JP2023535429A - 核燃料補給装置 - Google Patents

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Abstract

本開示は、展開場所において原子力発電システムの炉心から燃料棒集合体を持ち上げて保管場所へ輸送するための燃料補給装置を提供する。燃料補給装置は、開放ベースを有し、冷却材を収容するためのチャンバを画定する装置本体を含む。封止プレートが、チャンバが開いている開位置とチャンバが封止されている閉位置との間で移動可能である。この装置は、放射性遮蔽材料で形成され、チャンバ内に移動可能に取り付けられた遮蔽要素をさらに含む。遮蔽要素は、開放下端を有する保管キャビティを有し、チャンバ内に完全に収容される収縮位置とチャンバから装置本体の開放ベースを通って延在する伸張位置との間で移動可能である。この装置は、燃料棒集合体に解放可能に接続するための棒コネクタを有し、この装置が展開場所にあり、封止プレートが開位置にあり、そして遮蔽要素がその伸張位置にあるとき、燃料棒集合体を保管キャビティ内へ上昇させるように構成された棒リフティングシステムをさらに含む。

Description

本開示は、原子力発電システムにおける炉心に燃料を補給するための装置および方法に関する。
原子力発電所は、炉心内の燃料集合体に含まれる核分裂性物質の核崩壊からの熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。加圧水型原子炉(PWR)プラントのような水冷式原子炉原子力発電所は、炉心/燃料集合体を含む原子炉圧力容器(RPV)、および燃料集合体からの熱によって生成される蒸気から電気を生成するためのタービンを含む。
PWRプラントは、RPVを通って流れて二次回路内の1つ以上の蒸気発生器(熱交換器)に熱エネルギーを伝達する加圧一次冷却材回路を有する。(低圧)二次回路は、発電用の発電機を駆動する蒸気タービンを含む。原子力発電所のこれらの構成要素は従来、気密格納建屋に収容され、これはコンクリート構造の形態とすることができる。
RPVは通常、炉心/燃料集合体を格納するためのキャビティを画定する本体と、キャビティへの上部開口を閉鎖するためのクロージャヘッドと、を含む。クロージャヘッドは、シュラウド内に含まれる制御棒駆動機構をさらに含む一体型ヘッドパッケージ(IHP)(または一体型ヘッドアセンブリ)の一部を形成することができる。制御棒駆動機構は、クロージャヘッドを通過し、炉心内に含まれる制御棒に接続されている駆動棒を含む。制御棒は、炉心内の中性子放射を吸収して炉心内の核反応を制御するために設けられている。制御棒駆動機構内の駆動棒は、電源によって動力供給されて鉛直に並進して炉心内の制御棒を上昇および下降させる。
炉心は制御棒用のガイドコラムをさらに含み、これらは、関連する電子機器とともに通常「上部内部構造物」と呼ばれる。
保守および燃料補給は原子力発電システムの運転の重要な部分である。たとえばシステムの古いおよび/または損傷した部品を交換するために定期的に保守が要求される。燃料棒集合体内の使用済み燃料棒を交換するため、定期的(たとえば18~24か月ごと)に燃料補給が要求される。
炉心の保守/燃料補給を実行するとき、RPVからIHPを除去し、これによって炉心を露出させることが必要である。炉心が露出すると、上部内部構造物を炉心から除去して燃料棒集合体にアクセスする。
原子力発電システムにおいて保守および燃料補給作業を実行するため、円形のランウェイを有するポーラガントリクレーンのような天井クレーン装置が通常、システムの格納構造内に設けられている。原子力発電システムの重い構成要素の持ち上げを可能にするため、ポーラクレーンは必然的に大きく重い構造物になる。これにより、ポーラクレーンを設置することが高価になる。
燃料補給中、ポーラクレーンは通常IHPをRPV本体から鉛直上向きに持ち上げ、IHPをRPV本体から離して水平に移動させ、次いで格納建屋内の作業床上の保管スタンド上へ下降させる。次いでポーラクレーンを使用して、通常約15トンから50トンの重さで、放射性である上部内部構造物を持ち上げる。ポーラクレーンは内部構造物を鉛直にそして次いで水平に上昇させてから水の保管プール内へ下降させて沈める。これは、燃料補給中、内部構造物の周りにガンマ遮蔽を提供するためである。
原子炉容器本体内の露出した炉心の上方に燃料補給キャビティを提供するため、原子炉容器本体は通常、格納構造の作業床の下方にかなりの距離を置いて配置されている。原子炉容器本体からのIHPの除去中、駆動棒は制御棒に接続されたままであり、駆動棒からのいかなる放射性放出をも格納するために水で満たされている燃料補給キャビティに原子炉容器キャビティから突出している。
燃料補給キャビティ内の水は、露出した炉心内の使用済み燃料棒を遮蔽および冷却するようにも作用する。効果的なガンマ遮蔽のため、燃料棒/燃料集合体の上方に4メートルの高さの水が要求される。燃料補給キャビティを満たすにはしたがって非常に大量の水が要求され、したがって時間がかかる。
上部内部構造物は、駆動棒/燃料補給キャビティの鉛直高さを通過してから水平に移動させて保管プール内へ下降させなければならないため、突出している駆動棒および燃料補給キャビティの鉛直範囲は、ポーラクレーンによって上部内部構造物の必要な持ち上げ高さを駆動する。
ポーラクレーンの必要な持ち上げ高さにより、格納構造の高さ(およびしたがって格納構造の構築に関連する費用/時間)が決定される。上部内部構造物をかなりの鉛直高さから炉心上へ落下させることに伴うリスクは非常に高くなる。
使用済み燃料棒を除去するため、これらは通常、原子炉容器本体から鉛直に吊り上げられ、次いで遠隔操作の天井走行クレーンを使用して、浸水した燃料補給キャビティ内で水平に並進する。これらを次いで鉛直位置から水平位置に回転させ(ターンオーバーリグを使用して)、続いて格納構造から浸水したトンネルを介して棒輸送装置上に輸送される。
天井走行クレーンは必然的に大きくて重く、格納構造内でこれを支持する大きなコンクリート構造物が要求される。これにより、このようなクレーンを設置することが高価になる。
燃料棒を除去するプロセスには、クレーン、ターンオーバーリグおよび燃料棒輸送装置の間で使用済み燃料棒を移送することが要求され、プロセスは時間がかかり、故障しやすくなる。燃料棒除去プロセスが失敗すれば、使用済み燃料棒は浸水したトンネルに閉じ込められてアクセス不能になる可能性がある。
既知のシステムに関連する問題の少なくともいくつかを軽減する改良された原子力発電システムの必要性がある。
第1の態様において、展開場所において原子力発電システムの炉心から燃料棒集合体を持ち上げて保管場所へ輸送するための燃料補給装置が提供され、燃料補給装置は、
開放ベースを有し、冷却材を収容するためのチャンバを画定する装置本体と、
チャンバが開いている開位置とチャンバが封止されている閉位置との間で移動可能な封止プレートと、
放射性遮蔽材料で形成され、チャンバ内に移動可能に取り付けられ、開放下端を有する保管キャビティを画定する遮蔽要素であって、遮蔽要素は、チャンバ内に完全に収容される収縮位置とチャンバから装置本体の開放ベースを通って延在する伸張位置との間で移動可能である、遮蔽要素と、
燃料棒集合体に解放可能に接続するための棒コネクタを有し、燃料補給装置が展開場所にあり、封止プレートが開位置にあり、そして遮蔽要素がその伸張位置にあるとき、燃料棒集合体を保管キャビティ内へ上昇させるように構成された棒リフティングシステムと、
を含む。
冷却材を収容するチャンバを画定するために可動プレートによって封止することができ、保管キャビティを備えた放射性遮蔽要素も含む開放ベースを備えた本体を有する装置を提供することによって、棒リフティングシステムを使用して展開場所で燃料棒集合体を保管キャビティ内へ引き込み、次いで燃料補給装置内で保管場所へ輸送することができる(同時に、冷却材によって冷却され、遮蔽要素によって遮蔽される)。遮蔽要素は装置本体から炉心/原子炉容器本体内に延在することができるため、燃料棒集合体は装置本体内へ引き込まれる際に遮蔽要素内に格納され、したがって燃料棒集合体からの放射性放出が制限される。この装置を使用すると、炉心/原子炉容器本体のみを浸水させる必要があるため、燃料補給キャビティが要求されない(または、かなり減少した深さの燃料補給キャビティが要求されるのみである)。この冷却材充填装置は、浸水した炉心/原子炉容器本体上の展開場所に配置することができ、装置本体の開放ベースは、浸水した炉心/原子炉容器本体の水線の下方にある。このように、封止プレートが開位置に移動して遮蔽要素が次いで炉心内へ延在することが可能になるとき、冷却材は装置本体内に留まる。したがって、このような装置を使用すると、天井走行クレーン、ターンオーバーリグおよび浸水したトンネルの必要性も除去されることが分かる。
ここで本開示の任意選択の特徴を説明する。これらは、単独で、または本開示の任意の態様と任意に組み合わせて適用可能である。
いくつかの実施形態において、装置本体は、鋼鉄のような放射性遮蔽材料で形成することができる。これは、直方体チャンバを形成する(実質的に水平な)上部壁および4つの(実質的に鉛直な)側壁を有することができる。これらの壁はそれぞれ100mmと200mmとの間、たとえば120mmと180mmとの間または140mmと160mmとの間、たとえば約150mmの厚さとすることができる。これらの壁は鉛で裏打ちすることができる。
封止プレートは、その閉位置にあるとき、装置本体/キャビティのベースを形成する。その閉位置において、これは本体に対して液密封止を形成してキャビティからのいかなる冷却材の浸透をも防止する。封止プレートは鋼鉄で形成することができる。これは、100mmと200mmとの間、たとえば120mmと180mmとの間または140mmと160mmとの間、たとえば約150mmの厚さを有することができる。封止プレートは、その開および閉位置間で摺動可能に移動可能または枢動可能に移動可能とすることができる。封止プレートは、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによって作動可能(たとえば自動的に作動可能)とすることができるアクチュエータによって、その開および閉位置間で移動可能(たとえば摺動可能/枢動可能に移動可能)とすることができる。
いくつかの実施形態において、遮蔽要素は鉛で形成することができる。遮蔽要素は(実質的に水平な)上部壁を有することができる。これは、直方体の保管キャビティを形成する4つの(実質的に鉛直な)側壁または円筒形の保管キャビティを形成する円筒壁を有することができる。これらの壁は330mm~360mmの間、たとえば約340mmの厚さを有することができる。遮蔽要素は、保管キャビティ内にあるとき燃料棒集合体の移動を制限するために保管キャビティをライニングするためのライニング管(たとえば鋼製ライニング管)を含むことができる。
遮蔽要素は、封止プレートがその開位置にあるとき、装置本体の開放ベースを通って伸張可能/収縮可能であるように、装置本体に対して入れ子式に移動可能である。燃料補給装置は、遮蔽要素を伸張(下降)および収縮(上昇)させるための遮蔽要素リフティングシステムを含む。遮蔽要素リフティングシステムは少なくとも1つのラックアンドピニオンシステムを含むことができる。たとえば、遮蔽要素リフティングシステムは、装置本体(たとえば、装置本体の鉛直壁上/内)に取り付けられた、または埋め込まれたピニオンと、遮蔽要素(たとえば、遮蔽要素の鉛直壁上/内)に取り付けられた/埋め込まれたラックと、を含むことができる。いくつかの実施形態において、遮蔽要素リフティングシステムは複数のこのようなラックアンドピニオンシステムを含むことができ、たとえば遮蔽要素の4つの鉛直壁のそれぞれにラックが取り付けられ、各ラックは、隣接/対向する装置本体の鉛直壁に取り付けられたそれぞれのピニオンと協働する。他の実施形態において、遮蔽要素リフティングシステムは、遮蔽要素に接続された1つ以上のウィンチ/ホイストを含むことができる。遮蔽要素リフティングシステムは、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによって作動可能(たとえば自動的に作動可能)とすることができる。
いくつかの実施形態において、棒リフティングシステムは1つ以上のウィンチ/ホイストを含む。これらは、装置本体の外部、たとえば装置本体の上部(水平)壁の外面に取り付けることができる。棒コネクタを担持する伸張可能/収縮可能なウィンチ/ホイストケーブルが、保管キャビティ内で、たとえば装置本体および遮蔽要素の上壁を通って延在することになる。棒リフティングシステムは、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによって作動可能(たとえば自動的に作動可能)とすることができる。棒コネクタは、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによって作動可能(たとえば自動的に作動可能)とすることができるフックまたはグラバー要素を含むことができる。
燃料補給装置は、冷却材(たとえば水または空気)を循環させるための冷却材回路をさらに含むことができる。冷却材回路は、冷却材入口、冷却材出口、および燃料補給装置上の外部に(たとえば装置本体の外面に)取り付けられて冷却材から格納構造の雰囲気中に熱を放出する熱交換器を含むことができる。冷却材回路は、装置本体に取り付けられた少なくとも1つのファンを含む空冷回路を含むことができる。
いくつかの実施形態において、燃料補給装置は、展開場所と保管場所との間でリフティング/輸送装置の移動を案内するための車輪付きフレームをさらに含む。
車輪付きフレームにより、(たとえば格納構造の作業床上での)燃料補給装置の移動(たとえば水平移動)が可能になり、燃料補給装置(およびしたがって燃料棒集合体)が展開場所と保管場所との間で移動する。
車輪付きフレームは、2つの平行に離間したレールと、これらの間に延在する2つの垂直な横支柱と、を含むことができる。レールはフレームの車輪に取り付けられている。装置本体は横支柱に取り付けることができる。フレーム車輪により、展開場所と保管場所との間の燃料補給装置の移動が可能になる。いくつかの実施形態において、燃料補給装置は、フレーム車輪を駆動して燃料補給装置を展開から保管場所まで移動させるためのモータをさらに含む。モータは、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによって作動可能(たとえば自動的に作動可能)とすることができる。フレーム車輪は、フランジ付き、すなわち2つのフランジ間に軸方向に挟まれた縮径部分を有する車輪とすることができる。このように、フレーム車輪は、レール/軌道(たとえば格納構造の作業床上のレール/軌道)に沿って駆動されるように構成することができる。
装置本体は横支柱に移動可能に取り付けることができる。たとえば、装置本体は、横支柱に取り付けられて、車輪付きレール間でこれに垂直に(横支柱に沿って)装置本体を移動させることを可能にする装置本体車輪を含むことができる。抽出されるべき燃料棒集合体の上に正確に鉛直に装置本体を配置することができるように、横支柱により、展開場所における装置本体の位置の調整が可能になる。燃料補給装置は、装置本体車輪を駆動するためのモータをさらに含むことができる。モータは、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによって作動可能(たとえば自動的に作動可能)とすることができる。装置本体車輪は、フランジ付き、すなわち2つのフランジ間に軸方向に挟まれた(横支柱上に着座するための)縮径部分を有する車輪とすることができる。
この装置は、封止プレートを開く前に開放ベースが冷却材/水線の下方に配置されるように、装置本体を下降させるための軸方向高さ調整機構を含むことができる。軸方向高さ調整機構は1つ以上のピストンを含むことができる。軸方向高さ調整機構は1つ以上のラックアンドピニオンギアを含むことができる。軸方向高さ調整機構は、装置本体、たとえば装置本体車輪の近位に設けることができる。
この装置は折り畳み可能とすることができる。すなわち、この装置は、折り畳み構成と拡張構成との間で移動可能であるように構成することができる。これは、たとえば、入れ子式、枢動またはヒンジ式の構成要素を含む装置の構造によって容易にすることができる。この装置は、その折り畳みおよび拡張構成間で装置を移動させるためのアクチュエータを含むことができる。折り畳み構成において装置の高さおよび/または幅は拡張構成より少なくすることができる。この装置は折り畳み構成において移動可能(たとえば駆動可能)とすることができる。このように、開口を通って移動する、たとえば格納構造に出入りすることが装置に要求されるとき、開口のサイズ(すなわち装置を収容するための)を最小化することができる。したがって、この装置は折り畳み構成で輸送することができ、拡張構成で燃料補給動作を実行することができる。
第2の態様において、
第1の態様による装置と、
原子炉容器であって、
制御棒集合体を含む炉心および制御棒集合体を案内するための上部内部構造物を収容するキャビティを画定する原子炉容器本体と、
原子炉容器本体に対して封止して原子炉容器本体キャビティへの開口を閉鎖するように構成されたクロージャヘッドと、
を有する、原子炉容器と、
を含む原子力発電システムが提供される。
このシステムは加圧水型原子炉(PWR)システムとすることができる。
原子炉容器は、クロージャヘッド、およびシュラウド内に収容された制御棒駆動機構を含む一体型ヘッドパッケージ(IHP)を含むことができる。制御棒駆動機構は、クロージャヘッドを通って延在する少なくとも1つの駆動棒(および好ましくは複数の駆動棒)を含み、そのまたは各駆動棒は、炉心内の制御棒集合体に解放可能に結合するための結合要素(たとえば空気圧結合要素)を有する。少なくとも1つの駆動棒は、少なくとも1つの駆動棒が制御棒集合体から切り離され、少なくとも部分的に(好ましくは完全に)IHP内へ(たとえばシュラウド内へ)後退する保守/燃料補給位置へ移動可能である。IHPは、少なくとも1つの駆動棒を保守/燃料補給位置にロックするための少なくとも1つのロック要素をさらに含む。
このIHPにより、駆動棒をIHPとともに炉心から除去することが可能になる。このように、放射性駆動棒が炉心から突出したままになることがなくなるため、燃料補給キャビティを浸水させる必要性が除去される。
したがって、いくつかの実施形態において、このシステムは格納構造を含み、格納構造の作業床は原子炉容器キャビティへの開口を取り囲み、実質的に鉛直にこれと位置合わせされている。
原子力発電システムの規模を考えると、「実質的に鉛直に位置合わせされている」という用語は、作業床と原子炉容器キャビティへの開口(原子炉容器本体の上端によって画定される)との間の鉛直間隔が2メートル未満、たとえば原子炉容器本体内のキャビティへの開口の1メートルまたは0.5メートル上方であることを意味する。
いくつかの実施形態において、作業床は、原子炉容器の近傍から(遠隔の)保管場所まで延在する少なくとも1つの経路を含み、少なくとも1つの経路は、原子炉容器キャビティへの開口と実質的に鉛直に位置合わせされている。遠隔保管場所は、格納構造の外部に、たとえば遮蔽された離れに設けることができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの経路は、原子炉容器本体と保管場所との間に延在する線形経路とすることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの経路は実質的に水平な経路とすることができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの経路は、原子炉容器本体と保管場所との間から延在する軌道/レールを含むことができ、燃料補給装置のフレーム車輪は軌道/レールに取り付けられている。軌道/レールは原子炉容器本体内のキャビティへの開口と実質的に鉛直に位置合わせすることができる。軌道/レールの使用により、少なくとも1つの経路に沿った燃料補給装置の移動の自動化を促進することができ、これにより、ひいては燃料補給を実行するために要求される労働者の数を減らすことができる(これによりこれらのプロセスに関連する安全上のリスクを減らすことができる)。
いくつかの実施形態において、リフティング装置の展開場所は原子炉容器本体の鉛直上方である。このように、封止プレートがその開位置にあるとき、遮蔽要素および棒コネクタは、炉心内へ伸張して燃料棒集合体を係合し、保管キャビティ内で鉛直上向きに吊り上げることができる。
いくつかの実施形態において、このシステムは、封止プレートおよび/または棒リフティングシステムおよび/または遮蔽要素リフティングシステムを作動させるための制御信号を送るための、および/またはフレーム車輪/装置本体車輪を駆動するための、制御システムを含む。制御システム(および任意の関連するユーザインターフェース)は原子炉容器から遠隔とすることができる。
いくつかの実施形態において、このシステムは加圧水型原子炉システムである。
第3の態様において、第1の態様による燃料補給装置を使用して第2の態様による原子力発電システム内の露出した炉心から燃料棒集合体を除去する方法が提供される。
いくつかの実施形態において、この方法は、
原子炉容器本体からクロージャヘッド(たとえば一体型ヘッドパッケージ)および上部内部構造物を除去した後、封止プレートがその閉位置にある状態で、(たとえば経路または軌道/レールに沿ってフレーム車輪を駆動することによって)冷却材で満たされた原子炉容器本体の鉛直上方の展開場所へ燃料補給装置を移動させるステップと、
封止プレートが冷却材の表面の下方にくるように、燃料補給装置を下降させるステップと、
封止プレートをその開位置へ移動させるステップと、
(棒および遮蔽要素リフティングシステムを使用して)遮蔽要素および棒コネクタを下降させ、棒コネクタを燃料棒集合体に接続するステップと、
棒リフティングシステムを使用して(たとえば少なくとも1つのウィンチ/ホイストで持ち上げることによって)燃料棒集合体を保管キャビティ内へ鉛直に上昇させるステップと、
(棒および遮蔽要素リフティングシステムを使用して)遮蔽要素(および燃料棒集合体)をチャンバ内へ上昇させるステップと、
封止プレートをその閉位置へ移動させることによってチャンバを封止するステップと、
(たとえば経路または軌道/レールに沿ってフレーム車輪を駆動することによって)燃料補給装置を保管場所へ移動させるステップと、
を含む。
保管場所では、燃料補給装置を下降させて、封止プレートが使用済み燃料保管プールの表面の下方にきて、棒リフティングシステムを使用して使用済み燃料保管プール内へ使用済み燃料棒集合体を堆積させることができるようにする。いくつかの実施形態において、遮蔽要素を使用済み燃料棒集合体とともに保管プール内へ下降させてから棒コネクタを切り離し、続いて遮蔽要素および棒コネクタをチャンバ内へ後退させる。
いくつかの実施形態において、この方法は、
封止プレートがその閉位置にある状態で、燃料供給プールの鉛直上方の燃料供給場所へ燃料補給装置を移動させるステップと、
封止プレートが燃料供給プールの表面の下方にくるように燃料補給装置を下降させるステップと、
封止プレートをその開位置へ移動させるステップと、
(棒および遮蔽要素リフティングシステムを使用して)遮蔽要素および棒コネクタを下降させ、棒コネクタを新たな燃料棒集合体に接続するステップと、
棒リフティングシステムを使用して(たとえば少なくとも1つのウィンチ/ホイストで持ち上げることによって)新たな燃料棒集合体を保管キャビティ内へ鉛直に持ち上げるステップと、
(棒および遮蔽要素リフティングシステムを使用して)遮蔽要素(および新たな燃料棒集合体)をチャンバ内へ上昇させるステップと、
封止プレートをその閉位置へ移動させることによってチャンバを封止するステップと、
(たとえば経路または軌道/レールに沿ってフレーム車輪を駆動することによって)冷却材で満たされた原子炉容器本体の鉛直上方の展開場所へ燃料補給装置を移動させるステップと、
封止プレートが原子炉容器本体内で冷却材の表面の下方にくるように燃料補給装置を下降させるステップと、
封止プレートをその開位置へ移動させるステップと、
(棒および遮蔽要素のリフティングシステムを使用して)遮蔽要素および新たな燃料棒集合体を下降させるステップと、
新たな燃料棒集合体を棒コネクタから切り離すステップと、
(棒および遮蔽要素リフティングシステムを使用して)遮蔽要素および棒コネクタをチャンバ内へ上昇させるステップと、
封止プレートをその閉位置へ移動させることによってチャンバを封止するステップと、
(たとえば、燃料補給装置の車輪を通路または軌道/レールに沿って駆動することによって)燃料補給装置を展開場所から離して(たとえば保管場所へ)移動させるステップと、
によって、露出した炉心内へ新たな燃料棒集合体を挿入するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、この方法は、封止プレートをその開および閉位置間で摺動または枢動させるステップを含むことができる。この方法は、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによる可動封止プレートの遠隔作動を含むことができ、すなわちこの方法は、(たとえば遠隔制御システムのユーザインターフェースでの入力によって)制御システムから封止プレートに関連するアクチュエータへ出力信号を送って封止プレートを移動(たとえば摺動/枢動)させるステップを含むことができる。
この方法は、燃料補給装置から遠隔に配置された制御システムによる棒および遮蔽要素リフティングシステムの遠隔作動を含むことができる。したがって、この方法は、(たとえば遠隔制御システムのユーザインターフェースでの入力によって)制御システムからリフティングシステムへ出力信号を送って、燃料棒集合体/新たな燃料棒集合体の遮蔽および接続のために遮蔽要素および棒コネクタを下降させるステップを含むことができる。この方法は、(たとえば遠隔制御システムのユーザインターフェースでの入力によって)制御システムからリフティングシステムへ出力信号を送って、燃料棒集合体/新たな燃料棒集合体への接続/これからの接続解除後に遮蔽要素および棒コネクタを上昇させるステップを含むことができる。
いくつかの実施形態において、この方法は、たとえば冷却材、たとえば水または空気を冷却材入口で燃料補給装置内へ通し、そして(保管キャビティ内の燃料棒集合体を冷却した後)冷却材出口から燃料補給装置の外に出し、そして次いで熱交換器を通して格納容器内部へ熱を通すことによって、燃料補給装置を通して冷却材を循環させるステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、この方法は、キャビティへの開口と実質的に鉛直に位置合わせされている格納構造の作業床に沿って(たとえば線形の水平経路に沿って)展開および保管場所間で燃料補給装置を移動させるステップを含む。
この方法は、格納構造の外部に、たとえば遮蔽された離れに設けられた保管場所へ、およびこの保管場所から燃料補給装置を移動させるステップを含むことができる。
いくつかの実施形態において、この方法は、展開場所と保管場所との間に延在する軌道またはレールに沿って燃料補給装置のフレーム車輪を駆動するステップを含み、フレーム車輪は軌道/レールに取り付けられている。軌道/レールは、原子炉容器本体内のキャビティへの開口と実質的に鉛直に位置合わせすることができる。
この方法は、原子炉容器本体の上で鉛直に展開場所へ燃料補給装置を移動させるステップと、抽出されるべき燃料棒集合体の上で正確に鉛直に装置本体を配置することができるように、展開場所において装置本体の位置を調整するステップと、を含むことができる。これは、(たとえば装置本体車輪を駆動することによって)横支柱上の装置本体の位置を調整することによって行うことができる。
本発明は、原子炉発電所を含む、その一部として構成される、または原子炉発電所(本明細書では原子炉と呼ぶ)とともに使用することができる。特に、本発明は加圧水型原子炉に関し得る。原子炉発電所は、250MWと600MWとの間、または300MWと550MWとの間の出力を有することができる。
原子炉発電所はモジュラー原子炉とすることができる。モジュラー原子炉は、オフサイトで(たとえば工場で)製造される多数のモジュールで構成される原子炉と見なすことができ、次いでこれらのモジュールは、これらのモジュールを一緒に接続することによってオンサイトで原子炉発電所へと組み立てられる。一次、二次、および/または三次回路のいずれも、モジュラー構造で形成することができる。
原子炉は、原子炉圧力容器、1つ以上の蒸気発生器、および1つ以上の加圧器を含む一次回路を含むことができる。一次回路は、原子炉圧力容器を通して媒体(たとえば水)を循環させて、炉心における核分裂によって生成される熱を抽出し、熱は次いで蒸気発生器に送達されて二次回路へ伝達される。一次回路は、1つと6つとの間の蒸気発生器、または2つと4つとの間の蒸気発生器を含むことができ、または3つの蒸気発生器、または前述の数値のいずれかの範囲を含むことができる。一次回路は、1つ、2つ、または2つより多くの加圧器を含むことができる。一次回路は、原子炉圧力容器から蒸気発生器のそれぞれに延在する回路を含むことができ、回路は、原子炉圧力容器から蒸気発生器へ高温媒体を運び、蒸気発生器から原子炉圧力容器へ冷却媒体を戻すことができる。媒体は1つ以上のポンプによって循環させることができる。いくつかの実施形態において、一次回路は一次回路内の蒸気発生器ごとに1つまたは2つのポンプを含むことができる。
いくつかの実施形態において、一次回路内を循環する媒体は水を含むことができる。いくつかの実施形態において、媒体は、媒体に添加された中性子吸収物質(たとえば、ホウ素、ガドリニウム)を含むことができる。いくつかの実施形態において一次回路内の圧力は、全出力運転中、少なくとも50バール、80バール、100バール、または150バールとすることができ、圧力は、全出力運転中、80バール、100バール、150バール、または180バールに達することができる。いくつかの実施形態において、水が一次回路の媒体である場合、原子炉圧力容器を出る水の加熱水温は、全出力運転中、540Kと670Kとの間、または560Kと650Kとの間、または580Kと630Kとの間とすることができる。いくつかの実施形態において、水が一次回路の媒体である場合、原子炉圧力容器に戻る水の冷却水温は、全出力運転中、510Kと600Kとの間、または530と580Kとの間とすることができる。
原子炉は、蒸気発生器において一次回路から熱を抽出して水を蒸気に変換してタービンを駆動する水の循環ループを含む二次回路を含むことができる。実施形態において、二次ループは1つまたは2つの高圧タービンおよび1つまたは2つの低圧タービンを含むことができる。
二次回路は、蒸気発生器に戻されるときに蒸気を水に凝縮する熱交換器を含むことができる。熱交換器は、ヒートシンクとして作用する大きな水域を含むことができる三次ループに接続することができる。
原子炉容器は鋼製圧力容器を含むことができ、圧力容器は、5mから15mの高さ、または9.5mから11.5mの高さであり、直径は、2mと7mとの間、または3mと6mとの間、または4mから5mの間である。圧力容器は、原子炉本体、および原子炉本体の鉛直上方に配置された原子炉ヘッドを含むことができる。原子炉ヘッドは、原子炉ヘッド上のフランジおよび原子炉本体上の対応するフランジを通過する一連のスタッドによって原子炉本体に接続することができる。
原子炉ヘッドは、原子炉構造の多数の要素を単一の要素に統合することができる一体型ヘッドアセンブリを含むことができる。統合される要素の中には、圧力容器ヘッド、冷却シュラウド、制御棒駆動機構、ミサイルシールド、リフティングリグ、ホイストアセンブリ、およびケーブルトレイアセンブリが含まれる。
核炉心は多数の燃料集合体で構成することができ、燃料集合体は燃料棒を含む。燃料棒は核分裂性物質のペレットで形成することができる。燃料集合体はまた制御棒のための空間を含むことができる。たとえば、燃料集合体は、17×17グリッドの棒、すなわち合計289の空間のためのハウジングを提供することができる。これら合計289の空間のうち、24を原子炉用の制御棒用に確保することができ、これらのそれぞれをメインアームに接続された24の制御棒で形成することができ、1つを計装管用に確保することができる。制御棒は、核分裂中に放出される中性子を吸収することによって、燃料が受ける核分裂プロセスを制御するように炉心の内外に移動可能である。炉心は100~300の間の燃料集合体を含むことができる。制御棒を完全に挿入することは通常、原子炉が停止する未臨界状態につながる可能性がある。炉心内の燃料集合体の100%までが制御棒を含むことができる。
制御棒駆動機構によって制御棒の移動を移動させることができる。制御棒駆動機構は、燃料集合体の内外で制御棒を下降および上昇させるように、そして炉心に対する制御棒の位置を保持するようにアクチュエータに命令および動力供給することができる。制御棒駆動機構棒は、制御棒を急速に挿入して原子炉を迅速に停止(すなわちスクラム)することができ得る。
一次回路は、事故の際に一次回路からの蒸気を保持する格納構造内に収容することができる。格納容器は、直径を15mと60mとの間、または直径を30mと50mとの間とすることができる。格納構造は、鋼鉄またはコンクリート、または鋼鉄で裏打ちされたコンクリートから形成することができる。格納容器は、原子炉の緊急冷却用の水タンクを中に格納する、または外部に支持することができる。格納容器は、原子炉の燃料補給、燃料集合体の保管および格納容器の内側と外側との間での燃料集合体の輸送を可能にする機器および設備を含むことができる。
この発電所は、外部の危険(たとえばミサイル攻撃)および自然災害(たとえば津波)から原子炉要素を保護する1つ以上の土木構造物を含むことができる。土木構造物は、鋼鉄、またはコンクリート、または両方の組み合わせから作製することができる。
ここで添付の図面を参照して単なる例として実施形態を説明する。
遮蔽要素がその収縮位置にある燃料補給装置を通る概略断面図を示す。 遮蔽要素がその伸張位置にある燃料補給装置を通る概略断面図を示す。 その車輪付きフレーム上の燃料補給装置の概略上面図および側面図をそれぞれ示す。
図1および図2は、開放ベース、水平上壁3および鉛直側壁4を有する装置本体2を含む燃料補給装置1を示す。壁は厚さ150mmの鋼鉄で形成されている。壁3、4は、直方体チャンバ5を画定する。
この装置は、チャンバ5が(装置本体2の開放ベースを通して)開いている開位置(図2に示す)と、開口ベースを覆う封止プレート6でチャンバ5が(液密に)封止されて装置本体2に対して封止されている閉位置(図1に示す)と、の間で枢動可能に移動可能である封止プレート6をさらに含む。
封止プレート6も厚さ150mmの鋼鉄で形成され、その開および閉位置間でこれを駆動するためのアクチュエータ(図示略)に関連付けられている。アクチュエータは、装置から遠隔に配置された制御システムに動作可能に接続されている。
この装置は、鉛で形成され、上壁8および下端が開いている4つの鉛直壁9を有する遮蔽要素7をさらに含む。遮蔽要素7は保管キャビティ10を画定する。保管キャビティは、鋼鉄で形成されたライニング管(図示略)を含むことができる。
遮蔽要素7は装置本体2内に入れ子式に取り付けられている。装置1は、遮蔽要素7を収縮位置(図1に示す)と伸張位置(図2に示す)との間で移動させるための遮蔽要素リフティングシステム(図示略)を含む。遮蔽要素リフティングシステムは4つのラックギアを含み、遮蔽要素7の鉛直壁9のそれぞれに1つが取り付けられている。これらのラックギアは、各ラックギアに隣接する装置本体2の鉛直壁4の内面に取り付けられたピニオンギアと協働する。このように、ラックおよびピニオンは互いに対して移動して遮蔽要素7を伸張および収縮させることができる。遮蔽要素リフティングシステムは遠隔制御システムに動作可能に接続されている。
棒リフティングシステム11が、チャンバ5の外側で装置本体2の上壁3の外面に取り付けられている。棒リフティングシステム11は、ウィンチ/ホイスト(チャンバ5の外側)と、装置本体2の上壁3を通って、そして遮蔽要素7の上壁8を通って保管キャビティ10内へ延在するウィンチケーブル(図示略)と、を含む。ウィンチケーブルの端に、燃料集合体に接続するための棒コネクタ(図示略)がある。棒リフティングシステム11は遠隔制御システムに動作可能に接続されている。
装置1は、冷却材入口13および冷却材出口14を含み、冷却材内の熱を大気中へ放出するために装置本体2の鉛直壁4の外側面に取り付けられた熱交換器(ラジエータ)15を備えた冷却水循環システムをさらに含む。使用時、装置本体2は冷却材で満たされている。
図3に示すように、装置本体2は、2つの平行に離間したレール17a、17bと、これらの間に延在する2つの垂直横支柱18a、18bと、を含む車輪付きフレーム16に取り付けられている。レール17a、17bは、フレーム車輪19a、19bに取り付けられている。装置本体2がレール17a、17bに垂直に横支柱18a、18bに沿って移動することができるように、装置本体2は、横支柱18a、18bに取り付けられている装置本体車輪20を含む。燃料補給装置1は、フレーム車輪19a、19bと装置本体車輪20を独立して駆動して装置本体の二次元移動を行うためのモータ(図示略)をさらに含む。モータは制御システムに動作可能に結合されている。
燃料補給装置1は、加圧水型原子炉発電システムの炉心内の燃料棒集合体の除去(およびこれに続く交換)を容易にするために提供される。このようなシステムは、炉心を収容するキャビティを画定する原子炉容器本体(図示略)を有する原子炉容器を含む。原子炉容器はまた、原子炉容器本体に対して封止して炉心を封止するように構成されたクロージャヘッドを含む一体型ヘッドパッケージ(IHP)を含む。炉心は、燃料棒集合体と、燃料棒集合体と関連する制御棒(これが炉心内の核反応を制御する)の水平方向の間隔を維持するように構成された上部内部構造物と、を含む。
炉心を露出させる(燃料棒集合体の交換を可能にする)ため、IHPおよび上部内部構造物をまず原子炉容器本体から除去せねばならない。原子炉容器本体は冷却材(たとえば水)で満たされている。
続いて、保管場所(たとえば格納構造の外側の遮蔽された離れ)から原子炉容器本体の鉛直上の展開場所へ燃料補給装置1を移動させる。燃料補給装置1は、格納容器の作業床上の線形経路に沿って延在するレール/軌道に沿ってフレーム車輪19a、19bを駆動することによって展開場所へ移動させる。作業床およびレール/軌道は、原子炉容器本体内のキャビティへの開口と実質的に鉛直に位置合わせされている。
展開場所にくると、炉心上の装置本体2の水平位置は、装置本体2が抽出のために燃料集合体の真上にくるまで、横支柱18a、18bに沿って装置本体車輪20を駆動することによって調整される。
正確に配置されると、装置本体2を下降させて封止プレート6が原子炉容器本体内の冷却材の表面の下方にくるようにし、チャンバ5が装置本体2の開放ベースを通して開いているその開位置(図2に示す)へ封止プレート6が移動するとき、装置本体2内を循環する冷却材がチャンバ5内に留まるようにする。棒リフティングシステム11は、(横支柱18a、18b間で)開放ベースを通して棒コネクタを炉心内へ下降させる。同様に、棒コネクタと遮蔽要素の両方が燃料棒集合体の近位にくるまで、遮蔽要素リフティングシステムは遮蔽要素7を炉心内へ下降させる(図2に示すように)。棒コネクタは燃料棒集合体に接続し、次いで棒リフティングシステム11は燃料棒集合体および棒コネクタを遮蔽要素7内の保管キャビティ10内へ後退させる。次に棒リフティングシステム11および遮蔽要素リフティングシステムを使用して遮蔽要素7および保管キャビティ10内に含まれる燃料棒集合体を装置本体2内に後退させる。完全に後退すると、封止プレート6をその閉位置に戻して装置本体2内の燃料棒集合体を封止する。
次いで、フレーム車輪19a、19bをレール/軌道に沿って駆動することによって、燃料補給装置1を展開場所から離して(水平に)移動させることができる。
本開示は上述の実施形態に限定されず、本明細書に記載の概念から逸脱することなく、さまざまな修正および改良を行うことができるということが理解されるであろう。相互に排他的である場合を除き、これらの特徴のいずれかを個別に、または任意の他の特徴と組み合わせて使用することができ、本開示は、本明細書に記載の1つ以上の特徴のすべての組み合わせおよび部分的組み合わせに及び、そしてこれらを含む。
1 燃料補給装置
2 装置本体
3 上壁
4 側壁
5 チャンバ
6 封止プレート
7 遮蔽要素
8 上壁
9 鉛直壁
10 保管キャビティ
11 棒リフティングシステム
13 冷却材入口
14 冷却材出口
15 熱交換器
16 車輪付きフレーム
17a レール
17b レール
18a 横支柱
18b 横支柱
19a フレーム車輪
19b フレーム車輪
20 装置本体車輪

Claims (19)

  1. 展開場所において原子力発電システムの炉心から燃料棒集合体を持ち上げて保管場所へ輸送するための燃料補給装置であって、
    開放ベースを有し、冷却材を収容するためのチャンバを画定する装置本体と、
    前記チャンバが開いている開位置と、前記チャンバが封止されている閉位置と、の間で移動可能な封止プレートと、
    放射性遮蔽材料で形成され、前記チャンバ内に移動可能に取り付けられ、開放下端を有する保管キャビティを画定する遮蔽要素であって、前記遮蔽要素は、前記チャンバ内に完全に収容される収縮位置と、前記チャンバから前記装置本体の前記開放ベースを通って延在する伸張位置と、の間で移動可能である、遮蔽要素と、
    燃料棒集合体に解放可能に接続するための棒コネクタを有し、前記装置が前記展開場所にあり、前記封止プレートが前記開位置にあり、かつ前記遮蔽要素がその伸張位置にあるとき、前記燃料棒集合体を前記保管キャビティ内へ上昇させるように構成された棒リフティングシステムと、
    を含む、燃料補給装置。
  2. 前記装置本体は鋼鉄で形成され、前記遮蔽要素は鉛で形成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記遮蔽要素を伸張および収縮させるための遮蔽要素リフティングシステムをさらに含む、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記遮蔽要素リフティングシステムは、前記装置本体に取り付けられた、または埋め込まれたピニオンと、前記遮蔽要素に取り付けられた/埋め込まれたラックと、を含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記棒リフティングシステムは、前記装置本体の外面に取り付けられた1つ以上のウィンチ/ホイストを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 冷却材入口、冷却材出口、および前記装置上の外部に取り付けられた熱交換器を含む冷却材回路をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記展開場所と前記保管場所との間で前記燃料補給装置の移動を案内するための車輪付きフレームを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. フレーム車輪を有する2つの平行に離間したレールと、これらの間に延在する2つの垂直な横支柱と、を含み、前記装置本体は前記横支柱に移動可能に取り付けられている、請求項7に記載の装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の装置と、
    原子炉容器であって、
    制御棒集合体を含む炉心および前記制御棒集合体を案内するための上部内部構造物を収容するキャビティを画定する原子炉容器本体と、
    前記原子炉容器本体に対して封止して前記原子炉容器本体キャビティへの開口を閉鎖するように構成されたクロージャヘッドと、
    を有する、原子炉容器と、
    を含む原子力発電システム。
  10. 前記クロージャヘッド、およびシュラウド内に収容された制御棒駆動機構を含む一体型ヘッドパッケージを含み、前記制御棒駆動機構は、前記クロージャヘッドを通って延在する少なくとも1つの駆動棒を含み、前記駆動棒または各駆動棒は、前記炉心内の制御棒集合体に解放可能に結合するための結合要素を有し、少なくとも1つの前記駆動棒は、少なくとも1つの前記駆動棒が前記制御棒集合体から切り離され、少なくとも部分的に前記一体型ヘッドパッケージ内へ後退する保守/燃料補給位置へ移動可能であり、前記一体型ヘッドパッケージは、少なくとも1つの前記駆動棒を前記保守/燃料補給位置にロックするための少なくとも1つのロック要素をさらに含む、請求項9に記載の原子力発電システム。
  11. 格納構造を含み、前記格納構造の作業床は前記キャビティへの前記開口を取り囲み、実質的に鉛直にこれと位置合わせされている、請求項10に記載の原子力発電システム。
  12. 前記作業床は、前記原子炉容器の近傍から前記保管場所まで延在する少なくとも1つの経路を含み、少なくとも1つの前記経路は、前記原子炉容器本体内の前記キャビティへの前記開口と実質的に鉛直に位置合わせされている軌道/レールを含む、請求項11に記載の原子力発電システム。
  13. 前記封止プレートおよび/または前記棒リフティングシステムおよび/または前記遮蔽要素リフティングシステムを作動させるための制御信号を送るための、および/または前記フレーム車輪/装置本体車輪を駆動するための、制御システムをさらに含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の原子力発電システム。
  14. 前記システムは加圧水型原子炉システムである、請求項10から13のいずれか一項に記載の原子力発電システム。
  15. 請求項1から8のいずれか一項に記載の装置を使用して、請求項9から14のいずれか一項に記載の原子力発電システム内の露出した炉心から燃料棒集合体を除去する方法であって、
    前記原子炉容器本体から前記クロージャヘッドおよび上部内部構造物を除去するステップと、
    前記原子炉容器本体から前記クロージャヘッドおよび上部内部構造物を除去した後、前記封止プレートがその閉位置にある状態で、前記冷却材で満たされた原子炉容器本体の鉛直上方の前記展開場所へ前記燃料補給装置を移動させるステップと、
    前記封止プレートが前記冷却材の表面の下方にくるように前記装置を下降させるステップと、
    前記封止プレートをその開位置へ移動させるステップと、
    前記遮蔽要素および前記棒コネクタを下降させ、前記棒コネクタを前記燃料棒集合体に接続するステップと、
    前記棒リフティングシステムを使用して前記燃料棒集合体を前記保管キャビティ内へ鉛直に上昇させるステップと、
    前記遮蔽要素および燃料棒集合体を前記チャンバ内へ上昇させるステップと、
    前記封止プレートをその閉位置へ移動させることによって前記チャンバを封止するステップと、
    前記装置を前記保管場所へ移動させるステップと、
    を含む、方法。
  16. 前記装置を通して冷却材、たとえば水または空気を循環させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記キャビティへの前記開口と実質的に鉛直に位置合わせされている前記格納構造の作業床に沿って、前記展開および保管場所間で前記燃料補給装置を移動させるステップを含む、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記格納構造の外部に設けられた保管場所へ、および前記保管場所から前記燃料補給装置を移動させるステップを含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記展開場所と前記保管場所との間に延在する軌道またはレールに沿って、前記装置の前記フレーム車輪を駆動するステップと、前記横支柱に沿って前記装置本体車輪を駆動することによって前記展開場所を調整するステップと、を含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
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