JP2023533030A - 小児患者において発作性夜間血色素尿症(pnh)を治療するための抗c5抗体の投薬量及び投与 - Google Patents

小児患者において発作性夜間血色素尿症(pnh)を治療するための抗c5抗体の投薬量及び投与 Download PDF

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Abstract

抗C5抗体又はその抗原結合性断片を用いた、小児患者における発作性夜間血色素尿症(PNH)の臨床的治療のための方法が提供される。ヒト小児患における発作性夜間血色素尿症(PNH)を治療するための組成物及び方法であって、抗C5抗体又はその抗原結合性断片を患者に投与することを含み、その抗C5抗体又はその抗原結合性断片が、特定の臨床投与計画に従って、投与される(又は投与用である)(例えば、特定の投与量にて、及び具体的な投与計画に従って)、組成物及び方法が本明細書において提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年7月9日出願の米国特許仮出願第63/049,768号の利益を主張する。
発作性夜間血色素尿症(PNH)は、補体媒介溶血、血栓症及び骨髄機能不全を特徴とする、進行性、消耗性及び生命を脅かす疾患である。PNHは、集団100万人に当たり1.3人の世界的推定発生率を有する。PNHの発症は通常、成人期であり、小児症例は、報告症例の5%未満である。非常に小さな標的集団を仮定すると、PNHを有する小児の研究は、症例レポート、症例シリーズ、及び小さな臨床試験に限定されている。
成人において、PNHの臨床症状としては、血色素尿症、慢性腎不全、勃起機能不全、血栓症、腹部痛、呼吸困難及び嚥下障害が挙げられる。対照的に、PNHを有する小児は通常、蒼白、疲労又は黄疸などの根底にある疾患に関連する非特異的症状を呈し、血色素尿症はあまり現れない。小児患者における臨床評価によって、骨髄機能不全症候群、例えば再生不良性貧血及び難治性血球減少なども明らかにされる。骨髄障害が小児において回復されるか、又はPNHクローンが拡大すると(その原因はまだ不明である)、疾患は最終的に、成人において表出が通常みられる1種類以上に進化する。
したがって、小児患者は、成人PNH患者でみられるように、溶血と関連するかなりの病的状態を患うと予想することができる。したがって、本発明の開示の目的は、PNHを有する患者を治療するための改善された方法を提供することである。
ヒト小児患における発作性夜間血色素尿症(PNH)を治療するための組成物及び方法であって、抗C5抗体又はその抗原結合性断片を患者に投与することを含み、その抗C5抗体又はその抗原結合性断片が、特定の臨床投与計画に従って、投与される(又は投与用である)(例えば、特定の投与量にて、及び具体的な投与計画に従って)、組成物及び方法が本明細書において提供される。
例示的な抗C5抗体は、配列番号14及び11にそれぞれ示す配列を有する重鎖及び軽鎖、又はその抗原結合性断片及びバリアントを含むラブリズマブ(ravulizumab)(ULTOMIRIS(登録商標))である。他の実施形態において、その抗体は、ラブリズマブの重鎖及び軽鎖相補性決定領域(CDR)又は可変領域(VR)を含む。したがって、一実施形態において、抗体は、配列番号12に示す配列を有するラブリズマブの重鎖可変(VH)領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、並びに配列番号8に示す配列を有するラブリズマブの軽鎖可変(VL)領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態において、抗体は、それぞれ、配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ、配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号12及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するVH及びVL領域をそれぞれ含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号13に記載の重鎖定常領域を含む。
別の実施形態において、抗体は、ヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合するバリアントヒトFc定常領域を含み、そのバリアントヒトFc CH3定常領域は、EU番号付け規則にそれぞれが準拠する、天然ヒトIgG Fc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基にてMet429Leu及びAsn435Ser置換を含む。
別の実施形態において、抗体は、それぞれ、配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ、配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列、並びにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合するバリアントヒトFc定常領域を含み、そのバリアントヒトFc CH3定常領域は、EU番号付け規則にそれぞれが準拠する、天然ヒトIgG Fc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基にてMet429Leu及びAsn435Ser置換を含む。
別の実施形態において、抗C5抗体は、BNJ421抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む(国際公開第2015134894号パンフレット及び米国特許第9,079,949号明細書に記載される)。別の実施形態において、抗C5抗体は、7086抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む(米国特許第8,241,628号明細書及び米国特許第8,883,158号明細書参照)。別の実施形態において、抗C5抗体は、8110抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む(米国特許第8,241,628号明細書及び米国特許第8,883,158号明細書参照)。別の実施形態において、抗C5抗体は、305LO5抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む(米国特許第9,765,135号明細書参照)。別の実施形態において、抗C5抗体は、SKY59抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。別の実施形態において、抗C5抗体は、REGN3918抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。
別の実施形態において、抗体は、上記の抗体のいずれかとして、C5上の同じエピトープとの結合に対して競合し、及び/又はC5上の同じエピトープに結合する。別の実施形態において、抗体は、上記の抗体のいずれかと少なくとも約90%の可変領域アミノ酸配列同一性(例えば、配列番号12又は配列番号8と少なくとも約90%、95%又は99%の可変領域同一性)を有する。
別の実施形態において、抗体は、範囲0.1nM≦K≦1nMの親和性解離定数(K)で、pH7.4及び25℃にてヒトC5に結合する。別の実施形態において、抗体は、K≧10nMで、pH6.0及び25℃にてヒトC5に結合する。さらに別の実施形態において、抗体の[(pH6.0及び25℃でのヒトC5に対する抗体又はその抗原結合性断片のK)/(pH7.4及び25℃でのヒトC5に対する抗体又はその抗原結合性断片のK)]は25を超える。
一実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量は、患者の体重に基づく。一実施形態において、例えば、抗C5抗体又はその抗原結合性断片300mgが、体重5kg以上10kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、例えば、抗C5抗体又はその抗原結合性断片600mgが、体重10kg以上20kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片900mg又は2100mgが、体重20kg以上30kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片1200mg又は2700mgが、体重30kg以上40kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、C5抗体又はその抗原結合性断片2400mg又は3000mgが、体重40kg以上60kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、C5抗体又はその抗原結合性断片2700mg又は3300mgが、体重60kg以上100kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、C5抗体又はその抗原結合性断片3000mg又は3600mgが、体重100kg以上の患者に投与される。特定の実施形態において、投与計画は、目的の最適な応答(例えば、有効な応答)を提供するように調節される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、1つ又は複数の投与サイクルで投与される。一実施形態において、治療は(例えば、投与サイクル)は26週である。一実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(例えば、投与サイクルの)1日目に1回投与され、(例えば、投与サイクルの)15日目に1回投与され、その後4週毎に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(例えば、投与サイクルの)1日目に1回投与され、(例えば、投与サイクルの)15日目に1回投与され、その後8週毎に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(例えば、投与サイクルの)治療後の4週又は8週毎に2年までの延長期間に投与される(例えば、用量300mg、600mg、900mg、1200mg、2100mg、2400mg、2700mg、3000mg、3300mg又は3600mgで)。
別の実施形態において、PNHを有するヒト患者を治療する方法が提供され、その方法は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与すること(例えば、投与サイクル中に)を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は:(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、若しくは体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;又は15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される。
別の実施形態において、PNHを有するヒト患者を治療する方法が提供され、その方法は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与すること(例えば、投与サイクル中に)を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は:(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、又は体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;或いは15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与され、治療の結果、正常レベル内に、又はULNレベル(例えば、105~333IU/L(国際単位/リットル)と考えられる値を50%下回るレベル内に、LDHレベルが低減され、少なくとも175μg/mL以上の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度、及び/又は0.5μg/mL以下の遊離C5濃度(例えば、0.4μg/mL、0.3μg/mL、0.2μg/mL、又は0.1μg/mL以下)となる。
別の実施形態において、治療の結果、(a)ベースラインからの乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)%変化(LDH-PCHG);(b)輸血回避(TA);(c)小児FACIT疲労(FACIT);(d)ヘモグロビン安定化(HGB-S);(e)ベースラインからの遊離ヘモグロビン%変化(遊離HGB-PCHG);及び(f)ブレイクスルー溶血(BTH)又はその組み合わせから選択される少なくとも1つの臨床パラメーターが低減され、好ましくは、その治療によって、ブレイクスルー溶血(BTH)が低減される。
別の実施形態において、その治療はブレイクスルー溶血(BTH)を排除する。別の実施形態において、PNHを有するヒト患者を治療する方法が提供され、その方法は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、それぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列、並びにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合するバリアントヒトFc定常領域を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与すること(例えば、投与サイクル中に)を含み、そのバリアントヒトFc CH3定常領域は、EU番号付け規則にそれぞれが準拠する、天然ヒトIgG Fc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基にてMet429Leu及びAsn435Ser置換を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、若しくは体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;又は15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重5kg以上10kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量600mgで;及び(b)15日目及びその後4週毎に用量300mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重10kg以上20kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量600mgで;及び(b)15日目及びその後4週毎に用量600mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重20kg以上30kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量900mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量2100mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重30kg以上40kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量1200mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量2700mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重40kg以上60kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量2400mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3000mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重60kg以上100kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量2700mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3300mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重100kg以上の患者に:(a)1日目に1回、用量3000mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3600mgで投与される。
一実施形態において、患者は以前に、エクリズマブで治療されていない。別の実施形態において、患者は以前に、エクリズマブで治療されている。別の実施形態において、患者は以前に、エクリズマブで治療されており、及び1日目(例えば、投与サイクルの)は、患者のエクリズマブの最後の投与から2週間又はそれ以上である。
別の態様において、記載の治療投与計画は、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の特定の血清トラフ濃度を維持するのに十分である。一実施形態において、例えば、治療投与計画は、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200、205、210、215、220、225、230、240、245、250、255、260、265、270、280、290、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395又は400μg/mL又はそれ以上の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。一実施形態において、治療投与計画は、100μg/mL以上、150μg/mL以上、200μg/mL以上、250μg/mL以上、又は300μg/mL以上の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態において、治療は、100~200μg/mLの抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態において、治療は、約175μg/mLの抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。
別の実施形態において、有効な応答を得るために、患者の血液1ミリリットル当たりに、少なくとも50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg又は260μgの抗体を維持する量及び頻度で、患者に抗C5抗体が投与される。別の実施形態において、患者の血液1ミリリットル当たりに、50~250μgの抗体を維持する量及び頻度で、患者に抗C5抗体が投与される。別の実施形態において、患者の血液1ミリリットル当たりに、100~200μgの抗体を維持する量及び頻度で、患者に抗C5抗体が投与される。別の実施形態において、患者の血液1ミリリットル当たりに、約175μgの抗体を維持する量及び頻度で、患者に抗C5抗体が投与される。
別の実施形態において、有効な応答を得るために、遊離C5最低濃度を維持する量及び頻度で、患者に抗C5抗体が投与される。一実施形態において、例えば、抗C5抗体が、0.5μg/mL以下の遊離C5濃度(例えば、0.4μg/mL、0.3μg/mL、0.2μg/mL、又は0.1μg/mL以下)を維持する量及び頻度で、患者に抗C5抗体が投与される。
抗C5抗体、又はその抗原結合性断片は、いずれかの適切な手段によって患者に投与され得る。一実施形態において、抗体は、静脈内投与用に製剤化される。
いずれかの適切な手段を用いて、本明細書で提供される治療法の有効性を評価することができる。一実施形態において、小児PNH患者については、治療によって、ベースラインと比べて、疲労、腹部痛、呼吸困難、嚥下障害及び胸痛の低減又は休止からなる群から選択される少なくとも1つの治療効果が生まれる。別の実施形態において、治療の結果、終末補体阻害が生じる。別の実施形態において、治療の結果、ベースラインと比べて、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルによって評価される溶血の低減が生じる。別の実施形態において、治療によって、例えば遊離ヘモグロビン、ハプトグロビン、網状赤血球カウント、PNH赤血球(RBC)クローン及びDダイマーからなる群から選択される少なくとも1つの溶血関連血液学的バイオマーカーの正常レベルへのシフトが生まれる。別の実施形態において、治療によって、ベースラインと比べて輸血の必要性が低減される。別の実施形態において、治療によって、主要な血管系有害事象(MAVE)が低減される。別の実施形態において、治療によって、推定糸球体濾過量(eGFR)及びスポット尿:アルブミン:クレアチニン及び血漿中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)からなる群から選択される慢性疾患関連バイオマーカーの正常レベルへとシフトする。別の実施形態において、治療によって、ベースラインと比べて、慢性疾患治療(FACIT)疲労スケールの機能評価バージョン4及び欧州癌研究機関(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)、生活の質の質問票コア30スケールによって評価される、生活の質のベースラインからの変化が生まれる。
特定の実施形態において、LDHレベルを用いて、療法に対する奏効性が評価される(例えば、LDHレベルによって評価される溶血の低減は、PNHの少なくとも1つの徴候の改善を示す)。一実施形態において、開示の方法に従って治療される患者は、正常レベル(例えば、105~333IU/L(国際単位/L)以内)付近に、又は正常レベルとみなされるレベルを10%以内で超える、又は20%以内で超えるレベルに、LDHレベルの低減を経験する。別の実施形態において、患者のLDHレベルは、治療の維持期間全体を通して正常化される。別の実施形態において、治療された患者のLDHレベルは、治療の維持期間中に、その時間の少なくとも95%正常化される。別の実施形態において、治療された患者のLDHレベルは、治療の維持期間中に、その時間の少なくとも90%、85%又は80%正常化される。一実施形態において、患者のLDHレベルは、治療を開始する前、正常上限の1.5倍以上である(LDH≧1.5×ULN)。
一実施形態において、開示の方法に従って治療された患者では、正常レベル内に、又はULNレベル(例えば、105~333IU/L(国際単位/リットル)内)と考えられる値を10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%下回る、又は50%下回るレベル内に、LDHレベルが低減される。一実施形態において、患者のLDHレベルは、治療を開始する前に、ULNの1.5倍以上である(LDH≧1.5×ULN)。
一実施形態において、開示の方法に従って治療された患者は、ベースラインと比較して、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%のLDH%の変化を経験する。
一実施形態において、開示の方法に従って治療された患者は、少なくとも150、155、160、165、170、175、180、185、190、200、205、210、215、220、225、230、240、245、250、255、260、265、270、280、290、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395又は400μg/mL以上の、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。一実施形態において、開示の方法に従って治療された患者は、少なくとも175μg/mL以上の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。
一実施形態において、開示の方法に従って治療された患者は、0.5μg/mL以下(例えば、0.4μg/mL、0.3μg/mL、0.2μg/mL、又は0.1μg/mL以下)の遊離C5濃度を有する。
一実施形態において、開示の方法に従って治療された患者は、ブレイクスルー溶血(BTH)を経験しない。
別の態様において、配列番号12に記載の配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、配列番号8に記載の配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む抗C5抗体又はその抗原結合性断片であって、(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、又は体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;或いは15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される、抗C5抗体又はその抗原結合性断片が提供される。
一実施形態において、抗体は、PNH小児患者での使用に関して、複数回のIV投与後に、安全、忍容性、及び十分に非免疫原性であると決定される。
本明細書に記載の方法での使用に適応される治療有効量で、ラブリズマブなどの抗C5抗体又はその抗原結合性断片と、薬剤として許容される担体と、を含有する医薬組成物を含むキットがさらに提供される。一実施形態において、そのキットは:(a)配列番号12に記載の配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、配列番号8に記載の配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量;(b)本明細書に記載の方法において抗C5抗体又はその抗原結合性断片を使用するための説明書;を備える。
一実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片300mg又は600mgは、体重5kg以上10kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片600mgは、体重10kg以上20kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片900mg又は2100mgは、体重20kg以上30kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片1200mg又は2700mgは、体重30kg以上40kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片2400mg又は3000mgは、体重40kg以上60kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片2700mg又は3300mgは、体重60kg以上100kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片3000mg又は3600mgは、体重100kg以上の患者に投与される。
全体的試験デザインを示す図である。 試験の全体的な患者素因を示す図である。患者13名が登録され、12名が暫定的分析に含まれた。どの患者も主要評価期間に中断しなかった。 ベースライン患者のデモグラフィックス(demographics)示す。 ベースラインの疾患の特徴を示す。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過によるラブリズマブ血清濃度を示す。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による平均(SD)ラブリズマブ血清濃度(線形スケール)を示すグラフである。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による遊離C5及びCRBCの結果を示す。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による平均(95%CI)cRBCを示すグラフである。20%溶血の破線は、完全終末補体阻害の別々の(定性的)閾値を表す。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による平均(95%CI)遊離C5を示すグラフである。0.5μg/mLの血清遊離C5値の破線は、完全終末補体阻害の閾値を表す。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による小児FACIT疲労スコアのベースラインからの平均(95%CI)変化を示すグラフである。FACIT疲労スコア3の破線は、臨床上意味のある結果の閾値レベルを表す。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による平均(95%CI)小児FACIT疲労スコアを示すグラフである。 以下のエンドポイント:ベースラインからのDH%変化(LDH-PCHG)、輸血回避(TA)、小児FACIT疲労(FACIT);ヘモグロビン安定化(HGB-S)、ベースラインからの遊離ヘモグロビン%変化(Free HGB-PCHG)、及びブレイクスルー溶血(BTH)を含む、全体的な有効性の結果をまとめる。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過によるLDHの平均(95%CI)変化を示すグラフである。 治療未経験の患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に関する、時間の経過による平均(95%CI)LDH(U/L)を示すグラフである。 重要な安全項目(key safety point)の概要を提供する。 治療下で発現した重篤な有害事象(TESAES)の概要を提供する。
I.定義
本明細書で使用される、「対象」又は「患者」という用語はヒト患者(例えば、発作性夜間血色素尿症(PNH)を有する患者)である。
本明細書で使用される、「小児」患者は、18歳未満(年齢18歳>)のヒト患者である。
PNHは、成人で最も多く起こる後天性溶血性疾患である(Brodsky,R.,Blood,126:2459-65,2015)。その疾患は、PIGA遺伝子における体細胞変異を獲得した造血幹細胞のクローン増殖で始まる(Brodsky,R.,Blood,124:2804-11,2014)。結果的に、PNH血球は、リコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカータンパク質を欠き、膜結合型補体抑制性タンパク質CD55及びCD59が欠損している。CD55の非存在下では、血液細胞膜表面への補体タンパク質C3分解産物の沈着の増加があり、その結果、C5がC5a及びC5bへと切断される。PNHを有する患者における病態及び臨床症状は、未制御の終末補体活性化によって引き起こされる。
C5aは、複数の炎症誘発及び炎症促進活性を仲介する、強力なアナフィラトキシン、走化性因子、及び細胞活性化分子である(Matis,L&Rollins,S.,Nat.Med.,1:839-42,1995;Prodinger et al.,Complement.In:Paul WE,editor.Fundamental immunology(4th ed).Philadelphia:Lippincott Raven Publishers;1999.p.967-95)。C5bは、終末補体成分C6、C7、C8及びC9をリクルートし、炎症誘発性、炎症促進性細胞溶解性ポア分子C5b-9が形成され、正常な条件下にて、CD59によって赤血球(RBC)膜上でブロックされるであろうプロセスである。しかしながら、PNHを有する患者において、これらの最終工程はノーチェックで進み、結果的に、遊離ヘモグロビンの溶血及び放出、並びに血小板活性化が起こる(Hill,A.et al.,Blood,121:4985-96,2013)。PNHの徴候及び症状は、慢性、未制御の補体C5切断、及びRBC溶血を引き起こすC5a及びC5b-9の放出が原因であり得て、それらを合わせて、
・溶血の直接的結果としての循環への細胞内遊離ヘモグロビン及び乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の放出;
・ヘモグロビンによる一酸化窒素(NO)への不可逆的結合及び一酸化窒素(NO)の不活性化、並びにNO合成の阻害;
・血管拡張性NOが存在しないことによる、血管収縮及び組織層虚血、並びに腹部痛、嚥下障害及び勃起機能不全として顕在化する可能性のある微小血栓;
・血小板活性化;及び
・炎症誘発性及び血栓形成促進性状態;
が生じる結果となる。
PNHを有する患者のかなりの割合が、腎機能不全及び肺高血圧症を経験する(Hillmen,P.etal.,Am.J.Hematol.,85:553-9,2010[erratum in Am.J.Hematol.,85:911,2010];Hill,A.et al.,Br.J.Haematol.,158:409-14,2012)。患者は、腹部又は中枢神経系などの多様な部位において静脈又は動脈血栓症も経験する。
対照的に、PNHを有する小児は通常、蒼白、疲労又は黄疸など、根底にある骨髄疾患に関連する非特異的症状を呈し、血色素尿症はあまり現れない(Ware,R.et al.,N.Engl.J.Med.,325:991-6,1991)。小児患者における臨床評価によって、骨髄機能不全症候群、例えば再生不良性貧血及び難治性血球減少なども明らかにされる(van den Heuvel-Eibrink,M.,Paediatr.Drugs,9:11-6,2007)。骨髄障害が小児において回復されるか、又はPNHクローンが拡大すると(その原因はまだ不明である)、疾患は最終的に、成人において一般に表出が通常みられる1種類以上に進化する。
本明細書で使用される、「有効な治療」とは、有益な効果が得られる、例えば疾患又は障害の少なくとも1つの症状の回復が得られる治療を意味する。有益な効果は、ベースラインと比べての改善、例えばこの方法による療法の開始前に行われた測定又は観察と比べた改善の形態をとり得る。有効な治療は、PNHの少なくとも1つの症状(例えば、蒼白、疲労、黄疸、貧血、血球減少、腹部痛、呼吸困難、嚥下障害、胸痛又は勃起機能不全)の軽減を意味し得る。
「有効量」という用語は、目的の生物学的、治療的及び/又は予防的結果を付与する作用剤(agent)の量を意味する。その結果は、疾患の徴候、症状若しくは原因の1つ若しくは複数の低減、回復、寛解、緩和、遅延、及び/又は軽減、或いは生体システムのいずれかの所望の変化であり得る。一実施形態において、「有効量」は、PNHの少なくとも1つの症状(例えば、蒼白、疲労、黄疸、貧血、血球減少、腹部痛、呼吸困難、嚥下障害、又は胸痛)を軽減することが臨床的に証明された、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の量である。有効量は、1回又は複数回の投与で投与され得る。
本明細書で使用される、「負荷投与量」とは、投与される(例えば、投与サイクル中)初回用量を意味する。
本明細書で使用される、「維持」及び「維持相」は区別なく使用され、治療の第2相を意味する。特定の実施形態において、臨床的利益が確認される限り、又は管理不可能な毒性若しくは増悪が生じるまで、治療が続けられる。
本明細書で使用される、「血清トラフレベル」という用語は、作用剤(例えば、抗C5抗体又はその抗原結合性断片)又は薬剤が、血清中に存在する最も低いレベルを意味する。対照的に、「ピーク血清レベル」とは、血清中の作用剤の最も高いレベルを意味する。「平均血清レベル」とは、時間の経過による血清中の作用剤の平均レベルを意味する。
「抗体」という用語は、少なくとも1つの抗体誘導抗原結合部位(例えば、VH/VL領域又はFv、又はCDR)を含むポリペプチドを説明する。抗体は、抗体の既知の形態を含み、例えば抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体又はキメラ抗体であり得る。抗体は、Fab、Fab’2、ScFv、SMIP、アフィボディ(affibody)(登録商標)、ナノボディ又は単一ドメイン抗体でもあり得る。抗体は、以下のアイソタイプ:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、IgEのいずれか、又はその組みあわせであり得る。抗体は、天然抗体又はタンパク質操作技術(例えば、変異、欠失、置換、非抗体部位への抱合による)によって改変された抗体でもあり得る。抗体は、例えば抗体の特性(例えば、機能特性)を変化させる1つ又は複数のバリアントのアミノ酸(天然抗体と比べて)を含み得る。例えば、半減期、エフェクター機能及び/又は患者における抗体に対する免疫応答に影響する、多くのそのような改変は、当技術分野で公知である。抗体という用語は、少なくとも1つの抗体誘導抗原結合部位を含む、人工又は操作ポリペプチド構築物も含む。
II.抗C5抗体
本明細書に記載の抗C5抗体が補体成分C5(例えば、ヒトC5)に結合し、断片C5a及びC5bへのC5の切断を阻害する。上述のように、そのような抗体は、治療目的で使用される他の抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)に対して、例えば向上した薬物動態学的特性も有する。
本明細書に記載の方法での使用に適した抗C5抗体(又はそれから誘導されたVH/VLドメイン)は、当技術分野で公知の方法を用いて産生することができる。その代わりとして、当技術で認識されている抗C5抗体を使用することができる。これらの技術で認識される抗体又は本明細書に記載の抗体のいずれかと、C5への結合において競合する抗体も使用することができる。
例示的な抗C5抗体は、配列番号14及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖含むラブリズマブ、又はその抗原結合性断片及びバリアントである。ラブリズマブ(ULTOMIRIS(登録商標)、BNJ441及びALXN1210としても知られる)は、その教示全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015134894号パンフレット及び米国特許第9,079,949号明細書に記載されている。ラブリズマブ、BNJ441、及びALXN1210という用語は、この文書全体を通して区別なく使用され得るが、すべてが同じ抗体を意味する。ラブリズマブは、ヒト補体タンパク質C5に選択的に結合し、補体活性化中にC5a及びC5bへのその切断が阻害される。この阻害は、炎症誘発性メディエーターC5aの放出、及び細胞溶解性孔形成膜侵襲複合体(MAC)C5b-9の形成を防ぐと同時に、微生物のオプソニン作用及び免疫複合体のクリアランスに必須の補体活性化の近位又は初期成分(例えば、C3及びC3b)を保存する。
他の実施形態において、抗体は、ラブリズマブの重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。したがって、一実施形態において、抗体は、配列番号12に記載の配列を有するラブリズマブのVH領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、並びに配列番号8に記載の配列を有するラブリズマブのVL領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態において、抗体は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、それぞれ配列番号4、5及び6に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む。別の実施形態において、抗体は、それぞれ配列番号12及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するVH及びVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、それぞれ配列番号20及び11に示す配列を有する重鎖及び軽鎖を含む抗体BNJ421、又はその抗原結合性断片及びバリアントである。BNJ421(ALXN1211としても知られる)は、その教示全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015134894号パンフレット及び米国特許第9,079,949号明細書に記載されている。
他の実施形態において、抗体は、BNJ421の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。したがって、一実施形態において、抗体は、配列番号12に記載の配列を有するBNJ421のVH領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、配列番号8に記載の配列を有するBNJ421のVL領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む。別の実施形態において、抗体は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、それぞれ配列番号4、5及び6に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む。別の実施形態において、抗体は、それぞれ配列番号12及び配列番号8に記載のアミノ酸列を有するVH及びVL領域を含む。
CDRの正確な境界は、様々な方法に従って様々に定義される。一部の実施形態において、軽鎖又は重鎖可変ドメイン内のCDR又はフレームワーク領域の位置は、Kabatら[(1991)“Sequence of Proteins of Immunological Interest.”NIH Publication No.91 3242,U.S.Department of Health and Human Services,Bethesda,MD]によって定義される通りである。そのような場合には、CDRは、「Kabat CDR」(例えば、「Kabat LCDR2」又は「Kabat HCDR1」)とも呼ばれ得る。一部の実施形態において、軽鎖又は重鎖可変領域のCDRの位置は、Chothiaら(Nature,342:877-83,1989)によって定義される通りである。したがって、これらの領域は、「Chothia CDR」(例えば、「Chothia LCDR2」又は「Chothia HCDR3」)と呼ばれ得る。一部の実施形態において、軽鎖及び重鎖可変領域のCDRの位置は、KabatとChothiaを組み合わせた定義によって定義され得る。そのような実施形態において、これらの領域は、「組み合わせたKabat Chothia CDR」と呼ばれ得る。Thomas,C.ら(Mol.Immunol.,33:1389 401,1996)は、Kabat及びChothia番号付けスキームに従ったCDR境界の同定を例証している。
別の例示的な抗C5抗体は、米国特許第8,241,628号明細書及び米国特許第8,883,158号明細書に記載の7086抗体である。一実施形態において、その抗体は、7086抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む(米国特許第8,241,628及号明細書及び米国特許第8,883,158号明細書を参照)。別の実施形態において、抗体、又はその抗原結合性断片は、それぞれ配列番号21、22及び23に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、それぞれ配列番号24、25及び26に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む。別の実施形態において、抗体、又はその抗原結合性断片は、配列番号27に記載の配列を有する7086抗体のVH領域、及び配列番号28に記載の配列を有する7086抗体のVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、米国特許第8,241,628号明細書及び米国特許第8,883,158号明細書に記載の8110抗体である。一実施形態において、その抗体は、8110抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。別の実施形態において、抗体、又はその抗原結合性断片は、それぞれ配列番号29、30及び31に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、それぞれ配列番号32、33及び34に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む。別の実施形態において、その抗体は、配列番号35に記載の配列を有する8110抗体のVH領域、及び配列番号36に記載の配列を有する8110抗体のVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、米国特許第9,765,135号明細書に記載の305LO5抗体である。一実施形態において、抗体は、305LO5抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。別の実施形態において、抗体又はその抗原結合性断片は、それぞれ配列番号37、38及び39に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、それぞれ配列番号40、41及び42に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、を含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号43に記載の配列を有する305LO5抗体のVH領域と、配列番号44に記載の配列を有する305LO5抗体のVL領域とを含む。
別の例示的な抗C5抗体は、SKY59抗体(Fukuzawa,T.et al.,Sci.Rep.,7:1080,2017)である。一実施形態において、抗体は、SKY59抗体の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域を含む。別の実施形態において、抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号45を含む重鎖及び配列番号46を含む軽鎖を含む。
一部の実施形態において、抗C5抗体は、REGN3918抗体の重鎖及び軽鎖可変領域又は重鎖及び軽鎖を含む(米国特許第10,633,434号明細書参照)。一部の実施形態において、抗C5抗体、又はその抗原結合性断片は、配列番号47に記載の重鎖可変領域配列と、配列番号48に記載の配列を含む軽鎖可変領域とを含む。一部の実施形態において、抗C5抗体、又はその抗原結合性断片は、配列番号49に記載の重鎖配列と、配列番号50に記載の軽鎖配列とを含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:GHIFSNYWIQ(配列番号19)を含む、又はからなる重鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:EILPGSGHTEYTENFKD(配列番号18)を含む、又はからなる重鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:
を含む重鎖可変領域を含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:
を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書に記載の抗C5抗体は、一部の実施形態において、バリアントヒトFc定常領域がそれから誘導された、天然ヒトFc定常領域よりも高い親和性を有するヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合するバリアントヒトFc定常領域を含む。Fc定常領域は、例えば、バリアントヒトFc定常領域がそれから誘導された、天然ヒトFc定常領域に対して1つ又は複数の(例えば、2、3,4,5,6,7,又は8個以上の)アミノ酸置換を含む。その置換は、相互作用のpH依存性を維持すると同時に、pH6.0にて、バリアントFc定常領域を含有するIgG抗体の、FcRnに対する結合親和性を増加し得る。抗体のFc定常領域における1つ又は複数の置換が、(相互作用のpH依存性を維持すると同時に)、pH6.0にてFcRnに対するFc定常領域の親和性を増加するか否かの試験方法は当技術分野で公知であり、作業実施例に例証される。例えば、それぞれの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015134894号パンフレット及び米国特許第9,079,949号明細書を参照のこと。
FcRnに対する抗体Fc定常領域の結合親和性を高める置換は当技術分野で公知であり、例えば、(1)M252Y/S254T/T256Eの三重置換(Dall’Acqua,W.etal.,J.Biol.Chem.,281:23514-24,2006);(2)M428L又はT250Q/M428L置換(Hinton,P.et al.,J.Biol.Chem.,279:6213-6,2004;Hinton,P.et al.,J.Immunol.,176:346-56,2006);及び(3)N434A又はT307/E380A/N434A置換(Petkova,S.et al.,Int.Immunol.,18:1759-69,2006)が挙げられる。それぞれの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、更なる置換の組合せ:P257I/Q311I、P257I/N434H及びD376V/N434H(Datta Mannan,A.et al.,J.Biol.Chem.,282:1709-17,2007)が挙げられる。
一部の実施形態において、バリアント定常領域は、バリンに対するEUアミノ酸位置255での置換を有する。一部の実施形態において、バリアント定常領域は、アスパラギンに対するEUアミノ酸位置309での置換を有する。一部の実施形態において、バリアント定常領域は、イソロイシンに対するEUアミノ酸位置312での置換を有する。一部の実施形態において、バリアント定常領域は、EUアミノ酸位置386での置換を有する。
一部の実施形態において、バリアントFc定常領域は、それが誘導された天然定常領域に対して、30個以下(例えば、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3又は2個以下)のアミノ酸置換、挿入、又は欠失を含む。一部の実施形態において、バリアントFc定常領域は、M252Y、S254T、T256E、N434S、M428L、V259I、T250I及びV308Fからなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、バリアントヒトFc定常領域は、それぞれがEU番号付けでの天然ヒトIgG Fc定常領域の、位置428にてメチオニン、位置434にてアスパラギンを含む。一部の実施形態において、バリアントFc定常領域は、例えば、米国特許第8,088,376号明細書に記載の428L/434S二重置換を含む。
一部の実施形態において、これらの変異の正確な位置は、抗体操作のために天然ヒトFc定常領域位置からシフトし得る。例えば、IgG2/4キメラFcで使用される場合に、428L/434S二重置換は、ラブリズマブで見出されるM429L及びN435Sバリアントと同様に429L及び435Sに相当し得て、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,079,949号明細書に記載されている。
一部の実施形態において、バリアント定常領域は、天然ヒトFc定常領域に対してアミノ酸位置237、238、239、248、250、252、254、255、256、257、258、265、270、286、289、297、298、303、305、307、308、309、311、312、314、315、317、325、332、334、360、376、380、382、384、385、386、387、389、424、428、433、434又は436(EU番号付け)にて置換を含む。一部の実施形態において、その置換は、位置237でグリシンをメチオニンで置換;位置238でプロリンをアラニンで置換;位置239でセリンをリジンで置換;;位置248でリジンをイソロイシンで置換;位置250でトレオニンをアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、セリン、バリン、トリプトファン、又はチロシンで置換;位置252でメチオニンをフェニルアラニン、トリプトファン、又はチロシンで置換;位置254でセリンをトレオニンで置換;位置255でアルギニンをグルタミン酸で置換;位置256でトレオニンをアスパラギン酸、グルタミン酸、又はグルタミンで置換;位置257でプロリンをアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、又はバリンで置換;位置258でグルタミン酸をヒスチジンで置換;位置265でアスパラギン酸をアラニンで置換;位置270でアスパラギン酸をフェニルアラニンで置換;位置286でアスパラギンをアラニン、又はグルタミン酸で置換;位置289でトレオニンをヒスチジンで置換;位置297でアスパラギンをアラニンで置換;位置298でセリンをグリシンで置換;位置303でバリンをアラニンで置換;位置305でバリンをアラニンで置換;位置307でトレオニンをアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、バリン、トリプトファン、又はチロシンで置換;位置308でバリンをアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、グルタミン、又はトレオニンで置換;位置309でロイシン又はバリンをアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、又はアルギニンで置換;位置311でグルタミンをアラニン、ヒスチジン、又はイソロイシンで置換;位置312でアスパラギン酸をアラニン又はヒスチジンで置換;位置314でロイシンをリジン又はアルギニンで置換;位置315でアスパラギンをアラニン又はヒスチジンで置換;位置317でリジンをアラニンで置換;位置325でアスパラギンをグリシンで置換;位置332でイソロイシンをバリンで置換;位置334でリジンをロイシンで置換;位置360でリジンをヒスチジンで置換;位置376でアスパラギン酸をアラニンで置換;位置380でグルタミン酸をアラニンで置換;位置382でグルタミン酸をアラニンで置換;位置384でアスパラギン又はセリンをアラニンで置換;位置385にてグリシンをアスパラギン酸又はヒスチジンで置換;位置386にてグルタミンをプロリンで置換;位置387にてプロリンをグルタミン酸で置換;位置389にてアスパラギンをアラニン又はセリンで置換;位置424でセリンをアラニンで置換;位置428でメチオニンをアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、又はチロシンで置換;位置433でヒスチジンをリジンで置換;位置434でアスパラギンをアラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、セリン、トリプトファン、又はチロシンで置換;及び位置436でチロシン又はフェニルアラニンをヒスチジンで置換(すべてEU番号付け)からなる群から選択される。
本明細書に記載の方法での使用に適した抗C5抗体は、一部の実施形態において、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド及び/又は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む。その代わりとして、本明細書に記載の方法で使用される抗C5抗体は、一部の実施形態において、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド及び/又は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む。
一実施形態において、抗体は、C5にpH7.4及び25℃(及び、そうでなければ生理学的条件下)にて結合し、親和性解離定数(K)は、少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.15、0.175、0.2、0.25、0.275、0.3、0.325、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.525、0.55、0.575、0.6、0.625、0.65、0.675、0.7、0.725、0.75、0.775、0.8、0.825、0.85、0.875、0.9、0.925、0.95、又は0.975)nMである。一部の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片のKは、1以下(例えば、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、又は0.2以下)nMである。
他の実施形態において、[(pH6.0、25℃でのC5対する抗体のK)/(pH7.4、25℃でのC5に対する抗体のK)]は21を超える(例えば、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500又は8000を超える)。
抗体がタンパク質抗原に結合するか否かを決定する方法、及び/又はタンパク質抗原に対する抗体の親和性は当技術分野で公知である。タンパク質抗原への抗体の結合は、例えば、限定されないがウェスタンブロット、ドットブロット法、表面プラズモン共鳴(SPR)検出(例えば、BIAcore system;Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)、又は酵素免疫測定法(ELISA;Benny K.C.Lo(2004)“Antibody Engineering:Methods and Protocols,”Humana Press(ISBN:1588290921);Johne、B.et al.,J.Immunol.Meth.,160:191-8,1993;Jonsson,U.et al.,Ann.Biol.Clin.,51:19-26,1993;Jonsson,U.et al.,Biotechniques,11:620-7,1991)などの様々な技術を用いて、検出及び/又は定量化され得る。さらに、親和性(例えば、解離及び会合定数)を測定する方法が、作業実施例に記載されている。
本明細書で使用される、「k」という用語は、抗原に対する抗体の会合の速度定数を意味する。「k」という用語は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離の速度定数を意味する。そして、「K」という用語は、抗体抗原相互作用の平衡解離定数を意味する。平衡解離定数は、動態学的速度定数の比、K=k/kから推定される。そのような決定は、例えば25℃又は37℃で測定され得る(作業実施例を参照)。ヒトC5への抗体結合のキネティクスは、例えば、pH8.0、7.4、7.0、6.5及び6.0にて、BIAcore3000装置のSPRを介して、抗体を固定化する抗Fc捕捉法を用いて決定され得る。
一実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、C5a及びC5bへのC5の切断をブロックする。このブロッキング作用を通じて、例えば、C5aの炎症誘発作用及び細胞表面でのC5b-9膜侵襲複合体(MAC)の産生が阻害される。
本明細書に記載の特定の抗体がC5切断を阻害するか否かを決定する方法は当技術分野で公知である。ヒト補体成分C5の阻害は、対象の体液において補体の細胞溶解能力を低減し得る。体液中に存在する補体の細胞溶解能力のそのような低減は、当技術分野で公知の方法、例えば、溶血アッセイ(Kabat and Mayer(eds.),Experimental Immunochemistry,2nd Edition,135-240,Springfield,IL,CC Thomas(1961),pages135-139)などの従来の溶血アッセイによって、又はニワトリ赤血球溶血法(Hillmen,P.et al.,N.Engl.J.Med.,350:552-9,2004)などのアッセイの従来の変形形態によって測定され得る。候補化合物が、C5a及びC5b形態へのヒトC5の切断を阻害するか否かを決定する方法は当技術分野で公知である(Evans,M.et al.,Mol.Immunol.,32:1183-95,1995)。体液中のC5a及びC5bの濃度及び/又は生理学的活性は、例えば当技術分野で公知の方法によって測定され得る。C5bに関しては、本明細書に記述される、溶血アッセイ又は可溶性C5b-9のアッセイを使用することができる。当技術分野で公知の他のアッセイも用いることができる。これらの、又は他の適切なタイプのアッセイを用いて、ヒト補体成分C5を阻害することができる候補作用剤がスクリーニングされ得る。
限定されないが、ELISAなどの免疫学的技術を用いて、C5及び/又はその分割産物(split product)のタンパク質濃度を測定し、生物活性産物へのC5の転換を阻害する、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の能力を決定することができる。一部の実施形態において、C5a産生が測定される。一部の実施形態において、C5b-9ネオエピトープ特異的抗体を使用して、MAC形成が検出される。
溶血アッセイを用いて、補体活性化に対する、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の阻害活性を決定することができる。生体外(in vitro)の血清試験溶液中の古典的補体経路仲介溶血に対する抗C5抗体又はその抗原結合性断片の作用を決定するために、例えば、溶血素で被覆されたヒツジ赤血球又は抗ニワトリ赤血球抗体で感作されたニワトリ赤血球が標的細胞として使用される。溶解のパーセンテージは、阻害剤の非存在下で起こる溶解と等しい溶解100%とみなすことによって基準化される。一部の実施形態において、古典的補体経路は、例えば、Wieslab(登録商標)Classical Pathway Complement Kit(Wieslab登録商標)COMPL CP310,Euro Diagnostica,スウェーデン(Sweden))で用いられる、ヒトIgM抗体によって活性化される。簡潔には、ヒトIgM抗体の存在下にて、試験血清を抗C5抗体又はその抗原結合性断片と共にインキュベートする。産生されるC5b-9の量は、酵素抱合型抗C5b-9抗体及び蛍光発生的基質と混合物を接触させ、適切な波長で吸光度を測定することによって測定される。コントロールとして、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の非存在下にて、試験血清をインキュベートする。一部の実施形態において、試験血清は、C5ポリペプチドで再構成されたC5欠損血清である。
別の経路仲介溶血に対する、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の作用を決定するために、未感作のウサギ又はモルモットの赤血球を標的細胞として使用することができる。一部の実施形態において、血清試験溶液は、C5ポリペプチドで再構成されたC5欠損血清である。溶解のパーセンテージは、阻害剤の非存在下で起こる溶解と等しい溶解100%とみなすことによって基準化される。一部の実施形態において、補体活性化第二経路は、例えば、Wieslab(登録商標)Alternative Pathway Complement Kit(WieslabR COMPL AP330,Euro Diagnostica,スウェーデン)で用いられる、リポ多糖分子によって活性化される。簡潔には、リポ多糖の存在下にて、試験血清を抗C5抗体又はその抗原結合性断片と共にインキュベートする。産生されるC5b-9の量は、酵素抱合型抗C5b-9抗体及び蛍光発生的基質と混合物を接触させ、適切な波長で吸光度を測定することによって測定される。コントロールとして、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の非存在下にて、試験血清をインキュベートする。
一部の実施形態において、CH50eqアッセイを用いて、C5活性、又はその阻害が定量化される。CH50eqアッセイは、血清中の古典的補体の総活性を測定する方法である。この試験は、溶解性(lytic)であり、古典的補体経路の活性化因子として抗体感作赤血球、及び試験血清の様々な希釈溶液を使用して、溶解50%(CH50)を得るのに必要な量が決定される。溶血%は、例えば分光光度計を使用して決定することができる。TCC自体が、測定される溶血の直接的原因であるために、CH50eqアッセイは、終末補体複合体(TCC)形成の間接的尺度を提供する。そのアッセイは公知であり、当業者によって一般に実施されている。簡潔には、古典的補体経路を活性化するために、抗体感作赤血球を含有するマイクロアッセイのウェルに、未希釈の血清試料(例えば、再構成されたヒト血清試料)を添加し、それによってTCCが産生される。次に、活性化された血清を、捕捉試薬(例えば、TCCの1つ又は複数の成分に結合する抗体)でコーティングされたマイクロアッセイウェル中で希釈する。活性化試料中に存在するTCCは、マイクロアッセイウェルの表面をコーティングするモノクローナル抗体に結合する。そのウェルを洗浄し、各ウェルに、検出可能に標識化され、結合されたTCCを認識する検出試薬を添加する。検出可能な標識は、例えば、蛍光標識又は酵素標識であり得る。アッセイの結果は、ミリリットル当たりのCH50単位当量(CH50 U Eq/mL)で表される。
例えば、それが終末補体活性に関係する場合に、阻害は、例えば溶血アッセイ又はCH50eqアッセイにおいて類似条件下及び等モル濃度にてコントロール抗体(又はその抗原結合性断片)と比較して、終末補体の活性の少なくとも5%(例えば、少なくとも6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60%)の減少を含む。本明細書で使用される実質的な阻害とは、少なくとも40%(例えば、少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%以上)の所定の活性(例えば、終末補体活性)の阻害を意味する。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、エクリズマブのCDR(つまり、配列番号1~6)に対する1つ又は複数のアミノ酸置換を含有し、さらに溶血アッセイ又はCH50eqアッセイにおいてエクリズマブの補体阻害活性の少なくとも30%(例えば、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95%)を保持する。
本明細書に記載の抗C5抗体は、少なくとも20日(例えば、少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54又は55日)である、ヒトにおける血清半減期を有する。別の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、少なくとも40日のヒトにおける血清半減期を有する。別の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、約43日のヒトにおける血清半減期を有する。別の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体は、39~48日である、ヒトにおける血清半減期を有する。抗体の血清半減期を測定する方法は当技術分野で公知である。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、例えば、作業実施例に記載のマウスモデルシステム(例えばC5欠損/NOD/SCIDマウス又はhFcRn遺伝子導入マウスモデルシステム)の1つにおいて測定される、エクリズマブの血清半減期よりも、少なくとも20%(例えば、少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、400又は500%)高い、血清半減期を有する。
一実施形態において、抗体は、本明細書に記載の抗体としてC5上の同じエピトープとの結合において競合し、及び/又は同じエピトープに結合する。2つ以上の抗体に関して「同じエピトープに結合する」という用語は、所定の方法によって決定されるように、抗体がアミノ酸残基の同一セグメントに結合することを意味する。本明細書に記載の抗体を用いて、抗体がC5上の同一エピトープに結合するか否かを決定する技術としては、例えば、エピトープマッピング法、例えば抗原:抗体複合体の結晶のX線回析、及び水素/重水素交換質量分析(HDXMS)が挙げられる。他の方法では、抗原配列内のアミノ酸残基の修飾による結合の損失がしばしば、エピトープ成分の指標とみなされる、ペプチド抗原断片又は抗原の変異型への結合をモニターする。さらに、エピトープマッピングのコンビナトリアル計算法も使用することができる。これらの方法は、コンビナトリアルファージディスプレイペプチドライブラリーから特異的短ペプチドを親和性により単離する、対象の抗体の能力に依存する。同一のVH及びVL又は同一のCDR1、CDR2及びCDR3配列を有する抗体が、同じエピトープに結合すると期待される。
「標的への結合において別の抗体と競合する」抗体とは、標的への他の抗体の結合を(部分的又は完全に)阻害する抗体を意味する。2つの抗体が、標的への結合において互いに競合するか否か、つまり1つの抗体が標的への他の抗体の結合を阻害するか否か、及びどの程度阻害するかが、公知の競合実験を用いて決定され得る。特定の実施形態において、抗体は、標的への別の抗体の結合と競合し、及び標的への別の抗体の結合を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%阻害する。阻害又は競合のレベルは、どの抗体が「ブロッキング抗体」(つまり、標的と最初にインキュベートされる抗体)であるかに応じて異なり得る。競合抗体は、例えば、同一エピトープ、重複エピトープに、又は隣接エピトープに結合し得る(例えば、立体障害によって証明される)。
本明細書に記載の方法で使用される、本明細書に記載の抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、当業者によく知られる様々な技術によって得られる。簡潔には、目的の抗原で免疫された動物からの脾臓細胞は、通常、骨髄腫細胞との融合によって不死化される(Kohler,G.&Milstein,C.,Eur.J.Immunol.,6:5119,1976))。不死化の方法は、エプスタインバーウイルス、発癌遺伝子、又はレトロウイルスでの形質転換、或いは当技術分野で公知の方法を含む。単一不死化細胞から生じるコロニーは、抗原の目的の特異性及び親和性の抗体の産生についてスクリーニングされ、そのような細胞によって産生されたモノクローナル抗体の収量は、脊椎動物宿主の腹膜腔内への注入など様々な技術によって高められ得る。代替方法としては、ヒトB細胞からのDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体又はその結合性断片をコードするDNA配列が単離され得る(Huse,W.et al.,Science,246:1275-81,1989)。
III.組成物
抗C5抗体又はその抗原結合性断片を含む組成物も、本明細書に提供される。一実施形態において、その組成物は、配列番号12に記載の配列を有する重鎖可変領域におけるCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、並びに配列番号8に記載の配列を有する軽鎖可変領域におけるCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体を含む。別の実施形態において、抗C5抗体は、それぞれ配列番号14及び11に示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含む。別の実施形態において、抗C5抗体は、それぞれ配列番号20及び11に示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含む。
例えば、補体関連疾患の治療又は予防のために対象に投与される、薬剤溶液として組成物が製剤化され得る。薬剤組成物は一般に、薬剤として許容される担体を含む。本明細書で使用される、「薬剤として許容される担体」とは、生理的に適合性である、あらゆる、及びすべての溶媒、分散液培地、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を意味し、及び包含する。組成物は、薬剤として許容される塩、例えば、酸付加塩又は塩基付加塩、糖、炭水化物、ポリオール及び/又は張性調節剤を含み得る。
組成物は標準法に従って製剤化され得る。医薬製剤化は、確立された技術である(例えば,Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy,”20th Edition,Lippincott,Williams&Wilkins(ISBN:0683306472);Ansel et al.(1999)“Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,”7th Edition,Lippincott Williams&Wilkins Publishers(ISBN:0683305727);及びKibbe(2000)“Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association,”3rd Edition(ISBN:091733096X)参照)。一部の実施形態において、例えば、適切な濃度及び2~8℃(例えば、4℃)の適した貯蔵で、緩衝溶液として組成物が製剤化され得る。一部の実施形態において、組成物は、9℃未満の温度(例えば、-20℃又は-80℃)での貯蔵用に製剤化され得る。一部の実施形態において、組成物は、2~8℃(例えば、4℃)で2年まで(例えば、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月、10ヵ月、11ヵ月、1年間、1年半又は2年間)の貯蔵用に製剤化され得る。したがって、一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、2~8℃(例えば、4℃)で少なくとも1年間の貯蔵で安定である。
薬剤組成物は、様々な形態をとり得る。これらの形態としては、例えば、液体、半固体及び固形剤形、例えば、液体溶液(例えば、注射可能な、及び注入可能な溶液)、分散液又は懸濁液、錠剤、丸剤、粉剤、リポソーム及び坐剤が挙げられる。好ましい形態は、意図する投与形式及び治療用途に一部依存する。全身又は局所送達用に意図される組成物を含有する組成物は、例えば、注射可能な、又は注入可能な溶液の形態をとり得る。したがって、非経口形式(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、又は筋肉内注入)による投与用に、組成物が製剤化され得る。本明細書で使用される、「非経口投与」、「非経口で投与される」及び他の文法上等しいフレーズは、通常は注入による、経腸的及び局所投与以外の投与形式を意味し、限定されないが、静脈内、鼻腔内、眼内、経肺、筋肉内、動脈内、髄腔内、関節内、眼窩内、心腔内、皮内、肺内、腹腔内、気管内、皮下、表皮下、関節腔内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、脳内、頭蓋内、頚動脈内及び胸骨内注射及び注入が挙げられる。
IV.方法
ヒト小児患者におけるPNHを治療する方法であって、抗C5抗体又はその抗原結合性断片を患者に投与することを含み、その抗C5抗体又はその抗原結合性断片が、特定の臨床投与計画に従って投与される(又は投与用である)(例えば、特定の投与量にて、及び具体的な投与計画に従って)、方法が本明細書において提供される。
一実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量は患者の体重に基づく。一実施形態において、例えば、抗C5抗体又はその抗原結合性断片300mgが、体重5kg以上10kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、例えば、抗C5抗体又はその抗原結合性断片600mgが、体重10kg以上20kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片900mg又は2100mgが、体重20kg以上30kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片1200mg又は2700mgが、体重30kg以上40kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、C5抗体又はその抗原結合性断片2400mg又は3000mgが、体重40kg以上60kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、C5抗体又はその抗原結合性断片2700mg又は3300mgが、体重60kg以上100kg未満の患者に投与される。別の実施形態において、C5抗体又はその抗原結合性断片3000mg又は3600mgが、体重100kg以上の患者に投与される。特定の実施形態において、投与計画は、目的の最適な応答(例えば、有効な応答)を提供するように調節される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、1つ又は複数の投与サイクルで投与される。一実施形態において、治療は(例えば、投与サイクル)は26週である。一実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(例えば、投与サイクルの)1日目に1回投与され、(例えば、投与サイクルの)15日目に1回投与され、その後4週毎に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(例えば、投与サイクルの)1日目に1回投与され、(例えば、投与サイクルの)15日目に1回投与され、その後8週毎に投与される。別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(例えば、投与サイクルの)治療後の4週又は8週毎に2年までの延長期間に投与される(例えば、用量300mg、600mg、900mg、1200mg、2100mg、2400mg、2700mg、3000mg、3300mg又は3600mgにて)。
別の実施形態において、PNHを有するヒト患者を治療する方法が提供され、その方法は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与すること(例えば、投与サイクル中に)を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は:(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、又は体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;或いは15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される。
別の実施形態において、PNHを有するヒト患者を治療する方法が提供され、その方法は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与すること(例えば、投与サイクル中に)を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は:(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、又は体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;或いは15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与され、治療の結果、正常レベル内に、又はULNレベル(例えば、105~333IU/L(国際単位/リットル)と考えられる値を50%下回るレベル内に、LDHレベルが低減され、少なくとも175μg/mL以上の抗C5抗体若しくはその抗原結合性断片の血清トラフ濃度、及び/又は0.5μg/mL以下の遊離C5濃度(例えば、0.4μg/mL、0.3μg/mL、0.2μg/mL、又は0.1μg/mL以下)となる。別の実施形態において、その治療はブレイクスルー溶血(BTH)を排除する。
別の実施形態において、PNHを有するヒト患者を治療する方法が提供され、その方法は、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列と、それぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列と、ヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合するバリアントヒトFc定常領域と、を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与すること(例えば、投与サイクル中に)を含み、そのバリアントヒトFc CH3定常領域は、EU番号付け規則にそれぞれが準拠する、天然ヒトIgG Fc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基にてMet429Leu及びAsn435Ser置換を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、(a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;(b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、又は体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;或いは15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重5kg以上10kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量600mgで;及び(b)15日目及びその後4週毎に用量300mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体は、体重10kg以上20kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量600mgで;及び(b)15日目及びその後4週毎に用量600mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体は、体重20kg以上30kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量900mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量2100mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体は、体重30kg以上40kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量1200mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量2700mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体は、体重40kg以上60kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量2400mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3000mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体は、体重60kg以上100kg未満の患者に:(a)1日目に1回、用量2700mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3300mgで投与される。
別の実施形態において、抗C5抗体又は、体重100kg以上の患者に:(a)1日目に1回、用量3000mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3600mgで投与される。
一実施形態では、患者は以前に、エクリズマブで治療されていない。別の実施形態において、患者は以前に、エクリズマブで治療されている。別の実施形態において、患者は以前に、エクリズマブで治療されており、及び1日目(例えば、投与サイクルの)は、患者のエクリズマブの最後の投与から2週間又はそれ以上である。
V.結果
抗C5抗体を患者に投与することを含む、患者においてPNHを治療する方法が本明細書で提供される。PNHの症状としては、限定されないが、蒼白、疲労(例えば、疲労、日常活動の実施が困難、集中力の低下、めまい、脱力感)、痛み(例えば、胃痛、下肢痛又は腫脹、胸痛、背痛)、濃い色の尿、息切れ、嚥下困難、皮膚及び/又は眼球の黄変、貧血、血球減少、勃起機能不全、凝血、腎疾患、臓器への損傷、脳卒中又は心臓発作が挙げられる。
本明細書に開示の方法に従って治療された患者は、PNHの少なくとも1つの徴候の改善を経験する。その治療によって、例えば、蒼白、疲労、黄疸、貧血、血球減少、腹部痛、呼吸困難、嚥下障害、胸痛若しくは勃起機能不全の低減又は休止からなる群から選択される少なくとも1つの治療効果が生まれ得る。
一実施形態において、改善は、終末補体阻害によって測定される。
別の実施形態において、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルを用いて、療法の奏効性を評価することができる(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルによって評価される溶血の低減は、PNHの少なくとも1つの徴候の改善を示す)。LDHは、血管内溶血のマーカーである(Hill,A.et al.,Br.J.Haematol.,149:414-25,2010;Hillmen,P.et al.,N.Engl.J.Med.,350:552-9,2004;Parker,C.et al.,Blood,106:3699-709,2005)。赤血球は、多量のLDHを含有し、無細胞ヘモグロビンとLDH濃度との相関性が、生体外(in vitro)(Van Lente,F.et al.,Clin.Chem.,27:1453-5,1981)及び生体内(in vivo)(Kato,G.et al.,Blood,107:2279 85,2006)で報告されている。溶血の結果は、貧血とは無関係である(Hill,A.et al.,Haematologica,93(s1):359 Abs.0903,2008;Kanakura,Y.et al.,Int.J.Hematol.,93:36-46,2011)。ベースラインにて、次いで治療期間全体を通して連続的に得られるLDH濃度は、溶血の重要な尺度である。無細胞血漿ヘモグロビンのベースラインレベルは、正常上限の1.5以上のLDH(LDH≧1.5×ULN)を有するPNHの患者において非常に高く、LDHと無細胞血漿ヘモグロビンの間には有意な相関性がある(Hillmen,P.et al.,N.Engl.J.Med.,355:1233-43,2006)。正常なLDH値範囲は105~333IU/Lである(国際単位/リットル)。
Ferri FF,ed.Ferri’s Clinical Advisor 2014.Philadelphia:Pa:Elsevier Mosby;2014:Section IV-Laboratory test and interpretation of resultsによって記載のものなど、いずれかの適切な試験又はアッセイを用いて、LDHレベルを測定することができる。LDH濃度は、患者から得た種々の試料、特に血清試料中で測定することができる。本明細書で使用される、「試料」という用語は、対象からの生体物質を意味する。血清LDH濃度が興味の対象であるが、試料は、例えば、単細胞、複数の細胞、組織、腫瘍、生物体液、生体分子若しくは上清又は前述のいずれかの抽出物などの他の供給源から誘導され得る。例としては、バイオプシーのために切除された組織、切除中に除去された組織、血液、尿、リンパ組織、リンパ液、脳脊髄液、粘膜及び大便試料が挙げられる。使用される試料は、アッセイ形式、検出法、及びアッセイされる腫瘍、組織、細胞若しくは抽出物の性質に基づいて異なり得る。試料を調製する方法は当技術分野で公知であり、用いられる方法と適合性である試料を得られるように容易に適応することができる。
一実施形態において、本開示の方法に従って治療された患者は、正常レベルに、又は正常レベル(例えば、105~333IU/L以内)とみなされるレベルを10%以内で超える、又は20%以内で超えるレベルに、LDHレベルの低減を経験する。例えば、本開示の方法に従って治療された患者は、正常レベルに、又はULNレベル(例えば、105~333IU/L(国際単位/リットル)と考えられるレベルを10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%以内で、又は50%以内で下回るレベルにLDHレベルの低減を経験する。一実施形態において、患者のLDHレベルは、治療を開始する前に、ULNの1.5倍以上である(LDH≧1.5×ULN)。
一実施形態において、本開示の方法に従って治療された患者は、ベースラインと比較して、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%54%、55%、56%、57%、58%、59%、又は60%のLDH%変化を経験する。
一実施形態において、本開示の方法に従って治療された患者は、少なくとも150、155、160、165、170、175、180、185、190、200、205、210、215、220、225、230、240、245、250、255、260、265、270、280、290、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395又は400μg/mL以上の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。一実施形態において、本開示の方法に従って治療された患者は、少なくとも175μg/mL以上の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度を維持する。
一実施形態において、本開示の方法に従って治療された患者は、0.5μg/mL以下(例えば、0.4μg/mL、0.3μg/mL、0.2μg/mL、又は0.1μg/mL以下)の遊離C5濃度を有する。
一実施形態において、本開示の方法に従って治療された患者は、ブレイクスルー溶血(BTH)を経験しない。
別の実施形態において、治療によって、遊離ヘモグロビン、ハプトグロビン、網状赤血球カウント、PNH赤血球(RBC)クローン及びDダイマーからなる群から選択される溶血関連血液学的バイオマーカーの正常レベルへのシフトが起こる。
別の実施形態において、治療によって、ベースラインと比べて輸血の必要性が低減される。
別の実施形態において、治療によって、主要な血管系有害事象(MAVE;例えば、血栓性静脈炎/深部静脈血栓症、肺塞栓、心筋梗塞、一過性虚血性発作、不安定狭心症、腎静脈血栓症/腎動脈血栓症/糸球体血栓症、腎梗塞、急性末梢血管閉塞、腸間膜/内臓静脈/動脈血栓症又は梗塞、肝/門脈静脈血栓症、脳動静閉塞/脳血管障害、脳静脈閉塞、腎動脈血栓症、又は多発梗塞性認知症)が低減される。
別の実施形態において、治療によって、推定糸球体濾過量(eGFR)及びスポット尿:アルブミン:クレアチニン及び血漿中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)からなる群から選択される慢性疾患関連バイオマーカーの正常レベルへのシフトが起こる。
別の実施形態において、治療によって、ベースラインと比べて、慢性疾患治療(FACIT)疲労スケールの機能評価、バージョン4及び欧州癌研究機関(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)、生活の質の質問票コア30スケールによって評価される、生活の質のベースラインからの変化が起こる。
VI.キット及び単位剤形
ラブリズマブ又はBNJ421などの抗C5抗体又はその抗原結合性断片と、薬剤として許容される担体と、を含有する薬剤組成物を、前述の方法での使用に適合される治療有効量にて含むキットもまた、本明細書において提供される。そのキットは任意に、施術者(practitioner)(例えば、医師、看護師、又は患者)が、PNHを有する患者に組成物を投与するために、それに収容される組成物を投与することを可能にする、例えば、投与スケジュールを含む説明書も含み得る。そのキットはシリンジも含み得る。
任意に、キットは、上記で提供される方法に従って単回投与用の抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量をそれぞれが含有する、単回投与薬剤組成物の複数のパッケージを含む。薬剤組成物の投与に必要な装置又はデバイスもまた、キットに含まれ得る。例えば、キットは、ある量の抗C5抗体又はその抗原結合性断片を含有する1つ又は複数の充填済みシリンジを提供し得る。
一実施形態において、ヒト小児患者におけるPNHを治療するためのキットは:(a)配列番号12に記載の配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、並びに配列番号8に記載の配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量;及び(b)本明細書に記載の方法のいずれかに従って、抗C5抗体又はその抗原結合性断片を使用するための説明書;を備える。
一実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重5kg以上10kg未満の患者に、(a)1日目に1回、用量600mgで;及び(b)15日目及びその後4週毎に用量300mgで投与される。
一実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重10kg以上20kg未満の患者に、(a)1日目に1回、用量600mgで;及び(b)15日目及びその後4週毎に用量600mgで投与される。
別の実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重20kg以上30kg未満の患者に、(a)1日目に1回、用量900mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量2100mgで投与される。
別の実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重30kg以上40kg未満の患者に、(a)1日目に1回、用量1200mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量2700mgで投与される。
別の実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重40kg以上60kg未満の患者に、(a)1日目に1回、用量2400mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3000mgで投与される。
別の実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重60kg以上100kg未満の患者に、(a)1日目に1回、用量2700mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3300mgで投与される。
別の実施形態において、キットは、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量を含み、抗C5抗体又はその抗原結合性断片は、体重100kg以上の患者に、(a)1日目に1回、用量3000mgで;及び(b)15日目及びその後8週毎に用量3600mgで投与される。
以下の実施例は単に説明的な例であり、本開示内容を読めば、多くのバリエーション及び均等物が当業者には明らかとなるため、本開示の範囲を制限するものと解釈すべきではない。本出願全体を通して記載のすべての参考文献、Genbank登録、特許及び公開特許出願は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
実施例1:発作性夜間血色素尿症(PNH)を有する小児及び青年におけるラブリズマブの第3相、非盲検試験
この第3相、非盲検試験において、ラブリズマブの薬物動態(PK)、薬力学(PD)、有効性及び安全性が、PNHの小児患者において評価される。
1.目的
試験の主な目的は、PNHの小児患者においてラブリズマブのPK、PD、安全性及び有効性を評価することである。
2.エンドポイント
主要評価項目は、ベースライン及び2、10、18、及び26週目でのPK/PDパラメーター(トラフ及びピーク)である。PKパラメーターは、最大血清濃度(Cmax)、トラフ血清濃度(定常状態での投与間隔の最後に測定される;Cトラフ)、及び蓄積比を含む。PDパラメーターは、時間の経過による、遊離C5濃度及びニワトリ赤血球(cRBC)溶血活性の変化の測定を含む。
副次的評価項目は、以下のパラメーターの評価を含む:
183日目(26週)までのベースラインからのLDHのパーセンテージ変化;
輸血を用いない状態を維持し、及び183日目(26週)まで輸血を必要としない患者の割合として定義される、輸血回避(TA);
183日目(26週)までの慢性疾患治療(FACIT)疲労質問票(年齢5歳以上の患者)の小児機能評価によって測定される、ベースラインからの生活の質(QoL)の変化;
183日目(26週)までの、輸血の非存在下でのベースラインからのヘモグロビンレベル2g/dL以上の減少の回避として定義される、安定したヘモグロビンを有する患者の割合;
183日目(26週)までのベースラインからの遊離ヘモグロビンのパーセンテージ変化;
以下の通り:補体阻害剤治療に未処置でその試験に参加する患者に関して、治療で1.5×ULN未満にLDHを事前に低減された後に、高LDH≧2×正常上限;エクリズマブ治療で安定化されて試験に参加する患者に関して、高LDH≧2×ULN;の高いLDHの存在下にて、血管内溶血(疲労、血色素尿症、腹部痛、息切れ[呼吸困難]、貧血、主要な血管系有害事象[MAVE、血栓症を含む]、嚥下障害、又は勃起機能不全)の少なくとも1つの新たな若しくは悪化している症状又は徴候として定義される、ブレイクスルー溶血を有する患者の割合。
安全性評価項目に関して、ラブリズマブの安全性及び忍容性は、身体的検査、バイタルサイン、身体的成長(身長、体重、及び頭囲[後者は年齢3歳以下の患者でのみ])、心電図(ECG)、実験評価、及び有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE)の発生数によって、ベースラインから、26週目まで、及び延長期間全体を通して評価される。抗薬物抗体(ADA)を発生する患者の割合も評価される。
3.試験デザイン
これは、PNHの小児患者(年齢18歳未満)に静脈内(IV)注入することによって投与されるラブリズマブのPK/PD、安全性、及び有効性を評価するための第3相、非盲検、単一群多施設治験である。この試験は、4週のスクリーニング期間、26週の主要評価期間及び延長期間からなる。
同意している患者が、1日目の4週前までに試験適格性についてスクリーニングされる。選択基準のすべて及び除外基準のすべてを満たす患者が、主要評価期間に登録され、1日目にラブリズマブの体重ベースの負荷投与量が与えられ、続いて体重20kg以上の患者については、15日目及びその後8週毎(q8w)に1回、又は体重20kg未満の患者については4週毎に1回(q4w)、合計26週の治療で、ラブリズマブでの体重ベースの維持治療を受ける。エクリズマブ療法での試験に参加する患者に関して、試験治療の1日目は、エクリズマブの患者の最後の投与から2週間で行われる。
ラブリズマブPK及び遊離C5レベルなどのデータの暫定的分析は、体重5kg以上40kg未満の患者4名が71日目までの投与を完了した後に行われる。分析が進行中であると同時に、患者の登録は中断なく進行する。得られた安全性及びPK/PDデータを評価して、ラブリズマブ治療は忍容性がよく、適切な補体阻害を提供することが確認される。さらに、独立したデータモニタリング委員会(DMC)が、正式に試験からの安全性データを審査する。
183日目のすべての評価が完了した後、すべての患者が延長期間に入り、適切な体重ベースの投与計画に従ってラブリズマブの投与を続ける。製品が登録若しくは承認されるまで(国独自の規定に従って)、又は2年までの間、どちらが最初であったとしても、延長期間が続けられる。試験の終了は、延長期間における最後の患者の最後の来院として定義される。
4.評価のスケジュール
評価のスケジュールは、スクリーニング及び主要評価期間について表1に、延長期間について表2に記載されている。
指定される来院外の追加(予定外の)来院は、研究実施者の自由裁量で許可される。手順、試験、及び評価は研究実施者の自由裁量で実施される。予定外の来院で実施されたすべての試験、手順、又は評価は、電子症例報告書に記録される。
さらに、ブレイクスルー溶血の疑われる事象が起こった場合に、LDH、PK及びPDパラメーターが、中央研究所で分析される。ブレイクスルーの疑われる事象が予定の来院で起こらなかった場合、患者の評価、並びに必要なLDH、PK及びPDパラメーターの収集のために、予定外の来院が行われる。ブレイクスルー溶血を定義する目的のために、LDHの評価は、中央研究所の値に基づく。
Figure 2023533030000004
Figure 2023533030000005
Figure 2023533030000006
Figure 2023533030000007
5.治験集団
PNHの実証された診断を有する小児患者(年齢18歳未満)が登録され、約40の研究箇所にて全世界的にラブリズマブで治療される。少なくとも10名の評価可能な患者が26週間を確実に完了するように、患者約12名が登録される。この治験の参加に対する基準を満たさない個人(スクリーニング脱落)は1回、再スクリーニングすることができる。
以下の基準のすべてを満たし、及び除外基準のいずれも満たさない場合のみに、患者は治験への登録に適格である:
1.同意した時点で年齢18歳未満及び体重5kg以上の男性及び女性患者。
2.顆粒球又は単球クローンサイズ5%以上と共に、赤血球(RBC)及び白血球(WBC)の高感度フローサイトメトリー評価(Borowitz,M.et al.,Cytometry B Clin.Cytom.,78:211-30,2010)によって確認される、PNHの確定診断。
3.エクリズマブで現在治療されていない患者に関して、スクリーニングの3か月以内に以下のPNH関連徴候又は症状:疲労、血色素尿症、腹部痛、息切れ(呼吸困難)、貧血、主要な血管系有害事象(血栓症など)の既往歴、嚥下障害、若しくは勃起機能不全;又はPNHが原因の濃厚赤血球(pRBC)輸血の既往歴。
4.以下の通りのLDH値:
a.エクリズマブで現在治療していない患者に関して、LDHレベル≧1.5×ULN。
b.エクリズマブを現在、投与されている患者に関して、LDH≦1.5×ULN(投与する前に[つまり、エクリズマブのトラフレベルにて]、予定のエクリズマブ投与日に試料を採取しなければならず、中央研究室によって分析される)。
5.髄膜炎菌感染症のリスクを低減するために、すべての患者が、治験薬を開始する前3年以内に、又は開始する時点で、髄膜炎菌感染症に対するワクチン接種をしなければならない。髄膜炎菌ワクチンを接種した後2週間未満で治験薬治療を開始する患者は、予防接種後2週間までに、適切な予防的抗生物質での治療を受ける。ワクチン接種を受けることができない患者は、治療期間全体及び最後の投与後8ヵ月間、抗生物質予防を受ける。
6.国及び地域の予防接種スケジュールガイドラインに適宜従って、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)B型菌(Hib)及び肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対して、患者はワクチン接種を受けなければならない。
7.出産可能性のある(つまり、初潮を迎えている)女性患者及び出産可能性のある女性パートナーを持つ男性患者は、治療の間、及び治験薬の最後の投与後8ヵ月間、妊娠を避けるためのプロトコル指定ガイダンスに従う。
患者の法的後見人は、書面でインフォームド・コンセントを提出し、患者は、書面で情報に基づく同意を提出し、治験来院スケジュールに従う。
患者が以下の基準のいずれかを満たす場合には、治験登録から患者は除外される:
1.スクリーニングにて血小板数算定<30,000/mm(30×10/L)。
2.スクリーニングにて絶対好中球数<500/μL(0.5×10/L)。
3.骨髄移植の既往歴。
4.髄膜炎菌感染症の既往歴。
5.不明な反復性感染症の既往歴
6.1日目の治験薬投与前14日以内に活性な全身的細菌、ウイルス又は真菌感染。
7.頸部の、適切に処置された非メラノーマ皮膚癌又は上皮内癌を除く、スクリーニングの5年以内の悪性疾患の既往歴。
8.研究実施者又はスポンサーの意見で、治験臨床試験における患者の参加が除外される、主要な心臓、肺、腎臓、内分泌、又は肝臓疾患(例えば、活性な肝炎)の病歴又は、進行中の主要な心臓、肺、腎臓、内分泌、又は肝臓疾患(例えば、活性な肝炎)。
9.プロトコルの必要条件に耐える見込みが低くなる、不安定な病状(例えば、心筋虚血、アクティブな消化管出血、重篤なうっ血性心不全、スクリーニングの6か月以内に主要な外科手術の予測される必要性、PNHに関連しない慢性貧血の共存)。
10.1日目の少なくとも2週間前に、安定な投与計画でない場合には、抗凝固薬の併用が禁止される。
11.マウスタンパク質に対する過敏性など、治験薬に含有されるいずれかの成分に対して過敏性がある既往歴。
12.妊娠する計画がある、又は現在妊娠している、又は授乳している女性。
13.1日目のスクリーニングにて陽性の妊娠検査結果を有する出産可能性のある女性。
14.この治験において1日目に治験薬を開始する前30日以内、又は治験製品の5半減期以内に、別の研究・治験における参加、又はいずれかの実験療法の使用。
15.スクリーニングの開始前1年以内に薬物若しくはアルコールの乱用又は依存の既知の既往歴、若しくは疑われる既往歴。
16.研究実施者又はスポンサーの意見で、治験における患者の完全な参加が妨げられ得る、患者に更なるリスクを課す、又は患者の評価若しくは治験の結果を混乱させ得る、既知の病状又は心理状態又は危険因子。
6.治験治療
ラブリズマブは、チャイニーズハムスター細胞において産生されるヒト化、抗C5mAbである。ラブリズマブ医薬品は、使い捨てバイアル中の保存剤不含10mg/mL滅菌溶液として臨床研究に供給され、IV注入により投与される市販の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム注射;国独自の薬局方)に希釈することによる注入に対して設計されている(表3参照)。
Figure 2023533030000008
ラブリズマブは、米国薬局方/欧州薬局方タイプ1のホウケイ酸ガラスバイアルにパッケージされ、アルミニウムオーバーシール及びフリップオフキャップと共にブチルゴム栓で塞がれている。治験薬はキットで供給される。
治験箇所に治験薬キットが到着したら、薬剤師又は指名された人は迅速に、輸送冷却器から治験薬キットを取り出し、2~8℃(35~47°F)の、光から保護された冷蔵保存条件下にて、その元のカートン内でそれらを保管する。ラブリズマブは冷凍されていない。治験薬は、安全な、アクセス制限のある貯蔵領域で保管され、その温度は毎日モニターされる。
混合医薬品は、投与前には室温である。その材料は、周囲空気温度以外には加熱されない(例えば、マイクロ波又は他の熱源を使用して加熱されない)。
ラブリズマブは、静脈内(IV)プッシュ又はボーラス注入として投与されない。治験薬の注入は、無菌技術を用いて準備される。ラブリズマブの患者の必要な用量はさらに、表4に指定の体積にて、市販の生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム;国独自の薬局方)に希釈される。ラブリズマブ混合物は、注入ポンプによるIVチューブ投与セットを用いて患者に投与される。0.2ミクロンフィルターの使用がラブリズマブの注入時に必要とされる。
Figure 2023533030000009
治験薬の用量は、資格がある治験職員によってのみ調製され、投薬される。治験薬は、参加に適格と確認された登録患者のみに投薬される。治験薬が、ある患者のために調製されたら、それはその患者のみに投与される。治験薬のバイアルは1度のみ使用され、バイアルに残る医薬品は、他の患者には使用されない。注入チューブ又は注入バッグに残る薬物は、他の患者に使用されない。
患者は、表5に示すように、1日目にラブリズマブの負荷投与量を投与され、続いて体重20kg以上の患者に15日目及びその後8週毎に1回(q8w)、又は体重20kg未満の患者には4週毎に1回(q4w)、ラブリズマブが維持投与される。メディカルモニターの合意の上で、負荷投与量600mgが、24時間以下の間をおいて投与される、2つの別々の注入として、体重5kg以上10kg未満の患者に投与され得る。さらに、ラブリズマブの追加用量の投与が許可される。投薬量は、投与日に記録された患者の体重又は直近で記録された体重に基づく。エクリズマブ療法の治験に入る患者については、治験治療の1日目が、患者のエクリズマブの最後の投与から2週間で行われる。
Figure 2023533030000010
主要評価期間後、すべての患者が延長期間にロールオーバーし、どちらが先に起こったとしても、その製品が登録又は承認されるまで、又は2年間まで、ラブリズマブの体重に基づく維持投与量を、体重20kg以上の患者に対して183日目及びその後8週毎に1回(q8w)、又は体重20kg未満の患者に対して4週毎に1回継続する。
追加用量又は2つの別個の注入として投与される用量など、すべての用量投与の実際の時間が記録される。その作用メカニズムのために、ラブリズマブの使用によって、患者の髄膜炎菌感染症(N.meningitidis)に対する罹患率が高くなる。髄膜炎菌感染症のリスクを低減するために、すべての患者が、治験薬開始前3年以内に、又は治験薬開始時点で髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種される。髄膜炎菌ワクチンを接種した後2週間未満で治験薬治療を開始する患者は、予防接種後2週間までに、適切な予防的抗生物質での治療を受ける。利用可能な場合には、血清型A、C、Y、W135及びBに対するワクチンが、一般的な病原性髄膜炎菌性血清型を防ぐために推奨される。患者は、現在の国の予防接種ガイドライン又はエクリズマブと共に予防接種を使用するための地域の慣例に従って、ワクチン接種又はワクチン再接種される。予防接種は、髄膜炎菌感染症を予防するのに十分ではない場合がある。抗菌薬及び予防接種の適切な使用に関する公式なガイダンス及び地域の慣例に従って配慮される。すべての患者が、髄膜炎菌感染症の初期の兆候についてモニターされ、感染が疑われる場合には直ちに評価され、必要であれば適切な抗生物質で治療される。患者は、国及び地域の予防接種スケジュールガイドラインに従って、Hib及び肺炎連鎖菌(S pneumoniae)に対してもワクチン接種される。
7.有効性の評価
輸血のトリガーとなったヘモグロビンの結果及び症状を含む濃厚赤血球(pRBC)輸血の投与、並びに輸血された単位数が、電子症例報告書(eCRF)において記録に残される。
血液及び尿資料は、評価のスケジュール(Schedule of Assessments)において指定の時点で採取される。
以下の疾患関連実験パラメーター:LDH、遊離ヘモグロビン、潜血、尿、総C5、ハプトグロビン、網状赤血球数、高感度フローサイトメトリーにより評価されるPNH RBCクローンサイズ、及び推定糸球体濾過量(シュワルツ(Schwartz)の式を使用して計算される)が治験中に測定される。
研究実施者又は指名された人が、各患者に関して、PNHの以下の兆候及び症状:疲労、胸痛、血色素尿症、腹部痛、呼吸困難、嚥下障害、勃起機能不全、及び赤色/濃い色の尿又は血色素尿症の有無を記録する。
小児FACIT疲労スケールは、先行する7週間にわたる疲労、並びに日常活動及び機能に対するその影響を評価する13項目の質問票である。各項目は、5ポイントスケールでスコアをつけ、総スコアは0~52の範囲であり、スコアが高いほど、QoLが高いことを意味する。質問票は、登録時点で8歳以上であった患者によって自己報告され、登録時点で5歳以上8歳未満であった患者については介護者によって報告される。年齢5歳未満の患者が評価される。小児FACIT疲労スケールを表6に示す。
Figure 2023533030000011
主要な血管系有害事象(MAVE)は、有害事象(AE)の予定された評価の一部として評価される。診断方法(例えば、磁気共鳴画像法、超音波、血管造影図)、診断日、回復した日(又は進行中)などのMAVEの内容は、患者の病歴(ベースラインより前)の一部としてeCRFで収集される。MAVEは以下の通り定義される:血栓性静脈炎/深部静脈血栓症、経肺塞栓、心筋梗塞、一過性虚血性発作、不安定狭心症、腎臓の静脈血栓症、急性末梢血管閉塞、腸間膜/内臓静脈血栓症又は梗塞、腸間膜/内臓動脈血栓症又は梗塞、肝/門脈静脈血栓症(バッド・キアリ症候群)、脳動静閉塞/脳血管障害、脳静脈閉塞、腎動脈血栓症、壊疽(非外傷性;非糖尿病性)、切断術(非外傷性;非糖尿病性)、及び皮膚血栓症。
8.安全性評価
年齢、性別、人種及び民族などの人口学的パラメーターの審査が実施される。完全な病歴が聞き取られ、記録に残される。体重及び身長が記録される。頭囲は、年齢3歳以下の患者で記録される。PNH症状、診断日、PNHクローンサイズ、pRBC輸血及びいずれかのMAVEの既往歴などの患者のPNH病歴がスクリーニング来院にて記録に残される。
以前の、及び併存の症状/疾患及び輸血既往歴などの患者の病歴はスクリーニング来院にて記録に残される。スクリーニング開始前28日以内の投薬(Medication)(ビタミン及び/又はハーブサプリメントを含む処方薬又は市販の薬)の使用もまた記録される。用量レベル及び頻度を含む、エクリズマブでの前の治療の詳細が集められる。治験薬の最初の投与前3年以内の髄膜炎菌予防接種、及び出生からのHib及び肺炎連鎖菌(S pneumoniae)の予防接種履歴も記録される。
身体的検査は、以下の評価:全体的な様子;皮膚;頭、耳、眼、鼻、及び喉;首;リンパ節;胸;心臓;腹腔;肢;中枢神経系;及び筋骨格系を含む。略式身体的検査は、研究実施者の判断及び患者の症状に基づく、身体システム関連検査からなる。身体的成長(身長、体重及び頭囲[後者は年齢3歳以下の患者においてのみ])が評価される。
患者が少なくとも5分間安静にした後に、バイタルサインの測定を行い、収縮期及び拡張期血圧(BP;ミリメートル水銀柱[mmHg])、心拍数(拍数/分)、呼吸数(呼吸数/分)、及び体温(セルシウス度[℃]又は華氏度[°F])を含む。
血清妊娠検査、血液学、化学、凝固、及び尿検査用の試料が、評価のスケジュールにおいて指定の時点で実施される。具体的な実験室評価を表7に示す。実験室評価のための試料は、各治験薬投与前に収集される。収集される血液量が少ない乳児については、代替の血液サンプリングスケジュールを用いなければならない。ブレイクスルーの疑われる事象が起こった場合、中央研究室によるLDH、PK及びPDパラメーターの分析のために、試料がその時点で採取される予定外の来院が行われる。
Figure 2023533030000012
一部の実験室値は、根底にある疾患のために正常値範囲外であり得ることが予測される。研究実施者は、これらの値の臨床的有意性を評価する場合に、その医学的判断を用いるべきである。臨床的有意性は、医学的関連性を有し、その結果として診療が変化する、実験室測定におけるいずれかのバリエーションとして定義される。ベースライン値からの臨床的に優位な実験室変化が注目される場合、その変化は有害事象として記録に残される。研究実施者は、臨床的に優位なすべての範囲外の値に関して、治験治療との関連性も評価する。研究実施者は、(1)値が、正常範囲若しくはベースラインレベルに戻るまで、又は(2)研究実施者の判断で、正常範囲外の値が、治験薬の投与若しくは他のプロトコル特異的な手順に関連しなくなるまで、追加の実験室評価を通して患者をモニターする。
出産可能性のある(つまり、初潮を迎えている)女性に関して、血清又は尿妊娠検査(βヒト絨毛性ゴナドトロピン[β‐hCG])が、評価のスケジュールに従って実施される。
血液試料は、表7に示す血液学的検査パラメーターに対して分析される。間接的ビリルビンは、総ビリルビン及び直接的ビリルビン値から算出される。したがって、直接的ビリルビンが、定量化の限界未満である場合には、間接的ビリルビンの結果は利用不可能である。
化学評価は、評価のスケジュールにおいて指定の時点で実施される。推定糸球体濾過量は、血清化学が収集される、すべての来院に対してシュワルツ式を用いて計算される。血液試料は、表7に示す凝固パラメーターについても分析される。
尿試料は、表7に示すパラメーターについて分析される。肉眼的分析の結果が異常である場合には、尿試料の顕微鏡的検査が実施される。
各患者について、単一12誘導デジタル心電図(ECG)が、評価のスケジュールに従って収集される。患者は、ECG収集前約5~10分間仰臥位であり、ECG収集中には仰臥位を維持する(しかし、覚醒している)。ECGは、それが正常範囲内であるか否かを確かめ、その結果の臨床的有意性を決定するために評価される。
評価のスケジュールに示される治験薬投与前の血清中のラブリズマブに対する抗薬物抗体の存在及び力価について試験するために、血液試料が収集される。結合性及び中和抗体、PK/PD、ラブリズマブの安全性及び活性など、抗体応答の更なる特徴づけが、適宜行われる。
有害事象は、当該治療と必ずしも因果関係が存在しない医薬品を投与された患者において発生した、好ましくないあらゆる医療上の出来事である。したがって、医薬品に関連するとみなされるか否かに関わらず、有害事象は、医薬品の使用に一時的に伴う、予後不良、若しくは意図しないあらゆる徴候(例えば、異常な実験室所見)、症状、又は疾患であり得る。
好ましくない医療上の出来事が起こらなかった状況(例えば、治験開始前に計画されていた場合には待機手術のための入院、社会的理由又は便宜上の入院)及び悪化しない、治験開始時に存在する、若しくは検出される既存の疾患又は病状の予測される日々の変動は有害事象ではない。輸血は、有効性エンドポイントとして処置される。患者又は外来患者セッティングにおいて投与される輸血は、それ自体として同定されない限り、有害事象又は重篤な有害事象として捉えるべきではない。臨床治験の目的が薬物作用の確立であることから、薬物作用の欠如は、臨床治験における有害事象ではない。
投薬過誤(薬品の意図的誤用、乱用、及び過剰摂取)又はプロトコルで定義される使用以外の使用は、投薬過誤の結果として好ましくない医療上の出来事が起こらない限り、有害事象とみなされない。
治験薬製品への母系的又は父系的曝露中に起こる妊娠の事例は、研究実施者/サイト(site)が認識して24時間以内に報告される。胎児結果及び母乳栄養についてのデータが、規制当局への報告及び安全性評価のために収集される。
有害事象の重症度は、有害事象共通用語基準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAE)第4.03版以上を用いてグレード分類される。グレード分類(重症度)スケールは、各有害事象用語に対して提供される。各CTCAE用語は、ICH国際医薬用語集(Medical Dictionary for Regulatory Activities)(MedDRA(登録商標))に準拠した下層語(LLT)である。各LLTは、MedDRA基本語(PT)にコードされる。グレードは、有害事象の重症度を意味する。CTCAEは、表8に記載のように、各有害事象に対する重症度の臨床的説明と共にグレード1から5までを割り当てる。
Figure 2023533030000013
重症度(severity)と重篤(seriousness)とは区別される。重症度は有害事象の強さを説明するが、重篤という用語は、重篤な有害事象の特定の基準を満たす有害事象を意味する。因果関係評価(無関係、見込みなし、可能性あり、起こりそうな、又は確かな)は、研究実施者の医学的判断及び表9に示す事象と関連する確認された症状に基づいて、すべての有害事象に対して提供される(重篤及び非重篤の両方)。
Figure 2023533030000014
SAEは、結果として死亡する、命を脅かす(つまり、患者が、事象の時点で死亡のリスクがあった)、患者の入院若しくは既存の入院の延長を必要とする、結果として持続的若しくは著しい能力障害/不能状態を生じる、又は先天性異常/出生時欠損である、好ましくないあらゆる医療上の出来事である。
適切な医学的判断に基づき、患者を危険にさらし、又は上記の結果のうちの1つを防ぐために介入を必要とする場合には、結果として死亡せず、直ちに命を脅かさない、又は入院を必要としない、重要な医学的事象は、重篤な有害事象とみなされる。
疑わしい予測できない重篤な副作用(SUSAR)は、研究実施者のパンフレットの記載されていない、及び研究実施者が、治験薬製品又は手順と関連すると同定する、重篤な事象である。
すべての有害事象が、インフォームド・コンセントフォーム(ICF)の署名から、ETの患者に治療薬を最後に投与した後56日まで、又は治験を完了する患者に治療薬を最後に投与した後56日まで、収集される。すべての有害事象が、その発生に気づいたら、eCRFに記録される。研究実施者は、その評価を含む重篤な有害事象(例えば、重症度、重篤度、及び治験薬との潜在的な関連性)を報告するように指示される。
9.薬物動態学(PK)及び薬力学(PD)
血清薬物濃度の決定及びPD評価のための血液試料は、評価のスケジュールにおける指定の時点で治験薬の投与前及び投与後に採取される。各サンプリングの実際の日付及び時刻(24時間クロックタイム)が記録される。ブレイクスルー溶血の事象において、追加のPK/PD試料が必要とされる。
PK及びPD評価のための注入血液試料の最後は、薬物の注入に使用された腕と逆の腕から採取される。PK/PDの評価は以下の通りである:時間の経過による血清ラブリズマブ濃度、時間の経過による遊離及び総C5濃度、及び時間の経過によるcRBC溶血活性。
10.統計学的方法及び計画分析
臨床治験レポート(CSR)は、26週主要評価期間の最後(183日目)までを通して収集された、有効性、安全性、PK、PD及び免疫抗原性データに基づいて作成される。長期間の有効性、安全性、PK、PD及び免疫抗原性データをまとめる最終的なCSRは、治験完了時点で作成される。
この研究は、本質的に記述的であり、小児患者において疾患が珍しいため、仮説検定のための検出力を算出していない。少なくとも10名の評価可能な患者が26週間を確実に完了するように、患者約12名が登録される。試料サイズ10は、PNHの小児患者におけるPK/PDを適切に説明するのに十分であると期待される。有効性分析は、最大の解析対象集団(FAS)で実施される。FASは、ラブリズマブの少なくとも1つの用量が投与され、及び少なくとも1つのベースライン後評価を有するすべての患者を含む。
安全性の分析は、ラブリズマブの少なくとも1つの用量が投与されるすべての患者として定義される、安全性解析対象集団(Safety Set)で実施される。
薬物動態及びPD分析は、ラブリズマブの少なくとも1つの用量が投与され、及び評価可能なPK及びPDデータを有するすべての患者で実施される。
病歴及び輸血履歴を含む患者の人口学的及びベースライン特性は、臨床治験レポート(FAS)及び安全性解析対象集団に対してまとめられる。すべての患者が、スクリーニングされ、治療され、及び治験を完了、又は治験からの撤退の理由と共に、治験を中止した患者の頻度及びパーセンテージを説明する、患者素因の概要に含まれる。
治療される、治療を中断する(治療中断の理由と共に)、主要評価期間を完了又は中止(中止の理由と共に)する、延長期間に入る、及び延長期間を完了する、又は中止する(中止の理由と共に)患者の人数は、表にまとめられる。
各患者の以前及び同時の薬物使用は、世界保健機関ドラッグディクショナリを使用してコード付けされ、同時使用の薬物のパーセンテージがまとめられる。安全性解析対象集団における患者の頻度数及びパーセンテージを用いて、解剖治療化学分類及び一般名によって、薬物適用がまとめられる。患者当たりに投与される注入回数は、FAS及び安全性解析対象集団に対して表にまとめられる。有効性分析はFASを用いて実施される。観察数、平均値、SD、中央値、最小値及び最大値など説明的統計学を用いて、連続変数がまとめられる。カテゴリー変数は、患者の頻度カウント及びパーセンテージによってまとめられる。分析は、未処置患者及び前にエクリズマブで治療された患者に対して別々に行われる。
以下の定義は有害事象に使用される。治療前有害事象は、インフォームド・コンセントの提供後であるが、治験薬の最初の注入前に始まるあらゆる有害事象である。治療発生有害事象は、治験薬の最初の注入中又は注入後に始まるあらゆる有害事象である。治療下で発現した重篤な有害事象は、重篤である、治療下で発現したAE(TEAE)である。
TEAEの発生数、治験からの撤退に至るTEAE、治験治療の中断に至るTEAE、治験薬投与中のTEAE、重症なTEAE及びSAEがまとめられる。すべての有害事象が、MedDRA第18版以上を用いてコード付けされ、器官別大分類(system organ class)及び基本語によってまとめられる。TEAE、SAE、関連するTEAE、治験薬投与中のTEAE、治験からの撤退に至るTEAE、及び治験治療の中断に至るTEAEの患者リストによる詳細が提供される。
身体的検査所見におけるベースラインからの有害な変化が有害事象として分類され、それに応じて分析される。
バイタルサインは、ベースライン及びベースライン後時点で、及び治療群によるベースラインからの変化に対して記述的にまとめられる。
身長、体重及び頭囲(後者は、年齢3歳以下の患者に対してのみ)が、ベースライン及びベースライン後時点で、及び治療群によるベースラインからの変化に対して記述的にまとめられる。
ベースライン時点から、ベースライン治験時点までの臨床化学検査、血液学的検査、及び尿検査の変化が、記述的にまとめられる。時間の経過によるシフト表が、該当する場合には、正常範囲の値に基づく正常な低い値又は高い値を用いて、すべての中央実験室値に関して示される。異常な結果を有する患者のリストが提供される。ECGパラメーターの患者によるデータリストが提供される。心電図間隔(PR、RR、QT及びQTcF)のベースラインからの変化が提供される。QT間隔は、Fridericiaの式を用いて心拍数に対して補正される(QTcF)。
ラブリズマブに対する抗薬物抗体(ADA)の発生率及び力価が表形式でまとめられる。ラブリズマブの少なくとも1つの用量が投与され、及び評価可能なPKデータを有するすべての患者に関する個々の血清濃度データを使用して、ラブリズマブに対するPKパラメーターが導き出される。
平均血清濃度時間プロファイルのグラフが作成される。個々の患者についての血清濃度時間プロファイルのグラフも提供される。実際の用量投与及びサンプリング時点がすべての計算に使用される。記述統計は、適宜、各サンプリング時点で血清濃度データに対して計算される。集団PKの評価は、この治験からのデータを使用する、又は他の研究からのデータと併用すると考えられる。
PD分析は、ラブリズマブの少なくとも1つの用量が投与され、及び評価可能なPKデータを有するすべての患者に対して実施される。
記述統計は、各サンプリング時点でのすべてのラブリズマブPDエンドポイントに対して示される。適宜、時間の経過による総及び遊離C5血清濃度のベースラインからの絶対値及び変化及びパーセンテージ変化、並びにcRBC溶血のベースラインからの変化を評価することによって、IV投与されたラブリズマブのPD作用が評価される。
ラブリズマブPK/PD関係性の評価は、この治験からデータを使用して、又は他の研究からのデータと併せて使用して、考察される。分析は、治療未経験患者及び以前にエクリズマブで治療された患者に対して別々に行われる。
1日目の評価が欠けた場合、スクリーニング評価がベースライン評価として使用される。
実施例2:PNHを有する小児及び青年におけるラブリズマブの第3相、非盲検試験からの暫定結果
PNH小児患者集団におけるラブリズマブの非盲検試験が実施例1に上述のラブリズマブに実質的に従って行われ、薬物動態(PK)、薬力学(PD)、安全性及び有効性が評価された。
A.試験デザイン
試験デザインを図1に示す。患者13名を登録し、12名がこの暫定的分析に含まれた。すべての患者が、ヘモフィルス・インフルエンザB型菌(Haemophilus influenzae)B型菌(Hib)及び肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対するワクチンを接種した。スクリーニングにて、エクリズマブが投与された患者については、LDH<1.5×ULN、エクリズマブを投与していない患者ではLDH≧1.5×ULNであった。患者は、顆粒球又は単球PNHクローンサイズ>5%を有した。
主要評価期間に中断した患者はいなかった。患者素因の概要を図2に示す。ベースライン患者のデモグラフィックスを図3に示し、ベースラインの疾患特性を図4に示す。
B.結果
PNHを有する小児患者において体重に基づくラブリズマブ投与に続いて、Cmax、Cトラフ、遊離C5、及びcRBC溶血活性が、2、10、18、及び26週にてラブリズマブの以前の薬理学研究と一致した。
治療未経験及びエクリズマブ治療経験のある患者に対する時間の経過によるラブリズマブ血清濃度及び平均血清濃度をそれぞれ、図5及び図6に示す。治験中に患者1名を除いて、すべてのCトラフ値は>175μg/mLであった。除外された治療未経験患者は、治験中に感染(SAE)、MAVE(SAE)を経験し、複数回の濃厚赤血球(pRBC)輸血を受け、2つのCトラフ値が175μg/mL未満となった。治療量以下の濃度にも関わらず、遊離C5コントロールは、主要評価期間を通してこの患者で維持された。
治療未経験患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に対する、時間の経過による遊離C5及びCRBCの結果を図7に示す。両方の患者群に対して時間の経過による平均cRBC及び平均遊離C5をそれぞれ、図8及び9に示す。すべての血清遊離C5値は<0.5μg/mLであった(つまり、完全終末補体阻害の閾値)。両方のコホートに関して、すべての時点で平均cRBC溶血活性は20%未満であった(つまり、溶血の完全阻害の閾値)。治療下で発現した抗薬物抗体(ADA)は確認されなかった。
有効性に関して、エンドポイントの記述統計から、治療未経験、及びエクリズマブで治療されたPNH小児患者においてラブリズマブの有効性が実証されている。どの患者も、ブレイクスルー溶血(BTH)を経験しなかった。全体的な有効性結果を図12に示す。この研究の目的のために、以下の定義を使用した。ベースラインからのLDH%変化(LDH-PCHG)は、ベースラインから183日目までのLDHの変化パーセンテージとして定義される。輸血回避(TA)は、輸血を用いない状態を維持し、及びプロトコル特異的なガイドラインに従って183日目まで輸血を必要としない患者の割合として定義される。慢性疾患治療(FACIT)は、ベースラインから183日目までの、慢性疾患治療(FACIT)疲労スケールの小児機能評価によって評価される生活の質(QoL)の変化として定義される。安定したヘモグロビン(HGB-S)を有する患者の割合が、輸血の非存在下でのベースラインから183日目までの、ヘモグロビンレベル2g/dL以上の減少の回避として定義される。ベースライン(遊離HGB-PCHG)からの遊離ヘモグロビン変化パーセンテージは、ベースラインから183日目までの遊離ヘモグロビンの変化パーセンテージとして定義される。ブレイクスルー溶血を有する患者の割合が、補体阻害剤治療に対して治療未経験でその治験に参加する患者に関して、治療で1.5×ULN未満にLDHを事前に低減された後に、高LDH≧2×正常上限;エクリズマブ治療で安定化されて試験に参加する患者に関して、高LDH≧2×ULN;の高いLDHの存在下にて、血管内溶血(疲労、血色素尿症、腹部痛、息切れ[呼吸困難]、貧血[ヘモグロビン<10g/dL]、主要な血管系有害事象[MAVE、血栓症を含む]、嚥下障害、又は勃起機能不全)の少なくとも1つの新たな若しくは悪化している症状又は徴候として定義される。
治療未経験患者及びエクリズマブ治療経験のある患者に対する、時間の経過によるベースライン小児FACIT疲労スコアからの平均変化及び平均FACIT疲労スコアをそれぞれ、図10及び11に示す。両方の患者群に対する時間の経過による平均(95%CI)%変化及び平均LDHをそれぞれ、図13及び14に示す。治療未経験患者に対するベースラインからのLDH%変化(平均(SD))は-42.09(58.992)であり、エクリズマブ治療経験のある患者については4.65(44.702)であった。
小児PNH患者におけるラブリズマブ投与は安全であり、及び忍容性が良好であった。重要な安全性ポイントの概要を図15に示す。治療下で発現した重篤な有害事象(TESAES)を図16にまとめる。最も高頻度の有害事象(AE)は腹部痛及び鼻咽頭炎であった(それぞれ患者2名)。主要評価期間中に、髄膜炎菌感染症、AEによる中断、又は死亡は確認されなかった。患者1名が主要な血管系有害事象(MAVE)を有した。
要するに、治療未経験及びエクリズマブ治療経験のある小児患者におけるラブリズマブの薬物動態(PK)/薬力学(PD)、有効性、及び安全性は、以前の研究結果と一致した(つまり、ALXN1210-PNH-301(臨床試験ID:NCT02946463)及びALXN1210-PNH-302(臨床試験ID:NCT03056040)治験)。
本明細書全体に示されるすべての最大限度が、そのような下限値が本明細書において明確に記載されているかのように、すべての下限値を含むことを理解されたい。本明細書全体に示されるすべての最低限度は、そのようなより高い限度が本明細書に明確に記載されているかのように、すべてのより高い限度を含む。本明細書全体に示されるすべての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲内にある、すべてのより狭い数値範囲を含む。
別段の指定がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本開示において使用される、方法及び材料は本明細書に記載され;当技術分野で公知の他の、適切な方法及び材料も使用することができる。材料、方法、及び実施例は、単に例証的なものであり、制限することを意図するものではない。本明細書に記載のすべての特許公開、特許出願、特許、配列、データーベースエントリー(例えば、PUBMED、NCBI、UNIPROT、臨床試験受入番号)、及び本明細書に記載の他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合には、定義を含めて本明細書が優先される。
本開示の特定の実施形態が例証及び説明されているが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更及び修飾を加えてもよいことは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示の範囲内にある、そのようなすべての変更及び修飾を、添付の特許請求の範囲において包含することが意図される。
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Claims (33)

  1. 発作性夜間血色素尿症(PNH)を有するヒト小児患者を治療する方法であって、それぞれ配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、並びにそれぞれ配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片を有効量で前記患者に投与することを含み、前記抗C5抗体又はその抗原結合性断片が:
    (a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;
    (b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、若しくは体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;又は15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される、方法。
  2. 発作性夜間血色素尿症(PNH)を有するヒト小児患者を治療する方法であって、それぞれ、配列番号19、18及び3に記載のCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、それぞれ、配列番号4、5及び6に記載のCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列、並びにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合するバリアントヒトFc定常領域を含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の有効量を患者に投与することを含み、前記バリアントヒトFc定常領域が、それぞれがEU番号付けで、天然ヒトIgG Fc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基にてMet429Leu及びAsn435Ser置換を含み、前記抗C5抗体又はその抗原結合性断片が、
    (a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;
    (b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、若しくは体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;又は15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される、方法。
  3. 前記抗C5抗体が、配列番号12に記載の重鎖可変領域及び配列番号8に記載の軽鎖可変領域を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記抗C5抗体がさらに、配列番号13に記載の重鎖定常領域を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記抗体が、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチドと、配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドと、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記抗C5抗体が、0.1nM≦K≦1nMの範囲にある親和性解離定数(K)で、pH7.4及び25℃にてヒトC5に結合する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記抗C5抗体が、K≧10nMで、pH6.0及び25℃にてヒトC5に結合する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記抗C5抗体が、体重5kg以上10kg未満の患者に:
    (a)1日目に1回、用量600mgで;及び
    (b)15日目及びその後4週毎に用量300mgで
    投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記抗C5抗体が、体重10kg以上20kg未満の患者に:
    (a)1日目に1回、用量600mgで;及び
    (b)15日目及びその後4週毎に用量600mgで
    投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記抗C5抗体が、体重20kg以上30kg未満の患者に:
    (a)1日目に1回、用量900mgで;及び
    (b)15日目及びその後8週毎に用量2100mgで
    投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記抗C5抗体が、体重30kg以上40kg未満の患者に:
    (a)1日目に1回、用量1200mgで;及び
    (b)15日目及びその後8週毎に用量2700mgで
    投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記抗C5抗体が、体重40kg以上60kg未満の患者に:
    (a)1日目に1回、用量2400mgで;及び
    (b)15日目及びその後8週毎に用量3000mgで
    投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記抗C5抗体が、体重60kg以上100kg未満の患者に:
    (a)1日目に1回、用量2700mgで;及び
    (b)15日目及びその後8週毎に用量3300mgで
    投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記抗C5抗体が、体重100kg以上の患者に:
    (a)1日目に1回、用量3000mgで;及び
    (b)15日目及びその後8週毎に用量3600mgで
    投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記治療によって、100μg/mL以上の前記抗C5抗体の血清トラフ濃度が維持される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記治療によって、200μg/mL以上の前記抗C5抗体の血清トラフ濃度が維持される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記抗C5抗体が、静脈内投与用に製剤化される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記治療が、合計26週の治療を含む投与サイクルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記治療の結果、終末補体阻害が生じる、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記治療の結果、ベースラインと比較して、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルによって評価される溶血の低減が起こる、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記治療によって、ベースラインと比較して、腹部痛、呼吸困難、嚥下障害、胸痛及び勃起機能不全の低減又は休止からなる群から選択される少なくとも1つの治療効果が生まれる、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記治療によって、遊離ヘモグロビン、ハプトグロビン、網状赤血球数、PNH赤血球(RBC)クローン及びDダイマーからなる群から選択される少なくとも1つの溶血関連血液学的バイオマーカーの正常レベルへのシフトが起こる、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記治療によって、ベースラインと比較して、輸血の必要性が低減される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記治療によって、主要な血管系有害事象(MAVE)が低減される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記治療によって、推定糸球体濾過量(eGFR)及びスポット尿:アルブミン:クレアチニン及び血漿中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の正常レベルへのシフトが起こる、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記治療によって、慢性疾患治療(FACIT)疲労スケールの機能評価、バージョン4及び欧州癌研究機関(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)、生活の質の質問票コア30スケールによって評価される生活の質の、ベースラインからの変化が起こる、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記治療の結果、患者における遊離C5濃度が低減するか、又は赤血球(RBC)溶血が低減し;特に、前記治療の結果、未治療患者と比較して、遊離C5濃度0.5μg/mL以下及び/又はRBC溶血20%以下となる、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記治療によって、前記患者における抗C5抗体又はその抗原結合性断片の血清トラフ濃度が、少なくとも175μg/mL以上に維持される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記治療の結果、(a)ベースラインからの乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)%変化(LDH-PCHG);(b)輸血回避(TA);(c)小児FACIT疲労(FACIT);(d)ヘモグロビン安定化(HGB-S);(e)ベースラインからの遊離ヘモグロビン%変化(遊離HGB-PCHG);及び(f)ブレイクスルー溶血(BTH)又はその組み合わせ;から選択される、少なくとも1つの臨床パラメーターが改善され;好ましくは、前記治療の結果、ブレイクスルー溶血(BTH)が低減される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記患者が、以前にエクリズマブで治療されており、前記治療の1日目が、エクリズマブの前記患者の最後の投与から2週間以上である、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. ヒト小児患者における発作性夜間血色素尿症(PNH)を治療するためのキットであって:
    (a)配列番号12に記載の配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、配列番号8に記載の配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインとを含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片の用量;並びに
    (b)請求項1又は2に記載の方法における前記抗C5抗体又はその抗原結合性断片を使用するための説明書
    を備える、キット。
  32. 配列番号12に記載の配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインと、配列番号8に記載の配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインとを含む、抗C5抗体又はその抗原結合性断片であって:
    (a)1日目に1回、体重5kg以上10kg未満の患者に用量600mgで、体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで、体重20kg以上30kg未満の患者に用量900mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量1200mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量2400mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量2700mgで、又は体重100kg以上の患者に3000mgで投与され;
    (b)15日目及びその後4週毎に、体重5kg以上10kg未満の患者に用量300mgで、若しくは体重10kg以上20kg未満の患者に用量600mgで;又は15日目及びその後8週毎に、体重20kg以上30kg未満の患者に用量2100mgで、体重30kg以上40kg未満の患者に用量2700mgで、体重40kg以上60kg未満の患者に用量3000mgで、体重60kg以上100kg未満の患者に用量3300mgで、又は体重100kg以上の患者に用量3600mgで投与される、抗C5抗体又はその抗原結合性断片。
  33. 前記抗体が、PNH小児患者における使用に関して、複数回の静脈内投与後に、安全、忍容性、効果的及び十分に非免疫原性であると決定される、請求項32に記載の抗体。
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