JP2023536816A - ユーザー対話スキームにより円滑化された呼気サンプルにおける酩酊物質の決定および分類のための方法およびシステム - Google Patents

Abstract

本発明は、呼気分析システムおよび方法に関する。特に本発明は、ユーザー対話スキームにより円滑化された、呼吸における酩酊物質の存在のトレーサーに補助された決定および分類を提供するように構成された呼気分析システムおよび方法に関する。決定が最初の遵守モードの動作において実施され得ない場合に、対話モードが始動され、ユーザーが、分類を円滑化する動作を実施するように段階的に指示される。発せられたアクション／指示にユーザーがどの程度適切に従っているかを表すアクション遵守値が決定され、アクションを選択するために使用される。【選択図】図２

Description

本発明は、呼気分析システムおよび方法に関する。特に本発明は、ユーザー対話スキームにより円滑化された呼気における酩酊物質の存在の、トレーサーに補助された決定および分類を提供するように構成された呼気分析システムおよび方法に関する。

呼気分析機器は、特にエチルアルコール（エタノール）といった酩酊物質の影響下での運転を検出するための、および防ぐための手段として車両において少なからず益々一般的になりつつある。呼気分析機器は、ドライバの呼気における１つまたは複数の物質の含有量の測定値を与える独立型の、更には手持ち式のユニットであり得る。代替的に、呼気分析機器は、ドライバを識別するための、および／または車両を動かなくするための機器を更に含むシステムの一部であり得る。このような呼気分析機器は典型的には車両に永久的に搭載され、例えばダッシュボードの一体的部分であり得る。呼気分析機器は、作業エリア、車両群の車庫などへのアクセスを制御するために使用される固定式システムでもあってもよい。

適切な感度をもち、信頼性が高く、相応に高速な分析を提供する呼気分析器を提供することが重要である。呼気分析機器が複数の物質を検出することができなければならず、湿度、ＣＯ_２含有量などの変化により妨害されないようにしなければならない場合に、これが特に当てはまる。これらの要求を満たす呼気分析機器が、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第７９１９７５４号および米国特許第９７４６４５４号において説明されている。

呼気分析機器は、いわゆる「ａｌｃｏｌｏｃｋ」など、ドライバを識別するための、および／または車両を動かなくするための機器を更に含むシステムの一部であり得る。このような呼気分析機器は典型的には車両に永久的に搭載され、例えばダッシュボードの一体的部分であり得、および、車両の制御システムに接続され得る。ａｌｃｏｌｏｃｋは、酒気帯び運転で有罪とされた自動車所有者のリハビリテーションのための必須アクセサリとして違反者プログラムにおいて幅広く使用されている。加えて、同様のシステムおよびデバイスがバス、タクシー、および列車などの商業用の車両において使用されている。しかし、これらのシステムは近い将来に個人の車両においても一般的になるであろうし、場合によっては少なくとも幾つかの国および地域では必須にもなるであろうことが明らかである。

現在に至るまで、車両搭載式呼気検査機器に対する最も一般的なアプローチはマウスピースを使用することであり、ユーザーは深い吸気後にこのマウスピースに向けてユーザーの気道を空にしなければならない。このアプローチは能動検出と呼ばれる。正確な決定を確実なものとするために、ユーザーは、ほぼ全量の肺活量で強制的な呼気を送達させなければならない。これは、特に肺活量の少ない人にとっては大幅な時間と労力とを必要とする。加えて、マウスピースまたはマウスピースの一部は多くの場合、衛生的な理由から使い捨てプラスチック製品である。これは煩わしい取り扱いを必要とし、ａｌｃｏｌｏｃｋが必須となった場合に生じる膨大な量の使い捨てプラスチック製品の使用は環境の観点から問題がある。

代替的なアプローチは非接触検出と呼ばれ、マウスピースは使用されず、呼気検査装置が典型的には吐出呼気と周辺の空気との混合体を受け取り、通常の呼吸における呼気中に取得された呼気サンプルから酩酊物質の検出が判定される。検出は真に受動的であり得、ユーザーのアクションは必要とされず、例えばユーザーが車両の通常の始動ルーチンを実施している間に行われる。代替的に、ユーザーは、検出工程を円滑化することを意図した特定の動作を実施するように指示され得、例えばユーザーは空気入口などに向けて息を吐くように指示され得る。非接触検出に伴う１つの課題は、ユーザーが特定の方向などに息を吐くように指示された場合でも、低濃度の物質が検出され、および分析されることである。確立された方法は、対象物質の分析をトリガーすることと対象物質濃度値の決定を円滑化することとの両方のために、非常に予測可能な量で呼気中に常に存在する、典型的には二酸化炭素または水蒸気といったトレーサー気体を使用することである。しかし、実生活のシナリオにおいて満足のいく手法により非接触検出を機能させることが困難であることが明らかにされている。酩酊物質の存在または不存在を示すデータが最終的に正しく分析される場合でも、このような分類に必要な時間は乗り物において許容できないほど長過ぎ、例えば承認が与えられるまでａｌｃｏｌｏｃｋが車両を停止させてしまう。したがって、ユーザー／ドライバへのより迅速な、およびより信頼性の高いフィードバックを提供するシステムおよび方法が必要とされ、特に、測定誤差は効果的な手法で取り扱われなければならない。

本発明と同じ出願人による同時係属中の出願ＳＥ２０５０１０５－２は、制限濃度より高い呼吸における酩酊物質の存在の迅速なトレーサーに補助された分類を提供するように構成された、および、分類の進行に関するステータスをユーザーに提供する呼気分析システムおよび方法を開示している。ＳＥ２０５０１０５－２は参照により本明細書に組み込まれる。

米国特許第７，７３６，９０３号は、第１のトレーサーおよび第２のトレーサー、ならびに環境変動を補償するための第１の期間および第２の期間を使用したアルコールの受動検出のためのシステムおよび方法を開示している。このようなシステムに対する応答時間は典型的には数分であり、数分というのは、自動車と他の用途との両方における実際の使用のためには遅過ぎると考えられる。

米国特許第８，３７７，７０５号は、エタノールおよびトレーサー信号が第１の時点と、第１の時点と区別される第２の時点とにおいて測定される、別のトレーサー、水蒸気、および別の検出モードを追加することを開示している。しかし、測定誤差をどのように回避するか、または管理するかについての言及が無く、応答時間がこのシステム／方法でも問題になると見受けられる。

米国特許出願公開第２０２０／１０１９８２号は、呼気アルコールセンサー／分析器、マイクロホン／発話認識ユニット、およびラウドスピーカー／発話シンセサイザーに関連している。発話シンセサイザーは対象者により口頭で回答される質問を生成し、以て呼気分析器により検出可能な空気流を生成する。分析結果が車両の運転可能性を決定する。曖昧な、または無効なセンサーデータに関連した問題は解決されない。このような曖昧さは、信号干渉、範囲外の環境条件、技術的誤差、またはあまり協力的でない対象者によりもたらされ得る。後者の原因が支配的と考えられる。

したがって、この技術の広範囲にわたる受け入れを実現するために、車両における呼気分析機器を改良する必要性が依然として存在する。最も重要なことは、酔っておらず、検査をどのように実施するかに関する指示に従うドライバ／ユーザーにとって検査を素早くし、および信頼性を高くすることである。理想的には、検査は酔っておらず従順なドライバ／ユーザーに対して、いかなる手動工程も追加せず、車両の始動時にいかなる時間遅延ももたらさないものでなければならない。

本発明の目的は、従来技術の受動検出システムの欠点を解消する呼気分析システムおよび動作の方法を提供することである。

これは、請求項１に記載の方法および請求項１３に記載の呼気分析システムにより実現される。

本発明の１つの態様によると、ユーザーの吐出呼気中の酩酊物質の濃度とユーザーの挙動の分析とに基づいて、指定されたタスクを実施するユーザーに対する規制レベルを決定するために呼気分析システムを動作させるための方法が提供される。本方法は遵守モードの動作と対話モードの動作とを含み、本方法は所定の規制レベルのセットと所定のアクションのセットとを使用する。
遵守モードは、
酩酊物質の局所濃度を表す信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
分類が実施することが可能であると判定された場合に、
酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
を含む。
分類が実施することが不可能であると判定された場合に、方法が、対話モードの動作に入り、対話モードの動作が、
所定のアクションのセットから選択されたアクションをユーザーに発するステップであり、指示の選択が、セッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、セッション履歴ログが、現在の対話モードセッションにおける発せられた選択されたアクションに関する情報と発せられた選択されたアクションの対応する結果とを含み、アクション遵守値が、発せられた選択されたアクションの結果から決定された値であり、発せられた選択されたアクションの結果が、酩酊物質呼気濃度の改善された決定または二次センサーからの出力であり得る、発するステップと、
酩酊物質の局所濃度を表す信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
分類が可能であると判定された場合に、
酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
分類が不可能であると判定された場合に、
発せられた選択されたアクションをユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップと、
セッション履歴ログを更新するステップであり、セッション履歴ログが、所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を少なくとも含む、更新するステップと、
規制レベルが確立されるまで、対話モードのステップを繰り返すステップと
を含む。
代替的に、または組み合わされて、所定の最大期間に到達するまで、ステップが繰り返される。

方法の一実施形態によると規制レベルのセットが、車両の運転可能性に対する上昇する制限を表す複数の規制レベルを含む。規制レベルのセットは、規制を伴わない運転、発せられた警告を伴う運転、制限された運転可能性、およびイグニッションロックといった車両のセッティングに対応した規制レベルのうちの１つまたは複数を含み得る。

方法の一実施形態によると、所定のアクションのセットは、注意アクション、指示アクション、アクションの要求、および警告アクションのサブセットのうちの少なくとも１つを含む。注意アクションは、視覚誘引要素を有効化することを含み得る。

方法の一実施形態によると、対話ユニットが、ユーザーに選択されたアクションを通信するために呼気分析システムにより使用される。

方法の一実施形態によると、ステップは、選択されたアクションが発せられたときに行われる更なるステップを含み、更なるステップは、選択されたアクションの理解および承諾を承認するユーザーからの承認を受信することを含む。

方法の一実施形態によると、アクション遵守値は、酩酊物質の測定が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類する可能性を改善したか否かの分析に基づく。代替的に、または組み合わされて、決定されたアクション遵守値は、二次検出ユニットにより提供された入力に少なくとも部分的に基づく。

本発明の１つの態様によると、
対話モードの動作は、
所定のアクションのセットから選択されたアクションをユーザーに発するステップであり、指示の選択がセッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、選択されたアクションが視覚誘引要素および／または対話ユニットを介して発せられる、発するステップと、
酩酊物質の局所濃度を表す呼気測定ユニットからの信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
分類が要求されるレベルの正確さおよび精度で実施することが可能であると判定された場合に、
酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
分類が不可能であると判定された場合に、
少なくとも１つの二次検出ユニットからの入力を使用して、発せられた選択されたアクションをユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップであり、二次検出ユニットが呼気測定ユニットとは異なる、ユーザーに関する他の情報を提供する、決定するステップと、
セッション履歴ログを更新するステップであり、セッション履歴ログが、所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を含む、更新するステップと、
規制レベルが確立されるまで、または所定の最大期間に到達するまで、対話モードのステップを繰り返すステップと
を含む。

方法の一実施形態によると、選択されたアクションを発することが、ラウドスピーカーおよびディスプレイといった対話ユニットのうちの１つまたは組み合わせを呼気分析システムが使用することを含む。

方法の一実施形態によると、選択されたアクションが発せられた後におけるアクション遵守値の決定が、画像分析機能と組み合わされたカメラ、音声認識機能と組み合わされたマイクロホン、ＩＲセンサー、および座席占有センサーといった二次検出ユニットのうちの１つまたは組み合わせを使用することを含む。

本発明の１つの態様によると、方法、呼気分析システムが提供される。呼気分析システムは、呼気測定ユニットと、少なくとも１つの視覚誘引要素と、少なくとも１つの二次検出ユニットと、少なくとも１つの対話ユニットと、ＣＰＵとを備える。呼気分析システムは、遵守モードであって、
酩酊物質の局所濃度を表す呼気測定ユニットからの信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
分類が実施することが可能であると判定された場合に、
酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
を含む、遵守モードを提供するように、および、
分類が実施することが不可能であると判定された場合に、対話モードの動作であって、
所定のアクションのセットから選択されたアクションをユーザーに発するステップであり、指示の選択がセッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、選択されたアクションが、視覚誘引要素および／または対話ユニットを介して発せられる、発するステップと、
酩酊物質の局所濃度を表す呼気測定ユニットからの信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
分類が要求されるレベルの正確さおよび精度で実施することが可能であると判定された場合に、
酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
分類が不可能であると判定された場合に、
少なくとも１つの二次検出ユニットからの入力を使用して、発せられた選択されたアクションをユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップであり、二次検出ユニットが、呼気測定ユニットとは異なる、ユーザーに関する他の情報を提供する、決定するステップと、
セッション履歴ログを更新するステップであり、セッション履歴ログが、所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を含む、更新するステップと、
規制レベルが確立されるまで、または所定の最大期間に到達するまで、対話モードのステップを繰り返すステップと
を含む、対話モードの動作を提供するように
構成される。

本発明により、大多数の検査状況において、信頼性の高い分類のための期間を大幅に短くする呼気分析方法およびシステムを提供することが可能である。特に、本検査は、所与の指示を遵守する、酔っていないユーザーにとって迅速であり、および手軽である。

本発明によりもたらされる１つの利点は、システムが例えばタッチスクリーン、音声認識システム、および様々なセンサー／検出器といった、多くの場合に乗り物において既に提供されている機器を大いに使用することである。

別の利点は、本方法が、ユーザーに提供され得るアクションの拡張をもたらすこと、例えば酩酊物質に対する法的制限より高いとは限らないが依然として注意を必要とするユーザーに警告を提供することである。警告は、車両内の乗員にも知らされる手法により与えられ得る。

１つの更なる利点は、ユーザーに要求されるアクションが複雑さを段階的に高められ、以て、アクションを実施するために、および／または結果を分析するために必要な時間もまた段階的に延ばされる。以て、複雑な、および時間のかかるアクションは実際に必要とされるときにのみ使用される。

以下で、本発明がその非限定的な実施形態に関連した単なる例示としてより詳細に説明され、添付図面が参照される。

本発明による呼気分析装置の概略図である。 車両のダッシュボードに実装された本発明によるシステムの概略図である。 本発明による方法のフローチャートである。 本発明による方法およびシステムが工程を開始してからの時間に関連して分析の結果をどのように提供するかを示すグラフである。

例えば「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」などの用語は、図面に示される、および／または、１つのデバイス／複数のデバイスの通常動作中における本発明の実施形態の形状を参照するために使用され、いずれかの手法により本発明を限定することを意図したものではない。

本文脈における分類は、例えばエチルアルコールといった対象者の酩酊物質の呼気濃度が、既定の制限値より高いまたは低い（以下である）か否かを判断することを意味する。

トレーサーは例えば二酸化炭素または水蒸気といった、吐き出された呼気に内在的に関連した生理学的物質である。

ベースラインは、他の瞬間的な信号値が参照される酩酊物質またはトレーサーの濃度に対応した信号レベルを意味する。オフセット誤差はベースラインからのずれである。

濃度ピークは、ピーク最大値の前における濃度の増加とその後の減少を伴う、時間に対する測定された濃度における最大値により規定される。

以下で、酩酊物質の濃度を決定するための、および分類するための呼気分析システムおよび方法は、車両に搭載された、および統合されたシステムとして主に説明される。これは典型的な実施態様である。しかし、当業者により実現されるように、システムおよび方法は、例えばこれらに限定されないが、規制された作業エリア、車両群駐車場への入口などにおいて使用される独立型システムといった他の手法により実現されてもよい。このような実施態様のための変更は、本説明に照らして当業者に明らかである。

本発明による呼気分析システムおよび方法は、本発明の重要な実施態様を表す乗り物に搭載された非接触検出システムとして主に説明される。当業者により実現されるように、本教示は、例えば作業エリア、車両群車庫などへの入口におけるシステムといった独立型システムに同じく関連する。以下で説明される幾つかの実施形態によると本発明によるシステムおよび方法は、非接触検出システムと、呼気サンプルをサンプリングするためのマウスピースを使用した能動システムとの組み合わせであってもよい。

例えば車両において広く普及、または更には必須となる、酔っていないことを調べる検査が一般的に受け入れられるための主な懸念は、検査を実施するために必要な時間、および／または、検査がドライバにとって実施することが不便であるか否かである。酔ったドライバは重大な問題であるが、ドライバの大部分は酔っておらず、したがって車両において実施される、酔っていないことを調べる検査は、大多数の検査事例において違法な量の酩酊物質を一切検出しないことが想定され得ることも更に認識されなければならない。スウェーデンの交通当局による推定では、ドライバの９９．８％が法的制限より低いアルコール濃度を示す。異なる国／地域において厳密な数は異なるが、典型的には、法的制限より高い濃度をもたらすと想定されることは全ての検査のうちの１％より十分に低い。所与の指示を遵守する明らかに酔っていないユーザーにとって高速で手軽であるが、早期の標示が酩酊物質および／またはユーザーによる妨害の存在を示す場合に更に時間をかける呼気分析システムが、受け入れられるための良い機会をもたらすと考えられる。通常動作モードとして遵守検出モードを含んだ、および、ユーザーの大部分および／または検査状況の大部分にとって高速で手軽な、および、必要な場合に対話検出モードにシフトするシステムを提供するアイデアが、本発明の進歩的な概念の一部である。対話検出モードは、ユーザーとの対話、および、より時間のかかる測定／分析を必要とする、および、全ての検査事例のうちの一部のみに対して使用される特別な動作モードと考えられ得る。

図１ａは、本発明による呼気分析システム１００の機能ユニットの概略図であり、測定セルまたはキャビティ１２ａを備える呼気測定ユニット１２を備え、測定セルまたはキャビティ１２ａ内に、呼気サンプルがそのトレーサーと酩酊物質との含有量を分析するために引き込まれる。呼気測定ユニット１２は、測定セル１２ａの一端部に接続された入口１２ｂと、他端部に接続された出口１２ｃとを更に備える。呼気測定ユニット１２は典型的には、測定セルを通して空気流を流すためのファンと、入来空気の温度を上げるための、および制御するための１つまたは複数の加熱器とを更に備える。呼気測定ユニット１２は、ユーザーに関連した１つまたは複数の酩酊物質の推定結果を提供する。呼気測定ユニット１２は一次検出ユニットと呼ばれ得、その理由は、このデバイスからの出力が更なる分析のために重要であり、どのような判断が行われるかの尺度を表すからである。例えばユーザーの身元を検証するために使用される生体検出器といった他の一次検出ユニットが車両に存在してもよい。１つまたは複数の視覚誘引要素１３は、呼気測定ユニット１２の入口１２ｂの近傍に提供され得る。ユーザーが視覚誘引要素１３に向かって回転するように、そして更には呼気測定ユニット１２の入口１２ｃに向かって回転するように、視覚誘引要素１３がユーザーの注意を引き付けるために提供される。一実施形態によると、視覚誘引要素は、呼気サンプリング中に点灯するように構成されたＬＥＤである。代替的に、視覚誘引要素１３は、例えば入口１２ｃの方向を指す矢印といった既存のディスプレイにおける表示またはイラストであり得、矢印は呼気サンプリング中に既存のディスプレイに表示される。

呼気分析システム１００は、少なくとも１つの二次検出ユニット１４を更に備え得る。二次検出ユニット１４は一次検出ユニットとは異なる、ユーザーに関する他の情報を提供するように構成される。二次検出ユニット１４の例は、画像分析機能と組み合わされたカメラ１４ａ、音声認識機能と組み合わされたマイクロホン１４ｂ、ＩＲセンサー１４ｃ、および座席占有センサー（図示されていない）を包含するがこれらに限定されない。二次検出ユニット１４は、ユーザーが呼気分析システムにより与えられる指示をどのように遵守しているかに関する情報を与えるために、および更に、例えば車両区画内における乗員の存在および乗員の位置といった、分析に有用であり得る他の情報を提供するために、単独で、または組み合わされて使用され得る。

呼気分析システム１００は、ユーザーに指示を伝達するためにシステムにより使用される少なくとも１つの対話ユニット１５を更に備え、ユーザーから応答を受信するように更に構成され得る。対話ユニット１５の例は、例えば音声生成機能と組み合わされたラウドスピーカー１５ａ、テキストメッセージ、画像、ビデオ、およびアニメーションとして指示を表示し得るディスプレイ１５ｂを包含するがこれらに限定されない。ディスプレイ１５ｂは、ユーザーからの入力を更に可能にするタッチスクリーンであり得る。代替的に、例えば音声認識のためのユニットといった他の知られたタイプの入力ユニットが提供され得る。

測定ユニット１２、二次検出ユニット１４、および対話ユニット１５は、接続されたデバイスを制御する、およびデバイスからの入力信号またはデータを受信する、および処理する中央処理ユニット（ＣＰＵ）１１に接続されている。呼気分析システム１００は、外部エンティティとの、または車両の他のシステムとの通信のための有線または無線通信ユニット１６を更に備え得る。ＣＰＵ１１に接続されたデジタルライブラリ１７として機能する長期メモリが提供され得、その長期メモリ内に、様々なメッセージ、画像、またはビデオが、ユーザーに異なる指示を提供するためにＣＰＵ１１により選択されるように記憶される。プログラムメモリ１８は典型的には、システムの動作シーケンスを記憶するために含まれる。当業者により理解されるように、データ、パラメータ、および指示の記憶のための手段が多くの異なる手法により提供され得、プログラムメモリ１８と組み合わされたデジタルライブラリ１７の使用は適切なメモリ構成の非限定的な例と考えられなければならない。システムの全てのユニット／デバイスに電力を提供するための電源ユニット１９が提供される。代替的に、システムのユニット／デバイスは車両の共通電源システムにより給電される。

当業者により実現されるように、呼気分析システム１００の説明されているユニットおよびデバイスの多くは、現代の車両のインフォテインメントシステムに既に存在する。例は、オーディオシステムにおけるラウドスピーカー、マイクロホン、音声認識／生成のための手段、および様々なディスプレイを包含する。したがって、明らかな設計上の選択肢は、特定のデバイスを重複させるよりも既存の機器をできる限り「再使用」することである。一実施形態によると、呼気分析システム１００は車両のインフォテインメントシステムと少なくともＣＰＵとに統合されており、電源およびオーディオシステムはインフォテインメントシステムと呼気分析システム１００との両方により使用される部分である。上述のユニットのうちの幾つかは独立したユニットとは限らず、例えば音声認識ユニットは典型的には、ＣＰＵまたは別の処理ユニットにおいて動作する機能またはアプリケーションである。当業者は、上述のユニットおよび機能が異なる手法により実現されてもよいこと、および、ソフトウェアまたはファームウェアにより提供される異なる機能をもつ特別なハードウェアまたは多目的ハードウェアの選択が、本発明の教示、および特定の実施態様により可能にされる制約および可能性を考慮して行われることを認識する。したがって、例えば車両に既に存在する多くのオーディオビジュアル通信設備を含む車両に搭載されたシステムに比べて、上述の機能のうちの全てを「単独で」提供する呼気分析システムといった独立型システムでは、システムの設計が大幅に異なり得る。

本発明による呼気分析システムの例示的な実施態様は、例えば自動車といった車両のダッシュボード２０を示す図１ｂに概略的に示されている。システムはダッシュボード２０およびハンドル２１に位置し、および統合されている。呼気測定ユニット１２の入口１２ｂがハンドル２１の中心の近くに提供され、視覚誘引要素１３として機能するように光源が入口１２ｂの非常に近傍に位置している。二次検出ユニット１４は、カメラ１４ａおよびマイクロホン１４ｂの形態でダッシュボード２０において提供され、ドライバの挙動に関連した信号の監視に適応される。ラウドスピーカー１５ａ、ディスプレイ１５ｂ、例えばタッチスクリーンを含む対話ユニット１５が、ダッシュボード２０において更に提供される。

典型的には乗り物を始動させて運転しようとしているドライバといった指定されたタスクを実施するユーザーに対する規制レベルを決定するための本発明による方法が、図２のフローチャートに示されている。図１ａ～図１ｂを参照して説明される呼気分析システム１００は、方法のステップを実施するように構成されている。本方法は２つの別個の動作モード、すなわち遵守モードと対話モードとを含む。遵守モードは迅速であるように、および、典型的には、全てのドライバが認識しているべきであった基本的な指示を表す運転席に座ること、および通常通りに呼吸することの他に、ドライバからのいかなる特定のアクションも必要としないように設計される。ドライバが酔っておらず、この基本的な指示を遵守している場合、呼気分析は１０秒未満で、好ましくは５秒内に実施され得る。したがって、本発明の方法は上述のように、検査状況の大部分に対して遵守モードの動作でなければならない。対話モードの動作は必要とされる場合、すなわち、呼気分析が遵守モードにおいて正しく実施されることができない場合にのみ入る。理由は、例えば以下のとおりである。
吐出呼気中の酩酊物質の濃度が許容される制限に近いが、推定された測定における不確かさが大きすぎてドライバを最終的に分類することができないと見受けられること。
ドライバが手順を妨げていることに起因して、呼気分析が実施されることができないこと。
測定機器の誤動作に起因して、呼気分析が実施されることができないこと。
例えばアルコールを含有した呼気を伴う乗員、風の強い日に開いた窓、および、呼気分析を妨害する物質の存在といった、車両区画内における妨害に起因して、呼気分析が実施されることができないこと。
呼気分析データと二次検出ユニット１４からの入力との両方を含み得る利用可能なデータの任意の曖昧さ。

対話モードは、遵守モードより大幅に長い時間をかけ得る。しかし、本発明による方法の一部はユーザーからの対話応答の必要性を段階的に増やす可能性があり、したがって、分類を実施するために必要な時間もまた段階的に増やされる。例えば、分類を実施することの最初の失敗は、典型的には最初の試行として、実施することが比較的迅速な、ユーザーに対して発せられたアクションをもたらし得る。

対話モードの動作の一部は、規制レベルの観点からユーザーの運転能力の分類を可能にするために最小要件を上回らなければならないアクション遵守値を確立することである。セッション中に記録されたデータを含むセッション履歴ログが更新されたバージョンのアクション遵守値を決定するためのツールとして使用される。セッション履歴ログは、現在の対話モードセッションにおける発せられた選択されたアクションに関する情報と、発せられた選択されたアクションの対応する結果とを含み、アクション遵守値は、発せられた選択されたアクションの結果から決定された値である。

対話モードの動作の開始点において、アクション遵守値は、規制レベルへの分類を可能にするために要求される閾値未満に定量化される。より詳細な指示および要求を提供すること、およびより多くのデータを取得することにより、アクション遵守値がこれらのデータに基づいて更新される。演算された更新されたアクション遵守値により、適用可能な規制レベルの観点によるユーザーの運転能力が決定され得る。セッション履歴ログの内容は、セッション中にセンサー信号からの記録されたデータを使用して取得され、これによりアクション遵守値が演算される。

本発明による方法は２つのパラメータのセットおよび／または指示のセットを使用し、セットの内容は以前に提供されており、記憶されている。すなわち、
規制レベルのセットは、例えば「規制を伴わない運転」、「発せられた警告を伴う運転」、「制限された運転可能性」、および「イグニッションロック」といった規制レベルを含む。特定の規制レベルは、ユーザーの酩酊物質の測定された呼気濃度に基づいて選択され得、例えば第１の濃度区間は第１の規制レベルに対応し、第２の濃度区間は第２の規制レベルに対応する。濃度区間は、１つまたは複数の酩酊物質の法的レベルに対応し得、例えば対象者が物質濃度動態の吸収または排出フェーズにあるといった生理学的側面を更に考慮し得る。加えて、対話モードでは、分類が実施されることができない場合でも、運転可能性を制限する規制レベルが選択されるように、発せられた指示に対する非遵守性が規制レベルの選択に影響し得る。更に、酩酊物質呼気濃度が第１の区間内において測定された場合、例えば、非遵守性が例えば二次検出ユニット１４からの入力に基づいて決定されたとき、より高い規制レベルが選択され得る。
所定のアクションのセットは例えば以下のアクションを含む。
視覚誘引要素を有効化する。
「検出器に顔を向けてください」、「前屈みになってください。検出器に顔を向けて入口１２ｂに息を吐いてください。」といった指示を発する。
「まだデータが不足しています。改善されない場合、運転が規制されるか、または停止させられます。」といった警告を発する。
内容は、例えば二次検出ユニット１４の可用性および／または対話ユニット１５のタイプにおけるバリエーションに対する適応として、システムおよび方法の本実施態様に応じて変わり得る。以て本発明による方法は、典型的にはセットの内容を更新する必要があるのみで異なるハードウェア構成に適応可能である。更に、アクションが詳細にどのように実行されるかは、ハードウェア構成および車両における機器に依存する。例えば、イグニッションロックは車両における独立した既存の機能として提供されてもよいが、そうでない場合、同等なロック効果が他の手段により提供されてもよい。

本発明の方法による遵守モードの動作は、
２００：酩酊物質の局所濃度を表す信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
２０５：分類が実施することが可能であると判定された場合に、
２０５：１：酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
２０５：２：所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
を含み、
２１０：分類が実施することが不可能であると判定された場合に、方法が対話モードの動作に入る。

対話モードの動作は、
２１５：所定のアクションのセットから選択されたアクションをユーザーに発するステップであり、指示の選択がセッション履歴ログとアクション遵守値とに基づく、発するステップと、
２２０：酩酊物質の局所濃度を表す信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
２２５：分類が可能であると判定された場合に、
２２５：１、酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
２２５：２：所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
分類が不可能であると判定された場合に、
２３０：発せられた選択されたアクションをユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップと、
２３５：セッション履歴ログを更新するステップであり、セッション履歴ログが、所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を含む、更新するステップと、
２４０：規制レベルが確立されるまで、または所定の最大期間に到達するまで、対話モードのステップ（２１５～２３５）を繰り返すステップと
を含む。

分類が可能であるか否かを判定するステップ（ステップ２０５および２２５）は、許容可能な正確さおよび精度でユーザーの吐出呼気中の酩酊物質の濃度を測定すること、および、濃度が典型的には法的レベルである所定のレベルより高いか、または所定のレベル未満であるか否か、または所定の区間内にあるか否かを分類することが可能であると解釈されなければならない。許容可能な正確さ／精度は、典型的には例えば温度依存性といった呼気分析システムにおける知られた誤差レベルおよび予測可能な変動の知識情報と更に組み合わされて、典型的には、および好ましくはサンプリングされたデータの統計分析により決定され得る。分類が正確であることの重要性に起因して、濃度の尺度が高い程度の確実性を伴うような手法により完全な測定工程が実施されることが非常に重要である。規制レベルの決定のために測定結果を使用することにおいて「安全裕度」を含むこと、例えば、一時点における特定の濃度の決定が、対象者が物質濃度動態の吸収または排出フェーズにあるか否かに応じて、ある期間後に無効になり得るという事実を考慮することが適切でもあり得る。この点は法的制限が低い場合、例えばスウェーデンにおいて特に重要である。吸収フェーズの典型的な持続期間は広範囲のアルコール濃度において３０分である。排出は典型的には時間に関して線形であるが、人ごとに大幅に変化してもよい。典型的には、１時間に１センチリットルの純粋なアルコールが代謝される。

当業者は、所定のレベルの正確さおよび精度が必要とされるとした場合、適切な測定システムおよび測定スキームを実現することができる。本発明と同じ出願人による同時係属中の出願ＳＥ２０５０１０５－２は、正確な、および高精度な測定および分類を実施するための特に時間効率の良いシステムおよび方法を提供する。

一実施形態によると、酩酊物質はアルコールであり、呼気分析システムにより実施される測定はＢｒＡＣ測定（ＢｒＡＣ－呼気アルコール濃度）である。好ましい方法は例えば米国特許第７９１９７５４号および米国特許第９７４６４５４号において説明されているトレーサー気体測定ベースのシステムである。

一実施形態によると、規制レベルのセットは、複数のアクション、または車両の運転可能性に対する上昇する制限を表すセッティングを含む。規制レベルのセットは、ユーザーに警告を発すること、車両を制限された運転可能性のモードに設定すること、およびイグニッションロックを含み得る。１つの規制レベルは典型的には、方法が対話モードの動作に入った場合に使用される、車両の完全に規制されていない使用を表さなければならず、更なるステップが、ユーザーが所与の指示を遵守しており、任意の酩酊物質の濃度が最低の法的制限未満であるという結果をもたらす。一実施形態によると、規制レベルのセットは車両の使用の規制が無いことおよび、以下のうちの少なくとも１つ、すなわち、ユーザーに警告を発すること、車両を制限された運転可能性のモードに設定すること、およびイグニッションロックのうちの少なくとも１つを含む。方法および呼気分析システム１００により決定された規制レベルの性質に応じて、例えばイグニッションロックといった結果が車両の他のシステム／機能に通信され得る。結果は、外部エンティティに、例えば車両群管理システムに通信されてもよい。

一実施形態によると、所定のアクションのセットは、以下に従ってグループ化され得る複数のアクションを含む。
例えば視覚誘引要素１３を有効化する、注意アクション、
例えば対話ユニット１５を使用して「検出器に顔を向けてください」といった指示を発する、指示アクション、
例えば、ユーザーが遵守しない場合に運転能力の規制が課され得ることを述べたメッセージと組み合わされて、入口１２ｂに向かって前屈みになることをドライバに促す、アクションの要求、
例えば対話ユニット１５を使用して「データ不足によりあなたの運転能力が証明されていません。」といった警告を発する、警告アクション。

一実施形態によると、アクション遵守値を決定することはサンプリングの結果を評価することを含み、改善された分類サポートが、サンプリングの結果が依然として最終的な分類に適さない場合でも、高いアクション遵守値をもたらす。アクション遵守値を決定することは二次入力データを評価することを含み得る。二次入力データは典型的には二次検出ユニット１４のうちの１つまたは複数から受信されたデータである。二次入力データは、ビデオまたは画像、（ユーザーまたは乗員の存在を検出するための）ＩＲセンサーからの信号、および座席占有センサーを含み得る。ユーザー挙動は、ビデオおよび／もしくは画像分析または他の信号から、またはそれらの組み合わせから分析され、および分類される。分析は、ユーザーの存在を確立することから、多くの人が車両内に存在することおよびその人たちの活動を認識する高度な画像処理まで及び得る。

一実施形態によると、選択されたアクション、典型的には警告アクションが発せられたときに行われる更なるステップが導入され、更なるステップは、ユーザーが警告を理解したことをユーザーが承認すること、および、システムがこのような承認を受信すること、および好ましくは記憶することとを含む。同じ手法により、ユーザーは、規制が発せられた後に行われるステップにおいて、規制の承諾を承認するように要求され得る。承認は、対話ユニット１５を介してシステムに入力され得る。

一実施形態によると、ステップ２３０において決定されたアクション遵守値は、酩酊物質の測定が所定のレベルの確実性まで分類する可能性を改善したか否かの分析に基づく。

一実施形態によると、対話モードの動作は、少なくとも１つの二次検出ユニット１４を使用することを含む。二次検出ユニット１４は、アクション遵守値を決定するステップ２３０において使用されるユーザー遵守入力を提供する。アクション遵守値は、更なるユーザー遵守入力と酩酊物質の測定結果の変化（予測される改善）との両方に基づき得る。二次検出ユニット１４により提供されるユーザー遵守入力は、例えばユーザーが例えば検出器に顔を向ける指示に従ったか否かをおそらく示す、画像分析機能と組み合わされたカメラ１４ａにより提供される画像であり得る。アクション遵守値は好ましくは、整数値のセットにパラメータ化される。１つの例は３つの値を含むことであり、値１は選択されたアクションの指示に従わないユーザーに対応し、値２は指示に部分的に従うユーザーに対応し、値３は指示に完全に従うユーザーに対応する。値は画像またはビデオ分析により決定され得、例えば「入口に向かって前屈みになってください」という指示において、値１は、ユーザーがセンサーから離れた方向にユーザーの呼気を意図的に向けることであり、値２は、入口に呼気を向けることであり、値３は、ユーザーが入口に近づくように実際に前屈みになっていることである。このような画像／ビデオ分析は当業者が既存の方法を使用して実現することが可能である。分析は、ただ１つの二次検出ユニット１４の使用に限定されない。例えば、様々な組み合わせによる画像分析機能と組み合わされたカメラ１４ａ、音声認識機能と組み合わされたマイクロホン１４ｂ、ＩＲセンサー１４ｃ、および座席占有センサーからの入力が、アクションが発せられた後にユーザー挙動を分析するために、およびアクション遵守値を提供するために有益に使用され得る。典型的には、アクション遵守値は発せられた指示に、および更にセッション履歴ログに依存することも理解されなければならない。

セッション履歴ログは、発せられた選択されたアクションおよび対応するアクション遵守値のリストを含み、典型的にはプログラムメモリ１８に記憶され得る。一実施形態によると、セッション履歴ログは各セッションに対して更新され、セッションは例えば１つの運転セッションまたは１回の規制されたエリアへの立ち入りである。一実施形態によると、履歴セッションログは所定の期間、例えば３０分程度にわたって維持される。これは、ユーザーがシステムを操作することを試みるために車両の始動手順を止めることを防止することを目的としたものである。このような機能は好ましくはユーザーの識別メカニズムと組み合わされ、したがって、履歴セッションログはユーザーが変わった場合にリセットされる。対象者の識別情報が利用可能なデータ源のうちの任意のものから知られるとき、遵守値は、実際の遵守状態を、以前のセッション履歴ログから入手可能なその特定の対象者の通常の挙動と比較することによりパーソナライズされ得る。

本発明の一実施形態によると、少なくとも１つの二次検出ユニット１４は遵守モードにおいて有効化され、二次検出ユニット１４から入手可能な情報が呼気分析を使用した改ざんを示している場合、遵守モードが停止され、本方法は直接的に対話モードに進む。

図１ａおよび図１ｂを参照しながら説明される呼気分析システム１００を使用する本発明の一実施形態によると、対話モードの動作は、
２１５’：所定のアクションのセットから選択されたアクションをユーザーに発するステップであり、指示の選択がセッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、選択されたアクションが視覚誘引要素１３および／または対話ユニット１５を介して発せられる、発するステップと、
２２０’：酩酊物質の局所濃度を表す呼気測定ユニット１２からの信号をサンプリングし、サンプリングの結果を分析し、サンプリングの結果を分析し、ユーザーの酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを分析の結果から判定するステップと、
２２５’：分類が要求されるレベルの正確さおよび精度で実施することが可能であると判定された場合に、
２２５：１’：酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
２２５：２’：所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
分類が不可能であると判定された場合に、
２３０’：少なくとも１つの二次検出ユニット１４からの入力を使用して、発せられた選択されたアクションをユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップであり、二次検出ユニットが、呼気測定ユニット１２とは異なる、ユーザーに関する他の情報を提供する、決定するステップと、
２３５’：セッション履歴ログを更新するステップであり、セッション履歴ログが所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を含む、更新するステップと、
２４０：規制レベルが確立されるまで、または所定の最大期間に到達するまで、対話モードのステップ（２１５～２３５）を繰り返すステップと
を含む。

一実施形態によると、ステップ２１５’において発せられた選択されたアクションは、典型的には、および好ましくは音声生成機能と組み合わされたラウドスピーカー１５ａ、例えばテキストメッセージ、画像、ビデオ、およびアニメーションとして指示を表示し得るディスプレイ１５ｂといった対話ユニット１５のうちの１つまたは組み合わせを呼気分析システム１００が使用することを含む。ディスプレイ１５ｂは、ユーザーからの入力を更に可能にするタッチスクリーンであり得る。

一実施形態によると、ステップ２３０’において選択されたアクションが発せられたアクション遵守値を決定することは、画像分析機能と組み合わされたカメラ１４ａ、音声認識機能と組み合わされたマイクロホン１４ｂ、ＩＲセンサー１４ｃ、および座席占有センサーといった二次検出ユニット１４のうちの１つまたは組み合わせを含む。

本発明の一実施形態によると、所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するステップ、すなわち、ステップ２０５：２：、２２５：２／２２５：２’は、対話ユニット１５のうちの１つまたは組み合わせを使用して規制レベルに関してユーザーに知らせることを更に含む。

本発明によるシステムおよび方法の使用は、時間消費の観点から示され得る。遵守検出モードは、５秒内に完了されなければならない。呼気分析センサーデータおよびドライバの応答／遵守に基づく対話検出モードにおける決定過程は、以下の４つの主なフェーズ（および開始からのそれらの時間ウィンドウ）を含み得る。
・注意（０秒～５秒）
・指示（５秒～１０秒）
・アクションの要求（１０秒～２０秒）
・警告（２０秒～３０秒）

４つの主なフェーズおよびタイミングへの分割レベルが図３に示されている。経験のある、酔っていないドライバは通常、３秒～５秒内に承認され、規制を伴わない運転を可能にされる。データが不足している場合、車両の運転可能性が有効化される前に、ドライバは許容可能な呼気サンプルをどのように提供するかに関する詳細な指示を受ける。１０秒後に呼気分析のためのデータが依然として不足している場合、アクションの要求が、繰り返される更に詳細な指示を含んで発せられる。２０秒後にデータが依然として不足している場合、警告が発せられる。最終的な運転可能性判断、すなわち規制レベルは、このシナリオでは３０秒後に発せられる。

上述の実施形態は、本発明のシステムおよび方法の説明のための例として理解される。実施形態に対して様々な修正、組み合わせ、および変更が行われてもよいことが当業者に理解される。特に、異なる実施形態における異なる部分的な解決策が、技術的に可能な場合、他の構成により組み合わされ得る。

Claims (15)

1. ユーザーの吐出呼気中の酩酊物質の濃度と前記ユーザーの挙動の分析とに基づいて、指定されたタスクを実施する前記ユーザーに対する規制レベルを決定するために、呼気分析システム（１００）を動作させるための方法であって、前記方法が、遵守モードの動作と対話モードの動作とを含み、前記方法が、所定の規制レベルのセットと所定のアクションのセットとを使用し、
   前記遵守モードが、
   （２００）酩酊物質の局所濃度を表す信号をサンプリングし、前記サンプリングの結果を分析し、前記ユーザーの酩酊物質の前記呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを、前記分析の結果から判定するステップと、
   （２０５）分類が実施することが可能であると判定された場合に、
   （２０５：１）酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
   （２０５：２）所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、前記酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、前記所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
   を含み、
   （２１０）分類が実施することが不可能であると判定された場合に、前記方法が、前記対話モードの動作に入り、前記対話モードの動作が、
   （２１５；２１５’）所定のアクションのセットから選択されたアクションを前記ユーザーに発するステップであり、指示の前記選択が、セッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、前記セッション履歴ログが、現在の対話モードセッションにおける発せられた前記選択されたアクションに関する情報と、発せられた前記選択されたアクションの対応する結果とを含み、前記アクション遵守値が、発せられた前記選択されたアクションの前記結果から決定された値である、発するステップと、
   （２２０；２２０’）酩酊物質の局所濃度を表す信号をサンプリングし前記サンプリングの結果を分析し、前記ユーザーの酩酊物質の前記呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを前記分析の結果から判定するステップと、
   （２２５；２２５’）分類が可能であると判定された場合に、
   （２２５：１；２２５：１’）前記酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
   （２２５：２；２２５：２’）所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、前記酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、前記所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
   分類が不可能であると判定された場合に、
   （２３０；２３０’）発せられた前記選択されたアクションを前記ユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップと、
   （２３５；２３５’）前記セッション履歴ログを更新するステップであり、前記セッション履歴ログが、前記所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を少なくとも含む、更新するステップと、
   （２４０；２４０’）規制レベルが確立されるまで、前記対話モードの前記ステップ（２１５～２３５）を繰り返すステップと
   を含む、
   方法。
2. 前記規制レベルのセットが、車両の運転可能性に対する上昇する制限を表す複数の規制レベルを含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記規制レベルのセットが、前記車両のセッティングに対応した前記規制レベル、すなわち、規制を伴わない運転、発せられた警告を伴う運転、制限された運転可能性、および、イグニッションロックのうちの１つまたは複数を含む、請求項２に記載の方法。
4. 前記所定のアクションのセットが、注意アクション、指示アクション、アクションの要求、および警告アクションのサブセットのうちの少なくとも１つを含む、請求項１に記載の方法。
5. 注意アクションが、視覚誘引要素（１３）を有効化することを含む、請求項４に記載の方法。
6. 対話ユニット（１５）が、前記ユーザーに前記アクションを通信するために、前記呼気分析システム（１００）により使用される、請求項４または請求項５に記載の方法。
7. 選択されたアクションが発せられたときに行われる更なるステップを含み、前記更なるステップが、前記選択されたアクションの理解および承諾を承認する前記ユーザーからの承認を受信するステップを含む、請求項１から請求項６のいずれか一項に記載の方法。
8. ステップ（２３０；２３０’）において決定された前記アクション遵守値が、前記酩酊物質の測定が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類する可能性を改善したか否かの分析に基づく、請求項１から請求項７のいずれか一項に記載の方法。
9. ステップ（２３０；２３０’）において決定された前記アクション遵守値が、二次検出ユニット１３により提供された入力に少なくとも部分的に基づく、請求項１から請求項８のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記対話モードの動作が、
    （２１５’）所定のアクションのセットから選択されたアクションを前記ユーザーに発するステップであり、指示の選択がセッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、前記選択されたアクションが、視覚誘引要素（１３）および／または対話ユニット（１５）を介して発せられる、発するステップと、
    （２２０’）酩酊物質の前記局所濃度を表す呼気測定ユニット（１２）からの信号をサンプリングし、前記サンプリングの結果を分析し、前記サンプリングの結果を分析し、前記ユーザーの前記酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを前記分析の結果から判定するステップと、
    （２２５’）分類が、前記要求されるレベルの正確さおよび精度において実施することが可能であると判定された場合に、
    （２２５：１’）前記酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
    （２２５：２’）所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、前記酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、前記所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
    分類が不可能であると判定された場合に、
    （２３０’）少なくとも１つの二次検出ユニット（１４）からの入力を使用して、発せられた前記選択されたアクションを前記ユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップであり、前記二次検出ユニットが、前記呼気測定ユニット（１２）とは異なる、前記ユーザーに関する他の情報を提供する、決定するステップと、
    （２３５’）前記セッション履歴ログを更新するステップであり、前記セッション履歴ログが、前記所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を含む、更新するステップと、
    （２４０’）規制レベルが確立されるまで、前記対話モードの前記ステップ（２１５～２３５）を繰り返すステップと
    を含む、請求項１に記載の方法。
11. 前記選択されたアクションを発する前記ステップ（２１５’）が、前記呼気分析システム（１００）が前記対話ユニット（１５）、すなわち、ラウドスピーカー（１５ａ）およびディスプレイ（１５ｂ）のうちの１つまたは組み合わせを使用することを含む、請求項１０に記載の方法。
12. 前記選択されたアクションが発せられた後に、アクション遵守値を決定するステップ（２３０’）が、前記二次検出ユニット（１４）、すなわち、画像分析機能と組み合わされたカメラ（１４ａ）、音声認識機能と組み合わされたマイクロホン（１４ｂ）、ＩＲセンサー（１４ｃ）、および座席占有センサーのうちの１つまたは組み合わせを使用することを含む、請求項１０に記載の方法。
13. 前記対話モードの前記ステップの繰り返し（２１５～２３５）が、所定の最大期間に到達した場合に終了する、請求項１から請求項１２のいずれか一項に記載の方法。
14. 呼気測定ユニット（１２）と少なくとも１つの視覚誘引要素（１３）と少なくとも１つの二次検出ユニット（１４）と少なくとも１つの対話ユニット（１５）とＣＰＵ（１１）とを備える呼気分析システム（１００）であって、前記呼気分析システム（１００）が、遵守モードを提供するように構成され、前記遵守モードが、
    （２００）酩酊物質の局所濃度を表す前記呼気測定ユニット（１２）からの信号をサンプリングし、前記サンプリングの結果を分析し、前記ユーザーの前記酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを前記分析の結果から判定するステップと、
    （２０５）分類が実施することが可能であると判定された場合に、
    （２０５：１）酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
    （２０５：２）所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、前記酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、前記所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
    を含み、
    （２１０）分類が実施することが不可能であると判定された場合に、対話モードの動作を提供し、前記対話モードの動作が、
    （２１５’）所定のアクションのセットから選択されたアクションを前記ユーザーに発するステップであり、指示の選択がセッション履歴ログとアクション遵守値とに基づき、前記選択されたアクションが、前記視覚誘引要素（１３）および／または前記対話ユニット（１５）を介して発せられる、発するステップと、
    （２２０’）酩酊物質の局所濃度を表す呼気測定ユニット（１２）からの信号をサンプリングし、前記サンプリングの結果を分析し、前記サンプリングの結果を分析し、前記ユーザーの前記酩酊物質の呼気濃度が要求されるレベルの正確さおよび精度において分類され得るか否かを前記分析の結果から判定するステップと、
    （２２５’）分類が、前記要求されるレベルの正確さおよび精度において実施することが可能であると判定された場合に、
    （２２５：１’）前記酩酊物質呼気濃度を決定するステップと、
    （２２５：２’）所定の規制レベルのセットから規制レベルを選択するために、前記酩酊物質呼気濃度を所定の濃度区間のセットと比較するステップであり、前記所定の濃度区間の各々が、所定の規制レベルに対応する、比較するステップと、
    分類が不可能であると判定された場合に、
    （２３０’）少なくとも１つの二次検出ユニット（１４）からの入力を使用して、発せられた前記選択されたアクションを前記ユーザーがどの程度適切に遵守したかの分析に基づいて、アクション遵守値を決定するステップであり、前記二次検出ユニットが、前記呼気測定ユニット（１２）とは異なる、前記ユーザーに関する他の情報を提供する、決定するステップと、
    （２３５’）前記セッション履歴ログを更新するステップであり、前記セッション履歴ログが、前記所定のアクションのセットのうちのどのアクションが発せられたかに関する情報を含む、更新するステップと、
    （２４０’）規制レベルが確立されるまで、前記対話モードの前記ステップ（２１５～２３５）を繰り返すステップと
    を含む、
    前記呼気分析システム（１００）。
15. 前記二次検出ユニット１４が、カメラ１４ａ、マイクロホン１４ｂ、ＩＲセンサー１４ｃ、および座席占有センサーのうちの１つまたは組み合わせである、請求項１０に記載のシステム。

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