるように適合されて、陰圧を受けるために外部環境から隔てられた治療環境を形成する多孔性パッドを含むドレッシングと、
    前記多孔性パッドに流体結合された入力と、前記多孔性パッドに近接する流体の流量(FR)を表す流量信号を提供するための出力とを有する流量センサと、
    前記流量センサの前記出力に結合され、(i)前記流量信号に基づいて流量(FR)を判定し、(ii)前記流量(FR)を最小流量(MinFR)と比較し、(iii)前記流量(FR)が前記最小流量(MinFR)未満であるときに低漏出信号を生成するように構成された、コントローラと、
    前記コントローラに結合され、低漏出信号の発生に応答して前記治療環境への前記漏出を増加させることによって前記流量(FR)を増加させるように適合されたレギュレータと、
    を備える、システム。
  25. 前記流量センサは、第1の圧力を感知するための第1の圧力センサと、第2の圧力を感知するための第2の圧力センサとを備え、前記コントローラが、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサに電気的に結合され、前記第1の圧力と前記第2の圧力との差に基づいて前記流量(FR)を判定するようにさらに構成されている、請求項24に記載のシステム。
  26. 組織部位における創傷の治癒を促進するための方法であって、
    多孔性パッドを前記組織部位に配置し、前記多孔性パッドをドレープで覆って、創傷圧力(WP)を維持するために外部環境から隔てられた治療環境を形成することと、
    前記組織部位に陰圧を印加するためのポンプ圧(PP)を生成するために、ポンプを使用して前記多孔性パッドに陰圧を印加することと、
    漏出を示す前記ポンプと前記多孔性パッドとの間の流体の流量(FR)を判定し、流量信号を提供することと、
    前記流量信号に基づいて、前記流量(FR)を最小流量を表す最小流量(MinFR)と比較することと、
    前記流量(FR)が前記最小流量(MinFR)未満であるときに低漏出信号を生成することと、
    低漏出信号の発生に応答して、前記ポンプと前記多孔性パッドとの間での前記漏出を増加させることによって前記流量(FR)を増加させることと、
    を含む、方法。
  27. 前記流量(FR)を判定することは、前記ポンプ圧力(PP)及び前記創傷圧力(WP)を感知することと、前記ポンプ圧力(PP)と前記創傷圧力(WP)との間の差に基づいて前記流量(FR)を判定することとを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記流量(FR)を増加させることは、前記治療環境から前記外部環境に気体を通気することによって達成される、請求項26に記載の方法。
  29. 前記漏出を増加させることは、0から固定漏出閾値までである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記漏出を増加させることは、可変速度で気体を通気することによって達成される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ポンプは、電源からの電力の印加に応答して前記ポンプを駆動するためのモータに結合され、前記流量(FR)を判定することは、前記電気モータに印加される電力の時間変化率を判定することを含む、請求項26に記載の方法。
  32. 前記ポンプは、電源からの電力の前記印加に応答して前記ポンプを駆動するためのモータに結合され、前記流量(FR)を判定することは、前記電気モータに印加される電圧の時間変化率を判定することを含む、請求項26に記載の方法。
  33. 前記ポンプは、電源からの電力の前記印加に応答して前記ポンプを駆動するためのモータに結合され、前記流量(FR)を判定することは、前記電気モータによって引き込まれる電流の時間変化率を判定することを含む、請求項26に記載の方法。
  34. 前記創傷圧力(WP)が最小創傷圧力(WPMin)未満である場合、前記創傷部位における前記陰圧を増加させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  35. 前記創傷圧力(WP)が最大創傷圧力(WpMAX)よりも大きい場合、前記創傷部位における前記陰圧を減少させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  36. 前記ポンプ圧力(PP)を目標ポンプ圧力(TPP)と比較することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  37. 前記ポンプ圧力(PP)を前記目標圧力(TPP)近くに維持するために、前記比較に応答して前記電気モータに印加される電力を変化させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
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