以下は、本開示で使用され得る用語の用語集である。
メモリ媒体-様々な種類の非一時的メモリデバイス又は記憶デバイスのうちの任意のもの。用語「メモリ媒体」は、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、又はテープデバイスなどのインストール媒体;DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどのコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ;フラッシュ、ハードドライブなどの磁気媒体、又は光学ストレージなどの不揮発性メモリ;レジスタ、又は他の類似のタイプのメモリ要素などを含むことが意図されている。メモリ媒体は、他のタイプの非一時的メモリも含んでもよく、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムに配置されてもよく、又はインターネットなどのネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続する第2の異なるコンピュータシステムに配置されてもよい。後者の事例では、第2のコンピュータシステムは、プログラム命令を第1のコンピュータが実行するために提供することができる。用語「メモリ媒体」は、異なる場所において、例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステムにおいて存在することができる2つ以上のメモリ媒体を含んでもよい。メモリ媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行され得る(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)プログラム命令を記憶してもよい。
キャリア媒体-上記のようなメモリ媒体、並びにバス、ネットワーク等の物理的伝送媒体、及び/又は電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号等の信号を伝達する他の物理的伝送媒体。
プログラム可能ハードウェア要素-プログラム可能相互接続を介して接続された複数のプログラム可能機能ブロックを備える、様々なハードウェアデバイスを含む。例として、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、プログラム可能論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラム可能オブジェクトアレイ(Field Programmable Object Array、FPOA)、及び複合PLD(Complex PLD、CPLD)が挙げられる。プログラム可能機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせ論理又はルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(演算論理装置又はプロセッサコア)にまで及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素はまた、「再構成可能な論理」と称され得る。
コンピュータシステム-パーソナルコンピュータシステム(personal computer system、PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、又は他のデバイス若しくはデバイスの組み合わせを含む、様々なタイプのコンピューティング又は処理システムのうちのいずれか。一般的に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(又はデバイスの組み合せ)を包含するように広義に定義することができる。
ユーザ機器(UE)(又は、「UEデバイス」)-モバイル又はポータブルであり、無線通信を実行する、様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のもの。UEデバイスの例としては、携帯電話若しくはスマートフォン(例えばiPhone(商標)、Android(商標)ベースの電話)、ポータブルゲーミングデバイス(例えばNintendo DS(商標)、PlayStation Portable(商標)、Gameboy Advance(商標)、iPhone(商標))、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えばスマートウォッチ、スマートグラス)、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスなどが挙げられる。一般に、用語「無線ノード」、「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、無線通信が可能なあらゆる電子、コンピューティング及び/又は電気通信デバイス(又はデバイスの組み合せ)を包含するように広義に定義することができる。
無線デバイス-無線通信を実行する様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のもの。無線デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であることができ、又はある場所に定置若しくは固定されてもよい。UEは、無線デバイスの一例である。
通信デバイス-通信を実行する様々なタイプのコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のものであり、通信は、有線又は無線であり得る。通信デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であってもよく、又は特定の場所に定置若しくは固定されてもよい。無線デバイスは、通信デバイスの一例である。UEは、通信デバイスの別の例である。
基地局-用語「基地局」は、その通常の意味のすべてを有し、少なくとも、固定の場所に設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。例えば基地局がLTEを背景として実装される場合、代替的に「ノード」、「eNodeB」又は「eNB」と称されることもあることに留意されたい。基地局が5G NRを背景として実装される場合、代替的に「ノード」、「gNodeB」又は「gNB」と称されることもある。
処理要素(又はプロセッサ)-ユーザ機器又はセルラーネットワークデバイス等のデバイスにおいて機能を実行することが可能である様々な要素又は要素の組み合わせを指す。処理要素は、例えば、プロセッサ及び関連付けられたメモリ、個々のプロセッサコアの部分又は回路、プロセッサコア全体、個々のプロセッサ、プロセッサアレイ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)などの回路、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素、及び上記のものの様々な組み合わせのうちのいずれかを含んでもよい。
チャネル-送信側(送信機)から受信機に情報を伝達するために使用される媒体。用語「チャネル」の特性は、異なる無線プロトコルに従って異なり得るため、本明細書に使用するように、用語「チャネル」は、この用語が関連して使用されるデバイスのタイプの規格に一致するように使用されると見なされることに留意されたい。いくつかの規格では、チャネル幅は、(例えば、デバイス能力、帯域条件等に依存して)可変であり得る。例えば、LTEは、1.4MHz~20MHzのスケーラブルなチャネル帯域幅をサポートしてもよい。対照的に、WLANのチャネルは、22MHz幅を有することができ、Bluetoothのチャネルは、1Mhz幅を有することができる。他のプロトコル及び規格は、異なるチャネルの定義を含み得る。更に、いくつかの規格は、複数のタイプのチャネル、例えば上りリンク若しくは下りリンクのための異なるチャネル、及び/又は、データ、制御情報等の異なる使用のための異なるチャネルを定義及び使用することができる。
帯域-用語「帯域」は、帯域の通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、チャネルがある目的で使用されるか、又は同じ目的のために取って置かれたスペクトルの一部分(例えば無線周波数スペクトル)を含む。
自動的に-ユーザ入力がアクション又は動作を直接指定又は実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、回路、プログラム可能ハードウェア要素、ASIC等)によって実行されるアクション又は動作を指す。したがって、用語「自動的」は、ユーザが入力を提供して操作を直接実行するような、ユーザによって手動で実行され又は指定される操作とは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供された入力によって開始され得るが、「自動的に」実行される後続のアクションは、ユーザによって指定されない。すなわち、実行される各アクションをユーザが指定する「手動」で実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を指定する入力を提供することによって(例えば、情報をタイピングすること、チェックボックスを選択すること、ラジオボタン(radio selections)を選択すること等によって)電子フォームを記入することは、コンピュータシステムがユーザアクションに応じてフォームを更新しなければならないが、フォームを手動で記入することと見なされる。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入されてもよく、ここで、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムで実行されるソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析し、フィールドへの回答を指定するユーザ入力なしにフォームに記入する。上記のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザは、フィールドへ回答を手動で指定するのではなく、むしろ、回答は自動的に完了されている)。本明細書は、ユーザが取ったアクションに応じて自動的に実行される動作の様々な例を提供する。
おおよそ-ほとんど正確又は精密である値を指す。例えば、おおよそは、精密な(又は所望の)値の1~10パーセント以内の値を指し得る。しかしながら、実際の閾値(又は許容差)は、用途に依存し得ることに留意されたい。例えばいくつかの態様では、「おおよそ」は、ある指定された又は所望の値の0.1%以内を意味し得、他の形態では、閾値は、所望に応じて、又は特定の用途による必要に応じて、例えば2%、3%、5%などであり得る。
同時-タスク、プロセス、又はプログラムが少なくとも部分的に重畳して実行される、並列の実行(execution or performance)を指す。例えば、同時実行は、タスクがそれぞれの計算要素で並列に(少なくとも部分的に)実行される「強い」若しくは厳密な並列を使用して実装され得、又は、タスクがインターリーブ式で、例えば、実行スレッドの時分割多重化によって実行される「弱い並列」を使用して実装され得る。
ように構成されている-様々な構成要素が、タスク又はタスク群を実行する「ように構成されている」と説明され得る。このようなコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスク又は複数のタスクを実行する「構造を有していること」を一般に意味する広範な記述である。したがって、構成要素は、構成要素がタスクを現在実行していないときでも、このタスクを実行するように構成されていてもよい(例えば、導電体のセットは、2つのモジュールが接続されていないときでも、モジュールを別のモジュールに電気的に接続するように構成されていてもよい)。いくつかのコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスク又は複数のタスクを実行する「回路を有していること」を一般に意味する構造の広範な記述であってもよい。したがって、構成要素は、構成要素が現在オンでないときでも、タスクを実行するように構成されていてもよい。一般に、「ように構成されている」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含み得る。
本明細書の記載では、便宜上、タスク又は複数のタスクを実行するとして様々な構成要素を説明することができる。そのような説明は、語句「ように構成されている」を含むように解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成されている構成要素の記載は、この構成要素について米国特許法第112条(f)の解釈を実施しないことが、明示的に意図されている。
通信システム例
ここで図1を参照すると、いくつかの態様による、無線通信システムの簡略化された例が示されている。図1のシステムは、可能なシステムの単なる一例であり、本開示の特徴は、様々なシステムのうちのいずれかにおいて所望に応じて実装されてもよいことに留意されたい。
図示するように、この無線通信システム例は、基地局102Aを含み、基地局102Aは、伝達媒体を介して、1つ以上のユーザデバイス106A、106Bなどから106Nまでと通信する。ユーザデバイスの各々は、本明細書では、「ユーザ機器」(UE)と称され得る。したがって、ユーザデバイス106は、UE又はUEデバイスと称される。
基地局(BS)102Aは、ベーストランシーバ局(base transceiver station、BTS)又はセルサイト(cellular base station、「セルラー基地局」)であってもよく、UE106A~106Nとの無線通信を可能にするハードウェアを含んでもよい。
基地局の通信領域(又は、カバレッジ領域)は、「セル」と称され得る。基地局102A及びUE106は、とりわけ、無線通信技術又は電気通信規格とも称される、GSM、(例えばWCDMA又はTD-SCDMAエアインタフェースに関連する)UMTS、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、5Gニューレディオ(5G NR)、HSPA、又は3GPP2 CDMA2000(例えば1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)などの、種々の無線アクセス技術(RAT)のうちのいずれかを使用して伝送媒体を介して通信するように構成されてもよい。
図に示すように、基地局102Aはまた、ネットワーク100(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、セルラーサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network、PSTN)などの電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット)と通信するように装備されてもよい。したがって、基地局102Aは、ユーザデバイス間の通信、及び/又は、ユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を容易にすることができる。特に、セルラー基地局102Aは、音声、SMS、及び/又はデータサービス等の様々な電気通信能力をUE106に提供することができる。
基地局102A、及び同一の又は異なるセルラ通信規格に従って動作する(基地局102B~102N等の)他の類似の基地局は、セルのネットワークとして提供されてもよく、セルのネットワークは、連続するか、又はほぼ連続する重畳サービスを、地理的エリアにわたって、1つ以上のセルラ通信規格を介して、UE106A~106N及び類似のデバイスに提供することができる。
よって、図1に示すように、基地局102Aは、UE106A~Nに対する「サービングセル」として機能することができ、それぞれのUE106はまた、「近隣セル」と称され得る(基地局102B~N及び/又は任意の他の基地局によって提供され得る)1つ以上の他のセルからの(可能な場合、その通信範囲内に)信号を受信することが可能である。このようなセルはまた、ユーザデバイス間の通信、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を容易にすることが可能である。このようなセルは、「マクロ」セル、「マイクロ」セル、「ピコ」セル、及び/又はサービスエリアサイズの様々な他の粒度を提供するセルを含んでもよい。例えば、図1に示す基地局102A~102Bは、マクロセルであってもよく、基地局102Nは、マイクロセルであってもよい。他の構成も可能である。
いくつかの態様では、基地局102Aは、次世代基地局、例えば5Gニューレディオ(5G NR)基地局、又は「gNB」であってもよい。いくつかの態様では、gNBは、従来型のエボルブドパケットコア(EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NRC)/5Gコア(5GC)ネットワークに接続されてもよい。加えて、gNBセルは、1つ以上の遷移及び受信点(Transition and Reception Point、TRP)を含むことができる。加えて、5G NRに従って動作することが可能であるUEは、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。例えば、基地局102A及び1つ以上の他の基地局102は、UE106が、複数の基地局(及び/又は同じ基地局によって提供される複数のTRP)から送信を受信し得るように、結合送信をサポートすることが可能であり得る。例えば図1に示すように、基地局102Aと基地局102Cの両方がUE106Aにサービスを提供するとして示されている。
UE106は、複数の無線通信規格を使用して通信することが可能であり得ることに留意されたい。例えば、UE106は、少なくとも1つのセルラ通信プロトコル(例えば、GSM、(例えば、WCDMA又はTD-SCDMAエアインタフェースに関連付けられた)UMTS、LTE、LTE-A、5G NR、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)など)に加えて、無線ネットワーキング(例えば、Wi-Fi)及び/又はピアツーピア無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth、Wi-Fiピアツーピアなど)を使用して通信するように構成され得る。UE106はまた、あるいは代替的に、所望であれば、1つ以上のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS、例えばGPS又はGLONASS)、1つ以上のモバイルテレビ放送規格(例えばATSC-M/H)、及び/又は任意の他の無線通信プロトコルを使用して通信するように構成され得る。(3つ以上の無線通信規格を含む)無線通信規格の他の組み合わせもまた、可能である。
ユーザ機器(UE)例
図2は、いくつかの態様による、基地局102と通信状態にあるユーザ機器106(例えばデバイス106A~106Nのうち1つ)を示す。UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートウォッチ若しくは他のウェアラブルデバイスなどのセルラー通信能力を有するデバイス、又は実質上あらゆる種類の無線デバイス、であってもよい。
UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサ(処理要素)を含んでもよい。UE106は、そのような記憶された命令を実行することによって、本明細書に記載の方法の態様のいずれかを実行してもよい。代替的に、又は加えて、UE106は、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、集積回路、及び/又は本明細書に記載の方法の態様のいずれか、若しくは本明細書に記載の方法の態様のうちのいずれかの任意の部分を(例えば個々に又は組み合わせて)実行するように構成されている様々な他の可能なハードウェア構成要素のうちのいずれかなどのプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。
UE106は、1つ以上の無線通信プロトコル又は技術を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含み得る。いくつかの態様では、UE106は、例えば、少なくともいくつかの共有無線コンポーネントを使用するNR又はLTEを使用して通信するように構成され得る。更なる可能性として、UE106は、単一の共有無線機を使用して、CDMA2000(1xRTT/1xEV-DO/HRPD/eHRPD)又はLTEを用いて、及び/又は、単一の共有無線機を使用して、GSM若しくはLTEのいずれかを用いて、通信するように構成することができる。共用無線機は、無線通信を実行するために、単一のアンテナに結合してもよく、又は(例えば、MIMOについて)複数のアンテナに結合してもよい。一般に、無線機は、ベースバンドプロセッサ、(例えば、フィルタ、ミキサ、発振器、増幅器などを含む)アナログRF信号処理回路、又は(例えば、デジタル変調及び他のデジタル処理のための)デジタル処理回路の任意の組み合わせを含み得る。類似して、無線機は、上記のハードウェアを使用して1つ以上の受信及び送信チェーンを実装してもよい。例えば、UE106は、上記の技術などの複数の無線通信技術間で、受信及び/又は送信チェーンの1つ以上の部分を共用し得る。
いくつかの態様では、UE106は、UE106がそれを使用して通信するように構成されているそれぞれの無線通信プロトコルについて(例えば別個のアンテナ及び他の無線メカニズム成要素を含む)別個の送信及び/又は受信チェーンを含んでもよい。更なる可能性として、UE106は、複数の無線通信プロトコル間で共用される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信プロトコルによってのみ使用される1つ以上の無線機を含み得る。例えば、UE 106は、LTE若しくは5G NR(様々な可能性の中でも、又は、LTE若しくは1xRTT、又はLTE若しくはGSMのいずれか)のいずれかを使用して通信するための共用無線機、並びにWi-Fi及びBluetoothの各々を使用して通信するための別個の無線機を含み得る。他の構成も可能である。
通信デバイス例
図3は、いくつかの態様による、通信デバイス106の簡略化された例のブロック図を示す。図3の通信デバイスのブロック図は、可能な通信デバイスの単なる一例であることに留意されたい。複数の態様によれば、通信デバイス106は、他のデバイスの中でもとりわけ、ユーザ機器(UE)デバイス、モバイルデバイス若しくは移動局、無線デバイス若しくは無線局、デスクトップコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス(例えばラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、又はポータブルコンピューティングデバイス)、タブレット、及び/又はデバイスの組み合わせであってもよい。図に示すように、通信デバイス106は、コア機能を行うように構成された構成要素のセット300を含んでもよい。例えば、構成要素のこのセットは、様々な目的のための部分を含み得るシステムオンチップ(System On Chip、SOC)として実装されてもよい。代替として、構成要素のこのセット300は、様々な目的での別個の構成要素又は構成要素のグループとして実装されてもよい。構成要素のセット300は、通信デバイス106の様々な他の回路に(例えば、直接又は間接的に通信可能に)結合されてもよい。
例えば、通信デバイス106は、(例えば、NANDフラッシュ310を含む)様々なタイプのメモリ、(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーション、マイクロフォン、カメラ、キーボードなどの入力デバイス、スピーカなどの出力デバイスなどに接続するための)コネクタI/F320などの入出力インタフェース、通信デバイス106と一体化されてもよく又は外部にあってもよいディスプレイ360、並びに、(例えば、LTE、LTE-A、NR、UMTS、GSM、CDMA2000、Bluetooth、Wi-Fi、NFC、GPSなど用の)無線通信回路330を含んでもよい。いくつかの態様では、通信デバイス106は、例えばイーサネットのためのネットワークインタフェースカードなどの有線通信回路(図示せず)を含んでもよい。
無線通信回路330は、図に示すように、アンテナ(単数又は複数)335などの1つ以上のアンテナに(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合することができる。無線通信回路330は、セルラー通信回路及び/又は近距離から中距離の無線通信回路を含んでもよく、例えば、多重入出力(Multiple-Input Multiple Output、MIMO)構成における複数の空間ストリームを受信及び/又は送信するための複数の受信チェーン及び/又は複数の送信チェーンを含んでもよい。
いくつかの態様では、以下で更に説明するように、セルラー通信回路330は、複数のRAT用の(専用のプロセッサ及び/又は無線機を含むか、及び/又はそれらに(例えば通信可能に直接若しくは間接的に)結合されている)1つ以上の受信チェーン(例えばLTE用の第1の受信チェーン、及び5G NR用の第2の受信チェーン)を含んでもよい。加えて、いくつかの態様では、セルラー通信回路330は、特定のRATに専用の無線機間で切り替えられ得る単一の送信チェーンを含み得る。例えば第1の無線機は、例えばLTEのような第1のRAT専用であり、第2の無線機と共有される専用の受信チェーン及び送信チェーンと通信状態にあってもよい。第2の無線機は、第2のRAT、例えば5G NR専用であり得、専用受信チェーン及び共有送信チェーンと通信状態にあってもよい。
通信デバイス106はまた、1つ以上のユーザインタフェース要素を含む、及び/又は1つ以上のユーザインタフェース要素との使用のために構成され得る。ユーザインタフェース要素は、(タッチスクリーンディスプレイであってもよい)ディスプレイ360、(分離キーボードであってもよく、又はタッチスクリーンディスプレイの一部分として実装されてもよい)キーボード、マウス、マイクロフォン、及び/若しくはスピーカ、1つ以上のカメラ、1つ以上のボタン、並びに/又は情報をユーザに提供すること及び/又はユーザ入力を受信若しくは解釈することが可能である様々な他の要素のうちのいずれかなどの様々な要素のうちのいずれかを含んでもよい。
通信デバイス106は、1つ以上のUICC(単数又は複数)(Universal Integrated Circuit Card、ユニバーサル集積回路カード(単数又は複数))カード345などの、SIM(Subscriber Identity Module、加入者識別モジュール)機能を含む1つ以上のスマートカード345を更に含んでもよい。
図に示すように、SOC300は、通信デバイス106のためのプログラム命令を実行し得るプロセッサ(単数又は複数)302と、グラフィック処理を行って、表示信号をディスプレイ360に提供し得る表示回路304と、を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)302は、メモリ管理ユニット(memory management unit)(MMU)340に連結してもよく、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ306、読み出し専用メモリ(read only memory)(ROM)350、NANDフラッシュメモリ310)内の位置に変換し、並びに/又は表示回路304、無線通信回路330、コネクタI/F320、及び/若しくはディスプレイ360などの、その他の回路若しくはデバイスに変換するように構成されてもよい。MMU340は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実行するように構成されていてもよい。いくつかの態様では、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302の一部分として含まれてもよい。
上記のように、通信デバイス106は、無線及び/又は有線通信回路を使用して通信するように構成され得る。本明細書に記載するように、通信デバイス106は、本明細書に記載される様々な特徴及び技法のいずれかを実装するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含んでもよい。通信デバイス106のプロセッサ302は、例えば、メモリ媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の特徴のうちの一部又は全部を実装するように構成され得る。代替的に、(又は加えて)、プロセッサ302は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として構成されてもよい。代替として(又は加えて)、通信デバイス106のプロセッサ302は、他の構成要素300、304、306、310、320、330、340、345、350、360のうちの1つ以上と共同して、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成されてもよい。
加えて、本明細書に記載されているように、プロセッサ302は、1つ以上の処理要素を含み得る。したがって、プロセッサ302は、プロセッサ302の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(Integrated Circuit、IC)を含み得る。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)302の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路など)を含んでもよい。
更に、本明細書に記載するように、無線通信回路330は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。換言すれば、無線通信回路330に1つ以上の処理要素を含めることができる。よって、無線通信回路330は、無線通信回路330の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(Integrated Circuit、IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、無線通信回路330の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路など)を含むことができる。
基地局例
図4は、いくつかの態様による、基地局102のブロック図の例を示す。図4の基地局は、あり得る基地局の単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図に示すように、基地局102は、基地局102のためのプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)404を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)404はまた、プロセッサ(単数又は複数)404からアドレスを受信して、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ460及び読み出し専用メモリ(ROM)450)内の位置又は他の回路若しくはデバイスに変換するように構成されていてもよいメモリ管理ユニット(MMU)440に結合されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート470を含んでもよい。ネットワークポート470は、電話網に結合し、UEデバイス106等の複数のデバイスに、上記図1及び図2に説明するような電話網へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。
ネットワークポート470(又は追加のネットワークポート)はまた、あるいは代替的に、例えばセルラーサービスプロバイダのコアネットワーク等のセルラーネットワークに結合するように構成されていてもよい。コアネットワークは、モビリティ関連サービス及び/又は他のサービスを、UEデバイス106等の複数のデバイスに提供することができる。いくつかの場合には、ネットワークポート470は、コアネットワークを介して電話網に結合することができ、及び/又はコアネットワークは、(例えばセルラーサービスプロバイダによってサービスを提供される他のUEデバイス間で)電話網を提供することができる。
いくつかの態様では、基地局102は、次世代基地局、例えば5Gニューレディオ(5G NR)基地局、又は「gNB」であってもよい。このような態様では、基地局102は、従来型のエボルブドパケットコア(EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NRC)/5Gコア(5GC)ネットワークに接続していてもよい。加えて、基地局102は、5G NRセルとみなされてもよく、1つ以上の遷移及び受信ポイント(TRP)を含んでもよい。加えて、5G NRに従って動作することが可能であるUEは、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ434、可能な場合、複数のアンテナを含んでもよい。少なくとも1つのアンテナ434は、無線送受信機として動作するように構成されてもよく、無線機430を介してUEデバイス106と通信するように更に構成されてもよい。アンテナ434は、通信チェーン432を介して無線機430と通信する。通信チェーン432は、受信チェーン、送信チェーン、又はその両方であってもよい。無線機430は、5G NR、LTE、LTE-A、GSM、UMTS、CDMA2000、Wi-Fiなどを含むがこれらには限定されない様々な無線通信規格を介して通信するように構成され得る。
基地局102は、複数の無線通信規格を使用して無線通信するように構成することができる。場合によっては、基地局102は、複数の無線機を含むことができ、複数の無線機は、基地局102が複数の無線通信技術に従って通信することを可能にすることができる。例えば、1つの可能性として、基地局102は、LTEに従って通信を実行するためのLTE無線機、並びに5G NRに従って通信を実行するための5G NR無線機を含んでもよい。このような場合、基地局102は、LTE基地局及び5G NR基地局の両方として動作することが可能であってもよい。別の可能性として、基地局102は、マルチモード無線機を含んでもよく、マルチモード無線機は、複数の無線通信技術(例えば5G NR及びLTE、5G NR及びWi-Fi、LTE及びWi-Fi、LTE及びUMTS、LTE及びCDMA2000、UMTS及びGSMなど)のうちのいずれかに従って通信を実行することが可能である。
本明細書に以下に更に説明するように、BS102は、本明細書に記載の特徴を実装する、又はそれらの実装をサポートするためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含むことができる。基地局102のプロセッサ404は、例えばメモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の方法のうちの一部又はすべてを実装するように、又はこれらの実装をサポートするように構成され得る。代替として、プロセッサ404は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として、又はこれらの組み合わせとして構成されてもよい。代替として(又は加えて)、BS102のプロセッサ404は、他の構成要素430、432、434、440、450、460、470のうちの1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴のうちの一部又は全てを実装する又はこれらの実装をサポートするように構成され得る。
加えて、本明細書に記載するように、プロセッサ(単数又は複数)404は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。したがって、プロセッサ(単数又は複数)404は、プロセッサ(単数又は複数)404の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)404の機能を実行するように構成されている回路(例えば第1の回路、第2の回路など)を含んでもよい。
更に、本明細書に記載するように、無線機430は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。したがって、無線機430は、無線機430の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、無線機430の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路など)を含んでもよい。
セルラー通信回路例
図5は、いくつかの態様による、セルラー通信回路の簡略化されたブロック図の例を示す。図5のセルラー通信回路のブロック図は、考え得るセルラー通信回路の単なる1実施例に過ぎないことに留意されたい。別個のアンテナを用いて上りリンク活動を実行するために異なるRATのための十分な数のアンテナを含むか、若しくはそれに結合された回路、又は、例えば、複数のRAT間で共用され得る、より少ない数のアンテナを含むか、若しくはそれに結合された回路等の他の回路もあり得る。いくつかの態様によれば、セルラー通信回路330は、上記の通信デバイス106などの通信デバイスに含まれ得る。上記のように、通信デバイス106は、他のデバイスの中でもとりわけ、ユーザ機器(UE)デバイス、モバイルデバイス若しくは移動局、無線デバイス若しくは無線基地局、デスクトップコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、ノートブック、若しくはポータブルコンピューティングデバイス)、タブレット、及び/又はデバイスの組み合わせであってもよい。
セルラー通信回路330は、図に示すように、アンテナ335a~b及び336などの1つ以上のアンテナに(例えば通信可能に、直接又は間接的に)結合してもよい。いくつかの態様では、セルラー通信回路330は、複数のRATのための(例えば、専用プロセッサ及び/若しくは無線機を含む、かつ/又は専用プロセッサ及び/若しくは無線機に通信可能に、直接若しくは間接的に結合されている)専用受信チェーン(例えばLTEのための第1の受信チェーン、及び5G NRのための第2の受信チェーン)を含み得る。例えば図5に示すように、セルラー通信回路330は、第1のモデム510及び第2のモデム520を含んでもよい。第1のモデム510は、第1のRAT、例えば、LTE又はLTE-A等に従って通信するように構成されていてもよく、第2のモデム520は、第2のRAT、例えば、5G NR等に従って通信するように構成されていてもよい。
図に示すように、第1のモデム510は、1つ以上のプロセッサ512及びプロセッサ512と通信状態にあるメモリ516を含んでもよい。モデム510は、無線周波数(RF)フロントエンド530と通信状態にあってもよい。RFフロントエンド530は、無線信号を送信及び受信するための回路を含んでもよい。例えば、RFフロントエンド530は、受信回路(receive circuitry、RX)532及び送信回路(transmit circuitry、TX)534を含み得る。いくつかの態様では、受信回路532は、アンテナ335aを介して無線信号を受信するための回路を含み得る下りリンク(DL)フロントエンド550と通信状態にあってもよい。
同様に、第2のモデム520は、1つ以上のプロセッサ522及びプロセッサ522と通信状態にあるメモリ526を含んでもよい。モデム520は、RFフロントエンド540と通信状態にあってもよい。RFフロントエンド540は、無線信号を送信及び受信するための回路を含むことができる。例えば、RFフロントエンド540は、受信回路542及び送信回路544を含み得る。いくつかの態様では、受信回路542はDLフロントエンド560と通信状態にあってもよく、DLフロントエンドはアンテナ335bを介して無線信号を受信するための回路を含み得る。
いくつかの態様では、スイッチ570が、送信回路534を上りリンク(UL)フロントエンド572に結合していてもよい。加えて、スイッチ570は、送信回路544をULフロントエンド572に結合していてもよい。ULフロントエンド572は、アンテナ336を介して無線信号を送信するための回路を含み得る。よって、セルラー通信回路330が第1のRATに従って送信すべき(例えば第1のモデム510を介してサポートされる)命令を受信すると、スイッチ570は第1の状態に切り替えられてもよく、この状態では、第1のモデム510が第1のRATに従って(例えば送信回路534及びULフロントエンド572を含む送信チェーンを介して)信号を送信できるようになる。同様に、セルラー通信回路330が第2のRATに従って送信すべき(例えば第2のモデム520を介してサポートされる)命令を受信すると、スイッチ570は第2の状態に切り替えられてもよく、この状態では、第2のモデム520が第2のRATに従って(例えば送信回路544及びULフロントエンド572を含む送信チェーンを介して)信号を送信できるようになる。
本明細書に記載するように、第1のモデム510及び/又は第2のモデム520は、本明細書に記載の様々な特徴及び技法を実装するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含んでもよい。プロセッサ512、522は、例えば、メモリ媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の特徴の一部分又はすべてを実装するように構成されていてもよい。代わりに(又は、加えて)、プロセッサ512、522は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のプログラム可能なハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)として構成されていてもよい。代わりに(又は、加えて)、プロセッサ512、522は、他の構成要素530、532、534、540、542、544、550、570、572、335、及び336のうちの1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴の一部分又はすべてを実装するように構成されていてもよい。
加えて、本明細書で説明するように、プロセッサ512、522は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。よって、プロセッサ512、522は、プロセッサ512、522の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含んでもよい。加えて、各集積回路は、プロセッサ512、522の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでもよい。
いくつかの態様では、セルラー通信回路330は、送信/受信チェーンをただ1つ含んでもよい。例えばセルラー通信回路330は、モデム520、RFフロントエンド540、DLフロントエンド560、及び/又はアンテナ335bを含まなくてもよい。別の例として、セルラー通信回路330は、モデム510、RFフロントエンド530、DLフロントエンド550、及び/又はアンテナ335aを含まなくてもよい。いくつかの態様では、セルラー通信回路330はまた、スイッチ570を含まなくてもよく、RFフロントエンド530又はRFフロントエンド540は、例えばULフロントエンド572と、例えば直接的に通信してもよい。
ネットワーク要素の例
図6は、いくつかの態様による、ネットワーク要素600のブロック図の例を示す。いくつかの態様によれば、ネットワーク要素600は、モビリティ管理エンティティ(mobility management entity、MME)、サービングゲートウェイ(serving gateway、S-GW)、アクセス及び管理機能(access and management function、AMF)、セッション管理機能(session management function、SMF)、ネットワークの分割と割り当て管理(network slice quota management、NSQM)などのセルラーコアネットワークの1つ以上の論理機能/エンティティを実装することができる。図6のネットワーク要素600は、可能なネットワーク要素600の単なる一実施例であることに留意されたい。図に示すように、コアネットワーク要素600はプロセッサ(単数又は複数)604を含んでもよく、プロセッサはコアネットワーク要素600のプログラム命令を実行してもよい。プロセッサ(単数又は複数)604はまた、メモリ管理ユニット(MMU)640に結合されていてもよく、MMUは、プロセッサ604からアドレスを受信して、それらのアドレスをメモリ(例えばメモリ660及び読み出し専用メモリ(ROM)650)内の場所又は他の回路若しくはデバイスに変換するように構成されていてもよい。
ネットワーク要素600は、少なくとも1つのネットワークポート670を含んでもよい。ネットワークポート670は、1つ以上の基地局並びに/又は他のセルラーネットワークエンティティ及び/若しくはデバイスに結合するように構成されていてもよい。ネットワーク要素600は、様々な通信プロトコル及び/又はインタフェースのいずれかを用いて、基地局(例えばeNB/gNB)及び/又は他のネットワークエンティティ/デバイスと通信してもよい。
本明細書で更にこの後に説明するように、ネットワーク要素600は、本明細書で説明する機能を実施する及び/又は実施をサポートするためのハードウェア並びにソフトウェアの構成要素を含んでもよい。コアネットワーク要素600のプロセッサ(単数又は複数)604は、例えばメモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載する方法の一部又はすべてを実行する又は実行をサポートするように構成されてもよい。代替的に、プロセッサ604は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として、又はこれらの組み合わせとして構成されてもよい。
無線リソース制御(RRC)アイドル状態及び非アクティブ状態
複数のセルラー通信技術には無線リソース制御(RRC)プロトコルの使用が含まれ、そのプロトコルは、例えば接続の確立と解除、無線ベアラの確立と再設定と解除、及び/又は、無線デバイスとセルラー基地局との間のエアインタフェースをサポートする様々な他の可能なシグナリング機能を円滑化し得る。
無線デバイスは通例、RRCに関して考えられる複数の状態のうち1つで動作し得る。例えばLTEでは、無線デバイスは、RRC_CONNECTED状態(例えばその状態では、無線デバイスが連続的なデータ転送を実行でき、セル間のハンドオーバがネットワークによって管理され、アクセス層(AS)コンテキスト情報が無線デバイスのために保持される)、又はRRC_IDLE状態(例えばその状態では、無線デバイスが連続的なデータ転送を実行していないときにより良好なバッテリ効率状態で動作でき、無線デバイスがそのセル再選択活動を処理でき、ネットワークが無線デバイスのためのASコンテキスト情報が保持しないことがある)で動作し得る。
少なくともいくつかの態様によれば、RRC_CONNECTED及びRRC_IDLE状態に加えて、無線デバイスのための1つ以上の他のタイプのRRC状態をサポートすることも可能であり得る。例えば、NRではRRC_INACTIVE状態がサポートされ得、この状態では、無線デバイスが比較的バッテリ効率の良い状態で動作できる一方で、ネットワークもまた少なくともいくつかのASコンテキスト情報を保持する。いくつかの態様では、無線デバイスは、UEが非アクティブ状態に入る前にそうしたように、CN及びRRC設定を用いて非アクセス層接続(NAS)を維持し得る。
一定の場合には、非アクティブ状態にあるUEには専用ASリソースが割り当てられないことがある。少なくとも、いくつかの態様によれば、そのような状態は無線デバイスベースのモビリティを採用してもよく、例えば、NG無線アクセスネットワーク(RAN)に通知することなしに、無線デバイスが無線アクセスネットワーク通知エリア(RNA)内で移動することが可能になる。この状態にある間、無線デバイスは、セル再選択及びシステム情報取得を自ら実行してもよい。同時に、最終サービング基地局(例えばgNB)は、例えばRRC_CONNECTED状態へ戻る遷移をより容易にするために、その無線デバイスのコンテキスト及び、その無線デバイスに関連する5Gコアネットワーク(CN)とのNG接続を保持してもよい。RRC_INACTIVE状態にある無線デバイスをページングするとき、例えばUE固有のDRXとUE識別子インデックス値(例えばI-RNTI)とを含む、RNA固有のパラメータがRANによって使用され得る。
そのようなRRC_INACTIVE状態で動作している無線デバイスは、周期的に(例えば設定済みの周期的RNA更新タイマに基づいて)RNA更新を実行してもよいし、かつ/又は、いくつかの態様によれば、例えば無線デバイスが現在設定されているRNAから異なるRNAに移動するときに、イベントベースの様式でRNA更新を実行してもよい。
RRC_INACTIVE状態の使用は、少なくともいくつかの事例では、無線デバイスの接続のためのネットワークシグナリングオーバーヘッドを低減するのに役立ち得る。例えばデータ送信の頻度が低い無線デバイスでは、そのようなRRC_INACTIVE状態を利用することによって、例えば無線デバイスがセル間を移動するときにそれ自体のセル再選択プロセスを管理することが可能であり得るので、RRC_CONNECTED状態と比較して、必要な(例えばハンドオーバのための)モビリティ関連シグナリングの量が低減され得る。そのような無線デバイスでは、RRC_INACTIVE状態を利用することによってまた、例えばネットワークが無線デバイスのための少なくともいくつかのコンテキスト情報を保持し得るので、RRC_IDLE状態と比較して、必要な接続セットアップ関連シグナリングの量が低減され得る。これにより、RRC_CONNECTED状態への遷移に関連するシグナリングレイテンシが直接的に低減され得る。
別の潜在的な利益として、そのような状態は、例えばRRC_IDLE状態で動作することと比較して、無線デバイスについてのコントロールプレーン遅延を低減し得る。例えばRRC_INACTIVE状態については、RRC_IDLE状態と比較して短縮された、アクセス層接続セットアップ期間及び/又は非アクセス層接続セットアップ期間が可能になり得る。よって、バッテリ効率の良い状態から連続的なデータ転送の開始までの時間が短縮され得る。
更に、そのような状態によって、例えばRRC_CONNECTED状態で動作することと比較して、無線デバイスの電力節約能力が改善され得る。例えばRRC_CONNECTED状態にある間は、RRC_INACTIVE状態にある間よりも頻繁に、サービングセル及び/又は近隣セルの測定が必要となり得、例えば少なくとも無線デバイスの接続モード間欠受信(C-DRX)期間に合わせる必要がある。
無線デバイスは、RRC_INACTIVE状態にある間、セル再選択を管理し得る。セル再選択プロセスの目標は、無線デバイスを適切なセルに居留させることであり、適切なセルとしては、無線デバイスがそのセルを介して接続を確立/有効化し、データ転送を行うことができるように、十分な信号強度、信号品質、及び/又は他の特性を有するセルがある。セル再選択は、同一周波数内セル再選択又は異周波数間セル再選択のいずれか又は両方を含み得る。そのようなRRC_INACTIVE状態にある間のセル再選択プロセスの一部として、無線デバイスは、サービングセル及び/又は近隣セル上でセル測定を実行してもよい。こうしたセル測定が実行される方式は、無線デバイス電力消費及び、連続的なデータ転送能力にアクセスするために必要な時間量(例えばRRC_CONNECTED状態で動作を再開することによる)に、相当な影響を及ぼす可能性がある。例えばセル測定を実行するために同期信号ブロック(SSB)が使用される場合、無線デバイスの非アクティブ状態ウェイクアップ段階と次のSSBバーストとの間に遅延が存在することがあり、かつ/又は、複数のSSBバーストにわたる受信機ビームスイーピングができるように比較的長い期間にわたって測定が実行されることがある。更に、そのようなSSBバーストは、無線デバイスの指定された非アクティブ状態ウェイクアップ段階とは異なる周波数及び/又はより広い帯域幅で実行されることがある。代替的に、セルラー基地局は、例えばRRC非アクティブ状態での無線デバイス電力消費の低減を促進するために、時間及び/又は周波数領域でSSBと揃えられるページング段階を提供することもできる。
ここで図7を参照すると、本開示の態様による、RRC_INACTIVE状態に入り、その状態から再開するための通信フロー700を説明する通信フロー図が示されている。通信フローの態様は無線デバイスによって、例えば図7に示され、その図に関して説明されるUE702、gNB704、最終サービングgNB706、及びアクセス・モビリティ機能(Access and Mobility Functions:AMF)708などの、1つ以上の無線ノード及びコアネットワーク(CN)の1つ以上の部分とともに実装されてもよく、又はより一般的には、とりわけ、上記の図に示されるコンピュータ回路、システム、デバイス、要素、又は構成要素のいずれかとともに、必要に応じて実装されてもよい。例えばそのようなデバイスのプロセッサ(及び/又は他のハードウェア)は、図に示す方法要素及び/又は他の方法要素の任意の組み合わせをデバイスに実行させるように構成され得る。
通信フロー700では、UE702などの無線ノードは、例えば最終サービングgNB706からRRC解除メッセージを受信する(ステップ1)。RRC解除メッセージは、UE702がRRC非アクティブ状態に入るための保留設定情報を含んでもよい。保留設定情報は、RNAについての情報など、RRC非アクティブ状態で動作し、かつ/又はRRC非アクティブ状態から接続を再開するための情報、及び、UE識別子及び再開セキュリティ情報など、暗号化された再開メッセージをサポートするためのセキュリティパラメータを含み得る。本明細書で開示するいくつかの態様では、gNBはまた、保留設定情報を有するRRC解除メッセージを介して、CSI-RS/TRSを受信するためのリソース情報を提供してもよい(以下で更に詳細に説明する)。RNAは、UEがネットワークに通知する必要なくその中で移動することが許可される、gNBのセットに関連するエリアを含み得る。
一定の場合には、UE702が、非アクティブ状態では実行できない専用データ送信/受信の実行を望むことがある。非アクティブ状態から退出するために、UE702はgNBにRRC再開要求を送信することによってRRC再開手順を開始してもよく、この例では、このgNBは、最終サービングgNB706とは異なるgNB704である(ステップ2)。RRC再開要求は、例えばUE識別子及び再開セキュリティ情報を含み得る。gNB704は、次いで、最終サービングgNBからUE702のコンテキストを取り込んでもよい(ステップ3)。UEコンテキストを受信した後(ステップ4)、gNB704は、RRC再開要求に応答してRRC再開メッセージをUE702に送信してもよい(ステップ5)。次いで、UE702は、RRC接続状態710に遷移し、gNB704にRRC再開完了メッセージを送ってもよい(ステップ6)。
次いで、gNB704は、データ転送アドレス指示を最終サービングgNBに送信し(ステップ7)、経路切り替え要求をAMF708に送信する(ステップ8)ことによって、最終サービングgNB706からのUEハンドオーバを実行する。AMF708は、経路切り替え要求応答により応答し(ステップ9)、gNBは、UEコンテキスト解除を最終サービングgNB706に送信する(ステップ10)。
ある一定の無線通信ネットワークでは、データ完全性及びセキュリティの提供を助けるために暗号化が使用されてもよい。例えば5G NRでは、データ無線ベアラ(DRB)ブロック内のユーザデータは、ユーザデータにデータ機密性及び完全性保護を提供するために暗号化されてもよい。加えて、シグナリング無線ベアラ(SRB)ブロック内のRRCシグナリングは、シグナリングデータ機密性及び無線ネットワーク完全性の提供を助けるために、ユーザデータとは分けて暗号化されてもよい。よって、CNと無線デバイスとの間のNASレベルセキュリティのために使用される鍵は、例えばRRCシグナリングで使用されるAS鍵から暗号的に分けられている。
5G/NRでの改善されたページング手順
5G/NRでのページング手順によって、UEが、前述のRRC_IDLE又はRRC_INACTIVE状態などの低減電力状態でシステムに居留できるようになる。UEは、RRC_IDLE状態又はRRC_INACTIVE状態にある間、ページングメッセージをリッスンすることが可能である。ページングメッセージによって、ネットワークは、移動体で終端する接続を開始できるようになる。CNはRRC_IDLEページング手順を担い、サービング基地局(例えばgNB)はRRC_INACTIVEページング手順を担う。ページングメッセージは、CNが開始するページング(すなわち、RRC_IDLE状態にあるUEに対するページング)及び、RANが開始するページング(すなわち、RRC_INACTIVE状態にあるUEに対するページング)の両方で同じである。いくつかの実装形態では、本明細書で説明する技法はRRC_IDLEのUEとRRC_INACITVEのUEの両方に同様に適用され得るが、他の実装形態では、ネットワークは低減電力状態にある異なったUEに対して別様に技法を実施するように選択することもできる(例えばRRC_INACTIVE状態にあるUEによる使用について、ある特定の技法を有効にするが、RRC_IDLE状態にあるUEに対しては、その特定の技法を有効にしない)ということが理解される。
例えば着信呼の着信を示すためなどに、UE固有のページングが利用可能であるが、RNA内のすべてのUEにシステム情報の変更又は地震津波警報システム(ETWS)/商用モバイル警報サービス(CMAS)メッセージの着信を通知する必要があるときは、追加カテゴリのページング情報も利用可能である。こうした場合、ページング手順にPDCCHのペイロードを使用し得る。具体的には、下りリンク制御情報(DCI)フォーマット1_0は、巡回冗長検査(CRC)ビットがページング-無線ネットワーク一時識別子(P-RNTI)を使用してスクランブルされる場合は、「ショートメッセージ」を含むことができる。ショートメッセージを使用して、システム情報が更新されており、再取得の必要があること、又は着信ETWS/CMASメッセージが存在することを示し得る。
RRC_IDLE状態にあるUEについて、アクセス・モビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)はUEの位置の記録を維持し、また、UEに対するページング手順を実行するために使用される。具体的には、RRC_IDLE(又はRRC_INACTIVE)状態にあるUEは、ページング傍受のために、不連続受信(DRX)サイクルT(フレーム数に換算して)で設定される。すなわち、UE受信機は、周期的なページングオケージョン(PO)の間は「スリープ」モードに入る。次いで、UEは、DRXサイクル内のT個のフレームの中からページングフレーム(PF)を判定する。PF内で、UEはPOを判定する。UEは、システム情報ブロック1(SIB1)内の情報ブロードキャストと、割り当てられた5G SAE一時モバイル加入者識別情報(5G-S-TMSI)との組み合せを使用して、POを判定してもよい。各POで、UEは、PDSCH内にページング情報が存在するか判定するために、P-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するPDCCH送信を求めて走査してもよい。
PO内には、S回のPDCCH傍受オケージョンがあってもよく、S回の傍受オケージョンは各々1つの同期信号ブロック(SSB)に対応する。UEは、ページングメッセージを傍受するために、異なるビームを介して送信されるすべてのPDCCH傍受オケージョンを傍受してもよい(すべての送信ビーム又は傍受オケージョンで、同じページングメッセージ及びショートメッセージが繰り返されると仮定して)。
上述したように、UEは、P-RNTIを使用してスクランブルされたCRCビットを有するDCIフォーマット1_0を傍受してもよい。DCIフォーマット1_0が検出されると、UEは、ショートメッセージインジケータフィールドを読み出してもよい。ショートメッセージインジケータがページングメッセージの存在を示す場合、UEは、関連するPDSCHを復号してもよい(UE固有のpagingRecordListがPDSCHによって搬送されることに留意されたい)。UEがPagingRecordList内で自らのUE_IDを見つけた場合、UEは、RRC接続(又は再接続)を行うためにランダムアクセスチャネル(RACH)手順を開始する。そうでない場合、UEは、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVE状態のままでいてもよい。
上述したように、RRC_IDLEモード及び/又はRRC_INACTIVEモードにあるUEでは、UEは電力を節約するために、連続する2つのPO間で「スリープ」状態に入る。ところが、ページングメッセージを受信するには、UEは、ウェイクアップしてから、例えば自動利得制御(AGC)、時間/周波数オフセット推定/調整などを含む、準備を実行しなければならない。これらの動作には、UEの傍受オケージョンに近接して送信される、知られている信号をネットワークから取得することが必要である。LTEでは、毎回のサブフレームで送信されるセル参照信号(CRS)があったので、UEは準備のためにCRSを使用することが可能であった。ところが、5G/NRにはCRSは存在しない。よって、NR UEはSSBを使用する。SSBは周期的に送信されるが、その頻度は、毎回のフレーム又はサブフレームよりも少ない。
ここで理解され得るように、準備をSSBに依存するNR UEは、ウェイクアップしてから、SSBを傍受する必要がある。ただし、SSBとPOは揃っていないので、多くの場合、UEはSSBを受信するために必要であるよりも早くウェイクアップしなければならない。AGC、時間/周波数オフセット推定/調整などを実行した後、UEは、POが到来するまでウェイクアップ状態を維持しなければならない。以下でより詳細に説明され、図8を参照して例示されるように、このことによって、NR UEの電力/エネルギー消費が大幅に増加することがある。
ここで図8を参照すると、例示的なUE電力消費グラフ800が示されており、UEがページングオケージョン(PO)を待っている間の横軸802上の時間に対して、UEの電力消費が縦軸804上にプロットされている。上述したように、UEの電力消費は、SSB(806)を傍受することに備えて、最大電力(812)に向けて上昇し始める(810)。SSBが傍受されると、UEは「ウェイクアップ」状態(814)のままで次のPO(808)を待機していることがあり、その時点で、次のPO(808)を傍受するために最大電力(816)に向けて上昇した後に、アイドル又は非アクティブ状態に戻る(818)ことができる。
ここで図9を参照すると、例示的な改善されたUE電力消費グラフ900が示されており、UEがページングオケージョン(PO)を待っている間の横軸902上の時間に対して、UEの電力消費が縦軸904上にプロットされている。通常、RRC_CONNECTED状態にあるNR UEは、チャネル追跡、時間周波数同期、モビリティなどのためのCSI-RS/TRS情報を受信するように設定され得る。ただし、そのようなCSI-RS及びTRS情報は、現在のところ、UEがRRC_CONNECTED状態にあるときにのみ設定可能である。CSI-RS又はTRS設定情報は、そのUEから見ればUE固有の設定である。ところが、ネットワークから見れば、複数のUEがネットワークを傍受するために同じCSI-RS及びTRS情報を用いて設定されることもある。この、CRS-RS及びTRSの間の共有設定によって、ネットワークが、CSI-RS及びTRSのために使用されるリソースオーバーヘッドを低減できるようになることがある。
有利なことに、RRC_IDLE状態及び/又はRRC_INACTIVE状態にあるUEのページング受信準備を助けるために、CSI-RS及びTRSをそのUEと共有することも更にできる。具体的には、あるUEのPOに近接して送信される設定済みのCSI-RS及びTRS情報が存在する場合、そのUEは、次のPOに同期して備えるために、それらのCSI-RS/TRS読み取り値を使用して、AGC、時間/周波数同期などを実行することもできる。
図9に戻ると、UEの電力消費は、CSI-RS/TRS(906)を傍受することに備えて、最大電力(912)に向けて上昇し始める(910)。CSI-RS/TRS(906)がUEのPO(908)に時間的に近接しているため、UEが低減電力(例えばアイドル又は非アクティブ)状態に戻れる(914)ようになる前に「ウェイクアップ」状態(912)に留まる必要がある時間は短くなり、それによって、図8に示されるシナリオに比較してUE電力が節約される。
上記で触れたように、RRC_IDLE及びRRC_INACTIVE状態にあるUEは有効なRRC設定を有さず、このことは、以前のRRC_CONNECTED状態の間にUEによって受信されたいずれのCSI-RS/TRSリソース情報も、UEがRRC_IDLE又はRRC_INACTIVE状態にあるときには有効でなくなっていることを意味する。よって、ネットワークが、RRC_IDLE及びRRC_INACTIVE状態にあるUEに、どのCSI-RS/TRSリソースを傍受すべきかを通知するために使用する新しい機構を提供することは有利であろう。
第1の態様では、RRC_IDLE状態及びRRC_INACTIVE状態にあるUEのための新しいCSI-RS/TRSリソース情報は、新しいタイプのSIB(NRの既存のSIBとの混同を避けるために、本明細書では「SIB-x」とも称する)内で搬送されてもよい。新しいSIB-xは、利用可能なCSI-RS/TRSリソース情報を、新しく定義された情報要素(IE)を使用して、RRC_IDLE及びRRC_INACTIVE状態にあるUEに通知するために、ネットワークによって周期的に送信されることができ、これについては以下でより詳細に説明する。
5G/NR実装では、RRC_CONNECTED状態にあるUEにとって利用可能とされ得るCSI-RS情報のタイプには、例えばCSI報告、RLF、BM、モビリティ、及び時間/周波数追跡のために使用され得るノンゼロパワー(NZP)CSI-RS(TRS)と、例えば近隣セルからの干渉を測定するために使用され得る(その間、サービングセル自体からは何も送信されない)CSI-干渉測定値(CSI-IM)と、例えばリソースの予約及びレートマッチングの実行のために使用され得るゼロパワー(ZP)CSI-RSと、が含まれる。
第1の態様のいくつかの実装では、RRC_INACTIVE状態又はRRC_IDLE状態などの低減電力状態にあるUEのためにも使用され得るCSI-RSのタイプには、NZP CSI-RS(設定されていれば使用することもできる)と、TRS(UEに対して必ず設定されている)と、が含まれる。
5G/NRにおける情報要素、すなわち「IE」は、指定された値にセットされ得るパラメータを指す。同じ値セットが該当する複数のフィールドがある場合には、IEが導入されるべきである。IEはまた、例えば特定のシステム要素の定義をより細かい部分に分けるためなどの、他の理由で定義されてもよい。密接に関連するIEタイプ定義のグループは、好ましくは、例えば共通のASN.1セクションに一緒に配置されてもよい。
RRC_CONNECTED状態にあるUEのためのCSI-RSに関連するIEには、CSI-MeasConfig(1つ以上のCSI-ResourceConfigを含むことができる)と、CSI-ResourceConfig(CSI-ResourceSetのうち1つ以上を含むことができる)と、NZP-CSI-RS-ResourceSet(NZP-CSI-RS-Resourceのうち1つ以上を含むことができる)と、NZP-CSI-RS-Resourceと、が含まれる。第1の態様(又は本明細書で開示する他の態様)のいくつかの実装によれば、例えばRRC_IDLE状態又はRRC_INACTIVE状態などの低減電力状態にあるUEのために、新しいIE(及び新しいIE構造)が導入されてもよい。そのような新しいIE構造は、本明細書では「NZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE IE」とも呼ばれ、有利なことに、RRC_CONNECTED状態にあるUEのための既存のIE構造に少なくとも部分的に基づいてもよい。
ここで図10を参照すると、いくつかの態様による、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVE状態にあるUEのために使用されることになる例示的なNZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE IE構造1000が示されている。図10に示すように、いくつかの実装では、新しいIE構造は、新しいIEであるNZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE1002(NZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUEsのリストを含むことができる)と、NZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUE1004(NZP-CSI-RS-Resource-IdleUEsのリストを含むことができる)と、NZP-CSI-RS-Resource-IdleUE1006(CSI-RSリソースを示すことができる)と、を含んでもよい。
ここで理解されるであろうように、RRC_INACTIVE/RRC_IDLEモードのUEのためのNZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUEは、RRC_CONNECTEDモードのUEによって現在使用されているNZP-CSI-RS-ResourceSetに対応し、RRC_INACTIVE/RRC_IDLEモードのUEのためのNZP-CSI-RS-Resource-IdleUEは、RRC_CONNECTEDモードUEによって現在使用されているNZP-CSI-RS-Resourceに対応する。
ここで図11を参照すると、いくつかの態様による、RRC_CONNECTEDモードにある異なったUEからの異なったNZP-CSI-RS-ResourceSetsに対応する、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVE状態にある複数のUEのための異なったNZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE IEの例示的な使用が1100に示されている。図11の要素1110は、RRC_CONNECTEDモードにあるR15/R16 UE(この例では「UE1」と称する)を指し、要素1120は、RRC_CONNECTEDモードにある別のR15/R16 UE(この例では「UE2」と称する)を指す。要素1110はCSI-ResourceConfig(1112)によって定義され、このCSI-ResourceConfigはNZP-CSI-RS-ResourceSets(1114)のリストを含み、その各々もまた、NZP-CSI-RS-Resource(1116)のリストを含み得る。同様に、要素1120はCSI-ResourceConfig(1122)によって定義され、このCSI-ResourceConfigはNZP-CSI-RS-ResourceSets(1124)のリストを含み、その各々もまた、NZP-CSI-RS-Resource(1126)のリストを含み得る。
図11の矢印1118によって示されるように、UE1(1110)からのNZP-CSI-RS-ResourceSet1114は、NZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUE1004(上述したように、NZP-CSI-RS-Resource-IdleUE1006のリストを含むことができる)として格納されてもよい。同様に、図11の矢印1128及び1130によって示されるように、UE2(1120)からのNZP-CSI-RS-ResourceSets1124は、例示的なNZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE IE構造1000内の、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVE状態にあるUE(例えばRel-17以降のUE)のために使用されることになっている追加のNZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUE IE1004として格納されてもよい。
ここで、NZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE、NZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUE、及びNZP-CSI-RS-Resource-IdleUEという3つのIEに含ませることもできる様々なパラメータについて説明する。
第1に、NZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE IEは、nzp-CSI-RS-ResourceSetsパラメータを含み得る。このパラメータは、CSI-RS-ResourceSet-IdleUEのリストを含むこともできる。NZP-CSI-RS-ResourceSet IEは1回の周期しか有することができないので、複数のNZP-CSI-RS-ResourceSet IEを含めることによって、現在のNR方式と適合性を保てるようになるはずである。RRC_IDLEモードの異なったUEは異なったDRXサイクル及びオフセットを有することがあり、よって、それらが、それ自体のPOに時間的に近接した1つのCSI-RSを見つけやすくするために、複数のCSI-RS-リソースセットを示せるようになっているべきである。
第2に、NZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUE IEは以下のパラメータ、すなわち、nzp-CSI-RS-ResourcesSet-IdleUE-ID(すなわち、リソースセットのID)と、nzp-CSI-RS-Resources-IdleUE(すなわち、非ゼロパワーCSI-RSリソースのうち1つ以上)と、繰り返し(すなわち、CSI-RS-ResourceSet内のCSI-RS-Resourceの中のCSI-RSの送信のために同じ空間フィルタが使用されるかどうかの指示であり、このパラメータの値は、RRC_CONNECTEDモードにあるUEのための対応するNZP-CSI-RS-ResourceSet内のものと同じであり得る)と、TRS-info(NZP-CSI-RSがTRSのためのものである場合、「TRUE」にセットされ得るフィールド)と、を含んでもよい。
第3に、NZP-CSI-RS-Resource-IdleUE IEは、以下のパラメータ(既存のNZP-CSI-RS-リソース構造のパラメータのサブセットである)、すなわち、nzp-CSI-RS-ResourceID(すなわちCSI-RSリソースのID)と、resourceMapping(すなわち、リソース要素へのCSI-RSの時間/周波数マッピングを指定するフィールド)と、powerControlOffset(すなわち、CSI-RSとPDSCHとの間の電力差を指定するフィールド)と、powerControlOffsetSS(すなわち、CSI-RSとセカンダリ同期信号(SS)との間の電力差を指定するフィールド)と、scramblingID(すなわち、すなわち、擬似ランダムシーケンスを生成するための入力)と、periodicityAndOffset(すなわち、CSI-RSの周期及びオフセットを指定する)と、qcl-InfoPeriodicCSI-RS(すなわち、CSI-RSの疑似コロケーション(QCL)情報を指定する)と、を含んでもよい(NRでは、1つのアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルの属性が、他方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルから推測可能である場合、この2つのアンテナポートは疑似コロケートされていると言われる)。
RRC_IDLEモードのUEのためのQCL指示(例えばqcl-InfoPeriodicCSI-RS IEを使用する)に関して、RRC_IDLEモードのUEは、送信設定指示(TCI)状態を有さないことに留意されたい。よって、RRC_IDLEモードのUEについては、qcl-InfoPeriodicCSI-RSの解釈は、RRC_CONNECTED状態にあるUEについてと同じではあり得ない。その代わりに、RRC_CONNECTEDモードにあるUEの当初のCSI-RSリソースのqcl-InfoPeriodicCSI-RSパラメータが、(例えばQCLされることによって)RRC_CONNECTEDモードにあるUEのために設定された他のCSI-RSリソース又はSSBのいずれかを参照するために使用されることもできる。このように、QCLされたCSI-RS情報はRRC_CONNECTEDモードにある(1つ以上の)UEに対してのみ利用可能であるので、RRC_IDLEモードのUEのためのqcl-InfoPeriodicCSI-RSは、他のCSI-RSとQCLされることはできない。ただし、RRC_IDLEモードのUEには正しいSSBロケーション及び使用すべき受信ビームがわかっているので、qcl-InfoPeriodicCSI-RSをSSBとQCLさせることは許容される。これは、RRC_CONNECTEDモードにあるUEのためのCSI-RSリソースは、SSBとQCLされているものだけがRRC_IDLEモードにあるUEのために使用されることもあることを示唆する。よって、第1の態様(及び本明細書で開示される他の態様)のいくつかの実装形態によれば、RRC_IDLEモードのUEのためのCSI-RSリソース指示は、SSBのみのためのQCL情報を含む。
ここで図12を参照すると、いくつかの態様による、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEモードにあるUEのためにQCL指示を実行するための追加の手法1200が示されている。図12は例示的なNZP-CSI-RS-ResourceSet-IdleUE構造(1202)を示し、この構造はNZP-CSI-RS-ResourceIdleUE構造のリスト(1204A~1204D)を含み、そのそれぞれの構造はqcl-InfoPeriodicCSI-RS IE1206を含み得る。QCL指示のための(すなわち、qcl-InfoPeriodicCSI-RS IE1206を使用する)いくつかの手法によれば、RRC_CONNECTEDモードのUEによって使用されるCSI-RSリソースが包含されるのは、それらが、(1)SSBとQCLされているか(例えばSSB1(12081)とNZP-CSI-RS-Resource-IdleUE1204Aの間、又はSSB2(12082)とNZP-CSI-RS-Resource-IdleUE1204Bの間に示されているように)、(2)RRC_IDLEモードのUEのために指示されているCSI-RS Resourcesのうち1つとQCLされているか(例えばNZP-CSI-RS-Resource-IdleUE1204BとNZP-CSI-RS-Resource-IdleUE1204Cとの間に示されているように)、又は(3)何ともQCLされていない、つまりqcl-InfoPeriodicCSI-RS IEフィールドがNZP-CSI-RS-Resource-IdleUEに含まれていないとき(1210に示すように)である。
上述したように、好ましくは、RRC_IDLE及びRRC_INACTIVEモードのUEのための何らかの形態のメッセージ配信機構が存在する。具体的には、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEモードにあるUEは、セル(再)選択及びページング受信に必要なパラメータを取得するために、システム情報(SI)を受信する必要があり得る。現在、NRには9つのSIB(すなわち、SIB1~SIB9)が定義されており、システム情報RRCメッセージによって搬送される。よって、本明細書で提案される様々な実装形態によれば、新しいSIB(本明細書では「SIB-x」とも呼ばれる)が、RRC_IDLEモードのUE及びRRC_INACTIVEモードのUEのためのCSI-RSリソースセットを示すために使用されてもよい。上記で詳細に説明したように、前述したSIB-xは、RRC_IDLE及びRRC_INACTIVEモードのUEに利用可能なCSI-RSリソースセットの通知をサポートするために、NZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE IEを含み得る。
そのような方式でのSIB送信機構のために、様々な手法が利用可能である。例えば一実装形態では、新しいSIB-xは周期的に送信されてもよい(その場合、例えばSIB1を使用して、新しいSIB-xの送信の周期を示してもよい)。あるいは、別の実装形態では、新しいSIB-xは「オンデマンド」で送信されてもよい。例えばSIB-x送信を要求するために、UEは、割り当てられたプリアンブルをネットワークに送信してもよい。どのRACH設定を使用できるかを示すために、SIB1を使用することもできる。(例えばRACHプロセスにおいて、新しいSIBーxをUEに送信するための要求として、MGS1又はMSG3のどちらかを使用することもできる)。
第2の態様では、SIB-xは、事前定義されたCSI-RS/TRSリソース情報設定のセットのうち1つを搬送するように設定されてもよい。この手法では、TRSリソース指示を事前定義されたTRSリソース設定のみの中から選択することもできるため、シグナリングオーバーヘッドを低減するという利点が得られる。例えば考え得る事前定義された設定がNセット(例えばN=16)あることもあり、それらは次の要素、すなわち(1)TRSの周期、(2)TRSのスロットオフセット、(3)TRSの開始シンボルインデックス、(4)TRSの帯域幅(このパラメータが示されない場合は、TRSは全帯域幅をとり得る)、(5)TRSのコムオフセット、のうちいくつか(又は全て)を含み得る。
第2の態様によれば、SIB内で、TRS設定を示すためにlog2(N)ビットが使用されることもある。TRSのためのQCLは、対応するSIB(又は対応するSSB)と同じであってもよく、TRSシーケンスは、セルID又は明示された他のID値に基づいて生成されてもよい。事前定義されたTRSリソース情報を搬送するための代替の配信機構として、SIBの代わりに、ページングメッセージを搬送するPDSCH自体を、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)を搬送するために使用してもよく、このCEはシステムの必要性に応じてTRSを有効化又は無効化することができる。
第3の態様では、ページングメッセージを搬送するPDSCHを、CSI-RS/TRSリソース情報を搬送するために使用することもでき、この情報は、これから来る複数のPF内でUEが同じPOを傍受するために使用できる可能性がある。具体的には、ページングメッセージを搬送するPDSCHを、上述したようにNZP-CSI-ResourceConfig-IdleUE構造を搬送するために使用することもできる。PDSCH割り当ては柔軟なので、そのサイズを、CSI-RS/TRSリソース情報を搬送するために、必要に応じて増加させることもできる。場合によっては、妥当なCSI-RS/TRSリソース情報(例えばPOに時間的に近いもの)のみが、実際にPDSCHに含まれる。この第3の態様の別の潜在的な利点は、異なったPOを有する異なったUEには、それぞれ異なったNZP-CSI-リソース-IdleUEが見えることである。よって、第3の態様によれば、RRC_IDLEモードのUEのためのNZP-CSI-ResourceConfigは、ページングメッセージを搬送するPDSCHの中に含まれ得る。
第4の態様では、PDCCHはまた、あるいは代替的に、例えばP-RNTI情報とともにCSI-RS/TRSリソース情報を搬送するために使用され得、この情報は、これから来る複数のPF内でUEが同じPOを傍受するために使用できる可能性がある。この第4の態様は、上述した第3の態様と同様であるが、ページングメッセージスケジューリングのためのCSI-RS/TRS情報は、PDSCHではなく直接PDCCH内に搬送されてもよい。第4の態様のいくつかの実装形態では、PDCCH内で搬送されるP-RNTIを有する情報は、事前定義されたCSI-RS/TRSパターンのインデックス、又はSIB中内に提供されるパターンのインデックスであってもよい。この状況では、パターンの例はCSI-RS/TRSの周期及び/又は周波数拡散を指してもよい。
ここで図13を参照すると、いくつかの態様による、CSI-RS/TRSリソース情報を搬送するためにPDSCHを使用する手法1300が示されている。ブロック1302で、UEは、P-RNTIを使用してスクランブルされたCRCビットをもつDCIフォーマット1_0を、第1のPO(PO1とラベル付けされている)で傍受してもよい。DCIフォーマット1_0が検出されると、UEはショートメッセージインジケータフィールドを読み取ってもよい。ショートメッセージインジケータがページングメッセージの存在を示す場合は、UEはブロック1304で、関連するPDSCHを復号して、NZP-CSI-ResourceConfig-IdleUEを取得してもよい。上記で説明したように、RRC_IDLEモードにあるUEにCSI-RS/TRSリソース情報の1つ以上のセットを搬送するために、NZP-CSI-ResourceConfig-IdleUEが使用されてもよい。
UEによって取得されたCSI-RS/TRS情報(ブロック1308で表される)は、次いで、次のPOで同期及びページング受信のために使用され得る(時間の経過が矢印1306によって表され、次のPOはブロック1310でPO2とラベル付けされている)。最後にブロック1312で、UEは実際のページングメッセージをPDSCHから取得することができる。上述したように、異なったPOを有する異なったUEには、それぞれ異なったNZP-CSI-リソース-IdleUEが見える。
上述した第1から第4の態様のうち1つ以上を所与の実装形態において組み合わせることもでき、様々な態様は必ずしも互いに排他的ではないことが理解される。例えばいくつかのネットワークは、新しい事前定義された設定を時間をかけて採用してもよく、かつ/又は、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEモードのUEにCSI-RS/TRSリソース情報を送信するために使用されるモードのカスタマイズ又は設定を斟酌してもよい。
また、上述した第1から第4の態様の各々によれば、UEは、CSI-RS/TRS上について測定を実行し、次いで、その測定値(例えば参照信号受信電力(RSRP)/参照信号受信品質(RSRQ)測定値)を、セル品質評価、すなわち、セル選択及び/又は再選択の目的で考慮に入れることができることが理解される。
ここで図14を参照すると、いくつかの態様による、RRC_IDLEモード又はRRC_INACTIVEモードなどの低減電力状態にあるUEによってCSI-RS及びTRSリソース情報を受信するための例示的なフローチャート1400が示されている。まずステップ1402で、本方法は、低減電力状態にあるユーザデバイス(例えば5G/NR UE)によって、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を受信してもよい(例えば第2の態様に関して上述したように、事前定義されたTRSリソース情報に基づいて)。次にステップ1404で、ユーザデバイスは、受信されたリソース情報に基づいてCSI-RS及びTRSを受信するために、低減電力状態(例えばRRC_INACTIVE状態又はRRC_IDLE状態)から退出してもよい。次にステップ1406で、ユーザデバイスは、下りリンク制御情報メッセージを受信するために、CSI-RS及びTRSに基づいて基地局と同期してもよい。次にステップ1408で、ユーザデバイスは、受信された下りリンク制御情報メッセージに基づいて、第1のPDSCH送信内でページング情報を受信してもよい。次にステップ1410で、ユーザデバイスは、このユーザデバイスのための第1のPDSCH送信の中にページング情報が存在するか判定してもよい。次にステップ1412で、ユーザデバイスは、このユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づいて基地局へのRRC接続を行うためにRACH手順を開始してもよく、又はステップ1414で、このユーザデバイスのためのページング情報がないという判定に基づいて低減電力状態に戻ってもよい。
ここで図15を参照すると、いくつかの態様による、ステップ1402の、RRC_IDLE又はRRC_INACTIVEモードなどの低減電力状態にある間にCSI-RS及びTRSリソース情報を受信するための、ユーザデバイスのための様々な方法の例示的なフローチャートが示されている。ブロック1502で、基地局の送信したSIBを受信するための選択肢がユーザデバイスに提示され、このSIBは、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む。ブロック1504で、基地局の送信した別のPDSCHメッセージ(例えば、ステップ1408で参照されるPDSCHメッセージの前に送信されるPDSCHメッセージ)を受信するための別の選択肢がユーザデバイスが提示され、この別のPDSCHメッセージは、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む。ブロック1506で、基地局の送信したPDCCHメッセージを受信するための更に別の選択したユーザデバイスに提示され、このPDCCHメッセージは、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む。理解され得るように、図15を参照して説明される様々な選択肢のうち1つ以上が所与の無線通信システムで、異なる時間に、及び/又は異なる設定に従って使用され得る。
ここで図16を参照すると、いくつかの態様による、RRC_IDLEモード又はRRC_INACTIVEモードなどの低減電力状態にあるUEに基地局からCSI-RS及びTRSリソース情報を送信するための例示的なフローチャート1600が示されている。まずステップ1602で、本方法は、基地局(例えばgNB)によって、低減電力状態にあるユーザデバイス(例えば5G/NR UE)に、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を(例えば事前定義されたTRSリソース情報に基づいて)送信してもよい。次にステップ1604で、本方法は、基地局を使用し、送信されたリソース情報に基づいて、電力低減状態から退出したユーザデバイスにCSI-RS及びTRSを送信してもよい。次にステップ1606で、基地局は、そのユーザデバイスのための第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信の中で送信すべきページング情報が存在するか判定してもよい。次にステップ1608で、基地局は下りリンク制御情報メッセージを送信してもよく、下りリンク制御情報メッセージは、その基地局と同期しているユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づく。最後にステップ1610で、基地局は、そのユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づいて、第1のPDSCH送信を送信してもよい。
ここで図17を参照すると、いくつかの態様による、基地局がRRC_IDLEモード又はRRC_INACTIVEモードなどの低減電力状態にあるUEにステップ1602のCSI-RS及びTRSリソース情報を送信するための様々な方法の例示的なフローチャートが示されている。ブロック1702で、SIBを送信するための選択肢が基地局に提示され、このSIBは、ユーザデバイスによってCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む。ブロック1704で、別のPDSCHメッセージ(例えばステップ1606で参照されるPDSCHメッセージの前に送信されるPDSCHメッセージ)を送信するための別の選択肢が基地局に提示され、この別のPDSCHメッセージは、ユーザデバイスによってCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む。ブロック1706で、PDCCHメッセージを送信するための更に別の選択肢が基地局に提示され、このPDCCHメッセージは、ユーザデバイスによってCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む。理解され得るように、図17を参照して説明される様々な選択肢のうち1つ以上が所与の無線通信システムで、異なる時間に、及び/又は異なる設定に従って使用され得る。
実施例
以下のセクションに、更なる実施例を提示する。
実施例1によれば、無線システムでのページングのための方法が開示され、この方法は、低減電力状態にあるユーザデバイスによって、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を受信することと、ユーザデバイスによって、そのリソース情報に基づいて、CSI-RS及びTRSを受信するために低減電力状態から退出することと、ユーザデバイスによって、受信したCSI-RS及びTRSに基づいて、下りリンク制御情報メッセージを受信するために基地局と同期することと、ユーザデバイスによって、受信した下りリンク制御情報メッセージに基づいて第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信内のページング情報を受信することと、ユーザデバイスによって、そのユーザデバイスのために第1の物理下りリンクPDSCH送信内にページング情報が存在するか判定することと、ユーザデバイスによって、そのユーザデバイスのためにページング情報が存在するとの判定に基づいて、無線リソース制御(RRC)コネクションを作成するためのランダムアクセスチャネル(RACH)手順を開始することと、そのユーザデバイスのためにページング情報が存在しないとの判定に基づいて、ユーザデバイスを低減電力状態に戻すことと、を含む。
実施例2は実施例1の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信することは、基地局によって送信されたシステム情報ブロック(SIB)であって、2つ以上のユーザデバイスのセットのためのCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むSIBを、低減電力状態で受信することを含む。
実施例3は実施例2の主題を含み、ユーザデバイスによって、SIBを周期的送信を介して受信することを更に含む。
実施例4は実施例2の主題を含み、ユーザデバイスによって、SIBを求める要求を送信することを更に含む。
実施例5は実施例4の主題を含み、SIBを求める要求を送信することは、その要求を含むRACHプリアンブルを送信することを含み、受信されるCSI-RS及びTRSは、その要求に基づく。
実施例6は実施例1又は2の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は事前定義されている。
実施例7は実施例6の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、設定情報の1つ以上のセットに基づいて事前定義されている。
実施例8は実施例1の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信することは、第1のPDSCHメッセージより前に基地局によって送信される第2のPDSCHメッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む第2のPDSCHメッセージを受信することを更に含む。
実施例9は実施例1の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信することは、基地局によって送信された物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むPDCCHメッセージを受信することを更に含む。
実施例10は実施例9の主題を含み、PDCCHメッセージに含まれるリソース情報は、事前定義されたCSI-RS及びTRSパターンを示す。
実施例11によれば、アンテナと、アンテナに動作可能に結合された無線機と、無線機に動作可能に結合されたプロセッサとを備える無線デバイスが開示され、無線デバイスは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を低減電力状態で受信し、そのリソース情報に基づいて、CSI-RS及びTRSを受信するために低減電力状態から退出し、受信したCSI-RS及びTRSに基づいて、下りリンク制御情報メッセージを受信するために基地局と同期し、受信した下りリンク制御情報メッセージに基づいて第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信内のページング情報を受信し、その無線デバイスのために第1の物理下りリンクPDSCH送信内にページング情報が存在するか判定し、その無線デバイスのためにページング情報が存在するとの判定に基づいて、無線リソース制御(RRC)コネクションを作成するためのランダムアクセスチャネル(RACH)手順を開始し、その無線デバイスのためにページング情報が存在しないとの判定に基づいて、低減電力状態に戻る、ように構成されている。
実施例12は実施例11の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信することは、基地局によって送信されたシステム情報ブロック(SIB)であって、2つ以上のユーザデバイスのセットのためのCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むSIBを、低減電力状態で受信することを含む。
実施例13は実施例12の主題を含み、無線デバイスはSIBを周期的送信を介して受信するように更に構成されている。
実施例14は実施例12の主題を含み、無線デバイスは、SIBを求める要求を送信するように更に構成されている。
実施例15は実施例14の主題を含み、SIBを求める要求を送信することは、その要求を含むRACHプリアンブルを送信することを含み、受信されるCSI-RS及びTRSは、その要求に基づく。
実施例16は実施例11又は12の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は事前定義されている。
実施例17は実施例16の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、設定情報の1つ以上のセットに基づいて事前定義されている。
実施例18は実施例11の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信することは、第1のPDSCHメッセージより前に基地局によって送信される第2のPDSCHメッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む、第2のPDSCHメッセージを受信することを更に含む。
実施例19は実施例11の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信することは、基地局によって送信された物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むPDCCHメッセージを受信することを更に含む。
実施例20は実施例19の主題を含み、PDCCHメッセージに含まれるリソース情報は、事前定義されたCSI-RS及びTRSパターンを示す。
実施例21によれば、集積回路が開示され、この集積回路は、回路要素を含み、この回路要素は、無線デバイスに、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を低減電力状態で受信するためのリソース情報を受信させ、その無線デバイスに、そのリソース情報に基づいて、CSI-RS及びTRSを受信するために低減電力状態から退出させ、その無線デバイスに、受信したCSI-RS及びTRSに基づいて、下りリンク制御情報メッセージを受信するために基地局と同期させ、その無線デバイスに、受信した下りリンク制御情報メッセージに基づいて第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信内のページング情報を受信させ、その無線デバイスのために第1の物理下りリンクPDSCH送信内にページング情報が存在するか判定し、その無線デバイスに、その無線デバイスのためにページング情報が存在するとの判定に基づいて、無線リソース制御(RRC)コネクションを作成するためのランダムアクセスチャネル(RACH)手順を開始させ、その無線デバイスに、その無線デバイスのためにページング情報が存在しないとの判定に基づいて、低減電力状態に戻らせるように構成されている。
実施例22は実施例21の主題を含み、無線デバイスに、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信させることは、基地局によって送信されたシステム情報ブロック(SIB)であって、2つ以上のユーザデバイスのセットのためのCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むSIBを、低減電力状態にある無線デバイスに受信させることを含む。
実施例23は実施例22の主題を含み、回路要素は、無線デバイスにSIBを周期的送信を介して受信させるように更に構成されている。
実施例24は実施例22の主題を含み、回路要素は、無線デバイスに、SIBを求める要求を送信させるように更に構成されている。
実施例25は実施例24の主題を含み、SIBを求める要求を送信することは、その要求を含むRACHプリアンブルを無線デバイスから送信することを含み、受信されるCSI-RS及びTRSは、その要求に基づく。
実施例26は実施例21又は22の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は事前定義されている。
実施例27は実施例26の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、設定情報の1つ以上のセットに基づいて事前定義されている。
実施例28は実施例21の主題を含み、無線デバイスに、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信させることは、無線デバイスに、第1のPDSCHメッセージより前に基地局によって送信される第2のPDSCHメッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む、第2のPDSCHメッセージを受信させることを更に含む。
実施例29は実施例21の主題を含み、無線デバイスに、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を受信させることは、無線デバイスに、基地局によって送信された物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むPDCCHメッセージを受信させることを更に含む。
実施例30は実施例29の主題を含み、PDCCHメッセージに含まれるリソース情報は、事前定義されたCSI-RS及びTRSパターンを示す。
実施例31によれば、無線システムでのページングのための方法が開示され、この方法は、基地局によって、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を、低減電力状態にあるユーザデバイスに送信することと、基地局によって、送信されたリソース情報に基づいて、電力低減状態から退出したユーザデバイスにCSI-RS及びTRSを送信することと、基地局によって、ユーザデバイスのための第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信の中で送信すべきページング情報が存在するか判定することと、基地局によって、下りリンク制御情報メッセージを送信することであって、下りリンク制御情報メッセージがユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判断に基づいており、ユーザデバイスが基地局と同期している、ことと、基地局によって、ユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づいて第1のPDSCH送信を送信することと、を含む。
実施例32は実施例31の主題を含み、基地局によって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信することは、基地局によって、システム情報ブロック(SIB)であって、2つ以上のユーザデバイスのセットのためのCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むSIBを、ユーザデバイスに送信することを含む。
実施例33は実施例32の主題を含み、SIBは周期的に送信される。
実施例34は実施例32の主題を含み、基地局で、SIBの送信を求めるユーザデバイスからの要求を受信することを更に含む。
実施例35は実施例34の主題を含み、SIBの送信を求める要求を受信することは、基地局によって、その要求を含むランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルを受信することを含み、送信されて受信されるCSI-RS及びTRSは、その要求に基づく。
実施例36は実施例31又は32の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は事前定義されている。
実施例37は実施例36の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、設定情報の1つ以上のセットに基づいて事前定義されている。
実施例38は実施例31の主題を含み、基地局によって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信することは、基地局によって、第2のPDSCHメッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む第2のPDSCHメッセージを、第1のPDSCHメッセージより前にユーザデバイスに送信することを更に含む。
実施例39は実施例31の主題を含み、基地局によって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信することは、基地局によって、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むPDCCHメッセージを、ユーザデバイスに送信することを更に含む。
実施例40は実施例39の主題を含み、PDCCHメッセージに含まれるリソース情報は、事前定義されたCSI-RS及びTRSパターンを示す。
実施例41によれば、プロセッサを備えた装置が開示され、プロセッサは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を低減電力状態にあるユーザデバイスに送信し、送信されたリソース情報に基づいて、低減電力状態を退出したユーザデバイスにCSI-RS及びTRSを送信し、ユーザデバイスのための第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信の中で送信すべきページング情報が存在するか判定し、下りリンク制御情報メッセージを送信することであって、下りリンク制御情報メッセージがユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づき、ユーザデバイスが装置と同期している、下りリンク制御情報メッセージを送信することを行い、ユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づいて第1のPDSCH送信を送信するように構成されている。
実施例42は実施例41の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信することは、装置によって、システム情報ブロック(SIB)であって、2つ以上のユーザデバイスのセットのためのCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むSIBを、ユーザデバイスに送信することを含む。
実施例42は実施例42の主題を含み、SIBは、周期的に送信される。
実施例44は実施例42の主題を含み、プロセッサは、SIBの送信を求めるユーザデバイスからの要求を装置において受信するように更に構成されている。
実施例45は実施例44の主題を含み、SIBの送信を求める要求を受信することは、その要求を含むランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルを受信することを含み、送信されて受信されるCSI-RS及びTRSは、その要求に基づく。
実施例46は実施例41又は42の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、事前定義されている。
実施例47は実施例46の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、設定情報の1つ以上のセットに基づいて事前定義されている。
実施例48は実施例41の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信することは、装置によって、第2のPDSCHメッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む第2のPDSCHメッセージを、第1のPDSCHメッセージより前にユーザデバイスに送信することを更に含む。
実施例49は実施例41の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信することは、装置によって、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むPDCCHメッセージをユーザデバイスに送信することを更に含む。
実施例50は実施例49の主題を含み、PDCCHメッセージに含まれるリソース情報は、事前定義されたCSI-RS及びTRSパターンを示す。
実施例51によれば、回路要素を備える集積回路が開示され、この回路要素は、基地局に、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び追跡参照信号(TRS)を受信するためのリソース情報を低減電力状態にあるユーザデバイスに送信させ、基地局に、送信されたリソース情報に基づいて、電力低減状態から退出したユーザデバイスにCSI-RS及びTRSを送信させ、ユーザデバイスのための第1の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信の中で送信すべきページング情報が存在するか判定し、基地局に、下りリンク制御情報メッセージを送信することであって、下りリンク制御情報メッセージがユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づき、ユーザデバイスが装置と同期している、下りリンク制御情報メッセージを送信することを行わせ、基地局に、ユーザデバイスのためのページング情報が存在するという判定に基づいて第1のPDSCH送信を送信させるように構成されている。
実施例52は実施例51の主題を含み、基地局に、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信させることは、基地局に、システム情報ブロック(SIB)であって、2つ以上のユーザデバイスのセットのためのCSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むSIBを、ユーザデバイスに送信させることを含む。
実施例53は実施例52の主題を含み、SIBは周期的に送信される。
実施例54は実施例52の主題を含み、回路要素は、基地局に、SIBの送信を求めるユーザデバイスからの要求を受信させるように更に構成されている。
実施例55は実施例54の主題を含み、SIBを求める要求を受信することは、その要求を含むランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルを受信することを含み、送信されて受信されるCSI-RS及びTRSは、その要求に基づく。
実施例56は実施例51又は52の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は事前定義されている。
実施例57は実施例56の主題を含み、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報は、設定情報の1つ以上のセットに基づいて事前定義されている。
実施例58は実施例51の主題を含み、基地局に、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信させることは、基地局に、第2のPDSCHメッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含む第2のPDSCHメッセージを、第1のPDSCHメッセージより前にユーザデバイスに送信させることを更に含む。
実施例59は実施例51の主題を含み、基地局に、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を送信させることは、基地局に、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージであって、CSI-RS及びTRSを受信するためのリソース情報を含むPDCCHメッセージをユーザデバイスに送信させることを更に含む。
実施例60は実施例59の主題を含み、PDCCHメッセージに含まれるリソース情報は、事前定義されたCSI-RS及びTRSパターンを示す。
更に別の実施例は、デバイスによって、先行する実施例のいずれか又はすべての部分を実行することを含む方法を含むことができる。
なお更なる実施例は、デバイスで実行された際に、デバイスに、前述の実施例のいずれかの任意の又はすべての部分を実装させるプログラム命令を含む、非一時的コンピュータアクセス可能記憶媒体を含むことができる。
また更なる実施例は、コンピュータプログラムを含むことができ、コンピュータプログラムは、前述の実施例のうちのいずれかのいずれか又はすべての部分を実行するための命令を含む。
別の実施例は、前述の実施例のいずれか又はすべてを実行するように構成された回路要素を備える集積回路を含むことができる。
また別の実施例は、前述の実施例のいずれかの任意の又はすべての要素を実行する手段を備える、装置を含むことができる。
更に別の実施例は、前述の実施例のいずれかの要素のいずれか又はすべてをデバイスに実行させるように構成された処理要素を備える装置を含むことができる。
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシ及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
本開示の態様は、任意の様々な形態で実現されてもよい。例えばいくつかの態様は、コンピュータにより実施される方法、コンピュータ可読メモリ媒体、又はコンピュータシステムとして実現することができる。他の態様は、ASICなどの1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現されてもよい。更なる他の態様は、FPGAなどの1つ以上のプログラム可能ハードウェア要素を使用して実現されてもよい。
いくつかの態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、このプログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば本明細書に記載された任意の方法、又は、本明細書に記載された方法の任意の組み合わせ、又は、本明細書に記載された任意の方法の任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組み合わせを実行させる。
いくつかの態様では、デバイス(例えばUE106、BS102、ネットワーク要素600)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及びメモリ媒体を含むように構成され得、メモリ媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み込んで実行するように構成されており、プログラム命令は、本明細書に記載の様々な方法のうちのいずれか(又は、本明細書に記載の方法の任意の組み合わせ、又は本明細書に記載の方法のいずれかの任意のサブセット、又はこのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するように実行可能である。デバイスは、様々な形態において実現されてもよい。
上記の実施例は、かなり詳細に記載されているが、上記の開示が完全に理解されれば、多数の変形形態及び修正形態が当業者には明らかになる。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形形態及び修正形態を包含すると解釈されることが意図されている。