JP2023533918A - 高頻度でアクセスされるように適合されたポート - Google Patents

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Abstract

ポートは、上部を環境に露出した状態で身体に移植されるよう適合されている。ポートは筐体を有し、筐体は上部に開口を有するチャンバを規定する。チャンバの下部に、管腔が取り付けられたアパーチャが形成される。注入のため、上面の流体入口と側壁の穴を接続する内部通路を有する挿入部を、チャンバに対して密閉状態で係合させる。穴はアパーチャと密閉状態で位置合わせする。注入後、挿入部を取り外し、ブランク挿入部をチャンバに嵌める。組織内部成長媒質群は、筐体を取り囲んで、筐体の外壁と筐体を取り囲む身体の組織とが接触する場所で無菌性バリアを形成する。【選択図】 図1C

Description

[001] 本発明は、患者に移植されるように適合されたポートに関し、より具体的には、患者に部分的に移植されるように適合され、かつ、針を用いることなく高頻度でアクセスすることができるポートに関する。
[002] ポータル(portal)又はポート(port)は、通常、患者に皮下移植され、ポートの容器内に貯蔵された流体を患者の血管系のような患者内の位置へ送るために用いられる。現在の移植可能ポート群では、ポートが患者に移植された後の最も大きな欠点は、臨床医がポート容器にアクセスするために針又はカニューレを用いて患者の皮膚に穿刺しなければならないことである。このような患者に対する穿刺は、ポートへの高頻度のアクセスのように、実行する必要があり得るいくつかの行為には不都合である。例えば透析等の処置では、移植したポートに一週間に複数回という高頻度でアクセスする必要がある。このような高頻度のアクセスは、針を患者に挿入する部位の治癒を妨げ、更にはその部位の感染を引き起こす可能性がある。
[003] 従来の移植ポートの別の欠点は、ポートが患者に移植された後、その位置を特定しなければならないことである。1つの従来の方法は、ポートの位置を特定するため、ポートが移植された患者の部位を触診することである。他の方法は、ポートをx線すなわち放射線撮像下で観察することを可能とするため、ポート上又はポート内に印(indicia)を設けることを含む。針を患者に挿入した後に、針を刺す必要があるポートの隔壁を正確に特定するため、放射線不透過性の印と共に1又は複数の模様(impression)をポートの隔壁に与えることができる。このような移植ポートの隔壁の正確な特定は、米国特許第8,092,435号、第8,535,281号、及び第9,950,150号(これらは全て本出願の譲渡人に譲渡されている)に記載されている。‘435号、‘281号、及び‘150号の各開示は、援用により本出願の明細書に含まれる。
[004] 従って、患者の皮膚をポート部位で繰り返し穿刺する必要なく容易に位置特定して高頻度でアクセスすることができ、かつ、高頻度でアクセスされるように適合された場合であっても無菌性を維持するポートが必要とされている。
[005] 本発明のポートは、患者に実質的に移植されるよう適合された筐体を有する。筺体の内部はチャンバを規定する。筺体の上部の開口はチャンバを環境に露出させる。チャンバの下部にアパーチャが形成され、筐体の壁を貫通している。アパーチャは、チャンバの内部から筐体の外部へ管腔又はカテーテルが延出できる寸法である。アパーチャが形成されている壁部にガイド構造が提供され、管腔の基部、例えばフランジを、筐体に固定することを可能とする。代替的な実施形態は、アパーチャに固定して取り付けられた外側管腔を有し、この固定された管腔に沿って、例えばカテーテルのような内側管腔が延出できるようになっている。いずれの場合であっても、管腔が取り付けられていない場合は使用後に別の管腔に交換することができ、外側管腔が筐体に固定して取り付けられている場合は内側管腔を使用後に別の内側管腔に交換することができると想定される。
[006] 筐体のチャンバに対して着脱可能に、かつ密閉状態に、挿入部又はプラグが嵌められる。挿入部の高さは、チャンバ内に完全に係合させた場合に、挿入部の上面が、それを取り囲む筐体の上部と実質的に同一平面となるようにすればよい。ポートが注入に使用される場合、挿入部は、上面の注入流体入口と挿入部の側壁の穴との間に延出する内部通路を有する。挿入部は、筐体の内壁のガイド構造を補足する実質的に縦方向のガイド構造を外周面に有するので、挿入部を筐体に対して所定の向きで筐体内へ密閉状態に嵌め込むことができる。これにより、挿入部の穴は、筐体のアパーチャに取り付けられた管腔の近位部の又は基部の開口と確実に位置合わせされる。検討を容易にするため、内部通路を備えた挿入部を注入プラグ又は注入挿入部と呼ぶことがある。
[007] ポートの筐体は、少なくとも挿入部の上面を露出させる深さまで患者の身体内に移植されるよう適合されている。筐体の移植によって、筺体の管腔を、例えば患者の血管系の静脈、動脈、もしくは他の位置、又は組織等、患者の内部に選択的に位置決めすることができる。注入挿入部の上面の流体入口に流体貯蔵部が接続されると、注入挿入部内の通路及び筐体から患者内へ延出する管腔によって確立された流体経路は、流体貯蔵部から患者内の選択された位置へと流体の薬剤を移送する。
[008] 注入後、内部通路を備えた注入挿入部を筐体から取り外し、内部通路を備えていないブランク挿入部に交換することができる。ブランク挿入部は、チャンバを密閉状態であるが着脱可能にふさぐ。すなわち、これは筐体のチャンバを密閉するブランク挿入部又は挿入プラグである。その後、注入挿入部は廃棄すればよい。次に注入が必要となった場合、ブランク挿入部はクリーンな注入挿入部に交換される。同様に、筐体に接続された管腔はクリーンな管腔に交換することができる。管腔が筐体に固定して取り付けられ、外側管腔として作用する場合は、管腔に沿って嵌められている使用済みの汚染した内側管腔又はカテーテルを取り外し、新しい内側管腔を外側管腔に沿って摺動自在に嵌める。
[009] ポートの筐体が患者の身体と接触する部位の感染を防ぐため、少なくとも1群の組織内部成長媒質(tissue ingrowth media)が筐体の外壁に取り付けられて外壁を取り囲み、筐体の外壁とポート筐体を取り囲む患者の身体の組織とが接触する場所で無菌性バリアを形成する。
[0010] 従って本発明はポートに関し、このポートは、底部、非終端壁、及び上部によって規定された内部を有する筐体であって、上部は筐体の内部へ開いている開口を有する、筐体と、非終端壁を貫通する選択された位置にある少なくとも1つのアパーチャと、上面及び断面寸法を有する挿入部であって、断面寸法は筐体の開口を介して筐体の内部に係合状態で嵌まることを可能とし、上面は筐体への挿入後に筐体の上部と実質的に平面の関係になる、挿入部と、を備え、筐体は、挿入部の上面を環境に露出した状態で身体内へ移植されるように適合されている。
[0011] 本発明は更に、一部を視覚的に見えたままとしながら身体内に移植されるよう適合されたポートに関する。このポートは、底部、外面を有する非終端壁、及び上部によって規定された内部を有する筐体であって、上部は筐体の内部へ開いている開口を有する、筐体と、非終端壁における少なくとも1つのアパーチャから、筐体から離れる方に延出する少なくとも1つの管腔と、上面及び断面寸法を有する挿入部であって、断面寸法は筐体の開口を介して筐体の内部に係合状態で嵌まることを可能とする、挿入部と、を備え、ポートの筐体は、挿入部の上面が視覚的に見えるように身体の外部又は皮膚の高さに留まっている深さまで身体内へ移植可能である。
[0012] 本発明は更に、移植後に視覚的に見ることができ、環境からアクセス可能であるポートに関する。このポートは、底部、外面を有する非終端壁、及び上部によって規定された内部を有する筐体であって、上部は筐体の内部へ開いている開口を有する、筐体と、非終端壁における少なくとも1つのアパーチャから延出する少なくとも1つの管腔と、非終端壁の外面を取り囲む組織内部成長媒質と、上面と、筐体の開口を介して筐体の内部に係合状態で嵌まる断面寸法と、を有する挿入部と、を備え、ポートの筐体は、挿入部の上面が環境からアクセス可能な状態を維持する深さまで身体内へ移植可能であり、身体内へ移植された後、組織内部成長媒質は、非終端壁とこの壁を取り囲む身体の組織との間で無菌性バリアを形成する。
[0013] 添付図面と関連付けて以下の本発明の説明を参照することにより、本発明は明らかになると共に、本発明自体は最も良く理解されるであろう。
[0014] 本発明のポートの一実施形態の斜視図である。 [0015] 図1Aのポートの実施形態の側面図である。 [0016] 図1Aのポートの実施形態の断面図である。 [0017] 本発明のポートのコンポーネントを示す分解斜視図である。 [0018] 本発明のポートの筐体の内部チャンバを示す斜視図である。 [0018] 本発明のポートの筐体の内部チャンバを示す斜視図である。 [0019] 本発明のポートの別の実施形態のコンポーネントを示す分解斜視図である。 [0020] 図3Aに示されている実施形態の組み立て後のポートの斜視図である。 [0021] 図4Bに示されているポートの断面図である。 [0022] 挿入部が複数の通路を有する本発明のポートの別の実施形態を示す。 [0022] 挿入部が複数の通路を有する本発明のポートの別の実施形態を示す。 [0023] 筐体から挿入部を取り外す際に使用される穴を有するブランク挿入部を示す本発明のポートの変形の斜視図である。 [0024] 図6Aに示されているポートの線B-Bに沿った断面図である。 [0025] 筐体から挿入部を取り外すため図6のポートに係合させた例示的なツールを示す。 [0026] 図6Bから図6Cに示されているロック機構の一部の拡大図である。 [0027] 筐体内に挿入部が嵌め込まれる時の筐体のロック部の反応を示す。 [0028] 図6Eの挿入部と図6Aのポートの筐体及び挿入部のロック機構の各ロック部との動作関係を示す。 [0029] 例示的なツールの側面図を示す。 [0029] 例示的なツールの斜視図を示す。 [0030] 本発明の挿入部の別の実施形態を示す。 [0030] 本発明の挿入部の別の実施形態を示す。
[0031] 図1Aから図1C、図2、及び図3Aから図3Bを参照すると、本発明の経皮ポータル又はポート2が、主要部又は直立部4aと基部4bとを有する筐体4を含んで示されている。直立部4bは、図示されている例示的な実施形態では円周方向の壁である非終端壁4wによって形成されている。壁4wは、筐体4の基部4bから、下向きテーパ状を有する上部分4tまで、上方に延出している。検討を容易にするため、上部分4tは筐体4の上面であると見なし、単に上部4tと呼ぶこともある。
[0032] 図2及び図3Aから図3Bで最も良く示されているように、筐体4の上部4tは筐体4の内部4iへ開いている。これを別の見方で見ると、筐体4の内部は、筐体4の内側の円周方向壁又は内壁4iw及び底部4dで規定され、上部が環境に開放されたチャンバ4iである。非終端ショルダ又は段差4sは、チャンバ4iを規定する内壁4iwに沿って上部4tから短い距離に形成される。筺体4は、ポートの製造では周知のように、複数の不活性プラスチック製又は金属製材料から形成することができる。
[0033] 図3Bで最も良く示されているように、筐体4は更に、壁4wの下部において基部4bを貫通するアパーチャ4pを有する。チューブ、管類、又は管腔6が、摺動自在に、かつぴったり適合してアパーチャ4pを貫通し、その遠位端6dは患者の体内の位置に選択的に位置決め可能である。従って、筐体4を患者に経皮的に移植した後、管腔の出力は、周知のように、患者の選択された組織又は血管系の静脈及び動脈へ誘導することができる。管腔6は、流体の注入又は採取に使用されることが既知である任意のチューブ、管類、又はカテーテルとすればよい。例示的な実施形態では、管腔6の近位端6pは、管腔6の基部又は近位開口を形成する開口6oを有するキーフランジ6fに合流する。図3Aから図3Bで示されているように、アパーチャ4pを含む内壁4iwに内側構造4fが形成され、これは管腔6のフランジ6fがぴったり収まる寸法を有する。図3Aから図3Bに示されている実施形態では、管腔6が筐体4に固定して取り付けられないと仮定すると、使用される管腔は容易に新しい管腔に交換することができる。これについては以下で更に説明する。
[0034] また、ポート2は、筐体4の内部又はチャンバ4iにぴったりと密閉状態に係合するよう適合されたプラグの形態とすることができる挿入部8も含む。挿入部8は、ポートの製造に使用されることが既知である複数のプラスチック製又は金属製の材料から製造され得る。これ以降、挿入部8を、挿入部、プラグ、又はプラグ挿入部と呼ぶことがある。
[0035] 図1Aから図1C及び図2で最もよく示されているように、挿入部8は本体8aを有する。本体8aは、図示されている例示的な実施形態では円筒形本体構造の形態であるか又は単に円筒であり、筐体4の内部又はチャンバ4iに対して密閉状態に、かつ摺動自在に係合すること又は嵌め込むことができる断面寸法及び長さを有する。挿入部8の外面に沿ってガイドスロット8gが形成されており、管腔6が摺動して完全に筐体4のアパーチャ4pに嵌められていると仮定した場合、挿入部8をチャンバ4i内へ挿入する際にガイドスロット8gに沿ってフランジ6fで誘導することができる。
[0036] フランジ6fは、筐体4内への挿入部8のガイドとして作用することに加えて、スロット8gと共同して挿入部8と筐体4との相対的回転を防止する。挿入部8は上方リップ又はフランジ8fを有し、この下に円筒形本体8aが一体的にぶら下がっている。リップ8fが筐体4の段差4sと接触した時、挿入部8は筐体4内へ完全に挿入されている。このようにチャンバ4iと完全に係合した場合、挿入部8の上面8tは環境に露出される。
[0037] 注入又は他の処置において、流体の薬剤を患者に注入するか、又は患者から体液を採取する場合、挿入部8に貫通通路8pが形成される。通路8pは、挿入部8の上面8tからガイドスロット8gの開口8oまで延出する。図1Cで示されているように、開口8gは、プラグ8が完全に筐体4と係合した場合に管腔6の近位開口6oと密閉状態で位置合わせするようなスロット8gの位置に形成される。開口80は、流体を出力する管腔又はカテーテルの入口と位置合わせされるように位置付けられる限り、スロット8に形成される必要はないことは認められよう。例えば、管腔が筐体に固定して取り付けられる場合、又は、管腔の基部フランジがアパーチャに嵌められ、筐体の内壁と同一平面にある場合、管腔の入口が通路の出口と接触する場所から離れた位置に、筐体及び挿入部のための補足的ガイド機構を設けることができる。
[0038] 流体の注入を容易に行うため、挿入部8の上面8tに注入入口又は流体入口8iが提供又は形成されている。周知のように、入口8iは流体貯蔵部の出口に結合するよう適合されて、流体貯蔵部に貯蔵された薬剤が通路8p及び管腔6の内部通路6iを介して運ばれ、管腔の遠位端が選択的に位置付けられた患者内の位置へ出力され得るようになっている。
[0039] 少なくとも1群の組織内部成長媒質10が、筐体4の直立壁4wの外周面に取り付けられて囲んでいる。組織内部成長媒質は、任意の利用可能な生体材料とすればよく、ポリマー、タンタル、チタン、セラミック、及び、バクテリア侵入を防止するように皮膚と充分に一体化する他の材料を含み得る。ポート2の筐体4を取り囲むために使用され得る例示的な組織内部成長媒質は、孔径が40~160μm、好ましくは40~100μmである多孔性チタンメッシュとすればよい。多孔性生体材料が少なくとも筐体4の直立壁4wを密閉状態に取り囲むことにより、ポートの筐体が経皮的に患者に移植されて、微細な線維性血管性組織が成長して材料の細孔内に延出し細孔を埋めた場合、組織内部成長が達成される。この結果、充分な治癒の後、ポートとポートの筐体を取り囲む患者の組織との間の組織内部成長媒質界面は、ポートと組織との間の無菌性バリアを形成して、患者の感染リスクを防止する。多孔性インプラントにおける孔径の効果に関する更に詳細な説明が、Brad J. Farrell et. alの「Effects Of Pore Size, Implantation Time And Nano-surface Properties on Rat Skin Ingrowth Into Percutaneous Porous Titanium Implants」(J Biomed Matter Res. A. 2014 May; 102(5); 1305-1315)と題する論文に提供されている。
[0040] 本発明のポート2は、患者に流体の薬剤を注入するため使用され得る。動作時にポート2は、図1Bで示されているように、筐体4の上部4t及び挿入部8の上部8tが患者の皮膚12にあるか又は皮膚12よりも上方にあるような深さで、経皮的に患者の身体14内へ移植される。このため、挿入部の上面8tは、その流体入口8iと共に、環境に露出される。流体入口8iは、流体貯蔵部16(図1Bに点線で示されている)の流体出口16oに結合することができる。流体貯蔵部16は、シリンジ、流体ポンプ、流体袋、流体収集容器、又は周知である他のタイプの流体貯蔵デバイスとすればよい。ポート2は、従来より既知のように患者に縫合することができる。あるいはポートは、例えば3M VETBOND組織接着剤のような組織接着剤を用いて、又は接着テープを用いることで、患者に接着して固定してもよい。
[0041] ポートの上部が露出していることにより、本発明の利点は、本発明のポートには穿刺される隔壁が存在しないので、針で患者の皮膚を刺して穿刺を行う必要がないことである。このため、患者に対して更に不快感や感染リスクを引き起こすことなく、ポートに高頻度でアクセスすることが可能となる。別の利点は、ポートの上部が露出しているので、臨床医がポートの位置特定を視覚によって正確に決定できることである。更に別の利点は、移植された筐体以外のポートのコンポーネントを使用後に容易に交換できることである。これが重要である理由は、従来、移植されたポートのコンポーネントが不良となったか又は使い古された場合、臨床医はこの不良ポートを外科的に除去して新しいものと交換する必要があるからである。しかしながら、ポートの上面は環境に露出しているので、挿入部及び管腔は容易に交換可能であり、ポートのコンポーネントの完全性が維持される。更に、従来実行されていたように、ポートの位置を特定し、隔壁に穿刺し、次いで挿入した針を流体貯蔵部に接続する必要がないので、患者への流体注入及び/又は患者からの流体採取を必要とする処置を迅速に行うことができる。
[0042] 例えば注入のような処置が終了したら、筐体4内に挿入部8を残したまま流体入口8iから流体貯蔵部を切り離したことに起因する感染リスクをポートに引き起こすことなく、挿入部8を取り外し、ブランク挿入部又はプラグに交換することができる。また、本発明のポートは、出荷中、場合によっては移植処置中、ブランク挿入部が装着されていてもよい。上記の検討のように、ポートの筐体を適正に患者内へ移植した後、ブランク挿入部を注入挿入部に交換すればよい。図4Aから図4Cに、ブランク挿入部及びポート筐体内への嵌め込みが示されている。図4Aから図4C及び本明細書の残りの図では、図1Aから図3Bに示され、これらの図を参照して記載されているものと同一のコンポーネントは、同一の符号で示される。
[0043] 図4Aから図4Cを参照すると、プラグ18のブランク挿入部が示されている。注入入口以外は、プラグ18は挿入部8と同一の外部構成を有し、円筒形本体18aを含む。内側では、プラグ18は中実であり、内側通路を持たない。外側では、プラグ18は、上面18tと、上面18tから下方に延出し、プラグ18が内部チャンバ4i内へ密閉状態で完全に挿入された場合に筐体4の段差4s上に載るフランジ18fと、プラグ18を筐体内へ誘導する側壁に沿ったスロット18gと、を有する。図4Aは、筐体4の上に配置され、筐体4内への挿入の準備ができたプラグ18を示す。図4Bは、筐体4内に密閉状態で完全に挿入されたプラグ18を示す。図4Cは、プラグ18が嵌め込まれた本発明のポートの断面図を示す。プラグ18の少なくとも上面の色は、皮膚の色調に合致させることができる。プラグを取り囲む筐体の外周を含み得るポートの露出部分の上の追加カバーは、汚染に対する追加レベルの保護を提供する。図1A及び図4Bに示されているようなポート2が患者に移植される場合、組織内部成長媒質10が、筺体の壁及び患者の組織が接触する場所で細菌及びバクテリアに対する無菌性バリアとして作用し、更に、ブランクプラグが、筐体のチャンバ内に細菌及びバクテリアが侵入するのを阻止するように作用するので、患者の感染リスクが低減する。
[0044] 上記で検討したように、本発明のポートのコンポーネントは、一度使用した後に新しいものと交換又は置換することができる。汚染した管腔と新しい管腔との交換又は置換については、図3Aから図3Bから分かるが、(おそらく汚染されている)管腔6をアパーチャ6pから取り外し、新しい管腔に交換すればよい。着脱可能な管腔の代替案では、外側管腔又は管類を筐体4に固定して取り付け、内側管腔、管類、又はカテーテルを、外側管腔に沿って摺動自在に嵌め込む。外側管腔が筐体4の内側構造4fから延出している場合、着脱可能な内側管腔は近位端においてフランジ6fと同様の部材を有し得る。これにより、外側管腔は、これに沿って嵌め込まれた内側カテーテルの遠位端を、流体の注入又は採取が行われる患者の選択された部位へ誘導する。処置が終了したら、使用した内側カテーテルを新しいものと交換すればよい。
[0045] 図5Aから図5Bは、複数の流体経路を確立するため挿入プラグ内に複数の通路が提供されている本発明のポートの代替的な実施形態を示す。図示されている例示的な実施形態では、ポート2’の挿入部8’は、挿入部8’の上面において流体入口8’i1及び8’i2にそれぞれ接続された2つの流体通路8’p1及び8’p2を有する。通路8’p1及び8’p2は、筐体4’の基部4’bにおける管腔6’a及び6’bの対応する近位開口6’o1及び6’o2と位置合わせされた出口8’o1及び8’o2を有する。例示的な複数の管腔ポートは、患者への流体注入及び患者からの流体採取のために別個の流体経路が必要である透析のような処置に使用され得る。2つの流体経路を有するように図示されているが、本発明の挿入部は、必要に応じて、場合によってはプラグ及び筐体の寸法を増大することにより、3つ以上の通路を有するように構成され得る。組織内部成長媒質群10は、上記で検討したように、筐体4’の壁4’aを取り囲んで、患者の感染を防止する無菌性バリアを確立する。
[0046] 挿入部は、注入プラグであろうとプラグであろうと、ポートの筐体から不注意で外れることを確実に防ぐため、例示的なロック機構を設けることで、一度挿入部を筐体に係合したら挿入部が筐体から意図的に取り外される時まで挿入部及び筐体を共に固定して維持する。図4Bから図4Cで示されているように筺体に嵌められたプラグを有する本発明のポートを図示する図6Aから6Fを参照して、ロック機構について説明する。図6Aから図6Fでは、図4Bから図4Cに示したものと同一のコンポーネントは同一の符号で示される。
[0047] 図6Aで示されているように、プラグ18の上面18tには、穴20へ開くオリフィスがある。穴20は、プラグ18の円筒形本体18aの外周面の曲率と一致する半円形断面構成を有する。穴20は、挿入部18の側壁に沿って長手方向に延出し、管腔6のフランジ6fからずれているので、上記で検討したようなフランジ6fとスロット18gとの共同誘導関係に影響を及ぼさない。
[0048] 図6Bで示されているように、穴20は、上面18tから、点線の円Cで規定されたエリア内の筐体4の壁4wの位置を超えた深さまで延出する。図6Dに円Cの拡大図が示され、例えば片持ち梁部材4lの本体の後面4ls1に対して付勢するばねである付勢要素4qを収容するキャビティ4cが図示されている。部材4lは、チャネル4n内で摺動自在に支持された第1の脚4l1と、方向矢印24で示されるように内壁4iwの開口4h1の内外へ双方向に移動するよう適合された逆方向の第2の脚4l2と、を有する。玉軸受又はローラボール4rは、付勢部材4qとは反対側の位置で片持ち梁部材4lの前面4ls2と圧接している。ボール4rは、開口4h2を介して筐体4の内部4iの内外へ双方向に移動するよう適合されている。部材4l、付勢要素4q、及びボール4rは共に、本発明のポートのロック機構の第1のロック部と見なすことができる。図6Dは、チャンバ4i内に挿入部が存在しない場合、ボール4r及び脚4l2の各々が筐体4の壁4iwから内部チャンバ4i内へ延出することを示す。図6D、及び以下で検討する図6Eから図6Fに示されているコンポーネントの寸法は、本発明をより良く図示するため誇張され得るので、一定の縮尺通りでない場合があることは認められよう。
[0049] 図6Eは、方向矢印26の方向にプラグ18を筐体4のチャンバ4i内へ係合させることを示す。挿入部18は、図6Aから図6Bを参照して上記で検討したように穴20を含む。更に、穴20の底部20bの近くにノッチ18nがある。挿入部18に沿ったノッチ18nの位置は、図6Fの実線で示されているようにボール4rが付勢要素4qによって穴20内へ充分に付勢された場合にノッチ18nが脚4l2を受容するようあらかじめ決められている。ノッチ18nは、本発明のポートのロック機構の第2のロック要素と見なすことができる。図6Eで示されているように、方向矢印26で示されている方向に沿って挿入部18を移動させると、側壁18wの外面はボール4rに接触して、方向矢印28で示される方向にボール4rを付勢するので、ボール4r及び脚4l2は双方ともキャビティ4c内に後退した状態を保つ。内壁4iw及び側壁18wが相互に滑り接触している限り、ボール4r及び脚4l2はキャビティ4c内に留まる。図6E(及び図6F)に示されている筺体4の内壁4iwの表面と壁18wの外面との間に示されているギャップは例示のみを目的としており、実際は、密閉のための許容可能公差に応じて、筐体及び挿入部の各壁面は相互に滑り接触した状態であり得ることは認められよう。
[0050] 図6Fは、筐体4の内部チャンバ4i内に完全に係合した挿入部18を示す。図示のように、ボール4rは、点線で示されるような後退位置から、方向矢印30で示された方向に沿って部分的に穴20内へ移動する。これに応じて、脚4l2の前端はノッチ18n内部に位置決めされるので、ボール4r及び脚4l2の各位置は図6Dに示すようになる。この結果、挿入部18及び筐体4は相互に固定して保持又は維持され、挿入部は筐体から不注意によって外れることが不可能となる。これと同じ例示的なロック機構を注入挿入部に提供して、ポート筐体からの不注意による取り外しを防止することができる。
[0051] 筐体4から例示的なプラグ18(又はロックされた注入挿入部8)を取り外すため、図7Aから図7Bに示されているような例示的な取り外しツールを用いることができる。具体的には、ツール22は、それぞれが穴20の曲率と一致するようわずかに湾曲したハンドル22a及び本体22bを有するように図示されている。ツール22の長さは、その遠位端22dが穴20の底部20bと接触することでツール22が更に下方へ移動するのを防止するようなものである。フィンガ22fは、自然な状態では本体22bから離れる方を指し示し、ツール22が充分に穴20内へ挿入された場合にフランジ18fの底面18fb(図6C)の直下になる位置で、本体22bの空間22sの反対側に延出している。このため、ツール22が穴20内へ挿入されていく際、フィンガ22fは内壁4iwによって空間22s内へ押されるが、フィンガ22fの先端部がフランジ18fの底面18fbを通り過ぎた時点で、図6Cで示されるようにフィンガ22fは底面18fbの下方の自然な位置に戻る。フィンガ22fが底面18fbと接触した時、又はその直前に、本体22bの遠位部はボール4rと接触して、ボール4r及び脚4l2を筐体4のキャビティ4c内へ付勢する。その後、ハンドル22aによってツール22を上方へ引っ張ることでプラグ18を取り外すことができる。取り外された挿入部は、ツール22と共に廃棄すればよい。例示的なロック機構又は同様のロック機構を有する注入挿入部も同じ方法で取り外すことができる。ツール22は、ポートの改ざんを防止するため、臨床医又は看護師にのみ利用可能としなければならない。
[0052] 図8A及び図8Bは、患者に注入を行う場合に取り外してブランク挿入部に交換する必要なく使用できる本発明の挿入部の別の実施形態を示す。図示のように、挿入部32は、上部通路32puを備えた上部32a及び下部通路32plを備えた下部32bを有し、これらは中心シャフト32sを中心として相互に回転可能である。検討のため、通路32pu及び32plは挿入部32の中心軸32xから長手方向にずれており、シャフト32sは長手方向の中心軸32xに沿って延出していると仮定する。この実施形態では、下部32bのみがガイドスロットを有し、筐体4のフランジ6fは下部32bのガイドスロットの高さと一致する高さを有する。このため、筐体4の内部チャンバに対して密閉状態で充分に係合された後、上部32aは下部32bに対して回転可能となる。下部32bは、管腔の入口と密閉状態に位置合わせされた状態を保つ流体出口を含む。上部32aを回転させるには、上部と下部が相互に自由に回転するのを防ぐ摩擦及び密閉接触を克服する所定の力よりも大きいトルクを上部32aに対して加える。従って、注入中、上部及び下部の通路32pu及び32plは図8Aで示すように位置合わせされているので、挿入部32は挿入部8と同様に動作する。注入処置の終了時、又は注入の一時的な中断の間、上部32aは注入入口の一体部分によって保持され、例えば下部32bに対して反時計回りに90度回転させて、図8Bで示すように、紙面に向かう方向に流体入口を位置決めすることができる。この結果、上部通路32pu及び下部通路32plは相互に位置合わせされなくなる。これは、上部通路32puが図から隠れた図8Bに示されている。上部32aは、注入を再開する場合に回転させて図8Aに示すような位置に戻すことができる。
[0053] 本発明は、詳細において多くの変形、修正、及び変更が行われるので、本明細書に記載し添付図面に図示した全ての事柄は例示のみとして解釈され、限定的な意味で解釈されないことが意図される。例えば、上述したような機械的ロック機構の代わりに、他のロック機構は、例えば磁石を含み、ブランク挿入部に磁石を装着してこれを磁気的に取り外すことを可能とするか、又は電子機器を含み、ポートのロック機構を非活性化するため臨床医のみが利用できるスマートデバイスを使用することができる。また、挿入部は、ねじ留めによって筐体内に嵌め込むことも可能である。この場合、挿入部の外壁及び筐体のチャンバの内壁に対応するねじ山が形成される。従って、本発明は添付の特許請求の範囲の精神及び範囲によってのみ限定されることが意図される。

Claims (20)

  1. 底部、非終端壁、及び上部によって規定された内部を有する筐体であって、前記上部は前記筐体の前記内部へ開いている開口を有する、筐体と、
    前記非終端壁を貫通する選択された位置にある少なくとも1つのアパーチャと、
    上面及び断面寸法を有する挿入部であって、前記断面寸法は前記筐体の前記開口を介して前記筐体の前記内部に係合状態で嵌まることを可能とし、前記上面は前記筐体への挿入後に前記筐体の前記上部と実質的に平面の関係になる、挿入部と、
    を備え、前記筐体は、前記挿入部の前記上面を環境に露出した状態で身体内へ移植されるように適合されている、ポート。
  2. 前記挿入部は通路を有し、前記通路は、前記上面から、前記アパーチャと密閉状態で位置合わせされた前記挿入部の側壁における出口まで延出して、前記挿入部が前記筐体に嵌められた場合に前記挿入部の前記上面と前記アパーチャとの間の流体経路を確立する、請求項1に記載のポート。
  3. 前記アパーチャに対して着脱可能に取り付けられた近位端と、前記筐体から離れる方に延出して前記身体内の位置に選択的に位置決めされて前記位置に流体を出力するよう適合された遠位端と、を有する管腔を更に備える、請求項2に記載のポート。
  4. 前記筐体から離れる方に前記アパーチャから延出するチューブを更に備え、前記チューブは前記チューブ内を通って摺動自在に延出するカテーテルを着脱可能に受容するよう適合され、前記カテーテルは前記身体内の位置に選択的に位置決め可能な遠位端を有し、前記カテーテルは一度使用されたら前記チューブから取り外し可能であり別のカテーテルに交換される、請求項2に記載のポート。
  5. 前記挿入部の前記上面における前記通路は、流体貯蔵部の出口を受容するため前記通路に流体的に接続された入口を有し、これによって、前記流体貯蔵部からの流体を前記挿入部内の前記通路に通し、前記挿入部の前記出口と位置合わせされた前記アパーチャに取り付けられた近位端及び前記選択された位置に位置決めされた遠位端を有する管腔を介して、前記身体内の選択された位置へ注入することができる、請求項2に記載のポート。
  6. 前記非終端壁は外面を有し、前記ポートは更に、少なくとも前記非終端壁の前記外面を取り囲んで前記非終端壁の周りで組織成長を可能とする組織内部成長媒質を含み、これにより、前記非終端壁と前記非終端壁を取り囲む前記身体の組織とが接触する場所で無菌性バリアが形成される、請求項1に記載のポート。
  7. 前記挿入部は、前記ポートが注入に使用されない場合は前記筐体の前記内部を密閉するブランクプラグであり、前記ポートが注入に使用される場合は注入プラグであり、前記注入プラグは、上面における少なくとも1つの入口と、前記1つの入口から前記1つのアパーチャと位置合わせされた少なくとも1つの出口まで延出して前記1つの入口から前記1つのアパーチャまでの少なくとも1つの流体経路を確立する少なくとも1つの通路と、前記1つのアパーチャから延出して前記身体内の選択された位置に位置決め可能であり、前記1つの入口に対する流体入力を前記選択された位置へ誘導する管腔と、を有する、請求項1に記載のポート。
  8. 前記筐体に嵌められた前記挿入部は、固定された下部及び前記下部に対して回転可能な上部と、前記上面における流体入口から前記上部及び下部を介して前記1つのアパーチャまで延出する貫通通路と、を有し、前記通路は、前記上部及び下部が相互に位置合わせされている場合に前記流体入口から前記1つのアパーチャまでの流体経路を形成し、前記流体経路は、前記上部を前記下部に対して位置合わせされない位置に回転させて前記上部及び前記下部が相互に位置合わせされていない場合に中断される、請求項1に記載のポート。
  9. 前記挿入部及び前記筐体が改ざんされること、又は前記挿入部が充分に前記筐体に嵌められた後に前記挿入部及び前記筐体が不注意によって分離することを防止する、前記挿入部及び前記筐体における各ロック部を更に備える、請求項1に記載のポート。
  10. 一部を視覚的に見えたままとしながら身体内に移植されるよう適合されたポートであって、
    底部、外面を有する非終端壁、及び上部によって規定された内部を有する筐体であって、前記上部は前記筐体の前記内部へ開いている開口を有する、筐体と、
    前記非終端壁における少なくとも1つのアパーチャから、前記筐体から離れる方に延出する少なくとも1つの管腔と、
    上面及び断面寸法を有する挿入部であって、前記断面寸法は前記筐体の前記開口を介して前記筐体の前記内部に係合状態で嵌まることを可能とする、挿入部と、
    を備え、前記ポートの前記筐体は、前記挿入部の前記上面が視覚的に見えるように身体の外部又は皮膚の高さに留まっている深さまで前記身体内へ移植可能である、ポート。
  11. 少なくとも前記非終端壁の前記外面を取り囲んで、前記移植された筐体の前記非終端壁と前記身体の組織とが接触する場所で無菌性バリアを形成する組織内部成長媒質を更に備える、請求項10に記載のポート。
  12. 前記挿入部は通路を有し、前記通路は、前記上面における入口から、前記1つのアパーチャと位置合わせされた前記挿入部の側壁における出口まで延出して、前記挿入部が前記筐体に嵌められた場合に前記入口と前記1つのアパーチャから延出する前記1つの管腔との間の少なくとも1つの流体経路を確立する、請求項10に記載のポート。
  13. 前記挿入部は、前記上面における2つの流体入口から前記挿入部における2つの出口まで延出する少なくとも2つの通路を有し、前記2つの出口は、前記筐体における2つの対応するアパーチャと位置合わせされて、前記挿入部が前記筐体に嵌められた場合に前記2つの流体入口と2つの対応する管腔との間の少なくとも2つの流体経路を確立し、前記2つの対応する管腔の各々は前記アパーチャの対応する1つから延出している、請求項10に記載のポート。
  14. 前記管腔は、前記1つのアパーチャに対して着脱可能に固定された近位端と、前記身体内の位置に選択的に位置決めされるように前記筐体から離れる方に延出する遠位端と、を有する管腔を備える、請求項10に記載のポート。
  15. 前記管腔は、前記1つのアパーチャに固定されたチューブに沿って摺動自在に嵌められたカテーテルを含み、前記カテーテルは前記身体内の位置に選択的に位置決め可能な遠位端を有し、前記カテーテルは一度使用されたら前記チューブから取り外し可能であり別のカテーテルに交換される、請求項10に記載のポート。
  16. 前記1つの管腔の前記近位端は、前記1つのアパーチャに対して着脱可能に固定され、前記非終端壁の内面のスロットに着脱可能に係合されたフランジを含み、前記フランジは、前記筐体の前記内部に前記挿入部を嵌めるためのガイドとして作用すると共に、前記筐体に対する前記挿入部の相対移動を防止することで、前記挿入部が前記筐体に嵌められた後に前記挿入部の前記出口及び前記管腔の前記近位端を位置合わせした状態が保たれる、請求項12に記載のポート。
  17. 前記挿入部は、前記ポートが注入に使用されない場合は前記筐体の前記内部を密閉するブランクプラグであり、前記ポートが注入に使用される場合は注入プラグであり、前記注入プラグは上面における入口及び通路を有し、前記通路は、前記入口から前記1つのアパーチャと密閉状態で位置合わせされた出口まで延出して、前記入口から、前記アパーチャから延出する前記1つの管腔までの流体経路を確立する、請求項10に記載のポート。
  18. 移植後に視覚的に見ることができ、環境からアクセス可能であるポートであって、
    底部、外面を有する非終端壁、及び上部によって規定された内部を有する筐体であって、前記上部は前記筐体の前記内部へ開いている開口を有する、筐体と、
    前記非終端壁における少なくとも1つのアパーチャから延出する少なくとも1つの管腔と、
    前記非終端壁の前記外面を取り囲む組織内部成長媒質と、
    上面と、前記筐体の前記開口を介して前記筐体の前記内部に係合状態で嵌まる断面寸法と、を有する挿入部と、
    を備え、前記ポートの前記筐体は、前記挿入部の前記上面が前記環境からアクセス可能な状態を維持する深さまで前記身体内へ移植可能であり、
    前記身体内へ移植された後、前記組織内部成長媒質は、前記非終端壁と前記壁を取り囲む前記身体の組織との間で無菌性バリアを形成する、ポート。
  19. 前記挿入部は、前記ポートが注入に使用されない場合は前記筐体の前記内部を密閉するブランクプラグであり、前記ポートが注入に使用される場合は注入プラグであり、前記注入プラグは上面における少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの通路を有し、前記少なくとも1つの通路は、前記1つの入口から前記1つのアパーチャと密閉状態で位置合わせされた少なくとも1つの出口まで延出して、前記1つの入口から、前記1つのアパーチャから延出する前記1つの管腔までの少なくとも1つの流体経路を確立する、請求項18に記載のポート。
  20. 前記挿入部は、前記上面における第1の入口から前記1つのアパーチャと位置合わせされた前記挿入部における第1の出口を介して前記1つの管腔まで延出する第1の通路と、前記上面における第2の入口から前記非終端壁における他のアパーチャと位置合わせされた前記挿入部における第2の出口を介して前記他のアパーチャから延出する他の管腔まで延出する第2の通路と、を有し、これにより、前記挿入部が前記筐体に嵌められた場合に2つの通路が提供される、請求項18に記載のポート。
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